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Babel
Babelは、JavaScriptのコードを異なるバージョンや形式に変換するための重要なツールです。特に、最新のJavaScript構文で書かれたコードを、古いバージョンのJavaScriptに変換する役割を果たします。これにより、開発者は新しい言語機能を活用しつつ、古いブラウザや環境でも動作するコードを生成できます。 さらに、BabelはTypeScriptやReactなどの拡張言語やライブラリとも密接に関連しています。TypeScriptは、JavaScriptに静的型付けを追加するための言語であり、BabelはTypeScriptのコードをJavaScriptに変換するのにも利用されます。これにより、TypeScriptで書かれたコードを、ブラウザやNode.jsなどのランタイム環境で実行可能なJavaScriptに変換できます。 また、Reactは、UIを構築するための人気のあるJavaScriptライブラリです。Reactでは、JSXと呼ばれる特別な構文を使用してコンポーネントを記述します。Babelは、JSXを普通のJavaScriptに変換する際にも使用されます。これにより、開発者はReactでコンポーネントを記述する際に便利な構文を使用しつつ、ブラウザが理解できるJavaScriptに変換することができます。 JavaScriptは、ウェブページを動的に制御するためのプログラミング言語です。まずは、その基本的な概念を確認しましょう。 JavaScriptでのプログラムは、変数、データ型、演算子などの要素で構成されます。 プログラムの制御フローを管理するために、条件分岐とループが使用されます。 関数は、特定のタスクや処理を実行するための再利用可能なコードブロックです。 関数はパラメーター(引数)を受け取ることもあり、処理の結果として値を返すこともあります。 これにより、同じ処理を繰り返し実行する際に効率的にコードを記述できます。 これらの基本的な概念を理解することは、JavaScriptプログラミングの基盤となります。 次のレベルに進む前に、これらの概念をしっかりと理解しておきましょう。 ECMAScriptは、JavaScriptの標準仕様を定義するための規格です。歴史的に、JavaScriptはECMAScriptに基づいて開発されてきました。以下は、ECMAScriptの歴史とバージョンの概要です。 ES6(ECMAScript 2015)以降のバージョンでは、JavaScript言語に多くの新機能が導入されました。以下は、ES6以降の主な新機能の紹介です。 ES6以降の新機能は、JavaScriptの開発をより効率的で読みやすくするためのものです。これらの機能を活用することで、よりモダンで保守性の高いコードを書くことができます。 Babelは、JavaScriptのコードを異なるバージョンや形式に変換するためのツールです。主な役割は、古いバージョンのJavaScriptに書かれたコードを、より新しいバージョンのJavaScriptに変換することです。例えば、ES6(ES2015)やそれ以降のバージョンで書かれたコードを、古いブラウザでも動作するようにES5に変換することができます。これにより、開発者はモダンなJavaScriptの機能を使用しながらも、古いブラウザの互換性を維持することができます。 Babelを使用するには、まずNode.jsとnpm(Node Package Manager)がインストールされていることを確認します。次に、プロジェクトのディレクトリで以下のコマンドを実行して、Babelをプロジェクトにインストールします。 このコマンドは、Babelのコア機能とCLIツールをプロジェクトに追加します。 Babel CLI(Command Line Interface)は、コマンドラインからBabelを実行するためのツールです。Babel CLIを使用すると、コマンドラインからファイルやディレクトリを指定してBabelを実行できます。 例えば、単一のファイルを変換する場合は次のようにします。 上記のコマンドは、script.jsというファイルをコンパイルし、script-compiled.jsというファイルに出力します。 複数のファイルを一度に変換する場合は、次のようにします。 上記のコマンドは、srcディレクトリ内のすべてのファイルを変換し、distディレクトリに出力します。 Babel CLIを使うことで、手動でファイルを変換することができます。しかし、大規模なプロジェクトでは、設定ファイルを使用してBabelの動作をカスタマイズすることが一般的です。
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Babelは、JavaScriptのコードを異なるバージョンや形式に変換するための重要なツールです。特に、最新のJavaScript構文で書かれたコードを、古いバージョンのJavaScriptに変換する役割を果たします。これにより、開発者は新しい言語機能を活用しつつ、古いブラウザや環境でも動作するコードを生成できます。 さらに、BabelはTypeScriptやReactなどの拡張言語やライブラリとも密接に関連しています。TypeScriptは、JavaScriptに静的型付けを追加するための言語であり、BabelはTypeScriptのコードをJavaScriptに変換するのにも利用されます。これにより、TypeScriptで書かれたコードを、ブラウザやNode.jsなどのランタイム環境で実行可能なJavaScriptに変換できます。 また、Reactは、UIを構築するための人気のあるJavaScriptライブラリです。Reactでは、JSXと呼ばれる特別な構文を使用してコンポーネントを記述します。Babelは、JSXを普通のJavaScriptに変換する際にも使用されます。これにより、開発者はReactでコンポーネントを記述する際に便利な構文を使用しつつ、ブラウザが理解できるJavaScriptに変換することができます。
Babelは、JavaScriptのコードを異なるバージョンや形式に変換するための重要なツールです。特に、最新のJavaScript構文で書かれたコードを、古いバージョンのJavaScriptに変換する役割を果たします。これにより、開発者は新しい言語機能を活用しつつ、古いブラウザや環境でも動作するコードを生成できます。 さらに、BabelはTypeScriptやReactなどの拡張言語やライブラリとも密接に関連しています。TypeScriptは、JavaScriptに静的型付けを追加するための言語であり、BabelはTypeScriptのコードをJavaScriptに変換するのにも利用されます。これにより、TypeScriptで書かれたコードを、ブラウザやNode.jsなどのランタイム環境で実行可能なJavaScriptに変換できます。 また、Reactは、UIを構築するための人気のあるJavaScriptライブラリです。Reactでは、JSXと呼ばれる特別な構文を使用してコンポーネントを記述します。Babelは、JSXを普通のJavaScriptに変換する際にも使用されます。これにより、開発者はReactでコンポーネントを記述する際に便利な構文を使用しつつ、ブラウザが理解できるJavaScriptに変換することができます。 == 初級編 == === JavaScriptの基礎 === JavaScriptは、ウェブページを動的に制御するためのプログラミング言語です。まずは、その基本的な概念を確認しましょう。 ==== 変数、データ型、演算子などの基本的な概念の復習 ==== JavaScriptでのプログラムは、変数、データ型、演算子などの要素で構成されます。 * '''変数:''' データを格納するための箱です。<code>var</code>、<code>let</code>、<code>const</code>などのキーワードを使用して宣言します。 *:<syntaxhighlight lang=js> var x = 5; let y = "Hello"; const PI = 3.14; </syntaxhighlight> * '''データ型:''' JavaScriptには、文字列、数値、真偽値、オブジェクトなどのさまざまなデータ型があります。 *:<syntaxhighlight lang=js> const name = "John"; // 文字列 const age = 30; // 数値 const isStudent = true; // 真偽値 const person = {name: "Alice", age: 25}; // オブジェクト </syntaxhighlight> * '''演算子:''' 加算、減算、乗算、除算などの算術演算子や、比較演算子、論理演算子などがあります。 *:<syntaxhighlight lang=js> const sum = 5 + 3; // 加算 const difference = 10 - 4; // 減算 const product = 6 * 2; // 乗算 const quotient = 8 / 4; // 除算 </syntaxhighlight> ==== 制御構造(条件分岐、ループ)の理解 ==== プログラムの制御フローを管理するために、条件分岐とループが使用されます。 * '''条件分岐:''' 条件に応じて異なる処理を実行するために使用されます。<code>if</code>、<code>else if</code>、<code>else</code>などのキーワードがあります。 *:<syntaxhighlight lang=js> const age = 20; if (age >= 18) { console.log("成人です"); } else { console.log("未成年です"); } </syntaxhighlight> * '''ループ:''' 同じ処理を繰り返し実行するために使用されます。<code>for</code>ループや<code>while</code>ループがあります。 *:<syntaxhighlight lang=js> for (let i = 0; i < 5; i++) { console.log(i); } let count = 0; while (count < 5) { console.log(count); count++; } </syntaxhighlight> ==== 関数の基本的な使用法 ==== 関数は、特定のタスクや処理を実行するための再利用可能なコードブロックです。 :<syntaxhighlight lang=js> // 関数の定義 function greet(name) { console.log("Hello, " + name + "!"); } // 関数の呼び出し greet("Alice"); greet("Bob"); </syntaxhighlight> 関数はパラメーター(引数)を受け取ることもあり、処理の結果として値を返すこともあります。 これにより、同じ処理を繰り返し実行する際に効率的にコードを記述できます。 これらの基本的な概念を理解することは、JavaScriptプログラミングの基盤となります。 次のレベルに進む前に、これらの概念をしっかりと理解しておきましょう。 === ECMAScriptの進化 === ==== ECMAScriptの歴史とバージョンの概要 ==== ECMAScriptは、JavaScriptの標準仕様を定義するための規格です。歴史的に、JavaScriptはECMAScriptに基づいて開発されてきました。以下は、ECMAScriptの歴史とバージョンの概要です。 * '''ES1(ECMAScript 1):''' 最初のECMAScriptのリリース。1997年にリリースされました。初期のJavaScript仕様を定義します。 * '''ES2(ECMAScript 2):''' 1998年にリリース。仕様の微調整や修正が行われました。 * '''ES3(ECMAScript 3):''' 1999年にリリース。広くサポートされ、多くのウェブブラウザで使用されました。このバージョンは、クロージャや正規表現などの重要な機能を導入しました。 * '''ES4(ECMAScript 4):''' このバージョンは、開発中に取り消されました。大規模な変更が提案されたが、実装上の問題やブラウザ間の互換性の問題があり、採用されませんでした。 * '''ES5(ECMAScript 5):''' 2009年にリリース。ES3の拡張版であり、strict modeやJSONサポートなどの新機能が追加されました。ES5は広くサポートされ、現在でも一部のプロジェクトで使用されています。 ==== ES6(ES2015)以降の新機能の紹介 ==== ES6(ECMAScript 2015)以降のバージョンでは、JavaScript言語に多くの新機能が導入されました。以下は、ES6以降の主な新機能の紹介です。 * '''アロー関数:''' 短くて読みやすい関数を定義するための構文です。 *:<syntaxhighlight lang=js> // 従来の関数定義 function add(a, b) { return a + b; } // アロー関数 const add = (a, b) => a + b; </syntaxhighlight> * '''テンプレートリテラル:''' 文字列の中で変数や式を埋め込むための構文です。 *:<syntaxhighlight lang=js> const name = "Alice"; const greeting = `Hello, ${name}!`; </syntaxhighlight> * '''クラス:''' オブジェクト指向プログラミングのためのクラス構文が導入されました。 *:<syntaxhighlight lang=js> class Person { constructor(name) { this.name = name; } greet() { return `Hello, ${this.name}!`; } } const person = new Person("Alice"); console.log(person.greet()); </syntaxhighlight> * '''letとconst:''' <code>var</code>に代わる新しい変数宣言キーワードです。<code>let</code>は再代入可能な変数を宣言し、<code>const</code>は再代入不可の定数を宣言します。 * '''分割代入:''' 配列やオブジェクトから値を取り出して複数の変数に代入する構文です。 *:<syntaxhighlight lang=js> const [a, b] = [1, 2]; // a = 1, b = 2 const {name, age} = {name: "Alice", age: 30}; // name = "Alice", age = 30 </syntaxhighlight> ES6以降の新機能は、JavaScriptの開発をより効率的で読みやすくするためのものです。これらの機能を活用することで、よりモダンで保守性の高いコードを書くことができます。 === Babelの導入 === ==== Babelの概要と役割の理解 ==== Babelは、JavaScriptのコードを異なるバージョンや形式に変換するためのツールです。主な役割は、古いバージョンのJavaScriptに書かれたコードを、より新しいバージョンのJavaScriptに変換することです。例えば、ES6(ES2015)やそれ以降のバージョンで書かれたコードを、古いブラウザでも動作するようにES5に変換することができます。これにより、開発者はモダンなJavaScriptの機能を使用しながらも、古いブラウザの互換性を維持することができます。 ==== Babelのインストールと基本的な設定 ==== Babelを使用するには、まずNode.jsとnpm(Node Package Manager)がインストールされていることを確認します。次に、プロジェクトのディレクトリで以下のコマンドを実行して、Babelをプロジェクトにインストールします。 :<syntaxhighlight lang=shell> npm install --save-dev @babel/core @babel/cli </syntaxhighlight> このコマンドは、Babelのコア機能とCLIツールをプロジェクトに追加します。 ==== Babel CLIの使い方の習得 ==== Babel CLI(Command Line Interface)は、コマンドラインからBabelを実行するためのツールです。Babel CLIを使用すると、コマンドラインからファイルやディレクトリを指定してBabelを実行できます。 例えば、単一のファイルを変換する場合は次のようにします。 :<syntaxhighlight lang=shell> npx babel script.js --out-file script-compiled.js </syntaxhighlight> 上記のコマンドは、<code>script.js</code>というファイルをコンパイルし、<code>script-compiled.js</code>というファイルに出力します。 複数のファイルを一度に変換する場合は、次のようにします。 :<syntaxhighlight lang=shell> npx babel src --out-dir dist </syntaxhighlight> 上記のコマンドは、<code>src</code>ディレクトリ内のすべてのファイルを変換し、<code>dist</code>ディレクトリに出力します。 Babel CLIを使うことで、手動でファイルを変換することができます。しかし、大規模なプロジェクトでは、設定ファイルを使用してBabelの動作をカスタマイズすることが一般的です。 == 中級編 == === Babelの基本的な機能 === ==== Babelのプラグインとプリセットの理解 ==== ==== プラグインの追加とカスタマイズ ==== ==== .babelrcファイルの作成と設定の管理 ==== === Babel Standaloneの使用 === ==== Babel Standaloneの導入と使い方の理解 ==== ==== オンラインツールやブラウザでのBabel Standaloneの利用方法 ==== === Babelと他のツールとの統合 === ==== BabelとWebpackの統合 ==== ==== BabelとRollupの統合 ==== ==== BabelとGulpやGruntなどのタスクランナーとの統合 ==== == 上級編 == === Babelのカスタム機能とプラグインの開発 === ==== BabelのAST(抽象構文木)の理解 ==== ==== Babelプラグインの開発とテスト方法 ==== ==== Babelのカスタムトランスフォーマーの作成方法 ==== === Babelの実践的な応用 === ==== 実際のプロジェクトでBabelを使用したコードの変換 ==== ==== モダンなJavaScriptフレームワーク(React、Vue.jsなど)との統合 ==== ==== Babelを使用したライブラリやパッケージの開発 ==== === 最新のBabelトピックス === ==== Babelの最新の機能やアップデートについての理解 ==== ==== Babelのパフォーマンスの最適化方法 ==== ==== Babelのセキュリティベストプラクティスの学習 ====
2024-02-16T04:40:51Z
2024-02-16T04:40:51Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Babel
39,137
高等学校看護【人体と看護】/外部環境と内部環境
皮膚以外の環境が外部環境です。皮膚内部の細胞環境が内部環境です。外部環境(気温・空気中の酸素量)は一定範囲内で調節されています。同じように、内部環境も一定範囲内で調節されています(恒常性・ホメオスタシス)。内部環境の恒常性は、生命維持のために大切です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "皮膚以外の環境が外部環境です。皮膚内部の細胞環境が内部環境です。外部環境(気温・空気中の酸素量)は一定範囲内で調節されています。同じように、内部環境も一定範囲内で調節されています(恒常性・ホメオスタシス)。内部環境の恒常性は、生命維持のために大切です。", "title": "" } ]
 皮膚以外の環境が外部環境です。皮膚内部の細胞環境が内部環境です。外部環境(気温・空気中の酸素量)は一定範囲内で調節されています。同じように、内部環境も一定範囲内で調節されています(恒常性・ホメオスタシス)。内部環境の恒常性は、生命維持のために大切です。
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校看護]]>[[高等学校看護【人体と看護】]]>外部環境と内部環境  皮膚以外の環境が外部環境です。皮膚内部の細胞環境が内部環境です。外部環境(気温・空気中の酸素量)は一定範囲内で調節されています。同じように、内部環境も一定範囲内で調節されています(恒常性・ホメオスタシス)。内部環境の恒常性は、生命維持のために大切です。 == 体液と内部環境の恒常性 == === 体液 === === 内部環境の恒常性 === == 皮膚の構造と働き == == 皮膚の付属器 == [[カテゴリ:高等学校看護]]
2024-02-18T00:41:46Z
2024-03-12T06:29:30Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E3%80%90%E4%BA%BA%E4%BD%93%E3%81%A8%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E3%80%91/%E5%A4%96%E9%83%A8%E7%92%B0%E5%A2%83%E3%81%A8%E5%86%85%E9%83%A8%E7%92%B0%E5%A2%83
39,140
建築学
転送 序論 転送 構造系 転送 計画系 転送 環境系 転送 その他の関連学問
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "転送 序論", "title": "目次" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "転送 構造系", "title": "目次" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "転送 計画系", "title": "目次" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "転送 環境系", "title": "目次" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "転送 その他の関連学問", "title": "目次" } ]
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== 目次 == [[/序論|序論]]<br> [[構造系]] * 材料 * 構造 [[計画系]] * 建築計画学 * 建築意匠学 * 都市計画学 * 建築史学 [[環境系]] * 建築環境工学 * 建築設備学 [[その他の関連学問]] * 住居学 * 不動産学 * 建築情報学 * 建築経済学 * 建築生産学 * 建築施工学 [[カテゴリ:建築]]
2024-02-18T13:00:05Z
2024-02-19T15:53:24Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%AD%A6
39,141
高等学校数学C/数学的な表現の工夫
本項は高等学校数学Cの「数学的な表現の工夫」の解説です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は高等学校数学Cの「数学的な表現の工夫」の解説です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "コラム集" } ]
本項は高等学校数学Cの「数学的な表現の工夫」の解説です。 第1節「データの表現方法の工夫」では、身近な事象に関するデータを種類や目的に応じて表現する方法について学びます。 第2節「行列による表現とその演算」では、データの行列を用いた表し方と行列の基礎的な演算について学びます。 第3節「離散グラフによる表現」では、離散グラフを用いた表現方法と離散グラフを活用した問題解決について学びます。 第4節「行列の応用(発展)」では、前々課程数学C「行列とその応用」にて扱っていた発展内容と大学で学ぶ線形代数学のうちごく基礎的な内容を扱います。 第5節「コラム集」では、行列が身近な場面や今まで高校数学で扱ってきた分野に応用されている例を紹介します。
{{pathnav|frame=1|高等学校数学|高等学校数学C}} 本項は[[高等学校数学C]]の「数学的な表現の工夫」の解説です。 *第1節「データの表現方法の工夫」では、身近な事象に関するデータを種類や目的に応じて表現する方法について学びます。 *第2節「行列による表現とその演算」では、データの行列を用いた表し方と行列の基礎的な演算について学びます。 *第3節「離散グラフによる表現」では、離散グラフを用いた表現方法と離散グラフを活用した問題解決について学びます。 *第4節「行列の応用(発展)」では、前々課程数学C「行列とその応用」にて扱っていた発展内容と大学で学ぶ線形代数学のうちごく基礎的な内容を扱います。 *第5節「コラム集」では、行列が身近な場面や今まで高校数学で扱ってきた分野に応用されている例を紹介します。 ==データの表現方法の工夫== ===パレート図=== ===バブルチャート=== ==行列による表現とその演算== === 行列 === === 行列の和と差 === === 行列の実数倍 === === 行列の積と交換法則 === === 逆行列 === ==離散グラフによる表現== === 一筆書き === === 最短経路 === === 離散グラフと隣接行列 === === 経路の数え上げと行列の累乗 === ==行列の応用(発展)== === 連立一次方程式 === === 一次変換 === === 転置と列の抽出 === === 正方行列の行列式 === ==コラム集== === 「[[高等学校数学I/データの分析|データの分析]]」と行列 === === 「[[高等学校数学B/数列|数列]]」と行列 === === 基本取引行列 === === ベクトルの外積の行列式表示 === {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくC すうかくてきなひようけんのくふう}} [[Category:高等学校数学C|すうかくてきなひようけんのくふう]]
2024-02-18T15:55:17Z
2024-02-18T15:55:54Z
[ "テンプレート:Pathnav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6C/%E6%95%B0%E5%AD%A6%E7%9A%84%E3%81%AA%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%81%AE%E5%B7%A5%E5%A4%AB
39,142
高等学校数学B/数学と社会生活
本項は高等学校数学Bの「数学的と社会生活」の解説です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は高等学校数学Bの「数学的と社会生活」の解説です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "" } ]
本項は高等学校数学Bの「数学的と社会生活」の解説です。 第1節「数学を活用した問題解決」では、数学の知識・考え方を用いて身近な問題を解決する方法を学びます。 第2節「社会の中の数学」では、身近な場面で活用されている数学について学びます。 第3節「回帰分析」では、2変量間の関係をデータから統計的に推測する方法について学びます。
{{pathnav|frame=1|高等学校数学|高等学校数学B}} 本項は[[高等学校数学B]]の「数学的と社会生活」の解説です。 *第1節「数学を活用した問題解決」では、数学の知識・考え方を用いて身近な問題を解決する方法を学びます。 *第2節「社会の中の数学」では、身近な場面で活用されている数学について学びます。 *第3節「回帰分析」では、2変量間の関係をデータから統計的に推測する方法について学びます。 ==数学を活用した問題解決== === 数学的な考察の方法 === === 利益の予測 === == 社会の中の数学 == === 議席配分方式 === === 偏差値 === === 3σ法 === === 調整平均 === === 時系列データと移動平均 === ==回帰分析== === 散布図と回帰直線 === === 最小二乗法 === === 2変量の関係を近似する関数 === === 対数目盛りとグラフ === {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくB すうかくとしやかいせいかつ}} [[Category:高等学校数学B|すうかくとしやかいせいかつ]]
2024-02-18T16:06:25Z
2024-02-18T16:06:25Z
[ "テンプレート:Pathnav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6B/%E6%95%B0%E5%AD%A6%E3%81%A8%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%94%9F%E6%B4%BB
39,143
高等学校数学A/数学と人間の活動
本項は高等学校数学Aの「数学と人間の活動」の解説です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本項は高等学校数学Aの「数学と人間の活動」の解説です。", "title": "" } ]
本項は高等学校数学Aの「数学と人間の活動」の解説です。 第1節「数量や図形の概念と人間の活動」では、前課程数学A「整数の性質」の内容の一部と座標の考え方について学びます。 第2節「数学と文化」では、ゲームやパズルの中の数学について学びます。
{{pathnav|frame=1|高等学校数学|高等学校数学A}} 本項は[[高等学校数学A]]の「数学と人間の活動」の解説です。 *第1節「数量や図形の概念と人間の活動」では、[[旧課程(-2012年度)高等学校数学A/整数の性質|前課程数学A「整数の性質」]]の内容の一部と座標の考え方について学びます。 *第2節「数学と文化」では、ゲームやパズルの中の数学について学びます。 == 数量や図形の概念と人間の活動 == === 整数の約数と倍数 === === 素因数分解と約数の個数 === === 最小公倍数・最大公約数 === === 整数の割り算とその性質 === === ユークリッドの互除法 === === 合同式(発展) === === 不定方程式 === === 記数法 === === 座標の考え方 === == 数学と文化 == === 数学史 === === ゲーム・パズルの中の数学 === ==== 三目並べ ==== ==== 魔方陣 ==== {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうすうかくA すうかくとにんけんのかつとう}} [[Category:高等学校数学A|すうかくとにんけんのかつとう]]
2024-02-18T16:19:51Z
2024-03-18T02:19:31Z
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中学校保健体育/保健・医療機関の利用
健康を守り、健康を改善していき、疾病・怪我から回復していくためには、保健機関や医療機関をどのように利用しなければなりませんか? 保健機関・医療機関・かかりつけ医・保健センター・保健所 ※どのような違いが近所のクリニックと大学病院の役割にありますか? ★地域医療システムの仕組み 健康を守り、健康を改善していき、疾病・怪我から回復していくためにも、保健機関・医療機関を利用しましょう。 医療機関は、病気の診断・治療・予防検査を行います。医療機関は、設備・規模などによって役割を分け合っています。医療機関は病床数20床以上の病院と病床数19床以下の診療所(○○診療所・○○クリニックなど)に大きく分けられます。かかりつけ医は、患者の居住地域に近い診療所(クリニック)・医院などになります。自分・家族が病気になったら、最初にかかりつけの医療機関に行きましょう。かかりつけ医は、患者の健康管理について相談に乗り、日常的な診療と初期治療を行います。次に、専門的な治療・手術・入院が必要な患者は、総合病院・大学病院などの大きな病院で担当します。もし、それぞれの役割をしっかり知らずに利用したら、余計に費用がかかったり、診療の待ち時間も長くなったりします。 心や体の状態が悪くなったら、出来るだけ早く医療機関を受診して、早期に治療を始めて、回復に努めましょう。 ほとんどの医療機関は夜間・休日に閉まっています。しかし、急に病気になったり、怪我をしたりしても、応急的な診療を受けやすくするために、当番医制度があります。休日当番医は、地域の広報誌か医師会のホームページで調べましょう。 もし何科を受診したらよいか分からなかったら、まずはかかりつけの医師に相談しましょう。厚生労働省の医療機能情報提供制度(医療情報ネット)でも、各都道府県の情報が詳しく紹介されています。 ※保健機関の役割について見ていきましょう。 私達の健康を守ったり、健康状態を改善したり、疾病を予防するため、保健機関(地域の保健センター・保健所など)・医療機関がその役割を担っています。 都道府県と政令指定都市などは、保健所を設けています。保健所は、地域保健計画の立案に加えて、食中毒対策・感染症対策など、専門的で幅広い地域の保健サービスに力を入れています。 保健センター(保健福祉センター・健康センター・健康増進センター)は、市町村などが運営しています。保健センターは、健康相談・健康教室・健康診断・予防接種などを行っており、地域住民向けの身近な保健サービスを中心に活動しています。各機関のサービスを上手に利用しましょう。 ★保健センターと保健所の役割 インフルエンザの予防接種は、保健所・地域の診療所・病院で受けられます。また、動物病院などに行くと、狂犬病(動物由来感染症)の予防接種なども受けられます。
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健康を守り、健康を改善していき、疾病・怪我から回復していくためには、保健機関や医療機関をどのように利用しなければなりませんか?
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>保健・医療機関の利用 健康を守り、健康を改善していき、疾病・怪我から回復していくためには、保健機関や医療機関をどのように利用しなければなりませんか? == キーワード == 保健機関・医療機関・かかりつけ医・保健センター・保健所 == 医療機関の機能 == ※どのような違いが近所のクリニックと大学病院の役割にありますか? ★地域医療システムの仕組み [[ファイル:地域医療システムの仕組み.png|フレームなし|538x538ピクセル]] 健康を守り、健康を改善していき、疾病・怪我から回復していくためにも、'''保健機関'''・'''医療機関'''を利用しましょう。 医療機関は、病気の診断・治療・予防検査を行います。医療機関は、設備・規模などによって役割を分け合っています。医療機関は病床数20床以上の病院と病床数19床以下の診療所(○○診療所・○○クリニックなど)に大きく分けられます。'''かかりつけ医'''は、患者の居住地域に近い診療所(クリニック)・医院などになります。自分・家族が病気になったら、最初にかかりつけの医療機関に行きましょう。かかりつけ医は、患者の健康管理について相談に乗り、日常的な診療と初期治療を行います。次に、専門的な治療・手術・入院が必要な患者は、総合病院・大学病院などの大きな病院で担当します。もし、それぞれの役割をしっかり知らずに利用したら、余計に費用がかかったり、診療の待ち時間も長くなったりします。 心や体の状態が悪くなったら、出来るだけ早く医療機関を受診して、早期に治療を始めて、回復に努めましょう。 {| cellspacing="0" style="border:2px solid #EA5419;width:100%" ! style="background:#EA5419" |救急車、本当に必要ですか |- | style="padding:5px" |もし、急病患者・負傷者がいたら、すぐに救急車を呼びましょう。この緊急車両は119番に電話すると誰でも利用出来ます。しかし、軽症者がタクシーなどの交通機関を選ばずに救急車を利用すると、重症者の治療を遅らせてしまいます。 |} ほとんどの医療機関は夜間・休日に閉まっています。しかし、急に病気になったり、怪我をしたりしても、応急的な診療を受けやすくするために、当番医制度があります。休日当番医は、地域の広報誌か医師会のホームページで調べましょう。 {| style="border:2px solid #D98032;width:100%" cellspacing="0" ! style="background:#D98032" |'''病気や怪我の状態をどのように伝えますか?''' |- | style="padding:5px" |病気でも怪我でも、痛みなどを上手に伝えなければ、適切な治療を受けられません。待ち合いの時間などを利用して、以下の内容をメモしましょう。 ■痛みの伝え方 * どこが痛いですか? * どのように痛みますか? * どんな時に痛みますか? * いつから痛み始めましたか? |} もし何科を受診したらよいか分からなかったら、まずはかかりつけの医師に相談しましょう。厚生労働省の[https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html 医療機能情報提供制度](医療情報ネット)でも、各都道府県の情報が詳しく紹介されています。 == 保健機関の機能 == [[ファイル:Saitama City Public Health Center1.JPG|サムネイル|299x299ピクセル|保健所]] ※保健機関の役割について見ていきましょう。 私達の健康を守ったり、健康状態を改善したり、疾病を予防するため、保健機関(地域の'''保健センター'''・'''保健所'''など)・医療機関がその役割を担っています。 都道府県と政令指定都市などは、保健所を設けています。保健所は、地域保健計画の立案に加えて、食中毒対策・感染症対策など、専門的で幅広い地域の保健サービスに力を入れています。 保健センター(保健福祉センター・健康センター・健康増進センター)は、市町村などが運営しています。保健センターは、健康相談・健康教室・健康診断・予防接種などを行っており、地域住民向けの身近な保健サービスを中心に活動しています。各機関のサービスを上手に利用しましょう。 ★保健センターと保健所の役割 {| class="wikitable" ! !保健センター !保健所 |- !運営 |市町村など |都道府県・政令市・特別区など |- !仕事の内容 | * 乳幼児健康診査 * 小児予防接種 * 健康相談 * 生活習慣病検診 * 癌検診 * 訪問指導 * 機能訓練教室 * 保健指導 など | * 飼い犬の登録 * 狂犬病予防 * 食中毒の予防 * 医療機関の開設許可 * 医薬品や劇物の販売業の許可 * 感染症の相談や検査 * 飲食店の営業許可 など |} インフルエンザの予防接種は、保健所・地域の診療所・病院で受けられます。また、動物病院などに行くと、狂犬病(動物由来感染症)の予防接種なども受けられます。 == 資料出所 == * 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年 * 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年 [[カテゴリ:中学校保健体育|ほけんいりようきかんのりよう]]
2024-02-18T20:24:27Z
2024-02-24T02:51:58Z
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中学受験・高校受験の共通のガイド
2010年以降の近年、女子高から共学になる私立学校、男子校から共学になる私立学校が少なからずあります。 注意点として、基本的に、「その学校に存在する部活の運動部の種類が、既存の男女別学の場合の部活に限られる」傾向が多いことです。特に、野球・ソフトボールやサッカーなどの広い敷地を使う屋外スポーツの運動部に、その傾向があります。 つまり、たとえば女子高から共学になった場合、基本的に(男子の)野球部とサッカー部が無い高校になります。ラグビー部やアメフト部は、無いです。 同様、男子校から共学になった場合、基本的にソフトボール部が無い高校になります。柔道部も無い可能性が高いです。 また文化部ですが、元男子校の共学は茶道部・華道部などが無いことが多く、おそらく和室そのものが用意されてない可能性が高いです。別に和室が無くても茶道などの練習は可能ですが、そういう設備状況だという事は覚悟してください。ほか、音楽室があるはずなのに関わらず吹奏楽部が無いことも多く、まるで工業高校みたいに音楽部しかない場合も2020年の現状ではあります。ただし、野球と違って吹奏楽は練習場所がそれほど広くないし、さすがにどの高校にも音楽室はあるので、吹奏楽部は時間がたてば解決するでしょうが、しかし予想として練習場所が狭く、合唱部と練習スペースを取り合う問題は残っています。 あるいは、もし野球部・ソフトボール部やサッカー部を設立しても、かなり練習場所が狭い、あるいは練習できる曜日が限られる可能性があります。基本的に、他の部活と交代で、週に数日だけ校庭で練習、みたいな事になります。ほか、柔道部も、元女子高の共学には、無い可能性がかなり高いです。 このように、元男子校・女子高から共学になった場合、部活の種類および練習スペースが、学校の昔の対象者の性別と違う異性にとっては、とても(部活が)限られます。これは、その私立学校の経営規模には関係なく、たとえ大学付属校でも上記のように、部活が元の男女別学のものに制限されます。 ほか、部室棟(ぶしつとう)の部屋数は増やせませんので、運動部の設立は色々と大変です。 一貫校に限ったことではないのですが、私立には毎日の掃除(そうじ)は無いです。生徒は月あたり10分とか時々、教室をゴミ拾いていどの掃除するくらいです。 普段は、清掃業者の人が掃除しています。特に、トイレ掃除は基本的に無いです。清掃員がトイレ掃除をするのが普通です。 生徒による、雑巾(ぞうきん)による掃除も無い。そのため、勉強時間が長くできる。 なお、さすがに日直ていどの月1回くらいの掃除は私立でもあったりする。 ただし中学の場合、もしかしたら私立でも、シツケの一環として雑巾そうじなどが時々あるかもしれません。 私立中学や私立高校には、エレベーターが設置されていることが多いようです。(非公開の私学もあるので、詳細は不明。伝聞(でんぶん)である。) ですが、よほどの高層ビルの階数の多い私立学校でないかぎり(東京都心の学校にあるようなヤツです)、このエレベーターは車イス者や松葉づえ者のような身体障碍者(しょうがいしゃ)用の設備であるのが普通でしょう。基本的には、生徒は階段を歩いて上階に行く必要があります。 なお、地方などにある普通の中学高校の階数は(私立も高校も)3~4階です。3~5階くらいなら、歩いて階段を上ることになります。 私立に限らず、国公立でも、基本的に利用客の多い公共施設にあるエレベーターは、身体障害者用だけが利用できる設備です(ほか、重量物の運搬でしか、生徒は使う事が許されません)。たとえば駅にあるエレベーターなども、そのような傾向があります。 駅や学校など、利用者の多い公共施設では、電気代などを節約するため、障害者以外の使用は、本来は(公共施設管理者によって)禁止されているのが普通です。 2020年代の現在、公立中学にはあまりエレベーターはなく、全国で27%ていどです。 これから少子化の進行・長期化で、(定員割れを起こす公立学校がどんどん増えて)公立学校が統廃合される見込みなので、公立中高に新たにエレベーター設置をする機運はおこりづらいと思います。 また、老朽化で解体する予定の古い校舎にエレベーターをつけても投資効果が低そうです。公立中高では、老朽化した校舎の建て替えの際などに、エレベーターが設置されるでしょうか。 なお、トイレに関しては、公立も私立も、中高とも、とりあえず障害者用トイレが少なくとも1つはあるのが普通です(エレベーターと違い、改修費用が低いので)。 ただし、校舎の全トイレの部屋にそれぞれ障害者用トイレがあるかというと、実際にはそうでない高校もあります。 多目的トイレの形の男女共用トイレがある学校もあるでしょうが、どちらかというと男女別々のそれぞれのトイレに、それぞれ1個ずつ障害者用トイレの便器があることのほうが多いと思います。(なぜなら男女共用トイレを増やすと、敷地が足りなくなるので) 私立の中高だと、海外での語学研修のある学園もあります。 一応、制度上は海外の高校で1年間の授業を受けることで日本の高校教育の単位(36単位まで)をとれる正式な長期「留学」制度もありますが、しかしそれを採用している私立高校はかなり少数です。 けっして学校の週2~4コマていどの授業や、あるいは英会話学校・英語予備校などだけで、英語がしゃべれたり、ビジネスや仕事などで使えるようになりません。さらに、自発的な多くの学習時間が必要です。 そもそも、塾は誰でも入れるわけではありません。 集団塾は、集団で授業を受けるのが困難な子供の場合、入塾を断ることがあります。 たとえば身体障害が極端にひどく、目が見えない、耳が聞こえない、などの障害の場合、集団塾への入塾は難しいと思います。 視力が弱くてメガネでも入塾は出来ますが、さすがに視力ゼロみたいで視界が真っ暗なのだと入塾は無理です。 どうしても学校以外の民間の有料の教育サービスを使いたい場合、(集団塾ではなく)個別指導塾や家庭教師などを使うことになります。 塾には、それぞれ方針があります。たとえば、居残り学習の有無など。特に中高生の場合、女子でも居残りで帰宅が遅くなる場合もあるが、そういうのに賛同できるか等です。 逆に、居残りをさせない方針の塾もありえます。その場合、子供が自分で勉強する必要がありますが、そういうのに賛同できるかです。 ほか、飲酒の禁止、喫煙の禁止など、未成年を対象にするなら、どの塾にもこの方針があります。 塾の受講料などのお金の支払いが遅いのが慢性的だと、たとえ結果的にお金を支払っても、退塾させられる場合があります。なぜなら塾側からすると、入金の催促(さいそく)の電話とかでも講師の人件費を無駄にするからです。 たとえば、中学3年生にもなってアルファベットもろくに書けないとか、そういうのは集団塾への入塾を断られる場合があります。 極端に学力が低い人は、個別指導の補習塾とか、そういうのに行くことになります。 住所や電話番号などの連絡先を塾に教えないとか、そういう人は入塾がお断りです。 塾を、まるでコンビニかスーパーのように勘違いしていて、「なんであなたに住所を教えないといけないの!?」みたいな事を言うバカな保護者を、塾は相手にしたくないのです。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 極端に態度が悪いと、退塾させられる場合があります。 子供、保護者の少なくとも片方が、極端に態度が悪いと、退塾です。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 塾は、入塾しようと思っても、すぐには入塾できないのが普通です。面談などの確認や手続きがあるので、申し込みを開始してから半月~1か月ほどの時間が掛かる場合もあります。 このため、たとえば「中学3年生の4月に塾のスタートを切ろう」と思ったら、それよりも前に、たとえば2年生の冬期講習あたりから入塾を開始するほうが安全です。 特に春の3~4月は年度の変わり目なので、塾側の事務手続きや人事異動(じんじ いどう)などの負担も重なって、入塾が遅れる可能性が高いです。 高校受験でも中学受験でも、多くの塾には、保護者会があります。年に数回、塾の方針の説明や、昨今の受験の制度などの解説や、保護者にどう子供を受験勉強を指導すべきかの助言などをするかと思われます。 いっぽう学校側では、公立小学で保護者むけの受験指導しないのは当然ですが、中学ですら保護者むけに何も指導しませんので、保護者は各自で自分で調べる必要があります。 もっとも、塾の講師だって忙しいので、塾の保護者会で説明されるていどの受験制度の説明は、確認程度の基本的なものです。 あいにく書店を見ても、保護者むけの書籍は少なく、私学の受験制度などの傾向などを説明した書籍は少ないです。地域にも寄りますし、あまり市場規模が大きくないのかもしれません。
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ほか、部室棟(ぶしつとう)の部屋数は増やせませんので、運動部の設立は色々と大変です。 == 私立・公立の文化・設備の違い == ==== 掃除 ==== 一貫校に限ったことではないのですが、私立には毎日の掃除(そうじ)は無いです。生徒は月あたり10分とか時々、教室をゴミ拾いていどの掃除するくらいです。 普段は、清掃業者の人が掃除しています。特に、トイレ掃除は基本的に無いです。清掃員がトイレ掃除をするのが普通です。 生徒による、雑巾(ぞうきん)による掃除も無い。そのため、勉強時間が長くできる。 なお、さすがに日直ていどの月1回くらいの掃除は私立でもあったりする。 ただし中学の場合、もしかしたら私立でも、シツケの一環として雑巾そうじなどが時々あるかもしれません。 ==== エレベーター ==== 私立中学や私立高校には、エレベーターが設置されていることが多いようです。(非公開の私学もあるので、詳細は不明。伝聞(でんぶん)である。) ですが、よほどの高層ビルの階数の多い私立学校でないかぎり(東京都心の学校にあるようなヤツです)、このエレベーターは車イス者や松葉づえ者のような身体障碍者(しょうがいしゃ)用の設備であるのが普通でしょう。基本的には、生徒は階段を歩いて上階に行く必要があります。 なお、地方などにある普通の中学高校の階数は(私立も高校も)3~4階です。3~5階くらいなら、歩いて階段を上ることになります。 私立に限らず、国公立でも、基本的に利用客の多い公共施設にあるエレベーターは、身体障害者用だけが利用できる設備です(ほか、重量物の運搬でしか、生徒は使う事が許されません)。たとえば駅にあるエレベーターなども、そのような傾向があります。 駅や学校など、利用者の多い公共施設では、電気代などを節約するため、障害者以外の使用は、本来は(公共施設管理者によって)禁止されているのが普通です。 ;公立中高はエレベーターが少ない 2020年代の現在、公立中学にはあまりエレベーターはなく、全国で27%ていどです<ref>[https://reseed.resemom.jp/article/2020/12/10/914.html 『公立小中校舎のエレベーター設置は27.1%…文科省調査』 020.12.10 Thu 16:50]</ref>。 これから少子化の進行・長期化で、(定員割れを起こす公立学校がどんどん増えて)公立学校が統廃合される見込みなので、公立中高に新たにエレベーター設置をする機運はおこりづらいと思います。 また、老朽化で解体する予定の古い校舎にエレベーターをつけても投資効果が低そうです。公立中高では、老朽化した校舎の建て替えの際などに、エレベーターが設置されるでしょうか。 ==== トイレ ==== ;障害者用トイレ なお、トイレに関しては、公立も私立も、中高とも、とりあえず障害者用トイレが少なくとも1つはあるのが普通です(エレベーターと違い、改修費用が低いので)。 ただし、校舎の全トイレの部屋にそれぞれ障害者用トイレがあるかというと、実際にはそうでない高校もあります<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=s_AfV6DF8IQ MBS NEWS 著『【高校トイレ改革】公立高のトイレに「温水洗浄機能」「音消し装置」も!学校選び対策で重要なトイレ改革(2022年5月12日)』 2022/05/12 ]</ref>。 多目的トイレの形の男女共用トイレがある学校もあるでしょうが、どちらかというと男女別々のそれぞれのトイレに、それぞれ1個ずつ障害者用トイレの便器があることのほうが多いと思います。(なぜなら男女共用トイレを増やすと、敷地が足りなくなるので) == 海外「留学」ではなく語学研修である == 私立の中高だと、海外での語学研修のある学園もあります。 一応、制度上は海外の高校で1年間の授業を受けることで日本の高校教育の単位(36単位まで)をとれる正式な長期「留学」制度もありますが<ref>[https://www.jaac.co.jp/purpose/hs-single/way JAAC日米学術センター『在学留学と休学留学について』 ]</ref><ref>[https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/1292020.htm 文部科学省 著『学校教育法施行規則の一部を改正する省令について(高等学校等における外国留学時認定可能単位数の拡大)』 ]</ref>、しかしそれを採用している私立高校はかなり少数です。 ;英語以外のほかの科目は犠牲になる けっして学校の週2~4コマていどの授業や、あるいは英会話学校・英語予備校などだけで、英語がしゃべれたり、ビジネスや仕事などで使えるようになりません。さらに、自発的な多くの学習時間が必要です。 == 塾 == === 入塾の条件 === そもそも、塾は誰でも入れるわけではありません。 集団塾は、集団で授業を受けるのが困難な子供の場合、入塾を断ることがあります。個別塾でも、事情によっては入塾が拒否されます。これを「入塾拒否」と言います。 ;日本語が理解できない 日本語が通じないのは、入塾拒否の対象です。 '''保護者が日本語が通じないのも、入塾拒否'''です。たとえ子供本人は日本語を出来ていても、保護者への連絡などのヤリトリが不可能なので、入塾拒否になります。 塾側からすると、通訳をいちいち雇用するわけにはいきません。 ;障害の有無と程度 たとえば身体障害が極端にひどく、目が見えない、耳が聞こえない、などの障害の場合、集団塾への入塾は難しいと思います。 視力が弱くてメガネでも入塾は出来ますが、さすがに視力ゼロみたいで視界が真っ暗なのだと入塾は無理です。 どうしても学校以外の民間の有料の教育サービスを使いたい場合、(集団塾ではなく)個別指導塾や家庭教師などを使うことになります。 ;塾の方針に賛同できない家庭は入塾お断り 塾には、それぞれ方針があります。たとえば、居残り学習の有無など。特に中高生の場合、女子でも居残りで帰宅が遅くなる場合もあるが、そういうのに賛同できるか等です。 逆に、居残りをさせない方針の塾もありえます。その場合、子供が自分で勉強する必要がありますが、そういうのに賛同できるかです。 ほか、飲酒の禁止、喫煙の禁止など、未成年を対象にするなら、どの塾にもこの方針があります。個別塾も同様です。 ;お金の支払いが遅いと退塾 塾の受講料などのお金の支払いが遅いのが慢性的だと、たとえ結果的にお金を支払っても、退塾させられる場合があります。なぜなら塾側からすると、入金の催促(さいそく)の電話とかでも講師の人件費を無駄にするからです。 ;極端に学力が低い たとえば、中学3年生にもなってアルファベットもろくに書けないとか、そういうのは集団塾への入塾を断られる場合があります。 極端に学力が低い人は、個別指導の補習塾とか、そういうのに行くことになります。 ;住所などを教えないなど 住所や電話番号などの連絡先を塾に教えないとか、そういう人は入塾がお断りです。 塾を、まるでコンビニかスーパーのように勘違いしていて、「なんであなたに住所を教えないといけないの!?」みたいな事を言うバカな保護者を、塾は相手にしたくないのです。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 ;態度が悪い 極端に態度が悪いと、退塾させられる場合があります。 子供、保護者の少なくとも片方が、極端に態度が悪いと、退塾です。 子供の態度の悪さなら、授業中に私語が多い、授業中に歩き回る、などなど、退塾です<ref>[https://ameblo.jp/rx-8-red-34/entry-12722519720.html 『入塾を拒否される』2022-01-21 18:00:20 ]</ref>。 ほかの塾生にも迷惑が掛かるので、退塾になります。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 ;知能障害など 塾講師は、養護教諭ではないので、対応できません。よって、知能障害などは、入塾拒否です。 塾というのは、義務教育の学校ではないので、知能障害児は受け入れてもらえません。 ;暴力行為、暴言、その他の違法行為 退塾です。 === 入塾のタイムスケジュール === 塾は、入塾しようと思っても、すぐには入塾できないのが普通です。面談などの確認や手続きがあるので、申し込みを開始してから半月~1か月ほどの時間が掛かる場合もあります。 このため、たとえば「中学3年生の4月に塾のスタートを切ろう」と思ったら、それよりも前に、たとえば2年生の冬期講習あたりから入塾を開始するほうが安全です。 特に春の3~4月は年度の変わり目なので、塾側の事務手続きや人事異動(じんじ いどう)などの負担も重なって、入塾が遅れる可能性が高いです。 ほか、定員オーバーによって、つまり講師の数が足りない、教室の数が足りない、などの理由で、すぐには入塾できない場合があります。 事前に余裕をもって入塾しましょう。 === 塾の保護者会 === 高校受験でも中学受験でも、多くの塾には、保護者会があります<ref>[https://e-tr.jp/articles/detail/111/ 『塾の評判を高める、保護者会の上手な開催方法とは』2023.02.24]</ref>。年に数回、塾の方針の説明や、昨今の受験の制度などの解説や、保護者にどう子供を受験勉強を指導すべきかの助言などをするかと思われます。 いっぽう学校側では、公立小学で保護者むけの受験指導しないのは当然ですが、中学ですら保護者むけに何も指導しませんので、保護者は各自で自分で調べる必要があります。 もっとも、塾の講師だって忙しいので、塾の保護者会で説明されるていどの受験制度の説明は、確認程度の基本的なものです。 あいにく書店を見ても、保護者むけの書籍は少なく、私学の受験制度などの傾向などを説明した書籍は少ないです。地域にも寄りますし、あまり市場規模が大きくないのかもしれません。 == 参考文献 ==
2024-02-19T07:49:57Z
2024-03-20T10:16:13Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%83%BB%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%81%AE%E5%85%B1%E9%80%9A%E3%81%AE%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89
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中学受験・高校受験の共通のガイド
2010年以降の近年、女子高から共学になる私立学校、男子校から共学になる私立学校が少なからずあります。 注意点として、基本的に、「その学校に存在する部活の運動部の種類が、既存の男女別学の場合の部活に限られる」傾向が多いことです。特に、野球・ソフトボールやサッカーなどの広い敷地を使う屋外スポーツの運動部に、その傾向があります。 つまり、たとえば女子高から共学になった場合、基本的に(男子の)野球部とサッカー部が無い高校になります。ラグビー部やアメフト部は、無いです。 同様、男子校から共学になった場合、基本的にソフトボール部が無い高校になります。柔道部も無い可能性が高いです。 また文化部ですが、元男子校の共学は茶道部・華道部などが無いことが多く、おそらく和室そのものが用意されてない可能性が高いです。別に和室が無くても茶道などの練習は可能ですが、そういう設備状況だという事は覚悟してください。ほか、音楽室があるはずなのに関わらず吹奏楽部が無いことも多く、まるで工業高校みたいに音楽部しかない場合も2020年の現状ではあります。ただし、野球と違って吹奏楽は練習場所がそれほど広くないし、さすがにどの高校にも音楽室はあるので、吹奏楽部は時間がたてば解決するでしょうが、しかし予想として練習場所が狭く、合唱部と練習スペースを取り合う問題は残っています。 あるいは、もし野球部・ソフトボール部やサッカー部を設立しても、かなり練習場所が狭い、あるいは練習できる曜日が限られる可能性があります。基本的に、他の部活と交代で、週に数日だけ校庭で練習、みたいな事になります。ほか、柔道部も、元女子高の共学には、無い可能性がかなり高いです。 このように、元男子校・女子高から共学になった場合、部活の種類および練習スペースが、学校の昔の対象者の性別と違う異性にとっては、とても(部活が)限られます。これは、その私立学校の経営規模には関係なく、たとえ大学付属校でも上記のように、部活が元の男女別学のものに制限されます。 ほか、部室棟(ぶしつとう)の部屋数は増やせませんので、運動部の設立は色々と大変です。 一貫校に限ったことではないのですが、私立には毎日の掃除(そうじ)は無いです。生徒は月あたり10分とか時々、教室をゴミ拾いていどの掃除するくらいです。 普段は、清掃業者の人が掃除しています。特に、トイレ掃除は基本的に無いです。清掃員がトイレ掃除をするのが普通です。 生徒による、雑巾(ぞうきん)による掃除も無い。そのため、勉強時間が長くできる。 なお、さすがに日直ていどの月1回くらいの掃除は私立でもあったりする。 ただし中学の場合、もしかしたら私立でも、シツケの一環として雑巾そうじなどが時々あるかもしれません。 私立中学や私立高校には、エレベーターが設置されていることが多いようです。(非公開の私学もあるので、詳細は不明。伝聞(でんぶん)である。) ですが、よほどの高層ビルの階数の多い私立学校でないかぎり(東京都心の学校にあるようなヤツです)、このエレベーターは車イス者や松葉づえ者のような身体障碍者(しょうがいしゃ)用の設備であるのが普通でしょう。基本的には、生徒は階段を歩いて上階に行く必要があります。 なお、地方などにある普通の中学高校の階数は(私立も高校も)3~4階です。3~5階くらいなら、歩いて階段を上ることになります。 私立に限らず、国公立でも、基本的に利用客の多い公共施設にあるエレベーターは、身体障害者用だけが利用できる設備です(ほか、重量物の運搬でしか、生徒は使う事が許されません)。たとえば駅にあるエレベーターなども、そのような傾向があります。 駅や学校など、利用者の多い公共施設では、電気代などを節約するため、障害者以外の使用は、本来は(公共施設管理者によって)禁止されているのが普通です。 2020年代の現在、公立中学にはあまりエレベーターはなく、全国で27%ていどです。 これから少子化の進行・長期化で、(定員割れを起こす公立学校がどんどん増えて)公立学校が統廃合される見込みなので、公立中高に新たにエレベーター設置をする機運はおこりづらいと思います。 また、老朽化で解体する予定の古い校舎にエレベーターをつけても投資効果が低そうです。公立中高では、老朽化した校舎の建て替えの際などに、エレベーターが設置されるでしょうか。 なお、トイレに関しては、公立も私立も、中高とも、とりあえず障害者用トイレが少なくとも1つはあるのが普通です(エレベーターと違い、改修費用が低いので)。 ただし、校舎の全トイレの部屋にそれぞれ障害者用トイレがあるかというと、実際にはそうでない高校もあります。 多目的トイレの形の男女共用トイレがある学校もあるでしょうが、どちらかというと男女別々のそれぞれのトイレに、それぞれ1個ずつ障害者用トイレの便器があることのほうが多いと思います。(なぜなら男女共用トイレを増やすと、敷地が足りなくなるので) 私立の中高だと、海外での語学研修のある学園もあります。 一応、制度上は海外の高校で1年間の授業を受けることで日本の高校教育の単位(36単位まで)をとれる正式な長期「留学」制度もありますが、しかしそれを採用している私立高校はかなり少数です。 けっして学校の週2~4コマていどの授業や、あるいは英会話学校・英語予備校などだけで、英語がしゃべれたり、ビジネスや仕事などで使えるようになりません。さらに、自発的な多くの学習時間が必要です。 そもそも、塾は誰でも入れるわけではありません。 集団塾は、集団で授業を受けるのが困難な子供の場合、入塾を断ることがあります。個別塾でも、事情によっては入塾が拒否されます。これを「入塾拒否」と言います。 日本語が通じないのは、入塾拒否の対象です。 保護者が日本語が通じないのも、入塾拒否です。たとえ子供本人は日本語を出来ていても、保護者への連絡などのヤリトリが不可能なので、入塾拒否になります。 塾側からすると、通訳をいちいち雇用するわけにはいきません。 たとえば身体障害が極端にひどく、目が見えない、耳が聞こえない、などの障害の場合、集団塾への入塾は難しいと思います。 視力が弱くてメガネでも入塾は出来ますが、さすがに視力ゼロみたいで視界が真っ暗なのだと入塾は無理です。 どうしても学校以外の民間の有料の教育サービスを使いたい場合、(集団塾ではなく)個別指導塾や家庭教師などを使うことになります。 塾には、それぞれ方針があります。たとえば、居残り学習の有無など。特に中高生の場合、女子でも居残りで帰宅が遅くなる場合もあるが、そういうのに賛同できるか等です。 逆に、居残りをさせない方針の塾もありえます。その場合、子供が自分で勉強する必要がありますが、そういうのに賛同できるかです。 ほか、飲酒の禁止、喫煙の禁止など、未成年を対象にするなら、どの塾にもこの方針があります。個別塾も同様です。 塾の受講料などのお金の支払いが遅いのが慢性的だと、たとえ結果的にお金を支払っても、退塾させられる場合があります。なぜなら塾側からすると、入金の催促(さいそく)の電話とかでも講師の人件費を無駄にするからです。 たとえば、中学3年生にもなってアルファベットもろくに書けないとか、そういうのは集団塾への入塾を断られる場合があります。 極端に学力が低い人は、個別指導の補習塾とか、そういうのに行くことになります。 住所や電話番号などの連絡先を塾に教えないとか、そういう人は入塾がお断りです。 塾を、まるでコンビニかスーパーのように勘違いしていて、「なんであなたに住所を教えないといけないの!?」みたいな事を言うバカな保護者を、塾は相手にしたくないのです。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 極端に態度が悪いと、退塾させられる場合があります。 子供、保護者の少なくとも片方が、極端に態度が悪いと、退塾です。 子供の態度の悪さなら、授業中に私語が多い、授業中に歩き回る、などなど、退塾です。 ほかの塾生にも迷惑が掛かるので、退塾になります。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 塾講師は、養護教諭ではないので、対応できません。よって、知能障害などは、入塾拒否です。 塾というのは、義務教育の学校ではないので、知能障害児は受け入れてもらえません。 退塾です。 塾は、入塾しようと思っても、すぐには入塾できないのが普通です。面談などの確認や手続きがあるので、申し込みを開始してから半月~1か月ほどの時間が掛かる場合もあります。 このため、たとえば「中学3年生の4月に塾のスタートを切ろう」と思ったら、それよりも前に、たとえば2年生の冬期講習あたりから入塾を開始するほうが安全です。 特に春の3~4月は年度の変わり目なので、塾側の事務手続きや人事異動(じんじ いどう)などの負担も重なって、入塾が遅れる可能性が高いです。 ほか、定員オーバーによって、つまり講師の数が足りない、教室の数が足りない、などの理由で、すぐには入塾できない場合があります。 事前に余裕をもって入塾しましょう。 高校受験でも中学受験でも、多くの塾には、保護者会があります。年に数回、塾の方針の説明や、昨今の受験の制度などの解説や、保護者にどう子供を受験勉強を指導すべきかの助言などをするかと思われます。 いっぽう学校側では、公立小学で保護者むけの受験指導しないのは当然ですが、中学ですら保護者むけに何も指導しませんので、保護者は各自で自分で調べる必要があります。 もっとも、塾の講師だって忙しいので、塾の保護者会で説明されるていどの受験制度の説明は、確認程度の基本的なものです。 あいにく書店を見ても、保護者むけの書籍は少なく、私学の受験制度などの傾向などを説明した書籍は少ないです。地域にも寄りますし、あまり市場規模が大きくないのかもしれません。
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"あるいは、もし野球部・ソフトボール部やサッカー部を設立しても、かなり練習場所が狭い、あるいは練習できる曜日が限られる可能性があります。基本的に、他の部活と交代で、週に数日だけ校庭で練習、みたいな事になります。ほか、柔道部も、元女子高の共学には、無い可能性がかなり高いです。", "title": "部活関係" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "このように、元男子校・女子高から共学になった場合、部活の種類および練習スペースが、学校の昔の対象者の性別と違う異性にとっては、とても(部活が)限られます。これは、その私立学校の経営規模には関係なく、たとえ大学付属校でも上記のように、部活が元の男女別学のものに制限されます。", "title": "部活関係" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ほか、部室棟(ぶしつとう)の部屋数は増やせませんので、運動部の設立は色々と大変です。", "title": "部活関係" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "一貫校に限ったことではないのですが、私立には毎日の掃除(そうじ)は無いです。生徒は月あたり10分とか時々、教室をゴミ拾いていどの掃除するくらいです。", "title": "私立・公立の文化・設備の違い" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "普段は、清掃業者の人が掃除しています。特に、トイレ掃除は基本的に無いです。清掃員がトイレ掃除をするのが普通です。", "title": "私立・公立の文化・設備の違い" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "生徒による、雑巾(ぞうきん)による掃除も無い。そのため、勉強時間が長くできる。", "title": "私立・公立の文化・設備の違い" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "なお、さすがに日直ていどの月1回くらいの掃除は私立でもあったりする。", "title": "私立・公立の文化・設備の違い" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", 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:* [[高校受験ガイド]] > 中学受験・高校受験の共通のガイド :* [[中学受験ガイド]] > 中学受験・高校受験の共通のガイド == 部活関係 == === 女子高・男子校から共学化した中高の運動部 === 2010年以降の近年、女子高から共学になる私立学校、男子校から共学になる私立学校が少なからずあります。 注意点として、基本的に、「その学校に存在する部活の運動部の種類が、既存の男女別学の場合の部活に限られる」傾向が多いことです。特に、野球・ソフトボールやサッカーなどの広い敷地を使う屋外スポーツの運動部に、その傾向があります。 つまり、たとえば'''女子高から共学になった場合'''、基本的に(男子の)'''野球部とサッカー部が無い'''高校になります。ラグビー部やアメフト部は、無いです。 同様、'''男子校から共学になった場合'''、基本的に'''ソフトボール部が無い'''高校になります。柔道部も無い可能性が高いです。 また文化部ですが、元男子校の共学は'''茶道部・華道部などが無いことが多く'''、おそらく和室そのものが用意されてない可能性が高いです。別に和室が無くても茶道などの練習は可能ですが、そういう設備状況だという事は覚悟してください。ほか、音楽室があるはずなのに関わらず'''吹奏楽部が無いことも多く'''、まるで工業高校みたいに'''音楽部しかない'''場合も2020年の現状ではあります。ただし、野球と違って吹奏楽は練習場所がそれほど広くないし、さすがにどの高校にも音楽室はあるので、吹奏楽部は時間がたてば解決するでしょうが、しかし予想として練習場所が狭く、合唱部と練習スペースを取り合う問題は残っています。 あるいは、もし野球部・ソフトボール部やサッカー部を設立しても、かなり練習場所が狭い、あるいは練習できる曜日が限られる可能性があります。基本的に、他の部活と交代で、週に数日だけ校庭で練習、みたいな事になります。ほか、柔道部も、元女子高の共学には、無い可能性がかなり高いです。 このように、元男子校・女子高から共学になった場合、部活の種類および練習スペースが、学校の昔の対象者の性別と違う異性にとっては、とても(部活が)限られます。これは、その私立学校の経営規模には関係なく、たとえ大学付属校でも上記のように、部活が元の男女別学のものに制限されます。 ほか、部室棟(ぶしつとう)の部屋数は増やせませんので、運動部の設立は色々と大変です。 == 私立・公立の文化・設備の違い == ==== 掃除 ==== 一貫校に限ったことではないのですが、私立には毎日の掃除(そうじ)は無いです。生徒は月あたり10分とか時々、教室をゴミ拾いていどの掃除するくらいです。 普段は、清掃業者の人が掃除しています。特に、トイレ掃除は基本的に無いです。清掃員がトイレ掃除をするのが普通です。 生徒による、雑巾(ぞうきん)による掃除も無い。そのため、勉強時間が長くできる。 なお、さすがに日直ていどの月1回くらいの掃除は私立でもあったりする。 ただし中学の場合、もしかしたら私立でも、シツケの一環として雑巾そうじなどが時々あるかもしれません。 ==== エレベーター ==== 私立中学や私立高校には、エレベーターが設置されていることが多いようです。(非公開の私学もあるので、詳細は不明。伝聞(でんぶん)である。) ですが、よほどの高層ビルの階数の多い私立学校でないかぎり(東京都心の学校にあるようなヤツです)、このエレベーターは車イス者や松葉づえ者のような身体障碍者(しょうがいしゃ)用の設備であるのが普通でしょう。基本的には、生徒は階段を歩いて上階に行く必要があります。 なお、地方などにある普通の中学高校の階数は(私立も高校も)3~4階です。3~5階くらいなら、歩いて階段を上ることになります。 私立に限らず、国公立でも、基本的に利用客の多い公共施設にあるエレベーターは、身体障害者用だけが利用できる設備です(ほか、重量物の運搬でしか、生徒は使う事が許されません)。たとえば駅にあるエレベーターなども、そのような傾向があります。 駅や学校など、利用者の多い公共施設では、電気代などを節約するため、障害者以外の使用は、本来は(公共施設管理者によって)禁止されているのが普通です。 ;公立中高はエレベーターが少ない 2020年代の現在、公立中学にはあまりエレベーターはなく、全国で27%ていどです<ref>[https://reseed.resemom.jp/article/2020/12/10/914.html 『公立小中校舎のエレベーター設置は27.1%…文科省調査』 020.12.10 Thu 16:50]</ref>。 これから少子化の進行・長期化で、(定員割れを起こす公立学校がどんどん増えて)公立学校が統廃合される見込みなので、公立中高に新たにエレベーター設置をする機運はおこりづらいと思います。 また、老朽化で解体する予定の古い校舎にエレベーターをつけても投資効果が低そうです。公立中高では、老朽化した校舎の建て替えの際などに、エレベーターが設置されるでしょうか。 ==== トイレ ==== ;障害者用トイレ なお、トイレに関しては、公立も私立も、中高とも、とりあえず障害者用トイレが少なくとも1つはあるのが普通です(エレベーターと違い、改修費用が低いので)。 ただし、校舎の全トイレの部屋にそれぞれ障害者用トイレがあるかというと、実際にはそうでない高校もあります<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=s_AfV6DF8IQ MBS NEWS 著『【高校トイレ改革】公立高のトイレに「温水洗浄機能」「音消し装置」も!学校選び対策で重要なトイレ改革(2022年5月12日)』 2022/05/12 ]</ref>。 多目的トイレの形の男女共用トイレがある学校もあるでしょうが、どちらかというと男女別々のそれぞれのトイレに、それぞれ1個ずつ障害者用トイレの便器があることのほうが多いと思います。(なぜなら男女共用トイレを増やすと、敷地が足りなくなるので) == 海外「留学」ではなく語学研修である == 私立の中高だと、海外での語学研修のある学園もあります。 一応、制度上は海外の高校で1年間の授業を受けることで日本の高校教育の単位(36単位まで)をとれる正式な長期「留学」制度もありますが<ref>[https://www.jaac.co.jp/purpose/hs-single/way JAAC日米学術センター『在学留学と休学留学について』 ]</ref><ref>[https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/1292020.htm 文部科学省 著『学校教育法施行規則の一部を改正する省令について(高等学校等における外国留学時認定可能単位数の拡大)』 ]</ref>、しかしそれを採用している私立高校はかなり少数です。 ;英語以外のほかの科目は犠牲になる けっして学校の週2~4コマていどの授業や、あるいは英会話学校・英語予備校などだけで、英語がしゃべれたり、ビジネスや仕事などで使えるようになりません。さらに、自発的な多くの学習時間が必要です。 == 塾 == === 入塾の条件 === そもそも、塾は誰でも入れるわけではありません。 集団塾は、集団で授業を受けるのが困難な子供の場合、入塾を断ることがあります。個別塾でも、事情によっては入塾が拒否されます。これを「入塾拒否」と言います。 ;日本語が理解できない 日本語が通じないのは、入塾拒否の対象です。 '''保護者が日本語が通じないのも、入塾拒否'''です。たとえ子供本人は日本語を出来ていても、保護者への連絡などのヤリトリが不可能なので、入塾拒否になります。 塾側からすると、通訳をいちいち雇用するわけにはいきません。 ;障害の有無と程度 たとえば身体障害が極端にひどく、目が見えない、耳が聞こえない、などの障害の場合、集団塾への入塾は難しいと思います。 視力が弱くてメガネでも入塾は出来ますが、さすがに視力ゼロみたいで視界が真っ暗なのだと入塾は無理です。 どうしても学校以外の民間の有料の教育サービスを使いたい場合、(集団塾ではなく)個別指導塾や家庭教師などを使うことになります。 ;塾の方針に賛同できない家庭は入塾お断り 塾には、それぞれ方針があります。たとえば、居残り学習の有無など。特に中高生の場合、女子でも居残りで帰宅が遅くなる場合もあるが、そういうのに賛同できるか等です。 逆に、居残りをさせない方針の塾もありえます。その場合、子供が自分で勉強する必要がありますが、そういうのに賛同できるかです。 ほか、飲酒の禁止、喫煙の禁止など、未成年を対象にするなら、どの塾にもこの方針があります。個別塾も同様です。 ;お金の支払いが遅いと退塾 塾の受講料などのお金の支払いが遅いのが慢性的だと、たとえ結果的にお金を支払っても、退塾させられる場合があります。なぜなら塾側からすると、入金の催促(さいそく)の電話とかでも講師の人件費を無駄にするからです。 ;極端に学力が低い たとえば、中学3年生にもなってアルファベットもろくに書けないとか、そういうのは集団塾への入塾を断られる場合があります。 極端に学力が低い人は、個別指導の補習塾とか、そういうのに行くことになります。 ;住所などを教えないなど 住所や電話番号などの連絡先を塾に教えないとか、そういう人は入塾がお断りです。 塾を、まるでコンビニかスーパーのように勘違いしていて、「なんであなたに住所を教えないといけないの!?」みたいな事を言うバカな保護者を、塾は相手にしたくないのです。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 ;態度が悪い 極端に態度が悪いと、退塾させられる場合があります。 子供、保護者の少なくとも片方が、極端に態度が悪いと、退塾です。 子供の態度の悪さなら、授業中に私語が多い、授業中に歩き回る、などなど、退塾です<ref>[https://ameblo.jp/rx-8-red-34/entry-12722519720.html 『入塾を拒否される』2022-01-21 18:00:20 ]</ref>。 ほかの塾生にも迷惑が掛かるので、退塾になります。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 ;知能障害など 塾講師は、養護教諭ではないので、対応できません。よって、知能障害などは、入塾拒否です。 塾というのは、義務教育の学校ではないので、知能障害児は受け入れてもらえません。 ;暴力行為、暴言、その他の違法行為 退塾です。 === 入塾のタイムスケジュール === 塾は、入塾しようと思っても、すぐには入塾できないのが普通です。面談などの確認や手続きがあるので、申し込みを開始してから半月~1か月ほどの時間が掛かる場合もあります。 このため、たとえば「中学3年生の4月に塾のスタートを切ろう」と思ったら、それよりも前に、たとえば2年生の冬期講習あたりから入塾を開始するほうが安全です。 特に春の3~4月は年度の変わり目なので、塾側の事務手続きや人事異動(じんじ いどう)などの負担も重なって、入塾が遅れる可能性が高いです。 ほか、定員オーバーによって、つまり講師の数が足りない、教室の数が足りない、などの理由で、すぐには入塾できない場合があります。 事前に余裕をもって入塾しましょう。 === 塾の保護者会 === 高校受験でも中学受験でも、多くの塾には、保護者会があります<ref>[https://e-tr.jp/articles/detail/111/ 『塾の評判を高める、保護者会の上手な開催方法とは』2023.02.24]</ref>。年に数回、塾の方針の説明や、昨今の受験の制度などの解説や、保護者にどう子供を受験勉強を指導すべきかの助言などをするかと思われます。 いっぽう学校側では、公立小学で保護者むけの受験指導しないのは当然ですが、中学ですら保護者むけに何も指導しませんので、保護者は各自で自分で調べる必要があります。 もっとも、塾の講師だって忙しいので、塾の保護者会で説明されるていどの受験制度の説明は、確認程度の基本的なものです。 あいにく書店を見ても、保護者むけの書籍は少なく、私学の受験制度などの傾向などを説明した書籍は少ないです。地域にも寄りますし、あまり市場規模が大きくないのかもしれません。 == 参考文献 == === 書籍 === なし(2024年03月31日の時点)
2024-02-19T07:49:57Z
2024-03-31T04:15:24Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%83%BB%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%81%AE%E5%85%B1%E9%80%9A%E3%81%AE%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89
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中学受験・高校受験の共通のガイド
2010年以降の近年、女子高から共学になる私立学校、男子校から共学になる私立学校が少なからずあります。 注意点として、基本的に、「その学校に存在する部活の運動部の種類が、既存の男女別学の場合の部活に限られる」傾向が多いことです。特に、野球・ソフトボールやサッカーなどの広い敷地を使う屋外スポーツの運動部に、その傾向があります。 つまり、たとえば女子高から共学になった場合、基本的に(男子の)野球部とサッカー部が無い高校になります。ラグビー部やアメフト部は、無いです。 同様、男子校から共学になった場合、基本的にソフトボール部が無い高校になります。柔道部も無い可能性が高いです。 また文化部ですが、元男子校の共学は茶道部・華道部などが無いことが多く、おそらく和室そのものが用意されてない可能性が高いです。別に和室が無くても茶道などの練習は可能ですが、そういう設備状況だという事は覚悟してください。ほか、音楽室があるはずなのに関わらず吹奏楽部が無いことも多く、まるで工業高校みたいに音楽部しかない場合も2020年の現状ではあります。ただし、野球と違って吹奏楽は練習場所がそれほど広くないし、さすがにどの高校にも音楽室はあるので、吹奏楽部は時間がたてば解決するでしょうが、しかし予想として練習場所が狭く、合唱部と練習スペースを取り合う問題は残っています。 あるいは、もし野球部・ソフトボール部やサッカー部を設立しても、かなり練習場所が狭い、あるいは練習できる曜日が限られる可能性があります。基本的に、他の部活と交代で、週に数日だけ校庭で練習、みたいな事になります。ほか、柔道部も、元女子高の共学には、無い可能性がかなり高いです。 このように、元男子校・女子高から共学になった場合、部活の種類および練習スペースが、学校の昔の対象者の性別と違う異性にとっては、とても(部活が)限られます。これは、その私立学校の経営規模には関係なく、たとえ大学付属校でも上記のように、部活が元の男女別学のものに制限されます。 ほか、部室棟(ぶしつとう)の部屋数は増やせませんので、運動部の設立は色々と大変です。 一貫校に限ったことではないのですが、私立には毎日の掃除(そうじ)は無いです。生徒は月あたり10分とか時々、教室をゴミ拾いていどの掃除するくらいです。 普段は、清掃業者の人が掃除しています。特に、トイレ掃除は基本的に無いです。清掃員がトイレ掃除をするのが普通です。 生徒による、雑巾(ぞうきん)による掃除も無い。そのため、勉強時間が長くできる。 なお、さすがに日直ていどの月1回くらいの掃除は私立でもあったりする。 ただし中学の場合、もしかしたら私立でも、シツケの一環として雑巾そうじなどが時々あるかもしれません。 私立中学や私立高校には、エレベーターが設置されていることが多いようです。(非公開の私学もあるので、詳細は不明。伝聞(でんぶん)である。) ですが、よほどの高層ビルの階数の多い私立学校でないかぎり(東京都心の学校にあるようなヤツです)、このエレベーターは車イス者や松葉づえ者のような身体障碍者(しょうがいしゃ)用の設備であるのが普通でしょう。基本的には、生徒は階段を歩いて上階に行く必要があります。 なお、地方などにある普通の中学高校の階数は(私立も高校も)3~4階です。3~5階くらいなら、歩いて階段を上ることになります。 私立に限らず、国公立でも、基本的に利用客の多い公共施設にあるエレベーターは、身体障害者用だけが利用できる設備です(ほか、重量物の運搬でしか、生徒は使う事が許されません)。たとえば駅にあるエレベーターなども、そのような傾向があります。 駅や学校など、利用者の多い公共施設では、電気代などを節約するため、障害者以外の使用は、本来は(公共施設管理者によって)禁止されているのが普通です。 2020年代の現在、公立中学にはあまりエレベーターはなく、全国で27%ていどです。 これから少子化の進行・長期化で、(定員割れを起こす公立学校がどんどん増えて)公立学校が統廃合される見込みなので、公立中高に新たにエレベーター設置をする機運はおこりづらいと思います。 また、老朽化で解体する予定の古い校舎にエレベーターをつけても投資効果が低そうです。公立中高では、老朽化した校舎の建て替えの際などに、エレベーターが設置されるでしょうか。 なお、トイレに関しては、公立も私立も、中高とも、とりあえず障害者用トイレが少なくとも1つはあるのが普通です(エレベーターと違い、改修費用が低いので)。 ただし、校舎の全トイレの部屋にそれぞれ障害者用トイレがあるかというと、実際にはそうでない高校もあります。 多目的トイレの形の男女共用トイレがある学校もあるでしょうが、どちらかというと男女別々のそれぞれのトイレに、それぞれ1個ずつ障害者用トイレの便器があることのほうが多いと思います。(なぜなら男女共用トイレを増やすと、敷地が足りなくなるので) 私立の中高だと、海外での語学研修のある学園もあります。 一応、制度上は海外の高校で1年間の授業を受けることで日本の高校教育の単位(36単位まで)をとれる正式な長期「留学」制度もありますが、しかしそれを採用している私立高校はかなり少数です。 けっして学校の週2~4コマていどの授業や、あるいは英会話学校・英語予備校などだけで、英語がしゃべれたり、ビジネスや仕事などで使えるようになりません。さらに、自発的な多くの学習時間が必要です。 そもそも、塾は誰でも入れるわけではありません。 集団塾は、集団で授業を受けるのが困難な子供の場合、入塾を断ることがあります。個別塾でも、事情によっては入塾が拒否されます。これを「入塾拒否」と言います。 日本語が通じないのは、入塾拒否の対象です。 保護者が日本語が通じないのも、入塾拒否です。たとえ子供本人は日本語を出来ていても、保護者への連絡などのヤリトリが不可能なので、入塾拒否になります。 塾側からすると、通訳をいちいち雇用するわけにはいきません。 たとえば身体障害が極端にひどく、目が見えない、耳が聞こえない、などの障害の場合、集団塾への入塾は難しいと思います。 視力が弱くてメガネでも入塾は出来ますが、さすがに視力ゼロみたいで視界が真っ暗なのだと入塾は無理です。 どうしても学校以外の民間の有料の教育サービスを使いたい場合、(集団塾ではなく)個別指導塾や家庭教師などを使うことになります。 塾には、それぞれ方針があります。たとえば、居残り学習の有無など。特に中高生の場合、女子でも居残りで帰宅が遅くなる場合もあるが、そういうのに賛同できるか等です。 逆に、居残りをさせない方針の塾もありえます。その場合、子供が自分で勉強する必要がありますが、そういうのに賛同できるかです。 ほか、飲酒の禁止、喫煙の禁止など、未成年を対象にするなら、どの塾にもこの方針があります。個別塾も同様です。 塾の受講料などのお金の支払いが遅いのが慢性的だと、たとえ結果的にお金を支払っても、退塾させられる場合があります。なぜなら塾側からすると、入金の催促(さいそく)の電話とかでも講師の人件費を無駄にするからです。 たとえば、中学3年生にもなってアルファベットもろくに書けないとか、そういうのは集団塾への入塾を断られる場合があります。 極端に学力が低い人は、個別指導の補習塾とか、そういうのに行くことになります。 住所や電話番号などの連絡先を塾に教えないとか、そういう人は入塾がお断りです。 塾を、まるでコンビニかスーパーのように勘違いしていて、「なんであなたに住所を教えないといけないの!?」みたいな事を言うバカな保護者を、塾は相手にしたくないのです。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 極端に態度が悪いと、退塾させられる場合があります。 子供、保護者の少なくとも片方が、極端に態度が悪いと、退塾です。 子供の態度の悪さなら、授業中に私語が多い、授業中に歩き回る、などなど、退塾です。 ほかの塾生にも迷惑が掛かるので、退塾になります。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 塾講師は、養護教諭ではないので、対応できません。よって、知能障害などは、入塾拒否です。 塾というのは、義務教育の学校ではないので、知能障害児は受け入れてもらえません。 退塾です。 塾は、入塾しようと思っても、すぐには入塾できないのが普通です。面談などの確認や手続きがあるので、申し込みを開始してから半月~1か月ほどの時間が掛かる場合もあります。 このため、たとえば「中学3年生の4月に塾のスタートを切ろう」と思ったら、それよりも前に、たとえば2年生の冬期講習あたりから入塾を開始するほうが安全です。 特に春の3~4月は年度の変わり目なので、塾側の事務手続きや人事異動(じんじ いどう)などの負担も重なって、入塾が遅れる可能性が高いです。 ほか、定員オーバーによって、つまり講師の数が足りない、教室の数が足りない、などの理由で、すぐには入塾できない場合があります。 事前に余裕をもって入塾しましょう。 高校受験でも中学受験でも、多くの塾には、保護者会があります。年に数回、塾の方針の説明や、昨今の受験の制度などの解説や、保護者にどう子供を受験勉強を指導すべきかの助言などをするかと思われます。 いっぽう学校側では、公立小学で保護者むけの受験指導しないのは当然ですが、中学ですら保護者むけに何も指導しませんので、保護者は各自で自分で調べる必要があります。 もっとも、塾の講師だって忙しいので、塾の保護者会で説明されるていどの受験制度の説明は、確認程度の基本的なものです。 あいにく書店を見ても、保護者むけの書籍は少なく、私学の受験制度などの傾向などを説明した書籍は少ないです。地域にも寄りますし、あまり市場規模が大きくないのかもしれません。
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"あるいは、もし野球部・ソフトボール部やサッカー部を設立しても、かなり練習場所が狭い、あるいは練習できる曜日が限られる可能性があります。基本的に、他の部活と交代で、週に数日だけ校庭で練習、みたいな事になります。ほか、柔道部も、元女子高の共学には、無い可能性がかなり高いです。", "title": "部活関係" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "このように、元男子校・女子高から共学になった場合、部活の種類および練習スペースが、学校の昔の対象者の性別と違う異性にとっては、とても(部活が)限られます。これは、その私立学校の経営規模には関係なく、たとえ大学付属校でも上記のように、部活が元の男女別学のものに制限されます。", "title": "部活関係" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ほか、部室棟(ぶしつとう)の部屋数は増やせませんので、運動部の設立は色々と大変です。", "title": "部活関係" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "一貫校に限ったことではないのですが、私立には毎日の掃除(そうじ)は無いです。生徒は月あたり10分とか時々、教室をゴミ拾いていどの掃除するくらいです。", "title": "私立・公立の文化・設備の違い" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "普段は、清掃業者の人が掃除しています。特に、トイレ掃除は基本的に無いです。清掃員がトイレ掃除をするのが普通です。", "title": "私立・公立の文化・設備の違い" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "生徒による、雑巾(ぞうきん)による掃除も無い。そのため、勉強時間が長くできる。", "title": "私立・公立の文化・設備の違い" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "なお、さすがに日直ていどの月1回くらいの掃除は私立でもあったりする。", "title": "私立・公立の文化・設備の違い" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", 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"たとえば、中学3年生にもなってアルファベットもろくに書けないとか、そういうのは集団塾への入塾を断られる場合があります。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "極端に学力が低い人は、個別指導の補習塾とか、そういうのに行くことになります。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "住所や電話番号などの連絡先を塾に教えないとか、そういう人は入塾がお断りです。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "塾を、まるでコンビニかスーパーのように勘違いしていて、「なんであなたに住所を教えないといけないの!?」みたいな事を言うバカな保護者を、塾は相手にしたくないのです。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "極端に態度が悪いと、退塾させられる場合があります。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "子供、保護者の少なくとも片方が、極端に態度が悪いと、退塾です。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "子供の態度の悪さなら、授業中に私語が多い、授業中に歩き回る、などなど、退塾です。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "ほかの塾生にも迷惑が掛かるので、退塾になります。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "塾講師は、養護教諭ではないので、対応できません。よって、知能障害などは、入塾拒否です。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "塾というのは、義務教育の学校ではないので、知能障害児は受け入れてもらえません。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "退塾です。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "塾は、入塾しようと思っても、すぐには入塾できないのが普通です。面談などの確認や手続きがあるので、申し込みを開始してから半月~1か月ほどの時間が掛かる場合もあります。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "このため、たとえば「中学3年生の4月に塾のスタートを切ろう」と思ったら、それよりも前に、たとえば2年生の冬期講習あたりから入塾を開始するほうが安全です。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "特に春の3~4月は年度の変わり目なので、塾側の事務手続きや人事異動(じんじ いどう)などの負担も重なって、入塾が遅れる可能性が高いです。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "ほか、定員オーバーによって、つまり講師の数が足りない、教室の数が足りない、などの理由で、すぐには入塾できない場合があります。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "事前に余裕をもって入塾しましょう。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "高校受験でも中学受験でも、多くの塾には、保護者会があります。年に数回、塾の方針の説明や、昨今の受験の制度などの解説や、保護者にどう子供を受験勉強を指導すべきかの助言などをするかと思われます。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "いっぽう学校側では、公立小学で保護者むけの受験指導しないのは当然ですが、中学ですら保護者むけに何も指導しませんので、保護者は各自で自分で調べる必要があります。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "もっとも、塾の講師だって忙しいので、塾の保護者会で説明されるていどの受験制度の説明は、確認程度の基本的なものです。", "title": "塾" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "あいにく書店を見ても、保護者むけの書籍は少なく、私学の受験制度などの傾向などを説明した書籍は少ないです。地域にも寄りますし、あまり市場規模が大きくないのかもしれません。", "title": "塾" } ]
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:* [[高校受験ガイド]] > 中学受験・高校受験の共通のガイド :* [[中学受験ガイド]] > 中学受験・高校受験の共通のガイド == 部活関係 == === 女子高・男子校から共学化した中高の運動部 === 2010年以降の近年、女子高から共学になる私立学校、男子校から共学になる私立学校が少なからずあります。 注意点として、基本的に、「その学校に存在する部活の運動部の種類が、既存の男女別学の場合の部活に限られる」傾向が多いことです。特に、野球・ソフトボールやサッカーなどの広い敷地を使う屋外スポーツの運動部に、その傾向があります。 つまり、たとえば'''女子高から共学になった場合'''、基本的に(男子の)'''野球部とサッカー部が無い'''高校になります。ラグビー部やアメフト部は、無いです。 同様、'''男子校から共学になった場合'''、基本的に'''ソフトボール部が無い'''高校になります。柔道部も無い可能性が高いです。 また文化部ですが、元男子校の共学は'''茶道部・華道部などが無いことが多く'''、おそらく和室そのものが用意されてない可能性が高いです。別に和室が無くても茶道などの練習は可能ですが、そういう設備状況だという事は覚悟してください。ほか、音楽室があるはずなのに関わらず'''吹奏楽部が無いことも多く'''、まるで工業高校みたいに'''音楽部しかない'''場合も2020年の現状ではあります。ただし、野球と違って吹奏楽は練習場所がそれほど広くないし、さすがにどの高校にも音楽室はあるので、吹奏楽部は時間がたてば解決するでしょうが、しかし予想として練習場所が狭く、合唱部と練習スペースを取り合う問題は残っています。 あるいは、もし野球部・ソフトボール部やサッカー部を設立しても、かなり練習場所が狭い、あるいは練習できる曜日が限られる可能性があります。基本的に、他の部活と交代で、週に数日だけ校庭で練習、みたいな事になります。ほか、柔道部も、元女子高の共学には、無い可能性がかなり高いです。 このように、元男子校・女子高から共学になった場合、部活の種類および練習スペースが、学校の昔の対象者の性別と違う異性にとっては、とても(部活が)限られます。これは、その私立学校の経営規模には関係なく、たとえ大学付属校でも上記のように、部活が元の男女別学のものに制限されます。 ほか、部室棟(ぶしつとう)の部屋数は増やせませんので、運動部の設立は色々と大変です。 == 私立・公立の文化・設備の違い == ==== 掃除 ==== 一貫校に限ったことではないのですが、私立には毎日の掃除(そうじ)は無いです。生徒は月あたり10分とか時々、教室をゴミ拾いていどの掃除するくらいです。 普段は、清掃業者の人が掃除しています。特に、トイレ掃除は基本的に無いです。清掃員がトイレ掃除をするのが普通です。 生徒による、雑巾(ぞうきん)による掃除も無い。そのため、勉強時間が長くできる。 なお、さすがに日直ていどの月1回くらいの掃除は私立でもあったりする。 ただし中学の場合、もしかしたら私立でも、シツケの一環として雑巾そうじなどが時々あるかもしれません。 ==== エレベーター ==== 私立中学や私立高校には、エレベーターが設置されていることが多いようです。(非公開の私学もあるので、詳細は不明。伝聞(でんぶん)である。) ですが、よほどの高層ビルの階数の多い私立学校でないかぎり(東京都心の学校にあるようなヤツです)、このエレベーターは車イス者や松葉づえ者のような身体障碍者(しょうがいしゃ)用の設備であるのが普通でしょう。基本的には、生徒は階段を歩いて上階に行く必要があります。 なお、地方などにある普通の中学高校の階数は(私立も高校も)3~4階です。3~5階くらいなら、歩いて階段を上ることになります。 私立に限らず、国公立でも、基本的に利用客の多い公共施設にあるエレベーターは、身体障害者用だけが利用できる設備です(ほか、重量物の運搬でしか、生徒は使う事が許されません)。たとえば駅にあるエレベーターなども、そのような傾向があります。 駅や学校など、利用者の多い公共施設では、電気代などを節約するため、障害者以外の使用は、本来は(公共施設管理者によって)禁止されているのが普通です。 ;公立中高はエレベーターが少ない 2020年代の現在、公立中学にはあまりエレベーターはなく、全国で27%ていどです<ref>[https://reseed.resemom.jp/article/2020/12/10/914.html 『公立小中校舎のエレベーター設置は27.1%…文科省調査』 020.12.10 Thu 16:50]</ref>。 これから少子化の進行・長期化で、(定員割れを起こす公立学校がどんどん増えて)公立学校が統廃合される見込みなので、公立中高に新たにエレベーター設置をする機運はおこりづらいと思います。 また、老朽化で解体する予定の古い校舎にエレベーターをつけても投資効果が低そうです。公立中高では、老朽化した校舎の建て替えの際などに、エレベーターが設置されるでしょうか。 ==== トイレ ==== ;障害者用トイレ なお、トイレに関しては、公立も私立も、中高とも、とりあえず障害者用トイレが少なくとも1つはあるのが普通です(エレベーターと違い、改修費用が低いので)。 ただし、校舎の全トイレの部屋にそれぞれ障害者用トイレがあるかというと、実際にはそうでない高校もあります<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=s_AfV6DF8IQ MBS NEWS 著『【高校トイレ改革】公立高のトイレに「温水洗浄機能」「音消し装置」も!学校選び対策で重要なトイレ改革(2022年5月12日)』 2022/05/12 ]</ref>。 多目的トイレの形の男女共用トイレがある学校もあるでしょうが、どちらかというと男女別々のそれぞれのトイレに、それぞれ1個ずつ障害者用トイレの便器があることのほうが多いと思います。(なぜなら男女共用トイレを増やすと、敷地が足りなくなるので) == 海外「留学」ではなく語学研修である == 私立の中高だと、海外での語学研修のある学園もあります。 一応、制度上は海外の高校で1年間の授業を受けることで日本の高校教育の単位(36単位まで)をとれる正式な長期「留学」制度もありますが<ref>[https://www.jaac.co.jp/purpose/hs-single/way JAAC日米学術センター『在学留学と休学留学について』 ]</ref><ref>[https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/1292020.htm 文部科学省 著『学校教育法施行規則の一部を改正する省令について(高等学校等における外国留学時認定可能単位数の拡大)』 ]</ref>、しかしそれを採用している私立高校はかなり少数です。 ;英語以外のほかの科目は犠牲になる けっして学校の週2~4コマていどの授業や、あるいは英会話学校・英語予備校などだけで、英語がしゃべれたり、ビジネスや仕事などで使えるようになりません。さらに、自発的な多くの学習時間が必要です。 == 塾 == === 入塾の条件 === そもそも、塾は誰でも入れるわけではありません。 集団塾は、集団で授業を受けるのが困難な子供の場合、入塾を断ることがあります。個別塾でも、事情によっては入塾が拒否されます。これを「入塾拒否」と言います。 ;日本語が理解できない 日本語が通じないのは、入塾拒否の対象です。 '''保護者が日本語が通じないのも、入塾拒否'''です。たとえ子供本人は日本語を出来ていても、保護者への連絡などのヤリトリが不可能なので、入塾拒否になります。 塾側からすると、通訳をいちいち雇用するわけにはいきません。 ;障害の有無と程度 たとえば身体障害が極端にひどく、目が見えない、耳が聞こえない、などの障害の場合、集団塾への入塾は難しいと思います。 視力が弱くてメガネでも入塾は出来ますが、さすがに視力ゼロみたいで視界が真っ暗なのだと入塾は無理です。 どうしても学校以外の民間の有料の教育サービスを使いたい場合、(集団塾ではなく)個別指導塾や家庭教師などを使うことになります。 ;塾の方針に賛同できない家庭は入塾お断り 塾には、それぞれ方針があります。たとえば、居残り学習の有無など。特に中高生の場合、女子でも居残りで帰宅が遅くなる場合もあるが、そういうのに賛同できるか等です。 逆に、居残りをさせない方針の塾もありえます。その場合、子供が自分で勉強する必要がありますが、そういうのに賛同できるかです。 ほか、飲酒の禁止、喫煙の禁止など、未成年を対象にするなら、どの塾にもこの方針があります。個別塾も同様です。 ;お金の支払いが遅いと退塾 塾の受講料などのお金の支払いが遅いのが慢性的だと、たとえ結果的にお金を支払っても、退塾させられる場合があります。なぜなら塾側からすると、入金の催促(さいそく)の電話とかでも講師の人件費を無駄にするからです。 ;極端に学力が低い たとえば、中学3年生にもなってアルファベットもろくに書けないとか、そういうのは集団塾への入塾を断られる場合があります。 極端に学力が低い人は、個別指導の補習塾とか、そういうのに行くことになります。 ;住所などを教えないなど 住所や電話番号などの連絡先を塾に教えないとか、そういう人は入塾がお断りです。 塾を、まるでコンビニかスーパーのように勘違いしていて、「なんであなたに住所を教えないといけないの!?」みたいな事を言うバカな保護者を、塾は相手にしたくないのです。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 ;態度が悪い 極端に態度が悪いと、退塾させられる場合があります。 子供、保護者の少なくとも片方が、極端に態度が悪いと、退塾です。 子供の態度の悪さなら、授業中に私語が多い、授業中に歩き回る、などなど、退塾です<ref>[https://ameblo.jp/rx-8-red-34/entry-12722519720.html 『入塾を拒否される』2022-01-21 18:00:20 ]</ref>。 ほかの塾生にも迷惑が掛かるので、退塾になります。 塾講師は知能労働者ですので、バカを相手にしたくないのです。 ;知能障害など 塾講師は、養護教諭ではないので、対応できません。よって、知能障害などは、入塾拒否です。 塾というのは、義務教育の学校ではないので、知能障害児は受け入れてもらえません。 ;暴力行為、暴言、その他の違法行為 退塾です。 === 入塾のタイムスケジュール === 塾は、入塾しようと思っても、すぐには入塾できないのが普通です。面談などの確認や手続きがあるので、申し込みを開始してから半月~1か月ほどの時間が掛かる場合もあります。 このため、たとえば「中学3年生の4月に塾のスタートを切ろう」と思ったら、それよりも前に、たとえば2年生の冬期講習あたりから入塾を開始するほうが安全です。 特に春の3~4月は年度の変わり目なので、塾側の事務手続きや人事異動(じんじ いどう)などの負担も重なって、入塾が遅れる可能性が高いです。 ほか、定員オーバーによって、つまり講師の数が足りない、教室の数が足りない、などの理由で、すぐには入塾できない場合があります。 事前に余裕をもって入塾しましょう。 === 塾の保護者会 === 高校受験でも中学受験でも、多くの塾には、保護者会があります<ref>[https://e-tr.jp/articles/detail/111/ 『塾の評判を高める、保護者会の上手な開催方法とは』2023.02.24]</ref>。年に数回、塾の方針の説明や、昨今の受験の制度などの解説や、保護者にどう子供を受験勉強を指導すべきかの助言などをするかと思われます。 いっぽう学校側では、公立小学で保護者むけの受験指導しないのは当然ですが、中学ですら保護者むけに何も指導しませんので、保護者は各自で自分で調べる必要があります。 もっとも、塾の講師だって忙しいので、塾の保護者会で説明されるていどの受験制度の説明は、確認程度の基本的なものです。 あいにく書店を見ても、保護者むけの書籍は少なく、私学の受験制度などの傾向などを説明した書籍は少ないです。地域にも寄りますし、あまり市場規模が大きくないのかもしれません。 == 参考文献 == === 書籍 === なし(2024年03月31日の時点) === 脚注 ===
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中学校保健体育/健康を守る社会の取り組み
健康増進法・健康相談・保健指導 社会はどのように健康を保ち、病気を防ぐために努めているのかをもう少し詳しく学んでいきましょう。 これまで学習したように、生活習慣病・感染症などの病気は、自覚症状を伴わない場合もあります。気づかないうちに病気が進行したり、環境条件から感染したりします。このように、厚生労働省は、個人の取り組みではどうにもならないような健康問題を解決しようとしています。日本国憲法第25条に定められているように、厚生労働省は国民の健康を守るために様々な活動に取り組んでいます。 健康増進法は、国・地域・個人が国民の健康を改善するために必要な基本的な内容を示しています。例えば、自治体は健康増進法に沿って健康増進計画を作成しています。健康増進計画に従って心や体の健康相談・保健指導・健康教育・癌検診などが行われています。また、このような自治体は、受動喫煙防止対策を勧めたり、健康体力づくりのために行事・講習会も開いたりしています。 ★一般健康診断の内容 ★癌検診の種類 会社などの事業者は、労働者に健康診断を受けられるようにしなければなりません。これは労働安全衛生法で決められています。 健康診断・健康相談に加えて、健康増進(運動教室・健康セミナーなど)や疾病予防のために様々な取り組みが各地域で行われています。例えば、熊本市は保健医療福祉関係団体と共同で、健康フェスティバルを開催しています。健康フェスティバルでは、健康づくりの様々な情報を伝えるほか、相談コーナー・測定コーナー・医療機器などの体験コーナーも設けています。最近、バリアフリーやユニバーサルデザインの町づくりなど、誰もが健康・安全で快適に暮らせるような町づくりを進めています。また、学校も学校保健安全法に基づいて計画を立てています。さらに、民間団体(日本赤十字社・国境なき医師団など)や国際組織(世界保健機関・国連児童基金など)も様々な保健活動(予防接種・災害救援など)に力を入れています。私達の健康は、思いやりによって守られています。 このように、個人単独の取り組みだけで解決出来ないような問題に立ち向かうため、社会は様々な取り組みで私達の健康を守っています。健康寿命の延長を目指して、スマート・ライフ・プロジェクトも進められています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "健康増進法・健康相談・保健指導", "title": "キーワード" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "社会はどのように健康を保ち、病気を防ぐために努めているのかをもう少し詳しく学んでいきましょう。", "title": "私達の健康を守る社会の役割" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "これまで学習したように、生活習慣病・感染症などの病気は、自覚症状を伴わない場合もあります。気づかないうちに病気が進行したり、環境条件から感染したりします。このように、厚生労働省は、個人の取り組みではどうにもならないような健康問題を解決しようとしています。日本国憲法第25条に定められているように、厚生労働省は国民の健康を守るために様々な活動に取り組んでいます。", "title": "私達の健康を守る社会の役割" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "健康増進法は、国・地域・個人が国民の健康を改善するために必要な基本的な内容を示しています。例えば、自治体は健康増進法に沿って健康増進計画を作成しています。健康増進計画に従って心や体の健康相談・保健指導・健康教育・癌検診などが行われています。また、このような自治体は、受動喫煙防止対策を勧めたり、健康体力づくりのために行事・講習会も開いたりしています。", "title": "私達の健康を守る社会の役割" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "★一般健康診断の内容", "title": "私達の健康を守る社会の役割" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "★癌検診の種類", "title": "私達の健康を守る社会の役割" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "会社などの事業者は、労働者に健康診断を受けられるようにしなければなりません。これは労働安全衛生法で決められています。", "title": "私達の健康を守る社会の役割" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "健康診断・健康相談に加えて、健康増進(運動教室・健康セミナーなど)や疾病予防のために様々な取り組みが各地域で行われています。例えば、熊本市は保健医療福祉関係団体と共同で、健康フェスティバルを開催しています。健康フェスティバルでは、健康づくりの様々な情報を伝えるほか、相談コーナー・測定コーナー・医療機器などの体験コーナーも設けています。最近、バリアフリーやユニバーサルデザインの町づくりなど、誰もが健康・安全で快適に暮らせるような町づくりを進めています。また、学校も学校保健安全法に基づいて計画を立てています。さらに、民間団体(日本赤十字社・国境なき医師団など)や国際組織(世界保健機関・国連児童基金など)も様々な保健活動(予防接種・災害救援など)に力を入れています。私達の健康は、思いやりによって守られています。", "title": "社会の様々な取り組み" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "このように、個人単独の取り組みだけで解決出来ないような問題に立ち向かうため、社会は様々な取り組みで私達の健康を守っています。健康寿命の延長を目指して、スマート・ライフ・プロジェクトも進められています。", "title": "社会の様々な取り組み" } ]
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>健康を守る社会の取り組み 私達の社会は、健康を保ち、健康状態を改善するために、どのような保健活動を行っていますか? == キーワード == 健康増進法・健康相談・保健指導 == 私達の健康を守る社会の役割 == ※どうして健康診断が生活習慣病の予防に役立ちますか? 社会はどのように健康を保ち、病気を防ぐために努めているのかをもう少し詳しく学んでいきましょう。 これまで学習したように、生活習慣病・感染症などの病気は、自覚症状を伴わない場合もあります。気づかないうちに病気が進行したり、環境条件から感染したりします。このように、厚生労働省は、個人の取り組みではどうにもならないような健康問題を解決しようとしています。日本国憲法第25条に定められているように、厚生労働省は国民の健康を守るために様々な活動に取り組んでいます。 {| style="border:2px solid #F9c570;width:100%" cellspacing="0" ! style="background:#F9c570" |日本国憲法 第25条【'''生存権と国民生活の社会的進歩向上'''】 |- | style="padding:5px" |第1項 誰でも健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があります。 第2項 国は生活全般について、社会福祉・社会保障・公衆衛生の向上・増進に取り組まなければなりません。 |} '''健康増進法'''は、国・地域・個人が国民の健康を改善するために必要な基本的な内容を示しています。例えば、自治体は健康増進法に沿って健康増進計画を作成しています。健康増進計画に従って心や体の'''健康相談'''・'''保健指導'''・健康教育・癌検診などが行われています。また、このような自治体は、受動喫煙防止対策を勧めたり、健康体力づくりのために行事・講習会も開いたりしています。 ★健康活動 [[ファイル:健康活動.jpg|フレームなし|776x776ピクセル]] ★一般健康診断の内容 # 既往歴・喫煙歴・服薬歴・業務歴の調査 # 自覚症状と他覚症状の有無の検査 # 身長・体重・視力・腹囲・聴力の検査 # 胸部X線検査・喀痰検査 # 血圧の測定 # 尿検査 # 貧血検査 # 肝機能検査 # 血中脂質検査 # 血糖検査 # 心電図検査 {| cellspacing="0" style="border:2px solid #EA5419;width:100%" ! style="background:#EA5419" |保健センターと保健指導 |- | style="padding:5px" |これまで、地域の保健センターを利用しましたか?実際、胎児が生まれると、すぐに健康診査などを保健センターで受けています。成長すると利用機会も少なくなりますが、成人や高齢者になっても、健康を保ったり改善したりするために様々な支援を受けられます。 保健センターは保健指導を行っています。例えば、生活習慣病にかかりそうな人に対して、特定保健指導を行います。特定保健指導は、患者に自分の生活習慣を振り返り、改善させるために行われています。保健師・管理栄養士・看護師などが保健センターに勤務しており、情報提供・相談などで支援しています。 |} ★癌検診の種類 {| class="wikitable" ! !対策型検診 !任意型検診 |- !対象 |集団 |個人 |- !内容 |公共的な医療サービスは、予防対策として行われます。 |医療サービスは、医療機関・検診機関などが希望者に提供しています。 |- !費用 |無料です。一部の検診は自己負担となります。 |原則として全額自己負担となっています。 |- !検診例 |住民検診・職域検診 |人間ドック・癌スクリーニング検査 |} 会社などの事業者は、労働者に健康診断を受けられるようにしなければなりません。これは労働安全衛生法で決められています。 == 社会の様々な取り組み == ※健康診断・健康相談のほかに、健康に関わる保健活動はありますか? 健康診断・健康相談に加えて、健康増進(運動教室・健康セミナーなど)や疾病予防のために様々な取り組みが各地域で行われています。例えば、熊本市は保健医療福祉関係団体と共同で、健康フェスティバルを開催しています。健康フェスティバルでは、健康づくりの様々な情報を伝えるほか、相談コーナー・測定コーナー・医療機器などの体験コーナーも設けています。最近、バリアフリーやユニバーサルデザインの町づくりなど、誰もが健康・安全で快適に暮らせるような町づくりを進めています。また、学校も学校保健安全法に基づいて計画を立てています。さらに、民間団体(日本赤十字社・国境なき医師団など)や国際組織(世界保健機関・国連児童基金など)も様々な保健活動(予防接種・災害救援など)に力を入れています。私達の健康は、思いやりによって守られています。 このように、個人単独の取り組みだけで解決出来ないような問題に立ち向かうため、社会は様々な取り組みで私達の健康を守っています。健康寿命の延長を目指して、[https://www.smartlife.mhlw.go.jp/ スマート・ライフ・プロジェクト]も進められています。 == 資料出所 == * 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年 * 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年 [[カテゴリ:中学校保健体育]]
2024-02-19T09:32:25Z
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建築学/序論
建築学とは、建築物の構造・材料・音響・熱・温度・湿度等の工学的な分野、制度や法規、建築物の経済活動について着目した社会的な分野、建築物の形状や造形、歴史(建築史)からなる芸術文化的な分野から成る。また、広義には都市をデザインする都市計画学や自然環境学なども含む総合的な学問である。また、建築学の分野は他の分野と密接に関わっている。例えば、工学的な分野を理解するためには理化学的知識を必要とし、芸術文化的な分野を理解するためには精神論的な解釈と教養を必要とする。このように、建築学をより深く理解するためには、幅広く知識を必要とする。そのため、特殊な学問といっても矛盾しない。 この文において建築学の分野を分類・区分する場合には、日本建築学会の論文集の分類区分に基づく。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "建築学とは、建築物の構造・材料・音響・熱・温度・湿度等の工学的な分野、制度や法規、建築物の経済活動について着目した社会的な分野、建築物の形状や造形、歴史(建築史)からなる芸術文化的な分野から成る。また、広義には都市をデザインする都市計画学や自然環境学なども含む総合的な学問である。また、建築学の分野は他の分野と密接に関わっている。例えば、工学的な分野を理解するためには理化学的知識を必要とし、芸術文化的な分野を理解するためには精神論的な解釈と教養を必要とする。このように、建築学をより深く理解するためには、幅広く知識を必要とする。そのため、特殊な学問といっても矛盾しない。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この文において建築学の分野を分類・区分する場合には、日本建築学会の論文集の分類区分に基づく。", "title": "分類について" } ]
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== 序論 ==  建築学とは、建築物の構造・材料・音響・熱・温度・湿度等の'''工学的な分野'''、制度や法規、建築物の経済活動について着目した'''社会的な分野'''、建築物の形状や造形、歴史(建築史)からなる'''芸術文化的な分野'''から成る。また、広義には都市をデザインする都市計画学や自然環境学なども含む'''総合的な学問'''である。また、建築学の分野は他の分野と密接に関わっている。例えば、工学的な分野を理解するためには理化学的知識を必要とし、芸術文化的な分野を理解するためには精神論的な解釈と教養を必要とする。このように、建築学をより深く理解するためには、'''幅広く知識を必要とする'''。そのため、特殊な学問といっても矛盾しない。 == 分類について ==  この文において建築学の分野を分類・区分する場合には、'''日本建築学会の論文集の分類区分に基づく'''。 [[カテゴリ:建築]]
2024-02-19T13:24:55Z
2024-02-19T13:39:36Z
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中学校高等学校保健体育実技編/ゴルフ
様々な説がゴルフの成り立ちにあります。世界各地で、ボール・小石を棒・杖で打ち、最も遠く正確にボール・小石を目標のゴールに飛ばせるかを競い合いました。やがて、このような遊びはゴルフの原型になりました。 15世紀にイギリスのスコットランドでゴルフの原型が大流行すると、次第に競技化しました。これに合わせて専用コースも作られ、「ゴルフ」と呼ばれるようになりました。1744年、スコットランドのエディンバラで初の選手権が行われました。この時、世界最古のルールが設けられました。全英オープン(ゴルフ選手権)は1860年から続いており、最も古いゴルフトーナメントです。 ゴルフボールは重さ45.93g以下、直径4.267cm以上と決められています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "様々な説がゴルフの成り立ちにあります。世界各地で、ボール・小石を棒・杖で打ち、最も遠く正確にボール・小石を目標のゴールに飛ばせるかを競い合いました。やがて、このような遊びはゴルフの原型になりました。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "15世紀にイギリスのスコットランドでゴルフの原型が大流行すると、次第に競技化しました。これに合わせて専用コースも作られ、「ゴルフ」と呼ばれるようになりました。1744年、スコットランドのエディンバラで初の選手権が行われました。この時、世界最古のルールが設けられました。全英オープン(ゴルフ選手権)は1860年から続いており、最も古いゴルフトーナメントです。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ゴルフボールは重さ45.93g以下、直径4.267cm以上と決められています。", "title": "ルール" } ]
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[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>[[中学校高等学校保健体育実技編]]>ゴルフ [[高等学校の学習]]>[[高等学校保健体育]]>[[中学校高等学校保健体育実技編]]>ゴルフ == 歴史 == === 発祥 === [[ファイル:Golfer swing.jpg|サムネイル|210x210ピクセル|ゴルフ]]  様々な説がゴルフの成り立ちにあります。世界各地で、ボール・小石を棒・杖で打ち、最も遠く正確にボール・小石を目標のゴールに飛ばせるかを競い合いました。やがて、このような遊びはゴルフの原型になりました。  15世紀にイギリスのスコットランドでゴルフの原型が大流行すると、次第に競技化しました。これに合わせて専用コースも作られ、「ゴルフ」と呼ばれるようになりました。1744年、スコットランドのエディンバラで初の選手権が行われました。この時、世界最古のルールが設けられました。全英オープン(ゴルフ選手権)は1860年から続いており、最も古いゴルフトーナメントです。 === 日本への普及と発展 ===  1903年、日本最古のゴルフクラブ「神戸ゴルフ倶楽部・六甲コース」が神戸在住の外国人によって作られました。その遊びは上流階級達の間ですぐに広まりました。 == 特性 == # ゴルフは、ターゲット型の球技で、芝生や原野などの広いコース(競技場)で行われます。 # 選手は、クラブでボールを打ち、出来るだけ多くホールにボールを入れます。 # ゴルフは、ボールを遠くに飛ばしたり、正確に打ったり、様々な種類のボールを打ち分けなければなりません。 # コースレイアウト(距離やハザードの配置など)も考えて、攻略法(戦術)を立てなくてはなりません。 # 審査員がゴルフにいないので、ルールを知って、ルールに従わなければなりません。 # ゴルフは自然を気にしながら、素早く行わなければなりません。 # コースは自然の中に作られているので、自然に親しみ、自然に打ち勝つ喜びを味わえます。 # クラブの振り・腕の振り・体の動きで、ボールの距離や方向が決まります。このような動きから調整力や瞬発力などを高めてくれます。 == 基本用語 == {| class="wikitable" !アウトコース |1~9番ホールをいいます。 |- !インコース |10~18番ホールをいいます。 |- !ヤード | |- !パー | |- !アルバトロス(ダブルイーグル) | |- !イーグル | |- !バーディー | |- !ボギー | |- !ダブルボギー | |- !トリプルボギー | |- !ショートホール |基準打数3のホールをいいます。 |- !ミドルホール |基準打数4のホールをいいます。 |- !ロングホール |基準打数5のホールをいいます。 |- !ティーイングエリア | |- !OB | |- !オナー | |- !プレイス | |- !リプレイス | |} == 技術 == === STEP1 クラブをしっかり握り、クラブヘッドに力を伝えます。 === * 右利きの場合は、左手から右手の順番で握りましょう。 * 左利きの場合は、右手から左手の順番で握りましょう。 {| class="wikitable" !オーバーラッピンググリップ |右手の小指を左手の人差し指と中指の間に合わせます。 |- !インターロッキンググリップ |左手の人差し指を浮かせて、左手の人差し指と中指の間に右手の小指を入れます。 |- !テンフィンガーグリップ | |} === STEP2 力を入れなくても簡単にスイング出来ます。 === * 肩や腕に力を入れないために、腕の力だけでクラブを振らないようにしましょう。 {| class="wikitable" !アドレス | * 足幅(スタンス)は肩幅程度まで開きましょう。 * |- !テイクバック | |- !トップオブスイング | |- !ダウンスイング | |- !インパクト | |- !フォロースイング | |- !フィニッシュ | |} === STEP3 パッティングはスコアを左右します。 === * フォロースイングとバックスイングの振幅が同じになるようにしましょう。 === 練習 スイングは時計をイメージして身につけましょう。 === {| class="wikitable" !大きさ !振り方 !時計 |- !クウォーター | |7時~5時 |- !ハーフ | |8時~4時 |- !スリークウォーター | |9時~3時 |- !フル | |10時~2時 |} == ルール == [[ファイル:Golf field.svg|サムネイル|(1)ティーイングエリア (2)川 (3)ラフ (4)OB (Out of Bounds) (5)バンカー (6)池 (7)フェアウェイ (8)グリーン (9)ピン (10)カップ]] === ゲームの構成 === # 規則に従って、1つの球を何度も何度も連打して、ホールにボールを入れなければなりません(ホールアウト)。 # === スコア === # 通常、同伴競技者がマーカーとなり、各ホール終了後に打数を確かめます。 # 競技者自身は打数の管理を行います。 === クラブ === === ボール === ゴルフボールは重さ45.93g以下、直径4.267cm以上と決められています。 === プレイの順序 === # 選手はティーイングエリア以外からプレイしたいなら、ホールから遠い順にプレイしなければなりません。 === ストローク === === ボールの状態 === == 資料出所 == * 高橋健夫ほか編著 年度版『ステップアップ高校スポーツ』大修館書店  [[カテゴリ:高等学校保健体育]] [[カテゴリ:ゴルフ]] [[カテゴリ:体育実技]]
2024-02-20T00:12:16Z
2024-02-28T06:36:16Z
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ハッシュテーブル
ソフトウェア工学における「ハッシュテーブル (Hash Table)」は、データを高速に検索、挿入、削除するためのデータ構造の一つです。ハッシュテーブルは、ハッシュ関数を使用してキーと値を関連付け、キーを介して値にアクセスします。ハッシュ関数は、キーから一意のハッシュ値を計算するために使用されます。 ハッシュテーブルの主な特徴は以下の通りです: ハッシュテーブルは、データベース、キャッシュ、アルゴリズムの実装など、さまざまな領域で広く使用されています。 ハッシュテーブルには、いくつかの異なる種類があります。主な種類には以下のものがあります: これらの種類のハッシュテーブルは、それぞれの利点や用途に応じて選択されます。 オープンアドレス法 (Open Addressing) は、ハッシュテーブル内の衝突解決手法の一つです。衝突が発生した場合、新しい要素を格納するために別の空きスロットを探します。 以下に、オープンアドレス法の詳細を説明します: オープンアドレス法では、要素が削除されると、そのスロットを空にするだけでなく、他の要素の探索が妨げられないように特別な処理が必要です。通常、削除された要素のスロットを特別な値でマークします(例えば、削除されたことを示す特別なフラグを設定します)。 オープンアドレス法は、チェイン法と比較してメモリ使用効率が高く、キャッシュ効率も良いため、特にキャッシュの利用が重要な場合に好まれることがあります。 以下は、Rubyで線形探査(Linear Probing)を使用したオープンアドレス法によるハッシュテーブルの実装例です。
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ソフトウェア工学における「ハッシュテーブル」は、データを高速に検索、挿入、削除するためのデータ構造の一つです。ハッシュテーブルは、ハッシュ関数を使用してキーと値を関連付け、キーを介して値にアクセスします。ハッシュ関数は、キーから一意のハッシュ値を計算するために使用されます。 ハッシュテーブルの主な特徴は以下の通りです: 高速な検索、挿入、削除: ハッシュ関数によって計算されたハッシュ値を使用するため、データの取得や変更が非常に高速に行えます。 キーと値のペア: ハッシュテーブルは、キーと値をペアとして格納します。このため、特定のキーを使用して対応する値に効率的にアクセスできます。 ハッシュ関数による一意性: ハッシュ関数は一意のハッシュ値を生成するように設計されています。ただし、異なるキーが同じハッシュ値を生成する「ハッシュ衝突」が発生する可能性があります。このような衝突を解決するために、通常は衝突解決策が採用されます。 メモリ効率の向上: ハッシュテーブルは、キーと値のペアを格納するための効率的なメモリ構造です。大量のデータを効率的に管理するために使用されます。 ハッシュテーブルは、データベース、キャッシュ、アルゴリズムの実装など、さまざまな領域で広く使用されています。
ソフトウェア工学における「ハッシュテーブル (Hash Table)」は、データを高速に検索、挿入、削除するためのデータ構造の一つです。ハッシュテーブルは、ハッシュ関数を使用してキーと値を関連付け、キーを介して値にアクセスします。ハッシュ関数は、キーから一意のハッシュ値を計算するために使用されます。 ハッシュテーブルの主な特徴は以下の通りです: # '''高速な検索、挿入、削除:''' ハッシュ関数によって計算されたハッシュ値を使用するため、データの取得や変更が非常に高速に行えます。 # '''キーと値のペア:''' ハッシュテーブルは、キーと値をペアとして格納します。このため、特定のキーを使用して対応する値に効率的にアクセスできます。 # '''ハッシュ関数による一意性:''' ハッシュ関数は一意のハッシュ値を生成するように設計されています。ただし、異なるキーが同じハッシュ値を生成する「ハッシュ衝突」が発生する可能性があります。このような衝突を解決するために、通常は衝突解決策が採用されます。 # '''メモリ効率の向上:''' ハッシュテーブルは、キーと値のペアを格納するための効率的なメモリ構造です。大量のデータを効率的に管理するために使用されます。 ハッシュテーブルは、データベース、キャッシュ、アルゴリズムの実装など、さまざまな領域で広く使用されています。 == ハッシュテーブルの種類 == ハッシュテーブルには、いくつかの異なる種類があります。主な種類には以下のものがあります: # '''オープンアドレス法 (Open Addressing):''' #: オープンアドレス法では、衝突が発生した場合、別の空きスロットを探してキーを格納します。線形探査、二次探査、二重ハッシュ法などの手法があります。 # '''チェイン法 (Separate Chaining):''' #: チェイン法では、ハッシュテーブルの各スロットに、複数のキーと値のペアを格納するリストや連結リストなどのデータ構造を使用します。衝突が発生した場合、新しいペアをリストに追加します。 # '''パフォレーテッドハッシュテーブル (Perfected Hash Table):''' #: パフォレーテッドハッシュテーブルは、特定のデータセットに最適化されたハッシュテーブルの形式です。衝突を最小限に抑え、高速な検索を提供するために、ハッシュ関数が事前に計算されています。 # '''完全ハッシュ関数 (Perfect Hash Function):''' #: 完全ハッシュ関数は、与えられたデータセットに対して衝突が発生しないように設計されたハッシュ関数です。これにより、ハッシュテーブルの性能を向上させることができます。 # '''動的ハッシュテーブル (Dynamic Hash Table):''' #: 動的ハッシュテーブルは、データの挿入や削除に応じて自動的にサイズを変更することができるハッシュテーブルです。これにより、データセットのサイズが変化する場合でも効率的なデータ管理が可能となります。 これらの種類のハッシュテーブルは、それぞれの利点や用途に応じて選択されます。 == オープンアドレス法 == オープンアドレス法 (Open Addressing) は、ハッシュテーブル内の衝突解決手法の一つです。衝突が発生した場合、新しい要素を格納するために別の空きスロットを探します。 以下に、オープンアドレス法の詳細を説明します: # '''線形探査 (Linear Probing):''' #: 線形探査は、衝突が発生した場合、直接次のスロットに移動し、そこが空いていれば要素を挿入します。空きスロットが見つかるまで、次々と次のスロットをチェックします。ただし、この方法はクラスタリングの問題を引き起こす可能性があります。 # '''二次探査 (Quadratic Probing):''' #: 二次探査は、線形探査よりもクラスタリングの問題を軽減するために使用されます。衝突が発生した場合、二次関数を使用して次のスロットを計算し、そこが空いていれば要素を挿入します。二次探査では、ステップの数を増やすことで、より広い範囲を探索することができます。 # '''二重ハッシュ法 (Double Hashing):''' #: 二重ハッシュ法は、線形探査や二次探査の代わりに、2つ目のハッシュ関数を使用して次のスロットを計算します。衝突が発生した場合、元のハッシュ値に加えて、2つ目のハッシュ関数を使用して次のスロットを計算し、そこが空いていれば要素を挿入します。この方法はクラスタリングを回避する上で効果的です。 オープンアドレス法では、要素が削除されると、そのスロットを空にするだけでなく、他の要素の探索が妨げられないように特別な処理が必要です。通常、削除された要素のスロットを特別な値でマークします(例えば、削除されたことを示す特別なフラグを設定します)。 オープンアドレス法は、チェイン法と比較してメモリ使用効率が高く、キャッシュ効率も良いため、特にキャッシュの利用が重要な場合に好まれることがあります。 === Ruby === 以下は、Rubyで線形探査(Linear Probing)を使用したオープンアドレス法によるハッシュテーブルの実装例です。 ;[https://paiza.io/projects/hh9XqBhsrevkGSyic9y9nw?language=ruby hashtable-openaddress-linear-probing.rb]:<syntaxhighlight lang=ruby> # 線形探査(Linear Probing)を使用したオープンアドレス法によるハッシュテーブルの実装例 class HashTable include Enumerable # Enumerableモジュールを含める # ハッシュテーブルを初期化します。 # # size - ハッシュテーブルのサイズ def initialize(size) @keys = Array.new(size) @values = Array.new(size) def size = @keys.size end # キーのハッシュ値を計算します。 # # key - ハッシュ値を計算するキー def hash(key) = key.hash % size # 指定されたキーに値を設定します。 # # key - 設定する値のキー # value - 設定する値 def []=(key, value) index = hash(key) while @keys[index] != nil && @keys[index] != key # 線形探査: 次のスロットへ移動 index += 1 index %= size end @keys[index] = key @values[index] = value end # 指定されたキーに関連付けられた値を取得します。 # # key - 取得する値のキー # # 戻り値: 指定されたキーに関連付けられた値。キーが見つからない場合は nil。 def [](key) index = hash(key) while @keys[index] != nil return @values[index] if @keys[index] == key # 線形探査: 次のスロットへ移動 index += 1 index %= size end return nil end # ハッシュテーブルを走査し、各Key/Valueをブロックに渡します。 # # @yieldparam value [Object] 各ノードの値 def each(&block) return to_enum unless block @keys.each_index() { |index| yield(@keys[index], @values[index]) if @keys[index] } self end end # テストケース require 'minitest' class HashTableTest < Minitest::Test def setup @hash_table = HashTable.new(5) end def test_set_get_value @hash_table["apple"] = 5 @hash_table["banana"] = 8 @hash_table["orange"] = 3 assert_equal 5, @hash_table["apple"] assert_equal 8, @hash_table["banana"] assert_equal 3, @hash_table["orange"] assert_nil @hash_table["grape"] end def test_to_a @hash_table["apple"] = 5 @hash_table["banana"] = 8 @hash_table["orange"] = 3 assert_equal([["apple", 5], ["banana", 8], ["orange", 3]], @hash_table.to_a.sort) end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> [[Category:プログラミング]] [[Category:ハッシュテーブル]]
2024-02-26T23:44:20Z
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コレクション
プログラミングにおけるコレクションは、さまざまなプログラミング言語で共通して利用されます。 主なコレクションの種類としては、以下のようなものがあります: これらのコレクションは、プログラミング言語やライブラリによって名称や実装が異なる場合がありますが、一般的にデータを効率的に管理するために使用されます。 コレクションと反復(iteration)・ループ(loop)には密接な関係がありますが、それぞれ異なる概念です。 反復がコレクションの要素を処理するための手段であるのに対し、ループはプログラムの制御構造を表します。 コレクションはデータをグループ化するための仕組みであり、反復はそのコレクション内の要素を処理するための手段です。そして、反復は通常、ループ構造を使用して実装されます。ループは、プログラムの特定の部分を繰り返し実行するための制御構造です。 Iteratorパターンは、コレクションの内部構造を隠し、要素に順番にアクセスするための方法を提供します。これにより、コレクションの実装の詳細を隠蔽し、反復処理のコードとコレクションのコードを分離することができます。 さまざまなプログラミング言語で、Iteratorパターンをサポートするための反復支援機構が提供されています。これらの機構には、イテレータプロトコル、ジェネレータ、または組み込みの反復機能が含まれます。以下に、いくつかの主要なプログラミング言語とその反復サポート機構を示します。 これらの例は、それぞれの言語でIteratorパターンを使用する方法を示しています。Iteratorパターンは、異なるプログラミング言語やフレームワークで異なる形で実装されることがありますが、一般的な原則は同じです。
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プログラミングにおけるコレクションは、さまざまなプログラミング言語で共通して利用されます。 主なコレクションの種類としては、以下のようなものがあります: 配列(Array): 同じデータ型の要素を連続したメモリ領域に格納するデータ構造です。インデックスを使用して要素にアクセスできます。 リスト(List): 順序付けられた要素のコレクションで、要素の追加、削除、および変更が可能です。各要素はインデックスで識別されます。 セット(Set): 重複のない要素の集合です。順序は保証されません。主に集合演算(和集合、積集合、差集合など)に使用されます。 マップ(Map)または辞書(Dictionary): キーと値のペアのコレクションです。キーを使用して値にアクセスします。キーは一意であり、重複は許されません。 タプル(Tuple): 複数の要素を1つの単位として保持します。変更できない(不変)シーケンスです。 キュー(Queue): 先入れ先出し(FIFO)のデータ構造です。要素の追加は一端に行い、削除はもう一方の端から行います。 スタック(Stack): 後入れ先出し(LIFO)のデータ構造です。要素の追加と削除は同じ端から行います。 これらのコレクションは、プログラミング言語やライブラリによって名称や実装が異なる場合がありますが、一般的にデータを効率的に管理するために使用されます。
プログラミングにおけるコレクションは、さまざまなプログラミング言語で共通して利用されます。 主なコレクションの種類としては、以下のようなものがあります: # '''[[配列|配列(Array)]]:''' 同じデータ型の要素を連続したメモリ領域に格納するデータ構造です。インデックスを使用して要素にアクセスできます。 # '''[[リスト構造|リスト(List)]]:''' 順序付けられた要素のコレクションで、要素の追加、削除、および変更が可能です。各要素はインデックスで識別されます。 # '''セット(Set):''' 重複のない要素の集合です。順序は保証されません。主に集合演算(和集合、積集合、差集合など)に使用されます。 # '''[[ハッシュテーブル|マップ(Map)または辞書(Dictionary)]]:''' キーと値のペアのコレクションです。キーを使用して値にアクセスします。キーは一意であり、重複は許されません。 # '''タプル(Tuple):''' 複数の要素を1つの単位として保持します。変更できない(不変)シーケンスです。 # '''[[キュー|キュー(Queue)]]:''' 先入れ先出し(FIFO)のデータ構造です。要素の追加は一端に行い、削除はもう一方の端から行います。 # '''[[スタック構造|スタック(Stack)]]:''' 後入れ先出し(LIFO)のデータ構造です。要素の追加と削除は同じ端から行います。 これらのコレクションは、プログラミング言語やライブラリによって名称や実装が異なる場合がありますが、一般的にデータを効率的に管理するために使用されます。 == コレクション・反復とループ == コレクションと反復(iteration)・ループ(loop)には密接な関係がありますが、それぞれ異なる概念です。 # '''コレクション(Collection):''' #: コレクションは、複数の要素を1つのまとまりとして扱うデータ構造です。リスト、セット、マップなどがその例です。 #: コレクションはデータをグループ化するために使用され、一般的にデータを格納、操作、管理するための手段として機能します。 # '''反復(Iteration):''' #: 反復は、コレクション内の各要素に順番にアクセスするプロセスです。このプロセスは、各要素を取り出して何らかの処理を行うために使用されます。 #: 反復は通常、ループ構造を使用して実装されます。各反復ステップで、次の要素が処理されます。 # '''ループ(Loop):''' #: ループは、一連の命令やステートメントを繰り返し実行する制御構造です。これにより、同じ操作を複数の要素に対して繰り返し実行できます。 反復がコレクションの要素を処理するための手段であるのに対し、ループはプログラムの制御構造を表します。 コレクションはデータをグループ化するための仕組みであり、反復はそのコレクション内の要素を処理するための手段です。そして、反復は通常、ループ構造を使用して実装されます。ループは、プログラムの特定の部分を繰り返し実行するための制御構造です。 == iteratorパターンと様々なプログラミング言語での反復支援機構 == Iteratorパターンは、コレクションの内部構造を隠し、要素に順番にアクセスするための方法を提供します。これにより、コレクションの実装の詳細を隠蔽し、反復処理のコードとコレクションのコードを分離することができます。 さまざまなプログラミング言語で、Iteratorパターンをサポートするための反復支援機構が提供されています。これらの機構には、イテレータプロトコル、ジェネレータ、または組み込みの反復機能が含まれます。以下に、いくつかの主要なプログラミング言語とその反復サポート機構を示します。 # '''Ruby''' Rubyでは、Iteratorパターンを実装するためのイテレータや反復処理の機構が組み込まれています。具体的には、<code>each</code>メソッドや<code>Enumerable</code>モジュールが使用されます。 ## '''eachメソッド:''' ほとんどのコレクション型(配列、ハッシュ、セットなど)は、<code>each</code>メソッドを持っています。このメソッドは、ブロックを受け取り、コレクション内の各要素に対してブロック内の処理を実行します。 ##:<syntaxhighlight lang=ruby> numbers = [1, 2, 3, 4, 5] numbers.each do |number| puts number end </syntaxhighlight> ## '''Enumerableモジュール:''' <code>Enumerable</code>モジュールは、反復可能なオブジェクトに対して豊富なメソッドを提供します。これにより、配列やハッシュなどのコレクションをシームレスに操作できます。 ##:<syntaxhighlight lang=ruby> class MyEnumerable include Enumerable def initialize(n) = @n = n def each(&block) @n.times{|i| yield i } end end # イテレータの使用 my_enumerable = MyEnumerable.new(5) p my_enumerable.to_a # [0, 1, 2, 3, 4] for item in my_enumerable puts(item) end # 0 # 1 # 2 # 3 # 4 </syntaxhighlight> #:RubyのIteratorパターンは、イテレータや反復処理の機構を簡潔に表現し、コードをより読みやすく、効果的にします。また、<code>each</code>メソッドや<code>Enumerable</code>モジュールを活用することで、繰り返し処理を容易に実装できます。 # '''JavaScript''' JavaScriptにおいても、Iteratorパターンを実装する方法が提供されています。主な方法として、ジェネレータや<code>Symbol.iterator</code>プロトコルがあります。 ## '''ジェネレータ(Generator):''' ジェネレータは、イテレータオブジェクトを生成するための特別な関数です。<code>function*</code>キーワードを使用して定義され、<code>yield</code>キーワードを使って途中で値を返すことができます。 ##:<syntaxhighlight lang=js> function* generateNumbers() { yield 1; yield 2; yield 3; } const iterator = generateNumbers(); for (let number of iterator) { console.log(number); } </syntaxhighlight> ## '''<code>Symbol.iterator</code>プロトコル:''' <code>Symbol.iterator</code>は、オブジェクトに反復可能な振る舞いを提供するためのプロトコルです。オブジェクトがこのプロトコルを実装することで、<code>for...of</code>ループや<code>Array.from()</code>などの反復処理メソッドで使用することができます。 ##:<syntaxhighlight lang=js> const myIterable = { [Symbol.iterator]: function* () { yield 'hello'; yield 'world'; } }; for (let item of myIterable) { console.log(item); } </syntaxhighlight> #:これらの方法を使用することで、JavaScriptでIteratorパターンを実装し、コレクションを反復処理することができます。 # '''Python:''' Pythonでは、Iteratorパターンを実装するためのイテレータプロトコルがあります。これは、<code>__iter__()</code>と<code>__next__()</code>の2つのメソッドを実装することで、自分自身を反復処理可能なオブジェクトにするものです。また、ジェネレータと呼ばれる特別な関数や式も使用できます。 #:<syntaxhighlight lang=python3> class MyIterator: def __init__(self, data): self.data = data self.index = 0 def __iter__(self): return self def __next__(self): if self.index >= len(self.data): raise StopIteration result = self.data[self.index] self.index += 1 return result # イテレータの使用 my_iterator = MyIterator([1, 2, 3]) for item in my_iterator: print(item) </syntaxhighlight> # '''Java:''' Javaでは、IteratorインタフェースがIteratorパターンを実装するためのメカニズムです。Javaのコレクションフレームワークは、すべてのコレクションに対して<code>iterator()</code>メソッドを提供し、Iteratorオブジェクトを取得できます。 #:<syntaxhighlight lang=java> // イテレータの使用 List<Integer> numbers = Arrays.asList(1, 2, 3); Iterator<Integer> iterator = numbers.iterator(); while (iterator.hasNext()) { System.out.println(iterator.next()); } </syntaxhighlight> # '''C#:''' C#では、<code>IEnumerable</code>インターフェースと<code>IEnumerator</code>インターフェースがIteratorパターンを実装するためのメカニズムです。<code>IEnumerable</code>はコレクションを反復処理可能なものにし、<code>IEnumerator</code>は反復処理の実際のメカニズムを提供します。 #:<syntaxhighlight lang=cs> // イテレータの使用 List<int> numbers = new List<int> { 1, 2, 3 }; IEnumerator<int> enumerator = numbers.GetEnumerator(); while (enumerator.MoveNext()) { Console.WriteLine(enumerator.Current); } </syntaxhighlight> これらの例は、それぞれの言語でIteratorパターンを使用する方法を示しています。Iteratorパターンは、異なるプログラミング言語やフレームワークで異なる形で実装されることがありますが、一般的な原則は同じです。 [[カテゴリ:プログラミング]]
2024-02-29T09:49:05Z
2024-03-12T07:19:51Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
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探索アルゴリズム
