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OMC215 (お茶ゼミ√+杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/tasks/9284
A
OMC215(A)
100
387
412
[ { "content": "$$\\frac{a^2-1001a+1001^2}{b^2-1001b+1001^2}\\leq\\frac{\\max\\lbrace a^2-1001a+1001^2\\rbrace}{\\min\\lbrace b^2-1001b+1001^2\\rbrace}$$\r\nであり,等号が成立するのは $a=1,1000$ かつ $b=500,501$ のときであるので解答すべき値は\r\n$$(1+500)+(1+501)+(1000+500)+(1000+501)=\\mathbf{4004}.$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/9284" } ]
  $1\leq a\leq 1000, ~ 1\leq b\leq 1000$ なる整数 $a,b$ について, $$\frac{a^2-1001a+1001^2}{b^2-1001b+1001^2}$$ がありうる最大の値をとるとき,$a+b$ としてありうる値の総和を求めてください.
OMC215 (お茶ゼミ√+杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/tasks/9826
B
OMC215(B)
100
309
398
[ { "content": " 次の図のようにマス目を分割する.\\\r\n![figure 1](\\/images\\/t1lfq5x34JWQ3THfWVCZuPRNV0yBhrJJoJvpTEeb)\r\n 各 $A$ の $3$ マスに全て旗を置くことは不可能なので旗は高々 $2$ 本である.したがって,全体で旗の数は高々 $1+3333\\cdot 2=6667$ であり,下のように旗を配置すれば実際に $6667$ 本旗を置くことが可能である.\r\n![figure 1](\\/images\\/gGjPkkpbod2jQ3AXugqUKgWTtKKeEn483U1rJnwv)\r\n\r\n以上より置かれた旗の数の最大値は $\\mathbf{6667}$ .", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/9826" } ]
  $100\times 100$ のマス目があります.$N$ 個のマスを選んで旗を各マスに $1$ 本ずつ置くと,次が成立しました: - 左右または上下に連続して隣り合う任意の $3$ マスについて,そのうち少なくとも $1$ マスには旗が置かれていない.  $N$ としてありうる最大値を求めてください.
OMC215 (お茶ゼミ√+杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/tasks/9285
C
OMC215(C)
200
381
405
[ { "content": "  $10^5=2^5\\cdot5^5$ の約数は $2^a\\cdot5^b (a,b\\in\\lbrace 0,1,2,3,4,5\\rbrace)$ とおける.\\\r\n$$2^a\\cdot5^b\\equiv(-1)^{a+b}\\mod3$$\r\nなので約数 $2^a\\cdot5^b$ が $3$ で割った余りが $1$ であることは $a,b$ の偶奇が一致することと同値である.よって求める総和は\r\n$$(2^0+2^2+2^4)(5^0+5^2+5^4)+(2^1+2^3+2^5)(5^1+5^3+5^5)=\\mathbf{150381}.$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/9285" } ]
  $10^5$ の正の約数であって $3$ で割った余りが $1$ であるものの総和を求めてください.
OMC215 (お茶ゼミ√+杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/tasks/10790
D
OMC215(D)
200
266
305
[ { "content": " 辺 $BC$ 上の点 $P$ であって,線分 $XP$ が台形 $ABCD$ の面積を $2$ 等分するものを考える.具体的には $BP=1999$ を満たす点である.\\\r\n 三角形 $XYZ,XPZ$ は面積が等しいので $XZ\\parallel YP$ が成り立つ.したがって直線 $XY$ と辺 $BC$ の交点を $Q$ とすれば $PQ:PZ=YQ:YX=YC:YA=3:1$ である.ここで $CQ=3AX=9$ より $BQ=2995$ なので,$BP=1999$ と合わせて,$PQ=996$ がわかる.以上より $PZ=332$ であり,$BZ=BP-PZ=\\bf1667$ が導かれる.\r\n----\r\n\r\n**別解.** \\\r\n $Y$ を通り $AD(BC)$ に平行な直線と $AB,CD$ の交点をそれぞれ $P,Q$ とする.$AY:YC=1:3$ より, $PY=751,YQ=750$ が得られる.また,台形 $APYX,DQYX,PBZY,QCZY$ の高さはそれぞれ $h,h,3h,3h$ と表される.したがって $|APYX|+|PBZY|=|DQYX|+|QCZY|$ より,次の式を得る.\r\n$$\\frac{h}{2}(3+751)+\\frac{3h}{2}(751+BZ)=\\frac{h}{2}(997+750)+\\frac{3h}{2}(750+(3004-BZ))$$\r\nこれを解くことで $BZ=\\bf1667$ を得る.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/10790" } ]
 $AD\parallel BC$ なる台形 $ABCD$ があります.辺 $AD$ 上に点 $X$ を,線分 $AC$ 上に点 $Y$ を,辺 $BC$ 上に点 $Z$ をとると,次が成立しました: $$\begin{aligned} AB=1001, \quad BC=3004, \quad CD=2001, \\\\ AX=3, \quad XD=997, \quad AY:YC=1:3 \end{aligned}$$ 折れ線 $XYZ$(=線分 $XY$ と線分 $YZ$ をつなげたもの)が台形 $ABCD$ の面積を $2$ 等分するとき,線分 $BZ$ の長さを求めてください.
OMC215 (お茶ゼミ√+杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/tasks/9288
E
OMC215(E)
300
275
339
[ { "content": "  $999=p, ~ 1001=q$ とし,$S=f(1)+f(2)+\\cdots+f(pq)$ とする.\\\r\n 良い数 $a$ であって $1\\leq a\\leq pq$ を満たすもの全体の集合を $A$ とする.$p,q$ は互いに素なので $|A|=p+q-1$ である.\\\r\n ここで $a\\in A$ に対して,$n$ 以下の良い数として $a$ が存在するような $1\\leq n\\leq pq$ は $pq+1-a$ だけある.\\\r\n すなわち $a\\in A$ は $pq+1-a$ だけ $S$ に寄与するので,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nS&=\\sum_{a\\in A}(pq+1-a)\\\\\\\\\r\n &=(pq+1)|A|-\\sum_{a\\in A}a\\\\\\\\\r\n &=(pq+1)(p+q-1)-(\\sum_{k=1}^{q}pk+\\sum_{k=1}^{p}qk-pq)\\\\\\\\\r\n &=\\(pq+1)(p+q-1)-\\frac{pq}{2}(p+q)\\\\\\\\\r\n &=1000000\\cdot 1999-999999\\cdot 1000\\\\\\\\\r\n &=\\bf 999001000\r\n\\end{aligned}$$\r\n----\r\n\r\n**別解.** \\\r\n $999=p, ~ 1001=q$とする.$p,q$は互いに素なので次が成り立つ.\r\n$$f(n)=\r\n\\begin{cases}\r\n\\bigg\\lfloor\\dfrac{n}{p}\\bigg\\rfloor+\\bigg\\lfloor\\dfrac{n}{q}\\bigg\\rfloor &(n=1,2,...,pq-1)\\\\\\\\\r\np+q-1&(n=pq)\r\n\\end{cases}$$\r\nよって求めたい値 $S$ は\r\n$$\\begin{aligned}\r\nS&=\\sum_{n=1}^{pq}f(n)\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{n=0}^{pq-1}\\bigg(\\bigg\\lfloor\\dfrac{n}{p}\\bigg\\rfloor+\\bigg\\lfloor\\dfrac{n}{q}\\bigg\\rfloor\\bigg)+p+q-1\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{a=0}^{q-1}\\sum_{b=0}^{p-1}\\bigg(\\bigg\\lfloor\\dfrac{ap+b}{p}\\bigg\\rfloor+\\bigg\\lfloor\\dfrac{a+bq}{q}\\bigg\\rfloor\\bigg)+p+q-1\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{a=0}^{q-1}\\sum_{b=0}^{p-1}(a+b)+p+q-1\\\\\\\\\r\n&=\\frac{1}{2}pq(p-1)+\\frac{1}{2}pq(q-1)+p+q-1\\\\\\\\\r\n&=\\frac{1}{2}(pq+2)(p+q-2)+1\\\\\\\\\r\n&=\\frac{1}{2}\\cdot 1000001\\cdot1998+1\\\\\\\\\r\n&=\\bf999001000\r\n\\end{aligned}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/9288" } ]
 $999$ または $1001$ の少なくとも一方で割りきれる正整数を**良い数**と呼びます.正整数 $n$ について,$n$ 以下の良い数の個数を $f(n)$ としたとき,次の値を求めてください: $$f(1)+f(2)+\cdots+f(999999)$$
OMC215 (お茶ゼミ√+杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/tasks/11246
F
OMC215(F)
300
79
135
[ { "content": " 次の角度の評価により $\\angle ABD\\gt \\angle CAD$ なので,三角形 $ABE$ の外接円と辺 $AD$ は $A$ でない点で再び交わることがわかる.\r\n$$\\angle ABD=180^\\circ-\\angle ACD=\\angle CAD+\\angle ADC\\gt \\angle CAD$$\r\nこの交点を $F$ とすると\r\n$$\\angle AFE=180^\\circ-\\angle ABD=\\angle DCE$$\r\nより,$F$ は三角形 $CDE$ の外接円上にもある.したがって方べきの定理より次が成り立つ.\r\n$$AF\\cdot AD=61\\cdot 82=5002, \\quad DF\\cdot AD=51\\cdot 98=4998.$$\r\nしたがって $AD^2=AF\\cdot AD+DF\\cdot AD=10000$ より,$AD=\\bf100$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/11246" }, { "content": "$\\angle AEB= \\angle DEC$ なので直線 $CE$ 上に三角形 $ABE$ と三角形 $DFE$ が相似であるような点 $F$ が取れる.\\\r\n三角形 $DCF$ が二等辺三角形になることに注意すれば,点 $D$ から直線 $EF$ に垂線を下ろすことで $\\cos \\angle DEC$ が求まる.\\\r\nあとは三角形 $AED$ に余弦定理を適用すれば $AD$ を求めることができる.", "text": "三角形を移動,縮小する解法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/11246/446" } ]
$$\angle ABD+\angle ACD=180^\circ$$ なる凸四角形 $ABCD$ があり,その $2$ 本の対角線の交点を $E$ とすると, $$AE=61, \quad BE=47, \quad CE=21, \quad DE=51$$ が成り立ちました.辺 $AD$ の長さを求めてください.
OMC215 (お茶ゼミ√+杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/tasks/9287
G
OMC215(G)
300
61
138
[ { "content": " 問題文の条件を満たす組 $(a_1,...,a_{20})=A$ を**良い組**と呼ぶ.\\\r\n 良い組に対して $a_p=20$ なる $1\\leq p\\leq 20$ を取り,問題文の不等式において $j=p$ とすれば\r\n$$20a_i=a_ia_p\\leq ip+20\\leq20(i+1)$$\r\nとなるので全ての整数 $1\\leq i\\leq20$ に対して $a_i\\leq i+1$ が必要である.\\\r\n $a_i=i+1$ であるとき与えられた不等式より,$(i+1)^2\\leq i^2+20$ なので $i=1,2,...,9$ が必要である.\\\r\n 以上より次の条件が $A$ が良い組であるための必要条件である.この条件を満たす $A$ が良い組であることは容易に確かめられる.\\\r\n$$a_i\\leq\r\n\\begin{cases}\r\ni+1& (i=1,2,...,9)\\\\\\\\\r\ni & (i=10,11,...,20)\r\n\\end{cases}$$\r\n よってこの条件を満たす $(a_1,a_2,...,a_{20})$ の組の数を求めれば良い.$a_1$ から順次定めていくと $a_9$ まではそれぞれ $2$ 通りずつ,$a_{10}$ から $a_{20}$ までは $1$ 通りずつあるので,求める順列の数は $2^9=\\mathbf{512}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/9287" } ]
 $1,2,\ldots,20$ の並べ替え $a_1,a_2,\ldots,a_{20}$ であって,$1$ 以上 $20$ 以下の任意の整数 $i,j$ に対して $a_ia_j\leq ij+20$ が成立するようなものはいくつありますか?
OMC215 (お茶ゼミ√+杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215
https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/tasks/10031
H
OMC215(H)
400
14
41
[ { "content": "  $a_1=2,a_2=40$ である.以下,$n\\geq 3$ とする.\\\r\n正 $3n$ 角形の頂点を時計回りに $A_1,...,A_n,B_1,...,B_n,C_1,...,C_n$ とする.以下,問題文の条件を満たす写像 $f$ を**良い写像**と呼ぶ.良い写像は単射である.ある $1\\leq i \\leq n$ が存在して $\\\\{f(A_i),f(B_i),f(C_i)\\\\}=\\\\{A_n,B_n,C_n\\\\}$ が成り立つので,$i$ が $n$ と等しいかによって場合分けをする.\r\n\r\n- $i=n$ のとき\\\r\n $( f(A_n),f(B_n),f(C_n) )$ は $(B_n,C_n,A_n),(C_n,A_n,B_n)$ の $2$ 通りである.残り $3(n-1)$ 個の頂点を考えて,良い写像は $2a_{n-1}$ 個ある.\r\n\r\n- $1\\leq i \\leq n-1$ のとき\\\r\n$f^2=f\\circ f$ とする.\\\r\n $(f^2(A_i),f^2(B_i),f^2(C_i))=(A_i,B_i,C_i),(A_i,C_i,B_i),(C_i,B_i,A_i),(B_i,A_i,C_i)$ ならば残り $3(n-2)$ 個の頂点を考えればよいのでこのような良い写像は $24(n-1)a_{n-2}$ 個ある.\\\r\n そうでなければ,この写像 $f$ から,正 $3(n-1)$ 角形に対する良い写像 $f^\\prime$ を次のように構成することで,正 $3(n-1)$ 角形に対する良い写像との一対一対応が得られる.\r\n$$(f^\\prime(A_k),f^\\prime(B_k),f^\\prime(C_k))=\r\n\\begin{cases}\r\n(f(A_k),f(B_k),f(C_k))&(k\\neq i)\\\\\\\\\r\n(f^2(A_k),f^2(B_k),f^2(C_k))&(k=i)\r\n\\end{cases}$$\r\nしたがってこのような良い写像は $6(n-1)a_{n-1}$ 個ある.\r\n\r\n以上より次の漸化式を得る.\r\n$$a_n=2a_{n-1}+24(n-1)a_{n-2}+6(n-1)a_{n-1}$$\r\nこれを変形して次の式を得る.\r\n$$a_n-6na_{n-1}=-4(a_{n-1}-6(n-1)a_{n-2})$$\r\nこれと $a_1=2,a_2=40$ より,数列 $\\lbrace a_{n+1}-6(n+1)a_{n}\\rbrace$ は初項 $16$,公比 $-4$ の等比数列である.\r\nよって $a_{n+1}-6(n+1)a_{n}=(-4)^{n+1}$ なので次の計算が可能である.\r\n$$\\begin{aligned}\r\na_{100000}-\\sum_{n=1}^{99999}(6n+5)a_n&=a_{100000}-\\sum_{n=1}^{99999}(a_{n+1}-a_n-(-4)^{n+1})\\\\\\\\\r\n&=a_1+\\sum_{n=1}^{99999}(-4)^{n+1}\\\\\\\\\r\n&=2+\\frac{1}{5}(16+4^{100001})\\\\\\\\\r\n&\\equiv 2+\\frac{1}{5}(16+\\frac{1}{4})\\pmod{100003}\\\\\\\\\r\n&\\equiv \\frac{21}{4}\\pmod{100003}\\\\\\\\\r\n&\\equiv \\mathbf{25006}\\pmod{100003}\r\n\\end{aligned}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/10031" }, { "content": "$\\\\{1,2,\\cdots,n\\\\}$ の置換 $\\sigma$ に対してその固定点の個数を $F(\\sigma)$ とすると\r\n$$a_n=\\sum_{\\sigma}2^{F(\\sigma)}6^{n-F(\\sigma)}$$\r\nが成り立つ($n$個の正三角形がどのように入れ替わるかを指定したあと,それぞれの頂点がどのように入れ替わるかを指定することを考えればわかる).$|F(\\sigma)|=0$ となる置換の総数(モンモール数)を $M_n$ とすると,$|F(\\sigma)|=k$ となる置換の総数は $\\binom{n}{k}M_{n-k}$ なので\r\n$$a_n=\\sum_{k=0}^n\\binom{n}{k}M_{n-k}2^k6^{n-k}$$\r\nとなる.よって$a_n$の指数型母関数は\r\n$$\\sum_{n=0}^\\infty\\dfrac{a_n}{n!}x^n=\\biggl(\\sum_{i=0}^\\infty\\dfrac{2^i}{i!}x^i\\biggr)\\biggl(\\sum_{j=0}^\\infty\\dfrac{M_j6^j}{j!}x^j\\biggr)=e^{2x}\\cdot \\dfrac{e^{-6x}}{1-6x} = \\dfrac{e^{-4x}}{1-6x}$$\r\nである.両辺に $1-6x$ を掛けると\r\n$$\\sum_{n=0}^\\infty\\dfrac{a_{n+1}-(6n+6)a_n}{(n+1)!}x^{n+1}=e^{-4x}$$\r\nとなるため $a_{n+1}-(6n+6)a_n$ が等比数列であることがわかる.あとは公式解説と同様である.", "text": "母関数を使う方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/10031/445" } ]
 正 $3n$ 角形があり,その頂点全体からなる集合を $S_n$ とします.次の条件をみたす写像 $f\colon S_n\to S_n$ の個数を $a_n$ とします: - 任意の $S_n$ の要素 $a$ について $f(a)\neq a$. - 任意の $S_n$ の相異なる要素 $a,b$ について $f(a)\neq f(b)$. - $S_n$ の相異なる要素 $a,b,c$ が正三角形の頂点をなすならば $f(a),f(b),f(c)$ は正三角形の頂点をなす. このとき,次の値を素数 $100003$ で割った余りを求めてください: $$a_{100000}-\sum_{n=1}^{99999}(6n+5)a_n$$
OMC214 (エリジオン杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/tasks/10457
A
OMC214(A)
100
419
437
[ { "content": " $3$ つ以上の楽しい点が同一直線上に並ぶとき,この直線はもとの正方形の辺のいずれかを延長したものと一致する.したがって,楽しい点から $2$ 点を選ぶ方法である ${}_{20} \\mathrm{C}_2 = 190$ 通りのうち,正方形の同じ辺上にある $2$ 点を選ぶ方法 $4 \\cdot {}_6 \\mathrm{C}_2 = 60$ 通りを除いた $130$ 通りには,それぞれちょうど $2$ 個の楽しい点を通る相異なる直線が対応する.したがって,求める値は $\\mathbf{130}$ 本である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/editorial/10457" } ]
 平面上に正方形があり,その各頂点と,各辺を $5$ 等分する点を合わせた計 $20$ 個の点を**楽しい点**とよびます.ちょうど $2$ つの楽しい点を通る直線はこの平面上にいくつありますか? ![figure 1](\/images\/rdOjkIyiMC2YBDj5VYegvhYLQc6f2aaYLDPvL8LP)
OMC214 (エリジオン杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/tasks/5001
B
OMC214(B)
200
322
397
[ { "content": " この平面は $A(0,0,0), X(3, 0, 1), Y(0, 4, 1)$ を通る平面としてよい.また,空間内の点 $P$ を $xy$ 平面上に正射影した点を $P^\\prime$ とする. \\\r\n 直線 $XY$ 上の任意の点 $P$ について,$PP^\\prime = 1$ に気をつければ $AP$ 方向の勾配は $\\dfrac{1}{AP^\\prime}$ である.また,$P$ が任意の動くとき $P^\\prime$ は直線 $X^\\prime Y^\\prime$ 上を任意の動くので,求める答えは $A$ と直線 $X^\\prime Y ^\\prime$ の距離の逆数である.直線 $X^\\prime Y^\\prime$ は $4x + 3y - 12 = 0$ で表されるので,\r\n$$s = \\frac{\\sqrt{4^2 + 3^2}}{|4\\times0 + 3\\times 0 - 12|} = \\frac{5}{12}$$\r\nを得る.特に,解答すべき値は $\\bf{17}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/editorial/5001" }, { "content": " 図をイメージするのが一番早いと思います.勾配の定義は,$\\dfrac{高さの変化量}{その方向への変化量}$ ともみなせ,本解のように点を名付けると,高さの変化量は $1$ となり,結局,その方向への変化量を最小化すればよいです.これは,$XZ=3,YZ=4,\\angle{Z}=90^\\circ$ なる三角形 $XYZ$ において,$Z$ から $XY$ におろした垂線の長さ($=x$)なので,$XY=5$ に注意すれば,面積を $2$ 通りに表すことにより,\r\n$$\\triangle{XYZ}=\\dfrac12XZ\\cdot YZ=\\dfrac12XY\\cdot x$$\r\nなので,$x=\\dfrac{12}{5}$ と求まります.これの逆数が答えです.", "text": "ユーザー解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/editorial/5001/444" } ]
 水平面と,それに対して傾いた平面があります.この平面の西方向への勾配は $-\dfrac13$,南方向への勾配は $-\dfrac14$ でした.このとき,任意の方向について勾配が $s$ 以下であるような実数 $s$ として考えられる最小値が存在します.この最小値は,互いに素な正の整数 $a,b$ を用いて $\dfrac{a}{b}$ と表されるので,$a+b$ を解答してください. ----  ここで,水平面上のある方向についての勾配とは,その方向に水平方向 $1$ だけ進んだときの高さの変化のことをいいます.
OMC214 (エリジオン杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/tasks/5288
C
OMC214(C)
300
309
379
[ { "content": " $1$ から $9$ までの整数を以下のように分類する.同じグループに属するものはまとめて考えてよい:\r\n$$A\\colon\\lbrace 1,5,7\\rbrace, \\quad B\\colon\\lbrace 2,4,8\\rbrace, \\quad C\\colon\\lbrace 3,9\\rbrace, \\quad D\\colon\\lbrace 6\\rbrace.$$\r\n\r\nこのように分類したとき,隣り合ってはいけない数の組は $BB,CC,BD,CD,DD$ である.特に,$D$ の両端は $A$ である必要がある.$(A,D,A)$ を固定したとき,残りの $A,B,B,B,C,C$ の並べ方は以下の $10$ 通りである.\r\n- $(B,C,B,C,B)$ の任意の箇所(両端を含む)に $A$ を挿入した $6$ 通り\r\n- $(B,A,B,C,B,C),(B,C,B,A,B,C),(C,B,A,B,C,B),(C,B,C,B,A,B)$\r\n\r\n$D$ の位置を固定して,各グループへの数の割り振りを考えれば,求める答えは $10\\times 3!\\times 3!\\times 2!\\times 1!=\\mathbf{720}$ 通りである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/editorial/5288" } ]
 $1$ から $9$ までの整数を $1$ つずつ円環状に並べる方法であって,どの隣り合う $2$ 数も互いに素であるようなものはいくつありますか.ただし,回転して一致するような並べ方は同一視し,反転によって一致するものは区別します.
OMC214 (エリジオン杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/tasks/5004
D
OMC214(D)
400
62
141
[ { "content": " $f(x)=x^4+a(x-1)^4+b(x+1)^4+c(x-2)^4+d(x+2)^4$ とすると問題文の下4式より\r\n$$f\\bigg(\\frac{1}{20}\\bigg)\r\n=f\\bigg(\\frac{1}{30}\\bigg)\r\n=f\\bigg(\\frac{1}{40}\\bigg)\r\n=f\\bigg(\\frac{1}{50}\\bigg)=0$$\r\nである.$f(x)$ は $x$ の $4$ 次式なので,ある実数 $r$ が存在して次が恒等的に成り立つ.\r\n$$f(x)\r\n=r\\bigg(x-\\frac{1}{20}\\bigg)\r\n\\bigg(x-\\frac{1}{30}\\bigg)\r\n\\bigg(x-\\frac{1}{40}\\bigg)\r\n\\bigg(x-\\frac{1}{50}\\bigg)$$\r\n両辺の $4$ 次の項の係数,$2$ 次の項の係数,定数項を比較して次の $3$ 式を得る. \r\n$$\\begin{cases}\r\n1+(a+b)+(c+d)=r\\\\\\\\\r\n6(a+b)+24(c+d)\r\n=\\cfrac{71r}{12\\cdot10^3}\\\\\\\\\r\n(a+b)+16(c+d)\r\n=\\cfrac{r}{12\\cdot10^5}\r\n \\end{cases}$$ \r\nこれを解けば\r\n$r=\\dfrac{288\\times10^5}{288\\cdot10^5-355\\cdot10^2+6}$\r\nを得る.従って,\r\n$$e=10^4f\\bigg(\\frac{1}{10}\\bigg)\r\n=\\frac{2880000}{14382253}$$ \r\nである.特に解答すべき値は $\\mathbf{17262253}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/editorial/5004" }, { "content": "$f(x)=a(10x-1)^4+b(10x+1)^4+c(20x-1)^4+d(20x+1)^4$ と定めると\r\n$$\\begin{cases}f(2)=f(3)=f(4)=f(5)=-1\\\\\\e=f(1)+1\\end{cases}$$である.因数定理より,実数 $k$ を用いて\r\n$$f(x)=k(x-2)(x-3)(x-4)(x-5)-1=k(x^4-14x^3+71x^2-154x+120)-1$$\r\nと表すことができる.$k$ を決定するために,$f(x)$ の係数の間の関係式を得たい.$g_\\lambda(x)=(\\lambda x-1)^4$ と定めると,$f(x)$ は $g_{10}(x),g_{-10}(x), g_{20}(x),g_{-20}(x)$ の線型結合である.そこで $g_\\lambda(x)$ の係数の間の関係式を考える.\r\n$$g_\\lambda(x)=\\lambda^4x^4-4\\lambda^3 x^3+6\\lambda^2 x^2-4\\lambda x+1$$\r\nより $g_\\lambda(x)$ の係数は $\\lambda^4,-4\\lambda^3,6\\lambda^2,-4\\lambda,1$ である.ここで $\\lambda=10,-10,20,-20$ に対して\r\n$$0=(\\lambda-10)(\\lambda+10)(\\lambda-20)(\\lambda+20)=\\lambda^4-500\\lambda^2+40000$$\r\nが成り立つので\r\n$$(g_\\lambda(x)\\text{の}x^4\\text{の係数})-\\dfrac{500}{6}(g_\\lambda(x)\\text{の}x^2\\text{の係数})+40000(g_\\lambda(x)\\text{の定数項})=0$$\r\nとなる.この性質は線型結合を取っても保たれるので\r\n$$(f(x)\\text{の}x^4\\text{の係数})-\\dfrac{500}{6}(f(x)\\text{の}x^2\\text{の係数})+40000(f(x)\\text{の定数項})=0$$\r\nが得られる.この式から $k=\\dfrac{120000}{14382253}$ であることがわかり,$e=f(1)+1$ が計算できる.", "text": "連立方程式を回避する方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/editorial/5004/443" } ]
 実数 $a,b,c,d,e$ が次の式を満たします.$e$ を求めてください. $$\begin{cases} 9^4a&+&11^4b&+&19^4c&+&21^4d&=&-1+e\\\\ 19^4a&+&21^4b&+&39^4c&+&41^4d&=&-1\\\\ 29^4a&+&31^4b&+&59^4c&+&61^4d&=&-1\\\\ 39^4a&+&41^4b&+&79^4c&+&81^4d&=&-1\\\\ 49^4a&+&51^4b&+&99^4c&+&101^4d&=&-1 \end{cases}$$ ただし,$e$ は互いに素な正の整数 $p,q$ を用いて $e=\dfrac{p}{q}$ と表されるので,$p+q$ を解答してください
OMC214 (エリジオン杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/tasks/8073
E
OMC214(E)
400
184
258
[ { "content": " $n$ を任意の正の整数とし,$100$ を $2n$ に置き換えて考える.\\\r\n 上から $a$ 行目,左から $b$ 列目にあるマスを $(a,b)$ と呼ぶ.また,\r\n$$(1,n+1),\\quad (2,n),\\quad (3,n+1),\\quad (4,n),\\quad \\cdots, \\quad (2n-1,n+1),\\quad (2n,n)$$\r\nを「中央のマス」と呼び,中央のマスより左側にあるマスを単に「左側のマス」,中央のマスより右側にあるマスを単に「右側のマス」と呼ぶことにする.また,$a+b$ が偶数ならば $(a,b)$ を白に塗り,奇数ならば $(a,b)$ を黒に塗る.\\\r\n 左側のマスの内,$(1,n)$ と同じ色のマスは $n^2$ マス,違う色のマスは $n^2-n$ マスある.どのタイルも黒のマスと白のマスを$1$ つずつ覆うので,左側のマスのみを覆っているタイルは高々 $n^2-n$ 枚しかない.同様に,右側のマスのみを覆っているタイルも高々 $n^2-n$ 枚しかない.さらに,左側のマスと右側のマスを同時に覆うタイルは存在しないので,中央のマスであって $n^2-n+1$ 以下の整数が書かれたタイルに覆われているマスが存在する.よって,\r\n$$N_{1,n+1} + N_{2,n} + \\cdots + N_{2n-1,n+1} + N_{2n,n} \\le n^2-n+1 + \\sum_{k=0}^{2n-2}(2n^2 - k) = n(4n^2-3n+2)$$\r\nである.\\\r\n また,等号が成立するようなタイルの配置が存在することが確認できる.従って,$n=50$ の場合を考えることで,求める答えは $\\bf{492600}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/editorial/8073" } ]
 $1$ 以上 $5000$ 以下の整数のうち $1$ つが書かれている $1\times2$ のタイルが $5000$ 枚あり,どの $2$ 枚のタイルについても書かれている数は相異なります.これらのタイルを重なりも隙間もなく $100\times100$ のマス目に敷き詰めると,次の条件を満たしていました. - $1$ 以上 $4999$ 以下の任意の整数 $k$ について,$k$ が書かれたタイルと $k+1$ が書かれたタイルは長さ $1$ 以上の線分を共有して隣り合う. また,上から $a$ 行目,左から $b$ 列目にあるマスを覆うタイルに書かれた数を $N_{a,b}$ とします.このとき, $$N_{1,51} + N_{2,50} + N_{3,51} + N_{4,50} + \cdots + N_{99,51} + N_{100,50}$$ として考えられる最大の値を解答してください.
