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Node.js
Node.jsは、JavaScriptランタイム環境で、サーバーサイドのアプリケーション開発を行うための強力なプラットフォームです。このチュートリアルでは、Node.jsの基本から始め、プログラミング初心者にも理解しやすいように構成されています。 このチュートリアルは、理論的な概念だけでなく、各トピックにおいて実際のコード例や演習を提供することで、読者が理解を深めるのに役立ちます。最終的には、Node.jsを使用して実践的なウェブアプリケーションを構築できるようになります。初学者から経験者まで、幅広い層のプログラマにとってNode.jsの基本的な概念や実践的なスキルを身につけるための手順が含まれています。 Node.jsは、JavaScriptランタイム環境であり、非同期イベント駆動型のサーバーサイドアプリケーション開発に特に適しています。JavaScriptをブラウザのみでなく、サーバーサイドでも実行できるようになり、統一されたプログラミング言語でクライアントとサーバーの開発が可能となりました。これにより、フロントエンドとバックエンドのシームレスな連携が可能となり、開発効率が向上しました。 Node.jsの主な特徴は非同期イベント駆動型のプログラミングモデルです。これにより、複数のイベントが同時に処理され、高い効率でスケーラビリティを実現できます。また、V8エンジンを採用しており、高速な実行が可能です。 Node.jsを使用するには、公式ウェブサイトから対応するバージョンをダウンロードしてインストールする必要があります。インストールが完了したら、コマンドラインでnode -vと入力してバージョンが表示されるか確認しましょう。これでNode.jsが正しくインストールされたことが確認できます。 Node.jsの環境構築では、npm(Node Package Manager)も一緒にインストールされます。npmはパッケージの管理や依存関係の解決に利用され、Node.js開発において欠かせないツールです。npm -vと入力して正しいバージョンが表示されるか確認しましょう。 npmはパッケージ(ライブラリやツール)のインストール、管理、公開などを行うツールです。以下は、npmの基本的な使用法です。 これらのコマンドを使って、プロジェクトに必要なパッケージを簡単に追加できます。また、package.jsonファイルにはプロジェクトの依存関係やスクリプトなどの情報が記述されます。npmを使うことで、プロジェクトの管理がより効率的になります。 Yarn は、JavaScriptのパッケージ管理ツールで、Node.jsプロジェクトでの依存関係の管理を行います。Facebook、Expo、Google、Tildeが共同で開発したもので、npm(Node Package Manager)の代替として開発されました。Yarnは、パフォーマンスの向上、セキュリティ、再現性の確保などの特長があります。 以下に、Yarnの基本的な機能やコマンドを解説します。 新しいプロジェクトを始める際には、まずプロジェクトディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行して初期化します。 新しいパッケージをプロジェクトに追加する場合は、yarn add コマンドを使用します。 これらの基本的なコマンドを駆使することで、Yarnはプロジェクトの依存関係を効果的に管理し、一貫性のある開発環境を提供します。 Express.jsは、Node.js用の軽量で柔軟かつ高速なWebアプリケーションフレームワークです。これを使用することで、シンプルなAPIから複雑なWebアプリケーションまで、効率的で堅牢なサーバーサイドの開発が可能になります。Express.jsはミドルウェアを活用して柔軟性を提供し、開発者が簡単かつ効果的にHTTPサーバーを構築できるように設計されています。 主な特徴として、ルーティングやミドルウェアの強力なサポート、HTTPのメソッドに基づいたルーティングの容易さ、拡張性、そして大規模なアプリケーションの構築にも適していることが挙げられます。 Expressアプリケーションの基本構造は、以下のようになります。 この基本的な構造では、Expressをインポートし、appオブジェクトを作成します。その後、app.get()メソッドを使用してルートパス('/')へのGETリクエストに対して応答を定義し、最後にapp.listen()メソッドでサーバーを指定のポートで起動します。 Express.jsでは、app.get()、app.post()、app.put()などのメソッドを使用して異なるHTTPメソッドに対するルーティングを定義できます。例えば、以下のようにして異なるエンドポイントに対してルーティングを設定できます。 Node.jsにおいて、ミドルウェア(Middleware)はリクエストとレスポンスの処理の中間に位置する機能を指します。これはExpress.jsなどのウェブフレームワークで広く使用されています。ミドルウェアは、リクエストがサーバーに到達する前、またはレスポンスがクライアントに送信される前に、その処理を行う役割を果たします。 Express.jsでは、ミドルウェアがリクエストの前後に実行され、リクエストやレスポンスを変更することができます。 例えば、以下のようにしてログを出力するミドルウェアを作成できます。 ここでは、logMiddlewareというミドルウェアが定義され、app.use()を使ってそれを全てのリクエストに対して使用しています。ミドルウェアは順次実行され、next()を呼ぶことで次のミドルウェアやルートハンドラに処理が渡ります。 Express.jsのルーティングとミドルウェアの機能を駆使することで、柔軟で効率的なWebアプリケーションの構築が可能です。 JavaScriptにおいて非同期処理は一般的であり、コールバック関数がその基本的な仕組みとなります。コールバック関数は、非同期操作が完了した際に呼び出される関数であり、例えばファイルの読み込みやHTTPリクエストの処理などに利用されます。 コールバックヘル(Callback Hell)を避けるために、Promiseやasync/awaitが導入されました。Promiseは非同期操作を表すオブジェクトであり、処理が成功したか失敗したかに応じてコールバック関数を呼び出します。async/awaitはPromiseをより扱いやすくするための構文糖衣であり、非同期コードを同期的に書くことができます。 非同期処理の適切なハンドリングと制御は、JavaScriptにおける効果的なプログラミングの一環となります。これにより、アプリケーションが予測可能で、エラーレスポンスが改善され、保守性が向上します。 Node.jsでは、fs(ファイルシステム)モジュールを使用してファイルの読み書きが行えます。以下は、ファイルの読み込みの基本的な例です。 同様に、ファイルの書き込みもfsモジュールを使用します。 ディレクトリの作成や削除もfsモジュールを使用して行います。 Node.jsはデバッグをサポートする豊富なツールを提供しています。 Node.jsには--inspectオプションを使用してデバッグモードを有効にすることができます。 デフォルトではChrome DevToolsが使われ、chrome://inspectからデバッグセッションにアクセスできます。 単純ながら効果的なデバッグ手法として、console.logを使用することがあります。コードの特定の地点で変数やメッセージをログに出力して、プログラムの実行状態を把握することができます。 npmにはデバッグ用のモジュールもあります。例えば、debugモジュールを使用することで、コードのどの部分でログを出力するかを制御できます。 これにより、特定のモジュールや機能に焦点を当ててデバッグ情報を得ることができます。 ファイル操作やデバッグはNode.js開発において不可欠なスキルです。これらの手法をマスターすることで、プログラムの正確性やパフォーマンスを向上させることができます。 SQLデータベースはリレーショナルデータベースで、表形式のテーブルを使用してデータを保存します。Node.jsでよく使用されるSQLデータベースの一つにSQLiteがあります。以下は、SQLiteデータベースの導入と基本的な操作の例です。 NoSQLデータベースは柔軟なデータ構造を持ち、ドキュメント指向データベースのMongoDBがよく利用されます。以下は、MongoDBの導入と基本的な操作の例です。 SQLデータベースへの接続にはsqlite3やmysqlなどのライブラリが使われます。以下はSQLiteデータベースへの接続と基本的なクエリの例です。 NoSQLデータベースへの接続には各データベースに対応するライブラリ(例: mongoose for MongoDB)が使用されます。以下はMongoDBへの接続と基本的なクエリの例です。 ORMはデータベースとオブジェクト指向プログラミング言語の間でデータを変換する仕組みです。Node.jsでよく使用されるORMライブラリにはSequelize(SQLデータベース向け)やMongoose(MongoDB向け)があります。 ORMを使用することで、データベースとのやりとりをオブジェクト指向的な形で行えます。これにより、より効率的で保守しやすいコードを記述することができます。 ユーザー認証はウェブアプリケーションの重要な機能であり、正当なユーザーであることを確認し、権限を与えるプロセスです。以下は、Node.jsでの基本的なユーザー認証の手法です。 セッション管理は、ユーザーがサイトにアクセスしている間にサーバーがユーザーの状態を記録する仕組みです。express-sessionなどのライブラリを使用してセッションを管理できます。 トークン認証は、トークン(JWTなど)を使用してユーザーを認証する手法です。以下は、Expressとjsonwebtokenを使用したトークン認証の例です。 CSRF攻撃は、ユーザーが意図しない操作を行わせる攻撃です。対策として、リクエストにCSRFトークンを含めたり、SameSite属性を使用することがあります。 XSS攻撃は、悪意のあるスクリプトを挿入し、ユーザーのブラウザで実行させる攻撃です。対策として、入力値のエスケープや、CORSヘッダーの設定を行うことがあります。 SQLインジェクションは、不正なSQLクエリを挿入し、データベースを攻撃する手法です。対策として、プリペアドステートメントやORMを使用することがあります。 セキュリティの重要性を理解し、適切な手法を使用することで、ウェブアプリケーションの脆弱性を最小限に抑えることができます。各攻撃手法に対する詳細な対策は、プロジェクトの要件や使用しているライブラリによって異なります。 RESTful APIは、Representational State Transfer(表現状態転送)の原則に基づいたAPIデザインの一手法です。以下はRESTful APIの基本的な原則です。 Express.jsはNode.js用のウェブアプリケーションフレームワークであり、APIの作成に適しています。以下はExpress.jsを使用してRESTful APIエンドポイントを作成する基本的な例です。 外部APIとの連携は、自分のAPIが外部のサービスやデータにアクセスするための手段です。以下は、Node.jsで外部APIと連携する基本的な例です。 外部APIとの連携では、APIキーの認証やトークンの使用、エラーハンドリングなどを考慮する必要があります。axiosはPromiseベースのHTTPクライアントであり、非同期の外部APIリクエストを簡単に実装できます。 WebSocketは、双方向でリアルタイムな通信を実現するためのプロトコルです。通常のHTTPリクエストとは異なり、WebSocketは一度の接続でデータを双方向にやり取りできます。これにより、サーバーからクライアントへのプッシュ通知や、クライアントからサーバーへのリアルタイムな情報更新が可能となります。 WebSocket通信は以下の特徴を持っています。 Socket.ioはWebSocketを簡単に利用できるライブラリで、WebSocketをサポートするだけでなく、WebSocketが利用できない環境でも動作するフォールバック機能も提供しています。以下は、Socket.ioを使用した基本的なサーバーとクライアントの実装例です。 上記のサーバーとクライアントの実装例は、簡単なチャットアプリの基本的な骨組みです。ユーザーがメッセージを入力すると、サーバーがそれを受け取り、全てのクライアントにそのメッセージをブロードキャストします。クライアントはブロードキャストされたメッセージを受け取り、画面に表示します。 この例を拡張して、ユーザーごとのルーム分け、特定のユーザーへのプライベートメッセージ、絵文字やファイルの送受信など、様々な機能を追加することができます。 Socket.ioの公式ドキュメントやその他のリソースを参考にして、WebSocketを活用したリアルタイムアプリケーションの構築を進めてみましょう。 ユニットテストは、アプリケーションの個々の機能やモジュールが正しく動作するかを確認するためのテストです。テスト対象の関数やクラスなどの単位(ユニット)ごとにテストケースを作成し、期待される結果と実際の結果が一致するかを検証します。 統合テストは、異なる部分が連携して正しく動作するかを確認するテストです。通常、モジュール単位のテストが終わった後に行われ、複数のモジュールが協調して動くことを確認します。 Herokuは簡単かつ柔軟なプラットフォームで、Node.jsアプリケーションをデプロイするのに適しています。以下はHerokuにNode.jsアプリケーションをデプロイする基本的な手順です。 Amazon Web Services (AWS)は、様々なサービスを提供するクラウドプロバイダで、Node.jsアプリケーションをデプロイするためのオプションが豊富です。以下はAWS Elastic Beanstalkを使用したデプロイ手順の例です。 Vercelは、フロントエンドやサーバーレスなバックエンドを簡単にデプロイできるプラットフォームです。以下はVercelを使用してNode.jsアプリケーションをデプロイする手順の例です。 デプロイはアプリケーションのライフサイクルにおいて重要なフェーズであり、注意深く行う必要があります。上記の手順やベストプラクティスを参考にして、スムーズで安全なデプロイを実現してください。 ECMAScriptモジュール(ESM)は、Node.jsにおいてCommonJSモジュールシステムに代わる新しいモジュールシステムです。以下は、ECMAScriptモジュールの基本的な使用例です。 ECMAScriptモジュールはファイル拡張子が .mjs の場合、もしくは、"type": "module" を指定した場合に使用できます。 WebAssembly(Wasm)は、ブラウザ以外の環境でも実行できるバイナリ形式の低レベルな仮想マシンです。Node.jsはWebAssemblyモジュールをサポートしており、C/C++などで書かれたバイナリをNode.jsアプリケーションで使用できます。 Fastifyは、高速で軽量なウェブフレームワークであり、Node.jsアプリケーションの開発をサポートします。以下はFastifyの基本的な例です。 Denoは、Ryan Dahlによって作られた新しいランタイムで、Node.jsの改良版とも言えるものです。Denoはセキュリティ向上、ESMの標準サポート、ブラウザ互換性などが特徴です。 Denoのスクリプトは .ts ファイル拡張子で書かれ、TypeScriptを標準でサポートしています。 これらの新しい機能やツールを使用することで、より効率的でモダンなNode.jsアプリケーションの開発が可能になります。ただし、導入前に十分なテストと検証を行い、プロジェクトの要件に合致しているか確認することが重要です。 以下は、Node.jsの基本的な操作や機能に関するチートシートです。 このチートシートは要約版であり、詳細な情報や構文に関しては公式ドキュメントを参照してください。 これは基本的なNode.js操作の要約版であり、詳細な情報や機能に関しては公式ドキュメントを参照してください。
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Socket.ioの公式ドキュメントやその他のリソースを参考にして、WebSocketを活用したリアルタイムアプリケーションの構築を進めてみましょう。", "title": "WebSocketの導入" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "ユニットテストは、アプリケーションの個々の機能やモジュールが正しく動作するかを確認するためのテストです。テスト対象の関数やクラスなどの単位(ユニット)ごとにテストケースを作成し、期待される結果と実際の結果が一致するかを検証します。", "title": "テストとデプロイ" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "統合テストは、異なる部分が連携して正しく動作するかを確認するテストです。通常、モジュール単位のテストが終わった後に行われ、複数のモジュールが協調して動くことを確認します。", "title": "テストとデプロイ" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "Herokuは簡単かつ柔軟なプラットフォームで、Node.jsアプリケーションをデプロイするのに適しています。以下はHerokuにNode.jsアプリケーションをデプロイする基本的な手順です。", "title": "テストとデプロイ" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "Amazon Web Services (AWS)は、様々なサービスを提供するクラウドプロバイダで、Node.jsアプリケーションをデプロイするためのオプションが豊富です。以下はAWS Elastic Beanstalkを使用したデプロイ手順の例です。", "title": "テストとデプロイ" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "Vercelは、フロントエンドやサーバーレスなバックエンドを簡単にデプロイできるプラットフォームです。以下はVercelを使用してNode.jsアプリケーションをデプロイする手順の例です。", "title": "テストとデプロイ" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", 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"paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "Denoのスクリプトは .ts ファイル拡張子で書かれ、TypeScriptを標準でサポートしています。", "title": "ECMAScriptモジュールの使用" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "これらの新しい機能やツールを使用することで、より効率的でモダンなNode.jsアプリケーションの開発が可能になります。ただし、導入前に十分なテストと検証を行い、プロジェクトの要件に合致しているか確認することが重要です。", "title": "ECMAScriptモジュールの使用" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "以下は、Node.jsの基本的な操作や機能に関するチートシートです。", "title": "チートシート" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "このチートシートは要約版であり、詳細な情報や構文に関しては公式ドキュメントを参照してください。", "title": "チートシート" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "これは基本的なNode.js操作の要約版であり、詳細な情報や機能に関しては公式ドキュメントを参照してください。", "title": "チートシート" } ]
Node.jsは、JavaScriptランタイム環境で、サーバーサイドのアプリケーション開発を行うための強力なプラットフォームです。このチュートリアルでは、Node.jsの基本から始め、プログラミング初心者にも理解しやすいように構成されています。 このチュートリアルは、理論的な概念だけでなく、各トピックにおいて実際のコード例や演習を提供することで、読者が理解を深めるのに役立ちます。最終的には、Node.jsを使用して実践的なウェブアプリケーションを構築できるようになります。初学者から経験者まで、幅広い層のプログラマにとってNode.jsの基本的な概念や実践的なスキルを身につけるための手順が含まれています。