探索は、与えられた問題領域内で解を見つけるために情報を収集するプロセスです。探索問題は、解空間内で目標解を見つけることが目的です。 一般的な探索問題には、以下のような分類があります。 これらの問題に対処するために、さまざまな探索アルゴリズムが開発されています。 探索問題の解決には、問題を適切に定式化しモデル化することが重要です。 問題の定式化には、以下の要素が含まれます。 問題のモデリングは、このような要素を数学的な表現やグラフ構造などの形式で表すプロセスです。適切なモデリングは、効率的な探索アルゴリズムの設計に不可欠です。 探索アルゴリズムの評価には、いくつかの基準があります。 これらの基準は、アルゴリズムの性能を評価し比較するのに役立ちます。 線形探索は、与えられたデータ構造内で順番に要素を調べる方法です。基本的な線形探索の手法は、リストや配列を一つずつ順番に検索して目的の要素を見つけるものです。 線形探索は、単純で直感的なアプローチですが、効率が低い場合があります。特に大きなデータセットや複雑な条件での探索では、効率が問題になります。そのため、効率的な実装や最適化が重要です。例えば、データが事前にソートされている場合は、二分探索を使用するなどの最適化手法があります。 線形探索は、さまざまな領域で使用されます。例えば、リスト内の特定の値の検索、単純なテキスト解析、簡単なデータ構造の操作などに応用されます。ただし、大規模なデータセットや高速な探索が必要な場合は、他の探索アルゴリズムが好まれることがあります。 二分探索は、ソートされたリストや配列内の要素を効率的に検索するアルゴリズムです。 基本的な原則は以下の通りです。 二分探索の実装には、以下の手順が含まれます。 二分探索は、さまざまな分野で幅広く使用されています。 これらの応用例は、二分探索が効率的なアルゴリズムであることを示しています。 幅優先探索(Breadth-First Search、以下BFS)は、グラフや木の探索に使用されるアルゴリズムの一種です。この探索アルゴリズムは、与えられた開始ノードから始まり、隣接するすべてのノードを横断的に探索し、それらのノードの隣接ノードを探索することで解を見つける方法です。BFSは、最短経路を見つけるための効果的な方法としても知られています。 BFSは、グラフ探索の手法の1つとして使用されます。グラフは、頂点(ノード)と辺(エッジ)の集合で表され、ノード間の関係性を表します。幅優先探索では、与えられた開始ノードから始め、そのノードの隣接ノードを順番に探索していきます。次に、これらの隣接ノードをキューに追加し、キューからノードを取り出してそれらを探索します。これを繰り返し、探索済みのノードはマークされます。BFSは、グラフの階層構造を使用して解を見つけるため、階層的探索とも呼ばれます。 幅優先探索の実装は比較的直感的です。基本的な実装では、キューを使用して探索中のノードを管理し、探索する順番を制御します。各ノードを訪問する際には、そのノードを探索済みとマークし、その隣接ノードをキューに追加します。 幅優先探索の最適化には、次のような方法があります。 BFSはさまざまな問題に応用されます。 これらの応用例は、BFSが広範な領域で活用される汎用的な探索アルゴリズムであることを示しています。 深さ優先探索(Depth-First Search、以下DFS)は、グラフや木の探索に使用されるアルゴリズムの一つです。このアルゴリズムは、与えられた開始ノードから始めて、そのノードから始まる一つの枝を最深部まで探索し、それ以上進めなくなると一つ戻って次の枝を探索する方法です。DFSは再帰的な呼び出しやスタックを使用して実装されることが一般的です。 DFSは、グラフ探索の手法の1つとして使用されます。グラフは、頂点(ノード)と辺(エッジ)の集合で表され、ノード間の関係性を表します。DFSは、開始ノードから出発し、可能な限り深く探索を進めます。これにより、ツリー構造を形成し、最深部まで到達したら戻って探索を続行します。DFSは、スタックを使用して実装されることが一般的であり、再帰的な呼び出しもDFSの実装方法の1つです。 DFSの実装は比較的シンプルであり、再帰的なアプローチが一般的です。開始ノードから再帰的に探索を行い、到達可能なすべてのノードを訪問します。 DFSの最適化には、次のような方法があります。 DFSは、さまざまな問題に応用されます。 これらの応用例は、DFSが広範な領域で活用される汎用的な探索アルゴリズムであることを示しています。 ヒューリスティック探索は、問題解決のための効率的なアルゴリズムであり、現在の状態からゴール状態までの経路を見つけるためにヒューリスティック関数を使用します。ヒューリスティック探索は、最適な解を保証することはありませんが、一般的に探索空間を削減し、計算コストを削減します。 ヒューリスティック関数は、与えられた状態からゴールまでの推定コストを提供します。これは、探索アルゴリズムが各状態の選択を決定するための情報源です。 良いヒューリスティック関数は、以下の特性を持ちます。 A*探索法は、ヒューリスティック探索の一種であり、最も広く使用されている手法の1つです。A探索は、開始状態からゴール状態までの最適な経路を見つけるために、経路の長さとヒューリスティック関数の推定値を組み合わせてノードを評価します。A*探索の効率性は、使用されるヒューリスティック関数に大きく依存します。 A*探索にはいくつかの変種があります。例えば、IDA(Iterative Deepening A*)、D*(Dynamic A*)、Anytime A*などがあります。これらの変種は、特定の問題に最適化されています。 ヒューリスティック探索の実装では、効率的なデータ構造やアルゴリズムを使用して、探索空間を効率的に管理することが重要です。また、ヒューリスティック関数の選択や設計も探索の効率に大きな影響を与えます。最適化の一例としては、探索空間を適切に削減し、無駄な探索を避けることが挙げられます。 ヒューリスティック探索は、以下のようなさまざまな問題領域に応用されています。 これらの応用例は、ヒューリスティック探索が幅広い分野で使用されていることを示しています。 確率的探索は、ランダム性を利用して解の探索を行うアルゴリズムの一群です。通常、解の探索空間が非常に広大である場合や、完全な情報が利用できない場合に使用されます。確率的探索は、解の探索を進める際にランダムな選択を行い、探索空間を効率的に探索します。 モンテカルロ法は、確率的探索の一種であり、ランダムサンプリングを用いて問題の解を探索する手法です。最も広く知られているのはモンテカルロシミュレーションで、数値積分や確率的統計学、ゲーム理論などの分野で広く使用されています。モンテカルロ法の基本的な考え方は、ランダムな試行を繰り返し行い、その結果を統計的に評価することで、解を見つけることです。 確率的探索の実装においては、ランダム性を利用して解の探索を行うアルゴリズムを実装します。最適化においては、適切なランダム性の導入や探索のバランスを考慮し、探索空間を効率的に探索するための手法が検討されます。また、モンテカルロ法などの確率的アルゴリズムでは、試行回数やサンプリングの精度などがパフォーマンスに影響を与えるため、これらのパラメータの最適化も重要です。 確率的探索は、さまざまな分野で幅広く応用されています。 これらの応用例は、確率的探索が現実世界の複雑な問題に対処するための強力なツールであることを示しています。 メタヒューリスティック探索は、探索空間内の解候補を効率的に探索するためのアルゴリズムの一群です。これらの手法は、通常、最適解を見つけるために探索空間全体を探索する従来の方法よりも高速であり、大域的な最適解に収束する能力を持ちます。メタヒューリスティック探索は、探索空間の局所的な構造を利用して解を探索するため、広範な応用が可能です。 焼きなまし法は、ランダムな解を初期解として選択し、その後、解をランダムに選択して探索空間を探索し、受け入れられるかどうかを確率的に決定する手法です。温度パラメータを使用して、受け入れる解の質を制御し、徐々に温度を下げることで探索を収束させます。焼きなまし法は、局所解に陥るリスクを減らし、大域的な最適解を見つけるための効果的な手法です。 遺伝的アルゴリズムは、自然界の進化のプロセスに着想を得て開発された最適化手法です。個体を表す解の集団を進化させ、選択、交叉、突然変異の操作を通じて新しい解を生成し、最適解に収束させます。遺伝的アルゴリズムは、解の探索空間が非線形で複雑な場合に特に有効であり、広範な最適化問題に適用されます。 粒子群最適化は、鳥や魚の群れの行動から着想を得た最適化手法です。解空間内の個体を粒子と見なし、各粒子が解探索空間内を移動することで最適解を探索します。各粒子は、自身の位置と速度を更新するための情報を使用し、個体のベスト解や群れ全体のベスト解に向かって移動します。粒子群最適化は、多様な最適化問題に適用され、探索空間の局所的な特性を利用して効率的な最適解を見つけることができます。 メタヒューリスティック探索の実装には、適切な探索空間の表現方法、選択、交叉、突然変異の操作、評価関数の設計などが含まれます。また、パラメータの調整やアルゴリズムの選択など、最適な探索を行うための様々な最適化手法も重要です。 メタヒューリスティック探索は、さまざまな分野で幅広く応用されています。 これらの応用例は、メタヒューリスティック探索が多岐に渡る最適化問題において有用であることを示しています。 多目的探索は、複数の目的関数を最適化することを目指す最適化問題の一種です。従来の単一目的の最適化問題とは異なり、多目的最適化では複数の目的が競合し合い、最適な解は個々の目的に対して最も良いバランスを持つ解となります。多目的探索の目的は、解空間内の非劣解であるパレート最適解を見つけることです。 多目的探索には、以下のようなアルゴリズムが使用されます。 多目的探索の主な目的は、パレート最適解を見つけることです。パレート最適解とは、探索空間内で他の解よりも優れていながら、どの目的関数に対しても改善の余地がない解のことを指します。多目的探索では、探索アルゴリズムがパレート最適解を探索し、その集合を特定することが重要です。 多目的探索の実装には、適切な目的関数の定義、アルゴリズムの選択、パラメータの調整などが含まれます。また、解の評価方法や解の選択方法なども重要です。最適化においては、探索空間を効率的に探索するためのアルゴリズムの最適化や、探索アルゴリズムの並列化などが考慮されます。 多目的探索は、さまざまな応用領域で使用されます。 これらの応用例は、多目的最適化が現実世界の複雑な問題に対処するための強力なツールであることを示しています。 離散最適化問題は、解空間内の値が離散的な変数を持つ最適化問題です。これらの問題では、解が整数または真理値(0または1)のような離散的な値を取る場合があります。離散最適化問題は、組合せ最適化問題や整数最適化問題などの様々な問題を包括しています。 動的計画法は、複雑な問題を単純な部分問題に分割し、それぞれの部分問題の最適解を計算することで全体の最適解を求める手法です。動的計画法は、部分問題が重複している場合に効果的であり、再帰的な関数呼び出しやテーブルを使用して問題を解きます。 貪欲法は、各ステップで局所的に最適な選択を行う手法です。貪欲法は、各ステップで最も有望な選択を行い、それを現在の解に追加していくことで最終的な解を構築します。貪欲法は効率的であり、多くの場合、近似解を見つけるために使用されますが、最適解を保証することはありません。 分枝限定法は、解の探索空間を分割し、部分問題の探索を行いながら最適解を見つける手法です。各ステップで可能なすべての選択肢を試し、部分問題を生成します。その後、最も有望な部分問題を選択し、他の部分問題を無視します。これを再帰的に行い、最適解を見つけることができます。 離散最適化問題の実装には、動的計画法や貪欲法、分枝限定法などのアルゴリズムを使用します。最適化においては、効率的なデータ構造やアルゴリズムを使用して、探索空間を効率的に探索することが重要です。また、問題の特性に合わせてアルゴリズムのパラメータを調整することも重要です。 離散最適化問題は、さまざまな分野で広く応用されています。 これらの応用例は、離散最適化問題が現実世界の様々な問題に対処するための強力なツールであることを示しています。 進化的アルゴリズムは、生物の進化の原理に基づいて最適化問題を解決する手法です。これらのアルゴリズムは、個体群を生成し、世代を通じて個体の選択、交叉、突然変異などの操作を繰り返し行うことで、最適解を探索します。基本原則は、遺伝的多様性の維持と最適化の進化によって、解の空間を効率的に探索することです。 遺伝的アルゴリズム(GA)は、最も一般的な進化的アルゴリズムの一種です。GAは、適応度関数に基づいて個体を評価し、適応度に基づいて個体を選択、交叉、突然変異させることで、最適解を探索します。遺伝的アルゴリズムは、生物の進化の原理を模倣しており、自然選択、交叉、突然変異などの操作を使用して、最適解に近づけます。 進化戦略(ES)は、進化的アルゴリズムの一種であり、主に連続値最適化問題に適用されます。進化戦略では、個体を実数ベクトルとして表現し、進化演算子によって解の空間内で探索を行います。進化戦略は、探索空間内の最適解を見つけるために、局所探索や多様性維持などの手法を使用します。 遺伝的プログラミング(GP)は、進化的アルゴリズムの一種であり、プログラムの進化を通じて問題を解決します。GPでは、プログラムを木構造で表現し、適応度関数に基づいてプログラムを選択、交叉、突然変異させることで、最適なプログラムを見つけます。遺伝的プログラミングは、シンボル回帰、制御システムの設計、機械学習などの問題に使用されます。 進化的アルゴリズムの実装には、個体表現の選択、適応度関数の定義、選択、交叉、突然変異の操作の実装などが含まれます。最適化においては、アルゴリズムのパラメータの調整や進化演算子の最適化などが重要です。また、進化的アルゴリズムの並列化や高速化も研究されています。 進化的アルゴリズムは、さまざまな分野で幅広く応用されています。 これらの応用例は、進化的アルゴリズムが幅広い問題領域で有用であることを示しています。 ハイブリッド探索は、複数の異なる探索アルゴリズムを組み合わせることで、探索性能を向上させる手法です。単一のアルゴリズムだけでは解を見つけるのが困難な問題に対して、複数のアルゴリズムを組み合わせることで、より効率的に解を探索します。ハイブリッド探索の利点は、異なるアルゴリズムの長所を組み合わせることで、より多くの探索空間をカバーし、より良い解を見つけることができる点にあります。 ハイブリッド探索では、さまざまな探索アルゴリズムの組み合わせが使用されます。例えば、深さ優先探索と幅優先探索の組み合わせ、遺伝的アルゴリズムと局所探索法(例えば、山登り法)の組み合わせなどがあります。これらの組み合わせは、探索空間の特性や問題の性質に応じて選択されます。 ハイブリッド探索の実装には、複数の探索アルゴリズムを組み合わせる方法や、それらのアルゴリズムの連携方法が含まれます。また、各アルゴリズムのパラメータの調整や、組み合わせ方法の最適化も重要です。最適化においては、探索性能の向上や計算コストの削減など、目標に応じた最適なハイブリッド化手法が求められます。 ハイブリッド探索は、さまざまな分野で広く使用されています。 これらの応用例は、ハイブリッド探索が多様な領域で有用であることを示しています。ハイブリッド探索は、異なるアルゴリズムを組み合わせることで、探索空間をより効果的に探索し、より良い解を見つけることができます。 組み込み探索アルゴリズムは、コンピュータシステムやアプリケーション内に組み込まれた探索手法です。これらのアルゴリズムは、データベースクエリの最適化からコンピュータゲームのAI、ルーティングやナビゲーションなど、さまざまな領域で広く使用されています。組み込み探索アルゴリズムは、リアルタイム性、効率性、メモリ使用量など、組み込まれたシステムの制約に合わせて設計されます。 データベースシステムでは、クエリの処理速度を向上させるために組み込み探索アルゴリズムが使用されます。インデックス探索やクエリプランニングなどの手法がデータベースクエリの最適化に利用され、効率的なデータ検索と処理を実現します。 コンピュータゲームにおいては、プレイヤーとのインタラクションや敵キャラクターの挙動など、さまざまな要素が探索アルゴリズムに基づいて実装されます。敵の行動戦略、マップの最適な進行ルート、アイテムの配置など、ゲーム内の様々な要素の探索に組み込み探索アルゴリズムが使用されます。 ルーティングやナビゲーションシステムでは、組み込み探索アルゴリズムが使用されます。例えば、GPSナビゲーションや地図アプリケーションでは、最適なルートの計算や交通状況の推定に探索アルゴリズムが利用されます。これにより、ユーザーは目的地までの最適なルートを素早く見つけることができます。 組み込み探索アルゴリズムの実装では、システムの制約や要件に合わせてアルゴリズムを選択し、効率的な実装を行います。また、リアルタイム性やメモリ使用量の最適化など、システムの性能向上のための最適化も重要です。 組み込み探索アルゴリズムは、以下のような応用例で広く使用されています。 これらの応用例は、組み込み探索アルゴリズムが現代のコンピュータシステムやアプリケーションに不可欠な役割を果たしていることを示しています。 探索アルゴリズムの性能評価には、いくつかの方法があります。 アルゴリズムの効率性比較には、実行時間やメモリ使用量などの定量的な指標が使用されます。一般的には、同じ問題インスタンスに対して複数のアルゴリズムを実行し、それらの性能を比較します。また、大規模な問題インスタンスやランダムな問題インスタンスに対する実験も行われ、アルゴリズムの効率性を評価します。 探索アルゴリズムの評価には、標準化されたベンチマーク問題やテストケースが使用されます。これらの問題インスタンスは、アルゴリズムの性能を客観的に評価するための基準となります。ベンチマークは、アルゴリズムの比較や改良のための重要なツールです。 探索アルゴリズムを選択する際には、以下のような基準が考慮されます。 これらの基準を考慮して、適切な探索アルゴリズムを選択することが重要です。また、実際の問題に対して複数のアルゴリズムを組み合わせることで、より効果的な探索を行うこともあります。 最先端の探索アルゴリズムの一つに、強化学習に基づくアルゴリズムがあります。特に、深層強化学習(Deep Reinforcement Learning)は、ニューラルネットワークと強化学習手法を組み合わせることで、複雑な探索問題において驚異的な成果を上げています。また、メタヒューリスティック探索の分野では、量子計算や量子アニーリングを利用した新たなアルゴリズムの研究が進んでいます。 最新のアプローチの一つに、進化的アルゴリズムと深層学習を組み合わせた手法があります。この手法では、進化的アルゴリズムが個体群を進化させる中で、深層学習モデルのパラメータを最適化する役割を担います。これにより、探索問題に対する解の探索と、その解の評価および改善を同時に行うことができます。 未解決の探索課題の一つに、高次元の探索空間における効率的な探索があります。高次元空間では、探索空間が非常に複雑になり、従来の探索アルゴリズムの性能が低下する傾向があります。また、不確実性を含む問題における効率的な探索手法の開発も重要な課題です。 このRubyコードは、線形探索、二分探索、幅優先探索のアルゴリズムを実装し、それぞれの探索アルゴリズムを使用して配列やグラフを探索する方法を示しています。 これらの実装例は、探索アルゴリズムをさまざまなプログラミング言語で実装する方法を示しています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "探索は、与えられた問題領域内で解を見つけるために情報を収集するプロセスです。探索問題は、解空間内で目標解を見つけることが目的です。", "title": "探索の基礎" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "一般的な探索問題には、以下のような分類があります。", "title": "探索の基礎" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "これらの問題に対処するために、さまざまな探索アルゴリズムが開発されています。", "title": "探索の基礎" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "探索問題の解決には、問題を適切に定式化しモデル化することが重要です。", "title": "探索の基礎" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "問題の定式化には、以下の要素が含まれます。", "title": "探索の基礎" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "問題のモデリングは、このような要素を数学的な表現やグラフ構造などの形式で表すプロセスです。適切なモデリングは、効率的な探索アルゴリズムの設計に不可欠です。", "title": "探索の基礎" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "探索アルゴリズムの評価には、いくつかの基準があります。", "title": "探索の基礎" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "これらの基準は、アルゴリズムの性能を評価し比較するのに役立ちます。", "title": "探索の基礎" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "線形探索は、与えられたデータ構造内で順番に要素を調べる方法です。基本的な線形探索の手法は、リストや配列を一つずつ順番に検索して目的の要素を見つけるものです。", "title": "線形探索" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "線形探索は、単純で直感的なアプローチですが、効率が低い場合があります。特に大きなデータセットや複雑な条件での探索では、効率が問題になります。そのため、効率的な実装や最適化が重要です。例えば、データが事前にソートされている場合は、二分探索を使用するなどの最適化手法があります。", "title": "線形探索" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "線形探索は、さまざまな領域で使用されます。例えば、リスト内の特定の値の検索、単純なテキスト解析、簡単なデータ構造の操作などに応用されます。ただし、大規模なデータセットや高速な探索が必要な場合は、他の探索アルゴリズムが好まれることがあります。", "title": "線形探索" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "二分探索は、ソートされたリストや配列内の要素を効率的に検索するアルゴリズムです。", "title": "二分探索" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "基本的な原則は以下の通りです。", "title": "二分探索" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "二分探索の実装には、以下の手順が含まれます。", "title": "二分探索" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "二分探索は、さまざまな分野で幅広く使用されています。", "title": "二分探索" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、二分探索が効率的なアルゴリズムであることを示しています。", "title": "二分探索" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "幅優先探索(Breadth-First Search、以下BFS)は、グラフや木の探索に使用されるアルゴリズムの一種です。この探索アルゴリズムは、与えられた開始ノードから始まり、隣接するすべてのノードを横断的に探索し、それらのノードの隣接ノードを探索することで解を見つける方法です。BFSは、最短経路を見つけるための効果的な方法としても知られています。", "title": "幅優先探索" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "BFSは、グラフ探索の手法の1つとして使用されます。グラフは、頂点(ノード)と辺(エッジ)の集合で表され、ノード間の関係性を表します。幅優先探索では、与えられた開始ノードから始め、そのノードの隣接ノードを順番に探索していきます。次に、これらの隣接ノードをキューに追加し、キューからノードを取り出してそれらを探索します。これを繰り返し、探索済みのノードはマークされます。BFSは、グラフの階層構造を使用して解を見つけるため、階層的探索とも呼ばれます。", "title": "幅優先探索" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "幅優先探索の実装は比較的直感的です。基本的な実装では、キューを使用して探索中のノードを管理し、探索する順番を制御します。各ノードを訪問する際には、そのノードを探索済みとマークし、その隣接ノードをキューに追加します。", "title": "幅優先探索" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "幅優先探索の最適化には、次のような方法があります。", "title": "幅優先探索" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "BFSはさまざまな問題に応用されます。", "title": "幅優先探索" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、BFSが広範な領域で活用される汎用的な探索アルゴリズムであることを示しています。", "title": "幅優先探索" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "深さ優先探索(Depth-First Search、以下DFS)は、グラフや木の探索に使用されるアルゴリズムの一つです。このアルゴリズムは、与えられた開始ノードから始めて、そのノードから始まる一つの枝を最深部まで探索し、それ以上進めなくなると一つ戻って次の枝を探索する方法です。DFSは再帰的な呼び出しやスタックを使用して実装されることが一般的です。", "title": "深さ優先探索" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "DFSは、グラフ探索の手法の1つとして使用されます。グラフは、頂点(ノード)と辺(エッジ)の集合で表され、ノード間の関係性を表します。DFSは、開始ノードから出発し、可能な限り深く探索を進めます。これにより、ツリー構造を形成し、最深部まで到達したら戻って探索を続行します。DFSは、スタックを使用して実装されることが一般的であり、再帰的な呼び出しもDFSの実装方法の1つです。", "title": "深さ優先探索" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "DFSの実装は比較的シンプルであり、再帰的なアプローチが一般的です。開始ノードから再帰的に探索を行い、到達可能なすべてのノードを訪問します。", "title": "深さ優先探索" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "DFSの最適化には、次のような方法があります。", "title": "深さ優先探索" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "DFSは、さまざまな問題に応用されます。", "title": "深さ優先探索" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、DFSが広範な領域で活用される汎用的な探索アルゴリズムであることを示しています。", "title": "深さ優先探索" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "ヒューリスティック探索は、問題解決のための効率的なアルゴリズムであり、現在の状態からゴール状態までの経路を見つけるためにヒューリスティック関数を使用します。ヒューリスティック探索は、最適な解を保証することはありませんが、一般的に探索空間を削減し、計算コストを削減します。", "title": "ヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "ヒューリスティック関数は、与えられた状態からゴールまでの推定コストを提供します。これは、探索アルゴリズムが各状態の選択を決定するための情報源です。", "title": "ヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "良いヒューリスティック関数は、以下の特性を持ちます。", "title": "ヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "A*探索法は、ヒューリスティック探索の一種であり、最も広く使用されている手法の1つです。A探索は、開始状態からゴール状態までの最適な経路を見つけるために、経路の長さとヒューリスティック関数の推定値を組み合わせてノードを評価します。A*探索の効率性は、使用されるヒューリスティック関数に大きく依存します。 A*探索にはいくつかの変種があります。例えば、IDA(Iterative Deepening A*)、D*(Dynamic A*)、Anytime A*などがあります。これらの変種は、特定の問題に最適化されています。", "title": "ヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ヒューリスティック探索の実装では、効率的なデータ構造やアルゴリズムを使用して、探索空間を効率的に管理することが重要です。また、ヒューリスティック関数の選択や設計も探索の効率に大きな影響を与えます。最適化の一例としては、探索空間を適切に削減し、無駄な探索を避けることが挙げられます。", "title": "ヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "ヒューリスティック探索は、以下のようなさまざまな問題領域に応用されています。", "title": "ヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、ヒューリスティック探索が幅広い分野で使用されていることを示しています。", "title": "ヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "確率的探索は、ランダム性を利用して解の探索を行うアルゴリズムの一群です。通常、解の探索空間が非常に広大である場合や、完全な情報が利用できない場合に使用されます。確率的探索は、解の探索を進める際にランダムな選択を行い、探索空間を効率的に探索します。", "title": "確率的探索" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "モンテカルロ法は、確率的探索の一種であり、ランダムサンプリングを用いて問題の解を探索する手法です。最も広く知られているのはモンテカルロシミュレーションで、数値積分や確率的統計学、ゲーム理論などの分野で広く使用されています。モンテカルロ法の基本的な考え方は、ランダムな試行を繰り返し行い、その結果を統計的に評価することで、解を見つけることです。", "title": "確率的探索" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "確率的探索の実装においては、ランダム性を利用して解の探索を行うアルゴリズムを実装します。最適化においては、適切なランダム性の導入や探索のバランスを考慮し、探索空間を効率的に探索するための手法が検討されます。また、モンテカルロ法などの確率的アルゴリズムでは、試行回数やサンプリングの精度などがパフォーマンスに影響を与えるため、これらのパラメータの最適化も重要です。", "title": "確率的探索" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "確率的探索は、さまざまな分野で幅広く応用されています。", "title": "確率的探索" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、確率的探索が現実世界の複雑な問題に対処するための強力なツールであることを示しています。", "title": "確率的探索" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "メタヒューリスティック探索は、探索空間内の解候補を効率的に探索するためのアルゴリズムの一群です。これらの手法は、通常、最適解を見つけるために探索空間全体を探索する従来の方法よりも高速であり、大域的な最適解に収束する能力を持ちます。メタヒューリスティック探索は、探索空間の局所的な構造を利用して解を探索するため、広範な応用が可能です。", "title": "メタヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "焼きなまし法は、ランダムな解を初期解として選択し、その後、解をランダムに選択して探索空間を探索し、受け入れられるかどうかを確率的に決定する手法です。温度パラメータを使用して、受け入れる解の質を制御し、徐々に温度を下げることで探索を収束させます。焼きなまし法は、局所解に陥るリスクを減らし、大域的な最適解を見つけるための効果的な手法です。", "title": "メタヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "遺伝的アルゴリズムは、自然界の進化のプロセスに着想を得て開発された最適化手法です。個体を表す解の集団を進化させ、選択、交叉、突然変異の操作を通じて新しい解を生成し、最適解に収束させます。遺伝的アルゴリズムは、解の探索空間が非線形で複雑な場合に特に有効であり、広範な最適化問題に適用されます。", "title": "メタヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "粒子群最適化は、鳥や魚の群れの行動から着想を得た最適化手法です。解空間内の個体を粒子と見なし、各粒子が解探索空間内を移動することで最適解を探索します。各粒子は、自身の位置と速度を更新するための情報を使用し、個体のベスト解や群れ全体のベスト解に向かって移動します。粒子群最適化は、多様な最適化問題に適用され、探索空間の局所的な特性を利用して効率的な最適解を見つけることができます。", "title": "メタヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "メタヒューリスティック探索の実装には、適切な探索空間の表現方法、選択、交叉、突然変異の操作、評価関数の設計などが含まれます。また、パラメータの調整やアルゴリズムの選択など、最適な探索を行うための様々な最適化手法も重要です。", "title": "メタヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "メタヒューリスティック探索は、さまざまな分野で幅広く応用されています。", "title": "メタヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、メタヒューリスティック探索が多岐に渡る最適化問題において有用であることを示しています。", "title": "メタヒューリスティック探索" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "多目的探索は、複数の目的関数を最適化することを目指す最適化問題の一種です。従来の単一目的の最適化問題とは異なり、多目的最適化では複数の目的が競合し合い、最適な解は個々の目的に対して最も良いバランスを持つ解となります。多目的探索の目的は、解空間内の非劣解であるパレート最適解を見つけることです。", "title": "多目的探索" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "多目的探索には、以下のようなアルゴリズムが使用されます。", "title": "多目的探索" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "多目的探索の主な目的は、パレート最適解を見つけることです。パレート最適解とは、探索空間内で他の解よりも優れていながら、どの目的関数に対しても改善の余地がない解のことを指します。多目的探索では、探索アルゴリズムがパレート最適解を探索し、その集合を特定することが重要です。", "title": "多目的探索" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "多目的探索の実装には、適切な目的関数の定義、アルゴリズムの選択、パラメータの調整などが含まれます。また、解の評価方法や解の選択方法なども重要です。最適化においては、探索空間を効率的に探索するためのアルゴリズムの最適化や、探索アルゴリズムの並列化などが考慮されます。", "title": "多目的探索" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "多目的探索は、さまざまな応用領域で使用されます。", "title": "多目的探索" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、多目的最適化が現実世界の複雑な問題に対処するための強力なツールであることを示しています。", "title": "多目的探索" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "離散最適化問題は、解空間内の値が離散的な変数を持つ最適化問題です。これらの問題では、解が整数または真理値(0または1)のような離散的な値を取る場合があります。離散最適化問題は、組合せ最適化問題や整数最適化問題などの様々な問題を包括しています。", "title": "離散最適化問題と探索" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "動的計画法は、複雑な問題を単純な部分問題に分割し、それぞれの部分問題の最適解を計算することで全体の最適解を求める手法です。動的計画法は、部分問題が重複している場合に効果的であり、再帰的な関数呼び出しやテーブルを使用して問題を解きます。", "title": "離散最適化問題と探索" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "貪欲法は、各ステップで局所的に最適な選択を行う手法です。貪欲法は、各ステップで最も有望な選択を行い、それを現在の解に追加していくことで最終的な解を構築します。貪欲法は効率的であり、多くの場合、近似解を見つけるために使用されますが、最適解を保証することはありません。", "title": "離散最適化問題と探索" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "分枝限定法は、解の探索空間を分割し、部分問題の探索を行いながら最適解を見つける手法です。各ステップで可能なすべての選択肢を試し、部分問題を生成します。その後、最も有望な部分問題を選択し、他の部分問題を無視します。これを再帰的に行い、最適解を見つけることができます。", "title": "離散最適化問題と探索" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "離散最適化問題の実装には、動的計画法や貪欲法、分枝限定法などのアルゴリズムを使用します。最適化においては、効率的なデータ構造やアルゴリズムを使用して、探索空間を効率的に探索することが重要です。また、問題の特性に合わせてアルゴリズムのパラメータを調整することも重要です。", "title": "離散最適化問題と探索" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "離散最適化問題は、さまざまな分野で広く応用されています。", "title": "離散最適化問題と探索" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、離散最適化問題が現実世界の様々な問題に対処するための強力なツールであることを示しています。", "title": "離散最適化問題と探索" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "進化的アルゴリズムは、生物の進化の原理に基づいて最適化問題を解決する手法です。これらのアルゴリズムは、個体群を生成し、世代を通じて個体の選択、交叉、突然変異などの操作を繰り返し行うことで、最適解を探索します。基本原則は、遺伝的多様性の維持と最適化の進化によって、解の空間を効率的に探索することです。", "title": "進化的アルゴリズムと探索" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "遺伝的アルゴリズム(GA)は、最も一般的な進化的アルゴリズムの一種です。GAは、適応度関数に基づいて個体を評価し、適応度に基づいて個体を選択、交叉、突然変異させることで、最適解を探索します。遺伝的アルゴリズムは、生物の進化の原理を模倣しており、自然選択、交叉、突然変異などの操作を使用して、最適解に近づけます。", "title": "進化的アルゴリズムと探索" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "進化戦略(ES)は、進化的アルゴリズムの一種であり、主に連続値最適化問題に適用されます。進化戦略では、個体を実数ベクトルとして表現し、進化演算子によって解の空間内で探索を行います。進化戦略は、探索空間内の最適解を見つけるために、局所探索や多様性維持などの手法を使用します。", "title": "進化的アルゴリズムと探索" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "遺伝的プログラミング(GP)は、進化的アルゴリズムの一種であり、プログラムの進化を通じて問題を解決します。GPでは、プログラムを木構造で表現し、適応度関数に基づいてプログラムを選択、交叉、突然変異させることで、最適なプログラムを見つけます。遺伝的プログラミングは、シンボル回帰、制御システムの設計、機械学習などの問題に使用されます。", "title": "進化的アルゴリズムと探索" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "進化的アルゴリズムの実装には、個体表現の選択、適応度関数の定義、選択、交叉、突然変異の操作の実装などが含まれます。最適化においては、アルゴリズムのパラメータの調整や進化演算子の最適化などが重要です。また、進化的アルゴリズムの並列化や高速化も研究されています。", "title": "進化的アルゴリズムと探索" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "進化的アルゴリズムは、さまざまな分野で幅広く応用されています。", "title": "進化的アルゴリズムと探索" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、進化的アルゴリズムが幅広い問題領域で有用であることを示しています。", "title": "進化的アルゴリズムと探索" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "ハイブリッド探索は、複数の異なる探索アルゴリズムを組み合わせることで、探索性能を向上させる手法です。単一のアルゴリズムだけでは解を見つけるのが困難な問題に対して、複数のアルゴリズムを組み合わせることで、より効率的に解を探索します。ハイブリッド探索の利点は、異なるアルゴリズムの長所を組み合わせることで、より多くの探索空間をカバーし、より良い解を見つけることができる点にあります。", "title": "ハイブリッド探索" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "ハイブリッド探索では、さまざまな探索アルゴリズムの組み合わせが使用されます。例えば、深さ優先探索と幅優先探索の組み合わせ、遺伝的アルゴリズムと局所探索法(例えば、山登り法)の組み合わせなどがあります。これらの組み合わせは、探索空間の特性や問題の性質に応じて選択されます。", "title": "ハイブリッド探索" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "ハイブリッド探索の実装には、複数の探索アルゴリズムを組み合わせる方法や、それらのアルゴリズムの連携方法が含まれます。また、各アルゴリズムのパラメータの調整や、組み合わせ方法の最適化も重要です。最適化においては、探索性能の向上や計算コストの削減など、目標に応じた最適なハイブリッド化手法が求められます。", "title": "ハイブリッド探索" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "ハイブリッド探索は、さまざまな分野で広く使用されています。", "title": "ハイブリッド探索" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、ハイブリッド探索が多様な領域で有用であることを示しています。ハイブリッド探索は、異なるアルゴリズムを組み合わせることで、探索空間をより効果的に探索し、より良い解を見つけることができます。", "title": "ハイブリッド探索" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "組み込み探索アルゴリズムは、コンピュータシステムやアプリケーション内に組み込まれた探索手法です。これらのアルゴリズムは、データベースクエリの最適化からコンピュータゲームのAI、ルーティングやナビゲーションなど、さまざまな領域で広く使用されています。組み込み探索アルゴリズムは、リアルタイム性、効率性、メモリ使用量など、組み込まれたシステムの制約に合わせて設計されます。", "title": "組み込み探索アルゴリズム" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "データベースシステムでは、クエリの処理速度を向上させるために組み込み探索アルゴリズムが使用されます。インデックス探索やクエリプランニングなどの手法がデータベースクエリの最適化に利用され、効率的なデータ検索と処理を実現します。", "title": "組み込み探索アルゴリズム" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "コンピュータゲームにおいては、プレイヤーとのインタラクションや敵キャラクターの挙動など、さまざまな要素が探索アルゴリズムに基づいて実装されます。敵の行動戦略、マップの最適な進行ルート、アイテムの配置など、ゲーム内の様々な要素の探索に組み込み探索アルゴリズムが使用されます。", "title": "組み込み探索アルゴリズム" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "ルーティングやナビゲーションシステムでは、組み込み探索アルゴリズムが使用されます。例えば、GPSナビゲーションや地図アプリケーションでは、最適なルートの計算や交通状況の推定に探索アルゴリズムが利用されます。これにより、ユーザーは目的地までの最適なルートを素早く見つけることができます。", "title": "組み込み探索アルゴリズム" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "組み込み探索アルゴリズムの実装では、システムの制約や要件に合わせてアルゴリズムを選択し、効率的な実装を行います。また、リアルタイム性やメモリ使用量の最適化など、システムの性能向上のための最適化も重要です。", "title": "組み込み探索アルゴリズム" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "組み込み探索アルゴリズムは、以下のような応用例で広く使用されています。", "title": "組み込み探索アルゴリズム" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "これらの応用例は、組み込み探索アルゴリズムが現代のコンピュータシステムやアプリケーションに不可欠な役割を果たしていることを示しています。", "title": "組み込み探索アルゴリズム" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "探索アルゴリズムの性能評価には、いくつかの方法があります。", "title": "探索アルゴリズムの評価と比較" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "アルゴリズムの効率性比較には、実行時間やメモリ使用量などの定量的な指標が使用されます。一般的には、同じ問題インスタンスに対して複数のアルゴリズムを実行し、それらの性能を比較します。また、大規模な問題インスタンスやランダムな問題インスタンスに対する実験も行われ、アルゴリズムの効率性を評価します。", "title": "探索アルゴリズムの評価と比較" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "探索アルゴリズムの評価には、標準化されたベンチマーク問題やテストケースが使用されます。これらの問題インスタンスは、アルゴリズムの性能を客観的に評価するための基準となります。ベンチマークは、アルゴリズムの比較や改良のための重要なツールです。", "title": "探索アルゴリズムの評価と比較" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "探索アルゴリズムを選択する際には、以下のような基準が考慮されます。", "title": "探索アルゴリズムの評価と比較" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "これらの基準を考慮して、適切な探索アルゴリズムを選択することが重要です。また、実際の問題に対して複数のアルゴリズムを組み合わせることで、より効果的な探索を行うこともあります。", "title": "探索アルゴリズムの評価と比較" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "最先端の探索アルゴリズムの一つに、強化学習に基づくアルゴリズムがあります。特に、深層強化学習(Deep Reinforcement Learning)は、ニューラルネットワークと強化学習手法を組み合わせることで、複雑な探索問題において驚異的な成果を上げています。また、メタヒューリスティック探索の分野では、量子計算や量子アニーリングを利用した新たなアルゴリズムの研究が進んでいます。", "title": "探索アルゴリズムの最新動向" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "最新のアプローチの一つに、進化的アルゴリズムと深層学習を組み合わせた手法があります。この手法では、進化的アルゴリズムが個体群を進化させる中で、深層学習モデルのパラメータを最適化する役割を担います。これにより、探索問題に対する解の探索と、その解の評価および改善を同時に行うことができます。", "title": "探索アルゴリズムの最新動向" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "未解決の探索課題の一つに、高次元の探索空間における効率的な探索があります。高次元空間では、探索空間が非常に複雑になり、従来の探索アルゴリズムの性能が低下する傾向があります。また、不確実性を含む問題における効率的な探索手法の開発も重要な課題です。", "title": "探索アルゴリズムの最新動向" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "このRubyコードは、線形探索、二分探索、幅優先探索のアルゴリズムを実装し、それぞれの探索アルゴリズムを使用して配列やグラフを探索する方法を示しています。", "title": "附録: アルゴリズムの実装例" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "これらの実装例は、探索アルゴリズムをさまざまなプログラミング言語で実装する方法を示しています。", "title": "附録: アルゴリズムの実装例" } ]
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== 探索の基礎 == {{See also|[[w:探索]]}} === 探索問題の定義と分類 === 探索は、与えられた問題領域内で解を見つけるために情報を収集するプロセスです。探索問題は、解空間内で目標解を見つけることが目的です。 一般的な探索問題には、以下のような分類があります。 # '''一意解探索: '''問題には1つの解があり、その解を見つけることが目的です。 # '''最適解探索: '''問題には複数の解がありますが、その中で最良の解を見つけることが目的です。 # '''準最適解探索: '''最適解を見つけることは難しい場合、近似解や十分に良い解を見つけることが目的です。 # '''複数解探索: '''問題には複数の解があり、それらのすべてを見つけることが目的です。 # '''任意の解探索: '''問題に制約はなく、解空間全体を探索することが目的です。 これらの問題に対処するために、さまざまな探索アルゴリズムが開発されています。 === 問題の定式化とモデリング === 探索問題の解決には、問題を適切に定式化しモデル化することが重要です。 問題の定式化には、以下の要素が含まれます。 # '''状態空間: '''問題を解決するために必要なすべての状態の集合。初期状態から目標状態までの移行を記述します。 # '''適用可能な操作: '''状態から別の状態への移行を可能にする操作の集合。これらの操作は問題の解の候補を生成します。 # '''初期状態: '''探索を開始する最初の状態。 # '''目標状態: '''解として求める最終的な状態。 問題のモデリングは、このような要素を数学的な表現やグラフ構造などの形式で表すプロセスです。適切なモデリングは、効率的な探索アルゴリズムの設計に不可欠です。 === 探索アルゴリズムの評価基準 === 探索アルゴリズムの評価には、いくつかの基準があります。 # '''完全性: '''アルゴリズムが解を見つけることができるかどうか。 # '''最適性: '''アルゴリズムが最適解を見つけることができるかどうか。 # '''時間複雑性: '''アルゴリズムが解を見つけるために必要な時間。 # '''空間複雑性: '''アルゴリズムが解を見つけるために必要なメモリ量。 # '''ヒューリスティックの品質: '''問題を効率的に解くためのヒントや推測の品質。 これらの基準は、アルゴリズムの性能を評価し比較するのに役立ちます。 == 線形探索 == {{See also|[[w:線形探索]]}} === 線形探索法の概要 === 線形探索は、与えられたデータ構造内で順番に要素を調べる方法です。基本的な線形探索の手法は、リストや配列を一つずつ順番に検索して目的の要素を見つけるものです。 === 線形探索の実装と最適化 === 線形探索は、単純で直感的なアプローチですが、効率が低い場合があります。特に大きなデータセットや複雑な条件での探索では、効率が問題になります。そのため、効率的な実装や最適化が重要です。例えば、データが事前にソートされている場合は、二分探索を使用するなどの最適化手法があります。 ==== Ruby ==== ;[https://paiza.io/projects/nmmo1C3VK68JL9n_xSvy0g?language=ruby Rubyによる線形探索の実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # Public: 線形探索を行うメソッド # # array - 探索対象の配列 # target - 探す要素 # # Returns: 見つかった場合はその要素のインデックス、見つからなかった場合はnil def linear_search(array, target) array.each_with_index do |element, index| return index if element == target end nil # ターゲットが見つからなかった場合 end require 'minitest/autorun' # Public: 線形探索のテストクラス class LinearSearchTest < MiniTest::Test # Public: テスト実行前のセットアップ処理 def setup srand(19) @array = (0...1000).to_a.shuffle end # Public: 存在する要素を探すテスト def test_linear_search_with_existing_element assert_equal 556, linear_search(@array, 42) end # Public: 存在しない要素探すテスト def test_linear_search_with_non_existing_element assert_nil linear_search(@array, 1000) end end </syntaxhighlight> === 線形探索の応用例 === 線形探索は、さまざまな領域で使用されます。例えば、リスト内の特定の値の検索、単純なテキスト解析、簡単なデータ構造の操作などに応用されます。ただし、大規模なデータセットや高速な探索が必要な場合は、他の探索アルゴリズムが好まれることがあります。 == 二分探索 == {{See also|[[w:二分探索]]}} === 二分探索法の理論と原則 === 二分探索は、ソートされたリストや配列内の要素を効率的に検索するアルゴリズムです。 基本的な原則は以下の通りです。 # '''ソートされたデータ構造: '''二分探索を適用する前に、データが昇順または降順でソートされている必要があります。ソートされたデータ構造を使用することで、探索範囲を効率的に狭めることができます。 # '''中央要素の比較: '''探索範囲の中央にある要素を取り出し、目標値と比較します。中央要素が目標値より大きい場合、探索範囲を中央より左側に狭めます。中央要素が目標値より小さい場合は、探索範囲を中央より右側に狭めます。 # '''再帰的アプローチまたはループ: '''中央要素を比較して探索範囲を狭めるプロセスを繰り返します。再帰的アプローチまたはループを使用して、探索範囲が目標値と一致するか、探索範囲が空になるまで繰り返します。 # '''時間複雑性: '''二分探索の時間複雑性は<math>O(\log n)</math>です。探索範囲が狭まる割合が指数的に減少するため、大きなデータセットでも効率的に探索できます。 === 二分探索の実装と最適化 === 二分探索の実装には、以下の手順が含まれます。 # '''探索範囲の初期化: '''ソートされたデータ構造における探索範囲を初期化します。通常、開始位置と終了位置を使用して探索範囲を示します。 # '''中央要素の選択: '''探索範囲の中央にある要素を選択します。 # '''中央要素と目標値の比較: '''中央要素を目標値と比較します。 # '''探索範囲の更新: '''中央要素を基準にして、探索範囲を更新します。中央要素が目標値より大きい場合は、終了位置を中央の一つ前に更新します。中央要素が目標値より小さい場合は、開始位置を中央の一つ後に更新します。 # '''探索の繰り返し: '''新しい探索範囲で再度中央要素を選択し、比較を行い、探索範囲を更新します。これを目標値が見つかるか、探索範囲が空になるまで繰り返します。 ==== Ruby ==== ;[https://paiza.io/projects/Mr1IdCpHj5a04Io6pmxZ6w?language=ruby Rubyによる二分探索の実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # Public: 二分探索を行うメソッド # # array - 探索対象の配列(昇順でソートされていることが前提) # target - 探す要素 # # Returns: 見つかった場合はその要素のインデックス、見つからなかった場合はnil def binary_search(array, target) low = 0 high = array.length - 1 while low <= high mid = (low + high) / 2 case array[mid] <=> target when -1 then low = mid + 1 when 1 then high = mid - 1 when 0 then return mid else raise TypeError, "#{target.inspect}" end end nil end #p (0.0/0.0) <=> 10 require 'minitest/autorun' class BinarySearchTest < MiniTest::Test def setup @array = (0...1000).to_a end def test_binary_search_with_existing_element assert_equal 10, binary_search(@array, 10) end def test_binary_search_with_non_existing_element assert_nil binary_search(@array, 1000) end def test_binary_search_with_nan assert_raises(TypeError) do binary_search(@array, 0.0/0.0) end end end </syntaxhighlight> === 二分探索の応用例 === 二分探索は、さまざまな分野で幅広く使用されています。 # '''検索アルゴリズム: '''データベースや索引付きのデータ構造での高速な検索に使用されます。 # '''数学的な問題の解決: '''数値解析や最適化問題などの数学的な問題において、特定の条件を満たす値の探索に使用されます。 # '''グラフアルゴリズム: '''グラフ探索アルゴリズムの一部として使用され、特定の条件を満たすパスやエッジを見つけるのに役立ちます。 # '''コンピューターゲーム: '''ソートされたデータ構造の中からアイテムを探索したり、プレイヤーの位置を特定するのに使用されます。 これらの応用例は、二分探索が効率的なアルゴリズムであることを示しています。 == 幅優先探索 == {{See also|[[w:幅優先探索]]}} === 幅優先探索の概要 === 幅優先探索(Breadth-First Search、以下BFS)は、グラフや木の探索に使用されるアルゴリズムの一種です。この探索アルゴリズムは、与えられた開始ノードから始まり、隣接するすべてのノードを横断的に探索し、それらのノードの隣接ノードを探索することで解を見つける方法です。BFSは、最短経路を見つけるための効果的な方法としても知られています。 === グラフ探索と幅優先探索 === BFSは、グラフ探索の手法の1つとして使用されます。グラフは、頂点(ノード)と辺(エッジ)の集合で表され、ノード間の関係性を表します。幅優先探索では、与えられた開始ノードから始め、そのノードの隣接ノードを順番に探索していきます。次に、これらの隣接ノードをキューに追加し、キューからノードを取り出してそれらを探索します。これを繰り返し、探索済みのノードはマークされます。BFSは、グラフの階層構造を使用して解を見つけるため、階層的探索とも呼ばれます。 === 幅優先探索の実装と最適化 === 幅優先探索の実装は比較的直感的です。基本的な実装では、キューを使用して探索中のノードを管理し、探索する順番を制御します。各ノードを訪問する際には、そのノードを探索済みとマークし、その隣接ノードをキューに追加します。 幅優先探索の最適化には、次のような方法があります。 # '''効率的なデータ構造の使用: '''キューの代わりに優先度付きキューやハッシュマップを使用して探索の効率を高めることができます。 # '''重複の排除: '''同じノードを複数回訪問することを防ぐために、訪問済みのノードを記録し、それらを再度訪問しないようにします。 ==== Ruby ==== ;[https://paiza.io/projects/o0WRC8h1Xu8b8QwZsW3fxA?language=ruby Rubyによる幅優先探索の実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # Public: 幅優先探索を行うメソッド # # graph - グラフを表す隣接リストの配列 # start - 探索を開始する頂点のインデックス # target - 探す目標の値 # # Returns: 目標が見つかった場合はtrue、見つからなかった場合はfalse def breadth_first_search(graph, start, target) queue = [start] # 初期化:探索の開始点をキューに入れる visited = Array.new(graph.length, false) # 訪問済みの頂点を管理する配列 until queue.empty? vertex = queue.shift # キューの先頭から頂点を取り出す return true if vertex == target # 目標を見つけた場合はtrueを返す # 頂点を訪問済みとしてマークし、隣接する未訪問の頂点をキューに追加する unless visited[vertex] visited[vertex] = true graph[vertex].each { |neighbor| queue.push(neighbor) unless visited[neighbor] } end end false # 目標が見つからなかった場合はfalseを返す end require 'minitest/autorun' class BreadthFirstSearchTest < MiniTest::Test def test_breadth_first_search_with_existing_target graph = [ [1, 2], # 頂点0に隣接する頂点 [0, 3, 4], # 頂点1に隣接する頂点 [0, 5, 6], # 頂点2に隣接する頂点 [1], # 頂点3に隣接する頂点 [1], # 頂点4に隣接する頂点 [2], # 頂点5に隣接する頂点 [2] # 頂点6に隣接する頂点 ] start = 0 target = 6 assert_equal true, breadth_first_search(graph, start, target) end def test_breadth_first_search_with_non_existing_target graph = [ [1, 2], # 頂点0に隣接する頂点 [0, 3, 4], # 頂点1に隣接する頂点 [0, 5, 6], # 頂点2に隣接する頂点 [1], # 頂点3に隣接する頂点 [1], # 頂点4に隣接する頂点 [2], # 頂点5に隣接する頂点 [2] # 頂点6に隣接する頂点 ] start = 0 target = 7 assert_equal false, breadth_first_search(graph, start, target) end end </syntaxhighlight> === 幅優先探索の応用例 === BFSはさまざまな問題に応用されます。 # '''最短経路探索: '''グラフ内の最短経路を見つけるために使用されます。 # '''迷路の解決: '''迷路内の最短経路を見つけるのに使用されます。 # '''ネットワークの階層構造解析: '''インターネットやソーシャルネットワークなどの階層構造を解析するために使用されます。 # '''ゲームのAI: '''ゲームの状態空間を探索するために使用されます。 これらの応用例は、BFSが広範な領域で活用される汎用的な探索アルゴリズムであることを示しています。 == 深さ優先探索 == {{See also|[[w:深さ優先探索]]}} === 深さ優先探索の概要 === 深さ優先探索(Depth-First Search、以下DFS)は、グラフや木の探索に使用されるアルゴリズムの一つです。このアルゴリズムは、与えられた開始ノードから始めて、そのノードから始まる一つの枝を最深部まで探索し、それ以上進めなくなると一つ戻って次の枝を探索する方法です。DFSは再帰的な呼び出しやスタックを使用して実装されることが一般的です。 === グラフ探索と深さ優先探索 === DFSは、グラフ探索の手法の1つとして使用されます。グラフは、頂点(ノード)と辺(エッジ)の集合で表され、ノード間の関係性を表します。DFSは、開始ノードから出発し、可能な限り深く探索を進めます。これにより、ツリー構造を形成し、最深部まで到達したら戻って探索を続行します。DFSは、スタックを使用して実装されることが一般的であり、再帰的な呼び出しもDFSの実装方法の1つです。 === 深さ優先探索の実装と最適化 === DFSの実装は比較的シンプルであり、再帰的なアプローチが一般的です。開始ノードから再帰的に探索を行い、到達可能なすべてのノードを訪問します。 DFSの最適化には、次のような方法があります。 # '''再帰の制限: '''再帰の深さを制限し、スタックオーバーフローを防ぐ。 # '''バックトラッキング: '''解候補が無効である場合に探索を中止し、直前の状態に戻ることで探索を効率化する。 ==== Ruby ==== ;[https://paiza.io/projects/xLYfnCdfrp34PZxsREPj0Q?language=ruby Rubyによる深さ優先探索の実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # Public: 深さ優先探索を行うメソッド # # graph - グラフを表す隣接リストの配列 # start - 探索を開始する頂点のインデックス # target - 探す目標の値 # # Returns: 目標が見つかった場合はtrue、見つからなかった場合はfalse def depth_first_search(graph, start, target) visited = Array.new(graph.length, false) # 訪問済みの頂点を管理する配列 # 深さ優先探索を再帰的に実行する内部メソッド def dfs(graph, vertex, target, visited) return false if visited[vertex] # 既に訪問済みの場合は探索を中止 visited[vertex] = true # 頂点を訪問済みとしてマーク return true if vertex == target # 目標を見つけた場合はtrueを返す # 隣接する未訪問の頂点に対して再帰的に探索を実行する graph[vertex].each do |neighbor| return true if dfs(graph, neighbor, target, visited) end false # 目標が見つからなかった場合はfalseを返す end dfs(graph, start, target, visited) end require 'minitest/autorun' class DepthFirstSearchTest < MiniTest::Test def test_depth_first_search_with_existing_target graph = [ [1, 2], # 頂点0に隣接する頂点 [0, 3, 4], # 頂点1に隣接する頂点 [0, 5, 6], # 頂点2に隣接する頂点 [1], # 頂点3に隣接する頂点 [1], # 頂点4に隣接する頂点 [2], # 頂点5に隣接する頂点 [2] # 頂点6に隣接する頂点 ] start = 0 target = 6 assert_equal true, depth_first_search(graph, start, target) end def test_depth_first_search_with_non_existing_target graph = [ [1, 2], # 頂点0に隣接する頂点 [0, 3, 4], # 頂点1に隣接する頂点 [0, 5, 6], # 頂点2に隣接する頂点 [1], # 頂点3に隣接する頂点 [1], # 頂点4に隣接する頂点 [2], # 頂点5に隣接する頂点 [2] # 頂点6に隣接する頂点 ] start = 0 target = 7 assert_equal false, depth_first_search(graph, start, target) end end </syntaxhighlight> === 深さ優先探索の応用例 === DFSは、さまざまな問題に応用されます。 # '''グラフ内の経路検索: '''グラフ内の経路や閉路を検索するために使用されます。 # '''迷路の解決: '''迷路内の経路を見つけるために使用されます。 # '''トポロジカルソート: '''グラフ内の頂点を順序付けるために使用されます。 # '''深さ制限探索: '''解候補が無効である場合、一定の深さまでしか探索しない深さ制限探索に応用されます。 これらの応用例は、DFSが広範な領域で活用される汎用的な探索アルゴリズムであることを示しています。 == ヒューリスティック探索 == === ヒューリスティック探索の基本概念 === ヒューリスティック探索は、問題解決のための効率的なアルゴリズムであり、現在の状態からゴール状態までの経路を見つけるためにヒューリスティック関数を使用します。ヒューリスティック探索は、最適な解を保証することはありませんが、一般的に探索空間を削減し、計算コストを削減します。 === ヒューリスティック関数の設計 === ヒューリスティック関数は、与えられた状態からゴールまでの推定コストを提供します。これは、探索アルゴリズムが各状態の選択を決定するための情報源です。 良いヒューリスティック関数は、以下の特性を持ちます。 # '''アドミシブル性: '''ヒューリスティック関数が常に最適解のコストを過大評価しないこと。 # '''一貫性: '''探索空間内のすべての状態に対して、ヒューリスティック値が一貫していること。 === A*探索法とその変種 === A*探索法は、ヒューリスティック探索の一種であり、最も広く使用されている手法の1つです。A探索は、開始状態からゴール状態までの最適な経路を見つけるために、経路の長さとヒューリスティック関数の推定値を組み合わせてノードを評価します。A*探索の効率性は、使用されるヒューリスティック関数に大きく依存します。 A*探索にはいくつかの変種があります。例えば、IDA(Iterative Deepening A*)、D*(Dynamic A*)、Anytime A*などがあります。これらの変種は、特定の問題に最適化されています。 {{See also|[[w:A*]]}} === ヒューリスティック探索の実装と最適化 === ヒューリスティック探索の実装では、効率的なデータ構造やアルゴリズムを使用して、探索空間を効率的に管理することが重要です。また、ヒューリスティック関数の選択や設計も探索の効率に大きな影響を与えます。最適化の一例としては、探索空間を適切に削減し、無駄な探索を避けることが挙げられます。 === ヒューリスティック探索の応用例 === ヒューリスティック探索は、以下のようなさまざまな問題領域に応用されています。 # '''経路探索: '''ナビゲーションシステムやロボットの自己位置推定など。 # '''ゲーム: '''ボードゲームやビデオゲームのAIにおける動作決定。 # '''スケジューリング: '''タスクのスケジュール最適化。 # '''自然言語処理: '''意味解析や文書検索におけるパターンマッチングなど。 これらの応用例は、ヒューリスティック探索が幅広い分野で使用されていることを示しています。 == 確率的探索 == === 確率的探索の基礎 === 確率的探索は、ランダム性を利用して解の探索を行うアルゴリズムの一群です。通常、解の探索空間が非常に広大である場合や、完全な情報が利用できない場合に使用されます。確率的探索は、解の探索を進める際にランダムな選択を行い、探索空間を効率的に探索します。 === モンテカルロ法とその応用 === モンテカルロ法は、確率的探索の一種であり、ランダムサンプリングを用いて問題の解を探索する手法です。最も広く知られているのはモンテカルロシミュレーションで、数値積分や確率的統計学、ゲーム理論などの分野で広く使用されています。モンテカルロ法の基本的な考え方は、ランダムな試行を繰り返し行い、その結果を統計的に評価することで、解を見つけることです。 === 確率的探索の実装と最適化 === 確率的探索の実装においては、ランダム性を利用して解の探索を行うアルゴリズムを実装します。最適化においては、適切なランダム性の導入や探索のバランスを考慮し、探索空間を効率的に探索するための手法が検討されます。また、モンテカルロ法などの確率的アルゴリズムでは、試行回数やサンプリングの精度などがパフォーマンスに影響を与えるため、これらのパラメータの最適化も重要です。 === 確率的探索の応用例 === 確率的探索は、さまざまな分野で幅広く応用されています。 # '''人工知能: '''強化学習や進化計算などの分野で使用されます。 # '''組み合わせ最適化問題: '''トラベリングセールスマン問題やスケジューリング問題など、複雑な組み合わせ最適化問題の解法として利用されます。 # '''ゲーム理論: '''ゲーム木探索や確率的ゲームでの戦略決定に使用されます。 # '''シミュレーション: '''物理シミュレーションや経済モデルなどのシミュレーションにおいて、確率的な要素を含む問題の解析に使用されます。 これらの応用例は、確率的探索が現実世界の複雑な問題に対処するための強力なツールであることを示しています。 == メタヒューリスティック探索 == === メタヒューリスティック探索の概要 === メタヒューリスティック探索は、探索空間内の解候補を効率的に探索するためのアルゴリズムの一群です。これらの手法は、通常、最適解を見つけるために探索空間全体を探索する従来の方法よりも高速であり、大域的な最適解に収束する能力を持ちます。メタヒューリスティック探索は、探索空間の局所的な構造を利用して解を探索するため、広範な応用が可能です。 === 焼きなまし法 === 焼きなまし法は、ランダムな解を初期解として選択し、その後、解をランダムに選択して探索空間を探索し、受け入れられるかどうかを確率的に決定する手法です。温度パラメータを使用して、受け入れる解の質を制御し、徐々に温度を下げることで探索を収束させます。焼きなまし法は、局所解に陥るリスクを減らし、大域的な最適解を見つけるための効果的な手法です。 === 遺伝的アルゴリズム === 遺伝的アルゴリズムは、自然界の進化のプロセスに着想を得て開発された最適化手法です。個体を表す解の集団を進化させ、選択、交叉、突然変異の操作を通じて新しい解を生成し、最適解に収束させます。遺伝的アルゴリズムは、解の探索空間が非線形で複雑な場合に特に有効であり、広範な最適化問題に適用されます。 === 粒子群最適化 === 粒子群最適化は、鳥や魚の群れの行動から着想を得た最適化手法です。解空間内の個体を粒子と見なし、各粒子が解探索空間内を移動することで最適解を探索します。各粒子は、自身の位置と速度を更新するための情報を使用し、個体のベスト解や群れ全体のベスト解に向かって移動します。粒子群最適化は、多様な最適化問題に適用され、探索空間の局所的な特性を利用して効率的な最適解を見つけることができます。 === メタヒューリスティック探索の実装と最適化 === メタヒューリスティック探索の実装には、適切な探索空間の表現方法、選択、交叉、突然変異の操作、評価関数の設計などが含まれます。また、パラメータの調整やアルゴリズムの選択など、最適な探索を行うための様々な最適化手法も重要です。 === メタヒューリスティック探索の応用例 === メタヒューリスティック探索は、さまざまな分野で幅広く応用されています。 # '''組合せ最適化問題: '''旅行商人問題やスケジューリング問題など、組合せ最適化問題の解法として使用されます。 # '''機械学習: '''パラメータ最適化やニューラルネットワークの構造最適化などに使用されます。 # '''ロボット工学: '''経路計画や制御パラメータの最適化などに使用されます。 # '''金融工学: '''ポートフォリオ最適化やオプション価格設定などに使用されます。 これらの応用例は、メタヒューリスティック探索が多岐に渡る最適化問題において有用であることを示しています。 == 多目的探索 == === 多目的探索の定義と目的 === 多目的探索は、複数の目的関数を最適化することを目指す最適化問題の一種です。従来の単一目的の最適化問題とは異なり、多目的最適化では複数の目的が競合し合い、最適な解は個々の目的に対して最も良いバランスを持つ解となります。多目的探索の目的は、解空間内の非劣解であるパレート最適解を見つけることです。 === 多目的探索のアルゴリズム === 多目的探索には、以下のようなアルゴリズムが使用されます。 # '''遺伝的アルゴリズム: '''多目的最適化問題に広く使用される進化計算の手法であり、個体群を進化させてパレート最適解を探索します。 # '''粒子群最適化: '''個体の位置と速度を更新することで解空間内を探索し、パレート最適解を見つけます。 # '''多目的焼きなまし法: '''温度パラメータを使用してパレート最適解を探索する焼きなまし法の変種です。 === パレート最適解の発見 === 多目的探索の主な目的は、パレート最適解を見つけることです。パレート最適解とは、探索空間内で他の解よりも優れていながら、どの目的関数に対しても改善の余地がない解のことを指します。多目的探索では、探索アルゴリズムがパレート最適解を探索し、その集合を特定することが重要です。 === 多目的探索の実装と最適化 === 多目的探索の実装には、適切な目的関数の定義、アルゴリズムの選択、パラメータの調整などが含まれます。また、解の評価方法や解の選択方法なども重要です。最適化においては、探索空間を効率的に探索するためのアルゴリズムの最適化や、探索アルゴリズムの並列化などが考慮されます。 === 多目的探索の応用例 === 多目的探索は、さまざまな応用領域で使用されます。 # '''エンジニアリング設計: '''複数の設計目標を最適化するために使用されます。 # '''運輸・物流: '''輸送コストと配達時間の最適化などに使用されます。 # '''金融: '''ポートフォリオ最適化やリスク管理などに使用されます。 # '''環境科学: '''環境保護とエネルギー効率の両方を考慮した最適な政策を見つけるために使用されます。 これらの応用例は、多目的最適化が現実世界の複雑な問題に対処するための強力なツールであることを示しています。 == 離散最適化問題と探索 == === 離散最適化問題の概要 === 離散最適化問題は、解空間内の値が離散的な変数を持つ最適化問題です。これらの問題では、解が整数または真理値(0または1)のような離散的な値を取る場合があります。離散最適化問題は、組合せ最適化問題や整数最適化問題などの様々な問題を包括しています。 === 動的計画法 === 動的計画法は、複雑な問題を単純な部分問題に分割し、それぞれの部分問題の最適解を計算することで全体の最適解を求める手法です。動的計画法は、部分問題が重複している場合に効果的であり、再帰的な関数呼び出しやテーブルを使用して問題を解きます。 === 貪欲法 === 貪欲法は、各ステップで局所的に最適な選択を行う手法です。貪欲法は、各ステップで最も有望な選択を行い、それを現在の解に追加していくことで最終的な解を構築します。貪欲法は効率的であり、多くの場合、近似解を見つけるために使用されますが、最適解を保証することはありません。 === 分枝限定法 === 分枝限定法は、解の探索空間を分割し、部分問題の探索を行いながら最適解を見つける手法です。各ステップで可能なすべての選択肢を試し、部分問題を生成します。その後、最も有望な部分問題を選択し、他の部分問題を無視します。これを再帰的に行い、最適解を見つけることができます。 === 離散最適化問題の実装と最適化 === 離散最適化問題の実装には、動的計画法や貪欲法、分枝限定法などのアルゴリズムを使用します。最適化においては、効率的なデータ構造やアルゴリズムを使用して、探索空間を効率的に探索することが重要です。また、問題の特性に合わせてアルゴリズムのパラメータを調整することも重要です。 === 離散最適化問題の応用例 === 離散最適化問題は、さまざまな分野で広く応用されています。 # '''組合せ最適化問題: '''旅行商人問題やナップサック問題などの組合せ最適化問題に使用されます。 # '''スケジューリング問題: '''仕事の割り当てやリソースのスケジューリングなどに使用されます。 # '''ネットワーク設計: '''ルーティングや配置などのネットワーク設計問題に使用されます。 # '''生産計画: '''製造工程の最適化や在庫管理などに使用されます。 これらの応用例は、離散最適化問題が現実世界の様々な問題に対処するための強力なツールであることを示しています。 == 進化的アルゴリズムと探索 == === 進化的アルゴリズムの基本原則 === 進化的アルゴリズムは、生物の進化の原理に基づいて最適化問題を解決する手法です。これらのアルゴリズムは、個体群を生成し、世代を通じて個体の選択、交叉、突然変異などの操作を繰り返し行うことで、最適解を探索します。基本原則は、遺伝的多様性の維持と最適化の進化によって、解の空間を効率的に探索することです。 === 遺伝的アルゴリズム === 遺伝的アルゴリズム(GA)は、最も一般的な進化的アルゴリズムの一種です。GAは、適応度関数に基づいて個体を評価し、適応度に基づいて個体を選択、交叉、突然変異させることで、最適解を探索します。遺伝的アルゴリズムは、生物の進化の原理を模倣しており、自然選択、交叉、突然変異などの操作を使用して、最適解に近づけます。 {{See also|[[w:遺伝的アルゴリズム]]}} === 進化戦略 === 進化戦略(ES)は、進化的アルゴリズムの一種であり、主に連続値最適化問題に適用されます。進化戦略では、個体を実数ベクトルとして表現し、進化演算子によって解の空間内で探索を行います。進化戦略は、探索空間内の最適解を見つけるために、局所探索や多様性維持などの手法を使用します。 {{See also|[[w:進化戦略]]}} === 遺伝的プログラミング === 遺伝的プログラミング(GP)は、進化的アルゴリズムの一種であり、プログラムの進化を通じて問題を解決します。GPでは、プログラムを木構造で表現し、適応度関数に基づいてプログラムを選択、交叉、突然変異させることで、最適なプログラムを見つけます。遺伝的プログラミングは、シンボル回帰、制御システムの設計、機械学習などの問題に使用されます。 {{See also|[[w:遺伝的プログラミング]]}} === 進化的アルゴリズムの実装と最適化 === 進化的アルゴリズムの実装には、個体表現の選択、適応度関数の定義、選択、交叉、突然変異の操作の実装などが含まれます。最適化においては、アルゴリズムのパラメータの調整や進化演算子の最適化などが重要です。また、進化的アルゴリズムの並列化や高速化も研究されています。 === 進化的アルゴリズムの応用例 === 進化的アルゴリズムは、さまざまな分野で幅広く応用されています。 # '''最適化問題:'''関数最適化、組み合わせ最適化、制御パラメータ最適化など。 # '''機械学習:'''ニューラルネットワークの構造最適化、遺伝的プログラミングによるシンボル回帰など。 # '''ロボット工学:'''ロボットの進化的制御や進化的設計。 # '''ゲーム:'''コンピュータプレイヤーの行動決定やゲームの設計など。 これらの応用例は、進化的アルゴリズムが幅広い問題領域で有用であることを示しています。 == ハイブリッド探索 == === ハイブリッド探索の定義と利点 === ハイブリッド探索は、複数の異なる探索アルゴリズムを組み合わせることで、探索性能を向上させる手法です。単一のアルゴリズムだけでは解を見つけるのが困難な問題に対して、複数のアルゴリズムを組み合わせることで、より効率的に解を探索します。ハイブリッド探索の利点は、異なるアルゴリズムの長所を組み合わせることで、より多くの探索空間をカバーし、より良い解を見つけることができる点にあります。 === 探索アルゴリズムの組み合わせ === ハイブリッド探索では、さまざまな探索アルゴリズムの組み合わせが使用されます。例えば、深さ優先探索と幅優先探索の組み合わせ、遺伝的アルゴリズムと局所探索法(例えば、山登り法)の組み合わせなどがあります。これらの組み合わせは、探索空間の特性や問題の性質に応じて選択されます。 === ハイブリッド探索の実装と最適化 === ハイブリッド探索の実装には、複数の探索アルゴリズムを組み合わせる方法や、それらのアルゴリズムの連携方法が含まれます。また、各アルゴリズムのパラメータの調整や、組み合わせ方法の最適化も重要です。最適化においては、探索性能の向上や計算コストの削減など、目標に応じた最適なハイブリッド化手法が求められます。 === ハイブリッド探索の応用例 === ハイブリッド探索は、さまざまな分野で広く使用されています。 # '''組合せ最適化問題:'''複数の探索アルゴリズムを組み合わせることで、複雑な組合せ最適化問題に対処します。 # '''機械学習:'''複数の機械学習アルゴリズムを組み合わせることで、より高い予測精度を実現します。 # '''ロボット工学:'''パスプランニングや制御システムの最適化などに使用されます。 # '''金融工学:'''ポートフォリオ最適化やリスク管理などの問題において、複数の最適化手法を組み合わせることが有益です。 これらの応用例は、ハイブリッド探索が多様な領域で有用であることを示しています。ハイブリッド探索は、異なるアルゴリズムを組み合わせることで、探索空間をより効果的に探索し、より良い解を見つけることができます。 == 組み込み探索アルゴリズム == === 組み込み探索アルゴリズムの概要 === 組み込み探索アルゴリズムは、コンピュータシステムやアプリケーション内に組み込まれた探索手法です。これらのアルゴリズムは、データベースクエリの最適化からコンピュータゲームのAI、ルーティングやナビゲーションなど、さまざまな領域で広く使用されています。組み込み探索アルゴリズムは、リアルタイム性、効率性、メモリ使用量など、組み込まれたシステムの制約に合わせて設計されます。 === データベースクエリの最適化 === データベースシステムでは、クエリの処理速度を向上させるために組み込み探索アルゴリズムが使用されます。インデックス探索やクエリプランニングなどの手法がデータベースクエリの最適化に利用され、効率的なデータ検索と処理を実現します。 === コンピュータゲームのAI === コンピュータゲームにおいては、プレイヤーとのインタラクションや敵キャラクターの挙動など、さまざまな要素が探索アルゴリズムに基づいて実装されます。敵の行動戦略、マップの最適な進行ルート、アイテムの配置など、ゲーム内の様々な要素の探索に組み込み探索アルゴリズムが使用されます。 === ルーティングとナビゲーション === ルーティングやナビゲーションシステムでは、組み込み探索アルゴリズムが使用されます。例えば、GPSナビゲーションや地図アプリケーションでは、最適なルートの計算や交通状況の推定に探索アルゴリズムが利用されます。これにより、ユーザーは目的地までの最適なルートを素早く見つけることができます。 === 組み込み探索アルゴリズムの実装と最適化 === 組み込み探索アルゴリズムの実装では、システムの制約や要件に合わせてアルゴリズムを選択し、効率的な実装を行います。また、リアルタイム性やメモリ使用量の最適化など、システムの性能向上のための最適化も重要です。 === 組み込み探索アルゴリズムの応用例 === 組み込み探索アルゴリズムは、以下のような応用例で広く使用されています。 # '''ウェブ検索エンジン:'''ウェブページの検索やランキングにおいて、組み込み探索アルゴリズムが使用されます。 # '''スマートフォンアプリ:'''GPSナビゲーション、音声認識、画像検索など、さまざまなアプリケーションで探索アルゴリズムが利用されます。 # '''ロボティクス:'''自律走行車やドローンなどのロボットシステムでは、障害物回避や経路計画などに探索アルゴリズムが使用されます。 これらの応用例は、組み込み探索アルゴリズムが現代のコンピュータシステムやアプリケーションに不可欠な役割を果たしていることを示しています。 == 探索アルゴリズムの評価と比較 == === アルゴリズムの性能評価方法 === 探索アルゴリズムの性能評価には、いくつかの方法があります。 # '''実行時間:'''アルゴリズムの実行にかかる時間を測定し、処理速度を比較します。 # '''メモリ使用量:'''アルゴリズムが使用するメモリ量を測定し、メモリ使用量の比較を行います。 # '''解の品質:'''アルゴリズムが生成する解の品質を評価し、最適解や近似解の精度を比較します。 # '''スケーラビリティ:'''問題のサイズが増加するとどのように性能が変化するかを評価します。 === アルゴリズムの効率性比較 === アルゴリズムの効率性比較には、実行時間やメモリ使用量などの定量的な指標が使用されます。一般的には、同じ問題インスタンスに対して複数のアルゴリズムを実行し、それらの性能を比較します。また、大規模な問題インスタンスやランダムな問題インスタンスに対する実験も行われ、アルゴリズムの効率性を評価します。 === ベンチマークとテストケース === 探索アルゴリズムの評価には、標準化されたベンチマーク問題やテストケースが使用されます。これらの問題インスタンスは、アルゴリズムの性能を客観的に評価するための基準となります。ベンチマークは、アルゴリズムの比較や改良のための重要なツールです。 === 探索アルゴリズムの選択基準 === 探索アルゴリズムを選択する際には、以下のような基準が考慮されます。 # '''問題の性質:'''問題の特性や制約に合ったアルゴリズムを選択します。例えば、問題が連続的か離散的か、制約条件があるかないかなど。 # '''問題のサイズ:'''問題のサイズや複雑さに応じて、アルゴリズムのスケーラビリティを考慮します。 # '''利用可能なリソース:'''実行時間やメモリ使用量の制約に応じて、適切なアルゴリズムを選択します。 # '''解の精度:'''解の精度や品質が重要な場合、その要件に適合するアルゴリズムを選択します。 これらの基準を考慮して、適切な探索アルゴリズムを選択することが重要です。また、実際の問題に対して複数のアルゴリズムを組み合わせることで、より効果的な探索を行うこともあります。 == 探索アルゴリズムの最新動向 == === 最先端の探索アルゴリズムの紹介 === 最先端の探索アルゴリズムの一つに、強化学習に基づくアルゴリズムがあります。特に、深層強化学習(Deep Reinforcement Learning)は、ニューラルネットワークと強化学習手法を組み合わせることで、複雑な探索問題において驚異的な成果を上げています。また、メタヒューリスティック探索の分野では、量子計算や量子アニーリングを利用した新たなアルゴリズムの研究が進んでいます。 === 探索問題に対する最新のアプローチ === 最新のアプローチの一つに、進化的アルゴリズムと深層学習を組み合わせた手法があります。この手法では、進化的アルゴリズムが個体群を進化させる中で、深層学習モデルのパラメータを最適化する役割を担います。これにより、探索問題に対する解の探索と、その解の評価および改善を同時に行うことができます。 === 未解決の探索課題と挑戦 === 未解決の探索課題の一つに、高次元の探索空間における効率的な探索があります。高次元空間では、探索空間が非常に複雑になり、従来の探索アルゴリズムの性能が低下する傾向があります。また、不確実性を含む問題における効率的な探索手法の開発も重要な課題です。 == 附録: アルゴリズムの実装例 == === 探索アルゴリズムのRuby実装例 === :<syntaxhighlight lang=ruby> # 線形探索のRuby実装例 def linear_search(arr, target) arr.each_with_index do |element, index| return index if element == target end -1 end # 二分探索のRuby実装例 def binary_search(arr, target) left = 0 right = arr.length - 1 while left <= right mid = (left + right) / 2 if arr[mid] == target return mid elsif arr[mid] < target left = mid + 1 elsif arr[mid] > target right = mid - 1 else raise TypeError, "NaNのようなfinteでない値" end end -1 end # 幅優先探索のRuby実装例 def bfs(graph, s) visited = Array.new(graph.size, false) queue = [] visited[s] = true queue.push(s) while !queue.empty? s = queue.shift print "#{s} " graph[s].each do |n| if !visited[n] visited[n] = true queue.push(n) end end end end # グラフの例 graph = { 0 => [1, 2], 1 => [2], 2 => [0, 3], 3 => [3] } puts "幅優先探索結果: " bfs(graph, 2) puts "\n" # 使用例 arr = [3, 6, 8, 10, 15, 21, 26] target = 15 puts "線形探索: Targetのインデックス #{linear_search(arr, target)}" puts "二分探索: Targetのインデックス #{binary_search(arr, target)}" </syntaxhighlight> === 探索アルゴリズムのPython実装例 === :<syntaxhighlight lang=python3> # 線形探索のPython実装例 def linear_search(arr, target): for i in range(len(arr)): if arr[i] == target: return i return -1 </syntaxhighlight> このRubyコードは、線形探索、二分探索、幅優先探索のアルゴリズムを実装し、それぞれの探索アルゴリズムを使用して配列やグラフを探索する方法を示しています。 === MATLABでの探索アルゴリズムの実装 === :<syntaxhighlight lang=matlab> % 二分探索のMATLAB実装例 function index = binary_search(arr, target) left = 1; right = length(arr); while left <= right mid = floor((left + right) / 2); if arr(mid) == target index = mid; return; elseif arr(mid) < target left = mid + 1; else right = mid - 1; end end index = -1; end </syntaxhighlight> === Javaでの探索アルゴリズムの実装 === :<syntaxhighlight lang=java> // 幅優先探索のJava実装例 import java.util.LinkedList; import java.util.Queue; class Graph { private int V; private LinkedList<Integer> adj[]; Graph(int v) { V = v; adj = new LinkedList[v]; for (int i=0; i<v; ++i) adj[i] = new LinkedList(); } void addEdge(int v, int w) { adj[v].add(w); } void BFS(int s) { boolean visited[] = new boolean[V]; Queue<Integer> queue = new LinkedList<Integer>(); visited[s] = true; queue.add(s); while (queue.size() != 0) { s = queue.poll(); System.out.print(s + " "); for (int n : adj[s]) { if (!visited[n]) { visited[n] = true; queue.add(n); } } } } } </syntaxhighlight> これらの実装例は、探索アルゴリズムをさまざまなプログラミング言語で実装する方法を示しています。 [[Category:アルゴリズム]]
2024-02-29T22:47:34Z
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[ "テンプレート:See also" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%8E%A2%E7%B4%A2%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
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ヒープ
ヒープは、データ構造の一種で、完全二分木とヒープ条件という2つの条件を満たす木構造です。完全二分木とは、すべてのノードが2つの子ノードを持つ、または葉ノードのみを持つ木構造です。ヒープ条件とは、親ノードの値が子ノードの値よりも大きい(最大ヒープ)、または小さい(最小ヒープ)という条件です。 ヒープは、優先度付きキューの実装に利用されることが多く、データの挿入や削除、最大値/最小値の取得などの操作を効率的に行うことができます。 ヒープには、主に最大ヒープと最小ヒープの2種類があります。 ヒープは、以下のような様々な場面で応用されています。 ヒープに要素を挿入するには、以下の手順を実行します。 ヒープから要素を削除するには、以下の手順を実行します。 最大ヒープの場合、上記の手順で削除される要素は最大値になります。最小ヒープの場合は、最小値になります。 ヒープの最大値/最小値を取得するには、根ノードの値を確認すればよい。 最大ヒープの場合、根ノードは最大値になります。最小ヒープの場合は、最小値になります。 ヒープは、配列を使って実装することができます。 配列の各要素は、ヒープの木構造におけるノードに対応します。 ヒープは、データの優先順位管理などに使用されるデータ構造です。ここでは、ヒープの代表的な応用例をいくつか紹介します。 ヒープは、要素に優先順位を割り当て、優先順位の高い要素から取り出すことができる優先度付きキューの実装によく使用されます。 例えば、病院の診察予約システムでは、患者の緊急度に基づいて診察順序を決定する必要があります。このとき、ヒープを使用して患者の緊急度を管理することで、緊急度の高い患者を優先的に診察することができます。 ヒープソートは、ヒープを使用してデータのソートを行うアルゴリズムです。ヒープソートは、平均計算時間が O ( n log n ) {\displaystyle O(n\log n)} と高速であり、データ量の多いソートに適しています。 ヒープソートは、以下の手順で行われます。 ダイクストラ法は、グラフの最短経路問題を解くアルゴリズムです。ダイクストラ法では、ヒープを使用して、未探索の頂点の中で最短距離の頂点を効率的に見つけることができます。 ダイクストラ法は、以下の手順で行われます。 ヒープは、最小値の探索に非常に有効なデータ構造です。 例: ヒープは、優先度付きキューの実装に適しています。 例: ヒープは、イベント処理にも利用できます。 例: ヒープは、データ構造の実装にも利用できます。 例: ヒープは、様々な言語で実装できます。 詳細: ヒープは、挿入、抽出、最小値取得などの操作が O ( l o g N ) {\displaystyle O(logN)} という効率的な時間計算量で実行できるため、様々な場面で利用されています。 しかし、ヒープ化操作は O ( N l o g N ) {\displaystyle O(NlogN)} と計算量が多いため、大量のデータに対してヒープ化する場合は、処理時間が長くなる可能性があります。 また、ヒープは要素の順序が重要である場合にのみ有効なデータ構造であり、順序が重要でない場合は、他のデータ構造の方が効率的な場合があります。 優先度付きキューは、ヒープを使って実装することができます。並行処理環境では、複数のヒープを同時に処理することで、処理速度を向上させることができます。 マルチスレッド環境では、複数のスレッドが同時にヒープにアクセスする可能性があります。そのため、スレッドセーフなヒープを実装する必要があります。
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== ヒープの概要 == === ヒープの定義と特徴 === ヒープは、データ構造の一種で、'''完全二分木'''と'''ヒープ条件'''という2つの条件を満たす木構造です。完全二分木とは、すべてのノードが2つの子ノードを持つ、または葉ノードのみを持つ木構造です。ヒープ条件とは、親ノードの値が子ノードの値よりも大きい(最大ヒープ)、または小さい(最小ヒープ)という条件です。 ヒープは、'''優先度付きキュー'''の実装に利用されることが多く、データの挿入や削除、最大値/最小値の取得などの操作を効率的に行うことができます。 === ヒープの種類 === ヒープには、主に'''最大ヒープ'''と'''最小ヒープ'''の2種類があります。 * '''最大ヒープ''':親ノードの値が子ノードの値よりも大きいヒープ。最大値の取得や削除が効率的に行える。 * '''最小ヒープ''':親ノードの値が子ノードの値よりも小さいヒープ。最小値の取得や削除が効率的に行える。 === ヒープの応用例 === ヒープは、以下のような様々な場面で応用されています。 * '''優先度付きキューの実装''':データに優先度を付け、優先度の高い順に処理を行う場合に利用される。 * '''ソートアルゴリズム''':ヒープソートなど、効率的なソートアルゴリズムに利用される。 * '''グラフアルゴリズム''':ダイクストラ法など、グラフアルゴリズムの一部で利用される。 * '''メモリ管理''':ヒープ領域と呼ばれるメモリ領域の管理に利用される。 == ヒープの基本操作 == === 要素の挿入 === ヒープに要素を挿入するには、以下の手順を実行します。 # 新しい要素を木の末尾に追加する。 # 新しい要素とその親ノードを比較し、ヒープ条件を満たしていない場合は、2つの要素を入れ替える。 # 必要に応じて、上記の手順2を根ノードまで繰り返す。 === 要素の削除(最大値または最小値の取得) === ヒープから要素を削除するには、以下の手順を実行します。 # 根ノードを削除し、木の末尾にある要素を根ノードに移動する。 # 根ノードとその子ノードを比較し、ヒープ条件を満たしていない場合は、2つの要素を入れ替える。 # 必要に応じて、上記の手順2を葉ノードまで繰り返す。 '''最大ヒープ'''の場合、上記の手順で削除される要素は'''最大値'''になります。'''最小ヒープ'''の場合は、'''最小値'''になります。 === 要素の取得(最大値または最小値の確認) === ヒープの最大値/最小値を取得するには、根ノードの値を確認すればよい。 '''最大ヒープ'''の場合、根ノードは'''最大値'''になります。'''最小ヒープ'''の場合は、'''最小値'''になります。 == ヒープの実装 == === 配列による実装方法 === ヒープは、配列を使って実装することができます。 配列の各要素は、ヒープの木構造におけるノードに対応します。 * 親ノードのインデックス:<code>i</code> * 左子ノードのインデックス:<code>2i + 1</code> * 右子ノードのインデックス:<code>2i + 2</code> === ヒープ操作の詳細(要素の挿入、削除、取得などのアルゴリズム) === ; [https://paiza.io/projects/W9seMBJQHjQGwhY0NJa-NA?language=ruby Rubyによる最小ヒープの実装] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class MinHeap include Enumerable # Enumerableモジュールを含める # ヒープを初期化する def initialize @heap = [] end # 要素を挿入する def insert(value) @heap << value heapify_up(@heap.length - 1) end # 最小値を取り出す def extract_min return nil if @heap.empty? min = @heap[0] last = @heap.pop unless @heap.empty? @heap[0] = last heapify_down(0) end min end # 最小値を確認する def peek = @heap[0] # ヒープのサイズを取得する def size = @heap.length alias height size # ブロックを要素に対して反復処理する def each(&block) = @heap.each(&block) # 文字列表現を取得する def to_s = @heap.to_s # インスペクション文字列を取得する def inspect = @heap.inspect private # 要素を上方向にヒープ化する def heapify_up(index) parent = (index - 1) / 2 while index.positive? && @heap[index] < @heap[parent] @heap[index], @heap[parent] = @heap[parent], @heap[index] index = parent parent = (index - 1) / 2 end end # 要素を下方向にヒープ化する def heapify_down(index) left_child = 2 * index + 1 right_child = 2 * index + 2 smallest = index smallest = left_child if left_child < @heap.length && @heap[left_child] < @heap[smallest] smallest = right_child if right_child < @heap.length && @heap[right_child] < @heap[smallest] return unless smallest != index @heap[index], @heap[smallest] = @heap[smallest], @heap[index] heapify_down(smallest) end end require 'minitest' class MinHeapTest < Minitest::Test def initialize(*args) super(*args) @target_class = MinHeap end def setup @heap = @target_class.new end def test_to_s assert_equal '[]', @heap.to_s end def test_inspect assert_equal '[]', @heap.inspect end def test_insert @heap.insert 10 assert_equal '[10]', @heap.inspect end # 空のヒープのテスト def test_empty assert_equal 0, @heap.height assert_equal '[]', @heap.to_s assert_equal '[]', @heap.inspect end # 1つの要素しか持たないヒープのテスト def test_single_node @heap.insert 10 assert_equal 1, @heap.height assert_equal '[10]', @heap.to_s assert_equal '[10]', @heap.inspect end def test_insert_and_extract_min @heap.insert(5) @heap.insert(3) @heap.insert(7) assert_equal '[3, 5, 7]', @heap.inspect @heap.insert(1) @heap.insert(9) assert_equal '[1, 3, 7, 5, 9]', @heap.inspect assert_equal 1, @heap.extract_min assert_equal 3, @heap.extract_min assert_equal 5, @heap.extract_min assert_equal 7, @heap.extract_min assert_equal 9, @heap.extract_min end private # 標準出力をキャプチャして文字列として返す def capture_stdout original_stdout = $stdout $stdout = StringIO.new yield $stdout.string ensure $stdout = original_stdout end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == ヒープの応用 == ヒープは、データの優先順位管理などに使用されるデータ構造です。ここでは、ヒープの代表的な応用例をいくつか紹介します。 === 優先度付きキューとしての利用 === ヒープは、要素に優先順位を割り当て、優先順位の高い要素から取り出すことができる優先度付きキューの実装によく使用されます。 例えば、病院の診察予約システムでは、患者の緊急度に基づいて診察順序を決定する必要があります。このとき、ヒープを使用して患者の緊急度を管理することで、緊急度の高い患者を優先的に診察することができます。 ; [https://paiza.io/projects/cptg_hck1-0B9_WVg70a7w?language=ruby Rubyによる優先度付きキューの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class PriorityQueue include Enumerable # Enumerableモジュールを含める def initialize @heap = [nil] # 0番目の要素は無視するため、ダミーの値を入れる end def push(value, priority) node = { value:, priority: } @heap << node bubble_up(@heap.length - 1) end def pop return nil if @heap.length == 1 min = @heap[1] last_node = @heap.pop if @heap.length > 1 @heap[1] = last_node bubble_down(1) end min[:value] end def empty? @heap.length == 1 end def each @heap[1..].each { |node| yield([node[:value], node[:priority]]) } end def to_s = to_a.to_s def inspect = to_a.inspect private def bubble_up(index) parent_index = index / 2 return if index <= 1 || @heap[parent_index][:priority] <= @heap[index][:priority] swap(index, parent_index) bubble_up(parent_index) end def bubble_down(index) left_child_index = index * 2 right_child_index = index * 2 + 1 min_index = index if left_child_index < @heap.length && @heap[left_child_index][:priority] < @heap[min_index][:priority] min_index = left_child_index end if right_child_index < @heap.length && @heap[right_child_index][:priority] < @heap[min_index][:priority] min_index = right_child_index end return if min_index == index swap(index, min_index) bubble_down(min_index) end def swap(i, j) @heap[i], @heap[j] = @heap[j], @heap[i] end end require 'minitest' class PriorityQueueTest < Minitest::Test def initialize(*args) super(*args) @target_class = PriorityQueue end def setup @queue = @target_class.new end def test_inspect @queue.push(:a, 10) assert_equal '[[:a, 10]]', @queue.inspect @queue.push(:b, 10) assert_equal '[[:a, 10], [:b, 10]]', @queue.inspect @queue.push(:c, 10) assert_equal '[[:a, 10], [:b, 10], [:c, 10]]', @queue.inspect assert_equal :a, @queue.pop assert_equal '[[:c, 10], [:b, 10]]', @queue.inspect @queue.push(:d, 20) assert_equal '[[:c, 10], [:b, 10], [:d, 20]]', @queue.inspect @queue.push(:e, 20) assert_equal '[[:c, 10], [:b, 10], [:d, 20], [:e, 20]]', @queue.inspect assert_equal :c, @queue.pop assert_equal '[[:b, 10], [:e, 20], [:d, 20]]', @queue.inspect @queue.push(:f, 5) assert_equal '[[:f, 5], [:b, 10], [:d, 20], [:e, 20]]', @queue.inspect assert_equal :f, @queue.pop assert_equal '[[:b, 10], [:e, 20], [:d, 20]]', @queue.inspect assert_equal :b, @queue.pop assert_equal '[[:d, 20], [:e, 20]]', @queue.inspect assert_equal :d, @queue.pop assert_equal '[[:e, 20]]', @queue.inspect assert_equal :e, @queue.pop assert_equal '[]', @queue.inspect assert_nil @queue.pop assert_equal '[]', @queue.inspect end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> === ソートアルゴリズムとしての利用(ヒープソート) === ヒープソートは、ヒープを使用してデータのソートを行うアルゴリズムです。ヒープソートは、平均計算時間が <math>O(n \log n)</math> と高速であり、データ量の多いソートに適しています。 ヒープソートは、以下の手順で行われます。 # 入力データからヒープを作成する。 # ヒープの最大要素を取り出し、出力する。 # ヒープから最大要素を取り除いた後、ヒープを再構築する。 #: 2 と 3 を、入力データの要素がなくなるまで繰り返す。 ; [https://paiza.io/projects/qHq2RRuGzMtS1XCHAnBOXA?language=ruby Rubyによるヒープソートの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> class HeapSort def initialize(array) @array = array end def sort(array = @array) heapify(array) heap_size = array.length - 1 while heap_size > 0 array[0], array[heap_size] = array[heap_size], array[0] heap_size -= 1 heapify_down(array, 0, heap_size) end array end private def heapify(array = @array) last_parent = (array.length - 2) / 2 (last_parent).downto(0) do |i| heapify_down(array, i, array.length - 1) end end def heapify_down(array, parent_index, heap_size) while (child_index = get_child_index(array, parent_index, heap_size)) if array[parent_index] < array[child_index] array[parent_index], array[child_index] = array[child_index], array[parent_index] parent_index = child_index else break end end end def get_child_index(array, parent_index, heap_size) left_child_index = 2 * parent_index + 1 return nil if left_child_index > heap_size right_child_index = left_child_index + 1 if right_child_index <= heap_size && array[right_child_index] > array[left_child_index] right_child_index else left_child_index end end end require 'minitest' class HeapSortTest < Minitest::Test def test_sort_empty_array assert_equal [], HeapSort.new([]).sort end def test_sort_single_element_array assert_equal [1], HeapSort.new([1]).sort end def test_sort_sorted_array assert_equal [1, 2, 3], HeapSort.new([1, 2, 3]).sort end def test_sort_reversed_array assert_equal [1, 2, 3], HeapSort.new([3, 2, 1]).sort end def test_sort_random_array array = (1..100).to_a.shuffle assert_equal (1..100).to_a, HeapSort.new(array).sort end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> === グラフアルゴリズムでの利用(ダイクストラ法など) === ダイクストラ法は、グラフの最短経路問題を解くアルゴリズムです。ダイクストラ法では、ヒープを使用して、未探索の頂点の中で最短距離の頂点を効率的に見つけることができます。 ダイクストラ法は、以下の手順で行われます。 # スタート頂点の距離を 0 とし、その他の頂点の距離を無限大とする。 # 未探索の頂点の中で、最短距離の頂点を見つける。 # 見つけた頂点から未探索の頂点への距離を計算し、距離が更新された場合は更新する。 #: 2 と 3 を、すべての頂点が探索済みになるまで繰り返す。 ; [https://paiza.io/projects/koujJ7YQc945QEWw_rFgXw?language=ruby Rubyによるダイクストラ法の実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class Dijkstra INFINITY = Float::INFINITY def initialize(graph) @graph = graph end def shortest_path(start_vertex, end_vertex) distances = Hash.new(INFINITY) previous_vertices = {} distances[start_vertex] = 0 priority_queue = @graph.keys until priority_queue.empty? current_vertex = priority_queue.min_by { |v| distances[v] } break if current_vertex == end_vertex priority_queue.delete(current_vertex) @graph[current_vertex].each do |neighbor, weight| alt = distances[current_vertex] + weight if alt < distances[neighbor] distances[neighbor] = alt previous_vertices[neighbor] = current_vertex end end end build_path(end_vertex, previous_vertices) if distances[end_vertex] != INFINITY end private def build_path(end_vertex, previous_vertices) path = [] current_vertex = end_vertex while current_vertex path.unshift(current_vertex) current_vertex = previous_vertices[current_vertex] end path end end require 'minitest' class TestDijkstra < Minitest::Test def setup @graph = { 'A' => { 'B' => 1, 'C' => 3 }, 'B' => { 'C' => 1, 'D' => 2 }, 'C' => { 'D' => 1 }, 'D' => {} } @dijkstra = Dijkstra.new(@graph) end def test_shortest_path path = @dijkstra.shortest_path('A', 'D') assert_equal(%w[A B D], path) path = @dijkstra.shortest_path('A', 'C') assert_equal(%w[A B C], path) path = @dijkstra.shortest_path('B', 'D') assert_equal(%w[B D], path) end def test_no_path_exists path = @dijkstra.shortest_path('D', 'A') assert_nil path path = @dijkstra.shortest_path('C', 'A') assert_nil path path = @dijkstra.shortest_path('D', 'B') assert_nil path end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> ; まとめ : ヒープは、データの優先順位管理などに使用されるデータ構造です。優先度付きキュー、ソートアルゴリズム、グラフアルゴリズムなど、さまざまな分野で利用されています。 == ヒープの実践的な応用 == === ヒープを用いた問題の解法 === ==== 最小値の探索 ==== ヒープは、最小値の探索に非常に有効なデータ構造です。 例: # ヒープに要素を挿入します。 # ヒープから最小値を取り出します。 ;[https://paiza.io/projects/K1bWuaj_UpaLilZ2WQLU4w?language=ruby コード]例: :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class MinHeap def initialize @heap = [] end def push(value) @heap << value heapify_up(@heap.length - 1) end def pop return nil if empty? min = @heap[0] last = @heap.pop unless empty? @heap[0] = last heapify_down(0) end min end def peek = @heap[0] def size = @heap.length def empty? = @heap.empty? private def heapify_up(index) parent = (index - 1) / 2 while index.positive? && @heap[index] < @heap[parent] @heap[index], @heap[parent] = @heap[parent], @heap[index] index = parent parent = (index - 1) / 2 end end def heapify_down(index) left_child = 2 * index + 1 right_child = 2 * index + 2 smallest = index smallest = left_child if left_child < @heap.length && @heap[left_child] < @heap[smallest] smallest = right_child if right_child < @heap.length && @heap[right_child] < @heap[smallest] return unless smallest != index @heap[index], @heap[smallest] = @heap[smallest], @heap[index] heapify_down(smallest) end end require 'minitest/autorun' class MinHeapTest < Minitest::Test def setup @heap = MinHeap.new end def test_push_and_pop @heap.push(10) @heap.push(5) @heap.push(15) assert_equal 3, @heap.size assert_equal 5, @heap.peek assert_equal 5, @heap.pop assert_equal 2, @heap.size assert_equal 10, @heap.peek assert_equal 10, @heap.pop assert_equal 1, @heap.size assert_equal 15, @heap.peek assert_equal 15, @heap.pop assert_equal 0, @heap.size assert_nil @heap.peek assert_nil @heap.pop end def test_empty assert_equal 0, @heap.size assert_nil @heap.peek assert_nil @heap.pop end def test_peek assert_nil @heap.peek @heap.push(10) assert_equal 10, @heap.peek @heap.push(5) assert_equal 5, @heap.peek @heap.push(15) assert_equal 5, @heap.peek end def test_size assert_equal 0, @heap.size @heap.push(10) assert_equal 1, @heap.size @heap.push(5) assert_equal 2, @heap.size @heap.push(15) assert_equal 3, @heap.size @heap.pop assert_equal 2, @heap.size end end </code> ==== 最大値の探索 ==== 最小値優先ヒープではなく、最大値優先ヒープを使用すれば、最大値の探索にも利用できます。 ;[https://paiza.io/projects/lTejDZzLurfgVWzYf2GvXg?language=ruby コード例:] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class MaxHeap def initialize @heap = [] end def push(value) @heap.push(value) heapify_up(@heap.length - 1) end def pop return nil if empty? max = @heap[0] last = @heap.pop unless empty? @heap[0] = last heapify_down(0) end max end def peek = @heap[0] def size = @heap.length def empty? = @heap.empty? private def heapify_up(index) parent = (index - 1) / 2 while index.positive? && @heap[index] > @heap[parent] @heap[index], @heap[parent] = @heap[parent], @heap[index] index = parent parent = (index - 1) / 2 end end def heapify_down(index) left_child = 2 * index + 1 right_child = 2 * index + 2 largest = index largest = left_child if left_child < @heap.length && @heap[left_child] > @heap[largest] largest = right_child if right_child < @heap.length && @heap[right_child] > @heap[largest] return unless largest != index @heap[index], @heap[largest] = @heap[largest], @heap[index] heapify_down(largest) end end require 'minitest/autorun' class MaxHeapTest < Minitest::Test def setup @heap = MaxHeap.new end def test_push_and_pop @heap.push(10) @heap.push(5) @heap.push(15) assert_equal 3, @heap.size assert_equal 15, @heap.peek assert_equal 15, @heap.pop assert_equal 2, @heap.size assert_equal 10, @heap.peek assert_equal 10, @heap.pop assert_equal 1, @heap.size assert_equal 5, @heap.peek assert_equal 5, @heap.pop assert_equal 0, @heap.size assert_nil @heap.peek assert_nil @heap.pop end def test_empty assert_equal 0, @heap.size assert_nil @heap.peek assert_nil @heap.pop end def test_peek assert_nil @heap.peek @heap.push(10) assert_equal 10, @heap.peek @heap.push(5) assert_equal 10, @heap.peek @heap.push(15) assert_equal 15, @heap.peek end def test_size assert_equal 0, @heap.size @heap.push(10) assert_equal 1, @heap.size @heap.push(5) assert_equal 2, @heap.size @heap.push(15) assert_equal 3, @heap.size @heap.pop assert_equal 2, @heap.size end end </syntaxhighlight> ==== 最小/最大のK個の要素の取得 ==== ;[https://paiza.io/projects/xc6W9Wo53XAN7yaHXlfidw?language=ruby コード例:] :<syntaxhighlight lang=ruby> module CustomHeap def self.nsmallest(n, heap) = heap.sort.first(n) def self.nlargest(n, heap) = heap.sort.reverse.first(n) end require 'minitest/autorun' class CustomHeapTest < Minitest::Test def test_nsmallest heap = [10, 5, 15, 2, 7] assert_equal [2, 5], CustomHeap.nsmallest(2, heap) end def test_nlargest heap = [10, 5, 15, 2, 7] assert_equal [15, 10], CustomHeap.nlargest(2, heap) end end </syntaxhighlight> === 実際のプログラムでの使用例 === ==== 優先度付きキュー ==== ヒープは、優先度付きキューの実装に適しています。 例: * ネットワークパケットの処理 * ジョブスケジューリング ==== イベント処理 ==== ヒープは、イベント処理にも利用できます。 例: * シミュレーション * ゲーム開発 ==== データ構造 ==== ヒープは、データ構造の実装にも利用できます。 例: * 二分木 * グラフ === ヒープの実装 === ヒープは、様々な言語で実装できます。 * Python: <code>heapq</code> モジュール * C++: <code>std::priority_queue</code> * Java: <code>PriorityQueue</code> クラス ; まとめ : ヒープは、様々な問題を効率的に解決するために利用できる強力なデータ構造です。 == ヒープの時間計算量と空間計算量の解析 == === 各操作の時間計算量と空間計算量の解析 === === ヒープ操作の効率性と限界の議論 === ==== 時間計算量 ==== :{|:{|| class="wikitable" !操作 !時間計算量 |- |<code>insert</code> |<math>O(log N)</math> |- |<code>extract_min</code> |<math>O(log N)</math> |- |<code>peek</code> |<math>O(1)</math> |- |<code>size</code> |<math>O(1)</math> |- |<code>heapify</code> |<math>O(N)</math> |} ==== 空間計算量 ==== :{|:{|| class="wikitable" !操作 !空間計算量 |- |ヒープ |<math>O(N)</math> |} '''詳細:''' * <code>insert</code>: 新しい要素をヒープに挿入する操作は、常に根ノードと比較し、必要に応じて要素を入れ替えます。この操作は、最大で木の深さだけ繰り返されるため、時間計算量は <math>O(log N)</math> となります。 * <code>extract_min</code>: ヒープから最小値を取り出す操作は、常に根ノードを取り出し、最後の要素を根ノードに置き換えます。その後、ヒープ化を行う必要があり、これが時間計算量のボトルネックとなります。ヒープ化は、最悪の場合、木の高さまで繰り返されるため、時間計算量は <math>O(log N)</math> となります。 * <code>peek</code>: ヒープの最小値を取得する操作は、常に根ノードを参照するだけなので、時間計算量は <math>O(1)</math> となります。 * <code>size</code>: ヒープの要素数を取得する操作は、常に要素数カウントを参照するだけなので、時間計算量は <math>O(1)</math> となります。 * <code>heapify</code>: 配列をヒープに変換する操作は、すべての要素に対してヒープ化を行う必要があり、最悪の場合、すべての要素について <math>O(log N)</math> の処理が必要となります。そのため、時間計算量は <math>O(N log N)</math> となります。 === ヒープ操作の効率性と限界の議論 === ヒープは、挿入、抽出、最小値取得などの操作が <math>O(log N)</math> という効率的な時間計算量で実行できるため、様々な場面で利用されています。 しかし、ヒープ化操作は <math>O(N log N)</math> と計算量が多いため、大量のデータに対してヒープ化する場合は、処理時間が長くなる可能性があります。 また、ヒープは要素の順序が重要である場合にのみ有効なデータ構造であり、順序が重要でない場合は、他のデータ構造の方が効率的な場合があります。 ; まとめ : ヒープは、多くの利点を持つ強力なデータ構造ですが、すべての状況に適しているわけではありません。ヒープを使用する際には、時間計算量と空間計算量、およびデータの順序の重要性を考慮する必要があります。 == ヒープの発展的なトピック == === ヒープの応用拡張 === ==== 二項ヒープ ==== 二項ヒープ(Binomial Heap)は、ヒープデータ構造の一種であり、複数の二項木(Binomial Tree)から構成されています。 各二項木は二分木の一種であり、次の特性を持ちます: # 二項木の根は子を持たないか、または2つの子を持つ。 # 二項木のi番目の順位(degree)のノードの数は2^iである。 二項ヒープは、次のような特徴を持ちます: # 二項ヒープは、二項木を基にして構築されます。各二項木は二分ヒープ条件を満たしています。 # 二項ヒープは、複数の二項木をマージすることで構築されます。このマージ操作は、二項ヒープの根を比較し、適切な順序で連結することで行われます。 # 二項ヒープの最小要素は、各二項木の根の中で最小のキーを持つノードである。 # 二項ヒープの挿入、最小要素の削除、およびマージ操作は、効率的なアルゴリズムによって実現されます。挿入と削除の時間計算量は<math>O(log n)</math>であり、マージ操作の時間計算量も<math>O(log n)</math>です。 二項ヒープは、他のヒープデータ構造と比較して、マージ操作が非常に効率的であるため、特に優れた性能を発揮します。そのため、動的な優先度付きキューなど、多くのアプリケーションで使用されています。 ; Rubyでの実装例 :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # 二項ヒープクラスの定義 class BinomialHeap include Enumerable attr_accessor :roots class BinomialNode attr_accessor :key, :degree, :children, :parent def initialize(key) @key = key @degree = 0 @children = [] @parent = nil end def each(&block) yield key children.each { |child| child.each(&block) } end end def initialize @roots = [] end def insert(key) heap = BinomialHeap.new heap.roots << BinomialNode.new(key) merge(heap) end def merge(heap) @roots.concat(heap.roots) @roots.sort_by!(&:degree) merge_roots end def extract_min return if @roots.empty? min_node = @roots.min_by(&:key) @roots.delete(min_node) heap = BinomialHeap.new heap.roots = min_node.children merge(heap) min_node.key end def each(&block) @roots.each do |node| node.each(&block) end end def to_s = to_a.to_s def inspect = to_a.inspect private def merge_roots return if @roots.size <= 1 i = 0 while i < @roots.size - 1 if @roots[i].degree == @roots[i + 1].degree if @roots[i].key < @roots[i + 1].key @roots[i].children << @roots[i + 1] @roots[i + 1].parent = @roots[i] @roots.delete_at(i + 1) else @roots[i + 1].children << @roots[i] @roots[i].parent = @roots[i + 1] @roots.delete_at(i) end end i += 1 end end end # Minitestを使ったテスト require 'minitest/autorun' class TestBinomialHeap < Minitest::Test def test_insert_and_extract_min heap = BinomialHeap.new heap.insert(5) heap.insert(3) assert_equal '[3, 5]', heap.inspect heap.insert(7) assert_equal '[3, 5, 7]', heap.inspect heap.insert(1) assert_equal '[1, 3, 5, 7]', heap.inspect assert_equal 1, heap.extract_min assert_equal '[3, 5, 7]', heap.inspect assert_equal 3, heap.extract_min assert_equal '[5, 7]', heap.inspect assert_equal 5, heap.extract_min assert_equal '[7]', heap.inspect assert_equal 7, heap.extract_min assert_equal '[]', heap.inspect assert_nil heap.extract_min end def test_merge heap1 = BinomialHeap.new heap1.insert(9) heap1.insert(3) heap1.insert(6) assert_equal '[3, 9, 6]', heap1.inspect heap2 = BinomialHeap.new heap2.insert(4) heap2.insert(2) heap2.insert(8) assert_equal '[2, 4, 8]', heap2.inspect heap1.merge(heap2) assert_equal '[2, 4, 8, 3, 9, 6]', heap1.inspect assert_equal 2, heap1.extract_min assert_equal 3, heap1.extract_min assert_equal 4, heap1.extract_min assert_equal 6, heap1.extract_min assert_equal 8, heap1.extract_min assert_equal 9, heap1.extract_min assert_nil heap1.extract_min assert_equal '[]', heap1.inspect end end </syntaxhighlight> ==== 左傾ヒープ ==== 左傾ヒープ(Leftist Heap)は、ヒープデータ構造の一種であり、二分木を基にしています。左傾ヒープは、優れたマージ操作を持つことで知られています。その名前の由来は、任意のノードが「左の子ノードの距離」(null path length)が「右の子ノードの距離」以上であるという性質にあります。 左傾ヒープの主な特徴は次の通りです: # 任意のノードの左の子ノードの距離は、右の子ノードの距離以上である。 # 最小要素は通常、ヒープの根に位置する。 # マージ操作において、2つの左傾ヒープを効率的に結合することができる。この操作では、二分木をマージする際にサブツリーの高さを考慮して、ヒープの形状を調整する必要がある。 # 挿入操作も非常に効率的であり、通常の挿入操作と同じくらいの時間で行うことができる。 左傾ヒープは、ヒープのマージ操作が<math>O(\log n)</math>の時間で実行できるため、非常に効率的なデータ構造です。そのため、マージ操作が頻繁に発生するアプリケーションや、動的なデータの動的なソート、マージソートなどに適しています。 ; Rubyでの実装例 :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class LeftistHeap include Enumerable class LeftistNode attr_accessor :element, :left, :right, :dist def initialize(element, lt = nil, rt = nil, dist = 0) @element = element @left = lt @right = rt @dist = dist end def each(&block) @left&.each(&block) yield element @right&.each(&block) end end def initialize @root = nil end attr_reader :root def empty? = @root.nil? def make_empty = @root = nil def each(&block) = @root&.each(&block) def to_s = to_a.to_s def inspect = to_a.to_s def merge(other_heap) = @root = merge_recursive(@root, other_heap.root) def insert(element) = @root = merge_recursive(LeftistNode.new(element), @root) def find_min = @root&.element def delete_min raise 'Heap is empty' if @root.nil? min_element = @root.element @root = merge_recursive(@root.left, @root.right) min_element end private def merge_recursive(h1, h2) return h2 if h1.nil? return h1 if h2.nil? if h1.element < h2.element h1.left = merge_recursive(h1.left, h2) else h2.left = merge_recursive(h2.left, h1) _ = h1 h1 = h2 end h1.right, h1.left = h1.left, h1.right if h1.left && h1.left.dist < (h1.right&.dist || 0) h1.dist = (h1.right&.dist || 0) + 1 h1 end end require 'minitest/autorun' class TestLeftistHeap < Minitest::Test def setup @heap = LeftistHeap.new end def test_empty_heap assert @heap.empty? end def test_insert @heap.insert(5) refute @heap.empty? assert_equal 5, @heap.find_min end def test_merge heap1 = LeftistHeap.new heap2 = LeftistHeap.new heap1.insert 3 heap2.insert 5 heap1.merge(heap2) assert_equal 3, heap1.find_min refute heap1.empty? end def test_delete_min @heap.insert(5) @heap.insert(3) @heap.insert(7) assert_equal 3, @heap.delete_min assert_equal '[7, 5]', @heap.inspect assert_equal 5, @heap.find_min end end </syntaxhighlight> ==== 斜めヒープ ==== 斜めヒープ(Skew Heap)は、二分木をベースとしたヒープデータ構造の一種です。斜めヒープは、優れたマージ操作を持つことで知られています。マージ操作は、2つの斜めヒープを効率的に結合することができ、その時間計算量は<math>O(\log n)</math>です。 斜めヒープの特徴は次のとおりです: # ヒープの形状が斜めに傾いているため、バランスを取るための回転操作が必要ありません。 # マージ操作において、2つのヒープの根を比較し、小さい方を結合するだけで済みます。その後、再帰的にマージ操作を行うことで、新しいヒープが得られます。 # 挿入操作も、新しい要素を単一のノードとしてヒープに追加し、その後にマージ操作を行うことで実現されます。 斜めヒープは、他のヒープデータ構造(例えば、二分ヒープや左傾ヒープ)と比較して、マージ操作が非常にシンプルであるため、実装が比較的簡単です。また、マージ操作の時間計算量が<math>O(\log n)</math>であるため、非常に効率的なデータ構造です。 ; Rubyでの実装例 :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class SkewHeap include Enumerable class SkewHeapNode attr_accessor :key, :left, :right def initialize(key, left = nil, right = nil) @key = key @left = left @right = right end def each(&block) @left&.each(&block) yield key @right&.each(&block) end end def initialize @root = nil end attr_reader :root def each(&block) = @root&.each(&block) def to_s = to_a.to_s alias inspect to_s def merge(heap) @root = merge_recursive(@root, heap.root) end def insert(key) @root = merge_recursive(@root, SkewHeapNode.new(key)) end def delete_min raise 'Heap is empty' if @root.nil? min_key = @root.key @root = merge_recursive(@root.left, @root.right) min_key end private def merge_recursive(h1, h2) return h2 if h1.nil? return h1 if h2.nil? h1, h2 = h2, h1 if h1.key > h2.key h1.right, h1.left = h1.left, merge_recursive(h1.right, h2) h1 end end require 'minitest/autorun' class TestSkewHeap < Minitest::Test def setup @heap = SkewHeap.new end def test_inspet assert_equal '[]', @heap.inspect end def test_insert_and_delete_min @heap.insert(5) assert_equal '[5]', @heap.inspect assert_equal 5, @heap.delete_min assert_equal '[]', @heap.inspect @heap.insert(10) @heap.insert(7) assert_equal '[10, 7]', @heap.inspect assert_equal 7, @heap.delete_min assert_equal 10, @heap.delete_min assert_equal '[]', @heap.inspect end def test_merge heap1 = SkewHeap.new heap1.insert(5) heap1.insert(10) heap2 = SkewHeap.new heap2.insert(3) heap2.insert(8) assert_equal '[]', @heap.inspect @heap.merge(heap1) assert_equal '[10, 5]', @heap.inspect @heap.merge(heap2) assert_equal '[10, 5, 3, 8]', @heap.inspect assert_equal 3, @heap.delete_min assert_equal '[8, 5, 10]', @heap.inspect assert_equal 5, @heap.delete_min assert_equal '[10, 8]', @heap.inspect assert_equal 8, @heap.delete_min assert_equal '[10]', @heap.inspect assert_equal 10, @heap.delete_min assert_equal '[]', @heap.inspect assert_raises(RuntimeError) { @heap.delete_min } end def test_delete_min_on_empty_heap assert_raises(RuntimeError) { @heap.delete_min } end end </syntaxhighlight> === ヒープを使った高度なデータ構造 === ==== 優先度付きキューの並行処理 ==== 優先度付きキューは、ヒープを使って実装することができます。並行処理環境では、複数のヒープを同時に処理することで、処理速度を向上させることができます。 ==== マルチスレッド環境でのヒープの利用 ==== マルチスレッド環境では、複数のスレッドが同時にヒープにアクセスする可能性があります。そのため、スレッドセーフなヒープを実装する必要があります。 ==== その他の発展的なトピック ==== * フィボナッチヒープ * ペアヒープ * ソフトヒープ * 動的ヒープ ; まとめ : ヒープは、様々な応用拡張や高度なデータ構造に利用できる汎用性の高いデータ構造です。これらの発展的なトピックを理解することで、ヒープをより効果的に利用することができます。 == ヒープの実装の高度なトピック == === ヒープのバランシングと再構築 === === ヒープのマージと分割 === == まとめと応用問題 == === ヒープの要点のまとめ === === 実践的な応用問題の提供と解説 === == 外部リンク == {{Wikipedia}} * [[:en:w:Heap (data structure)]] [[Category:プログラミング]] [[Category:データ構造]] [[Category:ヒープ]]
2024-03-01T23:58:04Z
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代数的データ型
データ構造とは、データの組織化方法を指します。データ構造を適切に選択することは、効率的なデータ操作やアルゴリズムの実装に不可欠です。その中で、代数的データ型(ADT; Algebraic data type)は特に重要です。代数的データ型は、データの抽象的な数学的モデルを提供し、それを実装する方法についての具体的な情報を隠蔽します。これにより、データの内部実装を隠し、プログラマがデータ構造を使う際に不要な詳細を気にすることなく利用できます。 代数的データ型は、以下の2つの要素から構成されます。 代数的データ型は、データの抽象的な概念を提供します。これは、データが持つ属性や操作に関する情報を含みますが、内部の実装に関する詳細は含みません。例えば、スタックは「要素を追加する(push)」「要素を取り出す(pop)」という操作を持つデータ構造ですが、それがどのように実装されているかは代数的データ型では述べません。 代数的データ型は、データに対する操作を定義します。これらの操作は、データの状態を変更したり、データに関する情報を取得したりするための手段を提供します。スタックの例では、pushとpopが操作のインターフェースになります。 代数的データ型の実装では、データ構造やアルゴリズムを具体的に記述します。この際、データの内部実装や詳細に関する情報を隠蔽し、代数的データ型のインターフェースに従って操作を提供します。例えば、スタックの実装では、配列やリンクリストなどのデータ構造を使用し、pushやpopといった操作を実装します。 代数的データ型は、型コンストラクタと呼ばれる関数を使ってデータ型を定義します。型コンストラクタは、複数の引数を受け取り、新しいデータ型を生成します。 代数的データ型の例として、以下のようなものがあります。 これらのデータ型は、それぞれ異なる構造と意味を持っています。 代数的データ型には、以下の利点があります。 以下に、いくつかの一般的な代数的データ型の例を示します。 抽象的なモデル: LIFO(Last In, First Out; 後入れ先出し)のデータ構造。 操作のインターフェース: スタックは、再帰的な関数呼び出しの履歴や、逆ポーランド記法の式評価など、様々なアルゴリズムやデータ処理に応用されます。代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します): この定義では、Stackはジェネリック型 a を要素として持ち、EmptyStackは空のスタックを表し、Elem a (Stack a)は要素aとそれに続くスタックを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、スタックの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 抽象的なモデル: FIFO(先入れ先出し)のデータ構造。 操作のインターフェース: 代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します): この定義では、Queueはジェネリック型 a を要素として持ち、EmptyQueueは空のキューを表し、QueueNode a (Queue a)は先頭に要素aを持ち、それに続くキューを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、キューの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 抽象的なモデル: 要素の集合で、各要素が次の要素へのリンクを持つ。 操作のインターフェース: 連結リストを代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します): この定義では、LinkedListはジェネリック型 a を要素として持ち、EmptyListは空のリストを表し、ListNode a (LinkedList a)は要素aとそれに続く連結リストを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、リストの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 抽象的なモデル: 階層的な構造で、根から始まり複数の子ノードを持つ。 操作のインターフェース: 代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します): この定義では、Treeはジェネリック型 a を要素として持ち、EmptyTreeは空のツリーを表し、Node a (Tree a) (Tree a)は要素aとそれに続く左右の子ノードを持つツリーを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、ツリーの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 ノード(頂点)とエッジ(辺)の集合で構成されるネットワーク構造を表現します。グラフには有向グラフと無向グラフの2つの種類があります。代数的には、ノードとエッジの集合を含むデータ構造として表現できます。 操作インターフェース: グラフは、代数的データ型として表現されることがありますが、通常はノードとエッジの集合として定義されます。代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります: この定義では、Graphはジェネリック型 a を要素として持ち、ノードのリストとエッジのリストを含みます。ノードのリストはグラフの全てのノードを表し、エッジのリストはノード間の接続を表します。 要素の集合を表現します。重複を許さない一意の要素の集合を管理するデータ構造です。代数的には、要素のリストを持ち、追加や削除などの操作をサポートします。 集合(Set)は、要素の重複を許さない一意の要素の集合を表現するデータ型です。数学的な集合と同様に、要素が集合内に存在するかどうかを表現します。集合は、要素の追加、削除、存在確認などの操作を提供し、集合論の概念をプログラム内で表現するのに役立ちます。 代数的データ型として表現する場合、集合は以下のような特性を持ちます: 操作インターフェース: 代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります: この定義では、Setはジェネリック型 a を要素として持ち、EmptySetは空の集合を表し、SetItem a (Set a)は要素aとそれに続く集合を表します。これにより、再帰的な構造が実現され、集合の要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 キーと値のペアの集合を表現します。キーは一意であり、値に対応付けられます。マップは検索、挿入、削除などの操作を効率的に行うために使用されます。 操作インターフェース: 代数的データ型として表現する場合、マップは以下のような構造を持ちます: この定義では、Mapはジェネリック型 k をキー、ジェネリック型 v を値として持ち、EmptyMapは空のマップを表し、MapItem k v (Map k v)はキー k と値 v のペア、およびそれに続くマップを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、マップの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 ある値が存在するかどうかを表現するための型です。例えば、値が存在する場合はその値を持ち、存在しない場合は何も持たないことを表現します。このような型は、プログラム内での値の欠如やエラーの扱いに役立ちます。 オプション型には通常、次のような2つの状態があります: オプション型は、値が存在しないことを正当な状態として扱うことができ、エラーの扱いや特定の値がない場合の処理を行う際に便利です。例えば、データベースからのレコードの取得や、特定の条件を満たす要素の検索などで使用されます。 操作インターフェース: 代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります: この定義では、Optionはジェネリック型 a を持ち、Some aは値 a を持つオプション型であり、Noneは値を持たないオプション型を表します。これにより、オプション型が値を持つかどうかを明示的に表現できます。 リザルト型(Result Type)は、関数の実行結果を表現するためのデータ型です。リザルト型は、関数が成功した場合には成功した値を保持し、エラーが発生した場合にはエラー情報を保持します。これにより、関数が成功または失敗の結果を明示的に返すことができます。 リザルト型は、通常、次の2つの状態があります: リザルト型は、関数の実行結果がエラーを返す可能性がある場合や、処理の失敗の理由を詳細に知りたい場合に便利です。また、エラー処理をより効果的に行うことができます。 操作インターフェース: 代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります: この定義では、Resultはジェネリック型 a を成功した値、ジェネリック型 e をエラー情報として持ち、Success aは成功した結果を表し、Failure eは失敗した結果を表します。 タプル(Tuple)は、複数の異なるデータ型の要素をまとめて扱うためのデータ構造です。タプルは、順序付きの要素の集合であり、各要素はインデックスでアクセスすることができます。タプルは、異なる型のデータをまとめるために使用され、要素の順序が重要な場合に便利です。 タプルは、有限個の要素から成り立ちます。タプルには2つのタイプがあります: タプルは、関数の複数の戻り値を表現したり、異なる型の要素をまとめたりするために使用されます。また、タプルの要素は不変であり、一度作成されたタプルの要素は変更することができません。 代数的データ型として表現する場合、タプルは単純な構造を持つため、特別な定義が必要ありません。代わりに、プログラミング言語の文法や構文に従ってタプルを記述します。 列挙型(Enumaration Type)は、プログラム内で特定の値の集合を表現するための代数的データ型の一種です。列挙型は、特定のデータの選択肢が限られている場合に使用されます。例えば、曜日や月、カラーコードなどがその例です。 列挙型は、一連の関連する値を定義するのに便利です。それぞれの値は名前を持ち、その名前は列挙型内で一意であり、その値に対する特定の意味を持ちます。 操作インターフェースは、言語やコンテキストによって異なりますが、一般的な列挙型に対する操作インターフェースには次のようなものが含まれることがあります: 代数的データ型として表現する場合、列挙型は有限の値のリストとして定義されます。Haskellの場合、列挙型は data キーワードを使用して定義されます。例えば、曜日を表す列挙型を定義する場合は次のようになります: この定義では、Dayという列挙型が定義されており、それぞれの曜日が Sunday、Monday、Tuesdayなどの値として定義されています。 列挙型は、プログラム内で特定の種類の値を明示的に表現する必要がある場合に役立ちます。また、パターンマッチングや条件分岐などの制御構造で使用されることがあります。 代数的データ型の一つである構造体(Struct)は、複数の異なるデータ型の要素を組み合わせて一つのデータ型を定義するための方法です。構造体は、異なる種類のデータをまとめて管理したり、複数のフィールドを持つデータ構造を定義するために使用されます。 構造体は、フィールド(field)と呼ばれる個々の要素から構成されます。それぞれのフィールドには、そのデータ型に応じた名前が与えられます。構造体の各インスタンスは、そのフィールドに対応する値を保持します。 一般的なプログラミング言語では、構造体は以下のような形式で定義されます: 構造体を例示する言語として、C言語の構造体定義があります: この例では、Personという名前の構造体が定義されています。この構造体は、名前、年齢、身長という3つのフィールドを持ちます。 構造体は、異なるデータ型の組み合わせを表現するための非常に強力な概念です。これにより、関連するデータをまとめて扱うことができ、プログラムの構造をより構造化し、保守性を向上させることができます。 代数的データ型は、型コンストラクタを使って定義します。型コンストラクタは、データ型の名前と、そのデータ型を持つ値のコンストラクタを定義します。 例えば、自然数を表す 代数的データ型は、以下のように定義できます。 この定義では、Nat 型は Zero または Succ という 2 つのコンストラクタを持つデータ型であることがわかります。Zero は自然数の 0 を表し、Succ は自然数の後継を表します(中学数学と違い、ここでは 0 も自然数に含めます)。 代数的データ型に対する操作は、型コンストラクタを使って定義できます。例えば、自然数の加算操作は、以下のように定義できます。 この定義では、add 関数は 2 つの自然数を引数として受け取り、その和を返すことがわかります。 代数的データ型は、さまざまなプログラミング言語で利用できます。 これらの言語は、代数的データ型を強力にサポートしており、コードの表現力と効率性を向上させることができます。 代数的データ型は、データの構造と意味を明確に定義し、型安全性とパターンマッチングによる効率的な処理を実現できるデータ型です。複雑なデータ構造を扱う場合や、コードの理解性と保守性を向上させたい場合に有効です。 代数的データ型は、さまざまなデータ構造を定義するために使用できます。以下にいくつかの例を示します。 代数的データ型は、データの具体的な表現を隠蔽し、抽象化を提供することができます。抽象化により、コードの再利用性と保守性を向上させることができます。 例えば、リストを表す 代数的データ型を定義する場合、具体的なデータ構造 (配列、連結リストなど) を隠蔽することができます。これにより、リスト操作のコードは、具体的なデータ構造に依存することなく記述できます。 代数的データ型は、パターンマッチングと組み合わせることで、効率的な処理を実現できます。パターンマッチングにより、データ型に基づいて、さまざまな処理を行うことができます。 例えば、リストの要素を反復処理する場合、パターンマッチングを使用して、各要素に対して適切な処理を行うことができます。 代数的データ型は、データの構造と意味を明確に定義し、型安全性とパターンマッチングによる効率的な処理を実現できるデータ型です。複雑なデータ構造を扱う場合や、コードの理解性と保守性を向上させたい場合に有効です。
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"代数的データ型の実装" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "代数的データ型は、型コンストラクタと呼ばれる関数を使ってデータ型を定義します。型コンストラクタは、複数の引数を受け取り、新しいデータ型を生成します。", "title": "代数的データ型の概要" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "代数的データ型の例として、以下のようなものがあります。", "title": "代数的データ型の概要" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "これらのデータ型は、それぞれ異なる構造と意味を持っています。", "title": "代数的データ型の概要" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "代数的データ型には、以下の利点があります。", "title": "代数的データ型の利点" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "以下に、いくつかの一般的な代数的データ型の例を示します。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "抽象的なモデル: LIFO(Last In, First Out; 後入れ先出し)のデータ構造。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "操作のインターフェース:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "スタックは、再帰的な関数呼び出しの履歴や、逆ポーランド記法の式評価など、様々なアルゴリズムやデータ処理に応用されます。代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します):", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "この定義では、Stackはジェネリック型 a 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21, "tag": "p", "text": "この定義では、LinkedListはジェネリック型 a を要素として持ち、EmptyListは空のリストを表し、ListNode a (LinkedList a)は要素aとそれに続く連結リストを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、リストの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "抽象的なモデル: 階層的な構造で、根から始まり複数の子ノードを持つ。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "操作のインターフェース:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します):", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "この定義では、Treeはジェネリック型 a を要素として持ち、EmptyTreeは空のツリーを表し、Node a (Tree a) (Tree a)は要素aとそれに続く左右の子ノードを持つツリーを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、ツリーの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "ノード(頂点)とエッジ(辺)の集合で構成されるネットワーク構造を表現します。グラフには有向グラフと無向グラフの2つの種類があります。代数的には、ノードとエッジの集合を含むデータ構造として表現できます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "操作インターフェース:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "グラフは、代数的データ型として表現されることがありますが、通常はノードとエッジの集合として定義されます。代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "この定義では、Graphはジェネリック型 a を要素として持ち、ノードのリストとエッジのリストを含みます。ノードのリストはグラフの全てのノードを表し、エッジのリストはノード間の接続を表します。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "要素の集合を表現します。重複を許さない一意の要素の集合を管理するデータ構造です。代数的には、要素のリストを持ち、追加や削除などの操作をサポートします。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "集合(Set)は、要素の重複を許さない一意の要素の集合を表現するデータ型です。数学的な集合と同様に、要素が集合内に存在するかどうかを表現します。集合は、要素の追加、削除、存在確認などの操作を提供し、集合論の概念をプログラム内で表現するのに役立ちます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "代数的データ型として表現する場合、集合は以下のような特性を持ちます:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "操作インターフェース:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "この定義では、Setはジェネリック型 a を要素として持ち、EmptySetは空の集合を表し、SetItem a (Set a)は要素aとそれに続く集合を表します。これにより、再帰的な構造が実現され、集合の要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "キーと値のペアの集合を表現します。キーは一意であり、値に対応付けられます。マップは検索、挿入、削除などの操作を効率的に行うために使用されます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "操作インターフェース:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "代数的データ型として表現する場合、マップは以下のような構造を持ちます:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "この定義では、Mapはジェネリック型 k をキー、ジェネリック型 v を値として持ち、EmptyMapは空のマップを表し、MapItem k v (Map k v)はキー k と値 v のペア、およびそれに続くマップを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、マップの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "ある値が存在するかどうかを表現するための型です。例えば、値が存在する場合はその値を持ち、存在しない場合は何も持たないことを表現します。このような型は、プログラム内での値の欠如やエラーの扱いに役立ちます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "オプション型には通常、次のような2つの状態があります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "オプション型は、値が存在しないことを正当な状態として扱うことができ、エラーの扱いや特定の値がない場合の処理を行う際に便利です。例えば、データベースからのレコードの取得や、特定の条件を満たす要素の検索などで使用されます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "操作インターフェース:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "この定義では、Optionはジェネリック型 a を持ち、Some aは値 a を持つオプション型であり、Noneは値を持たないオプション型を表します。これにより、オプション型が値を持つかどうかを明示的に表現できます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "リザルト型(Result Type)は、関数の実行結果を表現するためのデータ型です。リザルト型は、関数が成功した場合には成功した値を保持し、エラーが発生した場合にはエラー情報を保持します。これにより、関数が成功または失敗の結果を明示的に返すことができます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "リザルト型は、通常、次の2つの状態があります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "リザルト型は、関数の実行結果がエラーを返す可能性がある場合や、処理の失敗の理由を詳細に知りたい場合に便利です。また、エラー処理をより効果的に行うことができます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "操作インターフェース:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "この定義では、Resultはジェネリック型 a を成功した値、ジェネリック型 e をエラー情報として持ち、Success aは成功した結果を表し、Failure eは失敗した結果を表します。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "タプル(Tuple)は、複数の異なるデータ型の要素をまとめて扱うためのデータ構造です。タプルは、順序付きの要素の集合であり、各要素はインデックスでアクセスすることができます。タプルは、異なる型のデータをまとめるために使用され、要素の順序が重要な場合に便利です。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "タプルは、有限個の要素から成り立ちます。タプルには2つのタイプがあります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "タプルは、関数の複数の戻り値を表現したり、異なる型の要素をまとめたりするために使用されます。また、タプルの要素は不変であり、一度作成されたタプルの要素は変更することができません。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "代数的データ型として表現する場合、タプルは単純な構造を持つため、特別な定義が必要ありません。代わりに、プログラミング言語の文法や構文に従ってタプルを記述します。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "列挙型(Enumaration Type)は、プログラム内で特定の値の集合を表現するための代数的データ型の一種です。列挙型は、特定のデータの選択肢が限られている場合に使用されます。例えば、曜日や月、カラーコードなどがその例です。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "列挙型は、一連の関連する値を定義するのに便利です。それぞれの値は名前を持ち、その名前は列挙型内で一意であり、その値に対する特定の意味を持ちます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "操作インターフェースは、言語やコンテキストによって異なりますが、一般的な列挙型に対する操作インターフェースには次のようなものが含まれることがあります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "代数的データ型として表現する場合、列挙型は有限の値のリストとして定義されます。Haskellの場合、列挙型は data キーワードを使用して定義されます。例えば、曜日を表す列挙型を定義する場合は次のようになります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "この定義では、Dayという列挙型が定義されており、それぞれの曜日が Sunday、Monday、Tuesdayなどの値として定義されています。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "列挙型は、プログラム内で特定の種類の値を明示的に表現する必要がある場合に役立ちます。また、パターンマッチングや条件分岐などの制御構造で使用されることがあります。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "代数的データ型の一つである構造体(Struct)は、複数の異なるデータ型の要素を組み合わせて一つのデータ型を定義するための方法です。構造体は、異なる種類のデータをまとめて管理したり、複数のフィールドを持つデータ構造を定義するために使用されます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "構造体は、フィールド(field)と呼ばれる個々の要素から構成されます。それぞれのフィールドには、そのデータ型に応じた名前が与えられます。構造体の各インスタンスは、そのフィールドに対応する値を保持します。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "一般的なプログラミング言語では、構造体は以下のような形式で定義されます:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "構造体を例示する言語として、C言語の構造体定義があります:", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "この例では、Personという名前の構造体が定義されています。この構造体は、名前、年齢、身長という3つのフィールドを持ちます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "構造体は、異なるデータ型の組み合わせを表現するための非常に強力な概念です。これにより、関連するデータをまとめて扱うことができ、プログラムの構造をより構造化し、保守性を向上させることができます。", "title": "代数的データ型の例" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "代数的データ型は、型コンストラクタを使って定義します。型コンストラクタは、データ型の名前と、そのデータ型を持つ値のコンストラクタを定義します。", "title": "代数的データ型の定義" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "例えば、自然数を表す 代数的データ型は、以下のように定義できます。", "title": "代数的データ型の定義" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "この定義では、Nat 型は Zero または Succ という 2 つのコンストラクタを持つデータ型であることがわかります。Zero は自然数の 0 を表し、Succ は自然数の後継を表します(中学数学と違い、ここでは 0 も自然数に含めます)。", "title": "代数的データ型の定義" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "代数的データ型に対する操作は、型コンストラクタを使って定義できます。例えば、自然数の加算操作は、以下のように定義できます。", "title": "代数的データ型の操作" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "この定義では、add 関数は 2 つの自然数を引数として受け取り、その和を返すことがわかります。", "title": "代数的データ型の操作" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "代数的データ型は、さまざまなプログラミング言語で利用できます。", "title": "代数的データ型の利用" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "これらの言語は、代数的データ型を強力にサポートしており、コードの表現力と効率性を向上させることができます。", "title": "代数的データ型の利用" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "代数的データ型は、データの構造と意味を明確に定義し、型安全性とパターンマッチングによる効率的な処理を実現できるデータ型です。複雑なデータ構造を扱う場合や、コードの理解性と保守性を向上させたい場合に有効です。", "title": "まとめ" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "代数的データ型は、さまざまなデータ構造を定義するために使用できます。以下にいくつかの例を示します。", "title": "代数的データ型の応用例" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "代数的データ型は、データの具体的な表現を隠蔽し、抽象化を提供することができます。抽象化により、コードの再利用性と保守性を向上させることができます。", "title": "代数的データ型の抽象化" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "例えば、リストを表す 代数的データ型を定義する場合、具体的なデータ構造 (配列、連結リストなど) を隠蔽することができます。これにより、リスト操作のコードは、具体的なデータ構造に依存することなく記述できます。", "title": "代数的データ型の抽象化" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "代数的データ型は、パターンマッチングと組み合わせることで、効率的な処理を実現できます。パターンマッチングにより、データ型に基づいて、さまざまな処理を行うことができます。", "title": "代数的データ型のパターンマッチング" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "例えば、リストの要素を反復処理する場合、パターンマッチングを使用して、各要素に対して適切な処理を行うことができます。", "title": "代数的データ型のパターンマッチング" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "代数的データ型は、データの構造と意味を明確に定義し、型安全性とパターンマッチングによる効率的な処理を実現できるデータ型です。複雑なデータ構造を扱う場合や、コードの理解性と保守性を向上させたい場合に有効です。", "title": "代数的データ型のまとめ" } ]
データ構造とは、データの組織化方法を指します。データ構造を適切に選択することは、効率的なデータ操作やアルゴリズムの実装に不可欠です。その中で、代数的データ型は特に重要です。代数的データ型は、データの抽象的な数学的モデルを提供し、それを実装する方法についての具体的な情報を隠蔽します。これにより、データの内部実装を隠し、プログラマがデータ構造を使う際に不要な詳細を気にすることなく利用できます。