OMC214 (エリジオン杯)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214
https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/tasks/5005
F
OMC214(F)
500
28
74
[ { "content": " $F$ は四角形 $BCED$ に対するミケル点であるから三角形 $FBC$ と $FDE$, 三角形 $FBD$ と $FCE$ と $FMN$ はそれぞれ相似である. $DF = EF$ であるから, 特に三角形 $FBD$ と $FCE$ は合同であり, 三角形 $FBC$ は二等辺三角形である. 従って $BD=CE$ であり,この長さを $x$ とすれば $BE\\perp CD$ より次が成り立つ.\r\n$$2x^2 = BD^2 + CE^2 = BC^2 + DE^2$$\r\nまた, \r\n$$BD : MN = DF : FN = 13 : 12$$\r\nである. さらに, 三角形 $ABC$ の外心を $O$, 線分 $BF$ の中点を $K$ とすると, 三角形 $FOK$ と $FBM$ は相似なので, \r\n$$BC = 2BM = 2\\times KO\\times \\frac{BF}{FO} = 4\\times\\frac{5}{13}FO\\times\\frac{FK}{FO} = \\frac{240}{169}FO = 240$$\r\nであるから, 余弦定理より求める値は次のように求まる.\r\n$$\\begin{aligned}\r\n\\cos\\angle MXN\r\n&=\\frac{XM^2+XN^2-MN^2}{2\\times XM\\times XN}\\\\\\\\\r\n&=\\frac{BC^2+DE^2-4\\times\\Big(\\dfrac{12}{13}x\\Big)^2}{2\\times BC\\times DE}\\\\\\\\\r\n&=-\\bigg(2\\times\\Big(\\dfrac{12}{13}\\Big)^2-1\\bigg)\\times\\frac{BC^2+DE^2}{2\\times BC\\times DE}\\\\\\\\\r\n&=-\\frac{119}{120}\r\n\\end{aligned}$$\r\n従って求める答えは $\\bf{239}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc214/editorial/5005" } ]
 半径 $169$ の円に内接する三角形 $ABC$ において,辺 $AB,AC$ 上にそれぞれ点 $D,E$ があり,三角形 $ABC,ADE$ それぞれの外接円の交点が $A$ でない点で交わったのでそれを $F$ とすると,次が成り立ちました: $$DF=EF=130,\quad DE=100.$$ さらに,線分 $BE$ と線分 $CD$ は点 $X$ で直交しました.線分 $BC,DE$ の中点をそれぞれ $M,N$ としたとき,互いに素な正の整数 $a,b$ を用いて $\cos\angle MXN=-\dfrac{a}{b}$ と表せるので,$a+b$ を解答してください.
OMC213 (for beginners)
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/tasks/4775
A
OMC213(A)
100
424
451
[ { "content": " まず,最高位は $1$ でなくてはならない.残りの $8$ に対する桁はそれぞれ $0,1$ の $2$ 通り,それ以外の $0$ に対する桁はそれぞれ $10$ 通り存在するから,求める場合の数は\r\n$$1×2^5×10^6=\\textbf{32000000}.$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/4775" } ]
 ある村には村民が $9\times 10^{11}$ 人おり,それぞれに相異なる $12$ 桁(最高位は $0$ でない)の**個人コード**が付与されています.この村では,以下の条件をみたす相異なる二人の村民についてのみ,互いがもう一方の友人になることができます. - 二人の個人コードを $10$ 進法において足し合わせたときに,繰り上がりが発生しない.  村民である $U$ 君の個人コードは $808080808080$ です.$U$ 君と友人になれる村民は何人いますか?
OMC213 (for beginners)
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/tasks/6843
B
OMC213(B)
100
418
437
[ { "content": " $3$ つの直線が三角形をなさないとき,$3$ 直線が一点で交わっているか,$2$ 直線が平行であるかのいずれかである.\r\n- 前者の場合:$ y=ax+2 $ が $ y=x-8 $ と $ 3x-2y=6 $ の交点 $(-10, -18)$ を通るので,$a=2$ である.\r\n- 後者の場合:$ y=ax+2 $ が $ y=x-8 $ と平行なら $ a=1 $,$ 3x-2y=6 $ と平行なら $ a=\\dfrac 32 $ である.\r\n\r\n 以上より,求める総和は $\\dfrac 92$ であり,特に解答すべき値は $\\bf{11}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/6843" } ]
 $a$ を実数とします.以下の $3$ つの直線で $xy$ 平面を分割すると,三角形ができませんでした. $$y=x-8, \quad 3x-2y=6, \quad y=ax+2$$ このとき,$a$ が取り得る値の総和は互いに素な正整数 $ p, q $ を用いて $\dfrac pq $ と表せるので,$ p+q $ を解答してください.
OMC213 (for beginners)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/tasks/6902
C
OMC213(C)
200
413
434
[ { "content": " $n$ を素因数分解したときの指数が全て $1$ の場合,明らかに問題の条件は満たされる.逆に,そうでない場合 $n$ は $2$ 以上の平方数である正の約数 $m$ を持ち,このとき $\\dfrac{n}{m}×n=\\dfrac{n^2}{m}$ は平方数であるから,問題の条件を満たさない. \\\r\n よって,問題の条件を満たす $n$ は \r\n$$2,3,5,6,7,10,11,13,14,15,17,19,21,22,23$$\r\n であり,これらの総和は $\\mathbf{188}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/6902" } ]
 $2$ 以上 $25$ 以下の正の整数 $n$ であって,次を満たすものの総和を解答して下さい. - $n-1$ 以下の全ての正整数 $k$ について,$kn$ は平方数でない
OMC213 (for beginners)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/tasks/3395
D
OMC213(D)
200
301
374
[ { "content": " 繰り上がりが発生**しない**組 $(a,b,c)$ の数を数える.\\\r\n $a$ の $1$ の位,$10$ の位,$100$ の位をそれぞれ $A_0,A_1,A_2$ とし,$b,c$ についても同様に $B_0,B_1,B_2,C_0,C_1,C_2$ を定義する.$a+b+c$ の筆算において繰り上がりが発生しないことは次と同値である.\r\n$$A _i+B_i+C_i\\leq 9 \\quad (i=0,1,2)$$\r\n $i$ の値にかかわらず上の式を満たす $0$ 以上 $9$ 以下の整数の組 $(A _i,B_i,C_i)$ は ${}\\_{12}\\mathrm{C}\\_{3}$ だけある.よって繰り上がりが発生しない組 $(a,b,c)$ の数,すなわち $0$ 以上 $9$以下の整数の組 $(A _0,B_0,C_0,A _1,B_1,C_1,A _2,B_2,C_2)$ は $({}\\_{12}\\mathrm{C}\\_{3})^3$ だけある.\\\r\n以上より,繰り上がりが発生**する**組 $(a,b,c)$ の数は,次のとおりである.\r\n$$1000^3-({}\\_{12}\\mathrm{C}\\_{3})^3=\\bf989352000$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/3395" } ]
 $0$ 以上 $999$ 以下の整数の組 $(a,b,c)$ のうち,$a+b+c$ を(十進法表記の)筆算で計算したときに繰り上がりが発生するものはいくつありますか?
OMC213 (for beginners)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/tasks/4213
E
OMC213(E)
200
197
225
[ { "content": " 辺 $AC$ 上に $AB = AQ$ を満たす点 $Q$ をとる.このとき三角形 $ABQ$ は正三角形なので\r\n$$QB = AB = PC,\\quad QC=AC-AB=AC-PC=PB$$\r\nがそれぞれ成立する.従って三角形 $PBC$ と三角形 $QCB$ は合同であるから,\r\n$$\\triangle ABQ = \\triangle ABC - \\triangle QCB = \\triangle ABC - \\triangle PBC = 2028$$\r\nである.一方\r\n$$\\triangle ABQ = \\frac{1}{2}BQ^2\\sin60^\\circ =\\frac{\\sqrt{3}}{4}CP^2$$\r\nであるから $\\dfrac{\\sqrt{3}}{4}CP^2=2028$ .以上より $CP^4 = \\bf{21934848}$ を得る.\r\n\r\n----\r\n**別解.**\\\r\n 三角形 $ABC,PBC$ に余弦定理を用いることで次の値は $BC^2$ に等しいことがわかる.\r\n$$AB^2+AC^2-AB\\cdot AC=BP^2+CP^2-2BP\\cdot CP\\cdot\\cos\\angle BPC$$\r\n $AC=BP+CP, ~ AB=CP$ を上の式に代入することで次を得る.\r\n$$CP^2+(BP+CP)^2-CP\\cdot (BP+CP)=BP^2+CP^2-2BP\\cdot CP\\cdot\\cos\\angle BPC$$\r\n$$\\Longleftrightarrow ~ \\cos\\angle BPC=-\\frac{1}{2}$$\r\nよって $\\angle BPC=120^\\circ$ なので面積について次の式が従う.\r\n$$\\frac{1}{2}AB\\cdot AC\\sin 60^\\circ=\\frac{\\sqrt{3}}{4}CP(BP+CP)=4017$$\r\n$$\\frac{1}{2}CP\\cdot BP\\sin 120^\\circ=\\frac{\\sqrt{3}}{4}CP\\cdot BP=1989$$\r\n二式の差を考えることで $\\dfrac{\\sqrt{3}}{4}CP^2=2028$ を得るので $CP^4=\\bf21934848$ .", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/4213" } ]
 $ \angle{A}=60^{\circ}$ を満たす三角形 $ABC$ の内部に $P$ をとったところ,$$BP+CP=AC,\quad AB=CP$$ が成り立ちました.三角形 $ABC$ の面積が $4017$,三角形 $PBC$ の面積が $1989$ のとき $CP$ の長さの $4$ 乗を求めてください.
OMC213 (for beginners)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/tasks/7166
F
OMC213(F)
300
187
249
[ { "content": " $a_{n+1} = 3{a_n}^2 - 4a_n + 2$ を変形すると,$3a_{n+1} - 2 = (3a_n - 2)^2$ が得られるので,次が成り立つ.\r\n$$3a_{3334}-2=(3a_1-2)^{2^{3333}}=10000^{2^{3333}}=10^{2^{3335}}$$\r\nよって\r\n$$a_{3334} = \\cfrac{10^{2^{3335}} + 2}{3}$$\r\nが得られ,これは最高位から $2^{3335} - 1$ 個だけ $3$ が並び,一の位のみ $4$ となるような正整数である.よって,\r\n$$M = 3 \\times (2^{3335} - 1) + 4 = 3 \\times 2^{3335} + 1$$\r\nと分かる.従って,フェルマーの小定理より\r\n$$M\\equiv 3\\times2^{5}+1 = \\mathbf{97}\\pmod{3331}$$\r\nを得る.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/7166" } ]
 $a_1 = 3334, ~ a_{n+1} = 3{a_n}^2 - 4a_n + 2$ $(n \geq 1)$ で定まる数列 $\lbrace a_n \rbrace$ について,$a_{3334}$ は正の整数となるので,$a_{3334}$ の各桁の和を $M$ とします.このとき,$M$ を素数 $3331$ で割った余りを解答して下さい.
OMC213 (for beginners)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/tasks/5557
G
OMC213(G)
300
80
102
[ { "content": " 直線 $XY$ と $\\Gamma_2$ の交点を $R$ とする.\r\n\r\n---\r\n**補題.** 直線 $XY$ は $∠PXQ$ の二等分線である.\r\n\r\n**証明.** $\\Gamma_1,\\Gamma_2$ の中心をそれぞれ $O_1,O_2$ とする.このとき,$X$\r\nを中心とする $\\Gamma_1$ を $\\Gamma_2$ に移す拡大によって $Y$ は $R$ に,$O_1$ は $O_2$ にそれぞれ移る.特に直線 $YO_1$ と $RO_2$ は平行であり,また $YO_1$ は $PQ$ に垂直であるから,$RO_2$ は $PQ$ に垂直である.これより $PR=QR$ が成り立つため,$∠PXY=∠QXY$ が示された.\r\n---\r\n\r\n 補題より,$PY:QY=20:23$ であるから $PY=20x, ~ QY=23x$ とおける.さらに,$XY:YR=4:5$ であるから,方べきの定理より\r\n$$XY×YR=PY\\times QY = 460x^2$$\r\nが成立することと併せて,$XY^2=368x^2$ を得る.また,Stewartの定理より\r\n$$XY^2=XP×XQ-PY×QY=460-460x^2$$\r\nが成立するので,これを解いて $x^2=\\dfrac{5}{9}$ を得る.従って,$XY^2=\\dfrac{1840}{9}$ であるから,特に解答すべき値は $\\mathbf{1849}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/5557" }, { "content": " 円 $\\Gamma_1$ と $XP, XQ$ の交点をそれぞれ $ P^{\\prime}, Q^{\\prime}$ とおく.このとき接弦定理より,$\\triangle XPQ$ と $\\triangle XP^{\\prime} Q^{\\prime}$ は相似であり,外接円の半径の比から,その相似比は $9:4$ である.\\\r\n 従って,$XP^{\\prime}, XQ^{\\prime}$ の長さがそれぞれ求まり,方べきの定理を用いて $YP,YQ$ の長さがそれぞれ求まる.\\\r\n この後の方針は,公式解説と同様に Stewart の定理を用いてもよいし,公式解説の点 $R$ を用いて $XY:YR=4:5$ と点 $Y$ の周りの方べきの定理を用いてもよい.", "text": "相似を用いる方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/5557/438" } ]
 二つの円 $\Gamma_1,\Gamma_2$ があり,$\Gamma_1$ は $\Gamma_2$ に点 $X$ で内接しています.また,$\Gamma_1$ 上に $X$ でない点 $Y$ を取ると,$\Gamma_1$ の点 $Y$ における接線と $\Gamma_2$ が相異なる $2$ 点 $P,Q$ で交わりました. $$XP=20,\quad XQ=23$$ が成り立ち,$\Gamma_1$ の半径と $\Gamma_2$ の半径の比が $4:9$ であるとき,線分 $XY$ の長さの二乗を求めて下さい. \  ただし,求める値は,互いに素な正の整数 $a,b$ を用いて ${\dfrac{a}{b}}$ と表せるので,$a+b$ を解答して下さい.
OMC213 (for beginners)
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213
https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/tasks/8567
H
OMC213(H)
400
46
90
[ { "content": " 一般に正 $N$ 角形($N$ は $3$ 以上の整数)に対して考える. 正 $N$ 角形の頂点を順に $A_1,A_2, \\ldots ,A_N$ とし,頂点の添字は $N$ を法として考える.また,頂点 $A_i$ に塗られた色を $C_i$ とする. \\\r\n 以下,スコアの $2$ 乗の総和を求める.ここで,\r\n$$\\begin{aligned}\r\n(スコアの二乗) &= (C_i=C_{i+1}となる\\\\, i\\\\, の個数)^2 \\\\\\\\\r\n&= (C_i=C_{i+1}となる\\\\, i\\\\, の個数) \\times (C_j=C_{j+1}となる\\\\, j\\\\, の個数)\r\n\\end{aligned}$$\r\nにより,二つの辺からなる組それぞれの寄与を考えれば良い.\r\n\r\n----\r\n\r\ni) $i=j$ のとき \\\r\n  $i=j$ の選び方は $N$ 通り, $C_i=C_{i+1}$ の選び方は $3$ 通り,他の色の選び方は $3^{N-2}$ 通りより,\r\n\r\n$$N \\times 3 \\times 3^{N-2}=3N \\times 3^{N-2}$$\r\n\r\nii) $|i-j|=1$ のとき \\\r\n  $i,j$ の選び方は $2N$ 通り, $C_{\\min(i,j)}=C_{\\min(i,j)+1}=C_{\\min(i,j)+2}$ の選び方は $3$ 通り,他の色の選び方は $3^{N-3}$ 通りより,\r\n\r\n$$2N \\times 3 \\times 3^{N-3}=2N \\times 3^{N-2}$$\r\n\r\niii) $|i-j| \\geq 2$ のとき \\\r\n  $i,j$ の選び方は $N(N-3)$ 通り, $C_i=C_{i+1},C_j=C_{j+1}$ の選び方は $3^2$ 通り,他の色の選び方は $3^{N-4}$ 通りより,\r\n\r\n$$N(N-3) \\times 3^2 \\times 3^{N-4}=N(N-3) \\times 3^{N-2}$$\r\n\r\n----\r\n\r\n i),ii),iii) より,スコアの $2$ 乗の合計は\r\n\r\n$$3N \\times 3^{N-2} + 2N \\times 3^{N-2} + N(N-3) \\times 3^{N-2} = N(N+2) \\times 3^{N-2}.$$\r\n\r\nよって,平均は $\\dfrac{N(N+2)}{9}$ であり,特に $N=333$ のときこの値は $\\mathbf{12395}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/8567" }, { "content": " 一般に正 $N$ 角形に対して考える.$N$ 本の辺に対して,次のようにスコア $x_1, \\cdots, x_n$ を定義する.\r\n\r\n- 両端の頂点が同じ色であれば $x_i=1$,そうでなければ $x_i=0$\r\n\r\n 色の塗り方 $3^N$ 通りが同様に確からしいと仮定すると,各 $x_i$ は確率変数であり,いま求めるべきは $\\left( \\sum\\limits_{i=1}^{N} x_i \\right)^2$ の期待値に一致する.以下,期待値は $E(*)$ で表す.\\\r\n明らかに $E(x_i)=E(x_i^2)=\\dfrac{1}{3}$ であり,$E(x_i x_j)=E(x_i)E(x_j)=\\dfrac{1}{9}$ であること($x_i$ と $x_j$ の独立性)も容易に確認できる.従って\r\n$$E(\\left( \\sum\\limits_{i=1}^{N} x_i \\right)^2) =\\sum\\limits_{i=1}^{N} E(x_i^2)+\\sum\\limits_{i \\neq j} E(x_i x_j)=N×\\dfrac{1}{3}+N(N-1)×\\dfrac{1}{9}=\\dfrac{N(N+2)}{9}$$", "text": "期待値の性質を用いる方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/8567/440" }, { "content": " 一般に, $N$ 角形 $N\\ge 1$ の場合を考えます. \r\n全ての塗り方のうち, 丁度 $k$ 箇所の辺について両端の色が等しくなるような塗り方の総数を $f(k)$ とすると, 求めるものは \r\n$$Ans=\\frac{\\sum\\_{k=0}\\^{N}k\\^{2}f(k)}{3\\^{N}}$$\r\nです. \r\nまず $f(k)$ を求めましょう. \r\n\r\n$k\\lt N$ の時を考えます. \r\n$N$ 個の頂点に時計回りに $1,2,\\dots,N$ と番号をつけ, 頂点 $i-1,i$ の色が等しいような頂点 $i$ を「良い頂点」と呼ぶことにします. ただし, 頂点 $0$ とは 頂点 $N$ のことです. \r\nすると, 良い頂点を丁度 $k$ 個選ぶ方法は $\\binom{N}{k}$ 通りあります. \r\nここで, 良い頂点の選び方を一つ固定し, 良い頂点の集合がそうなるような着色方法を考えます. \r\n\r\n良い頂点が連続する区間は頂点が同じ色で塗られるため, 良い頂点の連続区間をひとつのかたまりととらえることで, これは以下の問題の $n=N-k$ の場合に帰着されます. \r\n\r\n---\r\n\r\n正 $n$ 角形の各頂点に $3$ 種類の色を塗る方法であって, 辺で隣接する $2$ 頂点には異なる色が塗られる塗分け方はいくつあるか? \r\n\r\n---\r\n\r\nこの問題の答えを, $g(n)$ とします. \r\n結論から述べると, この問題は以下のような一般項で明示的に表されます. \r\n\r\n$$g(n)=\\begin{cases}\r\n1&(n=0)\\\\\\\\\r\n2\\^{n}+2\\times (-1)\\^{n}&(n\\neq 0)\r\n\\end{cases}$$\r\n\r\n<details> <summary> 導出の概略 <\\/summary> \r\n\r\n頂点 $1,n-1$ の色が異なる時, 頂点 $n$ に書き込む色は $1$ 通り, 頂点 $1,n-1$ の色が等しい時, 頂点 $1, n-2$ の色が異なり, 頂点 $n-1,n$ の色の決め方は $2$ 通りある. よって, \r\n\r\n$$g(n)=g(n-1)+2g(n-2)\\ (n\\ge 3)$$ \r\n\r\nという漸化式がたつ. これを解き, $n$ が小さい場合も確認すれば上記の一般項を得る.\r\n <\\/details>\r\n\r\n(注: $n=1$ の場合に隣り合う頂点が無いから $g(1)=3$ では? と思った方もいるかもしれませんが, 今回の設定の場合頂点 $1$ と頂点 $1$ は辺で結ばれていると考えるため, 常に不適切すなわち $g(1)=0$ となります. ) \r\n\r\n従って, $f(k)=\\binom{N}{k}g(N-k)=\\binom{N}{k}(2\\^{N-k}+2\\times(-1)\\^{N-k})$ となります. \r\nここで, 除外をしていた $k=N$ の場合もこの式が成立することが確かめられます. \r\n\r\n以上を整理すると, 求める答えは\r\n\r\n$$\\begin{aligned}\r\n3\\^{N}\\times Ans&=\\sum\\_{k=0}\\^{N}k\\^{2}f(k)\\\\\\\\\r\n&=\\sum\\_{k=0}\\^{N}k\\^{2}\\binom{N}{k}(2\\^{N-k}+2(-1)\\^{N-k})\\\\\\\\\r\n&=N\\times 3\\^{N-2}\\times(N+2)\r\n\\end{aligned}$$\r\n\r\nより所望の答えを得ます. \r\n\r\nただし, 最終行にかけては, \r\n\r\n$$\\sum\\_{k=0}\\^{N}k\\^2\\binom{N}{k}a\\^{N-k}=N(1+a)\\^{N-2}(N+a)$$\r\n\r\nを用いており, これの導出は例えば以下の問題の解説が参考になります. \r\n<details> <summary> 過去の問題例 <\\/summary> \r\n\r\n- OMC161(E)\r\n- OMC210(C)\r\n\r\n <\\/details>", "text": "ユーザー解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc213/editorial/8567/442" } ]
 向きを固定した正 $333$ 角形の各頂点を,赤・青・緑の三色から一つずつ選んで塗り,それぞれの塗り方に対してその**スコア**を以下で定めます: - 正 $333$ 角形の辺のうち,両端の頂点の色が等しいものの数  回転によって一致する色の塗り方を区別した場合の $3^{333}$ 通りすべてについて,それぞれのスコアの $2$ 乗の(相加)平均を求めてください.
OMC212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/tasks/8775
A
OMC212(A)
200
323
336
[ { "content": " $N=1$ の場合は条件を満たさない.以下では,$N\\ge2$ の場合を考える.\\\r\n $x$ が $N$ の約数であるとき $N\\/x$ も $N$ の約数であることから,$N$ の持つ約数の個数を $d(N)$ とすると $$m(N)\r\n=\\prod_{x\\mid N}x\r\n=\\Bigg(\\prod_{x\\mid N}x\\cdot \\frac Nx\\Bigg)^{1\\/2}\r\n=N^{d(N)\\/2}$$\r\nが成り立つ.よって,以下が分かる.\r\n$$\\begin{aligned}\r\n&N^{4} \\lt m(N) \\lt N^{5}\\\\\\\\\r\n\\Longleftrightarrow &4 \\lt \\frac{d(N)}{2} \\lt 5\\\\\\\\\r\n\\Longleftrightarrow &d(N)=9\r\n\\end{aligned}$$\r\nしたがって $N$ は相異なる素数 $p,q$ を用いて次の2ついずれかの形で表せる.\r\n$$N=p^8, N=p^2q^2$$\r\nこのうち, 特に $1 \\leq N \\leq 100$ を満たすのは $2^{2} × 3^{2} = 36$ と $2^{2} × 5^{2} = 100$ のみである. よって, 解答すべき値は $\\mathbf{136}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/editorial/8775" } ]
 正整数 $N$ に対して,その正の約数の**総積**を $m(N)$ で表すこととします.このとき,$1$ 以上 $100$ 以下の整数 $N$ のうち,$\ N^{4} \lt m(N) \lt N^{5}$ を満たすものの総和を解答して下さい.
