num
stringlengths
7
85
title
stringlengths
2
154
id
stringlengths
15
15
date
stringlengths
8
8
body
stringlengths
20
3.14M
明治三十二年勅令第二百七十七号
明治三十二年勅令第二百七十七号(行旅病人死亡人等ノ引取及費用弁償ニ関スル件)
132IO0000000277
20150801
第一条 行旅病人及行旅死亡人取扱法第五条及第十三条ノ公共団体ハ行旅病人行旅死亡人若ハ其ノ同伴者ノ救護又ハ取扱ヲ為シタル地ノ道府県トス 前項ノ規定ニ拘ラズ行旅病人行旅死亡人若ハ其ノ同伴者ノ救護又ハ取扱ヲ為シタル地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項ノ指定都市ハ地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百七十四条の三十ノ定ムル所ニ依リ行旅病人及行旅死亡人取扱法第五条及第十三条ノ公共団体トス 第一項ノ規定ニ拘ラズ行旅病人行旅死亡人若ハ其ノ同伴者ノ救護又ハ取扱ヲ為シタル地方自治法第二百五十二条の二十二第一項ノ中核市ハ地方自治法施行令第百七十四条の四十九の六ノ定ムル所ニ依リ行旅病人及行旅死亡人取扱法第五条及第十三条ノ公共団体トス 附 則 第二条 削除 第三条 本令ハ明治三十二年七月一日ヨリ施行ス 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 この勅令は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。 附 則 1 この政令は、地方自治法の一部を改正する法律(昭和三十一年法律第百四十七号)及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律(昭和三十一年法律第百四十八号)の施行の日(昭和三十一年九月一日)から施行する。 2 この政令による改正後のそれぞれの政令及び勅令の規定による都道府県又は都道府県知事その他の都道府県の機関が処理し、又は管理し、及び執行している事務の地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)又は指定都市の市長その他の機関への引継に関し必要な経過措置は、それぞれ地方自治法施行令の一部を改正する政令(昭和三十一年政令第二百五十三号)附則第三項から第十項までに定めるところによる。 附 則 この政令は、地方自治法の一部を改正する法律中第二編第十二章の改正規定並びに地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律第一章の規定及び附則第二項の規定の施行の日(平成七年四月一日)から施行する。
明治三十二年勅令
日本国及希臘国間修好通商航海条約
132IO0000000001
20170401
日本国皇帝陛下及希臘国皇帝陛下ハ両国間並ニ其ノ臣民間ノ友好通商ノ関係ヲ永久堅固ノ基礎ニ置クコトヲ欲シ修好通商航海条約ヲ締結スルコトニ決シ之カ為ニ日本国皇帝陛下ハ特命全権公使従四位勲三等牧野伸顕ヲ希臘国皇帝陛下ハ外務大臣セイウヨール勲章ノ「ナイト」アトス、ローマノスヲ其ノ全権委員ニ任命セリ因テ各全権委員ハ互ニ其ノ委任状ヲ示シ其ノ良好妥当ナルヲ認メ以テ左ノ諸条ヲ協議決定セリ 第一条 日本帝国ト希臘王国トノ間並ニ両国臣民ノ間ニ永久堅固ノ和親アルヘシ 第二条 日本国皇帝陛下ハ適宜ニ其ノ外交官ヲ希臘国ニ駐留セシムルコトヲ得希臘国皇帝陛下モ亦適宜ニ其ノ外交官ヲ日本国ニ駐留セシムルコトヲ得ヘシ又両締盟国ノ一方ハ他ノ一方ノ領土及所属地ニ於テ最恵国領事官ノ駐在ヲ許シタル各港、各地ニ総領事、領事、副領事若ハ代弁領事ヲ駐在セシムルノ権利ヲ有スヘシ但シ総領事、領事、副領事若ハ代弁領事ハ其ノ職務ヲ執行スルニ先チ常式ニ従ヒ其ノ任国政府ノ認可ヲ経ヘシ 両締盟国ノ一方ノ外交官及領事官ハ本条約ノ規定ニ従ヒ他ノ一方ノ領土及所属地ニ於テ最恵国ノ同格ノ外交官及領事官ニ現ニ許与シ或ハ許与セラルヘキ一切ノ権利、特典、特権及免除ヲ享有スヘシ 第三条 両締盟国ノ領土及所属地ノ間ニハ相互ニ通商及航海ノ自由アルヘシ両締盟国ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ領土及所属地内ノ各地、諸港及諸河ニシテ最恵国臣民或ハ人民ノ到来ヲ許ス場所ヘハ其ノ船舶及貨物ヲ以テ自由ニ且安全ニ到来スルノ権利ヲ有スヘシ又該臣民ハ最恵国臣民或ハ人民ノ在留、居住ヲ許ス各地、諸港ニ在留、居住シ且其ノ地ニ於テ家屋、倉庫ヲ借受ケ、使用シ、総テ正業ニ属スル各種ノ生産物、製造品及商品ノ卸売若ハ小売営業ニ従事スルコトヲ得ヘシ 諸種ノ財産ヲ得有、使用及譲与スルコトニ関シ両締盟国ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ領土及所属地ニ於テ最恵国臣民或ハ人民ト同一ノ取扱ヲ享クヘシ 第四条 両締盟国ハ其ノ一方ノ通商及航海ヲ他ノ一方ニ於テ総テ最恵国ノ基礎ニ置クノ主意ヲ有スルニ因リ旅行、居住、通商及航海ニ関スル一切ノ事項ニ関シ其ノ一方ヨリ別国ノ政府、船舶、臣民或ハ人民ニ現ニ許与シ或ハ将来許与スヘキ一切ノ特典、殊遇若ハ免除ハ他ノ一方ノ政府、船舶、臣民或ハ人民ニモ即時ニ且条件ヲ附セスシテ之ヲ許与スヘキコトヲ両締盟国ニ於テ約定ス 第五条 希臘国ノ生産或ハ製造ニ係ル物品ヲ日本国ニ輸入シ又日本国ノ生産或ハ製造ニ係ル物品ヲ希臘国ニ輸入スルニモ総テ別国ノ生産或ハ製造ニ係ル同種ノ物品ニシテ同様ノ目的ヲ以テ輸入スルモノニ対シ課スル処ノ税ニ異ナルカ或ハ之ヨリ多額ノ税ヲ課セラルルコトナカルヘシ 両締盟国ノ一方ノ領土若ハ所属地ヨリ他ノ一方ノ領土若ハ所属地ヘ輸出スル一切ノ物品ヘハ別国ヘ輸出スル同種物品ニ対シ賦課シ若ハ賦課スヘキ所ニ異ナルカ域ハ之ヨリ多額ノ税金又ハ雑費ヲ賦課スルコトナカルヘシ又両締盟国ノ一方ノ領土若ハ所属地ヘ別国ノ生産或ハ製造ニ係ル同種ノ物品ノ輸入ヲ禁止スルニ非サレハ他ノ一方ノ領土若ハ所属地ノ生産若ハ製造ニ係ル物品ヲ輸入スルコトヲ禁止スルコトナカルヘシ 又両締盟国ノ一方ノ領土若ハ所属地ニ於テ総テ別国ニ向ヒ同種ノ物品ノ輸出ヲ禁止スルニ非サレハ他ノ一方ノ領土若ハ所属地ヘ物品ヲ輸出スルコトヲモ禁止セサルヘシ 第六条 内地通過、倉入、奨励金、便益及税金払戻ニ関スル一切ノ事項ニ就テハ両締盟国ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ領土及所属地ニ在リテ総テ最恵国ノ取扱ヲ享クヘシ 第七条 政府、官吏、公吏、一私人、会社若ハ何等施設ノ名義ヲ以テスルカ又ハ其ノ利益ノ為ニ課セラルル所ノ噸税、灯台税、港税、水先案内料、検疫費、難船救助料其ノ他之ト同種ノ税金及雑費ハ其ノ性質又ハ名義ノ如何ニ拘ハラス希臘国ノ船舶ハ日本国諸港ニ於テ又日本国ノ船舶ハ希臘国諸港ニ於テ同様ノ場合ニ同一ノ港ニ於テ最恵国船舶ニ賦課シ若ハ将来賦課スヘキモノニ異ナルカ或ハ之ヨリ多額ノモノヲ課セラルルコトナカルヘシ 第八条 両締盟国ノ沿海貿易ハ本条約ニ於テ規定スルノ限ニ在ラス各其ノ法律、勅令及規則ヲ以テ之ヲ規定スヘキモノトス 第九条 本条約ニ於テハ日本国ノ国法ニ従ヒ日本国船舶ト看做サル可キ一切ノ船舶ハ之ヲ日本国船舶ト見認メ又希臘国ノ国法ニ従ヒ希臘国船舶ト看做サルヘキ一切ノ船舶ハ之ヲ希臘国船舶ト見認ムヘシ 第十条 両締盟国ノ一方ノ軍艦或ハ商船ニシテ暴風又ハ其ノ他ノ危難ニ遭遇シ避難ノ為メ已ムヲ得ス他ノ一方ノ海港ニ進入スルモノハ内国船舶ノ払フヘキ税金ノ外何等ノ税金ヲ払フコトナク其ノ港ニ於テ更ニ艤装ヲ為シ一切ノ需要品ヲ求メ再ヒ航行スルヲ得ヘシ但シ商船ノ船長ニシテ其ノ費用ヲ支弁スル為メ其ノ積荷ノ一部ヲ売却スルヲ要スル場合ニハ該船長ハ其ノ寄港地ノ規則及税目ヲ遵守スヘキモノトス 両締盟国ノ一方ノ軍艦或ハ商船ニシテ他ノ一方ノ沿岸ニ於テ浅瀬ニ乗上ケ或ハ難破シタルトキハ右難破若ハ乗上ケタル船舶並ニ其ノ器具及其ノ他一切ノ附属品及該船舶ヨリ救上ケタル貨物並ニ商品及右等ノ諸物件ニシテ海中ニ投棄セラレタルモノ又ハ之ヲ売却シタルトキハ其ノ収得金並ニ該遭難船内ニ発見セラレタル一切ノ書類ハ右船舶ノ持主或ハ其ノ代理人ヨリ要求スルトキハ之ニ引渡スヘシ右持主或ハ代理人ノ現場ニ在ラサルトキハ内国法律ニ定メタル期限内ニ当該総領事、領事、副領事或ハ代弁領事ヨリ請求アレハ之ヲ引渡スヘシ而シテ右領事官、持主或ハ代理人ハ内国船舶難破ノ場合ニ於テ払フヘキ所ノ物品保存費並ニ難破救助費及其ノ他ノ費用ノミヲ払フヘキモノトス 難破船ヨリ救上ケタル貨物及商品ハ消費ノ為ニ通関手続ヲ為スモノニ非サレハ一切ノ関税ヲ免除スヘシ但シ消費ノ為ニ之ヲ売捌ク場合ニハ普通ノ関税ヲ納ムヘキモノトス 両締盟国ノ一方ノ臣民ニ属スル船舶ニシテ他ノ一方ノ版図内ニ於テ浅瀬ニ乗上ケ或ハ難破シタルトキ其ノ持主、船長若ハ持主代理人不在ノ場合ニハ当該総領事、領事、副領事若ハ代弁領事ハ其ノ自国臣民ニ必要ノ輔助ヲ与フル為メ職権上ノ助力ヲ為スヲ許サルヘキモノトス此ノ規定ハ持主、船長若ハ他ノ代理人現ニ其ノ場ニ在ルトキト雖モ右様ノ輔助ヲ与フルヲ請求スル場合ニハ亦適用スヘキモノトス 第十一条 日本国若ハ其ノ領海ニ到来スル希臘国臣民及船舶ハ其ノ日本国若ハ其ノ領海ニ在ル間ハ日本国法律及日本国ノ裁判管轄権ニ服従スヘシ又之ト均シク希臘国若ハ其ノ領海ニ到来スル日本国臣民及船舶ハ希臘国法律及其ノ裁判管轄権ニ服従スヘシ 第十二条 両締盟国ノ一方ノ臣民ハ相互ニ他ノ一方ノ領土及所属地ニ於テ其ノ身体及財産ニ対シ完全ナル保護ヲ享受シ、其ノ権利ヲ執行シ及防護セムカ為メ自由ニ裁判所ニ訴出ルコトヲ得ヘク又該裁判所ニ於テ内国臣民ト同様ニ弁護人及代理人ヲ使用スルノ自由ヲ有スヘシ 該臣民ハ良心ニ関シ完全ナル自由及現行法律、勅令及規則ニ従テ公私ノ礼拝ヲ行フノ権利並ニ其ノ宗教上ノ慣習ニ従ヒ埋葬ノ為メ設置保存セラルル所ノ適当便宜ノ地ニ自国人ヲ埋葬スルノ権利ヲ享有スヘシ 第十三条 兵員宿泊ノ義務、陸海軍ノ強迫兵役、軍事上ノ賦歛若ハ強募公債ニ関シテハ両締盟国ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ領土及所属地ニ於テ最恵国ノ臣民或ハ人民ト同様ノ特典、免除及特権ヲ享有スヘシ 第十四条 両締盟国ノ一方ノ臣民カ他ノ一方ノ領土及所属地ニ於テ住居若ハ商業ノ為ニ供スル家宅、倉庫、店舗及之ニ属スル総テノ附属構造物ハ侵スヘカラス 右家宅等ヘハ内国臣民ニ対シ法律、勅令及規則ヲ以テ規定セル条件及方式ニ拠ルノ外一切之ニ侵入捜索シ又ハ帳簿、書類或ハ簿記帳ヲ検査点閲スルコトナカルヘシ 第十五条 本条約ハ批准交換後直チニ実施セラルヘシ而シテ其ノ実施ノ日ヨリ十二箇年間効力ヲ有スルモノトス 両締盟国ノ一方ハ本条約実施ノ日ヨリ十一箇年ヲ経過シタル後ハ何時タリトモ本条約ヲ終了セムト欲スル旨ヲ他ノ一方ヘ通知スルノ権利ヲ有スヘシ而シテ此ノ通知ヲ為シタル後十二箇月ヲ経過シタルトキハ本条約ハ全ク消滅ニ帰スヘキモノトス 第十六条 本条約ハ日本文、希臘文及英吉利文各二通ニ調印スヘシ而シテ若シ日本文ト希臘文ト齟齬スル所アリタル場合ニハ英吉利文ニ依テ之ヲ決シ両国政府ニ於テ之ニ遵依スヘキモノトス 第十七条 本条約ハ両締盟国ニ於テ之ヲ批准シ其ノ批准ハ可成速ニ羅馬ニ於テ交換スヘシ 右証拠トシテ双方ノ全権委員ハ之ニ記名調印スルモノナリ 明治三十二年六月一日即千八百九十九年五月二十日雅典ニ於テ六通ヲ作ル 牧野伸顕印 ア、ローマノス印
明治三十二年法律第四十号
明治三十二年法律第四十号(失火ノ責任ニ関スル法律)
132AC1000000040
20150801
民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
明治三十二年法律第百一号
明治三十二年法律第百一号(国債ヲ外国ニ於テ募集スル場合ニ関スル法律)
132AC0000000101
20150801
明治二十五年法律第四号鉄道敷設法明治二十九年法律第五十九号事業公債条例明治二十九年法律第九十三号北海道鉄道敷設法及明治三十二年法律第七十五号台湾事業公債法ニ拠ル公債ヲ外国ニ於テ募集スル場合ニハ外国貨幣ヲ以テ証書ノ金額ヲ記載シ其ノ証書ノ種類、元金ノ据置年限、募集、償還、利子ノ計算及仕払ニ関スル方法其ノ他必要ナル手続ハ命令ヲ以テ之ヲ定ムルコトヲ得但シ償還期限ハ公債募集ノ年ヨリ起算シ五十五年ヲ超ユルコトヲ得ス
明治三十二年法律第九十五号
水難救護法
132AC0000000095
20220617
第一章 遭難船舶 第一条 遭難船舶救護ノ事務ハ最初ニ事件ヲ認知シタル市町村長之ヲ行フ 第二条 遭難船舶アルコトヲ発見シタル者ハ遅滞ナク最近地ノ市町村長又ハ警察官吏ニ報告スヘシ 警察官吏ニ於テ報告ニ接シタルトキハ市町村長ニ通知スヘシ 第三条 遭難船舶アルコトヲ認知シタルトキハ市町村長ハ直ニ現場ニ臨ミ救護ニ必要ナル処分ヲ為スヘシ 第四条 警察官吏ハ救護ノ事務ニ関シ市町村長ヲ助ケ市町村長現場ニ在ラサルトキハ之ニ代リ其ノ職務ヲ執行スヘシ 第五条 救護ハ船長ノ意ニ反シテ之ヲ為スコトヲ得ス 前項ノ規定ハ市町村長ニ於テ船長ノ人命ヲ保護スル手段ヲ不充分ナリト認メ又ハ船長ニ悪意アリト認メタル場合ニハ之ヲ適用セス 第六条 市町村長ハ救護ノ為人ヲ招集シ船舶車馬其ノ他ノ物件ヲ徴用シ又ハ他人ノ所有地ヲ使用スルコトヲ得 前項ノ規定ニ依リ招集セラレタル者ハ市町村長ノ指揮ニ従ヒ救護ニ従事スヘシ 第七条 市町村長ハ救護ニ際シ必要ナラスト認ムル者、妨害ヲ為シタル者又ハ不正ノ行為ヲ為シタル者ヲ退去セシムルコトヲ得 市町村長ハ救護ニ際シ暴行ヲ為シタル者ノ身体ヲ拘束スルコトヲ得 市町村長前項ノ処分ヲ為スニ当リ助力ヲ命セラレタル者ハ之ヲ拒ムコトヲ得ス 第八条 市町村長ハ救護ニ際シ遭難物件ヲ隠匿シタル者アリト認ムルトキハ其ノ物件ヲ捜索シ又ハ之ヲ差押フルコトヲ得 第九条 市町村長ハ遭難船舶其ノ他救上ケタル物件及前条ノ規定ニ依リ差押ヘタル物件ヲ保管スヘシ 前項ノ物件中ニ郵便物又ハ民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項ニ規定スル信書便物アルトキハ市町村長ハ遅滞ナク最寄ノ日本郵便株式会社ノ事業所(郵便ノ業務ヲ行フモノニ限ル)又ハ同条第六項ニ規定スル一般信書便事業者若ハ同条第九項ニ規定スル特定信書便事業者ノ事業所ニ引渡スヘシ 第十条 船長ハ遭難後遅滞ナク船難報告書ヲ作リ市町村長ニ差出スヘシ 但シ船舶国籍証書ノ交付ヲ申請スルコトヲ要セサル船舶又ハ湖川港湾ノミヲ限リ航行スル船舶ノ遭難ニ付テハ此ノ限ニアラス 市町村長ハ報告書ノ事実ヲ審査シ相当ト認ムルトキハ船長ノ請求ニ依リ認証ヲ与フヘシ 市町村長ハ報告書ノ事実ヲ審査スル為船内書類ノ提出ヲ命シ又ハ船員、旅客其ノ他船中ニ在リタル者ヲ呼出シ訊問ヲ為スコトヲ得 第十一条 市町村長ハ救上ケタル物件左ニ掲クル事項ノ一ニ該当スト認メタルトキハ之ヲ公売シ其ノ代金ヲ保管スヘシ 一 物件久ニ耐ヘ難キコト又ハ著シク其ノ価格ヲ減スル虞アルコト 二 爆発物、容易ニ燃焼スヘキ物又ハ其ノ他ノ物件ニシテ保管上危険ノ虞アルコト 三 保管ノ費用其ノ物件ノ価格ニ超過シ又ハ其ノ価格ニ比シ不相当ナルコト 前項ノ規定ニ依リ公売ヲ為サントスル場合ニ於テ船長其ノ地ニ在ルトキハ市町村長ハ期間ヲ定メ其ノ期間内ニ市町村長ノ相当ト認ムル担保ヲ供シテ物件ノ引渡ヲ請求セサルトキハ公売ニ付スヘキ旨ヲ船長ニ告知スヘシ 遭難船舶ノ所在地船籍港ナルトキハ前項ノ告知ハ船舶所有者ニ之ヲ為スヘシ 船長又ハ船舶所有者ニ於テ第二項ノ規定ニ依リ物件ノ引渡ヲ請求シタルトキハ公売ヲ為スコトヲ得ス 第十二条 救護ニ関係シタル者ハ市町村長ヨリ救護費用ノ支給ヲ受クルコトヲ得 前項ノ規定ハ左ニ掲クル者ニハ之ヲ適用セス 一 救護セラレタル船舶ノ所有者又ハ其ノ船舶ノ船員 二 故意、懈怠又ハ過失ニ因リ遭難ヲ惹起シタル者 三 第五条ノ規定ニ違反シテ救護シタル者 四 救護ニ際シ妨害ヲ為シ又ハ不正ノ行為ヲ為シタル者 五 遭難物件ヲ持去リ又ハ其ノ引渡ヲ拒ミタル者 第十三条 左ニ掲クルモノヲ以テ救護費用トス 一 救護ニ関係シタル者ノ労務ノ報酬 二 第六条ノ規定ニ依ル土地ノ使用又ハ物件ノ徴用ニ対スル補償 三 救上ケタル物件ノ運搬、保管又ハ公売ニ要シタル費用 第十四条 救護費用ノ支給ヲ受ケントスル者ハ市町村長ノ指定スル期間内ニ其ノ金額ヲ申立ツヘシ 前項ノ手続ヲ為ササル者ハ救護費用ノ支給ヲ受クルコトヲ得ス 第十五条 救護費用ノ金額ハ命令ノ規定ニ依リ市町村長之ヲ定ム 市町村長ハ救護費用ノ金額ヲ船長ニ告知シ期間ヲ定メテ之ヲ納付セシムヘシ 遭難船舶ノ所在地船籍港ナルトキ又ハ船長在ラサルトキハ前項ノ告知ハ船舶所有者ニ之ヲ為スヘシ 第十六条 船長又ハ船舶所有者ハ救護費用ヲ納付シテ市町村長ノ保管ニ係ル金銭其ノ他ノ物件ノ引渡ヲ受クヘシ 船長又ハ船舶所有者ニ於テ市町村長ノ相当ト認ムル担保ヲ供スルトキハ前項ノ金銭其ノ他ノ物件ノ全部若ハ一部ノ引渡ヲ受クルコトヲ得 左ニ掲クル物件ハ前二項ノ規定ニ拘ラス其ノ引渡ヲ受クルコトヲ得 一 船員ノ所持品 二 船員及旅客ノ食料 三 運送賃ヲ支払フコトナクシテ船中ニ携帯スル旅客ノ手荷物 四 第十七条第二項ニ掲クル物件 市町村長ノ保管スル船舶又ハ積荷ヲ売却シ抵当ト為シ又ハ質入セントスルトキハ市町村長ノ認可ヲ受クヘシ此ノ場合ニ於テ市町村長必要アリト認ムルトキハ之ニ立会フヘシ 前項ノ処分ニ因リ取得シタル金銭其ノ他ノ物件ハ市町村長之ヲ保管スヘシ 市町村長ニ於テ第十一条又ハ前項ノ規定ニ依リ金銭ヲ保管スル場合ニ其ノ金銭救護費用ノ金額ニ達シタルトキハ直ニ其ノ金銭ヲ以テ救護費用ヲ支弁シ其ノ残額ハ保管ニ係ル他ノ物件ト共ニ船長又ハ船舶所有者ニ引渡スヘシ 第十七条 船長又ハ船舶所有者ニ於テ市町村長ノ定メタル期間内ニ救護費用ヲ納付セサルトキハ市町村長ハ保管ノ物件又ハ担保トシテ差出シタル物件ヲ公売シ其ノ代金ヲ保管スヘシ 前項ノ規定ハ市町村長ニ於テ公売ヲ為スモ其ノ代金ヲ以テ公売ノ費用ヲ償フニ足ラスト認メタル物件ニハ之ヲ適用セス 第十八条 市町村長ハ納付ヲ受ケタル金額又ハ其ノ保管ニ係ル金銭ヲ以テ救護費用ヲ支弁スヘシ 第十九条 船長又ハ船舶所有者救護費用ヲ納付セサル場合ニ於テ第十七条ニ定ムル手続ヲ為シタル後市町村長ノ保管ニ係ル金額ヲ以テ救護費用ヲ支弁スルニ残余アルトキハ船長又ハ船舶所有者ニ之ヲ還付ス 第二十条 本章ノ規定ハ市町村長ノ招集ヲ待タスシテ救護ニ従事シタル者ニ亦之ヲ適用ス 但シ市町村長ニ於テ救護ニ干与セサルトキハ此ノ限ニアラス 第二十一条 本章中船長ニ関スル規定ハ船長ニ代リテ其ノ職務ヲ行フ者ニ亦之ヲ適用ス 第二十二条 第一条乃至第四条、第五条第一項、第六条乃至第九条、第十二条乃至第十四条、第十五条第一項第二項、第十八条、第二十条及第二十一条ノ規定ハ海軍艦船其ノ他官庁ノ所有スル船舶ニ亦之ヲ準用ス 第二十三条 本章ノ規定ハ条約ニ別段ノ定アル場合ニハ之ヲ適用セス 第二章 漂流物及沈没品 第二十四条 漂流物又ハ沈没品ヲ拾得シタル者ハ遅滞ナク之ヲ市町村長ニ引渡スヘシ 但シ其ノ物件ノ所有者分明ナル場合ニ於テハ拾得ノ日ヨリ七日以内ニ限リ直ニ其ノ所有者ニ引渡スコトヲ得 前項但書ノ場合ニ於テハ拾得者ハ所有者ヨリ河川ニ漂流スル材木ニ在リテハ其ノ価格ノ十五分ノ一、其ノ他ノ漂流物ニ在リテハ其ノ物件ノ価格ノ十分ノ一、沈没品ニ在リテハ其ノ物件ノ価格ノ三分ノ一ニ相当スル金額以内ノ報酬ヲ受クルコトヲ得 第二十五条 市町村長ハ引渡ヲ受ケタル物件ヲ保管スヘシ 市町村長ハ前項ノ物件ヲ所有者ニ引渡スヘキコトヲ公告スヘシ 但シ其ノ所有者知レタルトキハ公告スヘキ事項ヲ直ニ其ノ所有者ニ告知スヘシ此ノ場合ニ於テハ公告ヲ須ヰサルコトヲ得 第二十六条 第十一条第一項ノ規定ハ漂流物及沈没品ニ之ヲ準用ス 第二十七条 市町村長ニ於テ第二十五条ノ公告又ハ告知ヲ為シタル日ヨリ六箇月(沈没品中政令ヲ以テ定ムルモノニ在リテハ一箇年)以内ニ限リ所有者ハ河川ニ漂流スル材木ニ在リテハ其ノ価格ノ十五分ノ一、其ノ他ノ漂流物ニ在リテハ其ノ物件ノ価格ノ十分ノ一、沈没品ニ在リテハ其ノ物件ノ価格ノ三分ノ一ニ相当スル金額並公告、保管、公売又ハ評価ニ要シタル費用ヲ市町村長ニ納付シテ物件ノ引渡ヲ受クルコトヲ得 前項ノ場合ニ於テハ市町村長ハ拾得者ニ河川ニ漂流スル材木ニ在リテハ其ノ価格ノ十五分ノ一、其ノ他ノ漂流物ニ在リテハ其ノ物件ノ価格ノ十分ノ一、沈没品ニ在リテハ其ノ物件ノ価格ノ三分ノ一ニ相当スル金額ヲ支給ス 物件ノ価格ハ市町村長之ヲ定ム 但シ鑑定人ヲシテ之ヲ評価セシムルコトヲ得 第二十八条 前条ノ期間内ニ所有者物件ノ引渡ヲ請求セサルトキ又ハ物件ノ引渡ヲ請求セサル意思ヲ表示シタルトキハ市町村長ハ期間ヲ定メ其ノ期間内ニ物件ノ引渡ヲ受クヘキコトヲ拾得者ニ告知スヘシ 拾得者ハ前項ノ期間内ニ公告、保管、公売又ハ評価ニ要シタル費用ヲ市町村長ニ納付シ物件ノ引渡ヲ受クルニ因リテ其ノ所有権ヲ取得ス 拾得者ニ於テ前項ノ期間内ニ物件ノ引渡ヲ受ケサルトキハ市町村長ハ其ノ物件ヲ公売シ其ノ代金ヨリ前項ノ費用ヲ控除スヘシ此ノ場合ニ於テ残余アルトキハ市町村ノ取得トス 第二十九条 警察官吏ニ於テ航路、錨地又ハ建造物ニ障害ヲ為スト認メタル漂流物又ハ沈没品ヲ取除キタル場合ニ於テハ警察官吏ハ其ノ物件ヲ市町村長ニ引渡スヘシ 前項ニ依リ市町村長ニ於テ引渡ヲ受ケタル物件ニ付テハ第十一条第一項及第二十五条第二項ノ規定ヲ適用ス 第三十条 前条ニ依リ公告若ハ告知ヲ為シタル日ヨリ六箇月以内ニ所有者物件ノ引渡ヲ請求シタルトキハ市町村長ハ所有者ヲシテ取除、保管及公告ニ要シタル費用ヲ納付セシメ之ニ其ノ物件ヲ引渡スヘシ 前項ノ期間内ニ物件ノ引渡ヲ請求スル者ナキトキハ市町村長ハ其ノ物件ヲ公売シ其ノ代金ヲ以テ取除、保管、公告及公売ニ要シタル費用ヲ支弁スヘシ此ノ場合ニ於テ残余アルトキハ市町村ノ取得トス 第三章 雑則 第三十条ノ二 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章ノ規定ハ第六条又ハ第七条第三項ノ処分ニハ之ヲ適用セズ 第三十条ノ三 本法ニ定ムルモノノ外本法施行ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム 第四章 罰則 第三十一条 遭難船舶救護ノ場合ニ於テ左ノ各号ニ該当スル者ハ五十円以下ノ罰金ニ処ス 一 正当ノ理由ナクシテ市町村長ノ招集ニ応セス又ハ物件ノ徴用若ハ土地ノ使用ヲ拒ミタル者 二 第六条第二項ノ規定ニ違反シタル者 三 第七条第三項ノ規定ニ違反シタル者 第三十二条 遭難船舶救護ノ場合ニ於テ妨害ヲ為シタル者ハ一月以上六月以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以下ノ罰金ヲ附加ス 第三十三条 第十条第一項ノ手続ヲ為スコトヲ怠リタル者ハ五円以上五十円以下ノ罰金ニ処ス 第三十四条 詐偽ノ所為ヲ以テ船難報告書ニ認証ヲ受ケタル者ハ十一日以上六月以下ノ重禁錮ニ処シ又ハ三十円以上三百円以下ノ罰金ニ処ス 第三十五条ノ一 刑法第三百八十五条及第三百八十七条ノ規定ハ沈没品ニ亦之ヲ適用ス 第三十五条ノ二 漂流ノ物件ニ対シ現存スル記号ヲ塗抹毀損シ若ハ新ニ附記押捺シタル者ハ二円以上二十円以下ノ罰金ニ処ス 附 則 第三十六条 此ノ法律施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 第三十七条 明治三年二月二十九日/不開港場規則/難船救助/心得方条目、明治四年四月二十二日外国船漂著ノ節取扱方、明治八年第六十六号布告及明治十年第五十五号布告ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ廃止ス 第三十九条 此ノ法律ニ於ケル市町村長ノ事務ハ東京市、京都市及大阪市ニ於テハ区長之ヲ行ヒ市制町村制ヲ施行セサル地ニ於テハ戸長又ハ之ニ準スヘキ者之ヲ行フ 附 則 1 この法律は、昭和二十八年九月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過規定) 2 この法律による改正後の遺失物法、水難救護法及び民法の規定は、この法律の施行の日前において拾得された遺失物及び漂流物又は沈没品でそれぞれまだ警察署長に差し出されておらず、又は市町村長に引き渡されていないものについて適用し、この法律の施行の際現に警察署長に差し出されている遺失物及び市町村長に引き渡されている漂流物又は沈没品については、なお従前の例による。 4 前二項の規定は、遺失物法の規定が準用される物件の経過措置について準用する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。 (政令への委任) 第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日 (国等の事務) 第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。 (不服申立てに関する経過措置) 第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 (罰則に関する経過措置) 第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 (検討) 第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。 第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)の施行の日から施行する。 (罰則に関する経過措置) 第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。 (罰則に関する経過措置) 第百十七条 この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、第一条の規定(郵政民営化法目次中「/第六章 郵便事業株式会社/ 第一節 設立等(第七十条―第七十二条)/ 第二節 設立に関する郵便事業株式会社法等の特例(第七十三条・第七十四条)/ 第三節 移行期間中の業務に関する特例等(第七十五条―第七十八条)/第七章 郵便局株式会社/」を「/第六章 削除/第七章 日本郵便株式会社/」に改める改正規定、同法第十九条第一項第一号及び第二号、第二十六条、第六十一条第一号並びに第六章の改正規定、同法中「第七章 郵便局株式会社」を「第七章 日本郵便株式会社」に改める改正規定、同法第七十九条第三項第二号及び第八十三条第一項の改正規定、同法第九十条から第九十三条までの改正規定、同法第百五条第一項、同項第二号及び第百十条第一項第二号ホの改正規定、同法第百十条の次に一条を加える改正規定、同法第百三十五条第一項、同項第二号及び第百三十八条第二項第四号の改正規定、同法第百三十八条の次に一条を加える改正規定、同法第十一章に一節を加える改正規定(第百七十六条の五に係る部分に限る。)、同法第百八十条第一項第一号及び第二号並びに第百九十六条の改正規定(第十二号を削る部分を除く。)並びに同法附則第二条第二号の改正規定を除く。)、第二条のうち日本郵政株式会社法附則第二条及び第三条の改正規定、第五条(第二号に係る部分に限る。)の規定、次条の規定、附則第四条、第六条、第十条、第十四条及び第十八条の規定、附則第三十八条の規定(郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)附則第二条第一項、第四十九条、第五十五条及び第七十九条第二項の改正規定、附則第九十条の前の見出しを削り、同条に見出しを付する改正規定並びに附則第九十一条及び第九十五条の改正規定を除く。)、附則第四十条から第四十四条までの規定、附則第四十五条中総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第三条及び第四条第七十九号の改正規定並びに附則第四十六条及び第四十七条の規定は、公布の日から施行する。 (罰則に関する経過措置) 第四十六条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第四十七条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第五百九条の規定 公布の日
明治三十二年法律第九十三号
行旅病人及行旅死亡人取扱法
132AC0000000093
20230616
第一条 此ノ法律ニ於テ行旅病人ト称スルハ歩行ニ堪ヘサル行旅中ノ病人ニシテ療養ノ途ヲ有セス且救護者ナキ者ヲ謂ヒ行旅死亡人ト称スルハ行旅中死亡シ引取者ナキ者ヲ謂フ 住所、居所若ハ氏名知レス且引取者ナキ死亡人ハ行旅死亡人ト看做ス 前二項ノ外行旅病人及行旅死亡人ニ準スヘキ者ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム 第二条 行旅病人ハ其ノ所在地市町村之ヲ救護スヘシ 必要ノ場合ニ於テハ市町村ハ行旅病人ノ同伴者ニ対シテ亦相当ノ救護ヲ為スヘシ 第三条 行旅病人又ハ其ノ同伴者ヲ救護シタルトキハ市町村ハ速ニ扶養義務者又ハ第五条ニ掲ケタル公共団体ニ通知シ之ヲ引取ラシムルノ手続ヲ為スヘシ 第四条 救護ニ要シタル費用ハ被救護者ノ負担トシ被救護者ヨリ弁償ヲ得サルトキハ其ノ扶養義務者ノ負担トス 第五条 行旅病人若ハ其ノ同伴者ノ引取ヲ為ス者ナキトキ又ハ救護費用ノ弁償ヲ得サル場合ニ於テ其ノ引取並費用ノ弁償ヲ為スヘキ公共団体ニ関シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル 第六条 扶養義務者ニ対スル被救護者引取ノ請求及救護費用弁償ノ請求ハ扶養義務者中ノ何人ニ対シテモ之ヲ請求スルコトヲ得 但シ費用ノ弁償ヲ為シタル者ハ民法第八百七十八条ニ依リ扶養ノ義務ヲ履行スヘキ者ニ対シ求償ヲ為スヲ妨ケス 第七条 行旅死亡人アルトキハ其ノ所在地市町村ハ其ノ状況相貌遺留物件其ノ他本人ノ認識ニ必要ナル事項ヲ記録シタル後其ノ死体ノ埋葬又ハ火葬ヲ為スベシ 墓地若ハ火葬場ノ管理者ハ本条ノ埋葬又ハ火葬ヲ拒ムコトヲ得ス 第八条 必要ノ場合ニ於テハ市町村ハ行旅死亡人ノ同伴者ニ対シテ亦相当ノ救護ヲ為スヘシ 行旅病人ニ関スル規定ハ前項ノ場合ニ準用ス 第九条 行旅死亡人ノ住所、居所若ハ氏名知レサルトキハ市町村ハ其ノ状況相貌遺留物件其ノ他本人ノ認識ニ必要ナル事項ヲ公署ノ掲示場ニ告示シ且官報若ハ新聞紙ニ公告スヘシ 第十条 行旅死亡人ノ住所若ハ居所及氏名知レタルトキハ市町村ハ速ニ相続人ニ通知シ相続人分明ナラサルトキハ扶養義務者若ハ同居ノ親族ニ通知シ又ハ第十三条ニ掲ケタル公共団体ニ通知スヘシ 第十一条 行旅死亡人取扱ノ費用ハ先ツ其ノ遺留ノ金銭若ハ有価証券ヲ以テ之ニ充テ仍足ラサルトキハ相続人ノ負担トシ相続人ヨリ弁償ヲ得サルトキハ死亡人ノ扶養義務者ノ負担トス 第十二条 行旅死亡人ノ遺留物件ハ市町村之ヲ保管スヘシ 但シ其ノ保管ノ物件滅失若ハ毀損ノ虞アルトキ又ハ其ノ保管ニ不相当ノ費用若ハ手数ヲ要スルトキハ之ヲ売却シ又ハ棄却スルコトヲ得 第十三条 市町村ハ第九条ノ公告後六十日ヲ経過スルモ仍行旅死亡人取扱費用ノ弁償ヲ得サルトキハ行旅死亡人ノ遺留物品ヲ売却シテ其ノ費用ニ充ツルコトヲ得其ノ仍足ラサル場合ニ於テ費用ノ弁償ヲ為スヘキ公共団体ニ関シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル 市町村ハ行旅死亡人取扱費用ニ付遺留物件ノ上ニ他ノ債権者ノ先取特権ニ対シ優先権ヲ有ス 第十四条 市町村ハ行旅死亡人取扱費用ノ弁償ヲ得タルトキハ相続人ニ其ノ保管スル遺留物件ヲ引渡スヘシ相続人ナキトキハ正当ナル請求者ト認ムル者ニ之ヲ引渡スコトヲ得 第十五条 行旅病人行旅死亡人及其ノ同伴者ノ救護若ハ取扱ニ関スル費用ハ所在地市町村費ヲ以テ一時之ヲ繰替フヘシ 前項費用ノ弁償金徴収ニ付テハ市町村税滞納処分ノ例ニ依ル 前項ノ徴収金ノ先取特権ハ国税及地方税ニ次グモノトス 第十六条 削除 第十七条 外国人タル行旅病人行旅死亡人及其ノ同伴者並其ノ所持物件若ハ遺留物件ノ取扱ニ関シ別段ノ規定ヲ要スルモノハ政令ヲ以テ之ヲ定ム 第十八条 船車内ニ於ケル行旅病人行旅死亡人及其ノ同伴者並其ノ所持物件若ハ遺留物件ノ取扱ニ関シ別段ノ規定ヲ要スルモノハ政令ヲ以テ之ヲ定ム 第十九条及第二十条 削除 第二十一条 此ノ法律ハ明治三十二年七月一日ヨリ施行ス 第二十二条 明治十五年第四十九号布告行旅死亡人取扱規則ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ廃止ス 附 則 第二十九条 この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。 附 則 1 この法律は、昭和二十八年九月一日から施行する。 2 この法律施行前従前の法令の規定によりなされた許可、認可その他の処分又は申請、届出その他の手続は、それぞれ改正後の相当規定に基いてなされた処分又は手続とみなす。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)の施行の日から施行する。 (公課の先取特権の順位の改正に関する経過措置) 7 第二章の規定による改正後の各法令(徴収金の先取特権の順位に係る部分に限る。)の規定は、この法律の施行後に国税徴収法第二条第十二号に規定する強制換価手続による配当手続が開始される場合について適用し、この法律の施行前に当該配当手続が開始されている場合における当該法令の規定に規定する徴収金の先取特権の順位については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。 一から四まで 略 五 第十四条の規定、第十五条の規定(身体障害者福祉法第十九条第四項及び第十九条の二の改正規定を除く。附則第七条第二項において同じ。)、第十六条の規定、第十七条の規定(児童福祉法第二十条第四項の改正規定を除く。附則第七条第二項において同じ。)、第十八条、第十九条、第二十六条及び第三十九条の規定並びに附則第七条第二項及び第十一条から第十三条までの規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日 (その他の処分、申請等に係る経過措置) 第六条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第八条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)でこの法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一条及び第二条の規定並びに附則第七条、第十九条及び第二十条の規定 公布の日 (政令への委任) 第七条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
明治三十二年法律第五十号
明治三十二年法律第五十号(外国人ノ署名捺印及無資力証明ニ関スル法律)
132AC0000000050
20150801
第一条 法令ノ規定ニ依リ署名、捺印スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名スルヲ以テ足ル 捺印ノミヲ為スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名ヲ以テ捺印ニ代フルコトヲ得 第二条 削除 附 則 第三条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
明治三十二年法律第四十九号
商法施行法
132AC0000000049
20190401
第一条 商法施行前ニ生シタル事項ニ付テハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除ク外旧法ノ規定ヲ適用ス 第二条 商事ニ関スル特別ノ法令ハ商法施行ノ後ト雖モ仍ホ其効力ヲ存ス 第三条 特別ノ法令中旧商法ノ規定ニ依ルヘキモノト定メタル場合ニ付テハ旧商法ハ商法施行ノ後ト雖モ仍ホ其効力ヲ存ス 第四条 商法施行前ヨリ商業ヲ営ム未成年者、妻及ヒ後見人ハ商法ノ規定ニ従ヒテ登記ヲ為スコトヲ要ス 第五条 商法施行前ニ会社ノ無限責任社員ト為ルコトヲ許サレタル未成年者又ハ妻ハ商法施行ノ日ヨリ其会社ノ業務ニ関シ之ヲ能力者ト看做ス 第六条 商法第七条第二項ノ規定ハ商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ定メタル制限ニモ亦之ヲ適用ス 第七条 削除 第八条 商法施行前ニ旧法ノ規定ニ依リテ為シタル登記ハ商法ノ規定ニ従ヒテ為シタルモノト同一ノ効力ヲ有ス 第九条 商法施行前ニ登記シタル事項ニ変更ヲ生シ又ハ其事項カ消滅シタル場合ニ於テ商法施行前ニ登記ヲ為ササリシトキハ当事者ハ其施行ノ後遅滞ナク登記ヲ為スコトヲ要ス 第十条 商法施行前ニ設立ノ登記ヲ為シタル会社ノ社名ハ商法ノ規定ニ従ヒテ登記シタル商号ト同一ノ効力ヲ有ス 第十一条 商法施行前ニ設立シタル合名会社ニシテ其社名中ニ合名会社ナル文字ヲ用ヰサルモノハ其施行ノ日ヨリ三个月内ニ商法第十七条ノ規定ニ従ヒテ其社名ヲ改メ且其登記ヲ為スコトヲ要ス 会社ノ業務ヲ執行スル社員カ前項ノ規定ニ違反シタルトキハ五円以上五十円以下ノ過料ニ処セラル 第十二条 商法第十八条ノ規定ハ商法施行前ヨリ使用スル商号ニハ之ヲ適用セス 第十三条 商法第十九条ノ規定ハ旧商法施行前ヨリ使用スル商号ニハ之ヲ適用セス 商法施行後ニ商号ノ登記ヲ為シタル者ト雖モ旧商法施行前ヨリ同一又ハ類似ノ商号ヲ使用スル者ニ対シテハ商法第二十条ニ定メタル権利ヲ行フコトヲ得ス 第十四条 削除 第十五条 商法施行前ニ東京市又ハ大阪市ニ於テ商号ノ登記ヲ為シタル者ハ商法施行ノ日ヨリ六个月内ニ其市ニ存スル他ノ登記所ニ於テ其登記ヲ為スコトヲ要ス 前項ニ定メタル登記ヲ為ササリシ者ハ其登記ヲ為ササリシ登記所ノ管轄区域内ニ於テハ商法第二十条ニ定メタル権利ヲ行フコトヲ得ス 第十六条 削除 第十七条 商法第二十八条ノ規定ハ商法施行前ニ作リタル商業帳簿ニモ亦之ヲ適用ス 第十八条 代務人ニハ商法施行ノ日ヨリ支配人ニ関スル規定ヲ適用ス 第十九条 商法施行前ヨリ支配人又ハ支配役ト称スル者カ商法第三十条ニ定メタル権限ヲ有セサルトキハ主人ハ商法施行ノ日ヨリ三个月内ニ其名称ヲ改ムルコトヲ要ス 主人カ前項ノ期間内ニ支配人又ハ支配役ノ名称ヲ改メサリシトキハ其者ハ商法第三十条ニ定メタル権限ヲ有スルモノト看做ス 第二十条 商法第三十二条第三項ノ規定ハ旧商法第五十条ノ規定ニ反シテ為シタル行為ニ之ヲ準用ス但一年ノ期間ハ商法施行ノ日ヨリ之ヲ起算ス 主人カ商法施行前ニ前項ノ行為ヲ知リタルトキハ二週間ノ期間モ亦其施行ノ日ヨリ之ヲ起算ス 第二十一条 商法中代理商ニ関スル規定ハ商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ定メタル代理商ニモ亦之ヲ適用ス 第二十二条 商法中会社ニ関スル規定ハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除ク外商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ設立シタル会社ニモ亦之ヲ適用ス 第二十三条 商法第四十七条ニ定メタル期間ハ商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為シタル会社ニ付テハ其施行ノ日ヨリ之ヲ起算ス 第二十四条 商法施行前ニ設立シタル合名会社ニシテ未タ設立ノ登記ヲ為ササルモノハ商法施行ノ日ヨリ一个月内ニ商法ノ規定ニ従ヒテ定款ヲ作リ且商法第五十一条第一項ニ定メタル登記ヲ為スコトヲ要ス 第二十五条 商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為シタル合名会社ハ商法施行ノ日ヨリ一个月内ニ本店ノ所在地ニ於テハ支店、支店ノ所在地ニ於テハ本店並ニ他ノ支店及ヒ社員ノ出資ノ種類並ニ財産ヲ目的トスル出資ノ価格ヲ登記スルコトヲ要ス 第二十六条 商法第五十一条第二項、第三項及ヒ第五十二条ノ規定ハ合名会社カ設立ノ登記ヲ為シタル後商法施行前ニ支店ヲ設ケ又ハ其本店若クハ支店ヲ移転シタル場合ニ之ヲ準用ス但登記期間ハ商法施行ノ日ヨリ之ヲ起算ス 第二十七条 会社ノ業務ヲ執行スル社員カ前二条ノ規定ニ依リ為スヘキ登記ヲ怠リタルトキハ五円以上五十円以下ノ過料ニ処セラル 第二十八条 商法第六十条第二項及ヒ第三項ノ規定ハ旧商法第百四条ノ規定ニ反シテ為シタル行為ニ之ヲ準用ス 第二十条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第二十九条 商法第七十一条ノ規定ハ商法施行前ニ設立シタル合名会社ニハ之ヲ適用セス 第三十条 合名会社ノ目的タル事業ノ成功カ商法施行前ニ不能ト為リタルトキハ裁判所カ解散ヲ命シタル場合ヲ除ク外其会社ハ商法ノ施行ト同時ニ解散シタルモノト看做ス 第三十一条 合名会社カ商法施行前ニ解散シタル場合ニ於テ未タ清算人ヲ選任セサルトキハ其施行ノ日ヨリ二週間内ニ商法第七十六条ノ規定ニ従ヒテ登記ヲ為スコトヲ要ス 第三十二条 合名会社カ商法施行前ニ解散シタル場合ニ於テ既ニ清算人ヲ選任シタルトキハ其施行ノ日ヨリ二週間内ニ商法第七十六条及ヒ第九十条ノ規定ニ従ヒテ登記ヲ為スコトヲ要ス 第三十三条 削除 第三十四条 合名会社カ商法施行前ニ解散シタル場合ニ於テ未タ清算人ヲ選任セサルトキハ総社員ノ同意ヲ以テ会社財産ノ処分方法ヲ定ムルコトヲ得此場合ニ於テハ商法施行ノ日ヨリ二週間内ニ財産目録及ヒ貸借対照表ヲ作ルコトヲ要ス 商法第七十八条第二項、第七十九条及ヒ第八十条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第三十五条 合名会社カ商法施行前ニ解散ノ登記ヲ為シタル場合ニ於テハ清算ハ旧商法ノ規定ニ依リテ之ヲ為ス 第三十六条 合名会社ニ於テ商法施行前ニ清算人ノ解任又ハ変更アリタルトキハ其施行ノ日ヨリ二週間内ニ商法第九十七条ノ規定ニ従ヒテ登記ヲ為スコトヲ要ス 第三十七条 商法第百三条ノ規定ハ商法施行前ニ解散シタル合名会社ニモ亦之ヲ適用ス 第三十八条 商法施行前ニ設立シタル合資会社ニハ旧商法ノ規定ヲ適用ス 第二十三条、第二十五条乃至第三十二条及ヒ前三条ノ規定ハ前項ノ会社ニ之ヲ準用ス 第三十九条 商法施行前ニ設立シタル合資会社ハ其取引ニ関スル一切ノ書類ニ商法施行前ニ設立シタル会社タルコトヲ示スコトヲ要ス 業務担当社員カ前項ノ規定ニ違反シタルトキハ五円以上五十円以下ノ過料ニ処セラル 第四十条 商法施行前ニ設立シタル合資会社ハ旧商法第百五十一条第二項ノ規定ニ従ヒ其組織ヲ変更シテ之ヲ商法ニ定メタル合資会社、株式会社又ハ株式合資会社ト為スコトヲ得 前項ノ場合ニ於テハ総会ハ直チニ新会社ノ組織ニ必要ナル事項ヲ決議スルコトヲ要ス 第四十一条 商法第七十八条、第七十九条第一項、第二項及ヒ第二百五十四条ノ規定ハ前条ノ場合ニ之ヲ準用ス 第四十二条 商法施行前ニ設立シタル合資会社ハ商法ノ規定ニ従ヒテ合併ヲ為スコトヲ得但合併後存続シ又ハ合併ニ因リテ設立スル会社ハ商法ニ定メタル種類ノ一タルコトヲ要ス 合併ノ決議ハ旧商法第百五十一条第二項ノ規定ニ依ルニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス 第四十三条 商法施行前ニ発起ノ認可ヲ得タル株式会社ニ於テハ其発起人ハ七人以上ナルコトヲ要セス 第四十四条 商法施行前ニ発起ノ認可ヲ得タル株式会社ト雖モ其発起人カ未タ株主ノ募集ニ著手セサルトキハ之ニ商法ノ規定ヲ適用ス 第四十五条 株式会社ノ発起人カ商法施行前ニ株主ノ募集ニ著手シタルトキハ旧商法ノ規定ニ従ヒテ会社ノ設立ヲ為スコトヲ得但商法ノ規定ニ従ヒテ定款ヲ作ルコトヲ要ス 第四十六条 商法施行前ニ創業総会ニ於テ定款ヲ確定シタル場合ニ於テハ商法ノ規定ニ従ヒテ其定款ヲ変更スルコトヲ要ス 第四十七条 商法第百三十条ノ規定ハ前二条ノ場合ニモ亦之ヲ適用ス 第四十八条 商法第百六十三条第一項及ヒ第二項ノ規定ハ旧商法ノ規定ニ依リテ招集シタル創業総会ノ決議ニ之ヲ準用ス但同条第二項ノ期間ハ商法施行前ニ決議ヲ為シタル場合ニ於テハ其施行ノ日ヨリ之ヲ起算ス 第四十九条 第四十五条ノ場合ニ於テ商法施行前ニ株式総数ノ引受アリタルトキハ其施行ノ日ヨリ商法施行後ニ株式総数ノ引受アリタルトキハ其日ヨリ六个月内ニ発起人カ創業総会ヲ招集セサルトキハ株式申込人ハ其申込ヲ取消スコトヲ得 第五十条 第四十五条及ヒ第四十六条ノ場合ニ於テハ株式会社ハ各株ニ付キ株金ノ四分ノ一ノ払込アリタル後二週間内ニ商法第百四十一条第一項ニ定メタル登記ヲ為スコトヲ要ス 第五十一条 商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為シタル株式会社ニシテ其定款ニ商法第百二十条第一号乃至第七号ニ掲ケタル事項ヲ定メサルモノハ商法施行ノ日ヨリ三个月内ニ其定款ヲ変更スルコトヲ要ス 第五十二条 商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為シタル株式会社ハ商法施行ノ日ヨリ三个月内ニ本店ノ所在地ニ於テハ支店、支店ノ所在地ニ於テハ本店並ニ他ノ支店及ヒ会社カ公告ヲ為ス方法並ニ監査役ノ氏名、住所ヲ登記スルコトヲ要ス 第五十三条 商法施行前ニ設立シタル株式会社カ登記シタル事項中ニ変更ヲ生シタル場合ニ於テ商法施行前ニ登記ヲ為ササリシトキハ其施行ノ日ヨリ二週間内ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ為スコトヲ要ス 旧商法ノ規定ニ依リ登記スヘキ事項カ商法施行前ニ生シタル場合ニ於テハ旧商法ニ登記期間ノ定ナキトキニ限リ前項ノ規定ヲ準用ス 第五十四条 取締役カ前三条ノ規定ニ違反シタルトキハ五円以上五十円以下ノ過料ニ処セラル 第五十五条 商法施行前ニ設立シタル株式会社ニ於テ株式ノ金額カ商法第百四十五条第二項ノ規定ニ反スルモ旧商法及ヒ旧商法施行条例ノ規定ニ反セサル場合ニ於テハ定款ノ定ムル所ニ依ルコトヲ得商法施行後ニ新株ヲ発行スルトキ亦同シ 前項ノ規定ハ商法施行後ニ株式ノ金額ヲ変更スル場合ニハ之ヲ適用セス 第五十六条 商法中株券ニ関スル規定ハ商法施行前ニ発行シタル仮株券ニモ亦之ヲ適用ス 第五十七条 商法施行前ニ発行シタル株券及ヒ仮株券ハ商法第百四十八条又ハ第二百十八条ノ規定ニ違フモ之ヲ改ムルコトヲ要セス但商法施行後ニ株金ノ払込ヲ為シタル場合ニ於テハ前ニ払込ミタル金額及ヒ新ニ払込ミタル金額ヲ仮株券ニ記載スルコトヲ要ス 第五十八条 旧商法第二百十二条乃至第二百十五条ノ規定ハ商法施行前ニ株金払込ノ催告アリタル場合ニ限リ之ヲ適用ス 第五十九条 商法第百五十三条第二項乃至第四項ノ規定ハ商法施行前ニ株式ヲ譲渡シタル者ニシテ旧商法第百八十二条ノ規定ニ依リ担保義務ナキ者ニハ之ヲ適用セス 第六十条 削除 第六十一条 旧商法施行前ニ設立シタル株式会社ニ於テハ株主ノ議決権ノ制限カ商法第百六十二条ノ規定ニ反スルモ定款ノ定ムル所ニ依ルコトヲ得但商法施行後ニ其制限ヲ変更スル場合ハ此限ニ在ラス 第六十二条 商法第百六十三条ノ規定ハ株主総会カ商法施行前ニ決議ヲ為シタル場合ニモ亦之ヲ適用ス但同条第二項ノ期間ハ商法施行ノ日ヨリ之ヲ起算ス 第六十三条 商法第百六十七条但書ノ規定ハ商法施行前ニ選任シタル取締役及ヒ監査役ニハ之ヲ適用セス 第六十四条 商法施行前ニ選任シタル取締役又ハ監査役ト雖モ其禁治産ニ因リテ退任ス 第六十五条 商法施行前ニ選任シタル取締役ハ其施行ノ後遅滞ナク定款ニ定メタル員数ノ株券ヲ監査役ニ供託スルコトヲ要ス 第六十六条 商法施行前ニ設立シタル株式会社ニ於テ其施行後ニ株金ノ払込アリタルトキハ取締役ハ其払込ノ年月日ヲ株主名簿ニ記載スルコトヲ要ス 第六十七条 商法施行前ニ設立シタル株式会社ノ取締役ハ其施行ノ後遅滞ナク社債ノ総額及ヒ其償還ノ方法ヲ社債原簿ニ記載スルコトヲ要ス 第六十八条 株式会社カ商法施行前ニ其資本ノ半額ヲ失ヒタル場合ニ於テハ取締役ハ商法施行ノ後遅滞ナク株主総会ヲ招集シテ之ヲ報告スルコトヲ要ス 商法施行前ニ会社財産ヲ以テ会社ノ債務ヲ完済スルコト能ハサルニ至リタル場合ニ於テハ取締役ハ商法施行ノ後遅滞ナク破産宣告ノ請求ヲ為スコトヲ要ス 第六十九条 取締役カ前三条ノ規定ニ違反シタルトキハ五円以上百円以下ノ過料ニ処セラル 第七十条 商法第百七十五条ノ規定ハ商法施行前ニ選任シタル取締役ニハ之ヲ適用セス 第七十一条 旧商法第百八十九条ノ規定ハ商法施行前ニ選任シタル取締役ニノミ之ヲ適用ス 第七十二条 商法施行前ニ旧商法第二百二十八条又ハ第二百二十九条ノ規定ニ依リテ提起シタル訴ニハ商法ノ規定ヲ適用セス 第七十三条 商法施行前ニ選任シタル監査役ハ其任期カ一年ヨリ長キトキト雖モ其任期間在任ス 第七十四条 商法第百九十条ニ掲ケタル書類ハ商法施行前ニ総会招集ノ通知ヲ発シタル場合ニ限リ会日マテニ之ヲ提出スルヲ以テ足ル 第七十五条 商法第百九十六条ノ規定ハ商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為シタル株式会社カ其登記後二年以上開業ヲ為スコト能ハサルモノト認ムル場合ニモ亦之ヲ適用ス 裁判所カ定款ノ規定ヲ認可シタルトキハ取締役ハ二週間内ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ為スコトヲ要ス 取締役カ前項ニ定メタル登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキハ五円以上五十円以下ノ過料ニ処セラル 第七十六条 明治二十三年法律第六十号ハ商法施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス 第七十七条 株式会社カ商法施行前ニ債券発行ノ認許ヲ得タル場合ニ於テハ旧法ノ規定ニ依リテ其募集ヲ完了スルコトヲ得 第七十八条 商法第二百四条第一項ノ規定ハ株式会社カ商法施行前ニ債券発行ノ認許ヲ得タル場合ニハ之ヲ適用セス 第七十九条 株式会社カ商法施行前ニ債券発行ノ認許ヲ得タル場合ニ於テ一時ニ全額ノ払込ヲ為サシメサルトキハ第一回ノ払込アリタル後二週間内ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ払込ミタル金額及ヒ商法第百七十三条第三号乃至第六号ニ掲ケタル事項ヲ登記スルコトヲ要ス 第八十条 商法施行前ニ社債ノ全額又ハ一部ノ払込アリタルトキハ其施行ノ日ヨリ二週間内ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ払込ミタル金額及ヒ商法第百七十三条第三号乃至第六号ニ掲ケタル事項ヲ登記スルコトヲ要ス 第八十一条 商法施行前ニ発行シタル債券ハ商法第二百五条ノ規定ニ違フモ之ヲ改ムルコトヲ要セス 第五十七条但書ノ規定ハ債券ニ之ヲ準用ス 第八十二条 商法第二百九条第二項ノ規定ハ商法施行前ニ仮決議ヲ為シテ未タ其通知ヲ発セサル場合ニモ亦之ヲ適用ス 第八十三条 商法第二百九条第四項ノ規定ハ株式会社カ商法施行前ニ定款変更ノ決議又ハ仮決議ヲ為シタル場合ニハ之ヲ適用セス 第八十四条 株式会社カ商法施行前ニ資本ノ増加若クハ減少ノ決議又ハ仮決議ヲ為シタル場合ニ於テハ旧商法ノ規定ニ依リテ其増加又ハ減少ヲ為スコトヲ得 商法第百二十八条乃至第百三十条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第八十五条 商法施行前ニ為シタル決議又ハ仮決議ニ依リテ資本ヲ増加シタル場合ニ於テ商法施行前ニ新株ニ付キ払込ミタル株金額ノ登記ヲ為ササリシトキハ其施行ノ日ヨリ商法施行後ニ払込アリタルトキハ其日ヨリ二週間内ニ本店及ヒ支店ノ所在地ニ於テ其登記ヲ為スコトヲ要ス 第八十六条 株式会社カ商法施行前ニ解散シタル場合ニ於テ未タ解散ノ決議ヲ為ササルトキハ取締役ハ商法施行ノ後遅滞ナク株主ニ対シテ解散ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス 第八十七条 取締役カ前二条ノ規定ニ違反シタルトキハ五円以上五十円以下ノ過料ニ処セラル 第八十八条 株式会社ノ清算人ハ株主総会又ハ裁判所カ商法施行前ニ与ヘタル訓示ヲ遵守スルコトヲ要ス 第八十九条 商法施行前ニ旧商法第二百四十二条ノ規定ニ依リテ選任シタル代人ハ商法施行ノ後ト雖モ其権限ヲ保有ス 第九十条 第三十三条ノ規定ハ商法施行前ニ解散シタル株式会社ノ清算人カ為スヘキ公告ニ之ヲ準用ス 第九十一条 第二十六条、第三十条乃至第三十二条、第三十五条及ヒ第三十六条ノ規定ハ株式会社ニ之ヲ準用ス 第九十二条 商法施行前ニ日本ニ支店ヲ設ケタル外国会社ニ付テハ勅令ヲ以テ特別ノ規程ヲ設クルコトヲ得商法施行前ニ外国人カ日本ニ於テ設立シタル会社及ヒ組合ニ付キ亦同シ 第九十三条 商法施行前ニ旧法中会社ニ関スル罰則ヲ適用スヘキ行為アリタルトキハ商法施行ノ後ト雖モ其罰則ヲ適用ス 第九十四条 私設鉄道株式会社ニハ明治二十年勅令第十二号私設鉄道条例ノ改正ニ至ルマテ旧商法及ヒ其附属法令中株式会社ニ関スル規定ヲ適用ス 第九十五条乃至第百十七条 削除 第百十八条 商法施行前ニ設定シタル質権ノ実行ニ付テハ別段ノ意思表示アリタル場合ヲ除ク外民事執行法(昭和五十四年法律第四号)ノ規定ヲ適用ス但取引所ノ相場アル有価証券其他ノ商品ニ在リテハ執行官ハ取引所ニ於テ之ヲ売却スルコトヲ得 前項ノ規定ハ留置権者カ其留置物ヲ売却スル場合ニ之ヲ準用ス 第百十九条 商法施行前ニ発行シタル指図証券及ヒ無記名証券ニハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除ク外旧商法ノ規定ヲ適用ス但民法施行法第三十条、第三十一条及ヒ第三十三条ノ準用ヲ妨ケス 第百二十条 商法第二百八十一条ノ規定ハ商法施行前ニ発行シタル指図証券及ヒ無記名証券ニモ亦之ヲ適用ス 第百二十一条 商法第二百九十九条ノ規定ハ商法施行前ニ約シタル匿名組合ニモ亦之ヲ適用ス 第百二十二条 削除 第百二十三条 手形ノ所持人ノ其前者ニ対スル償還請求権ハ支払拒絶証書ノ作成カ商法施行前ニ在リタル場合ニ於テハ其施行ノ日ヨリ支払拒絶証書ノ作成カ商法施行後ニ在リタル場合ニ於テハ其作成ノ日ヨリ六个月ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス 裏書人ノ其前者ニ対スル償還請求権ハ商法施行前ニ償還ヲ為シタル場合ニ於テハ其施行ノ日ヨリ商法施行後ニ償還ヲ為シタル場合ニ於テハ其日ヨリ六个月ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス 商法施行前ニ進行ヲ始メタル時効ノ残期カ商法施行ノ日ヨリ起算シテ六个月ヨリ短キトキハ時効ハ其残期ヲ経過スルニ因リテ完成ス 第百二十四条乃至第百二十六条 削除 第百二十七条 商法第五百五十二条第三項ノ規定ハ商法施行前ニ選任シタル船舶管理人ニモ亦之ヲ適用ス 商法第五百五十三条ノ規定ハ商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ選任シタル船舶管理人ニモ亦之ヲ適用ス 第百二十八条 商法第五百五十六条ノ規定ハ商法施行前ニ為シタル船舶ノ賃貸借ニモ亦之ヲ適用ス 第百二十九条 商法第五百五十八条乃至第五百六十八条及ヒ第五百七十条乃至第五百七十四条ノ規定ハ商法施行ノ日ヨリ其施行前ニ選任シタル船長ニモ亦之ヲ適用ス 第百三十条 削除 第百三十一条 委付ノ原因カ商法施行後ニ生シタルトキハ其施行前ニ為シタル保険契約ニ付テモ被保険者ハ商法ノ規定ニ従ヒテ委付ヲ為スコトヲ得 第百三十二条 船舶ノ存否カ商法施行ノ日ヨリ六个月間分明ナラサルトキハ未タ旧商法第九百六十六条第一項ノ期間ヲ経過セサルトキト雖モ其船舶ハ行方ノ知レサルモノト看做ス 第百三十三条 商法施行ノ際旧商法第九百六十九条第一項ニ定メタル三日ノ期間カ未タ満了ニ至ラサルトキハ商法施行ノ日ヨリ三个月内ニ商法第六百七十四条ニ定メタル通知ヲ発シテ委付ヲ為スコトヲ得 第百三十四条 船舶ノ先取特権ニ関スル商法ノ規定ハ其施行前ニ発生シタル債権ニ付テモ亦之ヲ適用ス 第百三十五条 第三十三条ノ規定ハ商法第六百八十四条第一項ノ規定ニ依リ為スヘキ公告ニ之ヲ準用ス 第百三十六条 船舶ノ抵当権ニ関スル商法ノ規定ハ商法施行前ニ設定シタル抵当権ニモ亦之ヲ適用ス 第百三十七条 民法施行法第二条、第三条、第三十条、第三十一条、第三十三条、第三十四条、第五十三条及ヒ第五十六条ノ規定ハ商事ニ之ヲ準用ス 附 則 第百三十八条 本法ハ商法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス 第百三十九条 商法施行条例ハ之ヲ廃止ス但シ同条例第二十一条乃至第二十三条及第五十一条ノ規定ハ旧商法ノ規定ニ依ルヘキ場合ニ於テハ仍其ノ効力ヲ有ス 附 則 第三百八十三条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 第七十九条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 第一条 この法律は、第十章の規定を除いて、公布の日からこれを施行する。 附 則 1 この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。 (経過措置) 2 この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。 3 前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第五十条及び第五十二条の規定は、公布の日から施行する。 (政令への委任) 第五十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
明治三十二年法律第四十八号
商法
132AC0000000048
20200401
商法別冊ノ通之ヲ定ム 此法律施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 明治二十三年法律第三十二号商法ハ第三編ヲ除ク外此法律施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス (別冊) 目次 第一編 総則 第一章 通則 (第一条―第三条) 第二章 商人 (第四条―第七条) 第三章 商業登記 (第八条―第十条) 第四章 商号 (第十一条―第十八条の二) 第五章 商業帳簿 (第十九条) 第六章 商業使用人 (第二十条―第二十六条) 第七章 代理商 (第二十七条―第五百条) 第二編 商行為 第一章 総則 (第五百一条―第五百二十三条) 第二章 売買 (第五百二十四条―第五百二十八条) 第三章 交互計算 (第五百二十九条―第五百三十四条) 第四章 匿名組合 (第五百三十五条―第五百四十二条) 第五章 仲立営業 (第五百四十三条―第五百五十条) 第六章 問屋営業 (第五百五十一条―第五百五十八条) 第七章 運送取扱営業 (第五百五十九条―第五百六十八条) 第八章 運送営業 第一節 総則 (第五百六十九条) 第二節 物品運送 (第五百七十条―第五百八十八条) 第三節 旅客運送 (第五百八十九条―第五百九十四条) 第九章 寄託 第一節 総則 (第五百九十五条―第五百九十八条) 第二節 倉庫営業 (第五百九十九条―第六百八十三条) 第三編 海商 第一章 船舶 第一節 総則 (第六百八十四条・第六百八十五条) 第二節 船舶の所有 第一款 総則 (第六百八十六条―第六百九十一条) 第二款 船舶の共有 (第六百九十二条―第七百条) 第三節 船舶賃貸借 (第七百一条―第七百三条) 第四節 定期 傭 よう (第七百四条―第七百七条) 第二章 船長 (第七百八条―第七百三十六条) 第三章 海上物品運送に関する特則 第一節 個品運送 (第七百三十七条―第七百四十七条) 第二節 航海傭船 (第七百四十八条―第七百五十六条) 第三節 船荷証券等 (第七百五十七条―第七百六十九条) 第四節 海上運送状 (第七百七十条―第七百八十七条) 第四章 船舶の衝突 (第七百八十八条―第七百九十一条) 第五章 海難救助 (第七百九十二条―第八百七条) 第六章 共同海損 (第八百八条―第八百十四条) 第七章 海上保険 (第八百十五条―第八百四十一条) 第八章 船舶先取特権及び船舶抵当権 (第八百四十二条―第八百五十条) 第一編 総則 第一章 通則 (趣旨等) 第一条 商人の営業、商行為その他商事については、他の法律に特別の定めがあるものを除くほか、この法律の定めるところによる。 2 商事に関し、この法律に定めがない事項については商慣習に従い、商慣習がないときは、民法(明治二十九年法律第八十九号)の定めるところによる。 (公法人の商行為) 第二条 公法人が行う商行為については、法令に別段の定めがある場合を除き、この法律の定めるところによる。 (一方的商行為) 第三条 当事者の一方のために商行為となる行為については、この法律をその双方に適用する。 2 当事者の一方が二人以上ある場合において、その一人のために商行為となる行為については、この法律をその全員に適用する。 第二章 商人 (定義) 第四条 この法律において「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう。 2 店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者は、商行為を行うことを業としない者であっても、これを商人とみなす。 (未成年者登記) 第五条 未成年者が前条の営業を行うときは、その登記をしなければならない。 (後見人登記) 第六条 後見人が被後見人のために第四条の営業を行うときは、その登記をしなければならない。 2 後見人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (小商人) 第七条 第五条、前条、次章、第十一条第二項、第十五条第二項、第十七条第二項前段、第五章及び第二十二条の規定は、小商人(商人のうち、法務省令で定めるその営業のために使用する財産の価額が法務省令で定める金額を超えないものをいう。)については、適用しない。 第三章 商業登記 (通則) 第八条 この編の規定により登記すべき事項は、当事者の申請により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。 (登記の効力) 第九条 この編の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。 2 故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。 (変更の登記及び消滅の登記) 第十条 この編の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。 第四章 商号 (商号の選定) 第十一条 商人(会社及び外国会社を除く。以下この編において同じ。)は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。 2 商人は、その商号の登記をすることができる。 (他の商人と誤認させる名称等の使用の禁止) 第十二条 何人も、不正の目的をもって、他の商人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。 2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある商人は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。 (過料) 第十三条 前条第一項の規定に違反した者は、百万円以下の過料に処する。 (自己の商号の使用を他人に許諾した商人の責任) 第十四条 自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。 (商号の譲渡) 第十五条 商人の商号は、営業とともにする場合又は営業を廃止する場合に限り、譲渡することができる。 2 前項の規定による商号の譲渡は、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 (営業譲渡人の競業の禁止) 第十六条 営業を譲渡した商人(以下この章において「譲渡人」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その営業を譲渡した日から二十年間は、同一の営業を行ってはならない。 2 譲渡人が同一の営業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その営業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。 3 前二項の規定にかかわらず、譲渡人は、不正の競争の目的をもって同一の営業を行ってはならない。 (譲渡人の商号を使用した譲受人の責任等) 第十七条 営業を譲り受けた商人(以下この章において「譲受人」という。)が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には、その譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 2 前項の規定は、営業を譲渡した後、遅滞なく、譲受人が譲渡人の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。 営業を譲渡した後、遅滞なく、譲受人及び譲渡人から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。 3 譲受人が第一項の規定により譲渡人の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡人の責任は、営業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 4 第一項に規定する場合において、譲渡人の営業によって生じた債権について、その譲受人にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。 (譲受人による債務の引受け) 第十八条 譲受人が譲渡人の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡人の営業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡人の債権者は、その譲受人に対して弁済の請求をすることができる。 2 譲受人が前項の規定により譲渡人の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡人の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 (詐害営業譲渡に係る譲受人に対する債務の履行の請求) 第十八条の二 譲渡人が譲受人に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って営業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受人に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。 ただし、その譲受人が営業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 譲受人が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡人が残存債権者を害することを知って営業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。 営業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。 3 譲渡人について破産手続開始の決定又は再生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受人に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。 第五章 商業帳簿 第十九条 商人の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。 2 商人は、その営業のために使用する財産について、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な商業帳簿(会計帳簿及び貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を作成しなければならない。 3 商人は、帳簿閉鎖の時から十年間、その商業帳簿及びその営業に関する重要な資料を保存しなければならない。 4 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、商業帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。 第六章 商業使用人 (支配人) 第二十条 商人は、支配人を選任し、その営業所において、その営業を行わせることができる。 (支配人の代理権) 第二十一条 支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。 3 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (支配人の登記) 第二十二条 商人が支配人を選任したときは、その登記をしなければならない。 支配人の代理権の消滅についても、同様とする。 (支配人の競業の禁止) 第二十三条 支配人は、商人の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自ら営業を行うこと。 二 自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること。 三 他の商人又は会社若しくは外国会社の使用人となること。 四 会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、商人に生じた損害の額と推定する。 (表見支配人) 第二十四条 商人の営業所の営業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該営業所の営業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人) 第二十五条 商人の営業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。 2 前項の使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (物品の販売等を目的とする店舗の使用人) 第二十六条 物品の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。以下この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 第七章 代理商 (通知義務) 第二十七条 代理商(商人のためにその平常の営業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その商人の使用人でないものをいう。以下この章において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、商人に対して、その旨の通知を発しなければならない。 (代理商の競業の禁止) 第二十八条 代理商は、商人の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。 一 自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること。 二 その商人の営業と同種の事業を行う会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。 2 代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、商人に生じた損害の額と推定する。 (通知を受ける権限) 第二十九条 物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、第五百二十六条第二項の通知その他売買に関する通知を受ける権限を有する。 (契約の解除) 第三十条 商人及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。 2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、商人及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。 (代理商の留置権) 第三十一条 代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、商人のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。 第三十二条から第五百条まで 削除 第二編 商行為 第一章 総則 (絶対的商行為) 第五百一条 次に掲げる行為は、商行為とする。 一 利益を得て譲渡する意思をもってする動産、不動産若しくは有価証券の有償取得又はその取得したものの譲渡を目的とする行為 二 他人から取得する動産又は有価証券の供給契約及びその履行のためにする有償取得を目的とする行為 三 取引所においてする取引 四 手形その他の商業証券に関する行為 (営業的商行為) 第五百二条 次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする。 ただし、専ら賃金を得る目的で物を製造し、又は労務に従事する者の行為は、この限りでない。 一 賃貸する意思をもってする動産若しくは不動産の有償取得若しくは賃借又はその取得し若しくは賃借したものの賃貸を目的とする行為 二 他人のためにする製造又は加工に関する行為 三 電気又はガスの供給に関する行為 四 運送に関する行為 五 作業又は労務の請負 六 出版、印刷又は撮影に関する行為 七 客の来集を目的とする場屋における取引 八 両替その他の銀行取引 九 保険 十 寄託の引受け 十一 仲立ち又は取次ぎに関する行為 十二 商行為の代理の引受け 十三 信託の引受け (附属的商行為) 第五百三条 商人がその営業のためにする行為は、商行為とする。 2 商人の行為は、その営業のためにするものと推定する。 (商行為の代理) 第五百四条 商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合であっても、その行為は、本人に対してその効力を生ずる。 ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知らなかったときは、代理人に対して履行の請求をすることを妨げない。 (商行為の委任) 第五百五条 商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲内において、委任を受けていない行為をすることができる。 (商行為の委任による代理権の消滅事由の特例) 第五百六条 商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては、消滅しない。 第五百七条 削除 (隔地者間における契約の申込み) 第五百八条 商人である隔地者の間において承諾の期間を定めないで契約の申込みを受けた者が相当の期間内に承諾の通知を発しなかったときは、その申込みは、その効力を失う。 2 民法第五百二十四条の規定は、前項の場合について準用する。 (契約の申込みを受けた者の諾否通知義務) 第五百九条 商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく、契約の申込みに対する諾否の通知を発しなければならない。 2 商人が前項の通知を発することを怠ったときは、その商人は、同項の契約の申込みを承諾したものとみなす。 (契約の申込みを受けた者の物品保管義務) 第五百十条 商人がその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合において、その申込みとともに受け取った物品があるときは、その申込みを拒絶したときであっても、申込者の費用をもってその物品を保管しなければならない。 ただし、その物品の価額がその費用を償うのに足りないとき、又は商人がその保管によって損害を受けるときは、この限りでない。 (多数当事者間の債務の連帯) 第五百十一条 数人の者がその一人又は全員のために商行為となる行為によって債務を負担したときは、その債務は、各自が連帯して負担する。 2 保証人がある場合において、債務が主たる債務者の商行為によって生じたものであるとき、又は保証が商行為であるときは、主たる債務者及び保証人が各別の行為によって債務を負担したときであっても、その債務は、各自が連帯して負担する。 (報酬請求権) 第五百十二条 商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる。 (利息請求権) 第五百十三条 商人間において金銭の消費貸借をしたときは、貸主は、法定利息を請求することができる。 2 商人がその営業の範囲内において他人のために金銭の立替えをしたときは、その立替えの日以後の法定利息を請求することができる。 第五百十四条 削除 (契約による質物の処分の禁止の適用除外) 第五百十五条 民法第三百四十九条の規定は、商行為によって生じた債権を担保するために設定した質権については、適用しない。 (債務の履行の場所) 第五百十六条 商行為によって生じた債務の履行をすべき場所がその行為の性質又は当事者の意思表示によって定まらないときは、特定物の引渡しはその行為の時にその物が存在した場所において、その他の債務の履行は債権者の現在の営業所(営業所がない場合にあっては、その住所)において、それぞれしなければならない。 第五百十七条から第五百二十条まで 削除 (商人間の留置権) 第五百二十一条 商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物又は有価証券を留置することができる。 ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、この限りでない。 第五百二十二条及び第五百二十三条 削除 第二章 売買 (売主による目的物の供託及び競売) 第五百二十四条 商人間の売買において、買主がその目的物の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、売主は、その物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。 この場合において、売主がその物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、買主に対してその旨の通知を発しなければならない。 2 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある物は、前項の催告をしないで競売に付することができる。 3 前二項の規定により売買の目的物を競売に付したときは、売主は、その代価を供託しなければならない。 ただし、その代価の全部又は一部を代金に充当することを妨げない。 (定期売買の履行遅滞による解除) 第五百二十五条 商人間の売買において、売買の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは、相手方は、直ちにその履行の請求をした場合を除き、契約の解除をしたものとみなす。 (買主による目的物の検査及び通知) 第五百二十六条 商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。 2 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。 売買の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないことを直ちに発見することができない場合において、買主が六箇月以内にその不適合を発見したときも、同様とする。 3 前項の規定は、売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことにつき売主が悪意であった場合には、適用しない。 (買主による目的物の保管及び供託) 第五百二十七条 前条第一項に規定する場合においては、買主は、契約の解除をしたときであっても、売主の費用をもって売買の目的物を保管し、又は供託しなければならない。 ただし、その物について滅失又は損傷のおそれがあるときは、裁判所の許可を得てその物を競売に付し、かつ、その代価を保管し、又は供託しなければならない。 2 前項ただし書の許可に係る事件は、同項の売買の目的物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 第一項の規定により買主が売買の目的物を競売に付したときは、遅滞なく、売主に対してその旨の通知を発しなければならない。 4 前三項の規定は、売主及び買主の営業所(営業所がない場合にあっては、その住所)が同一の市町村の区域内にある場合には、適用しない。 第五百二十八条 前条の規定は、売主から買主に引き渡した物品が注文した物品と異なる場合における当該売主から買主に引き渡した物品及び売主から買主に引き渡した物品の数量が注文した数量を超過した場合における当該超過した部分の数量の物品について準用する。 第三章 交互計算 (交互計算) 第五百二十九条 交互計算は、商人間又は商人と商人でない者との間で平常取引をする場合において、一定の期間内の取引から生ずる債権及び債務の総額について相殺をし、その残額の支払をすることを約することによって、その効力を生ずる。 (商業証券に係る債権債務に関する特則) 第五百三十条 手形その他の商業証券から生じた債権及び債務を交互計算に組み入れた場合において、その商業証券の債務者が弁済をしないときは、当事者は、その債務に関する項目を交互計算から除外することができる。 (交互計算の期間) 第五百三十一条 当事者が相殺をすべき期間を定めなかったときは、その期間は、六箇月とする。 (交互計算の承認) 第五百三十二条 当事者は、債権及び債務の各項目を記載した計算書の承認をしたときは、当該各項目について異議を述べることができない。 ただし、当該計算書の記載に錯誤又は脱漏があったときは、この限りでない。 (残額についての利息請求権等) 第五百三十三条 相殺によって生じた残額については、債権者は、計算の閉鎖の日以後の法定利息を請求することができる。 2 前項の規定は、当該相殺に係る債権及び債務の各項目を交互計算に組み入れた日からこれに利息を付することを妨げない。 (交互計算の解除) 第五百三十四条 各当事者は、いつでも交互計算の解除をすることができる。 この場合において、交互計算の解除をしたときは、直ちに、計算を閉鎖して、残額の支払を請求することができる。 第四章 匿名組合 (匿名組合契約) 第五百三十五条 匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。 (匿名組合員の出資及び権利義務) 第五百三十六条 匿名組合員の出資は、営業者の財産に属する。 2 匿名組合員は、金銭その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。 3 匿名組合員は、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することができない。 4 匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利及び義務を有しない。 (自己の氏名等の使用を許諾した匿名組合員の責任) 第五百三十七条 匿名組合員は、自己の氏若しくは氏名を営業者の商号中に用いること又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾したときは、その使用以後に生じた債務については、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う。 (利益の配当の制限) 第五百三十八条 出資が損失によって減少したときは、その損失をてん補した後でなければ、匿名組合員は、利益の配当を請求することができない。 (貸借対照表の閲覧等並びに業務及び財産状況に関する検査) 第五百三十九条 匿名組合員は、営業年度の終了時において、営業者の営業時間内に、次に掲げる請求をし、又は営業者の業務及び財産の状況を検査することができる。 一 営業者の貸借対照表が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求 二 営業者の貸借対照表が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもので法務省令で定めるものをいう。)をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求 2 匿名組合員は、重要な事由があるときは、いつでも、裁判所の許可を得て、営業者の業務及び財産の状況を検査することができる。 3 前項の許可に係る事件は、営業者の営業所の所在地(営業所がない場合にあっては、営業者の住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。 (匿名組合契約の解除) 第五百四十条 匿名組合契約で匿名組合の存続期間を定めなかったとき、又はある当事者の終身の間匿名組合が存続すべきことを定めたときは、各当事者は、営業年度の終了時において、契約の解除をすることができる。 ただし、六箇月前にその予告をしなければならない。 2 匿名組合の存続期間を定めたか否かにかかわらず、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、いつでも匿名組合契約の解除をすることができる。 (匿名組合契約の終了事由) 第五百四十一条 前条の場合のほか、匿名組合契約は、次に掲げる事由によって終了する。 一 匿名組合の目的である事業の成功又はその成功の不能 二 営業者の死亡又は営業者が後見開始の審判を受けたこと。 三 営業者又は匿名組合員が破産手続開始の決定を受けたこと。 (匿名組合契約の終了に伴う出資の価額の返還) 第五百四十二条 匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員にその出資の価額を返還しなければならない。 ただし、出資が損失によって減少したときは、その残額を返還すれば足りる。 第五章 仲立営業 (定義) 第五百四十三条 この章において「仲立人」とは、他人間の商行為の媒介をすることを業とする者をいう。 (当事者のために給付を受けることの制限) 第五百四十四条 仲立人は、その媒介により成立させた行為について、当事者のために支払その他の給付を受けることができない。 ただし、当事者の別段の意思表示又は別段の慣習があるときは、この限りでない。 (見本保管義務) 第五百四十五条 仲立人がその媒介に係る行為について見本を受け取ったときは、その行為が完了するまで、これを保管しなければならない。 (結約書の交付義務等) 第五百四十六条 当事者間において媒介に係る行為が成立したときは、仲立人は、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面(以下この章において「結約書」という。)を作成し、かつ、署名し、又は記名押印した後、これを各当事者に交付しなければならない。 一 各当事者の氏名又は名称 二 当該行為の年月日及びその要領 2 前項の場合においては、当事者が直ちに履行をすべきときを除き、仲立人は、各当事者に結約書に署名させ、又は記名押印させた後、これをその相手方に交付しなければならない。 3 前二項の場合において、当事者の一方が結約書を受領せず、又はこれに署名若しくは記名押印をしないときは、仲立人は、遅滞なく、相手方に対してその旨の通知を発しなければならない。 (帳簿記載義務等) 第五百四十七条 仲立人は、その帳簿に前条第一項各号に掲げる事項を記載しなければならない。 2 当事者は、いつでも、仲立人がその媒介により当該当事者のために成立させた行為について、前項の帳簿の謄本の交付を請求することができる。 (当事者の氏名等を相手方に示さない場合) 第五百四十八条 当事者がその氏名又は名称を相手方に示してはならない旨を仲立人に命じたときは、仲立人は、結約書及び前条第二項の謄本にその氏名又は名称を記載することができない。 第五百四十九条 仲立人は、当事者の一方の氏名又は名称をその相手方に示さなかったときは、当該相手方に対して自ら履行をする責任を負う。 (仲立人の報酬) 第五百五十条 仲立人は、第五百四十六条の手続を終了した後でなければ、報酬を請求することができない。 2 仲立人の報酬は、当事者双方が等しい割合で負担する。 第六章 問屋営業 (定義) 第五百五十一条 この章において「問屋」とは、自己の名をもって他人のために物品の販売又は買入れをすることを業とする者をいう。 (問屋の権利義務) 第五百五十二条 問屋は、他人のためにした販売又は買入れにより、相手方に対して、自ら権利を取得し、義務を負う。 2 問屋と委託者との間の関係については、この章に定めるもののほか、委任及び代理に関する規定を準用する。 (問屋の担保責任) 第五百五十三条 問屋は、委託者のためにした販売又は買入れにつき相手方がその債務を履行しないときに、自らその履行をする責任を負う。 ただし、当事者の別段の意思表示又は別段の慣習があるときは、この限りでない。 (問屋が委託者の指定した金額との差額を負担する場合の販売又は買入れの効力) 第五百五十四条 問屋が委託者の指定した金額より低い価格で販売をし、又は高い価格で買入れをした場合において、自らその差額を負担するときは、その販売又は買入れは、委託者に対してその効力を生ずる。 (介入権) 第五百五十五条 問屋は、取引所の相場がある物品の販売又は買入れの委託を受けたときは、自ら買主又は売主となることができる。 この場合において、売買の代価は、問屋が買主又は売主となったことの通知を発した時における取引所の相場によって定める。 2 前項の場合においても、問屋は、委託者に対して報酬を請求することができる。 (問屋が買い入れた物品の供託及び競売) 第五百五十六条 問屋が買入れの委託を受けた場合において、委託者が買い入れた物品の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、第五百二十四条の規定を準用する。 (代理商に関する規定の準用) 第五百五十七条 第二十七条及び第三十一条の規定は、問屋について準用する。 (準問屋) 第五百五十八条 この章の規定は、自己の名をもって他人のために販売又は買入れ以外の行為をすることを業とする者について準用する。 第七章 運送取扱営業 (定義等) 第五百五十九条 この章において「運送取扱人」とは、自己の名をもって物品運送の取次ぎをすることを業とする者をいう。 2 運送取扱人については、この章に別段の定めがある場合を除き、第五百五十一条に規定する問屋に関する規定を準用する。 (運送取扱人の責任) 第五百六十条 運送取扱人は、運送品の受取から荷受人への引渡しまでの間にその運送品が滅失し若しくは損傷し、若しくはその滅失若しくは損傷の原因が生じ、又は運送品が延着したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、運送取扱人がその運送品の受取、保管及び引渡し、運送人の選択その他の運送の取次ぎについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 (運送取扱人の報酬) 第五百六十一条 運送取扱人は、運送品を運送人に引き渡したときは、直ちにその報酬を請求することができる。 2 運送取扱契約で運送賃の額を定めたときは、運送取扱人は、特約がなければ、別に報酬を請求することができない。 (運送取扱人の留置権) 第五百六十二条 運送取扱人は、運送品に関して受け取るべき報酬、付随の費用及び運送賃その他の立替金についてのみ、その弁済を受けるまで、その運送品を留置することができる。 (介入権) 第五百六十三条 運送取扱人は、自ら運送をすることができる。 この場合において、運送取扱人は、運送人と同一の権利義務を有する。 2 運送取扱人が委託者の請求によって船荷証券又は複合運送証券を作成したときは、自ら運送をするものとみなす。 (物品運送に関する規定の準用) 第五百六十四条 第五百七十二条、第五百七十七条、第五百七十九条(第三項を除く。)、第五百八十一条、第五百八十五条、第五百八十六条、第五百八十七条(第五百七十七条及び第五百八十五条の規定の準用に係る部分に限る。)及び第五百八十八条の規定は、運送取扱営業について準用する。 この場合において、第五百七十九条第二項中「前の運送人」とあるのは「前の運送取扱人又は運送人」と、第五百八十五条第一項中「運送品の引渡し」とあるのは「荷受人に対する運送品の引渡し」と読み替えるものとする。 第五百六十五条から第五百六十八条まで 削除 第八章 運送営業 第一節 総則 第五百六十九条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 運送人 陸上運送、海上運送又は航空運送の引受けをすることを業とする者をいう。 二 陸上運送 陸上における物品又は旅客の運送をいう。 三 海上運送 第六百八十四条に規定する船舶(第七百四十七条に規定する非航海船を含む。)による物品又は旅客の運送をいう。 四 航空運送 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第一項に規定する航空機による物品又は旅客の運送をいう。 第二節 物品運送 (物品運送契約) 第五百七十条 物品運送契約は、運送人が荷送人からある物品を受け取りこれを運送して荷受人に引き渡すことを約し、荷送人がその結果に対してその運送賃を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 (送り状の交付義務等) 第五百七十一条 荷送人は、運送人の請求により、次に掲げる事項を記載した書面(次項において「送り状」という。)を交付しなければならない。 一 運送品の種類 二 運送品の容積若しくは重量又は包若しくは個品の数及び運送品の記号 三 荷造りの種類 四 荷送人及び荷受人の氏名又は名称 五 発送地及び到達地 2 前項の荷送人は、送り状の交付に代えて、法務省令で定めるところにより、運送人の承諾を得て、送り状に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により提供することができる。 この場合において、当該荷送人は、送り状を交付したものとみなす。 (危険物に関する通知義務) 第五百七十二条 荷送人は、運送品が引火性、爆発性その他の危険性を有するものであるときは、その引渡しの前に、運送人に対し、その旨及び当該運送品の品名、性質その他の当該運送品の安全な運送に必要な情報を通知しなければならない。 (運送賃) 第五百七十三条 運送賃は、到達地における運送品の引渡しと同時に、支払わなければならない。 2 運送品がその性質又は 瑕 か し (運送人の留置権) 第五百七十四条 運送人は、運送品に関して受け取るべき運送賃、付随の費用及び立替金(以下この節において「運送賃等」という。)についてのみ、その弁済を受けるまで、その運送品を留置することができる。 (運送人の責任) 第五百七十五条 運送人は、運送品の受取から引渡しまでの間にその運送品が滅失し若しくは損傷し、若しくはその滅失若しくは損傷の原因が生じ、又は運送品が延着したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 ただし、運送人がその運送品の受取、運送、保管及び引渡しについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 (損害賠償の額) 第五百七十六条 運送品の滅失又は損傷の場合における損害賠償の額は、その引渡しがされるべき地及び時における運送品の市場価格(取引所の相場がある物品については、その相場)によって定める。 ただし、市場価格がないときは、その地及び時における同種類で同一の品質の物品の正常な価格によって定める。 2 運送品の滅失又は損傷のために支払うことを要しなくなった運送賃その他の費用は、前項の損害賠償の額から控除する。 3 前二項の規定は、運送人の故意又は重大な過失によって運送品の滅失又は損傷が生じたときは、適用しない。 (高価品の特則) 第五百七十七条 貨幣、有価証券その他の高価品については、荷送人が運送を委託するに当たりその種類及び価額を通知した場合を除き、運送人は、その滅失、損傷又は延着について損害賠償の責任を負わない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 物品運送契約の締結の当時、運送品が高価品であることを運送人が知っていたとき。 二 運送人の故意又は重大な過失によって高価品の滅失、損傷又は延着が生じたとき。 (複合運送人の責任) 第五百七十八条 陸上運送、海上運送又は航空運送のうち二以上の運送を一の契約で引き受けた場合における運送品の滅失等(運送品の滅失、損傷又は延着をいう。以下この節において同じ。)についての運送人の損害賠償の責任は、それぞれの運送においてその運送品の滅失等の原因が生じた場合に当該運送ごとに適用されることとなる我が国の法令又は我が国が締結した条約の規定に従う。 2 前項の規定は、陸上運送であってその区間ごとに異なる二以上の法令が適用されるものを一の契約で引き受けた場合について準用する。 (相次運送人の権利義務) 第五百七十九条 数人の運送人が相次いで陸上運送をするときは、後の運送人は、前の運送人に代わってその権利を行使する義務を負う。 2 前項の場合において、後の運送人が前の運送人に弁済をしたときは、後の運送人は、前の運送人の権利を取得する。 3 ある運送人が引き受けた陸上運送についてその荷送人のために他の運送人が相次いで当該陸上運送の一部を引き受けたときは、各運送人は、運送品の滅失等につき連帯して損害賠償の責任を負う。 4 前三項の規定は、海上運送及び航空運送について準用する。 (荷送人による運送の中止等の請求) 第五百八十条 荷送人は、運送人に対し、運送の中止、荷受人の変更その他の処分を請求することができる。 この場合において、運送人は、既にした運送の割合に応じた運送賃、付随の費用、立替金及びその処分によって生じた費用の弁済を請求することができる。 (荷受人の権利義務等) 第五百八十一条 荷受人は、運送品が到達地に到着し、又は運送品の全部が滅失したときは、物品運送契約によって生じた荷送人の権利と同一の権利を取得する。 2 前項の場合において、荷受人が運送品の引渡し又はその損害賠償の請求をしたときは、荷送人は、その権利を行使することができない。 3 荷受人は、運送品を受け取ったときは、運送人に対し、運送賃等を支払う義務を負う。 (運送品の供託及び競売) 第五百八十二条 運送人は、荷受人を確知することができないときは、運送品を供託することができる。 2 前項に規定する場合において、運送人が荷送人に対し相当の期間を定めて運送品の処分につき指図をすべき旨を催告したにもかかわらず、荷送人がその指図をしないときは、運送人は、その運送品を競売に付することができる。 3 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある運送品は、前項の催告をしないで競売に付することができる。 4 前二項の規定により運送品を競売に付したときは、運送人は、その代価を供託しなければならない。 ただし、その代価の全部又は一部を運送賃等に充当することを妨げない。 5 運送人は、第一項から第三項までの規定により運送品を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、荷送人に対してその旨の通知を発しなければならない。 第五百八十三条 前条の規定は、荷受人が運送品の受取を拒み、又はこれを受け取ることができない場合について準用する。 この場合において、同条第二項中「運送人が」とあるのは「運送人が、荷受人に対し相当の期間を定めて運送品の受取を催告し、かつ、その期間の経過後に」と、同条第五項中「荷送人」とあるのは「荷送人及び荷受人」と読み替えるものとする。 (運送人の責任の消滅) 第五百八十四条 運送品の損傷又は一部滅失についての運送人の責任は、荷受人が異議をとどめないで運送品を受け取ったときは、消滅する。 ただし、運送品に直ちに発見することができない損傷又は一部滅失があった場合において、荷受人が引渡しの日から二週間以内に運送人に対してその旨の通知を発したときは、この限りでない。 2 前項の規定は、運送品の引渡しの当時、運送人がその運送品に損傷又は一部滅失があることを知っていたときは、適用しない。 3 運送人が更に第三者に対して運送を委託した場合において、荷受人が第一項ただし書の期間内に運送人に対して同項ただし書の通知を発したときは、運送人に対する第三者の責任に係る同項ただし書の期間は、運送人が当該通知を受けた日から二週間を経過する日まで延長されたものとみなす。 第五百八十五条 運送品の滅失等についての運送人の責任は、運送品の引渡しがされた日(運送品の全部滅失の場合にあっては、その引渡しがされるべき日)から一年以内に裁判上の請求がされないときは、消滅する。 2 前項の期間は、運送品の滅失等による損害が発生した後に限り、合意により、延長することができる。 3 運送人が更に第三者に対して運送を委託した場合において、運送人が第一項の期間内に損害を賠償し又は裁判上の請求をされたときは、運送人に対する第三者の責任に係る同項の期間は、運送人が損害を賠償し又は裁判上の請求をされた日から三箇月を経過する日まで延長されたものとみなす。 (運送人の債権の消滅時効) 第五百八十六条 運送人の荷送人又は荷受人に対する債権は、これを行使することができる時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。 (運送人の不法行為責任) 第五百八十七条 第五百七十六条、第五百七十七条、第五百八十四条及び第五百八十五条の規定は、運送品の滅失等についての運送人の荷送人又は荷受人に対する不法行為による損害賠償の責任について準用する。 ただし、荷受人があらかじめ荷送人の委託による運送を拒んでいたにもかかわらず荷送人から運送を引き受けた運送人の荷受人に対する責任については、この限りでない。 (運送人の被用者の不法行為責任) 第五百八十八条 前条の規定により運送品の滅失等についての運送人の損害賠償の責任が免除され、又は軽減される場合には、その責任が免除され、又は軽減される限度において、その運送品の滅失等についての運送人の被用者の荷送人又は荷受人に対する不法行為による損害賠償の責任も、免除され、又は軽減される。 2 前項の規定は、運送人の被用者の故意又は重大な過失によって運送品の滅失等が生じたときは、適用しない。 第三節 旅客運送 (旅客運送契約) 第五百八十九条 旅客運送契約は、運送人が旅客を運送することを約し、相手方がその結果に対してその運送賃を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 (運送人の責任) 第五百九十条 運送人は、旅客が運送のために受けた損害を賠償する責任を負う。 ただし、運送人が運送に関し注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 (特約禁止) 第五百九十一条 旅客の生命又は身体の侵害による運送人の損害賠償の責任(運送の遅延を主たる原因とするものを除く。)を免除し、又は軽減する特約は、無効とする。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 大規模な火災、震災その他の災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において運送を行うとき。 二 運送に伴い通常生ずる振動その他の事情により生命又は身体に重大な危険が及ぶおそれがある者の運送を行うとき。 (引渡しを受けた手荷物に関する運送人の責任等) 第五百九十二条 運送人は、旅客から引渡しを受けた手荷物については、運送賃を請求しないときであっても、物品運送契約における運送人と同一の責任を負う。 2 運送人の被用者は、前項に規定する手荷物について、物品運送契約における運送人の被用者と同一の責任を負う。 3 第一項に規定する手荷物が到達地に到着した日から一週間以内に旅客がその引渡しを請求しないときは、運送人は、その手荷物を供託し、又は相当の期間を定めて催告をした後に競売に付することができる。 この場合において、運送人がその手荷物を供託し、又は競売に付したときは、遅滞なく、旅客に対してその旨の通知を発しなければならない。 4 損傷その他の事由による価格の低落のおそれがある手荷物は、前項の催告をしないで競売に付することができる。 5 前二項の規定により手荷物を競売に付したときは、運送人は、その代価を供託しなければならない。 ただし、その代価の全部又は一部を運送賃に充当することを妨げない。 6 旅客の住所又は居所が知れないときは、第三項の催告及び通知は、することを要しない。 (引渡しを受けていない手荷物に関する運送人の責任等) 第五百九十三条 運送人は、旅客から引渡しを受けていない手荷物(身の回り品を含む。)の滅失又は損傷については、故意又は過失がある場合を除き、損害賠償の責任を負わない。 2 第五百七十六条第一項及び第三項、第五百八十四条第一項、第五百八十五条第一項及び第二項、第五百八十七条(第五百七十六条第一項及び第三項、第五百八十四条第一項並びに第五百八十五条第一項及び第二項の規定の準用に係る部分に限る。)並びに第五百八十八条の規定は、運送人が前項に規定する手荷物の滅失又は損傷に係る損害賠償の責任を負う場合について準用する。 この場合において、第五百七十六条第一項中「その引渡しがされるべき」とあるのは「その運送が終了すべき」と、第五百八十四条第一項中「荷受人が異議をとどめないで運送品を受け取った」とあるのは「旅客が運送の終了の時までに異議をとどめなかった」と、「荷受人が引渡しの日」とあるのは「旅客が運送の終了の日」と、第五百八十五条第一項中「運送品の引渡しがされた日(運送品の全部滅失の場合にあっては、その引渡しがされるべき日)」とあるのは「運送の終了の日」と読み替えるものとする。 (運送人の債権の消滅時効) 第五百九十四条 第五百八十六条の規定は、旅客運送について準用する。 第九章 寄託 第一節 総則 (受寄者の注意義務) 第五百九十五条 商人がその営業の範囲内において寄託を受けた場合には、報酬を受けないときであっても、善良な管理者の注意をもって、寄託物を保管しなければならない。 (場屋営業者の責任) 第五百九十六条 旅館、飲食店、浴場その他の客の来集を目的とする場屋における取引をすることを業とする者(以下この節において「場屋営業者」という。)は、客から寄託を受けた物品の滅失又は損傷については、不可抗力によるものであったことを証明しなければ、損害賠償の責任を免れることができない。 2 客が寄託していない物品であっても、場屋の中に携帯した物品が、場屋営業者が注意を怠ったことによって滅失し、又は損傷したときは、場屋営業者は、損害賠償の責任を負う。 3 客が場屋の中に携帯した物品につき責任を負わない旨を表示したときであっても、場屋営業者は、前二項の責任を免れることができない。 (高価品の特則) 第五百九十七条 貨幣、有価証券その他の高価品については、客がその種類及び価額を通知してこれを場屋営業者に寄託した場合を除き、場屋営業者は、その滅失又は損傷によって生じた損害を賠償する責任を負わない。 (場屋営業者の責任に係る債権の消滅時効) 第五百九十八条 前二条の場屋営業者の責任に係る債権は、場屋営業者が寄託を受けた物品を返還し、又は客が場屋の中に携帯した物品を持ち去った時(物品の全部滅失の場合にあっては、客が場屋を去った時)から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 前項の規定は、場屋営業者が同項に規定する物品の滅失又は損傷につき悪意であった場合には、適用しない。 第二節 倉庫営業 (定義) 第五百九十九条 この節において「倉庫営業者」とは、他人のために物品を倉庫に保管することを業とする者をいう。 (倉荷証券の交付義務) 第六百条 倉庫営業者は、寄託者の請求により、寄託物の倉荷証券を交付しなければならない。 (倉荷証券の記載事項) 第六百一条 倉荷証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、倉庫営業者がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 寄託物の種類、品質及び数量並びにその荷造りの種類、個数及び記号 二 寄託者の氏名又は名称 三 保管場所 四 保管料 五 保管期間を定めたときは、その期間 六 寄託物を保険に付したときは、保険金額、保険期間及び保険者の氏名又は名称 七 作成地及び作成の年月日 (帳簿記載義務) 第六百二条 倉庫営業者は、倉荷証券を寄託者に交付したときは、その帳簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 前条第一号、第二号及び第四号から第六号までに掲げる事項 二 倉荷証券の番号及び作成の年月日 (寄託物の分割請求) 第六百三条 倉荷証券の所持人は、倉庫営業者に対し、寄託物の分割及びその各部分に対する倉荷証券の交付を請求することができる。 この場合において、所持人は、その所持する倉荷証券を倉庫営業者に返還しなければならない。 2 前項の規定による寄託物の分割及び倉荷証券の交付に関する費用は、所持人が負担する。 (倉荷証券の不実記載) 第六百四条 倉庫営業者は、倉荷証券の記載が事実と異なることをもって善意の所持人に対抗することができない。 (寄託物に関する処分) 第六百五条 倉荷証券が作成されたときは、寄託物に関する処分は、倉荷証券によってしなければならない。 (倉荷証券の譲渡又は質入れ) 第六百六条 倉荷証券は、記名式であるときであっても、裏書によって、譲渡し、又は質権の目的とすることができる。 ただし、倉荷証券に裏書を禁止する旨を記載したときは、この限りでない。 (倉荷証券の引渡しの効力) 第六百七条 倉荷証券により寄託物を受け取ることができる者に倉荷証券を引き渡したときは、その引渡しは、寄託物について行使する権利の取得に関しては、寄託物の引渡しと同一の効力を有する。 (倉荷証券の再交付) 第六百八条 倉荷証券の所持人は、その倉荷証券を喪失したときは、相当の担保を供して、その再交付を請求することができる。 この場合において、倉庫営業者は、その旨を帳簿に記載しなければならない。 (寄託物の点検等) 第六百九条 寄託者又は倉荷証券の所持人は、倉庫営業者の営業時間内は、いつでも、寄託物の点検若しくはその見本の提供を求め、又はその保存に必要な処分をすることができる。 (倉庫営業者の責任) 第六百十条 倉庫営業者は、寄託物の保管に関し注意を怠らなかったことを証明しなければ、その滅失又は損傷につき損害賠償の責任を免れることができない。 (保管料等の支払時期) 第六百十一条 倉庫営業者は、寄託物の出庫の時以後でなければ、保管料及び立替金その他寄託物に関する費用(第六百十六条第一項において「保管料等」という。)の支払を請求することができない。 ただし、寄託物の一部を出庫するときは、出庫の割合に応じて、その支払を請求することができる。 (寄託物の返還の制限) 第六百十二条 当事者が寄託物の保管期間を定めなかったときは、倉庫営業者は、寄託物の入庫の日から六箇月を経過した後でなければ、その返還をすることができない。 ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。 (倉荷証券が作成された場合における寄託物の返還請求) 第六百十三条 倉荷証券が作成されたときは、これと引換えでなければ、寄託物の返還を請求することができない。 (倉荷証券を質入れした場合における寄託物の一部の返還請求) 第六百十四条 倉荷証券を質権の目的とした場合において、質権者の承諾があるときは、寄託者は、当該質権の被担保債権の弁済期前であっても、寄託物の一部の返還を請求することができる。 この場合において、倉庫営業者は、返還した寄託物の種類、品質及び数量を倉荷証券に記載し、かつ、その旨を帳簿に記載しなければならない。 (寄託物の供託及び競売) 第六百十五条 第五百二十四条第一項及び第二項の規定は、寄託者又は倉荷証券の所持人が寄託物の受領を拒み、又はこれを受領することができない場合について準用する。 (倉庫営業者の責任の消滅) 第六百十六条 寄託物の損傷又は一部滅失についての倉庫営業者の責任は、寄託者又は倉荷証券の所持人が異議をとどめないで寄託物を受け取り、かつ、保管料等を支払ったときは、消滅する。 ただし、寄託物に直ちに発見することができない損傷又は一部滅失があった場合において、寄託者又は倉荷証券の所持人が引渡しの日から二週間以内に倉庫営業者に対してその旨の通知を発したときは、この限りでない。 2 前項の規定は、倉庫営業者が寄託物の損傷又は一部滅失につき悪意であった場合には、適用しない。 (倉庫営業者の責任に係る債権の消滅時効) 第六百十七条 寄託物の滅失又は損傷についての倉庫営業者の責任に係る債権は、寄託物の出庫の日から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。 2 前項の期間は、寄託物の全部滅失の場合においては、倉庫営業者が倉荷証券の所持人(倉荷証券を作成していないとき又は倉荷証券の所持人が知れないときは、寄託者)に対してその旨の通知を発した日から起算する。 3 前二項の規定は、倉庫営業者が寄託物の滅失又は損傷につき悪意であった場合には、適用しない。 第六百十八条から第六百八十三条まで 削除 第三編 海商 第一章 船舶 第一節 総則 (定義) 第六百八十四条 この編(第七百四十七条を除く。)において「船舶」とは、商行為をする目的で航海の用に供する船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。)をいう。 (従物の推定等) 第六百八十五条 船舶の属具目録に記載した物は、その従物と推定する。 2 属具目録の書式は、国土交通省令で定める。 第二節 船舶の所有 第一款 総則 (船舶の登記等) 第六百八十六条 船舶所有者は、船舶法(明治三十二年法律第四十六号)の定めるところに従い、登記をし、かつ、船舶国籍証書の交付を受けなければならない。 2 前項の規定は、総トン数二十トン未満の船舶については、適用しない。 (船舶所有権の移転の対抗要件) 第六百八十七条 船舶所有権の移転は、その登記をし、かつ、船舶国籍証書に記載しなければ、第三者に対抗することができない。 (航海中の船舶を譲渡した場合の損益の帰属) 第六百八十八条 航海中の船舶を譲渡したときは、その航海によって生ずる損益は、譲受人に帰属する。 (航海中の船舶に対する差押え等の制限) 第六百八十九条 差押え及び仮差押えの執行(仮差押えの登記をする方法によるものを除く。)は、航海中の船舶(停泊中のものを除く。)に対してはすることができない。 (船舶所有者の責任) 第六百九十条 船舶所有者は、船長その他の船員がその職務を行うについて故意又は過失によって他人に加えた損害を賠償する責任を負う。 (社員の持分の売渡しの請求) 第六百九十一条 持分会社の業務を執行する社員の持分の移転により当該持分会社の所有する船舶が日本の国籍を喪失することとなるときは、他の業務を執行する社員は、相当の対価でその持分を売り渡すことを請求することができる。 第二款 船舶の共有 (共有に係る船舶の利用) 第六百九十二条 船舶共有者の間においては、船舶の利用に関する事項は、各船舶共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。 第六百九十三条 船舶共有者は、その持分の価格に応じ、船舶の利用に関する費用を負担しなければならない。 (船舶共有者の持分買取請求) 第六百九十四条 船舶共有者が次に掲げる事項を決定したときは、その決定について異議のある船舶共有者は、他の船舶共有者に対し、相当の対価で自己の持分を買い取ることを請求することができる。 一 新たな航海(船舶共有者の間で予定されていなかったものに限る。)をすること。 二 船舶の大修繕をすること。 2 前項の規定による請求をしようとする者は、同項の決定の日(当該決定に加わらなかった場合にあっては、当該決定の通知を受けた日の翌日)から三日以内に、他の船舶共有者又は船舶管理人に対してその旨の通知を発しなければならない。 (船舶共有者の第三者に対する責任) 第六百九十五条 船舶共有者は、その持分の価格に応じ、船舶の利用について生じた債務を弁済する責任を負う。 (持分の譲渡) 第六百九十六条 船舶共有者の間に組合契約があるときであっても、各船舶共有者(船舶管理人であるものを除く。)は、他の船舶共有者の承諾を得ないで、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができる。 2 船舶管理人である船舶共有者は、他の船舶共有者の全員の承諾を得なければ、その持分の全部又は一部を他人に譲渡することができない。 (船舶管理人) 第六百九十七条 船舶共有者は、船舶管理人を選任しなければならない。 2 船舶共有者でない者を船舶管理人とするには、船舶共有者の全員の同意がなければならない。 3 船舶共有者が船舶管理人を選任したときは、その登記をしなければならない。 船舶管理人の代理権の消滅についても、同様とする。 4 第九条の規定は、前項の規定による登記について準用する。 (船舶管理人の代理権) 第六百九十八条 船舶管理人は、次に掲げる行為を除き、船舶共有者に代わって船舶の利用に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 一 船舶を賃貸し、又はこれについて抵当権を設定すること。 二 船舶を保険に付すること。 三 新たな航海(船舶共有者の間で予定されていなかったものに限る。)をすること。 四 船舶の大修繕をすること。 五 借財をすること。 2 船舶管理人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (船舶管理人の義務) 第六百九十九条 船舶管理人は、その職務に関する帳簿を備え、船舶の利用に関する一切の事項を記載しなければならない。 2 船舶管理人は、一定の期間ごとに、船舶の利用に関する計算を行い、各船舶共有者の承認を求めなければならない。 (船舶共有者の持分の売渡しの請求等) 第七百条 船舶共有者の持分の移転又は国籍の喪失により船舶が日本の国籍を喪失することとなるときは、他の船舶共有者は、相当の対価でその持分を売り渡すことを請求し、又は競売に付することができる。 第三節 船舶賃貸借 (船舶賃貸借の対抗力) 第七百一条 船舶の賃貸借は、これを登記したときは、その後その船舶について物権を取得した者に対しても、その効力を生ずる。 (船舶の賃借人による修繕) 第七百二条 船舶の賃借人であって商行為をする目的でその船舶を航海の用に供しているものは、その船舶を受け取った後にこれに生じた損傷があるときは、その利用に必要な修繕をする義務を負う。 ただし、その損傷が賃貸人の責めに帰すべき事由によるものであるときは、この限りでない。 (船舶の賃借人の権利義務等) 第七百三条 前条に規定する船舶の賃借人は、その船舶の利用に関する事項については、第三者に対して、船舶所有者と同一の権利義務を有する。 2 前項の場合において、その船舶の利用について生じた先取特権は、船舶所有者に対しても、その効力を生ずる。 ただし、船舶の賃借人によるその利用の態様が船舶所有者との契約に反することを先取特権者が知っていたときは、この限りでない。 第四節 定期 傭 よう (定期 傭 よう 第七百四条 定期 傭 よう 艤 ぎ (定期傭船者による指示) 第七百五条 定期傭船者は、船長に対し、航路の決定その他の船舶の利用に関し必要な事項を指示することができる。 ただし、発航前の検査その他の航海の安全に関する事項については、この限りでない。 (費用の負担) 第七百六条 船舶の燃料、水先料、入港料その他船舶の利用に関する通常の費用は、定期傭船者の負担とする。 (運送及び船舶賃貸借に関する規定の準用) 第七百七条 第五百七十二条、第七百三十九条第一項並びに第七百四十条第一項及び第三項の規定は定期傭船契約に係る船舶により物品を運送する場合について、第七百三条第二項の規定は定期傭船者の船舶の利用について生ずる先取特権について、それぞれ準用する。 この場合において、第七百三十九条第一項中「発航の当時」とあるのは、「各航海に係る発航の当時」と読み替えるものとする。 第二章 船長 (船長の代理権) 第七百八条 船長は、船籍港外においては、次に掲げる行為を除き、船舶所有者に代わって航海のために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 一 船舶について抵当権を設定すること。 二 借財をすること。 2 船長の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。 (船長による職務代行者の選任) 第七百九条 船長は、やむを得ない事由により自ら船舶を指揮することができない場合には、法令に別段の定めがあるときを除き、自己に代わって船長の職務を行うべき者を選任することができる。 この場合において、船長は、船舶所有者に対してその選任についての責任を負う。 (属具目録の備置き) 第七百十条 船長は、属具目録を船内に備え置かなければならない。 (船長による積荷の処分) 第七百十一条 船長は、航海中に積荷の利害関係人の利益のため必要があるときは、利害関係人に代わり、最もその利益に適合する方法によって、その積荷の処分をしなければならない。 2 積荷の利害関係人は、前項の処分によりその積荷について債務を負担したときは、当該債務に係る債権者にその積荷について有する権利を移転して、その責任を免れることができる。 ただし、利害関係人に過失があったときは、この限りでない。 (航海継続のための積荷の使用) 第七百十二条 船長は、航海を継続するため必要があるときは、積荷を航海の用に供することができる。 2 第五百七十六条第一項及び第二項の規定は、前項の場合において船舶所有者が支払うべき償金の額について準用する。 この場合において、同条第一項中「引渡し」とあるのは、「陸揚げ」と読み替えるものとする。 (船長の責任) 第七百十三条 船長は、海員がその職務を行うについて故意又は過失によって他人に加えた損害を賠償する責任を負う。 ただし、船長が海員の監督について注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 (船長の報告義務) 第七百十四条 船長は、遅滞なく、航海に関する重要な事項を船舶所有者に報告しなければならない。 (船長の解任) 第七百十五条 船舶所有者は、いつでも、船長を解任することができる。 2 前項の規定により解任された船長は、その解任について正当な理由がある場合を除き、船舶所有者に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。 3 船長が船舶共有者である場合において、その意に反して解任されたときは、船長は、他の船舶共有者に対し、相当の対価で自己の持分を買い取ることを請求することができる。 4 船長は、前項の規定による請求をしようとするときは、遅滞なく、他の船舶共有者又は船舶管理人に対してその旨の通知を発しなければならない。 第七百十六条から第七百三十六条まで 削除 第三章 海上物品運送に関する特則 第一節 個品運送 (運送品の船積み等) 第七百三十七条 運送人は、個品運送契約(個々の運送品を目的とする運送契約をいう。以下この節において同じ。)に基づいて荷送人から運送品を受け取ったときは、その船積み及び積付けをしなければならない。 2 荷送人が運送品の引渡しを怠ったときは、船長は、直ちに発航することができる。 この場合において、荷送人は、運送賃の全額(運送人がその運送品に代わる他の運送品について運送賃を得た場合にあっては、当該運送賃の額を控除した額)を支払わなければならない。 (船長に対する必要書類の交付) 第七百三十八条 荷送人は、船積期間内に、運送に必要な書類を船長に交付しなければならない。 (航海に堪える能力に関する注意義務) 第七百三十九条 運送人は、発航の当時次に掲げる事項を欠いたことにより生じた運送品の滅失、損傷又は延着について、損害賠償の責任を負う。 ただし、運送人がその当時当該事項について注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 船舶を航海に堪える状態に置くこと。 二 船員の乗組み、船舶の艤装及び需品の補給を適切に行うこと。 三 船倉、冷蔵室その他運送品を積み込む場所を運送品の受入れ、運送及び保存に適する状態に置くこと。 2 前項の規定による運送人の損害賠償の責任を免除し、又は軽減する特約は、無効とする。 (違法な船積品の陸揚げ等) 第七百四十条 法令に違反して又は個品運送契約によらないで船積みがされた運送品については、運送人は、いつでも、これを陸揚げすることができ、船舶又は積荷に危害を及ぼすおそれがあるときは、これを放棄することができる。 2 運送人は、前項に規定する運送品を運送したときは、船積みがされた地及び時における同種の運送品に係る運送賃の最高額を請求することができる。 3 前二項の規定は、運送人その他の利害関係人の荷送人に対する損害賠償の請求を妨げない。 (荷受人の運送賃支払義務等) 第七百四十一条 荷受人は、運送品を受け取ったときは、個品運送契約又は船荷証券の趣旨に従い、運送人に対し、次に掲げる金額の合計額(以下この節において「運送賃等」という。)を支払う義務を負う。 一 運送賃、付随の費用及び立替金の額 二 運送品の価格に応じて支払うべき救助料の額及び共同海損の分担額 2 運送人は、運送賃等の支払を受けるまで、運送品を留置することができる。 (運送品の競売) 第七百四十二条 運送人は、荷受人に運送品を引き渡した後においても、運送賃等の支払を受けるため、その運送品を競売に付することができる。 ただし、第三者がその占有を取得したときは、この限りでない。 (荷送人による発航前の解除) 第七百四十三条 発航前においては、荷送人は、運送賃の全額を支払って個品運送契約の解除をすることができる。 ただし、個品運送契約の解除によって運送人に生ずる損害の額が運送賃の全額を下回るときは、その損害を賠償すれば足りる。 2 前項の規定は、運送品の全部又は一部の船積みがされた場合には、他の荷送人及び傭船者の全員の同意を得たときに限り、適用する。 この場合において、荷送人は、運送品の船積み及び陸揚げに要する費用を負担しなければならない。 第七百四十四条 荷送人は、前条の規定により個品運送契約の解除をしたときであっても、運送人に対する付随の費用及び立替金の支払義務を免れることができない。 (荷送人による発航後の解除) 第七百四十五条 発航後においては、荷送人は、他の荷送人及び傭船者の全員の同意を得、かつ、運送賃等及び運送品の陸揚げによって生ずべき損害の額の合計額を支払い、又は相当の担保を供しなければ、個品運送契約の解除をすることができない。 (積荷を航海の用に供した場合の運送賃) 第七百四十六条 運送人は、船長が第七百十二条第一項の規定により積荷を航海の用に供したときにおいても、運送賃の全額を請求することができる。 (非航海船による物品運送への準用) 第七百四十七条 この節の規定は、商行為をする目的で専ら湖川、港湾その他の海以外の水域において航行の用に供する船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。以下この編において「非航海船」という。)によって物品を運送する場合について準用する。 第二節 航海傭船 (運送品の船積み) 第七百四十八条 航海傭船契約(船舶の全部又は一部を目的とする運送契約をいう。以下この節において同じ。)に基づいて運送品の船積みのために必要な準備を完了したときは、船長は、遅滞なく、傭船者に対してその旨の通知を発しなければならない。 2 船積期間の定めがある航海傭船契約において始期を定めなかったときは、その期間は、前項の通知があった時から起算する。 この場合において、不可抗力によって船積みをすることができない期間は、船積期間に算入しない。 3 傭船者が船積期間の経過後に運送品の船積みをした場合には、運送人は、特約がないときであっても、相当な滞船料を請求することができる。 (第三者による船積み) 第七百四十九条 船長は、第三者から運送品を受け取るべき場合において、その第三者を確知することができないとき、又はその第三者が運送品の船積みをしないときは、直ちに傭船者に対してその旨の通知を発しなければならない。 2 前項の場合において、傭船者は、船積期間内に限り、運送品の船積みをすることができる。 (傭船者による発航の請求) 第七百五十条 傭船者は、運送品の全部の船積みをしていないときであっても、船長に対し、発航の請求をすることができる。 2 傭船者は、前項の請求をしたときは、運送人に対し、運送賃の全額のほか、運送品の全部の船積みをしないことによって生じた費用を支払う義務を負い、かつ、その請求により、当該費用の支払について相当の担保を供しなければならない。 (船長の発航権) 第七百五十一条 船長は、船積期間が経過した後は、傭船者が運送品の全部の船積みをしていないときであっても、直ちに発航することができる。 この場合においては、前条第二項の規定を準用する。 (運送品の陸揚げ) 第七百五十二条 運送品の陸揚げのために必要な準備を完了したときは、船長は、遅滞なく、荷受人に対してその旨の通知を発しなければならない。 2 陸揚期間の定めがある航海傭船契約において始期を定めなかったときは、その期間は、前項の通知があった時から起算する。 この場合において、不可抗力によって陸揚げをすることができない期間は、陸揚期間に算入しない。 3 荷受人が陸揚期間の経過後に運送品の陸揚げをした場合には、運送人は、特約がないときであっても、相当な滞船料を請求することができる。 (全部航海傭船契約の傭船者による発航前の解除) 第七百五十三条 発航前においては、全部航海傭船契約(船舶の全部を目的とする航海傭船契約をいう。以下この節において同じ。)の傭船者は、運送賃の全額及び滞船料を支払って全部航海傭船契約の解除をすることができる。 ただし、全部航海傭船契約の解除によって運送人に生ずる損害の額が運送賃の全額及び滞船料を下回るときは、その損害を賠償すれば足りる。 2 傭船者は、運送品の全部又は一部の船積みをした後に前項の規定により全部航海傭船契約の解除をしたときは、その船積み及び陸揚げに要する費用を負担しなければならない。 3 全部航海傭船契約の傭船者が船積期間内に運送品の船積みをしなかったときは、運送人は、その傭船者が全部航海傭船契約の解除をしたものとみなすことができる。 (全部航海傭船契約の傭船者による発航後の解除) 第七百五十四条 発航後においては、全部航海傭船契約の傭船者は、第七百四十五条に規定する合計額及び滞船料を支払い、又は相当の担保を供しなければ、全部航海傭船契約の解除をすることができない。 (一部航海傭船契約の解除への準用) 第七百五十五条 第七百四十三条、第七百四十五条及び第七百五十三条第三項の規定は、船舶の一部を目的とする航海傭船契約の解除について準用する。 この場合において、第七百四十三条第一項中「全額」とあるのは「全額及び滞船料」と、第七百四十五条中「合計額」とあるのは「合計額並びに滞船料」と読み替えるものとする。 (個品運送契約に関する規定の準用等) 第七百五十六条 第七百三十八条から第七百四十二条まで(第七百三十九条第二項を除く。)、第七百四十四条、第七百四十六条及び第七百四十七条の規定は、航海傭船契約について準用する。 この場合において、第七百四十一条第一項中「金額」とあるのは「金額及び滞船料」と、第七百四十四条中「前条」とあるのは「第七百五十三条第一項又は第七百五十五条において準用する前条」と、第七百四十七条中「この節」とあるのは「次節」と読み替えるものとする。 2 運送人は、前項において準用する第七百三十九条第一項の規定による運送人の損害賠償の責任を免除し、又は軽減する特約をもって船荷証券の所持人に対抗することができない。 第三節 船荷証券等 (船荷証券の交付義務) 第七百五十七条 運送人又は船長は、荷送人又は傭船者の請求により、運送品の船積み後遅滞なく、船積みがあった旨を記載した船荷証券(以下この節において「船積船荷証券」という。)の一通又は数通を交付しなければならない。 運送品の船積み前においても、その受取後は、荷送人又は傭船者の請求により、受取があった旨を記載した船荷証券(以下この節において「受取船荷証券」という。)の一通又は数通を交付しなければならない。 2 受取船荷証券が交付された場合には、受取船荷証券の全部と引換えでなければ、船積船荷証券の交付を請求することができない。 3 前二項の規定は、運送品について現に海上運送状が交付されているときは、適用しない。 (船荷証券の記載事項) 第七百五十八条 船荷証券には、次に掲げる事項(受取船荷証券にあっては、第七号及び第八号に掲げる事項を除く。)を記載し、運送人又は船長がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。 一 運送品の種類 二 運送品の容積若しくは重量又は包若しくは個品の数及び運送品の記号 三 外部から認められる運送品の状態 四 荷送人又は傭船者の氏名又は名称 五 荷受人の氏名又は名称 六 運送人の氏名又は名称 七 船舶の名称 八 船積港及び船積みの年月日 九 陸揚港 十 運送賃 十一 数通の船荷証券を作成したときは、その数 十二 作成地及び作成の年月日 2 受取船荷証券と引換えに船積船荷証券の交付の請求があったときは、その受取船荷証券に船積みがあった旨を記載し、かつ、署名し、又は記名押印して、船積船荷証券の作成に代えることができる。 この場合においては、前項第七号及び第八号に掲げる事項をも記載しなければならない。 (荷送人又は傭船者の通知) 第七百五十九条 前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項は、その事項につき荷送人又は傭船者の書面又は電磁的方法による通知があったときは、その通知に従って記載しなければならない。 2 前項の規定は、同項の通知が正確でないと信ずべき正当な理由がある場合及び当該通知が正確であることを確認する適当な方法がない場合には、適用しない。 運送品の記号について、運送品又はその容器若しくは包装に航海の終了の時まで判読に堪える表示がされていない場合も、同様とする。 3 荷送人又は傭船者は、運送人に対し、第一項の通知が正確でないことによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (船荷証券の不実記載) 第七百六十条 運送人は、船荷証券の記載が事実と異なることをもって善意の所持人に対抗することができない。 (運送品に関する処分) 第七百六十一条 船荷証券が作成されたときは、運送品に関する処分は、船荷証券によってしなければならない。 (船荷証券の譲渡又は質入れ) 第七百六十二条 船荷証券は、記名式であるときであっても、裏書によって、譲渡し、又は質権の目的とすることができる。 ただし、船荷証券に裏書を禁止する旨を記載したときは、この限りでない。 (船荷証券の引渡しの効力) 第七百六十三条 船荷証券により運送品を受け取ることができる者に船荷証券を引き渡したときは、その引渡しは、運送品について行使する権利の取得に関しては、運送品の引渡しと同一の効力を有する。 (運送品の引渡請求) 第七百六十四条 船荷証券が作成されたときは、これと引換えでなければ、運送品の引渡しを請求することができない。 (数通の船荷証券を作成した場合における運送品の引渡し) 第七百六十五条 陸揚港においては、運送人は、数通の船荷証券のうち一通の所持人が運送品の引渡しを請求したときであっても、その引渡しを拒むことができない。 2 陸揚港外においては、運送人は、船荷証券の全部の返還を受けなければ、運送品の引渡しをすることができない。 第七百六十六条 二人以上の船荷証券の所持人がある場合において、その一人が他の所持人より先に運送人から運送品の引渡しを受けたときは、当該他の所持人の船荷証券は、その効力を失う。 (二人以上の船荷証券の所持人から請求を受けた場合の供託) 第七百六十七条 二人以上の船荷証券の所持人が運送品の引渡しを請求したときは、運送人は、その運送品を供託することができる。 運送人が第七百六十五条第一項の規定により運送品の一部を引き渡した後に他の所持人が運送品の引渡しを請求したときにおけるその運送品の残部についても、同様とする。 2 運送人は、前項の規定により運送品を供託したときは、遅滞なく、請求をした各所持人に対してその旨の通知を発しなければならない。 3 第一項に規定する場合においては、最も先に発送され、又は引き渡された船荷証券の所持人が他の所持人に優先する。 (船荷証券が作成された場合の特則) 第七百六十八条 船荷証券が作成された場合における前編第八章第二節の規定の適用については、第五百八十条中「荷送人」とあるのは、「船荷証券の所持人」とし、第五百八十一条、第五百八十二条第二項及び第五百八十七条ただし書の規定は、適用しない。 (複合運送証券) 第七百六十九条 運送人又は船長は、陸上運送及び海上運送を一の契約で引き受けたときは、荷送人の請求により、運送品の船積み後遅滞なく、船積みがあった旨を記載した複合運送証券の一通又は数通を交付しなければならない。 運送品の船積み前においても、その受取後は、荷送人の請求により、受取があった旨を記載した複合運送証券の一通又は数通を交付しなければならない。 2 第七百五十七条第二項及び第七百五十八条から前条までの規定は、複合運送証券について準用する。 この場合において、第七百五十八条第一項中「除く。)」とあるのは、「除く。)並びに発送地及び到達地」と読み替えるものとする。 第四節 海上運送状 第七百七十条 運送人又は船長は、荷送人又は傭船者の請求により、運送品の船積み後遅滞なく、船積みがあった旨を記載した海上運送状を交付しなければならない。 運送品の船積み前においても、その受取後は、荷送人又は傭船者の請求により、受取があった旨を記載した海上運送状を交付しなければならない。 2 海上運送状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 一 第七百五十八条第一項各号(第十一号を除く。)に掲げる事項(運送品の受取があった旨を記載した海上運送状にあっては、同項第七号及び第八号に掲げる事項を除く。) 二 数通の海上運送状を作成したときは、その数 3 第一項の運送人又は船長は、海上運送状の交付に代えて、法務省令で定めるところにより、荷送人又は傭船者の承諾を得て、海上運送状に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。 この場合において、当該運送人又は船長は、海上運送状を交付したものとみなす。 4 前三項の規定は、運送品について現に船荷証券が交付されているときは、適用しない。 第七百七十一条から第七百八十七条まで 削除 第四章 船舶の衝突 (船舶所有者間の責任の分担) 第七百八十八条 船舶と他の船舶との衝突(次条において「船舶の衝突」という。)に係る事故が生じた場合において、衝突したいずれの船舶についてもその船舶所有者又は船員に過失があったときは、裁判所は、これらの過失の軽重を考慮して、各船舶所有者について、その衝突による損害賠償の責任及びその額を定める。 この場合において、過失の軽重を定めることができないときは、損害賠償の責任及びその額は、各船舶所有者が等しい割合で負担する。 (船舶の衝突による損害賠償請求権の消滅時効) 第七百八十九条 船舶の衝突を原因とする不法行為による損害賠償請求権(財産権が侵害されたことによるものに限る。)は、不法行為の時から二年間行使しないときは、時効によって消滅する。 (準衝突) 第七百九十条 前二条の規定は、船舶がその航行若しくは船舶の取扱いに関する行為又は船舶に関する法令に違反する行為により他の船舶に著しく接近し、当該他の船舶又は当該他の船舶内にある人若しくは物に損害を加えた事故について準用する。 (非航海船との衝突等への準用) 第七百九十一条 前三条の規定は、船舶と非航海船との事故について準用する。 第五章 海難救助 (救助料の支払の請求等) 第七百九十二条 船舶又は積荷その他の船舶内にある物(以下この編において「積荷等」という。)の全部又は一部が海難に遭遇した場合において、これを救助した者があるときは、その者(以下この章において「救助者」という。)は、契約に基づかないで救助したときであっても、その結果に対して救助料の支払を請求することができる。 2 船舶所有者及び船長は、積荷等の所有者に代わってその救助に係る契約を締結する権限を有する。 (救助料の額) 第七百九十三条 救助料につき特約がない場合において、その額につき争いがあるときは、裁判所は、危険の程度、救助の結果、救助のために要した労力及び費用(海洋の汚染の防止又は軽減のためのものを含む。)その他一切の事情を考慮して、これを定める。 (救助料の増減の請求) 第七百九十四条 海難に際し契約で救助料を定めた場合において、その額が著しく不相当であるときは、当事者は、その増減を請求することができる。 この場合においては、前条の規定を準用する。 (救助料の上限額) 第七百九十五条 救助料の額は、特約がないときは、救助された物の価額(救助された積荷の運送賃の額を含む。)の合計額を超えることができない。 (救助料の割合等) 第七百九十六条 数人が共同して救助した場合において、各救助者に支払うべき救助料の割合については、第七百九十三条の規定を準用する。 2 第七百九十二条第一項に規定する場合において、人命の救助に従事した者があるときは、その者も、前項の規定に従って救助料の支払を受けることができる。 第七百九十七条 救助に従事した船舶に係る救助料については、その三分の二を船舶所有者に支払い、その三分の一を船員に支払わなければならない。 2 前項の規定に反する特約で船員に不利なものは、無効とする。 3 前二項の規定にかかわらず、救助料の割合が著しく不相当であるときは、船舶所有者又は船員の一方は、他の一方に対し、その増減を請求することができる。 この場合においては、第七百九十三条の規定を準用する。 4 各船員に支払うべき救助料の割合は、救助に従事した船舶の船舶所有者が決定する。 この場合においては、前条の規定を準用する。 5 救助者が救助することを業とする者であるときは、前各項の規定にかかわらず、救助料の全額をその救助者に支払わなければならない。 (救助料の割合の案) 第七百九十八条 船舶所有者が前条第四項の規定により救助料の割合を決定するには、航海を終了するまでにその案を作成し、これを船員に示さなければならない。 第七百九十九条 船員は、前条の案に対し、異議の申立てをすることができる。 この場合において、当該異議の申立ては、その案が示された後、当該異議の申立てをすることができる最初の港の管海官庁にしなければならない。 2 管海官庁は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、前条の案を更正することができる。 3 船舶所有者は、第一項の規定による異議の申立てについての管海官庁の決定があるまでは、船員に対し、救助料の支払をすることができない。 第八百条 船舶所有者が第七百九十八条の案の作成を怠ったときは、管海官庁は、船員の請求により、船舶所有者に対し、その案の作成を命ずることができる。 2 船舶所有者が前項の規定による命令に従わないときは、管海官庁は、自ら第七百九十七条第四項の規定による決定をすることができる。 (救助料を請求することができない場合) 第八百一条 次に掲げる場合には、救助者は、救助料を請求することができない。 一 故意に海難を発生させたとき。 二 正当な事由により救助を拒まれたにもかかわらず、救助したとき。 (積荷等についての先取特権) 第八百二条 救助料に係る債権を有する者は、救助された積荷等について先取特権を有する。 2 前項の先取特権については、第八百四十三条第二項、第八百四十四条及び第八百四十六条の規定を準用する。 (救助料の支払等に係る船長の権限) 第八百三条 救助された船舶の船長は、救助料の債務者に代わってその支払に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 2 救助された船舶の船長は、救助料に関し、救助料の債務者のために、原告又は被告となることができる。 3 前二項の規定は、救助に従事した船舶の船長について準用する。 この場合において、これらの規定中「債務者」とあるのは、「債権者(当該船舶の船舶所有者及び海員に限る。)」と読み替えるものとする。 4 前三項の規定は、契約に基づく救助については、適用しない。 (積荷等の所有者の責任) 第八百四条 積荷等の全部又は一部が救助されたときは、当該積荷等の所有者は、当該積荷等をもって救助料に係る債務を弁済する責任を負う。 (特別補償料) 第八百五条 海難に遭遇した船舶から排出された油その他の物により海洋が汚染され、当該汚染が広範囲の沿岸海域において海洋環境の保全に著しい障害を及ぼし、若しくは人の健康を害し、又はこれらの障害を及ぼすおそれがある場合において、当該船舶の救助に従事した者が当該障害の防止又は軽減のための措置をとったときは、その者(以下この条において「汚染対処船舶救助従事者」という。)は、特約があるときを除き、船舶所有者に対し、特別補償料の支払を請求することができる。 2 特別補償料の額は、前項に規定する措置として必要又は有益であった費用に相当する額とする。 3 汚染対処船舶救助従事者がその措置により第一項に規定する障害を防止し、又は軽減したときは、特別補償料は、当事者の請求により、前項に規定する費用に相当する額以上当該額に百分の三十(当該額が当該障害の防止又は軽減の結果に比して著しく少ないことその他の特別の事情がある場合にあっては、百分の百)を乗じて得た額を加算した額以下の範囲内において、裁判所がこれを定める。 この場合においては、第七百九十三条の規定を準用する。 4 汚染対処船舶救助従事者が同一の海難につき救助料に係る債権を有するときは、特別補償料の額は、当該救助料の額を控除した額とする。 5 汚染対処船舶救助従事者の過失によって第一項に規定する障害を防止し、又は軽減することができなかったときは、裁判所は、これを考慮して、特別補償料の額を定めることができる。 (救助料に係る債権等の消滅時効) 第八百六条 救助料又は特別補償料に係る債権は、救助の作業が終了した時から二年間行使しないときは、時効によって消滅する。 (非航海船の救助への準用) 第八百七条 この章の規定は、非航海船又は非航海船内にある積荷その他の物を救助する場合について準用する。 第六章 共同海損 (共同海損の成立) 第八百八条 船舶及び積荷等に対する共同の危険を避けるために船舶又は積荷等について処分がされたときは、当該処分(以下この章において「共同危険回避処分」という。)によって生じた損害及び費用は、共同海損とする。 2 前項の規定は、同項の危険が過失によって生じた場合における利害関係人から当該過失のある者に対する求償権の行使を妨げない。 (共同海損となる損害又は費用) 第八百九条 共同海損となる損害の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額によって算定する。 ただし、第二号及び第四号に定める額については、積荷の滅失又は損傷のために支払うことを要しなくなった一切の費用の額を控除するものとする。 一 船舶 到達の地及び時における当該船舶の価格 二 積荷 陸揚げの地及び時における当該積荷の価格 三 積荷以外の船舶内にある物 到達の地及び時における当該物の価格 四 運送賃 陸揚げの地及び時において請求することができる運送賃の額 2 船荷証券その他積荷の価格を評定するに足りる書類(以下この章において「価格評定書類」という。)に積荷の実価より低い価額を記載したときは、その積荷に加えた損害の額は、当該価格評定書類に記載された価額によって定める。 積荷の価格に影響を及ぼす事項につき価格評定書類に虚偽の記載をした場合において、当該記載によることとすれば積荷の実価より低い価格が評定されることとなるときも、同様とする。 3 次に掲げる損害又は費用は、利害関係人が分担することを要しない。 一 次に掲げる物に加えた損害。 ただし、次のハに掲げる物にあっては第五百七十七条第二項第一号に掲げる場合を、次のニに掲げる物にあっては甲板積みをする商慣習がある場合を除く。 イ 船舶所有者に無断で船積みがされた積荷 ロ 船積みに際して故意に虚偽の申告がされた積荷 ハ 高価品である積荷であって、荷送人又は傭船者が運送を委託するに当たりその種類及び価額を通知していないもの ニ 甲板上の積荷 ホ 属具目録に記載がない属具 二 特別補償料 (共同海損の分担額) 第八百十条 共同海損は、次の各号に掲げる者(船員及び旅客を除く。)が当該各号に定める額の割合に応じて分担する。 一 船舶の利害関係人 到達の地及び時における当該船舶の価格 二 積荷の利害関係人 次のイに掲げる額から次のロに掲げる額を控除した額 イ 陸揚げの地及び時における当該積荷の価格 ロ 共同危険回避処分の時においてイに規定する積荷の全部が滅失したとした場合に当該積荷の利害関係人が支払うことを要しないこととなる運送賃その他の費用の額 三 積荷以外の船舶内にある物(船舶に備え付けた武器を除く。)の利害関係人 到達の地及び時における当該物の価格 四 運送人 次のイに掲げる額から次のロに掲げる額を控除した額 イ 第二号ロに規定する運送賃のうち、陸揚げの地及び時において現に存する債権の額 ロ 船員の給料その他の航海に必要な費用(共同海損となる費用を除く。)のうち、共同危険回避処分の時に船舶及び第二号イに規定する積荷の全部が滅失したとした場合に運送人が支払うことを要しないこととなる額 2 共同危険回避処分の後、到達又は陸揚げ前に船舶又は積荷等について必要費又は有益費を支出したときは、当該船舶又は積荷等については、前項第一号から第三号までに定める額は、その費用(共同海損となる費用を除く。)の額を控除した額とする。 3 第一項に規定する者が共同危険回避処分によりその財産につき損害を受けたときは、その者については、同項各号に定める額は、その損害の額(当該財産について前項に規定する必要費又は有益費を支出した場合にあっては、その費用(共同海損となる費用に限る。)の額を超える部分の額に限る。)を加算した額とする。 4 価格評定書類に積荷の実価を超える価額を記載したときは、その積荷の利害関係人は、当該価格評定書類に記載された価額に応じて共同海損を分担する。 積荷の価格に影響を及ぼす事項につき価格評定書類に虚偽の記載をした場合において、当該記載によることとすれば積荷の実価を超える価格が評定されることとなるときも、同様とする。 (共同海損を分担すべき者の責任) 第八百十一条 前条の規定により共同海損を分担すべき者は、船舶の到達(同条第一項第二号又は第四号に掲げる者にあっては、積荷の陸揚げ)の時に現存する価額の限度においてのみ、その責任を負う。 (共同海損の分担に基づく債権の消滅時効) 第八百十二条 共同海損の分担に基づく債権は、その計算が終了した時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。 第八百十三条及び第八百十四条 削除 第七章 海上保険 (定義等) 第八百十五条 この章において「海上保険契約」とは、損害保険契約のうち、保険者(営業として保険の引受けを行うものに限る。以下この章において同じ。)が航海に関する事故によって生ずることのある損害を塡補することを約するものをいう。 2 海上保険契約については、この章に別段の定めがある場合を除き、保険法(平成二十年法律第五十六号)第二章第一節から第四節まで及び第六節並びに第五章の規定を適用する。 (保険者の塡補責任) 第八百十六条 保険者は、この章又は海上保険契約に別段の定めがある場合を除き、保険の目的について、保険期間内に発生した航海に関する事故によって生じた一切の損害を塡補する責任を負う。 第八百十七条 保険者は、海難の救助又は共同海損の分担のため被保険者が支払うべき金額を塡補する責任を負う。 2 保険法第十九条の規定は、前項に規定する金額について準用する。 この場合において、同条中「てん補損害額」とあるのは、「商法(明治三十二年法律第四十八号)第八百十七条第一項に規定する金額」と読み替えるものとする。 (船舶保険の保険価額) 第八百十八条 船舶を保険の目的物とする海上保険契約(以下この章において「船舶保険契約」という。)については、保険期間の始期における当該船舶の価額を保険価額とする。 (貨物保険の保険価額) 第八百十九条 貨物を保険の目的物とする海上保険契約(以下この章において「貨物保険契約」という。)については、その船積みがされた地及び時における当該貨物の価額、運送賃並びに保険に関する費用の合計額を保険価額とする。 (告知義務) 第八百二十条 保険契約者又は被保険者になる者は、海上保険契約の締結に際し、海上保険契約により塡補することとされる損害の発生の可能性(以下この章において「危険」という。)に関する重要な事項について、事実の告知をしなければならない。 (契約締結時に交付すべき書面の記載事項) 第八百二十一条 保険者が海上保険契約を締結した場合においては、保険法第六条第一項に規定する書面には、同項各号に掲げる事項のほか、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載しなければならない。 一 船舶保険契約を締結した場合 船舶の名称、国籍、種類、船質、総トン数、建造の年及び航行区域(一の航海について船舶保険契約を締結した場合にあっては、発航港及び到達港(寄航港の定めがあるときは、その港を含む。))並びに船舶所有者の氏名又は名称 二 貨物保険契約を締結した場合 船舶の名称並びに貨物の発送地、船積港、陸揚港及び到達地 (航海の変更) 第八百二十二条 保険期間の始期の到来前に航海の変更をしたときは、海上保険契約は、その効力を失う。 2 保険期間内に航海の変更をしたときは、保険者は、その変更以後に発生した事故によって生じた損害を塡補する責任を負わない。 ただし、その変更が保険契約者又は被保険者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 3 到達港を変更し、その実行に着手した場合においては、海上保険契約で定める航路を離れないときであっても、航海の変更をしたものとみなす。 (著しい危険の増加) 第八百二十三条 次に掲げる場合には、保険者は、その事実が生じた時以後に発生した事故によって生じた損害を塡補する責任を負わない。 ただし、当該事実が当該事故の発生に影響を及ぼさなかったとき、又は保険契約者若しくは被保険者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 一 被保険者が発航又は航海の継続を怠ったとき。 二 被保険者が航路を変更したとき。 三 前二号に掲げるもののほか、保険契約者又は被保険者が危険を著しく増加させたとき。 (船舶の変更) 第八百二十四条 貨物保険契約で定める船舶を変更したときは、保険者は、その変更以後に発生した事故によって生じた損害を塡補する責任を負わない。 ただし、その変更が保険契約者又は被保険者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 (予定保険) 第八百二十五条 貨物保険契約において、保険期間、保険金額、保険の目的物、約定保険価額、保険料若しくはその支払の方法、船舶の名称又は貨物の発送地、船積港、陸揚港若しくは到達地(以下この条において「保険期間等」という。)につきその決定の方法を定めたときは、保険法第六条第一項に規定する書面には、保険期間等を記載することを要しない。 2 保険契約者又は被保険者は、前項に規定する場合において、保険期間等が確定したことを知ったときは、遅滞なく、保険者に対し、その旨の通知を発しなければならない。 3 保険契約者又は被保険者が故意又は重大な過失により遅滞なく前項の通知をしなかったときは、貨物保険契約は、その効力を失う。 (保険者の免責) 第八百二十六条 保険者は、次に掲げる損害を塡補する責任を負わない。 ただし、第四号に掲げる損害にあっては、保険契約者又は被保険者が発航の当時同号に規定する事項について注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。 一 保険の目的物の性質若しくは瑕疵又はその通常の損耗によって生じた損害 二 保険契約者又は被保険者の故意又は重大な過失(責任保険契約にあっては、故意)によって生じた損害 三 戦争その他の変乱によって生じた損害 四 船舶保険契約にあっては、発航の当時第七百三十九条第一項各号(第七百七条及び第七百五十六条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を欠いたことにより生じた損害 五 貨物保険契約にあっては、貨物の荷造りの不完全によって生じた損害 (貨物の損傷等の場合の塡補責任) 第八百二十七条 保険の目的物である貨物が損傷し、又はその一部が滅失して到達地に到着したときは、保険者は、第一号に掲げる額の第二号に掲げる額に対する割合を保険価額(約定保険価額があるときは、当該約定保険価額)に乗じて得た額を塡補する責任を負う。 一 当該貨物に損傷又は一部滅失がなかったとした場合の当該貨物の価額から損傷又は一部滅失後の当該貨物の価額を控除した額 二 当該貨物に損傷又は一部滅失がなかったとした場合の当該貨物の価額 (不可抗力による貨物の売却の場合の塡補責任) 第八百二十八条 航海の途中において不可抗力により保険の目的物である貨物が売却されたときは、保険者は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額を塡補する責任を負う。 一 保険価額(約定保険価額があるときは、当該約定保険価額) 二 当該貨物の売却によって得た代価から運送賃その他の費用を控除した額 (告知義務違反による解除) 第八百二十九条 保険者は、保険契約者又は被保険者が、危険に関する重要な事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、海上保険契約を解除することができる。 この場合においては、保険法第二十八条第二項(第一号に係る部分に限る。)及び第四項並びに第三十一条第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定を準用する。 (相互保険への準用) 第八百三十条 この章の規定は、相互保険について準用する。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 第八百三十一条から第八百四十一条まで 削除 第八章 船舶先取特権及び船舶抵当権 (船舶先取特権) 第八百四十二条 次に掲げる債権を有する者は、船舶及びその属具について先取特権を有する。 一 船舶の運航に直接関連して生じた人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権 二 救助料に係る債権又は船舶の負担に属する共同海損の分担に基づく債権 三 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)若しくは国税徴収の例によって徴収することのできる請求権であって船舶の入港、港湾の利用その他船舶の航海に関して生じたもの又は水先料若しくは引き船料に係る債権 四 航海を継続するために必要な費用に係る債権 五 雇用契約によって生じた船長その他の船員の債権 (船舶先取特権の順位) 第八百四十三条 前条各号に掲げる債権に係る先取特権(以下この章において「船舶先取特権」という。)が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、同条各号に掲げる順序に従う。 ただし、同条第二号に掲げる債権(救助料に係るものに限る。)に係る船舶先取特権は、その発生の時において既に生じている他の船舶先取特権に優先する。 2 同一順位の船舶先取特権を有する者が数人あるときは、これらの者は、その債権額の割合に応じて弁済を受ける。 ただし、前条第二号から第四号までに掲げる債権にあっては、同一順位の船舶先取特権が同時に生じたものでないときは、後に生じた船舶先取特権が前に生じた船舶先取特権に優先する。 (船舶先取特権と他の先取特権との競合) 第八百四十四条 船舶先取特権と他の先取特権とが競合する場合には、船舶先取特権は、他の先取特権に優先する。 (船舶先取特権と船舶の譲受人) 第八百四十五条 船舶所有者がその船舶を譲渡したときは、譲受人は、その登記をした後、船舶先取特権を有する者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨を公告しなければならない。 この場合において、その期間は、一箇月を下ることができない。 2 船舶先取特権を有する者が前項の期間内に同項の申出をしなかったときは、その船舶先取特権は、消滅する。 (船舶先取特権の消滅) 第八百四十六条 船舶先取特権は、その発生後一年を経過したときは、消滅する。 (船舶抵当権) 第八百四十七条 登記した船舶は、抵当権の目的とすることができる。 2 船舶の抵当権は、その属具に及ぶ。 3 船舶の抵当権には、不動産の抵当権に関する規定を準用する。 この場合において、民法第三百八十四条第一号中「抵当権を実行して競売の申立てをしないとき」とあるのは、「抵当権の実行としての競売の申立て若しくはその提供を承諾しない旨の第三取得者に対する通知をせず、又はその通知をした債権者が抵当権の実行としての競売の申立てをすることができるに至った後一週間以内にこれをしないとき」と読み替えるものとする。 (船舶抵当権と船舶先取特権等との競合) 第八百四十八条 船舶の抵当権と船舶先取特権とが競合する場合には、船舶先取特権は、船舶の抵当権に優先する。 2 船舶の抵当権と先取特権(船舶先取特権を除く。)とが競合する場合には、船舶の抵当権は、民法第三百三十条第一項に規定する第一順位の先取特権と同順位とする。 (質権設定の禁止) 第八百四十九条 登記した船舶は、質権の目的とすることができない。 (製造中の船舶への準用) 第八百五十条 この章の規定は、製造中の船舶について準用する。 附 則 第一条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 第二条 本法ノ規定ハ本法施行ノ日ヨリ其施行前ニ生シタル事項ニモ亦之ヲ適用ス但従前ノ規定ニ依リテ生シタル効力ヲ妨ケス 附 則 第六十七条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 第六十八条 商法第五百七十五条及第五編第二章第二節ハ之ヲ削除ス 但シ商法其ノ他ノ法令ノ規定ノ適用上之ニ依ルベキ場合ニ於テハ仍其ノ効力ヲ有ス 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 第三十三条 この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。 附 則 第一条 この法律は、第十章の規定を除いて、公布の日からこれを施行する。 附 則 第二十九条 この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。 附 則 第一条 この法律は、公布の日から、これを施行する。 第二条 この附則で、新法とは、この法律による改正後の規定をいい、旧法とは、従前の規定をいう。 第三条 新法施行の際、株金全額の払込の完了していない株式に関しては、新法施行後もなお旧法を適用する。 新法施行前に行われた設立又は資本増加の際引受のあつた株式で、一時に全額を払込ませないものに関しても、また同様である。 2 前項に定めるものの外、新法施行前に生じた事項については、旧法を適用する。 第四条 前条第一項に規定する株式については、会社は新法施行の日から二年内に株金全額払込済のものとするため、株金の払込をなさしめ、又は資本を減少する等必要な措置を講じなければならない。 2 前項に規定する期間内に、同項に定める措置を講じなかつた場合における措置に関しては、別に法律を以てこれを定める。 第五条 旧法第二百九十七条第一項第二項及び第三百一条第一項第十号の規定は、株金全額の払込の完了していない株式のある会社の社債の発行に関しては、新法施行後も、なおその効力を有する。 第六条 新法施行の際、他の法令中に商法の規定を準用する旨定めた規定がある場合においては、その規定は、既に引受のあつた株式又は出資についてのみ新法施行後もなお旧法を準用するものとし、その限りにおいて旧法はなおその効力を有する。 附 則 1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。 9 登記所がすべき公告は、当分の間官報でするものとする。 但し、登記事項の公告は、当分の間しない。 10 商法第十二条の規定の適用については、登記の時に登記及び公告があつたものとみなす。 附 則 1 この法律は、昭和二十六年七月一日から施行する。 4 この法律施行前に成立した株式会社が既に発行した株式及びこの法律施行後発行する額面株式については、第二百二条第二項の改正規定にかかわらず、改正前の同条同項の規定を適用する。 附 則 この法律は、新法の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、昭和二十六年七月一日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和二十六年七月一日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和三十年七月一日から施行する。 2 この法律による改正後の商法は、特別の定がある場合を除いては、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、従前の商法によつて生じた効力を妨げない。 3 この法律の施行前に定めた新株の引受権に関する定款の規定の不備は、会社の設立、新株の発行、合併、組織変更又は定款の他の規定の効力を妨げない。 4 この法律の施行前に定めた株主の新株の引受権に関する定款の規定は、この法律の施行の際における会社が発行する株式の総数のうち未発行の部分について、その効力を有する。 ただし、その定款の規定を廃止し、又は変更することを妨げない。 5 この法律の施行前に定めた株主以外の者の新株の引受権に関する定款の規定は、この法律の施行後はその効力を有しない。 ただし、この法律の施行前に申込があつた新株の引受権については、従前の例による。 附 則 1 この法律は、昭和三十四年一月一日から施行する。 附 則 この法律は、昭和三十三年七月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、昭和三十八年四月一日から施行する。 (定義) 第二条 この附則で、「新法」とは、この法律による改正後の商法をいい、「旧法」とは、従前の商法をいう。 (原則) 第三条 新法は、特別の定めがある場合を除いては、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、旧法によつて生じた効力を妨げない。 (清算結了の登記) 第四条 新法第百十九条ノ二(新法第百四十七条で準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前に財産の処分を完了した場合には適用しない。 (帳簿等の保存) 第五条 この法律の施行前に解散の登記をした合名会社又は合資会社については、この法律の施行後も、なお旧法第百四十三条(旧法第百四十七条で準用する場合を含む。)の規定を適用する。 (所在不明株主等) 第六条 この法律の施行の際、株主名簿に記載した株主若しくは質権者の住所又は株主若しくは質権者が会社に通知した住所にあてて発した通知及び催告が継続して三年をこえる期間到達していないときは、その期間のうち三年をこえる部分は、新法第二百二十四条ノ二第一項(同条第三項で準用する場合を含む。)の期間に算入しない。 (新株の効力発生日) 第七条 この法律の施行前に新株の発行の決議があつたときは、この法律の施行後も、なお旧法第二百八十条ノ九の規定を適用する。 (株式会社の計算) 第八条 この法律の施行の際現に存する株式会社のこの法律の施行後最初に到来する決算期以前の決算期に関する計算については、この法律の施行後も、なお従前の例による。 ただし、新法第二百八十八条ノ二第二項の規定の適用を妨げない。 第九条 新法第二百八十五条ノ二、第二百八十五条ノ三及び第二百八十五条ノ五から第二百八十五条ノ七までの規定の適用については、この法律の施行の際現に存する株式会社がこの法律の施行後最初に到来する決算期以前に取得し、又は製作した資産は、その決算期において附することができる最高額(その額の範囲内で別に附した価額があるときは、その価額)をもつて、その決算期の翌日に取得し、又は製作したものとみなす。 第十条 新法第二百八十六条ノ二、第二百八十六条ノ三又は第二百八十六条ノ五に規定する貸借対照表の資産の部に計上することができる金額で、この法律の施行の際現に存する株式会社がこの法律の施行後最初に到来する決算期以前に支出したものについては、その金額からその決算期以前にこれらの規定が適用されたならば償却すべきであつた額の最少額を控除した金額を、その決算期の次の決算期において、貸借対照表の資産の部に計上することができる。 この場合においては、これらの規定による償却期間からすでに経過した期間を控除した期間内に、毎決算期に均等額以上の償却をしなければならない。 2 前項の場合においては、同項の規定により貸借対照表の資産の部に計上した金額(社債発行のために必要な費用の額を除く。)は、新法第二百九十条第一項の規定の適用については、新法第二百八十六条ノ二又は第二百八十六条ノ三の規定により貸借対照表の資産の部に計上した金額とみなす。 (合併の場合の貸借対照表の備置き) 第十一条 新法第四百八条ノ二の規定は、同条第一項に規定する株主総会の会日がこの法律の施行後二週間以内である場合には、適用しない。 (罰則) 第十二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 この法律は、商業登記法の施行の日(昭和三十九年四月一日)から施行する。 ただし、第七条中商法第二百十条第四号、第二百八十条ノ四第二項及び第四百九十八条第一項第九号の改正規定は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、昭和四十一年七月一日から施行する。 ただし、商法第百八十八条第二項第五号、第二百五条、第二百十三条から第二百二十一条まで、第二百二十三条第一項、第二百二十九条、第二百八十四条ノ二及び第四百九十八条第一項第十六号の改正規定、同法第二百二十六条の次に一条を加える改正規定並びに附則第三項及び第四項の規定は、昭和四十二年四月一日から、同法第三百四十一条ノ六の改正規定、同条を同法第三百四十一条ノ七とし、同法第三百四十一条ノ五の次に一条を加える改正規定並びに次項及び附則第七項の規定は、公布の日から施行する。 (経過措置) 2 この法律による改正後の商法(以下「新法」という。)の規定は、特別の定めがある場合を除いては、当該改正規定の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、従前の商法(以下「旧法」という。)の規定によつて生じた効力を妨げない。 3 昭和四十二年四月一日前における株式の移転又は株券の取得については、同日以後も、なお旧法第二百五条及び第二百二十九条の規定を適用する。 ただし、同日以後の株券の占有につき新法第二百五条第二項の規定を適用することを妨げない。 4 昭和四十二年四月一日前に発行された株券を同日以後に取得した者が、裏書の連続又は株式の譲渡を証する書面の整否につき調査をしなかつた場合においても、新法第二百二十九条の規定の適用については、その調査をしなかつたことをもつて、悪意又は重大な過失があつたものとすることはできない。 5 新法第二百三十九条第六項及び第二百三十九条ノ二の規定(新法第百八十条第三項及び第四百十三条第三項において準用する場合を含む。)は、この法律の施行の日から起算して二週間内の日を会日とする株主総会又は創立総会における議決権の行使については、適用しない。 6 この法律の施行前に新株の発行の決議があつたときは、その新株の発行に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 この法律の施行前にされた旧法第二百八十条ノ二第二項の決議において定めた株式の発行に関しても、同様とする。 7 新法第三百四十一条ノ六第二項の規定は、同項の一定の日がこの法律の公布の日前であるときは、適用しない。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、商法第二百九条第一項、第二百四十条第二項、第二百五十六条ノ三、第二百八十条ノ二第一項、第二百八十条ノ六第三号、第二百八十条ノ七、第二百八十八条ノ二、第二百九十三条ノ二、第二百九十三条ノ三第三項、第二百九十三条ノ四第二項、第三百四十一条ノ二、第三百四十一条ノ七、第三百七十九条第一項及び第四百九十八条ノ二の各改正規定、同法第二百五十六条ノ四を削る改正規定、同法第二百八十条ノ九の次に一条を加える改正規定、同法第三百四十一条ノ二の次に四条を加える改正規定、同法第四百六条ノ二の次に一条を加える改正規定並びに次条、附則第五条及び第十条から第十三条までの規定は、公布の日から施行する。 (経過措置の原則) 第二条 この法律による改正後の商法の規定は、特別の定めがある場合を除いては、当該改正規定の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前の商法の規定によつて生じた効力を妨げない。 (商業帳簿等に関する経過措置) 第三条 この法律の施行の際現に商人である者がこの法律の施行後最初に到来する改正後の商法第三十三条の一定の時期(会社にあつては、決算期をいう。以下この条及び次条において同じ。)以前において作成すべき商業帳簿及びその附属明細書並びに当該一定の時期以前においてする計算及び当該一定の時期に関する計算に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (流動資産及び固定資産の評価に関する経過措置) 第四条 改正後の商法第三十四条第一号及び第二号の規定の適用については、この法律の施行の際現に株式会社以外の商人である者がこの法律の施行後最初に到来する改正後の商法第三十三条の一定の時期以前に取得し、又は製作した資産は、当該一定の時期において附することができる最高価額(その額の範囲内で別に附した価額があるときは、その価額)をもつて、当該一定の時期の翌日に取得し、又は製作したものとみなす。 (累積投票に関する経過措置) 第五条 商法第二百五十六条ノ三の改正規定及び同法第二百五十六条ノ四を削る改正規定の施行の際現に取締役の選任について累積投票によらないことを定めた定款には、発行済株式の総数の四分の一以上に当たる株式を有する株主が累積投票によるべきことを求めることができる旨の定めがあるものとみなす。 ただし、発行済株式の総数の四分の一以下の割合以上に当たる株式を有する株主がその請求をすることができる旨の定めがある場合は、この限りでない。 (会社と取締役又は清算人との間の訴えについての会社代表に関する経過措置) 第六条 この法律の施行の際現に存する株式会社が取締役若しくは清算人に対し、又は取締役若しくは清算人がその会社に対して提起する訴えについて会社を代表すべき者に関しては、この法律の施行後最初に到来する決算期に関する定時総会の終結前は、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (監査役に関する経過措置) 第七条 この法律の施行の際現に存する株式会社の監査役で、この法律の施行後最初に到来する決算期に関する定時総会の終結前に在任するものに関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 2 前項の定時総会の終結の際現に在任する監査役は、同項の定時総会の終結と同時に退任する。 (定時総会の招集の通知に添附すべき書類に関する経過措置) 第八条 改正後の商法第二百八十三条第二項の規定は、この法律の施行後最初に到来する決算期以前の決算期に関する定時総会については、適用しない。 (子会社の株式の評価に関する経過措置) 第九条 この法律の施行の際現に存する株式会社がこの法律の施行後最初に到来する決算期において附則第三条の規定によりなおその例によるものとされる改正前の商法第二百八十五条ノ六第二項において準用する同法第二百八十五条ノ二第二項の規定により子会社の株式に時価を附した場合においては、改正後の商法第二百八十五条ノ六第一項及び同条第二項において準用する同法第二百八十五条ノ二第一項ただし書の規定の適用については、その附した時価を取得価額とみなす。 (株式による配当に関する経過措置) 第十条 商法第二百九十三条ノ二の改正規定の施行前に株主総会の招集に関する取締役会の決議があつた場合において、その株主総会の決議をもつて利益の配当の全部又は一部を新たに発行する株式をもつてするときは、その改正規定の施行後も、なお従前の例による。 (転換社債の発行に関する経過措置) 第十一条 転換社債に関する改正規定の施行前に転換社債の発行の決議があつたときは、その転換社債の発行に関しては、その改正規定の施行後も、なお従前の例による。 (資本の減少に関する経過措置) 第十二条 商法第三百七十九条第一項の改正規定の施行前に資本の減少の決議があつたときは、その資本の減少に関しては、その改正規定の施行後も、なお従前の例による。 (休眠会社に関する特例) 第十三条 昭和四十九年十月一日において、最後の登記をした後十年を経過している株式会社は、その日に解散したものとみなす。 2 改正後の商法第四百六条ノ三第三項の規定は、前項の場合について準用する。 3 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第九十一条の二の規定は、第一項の規定による解散の登記について準用する。 (罰則の適用に関する経過措置) 第十四条 この法律の施行前にした行為及びこの法律附則の規定により従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日等) 1 この法律は、海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。 2 この法律は、この法律の施行前に発生した事故により生じた損害に基づく債権については適用せず、この法律の施行前に生じた債権及びこの法律の施行前に発生した事故によりこの法律の施行後に生じた損害に基づく債権については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。 (経過措置) 2 この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。 3 前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、昭和五十七年十月一日から施行する。 ただし、第一条中商法目次の改正規定及び同法第二編第四章第五節に一款を加える改正規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置の原則) 第二条 この法律による改正後の商法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(以下「商法特例法」という。)及び有限会社法の規定(罰則を除く。)は、特別の定めがある場合を除いては、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前のこれらの法律によつて生じた効力を妨げない。 (子会社が有する親会社の株式又は持分に関する経過措置) 第四条 この法律の施行の際改正後の商法第二百十一条ノ二(改正後の有限会社法第二十四条第一項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)に規定する子会社が改正後の商法第二百十一条ノ二に規定する親会社の株式又は持分を有しているときは、その子会社は、相当の時期に、その株式又は持分の処分をしなければならない。 2 改正後の商法第四百九十八条第一項第十二号及び第二項並びに改正後の有限会社法第八十五条第一項第七号及び第二項の規定は、前項の規定に違反して株式又は持分の処分をしなかつた場合について準用する。 (株券の記載事項に関する経過措置) 第五条 この法律の施行前に発行された株券の記載事項に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (株主総会の決議の取消しの訴え等に関する経過措置) 第七条 この法律の施行前に株主総会若しくは創立総会又は社員総会の決議があつた場合においては、その決議の取消し、変更又は不存在若しくは無効の確認を請求する訴えに関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (取締役等の資格に関する経過措置) 第八条 この法律の施行の際現に在任する取締役、監査役及び清算人については、改正後の商法第二百五十四条ノ二第一号及び第二号(同法第二百八十条第一項及び第四百三十条第二項並びに有限会社法第三十二条、第三十四条及び第七十五条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定は、この法律の施行後最初に招集される株主総会の終結の時までは、適用しない。 ただし、この法律の施行後に改正後の商法第二百五十四条ノ二第一号又は第二号に該当することとなつたものについては、この限りでない。 2 この法律の施行前にした行為について刑に処せられた者に係る取締役、監査役及び清算人の資格に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (取締役がする会社の営業の部類に属する取引に関する経過措置) 第九条 この法律の施行前に改正前の商法第二百六十四条第一項の規定による株主総会の認許があつた場合においては、その認許に係る取引に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (取締役会社間の取引に関する経過措置) 第十条 改正後の商法第二百六十五条第三項の規定は、この法律の施行前にした同条第一項の取引については、適用しない。 (新株の発行等に関する経過措置) 第十一条 この法律の施行前に新株の発行の決議があつた場合においては、その新株の発行に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 この法律の施行前に株式の分割の決議があつた場合のその株式の分割に関しても、同様とする。 (決算期に取締役が作成すべき書類等に関する経過措置) 第十二条 この法律の施行前に到来した最終の決算期以前の決算期に取締役が作成すべき書類及びその決算期に係る計算に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (株主権の行使に関する利益の供与の禁止に関する経過措置) 第十三条 改正後の商法第二百九十四条ノ二の規定は、この法律の施行前にした行為については、適用しない。 (転換社債の転換の場合の資本に関する経過措置) 第十四条 この法律の施行前に転換社債の発行の決議があつた場合においては、その転換社債の転換により増加すべき資本に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (罰則の適用に関する経過措置) 第二十七条 この法律の施行前にした行為及びこの法律附則の規定により従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置の原則) 第二条 この法律による改正後の商法及び有限会社法の規定(罰則を除く。)は、特別の定めがある場合を除いては、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前のこれらの法律によって生じた効力を妨げない。 (業務執行停止等の仮処分に関する経過措置) 第三条 この法律の施行前に社員の業務若しくは取締役、監査役若しくは清算人の職務の執行を停止し、又は社員の業務代行者若しくは取締役、監査役若しくは清算人の職務代行者を選任する仮処分の申請があった場合においては、その仮処分の事件及び仮処分に関する登記並びにその業務代行者又は職務代行者の権限に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (設立に関する経過措置) 第四条 この法律の施行前に定款の認証を受けた場合においては、その定款に係る株式会社又は有限会社の設立に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (株式会社の資本の額の制限に関する経過措置) 第五条 この法律の施行の際現に存する株式会社又はこの法律の施行前に定款の認証を受け、この法律の施行後に成立する株式会社で、その資本の額が千万円に満たないものについては、改正後の商法第百六十八条ノ四の規定は、この法律の施行後五年間は、適用しない。 2 前項に規定する株式会社は、同項の期間内に限り、株主総会の決議によりその組織を変更して合名会社又は合資会社とすることができる。 3 法務大臣は、第一項の期間が満了したときは、登記された資本の額が千万円に満たない株式会社は次条第一項に規定する登記の申請をしないときは同項の規定により解散したものとみなされることとなる旨を官報で公告しなければならない。 この場合において、登記所は、その株式会社に対し、その公告があったことの通知を発しなければならない。 4 商法第百条、有限会社法第六十一条第一項及び第六十六条並びに改正後の有限会社法第六十四条第一項ただし書、第二項、第三項及び第五項、第六十四条ノ二並びに第六十四条ノ三の規定は、第二項の規定による組織変更について準用する。 この場合において、有限会社法第六十六条中「有限会社ニ付テハ第十三条第二項ニ定ムル登記」とあるのは、「合名会社ニ付テハ商法第六十四条第一項ニ定ムル登記、合資会社ニ付テハ同法第百四十九条第一項ニ定ムル登記」と読み替えるものとする。 5 改正後の商法第二百十条第四号及び商法第二百十一条の規定は、前項において準用する改正後の有限会社法第六十四条ノ二の規定による株式の買取りについて準用する。 (株式会社が最低資本金に達しない場合の措置) 第六条 前条第三項に規定する株式会社が同項の公告の日から起算して二月を経過する日までに資本の額を千万円以上とする変更の登記又は有限会社、合名会社若しくは合資会社に組織を変更した場合にすべき登記の申請をしないときは、その株式会社は、その日に解散したものとみなす。 2 前項の規定により解散したものとみなされた会社は、そのみなされた日から起算して三年内に限り、商法第三百四十三条に定める決議により会社を継続することができる。 この場合において、その会社は、資本の額を千万円以上とし、又は組織を変更して有限会社、合名会社若しくは合資会社とするまでの間は、当該資本の額又は組織の変更の目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。 3 前項の規定による会社の継続は、同項の期間内に、その資本の額を千万円以上とせず、かつ、その組織を変更して有限会社、合名会社又は合資会社としなかったときは、その効力を失う。 4 前条第二項、第四項及び第五項の規定は、第二項の規定により継続した会社が同項の期間内にその組織を変更して合名会社又は合資会社とする場合について準用する。 5 第二項の規定による継続の登記の申請と資本の額の変更の登記又は組織を変更した場合にすべき登記の申請とは、同時にしなければならない。 6 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第九十一条の二の規定は、第一項の規定による解散の登記について準用する。 (組織変更の登記の申請書の添付書類等) 第七条 附則第五条第二項(前条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により合名会社に組織を変更した場合の合名会社についてする登記の申請書には、次の書類を添付しなければならない。 一 定款 二 商業登記法第六十七条第二号及び第九十三条第一項第五号に掲げる書面 2 附則第五条第二項の規定により合資会社に組織を変更した場合の合資会社についてする登記の申請書には、前項各号に掲げる書類のほか、商業登記法第七十四条の書面を添付しなければならない。 3 商業登記法第七十一条及び第七十三条の規定は、前二項に規定する場合について準用する。 (組織変更に係る罰則) 第八条 会社の業務を執行する社員若しくはその業務代行者又は株式会社の取締役若しくは商法第二百五十八条第二項、改正前の商法第二百七十条第一項若しくは改正後の商法第百八十八条第三項において準用する商法第六十七条ノ二の取締役の職務代行者が次の各号の一に該当するときは、百万円以下の過料に処する。 ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。 一 附則第五条第四項(附則第六条第四項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)において準用する有限会社法第六十六条の規定に違反して登記をすることを怠ったとき。 二 附則第五条第四項において準用する改正後の有限会社法第六十四条第二項又は第六十四条ノ三の規定に違反して公告若しくは通知をすることを怠り、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。 三 附則第五条第四項において準用する商法第百条の規定に違反して組織変更をしたとき。 四 附則第五条第五項(附則第六条第四項において準用する場合を含む。)において準用する商法第二百十一条の規定に違反して株式の処分をすることを怠ったとき。 (株式等の譲渡承認請求等に関する経過措置) 第九条 この法律の施行前にその譲渡につき取締役会の承認を要する株式又は有限会社の持分の譲渡の承認又は取得に係る買受人指定の請求があった場合においては、その請求に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (質権に関する経過措置) 第十条 この法律の施行前に到来した最終の決算期以前の決算期に関する定時総会において改正前の商法第二百九十三条ノ二第一項の規定による株式をもってする配当の決議があった場合又はこの法律の施行前に同法第二百九十三条ノ三第二項若しくは第二百九十三条ノ三ノ二第一項の規定による株式の発行の決議があった場合においては、その決議の前に株式について設定された質権に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (株式分割等に関する経過措置) 第十一条 この法律の施行前に決議があった株式の分割又は準備金の全部若しくは一部を資本に組み入れた場合若しくは額面株式の発行価額中券面額を超えて資本に組み入れた部分がある場合の株式の発行に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (無記名式の株券に関する経過措置) 第十二条 この法律の施行前に発行されている無記名式の株券に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (議決権のない株式に関する経過措置) 第十三条 定款をもって議決権がないものとされる株式については、この法律の施行前に到来した最終の決算期以前の決算期に関する定時総会に係る議決権に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (株主の新株引受権等に関する経過措置) 第十四条 この法律の施行前に株式の譲渡につき取締役会の承認を要する会社において新株、転換社債又は新株引受権付社債の発行の決議があった場合においては、その会社の株主に係る引受権に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (新株発行の場合の現物出資に関する経過措置) 第十五条 この法律の施行前に新株の発行の決議があった場合においては、その新株に係る現物出資に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (利益準備金の積立てに関する経過措置) 第十六条 この法律の施行前に到来した最終の決算期以前の決算期に株式会社又は有限会社が利益準備金として積み立てるべき金額に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (利益の処分に関する経過措置) 第十七条 この法律の施行前に到来した最終の決算期以前の決算期に係る株式会社の利益の処分に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (組織変更に関する経過措置) 第二十三条 この法律の施行前に決議があった株式会社又は有限会社の組織変更に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (罰則の適用に関する経過措置) 第二十五条 この法律の施行前にした行為及びこの法律附則の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置の原則) 第二条 改正後の商法、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律及び担保附社債信託法の規定(罰則を除く。)は、特別の定めがある場合を除いては、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前のこれらの法律によって生じた効力を妨げない。 (代表訴訟に関する経過措置) 第三条 この法律の施行前に商法第二百六十七条第二項又は第三項(これらの規定を同法又は他の法律において準用する場合を含む。)の訴えが提起された場合においては、その訴訟の目的の価額の算定に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (監査役の任期に関する経過措置) 第四条 この法律の施行の際現に存する株式会社の監査役でこの法律の施行後最初に到来する決算期に関する定時総会の終結前に在任するものの任期に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (旧社債に関する経過措置) 第五条 この法律の施行前に社債(担保付社債を除く。以下この条、次条及び附則第十四条において同じ。)の募集の決議があった場合においては、その社債に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (旧社債の社債権者集会に関する経過措置) 第六条 前条に規定する場合においても、この法律の施行後に招集手続が開始される社債の社債権者集会に関しては、同条の規定にかかわらず、改正後の商法第三百二十一条ノ二、第三百二十四条、第三百二十九条及び第三百三十九条の規定を適用する。 この場合において、同条第二項及び第四項中「社債管理会社」とあるのは、「社債募集ノ委託ヲ受ケタル会社」とする。 (罰則の適用に関する経過措置) 第十二条 この法律の施行前にした行為及びこの法律附則の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置) 2 改正後の商法及び有限会社法の規定(罰則を除く。)は、次項に定めるものを除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前のこれらの法律によって生じた効力を妨げない。 3 改正後の商法第二百十条第五号、第二百十条ノ三第一項及び第二項並びに第二百十二条ノ二第一項及び第三項(これらの規定を改正後の有限会社法第二十四条第一項において準用する場合を含む。)並びに改正後の商法第二百十条ノ二第一項の規定は、この法律の施行前に株主総会又は社員総会の招集の手続が開始された場合における自己の株式又は持分の取得については、適用しない。 (罰則の適用に関する経過措置) 4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成九年六月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 目次の改正規定、第百七十五条の改正規定、第二編第四章第三節ノ二の次に一節を加える改正規定及び第四百十四条の改正規定並びに附則第六条及び第七条の規定 平成九年十月一日 (経過措置) 第二条 この法律の施行前に定時総会の招集の手続が開始された場合におけるその定時総会の決議に係る自己の株式の取得については、なお従前の例による。 (罰則の適用に関する経過措置) 第三条 この法律の施行前にした行為及び前条の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置) 2 この法律の施行前に締結された合併契約に係る合併に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (罰則の適用に関する経過措置) 3 この法律の施行前にした行為及び前項の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十年十二月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一及び二 略 三 第一条中証券取引法第百三十条第二項第四号を削る改正規定、同項第五号の改正規定(「前各号」を「前三号」に改める部分に限る。)、同号を同項第四号とする改正規定及び同法第百三十一条の改正規定並びに附則第百七十六条の規定 平成十年十二月一日から平成十一年十二月三十一日までの範囲内において政令で定める日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、第一条中商法第二百八十五条ノ四、第二百八十五条ノ五第二項、第二百八十五条ノ六第二項及び第三項、第二百九十条第一項並びに第二百九十三条ノ五第三項の改正規定並びに附則第六条中農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号)第二十三条第三項及び第二十四条第一項の改正規定、附則第七条中商工組合中央金庫法(昭和十一年法律第十四号)第三十九条ノ三第三項及び第四十条ノ二第一項の改正規定、附則第九条中農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第五十二条第一項の改正規定、附則第十条中証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第五十三条第三項の改正規定及び同条第四項を削る改正規定、附則第十一条中水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第五十六条第一項の改正規定、附則第十二条中協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第五条の五の次に一条を加える改正規定及び同法第十二条第一項の改正規定、附則第十三条中船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第四十二条第一項の改正規定、附則第十六条中信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第五十五条の三第三項及び第五十七条第一項の改正規定、附則第十八条中労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第六十一条第一項の改正規定、附則第二十三条中銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第十七条の二第三項の改正規定及び同条第四項を削る改正規定、附則第二十六条の規定、附則第二十七条中保険業法(平成七年法律第百五号)第十五条に一項を加える改正規定、同法第五十五条第一項及び第二項、第百十二条第一項並びに第百十二条の二第三項の改正規定、同条第四項を削る改正規定、同法第百十五条第二項、第百十八条第一項、第百十九条及び第百九十九条の改正規定並びに同法附則第五十九条第二項及び附則第九十条第二項を削る改正規定、附則第二十九条中株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律(平成九年法律第五十五号)第七条第二項の改正規定並びに附則第三十一条中特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百一条第一項及び第百二条第三項の改正規定は、平成十二年四月一日から施行する。 (監査報告書に関する経過措置) 第二条 この法律の施行前に終了した営業年度について作成すべき監査報告書の記載事項に関しては、なお従前の例による。 農林中央金庫、農業協同組合及び農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会、信用協同組合及び信用協同組合連合会(中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会をいう。次条において同じ。)、信用金庫及び信用金庫連合会、労働金庫及び労働金庫連合会並びに相互会社(保険業法第二条第五項に規定する相互会社をいう。次条において同じ。)についての、この法律の施行前に終了した事業年度について作成すべき監査報告書の記載事項に関しても、同様とする。 (金銭債権等の評価に関する経過措置) 第三条 附則第一条ただし書に掲げる改正規定の施行前に開始した営業年度の決算期における金銭債権、社債その他の債券及び株式その他の出資による持分の評価(以下この条において「金銭債権等の評価」という。)に関しては、なお従前の例による。 次の各号に掲げる金銭債権等の評価に関しても、同様とする。 一 農林中央金庫、商工組合中央金庫、農業協同組合及び農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会、信用協同組合及び信用協同組合連合会、船主相互保険組合、信用金庫及び信用金庫連合会並びに労働金庫及び労働金庫連合会についての、附則第一条ただし書に掲げる改正規定の施行前に開始した事業年度終了の日における金銭債権等の評価 二 証券投資法人(証券投資信託及び証券投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十一項に規定する証券投資法人をいう。)についての、附則第一条ただし書に掲げる改正規定の施行前に開始した営業期間(同法第百三十三条第二項に規定する営業期間をいう。)の決算期における金銭債権等の評価 三 相互会社についての、附則第一条ただし書に掲げる改正規定の施行前に開始した事業年度の決算期における金銭債権等の評価 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 (経過措置) 第三条 民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号)附則第三条第三項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。 一から二十五まで 略 第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (民法等の一部改正に伴う経過措置) 第二十五条 この法律の施行前に和議開始の申立てがあった場合又は当該申立てに基づきこの法律の施行前若しくは施行後に和議開始の決定があった場合においては、当該申立て又は決定に係る次の各号に掲げる法律の規定に定める事項に関する取扱いについては、この法律の附則の規定による改正後のこれらの規定にかかわらず、なお従前の例による。 一から五まで 略 六 商法第三百九条ノ二第一項第二号並びに第三百八十三条第一項及び第二項 (罰則の適用に関する経過措置) 第二十六条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則において従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (罰則の適用に関する経過措置) 第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (労働契約の取扱いに関する措置) 第五条 会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定に基づく会社分割に伴う労働契約の承継に関しては、会社分割をする会社は、会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律(平成十二年法律第百三号)第二条第一項の規定による通知をすべき日までに、労働者と協議をするものとする。 2 前項に規定するもののほか、同項の労働契約の承継に関連して必要となる労働者の保護に関しては、別に法律で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (この法律の施行前に買い受けた自己の株式等に関する経過措置) 第二条 この法律の施行前にこの法律による改正前の商法(以下「旧商法」という。)第二百十二条第一項(この法律による改正前の有限会社法(以下「旧有限会社法」という。)第二十四条第一項において準用する場合を含む。)若しくは第二百十二条ノ二第一項(旧有限会社法第二十四条第一項において準用する場合を含む。)の規定により買い受けた株式若しくは持分又はこの法律による廃止前の株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律(以下「旧消却特例法」という。)第三条第一項の規定により買い受けた株式(資本準備金をもって買い受けたものを除く。)であって失効の手続を終了していないものに関しては、なお従前の例による。 (次期決算期に関する定時総会の終結の時までの自己の株式の買受けに関する経過措置) 第三条 この法律の施行前に到来した最終の決算期(以下「直前決算期」という。)に関する定時総会において、旧商法第二百十条ノ二第二項(次項の規定によりなおその効力を有するものとされる場合を含む。以下この項並びに附則第五条第二項及び第十三条において同じ。)及び第二百十二条ノ二第一項(次項の規定によりなおその効力を有するものとされる場合を含む。以下この項において同じ。)の決議をした株式会社は、この法律による改正後の商法(以下「新商法」という。)第二百十条第一項の規定にかかわらず、その決議において定めた買い受けるべき株式の種類、総数及び取得価額の総額の範囲内で、この法律の施行後最初に到来する決算期(以下「次期決算期」という。)に関する定時総会の終結の時までの間、自己の株式を買い受けることができる。 2 この法律の施行前に招集の手続が開始された直前決算期に関する定時総会においてこの法律の施行後にする自己の株式の買受けに関する決議については、旧商法第二百十条ノ二(第十項を除く。)並びに第二百十二条ノ二第一項から第三項まで及び第四項(旧商法第二百十条ノ二第十項を準用する部分を除く。)の規定は、なおその効力を有する。 この場合においては、その定時総会の終結の時までは、新商法第二百十条第一項から第七項までの規定は、適用しない。 3 株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定款の定めがある会社が、この法律の施行前に開始した相続に係る株主の相続人からその相続によって得た株式を買い受ける場合については、旧商法第二百十条ノ三(第一項ただし書を除く。)の規定は、次期決算期に関する定時総会の終結の時までは、なおその効力を有する。 4 この法律の施行の際現に旧消却特例法第三条第一項の定款の定めがある株式会社は、新商法第二百十条第一項の規定にかかわらず、次期決算期に関する定時総会の終結の時までの間、旧消却特例法第三条第二項の規定によりその定款で定められていた株式の総数から旧消却特例法第三条の二第二項の規定によりその定款で定められていた株式の総数を控除した数の範囲内で、取締役会において買い受けるべき株式の種類、数及び取得価額の総額について決議することにより、株主に配当すべき利益をもって自己の株式を買い受けることができる。 この場合において、次期決算期に関する定時総会の終結の時までに買い受けることができる株式の取得価額の総額及び取締役の責任については、旧消却特例法第三条第五項及び第六条の規定の例による。 5 この法律の施行後に第一項又は前項の規定により株式を買い受ける場合については、新商法第二百十条第九項中「第二項第二号ニ掲グル事項ニ付」とあるのは、「市場価格ナキ株式ノ売主ニ付」として、同項の規定を適用する。 6 この法律の施行後に第一項若しくは第四項の規定、第三項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧商法第二百十条ノ三第一項本文の規定又は附則第二十四条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる旧消却特例法第三条第一項の規定(以下この条及び次条第二項において「施行後買受規定」という。)により株式を買い受ける場合における新商法第二百十条ノ二第一項の規定の適用については、同項中「又ハ第二百十一条ノ三第一項」とあるのは、「、第二百十一条ノ三第一項又ハ商法等の一部を改正する等の法律(平成十三年法律第七十九号)附則第三条第六項ニ規定スル施行後買受規定」とする。 (この法律の施行日を含む営業年度以前に自己の株式を買い受けた取締役の責任に関する経過措置) 第四条 この法律の施行前に終了した営業年度における自己の株式の買受けに係る取締役の責任に関しては、なお従前の例による。 2 この法律の施行の日を含む営業年度内に商法第二百四条ノ三第一項(第二百四条ノ五において準用する場合を含む。)の規定、旧商法第二百十条ノ二第一項、第二百十条ノ三第一項本文若しくは第二百十二条ノ二第一項の規定、新商法第二百十条第一項若しくは第二百十一条ノ三第一項の規定、旧消却特例法第三条第一項の規定又は施行後買受規定により株式を買い受けた場合における取締役の責任についての新商法第二百十条ノ二第二項の規定の適用については、同項中「ニ於テ前項」とあるのは「ニ於テ商法等の一部を改正する等の法律(平成十三年法律第七十九号)附則第三条第六項ノ規定ニ依リ読替テ適用スル前項」と、「純資産額」とあるのは「純資産額ニ其ノ有スル自己ノ株式ニ付会計帳簿ニ記載シタル額ノ総額ヲ加ヘタル額」と、「同項ノ合計額」とあるのは「同項ノ合計額ニ同項ニ規定スル規定又ハ同法第一条ノ規定ニ依ル改正前ノ第二百十条ノ二第一項、第二百十条ノ三第一項本文若ハ第二百十二条ノ二第一項ノ規定若ハ同法第四条ノ規定ニ依ル廃止前ノ株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律(平成九年法律第五十五号)第三条第一項ノ規定(以下本項ニ於テ任意買受規定ト称ス)ニ依リ取得シテ有スル株式ニ付会計帳簿ニ記載シタル額ヲ加ヘタル額ヨリ其ノ株式ノ時価ノ合計額ヲ控除シタル額」と、「同項ニ規定スル規定」とあるのは「任意買受規定」と、「株式ノ価額ノ総額」とあるのは「株式ノ価額ノ総額及其ノ取得シテ有スル株式ノ時価ノ合計額」と、「前項ノ虞」とあるのは「本項本文ニ規定スル場合ニ当ル虞」とする。 (自己の株式の処分の制限等) 第五条 株式会社は、平成十四年三月三十一日までの間、新商法第三百五十六条、第三百七十四条ノ十九及び第四百九条ノ二並びに次項に規定する場合を除き、その有する自己の株式を処分してはならない。 2 旧商法第二百十条ノ二第二項の決議に基づいて株式を買い受けた会社は、その株式をその決議の範囲内で譲渡することができる。 この場合においては、会社法(平成十七年法律第八十六号)第二編第二章第八節の規定は、適用しない。 (株式分割に関する経過措置) 第六条 この法律の施行前に決議をした株式の分割に関しては、なお従前の例による。 (端株主の権利に関する経過措置) 第七条 この法律の施行の際旧商法第二百三十条ノ五前段の規定による定款の定めがない株式会社(この法律の施行前に定款の認証を受け、この法律の施行後に成立するものを含む。)については、この法律の施行の日において、新商法第二百二十条ノ三第二項の規定により端株主に対して同条第一項第一号又は第四号の権利を与えない旨の定款の変更の決議があったものとみなす。 2 この法律の施行の際現に存する株式会社(この法律の施行前に定款の認証を受け、この法律の施行後に成立するものを含む。)については、この法律の施行の日において、新商法第二百二十条ノ三第二項の規定により端株主に対して同条第一項第三号の権利を与えない旨の定款の変更の決議があったものとみなす。 3 この法律の施行の際旧商法第二百三十条ノ五後段の規定による定款の定めがある株式会社の端株主であって株主でないものの配当若しくは金銭の分配又は引受権を受ける権利に関しては、なお従前の例による。 (端株券に関する経過措置) 第八条 この法律の施行前に旧商法第二百三十条ノ八ノ二第一項の規定により、定款を変更して、端株券を発行しない旨の定めをした株式会社の端株券に関しては、平成十五年三月三十一日までは、なお従前の例による。 2 前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合については、旧商法第三百五十一条第一項中「一定ノ期間内」とあるのは、「平成十五年三月三十一日以前ノ日ヲ終期トスル一定ノ期間内」とし、この法律の施行前に同項の規定により平成十五年四月一日以後の日を同項の一定の期間の終期としてされた公告については、平成十五年三月三十一日をその一定の期間の終期としてされたものとみなす。 3 端株券(第一項の株式会社が発行しているものを除く。以下この項から第七項までにおいて同じ。)であって、平成十五年三月三十一日までに次項ただし書の規定による提出がなかったものについては、同日限り無効とする。 ただし、株式会社は、取締役会の決議により、その発行している端株券を、同日以前の一定の日において無効とすることができる。 4 この法律の施行前に発行されている端株券に関しては、平成十五年三月三十一日(前項ただし書の決議をした場合にあっては、その決議により定められた一定の日)までは、なお従前の例による。 ただし、端株券を有する者がその端株券を会社に提出して新商法第二百二十条ノ二第一項第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を端株原簿に記載すべき旨の請求をすること又は新商法第二百二十条ノ六第一項の規定による請求をすることを妨げない。 5 第三項ただし書の決議をしたときは、株式会社は、同項ただし書の一定の日までに端株券を当該株式会社に提出すべき旨及びその日までに提出されなかった端株券はその日において無効となる旨をその日の一月前に公告しなければならない。 6 第四項ただし書及び前項の場合において、株式会社は、端株券が提出されたときは、新商法第二百二十条ノ二第一項第一号、第二号及び第四号に掲げる事項を端株原簿に記載しなければならない。 7 第四項ただし書及び第五項の場合において端株券を提出することができない者がいるときは、株式会社は、その者の請求により、利害関係人に対し異議があれば一定の期間内に述べるべき旨を公告し、その期間経過後において前項の記載をすることができる。 8 この法律の施行前に端株券を発行している株式会社は、第一項から第三項までの規定により提出されなかった端株券が無効とされる日後でなければ、新商法第二百二十条ノ二第二項及び第二百二十一条第一項の規定による定款の定めをしてはならない。 9 新商法第四百九十八条第一項第二号の規定は第五項の規定に違反して公告を怠り又は不正の公告をした場合について、新商法第二百十六条第一項ただし書及び第二項の規定は第七項の公告をする場合について、それぞれ準用する。 (単元株式等に関する経過措置) 第九条 数種の株式を発行する会社が、平成十四年三月三十一日までの間に、一単元の株式の数を定める場合については、株式の種類ごとに定める一単元の株式の数は、同一の数としなければならない。 2 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の商法等の一部を改正する法律(以下「旧商法等改正法」という。)附則第十六条第一項の規定により五万円を額面株式一株の金額で除して得た数を一単位の株式の数としている株式会社又は定款で一単位の株式の数を定めている株式会社は、この法律の施行の日において、その一単位の株式の数を株式の種類ごとに新商法第二百二十一条第一項の一単元の株式の数として定める旨の定款の変更の決議をしたものとみなす。 この場合において、この法律の施行の際に千を超える数を一単位の株式の数としている株式会社についての同項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「千」とあるのは、「商法等の一部を改正する等の法律(平成十三年法律第七十九号)附則第九条第二項前段ノ規定ニ依リ定メタルモノト看做サレタ数」とする。 3 この法律の施行前に旧商法等改正法附則第十六条第一項の一単位の株式の数を定め又は変更する旨の定款の変更の決議をした場合であって、この法律による改正がなかったとしたならばその効力を発生したであろう日がこの法律の施行の日後の日であるときは、その効力を発生したであろう日において、当該決議に係る一単位の株式の数を株式の種類ごとの一単元の株式の数として定める旨の定款の変更がされたものとみなす。 ただし、当該決議に係る一単位の株式の数が千又は発行済株式の総数の二百分の一に当たる数を超えるときは、この限りでない。 4 第二項の株式会社は、この法律の施行の日において、新商法第二百二十一条第五項本文の規定により一単元の株式の数に満たない株式に係る株券を発行しない旨の定款の変更の決議をしたものとみなす。 5 この法律の施行の際現に存する株式会社(第二項の株式会社を除き、この法律の施行前に定款の認証を受け、この法律の施行後に成立するものを含む。)であって一単元の株式の数を定めたことがないものが株式の分割を行うことをその効力の発生の条件とする会社法第百八十八条第一項の一単元の株式の数を定める旨の定款の変更の決議をした場合において、その条件を満たすため株式の分割を行うときは、当該株式会社は、同法第百八十三条第二項の決議において、現に発行している株券の提出を要する旨を定めることができる。 6 この法律の施行前に旧商法等改正法附則第十九条第一項の規定によりなされた単位未満株式に係る買取りの請求に関しては、なお従前の例による。 7 この法律の施行の際現に旧商法等改正法附則第六条第一項の規定により旧商法第二百三十条ノ二第一項の規定を適用しないこととされている株式会社(第二項の株式会社を除く。)については、この法律の施行の日において、新商法第二百二十条ノ二第二項の規定により一株に満たない端数を端株として端株原簿に記載しない旨の定款の変更の決議をしたものとみなす。 8 会社法第二百十九条及び第二百二十条の規定は第五項の株券の提出を要する旨の定めをした場合について、同法第九百七十六条第二号の規定はこの項において準用する同法第二百十九条第一項の規定に違反して公告若しくは通知を怠り又は不正の公告若しくは通知をした場合について、それぞれ準用する。 (議決権の数等に関する経過措置) 第十条 この法律の施行前に招集の手続が開始された創立総会における議決権の数又はこの法律の施行前に招集の手続が開始された株主総会若しくは旧商法第三百四十五条第一項(第三百四十六条において準用する場合を含む。)の規定によるある種類の株主の総会における議決権の数及び定足数に関しては、なお従前の例による。 (簡易合併等に対する反対の意思の通知に関する経過措置) 第十一条 この法律の施行前二週間以内に旧商法第二百四十五条ノ五第二項、第三百五十八条第四項、第三百七十四条ノ二十三第四項又は第四百十三条ノ三第四項に規定する公告又は通知がされた営業全部の譲受け、株式交換又は会社の分割若しくは合併については、旧商法第二百四十五条ノ五第六項、第三百五十八条第八項、第三百七十四条ノ二十三第八項又は第四百十三条ノ三第八項の規定は、なおその効力を有する。 (抱合せ増資に関する経過措置) 第十二条 この法律の施行前に旧商法第二百八十条ノ二第一項第九号に掲げる事項について決議のあった新株の発行に関しては、なお従前の例による。 (新株の引受権の付与に関する経過措置) 第十三条 旧商法第二百十条ノ二第二項の決議(同項第三号に掲げる事項に関するものに限る。)をした株式会社についての新商法第二百八十条ノ十九第三項の適用については、同項中「ノ数ト併セテ」とあるのは、「及商法等の一部を改正する等の法律(平成十三年法律第七十九号)第一条ノ規定ニ依ル改正前ノ第二百十条ノ二(同法附則第三条第二項ノ規定ニ依リ仍其ノ効力ヲ有スルモノトサレタル場合ヲ含ム)第二項第三号ニ定ムル場合ニ於ケル同項ノ決議ニ係ル譲渡スベキ株式ニシテ未ダ取締役又ハ使用人ニ譲渡サザルモノノ数ト併セテ」とする。 (利益準備金の積立てに関する経過措置) 第十四条 直前決算期以前の決算期に株式会社又は有限会社が利益準備金として積み立てるべき金額に関しては、なお従前の例による。 (利益の配当の限度に関する経過措置) 第十五条 直前決算期以前の決算期に係る株式会社又は有限会社の利益の配当の限度に関しては、なお従前の例による。 (中間配当に関する経過措置) 第十六条 この法律の施行前に旧商法第二百九十三条ノ五第一項の決議があった場合におけるその決議による金銭の分配に関しては、なお従前の例による。 2 この法律の施行後(この法律の施行の日の属する営業年度内に限る。)に新商法第二百九十三条ノ五第一項の決議があった場合における同条第三項の適用については、同項各号列記以外の部分中「純資産額」とあるのは、「純資産額ヨリ其ノ有スル自己ノ株式ニ付会計帳簿ニ記載シタル額ノ総額ヲ控除シタル額」とする。 (会社分割に伴う株式又は持分の消却及び株式の併合に関する経過措置) 第十七条 この法律の施行前に分割計画書又は分割契約書が作成された会社の分割(分割計画書に旧商法第三百七十四条第二項第七号(旧有限会社法第六十三条ノ六第一項において準用する場合を含む。)に掲げる事項の記載がある新設分割又は分割契約書に旧商法第三百七十四条ノ十七第二項第七号(旧有限会社法第六十三条ノ九第一項において準用する場合を含む。)に掲げる事項の記載がある吸収分割に限る。)については、旧商法第二百十二条第一項本文(旧有限会社法第二十四条第一項において準用する場合を含む。)及び第二項、第三百七十四条ノ七第一項(第三百七十四条ノ三十一第五項において準用する場合を含む。)、第三百七十四条ノ十五第二項並びに第三百七十四条ノ三十一第二項の規定並びにこれらの規定によって準用される旧商法第二百十四条第二項及び第二百十五条から第二百十七条までの規定は、なおその効力を有する。 (資本の減少に関する経過措置) 第十八条 この法律の施行前に旧商法第三百七十五条第一項又は旧有限会社法第四十七条の決議があった資本の減少に関しては、なお従前の例による。 (合併による株式併合に関する経過措置) 第十九条 この法律の施行前に合併契約書が作成された合併(旧商法第四百十六条第三項に規定する合併による株式併合をするものに限る。)については、旧商法第四百十六条第三項及び第四項の規定並びにこれらの規定において準用する旧商法第二百八条、第二百九条第三項、第二百十四条第二項及び第二百十五条から第二百十七条までの規定は、なおその効力を有する。 (額面株式の株券の無効手続及び新株券の交付) 第二十条 株式会社は、取締役会の決議により、この法律の施行前に発行されている一株の金額の記載のある株券を無効として新たな株券を発行することができる。 2 会社法第二百十九条及び第二百二十条の規定は前項の場合について、同法第九百七十六条第二号の規定はこの項において準用する同法第二百十九条第一項の規定に違反して公告若しくは通知を怠り又は不正の公告若しくは通知をした場合について、それぞれ準用する。 (罰則の適用に関する経過措置) 第二十五条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。 ただし、附則第十一条中商法等の一部を改正する等の法律(平成十三年法律第七十九号)附則第九条第一項の改正規定は、公布の日から施行する。 (端株主の権利に関する経過措置) 第二条 この法律の施行の際端株主に対してこの法律による改正前の商法(以下「旧商法」という。)第三百四十一条ノ二第二項第六号及び第三百四十一条ノ八第二項第八号の引受権を受ける権利を与えない旨の定款の定めがある株式会社(この法律の施行前に定款の認証を受け、この法律の施行後に成立するもの(以下この条において「設立中の会社」という。)を含む。)については、この法律の施行の日(設立中の会社にあっては、その成立の日)において、端株主に対してこの法律による改正後の商法(以下「新商法」という。)第二百八十条ノ二十第二項第十二号及び第三百四十一条ノ三第一項第九号の引受権を受ける権利を与えない旨の定款の変更の決議があったものとみなす。 (議決権なき株式に関する経過措置) 第三条 この法律の施行の際定款に旧商法第二百四十二条第一項の規定により議決権がないものとされた種類の株式についての定めがある場合は、当該種類の株式に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 ただし、同条第三項の規定は、適用しない。 2 前項の種類の株式は、新商法第二百二十二条第五項及び第六項の規定の適用については、同条第四項に規定する議決権制限株式とみなす。 (転換株式に関する経過措置) 第四条 新商法第二百二十四条ノ三第一項の期間がこの法律の施行前に進行を開始し、当該期間がこの法律の施行の日以後に満了する場合には、この法律の施行後も、当該期間の満了の時までは、当該期間を定めた株式会社の株主は、新商法第二百二十二条ノ五第一項の規定に基づく転換の請求をすることができない。 (新株発行決議の効力に関する経過措置) 第五条 この法律の施行前に旧商法第二百八十条ノ二第二項又は第二百八十条ノ五ノ二第一項ただし書の決議があった場合においては、当該決議の効力に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (取締役又は使用人に対する新株の引受権の付与に関する経過措置) 第六条 この法律の施行前に旧商法第二百八十条ノ十九第二項の決議があった場合においては、当該決議に基づき付与する新株の引受権に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 2 この法律の施行後に前項の新株の引受権が行使された場合においては、株式会社は、新株の発行に代えて、その有する自己の株式を当該新株の引受権を行使した者に移転することができる。 この場合においては、会社法(平成十七年法律第八十六号)第二編第二章第八節の規定は、適用しない。 (転換社債、新株引受権付社債に関する経過措置) 第七条 この法律の施行前に転換社債(旧商法第三百四十一条ノ二第一項の規定に基づき発行する社債をいう。以下同じ。)又は新株引受権付社債(旧商法第三百四十一条ノ八第一項の規定に基づき発行する社債をいう。以下同じ。)の発行の決議があった場合においては、当該決議に基づき発行する転換社債又は新株引受権付社債に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 この法律の施行前に旧商法第三百四十一条ノ二第三項若しくは第三百四十一条ノ二ノ六第一項ただし書又は第三百四十一条ノ八第五項若しくは第三百四十一条ノ十一ノ二第一項ただし書の決議があった場合においては、当該決議に基づき発行する転換社債又は新株引受権付社債についても、同様とする。 2 前条第二項の規定は、この法律の施行後に前項の転換社債の転換の請求があった場合又は同項の新株引受権付社債に付された新株の引受権の行使があった場合に準用する。 (罰則の適用に関する経過措置) 第八条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則において従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、第二条中株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(以下「商法特例法」という。)第十八条第一項及び第三十条第一項第十六号の改正規定並びに附則第十条の規定はこの法律の施行の日から起算して三年を経過した日から、附則第十一条の規定は公布の日から施行する。 (社外取締役の登記に関する経過措置) 第二条 株式会社は、この法律の施行の際現に在任する取締役がこの法律による改正後の商法(以下「新商法」という。)第百八十八条第二項第七号ノ二に規定する社外取締役である場合には、この法律の施行の日を含む任期中に限り、当該取締役が社外取締役である旨の登記をすることを要しない。 ただし、定款を変更して新商法第二百六十六条第十九項の契約をすることができる旨の定めを設けたときは、この限りでない。 (取締役の責任の免除に関する経過措置) 第三条 新商法第二百六十六条第七項から第二十三項までの規定は、この法律の施行前の行為に関する取締役の責任の免除については、適用しない。 第四条 商法等の一部を改正する等の法律(平成十三年法律第七十九号)による改正前の商法第二百十条ノ二第二項第三号(商法等の一部を改正する等の法律附則第三条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる場合を含む。)又は商法等の一部を改正する法律(平成十三年法律第百二十八号)による改正前の商法第二百八十条ノ十九第一項(商法等の一部を改正する法律附則第六条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)の権利を行使した取締役又は当該権利を有する取締役についての新商法第二百六十六条第七項第一号及び第三号、同条第十項及び第十一項(同条第十六項及び第二十三項において準用する場合を含む。)並びに同条第十二項、第十四項、第十九項第一号及び第三号並びに第二十二項第一号の規定の適用については、同条第七項第三号中「権利ノ数ヲ乗ジタル額」とあるのは、「権利ノ数ヲ乗ジタル額、商法等の一部を改正する等の法律(平成十三年法律第七十九号)ニ依ル改正前ノ第二百十条ノ二第二項第三号(同法附則第三条第二項ノ規定ニ依リ仍其ノ効力ヲ有スルモノトセラレタル場合ヲ含ム)ノ権利ヲ就任後ニ行使シタルトキハ行使ノ時ニ於ケル其ノ会社ノ株式ノ時価ヨリ譲渡ノ価額ヲ控除シタル額ニ譲受ケタル株式ノ数ヲ乗ジタル額、商法等の一部を改正する法律(平成十三年法律第百二十八号)ニ依ル改正前ノ第二百八十条ノ十九第一項(同法附則第六条第一項ノ規定ニ依リ仍従前ノ例ニ依ルコトトセラレタル場合ヲ含ム)ノ権利ヲ就任後ニ行使シタルトキハ行使ノ時ニ於ケル其ノ会社ノ株式ノ時価ヨリ発行価額又ハ移転ヲ受ケタル価額ヲ控除シタル額ニ発行ヲ受ケ又ハ之ニ代ヘテ移転ヲ受ケタル株式ノ数ヲ乗ジタル額」とする。 (株主代表訴訟の提起に関する経過措置) 第五条 新商法第二百六十七条第三項(新商法又は他の法律において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前にこの法律による改正前の商法(以下「旧商法」という。)第二百六十七条第三項(旧商法又は他の法律において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する請求があった場合(当該請求をした者が同項の規定により訴えを提起した場合を除く。)についても適用する。 (取締役等の責任を追及する訴えに関する経過措置) 第六条 新商法第二百六十八条第四項から第七項まで(これらの規定を新商法又は他の法律において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前に提起された旧商法第二百六十八条第一項(旧商法又は他の法律において準用する場合を含む。)の訴えについては、適用しない。 (監査役の任期に関する経過措置) 第七条 この法律の施行の際現に存する株式会社の監査役でこの法律の施行後最初に到来する決算期に関する定時総会の終結前に在任するものの任期に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (辞任した監査役に対する株主総会の招集の通知に関する経過措置) 第八条 新商法第二百七十五条ノ三ノ二第二項の規定は、この法律の施行前に招集の手続が開始された株主総会については、適用しない。 2 前項の規定は、他の法律において新商法第二百七十五条ノ三ノ二第二項の規定を準用する場合について準用する。 (監査役の責任の免除に関する経過措置) 第九条 新商法第二百八十条第一項において準用する新商法第二百六十六条第十八項の規定により読み替えて適用する同条第七項、同条第八項、第十項及び第十一項、同条第十八項の規定により読み替えて適用する同条第十二項並びに同条第十四項から第十六項までの規定は、この法律の施行前の行為に関する監査役の責任の免除については、適用しない。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (現物出資等の目的である不動産についての証明及び鑑定評価に関する経過措置) 第二条 この法律の施行前にこの法律による改正前の商法(以下「旧商法」という。)第百七十三条第三項(旧商法第百八十一条第二項、第二百四十六条第三項(この法律による改正前の有限会社法(以下「旧有限会社法」という。)第四十条第四項において準用する場合を含む。)及び第二百八十条ノ八第二項(旧有限会社法第五十二条ノ三第二項において準用する場合を含む。)並びに旧有限会社法第十二条ノ二第三項において準用する場合を含む。)に規定する弁護士又は弁護士法人の証明及び不動産鑑定士の鑑定評価を受けた場合における当該弁護士又は弁護士法人及び当該不動産鑑定士については、次に掲げる規定は、適用しない。 一 この法律による改正後の商法(以下「新商法」という。)第百七十三条第三項(新商法第百八十一条第二項、第二百四十六条第三項(この法律による改正後の有限会社法(以下「新有限会社法」という。)第四十条第四項において準用する場合を含む。)及び第二百八十条ノ八第二項(新有限会社法第五十二条ノ三第二項において準用する場合を含む。)並びに新有限会社法第十二条ノ三において準用する場合を含む。) 二 新商法第二百四十六条第四項(新商法第二百八十条ノ八第二項(新有限会社法第五十二条ノ三第二項において準用する場合を含む。)及び新有限会社法第四十条第四項において準用する場合を含む。) 2 前項に規定する場合における同項に規定する鑑定評価を記載し、又は記録した資料については、次に掲げる規定は、適用しない。 一 新商法第百七十三条ノ二第一項(新有限会社法第十二条ノ三において準用する場合を含む。) 二 新商法第百八十一条第三項及び第百八十四条第二項(これらの規定を新商法第二百四十六条第三項(新有限会社法第四十条第四項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。) 3 第一項に規定する場合における同項に規定する証明をした弁護士又は弁護士法人及び同項に規定する鑑定評価をした不動産鑑定士の義務及び責任については、次に掲げる規定は、適用しない。 一 新商法第百九十七条(新商法第二百四十六条第三項において準用する場合を含む。) 二 新商法第二百八十条ノ十三ノ三 三 新有限会社法第十五条ノ二(新有限会社法第四十条第四項において準用する場合を含む。) 四 新有限会社法第五十五条ノ二 (株券に係る公示催告手続に関する経過措置) 第三条 この法律の施行前に公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律(明治二十三年法律第二十九号)の規定により申し立てられた株券の無効宣言のためにする公示催告手続及び当該手続に係る株券に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 2 前項の株券については、新商法第二百三十条から第二百三十条ノ九ノ二までの規定は、適用しない。 ただし、同項の公示催告手続が除権判決以外の事由により完結したときは、この限りでない。 (株主提案権等に関する経過措置) 第四条 会日より八週間前の日がこの法律の施行の日前である株主総会又はある種類の株主の総会に関する新商法第二百三十二条ノ二第一項及び第二項(新商法第二百二十二条第十項、第三百四十五条第三項(新商法第三百四十六条において準用する場合を含む。)及び第四百三十条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定中「八週間」とあるのは、「六週間」とする。 (総会招集請求権等に関する経過措置) 第五条 この法律の施行前に旧商法第二百三十七条第三項(旧商法第二百二十二条第八項、第三百二十条第五項、第三百四十五条第三項(旧商法第三百四十六条において準用する場合を含む。)及び第四百三十条第二項並びに旧有限会社法第三十七条第三項及び第七十五条第二項において準用する場合を含む。)の請求をした株主、社債権者又は社員が行う株主総会、ある種類の株主の総会、社債権者集会又は社員総会の招集に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 (資本の減少等における公告及び債権者に対する催告に関する経過措置) 第六条 この法律の施行前に旧商法第二百八十九条第二項(旧有限会社法第四十六条第一項において準用する場合を含む。)、第三百七十四条第一項、第三百七十四条ノ十七第一項、第三百七十五条第一項又は第四百八条第一項の決議をした場合における公告及び債権者に対する催告に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 2 旧商法第三百七十四条ノ六第一項、第三百七十四条ノ二十二第一項、第三百七十四条ノ二十三第一項又は第四百十三条ノ三第一項に規定する場合であって、この法律の施行前に分割計画書、分割契約書又は合併契約書を作成したときにおける公告及び債権者に対する催告に関しても、前項と同様とする。 3 この法律の施行前に資本減少を内容とする定款の変更の決議をした場合における有限会社の公告及び債権者に対する催告に関しても、第一項と同様とする。 (外国会社に関する経過措置) 第七条 この法律の施行後最初に到来する決算期以前の決算期に係る外国会社(この法律の施行前に旧商法第四百七十九条第二項の登記がされているものに限る。)の貸借対照表には、新商法第四百八十三条ノ二の規定は、適用しない。 2 この法律の施行前にすべての日本における営業所を閉鎖した外国会社には、新商法第四百八十三条ノ三(新有限会社法第七十六条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。 3 この法律の施行前に外国会社が旧商法第四百七十九条第二項(旧有限会社法第七十六条において準用する場合を含む。)の規定により日本における営業所についてした登記は、新商法第四百七十九条第一項(新有限会社法第七十六条において準用する場合を含む。)の外国会社の登記とみなす。 4 この法律の施行前に旧商法第四百七十九条第二項(旧有限会社法第七十六条において準用する場合を含む。)の規定により日本における営業所について登記をした外国会社についての新商法第四百八十四条第一項第二号(新有限会社法第七十六条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、新商法第四百八十四条第一項第二号中「第四百七十九条第四項ノ」とあるのは、「商法等の一部を改正する法律(平成十四年法律第四十四号)第一条ノ規定ニ依ル改正前ノ本法第四百七十九条ニ定ムル」とする。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (罰則に関する経過措置) 第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (商法の一部改正に伴う経過措置) 第十九条 施行日前に生じた前条の規定による改正前の商法(以下「旧商法」という。)第二百九十五条第一項の雇用関係に基づいて生じた債権に係る先取特権については、なお従前の例による。 2 施行日前に旧商法第八百四十八条第三項において準用する旧民法第三百八十三条の書面が同条に規定する債権者の全員に到達した場合における当該抵当権の目的たる船舶についての同項において準用する旧民法第三百七十八条の規定による滌除及び同項において準用する旧民法第三百八十四条に規定する増価競売については、第一条の規定による改正後の民法、第三条の規定による改正後の民事執行法及び前条の規定による改正後の商法の規定にかかわらず、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (罰則の適用に関する経過措置) 第十四条 この法律の施行前にした行為及び附則第五条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、破産法(平成十六年法律第七十五号。次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。 (商法の一部改正に伴う経過措置) 第八条 施行日前にされた第九条の規定による改正前の商法(次項において「旧商法」という。)第三百八十一条第一項の規定による整理開始の申立て又は施行日前に職権でされた同条第二項の規定による整理開始の命令に係る会社の整理に関する事件については、なお従前の例による。 2 施行日前にされた旧商法第四百三十一条の規定による特別清算開始の申立て又は施行日前に職権でされた同条第三項において準用する旧商法第三百八十一条第二項の規定による特別清算開始の命令に係る特別清算に関する事件については、なお従前の例による。 3 施行日前に債権者につき会社に対する債務負担の原因が生じた場合における債権者による相殺の禁止及び施行日前に債務者に対して債務を負担する者につき会社に対する債権の取得の原因が生じた場合における当該者による相殺の禁止については、第九条の規定による改正後の商法第四百三条第一項又は第四百五十六条第一項において準用する新破産法第七十一条及び第七十二条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (罰則の適用等に関する経過措置) 第十二条 施行日前にした行為並びに附則第二条第一項、第三条第一項、第四条、第五条第一項、第九項、第十七項、第十九項及び第二十一項並びに第六条第一項及び第三項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第十四条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (公告等の廃止に関する経過措置) 第二条 この法律の施行前に、第一条の規定による改正前の商法(以下この条において「旧商法」という。)第百四条第一項、第百三十六条第一項、第百四十条、第百四十一条、第二百四十七条第一項、第二百五十二条、第二百八十条ノ十五第一項、第三百六十三条第一項、第三百七十二条第一項、第三百七十四条ノ十二第一項、第三百七十四条ノ二十八第一項、第三百八十条第一項、第四百十五条第一項若しくは第四百二十八条第一項(これらの規定を旧商法又は他の法律において準用する場合を含む。)の訴えの提起があった場合、第六条の規定による改正前の農業協同組合法第七十三条の十四第一項の訴えの提起があった場合、第七条の規定による改正前の証券取引法第百一条の十五第一項の訴えの提起があった場合、第十三条の規定による改正前の投資信託及び投資法人に関する法律(次項において「旧投信法」という。)第九十四条第二項の訴えの提起があった場合、第十五条の規定による改正前の中小企業団体の組織に関する法律第百条の十六第一項の訴えの提起があった場合、第十八条の規定による改正前の金融先物取引法第三十四条の十八第一項の訴えの提起があった場合、第十九条の規定による改正前の保険業法第八十四条第一項の訴えの提起があった場合又は第二十三条の規定による改正前の中間法人法第二十二条第一項、第三十八条第二項若しくは第三項、第七十九条第一項、第九十五条第一項若しくは第百二十五条第一項の訴えの提起があった場合における公告については、なお従前の例による。 2 この法律の施行前に、旧商法第三百九条第一項(旧商法又は他の法律において準用する場合を含む。)の弁済がされた場合、第三条の規定による改正前の有限会社法第六十四条第一項若しくは第六十七条第一項の決議をした場合、第五条の規定による改正前の担保附社債信託法第八十二条第一項の規定により受託会社が担保権を実行した場合、旧投信法第百三十九条の五第一項の弁済がされた場合、第二十条の規定による改正前の資産の流動化に関する法律第百十一条第一項の弁済がされた場合、第二十一条の規定による改正前の新事業創出促進法第十条の十七第一項若しくは第七項の決議をした場合又は第二十四条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律附則第二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第一条の規定による改正前の特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律第百十一条第一項の弁済がされた場合における公告及び通知については、なお従前の例による。 (罰則の適用に関する経過措置) 第三条 この法律の施行前にした行為及び前条においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。 ただし、第一条中社債等の振替に関する法律第四十八条の表第三十三条の項を削る改正規定、同表第八十九条第二項の項の次に第九十条第一項の項を加える改正規定、同法第百十五条、第百十八条、第百二十一条及び第百二十三条の改正規定、第百二十八条の改正規定(同条を第二百九十九条とする部分を除く。)、同法第六章の次に七章を加える改正規定(第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。)、第三項及び第四項、第二百五十二条第一項(同項において準用する第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。)、第三項及び第四項に係る部分に限る。)、第二百五十三条、第二百六十一条第一項(同項において準用する第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。)、第三項及び第四項に係る部分に限る。)、第二百六十二条、第二百六十八条第一項(同項において準用する第百五十八条第二項(第二号から第四号までを除く。)、第三項及び第四項に係る部分に限る。)並びに第二百六十九条に係る部分に限る。)並びに同法附則第十九条の表の改正規定(「第百十一条第一項」を「第百十一条」に改める部分に限る。)、同法附則第三十三条の改正規定(「同法第二条第二項」を「投資信託及び投資法人に関する法律第二条第二項」に改める部分に限る。)、第二条の規定、第三条の規定(投資信託及び投資法人に関する法律第九条第三項の改正規定を除く。)、第四条から第七条までの規定、附則第三条から第二十九条まで、第三十四条(第一項を除く。)、第三十六条から第四十三条まで、第四十七条、第五十条及び第五十一条の規定、附則第五十九条中協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第四条の四第一項第三号の改正規定、附則第七十条、第八十五条、第八十六条、第九十五条及び第百九条の規定、附則第百十二条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第百二十六条の改正規定、附則第百二十条から第百二十二条までの規定、附則第百二十三条中産業活力再生特別措置法(平成十一年法律第百三十一号)第十二条の八第三項及び第十二条の十一第七項の改正規定、附則第百二十五条の規定並びに附則第百二十九条中会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百五条第四項及び第二百十四条の改正規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「一部施行日」という。)から施行する。 (商法の一部改正に伴う経過措置) 第三十六条 会社が有する自己の株式の処分を無効とする判決が確定した場合において、当該会社が一部施行日前に第二条の規定による改正前の商法(以下「旧商法」という。)第二百十一条第三項において準用する旧商法第二百八十条ノ十七第二項の規定による公告又は通知をしたときは、新商法第二百十一条第三項において準用する新商法第二百八十条ノ十七第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 株式の消却をしようとする会社が一部施行日前に旧商法第二百十三条第二項において準用する旧商法第二百十五条第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、新商法第二百十三条第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 3 株式の併合をしようとする会社が一部施行日前に旧商法第二百十五条第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、新商法第二百十五条ノ二の規定にかかわらず、なお従前の例による。 4 旧商法第二百二十二条ノ九第一項に規定する強制転換条項付株式の転換をしようとする会社が一部施行日前に同条第二項の規定による公告又は通知をした場合においては、新商法第二百二十二条ノ九第五項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 5 会社の新株発行を無効とする判決が確定した場合において、当該会社が一部施行日前に旧商法第二百八十条ノ十七第二項の規定による公告又は通知をしたときは、新商法第二百八十条ノ十七第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 6 旧商法第二百八十条ノ三十六第一項後段の決議をした会社が一部施行日前に同条第二項の規定による公告又は通知をした場合においては、新商法第二百八十条ノ三十六第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 7 旧商法第三百四十八条第一項の決議をした会社が一部施行日前に旧商法第三百五十条第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、新商法第三百五十条ノ二の規定にかかわらず、なお従前の例による。 8 株式交換により完全子会社となる会社が一部施行日前に旧商法第三百五十九条第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、なお従前の例による。 9 株式交換により完全親会社となる会社が一部施行日前に旧商法第三百六十二条第二項において準用する旧商法第三百五十条第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、新商法第三百六十二条第二項において準用する新商法第三百五十条ノ二の規定にかかわらず、なお従前の例による。 10 会社の株式交換を無効とする判決が確定した場合において、当該会社が一部施行日前に旧商法第三百六十三条第五項において準用する旧商法第二百八十条ノ十七第二項の規定による公告又は通知をした場合においては、新商法第三百六十三条第五項において準用する新商法第二百八十条ノ十七第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 11 株式移転により完全子会社となる会社が一部施行日前に旧商法第三百六十八条第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、なお従前の例による。 12 吸収分割により営業を承継する会社が一部施行日前に旧商法第三百七十四条ノ三十一第二項において準用する旧商法第三百五十条第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、新商法第三百七十四条ノ三十一第二項において準用する新商法第三百五十条ノ二の規定にかかわらず、なお従前の例による。 13 合併により消滅する会社が一部施行日前に旧商法第四百十三条ノ四第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、なお従前の例による。 14 合併後存続する会社が一部施行日前に旧商法第四百十六条第四項において準用する旧商法第三百五十条第一項の規定による公告又は通知をした場合においては、新商法第四百十六条第四項において準用する新商法第三百五十条ノ二の規定にかかわらず、なお従前の例による。 15 旧商法第二百二十四条ノ三第一項に規定する一定期間(以下この条において「閉鎖期間」という。)が一部施行日前に進行を開始し、一部施行日以後に満了する場合には、一部施行日以後も、当該閉鎖期間の満了の時(以下この条において「閉鎖期間満了時」という。)までは、同項の会社は、株主名簿の記載又は記録の変更を行わないことができる。 16 前項に規定する場合において、閉鎖期間を定めた会社が新商法第二百十九条第一項(新商法第二百二十一条第六項において準用する場合を含む。)、第二百八十条ノ四第三項(新商法第二百八十条ノ二十五第三項及び第三百四十一条ノ十五第四項において準用する場合を含む。)及び第三百七十四条ノ七第一項(新商法第三百七十四条ノ三十一第三項において準用する場合を含む。)に規定する一定の日を定めようとするときは、その日は、閉鎖期間満了の日後の日でなければならない。 17 第十五項に規定する場合においては、閉鎖期間満了時までは、次に掲げる者の議決権については、なお従前の例による。 一 当該閉鎖期間内に新商法第二百二十条ノ五第一項の規定により株主となった者 二 当該閉鎖期間内に新商法第二百二十二条ノ三に規定する転換予約権付株式の転換の請求をした株主 三 当該閉鎖期間内に新商法第二百二十二条ノ九第一項に規定する強制転換条項付株式の転換の効力が生じた場合における当該強制転換条項付株式の株主 四 当該閉鎖期間内に新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)を行使した者 18 第十五項に規定する場合において、閉鎖期間満了時前に、新商法第二百三十条ノ四第六項の規定により株券喪失登録が抹消されたときは、第十五項の規定にかかわらず、同項の会社は、当該株券喪失登録について登録異議の申請をした者であって同条第三項の請求をしたものについて株主名簿の記載又は記録の変更を行わなければならない。 19 一部施行日において閉鎖期間を指定する旨の定款の定めがある会社(一部施行日前に定款の認証を受け、一部施行日後に成立するもの(以下この項において「設立中の会社」という。)を含む。)であって旧商法第二百二十四条ノ三第一項の一定の日を指定する旨の定款の定めがないものについては、一部施行日(設立中の会社にあっては、その成立の日)において、株主又は質権者として権利を行使すべき者を定めるため、当該閉鎖期間の初日の前日を同項の一定の日に指定する旨の定款の変更の決議があったものとみなす。 この場合においては、取締役会の決議をもって、当該権利の内容を定めなければならない。 20 一部施行日前に旧商法第二百二十六条ノ二第二項の規定により寄託された株券については、なお従前の例による。 21 一部施行日の前日を払込期日として新株の発行又は自己株式の処分をした場合においては、当該新株又は自己株式の引受人は、一部施行日から株主となる。 (罰則の適用に関する経過措置) 第百三十五条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第百三十六条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 (検討) 第百三十七条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、この法律による改正後の株式等の取引に係る決済制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (罰則の適用に関する経過措置) 第三十九条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第四十条 附則第三条から第十条まで、第二十九条及び前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。 (処分等の効力) 第百二十一条 この法律の施行前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。 (罰則に関する経過措置) 第百二十二条 この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第百二十三条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第四条及び第五条の規定は、公布の日から施行する。 附 則 この法律は、会社法の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、平成十八年証券取引法改正法の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、新信託法の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九条(商法第七条の改正規定に限る。)、第二十五条(投資信託及び投資法人に関する法律第二百五十一条第二十四号の改正規定に限る。)、第三十七条(金融機関の合併及び転換に関する法律第七十六条第七号の改正規定に限る。)、第四十九条(保険業法第十七条の六第一項第七号、第五十三条の十二第八項、第五十三条の十五、第五十三条の二十五第二項、第五十三条の二十七第三項、第五十三条の三十二、第百八十条の五第三項及び第四項並びに第百八十条の九第五項の改正規定に限る。)、第五十五条(資産の流動化に関する法律第七十六条第六項、第八十五条、第百六十八条第五項、第百七十一条第六項及び第三百十六条第一項第二十三号の改正規定に限る。)、第五十九条、第七十五条及び第七十七条(会社法目次の改正規定、同法第百三十二条に二項を加える改正規定、同法第二編第二章第三節中第百五十四条の次に一款を加える改正規定、同法第二編第三章第四節中第二百七十二条の次に一款を加える改正規定、同法第六百九十五条の次に一条を加える改正規定及び同法第九百四十三条第一号の改正規定を除く。)の規定 公布の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一及び二 略 三 附則第二十六条から第六十条まで及び第六十二条から第六十五条までの規定 平成二十年十月一日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 この法律は、保険法の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。 ただし、第百三条の二、第百三条の三、第二百六十七条の二、第二百六十七条の三及び第三百六十二条の規定は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第五十条及び第五十二条の規定は、公布の日から施行する。 (商法の一部改正に伴う経過措置の原則) 第二条 第一条の規定による改正後の商法(以下「新商法」という。)の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に生じた事項にも適用する。 ただし、同条の規定による改正前の商法(以下「旧商法」という。)の規定によって生じた効力を妨げない。 (運送取扱営業に関する経過措置) 第三条 施行日前に締結された運送取扱契約(以下「旧運送取扱契約」という。)並びに旧運送取扱契約に係る運送品に関する運送取扱人及びその被用者の不法行為による損害賠償の責任については、なお従前の例による。 (物品運送に関する経過措置) 第四条 施行日前に締結された物品運送契約(以下「旧物品運送契約」という。)並びに旧物品運送契約に係る運送品に関する運送人及びその被用者の不法行為による損害賠償の責任については、なお従前の例による。 (旅客運送に関する経過措置) 第五条 施行日前に締結された旅客運送契約(以下この条において「旧旅客運送契約」という。)並びに旧旅客運送契約に係る手荷物(旅客から引渡しを受けていないものにあっては、身の回り品を含む。)に関する運送人及びその被用者の不法行為による損害賠償の責任については、なお従前の例による。 ただし、施行日以後に旧旅客運送契約に基づいて発生した旅客の生命又は身体の侵害に係る運送人の損害賠償の責任については、この限りでない。 (寄託に関する経過措置) 第六条 施行日前に締結された寄託契約(以下「旧寄託契約」という。)については、なお従前の例による。 (船舶に対する差押え等に関する経過措置) 第七条 施行日前に申し立てられた船舶の差押え又は仮差押えの執行の申立てに係る事件については、新商法第六百八十九条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (共有に係る船舶についての損益の分配等に関する経過措置) 第八条 共有に係る船舶であって施行日前に発航をしたものについての旧商法第六百九十七条に規定する損益の分配については、その航海に限り、なお従前の例による。 2 前項に規定する船舶の利用に関する計算については、新商法第六百九十九条第二項の規定にかかわらず、その航海に限り、なお従前の例による。 (船舶賃貸借に関する経過措置) 第九条 新商法第七百二条の規定は、施行日前に締結された船舶の賃貸借契約については、適用しない。 (定期傭船に関する経過措置) 第十条 新商法第七百四条から第七百七条までの規定は、施行日前に締結された定期傭船契約については、適用しない。 (船長に関する経過措置) 第十一条 船長の施行日前の行為に基づく旧商法第七百五条に規定する損害賠償の責任については、なお従前の例による。 2 施行日前に発航をした船舶(以下「既発航船舶」という。)に係る船長による代理については、その航海に限り、なお従前の例による。 3 既発航船舶に係る旧商法第七百二十条第二項に規定する航海に関する計算については、その航海に限り、なお従前の例による。 (船舶の衝突に関する経過措置) 第十二条 施行日前に生じた船舶と他の船舶との衝突に係る事故については、新商法第七百八十八条及び第七百八十九条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 新商法第七百九十条及び第七百九十一条の規定は、施行日前に生じた事故については、適用しない。 (海難救助に関する経過措置) 第十三条 既発航船舶又は既発航船舶内にある積荷その他の物が海難に遭遇した場合におけるその救助については、その航海に限り、なお従前の例による。 2 新商法第八百七条の規定は、施行日前に発航をした非航海船については、その航行を終了するまでの間は、適用しない。 (共同海損に関する経過措置) 第十四条 既発航船舶に係る共同海損については、その航海に限り、なお従前の例による。 2 既発航船舶に係る旧商法第七百九十九条に規定する費用については、その航海に限り、なお従前の例による。 (海上保険に関する経過措置) 第十五条 施行日前に締結された海上保険契約については、なお従前の例による。 (船舶先取特権に関する経過措置) 第十六条 施行日前に船舶(製造中の船舶を含む。)、その属具及び受領していない運送賃に関し国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第二条第十二号に規定する強制換価手続、再生手続、更生手続又は特別清算手続が開始された場合における旧商法第八百四十二条の先取特権又は第二条の規定による改正前の国際海上物品運送法第十九条第一項の先取特権の効力及び順位については、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 第五十一条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第五十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
