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本皿の目的は、『慶應矩塟家蚈パネル調査』を甚い、非自発的理由による倱職経隓が所埗に及がす圱響を怜蚌するこずである。我が囜ではバブル厩壊以降、「倱われた10幎」ず蚀われるほどの長期䞍況を経隓し、倚くの非自発的な理由による倱職者を生み出した。この倱職が所埗をどの皋床䜎䞋させるのか、そしお、その䜎䞋がどの皋床持続するのかずいった点に関しお海倖では数倚くの研究があるものの、囜内ではあたり研究がない。他の先進囜ず比范しお、転職垂堎の芏暡が小さく、長期雇甚の傟向が匷い我が囜の堎合、この倱職による所埗䜎䞋の圱響が倧きいず考えられるが、その実態は明らかになっおいない。そこで、本皿ではPropensity Score Matching法を甚い、男女別、幎霢別に倱職経隓が所埗に及がす圱響を怜蚌した。この分析の結果、次の3点が明らかになった。 1点目は、男女別に倱職が所埗に及がす圱響の違いを怜蚌した結果、いずれの幎霢局でも男性の所埗䜎䞋額の方が女性よりも倧きい傟向にあった。しかし、所埗䜎䞋率(%)はほずんどの堎合、女性の方が男性よりも若干倧きかった。2点目は、男性に぀いお分析した結果、党幎霢局では倱職時から倱職3幎埌たで持続的に継続就業者よりも所埗が䜎く、倱職3幎埌時点でも60䞇円以䞊所埗が䜎かった。幎霢別にみるず、所埗䜎䞋幅が最も倧きいのは41歳以䞊の䞭高霢局であり、この背景には倱職による就業率の䜎䞋ずそれたで蓄積した人的資本の喪倱が倧きな圱響を及がすず考えられる。3点目は、女性に぀いお分析した結果、党幎霢局では男性ず同様に倱職時から倱職3幎埌たで持続的に継続就業者よりも所埗が䜎く、倱職3幎埌時点でも30䞇円以䞊所埗が䜎かった。幎霢別にみるず、40歳以䞋の堎合、少なくずも倱職1幎埌たでは所埗䜎䞋が確認されるが、41歳以降の䞭高霢局になるず倱職3幎目たで持続的に所埗が䜎䞋する傟向にあった。 JEL Classification NumberJ31,J63,J64Key Word倱職、所埗䜎䞋、Propensity Score Matching法
https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/bun/bun189/bun189.html
本皿は、混合寡占垂堎の䞀䟋ずしお考えられる日本のガス垂堎を察象ずしお、䟛絊区域芏制による消費者䜙剰ぞの効果を定量的に分析した。日本の家庭甚ガス䟛絊は䞻に郜垂ガスずLPガスの2皮類に分類されるが、郜垂ガスに察しおのみ䟡栌ず䟛絊区域が芏制されおおりLPガスに察しおは䟡栌ず䟛絊区域の芏制がない。そのため消費者の郜垂ガス需芁倉化に応じお政府は郜垂ガス䟛絊区域を調敎する必芁がある。しかし、郜垂化により郜垂ガス䟛絊が比范的容易ずなった倧郜垂近郊に察しお郜垂ガス䟛絊区域は芋盎されおおらず䟝然ずしおLPガスを䜿甚せざるを埗ない状況が続いおいる。郜垂ガス䟛絊が比范的容易な地域においお郜垂ガス需芁を満たさないこずは消費者䜙剰を損ねるこずになりうる。 そこで、1998幎から2005幎たでのガス垂堎に関するデヌタを甚いお、以䞋の2段階の分析を行った。たず、LPガスず郜垂ガスずの代替性を考慮したガス需芁関数を掚定した。その結果、郜垂ガスずLPガスずの間の需芁の代替性が存圚しガスのサヌビス特性がガス需芁に察しお重芁なこずがわかった。たた、需芁の匟力性を蚈算するず郜垂ガス䟛絊区域内倖でLPガスの自己䟡栌匟力性に倧きな違いが生じおいた。次に、掚定されたガス需芁関数のパラメヌタを甚いお、郜垂ガス䟛絊区域倖地域ぞ郜垂ガスを䟛絊させるシミュレヌションを行った。仮想的な郜垂ガス䟛絊によっお、郜垂ガス䟛絊区域倖地域䞖垯の38.9%はLPガスから郜垂ガスぞ移行した。さらに、LPガス事業者間でクヌルノヌ競争を仮定するず、LPガス䟡栌は5.8%枛少し、消費者䜙剰は13.8%改善した。この結果は郜垂ガス未䟛絊地域に察する郜垂ガス䟛絊を容易にすべきであるこずを瀺唆しおいる。 JEL Classification: L43, L95キヌワヌド䟛絊区域芏制シミュレヌション分析消費者䜙剰
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本皿では、日本の補造䌁業の海倖盎接投資が深化するなか、海倖珟地の事業掻動ず囜内の自瀟雇甚の長期的な関係に぀いお実蚌分析を行う。デヌタは、倧阪府本瀟の䞭堅・䞭小補造䌁業を察象にしたアンケヌト調査平成24幎10月実斜の結果である。分析手法は、被説明倉数になる囜内雇甚の状況を順序のある遞択方匏で䌁業に尋ねおいるため、順序プロビットモデルおよび順序ロゞットモデルを採甚する。 分析結果ずしお、たず、海倖拠点の雇甚の拡倧が自瀟の囜内雇甚の増加に぀ながる傟向がみられたが、この傟向は、初の海倖盎接投資埌からの幎数が経過するに぀れお匱たるこずも確認された。そしお、このような経幎倉化は、䌁業の創業からの経過幎数䌁業幎霢を説明倉数に加えおも存圚し぀づけるこずが確認された。この結果より、䞭堅・䞭小補造䌁業においお、海倖拠点を初めお蚭眮しおから海倖展開の経隓幎数を重ねるに぀れお、海倖ず囜内の雇甚の補完的関係は匱たっおいくこずが掚枬される。 次に、この経幎的倉化がどの皋床であるかを定量的に確かめるため、平均的な䌁業を想定した限界効果のシミュレヌション分析を行った。結果ずしお、海倖雇甚が増加したこずによる「囜内雇甚の増加」を遞択する確率の䞊昇幅は、初の海倖盎接投資埌から10幎が経った堎合は25ポむントほどになるのに察し、20幎が経った堎合は45ポむントほどに瞮小するこずが確認され、さらに20幎を超えるずその䞊昇がみられなくなるこずが掚枬された。 JEL Classification Number: F14 F16 F21Key Words: 海倖盎接投資 囜内雇甚 䞭堅・䞭小補造䌁業
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人口・䞖垯構造が急倉し、経枈瀟䌚の高霢化が進展する䞋で、䞖垯間のバラ぀き、たたそれが䞖垯の経枈行動に䞎える圱響を怜蚎するこずの重芁性が高たっおいる。本皿では、そうした怜蚎䜜業の基瀎ずすべく、我々「個祚デヌタ分析による家蚈行動の研究」ナニットが敎備掚蚈を進めおきた我が囜䞖垯の資産保有状況に関するデヌタ・セットに぀いお、その掚蚈の抂略を瀺すずずもに、掚蚈デヌタが描き出した䞖垯資産保有の姿の䞀端を玹介しおいる。 高山他1989が『党囜消費実態調査』に甚いた掚蚈手法を『家蚈調査』個祚に適甚するこずで構築した䞖垯資産デヌタからは、①我が囜家蚈の保有資産䟡倀の倧きな郚分を䜏宅・宅地資産が占めおおり、過去四半䞖玀における䞖垯保有資産䟡倀の倉動の倧半は䜏宅・宅地資産䟡倀地䟡の倉動に由来しおいたこず、②こうした倉動は特にバブル期前埌の銖郜圏䞖垯においお顕著バブル期の銖郜圏持ち家䞖垯のキャピタル・ゲむンは千䞇単䜍で、バブル期には資産保有の䞖垯間のバラ぀きも最倧化しおいたこず、③土地バブルの圱響は䞖垯䞻の生涯を通じた資産蓄積パタヌンにも及んでおり、倚くのコホヌトでバブル厩壊期に保有正味資産の目枛りが芋られたこず、等が読み取れた。 JEL Classification Number: D31、E21Key Words: 家蚈調査、個祚、䜏宅・宅地資産、資産分垃、バブル、日本
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本皿は、倧孊幎生の正瀟員内定者の特城を明らかにし、効果的な就職支揎策の圚り方に぀いお考察する。分析の䞻たる仮説ずしお、正瀟員内定を決定づける芁因が、孊生のゞョブ・サヌチ掻動そのもの掻動開始時期や応募先の遞定基準にあるのか、あるいは孊力や人的資本等個人の特性にあるのかをミクロデヌタを甚いお怜蚌を行った。掚蚈に際しおは、倧孊の属性文系理系、偏差倀レベル、囜公私立等によっお内定未獲埗者の特性が異なる可胜性に配慮し、サンプルを文系・理系孊郚別、倧孊区分、男女別に分け、グルヌプごずの内定獲埗芁因を怜蚌した。 分析の結果、正瀟員内定獲埗芁因は文系理系、倧孊区分によっお倧きく異なるこずが確認された。文系孊郚においおは就職掻動の開始時期の適切な誘導や、文系私立䞭高䜍及び囜公立倧孊、理系私立高䜍校においおは就職応募先の遞定に぀いおのアドバむス、さらに、文系私立䜎䜍校、公立倧孊においおは孊力促進など、倧孊による盎接支揎策に䞀定の効果が期埅できる可胜性が瀺唆された。䞀方で、理系孊生に぀いおは、文系に比べ、倧孊による支揎の期埅できる芁玠が正瀟員内定に及がす圱響は総じお限定的であった。さらに、理系孊生に぀いおは、アルバむトなどの課倖掻動ぞの熱心な取り組みが正瀟員内定に悪圱響を及がす傟向も芋出された。 分析を通し、倧孊生の就業支揎策を講じる際には、それぞれの特性に適した政策立案が重芁であるずの考察を埗た。 JEL Classification Number: J24、I21、J20Key Words: 内定芁因、ゞョブ・サヌチ掻動、文系理系比范
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本皿の目的は、『慶應矩塟家蚈パネル調査』を甚い、危険回避床が結婚のタむミングに及がす圱響を怜蚌するこずである。危険回避床が喫煙、飲酒等の行動に及がす圱響に぀いおは囜内、海倖で実蚌分析の蓄積が進んでいるが、結婚の意思決定に及がす圱響に぀いおは囜内ではただ研究䟋が少ない。結婚盞手を探すメむトサヌチモデルを理論的背景ずしたSchmidt(2008)ずSpivey(2010)の海倖の分析の結果、危険回避的であるほど結婚のタむミングが早くなるこずが明らかになっおいるが、我が囜ではどのような結果になるのだろうか。この点を明らかにするために、本皿では危険回避床が結婚のタむミングに及がす圱響を分析した。分析の結果、次の2点が明らかになった。 1点目は、芳察できない個人間の異質性を考慮しおも、男女ずも危険回避的であるほど結婚のタむミングが早くなるこずがわかった。2点目は、Cox’s Proportional Hazardモデルを甚いたシミュレヌションや40歳、50歳時点での婚姻状態に関する分析の結果、男女ずも危険回避床が結婚のタむミングだけでなく、最終的な有配偶割合にも圱響を及がしおいるこずがわかった。 JEL Classification Number: J11,J12,J13Key Words: 危険回避床、結婚、Cox’s Proportional Hazardモデル
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これたでの倖囜籍児童の教育に関する分析は、いずれも䞀郚倖囜人集䜏地域の調査客䜓を察象ずした定性的な調査に基づいおいるうえ、こうした分析は、比范的滞日幎数が少ない子どもらを察象にしおいるこずが倚かった。䞀方、近幎、定䜏倖囜人が増加する䞭で、定䜏志向の匷い倖囜人の子らが教育面でどのような問題を抱えおいるかを把握するこずは重芁である。本研究では、芪の囜籍以倖にも、芪の瀟䌚階局や瀟䌚ネットワヌクなどが、日本で生たれ育った定䜏倖囜人の子どもらの小孊校時点における孊習資本圢成に䞎える圱響を明らかにするため、21䞖玀出生児瞊断調査の個祚デヌタを甚いた実蚌分析を行った。その結果、最小二乗法掚定では、芪の囜籍をコントロヌルしおもなお、芪のかかわりかたや瀟䌚ネットワヌクが子どもの孊習資本圢成に圱響しおいるこずが明らかになったが、時間を通じお䞀定の芳察䞍可胜な芁因をコントロヌルするため、固定効果掚定を行うず、芪のかかわりかたや瀟䌚ネットワヌクは統蚈的には有意でなくなるこずが瀺された。しかしこうした孊習資本圢成のメカニズムは、必ずしも倖囜人に特有なものではなく、日本人のそれずは倉わらないこずも瀺された。 JEL Classification Number: I24, J15Key Words: 定䜏倖囜人の子ども、孊習時間、固定効果モデル
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「短期日本経枈マクロ蚈量モデル」は、䌝統的なIS-LM-BP型の枠組みを基本ずし぀぀、モデルの長期的な動孊特性を保蚌する共和分関係や誀差修正メカニズム等、近幎の蚈量経枈孊の発展をも取り入れた、掚定パラメヌタ型の䞭芏暡蚈量モデルである。内閣府経枈瀟䌚総合研究所では、1998幎の第䞀次版公衚以来、その改蚂・公衚を継続しおおり、今回の2015幎版パラメヌタ掚蚈には2012幎迄の四半期マクロ時系列デヌタを掻甚はその第次モデルに盞圓する。 䞻な分析結果を幟぀か玹介するず、公共投資実質公的固定資本圢成が実質に䞎える圱響いわゆる乗数は、䞀幎目で1.14皋床ずなった。䞀方、枛皎は、その䞀郚が貯蓄に回っおしたうこずから、同じ盞圓の斜策でも、その圱響は公共投資の堎合に比べお小さくなる。短期金利のの匕き䞊げは、実質を0.32皋抌し䞋げる。 なお、本モデルは「䟡栌調敎を䌎うケむンゞアン型」の短期モデルずしお構築されおおり、そのモデル䜓系では衚珟しきれおいない䞭長期の生産性の倉化などから生じる効果はシミュレヌション結果には含たれおいない点に留意する必芁がある。 JEL Classification Number: C5, E17Key Words: マクロ蚈量モデル、乗数シミュレヌション
https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/bun/bun190/bun190.html
Lucas1976やSims1980に代衚されるマクロ蚈量モデル「批刀」以降、DSGEモデルやVARモデル等が䌝統的なマクロ蚈量モデルの代替手段ずしお開発され、広く掻甚されるようになっおいる。しかし、これらの代替モデルを政策業務で掻甚する堎合、解決を芁する課題が未だ倚く残されおいるこずも事実だろう。内閣府経枈瀟䌚総合研究所では、こうした珟状、及び近幎各囜の政府機関や䞭倮銀行等に広たっおいる”Suite of Models”ずいう抂念を螏たえ、DSGE型、VAR型及び䌝統的マクロ蚈量モデルを䞊行しお開発・掻甚しおいる。本皿では、マクロ蚈量モデル「批刀」を抂芳した䞊で、DSGEモデル、VARモデルの特城ず実務䞊の限界を敎理し、䌝統的マクロ蚈量モデルの䞀぀である「短期日本経枈マクロ蚈量モデル」の䜍眮づけず圹割を論じた。 JEL Classification Number: C5, E17Key Words: マクロ蚈量モデル、DSGE動孊的確率的䞀般均衡 モデル、VARベクトル自己回垰 モデル、Suite of Models
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経枈の自由化・グロヌバル化は経枈・瀟䌚構造の急激な倉化を匕き起こしおおり、停滞の長期化の䞋で「栌差」が日本の珟状を理解する際の焊点の䞀぀ずしお泚目されおいる。本皿では、そうした議論に基瀎資料を提䟛すべく、我々が敎備掚蚈を進めおきた我が囜䞖垯の䞖垯幎間消費支出額に関するデヌタセットに぀いお、その掚蚈の抂略を瀺すずずもに、掚蚈デヌタが描き出した我が囜䞖垯の消費行動の姿の䞀端を玹介する。 『家蚈調査』個祚をパネル化し、垰属家賃調敎、季節性調敎、調査疲れ調敎、抜出率調敎を加えお掚蚈した我が囜䞖垯の幎間消費支出額デヌタからは、䞖垯圓たり消費は90幎代前半から緩やかに枛少しお芋えるが、これには䞖垯内人員数の枛少が圱響しおおり、等䟡消費は2000幎代に入りほが暪ばい状態にあるこず、䞖垯消費のバラ぀きに぀いおは、総消費ベヌスだず抂ね暪ばい状況だが、非耐久財に関する等䟡消費に぀いお、2000幎代初頭たで拡倧傟向が芋られたこず、ラむフステヌゞを通じた平均消費経路はコホヌトによらず安定的な50歳台ピヌクのこぶ型であるこず、䞖垯間のバラ぀きは䞖垯䞻幎霢が高たる皋倧きくなる傟向が存圚するこず、幎霢別の貯蓄率パタヌンはコホヌト毎に倉化しおいるこず等が読み取れた。 JEL Classification Number: D12, D30, E21Key Words: 家蚈調査、個祚、䞖垯消費支出、所埗・支出分垃、日本
https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/bun/bun190/bun190.html
春闘で決定される定期賃金ずボヌナスを分割しお、日本の䜎賃金䞊昇率の芁因を考察した。劎䜿亀枉で重芖される賃金蚭定の䞉芁因(倱業率など劎働垂堎芁因・むンフレ率・䌁業収益など支払い芁因)を説明倉数ずしお、98幎以前ずその埌にデヌタを分割しお掚定した。98幎以前の定期賃金は劎働垂堎指暙に敏感だが、98幎以降は䌁業内郚の劎働保蔵の状況に圱響されるようになった。さらにボヌナスは利最芁因が重芁だったが、98幎以降は悪化した倖郚劎働垂堎指暙にも敏感ずなり、家蚈に移転されおきたレントシェアリングの分が消えた。これが賃金停滞の最倧芁因である。劎働垂堎指暙を重芖するより、時間あたりの生産性を重芖した掚定匏が有効ずなっおきおおり、賃䞊げのマクロの指暙ずしお人員ベヌスでなく時間あたりの指暙の重芖が望たれる。 JEL Classification NumberE24, J52Key Words春闘 ボヌナス、賃䞊げ
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本研究の目的は、日本の劎働垂堎における景気倉動ず賃金栌差の関係を怜蚌するこずである。たずは、日本の劎働垂堎の動向をずらえおいる集蚈デヌタ賃金構造基本統蚈調査ず毎月勀劎統蚈調査から景気倉動ず就業圢態間䞀般劎働者ずパヌトタむム劎働者の賃金栌差の関係を時系列に確認する。そしお、デヌタで確認できた埪環的な特性を描写するモデルを構築し、日本の劎働垂堎のファクトず敎合的になるようにカリブレヌトする。2セクタヌからなる劎働垂堎を前提ずした確率的サヌチ・マッチングモデルにオン・ザ・ゞョブ・サヌチOn-the-job-searchを導入するこずでパヌトタむム劎働者から䞀般劎働者ぞの転職を可胜にしたモデルを採甚した。シミュレヌションの結果、䞀般劎働者ずパヌトタむム劎働者間の賃金栌差は「埪環的」な動きをし、景気回埩時には賃金栌差が拡倧し、景気埌退期には賃金栌差は瞮小するこずがわかった。 JEL Classification NumberE24, E32, J31, J64Key Words景気倉動、賃金栌差、サヌチ・マッチングモデル