OMC212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/tasks/7165
B
OMC212(B)
300
75
121
[ { "content": " 三角形 $ABC$ が鋭角三角形であることより,$∠BHC = ∠BOC = ∠BIC = 120^\\circ$ であること,及び,$3$ 点 $H$, $O$, $I$ が辺 $BC$ に関して同じ側にあることが分かる.よって $5$ 点 $B, H, O, I, C$ は同一円周上にあり,三角形 $BOC$ の外接円の半径が $\\cfrac{14}{\\sqrt{3}}\\$ となることが分かる.$∠BOC= 120^\\circ$ より,$BC = 14$ が分かり,$AB = a, AC = b$ とおくことで,余弦定理より\r\n$$a^2 + b^2 - ab = 196$$\r\nが従う.$a,b$ がともに整数であること,三角形 $ABC$ が鋭角三角形であること,及び $H, O, I$ が三角形をなすこと(つまり,三角形 $ABC$ が正三角形ではないということ)を踏まえると,$\\min(a,b)^2\\lt196=14^2$ が分かるので,この範囲で順に代入することで $\\\\{a,b\\\\}=\\\\{10,16\\\\}$ が分かる.従って,三角形 $ABC$ の面積の $2$ 乗としてあり得る値は $\\mathbf{4800} $ のみである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/editorial/7165" } ]
 $∠A = 60^\circ$ であり,全ての辺の長さが整数であるような鋭角三角形 $ABC$ の垂心,外心,内心をそれぞれ $H,O,I$ とします.$3$ 点 $H,O,I$ が三角形を成し,その外接円の面積が $\cfrac{196}{3}\pi$ であるとき,三角形 $ABC$ の面積の $2$ 乗としてありうる値の総和を解答して下さい.
OMC212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/tasks/7869
C
OMC212(C)
300
103
237
[ { "content": " $2\\times n$ のマス目の各マスを白と黒で塗る方法であって,左上のマスを黒で塗り,さらに問題の条件の「右下のマス」を「右端の $2$ マスのいずれか」に変えた条件をみたす方法の数を考える.このような方法のうち,$n$ 列目を上から順に黒と黒で塗る方法の数を $a_n$,黒と白で塗る方法の数を $b_n$,白と黒で塗る方法の数を $c_n$ とする(白と白で塗る場合は黒のマスのみをたどって右端に到達できないため,考えなくてよい).このとき,$ a_n , b_n , c_n $ の間に次の漸化式が成り立つ.\r\n$$ a_{n+1} = b_n + c_n,\\quad b_{n+1} = a_n + b_n,\\quad c_{n+1} = a_n + c_n,\\quad a_1 = 1, \\quad b_1 = 1 , \\quad c_1 = 0$$\r\nこれより,\r\n$$a_n + b_n + c_n=2(a_{n-1}+b_{n-1}+c_{n-1})=\\cdots=2^{n-1}(a_1+b_1+c_1)=2^n,$$\r\n$$b_n-c_n=b_{n-1}-c_{n-1}=\\cdots=b_1-c_1=1$$\r\n が分かる.また,\r\n$$ b_{n+1} + c_{n+1} = 2(a_n + b_n + c_n) - (b_n + c_n) = 2^{n+1} - (b_n + c_n)$$\r\nより,$b_1+c_1=1$ と併せて\r\n$$ b_n + c_n = \\cfrac{(-1)^n + 2^{n+1}}{3} $$\r\nが従う.よって,\r\n$$ c_n = \\frac{(b_n + c_n) - (b_n - c_n)}{2} = \\cfrac{(-1)^n + 2^{n+1} -3}{6}$$\r\nと分かる.\\\r\n 以上より,問いの条件を満たす塗り方の数は $a_{2024} + c_{2024} = c_{2025} = \\cfrac{2^{2026}-4}{6} $ である.左上のマスが白色の場合も同様に考えることで,結局条件を満たす塗り方は\r\n$ \\cfrac{2^{2026}-4}{3} $ 通りと分かる.よって,フェルマーの小定理を用いることで,解答すべき値は $ \\mathbf{340} $ と分かる.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/editorial/7869" }, { "content": " 公式解説より易しいとは思いませんが,次のような立式をした場合はどうなるのか,に対する回答です.\r\n$$ {}\\_{2024}\\mathrm{C}\\_{1}+{}\\_{2023}\\mathrm{C}\\_{2}\\cdot 2+{}\\_{2022}\\mathrm{C}\\_{3}\\cdot 2^2+\\cdots +{}\\_{1013}\\mathrm{C}\\_{1012}\\cdot 2^{1011}$$\r\n\r\n---\r\n\r\n(立式に至るまでのプロセス)\\\r\n 公式解説と同様に,一番左上のマスを黒色で塗った場合を考える.ある列を $2$ 行とも黒で塗った場合,その隣接する列を $2$ 行とも黒で塗ることはできない.よって,$2024$ 列のうち $2$ 行とも黒である列を,左から $x_1, x_2, \\cdots , x_n$ 列目とすると,その数列が満たすべき条件は,\r\n$$1 \\leq x_1 \\lt x_2 \\lt \\cdots \\lt x_n \\leq 2024, x_{n+1}-x_n \\geq 2$$\r\nであり,その値は ${}\\_{2025-n}\\mathrm{C}\\_{n}$ となる(なお,$n$ は $1$ 以上 $1012$ 以下を動く変数である).\\\r\n さらに,問題文の条件を満たすためには,$1$ 列目から $x_1$ 列目までは上の行をずっと黒で塗り,$x_1$ 列目から $x_2$ 列目までは上下いずれかの行をずっと黒で塗り,$\\cdots$,$x_n$ 列目から $2024$ 列目までは下の行をずっと黒で塗ればよい.このような塗り方は $2^{n-1}$ 通りである.\\\r\n 以上の議論から,最初に記した式を得る.\r\n\r\n---\r\n\r\n(最初の式を解く)\r\n $$S_n={}\\_{n}\\mathrm{C}\\_{0}+{}\\_{n-1}\\mathrm{C}\\_{1}\\cdot 2+{}\\_{n-2}\\mathrm{C}\\_{2}\\cdot 2^2+\\cdots +{}\\_{n-\\lfloor \\frac{n}{2} \\rfloor}\\mathrm{C}\\_{\\lfloor \\frac{n}{2} \\rfloor}\\cdot 2^{\\lfloor \\frac{n}{2} \\rfloor}$$\r\nとおく.いま求めたい値は,$2×\\dfrac{S_{2025}-1}{2}$ である.\\\r\n 数列 $\\lbrace S_n \\rbrace$ について漸化式を作りたい.床関数が厄介なので,$n \\lt k$ の範囲で ${}\\_{n}\\mathrm{C}\\_{k}=0$ であると定義する.このように定義すれば,$S_n=\\sum\\limits_{k=0}^{n} {}\\_{n-k}\\mathrm{C}\\_{k}\\ 2^k$ であり,また重要なこととして ${}\\_{n}\\mathrm{C}\\_{k}+{}\\_{n}\\mathrm{C}\\_{k+1}={}\\_{n+1}\\mathrm{C}\\_{k+1}$ が満たされる.\r\n $$S_{n+1}=\\sum\\limits_{k=0}^{n+1} {}\\_{n+1-k}\\mathrm{C}\\_{k}\\ 2^k=1+\\sum\\limits_{k=1}^{n+1} {}\\_{n+1-k}\\mathrm{C}\\_{k}\\ 2^k=1+2 \\sum\\limits_{k=0}^{n} {}\\_{n-k}\\mathrm{C}\\_{k+1}\\ 2^k$$\r\nと変形すると,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nS_{n+1}+2 S_n &=1+2 \\sum\\limits_{k=0}^{n} {}\\_{n-k}\\mathrm{C}\\_{k+1}\\ 2^k +2 \\sum\\limits_{k=0}^{n} {}\\_{n-k}\\mathrm{C}\\_{k}\\ 2^k \\\\\\\\\r\n&= 1+ 2 \\sum\\limits_{k=0}^{n} {}\\_{n+1-k}\\mathrm{C}\\_{k+1}\\ 2^k\\\\\\\\\r\n&= 1+ \\sum\\limits_{k=0}^{n} {}\\_{n+1-k}\\mathrm{C}\\_{k+1}\\ 2^{k+1}\\\\\\\\\r\n&= 1+ \\sum\\limits_{k=1}^{n+1} {}\\_{n+2-k}\\mathrm{C}\\_{k}\\ 2^{k}\\\\\\\\\r\n&= S_{n+2}\r\n\\end{aligned}$$\r\n を得る.あとは,$S_1=1$,$S_2=3$ より漸化式を解いて $S_n=\\dfrac{2^{n+1}+(-1)^n}{3}$ となる.\r\n\r\n---\r\n\r\n(余談)\\\r\n ほぼ同様の発想で,\r\n $$S_n={}\\_{n}\\mathrm{C}\\_{0}+{}\\_{n-1}\\mathrm{C}\\_{1}+{}\\_{n-2}\\mathrm{C}\\_{2}+\\cdots +{}\\_{n-\\lfloor \\frac{n}{2} \\rfloor}\\mathrm{C}\\_{\\lfloor \\frac{n}{2} \\rfloor}$$\r\nとおくとき,$S_n$ はフィボナッチ数列になることが示されます.\\\r\n 証明したことがない人は是非やってみてください.", "text": "二項定理に似た式から考える方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/editorial/7869/434" } ]
 $2$ 行 $2024$ 列の長方形状のマス目があります.このとき,$ 4048 $ 個のマスをそれぞれ白か黒で塗る方法のうち,以下の条件を満たすものの数を素数 $2017$ で割った余りを解答して下さい. - 最も左上のマスから始め,隣接するマスのうち今いるマスと同じ色のマスへ移動することを繰り返して最も右下のマスまで到達することができる.ここで,同じマスの上を複数回通ることができないとしたとき,そのような移動の方法はちょうど $1$ 通り存在する.
OMC212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/tasks/7380
D
OMC212(D)
400
56
88
[ { "content": "$a,b$ の最大公約数を$g$ とし, 互いに素な正整数 $a^\\prime, b^\\prime$ によって $a = ga^\\prime, b = gb^\\prime$ と表されたとする. このとき, \r\n$$\\gcd(b^2-a^2, b^2+a^2) = g^2\\gcd({b^\\prime}^2-{a^\\prime}^2, {b^\\prime}^2+{a^\\prime}^2) = g^2\\gcd(2{b^\\prime}^2, {b^\\prime}^2+{a^\\prime}^2)$$\r\nとなる. ここで, \r\n$\\gcd(2{b^\\prime}^2, {b^\\prime}^2+{a^\\prime}^2)$ が奇素数 $p$ で割り切れたとすると,$a^\\prime$ と $b^\\prime$ が共に $p$ で割り切れることとなり,この $2$ つが互いに素であることに矛盾する.また,$a^\\prime$ と $b^\\prime$ の内少なくとも一方は奇数であるから,$a^{\\prime2} + b^{\\prime2}$ は $4$ の倍数でない.よって,$$\\gcd(b^2-a^2, b^2+a^2) = g^2,2g^2\\tag1$$\r\nと分かる.従って,最後に書かれた数 $c$ を割り切る素数は,$2$ または最初に書かれた $2024$ 個の数を全て割り切る素数のみであり,最初に書かれた $2024$ 個の数の最大公約数は $1$ であるから,$c$ は $2$ べきである.\\\r\n 以下では,$c$ が $2$ で割り切れる最大の回数を求める.$k$ 回操作された後に黒板に書かれている $2024-k$ 個の数のうち,$2$ で割り切れる回数が最も少ないものの $2$ で割り切れる回数を $e_k$ とする.このとき,(1)より $e_{k+1}\\le 2e_{k}+1$ であり,$e_0 = 0$ であるから,$e_{2023} \\le 2^{2023}-1$ である.また,黒板に\r\n$$1,\\quad 3,\\quad 2^{2^{1}-1},\\quad 2^{2^{2}-1},\\quad \\ldots,\\quad 2^{2^{2022}-1}$$\r\nが書かれているとき,毎回左の二つを選んで操作を行うことで等号が達成される.よって,$N = 2^{2^{2023}-1}$ である.従って,フェルマーの小定理より,求める答えは $\\bf{127}$ と計算できる.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/editorial/7380" } ]
 OMC君は,黒板に最大公約数が $1$ であるような相異なる $2024$ 個の正整数を書いた後,次の操作を $2023$ 回行うことにしました. - 黒板に書かれた数の中から $2$ つの整数 $a,b$ を選んで黒板から消し,代わりに $\gcd(b^2-a^2, b^2+a^2)$ を黒板に書く.ただし,同じ整数が $2$ つ以上書かれている場合はそれらの中から $2$ つ選んでも良い.  このとき,黒板にはちょうど $1$ つの整数が書かれた状態になります.OMC君が最初に書いた数や行う操作によらず,この整数が必ず $n$ 以下となるような整数 $n$ のうち最小のものが存在するので,それを $N$ とします.$N$ が $1$ 桁の素数で割り切れる回数の合計を素数 $2017$ で割った余りを解答して下さい. <details><summary>$1$ 桁の素数で割り切れる回数の合計とは<\/summary> $1320 = 2^3 \times 3 \times 5 \times 11$ が $1$ 桁の素数で割り切れる回数の合計は $3+1+1 = 5$ 回である. <\/details>
OMC212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/tasks/7957
E
OMC212(E)
500
9
41
[ { "content": " 初期状態において同じ数列に含まれている $2$ つの整数(つまり $ 1 \\leq n \\leq 256 $ を用いて $ 2n-1 , 2n $ と表される $2$ 整数)を合わせて**ペア**と呼ぶことにする.任意のペアについて,そのペアを含む数列を対象として操作を行うたびにペアの $2$ 数の間にある数の個数が $1, 3, 7, \\dots $ 個と増えていく.また数列の長さに着目すれば,そのペアを含む数列は合計で $8$ 回操作の対象になるとわかる.これより,最終的な数列 $T$ ではペアの関係にある $2$ 数の間には $255$ 個の数があるから,$T$ の $1$ 番目から $256$ 番目の数は奇数,残りは偶数であることがわかる.また左から $1$ 番目から $256$ 番目の数が決まれば残りの数も一意に決まるため,$f(1) + f(2) + \\cdots + f(256)$ の値を求めてそれを $2$ 倍すればよい.\\\r\n $T=(K_0,K_1,\\dots,K_{511})$ とおく(問題文とは違い,添字が $0$ から始まることに注意せよ).最後の操作の直前の状態では長さ $256$ の $2$ つの数列\r\n$$(K_0,K_2,\\dots,K_{510})(=T_0),\\quad (K_1,K_3,\\dots,K_{511})(=T_1)$$\r\nがあり,操作における要素の大小関係についての制約から,$K_{2k}\\leq K_{2k+1}\\ (0\\leq k\\leq 255)$ が成り立つ.これは次のように表現できる:\r\n- $K_n,K_m$ が長さ $256$ の同じ列に含まれるための必要十分条件は,$n,m$ を二進数表記したとき下 $1$ 桁が一致することである.\r\n- $n\\lt m$ かつ $n,m$ を二進数表記したとき下から $1$ 桁目のみが異なるならば $K_n\\leq K_m$.\r\n\r\n また $T_0$ が新しく書き込まれる操作において,操作の対象となる $2$ つの数列は\r\n$$(K_0,K_4,\\dots,K_{508}),\\quad (K_2,K_6,\\dots,K_{510})$$\r\nであり,操作での制約より $K_{4k}\\leq K_{4k+2}\\ (0\\leq k\\leq 127)$ が成り立つ.$T_1$ についても同様に考えれば次を得る:\r\n- $K_n,K_m$ が長さ $128$ の同じ列に含まれるための必要十分条件は,$n,m$ を二進数表記したとき下 $2$ 桁が一致することである.\r\n- $n\\lt m$ かつ $n,m$ を二進数表記したとき下から $2$ 桁目のみが異なるならば $K_n\\leq K_m$.\r\n\r\n これ以降も同様に考えれば,次の事実を得る:\r\n- $B_n$ を $n$ の二進数表記で下から $i$ 桁目が $1$ となるような非負整数 $i$ 全体の集合とする(例えば $B_{10}=\\\\{2,4\\\\}$).このとき $B_n\\subset B_m$ ならば $K_n\\leq K_m$.\r\n\r\n具体的には $ B_n \\subset B_m $ を満たす $ n, m $ について「$n$ のある一つの桁のみを選んでその桁を $0$ から $1$ にする」という操作を繰り返すことで $n=m$ にすることができることから $ K_n \\leq K_m $ が従う.またこの条件を満たすような $T$ であれば,初期状態から適切に操作を繰り返すことで作成可能であることも分かる.\\\r\n これを踏まえて,$i=0,1,\\dots,255$ に対し $ f(i+1) $ を求める.$B_{n}\\$ の要素数を $c_{n}$ で表すことにすると,$ B_n \\subsetneq B_{i} $ を満たす $n$ は $ 2^{c_{i}} - 1 $ 個,$ B_{i} \\subsetneq B_n $ を満たす $n$ は $ 2^{8-c_{i}} - 1 $ 個あることから $ 2\\times(2^{c_{i}}-1) + 1 \\leq K_{i-1}\\leq 2\\times(256-2^{8-{c_{i}}})+1 $ が必要である.逆に,これを満たす任意の正の奇数が $ K_{i} $ になり得る.従って $ f(i+1) = 258-2^{8-c_{i}}-2^{c_{i}} $ が得られた.$ c_{i} = k \\ ( 0 \\leq k \\leq 8 ) $ を満たす $i \\ ( 0 \\leq i \\leq 255 )$ は $ \\dbinom{8}{k} $ 個あるため,求めるべき値は \r\n$$ 2 \\left( \\sum_{k=0}^{8} \\ (258-2^{8-k}-2^{k}) × \\dbinom{8}{k} \\right) = \\mathbf{105852}. $$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/editorial/7957" } ]
 はじめ,黒板に $256$ 個の長さ $2$ の数列 $(2n-1, 2n) ~ (n=1,2,\dots,256)$ が書かれています.これらの数列に対して次の操作を考えます. - **操作**:長さが等しい $2$ つの相異なる数列 $(a_1, \ldots, a_m)$ および $(b_1, \ldots, b_m)$ であって,任意の $1 \le k \le m$ について $a_k \le b_k$ をみたすものを黒板から選び,それらを消す.そして,黒板に長さが $2$ 倍の数列 $(a_1, b_1, a_2, b_2, \ldots, a_m, b_m)$ を新たに書き足す. この操作を何度か行った結果,黒板には数列 $(t_1, \ldots, t_{512})$ のみが書かれている状態になりました.$1\le i \le 512$ それぞれについて,$t_i$ としてありうる値の種類数を $f(i)$ とするとき, $$f(1) + f(2) + \cdots + f(512) $$ の値を解答してください.
OMC212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212
https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/tasks/8078
F
OMC212(F)
500
18
31
[ { "content": " 点 $Y$ を含まない方の弧 $AB$ の中点を $P$,点 $Y$ を含む方の弧 $AB$ の中点を $Q$ とする.このとき,$3$ 点 $Y, X, P$ 及び $Z,X,Q$ がこの順に同一直線上に並ぶことをまず示す.\\\r\n 以下,円 $Ω$ の中心を $O$,円 $Ω_1$ の中心を $O_1$,円 $Ω_2$ の中心を $O_2$ とする.このとき,$P$ が弧 $AB$ の中点であることから $PO \\perp AB$ が従い,また,明らかに $O_1X \\perp AB$ であるため,$PO \\parallel O_1X$ が従い, $Y, O_1, O$ がこの順に一直線上に並ぶことと合わせて,$∠YO_1X = ∠YOP$ が導かれる.そして,$YO_1 = O_1X, YO = OP$ から $∠O_1YX = ∠OYP$ が従い,直線 $YO$ に関して $X$ と $P$ が同じ側にあることと合わせて,$Y, X, P$ がこの順に同一直線上に並ぶことが示された.$3$ 点 $Z, X, Q$ が同一直線上に並ぶことについても,同様にして示される.\\\r\n これより,$AP = BP$ から\r\n$$∠AYX = ∠AYP = ∠BYP = ∠BYX$$\r\nとなり, $AX : BX = AY : BY = 2 : 1$ と分かる.同様にして,$∠AZX = ∠BZX$,及び $AZ : BZ = AX : BX = 2 : 1$ も分かる.ここで,円 $Ω$ の周上に点 $Z^\\prime$ を,$ZZ^\\prime \\parallel BA$ を満たすように取ったとする.このとき,$∠ZAB = ∠AZZ^\\prime$ より,$AZ^\\prime = BZ$ が従い,四角形 $AZ^\\prime ZB$ は等脚台形と分かる.よって,$AZ^\\prime : Z^\\prime B = BZ : ZA = 1 : 2$ と分かり, $YZ^\\prime$ と $AB$ の交点を $M^\\prime$ とおくと,\r\n$$AM^\\prime : M^\\prime B = AY × AZ^\\prime : BY × BZ^\\prime = 1 : 1$$\r\nとなることが分かる.よって,$M^\\prime$ と $M$ は一致し,$3$ 点 $Y, M, Z^\\prime$ が同一直線上に並ぶことが分かる.このとき,\r\n$$∠YMB = ∠YAM + ∠AYM = ∠YAB + ∠AYZ^\\prime = ∠YAB + ∠BAZ = ∠YAZ$$ \r\nが導かれる.(最後から $2$ 番目の等号に $AZ^\\prime = BZ$ を用いた.) 同様にして,$∠ZMB = ∠YAZ$ も導かれる.よって,$∠YMZ = 2∠YAZ = ∠YOZ$ が分かり,$4$ 点 $Y, M, O, Z$ は共円と分かる.また,$YZ$ と $AB$ の交点を $L$ とすると,$∠YML = ∠ZML$ から,$YL : ZL = YM : ZM = 3 : 5$ である.また,$∠AYB + ∠AZB = 180^\\circ$ より $\\sin \\angle AYB =\\sin\\angle AZB $ であるので\r\n$$YA × YB : ZA × ZB = \\triangle AYB : \\triangle AZB = AB\\times YL : AB\\times ZL=3 : 5$$\r\n が従う.これと,$ZA : ZB = 2 : 1$ を合わせると,$ZA = \\cfrac{8\\sqrt{15}}{3}, \\ ZB = \\cfrac{4\\sqrt{15}}{3}$ が得られる.また,$∠AYB + ∠AZB = 180^\\circ$,つまり,$\\textrm{cos}∠AYB + \\textrm{cos}∠AZB = 0$ を用いて,三角形 $AYB$ と三角形 $AZB$ に余弦定理を適用すると,$AB = 10$,及び,$\\textrm{cos}∠AYB = -\\cfrac{5}{16}$ が得られる.よって, $\\textrm{sin}∠AYB = \\cfrac{\\sqrt{231}}{16}$ が分かり,正弦定理より,円 $Ω$ の半径が $\\cfrac{80}{\\sqrt{231}}$ と分かる.\\\r\n そして,$3$ 点 $N, M,O$ がこの順に一直線上に並ぶこと,及び $4$ 点 $Y,M,O,Z$ が共円であることから,三角形 $NYM$ と三角形 $NOZ$ が相似であると分かる.よって,$NM : NZ = YM : OZ$,及び,$∠NMY = ∠NZO$\r\nが分かる.三角形 $AYB$ に中線定理を適用することで,$YM = \\sqrt{15}$ が分かり,かつ $OZ = \\cfrac{80}{\\sqrt{231}}$ であることから,$NM : NZ = 3\\sqrt{385} : 80$ と分かる.また,\r\n$$∠OMZ = 90^\\circ - ∠ZMB = 90^\\circ - ∠YMB = ∠NMY = ∠OZN$$\r\nより,三角形 $OMZ$ と三角形 $OZN$ が相似とも分かる.よって,$OM × ON = OZ^2 = \\cfrac{6400}{231}$ が従う.$OM = \\sqrt{OB^2 - BM^2} = \\cfrac{25}{\\sqrt{231}}$ より,$ \\ ON = \\cfrac{256}{\\sqrt{231}}$ が分かり,$NM = ON - OM = \\sqrt{231}$ が分かる.よって,$NM : NZ = 3\\sqrt{385} : 80$ より,$NZ = \\cfrac{80}{\\sqrt{15}}$ が分かり,$NZ^2 = \\cfrac{1280}{3}$ が分かる.特に,解答すべき値は $\\mathbf{1283}$ となる.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/editorial/8078" }, { "content": "(きちんと読むのが面倒な方向けに)本別解のハイライト\\\r\n 点 $M$ の周りの方べきの定理を用いて,$MA \\cdot MB = MY \\cdot MZ$ である(わからなければ公式解説の点 $Z^{\\prime}$ を参考にせよ).\r\n\r\n---\r\n\r\n 以下,各点の名称は,公式解説と同じものを用いている(定義も改めて記す).\\\r\n 点 $Z$ を含む方の弧 $AB$ の中点を $P$,点 $Y$ を含む方の弧 $AB$ の中点を $Q$ とする.このとき,$3$ 点 $Y, X, P$ 及び $Z, X, Q$ はこの順に同一直線上にある(理由は公式解説を参照).\\\r\n なお,このことから $\\angle AYX = \\angle BYX$ が成り立ち,$AX:BX=2:1$,同様にして $AZ:BZ=2:1$ も示せる. \r\n\r\n また,$\\angle YMB=\\angle ZMB$ である.これについては公式解説と別の証明を与える.\\\r\n $4$ 点 $M, X, Y, Q$ は共円である($\\because \\angle QMX=90^{\\circ}, \\angle QYX=\\angle QYP=90^{\\circ}$).これより,$\\angle YQX= \\angle YMX$ が従う.\\\r\n 同様に,$4$ 点 $M, X, Z, P$ について考えて,$\\angle ZPX= \\angle ZMX$\\\r\n 円周角の定理より,$\\angle YQX= \\angle YQZ = \\angle YPZ = \\angle ZPX$ であり,これより $\\angle YMB=\\angle ZMB$ が従う.\\\r\n ここで,点 $Y$,$Z$ から 直線 $AB$ に垂線を下ろし,その足をそれぞれ $H$,$I$ とする.\\\r\n $\\angle YMB=\\angle ZMB$ より $MH:MI=MY:MZ=3:5$ であり,このことから,$NZ= \\dfrac{5}{2}YZ$ が従う.従って,以下は $YZ$ を求めることが目標となる.\r\n\r\n---\r\n\r\n 以上で準備が整った.あとは,適当な図形に諸定理を活用していこう.\\\r\n $AM=m$ とおく.中線定理より $YM=\\sqrt{40-m^2}$ を得,これより $ZM=\\dfrac{5}{3} \\sqrt{40-m^2}$ である.\\\r\n 点 $M$ の周りの方べきの定理を用いて,$MA \\cdot MB = MY \\cdot MZ$ である(わからなければ公式解説の点 $Z^{\\prime}$ を参考にせよ).これを用いて $m=5$ を得る.\\\r\n $\\triangle ABZ$ に再度中線定理を利用して,$AZ=\\dfrac{8}{3}\\sqrt{10}$,$BZ=\\dfrac{4}{3}\\sqrt{10}$.\\\r\n 最後に四角形 $AYBZ$ にトレミーの定理を利用して $YZ=\\dfrac{32}{15}\\sqrt{15}$ を得る.\\\r\n なお,最終的に求めたいものは,$NZ=\\dfrac{5}{2}YZ$ であったことに注意せよ.", "text": "方べきの定理・トレミーの定理等を利用した別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/editorial/8078/437" }, { "content": "次の事実を用いる(証明は公式解説を参照).\r\n- $(1)$ 方べきの定理により$MA\\times MB=MY\\times MZ$\r\n- $(2)$ $\\angle YMB=\\angle ZMB$\r\n- $(3)$ $NZ=\\dfrac{5}{2}YZ$\r\n----\r\n\r\n 事実 $(1)$ より\r\n$$MA:MB:MY:MZ=\\sqrt{15}:\\sqrt{15}:3:5$$\r\nである.これと三角形 $ABY$ に対する中線定理により得られる式\r\n$$8^2+4^2=2(MY^2+MB^2)$$\r\nより,$MY=\\sqrt{15}, ~ MB=5, ~ MZ=\\dfrac{5\\sqrt{15}}{3}$ を得るので,余弦定理により $\\cos\\angle YMB =\\dfrac{4}{25}\\sqrt{15}$ がわかる.\\\r\nこれと事実 $(2)$ より,$\\cos \\angle YMZ=2\\cos^2\\angle YMB-1=-\\dfrac{29}{125}$ である.もう一度余弦定理を用いて,\r\n$$YZ^2=MY^2+MZ^2-2MY\\cdot MZ\\cos \\angle YMZ=\\frac{1024}{15}$$\r\nである.したがって事実 $(3)$ を用いて $NZ^2=\\dfrac{25}{4}YZ=\\dfrac{1280}{3}$ を得る.", "text": "三角比による計算", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc212/editorial/8078/439" } ]
 円 $Ω$ の周上に異なる $2$ 点 $A,B$ があり,線分 $AB$ 上に点 $X$ があります.また, 円 $Ω$ の周上に $2$ 点 $Y,Z$ があり,これらは直線 $AB$ に関して反対側にあり,かつ $AY = 8, BY = 4$ を満たします.このとき,円 $Ω_1$ は点 $X$ で線分 $AB$ に接し,点 $Y$ で円 $Ω$ に内接しました.また,円 $Ω_2$ は点 $X$ で線分 $AB$ に接し,点 $Z$ で円 $Ω$ に内接しました.そして,線分 $AB$ の中点を $M$ としたとき,$YM : ZM = 3:5$ が成立しました.線分 $AB$ の垂直二等分線と直線 $YZ$ の交点を $N$ とするとき,線分 $NZ$ の長さの二乗を求めて下さい.ただし,答えは互いに素な正整数 $a,b$ を用いて $\dfrac{a}{b}$ と表されるため,$a+b$ の値を解答して下さい.