[[File:Node.js logo.svg|thumb]] {{Wikipedia}} Node.jsは、JavaScriptランタイム環境で、サーバーサイドのアプリケーション開発を行うための強力なプラットフォームです。このチュートリアルでは、Node.jsの基本から始め、プログラミング初心者にも理解しやすいように構成されています。 このチュートリアルは、理論的な概念だけでなく、各トピックにおいて実際のコード例や演習を提供することで、読者が理解を深めるのに役立ちます。最終的には、Node.jsを使用して実践的なウェブアプリケーションを構築できるようになります。初学者から経験者まで、幅広い層のプログラマにとってNode.jsの基本的な概念や実践的なスキルを身につけるための手順が含まれています。 == Node.jsの基本 == === Node.jsの紹介と特徴 === Node.jsは、JavaScriptランタイム環境であり、非同期イベント駆動型のサーバーサイドアプリケーション開発に特に適しています。JavaScriptをブラウザのみでなく、サーバーサイドでも実行できるようになり、統一されたプログラミング言語でクライアントとサーバーの開発が可能となりました。これにより、フロントエンドとバックエンドのシームレスな連携が可能となり、開発効率が向上しました。 Node.jsの主な特徴は非同期イベント駆動型のプログラミングモデルです。これにより、複数のイベントが同時に処理され、高い効率でスケーラビリティを実現できます。また、V8エンジンを採用しており、高速な実行が可能です。 === Node.jsのインストールと環境構築 === Node.jsを使用するには、公式ウェブサイトから対応するバージョンをダウンロードしてインストールする必要があります。インストールが完了したら、コマンドラインで<code>node -v</code>と入力してバージョンが表示されるか確認しましょう。これでNode.jsが正しくインストールされたことが確認できます。 ;nvmを使う方法 :<code>nvm</code>(Node Version Manager)は、Node.jsのバージョン管理を担当し、プロジェクトごとに異なるバージョンを簡単に切り替えられる便利なツールです。<code>.nvmrc</code>のサポートやシンプルなコマンドで使いやすく、システムへの影響を最小限に抑えています。 {{Main|nvm}} Node.jsの環境構築では、npm(Node Package Manager)も一緒にインストールされます。npmはパッケージの管理や依存関係の解決に利用され、Node.js開発において欠かせないツールです。<code>npm -v</code>と入力して正しいバージョンが表示されるか確認しましょう。 === npm(Node Package Manager)の基本的な使用法 === npmはパッケージ(ライブラリやツール)のインストール、管理、公開などを行うツールです。以下は、npmの基本的な使用法です。 * パッケージのインストール: <code>npm install パッケージ名</code> * パッケージのバージョン指定: <code>npm install パッケージ名@バージョン</code> * パッケージのグローバルインストール: <code>npm install -g パッケージ名</code> * パッケージの削除: <code>npm uninstall パッケージ名</code> * プロジェクトの初期化(<code>package.json</code>ファイルの作成): <code>npm init</code> これらのコマンドを使って、プロジェクトに必要なパッケージを簡単に追加できます。また、<code>package.json</code>ファイルにはプロジェクトの依存関係やスクリプトなどの情報が記述されます。npmを使うことで、プロジェクトの管理がより効率的になります。 {{Main|npm}} === yarn === Yarn は、JavaScriptのパッケージ管理ツールで、Node.jsプロジェクトでの依存関係の管理を行います。Facebook、Expo、Google、Tildeが共同で開発したもので、npm(Node Package Manager)の代替として開発されました。Yarnは、パフォーマンスの向上、セキュリティ、再現性の確保などの特長があります。 以下に、Yarnの基本的な機能やコマンドを解説します。 ;インストール :Yarnをインストールするには、まずNode.jsがインストールされている必要があります。その後、以下のコマンドでYarnをグローバルにインストールします。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install -g yarn </syntaxhighlight> ;プロジェクトの初期化 新しいプロジェクトを始める際には、まずプロジェクトディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行して初期化します。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> yarn init </syntaxhighlight> :このコマンドでは、プロジェクトに関する質問がいくつか表示され、それに答えることで <code>package.json</code> ファイルが作成されます。 ;パッケージの追加と削除 新しいパッケージをプロジェクトに追加する場合は、<code>yarn add</code> コマンドを使用します。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> yarn add <パッケージ名> </syntaxhighlight> ;例えば、Express.jsを追加する場合: :<syntaxhighlight lang=tcsh> yarn add express </syntaxhighlight> :パッケージを削除する場合は、<code>yarn remove</code> コマンドを使用します。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> yarn remove <パッケージ名> </syntaxhighlight> ;パッケージのアップグレード :パッケージを最新のバージョンにアップグレードするには、<code>yarn upgrade</code> コマンドを使用します。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> yarn upgrade <パッケージ名> </syntaxhighlight> ;依存関係によるインストール :<code>package.json</code> ファイルに記載された依存関係をインストールするには、以下のコマンドを使用します。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> yarn install </syntaxhighlight> ;ロックファイル :Yarnはパッケージのバージョン情報を保持するために <code>yarn.lock</code> ファイルを使用します。このファイルがあることで、再現性を持ったパッケージのインストールが行えます。 これらの基本的なコマンドを駆使することで、Yarnはプロジェクトの依存関係を効果的に管理し、一貫性のある開発環境を提供します。 {{コラム|フロントエンドとバックエンド|2=フロントエンドとバックエンドは、ウェブ開発において異なる役割を果たす2つの主要な側面です。 ;フロントエンド(クライアントサイド) :フロントエンドは、ユーザーが直接触れるウェブページやアプリケーションのインターフェースを構築する部分です。主な役割は以下の通りです: :;ユーザーインターフェース (UI) の構築: HTML、CSS、JavaScriptを使用して、見栄えやユーザーエクスペリエンスを提供します。 :;ユーザーエクスペリエンス (UX) の向上: ページの読み込み速度や応答性の向上など、ユーザーが快適に操作できるように努めます。 :;クライアントサイドのロジックの管理: フォームのバリデーション、アニメーション、ページ遷移など、クライアントサイドの振る舞いを制御します。 :;APIとの通信: バックエンドから提供されるデータやサービスへのアクセスを可能にし、非同期通信を利用してデータの取得や送信を行います。 :代表的なフロントエンドのフレームワークとライブラリには、React.js、Angular、Vue.jsなどがあります。 ;バックエンド(サーバーサイド) :バックエンドは、ウェブアプリケーションの裏側で動作し、データの処理、ストレージ、ビジネスロジックなどを担当します。主な役割は以下の通りです: :;データベースとの対話: データの取得、更新、削除などをデータベースとやりとりしながら管理します。 :;ビジネスロジックの処理: ユーザーやクライアントからのリクエストに基づいて、ビジネスルールや処理を実行します。 :;サーバーサイドのロジックの管理: セッション管理、認証、セキュリティなど、クライアントサイドで実装できないサーバーサイドの機能を担当します。 :;APIの提供: フロントエンドや外部サービスとの通信を可能にし、データを提供します。 :代表的なバックエンドのプログラミング言語とフレームワークには、Node.js (Express.js)、Python (Django、Flask)、Ruby (Ruby on Rails)、Java (Spring)などがあります。 ;フルスタック開発者:フルスタック開発者は、フロントエンドとバックエンドの両方に精通している開発者のことを指します。彼らはウェブアプリケーション全体の開発に携わり、クライアントサイドからサーバーサイドまで、システム全体を理解し、開発できるスキルを有しています。 }} == Express.jsの導入 == === Express.jsの概要と特徴 === Express.jsは、Node.js用の軽量で柔軟かつ高速なWebアプリケーションフレームワークです。これを使用することで、シンプルなAPIから複雑なWebアプリケーションまで、効率的で堅牢なサーバーサイドの開発が可能になります。Express.jsはミドルウェアを活用して柔軟性を提供し、開発者が簡単かつ効果的にHTTPサーバーを構築できるように設計されています。 主な特徴として、ルーティングやミドルウェアの強力なサポート、HTTPのメソッドに基づいたルーティングの容易さ、拡張性、そして大規模なアプリケーションの構築にも適していることが挙げられます。 === Expressアプリケーションの基本構造 === Expressアプリケーションの基本構造は、以下のようになります。 :<syntaxhighlight lang=js> // 必要なモジュールのインポート const express = require('express'); const app = express(); const port = 3000; // ルートへのGETリクエストへの応答 app.get('/', (req, res) => { res.send('Hello, Express!'); }); // サーバーの起動 app.listen(port, () => { console.log(`Server is running on http://localhost:${port}`); }); </syntaxhighlight> この基本的な構造では、Expressをインポートし、<code>app</code>オブジェクトを作成します。その後、<code>app.get()</code>メソッドを使用してルートパス('/')へのGETリクエストに対して応答を定義し、最後に<code>app.listen()</code>メソッドでサーバーを指定のポートで起動します。 === ルーティングとミドルウェアの使用 === ==== ルーティング ==== Express.jsでは、<code>app.get()</code>、<code>app.post()</code>、<code>app.put()</code>などのメソッドを使用して異なるHTTPメソッドに対するルーティングを定義できます。例えば、以下のようにして異なるエンドポイントに対してルーティングを設定できます。 :<syntaxhighlight lang=js> app.get('/users', (req, res) => { res.send('Get all users'); }); app.post('/users', (req, res) => { res.send('Create a new user'); }); </syntaxhighlight> ==== ミドルウェア ==== Node.jsにおいて、ミドルウェア(Middleware)はリクエストとレスポンスの処理の中間に位置する機能を指します。これはExpress.jsなどのウェブフレームワークで広く使用されています。ミドルウェアは、リクエストがサーバーに到達する前、またはレスポンスがクライアントに送信される前に、その処理を行う役割を果たします。 Express.jsでは、ミドルウェアがリクエストの前後に実行され、リクエストやレスポンスを変更することができます。 例えば、以下のようにしてログを出力するミドルウェアを作成できます。 :<syntaxhighlight lang=js> // ログを出力するミドルウェア const logMiddleware = (req, res, next) => { console.log(`[${new Date()}] ${req.method} ${req.url}`); next(); }; // ミドルウェアの使用 app.use(logMiddleware); // ルートの定義 app.get('/', (req, res) => { res.send('Hello, Express!'); }); </syntaxhighlight> ここでは、<code>logMiddleware</code>というミドルウェアが定義され、<code>app.use()</code>を使ってそれを全てのリクエストに対して使用しています。ミドルウェアは順次実行され、<code>next()</code>を呼ぶことで次のミドルウェアやルートハンドラに処理が渡ります。 Express.jsのルーティングとミドルウェアの機能を駆使することで、柔軟で効率的なWebアプリケーションの構築が可能です。 {{コラム|Express.jsとRuby on Railsの類似点と相違点|2=Express.jsとRuby on Railsは、それぞれJavaScriptとRubyをベースにしたウェブアプリケーションフレームワークであり、いくつかの類似点と相違点があります。 ;類似点: :;MVCアーキテクチャ:両方のフレームワークは、モデル(データ処理)、ビュー(ユーザーインターフェース)、コントローラ(ロジック)のMVCアーキテクチャを採用しています。これにより、コードの分離と保守性が向上します。 :;コードの効率性:両者は自動的に一般的なタスクを処理するジェネレーターやコードの自動生成ツールを提供しており、開発者に対してプロジェクトの効率的な進行をサポートしています。 :;データベースサポート:どちらも主流なデータベースとの連携が得意であり、ORM(Object-Relational Mapping)を使用してデータベースの操作を抽象化することができます。 :;開発者コミュニティ:Express.jsとRuby on Railsは、豊富な開発者コミュニティを持っています。これにより、ドキュメンテーションやサポートが充実しており、問題解決が比較的容易です。 :相違点: :;プログラミング言語:一番の大きな違いは、Express.jsがJavaScriptを使用しているのに対し、Ruby on RailsはRubyを使用しています。これにより、選択されたプログラミング言語によって開発者の好みやプロジェクトの要件が影響を受けます。 :;非同期処理:Express.jsは非同期イベント駆動型のモデルを採用しており、非同期処理に強みがあります。対照的に、Ruby on Railsは同期的な処理が基本であり、非同期処理に関してはActiveJobなどの拡張機能が必要です。 :;構築の哲学:Express.jsは「ミニマリスティック」な設計のため、柔軟性が高く、開発者が好みのライブラリやツールを組み合わせて使用できます。対照的に、Ruby on Railsは「意見の統一」を重視し、プロジェクトの構造やライブラリの選択に関して強力な規約があります。 :;フレームワークのサイズ:Express.jsは小規模かつ柔軟で、必要な機能を手動で追加することが一般的です。Ruby on Railsは大規模で、開発者が手動で設定する必要が少なく、多くの機能が最初から組み込まれています。 選択はプロジェクトの要件、開発者の好み、チームのスキルセットに依存します。どちらも強力なフレームワークであり、適切に使われると迅速かつ堅牢なウェブアプリケーションを構築できます。 }} == 非同期処理の扱い == == コールバック関数の復習 == JavaScriptにおいて非同期処理は一般的であり、コールバック関数がその基本的な仕組みとなります。コールバック関数は、非同期操作が完了した際に呼び出される関数であり、例えばファイルの読み込みやHTTPリクエストの処理などに利用されます。 :<syntaxhighlight lang=js> // コールバック関数の例 function fetchData(callback) { setTimeout(() => { console.log('Data fetched successfully'); callback(); }, 1000); } // fetchData関数の使用 fetchData(() => { console.log('Callback executed'); }); </syntaxhighlight> == Promiseとasync/awaitの使用 == コールバックヘル(Callback Hell)を避けるために、Promiseやasync/awaitが導入されました。Promiseは非同期操作を表すオブジェクトであり、処理が成功したか失敗したかに応じてコールバック関数を呼び出します。async/awaitはPromiseをより扱いやすくするための構文糖衣であり、非同期コードを同期的に書くことができます。 :<syntaxhighlight lang=js> // Promiseの例 function fetchData() { return new Promise((resolve, reject) => { setTimeout(() => { console.log('Data fetched successfully'); resolve(); }, 1000); }); } // async/awaitの例 async function fetchDataAsync() { await fetchData(); console.log('Async function executed'); } // fetchDataAsync関数の使用 fetchDataAsync(); </syntaxhighlight> == 非同期処理のベストプラクティス == # エラーハンドリング: #* 非同期処理ではエラーが発生しやすいため、適切なエラーハンドリングが重要です。Promiseでは<code>catch</code>メソッドやtry-catch文を利用してエラーをキャッチしましょう。 #:<syntaxhighlight lang=js> fetchData() .then(() => { // 成功時の処理 }) .catch((error) => { console.error('Error:', error); }); </syntaxhighlight> # 同時に複数の非同期処理: #* <code>Promise.all</code>を使用して複数の非同期処理が全て完了するのを待つことができます。 #:<syntaxhighlight lang=js> const promise1 = fetchData(); const promise2 = fetchData(); Promise.all([promise1, promise2]) .then(() => { console.log('All promises resolved'); }) .catch((error) => { console.error('Error:', error); }); </syntaxhighlight> # 非同期処理の逐次実行: #* <code>async/await</code>を使用して非同期処理を逐次実行することができます。 #:<syntaxhighlight lang=js> async function sequentialAsyncOperations() { await fetchData(); await fetchData(); console.log('Sequential operations completed'); } sequentialAsyncOperations(); </syntaxhighlight> 非同期処理の適切なハンドリングと制御は、JavaScriptにおける効果的なプログラミングの一環となります。これにより、アプリケーションが予測可能で、エラーレスポンスが改善され、保守性が向上します。 == ファイル操作とデバッグ == === ファイルの読み書きとディレクトリ操作 === === ファイルの読み込み === Node.jsでは、<code>fs</code>(ファイルシステム)モジュールを使用してファイルの読み書きが行えます。以下は、ファイルの読み込みの基本的な例です。 :<syntaxhighlight lang=js> const fs = require('fs'); fs.readFile('example.txt', 'utf8', (err, data) => { if (err) { console.error('Error reading the file:', err); return; } console.log('File content:', data); }); </syntaxhighlight> === ファイルの書き込み === 同様に、ファイルの書き込みも<code>fs</code>モジュールを使用します。 :<syntaxhighlight lang=js> const fs = require('fs'); const content = 'Hello, Node.js!'; fs.writeFile('example.txt', content, 'utf8', (err) => { if (err) { console.error('Error writing to the file:', err); return; } console.log('File written successfully'); }); </syntaxhighlight> === ディレクトリ操作 === ディレクトリの作成や削除も<code>fs</code>モジュールを使用して行います。 :<syntaxhighlight lang=js> const fs = require('fs'); // ディレクトリの作成 fs.mkdir('example_directory', (err) => { if (err) { console.error('Error creating directory:', err); return; } console.log('Directory created successfully'); }); // ディレクトリの削除 fs.rmdir('example_directory', (err) => { if (err) { console.error('Error deleting directory:', err); return; } console.log('Directory deleted successfully'); }); </syntaxhighlight> == デバッグツールの使用方法 == Node.jsはデバッグをサポートする豊富なツールを提供しています。 === Node.js内蔵のデバッグモード === Node.jsには<code>--inspect</code>オプションを使用してデバッグモードを有効にすることができます。 :<syntaxhighlight lang=js> node --inspect myScript.js </syntaxhighlight> デフォルトではChrome DevToolsが使われ、<code>chrome://inspect</code>からデバッグセッションにアクセスできます。 === console.logの利用 === 単純ながら効果的なデバッグ手法として、<code>console.log</code>を使用することがあります。コードの特定の地点で変数やメッセージをログに出力して、プログラムの実行状態を把握することができます。 :<syntaxhighlight lang=js> const exampleVar = 'Hello, debugging!'; console.log(exampleVar); </syntaxhighlight> == npmモジュールのデバッグ == npmにはデバッグ用のモジュールもあります。例えば、<code>debug</code>モジュールを使用することで、コードのどの部分でログを出力するかを制御できます。 :<syntaxhighlight lang=js> const debug = require('debug')('myApp'); const exampleVar = 'Hello, debugging!'; debug(exampleVar); </syntaxhighlight> これにより、特定のモジュールや機能に焦点を当ててデバッグ情報を得ることができます。 ファイル操作やデバッグはNode.js開発において不可欠なスキルです。これらの手法をマスターすることで、プログラムの正確性やパフォーマンスを向上させることができます。 == データベースの操作 == === SQLやNoSQLデータベースの導入(例: SQLite、MongoDB) === ==== SQLデータベース(例: SQLite) ==== SQLデータベースはリレーショナルデータベースで、表形式のテーブルを使用してデータを保存します。Node.jsでよく使用されるSQLデータベースの一つにSQLiteがあります。以下は、SQLiteデータベースの導入と基本的な操作の例です。 :<syntaxhighlight lang=js> const sqlite3 = require('sqlite3').verbose(); const db = new sqlite3.Database('example.db'); // テーブルの作成 db.run('CREATE TABLE IF NOT EXISTS users (id INT, name TEXT)'); // データの挿入 db.run('INSERT INTO users VALUES (1, "John Doe")'); // データの取得 db.each('SELECT * FROM users', (err, row) => { console.log(row.id, row.name); }); // データベースのクローズ db.close(); </syntaxhighlight> ==== NoSQLデータベース(例: MongoDB) ==== NoSQLデータベースは柔軟なデータ構造を持ち、ドキュメント指向データベースのMongoDBがよく利用されます。以下は、MongoDBの導入と基本的な操作の例です。 :<syntaxhighlight lang=js> const mongoose = require('mongoose'); mongoose.connect('mongodb://localhost/example', { useNewUrlParser: true, useUnifiedTopology: true }); // スキーマの定義 const userSchema = new mongoose.Schema({ id: Number, name: String }); // モデルの作成 const User = mongoose.model('User', userSchema); // ドキュメントの作成と保存 const user = new User({ id: 1, name: 'John Doe' }); user.save(); // ドキュメントの検索 User.find({ id: 1 }, (err, users) => { console.log(users); }); </syntaxhighlight> === データベースへの接続と基本的なクエリ === ==== SQLデータベースへの接続とクエリ ==== SQLデータベースへの接続には<code>sqlite3</code>や<code>mysql</code>などのライブラリが使われます。以下はSQLiteデータベースへの接続と基本的なクエリの例です。 :<syntaxhighlight lang=js> const sqlite3 = require('sqlite3').verbose(); const db = new sqlite3.Database('example.db'); // クエリの実行 db.all('SELECT * FROM users', (err, rows) => { if (err) { console.error(err); return; } console.log(rows); }); // データベースのクローズ db.close(); </syntaxhighlight> ==== NoSQLデータベースへの接続とクエリ ==== NoSQLデータベースへの接続には各データベースに対応するライブラリ(例: <code>mongoose</code> for MongoDB)が使用されます。以下はMongoDBへの接続と基本的なクエリの例です。 :<syntaxhighlight lang=js> const mongoose = require('mongoose'); mongoose.connect('mongodb://localhost/example', { useNewUrlParser: true, useUnifiedTopology: true }); // クエリの実行 User.find({ id: 1 }, (err, users) => { console.log(users); }); </syntaxhighlight> === ORM(Object-Relational Mapping)の導入 === ORMはデータベースとオブジェクト指向プログラミング言語の間でデータを変換する仕組みです。Node.jsでよく使用されるORMライブラリには<code>Sequelize</code>(SQLデータベース向け)や<code>Mongoose</code>(MongoDB向け)があります。 === Sequelizeの導入(SQLデータベース向け) === :<syntaxhighlight lang=js> const Sequelize = require('sequelize'); const sequelize = new Sequelize('sqlite::memory:'); // モデルの定義 const User = sequelize.define('user', { id: { type: Sequelize.INTEGER, primaryKey: true }, name: Sequelize.STRING }); // 同期化とデータの操作 sequelize.sync() .then(() => User.create({ id: 1, name: 'John Doe' })) .then(() => User.findAll()) .then(users => { console.log(users); }); </syntaxhighlight> === Mongooseの導入(MongoDB向け) === :<syntaxhighlight lang=js> const mongoose = require('mongoose'); mongoose.connect('mongodb://localhost/example', { useNewUrlParser: true, useUnifiedTopology: true }); // スキーマの定義 const userSchema = new mongoose.Schema({ id: Number, name: String }); // モデルの作成 const User = mongoose.model('User', userSchema); // データの操作 const user = new User({ id: 1, name: 'John Doe' }); user.save() .then(() => User.find({ id: 1 })) .then(users => { console.log(users); }); </syntaxhighlight> ORMを使用することで、データベースとのやりとりをオブジェクト指向的な形で行えます。これにより、より効率的で保守しやすいコードを記述することができます。 == 認証とセキュリティ == === ユーザー認証の基本 === ユーザー認証はウェブアプリケーションの重要な機能であり、正当なユーザーであることを確認し、権限を与えるプロセスです。以下は、Node.jsでの基本的なユーザー認証の手法です。 ; パスワード認証の例 :<syntaxhighlight lang=js> const bcrypt = require('bcrypt'); const saltRounds = 10; // パスワードのハッシュ化 bcrypt.hash('user_password', saltRounds, (err, hash) => { if (err) { console.error('Error hashing password:', err); return; } // データベースにハッシュを保存 saveHashToDatabase(hash); }); // パスワードの検証 bcrypt.compare('user_password', storedHashFromDatabase, (err, result) => { if (err) { console.error('Error comparing passwords:', err); return; } if (result) { console.log('Password is correct'); } else { console.log('Password is incorrect'); } }); </syntaxhighlight> ; セッション管理とトークン認証 ==== セッション管理 ==== セッション管理は、ユーザーがサイトにアクセスしている間にサーバーがユーザーの状態を記録する仕組みです。<code>express-session</code>などのライブラリを使用してセッションを管理できます。 :<syntaxhighlight lang=js> const express = require('express'); const session = require('express-session'); const app = express(); app.use(session({ secret: 'your_secret_key', resave: false, saveUninitialized: true })); // セッションの利用 app.get('/profile', (req, res) => { if (req.session.user) { res.send(`Welcome, ${req.session.user.name}!`); } else { res.send('Unauthorized'); } }); </syntaxhighlight> ==== トークン認証 ==== トークン認証は、トークン(JWTなど)を使用してユーザーを認証する手法です。以下は、Expressと<code>jsonwebtoken</code>を使用したトークン認証の例です。 :<syntaxhighlight lang=js> const express = require('express'); const jwt = require('jsonwebtoken'); const app = express(); // トークンの生成 const generateToken = (user) => { return jwt.sign({ user }, 'your_secret_key', { expiresIn: '1h' }); }; // 認証のミドルウェア const authenticateToken = (req, res, next) => { const token = req.headers['authorization']; if (!token) { res.sendStatus(401); return; } jwt.verify(token, 'your_secret_key', (err, user) => { if (err) { res.sendStatus(403); return; } req.user = user; next(); }); }; // トークンの利用 app.get('/profile', authenticateToken, (req, res) => { res.send(`Welcome, ${req.user.user.name}!`); }); </syntaxhighlight> === セキュリティの基本(CSRF、XSS、SQLインジェクションなど) === ==== CSRF(Cross-Site Request Forgery) ==== CSRF攻撃は、ユーザーが意図しない操作を行わせる攻撃です。対策として、リクエストにCSRFトークンを含めたり、SameSite属性を使用することがあります。 :<syntaxhighlight lang=js> // CSRFトークンの生成 const csrfToken = generateCsrfToken(); // フォームにトークンを埋め込む app.get('/form', (req, res) => { res.send(`<form action="/submit" method="post"> <input type="hidden" name="_csrf" value="${csrfToken}"> <button type="submit">Submit</button> </form>`); }); // CSRFトークンの検証 app.post('/submit', (req, res) => { const { _csrf } = req.body; if (_csrf !== csrfToken) { res.sendStatus(403); return; } // 正当なリクエストの処理 }); </syntaxhighlight> ==== XSS(Cross-Site Scripting) ==== XSS攻撃は、悪意のあるスクリプトを挿入し、ユーザーのブラウザで実行させる攻撃です。対策として、入力値のエスケープや、CORSヘッダーの設定を行うことがあります。 :<syntaxhighlight lang=js> // エスケープ関数の例 function escapeHtml(input) { return input.replace(/</g, '&lt;').replace(/>/g, '&gt;'); } // ユーザー入力の表示 app.get('/user/:name', (req, res) => { const { name } = req.params; res.send(`Hello, ${escapeHtml(name)}!`); }); </syntaxhighlight> ==== SQLインジェクション ==== SQLインジェクションは、不正なSQLクエリを挿入し、データベースを攻撃する手法です。対策として、プリペアドステートメントやORMを使用することがあります。 :<syntaxhighlight lang=js> const userId = req.params.id; // 脆弱なクエリ const sql = `SELECT * FROM users WHERE id = ${userId}`; // プリペアドステートメントの使用 const sql = 'SELECT * FROM users WHERE id = ?'; db.query(sql, [userId], (err, result) => { // クエリの結果を処理 }); </syntaxhighlight> セキュリティの重要性を理解し、適切な手法を使用することで、ウェブアプリケーションの脆弱性を最小限に抑えることができます。各攻撃手法に対する詳細な対策は、プロジェクトの要件や使用しているライブラリによって異なります。 == APIの作成と利用 == === RESTful APIの基本 === RESTful APIは、Representational State Transfer(表現状態転送)の原則に基づいたAPIデザインの一手法です。以下はRESTful APIの基本的な原則です。 # リソース指向: #* APIのエンドポイントはリソース(データやサービス)を表現します。例えば、<code>/users</code>はユーザーリソースを表し、<code>/posts</code>は投稿リソースを表します。 # HTTPメソッドの使用: #* CRUD操作(Create, Read, Update, Delete)に対応するHTTPメソッドを使用します。 #** <code>GET</code>: リソースの取得 #** <code>POST</code>: リソースの作成 #** <code>PUT</code>: リソースの更新 #** <code>DELETE</code>: リソースの削除 # ステートレス性: #* 各リクエストは必要な情報を含み、サーバー側ではセッションなどの状態を保持しません。各リクエストは独立して処理されます。 # 統一的なインターフェース: #* インターフェースは統一されているため、クライアントがどのAPIでも同様のパターンで通信できます。 === Express.jsを使用したAPIエンドポイントの実装 === Express.jsはNode.js用のウェブアプリケーションフレームワークであり、APIの作成に適しています。以下はExpress.jsを使用してRESTful APIエンドポイントを作成する基本的な例です。 :<syntaxhighlight lang=js> const express = require('express'); const app = express(); const port = 3000; // ミドルウェアの設定 app.use(express.json()); // ユーザーデータの一覧取得 app.get('/api/users', (req, res) => { // データベースからユーザーデータを取得 const users = getAllUsersFromDatabase(); res.json(users); }); // ユーザーデータの取得 app.get('/api/users/:id', (req, res) => { const userId = req.params.id; // データベースから指定されたユーザーデータを取得 const user = getUserByIdFromDatabase(userId); res.json(user); }); // ユーザーデータの作成 app.post('/api/users', (req, res) => { const newUser = req.body; // データベースに新しいユーザーデータを作成 createUserInDatabase(newUser); res.sendStatus(201); // Created }); // ユーザーデータの更新 app.put('/api/users/:id', (req, res) => { const userId = req.params.id; const updatedUser = req.body; // データベースで指定されたユーザーデータを更新 updateUserInDatabase(userId, updatedUser); res.sendStatus(204); // No Content }); // ユーザーデータの削除 app.delete('/api/users/:id', (req, res) => { const userId = req.params.id; // データベースから指定されたユーザーデータを削除 deleteUserFromDatabase(userId); res.sendStatus(204); // No Content }); // サーバーの起動 app.listen(port, () => { console.log(`Server is running at http://localhost:${port}`); }); </syntaxhighlight> === 外部APIとの連携 === 外部APIとの連携は、自分のAPIが外部のサービスやデータにアクセスするための手段です。以下は、Node.jsで外部APIと連携する基本的な例です。 :<syntaxhighlight lang=js> const axios = require('axios'); // 外部APIからデータを取得 axios.get('https://api.example.com/data') .then(response => { console.log(response.data); }) .catch(error => { console.error('Error:', error); }); // 外部APIにデータを送信 const newData = { key: 'value' }; axios.post('https://api.example.com/data', newData) .then(response => { console.log('Data sent successfully'); }) .catch(error => { console.error('Error:', error); }); </syntaxhighlight> 外部APIとの連携では、APIキーの認証やトークンの使用、エラーハンドリングなどを考慮する必要があります。axiosはPromiseベースのHTTPクライアントであり、非同期の外部APIリクエストを簡単に実装できます。 == WebSocketの導入 == === WebSocketの基本概念 === WebSocketは、双方向でリアルタイムな通信を実現するためのプロトコルです。通常のHTTPリクエストとは異なり、WebSocketは一度の接続でデータを双方向にやり取りできます。これにより、サーバーからクライアントへのプッシュ通知や、クライアントからサーバーへのリアルタイムな情報更新が可能となります。 WebSocket通信は以下の特徴を持っています。 ;リアルタイム性: WebSocketは低遅延でのデータ通信を実現し、クライアントとサーバーがほぼ同時にデータを送受信できます。 ;双方向通信: クライアントとサーバーは同時にデータを送信でき、両者がリアルタイムに対話することができます。 ;効率的な通信: HTTPと比較して通信量が少なく、ヘッダーのオーバヘッドが軽減されるため、高い効率で通信が行えます。 === Socket.ioを使用したリアルタイム通信 === Socket.ioはWebSocketを簡単に利用できるライブラリで、WebSocketをサポートするだけでなく、WebSocketが利用できない環境でも動作するフォールバック機能も提供しています。以下は、Socket.ioを使用した基本的なサーバーとクライアントの実装例です。 ;サーバー側(Node.js + Express) :<syntaxhighlight lang=js> const express = require('express'); const http = require('http'); const socketIo = require('socket.io'); const app = express(); const server = http.createServer(app); const io = socketIo(server); io.on('connection', (socket) => { console.log('A user connected'); // クライアントからのメッセージ受信 socket.on('message', (data) => { console.log('Message from client:', data); // クライアント全体にメッセージ送信 io.emit('message', { text: 'Hello, everyone!' }); }); // 切断時の処理 socket.on('disconnect', () => { console.log('User disconnected'); }); }); const port = 3000; server.listen(port, () => { console.log(`Server is running at http://localhost:${port}`); }); </syntaxhighlight> ;クライアント側 :<syntaxhighlight lang=html> <!-- クライアント側のHTMLファイル --> <!DOCTYPE html> <html lang="en"> <head> <meta charset="UTF-8"> <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0"> <title>WebSocket Chat</title> </head> <body> <h1>WebSocket Chat</h1> <ul id="messages"></ul> <input id="messageInput" autocomplete="off" /><button onclick="sendMessage()">Send</button> <script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/socket.io/4.0.1/socket.io.js"></script> <script> const socket = io(); // サーバーからのメッセージ受信 socket.on('message', (data) => { const messages = document.getElementById('messages'); const li = document.createElement('li'); li.textContent = data.text; messages.appendChild(li); }); // メッセージ送信 function sendMessage() { const input = document.getElementById('messageInput'); const message = input.value; socket.emit('message', { text: message }); input.value = ''; } </script> </body> </html> </syntaxhighlight> === チャットアプリなどのサンプル実装 === 上記のサーバーとクライアントの実装例は、簡単なチャットアプリの基本的な骨組みです。ユーザーがメッセージを入力すると、サーバーがそれを受け取り、全てのクライアントにそのメッセージをブロードキャストします。クライアントはブロードキャストされたメッセージを受け取り、画面に表示します。 この例を拡張して、ユーザーごとのルーム分け、特定のユーザーへのプライベートメッセージ、絵文字やファイルの送受信など、様々な機能を追加することができます。 Socket.ioの公式ドキュメントやその他のリソースを参考にして、WebSocketを活用したリアルタイムアプリケーションの構築を進めてみましょう。 == テストとデプロイ == === ユニットテストと統合テストの基本 === ==== ユニットテスト ==== ユニットテストは、アプリケーションの個々の機能やモジュールが正しく動作するかを確認するためのテストです。テスト対象の関数やクラスなどの単位(ユニット)ごとにテストケースを作成し、期待される結果と実際の結果が一致するかを検証します。 :<syntaxhighlight lang=js> // ユニットテストの例 (使用ツール: Jest) test('addition', () => { expect(1 + 2).toBe(3); }); test('substraction', () => { expect(5 - 2).toBe(3); }); </syntaxhighlight> ==== 統合テスト ==== 統合テストは、異なる部分が連携して正しく動作するかを確認するテストです。通常、モジュール単位のテストが終わった後に行われ、複数のモジュールが協調して動くことを確認します。 :<syntaxhighlight lang=js> // 統合テストの例 (使用ツール: Supertest + Jest) const request = require('supertest'); const app = require('../app'); // テスト対象のExpressアプリ test('GET /api/users', async () => { const response = await request(app).get('/api/users'); expect(response.status).toBe(200); expect(response.body).toHaveLength(3); }); </syntaxhighlight> === デプロイの基本(Heroku、AWS、Vercelなど) === ==== Herokuを使用したデプロイ ==== Herokuは簡単かつ柔軟なプラットフォームで、Node.jsアプリケーションをデプロイするのに適しています。以下はHerokuにNode.jsアプリケーションをデプロイする基本的な手順です。 # Herokuアカウントの作成 # Heroku CLIのインストール # アプリケーションのディレクトリで<code>git init</code>を実行し、アプリケーションをGitリポジトリに初期化 # Herokuにログイン (<code>heroku login</code>) # Herokuアプリの作成 (<code>heroku create</code>) # リモートリポジトリの追加 (<code>git remote add heroku <HerokuアプリのURL></code>) # アプリケーションのデプロイ (<code>git push heroku master</code>) ==== AWSを使用したデプロイ ==== Amazon Web Services (AWS)は、様々なサービスを提供するクラウドプロバイダで、Node.jsアプリケーションをデプロイするためのオプションが豊富です。以下はAWS Elastic Beanstalkを使用したデプロイ手順の例です。 # AWSアカウントの作成 # AWS Elastic Beanstalkアプリケーションの作成 # Elastic Beanstalk環境の作成 # アプリケーションのデプロイ (<code>eb deploy</code>) ==== Vercelを使用したデプロイ ==== Vercelは、フロントエンドやサーバーレスなバックエンドを簡単にデプロイできるプラットフォームです。以下はVercelを使用してNode.jsアプリケーションをデプロイする手順の例です。 # Vercelアカウントの作成 # Vercel CLIのインストール (<code>npm install -g vercel</code>) # アプリケーションのディレクトリで<code>vercel</code>を実行 # デプロイの設定を行い、デプロイの確認 === デプロイ時の注意事項とベストプラクティス === ; 注意事項 * 環境変数の管理: 重要な情報は環境変数を使用して管理し、公開されないようにしましょう。 * データベースの設定: デプロイ先のデータベースとローカルのデータベースが同じであることを確認しましょう。 * セキュリティの確認: HTTPSの使用やセキュリティヘッダーの設定など、セキュリティ対策を実施しましょう。 ; ベストプラクティス * CI/CDの導入: 継続的インテグレーション(CI)および継続的デリバリー(CD)を導入して、自動化されたビルドとデプロイプロセスを確立しましょう。 * モニタリング: アプリケーションのモニタリングツールを導入して、デプロイ後のパフォーマンスやエラーを監視しましょう。 * バージョニング: アプリケーションやAPIに対してセマンティック バージョニングを適用し、互換性のある変更を行いましょう。 * スケーリングの考慮: トラフィックが増えた場合のスケーリング戦略を検討し、必要に応じて自動スケーリングを導入しましょう。 デプロイはアプリケーションのライフサイクルにおいて重要なフェーズであり、注意深く行う必要があります。上記の手順やベストプラクティスを参考にして、スムーズで安全なデプロイを実現してください。 == 最新のNode.jsの機能 == == ECMAScriptモジュールの使用 == ECMAScriptモジュール(ESM)は、Node.jsにおいてCommonJSモジュールシステムに代わる新しいモジュールシステムです。以下は、ECMAScriptモジュールの基本的な使用例です。 ; モジュールの作成 :<syntaxhighlight lang=js> // math.js export const add = (a, b) => a + b; export const subtract = (a, b) => a - b; </syntaxhighlight> ; モジュールの利用 :<syntaxhighlight lang=js> // index.js import { add, subtract } from './math.js'; console.log(add(5, 3)); // 出力: 8 console.log(subtract(8, 3)); // 出力: 5 </syntaxhighlight> ECMAScriptモジュールはファイル拡張子が <code>.mjs</code> の場合、もしくは、<code>"type": "module"</code> を指定した場合に使用できます。 :<syntaxhighlight lang=json> // package.json { "type": "module" } </syntaxhighlight> === WebAssemblyとの連携 === WebAssembly(Wasm)は、ブラウザ以外の環境でも実行できるバイナリ形式の低レベルな仮想マシンです。Node.jsはWebAssemblyモジュールをサポートしており、C/C++などで書かれたバイナリをNode.jsアプリケーションで使用できます。 ; WebAssemblyモジュールの読み込み :<syntaxhighlight lang=js> // wasm_example.js const fs = require('fs'); const { readFileSync } = fs; // WebAssembly バイナリファイルの読み込み const wasmCode = readFileSync('example.wasm'); // WebAssembly モジュールのインスタンス化 const wasmInstance = new WebAssembly.Instance(new WebAssembly.Module(wasmCode)); // WebAssembly 関数の呼び出し console.log(wasmInstance.exports.add(5, 3)); // 出力: 8 </syntaxhighlight> === 最新のNode.jsフレームワークやツールの紹介 === ==== Fastify ==== Fastifyは、高速で軽量なウェブフレームワークであり、Node.jsアプリケーションの開発をサポートします。以下はFastifyの基本的な例です。 :<syntaxhighlight lang=js> const fastify = require('fastify')(); fastify.get('/', (request, reply) => { reply.send({ message: 'Hello, Fastify!' }); }); fastify.listen(3000, (err, address) => { if (err) throw err; console.log(`Server listening on ${address}`); }); </syntaxhighlight> ==== Deno ==== Denoは、Ryan Dahlによって作られた新しいランタイムで、Node.jsの改良版とも言えるものです。Denoはセキュリティ向上、ESMの標準サポート、ブラウザ互換性などが特徴です。 :<syntaxhighlight lang=js> // deno_example.ts console.log('Hello, Deno!'); </syntaxhighlight> Denoのスクリプトは <code>.ts</code> ファイル拡張子で書かれ、TypeScriptを標準でサポートしています。 これらの新しい機能やツールを使用することで、より効率的でモダンなNode.jsアプリケーションの開発が可能になります。ただし、導入前に十分なテストと検証を行い、プロジェクトの要件に合致しているか確認することが重要です。 == チートシート == 以下は、Node.jsの基本的な操作や機能に関するチートシートです。 このチートシートは要約版であり、詳細な情報や構文に関しては公式ドキュメントを参照してください。 === Node.jsの基本 === ; Node.jsのインストール: :<syntaxhighlight lang=tcsh> # nvm (Node Version Manager) を使用する場合 nvm install <バージョン> # 直接インストールする場合 # https://nodejs.org/ からバイナリやインストーラをダウンロード </syntaxhighlight> ; バージョン確認: :<syntaxhighlight lang=tcsh> node -v </syntaxhighlight> ; npmのバージョン確認: :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm -v </syntaxhighlight> === npmの基本操作 === ; パッケージのインストール: :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install <パッケージ名> </syntaxhighlight> ; グローバルにパッケージをインストール: :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install -g <パッケージ名> </syntaxhighlight> ; パッケージのアンインストール: :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm uninstall <パッケージ名> </syntaxhighlight> ; パッケージのバージョン指定: :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install <パッケージ名>@<バージョン> </syntaxhighlight> === Node.jsの実行 === ; スクリプトの実行: :<syntaxhighlight lang=tcsh> node <ファイル名> </syntaxhighlight> ; 対話モードの開始: :<syntaxhighlight lang=tcsh> node </syntaxhighlight> : スクリプトの一部を対話的に実行可能。 === Express.jsの基本 === ;Express.jsのインストール: :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install express </syntaxhighlight> ; 基本的なExpress.jsアプリケーション: :<syntaxhighlight lang=js> const express = require('express'); const app = express(); app.get('/', (req, res) => { res.send('Hello, Express!'); }); const port = 3000; app.listen(port, () => { console.log(`Server is running on http://localhost:${port}`); }); </syntaxhighlight> === モジュールの作成と使用 === ; モジュールの作成: :<syntaxhighlight lang=js> // math.js exports.add = (a, b) => a + b; </syntaxhighlight> ; モジュールの使用: :<syntaxhighlight lang=js> // index.js const math = require('./math.js'); console.log(math.add(5, 3)); // 出力: 8 </syntaxhighlight> === 非同期処理 === ; コールバック関数: :<syntaxhighlight lang=js> fs.readFile('file.txt', 'utf8', (err, data) => { if (err) throw err; console.log(data); }); </syntaxhighlight> ; Promise: :<syntaxhighlight lang=js> const readFileAsync = (file) => { return new Promise((resolve, reject) => { fs.readFile(file, 'utf8', (err, data) => { if (err) reject(err); resolve(data); }); }); }; readFileAsync('file.txt') .then(data => console.log(data)) .catch(err => console.error(err)); </syntaxhighlight> ; async/await: :<syntaxhighlight lang=js> const readFileAsync = async (file) => { try { const data = await fs.promises.readFile(file, 'utf8'); console.log(data); } catch (err) { console.error(err); } }; readFileAsync('file.txt'); </syntaxhighlight> これは基本的なNode.js操作の要約版であり、詳細な情報や機能に関しては公式ドキュメントを参照してください。 == 用語集 == ;Node.js: JavaScriptランタイム環境で、サーバーサイドのアプリケーション開発に特化したプラットフォーム。 ;npm (Node Package Manager): Node.jsのパッケージ管理ツールで、外部ライブラリやツールのインストール、依存関係の管理を行う。 ;Express.js: Node.js用の軽量かつ柔軟なウェブアプリケーションフレームワーク。 ;Callback関数: 非同期処理において、処理の完了後に呼び出される関数。 ;Promise: 非同期処理をより直感的かつ効果的に扱うためのオブジェクト。 ;async/await: 非同期処理を同期的に書くための構文。Promiseをより扱いやすくする。 ;WebSocket: リアルタイムな双方向通信を可能にする通信プロトコル。 ;Expressミドルウェア: Express.jsアプリケーションでリクエストとレスポンスの間に挟む処理。 ;RESTful API: Representational State Transfer(REST)の原則に基づいたAPIデザイン。 ;WebAssembly (Wasm): ブラウザ以外の環境でも実行できるバイナリ形式の仮想マシン。 ;ECMAScriptモジュール (ESM): JavaScriptのモジュールシステムの新しい標準仕様。 ;Deno: Ryan Dahlによって作られた新しいランタイムで、Node.jsの進化版とも言えるもの。 ;Fastify: 高速で軽量なNode.js用ウェブフレームワーク。 ;CORS (Cross-Origin Resource Sharing): ウェブアプリケーションにおいて、異なるオリジン間でのリソース共有を制御する仕組み。 ;CI/CD (Continuous Integration/Continuous Deployment): 継続的なビルド、テスト、デプロイを自動化するプロセス。 ;ORM (Object-Relational Mapping): データベースとのやり取りをオブジェクト指向の形で行う仕組み。 ;JWT (JSON Web Token): ウェブトークンの一種で、ユーザー認証や情報の安全な伝送に利用される。 ;GraphQL: クライアントが必要なデータのみを要求できるようにするためのデータクエリ言語。 ;Serverless: サーバーレスアーキテクチャの一部で、サーバーの管理をクラウドプロバイダに委任する開発手法。 ;Microservices (マイクロサービス): アプリケーションを小さな独立したサービスに分割し、それらを組み合わせて機能させるアーキテクチャスタイル。 == 脚註 == <references /> [[Category:JavaScript|のとしえいえす]]
2024-01-19T00:51:25Z
2024-01-23T12:24:14Z
[ "テンプレート:Main", "テンプレート:コラム" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Node.js
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Npm
npm(Node Package Manager)は、Node.jsプロジェクトでパッケージの管理を行うための非常に便利なツールです。以下に、npmの基本的な使用法についてのチュートリアルを提供します。なお、このチュートリアルは基本的な操作に焦点を当てています。 npm(Node Package Manager)は、JavaScriptプログラミング言語で広く使用されるパッケージ管理システムおよびソフトウェアレジストリです。主にNode.jsプロジェクトで利用され、Node.jsの開発者が他の開発者が共有したコードやツール(パッケージ)を簡単に導入・管理できるようにするツールです。 npmの主な機能と用途は以下の通りです: npmはNode.jsと一緒にインストールされ、Node.jsのエコシステムで非常に広く利用されています。npmの豊富なパッケージ群は、開発者がプロジェクトに必要な機能を簡単かつ効率的に追加できるようにする役割を果たしています。 まず最初に、Node.jsと一緒にnpmがインストールされていることを確認しましょう。まだインストールされていない場合は、Node.jsの公式ウェブサイトからインストーラーをダウンロードしてインストールします。 新しいプロジェクトを作成するには、ターミナルで以下のコマンドを実行します。 これにより、対話型の設定プロセスが開始されます。プロジェクトの名前、バージョン、エントリーポイントなどの情報を入力してください。 プロジェクトにパッケージを追加するには、npm installコマンドを使用します。たとえば、ExpressというWebフレームワークをインストールする場合は以下のようになります。 npm installコマンドを実行すると、通常、dependenciesにパッケージが追加されます。開発中のみに必要なパッケージは、--save-devオプションを使用して、devDependenciesに追加できます。 プロジェクトに限らず、グローバルなコンテキストで利用できるパッケージは、-gオプションを使用してインストールできます。 インストールしたパッケージを削除するには、npm uninstallコマンドを使用します。 特定のバージョンのパッケージをインストールするには、@を使用してバージョン番号を指定します。 npm helpコマンドは、詳細な情報や利用可能なコマンドの一覧を確認したい場合に便利です。 以下はnpm helpコマンドを使用してnpmのヘルプを表示する例です: このコマンドを実行すると、npmの主要な機能やコマンドの概要が表示され、必要に応じて詳細な情報やサブコマンドのヘルプも確認できます。 pmを効果的に使用するためのいくつかのトリックがあります。以下に、npmのトリックの一部を紹介します。 は以下のようにします。 これらのトリックは、npmの一般的な使用ケースに役立つものです。npmには他にも多くの機能がありますので、公式ドキュメントやヘルプを参照することでより深く理解できます。 これで、基本的なnpmの使用法についての理解が得られました。npmはさまざまな機能を提供しており、プロジェクトの依存関係を効果的に管理するための強力なツールです。さらに詳細な情報は、npmの公式ドキュメントを参照してください。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "npm(Node Package Manager)は、Node.jsプロジェクトでパッケージの管理を行うための非常に便利なツールです。以下に、npmの基本的な使用法についてのチュートリアルを提供します。なお、このチュートリアルは基本的な操作に焦点を当てています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "npm(Node Package Manager)は、JavaScriptプログラミング言語で広く使用されるパッケージ管理システムおよびソフトウェアレジストリです。主にNode.jsプロジェクトで利用され、Node.jsの開発者が他の開発者が共有したコードやツール(パッケージ)を簡単に導入・管理できるようにするツールです。", "title": "npmとは" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "npmの主な機能と用途は以下の通りです:", "title": "npmとは" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "npmはNode.jsと一緒にインストールされ、Node.jsのエコシステムで非常に広く利用されています。npmの豊富なパッケージ群は、開発者がプロジェクトに必要な機能を簡単かつ効率的に追加できるようにする役割を果たしています。", "title": "npmとは" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "まず最初に、Node.jsと一緒にnpmがインストールされていることを確認しましょう。まだインストールされていない場合は、Node.jsの公式ウェブサイトからインストーラーをダウンロードしてインストールします。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "新しいプロジェクトを作成するには、ターミナルで以下のコマンドを実行します。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "これにより、対話型の設定プロセスが開始されます。プロジェクトの名前、バージョン、エントリーポイントなどの情報を入力してください。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "プロジェクトにパッケージを追加するには、npm installコマンドを使用します。たとえば、ExpressというWebフレームワークをインストールする場合は以下のようになります。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "npm installコマンドを実行すると、通常、dependenciesにパッケージが追加されます。開発中のみに必要なパッケージは、--save-devオプションを使用して、devDependenciesに追加できます。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "プロジェクトに限らず、グローバルなコンテキストで利用できるパッケージは、-gオプションを使用してインストールできます。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "インストールしたパッケージを削除するには、npm uninstallコマンドを使用します。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "特定のバージョンのパッケージをインストールするには、@を使用してバージョン番号を指定します。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "npm helpコマンドは、詳細な情報や利用可能なコマンドの一覧を確認したい場合に便利です。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "以下はnpm helpコマンドを使用してnpmのヘルプを表示する例です:", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "このコマンドを実行すると、npmの主要な機能やコマンドの概要が表示され、必要に応じて詳細な情報やサブコマンドのヘルプも確認できます。", "title": "npmの基本的な使用法" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "pmを効果的に使用するためのいくつかのトリックがあります。以下に、npmのトリックの一部を紹介します。", "title": "npmのトリック" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "は以下のようにします。", "title": "npmのトリック" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "これらのトリックは、npmの一般的な使用ケースに役立つものです。npmには他にも多くの機能がありますので、公式ドキュメントやヘルプを参照することでより深く理解できます。", "title": "npmのトリック" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "これで、基本的なnpmの使用法についての理解が得られました。npmはさまざまな機能を提供しており、プロジェクトの依存関係を効果的に管理するための強力なツールです。さらに詳細な情報は、npmの公式ドキュメントを参照してください。", "title": "おわりに" } ]
npmは、Node.jsプロジェクトでパッケージの管理を行うための非常に便利なツールです。以下に、npmの基本的な使用法についてのチュートリアルを提供します。なお、このチュートリアルは基本的な操作に焦点を当てています。
npm(Node Package Manager)は、[[Node.js]]プロジェクトでパッケージの管理を行うための非常に便利なツールです。以下に、npmの基本的な使用法についてのチュートリアルを提供します。なお、このチュートリアルは基本的な操作に焦点を当てています。 == npmとは == npm(Node Package Manager)は、JavaScriptプログラミング言語で広く使用されるパッケージ管理システムおよびソフトウェアレジストリです。主に[[Node.js]]プロジェクトで利用され、Node.jsの開発者が他の開発者が共有したコードやツール(パッケージ)を簡単に導入・管理できるようにするツールです。 npmの主な機能と用途は以下の通りです: # パッケージ管理: npmは、Node.jsプロジェクトで使用するためのパッケージ(ライブラリやツール)のインストール、アップデート、削除などの操作を行います。これにより、開発者は手動で各種パッケージをダウンロードして管理する手間を省くことができます。 # 依存関係の解決: Node.jsプロジェクトは、さまざまなパッケージに依存しています。npmはこれらの依存関係を解決し、必要なパッケージを正確にインストールします。パッケージのバージョン管理も行い、依存関係のバージョンの整合性を保つことができます。 # プロジェクト初期化: <code>npm init</code>コマンドを使用して、新しいNode.jsプロジェクトを初期化することができます。このコマンドを実行すると、プロジェクトに関する基本的な情報を入力する対話型のプロセスが始まります。 # スクリプトの実行: <code>package.json</code>ファイルの<code>scripts</code>セクションに定義されたスクリプトを実行するために、<code>npm run</code>コマンドが使用されます。これにより、プロジェクト内で定義されたカスタムのタスクやコマンドを簡単に実行できます。 # バージョン管理: npmは、各パッケージが使用するセマンティック・バージョニング(Semantic Versioning)に基づいてバージョンの管理を行います。これにより、開発者は依存関係の安定性を保つことができます。 npmはNode.jsと一緒にインストールされ、Node.jsのエコシステムで非常に広く利用されています。npmの豊富なパッケージ群は、開発者がプロジェクトに必要な機能を簡単かつ効率的に追加できるようにする役割を果たしています。 == npmの基本的な使用法 == === Node.jsとnpmのインストール === まず最初に、Node.jsと一緒にnpmがインストールされていることを確認しましょう。まだインストールされていない場合は、[https://nodejs.org/ Node.jsの公式ウェブサイト]からインストーラーをダウンロードしてインストールします。 === プロジェクトの初期化 === 新しいプロジェクトを作成するには、ターミナルで以下のコマンドを実行します。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm init </syntaxhighlight> これにより、対話型の設定プロセスが開始されます。プロジェクトの名前、バージョン、エントリーポイントなどの情報を入力してください。 === パッケージのインストール === プロジェクトにパッケージを追加するには、npm installコマンドを使用します。たとえば、ExpressというWebフレームワークをインストールする場合は以下のようになります。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install express </syntaxhighlight> === パッケージの開発依存関係への追加 === npm installコマンドを実行すると、通常、dependenciesにパッケージが追加されます。開発中のみに必要なパッケージは、--save-devオプションを使用して、devDependenciesに追加できます。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install --save-dev nodemon </syntaxhighlight> === グローバルなパッケージのインストール === プロジェクトに限らず、グローバルなコンテキストで利用できるパッケージは、-gオプションを使用してインストールできます。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install -g eslint </syntaxhighlight> === パッケージの削除 === インストールしたパッケージを削除するには、npm uninstallコマンドを使用します。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm uninstall express </syntaxhighlight> === パッケージのバージョン指定 === 特定のバージョンのパッケージをインストールするには、@を使用してバージョン番号を指定します。 :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install express@4.17.1 </syntaxhighlight> === ヘルプの表示 === <code>npm help</code>コマンドは、詳細な情報や利用可能なコマンドの一覧を確認したい場合に便利です。 以下は<code>npm help</code>コマンドを使用してnpmのヘルプを表示する例です: :<syntaxhighlight lang=tcsh> npm help </syntaxhighlight> このコマンドを実行すると、npmの主要な機能やコマンドの概要が表示され、必要に応じて詳細な情報やサブコマンドのヘルプも確認できます。 == npmのトリック == pmを効果的に使用するためのいくつかのトリックがあります。以下に、npmのトリックの一部を紹介します。 # npmのバージョン確認: #:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm -v </syntaxhighlight> # 特定のパッケージのバージョン確認: #:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm show package-name version </syntaxhighlight> # 依存関係のグラフ表示: #:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm ls </syntaxhighlight> # パッケージのアップデート可能なバージョンの確認: #:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm outdated </syntaxhighlight> # パッケージを最新の安定版にアップデート: #:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm update package-name </syntaxhighlight> # npmスクリプトの実行: <code>package.json</code>の<code>scripts</code>セクションに定義されたスクリプトを実行するには、以下のようにします。 #:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm run script-name </syntaxhighlight> # npmインストール時にデバッグ情報を表示: #:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install --verbose package-name </syntaxhighlight> # npmレジストリの変更: npmのデフォルトのレジストリはnpm公式のものですが、カスタムのレジストリを使用したい場合#:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm config set registry https://registry.example.com/ </syntaxhighlight> は以下のようにします。 # npmセマンティックバージョン指定: 特定の範囲のバージョンをインストールするためにセマンティックバージョニングを使用できます。 #:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm install package-name@">=1.0.0 <2.0.0" </syntaxhighlight> # npmのキャッシュクリーンアップ: インストール済みのパッケージのキャッシュをクリーンアップするには、以下のコマンドを使用します。 #:<syntaxhighlight lang=tcsh> npm cache clean --force </syntaxhighlight> これらのトリックは、npmの一般的な使用ケースに役立つものです。npmには他にも多くの機能がありますので、公式ドキュメントやヘルプを参照することでより深く理解できます。 {{コラム|npmと類似のツール|2=npmと同様に、他のプログラミング言語やエコシステムにおいてもパッケージ管理ツールが存在します。以下は、npmと類似のツールの一部です。 # Python - pip: #* Pythonのパッケージ管理ツールで、npmのようにPythonのパッケージを管理します。<code>pip install</code>コマンドを使用してパッケージをインストールできます。 # Ruby - RubyGems: #* Rubyのパッケージ管理ツールで、RubyのGemと呼ばれるパッケージを提供します。<code>gem install</code>コマンドを使用してGemをインストールできます。 # Java - Maven, Gradle: #* Javaプロジェクトでは、MavenやGradleなどが依存関係管理やビルドの自動化を行います。これらのツールは、Javaのライブラリやプロジェクトの構成を管理します。 # JavaScript - Yarn: #* YarnはJavaScriptプロジェクト向けのパッケージ管理ツールで、npmと同様に使用されます。npmと比較して高速なパッケージの取得や依存関係の解決が特徴です。 # PHP - Composer: #* PHPの依存関係管理ツールで、Composerを使用してPHPのパッケージを管理できます。<code>composer install</code>コマンドを使用して依存関係を解決し、パッケージをインストールできます。 # .NET - NuGet: #* .NETプロジェクトでは、NuGetが使用されます。NuGetは.NET用のパッケージ管理ツールで、Visual Studioなどから簡単に利用できます。 これらのツールはそれぞれの言語やエコシステムにおいて、パッケージ管理や依存関係解決、ビルドの自動化などを提供しています。それぞれのツールはコミュニティによってサポートされており、開発者がプロジェクトを効果的に管理するための手段として利用されています。 }} == おわりに == これで、基本的なnpmの使用法についての理解が得られました。npmはさまざまな機能を提供しており、プロジェクトの依存関係を効果的に管理するための強力なツールです。さらに詳細な情報は、[https://docs.npmjs.com/ npmの公式ドキュメント]を参照してください。 [[カテゴリ:ソフトウェア]]
2024-01-19T01:21:13Z
2024-02-08T08:04:30Z
[ "テンプレート:コラム" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Npm
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JavaScript/ECMAScriptの変遷
ECMAScriptは、JavaScriptの標準規格を定義する仕様です。以下は、ECMAScriptの主なバージョンにおける変遷の要点です。 ECMAScriptは現在も進化を続けており、毎年新しいバージョンがリリースされています。新しいバージョンでは、言語の機能やパフォーマンスが向上し、開発者がより効果的にコードを書けるようになります。 ECMAScript(European Computer Manufacturers Association Script)は、JavaScriptの標準規格を定義したもので、JavaScriptはこの規格に基づいて作られています。言い換えれば、JavaScriptはECMAScriptの実装の一つであり、ECMAScriptがJavaScriptの基盤となっています。 以下に、ECMAScriptとJavaScriptの関係について簡単に説明します。 総じて、ECMAScriptはJavaScriptの基本的な仕様を定義する標準であり、JavaScriptはその標準に基づいた実装の一つです。JavaScript開発者はECMAScriptの仕様に注意しながらコードを書き、最新の言語仕様を利用して開発を進めることが一般的です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ECMAScriptは、JavaScriptの標準規格を定義する仕様です。以下は、ECMAScriptの主なバージョンにおける変遷の要点です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ECMAScriptは現在も進化を続けており、毎年新しいバージョンがリリースされています。新しいバージョンでは、言語の機能やパフォーマンスが向上し、開発者がより効果的にコードを書けるようになります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ECMAScript(European Computer Manufacturers Association Script)は、JavaScriptの標準規格を定義したもので、JavaScriptはこの規格に基づいて作られています。言い換えれば、JavaScriptはECMAScriptの実装の一つであり、ECMAScriptがJavaScriptの基盤となっています。", "title": "ECMAScriptとJavaScriptの関係" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "以下に、ECMAScriptとJavaScriptの関係について簡単に説明します。", "title": "ECMAScriptとJavaScriptの関係" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "総じて、ECMAScriptはJavaScriptの基本的な仕様を定義する標準であり、JavaScriptはその標準に基づいた実装の一つです。JavaScript開発者はECMAScriptの仕様に注意しながらコードを書き、最新の言語仕様を利用して開発を進めることが一般的です。", "title": "ECMAScriptとJavaScriptの関係" } ]
ECMAScriptは、JavaScriptの標準規格を定義する仕様です。以下は、ECMAScriptの主なバージョンにおける変遷の要点です。 ECMAScriptは現在も進化を続けており、毎年新しいバージョンがリリースされています。新しいバージョンでは、言語の機能やパフォーマンスが向上し、開発者がより効果的にコードを書けるようになります。
ECMAScriptは、JavaScriptの標準規格を定義する仕様です。以下は、ECMAScriptの主なバージョンにおける変遷の要点です。 ; ECMAScript 1(1997年): : 最初のバージョンで、JavaScriptが初めて標準規格として定義されました。 ; ECMAScript 2(1998年): : 軽微な修正が加えられ、仕様が一部改善されました。 ; ECMAScript 3(1999年): : 大規模なアップデートで、try/catch文や正規表現、新しいエラーオブジェクトなどが導入されました。 : ECMAScript 4が不採用となったため、このバージョンが長らく標準として使われ、ブラウザ上のJavaScriptエンジンや開発者の間で広くサポートされました。 ; ECMAScript 4(不採用): : 制定されず、中断された仕様です。このバージョンの仕様策定が難航し、その後の進展がなかったため、採用されませんでした。 ; ECMAScript 5(2009年): : 大規模なアップデートではなく、ECMAScript 3の改訂版としてリリースされました。 :;Strict Modeの導入: ::ECMAScript 5では、strict mode(厳格モード)が導入されました。Strict Modeでは、一部の不安全な操作や悪いプラクティスがエラーとして検出されるようになります。コードの先頭か関数の先頭に <code>"use strict";</code> を追加することで有効にできます。 ::<syntaxhighlight lang=js> "use strict"; // strict modeでのコード </syntaxhighlight> :;新機能: ::ECMAScript 5では、新機能として、<code>Object.create</code>、<code>Object.defineProperty</code>、<code>Array.isArray</code>などが導入されました。これらの新機能を活用することで、より効率的なコーディングが可能です。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 3 var obj = {}; // ECMAScript 5 var obj = Object.create(proto); </syntaxhighlight> :;<code>JSON</code> オブジェクトの追加: ::ECMAScript 5では、<code>JSON</code> オブジェクトが標準でサポートされました。これにより、JSONのエンコードおよびデコードが簡単に行えるようになりました。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 3 var data = eval('(' + jsonString + ')'); // ECMAScript 5 var data = JSON.parse(jsonString); </syntaxhighlight> :;<code>Function.prototype.bind</code> の使用: ::<code>Function.prototype.bind</code> メソッドが導入され、関数の <code>this</code> の値を永続的にバインドできるようになりました。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 3 var boundFunction = functionToBind.bind(context); // ECMAScript 5 var boundFunction = functionToBind.bind(context); </syntaxhighlight> :;<code>get</code> および <code>set</code> アクセサの使用: ::ECMAScript 5では、オブジェクトのプロパティに対して <code>get</code> および <code>set</code> アクセサを使用できるようになりました。これにより、プロパティへのアクセスや変更に特別な処理を追加できます。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 5 var obj = { get myProperty() { return this._myProperty; }, set myProperty(value) { this._myProperty = value; } }; </syntaxhighlight> :;<code>Object.freeze</code>、<code>Object.seal</code>、<code>Object.preventExtensions</code> の利用: ::ECMAScript 5では、<code>Object.freeze</code>、<code>Object.seal</code>、<code>Object.preventExtensions</code> などのメソッドが追加され、オブジェクトの不変性や封印、拡張を制御できるようになりました。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 5 var sealedObject = Object.seal(myObject); </syntaxhighlight> ; ECMAScript 6(2015年) / ECMAScript 2015: : 大規模な変更が行われ、クラス、アロー関数、let/const、プロミス、ジェネレータなど多くの新機能が導入されました。 : モジュールシステムも正式に採用され、JavaScriptの言語機能が大幅に強化されました。 :;新しい構文の導入: ::ECMAScript 6では、クラス、アロー関数、let/constなど、新しい構文が導入されました。これらの新構文を理解し、適切に使用する必要があります。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 5 var x = function(x) { return x * 2; }; // ECMAScript 6 const x = (x) => x * 2; </syntaxhighlight> :;letおよびconstの使用: ::<code>let</code> と <code>const</code> は ECMAScript 6 で導入された変数宣言の新しいキーワードです。これらを使用することで、変数のスコープや再代入の挙動が従来の <code>var</code> とは異なります。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 5 var counter = 0; // ECMAScript 6 let counter = 0; </syntaxhighlight> :;Arrow Functionの注意: ::アロー関数(Arrow Function)は、<code>this</code> の挙動が通常の関数と異なります。アロー関数内での <code>this</code> は、関数が定義されたコンテキストを捕捉します。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 5 var self = this; var func = function() { console.log(self); }; // ECMAScript 6 const func = () => { console.log(this); }; </syntaxhighlight> :;クラスの導入: ::ECMAScript 6では、クラスの導入により、オブジェクト指向プログラミングのサポートが向上しました。これまでのプロトタイプベースの継承よりもシンプルで分かりやすいコードを書くことができます。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 5 function MyClass() { // constructor } // ECMAScript 6 class MyClass { // constructor } </syntaxhighlight> :;モジュールの使用: ::ECMAScript 6では、モジュールシステムが標準でサポートされ、モジュールを定義してエクスポート・インポートすることができます。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 5 // モジュールが標準でサポートされていないため、グローバルスコープで変数を使っていた // ECMAScript 6 // モジュールを使ってコードを構造化 import { myFunction } from './myModule'; </syntaxhighlight> :;IteratorとGeneratorの活用: ::ECMAScript 6では、イテレータとジェネレータが導入されました。これにより、簡潔で効率的な反復処理が可能になります。 ::<syntaxhighlight lang=js> // ECMAScript 5 var arr = [1, 2, 3]; for (var i = 0; i < arr.length; i++) { console.log(arr[i]); } // ECMAScript 6 const arr = [1, 2, 3]; for (const item of arr) { console.log(item); } </syntaxhighlight> ; ECMAScript 2016(ES7): : 毎年の小規模なアップデートの方針が始まり、ES6の拡張として導入された機能がいくつかありました。 ; ECMAScript 2017(ES8): : <code>async/await</code>、<code>Object.values/Object.entries</code> などが追加されました。 ; ECMAScript 2018(ES9): : Rest/Spread Properties、Promise.prototype.finally などの新機能が導入されました。 ; ECMAScript 2019(ES10): : <code>Array.prototype.flat</code>、<code>Array.prototype.flatMap</code> などが追加されました。 ; ECMAScript 2020(ES11): : <code>BigInt</code>型や<code>Promise.allSettled</code>などが導入されました。 ; ECMAScript 2021(ES12): : <code>String.prototype.replaceAll</code>、<code>WeakRef</code>、<code>FinalizationRegistry</code>などの新機能が導入されました。 ECMAScriptは現在も進化を続けており、毎年新しいバージョンがリリースされています。新しいバージョンでは、言語の機能やパフォーマンスが向上し、開発者がより効果的にコードを書けるようになります。 == ECMAScriptとJavaScriptの関係 == ECMAScript(European Computer Manufacturers Association Script)は、JavaScriptの標準規格を定義したもので、JavaScriptはこの規格に基づいて作られています。言い換えれば、JavaScriptはECMAScriptの実装の一つであり、ECMAScriptがJavaScriptの基盤となっています。 以下に、ECMAScriptとJavaScriptの関係について簡単に説明します。 ;ECMAScriptは標準規格:ECMAScriptは、欧州コンピュータ製造業者協会(ECMA)によって標準規格として策定された言語仕様です。ECMAScriptはバージョンごとに進化しており、新しい機能や構文が追加されます。 ;JavaScriptはECMAScriptの実装:JavaScriptは、ECMAScriptの実装の一つです。具体的には、WebブラウザやNode.jsなどで実行されるJavaScriptエンジンが、ECMAScriptの仕様に基づいて動作しています。JavaScriptはECMAScriptの標準仕様に従っていれば、さまざまな実行環境で動作することが期待されます。 ;ブラウザとECMAScript:Webブラウザでは、ECMAScriptに基づくJavaScriptエンジンが実装されています。各ブラウザ(Chrome、Firefox、Safariなど)は、独自のJavaScriptエンジンを使用していますが、これらは共通のECMAScriptの仕様に準拠しています。 ;ECMAScriptの進化とJavaScriptの実装:ECMAScriptは進化し続け、新しいバージョンが定期的にリリースされます。ブラウザやNode.jsはこれらの新しい機能や仕様の一部を実装し、JavaScript開発者はこれを利用してよりモダンで効果的なコードを書くことができます。 総じて、ECMAScriptはJavaScriptの基本的な仕様を定義する標準であり、JavaScriptはその標準に基づいた実装の一つです。JavaScript開発者はECMAScriptの仕様に注意しながらコードを書き、最新の言語仕様を利用して開発を進めることが一般的です。 [[カテゴリ:JavaScript|ECMAScript]]