データ構造とは、データの組織化方法を指します。データ構造を適切に選択することは、効率的なデータ操作やアルゴリズムの実装に不可欠です。その中で、代数的データ型(ADT; Algebraic data type)は特に重要です。代数的データ型は、データの抽象的な数学的モデルを提供し、それを実装する方法についての具体的な情報を隠蔽します。これにより、データの内部実装を隠し、プログラマがデータ構造を使う際に不要な詳細を気にすることなく利用できます。 == 代数的データ型の定義 == 代数的データ型は、以下の2つの要素から構成されます。 === データの抽象的なモデル === 代数的データ型は、データの抽象的な概念を提供します。これは、データが持つ属性や操作に関する情報を含みますが、内部の実装に関する詳細は含みません。例えば、スタックは「要素を追加する(push)」「要素を取り出す(pop)」という操作を持つデータ構造ですが、それがどのように実装されているかは代数的データ型では述べません。 === 操作のインターフェース === 代数的データ型は、データに対する操作を定義します。これらの操作は、データの状態を変更したり、データに関する情報を取得したりするための手段を提供します。スタックの例では、pushとpopが操作のインターフェースになります。 == 代数的データ型の実装 == 代数的データ型の実装では、データ構造やアルゴリズムを具体的に記述します。この際、データの内部実装や詳細に関する情報を隠蔽し、代数的データ型のインターフェースに従って操作を提供します。例えば、スタックの実装では、配列やリンクリストなどのデータ構造を使用し、pushやpopといった操作を実装します。 == 代数的データ型の概要 == 代数的データ型は、型コンストラクタと呼ばれる関数を使ってデータ型を定義します。型コンストラクタは、複数の引数を受け取り、新しいデータ型を生成します。 代数的データ型の例として、以下のようなものがあります。 * 自然数 * リスト * 木 * グラフ これらのデータ型は、それぞれ異なる構造と意味を持っています。 == 代数的データ型の利点 == 代数的データ型には、以下の利点があります。 * '''データの構造と意味を明確に定義できる''': コードの理解性と保守性を向上させることができます。 * '''型安全性''': 型エラーを防ぎ、プログラムの信頼性を向上させることができます。 * '''パターンマッチング''': データ型に基づいて、効率的な処理を行うことができます。 * '''抽象化''': データの具体的な表現を隠蔽し、コードの再利用性を向上させることができます。 == 代数的データ型の例 == 以下に、いくつかの一般的な代数的データ型の例を示します。 === スタック(Stack) === 抽象的なモデル: LIFO(Last In, First Out; 後入れ先出し)のデータ構造。 操作のインターフェース: * '''push:''' スタックに要素を追加する。 * '''pop:''' スタックから要素を取り出す。 * '''peek:''' スタックの先頭の要素を取得するが、削除は行わない。 スタックは、再帰的な関数呼び出しの履歴や、逆ポーランド記法の式評価など、様々なアルゴリズムやデータ処理に応用されます。代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します): :<syntaxhighlight lang=haskell> data Stack a = EmptyStack | Elem a (Stack a) </syntaxhighlight> この定義では、<code>Stack</code>はジェネリック型 <code>a</code> を要素として持ち、<code>EmptyStack</code>は空のスタックを表し、<code>Elem a (Stack a)</code>は要素<code>a</code>とそれに続くスタックを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、スタックの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 === キュー(Queue) === 抽象的なモデル: FIFO(先入れ先出し)のデータ構造。 操作のインターフェース: * '''enqueue:''' キューに要素を追加する。 * '''dequeue:''' キューから要素を取り出す。 * '''peek:''' キューの先頭の要素を取得するが、削除は行わない。 代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します): :<syntaxhighlight lang=haskell> data Queue a = EmptyQueue | QueueNode a (Queue a) </syntaxhighlight> この定義では、<code>Queue</code>はジェネリック型 <code>a</code> を要素として持ち、<code>EmptyQueue</code>は空のキューを表し、<code>QueueNode a (Queue a)</code>は先頭に要素<code>a</code>を持ち、それに続くキューを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、キューの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 === 連結リスト(Linked List) === 抽象的なモデル: 要素の集合で、各要素が次の要素へのリンクを持つ。 操作のインターフェース: * '''insert:''' リストに要素を挿入する。 * '''delete:''' リストから要素を削除する。 * '''search:''' リスト内で指定された要素を探す。 連結リストを代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します): :<syntaxhighlight lang=haskell> data LinkedList a = EmptyList | ListNode a (LinkedList a) </syntaxhighlight> この定義では、<code>LinkedList</code>はジェネリック型 <code>a</code> を要素として持ち、<code>EmptyList</code>は空のリストを表し、<code>ListNode a (LinkedList a)</code>は要素<code>a</code>とそれに続く連結リストを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、リストの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 === ツリー(Tree) === 抽象的なモデル: 階層的な構造で、根から始まり複数の子ノードを持つ。 操作のインターフェース: * '''insert:''' ツリーにノードを挿入する。 * '''delete:''' ツリーからノードを削除する。 * '''search:''' ツリー内で指定された要素を探す。 代数的データ型として表現する場合、一般的には以下のような構造を持つことがあります(Haskell風の記法で示します): :<syntaxhighlight lang=haskell> data Tree a = EmptyTree | Node a (Tree a) (Tree a) </syntaxhighlight> この定義では、<code>Tree</code>はジェネリック型 <code>a</code> を要素として持ち、<code>EmptyTree</code>は空のツリーを表し、<code>Node a (Tree a) (Tree a)</code>は要素<code>a</code>とそれに続く左右の子ノードを持つツリーを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、ツリーの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 === グラフ(Graph) === ノード(頂点)とエッジ(辺)の集合で構成されるネットワーク構造を表現します。グラフには有向グラフと無向グラフの2つの種類があります。代数的には、ノードとエッジの集合を含むデータ構造として表現できます。 操作インターフェース: ; ノードの操作: * ノードの追加(AddNode) * ノードの削除(RemoveNode) * 特定のノードの存在確認(ContainsNode) * ノードの取得(GetNode) ; エッジの操作: * エッジの追加(AddEdge) * エッジの削除(RemoveEdge) * 特定のエッジの存在確認(ContainsEdge) * エッジの取得(GetEdge) ; グラフ全体の操作: * グラフの初期化(InitializeGraph) * グラフのクリア(ClearGraph) * グラフのコピー(CopyGraph) * グラフの変更(ModifyGraph) ; 探索と検索: * グラフの探索(GraphTraversal): 幅優先探索(Breadth-First Search)、深さ優先探索(Depth-First Search)など。 * パスの検索(PathSearch): 2つのノード間の経路を見つける操作。 ; その他の操作: * グラフの表示(DisplayGraph): グラフを可視化して表示するための操作。 * グラフの統計情報の取得(GraphStatistics): ノード数、エッジ数、連結成分の数などの情報を取得する操作。 グラフは、代数的データ型として表現されることがありますが、通常はノードとエッジの集合として定義されます。代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります: :<syntaxhighlight lang=haskell> data Graph a = Graph [a] [(a, a)] </syntaxhighlight> この定義では、<code>Graph</code>はジェネリック型 <code>a</code> を要素として持ち、ノードのリストとエッジのリストを含みます。ノードのリストはグラフの全てのノードを表し、エッジのリストはノード間の接続を表します。 === 集合(Set) === 要素の集合を表現します。重複を許さない一意の要素の集合を管理するデータ構造です。代数的には、要素のリストを持ち、追加や削除などの操作をサポートします。 集合(Set)は、要素の重複を許さない一意の要素の集合を表現するデータ型です。数学的な集合と同様に、要素が集合内に存在するかどうかを表現します。集合は、要素の追加、削除、存在確認などの操作を提供し、集合論の概念をプログラム内で表現するのに役立ちます。 代数的データ型として表現する場合、集合は以下のような特性を持ちます: # 重複のない要素: 同じ要素が集合内に複数回現れることはありません。 # 要素の存在確認: 特定の要素が集合内に存在するかどうかを確認する操作が可能です。 # 要素の追加と削除: 集合に新しい要素を追加したり、既存の要素を削除する操作が可能です。 # 集合の演算: 和集合、積集合、差集合、対称差などの演算を提供します。 操作インターフェース: ; 集合の作成: * 空の集合を作成する操作(CreateEmptySet) * 指定された要素の集合を作成する操作(CreateSet) ; 要素の操作: * 要素の追加(AddElement) * 要素の削除(RemoveElement) * 特定の要素が集合に含まれているかどうかを確認する操作(ContainsElement) * 集合内の要素の数を取得する操作(CountElements) * 集合内のすべての要素を取得する操作(GetAllElements) ; 集合演算: * 和集合を計算する操作(Union) * 積集合を計算する操作(Intersection) * 差集合を計算する操作(Difference) * 対称差を計算する操作(SymmetricDifference) ; その他の操作: * 集合のクリア(ClearSet) * 集合の比較(CompareSets) * 集合の表示(DisplaySet) 代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります: :<syntaxhighlight lang=haskell> data Set a = EmptySet | SetItem a (Set a) </syntaxhighlight> この定義では、<code>Set</code>はジェネリック型 <code>a</code> を要素として持ち、<code>EmptySet</code>は空の集合を表し、<code>SetItem a (Set a)</code>は要素<code>a</code>とそれに続く集合を表します。これにより、再帰的な構造が実現され、集合の要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 === マップ(Map) === キーと値のペアの集合を表現します。キーは一意であり、値に対応付けられます。マップは検索、挿入、削除などの操作を効率的に行うために使用されます。 操作インターフェース: ; マップの作成: * 空のマップを作成する操作(CreateEmptyMap) * 既存のキーと値のペアからマップを作成する操作(CreateMapFromPairs) ; 要素の操作: * キーと値のペアを追加する操作(AddElement) * 指定されたキーの値を取得する操作(GetElement) * 指定されたキーの値を削除する操作(RemoveElement) * 指定されたキーがマップ内に存在するかどうかを確認する操作(ContainsKey) * マップ内のすべてのキーまたは値を取得する操作(GetAllKeys、GetAllValues) ; マップ演算: * 2つのマップの和集合、積集合、差集合、対称差を計算する操作(Union、Intersection、Difference、SymmetricDifference) ; その他の操作: * マップのクリア(ClearMap) * マップのサイズ(キーの数)を取得する操作(GetSize) * マップのキーまたは値の反復処理を行う操作(IterateOverKeys、IterateOverValues) * マップの内容を表示する操作(DisplayMap) 代数的データ型として表現する場合、マップは以下のような構造を持ちます: :<syntaxhighlight lang=haskell> data Map k v = EmptyMap | MapItem k v (Map k v) </syntaxhighlight> この定義では、<code>Map</code>はジェネリック型 <code>k</code> をキー、ジェネリック型 <code>v</code> を値として持ち、<code>EmptyMap</code>は空のマップを表し、<code>MapItem k v (Map k v)</code>はキー <code>k</code> と値 <code>v</code> のペア、およびそれに続くマップを表します。これにより、再帰的な構造が実現され、マップの要素を追加・削除する操作が自然に表現できます。 === オプション型(Option Type) === ある値が存在するかどうかを表現するための型です。例えば、値が存在する場合はその値を持ち、存在しない場合は何も持たないことを表現します。このような型は、プログラム内での値の欠如やエラーの扱いに役立ちます。 オプション型には通常、次のような2つの状態があります: # Some(値が存在する): オプション型が特定の値を持っていることを示します。 # None(値が存在しない): オプション型が何も持たないことを示します。 オプション型は、値が存在しないことを正当な状態として扱うことができ、エラーの扱いや特定の値がない場合の処理を行う際に便利です。例えば、データベースからのレコードの取得や、特定の条件を満たす要素の検索などで使用されます。 操作インターフェース: ; オプションの作成: * 値が存在する場合のオプション型を作成する操作(CreateSome) * 値が存在しない場合のオプション型を作成する操作(CreateNone) ; オプションの操作: * オプション型が値を持つかどうかを確認する操作(IsSome、IsNone) * オプション型から値を取得する操作(GetValue)(注:この操作はオプション型が値を持つ場合にのみ有効です) ; オプションの変換: * オプション型から値を取得し、デフォルト値を提供する操作(GetValueOrDefault) * オプション型を別の型に変換する操作(ConvertTo) ; その他の操作: * オプション型の内容を表示する操作(DisplayOption) * オプション型を含むプログラムのフローを制御するための操作(ControlFlow) 代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります: :<syntaxhighlight lang=haskell> data Option a = Some a | None </syntaxhighlight> この定義では、<code>Option</code>はジェネリック型 <code>a</code> を持ち、<code>Some a</code>は値 <code>a</code> を持つオプション型であり、<code>None</code>は値を持たないオプション型を表します。これにより、オプション型が値を持つかどうかを明示的に表現できます。 === リザルト型(Result Type) === リザルト型(Result Type)は、関数の実行結果を表現するためのデータ型です。リザルト型は、関数が成功した場合には成功した値を保持し、エラーが発生した場合にはエラー情報を保持します。これにより、関数が成功または失敗の結果を明示的に返すことができます。 リザルト型は、通常、次の2つの状態があります: # 成功した場合の結果(Success): 関数が成功し、有効な結果が得られた場合にこの状態が発生します。この場合、成功した値がリザルト型に含まれます。 # 失敗した場合の結果(Failure): 関数がエラーに遭遇し、有効な結果が得られなかった場合にこの状態が発生します。この場合、エラー情報がリザルト型に含まれます。 リザルト型は、関数の実行結果がエラーを返す可能性がある場合や、処理の失敗の理由を詳細に知りたい場合に便利です。また、エラー処理をより効果的に行うことができます。 操作インターフェース: ; リザルトの作成: * 成功した結果を持つリザルト型を作成する操作(CreateSuccess) * 失敗した結果を持つリザルト型を作成する操作(CreateFailure) ; リザルトの操作: * リザルト型から成功した値を取得する操作(GetSuccessValue) * リザルト型から失敗した結果を取得する操作(GetFailureReason) ; リザルトの変換: * リザルト型を別の型に変換する操作(ConvertTo) ; その他の操作: * リザルト型が成功した結果を持っているかどうかを確認する操作(IsSuccess) * リザルト型が失敗した結果を持っているかどうかを確認する操作(IsFailure) * 成功した場合と失敗した場合の結果に基づいて処理を行う操作(HandleResult) 代数的データ型として表現する場合、Haskell風の記法で示すと以下のようになります: :<syntaxhighlight lang=haskell> data Result a e = Success a | Failure e </syntaxhighlight> この定義では、<code>Result</code>はジェネリック型 <code>a</code> を成功した値、ジェネリック型 <code>e</code> をエラー情報として持ち、<code>Success a</code>は成功した結果を表し、<code>Failure e</code>は失敗した結果を表します。 === タプル(Tuple) === タプル(Tuple)は、複数の異なるデータ型の要素をまとめて扱うためのデータ構造です。タプルは、順序付きの要素の集合であり、各要素はインデックスでアクセスすることができます。タプルは、異なる型のデータをまとめるために使用され、要素の順序が重要な場合に便利です。 タプルは、有限個の要素から成り立ちます。タプルには2つのタイプがあります: # 名前のないタプル: 要素に明示的な名前が付けられていないタプルです。プログラミング言語によっては、通常、カンマで区切られた値の並びで表現されます。 # 名前付きタプル: 各要素に名前が付けられたタプルです。各要素には識別子があり、特定の要素には名前を付けることができます。名前付きタプルは、プログラムの可読性を向上させるのに役立ちます。 タプルは、関数の複数の戻り値を表現したり、異なる型の要素をまとめたりするために使用されます。また、タプルの要素は不変であり、一度作成されたタプルの要素は変更することができません。 代数的データ型として表現する場合、タプルは単純な構造を持つため、特別な定義が必要ありません。代わりに、プログラミング言語の文法や構文に従ってタプルを記述します。 === 列挙型(Enumaration Type) === 列挙型(Enumaration Type)は、プログラム内で特定の値の集合を表現するための代数的データ型の一種です。列挙型は、特定のデータの選択肢が限られている場合に使用されます。例えば、曜日や月、カラーコードなどがその例です。 列挙型は、一連の関連する値を定義するのに便利です。それぞれの値は名前を持ち、その名前は列挙型内で一意であり、その値に対する特定の意味を持ちます。 操作インターフェースは、言語やコンテキストによって異なりますが、一般的な列挙型に対する操作インターフェースには次のようなものが含まれることがあります: ; 値の比較: * 2つの列挙型の値を比較する操作(Equal、LessThan、GreaterThanなど) ; 値の変換: * 列挙型の値を別の型に変換する操作(ToString、ToInt、ToEnumなど) ; 値の取得: * 特定の条件に基づいて列挙型の値を取得する操作(GetNextDay、GetPreviousDayなど) ; その他の操作: * 列挙型の値に関連する特定の処理を実行する操作(PrintDay、ProcessDayなど) 代数的データ型として表現する場合、列挙型は有限の値のリストとして定義されます。Haskellの場合、列挙型は <code>data</code> キーワードを使用して定義されます。例えば、曜日を表す列挙型を定義する場合は次のようになります: :<syntaxhighlight lang=haskell> data Day = Sunday | Monday | Tuesday | Wednesday | Thursday | Friday | Saturday </syntaxhighlight> この定義では、<code>Day</code>という列挙型が定義されており、それぞれの曜日が <code>Sunday</code>、<code>Monday</code>、<code>Tuesday</code>などの値として定義されています。 列挙型は、プログラム内で特定の種類の値を明示的に表現する必要がある場合に役立ちます。また、パターンマッチングや条件分岐などの制御構造で使用されることがあります。 === 構造体(Struct) === 代数的データ型の一つである構造体(Struct)は、複数の異なるデータ型の要素を組み合わせて一つのデータ型を定義するための方法です。構造体は、異なる種類のデータをまとめて管理したり、複数のフィールドを持つデータ構造を定義するために使用されます。 構造体は、フィールド(field)と呼ばれる個々の要素から構成されます。それぞれのフィールドには、そのデータ型に応じた名前が与えられます。構造体の各インスタンスは、そのフィールドに対応する値を保持します。 一般的なプログラミング言語では、構造体は以下のような形式で定義されます: :<syntaxhighlight lang=text> struct 構造体名 { フィールド1の型 フィールド1の名前; フィールド2の型 フィールド2の名前; // 他のフィールドも同様に定義 }; </syntaxhighlight> 構造体を例示する言語として、C言語の構造体定義があります: :<syntaxhighlight lang=c> struct Person { char name[50]; int age; float height; }; </syntaxhighlight> この例では、<code>Person</code>という名前の構造体が定義されています。この構造体は、名前、年齢、身長という3つのフィールドを持ちます。 構造体は、異なるデータ型の組み合わせを表現するための非常に強力な概念です。これにより、関連するデータをまとめて扱うことができ、プログラムの構造をより構造化し、保守性を向上させることができます。 == 代数的データ型の定義 == 代数的データ型は、型コンストラクタを使って定義します。型コンストラクタは、データ型の名前と、そのデータ型を持つ値のコンストラクタを定義します。 例えば、自然数を表す 代数的データ型は、以下のように定義できます。 ; Haskellによる自然数の定義 :<syntaxhighlight lang=haskell> data Nat = Zero | Succ Nat </syntaxhighlight> この定義では、<code>Nat</code> 型は <code>Zero</code> または <code>Succ</code> という 2 つのコンストラクタを持つデータ型であることがわかります。<code>Zero</code> は自然数の 0 を表し、<code>Succ</code> は自然数の後継を表します(中学数学と違い、ここでは 0 も自然数に含めます)。 == 代数的データ型の操作 == 代数的データ型に対する操作は、型コンストラクタを使って定義できます。例えば、自然数の加算操作は、以下のように定義できます。 ; Haskellによる自然数の加算操作 :<syntaxhighlight lang=haskell> add :: Nat -> Nat -> Nat add Zero n = n add (Succ m) n = Succ (add m n) </syntaxhighlight> この定義では、<code>add</code> 関数は 2 つの自然数を引数として受け取り、その和を返すことがわかります。 == 代数的データ型の利用 == 代数的データ型は、さまざまなプログラミング言語で利用できます。 * Haskell * Scala * Elm * Rust * F# これらの言語は、代数的データ型を強力にサポートしており、コードの表現力と効率性を向上させることができます。 == まとめ == 代数的データ型は、データの構造と意味を明確に定義し、型安全性とパターンマッチングによる効率的な処理を実現できるデータ型です。複雑なデータ構造を扱う場合や、コードの理解性と保守性を向上させたい場合に有効です。 == 演習問題 == # リストを表す 代数的データ型を定義し、そのリストの長さを計算する関数を実装してください。 # 木を表す 代数的データ型を定義し、その木の深さを計算する関数を実装してください。 == 代数的データ型の応用例 == 代数的データ型は、さまざまなデータ構造を定義するために使用できます。以下にいくつかの例を示します。 * '''リスト''': リストは、要素の順序付きコレクションです。代数的データ型を使用して、さまざまな種類のリストを定義できます。 ** 空のリスト ** 要素と残りのリストから構成されるリスト * '''木''': 木は、ノードと子ノードの階層的な構造です。代数的データ型を使用して、さまざまな種類の木を定義できます。 ** 空の木 ** ノードと子ノードのリストから構成される木 * '''グラフ''': グラフは、ノードとノード間の接続を表す構造です。代数的データ型を使用して、さまざまな種類のグラフを定義できます。 ** 空のグラフ ** ノードとノード間の接続のリストから構成されるグラフ == 代数的データ型の抽象化 == 代数的データ型は、データの具体的な表現を隠蔽し、抽象化を提供することができます。抽象化により、コードの再利用性と保守性を向上させることができます。 例えば、リストを表す 代数的データ型を定義する場合、具体的なデータ構造 (配列、連結リストなど) を隠蔽することができます。これにより、リスト操作のコードは、具体的なデータ構造に依存することなく記述できます。 == 代数的データ型のパターンマッチング == 代数的データ型は、パターンマッチングと組み合わせることで、効率的な処理を実現できます。パターンマッチングにより、データ型に基づいて、さまざまな処理を行うことができます。 例えば、リストの要素を反復処理する場合、パターンマッチングを使用して、各要素に対して適切な処理を行うことができます。 == 代数的データ型のまとめ == 代数的データ型は、データの構造と意味を明確に定義し、型安全性とパターンマッチングによる効率的な処理を実現できるデータ型です。複雑なデータ構造を扱う場合や、コードの理解性と保守性を向上させたい場合に有効です。 == 演習問題 == # 2 つのリストを結合する関数を実装してください。 # 木の葉の数を計算する関数を実装してください。 # グラフの最短経路を見つける関数を実装してください。 === 参考文献 === * Algebraic Data Types: https://en.wikipedia.org/wiki/Algebraic_data_type [[Category:プログラミング]] [[Category:代数的データ型]]
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セット
セット(Set; 集合)は、データ構造の一つで、重複を許さず、順序の概念がない要素の集まりを表します。集合は、数学の集合論に基づいて設計されたものであり、集合を操作するための様々な演算が定義されています。 集合には以下のような基本的な操作があります。 操作のインターフェース: Rubyには、既に Set クラスがありますが、ここでは Array を継承して実装しました。
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セットは、データ構造の一つで、重複を許さず、順序の概念がない要素の集まりを表します。集合は、数学の集合論に基づいて設計されたものであり、集合を操作するための様々な演算が定義されています。 集合には以下のような基本的な操作があります。 操作のインターフェース: Addition(要素の追加): 集合に新しい要素を追加します。 Removal(要素の削除): 集合から指定した要素を削除します。 Contains(要素が集合に属すか判定): 集合に指定した要素が含まれているかを判定します。x ∈ A Union(和集合): 2つの集合の要素を合わせて新しい集合を作ります。A ∪ B Intersection(積集合): 2つの集合に共通する要素を集めて新しい集合を作ります。A ∩ B Difference(差集合): 2つの集合のうち、1つ目の集合には含まれるが2つ目の集合には含まれない要素を集めて新しい集合を作ります。A \ B Subset(部分集合の判定): 1つの集合が別の集合の部分集合であるかどうかを判定します。A ⊆ B
セット(Set; 集合)は、データ構造の一つで、重複を許さず、順序の概念がない要素の集まりを表します。集合は、数学の集合論に基づいて設計されたものであり、集合を操作するための様々な演算が定義されています。 集合には以下のような基本的な操作があります。 操作のインターフェース: * '''Addition(要素の追加):''' 集合に新しい要素を追加します。 * '''Removal(要素の削除):''' 集合から指定した要素を削除します。 * '''Contains(要素が集合に属すか判定):''' 集合に指定した要素が含まれているかを判定します。x ∈ A * '''Union(和集合):''' 2つの集合の要素を合わせて新しい集合を作ります。A ∪ B * '''Intersection(積集合):''' 2つの集合に共通する要素を集めて新しい集合を作ります。A ∩ B * '''Difference(差集合):''' 2つの集合のうち、1つ目の集合には含まれるが2つ目の集合には含まれない要素を集めて新しい集合を作ります。A \ B * '''Subset(部分集合の判定):''' 1つの集合が別の集合の部分集合であるかどうかを判定します。A ⊆ B == 実装例 == === Ruby === Rubyには、既に Set クラスがありますが、ここでは Array を継承して実装しました。 ;[https://paiza.io/projects/9IYXy7bHWR7Iqf2m4YEvmg?language=ruby RubyでSetを実装] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class MySet < Array def initialize(*args, &block) @head = nil case [args, block] in [], nil then return in [Array => ary], nil then ary.each { add _1 } in [Array => ary], block then ary.each { add block[_1] } in [Integer => size], nil if size >= 0 then size.times { add _1 } in [Integer => size], block if size >= 0 then size.times { add block[_1] } else raise ArgumentError, "#{self.class}#initialize: #{args.inspect} #{block && 'block_given!'}" end end # 要素の追加 def add(element) self << element unless contains?(element) end # 要素の削除 alias remove delete # 要素の検索 alias contains? include? # 集合の和 def union(other) = self.class.new(self + other) # 集合の積 def intersection(other) = self.class.new(self & other) # 集合の差 def difference(other) = self.class.new(self - other) # 部分集合の判定 def subset?(other) = other.size === 0 || all? { |element| other.contains?(element) } end require 'minitest/autorun' describe MySet do let(:set0) { MySet.new } let(:set12) { MySet.new [1, 2] } let(:set23) { MySet.new [2, 3] } describe '#initialize' do it 'initializes with no arguments' do expect(MySet.new).must_equal set0 end it 'initializes with an array argument' do # expect(MySet.new([1, 2, 3])).must_equal MySet.new(1, 2, 3) end it 'initializes with an array argument and block' do expect(MySet.new([4, 14, 6])).must_equal MySet.new([2, 7, 3]) { |x| 2 * x } end it 'initializes with a size argument' do expect(MySet.new([0, 1, 2])).must_equal MySet.new(3) end it 'initializes with a size argument and block' do expect(MySet.new([1, 3, 5])).must_equal MySet.new(3) { |x| 2 * x + 1} end it 'raises ArgumentError with invalid arguments' do expect { MySet.new('invalid') }.must_raise ArgumentError expect { MySet.new(-1) }.must_raise ArgumentError expect { MySet.new(1, 2, 3) { |x| x } }.must_raise ArgumentError end end describe '#add' do it 'adds an element to the set' do set0.add(1) expect(set0).must_equal MySet.new([1]) end it 'does not add an element already in the set' do set0.add(1) set0.add(1) expect(set0).must_equal MySet.new([1]) end end describe '#remove' do it 'removes an element from the set' do set0.add(1) set0.remove(1) expect(set0).must_equal MySet.new end end describe '#contains?' do it 'returns true if the set contains the element' do set0.add(1) expect(set0.contains?(1)).must_equal true end it 'returns false if the set does not contain the element' do expect(set0.contains?(1)).must_equal false end end describe '#union' do it 'returns the union of two sets' do expect(set12.union(set23)).must_equal MySet.new([1, 2, 3]) end end describe '#intersection' do it 'returns the intersection of two sets' do expect(set12.intersection(set23)).must_equal MySet.new([2]) end end describe '#difference' do it 'returns the difference of two sets' do expect(set12.difference(set23)).must_equal MySet.new([1]) end end describe '#subset?' do it 'returns true if the set is a subset of another set' do set12 = MySet.new([1, 2]) set123 = MySet.new([1, 2, 3]) expect(set12.subset?(set123)).must_equal true expect(set123.subset?(set12)).must_equal false end it 'returns false if the set is not a subset of another set' do expect(set12.subset?(set23)).must_equal false expect(set23.subset?(set12)).must_equal false end it 'returns true if the set is a subset of empty set' do expect(set12.subset?(set0)).must_equal true end it 'returns true if the set is a subset of set self' do expect(set12.subset?(set12)).must_equal true end end end </syntaxhighlight> [[Category:プログラミング]] [[Category:セット]]
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旧課程(-2012年度)高等学校数学C
以下の単元からなっていた。 平成24年(2012年)から令和3年(2021年)までの間に高等学校に入学した人は「数学C」が科目として設定されていない。 上の各単元については以下のように振り分けられた。 令和4年(2022年)以降に高等学校に入学する人は、以下の単元からなる「数学C」を履修する。 なお、「数学的な表現の工夫」内「行列による表現」において、旧々課程数学C「行列とその応用」内「行列の応用」の内容を発展事項として扱う場合がある。
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以下の単元からなっていた。 行列とその応用 行列とその演算:和、差、実数倍、積、逆行列 行列の応用:連立1次方程式、一次変換 平面上の曲線 二次曲線:放物線、楕円、双曲線 媒介変数表示と極座標:曲線の媒介変数表示、極座標と極方程式、いろいろな曲線 確率分布 確率の計算:条件付き確率、確率の乗法定理、事象の独立・従属 確率分布:確率変数と確率分布、確率変数の平均・分散・標準偏差、二項分布 統計処理 正規分布:正規分布、標準正規分布、正規近似 標本調査と区間推定:標本調査、母集団分布、標本平均の分布、区間推定 平成24年(2012年)から令和3年(2021年)までの間に高等学校に入学した人は「数学C」が科目として設定されていない。 上の各単元については以下のように振り分けられた。 「行列とその応用」内「行列とその演算」は数学活用へ、「行列の応用」は大学の線形代数へ移行。 「平面上の曲線」は数学III「平面上の曲線と複素数平面」へ移行。 「確率分布」内「確率の計算」は数学A「場合の数と確率」へ、「確率分布」は数学B「確率分布と統計的な推測」へ移行。 「統計処理」は数学B「確率分布と統計的な推測」へ移行。 令和4年(2022年)以降に高等学校に入学する人は、以下の単元からなる「数学C」を履修する。 ベクトル 平面ベクトル:ベクトルとその演算、内積 空間ベクトル:空間座標、空間におけるベクトル、空間図形 平面上の曲線と複素数平面 平面上の曲線:二次曲線、媒介変数表示、極座標系 複素数平面:複素数平面、ド・モアブルの定理、複素数と図形 数学的な表現の工夫 データの表現方法の工夫:パレート図、バブルチャート 行列による表現:行列を用いた表現方法、行列の和、差、実数倍、積、逆行列 離散グラフによる表現:一筆書き、オイラー路、隣接行列、経路の数え上げ なお、「数学的な表現の工夫」内「行列による表現」において、旧々課程数学C「行列とその応用」内「行列の応用」の内容を発展事項として扱う場合がある。
{{pathnav|高等学校の学習|高等学校数学|frame=1}} 以下の単元からなっていた。 * [[旧課程(-2012年度)高等学校数学C/行列|行列とその応用]] ** 行列とその演算:和、差、実数倍、積、逆行列 ** 行列の応用:連立1次方程式、一次変換 * 平面上の曲線 ** 二次曲線:放物線、楕円、双曲線 ** 媒介変数表示と極座標:曲線の媒介変数表示、極座標と極方程式、いろいろな曲線 * 確率分布 ** 確率の計算:条件付き確率、確率の乗法定理、事象の独立・従属 ** 確率分布:確率変数と確率分布、確率変数の平均・分散・標準偏差、二項分布 * 統計処理 ** 正規分布:正規分布、標準正規分布、正規近似 ** 標本調査と区間推定:標本調査、母集団分布、標本平均の分布、区間推定 平成24年(2012年)から令和3年(2021年)までの間に高等学校に入学した人は「数学C」が科目として設定されていない。 上の各単元については以下のように振り分けられた。 * 「行列とその応用」内「行列とその演算」は[[現行課程高等学校数学活用|数学活用]]へ、「行列の応用」は大学の[[線形代数学|線形代数]]へ移行。 * 「平面上の曲線」は数学III「平面上の曲線と複素数平面」へ移行。 * 「確率分布」内「確率の計算」は数学A「[[高等学校数学A/場合の数と確率|場合の数と確率]]」へ、「確率分布」は数学B「[[高等学校数学B/確率分布と統計的な推測|確率分布と統計的な推測]]」へ移行。 * 「統計処理」は数学B「確率分布と統計的な推測」へ移行。 令和4年(2022年)以降に高等学校に入学する人は、以下の単元からなる「数学C」を履修する。 *[[高等学校数学C/ベクトル|ベクトル]] ** 平面ベクトル:ベクトルとその演算、内積 ** 空間ベクトル:空間座標、空間におけるベクトル、空間図形 * [[高等学校数学C/平面上の曲線|平面上の曲線]]と[[高等学校数学C/複素数平面|複素数平面]] **平面上の曲線:二次曲線、媒介変数表示、極座標系 **複素数平面:複素数平面、ド・モアブルの定理、複素数と図形 * [[高等学校数学C/数学的な表現の工夫|数学的な表現の工夫]] ** データの表現方法の工夫:パレート図、バブルチャート ** 行列による表現:行列を用いた表現方法、行列の和、差、実数倍、積、逆行列 ** 離散グラフによる表現:一筆書き、オイラー路、隣接行列、経路の数え上げ なお、「数学的な表現の工夫」内「行列による表現」において、旧々課程数学C「行列とその応用」内「行列の応用」の内容を発展事項として扱う場合がある。 {{DEFAULTSORT:旧1 こうとうかつこうすうかくC}} [[Category:数学]] [[Category:数学教育]] [[Category:学校教育]] [[Category:普通教育]] [[Category:後期中等教育]] [[Category:高等学校教育]] [[Category:高等学校数学C|*]]
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%97%A7%E8%AA%B2%E7%A8%8B(-2012%E5%B9%B4%E5%BA%A6)%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%95%B0%E5%AD%A6C
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Ruby/Minitest
Minitestは、Ruby向けの軽量なテストフレームワークです。Rubyの標準ライブラリに含まれており、Rubyのバージョン1.9以降で利用可能です。Minitestは、テスト駆動開発(TDD)や振る舞い駆動開発(BDD)などのソフトウェア開発手法を支援するために使用されます。 Minitestは、シンプルで直感的な構文を提供し、Rubyの組み込み機能との親和性が高いため、学習コストが比較的低いです。また、高速で効率的なテストランナーを備えており、テストスイート全体の実行速度が速いという利点もあります。 Minitestは、次のような主な機能を提供しています: Minitestを使用することで、Rubyプログラムの品質や安定性を向上させるための効果的なテストを作成することができます。 以下は、Minitestで利用可能なアサーションメソッドとヘルパーメソッドです。 これらのアサーションメソッドとヘルパーメソッドを使って、テストコードを記述してコードの動作を確認できます。 assert(test, msg = nil)とrefute(test, msg = nil)の関係のように、assert_*とrefute_*では確認する論理が逆になります。 MinitestにはTestUnitスタイルのテストとRSpecのようなSpecスタイルのテストの両方を記述できます。これらのスタイルにはいくつかの違いがあります。 両方のスタイルは使いやすく、プロジェクトやチームの好みに応じて選択できます。一般的には、テストの構造をより詳細に表現する必要がある場合はSpecスタイルが好まれ、シンプルな場合はTestUnitスタイルが選択されることがあります。 最初に、最大公約数を再帰的に計算するためのメソッドを定義しています。 ユークリッドの互除法を使いました。 再帰的な呼び出しを行い、nが0になるまでmとnの最大公約数を求めます。 Rubyの新しい構文である "def method = expression" を使用して、1行でメソッドを定義しています。 次に、Minitestのテストケースが定義されています。 TestGCD クラスは Minitest::Test を継承しており、各テストメソッドで最大公約数メソッドを呼び出して、その結果が期待通りであることを検証します。 各テストメソッド内では assert_equal を使用して、期待される値と実際の値を比較しています。たとえば、assert_equal 1, gcd(3, 7) は、3と7の最大公約数が1であることを検証しています。 このようにして、再帰を利用して最大公約数を計算し、Minitestを使用してテストすることができます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Minitestは、Ruby向けの軽量なテストフレームワークです。Rubyの標準ライブラリに含まれており、Rubyのバージョン1.9以降で利用可能です。Minitestは、テスト駆動開発(TDD)や振る舞い駆動開発(BDD)などのソフトウェア開発手法を支援するために使用されます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Minitestは、シンプルで直感的な構文を提供し、Rubyの組み込み機能との親和性が高いため、学習コストが比較的低いです。また、高速で効率的なテストランナーを備えており、テストスイート全体の実行速度が速いという利点もあります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Minitestは、次のような主な機能を提供しています:", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Minitestを使用することで、Rubyプログラムの品質や安定性を向上させるための効果的なテストを作成することができます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "以下は、Minitestで利用可能なアサーションメソッドとヘルパーメソッドです。", "title": "アサーションメソッド" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "これらのアサーションメソッドとヘルパーメソッドを使って、テストコードを記述してコードの動作を確認できます。", "title": "アサーションメソッド" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "assert(test, msg = nil)とrefute(test, msg = nil)の関係のように、assert_*とrefute_*では確認する論理が逆になります。", "title": "アサーションメソッド" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "MinitestにはTestUnitスタイルのテストとRSpecのようなSpecスタイルのテストの両方を記述できます。これらのスタイルにはいくつかの違いがあります。", "title": "2種類のテストケース" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "両方のスタイルは使いやすく、プロジェクトやチームの好みに応じて選択できます。一般的には、テストの構造をより詳細に表現する必要がある場合はSpecスタイルが好まれ、シンプルな場合はTestUnitスタイルが選択されることがあります。", "title": "2種類のテストケース" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "最初に、最大公約数を再帰的に計算するためのメソッドを定義しています。 ユークリッドの互除法を使いました。 再帰的な呼び出しを行い、nが0になるまでmとnの最大公約数を求めます。 Rubyの新しい構文である \"def method = expression\" を使用して、1行でメソッドを定義しています。", "title": "TestUnit" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "次に、Minitestのテストケースが定義されています。 TestGCD クラスは Minitest::Test を継承しており、各テストメソッドで最大公約数メソッドを呼び出して、その結果が期待通りであることを検証します。", "title": "TestUnit" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "各テストメソッド内では assert_equal を使用して、期待される値と実際の値を比較しています。たとえば、assert_equal 1, gcd(3, 7) は、3と7の最大公約数が1であることを検証しています。", "title": "TestUnit" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "このようにして、再帰を利用して最大公約数を計算し、Minitestを使用してテストすることができます。", "title": "TestUnit" } ]
Minitestは、Ruby向けの軽量なテストフレームワークです。Rubyの標準ライブラリに含まれており、Rubyのバージョン1.9以降で利用可能です。Minitestは、テスト駆動開発(TDD)や振る舞い駆動開発(BDD)などのソフトウェア開発手法を支援するために使用されます。 Minitestは、シンプルで直感的な構文を提供し、Rubyの組み込み機能との親和性が高いため、学習コストが比較的低いです。また、高速で効率的なテストランナーを備えており、テストスイート全体の実行速度が速いという利点もあります。 Minitestは、次のような主な機能を提供しています: テストケースの定義: テストケースは、テスト対象のコードの特定の振る舞いや機能をテストするための単位です。 アサーション: アサーションを使用して、期待される結果を確認します。たとえば、特定の条件が真であることを確認する assert メソッドがあります。 テストランナー: テストランナーは、定義されたテストケースやテストメソッドを実行し、結果を収集して報告します。 テストフィクスチャ: テストフィクスチャを使用して、テストケースの前後に特定の状態を設定したり解放したりします。これにより、テストの再現性と信頼性が向上します。 Minitestを使用することで、Rubyプログラムの品質や安定性を向上させるための効果的なテストを作成することができます。 インストール: MinitestはRubyの bundled gem であり、Rubyをインストールすると含まれています。 テストファイルの作成: テストを実行するためのファイルを作成します。通常、テストファイルの名前は *_test.rb とします。例えば、calculator_test.rb のような名前が一般的です。 テストケースの作成: テストファイル内で、テストケースを作成します。これは、Minitest::Test クラスを継承するクラスです。テストケース内には、テストメソッドが含まれます。 アサーションの使用: テストケース内で、テストの期待結果をアサーションを使用して記述します。アサーションは、実際の結果が期待される結果と一致していることを確認します。 calculator_test.rb この場合、2 + 3 の結果が 5 と等しいことを確認しています。 テストの実行: テストファイルを実行して、テストを実行します。通常、以下のコマンドを使用します。 または、rake や rake test を使用してテストを実行することもできます。 テスト結果の確認: テストの実行が完了すると、テスト結果が表示されます。各テストケースが成功したか、失敗したか、またはエラーが発生したかなどの情報が表示されます。
Minitestは、Ruby向けの軽量なテストフレームワークです。Rubyの標準ライブラリに含まれており、Rubyのバージョン1.9以降で利用可能です。Minitestは、テスト駆動開発(TDD)や振る舞い駆動開発(BDD)などのソフトウェア開発手法を支援するために使用されます。 Minitestは、シンプルで直感的な構文を提供し、Rubyの組み込み機能との親和性が高いため、学習コストが比較的低いです。また、高速で効率的なテストランナーを備えており、テストスイート全体の実行速度が速いという利点もあります。 Minitestは、次のような主な機能を提供しています: # テストケースの定義: テストケースは、テスト対象のコードの特定の振る舞いや機能をテストするための単位です。 # アサーション: アサーションを使用して、期待される結果を確認します。たとえば、特定の条件が真であることを確認する <code>assert</code> メソッドがあります。 # テストランナー: テストランナーは、定義されたテストケースやテストメソッドを実行し、結果を収集して報告します。 # テストフィクスチャ: テストフィクスチャを使用して、テストケースの前後に特定の状態を設定したり解放したりします。これにより、テストの再現性と信頼性が向上します。 Minitestを使用することで、Rubyプログラムの品質や安定性を向上させるための効果的なテストを作成することができます。 ---- # インストール: MinitestはRubyの bundled gem であり、Rubyをインストールすると含まれています。 # テストファイルの作成: テストを実行するためのファイルを作成します。通常、テストファイルの名前は <code>*_test.rb</code> とします。例えば、<code>calculator_test.rb</code> のような名前が一般的です。 # テストケースの作成: テストファイル内で、テストケースを作成します。これは、<code>Minitest::Test</code> クラスを継承するクラスです。テストケース内には、テストメソッドが含まれます。 # アサーションの使用: テストケース内で、テストの期待結果をアサーションを使用して記述します。アサーションは、実際の結果が期待される結果と一致していることを確認します。 #;calculator_test.rb:<syntaxhighlight lang=ruby> def test_addition assert_equal 5, 2 + 3 end </syntaxhighlight> #:この場合、<code>2 + 3</code> の結果が <code>5</code> と等しいことを確認しています。 # テストの実行: テストファイルを実行して、テストを実行します。通常、以下のコマンドを使用します。 #:<syntaxhighlight lang=console> ruby calculator_test.rb </syntaxhighlight> #:または、<code>rake</code> や <code>rake test</code> を使用してテストを実行することもできます。 #:<syntaxhighlight lang=console> rake test </syntaxhighlight> # テスト結果の確認: テストの実行が完了すると、テスト結果が表示されます。各テストケースが成功したか、失敗したか、またはエラーが発生したかなどの情報が表示されます。 == アサーションメソッド == 以下は、Minitestで利用可能なアサーションメソッドとヘルパーメソッドです。 :{| class="sortable wikitable" |+ アサーションメソッド !style="width:20em"|メソッド !説明 |- |<code>assert(test, msg = nil)</code> |<code>test</code> が真であることを確認します。もし <code>test</code> が偽であれば、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute(test, msg = nil)</code> |<code>test</code> が偽であることを確認します。もし <code>test</code> が真であれば、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_block(msg = nil)</code> |ブロックが真であることを確認します。もしブロックが偽であれば、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_empty(obj, msg = nil)</code> |<code>obj</code> が空であることを確認します。もし空でない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_equal(exp, act, msg = nil)</code> |<code>exp</code> と <code>act</code> が等しいことを確認します。もし等しくない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_equal(exp, act, msg = nil)</code> |<code>exp</code> と <code>act</code> が等しくないことを確認します。もし等しい場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_includes(collection, obj, msg = nil)</code> |<code>collection</code> が <code>obj</code> を含むことを確認します。もし含まれていない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_includes(collection, obj, msg = nil)</code> |<code>collection</code> が <code>obj</code> を含まないことを確認します。もし含んでいる場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_in_delta(exp, act, delta = 0.001, msg = nil)</code> |<code>exp</code> と <code>act</code> が <code>delta</code> の範囲内で等しいことを確認します。もし等しくない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_in_delta(exp, act, delta = 0.001, msg = nil)</code> |<code>exp</code> と <code>act</code> が <code>delta</code> の範囲内で等しくないことを確認します。もし等しい場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_in_epsilon(a, b, epsilon = 0.001, msg = nil)</code> |<code>a</code> と <code>b</code> が <code>epsilon</code> の範囲内で近いことを確認します。もし近くない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_in_epsilon(a, b, epsilon = 0.001, msg = nil)</code> |<code>a</code> と <code>b</code> が <code>epsilon</code> の範囲内で近くないことを確認します。もし近い場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_instance_of(cls, obj, msg = nil)</code> |<code>obj</code> が <code>cls</code> のインスタンスであることを確認します。もし <code>obj</code> が <code>cls</code> のインスタンスでない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_instance_of(cls, obj, msg = nil)</code> |<code>obj</code> が <code>cls</code> のインスタンスでないことを確認します。もし <code>obj</code> が <code>cls</code> のインスタンスである場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>_assertions</code> |現在のアサーションの数を返します。 |- |<code>_assertions=</code> |現在のアサーションの数を設定します。 |- |<code>assert_kind_of(cls, obj, msg = nil)</code> |<code>obj</code> が <code>cls</code> のインスタンスであることを確認します。もし <code>obj</code> が <code>cls</code> のインスタンスでない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_kind_of(cls, obj, msg = nil)</code> |<code>obj</code> が <code>cls</code> のインスタンスでないことを確認します。もし <code>obj</code> が <code>cls</code> のインスタンスである場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_match(exp, act, msg = nil)</code> |正規表現 <code>exp</code> が文字列 <code>act</code> にマッチすることを確認します。もしマッチしない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_match(exp, act, msg = nil)</code> |正規表現 <code>exp</code> が文字列 <code>act</code> にマッチしないことを確認します。もしマッチする場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_nil(obj, msg = nil)</code> |<code>obj</code> が <code>nil</code> であることを確認します。もし <code>obj</code> が <code>nil</code> でない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_nil(obj, msg = nil)</code> |<code>obj</code> が <code>nil</code> でないことを確認します。もし <code>obj</code> が <code>nil</code> である場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_operator(obj1, op, obj2, msg = nil)</code> |<code>obj1</code> と <code>obj2</code> が演算子 <code>op</code> の関係にあることを確認します。もし関係が成立しない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_operator(obj1, op, obj2, msg = nil)</code> |<code>obj1</code> と <code>obj2</code> が演算子 <code>op</code> の関係にないことを確認します。もし関係が成立する場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_output(stdout = nil, stderr = nil) { ... }</code> |ブロックが実行された際に、標準出力および標準エラー出力が指定された値に等しいかを確認します。 |- |<code>assert_predicate(obj, meth, msg = nil)</code> |<code>obj</code> が述語メソッド <code>meth</code> を満たすことを確認します。もし満たさない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_predicate(obj, meth, msg = nil)</code> |<code>obj</code> が述語メソッド <code>meth</code> を満たさないことを確認します。もし満たす場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_respond_to(obj, meth, msg = nil)</code> |<code>obj</code> がメソッド <code>meth</code> に応答することを確認します。もし応答しない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_respond_to(obj, meth, msg = nil)</code> |<code>obj</code> がメソッド <code>meth</code> に応答しないことを確認します。もし応答する場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_same(exp, act, msg = nil)</code> |<code>exp</code> と <code>act</code> が同じオブジェクトであることを確認します。もし同じオブジェクトでない場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>refute_same(exp, act, msg = nil)</code> |<code>exp</code> と <code>act</code> が同じオブジェクトでないことを確認します。もし同じオブジェクトである場合は、オプションのメッセージ <code>msg</code> と共にテストは失敗します。 |- |<code>assert_send(obj, msg = nil)</code> |指定されたメッセージをオブジェクト <code>obj</code> に送信できることを確認します。 |- |<code>assert_silent(msg = nil)</code> |ブロック内で出力が行われないことを確認します。 |- |<code>assert_throws(sym, msg = nil)</code> |ブロック内で指定されたシンボル <code>sym</code> が投げられることを確認します。 |- |<code>capture_io</code> |標準出力と標準エラー出力をキャプチャするための補助関数を返します。 |- |<code>capture_subprocess_io</code> |標準出力と標準エラー出力をサブプロセスからキャプチャするための補助関数を返します。 |- |<code>diff(exp, act)</code> |<code>exp</code> と <code>act</code> の差分を表示します。 |- |<code>exception_details(exception)</code> |例外の詳細を表示します。 |- |<code>flunk(msg = nil)</code> |テストを失敗させます。 |- |<code>message(msg = nil)</code> |テスト失敗時のメッセージを設定します。 |- |<code>mu_pp(obj)</code> |<code>obj</code> のマルチライン文字列を返します。 |- |<code>mu_pp_for_diff(obj)</code> |<code>obj</code> のマルチライン文字列を返します。マルチライン文字列中の各行はプリフィックス ` |- |<code>pass(msg = nil)</code> |テストを成功させます。 |- |<code>skip(msg = nil)</code> |テストをスキップします。 |- |<code>assert_raises(*exp, msg = nil)</code> |ブロック内で例外が発生することを確認します。もし例外が発生しない場合はテストが失敗します。 |- |<code>assert_throws(sym, msg = nil)</code> |ブロック内で指定されたシンボル <code>sym</code> が投げられることを確認します。 |} これらのアサーションメソッドとヘルパーメソッドを使って、テストコードを記述してコードの動作を確認できます。 <code>assert(test, msg = nil)</code>と<code>refute(test, msg = nil)</code>の関係のように、<code>assert_*</code>と<code>refute_*</code>では確認する論理が逆になります。 == 2種類のテストケース == Minitestには<code>TestUnit</code>スタイルのテストとRSpecのような<code>Spec</code>スタイルのテストの両方を記述できます。これらのスタイルにはいくつかの違いがあります。 === TestUnitスタイル === # 構文: TestUnitスタイルでは、テストクラスを作成し、その中にテストメソッドを定義します。テストメソッドの名前は通常、<code>test_</code>で始まります。 #:<syntaxhighlight lang=ruby> require 'minitest' class IntegerArithmeticTest < Minitest::Test def test_add assert_equal 2, 1 + 1 end def test_sub assert_equal 0, 1 - 1 end def test_mul assert_equal 6, 2 * 3 end def test_mul assert_equal 6, 2 * 3 end def test_div assert_equal 1, 3 / 2 end def test_zerodiv assert_raises(ZeroDivisionError) { 3 / 0 } end def test_zerozerodiv assert_raises(ZeroDivisionError) { 0 / 0 } end end Minitest.run </syntaxhighlight> # 概念の直接性: TestUnitスタイルは比較的直接的でシンプルです。テストクラスとテストメソッドを作成し、アサーションメソッドを使用して期待値と実際の値を比較します。 # テストの構造: テストはクラスとメソッドの階層構造を持ちます。これは、テストの整理や分類に便利です。 === Specスタイル === # 構文: Specスタイルでは、<code>describe</code>と<code>it</code>を使用してテストのグループ化と記述を行います。<code>describe</code>はテストのグループを作成し、<code>it</code>は特定のテストケースを定義します。 #:<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true require 'minitest/spec' describe '整数演算' do it '加算' do expect(1 + 1).must_equal 2 end it '減算' do expect(1 - 1).must_equal 0 end it '乗算' do expect(2 * 3).must_equal 6 end describe '除法' do it '除算' do expect(3 / 2).must_equal 1 end it 'ゼロ除算' do expect { 3 / 0 }.must_raise ZeroDivisionError end it 'ゼロゼロ除算' do expect { 0 / 0 }.must_raise ZeroDivisionError end end end Minitest.run </syntaxhighlight> # ドメイン特化言語(DSL): SpecスタイルはDSLの特徴を持ち、テストが自然言語に近い形で書かれることがあります。<code>must</code>, <code>wont</code>, <code>should</code>, <code>expect</code>などのメソッドがアサーションを表します。 # 期待される動作の表現: Specスタイルでは、テストが期待される動作をより詳細に表現することが一般的です。これにより、テストコードがより読みやすく、テストの目的が明確になります。 両方のスタイルは使いやすく、プロジェクトやチームの好みに応じて選択できます。一般的には、テストの構造をより詳細に表現する必要がある場合はSpecスタイルが好まれ、シンプルな場合はTestUnitスタイルが選択されることがあります。 == TestUnit == Minitest/Testは、Minitest gemの中核をなすテストライブラリで、xUnit (JUnit、RUnit) スタイルのテストを書くためのツールです。 === 基本的な構文 === Minitest/Testでは、<code>Minitest::Test</code>を継承したテストクラスを作成し、そのクラス内にテストメソッドを定義します。テストメソッド名は、<code>test_</code>で始める必要があります。 :<syntaxhighlight lang=ruby> require 'minitest/autorun' class ArrayTest < Minitest::Test def test_reverse array = [1, 2, 3] reversed = array.reverse assert_equal [3, 2, 1], reversed end end </syntaxhighlight> この例では、<code>ArrayTest</code>クラスを定義し、そこに<code>test_reverse</code>というテストメソッドを書いています。<code>assert_equal</code>メソッドを使って、実際の結果と期待される結果を比較しています。 === アサーション === Minitest/Testには、さまざまなアサーションメソッドが用意されています。一般的に使われるものは以下のとおりです。 * <code>assert(test)</code> : 条件<code>test</code>がtrueであることをアサート * <code>refute(test)</code> : 条件<code>test</code>がfalseであることをアサート * <code>assert_equal(exp, act)</code> : <code>exp</code>と<code>act</code>が等しいことをアサート * <code>refute_equal(exp, act)</code> : <code>exp</code>と<code>act</code>が等しくないことをアサート * <code>assert_nil(obj)</code> : <code>obj</code>がnilであることをアサート * <code>refute_nil(obj)</code> : <code>obj</code>がnilでないことをアサート * <code>assert_raises(Exception) { ... }</code> : ブロックが<code>Exception</code>を発生させることをアサート * <code>assert_output(exp) { ... }</code> : ブロックの出力が<code>exp</code>に一致することをアサート その他にも多くのアサーションメソッドが用意されており、オブジェクトの種類やパターンマッチなど、さまざまなケースをカバーできます。 === セットアップとティアダウン === テストの前後で実行したい処理がある場合は、<code>setup</code>メソッドと<code>teardown</code>メソッドをオーバーライドして記述します。 :<syntaxhighlight lang=ruby> require 'minitest/autorun' class DatabaseTest < Minitest::Test def setup @db = Database.new end def teardown @db.close end def test_query result = @db.query('SELECT * FROM users') assert_equal 3, result.count end end </syntaxhighlight> この例では、各テストケースの前に<code>Database</code>オブジェクトをインスタンス化し、テストケースの後にデータベース接続を閉じています。<code>setup</code>と<code>teardown</code>を適切に使うことで、テストの再現性と信頼性が高まります。 === テストの実行 === Minitestにはテストランナーが組み込まれているので、テストスクリプトを単に実行するだけでテストを実行できます。 :<syntaxhighlight lang=ruby> # my_test.rb require 'minitest/autorun' class MyTest < Minitest::Test # ... end </syntaxhighlight> ;テストの実行:<syntaxhighlight lang=console> $ ruby my_test.rb </syntaxhighlight> また、rake(Rakefile経由)、<code>ruby -Ilib:test</code>(ロードパスを追加)などの方法でもテストを実行できます。 === まとめ === Minitest/Testは、Minitest gemに付属する本来のテストライブラリです。xUnitスタイルの記述でテストを書くことができ、アサーションメソッドやセットアップ/ティアダウンメソッドなどを活用してテストを作成します。小規模から大規模まで幅広いプロジェクトで使われており、信頼性の高いテストを書くことができます。Railsなどのフレームワークのテストでも利用されています。 === GCD === ;[https://paiza.io/projects/W8NYKFxvzL4qA_APEtTJ2w?language=ruby gcd.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby> # 最大公約数を計算するメソッド def gcd(m, n) = n.zero? ? m : gcd(n, m % n) require 'minitest/autorun' class TestGCD < Minitest::Test def test_gcd_with_coprime_numbers assert_equal 1, gcd(3, 7) assert_equal 1, gcd(10, 21) assert_equal 1, gcd(8, 13) end def test_gcd_with_non_coprime_numbers assert_equal 2, gcd(4, 6) assert_equal 3, gcd(15, 9) assert_equal 6, gcd(24, 18) end def test_gcd_with_same_numbers assert_equal 5, gcd(5, 5) assert_equal 10, gcd(10, 10) assert_equal 17, gcd(17, 17) end def test_gcd_with_one_zero assert_equal 5, gcd(5, 0) assert_equal 10, gcd(0, 10) assert_equal 17, gcd(17, 0) assert_equal 1, gcd(0, 1) end def test_gcd_with_both_zero assert_equal 0, gcd(0, 0) end def test_gcd_with_large_number assert_equal 3, gcd(2**99+1, 2**199+1) end end </syntaxhighlight> 最初に、最大公約数を再帰的に計算するためのメソッドを定義しています。 ユークリッドの互除法を使いました。 再帰的な呼び出しを行い、nが0になるまでmとnの最大公約数を求めます。 Rubyの新しい構文である "def method = expression" を使用して、1行でメソッドを定義しています。 次に、Minitestのテストケースが定義されています。 <code>TestGCD</code> クラスは <code>Minitest::Test</code> を継承しており、各テストメソッドで最大公約数メソッドを呼び出して、その結果が期待通りであることを検証します。 各テストメソッド内では <code>assert_equal</code> を使用して、期待される値と実際の値を比較しています。たとえば、<code>assert_equal 1, gcd(3, 7)</code> は、3と7の最大公約数が1であることを検証しています。 このようにして、再帰を利用して最大公約数を計算し、Minitestを使用してテストすることができます。 === テストケースの継承 === ; 二分木クラスを定義 ;[https://paiza.io/projects/bYy5k6Bqq7-Y2Ykih4hPzA?language=ruby binarytree.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # 二分木クラス class BinaryTree include Enumerable # Enumerableモジュールを含める # 二分木のノード TreeNode = Struct.new(:value, :left, :right) def self.new_node(*args) = TreeNode.new(*args) # 新しいツリーを作成 def initialize(*_args) @root = nil end attr_accessor :root def height(node = @root) = node.nil? ? 0 : 1 + [height(node.left), height(node.right)].max def search(key, _node = @root) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" unless key.respond_to?(:<) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" if key.is_a?(Numeric) && !key.finite? any? { |i| i == key } end # 中間順序(inorder)で木を走査し、各ノードの値をブロックに渡します。 def each(node = @root, &block) return to_enum(__method__, node) unless block def core(node, &block) return if node.nil? core(node.left, &block) yield node.value core(node.right, &block) end core(node, &block) self end # ツリーの文字列表現を返します。 # # Returns ツリーを表す文字列。 def to_s = "(#{to_a.join ' '})" # ツリーのデバッグ用表現を返します。 # # Returns デバッグ用表現を表す文字列。 def inspect ="#{self.class}(#{to_a.join ', '})" end require 'minitest' class BinaryTreeTest < Minitest::Test def initialize(*args) super(*args) @target_class = BinaryTree end def setup @tree = @target_class.new end def test_initialization assert_nil @tree.root end def test_to_s assert_equal '()', @tree.to_s end def test_inspect assert_equal "#{@target_class}()", @tree.inspect end def test_set_value @tree.root = @tree.class.new_node(:+) assert_equal "#{@target_class}(+)", @tree.inspect end def test_height_with_empty_tree assert_equal 0, @tree.height end def test_height_with_single_node @tree.root = BinaryTree.new_node(5) assert_equal 1, @tree.height end # 空の木のテスト def test_empty_tree assert_equal '()', @tree.to_s assert_equal "#{@target_class}()", @tree.inspect end # 1つのノードしか持たない木のテスト def test_single_node_tree @tree.root = @tree.class.new_node(:+) assert_equal '(+)', @tree.to_s assert_equal "#{@target_class}(+)", @tree.inspect end def test_add_left @tree.root = @tree.class.new_node(:+) @tree.root.left = @tree.class.new_node(10) assert_equal "#{@target_class}(10, +)", @tree.inspect end def test_height assert_equal 0, @tree.height @tree.root = @tree.class.new_node(:+) assert_equal 1, @tree.height @tree.root.left = @tree.class.new_node(10) assert_equal 2, @tree.height @tree.root.right = @tree.class.new_node(:*) assert_equal 2, @tree.height @tree.root.right.left = @tree.class.new_node(20) assert_equal 3, @tree.height @tree.root.right.right = @tree.class.new_node(30) assert_equal 3, @tree.height assert_equal '(10 + 20 * 30)', @tree.to_s assert_equal "#{@target_class}(10, +, 20, *, 30)", @tree.inspect end def test_each @tree.root = @tree.class.new_node(:+) @tree.root.left = @tree.class.new_node(10) @tree.root.right = @tree.class.new_node(:*) @tree.root.right.left = @tree.class.new_node(20) @tree.root.right.right = @tree.class.new_node(30) expected = '10 + 20 * 30 ' assert_equal(expected, capture_stdout { @tree.each { |value| print "#{value} " } }) assert_equal(expected, capture_stdout do enum = @tree.each enum.each do |value| print "#{value} " end end) end def test_search_with_existing_value @tree.root = @target_class.new_node(5) assert @tree.search(5) end def test_search_with_non_existing_value @tree.root = @target_class.new_node(5) refute @tree.search(10) end def test_search_with_invalid_value @tree.root = @target_class.new_node(5) assert_raises(TypeError) { @tree.search(0.0 / 0.0) } end if $PROGRAM_NAME == __FILE__ def make_tree @tree.root = @tree.class.new_node(:+) @tree.root.left = @tree.class.new_node(10) @tree.root.right = @tree.class.new_node(:*) @tree.root.right.left = @tree.class.new_node(20) @tree.root.right.right = @tree.class.new_node(30) end def test_search_no_exist make_tree refute @tree.search(0) refute @tree.search(1) refute @tree.search(100) refute @tree.search(123.456) assert_raises(TypeError) { @tree.search([1, 2, 3]) } refute @tree.search({ a: 1 }) end def test_search_right make_tree assert @tree.search(:*) end def test_search make_tree assert @tree.search(:+) assert @tree.search(10) assert @tree.search(20) assert @tree.search(30) assert @tree.search(30.0) end end private # 標準出力をキャプチャして文字列として返す def capture_stdout original_stdout = $stdout $stdout = StringIO.new yield $stdout.string ensure $stdout = original_stdout end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> ; 二分木クラスを継承し二分探索木クラスを定義 ;[https://paiza.io/projects/IdDgQWoLeI89wOEMTCywEA?language=ruby binarytree.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true require_relative 'binarytree' # 二分探索木クラス class BinarySearchTree < BinaryTree # 新しい二分探索木を作成します。 # # @param args [Array<Object>] 挿入する要素の配列 # @yield [element] ブロックが与えられた場合、各要素に対してブロックを実行し、その結果を挿入します。 # @yieldparam element [Object] 要素 def initialize(*args) @root = nil case args in [Array(*ary)] if block_given? ary.each { insert yield(_1) } else ary.each { insert _1 } end in [] else raise ArgumentError, "#{self.class}#initialize: #{args.inspect}" end end # 二分探索木に新しい値を挿入します。 # # @param value [Object] 挿入する値 # @return [BinarySearchTree] 自身のインスタンス def insert(value, node = @root) raise TypeError, "Invalid value: #{value.inspect}" unless value.respond_to?(:<) raise TypeError, "Invalid value: #{value.inspect}" if value.is_a?(Numeric) && !value.finite? @root = insert_recursive(value, node) # @root = insert_iterative(value, node) self end # 指定されたキーを持つ要素が存在するかどうかを返します。 # # @param key [Object] 検索するキー # @return [Boolean] 指定されたキーを持つ要素が存在する場合はtrue、それ以外の場合はfalse def search(key, node = @root) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" unless key.respond_to?(:<) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" if key.is_a?(Numeric) && !key.finite? search_recursive(key, node) # search_iterative(key, node) end # 指定されたキーを持つ要素を削除します。 # # @param key [Object] 削除する要素のキー # @return [BinarySearchTree] 自身のインスタンス def delete(key, node = @root) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" unless key.respond_to?(:<) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" if key.is_a?(Numeric) && !key.finite? @root = delete_node(key, node) self end protected # 二分探索木に値を再帰的に挿入します。 # # @param node [Node, nil] 現在のノード # @param value [Object] 挿入する値 # @return [Node] 挿入後のノード def insert_recursive(value, node) return self.class.new_node(value) if node.nil? case value <=> node.value when -1 then node.left = insert_recursive(value, node.left) when 1 then node.right = insert_recursive(value, node.right) when 0 # sum value else raise TypeError, value.inspect end node end def insert_iterative(value, node) return Node.new(value) if node.nil? prev = nil temp = node until temp.nil? prev = temp temp = case value <=> temp.value when -1 then temp.left when +1 then temp.right when 0 then break else raise TypeError, value.inspect end end unless prev.nil? case value <=> prev.value when -1 then prev.left = Node.new(value) when +1 then prev.right = Node.new(value) when 0 # break else raise TypeError, value.inspect end end node end def search_recursive(key, node) return false if node.nil? case node.value <=> key when -1 then search_recursive(key, node.left) when +1 then search_recursive(key, node.right) when 0 then true else raise TypeError, "#{self.class}#search_recursive: #{key.inspect}" end end def search_iterative(key, node) until node.nil? node = case node.value <=> key when -1 then node.left when +1 then node.right when 0 then return true else raise TypeError, "#{self.class}#search_iterative: #{key.inspect}" end end false end def delete_node(key, node) return node if node.nil? case key <=> node.value when -1 node.left = delete_node(key, node.left) return node when 1 node.right = delete_node(key, node.right) return node when 0 # sum value else raise TypeError, value.inspect end if node.left.nil? return node.right elif node.right.nil? root.left else succParent = node succ = node.right while succ.left succParent = succ succ = succ.left end if succParent != node succParent.left = succ.right else succParent.right = succ.right end node.value = succ.value node end end end def BinarySearchTree(args) = BinarySearchTree.new(args) require 'minitest' ## Minitest::Test class BinarySearchTreeTest < BinaryTreeTest def initialize(*args) super(*args) @target_class = BinarySearchTree end def setup @tree = @target_class.new end # 配列を使ってコンストラクタをテストします。 def test_constructor_with_array @tree = @target_class.new([7, 5, 8]) assert_equal '(5 7 8)', @tree.to_s end # 配列とブロックを使ってコンストラクタをテストします。 def test_constructor_with_array_with_block @tree = @target_class.new([7, 5, 8]) { |i| 2 * i + 1 } assert_equal '(11 15 17)', @tree.to_s assert_equal "#{@target_class}(11, 15, 17)", @tree.inspect end # 文字列を使ってコンストラクタをテストします。 def test_constructor_with_array assert_raises(ArgumentError) { _ = BinarySearchTree.new('abc') } end def test_inspect @tree.insert(1) assert_equal "#{@target_class}(1)", @tree.inspect @tree.insert(3) assert_equal "#{@target_class}(1, 3)", @tree.inspect @tree.insert(2) assert_equal "#{@target_class}(1, 2, 3)", @tree.inspect @tree.insert(0) assert_equal "#{@target_class}(0, 1, 2, 3)", @tree.inspect end # insertメソッドが要素をツリーに追加することをテストします。 def test_insert_adds_element_to_tree @tree.insert(1) assert_equal '(1)', @tree.to_s @tree.insert(2) assert_equal '(1 2)', @tree.to_s @tree.insert(-1) assert_equal '(-1 1 2)', @tree.to_s refute @tree.search(0) assert @tree.search(1) begin assert_equal 'NaN', @tree.search(0.0 / 0.0) rescue StandardError 'NaN' end @tree.delete 1 assert_equal '(-1 2)', @tree.to_s @tree.delete 0 assert_equal '(-1 2)', @tree.to_s @tree.delete(-2) assert_equal '(-1 2)', @tree.to_s @tree.delete 3 assert_equal '(-1 2)', @tree.to_s @tree.delete(-1) assert_equal '(2)', @tree.to_s @tree.delete 2 assert_equal '()', @tree.to_s end def test_height [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } assert_equal 3, @tree.height @tree.insert 2 assert_equal 4, @tree.height @tree.insert 1 assert_equal 5, @tree.height @tree.insert 0 assert_equal 6, @tree.height @tree.insert(-1) assert_equal 7, @tree.height @tree.insert(-2) assert_equal 8, @tree.height assert_equal "#{@target_class}(-2, -1, 0, 1, 2, 3, 5, 7, 10, 12, 15, 18)", @tree.inspect end def test_each [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } expected_output = '3 5 7 10 12 15 18 ' @tree.insert 10 assert_equal(expected_output, capture_stdout { @tree.each { |value| print "#{value} " } }) assert_equal(expected_output, capture_stdout do enum = @tree.each enum.each do |value| print "#{value} " end end) end # 二分探索木の要素を削除するテスト def test_delete_removes_element_from_tree @tree.insert(5) @tree.insert(3) @tree.insert(7) @tree.insert(2) @tree.insert(4) @tree.insert(6) @tree.insert(8) # 二分探索木の要素を削除する @tree.delete(3) # 期待される結果: (2 4 5 6 7 8) assert_equal '(2 4 5 6 7 8)', @tree.to_s end # 存在しない要素を削除するテスト def test_delete_non_existent_element @tree.insert(5) @tree.insert(3) @tree.insert(7) # 存在しない要素を削除する @tree.delete(10) # 期待される結果: (3 5 7) assert_equal '(3 5 7)', @tree.to_s end def test_search; end # NaNを挿入すると例外が発生しすることを確認するテスト def test_inserting_nan_does_raise_exception assert_raises(TypeError) { @tree.insert(Float::NAN) } end def test_serching_nan_does_raise_exception assert_raises(TypeError) { @tree.search(Float::NAN) } end def test_deleting_nan_does_raise_exception assert_raises(TypeError) { @tree.delete(Float::NAN) } end def test_inserting_inf_does_raise_exception assert_raises(TypeError) { @tree.insert(Float::INFINITY) } end def test_serching_inf_does_raise_exception assert_raises(TypeError) { @tree.search(Float::INFINITY) } end def test_deleting_nil_does_raise_exception assert_raises(TypeError) { @tree.delete(Float::INFINITY) } end def test_inserting_nil_does_raise_exception assert_raises(TypeError) { @tree.insert(nil) } end def test_serching_nil_does_raise_exception assert_raises(TypeError) { @tree.search(nil) } end def test_deleting_inf_does_raise_exception assert_raises(TypeError) { @tree.delete(nil) } end def test_inserting_string_does_not_raise_exception assert_silent { @tree.insert('abc') } end def test_serching_string_does_not_raise_exception assert_silent { @tree.search('abc') } end def test_deleting_string_does_not_raise_exception assert_silent { @tree.delete('abc') } end def test_insert_type_missmatch assert_raises(TypeError) { @tree.insert('abc').insert(1) } end def test_insert_zero_and_Zero assert_silent { @tree.insert(0).insert(0.0) } assert_equal '(0)', @tree.to_s end def test_insert_strings assert_silent { @tree.insert('abc').insert('ab').insert('abs') } assert_equal '(ab abc abs)', @tree.to_s end def test_inserting_compilexes assert_raises(TypeError) { @tree.insert(Complex(0, 0)) } end def test_searching_compilexes assert_raises(TypeError) { @tree.search(Complex(0, 0)) } end def test_deleting_compilexes assert_raises(TypeError) { @tree.delete(Complex(0, 0)) } end # 要素がない場合に検索が正しく動作するかをテスト def test_search_on_empty_tree refute @tree.search(10) end # 要素が存在しない場合に検索が正しく動作するかをテスト def test_search_non_existent_element @tree.insert(5) @tree.insert(3) @tree.insert(7) refute @tree.search(10) end # 巨大な木を作るテスト def test_build_large_tree srand(19) n = 100_000 @tree = @target_class.new((0...n).to_a.shuffle) assert_equal 43, @tree.height assert_equal n, @tree.count end private # 標準出力をキャプチャして文字列として返す def capture_stdout original_stdout = $stdout $stdout = StringIO.new yield $stdout.string ensure $stdout = original_stdout end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == Spec == Minitest/Specは、Minitest gem にバンドルされている、RSpecスタイルの記述方法を提供するライブラリです。RSpecのような自然言語に近い記述スタイルを使用することで、テストコードの可読性が向上します。 === 基本的な構文 === Minitest/Specでは、<code>describe</code>ブロックを使ってテストの対象を記述し、その中に<code>it</code>ブロックを使って個々のテストケースを記述します。 :<syntaxhighlight lang=ruby> require 'minitest/spec' describe 'Array' do describe '#reverse' do it 'reverses the order of elements' do array = [1, 2, 3] reversed = array.reverse expect(reversed).must_equal [3, 2, 1] end end end </syntaxhighlight> この例では、<code>Array#reverse</code>メソッドのテストを記述しています。<code>describe 'Array'</code>ブロックで、テストの対象を<code>Array</code>クラスとしています。その中の<code>describe '#reverse'</code>ブロックでは、<code>#reverse</code>メソッドに関するテストをグループ化しています。最後に<code>it</code>ブロック内に、実際のテストケースを記述しています。 === アサーション === Minitest/Specでは、RSpecスタイルの記述に合わせた独自のアサーションメソッドが提供されています。 :<syntaxhighlight lang=ruby> expect(actual).must_equal expected expect(actual).wont_equal unexpected </syntaxhighlight> <code>must_equal</code>を使うとアサーションが成功した場合、<code>wont_equal</code>を使うと失敗した場合に成功するようになっています。同様にBooleanを期待する場合は<code>must_be :true?</code>や<code>wont_be :true?</code>を使用します。 その他にも以下のようなアサーションメソッドが用意されています。 * <code>must_be_nil</code> / <code>wont_be_nil</code> * <code>must_be_instance_of</code> / <code>wont_be_instance_of</code> * <code>must_be_kind_of</code> / <code>wont_be_kind_of</code> * <code>must_be_empty</code> / <code>wont_be_empty</code> * <code>must_include</code> / <code>wont_include</code> * <code>must_match</code> / <code>wont_match</code> * <code>must_output</code> / <code>wont_output</code> === 前提条件(before/after) === Minitest/Specでは、テストケースの前後で実行したい処理を<code>before</code>、<code>after</code>、<code>around</code>ブロックで記述できます。 :<syntaxhighlight lang=ruby> describe 'Something' do before do # 全てのテストケースの前に実行される end after do # 全てのテストケースの後に実行される end around do |tests| # テストケースの前後で実行される # blockを渡す tests.call end it 'does something' do # テストケース end end </syntaxhighlight> <code>before</code>ブロックはテストケース実行前に、<code>after</code>ブロックはテストケース実行後に実行されます。<code>around</code>ブロックはテストケース実行の前後に実行され、<code>tests.call</code>でテストケース自身を実行します。 これらのブロックは、テストデータのセットアップやテストが終わった後の後始末など、テストケースを実行する前後で行いたい処理を記述するのに便利です。 Minitest/Specを使うことで、RSpecに近い自然言語風の記述でテストを書くことができ、テストコードの可読性が高まります。同時に、Minitestの軽量さや高速な実行も継承しているため、プロジェクトの要件に合わせて使い分けができます。 はい、Minitest/Specでは<code>let</code>や<code>let!</code>を使ってインスタンス変数を初期化することができ、とても重要な機能です。 === let === <code>let</code>を使うと、各テストケースの実行時にインスタンス変数を初期化するロジックを記述できます。初期化のオーバーヘッドを最小限に抑えつつ、DRY(Don't Repeat Yourself)なコードを書くことができます。 :<syntaxhighlight lang=ruby> require 'minitest/spec' describe Array do let(:array) { [1, 2, 3] } describe '#reverse' do it 'reverses the order of elements' do reversed = array.reverse expect(reversed).must_equal [3, 2, 1] end end end </syntaxhighlight > この例では、<code>let(:array) { [1, 2, 3] }</code>でインスタンス変数<code>@array</code>を初期化するロジックを定義しています。<code>let</code>ブロック内のコードは、そのスコープ内の各テストケースが実行される度に評価されます。 つまり、上の例の場合、<code>#reverse</code>メソッドに関するすべてのテストケースで、<code>@array</code>は<code>[1, 2, 3]</code>を返すようになります。 === let! === <code>let!</code>は<code>let</code>に似ていますが、テストケースが実行される前に必ず実行されるという点が異なります。オブジェクトの初期化が重たい場合などに便利です。 :<syntaxhighlight lang=ruby> require 'minitest/spec' describe Database do let!(:db) { Database.new } describe '#query' do it 'can query the database' do result = db.query('SELECT * FROM users') expect(result).wont_be_empty end end end </syntaxhighlight > この例では、<code>Database</code>オブジェクトの初期化が重たい処理だと想定しています。<code>let!(:db) { Database.new }</code>によって、最初のテストケースが実行される前に<code>@db</code>が初期化されるので、その後に続くすべてのテストケースで同じオブジェクトを使えます。 <code>let</code>や<code>let!</code>を使うことで、DRYなコードを書けるだけでなく、各テストケースでのインスタンス変数の初期化ロジックを明示的に記述できるので、テストコードの可読性が高まります。 === GCD === ;[https://paiza.io/projects/19D2Q9TLHptrSkr3--o0Cw?language=ruby gcd-spec.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby> # 最大公約数を計算するメソッド def gcd(m, n) raise ArgumentError, "Argument 1 must be integers" unless m.is_a?(Integer) raise ArgumentError, "Argument 2 must be integers" unless n.is_a?(Integer) def core(m, n) = n.zero? ? m.abs : gcd(n, m % n) core(m, n) end require 'minitest/spec' describe "gcd" do it "returns the greatest common divisor of two numbers" do assert_equal 3, gcd(9, 6) assert_equal 5, gcd(10, 15) assert_equal 1, gcd(7, 5) end it "returns the greatest common divisor of two numbers when one of the numbers is negative" do assert_equal 2, gcd(-6, 8) assert_equal 2, gcd(6, -8) end it "returns the number itself when one of the numbers is zero" do assert_equal 6, gcd(6, 0) assert_equal 8, gcd(0, 8) assert_equal 0, gcd(0, 0) end it "raises an ArgumentError when non-integer arguments are provided" do assert_raises(ArgumentError) { gcd(3.5, 7) } assert_raises(ArgumentError) { gcd("hello", 5) } assert_raises(ArgumentError) { gcd(10, []) } end end Minitest.run </syntaxhighlight> === 二分木 === ;[https://paiza.io/projects/z4ztowOqjlu-VkpHotY9Kg?language=ruby binarytree-spec.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # 二分木クラス class BinaryTree include Enumerable # Enumerableモジュールを含める # 二分木のノード TreeNode = Struct.new(:value, :left, :right) def self.new_node(*args) = TreeNode.new(*args) # 新しいツリーを作成 def initialize(*_args) @root = nil end attr_accessor :root def height(node = @root) = node.nil? ? 0 : 1 + [height(node.left), height(node.right)].max def search(key, _node = @root) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" unless key.respond_to?(:<) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" if key.is_a?(Numeric) && !key.finite? any? { |i| i == key } end # 中間順序(inorder)で木を走査し、各ノードの値をブロックに渡します。 def each(node = @root, &block) return to_enum(__method__, node) unless block def core(node, &block) return if node.nil? core(node.left, &block) yield node.value core(node.right, &block) end core(node, &block) self end # ツリーの文字列表現を返します。 # # Returns ツリーを表す文字列。 def to_s = "(#{to_a.join ' '})" # ツリーのデバッグ用表現を返します。 # # Returns デバッグ用表現を表す文字列。 def inspect ="#{self.class}(#{to_a.join ', '})" end require 'minitest/spec' describe BinaryTree do let(:target_class) { BinaryTree } let(:tree) { target_class.new } describe 'initialization' do it 'must have nil root' do expect(tree.root).must_be_nil end end describe '#to_s' do it "must return '()'" do expect(tree.to_s).must_equal '()' end end describe '#inspect' do it 'must return correct inspection string' do expect(tree.inspect).must_equal "#{target_class}()" end it 'must return correct inspection string' do tree.root = tree.class.new_node(5) expect(tree.inspect).must_equal "#{target_class}(5)" end end describe '#height' do it 'must return 0 for empty tree' do expect(tree.height).must_equal 0 end it 'must return 1 for single node tree' do tree.root = tree.class.new_node(5) expect(tree.height).must_equal 1 end it 'must return correct height for multi-node tree' do tree.root = tree.class.new_node(:+) tree.root.left = tree.class.new_node(10) tree.root.right = tree.class.new_node(:*) tree.root.right.left = tree.class.new_node(20) tree.root.right.right = tree.class.new_node(30) expect(tree.height).must_equal 3 end end describe '#search' do it 'must return true if value exists' do tree.root = target_class.new_node(5) expect(tree.search(5)).must_equal true end it 'must return false if value does not exist' do tree.root = target_class.new_node(5) expect(tree.search(10)).must_equal false end it 'must raise TypeError for invalid value' do tree.root = target_class.new_node(5) expect { tree.search(0.0 / 0.0) }.must_raise TypeError end end describe '#each' do it 'must iterate over tree nodes in order' do tree.root = tree.class.new_node(:+) tree.root.left = tree.class.new_node(10) tree.root.right = tree.class.new_node(:*) tree.root.right.left = tree.class.new_node(20) tree.root.right.right = tree.class.new_node(30) actual = [] tree.each { |value| actual << "#{value} " } expect(actual.join).must_equal '10 + 20 * 30 ' end end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == Bench == Minitest/Benchは、Minitestに含まれるベンチマークツールです。コードのパフォーマンス測定やプロファイリングを行う際に役立ちます。 === 基本的な使い方 === Minitest/Benchを使うには、<code>minitest/benchmark</code>を requireして、<code>Minitest::Benchmark</code>を継承したクラスを定義します。 :<syntaxhighlight lang=ruby> require 'minitest/benchmark' class BenchmarkSuite < Minitest::Benchmark def bench_array_reverse assert_performance_linear 0.9999 do |n| n.times do (1..1000).to_a.reverse end end end end </syntaxhighlight > ;実行結果の例 :<syntaxhighlight lang=text> Run options: --seed 42439 # Running: bench_array_reverse 0.000143 0.000332 0.003698 0.037538 0.344312 . Finished in 0.424787s, 2.3541 runs/s, 2.3541 assertions/s. 1 runs, 1 assertions, 0 failures, 0 errors, 0 skips </syntaxhighlight > 上記の例では、<code>bench_array_reverse</code>メソッドを定義し、<code>assert_performance_linear</code>でベンチマークを行っています。このメソッドは、ブロック内のコードを繰り返し実行し、その実行時間がリニアなスケーリングであることを検証します。 === ベンチマークメソッド === Minitest/Benchには、以下のようなベンチマークメソッドが用意されています。 * <code>assert_performance_linear(expected_slope, &block)</code> - ブロックの実行時間が線形スケーリングであることをアサート * <code>assert_performance_exponential(expected_slope, &block)</code> - ブロックの実行時間が指数スケーリングであることをアサート * <code>assert_performance_constant(&block)</code> - ブロックの実行時間が一定であることをアサート * <code>bench_exp(mantissa, largest_exponent, &block)</code> - ブロックを指数的に増加する入力で実行し、結果を出力 * <code>bench_linear(range_exponent, constant_increment, &block)</code> - ブロックを線形的に増加する入力で実行し、結果を出力 これらのメソッドを使うことで、コードのパフォーマンスを体系的に分析することができます。 === 拡張機能 === Minitest/Benchmarkは、ベンチマーク結果の出力フォーマットをカスタマイズすることもできます。独自のフォーマッターを書いて、<code>Minitest::Benchmark.formatter</code>に設定します。 :<syntaxhighlight lang=ruby> module MyFormatter def self.bench(result) # 独自の出力フォーマットを記述 puts "My benchmark: #{result.path}: #{result.data}" end end Minitest::Benchmark.formatter = MyFormatter </syntaxhighlight > また、GC回数の制御やRubyのインストールパスの変更などの細かい設定も可能です。 === まとめ === Minitest/Benchmarkは、Rubyコードのベンチマークとパフォーマンス分析を行うためのシンプルで強力なツールです。アサーションベースのベンチマークメソッドを使って、さまざまな入力サイズに対するコードの実行時間を確認し、最悪実行時間の次数を検証できます。フォーマッターをカスタマイズすることで、ベンチマーク結果の出力も自由にコントロールできます。Rubyコードの最適化を行う際に、Minitest/Benchmarkは非常に役立ちます。 == Mock == Minitest/Mockは、Rubyプログラミング言語向けのモック(Mock)ライブラリです。モックは、テスト駆動開発(TDD)やユニットテストにおいて、依存するコンポーネントを置き換えてテストを行うための仕組みです。具体的には、テスト対象のコードが他のクラスやモジュールと相互作用している場合、その依存関係を模倣(モック化)して、テストをより制御可能にします。 Minitest/Mockは、Minitestフレームワークの一部として提供されており、Minitestを使用してRubyアプリケーションのユニットテストを行う際に、モックオブジェクトを容易に作成および利用できます。 モックを使用することで、テスト対象のコードが他のコードとの連携に問題がある場合でも、それを独立してテストすることが可能になります。また、外部のリソースや環境に依存する場合にも、モックを使ってその依存関係を排除してテストを行うことができます。これにより、より信頼性の高いテストスイートを構築することができます。 Minitest/Mockを使用すると、以下のようなことが可能です: # '''依存関係の置き換え:''' テスト対象のコードが他のクラスやモジュールと連携している場合、それらの依存関係をモックオブジェクトで置き換えることができます。これにより、テストの際に外部の状態に依存することなく、コードの特定の部分の振る舞いを確認できます。 # '''テストの制御:''' モックオブジェクトを使用することで、テスト中に特定のメソッドが呼び出されたかどうかや、どのような引数で呼び出されたかなどを制御できます。これにより、特定の条件下での振る舞いをシミュレートしてテストを行うことができます。 # '''テストの独立性:''' モックを使用することで、テスト対象のコードが他のコンポーネントに依存している場合でも、それらのコンポーネントの実際の実装を使用せずにテストを行うことができます。これにより、テストの独立性が高まり、テストスイート全体の信頼性が向上します。 総括すると、Minitest/Mockは、Rubyアプリケーションのユニットテストをより効果的に行うためのツールであり、依存関係の管理やテストの制御、テストの独立性の確保などに役立ちます。 Minitest/Mockを使ったユニットテストの例を示します。 まず、以下のようなクラスがあるとします。 ;userman.rb:<syntaxhighlight lang=ruby> class UserManager def initialize(database) @database = database end def create_user(name, email) @database.insert(name, email) end end </syntaxhighlight > これをテストするために、データベースへの挿入をモック化してテストします。 ;userman_test.rb:<syntaxhighlight lang=ruby> require 'minitest/spec' require 'minitest/autorun' require_relative 'userman' describe UserManager do let(:mock_database) { Minitest::Mock.new } before do @user_manager = UserManager.new(mock_database) end describe "#create_user" do it "calls insert method on the database" do mock_database.expect(:insert, nil, ['John Doe', 'john@example.com']) @user_manager.create_user('John Doe', 'john@example.com') mock_database.verify end end end </syntaxhighlight > このテストでは、<code>UserManager</code>クラスの<code>create_user</code>メソッドがデータベースにユーザーを挿入することを確認しています。しかし、実際のデータベース接続を行う代わりに、<code>MiniTest::Mock</code>を使用して<code>insert</code>メソッドが呼ばれることをモック化しています。そして、<code>verify</code>メソッドを呼び出して、モックが期待通りに振る舞っていることを確認しています。 このようにして、Minitest/Mockを使用して、外部の依存関係を置き換えてテストを行うことができます。 == Stub == Minitestには、Stubとして使用できる機能が含まれています。Stubは、テスト中に特定のメソッド呼び出しに対する返り値や例外を設定するためのものです。MinitestのStub機能を使用することで、テスト中に依存するオブジェクトやメソッドの振る舞いを制御し、テストをより柔軟に行うことができます。 MinitestのStub機能を使って、特定のメソッド呼び出しに対する返り値を設定したり、メソッドが呼び出された際に例外を発生させたりすることができます。これにより、テスト中に実際のコードが依存する外部リソースやモジュールの振る舞いをシミュレートすることができます。 以下は、MinitestでStubを使用してメソッドの振る舞いを制御する例です: :<syntaxhighlight lang=ruby> class MyClass def self.my_method # 何か重要な処理 return "Hello, world!" end end require 'minitest/autorun' require 'minitest/spec' describe MyClass do describe '#my_method' do it 'returns stubbed response' do MyClass.stub(:my_method, "Stubbed response") do expect(MyClass.my_method).must_equal "Stubbed response" end # Stubの影響が終わった後には、通常の振る舞いを確認する expect(MyClass.my_method).must_equal "Hello, world!" end end end </syntaxhighlight > この例では、<code>MyClass</code>の<code>my_method</code>がテスト対象のメソッドです。テスト中にこのメソッドの振る舞いを制御するために、<code>MyClass.stub</code>を使用して特定の返り値を設定しています。その後、通常のメソッド呼び出しの振る舞いが正しいことを確認します。 これにより、テスト中に外部リソースやモジュールの振る舞いを制御し、テストの安定性や再現性を向上させることができます。 [[カテゴリ:Ruby|Minitest]]
2024-03-05T10:56:07Z
2024-03-11T06:52:15Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Ruby/Minitest
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高校受験ガイド/志望理由書および面接の対策
面接対策や志望理由書よりも、学力試験の筆記の受験科目(国数英など)のほうが合否の判定では重視されます。寡聞(かぶん)にして「筆記試験ではダメだったけど、面接で逆転した」という話を聞きません。 面接対策や志望理由書のための下調べばかりに時間を掛け過ぎて、肝心の学力試験をおろそかにしないようにしましょう。 ただし、志望理由書の書き方は、文章の書き方の練習にもなるので、余裕があれば練習するのも良いでしょう。面接の対策も、人前で説明する練習になります。 志望理由書には行数の制限があるので、「この高校」ではなく「貴校」(あなたの学校と言う意味)という敬語を使うのが良いでしょう。 もっとも、実際に面接で「この高校」と言っても、別に減点はされないと思います。 おおむね、志望理由書の大きさは、ノートサイズの用紙で1枚くらいです。 文体は、書き言葉の丁寧語で書きましょう。 「ちょっと」ではなく「少し」のように、です。 話し言葉が幼稚な印象とか言うだけでなく、話し言葉だと文章では読みづらい場合があります。文章中に「ちょっと」とか話し言葉が入ると、だいぶ読みづらいです。 また、結論から書きましょう。長文を読まされるので、結論から書いてないと、読者である教師が要点を把握しづらいからです。つまり、「貴校を志望した理由は、○○が△△だからです。」のような1~2行ていどの文章が、出だしになると思います。 あまり多くの動機を書くと、文章が散漫な印象を与えがちとのことです。 たとえば のようになるでしょうか。 とはいえ、いきなり志望動機は2個に選べません。 そこで、まずパソコンを使った下書きで、志望動機を5~10個くらい箇条書きで羅列します。それをもとに、志望動機に順位をつけ、上位2個の決定的な志望動機を決めます。 「です・ます」調か、「だ・である」調なのか、統一しましょう。 志望理由書はその名の通り、志望した理由を書くための提出書類です。 ただし、自己アピール書をいちいち提出したりはしないので、大きな業績があれば手短かにそれを自己アピールにからめて志望理由を説明するのは可能です。たとえば、「柔道部で県大会で2位になったので、高校には柔道の強い貴校を選びました」みたいなのは可能です。 しかし、あくまで志望理由がメインですので、自己アピールは簡潔にしましょう。 志望理由書を具体的に書くため、第3志望くらいまでは学校説明会に出ましょう。 まず、パソコンなどで下書きをしましょう。けっして、いきなり志望理由書のような文体で書くのではなく、まずは箇条書きで良いので、志望理由に使えそうなことを書き出しましょう。 また、自己アピールに使えそうなことを、思いつくままに書きだしましょう。 ほか、将来つきたい職業などの目標を書きます。 しかし、それはそのままでは志望理由書を使えません。この下書きをもとに、もっとも効果的な志望理由を2個選び、それの説明に説得力をもたせるのに使えそうな自己アピールだけを選んで、文章を組み立てます。 塾でも、志望理由書の添削(てんさく)をしています。自分では気づきづらい言葉遣いの乱れなどを添削してもらえますので、中3になったら入塾するのも手かも。 志望理由を書くとき、高校入学後の目標も一緒に書くと、相手に分かりやすいかもしれません。 面接では、定番の質問で、「高校に入ったら学校で頑張りたいこと」を聞かれるからです。 野球部に入りたいなら、単に「志望理由が野球部の強豪だからです」で終わらせるのではなく、「高校でも野球部を続けたいので、野球部の強豪である貴校を志望しました」のように書くと、動機の全体像が分かりやすくて効果的です。 アピールする事ばかり考えるのでなく、相手に分かりやすくするために、目標を必要なら書きましょう。 目標は、大まかなもので構いません。自分や家族には当然の情報でも、高校側はあなたの目標をまったく知りません。 べつに部活などの課外活動ではなく、「勉強を頑張るために偏差値の高い貴校を志望」などの目標でも構いませんが、勉強を通して何になりたいのかを、大まかで良いので伝えると分かりやすいです。 上記の最下段のように、ある程度は具体的に書くと良いかもしれません。 あまり細かく目標の職業が決まってなくても良いですが、ある程度は当面の大まかな目標の職業を用意しておくと良いでしょう。 勉強や進学を目標とする場合、その高校や学科の進学実績と極端に離れた動機は、減点の対象になるかもしれません。 たとえば、将来は大卒レベルの理科系の仕事につきたいのに、志望高校が国際科などの文系よりの学科だったり、あるいは進学コース以外を選ぶなどは、減点対象でしょう。 高校受験の定番の質問は、受験番号や氏名や生年月日や出身高校のほかは、下記です。 ほか、入学した場合の通学手段を質問されることもあります。 ほか、面接時の持ち物の指示が、受験要綱などに書いてある場合がありますので、事前に読んでおいてください。 回答はまず結論から先に話さなければいけません。また、2分以内で話す必要があります。なぜなら、回答が長い場合、他の受験生の質疑応答の時間を奪ってしまうので、面接官から回答の中断を言われ、印象が悪化します。 具体的には、「あなたの得意教科・苦手教科は?」と聞かれた時、決していきなり経験談を話すのではなく、まず「得意教科は数学、苦手教科は体育です」とまず最初に答えましょう。 そして、そのあと、具体的なエピソードがあれば、手短にまとめればよいのです。 長すぎる答えはNGです。なるべく1~2分で答えられるように、普段から自分の会話を見直しましょう。少し長引くような質問にも、たかだか2分以内で回答できるように収めるのが望ましいです。 このため、けっして一つの質問に、たくさん答えようとしてはいけません。簡潔に1つの質問に1つの答えと、その理由を1つだけ、説明しましょう。 ほか、ウソは、けっして志望理由書や面接で、ついてはいけません。ウソは、基本的に相手高校にバレます。『【高校受験・志望理由】書き方のルール、コツ、記述例など徹底伝授!』 、2024.01.21。それだけ、高校側が経験豊富なのです。 なので、高校入試の面接は、基本的には正直に話すのが得です。最低限のマナーや礼儀は必要ですが。 面接では、あまり細かい自己アピールは出来ません。高校受験の面接は、時間が少ないのです。 一人当たり5~10分程度で面接を切り上げないといけないので、(なお、学校側の時間節約のため、5人くらい受験生をまとめて、集団面接する場合も多くあります) 裏を返すと、面接で自分が話したことがたとえ本当のことであっても、調査書など公的書類に記載していないことは、証明が困難であるので、あまり自己アピールになりません。 たとえば学校以外の民間のスポーツクラブで、どんなに後輩の面倒見が良くても、そういう人間関係を証明できません。せいぜい、証明の比較的容易な「スポーツクラブに所属の経験あり」くらいが、評価の対象でしょうか。 得意科目の質問については、中学の通知表の成績と照合されるのが基本的でしょう。 裏を返せば、たとえどんなに国語が好きでも、もし通知表に書かれた国語の成績が平均的だったら、それを証明できません。もっと言うと、高校受験の面接は、単に口頭で、通知表の内容の具体例を確認する程度です。 あるいは、どんなに英語が好きでも、英検などの資格を取ってないと、それを証明するのが困難です。 一応、面接官が疑問に思ったら、追加の質問を聞いてきたりする事もあるので(「では、英語が得意だという具体的なエピソードを教えてください」)、証明は不可能ではないですが、なかなか証明は難しいです。 もっとも、極端に英語の成績が悪くなければ、まあ面接官も中学生の忙しい状況も分かりますし、通知表に書かれない情報があることも知っていますので、ある程度の救済はするかもしれませんが。とはいえ、普段の中学校での生活態度が悪いと(たとえば「病気じゃないのに欠席が多い」とか)、そういう救済的な追加質問にも証明をするのが難しくなってしまいます。 なので、生活態度も正しくしましょう。 答えはけっして模範解答を丸ごと暗記するのではなく、大まかな内容を用意しておき、面接教員の質問に対して、その場できちんと考えて、自分の言葉で丁寧語にて答えましょう。 志望理由は、志望理由書の確認もあります。まず、その内容を手短かに答えるのも良いかもしれません。 ただし、回答時間が短いので、志望理由書に書いた内容そのままでは答えらえません。大まかな内容を事前に考えておいて、手短かにこたえられるようにしましょう。 ほか、普通に「家から近い」とか(進学校なら)「偏差値が高い」とか言っても大丈夫です。 「偏差値が高いし、家からも近いからです。部活もいろんな部活が強豪だし、良さそうだと思いました」とか言う回答でも、それが事実なら、それでも受験に合格します。 なお、(偏差値が高くて)「家から近くて歩いて(または「自転車で」)いける距離だからです」と言うと、さらに具体的で分かりやすいです。 歩いていける距離と言うのも立派な動機であり、それは、「通学に時間をなるべく掛けずに、学業や部活などに専念したい」という立派な動機になるのです。『物は言いよう』です。 もちろん、他にも志望した理由があれば、たとえば「入りたい部活があります。この高校は野球部が強いので、自分は中学でも野球部だったし、高校でも野球部に入りたいのでこの高校を専願に選びました」とか理由があって、専願にしたのなら、それを言うのも積極性をアピールできて良いでしょう。 ただ、併願校に対して、あまりに「とても入りたい」とか言うと、面接官から「なぜ専願にしなかったのですか?」と疑問を呈される可能性があるので、過度なお世辞はやめましょう。たとえば、高校の野球部が近隣校に大会で予選敗退したのに「野球部が強い」とか言うと、「では、わが校に勝った他校を第一志望にしているのですか。わが校は第二志望以下なのですか?」とかツッコミをされかねません。 ほか、募集要項や、学校公式サイトなどの学校紹介と矛盾していことは、志望動機にしないのが安全でしょう。 「部活と学業を両立する文武両道」と公式サイトに書いてある私立に対して、「部活よりも学業に専念したい」(あるいは「学業よりも部活に専念したい」)とか言ったら、よほど部活で全国大会出場とか業績が高くないかぎりは、あまり印象はよくないでしょう。 ただし、普通科高校の通常の進学コースを志望する場合、あまり細かい志望動機は問われないと思います。 単に「吹奏楽部を頑張りました」とかではなく、吹奏楽部なら、その吹奏楽部で何をどう頑張ったのかを答えられるようにしましょう。ドラマチックである必要はありません。 頑張った結果、自分は何ができるようになったとか、あるいは中学校で自分の周囲で何が変わったかを言うと、具体性が高まり、分かりやすくなります。(時間に限りがあるので、両方は言えないかもしれません。) 部活・学業などの継続的に頑張ったことが思いつかない場合は、文化祭・合唱祭や体育祭などでいいので、何か、自身の頑張ったことを探してください。 語れるような具体的な夢が無ければ、得意科目や中学生活で頑張ったことなどをベースに考えるのも良い。 話を盛る(もる)必要はありません。 大した志望動機や将来の夢が大きくなくても、多少の自身の希望は小さくても必要ですが(「こんな感じの仕事に将来、つけたらいいなあと思っています」的な)、それさえあれば、将来目標として世間の普通の大人がしている普通のことをできるように成長を目指すことでも、立派な目標です。なぜなら、身の回りに当たり前にころがっている日常品やインフラなど普通の商品・製品・設備も、それを作るのに大きな労力が投入されています。 たとえ将来の夢が決まっていなくても、それをもとに(将来の夢は見つかってないので)「なので、高校に入ったら、学業と部活動をバランスよく頑張りって、将来の夢を見つけたいと思います」なのか、それとも「学業を中心に頑張って、大学進学したいと思います」なのか、そこで自分の個性が表現できます。 無理にウソをついて、将来の夢が決まってないのに、夢を語らないほうが安全です。ウソをついても相手の面接官(めんせつかん)にバレて、ボロが出ます。 ドアをノックする回数が3回なのか2回なのかは、どうでも良いことです。1回とか ノック無し とかでなければ、あるいは5回以上みたいに急かしている(せかしている)ような印象を与えなければ、平気でしょう。 思考力・判断力などは、高校入試の面接では、よほどの難関・名門・伝統の全国知名度の高校か、とても意識高い私立高校でないかぎりは、問われません。なぜなら高校側に、そこまでの話し合いをする時間が無いからです。 極端に思考力が低くなければ、問題ないでしょう。 私立高校でも、面接を行わない高校もあります。 専願者でなくても、併願者にも面接を行う高校はあります。 また公立高校では、特殊な学科や学校でないかぎり、面接を行う学校は少ないのが現状(2024年)です。 面接対策の志望理由で何をしてほしいかと言うと、受験生である中学生の子供自身と、高校との相性(あいしょう)といったマッチングの検査を、自発的にある程度はしてほしいのです。ミスマッチを減らすために、志望校について少しは自分で調べるなど、最低限の努力はしてほしい、という問題です。マッチングの事前の検査は、生徒本人か、とても近い家族などでないと、判断できません。 これは受験だけでなく、将来の就職活動などでも必要になる考え方です。 学校だって、なんでもかんでもは高度な教育を提供できません。極端な例え(たとえ)ですが、スーパーサイエンスハイスク-ル(SSH)なら、高度な教育は、理科系の教育しか提供できません。SSHへの志望理由でもし「歴史の探究をしたいので志望」とか言われても、少し無理です。同様、体育学科の高校なら、体育しか高度な教育は提供できません。 普通科高校ですら、それぞれ校風や教育方針に違いがありますし、設備なども高校ごとに微妙に違います。設備なら、たとえば温水プールの無い高校への志望で「水泳部に入って、1年間プールで練習したい」とか言われても、なかなか難しいです。私学ですら、その学校の設備や人材で与えられる教育しか、提供できません。 だから、受験生が高校と相性がいいのかを、少しは自発的に確認してほしいのです。 もちろん、5教科の受験勉強でも忙しいので、そんなマッチングばかりに気を使ってられないのも分かるので、けっして厳密な検査でなくてもかまいません。ですが、少しは自発的に、相性を検査してください。 また、完全になんでも相性が合うなんて高校もありません。なにか不満なところもあるでしょうが、それが許容範囲なのかどうかを、事前に考えて志望校を決めてほしいのです。 これは、受験ノウハウという問題ではなく、「高校側に負担を掛けたくない。不幸なミスマッチを減らしたい」といった、他人への気遣い(きづかい)の問題です。 定番の質問の下記の2つ、 これについて、ビジネス手法での、なにかの振り返り(ふりかえり) のさいの自己分析手法として、日本独自のYWT法というのがあります。「やったこと(Y)、わかったこと(W)、次にやりたいこと(T)」です。 要するに、YWT法が面接で聞かれています。 がYWT法です。 下書きなどの際、時間に余裕があれば YWT 法で言語化して、まとめると良いでしょう。 なお、KPT法(ケプトほう)とは品質改善の手法で、Keep(維持したい点)、Problem(やめるべき問題点)、Try(挑戦すること)です。 「T」は、KPTもYWTもほぼ同じ意味です。「W わかったこと」は、Keep と Problem に分解できます。しかしまあ、高校入試の面接対策では、KPT法までは、する必要は無いと思います。 KPT法は、個人用というよりは、どちらかというチーム開発で用います。面接対策としては、KPT法ではなく、YWT法(やった・わかった・次やる法)で対処したほうが効率的でしょう。 ほか、YWT法をアレンジしたもので、YWTM法というのがあります。これは、YWT法に、Tで「次やること」を達成した場合に得られる利点(メリット:Merit)の追記を加えたものです。 なんのメリットがあるかという理由をメモしないと、時間の経過とともに、しばしば理由を忘れます。そして、理由を思い出すのに思考力を消費してしまうので、最終的な志望理由書に利点を書くかはともかく、下書きのほうにはメリット・理由を書いておくのが良いでしょう。 ToDoリストによるタスク管理などでも、長丁場のタスクでは、理由を書いておかないとその理由を忘れてしまい、思い出すのに精神力を消費します。なので、覚えているうちに理由をメモ的に1行ていどで書いておくとラクです。 ビジネス書などではメリットが書いてあると「やる気を引き出す」とか説明されてるっぽいですが、そんなことはどうでもよく、実際に長丁場の予定などを書くと理由を忘れるので、理由を覚えているうちにメモするのがポイントです。1か月とかそういう期間が経過すると、理由をどんどん忘れます。 ほか、メリットが書いてないと、T「次やること」の妥当性の検証ができません。 文科省のmextの研修ファイルでもYWTM法は紹介されているので、知らないとは言わせない。文科省は知ってるはず。大阪教育大学『教員の養成・採用・研修の一体的改革推進事業 成果報告書』令和 2 年 3 月 31 日、P9
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "面接対策や志望理由書よりも、学力試験の筆記の受験科目(国数英など)のほうが合否の判定では重視されます。寡聞(かぶん)にして「筆記試験ではダメだったけど、面接で逆転した」という話を聞きません。", "title": "面接よりも筆記試験が大事" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "面接対策や志望理由書のための下調べばかりに時間を掛け過ぎて、肝心の学力試験をおろそかにしないようにしましょう。", "title": "面接よりも筆記試験が大事" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ただし、志望理由書の書き方は、文章の書き方の練習にもなるので、余裕があれば練習するのも良いでしょう。面接の対策も、人前で説明する練習になります。", "title": "面接よりも筆記試験が大事" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "面接よりも筆記試験が大事" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "志望理由書には行数の制限があるので、「この高校」ではなく「貴校」(あなたの学校と言う意味)という敬語を使うのが良いでしょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "もっとも、実際に面接で「この高校」と言っても、別に減点はされないと思います。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "おおむね、志望理由書の大きさは、ノートサイズの用紙で1枚くらいです。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "文体は、書き言葉の丁寧語で書きましょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "「ちょっと」ではなく「少し」のように、です。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "話し言葉が幼稚な印象とか言うだけでなく、話し言葉だと文章では読みづらい場合があります。文章中に「ちょっと」とか話し言葉が入ると、だいぶ読みづらいです。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "また、結論から書きましょう。長文を読まされるので、結論から書いてないと、読者である教師が要点を把握しづらいからです。つまり、「貴校を志望した理由は、○○が△△だからです。」のような1~2行ていどの文章が、出だしになると思います。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "あまり多くの動機を書くと、文章が散漫な印象を与えがちとのことです。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "たとえば", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "のようになるでしょうか。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "とはいえ、いきなり志望動機は2個に選べません。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "そこで、まずパソコンを使った下書きで、志望動機を5~10個くらい箇条書きで羅列します。それをもとに、志望動機に順位をつけ、上位2個の決定的な志望動機を決めます。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "「です・ます」調か、「だ・である」調なのか、統一しましょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "志望理由書はその名の通り、志望した理由を書くための提出書類です。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "ただし、自己アピール書をいちいち提出したりはしないので、大きな業績があれば手短かにそれを自己アピールにからめて志望理由を説明するのは可能です。たとえば、「柔道部で県大会で2位になったので、高校には柔道の強い貴校を選びました」みたいなのは可能です。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "しかし、あくまで志望理由がメインですので、自己アピールは簡潔にしましょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "志望理由書を具体的に書くため、第3志望くらいまでは学校説明会に出ましょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "まず、パソコンなどで下書きをしましょう。けっして、いきなり志望理由書のような文体で書くのではなく、まずは箇条書きで良いので、志望理由に使えそうなことを書き出しましょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "また、自己アピールに使えそうなことを、思いつくままに書きだしましょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "ほか、将来つきたい職業などの目標を書きます。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "しかし、それはそのままでは志望理由書を使えません。この下書きをもとに、もっとも効果的な志望理由を2個選び、それの説明に説得力をもたせるのに使えそうな自己アピールだけを選んで、文章を組み立てます。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "塾でも、志望理由書の添削(てんさく)をしています。自分では気づきづらい言葉遣いの乱れなどを添削してもらえますので、中3になったら入塾するのも手かも。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "志望理由を書くとき、高校入学後の目標も一緒に書くと、相手に分かりやすいかもしれません。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "面接では、定番の質問で、「高校に入ったら学校で頑張りたいこと」を聞かれるからです。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "野球部に入りたいなら、単に「志望理由が野球部の強豪だからです」で終わらせるのではなく、「高校でも野球部を続けたいので、野球部の強豪である貴校を志望しました」のように書くと、動機の全体像が分かりやすくて効果的です。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "アピールする事ばかり考えるのでなく、相手に分かりやすくするために、目標を必要なら書きましょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "目標は、大まかなもので構いません。自分や家族には当然の情報でも、高校側はあなたの目標をまったく知りません。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "べつに部活などの課外活動ではなく、「勉強を頑張るために偏差値の高い貴校を志望」などの目標でも構いませんが、勉強を通して何になりたいのかを、大まかで良いので伝えると分かりやすいです。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "上記の最下段のように、ある程度は具体的に書くと良いかもしれません。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "あまり細かく目標の職業が決まってなくても良いですが、ある程度は当面の大まかな目標の職業を用意しておくと良いでしょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "勉強や進学を目標とする場合、その高校や学科の進学実績と極端に離れた動機は、減点の対象になるかもしれません。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "たとえば、将来は大卒レベルの理科系の仕事につきたいのに、志望高校が国際科などの文系よりの学科だったり、あるいは進学コース以外を選ぶなどは、減点対象でしょう。", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "", "title": "志望理由書" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "高校受験の定番の質問は、受験番号や氏名や生年月日や出身高校のほかは、下記です。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "ほか、入学した場合の通学手段を質問されることもあります。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "ほか、面接時の持ち物の指示が、受験要綱などに書いてある場合がありますので、事前に読んでおいてください。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "回答はまず結論から先に話さなければいけません。また、2分以内で話す必要があります。なぜなら、回答が長い場合、他の受験生の質疑応答の時間を奪ってしまうので、面接官から回答の中断を言われ、印象が悪化します。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "具体的には、「あなたの得意教科・苦手教科は?」と聞かれた時、決していきなり経験談を話すのではなく、まず「得意教科は数学、苦手教科は体育です」とまず最初に答えましょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "そして、そのあと、具体的なエピソードがあれば、手短にまとめればよいのです。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "長すぎる答えはNGです。なるべく1~2分で答えられるように、普段から自分の会話を見直しましょう。少し長引くような質問にも、たかだか2分以内で回答できるように収めるのが望ましいです。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "このため、けっして一つの質問に、たくさん答えようとしてはいけません。簡潔に1つの質問に1つの答えと、その理由を1つだけ、説明しましょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "ほか、ウソは、けっして志望理由書や面接で、ついてはいけません。ウソは、基本的に相手高校にバレます。『【高校受験・志望理由】書き方のルール、コツ、記述例など徹底伝授!』 、2024.01.21。それだけ、高校側が経験豊富なのです。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "なので、高校入試の面接は、基本的には正直に話すのが得です。最低限のマナーや礼儀は必要ですが。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "面接では、あまり細かい自己アピールは出来ません。高校受験の面接は、時間が少ないのです。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "一人当たり5~10分程度で面接を切り上げないといけないので、(なお、学校側の時間節約のため、5人くらい受験生をまとめて、集団面接する場合も多くあります)", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "裏を返すと、面接で自分が話したことがたとえ本当のことであっても、調査書など公的書類に記載していないことは、証明が困難であるので、あまり自己アピールになりません。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "たとえば学校以外の民間のスポーツクラブで、どんなに後輩の面倒見が良くても、そういう人間関係を証明できません。せいぜい、証明の比較的容易な「スポーツクラブに所属の経験あり」くらいが、評価の対象でしょうか。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "得意科目の質問については、中学の通知表の成績と照合されるのが基本的でしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "裏を返せば、たとえどんなに国語が好きでも、もし通知表に書かれた国語の成績が平均的だったら、それを証明できません。もっと言うと、高校受験の面接は、単に口頭で、通知表の内容の具体例を確認する程度です。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "あるいは、どんなに英語が好きでも、英検などの資格を取ってないと、それを証明するのが困難です。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "一応、面接官が疑問に思ったら、追加の質問を聞いてきたりする事もあるので(「では、英語が得意だという具体的なエピソードを教えてください」)、証明は不可能ではないですが、なかなか証明は難しいです。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "もっとも、極端に英語の成績が悪くなければ、まあ面接官も中学生の忙しい状況も分かりますし、通知表に書かれない情報があることも知っていますので、ある程度の救済はするかもしれませんが。とはいえ、普段の中学校での生活態度が悪いと(たとえば「病気じゃないのに欠席が多い」とか)、そういう救済的な追加質問にも証明をするのが難しくなってしまいます。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "なので、生活態度も正しくしましょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "答えはけっして模範解答を丸ごと暗記するのではなく、大まかな内容を用意しておき、面接教員の質問に対して、その場できちんと考えて、自分の言葉で丁寧語にて答えましょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "志望理由は、志望理由書の確認もあります。まず、その内容を手短かに答えるのも良いかもしれません。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "ただし、回答時間が短いので、志望理由書に書いた内容そのままでは答えらえません。大まかな内容を事前に考えておいて、手短かにこたえられるようにしましょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "ほか、普通に「家から近い」とか(進学校なら)「偏差値が高い」とか言っても大丈夫です。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "「偏差値が高いし、家からも近いからです。部活もいろんな部活が強豪だし、良さそうだと思いました」とか言う回答でも、それが事実なら、それでも受験に合格します。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "なお、(偏差値が高くて)「家から近くて歩いて(または「自転車で」)いける距離だからです」と言うと、さらに具体的で分かりやすいです。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "歩いていける距離と言うのも立派な動機であり、それは、「通学に時間をなるべく掛けずに、学業や部活などに専念したい」という立派な動機になるのです。『物は言いよう』です。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "もちろん、他にも志望した理由があれば、たとえば「入りたい部活があります。この高校は野球部が強いので、自分は中学でも野球部だったし、高校でも野球部に入りたいのでこの高校を専願に選びました」とか理由があって、専願にしたのなら、それを言うのも積極性をアピールできて良いでしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "ただ、併願校に対して、あまりに「とても入りたい」とか言うと、面接官から「なぜ専願にしなかったのですか?」と疑問を呈される可能性があるので、過度なお世辞はやめましょう。たとえば、高校の野球部が近隣校に大会で予選敗退したのに「野球部が強い」とか言うと、「では、わが校に勝った他校を第一志望にしているのですか。わが校は第二志望以下なのですか?」とかツッコミをされかねません。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "ほか、募集要項や、学校公式サイトなどの学校紹介と矛盾していことは、志望動機にしないのが安全でしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "「部活と学業を両立する文武両道」と公式サイトに書いてある私立に対して、「部活よりも学業に専念したい」(あるいは「学業よりも部活に専念したい」)とか言ったら、よほど部活で全国大会出場とか業績が高くないかぎりは、あまり印象はよくないでしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "ただし、普通科高校の通常の進学コースを志望する場合、あまり細かい志望動機は問われないと思います。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "単に「吹奏楽部を頑張りました」とかではなく、吹奏楽部なら、その吹奏楽部で何をどう頑張ったのかを答えられるようにしましょう。ドラマチックである必要はありません。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "頑張った結果、自分は何ができるようになったとか、あるいは中学校で自分の周囲で何が変わったかを言うと、具体性が高まり、分かりやすくなります。(時間に限りがあるので、両方は言えないかもしれません。)", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "部活・学業などの継続的に頑張ったことが思いつかない場合は、文化祭・合唱祭や体育祭などでいいので、何か、自身の頑張ったことを探してください。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "語れるような具体的な夢が無ければ、得意科目や中学生活で頑張ったことなどをベースに考えるのも良い。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "話を盛る(もる)必要はありません。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "大した志望動機や将来の夢が大きくなくても、多少の自身の希望は小さくても必要ですが(「こんな感じの仕事に将来、つけたらいいなあと思っています」的な)、それさえあれば、将来目標として世間の普通の大人がしている普通のことをできるように成長を目指すことでも、立派な目標です。なぜなら、身の回りに当たり前にころがっている日常品やインフラなど普通の商品・製品・設備も、それを作るのに大きな労力が投入されています。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "たとえ将来の夢が決まっていなくても、それをもとに(将来の夢は見つかってないので)「なので、高校に入ったら、学業と部活動をバランスよく頑張りって、将来の夢を見つけたいと思います」なのか、それとも「学業を中心に頑張って、大学進学したいと思います」なのか、そこで自分の個性が表現できます。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "無理にウソをついて、将来の夢が決まってないのに、夢を語らないほうが安全です。ウソをついても相手の面接官(めんせつかん)にバレて、ボロが出ます。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "ドアをノックする回数が3回なのか2回なのかは、どうでも良いことです。1回とか ノック無し とかでなければ、あるいは5回以上みたいに急かしている(せかしている)ような印象を与えなければ、平気でしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "思考力・判断力などは、高校入試の面接では、よほどの難関・名門・伝統の全国知名度の高校か、とても意識高い私立高校でないかぎりは、問われません。なぜなら高校側に、そこまでの話し合いをする時間が無いからです。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "極端に思考力が低くなければ、問題ないでしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "私立高校でも、面接を行わない高校もあります。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "専願者でなくても、併願者にも面接を行う高校はあります。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "また公立高校では、特殊な学科や学校でないかぎり、面接を行う学校は少ないのが現状(2024年)です。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "面接対策の志望理由で何をしてほしいかと言うと、受験生である中学生の子供自身と、高校との相性(あいしょう)といったマッチングの検査を、自発的にある程度はしてほしいのです。ミスマッチを減らすために、志望校について少しは自分で調べるなど、最低限の努力はしてほしい、という問題です。マッチングの事前の検査は、生徒本人か、とても近い家族などでないと、判断できません。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "これは受験だけでなく、将来の就職活動などでも必要になる考え方です。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "学校だって、なんでもかんでもは高度な教育を提供できません。極端な例え(たとえ)ですが、スーパーサイエンスハイスク-ル(SSH)なら、高度な教育は、理科系の教育しか提供できません。SSHへの志望理由でもし「歴史の探究をしたいので志望」とか言われても、少し無理です。同様、体育学科の高校なら、体育しか高度な教育は提供できません。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "普通科高校ですら、それぞれ校風や教育方針に違いがありますし、設備なども高校ごとに微妙に違います。設備なら、たとえば温水プールの無い高校への志望で「水泳部に入って、1年間プールで練習したい」とか言われても、なかなか難しいです。私学ですら、その学校の設備や人材で与えられる教育しか、提供できません。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "だから、受験生が高校と相性がいいのかを、少しは自発的に確認してほしいのです。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "もちろん、5教科の受験勉強でも忙しいので、そんなマッチングばかりに気を使ってられないのも分かるので、けっして厳密な検査でなくてもかまいません。ですが、少しは自発的に、相性を検査してください。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "また、完全になんでも相性が合うなんて高校もありません。なにか不満なところもあるでしょうが、それが許容範囲なのかどうかを、事前に考えて志望校を決めてほしいのです。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "これは、受験ノウハウという問題ではなく、「高校側に負担を掛けたくない。不幸なミスマッチを減らしたい」といった、他人への気遣い(きづかい)の問題です。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "定番の質問の下記の2つ、", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "これについて、ビジネス手法での、なにかの振り返り(ふりかえり) のさいの自己分析手法として、日本独自のYWT法というのがあります。「やったこと(Y)、わかったこと(W)、次にやりたいこと(T)」です。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "要するに、YWT法が面接で聞かれています。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "がYWT法です。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "下書きなどの際、時間に余裕があれば YWT 法で言語化して、まとめると良いでしょう。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "なお、KPT法(ケプトほう)とは品質改善の手法で、Keep(維持したい点)、Problem(やめるべき問題点)、Try(挑戦すること)です。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "「T」は、KPTもYWTもほぼ同じ意味です。「W わかったこと」は、Keep と Problem に分解できます。しかしまあ、高校入試の面接対策では、KPT法までは、する必要は無いと思います。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "KPT法は、個人用というよりは、どちらかというチーム開発で用います。面接対策としては、KPT法ではなく、YWT法(やった・わかった・次やる法)で対処したほうが効率的でしょう。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "ほか、YWT法をアレンジしたもので、YWTM法というのがあります。これは、YWT法に、Tで「次やること」を達成した場合に得られる利点(メリット:Merit)の追記を加えたものです。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "なんのメリットがあるかという理由をメモしないと、時間の経過とともに、しばしば理由を忘れます。そして、理由を思い出すのに思考力を消費してしまうので、最終的な志望理由書に利点を書くかはともかく、下書きのほうにはメリット・理由を書いておくのが良いでしょう。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "ToDoリストによるタスク管理などでも、長丁場のタスクでは、理由を書いておかないとその理由を忘れてしまい、思い出すのに精神力を消費します。なので、覚えているうちに理由をメモ的に1行ていどで書いておくとラクです。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "ビジネス書などではメリットが書いてあると「やる気を引き出す」とか説明されてるっぽいですが、そんなことはどうでもよく、実際に長丁場の予定などを書くと理由を忘れるので、理由を覚えているうちにメモするのがポイントです。1か月とかそういう期間が経過すると、理由をどんどん忘れます。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "ほか、メリットが書いてないと、T「次やること」の妥当性の検証ができません。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "文科省のmextの研修ファイルでもYWTM法は紹介されているので、知らないとは言わせない。文科省は知ってるはず。大阪教育大学『教員の養成・採用・研修の一体的改革推進事業 成果報告書』令和 2 年 3 月 31 日、P9", "title": "※余談" } ]