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A
OMC211(A)
100
355
365
[ { "content": " 条件は $ab-(a+b)+1=(a-1)(b-1)$ が $10$ で割って $1$ 余ることと同値である.$10$ で割って $1$ 余る正整数であって,$8$ 以下の正整数 $2$ つの積に表せるものは $1=1\\times 1$ と $21=3\\times 7$ のみであるから,求める組は $(2,2),(4,8),(8,4)$ である.特に求める総和は $\\textbf{28}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/5120" }, { "content": "  $a+b$ と $ab$ の一の位が等しいとき,少なくとも $a+b$ と $ab$ の偶奇は一致することが必要です.\\\r\n  $a$ と $b$ の偶奇で場合分けすると,\r\n\r\n- $a$ が奇数, $b$ が奇数のとき, $a+b$ は偶数, $ab$ は奇数となり偶奇は一致しない.\r\n- $a$ が奇数, $b$ が偶数のとき, $a+b$ は奇数, $ab$ は偶数となり偶奇は一致しない.\r\n- $a$ が偶数, $b$ が奇数のとき, $a+b$ は奇数, $ab$ は偶数となり偶奇は一致しない.\r\n- $a$ が偶数, $b$ が偶数のとき, $a+b$ は偶数, $ab$ は偶数となり偶奇は一致する.\r\n\r\n したがって $a+b$ と $ab$ の偶奇が一致することの必要十分条件は $a$ と $b$ が両方偶数であることです. \\\r\n なのでこの問題において, $a,b$ が両方 $1$ 以上 $9$ 以下の偶数である場合( $16$ 通り)をすべて試すと答えを得ます.", "text": "偶奇性に着目した解法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/5120/433" } ]
 $1$ 以上 $9$ 以下の整数の組 $(a,b)$ であって,$a+b$ と $ab$ それぞれの一の位が等しいものすべてについて,$a+b$ の総和を求めてください.
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B
OMC211(B)
200
306
354
[ { "content": "$$f(n)=\\dfrac{1}{n}+\\dfrac{20}{n^2}=\\frac{n+20}{n^2}$$\r\nとおく.$f(n)=0$ のとき,$n=-20$ を得る.それ以外のとき,$\\lvert f(n) \\rvert\\geq 1$ すなわち\r\n$$\\lvert n+20 \\rvert \\geq n^2$$\r\nが必要であり,これは $-4\\leq n\\leq 5$ と同値である.この範囲で調べれば $n=-4, -1, 1, 5$ が適する.\\\r\n 以上より,解答は $20+4+1+1+5=\\bf{31}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/3160" }, { "content": " $$\\frac{1}{n}+\\frac{20}{n\\^2}=\\frac{n+20}{n\\^{2}}$$ より, $n+20$ は $n$ の倍数となる必要があり, 特に $n$ は $20$ の約数です. \r\n$nm=20$ なる整数 $m$ を取ると, 与式は\r\n\r\n$$\\begin{aligned}\r\n\\frac{n+20}{n\\^{2}}&=\\frac{n+nm}{n\\times \\frac{20}{m}}\\\\\\\\\r\n&=\\frac{m(m+1)}{20}\\\\\\\\\r\n\\end{aligned}$$\r\n\r\nと変形できます. よって, 最後の式が整数となるような $20$ の約数 $m$ を探せばよく, $m=-20,-5,-1,4,20$ が見つかります. \r\n\r\nなお, この $m$ の発見は $20$ の約数 $12$ 個全てを愚直に計算して試す方法のほか, \r\n- $m,m+1$ のうち偶数は一方のみのため, その一方が $4$ の倍数となる必要がある. よって, $m=\\pm 2,\\pm 10$ はありえない. \r\n- $\\mod 5$ を考えることで, $m\\equiv 0,4\\pmod 5$ のみが条件を満たしうる. \r\n\r\nなどによって候補を絞ることが可能です.", "text": "別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/3160/426" } ]
$$\dfrac{1}{n}+\dfrac{20}{n^2}$$ が整数となるような $0$ でない整数 $n$ について,その**絶対値の総和**を解答してください.\  例えば,求めるものが $n=-3,3,4$ であれば, $$\lvert-3\rvert+\lvert3\rvert+\lvert4\rvert=10$$ を解答してください.
OMC211 (for beginners)
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C
OMC211(C)
200
227
279
[ { "content": "  $AB=7x,AC=16y$ とおくと,方べきの定理より\r\n$$AD_1^2=AD_2 \\times AD_3,\\quad BD_1^2=BD_4^2,\\quad CD_3 \\times CD_2=CD_4^2$$\r\nとなる.よって,\r\n$$x^2 : y^2 = 63 : 8, \\quad BD_1^2 = 9x^2, \\quad CD_4^2 = 14y^2$$\r\nであるから,\r\n$$BD_4^2:CD_4^2=81:16$$\r\nより $BD_4:CD_4=9:4$ を得る.特に解答すべきは $\\bf13$ .", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/4079" }, { "content": " $AD_2=9k$,$D_2D_3=5k$,$D_3C=2k$ とおくと,方べきの定理より $AD_1=3\\sqrt{14}\\ k$,$CD_4=\\sqrt{14}\\ k$ を得る.\\\r\n さらに $AD_1:D_1B=4:3$,$BD_1=BD_4$ を用いれば,$BD_4=\\dfrac{9}{4}\\sqrt{14} \\ k$ である.\r\n\r\n※なお本問では,さらに適当な相似変換を行うことで,特に $k=1$ としても問題ない.", "text": "ユーザー解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/4079/424" } ]
 三角形 $ABC$ の辺 $AB, BC$ にそれぞれ点 $D_1, D_4$ で接する円 $\omega$ があり,$\omega$ は相異なる点 $D_2,D_3$ で辺 $AC$ と交わっています.ただし,$4$ 点 $A,D_2,D_3,C$ はこの順に並んでいます. $$AD_1:D_1B=4:3,\quad AD_2:D_2D_3:D_3C=9:5:2$$ であるとき,互いに素な正整数 $a, b$ を用いて $BD_4:D_4C=a:b$ と表されます.$a+b$ を求めてください.
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D
OMC211(D)
300
82
132
[ { "content": " 直線 $I_CA$ と $\\triangle ABC$ の外接円の交点のうち $A$ でない方を $M$ とする.一般に\r\n$$\\angle{CAB}+2\\angle{I_CAB}=180\\degree$$\r\nであることから次が成り立つ.\r\n$$\\angle MAC=\\angle I_CAB=\\angle CAB=60\\degree$$\r\nこれより $MBC$ は正三角形となる.さらに,簡単な角度計算から $\\angle MI_CB=\\angle MBI_C$ が分かるので\r\n$$MI_C=MB=MC=BC$$\r\nである.これらのことから\r\n$$AM+AB=AC=BC+1=MI_C+1$$\r\nしたがって $AB=AI_C+1$ であり,$AB=x$ とすれば三角形 $ABI_C$ において余弦定理から\r\n$$x^2+(x-1)^2-x(x-1)=6^2$$\r\nこれを解くと $x=\\dfrac{1+\\sqrt{141}}{2}$ であり,解答は $1+141+2=\\bf{144}$ .\r\n\r\n----\r\n**別解.**\r\n\r\n 直線 $CI_C$ に関して $B$ と対称な点を $X$ とすると,これは辺 $AC$ 上にある.簡単な角度計算により, $4$ 点 $A,X,B,I_C$ は同一円周上にあり,特に三角形 $BI_CX$ は正三角形である.よって $BX=BI_C=6$ が従うので三角形 $ABX$ について余弦定理を用いることで $AB^2+1-AB=36$ を得る.したがって $AB=\\dfrac{1+\\sqrt{141}}{2}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/3164" }, { "content": " 線分 $AB$ と傍接円 の交点を $P$,直線 $BC$ と傍接円 の交点を $Q$,直線 $CA$ と傍接円 の交点を $R$ とおく.\\\r\n $CR=CQ$ を用いて,$AR=k$,$BQ=k+1$ とおける.これより $AP=AR=k$,$BP=BQ=k+1$ である.\\\r\n さらに $\\triangle{API_C}$ は三つの角の大きさが $90^{\\circ}$,$60^{\\circ}$,$30^{\\circ}$ であり,これを用いれば $PI_C=\\sqrt{3}\\ k$ である.\\\r\n 最後に,$\\triangle{BPI_C}$ に三平方の定理を用いることで,$(\\sqrt{3}\\ k)^2+(k+1)^2=6^2$ より $k$ の値が求まる.なお,求めたい値は $AB=2k+1$ であることに注意せよ.", "text": "傍接円の性質を用いる方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/3164/425" } ]
 $AC-BC=1$ を満たす $\triangle ABC$ について,その $\angle C$ 内の傍心を $I_C$ とすると以下が成立しました. $$\angle I_CAB=\angle CAB,\quad BI_C=6$$  このとき,辺 $AB$ の長さは 互いに素な正整数 $a,c$ と,平方因子を持たない正整数 $b$ によって $\dfrac{a+\sqrt{b}}{c}$ と表せるので,$a+b+c$ を解答してください.
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E
OMC211(E)
400
53
86
[ { "content": " $3×20$ のマス目を考え,上から $a_i$ 行目,左から $b_i$ 行目のマスを $X_i$ とする.このとき,$X_1,X_2,\\ldots,X_{60}$ はマス目の全てのマスを通り,左上のマスから右上のマスまで,辺を共有したマスを辿る道になっているから,このような道の個数を数えれば良い.以下では,上から $c$ 行目,左から $d$ 行目のマスを $[c,d]$ で表す.\\\r\n $[1,1]$ から $0$ 回以上右に進み,初めて下に進んだマスを $[2,k]$ とすると,道はそこから\r\n$$[2,k]→ \\cdots →[2,1]→[3,1]→ \\cdots →[3,k]→[3,k+1]$$\r\nと一意に定まることが分かる.特に,$3×n$ のマス目について,$[1,1]→[1,n]→[3,1]→[3,n]$ と通る道はちょうど $1$ つ存在する.従って,$3×20$ のマス目をいくつかの $3×n$ のマス目に分ける方法を考えれば,それと道が $1$ 対 $1$ 対応する.ただし,このままでは終点が $[1,20]$ ではなく $[3,20]$ ともなりうることに留意する.\\\r\n 上のマス目の分け方を次のように考える.\r\n\r\n- $3×20$ のマス目を分けている縦の線 $19$ 本のうち,$0$ 本以上を選び,それを境界とする.\r\n\r\n このとき,境界を $1$ 本引くと終点の右上・右下が入れ替わるため,境界はちょうど奇数本引けば良い.$19$ 本目の境界を最後に選べば,その有無で偶奇を調整できるため,特に求める答は $2^{18}=\\mathbf{262144}$ である.\\\r\n 以下に $3×7$ のマス目を $3$ 本の境界で分けた場合を示す:\r\n\r\n![figure 1](\\/images\\/xNRJcAwsvaqfsepIfXOCMZGuq4D4NTFwfIqDFrcC)", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/7007" }, { "content": "3\\/5中に執筆", "text": "漸化式による数え上げ", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/7007/435" } ]
 $1$ 以上 $3$ 以下の整数の組 $(a_1,a_2,\ldots,a_{60})$ と $1$ 以上 $20$ 以下の整数の組 $(b_1,b_2,\ldots,b_{60})$ のペアであって,以下の条件をすべてみたすものはいくつありますか. - $a_1=a_{60}=b_1=1, ~ b_{60}=20$. - $i=1,2,\ldots,59$ それぞれについて,以下の一方が成り立つ: - $|a_{i}-a_{i+1}|=1$ かつ $b_i=b_{i+1}$. - $a_i=a_{i+1}$ かつ $|b_{i}-b_{i+1}|=1$. - 組 $(a_1,b_1),(a_2,b_2),\ldots,(a_{60},b_{60})$ は相異なる.
OMC211 (for beginners)
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F
OMC211(F)
400
50
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[ { "content": " まず,任意の複素数係数多項式 $P$ について,$P(x)-x$ が重根を持たないならば $P(P(x)) - x$ は $P(x) - x$ で割り切れる.\r\n<details><summary>理由<\\/summary>\r\n $P(x)-x=0$ の任意の解 $\\alpha$ について,$P(P(\\alpha))-\\alpha=0$ となるため.\r\n<\\/details>\r\n\r\nよって,$2000=m$ とすれば\r\n$$\\begin{aligned}\r\n-p &= f(f(n))-n \\\\\\\\\r\n&= (n^2+3n-m^2)^2+3(n^2+3n-m^2)-m^2-n\\\\\\\\\r\n&=n^4+6n^3+(12-2m^2)n^2+(8-6m^2)n+m^4-4m^2\\\\\\\\\r\n&=(n^2+2n-m^2)(n^2+4n-m^2+4)\\\\\\\\\r\n&=((n+1)^2-2000^2-1)(n+2002)(n-1998)\r\n\\end{aligned}$$\r\nが分かる.$n+2002$ と $n-1998$ の差が $4$ であることに注意するとこれら $2$ 数の絶対値は少なくとも一方は $1$ でない.したがって $p$ が素数であるために $(n+1)^2-2000^2-1$ の絶対値が $1$ であることが必要であるので $n=1999,-2001$ となる.このうち $p$ が素数であるのは $n=1999$ のときである.以上より与式を満たすのは $(n, p) = (1999, 4001)$ のみと分かる.特に解答すべきは $\\bf{7997999}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/4458" }, { "content": " $f(f(x))-x$ を因数分解するパートの想定解とは異なる方法です. \r\n一般に, $h(x)=x^2+ax+b$ に対し, $h(x)-h(y)=(x-y)(x+y+a)$ となる事を利用します. \r\n\r\n$h(x)=f(x)+x$ とします. この時, $h(x)$ の $x$ の係数は $4$ であるので, \r\n\r\n$$\\begin{aligned}\r\nf(f(x))-x&=f(f(x))+f(x)-f(x)-x\\\\\\\\\r\n&=h(f(x))-h(x)\\\\\\\\\r\n&=(f(x)-x)(f(x)+x+4)\r\n\\end{aligned}$$\r\n\r\nと因数分解できます.", "text": "因数分解の別の方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/4458/427" }, { "content": " 因数分解にあたって邪魔な $4000000$ を消去するという考え方で変形しても自然に処理できる.\r\n$$f(f(n))-n=f(n)^2+3f(n)-4000000-n=f(n)^2+3f(n)+f(n)-n^2-3n-n$$\r\n$$=f(n)^2+4f(n)-n^2-4n=(f(n)-n)(f(n)+n+4)$$", "text": "因数分解のアイデア", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc211/editorial/4458/436" } ]
 $f(x)=x^2+3x-4000000$ と定めます. 以下の等式を満たす整数 $n$ と 素数 $p$ の組 $(n,p)$ 全てについて,$np$ の総和を求めてください. $$n=f(f(n))+p$$
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A
OMC210(A)
300
175
243
[ { "content": " まず,一つ目の条件より $f$ は素数での値を決めれば一意に定まることに注意し($n=m=1$ より $f(1)=1$ である),さらに $f, \\sigma, d$ はいずれも乗法的関数であることから,二つ目の条件は $n$ が素べきのときでの成立が必要十分である.\\\r\n $p$ を素数,$m$ を正整数とすると,二つ目の条件は\r\n$$1\\le\\frac{d(p^m)\\sigma(p^m)}{f(p^m)}=\\frac{(m+1)(p^m+p^{m-1}+\\cdots+1)}{f(p)^m}=\\frac{(m+1)(p^{m+1}-1)}{(p-1)f(p)^m}$$\r\nとなる.特に $m\\to\\infty$ とすることで $f(p)\\le p$ が従い,逆にこのとき任意の $m$ に対して不等式の成立が確認できる.また,$p=2, 3, 5, 7$ について $f(p)$ の値を $1, 2, \\cdots, p$ から任意に定めたとき,$11$ 以上の素数 $p$ に対して $f(p)=1$ とすることで実際に条件を満たす関数を構成できる.\\\r\n 従って,$f(2\\times3^{10}\\times5^{100}\\times7^{1000})=f(2)\\times f(3)^{10}\\times f(5)^{100}\\times f(7)^{1000}$ として取り得る値は\r\n$$2\\times3\\times5\\times7=\\mathbf{210}$$\r\n通りである.ただし,各因子の指数の差が十分大きいことから, $f(2\\times3^{10}\\times5^{100}\\times7^{1000})$ として取り得る値と組 $(f(2), f(3), f(5), f(7))$ が一対一に対応することに注意する.\r\n\r\n\r\n<details><summary> 乗法的関数について <\\/summary>\r\n\r\n $\\mathbb N$ 上で定義された関数 $g$ が**乗法的関数**であるとは,任意の互いに素な正整数 $m, n$ について\r\n$$ g(mn) = g(m) g(n) $$\r\nが成り立つことをいう.乗法的関数 $g, h$ に関して次の特徴が知られている.\r\n- 素べきが $g$ によって移る先をすべて定めれば,正整数が $g$ で移る先がすべて定まる.\r\n- $g(n)h(n)$ や $\\sum_{d \\mid n} g(n)$ を返す関数も乗法的となる.\r\n\r\n<\\/details>", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/8203" } ]
 正の整数に対して定義され,正の整数値をとる関数 $f$ が,以下の条件をともにみたします: - 任意の正の整数 $n, m$ に対して $f(nm)=f(n)f(m)$. - 任意の正の整数 $n$ に対して $f(n)\le \sigma(n)d(n)$.  このとき,$f(2\times3^{10}\times5^{100}\times7^{1000})$ としてありうる値はいくつありますか?ここで,$\sigma(n)$ は $n$ の正の約数の総和を表し,$d(n)$ は $n$ の正の約数の個数を表します.
OMC210 (エリジオン杯)
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B
OMC210(B)
500
129
193
[ { "content": " 正の整数からなる空でない有限集合 $S$ の元を小さいほうから $a_1, a_2, \\ldots, a_m$ とおく.また,部分集合の元の総和として表せることを**表現可能**と呼ぶ.このとき,$S$ がフレキシブルであることは以下と同値である:\r\n\r\n- すべての $k=1, 2, \\ldots, m$ に対して $\\displaystyle a_k\\le1+\\sum_{i=1}^{k-1}a_i$ を満たす.ただし $\\displaystyle\\sum_{i=1}^{0}a_i=0$ とする.$\\quad\\cdots(\\star)$\r\n\r\n<details><summary>証明.<\\/summary>\r\n\r\n 必要性は明らかである.十分性を $a_m$ についての帰納法で示す.$a_m=1$ のときはよい.$a_m\\le l$ のとき成立を仮定する.$a_m=l+1$ だとすると,仮定より $1$ 以上 $\\sum_{i=1}^{m-1}a_i$ のすべての整数は表現可能であり,それらに $a_m$ を含めることで $a_m$ 以上 $\\sum_{i=1}^{m}a_i$ のすべての整数は表現可能である.$a_m\\le1+\\sum_{i=1}^{m-1}a_i$ であることから,$S$ はフレキシブルである.\r\n\r\n<\\/details>\r\n\r\n 以下 $(\\star)$ を満たす $\\\\{1, 2, \\ldots , 16\\\\}$ の空でない部分集合の個数を考える.\r\n- 要素数が $3$ 以下のものは $\\\\{1\\\\}, \\\\{1, 2\\\\}, \\\\{1, 2, 3\\\\}, \\\\{1, 2, 4\\\\}$ のみである.\r\n- 要素数が $4$ 以上のものについて $(a_1, a_2, a_3)=(1, 2, 3), (1, 2, 4)$ のいずれかである.\r\n\r\nさらに,\r\n- $(a_1, a_2, a_3)=(1, 2, 3)$ の場合,$a_4$ としてありえるものは $4, 5, 6, 7$\r\n- $(a_1, a_2, a_3)=(1, 2, 4)$ の場合, $a_4$ としてありえるものは $5, 6, 7, 8$\r\n\r\nである.いま,$a_5$ が存在する場合,$16=1+2+\\cdots+5+1$ より,$S$ がフレキシブルであることは \r\n- $a_1$ から $a_4$ までが上のパターンかつ $a_5\\le a_1+a_2+a_3+a_4+1$\r\n\r\nに同値である.\r\n$8$ パターンそれぞれについて $a_5\\gt a_1+a_2+a_3+a_4+1$ なるパターンを除いたものを合計することで\r\n$$\\begin{aligned}\r\n&(2^{12}-2^5+1)+(2^{11}-2^4+1)+(2^{10}-2^3+1)+(2^{9}-2^2+1) \\\\\\\\\r\n+\\ &(2^{11}-2^3+1)+(2^{10}-2^2+1)+(2^{9}-2^1+1)+2^8=11453\r\n\\end{aligned}$$\r\n要素数が $3$ 以下のものを合計すれば求めるべき個数は $\\mathbf{11457}$ 個である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/5093" } ]
 正の整数からなる空でない有限集合 $S$ が**フレキシブル**であるとは,以下の条件を満たすことをいいます: - $S$ の元の総和を $N$ とする.このとき,$1$ 以上 $N$ 以下の任意の整数 $n$ について,ある $S$ の空でない部分集合 $T$ が存在して,$T$ の元の総和が $n$ になる. 集合 $\\{1, 2, \ldots , 16\\}$ の空でない部分集合であって,フレキシブルであるものはいくつ存在しますか?
OMC210 (エリジオン杯)
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C
OMC210(C)
600
28
71
[ { "content": " 求める期待値を $E$ とする.ボールを $n$ 回以上 $m$ 回以下取り出す確率を $p(n, m)$ とすれば,期待値について\r\n$$E=\\sum_{n=2}^{257}(n-1)^{3}p(n, n)=\\sum_{n=2}^{257}((n-1)^{3}-(n-2)^{3})p(n, 257)$$\r\nが成立する.ここで, $p(n, 257)$ は最初から $n-1$ 個の数が狭義単調増加になる確率なので,$\\dfrac{{}\\_{256}\\text{C} {}\\_{n-1}}{256^{n-1}}$ に等しい.よって,\r\n$$\\begin{aligned}\r\n\\sum_{n=2}^{257}((n-1)^{3}-(n-2)^{\r\n3})p(n, 257)&=\\sum_{n=1}^{256}\\dfrac{(n^{3}-(n-1)^{3}){}\\_{256}\\text{C} {}\\_n}{256^n}\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{n=1}^{256}\\dfrac{(3n^2-3n+1){}\\_{256}\\text{C} {}\\_n}{256^n}\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{n=1}^{256}\\dfrac{(3n(n-1)+1){}\\_{256}\\text{C} {}\\_n}{256^n}\\\\\\\\\r\n&=\\sum_{n=2}^{256}\\dfrac{3\\times255 \\times{}\\_{254}\\text{C} {}\\_{n-2}}{256\\times256^{n-2}}+\\sum_{n=1}^{256}\\dfrac{{}\\_{256}\\text{C} {}\\_n}{256^n}\\\\\\\\\r\n&=\\frac{765}{256}\\bigg(1+\\frac1{256}\\bigg)^{254}+\\bigg(1+\\frac1{256}\\bigg)^{256}-1\\\\\\\\\r\n&=\\frac{765\\times256\\times257^{254}+257^{256}}{256^{256}}-1\\\\\\\\\r\n&=\\frac{261889\\times257^{254}}{256^{256}}-1\r\n\\end{aligned}$$\r\n 求める値は $E+1$ を(分母が正の)既約分数で表したときの分子 $261889\\times257^{254}$ を $256\\times257\\times258$ で割った余りである.\r\nここで $257^3\\equiv 257\\pmod{256\\times257\\times258}$ であるので,解答すべき値は $261889\\times257^{254}\\equiv261889\\times257^2\\equiv \\mathbf{658177}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/5869" } ]
 $1$ から $256$ までの整数のうちちょうど一つが書かれたボールがそれぞれ $1$ 個ずつ,計 $256$ 個あり,すべてが $1$ つの袋に入っています.ここから $1$ 個ずつ取り出して戻すことを繰り返し,直前に取り出したボール以下の数が出たところで取り出すことをやめます.すべてのボールが等確率で現れるとき,最終的にボールを取り出した回数 $n$ について,$(n-1)^{3}$ の期待値は互いに素な正の整数 $a, b$ を用いて $\dfrac{a}{b}$ と表されるので,$a+b$ を $256\times 257\times 258$ で割った余りを求めてください.