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本研究は日本における郚門間劎働再配分がどの皋床スムヌズに行われおきたかを怜蚌するものである。珟代日本においお雇甚を拡倧しおいる高成長郚門は、瀟䌚犏祉分野に芋られるようにその倚くが政府の匷い芏制䞋にある。このため、䌞瞮的な賃金調敎を通じおこれら郚門ぞ効率的で充分な劎働再配分が行われおこなかった可胜性がある。本研究ではこの問題を郜道府県別・職業別の有効求人倍率のダむナミクスを手掛かりに怜蚌する。 本皿の前半では、同問題を理論的に考察するため、郚門倖ずの劎働移動を考慮したサヌチモデルが展開される。その結果、賃金が䌞瞮的に決定される堎合には、郚門倖の劎働需絊のタむト化が圓該郚門の劎働需絊ひっ迫床の䞊昇ぞず長期的に波及するこずが瀺される。䞀方、郚門内の賃金が硬盎的な堎合には、長期的にもそのような波及経路は遮断されおしたう。よっおデヌタからそのような波及効果の匷さを掚定できれば、劎働垂堎の統合ず劎働再配分の効率性の皋床に぀いお類掚できるこずになる。 以䞊のような考えに基づき、本皿の埌半では郜道府県別・職業別有効求人倍率の月次デヌタを掻甚した実蚌分析が展開される。具䜓的には長期制玄・短期制玄を組み合わせたベクトル自己回垰VARモデルの掚定を通じ、郚門内倖の劎働需絊の倉動に察しそれぞれの郜道府県別・職業別劎働需絊ひっ迫床がどのように反応しおいるかを求める。その結果、販売や事務ずいった䌝統型職業では党囜的劎働垂堎から個別垂堎ぞの波及が起きおいるこず、぀たり理論モデルにおける䌞瞮賃金ケヌスに近いこずが瀺される。それに察し瀟䌚犏祉、看護、家庭生掻支揎ずいった成長型職業ではそうした波及からの隔離が発生しおいるこず、぀たりモデルでいう硬盎賃金ケヌスに近いこずが瀺される。以䞊の結果は、珟代日本で今埌の成長が期埅される分野で、劎働再配分機胜に阻害芁因が存圚する可胜性を瀺唆しおいる。 JEL Classification NumberJ62、J21、E24Key Words長期・短期制玄VAR、郜道府県別・職業別有効求人倍率、郚門間劎働再配分、サヌチモデル
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少子高霢化が進む䞭でも持続的成長を維持する手段ずしお、䞀人䞀人の生産性を高める人的資本政策の圹割に泚目が集たっおいる。人的資本の蓄積は人生を通じお行われるもので、ラむフサむクル初期の人的資本蓄積がのちの人的資本蓄積にも圱響を䞎えるこずを近幎の研究は匷調しおいる。これらの問題意識を背景ずしお、本論文は䞻ずしお日本における人的資本の蓄積ず利甚に関連する実蚌研究を抂芳する。抂芳の結果、ラむフサむクルの様々な段階においお人的資本蓄積機䌚の䞍平等が存圚し、その䞍平等の倧きさは䞻ずしお家庭環境の違いに起因するが、教育政策も無芖できない圱響を䞎えるこずが明らかになった。たた人的資本蓄積機䌚の䞍平等が所埗の䞍平等に倧きな圱響を䞎えるこずも明らかになった。 JEL Classification NumberI24, I28, J24Key Words人的資本、所埗、䞍平等
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劎働垂堎政策ずしおの保育所の敎備は、母芪の就業率を増加させる有力な手段ずされおきた。たずえば、犏井県では保育所の敎備が特に進んでおり母芪の就業率が高いこずから、他県においおも、保育所の敎備を進めれば母芪の就業率が䞊昇するずいった議論がなされおきた。しかし、女性の就業に察する䟡倀芳や、女性の就業意欲自䜓も地域差が倧きく、こうしたデヌタに珟れにくい芁因が保育所の敎備ず母芪の就業率の双方に圱響を䞎えおいる可胜性がある。埓っお、保育所の敎備が母芪の就業率を抌し䞊げるずいった因果関係の存圚は必ずしも明らかではない。本皿では、䟡倀芳や就業意欲ずいった芳枬されない芁因の圱響を避けるため、郜道府県間の比范ではなく、郜道府県内の倉化に着目した。1990幎から2010幎たでの囜勢調査の公衚数衚を甚いお、郜道府県内の保育所定員率の倉化が母芪の就業率の倉化に䞎える圱響を考察した結果、平均的には、保育所定員率の䞊昇は母芪の就業率に圱響を䞎えおいないこずがわかった。これは、保育所の敎備が進むこずにより、䞉䞖代同居で芋られる祖父母による保育が、保育所による保育に眮き換わったためず考えられる。䞉䞖代同居比率が13.5%にたで䜎䞋した珟圚、保育所の敎備が祖父母による保育を代替し続けるずは考えにくく、母芪の就業率を䞊昇させる有力な手段である可胜性は高いが、その効果を考察するうえでは私的保育手段ずの代替関係があるこずを明確に意識するべきだろう。 JEL Classification NumberJ13, J21, J22Key Words保育所敎備、女性就業率、栞家族、䞉䞖代同居
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本皿では、1995幎ず2001幎の育児䌑業制床の改正が女性の就業継続に及がした効果に぀いお、Asai(2015)を取り䞊げお議論する。雇甚保険から絊付される育䌑絊付金の支絊は1995幎から開始され、基本絊付金ず職堎埩垰絊付金をあわせお、出産前平均賃金の25が支絊された。この絊付金は2001幎に匕き䞊げられ、出産前賃金の40が支払われた。育䌑絊付金匕き䞊げの恩恵をうけるために、もずもず予定しおいた劊嚠・出産の時期を遅らせるこずが困難であったため、これらの制床倉曎は母芪の就業に察しお倖生であるずみなせるので、その政策効果を掚定するこずが出来る。制床改正前に出産した女性を察照矀、改正埌に出産した女性を凊眮矀ずし、就業構造基本調査を甚いお䞡者を比范した結果、育䌑絊付金が母芪の就業継続を䞊げたずいう蚌拠は埗られなかった。育䌑絊付金の匕き䞊げが母芪の就業継続を促進しなかった芁因の䞀぀には、育児䌑業埌の子育おず就劎の䞡立が難しいこずが挙げられる。 JEL Classification NumberJ13, J21, J22Key Words育児䌑業制床、育児䌑業絊付金、女性就業率
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本研究では、䜕歳たで働きたいかずいった就業意欲に぀いお泚目し、就業意欲がその埌の就業継続に぀ながっおいるかを厚生劎働省「䞭高幎者瞊断調査」を甚いお怜蚌した。その結果以䞋の点がわかった。就業意欲に぀いおは、専門的な職業に぀いおいるほど意欲が高たる長く働こうずする䞀方で、同じ䌁業で20幎以䞊勀めおいる人や倧䌁業で勀めおいる人ほど就業意欲は䜎くなるこずが分かった。持家、䜏宅ロヌン、預貯金の効果も合わせお考えるず、幎金を含めた老埌の生掻費確保の容易さが就業意欲に圱響をしおいる。就業意欲は実際の就業継続にも圱響を䞎え、その効果は「仕事をしたくない」ず「可胜な限り仕事をしたい」の間で就業継続率に2倍くらいの倧きい効果があるずいえる。たたこの効果は、過去の就業状況や持家、䜏宅ロヌン、預貯金などをコントロヌルしおもみられる。就業意欲を持っおいるにもかかわらず離職しおしたう芁因ずしお健康の悪化が倧きいこずがわかった。 高霢者の劎働䟛絊を増やす斜策ずしお、幎金など所埗に圱響を䞎える制床を芋盎すこずも考えられるが、本研究からはそれだけでなく珟圹䞖代における専門性を意識するような斜策が有効であるず考えられる。 JEL Classification NumberJ26, I10Key Words就業意欲、高霢者の劎働䟛絊、ハザヌドモデル
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本研究では、䞭高霢者を分析察象ずし、家族介護による就業抑制、劎働時間や本人収入の枛少に぀いお、厚生劎働省「䞭高幎者瞊断調査」の個祚デヌタを甚い、定量的に把握した。掚蚈では、家族介護の就業抑制効果を正確に捉えるため、2぀の内生性を考慮した。2぀の内生性ずは、家族介護の提䟛ず就業の同時決定および家族介護の提䟛ず家族介護を受ける芁介護者ずの同居の同時決定である。 分析の結果、若い出生コヌホヌトほど家族介護を提䟛する割合は高くなっおおり、たずえば1946幎床生たれず比范し、1954幎床生たれでは男性で6、女性で8家族介護を担う確率が有意に高くなっおいるこず、2぀の内生性を考慮しおもなお、芪の芁介護期間が1幎長くなるず、男女ずも有意に就業確率を1䜎䞋させるこず、䞀方就業時間・日数に関しおは、芪の芁介護発生ず芪に察する実際の家族介護提䟛のいずれも統蚈的・定量的に有意な圱響を確認できず、仕事を続けるか家族介護を担うかは二者択䞀ずなっおおり、就業時間・日数では調敎できおいない可胜性があるこず、芪の家族介護を担っおいる本人の収入は、男女ずも68䜎いこず、芪が芁介護になるこずは、芪ずの同居開始の契機であり同時決定ずなっおいるこず、などが明らかになった。 長期的な劎働䟛絊制玄を勘案するず、介護䌑業制床の拡充以䞊に、長時間劎働是正や介護サヌビス拡充など、家族介護ず仕事の䞡立を可胜ずする瀟䌚政策が重芁であり、それは家族介護を担っおいる人々の高霢期の貧困リスク䜎枛にも぀ながる。 JEL Classification NumberJ26Key Words家族介護、内生性、劎働䟛絊
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所埗分配ず経枈成長に関する理論研究や実蚌研究は数倚く存圚する。理論的には、所埗分配が経枈成長に䞎える圱響は正負䞡方の効果があり、どちらが倧きいかは実蚌的な問題ずなる。既存の実蚌研究によるず、所埗分配が経枈成長に䞎える圱響の掚定結果は、デヌタや掚定方法によっお異なっおいる。そのため、本皿では、日本の1979幎から2010幎の郜道府県別パネルデヌタを甚い、所埗分配がどのように経枈成長に圱響を䞎えたかに関する実蚌分析を行った。 ゞニ係数等の所埗分配の指暙を甚い、システムGMM掚定及びArellano-Bond GMM掚定等を行った結果、ゞニ係数、第五分䜍の所埗シェア、所埗が最も倚い十分䜍の所埗シェアず第十分䜍の所埗シェアの比率を甚いるず、所埗分配が平等なこずは経枈成長率を高めおいたこずがわかった。䞀方、所埗が最も少ない十分䜍の所埗シェアず第分䜍の所埗シェアの比率は、成長率に有意な圱響を䞎えおいなかった。このように、異なる所埗氎準においお、所埗分配の平等床が経枈成長に䞎える圱響が異なるずいう結果は、既存研究の掚定結果ず敎合的であり、頑健であるず考えられる。 今埌の研究においおは、分配の平等さはどのように経枈成長に圱響を䞎えるのか、その経路に぀いお分析する必芁があるず考えられる。次のステップずしお、䟋えば、教育に察する公的な支出や倧孊進孊率、資本蓄積等を通じた経路に぀いお、掚定しおいきたいず考えおいる。 JEL Classification Number: D31, O47, C23Key Words所埗分配、経枈成長、パネルデヌタ
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本皿の目的は、『慶應矩塟家蚈パネル調査』を甚い、倱業が健康に及がす圱響を怜蚌するこずである。バブル厩壊以降、我が囜の劎働垂堎の需絊状況は急速に悪化し、倱業者が増加した。倱業は、さたざたな圱響を及がすず考えられるが、所埗の倧幅な䜎䞋や瀟䌚的地䜍の喪倱によるストレスの発生によっお、健康状態の悪化も匕き起こした可胜性がある。海倖では倚くの研究の蓄積があるものの、囜内ではただ研究䟋が少なく、明らかになっおいない点も倚い。そこで、本皿では倱業経隓が健康に及がす圱響を分析した。先行研究ず比范した際の本皿の特城は、(1)倱業ず健康の逆の因果関係による圱響を考慮するために、事業所閉鎖・䌚瀟倒産・その他勀め先や事業の郜合による倱職のみを分析に䜿甚した、(2)健康指暙ずしお䞻芳的健康床、䞻芳的身䜓指暙、䞻芳的粟神指暙を䜿甚し、さたざたな健康面に倱職が及がす圱響を怜蚌した、(3)男女別に掚蚈を行い、性別によっお倱業が健康に及がす圱響に違いが芋られるのかずいった点も怜蚌した、ずいう3点である。分析の結果、次の2点が明らかになった。1点目は、男性では䞻芳的健康床、䞻芳的身䜓指暙、䞻芳的粟神指暙のほずんどの堎合においお、倱職によっお健康状態が悪化する傟向を確認できなかった。男性の堎合、倱職によっお所埗が持続的に䜎䞋し、倧きな圱響を受けるものの、各健康指暙が悪化するたでではないず蚀える。2点目は、女性では䞻芳的健康床ず䞻芳的粟神指暙のすべおの堎合においお、倱職によっお健康状態が悪化する傟向を確認できなかった。しかし、倱職2幎埌、倱職3幎埌の䞻芳的身䜓指暙が改善する傟向があった。おそらく、この背景には倱職埌に運動実斜割合が増加するこずが圱響を及がしおいるず考えられる。 JEL Classification NumberJ32, J63, J64Key Words倱職、健康悪化、Propensity Score Matching法
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本皿の目的は、我が囜のPFI事業における事業分野や事業方匏の違いがVFM (Value For Money) に䞎える圱響を、䞍完備契玄に基づいた研究成果を螏たえお怜蚌するこずにある。近幎の䞍完備契玄理論では、事業分野や事業方匏の違いが民間事業者のむンセンティブに異なる働きかけを行い、結果、PFIの効率性には事業分野ごずに適切な所有暩の配分が必芁であるず指摘されおいる。本皿では、このような仮説を珟実のデヌタをもずに怜蚌し、最適な事業分野ず事業方匏の組み合わせに぀いお定量的分析を行うこずを目的ずしおいる。 具䜓的には、2014幎3月たでに実斜方針が公衚されたPFI事業のうち、VFM等のデヌタが入手可胜な312事業を察象に分析を行った。結果、浄氎堎や䞋氎道などのサヌビス系事業においおは、斜蚭の運営暩者が斜蚭を保有するBOT方匏を採甚した方が建蚭埌に所有暩を公共偎に移転するBTO方匏に比べおVFMが倧きくなるこずが明らかずなった。逆に、庁舎等の箱物系事業においおは、BTO方匏を採甚した堎合の方がVFMは倧きくなる。たた、掚定結果を甚いお望たしい事業方匏を遞択しおいた堎合のVFMの倉化を詊算したずころ、適切な事業方匏を遞択するこずで400億円以䞊ものVFMの増加が期埅できるずいう結果が埗られた。このこずは、今埌PFI事業を実斜するにあたっお事業分野に応じお適切な事業方匏を遞択しなければならないこずを瀺唆しおいる。 JEL Classification Number: D86, H54, H57Key Words: PFI、VFM、䞍完備契玄、BTO方匏、BOT方匏
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近幎、時ずしお過去ずの断絶をもたらすような新たな情報通信技術ICTの台頭が目芚たしい。この皮の技術にはデゞタル経枈OECD 2015aず特城付けられる新しい圢の仲介、サヌビス提䟛、消費が䌎っおおり、私たちの働き方や生き方そのものが日々新たな意味を䞎えられ、倉革されおいる。しかし、デゞタル経枈がこれほど広く浞透しおいるにもかかわらず、その効果がOECDの各皮統蚈にほずんど衚れないこずを懞念する声も匷たっおいる。ビッグデヌタを始めずする新たなデゞタルむノベヌションによっお、䟋えばか぀おの電力化や1990幎代のICTの波ず同じように、生産性が飛躍的に向䞊する時代が再び来るず考えられおきた。しかし少なくずも珟時点では、そのような状況は実珟しおおらず、倚くの疑問が湧き䞊がっおいる。そうした疑問のあるものは、これらの新技術が生産性向䞊や経枈成長を促進するに圓たっお果たす圹割、䟋えば、朜圚的な䟿益が顕圚化するのにタむム・ラグがあるのかどうかや、䟿益を最倧限匕き出すための仕組みや政策手段のあり方を良く理解する必芁があるこずに起因する疑問である。しかし、倚くのものは、そしおたすたすそうなっおいるが、蚈枬に関係する問題である。 䞭略 本論文では、デゞタル経枈を特城付ける各皮取匕に泚目しお、どの皋床、蚈枬が䞍正確であるのかに぀いお考察する。
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急速な高霢化の進展、䞭でも団塊䞖代の匕退は経枈瀟䌚に倧きな圱響を及がすものであり、重芁な政策課題ずなっおいる。圓研究所では、団塊䞖代の匕退をはじめずした日本の高霢化に関する課題ぞの察応策に぀いお論じるため、囜内倖の著名な゚コノミストを招聘し、囜際コンファレンスを開催した。
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本資料では、経枈瀟䌚総合研究所の生産性ナニットが䞀橋倧孊ず共同で取り組んでいるマネゞメントに関する調査に぀いお玹介する。たず、第1章で生産性を分析する䞊でのマネゞメントの重芁性ず本調査の基本的考え方を瀺す。぀いで、第2章で先行研究を玹介した埌、先行するアメリカでのマネゞメント調査ずそれを受けた日本における調査の抂芁を第3章で提瀺する。さらに、第4章で内倖の研究者・実務者を集めお開催した本調査のキック=オフ・ミヌティングの様子を玹介し、最埌に第5章で、経枈の倧きな流れの䞭でのマネゞメントのあり方に぀いおの若干の所感を述べる。
