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haiku-0025
短夜や伏見の客の灯ともし頃
夏の夜は短く、伏見の宿場町で客たちが明かりを灯して酒宴を始めたと思ったら、もう夜が明けてしまうという情緒を詠んだ句。
haiku-0121
春の夜や誰を待つともなき障子
あたたかく朧げな春の夜、誰かが訪ねてくる予定があるわけでもないのに、なんとなく障子の向こうの外の気配が気になり、落ち着かない情緒。
haiku-0088
秋の夜や本を読む目に星の影
静かな秋の夜長に読書をしていると、ふと開いた本のページや自分の瞳の中に、窓から差し込む美しい星の光が映り込んでいるような繊細な夜。
haiku-0093
月高し我が家の影の小さきかな
秋の満月が真上の空高くへと上り詰めたため、地上にある我が家の落とす影が、極端に小さく真下に縮んでいるという天文学的な視点の句。
haiku-0021
花の雲鐘は上野か浅草か
あたり一面に桜が雲のように咲き誇るなか、遠くからゴーンと響く時の鐘は、上野の寛永寺か浅草の浅草寺かと問いかける句。
haiku-0058
一夏の終わりに近く鳴く蝉かな
夏の盛りがあっという間に過ぎ去り、秋が近づく気配のなか、心なしか寂しげな声で鳴いているツクツクボウシなどの蝉の声を惜しむ句。
haiku-0110
凧鳴りて一日の終わる日永かな
春の日は非常に長く、昼間から空高くでブーンと音を立てていた凧の鳴る声を聞いているうちに、ようやくゆっくりと夕暮れを迎えたというのどかな1日。
haiku-0101
ふらここや漕げば見えくる海の青
春の公園でブランコ(ふらここ)を勢いよく漕ぎ上げると、最高点に達したまさにその瞬間、目の前に美しい海の青さが飛び込んでくる爽快な句。
haiku-0096
湯豆腐の湯気の中にぞ母の顔
寒い冬の夜、家族で囲む湯豆腐の鍋から立ち上る真っ白な湯気の向こうに、優しく微笑む母親の顔が見える、家庭の幸福を詠んだ句。
haiku-0056
涼しさを我に分けるや松の風
夏のうだるような暑さのなか、松の木立を通り抜けて吹いてくる爽やかな風が、自分に極上の涼しさを分け与えてくれたという感謝の句。
haiku-0030
天の川激しき流れあるごとし
夜空に白く輝く天の川が、まるで本当の激流のように夜空をダイナミックに流れているように見えた、スケールの大きな句。
haiku-0048
雲霧の暫時晴るるや初桜
山を覆っていた深い霧や雲が、ほんの短い時間(暫時)すっと晴れた瞬間に、今年初めて咲いた初桜の美しい姿が目の前に現れた感動。
haiku-0022
万緑の中や吾子の歯生え初める
見渡す限りの夏の力強い緑のなかで、我が子に小さな白い歯が生え始めているのを見つけ、生命の輝きを感じた句。
haiku-0126
蛍火や水に映りて二つになる
一匹の蛍が川のすぐ上を低く飛んだとき、水面にもその美しい光がくっきりと映り込み、まるで二匹の蛍が並んで明滅しているかのように見えた一瞬。
haiku-0036
きりぎりす夜寒の床に鳴き出でぬ
夜の寒さが徐々に厳しくなってきた秋の夜、寝床のすぐ近くでキリギリスが細々と鳴き始め、いっそう寒さと寂しさが身に染みる句。
haiku-0107
おおかみに蛍が一つ高う飛ぶ
深い夜の山奥、狼が潜んでいるかもしれない不気味な暗闇のなかを、一匹の蛍だけが恐れることなく、悠々と高い空を光りながら飛んでいる幻想的な句。
haiku-0139
風鈴の鳴りて静かな夏座敷
誰もいない、畳がひんやりと涼しい夏の開放された和室(夏座敷)。軒下に吊るされた風鈴が、風を受けて「チリン」と一音鳴ることで、かえってその後の部屋の静けさが引き立つ句。
haiku-0029
夕立や草葉を掴むむら雀
突然の激しい夕立に見舞われ、群がっていたスズメたちが慌てて草の葉にしがみついて雨をしのいでいる愛らしい日常の一コマ。
haiku-0128
火鉢抱く老いし我が身の愛しさよ
冬の厳しい寒さのなか、小さな火鉢を両手で愛おしそうに抱え込んで暖をとっている自分自身の、老いて衰えた姿をどこか客観的に、愛着を持って見つめた句。
haiku-0049
うつくしき凧あがりけり乞食の小屋のうへ
お正月の青空に美しく色鮮やかな凧が高々と上がっているが、その真下には貧しい小屋があり、世の中の格差と対比を描いた一茶の鋭い視点。