OMC210 (エリジオン杯)
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/tasks/3837
D
OMC210(D)
700
36
61
[ { "content": " 三角形 $ABC$ の外心,垂心をそれぞれ $O, H$ とする.直線 $AH$ と辺 $BC$ の交点を $F$, $A$ から直線 $DE$ に下ろした垂線の足を $G$, 直線 $AH$ と三角形 $ABC$ の外接円の交点を $K$, $O$ に関して $A$ と対称な点を $L$ とする.簡単な角度計算から $KL\\parallel BC (= FP)$ であること,$G$ と $P$ がともに直線 $AO$ 上にあることが分かる.従って\r\n$$\\frac{AO}{AG} = \\frac{AL}{AP} = \\frac{AK}{AF}$$\r\nである.また,三角形 $ABC$ と三角形 $ADE$ は相似であること,$DE\\perp AO, BC\\perp AK$ であることとあわせて,四角形 $ABKC$ と四角形 $ADOE$ は相似である.従って $O$ は三角形 $ADE$ の外接円上にあり,これは $\\angle AOH = 90^\\circ$ を意味する.\\\r\n 辺 $BC$ の中点を $M$,線分 $AH$ の中点を $N$ とおく.さらに,線分 $AO, AH, HO$ の長さをそれぞれ $2x, 2y, 2z$ とおけば三平方の定理より $x^2+z^2=y^2$ が成立する.$OM=\\dfrac12AH=y$ であり,$\\angle AOH=90^\\circ$ より $\\triangle AOH\\sim\\triangle OMP$ が成立することから\r\n$$\\frac{y^2}{x^2}(y^2-x^2)=\\bigg(\\frac{yz}{x}\\bigg)^2=PM^2=1$$\r\nまた,$AO=BO$ と三平方の定理より\r\n$$4x^2-y^2=BM^2=9$$\r\nを得る.$t=x^2, s=y^2$ とおけばこれらは\r\n$$t=\\frac{16+\\sqrt{13}}{6},\\ s=\\frac{5+2\\sqrt{13}}{3}$$\r\nを解に持つ.ここで,$AN\\parallel OM$, $AN = OM$ より $AO\\parallel NM$ であるから四角形 $ANMO$ は平行四辺形となり,$\\triangle AOH\\sim\\triangle NFM$ が成立する.よって,$NM=AO=2x$ であることに気をつければ\r\n$$AF^2=(NF+y)^2=\\bigg(\\frac{2x^2}{y}+y\\bigg)^2=\\frac{(2t+s)^2}{s}$$\r\nとなる.以上より,三角形 $ABC$ の面積の $2$ 乗は以下のように求まるので,特に解答すべき値は $\\mathbf{37962}$ である.\r\n$$6^2\\times\\frac{(2t+s)^2}{s}\\times\\frac1{2^2}=54+54\\sqrt{13}=54+\\sqrt{37908}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/3837" }, { "content": " $BC$ と $DE$ の交点を $F$ とすると,$FP=FA$ が成り立ち,何となく良さそうに見える。ここから気合の計算で求めることも可能である。以下では,$4$ 点 $B,C,D,E$ が共円であることを何度か用いている。\r\n\r\n---\r\n\r\n $CF=x$ とおくと,$FA=x+4$ であり,$\\angle F$ に関する角二等分線の性質から,$AD=k(x+4)$,$DC=kx$,$AE=l(x+4)$,$EB=l(x+6)$ とおける。なお,点 $A$ の周りで方べきの定理を用いて,$k:l=\\sqrt{x+5}:\\sqrt{x+2}$ であることがわかる。\\\r\n $\\triangle ADE$ と $\\triangle ABC$ の相似を用いると,$DE=\\dfrac{3(x+4)}{\\sqrt{(x+2)(x+5)}}$ である。また,$\\triangle FDC$ と $\\triangle FBE$ の相似を用いると,$FD=x \\sqrt{\\dfrac{x+5}{x+2}}$ である。$\\triangle FAC$ についてスチュワートの定理の系を用いると,$k$,$l$ が $x$ で表され,多くの辺の長さが $x$ のみで表される。最後に,$CE^2=CA^2-AE^2=CB^2-BE^2$ を用いれば,$x=\\sqrt{13}-1$ を得る。\r\n\r\n---\r\n\r\n いま求めたいのは,$\\triangle ABC$ の面積であった。そこで,$AB$,$AC$ の長さを求めると,$AB=\\sqrt{21+8 \\sqrt{13}}$ $AC=\\sqrt{34-4 \\sqrt{13}}$ である。ここからは,ヘロンの公式を用いて面積を求めて良いし,$\\triangle{AFC}$ に余弦定理を用いて $\\cos F$ を求め,$\\triangle ABC=\\triangle ABF×\\dfrac{6}{\\sqrt{13}+5}$ を用いても良い。", "text": "計算によって解く方法(非推奨)", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/3837/429" }, { "content": "$O$ が円 $ADE$ 上にあることの証明です.\r\n\r\n--- \r\n三角形 $ABC$ の垂心,外心をそれぞれ $H, O$ とする.円 $ADE$ と円 $ABC$ の交点を $Q$ とする.$\\angle BDC=\\angle BEC=90^{\\circ}$ より $B, D, E, C$ は共円であるから,円 $BDEC$,円 $ADE$,円 $ABC$ の根心を考え $AQ, DE, BC$ は共点.この点を $X$ とする.ところで,$A$ と $P$ は $DE$ について対称であるから,$\\angle AXD=\\angle PXD$ である.また,$\\angle DQX=\\angle AED=\\angle ACB$ より,$D, Q, X, C$ は共円.よって,\r\n$$\\angle QDA=\\angle QXC=2\\angle QXD=2\\angle QCD=\\angle QOA$$ より,$O$ は円 $ADE$ 上にある.\r\n\r\n---\r\nなお,この解説における点 $Q$ は特に本選以降などの証明問題でよく登場し,面白い性質がたくさんあるので,幾何を得意にしたい方は知っておくことをおすすめします.せっかくなのでここにその性質について少し書いてみようと思います.\r\n\r\n<details> <summary> **性質1** : $BC$ の中点を $M$ とする.$Q, H, M$ は共線である. <\\/summary> $QH$ と円 $ABC$ の交点を $X$ とする.$\\angle AQX=90^{\\circ}$ より $AX$ は円 $ABC$ の直径だから,$X$ と $H$ は $M$ について対称である.よって,$H, M, X$ は共線であるから,$Q, H, M$ は共線.<\\/details>\r\n<details> <summary> **性質2** : $AH$ と円 $ABC$ の交点を $T(\\neq A)$,$B, C$ における円 $ABC$ の接線の交点を $S$ とする.$Q, T, S$ は共線である (また,$QT$ は三角形 $QBC$ の $\\angle Q$ 内の $symmedian$ である.) <\\/summary> $$\\angle QBE=\\angle QCD, \\angle QEA=\\angle QDA$$ より三角形 $QEB$ と $QDC$ は相似.また,三角形 $HBE$ と $HCD$ も相似であるから,$$QB:QC=BE:CD=BH:CH=BT:CT$$ より四角形 $QBCT$ は調和四角形である.よって示された.\\\r\nまた,$(Q, E, H, D, M)$ と $(Q, B, T, C, S)$ の $5$ 点相似から示すこともできる.<\\/details>", "text": "前半部分の別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/3837/430" }, { "content": " $P(0,0)$,$B(-2,0)$,$C(4,0)$ となるような直交座標をとり,$A(a,b)$ とする.ここで,三角形 $ABC$ は鋭角三角形だから $-2 \\lt a \\lt 4$ である.\\\r\n また,$\\overrightarrow{AD}$ は $\\overrightarrow{AB}$ を直線 $AC$ に正射影したベクトルだから $\\overrightarrow{AD} = \\dfrac{\\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC}}{|\\overrightarrow{AC}|^2} \\overrightarrow{AC}$,同様に $\\overrightarrow{AE} = \\dfrac{\\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC}}{|\\overrightarrow{AB}|^2} \\overrightarrow{AB}$ が従う.\\\r\n ここで,$2$ 直線 $AP$,$DE$ の交点を $X$ とすると, $P$ は 直線 $DE$ に対して $A$ と対称な点だから\r\n$$ \\overrightarrow{AX} = \\frac{1}{2} \\overrightarrow{AP} = \\frac{1}{2} \\left( \\frac{2}{3} \\overrightarrow{AB} + \\frac{1}{3} \\overrightarrow{AC} \\right) = \\frac{1}{3} \\overrightarrow{AB} + \\frac{1}{6} \\overrightarrow{AC} = \\frac{|\\overrightarrow{AC}|^2}{3 \\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC}} \\overrightarrow{AD} + \\frac{|\\overrightarrow{AB}|^2}{6 \\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC}} \\overrightarrow{AE}$$\r\nが成立する.点 $X$ は直線 $DE$ 上にあるので\r\n$$ \\frac{|\\overrightarrow{AC}|^2}{3 \\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC}} + \\frac{|\\overrightarrow{AB}|^2}{6 \\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC}} = 1 \\tag{1}$$\r\nとなる.\\\r\n また,$ \\overrightarrow{AP} \\perp \\overrightarrow{DE}$ より\r\n$$ \\overrightarrow{AP} \\cdot \\overrightarrow{DE} = 0$$\r\n$$ \\left( \\frac{2}{3} \\overrightarrow{AB} + \\frac{1}{3} \\overrightarrow{AC} \\right) \\cdot \\left( \\frac{\\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC}}{|\\overrightarrow{AB}|^2} \\overrightarrow{AB} - \\frac{\\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC}}{|\\overrightarrow{AC}|^2} \\overrightarrow{AC} \\right) = 0$$\r\n$$ \\frac{1}{3} \\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC} + \\frac{1}{3} \\frac{(\\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC})^2}{|\\overrightarrow{AB}|^2} - \\frac{2}{3} \\frac{(\\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC})^2}{|\\overrightarrow{AC}|^2} = 0 \\tag{2}$$\r\nとなる.\\\r\n 三角形 $ABC$ は鋭角三角形ゆえ $ \\overrightarrow{AB} \\cdot \\overrightarrow{AC} \\neq 0$ であることに注意すると,式 $(1)$,式 $(2)$ に $\\overrightarrow{AB} = (-2-a,b)$,$\\overrightarrow{AC} = (4-a,b)$ を代入して計算することで $a = -1 + \\sqrt{13}$,$b^2 = 6+6\\sqrt{13}$ を得る.よって,三角形 $ABC$ の面積の $2$ 乗は\r\n$$ \\left( \\frac{1}{2} \\cdot 6 \\cdot |b| \\right)^2 = 9b^2 = 54 + 54\\sqrt{13} = 54 + \\sqrt{37908}$$\r\nと求まり,特に解答すべき値は $54+37908 = \\mathbf{37962}$ である.", "text": "ベクトルで求める方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/3837/431" } ]
 鋭角三角形 $ABC$ において,$B,C$ から対辺に下ろした垂線の足をそれぞれ $D, E$ とおき,直線 $DE$ に関して $A$ と対称な点を $P$ とおいたところ,$P$ は辺 $BC$ 上にありました.さらに $$BP=2, \quad PC=4$$ が成立するとき,三角形 $ABC$ の面積の $2$ 乗を求めてください.ただし,答えは正の整数 $a, b$ を用いて $a+\sqrt{b}$ と表せるので,$a+b$ を解答してください.
OMC210 (エリジオン杯)
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/tasks/9197
E
OMC210(E)
700
14
24
[ { "content": " 偶奇を考えれば $2$ 個入りパックを偶数パック購入することと $2$ 個以下入りパックを奇数パック購入することは同値である.$2$ 個以下入りパックと $4$ 個以上入りパックをそれぞれ (偶数, 偶数),(偶数, 奇数),(奇数, 偶数),(奇数, 奇数) 個ずつ購入する場合の数をそれぞれ $a, b, c, d$ とおけば,求めるべきは $|c-d|$ である.\\\r\n 一般に $11111$ を $N$ に置きかえ,形式的冪級数を用いて求める.まず,$|a-b+c-d|$,すなわちリンゴが $4$ 個以上入っているパックが偶数パックの場合の数と奇数パックの場合の数の差を考えよう.\\\r\n $2^i$ 個入りのパックを $j$ パック買う場合の数は ${}\\_4\\mathrm{H}{}\\_j= {}\\_{j+3}\\mathrm{C}{}\\_3$ であるので,\r\n$$P_i(x):={}\\_4\\mathrm{H}{}\\_0-{}\\_4\\mathrm{H}{}\\_1x^{2^i}+{}\\_4\\mathrm{H}{}\\_2x^{2\\cdot2^i}-{}\\_4\\mathrm{H}{}\\_3x^{3\\cdot2^i}+\\cdots=(1-x^{2^i}+x^{2\\cdot2^i}-x^{3\\cdot2^i}\\cdots )^4=(1+x^{2^i})^{-4} ,$$\r\n$$Q_i(x):={}\\_4\\mathrm{H}{}\\_0+{}\\_4\\mathrm{H}{}\\_1x^{2^i}+{}\\_4\\mathrm{H}{}\\_2x^{2\\cdot2^i}+{}\\_4\\mathrm{H}{}\\_3x^{3\\cdot2^i}+\\cdots=(1+x^{2^i}+x^{2\\cdot2^i}+x^{3\\cdot2^i}\\cdots )^4=(1-x^{2^i})^{-4}$$ \r\nと定めれば,求めるべき値は\r\n$$Q_0(x)Q_1(x)P_2(x)P_3(x)\\cdots P_{13}(x)$$ \r\nの $x^N$ の係数(の絶対値)である.ここで,$1$ パックのリンゴの個数の最大値 $2^{13}$ の制限を外しても答えに影響しないことから,\r\n$$R(x):=Q_0(x)Q_1(x)P_2(x)P_3(x)\\cdots$$ \r\n について考えればよい(ここで,$R(x)$ の各係数は有限の値となり,定義できる).これは,以下のように計算できる:\r\n\r\n$$\\begin{aligned}\r\nR(x)&=(1-x)^{-4}(1-x^2)^{-4}(1+x^4)^{-4}(1+x^8)^{-4}(1+x^{16})^{-4}\\cdots \\\\\\\\\r\n&=((1-x)(1-x^2)(1+x^4)(1+x^8)(1+x^{16})\\cdots )^{-4} \\\\\\\\\r\n&=((1-x)(1+x)(1+x^2)(1+x^4)(1+x^8)(1+x^{16})\\cdots )^{-4}\\times(1+x^2)^4(1-x)^{-4} \\\\\\\\\r\n&=(1+x^2)^4(1-x)^{-4} \\\\\\\\\r\n&=(1+4x^2+6x^4+4x^6+x^8)(1+x+x^2+x^3+\\cdots )^4\r\n\\end{aligned}$$\r\n\r\nここで,上で述べた通り $(1+x+x^2+x^3+\\cdots )^4$ の $x^k$ の係数は ${}\\_4\\mathrm{H}{}\\_k$ で与えられるから,$N$ が十分大きいとき $R(x)$ の $x^N$ の係数は,$M:=N-2$ とおくことで\r\n$$\\begin{aligned}\r\n&1\\times {}\\_4\\mathrm{H}{}\\_{N}+4\\times {}\\_4\\mathrm{H}{}\\_{N-2}+6\\times {}\\_4\\mathrm{H}{}\\_{N-4}+4\\times {}\\_4\\mathrm{H}{}\\_{N-6}+1\\times {}\\_4\\mathrm{H}{}\\_{N-8} \\\\\\\\\r\n=&1\\times {}\\_{N+3}\\mathrm{C}{}\\_{3}+4\\times {}\\_{N+1}\\mathrm{C}{}\\_{3}+6\\times {}\\_{N-1}\\mathrm{C}{}\\_{3}+4\\times {}\\_{N-3}\\mathrm{C}{}\\_{3}+1\\times {}\\_{N-5}\\mathrm{C}{}\\_{3} \\\\\\\\\r\n=&\\frac83M(M^2+11)\r\n\\end{aligned}$$​ \r\nと求まる.よって $|a-b+c-d|=\\dfrac83M(M^2+11)$ である.\r\n\r\n 次に,$|a-b-c+d|$,すなわち全部で偶数パックの場合の数と奇数パックの場合の数の差を考える.今度は\r\n$$S(x):=P_0(x)P_1(x)P_2(x)P_3(x)\\cdots$$\r\nについて考えればよいが,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nS(x)&=(1+x)^{-4}(1+x^2)^{-4}(1+x^4)^{-4}(1+x^8)^{-4}(1+x^{16})^{-4}\\cdots \\\\\\\\\r\n&=((1+x)(1+x^2)(1+x^4)(1+x^8)(1+x^{16})\\cdots )^{-4} \\\\\\\\\r\n&=(1-x)^4 \r\n\\end{aligned}$$\r\nであるので,$N$ が十分大きいとき $S(x)$ の $x^N$ の係数の絶対値は $0$,すなわち $a-b-c+d=0$ である.\\\r\n 以上より,\r\n$$|c-d|=\\frac12|(a-b+c-d)-(a-b-c+d)|=\\dfrac43M(M^2+11)$$\r\nであり,特に $M=11109$ とすれば解答すべき値は $\\mathbf{1827947320304}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/9197" }, { "content": "形式的冪級数を使わない解法\\\r\n2個入りパックが奇数になる品種を先に決め打ちして,その品種の2個入りパックを1パック先に買う.\r\n2個入りパックが全ての品種で偶数パックの場合のみ考えれば良い.\r\n2,4個入りパック合計で何個各品種の林檎を買うかを先に決める.\r\nこの時各品種の個数が4の倍数でなければ不適.\r\nまた,8の倍数でない品種が一つでも存在する場合,対称性より良い買い方と悪い買い方の個数が同じになる.\r\nよって,全ての品種が8の倍数の場合だけ考えれば良く,さらに相殺すると2個入りパックを買わず,4個入りパックを偶数個買う場合のみ考えれば良い.\r\n次に,4,8個入りパック合計で何個各品種の林檎を買うかを決める.\r\nすると,同様の議論により,4個入りパックを買わず,8個入りパックを偶数個買う場合のみ考えれば良い.\r\nこれを繰り返すと,2個入り以上の全てのパックを買わない場合のみ考えれば良くなる.\r\n先に買った分も考えると,結局2個入りパックを各品種1個以下買い,残りは全て1個入りパックの場合のみ考えれば良い.これは容易に計算可能である.", "text": "形式的冪級数を全く使わない解法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/9197/428" } ]
 OMC君はリンゴを購入するため,八百屋に来ました.八百屋には**ふじ**,**紅玉**,**王林**,**シナノスイート**の $4$ つのリンゴの各品種と各 $j=0,1,2,…,13$ について, 「**\[品種名\]** $2^j$ 個入りパック」がそれぞれ十分たくさんありました.OMC君はこれらのパックを組み合わせてリンゴをちょうど $11111$ 個購入したいです(買わない品種があっても構いません).このときさらに,$2$ 個入りパックは(すべての品種について合計して)偶数パック購入するようにしたいです.\  ここで,そのような組み合わせについて,(すべての品種・個数について合計して)全部で偶数パック購入したとき**良い買い方**,奇数パック購入したとき**悪い買い方**とよぶことにします.\  良い買い方と悪い買い方それぞれの場合の数について,それらの差の絶対値を求めてください.ただし,同じ種類かつ同じ個数入りのパックは互いに区別せず,パックを選ぶ順番も区別しないものとします.また,$0$ は偶数に含むものとします. <details><summary>買い方の例<\/summary> - ふじ $2^{13}$ 個入り・ふじ $2^{11}$ 個入り・ふじ $2^9$ 個入り - 紅玉 $2^8$ 個入り・紅玉 $2^6$ 個入り・ふじ $2^3$ 個入り - ふじ $2^3$ 個入り・紅玉 $2^3$ 個入り・王林 $2^2$ 個入り - 王林 $2^2$ 個入り・王林 $2^1$ 個入り・ふじ $2^1$ 個入り - 紅玉 $2^0$ 個入り・王林 $2^0$ 個入り・シナノスイート $2^0$ 個入り の $15$ パックを購入したとき,合計で $11111$ 個かつ $2$ 個入りパックは $2$ パックなので条件を満たし,合計は奇数パックなので悪い買い方となります. <\/details>
OMC210 (エリジオン杯)
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F
OMC210(F)
900
0
13
[ { "content": " この問題は次の3ステップに分けて解説する.\r\n- - -\r\n**ステップ1.OMC君の問題を解く**\\\r\n 三角形 $ABC$ の外接円の半径を $R$ とおいたとき,\r\n$$R^2=\\frac{p^2 q^2}{-p^2+2q^2+a^2}$$\r\nが成立することを示す.\r\n<details><summary>証明.<\\/summary>\r\n まず,$\\Gamma$ による反転で $P$ は直線 $MC$ と直線 $AB$ の交点に移るので,この点を $Q$ とおく.さらに,$\\angle A, B, C$ それぞれについて対応する三角形 $ABC$ の傍心を $I_A, I_B, I_C$ とおく.このとき,三角形 $ABC$ は 三角形 $I_A I_B I_C$ の垂足三角形であり,$\\Gamma$ は三角形 $I_A I_B I_C$ の九点円である.また,三角形 $I_A I_B I_C$ の外接円,外心をそれぞれ $\\Omega,O^\\prime$ とおく.\r\n\r\n- - -\r\n**補題1.** $M$ は線分 $I_A I_B$ の中点である.\\\r\n**証明.** $M$ は三角形 $I_AI_BI_C$ の九点円と辺 $I_AI_B$ の交点のうち,$C$ でない方なので,これは辺 $I_AI_B$ の中点である.\\\r\n\\\r\n**補題2.** $\\Gamma$ と $\\Omega$ の $Q$ における方べきは等しい \\\r\n**証明.** $3$ 直線 $AI_A, BI_B, CI_C$ は三角形 $I_A I_B I_C$ の垂心 $I$ で交わるので,$Q, C, I_A, I_B$ は調和点列であり,補題1より $M$ は線分 $I_A I_B$ の中点なので示された.\r\n- - -\r\n $\\Gamma,\\Omega$ の半径はそれぞれ $R, 2R$ なので,$O$ が $\\Gamma$ の中心であることに留意すれば補題2より以下が成立する.\r\n$$0=(QO^2-R^2)-(QO^{\\prime2}-4R^2)=QO^2-QO^{\\prime2}+3R^2\\quad\\cdots\\bigstar$$\r\n一方で,$O$ は線分 $IO^\\prime$ の中点であることに注意すれば,余弦定理より\r\n$$\\cos\\angle POO^\\prime=-\\cos\\angle POI=-\\frac{p^2+q^2-a^2}{2pq}$$ \r\nであり,反転の半径が $R$ であることから $QO=\\dfrac{R^2}{q}$ であるので,再び余弦定理より\r\n$$QO^{\\prime2}=p^2+\\frac{R^4}{q^2}+\\frac{R^2(p^2+q^2-a^2)}{q^2}$$\r\nが成立する.従って,$\\bigstar$ より\r\n$$3R^2=p^2+\\frac{R^2(p^2+q^2-a^2)}{q^2}$$\r\nが成立し,これを $R^2$ について解くことで所望の式を得る.\r\n<\\/details>\r\n\r\n- - -\r\n**ステップ2.三角形の存在条件を考察する**\\\r\n $p, q, a$ を正の**実数**の範囲で設定したときに三角形 $ABC$ が成立する必要十分条件が\r\n- $2q^2+a^2 \\gt p^2\\gt q^2+a^2$\r\n- 三角形 $IOP$ における三角不等式の成立(退化した場合も認める)\r\n\r\nの $2$ 条件をともに満たすことであることを示す.\r\n<details><summary>証明.<\\/summary>\r\nEulerの定理より三角形 $ABC$ の内接円半径 $r$ について,\r\n$$r=\\frac{R^2-p^2}{2R}=\\frac{p^2(p^2-q^2-a^2)}{2R(-p^2+2q^2+a^2)}\\quad \\cdots\\clubs$$\r\nであることに留意すれば,いずれの条件の必要性も確認できる.なお,$r$ は $R$ と $p$ にのみ依存することに気を付ける.\\\r\n 十分性を考える.上の $2$ 条件がともに満たされているとき,$p, q, a$ によって算出された(正の)半径をもつ三角形 $ABC$ の内接円 $\\omega$ と外接円 $\\Gamma$ を考える.これらを内接円と外接円に持つ三角形は存在し,かつ,Ponceletの閉形定理より, $\\omega$ と辺 $AB$ の接点 $D$ を任意に定めたとき,三角形 $ABC$ が一意に定まる.$p$ と $R$ を固定した状態でステップ1の式を $q$ と $a$ についての方程式としてみると $q$ と $a$ に対応する $P$ の軌跡は「半直線 $OI$ 上に中心があり $O$ を通る半径 $\\dfrac{pR^2}{3R^2-p^2}$ の円から $1$ 点 $O$ を除いた図形」で表される領域となる.この領域と半直線 $OI$ の交点を $X$ とおけば,\r\n$$OX=\\dfrac{2pR^2}{3R^2-p^2},\\quad OX\\lt R\\iff p\\lt R$$\r\nであり,$p\\lt R$ は $\\clubs$ の真ん中の式が正であることより成立するため,特にこの領域は $\\Gamma$ の内部に存在する.\\\r\n 従って,$q$ と $a$ についての方程式の表す領域を $\\Gamma$ で反転した $\\Gamma$ の外部(特に $\\omega$ の外部)に存在する直線 $t$ を考え,$t$ 上の $q,a$ に対応する点 $Q$ から $\\omega$ への接線のうち適当な $1$ 本について,その接点を $D$ とすれば,$p,q,a$ に対応する三角形 $ABC$ を得る.\r\n<\\/details>\r\n\r\n- - -\r\n**ステップ3.条件を満たす正の整数について考察する**\\\r\n 結論から述べれば $a$ の取り得る最小値は $48$ であり,このとき半径の最小値は $(p, q)=(71, 37)$ のときの $\\mathbf{2627}$ である.以下これを示す.\r\n\r\n<details><summary>**ステップ3-1.** $-p^2+2q^2+a^2=1$ である.<\\/summary>\r\n $\\dfrac{p^2 q^2}{-p^2+2q^2+a^2}$ が平方数になることと $p, q$ が素数であることから,$-p^2+2q^2+a^2$ として取り得る値の候補は $1, q^2, p^2, p^2q^2$ である.ステップ2の一つ目の条件の右側の不等号より特に $p\\gt q$ であるのでこれらの候補は狭義単調増加に並んでいる.今,再び同条件より\r\n$$p^2\\gt q^2+a^2\\iff -p^2+2q^2+a^2\\lt q^2$$\r\nであるので $-p^2+2q^2+a^2=1$ であることがわかる.このとき,$R=pq$ である.\r\n<\\/details>\r\n\r\n<details><summary>**ステップ3-2.** $a$ の取り得る値は $48$ 以上である.<\\/summary>\r\n まず,$p, q\\ge 5$ であることは $p^2\\gt q^2+a^2$ の適用及び $p^2-a^2=(整数)$ の整数解の議論により容易に確認できる.$\\bmod 3$ の平方剰余の考察により $a$ は $3$ の倍数である.\\\r\n ここで,$p^2-2q^2=(a+1)(a-1)$ と変形する.右辺の素因数 $P$ であって,$\\bigg(\\dfrac{2}{P}\\bigg)=-1$ なるものが存在すれば,$p=q=P$ となるほかなく,これは不適である.平方剰余の第二補充則より \r\n$$\\bigg(\\dfrac{2}{P}\\bigg)=-1\\iff P\\equiv 3, 5\\pmod 8$$\r\nである.いま,$a$ は偶数であり,$a\\equiv 2, 4, 6\\pmod 8$ の場合 $a+1$ または $a-1$ のいずれかは $8$ で割った余りが $3, 5$ のいずれかになるため,$\\bigg(\\dfrac{2}{P}\\bigg)=-1$ なる素因数 $P$ が存在する.従って $a$ は $8$ の倍数であり,上の結果と合わせ $24$ の倍数である.\\\r\n $a=24$ のとき,$a+1$ は素因数 $5$ を持ち不適なので $a$ は $48$ 以上である.\r\n<\\/details>\r\n\r\n<details><summary>**ステップ3-3.** $a=48$ が $a$ の取り得る最小値であり,$(p, q)=(71, 37)$ が $R$ を最小にする.<\\/summary>\r\n $a=48$ の場合について考察する.$p^2-2q^2=7^2\\cdot 47$ である.まず,この解を一組求めよう.\r\n$$(p+q\\sqrt2)(p-q\\sqrt2)=7^2\\cdot 47$$\r\nと変形し,\r\n$$7=(3+\\sqrt2)(3-\\sqrt2), \\quad 47=(7+\\sqrt2)(7-\\sqrt2)$$\r\nであることから\r\n$$p+q\\sqrt2=(3+\\sqrt2)^2(7-\\sqrt2)=71+37\\sqrt2$$\r\nすなわち $(p, q)=(71, 37)$ とする.このとき $p-q\\sqrt2=(3-\\sqrt2)^2(7+\\sqrt2)$ でもあるのでこれは解である.また,$(p, q, a)=(71, 37, 48)$ はステップ2の条件を確かに全て満たす.このとき $R=2627$ である.\\\r\n $(71, 37)$ が $R=pq$ を最小にすることを示すには,$p$ の $q$ についての単調性から $q$ の最小性を言えばよい.これは $\\bmod5$ で考え, $q^2\\equiv 4$ を示したのち,$q=7, 13, 17, 23$ について確認することで得られる.あるいは,高校数学の範囲を逸脱するが $\\mathbb{Z}[\\sqrt2]$ がUFDであることに注目し,基本単数 $1+\\sqrt2$ を掛けたときの挙動を観察することでも同様に示される.\r\n<\\/details>", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/7532" }, { "content": " 点 $I$ から直線 $AB$ に下ろした垂線の足を点 $D$ ,直線 $DM$ と$OI$ の交点を点 $E$ ,直線 $CI$ と $AB$ の交点を点 $F$ とする.また三角形 $OMC$ の外接円上に点 $Q$ を,線分 $OQ$ が円の直径となるようにとる.さらに三角形 $ABC$ の外接円の半径を $R$ ,内接円の半径を $r$ とする.\\\r\n $DI$ と $MO$ はいずれも $AB$ に垂直より $OE:EI=R:r$ であり,$MO$ と $MQ$ が垂直から $DF\\/\\/MQ$ ,$angle-chase$ で $OQ\\/\\/PF$ となりこれらから三角形 $IDF$ と三角形 $OMQ$ は相似で,相似の中心が点 $E$ となるので点 $F, E, Q$ は同一直線上である.\\\r\n 根軸を考えると直線 $AB, MC, OP$ は一点で交わり,この点を $G$ とする.$OA=OB$ より直線 $OP$ は角 $APB$ の外角の二等分線となるので,$AC:BC=AG:BG=AP:BP$ であり,$AP:BP=AC:BC=AF:BF$ から直線 $PF$ は角 $APB$ の内角二等分線となることが分かり,直線 $OP$ と $PF$ は垂直であることが言える.$OQ$ が直径であることから直線 $OP$ と $PQ$ も垂直なので,点 $F, P, Q$ は同一直線上であり,特に $\\angle OPE=90\\degree$ が言える.\\\r\n 点 $I$ から直線 $OP$ に下ろした垂線の足を点 $H$ とし,$\\angle IPH=\\theta$ とすれば,$R:r=OE:EI=OP:PH=q:a \\cos \\theta$ となり,有名事実から $p^2=R^2-2Rr$ なので $\\dfrac{R^2-p^2}{R^2}=\\dfrac {2r}R=\\dfrac {2a\\cos\\theta}q=\\dfrac{p^2-q^2-a^2}{q^2}$\\\r\n これを整理することで $R^2$ を $p^2, q^2, a^2$ で表すことができる.", "text": "OMC君の問題を反転を使わずに解く方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc210/editorial/7532/432" } ]
 OMC君はOMCに提出するために以下の問題を作成しましたが,数値設定に悩んでいます. - - - **問題**.$CA\gt CB$ なる三角形 $ABC$ において,内心,外心をそれぞれ $I, O$ とし,外接円を $\Gamma$ とします.$\Gamma$ の弧 $ACB$ の中点を $M$ とし,さらに三角形 $OMC$ の外接円と三角形 $OAB$ の外接円の交点のうち $O$ と異なるものを $P$ とおいたところ, $$IO=p,\quad OP=q,\quad PI=a$$ が成立しました.このとき,$\Gamma$ の半径を求めてください. - - -  OMC君には強いこだわりがあり,以下の条件をすべて満たすように問題中の $p, q, a$ を設定したいです: - いずれも正の整数であり,さらに $p, q$ はいずれも素数である. - $p, q, a$ を設定したときに問題の条件を満たす三角形 $ABC$ が存在する. - 解答,すなわち $\Gamma$ の半径は一意に定まり,かつ正の整数になる.  上の条件を満たす範囲で $p, q, a$ を動かすことを考えます.$a$ がありうる最小の値を取るとき,$\Gamma$ の半径としてありうる最小の値を求めてください.