明治三十二年法律第四十六号
船舶法
132AC0000000046
20220617
第一条 左ノ船舶ヲ以テ日本船舶トス 一 日本ノ官庁又ハ公署ノ所有ニ属スル船舶 二 日本国民ノ所有ニ属スル船舶 三 日本ノ法令ニ依リ設立シタル会社ニシテ其代表者ノ全員及ビ業務ヲ執行スル役員ノ三分ノ二以上ガ日本国民ナルモノノ所有ニ属スル船舶 四 前号ニ掲ゲタル法人以外ノ法人ニシテ日本ノ法令ニ依リ設立シ其代表者ノ全員ガ日本国民ナルモノノ所有ニ属スル船舶 第二条 日本船舶ニ非サレハ日本ノ国旗ヲ掲クルコトヲ得ス 第三条 日本船舶ニ非サレハ不開港場ニ寄港シ又ハ日本各港ノ間ニ於テ物品又ハ旅客ノ運送ヲ為スコトヲ得ス 但法律若クハ条約ニ別段ノ定アルトキ、海難若クハ捕獲ヲ避ケントスルトキ又ハ国土交通大臣ノ特許ヲ得タルトキハ此限ニ在ラス 第四条 日本船舶ノ所有者ハ日本ニ船籍港ヲ定メ其船籍港ヲ管轄スル管海官庁ニ船舶ノ総トン数ノ測度ヲ申請スルコトヲ要ス 船籍港ヲ管轄スル管海官庁ハ他ノ管海官庁ニ船舶ノ総トン数ノ測度ヲ嘱託スルコトヲ得 外国ニ於テ取得シタル船舶ヲ外国各港ノ間ニ於テ航行セシムルトキハ船舶所有者ハ日本ノ領事ニ其船舶ノ総トン数ノ測度ヲ申請スルコトヲ得 第五条 日本船舶ノ所有者ハ登記ヲ為シタル後船籍港ヲ管轄スル管海官庁ニ備ヘタル船舶原簿ニ登録ヲ為スコトヲ要ス 前項ニ定メタル登録ヲ為シタルトキハ管海官庁ハ船舶国籍証書ヲ交付スルコトヲ要ス 第五条ノ二 日本船舶ノ所有者ハ国土交通大臣ノ定ムル期日マデニ船舶国籍証書ヲ其船舶ノ船籍港ヲ管轄スル管海官庁(其船舶ノ運航上ノ都合ニ因リ已ムコトヲ得ザル事由アルトキハ最寄ノ管海官庁)ニ提出シ其検認ヲ受クルコトヲ要ス 前項ノ期日ハ船舶国籍証書ノ交付ヲ受ケタル日又ハ船舶国籍証書ニ付前回ノ検認ヲ受ケタル日ヨリ総トン数百トン以上ノ鋼製船舶ニ在リテハ四年ヲ総トン数百トン未満ノ鋼製船舶ニ在リテハ二年ヲ木製船舶ニ在リテハ一年ヲ経過シタル後タルコトヲ要ス 船舶ガ外国ニ在ル場合其他已ムコトヲ得ザル事由ニ因リ第一項ノ規定ニ依リ国土交通大臣ノ定ムル期日マデニ船舶国籍証書ヲ提出スルコトヲ得ザル場合ニ於テ其期日マデニ其船舶ノ所有者ヨリ理由ヲ具シテ申請アリタルトキハ船籍港ヲ管轄スル管海官庁ハ提出期日ノ延期ヲ認ムルコトヲ得延期セラレタル期日マデニ提出スルコトヲ得ザル場合亦同ジ 日本船舶ノ所有者ガ第一項ノ規定ニ依リ国土交通大臣ノ定ムル期日又ハ前項ノ規定ニ依リ延期セラレタル期日マデニ船舶国籍証書ヲ提出セザルトキハ船舶国籍証書ハ其効力ヲ失フ此場合ニ於テ船籍港ヲ管轄スル管海官庁ハ船舶原簿ニ付職権ヲ以テ抹消ノ登録ヲ為スコトヲ要ス 第六条 日本船舶ハ法令ニ別段ノ定アル場合ヲ除ク外船舶国籍証書又ハ仮船舶国籍証書ヲ請受ケタル後ニ非サレハ日本ノ国旗ヲ掲ケ又ハ之ヲ航行セシムルコトヲ得ス 第六条ノ二 第五条第一項ノ規定ニ依リ登録ヲ為シタル船舶ニ付所有者ノ変更アリタルトキハ新所有者ハ船舶国籍証書ノ書換ノ申請ヲ為シタル後ニ非ザレバ其船舶ヲ航行セシムルコトヲ得ズ 但其事実ヲ知ルニ至ルマデノ間及其事実ヲ知リタル日ヨリ二週間内ハ此限ニ在ラズ 第七条 日本船舶ハ法令ノ定ムル所ニ従ヒ日本ノ国旗ヲ掲ケ且其名称、船籍港、番号、総トン数、喫水ノ尺度其他ノ事項ヲ標示スルコトヲ要ス 第八条 削除 第九条 船舶所有者カ其船舶ヲ修繕シタル場合ニ於テ其総トン数ニ変更ヲ生シタルモノト認ムルトキハ遅滞ナク船籍港ヲ管轄スル管海官庁ニ其船舶ノ総トン数ノ改測ヲ申請スルコトヲ要ス 第四条第二項及ヒ第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第十条 登録シタル事項ニ変更ヲ生シタルトキハ船舶所有者ハ其事実ヲ知リタル日ヨリ二週間内ニ変更ノ登録ヲ為スコトヲ要ス 第十一条 船舶国籍証書ニ記載シタル事項ニ変更ヲ生シタルトキハ船舶所有者ハ其事実ヲ知リタル日ヨリ二週間内ニ其書換ヲ申請スルコトヲ要ス船舶国籍証書カ毀損シタルトキ亦同シ 第十二条 船舶国籍証書カ滅失シタルトキハ船舶所有者ハ其事実ヲ知リタル日ヨリ二週間内ニ更ニ之ヲ請受クルコトヲ要ス 第十三条 日本船舶カ外国ノ港ニ碇泊スル間ニ於テ船舶国籍証書カ滅失若クハ毀損シ又ハ之ニ記載シタル事項ニ変更ヲ生シタルトキハ船長ハ其地ニ於テ仮船舶国籍証書ヲ請受クルコトヲ得 日本船舶カ外国ニ航行スル途中ニ於テ前項ノ事由カ生シタルトキハ船長ハ最初ニ到著シタル地ニ於テ仮船舶国籍証書ヲ請受クルコトヲ得 前二項ノ規定ニ従ヒテ仮船舶国籍証書ヲ請受クルコト能ハサルトキハ其後最初ニ到著シタル地ニ於テ之ヲ請受クルコトヲ得 第十四条 日本船舶カ滅失若クハ沈没シタルトキ、解撤セラレタルトキ又ハ日本ノ国籍ヲ喪失シ若クハ第二十条ニ掲クル船舶トナリタルトキハ船舶所有者ハ其事実ヲ知リタル日ヨリ二週間内ニ抹消ノ登録ヲ為シ且遅滞ナク船舶国籍証書ヲ返還スルコトヲ要ス船舶ノ存否カ三个月間分明ナラサルトキ亦同シ 前項ノ場合ニ於テ船舶所有者カ抹消ノ登録ヲ為ササルトキハ管海官庁ハ一个月内ニ之ヲ為スヘキコトヲ催告シ正当ノ理由ナクシテ尚其手続ヲ為ササルトキハ職権ヲ以テ抹消ノ登録ヲ為スコトヲ得 第十五条 日本ニ於テ船舶ヲ取得シタル者カ其取得地ヲ管轄スル管海官庁ノ管轄区域内ニ船籍港ヲ定メサルトキハ其管海官庁ノ所在地ニ於テ仮船舶国籍証書ヲ請受クルコトヲ得 第十六条 外国ニ於テ船舶ヲ取得シタル者ハ其取得地ニ於テ仮船舶国籍証書ヲ請受クルコトヲ得 第十三条第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第十七条 外国ニ於テ交付スル仮船舶国籍証書ノ有効期間ハ一年ヲ超ユルコトヲ得ス 日本ニ於テ交付スル仮船舶国籍証書ノ有効期間ハ六个月ヲ超ユルコトヲ得ス 前二項ノ期間ヲ超ユルトキト雖モ已ムコトヲ得サル事由アルトキハ船長ハ更ニ仮船舶国籍証書ヲ請受クルコトヲ得 第十八条 船舶カ船籍港ニ到著シタルトキハ仮船舶国籍証書ハ有効期間満了前ト雖モ其効力ヲ失フ 第十九条 第十一条乃至第十四条ノ規定ハ仮船舶国籍証書ニ之ヲ準用ス 第二十条 第四条乃至前条ノ規定ハ総トン数二十トン未満ノ船舶及ヒ端舟其他櫓櫂ノミヲ以テ運転シ又ハ主トシテ櫓櫂ヲ以テ運転スル舟ニハ之ヲ適用セス 第二十一条 前条ニ掲ケタル船舶ノ船籍及ヒ其総トン数ノ測度ニ関スル規程ハ小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)及ビ之ニ基キテ発スル命令ニ別段ノ定アルモノヲ除クノ外命令ヲ以テ之ヲ定ム 前項ノ命令ニハ必要ナル罰則ヲ設クルコトヲ得 前項ノ罰則ニ規定スルコトヲ得ル罰ハ二十万円以下ノ罰金トス 第二十一条ノ二 管海官庁ハ船舶ノ総トン数、登録又ハ標示ニ関シ必要アリト認ムルトキハ何時ニテモ当該官吏ヲシテ船舶ニ臨検セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ当該官吏ハ其ノ身分ヲ証明スヘキ証票ヲ携帯スヘシ 第二十一条ノ三 行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及ビ第三章ノ規定ハ船舶ノ登録並ニ船舶国籍証書及ビ仮船舶国籍証書ニ関スル処分ニハ之ヲ適用セズ 第二十二条 日本船舶ニ非ズシテ国籍ヲ詐ル目的ヲ以テ日本ノ国旗ヲ掲ゲ又ハ日本船舶ノ船舶国籍証書若クハ仮船舶国籍証書ヲ以テ航行シタルトキハ船長ヲ二年以下ノ懲役又ハ百万円以下ノ罰金ニ処ス此場合ニ於テ船長ノ所有又ハ占有ニ係ル其船舶ヲ没収スルコトヲ得 前項ノ規定ハ船舶ガ捕獲ヲ避ケントスル目的ヲ以テ日本ノ国旗ヲ掲ゲタルトキハ之ヲ適用セズ 日本船舶ガ国籍ヲ詐ル目的ヲ以テ日本ノ国旗以外ノ旗章ヲ掲ゲタルトキ亦前二項ニ同ジ 第二十二条ノ二 船長ガ当該官吏吏員ノ臨検ニ際シ之ニ呈示スル目的ヲ以テ他ノ船舶ノ船舶国籍証書又ハ仮船舶国籍証書ヲ船内ニ備置キ其船舶ヲ航行セシメタルトキハ船長ヲ二年以下ノ懲役又ハ百万円以下ノ罰金ニ処ス此場合ニ於テ船長ノ所有又ハ占有ニ係ル其船舶ヲ没収スルコトヲ得 第二十三条 第三条、第六条又ハ第六条ノ二ノ規定ニ違反シタルトキハ船長ヲ二年以下ノ懲役又ハ百万円以下ノ罰金ニ処ス此場合ニ於テ船長ノ所有又ハ占有ニ係ル其船舶ヲ没収スルコトヲ得 第二十四条 官吏ヲ欺キ船舶原簿ニ不実ノ登録ヲ為サシメタル者ハ二月以上三年以下ノ懲役ニ処ス 前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス 第二十五条 削除 第二十六条 第七条ノ規定ニ従ヒテ日本ノ国旗ヲ掲ケサルトキハ船長ヲ五十万円以下ノ罰金ニ処ス 第二十七条 第七条ニ定メタル事項ヲ船舶ニ標示セサルトキ又ハ第九条乃至第十二条若クハ第十四条ノ規定ニ違反シタルトキハ船舶所有者ヲ五十万円以下ノ罰金ニ処ス 第二十七条ノ二 第二十一条ノ二ノ規定ニ依ル臨検ヲ拒ミ、妨ケ又ハ忌避シタル者ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス 第二十八条 第二十二条、第二十二条ノ二、第二十三条及ヒ第二十六条ノ規定ハ船長ニ代ハリテ其職務ヲ行フ者ニモ亦之ヲ適用ス 第二十九条 船舶所有者ノ代表者、代理人、使用人其他ノ従業者船舶所有者ノ業務ニ関シ第二十七条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其船舶所有者ニ対シ同条ノ刑ヲ科ス 法人ノ代表者又ハ法人若クハ人ノ代理人、使用人其他ノ従業者其法人又ハ人ノ業務ニ関シ第二十七条ノ二ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其法人又ハ人ニ対シ同条ノ刑ヲ科ス 第三十条及ビ第三十一条 削除 第三十二条 管海官庁ノ事務ハ外国ニ在リテハ日本ノ領事之ヲ行フ 行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)ニ定ムルモノノ外領事ノ行フ前項ノ事務ニ係ル処分又ハ其不作為ニ付テノ審査請求ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 第三十三条 本法ハ商法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス 第三十四条 船舶ノ登記ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 明治十九年法律第一号登記法中船舶ノ登記ニ関スル規定ハ本法施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス 第三十五条 商法第三編ノ規定ハ商行為ヲ為ス目的ヲ以テセサルモ航海ノ用ニ供スル船舶ニ之ヲ準用ス 但官庁又ハ公署ノ所有ニ属スル船舶ニ付テハ此限ニ在ラス 商法第七百九十一条及ビ第八百七条ノ規定ハ商行為ヲ為ス目的ヲ以テセザルモ専ラ湖川、港湾其他ノ海以外ノ水域ニ於テ航行ノ用ニ供スル船舶(前項但書ニ規定スル船舶ヲ除ク)ニ之ヲ準用ス此場合ニ於テハ同法第七百九十一条中「船舶」トアルハ「船舶又は船舶法第三十五条第一項に規定する船舶」ト読替フルモノトス 第三十六条 明治三年正月二十七日布告商船規則、同十二年第五号布告、同年第十九号布告、同十四年第十二号布告其他ノ法令ニシテ本法ノ規定ニ牴触スルモノハ本法施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス 第四十一条 本法ノ施行ニ関スル細則ハ国土交通大臣之ヲ定ム 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。 附 則 1 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和三十四年一月一日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。 ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。 3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。 この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。 4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。 5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。 6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。 8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。 10 この法律及び行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十号)に同一の法律についての改正規定がある場合においては、当該法律は、この法律によつてまず改正され、次いで行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律によつて改正されるものとする。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から施行する。 (経過措置) 7 この法律の施行の際船舶所有者がその所有する船舶の存否が分明でない期間が三月を超え六月未満であることを知つている場合においては、第九条の規定による改正後の船舶法第十四条第一項中「其事実ヲ知リタル日」とあるのは「許可、認可等の整理に関する法律(昭和五十四年法律第七十号)ノ施行ノ日」とし、この法律の施行の際船舶所有者がその所有する船舶の存否が分明でない期間が六月以上であることを知つている場合においては、なお従前の例による。 9 この法律(附則第一項各号に掲げる規定については、当該各規定)の施行前にした行為及び附則第六項又は第七項の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。 (船舶法の一部改正に伴う経過措置) 第五条 この法律の施行前に前条の規定による改正前の船舶法第四条若しくは第九条の規定により行われた測度若しくは改測の申請若しくは嘱託又は同法第七条の規定により行われた標示は、それぞれ新船舶法第四条若しくは第九条の規定により行われた測度若しくは改測の申請若しくは嘱託又は新船舶法第七条の規定により行われた標示とみなす。 2 国際航海に従事する長さ二十四メートル以上の現存船に関する新船舶法の規定の適用については、この法律の施行後、条約第十七条(1)の規定により条約が効力を生ずる日から起算して十二年を経過する日(その日前に特定修繕が行われた船舶又は国際トン数証書の交付を受ける船舶については、当初改測日又は第八条第二項の規定による測度を受ける日のいずれか早い日)までの間においては、新船舶法第四条、第七条、第九条第一項、第二十一条第一項及び第二十一条ノ二中「総トン数」とあるのは、「積量」とする。 3 前二項に定めるもののほか、新船舶法の施行に伴い必要となる経過措置は、政令で定める。 (罰則に関する経過措置) 第十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。 (政令への委任) 第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から施行する。 (罰則に関する経過措置) 第二十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定)の施行前にした行為並びに附則第二条、第四条、第七条第二項、第八条、第十一条、第十二条第二項、第十三条及び第十五条第四項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における第一条、第四条、第八条、第九条、第十三条、第二十七条、第二十八条及び第三十条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第二十一条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 附 則 1 この法律は、公布の日から起算して二週間を経過した日から施行する。 2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。 附 則 この法律は、会社法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。 (経過措置の原則) 第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。 (訴訟に関する経過措置) 第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。 2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。 3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 第九条 この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第五十条及び第五十二条の規定は、公布の日から施行する。 (船舶法の一部改正に伴う経過措置) 第十八条 前条の規定による改正後の船舶法第三十五条第二項(新商法第七百九十一条の規定を準用する部分に限る。)の規定は、施行日前に生じた事故については、適用しない。 2 前条の規定による改正後の船舶法第三十五条第二項(新商法第八百七条の規定を準用する部分に限る。)の規定は、施行日前に発航をした同項前段に規定する船舶については、その航行を終了するまでの間は、適用しない。 (罰則に関する経過措置) 第五十一条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第五十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第五百九条の規定 公布の日
明治三十二年法律第十五号
供託法
132AC0000000015
20160401
第一条 法令ノ規定ニ依リテ供託スル金銭及ヒ有価証券ハ法務局若ハ地方法務局若ハ此等ノ支局又ハ法務大臣ノ指定スル此等ノ出張所カ供託所トシテ之ヲ保管ス 第一条ノ二 供託所ニ於ケル事務ハ法務局若ハ地方法務局若ハ此等ノ支局又ハ此等ノ出張所ニ勤務スル法務事務官ニシテ法務局又ハ地方法務局ノ長ノ指定シタル者カ供託官トシテ之ヲ取扱フ 第一条ノ三 供託官ノ処分ニ付テハ行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章ノ規定ハ之ヲ適用セズ 第一条ノ四 供託官ノ処分ニ不服アル者又ハ供託官ノ不作為ニ係ル処分ノ申請ヲ為シタル者ハ監督法務局又ハ地方法務局ノ長ニ審査請求ヲ為スコトヲ得 第一条ノ五 審査請求ハ供託官ヲ経由シテ之ヲ為スコトヲ要ス 第一条ノ六 供託官ハ処分ニ付テノ審査請求ヲ理由アリト認ムルトキ又ハ審査請求ニ係ル不作為ニ係ル処分ヲ為スベキモノト認ムルトキハ相当ノ処分ヲ為シテ其旨ヲ審査請求人ニ通知スルコトヲ要ス 供託官ハ前項ニ規定スル場合ヲ除クノ外意見ヲ付シ審査請求アリタル日ヨリ五日内ニ之ヲ監督法務局又ハ地方法務局ノ長ニ送付スルコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ監督法務局又ハ地方法務局ノ長ハ当該意見ヲ行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十一条第二項ニ規定スル審理員ニ送付スルモノトス 第一条ノ七 法務局又ハ地方法務局ノ長ハ処分ニ付テノ審査請求ヲ理由アリト認ムルトキ又ハ審査請求ニ係ル不作為ニ係ル処分ヲ為スベキモノト認ムルトキハ供託官ニ相当ノ処分ヲ命スルコトヲ要ス 法務局又ハ地方法務局ノ長ハ審査請求ニ係ル不作為ニ係ル処分ノ申請ヲ却下スベキモノト認ムルトキハ供託官ニ当該申請ヲ却下スル処分ヲ命ズルコトヲ要ス 第一条ノ八 第一条ノ四ノ審査請求ニ関スル行政不服審査法ノ規定ノ適用ニ付テハ同法第二十九条第五項中「処分庁等」トアルハ「審査庁」ト、「弁明書の提出」トアルハ「供託法(明治三十二年法律第十五号)第一条ノ六第二項に規定する意見の送付」ト、同法第三十条第一項中「弁明書」トアルハ「供託法第一条ノ六第二項の意見」トス 第一条ノ九 行政不服審査法第十三条、第十八条、第二十一条、第二十五条第二項乃至第七項、第二十九条第一項乃至第四項、第三十一条、第三十七条、第四十五条第三項、第四十六条、第四十七条、第四十九条第三項(審査請求ニ係ル不作為ガ違法又ハ不当ナル旨ノ宣言ニ係ル部分ヲ除ク)乃至第五項及ビ第五十二条ノ規定ハ第一条ノ四ノ審査請求ニ付テハ之ヲ適用セズ 第二条 供託所ニ供託ヲ為サント欲スル者ハ法務大臣カ定メタル書式ニ依リテ供託書ヲ作リ供託物ニ添ヘテ之ヲ差出タスコトヲ要ス 第三条 供託金ニハ法務省令ノ定ムル所ニ依リ利息ヲ付スルコトヲ要ス 第四条 供託所ハ供託物ヲ受取ルヘキ者ノ請求ニ因リ供託ノ目的タル有価証券ノ償還金、利息又ハ配当金ヲ受取リ供託物ニ代ヘ又ハ其従トシテ之ヲ保管ス但保証金ニ代ヘテ有価証券ヲ供託シタル場合ニ於テハ供託者ハ其利息又ハ配当金ノ払渡ヲ請求スルコトヲ得 第五条 法務大臣ハ法令ノ規定ニ依リテ供託スル金銭又ハ有価証券ニ非サル物品ヲ保管スヘキ倉庫営業者又ハ銀行ヲ指定スルコトヲ得 倉庫営業者又ハ銀行ハ其営業ノ部類ニ属スル物ニシテ其保管シ得ヘキ数量ニ限リ之ヲ保管スル義務ヲ負フ 第六条 倉庫営業者又ハ銀行ニ供託ヲ為サント欲スル者ハ法務大臣カ定メタル書式ニ依リテ供託書ヲ作リ供託物ニ添ヘテ之ヲ交付スルコトヲ要ス 第七条 倉庫営業者又ハ銀行ハ第五条第一項ノ規定ニ依ル供託物ヲ受取ルヘキ者ニ対シ一般ニ同種ノ物ニ付テ請求スル保管料ヲ請求スルコトヲ得 第八条 供託物ノ還付ヲ請求スル者ハ法務大臣ノ定ムル所ニ依リ其権利ヲ証明スルコトヲ要ス 供託者ハ民法第四百九十六条ノ規定ニ依レルコト、供託カ錯誤ニ出テシコト又ハ其原因カ消滅シタルコトヲ証明スルニ非サレハ供託物ヲ取戻スコトヲ得ス 第九条 供託者カ供託物ヲ受取ル権利ヲ有セサル者ヲ指定シタルトキハ其供託ハ無効トス 第十条 供託物ヲ受取ルヘキ者カ反対給付ヲ為スヘキ場合ニ於テハ供託者ノ書面又ハ裁判、公正証書其他ノ公正ノ書面ニ依リ其給付アリタルコトヲ証明スルニ非サレハ供託物ヲ受取ルコトヲ得ス 附 則 第十一条 本法ハ明治三十二年四月一日ヨリ之ヲ施行ス 第十二条 本法施行前ニ供託シタル金銭ニハ其施行ノ月ヨリ払渡請求ノ前月マテ第三条ノ利息ヲ附スルコトヲ要ス 第十三条 第四条、第八条及ヒ第十条ノ規定ハ本法施行前ニ供託シタル物ニモ亦之ヲ適用ス 第十四条 明治二十三年勅令第百四十五号供託規則ハ本法施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス 第十五条 昭和五十七年四月一日ヨリ昭和六十六年三月三十一日マデノ間ノ利息ハ第三条ノ規定ニ拘ラズ之ヲ付セズ 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 本法施行前為シタル供託ニ関シ必要ナル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 供託所所在地外ニ於テハ法務総裁ハ当分ノ内其ノ適当ト認ムル銀行ヲシテ第一条ノ規定ニ依ル供託事務ヲ取扱ハシムルコトヲ得 附 則 第十七条 この法律は、公布の後六十日を経過した日から、これを施行する。 附 則 1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。 5 従前の供託法第一条ノ三又は第一条ノ七第一項の規定によつてした抗告に関しては、この法律施行後でも、なお従前の例による。 附 則 1 この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。 ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。 3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。 この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。 4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。 5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。 6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。 8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 この法律は、商業登記法の施行の日(昭和三十九年四月一日)から施行する。 附 則 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。 (経過措置の原則) 第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。 (訴訟に関する経過措置) 第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。 2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。 3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
明治三十一年勅令第九十号
明治三十一年勅令第九十号(閏年ニ関スル件)
131IO0000000090
20150801
神武天皇即位紀元年数ノ四ヲ以テ整除シ得ヘキ年ヲ閏年トス但シ紀元年数ヨリ六百六十ヲ減シテ百ヲ以テ整除シ得ヘキモノノ中更ニ四ヲ以テ商ヲ整除シ得サル年ハ平年トス
明治三十一年法律第十四号
外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律
131AC0000000014
20230401
(趣旨) 第一条 民法(明治二十九年法律第八十九号)に規定する外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記については、他の法令に特別の定めがある場合を除き、この法律の定めるところによる。 (外国法人の登記の事務をつかさどる登記所) 第二条 日本に事務所を設けた外国法人(民法第三十五条第一項ただし書に規定する外国法人に限る。第四条において同じ。)の登記の事務は、その事務所の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(第五条第一項から第三項までにおいて「法務局等」という。)が、登記所としてつかさどる。 (外国法人登記簿) 第三条 登記所に、外国法人登記簿を備える。 (商業登記法の準用) 第四条 商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第二条から第五条まで、第七条から第十五条まで、第十七条、第十八条、第十九条の二、第十九条の三、第二十一条から第二十三条の二まで、第二十四条(第十四号及び第十五号を除く。)、第二十六条、第二十七条、第百二十八条、第百二十九条、第百三十条第一項及び第三項、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条から第百四十八条までの規定は、日本に事務所を設けた外国法人の登記について準用する。 (夫婦財産契約の登記の事務をつかさどる登記所) 第五条 夫婦財産契約の登記の事務は、夫婦となるべき者が夫の氏を称するときは夫となるべき者、妻の氏を称するときは妻となるべき者の住所地を管轄する法務局等が、登記所としてつかさどる。 2 前項の登記の事務は、同項に規定する夫となるべき者又は妻となるべき者の住所が日本国内にないとき又は当該住所が知れないときは当該夫となるべき者又は妻となるべき者の居所地を管轄する法務局等が登記所としてつかさどり、日本国内にその居所がないとき又はその居所が知れないときは当該夫となるべき者又は妻となるべき者の最後の住所地を管轄する法務局等が登記所としてつかさどる。 3 第一項の登記の事務は、前二項の規定により登記の事務をつかさどる登記所が定まらないときは、法務大臣が指定する法務局等が登記所としてつかさどる。 4 第一項及び第二項の規定により登記の事務をつかさどる登記所が二以上あるときは、法務省令で定めるところにより、法務大臣又は法務局若しくは地方法務局の長が、登記の事務をつかさどる登記所を指定する。 (夫婦財産契約登記簿) 第六条 登記所に、夫婦財産契約登記簿を備える。 (共同申請) 第七条 夫婦財産契約に関する登記の申請は、特別の定めがある場合を除き、当該夫婦財産契約の当事者の双方が共同してしなければならない。 2 前項の登記を申請する場合には、申請人は、その申請情報と併せて夫婦財産契約をしたことを証する情報又は管理者の変更若しくは共有財産の分割に関する処分の審判があったこと若しくはこれに関する契約をしたことを証する情報を提供しなければならない。 (不動産登記法の準用) 第八条 不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第七条から第十一条まで、第十三条、第十六条第一項、第十八条、第二十四条、第二十五条第一号から第九号まで及び第十二号、第六十七条第一項から第三項まで、第七十一条、第百十九条(第六項を除く。)、第百二十一条第三項から第五項まで、第百五十三条から第百五十六条まで、第百五十七条第一項から第三項まで、第五項及び第六項並びに第百五十八条の規定は、夫婦財産契約に関する登記について準用する。 この場合において、同法第十八条中「政令」とあるのは、「法務省令」と読み替えるものとする。 (省令への委任) 第九条 この法律に定めるもののほか、夫婦財産契約に関する登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。 附 則 第一条 本法ハ民法及ヒ商法ノ施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス 第二条 非訟事件手続法(明治二十三年法律第九十五号)其他従前ノ法令ニシテ本法ノ規定ト抵触シ又ハ重複スルモノハ本法施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス 本法施行前ニ裁判所ガ申立ヲ受ケ又ハ着手シタル事件ハ旧法令ニ依ル 附 則 本法ハ商法中改正法律施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス 本法施行前ニ裁判所ノ受理シタル事件ニハ従前ノ規定ヲ適用ス 商法中改正法律附則ノ規定ニ依リ旧法ノ規定ヲ適用スヘキ場合ニ付テハ従前ノ規定ハ仍ホ其効力ヲ有ス 後見人登記簿ハ法定代理人登記簿ノ一部トシテ其効力ヲ有シ営利ヲ目的トスル社団法人ノ登記簿ハ其法人ノ種類ニ従ヒ合名会社登記簿、合資会社登記簿、株式会社登記簿又ハ株式合資会社登記簿ノ一部トシテ其効力ヲ有ス 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 第三百八十三条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 第四十四条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 本法施行前ニ裁判所ノ受理シタル事件ニハ従前ノ規定ヲ適用ス 商法中改正法律施行法ニ依リ同法第一条ニ於テ謂フ旧法ヲ適用スベキ場合ニ付テハ従前ノ規定ハ仍其ノ効力ヲ有ス他ノ法令ノ適用上従前ノ規定ヲ適用スベキトキ及他ノ法令中非訟事件手続法ヲ準用スル場合ニ於テ改正規定ニ依ルコト能ハザルトキ亦同ジ 本法施行ノ際現ニ他ノ法令ニ於テ第二百六条乃至第二百八条ノ規定ヲ準用スル場合ニ於テハ本法ニ依ル第二百六条ノ規定ノ改正ニ拘ラズ第二百八条ノ二ノ規定ハ適用セラルルコトナシ但シ当該法令ガ本法施行後第二百六条乃至第二百八条ノ規定ノ準用ヲ止メタルトキハ此ノ限ニ在ラズ 附 則 第三十三条 この法律は日本国憲法施行の日から、これを施行する。 附 則 この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。 附 則 第十七条 この法律は、公布の後六十日を経過した日から、これを施行する。 附 則 この法律は、公布の日から、これを施行する。 商法の一部を改正する法律(昭和二十三年法律第百四十八号)附則の規定により改正前の商法を適用する場合に関しては、非訟事件手続法の従前の規定を適用する。 附 則 1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。 6 従前の不動産登記法若しくは非訟事件手続法の規定(他の法令で準用する場合を含む。)又は戦時民事特別法廃止法律の規定に基き登記に関してした申請その他の手続又は処分は、この法律に特別の定のある場合を除いて、改正後の相当規定(他の法令で準用する場合を含む。)によつてした申請その他の手続又は処分とみなす。 7 従前の不動産登記法第百五十条若しくは第百五十八条又は非訟事件手続法第百五十一条第一項若しくは第百五十一条ノ三第二項の規定(他の法令で準用する場合を含む。)によつてした抗告に関しては、この法律施行後でも、なお従前の例による。 9 登記所がすべき公告は、当分の間官報でするものとする。 但し、登記の事項の公告は、当分の間しない。 附 則 1 この法律は、昭和二十六年七月一日から施行する。 2 商法の一部を改正する法律施行法(昭和二十六年法律第二百十号)の規定により同法にいう旧法を適用する場合に関しては、従前の規定を適用する。 他の法令の適用上従前の規定を適用すべきとき、及び他の法令中非訟事件手続法を準用する場合において改正規定によることができないときも、同様とする。 3 この法律施行前に清算人の解任の裁判があつた場合における登記については、なお従前の例による。 4 商法の一部を改正する法律施行法第七条第一項の登記は、代表取締役の申請によつてする。 5 この法律施行前に営業全部の譲渡により解散した株式会社又は有限会社の解散の登記については、なお従前の例による。 6 商法の一部を改正する法律施行法第四十七条第一項但書の登記は、当該会社の日本における代表者の申請によつてする。 附 則 1 この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和二十九年六月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、昭和三十八年四月一日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。 ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。 3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。 この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。 4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。 5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。 6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。 9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 この法律は、商業登記法の施行の日(昭和三十九年四月一日)から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、昭和四十一年七月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、民訴条約及び送達条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。 (民事訴訟法及び非訟事件手続法の一部改正に伴う経過措置) 5 この法律の施行の際附則第三項の規定による改正前の民事訴訟法第百五十九条又は前項の規定による改正前の非訟事件手続法第二十二条に定める期間が現に進行しているものについては、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、昭和四十六年七月一日から施行する。 附 則 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、第一条、第六条中商法中改正法律施行法第五条の改正規定、第十六条中外資に関する法律第八条第二項第四号ハの改正規定、第三十条、第三十一条及び第三十六条の規定は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。 (経過措置) 2 この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。 3 前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。 附 則 この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日(昭和五十七年十月一日)から施行する。 ただし、第一条中非訟事件手続法第百三十二条ノ二第一項の改正規定、第二条中担保附社債信託法第三十四条の改正規定、第三条、第四条及び第七条の規定、第八条中農業協同組合法第十条第七項の改正規定、第十一条中国有財産法第二条第一項第六号の改正規定(「を含む。)」の下に「、新株引受権証券」を加える部分に限る。)、第十三条中中小企業等協同組合法第九条の八第五項の改正規定、第二十四条中信用金庫法第五十三条第三項の改正規定、第二十六条中会社更生法第二百五十七条第四項の改正規定、第三十一条中労働金庫法第五十八条第六項の改正規定、第四十一条中商業登記法第八十二条の次に一条を加える改正規定及び同法第八十九条の改正規定並びに第四十五条及び第四十八条の規定は、商法等の一部を改正する法律附則第一条ただし書の政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。 一から四まで 略 五 第六条から第二十一条まで、第二十五条及び第三十四条並びに附則第八条から第十三条までの規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日 附 則 この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、新民訴法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、商法等の一部を改正する法律(平成九年法律第七十一号)の施行の日から施行する。 (経過措置) 2 この法律の施行前に締結された合併契約に係る合併に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 (検討) 第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。 第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 (経過措置) 第三条 民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号)附則第三条第三項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。 一 第四条の規定による非訟事件手続法第百三十八条の改正規定 附 則 (施行期日) 第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (民法等の一部改正に伴う経過措置) 第二十五条 この法律の施行前に和議開始の申立てがあった場合又は当該申立てに基づきこの法律の施行前若しくは施行後に和議開始の決定があった場合においては、当該申立て又は決定に係る次の各号に掲げる法律の規定に定める事項に関する取扱いについては、この法律の附則の規定による改正後のこれらの規定にかかわらず、なお従前の例による。 一から四まで 略 五 非訟事件手続法第百三十五条ノ三十六 附 則 (施行期日) 1 この法律は、商法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十号)の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、商法等改正法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。 附 則 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一及び二 略 三 附則第三十条及び第三十三条の規定 公布の日から九月を超えない範囲内において政令で定める日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、破産法(平成十六年法律第七十五号。次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。 (政令への委任) 第十四条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。 ただし、第三条のうち非訟事件手続法第百二十五条第一項の改正規定及び第十三条のうち抵当証券法第四十一条の改正規定中新不動産登記法第百二十七条の準用に係る部分は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)の施行の日(平成十七年四月一日)又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置の原則) 第三条 この法律による改正後の民事訴訟法、非訟事件手続法及び民事執行法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、この法律による改正前のこれらの法律の規定により生じた効力を妨げない。 (過料事件に関する経過措置) 第七条 新民事訴訟法第百八十九条第四項の規定及び第二条の規定による改正後の非訟事件手続法第百六十三条第四項(同法第百六十四条第八項において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行前に旧民事訴訟法第百八十九条第一項の規定又は第二条の規定による改正前の非訟事件手続法(次項において「旧非訟事件手続法」という。)第二百八条第一項の規定による過料の裁判の執行があった過料事件(過料についての裁判の手続に係る事件をいう。次項において同じ。)については、適用しない。 2 この法律の施行前に旧非訟事件手続法第二百八条ノ二第一項の規定による過料についての裁判に対する同条第二項の異議の申立てがされた過料事件については、なお従前の例による。 (罰則の適用に関する経過措置) 第三十九条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第四十条 附則第三条から第十条まで、第二十九条及び前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (罰則の適用に関する経過措置) 第九条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 この法律は、会社法の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、新信託法の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。 (経過措置の原則) 第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。 (訴訟に関する経過措置) 第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。 2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。 3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 附 則 この法律は、会社法改正法の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九条中社債、株式等の振替に関する法律第二百六十九条の改正規定(「第六十八条第二項」を「第八十六条第一項」に改める部分に限る。)、第二十一条中民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第五十六条第二項及び附則第四条の改正規定、第四十一条中保険業法附則第一条の二の十四第一項の改正規定、第四十七条中保険業法等の一部を改正する法律附則第十六条第一項の改正規定、第五十一条中株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法第二十七条の改正規定、第七十八条及び第七十九条の規定、第八十九条中農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律附則第二十六条第一項の改正規定並びに第百二十四条及び第百二十五条の規定 公布の日 二 第一条中外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第四条の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)、第六条の規定(同条中商業登記法第九十条の次に一条を加える改正規定及び同法第九十一条第二項の改正規定(「前条」を「第九十条」に改める部分に限る。)並びに同号に掲げる改正規定を除く。)、第七条の規定、第十五条中一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十条の改正規定(同号に掲げる部分を除く。)、第十六条第五項の規定、第十七条中信託法第二百四十七条の改正規定(同号に掲げる部分を除く。)、第十八条中職員団体等に対する法人格の付与に関する法律第五十八条の改正規定(「第十九条の二」の下に「、第十九条の三、第二十一条」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分、「(同法第二十七条中「本店」とある部分を除く。)」を削る部分及び「「事務所」と」の下に「、同法第十二条の二第五項中「営業所(会社にあつては、本店)」とあり、並びに同法第十七条第二項第一号及び第五十一条第一項中「本店」とあるのは「主たる事務所」と」を、「選任された者」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「職員団体等に対する法人格の付与に関する法律(昭和五十三年法律第八十号)第五十五条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「職員団体等に対する法人格の付与に関する法律第五十五条において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分に限る。)及び同法第六十条第六号中「隠ぺいした」を「隠蔽した」に改める改正規定、第十九条の規定、第二十五条中金融商品取引法第九十条の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)及び同法第百二条の十一の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)、第二十六条の規定、第二十七条の規定(次号に掲げる改正規定を除く。)、第二十八条の規定、第三十二条中投資信託及び投資法人に関する法律第百七十七条の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)、第三十四条中信用金庫法第八十五条の改正規定(「第二十七条まで(第二十四条第十六号を除く。)」を「第十九条の三まで」に、「、印鑑の提出、」を「)、第二十一条から第二十七条まで(第二十四条第十五号を除く。)(」に改める部分及び「第十二条第一項」を「第十二条第一項第五号」に改める部分に限る。)、第三十五条第四項の規定、第三十六条中労働金庫法第八十九条の改正規定(「第二十七条まで(第二十四条第十六号を除く。)」を「第十九条の三まで」に、「、印鑑の提出、」を「)、第二十一条から第二十七条まで(第二十四条第十五号を除く。)(」に改める部分及び「第十二条第一項」を「第十二条第一項第五号」に改める部分に限る。)、第三十七条第三項の規定、第四十一条中保険業法第六十七条の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)及び同法第二百十六条の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)、第四十二条第十一項の規定、第四十五条中資産の流動化に関する法律第百八十三条第一項の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)、第四十六条第九項の規定、第五十条の規定(次号に掲げる改正規定を除く。)、第五十六条中酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第七十八条の改正規定(「第二十七条まで(第二十四条第十五号及び第十六号を除く。)」を「第十九条の三まで」に、「、添付書面の特例、印鑑の提出、」を「及び添付書面の特例)、第二十一条から第二十七条まで(第二十四条第十四号及び第十五号を除く。)(」に改める部分に限る。)、第五十七条第三項の規定、第六十七条中宗教法人法第六十五条の改正規定(「第十九条の二」の下に「、第十九条の三、第二十一条」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分及び「清算人」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第六十五条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「宗教法人法第六十五条において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分に限る。)、第六十八条の規定、第六十九条中消費生活協同組合法第九十二条の改正規定(「第十七条から」の下に「第十九条の三まで、第二十一条から」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分及び「清算人」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第九十二条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「消費生活協同組合法第九十二条において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分に限る。)、第七十条第三項の規定、第八十条中農村負債整理組合法第二十四条第一項の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)、第八十五条中漁船損害等補償法第八十三条の改正規定(「第十七条から」の下に「第十九条の三まで、第二十一条から」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分及び「により清算人となつたもの」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「漁船損害等補償法(昭和二十七年法律第二十八号)第八十三条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「漁船損害等補償法第八十三条において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分に限る。)、第八十六条の規定、第九十三条中中小企業等協同組合法第百三条の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)、第九十四条第三項の規定、第九十六条中商品先物取引法第二十九条の改正規定(「第十七条から」の下に「第十九条の三まで、第二十一条から」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分に限る。)、第九十七条、第九十九条及び第百一条の規定、第百二条中技術研究組合法第百六十八条の改正規定(次号に掲げる部分を除く。)、第百三条第三項の規定、第百七条中投資事業有限責任組合契約に関する法律第三十三条の改正規定(「第十九条の二」の下に「、第十九条の三、第二十一条」を加える部分に限る。)、第百八条の規定、第百十一条中有限責任事業組合契約に関する法律第七十三条の改正規定(「第十九条の二」の下に「、第十九条の三、第二十一条」を加える部分に限る。)並びに第百十二条の規定 公布の日から起算して一年三月を超えない範囲内において政令で定める日 三 第一条中外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第四条の改正規定(「並びに第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条」に改める部分に限る。)、第三条から第五条までの規定、第六条中商業登記法第七条の二、第十一条の二、第十五条、第十七条及び第十八条の改正規定、同法第四十八条の前の見出しを削る改正規定、同条から同法第五十条まで並びに同法第八十二条第二項及び第三項の改正規定、同条第四項の改正規定(「本店の所在地における」を削る部分に限る。)、同法第八十七条第一項及び第二項並びに第九十一条第一項の改正規定、同条第二項の改正規定(「本店の所在地における」を削る部分に限る。)並びに同法第九十五条、第百十一条、第百十八条及び第百三十八条の改正規定、第九条中社債、株式等の振替に関する法律第百五十一条第二項第一号の改正規定、同法第百五十五条第一項の改正規定(「(以下この条」の下に「及び第百五十九条の二第二項第四号」を加える部分に限る。)、同法第百五十九条の次に一条を加える改正規定、同法第二百二十八条第二項の表第百五十九条第三項第一号の項の次に次のように加える改正規定、同法第二百三十五条第一項の改正規定(「まで」の下に「、第百五十九条の二第二項第四号」を加える部分に限る。)、同条第二項の表第百五十九条第一項の項の次に次のように加える改正規定及び同法第二百三十九条第二項の表に次のように加える改正規定、第十条第二項から第二十三項までの規定、第十一条中会社更生法第二百六十一条第一項後段を削る改正規定、第十四条中会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十六条の改正規定、第十五条中一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の目次の改正規定(「従たる事務所の所在地における登記(第三百十二条―第三百十四条)」を「削除」に改める部分に限る。)、同法第四十七条の次に五条を加える改正規定、同法第三百一条第二項第四号の次に一号を加える改正規定、同法第六章第四節第三款、第三百十五条及び第三百二十九条の改正規定、同法第三百三十条の改正規定(「第四十九条から第五十二条まで」を「第五十一条、第五十二条」に、「及び第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで及び第百三十九条」に改め、「、「支店」とあるのは「従たる事務所」と」を削る部分に限る。)並びに同法第三百四十二条第十号の次に一号を加える改正規定、第十七条中信託法第二百四十七条の改正規定(「(第三項を除く。)、第十八条」を削る部分に限る。)、第十八条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。)、第二十二条及び第二十三条の規定、第二十五条中金融商品取引法第八十九条の三の改正規定、同法第八十九条の四第二項を削る改正規定、同法第九十条の改正規定(「第十七条から」の下に「第十九条の三まで、第二十一条から」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分、「及び第二十条第三項」を削る部分及び「読み替える」を「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第九十条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「金融商品取引法第九十条において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替える」に改める部分を除く。)、同法第百条の四、第百一条の二十第一項、第百二条第一項及び第百二条の十の改正規定、同法第百二条の十一の改正規定(「第十七条から」の下に「第十九条の三まで、第二十一条から」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分、「及び第二十条第三項」を削る部分及び「読み替える」を「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第百二条の十一において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「金融商品取引法第百二条の十一において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替える」に改める部分を除く。)並びに同法第百四十五条第一項及び第百四十六条の改正規定、第二十七条中損害保険料率算出団体に関する法律第二十三条から第二十四条の二までの改正規定及び同法第二十五条の改正規定(「第二十三条の二まで、」を「第十九条の三まで(登記申請の方式、申請書の添付書面、申請書に添付すべき電磁的記録、添付書面の特例)、第二十一条から」に、「第十五号及び第十六号」を「第十四号」に改める部分を除く。)、第三十二条中投資信託及び投資法人に関する法律第九十四条第一項の改正規定(「第三百五条第一項本文及び第四項」の下に「から第六項まで」を加える部分を除く。)、同法第百六十四条第四項の改正規定、同法第百六十六条第二項第八号の次に一号を加える改正規定、同法第百七十七条の改正規定(「、第二十条第一項及び第二項」を削る部分及び「、同法第二十四条第七号中「若しくは第三十条第二項若しくは」とあるのは「若しくは」と」を削り、「第百七十五条」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百七十七条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「投資信託及び投資法人に関する法律第百七十七条において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分を除く。)及び同法第二百四十九条第十九号の次に一号を加える改正規定、第三十四条中信用金庫法の目次の改正規定(「第四十八条の八」を「第四十八条の十三」に改める部分に限る。)、同法第四十六条第一項の改正規定、同法第四章第七節中第四十八条の八の次に五条を加える改正規定、同法第六十五条第二項、第七十四条から第七十六条まで及び第七十七条第四項の改正規定、同法第八十五条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、同法第八十七条の四第四項の改正規定並びに同法第九十一条第一項第十二号の次に一号を加える改正規定、第三十六条中労働金庫法第七十八条から第八十条まで及び第八十一条第四項の改正規定並びに同法第八十九条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、第三十八条中金融機関の合併及び転換に関する法律第六十四条第一項の改正規定、第四十条の規定(同条中協同組織金融機関の優先出資に関する法律第十四条第二項及び第二十二条第五項第三号の改正規定を除く。)、第四十一条中保険業法第四十一条第一項の改正規定、同法第四十九条第一項の改正規定(「規定中」を「規定(同法第二百九十八条(第一項第三号及び第四号を除く。)、第三百十一条第四項並びに第五項第一号及び第二号、第三百十二条第五項並びに第六項第一号及び第二号、第三百十四条、第三百十八条第四項、第三百二十五条の二並びに第三百二十五条の五第二項を除く。)中「株主」とあるのは「総代」と、これらの規定(同法第二百九十九条第一項及び第三百二十五条の三第一項第五号を除く。)中」に改め、「とあり、及び「取締役会設置会社」」を削り、「相互会社」と、」の下に「これらの規定中」を加え、「、これらの規定(同法第二百九十八条第一項(各号を除く。)及び第四項、第三百十一条第四項、第三百十二条第五項、第三百十四条並びに第三百十八条第四項を除く。)中「株主」とあるのは「総代」と」を削り、「各号を除く。)及び第四項中」を「第三号及び第四号を除く。)中「前条第四項」とあるのは「保険業法第四十五条第二項」と、「株主」とあるのは「社員又は総代」と、「次項本文及び次条から第三百二条まで」とあるのは「次条及び第三百条」と、同条第四項中「取締役会設置会社」とあるのは「相互会社」と、」に、「第三百十一条第四項及び第三百十二条第五項」を「第三百十一条第一項中「議決権行使書面に」とあるのは「議決権行使書面(保険業法第四十八条第三項に規定する議決権行使書面をいう。以下同じ。)に」と、同条第四項並びに第五項第一号及び第二号並びに同法第三百十二条第五項並びに第六項第一号及び第二号」に改め、「共同」を削る部分を除く。)、同法第六十四条第二項及び第三項の改正規定、同法第六十七条の改正規定(「、第四十八条」を「、第五十一条」に改め、「支店所在地における登記、」を削り、「登記)並びに」を「登記)、」に、「第百四十八条」を「第百三十七条」に、「職権抹消、」を「職権抹消)並びに第百三十九条から第百四十八条まで(」に改める部分及び「第四十八条から第五十三条までの規定中「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「支店」とあるのは「従たる事務所」を「第四十七条第三項中「前項」とあるのは「保険業法第六十四条第一項」と、同法第五十五条第一項中「会社法第三百四十六条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の十二第四項」と、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「保険業法第六十七条において準用する商業登記法第百四十五条」と、同法第百四十八条中「この法律に」とあるのは「保険業法に」と、「この法律の施行」とあるのは「相互会社に関する登記」に改める部分に限る。)、同法第八十四条第一項並びに第九十六条の十四第一項及び第二項の改正規定、同法第九十六条の十六第四項の改正規定(「並びに」を「及び」に改め、「及び第四項」を削る部分に限る。)、同法第百六十九条の五第三項を削る改正規定、同法第百七十一条及び第百八十三条第二項の改正規定、同法第二百十六条の改正規定(「、第二十条第一項及び第二項(印鑑の提出)」を削り、「第十一号及び第十二号」を「第十号及び第十一号」に改める部分及び「において」の下に「、同法第十二条第一項第五号中「会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)」とあるのは「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律」と」を加える部分を除く。)並びに同法第三百三十三条第一項第十七号の次に一号を加える改正規定、第四十三条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十二条第一項後段を削る改正規定並びに同法第三百三十五条第一項後段及び第三百五十五条第一項後段を削る改正規定、第四十五条中資産の流動化に関する法律第二十二条第二項第七号の次に一号を加える改正規定、同条第四項を削る改正規定、同法第六十五条第三項の改正規定、同法第百八十三条第一項の改正規定(「第二十七条」を「第十九条の三」に、「、印鑑の提出、」を「)、第二十一条から第二十七条まで(」に改める部分、「、同法第二十四条第七号中「書面若しくは第三十条第二項若しくは第三十一条第二項に規定する譲渡人の承諾書」とあるのは「書面」と」を削る部分及び「準用する会社法第五百七条第三項」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百八十三条第一項において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「資産の流動化に関する法律第百八十三条第一項において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分を除く。)及び同法第三百十六条第一項第十七号の次に一号を加える改正規定、第四十八条の規定、第五十条中政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第十五条の三の改正規定(「(第三項を除く。)」を削る部分に限る。)、第五十二条、第五十三条及び第五十五条の規定、第五十六条中酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第二十二条の改正規定(「、同法第九百三十七条第一項中「第九百三十条第二項各号」とあるのは「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第六十七条第二項各号」と」を削る部分に限る。)、同法第三十九条、第五十六条第六項、第五十七条及び第六十七条から第六十九条までの改正規定、同法第七十八条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)並びに同法第八十三条の改正規定、第五十八条及び第六十一条の規定、第六十七条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。)、第六十九条中消費生活協同組合法第八十一条から第八十三条まで及び第九十条第四項の改正規定並びに同法第九十二条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、第七十一条中医療法第四十六条の三の六及び第七十条の二十一第六項の改正規定並びに同法第九十三条の改正規定(同条第四号中「第五十一条の三」を「第五十一条の三第一項」に改める部分を除く。)、第七十七条の規定、第八十条中農村負債整理組合法第二十四条第一項の改正規定(「第十七条(第三項ヲ除ク)」を「第十七条」に改める部分に限る。)、第八十一条中農業協同組合法第三十六条第七項の改正規定、同法第四十三条の六の次に一条を加える改正規定、同法第四十三条の七第三項の改正規定及び同法第百一条第一項第四十号の次に一号を加える改正規定、第八十三条中水産業協同組合法第四十条第七項の改正規定、同法第四十七条の五の次に一条を加える改正規定、同法第八十六条第二項の改正規定及び同法第百三十条第一項第三十八号の次に一号を加える改正規定、第八十五条中漁船損害等補償法第七十一条から第七十三条までの改正規定及び同法第八十三条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、第八十七条中森林組合法第五十条第七項の改正規定、同法第六十条の三の次に一条を加える改正規定、同法第六十条の四第三項及び第百条第二項の改正規定並びに同法第百二十二条第一項第十二号の次に一号を加える改正規定、第八十九条中農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律第二十二条第二項の改正規定、第九十条中農林中央金庫法第四十六条の三の次に一条を加える改正規定、同法第四十七条第三項の改正規定及び同法第百条第一項第十六号の次に一号を加える改正規定、第九十三条中中小企業等協同組合法の目次の改正規定、同法第四章第二節第一款及び第二款の款名を削る改正規定、同法第九十三条から第九十五条まで、第九十六条第四項及び第九十七条第一項の改正規定並びに同法第百三条の改正規定(「、第四十八条」を「、第五十一条」に、「並びに第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条」に改める部分及び「、同法第四十八条第二項中「会社法第九百三十条第二項各号」とあるのは「中小企業等協同組合法第九十三条第二項各号」と」を削る部分に限る。)、第九十六条の規定(同条中商品先物取引法第十八条第二項の改正規定、同法第二十九条の改正規定(前号に掲げる部分に限る。)並びに同法第五十八条、第七十七条第二項及び第百四十四条の十一第二項の改正規定を除く。)、第九十八条中輸出入取引法第十九条第一項の改正規定(「第八項」の下に「、第三十八条の六」を加える部分を除く。)、第百条の規定(同条中中小企業団体の組織に関する法律第百十三条第一項第十三号の改正規定を除く。)、第百二条中技術研究組合法の目次の改正規定、同法第八章第二節の節名の改正規定、同章第三節、第百五十九条第三項から第五項まで及び第百六十条第一項の改正規定並びに同法第百六十八条の改正規定(「、第四十八条」を「、第五十一条」に、「並びに第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条」に改め、「第四十八条第二項中「会社法第九百三十条第二項各号」とあるのは「技術研究組合法第百五十六条第二項各号」と、同法第五十条第一項、」を削る部分に限る。)、第百七条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。)並びに第百十一条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。) 会社法改正法附則第一条ただし書に規定する規定の施行の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第二条中不動産登記法第百三十一条第五項の改正規定及び附則第三十四条の規定 公布の日 (外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律の一部改正に伴う経過措置) 第九条 前条の規定による改正後の外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第八条において準用する新不動産登記法第百二十一条第三項から第五項までの規定は、施行日以後にされる登記簿の附属書類の閲覧請求について適用し、施行日前にされた登記簿の附属書類の閲覧請求については、なお従前の例による。 2 施行日から第二号施行日の前日までの間における前条の規定による改正後の外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第八条の規定の適用については、同条中「第百十九条(第六項を除く。)」とあるのは、「第百十九条」とする。 (その他の経過措置の政令等への委任) 第三十四条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
明治三十一年法律第十一号
民法施行法 抄
131AC0000000011
20220617
民法施行法 第一章 通則 第二章 総則編ニ関スル規定 第三章 物権編ニ関スル規定 第四章 債権編ニ関スル規定 第五章 親族編ニ関スル規定 第六章 相続編ニ関スル規定 第一章 通則 第一条 民法施行前ニ生シタル事項ニ付テハ本法ニ別段ノ定アル場合ヲ除ク外民法ノ規定ヲ適用セス 第二条 削除 第三条 削除 第四条 削除 第五条 証書ハ左ノ場合ニ限リ確定日付アルモノトス 一 公正証書ナルトキハ其日付ヲ以テ確定日付トス 二 登記所又ハ公証人役場ニ於テ私署証書ニ日付アル印章ヲ押捺シタルトキハ其印章ノ日付ヲ以テ確定日付トス 三 私署証書ノ署名者中ニ死亡シタル者アルトキハ其死亡ノ日ヨリ確定日付アルモノトス 四 確定日付アル証書中ニ私署証書ヲ引用シタルトキハ其証書ノ日付ヲ以テ引用シタル私署証書ノ確定日付トス 五 官庁又ハ公署ニ於テ私署証書ニ或事項ヲ記入シ之ニ日付ヲ記載シタルトキハ其日付ヲ以テ其証書ノ確定日付トス 六 郵便認証司(郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第五十九条第一項ニ規定スル郵便認証司ヲ謂フ)ガ同法第五十八条第一号ニ規定スル内容証明ノ取扱ニ係ル認証ヲ為シタルトキハ同号ノ規定ニ従ヒテ記載シタル日付ヲ以テ確定日付トス 指定公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第七条ノ二第一項ニ規定スル指定公証人ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ガ其設ケタル公証人役場ニ於テ請求ニ基キ法務省令ノ定ムル方法ニ依リ電磁的記録(電子的方式、磁気的方式其他人ノ知覚ヲ以テ認識スルコト能ハザル方式(以下電磁的方式ト称ス)ニ依リ作ラルル記録ニシテ電子計算機ニ依ル情報処理ノ用ニ供セラルルモノヲ謂フ以下之ニ同ジ)ニ記録セラレタル情報ニ日付ヲ内容トスル情報(以下日付情報ト称ス)ヲ電磁的方式ニ依リ付シタルトキハ当該電磁的記録ニ記録セラレタル情報ハ確定日付アル証書ト看做ス 但公務員ガ職務上作成シタル電磁的記録以外ノモノニ付シタルトキニ限ル 前項ノ場合ニ於テハ日付情報ノ日付ヲ以テ確定日付トス 第六条 私署証書ニ確定日附ヲ附スルコトヲ登記所又ハ公証人役場ニ請求スル者アルトキハ登記官又ハ公証人ハ確定日附簿ニ署名者ノ氏名又ハ其一人ノ氏名ニ外何名ト附記シタルモノ及ヒ件名ヲ記載シ其証書ニ登簿番号ヲ記入シ帳簿及ヒ証書ニ日附アル印章ヲ押捺シ且其印章ヲ以テ帳簿ト証書トニ割印ヲ為スコトヲ要ス 証書カ数紙ヨリ成レル場合ニ於テハ前項ニ掲ケタル印章ヲ以テ毎紙ノ綴目又ハ継目ニ契印ヲ為スコトヲ要ス 第七条 公証人法第六十二条ノ七及ビ第六十二条ノ八ノ規定ハ指定公証人ガ第五条第二項ニ規定スル請求ニ因リ日付情報ヲ付スル場合ニ之ヲ準用ス 本法ニ規定スルモノノ外第五条第二項ニ規定スル日付情報ヲ付スルコトニ関スル事項ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム 第八条 私署証書ニ確定日附ヲ附スルコトヲ登記所又ハ公証人役場ニ請求スル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ手数料ヲ納ムルコトヲ要ス 前項ノ規定ニ依リ登記所ニ為ス請求ニ係ル手数料ノ納付ハ収入印紙ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス 第一項ノ規定ハ第五条第二項ニ規定スル請求ヲ行フ者並ニ前条第一項ニ於テ準用スル公証人法第六十二条ノ七第二項及ビ第三項ノ規定ニ依ル請求ヲ行フ者ニ之ヲ準用ス 第九条 左ノ法令ハ民法施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス 一 明治五年第二百九十五号布告 二 明治六年第二十一号布告 三 同年第二十八号布告 四 同年第四十号布告 五 同年第百六十二号布告 六 同年第百七十七号布告 七 同年第二百十五号布告代人規則 八 同年第二百五十二号布告 九 同年第三百六号布告動産不動産書入金穀貸借規則 十 同年第三百六十二号布告出訴期限規則 十一 明治七年第二十七号布告 十二 明治八年第六号布告 十三 同年第六十三号布告 十四 同年第百二号布告金穀貸借請人証人弁償規則 十五 同年第百四十八号布告建物書入質規則及ヒ建物売買譲渡規則 十六 明治九年第七十五号布告 十七 同年第九十九号布告 十八 明治十年第五十号布告 十九 明治十四年第七十三号布告 二十 明治十七年第二十号布告 二十一 明治二十三年法律第九十四号財産委棄法 二十二 同年勅令第二百十七号弁済提供規則 明治六年第十八号布告地所質入書入規則ハ第十一条ヲ除ク外民法施行ノ日ヨリ之ヲ廃止ス 第十条 削除 第十一条 本法ハ民法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス 第二章 総則編ニ関スル規定 第十二条 民法施行前ニ民法第七条又ハ第十一条ニ掲ケタル原因ノ為メニ後見人ヲ附シタル者ハ其施行ノ日ヨリ禁治産者又ハ準禁治産者ト看做ス 後見人ハ民法施行ノ日ヨリ一个月内ニ禁治産又ハ準禁治産ノ請求ヲ為スコトヲ要ス 第十三条 後見人其他民法第七条ニ掲ケタル者カ民法施行ノ日ヨリ一个月内ニ禁治産又ハ準禁治産ノ請求ヲ為ササリシトキハ其期間経過ノ後ハ前条第一項ノ規定ヲ適用セス 前項ノ期間内ニ禁治産又ハ準禁治産ノ請求アリタルモ裁判所ニ於テ之ヲ却下シタルトキハ抗告期間経過ノ後、若シ抗告アリタルトキハ最後ノ抗告棄却ノ時ヨリ又訴ニ於テ禁治産又ハ準禁治産ノ宣告ヲ取消シタルトキハ其判決確定ノ日ヨリ前条第一項ノ規定ヲ適用セス 第十五条 民法施行ノ日ニ於テ刑事禁治産者タル者ハ其施行ノ日ヨリ能力ヲ回復ス 第十六条 民法施行前ヨリ刑事禁治産者ノ財産ヲ管理スル者ハ刑事禁治産者又ハ刑事禁治産者カ定メタル他ノ管理者カ其財産ヲ管理スルコトヲ得ルマテ管理ヲ継続スルコトヲ要ス 前項ノ場合ニ於テ管理者ハ民法第百三条ニ定メタル権限ヲ有ス 但刑事禁治産者カ別段ノ意思ヲ表示シタルトキハ此限ニ在ラス 第十七条 民法第二十五条乃至第二十九条ノ規定ハ民法施行前ニ住所又ハ居所ヲ去リタル者ニ付テモ亦之ヲ適用ス 民法施行前ヨリ不在者ノ財産ヲ管理スル者ハ其施行ノ日ヨリ民法ノ規定ニ従ヒテ其管理ヲ継続ス 第十八条 民法第三十条及ヒ第三十一条ノ規定ハ民法施行前ヨリ生死分明ナラサル者ニモ亦之ヲ適用ス 民法施行前既ニ民法第三十条ノ期間ヲ経過シタル者ニ付テハ直チニ失踪ノ宣告ヲ為スコトヲ得此場合ニ於テハ失踪者ハ民法ノ施行ト同時ニ死亡シタルモノト看做ス 第十九条乃至第二十八条 削除 第二十九条 民法施行前ニ出訴期限ヲ経過シタル債権ハ時効ニ因リテ消滅シタルモノト看做ス 第三十条 民法施行前ニ出訴期限ヲ経過セサル債権ニ付テハ民法中時効ニ関スル規定ヲ適用ス 第三十一条 民法施行前ニ進行ヲ始メタル出訴期限カ民法ニ定メタル時効ノ期間ヨリ長キトキハ旧法ノ規定ニ従フ 但其残期カ民法施行ノ日ヨリ起算シ民法ニ定メタル時効ノ期間ヨリ長キトキハ其日ヨリ起算シテ民法ノ規定ヲ適用ス 第三十二条 前条但書ノ規定ハ旧法ニ出訴期限ナキ権利ニ之ヲ準用ス 第三十三条 前三条ノ場合ニ於テ民法中時効ノ中断及ヒ停止ニ関スル規定ハ民法施行ノ日ヨリ之ヲ適用ス 第三十四条 第三十条乃至第三十二条ノ規定ハ時効期間ノ性質ヲ有セサル法定期間ニ之ヲ準用ス 第三章 物権編ニ関スル規定 第三十五条 慣習上物権ト認メタル権利ニシテ民法施行前ニ発生シタルモノト雖モ其施行ノ後ハ民法其他ノ法律ニ定ムルモノニ非サレハ物権タル効力ヲ有セス 第三十六条 民法ニ定メタル物権ハ民法施行前ニ発生シタルモノト雖モ其施行ノ日ヨリ民法ニ定メタル効力ヲ有ス 第三十七条 民法又ハ不動産登記法ノ規定ニ依リ登記スヘキ権利ハ従来登記ナクシテ第三者ニ対抗スルコトヲ得ヘカリシモノト雖モ民法施行ノ日ヨリ一年内ニ之ヲ登記スルニ非サレハ之ヲ以テ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス 第三十八条 民法施行前ヨリ占有又ハ準占有ヲ為ス者ニハ其施行ノ日ヨリ民法ノ規定ヲ適用ス 第三十九条 民法施行前ヨリ動産ヲ占有スル者カ民法第百九十二条ノ条件ヲ具備スルトキハ民法ノ施行ト同時ニ其動産ノ上ニ行使スル権利ヲ取得ス 第四十条 遺失物ハ明治九年第五十六号布告遺失物取扱規則第二条ニ依リ榜示ヲ為シタル後一年内ニ其所有者ノ知レサルトキハ民法施行前ニ其榜示ヲ為シタルトキト雖モ拾得者其所有権ヲ取得ス 但漂著物ニ付テハ明治八年第六十六号布告内国船難破及漂流物取扱規則ノ規定ニ従フ 第四十一条 埋蔵物ニ付テハ特別法ノ施行ニ至ルマテ遺失物ト同一ノ手続ニ依リテ公告ヲ為スコトヲ要ス 第四十二条 民法施行前ヨリ民法第二百四十二条乃至第二百四十六条ノ規定ニ依レハ所有権ヲ取得スヘカリシ状況ニ在ル者ハ民法ノ施行ト同時ニ民法ノ規定ニ従ヒテ所有権ヲ取得ス 但第三者カ正当ニ取得シタル権利ヲ妨ケス 第四十三条 共有者カ民法施行前ニ於テ五年ヲ超ユル期間内共有物ノ分割ヲ為ササル契約ヲ為シタルトキハ其契約ハ民法施行ノ日ヨリ五年ヲ超エサル範囲内ニ於テ其効力ヲ有ス 第四十四条 民法施行前ニ設定シタル地上権ニシテ存続期間ノ定ナキモノニ付キ当事者カ民法第二百六十八条第二項ノ請求ヲ為シタルトキハ裁判所ハ設定ノ時ヨリ二十年以上民法施行ノ日ヨリ五十年以下ノ範囲内ニ於テ其存続期間ヲ定ム 地上権者カ民法施行前ヨリ有シタル建物又ハ竹木アルトキハ地上権ハ其建物ノ朽廃又ハ其竹木ノ伐採期ニ至ルマテ存続ス 地上権者カ前項ノ建物ニ修繕又ハ変更ヲ加ヘタルトキハ地上権ハ原建物ノ朽廃スヘカリシ時ニ於テ消滅ス 第四十五条 廃止 第四十六条 民法第二百七十五条及ヒ第二百七十六条ノ期間ハ民法施行前ヨリ同条ニ定メタル事実カ始マリタルトキト雖モ其始ヨリ之ヲ起算ス 第四十七条 民法施行前ニ設定シタル永小作権ハ其存続期間カ五十年ヨリ長キトキト雖モ其効力ヲ存ス 但其期間カ民法施行ノ日ヨリ起算シテ五十年ヲ超ユルトキハ其日ヨリ起算シテ之ヲ五十年ニ短縮ス 民法施行前ニ期間ヲ定メスシテ設定シタル永小作権ノ存続期間ハ慣習ニ依リ五十年ヨリ短キ場合ヲ除ク外民法施行ノ日ヨリ五十年トス 民法施行前ニ永久存続スヘキモノトシテ設定シタル永小作権ハ民法施行ノ日ヨリ五十年ヲ経過シタル後一年内ニ所有者ニ於テ相当ノ償金ヲ払ヒテ其消滅ヲ請求スルコトヲ得若シ所有者カ此権利ヲ抛棄シ又ハ一年内ニ此権利ヲ行使セサルトキハ爾後一年内ニ永小作人ニ於テ相当ノ代価ヲ払ヒテ所有権ヲ買取ルコトヲ要ス 第四十八条 民法ノ規定ニ従ヘハ民法施行前ヨリ先取特権ヲ有スヘカリシ債権者ハ其施行ノ日ヨリ先取特権ヲ有ス 第四十九条 民法第三百七十条ノ規定ハ民法施行前ニ抵当権ノ目的タル不動産ニ附加シタル物ニモ亦之ヲ適用ス 第五十条 民法第三百七十五条ノ規定ハ民法施行前ニ設定シタル抵当権ニモ亦之ヲ適用ス 但民法施行ノ日ヨリ一年内ニ特別ノ登記ヲ為シタル利息其他ノ定期金ニ付テハ元本ト同一ノ順位ヲ以テ抵当権ヲ行フコトヲ得 第四章 債権編ニ関スル規定 第五十三条 民法施行前ヨリ債務ヲ負担スル者カ其施行ノ後ニ至リ債務ヲ履行セサルトキハ民法ノ規定ニ従ヒ不履行ノ責ニ任ス 前項ノ規定ハ債権者カ債務ノ履行ヲ受クルコトヲ拒ミ又ハ之ヲ受クルコト能ハサル場合ニ之ヲ準用ス 第五十六条 金銭ヲ目的トスル債務ヲ負担シタル者カ民法施行前ヨリ其履行ヲ怠リタルトキハ損害賠償ノ額ハ其施行ノ日以後ハ民法第四百四条ニ定メタル利率ニ依リテ之ヲ定ム 但民法第四百十九条第一項但書ノ適用ヲ妨ケス 第五十七条 削除 第五十八条 民法施行前ニ発生シタル債務ト雖モ相殺ニ因リテ之ヲ免ルルコトヲ得 双方ノ債務カ民法施行前ヨリ互ニ相殺ヲ為スニ適シタルトキハ相殺ノ意思表示ハ民法施行ノ日ニ遡リテ其効力ヲ生ス 第五十九条 民法第六百五条ノ規定ハ民法施行前ニ為シタル不動産ノ賃貸借ニモ亦之ヲ適用ス 第六十条 第四十五条ノ規定ハ外国人又ハ外国法人ニ土地ヲ賃貸シタル場合ニ之ヲ準用ス 第五章 親族編ニ関スル規定 第六十二条 民法施行ノ際家族タル者ハ民法ノ規定ニ依レハ家族タルコトヲ得サル者ト雖モ之ヲ家族トス 家族ハ民法施行ノ日ヨリ民法ノ規定ニ従ヒテ戸主権ニ服ス 第六十三条 民法ノ規定ニ依レハ父又ハ母ノ家ニ入ルヘキ者ト雖モ民法施行ノ際他家ニ在ル者ニハ其規定ヲ適用セス 第六十四条 民法施行前ニ隠居者又ハ家督相続人カ詐欺又ハ強迫ニ因リ隠居ヲ為シ又ハ相続ヲ承認シタルトキハ民法第七百五十九条ノ規定ニ依リテ之ヲ取消スコトヲ得 但第三十二条及ヒ第三十四条ノ適用ヲ妨ケス 民法第七百六十条ノ規定ハ民法施行前ニ家督相続人ノ債権者ト為リタル者ニモ亦之ヲ適用ス 第六十五条 民法施行前ニ為シタル婚姻又ハ養子縁組カ其当時ノ法律ニ依レハ無効ナルトキト雖モ民法ノ規定ニ依リ有効ナルヘキトキハ民法施行ノ日ヨリ有効トス 第六十六条 民法第七百六十七条第一項ノ期間ハ前婚カ民法施行前ニ解消シ又ハ取消サレタルトキト雖モ其解消又ハ取消ノ時ヨリ之ヲ起算ス 第六十七条 民法施行前ニ生シタル事実カ民法ニ依リ婚姻又ハ養子縁組ノ取消ノ原因タルヘキトキハ其婚姻又ハ養子縁組ハ之ヲ取消スコトヲ得 但其事実カ既ニ民法ニ定メタル期間ヲ経過シタルモノナルトキハ此限ニ在ラス 第六十八条 民法施行前ニ為シタル婚姻又ハ養子縁組ト雖モ其施行ノ日ヨリ民法ニ定メタル効力ヲ生ス 第六十九条 民法施行前ニ婚姻ヲ為シタル者カ夫婦ノ財産ニ付キ別段ノ契約ヲ為ササリシトキハ其財産関係ハ民法施行ノ日ヨリ法定財産制ニ依ル 民法施行前ニ夫婦カ其財産ニ付キ契約ヲ為シタルトキハ其契約ハ婚姻届出ノ後ニ為シタルモノト雖モ其効力ヲ存ス 但其契約カ法定財産制ニ異ナルトキハ民法施行ノ日ヨリ六个月内ニ其登記ヲ為スニ非サレハ之ヲ以テ夫婦ノ承継人及ヒ第三者ニ対抗スルコトヲ得ス 第七十条 民法施行前ニ生シタル事実カ民法ニ依リ離婚又ハ離縁ノ原因タルヘキトキハ夫婦又ハ養子縁組ノ当事者ノ一方ハ離婚又ハ離縁ノ訴ヲ提起スルコトヲ得 第六十七条但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第七十一条 嫡出ノ推定及ヒ否認ニ関スル民法ノ規定ハ民法施行前ニ懐胎シタル子ニモ亦之ヲ適用ス 第七十二条 子ハ民法施行ノ日ヨリ民法ノ規定ニ従ヒテ父又ハ母ノ親権ニ服ス 第七十三条 裁判所ハ民法施行前ニ生シタル事実ニ拠リテ親権又ハ管理権ノ喪失ヲ宣告スルコトヲ得 第七十四条 民法第九百条第一号ノ場合ニ於テ民法施行ノ際未成年者ノ後見人タル者アルトキハ其後見人ハ民法施行ノ日ヨリ民法ノ規定ニ従ヒテ其任務ヲ行フ 第七十五条 民法第九百条第一号ノ場合ニ於テ民法施行ノ際未成年者カ後見人ヲ有セサルトキハ民法ニ定メタル者其後見人ト為ル 第七十六条 民法施行前ニ民法第七条又ハ第十一条ニ掲ケタル原因ノ為メニ後見人ヲ附シタル者アル場合ニ於テ後見人其他民法第七条ニ掲ケタル者ノ請求ニ因リ禁治産ノ宣告アリタルトキハ後見人ハ其宣告ノ時ヨリ民法ノ規定ニ従ヒテ後見人ノ任務ヲ行ヒ準禁治産ノ宣告アリタルトキハ保佐人ノ任務ヲ行フ 第七十七条 民法施行前ニ未成年又ハ民法第七条若クハ第十一条ニ掲ケタル原因ニ非サル事由ノ為メニ選任シタル後見人ノ任務ハ民法施行ノ日ヨリ終了ス 未成年者ノ後見人又ハ民法第七条若クハ第十一条ニ掲ケタル原因ノ為メニ選任シタル後見人カ民法第九百八条ニ該当スルトキ亦同シ 第七十八条 民法第九百三十七条及ヒ第九百四十条乃至第九百四十二条ノ規定ハ前条ノ場合ニ之ヲ準用ス 民法第九百三十八条ノ規定ハ前条第二項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第七十九条 第七十四条又ハ第七十六条ノ規定ニ依リテ後見人ノ任務ヲ行フ者ハ後見監督人ヲ選任セシムル為メ遅滞ナク親族会ノ招集ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ要ス若シ之ニ違反シタルトキハ親族会ハ其後見人ヲ免黜スルコトヲ得 第八十条 第七十四条又ハ第七十六条ノ規定ニ依リテ後見人ノ任務ヲ行フ者ハ遅滞ナク被後見人ノ財産ヲ調査シ其目録ヲ調製スルコトヲ要ス 民法第九百十七条第二項、第三項、第九百十八条及ヒ第九百十九条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第八十一条 民法第九百二十四条及ヒ第九百二十七条ノ規定ハ後見人カ第七十四条又ハ第七十六条ノ規定ニ依リテ其任務ヲ行フ場合ニ之ヲ準用ス 第八十二条 民法第九百三十条ノ規定ハ後見人カ民法施行前ニ被後見人ノ財産又ハ被後見人ニ対スル第三者ノ権利ヲ譲受ケタル場合ニモ亦之ヲ適用ス 第八十三条 後見人カ民法施行前ヨリ被後見人ノ財産ヲ賃借セルトキハ後見監督人ヲ選任セシムル為メ招集シタル親族会ノ同意ヲ求ムルコトヲ要ス若シ親族会カ同意ヲ為ササリシトキハ賃貸借ハ其効力ヲ失フ 第六章 相続編ニ関スル規定 第八十四条 民法施行前ニ民法第九百六十九条及ヒ第九百九十七条ニ掲ケタル行為ヲ為シタル者ト雖モ相続人タルコトヲ得ス 第八十五条 民法第九百七十四条及ヒ第九百九十五条ノ規定ハ相続人タルヘキ者カ民法施行前ニ死亡シ又ハ其相続権ヲ失ヒタル場合ニモ亦之ヲ適用ス 第八十六条 相続人廃除ノ原因タル事実カ民法施行前ニ生シタルトキト雖モ廃除ノ請求ヲ為スコトヲ得 第八十七条 相続人廃除ノ取消ニ関スル民法ノ規定ハ其施行前ニ廃除シタル相続人ニモ亦之ヲ適用ス 第八十八条 家督相続人指定ノ取消ニ関スル民法ノ規定ハ其施行前ニ指定シタル家督相続人ニモ亦之ヲ適用ス 第八十九条 民法第九百八十九条ノ規定ハ民法施行前ニ前戸主ノ債権者ト為リタル者ニモ亦之ヲ適用ス 第九十条 民法第千七条及ヒ第千八条ノ規定ハ民法施行前ニ為シタル贈与ニモ亦之ヲ適用ス 第九十一条 相続ノ承認、抛棄及ヒ財産ノ分離ニ関スル民法ノ規定ハ其施行前ニ開始シタル相続ニハ之ヲ適用セス 第九十二条 相続人曠欠ノ場合ニ関スル民法ノ規定ハ其施行前ニ開始シタル相続ニ付テハ其施行ノ日ヨリ之ヲ適用ス 第九十三条 相続財産ノ管理人カ民法第千五十七条ノ規定ニ依リ為スヘキ公告ハ裁判所カ同法第千五十八条ノ規定ニ依リ為スヘキ公告ト同一ノ方法ヲ以テ之ヲ為スコトヲ要ス 第九十四条 遺言ノ成立及ヒ取消ニ付テハ其当時ノ法律ヲ適用シ其効力ニ付テハ遺言者ノ死亡ノ時ノ法律ヲ適用ス 第九十五条 民法第千百三十二条乃至第千百三十六条及ヒ第千百三十八条乃至第千百四十五条ノ規定ハ民法施行前ニ為シタル贈与ニモ亦之ヲ適用ス 附 則 第五条 本法ハ発布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 第三百八十三条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。 附 則 1 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 この法律は、商業登記法の施行の日(昭和三十九年四月一日)から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。 (法人の設立許可の取消し等に関する経過措置) 第二条 この法律による改正後の民法第七十一条及び民法施行法第二十三条第一項の規定は、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前の当該規定によつて生じた効力を妨げない。 (法人の解散の登記に関する経過措置) 第三条 この法律の施行前に主務官庁が設立許可を取り消し、又は解散を命じた法人の解散の登記に関しては、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、昭和六十年七月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。 一から四まで 略 五 第六条から第二十一条まで、第二十五条及び第三十四条並びに附則第八条から第十三条までの規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日 (その他の処分、申請等に係る経過措置) 第六条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)でこの法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。 (諮問等がされた不利益処分に関する経過措置) 第二条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置) 第十四条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。 (政令への委任) 第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日 (事務の区分に関する経過措置) 第五十一条 第九十三条の規定による改正後の民法第八十三条ノ三第一項及び第九十四条の規定による改正後の民法施行法第二十三条第四項前段の各規定により都道府県が処理することとされる事務は、施行日から起算して二年間は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 (国等の事務) 第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。 (処分、申請等に関する経過措置) 第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。 (不服申立てに関する経過措置) 第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 (手数料に関する経過措置) 第百六十二条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 2 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。 (検討) 第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。 第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公社法の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一章第一節(別表第一から別表第四までを含む。)並びに附則第二十八条第二項、第三十三条第二項及び第三項並びに第三十九条の規定 公布の日 (その他の経過措置の政令への委任) 第三十九条 この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (罰則の適用に関する経過措置) 第三十九条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第四十条 附則第三条から第十条まで、第二十九条及び前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 この法律は、会社法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。 (民法施行法の一部改正に伴う経過措置) 第五十七条 この法律の施行前に旧公社においてある事項を記入し、日付を記載した私署証書は、確定日付のある証書とみなす。 (罰則に関する経過措置) 第百十七条 この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第九条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第三十八条の八(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第十三条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第七十条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第二十七条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第八条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第三十九条第二項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十条(第二号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第四十二条第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第七十一条及び第七十二条(第十五号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第二条第二項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第百四条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。 ただし、第百三十三条第一項及び第三項(第三号に係る部分に限る。)、第百三十四条、第百三十五条第二項(第四号に係る部分に限る。)、第百三十七条、第百三十八条第一項、第百四十二条(公益法人認定法第四十七条の規定を準用する部分に限る。)、第百六十九条(内閣府設置法附則第二条第一項に一号を加える改正規定中特例民法法人の監督に関する関係行政機関の事務の調整に係る部分を除く。)並びに第二百三条の規定は、公益法人認定法附則第一項第二号に掲げる規定の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第四条(建設業法第二十二条第一項及び第三項の改正規定、同法第二十三条の次に一条を加える改正規定並びに同法第二十四条、第二十六条第三項から第五項まで、第四十条の三及び第五十五条の改正規定を除く。)及び附則第十三条(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十八年法律第五十号)附則第一項ただし書の改正規定に限る。)の規定 平成十九年四月一日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十九年四月一日から施行し、平成十九年度の予算から適用する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行し、第二条第一項第四号、第十六号及び第十七号、第二章第四節、第十六節及び第十七節並びに附則第四十九条から第六十五条までの規定は、平成二十年度の予算から適用する。 一から二まで 略 三 附則第二百六十条、第二百六十二条、第二百六十四条、第二百六十五条、第二百七十条、第二百九十六条、第三百十一条、第三百三十五条、第三百四十条、第三百七十二条及び第三百八十二条の規定 平成二十三年四月一日 (登記印紙の廃止に伴う経過措置) 第三百八十二条 附則第二百六十条の規定による改正後の民法施行法第八条第二項、附則第二百六十二条の規定による改正後の抵当証券法第三条第五項(同法第二十二条において準用する場合を含む。)、附則第二百九十六条の規定による改正後の商業登記法第十三条第二項本文(同法第四十九条第七項(同法第九十五条、第百十一条及び第百十八条において準用する場合を含む。)及び他の法令において準用する場合を含む。)、附則第三百十一条の規定による改正後の電子情報処理組織による登記事務処理の円滑化のための措置等に関する法律第三条第四項本文、附則第三百三十五条の規定による改正後の動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律第二十一条第二項本文、附則第三百四十条の規定による改正後の後見登記等に関する法律第十一条第二項本文又は附則第三百七十二条の規定による改正後の不動産登記法第百十九条第四項本文(同法第百二十条第三項、第百二十一条第三項及び第百四十九条第三項並びに他の法令において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当分の間、手数料を納付するときは、収入印紙又は登記印紙をもってすることができる。 (罰則に関する経過措置) 第三百九十一条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第三百九十二条 附則第二条から第六十五条まで、第六十七条から第二百五十九条まで及び第三百八十二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。 附 則 この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。 (経過措置の原則) 第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。 (訴訟に関する経過措置) 第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。 2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。 3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 第九条 この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 附 則 この法律は、民法改正法の施行の日から施行する。 ただし、第百三条の二、第百三条の三、第二百六十七条の二、第二百六十七条の三及び第三百六十二条の規定は、公布の日から施行する。 附 則 この法律は、会社法改正法の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九条中社債、株式等の振替に関する法律第二百六十九条の改正規定(「第六十八条第二項」を「第八十六条第一項」に改める部分に限る。)、第二十一条中民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第五十六条第二項及び附則第四条の改正規定、第四十一条中保険業法附則第一条の二の十四第一項の改正規定、第四十七条中保険業法等の一部を改正する法律附則第十六条第一項の改正規定、第五十一条中株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法第二十七条の改正規定、第七十八条及び第七十九条の規定、第八十九条中農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律附則第二十六条第一項の改正規定並びに第百二十四条及び第百二十五条の規定 公布の日 二 略 三 第一条中外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第四条の改正規定(「並びに第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条」に改める部分に限る。)、第三条から第五条までの規定、第六条中商業登記法第七条の二、第十一条の二、第十五条、第十七条及び第十八条の改正規定、同法第四十八条の前の見出しを削る改正規定、同条から同法第五十条まで並びに同法第八十二条第二項及び第三項の改正規定、同条第四項の改正規定(「本店の所在地における」を削る部分に限る。)、同法第八十七条第一項及び第二項並びに第九十一条第一項の改正規定、同条第二項の改正規定(「本店の所在地における」を削る部分に限る。)並びに同法第九十五条、第百十一条、第百十八条及び第百三十八条の改正規定、第九条中社債、株式等の振替に関する法律第百五十一条第二項第一号の改正規定、同法第百五十五条第一項の改正規定(「(以下この条」の下に「及び第百五十九条の二第二項第四号」を加える部分に限る。)、同法第百五十九条の次に一条を加える改正規定、同法第二百二十八条第二項の表第百五十九条第三項第一号の項の次に次のように加える改正規定、同法第二百三十五条第一項の改正規定(「まで」の下に「、第百五十九条の二第二項第四号」を加える部分に限る。)、同条第二項の表第百五十九条第一項の項の次に次のように加える改正規定及び同法第二百三十九条第二項の表に次のように加える改正規定、第十条第二項から第二十三項までの規定、第十一条中会社更生法第二百六十一条第一項後段を削る改正規定、第十四条中会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十六条の改正規定、第十五条中一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の目次の改正規定(「従たる事務所の所在地における登記(第三百十二条―第三百十四条)」を「削除」に改める部分に限る。)、同法第四十七条の次に五条を加える改正規定、同法第三百一条第二項第四号の次に一号を加える改正規定、同法第六章第四節第三款、第三百十五条及び第三百二十九条の改正規定、同法第三百三十条の改正規定(「第四十九条から第五十二条まで」を「第五十一条、第五十二条」に、「及び第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで及び第百三十九条」に改め、「、「支店」とあるのは「従たる事務所」と」を削る部分に限る。)並びに同法第三百四十二条第十号の次に一号を加える改正規定、第十七条中信託法第二百四十七条の改正規定(「(第三項を除く。)、第十八条」を削る部分に限る。)、第十八条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。)、第二十二条及び第二十三条の規定、第二十五条中金融商品取引法第八十九条の三の改正規定、同法第八十九条の四第二項を削る改正規定、同法第九十条の改正規定(「第十七条から」の下に「第十九条の三まで、第二十一条から」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分、「及び第二十条第三項」を削る部分及び「読み替える」を「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第九十条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「金融商品取引法第九十条において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替える」に改める部分を除く。)、同法第百条の四、第百一条の二十第一項、第百二条第一項及び第百二条の十の改正規定、同法第百二条の十一の改正規定(「第十七条から」の下に「第十九条の三まで、第二十一条から」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分、「及び第二十条第三項」を削る部分及び「読み替える」を「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第百二条の十一において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「金融商品取引法第百二条の十一において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替える」に改める部分を除く。)並びに同法第百四十五条第一項及び第百四十六条の改正規定、第二十七条中損害保険料率算出団体に関する法律第二十三条から第二十四条の二までの改正規定及び同法第二十五条の改正規定(「第二十三条の二まで、」を「第十九条の三まで(登記申請の方式、申請書の添付書面、申請書に添付すべき電磁的記録、添付書面の特例)、第二十一条から」に、「第十五号及び第十六号」を「第十四号」に改める部分を除く。)、第三十二条中投資信託及び投資法人に関する法律第九十四条第一項の改正規定(「第三百五条第一項本文及び第四項」の下に「から第六項まで」を加える部分を除く。)、同法第百六十四条第四項の改正規定、同法第百六十六条第二項第八号の次に一号を加える改正規定、同法第百七十七条の改正規定(「、第二十条第一項及び第二項」を削る部分及び「、同法第二十四条第七号中「若しくは第三十条第二項若しくは」とあるのは「若しくは」と」を削り、「第百七十五条」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百七十七条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「投資信託及び投資法人に関する法律第百七十七条において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分を除く。)及び同法第二百四十九条第十九号の次に一号を加える改正規定、第三十四条中信用金庫法の目次の改正規定(「第四十八条の八」を「第四十八条の十三」に改める部分に限る。)、同法第四十六条第一項の改正規定、同法第四章第七節中第四十八条の八の次に五条を加える改正規定、同法第六十五条第二項、第七十四条から第七十六条まで及び第七十七条第四項の改正規定、同法第八十五条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、同法第八十七条の四第四項の改正規定並びに同法第九十一条第一項第十二号の次に一号を加える改正規定、第三十六条中労働金庫法第七十八条から第八十条まで及び第八十一条第四項の改正規定並びに同法第八十九条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、第三十八条中金融機関の合併及び転換に関する法律第六十四条第一項の改正規定、第四十条の規定(同条中協同組織金融機関の優先出資に関する法律第十四条第二項及び第二十二条第五項第三号の改正規定を除く。)、第四十一条中保険業法第四十一条第一項の改正規定、同法第四十九条第一項の改正規定(「規定中」を「規定(同法第二百九十八条(第一項第三号及び第四号を除く。)、第三百十一条第四項並びに第五項第一号及び第二号、第三百十二条第五項並びに第六項第一号及び第二号、第三百十四条、第三百十八条第四項、第三百二十五条の二並びに第三百二十五条の五第二項を除く。)中「株主」とあるのは「総代」と、これらの規定(同法第二百九十九条第一項及び第三百二十五条の三第一項第五号を除く。)中」に改め、「とあり、及び「取締役会設置会社」」を削り、「相互会社」と、」の下に「これらの規定中」を加え、「、これらの規定(同法第二百九十八条第一項(各号を除く。)及び第四項、第三百十一条第四項、第三百十二条第五項、第三百十四条並びに第三百十八条第四項を除く。)中「株主」とあるのは「総代」と」を削り、「各号を除く。)及び第四項中」を「第三号及び第四号を除く。)中「前条第四項」とあるのは「保険業法第四十五条第二項」と、「株主」とあるのは「社員又は総代」と、「次項本文及び次条から第三百二条まで」とあるのは「次条及び第三百条」と、同条第四項中「取締役会設置会社」とあるのは「相互会社」と、」に、「第三百十一条第四項及び第三百十二条第五項」を「第三百十一条第一項中「議決権行使書面に」とあるのは「議決権行使書面(保険業法第四十八条第三項に規定する議決権行使書面をいう。以下同じ。)に」と、同条第四項並びに第五項第一号及び第二号並びに同法第三百十二条第五項並びに第六項第一号及び第二号」に改め、「共同」を削る部分を除く。)、同法第六十四条第二項及び第三項の改正規定、同法第六十七条の改正規定(「、第四十八条」を「、第五十一条」に改め、「支店所在地における登記、」を削り、「登記)並びに」を「登記)、」に、「第百四十八条」を「第百三十七条」に、「職権抹消、」を「職権抹消)並びに第百三十九条から第百四十八条まで(」に改める部分及び「第四十八条から第五十三条までの規定中「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「支店」とあるのは「従たる事務所」を「第四十七条第三項中「前項」とあるのは「保険業法第六十四条第一項」と、同法第五十五条第一項中「会社法第三百四十六条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の十二第四項」と、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「保険業法第六十七条において準用する商業登記法第百四十五条」と、同法第百四十八条中「この法律に」とあるのは「保険業法に」と、「この法律の施行」とあるのは「相互会社に関する登記」に改める部分に限る。)、同法第八十四条第一項並びに第九十六条の十四第一項及び第二項の改正規定、同法第九十六条の十六第四項の改正規定(「並びに」を「及び」に改め、「及び第四項」を削る部分に限る。)、同法第百六十九条の五第三項を削る改正規定、同法第百七十一条及び第百八十三条第二項の改正規定、同法第二百十六条の改正規定(「、第二十条第一項及び第二項(印鑑の提出)」を削り、「第十一号及び第十二号」を「第十号及び第十一号」に改める部分及び「において」の下に「、同法第十二条第一項第五号中「会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)」とあるのは「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律」と」を加える部分を除く。)並びに同法第三百三十三条第一項第十七号の次に一号を加える改正規定、第四十三条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十二条第一項後段を削る改正規定並びに同法第三百三十五条第一項後段及び第三百五十五条第一項後段を削る改正規定、第四十五条中資産の流動化に関する法律第二十二条第二項第七号の次に一号を加える改正規定、同条第四項を削る改正規定、同法第六十五条第三項の改正規定、同法第百八十三条第一項の改正規定(「第二十七条」を「第十九条の三」に、「、印鑑の提出、」を「)、第二十一条から第二十七条まで(」に改める部分、「、同法第二十四条第七号中「書面若しくは第三十条第二項若しくは第三十一条第二項に規定する譲渡人の承諾書」とあるのは「書面」と」を削る部分及び「準用する会社法第五百七条第三項」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百八十三条第一項において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「資産の流動化に関する法律第百八十三条第一項において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分を除く。)及び同法第三百十六条第一項第十七号の次に一号を加える改正規定、第四十八条の規定、第五十条中政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第十五条の三の改正規定(「(第三項を除く。)」を削る部分に限る。)、第五十二条、第五十三条及び第五十五条の規定、第五十六条中酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第二十二条の改正規定(「、同法第九百三十七条第一項中「第九百三十条第二項各号」とあるのは「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第六十七条第二項各号」と」を削る部分に限る。)、同法第三十九条、第五十六条第六項、第五十七条及び第六十七条から第六十九条までの改正規定、同法第七十八条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)並びに同法第八十三条の改正規定、第五十八条及び第六十一条の規定、第六十七条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。)、第六十九条中消費生活協同組合法第八十一条から第八十三条まで及び第九十条第四項の改正規定並びに同法第九十二条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、第七十一条中医療法第四十六条の三の六及び第七十条の二十一第六項の改正規定並びに同法第九十三条の改正規定(同条第四号中「第五十一条の三」を「第五十一条の三第一項」に改める部分を除く。)、第七十七条の規定、第八十条中農村負債整理組合法第二十四条第一項の改正規定(「第十七条(第三項ヲ除ク)」を「第十七条」に改める部分に限る。)、第八十一条中農業協同組合法第三十六条第七項の改正規定、同法第四十三条の六の次に一条を加える改正規定、同法第四十三条の七第三項の改正規定及び同法第百一条第一項第四十号の次に一号を加える改正規定、第八十三条中水産業協同組合法第四十条第七項の改正規定、同法第四十七条の五の次に一条を加える改正規定、同法第八十六条第二項の改正規定及び同法第百三十条第一項第三十八号の次に一号を加える改正規定、第八十五条中漁船損害等補償法第七十一条から第七十三条までの改正規定及び同法第八十三条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、第八十七条中森林組合法第五十条第七項の改正規定、同法第六十条の三の次に一条を加える改正規定、同法第六十条の四第三項及び第百条第二項の改正規定並びに同法第百二十二条第一項第十二号の次に一号を加える改正規定、第八十九条中農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律第二十二条第二項の改正規定、第九十条中農林中央金庫法第四十六条の三の次に一条を加える改正規定、同法第四十七条第三項の改正規定及び同法第百条第一項第十六号の次に一号を加える改正規定、第九十三条中中小企業等協同組合法の目次の改正規定、同法第四章第二節第一款及び第二款の款名を削る改正規定、同法第九十三条から第九十五条まで、第九十六条第四項及び第九十七条第一項の改正規定並びに同法第百三条の改正規定(「、第四十八条」を「、第五十一条」に、「並びに第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条」に改める部分及び「、同法第四十八条第二項中「会社法第九百三十条第二項各号」とあるのは「中小企業等協同組合法第九十三条第二項各号」と」を削る部分に限る。)、第九十六条の規定(同条中商品先物取引法第十八条第二項の改正規定、同法第二十九条の改正規定(前号に掲げる部分に限る。)並びに同法第五十八条、第七十七条第二項及び第百四十四条の十一第二項の改正規定を除く。)、第九十八条中輸出入取引法第十九条第一項の改正規定(「第八項」の下に「、第三十八条の六」を加える部分を除く。)、第百条の規定(同条中中小企業団体の組織に関する法律第百十三条第一項第十三号の改正規定を除く。)、第百二条中技術研究組合法の目次の改正規定、同法第八章第二節の節名の改正規定、同章第三節、第百五十九条第三項から第五項まで及び第百六十条第一項の改正規定並びに同法第百六十八条の改正規定(「、第四十八条」を「、第五十一条」に、「並びに第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条」に改め、「第四十八条第二項中「会社法第九百三十条第二項各号」とあるのは「技術研究組合法第百五十六条第二項各号」と、同法第五十条第一項、」を削る部分に限る。)、第百七条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。)並びに第百十一条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。) 会社法改正法附則第一条ただし書に規定する規定の施行の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第二条中不動産登記法第百三十一条第五項の改正規定及び附則第三十四条の規定 公布の日 (その他の経過措置の政令等への委任) 第三十四条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第五百九条の規定 公布の日
明治三十年勅令第三百八十二号
砂防法施行規程
130IO0000000382
20150801