haiku-0001
菜の花や月は東に日は西に
一面の菜の花畑のなか、東から月が上り西に陽が沈むという、壮大で色彩豊かな春の夕暮れを描いた句。
haiku-0031
新涼や水の底なる白き石
秋の初めの心地よい涼しさが感じられる頃、澄み切った川の水の底にある白い石が、いっそう清らかに透き通って見える様子。
haiku-0038
赤とんぼ筑波に雲もなかりけり
筑波山の背景に広がるどこまでも青く雲一つない秋空を、真っ赤な赤トンボが群れをなして飛んでいる美しいコントラスト。
haiku-0013
いくたびも雪の深さを尋ねけり
病床から起き上がれない子規が、外に降る雪がどれほど積もったか看病人に何度も尋ねる、もどかしくも美しい句。
haiku-0033
名月をとってくれろと泣く子かな
夜空に浮かぶ丸く美しい中秋の名月を見て、幼い子供が「あの綺麗な月を取って!」と無邪気に泣きついている微笑ましい句。
haiku-0011
朝顔に釣瓶とられてもらい水
朝、井戸の釣瓶に朝顔のツルが巻き付いていたため、切るのを避けて近所から水を分けてもらった優しい句。
haiku-0124
雪晴れて雀の遊ぶ庭の隅
何日も降り続いていた大雪がようやく止み、心地よい冬の太陽が顔を出した朝、庭の隅のわずかに雪が溶けた場所で、雀たちが嬉しそうに群れて遊んでいる光景。
haiku-0115
秋の暮れ道行く人の背の小ささ
物寂しい秋の夕暮れ時、遠くの道を歩いて去っていく人の後ろ姿を眺めていると、その背中がどこか小さく、孤独に満ちているように感じられる寂寥の句。
haiku-0130
蝉の鳴く木陰に座る旅人かな
夏のうだるような強い日差しのなか、大音量で蝉が鳴きしきる大きな木の木陰を見つけ、荷物を下ろして汗を拭いながら一休みしている旅人の一コマ。
haiku-0129
春の川きらきらと行く小魚かな
雪解け水が混ざるあたたかな春の小川を、生まれたばかりの小さな魚たちが、太陽の光を浴びて体をきらきらと輝かせながら、群れをなして泳いでいく瑞々しい光景。
haiku-0113
行く春や重たき雲の低き国
春が終わりを告げようとする時期、どんよりとした重い雨雲が低く垂れ込めている地方の山河を眺め、季節が移ろう寂しさを表現した句。
haiku-0116
初霜や泥の上の乾き初める
冬の最初の霜が降りた朝、昨日までぬかるんでいた道の泥が白く凍りつき、太陽が昇るにつれて、そこからカサカサと乾き始めている冬の明朝の写生。
haiku-0078
花散るや耳を澄ませば水の声
桜の花びらがハラハラと美しく散っていくなか、ふと耳を澄ますと、近くを流れる小川のせせらぎの音がとても清らかに聞こえてくる様子。
haiku-0098
水鳥の脚の動きの静けさよ
冬の冷たい池の不凍水面を優雅に滑るように進む水鳥をじっと見ると、水面下の脚はとても静かに、しかし確実に行き来しているという観察の句。
haiku-0070
火恋し心の奥の寂しさに
冬の寒さのなかで暖炉や火鉢の火が恋しくなるのと同時に、自分の心の奥底にある拭いきれない寂しさを温めたいと願う漱石の繊細な句。
haiku-0052
行く春やいづこも同じ水の濁り
春が終わりを告げて夏になろうとする季節、どこの川や池を見ても、等しく少し暖かく濁りを帯びているという季節の移り変わり。
haiku-0061
新豆腐白きを愛す器かな
秋に収穫されたばかりの新しい大豆で作った「新豆腐」を、その純白さをいっそう引き立てる美しい器に盛って、視覚と味覚で楽しむ句。
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大風の吹いて行く夜の寒さかな
激しい大風がゴーゴーと家を揺らして吹き抜けていく冬の夜、風が通るたびに部屋の寒さが一段と厳しさを増していく、寒冷な夜のリアルな体感。
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凍てつく夜星の瞬き鋭きかな
空気さえも凍りつくかのような極寒の冬の夜空、見上げる星たちの光が、まるで針で刺すかのようにチカチカと鋭く瞬いている冷徹な美。
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やれ打つな蠅が手をすり足をする
うるさい蠅を叩こうとしたが、まるで命乞いをするように手足を擦り合わせる姿に同情して手を止めた句。