OMC209 (for beginners)
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A
OMC209(A)
100
317
339
[ { "content": " $\\angle AEI = \\angle AFI = 90^\\circ$ であるから $4$ 点 $A, E, F, I$ は同一円周上にある.従って,\r\n$$\\angle EIF = 180^\\circ - \\angle EAF = 180^\\circ - \\angle BAC = 123.06^\\circ$$\r\nである.また,三角形 $DEF$ の外心は $I$ であるから,中心角の定理より\r\n$$\\angle EDF = \\frac{1}{2}\\angle EIF = 61.53^\\circ$$\r\nである.特に解答すべき値は $\\bf{6253}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/5694" } ]
 鋭角三角形 $ABC$ の内心を $I$ とし,$I$ から 線分 $BC, CA, AB$ に下ろした垂線の足をそれぞれ $D, E, F$ とします.$\angle BAC = 56.94^{\circ}$ であるとき,$\angle EDF$ の大きさを度数法で求めてください.ただし,求める答えは互いに素な正整数 $a, b$ を用いて $\dfrac{b}{a}$ と表されるので,$a+b$ の値を解答してください.
OMC209 (for beginners)
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B
OMC209(B)
100
353
358
[ { "content": "$f(12)=f(34)$ より,$f(x)$ の軸の方程式は $x=23$.よって,ある実数 $a$ を用いて $f(x)=(x-23)^2+a$ と表せる.ここに $f(56)=78$ を代入して $a=-1011$ が得られるから,$f(90)=\\textbf{3478}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/7129" } ]
 $x^2$ の係数が $1$ である二次関数 $f(x)$ について,以下が成り立ちます. $$f(12)=f(34),\quad f(56)=78$$ このとき,$f(90)$ の値を解答してください.
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C
OMC209(C)
200
264
324
[ { "content": " 例えば $A$ の $1$ の位から $B$ の $1$ の位を引いた値は $-6,0,6$ のいずれかである.$10,100,1000$ の位にについても同様であるから,ある $x_1,x_2,x_3,x_4\\in \\lbrace -6,0,6 \\rbrace$ が存在して,次が成り立つ.\r\n$$A-B=x_1+10x_2+100x_3+1000x_4$$\r\n逆に $(x_1,x_2,x_3,x_4)$ を定めると上式を満たす $A,B$ が存在するので,$A-B$ としてあり得る値は $3^4=\\textbf{81}$ 通りである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/3583" }, { "content": " より正確には,組 $(x_1, x_2, x_3, x_4) \\in \\\\{-6, 0, 6\\\\}^4$ が異なれば\r\n$$x_1 + 10x_2 + 100 x_3 + 1000 x_4$$\r\nの値も異なることを示さなければいけません.これを示すことを目標にします.\r\n\r\n<details> <summary> ヒント <\\/summary>\r\n 対偶を取って,以下を示せばよいですね.ここで,$x_i, y_i $ がすべて $\\\\{6, 0, -6\\\\}$ の元であることを仮定しています.\r\n$$x_1 + 10x_2 + 100 x_3 + 1000 x_4 = y_1 + 10y_2 + 100 y_3 + 1000 y_4 \\implies (x_1, x_2, x_3, x_4) = (y_1, y_2, y_3, y_4)$$\r\n「順番に見ていく」というのがヒントです.より具体的には,〇〇の位から見ていくと示せます.\r\n <\\/details>\r\n\r\n<details> <summary> 解答 <\\/summary>\r\n 「ヒント」タブの命題を,一般に $n$ 変数の場合で証明しよう.すなわち,$$x_1, x_2, \\cdots, x_n, y_1, y_2, \\cdots , y_n \\in \\\\{-6, 0, 6\\\\}$$ について,以下の命題:\r\n$$x_1 + 10x_2 + \\cdots + 10^{n-1} x_{n} =y_1 + 10y_2 + \\cdots + 10^{n-1} y_{n} \\implies (x_1, x_2, \\cdots, x_n) = (y_1, y_2, \\cdots , y_n) $$\r\nを示そう.$n=1$ の場合は示すべきことはない.\\\r\n $n=k$ の場合に成立していると仮定する.\r\n$$x_1 + 10x_2 + \\cdots + 10^{k} x_{k+1} =y_1 + 10y_2 + \\cdots + 10^{k} y_{k+1}$$\r\nが成立するとすると,$10$ で割った余りを考えることで,$x_1 = y_1$ が従う.よって,\r\n$$10x_2 + \\cdots + 10^{k} x_{k+1} =10y_2 + \\cdots + 10^{k} y_{k+1}$$\r\n$$x_2 + 10x_3 + \\cdots + 10^{k-1} x_{k+1} =y_2 + 10y_3 +\\cdots + 10^{k-1} y_{k+1}$$\r\nが順に従う.仮定を適用すれば,$(x_2, x_3, \\cdots, x_{k+1}) = (y_2, y_3, \\cdots, y_{k+1})$ を得る.$x_1=y_1$ と合わせることで,$n=k+1$ の場合も成立することが得られる.従って,帰納法より示された.\r\n<\\/details>\r\n\r\n---\r\n\r\n 雑談. $P\\Rightarrow Q$ の形の命題があるとき,$P$ を前件,$Q$ を後件と呼ぶらしいです.聞いたことなかったです.\\\r\n 雑談2. 解答から分かるように,$\\\\{6,0,-6\\\\}$ ではなくても,要素を $10$ で割った余りがすべて異なれば同様のことが言えますね.", "text": "解説補足", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/3583/422" }, { "content": "※ [解説補足 by locker_kun](422) の別証明です.\r\n\r\n----\r\n 各 $n$ に対し,$y\\_n \\coloneqq \\dfrac{x\\_n}6 + 1$ とすると\r\n$$ y\\_1 + 10y\\_2 + 100y\\_3 + 1000y\\_4 = \\frac{x\\_1 + 10x\\_2 + 100x\\_3 + 1000x\\_4}6 + 1111 $$\r\nより,主張は $\\\\\\{\\\\: 0,\\\\, 1,\\\\, 2 \\\\:\\\\\\}^4 \\ni (y\\_1, y\\_2, y\\_3, y\\_4) \\mapsto y\\_1 + 10y\\_2 + 100y\\_3 + 1000y\\_4 \\in \\mathbb Z$ の単射と同値になり従う.", "text": "解説補足 by locker_kun の別証明", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/3583/423" } ]
 おもち君はOMCのあるコンテストに参加していましたが,慌てん坊なので**コンテストページ内の電卓**の数字キーの配置を以下のように勘違いしていました.おもち君が入力しようとしたのが $4$ 桁の正整数 $A$ であり,実際に表示された数が $B$ であったとしたとき,$A-B$ としてあり得る値はいくつありますか? ![figure 1](\/images\/pEwoTGshxPWbLzADLnIRJLVAcEw8UcFNzbd2NTUs)
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D
OMC209(D)
200
307
337
[ { "content": " $A$ 君の手を固定すると,他の $6$ 人それぞれの手は $A$ 君と同じ手または $A$ 君に負ける手の $2$ 通りあり得る.このうち全員が $A$ 君と同じ手を出す場合は条件を満たさないことに注意すると,求める確率は $\\dfrac{2^6-1}{3^6}=\\dfrac{7}{81}$ であり,特に解答すべき値は $\\mathbf{88}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/6057" } ]
 $A$ 君を含めた $7$ 人でじゃんけんを一度だけするとき,あいこにならずに,$A$ 君が勝つ確率( $A$ 君のみが勝つ確率でないことに注意してください)は互いに素な正整数 $a,b$ を用いて $\dfrac{a}{b}$ と表されるので,$a+b$ の値を解答してください. ----  **追記 (21:22):**ただし,$7$ 人はいずれもグー・チョキ・パーを独立に等確率で出すものとします.
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E
OMC209(E)
200
261
314
[ { "content": " $100$ 以下の素数 $p$ について,集合の要素のうち $p$ の倍数であるものは高々 $1$ つである.$100$ 以下の素数は $25$ 個であることから,条件をみたす大きさ $26$ の集合は\r\n\r\n$$ \\lbrace 1, 2^{e_2}, 3^{e_3}, 5^{e_5}, \\ldots, 89^{e_{89}}, 97^{e_{97}}\\rbrace\\ (1\\leq e_2\\leq 6, 1\\leq e_3\\leq 4, 1\\leq e_5,e_7\\leq 2, e_{11},\\ldots,e_{97}=1)$$\r\n\r\nと表される.よって,求める答えは $6\\times4\\times2\\times2=\\mathbf{96}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/4258" } ]
 $100$ 以下の正整数からなる要素数が $26$ の集合であって,どの相異なる $2$ つの要素も互いに素となるようなものはいくつありますか?ただし,$100$ 以下の素数は $25$ 個です.
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F
OMC209(F)
300
173
197
[ { "content": "$$\\angle ADC = \\angle ABC - \\angle BCD = \\angle ACB - \\angle BCE = \\angle ACE$$\r\nであるから,三角形 $ACE$ と三角形 $ADC$ は相似である.従って,$BE = x$ とすると,\r\n$$AC : AE = CD : CE = 61 : x$$\r\nであるから,\r\n$AC = \\dfrac{26\\times61}{x}$\r\nと分かる.一方,$AC = AB = 26 + x$ とも表せるので,比較することで $x = -13 + \\sqrt{1755}$ を得るから,$AC = 13 + \\sqrt{1755}$ である.特に,解答すべき値は $\\bf{1768}$ である.\\\r\nなお,$BC=75$ は余剰な条件だが,これを満たす図は存在する.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/6126" } ]
 $AB=AC$ である二等辺三角形 $ABC$ の直線 $AB$ 上の $B$ に関して $A$ と反対側に点 $D$ をとり,また線分 $AB$ 上に $\angle{BCD}=\angle{BCE}$ となるように点 $E$ をとったとき, $$BC=75,\quad BD=61,\quad AE=26$$ が成立しました.このとき,線分 $AC$ の長さは,正の整数 $a, b$ を用いて $a+\sqrt{b}$ と表せるので,$a+b$ を解答してください.
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G
OMC209(G)
300
106
168
[ { "content": " 与えられた式を文字毎に分けて計算すると, \r\n$$ \\begin{aligned}\r\n\\displaystyle{ \\sum_{a=1}^A \\sum_{b=A+1}^B \\sum_{c=B+1}^C abc} &\r\n= \\displaystyle{ \\sum_{a=1}^A a\\sum_{b=A+1}^B b\\sum_{c=B+1}^C c}\\\\\\\\\r\n&=\\dfrac1{8}A(A+1)(B-A)(A+B+1)(C-B)(B+C+1) \\quad \\cdots(\\*)\r\n\\end{aligned}$$\r\nとなる. \\\r\n 以下, 合同式の法を全て $3$ として,\r\n $(\\*)$ が $3$ の倍数**でない**ような\r\n $(A,B,C)$ の組を考える : \r\n- まず, $A(A+1) \\not\\equiv 0 $ であるから, \r\n $A \\equiv 1$ である. \r\n- 次に, $B \\not\\equiv A$ かつ$B \\not\\equiv -A-1$ より, $B \\equiv 0, 2$ である. \r\n- 最後に, $C \\not\\equiv B$ かつ $C \\not\\equiv -B-1$ であるので, $B \\equiv 0,2$ いずれにせよ, $C \\equiv 1$ である. \r\n\r\n以上より, \r\n$$ B=3k, 3k-1 \\quad (k=1,2,\\cdots ,333)$$\r\nの時, $A$ の選び方は $k$ 通り, $C$ の選び方は $334-k$ 通りあるので, $(\\*)$ が\r\n $3$ の倍数**である**ような整数の組 $(A,B,C)$ の個数は, \r\n\r\n$$ {}\\_{1000}\\mathrm{C}\\_{3} - 2\\displaystyle \\sum_{k=1}^{333} k(334-k) = \\mathbf{153747210} $$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/4191" } ]
 $1 \leqq A \lt B \lt C \leqq 1000$を満たす整数の組 $(A,B,C)$ のうち, $$ \displaystyle{ \sum_{a=1}^A \sum_{b=A+1}^B \sum_{c=B+1}^C abc}$$ が $3$ の倍数となるものは何通りありますか.
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H
OMC209(H)
400
70
139
[ { "content": "$(i)$ $1000$ 以下の項をちょうど $1$ つ含む場合\\\r\n 明らかに $1000$ 以下の項の和が $1000$ を超えないので,不適である.\r\n\r\n----\r\n$(ii)$ $1000$ 以下の項をちょうど $2$ つ含む場合\\\r\n この $2$ つの項を $a\\lt b$ とする.$a,b$ の次に大きい項が $2b-a$ であることに注意すると,$a,b$ が満たすべき条件は次である.\r\n$$1\\leq a\\lt b \\leq 1000\\lt 2b-a, \\quad a+b\\gt 1000$$\r\nこれより $1000-b\\lt a\\lt 2b-1000 ~(b=668,669,...,1000)$ が得られる.\\\r\n $b$ を固定すると $a$ の値は $3b-2001$ 通りだけあるので,条件を満たす $(a,b)$ の組の数(これは等差数列の数に等しい)は $3+6+\\cdots +999=166833$ である.\r\n\r\n----\r\n$(iii)$ $1000$ 以下の項を $3$ つ以上含む場合\\\r\n 初項 $a$ ,公差 $d$ ,$1000$ 以下の項数が $n$ とすると次の評価により,$1000$ 以下の項の和は必ず $1000$ を超え,問題文の条件は満たされることがわかる.\r\n$$(a+d)+(a+(n-1)d)\\gt a+dn\\gt 1000$$\r\n初項及び第 $3$ 項は $1000$ 以下の正整数であり,偶奇が一致するので,この $2$ 数の組の数(これは等差数列の数に等しい)は ${}\\_{500}\\mathrm{C}\\_{2}+{}\\_{500}\\mathrm{C}\\_{2}=249500$ である.\r\n\r\n----\r\n以上の場合分けにより,求める等差数列の数は $166833+249500=\\bf416333.$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/3453" }, { "content": " 初項 $a$,公差 $d$ とおく.$a \\gt 0$,$d \\gt 0$ である.\\\r\n $1000$ 以下の項が $n$ 項だとすると,それらの項は以下のように表される:\\\r\n$$a, a+d, \\cdots , a+(n-1)d$$\r\n この数列の第 $(n+1)$ 項は $a+nd$ であり,条件より $a+nd \\gt 1000$ である.\\\r\n $n$ が $3$ 以上の場合は,第 $n$ 項と第 $n-1$ 項の和を考えると\\\r\n$$ \\lbrace a+(n-2)d \\rbrace + \\lbrace a+(n-1)d \\rbrace \\gt a+nd \\gt 1000$$ を得る.\\\r\n 従って,$1000$ 以下の項が $1$ 項または $2$ 項からなる場合に限って,条件を満たさないものが存在し得る.\r\n\r\n---\r\n\r\n※以下の発想についてコメントしておきます.\\\r\n 「$a-d$ 座標平面上で,条件を満たす部分を考えたい」という動機で議論を進めています.\r\n\r\n $1000$ 以下の項が $1$ 項の場合,常に条件を満たさない.このときの条件は,$a+d \\gt 1000$ と表される.\\\r\n $1000$ 以下の項が $2$ 項の場合,条件を満たさないのは,$a+(a+d) \\leq 1000$ のときである.なお,$a+2d \\gt 1000$ も満たすことに注意が必要である.\\\r\n 以上の議論から,求めるべき場合の数は,$a+d \\leq 999$ の範囲の格子点から,$500-\\dfrac{a}{2} \\lt d \\leq 1000-2a$ の範囲の格子点を取り除いた数となる.\\\r\n あとは計算すればよい.計算の一例として,下の式を挙げておく.\r\n$$(999+\\cdots+1)-(\\overbrace{499+496+493+\\cdots +1}^{a が奇数のとき}) -( \\underbrace{497+494+491+\\cdots +2}_{a が偶数のとき})$$", "text": "初項と公差から考える方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc209/editorial/3453/415" } ]
 初項と公差がともに正の整数である無限等差数列であって,$1000$ 以下の項すべての和が $1000$ より大きいものは全部でいくつありますか?
OMC208
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A
OMC208(A)
100
334
344
[ { "content": " $2\\sqrt{10}-1=x$ とおくと,求める答えは次のように計算できる.\r\n$$\\begin{aligned}\r\nx^4+4x^3+16x^2+24x+35\r\n&=(x+1)^4+10(x+1)^2+24\\\\\\\\\r\n&=40^2+10\\cdot40+24\\\\\\\\\r\n&=\\mathbf{2024}\r\n\\end{aligned}$$", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/7137" } ]
 次の式を計算してください. $$\left\(2\sqrt{10}-1\right\)^4+4\left\(2\sqrt{10}-1\right\)^3+16\left\(2\sqrt{10}-1\right\)^2+24\left\(2\sqrt{10}-1\right\)+35$$
OMC208
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B
OMC208(B)
200
307
318
[ { "content": " $p \\neq q$ より,$p,q$ は互いに素であるから,$(p+1)^2 \\equiv 1\\equiv q^{p-1} \\pmod{p}$ が成り立つ.よって $p\\mid 345$ であるから,$3,5,23$ が $p$ の候補である.\r\n\r\n- $p=3$ のとき $4^2+345=q^2$ より $q=19$ が条件を満たす.\r\n- $p=5$ のとき $6^2+345=q^4$.これを満たす $q$ は存在しない.\r\n- $p=23$ のとき $24^2+345=q^{22}$.これを満たす $q$ は存在しない.\r\n\r\n したがって,与えられた等式を満たすものは $(p,q)=(3,19)$ のみであり,解答すべき値は $\\mathbf{22}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/5890" }, { "content": " $p=2$ と仮定すると,そのような素数 $q$ は存在しないことがわかる.従って $p$ は奇素数であり,特に $p-1$ は偶数である.\\\r\n このことを活用すれば,次の式を得る:\r\n$$(q^{\\frac{p-1}{2}}+p+1)(q^{\\frac{p-1}{2}}-p-1)=345$$\r\n あとは,左辺が $345×1$,$115×3$,$69×5$,$23×15$ となる場合をそれぞれ確かめればよい.", "text": "因数分解を用いる方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/5890/416" } ]
 相異なる素数の組 $(p,q)$ であって, $$(p+1)^2+345=q^{p-1}$$ をみたすものすべてについて,$p+q$ の総和を求めてください.