第一条 国土交通大臣ニ於テ砂防法第二条ニ依リ指定スル土地ハ官報ヲ以テ之ヲ告示スヘシ 第二条 砂防法第三条ニ依リ同法ニ規定シタル事項ヲ準用スヘキ施設物ハ都道府県知事ニ於テ其ノ地方ノ公布式ヲ以テ之ヲ告示スヘシ其ノ準用スヘキ事項ハ都道府県ノ条例ヲ以テ之ヲ定ム但シ同法第十三条及第十四条ニ規定シタル事項ハ之ヲ準用スルコトヲ得ス 第二条ノ二 砂防法第三条ノ二ノ政令ヲ以テ定ムル天然ノ河岸ハ河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第三条第一項ノ河川以外ノ河川ニ係ル天然ノ河岸トス 第二条ノ三 砂防法第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ニ存スル前条ノ天然ノ河岸ニシテ災害ニ因リ治水上砂防ノ為復旧ヲ必要トスルモノ(著シキ欠壊又ハ埋没ニ係ルモノニ限ル)ニハ同法第五条、第六条第一項及第三項、第九条、第十条、第十二条、第十四条、第二十二条、第二十四条、第二十六条、第二十七条並第四十三条ヲ準用ス 第三条 砂防法第四条ニ依リ禁止若ハ制限スヘキ行為ハ同条第一項ノ場合ニ於テハ都道府県ノ条例ヲ以テ第二項ノ場合ニ於テハ国土交通省令ヲ以テ之ヲ定ム 第四条 砂防法第六条第一項ニ依リ国土交通大臣ニ於テ砂防設備ヲ管理シ又ハ其ノ維持ヲナス場合ニ於テハ其ノ砂防設備ヲ、其ノ工事ヲ施行スル場合ニ於テハ其ノ砂防設備工事ノ施行区域及起工年度ヲ官報ヲ以テ告示スヘシ 前項ノ工事ヲ終了シタルトキハ官報ヲ以テ之ヲ告示スヘシ 砂防法第六条第二項ニ依リ国土交通大臣ニ於テ砂防設備ニ因リ特ニ利益ヲ受クル公共団体ノ行政庁ニ対シ其ノ工事ノ施行若ハ其ノ維持ヲナスコトヲ指示スル場合又ハ同法第三条ノ二ニ於テ準用スル同法第六条第一項ニ依リ国土交通大臣ニ於テ管理、維持若ハ工事ヲ行フ場合ニ於テモ亦前二項ノ例ニ依ル 第五条 砂防法第十三条第一項ニ依リ国庫ニ於テ負担スル金額ハ砂防工事ニ要スル費用ノ額(同法第十六条ニ依ル負担金アルトキハ其ノ額ヲ控除シタル額)ニ同法第十三条第一項ニ規定シタル負担割合ヲ乗ジテ得タル額トス 第六条 砂防法第二十二条(同法第三条ノ二ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依リ都道府県知事ニ於テ土石、砂礫、芝草、竹木及運搬具ノ供給ヲナサシメムトスルトキハ少クトモ五日前ニ其ノ供給セシムヘキ物件ノ種類、数量及補償金額等ヲ其ノ所有者ニ通知スヘシ若シ其ノ所有者不明ナルトキ又ハ其ノ所在不明ナルトキハ物件所在地ノ市町村長ニ通知スヘシ 第七条 砂防法第二十三条ニ依リ都道府県知事、市町村長又ハ地方公共団体ノ組合若ハ水害予防組合ノ管理者ニ於テ国土交通大臣ノ指定シタル土地又ハ之ニ隣接スル土地ヲ材料置場等ニ供セムトスルトキハ少クトモ五日前ニ又之ニ現在スル障害物ヲ除却セムトスルトキハ少クトモ十五日前ニ其ノ場所若ハ障害物ヲ其ノ所有者ニ通知スヘシ若シ其ノ所有者不明ナルトキ又ハ其ノ所在不明ナルトキハ其ノ土地ノ市町村長ニ通知スヘシ 第八条 行政庁若ハ其ノ命ヲ受ケタル私人ニ於テ砂防工事ヲ施行セムトスルトキハ少クトモ七日前ニ之ヲ其ノ土地所有者ニ通知スヘシ若シ其ノ所有者不明ナルトキ又ハ其ノ所在不明ナルトキハ其ノ土地ノ市町村長ニ通知スヘシ 第八条ノ二 砂防法第三十二条第二項ニ依ル都道府県知事ノ指示ハ同法又ハ之ニ基キテ発スル命令ニ依リ市町村長又ハ地方公共団体ノ組合若ハ水害予防組合ノ管理者ニ於テ執行スル砂防行政ニ付テナスモノトス 第八条ノ三 砂防法第十三条第一項ニ依リ国庫ニ於テ其ノ費用ノ一部ヲ負担スル砂防工事ノ計画並其ノ変更(当初計画ノ目的ヲ変更セシムルニ至ラザルモノヲ除ク)、停止及廃止ハ軽易ナル事項トシテ国土交通大臣ノ定ムルモノヲ除キ国土交通大臣ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス 第八条ノ四 此ノ命令ニ規定シタル国土交通大臣ノ職権ハ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ其ノ一部ヲ地方整備局長又ハ北海道開発局長ニ委任スルコトヲ得 第八条ノ五 此ノ命令ニ依リ地方公共団体ガ処理スルコトトサレテイル事務ノ内左ニ掲グルモノハ地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号ニ規定スル第一号法定受託事務トス 一 第二条及第六条乃至第八条ニ依リ都道府県ガ処理スルコトトサレテイル事務 二 第七条及第八条ニ依リ市町村ガ処理スルコトトサレテイル事務 第九条 砂防ニ関スル費用ノ予算ニシテ砂防法第二条ニ依ル土地ノ指定前ニ確定シタルモノハ其ノ指定ノ為其ノ効力ヲ失ハス 前項予算ニ依リ執行スヘキ事項ハ従前ノ規程又ハ慣習ニ依リ既ニ定リタル執行者ニ於テ之ヲ行フ 第十条 砂防法ニ基キテ発スル命令ニ依リ行政庁ノ許可ヲ受クヘキ事項ハ従来許可ヲ受ケタルモノト雖国土交通大臣又ハ都道府県知事ノ定ムル所ノ期限内ニ於テ更ニ其ノ許可ヲ受クヘシ 第十一条 砂防法第四十九条ノ規定ニ依リ読替テ適用スル同法第十四条第二項ノ政令ヲ以テ定ムル砂防設備ニ係ル工事ハ左ニ掲グルモノトス 一 機能ガ低下シタル砂防設備ニシテ之ヲ放置スルトキハ著シキ被害ヲ生ズル虞アルモノニ係ル其ノ機能ノ回復ノ為ニ施行スル工事ニシテ之ニ要スル費用ノ額ガ千万円以上ノモノ 二 埋塞ノ虞アル砂防設備ニ於テナス堆積シタル土石其ノ他之ニ類スルモノノ排除ニシテ国土交通省令ヲ以テ定ムルモノ 第十二条 砂防法第五十条第三項ノ政令ヲ以テ定ムル期間ハ五年(二年ノ据置期間ヲ含ム)トス 前項ノ期間ハ日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第八十六号)第五条第一項ニ依リ準用スル補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第六条第一項ニ依ル貸付ノ決定毎ニ其ノ貸付ノ決定ニ係ル砂防法第五十条第一項又ハ第二項ニ依ル貸付金ノ交付ヲ完了シタル日(其ノ日ガ其ノ貸付ノ決定アリタル日ノ属スル年度ノ末日ノ前日以後ノ日ナルトキハ其ノ年度ノ末日ノ前前日)ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス 砂防法第五十条第一項又ハ第二項ニ依ル貸付金ノ償還ハ均等年賦償還ノ方法ニ依リ之ヲナスモノトス 国庫ハ其ノ財政状況ヲ勘案シ相当ト認ムルトキハ砂防法第五十条第一項又ハ第二項ニ依ル貸付金ノ全部又ハ一部ニ付キ前三項ニ依リ定マリタル償還期限ヲ繰上ゲ償還ヲナサシムルコトヲ得 砂防法第五十条第七項ノ政令ヲ以テ定ムル場合ハ前項ニ依リ償還期限ヲ繰上ゲ償還ヲナシタル場合トス 附 則 第一条 この政令は、公布の日から、これを施行する。 附 則 第十四条 この政令は、建設院設置法施行の日から、これを施行する。 附 則 この政令は、公布の日から、これを施行し、建設省設置法施行の日(昭和二十三年七月十日)から、これを適用する。 附 則 (施行期日) 1 この政令は、公布の日から施行し、この政令による改正後の規定は、昭和三十八年一月一日以後に発生した災害に関し適用する。 附 則 (施行期日) 第一条 この政令は、法の施行の日(昭和四十年四月一日)から施行する。 附 則 この政令は、公布の日から施行する。 附 則 この政令は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この政令は、平成十二年四月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この政令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この政令は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この政令は、平成十五年四月一日から施行する。 (罰則に関する経過措置) 第三条 この政令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この政令は、平成二十二年四月一日から施行する。 (経過措置) 第二条 国の直轄事業に係る都道府県等の維持管理負担金の廃止等のための関係法律の整備に関する法律附則第二条に規定する国庫債務負担行為が次に掲げる契約に係るものである場合における同条の規定の適用については、同条中「負担、平成二十一年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成二十二年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担」とあり、同条第一号中「負担及び平成二十一年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成二十二年度に支出すべきものとされた国の負担」及び「負担、平成二十二年度の国庫債務負担行為に基づき平成二十三年度以降の年度に支出すべきものとされる国の負担」とあり、同条第二号中「負担及び平成二十一年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成二十二年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担」とあり、並びに同条第三号中「負担及び平成二十二年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成二十三年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担」とあるのは、「負担」とする。 一 一般国道の新設、改築及び災害復旧以外の管理を効率的に行うために当該一般国道の管理に係る事務又は事業で相互に関連するものを一括して委託する契約 二 一級河川の管理を効率的に行うために当該一級河川の管理に係る事務又は事業で相互に関連するものを一括して委託する契約
明治三十年法律第二十九号
砂防法
130AC0000000029
20220617
第一章 総則 第二章 土地ノ制限及砂防設備 第三章 砂防ニ関スル費用ノ負担、土地所有者ノ権利義務並収入等 第四章 警察、監督及強制手続 第五章 補則 第六章 附則 第一章 総則 第一条 此ノ法律ニ於テ砂防設備ト称スルハ国土交通大臣ノ指定シタル土地ニ於テ治水上砂防ノ為施設スルモノヲ謂ヒ砂防工事ト称スルハ砂防設備ノ為ニ施行スル作業ヲ謂フ 第二条 砂防設備ヲ要スル土地又ハ此ノ法律ニ依リ治水上砂防ノ為一定ノ行為ヲ禁止若ハ制限スヘキ土地ハ国土交通大臣之ヲ指定ス 第三条 此ノ法律ニ規定シタル事項ハ政令ノ定ムル所ニ従ヒ国土交通大臣ノ指定シタル土地ノ範囲外ニ於テ治水上砂防ノ為施設スルモノニ準用スルコトヲ得 第三条ノ二 此ノ法律ニ規定シタル事項ニシテ砂防設備ニ関スルモノハ政令ノ定ムル所ニ従ヒ第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ニ存スル政令ヲ以テ定ムル天然ノ河岸ニシテ災害ニ因リ治水上砂防ノ為復旧ヲ必要トスルモノ(著シキ欠壊又ハ埋没ニ係ルモノニ限ル)ニ準用ス 第二章 土地ノ制限及砂防設備 第四条 第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ニ於テハ都道府県知事ハ治水上砂防ノ為一定ノ行為ヲ禁止若ハ制限スルコトヲ得 前項ノ禁止若ハ制限ニシテ他ノ都道府県ノ利益ヲ保全スル為必要ナルカ又ハ其ノ利害関係一ノ都道府県ニ止マラサルトキハ国土交通大臣ハ前項ノ職権ヲ施行スルコトヲ得 第五条 都道府県知事ハ其ノ管内ニ於テ第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ヲ監視シ及其ノ管内ニ於ケル砂防設備ヲ管理シ其ノ工事ヲ施行シ其ノ維持ヲナスノ義務アルモノトス 第六条 砂防設備ニシテ他ノ都道府県ノ利益ヲ保全スル為必要ナルトキ、其ノ利害関係一ノ都道府県ニ止マラサルトキ、其ノ工事至難ナルトキ又ハ其ノ工費至大ナルトキハ国土交通大臣ハ之ヲ管理シ、其ノ工事ヲ施行シ又ハ其ノ維持ヲ為スコトヲ得 前項ノ場合ニ於テハ国土交通大臣ハ其ノ砂防設備ニ因リ特ニ利益ヲ受クル公共団体ノ行政庁ニ対シ其ノ工事ノ施行又ハ其ノ維持ヲナスコトヲ指示スルコトヲ得 本条ノ場合ニ於テハ国土交通大臣ハ此ノ法律ニ依リ都道府県知事ノ有スル職権ヲ直接施行スルコトヲ得 第七条 都道府県知事ハ其ノ管内ノ公共団体ノ行政庁ニ対シ砂防工事ノ施行又ハ砂防設備ノ維持ヲナスコトヲ指示スルコトヲ得 第八条 他ノ工事、作業其ノ他ノ行為ニ因リ砂防工事ヲ施行スルノ必要ヲ生スルトキハ都道府県知事ハ其ノ行為ヲナシタル者ヲシテ其ノ工事ヲ施行シ又ハ其ノ砂防設備ノ維持ヲナサシムルコトヲ得 第九条 行政庁ハ砂防工事ノ請負ヲナスコトヲ得ス 第十条 砂防工事ノ請負ノ制限ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム 第十一条 第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ニ対シテハ勅令ノ定ムル所ニ従ヒ地租其ノ他ノ公課ヲ減免スルコトヲ得 第十一条ノ二 都道府県知事ハ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ砂防ノ台帳ヲ調製シ之ヲ保管スベシ 砂防ノ台帳ハ砂防指定地台帳及砂防設備台帳トス 第三章 砂防ニ関スル費用ノ負担、土地所有者ノ権利義務並収入等 第十二条 第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ノ監視及砂防設備ノ管理、維持並砂防工事ニ要スル費用ハ都道府県ノ負担トス 第十三条 砂防工事ニ要スル費用ニ付テハ国庫ハ政令ノ定ムル所ニ依リ其ノ二分ノ一ヲ負担ス 但シ当該砂防工事ガ災害ニ因ル土砂ノ崩壊等ノ危険ナル状況ニ対処スル為ニ施行スル緊急砂防事業ニ係ルモノナルトキハ三分ノ二当該砂防工事ガ再度災害ヲ防止スル為ニ施行スルモノニシテ又ハ火山地、火山麓若ハ火山現象ニ因リ著シキ被害ヲ受クルノ虞アル地域ニ於テ施行スルモノニシテ災害ニ因ル土砂ノ崩壊等ノ危険ナル状況ニ対処スル為ニ施行スル緊急砂防事業ニ係ルモノ以外ノモノナルトキハ十分ノ五・五ヲ国庫ノ負担割合トス 工事費用精算ノ上予算ヨリ減スルコトアルモ既ニ交付シタル金額ハ之ヲ還付セシメサルコトヲ得 災害ニ因リ必要ヲ生シタル砂防工事ニ要スル費用ハ本条ニ依ルノ限ニ在ラス 第十四条 第六条ニ依リ国土交通大臣ニ於テ砂防設備ノ管理及維持ヲナシ又ハ砂防工事ヲ施行スル場合ニ於テハ其ノ費用ハ国庫ノ負担トス 前項ノ場合ニ於テハ国土交通大臣ハ都道府県ヲシテ砂防工事ニ要スル費用ノ三分ノ一ヲ負担セシム 第十五条 都道府県知事ハ其ノ管内ノ公共団体ニ砂防ニ関スル費用ノ一部ヲ負担セシムルコトヲ得 第十六条 砂防工事ニシテ他ノ工事、作業其ノ他ノ行為ニ因リ必要ヲ生スルモノナルトキハ其ノ費用ハ工事ノ必要ヲ生スル程度ニ於テ其ノ原因タル工事、作業其ノ他ノ行為ニ関シ費用ヲ負担スル者ヲシテ之ヲ負担セシムルコトヲ得 但シ河川法第六十八条ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス 第十七条 砂防工事ニシテ他ノ都道府県若ハ他ノ都道府県内ノ公共団体ニ於テ著シク利益ヲ受クルモノナルトキハ其ノ都道府県若ハ其ノ都道府県内ノ公共団体ヲシテ其ノ費用ノ一部ヲ負担セシムルコトヲ得 第十八条 此ノ法律若ハ此ノ法律ニ基キテ発スル命令ニ依リ行政庁ノ命シタル事項ヲ遵守スル為ニ要スル費用ハ特別ノ規程ヲ設ケタル場合ヲ除クノ外其ノ命ヲ受ケタル者ノ負担トス 国土交通大臣若ハ都道府県知事ニ於テ義務者ノ履行スヘキ義務ヲ自ラ執行シ又ハ第三者ヲシテ執行セシメタルカ為ニ要シタル費用ハ其ノ義務者ヨリ之ヲ追徴スルコトヲ得 第十九条 公共団体ハ砂防工事若ハ砂防ニ関スル費用ノ為寄付ヲナスコトヲ得 第二十条 公共団体ハ砂防ニ関スル費用ニ付キ私人若ハ其ノ区域内ノ公共団体ニ補助ヲナスコトヲ得 第二十一条 公共団体ハ砂防ニ関スル費用ニ付キ利害関係ノ厚薄ヲ標準トシテ其ノ区域内ニ於テ不均一ノ賦課ヲナスコトヲ得 第二十二条 砂防工事ノ為必要ナルトキハ都道府県知事ハ管内ノ土地若ハ森林ノ所有者ニ命シ補償金トシテ時価相当ノ金額ヲ下付シテ其ノ所有ニ係ル土石、砂礫、芝草、竹木及運搬具ヲ供給セシムルコトヲ得 但シ時価ニ関シテ協議整ハサルトキ又ハ所有者不明ナルトキ若ハ其ノ所在不明ナルトキハ都道府県知事ハ相当ト認ムル金額ヲ供託シテ本条ノ供給ヲナサシムルコトヲ得 第二十三条 砂防ノ為必要ナルトキハ行政庁ハ第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地又ハ之ニ鄰接スル土地ニ立入リ又ハ其ノ土地ヲ材料置場等ニ供シ又ハ已ムヲ得サルトキハ其ノ土地ニ現在スル障害物ヲ除却スルコトヲ得 前項ノ適用ニ依リ損害ヲ受ケタル者ハ使用若ハ除却ノ後三箇月以内ニ補償金ヲ請求スルコトヲ得 第二十四条 第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ノ所有者若ハ関係人ハ行政庁若ハ其ノ命ヲ受ケタル私人ニ於テ其ノ土地ニ砂防工事ヲ施行シ又ハ砂防設備ノ維持ヲナスコトヲ拒ムコトヲ得ス 第二十五条 法律、命令若ハ許可認可ノ条件ニ違背シタル工事、設備若ハ工作物ノ管理ニ因リ損害ヲ受ケシメタル者ハ其ノ損害ヲ賠償スヘシ 第二十六条 此ノ法律ニ依リ行政庁ニ於テ下付スヘキ補償金若ハ賠償金ハ其ノ行政庁ノ直接ニ管轄スル公共団体ノ負担トス 第二十七条 砂防設備ヨリ生スル収入ハ都道府県ニ帰ス 但シ都道府県知事ハ其ノ収入ヲ第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地若ハ其ノ土地ニ在ル森林ノ所有者又ハ其ノ砂防設備ノ施設者ニ下付スルコトヲ得 第二十八条 砂防設備ニシテ其ノ公用ヲ廃シタルトキハ都道府県知事ハ之ヲ其ノ砂防設備ノ現在スル土地若ハ森林ノ所有者ニ下付スルコトヲ得 第四章 警察、監督及強制手続 第二十九条 第四条ニ依リ国土交通大臣若ハ都道府県知事ニ於テ一定ノ事項ニ対シ許可ヲ受ケシメタル場合ニ於テ必要ト認ムルトキハ国土交通大臣若ハ都道府県知事ハ其ノ許可ヲ取消シ若ハ其ノ効力ヲ停止シ若ハ其ノ条件ヲ変更シ又ハ設備ノ変更若ハ原形ノ回復ヲ命シ又ハ許可セラレタル事項ニ因リ生スル害ヲ予防スル為ニ必要ナル設備ヲ命スルコトヲ得 第三十条 法律、命令若ハ許可ノ条件ニ違背シタル者ハ行政庁ノ命スル所ニ従ヒ其ノ違背ニ因リテ生スル事実ヲ更正シ且其ノ違背ニ因リテ生スヘキ損害ヲ予防スル為ニ必要ナル設備ヲナスヘシ 第三十一条 都道府県知事ハ第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地監視ノ為並砂防設備管理ノ為其ノ補助機関タル職員ヲ置クヘシ 第三十二条 国土交通大臣ハ砂防ニ関スル行政ニ付キ公共団体ノ行政庁ニ必要ナル指示ヲナスコトヲ得 都道府県知事ハ政令ノ定ムル所ニ依リ其ノ管内ノ公共団体ノ行政庁ニ必要ナル指示ヲナスコトヲ得 此ノ法律ニ規定シタル事項ニシテ国土交通大臣若ハ都道府県知事ノ認可ヲ要スルモノハ政令ヲ以テ之ヲ定ム 第十九条及第二十条ニ規定シタル事項並此ノ法律ニ依リ行政庁ニ付与シタル職権ニ関シテハ命令ヲ以テ制限ヲ設クルコトヲ得 第三十三条 他ノ都道府県若ハ他ノ都道府県内ノ公共団体若ハ私人ヲシテ費用ヲ負担セシムル為ニ必要ナル手続ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム 第三十四条及第三十五条 削除 第三十六条 私人ニ於テ此ノ法律若ハ此ノ法律ニ基キテ発スル命令ニ依ル義務ヲ怠ルトキハ国土交通大臣若ハ都道府県知事ハ一定ノ期限ヲ示シ若シ期限内ニ履行セサルトキ若ハ之ヲ履行スルモ不充分ナルトキハ五百円以内ニ於テ指定シタル過料ニ処スルコトヲ予告シテ其ノ履行ヲ命スルコトヲ得 第三十七条 此ノ法律若ハ此ノ法律ニ基キテ発スル命令ニ規定シタル事項ニ関シ保証金ヲ納付セシメタル場合ニ於テハ行政庁ニ於テ直ニ之ヲ其ノ納付ノ目的又ハ過料ニ充用スルコトヲ得 前項保証金ハ他ノ債権ノ為ニ差押フルコトヲ得ス 第三十八条 此ノ法律若ハ此ノ法律ニ基キテ発スル命令ニ依リ私人ニ於テ負担スヘキ費用及過料ハ此ノ法律ニ於テ特ニ民事訴訟ヲ許シタル場合ヲ除クノ外行政庁ニ於テ国税滞納処分ノ例ニ依リ之ヲ徴収スルコトヲ得 前項ノ費用及過料ニ付キ行政庁ハ国税及地方税ニ次キ先取特権ヲ有スルモノトス 第三十九条 此ノ法律若ハ此ノ法律ニ基キテ発スル命令ニ依リ行政庁ニ付与シタル職権ハ行政処分ニ依リ之ヲ強制スルコトヲ得 行政庁ノ許可若ハ認可ニ附シタル条件ニ関シテモ亦本条及前条ヲ準用ス 第四十条 此ノ法律若ハ此ノ法律ニ基キテ発スル命令ニ規定シタル事項ニ関シテハ砂防視察ノ職務ヲ有スル官吏ヲシテ命令ノ定ムル所ニ従ヒ警察官ノ職権ノ全部若ハ一部ヲ執行セシムルコトヲ得 第四十一条 此ノ法律ニ規定シタル私人ノ義務ニ関シテハ命令ヲ以テ二百円以内ノ罰金若ハ一年以下ノ禁錮ノ罰則ヲ設クルコトヲ得 第五章 補則 第四十二条 削除 第四十三条 第二十二条又ハ第二十三条ニ依リ下付スベキ補償金額ニ対シ不服アル者ハ行政庁ニ於テ補償金額ノ通知ヲナシタル日ヨリ六箇月以内ニ訴ヲ以テ其ノ増額ヲ請求スルコトヲ得 前項ノ訴ニ於テハ都道府県ヲ以テ被告トス 但シ国土交通大臣ノ管理スル砂防設備又ハ其ノ施行スル工事ニ係ルモノニ在リテハ国ヲ以テ被告トス 第四十四条 此ノ法律ニ規定シタル国土交通大臣ノ職権ハ国土交通省令ノ定ムル所ニ依リ其ノ一部ヲ地方整備局長又ハ北海道開発局長ニ委任スルコトヲ得 第四十五条 此ノ法律ノ規定ニ依リ地方公共団体ガ処理スルコトトサレテイル事務ノ内左ニ掲グルモノハ地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号ニ規定スル第一号法定受託事務(次項ニ於テ第一号法定受託事務ト称ス)トス 一 第四条第一項、第五条、第六条第二項、第七条、第八条、第十一条ノ二第一項、第十五条乃至第十七条、第十八条第二項、第二十二条、第二十三条第一項、第二十八条乃至第三十条、第三十二条第二項、第三十六条及第三十八条ノ規定ニ依リ都道府県ガ処理スルコトトサレテイル事務 二 第六条第二項、第七条及第二十三条第一項ノ規定ニ依リ市町村ガ処理スルコトトサレテイル事務 他ノ法律及之ニ基ク政令ノ規定ニ依リ都道府県ガ第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ノ管理ニ関シ処理スルコトトサレテイル事務ハ第一号法定受託事務トス 第四十六条 削除 第六章 附則 第四十七条 此ノ法律ハ明治三十年四月一日ヨリ施行ス 此ノ法律ヲ施行スル為ニ必要ナル規程ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム 第四十八条 第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ニ在ル従来ノ砂防ニ関シテハ勅令ヲ以テ特別ノ規程ヲ設クル場合ヲ除クノ外此ノ法律ノ規程ニ依ル 第四十九条 第十四条第二項ノ規定ノ平成二十二年度ニ於ケル適用ニ付テハ同項中「砂防工事」トアルハ「砂防工事又ハ災害ニ因ル危険ナル状況ニ対処スル為ニ速カニ施行スルコトヲ要スルモノトシテ政令ヲ以テ定ムル砂防設備ニ係ル工事」トス 第五十条 国庫ハ当分ノ間公共団体ニ対シ第十三条第一項ニ依リ国庫ニ於テ其ノ費用ニ付テ負担スル砂防工事ニシテ日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第八十六号以下社会資本整備特別措置法ト称ス)第二条第一項第二号ニ該当スルモノニ要スル費用ニ充用スル資金ニ付テ予算ノ範囲内ニ於テ第十三条第一項ニ依リ国庫ニ於テ負担スル金額ニ相当スル金額ノ貸付ヲナスコトヲ得此ノ場合ニ於テ同項ニ依ル国庫ノ負担ノ割合ニ付テ同項ニ異ナリタル規程ヲ設ケタル法令アルトキハ国庫ニ於テナス貸付ノ金額ハ同項及其ノ法令ニ依リ国庫ニ於テ負担スル金額ニ相当スル金額トス 国庫ハ当分ノ間公共団体ニ対シ予算ノ範囲内ニ於テ第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ニ於テナス砂防設備ニ関スル事業(前項ノ砂防工事ヲ除ク)ニシテ社会資本整備特別措置法第二条第一項第二号ニ該当スルモノニ要スル費用ニ充用スル資金ノ一部ヲ貸付スルコトヲ得 前二項ノ貸付金ニハ利子ヲ付セズ其ノ償還期間ハ五年(二年以内ノ据置期間ヲ含ム)以内ニ於テ政令ヲ以テ定ムル期間トス 前項ニ定ムルモノノ外第一項又ハ第二項ニ依ル貸付金ノ償還方法、償還期限ノ繰上其ノ他償還ニ関シ必要ナル事項ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム 第一項ニ依リ国庫ニ於テ公共団体ニ対シ貸付ヲナシタル場合ニ於テハ第十三条第一項ニ依ル国庫ノ負担若シ第一項後段ノ法令アルトキハ同条第一項及其ノ法令ニ依ル国庫ノ負担ニシテ其ノ貸付ノ対象タル砂防工事ニ係ルモノニ付テハ其ノ貸付金ノ償還時ニ於テ其ノ貸付金ノ償還金ニ相当スル金額ヲ交付スルニ依リテ之ヲナスモノトス 第二項ニ依リ国庫ニ於テ公共団体ニ対シ貸付ヲナシタル場合ニ於テハ国庫ハ其ノ貸付ノ対象タル事業ニ付テ其ノ貸付金ニ相当スル金額ノ補助ヲナスモノトシ其ノ補助ニ付テハ其ノ貸付金ノ償還時ニ於テ其ノ貸付金ノ償還金ニ相当スル金額ヲ交付スルニ依リテ之ヲナスモノトス 第一項又ハ第二項ニ依ル貸付ヲ受ケタル公共団体ニ於テ其ノ貸付金ニ付キ第三項及第四項ニ基キテ定マリタル償還期限ヲ繰上ゲ償還ヲナシタル場合ニ於テハ政令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外其ノ償還ハ前二項ノ適用ニ付テハ其ノ償還期限ノ到来時ニ於テ之ヲナシタルモノト看做ス 附 則 本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和二十八年九月一日から施行する。 2 この法律施行前従前の法令の規定によりなされた許可、認可その他の処分又は申請、届出その他の手続は、それぞれ改正後の相当規定に基いてなされた処分又は手続とみなす。 3 この法律施行の際従前の法令の規定により置かれている機関又は職員は、それぞれ改正後の相当規定に基いて置かれたものとみなす。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)の施行の日から施行する。 (公課の先取特権の順位の改正に関する経過措置) 7 第二章の規定による改正後の各法令(徴収金の先取特権の順位に係る部分に限る。)の規定は、この法律の施行後に国税徴収法第二条第十二号に規定する強制換価手続による配当手続が開始される場合について適用し、この法律の施行前に当該配当手続が開始されている場合における当該法令の規定に規定する徴収金の先取特権の順位については、なお従前の例による。 附 則 1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。 3 この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。 4 この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。 7 この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。 ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。 8 前項ただし書の場合には、行政事件訴訟法第十八条後段及び第二十一条第二項から第五項までの規定を準用する。 附 則 1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。 ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。 3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。 この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。 4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。 5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。 8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から施行し、改正後の砂防法第三条ノ二の規定は、昭和三十八年一月一日以後に発生した災害に関し適用する。 附 則 1 この法律は、新法の施行の日(昭和四十年四月一日)から施行する。 附 則 (施行期日等) 1 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 1 この法律は、公布の日から施行する。 2 この法律(第十一条、第十二条及び第三十四条の規定を除く。)による改正後の法律の昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度の特例に係る規定並びに昭和六十一年度及び昭和六十二年度の特例に係る規定は、昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度(昭和六十一年度及び昭和六十二年度の特例に係るものにあつては、昭和六十一年度及び昭和六十二年度。以下この項において同じ。)の予算に係る国の負担(当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担を含む。以下この項において同じ。)又は補助(昭和六十年度以前の年度における事務又は事業の実施により昭和六十一年度以降の年度に支出される国の負担又は補助及び昭和六十年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき昭和六十一年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)並びに昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度における事務又は事業の実施により昭和六十四年度(昭和六十一年度及び昭和六十二年度の特例に係るものにあつては、昭和六十三年度。以下この項において同じ。)以降の年度に支出される国の負担又は補助、昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度の国庫債務負担行為に基づき昭和六十四年度以降の年度に支出すべきものとされる国の負担又は補助及び昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で昭和六十四年度以降の年度に繰り越されるものについて適用し、昭和六十年度以前の年度における事務又は事業の実施により昭和六十一年度以降の年度に支出される国の負担又は補助、昭和六十年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき昭和六十一年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び昭和六十年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で昭和六十一年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、昭和六十二年四月一日から施行する。 (経過措置) 2 この法律による改正後の法律の規定は、昭和六十二年度及び昭和六十三年度の予算に係る国の負担及び当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担(以下この項において「国等の負担」という。)であつて昭和六十一年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき昭和六十二年度以降の年度に支出すべきものとされたもの以外のもの、昭和六十二年度及び昭和六十三年度の国庫債務負担行為に基づき昭和六十四年度以降の年度に支出すべきものとされる国等の負担並びに昭和六十二年度及び昭和六十三年度の歳出予算に係る国等の負担で昭和六十四年度以降の年度に繰り越されるものについて適用し、昭和六十一年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき昭和六十二年度以降の年度に支出すべきものとされた国等の負担及び昭和六十一年度以前の年度の歳出予算に係る国等の負担で昭和六十二年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。 附 則 この法律は、公布の日から施行し、第六条及び第八条から第十二条までの規定による改正後の国有林野事業特別会計法、道路整備特別会計法、治水特別会計法、港湾整備特別会計法、都市開発資金融通特別会計法及び空港整備特別会計法の規定は、昭和六十二年度の予算から適用する。 附 則 (施行期日等) 1 この法律は、公布の日から施行する。 2 この法律(第十一条、第十二条及び第三十四条の規定を除く。)による改正後の法律の平成元年度及び平成二年度の特例に係る規定並びに平成元年度の特例に係る規定は、平成元年度及び平成二年度(平成元年度の特例に係るものにあっては、平成元年度。以下この項において同じ。)の予算に係る国の負担(当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担を含む。以下この項及び次項において同じ。)又は補助(昭和六十三年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成元年度以降の年度に支出される国の負担及び昭和六十三年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成元年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)並びに平成元年度及び平成二年度における事務又は事業の実施により平成三年度(平成元年度の特例に係るものにあっては、平成二年度。以下この項において同じ。)以降の年度に支出される国の負担、平成元年度及び平成二年度の国庫債務負担行為に基づき平成三年度以降の年度に支出すべきものとされる国の負担又は補助並びに平成元年度及び平成二年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成三年度以降の年度に繰り越されるものについて適用し、昭和六十三年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成元年度以降の年度に支出される国の負担、昭和六十三年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成元年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び昭和六十三年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成元年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。 附 則 1 この法律は、平成三年四月一日から施行する。 2 この法律(第十一条及び第十九条の規定を除く。)による改正後の法律の平成三年度及び平成四年度の特例に係る規定並びに平成三年度の特例に係る規定は、平成三年度及び平成四年度(平成三年度の特例に係るものにあっては平成三年度とする。以下この項において同じ。)の予算に係る国の負担(当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担を含む。以下この項において同じ。)又は補助(平成二年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成三年度以降の年度に支出される国の負担及び平成二年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成三年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)並びに平成三年度及び平成四年度における事務又は事業の実施により平成五年度(平成三年度の特例に係るものにあっては平成四年度とする。以下この項において同じ。)以降の年度に支出される国の負担、平成三年度及び平成四年度の国庫債務負担行為に基づき平成五年度以降の年度に支出すべきものとされる国の負担又は補助並びに平成三年度及び平成四年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成五年度以降の年度に繰り越されるものについて適用し、平成二年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成三年度以降の年度に支出される国の負担、平成二年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成三年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び平成二年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成三年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。 附 則 (施行期日等) 1 この法律は、平成五年四月一日から施行する。 2 この法律(第十一条及び第二十条の規定を除く。)による改正後の法律の規定は、平成五年度以降の年度の予算に係る国の負担(当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担を含む。以下この項において同じ。)又は補助(平成四年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成五年度以降の年度に支出される国の負担及び平成四年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成五年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助を除く。)について適用し、平成四年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成五年度以降の年度に支出される国の負担、平成四年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成五年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担又は補助及び平成四年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担又は補助で平成五年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日 (砂防法の一部改正に伴う経過措置) 第百二十五条 施行日前に第四百条の規定による改正前の砂防法(以下この条において「旧砂防法」という。)第六条第二項又は第七条の規定によりされた命令は、それぞれ第四百条の規定による改正後の砂防法(以下この条において「新砂防法」という。)第六条第二項又は第七条の規定によりされた指示とみなす。 2 新砂防法第十一条ノ二に規定する砂防ノ台帳に相当するものとして建設省令で定める砂防の台帳であってこの法律の施行の際現に調製し、保管しているものに関する新砂防法の規定の適用については、当該砂防の台帳を同条の規定により調製し、保管する砂防ノ台帳とみなす。 (国等の事務) 第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。 (処分、申請等に関する経過措置) 第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。 (不服申立てに関する経過措置) 第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 (罰則に関する経過措置) 第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 (検討) 第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。 第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十九年四月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。 (経過措置) 第二条 第一条から第八条まで並びに附則第六条及び第九条の規定による改正後の次の各号に掲げる法律の規定は、当該各号に定める国の負担(当該国の負担に係る都道府県又は市町村の負担を含む。以下この条において同じ。)について適用し、平成二十一年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成二十二年度以降の年度に支出される国の負担、平成二十一年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成二十二年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担及び平成二十一年度以前の年度の歳出予算に係る国の負担で平成二十二年度以降の年度に繰り越されたものについては、なお従前の例による。 一 次に掲げる法律の規定 平成二十二年度の予算に係る国の負担(平成二十一年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成二十二年度に支出される国の負担及び平成二十一年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成二十二年度に支出すべきものとされた国の負担を除く。)並びに同年度における事務又は事業の実施により平成二十三年度以降の年度に支出される国の負担、平成二十二年度の国庫債務負担行為に基づき平成二十三年度以降の年度に支出すべきものとされる国の負担及び平成二十二年度の歳出予算に係る国の負担で平成二十三年度以降の年度に繰り越されるもの イ 砂防法第四十九条の規定により読み替えて適用する同法第十四条第二項 二 略 三 次に掲げる法律の規定 平成二十三年度以降の年度の予算に係る国の負担(平成二十二年度以前の年度における事務又は事業の実施により平成二十三年度以降の年度に支出される国の負担及び平成二十二年度以前の年度の国庫債務負担行為に基づき平成二十三年度以降の年度に支出すべきものとされた国の負担を除く。) イ 砂防法第十四条第二項 (政令への委任) 第三条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第五百九条の規定 公布の日
明治二十九年法律第八十九号
民法
129AC0000000089
20230614
民法第一編第二編第三編別冊ノ通定ム 此法律施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 明治二十三年法律第二十八号民法財産編財産取得編債権担保編証拠編ハ此法律発布ノ日ヨリ廃止ス (別冊) 目次 第一編 総則 第一章 通則 (第一条・第二条) 第二章 人 第一節 権利能力 (第三条) 第二節 意思能力 (第三条の二) 第三節 行為能力 (第四条―第二十一条) 第四節 住所 (第二十二条―第二十四条) 第五節 不在者の財産の管理及び失踪の宣告 (第二十五条―第三十二条) 第六節 同時死亡の推定 (第三十二条の二) 第三章 法人 (第三十三条―第八十四条) 第四章 物 (第八十五条―第八十九条) 第五章 法律行為 第一節 総則 (第九十条―第九十二条) 第二節 意思表示 (第九十三条―第九十八条の二) 第三節 代理 (第九十九条―第百十八条) 第四節 無効及び取消し (第百十九条―第百二十六条) 第五節 条件及び期限 (第百二十七条―第百三十七条) 第六章 期間の計算 (第百三十八条―第百四十三条) 第七章 時効 第一節 総則 (第百四十四条―第百六十一条) 第二節 取得時効 (第百六十二条―第百六十五条) 第三節 消滅時効 (第百六十六条―第百七十四条) 第二編 物権 第一章 総則 (第百七十五条―第百七十九条) 第二章 占有権 第一節 占有権の取得 (第百八十条―第百八十七条) 第二節 占有権の効力 (第百八十八条―第二百二条) 第三節 占有権の消滅 (第二百三条・第二百四条) 第四節 準占有 (第二百五条) 第三章 所有権 第一節 所有権の限界 第一款 所有権の内容及び範囲 (第二百六条―第二百八条) 第二款 相隣関係 (第二百九条―第二百三十八条) 第二節 所有権の取得 (第二百三十九条―第二百四十八条) 第三節 共有 (第二百四十九条―第二百六十四条) 第四節 所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令 (第二百六十四条の二―第二百六十四条の八) 第五節 管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令 (第二百六十四条の九―第二百六十四条の十四) 第四章 地上権 (第二百六十五条―第二百六十九条の二) 第五章 永小作権 (第二百七十条―第二百七十九条) 第六章 地役権 (第二百八十条―第二百九十四条) 第七章 留置権 (第二百九十五条―第三百二条) 第八章 先取特権 第一節 総則 (第三百三条―第三百五条) 第二節 先取特権の種類 第一款 一般の先取特権 (第三百六条―第三百十条) 第二款 動産の先取特権 (第三百十一条―第三百二十四条) 第三款 不動産の先取特権 (第三百二十五条―第三百二十八条) 第三節 先取特権の順位 (第三百二十九条―第三百三十二条) 第四節 先取特権の効力 (第三百三十三条―第三百四十一条) 第九章 質権 第一節 総則 (第三百四十二条―第三百五十一条) 第二節 動産質 (第三百五十二条―第三百五十五条) 第三節 不動産質 (第三百五十六条―第三百六十一条) 第四節 権利質 (第三百六十二条―第三百六十八条) 第十章 抵当権 第一節 総則 (第三百六十九条―第三百七十二条) 第二節 抵当権の効力 (第三百七十三条―第三百九十五条) 第三節 抵当権の消滅 (第三百九十六条―第三百九十八条) 第四節 根抵当 (第三百九十八条の二―第三百九十八条の二十二) 第三編 債権 第一章 総則 第一節 債権の目的 (第三百九十九条―第四百十一条) 第二節 債権の効力 第一款 債務不履行の責任等 (第四百十二条―第四百二十二条の二) 第二款 債権者代位権 (第四百二十三条―第四百二十三条の七) 第三款 詐害行為取消権 第一目 詐害行為取消権の要件 (第四百二十四条―第四百二十四条の五) 第二目 詐害行為取消権の行使の方法等 (第四百二十四条の六―第四百二十四条の九) 第三目 詐害行為取消権の行使の効果 (第四百二十五条―第四百二十五条の四) 第四目 詐害行為取消権の期間の制限 (第四百二十六条) 第三節 多数当事者の債権及び債務 第一款 総則 (第四百二十七条) 第二款 不可分債権及び不可分債務 (第四百二十八条―第四百三十一条) 第三款 連帯債権 (第四百三十二条―第四百三十五条の二) 第四款 連帯債務 (第四百三十六条―第四百四十五条) 第五款 保証債務 第一目 総則 (第四百四十六条―第四百六十五条) 第二目 個人根保証契約 (第四百六十五条の二―第四百六十五条の五) 第三目 事業に係る債務についての保証契約の特則 (第四百六十五条の六―第四百六十五条の十) 第四節 債権の譲渡 (第四百六十六条―第四百六十九条) 第五節 債務の引受け 第一款 併存的債務引受 (第四百七十条・第四百七十一条) 第二款 免責的債務引受 (第四百七十二条―第四百七十二条の四) 第六節 債権の消滅 第一款 弁済 第一目 総則 (第四百七十三条―第四百九十三条) 第二目 弁済の目的物の供託 (第四百九十四条―第四百九十八条) 第三目 弁済による代位 (第四百九十九条―第五百四条) 第二款 相殺 (第五百五条―第五百十二条の二) 第三款 更改 (第五百十三条―第五百十八条) 第四款 免除 (第五百十九条) 第五款 混同 (第五百二十条) 第七節 有価証券 第一款 指図証券 (第五百二十条の二―第五百二十条の十二) 第二款 記名式所持人払証券 (第五百二十条の十三―第五百二十条の十八) 第三款 その他の記名証券 (第五百二十条の十九) 第四款 無記名証券 (第五百二十条の二十) 第二章 契約 第一節 総則 第一款 契約の成立 (第五百二十一条―第五百三十二条) 第二款 契約の効力 (第五百三十三条―第五百三十九条) 第三款 契約上の地位の移転 (第五百三十九条の二) 第四款 契約の解除 (第五百四十条―第五百四十八条) 第五款 定型約款 (第五百四十八条の二―第五百四十八条の四) 第二節 贈与 (第五百四十九条―第五百五十四条) 第三節 売買 第一款 総則 (第五百五十五条―第五百五十九条) 第二款 売買の効力 (第五百六十条―第五百七十八条) 第三款 買戻し (第五百七十九条―第五百八十五条) 第四節 交換 (第五百八十六条) 第五節 消費貸借 (第五百八十七条―第五百九十二条) 第六節 使用貸借 (第五百九十三条―第六百条) 第七節 賃貸借 第一款 総則 (第六百一条―第六百四条) 第二款 賃貸借の効力 (第六百五条―第六百十六条) 第三款 賃貸借の終了 (第六百十六条の二―第六百二十二条) 第四款 敷金 (第六百二十二条の二) 第八節 雇用 (第六百二十三条―第六百三十一条) 第九節 請負 (第六百三十二条―第六百四十二条) 第十節 委任 (第六百四十三条―第六百五十六条) 第十一節 寄託 (第六百五十七条―第六百六十六条) 第十二節 組合 (第六百六十七条―第六百八十八条) 第十三節 終身定期金 (第六百八十九条―第六百九十四条) 第十四節 和解 (第六百九十五条・第六百九十六条) 第三章 事務管理 (第六百九十七条―第七百二条) 第四章 不当利得 (第七百三条―第七百八条) 第五章 不法行為 (第七百九条―第七百二十四条の二) 第四編 親族 第一章 総則 (第七百二十五条―第七百三十条) 第二章 婚姻 第一節 婚姻の成立 第一款 婚姻の要件 (第七百三十一条―第七百四十一条) 第二款 婚姻の無効及び取消し (第七百四十二条―第七百四十九条) 第二節 婚姻の効力 (第七百五十条―第七百五十四条) 第三節 夫婦財産制 第一款 総則 (第七百五十五条―第七百五十九条) 第二款 法定財産制 (第七百六十条―第七百六十二条) 第四節 離婚 第一款 協議上の離婚 (第七百六十三条―第七百六十九条) 第二款 裁判上の離婚 (第七百七十条・第七百七十一条) 第三章 親子 第一節 実子 (第七百七十二条―第七百九十一条) 第二節 養子 第一款 縁組の要件 (第七百九十二条―第八百一条) 第二款 縁組の無効及び取消し (第八百二条―第八百八条) 第三款 縁組の効力 (第八百九条・第八百十条) 第四款 離縁 (第八百十一条―第八百十七条) 第五款 特別養子 (第八百十七条の二―第八百十七条の十一) 第四章 親権 第一節 総則 (第八百十八条・第八百十九条) 第二節 親権の効力 (第八百二十条―第八百三十三条) 第三節 親権の喪失 (第八百三十四条―第八百三十七条) 第五章 後見 第一節 後見の開始 (第八百三十八条) 第二節 後見の機関 第一款 後見人 (第八百三十九条―第八百四十七条) 第二款 後見監督人 (第八百四十八条―第八百五十二条) 第三節 後見の事務 (第八百五十三条―第八百六十九条) 第四節 後見の終了 (第八百七十条―第八百七十五条) 第六章 保佐及び補助 第一節 保佐 (第八百七十六条―第八百七十六条の五) 第二節 補助 (第八百七十六条の六―第八百七十六条の十) 第七章 扶養 (第八百七十七条―第八百八十一条) 第五編 相続 第一章 総則 (第八百八十二条―第八百八十五条) 第二章 相続人 (第八百八十六条―第八百九十五条) 第三章 相続の効力 第一節 総則 (第八百九十六条―第八百九十九条の二) 第二節 相続分 (第九百条―第九百五条) 第三節 遺産の分割 (第九百六条―第九百十四条) 第四章 相続の承認及び放棄 第一節 総則 (第九百十五条―第九百十九条) 第二節 相続の承認 第一款 単純承認 (第九百二十条・第九百二十一条) 第二款 限定承認 (第九百二十二条―第九百三十七条) 第三節 相続の放棄 (第九百三十八条―第九百四十条) 第五章 財産分離 (第九百四十一条―第九百五十条) 第六章 相続人の不存在 (第九百五十一条―第九百五十九条) 第七章 遺言 第一節 総則 (第九百六十条―第九百六十六条) 第二節 遺言の方式 第一款 普通の方式 (第九百六十七条―第九百七十五条) 第二款 特別の方式 (第九百七十六条―第九百八十四条) 第三節 遺言の効力 (第九百八十五条―第千三条) 第四節 遺言の執行 (第千四条―第千二十一条) 第五節 遺言の撤回及び取消し (第千二十二条―第千二十七条) 第八章 配偶者の居住の権利 第一節 配偶者居住権 (第千二十八条―第千三十六条) 第二節 配偶者短期居住権 (第千三十七条―第千四十一条) 第九章 遺留分 (第千四十二条―第千四十九条) 第十章 特別の寄与 (第千五十条) 第一編 総則 第一章 通則 (基本原則) 第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。 2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。 3 権利の濫用は、これを許さない。 (解釈の基準) 第二条 この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として、解釈しなければならない。 第二章 人 第一節 権利能力 第三条 私権の享有は、出生に始まる。 2 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。 第二節 意思能力 第三条の二 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。 第三節 行為能力 (成年) 第四条 年齢十八歳をもって、成年とする。 (未成年者の法律行為) 第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。 ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。 2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。 3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。 目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。 (未成年者の営業の許可) 第六条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。 2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。 (後見開始の審判) 第七条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。 (成年被後見人及び成年後見人) 第八条 後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する。 (成年被後見人の法律行為) 第九条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。 ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。 (後見開始の審判の取消し) 第十条 第七条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人(未成年後見人及び成年後見人をいう。以下同じ。)、後見監督人(未成年後見監督人及び成年後見監督人をいう。以下同じ。)又は検察官の請求により、後見開始の審判を取り消さなければならない。 (保佐開始の審判) 第十一条 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。 ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。 (被保佐人及び保佐人) 第十二条 保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、これに保佐人を付する。 (保佐人の同意を要する行為等) 第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。 ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。 一 元本を領収し、又は利用すること。 二 借財又は保証をすること。 三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。 四 訴訟行為をすること。 五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。 六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。 七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。 八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。 九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。 十 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。 2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。 ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。 3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。 4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。 (保佐開始の審判等の取消し) 第十四条 第十一条本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判を取り消さなければならない。 2 家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第二項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。 (補助開始の審判) 第十五条 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。 ただし、第七条又は第十一条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。 2 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。 3 補助開始の審判は、第十七条第一項の審判又は第八百七十六条の九第一項の審判とともにしなければならない。 (被補助人及び補助人) 第十六条 補助開始の審判を受けた者は、被補助人とし、これに補助人を付する。 (補助人の同意を要する旨の審判等) 第十七条 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。 ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る。 2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。 3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。 4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。 (補助開始の審判等の取消し) 第十八条 第十五条第一項本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判を取り消さなければならない。 2 家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第一項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。 3 前条第一項の審判及び第八百七十六条の九第一項の審判をすべて取り消す場合には、家庭裁判所は、補助開始の審判を取り消さなければならない。 (審判相互の関係) 第十九条 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない。 2 前項の規定は、保佐開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被補助人であるとき、又は補助開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被保佐人であるときについて準用する。 (制限行為能力者の相手方の催告権) 第二十条 制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。 この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。 2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。 3 特別の方式を要する行為については、前二項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。 4 制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第十七条第一項の審判を受けた被補助人に対しては、第一項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。 この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。 (制限行為能力者の詐術) 第二十一条 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。 第四節 住所 (住所) 第二十二条 各人の生活の本拠をその者の住所とする。 (居所) 第二十三条 住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。 2 日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本における居所をその者の住所とみなす。 ただし、準拠法を定める法律に従いその者の住所地法によるべき場合は、この限りでない。 (仮住所) 第二十四条 ある行為について仮住所を選定したときは、その行為に関しては、その仮住所を住所とみなす。 第五節 不在者の財産の管理及び失踪の宣告 (不在者の財産の管理) 第二十五条 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。 本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。 2 前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。 (管理人の改任) 第二十六条 不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することができる。 (管理人の職務) 第二十七条 前二条の規定により家庭裁判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。 この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。 2 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察官の請求があるときは、家庭裁判所は、不在者が置いた管理人にも、前項の目録の作成を命ずることができる。 3 前二項に定めるもののほか、家庭裁判所は、管理人に対し、不在者の財産の保存に必要と認める処分を命ずることができる。 (管理人の権限) 第二十八条 管理人は、第百三条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。 不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。 (管理人の担保提供及び報酬) 第二十九条 家庭裁判所は、管理人に財産の管理及び返還について相当の担保を立てさせることができる。 2 家庭裁判所は、管理人と不在者との関係その他の事情により、不在者の財産の中から、相当な報酬を管理人に与えることができる。 (失 踪 そう 第三十条 不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失 踪 そう 2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が 止 や (失踪の宣告の効力) 第三十一条 前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。 (失踪の宣告の取消し) 第三十二条 失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。 この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。 2 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。 ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。 第六節 同時死亡の推定 第三十二条の二 数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。 第三章 法人 (法人の成立等) 第三十三条 法人は、この法律その他の法律の規定によらなければ、成立しない。 2 学術、技芸、慈善、祭 祀 し (法人の能力) 第三十四条 法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。 (外国法人) 第三十五条 外国法人は、国、国の行政区画及び外国会社を除き、その成立を認許しない。 ただし、法律又は条約の規定により認許された外国法人は、この限りでない。 2 前項の規定により認許された外国法人は、日本において成立する同種の法人と同一の私権を有する。 ただし、外国人が享有することのできない権利及び法律又は条約中に特別の規定がある権利については、この限りでない。 (登記) 第三十六条 法人及び外国法人は、この法律その他の法令の定めるところにより、登記をするものとする。 (外国法人の登記) 第三十七条 外国法人(第三十五条第一項ただし書に規定する外国法人に限る。以下この条において同じ。)が日本に事務所を設けたときは、三週間以内に、その事務所の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。 一 外国法人の設立の準拠法 二 目的 三 名称 四 事務所の所在場所 五 存続期間を定めたときは、その定め 六 代表者の氏名及び住所 2 前項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、三週間以内に、変更の登記をしなければならない。 この場合において、登記前にあっては、その変更をもって第三者に対抗することができない。 3 代表者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その登記をしなければならない。 この場合においては、前項後段の規定を準用する。 4 前二項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が到達した日から起算する。 5 外国法人が初めて日本に事務所を設けたときは、その事務所の所在地において登記するまでは、第三者は、その法人の成立を否認することができる。 6 外国法人が事務所を移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に第一項各号に掲げる事項を登記しなければならない。 7 同一の登記所の管轄区域内において事務所を移転したときは、その移転を登記すれば足りる。 8 外国法人の代表者が、この条に規定する登記を怠ったときは、五十万円以下の過料に処する。 第三十八条から第八十四条まで 削除 第四章 物 (定義) 第八十五条 この法律において「物」とは、有体物をいう。 (不動産及び動産) 第八十六条 土地及びその定着物は、不動産とする。 2 不動産以外の物は、すべて動産とする。 (主物及び従物) 第八十七条 物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。 2 従物は、主物の処分に従う。 (天然果実及び法定果実) 第八十八条 物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。 2 物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。 (果実の帰属) 第八十九条 天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。 2 法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。 第五章 法律行為 第一節 総則 (公序良俗) 第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。 (任意規定と異なる意思表示) 第九十一条 法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。 (任意規定と異なる慣習) 第九十二条 法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。 第二節 意思表示 (心 裡 り 第九十三条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。 ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。 2 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。 (虚偽表示) 第九十四条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。 2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。 (錯誤) 第九十五条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。 一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤 二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤 2 前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。 3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。 一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。 二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。 4 第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。 (詐欺又は強迫) 第九十六条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。 2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。 3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。 (意思表示の効力発生時期等) 第九十七条 意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。 2 相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。 3 意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。 (公示による意思表示) 第九十八条 意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。 2 前項の公示は、公示送達に関する民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載して行う。 ただし、裁判所は、相当と認めるときは、官報への掲載に代えて、市役所、区役所、町村役場又はこれらに準ずる施設の掲示場に掲示すべきことを命ずることができる。 3 公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。 ただし、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。 4 公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合には表意者の住所地の、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属する。 5 裁判所は、表意者に、公示に関する費用を予納させなければならない。 (意思表示の受領能力) 第九十八条の二 意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に意思能力を有しなかったとき又は未成年者若しくは成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。 ただし、次に掲げる者がその意思表示を知った後は、この限りでない。 一 相手方の法定代理人 二 意思能力を回復し、又は行為能力者となった相手方 第三節 代理 (代理行為の要件及び効果) 第九十九条 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。 2 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。 (本人のためにすることを示さない意思表示) 第百条 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。 ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。 (代理行為の 瑕疵 かし 第百一条 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。 2 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。 3 特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。 本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。 (代理人の行為能力) 第百二条 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。 ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない。 (権限の定めのない代理人の権限) 第百三条 権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。 一 保存行為 二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為 (任意代理人による復代理人の選任) 第百四条 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。 (法定代理人による復代理人の選任) 第百五条 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。 この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。 (復代理人の権限等) 第百六条 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。 2 復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。 (代理権の濫用) 第百七条 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。 (自己契約及び双方代理等) 第百八条 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。 ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。 2 前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。 ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。 (代理権授与の表示による表見代理等) 第百九条 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。 ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。 2 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。 (権限外の行為の表見代理) 第百十条 前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。 (代理権の消滅事由) 第百十一条 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。 一 本人の死亡 二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。 2 委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。 (代理権消滅後の表見代理等) 第百十二条 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。 ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。 2 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。 (無権代理) 第百十三条 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。 2 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。 ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。 (無権代理の相手方の催告権) 第百十四条 前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。 この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。 (無権代理の相手方の取消権) 第百十五条 代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。 ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。 (無権代理行為の追認) 第百十六条 追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 (無権代理人の責任) 第百十七条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。 二 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。 ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。 三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。 (単独行為の無権代理) 第百十八条 単独行為については、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、又はその代理権を争わなかったときに限り、第百十三条から前条までの規定を準用する。 代理権を有しない者に対しその同意を得て単独行為をしたときも、同様とする。 第四節 無効及び取消し (無効な行為の追認) 第百十九条 無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。 ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。 (取消権者) 第百二十条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。 2 錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、 瑕疵 かし (取消しの効果) 第百二十一条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。 (原状回復の義務) 第百二十一条の二 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。 2 前項の規定にかかわらず、無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に前条の規定により初めから無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。 3 第一項の規定にかかわらず、行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。 行為の時に制限行為能力者であった者についても、同様とする。 (取り消すことができる行為の追認) 第百二十二条 取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。 (取消し及び追認の方法) 第百二十三条 取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。 (追認の要件) 第百二十四条 取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。 2 次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを要しない。 一 法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をするとき。 二 制限行為能力者(成年被後見人を除く。)が法定代理人、保佐人又は補助人の同意を得て追認をするとき。 (法定追認) 第百二十五条 追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。 ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。 一 全部又は一部の履行 二 履行の請求 三 更改 四 担保の供与 五 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡 六 強制執行 (取消権の期間の制限) 第百二十六条 取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。 第五節 条件及び期限 (条件が成就した場合の効果) 第百二十七条 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。 2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。 3 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。 (条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止) 第百二十八条 条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。 (条件の成否未定の間における権利の処分等) 第百二十九条 条件の成否が未定である間における当事者の権利義務は、一般の規定に従い、処分し、相続し、若しくは保存し、又はそのために担保を供することができる。 (条件の成就の妨害等) 第百三十条 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。 2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。 (既成条件) 第百三十一条 条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。 2 条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。 3 前二項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第百二十八条及び第百二十九条の規定を準用する。 (不法条件) 第百三十二条 不法な条件を付した法律行為は、無効とする。 不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする。 (不能条件) 第百三十三条 不能の停止条件を付した法律行為は、無効とする。 2 不能の解除条件を付した法律行為は、無条件とする。 (随意条件) 第百三十四条 停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。 (期限の到来の効果) 第百三十五条 法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。 2 法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する。 (期限の利益及びその放棄) 第百三十六条 期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。 2 期限の利益は、放棄することができる。 ただし、これによって相手方の利益を害することはできない。 (期限の利益の喪失) 第百三十七条 次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。 一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。 二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。 三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。 第六章 期間の計算 (期間の計算の通則) 第百三十八条 期間の計算方法は、法令若しくは裁判上の命令に特別の定めがある場合又は法律行為に別段の定めがある場合を除き、この章の規定に従う。 (期間の起算) 第百三十九条 時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する。 第百四十条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。 ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。 (期間の満了) 第百四十一条 前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。 第百四十二条 期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。 (暦による期間の計算) 第百四十三条 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。 2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。 ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。 第七章 時効 第一節 総則 (時効の効力) 第百四十四条 時効の効力は、その起算日にさかのぼる。 (時効の援用) 第百四十五条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。 (時効の利益の放棄) 第百四十六条 時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。 (裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新) 第百四十七条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。 一 裁判上の請求 二 支払督促 三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停 四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。 (強制執行等による時効の完成猶予及び更新) 第百四十八条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。 一 強制執行 二 担保権の実行 三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売 四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続 2 前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。 ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。 (仮差押え等による時効の完成猶予) 第百四十九条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 一 仮差押え 二 仮処分 (催告による時効の完成猶予) 第百五十条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。 (協議を行う旨の合意による時効の完成猶予) 第百五十一条 権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。 一 その合意があった時から一年を経過した時 二 その合意において当事者が協議を行う期間(一年に満たないものに限る。)を定めたときは、その期間を経過した時 三 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたときは、その通知の時から六箇月を経過した時 2 前項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた再度の同項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有する。 ただし、その効力は、時効の完成が猶予されなかったとすれば時効が完成すべき時から通じて五年を超えることができない。 3 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた第一項の合意は、同項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。 同項の規定により時効の完成が猶予されている間にされた催告についても、同様とする。 4 第一項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。 5 前項の規定は、第一項第三号の通知について準用する。 (承認による時効の更新) 第百五十二条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。 2 前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。 (時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲) 第百五十三条 第百四十七条又は第百四十八条の規定による時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。 2 第百四十九条から第百五十一条までの規定による時効の完成猶予は、完成猶予の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。 3 前条の規定による時効の更新は、更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。 第百五十四条 第百四十八条第一項各号又は第百四十九条各号に掲げる事由に係る手続は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、第百四十八条又は第百四十九条の規定による時効の完成猶予又は更新の効力を生じない。 第百五十五条から第百五十七条まで 削除 (未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予) 第百五十八条 時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。 2 未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。 (夫婦間の権利の時効の完成猶予) 第百五十九条 夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 (相続財産に関する時効の完成猶予) 第百六十条 相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 (天災等による時効の完成猶予) 第百六十一条 時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため第百四十七条第一項各号又は第百四十八条第一項各号に掲げる事由に係る手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から三箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 第二節 取得時効 (所有権の取得時効) 第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。 2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。 (所有権以外の財産権の取得時効) 第百六十三条 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。 (占有の中止等による取得時効の中断) 第百六十四条 第百六十二条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。 第百六十五条 前条の規定は、第百六十三条の場合について準用する。 第三節 消滅時効 (債権等の消滅時効) 第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。 2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。 3 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。 ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。 (人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効) 第百六十七条 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一項第二号の規定の適用については、同号中「十年間」とあるのは、「二十年間」とする。 (定期金債権の消滅時効) 第百六十八条 定期金の債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の給付を目的とする各債権を行使することができることを知った時から十年間行使しないとき。 二 前号に規定する各債権を行使することができる時から二十年間行使しないとき。 2 定期金の債権者は、時効の更新の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。 (判決で確定した権利の消滅時効) 第百六十九条 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。 2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。 第百七十条から第百七十四条まで 削除 第二編 物権 第一章 総則 (物権の創設) 第百七十五条 物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。 (物権の設定及び移転) 第百七十六条 物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。 (不動産に関する物権の変動の対抗要件) 第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 (動産に関する物権の譲渡の対抗要件) 第百七十八条 動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。 (混同) 第百七十九条 同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。 ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。 2 所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。 この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。 3 前二項の規定は、占有権については、適用しない。 第二章 占有権 第一節 占有権の取得 (占有権の取得) 第百八十条 占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。 (代理占有) 第百八十一条 占有権は、代理人によって取得することができる。 (現実の引渡し及び簡易の引渡し) 第百八十二条 占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。 2 譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。 (占有改定) 第百八十三条 代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。 (指図による占有移転) 第百八十四条 代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。 (占有の性質の変更) 第百八十五条 権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない。 (占有の態様等に関する推定) 第百八十六条 占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。 2 前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。 (占有の承継) 第百八十七条 占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。 2 前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。 第二節 占有権の効力 (占有物について行使する権利の適法の推定) 第百八十八条 占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。 (善意の占有者による果実の取得等) 第百八十九条 善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。 2 善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす。 (悪意の占有者による果実の返還等) 第百九十条 悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。 2 前項の規定は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。 (占有者による損害賠償) 第百九十一条 占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。 ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。 (即時取得) 第百九十二条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。 (盗品又は遺失物の回復) 第百九十三条 前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。 第百九十四条 占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。 (動物の占有による権利の取得) 第百九十五条 家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。 (占有者による費用の償還請求) 第百九十六条 占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができる。 ただし、占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。 2 占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。 ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。 (占有の訴え) 第百九十七条 占有者は、次条から第二百二条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。 他人のために占有をする者も、同様とする。 (占有保持の訴え) 第百九十八条 占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。 (占有保全の訴え) 第百九十九条 占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。 (占有回収の訴え) 第二百条 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。 2 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。 ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。 (占有の訴えの提起期間) 第二百一条 占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。 ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。 2 占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。 この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。 3 占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。 (本権の訴えとの関係) 第二百二条 占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。 2 占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。 第三節 占有権の消滅 (占有権の消滅事由) 第二百三条 占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。 ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。 (代理占有権の消滅事由) 第二百四条 代理人によって占有をする場合には、占有権は、次に掲げる事由によって消滅する。 一 本人が代理人に占有をさせる意思を放棄したこと。 二 代理人が本人に対して以後自己又は第三者のために占有物を所持する意思を表示したこと。 三 代理人が占有物の所持を失ったこと。 2 占有権は、代理権の消滅のみによっては、消滅しない。 第四節 準占有 第二百五条 この章の規定は、自己のためにする意思をもって財産権の行使をする場合について準用する。 第三章 所有権 第一節 所有権の限界 第一款 所有権の内容及び範囲 (所有権の内容) 第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。 (土地所有権の範囲) 第二百七条 土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。 第二百八条 削除 第二款 相隣関係 (隣地の使用) 第二百九条 土地の所有者は、次に掲げる目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。 ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない。 一 境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕 二 境界標の調査又は境界に関する測量 三 第二百三十三条第三項の規定による枝の切取り 2 前項の場合には、使用の日時、場所及び方法は、隣地の所有者及び隣地を現に使用している者(以下この条において「隣地使用者」という。)のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。 3 第一項の規定により隣地を使用する者は、あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければならない。 ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用を開始した後、遅滞なく、通知することをもって足りる。 4 第一項の場合において、隣地の所有者又は隣地使用者が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。 (公道に至るための他の土地の通行権) 第二百十条 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。 2 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は 崖 がけ 第二百十一条 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。 2 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。 第二百十二条 第二百十条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。 ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。 第二百十三条 分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。 この場合においては、償金を支払うことを要しない。 2 前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。 (継続的給付を受けるための設備の設置権等) 第二百十三条の二 土地の所有者は、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付(以下この項及び次条第一項において「継続的給付」という。)を受けることができないときは、継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用することができる。 2 前項の場合には、設備の設置又は使用の場所及び方法は、他の土地又は他人が所有する設備(次項において「他の土地等」という。)のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。 3 第一項の規定により他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用する者は、あらかじめ、その目的、場所及び方法を他の土地等の所有者及び他の土地を現に使用している者に通知しなければならない。 4 第一項の規定による権利を有する者は、同項の規定により他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用するために当該他の土地又は当該他人が所有する設備がある土地を使用することができる。 この場合においては、第二百九条第一項ただし書及び第二項から第四項までの規定を準用する。 5 第一項の規定により他の土地に設備を設置する者は、その土地の損害(前項において準用する第二百九条第四項に規定する損害を除く。)に対して償金を支払わなければならない。 ただし、一年ごとにその償金を支払うことができる。 6 第一項の規定により他人が所有する設備を使用する者は、その設備の使用を開始するために生じた損害に対して償金を支払わなければならない。 7 第一項の規定により他人が所有する設備を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、その設置、改築、修繕及び維持に要する費用を負担しなければならない。 第二百十三条の三 分割によって他の土地に設備を設置しなければ継続的給付を受けることができない土地が生じたときは、その土地の所有者は、継続的給付を受けるため、他の分割者の所有地のみに設備を設置することができる。 この場合においては、前条第五項の規定は、適用しない。 2 前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。 (自然水流に対する妨害の禁止) 第二百十四条 土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはならない。 (水流の障害の除去) 第二百十五条 水流が天災その他避けることのできない事変により低地において閉 塞 そく (水流に関する工作物の修繕等) 第二百十六条 他の土地に貯水、排水又は引水のために設けられた工作物の破壊又は閉塞により、自己の土地に損害が及び、又は及ぶおそれがある場合には、その土地の所有者は、当該他の土地の所有者に、工作物の修繕若しくは障害の除去をさせ、又は必要があるときは予防工事をさせることができる。 (費用の負担についての慣習) 第二百十七条 前二条の場合において、費用の負担について別段の慣習があるときは、その慣習に従う。 (雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止) 第二百十八条 土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けてはならない。 (水流の変更) 第二百十九条 溝、堀その他の水流地の所有者は、対岸の土地が他人の所有に属するときは、その水路又は幅員を変更してはならない。 2 両岸の土地が水流地の所有者に属するときは、その所有者は、水路及び幅員を変更することができる。 ただし、水流が隣地と交わる地点において、自然の水路に戻さなければならない。 3 前二項の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。 (排水のための低地の通水) 第二百二十条 高地の所有者は、その高地が浸水した場合にこれを乾かすため、又は自家用若しくは農工業用の余水を排出するため、公の水流又は下水道に至るまで、低地に水を通過させることができる。 この場合においては、低地のために損害が最も少ない場所及び方法を選ばなければならない。 (通水用工作物の使用) 第二百二十一条 土地の所有者は、その所有地の水を通過させるため、高地又は低地の所有者が設けた工作物を使用することができる。 2 前項の場合には、他人の工作物を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、工作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない。 ( 堰 せき 第二百二十二条 水流地の所有者は、 堰 せき ただし、これによって生じた損害に対して償金を支払わなければならない。 2 対岸の土地の所有者は、水流地の一部がその所有に属するときは、前項の堰を使用することができる。 3 前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。 (境界標の設置) 第二百二十三条 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。 (境界標の設置及び保存の費用) 第二百二十四条 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。 ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。 (囲障の設置) 第二百二十五条 二棟の建物がその所有者を異にし、かつ、その間に空地があるときは、各所有者は、他の所有者と共同の費用で、その境界に囲障を設けることができる。 2 当事者間に協議が調わないときは、前項の囲障は、板塀又は竹垣その他これらに類する材料のものであって、かつ、高さ二メートルのものでなければならない。 (囲障の設置及び保存の費用) 第二百二十六条 前条の囲障の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。 (相隣者の一人による囲障の設置) 第二百二十七条 相隣者の一人は、第二百二十五条第二項に規定する材料より良好なものを用い、又は同項に規定する高さを増して囲障を設けることができる。 ただし、これによって生ずる費用の増加額を負担しなければならない。 (囲障の設置等に関する慣習) 第二百二十八条 前三条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。 (境界標等の共有の推定) 第二百二十九条 境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。 第二百三十条 一棟の建物の一部を構成する境界線上の障壁については、前条の規定は、適用しない。 2 高さの異なる二棟の隣接する建物を隔てる障壁の高さが、低い建物の高さを超えるときは、その障壁のうち低い建物を超える部分についても、前項と同様とする。 ただし、防火障壁については、この限りでない。 (共有の障壁の高さを増す工事) 第二百三十一条 相隣者の一人は、共有の障壁の高さを増すことができる。 ただし、その障壁がその工事に耐えないときは、自己の費用で、必要な工作を加え、又はその障壁を改築しなければならない。 2 前項の規定により障壁の高さを増したときは、その高さを増した部分は、その工事をした者の単独の所有に属する。 第二百三十二条 前条の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。 (竹木の枝の切除及び根の切取り) 第二百三十三条 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。 2 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。 3 第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。 一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。 二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。 三 急迫の事情があるとき。 4 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。 (境界線付近の建築の制限) 第二百三十四条 建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。 2 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。 ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。 第二百三十五条 境界線から一メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。 2 前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。 (境界線付近の建築に関する慣習) 第二百三十六条 前二条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。 (境界線付近の掘削の制限) 第二百三十七条 井戸、用水だめ、下水だめ又は肥料だめを掘るには境界線から二メートル以上、池、穴蔵又はし尿だめを掘るには境界線から一メートル以上の距離を保たなければならない。 2 導水管を埋め、又は溝若しくは堀を掘るには、境界線からその深さの二分の一以上の距離を保たなければならない。 ただし、一メートルを超えることを要しない。 (境界線付近の掘削に関する注意義務) 第二百三十八条 境界線の付近において前条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない。 第二節 所有権の取得 (無主物の帰属) 第二百三十九条 所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。 2 所有者のない不動産は、国庫に帰属する。 (遺失物の拾得) 第二百四十条 遺失物は、遺失物法(平成十八年法律第七十三号)の定めるところに従い公告をした後三箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する。 (埋蔵物の発見) 第二百四十一条 埋蔵物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後六箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを発見した者がその所有権を取得する。 ただし、他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する。 (不動産の付合) 第二百四十二条 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。 ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。 (動産の付合) 第二百四十三条 所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。 分離するのに過分の費用を要するときも、同様とする。 第二百四十四条 付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。 (混和) 第二百四十五条 前二条の規定は、所有者を異にする物が混和して識別することができなくなった場合について準用する。 (加工) 第二百四十六条 他人の動産に工作を加えた者(以下この条において「加工者」という。)があるときは、その加工物の所有権は、材料の所有者に帰属する。 ただし、工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは、加工者がその加工物の所有権を取得する。 2 前項に規定する場合において、加工者が材料の一部を供したときは、その価格に工作によって生じた価格を加えたものが他人の材料の価格を超えるときに限り、加工者がその加工物の所有権を取得する。 (付合、混和又は加工の効果) 第二百四十七条 第二百四十二条から前条までの規定により物の所有権が消滅したときは、その物について存する他の権利も、消滅する。 2 前項に規定する場合において、物の所有者が、合成物、混和物又は加工物(以下この項において「合成物等」という。)の単独所有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その合成物等について存し、物の所有者が合成物等の共有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その持分について存する。 (付合、混和又は加工に伴う償金の請求) 第二百四十八条 第二百四十二条から前条までの規定の適用によって損失を受けた者は、第七百三条及び第七百四条の規定に従い、その償金を請求することができる。 第三節 共有 (共有物の使用) 第二百四十九条 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。 2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。 3 共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。 (共有持分の割合の推定) 第二百五十条 各共有者の持分は、相等しいものと推定する。 (共有物の変更) 第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。 2 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。 (共有物の管理) 第二百五十二条 共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。 共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。 2 裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。 一 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。 二 共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしないとき。 3 前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。 4 共有者は、前三項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(以下この項において「賃借権等」という。)であって、当該各号に定める期間を超えないものを設定することができる。 一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等 十年 二 前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等 五年 三 建物の賃借権等 三年 四 動産の賃借権等 六箇月 5 各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。 (共有物の管理者) 第二百五十二条の二 共有物の管理者は、共有物の管理に関する行為をすることができる。 ただし、共有者の全員の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。 2 共有物の管理者が共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有物の管理者の請求により、当該共有者以外の共有者の同意を得て共有物に変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。 3 共有物の管理者は、共有者が共有物の管理に関する事項を決した場合には、これに従ってその職務を行わなければならない。 4 前項の規定に違反して行った共有物の管理者の行為は、共有者に対してその効力を生じない。 ただし、共有者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (共有物に関する負担) 第二百五十三条 各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。 2 共有者が一年以内に前項の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。 (共有物についての債権) 第二百五十四条 共有者の一人が共有物について他の共有者に対して有する債権は、その特定承継人に対しても行使することができる。 (持分の放棄及び共有者の死亡) 第二百五十五条 共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。 (共有物の分割請求) 第二百五十六条 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。 ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。 2 前項ただし書の契約は、更新することができる。 ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。 第二百五十七条 前条の規定は、第二百二十九条に規定する共有物については、適用しない。 (裁判による共有物の分割) 第二百五十八条 共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。 2 裁判所は、次に掲げる方法により、共有物の分割を命ずることができる。 一 共有物の現物を分割する方法 二 共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法 3 前項に規定する方法により共有物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。 4 裁判所は、共有物の分割の裁判において、当事者に対して、金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付を命ずることができる。 第二百五十八条の二 共有物の全部又はその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該共有物の全部又はその持分について遺産の分割をすべきときは、当該共有物又はその持分について前条の規定による分割をすることができない。 2 共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から十年を経過したときは、前項の規定にかかわらず、相続財産に属する共有物の持分について前条の規定による分割をすることができる。 ただし、当該共有物の持分について遺産の分割の請求があった場合において、相続人が当該共有物の持分について同条の規定による分割をすることに異議の申出をしたときは、この限りでない。 3 相続人が前項ただし書の申出をする場合には、当該申出は、当該相続人が前条第一項の規定による請求を受けた裁判所から当該請求があった旨の通知を受けた日から二箇月以内に当該裁判所にしなければならない。 (共有に関する債権の弁済) 第二百五十九条 共有者の一人が他の共有者に対して共有に関する債権を有するときは、分割に際し、債務者に帰属すべき共有物の部分をもって、その弁済に充てることができる。 2 債権者は、前項の弁済を受けるため債務者に帰属すべき共有物の部分を売却する必要があるときは、その売却を請求することができる。 (共有物の分割への参加) 第二百六十条 共有物について権利を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができる。 2 前項の規定による参加の請求があったにもかかわらず、その請求をした者を参加させないで分割をしたときは、その分割は、その請求をした者に対抗することができない。 (分割における共有者の担保責任) 第二百六十一条 各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物について、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負う。 (共有物に関する証書) 第二百六十二条 分割が完了したときは、各分割者は、その取得した物に関する証書を保存しなければならない。 2 共有者の全員又はそのうちの数人に分割した物に関する証書は、その物の最大の部分を取得した者が保存しなければならない。 3 前項の場合において、最大の部分を取得した者がないときは、分割者間の協議で証書の保存者を定める。 協議が調わないときは、裁判所が、これを指定する。 4 証書の保存者は、他の分割者の請求に応じて、その証書を使用させなければならない。 (所在等不明共有者の持分の取得) 第二百六十二条の二 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)の持分を取得させる旨の裁判をすることができる。 この場合において、請求をした共有者が二人以上あるときは、請求をした各共有者に、所在等不明共有者の持分を、請求をした各共有者の持分の割合で 按 あん 2 前項の請求があった持分に係る不動産について第二百五十八条第一項の規定による請求又は遺産の分割の請求があり、かつ、所在等不明共有者以外の共有者が前項の請求を受けた裁判所に同項の裁判をすることについて異議がある旨の届出をしたときは、裁判所は、同項の裁判をすることができない。 3 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、第一項の裁判をすることができない。 4 第一項の規定により共有者が所在等不明共有者の持分を取得したときは、所在等不明共有者は、当該共有者に対し、当該共有者が取得した持分の時価相当額の支払を請求することができる。 5 前各項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。 (所在等不明共有者の持分の譲渡) 第二百六十二条の三 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる。 2 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、前項の裁判をすることができない。 3 第一項の裁判により付与された権限に基づき共有者が所在等不明共有者の持分を第三者に譲渡したときは、所在等不明共有者は、当該譲渡をした共有者に対し、不動産の時価相当額を所在等不明共有者の持分に応じて按分して得た額の支払を請求することができる。 4 前三項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。 (共有の性質を有する入会権) 第二百六十三条 共有の性質を有する入会権については、各地方の慣習に従うほか、この節の規定を適用する。 (準共有) 第二百六十四条 この節(第二百六十二条の二及び第二百六十二条の三を除く。)の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。 ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りでない。 第四節 所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令 (所有者不明土地管理命令) 第二百六十四条の二 裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地(土地が数人の共有に属する場合にあっては、共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地の共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その請求に係る土地又は共有持分を対象として、所有者不明土地管理人(第四項に規定する所有者不明土地管理人をいう。以下同じ。)による管理を命ずる処分(以下「所有者不明土地管理命令」という。)をすることができる。 2 所有者不明土地管理命令の効力は、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた土地(共有持分を対象として所有者不明土地管理命令が発せられた場合にあっては、共有物である土地)にある動産(当該所有者不明土地管理命令の対象とされた土地の所有者又は共有持分を有する者が所有するものに限る。)に及ぶ。 3 所有者不明土地管理命令は、所有者不明土地管理命令が発せられた後に当該所有者不明土地管理命令が取り消された場合において、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた土地又は共有持分及び当該所有者不明土地管理命令の効力が及ぶ動産の管理、処分その他の事由により所有者不明土地管理人が得た財産について、必要があると認めるときも、することができる。 4 裁判所は、所有者不明土地管理命令をする場合には、当該所有者不明土地管理命令において、所有者不明土地管理人を選任しなければならない。 (所有者不明土地管理人の権限) 第二百六十四条の三 前条第四項の規定により所有者不明土地管理人が選任された場合には、所有者不明土地管理命令の対象とされた土地又は共有持分及び所有者不明土地管理命令の効力が及ぶ動産並びにその管理、処分その他の事由により所有者不明土地管理人が得た財産(以下「所有者不明土地等」という。)の管理及び処分をする権利は、所有者不明土地管理人に専属する。 2 所有者不明土地管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、この許可がないことをもって善意の第三者に対抗することはできない。 一 保存行為 二 所有者不明土地等の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為 (所有者不明土地等に関する訴えの取扱い) 第二百六十四条の四 所有者不明土地管理命令が発せられた場合には、所有者不明土地等に関する訴えについては、所有者不明土地管理人を原告又は被告とする。 (所有者不明土地管理人の義務) 第二百六十四条の五 所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等の所有者(その共有持分を有する者を含む。)のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。 2 数人の者の共有持分を対象として所有者不明土地管理命令が発せられたときは、所有者不明土地管理人は、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。 (所有者不明土地管理人の解任及び辞任) 第二百六十四条の六 所有者不明土地管理人がその任務に違反して所有者不明土地等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、所有者不明土地管理人を解任することができる。 2 所有者不明土地管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (所有者不明土地管理人の報酬等) 第二百六十四条の七 所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 2 所有者不明土地管理人による所有者不明土地等の管理に必要な費用及び報酬は、所有者不明土地等の所有者(その共有持分を有する者を含む。)の負担とする。 (所有者不明建物管理命令) 第二百六十四条の八 裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物(建物が数人の共有に属する場合にあっては、共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物の共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その請求に係る建物又は共有持分を対象として、所有者不明建物管理人(第四項に規定する所有者不明建物管理人をいう。以下この条において同じ。)による管理を命ずる処分(以下この条において「所有者不明建物管理命令」という。)をすることができる。 2 所有者不明建物管理命令の効力は、当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物(共有持分を対象として所有者不明建物管理命令が発せられた場合にあっては、共有物である建物)にある動産(当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物の所有者又は共有持分を有する者が所有するものに限る。)及び当該建物を所有し、又は当該建物の共有持分を有するための建物の敷地に関する権利(賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(所有権を除く。)であって、当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物の所有者又は共有持分を有する者が有するものに限る。)に及ぶ。 3 所有者不明建物管理命令は、所有者不明建物管理命令が発せられた後に当該所有者不明建物管理命令が取り消された場合において、当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物又は共有持分並びに当該所有者不明建物管理命令の効力が及ぶ動産及び建物の敷地に関する権利の管理、処分その他の事由により所有者不明建物管理人が得た財産について、必要があると認めるときも、することができる。 4 裁判所は、所有者不明建物管理命令をする場合には、当該所有者不明建物管理命令において、所有者不明建物管理人を選任しなければならない。 5 第二百六十四条の三から前条までの規定は、所有者不明建物管理命令及び所有者不明建物管理人について準用する。 第五節 管理不全土地管理命令及び管理不全建物管理命令 (管理不全土地管理命令) 第二百六十四条の九 裁判所は、所有者による土地の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該土地を対象として、管理不全土地管理人(第三項に規定する管理不全土地管理人をいう。以下同じ。)による管理を命ずる処分(以下「管理不全土地管理命令」という。)をすることができる。 2 管理不全土地管理命令の効力は、当該管理不全土地管理命令の対象とされた土地にある動産(当該管理不全土地管理命令の対象とされた土地の所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)に及ぶ。 3 裁判所は、管理不全土地管理命令をする場合には、当該管理不全土地管理命令において、管理不全土地管理人を選任しなければならない。 (管理不全土地管理人の権限) 第二百六十四条の十 管理不全土地管理人は、管理不全土地管理命令の対象とされた土地及び管理不全土地管理命令の効力が及ぶ動産並びにその管理、処分その他の事由により管理不全土地管理人が得た財産(以下「管理不全土地等」という。)の管理及び処分をする権限を有する。 2 管理不全土地管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。 ただし、この許可がないことをもって善意でかつ過失がない第三者に対抗することはできない。 一 保存行為 二 管理不全土地等の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為 3 管理不全土地管理命令の対象とされた土地の処分についての前項の許可をするには、その所有者の同意がなければならない。 (管理不全土地管理人の義務) 第二百六十四条の十一 管理不全土地管理人は、管理不全土地等の所有者のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。 2 管理不全土地等が数人の共有に属する場合には、管理不全土地管理人は、その共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。 (管理不全土地管理人の解任及び辞任) 第二百六十四条の十二 管理不全土地管理人がその任務に違反して管理不全土地等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、管理不全土地管理人を解任することができる。 2 管理不全土地管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。 (管理不全土地管理人の報酬等) 第二百六十四条の十三 管理不全土地管理人は、管理不全土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。 2 管理不全土地管理人による管理不全土地等の管理に必要な費用及び報酬は、管理不全土地等の所有者の負担とする。 (管理不全建物管理命令) 第二百六十四条の十四 裁判所は、所有者による建物の管理が不適当であることによって他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該建物を対象として、管理不全建物管理人(第三項に規定する管理不全建物管理人をいう。第四項において同じ。)による管理を命ずる処分(以下この条において「管理不全建物管理命令」という。)をすることができる。 2 管理不全建物管理命令は、当該管理不全建物管理命令の対象とされた建物にある動産(当該管理不全建物管理命令の対象とされた建物の所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)及び当該建物を所有するための建物の敷地に関する権利(賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(所有権を除く。)であって、当該管理不全建物管理命令の対象とされた建物の所有者又はその共有持分を有する者が有するものに限る。)に及ぶ。 3 裁判所は、管理不全建物管理命令をする場合には、当該管理不全建物管理命令において、管理不全建物管理人を選任しなければならない。 4 第二百六十四条の十から前条までの規定は、管理不全建物管理命令及び管理不全建物管理人について準用する。 第四章 地上権 (地上権の内容) 第二百六十五条 地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する。 (地代) 第二百六十六条 第二百七十四条から第二百七十六条までの規定は、地上権者が土地の所有者に定期の地代を支払わなければならない場合について準用する。 2 地代については、前項に規定するもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。 (相隣関係の規定の準用) 第二百六十七条 前章第一節第二款(相隣関係)の規定は、地上権者間又は地上権者と土地の所有者との間について準用する。 ただし、第二百二十九条の規定は、境界線上の工作物が地上権の設定後に設けられた場合に限り、地上権者について準用する。 (地上権の存続期間) 第二百六十八条 設定行為で地上権の存続期間を定めなかった場合において、別段の慣習がないときは、地上権者は、いつでもその権利を放棄することができる。 ただし、地代を支払うべきときは、一年前に予告をし、又は期限の到来していない一年分の地代を支払わなければならない。 2 地上権者が前項の規定によりその権利を放棄しないときは、裁判所は、当事者の請求により、二十年以上五十年以下の範囲内において、工作物又は竹木の種類及び状況その他地上権の設定当時の事情を考慮して、その存続期間を定める。 (工作物等の収去等) 第二百六十九条 地上権者は、その権利が消滅した時に、土地を原状に復してその工作物及び竹木を収去することができる。 ただし、土地の所有者が時価相当額を提供してこれを買い取る旨を通知したときは、地上権者は、正当な理由がなければ、これを拒むことができない。 2 前項の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。 (地下又は空間を目的とする地上権) 第二百六十九条の二 地下又は空間は、工作物を所有するため、上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。 この場合においては、設定行為で、地上権の行使のためにその土地の使用に制限を加えることができる。 2 前項の地上権は、第三者がその土地の使用又は収益をする権利を有する場合においても、その権利又はこれを目的とする権利を有するすべての者の承諾があるときは、設定することができる。 この場合において、土地の使用又は収益をする権利を有する者は、その地上権の行使を妨げることができない。 第五章 永小作権 (永小作権の内容) 第二百七十条 永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。 (永小作人による土地の変更の制限) 第二百七十一条 永小作人は、土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない。 (永小作権の譲渡又は土地の賃貸) 第二百七十二条 永小作人は、その権利を他人に譲り渡し、又はその権利の存続期間内において耕作若しくは牧畜のため土地を賃貸することができる。 ただし、設定行為で禁じたときは、この限りでない。 (賃貸借に関する規定の準用) 第二百七十三条 永小作人の義務については、この章の規定及び設定行為で定めるもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。 (小作料の減免) 第二百七十四条 永小作人は、不可抗力により収益について損失を受けたときであっても、小作料の免除又は減額を請求することができない。 (永小作権の放棄) 第二百七十五条 永小作人は、不可抗力によって、引き続き三年以上全く収益を得ず、又は五年以上小作料より少ない収益を得たときは、その権利を放棄することができる。 (永小作権の消滅請求) 第二百七十六条 永小作人が引き続き二年以上小作料の支払を怠ったときは、土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができる。 (永小作権に関する慣習) 第二百七十七条 第二百七十一条から前条までの規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。 (永小作権の存続期間) 第二百七十八条 永小作権の存続期間は、二十年以上五十年以下とする。 設定行為で五十年より長い期間を定めたときであっても、その期間は、五十年とする。 2 永小作権の設定は、更新することができる。 ただし、その存続期間は、更新の時から五十年を超えることができない。 3 設定行為で永小作権の存続期間を定めなかったときは、その期間は、別段の慣習がある場合を除き、三十年とする。 (工作物等の収去等) 第二百七十九条 第二百六十九条の規定は、永小作権について準用する。 第六章 地役権 (地役権の内容) 第二百八十条 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。 ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。 (地役権の付従性) 第二百八十一条 地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。 ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。 2 地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。 (地役権の不可分性) 第二百八十二条 土地の共有者の一人は、その持分につき、その土地のために又はその土地について存する地役権を消滅させることができない。 2 土地の分割又はその一部の譲渡の場合には、地役権は、その各部のために又はその各部について存する。 ただし、地役権がその性質により土地の一部のみに関するときは、この限りでない。 (地役権の時効取得) 第二百八十三条 地役権は、継続的に行使され、かつ、外形上認識することができるものに限り、時効によって取得することができる。 第二百八十四条 土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。 2 共有者に対する時効の更新は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。 3 地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の完成猶予の事由があっても、時効は、各共有者のために進行する。 (用水地役権) 第二百八十五条 用水地役権の承役地(地役権者以外の者の土地であって、要役地の便益に供されるものをいう。以下同じ。)において、水が要役地及び承役地の需要に比して不足するときは、その各土地の需要に応じて、まずこれを生活用に供し、その残余を他の用途に供するものとする。 ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。 2 同一の承役地について数個の用水地役権を設定したときは、後の地役権者は、前の地役権者の水の使用を妨げてはならない。 (承役地の所有者の工作物の設置義務等) 第二百八十六条 設定行為又は設定後の契約により、承役地の所有者が自己の費用で地役権の行使のために工作物を設け、又はその修繕をする義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。 第二百八十七条 承役地の所有者は、いつでも、地役権に必要な土地の部分の所有権を放棄して地役権者に移転し、これにより前条の義務を免れることができる。 (承役地の所有者の工作物の使用) 第二百八十八条 承役地の所有者は、地役権の行使を妨げない範囲内において、その行使のために承役地の上に設けられた工作物を使用することができる。 2 前項の場合には、承役地の所有者は、その利益を受ける割合に応じて、工作物の設置及び保存の費用を分担しなければならない。 (承役地の時効取得による地役権の消滅) 第二百八十九条 承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する。 第二百九十条 前条の規定による地役権の消滅時効は、地役権者がその権利を行使することによって中断する。 (地役権の消滅時効) 第二百九十一条 第百六十六条第二項に規定する消滅時効の期間は、継続的でなく行使される地役権については最後の行使の時から起算し、継続的に行使される地役権についてはその行使を妨げる事実が生じた時から起算する。 第二百九十二条 要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の完成猶予又は更新があるときは、その完成猶予又は更新は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる。 第二百九十三条 地役権者がその権利の一部を行使しないときは、その部分のみが時効によって消滅する。 (共有の性質を有しない入会権) 第二百九十四条 共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する。 第七章 留置権 (留置権の内容) 第二百九十五条 他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。 ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。 2 前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。 (留置権の不可分性) 第二百九十六条 留置権者は、債権の全部の弁済を受けるまでは、留置物の全部についてその権利を行使することができる。 (留置権者による果実の収取) 第二百九十七条 留置権者は、留置物から生ずる果実を収取し、他の債権者に先立って、これを自己の債権の弁済に充当することができる。 2 前項の果実は、まず債権の利息に充当し、なお残余があるときは元本に充当しなければならない。 (留置権者による留置物の保管等) 第二百九十八条 留置権者は、善良な管理者の注意をもって、留置物を占有しなければならない。 2 留置権者は、債務者の承諾を得なければ、留置物を使用し、賃貸し、又は担保に供することができない。 ただし、その物の保存に必要な使用をすることは、この限りでない。 3 留置権者が前二項の規定に違反したときは、債務者は、留置権の消滅を請求することができる。 (留置権者による費用の償還請求) 第二百九十九条 留置権者は、留置物について必要費を支出したときは、所有者にその償還をさせることができる。 2 留置権者は、留置物について有益費を支出したときは、これによる価格の増加が現存する場合に限り、所有者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。 ただし、裁判所は、所有者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。 (留置権の行使と債権の消滅時効) 第三百条 留置権の行使は、債権の消滅時効の進行を妨げない。 (担保の供与による留置権の消滅) 第三百一条 債務者は、相当の担保を供して、留置権の消滅を請求することができる。 (占有の喪失による留置権の消滅) 第三百二条 留置権は、留置権者が留置物の占有を失うことによって、消滅する。 ただし、第二百九十八条第二項の規定により留置物を賃貸し、又は質権の目的としたときは、この限りでない。 第八章 先取特権 第一節 総則 (先取特権の内容) 第三百三条 先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 (物上代位) 第三百四条 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。 ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。 2 債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。 (先取特権の不可分性) 第三百五条 第二百九十六条の規定は、先取特権について準用する。 第二節 先取特権の種類 第一款 一般の先取特権 (一般の先取特権) 第三百六条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。 一 共益の費用 二 雇用関係 三 葬式の費用 四 日用品の供給 (共益費用の先取特権) 第三百七条 共益の費用の先取特権は、各債権者の共同の利益のためにされた債務者の財産の保存、清算又は配当に関する費用について存在する。 2 前項の費用のうちすべての債権者に有益でなかったものについては、先取特権は、その費用によって利益を受けた債権者に対してのみ存在する。 (雇用関係の先取特権) 第三百八条 雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。 (葬式費用の先取特権) 第三百九条 葬式の費用の先取特権は、債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額について存在する。 2 前項の先取特権は、債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額についても存在する。 (日用品供給の先取特権) 第三百十条 日用品の供給の先取特権は、債務者又はその扶養すべき同居の親族及びその家事使用人の生活に必要な最後の六箇月間の飲食料品、燃料及び電気の供給について存在する。 第二款 動産の先取特権 (動産の先取特権) 第三百十一条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。 一 不動産の賃貸借 二 旅館の宿泊 三 旅客又は荷物の運輸 四 動産の保存 五 動産の売買 六 種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給 七 農業の労務 八 工業の労務 (不動産賃貸の先取特権) 第三百十二条 不動産の賃貸の先取特権は、その不動産の賃料その他の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する。 (不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲) 第三百十三条 土地の賃貸人の先取特権は、その土地又はその利用のための建物に備え付けられた動産、その土地の利用に供された動産及び賃借人が占有するその土地の果実について存在する。 2 建物の賃貸人の先取特権は、賃借人がその建物に備え付けた動産について存在する。 第三百十四条 賃借権の譲渡又は転貸の場合には、賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。 譲渡人又は転貸人が受けるべき金銭についても、同様とする。 (不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲) 第三百十五条 賃借人の財産のすべてを清算する場合には、賃貸人の先取特権は、前期、当期及び次期の賃料その他の債務並びに前期及び当期に生じた損害の賠償債務についてのみ存在する。 第三百十六条 賃貸人は、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。 (旅館宿泊の先取特権) 第三百十七条 旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。 (運輸の先取特権) 第三百十八条 運輸の先取特権は、旅客又は荷物の運送賃及び付随の費用に関し、運送人の占有する荷物について存在する。 (即時取得の規定の準用) 第三百十九条 第百九十二条から第百九十五条までの規定は、第三百十二条から前条までの規定による先取特権について準用する。 (動産保存の先取特権) 第三百二十条 動産の保存の先取特権は、動産の保存のために要した費用又は動産に関する権利の保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その動産について存在する。 (動産売買の先取特権) 第三百二十一条 動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、その動産について存在する。 (種苗又は肥料の供給の先取特権) 第三百二十二条 種苗又は肥料の供給の先取特権は、種苗又は肥料の代価及びその利息に関し、その種苗又は肥料を用いた後一年以内にこれを用いた土地から生じた果実(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉の使用によって生じた物を含む。)について存在する。 (農業労務の先取特権) 第三百二十三条 農業の労務の先取特権は、その労務に従事する者の最後の一年間の賃金に関し、その労務によって生じた果実について存在する。 (工業労務の先取特権) 第三百二十四条 工業の労務の先取特権は、その労務に従事する者の最後の三箇月間の賃金に関し、その労務によって生じた製作物について存在する。 第三款 不動産の先取特権 (不動産の先取特権) 第三百二十五条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産について先取特権を有する。 一 不動産の保存 二 不動産の工事 三 不動産の売買 (不動産保存の先取特権) 第三百二十六条 不動産の保存の先取特権は、不動産の保存のために要した費用又は不動産に関する権利の保存、承認若しくは実行のために要した費用に関し、その不動産について存在する。 (不動産工事の先取特権) 第三百二十七条 不動産の工事の先取特権は、工事の設計、施工又は監理をする者が債務者の不動産に関してした工事の費用に関し、その不動産について存在する。 2 前項の先取特権は、工事によって生じた不動産の価格の増加が現存する場合に限り、その増価額についてのみ存在する。 (不動産売買の先取特権) 第三百二十八条 不動産の売買の先取特権は、不動産の代価及びその利息に関し、その不動産について存在する。 第三節 先取特権の順位 (一般の先取特権の順位) 第三百二十九条 一般の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第三百六条各号に掲げる順序に従う。 2 一般の先取特権と特別の先取特権とが競合する場合には、特別の先取特権は、一般の先取特権に優先する。 ただし、共益の費用の先取特権は、その利益を受けたすべての債権者に対して優先する効力を有する。 (動産の先取特権の順位) 第三百三十条 同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。 この場合において、第二号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。 一 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権 二 動産の保存の先取特権 三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権 2 前項の場合において、第一順位の先取特権者は、その債権取得の時において第二順位又は第三順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。 第一順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。 3 果実に関しては、第一の順位は農業の労務に従事する者に、第二の順位は種苗又は肥料の供給者に、第三の順位は土地の賃貸人に属する。 (不動産の先取特権の順位) 第三百三十一条 同一の不動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、第三百二十五条各号に掲げる順序に従う。 2 同一の不動産について売買が順次された場合には、売主相互間における不動産売買の先取特権の優先権の順位は、売買の前後による。 (同一順位の先取特権) 第三百三十二条 同一の目的物について同一順位の先取特権者が数人あるときは、各先取特権者は、その債権額の割合に応じて弁済を受ける。 第四節 先取特権の効力 (先取特権と第三取得者) 第三百三十三条 先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。 (先取特権と動産質権との競合) 第三百三十四条 先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第三百三十条の規定による第一順位の先取特権者と同一の権利を有する。 (一般の先取特権の効力) 第三百三十五条 一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。 2 一般の先取特権者は、不動産については、まず特別担保の目的とされていないものから弁済を受けなければならない。 3 一般の先取特権者は、前二項の規定に従って配当に加入することを怠ったときは、その配当加入をしたならば弁済を受けることができた額については、登記をした第三者に対してその先取特権を行使することができない。 4 前三項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。 (一般の先取特権の対抗力) 第三百三十六条 一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。 ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。 (不動産保存の先取特権の登記) 第三百三十七条 不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後直ちに登記をしなければならない。 (不動産工事の先取特権の登記) 第三百三十八条 不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。 この場合において、工事の費用が予算額を超えるときは、先取特権は、その超過額については存在しない。 2 工事によって生じた不動産の増価額は、配当加入の時に、裁判所が選任した鑑定人に評価させなければならない。 (登記をした不動産保存又は不動産工事の先取特権) 第三百三十九条 前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。 (不動産売買の先取特権の登記) 第三百四十条 不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約と同時に、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨を登記しなければならない。 (抵当権に関する規定の準用) 第三百四十一条 先取特権の効力については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、抵当権に関する規定を準用する。 第九章 質権 第一節 総則 (質権の内容) 第三百四十二条 質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 (質権の目的) 第三百四十三条 質権は、譲り渡すことができない物をその目的とすることができない。 (質権の設定) 第三百四十四条 質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。 (質権設定者による代理占有の禁止) 第三百四十五条 質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない。 (質権の被担保債権の範囲) 第三百四十六条 質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する。 ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。 (質物の留置) 第三百四十七条 質権者は、前条に規定する債権の弁済を受けるまでは、質物を留置することができる。 ただし、この権利は、自己に対して優先権を有する債権者に対抗することができない。 (転質) 第三百四十八条 質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で、質物について、転質をすることができる。 この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。 (契約による質物の処分の禁止) 第三百四十九条 質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができない。 (留置権及び先取特権の規定の準用) 第三百五十条 第二百九十六条から第三百条まで及び第三百四条の規定は、質権について準用する。 (物上保証人の求償権) 第三百五十一条 他人の債務を担保するため質権を設定した者は、その債務を弁済し、又は質権の実行によって質物の所有権を失ったときは、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。 第二節 動産質 (動産質の対抗要件) 第三百五十二条 動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。 (質物の占有の回復) 第三百五十三条 動産質権者は、質物の占有を奪われたときは、占有回収の訴えによってのみ、その質物を回復することができる。 (動産質権の実行) 第三百五十四条 動産質権者は、その債権の弁済を受けないときは、正当な理由がある場合に限り、鑑定人の評価に従い質物をもって直ちに弁済に充てることを裁判所に請求することができる。 この場合において、動産質権者は、あらかじめ、その請求をする旨を債務者に通知しなければならない。 (動産質権の順位) 第三百五十五条 同一の動産について数個の質権が設定されたときは、その質権の順位は、設定の前後による。 第三節 不動産質 (不動産質権者による使用及び収益) 第三百五十六条 不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる。 (不動産質権者による管理の費用等の負担) 第三百五十七条 不動産質権者は、管理の費用を支払い、その他不動産に関する負担を負う。 (不動産質権者による利息の請求の禁止) 第三百五十八条 不動産質権者は、その債権の利息を請求することができない。 (設定行為に別段の定めがある場合等) 第三百五十九条 前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、適用しない。 (不動産質権の存続期間) 第三百六十条 不動産質権の存続期間は、十年を超えることができない。 設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、十年とする。 2 不動産質権の設定は、更新することができる。 ただし、その存続期間は、更新の時から十年を超えることができない。 (抵当権の規定の準用) 第三百六十一条 不動産質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、次章(抵当権)の規定を準用する。 第四節 権利質 (権利質の目的等) 第三百六十二条 質権は、財産権をその目的とすることができる。 2 前項の質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、前三節(総則、動産質及び不動産質)の規定を準用する。 第三百六十三条 削除 (債権を目的とする質権の対抗要件) 第三百六十四条 債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)は、第四百六十七条の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。 第三百六十五条 削除 (質権者による債権の取立て等) 第三百六十六条 質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができる。 2 債権の目的物が金銭であるときは、質権者は、自己の債権額に対応する部分に限り、これを取り立てることができる。 3 前項の債権の弁済期が質権者の債権の弁済期前に到来したときは、質権者は、第三債務者にその弁済をすべき金額を供託させることができる。 この場合において、質権は、その供託金について存在する。 4 債権の目的物が金銭でないときは、質権者は、弁済として受けた物について質権を有する。 第三百六十七条及び第三百六十八条 削除 第十章 抵当権 第一節 総則 (抵当権の内容) 第三百六十九条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。 2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。 この場合においては、この章の規定を準用する。 (抵当権の効力の及ぶ範囲) 第三百七十条 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。 ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限りでない。 第三百七十一条 抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。 (留置権等の規定の準用) 第三百七十二条 第二百九十六条、第三百四条及び第三百五十一条の規定は、抵当権について準用する。 第二節 抵当権の効力 (抵当権の順位) 第三百七十三条 同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。 (抵当権の順位の変更) 第三百七十四条 抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。 ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。 2 前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。 (抵当権の被担保債権の範囲) 第三百七十五条 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。 ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。 2 前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。 ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。 (抵当権の処分) 第三百七十六条 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。 2 前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。 (抵当権の処分の対抗要件) 第三百七十七条 前条の場合には、第四百六十七条の規定に従い、主たる債務者に抵当権の処分を通知し、又は主たる債務者がこれを承諾しなければ、これをもって主たる債務者、保証人、抵当権設定者及びこれらの者の承継人に対抗することができない。 2 主たる債務者が前項の規定により通知を受け、又は承諾をしたときは、抵当権の処分の利益を受ける者の承諾を得ないでした弁済は、その受益者に対抗することができない。 (代価弁済) 第三百七十八条 抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。 (抵当権消滅請求) 第三百七十九条 抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。 第三百八十条 主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。 第三百八十一条 抵当不動産の停止条件付第三取得者は、その停止条件の成否が未定である間は、抵当権消滅請求をすることができない。 (抵当権消滅請求の時期) 第三百八十二条 抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。 (抵当権消滅請求の手続) 第三百八十三条 抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付しなければならない。 一 取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面 二 抵当不動産に関する登記事項証明書(現に効力を有する登記事項のすべてを証明したものに限る。) 三 債権者が二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないときは、抵当不動産の第三取得者が第一号に規定する代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面 (債権者のみなし承諾) 第三百八十四条 次に掲げる場合には、前条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、抵当不動産の第三取得者が同条第三号に掲げる書面に記載したところにより提供した同号の代価又は金額を承諾したものとみなす。 一 その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき。 二 その債権者が前号の申立てを取り下げたとき。 三 第一号の申立てを却下する旨の決定が確定したとき。 四 第一号の申立てに基づく競売の手続を取り消す旨の決定(民事執行法第百八十八条において準用する同法第六十三条第三項若しくは第六十八条の三第三項の規定又は同法第百八十三条第一項第五号の謄本が提出された場合における同条第二項の規定による決定を除く。)が確定したとき。 (競売の申立ての通知) 第三百八十五条 第三百八十三条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、前条第一号の申立てをするときは、同号の期間内に、債務者及び抵当不動産の譲渡人にその旨を通知しなければならない。 (抵当権消滅請求の効果) 第三百八十六条 登記をしたすべての債権者が抵当不動産の第三取得者の提供した代価又は金額を承諾し、かつ、抵当不動産の第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したときは、抵当権は、消滅する。 (抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力) 第三百八十七条 登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。 2 抵当権者が前項の同意をするには、その抵当権を目的とする権利を有する者その他抵当権者の同意によって不利益を受けるべき者の承諾を得なければならない。 (法定地上権) 第三百八十八条 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。 この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。 (抵当地の上の建物の競売) 第三百八十九条 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。 ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。 2 前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。 (抵当不動産の第三取得者による買受け) 第三百九十条 抵当不動産の第三取得者は、その競売において買受人となることができる。 (抵当不動産の第三取得者による費用の償還請求) 第三百九十一条 抵当不動産の第三取得者は、抵当不動産について必要費又は有益費を支出したときは、第百九十六条の区別に従い、抵当不動産の代価から、他の債権者より先にその償還を受けることができる。 (共同抵当における代価の配当) 第三百九十二条 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。 2 債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、ある不動産の代価のみを配当すべきときは、抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることができる。 この場合において、次順位の抵当権者は、その弁済を受ける抵当権者が前項の規定に従い他の不動産の代価から弁済を受けるべき金額を限度として、その抵当権者に代位して抵当権を行使することができる。 (共同抵当における代位の付記登記) 第三百九十三条 前条第二項後段の規定により代位によって抵当権を行使する者は、その抵当権の登記にその代位を付記することができる。 (抵当不動産以外の財産からの弁済) 第三百九十四条 抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることができる。 2 前項の規定は、抵当不動産の代価に先立って他の財産の代価を配当すべき場合には、適用しない。 この場合において、他の各債権者は、抵当権者に同項の規定による弁済を受けさせるため、抵当権者に配当すべき金額の供託を請求することができる。 (抵当建物使用者の引渡しの猶予) 第三百九十五条 抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。 一 競売手続の開始前から使用又は収益をする者 二 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者 2 前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその一箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。 第三節 抵当権の消滅 (抵当権の消滅時効) 第三百九十六条 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない。 (抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅) 第三百九十七条 債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。 (抵当権の目的である地上権等の放棄) 第三百九十八条 地上権又は永小作権を抵当権の目的とした地上権者又は永小作人は、その権利を放棄しても、これをもって抵当権者に対抗することができない。 第四節 根抵当 (根抵当権) 第三百九十八条の二 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。 2 前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。 3 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。次条第二項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。 (根抵当権の被担保債権の範囲) 第三百九十八条の三 根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。 2 債務者との取引によらないで取得する手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権を根抵当権の担保すべき債権とした場合において、次に掲げる事由があったときは、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使することができる。 ただし、その後に取得したものであっても、その事由を知らないで取得したものについては、これを行使することを妨げない。 一 債務者の支払の停止 二 債務者についての破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立て 三 抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え (根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更) 第三百九十八条の四 元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。 債務者の変更についても、同様とする。 2 前項の変更をするには、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。 3 第一項の変更について元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。 (根抵当権の極度額の変更) 第三百九十八条の五 根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。 (根抵当権の元本確定期日の定め) 第三百九十八条の六 根抵当権の担保すべき元本については、その確定すべき期日を定め又は変更することができる。 2 第三百九十八条の四第二項の規定は、前項の場合について準用する。 3 第一項の期日は、これを定め又は変更した日から五年以内でなければならない。 4 第一項の期日の変更についてその変更前の期日より前に登記をしなかったときは、担保すべき元本は、その変更前の期日に確定する。 (根抵当権の被担保債権の譲渡等) 第三百九十八条の七 元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。 元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする。 2 元本の確定前に債務の引受けがあったときは、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができない。 3 元本の確定前に免責的債務引受があった場合における債権者は、第四百七十二条の四第一項の規定にかかわらず、根抵当権を引受人が負担する債務に移すことができない。 4 元本の確定前に債権者の交替による更改があった場合における更改前の債権者は、第五百十八条第一項の規定にかかわらず、根抵当権を更改後の債務に移すことができない。 元本の確定前に債務者の交替による更改があった場合における債権者も、同様とする。 (根抵当権者又は債務者の相続) 第三百九十八条の八 元本の確定前に根抵当権者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債権のほか、相続人と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に取得する債権を担保する。 2 元本の確定前にその債務者について相続が開始したときは、根抵当権は、相続開始の時に存する債務のほか、根抵当権者と根抵当権設定者との合意により定めた相続人が相続の開始後に負担する債務を担保する。 3 第三百九十八条の四第二項の規定は、前二項の合意をする場合について準用する。 4 第一項及び第二項の合意について相続の開始後六箇月以内に登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなす。 (根抵当権者又は債務者の合併) 第三百九十八条の九 元本の確定前に根抵当権者について合併があったときは、根抵当権は、合併の時に存する債権のほか、合併後存続する法人又は合併によって設立された法人が合併後に取得する債権を担保する。 2 元本の確定前にその債務者について合併があったときは、根抵当権は、合併の時に存する債務のほか、合併後存続する法人又は合併によって設立された法人が合併後に負担する債務を担保する。 3 前二項の場合には、根抵当権設定者は、担保すべき元本の確定を請求することができる。 ただし、前項の場合において、その債務者が根抵当権設定者であるときは、この限りでない。 4 前項の規定による請求があったときは、担保すべき元本は、合併の時に確定したものとみなす。 5 第三項の規定による請求は、根抵当権設定者が合併のあったことを知った日から二週間を経過したときは、することができない。 合併の日から一箇月を経過したときも、同様とする。 (根抵当権者又は債務者の会社分割) 第三百九十八条の十 元本の確定前に根抵当権者を分割をする会社とする分割があったときは、根抵当権は、分割の時に存する債権のほか、分割をした会社及び分割により設立された会社又は当該分割をした会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継した会社が分割後に取得する債権を担保する。 2 元本の確定前にその債務者を分割をする会社とする分割があったときは、根抵当権は、分割の時に存する債務のほか、分割をした会社及び分割により設立された会社又は当該分割をした会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継した会社が分割後に負担する債務を担保する。 3 前条第三項から第五項までの規定は、前二項の場合について準用する。 (根抵当権の処分) 第三百九十八条の十一 元本の確定前においては、根抵当権者は、第三百七十六条第一項の規定による根抵当権の処分をすることができない。 ただし、その根抵当権を他の債権の担保とすることを妨げない。 2 第三百七十七条第二項の規定は、前項ただし書の場合において元本の確定前にした弁済については、適用しない。 (根抵当権の譲渡) 第三百九十八条の十二 元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる。 2 根抵当権者は、その根抵当権を二個の根抵当権に分割して、その一方を前項の規定により譲り渡すことができる。 この場合において、その根抵当権を目的とする権利は、譲り渡した根抵当権について消滅する。 3 前項の規定による譲渡をするには、その根抵当権を目的とする権利を有する者の承諾を得なければならない。 (根抵当権の一部譲渡) 第三百九十八条の十三 元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権の一部譲渡(譲渡人が譲受人と根抵当権を共有するため、これを分割しないで譲り渡すことをいう。以下この節において同じ。)をすることができる。 (根抵当権の共有) 第三百九十八条の十四 根抵当権の共有者は、それぞれその債権額の割合に応じて弁済を受ける。 ただし、元本の確定前に、これと異なる割合を定め、又はある者が他の者に先立って弁済を受けるべきことを定めたときは、その定めに従う。 2 根抵当権の共有者は、他の共有者の同意を得て、第三百九十八条の十二第一項の規定によりその権利を譲り渡すことができる。 (抵当権の順位の譲渡又は放棄と根抵当権の譲渡又は一部譲渡) 第三百九十八条の十五 抵当権の順位の譲渡又は放棄を受けた根抵当権者が、その根抵当権の譲渡又は一部譲渡をしたときは、譲受人は、その順位の譲渡又は放棄の利益を受ける。 (共同根抵当) 第三百九十八条の十六 第三百九十二条及び第三百九十三条の規定は、根抵当権については、その設定と同時に同一の債権の担保として数個の不動産につき根抵当権が設定された旨の登記をした場合に限り、適用する。 (共同根抵当の変更等) 第三百九十八条の十七 前条の登記がされている根抵当権の担保すべき債権の範囲、債務者若しくは極度額の変更又はその譲渡若しくは一部譲渡は、その根抵当権が設定されているすべての不動産について登記をしなければ、その効力を生じない。 2 前条の登記がされている根抵当権の担保すべき元本は、一個の不動産についてのみ確定すべき事由が生じた場合においても、確定する。 (累積根抵当) 第三百九十八条の十八 数個の不動産につき根抵当権を有する者は、第三百九十八条の十六の場合を除き、各不動産の代価について、各極度額に至るまで優先権を行使することができる。 (根抵当権の元本の確定請求) 第三百九十八条の十九 根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から三年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。 この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から二週間を経過することによって確定する。 2 根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。 この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する。 3 前二項の規定は、担保すべき元本の確定すべき期日の定めがあるときは、適用しない。 (根抵当権の元本の確定事由) 第三百九十八条の二十 次に掲げる場合には、根抵当権の担保すべき元本は、確定する。 一 根抵当権者が抵当不動産について競売若しくは担保不動産収益執行又は第三百七十二条において準用する第三百四条の規定による差押えを申し立てたとき。 ただし、競売手続若しくは担保不動産収益執行手続の開始又は差押えがあったときに限る。 二 根抵当権者が抵当不動産に対して滞納処分による差押えをしたとき。 三 根抵当権者が抵当不動産に対する競売手続の開始又は滞納処分による差押えがあったことを知った時から二週間を経過したとき。 四 債務者又は根抵当権設定者が破産手続開始の決定を受けたとき。 2 前項第三号の競売手続の開始若しくは差押え又は同項第四号の破産手続開始の決定の効力が消滅したときは、担保すべき元本は、確定しなかったものとみなす。 ただし、元本が確定したものとしてその根抵当権又はこれを目的とする権利を取得した者があるときは、この限りでない。 (根抵当権の極度額の減額請求) 第三百九十八条の二十一 元本の確定後においては、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を、現に存する債務の額と以後二年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額に減額することを請求することができる。 2 第三百九十八条の十六の登記がされている根抵当権の極度額の減額については、前項の規定による請求は、そのうちの一個の不動産についてすれば足りる。 (根抵当権の消滅請求) 第三百九十八条の二十二 元本の確定後において現に存する債務の額が根抵当権の極度額を超えるときは、他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる。 この場合において、その払渡し又は供託は、弁済の効力を有する。 2 第三百九十八条の十六の登記がされている根抵当権は、一個の不動産について前項の消滅請求があったときは、消滅する。 3 第三百八十条及び第三百八十一条の規定は、第一項の消滅請求について準用する。 第三編 債権 第一章 総則 第一節 債権の目的 (債権の目的) 第三百九十九条 債権は、金銭に見積もることができないものであっても、その目的とすることができる。 (特定物の引渡しの場合の注意義務) 第四百条 債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。 (種類債権) 第四百一条 債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。 2 前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。 (金銭債権) 第四百二条 債権の目的物が金銭であるときは、債務者は、その選択に従い、各種の通貨で弁済をすることができる。 ただし、特定の種類の通貨の給付を債権の目的としたときは、この限りでない。 2 債権の目的物である特定の種類の通貨が弁済期に強制通用の効力を失っているときは、債務者は、他の通貨で弁済をしなければならない。 3 前二項の規定は、外国の通貨の給付を債権の目的とした場合について準用する。 第四百三条 外国の通貨で債権額を指定したときは、債務者は、履行地における為替相場により、日本の通貨で弁済をすることができる。 (法定利率) 第四百四条 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率による。 2 法定利率は、年三パーセントとする。 3 前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、三年を一期とし、一期ごとに、次項の規定により変動するものとする。 4 各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。 5 前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の六年前の年の一月から前々年の十二月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が一年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を六十で除して計算した割合(その割合に〇・一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。 (利息の元本への組入れ) 第四百五条 利息の支払が一年分以上延滞した場合において、債権者が催告をしても、債務者がその利息を支払わないときは、債権者は、これを元本に組み入れることができる。 (選択債権における選択権の帰属) 第四百六条 債権の目的が数個の給付の中から選択によって定まるときは、その選択権は、債務者に属する。 (選択権の行使) 第四百七条 前条の選択権は、相手方に対する意思表示によって行使する。 2 前項の意思表示は、相手方の承諾を得なければ、撤回することができない。 (選択権の移転) 第四百八条 債権が弁済期にある場合において、相手方から相当の期間を定めて催告をしても、選択権を有する当事者がその期間内に選択をしないときは、その選択権は、相手方に移転する。 (第三者の選択権) 第四百九条 第三者が選択をすべき場合には、その選択は、債権者又は債務者に対する意思表示によってする。 2 前項に規定する場合において、第三者が選択をすることができず、又は選択をする意思を有しないときは、選択権は、債務者に移転する。 (不能による選択債権の特定) 第四百十条 債権の目的である給付の中に不能のものがある場合において、その不能が選択権を有する者の過失によるものであるときは、債権は、その残存するものについて存在する。 (選択の効力) 第四百十一条 選択は、債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 第二節 債権の効力 第一款 債務不履行の責任等 (履行期と履行遅滞) 第四百十二条 債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。 2 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。 3 債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。 (履行不能) 第四百十二条の二 債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。 2 契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であったことは、第四百十五条の規定によりその履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げない。 (受領遅滞) 第四百十三条 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その債務の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、履行の提供をした時からその引渡しをするまで、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、その物を保存すれば足りる。 2 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないことによって、その履行の費用が増加したときは、その増加額は、債権者の負担とする。 (履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由) 第四百十三条の二 債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。 2 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。 (履行の強制) 第四百十四条 債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定に従い、直接強制、代替執行、間接強制その他の方法による履行の強制を裁判所に請求することができる。 ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。 (債務不履行による損害賠償) 第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。 ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。 一 債務の履行が不能であるとき。 二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。 三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。 (損害賠償の範囲) 第四百十六条 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。 2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。 (損害賠償の方法) 第四百十七条 損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。 (中間利息の控除) 第四百十七条の二 将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをする。 2 将来において負担すべき費用についての損害賠償の額を定める場合において、その費用を負担すべき時までの利息相当額を控除するときも、前項と同様とする。 (過失相殺) 第四百十八条 債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。 (金銭債務の特則) 第四百十九条 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。 ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。 2 前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。 3 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。 (賠償額の予定) 第四百二十条 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。 2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。 3 違約金は、賠償額の予定と推定する。 第四百二十一条 前条の規定は、当事者が金銭でないものを損害の賠償に充てるべき旨を予定した場合について準用する。 (損害賠償による代位) 第四百二十二条 債権者が、損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。 (代償請求権) 第四百二十二条の二 債務者が、その債務の履行が不能となったのと同一の原因により債務の目的物の代償である権利又は利益を取得したときは、債権者は、その受けた損害の額の限度において、債務者に対し、その権利の移転又はその利益の償還を請求することができる。 第二款 債権者代位権 (債権者代位権の要件) 第四百二十三条 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。 ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。 2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。 ただし、保存行為は、この限りでない。 3 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。 (代位行使の範囲) 第四百二十三条の二 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利の目的が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができる。 (債権者への支払又は引渡し) 第四百二十三条の三 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利が金銭の支払又は動産の引渡しを目的とするものであるときは、相手方に対し、その支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる。 この場合において、相手方が債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、被代位権利は、これによって消滅する。 (相手方の抗弁) 第四百二十三条の四 債権者が被代位権利を行使したときは、相手方は、債務者に対して主張することができる抗弁をもって、債権者に対抗することができる。 (債務者の取立てその他の処分の権限等) 第四百二十三条の五 債権者が被代位権利を行使した場合であっても、債務者は、被代位権利について、自ら取立てその他の処分をすることを妨げられない。 この場合においては、相手方も、被代位権利について、債務者に対して履行をすることを妨げられない。 (被代位権利の行使に係る訴えを提起した場合の訴訟告知) 第四百二十三条の六 債権者は、被代位権利の行使に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、訴訟告知をしなければならない。 (登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権) 第四百二十三条の七 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産を譲り受けた者は、その譲渡人が第三者に対して有する登記手続又は登録手続をすべきことを請求する権利を行使しないときは、その権利を行使することができる。 この場合においては、前三条の規定を準用する。 第三款 詐害行為取消権 第一目 詐害行為取消権の要件 (詐害行為取消請求) 第四百二十四条 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。 ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。 2 前項の規定は、財産権を目的としない行為については、適用しない。 3 債権者は、その債権が第一項に規定する行為の前の原因に基づいて生じたものである場合に限り、同項の規定による請求(以下「詐害行為取消請求」という。)をすることができる。 4 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、詐害行為取消請求をすることができない。 (相当の対価を得てした財産の処分行為の特則) 第四百二十四条の二 債務者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、受益者から相当の対価を取得しているときは、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。 一 その行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、債務者において隠匿、無償の供与その他の債権者を害することとなる処分(以下この条において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。 二 債務者が、その行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。 三 受益者が、その行為の当時、債務者が隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。 (特定の債権者に対する担保の供与等の特則) 第四百二十四条の三 債務者がした既存の債務についての担保の供与又は債務の消滅に関する行為について、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、詐害行為取消請求をすることができる。 一 その行為が、債務者が支払不能(債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。次項第一号において同じ。)の時に行われたものであること。 二 その行為が、債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること。 2 前項に規定する行為が、債務者の義務に属せず、又はその時期が債務者の義務に属しないものである場合において、次に掲げる要件のいずれにも該当するときは、債権者は、同項の規定にかかわらず、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。 一 その行為が、債務者が支払不能になる前三十日以内に行われたものであること。 二 その行為が、債務者と受益者とが通謀して他の債権者を害する意図をもって行われたものであること。 (過大な代物弁済等の特則) 第四百二十四条の四 債務者がした債務の消滅に関する行為であって、受益者の受けた給付の価額がその行為によって消滅した債務の額より過大であるものについて、第四百二十四条に規定する要件に該当するときは、債権者は、前条第一項の規定にかかわらず、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分については、詐害行為取消請求をすることができる。 (転得者に対する詐害行為取消請求) 第四百二十四条の五 債権者は、受益者に対して詐害行為取消請求をすることができる場合において、受益者に移転した財産を転得した者があるときは、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場合に限り、その転得者に対しても、詐害行為取消請求をすることができる。 一 その転得者が受益者から転得した者である場合 その転得者が、転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。 二 その転得者が他の転得者から転得した者である場合 その転得者及びその前に転得した全ての転得者が、それぞれの転得の当時、債務者がした行為が債権者を害することを知っていたとき。 第二目 詐害行為取消権の行使の方法等 (財産の返還又は価額の償還の請求) 第四百二十四条の六 債権者は、受益者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、その行為によって受益者に移転した財産の返還を請求することができる。 受益者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。 2 債権者は、転得者に対する詐害行為取消請求において、債務者がした行為の取消しとともに、転得者が転得した財産の返還を請求することができる。 転得者がその財産の返還をすることが困難であるときは、債権者は、その価額の償還を請求することができる。 (被告及び訴訟告知) 第四百二十四条の七 詐害行為取消請求に係る訴えについては、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者を被告とする。 一 受益者に対する詐害行為取消請求に係る訴え 受益者 二 転得者に対する詐害行為取消請求に係る訴え その詐害行為取消請求の相手方である転得者 2 債権者は、詐害行為取消請求に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、訴訟告知をしなければならない。 (詐害行為の取消しの範囲) 第四百二十四条の八 債権者は、詐害行為取消請求をする場合において、債務者がした行為の目的が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、その行為の取消しを請求することができる。 2 債権者が第四百二十四条の六第一項後段又は第二項後段の規定により価額の償還を請求する場合についても、前項と同様とする。 (債権者への支払又は引渡し) 第四百二十四条の九 債権者は、第四百二十四条の六第一項前段又は第二項前段の規定により受益者又は転得者に対して財産の返還を請求する場合において、その返還の請求が金銭の支払又は動産の引渡しを求めるものであるときは、受益者に対してその支払又は引渡しを、転得者に対してその引渡しを、自己に対してすることを求めることができる。 この場合において、受益者又は転得者は、債権者に対してその支払又は引渡しをしたときは、債務者に対してその支払又は引渡しをすることを要しない。 2 債権者が第四百二十四条の六第一項後段又は第二項後段の規定により受益者又は転得者に対して価額の償還を請求する場合についても、前項と同様とする。 第三目 詐害行為取消権の行使の効果 (認容判決の効力が及ぶ者の範囲) 第四百二十五条 詐害行為取消請求を認容する確定判決は、債務者及びその全ての債権者に対してもその効力を有する。 (債務者の受けた反対給付に関する受益者の権利) 第四百二十五条の二 債務者がした財産の処分に関する行為(債務の消滅に関する行為を除く。)が取り消されたときは、受益者は、債務者に対し、その財産を取得するためにした反対給付の返還を請求することができる。 債務者がその反対給付の返還をすることが困難であるときは、受益者は、その価額の償還を請求することができる。 (受益者の債権の回復) 第四百二十五条の三 債務者がした債務の消滅に関する行為が取り消された場合(第四百二十四条の四の規定により取り消された場合を除く。)において、受益者が債務者から受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、受益者の債務者に対する債権は、これによって原状に復する。 (詐害行為取消請求を受けた転得者の権利) 第四百二十五条の四 債務者がした行為が転得者に対する詐害行為取消請求によって取り消されたときは、その転得者は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。 ただし、その転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。 一 第四百二十五条の二に規定する行為が取り消された場合 その行為が受益者に対する詐害行為取消請求によって取り消されたとすれば同条の規定により生ずべき受益者の債務者に対する反対給付の返還請求権又はその価額の償還請求権 二 前条に規定する行為が取り消された場合(第四百二十四条の四の規定により取り消された場合を除く。) その行為が受益者に対する詐害行為取消請求によって取り消されたとすれば前条の規定により回復すべき受益者の債務者に対する債権 第四目 詐害行為取消権の期間の制限 第四百二十六条 詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から二年を経過したときは、提起することができない。 行為の時から十年を経過したときも、同様とする。 第三節 多数当事者の債権及び債務 第一款 総則 (分割債権及び分割債務) 第四百二十七条 数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。 第二款 不可分債権及び不可分債務 (不可分債権) 第四百二十八条 次款(連帯債権)の規定(第四百三十三条及び第四百三十五条の規定を除く。)は、債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する。 (不可分債権者の一人との間の更改又は免除) 第四百二十九条 不可分債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があった場合においても、他の不可分債権者は、債務の全部の履行を請求することができる。 この場合においては、その一人の不可分債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益を債務者に償還しなければならない。 (不可分債務) 第四百三十条 第四款(連帯債務)の規定(第四百四十条の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。 (可分債権又は可分債務への変更) 第四百三十一条 不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う。 第三款 連帯債権 (連帯債権者による履行の請求等) 第四百三十二条 債権の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債権を有するときは、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。 (連帯債権者の一人との間の更改又は免除) 第四百三十三条 連帯債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があったときは、その連帯債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益に係る部分については、他の連帯債権者は、履行を請求することができない。 (連帯債権者の一人との間の相殺) 第四百三十四条 債務者が連帯債権者の一人に対して債権を有する場合において、その債務者が相殺を援用したときは、その相殺は、他の連帯債権者に対しても、その効力を生ずる。 (連帯債権者の一人との間の混同) 第四百三十五条 連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす。 (相対的効力の原則) 第四百三十五条の二 第四百三十二条から前条までに規定する場合を除き、連帯債権者の一人の行為又は一人について生じた事由は、他の連帯債権者に対してその効力を生じない。 ただし、他の連帯債権者の一人及び債務者が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債権者に対する効力は、その意思に従う。 第四款 連帯債務 (連帯債務者に対する履行の請求) 第四百三十六条 債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。 (連帯債務者の一人についての法律行為の無効等) 第四百三十七条 連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。 (連帯債務者の一人との間の更改) 第四百三十八条 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。 (連帯債務者の一人による相殺等) 第四百三十九条 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。 2 前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (連帯債務者の一人との間の混同) 第四百四十条 連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。 (相対的効力の原則) 第四百四十一条 第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。 ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。 (連帯債務者間の求償権) 第四百四十二条 連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。 2 前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。 (通知を怠った連帯債務者の求償の制限) 第四百四十三条 他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。 この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、その連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。 2 弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た連帯債務者が、他の連帯債務者があることを知りながらその免責を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済その他自己の財産をもって免責を得るための行為をしたときは、当該他の連帯債務者は、その免責を得るための行為を有効であったものとみなすことができる。 (償還をする資力のない者の負担部分の分担) 第四百四十四条 連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する。 2 前項に規定する場合において、求償者及び他の資力のある者がいずれも負担部分を有しない者であるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、等しい割合で分割して負担する。 3 前二項の規定にかかわらず、償還を受けることができないことについて求償者に過失があるときは、他の連帯債務者に対して分担を請求することができない。 (連帯債務者の一人との間の免除等と求償権) 第四百四十五条 連帯債務者の一人に対して債務の免除がされ、又は連帯債務者の一人のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、第四百四十二条第一項の求償権を行使することができる。 第五款 保証債務 第一目 総則 (保証人の責任等) 第四百四十六条 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。 2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。 3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。 (保証債務の範囲) 第四百四十七条 保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。 2 保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。 (保証人の負担と主たる債務の目的又は態様) 第四百四十八条 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。 2 主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない。 (取り消すことができる債務の保証) 第四百四十九条 行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。 (保証人の要件) 第四百五十条 債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。 一 行為能力者であること。 二 弁済をする資力を有すること。 2 保証人が前項第二号に掲げる要件を欠くに至ったときは、債権者は、同項各号に掲げる要件を具備する者をもってこれに代えることを請求することができる。 3 前二項の規定は、債権者が保証人を指名した場合には、適用しない。 (他の担保の供与) 第四百五十一条 債務者は、前条第一項各号に掲げる要件を具備する保証人を立てることができないときは、他の担保を供してこれに代えることができる。 (催告の抗弁) 第四百五十二条 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。 ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。 (検索の抗弁) 第四百五十三条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。 (連帯保証の場合の特則) 第四百五十四条 保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。 (催告の抗弁及び検索の抗弁の効果) 第四百五十五条 第四百五十二条又は第四百五十三条の規定により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。 (数人の保証人がある場合) 第四百五十六条 数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する。 (主たる債務者について生じた事由の効力) 第四百五十七条 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。 2 保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。 3 主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (連帯保証人について生じた事由の効力) 第四百五十八条 第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。 (主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務) 第四百五十八条の二 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。 (主たる債務者が期限の利益を喪失した場合における情報の提供義務) 第四百五十八条の三 主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない。 2 前項の期間内に同項の通知をしなかったときは、債権者は、保証人に対し、主たる債務者が期限の利益を喪失した時から同項の通知を現にするまでに生じた遅延損害金(期限の利益を喪失しなかったとしても生ずべきものを除く。)に係る保証債務の履行を請求することができない。 3 前二項の規定は、保証人が法人である場合には、適用しない。 (委託を受けた保証人の求償権) 第四百五十九条 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(以下「債務の消滅行為」という。)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額(その財産の額がその債務の消滅行為によって消滅した主たる債務の額を超える場合にあっては、その消滅した額)の求償権を有する。 2 第四百四十二条第二項の規定は、前項の場合について準用する。 (委託を受けた保証人が弁済期前に弁済等をした場合の求償権) 第四百五十九条の二 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、主たる債務者がその当時利益を受けた限度において求償権を有する。 この場合において、主たる債務者が債務の消滅行為の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。 2 前項の規定による求償は、主たる債務の弁済期以後の法定利息及びその弁済期以後に債務の消滅行為をしたとしても避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。 3 第一項の求償権は、主たる債務の弁済期以後でなければ、これを行使することができない。 (委託を受けた保証人の事前の求償権) 第四百六十条 保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。 一 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。 二 債務が弁済期にあるとき。 ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。 三 保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき。 (主たる債務者が保証人に対して償還をする場合) 第四百六十一条 前条の規定により主たる債務者が保証人に対して償還をする場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、主たる債務者は、保証人に担保を供させ、又は保証人に対して自己に免責を得させることを請求することができる。 2 前項に規定する場合において、主たる債務者は、供託をし、担保を供し、又は保証人に免責を得させて、その償還の義務を免れることができる。 (委託を受けない保証人の求償権) 第四百六十二条 第四百五十九条の二第一項の規定は、主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が債務の消滅行為をした場合について準用する。 2 主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。 この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。 3 第四百五十九条の二第三項の規定は、前二項に規定する保証人が主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をした場合における求償権の行使について準用する。 (通知を怠った保証人の求償の制限等) 第四百六十三条 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。 この場合において、相殺をもってその保証人に対抗したときは、その保証人は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。 2 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が債務の消滅行為をしたことを保証人に通知することを怠ったため、その保証人が善意で債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。 3 保証人が債務の消滅行為をした後に主たる債務者が債務の消滅行為をした場合においては、保証人が主たる債務者の意思に反して保証をしたときのほか、保証人が債務の消滅行為をしたことを主たる債務者に通知することを怠ったため、主たる債務者が善意で債務の消滅行為をしたときも、主たる債務者は、その債務の消滅行為を有効であったものとみなすことができる。 (連帯債務又は不可分債務の保証人の求償権) 第四百六十四条 連帯債務者又は不可分債務者の一人のために保証をした者は、他の債務者に対し、その負担部分のみについて求償権を有する。 (共同保証人間の求償権) 第四百六十五条 第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。 2 第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。 第二目 個人根保証契約 (個人根保証契約の保証人の責任等) 第四百六十五条の二 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。 2 個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。 3 第四百四十六条第二項及び第三項の規定は、個人根保証契約における第一項に規定する極度額の定めについて準用する。 (個人貸金等根保証契約の元本確定期日) 第四百六十五条の三 個人根保証契約であってその主たる債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(以下「貸金等債務」という。)が含まれるもの(以下「個人貸金等根保証契約」という。)において主たる債務の元本の確定すべき期日(以下「元本確定期日」という。)の定めがある場合において、その元本確定期日がその個人貸金等根保証契約の締結の日から五年を経過する日より後の日と定められているときは、その元本確定期日の定めは、その効力を生じない。 2 個人貸金等根保証契約において元本確定期日の定めがない場合(前項の規定により元本確定期日の定めがその効力を生じない場合を含む。)には、その元本確定期日は、その個人貸金等根保証契約の締結の日から三年を経過する日とする。 3 個人貸金等根保証契約における元本確定期日の変更をする場合において、変更後の元本確定期日がその変更をした日から五年を経過する日より後の日となるときは、その元本確定期日の変更は、その効力を生じない。 ただし、元本確定期日の前二箇月以内に元本確定期日の変更をする場合において、変更後の元本確定期日が変更前の元本確定期日から五年以内の日となるときは、この限りでない。 4 第四百四十六条第二項及び第三項の規定は、個人貸金等根保証契約における元本確定期日の定め及びその変更(その個人貸金等根保証契約の締結の日から三年以内の日を元本確定期日とする旨の定め及び元本確定期日より前の日を変更後の元本確定期日とする変更を除く。)について準用する。 (個人根保証契約の元本の確定事由) 第四百六十五条の四 次に掲げる場合には、個人根保証契約における主たる債務の元本は、確定する。 ただし、第一号に掲げる場合にあっては、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。 一 債権者が、保証人の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき。 二 保証人が破産手続開始の決定を受けたとき。 三 主たる債務者又は保証人が死亡したとき。 2 前項に規定する場合のほか、個人貸金等根保証契約における主たる債務の元本は、次に掲げる場合にも確定する。 ただし、第一号に掲げる場合にあっては、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。 一 債権者が、主たる債務者の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき。 二 主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。 (保証人が法人である根保証契約の求償権) 第四百六十五条の五 保証人が法人である根保証契約において、第四百六十五条の二第一項に規定する極度額の定めがないときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約は、その効力を生じない。 2 保証人が法人である根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるものにおいて、元本確定期日の定めがないとき、又は元本確定期日の定め若しくはその変更が第四百六十五条の三第一項若しくは第三項の規定を適用するとすればその効力を生じないものであるときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約は、その効力を生じない。 主たる債務の範囲にその求償権に係る債務が含まれる根保証契約も、同様とする。 3 前二項の規定は、求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に求償権に係る債務が含まれる根保証契約の保証人が法人である場合には、適用しない。 第三目 事業に係る債務についての保証契約の特則 (公正証書の作成と保証の効力) 第四百六十五条の六 事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。 2 前項の公正証書を作成するには、次に掲げる方式に従わなければならない。 一 保証人になろうとする者が、次のイ又はロに掲げる契約の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事項を公証人に口授すること。 イ 保証契約(ロに掲げるものを除く。) 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、その債務の全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。 ロ 根保証契約 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の範囲、根保証契約における極度額、元本確定期日の定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、極度額の限度において元本確定期日又は第四百六十五条の四第一項各号若しくは第二項各号に掲げる事由その他の元本を確定すべき事由が生ずる時までに生ずべき主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。 二 公証人が、保証人になろうとする者の口述を筆記し、これを保証人になろうとする者に読み聞かせ、又は閲覧させること。 三 保証人になろうとする者が、筆記の正確なことを承認した後、署名し、印を押すこと。 ただし、保証人になろうとする者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。 四 公証人が、その証書は前三号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。 3 前二項の規定は、保証人になろうとする者が法人である場合には、適用しない。 (保証に係る公正証書の方式の特則) 第四百六十五条の七 前条第一項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が口がきけない者である場合には、公証人の前で、同条第二項第一号イ又はロに掲げる契約の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事項を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、同号の口授に代えなければならない。 この場合における同項第二号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。 2 前条第一項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第二項第二号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により保証人になろうとする者に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。 3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。 (公正証書の作成と求償権についての保証の効力) 第四百六十五条の八 第四百六十五条の六第一項及び第二項並びに前条の規定は、事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約について準用する。 主たる債務の範囲にその求償権に係る債務が含まれる根保証契約も、同様とする。 2 前項の規定は、保証人になろうとする者が法人である場合には、適用しない。 (公正証書の作成と保証の効力に関する規定の適用除外) 第四百六十五条の九 前三条の規定は、保証人になろうとする者が次に掲げる者である保証契約については、適用しない。 一 主たる債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者 二 主たる債務者が法人である場合の次に掲げる者 イ 主たる債務者の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除く。以下この号において同じ。)の過半数を有する者 ロ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を他の株式会社が有する場合における当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ハ 主たる債務者の総株主の議決権の過半数を他の株式会社及び当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者が有する場合における当該他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者 ニ 株式会社以外の法人が主たる債務者である場合におけるイ、ロ又はハに掲げる者に準ずる者 三 主たる債務者(法人であるものを除く。以下この号において同じ。)と共同して事業を行う者又は主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者 (契約締結時の情報の提供義務) 第四百六十五条の十 主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又は主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない。 一 財産及び収支の状況 二 主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況 三 主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容 2 主たる債務者が前項各号に掲げる事項に関して情報を提供せず、又は事実と異なる情報を提供したために委託を受けた者がその事項について誤認をし、それによって保証契約の申込み又はその承諾の意思表示をした場合において、主たる債務者がその事項に関して情報を提供せず又は事実と異なる情報を提供したことを債権者が知り又は知ることができたときは、保証人は、保証契約を取り消すことができる。 3 前二項の規定は、保証をする者が法人である場合には、適用しない。 第四節 債権の譲渡 (債権の譲渡性) 第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。 ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。 3 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。 4 前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。 (譲渡制限の意思表示がされた債権に係る債務者の供託) 第四百六十六条の二 債務者は、譲渡制限の意思表示がされた金銭の給付を目的とする債権が譲渡されたときは、その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地(債務の履行地が債権者の現在の住所により定まる場合にあっては、譲渡人の現在の住所を含む。次条において同じ。)の供託所に供託することができる。 2 前項の規定により供託をした債務者は、遅滞なく、譲渡人及び譲受人に供託の通知をしなければならない。 3 第一項の規定により供託をした金銭は、譲受人に限り、還付を請求することができる。 第四百六十六条の三 前条第一項に規定する場合において、譲渡人について破産手続開始の決定があったときは、譲受人(同項の債権の全額を譲り受けた者であって、その債権の譲渡を債務者その他の第三者に対抗することができるものに限る。)は、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかったときであっても、債務者にその債権の全額に相当する金銭を債務の履行地の供託所に供託させることができる。 この場合においては、同条第二項及び第三項の規定を準用する。 (譲渡制限の意思表示がされた債権の差押え) 第四百六十六条の四 第四百六十六条第三項の規定は、譲渡制限の意思表示がされた債権に対する強制執行をした差押債権者に対しては、適用しない。 2 前項の規定にかかわらず、譲受人その他の第三者が譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった場合において、その債権者が同項の債権に対する強制執行をしたときは、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもって差押債権者に対抗することができる。 (預金債権又は貯金債権に係る譲渡制限の意思表示の効力) 第四百六十六条の五 預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権(以下「預貯金債権」という。)について当事者がした譲渡制限の意思表示は、第四百六十六条第二項の規定にかかわらず、その譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。 2 前項の規定は、譲渡制限の意思表示がされた預貯金債権に対する強制執行をした差押債権者に対しては、適用しない。 (将来債権の譲渡性) 第四百六十六条の六 債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。 2 債権が譲渡された場合において、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、発生した債権を当然に取得する。 3 前項に規定する場合において、譲渡人が次条の規定による通知をし、又は債務者が同条の規定による承諾をした時(以下「対抗要件具備時」という。)までに譲渡制限の意思表示がされたときは、譲受人その他の第三者がそのことを知っていたものとみなして、第四百六十六条第三項(譲渡制限の意思表示がされた債権が預貯金債権の場合にあっては、前条第一項)の規定を適用する。 (債権の譲渡の対抗要件) 第四百六十七条 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。 2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。 (債権の譲渡における債務者の抗弁) 第四百六十八条 債務者は、対抗要件具備時までに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。 2 第四百六十六条第四項の場合における前項の規定の適用については、同項中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条第四項の相当の期間を経過した時」とし、第四百六十六条の三の場合における同項の規定の適用については、同項中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条の三の規定により同条の譲受人から供託の請求を受けた時」とする。 (債権の譲渡における相殺権) 第四百六十九条 債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができる。 2 債務者が対抗要件具備時より後に取得した譲渡人に対する債権であっても、その債権が次に掲げるものであるときは、前項と同様とする。 ただし、債務者が対抗要件具備時より後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。 一 対抗要件具備時より前の原因に基づいて生じた債権 二 前号に掲げるもののほか、譲受人の取得した債権の発生原因である契約に基づいて生じた債権 3 第四百六十六条第四項の場合における前二項の規定の適用については、これらの規定中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条第四項の相当の期間を経過した時」とし、第四百六十六条の三の場合におけるこれらの規定の適用については、これらの規定中「対抗要件具備時」とあるのは、「第四百六十六条の三の規定により同条の譲受人から供託の請求を受けた時」とする。 第五節 債務の引受け 第一款 併存的債務引受 (併存的債務引受の要件及び効果) 第四百七十条 併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。 2 併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。 3 併存的債務引受は、債務者と引受人となる者との契約によってもすることができる。 この場合において、併存的債務引受は、債権者が引受人となる者に対して承諾をした時に、その効力を生ずる。 4 前項の規定によってする併存的債務引受は、第三者のためにする契約に関する規定に従う。 (併存的債務引受における引受人の抗弁等) 第四百七十一条 引受人は、併存的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。 2 債務者が債権者に対して取消権又は解除権を有するときは、引受人は、これらの権利の行使によって債務者がその債務を免れるべき限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 第二款 免責的債務引受 (免責的債務引受の要件及び効果) 第四百七十二条 免責的債務引受の引受人は債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。 2 免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。 この場合において、免責的債務引受は、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。 3 免責的債務引受は、債務者と引受人となる者が契約をし、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることによってもすることができる。 (免責的債務引受における引受人の抗弁等) 第四百七十二条の二 引受人は、免責的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。 2 債務者が債権者に対して取消権又は解除権を有するときは、引受人は、免責的債務引受がなければこれらの権利の行使によって債務者がその債務を免れることができた限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。 (免責的債務引受における引受人の求償権) 第四百七十二条の三 免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しない。 (免責的債務引受による担保の移転) 第四百七十二条の四 債権者は、第四百七十二条第一項の規定により債務者が免れる債務の担保として設定された担保権を引受人が負担する債務に移すことができる。 ただし、引受人以外の者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。 2 前項の規定による担保権の移転は、あらかじめ又は同時に引受人に対してする意思表示によってしなければならない。 3 前二項の規定は、第四百七十二条第一項の規定により債務者が免れる債務の保証をした者があるときについて準用する。 4 前項の場合において、同項において準用する第一項の承諾は、書面でしなければ、その効力を生じない。 5 前項の承諾がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その承諾は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。 第六節 債権の消滅 第一款 弁済 第一目 総則 (弁済) 第四百七十三条 債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する。 (第三者の弁済) 第四百七十四条 債務の弁済は、第三者もすることができる。 2 弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。 ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。 3 前項に規定する第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない。 ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない。 4 前三項の規定は、その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき、又は当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたときは、適用しない。 (弁済として引き渡した物の取戻し) 第四百七十五条 弁済をした者が弁済として他人の物を引き渡したときは、その弁済をした者は、更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない。 (弁済として引き渡した物の消費又は譲渡がされた場合の弁済の効力等) 第四百七十六条 前条の場合において、債権者が弁済として受領した物を善意で消費し、又は譲り渡したときは、その弁済は、有効とする。 この場合において、債権者が第三者から賠償の請求を受けたときは、弁済をした者に対して求償をすることを妨げない。 (預金又は貯金の口座に対する払込みによる弁済) 第四百七十七条 債権者の預金又は貯金の口座に対する払込みによってする弁済は、債権者がその預金又は貯金に係る債権の債務者に対してその払込みに係る金額の払戻しを請求する権利を取得した時に、その効力を生ずる。 (受領権者としての外観を有する者に対する弁済) 第四百七十八条 受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。 (受領権者以外の者に対する弁済) 第四百七十九条 前条の場合を除き、受領権者以外の者に対してした弁済は、債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。 第四百八十条 削除 (差押えを受けた債権の第三債務者の弁済) 第四百八十一条 差押えを受けた債権の第三債務者が自己の債権者に弁済をしたときは、差押債権者は、その受けた損害の限度において更に弁済をすべき旨を第三債務者に請求することができる。 2 前項の規定は、第三債務者からその債権者に対する求償権の行使を妨げない。 (代物弁済) 第四百八十二条 弁済をすることができる者(以下「弁済者」という。)が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。 (特定物の現状による引渡し) 第四百八十三条 債権の目的が特定物の引渡しである場合において、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らしてその引渡しをすべき時の品質を定めることができないときは、弁済をする者は、その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。 (弁済の場所及び時間) 第四百八十四条 弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。 2 法令又は慣習により取引時間の定めがあるときは、その取引時間内に限り、弁済をし、又は弁済の請求をすることができる。 (弁済の費用) 第四百八十五条 弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。 ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。 (受取証書の交付請求等) 第四百八十六条 弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。 2 弁済をする者は、前項の受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。 ただし、弁済を受領する者に不相当な負担を課するものであるときは、この限りでない。 (債権証書の返還請求) 第四百八十七条 債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。 (同種の給付を目的とする数個の債務がある場合の充当) 第四百八十八条 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付が全ての債務を消滅させるのに足りないとき(次条第一項に規定する場合を除く。)は、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。 2 弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。 ただし、弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。 3 前二項の場合における弁済の充当の指定は、相手方に対する意思表示によってする。 4 弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも第一項又は第二項の規定による指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。 一 債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは、弁済期にあるものに先に充当する。 二 全ての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。 三 債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。 四 前二号に掲げる事項が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する。 (元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当) 第四百八十九条 債務者が一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべき場合(債務者が数個の債務を負担する場合にあっては、同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担するときに限る。)において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。 2 前条の規定は、前項の場合において、費用、利息又は元本のいずれかの全てを消滅させるのに足りない給付をしたときについて準用する。 (合意による弁済の充当) 第四百九十条 前二条の規定にかかわらず、弁済をする者と弁済を受領する者との間に弁済の充当の順序に関する合意があるときは、その順序に従い、その弁済を充当する。 (数個の給付をすべき場合の充当) 第四百九十一条 一個の債務の弁済として数個の給付をすべき場合において、弁済をする者がその債務の全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、前三条の規定を準用する。 (弁済の提供の効果) 第四百九十二条 債務者は、弁済の提供の時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れる。 (弁済の提供の方法) 第四百九十三条 弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。 ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。 第二目 弁済の目的物の供託 (供託) 第四百九十四条 弁済者は、次に掲げる場合には、債権者のために弁済の目的物を供託することができる。 この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する。 一 弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき。 二 債権者が弁済を受領することができないとき。 2 弁済者が債権者を確知することができないときも、前項と同様とする。 ただし、弁済者に過失があるときは、この限りでない。 (供託の方法) 第四百九十五条 前条の規定による供託は、債務の履行地の供託所にしなければならない。 2 供託所について法令に特別の定めがない場合には、裁判所は、弁済者の請求により、供託所の指定及び供託物の保管者の選任をしなければならない。 3 前条の規定により供託をした者は、遅滞なく、債権者に供託の通知をしなければならない。 (供託物の取戻し) 第四百九十六条 債権者が供託を受諾せず、又は供託を有効と宣告した判決が確定しない間は、弁済者は、供託物を取り戻すことができる。 この場合においては、供託をしなかったものとみなす。 2 前項の規定は、供託によって質権又は抵当権が消滅した場合には、適用しない。 (供託に適しない物等) 第四百九十七条 弁済者は、次に掲げる場合には、裁判所の許可を得て、弁済の目的物を競売に付し、その代金を供託することができる。 一 その物が供託に適しないとき。 二 その物について滅失、損傷その他の事由による価格の低落のおそれがあるとき。 三 その物の保存について過分の費用を要するとき。 四 前三号に掲げる場合のほか、その物を供託することが困難な事情があるとき。 (供託物の還付請求等) 第四百九十八条 弁済の目的物又は前条の代金が供託された場合には、債権者は、供託物の還付を請求することができる。 2 債務者が債権者の給付に対して弁済をすべき場合には、債権者は、その給付をしなければ、供託物を受け取ることができない。 第三目 弁済による代位 (弁済による代位の要件) 第四百九十九条 債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する。 第五百条 第四百六十七条の規定は、前条の場合(弁済をするについて正当な利益を有する者が債権者に代位する場合を除く。)について準用する。 (弁済による代位の効果) 第五百一条 前二条の規定により債権者に代位した者は、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。 2 前項の規定による権利の行使は、債権者に代位した者が自己の権利に基づいて債務者に対して求償をすることができる範囲内(保証人の一人が他の保証人に対して債権者に代位する場合には、自己の権利に基づいて当該他の保証人に対して求償をすることができる範囲内)に限り、することができる。 3 第一項の場合には、前項の規定によるほか、次に掲げるところによる。 一 第三取得者(債務者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者をいう。以下この項において同じ。)は、保証人及び物上保証人に対して債権者に代位しない。 二 第三取得者の一人は、各財産の価格に応じて、他の第三取得者に対して債権者に代位する。 三 前号の規定は、物上保証人の一人が他の物上保証人に対して債権者に代位する場合について準用する。 四 保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。 ただし、物上保証人が数人あるときは、保証人の負担部分を除いた残額について、各財産の価格に応じて、債権者に代位する。 五 第三取得者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、第三取得者とみなして第一号及び第二号の規定を適用し、物上保証人から担保の目的となっている財産を譲り受けた者は、物上保証人とみなして第一号、第三号及び前号の規定を適用する。 (一部弁済による代位) 第五百二条 債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、債権者の同意を得て、その弁済をした価額に応じて、債権者とともにその権利を行使することができる。 2 前項の場合であっても、債権者は、単独でその権利を行使することができる。 3 前二項の場合に債権者が行使する権利は、その債権の担保の目的となっている財産の売却代金その他の当該権利の行使によって得られる金銭について、代位者が行使する権利に優先する。 4 第一項の場合において、債務の不履行による契約の解除は、債権者のみがすることができる。 この場合においては、代位者に対し、その弁済をした価額及びその利息を償還しなければならない。 (債権者による債権証書の交付等) 第五百三条 代位弁済によって全部の弁済を受けた債権者は、債権に関する証書及び自己の占有する担保物を代位者に交付しなければならない。 2 債権の一部について代位弁済があった場合には、債権者は、債権に関する証書にその代位を記入し、かつ、自己の占有する担保物の保存を代位者に監督させなければならない。 (債権者による担保の喪失等) 第五百四条 弁済をするについて正当な利益を有する者(以下この項において「代位権者」という。)がある場合において、債権者が故意又は過失によってその担保を喪失し、又は減少させたときは、その代位権者は、代位をするに当たって担保の喪失又は減少によって償還を受けることができなくなる限度において、その責任を免れる。 その代位権者が物上保証人である場合において、その代位権者から担保の目的となっている財産を譲り受けた第三者及びその特定承継人についても、同様とする。 2 前項の規定は、債権者が担保を喪失し、又は減少させたことについて取引上の社会通念に照らして合理的な理由があると認められるときは、適用しない。 第二款 相殺 (相殺の要件等) 第五百五条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。 ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。 2 前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。 (相殺の方法及び効力) 第五百六条 相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。 この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。 2 前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。 (履行地の異なる債務の相殺) 第五百七条 相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであっても、することができる。 この場合において、相殺をする当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない。 (時効により消滅した債権を自働債権とする相殺) 第五百八条 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。 (不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止) 第五百九条 次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。 ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。 一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務 二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。) (差押禁止債権を受働債権とする相殺の禁止) 第五百十条 債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。 (差押えを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止) 第五百十一条 差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。 2 前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。 ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。 (相殺の充当) 第五百十二条 債権者が債務者に対して有する一個又は数個の債権と、債権者が債務者に対して負担する一個又は数個の債務について、債権者が相殺の意思表示をした場合において、当事者が別段の合意をしなかったときは、債権者の有する債権とその負担する債務は、相殺に適するようになった時期の順序に従って、その対当額について相殺によって消滅する。 2 前項の場合において、相殺をする債権者の有する債権がその負担する債務の全部を消滅させるのに足りないときであって、当事者が別段の合意をしなかったときは、次に掲げるところによる。 一 債権者が数個の債務を負担するとき(次号に規定する場合を除く。)は、第四百八十八条第四項第二号から第四号までの規定を準用する。 二 債権者が負担する一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべきときは、第四百八十九条の規定を準用する。 この場合において、同条第二項中「前条」とあるのは、「前条第四項第二号から第四号まで」と読み替えるものとする。 3 第一項の場合において、相殺をする債権者の負担する債務がその有する債権の全部を消滅させるのに足りないときは、前項の規定を準用する。 第五百十二条の二 債権者が債務者に対して有する債権に、一個の債権の弁済として数個の給付をすべきものがある場合における相殺については、前条の規定を準用する。 債権者が債務者に対して負担する債務に、一個の債務の弁済として数個の給付をすべきものがある場合における相殺についても、同様とする。 第三款 更改 (更改) 第五百十三条 当事者が従前の債務に代えて、新たな債務であって次に掲げるものを発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によって消滅する。 一 従前の給付の内容について重要な変更をするもの 二 従前の債務者が第三者と交替するもの 三 従前の債権者が第三者と交替するもの (債務者の交替による更改) 第五百十四条 債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。 この場合において、更改は、債権者が更改前の債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。 2 債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない。 (債権者の交替による更改) 第五百十五条 債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができる。 2 債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。 第五百十六条及び第五百十七条 削除 (更改後の債務への担保の移転) 第五百十八条 債権者(債権者の交替による更改にあっては、更改前の債権者)は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。 ただし、第三者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。 2 前項の質権又は抵当権の移転は、あらかじめ又は同時に更改の相手方(債権者の交替による更改にあっては、債務者)に対してする意思表示によってしなければならない。 第四款 免除 第五百十九条 債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。 第五款 混同 第五百二十条 債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。 ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。 第七節 有価証券 第一款 指図証券 (指図証券の譲渡) 第五百二十条の二 指図証券の譲渡は、その証券に譲渡の裏書をして譲受人に交付しなければ、その効力を生じない。 (指図証券の裏書の方式) 第五百二十条の三 指図証券の譲渡については、その指図証券の性質に応じ、手形法(昭和七年法律第二十号)中裏書の方式に関する規定を準用する。 (指図証券の所持人の権利の推定) 第五百二十条の四 指図証券の所持人が裏書の連続によりその権利を証明するときは、その所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。 (指図証券の善意取得) 第五百二十条の五 何らかの事由により指図証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が前条の規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。 ただし、その所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。 (指図証券の譲渡における債務者の抗弁の制限) 第五百二十条の六 指図証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。 (指図証券の質入れ) 第五百二十条の七 第五百二十条の二から前条までの規定は、指図証券を目的とする質権の設定について準用する。 (指図証券の弁済の場所) 第五百二十条の八 指図証券の弁済は、債務者の現在の住所においてしなければならない。 (指図証券の提示と履行遅滞) 第五百二十条の九 指図証券の債務者は、その債務の履行について期限の定めがあるときであっても、その期限が到来した後に所持人がその証券を提示してその履行の請求をした時から遅滞の責任を負う。 (指図証券の債務者の調査の権利等) 第五百二十条の十 指図証券の債務者は、その証券の所持人並びにその署名及び押印の真偽を調査する権利を有するが、その義務を負わない。 ただし、債務者に悪意又は重大な過失があるときは、その弁済は、無効とする。 (指図証券の喪失) 第五百二十条の十一 指図証券は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。 (指図証券喪失の場合の権利行使方法) 第五百二十条の十二 金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする指図証券の所持人がその指図証券を喪失した場合において、非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、その債務者に、その債務の目的物を供託させ、又は相当の担保を供してその指図証券の趣旨に従い履行をさせることができる。 第二款 記名式所持人払証券 (記名式所持人払証券の譲渡) 第五百二十条の十三 記名式所持人払証券(債権者を指名する記載がされている証券であって、その所持人に弁済をすべき旨が付記されているものをいう。以下同じ。)の譲渡は、その証券を交付しなければ、その効力を生じない。 (記名式所持人払証券の所持人の権利の推定) 第五百二十条の十四 記名式所持人払証券の所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。 (記名式所持人払証券の善意取得) 第五百二十条の十五 何らかの事由により記名式所持人払証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が前条の規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。 ただし、その所持人が悪意又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。 (記名式所持人払証券の譲渡における債務者の抗弁の制限) 第五百二十条の十六 記名式所持人払証券の債務者は、その証券に記載した事項及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。 (記名式所持人払証券の質入れ) 第五百二十条の十七 第五百二十条の十三から前条までの規定は、記名式所持人払証券を目的とする質権の設定について準用する。 (指図証券の規定の準用) 第五百二十条の十八 第五百二十条の八から第五百二十条の十二までの規定は、記名式所持人払証券について準用する。 第三款 その他の記名証券 第五百二十条の十九 債権者を指名する記載がされている証券であって指図証券及び記名式所持人払証券以外のものは、債権の譲渡又はこれを目的とする質権の設定に関する方式に従い、かつ、その効力をもってのみ、譲渡し、又は質権の目的とすることができる。 2 第五百二十条の十一及び第五百二十条の十二の規定は、前項の証券について準用する。 第四款 無記名証券 第五百二十条の二十 第二款(記名式所持人払証券)の規定は、無記名証券について準用する。 第二章 契約 第一節 総則 第一款 契約の成立 (契約の締結及び内容の自由) 第五百二十一条 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。 2 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。 (契約の成立と方式) 第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。 2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。 (承諾の期間の定めのある申込み) 第五百二十三条 承諾の期間を定めてした申込みは、撤回することができない。 ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。 2 申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。 (遅延した承諾の効力) 第五百二十四条 申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。 (承諾の期間の定めのない申込み) 第五百二十五条 承諾の期間を定めないでした申込みは、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができない。 ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。 2 対話者に対してした前項の申込みは、同項の規定にかかわらず、その対話が継続している間は、いつでも撤回することができる。 3 対話者に対してした第一項の申込みに対して対話が継続している間に申込者が承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。 ただし、申込者が対話の終了後もその申込みが効力を失わない旨を表示したときは、この限りでない。 (申込者の死亡等) 第五百二十六条 申込者が申込みの通知を発した後に死亡し、意思能力を有しない常況にある者となり、又は行為能力の制限を受けた場合において、申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、又はその相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。 (承諾の通知を必要としない場合における契約の成立時期) 第五百二十七条 申込者の意思表示又は取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。 (申込みに変更を加えた承諾) 第五百二十八条 承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。 (懸賞広告) 第五百二十九条 ある行為をした者に一定の報酬を与える旨を広告した者(以下「懸賞広告者」という。)は、その行為をした者がその広告を知っていたかどうかにかかわらず、その者に対してその報酬を与える義務を負う。 (指定した行為をする期間の定めのある懸賞広告) 第五百二十九条の二 懸賞広告者は、その指定した行為をする期間を定めてした広告を撤回することができない。 ただし、その広告において撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。 2 前項の広告は、その期間内に指定した行為を完了する者がないときは、その効力を失う。 (指定した行為をする期間の定めのない懸賞広告) 第五百二十九条の三 懸賞広告者は、その指定した行為を完了する者がない間は、その指定した行為をする期間を定めないでした広告を撤回することができる。 ただし、その広告中に撤回をしない旨を表示したときは、この限りでない。 (懸賞広告の撤回の方法) 第五百三十条 前の広告と同一の方法による広告の撤回は、これを知らない者に対しても、その効力を有する。 2 広告の撤回は、前の広告と異なる方法によっても、することができる。 ただし、その撤回は、これを知った者に対してのみ、その効力を有する。 (懸賞広告の報酬を受ける権利) 第五百三十一条 広告に定めた行為をした者が数人あるときは、最初にその行為をした者のみが報酬を受ける権利を有する。 2 数人が同時に前項の行為をした場合には、各自が等しい割合で報酬を受ける権利を有する。 ただし、報酬がその性質上分割に適しないとき、又は広告において一人のみがこれを受けるものとしたときは、抽選でこれを受ける者を定める。 3 前二項の規定は、広告中にこれと異なる意思を表示したときは、適用しない。 (優等懸賞広告) 第五百三十二条 広告に定めた行為をした者が数人ある場合において、その優等者のみに報酬を与えるべきときは、その広告は、応募の期間を定めたときに限り、その効力を有する。 2 前項の場合において、応募者中いずれの者の行為が優等であるかは、広告中に定めた者が判定し、広告中に判定をする者を定めなかったときは懸賞広告者が判定する。 3 応募者は、前項の判定に対して異議を述べることができない。 4 前条第二項の規定は、数人の行為が同等と判定された場合について準用する。 第二款 契約の効力 (同時履行の抗弁) 第五百三十三条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。 ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。 第五百三十四条及び第五百三十五条 削除 (債務者の危険負担等) 第五百三十六条 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。 2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。 この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。 (第三者のためにする契約) 第五百三十七条 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。 2 前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。 3 第一項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。 (第三者の権利の確定) 第五百三十八条 前条の規定により第三者の権利が発生した後は、当事者は、これを変更し、又は消滅させることができない。 2 前条の規定により第三者の権利が発生した後に、債務者がその第三者に対する債務を履行しない場合には、同条第一項の契約の相手方は、その第三者の承諾を得なければ、契約を解除することができない。 (債務者の抗弁) 第五百三十九条 債務者は、第五百三十七条第一項の契約に基づく抗弁をもって、その契約の利益を受ける第三者に対抗することができる。 第三款 契約上の地位の移転 第五百三十九条の二 契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合において、その契約の相手方がその譲渡を承諾したときは、契約上の地位は、その第三者に移転する。 第四款 契約の解除 (解除権の行使) 第五百四十条 契約又は法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする。 2 前項の意思表示は、撤回することができない。 (催告による解除) 第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。 ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。 (催告によらない解除) 第五百四十二条 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。 一 債務の全部の履行が不能であるとき。 二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。 三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。 四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。 五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。 2 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の一部の解除をすることができる。 一 債務の一部の履行が不能であるとき。 二 債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。 (債権者の責めに帰すべき事由による場合) 第五百四十三条 債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。 (解除権の不可分性) 第五百四十四条 当事者の一方が数人ある場合には、契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみ、することができる。 2 前項の場合において、解除権が当事者のうちの一人について消滅したときは、他の者についても消滅する。 (解除の効果) 第五百四十五条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。 3 第一項本文の場合において、金銭以外の物を返還するときは、その受領の時以後に生じた果実をも返還しなければならない。 4 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。 (契約の解除と同時履行) 第五百四十六条 第五百三十三条の規定は、前条の場合について準用する。 (催告による解除権の消滅) 第五百四十七条 解除権の行使について期間の定めがないときは、相手方は、解除権を有する者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。 この場合において、その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。 (解除権者の故意による目的物の損傷等による解除権の消滅) 第五百四十八条 解除権を有する者が故意若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し、若しくは返還することができなくなったとき、又は加工若しくは改造によってこれを他の種類の物に変えたときは、解除権は、消滅する。 ただし、解除権を有する者がその解除権を有することを知らなかったときは、この限りでない。 第五款 定型約款 (定型約款の合意) 第五百四十八条の二 定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。 一 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。 二 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。 2 前項の規定にかかわらず、同項の条項のうち、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。 (定型約款の内容の表示) 第五百四十八条の三 定型取引を行い、又は行おうとする定型約款準備者は、定型取引合意の前又は定型取引合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合には、遅滞なく、相当な方法でその定型約款の内容を示さなければならない。 ただし、定型約款準備者が既に相手方に対して定型約款を記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供していたときは、この限りでない。 2 定型約款準備者が定型取引合意の前において前項の請求を拒んだときは、前条の規定は、適用しない。 ただし、一時的な通信障害が発生した場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。 (定型約款の変更) 第五百四十八条の四 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。 一 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。 二 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。 2 定型約款準備者は、前項の規定による定型約款の変更をするときは、その効力発生時期を定め、かつ、定型約款を変更する旨及び変更後の定型約款の内容並びにその効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならない。 3 第一項第二号の規定による定型約款の変更は、前項の効力発生時期が到来するまでに同項の規定による周知をしなければ、その効力を生じない。 4 第五百四十八条の二第二項の規定は、第一項の規定による定型約款の変更については、適用しない。 第二節 贈与 (贈与) 第五百四十九条 贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。 (書面によらない贈与の解除) 第五百五十条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。 ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。 (贈与者の引渡義務等) 第五百五十一条 贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。 2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。 (定期贈与) 第五百五十二条 定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う。 (負担付贈与) 第五百五十三条 負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。 (死因贈与) 第五百五十四条 贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。 第三節 売買 第一款 総則 (売買) 第五百五十五条 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 (売買の一方の予約) 第五百五十六条 売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。 2 前項の意思表示について期間を定めなかったときは、予約者は、相手方に対し、相当の期間を定めて、その期間内に売買を完結するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。 この場合において、相手方がその期間内に確答をしないときは、売買の一方の予約は、その効力を失う。 (手付) 第五百五十七条 買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。 ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。 2 第五百四十五条第四項の規定は、前項の場合には、適用しない。 (売買契約に関する費用) 第五百五十八条 売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。 (有償契約への準用) 第五百五十九条 この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。 ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。 第二款 売買の効力 (権利移転の対抗要件に係る売主の義務) 第五百六十条 売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。 (他人の権利の売買における売主の義務) 第五百六十一条 他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。 (買主の追完請求権) 第五百六十二条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。 ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。 2 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。 (買主の代金減額請求権) 第五百六十三条 前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。 2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。 一 履行の追完が不能であるとき。 二 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。 三 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。 四 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。 3 第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。 (買主の損害賠償請求及び解除権の行使) 第五百六十四条 前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。 (移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任) 第五百六十五条 前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合(権利の一部が他人に属する場合においてその権利の一部を移転しないときを含む。)について準用する。 (目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限) 第五百六十六条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。 ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。 (目的物の滅失等についての危険の移転) 第五百六十七条 売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。 この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。 2 売主が契約の内容に適合する目的物をもって、その引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその目的物が滅失し、又は損傷したときも、前項と同様とする。 (競売における担保責任等) 第五百六十八条 民事執行法その他の法律の規定に基づく競売(以下この条において単に「競売」という。)における買受人は、第五百四十一条及び第五百四十二条の規定並びに第五百六十三条(第五百六十五条において準用する場合を含む。)の規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。 2 前項の場合において、債務者が無資力であるときは、買受人は、代金の配当を受けた債権者に対し、その代金の全部又は一部の返還を請求することができる。 3 前二項の場合において、債務者が物若しくは権利の不存在を知りながら申し出なかったとき、又は債権者がこれを知りながら競売を請求したときは、買受人は、これらの者に対し、損害賠償の請求をすることができる。 4 前三項の規定は、競売の目的物の種類又は品質に関する不適合については、適用しない。 (債権の売主の担保責任) 第五百六十九条 債権の売主が債務者の資力を担保したときは、契約の時における資力を担保したものと推定する。 2 弁済期に至らない債権の売主が債務者の将来の資力を担保したときは、弁済期における資力を担保したものと推定する。 (抵当権等がある場合の買主による費用の償還請求) 第五百七十条 買い受けた不動産について契約の内容に適合しない先取特権、質権又は抵当権が存していた場合において、買主が費用を支出してその不動産の所有権を保存したときは、買主は、売主に対し、その費用の償還を請求することができる。 第五百七十一条 削除 (担保責任を負わない旨の特約) 第五百七十二条 売主は、第五百六十二条第一項本文又は第五百六十五条に規定する場合における担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。 (代金の支払期限) 第五百七十三条 売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定する。 (代金の支払場所) 第五百七十四条 売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において支払わなければならない。 (果実の帰属及び代金の利息の支払) 第五百七十五条 まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。 2 買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。 ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは、利息を支払うことを要しない。 (権利を取得することができない等のおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶) 第五百七十六条 売買の目的について権利を主張する者があることその他の事由により、買主がその買い受けた権利の全部若しくは一部を取得することができず、又は失うおそれがあるときは、買主は、その危険の程度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる。 ただし、売主が相当の担保を供したときは、この限りでない。 (抵当権等の登記がある場合の買主による代金の支払の拒絶) 第五百七十七条 買い受けた不動産について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときは、買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができる。 この場合において、売主は、買主に対し、遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求することができる。 2 前項の規定は、買い受けた不動産について契約の内容に適合しない先取特権又は質権の登記がある場合について準用する。 (売主による代金の供託の請求) 第五百七十八条 前二条の場合においては、売主は、買主に対して代金の供託を請求することができる。 第三款 買戻し (買戻しの特約) 第五百七十九条 不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金(別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額。第五百八十三条第一項において同じ。)及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。 この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。 (買戻しの期間) 第五百八十条 買戻しの期間は、十年を超えることができない。 特約でこれより長い期間を定めたときは、その期間は、十年とする。 2 買戻しについて期間を定めたときは、その後にこれを伸長することができない。 3 買戻しについて期間を定めなかったときは、五年以内に買戻しをしなければならない。 (買戻しの特約の対抗力) 第五百八十一条 売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対抗することができる。 2 前項の登記がされた後に第六百五条の二第一項に規定する対抗要件を備えた賃借人の権利は、その残存期間中一年を超えない期間に限り、売主に対抗することができる。 ただし、売主を害する目的で賃貸借をしたときは、この限りでない。 (買戻権の代位行使) 第五百八十二条 売主の債権者が第四百二十三条の規定により売主に代わって買戻しをしようとするときは、買主は、裁判所において選任した鑑定人の評価に従い、不動産の現在の価額から売主が返還すべき金額を控除した残額に達するまで売主の債務を弁済し、なお残余があるときはこれを売主に返還して、買戻権を消滅させることができる。 (買戻しの実行) 第五百八十三条 売主は、第五百八十条に規定する期間内に代金及び契約の費用を提供しなければ、買戻しをすることができない。 2 買主又は転得者が不動産について費用を支出したときは、売主は、第百九十六条の規定に従い、その償還をしなければならない。 ただし、有益費については、裁判所は、売主の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。 (共有持分の買戻特約付売買) 第五百八十四条 不動産の共有者の一人が買戻しの特約を付してその持分を売却した後に、その不動産の分割又は競売があったときは、売主は、買主が受け、若しくは受けるべき部分又は代金について、買戻しをすることができる。 ただし、売主に通知をしないでした分割及び競売は、売主に対抗することができない。 第五百八十五条 前条の場合において、買主が不動産の競売における買受人となったときは、売主は、競売の代金及び第五百八十三条に規定する費用を支払って買戻しをすることができる。 この場合において、売主は、その不動産の全部の所有権を取得する。 2 他の共有者が分割を請求したことにより買主が競売における買受人となったときは、売主は、その持分のみについて買戻しをすることはできない。 第四節 交換 第五百八十六条 交換は、当事者が互いに金銭の所有権以外の財産権を移転することを約することによって、その効力を生ずる。 2 当事者の一方が他の権利とともに金銭の所有権を移転することを約した場合におけるその金銭については、売買の代金に関する規定を準用する。 第五節 消費貸借 (消費貸借) 第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。 (書面でする消費貸借等) 第五百八十七条の二 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。 2 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。 この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。 3 書面でする消費貸借は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失う。 4 消費貸借がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その消費貸借は、書面によってされたものとみなして、前三項の規定を適用する。 (準消費貸借) 第五百八十八条 金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす。 (利息) 第五百八十九条 貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない。 2 前項の特約があるときは、貸主は、借主が金銭その他の物を受け取った日以後の利息を請求することができる。 (貸主の引渡義務等) 第五百九十条 第五百五十一条の規定は、前条第一項の特約のない消費貸借について準用する。 2 前条第一項の特約の有無にかかわらず、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、借主は、その物の価額を返還することができる。 (返還の時期) 第五百九十一条 当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。 2 借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還をすることができる。 3 当事者が返還の時期を定めた場合において、貸主は、借主がその時期の前に返還をしたことによって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。 (価額の償還) 第五百九十二条 借主が貸主から受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることができなくなったときは、その時における物の価額を償還しなければならない。 ただし、第四百二条第二項に規定する場合は、この限りでない。 第六節 使用貸借 (使用貸借) 第五百九十三条 使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。 (借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除) 第五百九十三条の二 貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。 ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。 (借主による使用及び収益) 第五百九十四条 借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。 2 借主は、貸主の承諾を得なければ、第三者に借用物の使用又は収益をさせることができない。 3 借主が前二項の規定に違反して使用又は収益をしたときは、貸主は、契約の解除をすることができる。 (借用物の費用の負担) 第五百九十五条 借主は、借用物の通常の必要費を負担する。 2 第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。 (貸主の引渡義務等) 第五百九十六条 第五百五十一条の規定は、使用貸借について準用する。 (期間満了等による使用貸借の終了) 第五百九十七条 当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する。 2 当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。 3 使用貸借は、借主の死亡によって終了する。 (使用貸借の解除) 第五百九十八条 貸主は、前条第二項に規定する場合において、同項の目的に従い借主が使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約の解除をすることができる。 2 当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。 3 借主は、いつでも契約の解除をすることができる。 (借主による収去等) 第五百九十九条 借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、使用貸借が終了したときは、その附属させた物を収去する義務を負う。 ただし、借用物から分離することができない物又は分離するのに過分の費用を要する物については、この限りでない。 2 借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物を収去することができる。 3 借主は、借用物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、使用貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。 ただし、その損傷が借主の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 (損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限) 第六百条 契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならない。 2 前項の損害賠償の請求権については、貸主が返還を受けた時から一年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 第七節 賃貸借 第一款 総則 (賃貸借) 第六百一条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。 (短期賃貸借) 第六百二条 処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。 契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、当該各号に定める期間とする。 一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年 二 前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年 三 建物の賃貸借 三年 四 動産の賃貸借 六箇月 (短期賃貸借の更新) 第六百三条 前条に定める期間は、更新することができる。 ただし、その期間満了前、土地については一年以内、建物については三箇月以内、動産については一箇月以内に、その更新をしなければならない。 (賃貸借の存続期間) 第六百四条 賃貸借の存続期間は、五十年を超えることができない。 契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、五十年とする。 2 賃貸借の存続期間は、更新することができる。 ただし、その期間は、更新の時から五十年を超えることができない。 第二款 賃貸借の効力 (不動産賃貸借の対抗力) 第六百五条 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。 (不動産の賃貸人たる地位の移転) 第六百五条の二 前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。 2 前項の規定にかかわらず、不動産の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転しない。 この場合において、譲渡人と譲受人又はその承継人との間の賃貸借が終了したときは、譲渡人に留保されていた賃貸人たる地位は、譲受人又はその承継人に移転する。 3 第一項又は前項後段の規定による賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができない。 4 第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。 (合意による不動産の賃貸人たる地位の移転) 第六百五条の三 不動産の譲渡人が賃貸人であるときは、その賃貸人たる地位は、賃借人の承諾を要しないで、譲渡人と譲受人との合意により、譲受人に移転させることができる。 この場合においては、前条第三項及び第四項の規定を準用する。 (不動産の賃借人による妨害の停止の請求等) 第六百五条の四 不動産の賃借人は、第六百五条の二第一項に規定する対抗要件を備えた場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる。 一 その不動産の占有を第三者が妨害しているとき その第三者に対する妨害の停止の請求 二 その不動産を第三者が占有しているとき その第三者に対する返還の請求 (賃貸人による修繕等) 第六百六条 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。 ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。 2 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。 (賃借人の意思に反する保存行為) 第六百七条 賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合において、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。 (賃借人による修繕) 第六百七条の二 賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。 一 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。 二 急迫の事情があるとき。 (賃借人による費用の償還請求) 第六百八条 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。 2 賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第百九十六条第二項の規定に従い、その償還をしなければならない。 ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。 (減収による賃料の減額請求) 第六百九条 耕作又は牧畜を目的とする土地の賃借人は、不可抗力によって賃料より少ない収益を得たときは、その収益の額に至るまで、賃料の減額を請求することができる。 (減収による解除) 第六百十条 前条の場合において、同条の賃借人は、不可抗力によって引き続き二年以上賃料より少ない収益を得たときは、契約の解除をすることができる。 (賃借物の一部滅失等による賃料の減額等) 第六百十一条 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。 2 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。 (賃借権の譲渡及び転貸の制限) 第六百十二条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。 2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。 (転貸の効果) 第六百十三条 賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。 この場合においては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない。 2 前項の規定は、賃貸人が賃借人に対してその権利を行使することを妨げない。 3 賃借人が適法に賃借物を転貸した場合には、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない。 ただし、その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは、この限りでない。 (賃料の支払時期) 第六百十四条 賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。 ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない。 (賃借人の通知義務) 第六百十五条 賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。 ただし、賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでない。 (賃借人による使用及び収益) 第六百十六条 第五百九十四条第一項の規定は、賃貸借について準用する。 第三款 賃貸借の終了 (賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了) 第六百十六条の二 賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する。 (期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ) 第六百十七条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。 この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。 一 土地の賃貸借 一年 二 建物の賃貸借 三箇月 三 動産及び貸席の賃貸借 一日 2 収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならない。 (期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保) 第六百十八条 当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用する。 (賃貸借の更新の推定等) 第六百十九条 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。 この場合において、各当事者は、第六百十七条の規定により解約の申入れをすることができる。 2 従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。 ただし、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金については、この限りでない。 (賃貸借の解除の効力) 第六百二十条 賃貸借の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。 この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。 (賃借人の原状回復義務) 第六百二十一条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。 ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 (使用貸借の規定の準用) 第六百二十二条 第五百九十七条第一項、第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百条の規定は、賃貸借について準用する。 第四款 敷金 第六百二十二条の二 賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。 一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。 二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。 2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。 この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。 第八節 雇用 (雇用) 第六百二十三条 雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。 (報酬の支払時期) 第六百二十四条 労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。 2 期間によって定めた報酬は、その期間を経過した後に、請求することができる。 (履行の割合に応じた報酬) 第六百二十四条の二 労働者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。 一 使用者の責めに帰することができない事由によって労働に従事することができなくなったとき。 二 雇用が履行の中途で終了したとき。 (使用者の権利の譲渡の制限等) 第六百二十五条 使用者は、労働者の承諾を得なければ、その権利を第三者に譲り渡すことができない。 2 労働者は、使用者の承諾を得なければ、自己に代わって第三者を労働に従事させることができない。 3 労働者が前項の規定に違反して第三者を労働に従事させたときは、使用者は、契約の解除をすることができる。 (期間の定めのある雇用の解除) 第六百二十六条 雇用の期間が五年を超え、又はその終期が不確定であるときは、当事者の一方は、五年を経過した後、いつでも契約の解除をすることができる。 2 前項の規定により契約の解除をしようとする者は、それが使用者であるときは三箇月前、労働者であるときは二週間前に、その予告をしなければならない。 (期間の定めのない雇用の解約の申入れ) 第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。 この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。 2 期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。 ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。 3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。 (やむを得ない事由による雇用の解除) 第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。 この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。 (雇用の更新の推定等) 第六百二十九条 雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する。 この場合において、各当事者は、第六百二十七条の規定により解約の申入れをすることができる。 2 従前の雇用について当事者が担保を供していたときは、その担保は、期間の満了によって消滅する。 ただし、身元保証金については、この限りでない。 (雇用の解除の効力) 第六百三十条 第六百二十条の規定は、雇用について準用する。 (使用者についての破産手続の開始による解約の申入れ) 第六百三十一条 使用者が破産手続開始の決定を受けた場合には、雇用に期間の定めがあるときであっても、労働者又は破産管財人は、第六百二十七条の規定により解約の申入れをすることができる。 この場合において、各当事者は、相手方に対し、解約によって生じた損害の賠償を請求することができない。 第九節 請負 (請負) 第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 (報酬の支払時期) 第六百三十三条 報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。 ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。 (注文者が受ける利益の割合に応じた報酬) 第六百三十四条 次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。 この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。 一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。 二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。 第六百三十五条 削除 (請負人の担保責任の制限) 第六百三十六条 請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。 ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。 (目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限) 第六百三十七条 前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。 2 前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。 第六百三十八条から第六百四十条まで 削除 (注文者による契約の解除) 第六百四十一条 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。 (注文者についての破産手続の開始による解除) 第六百四十二条 注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人又は破産管財人は、契約の解除をすることができる。 ただし、請負人による契約の解除については、仕事を完成した後は、この限りでない。 2 前項に規定する場合において、請負人は、既にした仕事の報酬及びその中に含まれていない費用について、破産財団の配当に加入することができる。 3 第一項の場合には、契約の解除によって生じた損害の賠償は、破産管財人が契約の解除をした場合における請負人に限り、請求することができる。 この場合において、請負人は、その損害賠償について、破産財団の配当に加入する。 第十節 委任 (委任) 第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。 (受任者の注意義務) 第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。 (復受任者の選任等) 第六百四十四条の二 受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。 2 代理権を付与する委任において、受任者が代理権を有する復受任者を選任したときは、復受任者は、委任者に対して、その権限の範囲内において、受任者と同一の権利を有し、義務を負う。 (受任者による報告) 第六百四十五条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 (受任者による受取物の引渡し等) 第六百四十六条 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。 その収取した果実についても、同様とする。 2 受任者は、委任者のために自己の名で取得した権利を委任者に移転しなければならない。 (受任者の金銭の消費についての責任) 第六百四十七条 受任者は、委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。 この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。 (受任者の報酬) 第六百四十八条 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。 2 受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。 ただし、期間によって報酬を定めたときは、第六百二十四条第二項の規定を準用する。 3 受任者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。 一 委任者の責めに帰することができない事由によって委任事務の履行をすることができなくなったとき。 二 委任が履行の中途で終了したとき。 (成果等に対する報酬) 第六百四十八条の二 委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、報酬は、その成果の引渡しと同時に、支払わなければならない。 2 第六百三十四条の規定は、委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合について準用する。 (受任者による費用の前払請求) 第六百四十九条 委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。 (受任者による費用等の償還請求等) 第六百五十条 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 2 受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。 この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。 3 受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。 (委任の解除) 第六百五十一条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。 2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。 ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。 一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。 二 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。 (委任の解除の効力) 第六百五十二条 第六百二十条の規定は、委任について準用する。 (委任の終了事由) 第六百五十三条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。 一 委任者又は受任者の死亡 二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。 三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。 (委任の終了後の処分) 第六百五十四条 委任が終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者又はその相続人若しくは法定代理人は、委任者又はその相続人若しくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない。 (委任の終了の対抗要件) 第六百五十五条 委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない。 (準委任) 第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。 第十一節 寄託 (寄託) 第六百五十七条 寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。 (寄託物受取り前の寄託者による寄託の解除等) 第六百五十七条の二 寄託者は、受寄者が寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。 この場合において、受寄者は、その契約の解除によって損害を受けたときは、寄託者に対し、その賠償を請求することができる。 2 無報酬の受寄者は、寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。 ただし、書面による寄託については、この限りでない。 3 受寄者(無報酬で寄託を受けた場合にあっては、書面による寄託の受寄者に限る。)は、寄託物を受け取るべき時期を経過したにもかかわらず、寄託者が寄託物を引き渡さない場合において、相当の期間を定めてその引渡しの催告をし、その期間内に引渡しがないときは、契約の解除をすることができる。 (寄託物の使用及び第三者による保管) 第六百五十八条 受寄者は、寄託者の承諾を得なければ、寄託物を使用することができない。 2 受寄者は、寄託者の承諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、寄託物を第三者に保管させることができない。 3 再受寄者は、寄託者に対して、その権限の範囲内において、受寄者と同一の権利を有し、義務を負う。 (無報酬の受寄者の注意義務) 第六百五十九条 無報酬の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。 (受寄者の通知義務等) 第六百六十条 寄託物について権利を主張する第三者が受寄者に対して訴えを提起し、又は差押え、仮差押え若しくは仮処分をしたときは、受寄者は、遅滞なくその事実を寄託者に通知しなければならない。 ただし、寄託者が既にこれを知っているときは、この限りでない。 2 第三者が寄託物について権利を主張する場合であっても、受寄者は、寄託者の指図がない限り、寄託者に対しその寄託物を返還しなければならない。 ただし、受寄者が前項の通知をした場合又は同項ただし書の規定によりその通知を要しない場合において、その寄託物をその第三者に引き渡すべき旨を命ずる確定判決(確定判決と同一の効力を有するものを含む。)があったときであって、その第三者にその寄託物を引き渡したときは、この限りでない。 3 受寄者は、前項の規定により寄託者に対して寄託物を返還しなければならない場合には、寄託者にその寄託物を引き渡したことによって第三者に損害が生じたときであっても、その賠償の責任を負わない。 (寄託者による損害賠償) 第六百六十一条 寄託者は、寄託物の性質又は瑕疵によって生じた損害を受寄者に賠償しなければならない。 ただし、寄託者が過失なくその性質若しくは瑕疵を知らなかったとき、又は受寄者がこれを知っていたときは、この限りでない。 (寄託者による返還請求等) 第六百六十二条 当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる。 2 前項に規定する場合において、受寄者は、寄託者がその時期の前に返還を請求したことによって損害を受けたときは、寄託者に対し、その賠償を請求することができる。 (寄託物の返還の時期) 第六百六十三条 当事者が寄託物の返還の時期を定めなかったときは、受寄者は、いつでもその返還をすることができる。 2 返還の時期の定めがあるときは、受寄者は、やむを得ない事由がなければ、その期限前に返還をすることができない。 (寄託物の返還の場所) 第六百六十四条 寄託物の返還は、その保管をすべき場所でしなければならない。 ただし、受寄者が正当な事由によってその物を保管する場所を変更したときは、その現在の場所で返還をすることができる。 (損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限) 第六百六十四条の二 寄託物の一部滅失又は損傷によって生じた損害の賠償及び受寄者が支出した費用の償還は、寄託者が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならない。 2 前項の損害賠償の請求権については、寄託者が返還を受けた時から一年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。 (委任の規定の準用) 第六百六十五条 第六百四十六条から第六百四十八条まで、第六百四十九条並びに第六百五十条第一項及び第二項の規定は、寄託について準用する。 (混合寄託) 第六百六十五条の二 複数の者が寄託した物の種類及び品質が同一である場合には、受寄者は、各寄託者の承諾を得たときに限り、これらを混合して保管することができる。 2 前項の規定に基づき受寄者が複数の寄託者からの寄託物を混合して保管したときは、寄託者は、その寄託した物と同じ数量の物の返還を請求することができる。 3 前項に規定する場合において、寄託物の一部が滅失したときは、寄託者は、混合して保管されている総寄託物に対するその寄託した物の割合に応じた数量の物の返還を請求することができる。 この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。 (消費寄託) 第六百六十六条 受寄者が契約により寄託物を消費することができる場合には、受寄者は、寄託された物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還しなければならない。 2 第五百九十条及び第五百九十二条の規定は、前項に規定する場合について準用する。 3 第五百九十一条第二項及び第三項の規定は、預金又は貯金に係る契約により金銭を寄託した場合について準用する。 第十二節 組合 (組合契約) 第六百六十七条 組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。 2 出資は、労務をその目的とすることができる。 (他の組合員の債務不履行) 第六百六十七条の二 第五百三十三条及び第五百三十六条の規定は、組合契約については、適用しない。 2 組合員は、他の組合員が組合契約に基づく債務の履行をしないことを理由として、組合契約を解除することができない。 (組合員の一人についての意思表示の無効等) 第六百六十七条の三 組合員の一人について意思表示の無効又は取消しの原因があっても、他の組合員の間においては、組合契約は、その効力を妨げられない。 (組合財産の共有) 第六百六十八条 各組合員の出資その他の組合財産は、総組合員の共有に属する。 (金銭出資の不履行の責任) 第六百六十九条 金銭を出資の目的とした場合において、組合員がその出資をすることを怠ったときは、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。 (業務の決定及び執行の方法) 第六百七十条 組合の業務は、組合員の過半数をもって決定し、各組合員がこれを執行する。 2 組合の業務の決定及び執行は、組合契約の定めるところにより、一人又は数人の組合員又は第三者に委任することができる。 3 前項の委任を受けた者(以下「業務執行者」という。)は、組合の業務を決定し、これを執行する。 この場合において、業務執行者が数人あるときは、組合の業務は、業務執行者の過半数をもって決定し、各業務執行者がこれを執行する。 4 前項の規定にかかわらず、組合の業務については、総組合員の同意によって決定し、又は総組合員が執行することを妨げない。 5 組合の常務は、前各項の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者が単独で行うことができる。 ただし、その完了前に他の組合員又は業務執行者が異議を述べたときは、この限りでない。 (組合の代理) 第六百七十条の二 各組合員は、組合の業務を執行する場合において、組合員の過半数の同意を得たときは、他の組合員を代理することができる。 2 前項の規定にかかわらず、業務執行者があるときは、業務執行者のみが組合員を代理することができる。 この場合において、業務執行者が数人あるときは、各業務執行者は、業務執行者の過半数の同意を得たときに限り、組合員を代理することができる。 3 前二項の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者は、組合の常務を行うときは、単独で組合員を代理することができる。 (委任の規定の準用) 第六百七十一条 第六百四十四条から第六百五十条までの規定は、組合の業務を決定し、又は執行する組合員について準用する。 (業務執行組合員の辞任及び解任) 第六百七十二条 組合契約の定めるところにより一人又は数人の組合員に業務の決定及び執行を委任したときは、その組合員は、正当な事由がなければ、辞任することができない。 2 前項の組合員は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によって解任することができる。 (組合員の組合の業務及び財産状況に関する検査) 第六百七十三条 各組合員は、組合の業務の決定及び執行をする権利を有しないときであっても、その業務及び組合財産の状況を検査することができる。 (組合員の損益分配の割合) 第六百七十四条 当事者が損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員の出資の価額に応じて定める。 2 利益又は損失についてのみ分配の割合を定めたときは、その割合は、利益及び損失に共通であるものと推定する。 (組合の債権者の権利の行使) 第六百七十五条 組合の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができる。 2 組合の債権者は、その選択に従い、各組合員に対して損失分担の割合又は等しい割合でその権利を行使することができる。 ただし、組合の債権者がその債権の発生の時に各組合員の損失分担の割合を知っていたときは、その割合による。 (組合員の持分の処分及び組合財産の分割) 第六百七十六条 組合員は、組合財産についてその持分を処分したときは、その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗することができない。 2 組合員は、組合財産である債権について、その持分についての権利を単独で行使することができない。 3 組合員は、清算前に組合財産の分割を求めることができない。 (組合財産に対する組合員の債権者の権利の行使の禁止) 第六百七十七条 組合員の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができない。 (組合員の加入) 第六百七十七条の二 組合員は、その全員の同意によって、又は組合契約の定めるところにより、新たに組合員を加入させることができる。 2 前項の規定により組合の成立後に加入した組合員は、その加入前に生じた組合の債務については、これを弁済する責任を負わない。 (組合員の脱退) 第六百七十八条 組合契約で組合の存続期間を定めなかったとき、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきことを定めたときは、各組合員は、いつでも脱退することができる。 ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することができない。 2 組合の存続期間を定めた場合であっても、各組合員は、やむを得ない事由があるときは、脱退することができる。 第六百七十九条 前条の場合のほか、組合員は、次に掲げる事由によって脱退する。 一 死亡 二 破産手続開始の決定を受けたこと。 三 後見開始の審判を受けたこと。 四 除名 (組合員の除名) 第六百八十条 組合員の除名は、正当な事由がある場合に限り、他の組合員の一致によってすることができる。 ただし、除名した組合員にその旨を通知しなければ、これをもってその組合員に対抗することができない。 (脱退した組合員の責任等) 第六百八十条の二 脱退した組合員は、その脱退前に生じた組合の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。 この場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、脱退した組合員は、組合に担保を供させ、又は組合に対して自己に免責を得させることを請求することができる。 2 脱退した組合員は、前項に規定する組合の債務を弁済したときは、組合に対して求償権を有する。 (脱退した組合員の持分の払戻し) 第六百八十一条 脱退した組合員と他の組合員との間の計算は、脱退の時における組合財産の状況に従ってしなければならない。 2 脱退した組合員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。 3 脱退の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。 (組合の解散事由) 第六百八十二条 組合は、次に掲げる事由によって解散する。 一 組合の目的である事業の成功又はその成功の不能 二 組合契約で定めた存続期間の満了 三 組合契約で定めた解散の事由の発生 四 総組合員の同意 (組合の解散の請求) 第六百八十三条 やむを得ない事由があるときは、各組合員は、組合の解散を請求することができる。 (組合契約の解除の効力) 第六百八十四条 第六百二十条の規定は、組合契約について準用する。 (組合の清算及び清算人の選任) 第六百八十五条 組合が解散したときは、清算は、総組合員が共同して、又はその選任した清算人がこれをする。 2 清算人の選任は、組合員の過半数で決する。 (清算人の業務の決定及び執行の方法) 第六百八十六条 第六百七十条第三項から第五項まで並びに第六百七十条の二第二項及び第三項の規定は、清算人について準用する。 (組合員である清算人の辞任及び解任) 第六百八十七条 第六百七十二条の規定は、組合契約の定めるところにより組合員の中から清算人を選任した場合について準用する。 (清算人の職務及び権限並びに残余財産の分割方法) 第六百八十八条 清算人の職務は、次のとおりとする。 一 現務の結了 二 債権の取立て及び債務の弁済 三 残余財産の引渡し 2 清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。 3 残余財産は、各組合員の出資の価額に応じて分割する。 第十三節 終身定期金 (終身定期金契約) 第六百八十九条 終身定期金契約は、当事者の一方が、自己、相手方又は第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物を相手方又は第三者に給付することを約することによって、その効力を生ずる。 (終身定期金の計算) 第六百九十条 終身定期金は、日割りで計算する。 (終身定期金契約の解除) 第六百九十一条 終身定期金債務者が終身定期金の元本を受領した場合において、その終身定期金の給付を怠り、又はその他の義務を履行しないときは、相手方は、元本の返還を請求することができる。 この場合において、相手方は、既に受け取った終身定期金の中からその元本の利息を控除した残額を終身定期金債務者に返還しなければならない。 2 前項の規定は、損害賠償の請求を妨げない。 (終身定期金契約の解除と同時履行) 第六百九十二条 第五百三十三条の規定は、前条の場合について準用する。 (終身定期金債権の存続の宣告) 第六百九十三条 終身定期金債務者の責めに帰すべき事由によって第六百八十九条に規定する死亡が生じたときは、裁判所は、終身定期金債権者又はその相続人の請求により、終身定期金債権が相当の期間存続することを宣告することができる。 2 前項の規定は、第六百九十一条の権利の行使を妨げない。 (終身定期金の遺贈) 第六百九十四条 この節の規定は、終身定期金の遺贈について準用する。 第十四節 和解 (和解) 第六百九十五条 和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。 (和解の効力) 第六百九十六条 当事者の一方が和解によって争いの目的である権利を有するものと認められ、又は相手方がこれを有しないものと認められた場合において、その当事者の一方が従来その権利を有していなかった旨の確証又は相手方がこれを有していた旨の確証が得られたときは、その権利は、和解によってその当事者の一方に移転し、又は消滅したものとする。 第三章 事務管理 (事務管理) 第六百九十七条 義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。 2 管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。 (緊急事務管理) 第六百九十八条 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。 (管理者の通知義務) 第六百九十九条 管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。 ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでない。 (管理者による事務管理の継続) 第七百条 管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。 ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない。 (委任の規定の準用) 第七百一条 第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。 (管理者による費用の償還請求等) 第七百二条 管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。 2 第六百五十条第二項の規定は、管理者が本人のために有益な債務を負担した場合について準用する。 3 管理者が本人の意思に反して事務管理をしたときは、本人が現に利益を受けている限度においてのみ、前二項の規定を適用する。 第四章 不当利得 (不当利得の返還義務) 第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。 (悪意の受益者の返還義務等) 第七百四条 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。 この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。 (債務の不存在を知ってした弁済) 第七百五条 債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。 (期限前の弁済) 第七百六条 債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。 ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない。 (他人の債務の弁済) 第七百七条 債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において、債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は、返還の請求をすることができない。 2 前項の規定は、弁済をした者から債務者に対する求償権の行使を妨げない。 (不法原因給付) 第七百八条 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。 ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。 第五章 不法行為 (不法行為による損害賠償) 第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 (財産以外の損害の賠償) 第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。 (近親者に対する損害の賠償) 第七百十一条 他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。 (責任能力) 第七百十二条 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。 第七百十三条 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。 ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。 (責任無能力者の監督義務者等の責任) 第七百十四条 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。 2 監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。 (使用者等の責任) 第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。 2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。 3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。 (注文者の責任) 第七百十六条 注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。 ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。 (土地の工作物等の占有者及び所有者の責任) 第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。 ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。 2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。 3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。 (動物の占有者等の責任) 第七百十八条 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。 ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。 2 占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。 (共同不法行為者の責任) 第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。 共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。 2 行為者を教唆した者及び 幇 ほう (正当防衛及び緊急避難) 第七百二十条 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。 ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。 2 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。 (損害賠償請求権に関する胎児の権利能力) 第七百二十一条 胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす。 (損害賠償の方法、中間利息の控除及び過失相殺) 第七百二十二条 第四百十七条及び第四百十七条の二の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。 2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。 (名誉 毀 き 第七百二十三条 他人の名誉を 毀 き (不法行為による損害賠償請求権の消滅時効) 第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。 二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。 (人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効) 第七百二十四条の二 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。 第四編 親族 第一章 総則 (親族の範囲) 第七百二十五条 次に掲げる者は、親族とする。 一 六親等内の血族 二 配偶者 三 三親等内の姻族 (親等の計算) 第七百二十六条 親等は、親族間の世代数を数えて、これを定める。 2 傍系親族の親等を定めるには、その一人又はその配偶者から同一の祖先にさかのぼり、その祖先から他の一人に下るまでの世代数による。 (縁組による親族関係の発生) 第七百二十七条 養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。 (離婚等による姻族関係の終了) 第七百二十八条 姻族関係は、離婚によって終了する。 2 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。 (離縁による親族関係の終了) 第七百二十九条 養子及びその配偶者並びに養子の直系卑属及びその配偶者と養親及びその血族との親族関係は、離縁によって終了する。 (親族間の 扶 たす 第七百三十条 直系血族及び同居の親族は、互いに 扶 たす 第二章 婚姻 第一節 婚姻の成立 第一款 婚姻の要件 (婚姻適齢) 第七百三十一条 婚姻は、十八歳にならなければ、することができない。 (重婚の禁止) 第七百三十二条 配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。 (再婚禁止期間) 第七百三十三条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。 2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。 一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合 二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合 (近親者間の婚姻の禁止) 第七百三十四条 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。 ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。 2 第八百十七条の九の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。 (直系姻族間の婚姻の禁止) 第七百三十五条 直系姻族の間では、婚姻をすることができない。 第七百二十八条又は第八百十七条の九の規定により姻族関係が終了した後も、同様とする。 (養親子等の間の婚姻の禁止) 第七百三十六条 養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第七百二十九条の規定により親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。 第七百三十七条 削除 (成年被後見人の婚姻) 第七百三十八条 成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。 (婚姻の届出) 第七百三十九条 婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。 2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。 (婚姻の届出の受理) 第七百四十条 婚姻の届出は、その婚姻が第七百三十一条から第七百三十六条まで及び前条第二項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。 (外国に在る日本人間の婚姻の方式) 第七百四十一条 外国に在る日本人間で婚姻をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる。 この場合においては、前二条の規定を準用する。 第二款 婚姻の無効及び取消し (婚姻の無効) 第七百四十二条 婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。 一 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。 二 当事者が婚姻の届出をしないとき。 ただし、その届出が第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。 (婚姻の取消し) 第七百四十三条 婚姻は、次条から第七百四十七条までの規定によらなければ、取り消すことができない。 (不適法な婚姻の取消し) 第七百四十四条 第七百三十一条から第七百三十六条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。 ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。 2 第七百三十二条又は第七百三十三条の規定に違反した婚姻については、当事者の配偶者又は前配偶者も、その取消しを請求することができる。 (不適齢者の婚姻の取消し) 第七百四十五条 第七百三十一条の規定に違反した婚姻は、不適齢者が適齢に達したときは、その取消しを請求することができない。 2 不適齢者は、適齢に達した後、なお三箇月間は、その婚姻の取消しを請求することができる。 ただし、適齢に達した後に追認をしたときは、この限りでない。 (再婚禁止期間内にした婚姻の取消し) 第七百四十六条 第七百三十三条の規定に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消しの日から起算して百日を経過し、又は女が再婚後に出産したときは、その取消しを請求することができない。 (詐欺又は強迫による婚姻の取消し) 第七百四十七条 詐欺又は強迫によって婚姻をした者は、その婚姻の取消しを家庭裁判所に請求することができる。 2 前項の規定による取消権は、当事者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後三箇月を経過し、又は追認をしたときは、消滅する。 (婚姻の取消しの効力) 第七百四十八条 婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。 2 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受けている限度において、その返還をしなければならない。 3 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならない。 この場合において、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する責任を負う。 (離婚の規定の準用) 第七百四十九条 第七百二十八条第一項、第七百六十六条から第七百六十九条まで、第七百九十条第一項ただし書並びに第八百十九条第二項、第三項、第五項及び第六項の規定は、婚姻の取消しについて準用する。 第二節 婚姻の効力 (夫婦の氏) 第七百五十条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。 (生存配偶者の復氏等) 第七百五十一条 夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる。 2 第七百六十九条の規定は、前項及び第七百二十八条第二項の場合について準用する。 (同居、協力及び扶助の義務) 第七百五十二条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。 第七百五十三条 削除 (夫婦間の契約の取消権) 第七百五十四条 夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 第三節 夫婦財産制 第一款 総則 (夫婦の財産関係) 第七百五十五条 夫婦が、婚姻の届出前に、その財産について別段の契約をしなかったときは、その財産関係は、次款に定めるところによる。 (夫婦財産契約の対抗要件) 第七百五十六条 夫婦が法定財産制と異なる契約をしたときは、婚姻の届出までにその登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。 第七百五十七条 削除 (夫婦の財産関係の変更の制限等) 第七百五十八条 夫婦の財産関係は、婚姻の届出後は、変更することができない。 2 夫婦の一方が、他の一方の財産を管理する場合において、管理が失当であったことによってその財産を危うくしたときは、他の一方は、自らその管理をすることを家庭裁判所に請求することができる。 3 共有財産については、前項の請求とともに、その分割を請求することができる。 (財産の管理者の変更及び共有財産の分割の対抗要件) 第七百五十九条 前条の規定又は第七百五十五条の契約の結果により、財産の管理者を変更し、又は共有財産の分割をしたときは、その登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。 第二款 法定財産制 (婚姻費用の分担) 第七百六十条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。 (日常の家事に関する債務の連帯責任) 第七百六十一条 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。 ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。 (夫婦間における財産の帰属) 第七百六十二条 夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。 2 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。 第四節 離婚 第一款 協議上の離婚 (協議上の離婚) 第七百六十三条 夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。 (婚姻の規定の準用) 第七百六十四条 第七百三十八条、第七百三十九条及び第七百四十七条の規定は、協議上の離婚について準用する。 (離婚の届出の受理) 第七百六十五条 離婚の届出は、その離婚が前条において準用する第七百三十九条第二項の規定及び第八百十九条第一項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。 2 離婚の届出が前項の規定に違反して受理されたときであっても、離婚は、そのためにその効力を妨げられない。 (離婚後の子の監護に関する事項の定め等) 第七百六十六条 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。 この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。 2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。 3 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前二項の規定による定めを変更し、その他子の監護について相当な処分を命ずることができる。 4 前三項の規定によっては、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生じない。 (離婚による復氏等) 第七百六十七条 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。 2 前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。 (財産分与) 第七百六十八条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。 2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。 ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。 3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。 (離婚による復氏の際の権利の承継) 第七百六十九条 婚姻によって氏を改めた夫又は妻が、第八百九十七条第一項の権利を承継した後、協議上の離婚をしたときは、当事者その他の関係人の協議で、その権利を承継すべき者を定めなければならない。 2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。 第二款 裁判上の離婚 (裁判上の離婚) 第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。 一 配偶者に不貞な行為があったとき。 二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。 三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。 四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。 五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。 2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。 (協議上の離婚の規定の準用) 第七百七十一条 第七百六十六条から第七百六十九条までの規定は、裁判上の離婚について準用する。 第三章 親子 第一節 実子 (嫡出の推定) 第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。 2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。 (父を定めることを目的とする訴え) 第七百七十三条 第七百三十三条第一項の規定に違反して再婚をした女が出産した場合において、前条の規定によりその子の父を定めることができないときは、裁判所が、これを定める。 (嫡出の否認) 第七百七十四条 第七百七十二条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。 (嫡出否認の訴え) 第七百七十五条 前条の規定による否認権は、子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。 親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。 (嫡出の承認) 第七百七十六条 夫は、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、その否認権を失う。 (嫡出否認の訴えの出訴期間) 第七百七十七条 嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。 第七百七十八条 夫が成年被後見人であるときは、前条の期間は、後見開始の審判の取消しがあった後夫が子の出生を知った時から起算する。 (認知) 第七百七十九条 嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。 (認知能力) 第七百八十条 認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。 (認知の方式) 第七百八十一条 認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。 2 認知は、遺言によっても、することができる。 (成年の子の認知) 第七百八十二条 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。 (胎児又は死亡した子の認知) 第七百八十三条 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。 この場合においては、母の承諾を得なければならない。 2 父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。 この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。 (認知の効力) 第七百八十四条 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。 ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。 (認知の取消しの禁止) 第七百八十五条 認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。 (認知に対する反対の事実の主張) 第七百八十六条 子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。 (認知の訴え) 第七百八十七条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。 ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。 (認知後の子の監護に関する事項の定め等) 第七百八十八条 第七百六十六条の規定は、父が認知する場合について準用する。 (準正) 第七百八十九条 父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。 2 婚姻中父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得する。 3 前二項の規定は、子が既に死亡していた場合について準用する。 (子の氏) 第七百九十条 嫡出である子は、父母の氏を称する。 ただし、子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏を称する。 2 嫡出でない子は、母の氏を称する。 (子の氏の変更) 第七百九十一条 子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる。 2 父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には、子は、父母の婚姻中に限り、前項の許可を得ないで、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父母の氏を称することができる。 3 子が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、前二項の行為をすることができる。 4 前三項の規定により氏を改めた未成年の子は、成年に達した時から一年以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、従前の氏に復することができる。 第二節 養子 第一款 縁組の要件 (養親となる者の年齢) 第七百九十二条 二十歳に達した者は、養子をすることができる。 (尊属又は年長者を養子とすることの禁止) 第七百九十三条 尊属又は年長者は、これを養子とすることができない。 (後見人が被後見人を養子とする縁組) 第七百九十四条 後見人が被後見人(未成年被後見人及び成年被後見人をいう。以下同じ。)を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。 後見人の任務が終了した後、まだその管理の計算が終わらない間も、同様とする。 (配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組) 第七百九十五条 配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。 ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。 (配偶者のある者の縁組) 第七百九十六条 配偶者のある者が縁組をするには、その配偶者の同意を得なければならない。 ただし、配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。 (十五歳未満の者を養子とする縁組) 第七百九十七条 養子となる者が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる。 2 法定代理人が前項の承諾をするには、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが他にあるときは、その同意を得なければならない。 養子となる者の父母で親権を停止されているものがあるときも、同様とする。 (未成年者を養子とする縁組) 第七百九十八条 未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。 ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、この限りでない。 (婚姻の規定の準用) 第七百九十九条 第七百三十八条及び第七百三十九条の規定は、縁組について準用する。 (縁組の届出の受理) 第八百条 縁組の届出は、その縁組が第七百九十二条から前条までの規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。 (外国に在る日本人間の縁組の方式) 第八百一条 外国に在る日本人間で縁組をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる。 この場合においては、第七百九十九条において準用する第七百三十九条の規定及び前条の規定を準用する。 第二款 縁組の無効及び取消し (縁組の無効) 第八百二条 縁組は、次に掲げる場合に限り、無効とする。 一 人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思がないとき。 二 当事者が縁組の届出をしないとき。 ただし、その届出が第七百九十九条において準用する第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、縁組は、そのためにその効力を妨げられない。 (縁組の取消し) 第八百三条 縁組は、次条から第八百八条までの規定によらなければ、取り消すことができない。 (養親が二十歳未満の者である場合の縁組の取消し) 第八百四条 第七百九十二条の規定に違反した縁組は、養親又はその法定代理人から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。 ただし、養親が、二十歳に達した後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。 (養子が尊属又は年長者である場合の縁組の取消し) 第八百五条 第七百九十三条の規定に違反した縁組は、各当事者又はその親族から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。 (後見人と被後見人との間の無許可縁組の取消し) 第八百六条 第七百九十四条の規定に違反した縁組は、養子又はその実方の親族から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。 ただし、管理の計算が終わった後、養子が追認をし、又は六箇月を経過したときは、この限りでない。 2 前項ただし書の追認は、養子が、成年に達し、又は行為能力を回復した後にしなければ、その効力を生じない。 3 養子が、成年に達せず、又は行為能力を回復しない間に、管理の計算が終わった場合には、第一項ただし書の期間は、養子が、成年に達し、又は行為能力を回復した時から起算する。 (配偶者の同意のない縁組等の取消し) 第八百六条の二 第七百九十六条の規定に違反した縁組は、縁組の同意をしていない者から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。 ただし、その者が、縁組を知った後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。 2 詐欺又は強迫によって第七百九十六条の同意をした者は、その縁組の取消しを家庭裁判所に請求することができる。 ただし、その者が、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。 (子の監護をすべき者の同意のない縁組等の取消し) 第八百六条の三 第七百九十七条第二項の規定に違反した縁組は、縁組の同意をしていない者から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。 ただし、その者が追認をしたとき、又は養子が十五歳に達した後六箇月を経過し、若しくは追認をしたときは、この限りでない。 2 前条第二項の規定は、詐欺又は強迫によって第七百九十七条第二項の同意をした者について準用する。 (養子が未成年者である場合の無許可縁組の取消し) 第八百七条 第七百九十八条の規定に違反した縁組は、養子、その実方の親族又は養子に代わって縁組の承諾をした者から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。 ただし、養子が、成年に達した後六箇月を経過し、又は追認をしたときは、この限りでない。 (婚姻の取消し等の規定の準用) 第八百八条 第七百四十七条及び第七百四十八条の規定は、縁組について準用する。 この場合において、第七百四十七条第二項中「三箇月」とあるのは、「六箇月」と読み替えるものとする。 2 第七百六十九条及び第八百十六条の規定は、縁組の取消しについて準用する。 第三款 縁組の効力 (嫡出子の身分の取得) 第八百九条 養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。 (養子の氏) 第八百十条 養子は、養親の氏を称する。 ただし、婚姻によって氏を改めた者については、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、この限りでない。 第四款 離縁 (協議上の離縁等) 第八百十一条 縁組の当事者は、その協議で、離縁をすることができる。 2 養子が十五歳未満であるときは、その離縁は、養親と養子の離縁後にその法定代理人となるべき者との協議でこれをする。 3 前項の場合において、養子の父母が離婚しているときは、その協議で、その一方を養子の離縁後にその親権者となるべき者と定めなければならない。 4 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項の父若しくは母又は養親の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。 5 第二項の法定代理人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、養子の親族その他の利害関係人の請求によって、養子の離縁後にその未成年後見人となるべき者を選任する。 