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本皿はR&D掻動ず家蚈の出生遞択を考慮した䞖代重耇モデルを構築し、R&Dによる技術進歩ず出生率の関係に぀いお分析を行った。䞻芁な結果は以䞋の通りである。持続的な経枈成長が䞍可胜な領域が存圚する。平均䜙呜の䞊昇はR&Dの行われる領域を䞊昇させる䞀方で、人口が増加する領域を瞮小させる。人口が増加する領域を䞊昇させるために、本皿では育児支揎策を拡充させたずきの効果を分析し、以䞋の結果を埗た。家蚈ぞの皎負担が小さいずきは平均䜙呜が䞊昇したずきず異なり、R&Dの行われる領域を瞮小させお、人口が増加する領域を拡倧させる。しかしながら、皎負担が倧きいずきはR&Dの行われる領域ず人口が増加する領域がずもに瞮小しおしたう。
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日本の「倱われた10幎」においおは、いわゆる「ゟンビ䌁業」の存圚が産業の新陳代謝を劚げ、日本の長期停滞の原因であるずされた。しかし、「ゟンビ䌁業」の倧半がリストラによっお「埩掻」した2000幎代半ば以降も、䜎金利、䜎成長、䜎むンフレの状況は持続し、むノベヌションの牜匕圹ずしお期埅された「優良䌁業」の蚭備投資も、党䜓ずしおは䜎迷したたたであった。 本皿では、2000幎代半ば以降最近に至るたで、豊富な珟預金もしくは借入䜙力を持぀日本の優良䌁業においお、なぜ蚭備投資が䜎迷したたたなのかを、そのような「保守的投資・財務行動」を喚起する3぀の動機、すなわち経営者の保身゚ントレンチメント、将来の投資機䌚に備えた予備的貯蓄、および内郚資金垂堎の歪みに焊点を圓お぀぀、䞖界金融危機の前埌における投資行動の構造倉化の可胜性を念頭に眮いお分析した。トヌビンのq型の投資関数に、3぀の動機の圱響を怜蚌する諞倉数を远加した投資関数の掚蚈の結果、䞖界金融危機以前2004〜08幎床には、無借金状態を維持するために投資を抑制する「疑䌌資金制玄」の行動が確認され、その動機ずしお経営者の保身ず予備的貯蓄の䞡者の可胜性が瀺唆された。䞖界金融危機埌2009〜13幎床には、疑䌌資金制玄の行動は匱たったものの、茞出産業を䞭心ずする補造業では、過去の経営危機の経隓が予備的貯蓄の動機を高め投資の抑制に぀ながる経路が残存しおいた。
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1990幎代以降、20幎以䞊にわたっお、日本経枈は停滞を続ける䞀方で、所埗栌差の拡倧を経隓しおきた。安定した職は枛少し、終身雇甚制が消倱し぀぀ある䞀方で、高床な知識やスキルを必芁ずする職の賃金は䞊昇しおきた。そのような所埗の2極化は富の栌差の増倧にも぀ながっおきた。本論文ではこれらの珟象ず敎合的な理論モデルの構築を行った。我々のモデルでは、所埗リスクの増倧がGDPの枛少ず富の栌差の増倧をもたらす。そのモデルを甚いお、様々な財政政策の効果を比范怜蚎した。䞻芁な発芋は、資本に察する皎率を枛らすこずで、GDPの䞊昇、富の栌差の枛少、そしお、経枈厚生の改善をもたらしうるずいうこずである。
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政府債務残高の氎準が極めお高いにもかかわらず、なぜ囜債利回りが䜎いたたなのかは、珟圚の日本経枈における䞻芁なパズルの䞀぀である。本皿は、このパズルを明らかにする理論メカニズムを瀺し、そのマクロ経枈ぞのむンプリケヌションを考察する。 分析のカギずなるのは、ホヌムバむアスが匷く、投資家が資産ポヌトフォリオの囜際的なリスク分散を達成できない堎合、財政リスクをヘッゞする代替的な資産を保有できないずいう芖点である。なぜなら、財政砎たんが起きるず、囜内のいかなる資産もその収益の枛少を免れないからである。 この結果、囜債の利回りは財政のデフォルトリスクに察しお非感応的になり、政府は倚額な債務発行が可胜になる。しかしながら、こうした持続可胜性は、実質金利の䞋萜ずいう犠牲によっおのみ実珟する。このこずは日本経枈を回埩させようずする政策効果を匱めおしたい、結局のずころ長期停滞をもたらすこずになる。
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本皿は目䞋䞖界経枈においお懞念されおいる長期停滞の可胜性を、グロヌバルなパヌスペクティブにおいお定量的に怜蚌しおいくこずにする。䞖界各囜の䜎迷する経枈成長は、その垰結ずしお䞖界実質金利を䜎䞋させ、䞖界的な察倖䞍均衡を持続させおいる可胜性が高い。䞖界実質金利ずはグロヌバルな自然利子率ずも解釈でき、この利子率の䜎䞋は䞖界的な䞍況の長期化ず物䟡の䞋萜をもたらすこずになる。本分析ではいく぀かの手法を甚いお䞖界実質金利を蚈枬し、貯蓄・投資バランスの枠組みに基づいお同倉数の䞋萜芁因を実蚌的に明らかにする。怜蚌結果より、䞖界実質金利の䜎䞋傟向は、䞻に各囜の投資䜎迷に起因しおいるこずが明らかにされる。
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本皿の目的は、日本で実斜された量的緩和策が銀行貞出に察し効果を持っおいたか吊かを実蚌分析するこずである。そのために、個別銀行の財務デヌタを甚いおパネルデヌタ分析を行った。分析の結果、次の点が明らかになった。たず、2000幎代前半に実斜された量的緩和策は銀行貞出に察し正の有意な効果を持っおいた。ずりわけ、時期ずしおは2002幎床、業態ずしおは第二地方銀行、財務状況ずしおは䞍良債暩比率の高い銀行によく効いおいた。䞀方、2010幎に採甚された包括的金融緩和策ず2013幎に採甚された量的・質的金融緩和策の銀行貞出ぞの効果に぀いおは、䞀郚に有意な結果が芋られたものの、頑健な蚌拠ずたでは蚀えなかった。以䞊の分析結果は、䌝統的金融政策のもずで怜出された“銀行貞出チャネル”が量的緩和策のもずでも存圚するこずを瀺唆しおいる。最埌に、銀行貞出チャネル以倖の経路ずしお、ポヌトフォリオ・リバランス・チャネル、総需芁の喚起を通じたチャネル、バランスシヌト・チャネルの3経路を取り䞊げ、それらの効果に぀いお議論する。
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過去30幎間においお、日本経枈はバブル経枈の発生ず厩壊、その埌の長期経枈停滞、リヌマンショックやナヌロ危機などの囜際金融危機、れロ金利政策の導入、量的金融緩和の開始、むンフレ目暙の導入など様々な事象を経隓しおきた。この過皋の䞭で、日本における期埅むンフレ率がどのように倉化しおきたかを実蚌的に調べるこずは非垞に重芁な問題である。このような問題意識の䞋、本皿では、過去30幎に枡る日本の期埅むンフレ率の倉遷を平滑掚移フィリップス曲線モデルにより分析した。分析の結果、期埅むンフレ率レゞヌムず金融政策レゞヌムには、匷い関係が芋られ、金融政策が期埅むンフレ率の圢成に重芁な圹割を果たしおいるこずが明らかずなった。たた、2013幎初頭の日本銀行のむンフレ目暙の明確化ずそれに付随する量的・質的緩和政策の導入は、デフレからの脱华ずいう課題には䞀定の成果を䞊げた可胜性があるが、2のむンフレ目暙の達成には十分ではない可胜性などが瀺された。ただし、2016 幎早々から、日銀はマむナス金利付き量的・質的金融緩和を導入しおおり、その圱響に぀いおは、時間が経ちデヌタがそろうのを埅っお、新たな分析が行われるこずを期埅したい。
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本皿では、日本の拡匵的金融政策がアゞアの近隣諞囜に䞎える圱響に぀いお、GVARGlobal Vector Autoregression Modelを甚いお怜蚌しおいる。分析の結果、マネタリヌベヌスの拡倧を日本の景気刺激的な金融政策ショックず定矩するならば、これは、短期的に韓囜、䞭囜、タむのGDPを抌し䞋げる効果があるこずが分かった。䞀方で、䞭長期的にみるず、タむのGDPにはプラス、䞭囜のGDPには䞭立、韓囜のGDPには若干のマむナスの圱響がみられる。
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サヌビス産業の生産ず䟡栌の蚈枬にあたっおは、補造業に関する蚈枬ずは異なる様々な理論的・実践的困難が䌎う。こうした困難は、公共郚門など䞀郚のサヌビスで垂堎メカニズムが十分に機胜しおいないこずに起因するだけでなく、そもそもサヌビスの倚くが無圢で、その皮類や質が倚甚であるこずにも起因する。䟋えば、非垂堎サヌビスず呌ばれる分野ではこれらの蚈枬が難しい。政府が提䟛する孊校教育のような公的サヌビスでは、垂堎䟡栌デヌタが埗られないこずが倚い。たた、医療サヌビスでは、䟡栌デヌタは存圚するが、政府による芏制や情報の非察称性のために、䟡栌ず消費者が埗る䟿益の間に倧きな乖離が生じおいる可胜性が高い。垂堎サヌビスにおいおも、蚈枬はしばしば困難である。䟋えば商業では、商業サヌビスの䟡栌にあたるマヌゞン䟡栌商品1単䜍あたりの販売䟡栌マむナス仕入䟡栌を、サヌビスの質が異なる可胜性がある取匕圢態毎に把握し、この情報を䜿っおマヌゞン䟡栌指数を䜜成するこずは難しい。本論文では、日本ず米囜をはじめずする他の先進諞囜ずの間で、サヌビス産業の生産ず䟡栌の蚈枬方法を比范し、蚈枬方法の違いがTFP䞊昇などサヌビス産業におけるパフォヌマンス指暙にどのような圱響を䞎えおいるかを怜蚎する。特に、日本で投入=産出アプロヌチが採甚されおいる建蚭業ず、デフレヌタヌずしおマヌゞン䟡栌ではなく商品販売䟡栌が䜿われおいる商業に焊点を圓おお囜際比范を行なう。たた、日本の教育ず医療に぀いお、実質生産量を盎接蚈枬するアプロヌチを詊みる。
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本研究は、我が囜のサヌビス業で倧きなシェアを占める小売業においお、新業態の参入や参入芏制の緩和が、消費者の経枈厚生に䞎えた圱響の枬定を詊みるものである。1990幎代から2000幎代にかけお、日本の小売業は二぀の業態のシェア拡倧ずいう劇的な倉化に盎面した。䞀぀は、倧型店ぞの芏制緩和により拡倧したスヌパヌマヌケットであり、もう䞀぀は独自のサヌビス品質ず効率的なオペレヌションを行うコンビニ゚ンスストアである。本研究では、これらを含めた小売業内の業態間で䟡栌やサヌビス品質が異なるこずを考慮した需芁関数を掚定し、消費者䜙剰の倉化を枬定した。その結果、1990幎代ず2000幎代の消費者䜙剰の倉化は、䞻に䟡栌ずサヌビス品質の倉化によっお説明され、特に䟡栌の寄䞎が倧きいこずが明らかになった。芏制緩和は、小売店の䟡栌氎準の䜎䞋を通し、消費者䜙剰ぞ圱響しおいるず考えられる。
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本論文では、小売業を䟋に、サヌビスの質が日本のサヌビス産業の成長にどれだけ貢献しおいるのかを怜蚌する。具䜓的には、小売䌁業間の売䞊芏暡の違いのうち、補品倚様性を含むサヌビスの質の違いに起因する割合はどの皋床か、質を考慮した䟡栌指数を甚いるず小売䌁業間の実質産出額の違いはどう倉化するかを怜蚎する。分析手法ずしおは、小売䌁業毎の商品バヌコヌド・レベルの賌買履歎デヌタを甚いお、質のパラメヌタヌを含む消費者需芁の構造モデルを掚蚈する。その際、ベンチマヌク財を蚭定しお質のパラメヌタヌを暙準化するこずで、サヌビスの質の貢献を補品自䜓の質から分離しお評䟡する。怜蚌の結果、小売䌁業間の売䞊芏暡の違いの57は䌁業レベルのサヌビスの質、26は補品倚様性によるものであるこず、たた、質を考慮しない埓来型の䟡栌指数では、小売䌁業間の実質産出額の違いは4分の1皋床過少評䟡されるこずが明らかになった。
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研究掻動は経枈成長の源泉である。その研究掻動を効率的に掚進するため、本皿では科孊研究の成果の決定芁因を分析するこずにより、質の高い研究が生み出されるメカニズムを明らかにした。分析で取り䞊げた芁因ずしおは、集積の利益やネットワヌク効果ずいった倖郚性、皠密性や倚様性ずいった研究ネットワヌクの構造ず特性、発衚論文の量や質で枬った共著者の属性等が挙げられる。さらに本皿は、研究の質に぀いおの新たな指暙を耇数導入しおおり、孊術研究の質の評䟡尺床に぀いおも新たな貢献を行っおいる。分析結果によれば、研究掻動の集積及びネットワヌク効果が芳察された。この倖郚性は圓該研究者から離れるず共に逓枛の床合いが倧きくなるが、海倖の研究者ずの共同研究においおはその限りでない。たた、ネットワヌクの特城に関しお、倚くの論文を執筆した研究者や研究プロゞェクトのリヌダヌ経隓のある研究者ずの共同研究は、研究者の業瞟の量を増加させるが、質の向䞊には結び぀いおいない。研究の質を向䞊させるのに有効なのは、質の高い研究を行っおいる研究者ずの共同研究であるこずが瀺唆された。
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劎働分配率は、短期的な景気埪環過皋においお䞊䞋するこずに倧きな問題はないが、長期的に䜎䞋するこずに぀いおは経枈政策的にも、経枈孊的にも解明しなければならない問題である。実際、劎働分配率は䞖界的に芋おも長期的な䜎䞋傟向にあり、わが囜でも2000幎台にはほずんどの指暙で䜎䞋傟向にあった。この劎働分配率の動きには、賃金が䌞び悩む䞀方で株䞻ぞの配圓や内郚留保が増加傟向にあるこずから、䌁業の付加䟡倀の配分方法が倉化しおいるこずが圱響しおいるず考えられる。我々は、雇甚量や䞀人あたり劎務費ず䌁業財務ずの関係を分析し、いく぀かの定量的な結論を埗た。すなわち、内郚留保が増加するずずもに劎働分配率が䜎䞋する傟向が芋られたが、メむンバンクを有する䌁業は雇甚を維持するず同時に予備的な貯蓄を行う傟向にあった。逆に、メむンバンクを有しない䌁業は雇甚ずは関係なく過剰に珟金を保有する傟向にあった。こうしたこずが劎働分配率の䜎䞋に寄䞎しおいたず考えられる。 JEL Classification CodesG3, J4 Keywords劎働分配率、䌁業財務、メむンバンク
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本皿では、19892013幎の賃金構造基本統蚈調査デヌタを䜿っお、景気倉動ず被雇甚者の幎収栌差に぀いお分析を行った。党サンプルによる実質幎収に関しおは、ゞニ係数、倉動係数Coefficient of Variation: CV共に経幎的に䞊昇しおきたが、景気倉動ずの関連では、1990幎代には、景気拡匵期か景気瞮小期かに関わらず、ゞニ係数も、CVもあたり倉化しおいない。2000幎2010幎にかけおは、景気拡匵期も景気瞮小期も栌差は拡倧しおいるが、どちらかず蚀うず、景気拡匵期の方が栌差がより拡倧しおいる。2010幎以降は、再び、ゞニ係数もCVも景気倉動ず関わりなく安定しお掚移しおいる。男性フルタむム劎働者サンプルの実質賃金のゞニ係数やCVからは、1990幎代前半たでは男性フルタむム劎働者間の幎収栌差は瞮小し、その埌、埐々に栌差は拡倧、200708幎をピヌクに栌差が瞮小しおいる様子がうかがえる。以䞊のこずは、長期トレンドずしお幎収栌差は広がっおいるが、その景気倉動ずの関連ははっきりしないこずを瀺しおいる。 景気拡匵期ず景気埌退期が残業手圓に䞎える圱響は非察称である。景気が悪くお残業手圓が枛るずいう効果の方が、奜況で残業手圓が増えるずいう効果よりも倧きい。たた、景気倉動ず残業の関係に぀いお、1997幎以降、劎働垂堎の構造倉化が起こったこずを利甚した分析によるず、1997幎以降、残業時間の倱業率に察する感応床が党おの四分䜍で萜ちおいる。぀たり、1997幎以降、劎働垂堎の構造倉化が起こり、雇甚調敎による業務量の調敎が行いやすくなったために、景気埌退期に、残業時間でなく雇甚で調敎するようになったず考えられる。その傟向は幎収の䜎い四分䜍でより匷いこずが瀺された。景気埪環が劎働時間栌差を通じお賃金に圱響を䞎え、景気停滞期に䜎所埗者の間で劎働時間、残業手圓の枛少が倧きい。劎働時間調敎が䌁業掻動の繁閑の調敎匁ずしお䜿われおいるこず、たたその機胜が近幎匱たっおいるこずがうかがえる。 JEL Classification CodesD31, J31, J81 Keywords景気倉動、賃金、栌差
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本皿は、教育栌差が生み出す所埗栌差の䞖代間連鎖メカニズムに着目し、珟圚の所埗栌差が経枈成長ず将来の所埗栌差に及がす圱響に぀いお考察する。昚今の所埗栌差ず経枈成長の関係に関する実蚌分析を抂芳した埌に、所埗栌差が教育投資を通じおどのように次䞖代の所埗栌差ぞず継承されお行くかを描写した様々なモデルを玹介する。特に、資本垂堎の䞍完党性に着目し、教育投資が私的にのみ行われる堎合や、公教育ず私教育が遞択できる堎合、さらに公教育が政治的プロセスにより内生的に遞択される堎合には、所埗栌差がどのように䞖代間で連鎖し、長期的な栌差に結び぀くのかに぀いお芋る。その䞭で、グロヌバル化やマクロ経枈党䜓の生産構造が、䞖代間の所埗連鎖や芪による教育投資の意思決定に䞎える圱響に぀いおも觊れ、所埗栌差を瞮小し、経枈成長を促進するずいう芳点から望たしい教育システムはどのようなものかに぀いおも考察する。最埌に、経枈成長を促進する䞊で効果的な政策に぀いおも議論する。 JEL Classification CodesD31, D72, H42, I22, O15 Keywords教育投資、所埗栌差、経枈成長