OMC208
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C
OMC208(C)
300
188
264
[ { "content": " $P(x) = 0$ の解を重複も込めて $x_1,x_2,\\ldots,x_{512}$ とする.このとき,\r\n$$P(x) = (x-x_1)(x-x_2)\\cdots(x-x_{512})\\equiv(x_1+1)(x_2+1)\\cdots(x_{512}+1) \\pmod{x+1}$$\r\nであるから,\r\n$$(x_1+1)(x_2+1)\\cdots(x_{512}+1) = 10^{1536}$$\r\nである.ここで,相加相乗平均の不等式より,任意の正の実数 $y$ に対して\r\n$$y + 1 = 999\\times\\frac{y}{999} + 1 \\ge 1000\\bigg(\\frac{y}{999}\\bigg)^{999\\/1000}$$\r\nが成立する.これを整理すると,\r\n$$y \\le 999\\bigg(\\frac{y+1}{1000}\\bigg)^{1000\\/999}$$\r\nとなる.従って,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nP(0) &= x_1x_2\\cdots x_{512}\\\\\\\\\r\n&\\le 999^{512}\\bigg(\\frac{x_1+1}{1000}\\bigg)^{1000\\/999}\\bigg(\\frac{x_2+1}{1000}\\bigg)^{1000\\/999}\\cdots\\bigg(\\frac{x_{512}+1}{1000}\\bigg)^{1000\\/999}\\\\\\\\\r\n&= 999^{512}\r\n\\end{aligned}$$\r\nである.等号は $P(x) = (x-999)^{512}$ のとき成立するので,$M = 999^{512}$ である.特に,解答すべき値は $\\bf788481$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/6082" }, { "content": " [公式解説](https:\\/\\/onlinemathcontest.com\\/contests\\/omc208\\/editorial\\/6082) 同様に, 問題を $\\prod\\_{i=1}\\^{512}(x\\_{i}+1)=10\\^{1536}$ のもとでの $\\prod\\_{i=1}\\^{512}x\\_{i}$ の最大化に帰着した後の話です. \r\n\r\n 以下では最大値が存在することが保証された上でその最大値を求める議論です. \r\n最大値の存在が保証されていない場合にはもう一段階議論が必要な事に注意してください. \r\n\r\n$x\\_i\\neq x\\_j$ なる $i,j$ が存在するとします. \r\n$x\\_{i}\\prime=x\\_{j}\\prime=\\sqrt{(1+x\\_i)(1+x\\_j)}-1$ とします. \r\nこの時, $(1+x\\_i)(1+x\\_j)=(1+x\\_i\\prime)(1+x\\_j\\prime)$ であり, \r\n$x\\_{i}\\prime x\\_{j}\\prime-x\\_ix\\_j=(1+x\\_i)+(1+x\\_j)-2\\sqrt{(1+x\\_i)(1+x\\_j)}\\gt 0$ です. \r\n従って, $x\\_i\\neq x\\_j$ なる $i,j$ が存在するなら, この $2$ つの値を変更することで, 目標の値をより大きくできることが分かりました. \r\n\r\nよって, 最大値が存在するならば $x\\_1=x\\_2=\\dots=x\\_{512}$ の時であることが分かり, 特に今回の場合その値は $999$ となります.", "text": "最大値の存在が保証された上での解法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/6082/413" }, { "content": "正の実数 $x_1,\\ldots,x_{512}$ に対して,\r\n$$\r\n(x_1+1)(x_2+1)\\cdots(x_{512}+1) = 10^{1536}\r\n$$\r\nという制約のもと,$y=x_1x_2\\cdots x_{512}$ を最大化する,というところまでは[公式解説](onlinemathcontest.com\\/contests\\/omc208\\/editorial\\/6082)と同様.以下を用いる.\r\n \r\n**ヘルダーの不等式** \r\n$n,m$ を正整数として,$a_{i,j} \\geq 0, w_i \\gt 0, \\displaystyle \\sum_{i=1}^n w_i = 1$ なる実数列 $a_{1\\leq i \\leq n,1\\leq j \\leq m},w_{1\\leq i \\leq n}$ に対して,\r\n$$\r\n\\prod_{i=1}^n(\\sum_{j=1}^m a_{i,j})^{w_i} \\geq \\sum_{j=1}^m(\\prod_{i=1}^n a_{i,j})^{w_i}\r\n$$\r\nが成立する.等号成立は比 $a_{1,j}:a_{2,j}:\\cdots :a_{n,j} (j=1,\\ldots m)$ がすべて等しいとき.\r\n\r\n上記を,$n=512,m=2,w_i=\\frac{1}{512}$ として適用すると,以下の不等式を得る.\r\n$$\r\n\\prod_{i=1}^{512}(\\sum_{j=1}^{2} a_{i,j})^{\\frac{1}{512}} \\geq (\\sum_{j=1}^{2}(\\prod_{i=1}^{512} a_{i,j})^{\\frac{1}{512}})\r\n$$\r\n\r\n「$512$ 系列に対するコーシーシュワルツの不等式」をイメージするとよい.ここで \r\n$a_{i,1}=x_i,a_{i,2}=1$ とすると,ヘルダーの不等式の左辺は $\\prod(x_i+1)^{\\frac{1}{512}} = ((x_1+1)(x_2+1)\\cdots(x_{512}+1))^{\\frac{1}{512}} = 10^{3}$ と一致し,右辺は $\\prod_{i=1}^{512} x_i^{\\frac{1}{512}} + 1 = y^{\\frac{1}{512}} + 1$ となるため,$999^{512} \\geq y$ となる.等号は $x_1 = \\cdots =x_{512}=999$ の時成立するため, $M =999^{512} = 3^{1536}37^{512}$ から約数の個数は $\\mathbf{788481}$ とわかる.", "text": "ヘルダーの不等式を用いた最大値算出", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/6082/420" } ]
 $512$ 次の実数係数多項式 $P(x)$ があり,$512$ 次の係数は $1$ です.$P(x)$ を $x+1$ で割った余りは $10^{1536}$ であり,方程式 $P(x)=0$ の複素数解はすべて正の実数でした.$P(0)$ としてありうる最大値を $M$ とします.ここで,$M$ は存在し,正の整数となることが保証されます.$M$ がもつ正の約数の個数を求めてください.
OMC208
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D
OMC208(D)
400
124
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[ { "content": " 直線 $AD$ と三角形 $ABC$ の外接円の交点のうち $A$ でない方を $P$ とする.円周角の定理より,$\\angle{BAP}=\\angle{BCP}$ であり,$\\angle{BAD}=\\angle{CDE}$ と併せて $\\angle{BCP}=\\angle{CDE}$ を得る.よって,錯角が等しいから直線 $DE$ と $PC$ は平行である.\\\r\n よって,$\\angle{ADE}=\\angle{APC},\\angle{AED}=\\angle{ACP}$ より三角形 $ADE$ と $APC$ は相似である.すなわち $AC:AE=PC:DE$ であり,仮定より $AB:DE=AC:AE$ であるので,$PC:DE=AB:DE$ である.よって, $PC=AB$ である.したがって,円周角の定理より,\r\n$$\\angle{CAD}=\\angle{CAP}=\\angle{ACB}=\\angle{ACD}$$\r\nであり,仮定より $CD=8$ であるから $AD=CD=8$ である.また,$BD = 12 - AD = 4$ である.\\\r\n ここで,$\\angle ACB = \\angle EAD$ であり,さらに\r\n$$\\angle BAC = \\angle BAD + \\angle DAC = \\angle CDE + \\angle ACB = \\angle DEA$$\r\nであるから,三角形 $ABC$ と $EDA$ は相似である.また,$BC = 12, AD = 8$ であるから,この相似比は $3 : 2$ である.よって,\r\n$$3 : 2 = AC : EA = AC : (AC - 2)$$\r\nが成立するので,$AC = 6$ である.従って,余弦定理より\r\n$$\\cos \\angle ADC = \\frac{AD^2 + DC^2 - AC^2}{2\\times AD\\times DC} = \\frac{23}{32}$$\r\nであるので,再び余弦定理より\r\n$$AB^2 = AD^2 + BD^2 + 2 AD\\times BD\\cos \\angle ADC = \\bf{126}$$\r\nを得る.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/7778" }, { "content": " 線分 $AB$ 上に $DE=AF$ となるように点 $F$ をとる.\\\r\n このとき,条件 $AB:DE=AC:AE$ より,$AB:AF=AC:AE$ であり,$FE$ と $BC$ は平行である.従って $\\angle BAD= \\angle CDE= \\angle DEF$ であり,円周角の定理の逆より, $4$ 点 $A, E, D, F$ は同一円周上に存在する.\\\r\n このとき,$DE=AF$ であったので,四角形 $AEDF$ は等脚台形.このことから,以下のように,様々な辺の長さがわかる.\\\r\n ① $AC$ と $FD$ は平行であり,四角形 $CDFE$ は平行四辺形.特に,$DF=2$,$EF=8$.\\\r\n ② 等脚台形の対角線は等しいので,$AD=EF=8$,さらに条件 $AD+BD=12$ より,$BD=4$.\\\r\n ③ $AC \\parallel DF$ より三角形の相似を活用して,$AC=6$,$AE=4$.\\\r\n あとは,例えばスチュワートの定理 を用いれば,$AB^2=126$ を得る.", "text": "円ADEを用いる方法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/7778/417" }, { "content": "$AD$ と $EF$ が平行となるように線分 $CD$ 上に点 $F$ を取ると、三角形 $ABD$ と三角形 $DEF$ 、三角形 $CEF$ と三角形 $CAD$ の相似がそれぞれわかるので、\r\n$$AD:DF=AB:DE=AC:AE=DC:DF$$\r\nとなり $AD=DC=8$ を得る。(ここからは本解説と同様)", "text": "相似のみを用いた解法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/7778/419" } ]
 三角形 $ABC$ において,辺 $BC$ 上に点 $D$ をとり,辺 $AC$ 上に点 $E$ をとると, $$AB:DE=AC:AE,\quad \angle{BAD}=\angle{CDE}$$ および, $$AD+BD=12,\quad CD=8,\quad CE=2$$ を満たしました.このとき,$AB$ の長さの $2$ 乗を求めてください.
OMC208
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E
OMC208(E)
400
87
160
[ { "content": " 一般に $2\\times n\\~(n\\geq 3)$ のマス目で考える.$1$ 列おきに行を反転すると $1$ 行目と $2$ 行目は独立に考えることができるようになり,次の問題の答えを $A_n$ としたとき元の問題の答えは $A_n^2$ である.\r\n\r\n- $1\\times n$ のマス目があり,各マスを赤または青で塗る.どのマスについても,次の条件を満たしているような塗り方は何通りあるか?\r\n - 自身および自身と辺を共有するマスが全て同じ色で塗られていることはない.\r\n\r\n ここで両端の $2$ マスが条件を満たすにはそれぞれ隣接するマスと異なる色を塗るしかないことに注意すると,$A_n$ は次の問題の答えと一致する.\r\n\r\n- $1\\times(n-2)$ のマス目があり,端から順に各マスを赤または青で塗っていく.ただし,同じ色で連続する $3$ マスを塗ってはいけない.そのような塗り方は何通りか?\r\n\r\nこれより $A_n$ は $A_3=2,A_4=4,A_{n+2}=A_{n+1}+A_n\\~(n\\geq 3)$ をみたすことがわかる.計算すると $A_{17}=1974$ が得られるため,元の問題の答えは $1974^2=\\bm{3896676}$.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/7679" }, { "content": " $1\\times n$ のマス目を赤と青で塗り分ける方法のうち,$3$ つの連続するマスに同じ色が塗られず,最も左の $2$ マスにも同じ色が塗られず,最も右の $2$ マスにも同じ色が塗られないような塗り方の総数 $A_n$ の求め方についての説明です. \r\n\r\n 隣り合う $2$ マスの境界となっている $n-1$ 本の辺 $m_1,m_2,\\ldots,m_{n-1}$ に対し,隣り合う $2$ マスが同色で塗られているときは境界となっている辺を白で塗り, 隣り合う $2$ マスが異色で塗られているときは境界となっている辺を黒で塗ることにすると,$n-1$ 本の辺について,両端の $2$ 本が黒で塗られており,白で塗られた辺が連続して現れないような辺の塗り方の総数を $a_n$ とすれば,最も左のマス目の色と $n-1$ 本の辺の色からマス目に塗られた色が一意に定まることに注意して,$A_n=2a_n$ で求まる. \r\n$\\\\{a_n\\\\}$ の漸化式を立てよう.条件を満たす $n-1$ 本の辺の塗り方を考えると,$m_2$ が黒のものは $a_{n-1}$ 通りあり,$m_2$ が白のものは $m_3$ が黒となるから $a_{n-2}$ 通りある.よって,$a_{n}=a_{n-1}+a_{n-2}$ となり,これを用いて $A_{17}=2a_{17}$ が求まる.", "text": "A_n の求め方の補足", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/7679/418" }, { "content": "解説のような市松模様で見たときの異なる位置は独立に考えられる、という発想が無くても、以下のように漸化式を立てることが可能です。\r\n\r\n$2\\times n$ のマス目で,左から $2 \\times (n-1)$ マスは条件を満たし,右端の列の $2$ マスが条件を満たしているかどうかで分類する. \r\n右端の列の $2$ マス全てが条件を満たすものの数を $a_n$ \r\n右端の列の $2$ マスのうち $1$ マスが条件を満たすものの数を $b_n$ \r\n右端の列の $2$ マス全てが条件を満たさないものの数を $c_n$ \r\nとおく. \r\n右端の列の色を $1$ 行目をマス $1$ として,そこに塗られている色を $X$,$2$ 行目をマス $2$ として,そこに塗られている色を $Y$ とする.ここで新しく右に $n+1$ 列目を増やして赤か青に塗ることを考える. \r\n- マス $1$ およびマス $2$ がどちらも条件を満たすとき \r\nマス $1$ の右を $X$ と同じ色で塗るか $X$ でない色で塗るか,マス $2$ の右を $Y$ と同じ色で塗るか $Y$ でない色で塗るかの四通りをそれぞれ見ると,それぞれ一意に $a_{n+1},b_{n+1},b_{n+1},c_{n+1}$ へと寄与する. \r\n- マス $1$ およびマス $2$ のどちらかが条件を満たすとき \r\nマス $1$ のみが条件を満たすケースとマス $2$ のみが条件を満たすケースどちらも同様で,条件を満たすマスを $1$ としてよい.マス $1$ の右隣のマスについては $Y$ と異なる色で塗る必要ががある.マス $2$ の右隣を $X$ と異なる色で塗るか $X$ で塗るかで,それぞれ $a_{n+1},b_{n+1}$ へと寄与する. \r\n- マス $1$ およびマス $2$ がどちらも条件を満たさないとき \r\nマス $1$ およびマス $2$ の右に色を塗ることで,マス $1$ およびマス $2$ が条件を満たすようにする必要があり,このような塗り方は一意.さらに,この一意な塗り方を選択したとき,マス $1$ とマス $2$ の右は異なる色で,マス $2$ とマス $1$ の右は異なる色となるため,すべて $a_{n+1}$ へと寄与する.\r\n\r\nしたがって,以下の漸化式が成立する.\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\na_{n+1} &= a_n + b_n + c_n \\\\\\\\\r\nb_{n+1} &= 2a_n + b_n \\\\\\\\\r\nc_{n+1} &= a_n \\\\\\\\\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\n$a_1=0,b_1=4,c_1=0$ を用いて,これを $17$ 項分計算してもよいが,$a$ のみで漸化式をまとめると以下の通り.\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\na_{n+2}-a_{n+1} &= (a_{n+1} + b_{n+1} + c_{n+1}) - (a_{n} + b_{n} + c_{n}) \\\\\\\\\r\n&= a_{n+1}-a_n +2a_n + a_n - a_{n-1}\\\\\\\\\r\n&=a_{n+1} + 2a_n - a_{n-1}\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nという $4$ 項間漸化式を得る.これを $17$ 項分計算する.\r\n\r\n上述の漸化式の特性方程式 $x^3-2x^2-2x+1=0$ の解は $x^2-x-1=0$ の解を $\\alpha,\\beta$ とすると,$\\alpha^2,\\beta^2,\\alpha\\beta$ と表せて,係数を求めることでフィボナッチ数列の $2$ 乗の $4$ 倍であることも導ける.(漸化式表示からこの事実を天啓無く直接導き出す方法をご存じの方がいらっしゃったら誰か教えてください.)", "text": "直接漸化式を立てる", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/7679/421" } ]
 $2\times17$ のマス目があり,各マスを赤または青で塗ります.どのマスについても次の条件を満たすような,マス目の塗り方は何通りあるか求めてください: - 辺を共有している自身以外のマスのうち,赤で塗られたマスと青で塗られたマスがそれぞれ $1$ マス以上存在する  ただし,回転や反転によって一致する塗り方も異なるものとして数えます.
OMC208
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/tasks/7777
F
OMC208(F)
400
103
186
[ { "content": " 下 $2$ 桁はその数を $100$ で割った余りである.また,以下の合同式は指定がない限りすべて $100$ を法とする.\\\r\n $2023=7\\times17^2$ と素因数分解できる.また,$2023^{2023}$ の約数は $0\\le m\\leq2023,0\\le n\\leq4046$ を満たす整数 $m,n$ を用いて $7^m\\times17^n$ と表せる.\r\n\r\n---\r\n**事実1.**$7^m\\times17^n$ の一の位は,\r\n- $m+n\\equiv1\\ (\\mathrm{mod}\\ 4)$ のとき $7$ である.\r\n- $m+n\\equiv2\\ (\\mathrm{mod}\\ 4)$ のとき $9$ である.\r\n- $m+n\\equiv3\\ (\\mathrm{mod}\\ 4)$ のとき $3$ である.\r\n- $m+n\\equiv0\\ (\\mathrm{mod}\\ 4)$ のとき $1$ である.\r\n\r\n<details><summary>証明<\\/summary>\r\n $7^4\\equiv1 \\pmod{10}$ に気をつければ,\r\n\r\n- $m+n\\equiv1\\ (\\mathrm{mod}\\ 4)$ のとき,$7^{m+n}\\equiv(7^4)^{(m+n-1)\\/4}\\times7\\equiv7 \\pmod{10}.$\r\n- $m+n\\equiv2\\ (\\mathrm{mod}\\ 4)$ のとき,$7^{m+n}\\equiv(7^4)^{(m+n-2)\\/4}\\times7^2\\equiv9 \\pmod{10}.$\r\n- $m+n\\equiv3\\ (\\mathrm{mod}\\ 4)$ のとき,$7^{m+n}\\equiv(7^4)^{(m+n-3)\\/4}\\times7^3\\equiv3 \\pmod{10}.$\r\n- $m+n\\equiv0\\ (\\mathrm{mod}\\ 4)$ のとき,$7^{m+n}\\equiv(7^4)^{(m+n)\\/4}\\equiv1 \\pmod{10}.$\r\n<\\/details>\r\n---\r\n**事実2.**$100$ を法とする $7$ の位数は $4$ である.\r\n\r\n---\r\n**事実3.**$100$ を法とする $17$ の位数は $20$ である.\r\n\r\n---\r\n**補題1**.次の命題が成り立つ.\r\n- $n$ が奇数ならば $17^n$ の十の位は奇数である.\r\n- $n$ が偶数ならば $17^n$ の十の位は偶数である.\r\n\r\n<details><summary>証明<\\/summary>\r\n まず,$n = 1,2$ の場合は正しいことを確認することができる.\\\r\n 次に,ある $n = k$ で成立していると仮定し,$n = k + 2$ の場合を考える.$1$ 以上 $10$ 未満の正の整数 $a_1,a_2$ を用いて $17^k \\equiv 10a_1 + a_2$ と表すと,\r\n$$17^{k + 2} \\equiv 189(10a_1 + a_2) = 90a_1 + 89a_2$$\r\nが成り立つ.いま,$a_2$ が奇数であることに気をつけると $89a_2$ の十の位は必ず偶数であることが確認できる.また,$90a_1$ の十の位の偶奇は $a_1$ の偶奇と一致するので,$n = k+2$ の場合にも成立することがわかる.\\\r\n 以上より,数学的帰納法により示された.\r\n<\\/details>\r\n\r\n---\r\n**補題2**.次の命題が成り立つ.\r\n- $n$ が奇数ならば $7^{m}\\times17^{n}$ の十の位は奇数である.\r\n- $n$ が偶数ならば $7^{m}\\times17^{n}$ の十の位は偶数である.\r\n\r\n<details><summary>証明<\\/summary>\r\n $1$ 以上 $10$ 未満の整数 $a_1,a_2,b_1,b_2$ を用いて $7^{m}\\equiv10a_1+a_2, 17^n\\equiv 10b_1 + b_2$ と表す.このとき,\r\n$$7^m\\times17^n\\equiv 10(a_1b_2 + a_2b_1) + a_2b_2$$\r\nである.ここで,事実2より $m$ が $0$ 以上 $3$ 以下の場合のみ考えればよく,このとき,$a_1$ は偶数,$a_2$ は奇数である.よって,$a_1b_2 + a_2b_1$ の偶奇は $b_1$ の偶奇と一致する.また,$b_2$ が $5$ でない奇数であることにも気をつければ $a_2b_2$ の 十の位は偶数である.したがって,補題1より示された.\r\n<\\/details>\r\n\r\n---\r\n 今,$7^m\\times17^n$ の約数の個数 $(m+1)(n+1)$ が $4$ の倍数でないためには,$(m,n)$ は $4$ を法として次のいずれかと等しいことが必要十分である.\r\n$$(0,0),(0,1),(0,2),(1,0),(1,2),(2,0),(2,1),(2,2)$$\r\nである.ここで,事実1と補題2より,$(m,n)$ を $4$ を法として固定すると,$7^m\\times17^n$ を $100$ で割ったあまりは $5$ 通りずつ考えられるが,事実2,3よりこれら $5$ 通りの値はすべて取り得る.以上より,約数の個数が $4$ の倍数でないような $2023^{2023}$ の約数の下 $2$ 桁として取り得る値は,\r\n\r\n- 一の位が $3$ または $7$ のもの\r\n- 一の位が $1$ または $9$ で十の位が偶数のもの\r\n\r\nがすべてである.よって,求める総和は\r\n$$(7+17+\\cdots+97)+(9+29+\\cdots+89)+(3+13+\\cdots+93)+(1+21+\\cdots+81)=\\mathbf{1450}$$\r\nである.\\\r\n なお,事実2より,$10$ 以上の $2023^{2023}$ の約数であって $1,7$ と等しいものは存在する.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/7777" }, { "content": " $2023\\^{2023}$ の正の約数 $d$ は $0\\le m\\le 2023$, $0\\le n\\le 4046$ なる整数 $n,m$ を用いて $d=7\\^{m}\\times17\\^{n}$ と表せ, この時正の約数の個数は $(m+1)(n+1)$ 個である. \r\nよって, $d$ の正の約数の個数が $4$ の倍数でないものは以下の $3$ パターンに分類できる. \r\n\r\n- $m\\equiv n\\equiv 0\\pmod 2$\r\n- $m\\equiv 0\\pmod 2, n\\equiv 1\\pmod 4$\r\n- $m\\equiv 1\\pmod 4, n\\equiv 0\\pmod 2$\r\n\r\n以下, $(\\mathbb{Z}\\/100\\mathbb{Z})\\^{\\*}$ 上で議論する. \r\nまた, 以下の議論では $17\\^{2b}=89\\^b=(-11)\\^b=(-1)\\^{b}\\times(10b+1)$ を度々用いることに留意せよ. \r\n\r\n上記の $3$ つの場合分けそれぞれについて, $d$ は\r\n\r\n- $d=49\\^a\\times89\\^b$ $(0\\le a\\le 1011$, $0\\le b\\le 2023)$\r\n- $d=17\\times49\\^a\\times89\\^{2b}$ $(0\\le a\\le 1011$, $0\\le b\\le 1011)$\r\n- $d=7\\times 49\\^{2a}\\times89\\^b$ $(0\\le a\\le 505$, $0\\le b\\le 2023)$\r\n\r\nと表される. \r\n\r\n\r\n\r\n$(\\mathbb{Z}\\/\\mathbb{100Z})\\^{*}$ における $49,89$ の位数は $2,10$ である. \r\n従って, $49=-51=89\\^{5}$ と併せて, 足し合わせるべき値の集合は, \r\n$\\lbrace A\\times 89\\^b\\mid A\\in\\lbrace1,7,17\\rbrace, 0\\le b\\le 9\\rbrace$ である. \r\n\r\n\r\n- $17\\times 7\\^{-1}=31$ より, $7\\times 89\\^{b\\_1}=17\\times 89\\^{b\\_{2}}$ とはなり得ないため, $\\lbrace A\\times 89\\^b\\mid A\\in\\lbrace7,17\\rbrace, 0\\le b\\le 9\\rbrace$ の元の個数は丁度 $20$ 個. \r\n- $7\\times 89\\^{b},17\\times 89\\^{b}$ の一の位は $3$ または $7$ であり, このような値は丁度 $20$ 個. \r\n\r\nに留意すれば, [公式解説](https:\\/\\/onlinemathcontest.com\\/contests\\/omc208\\/editorial\\/7777) にあるような値を足し合わせればよいことが分かる.", "text": "別解", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc208/editorial/7777/414" } ]
 正の約数の個数が $4$ の倍数でないような $2023^{2023}$ の $10$ 以上の正の約数について,その(十進法表記での)下 $2$ 桁としてありうる値の総和を求めてください.
OMC207 (for beginners)
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/tasks/4317
A
OMC207(A)
100
311
349
[ { "content": " $2$ つの正整数 $m, n$ を用いて $p+1011=m^{2}$,$p-1010=n^{2}$ と表せば,$2$ 式より,\r\n$$m^{2}-n^{2}=(m+n)\\times(m-n)=2021$$\r\nを得る.$2021=43\\times47$ に気をつけることで $(m, n)=(1011, 1010), (45, 2)$ が分かり,それぞれの場合について $p$ の値を計算すれば $p=1021110$ と $p=1014$ を得るから,特に解答すべき値は $\\mathbf{1022124}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/editorial/4317" } ]
 $p+1011$ と $p-1010$ がともに平方数となるような正整数 $p$ の総和をもとめてください.
OMC207 (for beginners)
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B
OMC207(B)
100
282
312
[ { "content": "$$x^3-ax^2-bx+ab=(x-a)(x+\\sqrt{b})(x-\\sqrt{b})$$\r\nと因数分解できることから,この方程式の解は $a,\\sqrt{b},-\\sqrt{b}$ である.これらがすべて実数であることから,$\\sqrt{b} \\geq 0$ である.よって $(a,\\sqrt{b})=(-20,23),(23,20)$ が分かるから,$(a,b)=(-20,529),(23,400)$ である.特に,解答すべき値は $509+423=\\mathbf{932}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/editorial/6756" } ]
 $a,b$ を実数とします.$x$ についての方程式 $$x^3-ax^2-bx+ab=0$$ は $3$ つの相異なる解を持ち,そのうち $2$ つは $-20$ と $23$ でした.このとき,$(a,b)$ の組としてありうるもの全てについて $a+b$ の総和を解答してください.
OMC207 (for beginners)
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C
OMC207(C)
100
279
310
[ { "content": " 一般に,三角形 $T$ の面積が $S$,周長が $p$ であるとき,$T$ の内接円半径は $\\dfrac{2S}{p}$ であることに注意する.\\\r\n三角形 $ABC$ の面積を $s$ とすると,三角形 $ABM, ACM$ の面積はそれぞれ $\\dfrac{s}{2}$ である.また,$\\angle A = 90^\\circ$ であるから \r\n$$AM = BM = CM = \\frac{5}{2}$$\r\nであることに注意すると,三角形 $ABC, ABM, ACM$ の周長はそれぞれ $12, 8, 9$ である.以上から,求める比は\r\n$$\\frac{2s}{12} : \\frac{s}{8} : \\frac{s}{9} = 12 : 9 : 8$$\r\nである.特に,解答すべき値は $\\bf{29}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/editorial/5065" } ]
  $AB=3,BC=5,CA=4$ なる三角形 $ABC$ について,辺 $BC$ の中点を $M$ とします.三角形 $ABC$,三角形 $ABM$,三角形 $ACM$ の内接円の半径の比は最大公約数が $1$ である正整数 $a,b,c$ を用いて $a:b:c$ と表せるので,$a+b+c$ を解答してください.
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D
OMC207(D)
200
263
280
[ { "content": " 整数 $0\\leq a,b,c\\leq 9$ によって $A_n = 100a+10b+c$ と表されるとき $B_n = 100c+10b+a$ であるから\r\n$$n = A_n - B_n = 99(a - c)$$\r\nとなり,$n$ は $99$ の倍数である.$3$ 桁の $99$ の倍数それぞれについて考えれば条件を満たすものは $n = 495$ のみであるから,解答すべき値は ${\\bf 495}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/editorial/4155" } ]
 正の整数 $N$ について,$N$ の先頭に余分な $0$ を付けず十進表記したものの各桁の数字を並び替えてできる整数のうち,最大のものを $A_N$ ,最小のものを $B_N$ とします.ただし,並び替えにおいては先頭に $0$ が来てもよいものとします.例えば $A_{304}=430,B_{304}=34$ です.\  $3$ 桁の正の整数 $n$ であって $n=A_n-B_n$ を満たすものの総和を解答してください.