6 縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁をしようとするときは、家庭裁判所の許可を得て、これをすることができる。 (夫婦である養親と未成年者との離縁) 第八百十一条の二 養親が夫婦である場合において未成年者と離縁をするには、夫婦が共にしなければならない。 ただし、夫婦の一方がその意思を表示することができないときは、この限りでない。 (婚姻の規定の準用) 第八百十二条 第七百三十八条、第七百三十九条及び第七百四十七条の規定は、協議上の離縁について準用する。 この場合において、同条第二項中「三箇月」とあるのは、「六箇月」と読み替えるものとする。 (離縁の届出の受理) 第八百十三条 離縁の届出は、その離縁が前条において準用する第七百三十九条第二項の規定並びに第八百十一条及び第八百十一条の二の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。 2 離縁の届出が前項の規定に違反して受理されたときであっても、離縁は、そのためにその効力を妨げられない。 (裁判上の離縁) 第八百十四条 縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。 一 他の一方から悪意で遺棄されたとき。 二 他の一方の生死が三年以上明らかでないとき。 三 その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。 2 第七百七十条第二項の規定は、前項第一号及び第二号に掲げる場合について準用する。 (養子が十五歳未満である場合の離縁の訴えの当事者) 第八百十五条 養子が十五歳に達しない間は、第八百十一条の規定により養親と離縁の協議をすることができる者から、又はこれに対して、離縁の訴えを提起することができる。 (離縁による復氏等) 第八百十六条 養子は、離縁によって縁組前の氏に復する。 ただし、配偶者とともに養子をした養親の一方のみと離縁をした場合は、この限りでない。 2 縁組の日から七年を経過した後に前項の規定により縁組前の氏に復した者は、離縁の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離縁の際に称していた氏を称することができる。 (離縁による復氏の際の権利の承継) 第八百十七条 第七百六十九条の規定は、離縁について準用する。 第五款 特別養子 (特別養子縁組の成立) 第八百十七条の二 家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。 2 前項に規定する請求をするには、第七百九十四条又は第七百九十八条の許可を得ることを要しない。 (養親の夫婦共同縁組) 第八百十七条の三 養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。 2 夫婦の一方は、他の一方が養親とならないときは、養親となることができない。 ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は、この限りでない。 (養親となる者の年齢) 第八百十七条の四 二十五歳に達しない者は、養親となることができない。 ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その者が二十歳に達しているときは、この限りでない。 (養子となる者の年齢) 第八百十七条の五 第八百十七条の二に規定する請求の時に十五歳に達している者は、養子となることができない。 特別養子縁組が成立するまでに十八歳に達した者についても、同様とする。 2 前項前段の規定は、養子となる者が十五歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、十五歳に達するまでに第八百十七条の二に規定する請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、適用しない。 3 養子となる者が十五歳に達している場合においては、特別養子縁組の成立には、その者の同意がなければならない。 (父母の同意) 第八百十七条の六 特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。 ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。 (子の利益のための特別の必要性) 第八百十七条の七 特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。 (監護の状況) 第八百十七条の八 特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。 2 前項の期間は、第八百十七条の二に規定する請求の時から起算する。 ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。 (実方との親族関係の終了) 第八百十七条の九 養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。 ただし、第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。 (特別養子縁組の離縁) 第八百十七条の十 次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。 一 養親による虐待、悪意の遺棄その他養子の利益を著しく害する事由があること。 二 実父母が相当の監護をすることができること。 2 離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。 (離縁による実方との親族関係の回復) 第八百十七条の十一 養子と実父母及びその血族との間においては、離縁の日から、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係を生ずる。 第四章 親権 第一節 総則 (親権者) 第八百十八条 成年に達しない子は、父母の親権に服する。 2 子が養子であるときは、養親の親権に服する。 3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。 ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。 (離婚又は認知の場合の親権者) 第八百十九条 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。 2 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。 3 子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。 ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。 4 父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。 5 第一項、第三項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。 6 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。 第二節 親権の効力 (監護及び教育の権利義務) 第八百二十条 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。 (子の人格の尊重等) 第八百二十一条 親権を行う者は、前条の規定による監護及び教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。 (居所の指定) 第八百二十二条 子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。 (職業の許可) 第八百二十三条 子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。 2 親権を行う者は、第六条第二項の場合には、前項の許可を取り消し、又はこれを制限することができる。 (財産の管理及び代表) 第八百二十四条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。 ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。 (父母の一方が共同の名義でした行為の効力) 第八百二十五条 父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。 ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。 (利益相反行為) 第八百二十六条 親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。 2 親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。 (財産の管理における注意義務) 第八百二十七条 親権を行う者は、自己のためにするのと同一の注意をもって、その管理権を行わなければならない。 (財産の管理の計算) 第八百二十八条 子が成年に達したときは、親権を行った者は、遅滞なくその管理の計算をしなければならない。 ただし、その子の養育及び財産の管理の費用は、その子の財産の収益と相殺したものとみなす。 第八百二十九条 前条ただし書の規定は、無償で子に財産を与える第三者が反対の意思を表示したときは、その財産については、これを適用しない。 (第三者が無償で子に与えた財産の管理) 第八百三十条 無償で子に財産を与える第三者が、親権を行う父又は母にこれを管理させない意思を表示したときは、その財産は、父又は母の管理に属しないものとする。 2 前項の財産につき父母が共に管理権を有しない場合において、第三者が管理者を指定しなかったときは、家庭裁判所は、子、その親族又は検察官の請求によって、その管理者を選任する。 3 第三者が管理者を指定したときであっても、その管理者の権限が消滅し、又はこれを改任する必要がある場合において、第三者が更に管理者を指定しないときも、前項と同様とする。 4 第二十七条から第二十九条までの規定は、前二項の場合について準用する。 (委任の規定の準用) 第八百三十一条 第六百五十四条及び第六百五十五条の規定は、親権を行う者が子の財産を管理する場合及び前条の場合について準用する。 (財産の管理について生じた親子間の債権の消滅時効) 第八百三十二条 親権を行った者とその子との間に財産の管理について生じた債権は、その管理権が消滅した時から五年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。 2 子がまだ成年に達しない間に管理権が消滅した場合において子に法定代理人がないときは、前項の期間は、その子が成年に達し、又は後任の法定代理人が就職した時から起算する。 (子に代わる親権の行使) 第八百三十三条 親権を行う者は、その親権に服する子に代わって親権を行う。 第三節 親権の喪失 (親権喪失の審判) 第八百三十四条 父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をすることができる。 ただし、二年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りでない。 (親権停止の審判) 第八百三十四条の二 父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権停止の審判をすることができる。 2 家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、二年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める。 (管理権喪失の審判) 第八百三十五条 父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、管理権喪失の審判をすることができる。 (親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消し) 第八百三十六条 第八百三十四条本文、第八百三十四条の二第一項又は前条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人又はその親族の請求によって、それぞれ親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判を取り消すことができる。 (親権又は管理権の辞任及び回復) 第八百三十七条 親権を行う父又は母は、やむを得ない事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を辞することができる。 2 前項の事由が消滅したときは、父又は母は、家庭裁判所の許可を得て、親権又は管理権を回復することができる。 第五章 後見 第一節 後見の開始 第八百三十八条 後見は、次に掲げる場合に開始する。 一 未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき。 二 後見開始の審判があったとき。 第二節 後見の機関 第一款 後見人 (未成年後見人の指定) 第八百三十九条 未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。 ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。 2 親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。 (未成年後見人の選任) 第八百四十条 前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。 未成年後見人が欠けたときも、同様とする。 2 未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。 3 未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。 (父母による未成年後見人の選任の請求) 第八百四十一条 父若しくは母が親権若しくは管理権を辞し、又は父若しくは母について親権喪失、親権停止若しくは管理権喪失の審判があったことによって未成年後見人を選任する必要が生じたときは、その父又は母は、遅滞なく未成年後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 第八百四十二条 削除 (成年後見人の選任) 第八百四十三条 家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。 2 成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、成年後見人を選任する。 3 成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは成年後見人の請求により又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。 4 成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。 (後見人の辞任) 第八百四十四条 後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。 (辞任した後見人による新たな後見人の選任の請求) 第八百四十五条 後見人がその任務を辞したことによって新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 (後見人の解任) 第八百四十六条 後見人に不正な行為、著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは、家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求により又は職権で、これを解任することができる。 (後見人の欠格事由) 第八百四十七条 次に掲げる者は、後見人となることができない。 一 未成年者 二 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人 三 破産者 四 被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族 五 行方の知れない者 第二款 後見監督人 (未成年後見監督人の指定) 第八百四十八条 未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。 (後見監督人の選任) 第八百四十九条 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。 (後見監督人の欠格事由) 第八百五十条 後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。 (後見監督人の職務) 第八百五十一条 後見監督人の職務は、次のとおりとする。 一 後見人の事務を監督すること。 二 後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。 三 急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。 四 後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。 (委任及び後見人の規定の準用) 第八百五十二条 第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は後見監督人について、第八百四十条第三項及び第八百五十七条の二の規定は未成年後見監督人について、第八百四十三条第四項、第八百五十九条の二及び第八百五十九条の三の規定は成年後見監督人について準用する。 第三節 後見の事務 (財産の調査及び目録の作成) 第八百五十三条 後見人は、遅滞なく被後見人の財産の調査に着手し、一箇月以内に、その調査を終わり、かつ、その目録を作成しなければならない。 ただし、この期間は、家庭裁判所において伸長することができる。 2 財産の調査及びその目録の作成は、後見監督人があるときは、その立会いをもってしなければ、その効力を生じない。 (財産の目録の作成前の権限) 第八百五十四条 後見人は、財産の目録の作成を終わるまでは、急迫の必要がある行為のみをする権限を有する。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 (後見人の被後見人に対する債権又は債務の申出義務) 第八百五十五条 後見人が、被後見人に対し、債権を有し、又は債務を負う場合において、後見監督人があるときは、財産の調査に着手する前に、これを後見監督人に申し出なければならない。 2 後見人が、被後見人に対し債権を有することを知ってこれを申し出ないときは、その債権を失う。 (被後見人が包括財産を取得した場合についての準用) 第八百五十六条 前三条の規定は、後見人が就職した後被後見人が包括財産を取得した場合について準用する。 (未成年被後見人の身上の監護に関する権利義務) 第八百五十七条 未成年後見人は、第八百二十条から第八百二十三条までに規定する事項について、親権を行う者と同一の権利義務を有する。 ただし、親権を行う者が定めた教育の方法及び居所を変更し、営業を許可し、その許可を取り消し、又はこれを制限するには、未成年後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。 (未成年後見人が数人ある場合の権限の行使等) 第八百五十七条の二 未成年後見人が数人あるときは、共同してその権限を行使する。 2 未成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、その一部の者について、財産に関する権限のみを行使すべきことを定めることができる。 3 未成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、財産に関する権限について、各未成年後見人が単独で又は数人の未成年後見人が事務を分掌して、その権限を行使すべきことを定めることができる。 4 家庭裁判所は、職権で、前二項の規定による定めを取り消すことができる。 5 未成年後見人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (成年被後見人の意思の尊重及び身上の配慮) 第八百五十八条 成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。 (財産の管理及び代表) 第八百五十九条 後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。 2 第八百二十四条ただし書の規定は、前項の場合について準用する。 (成年後見人が数人ある場合の権限の行使等) 第八百五十九条の二 成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、数人の成年後見人が、共同して又は事務を分掌して、その権限を行使すべきことを定めることができる。 2 家庭裁判所は、職権で、前項の規定による定めを取り消すことができる。 3 成年後見人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。 (成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可) 第八百五十九条の三 成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。 (利益相反行為) 第八百六十条 第八百二十六条の規定は、後見人について準用する。 ただし、後見監督人がある場合は、この限りでない。 (成年後見人による郵便物等の管理) 第八百六十条の二 家庭裁判所は、成年後見人がその事務を行うに当たって必要があると認めるときは、成年後見人の請求により、信書の送達の事業を行う者に対し、期間を定めて、成年被後見人に宛てた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条において「郵便物等」という。)を成年後見人に配達すべき旨を嘱託することができる。 2 前項に規定する嘱託の期間は、六箇月を超えることができない。 3 家庭裁判所は、第一項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、成年被後見人、成年後見人若しくは成年後見監督人の請求により又は職権で、同項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。 ただし、その変更の審判においては、同項の規定による審判において定められた期間を伸長することができない。 4 成年後見人の任務が終了したときは、家庭裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。 第八百六十条の三 成年後見人は、成年被後見人に宛てた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。 2 成年後見人は、その受け取った前項の郵便物等で成年後見人の事務に関しないものは、速やかに成年被後見人に交付しなければならない。 3 成年被後見人は、成年後見人に対し、成年後見人が受け取った第一項の郵便物等(前項の規定により成年被後見人に交付されたものを除く。)の閲覧を求めることができる。 (支出金額の予定及び後見の事務の費用) 第八百六十一条 後見人は、その就職の初めにおいて、被後見人の生活、教育又は療養看護及び財産の管理のために毎年支出すべき金額を予定しなければならない。 2 後見人が後見の事務を行うために必要な費用は、被後見人の財産の中から支弁する。 (後見人の報酬) 第八百六十二条 家庭裁判所は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。 (後見の事務の監督) 第八百六十三条 後見監督人又は家庭裁判所は、いつでも、後見人に対し後見の事務の報告若しくは財産の目録の提出を求め、又は後見の事務若しくは被後見人の財産の状況を調査することができる。 2 家庭裁判所は、後見監督人、被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、被後見人の財産の管理その他後見の事務について必要な処分を命ずることができる。 (後見監督人の同意を要する行為) 第八百六十四条 後見人が、被後見人に代わって営業若しくは第十三条第一項各号に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。 ただし、同項第一号に掲げる元本の領収については、この限りでない。 第八百六十五条 後見人が、前条の規定に違反してし又は同意を与えた行為は、被後見人又は後見人が取り消すことができる。 この場合においては、第二十条の規定を準用する。 2 前項の規定は、第百二十一条から第百二十六条までの規定の適用を妨げない。 (被後見人の財産等の譲受けの取消し) 第八百六十六条 後見人が被後見人の財産又は被後見人に対する第三者の権利を譲り受けたときは、被後見人は、これを取り消すことができる。 この場合においては、第二十条の規定を準用する。 2 前項の規定は、第百二十一条から第百二十六条までの規定の適用を妨げない。 (未成年被後見人に代わる親権の行使) 第八百六十七条 未成年後見人は、未成年被後見人に代わって親権を行う。 2 第八百五十三条から第八百五十七条まで及び第八百六十一条から前条までの規定は、前項の場合について準用する。 (財産に関する権限のみを有する未成年後見人) 第八百六十八条 親権を行う者が管理権を有しない場合には、未成年後見人は、財産に関する権限のみを有する。 (委任及び親権の規定の準用) 第八百六十九条 第六百四十四条及び第八百三十条の規定は、後見について準用する。 第四節 後見の終了 (後見の計算) 第八百七十条 後見人の任務が終了したときは、後見人又はその相続人は、二箇月以内にその管理の計算(以下「後見の計算」という。)をしなければならない。 ただし、この期間は、家庭裁判所において伸長することができる。 第八百七十一条 後見の計算は、後見監督人があるときは、その立会いをもってしなければならない。 (未成年被後見人と未成年後見人等との間の契約等の取消し) 第八百七十二条 未成年被後見人が成年に達した後後見の計算の終了前に、その者と未成年後見人又はその相続人との間でした契約は、その者が取り消すことができる。 その者が未成年後見人又はその相続人に対してした単独行為も、同様とする。 2 第二十条及び第百二十一条から第百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。 (返還金に対する利息の支払等) 第八百七十三条 後見人が被後見人に返還すべき金額及び被後見人が後見人に返還すべき金額には、後見の計算が終了した時から、利息を付さなければならない。 2 後見人は、自己のために被後見人の金銭を消費したときは、その消費の時から、これに利息を付さなければならない。 この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。 (成年被後見人の死亡後の成年後見人の権限) 第八百七十三条の二 成年後見人は、成年被後見人が死亡した場合において、必要があるときは、成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き、相続人が相続財産を管理することができるに至るまで、次に掲げる行為をすることができる。 ただし、第三号に掲げる行為をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。 一 相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為 二 相続財産に属する債務(弁済期が到来しているものに限る。)の弁済 三 その死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為(前二号に掲げる行為を除く。) (委任の規定の準用) 第八百七十四条 第六百五十四条及び第六百五十五条の規定は、後見について準用する。 (後見に関して生じた債権の消滅時効) 第八百七十五条 第八百三十二条の規定は、後見人又は後見監督人と被後見人との間において後見に関して生じた債権の消滅時効について準用する。 2 前項の消滅時効は、第八百七十二条の規定により法律行為を取り消した場合には、その取消しの時から起算する。 第六章 保佐及び補助 第一節 保佐 (保佐の開始) 第八百七十六条 保佐は、保佐開始の審判によって開始する。 (保佐人及び臨時保佐人の選任等) 第八百七十六条の二 家庭裁判所は、保佐開始の審判をするときは、職権で、保佐人を選任する。 2 第八百四十三条第二項から第四項まで及び第八百四十四条から第八百四十七条までの規定は、保佐人について準用する。 3 保佐人又はその代表する者と被保佐人との利益が相反する行為については、保佐人は、臨時保佐人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 ただし、保佐監督人がある場合は、この限りでない。 (保佐監督人) 第八百七十六条の三 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被保佐人、その親族若しくは保佐人の請求により又は職権で、保佐監督人を選任することができる。 2 第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十条、第八百五十一条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、保佐監督人について準用する。 この場合において、第八百五十一条第四号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被保佐人を代表し、又は被保佐人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。 (保佐人に代理権を付与する旨の審判) 第八百七十六条の四 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。 2 本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。 3 家庭裁判所は、第一項に規定する者の請求によって、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。 (保佐の事務及び保佐人の任務の終了等) 第八百七十六条の五 保佐人は、保佐の事務を行うに当たっては、被保佐人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。 2 第六百四十四条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項、第八百六十二条及び第八百六十三条の規定は保佐の事務について、第八百二十四条ただし書の規定は保佐人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人を代表する場合について準用する。 3 第六百五十四条、第六百五十五条、第八百七十条、第八百七十一条及び第八百七十三条の規定は保佐人の任務が終了した場合について、第八百三十二条の規定は保佐人又は保佐監督人と被保佐人との間において保佐に関して生じた債権について準用する。 第二節 補助 (補助の開始) 第八百七十六条の六 補助は、補助開始の審判によって開始する。 (補助人及び臨時補助人の選任等) 第八百七十六条の七 家庭裁判所は、補助開始の審判をするときは、職権で、補助人を選任する。 2 第八百四十三条第二項から第四項まで及び第八百四十四条から第八百四十七条までの規定は、補助人について準用する。 3 補助人又はその代表する者と被補助人との利益が相反する行為については、補助人は、臨時補助人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。 ただし、補助監督人がある場合は、この限りでない。 (補助監督人) 第八百七十六条の八 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被補助人、その親族若しくは補助人の請求により又は職権で、補助監督人を選任することができる。 2 第六百四十四条、第六百五十四条、第六百五十五条、第八百四十三条第四項、第八百四十四条、第八百四十六条、第八百四十七条、第八百五十条、第八百五十一条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項及び第八百六十二条の規定は、補助監督人について準用する。 この場合において、第八百五十一条第四号中「被後見人を代表する」とあるのは、「被補助人を代表し、又は被補助人がこれをすることに同意する」と読み替えるものとする。 (補助人に代理権を付与する旨の審判) 第八百七十六条の九 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。 2 第八百七十六条の四第二項及び第三項の規定は、前項の審判について準用する。 (補助の事務及び補助人の任務の終了等) 第八百七十六条の十 第六百四十四条、第八百五十九条の二、第八百五十九条の三、第八百六十一条第二項、第八百六十二条、第八百六十三条及び第八百七十六条の五第一項の規定は補助の事務について、第八百二十四条ただし書の規定は補助人が前条第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被補助人を代表する場合について準用する。 2 第六百五十四条、第六百五十五条、第八百七十条、第八百七十一条及び第八百七十三条の規定は補助人の任務が終了した場合について、第八百三十二条の規定は補助人又は補助監督人と被補助人との間において補助に関して生じた債権について準用する。 第七章 扶養 (扶養義務者) 第八百七十七条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。 2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。 3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。 (扶養の順位) 第八百七十八条 扶養をする義務のある者が数人ある場合において、扶養をすべき者の順序について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。 扶養を受ける権利のある者が数人ある場合において、扶養義務者の資力がその全員を扶養するのに足りないときの扶養を受けるべき者の順序についても、同様とする。 (扶養の程度又は方法) 第八百七十九条 扶養の程度又は方法について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して、家庭裁判所が、これを定める。 (扶養に関する協議又は審判の変更又は取消し) 第八百八十条 扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。 (扶養請求権の処分の禁止) 第八百八十一条 扶養を受ける権利は、処分することができない。 第五編 相続 第一章 総則 (相続開始の原因) 第八百八十二条 相続は、死亡によって開始する。 (相続開始の場所) 第八百八十三条 相続は、被相続人の住所において開始する。 (相続回復請求権) 第八百八十四条 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。 相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。 (相続財産に関する費用) 第八百八十五条 相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。 ただし、相続人の過失によるものは、この限りでない。 第二章 相続人 (相続に関する胎児の権利能力) 第八百八十六条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。 2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。 (子及びその代襲者等の相続権) 第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。 2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。 ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。 3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。 第八百八十八条 削除 (直系尊属及び兄弟姉妹の相続権) 第八百八十九条 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。 一 被相続人の直系尊属。 ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。 二 被相続人の兄弟姉妹 2 第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。 (配偶者の相続権) 第八百九十条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。 この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。 (相続人の欠格事由) 第八百九十一条 次に掲げる者は、相続人となることができない。 一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者 二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。 ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。 三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者 四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者 五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者 (推定相続人の廃除) 第八百九十二条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。 (遺言による推定相続人の廃除) 第八百九十三条 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。 この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。 (推定相続人の廃除の取消し) 第八百九十四条 被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができる。 2 前条の規定は、推定相続人の廃除の取消しについて準用する。 (推定相続人の廃除に関する審判確定前の遺産の管理) 第八百九十五条 推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。 推定相続人の廃除の遺言があったときも、同様とする。 2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が遺産の管理人を選任した場合について準用する。 第三章 相続の効力 第一節 総則 (相続の一般的効力) 第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。 ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。 (祭祀に関する権利の承継) 第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。 ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。 2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。 (相続財産の保存) 第八百九十七条の二 家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任その他の相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。 ただし、相続人が一人である場合においてその相続人が相続の単純承認をしたとき、相続人が数人ある場合において遺産の全部の分割がされたとき、又は第九百五十二条第一項の規定により相続財産の清算人が選任されているときは、この限りでない。 2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。 (共同相続の効力) 第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。 2 相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする。 第八百九十九条 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。 (共同相続における権利の承継の対抗要件) 第八百九十九条の二 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。 2 前項の権利が債権である場合において、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超えて当該債権を承継した共同相続人が当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該債権を承継した場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして債務者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に通知をしたものとみなして、同項の規定を適用する。 第二節 相続分 (法定相続分) 第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。 一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。 二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。 三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。 四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。 ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。 (代襲相続人の相続分) 第九百一条 第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。 ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。 2 前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。 (遺言による相続分の指定) 第九百二条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。 2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。 (相続分の指定がある場合の債権者の権利の行使) 第九百二条の二 被相続人が相続開始の時において有した債務の債権者は、前条の規定による相続分の指定がされた場合であっても、各共同相続人に対し、第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてその権利を行使することができる。 ただし、その債権者が共同相続人の一人に対してその指定された相続分に応じた債務の承継を承認したときは、この限りでない。 (特別受益者の相続分) 第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。 2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。 3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。 4 婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。 第九百四条 前条に規定する贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失し、又はその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてこれを定める。 (寄与分) 第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。 2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。 3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。 4 第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。 (期間経過後の遺産の分割における相続分) 第九百四条の三 前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。 ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。 一 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。 二 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。 (相続分の取戻権) 第九百五条 共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。 2 前項の権利は、一箇月以内に行使しなければならない。 第三節 遺産の分割 (遺産の分割の基準) 第九百六条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。 (遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲) 第九百六条の二 遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。 2 前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。 (遺産の分割の協議又は審判) 第九百七条 共同相続人は、次条第一項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合又は同条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。 2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。 ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。 (遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止) 第九百八条 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。 2 共同相続人は、五年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割をしない旨の契約をすることができる。 ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。 3 前項の契約は、五年以内の期間を定めて更新することができる。 ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。 4 前条第二項本文の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、五年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。 ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。 5 家庭裁判所は、五年以内の期間を定めて前項の期間を更新することができる。 ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。 (遺産の分割の効力) 第九百九条 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。 ただし、第三者の権利を害することはできない。 (遺産の分割前における預貯金債権の行使) 第九百九条の二 各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。 この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。 (相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権) 第九百十条 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。 (共同相続人間の担保責任) 第九百十一条 各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う。 (遺産の分割によって受けた債権についての担保責任) 第九百十二条 各共同相続人は、その相続分に応じ、他の共同相続人が遺産の分割によって受けた債権について、その分割の時における債務者の資力を担保する。 2 弁済期に至らない債権及び停止条件付きの債権については、各共同相続人は、弁済をすべき時における債務者の資力を担保する。 (資力のない共同相続人がある場合の担保責任の分担) 第九百十三条 担保の責任を負う共同相続人中に償還をする資力のない者があるときは、その償還することができない部分は、求償者及び他の資力のある者が、それぞれその相続分に応じて分担する。 ただし、求償者に過失があるときは、他の共同相続人に対して分担を請求することができない。 (遺言による担保責任の定め) 第九百十四条 前三条の規定は、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、適用しない。 第四章 相続の承認及び放棄 第一節 総則 (相続の承認又は放棄をすべき期間) 第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。 ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。 2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。 第九百十六条 相続人が相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、前条第一項の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する。 第九百十七条 相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、第九百十五条第一項の期間は、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算する。 (相続人による管理) 第九百十八条 相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。 ただし、相続の承認又は放棄をしたときは、この限りでない。 (相続の承認及び放棄の撤回及び取消し) 第九百十九条 相続の承認及び放棄は、第九百十五条第一項の期間内でも、撤回することができない。 2 前項の規定は、第一編(総則)及び前編(親族)の規定により相続の承認又は放棄の取消しをすることを妨げない。 3 前項の取消権は、追認をすることができる時から六箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。 相続の承認又は放棄の時から十年を経過したときも、同様とする。 4 第二項の規定により限定承認又は相続の放棄の取消しをしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 第二節 相続の承認 第一款 単純承認 (単純承認の効力) 第九百二十条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。 (法定単純承認) 第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。 一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。 ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。 二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。 三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。 ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。 第二款 限定承認 (限定承認) 第九百二十二条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。 (共同相続人の限定承認) 第九百二十三条 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。 (限定承認の方式) 第九百二十四条 相続人は、限定承認をしようとするときは、第九百十五条第一項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。 (限定承認をしたときの権利義務) 第九百二十五条 相続人が限定承認をしたときは、その被相続人に対して有した権利義務は、消滅しなかったものとみなす。 (限定承認者による管理) 第九百二十六条 限定承認者は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理を継続しなければならない。 2 第六百四十五条、第六百四十六条並びに第六百五十条第一項及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。 (相続債権者及び受遺者に対する公告及び催告) 第九百二十七条 限定承認者は、限定承認をした後五日以内に、すべての相続債権者(相続財産に属する債務の債権者をいう。以下同じ。)及び受遺者に対し、限定承認をしたこと及び一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。 この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。 2 前項の規定による公告には、相続債権者及び受遺者がその期間内に申出をしないときは弁済から除斥されるべき旨を付記しなければならない。 ただし、限定承認者は、知れている相続債権者及び受遺者を除斥することができない。 3 限定承認者は、知れている相続債権者及び受遺者には、各別にその申出の催告をしなければならない。 4 第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。 (公告期間満了前の弁済の拒絶) 第九百二十八条 限定承認者は、前条第一項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。 (公告期間満了後の弁済) 第九百二十九条 第九百二十七条第一項の期間が満了した後は、限定承認者は、相続財産をもって、その期間内に同項の申出をした相続債権者その他知れている相続債権者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。 (期限前の債務等の弁済) 第九百三十条 限定承認者は、弁済期に至らない債権であっても、前条の規定に従って弁済をしなければならない。 2 条件付きの債権又は存続期間の不確定な債権は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って弁済をしなければならない。 (受遺者に対する弁済) 第九百三十一条 限定承認者は、前二条の規定に従って各相続債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済をすることができない。 (弁済のための相続財産の換価) 第九百三十二条 前三条の規定に従って弁済をするにつき相続財産を売却する必要があるときは、限定承認者は、これを競売に付さなければならない。 ただし、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従い相続財産の全部又は一部の価額を弁済して、その競売を止めることができる。 (相続債権者及び受遺者の換価手続への参加) 第九百三十三条 相続債権者及び受遺者は、自己の費用で、相続財産の競売又は鑑定に参加することができる。 この場合においては、第二百六十条第二項の規定を準用する。 (不当な弁済をした限定承認者の責任等) 第九百三十四条 限定承認者は、第九百二十七条の公告若しくは催告をすることを怠り、又は同条第一項の期間内に相続債権者若しくは受遺者に弁済をしたことによって他の相続債権者若しくは受遺者に弁済をすることができなくなったときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 第九百二十九条から第九百三十一条までの規定に違反して弁済をしたときも、同様とする。 2 前項の規定は、情を知って不当に弁済を受けた相続債権者又は受遺者に対する他の相続債権者又は受遺者の求償を妨げない。 3 第七百二十四条の規定は、前二項の場合について準用する。 (公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者) 第九百三十五条 第九百二十七条第一項の期間内に同項の申出をしなかった相続債権者及び受遺者で限定承認者に知れなかったものは、残余財産についてのみその権利を行使することができる。 ただし、相続財産について特別担保を有する者は、この限りでない。 (相続人が数人ある場合の相続財産の清算人) 第九百三十六条 相続人が数人ある場合には、家庭裁判所は、相続人の中から、相続財産の清算人を選任しなければならない。 2 前項の相続財産の清算人は、相続人のために、これに代わって、相続財産の管理及び債務の弁済に必要な一切の行為をする。 3 第九百二十六条から前条までの規定は、第一項の相続財産の清算人について準用する。 この場合において、第九百二十七条第一項中「限定承認をした後五日以内」とあるのは、「その相続財産の清算人の選任があった後十日以内」と読み替えるものとする。 (法定単純承認の事由がある場合の相続債権者) 第九百三十七条 限定承認をした共同相続人の一人又は数人について第九百二十一条第一号又は第三号に掲げる事由があるときは、相続債権者は、相続財産をもって弁済を受けることができなかった債権額について、当該共同相続人に対し、その相続分に応じて権利を行使することができる。 第三節 相続の放棄 (相続の放棄の方式) 第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (相続の放棄の効力) 第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。 (相続の放棄をした者による管理) 第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。 2 第六百四十五条、第六百四十六条並びに第六百五十条第一項及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。 第五章 財産分離 (相続債権者又は受遺者の請求による財産分離) 第九百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から三箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。 相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。 2 家庭裁判所が前項の請求によって財産分離を命じたときは、その請求をした者は、五日以内に、他の相続債権者及び受遺者に対し、財産分離の命令があったこと及び一定の期間内に配当加入の申出をすべき旨を公告しなければならない。 この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。 3 前項の規定による公告は、官報に掲載してする。 (財産分離の効力) 第九百四十二条 財産分離の請求をした者及び前条第二項の規定により配当加入の申出をした者は、相続財産について、相続人の債権者に先立って弁済を受ける。 (財産分離の請求後の相続財産の管理) 第九百四十三条 財産分離の請求があったときは、家庭裁判所は、相続財産の管理について必要な処分を命ずることができる。 2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。 (財産分離の請求後の相続人による管理) 第九百四十四条 相続人は、単純承認をした後でも、財産分離の請求があったときは、以後、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理をしなければならない。 ただし、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任したときは、この限りでない。 2 第六百四十五条から第六百四十七条まで並びに第六百五十条第一項及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。 (不動産についての財産分離の対抗要件) 第九百四十五条 財産分離は、不動産については、その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 (物上代位の規定の準用) 第九百四十六条 第三百四条の規定は、財産分離の場合について準用する。 (相続債権者及び受遺者に対する弁済) 第九百四十七条 相続人は、第九百四十一条第一項及び第二項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。 2 財産分離の請求があったときは、相続人は、第九百四十一条第二項の期間の満了後に、相続財産をもって、財産分離の請求又は配当加入の申出をした相続債権者及び受遺者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。 ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。 3 第九百三十条から第九百三十四条までの規定は、前項の場合について準用する。 (相続人の固有財産からの弁済) 第九百四十八条 財産分離の請求をした者及び配当加入の申出をした者は、相続財産をもって全部の弁済を受けることができなかった場合に限り、相続人の固有財産についてその権利を行使することができる。 この場合においては、相続人の債権者は、その者に先立って弁済を受けることができる。 (財産分離の請求の防止等) 第九百四十九条 相続人は、その固有財産をもって相続債権者若しくは受遺者に弁済をし、又はこれに相当の担保を供して、財産分離の請求を防止し、又はその効力を消滅させることができる。 ただし、相続人の債権者が、これによって損害を受けるべきことを証明して、異議を述べたときは、この限りでない。 (相続人の債権者の請求による財産分離) 第九百五十条 相続人が限定承認をすることができる間又は相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、相続人の債権者は、家庭裁判所に対して財産分離の請求をすることができる。 2 第三百四条、第九百二十五条、第九百二十七条から第九百三十四条まで、第九百四十三条から第九百四十五条まで及び第九百四十八条の規定は、前項の場合について準用する。 ただし、第九百二十七条の公告及び催告は、財産分離の請求をした債権者がしなければならない。 第六章 相続人の不存在 (相続財産法人の成立) 第九百五十一条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。 (相続財産の清算人の選任) 第九百五十二条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を選任しなければならない。 2 前項の規定により相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨及び相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。 この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。 (不在者の財産の管理人に関する規定の準用) 第九百五十三条 第二十七条から第二十九条までの規定は、前条第一項の相続財産の清算人(以下この章において単に「相続財産の清算人」という。)について準用する。 (相続財産の清算人の報告) 第九百五十四条 相続財産の清算人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、その請求をした者に相続財産の状況を報告しなければならない。 (相続財産法人の不成立) 第九百五十五条 相続人のあることが明らかになったときは、第九百五十一条の法人は、成立しなかったものとみなす。 ただし、相続財産の清算人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 (相続財産の清算人の代理権の消滅) 第九百五十六条 相続財産の清算人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。 2 前項の場合には、相続財産の清算人は、遅滞なく相続人に対して清算に係る計算をしなければならない。 (相続債権者及び受遺者に対する弁済) 第九百五十七条 第九百五十二条第二項の公告があったときは、相続財産の清算人は、全ての相続債権者及び受遺者に対し、二箇月以上の期間を定めて、その期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。 この場合において、その期間は、同項の規定により相続人が権利を主張すべき期間として家庭裁判所が公告した期間内に満了するものでなければならない。 2 第九百二十七条第二項から第四項まで及び第九百二十八条から第九百三十五条まで(第九百三十二条ただし書を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。 (権利を主張する者がない場合) 第九百五十八条 第九百五十二条第二項の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに相続財産の清算人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。 (特別縁故者に対する相続財産の分与) 第九百五十八条の二 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。 2 前項の請求は、第九百五十二条第二項の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。 (残余財産の国庫への帰属) 第九百五十九条 前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。 この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を準用する。 第七章 遺言 第一節 総則 (遺言の方式) 第九百六十条 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。 (遺言能力) 第九百六十一条 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。 第九百六十二条 第五条、第九条、第十三条及び第十七条の規定は、遺言については、適用しない。 第九百六十三条 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。 (包括遺贈及び特定遺贈) 第九百六十四条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。 (相続人に関する規定の準用) 第九百六十五条 第八百八十六条及び第八百九十一条の規定は、受遺者について準用する。 (被後見人の遺言の制限) 第九百六十六条 被後見人が、後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は、無効とする。 2 前項の規定は、直系血族、配偶者又は兄弟姉妹が後見人である場合には、適用しない。 第二節 遺言の方式 第一款 普通の方式 (普通の方式による遺言の種類) 第九百六十七条 遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。 ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。 (自筆証書遺言) 第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。 2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。 この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。 3 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。 (公正証書遺言) 第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。 一 証人二人以上の立会いがあること。 二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。 三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。 四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。 ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。 五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。 (公正証書遺言の方式の特則) 第九百六十九条の二 口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。 この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。 2 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。 3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。 (秘密証書遺言) 第九百七十条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。 一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。 二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。 三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。 四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。 2 第九百六十八条第三項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。 (方式に欠ける秘密証書遺言の効力) 第九百七十一条 秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。 (秘密証書遺言の方式の特則) 第九百七十二条 口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。 2 前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。 3 第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。 (成年被後見人の遺言) 第九百七十三条 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。 2 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。 ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。 (証人及び立会人の欠格事由) 第九百七十四条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。 一 未成年者 二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族 三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人 (共同遺言の禁止) 第九百七十五条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。 第二款 特別の方式 (死亡の危急に迫った者の遺言) 第九百七十六条 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。 この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。 2 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。 3 第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。 4 前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。 5 家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。 (伝染病隔離者の遺言) 第九百七十七条 伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。 (在船者の遺言) 第九百七十八条 船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。 (船舶遭難者の遺言) 第九百七十九条 船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。 2 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。 3 前二項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。 4 第九百七十六条第五項の規定は、前項の場合について準用する。 (遺言関係者の署名及び押印) 第九百八十条 第九百七十七条及び第九百七十八条の場合には、遺言者、筆者、立会人及び証人は、各自遺言書に署名し、印を押さなければならない。 (署名又は押印が不能の場合) 第九百八十一条 第九百七十七条から第九百七十九条までの場合において、署名又は印を押すことのできない者があるときは、立会人又は証人は、その事由を付記しなければならない。 (普通の方式による遺言の規定の準用) 第九百八十二条 第九百六十八条第三項及び第九百七十三条から第九百七十五条までの規定は、第九百七十六条から前条までの規定による遺言について準用する。 (特別の方式による遺言の効力) 第九百八十三条 第九百七十六条から前条までの規定によりした遺言は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から六箇月間生存するときは、その効力を生じない。 (外国に在る日本人の遺言の方式) 第九百八十四条 日本の領事の駐在する地に在る日本人が公正証書又は秘密証書によって遺言をしようとするときは、公証人の職務は、領事が行う。 この場合においては、第九百六十九条第四号又は第九百七十条第一項第四号の規定にかかわらず、遺言者及び証人は、第九百六十九条第四号又は第九百七十条第一項第四号の印を押すことを要しない。 第三節 遺言の効力 (遺言の効力の発生時期) 第九百八十五条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。 2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。 (遺贈の放棄) 第九百八十六条 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。 2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。 (受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告) 第九百八十七条 遺贈義務者(遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。)その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。 この場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす。 (受遺者の相続人による遺贈の承認又は放棄) 第九百八十八条 受遺者が遺贈の承認又は放棄をしないで死亡したときは、その相続人は、自己の相続権の範囲内で、遺贈の承認又は放棄をすることができる。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 (遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し) 第九百八十九条 遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。 2 第九百十九条第二項及び第三項の規定は、遺贈の承認及び放棄について準用する。 (包括受遺者の権利義務) 第九百九十条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。 (受遺者による担保の請求) 第九百九十一条 受遺者は、遺贈が弁済期に至らない間は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができる。 停止条件付きの遺贈についてその条件の成否が未定である間も、同様とする。 (受遺者による果実の取得) 第九百九十二条 受遺者は、遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 (遺贈義務者による費用の償還請求) 第九百九十三条 第二百九十九条の規定は、遺贈義務者が遺言者の死亡後に遺贈の目的物について費用を支出した場合について準用する。 2 果実を収取するために支出した通常の必要費は、果実の価格を超えない限度で、その償還を請求することができる。 (受遺者の死亡による遺贈の失効) 第九百九十四条 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。 2 停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 (遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属) 第九百九十五条 遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 (相続財産に属しない権利の遺贈) 第九百九十六条 遺贈は、その目的である権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかったときは、その効力を生じない。 ただし、その権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この限りでない。 第九百九十七条 相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。 2 前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 (遺贈義務者の引渡義務) 第九百九十八条 遺贈義務者は、遺贈の目的である物又は権利を、相続開始の時(その後に当該物又は権利について遺贈の目的として特定した場合にあっては、その特定した時)の状態で引き渡し、又は移転する義務を負う。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 (遺贈の物上代位) 第九百九十九条 遺言者が、遺贈の目的物の滅失若しくは変造又はその占有の喪失によって第三者に対して償金を請求する権利を有するときは、その権利を遺贈の目的としたものと推定する。 2 遺贈の目的物が、他の物と付合し、又は混和した場合において、遺言者が第二百四十三条から第二百四十五条までの規定により合成物又は混和物の単独所有者又は共有者となったときは、その全部の所有権又は持分を遺贈の目的としたものと推定する。 第千条 削除 (債権の遺贈の物上代位) 第千一条 債権を遺贈の目的とした場合において、遺言者が弁済を受け、かつ、その受け取った物がなお相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものと推定する。 2 金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては、相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときであっても、その金額を遺贈の目的としたものと推定する。 (負担付遺贈) 第千二条 負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。 2 受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 (負担付遺贈の受遺者の免責) 第千三条 負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第四節 遺言の執行 (遺言書の検認) 第千四条 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。 遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。 2 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。 3 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。 (過料) 第千五条 前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。 (遺言執行者の指定) 第千六条 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。 2 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。 3 遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。 (遺言執行者の任務の開始) 第千七条 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。 2 遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。 (遺言執行者に対する就職の催告) 第千八条 相続人その他の利害関係人は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就職を承諾するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。 この場合において、遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなす。 (遺言執行者の欠格事由) 第千九条 未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。 (遺言執行者の選任) 第千十条 遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。 (相続財産の目録の作成) 第千十一条 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。 2 遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない。 (遺言執行者の権利義務) 第千十二条 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。 2 遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。 3 第六百四十四条、第六百四十五条から第六百四十七条まで及び第六百五十条の規定は、遺言執行者について準用する。 (遺言の執行の妨害行為の禁止) 第千十三条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。 2 前項の規定に違反してした行為は、無効とする。 ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。 3 前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。 (特定財産に関する遺言の執行) 第千十四条 前三条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。 2 遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言(以下「特定財産承継遺言」という。)があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第八百九十九条の二第一項に規定する対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。 3 前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金又は貯金の払戻しの請求及びその預金又は貯金に係る契約の解約の申入れをすることができる。 ただし、解約の申入れについては、その預貯金債権の全部が特定財産承継遺言の目的である場合に限る。 4 前二項の規定にかかわらず、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 (遺言執行者の行為の効果) 第千十五条 遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる。 (遺言執行者の復任権) 第千十六条 遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 2 前項本文の場合において、第三者に任務を行わせることについてやむを得ない事由があるときは、遺言執行者は、相続人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。 (遺言執行者が数人ある場合の任務の執行) 第千十七条 遺言執行者が数人ある場合には、その任務の執行は、過半数で決する。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 2 各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。 (遺言執行者の報酬) 第千十八条 家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる。 ただし、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。 2 第六百四十八条第二項及び第三項並びに第六百四十八条の二の規定は、遺言執行者が報酬を受けるべき場合について準用する。 (遺言執行者の解任及び辞任) 第千十九条 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。 2 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。 (委任の規定の準用) 第千二十条 第六百五十四条及び第六百五十五条の規定は、遺言執行者の任務が終了した場合について準用する。 (遺言の執行に関する費用の負担) 第千二十一条 遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。 ただし、これによって遺留分を減ずることができない。 第五節 遺言の撤回及び取消し (遺言の撤回) 第千二十二条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。 (前の遺言と後の遺言との抵触等) 第千二十三条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。 2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。 (遺言書又は遺贈の目的物の破棄) 第千二十四条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。 遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。 (撤回された遺言の効力) 第千二十五条 前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。 ただし、その行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。 (遺言の撤回権の放棄の禁止) 第千二十六条 遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。 (負担付遺贈に係る遺言の取消し) 第千二十七条 負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができる。 この場合において、その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。 第八章 配偶者の居住の権利 第一節 配偶者居住権 (配偶者居住権) 第千二十八条 被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。 ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。 一 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。 二 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。 2 居住建物が配偶者の財産に属することとなった場合であっても、他の者がその共有持分を有するときは、配偶者居住権は、消滅しない。 3 第九百三条第四項の規定は、配偶者居住権の遺贈について準用する。 (審判による配偶者居住権の取得) 第千二十九条 遺産の分割の請求を受けた家庭裁判所は、次に掲げる場合に限り、配偶者が配偶者居住権を取得する旨を定めることができる。 一 共同相続人間に配偶者が配偶者居住権を取得することについて合意が成立しているとき。 二 配偶者が家庭裁判所に対して配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出た場合において、居住建物の所有者の受ける不利益の程度を考慮してもなお配偶者の生活を維持するために特に必要があると認めるとき(前号に掲げる場合を除く。)。 (配偶者居住権の存続期間) 第千三十条 配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする。 ただし、遺産の分割の協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めるところによる。 (配偶者居住権の登記等) 第千三十一条 居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。 2 第六百五条の規定は配偶者居住権について、第六百五条の四の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。 (配偶者による使用及び収益) 第千三十二条 配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。 ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。 2 配偶者居住権は、譲渡することができない。 3 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。 4 配偶者が第一項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。 (居住建物の修繕等) 第千三十三条 配偶者は、居住建物の使用及び収益に必要な修繕をすることができる。 2 居住建物の修繕が必要である場合において、配偶者が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、居住建物の所有者は、その修繕をすることができる。 3 居住建物が修繕を要するとき(第一項の規定により配偶者が自らその修繕をするときを除く。)、又は居住建物について権利を主張する者があるときは、配偶者は、居住建物の所有者に対し、遅滞なくその旨を通知しなければならない。 ただし、居住建物の所有者が既にこれを知っているときは、この限りでない。 (居住建物の費用の負担) 第千三十四条 配偶者は、居住建物の通常の必要費を負担する。 2 第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。 (居住建物の返還等) 第千三十五条 配偶者は、配偶者居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。 ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物の所有者は、配偶者居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。 2 第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百二十一条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。 (使用貸借及び賃貸借の規定の準用) 第千三十六条 第五百九十七条第一項及び第三項、第六百条、第六百十三条並びに第六百十六条の二の規定は、配偶者居住権について準用する。 第二節 配偶者短期居住権 (配偶者短期居住権) 第千三十七条 配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める日までの間、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の所有権を相続又は遺贈により取得した者(以下この節において「居住建物取得者」という。)に対し、居住建物について無償で使用する権利(居住建物の一部のみを無償で使用していた場合にあっては、その部分について無償で使用する権利。以下この節において「配偶者短期居住権」という。)を有する。 ただし、配偶者が、相続開始の時において居住建物に係る配偶者居住権を取得したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し若しくは廃除によってその相続権を失ったときは、この限りでない。 一 居住建物について配偶者を含む共同相続人間で遺産の分割をすべき場合 遺産の分割により居住建物の帰属が確定した日又は相続開始の時から六箇月を経過する日のいずれか遅い日 二 前号に掲げる場合以外の場合 第三項の申入れの日から六箇月を経過する日 2 前項本文の場合においては、居住建物取得者は、第三者に対する居住建物の譲渡その他の方法により配偶者の居住建物の使用を妨げてはならない。 3 居住建物取得者は、第一項第一号に掲げる場合を除くほか、いつでも配偶者短期居住権の消滅の申入れをすることができる。 (配偶者による使用) 第千三十八条 配偶者(配偶者短期居住権を有する配偶者に限る。以下この節において同じ。)は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用をしなければならない。 2 配偶者は、居住建物取得者の承諾を得なければ、第三者に居住建物の使用をさせることができない。 3 配偶者が前二項の規定に違反したときは、居住建物取得者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者短期居住権を消滅させることができる。 (配偶者居住権の取得による配偶者短期居住権の消滅) 第千三十九条 配偶者が居住建物に係る配偶者居住権を取得したときは、配偶者短期居住権は、消滅する。 (居住建物の返還等) 第千四十条 配偶者は、前条に規定する場合を除き、配偶者短期居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。 ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物取得者は、配偶者短期居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。 2 第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百二十一条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。 (使用貸借等の規定の準用) 第千四十一条 第五百九十七条第三項、第六百条、第六百十六条の二、第千三十二条第二項、第千三十三条及び第千三十四条の規定は、配偶者短期居住権について準用する。 第九章 遺留分 (遺留分の帰属及びその割合) 第千四十二条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。 一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一 二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一 2 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。 (遺留分を算定するための財産の価額) 第千四十三条 遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額とする。 2 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。 第千四十四条 贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。 当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。 2 第九百四条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。 3 相続人に対する贈与についての第一項の規定の適用については、同項中「一年」とあるのは「十年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。 第千四十五条 負担付贈与がされた場合における第千四十三条第一項に規定する贈与した財産の価額は、その目的の価額から負担の価額を控除した額とする。 2 不相当な対価をもってした有償行為は、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたものに限り、当該対価を負担の価額とする負担付贈与とみなす。 (遺留分侵害額の請求) 第千四十六条 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。 2 遺留分侵害額は、第千四十二条の規定による遺留分から第一号及び第二号に掲げる額を控除し、これに第三号に掲げる額を加算して算定する。 一 遺留分権利者が受けた遺贈又は第九百三条第一項に規定する贈与の価額 二 第九百条から第九百二条まで、第九百三条及び第九百四条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額 三 被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、第八百九十九条の規定により遺留分権利者が承継する債務(次条第三項において「遺留分権利者承継債務」という。)の額 (受遺者又は受贈者の負担額) 第千四十七条 受遺者又は受贈者は、次の各号の定めるところに従い、遺贈(特定財産承継遺言による財産の承継又は相続分の指定による遺産の取得を含む。以下この章において同じ。)又は贈与(遺留分を算定するための財産の価額に算入されるものに限る。以下この章において同じ。)の目的の価額(受遺者又は受贈者が相続人である場合にあっては、当該価額から第千四十二条の規定による遺留分として当該相続人が受けるべき額を控除した額)を限度として、遺留分侵害額を負担する。 一 受遺者と受贈者とがあるときは、受遺者が先に負担する。 二 受遺者が複数あるとき、又は受贈者が複数ある場合においてその贈与が同時にされたものであるときは、受遺者又は受贈者がその目的の価額の割合に応じて負担する。 ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 三 受贈者が複数あるとき(前号に規定する場合を除く。)は、後の贈与に係る受贈者から順次前の贈与に係る受贈者が負担する。 2 第九百四条、第千四十三条第二項及び第千四十五条の規定は、前項に規定する遺贈又は贈与の目的の価額について準用する。 3 前条第一項の請求を受けた受遺者又は受贈者は、遺留分権利者承継債務について弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、消滅した債務の額の限度において、遺留分権利者に対する意思表示によって第一項の規定により負担する債務を消滅させることができる。 この場合において、当該行為によって遺留分権利者に対して取得した求償権は、消滅した当該債務の額の限度において消滅する。 4 受遺者又は受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。 5 裁判所は、受遺者又は受贈者の請求により、第一項の規定により負担する債務の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。 (遺留分侵害額請求権の期間の制限) 第千四十八条 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。 相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。 (遺留分の放棄) 第千四十九条 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。 2 共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。 第十章 特別の寄与 第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。 2 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。 ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。 3 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。 4 特別寄与料の額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。 5 相続人が数人ある場合には、各相続人は、特別寄与料の額に第九百条から第九百二条までの規定により算定した当該相続人の相続分を乗じた額を負担する。 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 第一条 この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。 附 則 第一条 この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。 第二条 明治三十五年法律第三十七号は、これを廃止する。 第三条 この附則で、新法とは、この法律による改正後の民法をいい、旧法とは、従前の民法をいい、応急措置法とは、昭和二十二年法律第七十四号をいう。 第四条 新法は、別段の規定のある場合を除いては、新法施行前に生じた事項にもこれを適用する。 但し、旧法及び応急措置法によつて生じた効力を妨げない。 第五条 応急措置法施行前に妻が旧法第十四条第一項の規定に違反してした行為は、これを取り消すことができない。 第六条 応急措置法施行前にした隠居が旧法によつて取り消すことができる場合には、なお、旧法によつてこれを取り消すことができる。 この場合には、旧法第七百六十条の規定を適用する。 第七条 応急措置法施行前に隠居又は入夫婚姻による戸主権の喪失があつた場合には、なお、旧法第七百六十一条の規定を適用する。 第八条 新法施行前にした婚姻が旧法によつて取り消すことができる場合でも、その取消の原因である事項が新法に定めてないときは、その婚姻は、これを取り消すことができない。 第九条 新法第七百六十四条において準用する新法第七百四十七条第二項の期間は、当事者が、新法施行前に、詐欺を発見し、又は強迫を免かれた場合には、新法施行の日から、これを起算する。 第十条 日本国憲法施行後新法施行前に離婚した者の一方は、新法第七百六十八条の規定に従い相手方に対して財産の分与を請求することができる。 前項の規定は、婚姻の取消についてこれを準用する。 第十一条 新法施行前に生じた事実を原因とする離婚の請求については、なお、従前の例による。 新法第七百七十条第二項の規定は、前項の場合にこれを準用する。 第十二条 応急措置法施行前に未成年の子が旧法第七百三十七条又は第七百三十八条の規定によつて父又は母の家に入つた場合には、その子は、成年に達した時から一年以内に従前の氏に復することができる。 その子が新法施行前に成年に達した場合において、新法施行後一年以内も、同様である。 第十三条 第八条、第九条及び第十一条の規定は、養子縁組についてこれを準用する。 第十四条 新法施行の際、現に、婚姻中でない父母が、共同して未成年の子に対して親権を行つている場合には、新法施行後も、引き続き共同して親権を行う。 但し、父母は、協議でその一方を親権者と定めることができる。 前項但書の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家事審判所は、父又は母の請求によつて協議に代わる審判をすることができる。 新法第八百十九条第六項の規定は、第一項但書又は前項の規定によつて親権者が定められた場合にこれを準用する。 第十五条 応急措置法施行前に、親権を行う母が、旧法第八百八十六条の規定に違反してし、又は同意を与えた行為は、これを取り消すことができない。 第十六条 第二十一条の規定は、応急措置法施行前に親権を行つていた継父、継母又は嫡母についてこれを準用する。 第十七条 新法施行前に親族会員と親権に服した子との間に財産の管理について生じた債権については、なお、旧法第八百九十四条の規定を適用する。 第十八条 新法施行前に母が旧法の規定によつて子の財産の管理を辞した場合において、新法施行の際その子のためにまだ後見が開始していないときは、その辞任は、新法施行後は、その効力を有しない。 第十九条 新法施行の際現に旧法第九百二条の規定によつて父母の一方が後見人であるとき、又は旧法第九百四条の規定によつて選任された後見人があるときは、その後見人は、新法施行のため、当然にはその地位を失うことはない。 但し、新法施行によつて後見が終了し、又は新法による法定後見人があるときは、当然その地位を失う。 第二十条 前条の規定は、後見監督人及び保佐人についてこれを準用する。 第二十一条 新法施行前に、後見人が、旧法第九百二十九条の規定に違反してし、又は同意を与えた行為は、なお、旧法によつてこれを取り消すことができる。 第二十二条 第十七条の規定は、親族会員と被後見人又は準禁治産者との間にこれを準用する。 第二十三条 新法施行前にされた親族会の決議に対する不服については、なお、旧法を適用する。 前項の規定によつて親族会の決議を取り消す判決が確定した場合でも、親族会であらたに決議をすることは、これを認めない。 第二十四条 新法施行前に扶養に関してされた判決については、新法第八百八十条の規定を準用する。 第二十五条 応急措置法施行前に開始した相続に関しては、第二項の場合を除いて、なお、旧法を適用する。 応急措置法施行前に家督相続が開始し、新法施行後に旧法によれば家督相続人を選定しなければならない場合には、その相続に関しては、新法を適用する。 但し、その相続の開始が入夫婚姻の取消、入夫の離婚又は養子縁組の取消によるときは、その相続は、財産の相続に関しては開始しなかつたものとみなし、第二十八条の規定を準用する。 第二十六条 応急措置法施行の際における戸主が婚姻又は養子縁組によつて他家から入つた者である場合には、その家の家附の継子は、新法施行後に開始する相続に関しては、嫡出である子と同一の権利義務を有する。 前項の戸主であつた者について応急措置法施行後新法施行前に相続が開始した場合には、前項の継子は、相続人に対して相続財産の一部の分配を請求することができる。 この場合には、第二十七条第二項及び第三項の規定を準用する。 前二項の規定は、第一項の戸主であつた者が応急措置法施行後に婚姻の取消若しくは離婚又は縁組の取消若しくは離縁によつて氏を改めた場合には、これを適用しない。 第二十七条 第二十五条第二項本文の場合を除いて、日本国憲法公布の日以後に戸主の死亡による家督相続が開始した場合には、新法によれば共同相続人となるはずであつた者は、家督相続人に対して相続財産の一部の分配を請求することができる。 前項の規定による相続財産の分配について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家事審判所に対し協議に代わる処分を請求することができる。 但し、新法施行の日から一年を経過したときは、この限りでない。 前項の場合には、家事審判所は、相続財産の状態、分配を受ける者の員数及び資力、被相続人の生前行為又は遺言によつて財産の分配を受けたかどうかその他一切の事情を考慮して、分配をさせるべきかどうか並びに分配の額及び方法を定める。 第二十八条 応急措置法施行の際戸主であつた者が応急措置法施行後に婚姻の取消若しくは離婚又は養子縁組の取消若しくは離縁によつて氏を改めた場合には、配偶者又は養親、若し配偶者又は養親がないときは新法によるその相続人は、その者に対し財産の一部の分配を請求することができる。 この場合には、前条第二項及び第三項の規定を準用する。 第二十九条 推定の家督相続人又は遺産相続人が旧法第九百七十五条第一項第一号又は第九百九十八条の規定によつて廃除されたときは、新法の適用については、新法第八百九十二条の規定によつて廃除されたものとみなす。 第三十条 旧法第九百七十八条(旧法第千条において準用する場合を含む。)の規定によつて遺産の管理についてした処分は、相続が第二十五条第二項本文の規定によつて新法の適用を受ける場合には、これを新法第八百九十五条の規定によつてした処分とみなす。 第三十一条 応急措置法施行前に分家又は廃絶家再興のため贈与された財産は、新法第九百三条の規定の適用については、これを生計の資本として贈与された財産とみなす。 第三十二条 新法第九百六条及び第九百七条の規定は、第二十五条第一項の規定によつて遺産相続に関し旧法を適用する場合にこれを準用する。 第三十三条 新法施行前に旧法第千七十九条第一項の規定に従つてした遺言で、同条第二項の規定による確認を得ないものについては、新法第九百七十九条第二項及び第三項の規定を準用する。 新法施行前に海軍所属の艦船遭難の場合に旧法第千八十一条において準用する旧法第千七十九条第一項の規定に従つてした遺言で、同条第二項の規定による確認を得ないものについても、前項と同様である。 附 則 第十条 この法律は、昭和二十四年一月一日から施行する。 第十九条 民法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第二百二十二号)附則第十四条第二項又は第二十七条第三項(同法附則第二十五条第二項但書、第二十六条第二項及び第二十八条において準用する場合を含む。)の規定によつて家事審判所が行うべき審判は、この法律施行後は、家庭裁判所が行う。 附 則 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 1 この法律は、昭和三十四年一月一日から施行する。 3 この法律の施行の際現に存する建物その他の構築物については、第三条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、昭和三十七年七月一日から施行する。 (経過規定) 2 この法律による改正後の民法は、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、従前の民法によつて生じた効力を妨げない。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、昭和三十八年四月一日から施行する。 附 則 この法律は、商業登記法の施行の日(昭和三十九年四月一日)から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、昭和四十一年七月一日から施行する。 (経過措置等) 6 この法律による改正後の規定は、各改正規定の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前の規定により生じた効力を妨げない。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、昭和四十七年四月一日から施行する。 (経過措置の原則) 第二条 この法律による改正後の民法(以下「新法」という。)の規定は、別段の定めがある場合を除き、この法律の施行の際現に存する抵当権で根抵当であるもの(以下「旧根抵当権」という。)にも適用する。 ただし、改正前の民法(以下「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。 (新法の適用の制限) 第三条 旧根抵当権で、極度額についての定めが新法の規定に適合していないもの又は附記によらない極度額の増額の登記があるものについては、その極度額の変更、新法第三百九十八条の四の規定による担保すべき債権の範囲又は債務者の変更、新法第三百九十八条の十二の規定による根抵当権の譲渡、新法第三百九十八条の十三の規定による根抵当権の一部譲渡及び新法第三百九十八条の十四第一項ただし書の規定による定めは、することができない。 2 前項の規定は、同項に規定する旧根抵当権以外の旧根抵当権で、旧法第三百七十五条第一項の規定による処分がされているものについて準用する。 ただし、極度額の変更及び新法第三百九十八条の十二第二項の規定による根抵当権の譲渡をすることは、妨げない。 (極度額についての定めの変更) 第四条 旧根抵当権で、極度額についての定めが新法の規定に適合していないものについては、元本の確定前に限り、その定めを変更して新法の規定に適合するものとすることができる。 この場合においては、後順位の抵当権者その他の第三者の承諾を得ることを要しない。 (附記によらない極度額の増額の登記がある旧根抵当権の分割) 第五条 附記によらない極度額の増額の登記がある旧根抵当権については、元本の確定前に限り、根抵当権者及び根抵当権設定者の合意により、当該旧根抵当権を分割して増額に係る部分を新法の規定による独立の根抵当権とすることができる。 この場合においては、旧根抵当権を目的とする権利は、当該増額に係る部分について消滅する。 2 前項の規定による分割をする場合には、増額に係る部分を目的とする権利を有する者その他の利害の関係を有する者の承諾を得なければならない。 (元本の確定すべき期日に関する経過措置) 第六条 この法律の施行の際旧根抵当権について現に存する担保すべき元本の確定すべき時期に関する定め又はその登記は、その定めにより元本が確定することとなる日をもつて新法第三百九十八条の六第一項の期日とする定め又はその登記とみなす。 ただし、その定めにより元本が確定することとなる日がこの法律の施行の日から起算して五年を経過する日より後であるときは、当該定め又はその登記は、当該五年を経過する日をもつて同項の期日とする定め又はその登記とみなす。 (弁済による代位に関する経過措置) 第七条 この法律の施行前から引き続き旧根抵当権の担保すべき債務を弁済するについて正当な利益を有していた者が、この法律の施行後元本の確定前にその債務を弁済した場合における代位に関しては、なお従前の例による。 (旧根抵当権の処分に関する経過措置) 第八条 この法律の施行前に元本の確定前の旧根抵当権についてされた旧法第三百七十五条第一項の規定による処分に関しては、なお従前の例による。 (同一の債権の担保として設定された旧根抵当権の分離) 第九条 同一の債権の担保として設定された数個の不動産の上の旧根抵当権については、元本の確定前に限り、根抵当権者及び根抵当権設定者の合意により、当該旧根抵当権を一の不動産について他の不動産から分離し、これらの不動産の間に、新法第三百九十二条の規定の適用がないものとすることができる。 ただし、後順位の抵当権者その他の利害の関係を有する者の承諾がないときは、この限りでない。 2 前項の規定による分離は、新法第三百九十八条の十六の規定の適用に関しては、根抵当権の設定とみなす。 (元本の確定の時期に関する経過措置) 第十条 この法律の施行前に、新法第三百九十八条の二十第一項第一号に規定する申立て、同項第二号に規定する差押え、同項第三号に規定する競売手続の開始若しくは差押え又は同項第四号に規定する破産手続開始の決定があつた旧根抵当権で、担保すべき元本が確定していないものについては、この法律の施行の日にこれらの事由が生じたものとみなして、同項の規定を適用する。 (旧根抵当権の消滅請求に関する経過措置) 第十一条 極度額についての定めが新法の規定に適合していない旧根抵当権については、その優先権の限度額を極度額とみなして、新法第三百九十八条の二十二の規定を適用する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から施行する。 (民法の一部改正に伴う経過措置) 2 この法律の施行前三月以内に離婚し、又は婚姻が取り消された場合における第一条の規定による改正後の民法第七百六十七条第二項(同法第七百四十九条及び第七百七十一条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同項中「離婚の日から三箇月以内」とあるのは、「民法等の一部を改正する法律(昭和五十一年法律第六十六号)の施行の日から三箇月以内」とする。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。 (経過措置) 2 この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。 3 前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。 (法人の設立許可の取消し等に関する経過措置) 第二条 この法律による改正後の民法第七十一条及び民法施行法第二十三条第一項の規定は、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前の当該規定によつて生じた効力を妨げない。 (法人の解散の登記に関する経過措置) 第三条 この法律の施行前に主務官庁が設立許可を取り消し、又は解散を命じた法人の解散の登記に関しては、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 第四条 この法律の施行前にした行為及び前条の規定により従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、昭和五十六年一月一日から施行する。 (民法の一部改正に伴う経過措置) 2 この法律の施行前に開始した相続に関しては、なお、第一条の規定による改正前の民法の規定を適用する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、昭和六十三年一月一日から施行する。 (民法の一部改正に伴う経過措置の原則) 第二条 改正後の民法(以下「新法」という。)の規定は、次条の規定による場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前の民法の規定によつて生じた効力を妨げない。 (縁組の取消しに関する経過措置) 第三条 新法第八百六条の二及び第八百六条の三の規定は、この法律の施行前にした縁組には適用しない。 (離縁等の場合の氏に関する経過措置) 第四条 この法律の施行前三月以内に離縁をし、又は縁組が取り消された場合における新法第八百十六条第二項(新法第八百八条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、新法第八百十六条第二項中「離縁の日から三箇月以内」とあるのは、「民法等の一部を改正する法律(昭和六十二年法律第百一号)の施行の日から三箇月以内」とする。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。 一から四まで 略 五 第六条から第二十一条まで、第二十五条及び第三十四条並びに附則第八条から第十三条までの規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日 (その他の処分、申請等に係る経過措置) 第六条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)でこの法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 (罰則に関する経過措置) 第七条 この法律の施行前にした行為及び附則第二条第一項の規定により従前の例によることとされる場合における第四条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 この法律は、新民訴法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日 (事務の区分に関する経過措置) 第五十一条 第九十三条の規定による改正後の民法第八十三条ノ三第一項及び第九十四条の規定による改正後の民法施行法第二十三条第四項前段の各規定により都道府県が処理することとされる事務は、施行日から起算して二年間は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 (国等の事務) 第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。 (処分、申請等に関する経過措置) 第百六十条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。 2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。 (不服申立てに関する経過措置) 第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。 この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。 2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。 (手数料に関する経過措置) 第百六十二条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 第百六十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 2 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。 (検討) 第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。 第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。 ただし、第九百六十九条、第九百七十二条、第九百七十六条及び第九百七十九条の改正規定、第九百六十九条の次に一条を加える改正規定並びに次条の規定は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。 (民法の一部改正に伴う経過措置の原則) 第二条 この法律による改正後の民法(次条において「新法」という。)