2024-01-19T02:20:12Z
2024-01-20T01:21:42Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/JavaScript/ECMAScript%E3%81%AE%E5%A4%89%E9%81%B7
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Self
プログラミング言語Selfのチュートリアルへようこそ。Selfは革新的なプロトタイプベースのオブジェクト指向言語で、柔軟性と効率性に優れています。このガイドでは、基本構文から始め、関数、データ構造、オブジェクト指向までを詳細に解説します。Selfの理解を深め、新しいプログラミングの世界への扉を開くためのステップとなるでしょう。 Selfは、革新的で柔軟性に富んだプロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミング言語です。この言語は、1980年代初頭にスタンフォード大学とゼロックスパロアルト研究所の共同プロジェクトで生まれ、オブジェクト指向プログラミングの新しい次元を切り開きました。 Selfは、他のプログラミング言語とは異なり、クラスによるオブジェクト生成ではなく、プロトタイプを基に新しいオブジェクトを生成するプロトタイプベースの手法を採用しています。これにより、柔軟性と拡張性が向上し、開発者はより自由な形でオブジェクトを操ることができます。 Selfを学ぶことは、オブジェクト指向プログラミングにおける新しいアプローチを理解し、柔軟なコーディングスタイルを習得する素晴らしい機会です。また、Selfの持つ効率的な実行性能は、高度なプログラムの開発においても優れたパフォーマンスを提供します。この言語を学ぶことで、革新的なプログラミングスキルを身につけ、未来の挑戦に備えることができます。自己表現型の言語であるSelfに触れ、新しい次元のプログラミングの扉を開いてみましょう。 Selfは対話型なので、簡単なHello Worldプログラムも対話的に実行できます。以下は、SelfでHello Worldを表示する例です。 このプログラムは文字列'Hello, World!'を表示します。displayNlは改行付きで文字列を表示するメソッドです。Selfでは対話的にコードを実行することができるので、このコードをSelfの対話環境に入力して実行すると、"Hello, World!"が表示されます。 これは非常に基本的な例であり、Selfの特徴や構文を十分に紹介するものではありません。Selfを学ぶには、公式のドキュメントや論文、関連するリソースを参照することが重要です。 Selfは、他の一般的なプログラミング言語とは異なる独自の特徴を持っており、従来の制御構造(条件分岐やループ)の形式も一部異なります。以下に、Selfでの基本的な制御構造について簡単に説明します。 Selfの特徴的な点は、条件分岐やループがメッセージとして表現され、オブジェクト指向プログラミングの概念に基づいていることです。上記の例は非常に基本的なものであり、Selfが提供する他の機能や高度な制御構造を理解するには、より詳細なドキュメントや学習リソースを参照することが重要です。 Selfにおいて、配列は "ベクター"(Vector)と呼ばれ、順序を持つ複数の要素を格納するために使用されます。ベクターは、可変サイズであり、同じベクター内で異なる型の要素を混在させることができます。以下は、Selfでのベクターの基本的な使い方の例です。 この例では、myVectorというベクターを定義しています。このベクターには文字列、整数、真偽値の要素が格納されています。ベクターの要素へのアクセスには at: メソッドが使用され、ベクターのサイズを取得するには size メソッドが使用されます。また、要素を変更するには at:put: メソッドが使用されます。 ベクターは可変サイズであり、要素の追加や削除が可能です。以下は、ベクターに要素を追加する例です。 この例では、addLast: メソッドを使用して、ベクターに新しい要素 'grape' を追加しています。displayNl メソッドを使用して変更後のベクターを表示しています。 Selfでは、メソッド(method)はオブジェクトに対する振る舞いを定義する主要な手段です。メソッドはオブジェクトにメッセージが送信されたときに実行され、オブジェクトの状態を変更するか、結果を返します。以下に、Selfでメソッドを定義する基本的な構文を示します。 メソッドは、オブジェクトに対して|(パイプ)で始まり、.(ピリオド)で終わります。メソッドの中では、selfキーワードを使用してオブジェクト自体を参照します。また、引数はメソッド名の後にコロンを続けて指定されます。 例えば、以下は簡単なメソッドの例です。 この例では、Pointというオブジェクトを定義し、そのオブジェクトに対してsetX:, setY:, getX, getYという4つのメソッドを定義しています。これらのメソッドは、それぞれx座標とy座標の設定と取得を行います。 なお、Selfではメソッドの実行はメッセージの送信を通じて行われるため、実際にはメッセージがオブジェクトに送信されることによってメソッドが呼び出されます。上記の例では、setX:やgetXといったメッセージがオブジェクトに送信され、それに対応するメソッドが実行されています。 Selfでは再帰をサポートしており、再帰的な関数やメソッドを記述することができます。以下に、Selfでの再帰の例を示します。この例では、階乗を計算する再帰的なメソッドを定義しています。 この例では、Factorialというオブジェクトを定義し、その中にcompute:という再帰的なメソッドを作成しています。このメソッドは引数 n が 1 以下の場合には 1 を返し、それ以外の場合には n と (self compute: (n - 1)) の積を返します。このようにして、階乗を再帰的に計算しています。 例の最後で、compute:メソッドを呼び出して 5 の階乗を計算し、その結果を表示しています。この例は再帰の基本的な構造を示しており、Selfで再帰を利用する際の一般的なアプローチを理解するのに役立ちます。 Selfはプロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミングを採用しており、クラスとは異なる形で継承が実現されています。プロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミングでは、オブジェクトが別のオブジェクトをプロトタイプとして利用し、そのプロトタイプの振る舞いを共有します。 以下は、Selfでの継承の簡単な例です。 この例では、Shapeというプロトタイプオブジェクトを定義し、SquareというオブジェクトがShapeをクローンして作成されています。Squareオブジェクトは新しいメソッドsetSide:を定義していますが、同時に親オブジェクトであるShapeのメソッドmoveTo:も呼び出しています。 Selfでは、継承がプロトタイプをコピーし、新しいメソッドを追加することで実現されます。このプロトタイプベースのアプローチにより、動的で柔軟なオブジェクトの構築が可能になります。
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プログラミング言語Selfのチュートリアルへようこそ。Selfは革新的なプロトタイプベースのオブジェクト指向言語で、柔軟性と効率性に優れています。このガイドでは、基本構文から始め、関数、データ構造、オブジェクト指向までを詳細に解説します。Selfの理解を深め、新しいプログラミングの世界への扉を開くためのステップとなるでしょう。
{{Wikipedia|Self}} プログラミング言語Selfのチュートリアルへようこそ。Selfは革新的なプロトタイプベースのオブジェクト指向言語で、柔軟性と効率性に優れています。このガイドでは、基本構文から始め、関数、データ構造、オブジェクト指向までを詳細に解説します。Selfの理解を深め、新しいプログラミングの世界への扉を開くためのステップとなるでしょう。 == はじめに == Selfは、革新的で柔軟性に富んだプロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミング言語です。この言語は、1980年代初頭にスタンフォード大学とゼロックスパロアルト研究所の共同プロジェクトで生まれ、オブジェクト指向プログラミングの新しい次元を切り開きました。 === Selfの紹介 === Selfは、他のプログラミング言語とは異なり、クラスによるオブジェクト生成ではなく、プロトタイプを基に新しいオブジェクトを生成するプロトタイプベースの手法を採用しています。これにより、柔軟性と拡張性が向上し、開発者はより自由な形でオブジェクトを操ることができます。 === なぜSelfを学ぶべきか === Selfを学ぶことは、オブジェクト指向プログラミングにおける新しいアプローチを理解し、柔軟なコーディングスタイルを習得する素晴らしい機会です。また、Selfの持つ効率的な実行性能は、高度なプログラムの開発においても優れたパフォーマンスを提供します。この言語を学ぶことで、革新的なプログラミングスキルを身につけ、未来の挑戦に備えることができます。自己表現型の言語であるSelfに触れ、新しい次元のプログラミングの扉を開いてみましょう。 == Hello World == Selfは対話型なので、簡単なHello Worldプログラムも対話的に実行できます。以下は、SelfでHello Worldを表示する例です。 :<syntaxhighlight lang=text> "Hello, Worldプログラム" ('Hello, World!') displayNl. </syntaxhighlight> このプログラムは文字列<code>'Hello, World!'</code>を表示します。<code>displayNl</code>は改行付きで文字列を表示するメソッドです。Selfでは対話的にコードを実行することができるので、このコードをSelfの対話環境に入力して実行すると、"Hello, World!"が表示されます。 == 基本構文 == ;オブジェクトの作成とメッセージの送信: :<syntaxhighlight lang=text> // オブジェクトの作成 obj := ( | x = 10. y = 20. | ). // メッセージの送信 obj x. // 結果は 10 </syntaxhighlight> ;プロトタイプベースのオブジェクト指向性: :<syntaxhighlight lang=text> // プロトタイプの作成 prototype := ( | x = 0. increment = ( | self x: (self x + 1). | ). | ). // オブジェクトの作成(プロトタイプのコピー) obj1 := prototype copy. obj2 := prototype copy. // メッセージの送信 obj1 increment. obj2 increment. obj1 x. // 結果は 1 obj2 x. // 結果は 1 </syntaxhighlight> ;自己反映(self-reflection): :<syntaxhighlight lang=text> // オブジェクトの作成 obj := ( | x = 10. y = 20. | ). // 自己反映によるメッセージの送信 obj ("x:" bind: ( | :newVal | obj x: newVal + 5. )) applyWith: 15. obj x. // 結果は 20 </syntaxhighlight> ; メソッドの定義 : メソッドは<code>define:</code>キーワードを使用して定義されます。例えば: この例では、<code>obj</code>オブジェクトに <code>myMethod</code> というメソッドを定義しています。 :<syntaxhighlight lang=text> obj define: myMethod [ "メソッドの本体" ]. </syntaxhighlight> ; メッセージの送信 : メソッドはメッセージとしてオブジェクトに送信されます。メッセージはスペースで区切られたメソッド名と引数のリストで構成されます。 :<syntaxhighlight lang=text> obj myMethod: 10. </syntaxhighlight> ::この例では、<code>obj</code>オブジェクトに対して <code>myMethod:</code> メソッドに引数 <code>10</code> を送信しています。 ; 条件分岐 : 条件分岐は <code>ifTrue:ifFalse:</code> メッセージを使用して行います。 :<syntaxhighlight lang=text> condition ifTrue: [ "真の場合の処理" ] ifFalse: [ "偽の場合の処理" ]. </syntaxhighlight> ; 繰り返し : ループは <code>whileTrue:</code> メッセージを使用して行います。 :<syntaxhighlight lang=text> [ condition ] whileTrue: [ "ループ内の処理" ]. </syntaxhighlight> ; 変数への代入 : 変数への代入は <code>:=</code> を使用します。 :<syntaxhighlight lang=text> x := 10. </syntaxhighlight> これは非常に基本的な例であり、Selfの特徴や構文を十分に紹介するものではありません。Selfを学ぶには、公式のドキュメントや論文、関連するリソースを参照することが重要です。 == 制御構造 == Selfは、他の一般的なプログラミング言語とは異なる独自の特徴を持っており、従来の制御構造(条件分岐やループ)の形式も一部異なります。以下に、Selfでの基本的な制御構造について簡単に説明します。 # 条件分岐 #: Selfでは、条件分岐は<code>ifTrue:ifFalse:</code>メッセージを使用して行います。以下は、簡単な条件分岐の例です。 #:<syntaxhighlight lang=text> | condition result | condition := true. result := condition ifTrue: [ "条件が真の場合の処理" ] ifFalse: [ "条件が偽の場合の処理" ]. </syntaxhighlight> #: <code>ifTrue:</code> ブロックは条件が真の場合に実行され、<code>ifFalse:</code> ブロックは条件が偽の場合に実行されます。 # 繰り返し #: Selfでは、繰り返しは<code>whileTrue:</code>メッセージを使用して行います。以下は、簡単なループの例です。 #:<syntaxhighlight lang=text> | counter | counter := 1. [ counter <= 5 ] whileTrue: [ "ループ内の処理" counter := counter + 1. ]. </syntaxhighlight> #: この例では、<code>whileTrue:</code> メッセージが条件が真の間ループを続けます。 Selfの特徴的な点は、条件分岐やループがメッセージとして表現され、オブジェクト指向プログラミングの概念に基づいていることです。上記の例は非常に基本的なものであり、Selfが提供する他の機能や高度な制御構造を理解するには、より詳細なドキュメントや学習リソースを参照することが重要です。 == ベクター == Selfにおいて、配列は "ベクター"(Vector)と呼ばれ、順序を持つ複数の要素を格納するために使用されます。ベクターは、可変サイズであり、同じベクター内で異なる型の要素を混在させることができます。以下は、Selfでのベクターの基本的な使い方の例です。 :<syntaxhighlight lang=text> | myVector | myVector := ( | 'apple'. 10. true. | ). "ベクターの要素へのアクセス" (myVector at: 1) displayNl. "apple" (myVector at: 2) displayNl. "10" (myVector at: 3) displayNl. "true" "ベクターのサイズの取得" (myVector size) displayNl. "3" "ベクターの要素の変更" myVector at: 1 put: 'orange'. (myVector at: 1) displayNl. "orange" </syntaxhighlight> この例では、<code>myVector</code>というベクターを定義しています。このベクターには文字列、整数、真偽値の要素が格納されています。ベクターの要素へのアクセスには <code>at:</code> メソッドが使用され、ベクターのサイズを取得するには <code>size</code> メソッドが使用されます。また、要素を変更するには <code>at:put:</code> メソッドが使用されます。 ベクターは可変サイズであり、要素の追加や削除が可能です。以下は、ベクターに要素を追加する例です。 :<syntaxhighlight lang=text> | fruits | fruits := ( | 'apple'. 'orange'. 'banana'. | ). "新しい要素を追加" fruits addLast: 'grape'. "変更を表示" fruits displayNl. "( 'apple' 'orange' 'banana' 'grape' )" </syntaxhighlight> この例では、<code>addLast:</code> メソッドを使用して、ベクターに新しい要素 <code>'grape'</code> を追加しています。<code>displayNl</code> メソッドを使用して変更後のベクターを表示しています。 == メソッド == Selfでは、メソッド(method)はオブジェクトに対する振る舞いを定義する主要な手段です。メソッドはオブジェクトにメッセージが送信されたときに実行され、オブジェクトの状態を変更するか、結果を返します。