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永き日の水に映りし雲の影
いつまでも太陽が沈まないのどかな春の長い1日。静まり返った大きな湖の水面に、空をゆっくりと流れる白い雲の輪郭が、鏡のようにくっきりと美しく映り込んでいる様子。
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冬ごもり本を積むこと山のごとし
冬の厳しい寒さを避けて家の中に閉じこもる(冬籠)にあたり、退屈しないよう読みたい本を机の周りに山のように積み上げている読書家の冬。
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案山子立つ誰も来ぬ野の主かな
実りの秋を迎えた田畑にぽつんと立っている案山子(かかし)が、誰も人がやって来ない広大な野原をたった一人で守る主のように見える句。
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古池や蛙飛びこむ水の音
静寂に包まれた池に蛙が飛び込む音で、かえって周囲の静けさが際立つという芭蕉の最も有名な句。
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薫風や青葉を渡る水の音
初夏の若葉の香りを乗せて吹く爽やかな風(薫風)のなか、瑞々しい青葉の間をさらさらと流れていく清涼な水の音。
haiku-0112
赤い椿白い椿と落ちにけり
一本の木から、あるいは隣り合う木から、真っ赤な椿の花と真っ白な椿の花が、それぞれ時間を置いて地面へポトリ、ポトリと落ちた静寂の描写。
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痩せ蛙まけるな一茶これにあり
体の小さな痩せた蛙が必死に戦っているのを見て、負けるなと自分を重ね合わせるように応援している句。
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虫の声どこからともなく響きけり
秋の夜、庭の草むらや床下のどこからともなく、様々な秋の虫たちが美しい声を競い合うように大合唱している日常の風情。
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煤払いや誰も同じく黒き顔
年末の大掃除(煤払い)を終えた人々が、身分に関係なくみんな一様に顔を黒く汚して「お疲れ様」と笑い合っている、庶民の温かい暮らし。
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我と来て遊べや親のない雀
幼くして母を亡くした一茶が、同じように親を持たない子雀に優しく呼びかけている慈愛の句。
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鰯雲空いっぱいに広がりぬ
見上げる秋の高く澄んだ青空全体に、まるで鰯の鱗のように細かな白い雲(鰯雲)が、規則正しく美しく広がっているスケールの大きな写生句。
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五月雨や色様々な傘の波
梅雨の長雨(五月雨)が降る都会の街角、人々が差している色とりどりの傘が、まるで波のように通りを埋め尽くしているモダンな風景。
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桐一葉日当たりながら落ちにけり
桐の大きな葉が一枚、秋の静かな日差しを浴びてきらめきながら、ひらひらと地面へ落ちていく、秋の訪れを告げる象徴的な一瞬。
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夏山や通ひ慣れたる雲の道
青々とそびえ立つ夏の雄大な山の峰々に、いつものように白い湧き雲が通り道を作るかのように、悠々と流れていくダイナミックな山岳風景。
haiku-0069
霜降るや夜半の衣の冷たさに
深夜、外には冷酷な霜が降りているのだろう、寝床の中で身にまとっている衣服がじんわりと冷たく感じられ、冬の厳しさを肌で知る句。