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== 面接よりも筆記試験が大事 == 面接対策や志望理由書よりも、学力試験の筆記の受験科目(国数英など)のほうが合否の判定では重視されます。寡聞(かぶん)にして「筆記試験ではダメだったけど、面接で逆転した」という話を聞きません。 面接対策や志望理由書のための下調べばかりに時間を掛け過ぎて、肝心の学力試験をおろそかにしないようにしましょう。 ただし、志望理由書の書き方は、文章の書き方の練習にもなるので、余裕があれば練習するのも良いでしょう。面接の対策も、人前で説明する練習になります。 == 志望理由書 == 志望理由書には行数の制限があるので、「この高校」ではなく「貴校」(あなたの学校と言う意味)という敬語を使うのが良いでしょう。 もっとも、実際に面接で「この高校」と言っても、別に減点はされないと思います。 おおむね、志望理由書の大きさは、ノートサイズの用紙で1枚くらいです。 ;書き言葉をつかう 文体は、書き言葉の丁寧語で書きましょう。 「ちょっと」ではなく「少し」のように、です。 話し言葉が幼稚な印象とか言うだけでなく、話し言葉だと文章では読みづらい場合があります。文章中に「ちょっと」とか話し言葉が入ると、だいぶ読みづらいです。 ;結論から書く また、結論から書きましょう。長文を読まされるので、結論から書いてないと、読者である教師が要点を把握しづらいからです。つまり、「貴校を志望した理由は、○○が△△だからです。」のような1~2行ていどの文章が、出だしになると思います。 ;志望動機は1つか2つに絞る あまり多くの動機を書くと、文章が散漫な印象を与えがちとのことです<ref>[https://www.seisekiup.net/column/study/1594/ 『【高校受験・志望理由】書き方のルール、コツ、記述例など徹底伝授! – お役立ちコラム』 ]</ref>。 たとえば :「志望動機は、貴校の○○が△△だからであり、また、□□が××だからです」 のようになるでしょうか。 とはいえ、いきなり志望動機は2個に選べません。 そこで、まずパソコンを使った下書きで、志望動機を5~10個くらい箇条書きで羅列します<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref>。それをもとに、志望動機に順位をつけ、上位2個の決定的な志望動機を決めます。 ;文体表現は統一する 「です・ます」調か、「だ・である」調なのか、統一しましょう<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref><ref>[https://www.seisekiup.net/column/study/1594/ 『【高校受験・志望理由】書き方のルール、コツ、記述例など徹底伝授! – お役立ちコラム』]</ref>。 ;自己アピール文ではありません。 志望理由書はその名の通り、志望した理由を書くための提出書類です。 ただし、自己アピール書をいちいち提出したりはしないので、大きな業績があれば手短かにそれを自己アピールにからめて志望理由を説明するのは可能です。たとえば、「柔道部で県大会で2位になったので、高校には柔道の強い貴校を選びました」みたいなのは可能です。 しかし、あくまで志望理由がメインですので、自己アピールは簡潔にしましょう。 ;説明会などに出れるなら出ておく 志望理由書を具体的に書くため、第3志望くらいまでは学校説明会に出ましょう。 ;書き方のコツ まず、パソコンなどで下書きをしましょう。けっして、いきなり志望理由書のような文体で書くのではなく、まずは箇条書きで良いので、志望理由に使えそうなことを書き出しましょう。 また、自己アピールに使えそうなことを、思いつくままに書きだしましょう<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導 ]</ref>。 ほか、将来つきたい職業などの目標を書きます。 しかし、それはそのままでは志望理由書を使えません。この下書きをもとに、もっとも効果的な志望理由を2個選び、それの説明に説得力をもたせるのに使えそうな自己アピールだけを選んで、文章を組み立てます。 ;塾で添削(てんさく) 塾でも、志望理由書の添削(てんさく)をしています。自分では気づきづらい言葉遣いの乱れなどを添削してもらえますので、中3になったら入塾するのも手かも。 ;高校入学後の目標 志望理由を書くとき、高校入学後の目標も一緒に書くと、相手に分かりやすいかもしれません。 面接では、定番の質問で、「高校に入ったら学校で頑張りたいこと」を聞かれるからです。 野球部に入りたいなら、単に「志望理由が野球部の強豪だからです」で終わらせるのではなく、「高校でも野球部を続けたいので、野球部の強豪である貴校を志望しました」のように書くと、動機の全体像が分かりやすくて効果的です。 アピールする事ばかり考えるのでなく、相手に分かりやすくするために、目標を必要なら書きましょう。 目標は、大まかなもので構いません。自分や家族には当然の情報でも、高校側はあなたの目標をまったく知りません。 べつに部活などの課外活動ではなく、「勉強を頑張るために偏差値の高い貴校を志望」などの目標でも構いませんが、勉強を通して何になりたいのかを、大まかで良いので伝えると分かりやすいです。 :「勉強をしやすい高校だからです」よりも :→「大学進学をしたいので、偏差値の高い貴校を志望しました」のほうが良いし、 :→「大学進学をしたいので、偏差値の高い貴校を志望しました。なぜなら私の将来の夢は文科系の仕事につきたいので、そのため大学進学をする必要性が高いからです」のほうがもっと良いでしょう。 上記の最下段のように、ある程度は具体的に書くと良いかもしれません。 あまり細かく目標の職業が決まってなくても良いですが、ある程度は当面の大まかな目標の職業を用意しておくと良いでしょう。 ;高校の進学実績などを少しは調べる 勉強や進学を目標とする場合、その高校や学科の進学実績と極端に離れた動機は、減点の対象になるかもしれません。 たとえば、将来は大卒レベルの理科系の仕事につきたいのに、志望高校が国際科などの文系よりの学科だったり、あるいは進学コース以外を選ぶなどは、減点対象でしょう。 == 面接の対策 == === 定番の質問 === 高校受験の定番の質問は、受験番号や氏名や生年月日や出身高校のほかは、下記です<ref>[https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/article/closeup/00/1368119_13514.html 『高校入試の面接 よく聞かれる質問と対策|進研ゼミ 高校入試情報サイト』]</ref><ref>[https://www.eikoh.co.jp/koukoujuken/column/c2047/ 栄光ゼミナール『面接試験頻出の質問と回答例【面接対策シリーズ第3回】』 ]</ref><ref>[https://jyukumado.jp/column/39 『【高校受験】面接でよく聞かれる10の質問と成功するための準備を解説【塾探しの窓口】』]</ref>。 * 志望理由 * 高校卒業後の進路、将来の夢 * 中学校生活で頑張ったこと * 高校に入ったら頑張りたいこと、および将来の夢<ref>[https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/junior-high-school/200409.html 『高校受験の面接でよく聞かれる質問8選と回答例を紹介!合格のコツも解説 | 明光プラス』、初出 2020.04.09、] </ref><ref>[https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/article/closeup/00/1368119_13514.html 『高校入試の面接 よく聞かれる質問と対策|進研ゼミ 高校入試情報サイト』]</ref> * 自分の長所、短所 * 得意な教科、苦手な教科 * 趣味、または最近読んだ本とその感想など<ref>[https://www.eikoh.co.jp/koukoujuken/column/c2047/ 栄光ゼミナール『面接試験頻出の質問と回答例【面接対策シリーズ第3回】』 ]</ref> * 最近、気になったニュース、 ほか、入学した場合の通学手段を質問されることもあります。 ほか、面接時の持ち物の指示が、受験要綱などに書いてある場合がありますので、事前に読んでおいてください<ref>[https://www.eikoh.co.jp/koukoujuken/column/c2016/ 『これだけは避けよう!面接でやってはいけないNG行動10選! | 栄光ゼミナール公式サイト』]</ref>。 === 原則 === ==== 結論から話す ==== 回答はまず結論から先に話さなければいけません。また、2分以内で話す必要があります。なぜなら、回答が長い場合、他の受験生の質疑応答の時間を奪ってしまうので、面接官から回答の中断を言われ、印象が悪化します。 具体的には、「あなたの得意教科・苦手教科は?」と聞かれた時、決していきなり経験談を話すのではなく、まず「得意教科は数学、苦手教科は体育です」とまず最初に答えましょう<ref>[https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/junior-high-school/200409.html 『高校受験の面接でよく聞かれる質問8選と回答例を紹介!合格のコツも解説 | 明光プラス』、初出 2020.04.09、] </ref>。 そして、そのあと、具体的なエピソードがあれば、手短にまとめればよいのです。 ==== なるべく1分以内で話せるように ==== 長すぎる答えはNGです。なるべく1~2分<ref>[https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/junior-high-school/200409.html 『高校受験の面接でよく聞かれる質問8選と回答例を紹介!合格のコツも解説 | 明光プラス』、初出 2020.04.09、] </ref>で答えられるように、普段から自分の会話を見直しましょう。少し長引くような質問にも、たかだか2分以内で回答できるように収めるのが望ましいです。 このため、けっして一つの質問に、たくさん答えようとしてはいけません<ref>[https://www.eikoh.co.jp/koukoujuken/column/c2016/ 『これだけは避けよう!面接でやってはいけないNG行動10選! | 栄光ゼミナール公式サイト』]</ref>。簡潔に1つの質問に1つの答えと、その理由を1つだけ、説明しましょう。 ==== ウソはつかない ==== ほか、ウソは、けっして志望理由書や面接で、ついてはいけません。ウソは、基本的に相手高校にバレます。[https://www.seisekiup.net/column/study/1594/ 『【高校受験・志望理由】書き方のルール、コツ、記述例など徹底伝授!』 、2024.01.21]。それだけ、高校側が経験豊富なのです。 なので、高校入試の面接は、基本的には正直に話すのが得です。最低限のマナーや礼儀は必要ですが。 ==== 公式記録に無い情報は自己アピールしづらい ==== 面接では、あまり細かい自己アピールは出来ません。高校受験の面接は、時間が少ないのです。 一人当たり5~10分程度で面接を切り上げないといけないので、(なお、学校側の時間節約のため、5人くらい受験生をまとめて、集団面接する場合も多くあります) 裏を返すと、面接で自分が話したことがたとえ本当のことであっても、調査書など公的書類に記載していないことは、証明が困難であるので、あまり自己アピールになりません。 たとえば学校以外の民間のスポーツクラブで、どんなに後輩の面倒見が良くても、そういう人間関係を証明できません。せいぜい、証明の比較的容易な「スポーツクラブに所属の経験あり」くらいが、評価の対象でしょうか。 === 定番質問の対策 === ==== 得意科目 ==== 得意科目の質問については、中学の通知表の成績と照合されるのが基本的でしょう。 裏を返せば、たとえどんなに国語が好きでも、もし通知表に書かれた国語の成績が平均的だったら、それを証明できません。もっと言うと、高校受験の面接は、単に口頭で、通知表の内容の具体例を確認する程度です。 あるいは、どんなに英語が好きでも、英検などの資格を取ってないと、それを証明するのが困難です。 一応、面接官が疑問に思ったら、追加の質問を聞いてきたりする事もあるので(「では、英語が得意だという具体的なエピソードを教えてください」)、証明は不可能ではないですが、なかなか証明は難しいです。 もっとも、極端に英語の成績が悪くなければ、まあ面接官も中学生の忙しい状況も分かりますし、通知表に書かれない情報があることも知っていますので、ある程度の救済はするかもしれませんが。とはいえ、普段の中学校での生活態度が悪いと(たとえば「病気じゃないのに欠席が多い」とか)、そういう救済的な追加質問にも証明をするのが難しくなってしまいます。 なので、生活態度も正しくしましょう。 答えはけっして模範解答を丸ごと暗記するのではなく、大まかな内容を用意しておき、面接教員の質問に対して、その場できちんと考えて、自分の言葉で丁寧語にて答えましょう<ref>[https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/article/closeup/00/1368119_13514.html 『高校入試の面接 よく聞かれる質問と対策|進研ゼミ 高校入試情報サイト』]</ref>。 ==== 面接での志望理由 ==== 志望理由は、志望理由書の確認もあります。まず、その内容を手短かに答えるのも良いかもしれません。 ただし、回答時間が短いので、志望理由書に書いた内容そのままでは答えらえません。大まかな内容を事前に考えておいて、手短かにこたえられるようにしましょう。 ほか、普通に「家から近い」<ref>[https://takakurajuku.jp/interview-example 高倉塾『高校入試の面接で聞かれる質問集とその回答例』2022年11月25日]</ref>とか(進学校なら)「偏差値が高い」とか言っても大丈夫です。 「偏差値が高いし、家からも近いからです。部活もいろんな部活が強豪だし、良さそうだと思いました」とか言う回答でも、それが事実なら、それでも受験に合格します。 なお、(偏差値が高くて)「家から近くて歩いて(または「自転車で」)いける距離だからです」と言うと、さらに具体的で分かりやすいです。 歩いていける距離と言うのも立派な動機であり、それは、「通学に時間をなるべく掛けずに、学業や部活などに専念したい」という立派な動機になるのです<ref>[https://takakurajuku.jp/interview-example 高倉塾『高校入試の面接で聞かれる質問集とその回答例』2022年11月25日]</ref>。『物は言いよう』です。 もちろん、他にも志望した理由があれば、たとえば「入りたい部活があります。この高校は野球部が強いので、自分は中学でも野球部だったし、高校でも野球部に入りたいのでこの高校を専願に選びました」とか理由があって、専願にしたのなら、それを言うのも積極性をアピールできて良いでしょう。 ただ、併願校に対して、あまりに「とても入りたい」とか言うと、面接官から「なぜ専願にしなかったのですか?」と疑問を呈される可能性があるので、過度なお世辞はやめましょう。たとえば、高校の野球部が近隣校に大会で予選敗退したのに「野球部が強い」とか言うと、「では、わが校に勝った他校を第一志望にしているのですか。わが校は第二志望以下なのですか?」とかツッコミをされかねません。 ほか、募集要項や、学校公式サイトなどの学校紹介と矛盾していことは、志望動機にしないのが安全でしょう。 「部活と学業を両立する文武両道」と公式サイトに書いてある私立に対して、「部活よりも学業に専念したい」(あるいは「学業よりも部活に専念したい」)とか言ったら、よほど部活で全国大会出場とか業績が高くないかぎりは、あまり印象はよくないでしょう。 ただし、普通科高校の通常の進学コースを志望する場合、あまり細かい志望動機は問われないと思います。 ==== 中学生活で頑張ったこと ==== 単に「吹奏楽部を頑張りました」とかではなく、吹奏楽部なら、その吹奏楽部で何をどう頑張ったのかを答えられるようにしましょう。ドラマチックである必要はありません<ref>[https://jyukumado.jp/column/39 『【高校受験】面接でよく聞かれる10の質問と成功するための準備を解説【塾探しの窓口】』]</ref>。 頑張った結果、自分は何ができるようになったとか、あるいは中学校で自分の周囲で何が変わったかを言うと、具体性が高まり、分かりやすくなります。(時間に限りがあるので、両方は言えないかもしれません。) 部活・学業などの継続的に頑張ったことが思いつかない場合は、文化祭・合唱祭や体育祭などでいいので<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref>、何か、自身の頑張ったことを探してください。 ==== 将来の夢 ==== 語れるような具体的な夢が無ければ、得意科目や中学生活で頑張ったこと<ref>[https://www.daiichisemi.net/column/%E3%80%90%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%80%91%E9%9D%A2%E6%8E%A5%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%A7ok%EF%BC%81%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F%E3%81%A8%E5%9B%9E/ 『【高校受験】面接対策これでOK!よくある質問と回答例を紹介!』 最終更新日: 2023.11.20 ]</ref>などをベースに考えるのも良い。 話を盛る(もる)必要はありません。 大した志望動機や将来の夢が大きくなくても、多少の自身の希望は小さくても必要ですが(「こんな感じの仕事に将来、つけたらいいなあと思っています」的な)、それさえあれば、将来目標として世間の普通の大人がしている普通のことをできるように成長を目指すことでも<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref>、立派な目標です。なぜなら、身の回りに当たり前にころがっている日常品やインフラなど普通の商品・製品・設備も、それを作るのに大きな労力が投入されています。 たとえ将来の夢が決まっていなくても、それをもとに(将来の夢は見つかってないので)「なので、高校に入ったら、学業と部活動をバランスよく頑張りって、将来の夢を見つけたいと思います」なのか、それとも「学業を中心に頑張って、大学進学したいと思います」なのか、そこで自分の個性が表現できます<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref>。 無理にウソをついて、将来の夢が決まってないのに、夢を語らないほうが安全です。ウソをついても相手の面接官(めんせつかん)にバレて、ボロが出ます<ref>[https://cblog.benesse.ne.jp/miraika/2022/10/interview2022.html 『高校面接 よく聞かれることと回答例合格するためのポイントを紹介 | ミライ科 - 進研ゼミ中学講座ブログ』]</ref>。 === ノック回数とか === ドアをノックする回数が3回なのか2回なのかは、どうでも良いことです。1回とか ノック無し とかでなければ、あるいは5回以上みたいに急かしている(せかしている)ような印象を与えなければ、平気でしょう。 === 問われない能力 === 思考力・判断力などは、高校入試の面接では、よほどの難関・名門・伝統の全国知名度の高校か、とても意識高い私立高校でないかぎりは、問われません。なぜなら高校側に、そこまでの話し合いをする'''時間が無い'''からです。 極端に思考力が低くなければ、問題ないでしょう。 === 面接が無い高校 === 私立高校でも、面接を行わない高校もあります。 専願者でなくても、併願者にも面接を行う高校はあります。 また公立高校では、特殊な学科や学校でないかぎり、面接を行う学校は少ないのが現状(2024年)です。 == ※ 何をしてほしいのか == === ミスマッチを自発的に減らしてほしい === 面接対策の志望理由で何をしてほしいかと言うと、受験生である中学生の子供自身と、高校との相性(あいしょう)といったマッチングの検査を、自発的にある程度はしてほしいのです。ミスマッチを減らすために、志望校について少しは自分で調べるなど、最低限の努力はしてほしい、という問題です。マッチングの事前の検査は、生徒本人か、とても近い家族などでないと、判断できません。 これは受験だけでなく、将来の就職活動などでも必要になる考え方です。 学校だって、なんでもかんでもは高度な教育を提供できません。極端な例え(たとえ)ですが、スーパーサイエンスハイスク-ル(SSH)なら、高度な教育は、理科系の教育しか提供できません。SSHへの志望理由でもし「歴史の探究をしたいので志望」とか言われても、少し無理です。同様、体育学科の高校なら、体育しか高度な教育は提供できません。 普通科高校ですら、それぞれ校風や教育方針に違いがありますし、設備なども高校ごとに微妙に違います。設備なら、たとえば温水プールの無い高校への志望で「水泳部に入って、1年間プールで練習したい」とか言われても、なかなか難しいです。私学ですら、その学校の設備や人材で与えられる教育しか、提供できません。 だから、受験生が高校と相性がいいのかを、少しは自発的に確認してほしいのです。 もちろん、5教科の受験勉強でも忙しいので、そんなマッチングばかりに気を使ってられないのも分かるので、けっして厳密な検査でなくてもかまいません。ですが、少しは自発的に、相性を検査してください。 また、完全になんでも相性が合うなんて高校もありません。なにか不満なところもあるでしょうが、それが許容範囲なのかどうかを、事前に考えて志望校を決めてほしいのです。 これは、受験ノウハウという問題ではなく、「高校側に負担を掛けたくない。不幸なミスマッチを減らしたい」といった、他人への気遣い(きづかい)の問題です。 == ※余談 == === 振り返りツール === ==== YWT法 ==== 定番の質問の下記の2つ、 * 中学校生活で頑張ったこと * 高校に入ったら頑張りたいこと、および将来の夢 これについて、ビジネス手法での、なにかの'''振り返り'''(ふりかえり) のさいの自己分析手法として、日本独自の'''YWT法'''というのがあります。「やったこと(Y)、わかったこと(W)、次にやりたいこと(T)」です。 要するに、YWT法が面接で聞かれています。 * Y やったこと(事実、経験) * W わかったこと(理解、内省) * T 次にやる事(行動計画、応用) がYWT法です。 下書きなどの際、時間に余裕があれば YWT 法で言語化して、まとめると良いでしょう。 ;注意点 * 「Y やったこと」では、経験した事実のみを書きだします。 ::その理由:経験から得られた知見などは、「W わかったこと」で書くからです。YとWを混ぜないようにすると、管理しやすいでしょう。 * 「W わかったこと」では、解決策まで書かないことです。なぜなら解決策については、Tで考えるからです。 * 「W わかったこと」では、良い点だけでなく悪い点も両方とも書きます。 ::その理由:(これは別のビジネス手法の KPT 法(ケプトほう)という手法でもあります) なお、KPT法(ケプトほう)とは品質改善の手法で、Keep(維持したい点)、Problem(やめるべき問題点)、Try(挑戦すること)です。 「T」は、KPTもYWTもほぼ同じ意味です。「W わかったこと」は、Keep と Problem に分解できます<ref>[https://qiita.com/dairappa/items/7bc404ab935c659b0afd 『YWTふりかえりをフルリモートで実施してみたら、割と評判が良かった』最終更新日 2020年11月09日 ]</ref>。しかしまあ、高校入試の面接対策では、KPT法までは、する必要は無いと思います。 KPT法は、個人用というよりは、どちらかというチーム開発で用います。面接対策としては、KPT法ではなく、YWT法(やった・わかった・次やる法)で対処したほうが効率的でしょう。 ==== メリット付きのYWTM法 ==== ほか、YWT法をアレンジしたもので、'''YWTM法'''というのがあります。これは、YWT法に、Tで「次やること」を達成した場合に得られる利点(メリット:Merit)の追記を加えたものです。 なんのメリットがあるかという理由をメモしないと、時間の経過とともに、しばしば理由を忘れます。そして、理由を思い出すのに思考力を消費してしまうので、最終的な志望理由書に利点を書くかはともかく、下書きのほうにはメリット・理由を書いておくのが良いでしょう。 ToDoリストによるタスク管理などでも、長丁場のタスクでは、理由を書いておかないとその理由を忘れてしまい、思い出すのに精神力を消費します。なので、覚えているうちに理由をメモ的に1行ていどで書いておくとラクです。 ビジネス書などではメリットが書いてあると「やる気を引き出す」とか説明されてるっぽいですが、そんなことはどうでもよく、実際に長丁場の予定などを書くと理由を忘れるので、理由を覚えているうちにメモするのがポイントです。1か月とかそういう期間が経過すると、理由をどんどん忘れます。 ほか、メリットが書いてないと、T「次やること」の妥当性の検証ができません。 文科省のmextの研修ファイルでもYWTM法は紹介されているので、知らないとは言わせない。文科省は知ってるはず。[https://www.mext.go.jp/content/20201020-mxt_kyoikujinzai01-000007916-23.pdf 大阪教育大学『教員の養成・採用・研修の一体的改革推進事業 成果報告書』令和 2 年 3 月 31 日、P9] == 参考文献 ==
2024-03-06T16:30:07Z
2024-03-16T06:17:38Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/%E5%BF%97%E6%9C%9B%E7%90%86%E7%94%B1%E6%9B%B8%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E9%9D%A2%E6%8E%A5%E3%81%AE%E5%AF%BE%E7%AD%96
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高校受験ガイド/志望理由書および面接の対策
面接対策や志望理由書よりも、学力試験の筆記の受験科目(国数英など)のほうが合否の判定では重視されます。寡聞(かぶん)にして「筆記試験ではダメだったけど、面接で逆転した」という話を聞きません。 面接対策や志望理由書のための下調べばかりに時間を掛け過ぎて、肝心の学力試験をおろそかにしないようにしましょう。 ただし、志望理由書の書き方は、文章の書き方の練習にもなるので、余裕があれば練習するのも良いでしょう。面接の対策も、人前で説明する練習になります。 志望理由書には行数の制限があるので、「この高校」ではなく「貴校」(あなたの学校と言う意味)という敬語を使うのが良いでしょう。 もっとも、実際に面接で「この高校」と言っても、別に減点はされないと思います。 おおむね、志望理由書の大きさは、ノートサイズの用紙で1枚くらいです。 文体は、書き言葉の丁寧語で書きましょう。 「ちょっと」ではなく「少し」のように、です。 話し言葉が幼稚な印象とか言うだけでなく、話し言葉だと文章では読みづらい場合があります。文章中に「ちょっと」とか話し言葉が入ると、だいぶ読みづらいです。 また、結論から書きましょう。長文を読まされるので、結論から書いてないと、読者である教師が要点を把握しづらいからです。つまり、「貴校を志望した理由は、○○が△△だからです。」のような1~2行ていどの文章が、出だしになると思います。 あまり多くの動機を書くと、文章が散漫な印象を与えがちとのことです。 たとえば のようになるでしょうか。 とはいえ、いきなり志望動機は2個に選べません。 そこで、まずパソコンを使った下書きで、志望動機を5~10個くらい箇条書きで羅列します。それをもとに、志望動機に順位をつけ、上位2個の決定的な志望動機を決めます。 「です・ます」調か、「だ・である」調なのか、統一しましょう。 志望理由書はその名の通り、志望した理由を書くための提出書類です。 ただし、自己アピール書をいちいち提出したりはしないので、大きな業績があれば手短かにそれを自己アピールにからめて志望理由を説明するのは可能です。たとえば、「柔道部で県大会で2位になったので、高校には柔道の強い貴校を選びました」みたいなのは可能です。 しかし、あくまで志望理由がメインですので、自己アピールは簡潔にしましょう。 志望理由書を具体的に書くため、第3志望くらいまでは学校説明会に出ましょう。 まず、パソコンなどで下書きをしましょう。けっして、いきなり志望理由書のような文体で書くのではなく、まずは箇条書きで良いので、志望理由に使えそうなことを書き出しましょう。 また、自己アピールに使えそうなことを、思いつくままに書きだしましょう。 ほか、将来つきたい職業などの目標を書きます。 しかし、それはそのままでは志望理由書を使えません。この下書きをもとに、もっとも効果的な志望理由を2個選び、それの説明に説得力をもたせるのに使えそうな自己アピールだけを選んで、文章を組み立てます。 塾でも、志望理由書の添削(てんさく)をしています。自分では気づきづらい言葉遣いの乱れなどを添削してもらえますので、中3になったら入塾するのも手かも。 志望理由を書くとき、高校入学後の目標も一緒に書くと、相手に分かりやすいかもしれません。 面接では、定番の質問で、「高校に入ったら学校で頑張りたいこと」を聞かれるからです。 野球部に入りたいなら、単に「志望理由が野球部の強豪だからです」で終わらせるのではなく、「高校でも野球部を続けたいので、野球部の強豪である貴校を志望しました」のように書くと、動機の全体像が分かりやすくて効果的です。 アピールする事ばかり考えるのでなく、相手に分かりやすくするために、目標を必要なら書きましょう。 目標は、大まかなもので構いません。自分や家族には当然の情報でも、高校側はあなたの目標をまったく知りません。 べつに部活などの課外活動ではなく、「勉強を頑張るために偏差値の高い貴校を志望」などの目標でも構いませんが、勉強を通して何になりたいのかを、大まかで良いので伝えると分かりやすいです。 上記の最下段のように、ある程度は具体的に書くと良いかもしれません。 あまり細かく目標の職業が決まってなくても良いですが、ある程度は当面の大まかな目標の職業を用意しておくと良いでしょう。 勉強や進学を目標とする場合、その高校や学科の進学実績と極端に離れた動機は、減点の対象になるかもしれません。 たとえば、将来は大卒レベルの理科系の仕事につきたいのに、志望高校が国際科などの文系よりの学科だったり、あるいは進学コース以外を選ぶなどは、減点対象でしょう。 高校受験の定番の質問は、受験番号や氏名や生年月日や出身高校のほかは、下記です。 ほか、入学した場合の通学手段を質問されることもあります。 ほか、面接時の持ち物の指示が、受験要綱などに書いてある場合がありますので、事前に読んでおいてください。 回答はまず結論から先に話さなければいけません。また、2分以内で話す必要があります。なぜなら、回答が長い場合、他の受験生の質疑応答の時間を奪ってしまうので、面接官から回答の中断を言われ、印象が悪化します。 具体的には、「あなたの得意教科・苦手教科は?」と聞かれた時、決していきなり経験談を話すのではなく、まず「得意教科は数学、苦手教科は体育です」とまず最初に答えましょう。 そして、そのあと、具体的なエピソードがあれば、手短にまとめればよいのです。 長すぎる答えはNGです。なるべく1~2分で答えられるように、普段から自分の会話を見直しましょう。少し長引くような質問にも、たかだか2分以内で回答できるように収めるのが望ましいです。 このため、けっして一つの質問に、たくさん答えようとしてはいけません。簡潔に1つの質問に1つの答えと、その理由を1つだけ、説明しましょう。 ほか、ウソは、けっして志望理由書や面接で、ついてはいけません。ウソは、基本的に相手高校にバレます。『【高校受験・志望理由】書き方のルール、コツ、記述例など徹底伝授!』 、2024.01.21。それだけ、高校側が経験豊富なのです。 なので、高校入試の面接は、基本的には正直に話すのが得です。最低限のマナーや礼儀は必要ですが。 面接では、あまり細かい自己アピールは出来ません。高校受験の面接は、時間が少ないのです。 一人当たり5~10分程度で面接を切り上げないといけないので、(なお、学校側の時間節約のため、5人くらい受験生をまとめて、集団面接する場合も多くあります) 裏を返すと、面接で自分が話したことがたとえ本当のことであっても、調査書など公的書類に記載していないことは、証明が困難であるので、あまり自己アピールになりません。 たとえば学校以外の民間のスポーツクラブで、どんなに後輩の面倒見が良くても、そういう人間関係を証明できません。せいぜい、証明の比較的容易な「スポーツクラブに所属の経験あり」くらいが、評価の対象でしょうか。 得意科目の質問については、中学の通知表の成績と照合されるのが基本的でしょう。 裏を返せば、たとえどんなに国語が好きでも、もし通知表に書かれた国語の成績が平均的だったら、それを証明できません。もっと言うと、高校受験の面接は、単に口頭で、通知表の内容の具体例を確認する程度です。 あるいは、どんなに英語が好きでも、英検などの資格を取ってないと、それを証明するのが困難です。 一応、面接官が疑問に思ったら、追加の質問を聞いてきたりする事もあるので(「では、英語が得意だという具体的なエピソードを教えてください」)、証明は不可能ではないですが、なかなか証明は難しいです。 もっとも、極端に英語の成績が悪くなければ、まあ面接官も中学生の忙しい状況も分かりますし、通知表に書かれない情報があることも知っていますので、ある程度の救済はするかもしれませんが。とはいえ、普段の中学校での生活態度が悪いと(たとえば「病気じゃないのに欠席が多い」とか)、そういう救済的な追加質問にも証明をするのが難しくなってしまいます。 なので、生活態度も正しくしましょう。 答えはけっして模範解答を丸ごと暗記するのではなく、大まかな内容を用意しておき、面接教員の質問に対して、その場できちんと考えて、自分の言葉で丁寧語にて答えましょう。 志望理由は、志望理由書の確認もあります。まず、その内容を手短かに答えるのも良いかもしれません。 ただし、回答時間が短いので、志望理由書に書いた内容そのままでは答えらえません。大まかな内容を事前に考えておいて、手短かにこたえられるようにしましょう。 ほか、普通に「家から近い」とか(進学校なら)「偏差値が高い」とか言っても大丈夫です。 「偏差値が高いし、家からも近いからです。部活もいろんな部活が強豪だし、良さそうだと思いました」とか言う回答でも、それが事実なら、それでも受験に合格します。 なお、(偏差値が高くて)「家から近くて歩いて(または「自転車で」)いける距離だからです」と言うと、さらに具体的で分かりやすいです。 歩いていける距離と言うのも立派な動機であり、それは、「通学に時間をなるべく掛けずに、学業や部活などに専念したい」という立派な動機になるのです。『物は言いよう』です。 もちろん、他にも志望した理由があれば、たとえば「入りたい部活があります。この高校は野球部が強いので、自分は中学でも野球部だったし、高校でも野球部に入りたいのでこの高校を専願に選びました」とか理由があって、専願にしたのなら、それを言うのも積極性をアピールできて良いでしょう。 ただ、併願校に対して、あまりに「とても入りたい」とか言うと、面接官から「なぜ専願にしなかったのですか?」と疑問を呈される可能性があるので、過度なお世辞はやめましょう。たとえば、高校の野球部が近隣校に大会で予選敗退したのに「野球部が強い」とか言うと、「では、わが校に勝った他校を第一志望にしているのですか。わが校は第二志望以下なのですか?」とかツッコミをされかねません。 ほか、募集要項や、学校公式サイトなどの学校紹介と矛盾していことは、志望動機にしないのが安全でしょう。 「部活と学業を両立する文武両道」と公式サイトに書いてある私立に対して、「部活よりも学業に専念したい」(あるいは「学業よりも部活に専念したい」)とか言ったら、よほど部活で全国大会出場とか業績が高くないかぎりは、あまり印象はよくないでしょう。 ただし、普通科高校の通常の進学コースを志望する場合、あまり細かい志望動機は問われないと思います。 単に「吹奏楽部を頑張りました」とかではなく、吹奏楽部なら、その吹奏楽部で何をどう頑張ったのかを答えられるようにしましょう。ドラマチックである必要はありません。 頑張った結果、自分は何ができるようになったとか、あるいは中学校で自分の周囲で何が変わったかを言うと、具体性が高まり、分かりやすくなります。(時間に限りがあるので、両方は言えないかもしれません。) 部活・学業などの継続的に頑張ったことが思いつかない場合は、文化祭・合唱祭や体育祭などでいいので、何か、自身の頑張ったことを探してください。 語れるような具体的な夢が無ければ、得意科目や中学生活で頑張ったことなどをベースに考えるのも良い。 話を盛る(もる)必要はありません。 大した志望動機や将来の夢が大きくなくても、多少の自身の希望は小さくても必要ですが(「こんな感じの仕事に将来、つけたらいいなあと思っています」的な)、それさえあれば、将来目標として世間の普通の大人がしている普通のことをできるように成長を目指すことでも、立派な目標です。なぜなら、身の回りに当たり前にころがっている日常品やインフラなど普通の商品・製品・設備も、それを作るのに大きな労力が投入されています。 たとえ将来の夢が決まっていなくても、それをもとに(将来の夢は見つかってないので)「なので、高校に入ったら、学業と部活動をバランスよく頑張りって、将来の夢を見つけたいと思います」なのか、それとも「学業を中心に頑張って、大学進学したいと思います」なのか、そこで自分の個性が表現できます。 無理にウソをついて、将来の夢が決まってないのに、夢を語らないほうが安全です。ウソをついても相手の面接官(めんせつかん)にバレて、ボロが出ます。 ドアをノックする回数が3回なのか2回なのかは、どうでも良いことです。1回とか ノック無し とかでなければ、あるいは5回以上みたいに急かしている(せかしている)ような印象を与えなければ、平気でしょう。 思考力・判断力などは、高校入試の面接では、よほどの難関・名門・伝統の全国知名度の高校か、とても意識高い私立高校でないかぎりは、問われません。なぜなら高校側に、そこまでの話し合いをする時間が無いからです。 極端に思考力が低くなければ、問題ないでしょう。 私立高校でも、面接を行わない高校もあります。 専願者でなくても、併願者にも面接を行う高校はあります。 また公立高校では、特殊な学科や学校でないかぎり、面接を行う学校は少ないのが現状(2024年)です。 面接対策の志望理由で何をしてほしいかと言うと、受験生である中学生の子供自身と、高校との相性(あいしょう)といったマッチングの検査を、自発的にある程度はしてほしいのです。ミスマッチを減らすために、志望校について少しは自分で調べるなど、最低限の努力はしてほしい、という問題です。マッチングの事前の検査は、生徒本人か、とても近い家族などでないと、判断できません。 これは受験だけでなく、将来の就職活動などでも必要になる考え方です。 学校だって、なんでもかんでもは高度な教育を提供できません。極端な例え(たとえ)ですが、スーパーサイエンスハイスク-ル(SSH)なら、高度な教育は、理科系の教育しか提供できません。SSHへの志望理由でもし「歴史の探究をしたいので志望」とか言われても、少し無理です。同様、体育学科の高校なら、体育しか高度な教育は提供できません。 普通科高校ですら、それぞれ校風や教育方針に違いがありますし、設備なども高校ごとに微妙に違います。設備なら、たとえば温水プールの無い高校への志望で「水泳部に入って、1年間プールで練習したい」とか言われても、なかなか難しいです。私学ですら、その学校の設備や人材で与えられる教育しか、提供できません。 だから、受験生が高校と相性がいいのかを、少しは自発的に確認してほしいのです。 もちろん、5教科の受験勉強でも忙しいので、そんなマッチングばかりに気を使ってられないのも分かるので、けっして厳密な検査でなくてもかまいません。ですが、少しは自発的に、相性を検査してください。 また、完全になんでも相性が合うなんて高校もありません。なにか不満なところもあるでしょうが、それが許容範囲なのかどうかを、事前に考えて志望校を決めてほしいのです。 これは、受験ノウハウという問題ではなく、「高校側に負担を掛けたくない。不幸なミスマッチを減らしたい」といった、他人への気遣い(きづかい)の問題です。 定番の質問の下記の2つ、 これについて、ビジネス手法での、なにかの振り返り(ふりかえり) のさいの自己分析手法として、日本独自のYWT法というのがあります。「やったこと(Y)、わかったこと(W)、次にやりたいこと(T)」です。 要するに、YWT法が面接で聞かれています。 がYWT法です。 下書きなどの際、時間に余裕があれば YWT 法で言語化して、まとめると良いでしょう。 なお、KPT法(ケプトほう)とは品質改善の手法で、Keep(維持したい点)、Problem(やめるべき問題点)、Try(挑戦すること)です。 「T」は、KPTもYWTもほぼ同じ意味です。「W わかったこと」は、Keep と Problem に分解できます。しかしまあ、高校入試の面接対策では、KPT法までは、する必要は無いと思います。 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"tag": "p", "text": "ただし、回答時間が短いので、志望理由書に書いた内容そのままでは答えらえません。大まかな内容を事前に考えておいて、手短かにこたえられるようにしましょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "ほか、普通に「家から近い」とか(進学校なら)「偏差値が高い」とか言っても大丈夫です。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "「偏差値が高いし、家からも近いからです。部活もいろんな部活が強豪だし、良さそうだと思いました」とか言う回答でも、それが事実なら、それでも受験に合格します。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "なお、(偏差値が高くて)「家から近くて歩いて(または「自転車で」)いける距離だからです」と言うと、さらに具体的で分かりやすいです。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "歩いていける距離と言うのも立派な動機であり、それは、「通学に時間をなるべく掛けずに、学業や部活などに専念したい」という立派な動機になるのです。『物は言いよう』です。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "もちろん、他にも志望した理由があれば、たとえば「入りたい部活があります。この高校は野球部が強いので、自分は中学でも野球部だったし、高校でも野球部に入りたいのでこの高校を専願に選びました」とか理由があって、専願にしたのなら、それを言うのも積極性をアピールできて良いでしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "ただ、併願校に対して、あまりに「とても入りたい」とか言うと、面接官から「なぜ専願にしなかったのですか?」と疑問を呈される可能性があるので、過度なお世辞はやめましょう。たとえば、高校の野球部が近隣校に大会で予選敗退したのに「野球部が強い」とか言うと、「では、わが校に勝った他校を第一志望にしているのですか。わが校は第二志望以下なのですか?」とかツッコミをされかねません。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "ほか、募集要項や、学校公式サイトなどの学校紹介と矛盾していことは、志望動機にしないのが安全でしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "「部活と学業を両立する文武両道」と公式サイトに書いてある私立に対して、「部活よりも学業に専念したい」(あるいは「学業よりも部活に専念したい」)とか言ったら、よほど部活で全国大会出場とか業績が高くないかぎりは、あまり印象はよくないでしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "ただし、普通科高校の通常の進学コースを志望する場合、あまり細かい志望動機は問われないと思います。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "単に「吹奏楽部を頑張りました」とかではなく、吹奏楽部なら、その吹奏楽部で何をどう頑張ったのかを答えられるようにしましょう。ドラマチックである必要はありません。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "頑張った結果、自分は何ができるようになったとか、あるいは中学校で自分の周囲で何が変わったかを言うと、具体性が高まり、分かりやすくなります。(時間に限りがあるので、両方は言えないかもしれません。)", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "部活・学業などの継続的に頑張ったことが思いつかない場合は、文化祭・合唱祭や体育祭などでいいので、何か、自身の頑張ったことを探してください。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "語れるような具体的な夢が無ければ、得意科目や中学生活で頑張ったことなどをベースに考えるのも良い。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "話を盛る(もる)必要はありません。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "大した志望動機や将来の夢が大きくなくても、多少の自身の希望は小さくても必要ですが(「こんな感じの仕事に将来、つけたらいいなあと思っています」的な)、それさえあれば、将来目標として世間の普通の大人がしている普通のことをできるように成長を目指すことでも、立派な目標です。なぜなら、身の回りに当たり前にころがっている日常品やインフラなど普通の商品・製品・設備も、それを作るのに大きな労力が投入されています。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "たとえ将来の夢が決まっていなくても、それをもとに(将来の夢は見つかってないので)「なので、高校に入ったら、学業と部活動をバランスよく頑張りって、将来の夢を見つけたいと思います」なのか、それとも「学業を中心に頑張って、大学進学したいと思います」なのか、そこで自分の個性が表現できます。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "無理にウソをついて、将来の夢が決まってないのに、夢を語らないほうが安全です。ウソをついても相手の面接官(めんせつかん)にバレて、ボロが出ます。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "ドアをノックする回数が3回なのか2回なのかは、どうでも良いことです。1回とか ノック無し とかでなければ、あるいは5回以上みたいに急かしている(せかしている)ような印象を与えなければ、平気でしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "思考力・判断力などは、高校入試の面接では、よほどの難関・名門・伝統の全国知名度の高校か、とても意識高い私立高校でないかぎりは、問われません。なぜなら高校側に、そこまでの話し合いをする時間が無いからです。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "極端に思考力が低くなければ、問題ないでしょう。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "私立高校でも、面接を行わない高校もあります。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "専願者でなくても、併願者にも面接を行う高校はあります。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "また公立高校では、特殊な学科や学校でないかぎり、面接を行う学校は少ないのが現状(2024年)です。", "title": "面接の対策" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "面接対策の志望理由で何をしてほしいかと言うと、受験生である中学生の子供自身と、高校との相性(あいしょう)といったマッチングの検査を、自発的にある程度はしてほしいのです。ミスマッチを減らすために、志望校について少しは自分で調べるなど、最低限の努力はしてほしい、という問題です。マッチングの事前の検査は、生徒本人か、とても近い家族などでないと、判断できません。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "これは受験だけでなく、将来の就職活動などでも必要になる考え方です。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "学校だって、なんでもかんでもは高度な教育を提供できません。極端な例え(たとえ)ですが、スーパーサイエンスハイスク-ル(SSH)なら、高度な教育は、理科系の教育しか提供できません。SSHへの志望理由でもし「歴史の探究をしたいので志望」とか言われても、少し無理です。同様、体育学科の高校なら、体育しか高度な教育は提供できません。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "普通科高校ですら、それぞれ校風や教育方針に違いがありますし、設備なども高校ごとに微妙に違います。設備なら、たとえば温水プールの無い高校への志望で「水泳部に入って、1年間プールで練習したい」とか言われても、なかなか難しいです。私学ですら、その学校の設備や人材で与えられる教育しか、提供できません。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "だから、受験生が高校と相性がいいのかを、少しは自発的に確認してほしいのです。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "もちろん、5教科の受験勉強でも忙しいので、そんなマッチングばかりに気を使ってられないのも分かるので、けっして厳密な検査でなくてもかまいません。ですが、少しは自発的に、相性を検査してください。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "また、完全になんでも相性が合うなんて高校もありません。なにか不満なところもあるでしょうが、それが許容範囲なのかどうかを、事前に考えて志望校を決めてほしいのです。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "これは、受験ノウハウという問題ではなく、「高校側に負担を掛けたくない。不幸なミスマッチを減らしたい」といった、他人への気遣い(きづかい)の問題です。", "title": "※ 何をしてほしいのか" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "定番の質問の下記の2つ、", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "これについて、ビジネス手法での、なにかの振り返り(ふりかえり) のさいの自己分析手法として、日本独自のYWT法というのがあります。「やったこと(Y)、わかったこと(W)、次にやりたいこと(T)」です。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "要するに、YWT法が面接で聞かれています。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "がYWT法です。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "下書きなどの際、時間に余裕があれば YWT 法で言語化して、まとめると良いでしょう。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "なお、KPT法(ケプトほう)とは品質改善の手法で、Keep(維持したい点)、Problem(やめるべき問題点)、Try(挑戦すること)です。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "「T」は、KPTもYWTもほぼ同じ意味です。「W わかったこと」は、Keep と Problem に分解できます。しかしまあ、高校入試の面接対策では、KPT法までは、する必要は無いと思います。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "KPT法は、個人用というよりは、どちらかというチーム開発で用います。面接対策としては、KPT法ではなく、YWT法(やった・わかった・次やる法)で対処したほうが効率的でしょう。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "ほか、YWT法をアレンジしたもので、YWTM法というのがあります。これは、YWT法に、Tで「次やること」を達成した場合に得られる利点(メリット:Merit)の追記を加えたものです。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "なんのメリットがあるかという理由をメモしないと、時間の経過とともに、しばしば理由を忘れます。そして、理由を思い出すのに思考力を消費してしまうので、最終的な志望理由書に利点を書くかはともかく、下書きのほうにはメリット・理由を書いておくのが良いでしょう。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "ToDoリストによるタスク管理などでも、長丁場のタスクでは、理由を書いておかないとその理由を忘れてしまい、思い出すのに精神力を消費します。なので、覚えているうちに理由をメモ的に1行ていどで書いておくとラクです。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "ビジネス書などではメリットが書いてあると「やる気を引き出す」とか説明されてるっぽいですが、そんなことはどうでもよく、実際に長丁場の予定などを書くと理由を忘れるので、理由を覚えているうちにメモするのがポイントです。1か月とかそういう期間が経過すると、理由をどんどん忘れます。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "ほか、メリットが書いてないと、T「次やること」の妥当性の検証ができません。", "title": "※余談" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "文科省のmextの研修ファイルでもYWTM法は紹介されているので、知らないとは言わせない。文科省は知ってるはず。大阪教育大学『教員の養成・採用・研修の一体的改革推進事業 成果報告書』令和 2 年 3 月 31 日、P9", "title": "※余談" } ]
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== 面接よりも筆記試験が大事 == 面接対策や志望理由書よりも、学力試験の筆記の受験科目(国数英など)のほうが合否の判定では重視されます。寡聞(かぶん)にして「筆記試験ではダメだったけど、面接で逆転した」という話を聞きません。 面接対策や志望理由書のための下調べばかりに時間を掛け過ぎて、肝心の学力試験をおろそかにしないようにしましょう。 ただし、志望理由書の書き方は、文章の書き方の練習にもなるので、余裕があれば練習するのも良いでしょう。面接の対策も、人前で説明する練習になります。 == 志望理由書 == 志望理由書には行数の制限があるので、「この高校」ではなく「貴校」(あなたの学校と言う意味)という敬語を使うのが良いでしょう。 もっとも、実際に面接で「この高校」と言っても、別に減点はされないと思います。 おおむね、志望理由書の大きさは、ノートサイズの用紙で1枚くらいです。 ;書き言葉をつかう 文体は、書き言葉の丁寧語で書きましょう。 「ちょっと」ではなく「少し」のように、です。 話し言葉が幼稚な印象とか言うだけでなく、話し言葉だと文章では読みづらい場合があります。文章中に「ちょっと」とか話し言葉が入ると、だいぶ読みづらいです。 ;結論から書く また、結論から書きましょう。長文を読まされるので、結論から書いてないと、読者である教師が要点を把握しづらいからです。つまり、「貴校を志望した理由は、○○が△△だからです。」のような1~2行ていどの文章が、出だしになると思います。 ;志望動機は1つか2つに絞る あまり多くの動機を書くと、文章が散漫な印象を与えがちとのことです<ref>[https://www.seisekiup.net/column/study/1594/ 『【高校受験・志望理由】書き方のルール、コツ、記述例など徹底伝授! – お役立ちコラム』 ]</ref>。 たとえば :「志望動機は、貴校の○○が△△だからであり、また、□□が××だからです」 のようになるでしょうか。 とはいえ、いきなり志望動機は2個に選べません。 そこで、まずパソコンを使った下書きで、志望動機を5~10個くらい箇条書きで羅列します<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref>。それをもとに、志望動機に順位をつけ、上位2個の決定的な志望動機を決めます。 ;文体表現は統一する 「です・ます」調か、「だ・である」調なのか、統一しましょう<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref><ref>[https://www.seisekiup.net/column/study/1594/ 『【高校受験・志望理由】書き方のルール、コツ、記述例など徹底伝授! – お役立ちコラム』]</ref>。 ;自己アピール文ではありません。 志望理由書はその名の通り、志望した理由を書くための提出書類です。 ただし、自己アピール書をいちいち提出したりはしないので、大きな業績があれば手短かにそれを自己アピールにからめて志望理由を説明するのは可能です。たとえば、「柔道部で県大会で2位になったので、高校には柔道の強い貴校を選びました」みたいなのは可能です。 しかし、あくまで志望理由がメインですので、自己アピールは簡潔にしましょう。 ;説明会などに出れるなら出ておく 志望理由書を具体的に書くため、第3志望くらいまでは学校説明会に出ましょう。 ;書き方のコツ まず、パソコンなどで下書きをしましょう。けっして、いきなり志望理由書のような文体で書くのではなく、まずは箇条書きで良いので、志望理由に使えそうなことを書き出しましょう。 また、自己アピールに使えそうなことを、思いつくままに書きだしましょう<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導 ]</ref>。 ほか、将来つきたい職業などの目標を書きます。 しかし、それはそのままでは志望理由書を使えません。この下書きをもとに、もっとも効果的な志望理由を2個選び、それの説明に説得力をもたせるのに使えそうな自己アピールだけを選んで、文章を組み立てます。 ;塾で添削(てんさく) 塾でも、志望理由書の添削(てんさく)をしています。自分では気づきづらい言葉遣いの乱れなどを添削してもらえますので、中3になったら入塾するのも手かも。 ;高校入学後の目標 志望理由を書くとき、高校入学後の目標も一緒に書くと、相手に分かりやすいかもしれません。 面接では、定番の質問で、「高校に入ったら学校で頑張りたいこと」を聞かれるからです。 野球部に入りたいなら、単に「志望理由が野球部の強豪だからです」で終わらせるのではなく、「高校でも野球部を続けたいので、野球部の強豪である貴校を志望しました」のように書くと、動機の全体像が分かりやすくて効果的です。 アピールする事ばかり考えるのでなく、相手に分かりやすくするために、目標を必要なら書きましょう。 目標は、大まかなもので構いません。自分や家族には当然の情報でも、高校側はあなたの目標をまったく知りません。 べつに部活などの課外活動ではなく、「勉強を頑張るために偏差値の高い貴校を志望」などの目標でも構いませんが、勉強を通して何になりたいのかを、大まかで良いので伝えると分かりやすいです。 :「勉強をしやすい高校だからです」よりも :→「大学進学をしたいので、偏差値の高い貴校を志望しました」のほうが良いし、 :→「大学進学をしたいので、偏差値の高い貴校を志望しました。なぜなら私の将来の夢は文科系の仕事につきたいので、そのため大学進学をする必要性が高いからです」のほうがもっと良いでしょう。 上記の最下段のように、ある程度は具体的に書くと良いかもしれません。 あまり細かく目標の職業が決まってなくても良いですが、ある程度は当面の大まかな目標の職業を用意しておくと良いでしょう。 ;高校の進学実績などを少しは調べる 勉強や進学を目標とする場合、その高校や学科の進学実績と極端に離れた動機は、減点の対象になるかもしれません。 たとえば、将来は大卒レベルの理科系の仕事につきたいのに、志望高校が国際科などの文系よりの学科だったり、あるいは進学コース以外を選ぶなどは、減点対象でしょう。 == 面接の対策 == === 定番の質問 === 高校受験の定番の質問は、受験番号や氏名や生年月日や出身高校のほかは、下記です<ref>[https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/article/closeup/00/1368119_13514.html 『高校入試の面接 よく聞かれる質問と対策|進研ゼミ 高校入試情報サイト』]</ref><ref>[https://www.eikoh.co.jp/koukoujuken/column/c2047/ 栄光ゼミナール『面接試験頻出の質問と回答例【面接対策シリーズ第3回】』 ]</ref><ref>[https://jyukumado.jp/column/39 『【高校受験】面接でよく聞かれる10の質問と成功するための準備を解説【塾探しの窓口】』]</ref>。 * 志望理由 * 高校卒業後の進路、将来の夢 * 中学校生活で頑張ったこと * 高校に入ったら頑張りたいこと、および将来の夢<ref>[https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/junior-high-school/200409.html 『高校受験の面接でよく聞かれる質問8選と回答例を紹介!合格のコツも解説 | 明光プラス』、初出 2020.04.09、] </ref><ref>[https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/article/closeup/00/1368119_13514.html 『高校入試の面接 よく聞かれる質問と対策|進研ゼミ 高校入試情報サイト』]</ref> * 自分の長所、短所 * 得意な教科、苦手な教科 * 趣味、または最近読んだ本とその感想など<ref>[https://www.eikoh.co.jp/koukoujuken/column/c2047/ 栄光ゼミナール『面接試験頻出の質問と回答例【面接対策シリーズ第3回】』 ]</ref> * 最近、気になったニュース、 ほか、入学した場合の通学手段を質問されることもあります。 ほか、面接時の持ち物の指示が、受験要綱などに書いてある場合がありますので、事前に読んでおいてください<ref>[https://www.eikoh.co.jp/koukoujuken/column/c2016/ 『これだけは避けよう!面接でやってはいけないNG行動10選! | 栄光ゼミナール公式サイト』]</ref>。 === 原則 === ==== 結論から話す ==== 回答はまず結論から先に話さなければいけません。また、2分以内で話す必要があります。なぜなら、回答が長い場合、他の受験生の質疑応答の時間を奪ってしまうので、面接官から回答の中断を言われ、印象が悪化します。 具体的には、「あなたの得意教科・苦手教科は?」と聞かれた時、決していきなり経験談を話すのではなく、まず「得意教科は数学、苦手教科は体育です」とまず最初に答えましょう<ref>[https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/junior-high-school/200409.html 『高校受験の面接でよく聞かれる質問8選と回答例を紹介!合格のコツも解説 | 明光プラス』、初出 2020.04.09、] </ref>。 そして、そのあと、具体的なエピソードがあれば、手短にまとめればよいのです。 ==== なるべく1分以内で話せるように ==== 長すぎる答えはNGです。なるべく1~2分<ref>[https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/junior-high-school/200409.html 『高校受験の面接でよく聞かれる質問8選と回答例を紹介!合格のコツも解説 | 明光プラス』、初出 2020.04.09、] </ref>で答えられるように、普段から自分の会話を見直しましょう。少し長引くような質問にも、たかだか2分以内で回答できるように収めるのが望ましいです。 このため、けっして一つの質問に、たくさん答えようとしてはいけません<ref>[https://www.eikoh.co.jp/koukoujuken/column/c2016/ 『これだけは避けよう!面接でやってはいけないNG行動10選! | 栄光ゼミナール公式サイト』]</ref>。簡潔に1つの質問に1つの答えと、その理由を1つだけ、説明しましょう。 ==== ウソはつかない ==== ほか、ウソは、けっして志望理由書や面接で、ついてはいけません。ウソは、基本的に相手高校にバレます。[https://www.seisekiup.net/column/study/1594/ 『【高校受験・志望理由】書き方のルール、コツ、記述例など徹底伝授!』 、2024.01.21]。それだけ、高校側が経験豊富なのです。 なので、高校入試の面接は、基本的には正直に話すのが得です。最低限のマナーや礼儀は必要ですが。 ==== 公式記録に無い情報は自己アピールしづらい ==== 面接では、あまり細かい自己アピールは出来ません。高校受験の面接は、時間が少ないのです。 一人当たり5~10分程度で面接を切り上げないといけないので、(なお、学校側の時間節約のため、5人くらい受験生をまとめて、集団面接する場合も多くあります) 裏を返すと、面接で自分が話したことがたとえ本当のことであっても、調査書など公的書類に記載していないことは、証明が困難であるので、あまり自己アピールになりません。 たとえば学校以外の民間のスポーツクラブで、どんなに後輩の面倒見が良くても、そういう人間関係を証明できません。せいぜい、証明の比較的容易な「スポーツクラブに所属の経験あり」くらいが、評価の対象でしょうか。 === 定番質問の対策 === ==== 得意科目 ==== 得意科目の質問については、中学の通知表の成績と照合されるのが基本的でしょう。 裏を返せば、たとえどんなに国語が好きでも、もし通知表に書かれた国語の成績が平均的だったら、それを証明できません。もっと言うと、高校受験の面接は、単に口頭で、通知表の内容の具体例を確認する程度です。 あるいは、どんなに英語が好きでも、英検などの資格を取ってないと、それを証明するのが困難です。 一応、面接官が疑問に思ったら、追加の質問を聞いてきたりする事もあるので(「では、英語が得意だという具体的なエピソードを教えてください」)、証明は不可能ではないですが、なかなか証明は難しいです。 もっとも、極端に英語の成績が悪くなければ、まあ面接官も中学生の忙しい状況も分かりますし、通知表に書かれない情報があることも知っていますので、ある程度の救済はするかもしれませんが。とはいえ、普段の中学校での生活態度が悪いと(たとえば「病気じゃないのに欠席が多い」とか)、そういう救済的な追加質問にも証明をするのが難しくなってしまいます。 なので、生活態度も正しくしましょう。 答えはけっして模範解答を丸ごと暗記するのではなく、大まかな内容を用意しておき、面接教員の質問に対して、その場できちんと考えて、自分の言葉で丁寧語にて答えましょう<ref>[https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/article/closeup/00/1368119_13514.html 『高校入試の面接 よく聞かれる質問と対策|進研ゼミ 高校入試情報サイト』]</ref>。 ==== 面接での志望理由 ==== 志望理由は、志望理由書の確認もあります。まず、その内容を手短かに答えるのも良いかもしれません。 ただし、回答時間が短いので、志望理由書に書いた内容そのままでは答えらえません。大まかな内容を事前に考えておいて、手短かにこたえられるようにしましょう。 ほか、普通に「家から近い」<ref>[https://takakurajuku.jp/interview-example 高倉塾『高校入試の面接で聞かれる質問集とその回答例』2022年11月25日]</ref>とか(進学校なら)「偏差値が高い」とか言っても大丈夫です。 「偏差値が高いし、家からも近いからです。部活もいろんな部活が強豪だし、良さそうだと思いました」とか言う回答でも、それが事実なら、それでも受験に合格します。 なお、(偏差値が高くて)「家から近くて歩いて(または「自転車で」)いける距離だからです」と言うと、さらに具体的で分かりやすいです。 歩いていける距離と言うのも立派な動機であり、それは、「通学に時間をなるべく掛けずに、学業や部活などに専念したい」という立派な動機になるのです<ref>[https://takakurajuku.jp/interview-example 高倉塾『高校入試の面接で聞かれる質問集とその回答例』2022年11月25日]</ref>。『物は言いよう』です。 もちろん、他にも志望した理由があれば、たとえば「入りたい部活があります。この高校は野球部が強いので、自分は中学でも野球部だったし、高校でも野球部に入りたいのでこの高校を専願に選びました」とか理由があって、専願にしたのなら、それを言うのも積極性をアピールできて良いでしょう。 ただ、併願校に対して、あまりに「とても入りたい」とか言うと、面接官から「なぜ専願にしなかったのですか?」と疑問を呈される可能性があるので、過度なお世辞はやめましょう。たとえば、高校の野球部が近隣校に大会で予選敗退したのに「野球部が強い」とか言うと、「では、わが校に勝った他校を第一志望にしているのですか。わが校は第二志望以下なのですか?」とかツッコミをされかねません。 ほか、募集要項や、学校公式サイトなどの学校紹介と矛盾していことは、志望動機にしないのが安全でしょう。 「部活と学業を両立する文武両道」と公式サイトに書いてある私立に対して、「部活よりも学業に専念したい」(あるいは「学業よりも部活に専念したい」)とか言ったら、よほど部活で全国大会出場とか業績が高くないかぎりは、あまり印象はよくないでしょう。 ただし、普通科高校の通常の進学コースを志望する場合、あまり細かい志望動機は問われないと思います。 ==== 中学生活で頑張ったこと ==== 単に「吹奏楽部を頑張りました」とかではなく、吹奏楽部なら、その吹奏楽部で何をどう頑張ったのかを答えられるようにしましょう。ドラマチックである必要はありません<ref>[https://jyukumado.jp/column/39 『【高校受験】面接でよく聞かれる10の質問と成功するための準備を解説【塾探しの窓口】』]</ref>。 頑張った結果、自分は何ができるようになったとか、あるいは中学校で自分の周囲で何が変わったかを言うと、具体性が高まり、分かりやすくなります。(時間に限りがあるので、両方は言えないかもしれません。) 部活・学業などの継続的に頑張ったことが思いつかない場合は、文化祭・合唱祭や体育祭などでいいので<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref>、何か、自身の頑張ったことを探してください。 ==== 将来の夢 ==== 語れるような具体的な夢が無ければ、得意科目や中学生活で頑張ったこと<ref>[https://www.daiichisemi.net/column/%E3%80%90%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%80%91%E9%9D%A2%E6%8E%A5%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%A7ok%EF%BC%81%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F%E3%81%A8%E5%9B%9E/ 『【高校受験】面接対策これでOK!よくある質問と回答例を紹介!』 最終更新日: 2023.11.20 ]</ref>などをベースに考えるのも良い。 話を盛る(もる)必要はありません。 大した志望動機や将来の夢が大きくなくても、多少の自身の希望は小さくても必要ですが(「こんな感じの仕事に将来、つけたらいいなあと思っています」的な)、それさえあれば、将来目標として世間の普通の大人がしている普通のことをできるように成長を目指すことでも<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref>、立派な目標です。なぜなら、身の回りに当たり前にころがっている日常品やインフラなど普通の商品・製品・設備も、それを作るのに大きな労力が投入されています。 たとえ将来の夢が決まっていなくても、それをもとに(将来の夢は見つかってないので)「なので、高校に入ったら、学業と部活動をバランスよく頑張りって、将来の夢を見つけたいと思います」なのか、それとも「学業を中心に頑張って、大学進学したいと思います」なのか、そこで自分の個性が表現できます<ref>[https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/662285/ 『高校の志望動機はどう書けばいい?書き方のポイントや注意点、例文を紹介 - 学習塾の京進 | 京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心とした集合/個別指導』]</ref>。 無理にウソをついて、将来の夢が決まってないのに、夢を語らないほうが安全です。ウソをついても相手の面接官(めんせつかん)にバレて、ボロが出ます<ref>[https://cblog.benesse.ne.jp/miraika/2022/10/interview2022.html 『高校面接 よく聞かれることと回答例合格するためのポイントを紹介 | ミライ科 - 進研ゼミ中学講座ブログ』]</ref>。 === ノック回数とか === ドアをノックする回数が3回なのか2回なのかは、どうでも良いことです。1回とか ノック無し とかでなければ、あるいは5回以上みたいに急かしている(せかしている)ような印象を与えなければ、平気でしょう。 === 問われない能力 === 思考力・判断力などは、高校入試の面接では、よほどの難関・名門・伝統の全国知名度の高校か、とても意識高い私立高校でないかぎりは、問われません。なぜなら高校側に、そこまでの話し合いをする'''時間が無い'''からです。 極端に思考力が低くなければ、問題ないでしょう。 === 面接が無い高校 === 私立高校でも、面接を行わない高校もあります。 専願者でなくても、併願者にも面接を行う高校はあります。 また公立高校では、特殊な学科や学校でないかぎり、面接を行う学校は少ないのが現状(2024年)です。 == ※ 何をしてほしいのか == === ミスマッチを自発的に減らしてほしい === 面接対策の志望理由で何をしてほしいかと言うと、受験生である中学生の子供自身と、高校との相性(あいしょう)といったマッチングの検査を、自発的にある程度はしてほしいのです。ミスマッチを減らすために、志望校について少しは自分で調べるなど、最低限の努力はしてほしい、という問題です。マッチングの事前の検査は、生徒本人か、とても近い家族などでないと、判断できません。 これは受験だけでなく、将来の就職活動などでも必要になる考え方です。 学校だって、なんでもかんでもは高度な教育を提供できません。極端な例え(たとえ)ですが、スーパーサイエンスハイスク-ル(SSH)なら、高度な教育は、理科系の教育しか提供できません。SSHへの志望理由でもし「歴史の探究をしたいので志望」とか言われても、少し無理です。同様、体育学科の高校なら、体育しか高度な教育は提供できません。 普通科高校ですら、それぞれ校風や教育方針に違いがありますし、設備なども高校ごとに微妙に違います。設備なら、たとえば温水プールの無い高校への志望で「水泳部に入って、1年間プールで練習したい」とか言われても、なかなか難しいです。私学ですら、その学校の設備や人材で与えられる教育しか、提供できません。 だから、受験生が高校と相性がいいのかを、少しは自発的に確認してほしいのです。 もちろん、5教科の受験勉強でも忙しいので、そんなマッチングばかりに気を使ってられないのも分かるので、けっして厳密な検査でなくてもかまいません。ですが、少しは自発的に、相性を検査してください。 また、完全になんでも相性が合うなんて高校もありません。なにか不満なところもあるでしょうが、それが許容範囲なのかどうかを、事前に考えて志望校を決めてほしいのです。 これは、受験ノウハウという問題ではなく、「高校側に負担を掛けたくない。不幸なミスマッチを減らしたい」といった、他人への気遣い(きづかい)の問題です。 == ※余談 == === 振り返りツール === ==== YWT法 ==== 定番の質問の下記の2つ、 * 中学校生活で頑張ったこと * 高校に入ったら頑張りたいこと、および将来の夢 これについて、ビジネス手法での、なにかの'''振り返り'''(ふりかえり) のさいの自己分析手法として、日本独自の'''YWT法'''というのがあります。「やったこと(Y)、わかったこと(W)、次にやりたいこと(T)」です。 要するに、YWT法が面接で聞かれています。 * Y やったこと(事実、経験) * W わかったこと(理解、内省) * T 次にやる事(行動計画、応用) がYWT法です。 下書きなどの際、時間に余裕があれば YWT 法で言語化して、まとめると良いでしょう。 ;注意点 * 「Y やったこと」では、経験した事実のみを書きだします。 ::その理由:経験から得られた知見などは、「W わかったこと」で書くからです。YとWを混ぜないようにすると、管理しやすいでしょう。 * 「W わかったこと」では、解決策まで書かないことです。なぜなら解決策については、Tで考えるからです。 * 「W わかったこと」では、良い点だけでなく悪い点も両方とも書きます。 ::その理由:(これは別のビジネス手法の KPT 法(ケプトほう)という手法でもあります) なお、KPT法(ケプトほう)とは品質改善の手法で、Keep(維持したい点)、Problem(やめるべき問題点)、Try(挑戦すること)です。 「T」は、KPTもYWTもほぼ同じ意味です。「W わかったこと」は、Keep と Problem に分解できます<ref>[https://qiita.com/dairappa/items/7bc404ab935c659b0afd 『YWTふりかえりをフルリモートで実施してみたら、割と評判が良かった』最終更新日 2020年11月09日 ]</ref>。しかしまあ、高校入試の面接対策では、KPT法までは、する必要は無いと思います。 KPT法は、個人用というよりは、どちらかというチーム開発で用います。面接対策としては、KPT法ではなく、YWT法(やった・わかった・次やる法)で対処したほうが効率的でしょう。 ==== メリット付きのYWTM法 ==== ほか、YWT法をアレンジしたもので、'''YWTM法'''というのがあります。これは、YWT法に、Tで「次やること」を達成した場合に得られる利点(メリット:Merit)の追記を加えたものです。 なんのメリットがあるかという理由をメモしないと、時間の経過とともに、しばしば理由を忘れます。そして、理由を思い出すのに思考力を消費してしまうので、最終的な志望理由書に利点を書くかはともかく、下書きのほうにはメリット・理由を書いておくのが良いでしょう。 ToDoリストによるタスク管理などでも、長丁場のタスクでは、理由を書いておかないとその理由を忘れてしまい、思い出すのに精神力を消費します。なので、覚えているうちに理由をメモ的に1行ていどで書いておくとラクです。 ビジネス書などではメリットが書いてあると「やる気を引き出す」とか説明されてるっぽいですが、そんなことはどうでもよく、実際に長丁場の予定などを書くと理由を忘れるので、理由を覚えているうちにメモするのがポイントです。1か月とかそういう期間が経過すると、理由をどんどん忘れます。 ほか、メリットが書いてないと、T「次やること」の妥当性の検証ができません。 文科省のmextの研修ファイルでもYWTM法は紹介されているので、知らないとは言わせない。文科省は知ってるはず。[https://www.mext.go.jp/content/20201020-mxt_kyoikujinzai01-000007916-23.pdf 大阪教育大学『教員の養成・採用・研修の一体的改革推進事業 成果報告書』令和 2 年 3 月 31 日、P9] == 参考文献 == === 書籍 === なし(2024年03月31日の時点) === 脚注 ===
2024-03-06T16:30:07Z
2024-03-31T04:04:27Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/%E5%BF%97%E6%9C%9B%E7%90%86%E7%94%B1%E6%9B%B8%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E9%9D%A2%E6%8E%A5%E3%81%AE%E5%AF%BE%E7%AD%96
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高校受験ガイド/学科
公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に併設されている普通科の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。 職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です) 進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。 決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。 単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。 高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。 高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。 工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。 高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。 私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。 なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。 良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。 一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。 まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。 後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。 学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。 一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、 の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。 選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。 「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではないので混同しないのでください。 普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。 なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。 このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です 私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。 さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。 なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。 高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。 なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。 ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。 たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。 詳しくは高校生活ガイドで説明します。 ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。 たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。 ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。 公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。 農業高校に併設された普通科というのもあり、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。 これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください) 過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。 過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。 「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。 養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。 エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし中学レベルの復習をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。 ほか、理系の高校3年の数学IIIまたは専門「物理」が、履修不可能な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。 文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「世界史探求」が履修不可能だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。 ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。 もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクールではなく、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。 ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。 地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。 ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。 普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。 たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。 そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。 なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。 総合科を名乗るわけにも行きません。 私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。 私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。 これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。 どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。 「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、 まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、 注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。 「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。 注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。 また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。 基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。 さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。 題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。 また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。 専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。 多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります。 商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。 ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。 なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。 たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。 偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。 学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。 このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での探究活動(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、コースに関連したものに限定される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。) つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。 なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。) なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。 またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。 理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。 実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。 学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。 普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。 これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます。 この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、無いです。 また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。 また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には無いです。 理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。 理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。 スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。 東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。 普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。 本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。 理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。 たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています。 おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。 高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。 また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。) 例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。 日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理総合をすっとばして、いきなり地理探究があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との選択必修であり、地理探究・政治経済のうち、どちらか片方しか履修できないです。 理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、生物との選択必修であり、どちらか片方しか履修できなくなる可能性があります。 「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。 最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。 一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。 数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』 しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』。 どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。 どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。 なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』。 地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』(さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。 どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。 第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。 具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III(すうがくサン)や専門「化学」などの科目は無いです。 また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。 語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。 「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。 ※ ただし例外的な国際科高校もあり、奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース では数学IIIが履修可能。 同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。 また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。 なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。 特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。 「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等)。 なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。 もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。 一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。 「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。 なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。) 高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。 大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。 ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。 このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。 なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。 例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。 都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) 東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです。 このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。 高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。 「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。 カリキュラムの注意点として、数学IIが無いです。このためか、理科では物理基礎が無いです。 このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。 難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。 また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。 大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。 現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。 大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。 なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。 高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。 高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。 たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。 けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科ではないので、勘違いしないでください。 まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。 美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。 美術科・音楽科の高校カリキュラムは、まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラムです。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう) 実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます。 このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。 25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。 ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。 けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。 具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。 別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。 また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。 美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。 大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。 特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。 また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。) 工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。 また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。 生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。 科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。 工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。 農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。 高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。 職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・) 専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。 「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。 職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。 ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。 工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。 また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。 就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。 「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。 「総合学科」と「総合高校」とは意味が違います。 少なくとも、後述する3つのタイプがあります。 例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。 一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。 工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。 つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけではないかもしれません。 また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式ではない。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) 学科は、2つのパターンに分かれます。 職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。 また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には無いです。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです。 たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。 このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。 農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。 いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。 さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。 総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。 実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。 さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。 第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。 総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。 ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。 総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。 なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。 高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。 ただし、工業科とか農業科とかは無理です。 そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。 形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。 もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。 軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。 養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことをチャレンジスクールと言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。) 授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。 よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。 チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、まったく違うので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物ではなく、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。 このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。 工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。 第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。 高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。 「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。 普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。 世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。 しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。 例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。 たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。 特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。 逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。 あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。 高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。 普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。 また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。 なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。 企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。 なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。) また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。 逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。 (そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に併設されている普通科の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です)", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではないので混同しないのでください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "詳しくは高校生活ガイドで説明します。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "農業高校に併設された普通科というのもあり、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし中学レベルの復習をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "ほか、理系の高校3年の数学IIIまたは専門「物理」が、履修不可能な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「世界史探求」が履修不可能だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクールではなく、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "総合科を名乗るわけにも行きません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での探究活動(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、コースに関連したものに限定される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理総合をすっとばして、いきなり地理探究があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との選択必修であり、地理探究・政治経済のうち、どちらか片方しか履修できないです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、生物との選択必修であり、どちらか片方しか履修できなくなる可能性があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』(さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III(すうがくサン)や専門「化学」などの科目は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "※ ただし例外的な国際科高校もあり、奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース では数学IIIが履修可能。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。※ 新宿高校 教育課程(R4入学生)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "カリキュラムの注意点として、数学IIが無いです。このためか、理科では物理基礎が無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科ではないので、勘違いしないでください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科の高校カリキュラムは、まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラムです。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "「総合学科」と「総合高校」とは意味が違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "少なくとも、後述する3つのタイプがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけではないかもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 198, "tag": "p", "text": "また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 199, "tag": "p", "text": "俗(ぞく)にいう、バイキング方式ではない。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 200, "tag": "p", "text": "さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 201, "tag": "p", "text": "俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 202, "tag": "p", "text": "学科は、2つのパターンに分かれます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 203, "tag": "p", "text": "職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 204, "tag": "p", "text": "また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には無いです。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 205, "tag": "p", "text": "たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 206, "tag": "p", "text": "このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 207, "tag": "p", "text": "農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 208, "tag": "p", "text": "いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 209, "tag": "p", "text": "さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 210, "tag": "p", "text": "総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 211, "tag": "p", "text": "実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 212, "tag": "p", "text": "さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 213, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 214, "tag": "p", "text": "第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 215, "tag": "p", "text": "総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 216, "tag": "p", "text": "ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 217, "tag": "p", "text": "総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 218, "tag": "p", "text": "なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 219, "tag": "p", "text": "高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 220, "tag": "p", "text": "ただし、工業科とか農業科とかは無理です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 221, "tag": "p", "text": "そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 222, "tag": "p", "text": "形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 223, "tag": "p", "text": "もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 224, "tag": "p", "text": "軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 225, "tag": "p", "text": "養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことをチャレンジスクールと言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 226, "tag": "p", "text": "授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 227, "tag": "p", "text": "よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 228, "tag": "p", "text": "チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、まったく違うので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物ではなく、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 229, "tag": "p", "text": "このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 230, "tag": "p", "text": "工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 231, "tag": "p", "text": "第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 232, "tag": "p", "text": "高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 233, "tag": "p", "text": "「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 234, "tag": "p", "text": "普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 235, "tag": "p", "text": "世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 236, "tag": "p", "text": "しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 237, "tag": "p", "text": "例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 238, "tag": "p", "text": "たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 239, "tag": "p", "text": "特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 240, "tag": "p", "text": "逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 241, "tag": "p", "text": "あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 242, "tag": "p", "text": "高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 243, "tag": "p", "text": "普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 244, "tag": "p", "text": "また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 245, "tag": "p", "text": "なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 246, "tag": "p", "text": "企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 247, "tag": "p", "text": "なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。)", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 248, "tag": "p", "text": "また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 249, "tag": "p", "text": "逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 250, "tag": "p", "text": "(そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。)", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" } ]
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== 進学実績を見る際の注意事項 == 公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に'''併設されている普通科'''の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。 職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です) 進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。 決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。 == 学科選び == === 高校は学校ごとの教育内容の差が大きい === 単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。 高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。 高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。 工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。 高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。 私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。 なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。 良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。 一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。 === 普通科高校に進学したい場合 === ==== 「進学コース」とかの意味 ==== まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。 後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。 学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。 一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、 :(成績が良い) 選抜コース > 特進コース > 進学コース (成績が低い) の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。 選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。 「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではない<ref>[https://www.yokohama.hs.nihon-u.ac.jp/senior/class/general/ 『総合進学コース | コース紹介 | 日本大学高等学校』] 2024年02月04日に確認. </ref>ので混同しないのでください。 普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。 なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。 このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です 私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。 ==== 文理のコース分け ==== さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。 なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。 高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。 なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。 ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。 たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。 詳しくは[[高校生活ガイド]]で説明します。 ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。 たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。 ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。 ==== 特殊な普通科 ==== ===== 地域と連携した普通科 ===== 公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります<ref>[https://om-h.spec.ed.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%A1%88%E5%86%85/%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B 『教育課程 - 埼玉県立大宮武蔵野高等学校』] </ref>。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。 農業高校に併設された普通科というのもあり<ref>[https://inazawa-ryokufukan-h.com/course/general ]</ref>、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。 これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください) ===== 過去に職業高校だった「普通科」 ===== 過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。 過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。 ===== 知的障害者むけの普通科 ===== 「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。 養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。 エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし'''中学レベルの復習'''をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。 ほか、理系の高校3年の'''数学III'''または専門「'''物理'''」が、'''履修不可能'''な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。 文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「'''世界史探求'''」が'''履修不可能'''だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。 ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。 もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクール'''ではなく'''、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。 ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。 地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。 ===== 常識外れな「普通科」 ===== ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。 普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。 たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。 そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。 なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。 総合科を名乗るわけにも行きません。 私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。 ==== 普通科の「総合コース」 ==== 私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。 これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。 * 商業高校の科目の一部、または工業高校の科目の一部が学べる普通科です。 * スポーツまたは芸術に専念する普通科高校。 * 福祉や介護などの実習などが学べる高校 どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。 「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、 :※ 下記の出典については、高校側の名誉のため、出典をひかえます。また、他の編集者も、出典の追加のさいには学校や高校生の名誉棄損にならないように注意してください。 ;商業または工業を学べる高校の場合 まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、 注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。 「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。 注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。 また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。 基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。 {{コラム|「総合進学コース」とは別| 大学進学に対応するコースとしては、「総合進学コース」というのを持つ高校がいくつかあります。有名な高校を例に出せば、ときどき甲子園に出る花咲徳栄(はなさきとくはる)高校です([[w:花咲徳栄高等学校]])。ネット上ではカリキュラム公開されておらず、詳細は不明です。 ほか、大学付属校でいくつか「総合進学コース」をもつ私立高校がありますが(東海大学付属熊本星翔高等学校、八戸工業大学第二高等学校、土浦日本大学高等学校、岡山理科大学付属高等学校、など)、ネットの公式情報だけでは詳細不明です。 }} さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。 ;芸術または体育を中心とした高校の場合 題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。 また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。 専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。 ==== 普通科の専門的コース ==== ===== ビジネスコースなど ===== 多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります<ref>[https://www.kagawa-edu.jp/minamh02/file/5550 普通科 香川県立高松南高等学校 令和5年度普通科教育課程(令和3年度入学者)、 ]</ref>。 商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。 ===== 体育コース・美術コースなど ===== ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。 ;偏差値 なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。 たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。 偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。 ;事実上の学科 学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。 このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での'''探究活動'''(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、'''コースに関連したものに限定'''される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。) つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。 なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。) なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。 またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。 理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。 実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。 学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。 === 理数科や国際科など === 普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。 これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます<ref>[https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます<ref>[https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。 この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、'''無い'''です。 また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。 また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には'''無い'''です。 ==== 理数科 ==== 理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。 理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。 スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。 東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば<ref>[https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/static/high_school/toyama-h.html 教育課程表_令和4・5年度入学生用.pdf]</ref><ref>[https://www.metro.ed.jp/tachikawa-h/assets/R5%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B%E8%A1%A8.pdf R5教育課程表.pdf]</ref>、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。 普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。 本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。 理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。 たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています<ref>[https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500100/shingikai/d00204958_d/fil/021012wakayamashi.pdf 『PowerPoint プレゼンテーション - 021012wakayamashi.pdf』]</ref>。 おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。 * 高卒就職の場合 高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。 また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。) 例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。 * 理数科に無い科目 日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理'''総合'''をすっとばして、いきなり地理'''探究'''があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との'''選択必修'''であり、地理探究・政治経済のうち、'''どちらか片方'''しか履修できないです。 理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、'''生物との選択必修'''であり、'''どちらか片方'''しか履修できなくなる可能性があります。 ==== 国際科と国際教養科と外国語科 ==== '''「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科'''です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。 最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。 一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。 数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。[https://cms1.chiba-c.ed.jp/matsudokokusai-h/wysiwyg/file/download/36/3467 『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ] [https://chigusa-h.com/wp/wp-content/uploads/2023/05/R4-R5i.pdf 『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』 ] しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります[http://www.kyoto-be.ne.jp/nishiotokuni-hs/mt/school/2021/11/post-15.html 『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』]。 どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。 どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。 なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです[https://www2.osaka-c.ed.jp/hanazono/folder_5/post-24.html 『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』]。 地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります[https://sh.higo.ed.jp/kuma-ch/kyouiku/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%95%99%E9%A4%8A%E7%A7%91 『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』](さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。 どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。 第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。 ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります[https://wakoku-h.spec.ed.jp/%E5%AD%A6%E7%A7%91%E6%A1%88%E5%86%85 『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』][https://hyogopref-kokusaihs.ed.jp/main/wp-content/uploads/2023/06/R5_%E5%AE%9F%E6%96%BD%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B%E8%A1%A8_HP%E7%94%A8.pdf 『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』] なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。 ===== 国際科の基本 ===== 具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。'''たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III'''(すうがくサン)'''や専門「化学」などの科目は無いです。''' また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。 語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。 「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。 ※ ただし例外的な国際科高校もあり、[https://www.e-net.nara.jp/hs/kokusai/index.cfm/7,59,c,html/59/20220804-082219.pdf 奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース] では数学IIIが履修可能。 同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。 また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。 なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、'''たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。''' 特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。 「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等<ref>[https://www.city.chiba.jp/school/hs/001/gakkoshokai/highschool/introduction/documents/r5_nyugaku.pdf 千葉市立稲毛高等学校]</ref>)。 なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。 もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。 一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。 「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。 なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。) 高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。 大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。 ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。 このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。 なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。 例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが<ref>[https://hibiya-h.metro.ed.jp/Study/Curriculum.pdf ]</ref>)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。 都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。[https://www.metro.ed.jp/shinjuku-h/assets/filelink/filelink-pdffile-16416.pdf ※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) ] 東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです<ref>[https://www.pen-kanagawa.ed.jp/yokohamasuiran-h/zennichi/documents/r5gakkouanai.pdf 神奈川 ]</ref><ref>[https://www.chiba-c.ed.jp/chiba-h/pdf/20200916_%E3%80%90%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%8D%83%E8%91%89%E9%AB%98%E6%A0%A1%E3%80%91%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%92%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%A1%88%E5%86%85.pdf千葉県立千葉高校 ]</ref><ref>[https://phs.jac-web.com/wp-content/uploads/7b625111fe7f24e9bd51d16f3c1c37b8.pdf 千葉船橋 ]</ref><ref>[https://urawa-h.spec.ed.jp/%E5%85%A8%E6%97%A5%E5%88%B6/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%B4%BB%E5%8B%95/%E6%B5%A6%E9%AB%98%E3%81%AE%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%83%BB%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B 埼玉県立浦和 ]</ref>。 このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。 * 国際科の高校入試の「外国語」 高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。 ==== 人文系の学科 ==== 「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。 カリキュラムの注意点として、'''数学IIが無い'''です。このためか、理科では'''物理基礎が無い'''です。 このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。 難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。 また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。 === 文理学科 === 大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。 現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。 大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。 なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。 高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。 高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。 たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。 けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科'''ではない'''ので、勘違いしないでください。 まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。 === 美術科・音楽科の高校 === 美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。 美術科・音楽科の高校カリキュラムは、'''まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラム'''です。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう) 実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます<ref>[https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます<ref>[https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。 このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。 25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。 ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。 けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「'''美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異'''」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。 具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。 別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。 また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。 美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。 === 職業高校に進学したい場合 === 大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。 特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。 また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。) 工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。 また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。 生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。 科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。 工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。 農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。 高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。 職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・) 専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。 「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。 職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。 ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。 * 工業高校の学科は複数ある。目指す就職先にあった学科を選ぶべき。 工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。 また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。 就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。 === 「総合高校」と「総合科」 === 「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。 「総合学科」と「総合高校」とは'''意味が違います'''。 少なくとも、後述する3つのタイプがあります。 ==== 「総合高校」である場合 ==== ===== 複数の職業高校の合体タイプ ===== 例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。 一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。 工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。 つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけ'''ではない'''かもしれません。 また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式'''ではない'''。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) ===== 総合選択制のタイプ:普通科高校をベース ===== さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) 学科は、2つのパターンに分かれます。 * 学科はあくまで「普通科」であり、選択科目がとても多い「普通科 総合選択制」というパターンが一つ。商業などの職業科目が履修できるかは高校によります。 * もうひとつは、学科がもはや普通科ではなく「総合学科」という別学科であるパターンです。 職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。 また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には'''無い'''です。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=MgCK3UI_jlU 『【総合高校】いいとこ取り!普通科でも専門学科でもない、総合学科の魅力とは?』2022/12/15 、3:00 あたり]</ref>。 たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。 このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。 農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。 いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。 さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。 総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。 実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。 さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。 {{コラム|校庭の広さなどに注意| なお、もし仮に工業・農業の2つの設備をもつ総合学科の高校があり、この2つの選択教科を履修できる総合高校があったとしても、もしかしたら「'''校庭がとても狭い'''」など別の制約というシワ寄せがある可能性も考えられますので、学校見学などは事前にしておいてください。校庭が狭い結果、運動部の数が少ない可能性があり、たとえば野球部とかサッカー部とかが存在しない可能性があります(スポーツの部活は体育館でやれる室内競技に限られている場合があります)。 }} 第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。 総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。 ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。 総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。 なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=LrqqVXD1Qu0 『【都立高校】自分の「好き」を学びませんか?』、2022/01/20、16:00 ]</ref>(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。 ===== 高校2年に学科の分かれるタイプ ===== 高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。 ただし、工業科とか農業科とかは無理です。 そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。 形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。 もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。 ==== 「総合高校」でない場合 ==== ===== 軽度知的障害・移民の「総合科」 ===== 軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。 養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことを'''チャレンジスクール'''と言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。) 授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。 よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。 チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、'''まったく違う'''ので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物'''ではなく'''、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。 このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。 工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。 第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。 高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。 「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。 == 進学志望の高校を選ぶにあたって == === 高卒で就職する場合 === ==== 学科による差別 ==== *'''たいていの企業の高卒採用では、出身の学科(工業高校、商業高校など)の方を気にします。'''偏差値よりも出身学科の方を気にすることが多いです。。 :* 普通科高校卒の採用以外では、企業はあまり高校の偏差値を気にしません。 普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。 世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。 しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。 例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。 たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。 特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。 逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。 あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。 高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。 普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。 また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。 なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。 ==== 普通科高校卒の就職について ==== ==== 私立高校卒の場合 ==== 企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。 なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。) また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。 逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。 (そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。) == 脚注 ==