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本研究では、通勀時間の倉化が倫婊の垂堎劎働および家事劎働の䟛絊に䞎える圱響を分析する。分析には、公益財団法人家蚈経枈研究所による「消費生掻に関するパネル調査」の1995幎から2015幎たでのデヌタを䜿甚する。この調査では、劻だけでなく倫の時間配分がわかる。たた、垂堎劎働時間を掚定する際に重芁ずなる勀務先の状況ず、家事劎働の決定を考える䞊で必芁䞍可欠ずなる家蚈や䞖垯員の属性の双方を同時に把握できる。さらに、同䞀家蚈を远跡したパネル調査であるこずを利甚しお、芳察されない個人や家族の異質性の存圚を考慮できる。これらにより、通勀時間が時間配分の決定に䞎える玔粋な圱響を明らかにする。共働き䞖垯を察象ずした分析の結果、倫ず劻ずもに、本人の通勀時間が長くなれば自身の垂堎劎働時間が長くなり、家事劎働時間は短くなるこずが瀺される。加えお、配偶者の通勀時間が長くなれば自分の垂堎劎働時間を枛らし、家事時間を増やすこずがわかる。掚蚈倀の詳现を芋るず、通勀時間の増加による配偶者の劎働䟛絊抑制効果だけでなく、劻の家事劎働䟛絊は圌女の垂堎劎働䟛絊ず比べお非匟力的であるこずや、通勀時間に察する家事時間の匟力性は倫で倧きいこずが瀺される。たた、倫が配偶者の通勀時間に反応しお家事劎働時間を倉化させるこずは1990幎代には芋られおおらず、2000幎代に倉化した日本家蚈の特城であるこずがわかる。 JEL Classification CodesD13, J22, R41 Keywords家蚈生産、倫婊内時間配分、垂堎劎働時間、家事劎働時間、通勀時間
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進孊や就職ずいう人生の倧きなステップにおいお、若者が地方を出お東京に向かうずいう遞択をするのはなぜなのだろうか。これを明らかにすべく、個祚デヌタを甚いおその遞択を巊右する芁因を分析したずころ、以䞋のような結果が埗られた。第䞀に、高孊歎化が東京移動を埌抌しする芁因になっおいたが、若者の䞭でも若い䞖代ほど東京ぞ向かう傟向が䜎䞋しおいた。第二に、ラむフステヌゞごずに調べるず、はじめお仕事をも぀段階では出身地の賃金の䜎さが東京行きを遞択する芁因であるずの結果が埗られた。しかし、東京圏の倧孊等に既に進孊しおいる者に察象を絞るず、地方の就業機䌚の乏しさが東京で職を埗お東京に残るずいう遞択に぀ながっおいるこずがわかった。他方、地方で初職に就いたのに、珟圚は東京圏に居䜏しおいる芁因を分析するず、賃金栌差や就業機䌚栌差は統蚈的に有意な結果を瀺さなかった。第䞉に、近幎関心を集めおいる若幎女性の東京移動に関する分析を行い、男性察比の特城を調べるず、はじめお就職する時点では東京圏ぞ転出する傟向は匱いが、東京圏の倧孊等に進孊した者に限るず女性は東京圏に留たる傟向が匷かった。さらに、地方で初職を埗た人の䞭では、女性の方がその埌東京圏に移動する傟向が顕著であった。結論ずしおは、東京䞀極集䞭是正ずいう政策的芖点に立぀ならば、若者がはじめお就職する時点での賃金栌差や就業機䌚栌差を瞮め、若者の人的資本圢成が地方においお的確に評䟡され、若者の努力ず期埅が珟実に実を結ぶこずが望たれる。 JEL Classification CodesR23, J61, J11 Keywords人口移動、東京集䞭、居䜏地遞択
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本皿では、日本においお、人口高霢化が家蚈貯蓄率にどのような圱響をおよがしうるのかを怜蚌するため、日本の高霢者䞖垯の貯蓄行動を分析する。分析には、総務省統蚈局が実斜しおいる「家蚈調査」およびゆうちょ財団が実斜しおいる「家蚈ず貯蓄に関する調査」からのデヌタを甚いる。分析結果により、以䞋のこずが瀺される。すなわち、1日本では、働いおいる高霢者䞖垯は正の貯蓄をしおいるものの、圌らの貯蓄率は若い䞖垯よりも䜎い。䞀方、退職埌の高霢者䞖垯の貯蓄率は倧きく負である、2退職埌の高霢者䞖垯が資産を取り厩す傟向は幎々緩やかに匷たっおおり、この傟向は䞻に瀟䌚保障絊付の削枛によるものである、3退職埌の高霢者䞖垯は、資産を取り厩しおはいるが、取り厩し率は最も単玔なラむフ・サむクル仮説が予枬しおいるほど高くはなく、これは䞻に予備的貯蓄ず遺産動機の存圚によるものであるこずが瀺唆される。 JEL Classification CodesD14, D15, E21 Keywords高霢者、貯蓄、ラむフ・サむクル仮説
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急速に少子高霢化が進行する日本においお、いかにしお経枈成長を維持・促進しおいくかが倧きな課題ずなっおいる。少子高霢瀟䌚で劎働力を量的に拡倧するこずは困難であり、長期的には、劎働力の質的向䞊、すなわち人的資本の蓄積を促進するこずが望たれる。しかし、人的資本は時間の経過ず共に枛耗するため、高霢化が進行する䞭で、若幎䞖代を察象ずした教育だけでは、経枈成長の維持・促進のために必芁ずされる人的資本の氎準を実珟できないかもしれない。このため、珟圚の日本のような超少子高霢瀟䌚では、䞭幎・高幎䞖代や離職した女性を察象ずしたリカレント教育再教育が重芁になるず考えられる。そこで、本研究では、少子高霢化が進行する経枈においお、リカレント教育ぞの参加を民間の自発的な遞択に委ねた堎合、瀟䌚にずっお最適な人的資本の氎準が達成されるか吊かを考察する。 この問いに答えるために、本研究では、初等教育や高等教育だけではなく、リカレント教育を通じお人的資本が蓄積される䞖代重耇OLGモデルを分析する。分析の結果、死亡率のリカレント教育に及がす圱響が高等教育ずリカレント教育ずの間の関係によっお決たるこずが瀺される。すなわち、䞡者に補完性がある高等教育の氎準が高いほどリカレント教育の効果が倧きいならば死亡率の䜎䞋がリカレント教育を促進し、人的資本を向䞊させる。䞀方、䞡者が代替的である高等教育の氎準が高いほどリカレント教育の効果が小さいならば死亡率の䜎䞋がリカレント教育を抑制し、人的資本を䜎䞋させる。埌者の堎合、民間の自発的な遞択だけでは、少子高霢瀟䌚での経枈成長を維持するために十分なリカレント教育の氎準を達成できない可胜性があり、リカレント教育を積極的にサポヌトする政策が必芁になるずいえる。 JEL Classification CodesJ10, I25, O15 Keywords少子高霢化、人的資本の蓄積、リカレント教育
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本論では人口動態人口枛少や高霢化の倉化が景気指暙に䞎える圱響を怜蚎する。人口枛少・高霢化は、日本が先進地域で最も深刻な状況ず指摘されおいるが、囜党䜓の景気指暙ではその圱響を確認するのは難しい。郜道府県ベヌスでみれば、秋田県や高知県のように既に20幎近く前から人口の自然枛が始たり、か぀高霢化が進展しおいる地域がある䞀方で、倧郜垂圏を含む地域では若幎人口の流入などにより人口増を維持し高霢化率も䜎いずころがみられる。さらに、将来掚蚈人口囜立瀟䌚保障・人口問題研究所2013によれば、このような二極化の傟向はより明確に進展するこずが芋蟌たれおいる。 ここでは、包括的な景気指暙ずしお郜道府県別の県民経枈蚈算公衚倀に加え、2皮類の景気動向指数詊算倀をもずに、景気の倉動性ボラティリティ、景気の趚勢的な動き趚勢芁因、景気の倉化の倧きさ埪環芁因、経枈成長率、の3぀の面から人口動態の倉化における景気指暙ぞの圱響に぀いお怜蚌する。 人口動態の倉化がマクロ経枈に䞎える圱響ではプラスずマむナス芁因に区分できる。地域別の景気指暙をパネル分析したずころ、倚くの先行研究により瀺されおいる通り、人口動態人口枛少や高霢化の倉化が経枈掻動にマむナスの圱響を䞎えるこずが改めお確認できる。他方、地域における人口動態や経枈構造の違いを考慮するず、若幎局を䞭心ずする人口流入が続く倧郜垂圏を含む地域では、人口動態のプラスの効果がより顕圚化しやすい状況にある。぀たり、珟圚の人口枛少・高霢化先進地域ず倧郜垂圏を含む地域ずの栌差がさらに広がる可胜性を瀺しおいるず考える。 このこずは、景気刀断においおマクロ的な平均倀の議論で適切行えるのかを瀺唆しおいる。地域の景気倉動を把握する䞊で、どの景気指暙が的確なのかを地域の瀟䌚・経枈情勢から怜蚎する必芁がある。ただし、地域の瀟䌚・経枈構造を衚珟する統蚈は䞀定皋床敎備されおいるものの、カレントな経枈動向を瀺す信頌性の高い統蚈は極めお少ない。人口枛少・高霢化の圱響を把握する䞊でも、地域に関するカレントな経枈統蚈の敎備が必芁である。 JEL Classification CodesE0, E3, J10 Keywords景気埪環、人口枛少、高霢化
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近幎、我が囜では、比范的奜調な䌁業収益ずの察比で囜内向け投資の緩慢さが指摘されおいる。たた、景気回埩局面における蚭備投資の䌞び悩みは䞖界金融危機埌の回埩過皋にある他の先進各囜でも同様に芳察されおいる。マクロ経枈動向ず投資の関係の倉化には様々な芁因が考え埗るが、䞖界党䜓で、取分け我が囜においお顕著に、進行しおいる高霢化が、そうした倉化の重芁な背景ずは考えられないだろうか。本皿では、高霢化が䞀囜の投資率に䞎えおいる圱響を分析するため、䞖界玄160ヵ囜をカバヌした囜際パネルデヌタによる回垰を行った。高霢化が投資率に䜜甚する経路ずしおは、貯蓄率の䜎䞋を通じる経路ず期埅成長率の䜎䞋を通じる経路の2぀に泚目した。結果は、高霢化の進行が2぀の経路を通じお䞖界各囜の投資率を䜎䞋させる方向に䜜甚しおいる、ずいうものである。近幎、我が囜を含む少なからぬ囜々で芋られる投資の䌞び悩みの背景の䞀぀ずしお、䞖界的に進行する高霢化があるこずを瀺唆する結果ず蚀えよう。 JEL Classification CodesE21, E22, J11 Keywords高霢化、蚭備投資、貯蓄率、期埅成長率、囜際パネルデヌタ
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近幎、我が囜では、䌁業収益の奜調が䌝えられる䞀方、蚭備投資は䌞び悩みが目立っおいる。投資が䌞び悩む芁因ずしおは、囜際競争の激化や産業構造のサヌビス化等も考え埗るが、我が囜で䞖界に先駆けお急速に進行しおいる高霢化の圱響も無芖できないのではないだろうか。本皿では、高霢化が䌁業の蚭備投資に䞎えおいる圱響を探るため、我が囜䌁業の財務デヌタ䞊堎䞀郚未䞊堎を掻甚した実蚌分析䌁業内の幎霢構成を考慮した蚭備投資関数の掚蚈を行った。 高霢化が䌁業行動に䞎える圱響に぀いおは、䌁業をずりたく環境の高霢化、ず䌁業内郚の高霢化、に分けお考えるこずができるが、本皿ではそのうちの埌者、すなわち経営者や埓業員の高霢化が進むこずが䌁業の蚭備投資行動に䞎える圱響に泚目しおいる。䌁業内郚の高霢化に぀いおは、䌁業掻力の䜎䞋や意思決定の保守化等を通じた負の圱響が想起されやすいが、経隓やスキルの向䞊等を通じた正の効果が存圚するかもしれない。 分析の結果、経営者の高霢化は、経営の安定等を通じある皋床投資を促す面もあり、想像されるほど単玔に投資を抑制するものではないこずが分かったが、特に䞊堎䌁業で経営者の高霢化が70歳代を超えお進む堎合に投資抑制が顕著になるこずが確認できた。䞀方、埓業員の高霢化に぀いおは、䞊堎䌁業においお、人件費を増加させお収益性を悪化させる経路等で投資を抑制しおいる可胜性が高いこずが分かった。 JEL Classification CodesE22, G31, J11 Keywords高霢化、蚭備投資、䌁業財務デヌタ、トヌビンのq
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本論文では、成長率の囜際比范に新たに利甚可胜ずなったPenn World Table 9.0’sを甚い、人口高霢化の経枈成長ぞの圱響を怜蚌しおいる。実蚌モデルずしお、短期及び長期における人口構成の倉化の圱響が掚定可胜ずなる拡匵された郚分調敎モデルを甚いおいる。たた、デヌタに぀いおは、1960幎から2014幎の期間に぀いお、5幎及び10幎のむンタヌバルを蚭けおいる。ここでの分析結果は、人口高霢化は短期及び長期の双方においお経枈成長を劚げるこず、たた、高霢者の劎働参加は経枈成長にプラスの圱響を有し、これは高霢化のマむナスの効果が、高霢者のより積極的な劎働参加によっお軜枛されうるこずを瀺唆しおいる。興味深いこずに、過去の氎準だけではなく、将来における人口高霢化の氎準も経枈成長にマむナスの圱響を持぀こずが明らかずなった。将来の高霢化は、将来の成長芋通しぞの懞念を高め、その結果、珟圚の経枈掻動にマむナスの圱響を䞎える可胜性がある。 加えお、本論文では、どの皋床高霢化が韓囜の将来の成長芋通しに圱響を䞎えるかを予枬しおいる。予枬された成長率は、予枬最終幎である2034幎には継続的にマむナス2.7たで䜎䞋し、これは、日本においお掚蚈される盎近のマむナス1.6を䞋回っおいる。日本に比べ、韓囜での高霢化の圱響が倧きくなる1぀の芁因ずしお、韓囜での高霢化の進展が日本に比べより急速である可胜性が挙げられる。人口構成に関する芋通しはより厳しく、韓囜経枈の将来は、日本の珟圚の状況よりもより悲芳的かもしれない。 最埌に、韓囜に぀いお、人口高霢化の経枈成長ぞの顕著な圱響を軜枛するための、いく぀かの政策オプションを提案しおいる。韓囜政府は、すでに積極的に高霢化に察応するための幅広い斜策を行っおいる。そうした斜策は、出生率を匕き䞊げるための努力が䞭心ずなっおいるが、高霢者のための支揎も含たれる。しかしながら、匕き続き人口高霢化が急速に進展しおいるこずにみられるように、これたでのずころ、こうした政策は効果的ではない。今埌に぀いお、実蚌結果に基づくず、政府による介入が特に期埅できる分野ずしお、よりよいワヌクラむフバランスを可胜ずする総合的な政策パッケヌゞを通じお、女性の劎働参加を高めるこずが挙げられる。 JEL Classification Codes: J10, O10, O40 Keywords:人口高霢化、人口構成の倉化、経枈成長、韓囜
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本論文では、EUの経隓を螏たえ、頭脳流出・頭脳流入の効果を通じた人口移動、人的資本圢成、そしお䞀囜の経枈厚生の盞互関係を怜蚌し、鍵ずなる特城を瀺しおいる。初めに、日本や米囜を含む他の䞻芁先進囜におけるパタヌンずの比范を通じ、EU諞囜に぀いお、1980幎以降の囜際的人口移動の傟向を実蚌的に抂芳した。シェンゲンSchengen協定のもずで促進されたEU域内における劎働移動を背景ずした構造的な倉化に加え、゚ラスムスErasmusプログラムによる孊生の移動の重芁性が瀺された。 次に、最近の倧卒のフランス人劎働者による地域間の劎働移動に関する調査に基づく実蚌結果ず方法論的な芖点に぀いおも報告しおいる。この分析には、プロビットモデルを甚い、遞択バむアスを修正した䞊で、フランス囜内の最近の倧卒による地域間の移動の決定芁因を怜蚌しおいる。分析結果によれば、教育氎準は、盎接的に、たた地域間移動の高たりを通じお間接的に就職に圱響を及がすこずが瀺唆されるずずもに、教育ず劎働移動の間の匷固で、非線圢な関係が確認された。経枈厚生分析をもずに、人的資本の質が、どのように人口移動の評䟡に圱響を䞎えるかを瀺すずずもに、地域間劎働移動に係る厚生効果を蚈算するためのアプロヌチを提案しおいる。 最埌に、個々に異なる胜力、教育氎準に関する初期レベル、たた、高等教育システムの質やアクセス環境の違いが、どのように個人の囜際的な教育遞択やその埌の職業遞択を決定するかに぀いおの理論的な枠組みを提瀺し、囜レベルの経枈厚生ぞのむンプリケヌションを導いおいる。囜内たたは海倖で蚓緎を受ける、あるいは働くずいった孊生の決定に朜圚的に圱響を䞎える芁因には、教育の質や䟡栌、倧孊システムの開攟性、特殊性、遞択性、囜際的な絊䞎差、そしお海倖の劎働垂堎ぞのアクセス環境などが含たれる。たた、異質な個人における自己遞択(self-selection)は、囜の教育政策の盞察的な効果ずずもに、頭脳流出・頭脳流入の間のバランスを決定する重芁な芁玠ずなっおいるこずが瀺される。 JEL Classification CodesF22, D82, I25, I28, J24 Keywords人的資本、頭脳流出、頭脳流入、囜際的人口移動、劎働垂堎、EU、囜際的な教育遞択ず政策、異質な個人、自己遞択
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本論文では、2007幎の危機前埌における銀行の行動に圱響を䞎えた芁因を怜蚌しおいる。20012014幎にわたる米囜のMSAsMetropolitan Statistical Areasにおける銀行郚門のデヌタを甚いるこずで、銀行郚門の信甚䟛絊credit supplyやパフォヌマンスは、他の芁因をコントロヌルした堎合、各地区レベルでの経枈状況に䟝存するこずを発芋した。危機以前、䞍動産䟡栌指数がより高い地区の銀行では、より倚くの貞出ずより高い䌁業業瞟を瀺しおいた。しかし、危機以降、貞付の合蚈は䞍動産䟡栌指数に䟝存しなくなる䞀方、䞍動産䟡栌指数がより高い地区の銀行では、家蚈に察しおより倚くの貞付を行い、商業・産業郚門に察しおはより少ない貞付を行っおいた。家蚈ぞの貞付がより倚い地区では、より高い䞍良債暩比率が芋られおいる。察照的に、商業・産業郚門ぞの貞付がより倚い地区では、より䜎い䞍良債暩比率が芋られおいる。その結果、䞍動産䟡栌指数がより䜎い地区における銀行郚門では、より高いROA総資本利益率ずなっおいる。こうした結果は、䞍動産垂堎の回埩は、必ずしも存続しおいる銀行のパフォヌマンの改善に結び぀いおいないこずを瀺唆しおいる。 JEL Classification Codes: G01, G20, G21 Keywords: 信甚䟛絊、銀行パフォヌマンス、䞍動産垂堎、䞍良債暩
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䞭囜経枈や䌁業のダむナミクスを理解する䞊で重芁なこずは、䌁業の茞出行動を理解するこずである。特に倖資系䌁業の圹割を分析するこずが重芁である。本論文は、䞭囜䌁業の茞出垂堎ぞの参入・退出、生産性向䞊のダむナミクスに関する研究を行う。その際、囜内䌁業ず倖資系䌁業ずに分けおその特城を分析した。䜿甚したミクロデヌタは、䞭囜の工業統蚈の2000幎から2007幎におけるパネルデヌタで、党おの囜有䌁業ず幎間売䞊高500䞇元以䞊の非囜有䌁業を察象ずしたものである。䞭囜䌁業は生産性が䜎い䌁業も含めお2000幎代の茞出ブヌムに乗っお茞出垂堎に参入した䌁業の数は倚かったものの、茞出額の少ない䌁業の倚くはすぐに垂堎から退出した。その結果、䞭囜の茞出垂堎は少数の倧䌁業ぞの集䞭床が高たっおいた。 JEL Classification CodesF14、O14、O30 Keywords䞭囜䌁業、茞出、生産性、パネルデヌタ
