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【目的】ワルファリン(WF)は血栓予防を目的に汎用されるが、その効果は個人差が大きく、また併用薬との相互作用により投与量設定に苦慮する場合が多い。 我々はWFの適正使用を目的に血中濃度測定を行い、相互作用に関する情報の収集を行っている。 本発表ではWFとベンズブロマロン、アミオダロンの併用例について抗凝固能をモニターし、同時にWF血中濃度測定を行い、それに基づいた相互作用の発現機序について考察した。 【方法】WF血中濃度は高速液体クロマトグラフィーにて測定を行い、採血時間は朝服用前とした。 【症例】《症例1》70歳女性。 脳梗塞、左房内血栓に対してWF投与開始となった。 後遺症としての痙攣発作に対してカルバマゼピン、またWF増量調節中に尿酸値が高めであったことからベンズブロマロンも併用となった。 《症例2》63歳男性。 肥大型心筋症、心房細動に対してWF投与が開始となった。 治療経過中に非持続性心室頻拍が認められたためアミオダロンが併用となった。 【結果・考察】いずれの症例においても、併用により血中濃度および抗凝固能に著明な変動が認められた。 症例1では特にS体WFの血中濃度変動が著明であるのに対し、症例2では立体選択的な挙動は認められず、相互作用の発現機序がなると考えられた。 前者の相互作用はチトクロムP450(CYP)2C9を介した相互作用であり、多型との関連が注目される。 日常臨床ではWFを介した相互作用の頻度は高いと予想され、血中濃度測定と抗凝固能の変動に留意する必要がある。 |