2024-03-07T21:31:00Z
2024-03-17T01:13:13Z
[ "テンプレート:コラム" ]
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高校受験ガイド/学科
公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に併設されている普通科の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。 職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です) 進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。 決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。 単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。 高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。 高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。 工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。 高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。 私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。 なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。 良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。 一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。 まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。 後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。 学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。 一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、 の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。 選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。 「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではないので混同しないのでください。 普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。 なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。 このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です 私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。 さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。 なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。 高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。 なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。 ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。 たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。 詳しくは高校生活ガイドで説明します。 ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。 たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。 ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。 公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。 農業高校に併設された普通科というのもあり、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。 これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください) 過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。 過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。 「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。 養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。 エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし中学レベルの復習をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。 ほか、理系の高校3年の数学IIIまたは専門「物理」が、履修不可能な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。 文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「世界史探求」が履修不可能だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。 ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。 もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクールではなく、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。 ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。 地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。 ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。 普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。 たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。 そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。 なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。 総合科を名乗るわけにも行きません。 私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。 私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。 これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。 どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。 「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、 まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、 注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。 「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。 注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。 また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。 基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。 さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。 題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。 また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。 専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。 多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります。 商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。 ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。 なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。 たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。 偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。 学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。 このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での探究活動(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、コースに関連したものに限定される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。) つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。 なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。) なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。 またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。 理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。 実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。 学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。 普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。 これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます。 この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、無いです。 また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。 また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には無いです。 理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。 理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。 スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。 東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。 普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。 本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。 理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。 たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています。 おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。 高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。 また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。) 例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。 日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理総合をすっとばして、いきなり地理探究があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との選択必修であり、地理探究・政治経済のうち、どちらか片方しか履修できないです。 理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、生物との選択必修であり、どちらか片方しか履修できなくなる可能性があります。 「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。 最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。 一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。 数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ,pdf『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』 しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』。 どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。 どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。 なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』。 地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』(さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。 どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。 第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。 ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』,pdf『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』 なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。 具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III(すうがくサン)や専門「化学」などの科目は無いです。 また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。 語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。 「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。 ※ ただし例外的な国際科高校もあり、 pdf奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース では数学IIIが履修可能。 同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。 また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。 なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。 特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。 「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等)。 なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。 もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。 一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。 「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。 なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。) 高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。 大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。 ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。 このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。 なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。 例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。 都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。pdf※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) 2024年03月31日に確認. 東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです。 このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。 高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。 「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。 カリキュラムの注意点として、数学IIが無いです。このためか、理科では物理基礎が無いです。 このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。 難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。 また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。 大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。 現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。 大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。 なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。 高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。 高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。 たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。 けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科ではないので、勘違いしないでください。 まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。 美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。 美術科・音楽科の高校カリキュラムは、まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラムです。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう) 実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます。 このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。 25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。 ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。 けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。 具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。 別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。 また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。 美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。 大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。 特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。 また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。) 工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。 また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。 生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。 科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。 工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。 農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。 高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。 職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・) 専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。 「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。 職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。 ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。 工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。 また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。 就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。 「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。 「総合学科」と「総合高校」とは意味が違います。 少なくとも、後述する3つのタイプがあります。 例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。 一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。 工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。 つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけではないかもしれません。 また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式ではない。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) 学科は、2つのパターンに分かれます。 職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。 また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には無いです。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです。 たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。 このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。 農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。 いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。 さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。 総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。 実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。 さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。 第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。 総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。 ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。 総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。 なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。 高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。 ただし、工業科とか農業科とかは無理です。 そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。 形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。 もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。 軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。 養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことをチャレンジスクールと言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。) 授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。 よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。 チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、まったく違うので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物ではなく、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。 このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。 工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。 第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。 高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。 「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。 普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。 世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。 しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。 例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。 たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。 特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。 逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。 あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。 高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。 普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。 また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。 なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。 企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。 なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。) また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。 逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。 (そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に併設されている普通科の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です)", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではないので混同しないのでください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "詳しくは高校生活ガイドで説明します。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "農業高校に併設された普通科というのもあり、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし中学レベルの復習をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "ほか、理系の高校3年の数学IIIまたは専門「物理」が、履修不可能な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「世界史探求」が履修不可能だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクールではなく、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "総合科を名乗るわけにも行きません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での探究活動(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、コースに関連したものに限定される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理総合をすっとばして、いきなり地理探究があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との選択必修であり、地理探究・政治経済のうち、どちらか片方しか履修できないです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、生物との選択必修であり、どちらか片方しか履修できなくなる可能性があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ,pdf『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』(さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』,pdf『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』 なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III(すうがくサン)や専門「化学」などの科目は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "※ ただし例外的な国際科高校もあり、 pdf奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース では数学IIIが履修可能。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。pdf※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) 2024年03月31日に確認.", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "カリキュラムの注意点として、数学IIが無いです。このためか、理科では物理基礎が無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科ではないので、勘違いしないでください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科の高校カリキュラムは、まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラムです。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "「総合学科」と「総合高校」とは意味が違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "少なくとも、後述する3つのタイプがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけではないかもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 198, "tag": "p", "text": "俗(ぞく)にいう、バイキング方式ではない。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 199, "tag": "p", "text": "さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 200, "tag": "p", "text": "俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 201, "tag": "p", "text": "学科は、2つのパターンに分かれます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 202, "tag": "p", "text": "職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 203, "tag": "p", "text": "また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には無いです。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 204, "tag": "p", "text": "たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 205, "tag": "p", "text": "このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 206, "tag": "p", "text": "農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 207, "tag": "p", "text": "いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 208, "tag": "p", "text": "さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 209, "tag": "p", "text": "総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 210, "tag": "p", "text": "実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 211, "tag": "p", "text": "さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 212, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 213, "tag": "p", "text": "第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 214, "tag": "p", "text": "総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 215, "tag": "p", "text": "ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 216, "tag": "p", "text": "総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 217, "tag": "p", "text": "なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 218, "tag": "p", "text": "高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 219, "tag": "p", "text": "ただし、工業科とか農業科とかは無理です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 220, "tag": "p", "text": "そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 221, "tag": "p", "text": "形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 222, "tag": "p", "text": "もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 223, "tag": "p", "text": "軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 224, "tag": "p", "text": "養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことをチャレンジスクールと言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 225, "tag": "p", "text": "授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 226, "tag": "p", "text": "よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 227, "tag": "p", "text": "チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、まったく違うので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物ではなく、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 228, "tag": "p", "text": "このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 229, "tag": "p", "text": "工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 230, "tag": "p", "text": "第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 231, "tag": "p", "text": "高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 232, "tag": "p", "text": "「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 233, "tag": "p", "text": "普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 234, "tag": "p", "text": "世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 235, "tag": "p", "text": "しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 236, "tag": "p", "text": "例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 237, "tag": "p", "text": "たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 238, "tag": "p", "text": "特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 239, "tag": "p", "text": "逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 240, "tag": "p", "text": "あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 241, "tag": "p", "text": "高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 242, "tag": "p", "text": "普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 243, "tag": "p", "text": "また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 244, "tag": "p", "text": "なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 245, "tag": "p", "text": "企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 246, "tag": "p", "text": "なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。)", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 247, "tag": "p", "text": "また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 248, "tag": "p", "text": "逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 249, "tag": "p", "text": "(そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。)", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" } ]
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== 進学実績を見る際の注意事項 == 公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に'''併設されている普通科'''の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。 職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です) 進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。 決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。 == 学科選び == === 高校は学校ごとの教育内容の差が大きい === 単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。 高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。 高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。 工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。 高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。 私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。 なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。 良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。 一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。 === 普通科高校に進学したい場合 === ==== 「進学コース」とかの意味 ==== まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。 後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。 学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。 一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、 :(成績が良い) 選抜コース > 特進コース > 進学コース (成績が低い) の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。 選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。 「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではない<ref>[https://www.yokohama.hs.nihon-u.ac.jp/senior/class/general/ 『総合進学コース | コース紹介 | 日本大学高等学校』] 2024年02月04日に確認. </ref>ので混同しないのでください。 普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。 なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。 このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です 私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。 ==== 文理のコース分け ==== さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。 なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。 高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。 なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。 ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。 たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。 詳しくは[[高校生活ガイド]]で説明します。 ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。 たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。 ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。 ==== 特殊な普通科 ==== ===== 地域と連携した普通科 ===== 公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります<ref>[https://om-h.spec.ed.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%A1%88%E5%86%85/%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B 『教育課程 - 埼玉県立大宮武蔵野高等学校』]2024年03月31日に確認. </ref>。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。 農業高校に併設された普通科というのもあり<ref>[https://inazawa-ryokufukan-h.com/course/general 普通科 | 愛知県立稲沢緑風館高等学校]2024年03月31日に確認. </ref>、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。 これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください) ===== 過去に職業高校だった「普通科」 ===== 過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。 過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。 ===== 知的障害者むけの普通科 ===== 「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。 養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。 エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし'''中学レベルの復習'''をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。 ほか、理系の高校3年の'''数学III'''または専門「'''物理'''」が、'''履修不可能'''な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。 文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「'''世界史探求'''」が'''履修不可能'''だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。 ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。 もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクール'''ではなく'''、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。 ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。 地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。 ===== 常識外れな「普通科」 ===== ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。 普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。 たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。 そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。 なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。 総合科を名乗るわけにも行きません。 私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。 ==== 普通科の「総合コース」 ==== 私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。 これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。 * 商業高校の科目の一部、または工業高校の科目の一部が学べる普通科です。 * スポーツまたは芸術に専念する普通科高校。 * 福祉や介護などの実習などが学べる高校 どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。 「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、 :※ 下記の出典については、高校側の名誉のため、出典をひかえます。また、他の編集者も、出典の追加のさいには学校や高校生の名誉棄損にならないように注意してください。 ;商業または工業を学べる高校の場合 まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、 注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。 「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。 注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。 また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。 基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。 {{コラム|「総合進学コース」とは別| 大学進学に対応するコースとしては、「総合進学コース」というのを持つ高校がいくつかあります。有名な高校を例に出せば、ときどき甲子園に出る花咲徳栄(はなさきとくはる)高校です([[w:花咲徳栄高等学校]])。ネット上ではカリキュラム公開されておらず、詳細は不明です。 ほか、大学付属校でいくつか「総合進学コース」をもつ私立高校がありますが(東海大学付属熊本星翔高等学校、八戸工業大学第二高等学校、土浦日本大学高等学校、岡山理科大学付属高等学校、など)、ネットの公式情報だけでは詳細不明です。 }} さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。 ;芸術または体育を中心とした高校の場合 題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。 また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。 専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。 ==== 普通科の専門的コース ==== ===== ビジネスコースなど ===== 多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります<ref>[https://www.kagawa-edu.jp/minamh02/file/5550 普通科 香川県立高松南高等学校 令和5年度普通科教育課程(令和3年度入学者)、 ]</ref>。 商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。 ===== 体育コース・美術コースなど ===== ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。 ;偏差値 なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。 たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。 偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。 ;事実上の学科 学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。 このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での'''探究活動'''(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、'''コースに関連したものに限定'''される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。) つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。 なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。) なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。 またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。 理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。 実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。 学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。 === 理数科や国際科など === 普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。 これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。 この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、'''無い'''です。 また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。 また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には'''無い'''です。 ==== 理数科 ==== 理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。 理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。 スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。 東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば<ref>pdf [https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/static/high_school/toyama-h.html 教育課程表_令和4・5年度入学生用.pdf]</ref><ref>pdf [https://www.metro.ed.jp/tachikawa-h/assets/R5%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B%E8%A1%A8.pdf R5教育課程表.pdf]</ref>、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。 普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。 本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。 理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。 たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています<ref>pdf [https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500100/shingikai/d00204958_d/fil/021012wakayamashi.pdf 『PowerPoint プレゼンテーション - 021012wakayamashi.pdf』]</ref>。 おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。 * 高卒就職の場合 高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。 また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。) 例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。 * 理数科に無い科目 日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理'''総合'''をすっとばして、いきなり地理'''探究'''があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との'''選択必修'''であり、地理探究・政治経済のうち、'''どちらか片方'''しか履修できないです。 理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、'''生物との選択必修'''であり、'''どちらか片方'''しか履修できなくなる可能性があります。 ==== 国際科と国際教養科と外国語科 ==== '''「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科'''です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。 最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。 一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。 数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。[https://cms1.chiba-c.ed.jp/matsudokokusai-h/wysiwyg/file/download/36/3467 『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ],pdf[https://chigusa-h.com/wp/wp-content/uploads/2023/05/R4-R5i.pdf 『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』 ] しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります[http://www.kyoto-be.ne.jp/nishiotokuni-hs/mt/school/2021/11/post-15.html 『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』]。 どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。 どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。 なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです[https://www2.osaka-c.ed.jp/hanazono/folder_5/post-24.html 『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』]。 地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります[https://sh.higo.ed.jp/kuma-ch/kyouiku/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%95%99%E9%A4%8A%E7%A7%91 『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』](さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。 どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。 第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。 ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります[https://wakoku-h.spec.ed.jp/%E5%AD%A6%E7%A7%91%E6%A1%88%E5%86%85 『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』],pdf[https://hyogopref-kokusaihs.ed.jp/main/wp-content/uploads/2023/06/R5_%E5%AE%9F%E6%96%BD%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B%E8%A1%A8_HP%E7%94%A8.pdf 『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』] なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。 ===== 国際科の基本 ===== 具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。'''たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III'''(すうがくサン)'''や専門「化学」などの科目は無いです。''' また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。 語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。 「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。 ※ ただし例外的な国際科高校もあり、 pdf[https://www.e-net.nara.jp/hs/kokusai/index.cfm/7,59,c,html/59/20220804-082219.pdf 奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース] では数学IIIが履修可能。 同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。 また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。 なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、'''たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。''' 特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。 「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等<ref>pdf[https://www.city.chiba.jp/school/hs/001/gakkoshokai/highschool/introduction/documents/r5_nyugaku.pdf 千葉市立稲毛高等学校]</ref>)。 なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。 もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。 一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。 「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。 なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。) 高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。 大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。 ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。 このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。 なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。 例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが<ref>pdf [https://hibiya-h.metro.ed.jp/Study/Curriculum.pdf ※日比谷高校のはず] 2024年03月31日に確認.</ref>)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。 都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。pdf[https://www.metro.ed.jp/shinjuku-h/assets/filelink/filelink-pdffile-16416.pdf ※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) ] 2024年03月31日に確認. 東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです<ref>pdf[https://www.pen-kanagawa.ed.jp/yokohamasuiran-h/zennichi/documents/r5gakkouanai.pdf 神奈川県立横浜翠嵐高等学校『学校案内(全日制課程)』2023] 2024年03月31日に確認.</ref><ref>pdf[https://www.chiba-c.ed.jp/chiba-h/pdf/20200916_%E3%80%90%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%8D%83%E8%91%89%E9%AB%98%E6%A0%A1%E3%80%91%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%92%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%A1%88%E5%86%85.pdf千葉県立千葉高校 ]</ref><ref>pdf[https://phs.jac-web.com/wp-content/uploads/7b625111fe7f24e9bd51d16f3c1c37b8.pdf 千葉県立船橋高等学校 発行『船高教育ガイド2020』、令和2年7月6日、 ]</ref><ref>[https://urawa-h.spec.ed.jp/%E5%85%A8%E6%97%A5%E5%88%B6/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%B4%BB%E5%8B%95/%E6%B5%A6%E9%AB%98%E3%81%AE%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%83%BB%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B - 埼玉県立浦和高等学校『浦高の学習支援・教育課程』]</ref>。 このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。 * 国際科の高校入試の「外国語」 高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。 ==== 人文系の学科 ==== 「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。 カリキュラムの注意点として、'''数学IIが無い'''です。このためか、理科では'''物理基礎が無い'''です。 このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。 難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。 また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。 === 文理学科 === 大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。 現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。 大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。 なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。 高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。 高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。 たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。 けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科'''ではない'''ので、勘違いしないでください。 まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。 === 美術科・音楽科の高校 === 美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。 美術科・音楽科の高校カリキュラムは、'''まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラム'''です。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう) 実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。 このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。 25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。 ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。 けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「'''美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異'''」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。 具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。 別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。 また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。 美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。 === 職業高校に進学したい場合 === 大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。 特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。 また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。) 工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。 また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。 生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。 科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。 工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。 農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。 高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。 職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・) 専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。 「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。 職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。 ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。 * 工業高校の学科は複数ある。目指す就職先にあった学科を選ぶべき。 工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。 また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。 就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。 === 「総合高校」と「総合科」 === 「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。 「総合学科」と「総合高校」とは'''意味が違います'''。 少なくとも、後述する3つのタイプがあります。 ==== 「総合高校」である場合 ==== ===== 複数の職業高校の合体タイプ ===== 例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。 一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。 工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。 つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけ'''ではない'''かもしれません。 また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式'''ではない'''。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) ===== 総合選択制のタイプ:普通科高校をベース ===== さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) 学科は、2つのパターンに分かれます。 * 学科はあくまで「普通科」であり、選択科目がとても多い「普通科 総合選択制」というパターンが一つ。商業などの職業科目が履修できるかは高校によります。 * もうひとつは、学科がもはや普通科ではなく「総合学科」という別学科であるパターンです。 職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。 また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には'''無い'''です。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=MgCK3UI_jlU 『【総合高校】いいとこ取り!普通科でも専門学科でもない、総合学科の魅力とは?』2022/12/15 、3:00 あたり]</ref>。 たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。 このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。 農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。 いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。 さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。 総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。 実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。 さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。 {{コラム|校庭の広さなどに注意| なお、もし仮に工業・農業の2つの設備をもつ総合学科の高校があり、この2つの選択教科を履修できる総合高校があったとしても、もしかしたら「'''校庭がとても狭い'''」など別の制約というシワ寄せがある可能性も考えられますので、学校見学などは事前にしておいてください。校庭が狭い結果、運動部の数が少ない可能性があり、たとえば野球部とかサッカー部とかが存在しない可能性があります(スポーツの部活は体育館でやれる室内競技に限られている場合があります)。 }} 第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。 総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。 ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。 総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。 なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=LrqqVXD1Qu0 『【都立高校】自分の「好き」を学びませんか?』、2022/01/20、16:00 ]</ref>(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。 ===== 高校2年に学科の分かれるタイプ ===== 高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。 ただし、工業科とか農業科とかは無理です。 そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。 形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。 もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。 ==== 「総合高校」でない場合 ==== ===== 軽度知的障害・移民の「総合科」 ===== 軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。 養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことを'''チャレンジスクール'''と言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。) 授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。 よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。 チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、'''まったく違う'''ので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物'''ではなく'''、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。 このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。 工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。 第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。 高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。 「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。 == 進学志望の高校を選ぶにあたって == === 高卒で就職する場合 === ==== 学科による差別 ==== *'''たいていの企業の高卒採用では、出身の学科(工業高校、商業高校など)の方を気にします。'''偏差値よりも出身学科の方を気にすることが多いです。。 :* 普通科高校卒の採用以外では、企業はあまり高校の偏差値を気にしません。 普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。 世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。 しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。 例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。 たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。 特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。 逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。 あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。 高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。 普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。 また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。 なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。 ==== 普通科高校卒の就職について ==== ==== 私立高校卒の場合 ==== 企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。 なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。) また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。 逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。 (そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。) == 脚注 ==
2024-03-07T21:31:00Z
2024-03-31T03:39:59Z
[ "テンプレート:コラム" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/%E5%AD%A6%E7%A7%91
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高校受験ガイド/学科
公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に併設されている普通科の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。 職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です) 進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。 決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。 単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。 高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。 高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。 工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。 高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。 私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。 なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。 良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。 一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。 まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。 後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。 学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。 一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、 の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。 選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。 「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではないので混同しないのでください。 普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。 なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。 このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です 私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。 さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。 なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。 高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。 なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。 ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。 たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。 詳しくは高校生活ガイドで説明します。 ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。 たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。 ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。 公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。 農業高校に併設された普通科というのもあり、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。 これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください) 過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。 過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。 「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。 養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。 エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし中学レベルの復習をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。 ほか、理系の高校3年の数学IIIまたは専門「物理」が、履修不可能な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。 文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「世界史探求」が履修不可能だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。 ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。 もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクールではなく、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。 ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。 地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。 ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。 普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。 たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。 そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。 なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。 総合科を名乗るわけにも行きません。 私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。 私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。 これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。 どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。 「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、 まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、 注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。 「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。 注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。 また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。 基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。 さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。 題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。 また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。 専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。 多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります。 商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。 ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。 なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。 たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。 偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。 学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。 このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での探究活動(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、コースに関連したものに限定される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。) つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。 なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。) なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。 またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。 理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。 実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。 学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。 普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。 これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます。 この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、無いです。 また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。 また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には無いです。 理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。 理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。 スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。 東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。 普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。 本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。 理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。 たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています。 おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。 高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。 また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。) 例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。 日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理総合をすっとばして、いきなり地理探究があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との選択必修であり、地理探究・政治経済のうち、どちらか片方しか履修できないです。 理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、生物との選択必修であり、どちらか片方しか履修できなくなる可能性があります。 「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。 最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。 一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。 数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ,pdf『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』 しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』。 どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。 どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。 なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』。 地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』(さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。 どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。 第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。 ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』,pdf『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』 なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。 具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III(すうがくサン)や専門「化学」などの科目は無いです。 また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。 語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。 「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。 ※ ただし例外的な国際科高校もあり、 pdf奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース では数学IIIが履修可能。 同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。 また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。 なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。 特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。 「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等)。 なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。 もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。 一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。 「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。 なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。) 高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。 大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。 ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。 このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。 なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。 例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。 都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。pdf※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) 2024年03月31日に確認. 東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです。 このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。 高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。 「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。 カリキュラムの注意点として、数学IIが無いです。このためか、理科では物理基礎が無いです。 このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。 難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。 また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。 大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。 現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。 大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。 なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。 高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。 高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。 たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。 けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科ではないので、勘違いしないでください。 まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。 美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。 美術科・音楽科の高校カリキュラムは、まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラムです。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう) 実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます。 このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。 25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。 ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。 けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。 具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。 別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。 また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。 美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。 大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。 特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。 また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。) 工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。 また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。 生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。 科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。 工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。 農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。 高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。 職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・) 専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。 「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。 職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。 ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。 工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。 また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。 就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。 「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。 「総合学科」と「総合高校」とは意味が違います。 少なくとも、後述する3つのタイプがあります。 例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。 一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。 工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。 つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけではないかもしれません。 また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式ではない。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) 学科は、2つのパターンに分かれます。 職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。 また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には無いです。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです。 たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。 このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。 農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。 いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。 さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。 総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。 実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。 さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。 第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。 総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。 ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。 総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。 なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。 高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。 ただし、工業科とか農業科とかは無理です。 そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。 形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。 もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。 軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。 養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことをチャレンジスクールと言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。) 授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。 よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。 チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、まったく違うので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物ではなく、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。 このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。 工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。 第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。 高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。 「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。 普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。 世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。 しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。 例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。 たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。 特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。 逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。 あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。 高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。 普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。 また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。 なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。 企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。 なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。) また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。 逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。 (そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に併設されている普通科の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です)", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではないので混同しないのでください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "詳しくは高校生活ガイドで説明します。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "農業高校に併設された普通科というのもあり、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし中学レベルの復習をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "ほか、理系の高校3年の数学IIIまたは専門「物理」が、履修不可能な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「世界史探求」が履修不可能だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクールではなく、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "総合科を名乗るわけにも行きません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での探究活動(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、コースに関連したものに限定される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理総合をすっとばして、いきなり地理探究があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との選択必修であり、地理探究・政治経済のうち、どちらか片方しか履修できないです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、生物との選択必修であり、どちらか片方しか履修できなくなる可能性があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ,pdf『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』(さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』,pdf『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』 なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III(すうがくサン)や専門「化学」などの科目は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "※ ただし例外的な国際科高校もあり、 pdf奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース では数学IIIが履修可能。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。pdf※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) 2024年03月31日に確認.", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "カリキュラムの注意点として、数学IIが無いです。このためか、理科では物理基礎が無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科ではないので、勘違いしないでください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科の高校カリキュラムは、まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラムです。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "「総合学科」と「総合高校」とは意味が違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "少なくとも、後述する3つのタイプがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけではないかもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 198, "tag": "p", "text": "俗(ぞく)にいう、バイキング方式ではない。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 199, "tag": "p", "text": "さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 200, "tag": "p", "text": "俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 201, "tag": "p", "text": "学科は、2つのパターンに分かれます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 202, "tag": "p", "text": "職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 203, "tag": "p", "text": "また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には無いです。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 204, "tag": "p", "text": "たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 205, "tag": "p", "text": "このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 206, "tag": "p", "text": "農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 207, "tag": "p", "text": "いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 208, "tag": "p", "text": "さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 209, "tag": "p", "text": "総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 210, "tag": "p", "text": "実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 211, "tag": "p", "text": "さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 212, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 213, "tag": "p", "text": "第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 214, "tag": "p", "text": "総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 215, "tag": "p", "text": "ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 216, "tag": "p", "text": "総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 217, "tag": "p", "text": "なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 218, "tag": "p", "text": "高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 219, "tag": "p", "text": "ただし、工業科とか農業科とかは無理です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 220, "tag": "p", "text": "そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 221, "tag": "p", "text": "形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 222, "tag": "p", "text": "もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 223, "tag": "p", "text": "軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 224, "tag": "p", "text": "養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことをチャレンジスクールと言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 225, "tag": "p", "text": "授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 226, "tag": "p", "text": "よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 227, "tag": "p", "text": "チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、まったく違うので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物ではなく、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 228, "tag": "p", "text": "このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 229, "tag": "p", "text": "工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 230, "tag": "p", "text": "第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 231, "tag": "p", "text": "高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 232, "tag": "p", "text": "「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 233, "tag": "p", "text": "普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 234, "tag": "p", "text": "世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 235, "tag": "p", "text": "しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 236, "tag": "p", "text": "例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 237, "tag": "p", "text": "たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 238, "tag": "p", "text": "特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 239, "tag": "p", "text": "逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 240, "tag": "p", "text": "あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 241, "tag": "p", "text": "高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 242, "tag": "p", "text": "普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 243, "tag": "p", "text": "また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 244, "tag": "p", "text": "なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 245, "tag": "p", "text": "企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 246, "tag": "p", "text": "なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。)", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 247, "tag": "p", "text": "また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 248, "tag": "p", "text": "逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 249, "tag": "p", "text": "(そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。)", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" } ]
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== 進学実績を見る際の注意事項 == 公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に'''併設されている普通科'''の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。 職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です) 進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。 決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。 == 学科選び == === 高校は学校ごとの教育内容の差が大きい === 単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。 高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。 高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。 工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。 高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。 私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。 なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。 良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。 一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。 === 普通科高校に進学したい場合 === ==== 「進学コース」とかの意味 ==== まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。 後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。 学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。 一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、 :(成績が良い) 選抜コース > 特進コース > 進学コース (成績が低い) の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。 選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。 「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではない<ref>[https://www.yokohama.hs.nihon-u.ac.jp/senior/class/general/ 『総合進学コース | コース紹介 | 日本大学高等学校』] 2024年02月04日に確認. </ref>ので混同しないのでください。 普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。 なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。 このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です 私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。 ==== 文理のコース分け ==== さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。 なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。 高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。 なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。 ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。 たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。 詳しくは[[高校生活ガイド]]で説明します。 ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。 たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。 ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。 ==== 特殊な普通科 ==== ===== 地域と連携した普通科 ===== 公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります<ref>[https://om-h.spec.ed.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%A1%88%E5%86%85/%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B 『教育課程 - 埼玉県立大宮武蔵野高等学校』]2024年03月31日に確認. </ref>。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。 農業高校に併設された普通科というのもあり<ref>[https://inazawa-ryokufukan-h.com/course/general 普通科 | 愛知県立稲沢緑風館高等学校]2024年03月31日に確認. </ref>、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。 これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください) ===== 過去に職業高校だった「普通科」 ===== 過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。 過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。 ===== 知的障害者むけの普通科 ===== 「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。 養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。 エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし'''中学レベルの復習'''をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。 ほか、理系の高校3年の'''数学III'''または専門「'''物理'''」が、'''履修不可能'''な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。 文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「'''世界史探求'''」が'''履修不可能'''だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。 ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。 もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクール'''ではなく'''、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。 ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。 地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。 ===== 常識外れな「普通科」 ===== ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。 普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。 たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。 そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。 なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。 総合科を名乗るわけにも行きません。 私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。 ==== 普通科の「総合コース」 ==== 私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。 これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。 * 商業高校の科目の一部、または工業高校の科目の一部が学べる普通科です。 * スポーツまたは芸術に専念する普通科高校。 * 福祉や介護などの実習などが学べる高校 どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。 「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、 :※ 下記の出典については、高校側の名誉のため、出典をひかえます。また、他の編集者も、出典の追加のさいには学校や高校生の名誉棄損にならないように注意してください。 ;商業または工業を学べる高校の場合 まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、 注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。 「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。 注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。 また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。 基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。 {{コラム|「総合進学コース」とは別| 大学進学に対応するコースとしては、「総合進学コース」というのを持つ高校がいくつかあります。有名な高校を例に出せば、ときどき甲子園に出る花咲徳栄(はなさきとくはる)高校です([[w:花咲徳栄高等学校]])。ネット上ではカリキュラム公開されておらず、詳細は不明です。 ほか、大学付属校でいくつか「総合進学コース」をもつ私立高校がありますが(東海大学付属熊本星翔高等学校、八戸工業大学第二高等学校、土浦日本大学高等学校、岡山理科大学付属高等学校、など)、ネットの公式情報だけでは詳細不明です。 }} さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。 ;芸術または体育を中心とした高校の場合 題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。 また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。 専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。 ==== 普通科の専門的コース ==== ===== ビジネスコースなど ===== 多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります<ref>[https://www.kagawa-edu.jp/minamh02/file/5550 普通科 香川県立高松南高等学校 令和5年度普通科教育課程(令和3年度入学者)、 ]</ref>。 商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。 ===== 体育コース・美術コースなど ===== ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。 ;偏差値 なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。 たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。 偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。 ;事実上の学科 学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。 このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での'''探究活動'''(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、'''コースに関連したものに限定'''される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。) つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。 なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。) なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。 またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。 理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。 実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。 学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。 === 理数科や国際科など === 普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。 これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。 この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、'''無い'''です。 また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。 また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には'''無い'''です。 ==== 理数科 ==== 理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。 理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。 スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。 東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば<ref>pdf [https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/static/high_school/toyama-h.html 教育課程表_令和4・5年度入学生用.pdf]</ref><ref>pdf [https://www.metro.ed.jp/tachikawa-h/assets/R5%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B%E8%A1%A8.pdf R5教育課程表.pdf]</ref>、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。 普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。 本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。 理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。 たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています<ref>pdf [https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500100/shingikai/d00204958_d/fil/021012wakayamashi.pdf 『PowerPoint プレゼンテーション - 021012wakayamashi.pdf』]</ref>。 おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。 * 高卒就職の場合 高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。 また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。) 例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。 * 理数科に無い科目 日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理'''総合'''をすっとばして、いきなり地理'''探究'''があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との'''選択必修'''であり、地理探究・政治経済のうち、'''どちらか片方'''しか履修できないです。 理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、'''生物との選択必修'''であり、'''どちらか片方'''しか履修できなくなる可能性があります。 ==== 国際科と国際教養科と外国語科 ==== '''「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科'''です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。 最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。 一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。 数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。[https://cms1.chiba-c.ed.jp/matsudokokusai-h/wysiwyg/file/download/36/3467 『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ],pdf[https://chigusa-h.com/wp/wp-content/uploads/2023/05/R4-R5i.pdf 『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』 ] しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります[http://www.kyoto-be.ne.jp/nishiotokuni-hs/mt/school/2021/11/post-15.html 『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』]。 どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。 どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。 なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです[https://www2.osaka-c.ed.jp/hanazono/folder_5/post-24.html 『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』]。 地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります[https://sh.higo.ed.jp/kuma-ch/kyouiku/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%95%99%E9%A4%8A%E7%A7%91 『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』](さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。 どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。 第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。 ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります[https://wakoku-h.spec.ed.jp/%E5%AD%A6%E7%A7%91%E6%A1%88%E5%86%85 『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』],pdf[https://hyogopref-kokusaihs.ed.jp/main/wp-content/uploads/2023/06/R5_%E5%AE%9F%E6%96%BD%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B%E8%A1%A8_HP%E7%94%A8.pdf 『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』] なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。 ===== 国際科の基本 ===== 具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。'''たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III'''(すうがくサン)'''や専門「化学」などの科目は無いです。''' また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。 語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。 「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。 ※ ただし例外的な国際科高校もあり、 pdf[https://www.e-net.nara.jp/hs/kokusai/index.cfm/7,59,c,html/59/20220804-082219.pdf 奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース] では数学IIIが履修可能。 同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。 また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。 なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、'''たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。''' 特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。 「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等<ref>pdf[https://www.city.chiba.jp/school/hs/001/gakkoshokai/highschool/introduction/documents/r5_nyugaku.pdf 千葉市立稲毛高等学校]</ref>)。 なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。 もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。 一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。 「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。 なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。) 高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。 大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。 ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。 このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。 なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。 例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが<ref>pdf [https://hibiya-h.metro.ed.jp/Study/Curriculum.pdf ※日比谷高校のはず] 2024年03月31日に確認.</ref>)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。 都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。pdf[https://www.metro.ed.jp/shinjuku-h/assets/filelink/filelink-pdffile-16416.pdf ※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) ] 2024年03月31日に確認. 東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです<ref>pdf[https://www.pen-kanagawa.ed.jp/yokohamasuiran-h/zennichi/documents/r5gakkouanai.pdf 神奈川県立横浜翠嵐高等学校『学校案内(全日制課程)』2023] 2024年03月31日に確認.</ref><ref>pdf[https://www.chiba-c.ed.jp/chiba-h/pdf/20200916_%E3%80%90%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%8D%83%E8%91%89%E9%AB%98%E6%A0%A1%E3%80%91%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%92%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%A1%88%E5%86%85.pdf千葉県立千葉高校 ]</ref><ref>pdf[https://phs.jac-web.com/wp-content/uploads/7b625111fe7f24e9bd51d16f3c1c37b8.pdf 千葉県立船橋高等学校 発行『船高教育ガイド2020』、令和2年7月6日、 ]</ref><ref>[https://urawa-h.spec.ed.jp/%E5%85%A8%E6%97%A5%E5%88%B6/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%B4%BB%E5%8B%95/%E6%B5%A6%E9%AB%98%E3%81%AE%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%83%BB%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B - 埼玉県立浦和高等学校『浦高の学習支援・教育課程』]、2024年03月31日に確認.</ref>。 このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。 * 国際科の高校入試の「外国語」 高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。 ==== 人文系の学科 ==== 「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。 カリキュラムの注意点として、'''数学IIが無い'''です。このためか、理科では'''物理基礎が無い'''です。 このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。 難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。 また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。 === 文理学科 === 大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。 現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。 大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。 なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。 高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。 高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。 たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。 けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科'''ではない'''ので、勘違いしないでください。 まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。 === 美術科・音楽科の高校 === 美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。 美術科・音楽科の高校カリキュラムは、'''まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラム'''です。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう) 実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。 このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。 25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。 ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。 けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「'''美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異'''」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。 具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。 別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。 また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。 美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。 === 職業高校に進学したい場合 === 大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。 特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。 また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。) 工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。 また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。 生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。 科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。 工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。 農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。 高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。 職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・) 専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。 「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。 職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。 ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。 * 工業高校の学科は複数ある。目指す就職先にあった学科を選ぶべき。 工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。 また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。 就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。 === 「総合高校」と「総合科」 === 「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。 「総合学科」と「総合高校」とは'''意味が違います'''。 少なくとも、後述する3つのタイプがあります。 ==== 「総合高校」である場合 ==== ===== 複数の職業高校の合体タイプ ===== 例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。 一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。 工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。 つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけ'''ではない'''かもしれません。 また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式'''ではない'''。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) ===== 総合選択制のタイプ:普通科高校をベース ===== さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) 学科は、2つのパターンに分かれます。 * 学科はあくまで「普通科」であり、選択科目がとても多い「普通科 総合選択制」というパターンが一つ。商業などの職業科目が履修できるかは高校によります。 * もうひとつは、学科がもはや普通科ではなく「総合学科」という別学科であるパターンです。 職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。 また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には'''無い'''です。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです<ref>動画 [https://www.youtube.com/watch?v=MgCK3UI_jlU 受験応援さんだるちゃんねる『【総合高校】いいとこ取り!普通科でも専門学科でもない、総合学科の魅力とは?』2022/12/15 、3:00 あたり]</ref>。 たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。 このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。 農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。 いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。 さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。 総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。 実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。 さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。 {{コラム|校庭の広さなどに注意| なお、もし仮に工業・農業の2つの設備をもつ総合学科の高校があり、この2つの選択教科を履修できる総合高校があったとしても、もしかしたら「'''校庭がとても狭い'''」など別の制約というシワ寄せがある可能性も考えられますので、学校見学などは事前にしておいてください。校庭が狭い結果、運動部の数が少ない可能性があり、たとえば野球部とかサッカー部とかが存在しない可能性があります(スポーツの部活は体育館でやれる室内競技に限られている場合があります)。 }} 第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。 総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。 ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。 総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。 なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります<ref>動画[https://www.youtube.com/watch?v=LrqqVXD1Qu0 『【都立高校】自分の「好き」を学びませんか?』、2022/01/20、16:00 ]</ref>(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。 ===== 高校2年に学科の分かれるタイプ ===== 高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。 ただし、工業科とか農業科とかは無理です。 そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。 形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。 もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。 ==== 「総合高校」でない場合 ==== ===== 軽度知的障害・移民の「総合科」 ===== 軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。 養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことを'''チャレンジスクール'''と言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。) 授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。 よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。 チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、'''まったく違う'''ので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物'''ではなく'''、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。 このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。 工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。 第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。 高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。 「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。 == 進学志望の高校を選ぶにあたって == === 高卒で就職する場合 === ==== 学科による差別 ==== *'''たいていの企業の高卒採用では、出身の学科(工業高校、商業高校など)の方を気にします。'''偏差値よりも出身学科の方を気にすることが多いです。。 :* 普通科高校卒の採用以外では、企業はあまり高校の偏差値を気にしません。 普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。 世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。 しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。 例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。 たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。 特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。 逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。 あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。 高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。 普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。 また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。 なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。 ==== 普通科高校卒の就職について ==== ==== 私立高校卒の場合 ==== 企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。 なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。) また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。 逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。 (そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。) == 脚注 ==