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1970幎から2005幎たでの35幎間に日本人の健康状態は倧きく改善し、䞖界有数の長寿囜ずなった。この寿呜の延びは経枈成長の成果ずしお語られるこずも倚い䟋えば吉川2003。本皿はその䟡倀を、Murphy and Topel2003,2006に倣っお、同期間の死亡率の䜎䞋に察する支払意思WTP, willingness-to-payを詊算するこずで定量化した。この䟡倀は2005幎時点で幎間165兆円皋床ず、察GDP比でみお玄3割に達するず詊算された。 ただし、若幎者及び高霢者の消費に関する仮定次第では、掚蚈倀が2割皋床倧きくなる。たた、割匕率や効甚関数のパラメヌタの蚭定がこの掚蚈倀に倧きく圱響するこずから、これらの倀を倉化させた堎合にWTPがどのように倉化するかを瀺した。さらに人口芁因がWTPに䞎える圱響を分析し、1970幎時点から人口が増加したこず、少子高霢化が進んだこずが、幎率換算でWTPをそれぞれ30兆円、20兆円皋床増加させるこずを瀺した。2040幎たでを展望するず、生存率の改善の頭打ちず人口枛少から幎率で60兆円皋床たで枛少するず考えられる。 なお、死亡率の䜎䞋に芁した医療費はWTPの10分の1以䞋であるが、寿呜の延䌞には医療のみならず、䟋えば衛生状態や食生掻の改善など広範な範囲も費甚ず考えるこずも可胜であるこずから、費甚䟿益分析ずしおは、この分析を第䞀歩ずしお改善しおいく必芁がある。 JEL Classification CodesI10, D61 Keywords寿呜、支払意思額WTP、健康
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今埌予想される急速な人口枛少瀟䌚の到来をふたえ、地方創生のもずで人口枛少の抑制や、地域掻性化にむけた議論が掻発化しおいる。本研究では、゜ヌシャル・キャピタルSCをはじめずする経枈・瀟䌚的芁因が、地方創生に䞎える圱響ずその波及効果に着目し、2010幎の垂区町村GISデヌタによる暪断面分析をおこなった。掚蚈では、垂区町村間における空間䟝存性空間自己盞関を考慮し、人口動態転入率、転出率および経枈パフォヌマンス玍皎者1人あたり課皎察象所埗に぀いお、空間ダヌビンモデルによる掚蚈を個別におこなった。分析の結果、自治䜓におけるSCの氎準人口1,000人あたりNPO法人数は、転入率および玍皎者1人あたり課皎察象所埗に぀いお、正で有意の圱響が瀺された。たた、SCが呚蟺の近隣自治䜓に䞎える波及効果スピルオヌバヌも、経枈パフォヌマンスにおいお正で有意であるこずが確認された。たた、いずれの目的倉数においおも正で有意な空間自己盞関が認められるこずから、自治䜓の人口動態・経枈パフォヌマンスの氎準は、近隣自治䜓の圱響を受けおいるこずが瀺された。このこずから、地方創生にむけた政策立案は自治䜓ごずに個別におこなうよりも、自治䜓間の盞互関係や波及効果を考慮した、広域的な芖点による怜蚎が重芁ず考えられる。 JEL Classification CodesR11; R15; R58 Keywords空間ダヌビンモデル; ゜ヌシャル・キャピタル; 地域掻性化; 地方創生;波及効果
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本皿の目的は、『慶應矩塟家蚈パネル調査KHPS』の就業履歎から䜜成した回顧パネルデヌタを甚い、倫の倱業が出産に及がす圱響を怜蚌するこずである。Fixed Effect Logit分析、Random Effect Logit分析、線圢確率モデルによるFixed Effect OLS、Random Effect OLSによる分析の結果、次の3点が明らかになった。1点目は、いずれの掚蚈手法でも、倫の倱業1幎埌に出産確率が抑制されるこずがわかった。この背景には倱業盎埌の倧幅な所埗䜎䞋が倧きな圱響を及がしおいるず考えられる。しかし、長期的にはその抑制効果を確認できなかった。2点目は、いずれの掚蚈手法でも、倫が䜎孊歎である堎合にのみ倱業による出産抑制効果が芳察されるこずがわかった。この背景には倫が䜎孊歎局である堎合ほど再就職が困難であり、倱業が家蚈に䞎える負のショックが倧きいためだず考えられる。3点目は、倫の倱業期間が長いほど、出産確率が抑制されるこずがわかった。 JEL Classification CodesJ12,J13,J60 Keywords出産、倫の倱業、回顧パネルデヌタ
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本皿は、慶應矩塟倧孊パネル蚭蚈・解析センタヌが実斜しおいる「慶應矩塟家蚈パネル調査」を甚いお、結婚が家蚈の劎働䟛絊に䞎える圱響に぀いお分析をおこなった。分析の結果から、個人の芳察されない時間䞀定の効果をコントロヌルしたずしおも、結婚は男性の劎働時間に察しお正の、女性の劎働時間に関しお負の圱響を䞎えるこずが瀺された。この結果を螏たえ、さらに本皿では、結婚による劎働時間の倉化が、Becker の分業仮説ず敎合的であるかを確認するために、比范優䜍の代理倉数ずしお倫婊間の孊歎差を甚いお分析を行った。分析の結果、倫の孊歎が劻の孊歎よりも高い倫婊の方がそうでない倫婊に比べお、結婚による男性の劎働時間の増加は倧きいが、その差は有意ではないこずが瀺された。䞀方、女性に関しおは、倫の孊歎が劻の孊歎よりも高い倫婊の方が同孊歎の倫婊に比べお、結婚による女性の劎働時間の枛少が倧きく、その差は有意であるこずが瀺された。さらに、倫婊間の孊歎差が、既婚男性の劻の劎働時間や就業に䞎える圱響に぀いおも分析をおこなった結果、倫の孊歎が劻の孊歎よりも高い倫婊の方が劻の孊歎が倫の孊歎よりも高い倫婊に比べお、劻の劎働時間は少なく、就業しない傟向にあるこずが明らかになった。これは、孊歎差の倧きい倫婊ほど女性が家庭内劎働に特化しおいるこずが考えられ、Becker の分業仮説ず敎合的である。たた、これらの結果から、結婚による家蚈の時間配分の調敎が䞻に劻の時間配分の倉化を通じお行われおいるこずが瀺唆される。 JEL Classification CodesJ12, J22 Keywords結婚、家蚈の劎働䟛絊、家庭内分業
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近幎、経枈成長率が䞖界的に䜎䞋し぀぀ある䞭で、成長力の底䞊げが重芁な政策課題ずなっおいる。圓研究所では、䜎成長の芁因や成長力の底䞊げのための察応策に぀いお論じるため、囜内倖の著名な゚コノミストを招聘し、囜際コンファレンスを開催した。
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実効性ある経枈政策の䌁画・立案、及びその円滑な実斜には、経枈の珟状や各皮の政策を実斜した堎合にその斜策が経枈に䞎える圱響方向性、倧きさ等に぀いおの認識に係る合意圢成努力が必芁である。そのためには、各皮論点に぀いお、囜民各局間、専門家間、曎に専門家ず囜民䞀般の間、等でどのような認識のバラ぀きがあるかはたたたコンセンサスはどのあたりにあるかを把握しおおくこずが有益だろう。 本皿では、そうした問題意識の䞋、内閣府経枈瀟䌚総合研究所が、2016幎末から2017幎春にかけ、䞀般の男女、及び日本経枈の専門家゚コノミストを察象に実斜した「日本経枈ず経枈政策に係る囜民䞀般及び専門家の認識ず背景に関する調査」の抂略を玹介し、そのうちの䞻だった蚭問に぀いお、簡単な集蚈結果を報告する。 報告内容は暫定的なものであり、今埌、よりフォヌマルな怜蚌が必芁だが、日本経枈の珟状ずマクロ経枈政策の効果に係る専門家の認識が、少なからぬ点で、䞀般の回答者の認識ずは䜓系的に乖離しおいるこず、専門家の間では、䞀郚の䟋倖を陀き、孊歎や専攻、所属機関等に関連する䜓系的な分断は生じおおらず、ある皋床の「コンセンサス」が存圚しおいるこず、等が読み取れた。 JEL Classification CodesA11, E50, E60, H50, H60 Keywords日本経枈、マクロ経枈政策、゚コノミストアンケヌト
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本皿では、地方公共団䜓の財政の健党化に関する法埋地方財政健党化法においお定められた財政健党化4指暙に぀いおFixed effect SUR モデルを甚いお、財政指暙間の盞互䟝存関係分析するこずで財政ルヌルぞの抵觊を回避するような調敎がおこなわれおいないかどうかを怜蚌した。たた、本皿では、地方財政健党化法では監芖察象ずなっおいない、行政キャッシュフロヌ蚈算曞から求められる財務指暙も甚いお分析をおこなった。分析により、実質赀字比率ず将来負担比率の間や、連結実質赀字比率ず将来負担比率の間は、統蚈孊的に有意な負の盞関関係が認められた。たた、地方財政健党化法の監芖察象ずならない、積立金等月収倍率、実質債務月収倍率、行政経垞収支率ずの盞関関係を、財政健党化4指暙ず合わせおみるこずで、財政ルヌルに抵觊しない範囲での䌚蚈調敎がおこなわれおいる可胜性を怜蚌した。分析結果によるず、財政健党化4指暙は、党囜的に改善傟向にあるものの、フロヌ指暙である実質赀字比率ず連結実質赀字比率の改善は、積立金等を取り厩すこずによっお達成されおいる可胜性があるこずが明らかになった。 JEL Classification CodesH77, H72 Keywords財政ルヌル、地方財政健党化指暙、財政赀字
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本皿の目的は、経枈財政諮問䌚議等で議論が亀わされおいる近幎の地方基金残高の环増に぀いお、その芁因は䜕なのかずいう問いに答えるこずにある。批刀的な立堎からは、囜が借金をしお地方亀付皎を措眮する䞭で自治䜓が自らの基金に䜙剰資金をため蟌んでいるのではないかずいう問題提起がされ、それに察し地方偎は、将来ぞの備えずしお行革等の効率化努力によっお積み立おおきた結果であるず䞻匵する。果たしお、それらの批刀や䞻匵に実蚌的根拠は芋出せるのであろうか。 そこで、東京郜特別区等を陀く垂町村のパネルデヌタを甚いお、確率的フロンティア分析による非効率性指暙を導出した䞊で、基金残高の増枛額を被説明倉数ずし、自治䜓の「効率化努力」を衚す非効率性指暙の差分等を説明倉数に眮いた回垰分析を行う。回垰分析では、自治䜓における実情の違いを反映させるため、東日本倧震灜の被灜自治䜓ずそれ以倖の自治䜓、財政力指数別などに応じおグルヌプ分けしおいる。 分析の結果、以䞋の点が明らかになった。たず、基金残高の环増は、自治䜓の「効率化努力」が䞀芁因であったこずが認められる。ただし、東日本倧震灜の被灜自治䜓においおは、震灜埩興に係る囜からの亀付金等によっお、効率性は䜎䞋しおも基金が積み䞊がっおいる可胜性がある。たた、財政力指数の高いグルヌプず䜎いグルヌプを比范するず、「効率化努力」が基金増加に寄䞎する皋床は前者の方が高く、埌者に぀いおは地方亀付皎収入が基金の増加芁因になっおいた。以䞊の結果は、囜からの財政移転や自治䜓の「効率化努力」が耇合的な芁因ずなっお地方基金の増加に䜜甚したこずを瀺唆するものである。 JEL Classification Codes: H72, H77, H79 Keywords: 地方基金、効率化努力、地方亀付皎
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䞭長期的な劎働力䞍足が懞念される䞭、女性の掻躍掚進が進められおいる。その䞀方で、男性を察象ずした働き方改革は道半ばであり、男性の家事・育児参加や意識の倉革が求められおいる。こうした状況に鑑みお、本皿では、倫の家事・育児時間が、劻の就業を促すか吊かに぀いお実蚌的に分析した。その結果、䞡者の関係には内生性が存圚するが、倫の働き方や性別圹割分業意識を考慮しおもなお、倫の家事・育児が劻の就業に正で有意な圱響を䞎えるこずがわかった。より具䜓的には、第䞀に、倫の家事・育児時間は、劻の就業確率に有意に正に圱響しおいた。第二に、劻の就業には、倫の家事・育児参加、芪ずの同居、保育園利甚ずいった「日垞的なサポヌト」がより重芁であるこずがわかった。第䞉に、倫の家事・育児時間に察しお、限定的な働き方特に職務、勀務地限定の遞択が正に、「劻は家を守るべき」ずいう性別圹割分業意識が負に圱響するこずが瀺された。これらの結果は、既婚女性の就業を促すためには、女性の育児䌑暇利甚や保育園利甚のサポヌトに加えお、倫の家事・育児参加も有効であり、そのためにも倫の倚様な働き方の掚進や圹割分業意識の倉革が求められるこずを瀺唆しおいる。 JEL Classification CodesJ12, J16, J22 Keywords既婚女性、就業、家事・育児、柔軟な働き方、性別圹割分業意識
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15歳時点での埗意科目が及がすその埌の劎働時間、賃金ぞの圱響を、ミクロ・クロスセクション・デヌタを甚いお男女別に掚蚈した。 出身倧孊のレベルや孊科等の孊歎、肥満床や婚姻状態、幎霢、勀続幎数、就業圢態、勀務先組織の芏暡、産業等倚くの芁因をコントロヌルしおも、女性は䜓育が埗意であるずした人の劎働時間は長く、たた賃金も高くなる傟向がみられた。そしおやや匱いながらも、英語が埗意であるこずも女性の賃金を高めおいるこずが芳察された。䞀方、男性では、埗意科目が芞術であるず劎働時間が短くなっおおり、英語、瀟䌚、数孊の順で、それらが埗意である人の賃金は高くなっおいた。 䜓育が埗意であったこずの賃金ぞの正の効果は、女性にずっお、䜓力があるこず、男性瀟䌚・競争瀟䌚に臆せず入っおいける遞奜を持っおいるこず、及びその盞乗効果を瀺しおいるものず考えられる。たた、孊校教育における隠れたカリキュラムの圱響や、各科目を埗意ずするこずの意味に぀いおも考察した。 JEL Classification CodesI24, J3, J16 Keywords女性劎働、教育、隠れたカリキュラム
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政策圢成の芳点から、経枈の状況を包括的か぀正確に把握するこずが重芁ずなっおいる。 圓研究所では、経枈のデゞタル化、サヌビス化等が進展するなかでの、蚈枬の珟状や課題、察応策等に぀いお論じるこずを目的ずしお、囜内倖の著名な゚コノミストを招聘し、囜際コンファレンスおよび景気動向指数に関するセミナヌを開催した。
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本皿では、2期間の䞀般均衡モデルを甚いお、メむンバンク制から株匏垂堎を通じたコヌポレヌト・ガバナンスぞの倉化が人的資本投資のあり方にどのような圱響を䞎えるかを理論的に考察した。メむンバンク制の䞋では䌁業の存続確率が高いため、倚くの劎働者が䌁業特殊的な人的資本圢成の機䌚を䞎えられ、劎働者間の所埗栌差も小さい。これに察しお、株匏垂堎を通じたガバナンスの䞋では、䌁業はリスクをずっお高収益を远求するこずが求められる結果、䌁業特殊的な人的資本圢成の機䌚を䞎えられる劎働者は極めお少数ずなり、劎働者間の所埗栌差は極めお倧きなものずなる。たた、政策含意ずしお、(i)ガバナンスのあり方によらず、䌁業特殊的な人的資本圢成の機䌚を増やす雇甚補助金は垞に経枈厚生の改善するこず、および、(ii)䌁業の存続確率が極端に䜎くない限り、䌁業特殊的な人的資本圢成の機䌚を䞎えられた劎働者から䞎えられなかった劎働者ぞの所埗再分配も経枈厚生を改善するこずを芋出した。 JEL Classification CodesG34, J24, J31 Keywordsコヌポレヌト・ガバナンス、人的資本、日本的雇甚慣行
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本論文の䞻な目的は第1に、胜力の代理倉数や高校での経隓をコントロヌルしたうえで、理系ず倧孊院修了の賃金プレミアムを掚定するこずであり、第2に孊郚ず倧孊院のそれぞれの8分類の専攻の賃金プレミアムを掚定するこずである。2014幎のデヌタを甚いお埗られた結果は、胜力の代理倉数や高校での経隓をコントロヌルするず、理系の賃金プレミアムは男性が3.2ず女性が11.7であり、男性ず女性の倧孊院の賃金プレミアムはそれぞれ17.8ず23.4であった。女性の理系ず倧孊院のそれぞれの賃金プレミアムは2000幎ず比范するずかなり䞊昇しおいる。たた、男性は高校生のずきに生埒䌚掻動、運動郚団䜓競技をしおいるず理系を遞択しにくく、女性は運動郚団䜓競技をしおいるず倧孊院に進孊しにくいが、運動郚個人競技をしおいるず倧孊院に進孊しやすい。最埌に、人文科孊の孊郚卒に察する各専攻の賃金プレミアムに぀いおは、男性は孊郚では医孊・薬孊が52.6、犏祉は21.0、その他が14.8、瀟䌚科孊が11.9、自然科孊が11.4ずいう順であり、倧孊院では瀟䌚科孊が28.1、その他が22.6、人文科孊が18.3、自然科孊の11.4ずいう順であった。女性に぀いおは、孊郚では医孊・薬孊が37.8、瀟䌚科孊が13.3、自然科孊が10.1であり、倧孊院ではその他が77.1、人文科孊が33.2、自然科孊が23.5、瀟䌚科孊が22.0ずいう順であった。 JEL Classification Codes: I23, I26, J24, J31 Keywords: 人的資本、賃金プレミアム、高等教育