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春立つや静かに動く海の波
暦の上で春を迎えた(立春)その日、劇的な変化はないものの、どことなく海の波の動きが穏やかで優しく変わったように思える瞬間。
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五月雨を集めて早し最上川
梅雨の雨をすべて集めたかのように、激しくそして猛烈なスピードで流れる最上川の躍動感を描いた句。
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寒椿赤きを落とす雪の上
しんしんと降り積もった真っ白な雪の上に、鮮やかな真っ赤な寒椿の花が、そのままの形でポトリと落ちている極上の色彩対比。
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郭公啼くや雲間の青嵐
夏の爽やかな強い風(青嵐)が吹き抜けて雲が切れた青空に、カッコウの鳴き声が高らかに響き渡る爽快な景色。
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うとうとと寝てみ直すや春の月
春の夜、うたた寝からふと目を覚ましたときに、窓の外に見える朧月を改めてしみじみと眺める心地よさを詠んだ句。
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荒海や佐渡によこたふ天河
日本海の激しい荒波の向こうに佐渡島があり、その上空に壮大な天の川が美しく横たわっている夜の情景。
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川上より桃の流るる夏の日や
夏の暑い日、川の上のほうから大きな桃がぷかぷかと流れてくるのを見つけ、まるで昔話の世界に迷い込んだかのような涼を呼ぶ一瞬。
haiku-0071
冬川の水に洗わる石の肌
冷たく澄み切った冬の川の流れのなかで、絶え間なく水に洗われ、冷たく固く引き締まった石の表面の質感を克明に捉えた写生句。
haiku-0100
凍て鶴の片脚で立つ気高さよ
寒風吹きすさぶ冬の湿原で、厳しい寒さに耐えながら一本の脚でじっと立ち続けている鶴の、神聖で気高いシルエットを捉えた句。
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雀の子そこのけそこのけお馬が通る
道端にいる小さな雀の子に向かって、危ないからそこを退きなさい、お馬が通るよと優しく語りかける句。
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初嵐竹の葉の鳴る夜更けかな
秋の最初に吹く激しい強い風(初嵐)によって、庭の竹藪の葉同士がザワザワと激しく擦れ合っている、どこか不穏で涼しい夜更け。
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東風吹かばにほひおこせよ梅の花
都を離れ太宰府へ左遷される道真が、春の東風が吹いたらその香りをここまで届けておくれと庭の梅に告げた句。
haiku-0004
目には青葉山ほととぎす初鰹
江戸の人々が好んだ初夏の瑞々しい青葉、風流なホトトギスの声、そして大好物の初鰹を並べた粋な句。
haiku-0111
五月雨に池の水増す静けさよ
梅雨の雨(五月雨)がしとしとと静かに降り続く中、物音ひとつ立てずに、池の水位がじんわりと上がっていく様子に、自然の静かな営みを感じた句。
haiku-0102
一つ脱いで後ろに負いぬ衣替え
初夏の衣替えの季節、旅の途中で暑くなったため、着ていた着物を一枚脱いで荷物と一緒に背中に背負って歩き続ける、旅情溢れる軽快な句。
haiku-0044
海に出て木枯らし帰るところなし
陸地を激しく吹き抜けた木枯らしが、そのまま広大な海へと吹き去っていくが、風には戻る場所などどこにもないという絶対的な孤独。
haiku-0079
草枕夢も現も春の風
旅先で草を枕に眠るなか、夢を見ているのか現実なのかも分からなくなるほど、心地よい春の風が全身を優しく包み込んでいる心地よさ。
haiku-0119
名月や畳の上に置く手影