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/tasks/5591
E
OMC207(E)
300
116
189
[ { "content": " 操作が $n$ 回以内に終わる確率を $p_n$ とすれば,求める確率は $p_5-p_4$ である.\\\r\n あるコインが,$n $ 回の操作後に手元にある確率は $\\dfrac{1}{2^n}$だから,$ p_n=\\bigg(1-\\dfrac{1}{2^n}\\bigg)^4 $ である.従って,$ p_5-p_4=\\dfrac{113521}{2^{20}}$ と計算できるから,特に解答すべき値は $\\mathbf{1162097}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/editorial/5591" } ]
 表裏が等確率で出るコインが $4$ 枚あります.以下の操作を手持ちのコインが無くなるまで繰り返すとき,ちょうど $5$ 回で操作が終わる確率は互いに素な正整数 $a,b$ を用いて $ \dfrac{a}{b} $ と表せます.$a+b$ を解答してください. - 手持ちのコインを全て投げ,表が出たコインを捨て,裏が出たコインは拾って再び手持ちとする.
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F
OMC207(F)
300
200
248
[ { "content": " 連続する偶数個の正整数を $a-k+1,\\cdots,a,a+1,\\cdots,a+k$ と表現すれば,考えるべき条件は\r\n$$a\\geq k,\\quad k(2a+1)=2^{10}5^{100}$$\r\n特に $100$ 以下の正整数 $p$ によって $2a+1=5^p$ と表され,このとき条件は次の式で表される.\r\n$$5^p\\geq 2^{11}\\times 5^{100-p}+1$$\r\nこれより $5^{p-50}\\geq 46$ が導かれ,これは $p\\geq 53$ と同値であるから,求める場合の数は $\\textbf{48}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/editorial/2145" } ]
 連続した偶数個の正整数からなる集合であって,それらの総和が $2^{10}\times 5^{100}$ であるものはいくつありますか?
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G
OMC207(G)
300
103
151
[ { "content": " $x_1,x_2,\\ldots,x_6 \\neq 0$ より条件式は次の式 $A$ と同値である.\r\n$$\\frac{x_1}{x_2}=\\Big( \\dfrac{x_2}{x_3} \\Big)^2, ~~\\frac{x_2}{x_3}=\\Big( \\dfrac{x_3}{x_4} \\Big)^2, ~~\\frac{x_3}{x_4}=\\Big( \\dfrac{x_4}{x_5} \\Big)^2, ~~\\frac{x_4}{x_5}=\\Big( \\dfrac{x_5}{x_6} \\Big)^2, ~~\\frac{x_5}{x_6}=\\Big( \\dfrac{x_6}{x_1} \\Big)^2$$\r\nしたがって次の式が成り立つ.\r\n$$\\dfrac{x_1}{x_2}=\\Big( \\dfrac{x_2}{x_3} \\Big)^2=\\Big( \\dfrac{x_3}{x_4} \\Big)^4=\\Big( \\dfrac{x_4}{x_5} \\Big)^8=\\Big( \\dfrac{x_5}{x_6} \\Big)^{16}=\\Big( \\dfrac{x_6}{x_1} \\Big)^{32}$$\r\nこの値を $\\alpha$ とおけば,\r\n$$ \\alpha^{63} = \\alpha^{32+16+8+4+2+1} = \\Big( \\dfrac{x_1}{x_2} \\Big)^{32}\\Big( \\dfrac{x_2}{x_3} \\Big)^{32}\\Big( \\dfrac{x_3}{x_4} \\Big)^{32}\\Big( \\dfrac{x_4}{x_5} \\Big)^{32}\\Big( \\dfrac{x_5}{x_6} \\Big)^{32}\\Big( \\dfrac{x_6}{x_1} \\Big)^{32}=1 $$\r\nとなるから,$\\alpha$ は $1$ の $63$ 乗根である.また,式 $A$ より$(x_1,x_2,\\ldots,x_6)$ としてありうるものは\r\n$$(1,\\alpha^{62},\\alpha^{30},\\alpha^{14},\\alpha^6,\\alpha^2)$$\r\nのみであることが分かり,逆にこの形のものは与式を満たす.$\\alpha$ としてありうる値は $63$ 個あるため,求める答えは $\\mathbf{63}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/editorial/7037" }, { "content": " $x_6(=k)$ を決めると,$x_5=k^3,x_4=k^7,x_3=k^{15},x_2=k^{31},x_1=k^{63}$ と順次定まるので,$k^{63}=1$ となり,これの解は $63$ 個であるから,答えは $\\mathbf{63}$.", "text": "ユーザー解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/editorial/7037/412" } ]
 $x_1=1$ かつ,いずれも $0$ でない複素数の組 $(x_1,x_2,\ldots,x_6)$ であって, $$x_1x_3^2=x_2^3, x_2x_4^2=x_3^3, x_3x_5^2=x_4^3, x_4x_6^2=x_5^3, x_5x_1^2=x_6^3$$ をすべてみたすものはいくつありますか?
OMC207 (for beginners)
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https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/tasks/3099
H
OMC207(H)
300
62
78
[ { "content": " 点 $C$ から直線 $AB$ に下ろした垂線の足を $R$, 辺 $CA$ に関して $H$ と対称な点を $S$, 辺 $CB$ に関して $H$ と対称な点を $T$ とする. $\\angle HRB = \\angle HPB = 90^\\circ$ より $4$ 点 $B, H, P, R$ が同一円周上にあるから\r\n$$\\angle ASC = \\angle AHC = 180^\\circ - \\angle CHP = 180^\\circ - \\angle RBC = 180^\\circ - \\angle ABC$$\r\nより $S$ は $\\Gamma$ 上にある. 同様にして $T$ も $\\Gamma$ 上にある. $S, T$ の定義より $CH = CS = CT$ であるから, 結局 $\\lbrace S, T\\rbrace = \\lbrace X, Y\\rbrace$ が分かる. また, 線分 $HS$ の中点が $Q$, 線分 $HT$ の中点が $P$ であるから\r\n$$XY = ST = 2PQ$$\r\nが分かる. 以下 $PQ$ を求める. \\\r\n $\\angle CPH = \\angle CQH = 90^\\circ$ より $4$ 点 $C, H, P, Q$ は同一円周上にあるから $\\angle CHP = \\angle CQP = 30^\\circ$. よって\r\n$$CH = \\dfrac{CP}{\\sin30^\\circ} = 4\\sqrt6, \\quad CQ = \\sqrt{CH^2 - HQ^2} = 6+2\\sqrt3$$\r\nが成立する. 点 $C$ から直線 $PQ$ に下ろした垂線の足を $K$ とすると\r\n$$CK = CQ\\sin30^\\circ = 3+\\sqrt3, \\quad PK = \\sqrt{CP^2 - CK^2} = 3 - \\sqrt3, \\quad QK = \\sqrt{CQ^2 - CK^2} = 3 + 3\\sqrt3$$\r\nより, $PQ = PK + QK = 6+2\\sqrt3$ を得る. よって $XY = 2PQ = 12 + 4\\sqrt3$ である. 特に解答すべきは $\\bf{60}$.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc207/editorial/3099" } ]
 外接円を $\Gamma$ とする鋭角三角形 $ABC$ の垂心を $H$ とし,点 $A$ から直線 $BC$ に下ろした垂線の足,点 $B$ から直線 $AC$ に下ろした垂線の足をそれぞれ $P,Q$ とします.また,中心を点 $C$ ,半径を $CH$ とする円 $O$ と $\Gamma$ の交点を $X,Y$ とします.以下が成り立つとき,$XY$ を求めてください. $$ PC=2\sqrt{6},\quad HQ=6-2\sqrt{3},\quad \angle{PQC}=30^{\circ} $$ ただし,答えは整数 $a,b$ によって $a+\sqrt{b}$ と表されるので,$a+b$ を解答してください.
OMC206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/tasks/4501
A
OMC206(A)
100
357
361
[ { "content": " $R_{n}$ が $9$ の倍数かつ $11$ の倍数となる最小の $n$ を求めればよい.\\\r\n $R_{n}$ が $9$ の倍数となるのは,$R_n$ の各桁の和が $9$ の倍数になるとき,すなわち $n$ が $9$ の倍数のときである.\\\r\n また,$R_n$ が $11$ の倍数になるのは,$R_n$ の偶数桁目の総和と奇数桁目の総和の差が $11$ の倍数になるとき,すなわち $n$ が偶数のときである.\\\r\n 以上より,求める答えは $\\bf18$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/editorial/4501" }, { "content": " 余談:本問の $R_n$ はレピュニット数と呼ばれるものである.\r\n***\r\n **問題:** 素数 $p$ に対して,あるレピュニット数 $R_n$ が存在し $p$ の倍数になるための $p$ の条件は?\r\n<details> \r\n<summary>\r\n解答\r\n<\\/summary> \r\n$R_{p-1}=\\dfrac{10^{p-1}-1}{9}$ を考えると,$p\\neq2,3,5$ のとき,Fermatの小定理よりこれは $p$ の倍数となる.また,$p=2,5$ は明らかに不適であり,$R_3=111\\equiv0\\pmod3$ なので,求める条件は $p$ が $2,5$ 以外の素数であること.\r\n<\\/details>", "text": "有名問題の紹介", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/editorial/4501/410" } ]
 $1$ を $n$ 個並べてできる正の整数 $R_{n}$ が $99$ の倍数となるような最小の正の整数 $n$ を求めてください.
OMC206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/tasks/3668
B
OMC206(B)
200
260
296
[ { "content": " $A_1A_2=A_2A_3$ であるから $\\angle{A_2A_1A_3}=\\angle{A_2A_3A_1}$ が成立する.よって,条件から\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\n\\angle{PA_2A_1}&=\\angle{PA_1A_2}\\\\\\\\\r\n&=\\angle{A_2A_1A_3}-\\angle{PA_1A_3}\\\\\\\\\r\n&=\\angle{A_2A_3A_1}-\\angle{QA_3A_1}\\\\\\\\\r\n&=\\angle{QA_3A_2}\\\\\\\\\r\n&=\\angle{QA_2A_3}\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\nが成り立つ.したがって,$\\angle{PA_2A_1}=x^\\circ, \\angle{PA_1A_3}=y^\\circ$ とおくと,三角形 $A_1A_2A_3$ の内角の和を考えて\r\n$$\r\n4x+10y= 180\r\n$$\r\nである.また,\r\n$$\r\n2x+8y = \\angle{A_1A_2A_3}=\\frac{180(n-2)}{n}\r\n$$\r\nとなるから,これらを解くと以下を得る.\r\n$$\r\nx=\\frac{30 (10-n)}{n} , y=\\frac{30 (n-4)}{n} \r\n$$\r\n いま,$P,Q$ は三角形 $A_1A_2A_3$ の内部にあるから,$x\\gt 0$ かつ $y \\gt 0$ である.よって,$5\\leq n \\leq 9$ が必要であり,逆にこのとき条件を満たすように $P,Q$ が取れるから,求める答えは $\\textbf{35}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/editorial/3668" } ]
 正 $n$ 角形 $A_1A_2\cdots A_n$ があります.三角形 $A_1A_2A_3$ の内部(周上は含まない)の相異なる点 $P, Q$ であって以下の条件をみたすものが存在するような $3$ 以上の整数 $n$ の総和を求めてください. - $A_1P=A_2P,A_2Q=A_3Q$ - $8\angle{PA_1A_3}=\angle{PA_2Q}=8\angle{QA_3A_1}$ - 線分 $A_1P$ と線分 $A_3Q$ は交わらない.
OMC206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/tasks/6042
C
OMC206(C)
300
212
260
[ { "content": "以下の操作によって,条件を満たすことができる.\r\n- 最初に一万円札を五つ子に $1$ 枚ずつ渡す.\r\n- 次に一万円札と他の貨幣をペアにして五つ子の誰かに渡す.\r\n- 最後に一万円札が $1$ 枚余るので五つ子の誰かに渡す.\r\n\r\n逆に,条件を満たす渡し方は上の操作によって作ることができるので,求める場合の数は\r\n$${}\\_{5}\\mathrm{H}\\_{5} \\times {}\\_{5}\\mathrm{H}\\_{4} \\times {}\\_{5}\\mathrm{H}\\_{3} \\times {}\\_{5}\\mathrm{H}\\_{2} \\times {}\\_{5}\\mathrm{H}\\_{1}= 126 \\times 70 \\times 35 \\times 15 \\times 5 = \\mathbf{23152500}$$\r\nである.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/editorial/6042" }, { "content": " 公式解説で用いられている記号 $\\mathrm{H}$ は,**重複組み合わせ**と呼ばれているものであり,$n$ 種のものから重複を許し $r$ 個のものを選ぶ場合の数を ${}\\_{n}\\mathrm{H}\\_{r}$ と表す.また,この場合の数は,$r$ 個のものと $n-1$ 個の仕切りを並べる場合の数とも等しいので,\r\n$${}\\_{n}\\mathrm{H}\\_{r}={}\\_{n+r-1}\\mathrm{C}\\_{r}$$\r\nが成り立つ.", "text": "記号についての説明", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/editorial/6042/409" } ]
 零子さんには一郎君,二郎君,三郎君,四郎君,五郎君の五つ子の子どもがいます.今,子どもたちにお年玉をあげることにしました.\  零子さんは一万円札を $20$ 枚,五百円玉を $5$ 枚,百円玉を $4$ 枚,十円玉を $3$ 枚,一円玉を $2$ 枚準備し,準備したお金が余らないように各子どもたちにお年玉を渡しました.零子さんは経験上,次のことが分かっています. - 各子どもは,自分の貰ったお年玉の内訳について,一万円札の枚数が他の貨幣の枚数の総和以下のとき,またそのときに限り不満を言う. 五つ子が誰一人として不満を言わないようなお年玉の渡し方の組み合わせは何通りですか.
OMC206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/tasks/7296
D
OMC206(D)
500
111
196
[ { "content": " $7!=2^4\\cdot3^2\\cdot5\\cdot7$ であるから,$7!$ の約数は $2^a\\cdot3^b\\cdot5^c\\cdot7^d$ の形で表される.\\\r\n $2$ つの要素の積が平方数となるのは,各素因数 $2, 3, 5, 7$ の指数の偶奇が一致する場合である.したがって,$7!$ の約数を,素因数 $2,3,5,7$ の冪の偶奇の組み合わせによって $16\\ (=2^4)$ 個の集合 $A_1, A_2, \\ldots, A_{16}$ に分けるとき,いくつかの異なる集合から $1$ つずつ要素を選ぶことで良い集合を構成することができ,特に $N=16$ となる.\\\r\n $16$ 個の要素をもつ良い集合の要素の積の総和は,(式を展開した様子を考えれば) $A_1, A_2, \\ldots, A_{16}$ それぞれの要素の和の積に等しい.また,$A_1, A_2, \\ldots, A_{16}$ それぞれの要素の和は,次の $4$ つの集合のそれぞれから $1$ つずつ要素を選び掛け合わせたものである.\r\n$$\\\\{2^0+2^2+2^4,2^1+2^3\\\\},\\quad\r\n\\\\{3^0+3^2,3^1\\\\},\\quad\r\n\\\\{5^0,5^1\\\\},\\quad\r\n\\\\{7^0,7^1\\\\}$$\r\n(例えば,すべての素因数の冪が偶数の要素からなる集合の要素の和は,\r\n$$(2^0+2^2+2^4)\\cdot(3^0+3^2)\\cdot5^0\\cdot7^0$$\r\nと表される).$A_1, A_2, \\ldots, A_{16}$ それぞれの要素の和の積において,上の $4$ つの集合の各要素はそれぞれ $8$ 回ずつかけられる(例えば,集合の要素の和を積の形で表すとき,$2^0+2^2+2^4$ を含むものは $2$ の冪が偶数の要素からなる $8\\ (=2^{4-1})$ 個の集合である)から,\r\n$$\\begin{aligned}\r\nS&=\\bigl((2^0+2^2+2^4)\r\n\\cdot(2^1+2^3)\r\n\\cdot(3^0+3^2)\r\n\\cdot3\r\n\\cdot5\r\n\\cdot7\r\n\\bigr)^{8}\\\\\\\\\r\n&=2^{16}\\cdot3^{16}\\cdot5^{24}\\cdot7^{16}\r\n\\end{aligned}$$\r\nである.よって,$S$ の正の約数の個数は $(16+1)^3\\cdot(24+1)=\\bm{122825}$ 個である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/editorial/7296" } ]
 $7!$ のいくつかの正の約数からなる集合であって,以下の条件をすべてみたすものを**良い集合**と呼びます. - 要素の個数は $2$ つ以上である. - どの相異なる $2$ つの要素の積も平方数にならない.  良い集合の要素の個数としてあり得る最大値を $N$ とおきます.$N$ 個の要素をもつ良い集合 $\\{d_1, d_2, \ldots, d_N\\}$ すべてに対して,要素の積 $d_1d_2\cdots d_N$ の総和を $S$ とするとき,$S$ の正の約数の個数を求めてください.
OMC206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206
https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/tasks/8554
E
OMC206(E)
500
32
117
[ { "content": " 一般に正 $n$ 角柱 $P_1P_2 \\cdots P_n-Q_1Q_2 \\cdots Q_n$ に対して考える. \\\r\n 各 $(P_i,Q_i)$ の色の組み合わせとしてありうる以下の $6$ つを,それぞれ $A,B,C,D,E,F$ とよぼう.\r\n\r\n- (赤,青)(緑,赤)(青,緑)(青,赤)(赤,緑)(緑,青)\r\n\r\n例えば $(P_1,Q_1)$ が $A$ であるとき, $(P_2,Q_2)$ としてありうるものは $B,C,D$ である.同様に考えると,色の組み合わせを頂点に紐づけた三角柱 $ABC-DEF$ について,$(P_i,Q_i)$ と $(P_{i+1},Q_{i+1})$ の色の組み合わせは辺でつながれた異なる二頂点に対応することがわかる.すなわち,以下の問題に帰着される:\r\n\r\n- 三角柱 $ABC-DEF$ において,ある頂点を出発し,隣り合う頂点に移動する動作を $n$ 回行い,出発した頂点に戻る道順の数を求めよ.\r\n\r\n いま,$f(x,y)=(x+x^{-1}+y)^{n}$ とおき,次のような対応を考える.\r\n\r\n- $x$: $A \\longrightarrow B, ~ B \\longrightarrow C, ~ C \\longrightarrow A, ~ D \\longrightarrow E, ~ E \\longrightarrow F, ~ F \\longrightarrow D$\r\n- $x^{-1}$: $A \\longleftarrow B, ~ B \\longleftarrow C, ~ C \\longleftarrow A, ~ D \\longleftarrow E, ~ E \\longleftarrow F, ~ F \\longleftarrow D$\r\n- $y$: $A \\longleftrightarrow D, ~ B \\longleftrightarrow E, ~ C \\longleftrightarrow F$\r\n\r\nこのとき,求める場合の数は $f(x,y)$ の各項のうち,$x$ の次数が $3$ の倍数かつ $y$ の次数が偶数であるものについて,その係数の総和の $6$ 倍(始点としてありうるものが $6$ つあることから)であり,$3$ 乗して $1$ になる $1$ でない複素数 $\\omega$ を用いて以下のように計算できる:\r\n$$\r\n\\begin{aligned}\r\nX&=\\dfrac{1}{6}\\left(f(1,1)+f(1,-1)+f(\\omega,1)+f(\\omega,-1)+f(\\omega^2,1)+f(\\omega^2,-1)\\right)\\times 6 \\\\\\\\\r\n&=3^{n}+1^n+0^n+(-2)^{n}+0^n+(-2)^{n} \\\\\\\\\r\n&=3^{n}-(-2)^{n+1}+1\r\n\\end{aligned}\r\n$$\r\n\r\n$n=1234$ のときこれを $1237$ で割った余りは,Fermatの小定理により $\\textbf{895}$ である.", "text": "公式解説", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/editorial/8554" }, { "content": " 一般に正 $n$ 角柱 $P_1P_2…P_nQ_1Q_2…Q_n$ の塗り分けを考える.また $P_{n+1}, Q_{n+1}$ をそれぞれ $P_1, Q_1$ に塗った色と同じとし,三色の並びについて赤 $\\rarr$ 青 $\\rarr$ 緑 $\\rarr$ 赤の順を「正の順」,赤 $\\rarr$ 緑 $\\rarr$ 青 $\\rarr$ 赤を「負の順」と定義する.条件を満たす塗り方について,$(P_k, Q_k)$ の色と $(P_{k+1},Q_{k+1})$ の色は「正負が同じ順で色の組みが異なるもの」もしくは「正負が違う順で色の組みが同じもの」のどちらかとなる.$($ 例えば $(P_1,Q_1)=($ 赤,青 $)$ のとき $(P_2,Q_2)$ は $($ 青,緑 $)$ $($ 緑,赤 $)$ $($ 青,赤 $)$ のいずれかである $)$\\\r\n したがって正 $n$ 角形 $A_1A_2…A_n$ の各頂点に赤,青,緑を割り振って,さらに正負を一つ定めることで「 $(P_1,Q_1)$ が定めた正負の順で,$P_k, Q_k, A_k$ が全て異なる色にする」という手順で $(P_n,Q_n)$ まで色を決定できる.この手順で $A_k$ と $A_{k+1}$ が同色の時,$(P_k,Q_k)$ と $(P_{k+1},Q_{k+1})$ は正負が違う順となるので,$(P_1,Q_1)$ と $(P_{n+1},Q_{n+1})$ が一致するためには,正 $A_1A_2…A_n$ 角形の辺で両端点の色が同一のものが偶数本である必要がある.逆に偶数本であれば条件を満たす $P_1P_2…P_nQ_1Q_2…Q_n$ の塗り分けを決定できる.以上から,「正 $n$ 角形 $A_1A_2…A_n$ の各頂点を赤,青,緑で塗り分ける方法で,両端点が同一色の辺が偶数本であるものの個数」を求めれば良い.これを $p_n$ 通りとする.\\\r\n まず,正 $n$ 角形 $A_1A_2…A_n$ の各頂点に赤,青,緑を同一色が隣り合わないように割り振る方法を $a_n$ 通りとしてこれを求める.$a_2=6, a_3=6, a_4=18$ であり,$a_{n+2}$ は $A_{n+2}$ と $A_n$ が同一色のとき $(=a_n$ 通り $)$ ,$A_{n+1}$ の色は $2$ 通りあり,$A_{n+2}$ と $A_n$ が異なる色のとき $(=a_{n+1}$ 通り $)$ ,$A_{n+1}$ の色は $1$ 通りなので $a_{n+2}=a_{n+1}+2a_n$ となる.これを解き $a_n=2^n+2(-1)^n$ が得られる.\\\r\n $p_{2n}$ 通りの中で両端点が同一色の辺が $2m$ 本であるものは,$a_{2n-2m}$ 通りそれぞれについて $A_1,A_2…A_{2n-2m},A_{2n-2m+1}$ から重複を許して $2m$ 個を選び「 $A_k$ が選ばれたとき辺 $A_kA_{k+1}$ 上に $A_k$ と同じ色の点を増やす,$A_{2n-2m+1}$ が選ばれたときは辺 $A_{2n-2m}A_1$ 上に $A_1$ と同じ色の点を増やす」という操作と対応させられるので\r\n$$p_{2n}=\\displaystyle\\sum_{m=0}^na_{2n-2m} \\times {}\\_{2n-2m+1}\\mathrm{H}\\_{2m}= \\displaystyle\\sum_{m=0}^n(2^{2n-2m}+2){}\\_{2n}\\mathrm{C}\\_{2m}=\\dfrac{(2+1)^{2n}+(2-1)^{2n}}2 +((1+1)^{2n}+(1-1)^{2n})=\\dfrac{3^{2n}+1}2 +2^{2n}$$\r\nとなる.これに $(P_1,Q_1)$ の順の正負を考えることで,条件を満たす塗り分けの方法は $n$ が偶数の場合 $3^n+2^{n+1}+1$ で表されることがわかる.あとは本解説と同様に求めれば良い.", "text": "やや愚直な数え上げ方での解法", "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc206/editorial/8554/406" } ]
 正 $1234$ 角柱の頂点 $2468$ 個それぞれを,赤色,青色,緑色のうちから一つずつ選んで塗ります(使わない色があっても構いません).ここで,任意の辺に対して,その両端の $2$ 頂点の色が異なるようにします.そのような塗り方が $X$ 通りあるとき,$X$ を素数 $1237$ で割った余りを求めてください.\  ただし,回転したり裏返したりして一致する塗り方も区別して考えます.

OnlineMathContest 1.4k

1.4k pairs dataset of math problems and their solutions in Japanese scraped from OnlineMathContest.

Notice: All problems and solutions have source urls (the url field), and their authors and OnlineMathContest own the copyrights.

Dataset fields

  • contest: Name of the contest that contains each problem.
  • contest_url: The url of a contest that contains each problem.
  • url: The url of each problem.
  • alphabet: The alphabet of each problem. (e.g. A, B, ...)
  • name: The name of each problem.
  • score: The number of points earned for solving each problem.
  • correct: The number of people who could solve each problem during their contest.
  • total: The total number of people who tried to solve each problem during their contest.
  • editorials: The solution and explanation of each problem by the author or volunteers.
    • url: The url of each solution.
    • name: The name of each solution. (e.g. 公式解説)
    • content: The content text of each solution. This might be null sometimes.
  • task_content: The content text of each problem.

editorials.content and task_content uses Markdown and KaTeX markup.

Example

{
    "contest": "OMC215 (お茶ゼミ√+杯)",
    "contest_url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215",
    "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/tasks/9284",
    "alphabet": "A",
    "name": "OMC215(A)",
    "score": "100",
    "correct": 387,
    "total": 412,
    "editorials": [
        {
            "content": "$$\\frac{a^2-1001a+1001^2}{b^2-1001b+1001^2}\\leq\\frac{\\max\\lbrace a^2-1001a+1001^2\\rbrace}{\\min\\lbrace b^2-1001b+1001^2\\rbrace}$$\r\nであり,等号が成立するのは $a=1,1000$ かつ $b=500,501$ のときであるので解答すべき値は\r\n$$(1+500)+(1+501)+(1000+500)+(1000+501)=\\mathbf{4004}.$$",
            "text": "公式解説",
            "url": "https://onlinemathcontest.com/contests/omc215/editorial/9284"
        }
    ],
    "task_content": "  $1\\leq a\\leq 1000, ~ 1\\leq b\\leq 1000$ なる整数 $a,b$ について,\r\n$$\\frac{a^2-1001a+1001^2}{b^2-1001b+1001^2}$$\r\nがありうる最大の値をとるとき,$a+b$ としてありうる値の総和を求めてください."
}
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