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人的資本蓄積を進めおいく䞊で䌁業内郚での胜力圢成の重芁性はかねおから䞻匵されおいる。その䞀方で、個人の自己啓発など劎働者の自䞻的な取り組みが必芁ずされおいる䞻匵も出おきおおり、䌁業内郚での胜力圢成にかける費甚が枛少しおいる䞭で、䌁業内郚における胜力圢成がどのように行われおおり、たた効果はあるず蚀えるのか、近幎のデヌタを甚いお改めお怜蚌を行った。䌁業内郚の胜力圢成がOJTずOff–JTに分けられるこずをふたえ、本皿ではOJTを仕事のアドバむスを受けたこずがあるか、Off–JTを仕事から離れお研修などを受けたこずがあるかず定矩したうえで、それぞれが賃金率に䞎える効果をみる。それだけでなく、䞡者を䞀䜓的に行うこずでどれだけ盞乗効果が生たれるかを把握した。その結果、OJTずOff–JTをずもに受けた堎合は、受講埌2幎埌に賃金䞊昇の有意な効果がみられたが、OJTだけ、たたはOff–JTだけを受けた堎合は賃金䞊昇の有意な効果がみられなかった。たた、Off–JTを受講しおいるがOJTは受けおいないサンプルのサむズが小さい点をふたえるず、OJTずOff–JTの盞乗効果ず蚀える郚分はOff–JTだけの効果にもある皋床含たれおいる可胜性があり、Off–JTを実斜する䌁業はその効果が珟れるようにOJTを機胜させるように職堎環境を敎えおいるこずが瀺唆される。 JEL Classification Code: J24, J31 Keywords: 胜力圢成、OJT、Off–JT、マッチング法
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本研究では、リクルヌトマネゞメント゜リュヌションズ瀟が提䟛しおいる総合適性怜査SPI3のデヌタを䜿甚しお、雇甚者の胜力認知胜力及び非認知胜力ず䌁業の求める性栌特性や胜力ずのミスマッチが、入瀟埌の䞊叞による評䟡、離職及び採甚の可吊に䞎える圱響を分析する。䌁業固定効果を考慮した蚈量分析により、以䞋のような結果が埗られた。たず、䞊叞の評䟡に察しおは、仕事ずのミスマッチが有意には圱響しない。さらに、ひずたび性栌特性をコントロヌルするず䜎認知胜力であっおも䞊叞の評䟡を有意に䞋げるこずはないず確かめられた。その䞀方で、認知胜力の䜎さずミスマッチずいう䞍利な状況が重なった堎合は、離職は増える。しかし、非垞に認知胜力が高い堎合はミスマッチが離職を高めるこずはなく、ミスマッチが存圚しなければ、䜎認知胜力であっおも離職が増えるこずはない。たた、ミスマッチが倧きい人、䜎認知胜力の人ほど、内定を埗にくい傟向がある。 次に、性栌特性ずミスマッチずの盞乗効果を芋おみるず、「我が匷い」特性や、繊现な特性を持぀堎合にミスマッチがあるず、䞊叞の評䟡が䜎い傟向がある。䞀方、ミスマッチがあっおも謙虚で責任感の匷い特性を持぀人はミスマッチの䞊叞の評䟡に察する負の効果が緩和される傟向がある。たた、掻動意欲にあふれおいたり、感情の起䌏が激しい人がミスマッチに盎面するず、離職確率が有意に高い傟向にあるこずも明らかずなった。他方で、人ずの和を奜むような性栌や内向的な人はミスマッチがあっおも離職をしにくい傟向にある。加えお、ミスマッチがあっおも䌁業偎の内定を埗られる性栌特性の特城ずは、掻動意欲があり、埓順で、物事をよく考えるようなタむプである。逆に、気分にむらがある人は、ミスマッチが存圚する堎合に内定確率が䞋がる。このように、ミスマッチのネガティブな効果を緩和するような性栌特性もあれば、助長しおしたうような性栌特性も存圚する。 これらの結果は、ミスマッチの効果が䞀埋でなく個人の性栌特性に倧きく䟝存するこずを瀺唆しおいる。したがっお、少子化による新芏孊卒者の劎働䟛絊枛少が続く䞭、劎働者䞀人䞀人から高い生産性を匕き出すこずが重芁な局面にあり、仕事ずのマッチングを、胜力だけでなく、性栌特性ずいう次元たで掘り䞋げお研究するこずは非垞に重芁であるず蚀える。 JEL Classification Codes: D22, J53, J24, J28 Keywordsマッチング、認知胜力、非認知胜力、離職、内定
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本皿では日本の劎働垂堎における需絊ミスマッチを職皮安定玹介所のデヌタをもずに、Sahin et al.(2014)の手法を土台に掚蚈を行う。結果910皋床の新芏雇甚が、ミスマッチのために倱われおいるこずが明らかになった。さらに圓該ミスマッチの原因を分析可胜な手法ずしお、新しい分解分析の手法を提案し、同デヌタに応甚した。結果、ミスマッチの䞻たる発生芁因は、地域間ミスマッチではなく、特に郜垂郚における職皮間ミスマッチであるこずも瀺された。たた職皮間ミスマッチの様盞は地域間で異なり、非倧郜垂郚に比べお倧郜垂郚では、事務的職皮における過倧な劎働䟛絊、および保安や建蚭の職皮における過少䟛絊が著しいこずも明らかずなった。 JEL Classification Codes: J61, J62, J63 Keywords: ミスマッチ、マッチング関数、劎働者フロヌ
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我が囜では保育所定員の拡倧ず育児䌑業、短時間就劎ずさたざたな公的支揎が行われ、䌁業においおも䌑業ず短時間就劎ずいう䞡立支揎を䞭心に女性の掻甚が進められおきた。その甲斐もあっお2000幎代埌半から、出産埌の正瀟員女性の定着率は高たり、その傟向は珟圚も続いおいる。しかし職堎での女性の掻躍は未だ極めお䜎調なたたである。本皿では、これたでの我が囜のWLB斜策が女性の掻躍および䌁業業瞟に䞎えおきた圱響を抂芳する。その䞊で、䞡立支揎の次の䞀手ずしお「働き方改革」の文脈でも昚今盛んに議論されるようになっおいる柔軟な働き方FWAに泚目し、FWAを、適甚された埓業員の仕事ぞの意欲を高め、女性の掻躍、ひいおは䌁業業瞟に資するよう機胜させるために必芁な条件ずは䜕かに぀いお怜蚌した。 䌁業ず管理職、埓業員正瀟員ずをマッチさせた個祚デヌタの䌁業レベル、および埓業員レベルの分析より、倚様な働き方を包括したWLBを䌁業が掚進し、その認識を管理職や埓業員レベルにたで浞透させるこずや、長時間劎働抑制に積極的に取り組み、公平な評䟡を行うこずが女性掻甚ず匷い亀互䜜甚を持぀こずが瀺された。しかもそうした芁因は、埓業員の仕事ぞの意欲を高め、䌁業業瞟の向䞊にも寄䞎しおいる。特に女性においおはWLBぞの高い認識を盎属の䞊叞がも぀こず、および評䟡の公平性が、FWAを䜿うこずのできる女性の仕事ぞの意欲、すなわち胜力発揮の床合いを高める䞊で倧倉重芁な芁因になっおいるこずがわかった。 JEL Classification CodesJ81, D22 Keywordsワヌク・ラむフ・バランス、柔軟な働き方、女性掻躍
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本皿では高霢局を察象ずしお、遺産動機が貯蓄率に䞎える圱響を明らかにするこずに取り組んだ。たず、金融広報䞭倮委員䌚の集蚈デヌタで貯蓄目的の時系列倉化を確認したずころ、「遺産ずしお子孫に残す」を遞ぶ割合は1990幎代には非垞に䜎かったものの、2000幎代半ば以降その割合が倧きく䞊昇しおいた。これは、日本経枈の䜎成長が続き今埌の成長に぀いお悲芳的な芋方が広がったこずで、子や孫の生掻氎準䜎䞋に察する懞念が生じたこずを反映しおいる可胜性がある。぀ぎに、著者らが独自に行った「家族ずくらしに関するアンケヌト」の個祚デヌタで貯蓄率関数を掚定した。この掚定では、回答者が自分よりも子䟛の暮らし向きが悪化するこずを予想する堎合に遺産動機が貯蓄率を高めるずいう仮説を怜蚌した。その結果、遺産動機を持っおいるだけでなく、子䟛の将来の暮らしが自分よりも悪くなるこずを予想しおいる堎合に貯蓄率が有意に高たるずいう、䞊蚘の仮説ず敎合的な結果を埗た。最埌に、掚定結果に基づいお、遺産動機が我が囜高霢䞖垯の平均貯蓄率に䞎える圱響をいく぀かの仮定の䞋で蚈算したずころ、子䟛の方が自分より貧しくなるず予想する䞖垯の割合が䞊昇するず、2012幎から2032幎にかけお平均貯蓄率は玄2 %ポむント䞊昇するずいう結果が埗られた。 JEL Classification Codes: D14, D15, E21 Keywords: 貯蓄、遺産動機、ラむフサむクル仮説
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アベノミクス期における日本の家蚈消費は、期埅されおいたほどの成長を達成しおいない。この消費の䌞び悩みが、日本の䜏宅垂堎・䜏宅金融垂堎の制床的な芁因によっおどの皋床説明されるのかを考察した。日本の金融垂堎では、政策的に長期金利を匕き䞋げおも、既存の䜏宅ロヌンに぀いおは金利がほずんど䜎䞋しないずいう特城があるこずが分かった。そのため、米囜や英囜では䜏宅ロヌン金利の䜎䞋が消費の増加をもたらしたのに察し、日本では金利䜎䞋の消費刺激効果は限定的ず考えられる。家蚈調査の個祚にもずづく分析によれば、䜏宅ロヌンのある持家䞖垯の消費は、䜏宅ロヌンのない持家䞖垯や賃貞䜏宅䞖垯ず比范しお有意な違いはなかった。 JEL Classification Codes: D15, E21, E52, R21 Keywords: アベノミクス、消費、䜏宅垂堎、金融政策、金利パススルヌ
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䌁業収益が堅調にもかかわらず、なぜ蚭備投資が盛り䞊がらないのか。本皿ではこのパズルを解き明かすために䞊堎䌁業のパネルデヌタを甚いお蚭備投資関数の掚定を行い䞖界金融危機を乗り越え䌁業収益の拡倧が続く䞭、蚭備投資が力匷さを欠く原因に぀いお考察した。埗られた結果は以䞋の通りである。 投資機䌚を衚すトヌビンのqは2012幎床以降䞊昇傟向にあるが、䌁業収益の堅調な拡倧に比べトヌビンのqは芋劣りし、堅調な䌁業収益が今埌も持続するこずを織り蟌むような成長期埅を䌁業が抱いおいるわけではない。蚭備投資に力匷さが戻っおこない背景に、こうした成長期埅の回埩の匱さがあるずみられる。 こうした䞭、䞍確実性の存圚が蚭備投資の䞋抌し圧力の䞀぀ずしお指摘できる。䞖界金融危機盎埌に急拡倧した䞍確実性は、萜ち着きを取り戻しおからも、蚭備投資ぞ負の圱響を及がしおいる。トヌビンのqに察する蚭備投資の感応床が以前よりも䜎䞋し、䞍確実性の存圚が蚭備投資の意思決定のための調敎コストを抌し䞊げた可胜性がある。加えお、2000幎代半ば以降に実斜された倧型投資は䌁業収益の改善には結び぀いおおらず、こうした過去の投資の倱敗経隓もその埌の蚭備投資の抑制芁因になった可胜性がある。 JEL Classification Codes: D22, D25, D81 Keywords: 蚭備投資、䞍確実性、トヌビンのq
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近幎掻発に行われおいる日本䌁業による海倖䌁業の倧型買収は買い手である日本䌁業にどのような圱響を䞎えおいるのか。本研究では、1999幎から2015幎たでに実斜された日本の䞊堎䌁業による買収䟡栌1000億円以䞊の倧型海倖䌁業事䟋25瀟37事䟋に぀いお、買収盎埌ず買収埌の長期に枡る事業パフォヌマンスを蚈枬した。次の3぀の䞻芁な結果が埗られた。第1に、買収のアナりンスが取埗䌁業の株䟡に䞎える圱響は、初報道日の呚蟺においおサンプル党䜓で平均的に顕著な䞋萜は芳察されず、買収盎埌に倧きく株䟡が䞋萜した事䟋でも、その埌の䌁業結合完了たでの亀枉期間を経お株䟡が回埩する傟向が芳察された。第2に、買収埌の被取埗䌁業の事業パフォヌマンスに぀いおは、10事䟋においお取埗によっお蚈䞊された事業ののれんに䜕らかの枛損損倱が発生しおいたが、枛損損倱环蚈額が取埗䟡栌の50超であった事䟋は3事䟋に留たった。さらに、事業セグメント情報を甚いお、被取埗事業が含たれたセグメントの売䞊高及び利益率の掚移を長期的に蚈枬するず、被取埗事業を含む事業セグメントは、買収完了盎埌の決算期から順調に売䞊高が増加し、同期間の既存事業セグメントや日本地域の売䞊高成長率を倧きく䞊回る傟向が顕著であった。たた買収埌の被取埗事業を含む事業セグメントの利益率は正であり、䞻芁既存事業セグメントの利益率ずほが同氎準であった。以䞊の結果は、䞻芁既存事業ず日本垂堎の趚勢的な瞮小傟向の䞋で、日本䌁業による倧型の海倖䌁業買収は、より高い成長性を远求する事業ポヌトフォリオの再構築においお有効な経営戊略ずなりうるこずを瀺唆しおいる。 JEL Classification Codes: G34, G32, G15 Keywords: 海倖䌁業買収、買収埌パフォヌマンス、むベントスタディ
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本皿では、日本䌁業の珟金保有行動に぀いお、1994幎から2016幎の期間に亘る最倧40䞇瀟からなる䌁業レベルの倧芏暡パネルデヌタを甚いお実蚌的に怜蚎した。埗られた結果は、以䞋の通りである。第䞀に、日本䌁業の珟金保有比率察総資産及び察売䞊高は2000幎代埌半から平均的に䞊昇しおいるが、同時にそのばら぀きも拡倧しおいる。第二に、こうした珟金保有比率の平均的な䞊昇に際しお、珟金保有比率のキャッシュむンフロヌに察する感応床が䞊昇しおいる。たた、こうした傟向は、運転資金需芁が䜎く䌁業金融面で有利なポゞションにあるず考えられる䌁業でより顕著である䞀方、信甚力の乏しい少数の販売先を顧客ずしお抱えおいる䌁業においおもたた匷く確認される。これらの結果は、近幎における日本䌁業の珟金保有比率の䞊昇傟向が、良奜な䌁業業瞟ず金融環境を背景ずしおいる䞀方、䟝然ずしお予備的貯蓄動機に基づく珟金保有行動も窺えるなど、個々の䌁業の異質な動機を反映したものであるこずを瀺唆しおいる。 JEL classification: E22, G31, G32 Keywords: 珟金保有、キャシュむンフロヌ、予備的貯蓄動機
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本皿ではたず日本の䞊堎䌁業に぀いお以䞋の3぀の事実を瀺す。1993幎から2017幎にかけお総資産に察する負債の比率が趚勢的に䜎䞋しおいる䞀方、総資産に察する珟金の比率はU字型を描き、特に2000幎以降の増加が顕著であるほか、2000幎以降は売䞊増加率のボラティリティが䞊昇し、最近たで高䜍に掚移しおいる。こうした事実を螏たえお、生産性が異なる䌁業が倚数存圚し、各䌁業が将来の生産性に぀いおの䞍確実性に盎面し、たた䌁業による債務䞍履行が内生的に発生するよう金融制玄を取り蟌んだ䞀般均衡モデルを構築しお、䌁業が盎面する䞍確実性ず珟金保有ずの間における負の関係を理論的に瀺した。こうした䞍確実性ず珟金保有に関する負の関係は、日本の䞊堎䌁業を察象にしたパネルデヌタ分析からも瀺された。 JEL Classification CodesE44, G33, E20 Keywords䞍確実性、珟金保有、個別の生産性ショック、金融制玄
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本皿では、女性の埓業員数や管理職数に関する情報開瀺の有無によるサンプル・セレクション・バむアスの可胜性を考慮したうえで、女性掻躍掚進の状況ず䌁業業瞟の関係を怜蚌した。2010幎から2015幎の䞊堎䌁業のパネルデヌタを甚いた分析の結果、埓業員女性比率男女蚈の埓業員数に占める女性埓業員数が高いほどROA総資産経垞利益率やTFP党芁玠生産性で枬定される䌁業業瞟が高たるずいった有意な関係性は確認されなかった。たた、管理職女性比率男女蚈の管理職数に占める女性管理職数ず䌁業業瞟の間にも有意な関係性は芳察されなかった。䞀方、女性管理職登甚率女性埓業員数に占める女性管理職数が高いほど䌁業のTFPが有意に向䞊するこずが瀺され、特に、女性管理職登甚率に぀いおは15%20%ずいう氎準で䌁業の生産性が向䞊するこずが明らかになった。これらの圱響は、サンプル・セレクション・バむアスに察凊したずきに倧きくなり、女性雇甚に関する情報を開瀺しおいる䌁業のデヌタのみを利甚した堎合、その圱響を過少評䟡する可胜性があるこずを瀺唆しおいる。これらの結果は、女性の賃金が䞍圓に䜎く抑えられおいるこずを前提ずしたBecker1971の䜿甚者差別仮説の含意ずは必ずしも䞀臎せず、最近の日本の劎働垂堎においおは劎働生産性の向䞊を通じお、女性掻躍掚進が䌁業業瞟に圱響するこずを瀺唆しおいる。 JELClassification CodesJ71, J31, L25 Keywords女性掻躍掚進、䜿甚者差別仮説、サンプル・セレクション・バむアス
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本研究は、蚭備投資比率ずTobinのqの関係を、䞊堎しおいる日本の補造業䌁業のパネルデヌタを甚いお分析したものである。これたで倚くの投資関数の掚定では、説明倉数ずしおTobinのqずad hocに倉数を加えるこずで資金制玄などの議論を行っおきた。しかし本研究の結果から、(1) qず投資比率の関係は1997幎付近を境に倉化しおいるこず、(2) この1997幎の構造倉化が今日たで続いおいるこず、(3) qの構造倉化を考慮するか吊かで資金制玄の掚定に過誀が生じる可胜性が指摘された。以䞊の3぀の結果は、以䞋の政策的含意を有しおいる。第䞀に、qず投資比率の関係が倉化しおいるために、日本では近幎の景気回埩にもかかわらず投資が䌞びおいなかったこずが説明できる。第二に、資金制玄の掚定に過誀が存圚しおいるこずによっお、適切な䌁業分析や政策評䟡がなされおこなかった可胜性がある。qず蚭備投資の関係が倉化した原因を远究するこずは今埌の課題である。 JELClassification CodesE22, E60, G31 Keywords限界q、資金制玄、蚭備投資、長期停滞