中秋の名月の光が部屋の奥までくっきりと差し込んでおり、畳の上に自分の手を置いてみると、その形がまるで墨で描いたかのように黒く鮮明に映し出された夜。
haiku-0135
水鉄砲打たれて笑う親父かな
子供たちが無邪気に遊んでいる水鉄砲の的になってしまい、冷たい水をまともに浴びてしまったものの、怒るどころか一緒になって破顔して笑っている近所のおじさんの温かい光景。
haiku-0120
寒月や一人の歩む影の長さ
冬の冷たく澄んだ月が凍てつく夜道を照らすなか、ただ一人で歩いていると、地面に伸びた自分の黒い影があまりにも長く、孤独が際立つ様子。
haiku-0141
雪だるま誰も来ぬ夜に溶けにけり
昼間に子供たちが楽しそうに作った庭の雪だるまが、夜になって少し気温が上がったのか、夜中に誰にも見られることなく、ひっそりと崩れて溶けていってしまった切ない句。
haiku-0035
月月に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月
毎月月を見る機会はたくさんあるけれど、本当の意味で満月(名月)を鑑賞する月といえば、この8月(旧暦)の月をおいて他にないという言葉遊びの句。
haiku-0103
大仏の冬籠りなる尊さよ
奈良の大仏が、冬の冷たく静寂な堂内でじっと座っておられる姿を、人間と同じように「冬籠り(ひねもす籠る)」をされていると見立てて、その神聖さを称えた句。
haiku-0086
夕顔の白きを開く夕暮れかな
夏の夕暮れ時、昼間の暑さが和らぐのと呼応するように、庭先で夕顔の白い花がひっそりと美しく花開いていく静かな瞬間。
haiku-0076
永き日やあくび噛み殺す役人の顔
春の日は退屈なほどに長く(日永)、役所の窓口に座っている役人が、暇を持て余して必死にあくびを堪えている様子を皮肉っぽく描いた句。
haiku-0051
陽炎や名も知らぬ虫の這い出づる
春の地面から立ち上るゆらゆらとした陽炎のなか、冬眠から目覚めたばかりの、名前も分からない小さな虫がのそのそと這い出してきた様子。
haiku-0091
新米の白きを量る母の手や
秋に収穫されたばかりのピカピカの新米を、家族のために嬉しそうに、丁寧に一合ずつ量っている母親の優しい手元を描いた温かい句。
haiku-0045
咳をしても一人
風邪をひいて部屋の中でゴホゴホと咳をしてみても、誰も心配してくれる人はおらず、自分しかいないという強烈な孤独を詠んだ自由律俳句。
haiku-0060
稲妻や闇の底なる街の形
秋の夜、激しい稲妻がピカッと光ったまさにその一瞬、普段は闇に隠れている地上の街並みのシルエットが鮮明に浮かび上がった光景。
haiku-0006
閑さや岩にしみ入る蝉の声
山寺の張り詰めたような静けさのなか、蝉の鳴き声だけが周囲の岩に染み込んでいくように感じる句。
haiku-0034
秋深き隣は何をする人ぞ
晩秋の物寂しい夕暮れ、ひっそりとした自室にいると、ふと隣の部屋の住人はどんな人で行いをしているのだろうと孤独感が募る句。
haiku-0134
おぼろ月夜水の底にも光あり
春の夜独特の、柔らかく霞んだ朧月(おぼろづき)が空に浮かんでいる。その淡い光が静かな池の水面を通り抜け、まるで水の底まで優しく照らしているかのような幻想空間。
haiku-0014
旅に病んで夢は枯野をかけめぐる
旅の途中で病に倒れた芭蕉が、死を目前にしながらもなお自分の俳諧への情熱(夢)は枯野を駆け巡るという辞世の句。
haiku-0012
行く春や鳥鳴き魚の目は涙
『おくのほそ道』への旅立ちの際、過ぎ去る春と人々との別れを惜しみ、自然さえも涙しているとした句。
haiku-0136
新栗の転がり出たる夜の闇
秋に収穫したばかりのイガから外れたばかりのツヤツヤとした新しい栗が、机の上から床へとコロンと転がり落ちて、部屋の隅の暗闇に消えていった、秋の夜の小さな音と動き。
haiku-0059
白牡丹というといえども黄の芯あり
真っ白で純真な白牡丹の花であるが、その花びらをじっとかき分けて奥を覗くと、鮮やかな黄色の芯が隠れているという写生的な美。
haiku-0050
日の光今やたわわに梅の花
初春のあたたかな太陽の光をいっぱいに浴びて、梅の枝にたくさんの花がたわわに、こぼれんばかりに咲き誇っているエネルギー溢れる句。
haiku-0062
蓑虫の音を聞きにこよ草の庵