2024-03-07T21:31:00Z
2024-03-31T03:43:44Z
[ "テンプレート:コラム" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/%E5%AD%A6%E7%A7%91
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高校受験ガイド/学科
公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に併設されている普通科の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。 職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です) 進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。 決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。 単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。 高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。 高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。 工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。 高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。 私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。 なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。 良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。 一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。 まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。 後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。 学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。 一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、 の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。 選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。 「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではないので混同しないのでください。 普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。 なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。 このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です 私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。 さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。 なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。 高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。 なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。 ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。 たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。 詳しくは高校生活ガイドで説明します。 ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。 たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。 ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。 公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。 農業高校に併設された普通科というのもあり、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。 これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください) 過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。 過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。 「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。 養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。 エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし中学レベルの復習をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。 ほか、理系の高校3年の数学IIIまたは専門「物理」が、履修不可能な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。 文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「世界史探求」が履修不可能だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。 ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。 もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクールではなく、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。 ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。 地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。 ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。 普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。 たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。 そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。 なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。 総合科を名乗るわけにも行きません。 私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。 私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。 これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。 どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。 「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、 まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、 注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。 「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。 注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。 また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。 基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。 さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。 題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。 また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。 専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。 多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります。 商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。 ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。 なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。 たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。 偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。 学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。 このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での探究活動(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、コースに関連したものに限定される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。) つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。 なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。) なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。 またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。 理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。 実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。 学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。 普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。 これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます。 この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、無いです。 また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。 また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には無いです。 理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。 理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。 スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。 東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。 普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。 本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。 理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。 たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています。 おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。 高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。 また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。) 例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。 日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理総合をすっとばして、いきなり地理探究があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との選択必修であり、地理探究・政治経済のうち、どちらか片方しか履修できないです。 理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、生物との選択必修であり、どちらか片方しか履修できなくなる可能性があります。 「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。 最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。 一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。 数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ,pdf『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』 しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』。 どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。 どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。 なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』。 地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』(さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。 どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。 第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。 ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』,pdf『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』 なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。 具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III(すうがくサン)や専門「化学」などの科目は無いです。 また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。 語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。 「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。 ※ ただし例外的な国際科高校もあり、 pdf奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース では数学IIIが履修可能。 同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。 また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。 なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。 特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。 「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等)。 なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。 もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。 一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。 「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。 なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。) 高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。 大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。 ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。 このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。 なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。 例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。 都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。pdf※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) 2024年03月31日に確認. 東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです。 このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。 高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。 「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。 カリキュラムの注意点として、数学IIが無いです。このためか、理科では物理基礎が無いです。 このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。 難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。 また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。 大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。 現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。 大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。 なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。 高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。 高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。 たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。 けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科ではないので、勘違いしないでください。 まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。 美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。 美術科・音楽科の高校カリキュラムは、まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラムです。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう) 実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます。 このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。 25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。 ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。 けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。 具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。 別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。 また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。 美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。 大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。 特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。 また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。) 工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。 また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。 生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。 科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。 工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。 農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。 高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。 職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・) 専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。 「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。 職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。 ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。 工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。 また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。 就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。 「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。 「総合学科」と「総合高校」とは意味が違います。 少なくとも、後述する3つのタイプがあります。 例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。 一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。 工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。 つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけではないかもしれません。 また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式ではない。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) 学科は、2つのパターンに分かれます。 職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。 また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には無いです。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです。 たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。 このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。 農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。 いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。 さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。 総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。 実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。 さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。 第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。 総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。 ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。 総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。 なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。 高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。 ただし、工業科とか農業科とかは無理です。 そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。 形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。 もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。 軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。 養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことをチャレンジスクールと言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。) 授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。 よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。 チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、まったく違うので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物ではなく、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。 このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。 工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。 第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。 高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。 「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。 普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。 世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。 しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。 例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。 たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。 特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。 逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。 あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。 高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。 普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。 また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。 なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。 企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。 なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。) また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。 逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。 (そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に併設されている普通科の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です)", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。", "title": "進学実績を見る際の注意事項" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではないので混同しないのでください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "詳しくは高校生活ガイドで説明します。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "農業高校に併設された普通科というのもあり、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし中学レベルの復習をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "ほか、理系の高校3年の数学IIIまたは専門「物理」が、履修不可能な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「世界史探求」が履修不可能だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクールではなく、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "総合科を名乗るわけにも行きません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での探究活動(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、コースに関連したものに限定される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理総合をすっとばして、いきなり地理探究があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との選択必修であり、地理探究・政治経済のうち、どちらか片方しか履修できないです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、生物との選択必修であり、どちらか片方しか履修できなくなる可能性があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ,pdf『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』(さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』,pdf『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』 なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III(すうがくサン)や専門「化学」などの科目は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "※ ただし例外的な国際科高校もあり、 pdf奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース では数学IIIが履修可能。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。pdf※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) 2024年03月31日に確認.", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "カリキュラムの注意点として、数学IIが無いです。このためか、理科では物理基礎が無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科ではないので、勘違いしないでください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科の高校カリキュラムは、まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラムです。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "「総合学科」と「総合高校」とは意味が違います。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "少なくとも、後述する3つのタイプがあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけではないかもしれません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 198, "tag": "p", "text": "俗(ぞく)にいう、バイキング方式ではない。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 199, "tag": "p", "text": "さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 200, "tag": "p", "text": "俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 201, "tag": "p", "text": "学科は、2つのパターンに分かれます。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 202, "tag": "p", "text": "職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 203, "tag": "p", "text": "また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には無いです。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 204, "tag": "p", "text": "たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 205, "tag": "p", "text": "このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 206, "tag": "p", "text": "農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 207, "tag": "p", "text": "いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 208, "tag": "p", "text": "さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 209, "tag": "p", "text": "総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 210, "tag": "p", "text": "実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 211, "tag": "p", "text": "さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 212, "tag": "p", "text": "", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 213, "tag": "p", "text": "第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 214, "tag": "p", "text": "総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 215, "tag": "p", "text": "ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 216, "tag": "p", "text": "総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 217, "tag": "p", "text": "なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 218, "tag": "p", "text": "高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 219, "tag": "p", "text": "ただし、工業科とか農業科とかは無理です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 220, "tag": "p", "text": "そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 221, "tag": "p", "text": "形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 222, "tag": "p", "text": "もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 223, "tag": "p", "text": "軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 224, "tag": "p", "text": "養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことをチャレンジスクールと言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。)", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 225, "tag": "p", "text": "授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 226, "tag": "p", "text": "よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 227, "tag": "p", "text": "チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、まったく違うので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物ではなく、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 228, "tag": "p", "text": "このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 229, "tag": "p", "text": "工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 230, "tag": "p", "text": "第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 231, "tag": "p", "text": "高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 232, "tag": "p", "text": "「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。", "title": "学科選び" }, { "paragraph_id": 233, "tag": "p", "text": "普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 234, "tag": "p", "text": "世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 235, "tag": "p", "text": "しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 236, "tag": "p", "text": "例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 237, "tag": "p", "text": "たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 238, "tag": "p", "text": "特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 239, "tag": "p", "text": "逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 240, "tag": "p", "text": "あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 241, "tag": "p", "text": "高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 242, "tag": "p", "text": "普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 243, "tag": "p", "text": "また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 244, "tag": "p", "text": "なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 245, "tag": "p", "text": "企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 246, "tag": "p", "text": "なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。)", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 247, "tag": "p", "text": "また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 248, "tag": "p", "text": "逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" }, { "paragraph_id": 249, "tag": "p", "text": "(そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。)", "title": "進学志望の高校を選ぶにあたって" } ]
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== 進学実績を見る際の注意事項 == 公立の商業高校や「○○総合高校」などで、一見すると、大学への進学実績の高い高校があります。しかし、よく調べてみると、その高校に'''併設されている普通科'''の進学実績だったりする場合があります。地方の山間部などでは、周辺に他の公立高校が少ないため、職業高校や総合高校に普通科も併設している場合もあります。 職業高校では、卒業までの専門学科の単位数が25単位以上と定められているので、大学進学を一般入試で通貨するのは、かなり難しいです。(なお、進学校の文系コースの数学の3年間の単位数がおおよそ14単位の前後です) 進学校での文系コースでの数学・理科の単位数の合計(共通テスト対策も含む)に匹敵する時間を、職業高校ではその学科の専門科目に投入しますので、一般入試はかなりの難関です。 決して学校名だけ見て、大学進学実績を見て「職業系の学科なのにスゴイ!」との早合点を、しないようにしましょう。 == 学科選び == === 高校は学校ごとの教育内容の差が大きい === 単に受験に受かることだけでなく、どの高校、どの学科に進学するべきかも、きちんと考えなくてはなりません。なぜかというと、高校は学校ごと、学科ごとに教育内容の差が大きいのです。 高校の転校は法的には可能ですが、中学よりも手続きが難しく、希望の高校に移れる保証も無いので、高校入学前に学校選びは慎重に考えてください。 高校は義務教育ではありません。しかも、近年では規制緩和という傾向があります。よって、高校の科目でも学校ごとに差が大きいのです。 工業高校・商業高校などは、高卒で就職する場合に、進路志望に応じて選ぶのが良いでしょう。高卒で就職する場合、普通科卒よりも、工業高校卒・商業高校卒の方が多くの企業では有利です。 高卒後に、理系大学または国公立大学への進学を志望する場合は、普通科または理数科を目指すのが良いでしょう。 私立大の文系に志望が限定して至る場合は、普通科または、そのような文系進学に対応した学科を目指すのが良いでしょう。 なお、法律上の問題で工業高校や農業高校など、その分野の学科を卒業しないといくつかの国家資格の取得が困難、または資格取得がやや難しくなる業界が、いくつかあります。 良く、工業系のいくつかの肉体労働の現場作業系の国家資格で「高校で理科系卒業後、○年以上の実務経験」とかの資格要件があり、その実務経験を満たすと国家試験を受験しなくても資格を認定してもらえる資格も一部にはありますが、ここでいう「理科系」とは、決して普通科高校の理系大学進学コースのことではなく、工業高校など職業高校での該当する学科(例えば機械科や電機科などの学科)のことですので、勘違いしないようにしましょう。 一応、それらの学校を出なくても筆記試験で受験すれば合格できます。しかし電気主任技術者試験2種など、資格によっては大分試験が難しくなる場合があります。 === 普通科高校に進学したい場合 === ==== 「進学コース」とかの意味 ==== まず、私立高校などでは、「特進コース」「進学コース」などのように成績順にコースが分かれている高校も多くあります。 後述の「文系コース」、「理系コース」とは、特進コース内の文系コース、特進コース内の理系コース、進学コース内の文系コース、進学コース内の文系コース、のようにコース内のコースのことです。 学校によっては、特進・進学の分けを「クラス」と呼んだり、あるいは文理の分けのことを「クラス」と呼んだりする場合もあります。 一般に、各学年の初めに学力順にコースが決まり、 :(成績が良い) 選抜コース > 特進コース > 進学コース (成績が低い) の順です。同じコースが決して3年間つづくわけではなく、進級のたびに再判定をされ、成績に応じたコースに分けられます。 選抜などのコース分けの成績の基準は、基本的にはその高校の定期試験、およびその高校で在学生むけの実施した模試(「校内模試」)で決まります。それ以外の自分で独自に受けた模試の成績がどんなに良くても、関係ありません。 「進学コース」はその名に反して、成績は普通または一番下のコースです。高校によっては「総合進学コース」のような名前の場合もありますが、学科は決して総合科ではない<ref>[https://www.yokohama.hs.nihon-u.ac.jp/senior/class/general/ 『総合進学コース | コース紹介 | 日本大学高等学校』] 2024年02月04日に確認. </ref>ので混同しないのでください。 普通科の学科にある総合進学コースは、あくまで普通科の学校です。そのため、機械工学だの簿記だのの授業は、特に私立高校の普通科の「総合進学」コースの場合、基本的に無いでしょう。特に工学系の科目は設備の問題などもあるので、科目の実施は難しいと思います。 なお、特進コースや選抜コースなど上位のコースには一般に、アートクラスとかスポーツクラスは無いのが普通です。アートとかスポーツとか目指す場合、その高校のいちばん下のコースになります(つまり、「進学コース」とか「総合進学」コースになるのが普通)。 このように、コース分けでいう「進学コース」の意味合いは、一般の文系大学または理系大学を志望するコース、くらいの意味合いでしかありません。つまり、アートだとかスポーツだとかは、特に目指していない、という意味です 私立高校によってはSコースとかAコースとかありますが、高校ごとに意味合いが違うので、当ページでは深入りを省略します。Sコースがスーパーコースなのか、それともスタンダードコースなのかで、意味合いが大きく変わります。Aコースが、単にA,B,Cの最初のアルファベットの意味なのか(日本語でいうイロハのイの意味)、それともadvancedの意味かで、意味合いがだいぶ違います。思い込みをしないよう、志望校にSコースとかAコースとかあったら、きちんと資料で意味合いを確認しましょう。 ==== 文理のコース分け ==== さて、普通科高校でも、高校では、文系コース/理系コース、といったコース分けをしている学校も多くあります。 なお、高校にも寄りますが、いちいち 音大志望コース/美大志望コース/体育大志望コース 、とかは無いのが普通ですので、その場合は文系コースなどで代用することになるでしょうか。音楽学科のある高校なら音大志望コースとかあるかもしれませんが、そもそも普通科ではないので、説明は省略します。 高校にも寄りますが、高校2年になる前に文系コースか理系コースかを決めなければならない高校もあります。そうでない学校でも、遅くとも、高校3年になるまでには、文系コースか理系コースかを決めなければなりません。 なお、別に文系コースでも理系コースでも、大学受験の資格は変わりません。つまり、文系コースからでも理系の学部学科の大学を受験できて高得点を取れば合格するし、理系コースからでも文系の学部学科の大学を受験できて高得点なら合格になります。 ですが、推薦などの際、推薦条件の科目の履修に、高校側でのコース選択が影響する可能性があります。 たとえば「地理探求で成績が5段階中で4以上のこと」という条件があったとして、理系コースの場合だと『地理探求』科目が時間割の制限で履修できない(なお地理探求は必履修科目ではない)、と言ったような場合も起こりえます。 詳しくは[[高校生活ガイド]]で説明します。 ほか、大学付属の高校を受験する際は、高校在学時のコース選択(文系コースか理系コースか)によって、併設大学の推薦をもらえる学科が、限られる場合もあります。 たとえば文系コースを履修していないと併設大学の文系学科に推薦をもらえない、同様に理系コースを履修してないと併設大学の理系学科に推薦をもらえない、などです。 ほか、私立高校では、名称は「普通科」でも、その高校の文系コースの実態がまるで文系学科のような私立高校もあります。たとえば、ある私立高校の普通科の文系コースでは、高校2年の数学II 以降を習わないまま卒業する高校もあります。周辺の公立高校の国際科ですら高校2年の数学IIを習うのに、私立の普通科にはそれを習わないまま卒業する私学もあります。 ==== 特殊な普通科 ==== ===== 地域と連携した普通科 ===== 公立の普通科高校でも、地域の実情などに応じて、初歩的な福祉や農業などを学べる高校も若干ですが、あります<ref>[https://om-h.spec.ed.jp/%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%A1%88%E5%86%85/%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B 『教育課程 - 埼玉県立大宮武蔵野高等学校』]2024年03月31日に確認. </ref>。ただし、あくまで普通科なので、教育される科目のほとんどは普通科のものです。 農業高校に併設された普通科というのもあり<ref>[https://inazawa-ryokufukan-h.com/course/general 普通科 | 愛知県立稲沢緑風館高等学校]2024年03月31日に確認. </ref>、農業実習の科目で単位を取得することもできます(限度はあります)。 これら普通科内で農業や福祉などを学べる高校は、あくまで普通科です。国家試験などを受ける際の、出身学科による一次試験免除などの有無で、普通科の出身者として扱われる可能性が大ですので、一次試験などが免除されないかもしれません。(当wikiでは保証できませんので、ご自身でそれぞれの進路の場合についてお調べください) ===== 過去に職業高校だった「普通科」 ===== 過去に職業高校だった「普通科」の公立高校は、その歴史に引きずられたカリキュラムになっており、また男女比も過去の学科に引きずられている場合もあります。 過去に商業高校だった場合の「普通科」では、文系コースでは数学IIを履修できない場合があります。「物理基礎」も履修できないかもしれません。 ===== 知的障害者むけの普通科 ===== 「エンカレッジスクール」という、中学の授業についていけなかった子のための、中学の学び直しから高校1年が始まる「普通科」があります。1年生のカリキュラム内容で、かなりの量の、中学レベルの復習科目があります。 養護学校とは別です。養護学校(現在は「特別支援学校」)というのは、重度の障害(知的障害だけでなく身体障害も含む。耳が聞こえない、目が見えない、等)の子供のための小中高のことです。 エンカレッジスクールのカリキュラムの特徴として、進学校だと単位数の少ないような家庭科や芸術も、2年生まで必修です。つまり、芸術IIとか家庭科「フードデザイン」とかあります。てっきり、これだけ見ると、全人格的な教育のように誤解されがちですが、しかし'''中学レベルの復習'''をカリキュラム内に多く含むことを決して忘れてはいけません。 ほか、理系の高校3年の'''数学III'''または専門「'''物理'''」が、'''履修不可能'''な場合があります。仮にどちらか片方(数学IIIか「物理」)が履修できても、両方はカリキュラム上、履修不可です。そもそも数学IIIと専門「物理」が両方できそうな子なら、この種の高校に来るような知的障害者ではないので、別の高校に進学しましょう。 文系の科目でも、社会科の歴史分野(地歴)では、たとえば高校3年の「'''世界史探求'''」が'''履修不可能'''だったり、あるいは「日本史探求」が履修不可だったりします。 ほか、公民分野でも、「倫理」科目が無い。まあ、「倫理」は、私立の進学校にも無いのが一般的なので、この点は気にする必要性は低いです。 もし読者の志望が、受験5教科に加えて受験以外の芸術とか家庭科とかも高校で深く学びたいという志望の場合は、エンカレッジスクール'''ではなく'''、総合高校のうち偏差値の高い高校を探すとか、あるいは偏差値45以上の普通科高校で部活とかで頑張りましょう。 ほか、高校にもよりますが、パソコン実務(おそらくオフィスソフトのWordやPowerPointなどの使い方的な科目だろう)などの授業があったりします。 地域によっては、公立高校なのに特進クラス(「特別進学クラス」)がある。どういう事かというと、地方の山間部などだと、周囲に他の高校が無い場合もあるので、エンカレッジスクールに進学校(ただし偏差値は低め)が併設されている場合もある(少子化による統廃合の結果でもあったりする)。大学への進学実績はこの特進クラスが叩き出したりしたものだったりするので、分析時には注意がすこし必要。 ===== 常識外れな「普通科」 ===== ごく一部ですが、日本の公立高校には、教育の多様性の確保のためか、まったく常識外れなカリキュラムの「普通科」があります。 普通科の公立高校なのに、文系クラスではなぜか商業科目の「簿記」(ぼき)とほかの商業専門科目が必修で、合計10単位の商業科目が必修という、少し日本の大学進学の常識では考えづらいカリキュラムの公立高校すら存在します。(高校名は伏せます)公式サイトなどでは一言も「国立大学進学には強い」とか言ってないので、ウソはついてないのですが、とにかく受験生は気を付ける必要があります(理解した上で行くなら、自己責任で、どうぞ)。 たとえば、もし「商業科」として作ってしまうと、法規制上、商業の専門科目を25単位以上も(上記の特殊な普通科高校の10単位の2倍以上という)大量にカリキュラム上に配置しなければなりません。そこで、10単位だけ必修で教えたい場合は、法規制に反しないよう「普通科」を名乗っているのでしょう。 そういう特殊な普通科があっても良いですし、そういう特殊な高校だと理解した上でその高校に入る必要があります。 なので、受験生は、志望校の志望学科の公式サイトなどをきちんと確認しましょう。そういう簿記の必修の特殊な公立高校の公式サイトを見ると、きちんと、「就職に強いコースです」とか高卒就職する人のための学科だと説明をしてあります。 総合科を名乗るわけにも行きません。 私立だと「普通科 総合コース」というのがあって部活との両立コースの意味で使ってますが、しかし本来、公立でいう「総合科」というのは、専門音楽(ソルフェージュとかある科目)とか、専門美術(ビジュアルデザインとかある科目)とかから、ドイツ語とか中国語とかある学科のことです。 ==== 普通科の「総合コース」 ==== 私立高校などで、一部の普通科高校に「総合コース」というのがあります。 これは実態は、次の2つのパターンのどちらかです。 * 商業高校の科目の一部、または工業高校の科目の一部が学べる普通科です。 * スポーツまたは芸術に専念する普通科高校。 * 福祉や介護などの実習などが学べる高校 どのコースも、大学進学については苦手なコースです。これらのコースは、高卒で就職するか、専門学校に進学することを前提にしている事がほとんどです。 「コース」は各学校の教育方針により異なるため、詳しく知りたければ各校のパンフレットなどの資料を請求して確認するなどが必要になるでしょう。また、ネット上では情報公開していな高校も、これらのコースをもつ高校では多いです。そのため、 :※ 下記の出典については、高校側の名誉のため、出典をひかえます。また、他の編集者も、出典の追加のさいには学校や高校生の名誉棄損にならないように注意してください。 ;商業または工業を学べる高校の場合 まず、商業・工業などを学べる高校の場合について説明します。、 注意点として、決して商業高校や工業高校のすべての学科が総合コースでは学べるわけではありません。高校によっては、普通科高校の科目のほかは、商業高校の科目しか学べない、といったような高校もあります。 「それは『総合』ではなく『統合』(とうごう)では?」というような気がしないでもないですが、昭和時代の総合科設立などの歴史的経緯からでしょうか、「総合コース」という言葉が使われています。 注意点として、商業系の総合コースの場合、「物理基礎や専門『生物』などの理系の高度な科目が履修できない」という点です。なので、少しでも理系を考える人は、総合コースではなく進学コースに進みましょう。数学II は商業高校では3年次に選択科目として履修できる場合があります。 また、商業や工業などの科目に時間をさかれるので、大学進学にもあまり強くなく、難関大学の現役合格などは難しいと思います。大学進学を考える人は、注意が必要です。 基本的に、「総合コース」は高卒で就職するか専門学校に進学する人のためのコースです。 {{コラム|「総合進学コース」とは別| 大学進学に対応するコースとしては、「総合進学コース」というのを持つ高校がいくつかあります。有名な高校を例に出せば、ときどき甲子園に出る花咲徳栄(はなさきとくはる)高校です([[w:花咲徳栄高等学校]])。ネット上ではカリキュラム公開されておらず、詳細は不明です。 ほか、大学付属校でいくつか「総合進学コース」をもつ私立高校がありますが(東海大学付属熊本星翔高等学校、八戸工業大学第二高等学校、土浦日本大学高等学校、岡山理科大学付属高等学校、など)、ネットの公式情報だけでは詳細不明です。 }} さて、「総合コース」の普通科の科目の傾向として、高校1~2年の選択芸術が『音楽I』に固定されている高校が比較的に多そうです。カリキュラム公開をしている高校を見た感じ、チラホラと音楽Iに固定している高校もあります。 ;芸術または体育を中心とした高校の場合 題名通り、芸術または体育などを中心としたコースですが、基本的に文科系のコースです。理系科目はあまり履修できません。商業高校なみに、専門生物や物理基礎などは、履修自体が不可能な可能性が高いでしょう。 また、けっして一人の学生がスポーツと芸術の両方を履修するのではなく、おそらくコース内でさらに「体育クラス」または「アートコース」などに分かれていると思います。 専門学科の「体育科」高校や「音楽科」高校などを設立するほどには単位数が多くないが、しかし他の普通科高校よりも体育や音楽科などの科目が多い、という高校です。 ==== 普通科の専門的コース ==== ===== ビジネスコースなど ===== 多くの地域で、商業科に「情報ビジネスコース」というのがある地方がチラホラあるのですが、ごく一部の公立高校ですが普通科に「情報ビジネスコース」を持っている高校もあります<ref>[https://www.kagawa-edu.jp/minamh02/file/5550 普通科 香川県立高松南高等学校 令和5年度普通科教育課程(令和3年度入学者)、 ]</ref>。 商業科ビジネスコースとの違いは、普通科ビジネスコースの場合、数学IIや数学Aが必修の場合が多い(なお調査時のサンプル数が一桁)という点です。 ===== 体育コース・美術コースなど ===== ほか、私立高校の普通科「美術コース」とか「スポーツコース」とかあります。ただし、普通科だからといって数学IIが必修とは限りらない事例が、私立のカリキュラムの場合には見受けられます。 ;偏差値 なお、これらの学校の受験には実技試験がありますので、高校の偏差値は必ずしも学力を反映するとは限りません。たとえば「偏差値55」といっても、平均より勉強のできる集団とは限りません。 たとえば、偏差値60越えの私立で「普通科」のスポ-ツコースなのに、公民科目の「政治経済」も履修できない、日本史探求も世界史探求も履修できない、数学II以降は無い(当然、数学Bや数学IIIは無い)、といった「普通科」の偏差値60越えのスポーツコースも実際に日本にはあります。 偏差値の付け方として体育コースなどの実技試験のある特殊なコースの場合、あくまで高校の偏差値はその高校の入試倍率などから機械的に決めるので、体育コース・美術コースなどでは、高校偏差値はあまり在学生の5教科の学力を反映しません。 ;事実上の学科 学科名の名称だけは「普通科」ですが、ほとんどの私立で、カリキュラム表の単位数などを見ると、まるで公立の「美術科」高校や「体育科」高校といった専門高校のような単位数です。 このため、事実上の美術科・体育科といった専門高校の学科だと考えられます。よって、これらの私立の美術・体育などのコース制での'''探究活動'''(科目「総合的な探究の時間」)のテーマは、'''コースに関連したものに限定'''される可能性がとても高いと予想されます。(たとえば工業高校では、工業に関連した製品づくりが探究活動として義務化されています。同様、「美術コース」では、美術に関するテーマしか、探究テーマとして認められないと思います。) つまり、20単位以上が、専門科目、またはコース名の科目の合計になっています。 なお、「美術コース」の場合、たとえば美術Iが6単位、美術IIが6単位、美術IIIが8単位、みたいに(なお合計20単位)、進学コースにもある「美術」科目に表では、まとめたりしています。(なお、一般の進学校では美術Iの2単位だけで高校の芸術教育は終わり。つまり、この例だと美術コースは他の進学校の10倍の美術の授業数。) なお、普通科ではなく「美術科」にした場合は、法律上、美術の単位数が25単位以上でなければならないと、文科省の学習指導要領で定められています(専門学科では専門科目が合計25単位以上でないといけない)。上記の例である「美術Iの6単位、美術IIの6単位、美術IIIの8単位」という合計20単位だと、あと5単位が足りません。ちょうど、探究科目の単位がピッタリと5単位だったりするので、おそらく探求テーマが美術のテーマに限定されると思います。 またなお、私立の「美術コース」などの専門コースのカリキュラム表の特徴として、公立の美術科・体育科などのカリキュラム表に見られるような専門科目(たとえば専門美術なら「ビジュアルデザイン」や「素描」(そびょう))などの一覧が見られません。 理由はおそらく、併設している進学コースのカリキュラム表と合わせて教員が管理しやすいように、美術コースの専門的な授業をぜんぶ美術I~IIIにまとめて時間割を組んでいるのだろうと思います。ただし、実際の授業は、進学コースと美術コースとで、別々のクラス、別々の授業内容だと思います。 実際には、美術コースの教科書には、おそらく専門科目「美術」の教科書を(普通科の美術Iなどのものとは別です)、美術コースでは用いているのだろうと思います。 学科名を「普通科」にしているのは、べつに普通科の進学校に準じた教育をしているわけではなく、単に、教職員がカリキュラム表を進学コースとまとめて管理しやすいからでしょう。教職員だって労働者だし人間ですので、管理しやすい表が好きなのです。いちいちエクセル表とかを美術コースだけ別々に作りたくないんです。 === 理数科や国際科など === 普通科以外にも、「理数科」「国際科」「国際人文科」などのように、職業高校とは別に、特定の分野への進学に特化した学校もあります。 これら普通科でない学科は、法律上、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。また、商業高校も理数科・国際科も、指導要領では法律上は同列であるので、専門科目の履修を25単位以上を要求されます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。 この単位数の制約のためか、理数科・国際科などには、普通科の3年次に見られるような自由選択科目群は、'''無い'''です。 また、芸術IIは基本、理数科・国際科には、無いです。家庭科も、家庭基礎以外(たとえば「フードデザイン」とか「保育」とか)は、履修不可能です。 また、国際科をのぞき、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は基本的に、理数科や人文系学科には'''無い'''です。 ==== 理数科 ==== 理数科であるかどうかの判定基準は、カリキュラムにおける数学・理科の科目数の合計数であり、25単位以上が必要です。実験設備の高度さなどは基本、関係ありません(よほど設備が劣悪でない限りは)。 理数科の専門科目の内容は、数学・理科とほぼ同等です。なので、大学受験の推薦基準で要求される科目(数学IIIの履修など)としては問題ないでしょう。 スーパーサイエンスハイスク-ルは必ずしも理数科とは限りません。地域によっては「理数科」ではなくともスーパーサイエンスハイスク-ルの場合もあります。 東京都立戸山高校や立川高校のようにスーパーサイエンスハイスク-ルの「普通科」が理数科相当の教育内容の場合もあれば<ref>pdf [https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/static/high_school/toyama-h.html 教育課程表_令和4・5年度入学生用.pdf]</ref><ref>pdf [https://www.metro.ed.jp/tachikawa-h/assets/R5%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B%E8%A1%A8.pdf R5教育課程表.pdf]</ref>、他校ではスーパーサイエンスハイスク-ルの理数科の場合もあります。それぞれ高校ごとに異なるので、確認してください。 普通の理数科とスーパーサイエンスハイスク-ルのカリキュラムはほぼ同じですが、スーパーサイエンスハイスク-ルには実験などをする研究的な科目が3年次あたりにあるのが特徴です。 本節の解説では、スーパーサイエンスハイスク-ルではなく主に理数科について述べます。 理数科も普通科も、資格試験などでは、決して「工業高校」や「商業高校」のような職業高校とはみなされません。 たとえば和歌山県は、理数科と国際科をともに「普通科系専門学科」というのに分類しています<ref>pdf [https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500100/shingikai/d00204958_d/fil/021012wakayamashi.pdf 『PowerPoint プレゼンテーション - 021012wakayamashi.pdf』]</ref>。 おそらくスーパーサイエンスハイスク-ルも同様、資格試験などでは職業高校とはみなされないでしょう。 * 高卒就職の場合 高卒で就職する場合、「国際科」卒や「理数科」卒などは、「普通科」と同等の学科卒として扱われます。工業高校卒や商業高校卒などの実業高校卒とは扱ってもらえません。なので、例えば工業高校卒を優先的に採用している製造業などへの就職などへは、普通科同様に不利になります。 また、資格試験などでも、「国際科」や「理数科」は特に優遇されません。(一方、工業高校だと、工業系の資格で経験年数などの条件で優遇される場合がある。) 例え理数科を卒業しても、技術者としては扱ってもらえません。例え国際科を卒業しても、国際通・語学通とは扱ってもらえません。 * 理数科に無い科目 日本史探求・世界史探求は、無いのが通常です。地理'''総合'''をすっとばして、いきなり地理'''探究'''があります。しかしその地理探究は、それは公民分野の「政治経済」との'''選択必修'''であり、地理探究・政治経済のうち、'''どちらか片方'''しか履修できないです。 理数科だからといって、地学もふくめて理科4分野の全部は、履修できないのが通常です。また、たとえ地学履修できる理数科高校でも、'''生物との選択必修'''であり、'''どちらか片方'''しか履修できなくなる可能性があります。 ==== 国際科と国際教養科と外国語科 ==== '''「国際科」は事実上は文系の学科であり、しかも、私立大・国立大の文系学科に特化した学科'''です。理系や国公立大学を志望する場合は、普通科または理数科に進学した方が良いでしょう。「外国語科」は同様、文系に特化した学科であることが多いです。 最近は、「国際教養科」という学科も出てきました。 一部、下記のように数学IIIなどの履修できる理系コースもある「国際教養科」の高校もありますが、しかし基本的には文科系の高校が多いです。 数学IIIや専門「物理」を選択科目として履修できる高校もあります。[https://cms1.chiba-c.ed.jp/matsudokokusai-h/wysiwyg/file/download/36/3467 『千葉県立松戸国際高等学校(全日制) 国際教養科 教育課程表』 令和5年度入学者 ],pdf[https://chigusa-h.com/wp/wp-content/uploads/2023/05/R4-R5i.pdf 『愛知県立千種高等学校 令和4・5年度 入学生 国際教養科』 ] しかし、数学IIIを履修できない「国際教養科」もあります[http://www.kyoto-be.ne.jp/nishiotokuni-hs/mt/school/2021/11/post-15.html 『★国際教養コース 「カリキュラムと時間割例」 - 京都府立西乙訓高等学校 学校案内』]。 どうやら学校ごとにカリキュラムは大きく違うので(たとえば芸術科目の多い国際教養科の公立高校もあれば、そうでない国際教養科の公立高校もあります)、詳しくは各高校の公式サイトなどを確認してください。 どうやら最近は(2024年に本文を記述)、理系コースにも対応した国際系学科も出てきているうようです。 なお大阪では、文科系進学に特化した国際系学科を「国際文化科」としているようです[https://www2.osaka-c.ed.jp/hanazono/folder_5/post-24.html 『国際教養科・国際文化科 - 大阪府立花園高等学校』]。 地域の実情に応じて、国際教養科は色々とアレンジされます。商業高校にある国際教養科なんていうのもあり、簿記を履修できる国際系学科もあります[https://sh.higo.ed.jp/kuma-ch/kyouiku/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%95%99%E9%A4%8A%E7%A7%91 『国際教養科 - 熊本県立球磨商業高等学校』](さすがに数学IIIは無理だけど、数学IIには対応)。なおこの高校カリキュラム、よく見たら第二外国語が無い。 どうやら、既存の「国際科」「外国語科」の指導要領が、もはや21世紀の令和では各地の地域の実情に合わなくなってきているようであり、国際系の高校が新しい学科に改組されていっているようです。 第二外国語は、必ずしも新共通テストの4言語「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」があるわけではありません。ドイツ語の無い国際系学科の高校もあるし、そもそも第二外国語の無い国際系学科の高校もあるし、中国・韓国語といったアジア系言語しかない高校もあります。 ほか、国際高校の(国際科ではなく)「普通科」というパターンもあり、これには理系コースのある公立高校もあります[https://wakoku-h.spec.ed.jp/%E5%AD%A6%E7%A7%91%E6%A1%88%E5%86%85 『学科案内 - 埼玉県立和光国際高等学校』],pdf[https://hyogopref-kokusaihs.ed.jp/main/wp-content/uploads/2023/06/R5_%E5%AE%9F%E6%96%BD%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B%E8%A1%A8_HP%E7%94%A8.pdf 『兵庫県立国際高等学校 令和5年度実施教育課程表』] なんと理系コースでは、第二外国語があるのに数学IIIと 物理または生物 の2科目を確保しています。ただしカリキュラムをよく見ると、高校3年に「政治経済」が無い。 ===== 国際科の基本 ===== 具体的には、国際科のカリキュラムでは、その高校内では普通科の高校3年にある理系科目を履修できません。具体的には、数学IIIや専門「化学」や専門「生物」など高校3年の普通科にある数学や理科の科目が、国際科には無いです。'''たとえ偏差値がかなり高い公立高校の国際科でも、数学III'''(すうがくサン)'''や専門「化学」などの科目は無いです。''' また、高校2年までの理科の4科目(生物・化学・物理・地学)もよく見ると、普通科高校より選べる科目が1つ減っていたりします。普通科高校では「生物基礎」・「化学基礎」・「物理基礎」・「地学基礎」のうち3科目を履修ですが、国際科では2科目までしか選べません。 語学以外の分野の授業進度は遅れるので、他分野への大学進学を志望する場合には、返って不利になります。なので、きちんと進路志望が固まってない限り「普通科」への進学が無難です。 「国際科」「国際人文科」などのように語学や文系に特化した学科の高校に入ると、高校によっては国際科のほかに普通科が併設されている高校も多いですが、しかし学科を移れません。このため、普通科の理系コースにある高校3年の数学IIIや高校3年の理科などは、国際科では履修が基本的に不可能です。 ※ ただし例外的な国際科高校もあり、 pdf[https://www.e-net.nara.jp/hs/kokusai/index.cfm/7,59,c,html/59/20220804-082219.pdf 奈良県立国際高等学校の国際科・理系コース] では数学IIIが履修可能。 同様に、「理数科」などの理系に特化した学科では、基本的には普通科には移れません。また理数科内には、そもそも文系コースは存在しません。 また、私立大学への推薦入試を考える場合、理系志望の場合などは、高校で数学IIIや物理・化学などの、普通科高学年の理系科目の履修を、推薦の条件の一つに加えている場合もあります。もし高校の学科が「国際科」などの文系特化型の学科だと、そもそも、これらの理系科目が履修できなかったり、もしくは推薦の要件の履修科目数・履修単位数に届かない場合があります。 なので、少しでも理系大学を志望してる高校受験生なら、'''たとえ中学時点で語学や社会科の世界史・世界地理などが好きであっても、なるべく「普通科」または「理数科」への進学をお勧めします。''' 特に理系学部の推薦では、文系学部の推薦よりもこのような履修科目の条件が多いので、注意してください。 「国際科」などでも、理系科目は高学年の選択科目として存在しますが、どちらかというと学科名の通り語学などの科目に重点が置かれますので、その分理系科目の履修時間は少なくなり、普通科よりも数学・理科の進度は遅れます。具体的には、「地学基礎」などを高校3年で習ったりします(専門「生物」や専門「化学」などは履修できない等<ref>pdf[https://www.city.chiba.jp/school/hs/001/gakkoshokai/highschool/introduction/documents/r5_nyugaku.pdf 千葉市立稲毛高等学校]</ref>)。 なので、理系志望者にとっては国際科は不利になります。たとえば普通科の理科では3年生で専門「物理」・専門「化学」を学びますが、しかし国際科では専門「化学」などは履修できないのが普通です。 もし国際科などから理系志望に移りたい場合、他校の普通科などに転校するなどの対応を取らなければならないかもしれません。同様に、理数科の人が文系コースに移りたい場合、他校の普通科コースに転校することになってしまうかもしれないのです。ただし理数科の場合の文系志望なら、わざわざ転学科せずそのまま理数科を卒業して、文系大学を受験することも、合理的な選択かもしれません。 一般に、理系の人が独学で文系の学問を学ぶのは割りと容易です。しかし、逆のパターン、つまり文系の人が理系を独学するのは困難です。 「国際科」「理数科」などから普通科に転校した場合、普通科での卒業要件の科目の履修のため、場合によっては卒業が1年ほど遅れる可能性も考えられます。 なお、国際科では、フランス語やドイツ語などの第二外国語が開講されている場合もあります。定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)のうち1つです。この4言語は、新共通テストで受験可能な科目です。(ただし志望先の大学が、英語の第二外国語への置き換え認めていない場合も多々あります。なので、英語も勉強しましょう。) 高校によっては、第二外国語のスペイン語やアラビア語が選択肢に加わる場合もあります。しかし、新共通テストには、スペイン語やアラビア語は無いので、共テ受験にはスペイン語などは使えません。 大学受験で入試科目の外国語としてドイツ語やフランス語が使えるかは大学によります。受験産業などのサイト情報だと、第二外国についての入試科目の情報が抜けているサイトもあり不正確なので、高校在学中にでも大学公式のサイトで確認してください。 ほか、国公立大学などで、大学個別の二次試験では独逸語などで受験できても、新共通試験(センター試験)は英語で受験しなければならない可能性もあるので、気を付けてください。 このため、高校時代の語学の勉強では、英語をすててドイツ語やフランス語などにだけ注力するのは、大学進学では、かなり危険です。 なお、基本的に、国際科以外の公立の普通科高校では、フランス語など第二外国語は開講されておらず、よって、ほとんどの公立の普通科高校では第二外国語を履修できません。 例外的に東京都には都立の偏差値トップ近辺の高校である日比谷(ひびや)高校には、普通科内に第二外国語のフランス語またはドイツ語などの選択科目がありますが<ref>pdf [https://hibiya-h.metro.ed.jp/Study/Curriculum.pdf ※日比谷高校のはず] 2024年03月31日に確認.</ref>)、しかしかなり例外的なカリキュラムの公立高校です。 都立の新宿高校にも第二外国語があり、フランス、ドイツ、中国語、ハングル(韓国)の外国語の科目があります。pdf[https://www.metro.ed.jp/shinjuku-h/assets/filelink/filelink-pdffile-16416.pdf ※ 新宿高校 教育課程(R4入学生) ] 2024年03月31日に確認. 東京以外だと、神奈川でも千葉でも埼玉でも、公立の偏差値トップ高校でも、フランス語などは開講されていないようです<ref>pdf[https://www.pen-kanagawa.ed.jp/yokohamasuiran-h/zennichi/documents/r5gakkouanai.pdf 神奈川県立横浜翠嵐高等学校『学校案内(全日制課程)』2023] 2024年03月31日に確認.</ref><ref>pdf[https://www.chiba-c.ed.jp/chiba-h/pdf/20200916_%E3%80%90%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%8D%83%E8%91%89%E9%AB%98%E6%A0%A1%E3%80%91%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%92%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%A1%88%E5%86%85.pdf千葉県立千葉高校 ]</ref><ref>pdf[https://phs.jac-web.com/wp-content/uploads/7b625111fe7f24e9bd51d16f3c1c37b8.pdf 千葉県立船橋高等学校 発行『船高教育ガイド2020』、令和2年7月6日、 ]</ref><ref>[https://urawa-h.spec.ed.jp/%E5%85%A8%E6%97%A5%E5%88%B6/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%B4%BB%E5%8B%95/%E6%B5%A6%E9%AB%98%E3%81%AE%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%83%BB%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B - 埼玉県立浦和高等学校『浦高の学習支援・教育課程』]、2024年03月31日に確認.</ref>。 このように都立の日比谷高校のカリキュラムはかなり例外的なので、他県の受験生は決して高校受験のさいの手本・見本にしてはいけません。 * 国際科の高校入試の「外国語」 高校受験でたとえ「国際科」や「外国語科」などを受験する場合でも、基本的には高校入試での「外国語」教科の出題内容は英語だけです。たとえその高校の国際科に第二外国語の授業があって、たとえば仏(フランス)・独(ドイツ)・中(チャイナ)・韓(ハングル(文字名)、コリア)の言語のうち1つを選択できても、しかし高校受験の時点では外国語はあくまで英語のみです。誤解しないように。 ==== 人文系の学科 ==== 「国際人文科」など、ごく少数ですが、人文系の学科があります。 カリキュラムの注意点として、'''数学IIが無い'''です。このためか、理科では'''物理基礎が無い'''です。 このため、進路がいちじるしく文系に片寄り、また新共通テスト5教科を要求するような国立文系は困難です。なので、少しでも数学・理科を普通科の文系コースのように勉強したいと思うなら、普通科にしましょう。 難度も言いますが、専門学科の学科名は、教育内容の高度さで決まるのではなく、単位数で決まります(25単位以上)。なので人文系の学科には、普通科の文系コースで見られる理系科目は無いのです。 また、第二外国語(ドイツ語や中国語など)は無いです。 === 文理学科 === 大阪府の公立高校に見られる、大阪独自の学科です。 現状(2024年)、まるで私立進学高校の特進コースの普通科のようなカリキュラムです。 大阪では入学試験に難易度が3段階のA,B,Cがあって、Cがいちばん難しく(Aがいちばん簡単)、文理学科の入試問題はその最難関のCです。 なお、入試において、内申点の高さは、他の公立高校と同様、要求されます。 高校カリキュラムの特徴は、ほぼ受験5教科(国数英理社)に特化していることです。 高校ごとに、かなりカリキュラムが違いますので、高校の公式サイトなどでカリキュラムを確認してください。 たとえば、数学II・Bを履修するかどうかは、高校によります。文系コースが数学II・Bを履修しない文理学科の公立高校もあります。 けっして、文系科目と理系科目をバランスよく勉強する学科'''ではない'''ので、勘違いしないでください。 まだまだ新しい学科であり、大阪独自の学科ですので、高校ごとのカリクユラムの差がけっこう大きいです。 === 美術科・音楽科の高校 === 美術科・音楽科など芸術系の高校への進学は、国際科以上に注意が必要です。 美術科・音楽科の高校カリキュラムは、'''まるで商業高校の専門科目をすべて芸術系科目に置き換えたようなカリキュラム'''です。(数学II とか物理基礎とか習わない、という意味です。けっして簿記(ぼき)とか教えるわけではないので、誤解しないよう) 実際、文部科学省の学習指導要領では、専門学科では、専門科目の必履修の単位数が25単位以上と定められてます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。また、商業高校も美術高校・音楽高校も、指導要領では法律上は同列にあつかわれており、商業高校だろうが美術高校・音楽高校だろうが専門科目の履修を25単位以上を要求されます<ref>pdf [https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2010/12/28/1282000_01.pdf 文部科学省『高等学校学習指導要領解説 総則編』、平成21年7月、P.5]</ref>。 このため、たとえ美術や音楽のように普通科高校にも同じ名前の科目のある学科であろうが、専門学科である以上は25単位以上を履修しないといけません。 25単位とはどれほどの量かというと、参考として、いくつかの進学校の私立高校の理系コースの国語の卒業までの単位数が14~16単位でした。「25単位」はさらにそれを約10単位も上回ります。 ほか、ある私立高校の国立文系コースでの数学・理科の単位数が30単位でした。25単位とは、ほぼこれに匹敵する量で、美術・音楽をやらされるわけです。 けっして、美術科・音楽科を「普通科から派生した学科」と見るべきではありません。法律上のタテマエはどうか知りませんが、カリキュラムの実態を見る限り、「'''美術・音楽系の高校は、商業高校の突然変異'''」みたいに見なすべきでしょう。じっさい文科省の指導要領などを見る限り、法律的にも商業科や工業科などと同等に、専門科目の単位数の基準があります。 具体的には、美術・音楽系の高校では、公立高校ですら芸術系の学科になると、高校2年の数学IIが必修でない高校が多数です。選択科目としては数学IIが履修可能だったりしますが、その場合は理科の「化学基礎」を履修できない等の制約があったりします(いっぽう、国際科の場合は高校2年の数学IIは必修なのが普通)。高校1年の理科の生物分野も、「生物基礎」ではなく「科学と人間生活」という横断科目になったりする高校もあります。 別に「科学と人間生活」が悪いというわけではなく、音楽など分野によっては必要かもしれません。たとえば物理計算の練習を飛ばして音波などの勉強を出来るカリキュラムも組めるでしょうし、そういうカリキュラムも必要な高校もあるでしょう。ただし、あくまで普通科高校での一般的な教育内容とは違う、という事は、覚悟しておいてください。 また大学受験に関していうと、国公立大学の文系学部(文学部や法学部、経済学部など)では、新共通テストに「数学II B・C 」という数学IIの発展した科目の受験、および理科の生物基礎・化学基礎・物理基礎・地学基礎のいずれかの受験が必要です(ただし県立大学とかは違うかもしれません。地域によるので説明を省略)。なので、もし読者の高校生が、少しでも国立大学の文系学部を一般入試で目指す人は、芸術科の高校ではなく普通科高校で美術・音楽に強いところを目指しましょう。 美術科・音楽科の高校について、ありそうな誤解は、ついつい中学校では「美術」・「音楽」を習うので、なんとなく美術・音楽高校も中学の延長上の普通科高校のように考えてしまうかもしれませんが(吹奏楽部のようなイメージ)、しかし、かなり普通科高校とは違います。 === 職業高校に進学したい場合 === 大学進学は、工業高校や商業高校などの職業高校(今では専門高校と言う。)の卒業生でも、法的には大学受験が可能です。 ですが、現実的に考えると大学進学は普通科よりは困難です。 特に、高卒で就職しなければいけない経済的な事情や、職業高校への進学にこだわりが無ければ、普通科に進学したほうが大学進学をしやすいです。 また、商業高校に進学した場合、理系大学に進学するのは難しいです。(法的には、大学受験なら、商業高校卒から理系大受験も、一応は法的に可能です。) 工業高校で習う機械工学などの専門教育は、工業大学の入試には出ません。農業高校や水産高校の専門科目も同様に、大学入試には出ません。 また、専門科目以外の教育は職業高校ではあまり行いません。工業高校でも数学や物理の時間は少ないです。農業高校でも生物学や化学の時間は少ないです。 生物学者や化学者や農学者などを目指したいなら、農業高校では無く、普通科高校で理系進学の強い高校を志望したほうが良いでしょう。 科学者を目指したいなら、例え機械工学者などの工学志望であっても、工業高校では無く、普通科高校で理系進学に強い高校、もしくは工業系の高等専門学校を選んだほうが良いです。 工業高校では、多少は初歩の強度計算や電子工学なども学べますが、工業高校での教育の多くは工具の使い方などの職業訓練です。工業高校は、スパナやドライバーなどの工具の使い方や、はんだごての使い方、旋盤などの工作機械の使い方などの技能を練習する学校です。 農業高校では、多少は農学的なことや最近ではバイオテクノロジーなどのも学べます。しかし、農業高校での教育の多くは職業訓練です。バイオテクノロジーの基本なら、普通科の生物の参考書にも紹介されていますので、べつにバイオテクノロジーを教わるために、わざわざ農業高校に進学する必要は無いと思われます。 高卒で就職する場合は、多くの企業は普通科卒よりも職業高校卒を雇いたがるという現実があります。家庭の経済事情で、大学への進学が難しい家庭は、この事に注意してください。 職業高校というと「不良が集まる学校」という感じのイメージが世間ではありますが(特に工業高校など)、実際は就職指導を含めて生活指導が厳しめに行われるので、あまりにも素行の悪すぎる不良・非行生徒だと中退をせざるを得ない場合もあります。 (とは言え、普通科の難関高校など、教師から見ると優等生の集まる難関と比べたら、不良っぽい生徒は多いかもしれませんが・・・) 専門科目でも、実習のレポートなどが膨大な量だったりと、けっこうスケジュールが厳しいです。 「レポート」と言っても、けっして小学生・中学生のレポートのような数枚のレポートを学期に1回・2回ではなく、職業高校の実習レポートでは10数枚 - 20枚ほどの枚数のレポート提出を数週間おきぐらいに要求されます。しかもレポートの質が低ければ、書き直しを命じられることもあります。企業に就職した後の報告書の書き方の教育なども含めた教育なので、それだけレポート課題が厳しいのです。 職業高校は、入学するだけなら、普通科の中堅 - 難関高校よりかは入学しやすいのが一般です。しかし入学しやすさだけで職業高校に入学すると、入学後の意外と厳しい教育指導とのギャップに戸惑い、悩むことになります。 ともかく、上記のような事情もあり、職業高校から大学進学を目指すのは難しいのが現実です。 * 工業高校の学科は複数ある。目指す就職先にあった学科を選ぶべき。 工業高校の学科は、機械科、電気科、建築科、土木科・・・などと複数に分かれています。異なる学科への転学科は、原則は出来ません。できたとしても、卒業時の年齢が遅れて、就職時に大企業などの設ける志望者の年齢制限などに抵触し、就職が不利になることがあります。 また、異なる専門分野への就職は(例えば土木科から電機業界への就職など。)不可能では無いですが、就職に不利になることが多いです。特に就職活動の際のアピールとして、資格(例えばボイラー技士など)の取得などを勧める学校が多いと思いますが、異なる学科の専門分野の資格を取得するのは、学習時間的にも困難です。 就職面接での自己アピールでも、学科と同じ業界への就職の方が、経験などをアピールしやすいです。 === 「総合高校」と「総合科」 === 「総合高校」は、高校ごとにかなりカリキュラムが違います。詳しくは、各学校の公式サイトなどで確認してください。よく「総合科」と言われますが、実際にはそういう教科は基本的に存在しないし、学生が所属する学科も違います。 「総合学科」と「総合高校」とは'''意味が違います'''。 少なくとも、後述する3つのタイプがあります。 ==== 「総合高校」である場合 ==== ===== 複数の職業高校の合体タイプ ===== 例のひとつとして、高校に工業高校と水産高校が合わさって併設されているなど、複数の職業高校が合わさった高校が「総合」高等学校と名乗る場合もあります。 一般的な単科の工業高校では「機械科」「電気科」と学科がわかれますが、総合高校の工業系では「工業科(または総合技術科) 機械コース」「工業科 電機コース」のように分かれます。 工業科内の異なるコースの科目が履修できるかどうかは、基本、できなさそうです(詳しくは高校に確認してください)。 つまり、けっして一つの総合高校で、一人の生徒が、商業系・工業系・農業系の全部を履修できるわけ'''ではない'''かもしれません。 また、ドイツ語とか中国語とかは、このタイプでは学校にその教科が無いです。ソルフェージュとかの音楽高校の専門科目、ビジュアルデザインとかの美術高校の専門科目も無いです。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式'''ではない'''。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) ===== 総合選択制のタイプ:普通科高校をベース ===== さて、上記と別の例では、一例として普通科の高校のようなカリキュラムの高校が、選択科目として商業高校の科目と、美術専門科目(科目「ビジュアルデザイン」とか)とか音楽専門科目(「ソルフェージュ」とか)の選択科目、加えて第二外国語(どの言語かは高校による)を履修可能、というような高校もあります。 俗(ぞく)にいう、バイキング方式なのは、こちらのほう。(バイキングというのは、レストランみたいな料理屋で、入場料のお金さえ払えば、すでに出来上がっている料理を自由にとれる方式のアレ。よくホテルの朝食の洋食とかであるヤツ) 学科は、2つのパターンに分かれます。 * 学科はあくまで「普通科」であり、選択科目がとても多い「普通科 総合選択制」というパターンが一つ。商業などの職業科目が履修できるかは高校によります。 * もうひとつは、学科がもはや普通科ではなく「総合学科」という別学科であるパターンです。 職業系の科目が、元から高校に存在しない総合選択制もあります。総合選択制だからといって、商業科目・農業科目などが学べるとは限らないので、注意しましょう。 また、首都圏の総合高校の場合、工業・農業のような設備を使う専門科目を複数もつ高校は、基本的には'''無い'''です。理由のひとつは、たとえば、もともと農業高校だった学校を、改組(かいそ)して総合高校にした学校があるからです<ref>動画 [https://www.youtube.com/watch?v=MgCK3UI_jlU 受験応援さんだるちゃんねる『【総合高校】いいとこ取り!普通科でも専門学科でもない、総合学科の魅力とは?』2022/12/15 、3:00 あたり]</ref>。 たとえば都立の葛飾(かつしか)総合は、もともと工業高校だったため、工業の選択科目はありますが、農業の選択科目は無いです。 このように、総合学科だからといって、工業・農業・商業・などのすべてを学べるわけではありません。 農業・工業などの実習用の大きな設備や土地を要求する科目については、もともとの高校の学科にあった範囲でしか選べないのが一般的です。 いっぽう、設備をそれほど有しない商業・福祉の2つを学べる総合高校なら、いくつかあります。(なお、医療設備などを有する専門科目は「福祉」ではなく「看護」という別科目になる) ただし、お住まいの都道府県に存在するかは知りません。 さて、音楽「ソルフェージュ」とか存在せずに音楽II、音楽III とかの総合選択制の高校もあります。この高校では美術も同様、普通科の美術II、美術IIIです。 総合選択制のメリットは、たとえば一般的な進学校では不可能な、文系・理系のハイブリッドなカリキュラムを自分で組めるかもしれない、という事です(ただし時間割が許すかどうかは不明です)。または、音楽IIIと数学IIIみたいに、通常の普通科高校では不可能な履修も、時間割が許せば可能かもしれない、という事などです。 実際には授業時間数の関係で、カリキュラム表(「教育課程」表)には存在している科目でも、履修を希望するすべての科目は履修できない可能性もあります(総合高校に限ったことではなく、一般的な公立の普通科の自由選択科目でも同様のことがあります)。なので、選択科目の自由が与えられたら、けっして「デザートをとっておく」のよう事はせずに、さっさと希望の科目から順に履修しましょう。 さて、この総合学科は、高校2年の初めごろから、選択科目が増えます。1年次は、在校生の履修科目は、ほぼ共通です。 {{コラム|校庭の広さなどに注意| なお、もし仮に工業・農業の2つの設備をもつ総合学科の高校があり、この2つの選択教科を履修できる総合高校があったとしても、もしかしたら「'''校庭がとても狭い'''」など別の制約というシワ寄せがある可能性も考えられますので、学校見学などは事前にしておいてください。校庭が狭い結果、運動部の数が少ない可能性があり、たとえば野球部とかサッカー部とかが存在しない可能性があります(スポーツの部活は体育館でやれる室内競技に限られている場合があります)。 }} 第二外国語については、高校によっては、学校必修です。中国語・韓国語のうち一つが学校必修、という例もあります(たとえば都立の杉並総合高校)。 総合高校での第二外国語の定番は、ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル(韓国)の4言語ですが、高校によっては、このうちの1つが科目設置されてない場合もあります。 ほか、総合高校の近くの私立高校で、たとえばドイツ語のある私学がある場合、公立の総合高校で仮に同じドイツ語をしても(総合高校が)競争に負けるだけなので、その総合高校ではドイツ語は設置されておらず、代わりにあるのはイタリア語だったりとか、そういう工夫があります。 総合学科の選択科目はジャンルごとに「系列」(たとえばアート系列、テクノロジー系列、福祉系列、など)と分けられますが、生徒は系列に所属するわけではなく、色々な系列の科目を履修できるのが一般です。 なお、「コース」と「系列」は意味が異なります。「コース」だと学科決めのようなもので、変更が不可能な場合があります<ref>動画[https://www.youtube.com/watch?v=LrqqVXD1Qu0 『【都立高校】自分の「好き」を学びませんか?』、2022/01/20、16:00 ]</ref>(ただし、学校によって意味が異なる場合がある)。 ===== 高校2年に学科の分かれるタイプ ===== 高校2年の初めごろに、学科が決まるタイプの高校です。 ただし、工業科とか農業科とかは無理です。 そういうのではなく、スポーツ系学科とか、美術系学科とか、ああいう普通科高校の設備でも可能な学科を、入学後に選ぶ方式です。 形式上では普通科「スポーツコース」とか普通科「美術コース」とかの呼び方ですが、実質的には学科です。 もちろん、進学を希望する場合は、進学コースを選んでも構いません。 ==== 「総合高校」でない場合 ==== ===== 軽度知的障害・移民の「総合科」 ===== 軽度知的障害者や、在日外国人または帰化日本人またはその家庭の子などで、学習に困難を抱える子のための「総合科」の公立高校が少数ですが、あります。 養護学校だと、重度の知的障害や学習障害の子のための学校ですので、そこまでの障害ではない子のための「総合科」です。こういう軽度な知的障害者のための総合科の高校のことを'''チャレンジスクール'''と言います。(なお、普通科の場合はエンカレッジスクールという。) 授業に、補習的な内容が多いことが考えられます。一般の普通科高校では1年生に始める科目が、この総合科では2年生以降だったりします。 よって、知能障害でない人は、この高校には進学しないほうが良いでしょう。補習が中心のため、高校で新しい事をあまり学べません。 チャレンジスクールの専門科目の内容は、チャレンジでないほうの総合高校のカリキュラムとは、'''まったく違う'''ので、けっして両者を学科名だけで混同してはいけません。「点字」とか(障害者むけの労働事業所への)「インターンシップ」とか、ほか、公民館とかのカルチャーセンターの講座みたいな科目とか、そういう科目がチャレンジスクールでは専門科目になっていたりすることもあります。健常者の人は、もっと偏差値の高い高校、別の高校に行きましょう。さらにそのカルチャーセンター系の専門科目の講師も、基本的には教職免許をもった人物'''ではなく'''、行政などからの委託を受けたカルチャーセンターから派遣された講師だったりします。 このような障害者むけの高校のカリキュラムでは、大学進学は困難であり、高卒就職に対応しております。大学に進学する人もいますが、推薦入試だとかであり、しかも文系の私立大学の地元の大学に限るのが通常です。 工業高校などとは違います。高度な実習ではなく、中学校の技術家庭の延長上の補習的な実習などに特化しています。 第二外国語の授業がある場合もありますが、しかしこれは決して教養主義のものではなく、移民社会などでやっていくためのリテラシー教育です。決してドイツ語とかではなく、フィリピン語とかそういうのです。 高校名には、「総合」の文字は入っておらず、単に「地域名 + 高等学校」の構成です。 「学び直し」とかキャッチコピーを言う場合がありますが、けっして社会人の学び直しの意味ではないです。この種の学校の「学び直し」とは、小中の内容の補習と言うような意味です。 == 進学志望の高校を選ぶにあたって == === 高卒で就職する場合 === ==== 学科による差別 ==== *'''たいていの企業の高卒採用では、出身の学科(工業高校、商業高校など)の方を気にします。'''偏差値よりも出身学科の方を気にすることが多いです。。 :* 普通科高校卒の採用以外では、企業はあまり高校の偏差値を気にしません。 普通科卒よりも、工業高校などの職業高校卒の方が、その専門分野の企業には採用されやすいでしょう。 例えば製造業に就職したい場合、普通科の偏差値の高い高校よりも、工業高校のほうが製造業には就職しやすいです。 世間の大人には、「社会に出たら学歴は関係ない。学歴よりも実力が大事だ。」と主張する会社員もいます。 しかし、その人達の勤める企業での新入社員の採用方法は、まぎれもなく学歴重視なのが日本での実態です。「学歴フィルター」と言われることもあります。 例え「有名大学卒」などの高学歴を要しない職種でも、(例えば製造業への工場作業員への就職など)高卒の専門職での就職の場合では、工業高校や商業高校などの学科などの経歴で選考をしています。 たとえば高卒後の進路で、工場作業員への就職希望でも、工業高校以上など所定の学校・学科を出ていないと就職活動で応募自体が出来ない企業も存在します。 特に、技術系の場合、学科による採用選考の ふるい落としが強くなります。 たとえば、もし高校卒業後に機械工場に就職したいなら、工業高校の機械科か電気科、電子科などに進学しないと、機械工場への就職には不利です。工業高校の建築科や土木科からでも機械工場に就職する例もありますが、不利です。 逆に、将来には土木関係の仕事などに就職したい場合は、工業高校への進学では土木科・建築科に進学しないと、高卒での土木系職種への就職は不利です。 あなた(おそらく中学生)の進路の最終目標は、社会に出て困らないような1人前の大人になることです。大学や高校は、社会に出るためのステップに過ぎません。あなたが気にするべきは、偏差値よりもその高校が自分にとって合っているか、自分の将来に役に立つかということです。 高卒での就職だけでなく、大学卒業生の就職でも、偏差値はもちろん重視されますが、理系学部か文系学部かを見られる場合もあります。 たとえば大企業での技術職の採用では、大卒の場合は理系学部の卒業で無いと対象外のこともあり、文系学部卒はエンジニアなどの技術職には募集対象外の場合があります。コンピュータのプログラマー以外の機械設計や電機設計などの技術職は、理系学部の卒業でないと募集対象にならないのが多いです。 こういう企業の採用での現実があるので、もし、高卒で技術職につきたいなら、なるべく工業高校などの職業高校に進学したほうが良いでしょう。 普通科高校の卒業後に、職業高校に編入学したりするという方法もありますが、不利なことが多いです。最初から職業高校に進学した人と比べて、普通科からの職業高校への編入は卒業時の年齢の高さなどで就職活動は不利です。つまり日本企業では、就職時の年齢差別が横行しています。大企業でもこのような年齢差別がなされている場合がありますし、そもそも差別だと自覚していないことが多いです。 また企業だけでなく役所でも応募条件に年齢制限があり、つまり日本国は国家ぐるみで、新卒の年齢差別を行っています。 なので、たとえ学業をサボったわけでなくとも、たとえば志望進路が変更したりするなどの理由で、普通科高校から工業高校などに入学しなおしたりすると、卒業時の年齢が高くなってしまい、それだけで就職には不利になってしまいます。 ==== 普通科高校卒の就職について ==== ==== 私立高校卒の場合 ==== 企業の多くは、他地域の高校の事情をあまり知りません。たとえば、もし千葉県にある中小企業なら、企業側が知ってるのは千葉県の公立高校・私立高校と、くわえて東京都の進学校および有名高校と全国の大学附属校と、甲子園強豪校みたいなスポーツ強豪高校と、あとはビジネス雑誌とかの教育評論の特集とかにも載るような偏差値70以上の全国的に有名な進学校のことくらいしか知りません。 なので、たとえば地方で偏差値55〜60くらいのそこそこ偏差値が高くて知名度のひくい進学校の私立よりも、仮にそれより偏差値が低い高校でも、たとえば日本大学の附属校などのほうが企業にとっては知名度は高いのです。 (ですがほとんどの大学付属高はそのまま付属大学へ進学するか、進学校ならば大学受験をするかなどいずれも大学へ進学する可能性が高いです。) また、大学附属校で「○○工業大学付属△△高校」みたいな、「工業」みたいな名前を冠した高校を卒業してると、たとえ普通科の文系コースを卒業でも、企業側が理系に準ずる人材と勘違いするかもしれません。 逆にいうと、企業側は高校の選択科目が文系か理系かなんてろくに調べません。たとえ製造業に就職したい場合ですら、高校の選択科目で数学IIIや物理IIを勉強してるかとかも、企業側はあまり重視しません。企業の新卒採用時にも学力試験は行わないのが普通です。 (そもそも高校生が就職活動をする3年生1学期ごろの時点で、まだ数学IIIの履修が終わってません。) == 参考文献 == === 書籍 === なし(2024年03月31日の時点) === 脚注 ===
2024-03-07T21:31:00Z
2024-03-31T03:53:43Z
[ "テンプレート:コラム" ]
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高校受験ガイド/私立志望の最低限の注意事項
私立高校に出願する場合、2020年代の現代では、インターネットでしか出願できない場合もあります。 家庭にネット環境が無い場合、余裕をもって事前にネット環境を整えましょう。 なお、決してネットだけでは出願は終わらず、ネット手続きの上で、郵送で、調査書など関係書類の一式を送る必要があります。このため、決して中学校に相談なく勝手に出願することはできません(中学に相談なしだと、調査書が無いので)。 一般に、推薦入試でなくとも、一般入試でも調査書を要求します。なお、受験書類の郵送は、書留(かきとめ)である必要があります。 おそらく教員が願書の書類を転記する事務作業が面倒なのでしょう。ともかく、私立高校の受験生の家庭はネット出願をする必要があります。 逆に、公立高校などでは、郵送しか原則的には認めてない、といった高校もあります。中学側で同高校を受験する他生徒とまとめて出願、といった形式を原則とする高校もあります。おそらく、この際、中学側から高校にインターネットで生徒データが転送されていると思われます。 私立受験の場合、受験料(検定料ともいう)の振込については、コンビニ振込みかクレジットカードか一部のスマホ電子マネーしか認めてない高校も多くあります。つまり、メガバンクですら一般の銀行振り込みを認めてない高校も多くあります(住友銀行とか三菱UFJ銀行とか みずほ銀行すら認めてない場合もある)。郵便局(ゆうちょ銀行)でも受験料を振り込みできない、ということを意味します。 なお、銀行振り込み自体は後日の入学金や学費などの振込で必要になります。 もはや、コンビニATMの無かった2000年以前とは、違います。 また、高校窓口での受験料納付を認めてない私立高校も多くあります。もし高校で納付の受付けを認めてしまうと、高校側の事務が大変です。 また、受験票の印刷は、自分で行うことになります。家にプリンタが無くてもコンビニなどで印刷できますが、もしかしたらスマホおよび専用アプリが必要かもしれません。 受験票は、1枚あれば受験可能ですが、念のため、紛失(ふんしつ)や汚損(おそん)などのアクシデントを想定して、2~3枚ほど印刷しておくと安全でしょう。(20世紀生まれの親世代の常識(受験票が高校から郵送されてきた時代)とは違い、令和では受験票は2枚以上あっても構わない。なお、大学受験も同様、受験票は多めでも構わない。) 何らかのネット手続きでスマホ専用アプリが必要な場合があるので、ガラホだのガダスマだのといった機能制限ケータイでは上手く手続きできない場合が考えられます。なので、普通にフル機能のスマホを持っておくのが無難です。家庭に一人はスマホを持っておくようにすることになるかと思います。 写真は、写真屋で撮影したもらった画像データを使うのが無難でしょう。電子出願のサイトの説明図でも、学生がカメラマンに撮影してもらっています。 無背景とか焦点のよくあった写真を家庭で用意するのは困難ですし、ライティングなどを家庭で行うのも難しいでしょう。 私立高校受験の場合、合格発表から入学金の締め切りまでの期間が数日程度と短い場合が多いので、あらかじめ合格発表後の流れを知っておく必要と、お金を十分に用意しておく必要があります。 私立高校の合格発表も、多くはweb上での発表で、一般に高校ホームページでの発表です。後日、速達で合格通知が送られてくる高校もありますが(送らない高校もある)、先にwebで合格発表があります。 なお、合格通知を送る高校の場合は、後述する合格者登校日などの証明書として合格通知を使う場合があるので、たとえweb発表で合格が分かっても、合格通知を捨てないでください。 有名大の付属校などの人気校は、合格発表から入学金までの手続きの期間がとても短い場合もあり(たった2~3日の場合もあります)、そのため合格通知よりも先に入学金などを納付しなければいけない場合もあるので、あらかじめ準備しておきましょう。 また、付属高に限らず、一般の私立進学校でも単願の合格者も同様、手続きの期間が短く、期間がたった2~3日の場合があります。 一度納入されたお金は、たとえ手続きミスであっても返還されません。たとえば、合格してないのに間違えて納入しても、返還されないのを覚悟すべきです。 さすがに私学の学費100万円以上を2~3日で納入させるのは残酷なので、30万円くらいの入学金だけだったりしますが、とにかく、入学金を合格発表後の数日中に銀行で振り込めるようにする必要があります。なお、入学後の4~5月などに残りの70万円以上を払う必要があります。 なお、単願で合格した場合、普通は2月ごろの入学金締め切りの数日後に登校日(保護者同伴)があり、これを合格者登校日と言います。その登校日で、制服を採寸したりします。単願推薦入試合格者などと一緒の登校日かもしれません(高校にも寄る)。 もし制服採寸のお金が事前の入学金に含まれていない高校の場合、採寸日から数日のうちに銀行振込する必要があります。これもスケジュールがかなり厳しいので、あらかじめ準備しておいてください。 また、私立高校によっては、合格者登校日に無断で欠席すると、合格が取り消される場合もあります。 なので、合格者登校日の日にちは、他校の併願を入れられません。 受験日の早い1月ごろ受験をしている有名校の合格者登校日は、他の一般の私立高校の受験シーズンの2月に重なっていたりもしますので、注意してください。 合格者登校日が何度かある場合、一度目の登校日で「春休みの課題」を渡されて、二度目の登校日で課題提出、なんていう場合もあります。 新学期でなく登校日のうちにさっさと新クラス紹介とかある程度は進めておくという、私学運営の方法もあります。新学期は始業式などの最低限の挨拶と、クラスでの自己紹介が終わったら、さっさと授業を始めるのが私立進学校あるあるです。 さて、私学の話に戻ります。保護者連絡先なども、最初の登校日の際に確認されるでしょう。あらかじめ、合格通知とともに送られてくる書類などに連絡先や家族構成などを書いておく事になるかと思います。 なお、合格者登校日の際、1年の芸術科目の履修科目なども決めることになるかもしれません。なぜなら、学校で購入する教材に関わってくるからです。その他、選択科目が1年次にある場合も同様でしょう。 1回目の1~2月の合格者登校日とは別に、3月ごろ、2回目の合格者登校日がある場合もあります。 3月の登校日では、宿題の点検のための小テストとか、健康診断とか、年度明けの4月の学業を円滑に始められるための準備をする場合もあります。 高校によっては、3月の登校日のほうは「新入生オリエンテーション」とか別の名称で言い分けている場合もあります。要するに、オリエンテーションも登校日ですので、登校しましょう。 なお、公立高校でも、3月に合格者登校日があります。 振込み口座が高校によって規定されている場合もあります。たとえば郵便局に限定とか。高校側から配布される「入学のしおり」とかに口座が書いてある場合もあります。 私立高校の受験には、年齢制限がある場合があります。 とくに私立の進学校や大学付属校などの場合、浪人(高校受験浪人)は、その私立高校の受験を、高校側から認められない場合が私立では多いです。 私立校の進学校や大学付属校でも、たまに、年齢制限で16歳・17歳くらいまでの猶予が与えられてる場合があるのは、病気や天変地異などの特別な理由で進級・進学が遅れてしまう人がいるので、そういう特別な事情のある人のための特例措置です。 単なる浪人生は、こういった特例の条件には当てはまらないので、浪人生は私立の進学校・付属校への受験が認められないか、たとえ受験が認められたとしても高校浪人は面接試験での印象が良くないでしょう。 公立高校では高校受験の年齢制限はありませんが、将来の就職で、新卒時の年齢が高いと不利になる場合が多いです。 なので、もし第一志望の高校に落ちても、浪人はせずに、さっさと合格した高校に進学するのが良いでしょう。 大学受験の一般入試は、基本的に試験の得点だけで合否が決まります。(あるいは、英検2級以上とかで加点とか。数検や漢検も同様。) しかし、私立高校の入試は、一般入試であっても、試験の得点と英検3級・淳2級やTOEICハイスコアなどの加点も、加味される場合があります。 ただし、現代では、これは事前に、中学側の教師などに保有資格を報告しておいて調査書のさいに一緒に保有資格も証明してもらうとか、個別相談会に英検の合格証(コピー不可)を持っていくとか、出願時に英検の証明書のコピーを同封するとか、とにかく事前に資格などを高校に証明する必要があります。どのような手続きかをするかは高校によるので、募集要項や春ごろの説明会などで事前に確認してください。 とりあえず、中学担任には、保有資格・検定をすべて報告するのが良いでしょう。また、検定の合格証は、大切に保管する必要があります。高校によっては、検定の合格証が加点措置に必要な場合があるからです。なので合格証はケースなどに入れて保管しましょう。もしケースが無いなら、文房具屋で購入しましょう。 個別相談会が11月や12月など入試シーズンの前にあるのは、そういう意味も兼ねています。 「個別相談会」は、自己アピールの場でもある高校もあります。英検などの加点を個別相談会で行っている高校もあり、また、そのほかの自己アピールを見ている高校もあります。 ただし、高校によっては、出願の際の郵送で英検の証明書のコピーを送る場合もあります。相談会での資格の加点措置は行ってない場合もあります。高校によりけりなので、募集要項で確認してください。 一般に、私立高校の入試日は、公立よりも早いです。 高校入試では私立高校などで試験日が早い高校もあり(12月や1月上旬など)、公立中学ではまだ習ってない問題でも出題されます。なので、遅くとも3年の夏の、過去問を解き始めるころからは、予習をしはじめないといけません。 そもそも高校入試までの時間なのですが、公立高校入試ですら、入試までは1年間(12か月)はありません。公立高校の入試については、一般に2月下旬にあるので、3年に進級した4月から入試までは公立入試まで9か月ちょっとです。 さらに、私立は多くの高校では公立よりも早く、冬休み明けの2月上旬に入試の場合は入試まで9か月、場合によっては冬休み前の12月に入試なら7か月、しか時間のない私立高校もあります。 なので、私立と公立の時間の差は、半月~2.5か月ていどの差です。 この上、さらに、英語・数学などでは高校1年ていどの範囲が偏差値60台以上の私立高校の入試では出てきます。 よって、私立志望者は、少なくとも半月~2.5か月ほど早く、国数英の3教科だけでも中学範囲を終わらせなければいけません。 時期的には、12月になるまでに、とりあえず一般的なレベルの偏差値50程度の国数英の高校入試対策は終わらせる必要があります。 だから推薦狙いの人以外、私立志望の人は、中学側に何を言われようが、先取り学習をして2~3か月、先に終わらせる必要があります。 極端に欠席日数などが多いと、高校受験では面接の際、そう言ったことを高校側の面接官に質問されます。 中学側から送られてくる書類などをもとに、そう言った情報を高校側は把握できます。 なので、そう言った事も面接などの加点・減点の事項に入るのです。 べつに中学側から送られてくる書類だけに限りません。 ほか、親族が卒業生・在校生だと、加点という高校・大学も普通にあります。普通に募集要項などで公言されています。 このように、試験以外も見られる一方、配点の比率が部外者には分からないので、いろいろなウワサ話が生まれます。 たとえば「確約」(かくやく)だと言った私立高校受験システムの、うわさ話があります。確約とは、一般入試なのに、事前に合格が決まっている、というウワサです。 しかし、そもそも推薦入試というシステムがありますので、普通の私立高校なら中学からの「推薦をもらってね」となるでしょうか。いちいち、「確約」という不明なシステムを利用する必要はありません。 あるいは、地元の業者テストやその他の模試などの公開テストで高得点を取ると加点される、と言ったウワサ話もあります。このことを「確約」と言っている人もいます。しかし、仮にそれがあったとしても、せいぜい英検とか漢検とかの加点と同程度でしょう。当然ですが、業者テストでどんなに成績が良かろうが、実際の一般入試での成績が悪ければ落ちます。
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"text": "", "title": "私立高校の出願とネットと合格後" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "振込み口座が高校によって規定されている場合もあります。たとえば郵便局に限定とか。高校側から配布される「入学のしおり」とかに口座が書いてある場合もあります。", "title": "私立高校の出願とネットと合格後" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "私立高校の受験には、年齢制限がある場合があります。", "title": "年齢と高校受験" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "とくに私立の進学校や大学付属校などの場合、浪人(高校受験浪人)は、その私立高校の受験を、高校側から認められない場合が私立では多いです。", "title": "年齢と高校受験" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "私立校の進学校や大学付属校でも、たまに、年齢制限で16歳・17歳くらいまでの猶予が与えられてる場合があるのは、病気や天変地異などの特別な理由で進級・進学が遅れてしまう人がいるので、そういう特別な事情のある人のための特例措置です。", "title": "年齢と高校受験" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "単なる浪人生は、こういった特例の条件には当てはまらないので、浪人生は私立の進学校・付属校への受験が認められないか、たとえ受験が認められたとしても高校浪人は面接試験での印象が良くないでしょう。", "title": "年齢と高校受験" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "公立高校では高校受験の年齢制限はありませんが、将来の就職で、新卒時の年齢が高いと不利になる場合が多いです。", "title": "年齢と高校受験" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "なので、もし第一志望の高校に落ちても、浪人はせずに、さっさと合格した高校に進学するのが良いでしょう。", "title": 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"高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "ほか、親族が卒業生・在校生だと、加点という高校・大学も普通にあります。普通に募集要項などで公言されています。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "このように、試験以外も見られる一方、配点の比率が部外者には分からないので、いろいろなウワサ話が生まれます。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "たとえば「確約」(かくやく)だと言った私立高校受験システムの、うわさ話があります。確約とは、一般入試なのに、事前に合格が決まっている、というウワサです。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "しかし、そもそも推薦入試というシステムがありますので、普通の私立高校なら中学からの「推薦をもらってね」となるでしょうか。いちいち、「確約」という不明なシステムを利用する必要はありません。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "あるいは、地元の業者テストやその他の模試などの公開テストで高得点を取ると加点される、と言ったウワサ話もあります。このことを「確約」と言っている人もいます。しかし、仮にそれがあったとしても、せいぜい英検とか漢検とかの加点と同程度でしょう。当然ですが、業者テストでどんなに成績が良かろうが、実際の一般入試での成績が悪ければ落ちます。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" } ]
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== 私立高校の出願とネットと合格後 == === 出願 === 私立高校に出願する場合、2020年代の現代では、インターネットでしか出願できない場合もあります。 家庭にネット環境が無い場合、余裕をもって事前にネット環境を整えましょう。 なお、決してネットだけでは出願は終わらず、ネット手続きの上で、郵送で、調査書など関係書類の一式を送る必要があります。このため、決して中学校に相談なく勝手に出願することはできません(中学に相談なしだと、調査書が無いので)。 一般に、推薦入試でなくとも、一般入試でも調査書を要求します。なお、受験書類の郵送は、書留(かきとめ)である必要があります。 おそらく教員が願書の書類を転記する事務作業が面倒なのでしょう。ともかく、私立高校の受験生の家庭はネット出願をする必要があります。 ;公立高校(余談) 逆に、公立高校などでは、郵送しか原則的には認めてない、といった高校もあります。中学側で同高校を受験する他生徒とまとめて出願、といった形式を原則とする高校もあります。おそらく、この際、中学側から高校にインターネットで生徒データが転送されていると思われます。 ;私立高校の受験料の振込み 私立受験の場合、受験料(検定料ともいう)の振込については、コンビニ振込みかクレジットカードか一部のスマホ電子マネーしか認めてない高校も多くあります。つまり、メガバンクですら一般の銀行振り込みを認めてない高校も多くあります(住友銀行とか三菱UFJ銀行とか みずほ銀行すら認めてない場合もある)。郵便局(ゆうちょ銀行)でも受験料を振り込みできない、ということを意味します。 なお、銀行振り込み自体は後日の入学金や学費などの振込で必要になります。 もはや、コンビニATMの無かった2000年以前とは、違います。 また、高校窓口での受験料納付を認めてない私立高校も多くあります。もし高校で納付の受付けを認めてしまうと、高校側の事務が大変です。 === 受験票の印刷 === また、受験票の印刷は、自分で行うことになります。家にプリンタが無くてもコンビニなどで印刷できますが、もしかしたらスマホおよび専用アプリが必要かもしれません。 受験票は、1枚あれば受験可能ですが、念のため、紛失(ふんしつ)や汚損(おそん)などのアクシデントを想定して、2~3枚ほど印刷しておくと安全でしょう。(20世紀生まれの親世代の常識(受験票が高校から郵送されてきた時代)とは違い、令和では受験票は2枚以上あっても構わない。なお、大学受験も同様、受験票は多めでも構わない。) 何らかのネット手続きでスマホ専用アプリが必要な場合があるので、ガラホだのガダスマだのといった機能制限ケータイでは上手く手続きできない場合が考えられます。なので、普通にフル機能のスマホを持っておくのが無難です。家庭に一人はスマホを持っておくようにすることになるかと思います。 写真は、写真屋で撮影したもらった画像データを使うのが無難でしょう。電子出願のサイトの説明図でも、学生がカメラマンに撮影してもらっています<ref>[https://www.mirai-compass.jp.net/photo_guide/ 顔写真登録ガイド ] </ref>。 無背景とか焦点のよくあった写真を家庭で用意するのは困難ですし、ライティングなどを家庭で行うのも難しいでしょう。 === 私立高校の合格後 === 私立高校受験の場合、合格発表から入学金の締め切りまでの期間が数日程度と短い場合が多いので、あらかじめ合格発表後の流れを知っておく必要と、お金を十分に用意しておく必要があります。 ;web合格発表 私立高校の合格発表も、多くはweb上での発表で、一般に高校ホームページでの発表です。後日、速達で合格通知が送られてくる高校もありますが(送らない高校もある)、先にwebで合格発表があります。 なお、合格通知を送る高校の場合は、後述する合格者登校日などの証明書として合格通知を使う場合があるので、たとえweb発表で合格が分かっても、合格通知を捨てないでください。 ;短い入学手続き期間の場合もある 有名大の付属校などの人気校は、合格発表から入学金までの手続きの期間がとても短い場合もあり(たった2~3日の場合もあります)、そのため合格通知よりも先に入学金などを納付しなければいけない場合もあるので、あらかじめ準備しておきましょう。 また、付属高に限らず、一般の私立進学校でも単願の合格者も同様、手続きの期間が短く、期間がたった2~3日の場合があります。 一度納入されたお金は、たとえ手続きミスであっても返還されません。たとえば、合格してないのに間違えて納入しても、返還されないのを覚悟すべきです。 さすがに私学の学費100万円以上を2~3日で納入させるのは残酷なので、30万円くらいの入学金だけだったりしますが、とにかく、入学金を合格発表後の数日中に銀行で振り込めるようにする必要があります。なお、入学後の4~5月などに残りの70万円以上を払う必要があります。 ;合格者登校日 なお、単願で合格した場合、普通は2月ごろの入学金締め切りの数日後に登校日(保護者同伴)があり、これを合格者登校日と言います。その登校日で、制服を採寸したりします。単願推薦入試合格者などと一緒の登校日かもしれません(高校にも寄る)。 もし制服採寸のお金が事前の入学金に含まれていない高校の場合、採寸日から数日のうちに銀行振込する必要があります。これもスケジュールがかなり厳しいので、あらかじめ準備しておいてください。 また、私立高校によっては、合格者登校日に無断で欠席すると、合格が取り消される場合もあります。 なので、合格者登校日の日にちは、他校の併願を入れられません。 受験日の早い1月ごろ受験をしている有名校の合格者登校日は、他の一般の私立高校の受験シーズンの2月に重なっていたりもしますので、注意してください。 合格者登校日の日程などの連絡は、高校によっては、中学経由で知らされる場合もあります。なので、きちんと中学の授業にも出席し続けてください。 合格者登校日が何度かある場合、一度目の登校日で「'''春休みの課題'''」を渡されて、二度目の登校日で課題提出、なんていう場合もあります。 :※ 『春休みの課題』については、『[[高校受験ガイド/高校合格後に向けて]]』で説明する。 合格者登校日のうちに'''3教科のテスト'''(国数英のテスト)があることも、私立進学校あるあるです。 新学期でなく登校日のうちにさっさと新クラス紹介とかある程度は進めておくという、私学運営の方法もあります。新学期は始業式などの最低限の挨拶と、クラスでの自己紹介が終わったら、さっさと授業を始めるのが私立進学校あるあるです。 いろいろ終わったら、公立も私立も、合格者登校日の最後は部活の見学とかが定番です。 {{コラム|春休みの課題| また、合格者登校日のときに、宿題などが課される場合があります。たとえば4月の入学までに高校レベルの英単語の動詞の過去形と過去分詞などを覚えさせられる宿題があるかもしれません。なので、合格しても遊べません。春休み中にテストがあったりします。 :なお、余談ですが、公立高校でも、たとえば埼玉県立の進学校である浦和(うらわ)高校では(公立入試の合格発表後の)春休みに数学Iの予習があります<ref>佐藤優 編著『埼玉県立浦和高校論文集』、K&Kプレス、2019年12月15日 第1刷 発行、P290</ref>。 「春休みの課題」というのが、ある程度以上の進学校では存在します<ref>佐藤優 編著『埼玉県立浦和高校論文集』、K&Kプレス、2019年12月15日 第1刷 発行、P290</ref>。進学校に進学するというのは、そういう意味ですので、覚悟しときましょう。 数学IAの教科書の冒頭は、中学で習った因数分解(2次式)の発展系で、3次式の因数分解ですが、そういうのは独学で可能なはずですので(※wiki注: 塾でも志望校合格者向けによく春休み中に3次式の因数分解など講義されます)、「春休みの課題」に出されたりします<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=gTJyWebprX8 塩浜進学教室 著『高校時代の思い出25 進学校は始業式から授業あり』、2023年12月10日ごろ ] 2023年12月11日に閲覧. </ref>。 進学校でない場合、課題の内容が、中学の復習です。復習用の問題集があり(「ブリッジ数学」とか「高校国語へのステップ-高校国語のための準備と練習」など)、それを春休み中の宿題に出されたりします。なお、「ブリッジ数学」や「高校〇〇へのステップ」などは学校専売品なので、生徒・保護者などの一般消費者は買えないです。 進学校での春休みの課題の典型例は、 :3次式までの因数分解、および2変数2次式の因数分解(※ 2次式のほうは高校受験の難関校の範囲)。 :英単語などの書き取り暗記。 であり、これは小テストが春休み中または4月に行われるのが私学の進学校では典型です。 これとは別に、春休みから :課題図書の読書感想文。 があるのも典型です。読書感想文は進学校でなくともあります。 読書感想文のほうは、提出日が4月の始業式よりも何週間かあとになる場合もありますが、(なぜなら文字数や難度によっては読むのに時間が掛かる事もありうるので)、ともかく読書感想文も宿題の典型例です。 進学校だと、上記のうち2つ以上の、春休み中の宿題とテストが出る場合もあります(たとえば 英単語+読書感想文 の宿題)。 }} さて、私学の話に戻ります。保護者連絡先なども、最初の登校日の際に確認されるでしょう。あらかじめ、合格通知とともに送られてくる書類などに連絡先や家族構成などを書いておく事になるかと思います。 なお、合格者登校日の際、1年の芸術科目の履修科目なども決めることになるかもしれません。なぜなら、学校で購入する教材に関わってくるからです。その他、選択科目が1年次にある場合も同様でしょう。 1回目の1~2月の合格者登校日とは別に、3月ごろ、2回目の合格者登校日がある場合もあります。 3月の登校日では、宿題の点検のための小テストとか、健康診断とか、年度明けの4月の学業を円滑に始められるための準備をする場合もあります。 高校によっては、3月の登校日のほうは「新入生オリエンテーション」とか別の名称で言い分けている場合もあります。要するに、オリエンテーションも登校日ですので、登校しましょう。 なお、公立高校でも、3月に合格者登校日があります。 病気の既往症(きおうしょう)なども(たとえば、結核(けっかく)、喘息(ぜんそく)、ネフローゼ症候群とか)、このあたりの時期に、高校に報告することになります。 高校から渡される「入学のしおり」に、検定教科書・参考書以外に、必要ならば購入しておいてほしい教材(たとえば英和辞典の買い替え)などが書かれている場合があります。該当者は、辞書などを買い替えることになります。 高校によっては「入学のしおり」という呼び名ではなく、「合格者の手引」とか「入学の手引」などの呼び名の場合もあります。 ;入学金以外の学費の振込 振込み口座が高校によって規定されている場合もあります。たとえば郵便局に限定とか。高校側から配布される「入学のしおり」とかに口座が書いてある場合もあります。 なお、PTA会費とか卒業後の同窓会費とか、最初から学費に組み込まれているのが私立あるあるです。いちいち徴収(ちょうしゅう)の手間が面倒なので。 == 年齢と高校受験 == === 私立高校の受験には年齢制限がある場合も === 私立高校の受験には、年齢制限がある場合があります。 とくに私立の進学校や大学付属校などの場合、浪人(高校受験浪人)は、その私立高校の受験を、高校側から認められない場合が私立では多いです。 私立校の進学校や大学付属校でも、たまに、年齢制限で16歳・17歳くらいまでの猶予が与えられてる場合があるのは、病気や天変地異などの特別な理由で進級・進学が遅れてしまう人がいるので、そういう特別な事情のある人のための特例措置です。 単なる浪人生は、こういった特例の条件には当てはまらないので、浪人生は私立の進学校・付属校への受験が認められないか、たとえ受験が認められたとしても高校浪人は面接試験での印象が良くないでしょう。 公立高校では高校受験の年齢制限はありませんが、将来の就職で、新卒時の年齢が高いと不利になる場合が多いです。 なので、もし第一志望の高校に落ちても、浪人はせずに、さっさと合格した高校に進学するのが良いでしょう。 == 私立志望の場合 == === 英検の加点など === 大学受験の一般入試は、基本的に試験の得点だけで合否が決まります。(あるいは、英検2級以上とかで加点とか。数検や漢検も同様。) しかし、私立高校の入試は、一般入試であっても、試験の得点と英検3級・淳2級やTOEICハイスコアなどの加点も、加味される場合があります。 ただし、現代では、これは事前に、中学側の教師などに保有資格を報告しておいて調査書のさいに一緒に保有資格も証明してもらうとか、個別相談会に英検の合格証(コピー不可)を持っていくとか<ref>[https://allabout.co.jp/gm/gc/431039/ 西村創『私立高校の個別相談の服装や持ち物は?併願優遇を手に入れる方法』2023年08月12日 ]</ref>、出願時に英検の証明書のコピーを同封するとか、とにかく事前に資格などを高校に証明する必要があります。どのような手続きかをするかは高校によるので、募集要項や春ごろの説明会などで事前に確認してください。 とりあえず、中学担任には、保有資格・検定をすべて報告するのが良いでしょう。また、検定の合格証は、大切に保管する必要があります。高校によっては、検定の合格証が加点措置に必要な場合があるからです。なので合格証はケースなどに入れて保管しましょう。もしケースが無いなら、文房具屋で購入しましょう。 個別相談会が11月や12月など入試シーズンの前にあるのは、そういう意味も兼ねています。 === 個別相談会とは === 「個別相談会」は、自己アピールの場でもある高校もあります。英検などの加点を個別相談会で行っている高校もあり、また、そのほかの自己アピールを見ている高校もあります<ref>[https://allabout.co.jp/gm/gc/431039/ 西村創『私立高校の個別相談の服装や持ち物は?併願優遇を手に入れる方法』2023年08月12日 ]</ref>。 ただし、高校によっては、出願の際の郵送で英検の証明書のコピーを送る場合もあります。相談会での資格の加点措置は行ってない場合もあります。高校によりけりなので、募集要項で確認してください。 === 受験日 === 一般に、私立高校の入試日は、公立よりも早いです。 高校入試では私立高校などで試験日が早い高校もあり(12月や1月上旬など)、公立中学ではまだ習ってない問題でも出題されます。なので、遅くとも3年の夏の、過去問を解き始めるころからは、予習をしはじめないといけません<ref>葉一(はいち) 著『自宅学習の教科書』、2021年3月16日 8刷発行、P.92</ref>。 そもそも高校入試までの時間なのですが、公立高校入試ですら、入試までは1年間(12か月)はありません。公立高校の入試については、一般に2月下旬にあるので、3年に進級した4月から入試までは公立入試まで9か月ちょっとです。 さらに、私立は多くの高校では公立よりも早く、冬休み明けの2月上旬に入試の場合は入試まで9か月、場合によっては冬休み前の12月に入試なら7か月、しか時間のない私立高校もあります。 なので、私立と公立の時間の差は、半月~2.5か月ていどの差です。 この上、さらに、英語・数学などでは高校1年ていどの範囲が偏差値60台以上の私立高校の入試では出てきます。 よって、私立志望者は、少なくとも半月~2.5か月ほど早く、国数英の3教科だけでも中学範囲を終わらせなければいけません。 時期的には、12月になるまでに、とりあえず一般的なレベルの偏差値50程度の国数英の高校入試対策は終わらせる必要があります。 だから推薦狙いの人以外、私立志望の人は、中学側に何を言われようが、先取り学習をして2~3か月、先に終わらせる必要があります。 == 高校受験では一般入試でも試験以外も見られる == 極端に欠席日数などが多いと、高校受験では面接の際、そう言ったことを高校側の面接官に質問されます。 中学側から送られてくる書類などをもとに、そう言った情報を高校側は把握できます。 なので、そう言った事も面接などの加点・減点の事項に入るのです。 べつに中学側から送られてくる書類だけに限りません。 ほか、親族が卒業生・在校生だと、加点という高校・大学も普通にあります。普通に募集要項などで公言されています。 このように、試験以外も見られる一方、配点の比率が部外者には分からないので、いろいろなウワサ話が生まれます。 たとえば「確約」(かくやく)だと言った私立高校受験システムの、うわさ話があります。確約とは、一般入試なのに、事前に合格が決まっている、というウワサです。 しかし、そもそも推薦入試というシステムがありますので、普通の私立高校なら中学からの「推薦をもらってね」となるでしょうか。いちいち、「確約」という不明なシステムを利用する必要はありません。 あるいは、地元の業者テストやその他の模試などの公開テストで高得点を取ると加点される、と言ったウワサ話もあります。このことを「確約」と言っている人もいます。しかし、仮にそれがあったとしても、せいぜい英検とか漢検とかの加点と同程度でしょう。当然ですが、業者テストでどんなに成績が良かろうが、実際の一般入試での成績が悪ければ落ちます。 == 脚注 ==
2024-03-07T21:41:24Z
2024-03-19T05:28:20Z
[ "テンプレート:コラム" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/%E7%A7%81%E7%AB%8B%E5%BF%97%E6%9C%9B%E3%81%AE%E6%9C%80%E4%BD%8E%E9%99%90%E3%81%AE%E6%B3%A8%E6%84%8F%E4%BA%8B%E9%A0%85
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高校受験ガイド/私立志望の最低限の注意事項
私立高校に出願する場合、2020年代の現代では、インターネットでしか出願できない場合もあります。 家庭にネット環境が無い場合、余裕をもって事前にネット環境を整えましょう。 なお、決してネットだけでは出願は終わらず、ネット手続きの上で、郵送で、調査書など関係書類の一式を送る必要があります。このため、決して中学校に相談なく勝手に出願することはできません(中学に相談なしだと、調査書が無いので)。 一般に、推薦入試でなくとも、一般入試でも調査書を要求します。なお、受験書類の郵送は、書留(かきとめ)である必要があります。 おそらく教員が願書の書類を転記する事務作業が面倒なのでしょう。ともかく、私立高校の受験生の家庭はネット出願をする必要があります。 逆に、公立高校などでは、郵送しか原則的には認めてない、といった高校もあります。中学側で同高校を受験する他生徒とまとめて出願、といった形式を原則とする高校もあります。おそらく、この際、中学側から高校にインターネットで生徒データが転送されていると思われます。 私立受験の場合、受験料(検定料ともいう)の振込については、コンビニ振込みかクレジットカードか一部のスマホ電子マネーしか認めてない高校も多くあります。つまり、メガバンクですら一般の銀行振り込みを認めてない高校も多くあります(住友銀行とか三菱UFJ銀行とか みずほ銀行すら認めてない場合もある)。郵便局(ゆうちょ銀行)でも受験料を振り込みできない、ということを意味します。 なお、銀行振り込み自体は後日の入学金や学費などの振込で必要になります。 もはや、コンビニATMの無かった2000年以前とは、違います。 また、高校窓口での受験料納付を認めてない私立高校も多くあります。もし高校で納付の受付けを認めてしまうと、高校側の事務が大変です。 また、受験票の印刷は、自分で行うことになります。家にプリンタが無くてもコンビニなどで印刷できますが、もしかしたらスマホおよび専用アプリが必要かもしれません。 受験票は、1枚あれば受験可能ですが、念のため、紛失(ふんしつ)や汚損(おそん)などのアクシデントを想定して、2~3枚ほど印刷しておくと安全でしょう。(20世紀生まれの親世代の常識(受験票が高校から郵送されてきた時代)とは違い、令和では受験票は2枚以上あっても構わない。なお、大学受験も同様、受験票は多めでも構わない。) 何らかのネット手続きでスマホ専用アプリが必要な場合があるので、ガラホだのガダスマだのといった機能制限ケータイでは上手く手続きできない場合が考えられます。なので、普通にフル機能のスマホを持っておくのが無難です。家庭に一人はスマホを持っておくようにすることになるかと思います。 写真は、写真屋で撮影したもらった画像データを使うのが無難でしょう。電子出願のサイトの説明図でも、学生がカメラマンに撮影してもらっています。 無背景とか焦点のよくあった写真を家庭で用意するのは困難ですし、ライティングなどを家庭で行うのも難しいでしょう。 私立高校受験の場合、合格発表から入学金の締め切りまでの期間が数日程度と短い場合が多いので、あらかじめ合格発表後の流れを知っておく必要と、お金を十分に用意しておく必要があります。 私立高校の合格発表も、多くはweb上での発表で、一般に高校ホームページでの発表です。後日、速達で合格通知が送られてくる高校もありますが(送らない高校もある)、先にwebで合格発表があります。 なお、合格通知を送る高校の場合は、後述する合格者登校日などの証明書として合格通知を使う場合があるので、たとえweb発表で合格が分かっても、合格通知を捨てないでください。 有名大の付属校などの人気校は、合格発表から入学金までの手続きの期間がとても短い場合もあり(たった2~3日の場合もあります)、そのため合格通知よりも先に入学金などを納付しなければいけない場合もあるので、あらかじめ準備しておきましょう。 また、付属高に限らず、一般の私立進学校でも単願の合格者も同様、手続きの期間が短く、期間がたった2~3日の場合があります。 一度納入されたお金は、たとえ手続きミスであっても返還されません。たとえば、合格してないのに間違えて納入しても、返還されないのを覚悟すべきです。 さすがに私学の学費100万円以上を2~3日で納入させるのは残酷なので、30万円くらいの入学金だけだったりしますが、とにかく、入学金を合格発表後の数日中に銀行で振り込めるようにする必要があります。なお、入学後の4~5月などに残りの70万円以上を払う必要があります。 なお、単願で合格した場合、普通は2月ごろの入学金締め切りの数日後に登校日(保護者同伴)があり、これを合格者登校日と言います。その登校日で、制服を採寸したりします。単願推薦入試合格者などと一緒の登校日かもしれません(高校にも寄る)。 もし制服採寸のお金が事前の入学金に含まれていない高校の場合、採寸日から数日のうちに銀行振込する必要があります。これもスケジュールがかなり厳しいので、あらかじめ準備しておいてください。 また、私立高校によっては、合格者登校日に無断で欠席すると、合格が取り消される場合もあります。 なので、合格者登校日の日にちは、他校の併願を入れられません。 受験日の早い1月ごろ受験をしている有名校の合格者登校日は、他の一般の私立高校の受験シーズンの2月に重なっていたりもしますので、注意してください。 合格者登校日の日程などの連絡は、高校によっては、中学経由で知らされる場合もあります。なので、きちんと中学の授業にも出席し続けてください。 合格者登校日が何度かある場合、一度目の登校日で「春休みの課題」を渡されて、二度目の登校日で課題提出、なんていう場合もあります。 合格者登校日のうちに3教科のテスト(国数英のテスト)があることも、私立進学校あるあるです。 新学期でなく登校日のうちにさっさと新クラス紹介とかある程度は進めておくという、私学運営の方法もあります。新学期は始業式などの最低限の挨拶と、クラスでの自己紹介が終わったら、さっさと授業を始めるのが私立進学校あるあるです。 いろいろ終わったら、公立も私立も、合格者登校日の最後は部活の見学とかが定番です。 さて、私学の話に戻ります。保護者連絡先なども、最初の登校日の際に確認されるでしょう。あらかじめ、合格通知とともに送られてくる書類などに連絡先や家族構成などを書いておく事になるかと思います。 なお、合格者登校日の際、1年の芸術科目の履修科目なども決めることになるかもしれません。なぜなら、学校で購入する教材に関わってくるからです。その他、選択科目が1年次にある場合も同様でしょう。 1回目の1~2月の合格者登校日とは別に、3月ごろ、2回目の合格者登校日がある場合もあります。 3月の登校日では、宿題の点検のための小テストとか、健康診断とか、年度明けの4月の学業を円滑に始められるための準備をする場合もあります。 高校によっては、3月の登校日のほうは「新入生オリエンテーション」とか別の名称で言い分けている場合もあります。要するに、オリエンテーションも登校日ですので、登校しましょう。 なお、公立高校でも、3月に合格者登校日があります。 病気の既往症(きおうしょう)なども(たとえば、結核(けっかく)、喘息(ぜんそく)、ネフローゼ症候群とか)、このあたりの時期に、高校に報告することになります。 高校から渡される「入学のしおり」に、検定教科書・参考書以外に、必要ならば購入しておいてほしい教材(たとえば英和辞典の買い替え)などが書かれている場合があります。該当者は、辞書などを買い替えることになります。 高校によっては「入学のしおり」という呼び名ではなく、「合格者の手引」とか「入学の手引」などの呼び名の場合もあります。 振込み口座が高校によって規定されている場合もあります。たとえば郵便局に限定とか。高校側から配布される「入学のしおり」とかに口座が書いてある場合もあります。 なお、PTA会費とか卒業後の同窓会費とか、最初から学費に組み込まれているのが私立あるあるです。いちいち徴収(ちょうしゅう)の手間が面倒なので。 私立高校の受験には、年齢制限がある場合があります。 とくに私立の進学校や大学付属校などの場合、浪人(高校受験浪人)は、その私立高校の受験を、高校側から認められない場合が私立では多いです。 私立校の進学校や大学付属校でも、たまに、年齢制限で16歳・17歳くらいまでの猶予が与えられてる場合があるのは、病気や天変地異などの特別な理由で進級・進学が遅れてしまう人がいるので、そういう特別な事情のある人のための特例措置です。 単なる浪人生は、こういった特例の条件には当てはまらないので、浪人生は私立の進学校・付属校への受験が認められないか、たとえ受験が認められたとしても高校浪人は面接試験での印象が良くないでしょう。 公立高校では高校受験の年齢制限はありませんが、将来の就職で、新卒時の年齢が高いと不利になる場合が多いです。 なので、もし第一志望の高校に落ちても、浪人はせずに、さっさと合格した高校に進学するのが良いでしょう。 大学受験の一般入試は、基本的に試験の得点だけで合否が決まります。(あるいは、英検2級以上とかで加点とか。数検や漢検も同様。) しかし、私立高校の入試は、一般入試であっても、試験の得点と英検3級・淳2級やTOEICハイスコアなどの加点も、加味される場合があります。 ただし、現代では、これは事前に、中学側の教師などに保有資格を報告しておいて調査書のさいに一緒に保有資格も証明してもらうとか、個別相談会に英検の合格証(コピー不可)を持っていくとか、出願時に英検の証明書のコピーを同封するとか、とにかく事前に資格などを高校に証明する必要があります。どのような手続きかをするかは高校によるので、募集要項や春ごろの説明会などで事前に確認してください。 とりあえず、中学担任には、保有資格・検定をすべて報告するのが良いでしょう。また、検定の合格証は、大切に保管する必要があります。高校によっては、検定の合格証が加点措置に必要な場合があるからです。なので合格証はケースなどに入れて保管しましょう。もしケースが無いなら、文房具屋で購入しましょう。 個別相談会が11月や12月など入試シーズンの前にあるのは、そういう意味も兼ねています。 「個別相談会」は、自己アピールの場でもある高校もあります。英検などの加点を個別相談会で行っている高校もあり、また、そのほかの自己アピールを見ている高校もあります。 ただし、高校によっては、出願の際の郵送で英検の証明書のコピーを送る場合もあります。相談会での資格の加点措置は行ってない場合もあります。高校によりけりなので、募集要項で確認してください。 一般に、私立高校の入試日は、公立よりも早いです。 高校入試では私立高校などで試験日が早い高校もあり(12月や1月上旬など)、公立中学ではまだ習ってない問題でも出題されます。なので、遅くとも3年の夏の、過去問を解き始めるころからは、予習をしはじめないといけません。 そもそも高校入試までの時間なのですが、公立高校入試ですら、入試までは1年間(12か月)はありません。公立高校の入試については、一般に2月下旬にあるので、3年に進級した4月から入試までは公立入試まで9か月ちょっとです。 さらに、私立は多くの高校では公立よりも早く、冬休み明けの2月上旬に入試の場合は入試まで9か月、場合によっては冬休み前の12月に入試なら7か月、しか時間のない私立高校もあります。 なので、私立と公立の時間の差は、半月~2.5か月ていどの差です。 この上、さらに、英語・数学などでは高校1年ていどの範囲が偏差値60台以上の私立高校の入試では出てきます。 よって、私立志望者は、少なくとも半月~2.5か月ほど早く、国数英の3教科だけでも中学範囲を終わらせなければいけません。 時期的には、12月になるまでに、とりあえず一般的なレベルの偏差値50程度の国数英の高校入試対策は終わらせる必要があります。 だから推薦狙いの人以外、私立志望の人は、中学側に何を言われようが、先取り学習をして2~3か月、先に終わらせる必要があります。 極端に欠席日数などが多いと、高校受験では面接の際、そう言ったことを高校側の面接官に質問されます。 中学側から送られてくる書類などをもとに、そう言った情報を高校側は把握できます。 なので、そう言った事も面接などの加点・減点の事項に入るのです。 べつに中学側から送られてくる書類だけに限りません。 ほか、親族が卒業生・在校生だと、加点という高校・大学も普通にあります。普通に募集要項などで公言されています。 このように、試験以外も見られる一方、配点の比率が部外者には分からないので、いろいろなウワサ話が生まれます。 たとえば「確約」(かくやく)だと言った私立高校受験システムの、うわさ話があります。確約とは、一般入試なのに、事前に合格が決まっている、というウワサです。 しかし、そもそも推薦入試というシステムがありますので、普通の私立高校なら中学からの「推薦をもらってね」となるでしょうか。いちいち、「確約」という不明なシステムを利用する必要はありません。 あるいは、地元の業者テストやその他の模試などの公開テストで高得点を取ると加点される、と言ったウワサ話もあります。このことを「確約」と言っている人もいます。しかし、仮にそれがあったとしても、せいぜい英検とか漢検とかの加点と同程度でしょう。当然ですが、業者テストでどんなに成績が良かろうが、実際の一般入試での成績が悪ければ落ちます。
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"私立志望の場合" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "この上、さらに、英語・数学などでは高校1年ていどの範囲が偏差値60台以上の私立高校の入試では出てきます。", "title": "私立志望の場合" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "よって、私立志望者は、少なくとも半月~2.5か月ほど早く、国数英の3教科だけでも中学範囲を終わらせなければいけません。", "title": "私立志望の場合" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "時期的には、12月になるまでに、とりあえず一般的なレベルの偏差値50程度の国数英の高校入試対策は終わらせる必要があります。", "title": "私立志望の場合" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "だから推薦狙いの人以外、私立志望の人は、中学側に何を言われようが、先取り学習をして2~3か月、先に終わらせる必要があります。", "title": "私立志望の場合" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "", "title": "私立志望の場合" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "極端に欠席日数などが多いと、高校受験では面接の際、そう言ったことを高校側の面接官に質問されます。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "中学側から送られてくる書類などをもとに、そう言った情報を高校側は把握できます。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "なので、そう言った事も面接などの加点・減点の事項に入るのです。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "べつに中学側から送られてくる書類だけに限りません。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "ほか、親族が卒業生・在校生だと、加点という高校・大学も普通にあります。普通に募集要項などで公言されています。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "このように、試験以外も見られる一方、配点の比率が部外者には分からないので、いろいろなウワサ話が生まれます。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "たとえば「確約」(かくやく)だと言った私立高校受験システムの、うわさ話があります。確約とは、一般入試なのに、事前に合格が決まっている、というウワサです。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "しかし、そもそも推薦入試というシステムがありますので、普通の私立高校なら中学からの「推薦をもらってね」となるでしょうか。いちいち、「確約」という不明なシステムを利用する必要はありません。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "あるいは、地元の業者テストやその他の模試などの公開テストで高得点を取ると加点される、と言ったウワサ話もあります。このことを「確約」と言っている人もいます。しかし、仮にそれがあったとしても、せいぜい英検とか漢検とかの加点と同程度でしょう。当然ですが、業者テストでどんなに成績が良かろうが、実際の一般入試での成績が悪ければ落ちます。", "title": "高校受験では一般入試でも試験以外も見られる" } ]
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== 私立高校の出願とネットと合格後 == === 出願 === 私立高校に出願する場合、2020年代の現代では、インターネットでしか出願できない場合もあります。 家庭にネット環境が無い場合、余裕をもって事前にネット環境を整えましょう。 なお、決してネットだけでは出願は終わらず、ネット手続きの上で、郵送で、調査書など関係書類の一式を送る必要があります。このため、決して中学校に相談なく勝手に出願することはできません(中学に相談なしだと、調査書が無いので)。 一般に、推薦入試でなくとも、一般入試でも調査書を要求します。なお、受験書類の郵送は、書留(かきとめ)である必要があります。 おそらく教員が願書の書類を転記する事務作業が面倒なのでしょう。ともかく、私立高校の受験生の家庭はネット出願をする必要があります。 ;公立高校(余談) 逆に、公立高校などでは、郵送しか原則的には認めてない、といった高校もあります。中学側で同高校を受験する他生徒とまとめて出願、といった形式を原則とする高校もあります。おそらく、この際、中学側から高校にインターネットで生徒データが転送されていると思われます。 ;私立高校の受験料の振込み 私立受験の場合、受験料(検定料ともいう)の振込については、コンビニ振込みかクレジットカードか一部のスマホ電子マネーしか認めてない高校も多くあります。つまり、メガバンクですら一般の銀行振り込みを認めてない高校も多くあります(住友銀行とか三菱UFJ銀行とか みずほ銀行すら認めてない場合もある)。郵便局(ゆうちょ銀行)でも受験料を振り込みできない、ということを意味します。 なお、銀行振り込み自体は後日の入学金や学費などの振込で必要になります。 もはや、コンビニATMの無かった2000年以前とは、違います。 また、高校窓口での受験料納付を認めてない私立高校も多くあります。もし高校で納付の受付けを認めてしまうと、高校側の事務が大変です。 === 受験票の印刷 === また、受験票の印刷は、自分で行うことになります。家にプリンタが無くてもコンビニなどで印刷できますが、もしかしたらスマホおよび専用アプリが必要かもしれません。 受験票は、1枚あれば受験可能ですが、念のため、紛失(ふんしつ)や汚損(おそん)などのアクシデントを想定して、2~3枚ほど印刷しておくと安全でしょう。(20世紀生まれの親世代の常識(受験票が高校から郵送されてきた時代)とは違い、令和では受験票は2枚以上あっても構わない。なお、大学受験も同様、受験票は多めでも構わない。) 何らかのネット手続きでスマホ専用アプリが必要な場合があるので、ガラホだのガダスマだのといった機能制限ケータイでは上手く手続きできない場合が考えられます。なので、普通にフル機能のスマホを持っておくのが無難です。家庭に一人はスマホを持っておくようにすることになるかと思います。 写真は、写真屋で撮影したもらった画像データを使うのが無難でしょう。電子出願のサイトの説明図でも、学生がカメラマンに撮影してもらっています<ref>[https://www.mirai-compass.jp.net/photo_guide/ 顔写真登録ガイド ] </ref>。 無背景とか焦点のよくあった写真を家庭で用意するのは困難ですし、ライティングなどを家庭で行うのも難しいでしょう。 === 私立高校の合格後 === 私立高校受験の場合、合格発表から入学金の締め切りまでの期間が数日程度と短い場合が多いので、あらかじめ合格発表後の流れを知っておく必要と、お金を十分に用意しておく必要があります。 ;web合格発表 私立高校の合格発表も、多くはweb上での発表で、一般に高校ホームページでの発表です。後日、速達で合格通知が送られてくる高校もありますが(送らない高校もある)、先にwebで合格発表があります。 なお、合格通知を送る高校の場合は、後述する合格者登校日などの証明書として合格通知を使う場合があるので、たとえweb発表で合格が分かっても、合格通知を捨てないでください。 ;短い入学手続き期間の場合もある 有名大の付属校などの人気校は、合格発表から入学金までの手続きの期間がとても短い場合もあり(たった2~3日の場合もあります)、そのため合格通知よりも先に入学金などを納付しなければいけない場合もあるので、あらかじめ準備しておきましょう。 また、付属高に限らず、一般の私立進学校でも単願の合格者も同様、手続きの期間が短く、期間がたった2~3日の場合があります。 一度納入されたお金は、たとえ手続きミスであっても返還されません。たとえば、合格してないのに間違えて納入しても、返還されないのを覚悟すべきです。 さすがに私学の学費100万円以上を2~3日で納入させるのは残酷なので、30万円くらいの入学金だけだったりしますが、とにかく、入学金を合格発表後の数日中に銀行で振り込めるようにする必要があります。なお、入学後の4~5月などに残りの70万円以上を払う必要があります。 ;合格者登校日 なお、単願で合格した場合、普通は2月ごろの入学金締め切りの数日後に登校日(保護者同伴)があり、これを合格者登校日と言います。その登校日で、制服を採寸したりします。単願推薦入試合格者などと一緒の登校日かもしれません(高校にも寄る)。 もし制服採寸のお金が事前の入学金に含まれていない高校の場合、採寸日から数日のうちに銀行振込する必要があります。これもスケジュールがかなり厳しいので、あらかじめ準備しておいてください。 また、私立高校によっては、合格者登校日に無断で欠席すると、合格が取り消される場合もあります。 なので、合格者登校日の日にちは、他校の併願を入れられません。 受験日の早い1月ごろ受験をしている有名校の合格者登校日は、他の一般の私立高校の受験シーズンの2月に重なっていたりもしますので、注意してください。 合格者登校日の日程などの連絡は、高校によっては、中学経由で知らされる場合もあります。なので、きちんと中学の授業にも出席し続けてください。 合格者登校日が何度かある場合、一度目の登校日で「'''春休みの課題'''」を渡されて、二度目の登校日で課題提出、なんていう場合もあります。 :※ 『春休みの課題』については、『[[高校受験ガイド/高校合格後に向けて]]』で説明する。 合格者登校日のうちに'''3教科のテスト'''(国数英のテスト)があることも、私立進学校あるあるです。 新学期でなく登校日のうちにさっさと新クラス紹介とかある程度は進めておくという、私学運営の方法もあります。新学期は始業式などの最低限の挨拶と、クラスでの自己紹介が終わったら、さっさと授業を始めるのが私立進学校あるあるです。 いろいろ終わったら、公立も私立も、合格者登校日の最後は部活の見学とかが定番です。 {{コラム|春休みの課題| また、合格者登校日のときに、宿題などが課される場合があります。たとえば4月の入学までに高校レベルの英単語の動詞の過去形と過去分詞などを覚えさせられる宿題があるかもしれません。なので、合格しても遊べません。春休み中にテストがあったりします。 :なお、余談ですが、公立高校でも、たとえば埼玉県立の進学校である浦和(うらわ)高校では(公立入試の合格発表後の)春休みに数学Iの予習があります<ref>佐藤優 編著『埼玉県立浦和高校論文集』、K&Kプレス、2019年12月15日 第1刷 発行、P290</ref>。 「春休みの課題」というのが、ある程度以上の進学校では存在します<ref>佐藤優 編著『埼玉県立浦和高校論文集』、K&Kプレス、2019年12月15日 第1刷 発行、P290</ref>。進学校に進学するというのは、そういう意味ですので、覚悟しときましょう。 数学IAの教科書の冒頭は、中学で習った因数分解(2次式)の発展系で、3次式の因数分解ですが、そういうのは独学で可能なはずですので(※wiki注: 塾でも志望校合格者向けによく春休み中に3次式の因数分解など講義されます)、「春休みの課題」に出されたりします<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=gTJyWebprX8 塩浜進学教室 著『高校時代の思い出25 進学校は始業式から授業あり』、2023年12月10日ごろ ] 2023年12月11日に閲覧. </ref>。 進学校でない場合、課題の内容が、中学の復習です。復習用の問題集があり(「ブリッジ数学」とか「高校国語へのステップ-高校国語のための準備と練習」など)、それを春休み中の宿題に出されたりします。なお、「ブリッジ数学」や「高校〇〇へのステップ」などは学校専売品なので、生徒・保護者などの一般消費者は買えないです。 進学校での春休みの課題の典型例は、 :3次式までの因数分解、および2変数2次式の因数分解(※ 2次式のほうは高校受験の難関校の範囲)。 :英単語などの書き取り暗記。 であり、これは小テストが春休み中または4月に行われるのが私学の進学校では典型です。 これとは別に、春休みから :課題図書の読書感想文。 があるのも典型です。読書感想文は進学校でなくともあります。 読書感想文のほうは、提出日が4月の始業式よりも何週間かあとになる場合もありますが、(なぜなら文字数や難度によっては読むのに時間が掛かる事もありうるので)、ともかく読書感想文も宿題の典型例です。 進学校だと、上記のうち2つ以上の、春休み中の宿題とテストが出る場合もあります(たとえば 英単語+読書感想文 の宿題)。 }} さて、私学の話に戻ります。保護者連絡先なども、最初の登校日の際に確認されるでしょう。あらかじめ、合格通知とともに送られてくる書類などに連絡先や家族構成などを書いておく事になるかと思います。 なお、合格者登校日の際、1年の芸術科目の履修科目なども決めることになるかもしれません。なぜなら、学校で購入する教材に関わってくるからです。その他、選択科目が1年次にある場合も同様でしょう。 1回目の1~2月の合格者登校日とは別に、3月ごろ、2回目の合格者登校日がある場合もあります。 3月の登校日では、宿題の点検のための小テストとか、健康診断とか、年度明けの4月の学業を円滑に始められるための準備をする場合もあります。 高校によっては、3月の登校日のほうは「新入生オリエンテーション」とか別の名称で言い分けている場合もあります。要するに、オリエンテーションも登校日ですので、登校しましょう。 なお、公立高校でも、3月に合格者登校日があります。 病気の既往症(きおうしょう)なども(たとえば、結核(けっかく)、喘息(ぜんそく)、ネフローゼ症候群とか)、このあたりの時期に、高校に報告することになります。 高校から渡される「入学のしおり」に、検定教科書・参考書以外に、必要ならば購入しておいてほしい教材(たとえば英和辞典の買い替え)などが書かれている場合があります。該当者は、辞書などを買い替えることになります。 高校によっては「入学のしおり」という呼び名ではなく、「合格者の手引」とか「入学の手引」などの呼び名の場合もあります。 ;入学金以外の学費の振込 振込み口座が高校によって規定されている場合もあります。たとえば郵便局に限定とか。高校側から配布される「入学のしおり」とかに口座が書いてある場合もあります。 なお、PTA会費とか卒業後の同窓会費とか、最初から学費に組み込まれているのが私立あるあるです。いちいち徴収(ちょうしゅう)の手間が面倒なので。 == 年齢と高校受験 == === 私立高校の受験には年齢制限がある場合も === 私立高校の受験には、年齢制限がある場合があります。 とくに私立の進学校や大学付属校などの場合、浪人(高校受験浪人)は、その私立高校の受験を、高校側から認められない場合が私立では多いです。 私立校の進学校や大学付属校でも、たまに、年齢制限で16歳・17歳くらいまでの猶予が与えられてる場合があるのは、病気や天変地異などの特別な理由で進級・進学が遅れてしまう人がいるので、そういう特別な事情のある人のための特例措置です。 単なる浪人生は、こういった特例の条件には当てはまらないので、浪人生は私立の進学校・付属校への受験が認められないか、たとえ受験が認められたとしても高校浪人は面接試験での印象が良くないでしょう。 公立高校では高校受験の年齢制限はありませんが、将来の就職で、新卒時の年齢が高いと不利になる場合が多いです。 なので、もし第一志望の高校に落ちても、浪人はせずに、さっさと合格した高校に進学するのが良いでしょう。 == 私立志望の場合 == === 英検の加点など === 大学受験の一般入試は、基本的に試験の得点だけで合否が決まります。(あるいは、英検2級以上とかで加点とか。数検や漢検も同様。) しかし、私立高校の入試は、一般入試であっても、試験の得点と英検3級・淳2級やTOEICハイスコアなどの加点も、加味される場合があります。 ただし、現代では、これは事前に、中学側の教師などに保有資格を報告しておいて調査書のさいに一緒に保有資格も証明してもらうとか、個別相談会に英検の合格証(コピー不可)を持っていくとか<ref>[https://allabout.co.jp/gm/gc/431039/ 西村創『私立高校の個別相談の服装や持ち物は?併願優遇を手に入れる方法』2023年08月12日 ]</ref>、出願時に英検の証明書のコピーを同封するとか、とにかく事前に資格などを高校に証明する必要があります。どのような手続きかをするかは高校によるので、募集要項や春ごろの説明会などで事前に確認してください。 とりあえず、中学担任には、保有資格・検定をすべて報告するのが良いでしょう。また、検定の合格証は、大切に保管する必要があります。高校によっては、検定の合格証が加点措置に必要な場合があるからです。なので合格証はケースなどに入れて保管しましょう。もしケースが無いなら、文房具屋で購入しましょう。 個別相談会が11月や12月など入試シーズンの前にあるのは、そういう意味も兼ねています。 === 個別相談会とは === 「個別相談会」は、自己アピールの場でもある高校もあります。英検などの加点を個別相談会で行っている高校もあり、また、そのほかの自己アピールを見ている高校もあります<ref>[https://allabout.co.jp/gm/gc/431039/ 西村創『私立高校の個別相談の服装や持ち物は?併願優遇を手に入れる方法』2023年08月12日 ]</ref>。 ただし、高校によっては、出願の際の郵送で英検の証明書のコピーを送る場合もあります。相談会での資格の加点措置は行ってない場合もあります。高校によりけりなので、募集要項で確認してください。 === 受験日 === 一般に、私立高校の入試日は、公立よりも早いです。 高校入試では私立高校などで試験日が早い高校もあり(12月や1月上旬など)、公立中学ではまだ習ってない問題でも出題されます。なので、遅くとも3年の夏の、過去問を解き始めるころからは、予習をしはじめないといけません<ref>葉一(はいち) 著『自宅学習の教科書』、2021年3月16日 8刷発行、P.92</ref>。 そもそも高校入試までの時間なのですが、公立高校入試ですら、入試までは1年間(12か月)はありません。公立高校の入試については、一般に2月下旬にあるので、3年に進級した4月から入試までは公立入試まで9か月ちょっとです。 さらに、私立は多くの高校では公立よりも早く、冬休み明けの2月上旬に入試の場合は入試まで9か月、場合によっては冬休み前の12月に入試なら7か月、しか時間のない私立高校もあります。 なので、私立と公立の時間の差は、半月~2.5か月ていどの差です。 この上、さらに、英語・数学などでは高校1年ていどの範囲が偏差値60台以上の私立高校の入試では出てきます。 よって、私立志望者は、少なくとも半月~2.5か月ほど早く、国数英の3教科だけでも中学範囲を終わらせなければいけません。 時期的には、12月になるまでに、とりあえず一般的なレベルの偏差値50程度の国数英の高校入試対策は終わらせる必要があります。 だから推薦狙いの人以外、私立志望の人は、中学側に何を言われようが、先取り学習をして2~3か月、先に終わらせる必要があります。 == 高校受験では一般入試でも試験以外も見られる == 極端に欠席日数などが多いと、高校受験では面接の際、そう言ったことを高校側の面接官に質問されます。 中学側から送られてくる書類などをもとに、そう言った情報を高校側は把握できます。 なので、そう言った事も面接などの加点・減点の事項に入るのです。 べつに中学側から送られてくる書類だけに限りません。 ほか、親族が卒業生・在校生だと、加点という高校・大学も普通にあります。普通に募集要項などで公言されています。 このように、試験以外も見られる一方、配点の比率が部外者には分からないので、いろいろなウワサ話が生まれます。 たとえば「確約」(かくやく)だと言った私立高校受験システムの、うわさ話があります。確約とは、一般入試なのに、事前に合格が決まっている、というウワサです。 しかし、そもそも推薦入試というシステムがありますので、普通の私立高校なら中学からの「推薦をもらってね」となるでしょうか。いちいち、「確約」という不明なシステムを利用する必要はありません。 あるいは、地元の業者テストやその他の模試などの公開テストで高得点を取ると加点される、と言ったウワサ話もあります。このことを「確約」と言っている人もいます。しかし、仮にそれがあったとしても、せいぜい英検とか漢検とかの加点と同程度でしょう。当然ですが、業者テストでどんなに成績が良かろうが、実際の一般入試での成績が悪ければ落ちます。 == 参考文献 == === 書籍 === * 佐藤優 編著『埼玉県立浦和高校論文集』、K&Kプレス、2019年12月15日 第1刷 発行 * 葉一(はいち) 著『自宅学習の教科書』、2021年3月16日 8刷発行 === 脚注 ===