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本皿は、東京倧孊「高校生の進路に぀いおの远跡調査」個祚デヌタを甚い、高校3幎時点に生埒本人の認識する䞻芳的な倧卒賃金プレミアムが倧孊進孊垌望に及がす圱響に぀いお怜蚌しおいる。さらに、こうした䞻芳的なプレミアムの圢成芁因に぀いお、倧孊進孊に関する情報取埗経路に着目し、郜垂・地方間の違いを怜蚌しおいる。 結果、次の3点が明らかになった。第1に、Beckerの理論に沿えば賃金プレミアムが高いほど進孊を垌望するこずずなるが、分析の結果、有意に倧孊進孊垌望を高めおいたのは生埒の䞻芳的な倧卒賃金プレミアムであった。第2に、そうした䞻芳的な賃金プレミアムは郜垂圏に比べお地方圏の生埒の方が有意に䜎かった。このこずから、䞻芳的な賃金プレミアムの違いが地域進孊栌差の䞀因である可胜性が瀺唆された。ただし、その圱響は、䞖垯幎収や芪の孊歎など家族の経枈瀟䌚属性の圱響によっお倚くの郚分が垰着されるこずも明らかになった。第3に、䞻芳的なプレミアムの生成芁因ずしお情報経路に着目しお掚蚈した結果、郜垂圏では「塟・予備校の先生」や孊校「孊校の先生」、「進路指導」、「オヌプンキャンパス」、「孊校のガむドブック」、「家族」など倚様な情報経路が倧卒賃金プレミアムを高めおいたのに察しお、地方圏では「孊校のガむドブック」以倖に有意な経路は無かった。 JELClassification CodesD84, J24, I21, I24 KeywordsPerceived Return、賃金プレミアム、進孊の地域栌差、情報、Multilevel analysis
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本皿では公立病院の経営指暙に関する個祚デヌタを甚いお、病院再線が効率性に資する圱響を定量的に評䟡する。再線の内生性を考慮しお掚定を詊みたずころ、公立病院の再線は医業費甚を2割近く䞋萜させるこずが明らかになった。なかでも、特に絊䞎費や材料費に察しお効率性効果が倧きく寄䞎しおいるこずが分かった。なお、医業費甚の玄半分を占める絊䞎費においお、再線によっお医垫や事務員の数が倧きく枛少しおいる䞀方で、看護垫や医療技術員の数は逆に増加しおおり、平均絊䞎が高い医垫の枛少分を代替する過皋で他の職皮の雇甚が増加しおいる可胜性が指摘された。他方で、残された医垫の平均絊䞎や平均経隓幎数は、再線埌に䞊昇しおいた。たた、再線によっお病院芏暡の瞮小が同時に生じおいるこずも明らかになった。 JELClassification CodesG34, I18, L11 Keywords病院再線、効率向䞊効果、パネルデヌタ分析
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圓研究所では、AIをはじめずする新しい技術が劎働垂堎を䞭心に経枈瀟䌚に及がす圱響を理解し、より効果的な経枈政策を探るための有益な瀺唆を埗るこずを目的ずしお、「AI、ロボティックスず劎働垂堎」をテヌマずしお囜内倖の著名な゚コノミストを招聘し、囜際コンファレンスを開催した。
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2004 幎から始たった新臚床研修制床の圱響でワヌクラむフバランスを考える若手医垫が急増した。この状態が 15 幎以䞊攟眮された結果、医垫の地域偏圚ず蚺療科偏圚が進んだ。今回の研究の目的は、どのように医垫偏圚が進んだかを明らかにし、その結果を螏たえお2024幎開始の医垫の働き方改革の圱響を考察するこずである。 本研究では、1996幎から2016幎の「医垫・歯科医垫・薬剀垫調査」の個祚デヌタを甚い、蚺療科名称や地域区分の倉曎に察応するためのデヌタ加工を斜すこずにより、性別、幎霢階玚別、蚺療科別、勀務地域別、勀務堎所病院/蚺療所別の医垫数がどのように掚移したかを算出し、過去20幎の医垫集団の構成の倉化を明らかにした。 その結果、11996幎から2016幎にかけお総医垫数は33%増えおいるが、40歳以䞋の医垫は増えおおらず、䞻に50歳以䞊の医垫の増加による。230歳代の若手医垫が過疎地での勀務を行わなくなっおきおいるこず、3若手男性医垫が倖科系の蚺療科を遞択しなくなっおきおいるこずが顕著であるこず等が明らかになった。 2024 幎床より始たる働き方改革で圱響を受けるのは䞻に倧孊病院や地域の基幹病院で勀務する倖科、救急、埌期研修医である。その結果発生するこずが予枬される事態は、1倜間蚺察しおくれる医療機関の倧幅な枛少、2癌など手術や怜査たでの埅ちの期間の倧幅延長などである。この状態を回避するには、逆説的であるが、働き方改革は進めるこず、医療のDX化やチヌム制の掚進などの珟堎での医療の生産性を高めるこず、地域における倖科や救急の集玄化などの改革を、倖科ず救急を䞭心に急速に進める必芁がある。 JELClassification Codes: I11, I14, I18 Keywords: 医垫の偏圚、時系列分析、働き方改革
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地域における医垫密床が珟職医垫の劎働䟛絊に察しお䞎える圱響は、所埗効果ず代替効果の盞察的な倧きさに䟝存する可胜性がある。本研究では、日本の囜民皆保険制床における蚺療報酬制床の䞋、医垫が地域内での医垫密床を代理倉数ずする「競争」に察しおどのように反応するかに぀いお実蚌的な怜蚌を行った。結果、地域での医垫密床により、専門分野の暙がう数を枛らしたり、キャリアを倉曎したり、あるいは、珟堎での蚺療から離れたりずいった遞択をしお、劎働力䟛絊を抑制する傟向にあるこずが瀺唆された。こうした傟向は、ずりわけ、地方での蚺療を行う内科医に顕著な傟向であった。 JELClassification Codes: J01, J22, I11 Keywords: 医垫の劎働䟛絊、所埗効果、代替効果、空間的競争、機械孊習
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本研究では、2002幎から2017幎たでの4回の調査幎ごずに玄100䞇人を察象ずした「就業構造基本調査」を甚い、介護劎働者の基本的な特城、離職理由、他職皮・他産業間の劎働移動を明らかにし、各地域における介護劎働者の適正な賃金氎準を明らかにした。 その結果、䞻に4぀の知芋が埗られた。たず、男性介護劎働者の割合は過去15幎で増加しおおり、2017幎には20に達し、OECD経枈協力開発機構Organisation for Economic Co-operation and Development加盟囜の䞭では最も高い。たた、介護劎働者の勀続幎数の䞭倮倀は5幎ごずに玄1幎ず぀䞊昇しおいる。しかし、60歳以䞊の女性介護劎働者は同期間に12倍に増加しおおり、介護劎働者の高霢化が急速に進んでいる。 第二に、男性介護劎働者の離職の䞻な理由は「䜎賃金」であり、女性の堎合は「高霢」が䞻な理由である。高霢化・退職する女性介護劎働者を代替するには、男性介護劎働者の䟛絊を促進し、離職率を䜎䞋させるための賃金匕き䞊げが必芁である。 第䞉に、介護劎働者の倚くは同䞀業皮、すなわち「医療・犏祉業」の䞭を行き来しおいる。しかし、「卞売・小売業」、「補造業」、「宿泊・飲食業」は、介護劎働者の流出先ずしお最も倚い業皮であり、介護劎働者にずっおの「競合産業」ずいえる。 最埌に、高霢化が進んでいる郜道府県ほど、医療・犏祉業埓事者比率は高いが、賃金率は䜎い。特に、高霢化が進んでいない地域の男性介護劎働者の賃金の䜎さは顕著である。 JELClassification Codes: J31, J48, J62 Keywords: 介護保険、介護劎働者、地域区分毎の単䟡、地域間賃金栌差
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人口高霢化がもたらす倧きな圱響の䞀぀が医療・介護需芁の増倧である。予想される医療介護需芁の増倧に察し、瀟䌚保障の面からは絊付ず負担のバランスをいかにずるのかが課題ずなっおいる。たた、医療や介護を䞀぀の産業ずしおみた堎合、医療介護産業は劎働集玄的な産業であり、需芁の増倧に応えられるだけの劎働力を確保できるのかが課題ずなっおいる。医療・介護需芁の増倧による瀟䌚保障負担の増加で経枈成長は萜ちるのか。それずも、需芁の増加が成長゚ンゞンずなり、そのプラスの圱響が他の産業に波及するこずで経枈成長が促進されるのか。たた、人口枛少により垌少な劎働力が医療介護産業に集䞭すれば、他産業にどのような圱響が及ぶのか。これらの疑問に答えるため、本皿では倚郚門䞖代重耇モデルMulti-sector OLG modelを構築し、これを甚いお分析した。分析の結果、医療・介護需芁の増倧は成長を鈍化させるこずが瀺された。たた、短期的にはB to C産業でプラスの効果が芋られるが、長期的には高霢化に財政再建の効果が加わっお、教育産業ず䞍動産業、B to B産業や建蚭業などが負の圱響を受けるこずが瀺された。最埌に、政府の機械的詊算では人材確保に際しお他産業ずの間で競争ずなる郚分が加味されおいないため、本研究に比べお就業者数の芋蟌みが高めに出るこずが瀺された。 JELClassification Codes: C67, C68, D58, E17, H51, H55, H68, I15, J11, J20, O41 Keywords: 倚郚門䞖代重耇モデル、医療・介護、産業構造、就業構造
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本皿では、20052009幎の厚生劎働省「䞭高幎者瞊断調査」結果を甚いお、孫の育児ず祖母の就業やメンタルヘルスずの関係を怜蚌した。同調査は、2005幎時点で50代であった人々を察象ずした党囜を察象ずする倧芏暡調査である。時点間で䞍倉の個人属性をコントロヌルした分析の結果、祖母が6歳未満の孫の育児を行うず、その就業確率は3.8パヌセントポむント䜎䞋するこずが明らかになった。就業しおいる祖母に぀いおは、6歳未満の孫の育児の週圓たり就業時間ぞの圱響は0.79時間の枛少、週圓たり就業日数ぞの圱響は0.069日の枛少にずどたり、ごくわずかであった。加えお、6歳未満の孫の育児ず粟神的な負担ずの関係は有意にはみられなかった。 JELClassification Codes: J22, J14 Keywords: 育児、祖母、就業、就業時間、劎働䟛絊、メンタルヘルス
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保育士䞍足が問題ずなっおいる。保育士の離職率を匕き䞋げるため、政府は2013幎から2019幎にかけお保育士の凊遇改善を目的ずした補助金の増額を段階的に行なっおきた。この加算は、民間保育所が察象ずなり、各保育所における保育士の平均勀続幎数に玐付けお支絊された。本研究では、東京郜保育士実態調査を甚いお、保育士の凊遇改善が劎働䟛絊に及がす圱響を怜蚌した。第䞀に、凊遇加算が実際に保育士の賃金に反映されおいるかを怜蚌したずころ、保育士の時間あたり賃金が7 䞊昇しおいるこずが明らかになった。第二に、保育士の時間あたり賃金の䞊昇が劎働䟛絊に及がした圱響を怜蚌したずころ、保育士の離職意向が5 ポむント枛少凊遇改善前の平均26から19の枛少しおいるこずが明らかになった。劎働䟛絊匟力性は2.7ず非垞に匟力的であり、凊遇加算が離職率を匕き䞋げた可胜性を瀺唆しおいる。第䞉に、保育士の離職率をさらに匕き䞋げるために、今埌賃金の匕き䞊げが必芁であるかを怜蚌した。離職意向のある保育士に぀いお、留保賃金ず垂堎賃金を比范したずころ、保育士の90で留保賃金が垂堎賃金を䞊回っおいた。この結果は、保育士の賃金をさらに匕き䞊げるこずで、保育士の劎働䟛絊を増やすこずができる可胜性を瀺唆しおいる。 JELClassification Codes: J8, J21 Keywords: 保育士、劎働䟛絊、賃金、凊遇改善
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本皿では認可保育所の保育料の倉化に察しお未就孊児のいる䞖垯がどのように行動を倉化させるのかを怜蚌した。保育料が垂町村䜏民皎の課皎額によっお䞍連続に決たっおいるこずを保育料が保育所利甚に䞎える圱響の識別に利甚する回垰䞍連続法によっお、認可保育所の保育料の増加が認可保育所の利甚や䞡芪の劎働䟛絊に䞎える圱響を掚蚈した。保育料自䜓は閟倀の前埌で䞍連続に倉化しおいるこずを確認したのちに、この保育料の倉化が保育所の利甚率や、母芪の就業率、䞡芪の劎働所埗に察しお統蚈的に有意な圱響を䞎えないこずを明らかにした。 JELClassification Codes: J13, J22, H40 Keywords: 保育需芁、保育費甚、母芪の劎働䟛絊
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経枈状況は就劎䞖代の雇甚に圱響を䞎える。就劎䞖代の䞀郚は倱業状態ずなる。私たちは将来の経枈状況を完党に予枬するこずはできない。䞍確実性は予備的貯蓄の動機をもたらす。たずえ、若幎䞖代が子どもを育おる䜙裕があるずしおも、予備的貯蓄のために子育おぞの支出をしない。予備的貯蓄を枛らす政策が子育お支出を増やすためには有効である。本皿は将来の䞍確実な所埗を䌎う出生率内生化モデルを蚭定し、壮幎期ず老幎期における䞍確実性が出生率にどのような圱響を䞎えるかを考察する。埗られた結果は次の通りである。䞍確実性のあるモデル経枈では倱業絊付の増加は出生率を匕き䞊げる。しかしこの結果は䞍確実性のないモデル経枈では埗られない結果である。䞍確実性のあるモデルでは、出生率に䞎える圱響の芳点から所埗移転政策が児童手圓ず同じ効果を持぀。さらに、本皿では高霢期における劎働所埗の䞍確実性は出生率を䜎氎準に留めるこずを明らかにした。このこずは、将来所埗の䞍確実性の枛少が出生率の増加をもたらすこずを意味しおいる。 JELClassification Codes: J14, J13, J26 Keywords: 高霢者劎働、出生率、予備的貯蓄
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日本は深刻な少子高霢化に盎面しおいる。少子高霢化は公的幎金や医療、介護ずいった瀟䌚保障関連支出を増加させるずずもに、所埗皎の担い手である劎働者数を瞮小させるこずから、財政赀字の拡倧が懞念される。本論文では、予想される劎働力䞍足に察する政策ずしお倖囜人劎働者の受け入れがマクロ経枈及び財政にどのような圱響を䞎えるかに぀いお、定量的䞖代重耇モデルを甚いお分析を行った。倖囜人劎働者は劎働力䞍足を緩和しお財政の負担を和らげる効果があるものの、倖囜人劎働者の流入数に関しお非垞に楜芳的なシナリオを仮定しおもその効果は限定的で、将来の財政に察する䞍安を拭い去るのには十分ではない。同時に、異なるスキルをもった倖囜人劎働者の受け入れが、日本人劎働者の賃金および厚生にどのような圱響を䞎えるかに぀いおも分析を行った。珟圚受け入れおいる倖囜人劎働者は䜎スキル劎働者の比率が高いため、その比率を保ったたた受入人数を増やすのであれば、高スキル劎働者の賃金ぞの圱響は小さい䞀方、囜内の䜎スキル劎働者の賃金を抌し䞋げる効果を持぀。しかし、財政負担の緩和効果のほうが倧きいこずから、高スキル劎働者のみならず䜎スキル劎働者の厚生も改善させる効果があるこずが瀺された。 JELClassification Codes: H50, H60, J11 Keywords: 人口高霢化、財政の持続可胜性、倖囜人劎働者、賃金栌差、スキルプレミアム
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日本では、高霢化ず人口枛少が進み、人々は将来に察する䞍安を抱くようになっおいる。人々の安心の持続性を高めるための方法を芋出すために、たず日本の瀟䌚保障の持続可胜性に関する基本的な事実を提瀺する。そしお、「持続可胜性」の抂念を明確にした䞊で、システムを厩壊させる可胜性があるショックに備え、ショックから回埩するためのレゞリ゚ンス匷靭性を向䞊させる方法に぀いお敎理する。そのような枠組みに基づいお、日本の瀟䌚保障の持続可胜性を高めるためには、瀟䌚保障制床の䟛絊サむドを匷化し、効率性、ゆずり、倚様性、公平性を向䞊させるこずで日本瀟䌚の匷靭化を図るこずが鍵ずなるこずを䞻匵する。その議論は、なぜ日本の医療、介護、保育などのケア・セクタヌにおいお、適切な賃金を支払い、働き方改革を掚進し、倚様性を高めるこずが、瀟䌚保障の持続可胜性を高めるために重芁なのかを理解しやすくする。そしお最埌に、瀟䌚保障の持続可胜性を長期的に高めるには、やはり将来䞖代を育成するこずが重芁であり、家族向けの公的支出を増やし、子育おをする家族を支揎・匷化するこずが重芁であるこずを瀺唆する。この章で提瀺される抂念的枠組みが、本号における議論を理解する䞊で、そしお日本の瀟䌚保障改革のあり方を考える䞊で、圹立぀こずを期埅したい。 JELClassification Codes: I18, J11, P51 Keywords: 瀟䌚保障、持続可胜性、匷靱性
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本論文では、埅機児童問題解決の制床蚭蚈を詊みる。保育士ず児童の比率に関する配眮基準など珟実に存圚する様々な制玄を取り扱うため、我々は新しい「制玄付きマッチング」のモデルを提案・考察する。芏範的に重芁ず思われる公平性を満たすマッチング公平マッチング、特に公平マッチングのうちで党おの応募者にずっお同時に最適ずなるマッチング応募者最適公平マッチングが議論の䞭心ずなる。我々の䞻芁定理では、応募者最適公平マッチングの存圚を保蚌するための、制玄に関する必芁十分条件を䞎え、特に保育園の制玄はこの条件を満たすこずを瀺す。 理論分析の結果をもずに、保育園制床の改善案を怜蚎する。具䜓的には、応募者の保育園に察する垌望順䜍や優先順䜍に関する自治䜓の行政デヌタを甚いお、保育園の制玄のもずでの応募者最適公平マッチングのパフォヌマンスを枬定する。応募者最適公平マッチングでは珟行の制床ず比べ垌望先の保育園に入れない児童が枛少し、曎に、より倚くの応募者が、より垌望順䜍の高い保育園ぞ入園できるこずがデヌタで確認された。以䞊の分析により、応募者最適公平マッチングメカニズムを導入するこずが日本の埅機児童問題解消に資するず考えられる。 JELClassification Codes: C70, D47, D61, D63 Keywords: 制玄付きマッチング、公平性、埅機児童問題、保育園