実際には鳴かない蓑虫が「ちちよ、ちちよ」と鳴くという風流な伝説を交え、私のわびしい庵にその静かな声を一緒に聞きに来ませんかという誘いの句。
haiku-0003
春の海ひねもすのたりのたりかな
春の海が一日中(ひねもす)、のんびりと穏やかに波を打っているのどかな情景を表現した句。
haiku-0026
牡丹散って心にひびく重さかな
大輪で華やかな牡丹の花が地面にポトリと崩れ落ちたとき、その視覚的な衝撃が心に重く響いたという、花の散り際の美を捉えた句。
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青蛙おのれもペンキ塗りたてか
初夏に見かけたニホンアマガエルの体が、あまりにも鮮やかでツヤツヤとした緑色をしていたため、「お前もどこかでペンキを塗られたばかりなのか」とユーモラスに問いかけた句。
haiku-0041
寒月や門なき寺の通り抜け
冬の冷たく冴え渡る月が照らす夜、門のない開放された古い寺の境内を、寒さに身を縮めながら近道として通り抜けていく情景。
haiku-0005
夏草や兵どもが夢の跡
かつて栄華を誇り戦った武士たちの戦跡が、今はただ夏草の生い茂る野原になっているという儚さを詠んだ句。
haiku-0140
秋雨や軒の雫の絶え間なく
一日中しとしとと静かに降り続く秋の雨。屋根の軒先から地面へと滴り落ちる雨水の雫が、トツン、トツンと絶え間なくリズムを刻み、孤独な心をいっそう物悲しくさせる情景。
haiku-0105
正月や冥土の旅の一里塚
めでたいはずのお正月を迎えるということは、それだけ自分が死(冥土)に向かって一歩近づいたということでもあるという、人生の真理を突いた深い戒めの句。
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HaikuExplanationBitextMining

Monolingual Japanese bitext mining for PoetryMTEB: each pair aligns a haiku with its contextual explanation from shigr3/haiku.

Config Direction Description
jpn-jpn Japanese ↔ Japanese source_text = haiku; target_text = explanation

Dataset Card

Item Description
Source shigr3/haiku
Languages Japanese (ja), monolingual parallel pairs
Size train=113; test=29
Pair type Haiku ↔ curated explanation (same language)
Splits Same poem-level stratified split as HaikuSeasonClassification (by season ≈ 80%/20%, seed=42)
License CC BY 4.0 (same as upstream; attribute shigr3)
Evaluation metrics MTEB Bitext Mining: F1 / precision / recall of nearest-neighbor retrieval

Features

Field Type Description
id string Example id (aligned with season classification ids)
source_text string Haiku
target_text string Explanation

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Dataset: Famous Japanese Haiku Dataset — author shigr3https://huggingface.co/datasets/shigr3/haiku

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