2024-03-07T21:41:24Z
2024-03-31T03:50:42Z
[ "テンプレート:コラム" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E5%8F%97%E9%A8%93%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89/%E7%A7%81%E7%AB%8B%E5%BF%97%E6%9C%9B%E3%81%AE%E6%9C%80%E4%BD%8E%E9%99%90%E3%81%AE%E6%B3%A8%E6%84%8F%E4%BA%8B%E9%A0%85
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高校受験ガイド/偏差値・倍率など数値データの分析法
偏差値(へんさち)とは、統計学的な処理をして、平均点の人を偏差値=50として、偏差値55が上位30%、偏差値60が上位15%、あたりになる指標です。高校数学で習う「正規分布」(せいきぶんぷ)という計算法を活用しています。 倍率(ばいりつ)とは、受験者数を募集定員で割った比です。たとえば倍率「4倍」の高校なら、4人受けたうちの3人は不合格で、1人は合格した、という意味です。 私立高校の場合、募集定員よりかなり多めの合格者を出すのが普通です。 たとえば、200名しか一般入試で募集していないのに、実際は400名も合格者を出すような私立高校があります。 この理由は、私立は併願によって合格しても入学辞退をする生徒もあるので、何倍も多く出すからです。 もし受験者数が410名だとしたら、募集上の倍率(応募倍率)は2倍以上のやや難関高校ですが、しかし実際の受験の倍率(受験倍率)は1.1倍以下という、算出方法によって倍近い開きのあることもあります。 このように、実際の合格者で計算した「受験者数÷合格者」で算出される倍率のことを実倍率と言います。 いっぽう、公立の場合、そんな2倍も3倍も多いような合格者を出す事は無く、せいぜい定員オーバー人数が5名~10名ていどの1.1倍以下くらいの定員オーバーなのが普通です。 さて、高校受験の倍率には、次の3種類があります。 なお、公立高校の上記の倍率を調べたい場合、教育委員会などが公表していると思います。私立高校の場合は、その高校のサイトで公表している学校もあるでしょう。 さて上述したように、私立高校では、実倍率が応募倍率と2~3倍ちかくも違っている場合もあります。 私立高校を受験する場合、このような事を見越して、応募倍率などに惑わされないようにする必要があります。 なお、模試の倍率は、基本的に応募倍率です。このため私学受験では、模試での合格予想の判定と、実際の受験時の合格・不合格の傾向は、けっこう違います。 ところで、私立高校で合格者がまったく辞退しなかった場合、果たしてどうなるのかは、分かりません。きっと1クラス(40人ではなく)80人以上の「すし詰め教室」になるのでしょうか? なお、高校の公式webサイトにある「募集人数」は、けっしてサイト閲覧次点での入試直前の募集人数ではなく(たとえば入試前の年明け前の12月に見ても、けっして年明け入試のこれからの募集人員ではない)、すでに年度開始(3~4月ごろ)に公表した募集要項にある募集人員のままです。なので、募集人員が「男女200名」と書かれていても、そのうちの例えば十数名はすでに推薦者などで、一般入試より前に決まっている可能性があります。 少なからず、入試の偏差値が高いのに倍率が低い高校があります。たとえば、偏差値65なのに倍率1.1の高校もあります。これはどういう事でしょうか? いろいろな理由が考えられます。下記に述べます。 まず、偏差値は通常、模試による偏差値です。なので、実際には受験しない人でも、模試では志望校に書いたりします。 たとえば東北や九州などの地方に住んでいる受験生で、東京に進学できない家庭の人なのに、模試では東京・首都圏の知名度の高い私立高校を志望先に書いたりするような場合もあるので、決して偏差値だけを参考にしてはいけません。 あなたが競争すべき相手は、けっして西日本や東北・北海道に住んでいるのに東京の進学校を模試で志望先にするような人ではなく、地元の都道府県や、せいぜい隣の都道府県に住んでいる受験生だけです。 高校受験では、そういった近隣に住んでいる受験生との競争に勝てばいいのです。 また、進学校の多い地域などだと、実際の受験では、近隣の受験生が、多くの高校にばらけるので、高校進学実績が良いにもかかわらず意外と倍率が小さい場合もよくあります。 倍率が低いと合格しやすいのでしょうか? そうとは限りません。 偏差値の高い私立高校の場合、その私立が定める合格基準点に、もし受験生の入試得点が到達していない場合は、たとえ倍率が1を下回っても、その低得点の不合格者には合格を出しません。 とはいえ実際の倍率が低いと、高校の偏差値の高さにかかわらず受験すると意外と合格する場合もあります。よほど試験の成績が悪くないかぎりは。 しかし、その高校の授業は高い偏差値を前提として難しい授業や早い学習進度があるので、もし偏差値の低い人が無理に合格して進学しても、授業についていくのが大変になる場合もあります。ついていけないだけならまだしも、留年や、留年の繰り返しなどの成績不振による退学のリスクも高くなります。 たいていの場合、ついていけない場合は、より偏差値の低い高校への転校を推奨されます。 なので、あまりにも現状の偏差値よりも高い高校に進学するのは、リスクがありますので、良く考えましょう。たとえば、偏差値45の人が進学先として偏差値65とかの理系の進学高校とかに進学するのは、おすすめしません。 また、たとえ大学付属校などに進学できたとしても、成績が悪すぎると、系列の大学への推薦をもらえない場合も高くなります。 なので、倍率や偏差値だけを見るのではなく、卒業生の進学実績の統計も見ましょう。 ただまあ、この進学実績も、意外と外部からは実態が分かりづらいものです。 たとえば、「わが高校は日大(私立の日本大学のこと)に合格者100人」とかでも、うち日大の理系の学部に50人の合格者を出してるのか、それとも文系学部だけで100人なのかで、まったく意味合いが違います。 卒業生のプライバシー保護があるので、高校側はあまり細かく卒業生の学部学科までは公表しません。 あるいは、たとえば東京理科大など理系の「単科大学」(たんかだいがく)への合格実績を参考にしようにも、その理科大とかあるいは芝浦工大とかにも経済学・経営学系の学科みたいな文系の学科もありますので、合格者の人数だけでは卒業生の文理の実態は不明です。20世紀のかつては理系の「単科大学」と言われていた私立理系の大学にも、じつは21世紀には文系の学科が設立されていますので、進学先の学校名だけでは21世紀では文理の実態は不明です。 結局、高校への見学やその他の調査をきちんとするしか、高校の進学実績の実態を知ることはできません。 芸術系の学科や、体育系の学科の偏差値は、例外的です。 体育科や芸術系学科などの高校は、受験科目に実技試験がありますが、しかし模試には実技試験が無いので、偏差値の精度はあまりよくありません。 模試には実技試験が無いので実態が分かりづらく、そのため、倍率から機械的に偏差値を算出したりしています。一例として、倍率2倍の高校 = 偏差値50 と置いて、ほかの高校は独自の計算法で算出したりしています(模試によって計算方法は異なる可能性がある)。 よって、「A高校は偏差値60の音楽高校である」と言っても、必ずしもA高校がお勉強が出来ることで偏差値60の高校とは限らないのです。一般大学を志望している人は、気を付けてください。
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== 偏差値と倍率 == === 偏差値とは?倍率とは? === '''偏差値'''(へんさち)とは、統計学的な処理をして、平均点の人を偏差値=50として、偏差値55が上位30%、偏差値60が上位15%、あたりになる指標です。高校数学で習う「正規分布」(せいきぶんぷ)という計算法を活用しています。 '''倍率'''(ばいりつ)とは、受験者数を募集定員で割った比です。たとえば倍率「4倍」の高校なら、4人受けたうちの3人は不合格で、1人は合格した、という意味です。 ==== 実倍率など ==== 私立高校の場合、募集定員よりかなり多めの合格者を出すのが普通です。 たとえば、200名しか一般入試で募集していないのに、実際は400名も合格者を出すような私立高校があります。 この理由は、私立は併願によって合格しても入学辞退をする生徒もあるので、何倍も多く出すからです。 もし受験者数が410名だとしたら、募集上の倍率(応募倍率)は2倍以上のやや難関高校ですが、しかし実際の受験の倍率(受験倍率)は1.1倍以下という、算出方法によって倍近い開きのあることもあります。 このように、実際の合格者で計算した「受験者数÷合格者」で算出される倍率のことを'''実倍率'''と言います。 いっぽう、公立の場合、そんな2倍も3倍も多いような合格者を出す事は無く、せいぜい定員オーバー人数が5名~10名ていどの1.1倍以下くらいの定員オーバーなのが普通です。 さて、高校受験の倍率には、次の3種類があります。 :応募倍率 = 募集定員÷志願者数 :受験倍率 = 募集定員÷受験者数 :実倍率 = 受験者数÷合格者数 なお、公立高校の上記の倍率を調べたい場合、教育委員会などが公表していると思います。私立高校の場合は、その高校のサイトで公表している学校もあるでしょう。 さて上述したように、私立高校では、実倍率が応募倍率と2~3倍ちかくも違っている場合もあります。 私立高校を受験する場合、このような事を見越して、応募倍率などに惑わされないようにする必要があります。 なお、模試の倍率は、基本的に応募倍率です。このため私学受験では、模試での合格予想の判定と、実際の受験時の合格・不合格の傾向は、けっこう違います。 ところで、私立高校で合格者がまったく辞退しなかった場合、果たしてどうなるのかは、分かりません。きっと1クラス(40人ではなく)80人以上の「すし詰め教室」になるのでしょうか? なお、高校の公式webサイトにある「募集人数」は、けっしてサイト閲覧次点での入試直前の募集人数ではなく(たとえば入試前の年明け前の12月に見ても、けっして年明け入試のこれからの募集人員'''ではない''')、すでに年度開始(3~4月ごろ)に公表した募集要項にある募集人員のままです。なので、募集人員が「男女200名」と書かれていても、そのうちの例えば十数名はすでに推薦者などで、一般入試より前に決まっている可能性があります。 === 偏差値が高いのに倍率の低い高校について === 少なからず、入試の偏差値が高いのに倍率が低い高校があります。たとえば、偏差値65なのに倍率1.1の高校もあります。これはどういう事でしょうか? いろいろな理由が考えられます。下記に述べます。 ;受験しない人が模試で志望して偏差値を上げている可能性 まず、偏差値は通常、模試による偏差値です。なので、実際には受験しない人でも、模試では志望校に書いたりします。 たとえば東北や九州などの地方に住んでいる受験生で、東京に進学できない家庭の人なのに、模試では東京・首都圏の知名度の高い私立高校を志望先に書いたりするような場合もあるので、決して偏差値だけを参考にしてはいけません。 あなたが競争すべき相手は、けっして西日本や東北・北海道に住んでいるのに東京の進学校を模試で志望先にするような人ではなく、地元の都道府県や、せいぜい隣の都道府県に住んでいる受験生だけです。 高校受験では、そういった近隣に住んでいる受験生との競争に勝てばいいのです。 ;進学高校が多い地域だと倍率が下がる また、進学校の多い地域などだと、実際の受験では、近隣の受験生が、多くの高校にばらけるので、高校進学実績が良いにもかかわらず意外と倍率が小さい場合もよくあります。 === 倍率が低い高校への合格 === 倍率が低いと合格しやすいのでしょうか? そうとは限りません。 偏差値の高い私立高校の場合、その私立が定める'''合格基準点'''に、もし受験生の入試得点が到達していない場合は、たとえ倍率が1を下回っても、その低得点の不合格者には合格を出しません<ref>[https://www.wasedazemi.com/column/highschool-admissionrate/ 早稲田ゼミ]</ref>。 とはいえ実際の倍率が低いと、高校の偏差値の高さにかかわらず受験すると意外と合格する場合もあります。よほど試験の成績が悪くないかぎりは。 しかし、その高校の授業は高い偏差値を前提として難しい授業や早い学習進度があるので、もし偏差値の低い人が無理に合格して進学しても、授業についていくのが大変になる場合もあります。ついていけないだけならまだしも、留年や、留年の繰り返しなどの成績不振による退学のリスクも高くなります。 たいていの場合、ついていけない場合は、より偏差値の低い高校への転校を推奨されます。 なので、あまりにも現状の偏差値よりも高い高校に進学するのは、リスクがありますので、良く考えましょう。たとえば、偏差値45の人が進学先として偏差値65とかの理系の進学高校とかに進学するのは、おすすめしません。 また、たとえ大学付属校などに進学できたとしても、成績が悪すぎると、系列の大学への推薦をもらえない場合も高くなります。 なので、倍率や偏差値だけを見るのではなく、卒業生の進学実績の統計も見ましょう。 ただまあ、この進学実績も、意外と外部からは実態が分かりづらいものです。 たとえば、「わが高校は日大(私立の日本大学のこと)に合格者100人」とかでも、うち日大の理系の学部に50人の合格者を出してるのか、それとも文系学部だけで100人なのかで、まったく意味合いが違います。 卒業生のプライバシー保護があるので、高校側はあまり細かく卒業生の学部学科までは公表しません。 あるいは、たとえば東京理科大など理系の「単科大学」(たんかだいがく)への合格実績を参考にしようにも、その理科大とかあるいは芝浦工大とかにも経済学・経営学系の学科みたいな文系の学科もありますので、合格者の人数だけでは卒業生の文理の実態は不明です。20世紀のかつては理系の「単科大学」と言われていた私立理系の大学にも、じつは21世紀には文系の学科が設立されていますので、進学先の学校名だけでは21世紀では文理の実態は不明です。 結局、高校への見学やその他の調査をきちんとするしか、高校の進学実績の実態を知ることはできません。 === 芸術系・体育系の学科の偏差値は変則的 === 芸術系の学科や、体育系の学科の偏差値は、例外的です。 体育科や芸術系学科などの高校は、受験科目に実技試験がありますが、しかし模試には実技試験が無いので、偏差値の精度はあまりよくありません。 模試には実技試験が無いので実態が分かりづらく、そのため、倍率から機械的に偏差値を算出したりしています。一例として、倍率2倍の高校 = 偏差値50 と置いて、ほかの高校は独自の計算法で算出したりしています(模試によって計算方法は異なる可能性がある)。 よって、「A高校は偏差値60の音楽高校である」と言っても、必ずしもA高校がお勉強が出来ることで偏差値60の高校とは限らないのです。一般大学を志望している人は、気を付けてください。 == 脚注 ==
2024-03-07T21:54:32Z
2024-03-11T02:40:47Z
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高校受験ガイド/偏差値・倍率など数値データの分析法
偏差値(へんさち)とは、統計学的な処理をして、平均点の人を偏差値=50として、偏差値55が上位30%、偏差値60が上位15%、あたりになる指標です。高校数学で習う「正規分布」(せいきぶんぷ)という計算法を活用しています。 倍率(ばいりつ)とは、受験者数を募集定員で割った比です。たとえば倍率「4倍」の高校なら、4人受けたうちの3人は不合格で、1人は合格した、という意味です。 私立高校の場合、募集定員よりかなり多めの合格者を出すのが普通です。 たとえば、200名しか一般入試で募集していないのに、実際は400名も合格者を出すような私立高校があります。 この理由は、私立は併願によって合格しても入学辞退をする生徒もあるので、何倍も多く出すからです。 もし受験者数が410名だとしたら、募集上の倍率(応募倍率)は2倍以上のやや難関高校ですが、しかし実際の受験の倍率(受験倍率)は1.1倍以下という、算出方法によって倍近い開きのあることもあります。 このように、実際の合格者で計算した「受験者数÷合格者」で算出される倍率のことを実倍率と言います。 いっぽう、公立の場合、そんな2倍も3倍も多いような合格者を出す事は無く、せいぜい定員オーバー人数が5名~10名ていどの1.1倍以下くらいの定員オーバーなのが普通です。 さて、高校受験の倍率には、次の3種類があります。 なお、公立高校の上記の倍率を調べたい場合、教育委員会などが公表していると思います。私立高校の場合は、その高校のサイトで公表している学校もあるでしょう。 さて上述したように、私立高校では、実倍率が応募倍率と2~3倍ちかくも違っている場合もあります。 私立高校を受験する場合、このような事を見越して、応募倍率などに惑わされないようにする必要があります。 なお、模試の倍率は、基本的に応募倍率です。このため私学受験では、模試での合格予想の判定と、実際の受験時の合格・不合格の傾向は、けっこう違います。 ところで、私立高校で合格者がまったく辞退しなかった場合、果たしてどうなるのかは、分かりません。きっと1クラス(40人ではなく)80人以上の「すし詰め教室」になるのでしょうか? なお、高校の公式webサイトにある「募集人数」は、けっしてサイト閲覧次点での入試直前の募集人数ではなく(たとえば入試前の年明け前の12月に見ても、けっして年明け入試のこれからの募集人員ではない)、すでに年度開始(3~4月ごろ)に公表した募集要項にある募集人員のままです。なので、募集人員が「男女200名」と書かれていても、そのうちの例えば十数名はすでに推薦者などで、一般入試より前に決まっている可能性があります。 少なからず、入試の偏差値が高いのに倍率が低い高校があります。たとえば、偏差値65なのに倍率1.1の高校もあります。これはどういう事でしょうか? いろいろな理由が考えられます。下記に述べます。 まず、偏差値は通常、模試による偏差値です。なので、実際には受験しない人でも、模試では志望校に書いたりします。 たとえば東北や九州などの地方に住んでいる受験生で、東京に進学できない家庭の人なのに、模試では東京・首都圏の知名度の高い私立高校を志望先に書いたりするような場合もあるので、決して偏差値だけを参考にしてはいけません。 あなたが競争すべき相手は、けっして西日本や東北・北海道に住んでいるのに東京の進学校を模試で志望先にするような人ではなく、地元の都道府県や、せいぜい隣の都道府県に住んでいる受験生だけです。 高校受験では、そういった近隣に住んでいる受験生との競争に勝てばいいのです。 また、進学校の多い地域などだと、実際の受験では、近隣の受験生が、多くの高校にばらけるので、高校進学実績が良いにもかかわらず意外と倍率が小さい場合もよくあります。 倍率が低いと合格しやすいのでしょうか? そうとは限りません。 偏差値の高い私立高校の場合、その私立が定める合格基準点に、もし受験生の入試得点が到達していない場合は、たとえ倍率が1を下回っても、その低得点の不合格者には合格を出しません。 とはいえ実際の倍率が低いと、高校の偏差値の高さにかかわらず受験すると意外と合格する場合もあります。よほど試験の成績が悪くないかぎりは。 しかし、その高校の授業は高い偏差値を前提として難しい授業や早い学習進度があるので、もし偏差値の低い人が無理に合格して進学しても、授業についていくのが大変になる場合もあります。ついていけないだけならまだしも、留年や、留年の繰り返しなどの成績不振による退学のリスクも高くなります。 たいていの場合、ついていけない場合は、より偏差値の低い高校への転校を推奨されます。 なので、あまりにも現状の偏差値よりも高い高校に進学するのは、リスクがありますので、良く考えましょう。たとえば、偏差値45の人が進学先として偏差値65とかの理系の進学高校とかに進学するのは、おすすめしません。 また、たとえ大学付属校などに進学できたとしても、成績が悪すぎると、系列の大学への推薦をもらえない場合も高くなります。 なので、倍率や偏差値だけを見るのではなく、卒業生の進学実績の統計も見ましょう。 ただまあ、この進学実績も、意外と外部からは実態が分かりづらいものです。 たとえば、「わが高校は日大(私立の日本大学のこと)に合格者100人」とかでも、うち日大の理系の学部に50人の合格者を出してるのか、それとも文系学部だけで100人なのかで、まったく意味合いが違います。 卒業生のプライバシー保護があるので、高校側はあまり細かく卒業生の学部学科までは公表しません。 あるいは、たとえば東京理科大など理系の「単科大学」(たんかだいがく)への合格実績を参考にしようにも、その理科大とかあるいは芝浦工大とかにも経済学・経営学系の学科みたいな文系の学科もありますので、合格者の人数だけでは卒業生の文理の実態は不明です。20世紀のかつては理系の「単科大学」と言われていた私立理系の大学にも、じつは21世紀には文系の学科が設立されていますので、進学先の学校名だけでは21世紀では文理の実態は不明です。 結局、高校への見学やその他の調査をきちんとするしか、高校の進学実績の実態を知ることはできません。 芸術系の学科や、体育系の学科の偏差値は、例外的です。 体育科や芸術系学科などの高校は、受験科目に実技試験がありますが、しかし模試には実技試験が無いので、偏差値の精度はあまりよくありません。 模試には実技試験が無いので実態が分かりづらく、そのため、倍率から機械的に偏差値を算出したりしています。一例として、倍率2倍の高校 = 偏差値50 と置いて、ほかの高校は独自の計算法で算出したりしています(模試によって計算方法は異なる可能性がある)。 よって、「A高校は偏差値60の音楽高校である」と言っても、必ずしもA高校がお勉強が出来ることで偏差値60の高校とは限らないのです。一般大学を志望している人は、気を付けてください。
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== 偏差値と倍率 == === 偏差値とは?倍率とは? === '''偏差値'''(へんさち)とは、統計学的な処理をして、平均点の人を偏差値=50として、偏差値55が上位30%、偏差値60が上位15%、あたりになる指標です。高校数学で習う「正規分布」(せいきぶんぷ)という計算法を活用しています。 '''倍率'''(ばいりつ)とは、受験者数を募集定員で割った比です。たとえば倍率「4倍」の高校なら、4人受けたうちの3人は不合格で、1人は合格した、という意味です。 ==== 実倍率など ==== 私立高校の場合、募集定員よりかなり多めの合格者を出すのが普通です。 たとえば、200名しか一般入試で募集していないのに、実際は400名も合格者を出すような私立高校があります。 この理由は、私立は併願によって合格しても入学辞退をする生徒もあるので、何倍も多く出すからです。 もし受験者数が410名だとしたら、募集上の倍率(応募倍率)は2倍以上のやや難関高校ですが、しかし実際の受験の倍率(受験倍率)は1.1倍以下という、算出方法によって倍近い開きのあることもあります。 このように、実際の合格者で計算した「受験者数÷合格者」で算出される倍率のことを'''実倍率'''と言います。 いっぽう、公立の場合、そんな2倍も3倍も多いような合格者を出す事は無く、せいぜい定員オーバー人数が5名~10名ていどの1.1倍以下くらいの定員オーバーなのが普通です。 さて、高校受験の倍率には、次の3種類があります。 :応募倍率 = 募集定員÷志願者数 :受験倍率 = 募集定員÷受験者数 :実倍率 = 受験者数÷合格者数 なお、公立高校の上記の倍率を調べたい場合、教育委員会などが公表していると思います。私立高校の場合は、その高校のサイトで公表している学校もあるでしょう。 さて上述したように、私立高校では、実倍率が応募倍率と2~3倍ちかくも違っている場合もあります。 私立高校を受験する場合、このような事を見越して、応募倍率などに惑わされないようにする必要があります。 なお、模試の倍率は、基本的に応募倍率です。このため私学受験では、模試での合格予想の判定と、実際の受験時の合格・不合格の傾向は、けっこう違います。 ところで、私立高校で合格者がまったく辞退しなかった場合、果たしてどうなるのかは、分かりません。きっと1クラス(40人ではなく)80人以上の「すし詰め教室」になるのでしょうか? なお、高校の公式webサイトにある「募集人数」は、けっしてサイト閲覧次点での入試直前の募集人数ではなく(たとえば入試前の年明け前の12月に見ても、けっして年明け入試のこれからの募集人員'''ではない''')、すでに年度開始(3~4月ごろ)に公表した募集要項にある募集人員のままです。なので、募集人員が「男女200名」と書かれていても、そのうちの例えば十数名はすでに推薦者などで、一般入試より前に決まっている可能性があります。 === 偏差値が高いのに倍率の低い高校について === 少なからず、入試の偏差値が高いのに倍率が低い高校があります。たとえば、偏差値65なのに倍率1.1の高校もあります。これはどういう事でしょうか? いろいろな理由が考えられます。下記に述べます。 ;受験しない人が模試で志望して偏差値を上げている可能性 まず、偏差値は通常、模試による偏差値です。なので、実際には受験しない人でも、模試では志望校に書いたりします。 たとえば東北や九州などの地方に住んでいる受験生で、東京に進学できない家庭の人なのに、模試では東京・首都圏の知名度の高い私立高校を志望先に書いたりするような場合もあるので、決して偏差値だけを参考にしてはいけません。 あなたが競争すべき相手は、けっして西日本や東北・北海道に住んでいるのに東京の進学校を模試で志望先にするような人ではなく、地元の都道府県や、せいぜい隣の都道府県に住んでいる受験生だけです。 高校受験では、そういった近隣に住んでいる受験生との競争に勝てばいいのです。 ;進学高校が多い地域だと倍率が下がる また、進学校の多い地域などだと、実際の受験では、近隣の受験生が、多くの高校にばらけるので、高校進学実績が良いにもかかわらず意外と倍率が小さい場合もよくあります。 === 倍率が低い高校への合格 === 倍率が低いと合格しやすいのでしょうか? そうとは限りません。 偏差値の高い私立高校の場合、その私立が定める'''合格基準点'''に、もし受験生の入試得点が到達していない場合は、たとえ倍率が1を下回っても、その低得点の不合格者には合格を出しません<ref>[https://www.wasedazemi.com/column/highschool-admissionrate/ 早稲田ゼミ『公立高校の倍率が高くても不安になってはいけない理由(2023年最新) 』2023.08.24]2024年03月31日に閲覧.</ref>。 とはいえ実際の倍率が低いと、高校の偏差値の高さにかかわらず受験すると意外と合格する場合もあります。よほど試験の成績が悪くないかぎりは。 しかし、その高校の授業は高い偏差値を前提として難しい授業や早い学習進度があるので、もし偏差値の低い人が無理に合格して進学しても、授業についていくのが大変になる場合もあります。ついていけないだけならまだしも、留年や、留年の繰り返しなどの成績不振による退学のリスクも高くなります。 たいていの場合、ついていけない場合は、より偏差値の低い高校への転校を推奨されます。 なので、あまりにも現状の偏差値よりも高い高校に進学するのは、リスクがありますので、良く考えましょう。たとえば、偏差値45の人が進学先として偏差値65とかの理系の進学高校とかに進学するのは、おすすめしません。 また、たとえ大学付属校などに進学できたとしても、成績が悪すぎると、系列の大学への推薦をもらえない場合も高くなります。 なので、倍率や偏差値だけを見るのではなく、卒業生の進学実績の統計も見ましょう。 ただまあ、この進学実績も、意外と外部からは実態が分かりづらいものです。 たとえば、「わが高校は日大(私立の日本大学のこと)に合格者100人」とかでも、うち日大の理系の学部に50人の合格者を出してるのか、それとも文系学部だけで100人なのかで、まったく意味合いが違います。 卒業生のプライバシー保護があるので、高校側はあまり細かく卒業生の学部学科までは公表しません。 あるいは、たとえば東京理科大など理系の「単科大学」(たんかだいがく)への合格実績を参考にしようにも、その理科大とかあるいは芝浦工大とかにも経済学・経営学系の学科みたいな文系の学科もありますので、合格者の人数だけでは卒業生の文理の実態は不明です。20世紀のかつては理系の「単科大学」と言われていた私立理系の大学にも、じつは21世紀には文系の学科が設立されていますので、進学先の学校名だけでは21世紀では文理の実態は不明です。 結局、高校への見学やその他の調査をきちんとするしか、高校の進学実績の実態を知ることはできません。 === 芸術系・体育系の学科の偏差値は変則的 === 芸術系の学科や、体育系の学科の偏差値は、例外的です。 体育科や芸術系学科などの高校は、受験科目に実技試験がありますが、しかし模試には実技試験が無いので、偏差値の精度はあまりよくありません。 模試には実技試験が無いので実態が分かりづらく、そのため、倍率から機械的に偏差値を算出したりしています。一例として、倍率2倍の高校 = 偏差値50 と置いて、ほかの高校は独自の計算法で算出したりしています(模試によって計算方法は異なる可能性がある)。 よって、「A高校は偏差値60の音楽高校である」と言っても、必ずしもA高校がお勉強が出来ることで偏差値60の高校とは限らないのです。一般大学を志望している人は、気を付けてください。 == 脚注 ==
2024-03-07T21:54:32Z
2024-03-31T03:48:38Z
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高校受験ガイド/一条校と非一条校
日本の普通の公立中学を卒業した場合、多くの人が進学する学校は、教育行政などで「一条校」(いちじょうこう)と言われる類の学校のうちの、高校レベルの学校です。 日本には、日本以外にも外国の民族学校や、ほかにも障害者などの通う学校があります。 外国の民族学校は、普通、「一条校」ではないのです。たとえ外国の民族学校を卒業しても、それだけでは日本の大学への受験資格は得らないのが普通です。非一条校の卒業でどうしても日本の大学に進学したい場合、高卒認定試験などに合格する必要があったり、あるいは別の一条校に入学する必要があるなど、なかなか面倒です。 「インターナショナルスクール」と言われる学校も、一条校ではないので、そこを卒業しても日本の大学受験資格は、それだけでは得られません。 フリースクールなども同様、非・一条校ですので、そこを卒業しても日本の大学受験資格は得られません。 外国の民族学校などが「高等学園」とか「高等学院」とかの名前をなのっている場合もあります。 日本の大学に進学したいなら、一条校に進学しましょう。普通、一条校の高校は、「高等学校」を名乗っているはずです。 学校教育法 第135条 第1項において、一条校でない教育施設(一条校として設置・認可されていない教育施設)は、「幼稚園」、「小学校」、「中学校」、「義務教育学校」、「高等学校」、「中等教育学校」、「特別支援学校」、「大学」、「短期大学」、「高等専門学校」または「大学院」の名称を用いてはならないと定められています。 なお、非一条校でも略称として「高校」を名乗る場合があります。 フリースクールなどでは、中学卒業したばかりの子供の受け入れ先では「高等部」などを名乗っており、たとえば「○○学園 高等部」みたいに名乗っていたりするわけです。学校教育法の規定により「高等学校」を名乗れないので、フリースクールでは「高等部」を名乗っているわけです。 日本の大学への受験資格を得たい場合は、一条校である高等学校または高等専門学校または中等教育学校(いわゆる「中高一貫校」)または障碍者向けの盲(もう)学校か聾(ろう)学校か養護(ようご)学校などの高校教育相当の課程に進学する必要があります。 駿台予備学校、河合塾、代々木ゼミナールなどのように、非一条校であっても、行政から学校として認可されていたり、あるいは「学校法人」などとして認可を受けている場合があります。 学校法人であることと、一条校であるかどうかは、全くの別物です。予備校などですら、学校法人として認可を受けている予備校もあります。 たとえば、大手の予備校である駿台(すんだい)予備学校、河合塾(かわいじゅく)、代々木(よよぎ)ゼミナールは学校法人です。しかし、これらの予備校に在籍しようが、なにも大学受験資格とは関係ありません。なお、これらの予備校は学校法人なので、電車でそれらの予備校に通う人は通学定期券を購入できる可能性が高いです。予備校の経営側にとっては、学校法人として認可を受けることで税金面で優遇されます。 なお、高校教育は教育行政では「中等教育」に分類されます(高校は「後期中等教育」である)。「高等教育」とは大学相当の教育のことです。 大学進学に限らず、日本の高校スポーツ大会などの日本の高校生むけの部活の大会に参加したいなら(全国大会に出れるかどうかはともかく)、一条校である必要があるのが普通です。 なお、文部科学省管轄外(かんかつ がい)である(他省庁の管轄している)警察大学校や税務大学校なども一条校ではないのですが、しかし中学を卒業するばかりの子どもには関係のない話です。 ほか、カルチャーセンターなどで、「○○大学」や「〇〇大学院」などを名乗っている場合もあります。市役所など公営施設で、これらのカルチャーセンターのパンフレットが無料配布されている場合もありますが、しかしこれらのカルチャーセンターは一条校ではないので、卒業しても大卒の資格は全く得られません。市町村や場合によっては県が支援している公営のカルチャーセンターも日本には各地に存在しますが、断じて一条校の大学ではないので、勘違いしないでください。 基本的に、市販の「大学受験ガイド」に載っている大学が一条校です。 カルチャーセンターのパンフレットの中には立派な印刷代の高そうなパンフレットもあるので、パッと見で一般の大学の新設校っぽく見えてしまう場合もありますが、カルチャーセンターはカルチャーセンターです。 ほか、マンガだと、学問モノのマンガとかで、よく「〇〇学園 中等部」とか「〇〇学院 高等部」とか作中の私立が名乗っていますが、実際には現実の私立中学・高校の多くは「中等部」「高等部」を基本的には名乗りません。教育基本法などの規制により本物の中学校および高等学校でない組織は、「中学校」や「高等学校」を名乗るのが禁止されています。おそらくマンガでは法的な事情で、名門私立っぽい学校がしかたなく「中等部」とか「高等部」とか名乗っているだけでしょう。 なお、私立の青山学院大学と早稲田大学と慶應義塾(けいおうぎじゅく)大学(※いわゆる「慶応大」))の付属校の名前はやや例外的です。両校とも一条校です。 他にも「中等部」「高等部」を名乗る一条校はあるかもしれませんが、キリがないので、紹介は早慶マーチに限定します。 青山学院大学の渋谷にある付属高校は「青山学院 高等部」を名乗っていますが、一条校のはずです。(なので、青山学院の高等部を卒業すれば、日本の普通の大学を受験できて、大学受験に合格すればそれらの大学に進学できる。)このように、「高等部」を名乗っていても一条校の学校も、少数ですが存在します。 (私大の青学の付属・系列高校とは全く別に)公立の東京都立青山高校というのが渋谷にあるので、混同しないように区別のためもあるかと思います。なお、渋谷には「青山」という市町村の名前はないです。都立青山高校は渋谷区神宮前にあります。青山学院の高校のほうも東京都渋谷区渋谷です。東京都の港区にある赤坂に青山という地名があり、両校ともそこが発祥(はっしょう)の地なので「青山」を名乗っています。港区の青山に、公立の青山中学とか色々とあるので、区別のために私立青山のほうが「中等部」とか名乗るのは合理的でしょう。 早稲田大付属については、早稲田大学の付属校のひとつであり(高田馬場にある早大付属校とは別に)練馬(ねりま)市にある早稲田大学高等学院も「中学部」とかあります。早稲田とは、高田馬場や新宿あたりの古い地名です。新宿区内に「早稲田」という町名がありますので、早稲田小学校とかあります。しかし、高田馬場の付属校ではなく練馬の付属校のほうせ「中学部」とか名乗るのは、よく分かりませんが、まあ現地の事情もあるのかもしれません。 なお、渋谷も港区も新宿も「区」なので、そこに青山「市」とか早稲田「市」とかはありません。「町」というとイメージ的に小規模な感じがしそうですが、しかし東京23区内には早稲田庁のように規模の大きい「町」もあるので、勘違いしないようにしてください。 なお、まったく別の埼玉県に早稲田という地名があるので、そこに公立の早稲田中学とかあるが、他県なので省略。 ほか、慶應義塾大学の付属中学と付属高校が港区にありますが、付属中学のほうは「中等部」という共学なのに、付属高校のほうは男女別学で「慶應義塾女子高校」(東京都港区)に「慶応義塾高等学校」(神奈川県横浜市)に分かれます。 ついでに言うと、よく昭和の学園ドラマや学園マンガとかの中学高校で「3年B組」とかアルファベットの学級名が出てきますが、しかし現実の高校の多くは昭和から令和までずっと数字の学級名であり、たとえば「3年2組」のようなクラス名に数字を使う高校がほとんどです。
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2024-03-07T21:58:00Z
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高等学校公共/地方自治と住民の生活Ⅰ
本節から、地方自治の講義に入ります。 集権型・融合型・内務省・山県有朋の地方制度改革・官選知事 本項は、日本の地方制度(江戸時代~第2次世界大戦まで)を見ていきます。公民の教科書は、あっさりとしか記述していません。 ★日本の地方制度(江戸時代~第2次世界大戦まで) 直轄地(天領)以外の地域は、各藩に統治を任せていました(封建制)。また、幕府・諸藩の統治を受けて、各集落にある程度の自治を認めていました。なぜなら、当時の幕府・諸藩の実務能力では、城下町の支配しか行えなかったからです。その結果、地方名望家(名主・庄屋)に農村部の自治を任せました。 [1]府県の設置 明治政府は、戊辰戦争で旧幕府軍を倒しました。しかし、当時は、藩に課税や自国軍の編成を任せていました。そのため、明治政府の統治権限は当時大きく制限されていました。一方、世界は帝国主義体制に移行したので、日本の指導者達もその流れに従わなければならないと考えていました。そこで、数年間、中央集権体制が強く後押しされました。まず、各藩の統治では、日本全国を支配出来ません。1869年、明治政府は藩を解体して、直接税を集めて、軍を編成しました(版籍奉還)。しかし、版籍奉還では、旧藩主の殿様をそのまま知藩事として任命していたので、何も変わりません。そこで、1871年、廃藩置県がすぐに行われました。廃藩置県以降、中央政府から各都道府県に府知事を派遣して、県令を定めました。しかし、廃藩置県を行っても旧藩の領域をそのまま治めていました。そのため、府県数は3府322県もあります。随分経ってから、現在の47都道府県に近い区割りへ変わりました。1872年から1973年にかけて、府県に「大区小区制」を置きました。大区の長(区長)と小区の長(戸長)に分かれました。 [2]内務省の設置 また、明治新政府の中央行政機構は何度も再編され、内政担当の機関も分かれました。そこで、1873年になると、内務省(初代内務卿:大久保利通)と府県が地方行政の基本的な仕組みを築きました。なお、内務省は地方行政のような内政事務を扱うために作られました。そのため、内務大臣は地方自治体の権限を自由に動かせました。内務大臣は知事を自由に選べ、その知事は公務員や市町村長の懲戒処分権も持っていました。知事は、地方自治体に目を配っていました。さらに、国は地方議会の解散も行えました。 [1]背景 1881年、国会開設の勅論が出されました。その後、明治政府は憲法発布と国会開設の準備を進めました。大久保利通が暗殺されると、山県有朋が地方の統括者になりました。山形有朋は、地方制度の整備をするために、お雇い外国人アルベルト・モッセの意見を参考にします。 詳しく説明すると、「市制・町村制」は1888年に設けられました。また、市町村は市町村会(現在の市町村議会)を設け、条例制定権を持たせました。また、1890年、「郡制・府県制」を導入して、郡を地方公共団体としました。その結果、郡(農村部)と市(都市部)に区別しました。「郡制・府県制」は、プロイセン型の地方自治制度をそのまま導入しています。戦争が終わるまで「郡制・府県制」を継続しました。当時の府県・市町村は、首長・議会・参事会(執行機関)の3つでまとめられていました。 [2]公民と住民 日本国民は、市民と公民に分けられます。また、府県会・群会・市会・町村会は制限選挙で選ばれました。なお、公民は、直接国税(地租)2円以上払う満25歳以上の日本人男性をいいます。公民(名望家層)以外は選挙権を持ちません。当時の選挙は義務でした。そのため、この時期の投票率は現代と比べて高い投票率を誇っていました。 [3]町村制 町村は自由選挙の町村会が設けられました。町村会が町村長を選んでいました(間接選挙)。また、町村長は町村会議長も兼ねていました。町村は、府県と郡から二重に確認されました。 [4]市制 戦前の三大都市は、東京・京都・大阪でした。1900年まで、市長と助役は三大都市に置かれていません。当時、知事が市長を兼任して、府の書記官が助役を兼任していました。市会は3大都市以外の市に設けられました。かつて、市会から3人の候補者を推薦してから、内務大臣と天皇が市長を選びました。1926年から、市会議員(市議会議員)は公民の直接選挙で選ばれました。そして、市議会が市会議員の中から市長を選びました(間接選挙)。市参事会(市長・市会選任の助役1名・名誉参事職員6名)が市の執行機関として設けました。なお、参事会は町村に設けられていません。このため、都市は町村と比べて自治権もかなり制限されました。 [5]郡制 [6]府県制 [7]参事会 府県と郡は1899年に参事会を廃止しました。また、市も1911年に参事会を廃止しました。町村は当初から参事会を設けていません。 [8]事務と財政 まず、市町村の財政は手数料で賄われ、手数料だけで足りなかったら内務大臣の同意を受けて公民の税金で市町村の財政に充てられました。また、市町村の事務は市町村長にほとんど任せていました。そのため、町村会は仲間外れにされ、地域住民も町村会に要望をあまり提出出来ません。 [9]明治憲法と地方自治 当時、中央政府の権限は大きく、府県会の立場は国の方針に従っていました。内務大臣は府県会の解散権を持ち、知事は条例の原案執行権を持っていました。一方、市町村は完全自治体ですが、府県はそうなっていません。完全自治体でも、政府の関与がありました。帝国議会開設後、地方自治制度は法律で保障されました。しかし、地方自治の記述は明治憲法の中に全く見られません。
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 本節から、地方自治の講義に入ります。
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校公共]]>地方自治と住民の生活Ⅰ [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校政治経済]]>地方自治と住民の生活Ⅰ  本節から、地方自治の講義に入ります。 == キーワード == 集権型・融合型・内務省・山県有朋の地方制度改革・官選知事 == 日本の地方制度(江戸時代~第2次世界大戦まで)【発展講義】 ==  本項は、日本の地方制度(江戸時代~第2次世界大戦まで)を見ていきます。公民の教科書は、あっさりとしか記述していません。 ★日本の地方制度(江戸時代~第2次世界大戦まで) {| class="wikitable" ! colspan="2" |地方自治の憲法規定 |規定なし |- ! colspan="2" |階層制 |2層制(郡廃止後)[府県一市町村] |- ! rowspan="2" |府県 !首長 |官選知事 |- !議会 |制限選挙から普通選挙へ |- ! rowspan="2" |市 !首長 |最終的に市会が選出 |- !議会 |制限選挙から普通選挙へ |- ! rowspan="2" |町村 !首長 |町村会が選出 |- !議会 |制限選挙から普通選挙へ |- ! colspan="2" |直接請求 |なし |- ! colspan="2" |類型 |集権・融合型 |} === 明治維新草創期 === ==== 江戸時代の地方制度 ====  直轄地(天領)以外の地域は、各藩に統治を任せていました(封建制)。また、幕府・諸藩の統治を受けて、各集落にある程度の自治を認めていました。なぜなら、当時の幕府・諸藩の実務能力では、城下町の支配しか行えなかったからです。その結果、地方名望家(名主・庄屋)に農村部の自治を任せました。 ==== 明治維新の改革 ==== [1]府県の設置  明治政府は、戊辰戦争で旧幕府軍を倒しました。しかし、当時は、藩に課税や自国軍の編成を任せていました。そのため、明治政府の統治権限は当時大きく制限されていました。一方、世界は帝国主義体制に移行したので、日本の指導者達もその流れに従わなければならないと考えていました。そこで、数年間、中央集権体制が強く後押しされました。まず、各藩の統治では、日本全国を支配出来ません。1869年、明治政府は藩を解体して、直接税を集めて、軍を編成しました(<span style="color:#f29100">'''版籍奉還'''</span>)。しかし、版籍奉還では、旧藩主の殿様をそのまま知藩事として任命していたので、何も変わりません。そこで、1871年、<span style="color:#f29100">'''廃藩置県'''</span>がすぐに行われました。廃藩置県以降、中央政府から各都道府県に府知事を派遣して、県令を定めました。しかし、廃藩置県を行っても旧藩の領域をそのまま治めていました。そのため、府県数は3府322県もあります。随分経ってから、現在の47都道府県に近い区割りへ変わりました。1872年から1973年にかけて、府県に「大区小区制」を置きました。大区の長(区長)と小区の長(戸長)に分かれました。 [2]内務省の設置  また、明治新政府の中央行政機構は何度も再編され、内政担当の機関も分かれました。そこで、1873年になると、内務省(初代内務卿:大久保利通)と府県が地方行政の基本的な仕組みを築きました。なお、内務省は地方行政のような内政事務を扱うために作られました。そのため、内務大臣は地方自治体の権限を自由に動かせました。内務大臣は知事を自由に選べ、その知事は公務員や市町村長の懲戒処分権も持っていました。知事は、地方自治体に目を配っていました。さらに、国は地方議会の解散も行えました。 === 三新法の時代 ===  明治維新時代の地租改正・徴兵令・学制などの政策は、当時の社会制度を大きく変えました。そのため、地方の不満と反対運動が起こりました。特に、古い町村は地方自治の新しい制度を好ましく思っていません。そのため、各地で反対運動が起こりました。  そこで、明治政府は大久保利通内務卿を中心に、地方の不満をなくすため、<span style="color:#f29100">'''三新法'''</span>(郡区町村編制法・府県会規則・地方税規則)を1878年に定めました。以降、県議会の制度化と地方税制の整備が行われました。1880年、区町村会法を定め、地方自治の拡大を目指しました。しかし、紀尾井坂の変で大久保利通が暗殺されると、大久保利通中心の地方行政も終わりました。 === 明治憲法時代 === [1]背景  1881年、国会開設の勅論が出されました。その後、明治政府は憲法発布と国会開設の準備を進めました。大久保利通が暗殺されると、山県有朋が地方の統括者になりました。山形有朋は、地方制度の整備をするために、お雇い外国人アルベルト・モッセの意見を参考にします。  詳しく説明すると、「<span style="color:#f29100">'''市制・町村制'''</span>」は1888年に設けられました。また、市町村は市町村会(現在の市町村議会)を設け、条例制定権を持たせました。また、1890年、「<span style="color:#f29100">'''郡制・府県制'''</span>」を導入して、郡を地方公共団体としました。その結果、郡(農村部)と市(都市部)に区別しました。「郡制・府県制」は、プロイセン型の地方自治制度をそのまま導入しています。戦争が終わるまで「郡制・府県制」を継続しました。当時の府県・市町村は、首長・議会・参事会(執行機関)の3つでまとめられていました。 [2]公民と住民  日本国民は、市民と公民に分けられます。また、府県会・群会・市会・町村会は制限選挙で選ばれました。なお、公民は、直接国税(地租)2円以上払う満25歳以上の日本人男性をいいます。<span style="color:#f29100">'''公民'''</span>(<span style="color:#f29100">'''名望家層'''</span>)以外は選挙権を持ちません。当時の選挙は<span style="color:#f29100">'''義務'''</span>でした。そのため、この時期の投票率は現代と比べて高い投票率を誇っていました。 [3]町村制  町村は自由選挙の<span style="color:#f29100">'''町村会'''</span>が設けられました。町村会が町村長を選んでいました(間接選挙)。また、町村長は町村会議長も兼ねていました。町村は、府県と郡から二重に確認されました。町や村は、古くから地域意識が強く、その分反発しやすくなっていました。実際、郡部で多くの反政府運動が起きました。 [4]市制  戦前の<span style="color:#f29100">'''三大都市'''</span>は、東京・京都・大阪でした。1900年まで、市長と助役は三大都市に置かれていません。当時、知事が市長を兼任して、府の書記官が助役を兼任していました。<span style="color:#f29100">'''市会'''</span>は3大都市以外の市に設けられました。かつて、市会から3人の候補者を推薦してから、内務大臣と天皇が<span style="color:#f29100">'''市長'''</span>を選びました。1926年から、市会議員(市議会議員)は公民の直接選挙で選ばれました。そして、市議会が市会議員の中から市長を選びました(<span style="color:#f29100">'''間接選挙'''</span>)。市参事会(市長・市会選任の助役1名・名誉参事職員6名)が市の執行機関として設けました。なお、参事会は町村に設けられていません。このため、都市は町村と比べて自治権もかなり制限されました。<gallery widths="350" heights="300"> ファイル:町村制(1888).jpg|町村制 ファイル:市制(1888).jpg|市制 </gallery> [5]郡制  <span style="color:#f29100">'''郡役所'''</span>と<span style="color:#f29100">'''郡会'''</span>が郡に置かれ、国の地方行政機関と同じでした。郡長は内務省から選ばれ、<span style="color:#f29100">'''郡会議長'''</span>を兼任しました(<span 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当時、中央政府の権限は大きく、府県会の立場は国の方針に従っていました。内務大臣は府県会の<span style="color:#f29100">'''解散権'''</span>を持ち、知事は条例の原案執行権を持っていました。一方、市町村は完全自治体ですが、府県はそうなっていません。完全自治体でも、政府の関与がありました。帝国議会開設後、地方自治制度は法律で保障されました。しかし、地方自治の記述は明治憲法の中に全く見られません。  そして、明治憲法は自治体を府県・郡・市町村と定めました。このような自治体はそのまま国の地方行政区画としても活かされました。このように、中央集権型・融合型の地方制度は明治憲法期に生まれました(大陸型)。なぜなら、国の地方行政制度と地方自治が繋がっていたからです。 == 資料出所 == * 東京書籍『新しい社会 公民』矢ヶ崎典隆ほか編著 2021年 * 東京書籍『公共』間宮陽介ほか編著 2022年 * 東京書籍『政治・経済』杉田敦ほか編著 2022年 * 清水書院『私たちの公共 資料から考える現代社会の課題』大芝亮ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 公共 私たちがひらく未来・社会』中野勝郎ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 新政治・経済』大芝亮ほか編著 2022年 * 第一学習社『高等学校 改訂版 現代社会』谷田部 玲生ほか編著 2017年 * 第一学習社『高等学校 政治・経済』谷田部 玲生ほか編著 2023年 * KADOKAWA『大学入学共通テスト 現代社会の点数が面白いほどとれる本』村中和之著 * KADOKAWA『改訂版 中学公民が面白いほどわかる本』西村 創著 2021年 * 清水書院『用語集 公共+政治・経済 2023~2024年版』 大芝亮、菅野覚明ほか編著 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 社会科学』 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 憲法』 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 行政法』 * TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 社会科学 第3版』2023年 * TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 行政学 第2版』2019年 * TAC出版『渕元哲の行政学まるごと講義生中継』2013年 * エクシア出版『寺本康之の行政学ザ・ベストプラス』2020年 * 資格の大原 公務員講座『テキスト 政治』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 教養科目 ③社会科学』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 専門科目 ⑬行政学』 [[カテゴリ:高等学校公共]] [[カテゴリ:高等学校政治経済]] [[カテゴリ:地方自治]]
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将棋/▲2六歩/△1四歩
次に△1三角と上がって飛車先を受けつつ、中央を狙う指し方。
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次に△1三角と上がって飛車先を受けつつ、中央を狙う指し方。
{{shogi diagram|tright| |なし |lg|ng|sg|gg|kg|gg|sg|ng|lg | |rg| | | | | |bg| |pg|pg|pg|pg|pg|pg|pg|pg|dah | | | | | | | | |pgl | | | | | | | | | | | | | | | | |ps| |ps|ps|ps|ps|ps|ps|ps| |ps | |bs| | | | | |rs| |ls|ns|ss|gs|ks|gs|ss|ns|ls |なし |2手目△1四歩まで}} 次に△1三角と上がって飛車先を受けつつ、中央を狙う指し方。 {{-}} == ▲2五歩 == {{shogi diagram|tright| |なし |lg|ng|sg|gg|kg|gg|sg|ng|lg | |rg| | | | | |bg| |pg|pg|pg|pg|pg|pg|pg|pg| | | | | | | | | |pg | | | | | | | |psl| | | | | | | | |uah| |ps|ps|ps|ps|ps|ps|ps| |ps | |bs| | | | | |rs| |ls|ns|ss|gs|ks|gs|ss|ns|ls |なし |3手目▲2五歩まで}} : ''詳細は「[[/▲2五歩]]」を参照'' {{-}} == ▲1六歩 == {{shogi diagram|tright| |なし |lg|ng|sg|gg|kg|gg|sg|ng|lg | |rg| | | | | |bg| |pg|pg|pg|pg|pg|pg|pg|pg| | | | | | | | | |pg | | | | | | | | | | | | | | | | |ps|psl |ps|ps|ps|ps|ps|ps|ps| |uah | |bs| | | | | |rs| |ls|ns|ss|gs|ks|gs|ss|ns|ls |なし |3手目▲1六歩まで}} : ''詳細は「[[/▲1六歩]]」を参照'' {{-}} == 脚注 == <references/> == 参考文献 == {{stub}} [[Category:将棋|2]]
2024-03-09T14:59:15Z
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39,223
高等学校公共/地方自治と住民の生活Ⅱ
★戦後日本の地方自治
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校公共]]>地方自治と住民の生活Ⅱ [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校政治経済]]>地方自治と住民の生活Ⅱ ★戦後日本の地方自治 {| class="wikitable" ! colspan="2" |地方自治の憲法規定 |「地方自治の本旨」(地方自治法第92条) 「首長・議員の直接選挙」(地方自治法第93条) |- ! colspan="2" |階層制 |2層制[都道府県一市町村] |- ! rowspan="2" |府県 !首長 | rowspan="6" |直接公選 |- !議会 |- ! rowspan="2" |市 !首長 |- !議会 |- ! rowspan="2" |町村 !首長 |- !議会 |- ! colspan="2" |直接請求 |あり |- ! colspan="2" |類型 |集権・融合型 |} == 終戦直後の地方自治改革 == === 憲法の地方自治規定 === === 首長の直接公選 === === 内務省の解体 === === 国家警察から市町村警察へ ===  戦前の日本は大陸型の特徴を強く備えていたので、国管轄の警察でした。しかし、1947年に警察法が成立すると、国管轄の警察から市町村管轄の自治体警察に代わりました。 === 集権・融合型の要素が残存 === === 機関委任事務 === === 都道府県と市町村の上下構造 === == 1950年代 == == 1960年代・1970年代 == == 1980年代 == == 1990年代以降 == == 資料出所 == * 東京書籍『新しい社会 公民』矢ヶ崎典隆ほか編著 2021年 * 東京書籍『公共』間宮陽介ほか編著 2022年 * 東京書籍『政治・経済』杉田敦ほか編著 2022年 * 清水書院『私たちの公共 資料から考える現代社会の課題』大芝亮ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 公共 私たちがひらく未来・社会』中野勝郎ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 新政治・経済』大芝亮ほか編著 2022年 * 第一学習社『高等学校 改訂版 現代社会』谷田部 玲生ほか編著 2017年 * 第一学習社『高等学校 政治・経済』谷田部 玲生ほか編著 2023年 * KADOKAWA『大学入学共通テスト 現代社会の点数が面白いほどとれる本』村中和之著 * KADOKAWA『改訂版 中学公民が面白いほどわかる本』西村 創著 2021年 * 清水書院『用語集 公共+政治・経済 2023~2024年版』 大芝亮、菅野覚明ほか編著 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 社会科学』 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 憲法』 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 行政法』 * TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 社会科学 第3版』2023年 * TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 行政学 第2版』2019年 * TAC出版『渕元哲の行政学まるごと講義生中継』2013年 * エクシア出版『寺本康之の行政学ザ・ベストプラス』2020年 * 資格の大原 公務員講座『テキスト 政治』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 教養科目 ③社会科学』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 専門科目 ⑬行政学』 [[カテゴリ:地方自治]]
2024-03-10T09:00:05Z
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39,277
中学校音楽/発声・合唱について
肺から空気を取り入れると、声帯も動いて音が出ます。なお、声帯は2枚の薄い筋肉からなり、喉の奥にあります。 私達の声は子供から大人になるまでに、より大人らしく聞こえるように変わります(変声期)。変声期は第二次性徴に見られます。女の子の変声はあまりはっきりしません。しかし、男の子の声は次第に小さくなります。喉の軟骨(喉仏)が成長すると、声帯も伸びて、厚くなります。そのため、3カ月から1年間、声が出せなくなったり、声が裏返ったり、声に違和感もあったりします。この時期は、無理に声を使いすぎないようにしましょう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "肺から空気を取り入れると、声帯も動いて音が出ます。なお、声帯は2枚の薄い筋肉からなり、喉の奥にあります。", "title": "発声の仕組み" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "私達の声は子供から大人になるまでに、より大人らしく聞こえるように変わります(変声期)。変声期は第二次性徴に見られます。女の子の変声はあまりはっきりしません。しかし、男の子の声は次第に小さくなります。喉の軟骨(喉仏)が成長すると、声帯も伸びて、厚くなります。そのため、3カ月から1年間、声が出せなくなったり、声が裏返ったり、声に違和感もあったりします。この時期は、無理に声を使いすぎないようにしましょう。", "title": "変声期" } ]
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校音楽]]>発声・合唱について == 発声の仕組み == 肺から空気を取り入れると、声帯も動いて音が出ます。なお、声帯は2枚の薄い筋肉からなり、喉の奥にあります。 == 腹式呼吸の仕組み == == 美しい歌声 == === 姿勢 === === 発音 === === 呼吸法 === === 歌う声〔響く声〕 === == 合唱の心構え == == 変声期 == 私達の声は子供から大人になるまでに、より大人らしく聞こえるように変わります(変声期)。変声期は第二次性徴に見られます。女の子の変声はあまりはっきりしません。しかし、男の子の声は次第に小さくなります。喉の軟骨(喉仏)が成長すると、声帯も伸びて、厚くなります。そのため、3カ月から1年間、声が出せなくなったり、声が裏返ったり、声に違和感もあったりします。この時期は、無理に声を使いすぎないようにしましょう。 == 資料出所 == * 正進社『パノラマワイド版 音楽・表現と鑑賞の資料』小林信二著 * 正進社『音楽のハーモニー 1年』 [[カテゴリ:中学校音楽]]
2024-03-11T11:32:19Z
2024-03-17T07:49:17Z
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39,281
内閣法第1条
法学>コンメンタール>コンメンタール内閣法>内閣法第1条 第1条
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>コンメンタール>コンメンタール内閣法>内閣法第1条", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "第1条", "title": "条文" } ]
法学>コンメンタール>コンメンタール内閣法>内閣法第1条
[[法学]]>[[コンメンタール]]>[[コンメンタール内閣法]]>内閣法第1条 == 条文 == '''第1条''' # 内閣は、国民主権の理念にのつとり、日本国憲法第七十三条その他日本国憲法に定める職権を行う。 # 内閣は、行政権の行使について、全国民を代表する議員からなる国会に対し連帯して責任を負う。 == 解説 == == 参照条文 == [[カテゴリ:内閣|法第1条]]
2024-03-12T07:01:55Z
2024-03-12T07:14:45Z
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39,312
高等学校政治経済/政治/日本の選挙制度
近代以降の選挙制度においては、民主的な選挙が遂行される必要がある。そのために、以下の4つの原則がある。 一定の年齢に達すれば、全ての国民に選挙権、被選挙権を与える選挙制度。反意語は制限選挙。 ある一人の投票の価値をすべて平等に取り扱う選挙制度。反意語は等級選挙。 誰が誰に投票したかを秘密にする選挙方法。反意語は公開選挙。 直接代表者を選ぶ選挙制度。反意語は間接選挙。 大きく2つに分けることができる。選挙区代表制度と比例代表制度である。また、選挙区代表制度は、大きく小選挙区制度と大選挙区制度に分けることができる。 代表者を選出するための区域を選挙区といい、それに基づいて当選者を選出する方法を選挙区制度と呼ぶ。例えば、東京都を人口等により30に区分し、その区域内で選挙を行う。選挙区制度は、大きく小選挙区と大選挙区に分けられる。 1つの選挙区から1人が当選する選挙制度。日本においては衆議院がこの制度を採用している。一つの選挙区から1人しか当選しないので、選挙区自体は比較的狭くなる。 選挙区が比較的狭いので、選挙費用が安くすむ点が、メリットとしてあげられる。日本の選挙改革の際に小選挙区制度が代替案に上がったのはこのメリットを重視したためである。詳しくは日本の政党政治を参照のこと。 また、小選挙区制度では1人しか当選することができず、2位以下は落選するため、トップを取ることができる政党、すなわち大政党(自民党など)が当選しやすく、政権が安定することもメリットとして挙げられる。 ただし、この点については、少数政党の意見が国会に反映されにくいというデメリットと表裏一体である。 この時問題となるのは、他の制度と比較して死票が多くなる傾向があるという点である。死票とは、落選者に投じられた票のことである。選挙という形態のため、死票は必ず生まれてしまうが、ただの多数決ではなく、民主主義にのっとって考えた場合、死票はできる限り少なくすることが望ましい。 1つの選挙区から2人以上が当選する選挙制度。日本においては参議院がこの制度を採用している。一つの選挙区から2人以上当選するので、選挙区は比較的広い。 原理上2位でも当選することができるので、少数政党でも当選することが期待できる。また、死票が他の制度と比較して少ないことがメリットとしてあげられる。 一方で、政権運営が難しくなったり、選挙区が比較的広いので、選挙にかかる費用は高くなってしまうというデメリットもある。 比例代表制度とは、各政党が獲得した投票数に比例して候補者に議席を配分する選挙制度である。多くの場合、選挙区代表制度と比例代表制度を組み合わせた選挙制度になっている。 この制度の主語は政党であるから、基本的に有権者は政党に投票し、政党は、その得票数に応じて議席を獲得する。議席の分配方法については、日本においてはドント式を採用している。 ドント式とは、比例代表制において政党の獲得議席を割り出すため計算方法のことである。各政党の総得票数を自然数で割り、その商の大きい順に当選する。具体的には、以下の表を参照のこと。 上のように、自然数で割っていくと、多い順に、A党÷1、B党÷1、C党÷1、A党÷2、B党÷2、A党÷3・・・と続いていく。なお、この表では省略しているが、「定数まで自然数で割る」としている教科書もある。 ここでは、日本の国政選挙における選挙制度を学習していく。地方自治における選挙制度については、地方自治の頁を確認してほしい(未執筆)。なお、選挙制度に関しては、公職選挙法が根拠法となっている。 衆議院では、小選挙区比例代表並立制を採用している。その名の通り、小選挙区制と比例代表制を組み合わせる選挙制度である。 まず、有権者には2枚の投票用紙が配られる。小選挙区用の投票用紙と、比例代表用の投票用紙である。それぞれに分けて解説する。 小選挙区では、各選挙区で立候補した候補者名を書いて投票する。小選挙区制であるから、前述のように、得票数1位の候補のみが当選することとなる。なお、小選挙区のみの立候補もできるが、小選挙区と比例代表の双方に立候補することも可能。双方に立候補することを重複立候補という。 比例代表では、政党名のみを書いて投票する。個人名を書いた場合は無効票の扱いとなる。当選者は、政党があらかじめ候補者名簿を作成し、その名簿順位順に当選する。この方法を、拘束名簿式比例代表制という。比例代表のみに立候補することも可能。 名簿は、以下のような形となっている。 X党の比例獲得議席が2議席だったとしよう。この時当選するのは、 まず名簿順1位のA であるが、次に当選するのは誰だろうか。名簿順2位のBは小選挙区で当選しているため比例代表では当選しない。名簿順3位はは、C、D、Eの3人いる。Eは小選挙区で当選しているため除外。C、Dのうち、同時に行われた小選挙区の、当該選挙区における最多得票数に対する当該候補者の得票数の割合(惜敗率)が高い方が当選者となる。 例えば、Cは小選挙区において90万票を獲得したが、当選者は100万票を獲得していたとする。この時の惜敗率は90%である。一方でDは、98万票を獲得したが、当選者は100万票を獲得していた。この時の惜敗率は98%である。よって、惜敗率がより高いDが当選することになる。 若者の政治的無関心(後述)の改善のため、2015年6月に公職選挙法が改正されたことに伴い、2016年6月から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた(18歳選挙権)。 一票の格差(後述)の是正のため、2022年に公職選挙法が改正されたことに伴い、次回衆議院選挙(第50回)から、小選挙区の定数は10増10減(東京で5増、神奈川で2増、埼玉、愛知、千葉で1増。広島、宮城、新潟、福島、岡山、滋賀、山口、愛媛、長崎、和歌山で1減)、比例代表は3増3減(東京ブロックで2増、南関東ブロックで1増。東北、北陸信越、中国ブロックで1減)となる。この際に使用された定数配分の計算方法をアダムズ方式という。 参議院においても、選挙区制と、比例代表制を組み合わせる選挙制度となっている。有権者には2枚の投票用紙が配られる。選挙区用の投票用紙と、比例代表用の投票用紙である。それぞれに分けて解説する。 選挙区では、原則として都道府県を一つの選挙区としている。各選挙区で立候補した候補者名を書いて投票する。選挙区制であるから、2名以上が当選する。例えば、東京選挙区の当選人数(定数)は12名である。 一方で、参議院の場合、1度の選挙で半数を選挙する形式となっているので、一度の選挙で選ばれる改選議席は6となる。同様に、例えば青森選挙区は定数2名であるが、改選議席は1となる。このような選挙区を一人区と呼ぶこともある。 なお、選挙区と比例代表の双方に立候補することはできない。 参議院の比例代表では、政党名あるいは個人名を書いて投票する。衆議院のように政党が、当選順を記した名簿を作成するのではなく、比例代表に立候補する候補者のみの名簿(順位は記さない)を作成する。その上で、以下のように当選者を決定する。 まず、政党名で書かれた票と、その政党に所属する個人名票を合算し、合計を政党が獲得した票とする。その上で、ドント式によって獲得議席を割り出す。当選順は、個人名票が多い順に当選する。この方法を、非拘束名簿式比例代表制という。 例えば、X党は以下のように得票したとする。この時のX党の合計得票数は、50万+10万+30万+20万で110万票となる。 これをドント式により議席を割り出し、X党の獲得議席は2議席となったとする。この時当選するのは、個人名票がより多いAとCとなり、Bは落選する。 2016年の参議院議員通常選挙より一票の格差是正のため(後述)、徳島県・高知県ならびに鳥取県・島根県の2つの合同選挙区(いわゆる合区)が設置された。一度の選挙で「徳島県・高知県」という選挙区から一人の当選者を選出するという制度である(鳥取県・島根県も同様)。 これにより、各県の代表を一人も参議院に選出することができなくなる可能性が生じ、実際に鳥取県ではそうした事態が起こった。 よって、優先的に当選人となるべき候補者を当選させるため、2019年の参議院通常選挙より、参議院比例区においても、優先的に当選させたい候補を上位に指定する拘束名簿式の要素を加えた。これを特定枠という。なお、特定枠の人数に制限はない。 本稿では、選挙における近年の問題を記述する。 一票の格差とは、同一の選挙において、選挙区ごとの有権者数が異なることから、1票の価値が異なるという問題である。 例えば、A選挙区では、有権者が10万人いるのにたいし、B選挙区では有権者が100万人いるとする。どちらも当選者が1名だった場合、A選挙区における有権者票の価値を1とすれば、B選挙区におけるそれは0.1となってしまう。これは平等選挙の原則に反しているため、是正が必要なのである。 過去、衆議院では裁判所が2度、違憲判決を出した例がある(1972年、1983年の総選挙)。ただし、選挙結果は有効としている(これを事情判決という)。その一方で、参議院では違憲状態であるとする判決は出ているものの、違憲判決は出ていない。 2024年においても、政治家とカネの問題が生じている。このような問題は、実は今に始まった問題ではない。詳しくは日本の政党政治で解説しているが、特に55年体制以降、自民党の政治は、金によって政治が動かされるという金権政治の面が大きかった。 これを受けて非自民政権である細川内閣は政治改革に着手し、政治改革四法とよばれる政治改革法案を成立させた。それぞれを簡単にみていこう。 以前までの中選挙区制(1選挙区に2〜4人が当選する。大選挙区制と同義であるが、日本独自の選挙区制度ということで、中選挙区制と呼ばれた)から、小選挙区比例代表並立制へと変更された。また、選挙運動の際に買収行為があった場合、その候補者がそれを知らない場合でも処罰の対象となる連座制が強化された。 一票の格差の是正のため、小選挙区の区分けを審議する、衆議院議員選挙区画定審議会という審議会が設置された。 政治家個人への政治資金の寄付を、個人、企業・団体問わず、原則禁止とした。ただし、企業・団体から、政党や、政治資金団体への寄付制限はない。このように、政治資金規正法は、政治資金の規制(禁止)ではなくあくまで規正(ただす)目的を持つものである。 政治献金などは、一部の個人・団体から資金を寄付される。寄付を受けた政治家は、その人・団体の政治のためを行うと予想できる。 政治は国民全体のものであるという考え方から、国民全員から政治資金を平等に徴収し、それを政治資金とする旨を定めたのが政党助成法である。国会議員が5名以上いるか、国会議員が1名以上かつ、直近の選挙で2%以上の得票率を得た政党に対し、政党交付金(国民一人当たり250円とされる)が支払われている。 直近の衆議院選挙である第49回衆議院議員総選挙(R3年10月)の投票率は 約56%であった。また、令和4年7月に行われた第26回参議院議員通常選挙では約52%となっている(国政選挙の投票率)。このように、約半数が投票をしておらず、問題となっている。 さらに、国政選挙の年代別投票率は、第49回衆議院議員総選挙では、10歳代が43.23%、20歳代が36.50%、第26回参議院議員通常選挙では、10歳代が35.42%、20歳代が33.99%、30歳代が44.80%である(国政選挙の年代別投票率)。このように、若者の投票率が低いという点も問題となっている。なお、一般に、高齢者ほど投票率が高いため、高齢者に有利な政策が実現しやすいといわれている(シルバーデモクラシー)。 このような問題を解決するため、各政党は政策目標であるマニフェスト(選挙公約)を公表していたり、インターネットでの選挙運動の解禁(2013年)などを行なっているが、効果が出ているとは言い難い。 そもそも、投票率が低い理由の一つには、政治的無関心があるとされる。有権者の政党への期待感が薄まり、政党支持がない層(無党派層)が急増しており、政党や政治への信頼の回復は急務である。
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"1つの選挙区から1人が当選する選挙制度。日本においては衆議院がこの制度を採用している。一つの選挙区から1人しか当選しないので、選挙区自体は比較的狭くなる。", "title": "選挙制度の概要" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "選挙区が比較的狭いので、選挙費用が安くすむ点が、メリットとしてあげられる。日本の選挙改革の際に小選挙区制度が代替案に上がったのはこのメリットを重視したためである。詳しくは日本の政党政治を参照のこと。", "title": "選挙制度の概要" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "また、小選挙区制度では1人しか当選することができず、2位以下は落選するため、トップを取ることができる政党、すなわち大政党(自民党など)が当選しやすく、政権が安定することもメリットとして挙げられる。", "title": "選挙制度の概要" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "ただし、この点については、少数政党の意見が国会に反映されにくいというデメリットと表裏一体である。", "title": "選挙制度の概要" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "この時問題となるのは、他の制度と比較して死票が多くなる傾向があるという点である。死票とは、落選者に投じられた票のことである。選挙という形態のため、死票は必ず生まれてしまうが、ただの多数決ではなく、民主主義にのっとって考えた場合、死票はできる限り少なくすることが望ましい。", "title": "選挙制度の概要" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "1つの選挙区から2人以上が当選する選挙制度。日本においては参議院がこの制度を採用している。一つの選挙区から2人以上当選するので、選挙区は比較的広い。", "title": "選挙制度の概要" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": 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"title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "衆議院では、小選挙区比例代表並立制を採用している。その名の通り、小選挙区制と比例代表制を組み合わせる選挙制度である。 まず、有権者には2枚の投票用紙が配られる。小選挙区用の投票用紙と、比例代表用の投票用紙である。それぞれに分けて解説する。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "小選挙区では、各選挙区で立候補した候補者名を書いて投票する。小選挙区制であるから、前述のように、得票数1位の候補のみが当選することとなる。なお、小選挙区のみの立候補もできるが、小選挙区と比例代表の双方に立候補することも可能。双方に立候補することを重複立候補という。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "比例代表では、政党名のみを書いて投票する。個人名を書いた場合は無効票の扱いとなる。当選者は、政党があらかじめ候補者名簿を作成し、その名簿順位順に当選する。この方法を、拘束名簿式比例代表制という。比例代表のみに立候補することも可能。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "名簿は、以下のような形となっている。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "X党の比例獲得議席が2議席だったとしよう。この時当選するのは、 まず名簿順1位のA であるが、次に当選するのは誰だろうか。名簿順2位のBは小選挙区で当選しているため比例代表では当選しない。名簿順3位はは、C、D、Eの3人いる。Eは小選挙区で当選しているため除外。C、Dのうち、同時に行われた小選挙区の、当該選挙区における最多得票数に対する当該候補者の得票数の割合(惜敗率)が高い方が当選者となる。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "例えば、Cは小選挙区において90万票を獲得したが、当選者は100万票を獲得していたとする。この時の惜敗率は90%である。一方でDは、98万票を獲得したが、当選者は100万票を獲得していた。この時の惜敗率は98%である。よって、惜敗率がより高いDが当選することになる。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "若者の政治的無関心(後述)の改善のため、2015年6月に公職選挙法が改正されたことに伴い、2016年6月から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた(18歳選挙権)。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "一票の格差(後述)の是正のため、2022年に公職選挙法が改正されたことに伴い、次回衆議院選挙(第50回)から、小選挙区の定数は10増10減(東京で5増、神奈川で2増、埼玉、愛知、千葉で1増。広島、宮城、新潟、福島、岡山、滋賀、山口、愛媛、長崎、和歌山で1減)、比例代表は3増3減(東京ブロックで2増、南関東ブロックで1増。東北、北陸信越、中国ブロックで1減)となる。この際に使用された定数配分の計算方法をアダムズ方式という。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "参議院においても、選挙区制と、比例代表制を組み合わせる選挙制度となっている。有権者には2枚の投票用紙が配られる。選挙区用の投票用紙と、比例代表用の投票用紙である。それぞれに分けて解説する。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "選挙区では、原則として都道府県を一つの選挙区としている。各選挙区で立候補した候補者名を書いて投票する。選挙区制であるから、2名以上が当選する。例えば、東京選挙区の当選人数(定数)は12名である。 一方で、参議院の場合、1度の選挙で半数を選挙する形式となっているので、一度の選挙で選ばれる改選議席は6となる。同様に、例えば青森選挙区は定数2名であるが、改選議席は1となる。このような選挙区を一人区と呼ぶこともある。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "なお、選挙区と比例代表の双方に立候補することはできない。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "参議院の比例代表では、政党名あるいは個人名を書いて投票する。衆議院のように政党が、当選順を記した名簿を作成するのではなく、比例代表に立候補する候補者のみの名簿(順位は記さない)を作成する。その上で、以下のように当選者を決定する。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "まず、政党名で書かれた票と、その政党に所属する個人名票を合算し、合計を政党が獲得した票とする。その上で、ドント式によって獲得議席を割り出す。当選順は、個人名票が多い順に当選する。この方法を、非拘束名簿式比例代表制という。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "例えば、X党は以下のように得票したとする。この時のX党の合計得票数は、50万+10万+30万+20万で110万票となる。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "これをドント式により議席を割り出し、X党の獲得議席は2議席となったとする。この時当選するのは、個人名票がより多いAとCとなり、Bは落選する。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "2016年の参議院議員通常選挙より一票の格差是正のため(後述)、徳島県・高知県ならびに鳥取県・島根県の2つの合同選挙区(いわゆる合区)が設置された。一度の選挙で「徳島県・高知県」という選挙区から一人の当選者を選出するという制度である(鳥取県・島根県も同様)。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "これにより、各県の代表を一人も参議院に選出することができなくなる可能性が生じ、実際に鳥取県ではそうした事態が起こった。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "よって、優先的に当選人となるべき候補者を当選させるため、2019年の参議院通常選挙より、参議院比例区においても、優先的に当選させたい候補を上位に指定する拘束名簿式の要素を加えた。これを特定枠という。なお、特定枠の人数に制限はない。", "title": "日本の選挙制度" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "本稿では、選挙における近年の問題を記述する。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "一票の格差とは、同一の選挙において、選挙区ごとの有権者数が異なることから、1票の価値が異なるという問題である。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "例えば、A選挙区では、有権者が10万人いるのにたいし、B選挙区では有権者が100万人いるとする。どちらも当選者が1名だった場合、A選挙区における有権者票の価値を1とすれば、B選挙区におけるそれは0.1となってしまう。これは平等選挙の原則に反しているため、是正が必要なのである。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "過去、衆議院では裁判所が2度、違憲判決を出した例がある(1972年、1983年の総選挙)。ただし、選挙結果は有効としている(これを事情判決という)。その一方で、参議院では違憲状態であるとする判決は出ているものの、違憲判決は出ていない。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "2024年においても、政治家とカネの問題が生じている。このような問題は、実は今に始まった問題ではない。詳しくは日本の政党政治で解説しているが、特に55年体制以降、自民党の政治は、金によって政治が動かされるという金権政治の面が大きかった。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "これを受けて非自民政権である細川内閣は政治改革に着手し、政治改革四法とよばれる政治改革法案を成立させた。それぞれを簡単にみていこう。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "以前までの中選挙区制(1選挙区に2〜4人が当選する。大選挙区制と同義であるが、日本独自の選挙区制度ということで、中選挙区制と呼ばれた)から、小選挙区比例代表並立制へと変更された。また、選挙運動の際に買収行為があった場合、その候補者がそれを知らない場合でも処罰の対象となる連座制が強化された。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "一票の格差の是正のため、小選挙区の区分けを審議する、衆議院議員選挙区画定審議会という審議会が設置された。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "政治家個人への政治資金の寄付を、個人、企業・団体問わず、原則禁止とした。ただし、企業・団体から、政党や、政治資金団体への寄付制限はない。このように、政治資金規正法は、政治資金の規制(禁止)ではなくあくまで規正(ただす)目的を持つものである。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "政治献金などは、一部の個人・団体から資金を寄付される。寄付を受けた政治家は、その人・団体の政治のためを行うと予想できる。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "政治は国民全体のものであるという考え方から、国民全員から政治資金を平等に徴収し、それを政治資金とする旨を定めたのが政党助成法である。国会議員が5名以上いるか、国会議員が1名以上かつ、直近の選挙で2%以上の得票率を得た政党に対し、政党交付金(国民一人当たり250円とされる)が支払われている。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "直近の衆議院選挙である第49回衆議院議員総選挙(R3年10月)の投票率は 約56%であった。また、令和4年7月に行われた第26回参議院議員通常選挙では約52%となっている(国政選挙の投票率)。このように、約半数が投票をしておらず、問題となっている。 さらに、国政選挙の年代別投票率は、第49回衆議院議員総選挙では、10歳代が43.23%、20歳代が36.50%、第26回参議院議員通常選挙では、10歳代が35.42%、20歳代が33.99%、30歳代が44.80%である(国政選挙の年代別投票率)。このように、若者の投票率が低いという点も問題となっている。なお、一般に、高齢者ほど投票率が高いため、高齢者に有利な政策が実現しやすいといわれている(シルバーデモクラシー)。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "このような問題を解決するため、各政党は政策目標であるマニフェスト(選挙公約)を公表していたり、インターネットでの選挙運動の解禁(2013年)などを行なっているが、効果が出ているとは言い難い。", "title": "選挙をめぐる問題" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "そもそも、投票率が低い理由の一つには、政治的無関心があるとされる。有権者の政党への期待感が薄まり、政党支持がない層(無党派層)が急増しており、政党や政治への信頼の回復は急務である。", "title": "選挙をめぐる問題" } ]
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==選挙制度の概要== ===選挙の基本原則=== 近代以降の選挙制度においては、民主的な選挙が遂行される必要がある。そのために、以下の4つの原則がある。 ====①普通選挙==== 一定の年齢に達すれば、'''全ての国民に選挙権、被選挙権を与える'''選挙制度。反意語は'''制限選挙'''。 ====②平等選挙==== ある一人の投票の価値をすべて'''平等に取り扱う'''選挙制度。反意語は等級選挙。 ====③秘密選挙==== 誰が誰に投票したかを'''秘密'''にする選挙方法。反意語は公開選挙。 ====④直接選挙==== '''直接'''代表者を選ぶ選挙制度。反意語は間接選挙。 ===選挙制度の種類とその特徴=== 大きく2つに分けることができる。選挙区代表制度と比例代表制度である。また、選挙区代表制度は、大きく'''小選挙区制度'''と'''大選挙区制度'''に分けることができる。 ====選挙区制度==== 代表者を選出するための区域を選挙区といい、それに基づいて当選者を選出する方法を選挙区制度と呼ぶ。例えば、東京都を人口等により30に区分し、その区域内で選挙を行う。選挙区制度は、大きく小選挙区と大選挙区に分けられる。 =====小選挙区制度===== '''1つの選挙区から1人が当選'''する選挙制度。日本においては'''衆議院'''がこの制度を採用している。一つの選挙区から1人しか当選しないので、選挙区自体は比較的狭くなる。 選挙区が比較的狭いので、選挙費用が安くすむ点が、メリットとしてあげられる。日本の選挙改革の際に小選挙区制度が代替案に上がったのはこのメリットを重視したためである。詳しくは[[高等学校政治経済/政治/日本の政党政治|日本の政党政治]]を参照のこと。 また、小選挙区制度では1人しか当選することができず、2位以下は落選するため、トップを取ることができる政党、すなわち'''大政党'''(自民党など)'''が当選しやすく'''、'''政権が安定する'''こともメリットとして挙げられる。 ただし、この点については、'''少数政党の意見が国会に反映されにくい'''というデメリットと表裏一体である。 この時問題となるのは、他の制度と比較して'''死票'''が多くなる傾向があるという点である。'''死票'''とは、落選者に投じられた票のことである。選挙という形態のため、死票は必ず生まれてしまうが、ただの多数決ではなく、民主主義にのっとって考えた場合、死票はできる限り少なくすることが望ましい。 =====大選挙区制度===== 1つの選挙区から2人以上が当選する選挙制度。日本においては'''参議院'''がこの制度を採用している。一つの選挙区から2人以上当選するので、選挙区は比較的広い。 原理上2位でも当選することができるので、'''少数政党でも当選する'''ことが期待できる。また、'''死票'''が他の制度と比較して少ないことがメリットとしてあげられる。 一方で、'''政権運営が難しく'''なったり、選挙区が比較的広いので、'''選挙にかかる費用は高く'''なってしまうというデメリットもある。 =====制度の比較===== {| class="wikitable" |+ 選挙制度の長所と短所 |- ! !! 小選挙区 !! 大選挙区 |- | 当選人 || 1人 || 2人以上 |- | メリット || 政権が安定する、選挙費用が安くすむ || 死票が多くなる、少数政党の意見が反映されにくい |- | デメリット || 死票が少ない、少数政党の意見が反映されやすい || 政権が不安定になる、選挙費用が高くなる |} ====比例代表制度==== 比例代表制度とは、各政党が獲得した投票数に'''比例'''して候補者に議席を配分する選挙制度である。多くの場合、選挙区代表制度と比例代表制度を組み合わせた選挙制度になっている。 この制度の主語は政党であるから、基本的に有権者は政党に投票し、政党は、その得票数に応じて議席を獲得する。議席の分配方法については、日本においては'''ドント式'''を採用している。 =====ドント式===== ドント式とは、比例代表制において政党の獲得議席を割り出すため計算方法のことである。各政党の総得票数を自然数で割り、その商の大きい順に当選する。具体的には、以下の表を参照のこと。 {| class="wikitable" |+ ドント式例(定数7のとき) |- ! !! X党 !! Y党 !! Z党 |- | 総得票数 || 1500 || 1200 || 900 |- | ÷1 || 1500① || 1200② || 900③ |- | ÷2 || 750④ || 600⑤ || 450⑦ |- | ÷3 || 500⑥ || 400 || 300 |- | 当選人数 || 3人 || 2人 || 2人 |} 上のように、自然数で割っていくと、多い順に、A党÷1、B党÷1、C党÷1、A党÷2、B党÷2、A党÷3・・・と続いていく。なお、この表では省略しているが、「定数まで自然数で割る」としている教科書もある。 ==日本の選挙制度== ここでは、日本の国政選挙における選挙制度を学習していく。地方自治における選挙制度については、地方自治の頁を確認してほしい(未執筆)。なお、選挙制度に関しては、'''公職選挙法'''が根拠法となっている。 ===衆議院の選挙制度=== 衆議院では、'''小選挙区比例代表並立制'''を採用している。その名の通り、小選挙区制と比例代表制を組み合わせる選挙制度である。 まず、有権者には2枚の投票用紙が配られる。小選挙区用の投票用紙と、比例代表用の投票用紙である。それぞれに分けて解説する。 ====小選挙区==== 小選挙区では、各選挙区で立候補した候補者名を書いて投票する。小選挙区制であるから、前述のように、得票数1位の候補のみが当選することとなる。なお、小選挙区のみの立候補もできるが、小選挙区と比例代表の双方に立候補することも可能。双方に立候補することを'''重複立候補'''という。 ====比例代表==== 比例代表では、'''政党名のみ'''を書いて投票する。個人名を書いた場合は無効票の扱いとなる。当選者は、政党があらかじめ候補者名簿を作成し、その'''名簿順位順'''に当選する。この方法を、'''拘束名簿式比例代表制'''という。比例代表のみに立候補することも可能。 ====取り扱い==== 名簿は、以下のような形となっている。 {| class="wikitable" |+ X党立候補者名簿 |- ! 順位 !! 氏名 !! 惜敗率 !! 当選順 |- | 1 || A || 比例単独 || 1番目 |- | 2 || B || 小選挙区当選 || |- | 3 || C || 90% || 3番目 |- | 3 || D || 98% || 2番目 |- | 3 || E || 小選挙区当選 || |- | 4 || F || 比例単独 || 4番目 |} X党の比例獲得議席が2議席だったとしよう。この時当選するのは、 まず名簿順1位のA であるが、次に当選するのは誰だろうか。名簿順2位のBは小選挙区で当選しているため比例代表では当選しない。名簿順3位はは、C、D、Eの3人いる。Eは小選挙区で当選しているため除外。C、Dのうち、同時に行われた小選挙区の、当該選挙区における最多得票数に対する当該候補者の得票数の割合('''惜敗率''')が高い方が当選者となる。 例えば、Cは小選挙区において90万票を獲得したが、当選者は100万票を獲得していたとする。この時の惜敗率は90%である。一方でDは、98万票を獲得したが、当選者は100万票を獲得していた。この時の惜敗率は98%である。よって、惜敗率がより高いDが当選することになる。 ====近年の動向==== 若者の'''政治的無関心'''(後述)の改善のため、2015年6月に公職選挙法が改正されたことに伴い、2016年6月から選挙権年齢が'''18歳以上'''に引き下げられた('''18歳選挙権''')。 '''一票の格差'''(後述)の是正のため、2022年に公職選挙法が改正されたことに伴い、次回衆議院選挙(第50回)から、小選挙区の定数は10増10減(東京で5増、神奈川で2増、埼玉、愛知、千葉で1増。広島、宮城、新潟、福島、岡山、滋賀、山口、愛媛、長崎、和歌山で1減)、比例代表は3増3減(東京ブロックで2増、南関東ブロックで1増。東北、北陸信越、中国ブロックで1減)となる。この際に使用された定数配分の計算方法を'''アダムズ方式'''という。 ===参議院の選挙制度=== 参議院においても、選挙区制と、比例代表制を組み合わせる選挙制度となっている。有権者には2枚の投票用紙が配られる。選挙区用の投票用紙と、比例代表用の投票用紙である。それぞれに分けて解説する。 ====選挙区==== 選挙区では、原則として都道府県を一つの選挙区としている。各選挙区で立候補した候補者名を書いて投票する。選挙区制であるから、2名以上が当選する。例えば、東京選挙区の当選人数(定数)は12名である。 一方で、参議院の場合、1度の選挙で半数を選挙する形式となっているので、一度の選挙で選ばれる改選議席は6となる。同様に、例えば青森選挙区は定数2名であるが、改選議席は1となる。このような選挙区を'''一人区'''と呼ぶこともある。 なお、選挙区と比例代表の双方に立候補することは'''できない'''。 ====比例代表==== 参議院の比例代表では、'''政党名あるいは個人名'''を書いて投票する。衆議院のように政党が、当選順を記した名簿を作成するのではなく、比例代表に立候補する候補者のみの名簿(順位は記さない)を作成する。その上で、以下のように当選者を決定する。 まず、政党名で書かれた票と、その政党に所属する個人名票を合算し、合計を政党が獲得した票とする。その上で、ドント式によって獲得議席を割り出す。当選順は、'''個人名票が多い順'''に当選する。この方法を、'''非拘束名簿式比例代表制'''という。 =====取り扱い===== {| class="wikitable" |+ X党比例名簿 |- ! 候補者 !! 得票数 !! 当選順位 |- | A || 50万票 || 1位 |- | B || 10万票 || 3位 |- | C || 30万票 || 2位 |- | X党 || 20万票 || |} 例えば、X党は以下のように得票したとする。この時のX党の合計得票数は、50万+10万+30万+20万で110万票となる。 これをドント式により議席を割り出し、X党の獲得議席は2議席となったとする。この時当選するのは、個人名票がより多いAとCとなり、Bは落選する。 ====近年の動向==== 2016年の参議院議員通常選挙より一票の格差是正のため(後述)、徳島県・高知県ならびに鳥取県・島根県の2つの合同選挙区(いわゆる'''合区''')が設置された。一度の選挙で「徳島県・高知県」という選挙区から一人の当選者を選出するという制度である(鳥取県・島根県も同様)。 これにより、各県の代表を一人も参議院に選出することができなくなる可能性が生じ、実際に鳥取県ではそうした事態が起こった。 よって、優先的に当選人となるべき候補者を当選させるため、2019年の参議院通常選挙より、参議院比例区においても、優先的に当選させたい候補を上位に指定する拘束名簿式の要素を加えた。これを'''特定枠'''という。なお、特定枠の人数に制限はない。 ==選挙をめぐる問題== 本稿では、選挙における近年の問題を記述する。 ===一票の格差の問題=== 一票の格差とは、同一の選挙において、選挙区ごとの有権者数が異なることから、'''1票の価値が異なる'''という問題である。 例えば、A選挙区では、有権者が10万人いるのにたいし、B選挙区では有権者が100万人いるとする。どちらも当選者が1名だった場合、A選挙区における有権者票の価値を1とすれば、B選挙区におけるそれは0.1となってしまう。これは平等選挙の原則に反しているため、是正が必要なのである。 過去、'''衆議院'''では裁判所が2度、'''違憲判決'''を出した例がある(1972年、1983年の総選挙)。ただし、選挙結果は有効としている(これを事情判決という)。その一方で、'''参議院'''では'''違憲状態'''であるとする判決は出ているものの、'''違憲判決は出ていない'''。 ===政治とカネの問題=== 2024年においても、政治家とカネの問題が生じている。このような問題は、実は今に始まった問題ではない。詳しくは[[高等学校政治経済/政治/日本の政党政治|日本の政党政治]]で解説しているが、特に55年体制以降、自民党の政治は、金によって政治が動かされるという金権政治の面が大きかった。 これを受けて非自民政権である細川内閣は政治改革に着手し、政治改革四法とよばれる政治改革法案を成立させた。それぞれを簡単にみていこう。 ====①公職選挙法の改正==== 以前までの'''中選挙区制'''(1選挙区に2〜4人が当選する。大選挙区制と同義であるが、日本独自の選挙区制度ということで、中選挙区制と呼ばれた)から、'''小選挙区比例代表並立制'''へと変更された。また、選挙運動の際に買収行為があった場合、その候補者がそれを知らない場合でも処罰の対象となる'''連座制'''が強化された。 ====②衆議院議員選挙区画定審議会設置法==== 一票の格差の是正のため、小選挙区の区分けを審議する、衆議院議員選挙区画定審議会という審議会が設置された。 ====③政治資金規正法の改正==== '''政治家個人'''への政治資金の寄付を、'''個人、企業・団体問わず'''、'''原則禁止'''とした。ただし、企業・団体から、政党や、政治資金団体への寄付制限は'''ない'''。このように、政治資金規正法は、政治資金の'''規制'''(禁止)ではなくあくまで'''規正'''(ただす)目的を持つものである。 ====④政党助成法==== 政治献金などは、一部の個人・団体から資金を寄付される。寄付を受けた政治家は、その人・団体の政治のためを行うと予想できる。 政治は国民全体のものであるという考え方から、国民全員から政治資金を平等に徴収し、それを政治資金とする旨を定めたのが'''政党助成法'''である。国会議員が5名以上いるか、国会議員が1名以上かつ、直近の選挙で2%以上の得票率を得た政党に対し、'''政党交付金'''(国民一人当たり250円とされる)が支払われている。 ===投票率の低下の問題=== 直近の衆議院選挙である第49回衆議院議員総選挙(R3年10月)の投票率は 約56%であった。また、令和4年7月に行われた第26回参議院議員通常選挙では約52%となっている([https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo%20s/news/sonota/ritu/index.html 国政選挙の投票率])。このように、約半数が投票をしておらず、問題となっている。 さらに、国政選挙の年代別投票率は、第49回衆議院議員総選挙では、10歳代が43.23%、20歳代が36.50%、第26回参議院議員通常選挙では、10歳代が35.42%、20歳代が33.99%、30歳代が44.80%である([https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/ 国政選挙の年代別投票率])。このように、'''若者の投票率が低い'''という点も問題となっている。なお、一般に、高齢者ほど投票率が高いため、高齢者に有利な政策が実現しやすいといわれている('''シルバーデモクラシー''')。 このような問題を解決するため、各政党は政策目標である'''マニフェスト(選挙公約)'''を公表していたり、'''インターネットでの選挙運動の解禁'''(2013年)などを行なっているが、効果が出ているとは言い難い。 そもそも、投票率が低い理由の一つには、'''政治的無関心'''があるとされる。有権者の政党への期待感が薄まり、政党支持がない層('''無党派層''')が急増しており、政党や政治への信頼の回復は急務である。 [[カテゴリ:日本]] [[カテゴリ:選挙]]
2024-03-16T23:07:12Z
2024-03-18T02:45:35Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E6%94%BF%E6%B2%BB%E7%B5%8C%E6%B8%88/%E6%94%BF%E6%B2%BB/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%B8%E6%8C%99%E5%88%B6%E5%BA%A6
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高等学校公共/地方自治と住民の生活Ⅳ
本節は、国・地方間の財政調整の仕組みについて解説します。 第二次世界大戦後、連合国軍総司令部のダグラス・マッカーサーが日本を支配しました。1949年、カール・シャウプ税制調査使節団が日本を訪問すると、戦後日本の税制をどのようにしたらよいのかを提案しました(シャウプ勧告)。なお、シャウプ勧告は地方自治の条件も挙げています。シャウプ勧告に基づいて、都道府県と市町村で税源を分けるように勧められました。例えば、都道府県税として付加価値税を導入したり、市町村税として市町村民税や固定資産税を導入したりしました(市町村優先の原則)。しかし、都道府県が市町村優先の原則に反対したので、都道府県と市町村の間で地方自治について対立を繰り返すようになりました。1950年代、教育委員の公選制廃止・小中学校教員任用事務を都道府県に移管・市町村警察の廃止・東京都特別区区長の公選制廃止などが行われました(「逆コース」の改革)。その結果、市町村の自治を弱めて都道府県と市町村の上下関係を強めるようになりました。 連合国軍最高司令官総司令部の地方自治の考え方によると、経済力の格差から自治体間に財政力の格差を生む状況を認めていません。また、自治体が自主財源だけで運営出来なかったら、国が自治体を助けなければならないと考えました。
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 本節は、国・地方間の財政調整の仕組みについて解説します。
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校公共]]>地方自治と住民の生活Ⅳ [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校政治経済]]>地方自治と住民の生活Ⅳ  本節は、国・地方間の財政調整の仕組みについて解説します。 == シャウプ勧告と地方自治体 ==  第二次世界大戦後、連合国軍総司令部のダグラス・マッカーサーが日本を支配しました。1949年、カール・シャウプ税制調査使節団が日本を訪問すると、戦後日本の税制をどのようにしたらよいのかを提案しました(シャウプ勧告)。なお、シャウプ勧告は地方自治の条件も挙げています。シャウプ勧告に基づいて、都道府県と市町村で税源を分けるように勧められました。例えば、都道府県税として付加価値税を導入したり、市町村税として市町村民税や固定資産税を導入したりしました(市町村優先の原則)。しかし、都道府県が市町村優先の原則に反対したので、都道府県と市町村の間で地方自治について対立を繰り返すようになりました。1950年代、教育委員の公選制廃止・小中学校教員任用事務を都道府県に移管・市町村警察の廃止・東京都特別区区長の公選制廃止などが行われました(「逆コース」の改革)。その結果、市町村の自治を弱めて都道府県と市町村の上下関係を強めるようになりました。 == 地方平衡交付金制度 ==  連合国軍最高司令官総司令部の地方自治の考え方によると、経済力の格差から自治体間に財政力の格差を生む状況を認めていません。また、自治体が自主財源だけで運営出来なかったら、国が自治体を助けなければならないと考えました。 == 地方交付税制度 == == 地方税の統制 == == 資料出所 == * 東京書籍『新しい社会 公民』矢ヶ崎典隆ほか編著 2021年 * 東京書籍『公共』間宮陽介ほか編著 2022年 * 東京書籍『政治・経済』杉田敦ほか編著 2022年 * 清水書院『私たちの公共 資料から考える現代社会の課題』大芝亮ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 公共 私たちがひらく未来・社会』中野勝郎ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 新政治・経済』大芝亮ほか編著 2022年 * 第一学習社『高等学校 改訂版 現代社会』谷田部 玲生ほか編著 2017年 * 第一学習社『高等学校 政治・経済』谷田部 玲生ほか編著 2023年 * KADOKAWA『大学入学共通テスト 現代社会の点数が面白いほどとれる本』村中和之著 * KADOKAWA『改訂版 中学公民が面白いほどわかる本』西村 創著 2021年 * 清水書院『用語集 公共+政治・経済 2023~2024年版』 大芝亮、菅野覚明ほか編著 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 社会科学』 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 憲法』 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 行政法』 * TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 社会科学 第3版』2023年 * TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 行政学 第2版』2019年 * TAC出版『渕元哲の行政学まるごと講義生中継』2013年 * エクシア出版『寺本康之の行政学ザ・ベストプラス』2020年 * 資格の大原 公務員講座『テキスト 政治』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 教養科目 ③社会科学』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 専門科目 ⑬行政学』 [[カテゴリ:高等学校公共]] [[カテゴリ:高等学校政治経済]] [[カテゴリ:地方自治]]
2024-03-17T17:43:34Z
2024-03-20T12:38:27Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%85%AC%E5%85%B1/%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%87%AA%E6%B2%BB%E3%81%A8%E4%BD%8F%E6%B0%91%E3%81%AE%E7%94%9F%E6%B4%BB%E2%85%A3
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高等学校公共/新しい人権[幸福追求権]Ⅲ
本節は、環境権について説明します。 綺麗な空気や水のような住みやすい環境は私達の生活に欠かせません。しかし、高度経済成長の時期になると、生活環境の維持よりも経済の発展が優先されました。その結果、水俣病・四日市喘息・イタイイタイ病のような深刻な公害が発生しました。そこで、人間らしく健康で住みやすい環境を守るための権利が主張されるようになりました(環境権)。 日本国憲法の環境権は、幸福追求権と生存権を中心に定められています。環境権は、積極的な保全運動を推進するための請求権的側面と環境破壊を防ぐための自由権的側面があると考えられています。ただし、環境権の環境とは何を指し、誰の権利なのかはっきりしないので、最高裁判所は環境権を正式に認めていません。 問題が起こってから救済しても、これまでの環境・健康・生命は取り戻せません。現在、産業公害の防止・産業公害の克服・環境保護政策が求められています。このうち、環境基本法は、国・地方公共団体・企業の役割を明らかにしつつ、環境を守るために成立しました。また、ダム・空港・発電所のような大きな開発は、環境の影響をあらかじめ調べるために、環境アセスメント(環境影響評価)を行わなければなりません。環境アセスメント(環境影響評価)は、住民や地方自治体の意見を聞き、その意見を事業に反映させるために行われます。事業が始まってからも、もう一度アセスメントを行えます。一部の地方公共団体が環境アセスメント(環境影響評価)を条例で定めていました。1997年、環境アセスメント法(環境影響評価法)が法律として定められました。 日照権・嫌煙権・景観権・入浜権などのような新しい人権は環境権とつながります。環境はそれぞれの国だけで守れません。今後、地球環境問題は、アジアを中心にますます注目されていくでしょう。 1988年、工場・国道・高速道路の大気汚染が健康被害を招いているとして、兵庫県尼崎市の公害認定患者とその家族が、裁判を起こしました(尼崎公害訴訟)。裁判所は、国と阪神高速道路公社の責任を認めました。国側・阪神高速道路公団側・患者側は大型車の通行制限などの改善策を約束しました。 広島県福山市の鞆の浦は、江戸時代の町並みと港をそのまま残しており、歴史的な景勝地として知られています。広島県と福山市は、港湾を埋め立て、橋を架けて道路を繋ぐ計画を立てました。しかし、地元住民がこの計画に強く反対したので、歴史的・文化的な景観を守るために裁判を起こしました(鞆の浦景観訴訟)。2009年、広島地方裁判所は鞆の浦の景観を「国民の財産」と認めました。また、景観保護のために住民側の主張を全面的に認めました。広島地方裁判所は行政側に埋め立て免許の事前差し止めを言い渡しました。結局、その計画は白紙に戻されました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本節は、環境権について説明します。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "綺麗な空気や水のような住みやすい環境は私達の生活に欠かせません。しかし、高度経済成長の時期になると、生活環境の維持よりも経済の発展が優先されました。その結果、水俣病・四日市喘息・イタイイタイ病のような深刻な公害が発生しました。そこで、人間らしく健康で住みやすい環境を守るための権利が主張されるようになりました(環境権)。", "title": "環境権" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "日本国憲法の環境権は、幸福追求権と生存権を中心に定められています。環境権は、積極的な保全運動を推進するための請求権的側面と環境破壊を防ぐための自由権的側面があると考えられています。ただし、環境権の環境とは何を指し、誰の権利なのかはっきりしないので、最高裁判所は環境権を正式に認めていません。", "title": "環境権" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "問題が起こってから救済しても、これまでの環境・健康・生命は取り戻せません。現在、産業公害の防止・産業公害の克服・環境保護政策が求められています。このうち、環境基本法は、国・地方公共団体・企業の役割を明らかにしつつ、環境を守るために成立しました。また、ダム・空港・発電所のような大きな開発は、環境の影響をあらかじめ調べるために、環境アセスメント(環境影響評価)を行わなければなりません。環境アセスメント(環境影響評価)は、住民や地方自治体の意見を聞き、その意見を事業に反映させるために行われます。事業が始まってからも、もう一度アセスメントを行えます。一部の地方公共団体が環境アセスメント(環境影響評価)を条例で定めていました。1997年、環境アセスメント法(環境影響評価法)が法律として定められました。", "title": "環境権" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "日照権・嫌煙権・景観権・入浜権などのような新しい人権は環境権とつながります。環境はそれぞれの国だけで守れません。今後、地球環境問題は、アジアを中心にますます注目されていくでしょう。", "title": "環境権" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "1988年、工場・国道・高速道路の大気汚染が健康被害を招いているとして、兵庫県尼崎市の公害認定患者とその家族が、裁判を起こしました(尼崎公害訴訟)。裁判所は、国と阪神高速道路公社の責任を認めました。国側・阪神高速道路公団側・患者側は大型車の通行制限などの改善策を約束しました。", "title": "環境権" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "広島県福山市の鞆の浦は、江戸時代の町並みと港をそのまま残しており、歴史的な景勝地として知られています。広島県と福山市は、港湾を埋め立て、橋を架けて道路を繋ぐ計画を立てました。しかし、地元住民がこの計画に強く反対したので、歴史的・文化的な景観を守るために裁判を起こしました(鞆の浦景観訴訟)。2009年、広島地方裁判所は鞆の浦の景観を「国民の財産」と認めました。また、景観保護のために住民側の主張を全面的に認めました。広島地方裁判所は行政側に埋め立て免許の事前差し止めを言い渡しました。結局、その計画は白紙に戻されました。", "title": "環境権" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "環境権" } ]
 本節は、環境権について説明します。
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校公共]]>新しい人権[幸福追求権]Ⅲ [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校政治経済]]>新しい人権[幸福追求権]Ⅲ  本節は、環境権について説明します。 == 環境権 ==  綺麗な空気や水のような住みやすい環境は私達の生活に欠かせません。しかし、高度経済成長の時期になると、生活環境の維持よりも経済の発展が優先されました。その結果、水俣病・四日市喘息・イタイイタイ病のような深刻な公害が発生しました。そこで、人間らしく健康で住みやすい環境を守るための権利が主張されるようになりました(環境権)。  日本国憲法の環境権は、幸福追求権と生存権を中心に定められています。環境権は、積極的な保全運動を推進するための請求権的側面と環境破壊を防ぐための自由権的側面があると考えられています〔学説の考え方〕。ただし、環境権の環境とは何を指し、誰の権利なのかはっきりしないので、最高裁判所は環境権を正式に認めていません。  問題が起こってから救済しても、これまでの環境・健康・生命は取り戻せません。現在、産業公害の防止・産業公害の克服・環境保護政策が求められています。このうち、環境基本法は、国・地方公共団体・企業の役割を明らかにしつつ、環境を守るために成立しました。また、ダム・空港・発電所のような大きな開発は、環境の影響をあらかじめ調べるために、環境アセスメント(環境影響評価)を行わなければなりません。環境アセスメント(環境影響評価)は、住民や地方自治体の意見を聞き、その意見を事業に反映させるために行われます。事業が始まってからも、もう一度アセスメントを行えます。一部の地方公共団体が環境アセスメント(環境影響評価)を条例で定めていました。1997年、環境アセスメント法(環境影響評価法)が法律として定められました。  日照権・嫌煙権・景観権・入浜権などのような新しい人権は環境権とつながります。環境はそれぞれの国だけで守れません。今後、地球環境問題は、アジアを中心にますます注目されていくでしょう。 {| style="border:2px solid #F8B800;width:100%" cellspacing="0" ! style="background:#F8B800" |'''日照権''' |- | 環境権の仲間です。集合住宅・高層ビルなどが増えると、住居への日当たり・風通し・景色なども妨げられるようになりました。したがって、それらを元通りにするために、建築に何らかの規制を求めました(日照権)。良好な眺めに関しては、眺望権を独立させます。 |- ! style="background:#F8B800" |'''嫌煙権''' |- | |- ! style="background:#F8B800" |'''景観権''' |- | 美しい自然と街の景観を楽しむ権利(景観権)が住民にあります。2004年、都市農村漁村などの美しい景観を守るために景観法が定められました。 |- ! style="background:#F8B800" |'''入浜権''' |- | 一部の企業が港湾施設として独占したり、埋め立てたりすると海や海岸地域を楽しむ権利(入浜権)を奪うと述べています。入浜権は環境権と結びついています。 |} === 判例 ===  1960年代後半、日本でも地域住民が生活環境の保護と維持を求めるようになりました。大阪空港公害訴訟・厚木基地公害訴訟・横田基地公害訴訟・名古屋新幹線(騒音)訴訟などのように、全国各地で環境権の侵害を理由に訴えました。このような裁判は、人格権と環境権を中心に争われましたが、環境権を一切認めていません。  このうち、大阪空港公害訴訟・国立マンション訴訟・尼崎公害訴訟・鞆の浦景観訴訟については、公共の教科書・政治経済の教科書に事案と判旨まで載っているので、解説します。  大阪空港公害訴訟について、大阪高等裁判所は、人格権の侵害なので、飛行差止請求とこれまでの損害賠償を認めました。しかし、最高裁判所はこれからの損害賠償や夜間飛行差止請求を否定しましたが、これまでの損害賠償のみを認めました。 {| class="wikitable" style="background-color:#White;" ! colspan="2" style="background-color:#A2CA0E;" |[[w:大阪空港訴訟|大阪空港公害訴訟(最高裁判所大法廷判決 昭和56年12月16日)]] |- ! style="background-color:#C2B3D5;" | 事案 | 大阪国際空港の近隣住民が、ジェット機の騒音・排気ガス・揺れなどで公害被害をもたらしているとして、損害賠償と夜間飛行の差し止めなどを求めました。 |- ! style="background-color:#E098BA;" | 判旨 | 大阪国際空港の離着陸についても、運輸大臣の権限(空港管理権と航空行政権)が切れ目なく結びついていると考えなければなりません。したがって、裁判所に航空機の離着陸を差し止めるような請求は、必ず航空行政権の取消と航空行政権の再開を求める請求書を提出しなければなりません。  周辺住民が行政訴訟を通じて損害賠償請求を行えるかどうかは関係なく、国に通常の民事上の請求として民法上の給付請求権を持っていません。このような狭義の民事訴訟の手続きを利用して、一定の時間帯に大阪国際空港で航空機の離着陸を停止するような周辺住民の苦情は、民事訴訟法の趣旨に相応しくありません。 |}  1988年、工場・国道・高速道路の大気汚染が健康被害を招いているとして、兵庫県尼崎市の公害認定患者とその家族が、裁判を起こしました(尼崎公害訴訟)。裁判所は、国と阪神高速道路公社の責任を認めました。国側・阪神高速道路公団側・患者側は大型車の通行制限などの改善策を約束しました。  国立マンション訴訟について、裁判所は「景観利益」の存在を認めましたが、新しい権利「景観権」の存在を否定しました。 {| class="wikitable" style="background-color:#White;" ! colspan="2" style="background-color:#A2CA0E;" | [[w:国立マンション訴訟|国立マンション訴訟(最高裁判所第一小法廷判決 平成18年3月30日)]] |- ! style="background-color:#C2B3D5;" | 事案 | 東京都国立市の地元住民が並木通りの景観を守るため、「景観権」の面から高層マンションの建設中止を求めました。 |- ! style="background-color:#E098BA;" | 判旨 | 住民は良好な景観の近くに住んでいて、その恩恵を日常的に求めています。もし、その景観を壊したら、その破壊に対して同じように対抗出来ます。したがって、良好な景観を求める利益(景観利益)は、法律で守らなければなりません。 [[ファイル:Toho_Junior_and_Senior_High_School-3.jpg|サムネイル|桐朋中学・高等学校グラウンド]]  もっとも、景観利益の内容は、景観がどのような感じなのか、どのように見えるのかなどによって違います。また、景観利益は、社会の変化に左右されます。そのため、私法上の権利といえるような特別な性格を持っていません。景観利益を超えて、景観権を持っているともいえません。  建物の建築が他の人の景観利益を壊しているかどうかは、性質・内容・地域環境・破壊行為のやり方・程度・期間などを総合的に考えて決めなければなりません。景観利益の違法な侵害と判断されるためには、次の条件が求められます。 # 行政法・刑法の違反 # 社会常識に違反したり、自分勝手にやっているのか # 侵害の様子・侵害行為の程度から、社会的に認められる行為として相応しくない。 |}  広島県福山市の鞆の浦は、江戸時代の町並みと港をそのまま残しており、歴史的な景勝地として知られています。広島県と福山市は、港湾を埋め立て、橋を架けて道路を繋ぐ計画を立てました。しかし、地元住民がこの計画に強く反対したので、歴史的・文化的な景観を守るために裁判を起こしました([[w:鞆の浦埋立て架橋計画問題|鞆の浦景観訴訟]])。2009年、広島地方裁判所は鞆の浦の景観を「国民の財産」と認めました。また、景観保護のために住民側の主張を全面的に認めました。広島地方裁判所は行政側に埋め立て免許の事前差し止めを言い渡しました。結局、その計画は白紙に戻されました。 == 資料出所 == * 東京書籍『新しい社会 公民』矢ヶ崎典隆ほか編著 2021年 * 東京書籍『公共』間宮陽介ほか編著 2022年 * 清水書院『私たちの公共 資料から考える現代社会の課題』大芝亮ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 公共 私たちがひらく未来・社会』中野勝郎ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 新政治・経済』大芝亮ほか編著 2022年 * 第一学習社『高等学校 改訂版 現代社会』谷田部 玲生ほか編著 2017年 * 第一学習社『高等学校 政治・経済』谷田部 玲生ほか編著 2023年 * 実教出版株式会社『ビジネス基礎 新訂版』片岡寛ほか編著 2017年 * KADOKAWA『大学入学共通テスト 現代社会の点数が面白いほどとれる本』村中和之著 * KADOKAWA『改訂版 中学公民が面白いほどわかる本』西村 創著 2021年 * 清水書院『用語集 公共+政治・経済 2023~2024年版』 大芝亮、菅野覚明ほか編著 * 学研プラス『中学社会科用語をひとつひとつわかりやすく。 新装版』2021年 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 社会科学』 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 憲法』 * TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 社会科学 第3版』2023年 * 資格の大原 公務員講座『テキスト 政治』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 教養科目 ③社会科学』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 専門科目 ⑦憲法』 [[カテゴリ:高等学校公共]] [[カテゴリ:高等学校政治経済]] [[カテゴリ:幸福追求権]]
2024-03-17T18:36:25Z
2024-03-24T05:02:32Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%85%AC%E5%85%B1/%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E4%BA%BA%E6%A8%A9%EF%BC%BB%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E8%BF%BD%E6%B1%82%E6%A8%A9%EF%BC%BD%E2%85%A2
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アイヌ語 表記の揺れについて
アイヌ語 > 入門編 > 表記の揺れについて アイヌ語は江戸時代に記録が始まってから、日本人、ロシア人、イタリア人、イギリス人、そしてアイヌ自身などの、様々な言語を持つ人々によって、多様に記録されてきました。記録する人それぞれの使用言語やその他の要因により、アイヌ語の表記法には多くのバリエーションがあります。ここでは、最近あまり使用されなくなってきた方法も含め、アイヌ語文書の歴史上現れてきた表記の方法を、できるだけ多く挙げました。ちゃんとした表記がまだ定まっていないため、この中なら基本的には自分の好きな方法で書いて構いませんが、あまり使われていない表記だと誤解を生む可能性もあるので、他の人に向けて書くときはそれなりの配慮も必要かもしれません。 アイヌ語には、日本語にあるような有声音と無声音の違い(カとガなどのような音の関係)で意味が変わることはない。そのため、同じ役割の音が日本語などの話者には違って聞こえることがある。 初期の記録では(アイヌ自身によるものも含め)、区別して書かれることが多かったが、最近ではめっきり少なくなっている。Wikibooksではこれらの違いを区別せずに全て無声音の文字(k,pなど、仮名は濁点を付けない)で書くか、カナ表記の場合のみ区別して書く。 例文:huci, tan sintoko opitta en⹀kore! フチ、 タン シントコ オピッタ エンコレ! (Wikibooksではこれを、場合によっては、フヂ、 タン シンドコ オビッタ エンゴレ! のように書く) 区別して書いているものの例:The_Gospel_in_Many_Tongues_(1930)の7ページ目(ウィキソース)や、アイヌ神謡集(1922、知里幸惠編)青空文庫など アイヌ語では、特定の音の並びなどが現れたとき、音が変化する。詳細は別のページに譲るが、このようなときは、単語が分かりやすいように元の発音で書くか、変化したあとの実際の発音で書くかが問題となる。慣れてくるとどちらで書かれていても正しく読むことが出来るようになるが、慣れるまでは混乱する。 Wikibooksでは、どうしよう。ラテン文字は元の語形のまま、仮名では実際の発音を示す、という表記の教材も幾つかあるけど......。 チャ・チ・チュ・チェ・チョの音は、現代の日本語では(チを除いて)2字を使って表す。日本語ではこれらの音が基本的な音でないからなのだが、アイヌ語ではカ行やサ行と変わらない基本的な発音である。このため、アイヌ語の音規則に則って1字で表そうとする人もいる。 日本語と同じように「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」と表す。日本語話者には分かり易く正しい発音もしやすいが、一文字で表せないため切れ目が分かりづらかったり、2音で読んでしまう可能性がある。 江戸時代のアイヌ語の表記では、チェ音を「セ゚」で表した。また日本語のツァの音を「サ゚」で表すこともあった。この表記は、現代でも使われることがある。 稀に、これらを拡張して、「サ゚・チ・ス゚・セ゚・ソ゚」のように表すこともある。 一文字で表せるため切れ目もわかりやすいが、慣れるまでは混乱するし、他の言語の発音表記ではこれらの文字で違う発音をすることもある。 面倒だからいっそ新しく作ってしまえ!とばかりに、新しく作ってしまった人もいる。例えばこのnoteの投稿の画像にあるようなものだが、現時点では殆ど使われることはない。 ローマ字ではyeやjeのように表される音だが、日本語にはこの音を表す仮名がない。日本語では外来語の発音を表すとき、多くの場合はイェを使うが、「エ」や「イエ」で代用することも多い。 日本語では古くにワ行の音の多くがア行に同化したが、表記の上では書き分けられてきた。ア行とワ行で発音の異なるアイヌ語を表記するときでも日本語と同じように書き分けていたが、戦後に「現代仮名遣い」が公布されると表記の面でもこの仮名を使わなくなったため、その影響を受けてアイヌ語表記にも混乱が生じた。 前述の通り、「現代仮名遣い」の公布されるまではこちらの表記が使われていた。現代の日本語話者には慣れるまで少し読みにくいという難点がある。 実際の発音を反映してs/shやs/šで書き分けることもある。 同じく、
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "アイヌ語 > 入門編 > 表記の揺れについて", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "アイヌ語は江戸時代に記録が始まってから、日本人、ロシア人、イタリア人、イギリス人、そしてアイヌ自身などの、様々な言語を持つ人々によって、多様に記録されてきました。記録する人それぞれの使用言語やその他の要因により、アイヌ語の表記法には多くのバリエーションがあります。ここでは、最近あまり使用されなくなってきた方法も含め、アイヌ語文書の歴史上現れてきた表記の方法を、できるだけ多く挙げました。ちゃんとした表記がまだ定まっていないため、この中なら基本的には自分の好きな方法で書いて構いませんが、あまり使われていない表記だと誤解を生む可能性もあるので、他の人に向けて書くときはそれなりの配慮も必要かもしれません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "アイヌ語には、日本語にあるような有声音と無声音の違い(カとガなどのような音の関係)で意味が変わることはない。そのため、同じ役割の音が日本語などの話者には違って聞こえることがある。", "title": "すべての表記法に共通のもの" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "初期の記録では(アイヌ自身によるものも含め)、区別して書かれることが多かったが、最近ではめっきり少なくなっている。Wikibooksではこれらの違いを区別せずに全て無声音の文字(k,pなど、仮名は濁点を付けない)で書くか、カナ表記の場合のみ区別して書く。", "title": "すべての表記法に共通のもの" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "例文:huci, tan sintoko opitta en⹀kore! フチ、 タン シントコ オピッタ エンコレ! (Wikibooksではこれを、場合によっては、フヂ、 タン シンドコ オビッタ エンゴレ! のように書く)", "title": "すべての表記法に共通のもの" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "区別して書いているものの例:The_Gospel_in_Many_Tongues_(1930)の7ページ目(ウィキソース)や、アイヌ神謡集(1922、知里幸惠編)青空文庫など", "title": "すべての表記法に共通のもの" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "アイヌ語では、特定の音の並びなどが現れたとき、音が変化する。詳細は別のページに譲るが、このようなときは、単語が分かりやすいように元の発音で書くか、変化したあとの実際の発音で書くかが問題となる。慣れてくるとどちらで書かれていても正しく読むことが出来るようになるが、慣れるまでは混乱する。", "title": "すべての表記法に共通のもの" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Wikibooksでは、どうしよう。ラテン文字は元の語形のまま、仮名では実際の発音を示す、という表記の教材も幾つかあるけど......。", "title": "すべての表記法に共通のもの" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "チャ・チ・チュ・チェ・チョの音は、現代の日本語では(チを除いて)2字を使って表す。日本語ではこれらの音が基本的な音でないからなのだが、アイヌ語ではカ行やサ行と変わらない基本的な発音である。このため、アイヌ語の音規則に則って1字で表そうとする人もいる。", "title": "カナ表記" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "日本語と同じように「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」と表す。日本語話者には分かり易く正しい発音もしやすいが、一文字で表せないため切れ目が分かりづらかったり、2音で読んでしまう可能性がある。", "title": "カナ表記" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "江戸時代のアイヌ語の表記では、チェ音を「セ゚」で表した。また日本語のツァの音を「サ゚」で表すこともあった。この表記は、現代でも使われることがある。", "title": "カナ表記" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "稀に、これらを拡張して、「サ゚・チ・ス゚・セ゚・ソ゚」のように表すこともある。", "title": "カナ表記" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "一文字で表せるため切れ目もわかりやすいが、慣れるまでは混乱するし、他の言語の発音表記ではこれらの文字で違う発音をすることもある。", "title": "カナ表記" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "面倒だからいっそ新しく作ってしまえ!とばかりに、新しく作ってしまった人もいる。例えばこのnoteの投稿の画像にあるようなものだが、現時点では殆ど使われることはない。", "title": "カナ表記" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "ローマ字ではyeやjeのように表される音だが、日本語にはこの音を表す仮名がない。日本語では外来語の発音を表すとき、多くの場合はイェを使うが、「エ」や「イエ」で代用することも多い。", "title": "カナ表記" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "日本語では古くにワ行の音の多くがア行に同化したが、表記の上では書き分けられてきた。ア行とワ行で発音の異なるアイヌ語を表記するときでも日本語と同じように書き分けていたが、戦後に「現代仮名遣い」が公布されると表記の面でもこの仮名を使わなくなったため、その影響を受けてアイヌ語表記にも混乱が生じた。", "title": "カナ表記" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "前述の通り、「現代仮名遣い」の公布されるまではこちらの表記が使われていた。現代の日本語話者には慣れるまで少し読みにくいという難点がある。", "title": "カナ表記" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "実際の発音を反映してs/shやs/šで書き分けることもある。", "title": "ラテン文字表記" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "同じく、", "title": "ラテン文字表記" } ]
アイヌ語 > 入門編 > 表記の揺れについて アイヌ語は江戸時代に記録が始まってから、日本人、ロシア人、イタリア人、イギリス人、そしてアイヌ自身などの、様々な言語を持つ人々によって、多様に記録されてきました。記録する人それぞれの使用言語やその他の要因により、アイヌ語の表記法には多くのバリエーションがあります。ここでは、最近あまり使用されなくなってきた方法も含め、アイヌ語文書の歴史上現れてきた表記の方法を、できるだけ多く挙げました。ちゃんとした表記がまだ定まっていないため、この中なら基本的には自分の好きな方法で書いて構いませんが、あまり使われていない表記だと誤解を生む可能性もあるので、他の人に向けて書くときはそれなりの配慮も必要かもしれません。
[[アイヌ語]] > 入門編 > 表記の揺れについて アイヌ語は江戸時代に記録が始まってから、日本人、ロシア人、イタリア人、イギリス人、そしてアイヌ自身などの、様々な言語を持つ人々によって、多様に記録されてきました。記録する人それぞれの使用言語やその他の要因により、アイヌ語の表記法には多くのバリエーションがあります。ここでは、最近あまり使用されなくなってきた方法も含め、アイヌ語文書の歴史上現れてきた表記の方法を、できるだけ多く挙げました。ちゃんとした表記がまだ定まっていないため、この中なら基本的には自分の好きな方法で書いて構いませんが、あまり使われていない表記だと誤解を生む可能性もあるので、他の人に向けて書くときはそれなりの配慮も必要かもしれません。 == すべての表記法に共通のもの == === 無声音と有声音(清音と濁音)の区別 === アイヌ語には、日本語にあるような有声音と無声音の違い(カとガなどのような音の関係)で意味が変わることはない。そのため、同じ役割の音が日本語などの話者には違って聞こえることがある。 初期の記録では(アイヌ自身によるものも含め)、区別して書かれることが多かったが、最近ではめっきり少なくなっている。Wikibooksではこれらの違いを区別せずに全て無声音の文字(k,pなど、仮名は濁点を付けない)で書くか、カナ表記の場合のみ区別して書く。 例文:huci, tan sintoko opitta en⹀kore!  フチ、 タ<small>ン</small> シ<small>ン</small>トコ オピッタ エ<small>ン</small>コレ! (Wikibooksではこれを、場合によっては、フヂ、 タ<small>ン</small> シ<small>ン</small>ドコ オビッタ エ<small>ン</small>ゴレ! のように書く) 区別して書いているものの例:[[oldwikisource:Page:The_Gospel_in_Many_Tongues_(1930).pdf/7|The_Gospel_in_Many_Tongues_(1930)の7ページ目(ウィキソース)]]や、[https://www.aozora.gr.jp/cards/001529/files/44909_29558.html アイヌ神謡集(1922、知里幸惠編)青空文庫]など {| class="wikitable" |+基本的には実際の音に関わりなく無声音の方を使う !無声音(清音) !有声音(濁音) |- |k к |g г |- |t т |d д |- |p п |b б |- |c ч |z џ |- |r̊ ҏ |ř р |} === 連音の音変化 === アイヌ語では、特定の音の並びなどが現れたとき、音が変化する。詳細は別のページに譲るが、このようなときは、単語が分かりやすいように元の発音で書くか、変化したあとの実際の発音で書くかが問題となる。慣れてくるとどちらで書かれていても正しく読むことが出来るようになるが、慣れるまでは混乱する。 Wikibooksでは、どうしよう。ラテン文字は元の語形のまま、仮名では実際の発音を示す、という表記の教材も幾つかあるけど……。 == カナ表記 == === チャ行 === チャ・チ・チュ・チェ・チョの音は、現代の日本語では(チを除いて)2字を使って表す。日本語ではこれらの音が基本的な音でないからなのだが、アイヌ語ではカ行やサ行と変わらない基本的な発音である。このため、アイヌ語の音規則に則って1字で表そうとする人もいる。 ==== 方法1:日本語と同じ ==== 日本語と同じように「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」と表す。日本語話者には分かり易く正しい発音もしやすい<ref>厳密には、ほんの少し違う(ただしアイヌ語にも日本語にもそれより大きな地域差や個人差がある)。</ref>が、一文字で表せないため切れ目が分かりづらかったり、2音で読んでしまう可能性がある。 ==== 方法2:サ行に半濁点を付けて表す ==== 江戸時代のアイヌ語の表記では、チェ音を「セ゚」で表した。また日本語のツァの音を「サ゚」で表すこともあった。この表記は、現代でも使われることがある。 稀に、これらを拡張して、「サ゚・チ・ス゚・セ゚・ソ゚」のように表すこともある。 一文字で表せるため切れ目もわかりやすいが、慣れるまでは混乱するし、他の言語の発音表記ではこれらの文字で違う発音をすることもある。 ==== 方法3:新たな仮名を作る ==== 面倒だからいっそ新しく作ってしまえ!とばかりに、新しく作ってしまった人もいる。例えばこの[https://note.com/qvarie/n/n5f935a37b354 noteの投稿]の画像にあるようなものだが、現時点では殆ど使われることはない。 === ヤ行エ段の仮名 === ローマ字ではyeやjeのように表される音だが、日本語にはこの音を表す仮名がない<ref>昔はあったが、奈良時代頃にはeとの区別が無くなった。 yeもeもある→yeに合流(平安初期)→eに変化(江戸時代頃)のように変わっていったと考えられている。</ref>。日本語では外来語の発音を表すとき、多くの場合はイェを使うが、「エ」や「イエ」で代用することも多い<ref>エルサレムやイエーガーマイスターなど</ref>。 ==== 方法1:イェ ==== ==== 方法2:𛄡 ==== ==== 方法3:エ(eを𛀀で表す) ==== === ワ行<ref>ちなみに、wiという音節は通常現れない。</ref> === 日本語では古くにワ行の音の多くがア行に同化したが、表記の上では書き分けられてきた。ア行とワ行で発音の異なるアイヌ語を表記するときでも日本語と同じように書き分けていたが、戦後に「現代仮名遣い」が公布されると表記の面でもこの仮名を使わなくなったため、その影響を受けてアイヌ語表記にも混乱が生じた。 ==== 方法1:ワ・(ウィ)・ウ・ウェ・ウォ ==== ==== 方法2:ワ・(ヰ)・ウ・ヱ・ヲ ==== 前述の通り、「現代仮名遣い」の公布されるまではこちらの表記が使われていた。現代の日本語話者には慣れるまで少し読みにくいという難点がある。 === 音節末のイ・ウ === ==== 方法1:普通の大きさ ==== ==== 方法2:小書き ==== === 音節末のk,t,p,s === === 音節末のr === === マ行、パ行に続くンの音 === == ラテン文字表記 == === サ行 === 実際の発音を反映してs/shやs/šで書き分けることもある。 === チャ行 === 同じく、 == 脚注 == [[カテゴリ:アイヌ語]]
2024-03-20T09:24:00Z
2024-03-23T17:14:39Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%8C%E8%AA%9E_%E8%A1%A8%E8%A8%98%E3%81%AE%E6%8F%BA%E3%82%8C%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
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地方自治法第15条
法学>行政法>コンメンタール地方自治法
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法学>行政法>コンメンタール地方自治法
[[法学]]>[[行政法]]>[[コンメンタール地方自治法]] ==条文== ;第15条 #普通地方公共団体の長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができる。 #普通地方公共団体の長は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、普通地方公共団体の規則中に、規則に違反した者に対し、5万円以下の[[過料]]を科する旨の規定を設けることができる。 ==解説== :普通地方公共団体の長(首長)の規則制定権について定める。 :首長は、権限に属する事務に関して、政府における政省令・規則に相当する規則を制定することができる。地方公共団体における規則制定権は一部行政委員会で認められるもの([[地方自治法第138条の4]])を除き、原則として首長に集約されており、下位委任されない。 :規則制定権は、[[地方自治法第138条の4]]において、「法令又は普通地方公共団体の条例若しくは規則に違反しない限りにおいて」と定められているのに対して、「法令に違反しない限りにおいて」と定められるので、「条例」の羈束を受けないものと解釈できる。 ==関連条文== ==判例== ---- {{前後 |[[コンメンタール地方自治法|地方自治法]] |[[コンメンタール地方自治法#2|第2編 普通地方公共団体]]<br> [[コンメンタール地方自治法#2-6|第6章 議会]]<br> [[コンメンタール地方自治法#2-6-2|第2節 権限]]<br> |[[地方自治法第14条]]<br>【条例】 |[[地方自治法第16条]]<br>【条例・規則等の公布・公表・施行期日】 }} {{stub|law}} [[category:地方自治法|015]]
2024-03-23T19:38:58Z
2024-03-23T19:40:22Z
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39,352
高等学校公共/新しい人権[幸福追求権]Ⅳ
本節は、自己決定権について説明します。
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 本節は、自己決定権について説明します。
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校公共]]>新しい人権[幸福追求権]Ⅳ [[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校政治経済]]>新しい人権[幸福追求権]Ⅳ  本節は、自己決定権について説明します。 == 自己決定権 == {| class="wikitable" style="background-color:#White;" ! colspan="2" style="background-color:#A2CA0E;" |[[w:どぶろく裁判|とぶろく訴訟(最高裁判所判決 平成元年12月14日)]] |- ! style="background-color:#C2B3D5;" |事案 | |- ! style="background-color:#E098BA;" |判旨 | したがって、自己消費目的の酒類製造を制限されても、このような規制は国会の裁量権に入っており、目的に合っているので、日本国憲法第31条と日本国憲法第13条に違反しません。 |} == 資料出所 == * 東京書籍『新しい社会 公民』矢ヶ崎典隆ほか編著 2021年 * 東京書籍『公共』間宮陽介ほか編著 2022年 * 清水書院『私たちの公共 資料から考える現代社会の課題』大芝亮ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 公共 私たちがひらく未来・社会』中野勝郎ほか編著 2022年 * 清水書院『高等学校 新政治・経済』大芝亮ほか編著 2022年 * 第一学習社『高等学校 改訂版 現代社会』谷田部 玲生ほか編著 2017年 * 第一学習社『高等学校 政治・経済』谷田部 玲生ほか編著 2023年 * 実教出版株式会社『ビジネス基礎 新訂版』片岡寛ほか編著 2017年 * KADOKAWA『大学入学共通テスト 現代社会の点数が面白いほどとれる本』村中和之著 * KADOKAWA『改訂版 中学公民が面白いほどわかる本』西村 創著 2021年 * 清水書院『用語集 公共+政治・経済 2023~2024年版』 大芝亮、菅野覚明ほか編著 * 学研プラス『中学社会科用語をひとつひとつわかりやすく。 新装版』2021年 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 社会科学』 * 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 憲法』 * TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 社会科学 第3版』2023年 * 資格の大原 公務員講座『テキスト 政治』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 教養科目 ③社会科学』 * 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 専門科目 ⑦憲法』 [[カテゴリ:高等学校公共]] [[カテゴリ:高等学校政治経済]] [[カテゴリ:幸福追求権]]
2024-03-24T03:42:32Z
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39,353
琉球語
琉球語(りゅうきゅうご)は、日本語と同系の言語で、南西諸島で話されています。地域によってかなり差がありますが、ここでは琉球王国で標準語として使われていた首里(現在の那覇市)の方言を扱います。琉球語で琉球語のことは「ウチナーグチ(沖縄口)」と呼ばれます。ここで扱うのは琉球の伝統的な言語である琉球語であり、琉球語と日本語が混ざり合った新方言である沖縄弁(沖縄方言、ウチナーヤマトグチ)ではありません。 琉球語は、歴史的には日本語と同じように平仮名、漢字を用いて表記されてきました。この他、近年では日本語にない発音を表記するために特別な文字が使われることもありますが、まだ一般的ではありませんので扱いません。したがって、この教科書を読み進める上で日本語を母語とする方が新たに覚える必要のある文字はありませんし、「をぅ」のような独特の表記もなるべく使いませんが、同じ文字だからと言って日本語と発音が同じであるとは限らないことには注意しておいてください。 琉球語には、日本語と同じように/a/、/i/、/u/、/e/、/o/の5つの母音があります。ただし、日本語で/e/と発音する単語は琉球語では/i/の発音になりますし、日本語で/o/と発音する単語は琉球語では/u/の発音になりますので注意しておいてください。二重母音では日本語の/ai/と/ae/が/ee/、/au/と/ao/が/oo/にそれぞれ変化します。子音では、琉球語には「声門破裂音」/ʔ/と呼ばれる、喉の奥で小さく「ん」を発音するような独特の子音があります。感覚としては「っあ」「っい」「っう」「っえ」「っお」に近いです。また、日本語でいうタ行は「タ、ティ、トゥ、テ、ト」と「チャ、チ、チュ、チェ、チョ」という2つの行に分かれています。これ以外の子音には日本語と大きな違いはありません。
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琉球語(りゅうきゅうご)は、日本語と同系の言語で、南西諸島で話されています。地域によってかなり差がありますが、ここでは琉球王国で標準語として使われていた首里(現在の那覇市)の方言を扱います。琉球語で琉球語のことは「ウチナーグチ(沖縄口)」と呼ばれます。ここで扱うのは琉球の伝統的な言語である琉球語であり、琉球語と日本語が混ざり合った新方言である沖縄弁(沖縄方言、ウチナーヤマトグチ)ではありません。
[[ファイル:Naha Okinawa Japan Shuri-Castle-01.jpg|300px|中央]] '''琉球語'''(りゅうきゅうご)は、日本語と同系の言語で、南西諸島で話されています。地域によってかなり差がありますが、ここでは琉球王国で標準語として使われていた首里(現在の那覇市)の方言を扱います。琉球語で琉球語のことは「'''ウチナーグチ'''(沖縄口)」と呼ばれます。ここで扱うのは琉球の伝統的な言語である琉球語であり、琉球語と日本語が混ざり合った新方言である沖縄弁(沖縄方言、ウチナーヤマトグチ)ではありません。 == 文字 == 琉球語は、歴史的には日本語と同じように平仮名、漢字を用いて表記されてきました。この他、近年では日本語にない発音を表記するために特別な文字が使われることもありますが、まだ一般的ではありませんので扱いません。したがって、この教科書を読み進める上で日本語を母語とする方が新たに覚える必要のある文字はありませんし、「をぅ」のような独特の表記もなるべく使いませんが、同じ文字だからと言って日本語と発音が同じであるとは限らないことには注意しておいてください。 == 音韻 == 琉球語には、日本語と同じように/a/、/i/、/u/、/e/、/o/の5つの母音があります。ただし、日本語で/e/と発音する単語は琉球語では/i/の発音になりますし、日本語で/o/と発音する単語は琉球語では/u/の発音になりますので注意しておいてください。二重母音では日本語の/ai/と/ae/が/ee/、/au/と/ao/が/oo/にそれぞれ変化します。子音では、琉球語には「声門破裂音」/ʔ/と呼ばれる、喉の奥で小さく「ん」を発音するような独特の子音があります。感覚としては「っあ」「っい」「っう」「っえ」「っお」に近いです。また、日本語でいうタ行は「タ、ティ、トゥ、テ、ト」と「チャ、チ、チュ、チェ、チョ」という2つの行に分かれています。これ以外の子音には日本語と大きな違いはありません。 [[カテゴリ:日本語の方言|りゆうきゆう]]
2024-03-24T07:32:59Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%90%89%E7%90%83%E8%AA%9E
39,354
将棋類
本将棋以外の将棋のバリエーション、将棋の駒を用いたゲームなどを収録します。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "本将棋以外の将棋のバリエーション、将棋の駒を用いたゲームなどを収録します。", "title": "" } ]
本将棋以外の将棋のバリエーション、将棋の駒を用いたゲームなどを収録します。
本将棋以外の将棋のバリエーション、将棋の駒を用いたゲームなどを収録します。 == 将棋のバリエーション == === 駒の数が違う === *[[/小将棋]] *[[/中将棋]] *[[/大将棋]] *[[/天竺大将棋]] *[[/大大将棋]] *[[/秦将棋]] *[[/大局将棋]] *[[/5五将棋]] *[[/3三将棋]] *[[/歩なし将棋]] === 対局の方法が違う === *[[/郵便将棋]] *[[/衝立将棋]] *[[/かくし将棋]] *[[/四人将棋]] === 特別なルールがある === *[[/取る一手将棋]] *[[/持ち駒不使用将棋]] *[[/二手指し将棋]] *[[/王手将棋]] == 将棋の駒を用いたゲーム == *[[/まわり将棋]] *[[/山崩し]] *[[/はさみ将棋]] [[Category:将棋|しようきるい]]
2024-03-24T07:52:25Z
2024-03-24T07:52:25Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B0%86%E6%A3%8B%E9%A1%9E
39,355
将棋類/5五将棋
5五将棋とは、通常の将棋盤より小さい5x5の盤で行う将棋です。 5五将棋は右の図のように駒を並べます。自陣は一番手前の行だけです。それ以外のルールは本将棋と同じです。 盤が小さいため、初手から大駒が動けるなど急戦に適したゲームです。そのため、玉を守ろうとするよりもどんどん攻めていくことが重要です。 初手は「5三歩」「4四玉」「4四金」「3四金」「3四銀」「4四銀」「2四銀」「1四角」「3四角」「4三角」「1四飛」「5二角」「1三飛」「1二飛」の14通りありますが、最後の三つは大駒をただで渡してしまうか、歩と交換する手なので悪手です。歩を突くのも取られてしまうだけなので避けた方が無難です。大駒を生かすことを考えるのであれば、1四飛と指すのが無難でしょう。玉がすぐに詰まされないように4四玉と指すのも良いでしょう。ただ、初心者は銀や金を動かしておくのが一番戦いやすいかもしれません。特に「4四銀」は相手の大駒に睨みを利かせることができるのでおすすめです。 対局開始から4四銀→3二角→4三角→同角→同銀で角交換が成り立ちます。しかし、ここで3三角と王手飛車取りをかけられてしまいますので、先手にとってはこの手は得策ではありません。 対局開始から1四飛→2二銀→4四飛→5二角→同角→同飛→4一飛成とすれば角交換をした上で飛車を成らせることができます。後手は飛車を取られてはまずいので3三角と王手をかけるでしょうが、4四銀→同角→同金→5一銀→5二竜→同銀で、大駒4枚のうち飛車1枚と角2枚が先手のものになるので有利になります。先手は5一に飛車を打ち、4三銀→同金と銀も手に入れることができます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "5五将棋とは、通常の将棋盤より小さい5x5の盤で行う将棋です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "5五将棋は右の図のように駒を並べます。自陣は一番手前の行だけです。それ以外のルールは本将棋と同じです。", "title": "ルール" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "盤が小さいため、初手から大駒が動けるなど急戦に適したゲームです。そのため、玉を守ろうとするよりもどんどん攻めていくことが重要です。", "title": "戦術" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "初手は「5三歩」「4四玉」「4四金」「3四金」「3四銀」「4四銀」「2四銀」「1四角」「3四角」「4三角」「1四飛」「5二角」「1三飛」「1二飛」の14通りありますが、最後の三つは大駒をただで渡してしまうか、歩と交換する手なので悪手です。歩を突くのも取られてしまうだけなので避けた方が無難です。大駒を生かすことを考えるのであれば、1四飛と指すのが無難でしょう。玉がすぐに詰まされないように4四玉と指すのも良いでしょう。ただ、初心者は銀や金を動かしておくのが一番戦いやすいかもしれません。特に「4四銀」は相手の大駒に睨みを利かせることができるのでおすすめです。", "title": "戦術" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "対局開始から4四銀→3二角→4三角→同角→同銀で角交換が成り立ちます。しかし、ここで3三角と王手飛車取りをかけられてしまいますので、先手にとってはこの手は得策ではありません。", "title": "戦術" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "対局開始から1四飛→2二銀→4四飛→5二角→同角→同飛→4一飛成とすれば角交換をした上で飛車を成らせることができます。後手は飛車を取られてはまずいので3三角と王手をかけるでしょうが、4四銀→同角→同金→5一銀→5二竜→同銀で、大駒4枚のうち飛車1枚と角2枚が先手のものになるので有利になります。先手は5一に飛車を打ち、4三銀→同金と銀も手に入れることができます。", "title": "戦術" } ]
5五将棋とは、通常の将棋盤より小さい5x5の盤で行う将棋です。
'''5五将棋'''とは、通常の将棋盤より小さい5x5の盤で行う[[将棋]]です。 == ルール == [[ファイル:55 shogi.png|右]] 5五将棋は右の図のように駒を並べます。自陣は一番手前の行だけです。それ以外のルールは本将棋と同じです。 == 戦術 == 盤が小さいため、初手から大駒が動けるなど急戦に適したゲームです。そのため、玉を守ろうとするよりもどんどん攻めていくことが重要です。 === 初手 === 初手は「5三歩」「4四玉」「4四金」「3四金」「3四銀」「4四銀」「2四銀」「1四角」「3四角」「4三角」「1四飛」「5二角」「1三飛」「1二飛」の14通りありますが、最後の三つは大駒をただで渡してしまうか、歩と交換する手なので悪手です。歩を突くのも取られてしまうだけなので避けた方が無難です。大駒を生かすことを考えるのであれば、1四飛と指すのが無難でしょう。玉がすぐに詰まされないように4四玉と指すのも良いでしょう。ただ、初心者は銀や金を動かしておくのが一番戦いやすいかもしれません。特に「4四銀」は相手の大駒に睨みを利かせることができるのでおすすめです。 === 悪い角交換 === 対局開始から4四銀→3二角→4三角→同角→同銀で角交換が成り立ちます。しかし、ここで3三角と王手飛車取りをかけられてしまいますので、先手にとってはこの手は得策ではありません。 === 飛車を動かす === 対局開始から1四飛→2二銀→4四飛→5二角→同角→同飛→4一飛成とすれば角交換をした上で飛車を成らせることができます。後手は飛車を取られてはまずいので3三角と王手をかけるでしょうが、4四銀→同角→同金→5一銀→5二竜→同銀で、大駒4枚のうち飛車1枚と角2枚が先手のものになるので有利になります。先手は5一に飛車を打ち、4三銀→同金と銀も手に入れることができます。
2024-03-24T08:59:18Z
2024-03-24T08:59:18Z
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39,356
将棋類/二手指し将棋
二手指し将棋は、一度に二つの手を指すことができる将棋です。通常の将棋と違い、実際に玉を取って初めて勝ちとなります。それ以外のルールは本将棋と同じです。 例えば、対局開始から(7六歩→7五歩)→(8四歩→8五歩)→(3三角成→1五馬)で先手の勝ちです。このような負け方を防ぐには、後手は先手が角道を開けたら、6二玉→7二玉のように玉を動かしておくべきでしょう。これ以外にも、この将棋では「王手をかけられる⇒負け」ということになりますから、特に大駒の動きには留意しておく必要があります。対局は2倍のペースで進むことになりますので、玉の囲いはきちんと行っておきましょう。特に、直接王手がかからない穴熊囲いは有効ですが、囲むのに手数がかかるのでそれまでに攻められないよう十分に注意しましょう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "二手指し将棋は、一度に二つの手を指すことができる将棋です。通常の将棋と違い、実際に玉を取って初めて勝ちとなります。それ以外のルールは本将棋と同じです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "例えば、対局開始から(7六歩→7五歩)→(8四歩→8五歩)→(3三角成→1五馬)で先手の勝ちです。このような負け方を防ぐには、後手は先手が角道を開けたら、6二玉→7二玉のように玉を動かしておくべきでしょう。これ以外にも、この将棋では「王手をかけられる⇒負け」ということになりますから、特に大駒の動きには留意しておく必要があります。対局は2倍のペースで進むことになりますので、玉の囲いはきちんと行っておきましょう。特に、直接王手がかからない穴熊囲いは有効ですが、囲むのに手数がかかるのでそれまでに攻められないよう十分に注意しましょう。", "title": "戦術" } ]
二手指し将棋は、一度に二つの手を指すことができる将棋です。通常の将棋と違い、実際に玉を取って初めて勝ちとなります。それ以外のルールは本将棋と同じです。
'''二手指し将棋'''は、一度に二つの手を指すことができる将棋です。通常の将棋と違い、実際に玉を取って初めて勝ちとなります。それ以外のルールは本将棋と同じです。 == 戦術 == 例えば、対局開始から(7六歩→7五歩)→(8四歩→8五歩)→(3三角成→1五馬)で先手の勝ちです。このような負け方を防ぐには、後手は先手が角道を開けたら、6二玉→7二玉のように玉を動かしておくべきでしょう。これ以外にも、この将棋では「王手をかけられる⇒負け」ということになりますから、特に大駒の動きには留意しておく必要があります。対局は2倍のペースで進むことになりますので、玉の囲いはきちんと行っておきましょう。特に、直接王手がかからない穴熊囲いは有効ですが、囲むのに手数がかかるのでそれまでに攻められないよう十分に注意しましょう。
2024-03-24T09:15:20Z
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39,357
将棋類/衝立将棋
衝立将棋(ついたてしょうぎ)は、衝立を使い、相手の駒の動きが見えないようにして行う将棋です。 衝立将棋を行うには、駒は1セットで構いませんが将棋盤は2台用意する必要があります。また、審判も必要です。2台の将棋盤の間に衝立を設置し、その前にそれぞれの対局者が座ります。それぞれの将棋盤に自陣の分だけの駒を並べ、対局を開始します。審判は、反則に相当する手が行われた場合にその旨を告げますが、「反則」と言うだけです。何故反則なのかは言ってはいけません。反則が9回以上になった場合は負けとなります。この他、王手の場合は「王手」と告げますが、どの駒で王手したのか、その駒はどこにあるのかも告げてはいけません。駒を取った場合、審判は相手の駒台に駒を置きます。 衝立将棋では、反則をしてもすぐには負けとはなりませんので、敢えて反則になる可能性がある手を指して相手の駒がどこにあるかを推測するのも有効です。ただし、行いすぎると反則の回数が多くなり負けてしまう可能性がありますのでここぞという場面で使いましょう。基本的には、駒を動かして反則になったらその間に相手の駒があるものと考えてください。
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衝立将棋(ついたてしょうぎ)は、衝立を使い、相手の駒の動きが見えないようにして行う将棋です。
'''衝立将棋'''(ついたてしょうぎ)は、衝立を使い、相手の駒の動きが見えないようにして行う[[将棋]]です。 == ルール == 衝立将棋を行うには、駒は1セットで構いませんが将棋盤は2台用意する必要があります。また、審判も必要です。2台の将棋盤の間に衝立を設置し、その前にそれぞれの対局者が座ります。それぞれの将棋盤に自陣の分だけの駒を並べ、対局を開始します。審判は、反則に相当する手が行われた場合にその旨を告げますが、「反則」と言うだけです。何故反則なのかは言ってはいけません。反則が9回以上になった場合は負けとなります。この他、王手の場合は「王手」と告げますが、どの駒で王手したのか、その駒はどこにあるのかも告げてはいけません。駒を取った場合、審判は相手の駒台に駒を置きます。 == 戦術 == 衝立将棋では、反則をしてもすぐには負けとはなりませんので、敢えて反則になる可能性がある手を指して相手の駒がどこにあるかを推測するのも有効です。ただし、行いすぎると反則の回数が多くなり負けてしまう可能性がありますのでここぞという場面で使いましょう。基本的には、駒を動かして反則になったらその間に相手の駒があるものと考えてください。
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将棋類/郵便将棋