の規定は、次条第三項の規定による場合を除き、当該改正規定の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、改正前の民法(次条において「旧法」という。)の規定によって生じた効力を妨げない。 (禁治産及び準禁治産の宣告等に関する経過措置) 第三条 旧法の規定による禁治産の宣告は新法の規定による後見開始の審判と、当該禁治産の宣告を受けた禁治産者並びにその後見人及び後見監督人は当該後見開始の審判を受けた成年被後見人並びにその成年後見人及び成年後見監督人とみなす。 2 旧法の規定による心神耗弱を原因とする準禁治産の宣告は新法の規定による保佐開始の審判と、当該準禁治産の宣告を受けた準禁治産者及びその保佐人は当該保佐開始の審判を受けた被保佐人及びその保佐人とみなす。 3 前項に規定する準禁治産者以外の準禁治産者及びその保佐人に関する民法の規定の適用については、第八百四十六条、第九百七十四条及び第千九条の改正規定を除き、なお従前の例による。 4 旧法の規定による禁治産又は準禁治産の宣告の請求(この法律の施行前に当該請求に係る審判が確定したものを除く。)は、新法の規定による後見開始又は保佐開始の審判の請求とみなす。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (民法等の一部改正に伴う経過措置) 第二十五条 この法律の施行前に和議開始の申立てがあった場合又は当該申立てに基づきこの法律の施行前若しくは施行後に和議開始の決定があった場合においては、当該申立て又は決定に係る次の各号に掲げる法律の規定に定める事項に関する取扱いについては、この法律の附則の規定による改正後のこれらの規定にかかわらず、なお従前の例による。 一 民法第三百九十八条ノ三第二項 (罰則の適用に関する経過措置) 第二十六条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則において従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、商法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十号)の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (民法の一部改正に伴う経過措置) 第十三条 前条の規定の施行前にされた婚姻の取消し及び養子縁組の取消しの請求については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (雇用関係の先取特権に関する経過措置) 第二条 第一条の規定による改正後の民法第三百六条第二号及び第三百八条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に同号に掲げる原因により生じた債権及び同条の雇用関係に基づいて生じた債権に係る先取特権について適用し、施行日前に第一条の規定による改正前の民法(以下「旧民法」という。)第三百六条第二号に掲げる原因により生じた債権及び旧民法第三百八条の雇人給料(債務者の雇人が受けるべき最後の六箇月間の給料に限る。)として生じた債権に係る先取特権については、なお従前の例による。 (債権質の効力の発生に関する経過措置) 第三条 施行日前に債権をもってその目的とする質権の設定をする契約をした場合における当該質権の効力の発生については、第一条の規定による改正後の民法第三百六十三条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (滌除及び増価競売に関する経過措置) 第四条 施行日前に旧民法第三百八十三条の書面が同条に規定する債権者の全員に到達した場合における当該抵当不動産についての旧民法第三百七十八条の規定による滌除及び旧民法第三百八十四条に規定する増価競売については、第一条の規定による改正後の民法及び第三条の規定による改正後の民事執行法の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (短期賃貸借に関する経過措置) 第五条 この法律の施行の際現に存する抵当不動産の賃貸借(この法律の施行後に更新されたものを含む。)のうち民法第六百二条に定める期間を超えないものであって当該抵当不動産の抵当権の登記後に対抗要件を備えたものに対する抵当権の効力については、なお従前の例による。 (根抵当権の元本の確定に関する経過措置) 第六条 施行日前に旧民法第三百九十八条ノ二十第一項第一号に掲げる場合に該当して同項の規定により確定した根抵当権の担保すべき元本については、なお従前の例による。 (罰則の適用に関する経過措置) 第十四条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (外国人の抵当権に関する法律等の廃止) 第十五条 次に掲げる法律は、廃止する。 一 外国人の抵当権に関する法律(明治三十二年法律第六十七号) 二 金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律(平成十年法律第百二十七号) 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (罰則の適用に関する経過措置) 第十四条 この法律の施行前にした行為及び附則第五条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、破産法(平成十六年法律第七十五号。次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。 (民法の一部改正に伴う経過措置) 第七条 施行日前にされた破産の申立て又は施行日前に職権でされた破産の宣告に係る破産事件については、第六条の規定による改正後の民法第二百七十六条、第六百二十一条及び第六百四十二条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (罰則の適用等に関する経過措置) 第十二条 施行日前にした行為並びに附則第二条第一項、第三条第一項、第四条、第五条第一項、第九項、第十七項、第十九項及び第二十一項並びに第六条第一項及び第三項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第十四条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置の原則) 第二条 この法律による改正後の民法(以下「新法」という。)の規定は、次条及び附則第四条(第三項及び第五項を除く。)の規定による場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、この法律による改正前の民法の規定によって生じた効力を妨げない。 (保証契約の方式に関する経過措置) 第三条 新法第四百四十六条第二項及び第三項の規定は、この法律の施行前に締結された保証契約については、適用しない。 (貸金等根保証契約に関する経過措置) 第四条 新法第四百六十五条の二及び第四百六十五条の三(第二項を除く。)の規定は、この法律の施行前に締結された貸金等根保証契約(新法第四百六十五条の二第一項に規定する貸金等根保証契約をいう。以下同じ。)については、適用しない。 2 この法律の施行前に締結された貸金等根保証契約であって元本確定期日(新法第四百六十五条の三第一項に規定する元本確定期日をいう。以下同じ。)の定めがあるもののうち次の各号に掲げるものの元本確定期日は、その定めにかかわらず、それぞれ当該各号に定める日とする。 一 新法第四百六十五条の二第一項に規定する極度額(以下この条において単に「極度額」という。)の定めがない貸金等根保証契約であって、その元本確定期日がその定めによりこの法律の施行の日(以下この条において「施行日」という。)から起算して三年を経過する日より後の日と定められているもの 施行日から起算して三年を経過する日 二 極度額の定めがある貸金等根保証契約であって、その元本確定期日がその定めにより施行日から起算して五年を経過する日より後の日と定められているもの 施行日から起算して五年を経過する日 3 この法律の施行前に締結された貸金等根保証契約であって元本確定期日の定めがないものについての新法第四百六十五条の三第二項の規定の適用については、同項中「元本確定期日の定めがない場合(前項の規定により元本確定期日の定めがその効力を生じない場合を含む。)」とあるのは「元本確定期日の定めがない場合」と、「その貸金等根保証契約の締結の日から三年」とあるのは「この法律の施行の日から起算して三年」とする。 4 施行日以後にこの法律の施行前に締結された貸金等根保証契約における元本確定期日の変更をする場合において、変更後の元本確定期日が変更前の元本確定期日より後の日となるときは、その元本確定期日の変更は、その効力を生じない。 5 この法律の施行前に新法第四百六十五条の四各号に掲げる場合に該当する事由が生じた貸金等根保証契約であって、その主たる債務の元本が確定していないものについては、施行日にその事由が生じたものとみなして、同条の規定を適用する。 6 この法律の施行前に締結された新法第四百六十五条の五に規定する保証契約については、同条の規定は、適用しない。 7 前項の保証契約の保証人は、新法第四百六十五条の五に規定する根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る当該主たる債務者の債務について、次の各号に掲げる区分に応じ、その元本確定期日がそれぞれ当該各号に定める日より後の日である場合においては、その元本確定期日がそれぞれ当該各号に定める日であるとしたならば当該主たる債務者が負担すべきこととなる額を限度として、その履行をする責任を負う。 一 当該根保証契約において極度額の定めがない場合 施行日から起算して三年を経過する日 二 当該根保証契約において極度額の定めがある場合 施行日から起算して五年を経過する日 8 第六項の保証契約の保証人は、前項の根保証契約において元本確定期日の定めがない場合には、同項各号に掲げる区分に応じ、その元本確定期日がそれぞれ当該各号に定める日であるとしたならば同項の主たる債務者が負担すべきこととなる額を限度として、その履行をする責任を負う。 附 則 この法律は、会社法の施行の日から施行する。 附 則 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。 ただし、第百三十三条第一項及び第三項(第三号に係る部分に限る。)、第百三十四条、第百三十五条第二項(第四号に係る部分に限る。)、第百三十七条、第百三十八条第一項、第百四十二条(公益法人認定法第四十七条の規定を準用する部分に限る。)、第百六十九条(内閣府設置法附則第二条第一項に一号を加える改正規定中特例民法法人の監督に関する関係行政機関の事務の調整に係る部分を除く。)並びに第二百三条の規定は、公益法人認定法附則第一項第二号に掲げる規定の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 (経過措置) 第二条 改正後の遺失物法の規定及び次条の規定による改正後の民法第二百四十条の規定は、この法律の施行前に拾得をされた物件又は改正前の遺失物法(以下「旧法」という。)第十条第二項の管守者が同項の規定による交付を受け、若しくは同項の占有者が同項の規定による差出しを受けた物件であって、この法律の施行の際現に旧法第一条第一項又は第十一条第一項(これらの規定を旧法第十二条及び第十三条において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により警察署長に差し出されていないものについても適用する。 2 この法律の施行の際現に旧法第一条第一項又は第十一条第一項の規定により警察署長に差し出されている物件については、なお従前の例による。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第四条(建設業法第二十二条第一項及び第三項の改正規定、同法第二十三条の次に一条を加える改正規定並びに同法第二十四条、第二十六条第三項から第五項まで、第四十条の三及び第五十五条の改正規定を除く。)及び附則第十三条(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十八年法律第五十号)附則第一項ただし書の改正規定に限る。)の規定 平成十九年四月一日 附 則 この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。 (民法の一部改正に伴う経過措置の原則) 第二条 第一条の規定による改正後の民法(次条において「新法」という。)の規定は、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。 ただし、第一条の規定による改正前の民法(次条において「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。 (親権及び管理権の喪失の宣告に関する経過措置) 第三条 旧法第八百三十四条の規定による親権の喪失の宣告は新法第八百三十四条本文の規定による親権喪失の審判と、当該親権の喪失の宣告を受けた父又は母は当該親権喪失の審判を受けた父又は母とみなす。 2 旧法第八百三十五条(破産法(平成十六年法律第七十五号)第六十一条第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による管理権の喪失の宣告は新法第八百三十五条(破産法第六十一条第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による管理権喪失の審判と、当該管理権の喪失の宣告を受けた父又は母は当該管理権喪失の審判を受けた父又は母とみなす。 3 旧法第八百三十四条又は第八百三十五条の規定による親権又は管理権の喪失の宣告の請求(この法律の施行前に当該請求に係る審判が確定したものを除く。)は、新法第八百三十四条本文又は第八百三十五条の規定による親権喪失又は管理権喪失の審判の請求とみなす。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から施行する。 (経過措置) 2 この法律による改正後の第九百条の規定は、平成二十五年九月五日以後に開始した相続について適用する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。 (経過措置の原則) 第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。 (訴訟に関する経過措置) 第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。 2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。 3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 第九条 この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令への委任) 第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 附 則 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から施行する。 (検討) 2 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の規定の施行の状況等を勘案し、再婚禁止に係る制度の在り方について検討を加えるものとする。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 附則第三十七条の規定 公布の日 二 附則第三十三条第三項の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日 三 附則第二十一条第二項及び第三項の規定 公布の日から起算して二年九月を超えない範囲内において政令で定める日 (意思能力に関する経過措置) 第二条 この法律による改正後の民法(以下「新法」という。)第三条の二の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前にされた意思表示については、適用しない。 (行為能力に関する経過措置) 第三条 施行日前に制限行為能力者(新法第十三条第一項第十号に規定する制限行為能力者をいう。以下この条において同じ。)が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、同項及び新法第百二条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (無記名債権に関する経過措置) 第四条 施行日前に生じたこの法律による改正前の民法(以下「旧法」という。)第八十六条第三項に規定する無記名債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。 (公序良俗に関する経過措置) 第五条 施行日前にされた法律行為については、新法第九十条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (意思表示に関する経過措置) 第六条 施行日前にされた意思表示については、新法第九十三条、第九十五条、第九十六条第二項及び第三項並びに第九十八条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 施行日前に通知が発せられた意思表示については、新法第九十七条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (代理に関する経過措置) 第七条 施行日前に代理権の発生原因が生じた場合(代理権授与の表示がされた場合を含む。)におけるその代理については、附則第三条に規定するもののほか、なお従前の例による。 2 施行日前に無権代理人が代理人として行為をした場合におけるその無権代理人の責任については、新法第百十七条(新法第百十八条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (無効及び取消しに関する経過措置) 第八条 施行日前に無効な行為に基づく債務の履行として給付がされた場合におけるその給付を受けた者の原状回復の義務については、新法第百二十一条の二(新法第八百七十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 施行日前に取り消すことができる行為がされた場合におけるその行為の追認(法定追認を含む。)については、新法第百二十二条、第百二十四条及び第百二十五条(これらの規定を新法第八百七十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (条件に関する経過措置) 第九条 新法第百三十条第二項の規定は、施行日前にされた法律行為については、適用しない。 (時効に関する経過措置) 第十条 施行日前に債権が生じた場合(施行日以後に債権が生じた場合であって、その原因である法律行為が施行日前にされたときを含む。以下同じ。)におけるその債権の消滅時効の援用については、新法第百四十五条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 施行日前に旧法第百四十七条に規定する時効の中断の事由又は旧法第百五十八条から第百六十一条までに規定する時効の停止の事由が生じた場合におけるこれらの事由の効力については、なお従前の例による。 3 新法第百五十一条の規定は、施行日前に権利についての協議を行う旨の合意が書面でされた場合(その合意の内容を記録した電磁的記録(新法第百五十一条第四項に規定する電磁的記録をいう。附則第三十三条第二項において同じ。)によってされた場合を含む。)におけるその合意については、適用しない。 4 施行日前に債権が生じた場合におけるその債権の消滅時効の期間については、なお従前の例による。 (債権を目的とする質権の対抗要件に関する経過措置) 第十一条 施行日前に設定契約が締結された債権を目的とする質権の対抗要件については、新法第三百六十四条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (指図債権に関する経過措置) 第十二条 施行日前に生じた旧法第三百六十五条に規定する指図債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。 (根抵当権に関する経過措置) 第十三条 施行日前に設定契約が締結された根抵当権の被担保債権の範囲については、新法第三百九十八条の二第三項及び第三百九十八条の三第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 新法第三百九十八条の七第三項の規定は、施行日前に締結された債務の引受けに関する契約については、適用しない。 3 施行日前に締結された更改の契約に係る根抵当権の移転については、新法第三百九十八条の七第四項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (債権の目的に関する経過措置) 第十四条 施行日前に債権が生じた場合におけるその債務者の注意義務については、新法第四百条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 第十五条 施行日前に利息が生じた場合におけるその利息を生ずべき債権に係る法定利率については、新法第四百四条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 新法第四百四条第四項の規定により法定利率に初めて変動があるまでの各期における同項の規定の適用については、同項中「この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)」とあるのは「民法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第四十四号)の施行後最初の期」と、「直近変動期における法定利率」とあるのは「年三パーセント」とする。 第十六条 施行日前に債権が生じた場合における選択債権の不能による特定については、新法第四百十条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (債務不履行の責任等に関する経過措置) 第十七条 施行日前に債務が生じた場合(施行日以後に債務が生じた場合であって、その原因である法律行為が施行日前にされたときを含む。附則第二十五条第一項において同じ。)におけるその債務不履行の責任等については、新法第四百十二条第二項、第四百十二条の二から第四百十三条の二まで、第四百十五条、第四百十六条第二項、第四百十八条及び第四百二十二条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 新法第四百十七条の二(新法第七百二十二条第一項において準用する場合を含む。)の規定は、施行日前に生じた将来において取得すべき利益又は負担すべき費用についての損害賠償請求権については、適用しない。 3 施行日前に債務者が遅滞の責任を負った場合における遅延損害金を生ずべき債権に係る法定利率については、新法第四百十九条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 4 施行日前にされた旧法第四百二十条第一項に規定する損害賠償の額の予定に係る合意及び旧法第四百二十一条に規定する金銭でないものを損害の賠償に充てるべき旨の予定に係る合意については、なお従前の例による。 (債権者代位権に関する経過措置) 第十八条 施行日前に旧法第四百二十三条第一項に規定する債務者に属する権利が生じた場合におけるその権利に係る債権者代位権については、なお従前の例による。 2 新法第四百二十三条の七の規定は、施行日前に生じた同条に規定する譲渡人が第三者に対して有する権利については、適用しない。 (詐害行為取消権に関する経過措置) 第十九条 施行日前に旧法第四百二十四条第一項に規定する債務者が債権者を害することを知ってした法律行為がされた場合におけるその行為に係る詐害行為取消権については、なお従前の例による。 (不可分債権、不可分債務、連帯債権及び連帯債務に関する経過措置) 第二十条 施行日前に生じた旧法第四百二十八条に規定する不可分債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。 2 施行日前に生じた旧法第四百三十条に規定する不可分債務及び旧法第四百三十二条に規定する連帯債務(これらの原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。 3 新法第四百三十二条から第四百三十五条の二までの規定は、施行日前に生じた新法第四百三十二条に規定する債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、適用しない。 (保証債務に関する経過措置) 第二十一条 施行日前に締結された保証契約に係る保証債務については、なお従前の例による。 2 保証人になろうとする者は、施行日前においても、新法第四百六十五条の六第一項(新法第四百六十五条の八第一項において準用する場合を含む。)の公正証書の作成を嘱託することができる。 3 公証人は、前項の規定による公正証書の作成の嘱託があった場合には、施行日前においても、新法第四百六十五条の六第二項及び第四百六十五条の七(これらの規定を新法第四百六十五条の八第一項において準用する場合を含む。)の規定の例により、その作成をすることができる。 (債権の譲渡に関する経過措置) 第二十二条 施行日前に債権の譲渡の原因である法律行為がされた場合におけるその債権の譲渡については、新法第四百六十六条から第四百六十九条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。 (債務の引受けに関する経過措置) 第二十三条 新法第四百七十条から第四百七十二条の四までの規定は、施行日前に締結された債務の引受けに関する契約については、適用しない。 (記名式所持人払債権に関する経過措置) 第二十四条 施行日前に生じた旧法第四百七十一条に規定する記名式所持人払債権(その原因である法律行為が施行日前にされたものを含む。)については、なお従前の例による。 (弁済に関する経過措置) 第二十五条 施行日前に債務が生じた場合におけるその債務の弁済については、次項に規定するもののほか、なお従前の例による。 2 施行日前に弁済がされた場合におけるその弁済の充当については、新法第四百八十八条から第四百九十一条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。 (相殺に関する経過措置) 第二十六条 施行日前にされた旧法第五百五条第二項に規定する意思表示については、なお従前の例による。 2 施行日前に債権が生じた場合におけるその債権を受働債権とする相殺については、新法第五百九条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 3 施行日前の原因に基づいて債権が生じた場合におけるその債権を自働債権とする相殺(差押えを受けた債権を受働債権とするものに限る。)については、新法第五百十一条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 4 施行日前に相殺の意思表示がされた場合におけるその相殺の充当については、新法第五百十二条及び第五百十二条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (更改に関する経過措置) 第二十七条 施行日前に旧法第五百十三条に規定する更改の契約が締結された更改については、なお従前の例による。 (有価証券に関する経過措置) 第二十八条 新法第五百二十条の二から第五百二十条の二十までの規定は、施行日前に発行された証券については、適用しない。 (契約の成立に関する経過措置) 第二十九条 施行日前に契約の申込みがされた場合におけるその申込み及びこれに対する承諾については、なお従前の例による。 2 施行日前に通知が発せられた契約の申込みについては、新法第五百二十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 3 施行日前にされた懸賞広告については、新法第五百二十九条から第五百三十条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。 (契約の効力に関する経過措置) 第三十条 施行日前に締結された契約に係る同時履行の抗弁及び危険負担については、なお従前の例による。 2 新法第五百三十七条第二項及び第五百三十八条第二項の規定は、施行日前に締結された第三者のためにする契約については、適用しない。 (契約上の地位の移転に関する経過措置) 第三十一条 新法第五百三十九条の二の規定は、施行日前にされた契約上の地位を譲渡する旨の合意については、適用しない。 (契約の解除に関する経過措置) 第三十二条 施行日前に契約が締結された場合におけるその契約の解除については、新法第五百四十一条から第五百四十三条まで、第五百四十五条第三項及び第五百四十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (定型約款に関する経過措置) 第三十三条 新法第五百四十八条の二から第五百四十八条の四までの規定は、施行日前に締結された定型取引(新法第五百四十八条の二第一項に規定する定型取引をいう。)に係る契約についても、適用する。 ただし、旧法の規定によって生じた効力を妨げない。 2 前項の規定は、同項に規定する契約の当事者の一方(契約又は法律の規定により解除権を現に行使することができる者を除く。)により反対の意思の表示が書面でされた場合(その内容を記録した電磁的記録によってされた場合を含む。)には、適用しない。 3 前項に規定する反対の意思の表示は、施行日前にしなければならない。 (贈与等に関する経過措置) 第三十四条 施行日前に贈与、売買、消費貸借(旧法第五百八十九条に規定する消費貸借の予約を含む。)、使用貸借、賃貸借、雇用、請負、委任、寄託又は組合の各契約が締結された場合におけるこれらの契約及びこれらの契約に付随する買戻しその他の特約については、なお従前の例による。 2 前項の規定にかかわらず、新法第六百四条第二項の規定は、施行日前に賃貸借契約が締結された場合において施行日以後にその契約の更新に係る合意がされるときにも適用する。 3 第一項の規定にかかわらず、新法第六百五条の四の規定は、施行日前に不動産の賃貸借契約が締結された場合において施行日以後にその不動産の占有を第三者が妨害し、又はその不動産を第三者が占有しているときにも適用する。 (不法行為等に関する経過措置) 第三十五条 旧法第七百二十四条後段(旧法第九百三十四条第三項(旧法第九百三十六条第三項、第九百四十七条第三項、第九百五十条第二項及び第九百五十七条第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)に規定する期間がこの法律の施行の際既に経過していた場合におけるその期間の制限については、なお従前の例による。 2 新法第七百二十四条の二の規定は、不法行為による損害賠償請求権の旧法第七百二十四条前段に規定する時効がこの法律の施行の際既に完成していた場合については、適用しない。 (遺言執行者の報酬に関する経過措置) 第三十六条 施行日前に遺言執行者となった者の報酬については、新法第千十八条第二項において準用する新法第六百四十八条第三項及び第六百四十八条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (政令への委任) 第三十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成三十四年四月一日から施行する。 ただし、附則第二十六条の規定は、公布の日から施行する。 (成年に関する経過措置) 第二条 この法律による改正後の民法(以下「新法」という。)第四条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に十八歳に達する者について適用し、この法律の施行の際に二十歳以上の者の成年に達した時については、なお従前の例による。 2 この法律の施行の際に十八歳以上二十歳未満の者(次項に規定する者を除く。)は、施行日において成年に達するものとする。 3 施行日前に婚姻をし、この法律による改正前の民法(次条第三項において「旧法」という。)第七百五十三条の規定により成年に達したものとみなされた者については、この法律の施行後も、なお従前の例により当該婚姻の時に成年に達したものとみなす。 (婚姻に関する経過措置) 第三条 施行日前にした婚姻の取消し(女が適齢に達していないことを理由とするものに限る。)については、新法第七百三十一条及び第七百四十五条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 この法律の施行の際に十六歳以上十八歳未満の女は、新法第七百三十一条の規定にかかわらず、婚姻をすることができる。 3 前項の規定による婚姻については、旧法第七百三十七条、第七百四十条(旧法第七百四十一条において準用する場合を含む。)及び第七百五十三条の規定は、なおその効力を有する。 (縁組に関する経過措置) 第四条 施行日前にした縁組の取消し(養親となる者が成年に達していないことを理由とするものに限る。)については、新法第四条、第七百九十二条及び第八百四条の規定並びに附則第二条第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 第二十五条 施行日前にした行為及び附則第十三条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第二十六条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 附則第三十条及び第三十一条の規定 公布の日 二 第一条中民法第九百六十八条、第九百七十条第二項及び第九百八十二条の改正規定並びに附則第六条の規定 公布の日から起算して六月を経過した日 三 第一条中民法第九百九十八条、第千条及び第千二十五条ただし書の改正規定並びに附則第七条及び第九条の規定 民法の一部を改正する法律(平成二十九年法律第四十四号)の施行の日 四 第二条並びに附則第十条、第十三条、第十四条、第十七条、第十八条及び第二十三条から第二十六条までの規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日 (民法の一部改正に伴う経過措置の原則) 第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開始した相続については、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。 (共同相続における権利の承継の対抗要件に関する経過措置) 第三条 第一条の規定による改正後の民法(以下「新民法」という。)第八百九十九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し遺産の分割による債権の承継がされた場合において、施行日以後にその承継の通知がされるときにも、適用する。 (夫婦間における居住用不動産の遺贈又は贈与に関する経過措置) 第四条 新民法第九百三条第四項の規定は、施行日前にされた遺贈又は贈与については、適用しない。 (遺産の分割前における預貯金債権の行使に関する経過措置) 第五条 新民法第九百九条の二の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に預貯金債権が行使されるときにも、適用する。 2 施行日から附則第一条第三号に定める日の前日までの間における新民法第九百九条の二の規定の適用については、同条中「預貯金債権のうち」とあるのは、「預貯金債権(預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権をいう。以下同じ。)のうち」とする。 (自筆証書遺言の方式に関する経過措置) 第六条 附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日前にされた自筆証書遺言については、新民法第九百六十八条第二項及び第三項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (遺贈義務者の引渡義務等に関する経過措置) 第七条 附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日(以下「第三号施行日」という。)前にされた遺贈に係る遺贈義務者の引渡義務については、新民法第九百九十八条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 2 第一条の規定による改正前の民法第千条の規定は、第三号施行日前にされた第三者の権利の目的である財産の遺贈については、なおその効力を有する。 (遺言執行者の権利義務等に関する経過措置) 第八条 新民法第千七条第二項及び第千十二条の規定は、施行日前に開始した相続に関し、施行日以後に遺言執行者となる者にも、適用する。 2 新民法第千十四条第二項から第四項までの規定は、施行日前にされた特定の財産に関する遺言に係る遺言執行者によるその執行については、適用しない。 3 施行日前にされた遺言に係る遺言執行者の復任権については、新民法第千十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (撤回された遺言の効力に関する経過措置) 第九条 第三号施行日前に撤回された遺言の効力については、新民法第千二十五条ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (配偶者の居住の権利に関する経過措置) 第十条 第二条の規定による改正後の民法(次項において「第四号新民法」という。)第千二十八条から第千四十一条までの規定は、次項に定めるものを除き、附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(以下この条において「第四号施行日」という。)以後に開始した相続について適用し、第四号施行日前に開始した相続については、なお従前の例による。 2 第四号新民法第千二十八条から第千三十六条までの規定は、第四号施行日前にされた遺贈については、適用しない。 (政令への委任) 第三十一条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 附則第二十条の規定 公布の日 二 略 三 附則第九条の規定 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)又は前号に定める日のいずれか遅い日 (政令への委任) 第二十条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、附則第三項の規定は、公布の日から施行する。 (経過措置) 2 この法律の施行の際現に係属している特別養子縁組の成立の審判事件に関する養子となる者の年齢についての要件及び当該審判事件の手続については、なお従前の例による。 (政令への委任) 3 前項に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 この法律は、会社法改正法の施行の日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九条中社債、株式等の振替に関する法律第二百六十九条の改正規定(「第六十八条第二項」を「第八十六条第一項」に改める部分に限る。)、第二十一条中民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第五十六条第二項及び附則第四条の改正規定、第四十一条中保険業法附則第一条の二の十四第一項の改正規定、第四十七条中保険業法等の一部を改正する法律附則第十六条第一項の改正規定、第五十一条中株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構法第二十七条の改正規定、第七十八条及び第七十九条の規定、第八十九条中農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律附則第二十六条第一項の改正規定並びに第百二十四条及び第百二十五条の規定 公布の日 二 略 三 第一条中外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第四条の改正規定(「並びに第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条」に改める部分に限る。)、第三条から第五条までの規定、第六条中商業登記法第七条の二、第十一条の二、第十五条、第十七条及び第十八条の改正規定、同法第四十八条の前の見出しを削る改正規定、同条から同法第五十条まで並びに同法第八十二条第二項及び第三項の改正規定、同条第四項の改正規定(「本店の所在地における」を削る部分に限る。)、同法第八十七条第一項及び第二項並びに第九十一条第一項の改正規定、同条第二項の改正規定(「本店の所在地における」を削る部分に限る。)並びに同法第九十五条、第百十一条、第百十八条及び第百三十八条の改正規定、第九条中社債、株式等の振替に関する法律第百五十一条第二項第一号の改正規定、同法第百五十五条第一項の改正規定(「(以下この条」の下に「及び第百五十九条の二第二項第四号」を加える部分に限る。)、同法第百五十九条の次に一条を加える改正規定、同法第二百二十八条第二項の表第百五十九条第三項第一号の項の次に次のように加える改正規定、同法第二百三十五条第一項の改正規定(「まで」の下に「、第百五十九条の二第二項第四号」を加える部分に限る。)、同条第二項の表第百五十九条第一項の項の次に次のように加える改正規定及び同法第二百三十九条第二項の表に次のように加える改正規定、第十条第二項から第二十三項までの規定、第十一条中会社更生法第二百六十一条第一項後段を削る改正規定、第十四条中会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第四十六条の改正規定、第十五条中一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の目次の改正規定(「従たる事務所の所在地における登記(第三百十二条―第三百十四条)」を「削除」に改める部分に限る。)、同法第四十七条の次に五条を加える改正規定、同法第三百一条第二項第四号の次に一号を加える改正規定、同法第六章第四節第三款、第三百十五条及び第三百二十九条の改正規定、同法第三百三十条の改正規定(「第四十九条から第五十二条まで」を「第五十一条、第五十二条」に、「及び第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで及び第百三十九条」に改め、「、「支店」とあるのは「従たる事務所」と」を削る部分に限る。)並びに同法第三百四十二条第十号の次に一号を加える改正規定、第十七条中信託法第二百四十七条の改正規定(「(第三項を除く。)、第十八条」を削る部分に限る。)、第十八条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。)、第二十二条及び第二十三条の規定、第二十五条中金融商品取引法第八十九条の三の改正規定、同法第八十九条の四第二項を削る改正規定、同法第九十条の改正規定(「第十七条から」の下に「第十九条の三まで、第二十一条から」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分、「及び第二十条第三項」を削る部分及び「読み替える」を「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第九十条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「金融商品取引法第九十条において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替える」に改める部分を除く。)、同法第百条の四、第百一条の二十第一項、第百二条第一項及び第百二条の十の改正規定、同法第百二条の十一の改正規定(「第十七条から」の下に「第十九条の三まで、第二十一条から」を加え、「第十五号及び第十六号」を「第十四号及び第十五号」に改める部分、「及び第二十条第三項」を削る部分及び「読み替える」を「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第百二条の十一において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「金融商品取引法第百二条の十一において準用する商業登記法第百四十五条」と読み替える」に改める部分を除く。)並びに同法第百四十五条第一項及び第百四十六条の改正規定、第二十七条中損害保険料率算出団体に関する法律第二十三条から第二十四条の二までの改正規定及び同法第二十五条の改正規定(「第二十三条の二まで、」を「第十九条の三まで(登記申請の方式、申請書の添付書面、申請書に添付すべき電磁的記録、添付書面の特例)、第二十一条から」に、「第十五号及び第十六号」を「第十四号」に改める部分を除く。)、第三十二条中投資信託及び投資法人に関する法律第九十四条第一項の改正規定(「第三百五条第一項本文及び第四項」の下に「から第六項まで」を加える部分を除く。)、同法第百六十四条第四項の改正規定、同法第百六十六条第二項第八号の次に一号を加える改正規定、同法第百七十七条の改正規定(「、第二十条第一項及び第二項」を削る部分及び「、同法第二十四条第七号中「若しくは第三十条第二項若しくは」とあるのは「若しくは」と」を削り、「第百七十五条」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第百七十七条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「投資信託及び投資法人に関する法律第百七十七条において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分を除く。)及び同法第二百四十九条第十九号の次に一号を加える改正規定、第三十四条中信用金庫法の目次の改正規定(「第四十八条の八」を「第四十八条の十三」に改める部分に限る。)、同法第四十六条第一項の改正規定、同法第四章第七節中第四十八条の八の次に五条を加える改正規定、同法第六十五条第二項、第七十四条から第七十六条まで及び第七十七条第四項の改正規定、同法第八十五条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、同法第八十七条の四第四項の改正規定並びに同法第九十一条第一項第十二号の次に一号を加える改正規定、第三十六条中労働金庫法第七十八条から第八十条まで及び第八十一条第四項の改正規定並びに同法第八十九条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、第三十八条中金融機関の合併及び転換に関する法律第六十四条第一項の改正規定、第四十条の規定(同条中協同組織金融機関の優先出資に関する法律第十四条第二項及び第二十二条第五項第三号の改正規定を除く。)、第四十一条中保険業法第四十一条第一項の改正規定、同法第四十九条第一項の改正規定(「規定中」を「規定(同法第二百九十八条(第一項第三号及び第四号を除く。)、第三百十一条第四項並びに第五項第一号及び第二号、第三百十二条第五項並びに第六項第一号及び第二号、第三百十四条、第三百十八条第四項、第三百二十五条の二並びに第三百二十五条の五第二項を除く。)中「株主」とあるのは「総代」と、これらの規定(同法第二百九十九条第一項及び第三百二十五条の三第一項第五号を除く。)中」に改め、「とあり、及び「取締役会設置会社」」を削り、「相互会社」と、」の下に「これらの規定中」を加え、「、これらの規定(同法第二百九十八条第一項(各号を除く。)及び第四項、第三百十一条第四項、第三百十二条第五項、第三百十四条並びに第三百十八条第四項を除く。)中「株主」とあるのは「総代」と」を削り、「各号を除く。)及び第四項中」を「第三号及び第四号を除く。)中「前条第四項」とあるのは「保険業法第四十五条第二項」と、「株主」とあるのは「社員又は総代」と、「次項本文及び次条から第三百二条まで」とあるのは「次条及び第三百条」と、同条第四項中「取締役会設置会社」とあるのは「相互会社」と、」に、「第三百十一条第四項及び第三百十二条第五項」を「第三百十一条第一項中「議決権行使書面に」とあるのは「議決権行使書面(保険業法第四十八条第三項に規定する議決権行使書面をいう。以下同じ。)に」と、同条第四項並びに第五項第一号及び第二号並びに同法第三百十二条第五項並びに第六項第一号及び第二号」に改め、「共同」を削る部分を除く。)、同法第六十四条第二項及び第三項の改正規定、同法第六十七条の改正規定(「、第四十八条」を「、第五十一条」に改め、「支店所在地における登記、」を削り、「登記)並びに」を「登記)、」に、「第百四十八条」を「第百三十七条」に、「職権抹消、」を「職権抹消)並びに第百三十九条から第百四十八条まで(」に改める部分及び「第四十八条から第五十三条までの規定中「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「支店」とあるのは「従たる事務所」を「第四十七条第三項中「前項」とあるのは「保険業法第六十四条第一項」と、同法第五十五条第一項中「会社法第三百四十六条第四項」とあるのは「保険業法第五十三条の十二第四項」と、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「保険業法第六十七条において準用する商業登記法第百四十五条」と、同法第百四十八条中「この法律に」とあるのは「保険業法に」と、「この法律の施行」とあるのは「相互会社に関する登記」に改める部分に限る。)、同法第八十四条第一項並びに第九十六条の十四第一項及び第二項の改正規定、同法第九十六条の十六第四項の改正規定(「並びに」を「及び」に改め、「及び第四項」を削る部分に限る。)、同法第百六十九条の五第三項を削る改正規定、同法第百七十一条及び第百八十三条第二項の改正規定、同法第二百十六条の改正規定(「、第二十条第一項及び第二項(印鑑の提出)」を削り、「第十一号及び第十二号」を「第十号及び第十一号」に改める部分及び「において」の下に「、同法第十二条第一項第五号中「会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)」とあるのは「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律」と」を加える部分を除く。)並びに同法第三百三十三条第一項第十七号の次に一号を加える改正規定、第四十三条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第百六十二条第一項後段を削る改正規定並びに同法第三百三十五条第一項後段及び第三百五十五条第一項後段を削る改正規定、第四十五条中資産の流動化に関する法律第二十二条第二項第七号の次に一号を加える改正規定、同条第四項を削る改正規定、同法第六十五条第三項の改正規定、同法第百八十三条第一項の改正規定(「第二十七条」を「第十九条の三」に、「、印鑑の提出、」を「)、第二十一条から第二十七条まで(」に改める部分、「、同法第二十四条第七号中「書面若しくは第三十条第二項若しくは第三十一条第二項に規定する譲渡人の承諾書」とあるのは「書面」と」を削る部分及び「準用する会社法第五百七条第三項」と」の下に「、同法第百四十六条の二中「商業登記法(」とあるのは「資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百八十三条第一項において準用する商業登記法(」と、「商業登記法第百四十五条」とあるのは「資産の流動化に関する法律第百八十三条第一項において準用する商業登記法第百四十五条」と」を加える部分を除く。)及び同法第三百十六条第一項第十七号の次に一号を加える改正規定、第四十八条の規定、第五十条中政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律第十五条の三の改正規定(「(第三項を除く。)」を削る部分に限る。)、第五十二条、第五十三条及び第五十五条の規定、第五十六条中酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第二十二条の改正規定(「、同法第九百三十七条第一項中「第九百三十条第二項各号」とあるのは「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第六十七条第二項各号」と」を削る部分に限る。)、同法第三十九条、第五十六条第六項、第五十七条及び第六十七条から第六十九条までの改正規定、同法第七十八条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)並びに同法第八十三条の改正規定、第五十八条及び第六十一条の規定、第六十七条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。)、第六十九条中消費生活協同組合法第八十一条から第八十三条まで及び第九十条第四項の改正規定並びに同法第九十二条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、第七十一条中医療法第四十六条の三の六及び第七十条の二十一第六項の改正規定並びに同法第九十三条の改正規定(同条第四号中「第五十一条の三」を「第五十一条の三第一項」に改める部分を除く。)、第七十七条の規定、第八十条中農村負債整理組合法第二十四条第一項の改正規定(「第十七条(第三項ヲ除ク)」を「第十七条」に改める部分に限る。)、第八十一条中農業協同組合法第三十六条第七項の改正規定、同法第四十三条の六の次に一条を加える改正規定、同法第四十三条の七第三項の改正規定及び同法第百一条第一項第四十号の次に一号を加える改正規定、第八十三条中水産業協同組合法第四十条第七項の改正規定、同法第四十七条の五の次に一条を加える改正規定、同法第八十六条第二項の改正規定及び同法第百三十条第一項第三十八号の次に一号を加える改正規定、第八十五条中漁船損害等補償法第七十一条から第七十三条までの改正規定及び同法第八十三条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、第八十七条中森林組合法第五十条第七項の改正規定、同法第六十条の三の次に一条を加える改正規定、同法第六十条の四第三項及び第百条第二項の改正規定並びに同法第百二十二条第一項第十二号の次に一号を加える改正規定、第八十九条中農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律第二十二条第二項の改正規定、第九十条中農林中央金庫法第四十六条の三の次に一条を加える改正規定、同法第四十七条第三項の改正規定及び同法第百条第一項第十六号の次に一号を加える改正規定、第九十三条中中小企業等協同組合法の目次の改正規定、同法第四章第二節第一款及び第二款の款名を削る改正規定、同法第九十三条から第九十五条まで、第九十六条第四項及び第九十七条第一項の改正規定並びに同法第百三条の改正規定(「、第四十八条」を「、第五十一条」に、「並びに第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条」に改める部分及び「、同法第四十八条第二項中「会社法第九百三十条第二項各号」とあるのは「中小企業等協同組合法第九十三条第二項各号」と」を削る部分に限る。)、第九十六条の規定(同条中商品先物取引法第十八条第二項の改正規定、同法第二十九条の改正規定(前号に掲げる部分に限る。)並びに同法第五十八条、第七十七条第二項及び第百四十四条の十一第二項の改正規定を除く。)、第九十八条中輸出入取引法第十九条第一項の改正規定(「第八項」の下に「、第三十八条の六」を加える部分を除く。)、第百条の規定(同条中中小企業団体の組織に関する法律第百十三条第一項第十三号の改正規定を除く。)、第百二条中技術研究組合法の目次の改正規定、同法第八章第二節の節名の改正規定、同章第三節、第百五十九条第三項から第五項まで及び第百六十条第一項の改正規定並びに同法第百六十八条の改正規定(「、第四十八条」を「、第五十一条」に、「並びに第百三十二条」を「、第百三十二条から第百三十七条まで並びに第百三十九条」に改め、「第四十八条第二項中「会社法第九百三十条第二項各号」とあるのは「技術研究組合法第百五十六条第二項各号」と、同法第五十条第一項、」を削る部分に限る。)、第百七条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。)並びに第百十一条の規定(前号に掲げる改正規定を除く。) 会社法改正法附則第一条ただし書に規定する規定の施行の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第二条中不動産登記法第百三十一条第五項の改正規定及び附則第三十四条の規定 公布の日 (相続財産の保存に必要な処分に関する経過措置) 第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に第一条の規定による改正前の民法(以下「旧民法」という。)第九百十八条第二項(旧民法第九百二十六条第二項(旧民法第九百三十六条第三項において準用する場合を含む。)及び第九百四十条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定によりされた相続財産の保存に必要な処分は、施行日以後は、第一条の規定による改正後の民法(以下「新民法」という。)第八百九十七条の二の規定によりされた相続財産の保存に必要な処分とみなす。 2 施行日前に旧民法第九百十八条第二項の規定によりされた相続財産の保存に必要な処分の請求(施行日前に当該請求に係る審判が確定したものを除く。)は、施行日以後は、新民法第八百九十七条の二の規定によりされた相続財産の保存に必要な処分の請求とみなす。 (遺産の分割に関する経過措置) 第三条 新民法第九百四条の三及び第九百八条第二項から第五項までの規定は、施行日前に相続が開始した遺産の分割についても、適用する。 この場合において、新民法第九百四条の三第一号中「相続開始の時から十年を経過する前」とあるのは「相続開始の時から十年を経過する時又は民法等の一部を改正する法律(令和三年法律第二十四号)の施行の時から五年を経過する時のいずれか遅い時まで」と、同条第二号中「十年の期間」とあるのは「十年の期間(相続開始の時から始まる十年の期間の満了後に民法等の一部を改正する法律の施行の時から始まる五年の期間が満了する場合にあっては、同法の施行の時から始まる五年の期間)」と、新民法第九百八条第二項ただし書、第三項ただし書、第四項ただし書及び第五項ただし書中「相続開始の時から十年」とあるのは「相続開始の時から十年を経過する時又は民法等の一部を改正する法律の施行の時から五年を経過する時のいずれか遅い時」とする。 (相続財産の清算に関する経過措置) 第四条 施行日前に旧民法第九百三十六条第一項の規定により選任された相続財産の管理人は、施行日以後は、新民法第九百三十六条第一項の規定により選任された相続財産の清算人とみなす。 2 施行日前に旧民法第九百五十二条第一項の規定により選任された相続財産の管理人は、新民法第九百四十条第一項及び第九百五十三条から第九百五十六条までの規定の適用については、新民法第九百五十二条第一項の規定により選任された相続財産の清算人とみなす。 3 施行日前に旧民法第九百五十二条第一項の規定によりされた相続財産の管理人の選任の請求(施行日前に当該請求に係る審判が確定したものを除く。)は、施行日以後は、新民法第九百五十二条第一項の規定によりされた相続財産の清算人の選任の請求とみなす。 4 施行日前に旧民法第九百五十二条第一項の規定により相続財産の管理人が選任された場合における当該相続財産の管理人の選任の公告、相続債権者及び受遺者に対する請求の申出をすべき旨の公告及び催告、相続債権者及び受遺者に対する弁済並びにその弁済のための相続財産の換価、相続債権者及び受遺者の換価手続への参加、不当な弁済をした相続財産の管理人の責任、相続人の捜索の公告、公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者の権利並びに相続人としての権利を主張する者がない場合における相続人、相続債権者及び受遺者の権利については、なお従前の例による。 5 施行日前に旧民法第九百五十二条第一項の規定により相続財産の管理人が選任された場合における特別縁故者に対する相続財産の分与については、新民法第九百五十八条の二第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。 (その他の経過措置の政令等への委任) 第三十四条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、令和三年九月一日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第二十七条(住民基本台帳法別表第一から別表第五までの改正規定に限る。)、第四十五条、第四十七条及び第五十五条(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律別表第一及び別表第二の改正規定(同表の二十七の項の改正規定を除く。)に限る。)並びに附則第八条第一項、第五十九条から第六十三条まで、第六十七条及び第七十一条から第七十三条までの規定 公布の日 二及び三 略 四 第十七条、第三十五条、第四十四条、第五十条及び第五十八条並びに次条、附則第三条、第五条、第六条、第七条(第三項を除く。)、第十三条、第十四条、第十八条(戸籍法第百二十九条の改正規定(「戸籍の」の下に「正本及び」を加える部分を除く。)に限る。)、第十九条から第二十一条まで、第二十三条、第二十四条、第二十七条、第二十九条(住民基本台帳法第三十条の十五第三項の改正規定を除く。)、第三十条、第三十一条、第三十三条から第三十五条まで、第四十条、第四十二条、第四十四条から第四十六条まで、第四十八条、第五十条から第五十二条まで、第五十三条(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第四十五条の二第一項、第五項、第六項及び第九項の改正規定並びに同法第五十二条の三の改正規定を除く。)、第五十五条(がん登録等の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十一号)第三十五条の改正規定(「(条例を含む。)」を削る部分に限る。)を除く。)、第五十六条、第五十八条、第六十四条、第六十五条、第六十八条及び第六十九条の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において、各規定につき、政令で定める日 (行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律及び独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の廃止) 第二条 次に掲げる法律は、廃止する。 一 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号) 二 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号) (第一条の規定の施行に伴う経過措置) 第四条 第一条の規定による改正後の民法(次項において「新民法」という。)第四百八十六条第二項の規定は、施行日以後にされる同項の規定による受取証書の内容を記録した電磁的記録の提供の請求について適用する。 2 新民法第九百八十四条後段の規定は、施行日以後にされる同条前段の規定による公正証書遺言又は秘密証書遺言について適用し、施行日前にされた第一条の規定による改正前の民法第九百八十四条の規定による公正証書遺言又は秘密証書遺言については、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 第七十一条 この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 (政令への委任) 第七十二条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。 (検討) 第七十三条 政府は、行政機関等に係る申請、届出、処分の通知その他の手続において、個人の氏名を平仮名又は片仮名で表記したものを利用して当該個人を識別できるようにするため、個人の氏名を平仮名又は片仮名で表記したものを戸籍の記載事項とすることを含め、この法律の公布後一年以内を目途としてその具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、令和五年四月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第五百九条の規定 公布の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、第一条中民法第八百二十二条を削り、同法第八百二十一条を同法第八百二十二条とし、同法第八百二十条の次に一条を加える改正規定並びに第二条及び第四条の規定は、公布の日から施行する。 附 則 この法律は、公布の日から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第三十二章の規定及び第三百八十八条の規定 公布の日 二 第一条中民事執行法第二十二条第五号の改正規定、同法第二十五条の改正規定、同法第二十六条の改正規定、同法第二十九条の改正規定(「の謄本」の下に「又は電磁的記録に記録されている事項の全部を記録した電磁的記録」を加える部分を除く。)、同法第九十一条第一項第三号の改正規定、同法第百四十一条第一項第三号の改正規定、同法第百八十一条第一項の改正規定、同条第四項の改正規定、同法第百八十三条の改正規定、同法第百八十九条の改正規定及び同法第百九十三条第一項の改正規定、第十二条、第三十三条、第三十四条、第三十六条及び第三十七条の規定、第四十二条中組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第三十九条第二項の改正規定、第四十五条の規定(民法第九十八条第二項及び第百五十一条第四項の改正規定を除く。)、第四十七条中鉄道抵当法第四十一条の改正規定及び同法第四十三条第三項の改正規定、第四十八条及び第四章の規定、第八十八条中民事訴訟費用等に関する法律第二条の改正規定、第九十一条の規定、第百八十五条中配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律第十二条第三項の改正規定、第百九十八条の規定並びに第三百八十七条の規定 公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日
明治二十九年法律第五号
国債証券買入銷却法
129AC0000000005
20150801
第一条 政府ハ毎年度国債費予算定額以内ニ於テ国債証券ヲ買入レ之カ銷却ヲ為スコトヲ得 前項買入ハ計算上利益アリト認ムルトキ其ノ他国債ノ整理ノ円滑ナル実施ノタメ必要アリト認ムルトキニ限リ之ヲ為スコトヲ得 第二条 国債証券ノ買入銷却ヲ為シタルトキハ財務大臣ハ其ノ証券ノ種類、番号、総額及其ノ買入価格ヲ告示スヘシ 第三条 銷却ノ為ニスル国債証券ノ買入ハ随意契約ヲ以テ之ヲ為スコトヲ得 附 則 (施行期日) 第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、平成十五年一月六日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第十条から第十二条までの規定 この法律の公布の日 (その他の経過措置の政令への委任) 第八十五条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。 ただし、第六十二条中租税特別措置法第八十四条の五の見出しの改正規定及び同条に一項を加える改正規定、第百二十四条中証券決済制度等の改革による証券市場の整備のための関係法律の整備等に関する法律附則第一条第二号の改正規定及び同法附則第八十五条を同法附則第八十六条とし、同法附則第八十二条から第八十四条までを一条ずつ繰り下げ、同法附則第八十一条の次に一条を加える改正規定並びに附則第三十条、第三十一条、第三十四条、第六十条第十二項、第六十六条第一項、第六十七条及び第九十三条第二項の規定は、郵政民営化法附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日から施行する。
明治二十八年勅令第百六十七号
明治二十八年勅令第百六十七号(標準時ニ関スル件)
128IO0000000167
20150801
第一条 帝国従来ノ標準時ハ自今之ヲ中央標準時ト称ス 第二条 削除 第三条 本令ハ明治二十九年一月一日ヨリ施行ス 附 則 本令ハ昭和十二年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
明治二十八年法律第二十八号
通貨及証券模造取締法
128AC0000000028
20220617
第一条 貨幣、政府発行紙幣、銀行紙幣、兌換銀行券、国債証券及地方債証券ニ紛ハシキ外観ヲ有スルモノヲ製造シ又ハ販売スルコトヲ得ス 第二条 前条ニ違犯シタル者ハ一月以上三年以下ノ重禁錮ニ処シ五円以上五十円以下ノ罰金ヲ附加ス 第三条 第一条ニ掲ケタル物件ハ刑法ニ依リ没収スル場合ノ外何人ノ所有ヲ問ハス警察官ニ於テ之ヲ破毀スヘシ 第四条 第一条ニ掲ケタル物件ニハ明治九年布告第五十七号ヲ適用ス 附 則 (施行期日) 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第五百九条の規定 公布の日
明治二十七年大蔵省令第二号
明治二十七年大蔵省令第二号(政府カ第三債務者トシテ差押ヘラレタル債務額ノ仕払停止仕払執行及供託ニ関スル手続)
127M10000040002
20190701
政府カ第三債務者トシテ差押ヘラレタル債務額ノ仕払停止仕払執行及供託ニ関スル手続左ノ通相定ム 第一条 仕払命令官ニ於テ差押金額ヲ仕払フトキハ仕払命令又ハ仕払請求書並ニ案内仕払命令又ハ案内仕払請求書ニ何之誰ノ差押債権者何之誰渡ト記入シ仕払命令又ハ仕払請求書ヲ差押債権者ニ交付スヘシ 第一条ノ二 歳出金ノ繰替払ヲ命令スル官吏ニ於テ差押金額ヲ仕払フトキハ歳出金繰替払証票又ハ同通知書ニ「何之誰ノ差押債権者何之誰渡」ト記入シ之ヲ差押債権者ニ交付スヘシ但シ歳出金繰替払証票又ハ同通知書ヲ発行セサル場合ニ於テハ繰替払伝票ニ本文ノ記入ヲ為シ之ヲ出納官吏ニ交付スヘシ 第二条 政府カ差押債権者ニ仕払フヘキ金額ニシテ政府ノ債権者ニ仕払フヘキ金額ノ一部分ナルトキハ其仕払命令又ハ仕払請求書歳出金繰替払証票同通知書又ハ同伝票ヲ各別ニ発行シ差押債権者ニ交付スヘキモノハ前条ノ如ク記入スヘシ 第三条 第二条ノ場合ニ於テ官吏遺族扶助法納金ノ差引ヲ要スルトキハ政府ノ債権者ニ対シ発行スル仕払命令、仕払請求書、歳出金繰替払証票、同通知書又ハ同伝票ニ於テスヘシ 第四条 出納官吏又ハ記名公債元利ノ仕払ヲ取扱フ銀行ニ於テ差押金額ヲ仕払フトキハ差押債権者ヨリ適宜ノ領収証書(公債元利払ノ場合ニ於テハ公債証書又ハ利札トモ)ヲ徴シ其差押金額ヲ仕払フヘシ 第五条 金庫出納役又ハ其代理人ニ於テ差押ヘラレタル預金保管金供託金ヲ仕払フトキハ差押債権者ヨリ明治二十六年大蔵省令第十九号第九条ノ領収証書(差押債権者之ヲ調製スルモノトス )及預金通帳又ハ同年大蔵省令第二十号第十条ノ保管証書第十二条ノ払渡証書又ハ明治三十二年大蔵省令第六号第九条ノ請求書及受領証第十三条ノ払渡証書等ヲ提出セシメ総テ預金保管金供託金払戻ノ例ニ拠リ其差押金額ヲ仕払フヘシ 第六条 金庫出納役又ハ其代理人カ差押債権者ニ仕払フヘキ金額ニシテ差押ヘラレタル保管金ノ一部分ナルトキハ明治二十六年大蔵省令第二十号第十二条第十五条ノ順序ニ準拠シ差押債権者ヲシテ払渡証書又ハ保管証書分割ノ手続ヲ為サシメタル上其差押金額ノ仕払ヲ為スヘシ 第六条ノ二 出納官吏ニ於テ差押ヘラレタル保管金ヲ仕払フトキハ政府ノ債権者ニ交付シアル保管金領収証書ヲ差押債権者ヨリ提出セシメタル上差押金額ノ仕払ヲ為スヘシ 前項ノ場合ニ於テ差押債権者ニ仕払フヘキ金額カ差押ヘラレタル保管金ノ一部分ナルトキハ保管金領収証書分割ノ手続ヲ為シタル後差押金額ノ仕払ヲ為スヘシ 第七条 差押債権者明治二十六年勅令第二百六十一号第三条ニ拠リ金庫又ハ出納官吏ニ向テ仕払ノ停止ヲ請求セントスルトキハ差押命令等(同令第一条第一項ニ規定スル「差押命令等」ヲ謂フ以下同ジ)送達通知書ヲ添ヘ第一号書式ノ仕払停止請求書ヲ金庫又ハ出納官吏ニ差出スヘシ 第八条 金庫又ハ出納官吏ニ於テ第七条ノ請求書ヲ受ケ其金額ノ既ニ仕払済ナルトキハ直チニ請求書並ニ差押命令等送達通知書ヲ返付スヘシ但仕払未済ナルトキハ差押命令等送達通知書ノミ返付スルモノトス 第九条 仕払命令官出納官吏既ニ仕払命令仕払請求書集合仕払命令集合仕払請求書又ハ現金引出切符ヲ政府ノ債権者ニ交付シ若クハ金庫ニ送付シタル後差押命令等ヲ受ケタルトキハ直チニ第二号書式ノ仕払停止通知書ヲ金庫ニ送付スヘシ 第九条ノ二 歳出金ノ繰替払ヲ命令スル官吏既ニ歳出金繰替払証票又ハ同通知書ヲ政府ノ債権者ニ交付シ又ハ繰替払伝票ヲ出納官吏ニ交付シタル後差押命令等ヲ受ケタルトキハ第二号書式ニ準シ仕払停止通知書ヲ調製シ遅滞ナク之ヲ出納官吏ニ交付スヘシ 出納官吏現金引出切符ヲ政府ノ債権者ニ交付シタル後前項ノ仕払停止通知書ヲ受ケタルトキハ直ニ第二号書式ノ仕払停止通知書ヲ金庫ニ送付スヘシ 第十条 金庫又ハ出納官吏ニ於テ前二条ノ仕払停止通知書ヲ受ケ其ノ金額ノ既ニ仕払済ナルトキハ直ニ其ノ旨ヲ附箋シテ通知書ヲ返付スヘシ 第十一条 仕払停止ノ通知ヲ為シタル後差押ノ解除アリタルトキハ其ノ通知ヲ発シタル官吏直ニ第三号書式ノ仕払停止解除通知書ヲ金庫又ハ出納官吏ニ送付スヘシ 第十二条 仕払命令官出納官吏第九条ノ仕払停止ヲ為シタル金額ヲ差押債権者ニ仕払フトキハ政府ノ債権者ニ交付シアル仕払命令仕払請求書通知書(明治二十六年大蔵省訓令第四十号附属第一号書式ノ以下同シ )又ハ現金引出切符ヲ差押債権者ヨリ提出セシメ之ニ同書式中何之誰渡トアル渡ノ文字ニ朱ノ二線ヲ画シ其下ニ「ノ差押債権者何之誰渡」(通知書ノ場合ニハ何某殿トアル何某ノ文字ニ朱ノ二線ヲ画シ「何某ノ差押債権者何之誰」)ト記入シ差押債権者ニ交付スヘシ 第十二条ノ二 歳出金ノ繰替払ヲ命令スル官吏第九条ノ二ノ仕払停止ヲ為シタル金額ヲ差押債権者ニ仕払フトキハ政府ノ債権者ニ交付シアル歳出金繰替払証票又ハ同通知書ヲ差押債権者ヨリ提出セシメ前条ノ例ニ依リ訂正ノ記入ヲ為シ之ヲ差押債権者ニ交付スヘシ但シ繰替払伝票ニ依リ出納官吏ヲシテ仕払ハシムル場合ニ於テハ本文ニ準シ該伝票ニ訂正ノ記入ヲ為スヘシ 第十三条 第十二条ノ場合ニ於テ差押債権者ニ仕払フヘキ金額ニシテ仕払命令仕払請求書通知書又ハ現金引出切符ニ記載シタル金額ノ一部分ナルトキハ仕払命令仕払請求書通知書又ハ現金引出切符ノ裏面ニ「表面ノ金額内何程別ニ差押債権者何之誰ニ仕払フヘシ」ト記入シ之ヲ政府ノ債権者ニ交付シ尚ホ第四号書式ニ拠リ金庫ニ於テ差押金額ヲ受取ルヘキ証票ヲ調製シ之ヲ差押債権者ニ交付スヘシ 第十三条ノ二 第十二条ノ二ノ場合ニ於テ差押債権者ニ仕払フヘキ金額ニシテ歳出金繰替払証票又ハ同通知書ニ記載シタル金額ノ一部分ナルトキハ其ノ裏面ニ「表記金額ノ内金何程ハ差押債権者何之誰ニ払渡スニ依リ別ニ歳出金繰替払証票(又ハ同通知書)ヲ発行ス」ト記入捺印シ之ヲ政府ノ債権者ニ交付シ別ニ差押金額ニ対スル歳出金繰替払証票又ハ同通知書ヲ発行シ之ヲ差押債権者ニ交付スヘシ但シ繰替払伝票ニ依リ出納官吏ヲシテ仕払ハシムル場合ニ於テハ該伝票ノ金額及氏名ノ傍ニ「内金何程ハ差押債権者何某渡」ト朱書シ之ヲ出納官吏ニ交付スヘシ 第十四条 第十二条第十三条ノ手続ヲ為スニ当リ既ニ現金引出切符ノ無効トナリタルトキハ更ニ現金引出切符ヲ発行シ差押債権者ニ交付スヘシ 第十五条 仕払命令官出納官吏第十二条ノ記入ヲ為シタルトキハ第五号書式第十三条ノ記入ヲ為シタルトキハ第六号書式ノ仕払通知書ヲ金庫ニ送付スヘシ 第十五条ノ二 歳出金ノ繰替払ヲ命令スル官吏第十二条ノ二及第十三条ノ二ノ記入ヲ為シタルトキハ仕払通知書ヲ調製シ遅滞ナク之ヲ出納官吏ニ送付スヘシ但シ繰替払伝票ニ依リ出納官吏ヲシテ仕払ハシムル場合ハ此ノ限ニアラス 第十六条 第七条、第九条及第九条ノ二ノ規定ニ依リ仕払停止ヲ為シタル金額ハ第十一条ノ仕払停止解除ノ通知又ハ第十五条若ハ第十五条ノ二ノ仕払通知アルニアラサレハ仕払ヲ為スコトヲ得ス 第十七条 金庫又ハ出納官吏第十二条、第十三条及第十三条ノ二ノ記入アル仕払命令、仕払請求書、通知書、歳出金繰替払証票、同通知書、現金引出切符又ハ証票ヲ以テ現金仕払ノ請求ヲ受ケタルトキハ普通仕払ニ関スル手続ヲ為シタル上第十五条又ハ第十五条ノ二ノ通知書ト対査シ之カ仕払ヲ為スヘシ繰替払伝票ニ依リ仕払ヲ為ス場合モ亦之ニ準ス 第十八条 仕払命令官、出納官吏ニ於テ差押金額ノ供託ヲ要スルトキハ仕払命令、仕払請求書、現金引出切符又ハ現金ニ明治三十二年大蔵省令第六号附属第一号書式ノ供託書ヲ添ヘ金庫ニ送附シ其ノ旨執行裁判所(差押処分ガ為サレタル場合ニ於テハ当該差押処分ヲ為シタル裁判所書記官以下同ジ)ニ通知スヘシ但シ供託受領証ハ当該仕払命令官又ハ出納官吏ニ於テ之ヲ保管シ若シ執行裁判所ヘ送付ヲ要スルトキハ之ヲ裁判所ニ送付シ其ノ領収証書ヲ受クヘシ 第十八条ノ二 歳出金ノ繰替払ヲ命令スル官吏ニ於テ差押金額ノ供託ヲ要スルトキハ供託スヘキ金額ニ対スル歳出金繰替払証票又ハ同伝票ヲ発行シ其ノ裏面若ハ余白ニ「表(前)記ノ金額ハ何執行裁判所ノ差押命令等ニ依リ金庫ヘ供託スル為何出納官吏ニ払渡ヲ要ス」ト記入捺印シ之ヲ出納官吏ニ交付スヘシ 第十八条ノ三 出納官吏前条ノ歳出金繰替払証票又ハ同伝票ヲ受ケタルトキハ現金ニ明治三十二年大蔵省令第六号附属第一号書式ノ供託書ヲ添ヘ金庫ヘ送付シ其ノ旨執行裁判所ヘ通知ノ手続ヲ為スヘシ 第十八条但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス 第十九条 第十八条及第十八条ノ二ノ供託スヘキ金額ニシテ政府ノ債権者ニ仕払フヘキ金額ノ一部分ナルトキハ仕払命令、仕払請求書、現金引出切符、歳出金繰替払証票又ハ同伝票ヲ各別ニ発行シ各其ノ所定ノ手続ヲ為スヘシ 第二十条 差押金額ヲ供託シタル仕払命令官歳出金ノ繰替払ヲ命令スル官吏、出納官吏ニ於テ配当ニ与カルヘキ各債権者連署ノ仕払請求又ハ裁判所ノ命令アリタルトキハ供託金払渡ノ手続ヲ為スヘシ 第二十一条 仕払命令官出納官吏ニ於テ差押金額ノ供託ヲ要スル場合ニシテ第九条ノ仕払停止ヲ為シタル後ナルトキハ第七号書式ノ政府ノ債権者ニ交付シアル仕払命令仕払請求書通知書又ハ現金引出切符ノ取消通知書ヲ金庫及政府ノ債権者ニ送付シタル上第十八条第十九条ノ手続ヲ為スヘシ 第二十一条ノ二 歳出金ノ繰替払ヲ命令スル官吏ニ於テ差押金額ノ供託ヲ要スル場合ニシテ第九条ノ二ノ仕払停止ヲ為シタル後ナルトキハ第七号書式ニ準シ政府ノ債権者ニ交付シアル歳出金繰替払証票、同通知書ノ取消通知書ヲ調製シ之ヲ出納官吏及政府ノ債権者ニ送付シタル後第十八条ノ二及第十九条ノ手続ヲ為スヘシ但シ繰替払伝票ニ依リ出納官吏ヲシテ仕払ハシムルモノナルトキハ同官吏ヨリ繰替払伝票ヲ提出セシメタル後本文後段ノ手続ヲ為スヘシ 第二十二条 銀行又ハ金庫ニ於テ差押金額ノ供託ヲ要スルトキハ其現金ニ明治三十二年大蔵省令第六号附属第一号書式ノ供託書ヲ添ヘ金庫ニ送付シ其旨執行裁判所ニ通知スヘシ但供託受領証ハ其銀行又ハ金庫ニ保管シ若クハ執行裁判所ニ送付ヲ要スルトキハ之ヲ該裁判所ニ送付シ其領収証書ヲ徴スヘシ 第二十三条 差押金額ヲ供託シタル銀行又ハ金庫ニ於テ配当ニ与カルヘキ各債権者連署ノ仕払請求又ハ裁判所ノ命令アリタルトキハ第四条第五条差押金額仕払ノ例ニ拠リ供託金払渡ノ手続ヲ為スヘシ 附 則 この省令は、公布の日から施行する。 附 則 1 この省令は、平成六年四月一日から施行する。 2 この省令施行の際、現に存するこの省令による改正前の書式による用紙は、当分の間、これを取りつくろい使用することができる。 附 則 (施行期日) 第一条 この省令は、平成十五年四月一日から施行する。 (財務省令の廃止) 第二条 次に掲げる省令は、廃止する。 一 郵政官署において取り扱う国庫金の受入及び払渡に関する規則(昭和二十四年大蔵省令第六十号) 二 光学読取式電子情報処理組織を使用して処理する場合における特定歳入金の収納関係事務等の取扱いの特例に関する省令(平成四年大蔵省令第七十八号) 附 則 1 この省令は、平成十七年四月一日から施行する。 2 この省令施行の際、現に存するこの省令による改正前の書式による用紙は、当分の間、これを取りつくろい使用することができる。 附 則 (施行期日) 1 この省令は、公布の日から施行する。 (経過措置) 2 この省令の施行の際、現に存する改正前の様式又は書式による用紙は、当分の間、これを取り繕い使用することができる。 附 則 この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年七月一日)から施行する。 (第一号書式) (第二号書式) (第三号書式) (第四号書式) (第五号書式) (第六号書式) (第七号書式ノ甲) (第七号書式ノ乙)
明治二十七年閣令第一号
褒章条例取扱手続
127M10000001001
20161001
明治十四年第百三号達褒章条例取扱手続左ノ通改正ス 第一条 褒章条例ニ依リ褒章ヲ賜フヘキ者アルトキハ地方長官主務大臣ニ具申シ主務大臣ハ其ノ当否ヲ審査シ賞勲局総裁ヘ申牒スヘシ 第二条 賞勲局総裁ハ申牒書ヲ覆覈シ褒章ヲ賜フヘキモノト認ムルトキハ奏請裁可ヲ得在東京ノ者ニハ之ヲ直授シ其ノ他ノ者ニハ主務大臣ヲ経由シテ之ヲ伝達スヘシ 第三条 外国人ニ褒章ヲ賜フヘキトキハ主務大臣外務大臣ト連署シテ之ヲ申牒スヘシ授与ノトキハ外務大臣ヲ経由シテ之ヲ伝達ス其ノ公私傭ニ係ル者ハ第二条ニ依ル 第四条 行賞ニ関シ二以上ノ地方長官具申スヘキ場合ニ於テハ関係地方長官ノ協議ニ依リ其ノ一地方長官之ヲ行フコトヲ得 第五条 外国人ニ対スル金銀木杯、金円又ハ褒状ノ賜与ハ内国人ノ例ニ依ル但シ帝室ノ貴賓又ハ外国使臣ニ対スル賜与ハ外務大臣賞勲局総裁ヘ申牒スヘシ授与ノトキハ外務大臣ヲ経由シテ之ヲ伝達ス 第六条 褒章条例ニ依リ表彰セラルヘキ者具申後行賞前ニ於テ死亡シ又ハ罰金以上ノ刑ニ該ル罪ヲ犯シタル者ナルコトヲ知リタルトキハ地方長官ハ速ニ其ノ旨主務大臣ニ申報シ主務大臣ハ之ヲ賞勲局総裁ニ通知スヘシ 第七条 本令中地方長官ノ職務ハ外国ニ在リテハ領事官之ヲ行フ 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 明治十六年太政官達第十七号金銀木杯金円賜与手続及明治四十四年閣令第十三号ハ之ヲ廃止ス 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 この府令は、公布の日から施行する。
明治二十七年勅令第二十三号
明治二十七年勅令第二十三号(大婚二十五年祝典之章制定ノ件)
127IO0000000023
20150801
第一条 大婚二十五年祝典之章ハ金銀ノ両種トス 第二条 祝典之章ハ大婚二十五年祝典ノ当日召ニ依リ参内シタル者ニ頒賜ス 第三条 祝典之章ノ図式左ノ如シ 章 円形径九分余金若クハ銀 輪廓内表面ニ菊御紋ト雙鶴松ヲ銜ミ左右交架藤花ノ図、裏面ニ大婚二十五年祝典之章、大日本帝国、明治二十七年三月ノ二十三字ヲ識ス 環 円形金若クハ銀 綬 紅色、中央ニ黄線一条ヲ交フ 第四条 祝典之章ハ本人ニ限リ終身之ヲ佩用シ子孫之ヲ保存スルコトヲ許ス其ノ没収ニ関シテハ明治十四年第六十三号布告褒章条例ニ依ル 祝典之章ノ図 佩用式 一 綬ヲ用ヰテ左胸ニ佩フ但婦人ハ蝶結ヲ用ウ
明治二十六年勅令第二百六十一号
明治二十六年勅令第二百六十一号(政府ノ債務ニ対シ差押命令ヲ受クル場合ニ於ケル会計上ノ規程)
126IO0000000261
20150801
第一条 政府ヲ第三債務者トシテ発スル差押命令又ハ差押処分(以下「差押命令等」ト謂フ)ハ左ノ三項ニ掲クルモノノ外仕払命令官ニ宛之ヲ発スルモノトス ○2 仕払命令官既ニ現金前渡ノ仕払命令又ハ仕払請求書ヲ発シタル場合ニ於テハ現金前渡ヲ受ケタル官吏ニ向テ差押命令等ヲ発スルモノトス但シ記名公債元利ニ対スル差押命令等ハ公債元利ノ仕払ヲ取扱フ銀行ニ向テ発スルモノトス ○3 出納官吏カ繰替払ヲ為ス歳出金ニ対スル差押命令等ハ其ノ繰替払ヲ命令スル官吏ニ向テ発スルモノトス ○4 預金、保管金、供託金ニ対スル差押命令等ハ中央金庫ニ係ルモノハ金庫出納役ニ、本支金庫ニ係ルモノハ関係ノ金庫出納役代理人ニ向テ発スルモノトス但シ出納官吏ノ保管ニ係ル歳入歳出外現金ニ対スル差押命令等ハ当該出納官吏ニ向テ発スルモノトス 第二条 継続収入ノ債権差押ノ場合ニ於テ関係官庁又ハ金庫ニ変更アルトキハ甲官吏又ハ甲金庫ノ受ケタル差押命令等ハ乙官吏又ハ乙金庫ニ於テ之ヲ承継スルモノトス 第三条 差押債権者ガ差押命令等ノ送達ノ通知ヲ受ケタルトキ緊急ノ場合ニ於テハ仕払ヲ執行スヘキ金庫又ハ出納官吏ニ向ヒ仮リニ仕払ノ停止ヲ求ムルコトヲ得 第四条 仕払命令、仕払請求書、集合仕払命令、集合仕払請求書及現金引出切符ヲ政府ノ債権者ニ交付シタル後差押命令等ヲ受ケタルトキハ当該仕払命令官又ハ出納官吏ハ速カニ金庫ニ向テ差押金額ノ仕払ヲ停止スヘシ ○2 繰替払ヲ命令スル官吏カ繰替払ノ命令ヲ発シタル後差押命令等ヲ受ケタルトキハ速ニ出納官吏ニ向テ差押金額ノ仕払ヲ停止スヘシ 第五条 差押ヘラレタル金額ヲ差押債権者ニ仕払フトキハ当該仕払命令官、繰替払ヲ命令スル官吏、出納官吏、銀行又ハ金庫ニ於テ仕払ノ手続ヲ為スヘシ 第六条 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百五十六条第一項又ハ第二項(此等ヲ準用シ又ハ其ノ例ニ依ル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ供託ヲ為ス場合ニ於テハ当該仕払命令官、繰替払ヲ命令スル官吏、出納官吏、銀行又ハ金庫ニ於テ供託ノ手続ヲ為スヘシ滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律(昭和三十二年法律第九十四号)第二十条の六第一項(同法第二十条の九第一項、第二十条の十及第三十六条の十二第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第三十六条の六第一項(同法第三十六条の十三ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ供託ヲ為ス場合ニ於テ亦同ジ 第七条 差押金額ノ仕払停止、仕払執行又ハ供託ニ関スル手続ハ財務大臣之ヲ定ムヘシ 第八条 仮差押命令ノ場合ニ於テハ本令ヲ準用ス 附 則 第九条 本令ハ明治二十七年一月一日ヨリ施行ス 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 (施行期日) 1 この政令は、民事執行法の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この政令は、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部を改正する法律(昭和五十五年法律第五十号)の施行の日(昭和五十五年十月一日)から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この政令は、平成十三年一月六日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この政令は、平成十五年四月一日から施行する。 附 則 (施行期日) 1 この政令は、民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成十七年四月一日)から施行する。 (除権判決に関する経過措置) 2 改正法の施行前にされた改正法附則第二条の規定による廃止前の公示催告手続ニ関スル法律(明治二十三年法律第二十九号。以下「旧公示催告手続法」という。)の規定による除権判決又は改正法の施行後に改正法附則第六条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる同項の公示催告手続においてされた旧公示催告手続法の規定による除権判決は、改正法第二条の規定による改正後の非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)の規定による除権決定とみなす。
明治二十五年閣令第四号
明治二十五年閣令第四号(各官庁ニ於テ公務上在外公使領事ヲ煩ハストキ外務大臣ヘ照会ノ件)
125M10000001004
20161001
各官庁ニ於テ公務上在外公使領事ヲ煩ハサヽルヲ得サルコトアル時ハ事ノ大小ヲ論セス総テ之ヲ外務大臣ヘ照会又ハ禀請スヘシ 但予メ外務大臣ノ承諾ヲ経テ直接通信ヲ為スハ此限ニアラス
明治二十三年法律第一号
保管金規則
123AC0000000001
20150801
第一条 法律勅令又ハ従来ノ規則ニ依リ政府ニ於テ保管スル公有金私有金ハ左ノ計算法ニ従ヒ満五年ヲ過キテ払戻ノ請求ナキトキハ政府ノ所得トス但別ニ法律ヲ以テ失権ノ期限ヲ定メタルモノハ各其定ムル所ニ依ル 第一 保管義務解除ノ期アルモノハ其義務ヲ解除シタル翌日ヨリ起算ス 第二 保管義務解除ノ期ナキモノハ保管ノ翌日ヨリ起算ス 第三 訴訟事件ノ為ニ払戻ヲ請求スル能ハサル場合ニ於テハ裁判確定ノ翌日ヨリ起算ス 第二条 保管金ハ法律勅令又ハ従来ノ規則若クハ契約ニ依ルノ外利子ヲ付セス 第三条 保管金ノ証書ハ売買譲与又ハ書入質入スルコトヲ得ス 附 則 本法ノ期間ハ本法施行前ノ保管金ニ関シテハ本法施行ノ日ヨリ起算ス 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、昭和四十二年六月一日から施行する。
明治二十二年閣令第十九号
予定経費算出概則
122M10000001019
20161001
第一条 経費ヲ算出スルニハ其必要ヲ生スル法律命令契約其他経費ヲ請求スル確実ノ理由ヲ示スヘシ 第二条 経費中其給与ニ属スルモノハ一人当リノ給額ヨリ積算シ又其物件ニ属スルモノハ一箇当リノ費用ヨリ積算スヘシ 第三条 一人当リノ給額ヲ算出スルニハ規定ノ給額アルモノハ其規定ノ額ヲ基トシ又規定ノ給額ナキモノハ各々其拠ル所ヲ示スヘシ 第四条 一箇当リノ費用ヲ算出スルニハ規定ノ価格アルモノハ其価額ヲ基トシ又規定ノ価格ナキモノハ時々ノ相場ニ拠リ其拠ル所ヲ示スヘシ 第五条 給与ニ属スル経費ヲ積算スルニハ定員アルモノハ定員ヲ限度トシ定員ナキモノハ前年度四月一日ノ現員ヲ標準トスヘシ但事務ノ繁閑ニ随ヒ臨時傭入及解傭ヲナス人員ハ前々年度以前三箇年度ノ人員ノ平均ヲ標準トスヘシ 第六条 物件ニ属スル経費ヲ積算スルニハ規定ノ箇数アルモノハ規定ノ箇数ヲ限度トシ規定ノ箇数ナキモノハ前々年度以前三箇年度間ニ実際使用ニ供シタル箇数ノ平均ヲ標準トスヘシ 第七条 国債償還ノ金額(定期アルモノヲ除ク )ハ財政ノ都合ニ依リ其利子及手数料ハ定規ニ拠リ之ヲ予算スヘシ 第八条 常例ノ旅行ニ属スル旅費ハ各用務毎ニ人員、旅費等級、里程及滞在日数ヲ概定シテ予算スヘシ 第九条 法律命令契約ニ拠リ支出スヘキ総金額ノ定リタルモノハ其総金額ヲ以テ予算額トスヘシ 第十条 前各条ニ拠ルヘカラサル経費ハ最モ適実ノ方法ヲ以テ予算シ其計算ノ基ク所ヲ示スヘシ
明治二十二年閣令第十二号
歳入歳出予算概定順序
122M10000001012
20161001
第一条 歳入ノ事務管理庁ハ毎年度歳入概算書ヲ調製シ前年度五月三十一日マテニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ 第二条 歳入概算書ハ経常ト臨時トニ大別シ更ニ之ヲ款項目ニ区分シ前年度ノ予算ニ比シ増減ノ理由ヲ説明スヘシ 第三条 各省大臣ハ毎年度歳出概算書ヲ調製シ前年度五月三十一日マテニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ 第四条 歳出概算書ハ各省ノ所管経費ヲ経常ト臨時トニ大別シ更ニ之ヲ款項ニ区分シ前年度ノ予算ニ比シ増減ノ理由ヲ説明スヘシ 第五条 大蔵大臣ハ各庁ノ歳入概算書及歳出概算書ヲ検案シ歳入出ヲ対照調理シ歳入出総概算書ヲ調製シ前年度六月三十日マテニ之ヲ閣議ニ提出スヘシ 第六条 歳入出総概算書ハ歳入出共ニ経常ト臨時トニ大別シ更ニ之ヲ款項ニ区分シ前年度ニ比シ増減ノ理由ヲ説明スヘシ 第七条 内閣ニ於テハ前年度七月十五日マテニ歳入出総概算書ヲ決定スヘシ 第八条 各省大臣ハ内閣ニ於テ決定シタル各省所管経費毎項ノ概算額以内ニ於テ節約ヲ旨トシ毎年度ノ各省予定経費要求書ヲ調製シ前年度八月三十一日マテニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ 第九条 歳入概算書及歳出概算書ノ様式ハ大蔵大臣之ヲ定ムヘシ 第十条 明治二十三年度予算ニ限リ前各条ノ期限ヲ一箇月間延スコトヲ得
明治二十二年勅令第百三号
明治二十二年勅令第百三号(帝国憲法発布記念章制定ノ件)
122IO0000000103
20150801
第一条 大日本帝国憲法発布記念章ハ金銀ノ両種トス 第二条 記念章ヲ頒賜スルハ憲法発布式ニ関リタル親王以下ノ諸員ニ限ル 判任官以下ヲ除ク 第三条 記念章ノ図式左ノ如シ 章 円形径九分余金若クハ銀 輪廓内表面ニ菊御紋ト高御座並大勲位菊花頸飾章ノ図裏面ニ明治二十二年二月十一日大日本帝国憲法発布記念章ノ二十三字ヲ識ス 環 円形金若クハ銀 綬 幅一寸二分旭日桐花章ノ綬ヲ用フ 第四条 記念章ハ本人ニ限リ終身之ヲ佩用シ子孫之ヲ保存スルヲ許ス其ノ之ヲ没収スルノ事項ハ明治十四年第六十三号布告褒章条例ニ依ル 記念章ノ図 佩用式 一 綬ヲ用テ左胸ニ佩フ 一 記念章ヲ四等以下ノ勲章若クハ記章褒章ト併佩スル時ハ勲章ノ左記章褒章ノ右ニ列シテ佩フヘシ
明治二十二年法律第三十四号
明治二十二年法律第三十四号(決闘罪ニ関スル件)
122AC0000000034
20220617
第一条 決闘ヲ挑ミタル者又ハ其挑ニ応シタル者ハ六月以上二年以下ノ重禁錮ニ処シ十円以上百円以下ノ罰金ヲ附加ス 第二条 決闘ヲ行ヒタル者ハ二年以上五年以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以上二百円以下ノ罰金ヲ附加ス 第三条 決闘ニ依テ人ヲ殺傷シタル者ハ刑法ノ各本条ニ照シテ処断ス 第四条 決闘ノ立会ヲ為シ又ハ立会ヲ為スコトヲ約シタル者ハ証人介添人等何等ノ名義ヲ以テスルニ拘ラス一月以上一年以下ノ重禁錮ニ処シ五円以上五十円以下ノ罰金ヲ附加ス 情ヲ知テ決闘ノ場所ヲ貸与シ又ハ供用セシメタル者ハ罰前項ニ同シ 第五条 決闘ノ挑ニ応セサルノ故ヲ以テ人ヲ誹毀シタル者ハ刑法ニ照シ誹毀ノ罪ヲ以テ論ス 第六条 前数条ニ記載シタル犯罪刑法ニ照シ其重キモノハ重キニ従テ処断ス 附 則 (施行期日) 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第五百九条の規定 公布の日
明治二十一年勅令第七十六号
勲章佩用式
121IO0000000076
20150801
(大勲位菊花章) 第一条 大勲位菊花章ハ頸飾ヲ以テ喉下ニ佩ヒ其副章ヲ左肋ニ佩フ大綬ヲ以テ佩フル時ハ右肩ヨリ左脇ヘ垂レ其副章ハ左肋ニ佩フ (宝冠章) 第二条 宝冠章ノ佩用ハ次ニ定ムル所ニ依ル 一 宝冠大綬章ハ大綬ヲ以テ右肩ヨリ左脇ヘ垂レ其副章ヲ左肋ニ佩フ 二 宝冠牡丹章宝冠白蝶章宝冠藤花章宝冠杏葉章及宝冠波光章ハ結蝶状ノ綬ヲ以テ左肋ニ佩フ (桐花大綬章) 第三条 桐花大綬章ハ大綬ヲ以テ右肩ヨリ左脇ヘ垂レ其副章ヲ左肋ニ佩ブ (旭日章) 第四条 旭日章ノ佩用ハ次ニ定ムル所ニ依ル 一 旭日大綬章ハ大綬ヲ以テ右肩ヨリ左脇ヘ垂レ其副章ヲ左肋ニ佩フ 二 旭日重光章ハ右肋ニ佩ヒ其副章ヲ中綬ヲ以テ喉下ニ佩フ 三 旭日中綬章ハ中綬ヲ以テ喉下ニ佩フ 四 旭日小綬章旭日双光章及旭日単光章ハ小綬ヲ以テ左肋ニ佩フ (瑞宝章) 第五条 瑞宝章ノ佩用ハ次ニ定ムル所ニ依ル 一 瑞宝大綬章ハ大綬ヲ以テ右肩ヨリ左脇ヘ垂レ其副章ヲ左肋ニ佩フ 二 瑞宝重光章ハ右肋ニ佩ビ其副章ヲ中綬ヲ以テ喉下ニ佩ブ 三 瑞宝中綬章ハ中綬ヲ以テ喉下ニ佩フ 四 瑞宝小綬章瑞宝双光章及瑞宝単光章ハ小綬ヲ以テ左肋ニ佩フ (勲章ノ併佩) 第六条 別種ノ勲章ハ之ヲ併佩スルコトヲ得其大綬章ハ之ヲ併佩セス 附 則 (施行期日) 1 この政令は、平成十五年五月一日から施行し、改正後の規定は、平成十五年十一月三日以後の日付をもって授与される勲章から適用する。 (経過措置) 2 この政令による改正前の規定により授与された勲章及び平成十五年十一月二日以前の日付をもって授与される勲章については、改正前の規定は、なおその効力を有する。
明治二十一年勅令第一号
明治二十一年勅令第一号(宝冠章及大勲位菊花章頸飾ニ関スル件)
121IO0000000001
20150801
第一条 明治八年太政官布告第五十四号ニ定ムルノ外特別ノ場合婦人ノ勲労アル者ニ対シ同布告第一条ニ掲グル勲章ニ代ヘテ次ノ勲章ヲ賜フ 一 宝冠大綬章 二 宝冠牡丹章 三 宝冠白蝶章 四 宝冠藤花章 五 宝冠杏葉章 六 宝冠波光章 宝冠大綬章、宝冠牡丹章、宝冠白蝶章、宝冠藤花章、宝冠杏葉章及宝冠波光章ノ章ハ宝冠ト竹桜ノ形ヲ以テ飾リ綬ハ地黄色双線紅色トス 第二条 大勲位菊花章頸飾ハ大勲位ニ叙セシ者ニ特別之ヲ賜フ 菊花菊葉ノ形ト明治二字古篆文ヲ以テ飾ル 附 則 (施行期日) 1 この政令は、平成十五年五月一日から施行し、改正後の規定は、平成十五年十一月三日以後の日付をもって授与される勲章から適用する。 (経過措置) 2 この政令による改正前の規定により授与された勲章及び平成十五年十一月二日以前の日付をもって授与される勲章については、改正前の規定は、なおその効力を有する。
明治二十年勅令第三十九号
官吏服務紀律
120IO0000000039
19470502
第一条 凡ソ官吏ハ国民全体ノ奉仕者トシテ誠実勤勉ヲ主トシ法令ニ従ヒ各其職務ヲ尽スヘシ 第二条 官吏ハ其職務ニ付本属長官ノ命令ヲ遵守スヘシ但其命令ニ対シ意見ヲ述ルコトヲ得 第三条 官吏ハ職務ノ内外ヲ問ハス廉恥ヲ重シ貧汚ノ所為アルヘカラス 官吏ハ職務ノ内外ヲ問ハス威権ヲ濫用セス謹慎懇切ナルコトヲ務ムヘシ 第四条 官吏ハ己ノ職務ニ関スルト又ハ他ノ官吏ヨリ聞知シタルトヲ問ハス官ノ機密ヲ漏洩スルコトヲ禁ス其職ヲ退ク後ニ於テモ亦同様トス 法令ニ依ル証人鑑定人等ト為リ職務上ノ秘密ニ属スル事項ヲ発表スルニハ本属長官ノ許可ヲ要ス 第五条 官吏ハ私ニ職務上未発ノ文書ヲ関係人ニ漏示スルコトヲ禁ス 第六条 官吏ハ本属長官ノ許可ナクシテ擅ニ職務ヲ離レ及職務上居住ノ地ヲ離ルヽコトヲ得ス 第七条 官吏ハ本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ営業会社ノ社長又ハ役員トナルコトヲ得ス 第八条 官吏ハ本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ其職務ニ関シ慰労又ハ謝儀又ハ何等ノ名義ヲ以テスルモ直接ト間接トヲ問ハス総テ他人ノ贈遺ヲ受クルコトヲ得ス 官吏外国ノ君主又ハ政府ヨリ授与セントスル所ノ勲章栄賜俸給並贈遺ヲ受クルニハ内閣ノ許可ヲ要ス 第九条 左ニ掲ケタル者ト直接ニ関係ノ職務ニ居ルノ官吏ハ其饗燕ヲ受クルコトヲ得ス 一 官庁ノ工事ヲ受負フ者 一 官庁ノ為替方又ハ出納ヲ引受クル者 一 官庁ノ補助金ヲ受クル起業者 一 官庁ノ用品ヲ調達スル者 一 官庁ト諸般ノ契約ヲ結フ者 第十条 凡ソ上官タル者ハ職務ノ内外ヲ問ハス所属官吏ヨリ贈遺ヲ受クルコトヲ得ス 第十一条 官吏並ニ其家族ハ本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ直接ト間接トヲ問ハス商業ヲ営ムコトヲ得ス 第十二条 官吏ハ取引相場会社ノ社員タルコトヲ得ス及間接ニ相場商業ニ関係スルコトヲ得ス 第十三条 官吏ハ本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ本職ノ外ニ給料ヲ得テ他ノ事務ヲ行フコトヲ得ス 第十四条 浪費シテ産ヲ破リ其分ニ応セサル負債ヲ為ス者ハ過失ノ一タルヘシ 第十五条 官吏ハ私立郵船会社又ハ私立鉄道会社ヨリ無賃乗船無賃乗車切符ヲ受クルコトヲ得ス 第十六条 凡ソ局長所長其他一部ノ長ハ各所属官吏ヲ監督シ其過失若シ懲戒処分ヲ行フノ区域ノ内ニ在ラサル者ハ之ヲ訓告スルコトヲ務ムヘシ若シ懲戒処分ヲ要スト認ムルトキハ事状ヲ具ヘテ之ヲ本属長官ニ禀告スヘシ其情ヲ知リ隠蔽シテ禀告セサル者亦過失タルコトヲ免レス 第十七条 本紀律ハ官吏及俸給ヲ得テ公務ヲ奉スル者ニ適用ス 附 則 この勅令は、公布の日から、これを施行する。
明治二十年勅令第二号
海上法ノ要義ヲ確定スル為メ西暦千八百五十六年四月十六日巴里公会ニ於テ決定セシ宣言
120IO0000000002
20150801
千八百五十六年三月三十日巴里条約ニ署名セル各全権委員ハ茲ニ会議ヲ開キ戦時海上法ノ古来久シク痛嘆スヘキ紛議ノ原因ト為リ且本件ニ関スル法律及ヒ義務ノ明確ナラサルハ局外中立国ト交戦国トノ間意見ノ相合ハサルノ基ニシテ随テ容易ナラサル困難或ハ葛藤ヲ惹起スルノ恐レアルコトヲ悟リ此緊要ナル事項ニ関シ一定ノ主義ヲ設クルノ利益アル事並ニ巴里公会ニ参集セル各全権委員ニ於テ本件ニ関スル列国交際上一定ノ原則ヲ議定スルハ最モ能ク各自政府ノ希図ニ応スルモノナル事ヲ認メリ 因テ右全権委員ハ各其政府ヨリ妥当ノ委任ヲ受ケ此目的ヲ達スルノ方法ヲ協議センコトニ決シ評議ノ上左ノ宣言ヲ採用セリ 第一 私船ヲ拿捕ノ用ニ供スルハ自今之ヲ廃止スル事 第二 局外中立国ノ旗章ヲ掲クル船舶ニ搭載セル敵国ノ貨物ハ戦時禁制品ヲ除クノ外之ヲ拿獲スヘカラサル事 第三 敵国ノ旗章ヲ掲クル船舶ニ搭載セル局外中立国ノ貨物ハ戦時禁制品ヲ除クノ外之ヲ拿獲スヘカラサル事 第四 港口ノ封鎖ヲ有効ナラシムルニハ実力ヲ用井サルヘカラス即チ敵国ノ海岸ニ接到スルヲ実際防止スルニ足ルヘキ充分ノ兵備ヲ要スル事
明治二十年勅令第一号
海底電信線保護万国連合条約ノ説明書
120IO0000000001
20150801
明治十八年七月第十七号布告海底電信線保護万国連合条約ノ意義ヲ明確ニスル為メ各国全権委員ノ議定シタル説明書 明治十七年三月十四日(西暦千八百八十四年)ノ海底電信線保護万国連合条約ニ調印セシ各政府ヨリ出セル下名ノ全権委員ハ該条約第二条及第四条ノ意義ヲ明確ニスルヲ便宜ナリト認メタルニ依リ同意ノ上説明書ヲ決定セリ 明治十七年三月十四日(西暦千八百八十四年)ノ条約第二条中ニ記入セル「故意」ト云ヘル文字ノ意義ニ疑惑ヲ生シタルニ依リ右箇条中刑事上ノ責任ニ付テノ規定ハ海底電信線ノ切断又ハ破損ヲ予防スル為メ精々注意ヲ加フルト雖モ其修繕ノ際不慮ノ事ニ依リ或ハ已ムヲ得スシテ他ノ海底電信線ヲ切断又ハ破損セシメタルトキニハ之ヲ適施セサルモノト約定ス 又該条約第四条ハ海底電信線ノ所有者其海底電信線ヲ布設シ又ハ修繕スルノ際他ノ海底電信線ヲ切断又ハ破損セシメタルトキ各国ノ相当裁判所ヲシテ其法律ト事件ノ情状トニ従ヒ民事上責任ノ有無ヲ判定セシメ果シテ其責任アルコトヲ認定シタル上ハ其責任ノ結果ヲ決定セシムルコトノ外他ノ目的ヲ有セサリシコト且他ノ効力ヲ有ス可ラサルコトヲ約定ス 明治十九年十二月一日(西暦千八百八十六年)各国全権委員巴里ニ於テ調印ス日耳曼全権委員ハ明治二十年三月二十三日(西暦千八百八十七年)同所ニ於テ調印ス 日本全権委員 原    敬 手記調印 日耳曼全権委員 ミユンストル 同 亜爾惹丁全権委員 ジヨゼ、セー、パツ 同 澳地利洪牙利全権委員 ゴルコウスキ 同 白耳義全権委員 ベイヤン 同 伯西爾全権委員 アリノス 同 哥斯太利加全権委員 エル、フェルナンデ 同 丁抹全権委員 モルトケ、ウ井トフェルド 同 度美尼哥全権委員 エマニュエル、ド、アルメダ 同 西班牙全権委員 ジー、エル、アルバレダ 同 北米合衆国全権委員 マク、レーヌ 同 法蘭西全権委員 セー、ド、フレシ子 同 大不列顛全権委員 ライオンス 同 牙徳麻刺全権委員 クリサント、メヂナ 同 希臘全権委員 デリアンニ 同 伊太利全権委員 メナブレア 同 和蘭全権委員 ア、ド、スツエルス 同 葡萄牙全権委員 コント、ド、ウアルボン 同 羅瑪尼全権委員 ウエー、アレクサンドリ 同 露西亜全権委員 ロツエブエ 同 薩爾波度全権委員 ペクトル 同 摂兒比亜全権委員 マリノウ井ッチ 同 瑞典諾威全権委員 レウエンハウト 同 土耳其全権委員 エツサド 同 烏拉芸全権委員 ジユアン、ジー、ヂアツ 同
明治十九年勅令第五十一号
明治十九年勅令第五十一号(本初子午線経度計算方及標準時ノ件)
119IO0000000051
20150801
一英国グリニツチ天文台子午儀ノ中心ヲ経過スル子午線ヲ以テ経度ノ本初子午線トス 一経度ハ本初子午線ヨリ起算シ東西各百八十度ニ至リ東経ヲ正トシ西経ヲ負トス 一明治二十一年一月一日ヨリ東経百三十五度ノ子午線ノ時ヲ以テ本邦一般ノ標準時ト定ム
明治十九年勅令
メートル条約
119IO0000000000
20150801
明治八年(西暦千八百七十五年)仏蘭西国巴里府ニ於テ独逸国外十六箇国ノ間ニ締結セルメートル条約訳文 日耳曼皇帝陛下、澳地利洪葛利皇帝陛下、白耳義皇帝陛下、伯西児皇帝陛下、亜然的音共和国大統領閣下、丁抹皇帝陛下、西班牙皇帝陛下、亜米利加合衆国大統領閣下、仏蘭西共和国大統領閣下、伊太利皇帝陛下、白露共和国大統領閣下、葡萄牙亜爾珈揮皇帝陛下、露西亜皇帝陛下、瑞典那威皇帝陛下、瑞西聯邦大統領閣下、土耳其皇帝陛下及ヴェネズエラ共和国大統領閣下ハメートル法ヲ万国ニ施行シ且之ヲシテ完全ナラシメンコトヲ冀望シ之カ為メ条約ヲ締結センコトニ決定シ各其全権委員ヲ任命スルコト左ノ如シ 日耳曼皇帝陛下ハ巴里府駐在同国特命全権大使、普魯西赤鷲勲章及バヴヒエール、サン、ユベール勲章ノグラン、クロアー、プランス、ド、ホヘンローフ、シルリンヒユルスト氏 澳地利洪葛利皇帝陛下ハ巴里府駐在同国特命全権大使、現侍従兼枢密顧問、金羊毛勲章ノシユヴハリヱ並洪葛利サン、ヱチヱンス勲章及レオポール勲章ノグラン、クロアー、コント、アッポニー氏 白耳義皇帝陛下ハ巴里府駐在同国特命全権公使レオポール勲章ノグラン、ヲフヒシヱ及レジヨン、ドノール勲章ノグラン、ヲフヒシヱ、バロン、ベイヤン氏 伯西児皇帝陛下ハ巴里府駐在同国特命全権公使、宮中顧問、クリスト勲章ノコンマンドール、及レジヨン、ドノール勲章ノグラン、ヲフヒシヱ、貴族ヴヰコント、ヂタジユバ、マルコー、アントニヨ、ダロージヨ氏 亜然的音共和国大統領閣下ハ巴里府駐在同国特命全権公使バルカルス氏 丁抹皇帝陛下ハ巴里府駐在同国特命全権公使、ダヌブログ勲章ノグラン、クロアー、及同勲章ノクロアー、ドノール並レジヨン、ドノール、勲章ノグラン、オフヒシヱ、コント、ド、モルトッケ、ウヰツトフヱルド氏 西班牙皇帝陛下ハ巴里府駐在同国特命全権公使、金羊毛勲章ノシユヴハリエ及レジヨン、ドノール、勲章ノグラン、クロアー一等貴族ヴヰコント、ド、ロカモラ、マルキー、ド、モレン、ドン、マリヤノー、ロカ、ド、ドゴール氏及西班牙国地理統計学士院長理学会院会員イザベール、ラ、カトリック勲章ノグラン、クロアー将官イバネー氏 亜米利加合衆国大統領閣下ハ巴里府駐在同国特命全権公使ヱリユー、ベンジヤメン、ウワシユビユルヌ氏 仏蘭西共和国大統領閣下ハ外務卿、国会議員、レジヨン、ドノール勲章ノコンマンドール、ヂユツク、デカーズ氏農商務卿、国会議員ヴヰコント、ド、モー氏及前卿、理学会院常置書記レジヨン、ドノール勲章ノグラン、クロアー、ヂユマー氏 伊太利皇帝陛下ハ巴里府駐在同国特命全権公使、サン、モーリース、エー、ラザール勲章及伊太利王冠勲章ノシユヴハリエ、グラン、クロアー並レジヨン、ドノール勲章ノグラン、ヲフヒシヱ、シユヴハリエ、コンスタンテン、ニグラ氏 白露共和国大統領閣下ハ巴里府駐在同国特命全権公使ペドロ、ガルウヱーズ氏及前特命全権公使フランシスコ、ド、リヴエロ氏 葡萄牙亜爾珈揮皇帝陛下ハ巴里府駐在同国特命全権公使、サン、ジヤツク勲章ノグラン、クロアー、及葡萄牙ツール、エ、レペー勲章ノシユヴハリエ貴族ジヨセ、ダ、シルヴハ、メンド、レアル氏 露西亜皇帝陛下ハ在巴里同国大使館顧問、現参事院議官露国サント、アンヌ第一等サン、スタニスラス第一等サン、ウラジミール第三等勲章ノシユヴハリエ及レジヨン、ドノール勲章ノコンマンドール、グレゴアール、ヲクーネツフ氏 瑞典那威皇帝陛下ハ巴里府駐在同国特命全権公使、瑞典北極星及那威サン、ヲラフ勲章ノグラン、クロアー並レジヨン、ドノール勲章ノグラン、ヲフヒシエ、バロン、アデルス、ウアールド氏 瑞西聯邦大統領閣下ハ巴里府駐在同聯邦特命全権公使ジヤン、コンラード、ケルヌ氏 土耳其皇帝陛下ハ参謀中佐ヲスマニヱ第四等勲章及メジヂエー第五等勲章並レジヨン、ドノール勲章ノオフヒシエ、ヒユスニー、ベー氏 ヴェネズエラ共和国大統領閣下ハ学士エリゼヲ、アコスタ氏 右全権委員ハ互ニ委任ノ書ヲ示シ其善良適当ナルヲ認メ以テ左ノ条々ヲ議定ス 第一条 締約諸国ハ共同ノ費用ヲ以テ度量衡万国中央局ヲ設立維持シ巴里府ニ之ヲ常置シテ以テ学術上ノ事ヲ司トラシムヘシ 第二条 仏国政府ハ本条約附録ノ規則ヲ以テ定メタル条規ニ随ヒ専ラ右目的ニ供スヘキ家屋ノ買入若クハ建築ヲ容易ナラシムルニ必要ナル処置ヲナスヘシ 第三条 万国中央局ハ総テ度量衡万国委員会ノ指揮監督ヲ受ケテ事務ヲ取扱フヘシ但該委員会ハ締約各国政府ノ委員ヲ以テ組織スル度量衡総会議ノ支配ヲ受クヘキモノトス 第四条 度量衡総会議議長ノ任ハ巴里理学会院現職院長ニ委嘱スルモノトス 第五条 中央局ノ組織並度量衡万国委員会及度量衡総会ノ組成権限ハ本条約附録ノ規則ニ於テ之ヲ規定スヘシ 第六条 度量衡万国中央局ハ左ノ事務ヲ担任スヘシ 第一 新製メートル及キログランム原器ノ比較監査ニ関スル事 第二 万国原器ノ保存 第三 定期ヲ以テ各国摸製原器ヲ万国原器及其擬製品ト比較シ且各国標準寒暖計ヲ相比較スル事 第四 新製原器ヲ以テ各国及ヒ学術上ニ於テ使用スル所ノ度量衡原器ニシテメートル法ニ基カサルモノニ比較スル事 第五 測地用ノ尺度ヲメートル原器ニ照準シテ之ヲ比較スル事 第六 政府学士協会美術家又ハ学士ノ嘱托ニ応シ諸原器及確正尺度ヲ比較監査スル事 第七条 委員会ニ於テ電気単位ニ関スル値ノ統合ノ事業ニ著手シタル後且総会議ニ於テ該事項ニ付全会一致ヲ以テ決定シタルトキハ中央局ハ電気単位ノ原器及其擬製品ノ設定及保存並右原器ト各国原器及其他ノ精密原器トノ比較ヲ担任スヘシ 中央局ハ又物理的定数ニ関スル決定ヲ担任ス右定数ヲ一層正確ニ知ルトキハ前記(第六条及第七条第一項)単位ニ関スル範囲内ニ於ケル正確ノ度ヲ増加シ且其統一ヲ最確実ナラシムルコトヲ得ルモノトス 中央局ハ又他ノ学会ニ於テ為サレタル同様ノ決定ヲ統合スル事業ヲ担任ス 第八条 万国原器及其擬製品ハ中央局内ニ之ヲ保管シ右保管ノ場所ニ接近スルコトハ専ラ万国委員会ニ留保セラル 第九条 度量衡万国中央局ノ構造創設費並其維持ニ要スル毎年ノ経費及万国委員会ノ経費等ハ凡テ締約各国ノ支出金ヲ以テ之ヲ支弁スヘシ但其支出金額ハ締約各国現時ノ人口ニ基キ調製シタル割合表ニ準拠シ之ヲ定ムヘキモノトス 第十条 締約各国ハ其支出金額ヲ毎歳ノ初メ仏国外務省ヲ経由シテ巴里貯金所ヘ払込ムヘシ右金額ハ入用ノ都度中央局長ノ証券ヲ以テ該貯金所ヨリ之ヲ請取ルヘキモノトス 第十一条 本条約ニ加盟スルノ権ハ各邦国ニ許与スルニ付之ヲ行ハントスル政府ハ割賦ノ支出金ヲ払入ルヘシ其金額ハ第九条ニ記載ノ基礎ニ依リ万国委員会ニ於テ之ヲ定ムヘシ且右支出金ハ本局学術上ニ関スル器具材料ノ改良ニ充ツヘキモノトス 第十二条 締約各国ノ経験ニ依リ本条約ニ修正ヲ加フルコトヲ有益ト認メタルトキハ協議一致ノ上之ヲ為スノ権アルモノトス 第十三条 十二箇年ノ期限ヲ経過シタル後締約各国ハ本条約ヲ解脱スルコトヲ得ヘシ 自己ノ権利ニ依リ本条約ノ聯合ヲ脱セント欲スル政府ハ該期限ノ尽了スル一年前ニ其旨ヲ告知スヘシ然ルトキハ万国原器及中央局ニ付テ総テノ共同所有権ヲ放棄シタルモノトス 第十四条 本条約ハ各国特有ノ憲法ニ従ヒ之ヲ批准シ巴里府ニ於テ六箇月内若クハ成ルヘク速ニ其批准書ヲ交換スヘシ而シテ本条約ハ千八百七十六年一月一日ヨリ之ヲ実行スヘキモノトス 右確証ノ為メ各国ノ全権委員各茲ニ記名スルモノナリ 千八百七十五年五月二十日巴里府ニ於テ作ル ホヘンローフ アッポニー ベイヤン ヴヰコント、ヂタジユバ ヱム、バルカルス ヱル、モルトッケ、ウヰツフヱルド マルキー、ド、モレン カルロ、イバネー ヱ、ベー、ウワシユビユルヌ デカーズ セー、ド、モー ヂユマー ニグラ ベー、ガルウヱーズ フランシスコ、ド、リヴエロ ジヨセ、ダ、シルヴハ、メンド、レアル ヲクーネッフ アデルスウアールド ケルヌ ヒユスニー ヱ、アコスタ
明治十七年太政官布告第三十二号
明治十七年太政官布告第三十二号(爆発物取締罰則)
117DF1000000032
20220617
爆発物取締罰則別冊ノ通制定ス 右奉 勅旨布告候事 (別冊) 第一条 治安ヲ妨ケ又ハ人ノ身体財産ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ爆発物ヲ使用シタル者及ヒ人ヲシテ之ヲ使用セシメタル者ハ死刑又ハ無期若クハ七年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス 第二条 前条ノ目的ヲ以テ爆発物ヲ使用セントスルノ際発覚シタル者ハ無期若クハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス 第三条 第一条ノ目的ヲ以テ爆発物若クハ其使用ニ供ス可キ器具ヲ製造輸入所持シ又ハ注文ヲ為シタル者ハ三年以上十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス 第四条 第一条ノ罪ヲ犯サントシテ脅迫教唆煽動ニ止ル者及ヒ共謀ニ止ル者ハ三年以上十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス 第五条 第一条ニ記載シタル犯罪者ノ為メ情ヲ知テ爆発物若クハ其使用ニ供ス可キ器具ヲ製造輸入販売譲与寄蔵シ及ヒ其約束ヲ為シタル者ハ三年以上十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス 第六条 爆発物ヲ製造輸入所持シ又ハ注文ヲ為シタル者第一条ニ記載シタル犯罪ノ目的ニアラサルコトヲ証明スルコト能ハサル時ハ六月以上五年以下ノ懲役ニ処ス 第七条 爆発物ヲ発見シタル者ハ直ニ警察官吏ニ告知ス可シ違フ者ハ百円以下ノ罰金ニ処ス 第八条 第一条乃至第五条ノ犯罪アルコトヲ認知シタル時ハ直ニ警察官吏若クハ危害ヲ被ムラントスル人ニ告知ス可シ違フ者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス 第九条 第一条乃至第五条ノ犯罪者ヲ蔵匿シ若クハ隠避セシメ又ハ其罪証ヲ湮滅シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス 第十条 第一条乃至第六条ノ罪ハ刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二ノ例ニ従フ 第十一条 第一条ニ記載シタル犯罪ノ予備陰謀ヲ為シタル者ト雖モ未タ其事ヲ行ハサル前ニ於テ官ニ自首シ因テ危害ヲ為スニ至ラサル時ハ其刑ヲ免除ス第五条ニ記載シタル犯罪者モ亦同シ 第十二条 本則ニ記載シタル犯罪刑法ニ照シ仍ホ重キ者ハ重キニ従テ処断ス 附 則 本法ハ刑法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。 (経過措置) 第二条 改正後の爆発物取締罰則第十条の規定、火炎びんの使用等の処罰に関する法律第四条の規定、細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律第十一条の規定、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第四十二条(刑法(明治四十年法律第四十五号)第四条の二に係る部分に限る。)の規定及びサリン等による人身被害の防止に関する法律第八条の規定は、この法律の施行の日以後に日本国について効力を生ずる条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされる罪に限り適用する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、核によるテロリズムの行為の防止に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。 附 則 (施行期日) 第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第一条中組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)第十二条の改正規定、第二条及び第四条から第七条までの規定並びに附則第四条及び第六条の規定 国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約が日本国について効力を生ずる日 (経過措置) 第四条 新組織的犯罪処罰法第十二条(刑法第四条の二に係る部分に限る。)の規定、第二条の規定による改正後の爆発物取締罰則第十条(爆発物取締罰則第四条から第六条までに係る部分に限る。)の規定、第四条の規定による改正後の暴力行為等処罰に関する法律第一条ノ三第二項の規定、第五条の規定による改正後の児童福祉法第六十条第五項(同条第一項に係る部分に限る。)の規定、第六条の規定による改正後の細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約等の実施に関する法律第十一条(同法第十条に係る部分に限る。)の規定及び第七条の規定による改正後のサリン等による人身被害の防止に関する法律第八条(同法第五条第三項に係る部分に限る。)の規定は、附則第一条第一号に掲げる規定の施行の日以後に日本国について効力を生ずる条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされている罪に限り、適用する。 附 則 (施行期日) 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。 ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 一 第五百九条の規定 公布の日
明治十六年太政官達第二十七号
明治十六年太政官達第二十七号(官報の発行)
116DT0000000027
20150801
官報本年七月一日ヨリ発行候条此旨相達候事
明治十四年太政官布告第六十三号
明治十四年太政官布告第六十三号(褒章条例)
114DF0000000063
20150801
褒章条例別紙ノ通相定来明治十五年一月一日ヨリ之ヲ施行ス 右奉 勅旨布告候事 (別紙) 第一条 凡ソ自己ノ危難ヲ顧ミス人命ノ救助ニ尽力シタル者又ハ自ラ進デ社会ニ奉仕スル活動ニ従事シ徳行顕著ナル者又ハ業務ニ精励シ衆民ノ模範タルヘキ者又ハ学術芸術上ノ発明改良創作ニ関シ事績著明ナル者又ハ教育衛生慈善防疫ノ事業、学校病院ノ建設、道路河渠堤防橋梁ノ修築、田野ノ墾闢、森林ノ栽培、水産ノ繁殖、農商工業ノ発達ニ関シ公衆ノ利益ヲ興シ成績著明ナル者又ハ公同ノ事務ニ勤勉シ労効顕著ナル者又ハ公益ノ為私財ヲ寄附シ功績顕著ナル者ヲ表彰スル為左ノ六種ノ褒章ヲ定ム 紅綬褒章 右自己ノ危難ヲ顧ミス人命ノ救助ニ尽力シタル者ニ賜フモノトス 緑綬褒章 右自ラ進デ社会ニ奉仕スル活動ニ従事シ徳行顕著ナル者ニ賜フモノトス 黄綬褒章 右業務ニ精励シ衆民ノ模範タルベキ者ニ賜フモノトス 紫綬褒章 右学術芸術上ノ発明改良創作ニ関シ事績著明ナル者ニ賜フモノトス 藍綬褒章 右教育衛生慈善防疫ノ事業、学校病院ノ建設、道路河渠堤防橋梁ノ修築、田野ノ墾闢、森林ノ栽培、水産ノ繁殖、農商工業ノ発達ニ関シ公衆ノ利益ヲ興シ成績著明ナル者又ハ公同ノ事務ニ勤勉シ労効顕著ナル者ニ賜フモノトス 紺綬褒章 右公益ノ為私財ヲ寄附シ功績顕著ナル者ニ賜フモノトス 第二条 本条例ニ依リ表彰セラルヘキ者団体ナルトキハ褒状ヲ賜フ 第三条 已ニ褒章ヲ賜ハリタルモノ再度以上同様ノ実行アリテ褒章ヲ賜フヘキトキハ其都度飾版一箇ヲ賜与シ其章ノ綬ニ附加セシメ以テ標識トス 前項ノ飾版五箇以上ニ達シタルトキハ五箇毎ニ別種ノ飾版一箇ヲ引替ヘ賜与ス 第四条 褒章ハ本人ニ限リ終身之ヲ佩用スルコトヲ得 第五条 第一条ノ規定ニ依リ褒章ヲ賜フヘキ者ニハ褒章ト金銀木杯トヲ併セ賜フコトアルヘシ 第六条 本条例ニ依リ表彰セラルヘキ者死亡シタルトキハ金銀木杯又ハ褒状ヲ其遺族ニ賜ヒ之ヲ追賞ス 第七条 褒章ノ製式ハ次ノ通トス 章 桜花紋円形 飾版 銀但シ第三条第二項ノ飾版ハ金トス 綬 種類ニ依リ紅緑黄紫藍紺六色ノ別アリ 第八条 褒章ハ左肋ノ辺ヘ佩ブベシ 第九条 褒章ノ製式ノ細目其他必要ナル事項ハ内閣府令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 附 則 この政令は、公布の日から施行する。 附 則 この政令は、平成十五年五月一日から施行し、改正後の規定は、平成十五年十一月三日以後の日付をもって授与される褒章から適用する。
明治十年太政官達第九十七号
明治十年太政官達第九十七号(大勲位菊花大綬章及副章製式ノ件)
110DT0000000097
20150801
明治九年中欽定ノ大勲位菊花大綬章及副章製式別冊ノ通ニ候事 右相達候事 (別冊) 大勲位菊花大綬章 副章 章 金日章 菊花菊葉ノ形ヲ以テ飾ル 金銀日章 二重光線及菊花菊葉ノ形ヲ以テ飾ル 綬 紅紫織 無綬 附 則 本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス 従前ノ略綬ハ当分ノ内仍之ヲ佩用スルコトヲ得 附 則 (施行期日) 1 この政令は、平成十五年五月一日から施行し、改正後の規定は、平成十五年十一月三日以後の日付をもって授与される勲章から適用する。 (経過措置) 2 この政令による改正前の規定により授与された勲章及び平成十五年十一月二日以前の日付をもって授与される勲章については、改正前の規定は、なおその効力を有する。
明治八年太政官達第百五十二号
明治八年太政官達第百五十二号(不用物品等払下ノトキ其管庁所属ノ官吏入札禁止ノ件)
108DT0000000152
20150801
官地官林及ヒ不用ノ物品等公ケノ入札法ヲ以テ払下候節其管庁ニ属スル官員ニ限リ本人ハ勿論其代理人ト雖モ投票為致候儀不相成候条此旨相達候事
明治八年太政官布告第百三号
明治八年太政官布告第百三号(裁判事務心得) 抄
108DF0000000103
20150801
今般裁判事務心得左ノ通相定候条此旨布告候事 第三条 一民事ノ裁判ニ成文ノ法律ナキモノハ習慣ニ依リ習慣ナキモノハ条理ヲ推考シテ裁判スヘシ 第四条 一裁判官ノ裁判シタル言渡ヲ以テ将来ニ例行スル一般ノ定規トスルコトヲ得ス 第五条 一頒布セル布告布達ヲ除クノ外諸官省随時事ニ就テノ指令ハ将来裁判所ノ準拠スヘキ一般ノ定規トスルコトヲ得ス
明治八年太政官布告第五十四号
明治八年太政官布告第五十四号(勲章制定ノ件)
108DF0000000054
20150801
今般賞牌別冊ノ通被定候条此旨布告候事 (別冊) 朕惟フニ凡ソ国家ニ功ヲ立テ績ヲ顕ス者宜ク之ヲ褒賞シ以テ之ニ酬ユヘシ仍テ勲等賞牌ノ典ヲ定メ人々ヲシテ寵異表彰スル所アルヲ知ラシメントス汝有司其斯旨ヲ体セヨ 明治八年二月 第一条 勲等ハ勲績及功労アル者ヲ賞スル為メニ設クル所ノ階級ニシテ位階ト異ナル故ニ各種ノ勲章ヲ佩用セシム 勲等ヲ分ツテ次ノ六級ト為ス 一 旭日大綬章、瑞宝大綬章又ハ桐花大綬章ヲ賜フベキモノ 二 旭日重光章又ハ瑞宝重光章ヲ賜フベキモノ 三 旭日中綬章又ハ瑞宝中綬章ヲ賜フベキモノ 四 旭日小綬章又ハ瑞宝小綬章ヲ賜フベキモノ 五 旭日双光章又ハ瑞宝双光章ヲ賜フベキモノ 六 旭日単光章又ハ瑞宝単光章ヲ賜フベキモノ 第二条 旭日大綬章、旭日重光章、旭日中綬章、旭日小綬章、旭日双光章及旭日単光章ハ国家又ハ公共ニ対シ勲績アル者ニ之ヲ賜フ 右各勲章ニ在テハ章ハ旭日ノ形ヲ以テ飾リ綬ハ地白色双線紅色トス 第三条 瑞宝大綬章、瑞宝重光章、瑞宝中綬章、瑞宝小綬章、瑞宝双光章及瑞宝単光章ハ国家又ハ公共ニ対シ積年ノ功労アル者ニ之ヲ賜フ 右各勲章ニ在テハ章ハ鏡珠ノ形ヲ以テ飾リ綬ハ地藍色双線橙黄色トス 第四条 桐花大綬章ハ旭日大綬章又ハ瑞宝大綬章ヲ賜フベキ者ノ中其勲績又ハ功労特ニ優レタルモノニ之ヲ賜フ 桐花大綬章ノ章ハ旭日ト桐花ノ形ヲ以テ飾リ綬ハ地紅色双線白色トス 第五条 勲章ハ佩用本人ニ止リ子孫之ヲ用ユルコトヲ得ス 第六条 勲章ノ製式其他ノ細目ハ内閣府令ヲ以テ之ヲ定ム 附 則 (施行期日) 1 この政令は、平成十五年五月一日から施行し、改正後の規定は、平成十五年十一月三日以後の日付をもって授与される勲章から適用する。 (経過措置) 2 この政令による改正前の規定により授与された勲章及び平成十五年十一月二日以前の日付をもって授与される勲章については、改正前の規定は、なおその効力を有する。
明治六年太政官布告第六十五号
明治六年太政官布告第六十五号(絞罪器械図式)
106DF0000000065
20150801
府県ヘ 絞罪器械別紙図式ノ通改正相成候間各地方ニ於テ右図式ニ従ヒ製造可致事 絞架全図 実物 六十分ノ一 本図死囚二人ヲ絞ス可キ装構ナリト雖モ其三人以上ノ処刑ニ用ルモ亦之ニ模倣シテ作リ渋墨ヲ以テ全ク塗ル可シ 凡絞刑ヲ行フニハ先ツ両手ヲ背ニ縛シ紙ニテ面ヲ掩ヒ引テ絞架ニ登セ踏板上ニ立シメ次ニ両足ヲ縛シ次ニ絞繩ヲ首領ニ施シ其咽喉ニ当ラシメ繩ヲ穿ツトコロノ鉄鐶ヲ頂後ニ及ホシ之ヲ緊縮ス次ニ機車ノ柄ヲ挽ケハ踏板忽チ開落シテ囚身地ヲ離ル/凡一尺空ニ懸ル凡二分時死相ヲ験シテ解下ス(凡絞刑云々以下ハ原文絞架図面ノ後ニアリ) 踏板表面図 実物三十分ノ一 機車 実物三十分ノ一 機車属鉄板図 実物三十分ノ一 踏板裏面図 実物三十分ノ一 機車装置図 実物三十分ノ一 絞縄鐶図 実物十分ノ一 鉄板架図 実物十分ノ一 螺旋図 実物十分ノ一 絞縄略図 縄長二丈五尺
明治五年太政官布告第三百三十七号
明治五年太政官布告第三百三十七号(改暦ノ布告)
105DF0000000337
20150801
今般改暦ノ儀別紙 詔書ノ通被 仰出候条此旨相達候事 (別紙) 詔書写 朕惟フニ我邦通行ノ暦タル太陰ノ朔望ヲ以テ月ヲ立テ太陽ノ躔度ニ合ス故ニ二三年間必ス閏月ヲ置カサルヲ得ス置閏ノ前後時ニ季候ノ早晩アリ終ニ推歩ノ差ヲ生スルニ至ル殊ニ中下段ニ掲ル所ノ如キハ率子妄誕無稽ニ属シ人知ノ開達ヲ妨ルモノ少シトセス盖シ太陽暦ハ太陽ノ躔度ニ従テ月ヲ立ツ日子多少ノ異アリト雖モ季候早晩ノ変ナク四歳毎ニ一日ノ閏ヲ置キ七千年ノ後僅ニ一日ノ差ヲ生スルニ過キス之ヲ太陰暦ニ比スレハ最モ精密ニシテ其便不便モ固リ論ヲ俟タサルナリ依テ自今旧暦ヲ廃シ太陽暦ヲ用ヒ天下永世之ヲ遵行セシメン百官有司其レ斯旨ヲ体セヨ 明治五年壬申十一月九日 ○ 一 今般太陰暦ヲ廃シ太陽暦御頒行相成候ニ付来ル十二月三日ヲ以テ明治六年一月一日ト被定候事 但新暦鏤板出来次第頒布候事 一 一ケ年三百六十五日十二ケ月ニ分チ四年毎ニ一日ノ閏ヲ置候事 一 時刻ノ儀是迄昼夜長短ニ随ヒ十二時ニ相分チ候処今後改テ時辰儀時刻昼夜平分二十四時ニ定メ子刻ヨリ午刻迄ヲ十二時ニ分チ午前幾時ト称シ午刻ヨリ子刻迄ヲ十二時ニ分チ午後幾時ト称候事 一 時鐘ノ儀来ル一月一日ヨリ右時刻ニ可改事 但是迄時辰儀時刻ヲ何字ト唱来候処以後何時ト可称事 一 諸祭典等旧暦月日ヲ新暦月日ニ相当シ施行可致事 太陽暦 一年三百六十五日 閏年三百六十六日四年毎ニ置之 一月大 三十一日 其一日 即旧暦壬申 十二月三日 二月小 二十八日閏年/二十九日 其一日 同癸酉 正月四日 三月大 三十一日 其一日 同 二月三日 四月小 三十日 其一日 同 三月五日 五月大 三十一日 其一日 同 四月五日 六月小 三十日 其一日 同 五月七日 七月大 三十一日 其一日 同 六月七日 八月大 三十一日 其一日 同 閏六月九日 九月小 三十日 其一日 同 七月十日 十月大 三十一日 其一日 同 八月十日 十一月小 三十日 其一日 同 九月十二日 十二月大 三十一日 其一日 同 十月十二日 大小毎年替ルコトナシ 時刻表 午前 零時 即午後十二時 子刻 一時 子半刻 二時 丑刻 三時 丑半刻 四時 寅刻 五時 寅半刻 六時 卯刻 七時 卯半刻 八時 辰刻 九時 辰半刻 十時 巳刻 十一時 巳半刻 十二時 午刻 午後 一時 午半刻 二時 未刻 三時 未半刻 四時 申刻 五時 申半刻 六時 酉刻 七時 酉半刻 八時 戌刻 九時 戌半刻 十時 亥刻 十一時 亥半刻 十二時 子刻 右之通被定候事