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本研究では障害のある人々が包摂される職堎の条件を考えるために、たず日米の障害者雇甚の珟状ず課題を抂芳し、「組織の利益にも぀ながりうる、公私にわたる盞互理解ず盞互信頌に基づく、障害の有無を超えた普遍䞻矩的配慮の職堎内実装ず、その公的サポヌト」が必芁であるこずを述べた。そしお事䟋怜蚎ず先行研究のサヌノェむを行い、普遍䞻矩的配慮が満たすべき条件を蚘述した抂念ずしお「高信頌性ずjust culture」「心理的安党性」「謙虚なリヌダヌシップ」「知識共有」を抜出した。次に、こうした抂念矀ず敎合的なプログラムの候補ずしお圓事者研究に着目した。曎にこれら抂念で衚される文化が組織に実装されおいる床合いを蚈枬するための日本語版ツヌルを開発した。曎にフィヌゞビリティスタディずしお䌁業向け圓事者研究導入講座を開発し提䟛した。受講生の声から、圓事者研究ぞの深い理解が実感ずずもに埗られたこずや、職堎に圓事者研究を導入するこずで「環境改善・組織倉革」「課題解決」「関係䜜り」など、䞊蚘の抂念ず敎合的な効果が期埅できるずいうコメントが埗られた。䞀方で、職堎に圓事者研究を導入しようずするず「導入前の心理的安党性を確保しにくい」「時間的・感情的䜙裕の確保が困難」「導入のモチベヌションを高めるこずが困難」「機密情報や個人情報などの保護が課題」「ファシリテヌションが難しい」ずいった障壁などが生じるこずが瀺唆された。圓事者研究を導入しおいる3぀の事䟋を怜蚎した結果からも同様の効果ず課題が芋お取れた。これらの知芋から、職堎に圓事者研究を導入するこずの効果を期埅できるずずもに、その課題が明らかになった。その課題を乗り越えるためにも、今埌は介入研究を通じた効果怜蚌が必芁であるこずが瀺唆された。 JELClassification Codes: D63, I38, J24, J28, J71, L53, M14, O15 Keywords: 障害者雇甚、高信頌性組織、心理的安党性、謙虚なリヌダヌシップ、知識共有、圓事者研究
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障害者暩利条玄は、ほが非障害者のみを察象ずしおきた䞀般制床を非障害者・障害者を察象ずした、みんなのための䞀般制床ずしお再構築するこずを求めおいる。本皿では「レラバント本質的」ず「むレラバント非本質的」ずいう2぀の抂念を察眮させるこずでこの問題を考察する。身分による差別や女性差別を犁止するために身分・ゞェンダヌを事柄の非本質ずしたように、障害を非本質的なものずするこずが障害者差別犁止では求められる。法的な差別だけでなく、慣習的な差別も解決しなくおはならない。本皿では、歎史的・構造的な差別を受けおきた集団ずしおの障害者の存圚を事柄の本質ずするアファヌマティブ・アクションの䜍眮付けも論じ、䞀般制床に障害者を組み入れるための特別制床の圹割を考察する。具䜓的な事䟋ずしお東京倧孊での圚宅就劎制床をずりあげ、障害者のための特別制床ずしお導入された圓該制床が䞀般制床に昇華されおいく過皋を远う。この昇華を通じお、瀟䌚党䜓の質もたた向䞊しおいくず結論される。 JELClassification Codes: J7, K38, Z18 Keywords: 䞀般制床ず特別制床、レラバント本質的ずむレラバント非本質的、圚宅就劎制床
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本論文の目的は、臚床怜査に基づく斜術や政策の遞択を䞍確実性䞋の意思決定問題ずしお定匏化し、ミクロ経枈孊における分析手法を揎甚するこずで、より適切な斜術や政策の遞択に資する点にある。特に乳がん怜蚺ずCOVID-19新型コロナりむルスのPCR怜査を取り䞊げるが、䞡者には倧きな違いがある。それは、COVID-19のPCR怜査にはただ十分なデヌタの蓄積がないので、感染眹患確率が䞍明な点である。そこで、本論文ではこの状況を、事前確率が䞀意に定められない環境での曖昧さ回避的䞻䜓の意思決定問題ずしお分析する。既存の文献では、曖昧さ回避的な意思決定䞻䜓が怜査結果などに基づいお確率評䟡をアップデヌトする方法が耇数提唱されおいるが、本論文では、動孊的䞀貫性ず垰結䞻矩ずいう2぀の条件を満足するアップデヌト方法をずり䞊げ、合理的な意思決定ぞの道筋を明らかにする。特に、PCR怜査に関しお劥圓ず思われる感床ず特異床を仮定するず、動孊的䞀貫性を課すこずで、想定すべき停陜性の事前確率の範囲の䞊限倀が、そうでない堎合の6倍超倧きいこずを瀺す。 JELClassification Codes: D81, I12, I18 Keywords: 意思決定、停陜性、曖昧さ
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日本囜内の䞀人圓たり医療費には地域差が芋られ、郜道府県単䜍では高い県ず䜎い県で3割皋床の差がある。本皿は、この地域差を生じさせおいる芁因に぀いお、蚺療者・受療者の行動をミクロ的に根拠付けるデヌタ医科レセプトデヌタず党囜消費実態調査の個祚デヌタを甚いたパネルデヌタ分析によっお、需芁偎芁因、䟛絊偎芁因、その他芁因に分解しお、それぞれの圱響の皋床を析出するこずを目的ずする。分析の結果、3぀の芁因は、いずれかが特に匷いずは蚀えないこず、たたその他芁因に含たれる数量的に枬定困難だが固定効果モデルによっおコントロヌルされる地域の固有差の圱響が小さくないこず、この地域の固有差は䟛絊偎芁因ず盞関性が高いこずが導出された。たた、近幎利甚可胜ずなった豊富な個祚デヌタは、医療サヌビス垂堎における蚺療者ず受療者の間に存圚する情報の非察称性に起因する非効率性を緩和するこずに利掻甚できる可胜性が瀺唆された。 JELClassification Codes: I11, I12, D8 Keywords: 医療費、情報の非察称性、Two-partモデル
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我々は、いく぀かの論文にお制玄付きマッチング問題の理論を構築しおきた。本論文の目的は、2぀ある。第䞀に、本皿は、これらの論文に含たれる結果を敎理し盎す。第二に、その敎理された結果に基づき、我々は日本の研修医マッチングに関する政策提蚀を行う。 制玄付きマッチングずは、䜕かしらの倖生的な制玄が課されたマッチング問題を指す。代衚的な䟋ずしおは、日本における研修医マッチングがある。ここでは、各47郜道府県それぞれに、マッチできる研修医数の䞊限が蚭定された。我々の理論はこの制玄を守りながら効率的に医垫を病院にマッチさせるメカニズムをデザむンした。我々は、この䟋ぞの応甚にずどたらず䞀般的に応甚できる制玄付きマッチングの理論を構築した。 JELClassification Codes: C70, D47, D61, D63 Keywords: 制玄付きマッチング、研修医マッチング、効率性、マヌケットデザむン
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政府が高等教育に投じるこずができる資源が限られおいるなか、その資源を有効か぀公平に配分するためには、どのような方法で入孊者を遞抜すべきなのか。本研究では、明治埌期から昭和初期にかけおの官立高等教育旧制高等孊校・垝囜倧孊の入孊者遞抜制床の倉遷に光を圓お、どのような目的で遞抜制床が蚭蚈され、実装されたのかを、経枈孊のマッチング理論の芳点から考察する。さらに、圓時および珟圚に利甚可胜なデヌタを甚いお、床重なる制床改革の際に争われた論点は実蚌的にみおどの皋床正しかったのか、圓時の政策蚭蚈はどの皋床゚ビデンスに基づいお立案されおいたのかを怜蚌する。 JELClassification Codes: D02, I23, I28, N35, O15 Keywords: 孊校遞択、胜力䞻矩、マッチング・アルゎリズム、教育栌差、階局移動
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本研究では、医孊制床を、医孊者のあいだで「共通に了解されおいる知識を確定させるゲヌムのプレむの仕方慣習」ず定矩し、医孊制床が医孊研究に䞎える圱響を考察した。 具䜓的には、明治時代、囜倖で陞海軍が脚気惚害に盎面した埌、脚気察策の方針を決めおいた医務局長が次にどのような方針をもった人物を埌継者ずしお遞んだのかを分析する。圓時、脚気察策の方針ずしおは倧きく分けお2぀あり、通説ずしお癜米を食べおも構わないずする説癜米説ず脚気予防ずしお癜米の代わりに麊飯を䞎えるべきずいう説麊飯説が存圚しおいた。この癜米説ず麊飯説をめぐっお、陞軍ず海軍で異なる医務局長人事がずられたこずにより脚気察策の方針および結果が倧きく異なるに至った。陞海軍の医務局長人事を歎史的・理論的に分析するこずで、医孊制床が難病に関する知識の集玄に䞎える圱響を考察するこずが本分析の目的である。 以䞊の分析に圓たり、ゲヌム理論を甚いる。具䜓的には継承ゲヌムず呌ばれるゲヌムを構築する。プレむダヌは先任者1ず埌継候補者2名からなり、先任者が候補者の䞭から埌継者を遞ぶ。明治期日本の陞軍および海軍では医務局の局長は埌継者を実質的に指名するこずができ、継承ゲヌムがプレむされおいた。このようなゲヌムのもずで、海軍では優秀な埌継候補者が自身の情報に基づいた斜策を打ち出す均衡がプレむされた。情報が正しく利甚されるためには定説を芆すには、䞊叞を䞊回っお郚䞋が優秀でなければならないこずが瀺された。䞀方、陞軍では先任者に同調する均衡がプレむされた。同調均衡においおは候補者の情報は倱われる。日枅戊争のみならず日露戊争においおも麊飯を積極的に支絊できなかった陞軍の脚気惚害は同調均衡がもたらしたものずみるこずができる。しかし、いずれの均衡でも情報の集玄は起きない。継承ゲヌムにおいおは、1人の情報しか甚いられず、貎重な情報を無駄にするこずずなる。このように、医孊制床が難病に関する知識の集玄を劚げるこずがありうるこずを瀺した。 JELClassification Codes: D80, I18, N30 Keywords: 日本陞海軍の脚気察策、継承ゲヌム、医孊制床ず難病
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本研究の目的は、公的移転ず私的移転の芳点から日本の再分配機胜に着目しお怜蚎し、包摂、ひいおは包摂的成長に぀いお考察するこずにある。日本の再分配機胜は医療、幎金に傟倒する瀟䌚保障制床を背景に、高霢局に倧きく偏るこずはすでに指摘されおいるずころである。たた、日本的犏祉瀟䌚ず評される瀟䌚保障制床にあっお、家族による第䞀矩的生掻保障機胜の倧きさが指摘される。そこで、本皿では、幎霢差のみならず、䞖垯構造やコヌホヌト差に着目しお、再分配機胜の実態を怜蚎する。本分析で甚いたデヌタは厚生劎働省が実斜する囜民生掻基瀎調査である。ゞニ係数や盞察的貧困率の算出にあたっおは、総所埗から瀟䌚的移転を陀く圓初所埗ず、圓初所埗に瀟䌚的移転を加えお瀟䌚的拠出金を差し匕いた可凊分所埗に぀いお、䞖垯人員を平方根で陀した等䟡倀を甚いる。 本研究の䞻なポむントは3぀ある。第1に、日本の再分配効果はラむフステヌゞの違い具䜓的には幎霢局の違いによっお倧きく芏定され、個々人が所属する䞖垯構造や氷河期䞖代ず呌ばれる特定コヌホヌトの劎働垂堎における䞍利さは再分配機胜の芳点から十分に考慮されおいるわけではない。第2に、急激な人口高霢化は高霢䞖垯䞻の女性化を生み、女性䞖垯䞻比率の高さは高い貧困率ず密接に関係しおいる。女性が䞖垯䞻ずなるずいうこずが瀟䌚保障制床ずしお十分想定されおおらず、その想定倖の状況が高い貧困率ず結び぀き経枈的制裁を受けおいる。事実、母子家庭や高霢女性の䞀人暮らしの高い貧困率ぞの察応が再分配の芳点から十分察応されおいるずは蚀い難い。最埌に、私的移転に぀いおは、芪や子が経枈的に困窮しおいる状況は䞖代を超えお私的に支揎するずいう構図は確認されなかった。むしろ、芪から子ぞの教育を通した人的資本投資が確認され、芪から子ぞの盞察的なリスク回避機胜が提䟛されおいる状況が仕送りを通しお垣間芋られた。 以䞊、圓初所埗ず再分配所埗に着目した再分配の状況から芋る限り、幎霢のみならず、䞖垯構造やコヌホヌト栌差、さらにはゞェンダヌ栌差を考慮したより包摂的な察応の怜蚎が求められる。1時点的な富める者から貧しい者ぞの再分配ずいう構図を超えお、教育や就劎ずいった機䌚の平等ずいう芳点から再分配機胜をより発展的に包摂の抂念を捉えるこずが重芁である。 JELClassification Codes: D22, D25, D81 Keywords: 高霢化、䞖垯倉動、再分配効果、ゞェンダヌ栌差
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「自助・共助・公助」ずいう蚀葉は、瀟䌚保障や防灜など瀟䌚的なリスクの負担が問題ずなる堎面で登堎する。本皿では、日本の瀟䌚保障においおこの蚀葉がどのように解釈されおきたかを振り返った埌、付随しお揎甚される「補完性原理」に぀いお怜蚎する。この怜蚎を通じお、「原則ずしお自助、自助では解決できないずきは共助、そしお共助でも解決できないずきにはじめお公助」ず考える必然性は乏しいこずを䞻匵する。次に、「互助」たたは「共助」の担い手に぀いお、いく぀かの調査結果を䜿いながら考察する。そこでは、「自助・共助・公助」論で正面から取り䞊げられおいなかった垂堎が新たな「互助」や「共助」の担い手になりうる、ずいうこずを瀺す。その堎合、垂堎を「自助・互助・共助・公助」の階局構造に統合するこずなく、冗長性をもたせた制床蚭蚈を行うこずが重芁である旚もあわせお指摘する。 JELClassification Codes: I30, K30, P46 Keywords: 補完性原理、法制床、垂堎、互助、冗長性
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日本の障害者雇甚政策は、障害者を「劎働垂堎ぞず包摂」するこずに比重を眮いおきた。そのなかで、2013幎の障害者雇甚促進法の改正では、差別犁止抂念が導入され、「劎働垂堎における包摂」にも倉化が生じるこずが期埅された。しかしながら、改正法の斜行埌も、障害者雇甚における職務分離は維持ないし促進されおいるため、本皿は、「劎働垂堎における包摂」をテヌマに問題分析を行なった。本皿では、「瀟䌚的包摂」抂念の利点を匕甚し、劎働垂堎における「包摂排陀」を、「統合分離」ず「参加疎倖」に分解し、垂堎内の「包摂性」が最も高い状態を「統合&参加」ずする枠組みを甚いおいる。雇甚分野では教育分野のように「統合」か「分離」かが倧きな問題関心ずならず、「統合&疎倖」よりも「分離&参加」が優勢であるこず、その原因は、雇甚率制床を䞭心ずする法制床、孊校教育における職業教育にあるこずを明らかにした。たた、障害者に関しおは非障害者ずの空間的、制床的近接性「統合」を進めるず、劎働によっお埗られる達成の皋床「参加」が䞋がるずいうゞレンマ状況が、「統合&参加」を困難にしおいるずの想定を起点ずしお分析を進めたずころ、むしろ、既存の仕組みを前提にした議論が「統合&疎倖」ず「分離&参加」の根底にあり、珟圚の劎働政策である「働き方改革」や「合理的配慮」が、倉化をもたらす可胜性に぀いお本皿では論じおいる。 JELClassification Codes: J70, J71, J78, M14 Keywords: 障害者雇甚、劎働垂堎における包摂
https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/bun/bun203/bun203.html
本皿の目的は、新型コロナパンデミックが日本の家蚈に䞎えた圱響に぀いお、就業、消費、家庭の芳点から、これたでの経枈孊分野の実蚌分析が瀺した事実を展望するこずによっお、珟時点での敎理ず評䟡を行うこずである。就業に関する研究では、劎働機䌚や収入に察するパンデミックからの負の圱響が、察人サヌビスや人流を䌎う業皮、テレワヌク等柔軟な働き方の困難な職皮に倧きく偏っお発生したこずが、倚様なデヌタず手法で瀺された。これらの郚門には非正芏雇甚が倚く、さらに、非正芏雇甚に若幎局や女性が倚いため、それらの階局に劎働機䌚ず収入の損倱を生じさせた。家蚈消費に関する研究では、収入枛少および感染危惧ずいう2぀の芁因による消費支出の枛少が分析されおいる。前者は、定額絊付金の効果の分析を通じ、流動性制玄䞋にある家蚈の消費がより収入の圱響を受けやすいこずを瀺した。埌者は、高霢者局で、感染危惧から倖出を䌎う消費機䌚が枛少したこずを指摘した。家庭に関する研究は、テレワヌクや育児負担に関するものが倚かった。パンデミック䞋で普及したテレワヌクは、恵たれた条件の劎働者が埓事する傟向があるため、働き方栌差を拡倧させうるが、家庭ぞのコミットメントを高め、家族のりェルビヌむングを改善する効果もある。孊校閉鎖等による家事・育児負担の増倧は、特に女性の雇甚やメンタルヘルスに負の圱響を及がした。 JELClassification Codes: D10, J21, J81 Keywords: パンデミック、家蚈行動、栌差
https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/bun/bun204/bun204.html

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