郵便将棋(ゆうびんしょうぎ)とは、郵便で次の手を送ることにより対局する将棋です。 郵便将棋にはかなりの時間がかかります。将棋では1対局の平均手数が100手前後です。そして、はがきで対局する場合、届くまでにも最低でも2日かかり、土日祝日は配達されませんから最大でも1か月に10手程度しか進めることができません。したがって、1局行うには平均して10か月程度、長いと1年以上かかることになりますので、何人かと同時に対戦している人がほとんどです。また、はがきと切手が各50枚前後必要となりますので、その代金も必要となります。このように郵便将棋は通常の将棋と比べて、時間も費用もかかるものですので、じっくり考えることができる一方で挫折もしやすくなります。直接会えない人とも対局できるのも利点です。 まず、先手・後手を決める必要があります。直接会える場合には会って、両者が立ち会った上で振り駒を行って先手・後手を決めれば良いでしょう。直接会えない場合、対局の前にまず相手と連絡を取り、順番の決め方について相手と話し合い、納得できる形で順番を決めましょう。また、トラブルを避けるため、「前の手から1か月経っても返信がない場合は対局を放棄したものとみなす」のようなルールを決めておくことも有効です。 はがきには、消せないペンで次の一手を読み間違えられないよう濃く丁寧に書きます。書き方は「7六歩」のような棋譜の形式で構いませんが、成れる場合には成ったかどうか、複数の駒がそこに移動できる場合は「左」「右」「打」などの文字を書くのを忘れないようにしてください。逆に、相手の書いてきた手が曖昧だった場合には早めに確認を取るようにします。手を考える際には、将棋盤と駒があれば実際に動かしながら考えるのも良いでしょう。順番を取り違えないよう、はがきに番号を振っておくことも有効です。投了する場合や自玉が詰まされた場合には放置せずに「負けました」などと書いた手紙をきちんと送るようにしましょう。 近年では、郵便の代わりに電子メールで対局を行うことも一般的です。電子メールの場合、時間も通信費も葉書ほどにはかかりませんが、それでも短くて数日がかりの対局になるでしょう。件名に次の手を書くようにすると相手に分かりやすくなります。ただし、タイプミスには注意してください。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "郵便将棋(ゆうびんしょうぎ)とは、郵便で次の手を送ることにより対局する将棋です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "郵便将棋にはかなりの時間がかかります。将棋では1対局の平均手数が100手前後です。そして、はがきで対局する場合、届くまでにも最低でも2日かかり、土日祝日は配達されませんから最大でも1か月に10手程度しか進めることができません。したがって、1局行うには平均して10か月程度、長いと1年以上かかることになりますので、何人かと同時に対戦している人がほとんどです。また、はがきと切手が各50枚前後必要となりますので、その代金も必要となります。このように郵便将棋は通常の将棋と比べて、時間も費用もかかるものですので、じっくり考えることができる一方で挫折もしやすくなります。直接会えない人とも対局できるのも利点です。", "title": "特徴" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "まず、先手・後手を決める必要があります。直接会える場合には会って、両者が立ち会った上で振り駒を行って先手・後手を決めれば良いでしょう。直接会えない場合、対局の前にまず相手と連絡を取り、順番の決め方について相手と話し合い、納得できる形で順番を決めましょう。また、トラブルを避けるため、「前の手から1か月経っても返信がない場合は対局を放棄したものとみなす」のようなルールを決めておくことも有効です。", "title": "対局の流れ" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "はがきには、消せないペンで次の一手を読み間違えられないよう濃く丁寧に書きます。書き方は「7六歩」のような棋譜の形式で構いませんが、成れる場合には成ったかどうか、複数の駒がそこに移動できる場合は「左」「右」「打」などの文字を書くのを忘れないようにしてください。逆に、相手の書いてきた手が曖昧だった場合には早めに確認を取るようにします。手を考える際には、将棋盤と駒があれば実際に動かしながら考えるのも良いでしょう。順番を取り違えないよう、はがきに番号を振っておくことも有効です。投了する場合や自玉が詰まされた場合には放置せずに「負けました」などと書いた手紙をきちんと送るようにしましょう。", "title": "対局の流れ" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "近年では、郵便の代わりに電子メールで対局を行うことも一般的です。電子メールの場合、時間も通信費も葉書ほどにはかかりませんが、それでも短くて数日がかりの対局になるでしょう。件名に次の手を書くようにすると相手に分かりやすくなります。ただし、タイプミスには注意してください。", "title": "電子メール将棋" } ]
郵便将棋(ゆうびんしょうぎ)とは、郵便で次の手を送ることにより対局する将棋です。
'''郵便将棋'''(ゆうびんしょうぎ)とは、郵便で次の手を送ることにより対局する将棋です。 == 特徴 == 郵便将棋にはかなりの時間がかかります。将棋では1対局の平均手数が100手前後です。そして、はがきで対局する場合、届くまでにも最低でも2日かかり、土日祝日は配達されませんから最大でも1か月に10手程度しか進めることができません。したがって、1局行うには平均して10か月程度、長いと1年以上かかることになりますので、何人かと同時に対戦している人がほとんどです。また、はがきと切手が各50枚前後必要となりますので、その代金も必要となります。このように郵便将棋は通常の将棋と比べて、時間も費用もかかるものですので、じっくり考えることができる一方で挫折もしやすくなります。直接会えない人とも対局できるのも利点です。 == 対局の流れ == まず、先手・後手を決める必要があります。直接会える場合には会って、両者が立ち会った上で振り駒を行って先手・後手を決めれば良いでしょう。直接会えない場合、対局の前にまず相手と連絡を取り、順番の決め方について相手と話し合い、納得できる形で順番を決めましょう。また、トラブルを避けるため、「前の手から1か月経っても返信がない場合は対局を放棄したものとみなす」のようなルールを決めておくことも有効です。 はがきには、消せないペンで次の一手を読み間違えられないよう濃く丁寧に書きます。書き方は「7六歩」のような棋譜の形式で構いませんが、成れる場合には成ったかどうか、複数の駒がそこに移動できる場合は「左」「右」「打」などの文字を書くのを忘れないようにしてください。逆に、相手の書いてきた手が曖昧だった場合には早めに確認を取るようにします。手を考える際には、将棋盤と駒があれば実際に動かしながら考えるのも良いでしょう。順番を取り違えないよう、はがきに番号を振っておくことも有効です。投了する場合や自玉が詰まされた場合には放置せずに「負けました」などと書いた手紙をきちんと送るようにしましょう。 == 電子メール将棋 == 近年では、郵便の代わりに電子メールで対局を行うことも一般的です。電子メールの場合、時間も通信費も葉書ほどにはかかりませんが、それでも短くて数日がかりの対局になるでしょう。件名に次の手を書くようにすると相手に分かりやすくなります。ただし、タイプミスには注意してください。
2024-03-24T10:22:00Z
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将棋/詰将棋 1手詰
詰将棋(つめしょうぎ)は、王手の連続により相手の玉を詰ますことを目指すパズルです。最も簡単な詰将棋は「1手詰」、つまりその1手で相手の玉が詰む手を考えるものです。どの問題も答えは一つしかありません(成・不成だけが違うものを除く)。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "詰将棋(つめしょうぎ)は、王手の連続により相手の玉を詰ますことを目指すパズルです。最も簡単な詰将棋は「1手詰」、つまりその1手で相手の玉が詰む手を考えるものです。どの問題も答えは一つしかありません(成・不成だけが違うものを除く)。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "", "title": "第1問" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "", "title": "第2問" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "", "title": "第3問" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "", "title": "第4問" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "", "title": "第5問" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "", "title": "解答・第1問" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "", "title": "解答・第2問" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "", "title": "解答・第3問" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "", "title": "解答・第4問" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "", "title": "解答・第5問" } ]
詰将棋(つめしょうぎ)は、王手の連続により相手の玉を詰ますことを目指すパズルです。最も簡単な詰将棋は「1手詰」、つまりその1手で相手の玉が詰む手を考えるものです。どの問題も答えは一つしかありません(成・不成だけが違うものを除く)。
'''詰将棋'''(つめしょうぎ)は、王手の連続により相手の玉を詰ますことを目指すパズルです。最も簡単な詰将棋は「1手詰」、つまりその1手で相手の玉が詰む手を考えるものです。どの問題も答えは一つしかありません(成・不成だけが違うものを除く)。 == 第1問 == {{Shogi diagram|tleft |あなたは先手です。この局面から1手で相手玉を詰ませてください。 | 残り全て | | | |kg| | | | | | | | | | | | | | | | |gs|ps| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |なし | }} {{-}} == 第2問 == {{Shogi diagram|tleft |あなたは先手です。この局面から1手で相手玉を詰ませてください。 | 残り全て | | | | | | | |pg|kg | | | | | | | |sg|pg | | | | | | | | |ng | | | | | | | | | | | | | | | | | |ns | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |bs| | | | | | | | |なし | }} {{-}} == 第3問 == {{Shogi diagram|tleft |あなたは先手です。この局面から1手で相手玉を詰ませてください。 | 残り全て | | | | | | |ss| | | | | | | | | | | | | | | |bs| |kg| | | | | | | | | |rs| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |なし | }} {{-}} == 第4問 == {{Shogi diagram|tleft |あなたは先手です。この局面から1手で相手玉を詰ませてください。 | 残り全て | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |gg|gg | | | |rs|bs| | | |kg | | | | | | | | |gg | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |なし | }} {{-}} == 第5問 == {{Shogi diagram|tleft |あなたは先手です。この局面から1手で相手玉を詰ませてください。 | 残り全て | | | | | |kg| | | | | | | | | | | |rg | | | | | |ns| | | | | | | |ns|ns| | | | | | | | |ns| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |なし | }} {{-}} == 解答・第1問 == {{Shogi diagram|tleft |答え | 残り全て | | | |kg| | | | | | | | |gsl| | | | | | | | |ps| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |なし |☗6二金...頭金の形です。 }} {{-}} == 解答・第2問 == {{Shogi diagram|tleft |答え | 残り全て | | | | | | | |pg|kg | | | | | | | |sg|pg | | | | | | | |nsl|ng | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |bs| | | | | | | | |なし |☗2三桂不成...成ってしまうと王手にならず詰みません。 }} {{-}} == 解答・第3問 == {{Shogi diagram|tleft |答え | 残り全て | | | | | | |ss| | | | | | | |hsl| | | | | | | | | |kg| | | | | | | | | |rs| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |なし |☗3二角成...成らないと☖4三玉と逃げられるので詰みません。 }} {{-}} == 解答・第4問 == {{Shogi diagram|tleft |答え | 残り全て | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |gg|gg | | | |rs| | | | |kg | | | | | | | | |gg | | | | | | |bsl| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |なし |☗3六角...飛車と角の両王手になっています。 }} {{-}} == 解答・第5問 == {{Shogi diagram|tleft |答え | 残り全て | | | | | |kg| | | | | | | | | | | |rg | | | | |nsl|ns| | | | | | | |ns|ns| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | |なし |☗5三桂不成 動かすのが4行目の桂馬だと飛車に取られてしまいます。 }} {{-}}
2024-03-24T11:36:53Z
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[ "テンプレート:Shogi diagram", "テンプレート:-" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%B0%86%E6%A3%8B/%E8%A9%B0%E5%B0%86%E6%A3%8B_1%E6%89%8B%E8%A9%B0
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クロスワードパズル
クロスワードパズルとは、ヒントと文字数を頼りに当てはまる語を入れていき、全てのマスを埋めるパズルです。
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クロスワードパズルとは、ヒントと文字数を頼りに当てはまる語を入れていき、全てのマスを埋めるパズルです。
'''クロスワードパズル'''とは、ヒントと文字数を頼りに当てはまる語を入れていき、全てのマスを埋めるパズルです。 == 日本語の例 == {| class="wikitable" |+ クロスワード例 |- |9,10||||1.||6.||7. |- |||2,3|||||| |- |4|||||||| |- |||5|||||| |- |8|||||||| |} *縦 **1.このサイトの名は「ウィキ○○○○」。 **3.4月1日はエイプリル○○○の日。 **6.お湯を沸かす器具。 **7.夜にする挨拶。 **9.不完全燃焼で発生するのは○○○○○炭素。 *横 **2.サッカーやラグビーは○○○ボールの一種。 **4.大学などの同好会のこと。 **5.外出する時には○○○○電話を設定する。 **8.憲法を変えようとする勢力 **10.「全体」の対義語 === 解答 === {| class="wikitable" |+ クロスワード例 |- |イ||チ||ブ||ケ||コ |- |ッ||フ||ッ||ト||ン |- |サ||ー||ク||ル||バ |- |ン||ル||ス||バ||ン |- |カ||イ||ケ||ン||ハ |} == 解き方 == *他の語句のヒントとなりやすい、文字数が多いものから考えるとよいでしょう。 *合わないと思ったら類義語を試してみましょう。 *黒く塗られているダミーのマスがある場合はその近くの語句から考えてみましょう。 *例えば他のヒントで頭文字が「サ」であることが分かったものがあれば、「サア、サイ、サウ、サエ、サオ...」などと唱えながら当てはまる語がないか探してみましょう。 ===日本語の場合=== *ツ、ヤ、ユ、ヨなどは大きい文字と小さい文字を区別していないことがあるので、それにも注意して探してみましょう。 *基本的に「ヲ」や「ン」は語頭に来ないこともヒントになります。 ===英語の場合=== *アルファベットは音素文字なので、音節文字である仮名に比べると音を絞りやすいです。 *「Q」の後にはほとんどの場合「U」が続くことに注意します。 [[Category:パズル|くろすわあと]]
2024-03-24T12:29:15Z
2024-03-24T12:37:38Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%91%E3%82%BA%E3%83%AB
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パズル
パズルは、論理的な思考によって答えを導くゲームです。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "パズルは、論理的な思考によって答えを導くゲームです。", "title": "" } ]
パズルは、論理的な思考によって答えを導くゲームです。 ペンシルパズル クロスワードパズル 迷路 数独 お絵かきロジック スリザーリンク 点つなぎ ソリティア ペグ・ソリテール 数学パズル モンティ・ホール問題 川渡り問題 贋金と天秤 魔方陣 虫食い算 覆面算 小町算 4つの4 カックロ メカニカルパズル ジグソーパズル ペントミノ シルエットパズル タングラム マッチ棒パズル コインパズル ハノイの塔 立体パズル 知恵の輪 箱詰めパズル ルービックキューブ
'''パズル'''は、論理的な思考によって答えを導くゲームです。 * ペンシルパズル ** [[クロスワードパズル]] ** [[迷路]] ** [[数独]] ** [[お絵かきロジック]] ** [[スリザーリンク]] ** [[点つなぎ]] * [[ソリティア]] *数学パズル **[[モンティ・ホール問題]] ** [[川渡り問題]] ** [[贋金と天秤]] ** [[魔方陣]] ** [[虫食い算]] ** [[覆面算]] ** [[小町算]] ** [[4つの4]] ** [[カックロ]] *メカニカルパズル **[[ジグソーパズル]] ** [[ペントミノ]] ** [[シルエットパズル]] ** [[タングラム]] ** [[マッチ棒パズル]] ** [[コインパズル]] ** [[ハノイの塔]] * 立体パズル ** [[知恵の輪]] ** [[箱詰めパズル]] ** [[ルービックキューブ]] [[Category:ゲーム|はする]]
2024-03-24T12:37:45Z
2024-03-24T12:38:23Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%BA%E3%83%AB
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虫食い算
虫食い算(むしくいざん)は、一部分が見えなくなった計算を見て、その中に入っていた数字を埋めるパズルです。 足し算・引き算の虫食い算は、以下のことに注意すると解きやすくなります。 「□ + □□ + □□ + 7□ = □1」という計算を考えてみます。十の位に注目すると、「7」に0でない数を2つ加えても10に達していないことが分かります。この時点で、左辺の第2項と第3項の十の位はいずれも1であり、右辺の十の位は9であることが分かります。一の位からの繰り上がりはありませんから、左辺の一の位の4つの数のうち3つは0であることが分かります。最上位が0にはならないという決まりがありましたから、左辺の第1項が1になり、それ以外の一の位は0になります。よって、「1 + 10 + 10 + 70 = 91」が答えになります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "虫食い算(むしくいざん)は、一部分が見えなくなった計算を見て、その中に入っていた数字を埋めるパズルです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "足し算・引き算の虫食い算は、以下のことに注意すると解きやすくなります。", "title": "足し算・引き算" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "「□ + □□ + □□ + 7□ = □1」という計算を考えてみます。十の位に注目すると、「7」に0でない数を2つ加えても10に達していないことが分かります。この時点で、左辺の第2項と第3項の十の位はいずれも1であり、右辺の十の位は9であることが分かります。一の位からの繰り上がりはありませんから、左辺の一の位の4つの数のうち3つは0であることが分かります。最上位が0にはならないという決まりがありましたから、左辺の第1項が1になり、それ以外の一の位は0になります。よって、「1 + 10 + 10 + 70 = 91」が答えになります。", "title": "足し算・引き算" } ]
虫食い算(むしくいざん)は、一部分が見えなくなった計算を見て、その中に入っていた数字を埋めるパズルです。
'''虫食い算'''(むしくいざん)は、一部分が見えなくなった計算を見て、その中に入っていた数字を埋める[[パズル]]です。 == 足し算・引き算 == 足し算・引き算の虫食い算は、以下のことに注意すると解きやすくなります。 *足し算で答えだけ桁数が大きくなるとき、最上位の数は「9×足す数の数+一つ下の位からの繰り上がり」よりは大きくなりません。 *ある位の数が全て分かっていて、その位だけ見ると(答えの十の位を無視しても)等式が成り立っていない場合は、必ず下から繰り上がっています。 *最上位が0になることはありません。 === 例題 === 「□ + □□ + □□ + 7□ = □1」という計算を考えてみます。十の位に注目すると、「7」に0でない数を2つ加えても10に達していないことが分かります。この時点で、左辺の第2項と第3項の十の位はいずれも1であり、右辺の十の位は9であることが分かります。一の位からの繰り上がりはありませんから、左辺の一の位の4つの数のうち3つは0であることが分かります。最上位が0にはならないという決まりがありましたから、左辺の第1項が1になり、それ以外の一の位は0になります。よって、「1 + 10 + 10 + 70 = 91」が答えになります。 {{DEFAULTSORT:むしくいさん}} [[Category:パズル]]
2024-03-24T13:03:13Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E8%99%AB%E9%A3%9F%E3%81%84%E7%AE%97
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Wikijunior:たのしい科学じっけん/振り子を作ってみよう
振り子の糸の長さを変えて、1秒で1往復する振り子を作ります。 参考
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "振り子の糸の長さを変えて、1秒で1往復する振り子を作ります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "参考", "title": "実験の手順" } ]
振り子の糸の長さを変えて、1秒で1往復する振り子を作ります。
振り子の糸の長さを変えて、1秒で1往復する振り子を作ります。 ==用意するもの== *丸おもり *[[テグス]] *[[ペットボトル]](2L) *ステンレス棒 *[[ストップウォッチ]] *はさみ *ペットボトルのキャップ *[[接着剤]] **水 *ものさし **六角ナット ==実験の手順== #おもりを作る #振り子の台を作る #振り子を作る。 #振り子の長さを調整する。 #振り子の長さを測る。  [http://science.wao.ne.jp/experiment/recipe.php?contents%20no=51902 参考]
2024-03-26T06:50:49Z
2024-03-26T06:50:49Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Wikijunior:%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%97%E3%81%84%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%81%98%E3%81%A3%E3%81%91%E3%82%93/%E6%8C%AF%E3%82%8A%E5%AD%90%E3%82%92%E4%BD%9C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%82%88%E3%81%86
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Blender 3D/Blenderのスクリーン
Blenderの画面は3つに分かれています。上から順に 画像は筆者が色分けしたものです。 トップバーは2つに分かれています。左から順に 画像は筆者が色分けしたものです。なお、トップバー上でホイールを操作するとスペースを左右に動かすことができ、現時点で見えていないワークスペースも選択することが可能となっています。 この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。 この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。 この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。 この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。 この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Blenderの画面は3つに分かれています。上から順に", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "画像は筆者が色分けしたものです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "トップバーは2つに分かれています。左から順に", "title": "トップバー" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "画像は筆者が色分けしたものです。なお、トップバー上でホイールを操作するとスペースを左右に動かすことができ、現時点で見えていないワークスペースも選択することが可能となっています。", "title": "トップバー" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。", "title": "トップバー" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "", "title": "トップバー" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。", "title": "トップバー" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。", "title": "トップバー" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。", "title": "エリア" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "この節は書きかけです。この節を編集してくれる方を心からお待ちしています。", "title": "ステータスバー" } ]
Blenderの画面は3つに分かれています。上から順に トップバー(青): ファイルの出入力やセーブ、設定などができる場所 エリア(緑): メインとなる作業場所 ステータスバー(赤): 諸情報やショートカットの提案などが表示される場所 画像は筆者が色分けしたものです。
[[File:Blender-panel divided by color-zone.png|Blender-panel divided by color-zone|right|500px|トップバー(青), エリア(緑), ステータスバー(赤)に分かれている]] Blenderの画面は3つに分かれています。上から順に *トップバー(青): ファイルの出入力やセーブ、設定などができる場所 *ワークスペース(緑): メインとなる作業場所 *ステータスバー(赤): 諸情報やショートカットの提案などが表示される場所 画像は筆者が色分けしたものです。 {{-}} ==トップバー== トップバーは2つに分かれています。左から順に *メニュー(青): 設定や出入力などメニュー操作ができる場所 *ワークスペースタブ(緑): ワークスペースのモードを切り替えるボタン *シーンとレイヤー(赤): シーンとビューレイヤーを操作する場所 画像は筆者が色分けしたものです。なお、トップバー上でホイールを操作するとスペースを左右に動かすことができ、現時点で見えていないワークスペースも選択することが可能となっています。 [[File:Blender topbar divided by color zone002.png|500px|Blenderの色分けしたトップバー]] ===メニュー=== {{節stub}} [[File:Blender blender-menu.png|thumb|Blenderメニュー]] [[File:Blender file-menu.png|thumb|ファイルメニュー]] *Blenderメニュー(ロゴ) <!--説明。重要なところは太字みたいにするか、それとも紹介自体それだけにするか--> Blenderメニューはあまり開くことはありませんが、起動時に自動で開かれるクイックメニューの'''スプラッシュ画面'''、バージョン情報や関連リンクにアクセスできる'''Blenderについて'''などが存在しています。 *ファイル ファイルはプロジェクトを始めるときによく用いるメニューです。新しくプロジェクトを作る'''新規'''や既存のプロジェクトを起動する'''開く'''、'''保存'''や'''名前をつけて保存'''といったデータ保存の項目の他、プロジェクトではないデータの読み込み、書き出しを行う'''インポート'''や'''エクスポート'''が存在しています。 スプラッシュ画面やショートカットなどで代用が可能な操作も多いメニューではありますが、確実に必要な操作が揃っている場所です。 {{-}} [[File:Blender edit-menu.png|thumb|]] *編集 {{-}} [[File:Blender render-menu.png|thumb|]] *レンダー {{-}} [[File:Blender window-menu.png|thumb|]] *ウィンドウ {{-}} [[File:Blender help-menu.png|thumb|]] *ヘルプ {{-}} ===ワークスペースタブ=== {{節stub}} <!-- *別ページに飛ばすか? *そもそもタブはワークスペースの配置を記憶するだけで、これ自体はあくまでデフォルト設定というだけでは --> ===シーンとビューレイヤー=== {{節stub}} <!--実際の機能紹介のときに飛ばすのがいいかも--> ==ワークスペース== [[File:Blender area.png|thumb|黄色線は各エリアの境界線]] ワークスペースの画面構成はある程度自由に決められるようになっています。ワークスペースの各機能を'''エディター'''といい、エディターが入るスペースを'''エリア'''といいます。エリアは境界線を操作することで数の増減や面積の操作、エディターの変更が可能です。 Blenderではデフォルトでワークスペースの構成がいくつか用意されており、トップバーのワークスペースタブから切り替えることができます。 ===エディター=== {{節stub}} [[File:Blender 3DView-port.png|thumb|3Dビューポート]] *3Dビューポート モデリング作業のメインとなるエディターです。配置や編集など重要な動作はここで行います。 *画像エディタ 画像の表示、簡単な編集が出来るエディターです。作成した3Dモデルの画像を出力するとき、このエディターが開かれます。 *UVエディタ UV展開、つまり3Dモデルを2次元画像に変換して外見の編集をしやすくしたものを表示するエディターです。 *コンポジター [[File:Blender Shader-editer.png|thumb|シェーダーエディター]] *シェーダーエディター モデルの材質の調節をすることが出来るエディターです。 [[File:Blender timeline.png|thumb|タイムライン]] *タイムライン 3Dモデルの時系列を編集するエディターです。ここで時間を指定し、その他のエディターで位置や形状を編集することで、動きを作ることができます。 [[File:Blender file-Browser.png|thumb|ファイルブラウザー]] *ファイルブラウザー {{-}} ==ステータスバー== [[File:Blender states-bar.png|right|500px|]] ステータスバーは3つの領域に分かれています。左から順番に *キーマップ情報(青): 今実行できるマウスやキーボードの操作が表示される場所 *ステータスメッセージ(緑): 出力などの進捗が表示される場所 *リソース情報(赤): バージョン情報などが表示される場所 **Scene Statistics: 選択しているオブジェクトの数やその頂点、辺など **System Memory: 使用しているメモリやRAMの消費量 **Blender Version: 使っているBlenderのバージョン情報 なお、リソース情報は右クリックで表示される情報を変更することが可能です。 <!--参考 https://docs.blender.org/manual/ja/3.6/interface/index.html#buttons-and-controls --> {{DEFAULTSORT:Blenderすくりいん}} [[Category:Blender 3D]]
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ウィキブックス・スクール/高校英語/標準
講座一覧 現在整備中です。ご了承ください。
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講座一覧 /1 /2 /3 /4 /5 現在整備中です。ご了承ください。
講座一覧 *[[/1]] *[[/2]] *[[/3]] *[[/4]] *[[/5]] ''現在整備中です。ご了承ください。'' {{デフォルトソート:ういきふつくすすくうる|こうこうえいこ|ひようしゆん}} [[Category:高校英語]] [[Category:ウィキブックス・スクール|えいこ2*]]
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。", "title": "バイオテクノロジーの発展" } ]
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校倫理]]>医療技術の進歩と生命倫理 == バイオテクノロジーの発展 ==  科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。 == クローン技術 == == iPS細胞の研究 == == ヒトゲノム == == 資料出所 == * 竹内整一ほか編著『倫理』東京書籍株式会社 2023年 * 越智貢ほか編著『高等学校 改訂版 倫理』株式会社第一学習社 2016年 * 第一学習社編集部編著『テオーリア 最新倫理資料集 新版2訂』株式会社第一学習社 2019年 * 藤田正勝著『理解しやすい倫理』株式会社文英堂 2023年 * 大塚哲ほか著『聴くだけ 倫理、政治・経済』 株式会社学研プラス''' '''2015年【絶版本】 * 平川唯史著『定期テスト対策 倫理の点数が面白いほどとれる本 新課程版』KADOKAWA(中経出版) 2013年【絶版本】
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校倫理]]>医療技術の進歩と生命倫理 == バイオテクノロジーの発展 ==  科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。  遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。 == クローン技術 == == iPS細胞の研究 == == ヒトゲノム == == 資料出所 == * 竹内整一ほか編著『倫理』東京書籍株式会社 2023年 * 越智貢ほか編著『高等学校 改訂版 倫理』株式会社第一学習社 2016年 * 第一学習社編集部編著『テオーリア 最新倫理資料集 新版2訂』株式会社第一学習社 2019年 * 藤田正勝著『理解しやすい倫理』株式会社文英堂 2023年 * 大塚哲ほか著『聴くだけ 倫理、政治・経済』 株式会社学研プラス''' '''2015年【絶版本】 * 平川唯史著『定期テスト対策 倫理の点数が面白いほどとれる本 新課程版』KADOKAWA(中経出版) 2013年【絶版本】
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。", "title": "バイオテクノロジーの発展" } ]
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校倫理]]>医療技術の進歩と生命倫理 == バイオテクノロジーの発展 ==  科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。  遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。  遺伝子組み換え技術では、遺伝子の一部を違う遺伝子部分に組み込んだり、遺伝子を置き換えたりします。1973年、アメリカで基礎的な技術を導入しました。 == クローン技術 == == iPS細胞の研究 == == ヒトゲノム == == 資料出所 == * 竹内整一ほか編著『倫理』東京書籍株式会社 2023年 * 越智貢ほか編著『高等学校 改訂版 倫理』株式会社第一学習社 2016年 * 第一学習社編集部編著『テオーリア 最新倫理資料集 新版2訂』株式会社第一学習社 2019年 * 藤田正勝著『理解しやすい倫理』株式会社文英堂 2023年 * 大塚哲ほか著『聴くだけ 倫理、政治・経済』 株式会社学研プラス''' '''2015年【絶版本】 * 平川唯史著『定期テスト対策 倫理の点数が面白いほどとれる本 新課程版』KADOKAWA(中経出版) 2013年【絶版本】
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。", "title": "バイオテクノロジーの発展" } ]
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校倫理]]>医療技術の進歩と生命倫理 == バイオテクノロジーの発展 ==  科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。  遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。  遺伝子組み換え技術では、遺伝子の一部を違う遺伝子部分に組み込んだり、遺伝子を置き換えたりします。1973年、アメリカで基礎的な技術を導入しました。遺伝子組み換え技術は、農業にも応用されています。遺伝子組み換え作物は、害虫・病気・除草剤の影響を受けにくく、長持ちするようにアメリカ・ブラジル・アルゼンチンなどで作られています。しかし、遺伝子組み換え技術の安全性や環境への影響に関しては、様々な不安の声もあります。 == クローン技術 == == iPS細胞の研究 == == ヒトゲノム == == 資料出所 == * 竹内整一ほか編著『倫理』東京書籍株式会社 2023年 * 越智貢ほか編著『高等学校 改訂版 倫理』株式会社第一学習社 2016年 * 第一学習社編集部編著『テオーリア 最新倫理資料集 新版2訂』株式会社第一学習社 2019年 * 藤田正勝著『理解しやすい倫理』株式会社文英堂 2023年 * 大塚哲ほか著『聴くだけ 倫理、政治・経済』 株式会社学研プラス''' '''2015年【絶版本】 * 平川唯史著『定期テスト対策 倫理の点数が面白いほどとれる本 新課程版』KADOKAWA(中経出版) 2013年【絶版本】
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[高等学校の学習]]>[[高等学校公民]]>[[高等学校倫理]]>医療技術の進歩と生命倫理 == バイオテクノロジーの発展 ==  科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。  遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。  遺伝子組み換え技術では、遺伝子の一部を違う遺伝子部分に組み込んだり、遺伝子を置き換えたりします。1973年、アメリカで基礎的な技術を導入しました。遺伝子組み換え技術は、農業にも応用されています。遺伝子組み換え作物は、害虫・病気・除草剤の影響を受けにくく、長持ちするようにアメリカ・ブラジル・アルゼンチンなどで作られています。しかし、遺伝子組み換え技術の安全性や環境への影響に関しては、様々な不安の声もあります。  遺伝子組み換え食品はお店で買えるようになりました。日本の食品衛生法によると、安全性の確認を行わなければなりません。そして、遺伝子組み換え作物を売る時、農産物・加工食品かを問わず、必ず表示しなければなりません。日本は、遺伝子組み換え作物の商業目的栽培を行っていません。ただし、2008年から「青い薔薇(サントリー=フラワーズ)」が一般圃場で栽培出来るようになり、これが初めての商業目的栽培と考えられます。遺伝子組み換え動物は、1996年から輸入・販売されるようになりました。 == クローン技術 == == iPS細胞の研究 == == ヒトゲノム == == 資料出所 == * 竹内整一ほか編著『倫理』東京書籍株式会社 2023年 * 越智貢ほか編著『高等学校 改訂版 倫理』株式会社第一学習社 2016年 * 第一学習社編集部編著『テオーリア 最新倫理資料集 新版2訂』株式会社第一学習社 2019年 * 藤田正勝著『理解しやすい倫理』株式会社文英堂 2023年 * 大塚哲ほか著『聴くだけ 倫理、政治・経済』 株式会社学研プラス''' '''2015年【絶版本】 * 平川唯史著『定期テスト対策 倫理の点数が面白いほどとれる本 新課程版』KADOKAWA(中経出版) 2013年【絶版本】
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。 遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。 遺伝子組み換え技術では、遺伝子の一部を違う遺伝子部分に組み込んだり、遺伝子を置き換えたりします。1973年、アメリカで基礎的な技術を導入しました。遺伝子組み換え技術は、農業にも応用されています。遺伝子組み換え作物は、害虫・病気・除草剤の影響を受けにくく、長持ちするようにアメリカ・ブラジル・アルゼンチンなどで作られています。しかし、遺伝子組み換え技術の安全性や環境への影響に関しては、様々な不安の声もあります。 遺伝子組み換え食品はお店で買えるようになりました。日本の食品衛生法によると、安全性の確認を行わなければなりません。そして、遺伝子組み換え作物を売る時、農産物・加工食品かを問わず、必ず表示しなければなりません。日本は、遺伝子組み換え作物の商業目的栽培を行っていません。ただし、2008年から「青い薔薇(サントリー=フラワーズ)」が一般圃場で栽培出来るようになり、これが初めての商業目的栽培と考えられます。遺伝子組み換え動物は、1996年から輸入・販売されるようになりました。 クローンでは、1つの細胞個体から無性生殖で作られ、同じ遺伝子配列を持っています。なお、ギリシャ語のクローンは「小枝」を意味します。クローン技術では、このようなクローンを人間の手で作っています。
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。 遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。 遺伝子組み換え技術では、遺伝子の一部を違う遺伝子部分に組み込んだり、遺伝子を置き換えたりします。1973年、アメリカで基礎的な技術を導入しました。遺伝子組み換え技術は、農業にも応用されています。遺伝子組み換え作物は、害虫・病気・除草剤の影響を受けにくく、長持ちするようにアメリカ・ブラジル・アルゼンチンなどで作られています。しかし、遺伝子組み換え技術の安全性や環境への影響に関しては、様々な不安の声もあります。 遺伝子組み換え食品はお店で買えるようになりました。日本の食品衛生法によると、安全性の確認を行わなければなりません。そして、遺伝子組み換え作物を売る時、農産物・加工食品かを問わず、必ず表示しなければなりません。日本は、遺伝子組み換え作物の商業目的栽培を行っていません。ただし、2008年から「青い薔薇(サントリー=フラワーズ)」が一般圃場で栽培出来るようになり、これが初めての商業目的栽培と考えられます。遺伝子組み換え動物は、1996年から輸入・販売されるようになりました。 クローンでは、1つの細胞個体から無性生殖で作られ、同じ遺伝子配列を持っています。なお、ギリシャ語のクローンは「小枝」を意味します。クローン技術では、このようなクローンを人間の手で作っています。 クローン技術は初期受精卵の細胞を使う方法(生殖細胞クローン)と皮膚や筋肉などのように成体の体細胞を使う方法(体細胞クローン)があります。生殖細胞クローンはクローンの複製数に制限をもっています。これに対して、体細胞クローンは複製を無制限に作れると考えられています。そのため、世界で初めて哺乳類のクローン羊ドリーが成体の体細胞を使って、1996年7月にイギリスで産まれると、大きなニュースになりました。また、1996年8月にアメリカでも初期受精卵から世界で初めてクローン猿が産まれ、注目を集めました。それから2年後の1998年、2頭のクローン牛が日本で生まれると、世界の注目を集めました。
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。 遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。 遺伝子組み換え技術では、遺伝子の一部を違う遺伝子部分に組み込んだり、遺伝子を置き換えたりします。1973年、アメリカで基礎的な技術を導入しました。遺伝子組み換え技術は、農業にも応用されています。遺伝子組み換え作物は、害虫・病気・除草剤の影響を受けにくく、長持ちするようにアメリカ・ブラジル・アルゼンチンなどで作られています。しかし、遺伝子組み換え技術の安全性や環境への影響に関しては、様々な不安の声もあります。 遺伝子組み換え食品はお店で買えるようになりました。日本の食品衛生法によると、安全性の確認を行わなければなりません。そして、遺伝子組み換え作物を売る時、農産物・加工食品かを問わず、必ず表示しなければなりません。日本は、遺伝子組み換え作物の商業目的栽培を行っていません。ただし、2008年から「青い薔薇(サントリー=フラワーズ)」が一般圃場で栽培出来るようになり、これが初めての商業目的栽培と考えられます。遺伝子組み換え動物は、1996年から輸入・販売されるようになりました。 クローンでは、1つの細胞個体から無性生殖で作られ、同じ遺伝子配列を持っています。なお、ギリシャ語のクローンは「小枝」を意味します。クローン技術では、このようなクローンを人間の手で作っています。 クローン技術は初期受精卵の細胞を使う方法(生殖細胞クローン)と皮膚や筋肉などのように成体の体細胞を使う方法(体細胞クローン)があります。生殖細胞クローンはクローンの複製数に制限をもっています。これに対して、体細胞クローンは複製を無制限に作れると考えられています。そのため、世界で初めて哺乳類のクローン羊ドリーが成体の体細胞を使って、1996年7月にイギリスで産まれると、大きなニュースになりました。また、1996年8月にアメリカでも初期受精卵から世界で初めてクローン猿が産まれ、注目を集めました。それから2年後の1998年、2頭のクローン牛が日本で生まれると、世界の注目を集めました。
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。 遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。 遺伝子組み換え技術では、遺伝子の一部を違う遺伝子部分に組み込んだり、遺伝子を置き換えたりします。1973年、アメリカで基礎的な技術を導入しました。遺伝子組み換え技術は、農業にも応用されています。遺伝子組み換え作物は、害虫・病気・除草剤の影響を受けにくく、長持ちするようにアメリカ・ブラジル・アルゼンチンなどで作られています。しかし、遺伝子組み換え技術の安全性や環境への影響に関しては、様々な不安の声もあります。 遺伝子組み換え食品はお店で買えるようになりました。日本の食品衛生法によると、安全性の確認を行わなければなりません。そして、遺伝子組み換え作物を売る時、農産物・加工食品かを問わず、必ず表示しなければなりません。日本は、遺伝子組み換え作物の商業目的栽培を行っていません。ただし、2008年から「青い薔薇(サントリー=フラワーズ)」が一般圃場で栽培出来るようになり、これが初めての商業目的栽培と考えられます。遺伝子組み換え動物は、1996年から輸入・販売されるようになりました。 クローンでは、1つの細胞個体から無性生殖で作られ、同じ遺伝子配列を持っています。なお、ギリシャ語のクローンは「小枝」を意味します。クローン技術では、このようなクローンを人間の手で作っています。 クローン技術は初期受精卵の細胞を使う方法(生殖細胞クローン)と皮膚や筋肉などのように成体の体細胞を使う方法(体細胞クローン)があります。生殖細胞クローンはクローンの複製数に制限をもっています。これに対して、体細胞クローンは複製を無制限に作れると考えられています。そのため、世界で初めて哺乳類のクローン羊ドリーが成体の体細胞を使って、1996年7月にイギリスで産まれると、大きなニュースになりました。また、1996年8月にアメリカでも初期受精卵から世界で初めてクローン猿が産まれ、注目を集めました。それから2年後の1998年、2頭のクローン牛が日本で生まれると、世界の注目を集めました。
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。 遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。 遺伝子組み換え技術では、遺伝子の一部を違う遺伝子部分に組み込んだり、遺伝子を置き換えたりします。1973年、アメリカで基礎的な技術を導入しました。遺伝子組み換え技術は、農業にも応用されています。遺伝子組み換え作物は、害虫・病気・除草剤の影響を受けにくく、長持ちするようにアメリカ・ブラジル・アルゼンチンなどで作られています。しかし、遺伝子組み換え技術の安全性や環境への影響に関しては、様々な不安の声もあります。 遺伝子組み換え食品はお店で買えるようになりました。日本の食品衛生法によると、安全性の確認を行わなければなりません。そして、遺伝子組み換え作物を売る時、農産物・加工食品かを問わず、必ず表示しなければなりません。日本は、遺伝子組み換え作物の商業目的栽培を行っていません。ただし、2008年から「青い薔薇(サントリー=フラワーズ)」が一般圃場で栽培出来るようになり、これが初めての商業目的栽培と考えられます。遺伝子組み換え動物は、1996年から輸入・販売されるようになりました。 クローンでは、1つの細胞個体から無性生殖で作られ、同じ遺伝子配列を持っています。なお、ギリシャ語のクローンは「小枝」を意味します。クローン技術では、このようなクローンを人間の手で作っています。 クローン技術は初期受精卵の細胞を使う方法(生殖細胞クローン)と皮膚や筋肉などのように成体の体細胞を使う方法(体細胞クローン)があります。生殖細胞クローンはクローンの複製数に制限をもっています。これに対して、体細胞クローンは複製を無制限に作れると考えられています。そのため、世界で初めて哺乳類のクローン羊ドリーが成体の体細胞を使って、1996年7月にイギリスで産まれると、大きなニュースになりました。また、1996年8月にアメリカでも初期受精卵から世界で初めてクローン猿が産まれ、注目を集めました。それから2年後の1998年、2頭のクローン牛が日本で生まれると、世界の注目を集めました。
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高等学校倫理/医療技術の進歩と生命倫理
科学技術は、生命関連分野でも大きく発展しました。特に、バイオテクノロジー(生命工学)の目覚ましい発展のおかげで、遺伝子操作の科学技術も大きく発展しました。その結果、新しい薬品の開発や遺伝子組み換え食物などに応用されるようになりました。この技術が医学に応用されてから、微生物や動植物はもちろん、人間の生命にもそのまま活用されるようになりました。 遺伝子を人工的に操作するような遺伝子工学もバイオテクノロジーの分野です。遺伝子工学の種類として、遺伝子操作とクローン技術などがあります。 遺伝子組み換え技術では、遺伝子の一部を違う遺伝子部分に組み込んだり、遺伝子を置き換えたりします。1973年、アメリカで基礎的な技術を導入しました。遺伝子組み換え技術は、農業にも応用されています。遺伝子組み換え作物は、害虫・病気・除草剤の影響を受けにくく、長持ちするようにアメリカ・ブラジル・アルゼンチンなどで作られています。しかし、遺伝子組み換え技術の安全性や環境への影響に関しては、様々な不安の声もあります。 遺伝子組み換え食品はお店で買えるようになりました。日本の食品衛生法によると、安全性の確認を行わなければなりません。そして、遺伝子組み換え作物を売る時、農産物・加工食品かを問わず、必ず表示しなければなりません。日本は、遺伝子組み換え作物の商業目的栽培を行っていません。ただし、2008年から「青い薔薇(サントリー=フラワーズ)」が一般圃場で栽培出来るようになり、これが初めての商業目的栽培と考えられます。遺伝子組み換え動物は、1996年から輸入・販売されるようになりました。 クローンでは、1つの細胞個体から無性生殖で作られ、同じ遺伝子配列を持っています。なお、ギリシャ語のクローンは「小枝」を意味します。クローン技術では、このようなクローンを人間の手で作っています。 クローン技術は初期受精卵の細胞を使う方法(生殖細胞クローン)と皮膚や筋肉などのように成体の体細胞を使う方法(体細胞クローン)があります。生殖細胞クローンはクローンの複製数に制限をもっています。これに対して、体細胞クローンは複製を無制限に作れると考えられています。そのため、世界で初めて哺乳類のクローン羊ドリーが成体の体細胞を使って、1996年7月にイギリスで産まれると、大きなニュースになりました。また、1996年8月にアメリカでも初期受精卵から世界で初めてクローン猿が産まれ、注目を集めました。それから2年後の1998年、2頭のクローン牛が日本で生まれると、世界の注目を集めました。
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労働関係調整法第37条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【予告期間】
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コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【予告期間】 ;第37条  #公益事業に関する事件につき関係当事者が争議行為をするには、その争議行為をしようとする日の少なくとも10日前までに、労働委員会及び厚生労働大臣又は都道府県知事にその旨を通知しなければならない。 #緊急調整の決定があつた公益事業に関する事件については、前項の規定による通知は、[[労働関係調整法第38条|第38条]]に規定する期間を経過した後でなければこれをすることができない。 ==解説== :違反行為については、罰則(刑事罰:[[労働関係調整法第39条|第39条]])がある。 ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#5|第5章 争議行為の制限禁止等]] |[[労働関係調整法第36条|第36条]]<br>【安全保持】 |[[労働関係調整法第38条|第38条]]<br>【緊急調整中の争議行為の禁止】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|37]]
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39,378
労働関係調整法第37条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【予告期間】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【予告期間】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【予告期間】 ;第37条  #公益事業に関する事件につき関係当事者が争議行為をするには、その争議行為をしようとする日の少なくとも10日前までに、労働委員会及び厚生労働大臣又は都道府県知事にその旨を通知しなければならない。 #緊急調整の決定があつた公益事業に関する事件については、前項の規定による通知は、[[労働関係調整法第38条|第38条]]に規定する期間を経過した後でなければこれをすることができない。 ==解説== :「公益事業([[労働関係調整法第8条|第8条]]参照)に関する事件」について労働組合等が争議行為をする場合は、社会的影響が甚大なものとなり、政府等の対応を要することがあるため、その対応期間として、争議行為の10日前までに労働委員会及び厚生労働大臣等に通知をすることを要する。影響の大きさによっては、内閣総理大臣が緊急調整の決定([[労働関係調整法第35条の2|第35条の2]])により対応することもあり、この場合、緊急調整決定公表後50日([[労働関係調整法第38条|第38条]])を経過しなければ、争議行為の予告通知をなすこともできない(本条第2項)。 :違反行為については、罰則(刑事罰:[[労働関係調整法第39条|第39条]])がある。 ===関係法令=== *[[労働関係調整法施行令第10条の4]] *#法第37条の通知は、その争議行為が一の都道府県の区域内のみに係るものであるときは、当該都道府県労働委員会及び当該都道府県知事に対し、その争議行為が二以上の都道府県にわたるものであるとき、又は全国的に重要な問題に係るものであるときは、中央労働委員会及び厚生労働大臣に対し行わなければならない。 *#前項の規定により中央労働委員会及び厚生労働大臣に対し行うべき通知は、関係都道府県労働委員会又は関係都道府県知事の一を経由して行うことができる。 *#第一項の通知は、争議行為をなす日時及び場所並びにその争議行為の概要を記載した文書によつてなさなければならない。 *#厚生労働大臣又は都道府県知事は、第1項の通知を受けたときは、直ちに、公衆が知ることができる方法によつてこれを公表しなければならない。 ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#5|第5章 争議行為の制限禁止等]] |[[労働関係調整法第36条|第36条]]<br>【安全保持】 |[[労働関係調整法第38条|第38条]]<br>【緊急調整中の争議行為の禁止】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|37]]
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39,379
労働関係調整法第38条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【緊急調整中の争議行為の禁止】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【緊急調整中の争議行為の禁止】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【緊急調整中の争議行為の禁止】 ;第38条  :緊急調整の決定をなした旨の公表があつたときは、関係当事者は、公表の日から50日間は、争議行為をなすことができない。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#5|第5章 争議行為の制限禁止等]] |[[労働関係調整法第37条|第37条]]<br>【予告期間】 |[[労働関係調整法第39条|第39条]]<br>【予告期間通知違反の罪】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|38]]
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39,380
労働関係調整法第35条の2
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【緊急調整の決定】
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コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【緊急調整の決定】 ;第35条の2 #内閣総理大臣は、事件が公益事業に関するものであるため、又はその規模が大きいため若しくは特別の性質の事業に関するものであるために、争議行為により当該業務が停止されるときは国民経済の運行を著しく阻害し、又は国民の日常生活を著しく危くする虞があると認める事件について、その虞が現実に存するときに限り、緊急調整の決定をすることができる。 #内閣総理大臣は、前項の決定をしようとするときは、あらかじめ中央労働委員会の意見を聴かなければならない。 #内閣総理大臣は、緊急調整の決定をしたときは、直ちに、理由を附してその旨を公表するとともに、中央労働委員会及び関係当事者に通知しなければならない。 ==解説== :労働争議に関する事件が公益事業([[労働関係調整法第8条|第8条]]参照)に関するときは、影響の大きさによっては、社会的影響が甚大なものとなるため、これを緊急に防止し、中央労働委員会に斡旋・調停・仲裁をさせる目的で、内閣総理大臣が緊急調整を決定することができる。 :本決定がなされると、公表の日から50日間は、争議行為は禁止され([[労働関係調整法第38条|第38条]])、争議行為の予告通知も発出できなくなる。 ===関係法令=== *[[労働関係調整法施行令第10条の3]] *#法第35条の2第3項の緊急調整の決定の公表は、官報に告示することによつて行ふ。 *#内閣総理大臣は、緊急調整の決定をしたときは、前項の公表の外、新聞、ラジオその他の方法により公衆に周知させるやうに努めなければならない。 *#[[労働関係調整法第35条の3|法第35条の3]]第2項第4号の実情の公表は、新聞、ラジオその他公衆が知ることができる方法によつてこれを行ふ。 ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#4の2|第4章の2 緊急調整における中央労働委員会の任務]] |[[労働関係調整法第35条|第35条]]<br>【仲裁における自主的解決の優越】 |[[労働関係調整法第35条の3|第35条の3]]<br>【緊急調整中の争議行為の禁止】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|35の2]]
2024-03-28T20:59:41Z
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39,380
労働関係調整法第35条の2
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【緊急調整の決定】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【緊急調整の決定】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【緊急調整の決定】 ;第35条の2 #内閣総理大臣は、事件が公益事業に関するものであるため、又はその規模が大きいため若しくは特別の性質の事業に関するものであるために、争議行為により当該業務が停止されるときは国民経済の運行を著しく阻害し、又は国民の日常生活を著しく危くする虞があると認める事件について、その虞が現実に存するときに限り、緊急調整の決定をすることができる。 #内閣総理大臣は、前項の決定をしようとするときは、あらかじめ中央労働委員会の意見を聴かなければならない。 #内閣総理大臣は、緊急調整の決定をしたときは、直ちに、理由を附してその旨を公表するとともに、中央労働委員会及び関係当事者に通知しなければならない。 ==解説== :労働争議に関する事件が公益事業([[労働関係調整法第8条|第8条]]参照)に関するときは、影響の大きさによっては、社会的影響が甚大なものとなるため、これを緊急に防止し、中央労働委員会に斡旋・調停・仲裁をさせる目的で、内閣総理大臣が緊急調整を決定することができる。 :本決定がなされると、公表の日から50日間は、争議行為は禁止され([[労働関係調整法第38条|第38条]])、争議行為の予告通知も発出できなくなる。 ===関係法令=== *[[労働関係調整法施行令第10条の3]] *#法第35条の2第3項の緊急調整の決定の公表は、官報に告示することによつて行ふ。 *#内閣総理大臣は、緊急調整の決定をしたときは、前項の公表の外、新聞、ラジオその他の方法により公衆に周知させるやうに努めなければならない。 *#[[労働関係調整法第35条の3|法第35条の3]]第2項第4号の実情の公表は、新聞、ラジオその他公衆が知ることができる方法によつてこれを行ふ。 ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#4の2|第4章の2 緊急調整]] |[[労働関係調整法第35条|第35条]]<br>【仲裁における自主的解決の優越】 |[[労働関係調整法第35条の3|第35条の3]]<br>【緊急調整における中央労働委員会の任務】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|35の2]]
2024-03-28T20:59:41Z
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39,381
労働関係調整法第35条の3
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【緊急調整における中央労働委員会の任務】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【緊急調整における中央労働委員会の任務】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【緊急調整における中央労働委員会の任務】 ;第35条の3 #中央労働委員会は、[[労働関係調整法第35条の2|前条]]第3項の通知を受けたときは、その事件を解決するため、最大限の努力を尽さなければならない。 #中央労働委員会は、前項の任務を遂行するため、その事件について、左の各号に掲げる措置を講ずることができる。 ##斡旋を行ふこと。 ##調停を行ふこと。 ##仲裁を行ふこと([[労働関係調整法第30条|第30条]]各号に該当する場合に限る。)。 ##事件の実情を調査し、及び公表すること。 ##解決のため必要と認める措置をとるべきことを勧告すること。 #前項第2号の調停は、[[労働関係調整法第18条|第18条]]各号に該当しない場合であつても、これを行ふことができる。 ==解説== ===関係法令=== *[[労働関係調整法施行令第10条の3]] *#[[労働関係調整法第35条の2|法第35条の2]]第3項の緊急調整の決定の公表は、官報に告示することによつて行ふ。 *#内閣総理大臣は、緊急調整の決定をしたときは、前項の公表の外、新聞、ラジオその他の方法により公衆に周知させるやうに努めなければならない。 *#法第35条の3第2項第4号の実情の公表は、新聞、ラジオその他公衆が知ることができる方法によつてこれを行ふ。 ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#4の2|第4章の2 緊急調整]] |[[労働関係調整法第35条の2|第35条の2]]<br>【緊急調整の決定】 |[[労働関係調整法第35条の4|第35条の4]]<br>【優先処理】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|35の2]]
2024-03-28T21:11:27Z
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39,382
労働関係調整法第18条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【調停の開始】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【調停の開始】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【調停の開始】 ;第18条 :労働委員会は、次の各号のいずれかに該当する場合に、調停を行う。 :#関係当事者の双方から、労働委員会に対して、調停の申請がなされたとき。 :#関係当事者の双方又は一方から、労働協約の定めに基づいて、労働委員会に対して調停の申請がなされたとき。 :#公益事業に関する事件につき、関係当事者の一方から、労働委員会に対して、調停の申請がなされたとき。 :#公益事業に関する事件につき、労働委員会が職権に基づいて、調停を行う必要があると決議したとき。 :#公益事業に関する事件又はその事件が規模が大きいため若しくは特別の性質の事業に関するものであるために公益に著しい障害を及ぼす事件につき、厚生労働大臣又は都道府県知事から、労働委員会に対して、調停の請求がなされたとき。 ==解説== ===関係法令=== *[[労働関係調整法施行令第7条]] *#労働委員会は、関係当事者の一方から、法第18条第2号若しくは第3号の規定によつて調停の申請がなされたとき、又は[[労働関係調整法第26条|法第26条]]第2項の規定によつて調停案の解釈若しくは履行に関する見解の明示の申請がなされたときは他の関係当事者に、法第18条第4号の規定による決議をしたとき、又は同条第5号の規定による調停の請求がなされたときは関係当事者の双方に、遅滞なくその旨を通知しなければならない。 *#前項の場合において、事件が公益事業に関するものであるときは、労働委員会は、併せて、その旨を公表しなければならない。 *[[労働関係調整法施行令第7条]] *#法第18条第5号の調停の請求は、その事件が一の都道府県の区域内のみにかかるものであるときは当該都道府県知事がなし、その事件が二以上の都道府県にわたるものであるとき、又は中央労働委員会が全国的に重要な問題にかかると認めたものであるときは厚生労働大臣がなす。 *#厚生労働大臣が必要と認めるときは、前項の規定による都道府県知事又は厚生労働大臣の職権は、同項の規定にかかはらず、厚生労働大臣又は厚生労働大臣の指定する都道府県知事が、これを行ふものとすることができる。 *[[労働関係調整法施行令第9条]] *:調停委員会の委員長は、会務を総理し、調停委員会を代表する。 *[[労働関係調整法施行令第10条]] *:調停委員会は、法第18条第1号から第3号までの規定による調停の申請、同条第4号の規定による決議又は同条第5号の規定による調停の請求がなされた日から、15日以内に調停案を作成し、10日以内の期限を附して、関係当事者に、その受諾を勧告するものとする。 ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#3|第3章 調停]] |[[労働関係調整法第17条|第17条]]<br>【労働組合法に定める調停】 |[[労働関係調整法第19条|第19条]]<br>【調停委員会】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|18]]
2024-03-28T21:21:09Z
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39,383
労働関係調整法第30条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【仲裁の開始】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【仲裁の開始】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【仲裁の開始】 ;第30条 :労働委員会は、左の各号の一に該当する場合に、仲裁を行ふ。 :#関係当事者の双方から、労働委員会に対して、仲裁の申請がなされたとき。 :#[[労働協約]]に、労働委員会による仲裁の申請をなさなければならない旨の定がある場合に、その定に基いて、関係当事者の双方又は一方から、労働委員会に対して、仲裁の申請がなされたとき。 ==解説== ===関係法令=== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#4|第4章 仲裁]] |[[労働関係調整法第29条|第29条]]<br>【労働組合法に定める仲裁】 |[[労働関係調整法第31条|第31条]]<br>【仲裁委員会】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|30]]
2024-03-28T21:24:31Z
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39,384
労働関係調整法第39条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【予告期間通知違反の罪】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【予告期間通知違反の罪】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【予告期間通知違反の罪】 ;第39条  #[[労働関係調整法第37条|第37条]]の規定の違反があつた場合においては、その違反行為について責任のある使用者若しくはその団体、労働者の団体又はその他の者若しくはその団体は、これを10万円以下の罰金に処する。 #前項の規定は、そのものが、法人であるときは、理事、取締役、執行役その他法人の業務を執行する役員に、法人でない団体であるときは、代表者その他業務を執行する役員にこれを適用する。 #一個の争議行為に関し科する罰金の総額は、10万円を超えることはできない。 #法人、法人でない使用者又は労働者の組合、争議団等の団体であつて解散したものに、第一項の規定を適用するについては、その団体は、なほ存続するものとみなす。 ==解説== :[[労働関係調整法第37条|第37条]]に定める予告期間通知に違反して争議行為を行った場合、処罰(刑事罰)される。なお、本条は1項において団体を処罰するとあるが、第2項により団体を代表する者などに適用するとあるので[[両罰規定]]ではない。 ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#5|第5章 争議行為の制限禁止等]] |[[労働関係調整法第38条|第38条]]<br>【緊急調整中の争議行為の禁止】 |[[労働関係調整法第40条|第40条]]<br>【罰則】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|39]]
2024-03-28T21:28:08Z
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39,385
労働関係調整法第26条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【調停案の作成・協議】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【調停案の作成・協議】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【調停案の作成・協議】 ;第26条  #調停委員会は、調停案を作成して、これを関係当事者に示し、その受諾を勧告するとともに、その調停案は理由を附してこれを公表することができる。この場合必要があるときは、新聞又はラヂオによる協力を請求することができる。 #前項の調停案が関係当事者の双方により受諾された後、その調停案の解釈又は履行について意見の不一致が生じたときは、関係当事者は、その調停案を提示した調停委員会にその解釈又は履行に関する見解を明らかにすることを申請しなければならない。 #前項の調停委員会は、前項の申請のあつた日から15日以内に、関係当事者に対して、申請のあつた事項について解釈又は履行に関する見解を示さなければならない。 #前項の解釈又は履行に関する見解が示されるまでは、関係当事者は、当該調停案の解釈又は履行に関して争議行為をなすことができない。但し、前項の期間が経過したときは、この限りでない。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#3|第3章 調停]] |[[労働関係調整法第25条|第25条]]<br>【調停委員会の出席の制限】 |[[労働関係調整法第27条|第27条]]<br>【公益事業に関する優先的取扱い】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|26]]
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39,386
労働関係調整法第21条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【調停案の作成・協議】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【調停案の作成・協議】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【調停案の作成・協議】 ;第21条  #使用者を代表する調停委員は労働委員会の使用者を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当使用者委員)又は特別調整委員のうちから、労働者を代表する調停委員は労働委員会の労働者を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当労働者委員)又は特別調整委員のうちから、公益を代表する調停委員は労働委員会の公益を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当公益委員)又は特別調整委員のうちから労働委員会の会長がこれを指名する。 #[[労働組合法第19条の10]]第1項に規定する地方において中央労働委員会が処理すべき事件として政令で定めるものについては、中央労働委員会の会長は、前項の規定にかかわらず、同条第1項に規定する地方調整委員のうちから、調停委員を指名する。ただし、中央労働委員会の会長が当該地方調整委員のうちから調停委員を指名することが適当でないと認める場合は、この限りでない。 ==解説== ;労働組合法第19条の10第1項に規定する地方において中央労働委員会が処理すべき事件として政令で定めるもの :[[労働組合法第19条の10#地方において中央労働委員会が処理すべきものとして政令で定めるもの|労働組合法施行令第23条の2]](地方調整委員) ===関連法令=== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#3|第3章 調停]] |[[労働関係調整法第20条|第20条]]<br>【調停委員会の出席の制限】 |[[労働関係調整法第22条|第22条]]<br>【公益事業に関する優先的取扱い】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|26]]
2024-03-28T22:45:34Z
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39,387
労働関係調整法第28条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【調停における自主的解決の優越】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【調停における自主的解決の優越】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【調停における自主的解決の優越】 ;第28条 :この章の規定は、労働争議の当事者が、双方の合意又は労働協約の定により、別の調停方法によつて事件の解決を図ることを妨げるものではない。 ==解説== ==参照条文== *[[労働関係調整法第4条]]【自主的解決の努力】 ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#3|第3章 調停]] |[[労働関係調整法第27条|第27条]]<br>【公益事業に関する優先的取扱い】 |[[労働関係調整法第29条|第29条]]<br>【労働組合法に定める仲裁】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|28]]
2024-03-28T23:18:13Z
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39,388
労働関係調整法第35条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【仲裁における自主的解決の優越】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【仲裁における自主的解決の優越】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【仲裁における自主的解決の優越】 ;第35条 :この章の規定は、労働争議の当事者が、双方の合意又は労働協約の定により、別の仲裁方法によつて事件の解決を図ることを妨げるものではない。 ==解説== ==参照条文== *[[労働関係調整法第4条]]【自主的解決の努力】 ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#4|第4章 仲裁]] |[[労働関係調整法第34条|第34条]]<br>【仲裁裁定の効力】 |[[労働関係調整法第35条の2|第35条の2]]<br>【緊急調整の決定】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|35]]
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39,390
労働関係調整法第31条の2
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【仲裁委員の指名】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【仲裁委員の指名】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【仲裁委員の指名】 ;第31条の2 :仲裁委員は、[[労働委員会]]の公益を代表する委員又は特別調整委員のうちから、関係当事者が合意により選定した者につき、労働委員会の会長が指名する。ただし、関係当事者の合意による選定がされなかつたときは、労働委員会の会長が、関係当事者の意見を聴いて、労働委員会の公益を代表する委員(中央労働委員会にあつては、一般企業担当公益委員)又は特別調整委員のうちから指名する。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#4|第4章 仲裁]] |[[労働関係調整法第31条|第31条]]<br>【仲裁委員会】 |[[労働関係調整法第31条の3|第31条の3]]<br>【仲裁委員長】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|31の2]]
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39,393
労働関係調整法第17条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【労働組合法に定める調停】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【労働組合法に定める調停】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【労働組合法に定める調停】 ;第16条 :[[労働組合法第20条]]の規定による[[労働委員会]]による[[労働争議]]の[[調停]]は、この章の定めるところによる。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#3|第3章 調停]] |[[労働関係調整法第16条|第16条]]<br>【斡旋における自主的解決の優越】 |[[労働関係調整法第18条|第18条]]<br>【調停の開始】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|17]]
2024-03-29T03:53:37Z
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39,394
労働関係調整法第29条
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法 【労働組合法に定める仲裁】
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "【労働組合法に定める仲裁】", "title": "条文" } ]
コンメンタール>コンメンタール労働>労働関係調整法
[[コンメンタール]]>[[コンメンタール労働]]>[[労働関係調整法]] ==条文== 【労働組合法に定める仲裁】 ;第29条 :[[労働組合法第20条]]の規定による[[労働委員会]]による[[労働争議]]の[[仲裁]]は、この章の定めるところによる。 ==解説== ==参照条文== ==判例== ---- {{前後 |[[労働関係調整法]] |[[労働関係調整法#4|第4章 仲裁]] |[[労働関係調整法第28条|第28条]]<br>【調停における自主的解決の優越】 |[[労働関係調整法第30条|第30条]]<br>【仲裁の開始】 }} {{stub|law}} [[category:労働関係調整法|29]]
2024-03-29T03:56:39Z
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39,395
会社計算規則第158条
法学>民事法>商法>会社法(コンメンタール会社法)>会社計算規則 (その他減ずるべき額)
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "法学>民事法>商法>会社法(コンメンタール会社法)>会社計算規則", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "(その他減ずるべき額)", "title": "条文" } ]
法学>民事法>商法>会社法(コンメンタール会社法)>会社計算規則
[[法学]]>[[民事法]]>[[商法]]>[[会社法]]([[コンメンタール会社法]])>[[会社計算規則]] ==条文== (その他減ずるべき額) ;第158条 :[[会社法第461条|法第461条]]第2項第6号に規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、第1号から第8号までに掲げる額の合計額から第9号及び第1号に掲げる額の合計額を減じて得た額とする。 #最終事業年度([[会社法第461条|法第461条]]第2項第2号に規定する場合にあっては、[[会社法第441条|法第441条]]第1項第2号の期間(当該期間が二以上ある場合にあっては、その末日が最も遅いもの)。以下この号から第3号まで、第6号ハ、第8号イ及びロ並びに第9号において同じ。)の末日(最終事業年度がない場合([[会社法第461条|法第461条]]第2項第2号に規定する場合を除く。)にあっては、成立の日。以下この号から第3号まで、第6号ハ、第8号イ及びロ並びに第9号において同じ。)における[[のれん等調整額]](資産の部に計上した[[のれん]]の額を2で除して得た額及び[[繰延資産]]の部に計上した額の合計額をいう。以下この号及び第4号において同じ。)が次のイからハまでに掲げる場合に該当する場合における当該イからハまでに定める額 #:イ 当該のれん等調整額が資本等金額(最終事業年度の末日における資本金の額及び準備金の額の合計額をいう。以下この号において同じ。)以下である場合 #:::零 #:ロ 当該のれん等調整額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額以下である場合(イに掲げる場合を除く。) #:::当該のれん等調整額から資本等金額を減じて得た額 #:ハ 当該のれん等調整額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額を超えている場合 #:::次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める額 #:::(1)最終事業年度の末日におけるのれんの額を2で除して得た額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額以下の場合 #:::::当該のれん等調整額から資本等金額を減じて得た額 #:::(2)最終事業年度の末日におけるのれんの額を2で除して得た額が資本等金額及び最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額の合計額を超えている場合 #:::::最終事業年度の末日におけるその他資本剰余金の額及び繰延資産の部に計上した額の合計額 #最終事業年度の末日における貸借対照表の[[その他有価証券評価差額金]]の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)を零から減じて得た額 #最終事業年度の末日における貸借対照表の[[土地再評価差額金]]の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)を零から減じて得た額 #株式会社が[[連結配当規制適用会社]]であるとき([[会社計算規則第2条|第2条]]第3項第55号のある事業年度が最終事業年度である場合に限る。)は、イに掲げる額からロ及びハに掲げる額の合計額を減じて得た額(当該額が零未満である場合にあっては、零) #:イ 最終事業年度の末日における貸借対照表の(1)から(3)までに掲げる額の合計額から(4)に掲げる額を減じて得た額 #::(1) 株主資本の額 #::(2) その他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零) #::(3) 土地再評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零) #::(4) のれん等調整額(当該のれん等調整額が資本金の額、資本剰余金の額及び利益準備金の額の合計額を超えている場合にあっては、資本金の額、資本剰余金の額及び利益準備金の額の合計額) #:ロ 最終事業年度の末日後に子会社から当該株式会社の株式を取得した場合における当該株式の取得直前の当該子会社における帳簿価額のうち、当該株式会社の当該子会社に対する持分に相当する額 #:ハ 最終事業年度の末日における連結貸借対照表の(1)から(3)までに掲げる額の合計額から(4)に掲げる額を減じて得た額 #::(1) 株主資本の額 #::(2) その他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零) #::(3) 土地再評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零) #::(4) のれん等調整額(当該のれん等調整額が資本金の額及び資本剰余金の額の合計額を超えている場合にあっては、資本金の額及び資本剰余金の額の合計額) #最終事業年度の末日(最終事業年度がない場合にあっては、成立の日。第7号及び第1号において同じ。)後に二以上の臨時計算書類を作成した場合における最終の臨時計算書類以外の臨時計算書類に係る[[会社法第461条|法第461条]]第2項第2号に掲げる額(同号ロに掲げる額のうち、[[吸収型再編受入行為]]及び[[特定募集]](次の要件のいずれにも該当する場合におけるロの募集をいう。以下この条において同じ。)に際して処分する自己株式に係るものを除く。)から同項第5号に掲げる額を減じて得た額 #:イ 最終事業年度の末日後に[[会社法第173条|法第173条]]第1項の規定により当該株式会社の株式の取得(株式の取得に際して当該株式の株主に対してロの募集により当該株式会社が払込み又は給付を受けた財産のみを交付する場合における当該株式の取得に限る。)をすること。 #:ロ [[第2編第2章_株式_(コンメンタール会社法)#8|法第2編第2章第8節]]の規定によりイの株式(当該株式の取得と同時に当該取得した株式の内容を変更する場合にあっては、当該変更後の内容の株式)の全部又は一部を引き受ける者の募集をすること。 #:ハ イの株式の取得に係る[[会社法第171条|法第171条]]第1項第3号の日とロの募集に係る[[会社法第199条|法第199条]]第1項第4号の期日が同一の日であること。 #300万円に相当する額から次に掲げる額の合計額を減じて得た額(当該額が零未満である場合にあっては、零) #:イ 資本金の額及び準備金の額の合計額 #:ロ [[株式引受権]]の額 #:ハ [[新株予約権]]の額 #:ニ 最終事業年度の末日の貸借対照表の評価・換算差額等の各項目に計上した額(当該項目に計上した額が零未満である場合にあっては、零)の合計額 #最終事業年度の末日後株式会社が吸収型再編受入行為又は特定募集に際して処分する[[自己株式]]に係る[[会社法第461条|法第461条]]第2項第2号ロに掲げる額 #次に掲げる額の合計額 #:イ 最終事業年度の末日後に[[会社計算規則第21条|第21条]]の規定により増加したその他資本剰余金の額 #:ロ 最終事業年度の末日後に[[会社計算規則第42条の2|第42条の2]]第5項第1号の規定により変動したその他資本剰余金の額 #:ハ 最終事業年度がない株式会社が成立の日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 #最終事業年度の末日後に株式会社が当該株式会社の株式を取得した場合([[会社法第155条|法第155条]]第12号に掲げる場合以外の場合において、当該株式の取得と引換えに当該株式の株主に対して当該株式会社の株式を交付するときに限る。)における当該取得した株式の帳簿価額から次に掲げる額の合計額を減じて得た額 #:イ 当該取得に際して当該取得した株式の株主に交付する当該株式会社の株式以外の財産(社債等([[自己社債]]及び[[自己新株予約権]]を除く。ロにおいて同じ。)を除く。)の帳簿価額 #:ロ 当該取得に際して当該取得した株式の株主に交付する当該株式会社の社債等に付すべき帳簿価額 #最終事業年度の末日後に株式会社が吸収型再編受入行為又は特定募集に際して処分する自己株式に係る[[会社法第461条|法第461条]]第2項第4号(最終事業年度がない場合にあっては、第8号)に掲げる額 ==解説== ==関連条文== ---- {{前後 |[[会社計算規則]] |[[会社計算規則#7|第7編 株式会社の計算に係る計数等に関する事項]]<br> [[会社計算規則#7-6|第6章 分配可能額]] |[[会社計算規則第157条]]<br>(臨時計算書類の損失の額) |[[会社計算規則第159条]]<br>(剰余金の配当等に関して責任をとるべき取締役等) }} {{stub|law}} [[category:会社計算規則|126]]
2024-03-29T06:23:23Z
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39,398
Blender 3D/モードの変更とオブジェクトの選択
Blednerの3Dビューポートでは、実際に3Dモデルを三次元空間に置いた状態で見ながら編集ができますが、モードを切り替えることでその編集方法を変えることができます。モードは以下の6種類が存在します。 特に触ることになるモードはオブジェクトモードと編集モードでしょう。この2モードはTabキーで切り替えることができるショートカットキーが存在します。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Blednerの3Dビューポートでは、実際に3Dモデルを三次元空間に置いた状態で見ながら編集ができますが、モードを切り替えることでその編集方法を変えることができます。モードは以下の6種類が存在します。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "特に触ることになるモードはオブジェクトモードと編集モードでしょう。この2モードはTabキーで切り替えることができるショートカットキーが存在します。", "title": "" } ]
Blednerの3Dビューポートでは、実際に3Dモデルを三次元空間に置いた状態で見ながら編集ができますが、モードを切り替えることでその編集方法を変えることができます。モードは以下の6種類が存在します。 オブジェクトモード 編集モード スカルプトモード 頂点ペイント ウエイトペイント テクスチャペイント 特に触ることになるモードはオブジェクトモードと編集モードでしょう。この2モードはTabキーで切り替えることができるショートカットキーが存在します。
Blednerの[[Blender 3D/Blenderのスクリーン#エディター|3Dビューポート]]では、実際に3Dモデルを三次元空間に置いた状態で見ながら編集ができますが、モードを切り替えることでその編集方法を変えることができます。モードは以下の6種類が存在します。 *'''オブジェクトモード''' *'''編集モード''' *スカルプトモード *頂点ペイント *ウエイトペイント *テクスチャペイント 特に触ることになるモードはオブジェクトモードと編集モードでしょう。この2モードはTabキーで切り替えることができるショートカットキーが存在します。 ==オブジェクトモード== ==編集モード== {{substub}} {{DEFAULTSORT:Blender3Dもおとのへんこうと}} [[Category:Blender 3D|もおとのへんこうと]]
2024-03-30T17:03:37Z
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廣末裕理
テンプレート:Pp-vandalism テンプレート:ActorActress 廣末 裕理(ひろすえ ゆうり、2014年5月8日 - )は、日本の元アイドル、元子役。 趣味は、ピアノ、走ること、ドッジボール 特技は、歌うこと 2021年6月26日にジャニーズ事務所に入所 2024年3月31日をもって、ジャニーズ事務所を退所
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{{pp-vandalism|small=yes}} {{ActorActress | 芸名 = 廣末 裕理 | ふりがな = ひろすえ ゆうり | 画像ファイル = | 画像サイズ = | 画像コメント = | 本名 = 廣末 裕理 | 別名義 = <!-- 別芸名がある場合に記載。愛称の欄ではありません --> | 出生地 = | 出身地 = {{JPN}} [[東京都]] | 死没地 = | 国籍 = <!--「出生地」からは推定できないときだけ --> | 民族 = <!-- 民族名には信頼できる情報源が出典として必要です --> | 身長 = 120 cm | 血液型 = [[ABO式血液型|A型]] | 生年 = 2014年 | 生月 = 5月 | 生日 = 8日 | 没年 = | 没月 = | 没日 = | 職業 = | ジャンル = | 活動期間 = [[2021年]] - [[2024年]] | 活動内容 = | 配偶者 = | 著名な家族 = <!-- 『著名活動をしている人物』で記事対象の家族として公開されている人物がいる場合に記載。単にメディアで紹介された新生児の名前などは書かないように注意 --> | 所属劇団 = | 事務所 = | 公式サイト = | 主な作品 = <!-- 誰もが認める代表作品を記述 --> | アカデミー賞 = | AFI賞 = | 英国アカデミー賞 = | セザール賞 = | エミー賞 = | ジェミニ賞 = | ゴールデングローブ賞 = | ゴールデンラズベリー賞 = | ゴヤ賞 = | グラミー賞 = | ブルーリボン賞 = | ローレンス・オリヴィエ賞 = | 全米映画俳優組合賞 = | トニー賞 = | 日本アカデミー賞 = | その他の賞 = | 備考 = }} '''廣末 裕理'''(ひろすえ ゆうり、2014年5月8日 - )は、日本の元アイドル、元子役。 == 人物 == 趣味は、[https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ピアノ&oldid=99275953 ピアノ]、走ること、[https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ドッジボール&oldid=99683792 ドッジボール] 特技は、歌うこと == 経歴 == 2021年6月26日に[https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ジャニーズ事務所&oldid=99804587 ジャニーズ事務所]に入所 2024年3月31日をもって、[https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ジャニーズ事務所&oldid=99804587 ジャニーズ事務所]を退所
2024-04-01T00:13:32Z
2024-04-01T00:13:32Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%BB%A3%E6%9C%AB%E8%A3%95%E7%90%86
39,399
廣末裕理
テンプレート:Pp-vandalism テンプレート:ActorActress 廣末 裕理(ひろすえ ゆうり、2014年5月8日 - )は、日本の元アイドル、元子役。 趣味は、ピアノ、走ること、ドッジボール 特技は、歌うこと 2021年6月26日にジャニーズ事務所に入所 2024年3月31日をもって、ジャニーズ事務所を退所
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テンプレート:Pp-vandalism テンプレート:ActorActress 廣末 裕理(ひろすえ ゆうり、2014年5月8日 - )は、日本の元アイドル、元子役。
{{ActorActress | 芸名 = 廣末 裕理 | ふりがな = ひろすえ ゆうり | 画像ファイル = | 画像サイズ = | 画像コメント = | 本名 = 廣末 裕理 | 別名義 = <!-- 別芸名がある場合に記載。愛称の欄ではありません --> | 出生地 = | 出身地 = {{JPN}} [[東京都]] | 死没地 = | 国籍 = <!--「出生地」からは推定できないときだけ --> | 民族 = <!-- 民族名には信頼できる情報源が出典として必要です --> | 身長 = 120 cm | 血液型 = [[ABO式血液型|A型]] | 生年 = 2014年 | 生月 = 5月 | 生日 = 8日 | 没年 = | 没月 = | 没日 = | 職業 = | ジャンル = | 活動期間 = [[2021年]] - [[2024年]] | 活動内容 = | 配偶者 = | 著名な家族 = <!-- 『著名活動をしている人物』で記事対象の家族として公開されている人物がいる場合に記載。単にメディアで紹介された新生児の名前などは書かないように注意 --> | 所属劇団 = | 事務所 = | 公式サイト = | 主な作品 = <!-- 誰もが認める代表作品を記述 --> | アカデミー賞 = | AFI賞 = | 英国アカデミー賞 = | セザール賞 = | エミー賞 = | ジェミニ賞 = | ゴールデングローブ賞 = | ゴールデンラズベリー賞 = | ゴヤ賞 = | グラミー賞 = | ブルーリボン賞 = | ローレンス・オリヴィエ賞 = | 全米映画俳優組合賞 = | トニー賞 = | 日本アカデミー賞 = | その他の賞 = | 備考 = }} '''廣末 裕理'''(ひろすえ ゆうり、2014年5月8日 - )は、日本の元アイドル、元子役。 == 人物 == 趣味は、[https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ピアノ&oldid=99275953 ピアノ]、走ること、[https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ドッジボール&oldid=99683792 ドッジボール] 特技は、歌うこと == 経歴 == 2021年6月26日に[https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ジャニーズ事務所&oldid=99804587 ジャニーズ事務所]に入所 2024年3月31日をもって、[https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ジャニーズ事務所&oldid=99804587 ジャニーズ事務所]を退所
2024-04-01T00:13:32Z
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Forth
Forthは、チャールズ・ムーアによって1970年に開発された、非常にユニークなプログラミング言語です。Forthは、プログラミング言語の概念を根本から見直し、シンプルさと効率性を追求した結果生まれました。 Forthの最大の特徴は、スタックベースのプログラミングモデルと、インタープリタ方式による対話型の実行環境にあります。プログラムは、「ワード」と呼ばれる小さな命令の集合として定義されます。これらのワードは、スタックを介して通信を行います。つまり、ワードの入力と出力は全てスタックを経由するのです。 このアプローチは、プログラムをモジュール化するのに非常に適しています。ワードは個別に定義され、組み合わせて新しいワードを構築できます。このような構造は、プログラムの拡張性と再利用性を高めます。また、Forthのコアシステムは非常にコンパクトで、数千行のコードからなるため、カスタマイズや移植が容易です。 Forthは、組み込みシステムや制御システム、科学技術計算などの分野で幅広く利用されてきました。NASAのスペースシャトルやボーイング航空機の飛行制御システムなどでも採用されており、その信頼性の高さが評価されています。また、オープンソースのForth処理系も多数存在し、活発なコミュニティが形成されています。 本書では、ForthのCore Word Setに準拠した標準的なForthシステムを題材とします。Forthの文法と概念から始まり、データ構造、メモリ管理、入出力、モジュール化、さらには応用的なトピックまでを解説します。サンプルコードと実践的なプロジェクトを通じて、Forthの実用性と可能性を体感していただけます。 シンプルでありながら極めて表現力豊かなForthの世界に足を踏み入れ、その魅力を存分に味わってみてください。 Forthは一見すると非常にシンプルな構文を持っていますが、その裏には独自の概念と豊かな表現力が隠れています。この章では、Forthの基本的な構文と操作、ワード(関数)の定義方法などを解説します。 Forthのプログラムは、空白文字で区切られた「ワード」の並びで構成されます。ワードには、数値リテラル、制御構造、演算子、そして他のワードを呼び出す構文などがあります。Forthには高水準の構文がなく、基本的な構文要素は非常にシンプルです。 例えば、2 3 + と入力すると、2と3がスタックにプッシュされ、最後の+がスタック上の2つの数値を加算します。この結果である5がスタックに残ります。つまり、Forthではプログラムの実行とデータ操作が、ワードの解釈とスタック操作によって行われるのです。 Forthは、基本的に行指向の言語です。プログラムは複数行に分割できますが、改行の前後で文が継続する場合は、スペースを入れる必要があります。このため、適切なインデントを使ってプログラムの構造をわかりやすくすることが重要です。 スタックは、Forthにおける中心的なデータ構造です。ほとんどのワードは、スタックから値を取り出したり、スタックに値を格納したりします。スタックは、後入れ先出し(LIFO; Last In First Out)のデータ構造で、Forthの演算はスタック上で行われます。 基本的なスタック操作ワードには、DUP(重複)、SWAP(入れ替え)、DROP(削除)、OVER(コピー)などがあります。これらのワードを使ってスタックを操作し、必要なデータを演算の入力に設定します。 Forthには、算術演算(+、-、*、/など)、論理演算(AND、OR、NOT)、比較(=、<>、>、<など)の基本ワードが用意されています。これらのワードは、スタック上の値を取り、演算結果をスタックに格納します。 制御構造には、条件分岐(IF、ELSE、THEN)やループ(BEGIN、UNTIL、AGAIN)などがあります。Forthの制御構造は、スタックを活用した独特の動作をします。条件式の値は真理値ではなく、0か非0値で判断されます。 このABSSUMワードは、2つの数値の絶対値の和を計算します。IF...THEN構造を使って、数値の符号に応じて絶対値を求めています。 Forthでは、新しいワードを定義してカスタマイズすることができます。ユーザー定義ワードは、:(コロン)で始まり、;(セミコロン)で終わります。その間に、既存のワードや制御構造を組み合わせることで、任意の処理を記述できます。 SQUAREは数値を2乗する単純なワードです。SUMAは2つの数値の和を求めるワードで、組み込みの+を利用しています。 定義の際、ワードの後ろに(と)でスタックの動作を記述するのがForthの慣習です。上の例では、SQUAREは1つの数値を取り、その2乗値をスタックに残します。 Forthのユーザー定義ワードは、小さな処理から大きな処理へと階層的に作り上げていくことができます。新しいワードを組み合わせて、さらに高度なワードを構築できる、というのがForthの大きな特徴です。 Forthは組み込みシステムなどのリソース制約の厳しい用途を想定して設計されているため、メモリの効率的な利用が重視されています。この章では、Forthにおけるデータ構造とメモリ管理の方法を説明します。 Forthにおけるメインのデータ構造は、パラメータスタックとリターンスタックの2つです。パラメータスタック(通常は単にスタックと呼ばれる)は、すでに説明した通り、数値やアドレスなどのデータを一時的に保持する役割を持ちます。 一方、リターンスタックは、ワード呼び出しの際にリターンアドレスを保存するために使用されます。ワードの実行が終わると、リターンスタックから次の実行位置がポップされます。この仕組みにより、Forthはスタック指向の構造化プログラミングが実現されています。 スタックとリターンスタックはそれぞれ限られたサイズを持っているため、スタックオーバーフローやアンダーフローを引き起こさないよう注意が必要です。?STACKやDEPTHなどのワードを使えば、スタックの状態をチェックできます。 Forthには、グローバル変数やローカル変数の概念がありません。代わりに、値を格納するためのメモリ領域を確保し、そのアドレスを使ってアクセスします。VARIABLEワードを使うと、新しい変数領域が確保され、その開始アドレスがスタックに置かれます。 変数の値を取り出すには@(フェッチ)、格納するには!(ストア)を使います。+!のように算術演算と!を組み合わせたワードもあります。 Forthではアドレスを直接スタックに置いて操作することもできます。HEREはディクショナリの次の空きアドレスを取得し、ALLOTはディクショナリ領域を確保します。 配列やレコード(構造体)といったデータ構造は、Forthではメモリブロックとしてアドレスで表現されます。配列の各要素にアクセスするには、インデックスとベースアドレスの計算が必要です。 CREATE...ALLOTで連続したメモリ領域を確保し、ARRAYにその開始アドレスが置かれます。要素へのアクセスには、ベースアドレスにインデックスをシフトして足し算します。 レコードは、必要なフィールドごとにメモリを確保して構築できます。レコードのフィールドへのアクセスには、オフセット値を使ってフィールドのアドレスを計算します。 Forthにおけるデータ構造は、非常に低レベルで表現されています。一方で、この低レベルなアクセス方式は、メモリの効率的な利用を可能にし、Forthをシステムプログラミングに適した言語にしています。 Forthには標準の入出力ワードがあり、コンソールやファイルからの入出力を行えます。また、様々な組み込みワードが用意されており、これらを活用することでForthの機能を拡張できます。 Forthには、キーボードからの文字入力や、コンソールへの文字出力を行うためのワードが用意されています。 KEYはキーボード入力を待ち、押された文字のASCIIコードをスタックに置きます。EMITは逆に、スタック上の値を文字コードとして解釈し、コンソールに出力します。." Hello"のように、." の後に文字列を続けると、その文字列がコンソール出力されます。 数値入出力には、?、U.、U.Rなどのワードが使えます。?は数値を入力受け付け、U.は符号なし数値を、U.Rは数値を指定した基数(2進数、16進数など)で出力します。 ファイル入出力には、様々なワードが用意されています。OPEN-FILEでファイルを開き、READ-FILEやWRITE-FILEでデータの読み書きができます。 ファイル名は、S" で文字列をスタックに置いた後、R/O(読み取り専用)やW/O(書き込み専用)といったモードを指定してファイルを開きます。THROWはエラーがあれば例外を発生させます。 READ-FILEやWRITE-FILEでは、バッファ領域のアドレスと読み書きするバイト数をスタックに置く必要があります。 Forthには、数学関数や論理演算、メモリ操作など、様々な組み込みワードが用意されています。必要に応じてこれらのワードを活用することで、プログラムにさまざまな機能を付加できます。 MAXは2つの数値の最大値を、SWAPは2つの値の順序を入れ替え、DROPは最上位の値を捨てます。DUMPは指定したアドレスからのメモリ内容をダンプ出力します。 組み込みワードには、浮動小数点演算、文字列処理、マルチタスク、IPCなど、様々な分野のものがあります。また、必要に応じてワードを自作したり、外部ライブラリからリンクしたりできます。Forthはコンパクトなシステムながら、組み込みワードの充実により高い機能性を発揮します。 Forthは小規模な組み込みシステムから大規模なアプリケーションまで、幅広い用途に使用できる言語です。この章では、Forthにおけるアプリケーション開発の手法と、実例について解説します。 Forthはワードをベースとしたモジュール性の高いプログラミングができます。大きなアプリケーションを開発する際は、適切にモジュール分割してワードを設計・管理することが重要です。 Forthにはネームスペースの概念がありません。そのため、ワード名の重複を避けるためには、プレフィックスなどの命名規則を定めることが一般的です。たとえばSTRING-LENGTHのように、ワードの役割がわかるよう名前を付けます。 また、ワードをまとめてファイルに保存し、必要に応じて読み込む方法があります。Forthの多くの処理系は、ワードの定義をソースファイルに保存したり、メモリイメージを永続化したりできます。 作成したワードはMODULE>NAMEでモジュール名を付け、+MODULEでモジュールを完成させることができます。他のソースからUSE MODULE>NAMEとすれば、そのモジュールのワードが使用可能になります。 大規模なシステムでは、このようなソースレベルの分割に加え、オーバーレイ、仮想メモリ、マルチタスク機能を活用することで、メモリの効率的な使用が可能です。 Forthでもグラフィック処理が可能ですが、組み込みの機能は限られています。ほとんどの処理はユーザ定義ワードとして実装する必要があります。 ビットマップ画像の表示や、ウィンドウ、マウスカーソルなどの基本的なGUIの作成はある程度可能です。高度な3Dグラフィックスなどを実現するには、外部ライブラリを利用する必要があります。 上記では、フレームバッファの制御関数がロードされた前提で、DRAW-LINEを使ってDRAW-RECT(長方形描画)を実装しています。スタックを活用して座標値を受け渡し、基本的な幾何図形を描画しています。 Forthはグラフィックスパイプラインなどの高度な機能を組み込んでいませんが、スタックベースの処理により、低レベルのデバイスアクセスが可能です。組み込みシステムのディスプレイやLED制御など、グラフィックス関連の処理に適しています。 Forthの本質的な特性として、システムプログラミングに適していることがあげられます。小規模でコンパクト、高速動作、低レベルなメモリアクセスが可能というメリットがあります。 OSカーネル、デバイスドライバ、BIOS、ブートローダなどの開発にForthは広く使われてきました。組み込みシステムでは、センサーやI/Oデバイスの制御に最適です。スタック指向のモデルにより、レジスタレベルの処理が直接かけるのも特徴です。 例えば、Forthを使ってブートローダを実装する場合には、次のようなプログラムになります。 BIOSなどの低レベル機能を呼び出してブートローダを構築する処理が、Forthの文法でコンパクトに記述できる様子がわかります。 また、Forth自身が小規模で可搬性が高いため、Forth処理系そのものもForthで書かれた簡単なコアを、ホストOSやアーキテクチャに合わせてセルフホスト (移植) する手法が一般的です。これは、アプリケーションと実行環境を一体化して開発できる利点があります。 ここまでForthの基本的な構文と概念、データ構造、アプリケーション開発の実例などを解説してきました。この章では、Forthの高度な利用方法としてパフォーマンス最適化、マルチスレッド・マルチタスク、メタプログラミングについて取り上げます。 Forthはコンパクトで高速な言語ですが、さらなる最適化の余地があります。ワードの定義を工夫したり、ネイティブコードコンパイラを使ったりすることで、パフォーマンスを向上できます。 ワード定義の最適化では、冗長な演算を排除したり、インラインコーディングの手法を用いたりします。例えば、次のようなワード定義があるとします。 このMAX2は一時的に2つの値を複製(2DUP)し、IF..ELSE..THENの条件分岐で最大値を選びます。しかし、この一時複製が無駄な演算となっています。次のように書くとコードがシンプルになります。 ワードの最適化には一般的なテクニックがあり、Forthのコンパイラ作者から提案されているものを参考にするとよいでしょう。 また、Forthにはネイティブコードコンパイラと呼ばれるもので、ワードの実行コードをネイティブマシン語に変換できるものがあります。Forthの対話的な実行環境は便利ですが、ネイティブコードの方が高速に動作します。こうした最適化手法を使い分けることで、Forthのパフォーマンスを飛躍的に向上できます。 Forthには並列実行の機構が組み込まれていないため、マルチスレッドやマルチタスク処理を実現するにはユーザ定義の実装が必要です。しかし、Forthの言語特性を活かせばきわめてコンパクトな並列処理ができます。 マルチスレッドでは、スタックを分離し、スレッド毎にスタックのコピーを持つ手法が一般的です。スレッドの切り替えはスタックのコンテキストスイッチで実現できます。また、Forthのデータストアクセス方式を応用すれば、IPC(プロセス間通信)の仕組みを作ることもできます。 この例では、新しいタスクを作成するワードNEW-TASKを定義しています。CREATE-STACKでスタックを新しく割り当て、DO-SOME-WORKのようなワード定義をタスクとして登録します。実行時にはスケジューラによってこれらのタスクが実行されます。 マルチタスク機構を実装する例は多数あり、スレッド単位でデータを扱う方式、メッセージキューによる方式、それぞれ長所と短所があります。並列処理にはデッドロックなどの問題点もありますが、Forthではコンパクトでシンプルなコード記述が可能です。 Forthにはプログラムを生成・変更するメタプログラミングの機能があり、コードを自動生成したり、プログラムを動的に変更したりできます。この機能は、Forthをドメイン固有言語(DSL)の開発などに適用できることを意味しています。 メタプログラミングには、コンパイル時に評価される構文[...]と実行時構文EVALがあります。どちらもプログラムをデータとして扱えるため、動的にプログラムを生成・変更できます。 この例では、ヒルベルト曲線を描画するコードを動的に生成しています。POSTPONEはワードのコンパイルを遅延させ、[: ... ;]の構文はその間のテキストを実行可能なコードとしてコンパイルします。この手法により、 Hilbertカーブの次元(n)に応じて、その描画コードを生成しています。 Forthのメタプログラミング機能は、高度な用途に役立ちます。例えば、ユーザインターフェースビルダー、コードジェネレーター、プログラムシンセサイザなどでその力を発揮できます。Forthの柔軟性を最大限に活かせる側面といえるでしょう。 Forthの理解を深めるには、実際にコードを書いて動作を確認することが大切です。この章では、様々なサンプルコードを紹介するとともに、実践的なForthプロジェクトの例を示します。 以下はForthの基本的な機能を示すサンプルコード集です。 これらの例は、スタックを使った処理の流れ、ユーザ定義ワードの作成、再帰など、Forthのプログラミング手法の基本を示しています。コンパクトながらも表現力の高さがわかるでしょう。 次に、もう少し大がかりなForthプロジェクトの例を紹介します。 Chip-8はレトロなゲームコンソールで、Forthでその命令セットをエミュレートするプロジェクトです。グラフィックス、入力処理、命令デコーダなどを実装します。 ForthでOSカーネルの基本部分を実装し、ブートローダと合わせてシステムを構築するプロジェクト。メモリ管理、タスク管理、ファイルシステム、ドライバなどの機能が実装できます。 ForthでHTTPリクエストを処理するWebサーバーを作成。ソケット通信、文字列処理、ファイル入出力などの機能が必要になります。追加してWebアプリケーションフレームワークなども作れます。 Forthを使ってCPU命令セットを記述し、ゲートレベルまでFPGAに実装するプロセッサの設計プロジェクト。ハードウェア記述言語との連携が重要です。 このようなプロジェクトを通して、Forthの実用性とシステムプログラミングでの可能性を体験できます。Forthという言語自体を使って、OSやハードウェアコンポーネントを実装できるのが最大の特徴です。いずれのプロジェクトも一般的な規模になると、モジュール分割やワード管理、ツール活用などの工夫が必要になります。 Forthについてより深く学ぶには、書籍や公開されているオンラインリソースを参照するのが有効な方法です。また、活発なForthコミュニティに参加することで、他の開発者からの助言を得られます。 Forthの入門書から応用、さらには処理系の実装に至るまで、多くの優れた書籍が出版されています。 これらの書籍を手に入れられれば、Forthの理解が格段に進むはずです。電子書籍としても出版されているものがあります。 インターネット上にも無料で参照できるForth関連の豊富なリソースが存在します。 Webサイト、ソースコード、ニュースレターなど、さまざまな形でリソースが公開されているので、活用していきたいものです。 長年にわたりForth言語を支える活発なコミュニティが存在し、開発者同士が支え合う環境があります。 オンラインフォーラムやメーリングリスト、対面の勉強会など、様々な形でForth開発者同士が交流を深めています。初心者でもこうしたコミュニティに参加することで、サポートを受けられます。Forthの小さな世界ですが、地域を越えて開発が行われているのが特徴です。 Forthの参考文献やオンラインリソース、そしてコミュニティを上手く活用することで、この独特な言語の理解が一層深まるはずです。
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"paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "CREATE...ALLOTで連続したメモリ領域を確保し、ARRAYにその開始アドレスが置かれます。要素へのアクセスには、ベースアドレスにインデックスをシフトして足し算します。", "title": "データ構造とメモリ管理" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "レコードは、必要なフィールドごとにメモリを確保して構築できます。レコードのフィールドへのアクセスには、オフセット値を使ってフィールドのアドレスを計算します。", "title": "データ構造とメモリ管理" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "Forthにおけるデータ構造は、非常に低レベルで表現されています。一方で、この低レベルなアクセス方式は、メモリの効率的な利用を可能にし、Forthをシステムプログラミングに適した言語にしています。", "title": "データ構造とメモリ管理" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "Forthには標準の入出力ワードがあり、コンソールやファイルからの入出力を行えます。また、様々な組み込みワードが用意されており、これらを活用することでForthの機能を拡張できます。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "Forthには、キーボードからの文字入力や、コンソールへの文字出力を行うためのワードが用意されています。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "KEYはキーボード入力を待ち、押された文字のASCIIコードをスタックに置きます。EMITは逆に、スタック上の値を文字コードとして解釈し、コンソールに出力します。.\" Hello\"のように、.\" の後に文字列を続けると、その文字列がコンソール出力されます。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "数値入出力には、?、U.、U.Rなどのワードが使えます。?は数値を入力受け付け、U.は符号なし数値を、U.Rは数値を指定した基数(2進数、16進数など)で出力します。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "ファイル入出力には、様々なワードが用意されています。OPEN-FILEでファイルを開き、READ-FILEやWRITE-FILEでデータの読み書きができます。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "ファイル名は、S\" で文字列をスタックに置いた後、R/O(読み取り専用)やW/O(書き込み専用)といったモードを指定してファイルを開きます。THROWはエラーがあれば例外を発生させます。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "READ-FILEやWRITE-FILEでは、バッファ領域のアドレスと読み書きするバイト数をスタックに置く必要があります。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "Forthには、数学関数や論理演算、メモリ操作など、様々な組み込みワードが用意されています。必要に応じてこれらのワードを活用することで、プログラムにさまざまな機能を付加できます。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "MAXは2つの数値の最大値を、SWAPは2つの値の順序を入れ替え、DROPは最上位の値を捨てます。DUMPは指定したアドレスからのメモリ内容をダンプ出力します。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "組み込みワードには、浮動小数点演算、文字列処理、マルチタスク、IPCなど、様々な分野のものがあります。また、必要に応じてワードを自作したり、外部ライブラリからリンクしたりできます。Forthはコンパクトなシステムながら、組み込みワードの充実により高い機能性を発揮します。", "title": "入出力と組み込みワード" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "Forthは小規模な組み込みシステムから大規模なアプリケーションまで、幅広い用途に使用できる言語です。この章では、Forthにおけるアプリケーション開発の手法と、実例について解説します。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "Forthはワードをベースとしたモジュール性の高いプログラミングができます。大きなアプリケーションを開発する際は、適切にモジュール分割してワードを設計・管理することが重要です。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "Forthにはネームスペースの概念がありません。そのため、ワード名の重複を避けるためには、プレフィックスなどの命名規則を定めることが一般的です。たとえばSTRING-LENGTHのように、ワードの役割がわかるよう名前を付けます。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "また、ワードをまとめてファイルに保存し、必要に応じて読み込む方法があります。Forthの多くの処理系は、ワードの定義をソースファイルに保存したり、メモリイメージを永続化したりできます。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "作成したワードはMODULE>NAMEでモジュール名を付け、+MODULEでモジュールを完成させることができます。他のソースからUSE MODULE>NAMEとすれば、そのモジュールのワードが使用可能になります。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "大規模なシステムでは、このようなソースレベルの分割に加え、オーバーレイ、仮想メモリ、マルチタスク機能を活用することで、メモリの効率的な使用が可能です。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "Forthでもグラフィック処理が可能ですが、組み込みの機能は限られています。ほとんどの処理はユーザ定義ワードとして実装する必要があります。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "ビットマップ画像の表示や、ウィンドウ、マウスカーソルなどの基本的なGUIの作成はある程度可能です。高度な3Dグラフィックスなどを実現するには、外部ライブラリを利用する必要があります。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "上記では、フレームバッファの制御関数がロードされた前提で、DRAW-LINEを使ってDRAW-RECT(長方形描画)を実装しています。スタックを活用して座標値を受け渡し、基本的な幾何図形を描画しています。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "Forthはグラフィックスパイプラインなどの高度な機能を組み込んでいませんが、スタックベースの処理により、低レベルのデバイスアクセスが可能です。組み込みシステムのディスプレイやLED制御など、グラフィックス関連の処理に適しています。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "Forthの本質的な特性として、システムプログラミングに適していることがあげられます。小規模でコンパクト、高速動作、低レベルなメモリアクセスが可能というメリットがあります。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "OSカーネル、デバイスドライバ、BIOS、ブートローダなどの開発にForthは広く使われてきました。組み込みシステムでは、センサーやI/Oデバイスの制御に最適です。スタック指向のモデルにより、レジスタレベルの処理が直接かけるのも特徴です。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "例えば、Forthを使ってブートローダを実装する場合には、次のようなプログラムになります。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "BIOSなどの低レベル機能を呼び出してブートローダを構築する処理が、Forthの文法でコンパクトに記述できる様子がわかります。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "また、Forth自身が小規模で可搬性が高いため、Forth処理系そのものもForthで書かれた簡単なコアを、ホストOSやアーキテクチャに合わせてセルフホスト (移植) する手法が一般的です。これは、アプリケーションと実行環境を一体化して開発できる利点があります。", "title": "アプリケーション開発" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "ここまでForthの基本的な構文と概念、データ構造、アプリケーション開発の実例などを解説してきました。この章では、Forthの高度な利用方法としてパフォーマンス最適化、マルチスレッド・マルチタスク、メタプログラミングについて取り上げます。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "Forthはコンパクトで高速な言語ですが、さらなる最適化の余地があります。ワードの定義を工夫したり、ネイティブコードコンパイラを使ったりすることで、パフォーマンスを向上できます。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "ワード定義の最適化では、冗長な演算を排除したり、インラインコーディングの手法を用いたりします。例えば、次のようなワード定義があるとします。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "このMAX2は一時的に2つの値を複製(2DUP)し、IF..ELSE..THENの条件分岐で最大値を選びます。しかし、この一時複製が無駄な演算となっています。次のように書くとコードがシンプルになります。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "ワードの最適化には一般的なテクニックがあり、Forthのコンパイラ作者から提案されているものを参考にするとよいでしょう。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "また、Forthにはネイティブコードコンパイラと呼ばれるもので、ワードの実行コードをネイティブマシン語に変換できるものがあります。Forthの対話的な実行環境は便利ですが、ネイティブコードの方が高速に動作します。こうした最適化手法を使い分けることで、Forthのパフォーマンスを飛躍的に向上できます。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "Forthには並列実行の機構が組み込まれていないため、マルチスレッドやマルチタスク処理を実現するにはユーザ定義の実装が必要です。しかし、Forthの言語特性を活かせばきわめてコンパクトな並列処理ができます。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "マルチスレッドでは、スタックを分離し、スレッド毎にスタックのコピーを持つ手法が一般的です。スレッドの切り替えはスタックのコンテキストスイッチで実現できます。また、Forthのデータストアクセス方式を応用すれば、IPC(プロセス間通信)の仕組みを作ることもできます。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "この例では、新しいタスクを作成するワードNEW-TASKを定義しています。CREATE-STACKでスタックを新しく割り当て、DO-SOME-WORKのようなワード定義をタスクとして登録します。実行時にはスケジューラによってこれらのタスクが実行されます。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "マルチタスク機構を実装する例は多数あり、スレッド単位でデータを扱う方式、メッセージキューによる方式、それぞれ長所と短所があります。並列処理にはデッドロックなどの問題点もありますが、Forthではコンパクトでシンプルなコード記述が可能です。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "Forthにはプログラムを生成・変更するメタプログラミングの機能があり、コードを自動生成したり、プログラムを動的に変更したりできます。この機能は、Forthをドメイン固有言語(DSL)の開発などに適用できることを意味しています。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "メタプログラミングには、コンパイル時に評価される構文[...]と実行時構文EVALがあります。どちらもプログラムをデータとして扱えるため、動的にプログラムを生成・変更できます。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "この例では、ヒルベルト曲線を描画するコードを動的に生成しています。POSTPONEはワードのコンパイルを遅延させ、[: ... ;]の構文はその間のテキストを実行可能なコードとしてコンパイルします。この手法により、 Hilbertカーブの次元(n)に応じて、その描画コードを生成しています。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "Forthのメタプログラミング機能は、高度な用途に役立ちます。例えば、ユーザインターフェースビルダー、コードジェネレーター、プログラムシンセサイザなどでその力を発揮できます。Forthの柔軟性を最大限に活かせる側面といえるでしょう。", "title": "高度なトピック" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "Forthの理解を深めるには、実際にコードを書いて動作を確認することが大切です。この章では、様々なサンプルコードを紹介するとともに、実践的なForthプロジェクトの例を示します。", "title": "サンプルプログラムとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "以下はForthの基本的な機能を示すサンプルコード集です。", "title": "サンプルプログラムとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "これらの例は、スタックを使った処理の流れ、ユーザ定義ワードの作成、再帰など、Forthのプログラミング手法の基本を示しています。コンパクトながらも表現力の高さがわかるでしょう。", "title": "サンプルプログラムとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "次に、もう少し大がかりなForthプロジェクトの例を紹介します。", "title": "サンプルプログラムとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "Chip-8はレトロなゲームコンソールで、Forthでその命令セットをエミュレートするプロジェクトです。グラフィックス、入力処理、命令デコーダなどを実装します。", "title": "サンプルプログラムとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "ForthでOSカーネルの基本部分を実装し、ブートローダと合わせてシステムを構築するプロジェクト。メモリ管理、タスク管理、ファイルシステム、ドライバなどの機能が実装できます。", "title": "サンプルプログラムとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "ForthでHTTPリクエストを処理するWebサーバーを作成。ソケット通信、文字列処理、ファイル入出力などの機能が必要になります。追加してWebアプリケーションフレームワークなども作れます。", "title": "サンプルプログラムとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "Forthを使ってCPU命令セットを記述し、ゲートレベルまでFPGAに実装するプロセッサの設計プロジェクト。ハードウェア記述言語との連携が重要です。", "title": "サンプルプログラムとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "このようなプロジェクトを通して、Forthの実用性とシステムプログラミングでの可能性を体験できます。Forthという言語自体を使って、OSやハードウェアコンポーネントを実装できるのが最大の特徴です。いずれのプロジェクトも一般的な規模になると、モジュール分割やワード管理、ツール活用などの工夫が必要になります。", "title": "サンプルプログラムとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "Forthについてより深く学ぶには、書籍や公開されているオンラインリソースを参照するのが有効な方法です。また、活発なForthコミュニティに参加することで、他の開発者からの助言を得られます。", "title": "参考資料" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "Forthの入門書から応用、さらには処理系の実装に至るまで、多くの優れた書籍が出版されています。", "title": "参考資料" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "これらの書籍を手に入れられれば、Forthの理解が格段に進むはずです。電子書籍としても出版されているものがあります。", "title": "参考資料" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "インターネット上にも無料で参照できるForth関連の豊富なリソースが存在します。", "title": "参考資料" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "Webサイト、ソースコード、ニュースレターなど、さまざまな形でリソースが公開されているので、活用していきたいものです。", "title": "参考資料" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "長年にわたりForth言語を支える活発なコミュニティが存在し、開発者同士が支え合う環境があります。", "title": "参考資料" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "オンラインフォーラムやメーリングリスト、対面の勉強会など、様々な形でForth開発者同士が交流を深めています。初心者でもこうしたコミュニティに参加することで、サポートを受けられます。Forthの小さな世界ですが、地域を越えて開発が行われているのが特徴です。", "title": "参考資料" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "Forthの参考文献やオンラインリソース、そしてコミュニティを上手く活用することで、この独特な言語の理解が一層深まるはずです。", "title": "参考資料" } ]
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== はじめに == Forthは、チャールズ・ムーアによって1970年に開発された、非常にユニークなプログラミング言語です。Forthは、プログラミング言語の概念を根本から見直し、シンプルさと効率性を追求した結果生まれました。 Forthの最大の特徴は、スタックベースのプログラミングモデルと、インタープリタ方式による対話型の実行環境にあります。プログラムは、「ワード」と呼ばれる小さな命令の集合として定義されます。これらのワードは、スタックを介して通信を行います。つまり、ワードの入力と出力は全てスタックを経由するのです。 このアプローチは、プログラムをモジュール化するのに非常に適しています。ワードは個別に定義され、組み合わせて新しいワードを構築できます。このような構造は、プログラムの拡張性と再利用性を高めます。また、Forthのコアシステムは非常にコンパクトで、数千行のコードからなるため、カスタマイズや移植が容易です。 Forthは、組み込みシステムや制御システム、科学技術計算などの分野で幅広く利用されてきました。NASAのスペースシャトルやボーイング航空機の飛行制御システムなどでも採用されており、その信頼性の高さが評価されています。また、オープンソースのForth処理系も多数存在し、活発なコミュニティが形成されています。 本書では、ForthのCore Word Setに準拠した標準的なForthシステムを題材とします。Forthの文法と概念から始まり、データ構造、メモリ管理、入出力、モジュール化、さらには応用的なトピックまでを解説します。サンプルコードと実践的なプロジェクトを通じて、Forthの実用性と可能性を体感していただけます。 シンプルでありながら極めて表現力豊かなForthの世界に足を踏み入れ、その魅力を存分に味わってみてください。 == Forthの基礎 == Forthは一見すると非常にシンプルな構文を持っていますが、その裏には独自の概念と豊かな表現力が隠れています。この章では、Forthの基本的な構文と操作、ワード(関数)の定義方法などを解説します。 === Forthの文法構造 === Forthのプログラムは、空白文字で区切られた「ワード」の並びで構成されます。ワードには、数値リテラル、制御構造、演算子、そして他のワードを呼び出す構文などがあります。Forthには高水準の構文がなく、基本的な構文要素は非常にシンプルです。 例えば、<code>2 3 +</code> と入力すると、2と3がスタックにプッシュされ、最後の<code>+</code>がスタック上の2つの数値を加算します。この結果である5がスタックに残ります。つまり、Forthではプログラムの実行とデータ操作が、ワードの解釈とスタック操作によって行われるのです。 Forthは、基本的に行指向の言語です。プログラムは複数行に分割できますが、改行の前後で文が継続する場合は、スペースを入れる必要があります。このため、適切なインデントを使ってプログラムの構造をわかりやすくすることが重要です。 === スタック操作 === [[スタック構造|スタック]]は、Forthにおける中心的なデータ構造です。ほとんどのワードは、スタックから値を取り出したり、スタックに値を格納したりします。スタックは、後入れ先出し(LIFO; Last In First Out)のデータ構造で、Forthの演算はスタック上で行われます。 基本的なスタック操作ワードには、<code>DUP</code>(重複)、<code>SWAP</code>(入れ替え)、<code>DROP</code>(削除)、<code>OVER</code>(コピー)などがあります。これらのワードを使ってスタックを操作し、必要なデータを演算の入力に設定します。 :<syntaxhighlight lang=forth> 2 3 DUP * + \ 3 * 3 + 2 = 11 </syntaxhighlight> {{コラム|Forthと逆ポーランド記法|2=Forthは、1970年代に Chuck Moore によって開発されたスタック指向のプログラミング言語であり、逆ポーランド記法(Postfix Notation)を使用しています。逆ポーランド記法は、演算子がそのオペランドの後に配置される記法であり、通常の中置記法や前置記法とは異なります。この記法は、計算機のスタックを使用して演算を行うために特に適しています。 逆ポーランド記法では、例えば <code>3 + 4</code> のような式は <code>3 4 +</code> と書かれます。これは、最初に 3 をスタックにプッシュし、次に 4 をスタックにプッシュし、そして '+' 演算子が適用され、スタックから2つの値をポップしてそれらを加算し、その結果をスタックにプッシュする、という順序です。この結果、スタックには 7 が残ります。 Forthでは、この逆ポーランド記法が言語の中心的な構文として採用されています。Forthプログラムは、基本的には単なるスタックマシンとして機能し、命令はスタックに積まれた値に対して操作を行います。 例えば、Forthで <code>3 + 4</code> を計算するには、次のような手順を踏みます: # <code>3</code> と <code>4</code> をスタックにプッシュします。 # <code>+</code> 命令を使用して、スタックから2つの値をポップし、それらを加算した結果をスタックにプッシュします。 #:これにより、スタックには 7 が残ります。 逆ポーランド記法は、コンピュータのプログラミングにおいて効率的で直感的な方法で計算を行うための手法として広く用いられています。そして、Forthのようなスタック指向の言語では、この記法が特に自然で使いやすいものとなっています。}} === 基本的な演算と制御構文 === Forthには、算術演算(<code>+</code>、<code>-</code>、<code>*</code>、<code>/</code>など)、論理演算(<code>AND</code>、<code>OR</code>、<code>NOT</code>)、比較(<code>=</code>、<code><></code>、<code>></code>、<code><</code>など)の基本ワードが用意されています。これらのワードは、スタック上の値を取り、演算結果をスタックに格納します。 制御構造には、条件分岐(<code>IF</code>、<code>ELSE</code>、<code>THEN</code>)やループ(<code>BEGIN</code>、<code>UNTIL</code>、<code>AGAIN</code>)などがあります。Forthの制御構造は、スタックを活用した独特の動作をします。条件式の値は真理値ではなく、0か非0値で判断されます。 :<syntaxhighlight lang=forth> : ABSSUM ( n1 n2 -- sum ) OVER 0< IF NEGATE THEN \ n1の絶対値 SWAP 0< IF NEGATE THEN \ n2の絶対値 + ; </syntaxhighlight> この<code>ABSSUM</code>ワードは、2つの数値の絶対値の和を計算します。<code>IF</code>...<code>THEN</code>構造を使って、数値の符号に応じて絶対値を求めています。 {{コラム|スタックダイアグラム|2=Forthのドキュメントでは、ワード(関数)の定義の前に、'''スタックダイアグラム''' と呼ばれるコメントが付けられていることがよくあります。 スタックダイアグラムは、そのワードの入力として期待されるスタック上のデータと、ワード実行後のスタック上の結果を、簡潔に示すためのものです。 例えば、2つの数値の和を計算する <code>+</code> ワードのスタックダイアグラムは以下のように書かれます。 :<syntaxhighlight lang=forth> ( n1 n2 -- sum ) </syntaxhighlight> この行は、<code>+</code> ワードの前にスタック上に2つの数値 <code>n1</code> と <code>n2</code> が置かれている必要があり、ワード実行後にはその和 <code>sum</code> がスタックに残ることを示しています。 もう一つ例を挙げると、文字列の長さを計算する <code>COUNT</code> ワードのスタックダイアグラムは次のようになります。 :<syntaxhighlight lang=forth> ( addr1 -- addr2 u ) </syntaxhighlight> これは、ワード実行前にスタック上に文字列の開始アドレス <code>addr1</code> が置かれており、実行後にはその文字列の残りのアドレス <code>addr2</code> と、文字列の長さ <code>u</code> がスタックに残ることを意味しています。 スタックダイアグラムには、他にもさまざまな記法が使われます。例えば <code>n1 n2 \</code> は、2つの数値が消費(スタックから取り除かれる)ことを示します。 スタックダイアグラムはForthのコードを読む上で非常に重要で、ワードの入出力インターフェースを一目で把握できるようになっています。Forthプログラマーはこの規約に従って、自作のワードにもスタックダイアグラムを付けるのが一般的です。 }} === 定義ワード(関数)の作成 === Forthでは、新しいワードを定義してカスタマイズすることができます。ユーザー定義ワードは、<code>:</code>(コロン)で始まり、<code>;</code>(セミコロン)で終わります。その間に、既存のワードや制御構造を組み合わせることで、任意の処理を記述できます。 :<syntaxhighlight lang=forth> : SQUARE ( n -- n^2 ) DUP * ; : SUMA ( n1 n2 -- sum ) + ; </syntaxhighlight> <code>SQUARE</code>は数値を2乗する単純なワードです。<code>SUMA</code>は2つの数値の和を求めるワードで、組み込みの<code>+</code>を利用しています。 定義の際、ワードの後ろに<code>(</code>と<code>)</code>でスタックの動作を記述するのがForthの慣習です。上の例では、<code>SQUARE</code>は1つの数値を取り、その2乗値をスタックに残します。 Forthのユーザー定義ワードは、小さな処理から大きな処理へと階層的に作り上げていくことができます。新しいワードを組み合わせて、さらに高度なワードを構築できる、というのがForthの大きな特徴です。 == データ構造とメモリ管理 == Forthは組み込みシステムなどのリソース制約の厳しい用途を想定して設計されているため、メモリの効率的な利用が重視されています。この章では、Forthにおけるデータ構造とメモリ管理の方法を説明します。 === スタックとリターンスタック === Forthにおけるメインのデータ構造は、パラメータスタックとリターンスタックの2つです。パラメータスタック(通常は単にスタックと呼ばれる)は、すでに説明した通り、数値やアドレスなどのデータを一時的に保持する役割を持ちます。 一方、リターンスタックは、ワード呼び出しの際にリターンアドレスを保存するために使用されます。ワードの実行が終わると、リターンスタックから次の実行位置がポップされます。この仕組みにより、Forthはスタック指向の構造化プログラミングが実現されています。 スタックとリターンスタックはそれぞれ限られたサイズを持っているため、スタックオーバーフローやアンダーフローを引き起こさないよう注意が必要です。<code>?STACK</code>や<code>DEPTH</code>などのワードを使えば、スタックの状態をチェックできます。 === 変数とアドレス指定 === Forthには、グローバル変数やローカル変数の概念がありません。代わりに、値を格納するためのメモリ領域を確保し、そのアドレスを使ってアクセスします。<code>VARIABLE</code>ワードを使うと、新しい変数領域が確保され、その開始アドレスがスタックに置かれます。 :<syntaxhighlight lang=forth> VARIABLE COUNTER \ カウンター変数を定義 COUNTER @ . \ 変数の値を表示(初期値は0) 1 COUNTER +! \ 変数にインクリメント </syntaxhighlight> 変数の値を取り出すには<code>@</code>(フェッチ)、格納するには<code>!</code>(ストア)を使います。<code>+!</code>のように算術演算と<code>!</code>を組み合わせたワードもあります。 Forthではアドレスを直接スタックに置いて操作することもできます。<code>HERE</code>はディクショナリの次の空きアドレスを取得し、<code>ALLOT</code>はディクショナリ領域を確保します。 === 配列と構造体 === 配列やレコード(構造体)といったデータ構造は、Forthではメモリブロックとしてアドレスで表現されます。配列の各要素にアクセスするには、インデックスとベースアドレスの計算が必要です。 :<syntaxhighlight lang=forth> CREATE ARRAY 100 ALLOT \ 100セルの配列を作成 ARRAY 10 + @ . \ 11番目の要素を表示 </syntaxhighlight> <code>CREATE</code>...<code>ALLOT</code>で連続したメモリ領域を確保し、<code>ARRAY</code>にその開始アドレスが置かれます。要素へのアクセスには、ベースアドレスにインデックスをシフトして足し算します。 レコードは、必要なフィールドごとにメモリを確保して構築できます。レコードのフィールドへのアクセスには、オフセット値を使ってフィールドのアドレスを計算します。 Forthにおけるデータ構造は、非常に低レベルで表現されています。一方で、この低レベルなアクセス方式は、メモリの効率的な利用を可能にし、Forthをシステムプログラミングに適した言語にしています。 == 入出力と組み込みワード == Forthには標準の入出力ワードがあり、コンソールやファイルからの入出力を行えます。また、様々な組み込みワードが用意されており、これらを活用することでForthの機能を拡張できます。 === 標準入出力 === Forthには、キーボードからの文字入力や、コンソールへの文字出力を行うためのワードが用意されています。 :<syntaxhighlight lang=forth> KEY \ キーボードから1文字読み込む EMIT \ スタック上の値(文字コード)を出力する ." \ 文字列を直接出力する </syntaxhighlight> <code>KEY</code>はキーボード入力を待ち、押された文字のASCIIコードをスタックに置きます。<code>EMIT</code>は逆に、スタック上の値を文字コードとして解釈し、コンソールに出力します。<code>." Hello"</code>のように、<code>."</code> の後に文字列を続けると、その文字列がコンソール出力されます。 数値入出力には、<code>?</code>、<code>U.</code>、<code>U.R</code>などのワードが使えます。<code>?</code>は数値を入力受け付け、<code>U.</code>は符号なし数値を、<code>U.R</code>は数値を指定した基数(2進数、16進数など)で出力します。 === ファイルアクセス === ファイル入出力には、様々なワードが用意されています。<code>OPEN-FILE</code>でファイルを開き、<code>READ-FILE</code>や<code>WRITE-FILE</code>でデータの読み書きができます。 :<syntaxhighlight lang=forth> S" data.txt" R/O OPEN-FILE THROW VALUE HANDLE \ ファイルを読み取りモードで開く HANDLE READ-FILE ABORT" READ ERROR" \ ファイルを読み込む HANDLE CLOSE-FILE THROW \ ファイルを閉じる </syntaxhighlight> ファイル名は、<code>S"</code> で文字列をスタックに置いた後、<code>R/O</code>(読み取り専用)や<code>W/O</code>(書き込み専用)といったモードを指定してファイルを開きます。<code>THROW</code>はエラーがあれば例外を発生させます。 <code>READ-FILE</code>や<code>WRITE-FILE</code>では、バッファ領域のアドレスと読み書きするバイト数をスタックに置く必要があります。 === 組み込みワードの利用 === Forthには、数学関数や論理演算、メモリ操作など、様々な組み込みワードが用意されています。必要に応じてこれらのワードを活用することで、プログラムにさまざまな機能を付加できます。 :<syntaxhighlight lang=forth> 2 3 MAX . \ 最大値(3)を出力 S" HELLO" SWAP DROP \ スタック操作サンプル HEX 1F20 4 DUMP \ メモリダンプ </syntaxhighlight> <code>MAX</code>は2つの数値の最大値を、<code>SWAP</code>は2つの値の順序を入れ替え、<code>DROP</code>は最上位の値を捨てます。<code>DUMP</code>は指定したアドレスからのメモリ内容をダンプ出力します。 組み込みワードには、浮動小数点演算、文字列処理、マルチタスク、IPCなど、様々な分野のものがあります。また、必要に応じてワードを自作したり、外部ライブラリからリンクしたりできます。Forthはコンパクトなシステムながら、組み込みワードの充実により高い機能性を発揮します。 == アプリケーション開発 == Forthは小規模な組み込みシステムから大規模なアプリケーションまで、幅広い用途に使用できる言語です。この章では、Forthにおけるアプリケーション開発の手法と、実例について解説します。 === モジュール化とワード管理 === Forthはワードをベースとしたモジュール性の高いプログラミングができます。大きなアプリケーションを開発する際は、適切にモジュール分割してワードを設計・管理することが重要です。 Forthにはネームスペースの概念がありません。そのため、ワード名の重複を避けるためには、プレフィックスなどの命名規則を定めることが一般的です。たとえば<code>STRING-LENGTH</code>のように、ワードの役割がわかるよう名前を付けます。 また、ワードをまとめてファイルに保存し、必要に応じて読み込む方法があります。Forthの多くの処理系は、ワードの定義をソースファイルに保存したり、メモリイメージを永続化したりできます。 :<syntaxhighlight lang=forth> MARKER MODULE>STRING : STRING-LENGTH \ 文字列の長さを求める ... ; : STRING-REVERSE \ 文字列を反転する ... ; STRING-REVERSESTRING-LENGTH +MODULE </syntaxhighlight> 作成したワードは<code>MODULE>NAME</code>でモジュール名を付け、<code>+MODULE</code>でモジュールを完成させることができます。他のソースから<code>USE MODULE>NAME</code>とすれば、そのモジュールのワードが使用可能になります。 大規模なシステムでは、このようなソースレベルの分割に加え、オーバーレイ、仮想メモリ、マルチタスク機能を活用することで、メモリの効率的な使用が可能です。 === グラフィックス処理 === Forthでもグラフィック処理が可能ですが、組み込みの機能は限られています。ほとんどの処理はユーザ定義ワードとして実装する必要があります。 ビットマップ画像の表示や、ウィンドウ、マウスカーソルなどの基本的なGUIの作成はある程度可能です。高度な3Dグラフィックスなどを実現するには、外部ライブラリを利用する必要があります。 :<syntaxhighlight lang=forth> NEED FRAMEBUFFER \ フレームバッファへのアクセスモジュール : DRAW-LINE ( x1 y1 x2 y2 -- ) \ ブレザンハムのアルゴリズムでライン描画 ... ; : DRAW-RECT ( x y w h -- ) 2SWAP 2>R 2R> \ (x y w h -- x y x+w y+h) DRAW-LINE 2>R 2R> DRAW-LINE 2SWAP DRAW-LINE 2SWAP DRAW-LINE ; FRAMEBUFFER-INIT \ グラフィックスサブシステムの初期化 100 100 300 200 DRAW-RECT \ 長方形を描画 </syntaxhighlight> 上記では、フレームバッファの制御関数がロードされた前提で、<code>DRAW-LINE</code>を使って<code>DRAW-RECT</code>(長方形描画)を実装しています。スタックを活用して座標値を受け渡し、基本的な幾何図形を描画しています。 Forthはグラフィックスパイプラインなどの高度な機能を組み込んでいませんが、スタックベースの処理により、低レベルのデバイスアクセスが可能です。組み込みシステムのディスプレイやLED制御など、グラフィックス関連の処理に適しています。 === システムプログラミング === Forthの本質的な特性として、システムプログラミングに適していることがあげられます。小規模でコンパクト、高速動作、低レベルなメモリアクセスが可能というメリットがあります。 OSカーネル、デバイスドライバ、BIOS、ブートローダなどの開発にForthは広く使われてきました。組み込みシステムでは、センサーやI/Oデバイスの制御に最適です。スタック指向のモデルにより、レジスタレベルの処理が直接かけるのも特徴です。 例えば、Forthを使ってブートローダを実装する場合には、次のようなプログラムになります。 :<syntaxhighlight lang=forth> HEX 07C0 INPORT DROP \ DOSデータ領域クリア 0800 0 20 MOVE \ リセットベクタ設定 KERNEL.IMG LOAD \ カーネル読み込み A000 OUTPORT \ VGAモードへ切り替え 1000 JMP \ カーネル実行 ... \ BIOSブート用の簡単なForth読み込みコード :KERNEL.IMG LOAD CORE SWAP CPU KERNEL ; </syntaxhighlight> BIOSなどの低レベル機能を呼び出してブートローダを構築する処理が、Forthの文法でコンパクトに記述できる様子がわかります。 また、Forth自身が小規模で可搬性が高いため、Forth処理系そのものもForthで書かれた簡単なコアを、ホストOSやアーキテクチャに合わせてセルフホスト (移植) する手法が一般的です。これは、アプリケーションと実行環境を一体化して開発できる利点があります。 == 高度なトピック == ここまでForthの基本的な構文と概念、データ構造、アプリケーション開発の実例などを解説してきました。この章では、Forthの高度な利用方法としてパフォーマンス最適化、マルチスレッド・マルチタスク、メタプログラミングについて取り上げます。 === 最適化とパフォーマンス === Forthはコンパクトで高速な言語ですが、さらなる最適化の余地があります。ワードの定義を工夫したり、ネイティブコードコンパイラを使ったりすることで、パフォーマンスを向上できます。 ワード定義の最適化では、冗長な演算を排除したり、インラインコーディングの手法を用いたりします。例えば、次のようなワード定義があるとします。 :<syntaxhighlight lang=forth> : MAX2 ( n1 n2 -- max ) 2DUP > IF SWAP DROP ELSE NIP THEN ; </syntaxhighlight> この<code>MAX2</code>は一時的に2つの値を複製(<code>2DUP</code>)し、<code>IF</code>..<code>ELSE</code>..<code>THEN</code>の条件分岐で最大値を選びます。しかし、この一時複製が無駄な演算となっています。次のように書くとコードがシンプルになります。 :<syntaxhighlight lang=forth> : MAX2 ( n1 n2 -- max ) OVER OVER > IF SWAP THEN ; </syntaxhighlight> ワードの最適化には一般的なテクニックがあり、Forthのコンパイラ作者から提案されているものを参考にするとよいでしょう。 また、Forthにはネイティブコードコンパイラと呼ばれるもので、ワードの実行コードをネイティブマシン語に変換できるものがあります。Forthの対話的な実行環境は便利ですが、ネイティブコードの方が高速に動作します。こうした最適化手法を使い分けることで、Forthのパフォーマンスを飛躍的に向上できます。 === マルチスレッドとマルチタスク === Forthには並列実行の機構が組み込まれていないため、マルチスレッドやマルチタスク処理を実現するにはユーザ定義の実装が必要です。しかし、Forthの言語特性を活かせばきわめてコンパクトな並列処理ができます。 マルチスレッドでは、スタックを分離し、スレッド毎にスタックのコピーを持つ手法が一般的です。スレッドの切り替えはスタックのコンテキストスイッチで実現できます。また、Forthのデータストアクセス方式を応用すれば、IPC(プロセス間通信)の仕組みを作ることもできます。 :<syntaxhighlight lang=forth> : NEW-TASK ( -- ) HERE CURRENT-STACK >R CREATE-STACK SWAP [: DO-SOME-WORK ;] ( compile: word behavior ) R> SET-CURRENT ; </syntaxhighlight> この例では、新しいタスクを作成するワード<code>NEW-TASK</code>を定義しています。<code>CREATE-STACK</code>でスタックを新しく割り当て、<code>DO-SOME-WORK</code>のようなワード定義をタスクとして登録します。実行時にはスケジューラによってこれらのタスクが実行されます。 マルチタスク機構を実装する例は多数あり、スレッド単位でデータを扱う方式、メッセージキューによる方式、それぞれ長所と短所があります。並列処理にはデッドロックなどの問題点もありますが、Forthではコンパクトでシンプルなコード記述が可能です。 === メタプログラミング === Forthにはプログラムを生成・変更するメタプログラミングの機能があり、コードを自動生成したり、プログラムを動的に変更したりできます。この機能は、Forthをドメイン固有言語(DSL)の開発などに適用できることを意味しています。 メタプログラミングには、コンパイル時に評価される構文<code>[...]</code>と実行時構文<code>EVAL</code>があります。どちらもプログラムをデータとして扱えるため、動的にプログラムを生成・変更できます。 :<syntaxhighlight lang=forth> : HILBERT-CURVE ( n -- ) 0 ?DO [: 2DUP RECURSE >R >R 1 HCURVE R> R> RECURSE 3 HCURVE ;] POSTPONE LITERAL POSTPONE HCURVE LOOP ; </syntaxhighlight> この例では、ヒルベルト曲線を描画するコードを動的に生成しています。<code>POSTPONE</code>はワードのコンパイルを遅延させ、<code>[: ... ;]</code>の構文はその間のテキストを実行可能なコードとしてコンパイルします。この手法により、 Hilbertカーブの次元(<code>n</code>)に応じて、その描画コードを生成しています。 Forthのメタプログラミング機能は、高度な用途に役立ちます。例えば、ユーザインターフェースビルダー、コードジェネレーター、プログラムシンセサイザなどでその力を発揮できます。Forthの柔軟性を最大限に活かせる側面といえるでしょう。 == サンプルプログラムとプロジェクト == Forthの理解を深めるには、実際にコードを書いて動作を確認することが大切です。この章では、様々なサンプルコードを紹介するとともに、実践的なForthプロジェクトの例を示します。 === 様々なサンプルコード === 以下はForthの基本的な機能を示すサンプルコード集です。 ; 再帰によるフィボナッチ数列 :<syntaxhighlight lang=forth> : FIB ( n -- fib-n ) DUP 0= IF DROP 1 EXIT THEN DUP 1 = IF DROP 1 EXIT THEN DUP 1- RECURSE SWAP 2 - RECURSE + ; </syntaxhighlight> ; 文字列操作 :<syntaxhighlight lang=forth> : UPPERCASE ( addr n -- addr n ) OVER + SWAP ?DO I C@ [CHAR] a [CHAR] z 1+ WITHIN IF [CHAR] A [CHAR] a - + THEN I C! LOOP ; : REVERSE-WORDS ( addr n -- ) [CHAR] \ SKIP SPACES OVER >R BEGIN OVER C@ [CHAR] \ <> WHILE [CHAR] \ PARSE DUP >R REVERSE R> OVER C! CHAR+ REPEAT R> DROP 2DROP ; </syntaxhighlight> ; ベクトル・行列計算 :<syntaxhighlight lang=forth> REQUIRE DOUBLE \ 倍精度浮動小数点サポート : VZEROS ( n -- addr ) \ n要素のゼロベクトルを生成 CREATE HERE 0 SWAP 8 * DUP ALLOT FILL ; : MZEROS ( rows cols -- addr ) \ rows x cols の零行列を生成 SWAP VZEROS SWAP 0 ?DO OVER VZEROS COLS + LOOP ; </syntaxhighlight> ; 簡易グラフィックス :<syntaxhighlight lang=forth> VARIABLE FRAMEBUF \ フレームバッファアドレス : PIXEL ( x y color -- ) \ 1ピクセル書き込み FRAMEBUF @ >R 2 * R@ + 3 * RP@ C!+ RP@ C!+ RDROP ; : LINE ( x1 y1 x2 y2 c -- ) \ ラインの描画 >R 2SWAP R> 2>R 2R@ PIXEL 2R> PIXELLINE ; </syntaxhighlight> これらの例は、スタックを使った処理の流れ、ユーザ定義ワードの作成、再帰など、Forthのプログラミング手法の基本を示しています。コンパクトながらも表現力の高さがわかるでしょう。 === 実践的なプロジェクト例 === 次に、もう少し大がかりなForthプロジェクトの例を紹介します。 ; Forth Chip-8 エミュレーター Chip-8はレトロなゲームコンソールで、Forthでその命令セットをエミュレートするプロジェクトです。グラフィックス、入力処理、命令デコーダなどを実装します。 ; カーネルとブートローダ ForthでOSカーネルの基本部分を実装し、ブートローダと合わせてシステムを構築するプロジェクト。メモリ管理、タスク管理、ファイルシステム、ドライバなどの機能が実装できます。 ; Webサーバー ForthでHTTPリクエストを処理するWebサーバーを作成。ソケット通信、文字列処理、ファイル入出力などの機能が必要になります。追加してWebアプリケーションフレームワークなども作れます。 ; オープンソースForthプロセッサ Forthを使ってCPU命令セットを記述し、ゲートレベルまでFPGAに実装するプロセッサの設計プロジェクト。ハードウェア記述言語との連携が重要です。 このようなプロジェクトを通して、Forthの実用性とシステムプログラミングでの可能性を体験できます。Forthという言語自体を使って、OSやハードウェアコンポーネントを実装できるのが最大の特徴です。いずれのプロジェクトも一般的な規模になると、モジュール分割やワード管理、ツール活用などの工夫が必要になります。 == 参考資料 == Forthについてより深く学ぶには、書籍や公開されているオンラインリソースを参照するのが有効な方法です。また、活発なForthコミュニティに参加することで、他の開発者からの助言を得られます。 === 関連書籍の紹介 === Forthの入門書から応用、さらには処理系の実装に至るまで、多くの優れた書籍が出版されています。 * 「Forth入門」レオ・ブロディ (ISBN:978-4875930297 工学社) ** Forth言語の基本から、アプリケーション開発までをカバーした長年の定番書。 * 「Thinking Forth」Leo Brodie (Punchy Publishing) / Forth思考 ―問題解決のための言語と哲学― レオ・ブロディー著 ** Forth哲学に重きを置いた名著。Forthの考え方を深く解説。 * 「Forth Programmer's Handbook」(ISBN:978-1419675492 Forth Inc.) ** ANS Forthの規格書で、WordSetの詳細が書かれている。 これらの書籍を手に入れられれば、Forthの理解が格段に進むはずです。電子書籍としても出版されているものがあります。 === オンラインリソース === {{Wikipedia}} インターネット上にも無料で参照できるForth関連の豊富なリソースが存在します。 * Forth Interest Group ( https://www.forth.org/ ) ** Forthに関する書籍、記事、リソースなどが集まるポータル。 * Forth-Standard-Committee 公式サイト( https://forth-standard.org/ ) Webサイト、ソースコード、ニュースレターなど、さまざまな形でリソースが公開されているので、活用していきたいものです。 === Forthコミュニティ === 長年にわたりForth言語を支える活発なコミュニティが存在し、開発者同士が支え合う環境があります。 * Newsgroups: comp.lang.forth ** ディスカッションの場となるForth専用のニュースグループ。 * 地域 Forth グループ ** ヨーロッパ、アメリカ、アジアなどの地域Forthグループ。 オンラインフォーラムやメーリングリスト、対面の勉強会など、様々な形でForth開発者同士が交流を深めています。初心者でもこうしたコミュニティに参加することで、サポートを受けられます。Forthの小さな世界ですが、地域を越えて開発が行われているのが特徴です。 Forthの参考文献やオンラインリソース、そしてコミュニティを上手く活用することで、この独特な言語の理解が一層深まるはずです。 == 脚註 == <references /> [[Category:Forth|*]] [[Category:プログラミング言語]]
2024-04-01T00:19:40Z
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[ "テンプレート:コラム", "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Forth