以下に、Selfでメソッドを定義する基本的な構文を示します。 メソッドは、オブジェクトに対して<code>|</code>(パイプ)で始まり、<code>.</code>(ピリオド)で終わります。メソッドの中では、<code>self</code>キーワードを使用してオブジェクト自体を参照します。また、引数はメソッド名の後にコロンを続けて指定されます。 例えば、以下は簡単なメソッドの例です。 :<syntaxhighlight lang=text> | Point | Point := ( | x. y. | ). Point define: setX: [ :newX | x := newX. ]. Point define: setY: [ :newY | y := newY. ]. Point define: getX [ ^x. ]. Point define: getY [ ^y. ]. | p | p := Point copy. p setX: 10. p setY: 20. "メソッドの呼び出しと結果の表示" (p getX) displayNl. (p getY) displayNl. </syntaxhighlight> この例では、<code>Point</code>というオブジェクトを定義し、そのオブジェクトに対して<code>setX:</code>, <code>setY:</code>, <code>getX</code>, <code>getY</code>という4つのメソッドを定義しています。これらのメソッドは、それぞれx座標とy座標の設定と取得を行います。 なお、Selfではメソッドの実行はメッセージの送信を通じて行われるため、実際にはメッセージがオブジェクトに送信されることによってメソッドが呼び出されます。上記の例では、<code>setX:</code>や<code>getX</code>といったメッセージがオブジェクトに送信され、それに対応するメソッドが実行されています。 === 再帰 === Selfでは再帰をサポートしており、再帰的な関数やメソッドを記述することができます。以下に、Selfでの再帰の例を示します。この例では、階乗を計算する再帰的なメソッドを定義しています。 :<syntaxhighlight lang=text> "階乗を計算する再帰的なメソッド" | Factorial | Factorial := ( | factorial. | ). Factorial define: compute: [ :n | n <= 1 ifTrue: [ ^1. ] ifFalse: [ ^n * (self compute: (n - 1)). ]. ]. | result | result := (Factorial copy) compute: 5. result displayNl. </syntaxhighlight> この例では、<code>Factorial</code>というオブジェクトを定義し、その中に<code>compute:</code>という再帰的なメソッドを作成しています。このメソッドは引数 <code>n</code> が 1 以下の場合には 1 を返し、それ以外の場合には <code>n</code> と <code>(self compute: (n - 1))</code> の積を返します。このようにして、階乗を再帰的に計算しています。 例の最後で、<code>compute:</code>メソッドを呼び出して <code>5</code> の階乗を計算し、その結果を表示しています。この例は再帰の基本的な構造を示しており、Selfで再帰を利用する際の一般的なアプローチを理解するのに役立ちます。 == 継承 == Selfはプロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミングを採用しており、クラスとは異なる形で継承が実現されています。プロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミングでは、オブジェクトが別のオブジェクトをプロトタイプとして利用し、そのプロトタイプの振る舞いを共有します。 以下は、Selfでの継承の簡単な例です。 :<syntaxhighlight lang=text> | Shape Square | Shape := ( | x. y. | ). Shape define: moveTo: [ :newX :newY | x := newX. y := newY. ]. Square := (Shape copy) clone. Square define: setSide: [ :side | "Squareオブジェクトの新しいメソッド" self moveTo: (self getX) : (self getY). "親のメソッドを呼び出す" x := x + side. "新しい機能を追加" ]. | square | square := Square copy. square setSide: 5. (square getX) displayNl. "Squareオブジェクトは親のメソッドを利用" </syntaxhighlight> この例では、<code>Shape</code>というプロトタイプオブジェクトを定義し、<code>Square</code>というオブジェクトが<code>Shape</code>をクローンして作成されています。<code>Square</code>オブジェクトは新しいメソッド<code>setSide:</code>を定義していますが、同時に親オブジェクトである<code>Shape</code>のメソッド<code>moveTo:</code>も呼び出しています。 Selfでは、継承がプロトタイプをコピーし、新しいメソッドを追加することで実現されます。このプロトタイプベースのアプローチにより、動的で柔軟なオブジェクトの構築が可能になります。 {{コラム|SelfはSmalltalkの方言?|2=Selfは、Smalltalkと関連しているものの、厳密にはSmalltalkの方言ではありません。Selfは、Smalltalkに基づいており、Smalltalkの影響を受けながらも、独自のアイデアや概念を組み込んだ新しいオブジェクト指向プログラミング言語です。 Selfは、Smalltalkよりもプロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミングに焦点を当てています。プロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミングでは、新しいオブジェクトを既存のオブジェクトから複製して作成することが一般的です。一方で、Smalltalkはクラスベースのオブジェクト指向プログラミングを採用しています。 Selfは、Stanford大学での研究プロジェクトにおいて、Smalltalk-80から派生して開発されました。そのため、Smalltalkの基本的なアイデアや概念に影響を受けていますが、言語仕様や構文は異なります。特に、Selfではクラスやメタクラスの概念がなく、プロトタイプが中心となっています。 }} == 脚註 == <references /> [[Category:Self|*]] [[Category:プログラミング言語]] {{NDC|007.64}}
2024-01-19T03:15:20Z
2024-01-19T03:15:20Z
[ "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:コラム", "テンプレート:NDC" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Self
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シレット語
この本は豊かで魅力的なシロティ語に特化しています。 主にインドのシレット地域、バングラデシュ、そして世界中の離散コミュニティで話されているシロティ語は、長く多様な歴史を持つ独特のインド・アーリア語です。 このウィキ チュートリアルは、シロティ語の言語的特徴や歴史的発展から文化的重要性に至るまで、シロティ語の詳細な研究を提供することを目的としています。 あなたが言語愛好家であっても、シロチ語コミュニティのメンバーであっても、あるいは単にこの美しい言語に興味がある人であっても、このウィキブックはシロチ語を理解し学ぶための手段となります。 南アジアの隠された言語の宝の一つであるシロティ語の秘密を学ぶ旅に参加しましょう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この本は豊かで魅力的なシロティ語に特化しています。 主にインドのシレット地域、バングラデシュ、そして世界中の離散コミュニティで話されているシロティ語は、長く多様な歴史を持つ独特のインド・アーリア語です。 このウィキ チュートリアルは、シロティ語の言語的特徴や歴史的発展から文化的重要性に至るまで、シロティ語の詳細な研究を提供することを目的としています。 あなたが言語愛好家であっても、シロチ語コミュニティのメンバーであっても、あるいは単にこの美しい言語に興味がある人であっても、このウィキブックはシロチ語を理解し学ぶための手段となります。 南アジアの隠された言語の宝の一つであるシロティ語の秘密を学ぶ旅に参加しましょう。", "title": "" } ]
この本は豊かで魅力的なシロティ語に特化しています。 主にインドのシレット地域、バングラデシュ、そして世界中の離散コミュニティで話されているシロティ語は、長く多様な歴史を持つ独特のインド・アーリア語です。 このウィキ チュートリアルは、シロティ語の言語的特徴や歴史的発展から文化的重要性に至るまで、シロティ語の詳細な研究を提供することを目的としています。 あなたが言語愛好家であっても、シロチ語コミュニティのメンバーであっても、あるいは単にこの美しい言語に興味がある人であっても、このウィキブックはシロチ語を理解し学ぶための手段となります。 南アジアの隠された言語の宝の一つであるシロティ語の秘密を学ぶ旅に参加しましょう。
{| style="float:right" |- |{{Wikipedia|シレット語|シレット語}} |} この本は豊かで魅力的なシロティ語に特化しています。 主にインドのシレット地域、バングラデシュ、そして世界中の離散コミュニティで話されているシロティ語は、長く多様な歴史を持つ独特のインド・アーリア語です。 このウィキ チュートリアルは、シロティ語の言語的特徴や歴史的発展から文化的重要性に至るまで、シロティ語の詳細な研究を提供することを目的としています。 あなたが言語愛好家であっても、シロチ語コミュニティのメンバーであっても、あるいは単にこの美しい言語に興味がある人であっても、このウィキブックはシロチ語を理解し学ぶための手段となります。 南アジアの隠された言語の宝の一つであるシロティ語の秘密を学ぶ旅に参加しましょう。 [[File:Sylheti in Sylheti Nagari script - example.svg|centre|300px]] == 音韻論 == {|class="wikitable" style="margin:auto"; | [[File:SYLOTI NAGRI LETTER A.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER I.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER U.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER E.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER O.svg|50px]] |- ! /a/ !! /i/ !! /ʊ/ !! /ɛ/ !! /ɔ/ |} {|class="wikitable" style="margin:auto"; |- | [[File:SYLOTI NAGRI VOWEL SIGN A.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI VOWEL SIGN I.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI VOWEL SIGN U.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI VOWEL SIGN E.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI VOWEL SIGN OO.svg|50px]] |- ! /a/ !! /i/ !! /ʊ/ !! /ɛ/ !! /ɔ/ |} {|class="wikitable" style="margin:auto"; | [[File:SYLOTI NAGRI LETTER KO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER KHO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER GO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER GHO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI SIGN ANUSVARA.svg|50px]] |- ! /xɔ/ !! /xɔ́/ !! /ɡɔ/ !! /ɡɔ́/ !! /ŋɔ/ |- | [[File:SYLOTI NAGRI LETTER CO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER CHO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER JO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER JHO.svg|50px]] || |- ! /sɔ/ !! /sɔ́/ !! /zɔ/ !! /zɔ́/ !! |- | [[File:SYLOTI NAGRI LETTER TTO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER TTHO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER DDO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER DDHO.svg|50px]] || |- ! /ʈɔ/ !! /ʈɔ́/ !! /ɖɔ/ !! /ɖɔ́/ !! |- | [[File:SYLOTI NAGRI LETTER TO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER THO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER DO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER DHO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER NO.svg|50px]] |- ! /t̪ɔ/ !! /t̪ɔ́/ !! /d̪ɔ/ !! /d̪ɔ́/ !! /nɔ/ |- | [[File:SYLOTI NAGRI LETTER PO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER PHO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER BO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER BHO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER MO.svg|50px]] |- ! /fɔ/ !! /fɔ́/ !! /bɔ/ !! /bɔ́/ !! /mɔ/ |- | [[File:SYLOTI NAGRI LETTER RO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER LO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER RRO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER SO.svg|50px]] || [[File:SYLOTI NAGRI LETTER HO.svg|50px]] |- ! /ɾɔ/ !! /lɔ/ !! /ɽɔ/ !! /ʃɔ/ !! /ɦɔ/ |} [[Category:語学の書庫|シレット語]]
2024-01-19T23:51:42Z
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[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E8%AA%9E
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低水準プログラミング
この教科書は、コンピューターシステムの基本的な構成要素であるオペレーティングシステムに焦点を当てています。読者には、プロセス管理、メモリ管理、ファイルシステム、デバイス管理、セキュリティ、ケーパビリティ、プロセス間通信など、幅広いトピックを網羅的に理解することが期待されます。オペレーティングシステムがシステムの安定性、効率性、およびセキュリティに与える影響を考察し、現代のコンピューティング環境において不可欠な役割を果たしていることを強調します。著者は基本的な概念をわかりやすく説明し、実際のシステムに対する応用に焦点を当てています。この教科書は、学生、研究者、そしてプロフェッショナルがオペレーティングシステムの理論と実践を深く理解し、実用的なスキルを磨くための道しるべとなることを意図しています。 現代社会において、コンピューターシステムは我々の日常生活やビジネス活動において不可欠な存在となっています。この章では、コンピューターシステムの根幹をなす基本構成要素に焦点を当て、その洗練された構造が如何にして機能するかを探求します。 プロセッサ、メモリ、デバイスなどのハードウェアは、コンピューターシステムの根幹をなす要素であり、計算とデータ処理の基盤を提供しています。プロセッサは高度な演算能力を有し、プログラムの実行やデータ処理を担当します。メモリは、プロセッサが効率的にアクセスできるようにデータや命令を一時的に保持し、効率的な処理を支えます。デバイスは、入出力を制御し、外部機器との連携を担当します。これらのハードウェアコンポーネントが連携することで、コンピューターシステムは多様なタスクを遂行し、我々の日常生活に欠かせない存在となっています。 ソフトウェアは、ハードウェアを効果的に制御し、様々なタスクを実行します。オペレーティングシステムは、ハードウェア資源を管理し、アプリケーションソフトウェアが効果的に動作する環境を提供します。アプリケーションソフトウェアは、ユーザーのニーズに合わせて機能し、データの処理や情報の提供などを行います。ソフトウェアの協力により、ユーザーエクスペリエンスが向上し、リソースが最適に利用されます。 ネットワーク技術や通信プロトコルは、異なるコンピューターシステム同士を結びつけ、情報の共有と連携を可能にします。これにより、データの移動やリモートアクセスが実現され、情報社会の基盤を支えています。通信機構によって、地理的な制約を超えてリソースや情報を利用できるようになり、グローバルなコネクティビティが形成されます。これらの要素が緊密に連携し、複雑な機能を実現しているコンピューターシステムの進化を探求します。 オペレーティングシステム(OS)は、コンピューターシステムにおいて不可欠な仲介者としての役割を果たしています。その基本的な役割は多岐にわたり、コンピュータの効率的な運用とユーザーエクスペリエンスの向上を担保します。この節では、オペレーティングシステムが果たす主要な役割に焦点を当て、その進化と歴史的変遷を明らかにします。 オペレーティングシステムはその発展の中で、様々な進化と挑戦に直面してきました。時代とともに変わる技術や要件に順応し、新たな機能やアーキテクチャが取り入れられてきました。 以下はその進化の一端を探るものです。 これらの進化と挑戦は、オペレーティングシステムが未来の技術とニーズに対応し続けるための基盤となっています。将来的な展望では、人工知能、量子コンピューティング、エッジコンピューティングなどが新たな課題となり、オペレーティングシステムはこれらの分野においてどのように進化していくかが注目されています。 オペレーティングシステムの理解には、複数の基本的な概念や用語への理解が欠かせません。これらの用語の統一的な理解が、後の章で深化する知識の基盤となります。 これらの基本的な概念と用語への理解が、オペレーティングシステムにおけるさまざまな機能やメカニズムを理解する上での出発点となります。深い知識の構築に向けて、これらの概念を綿密に理解していきましょう。 プロセスは、コンピュータシステム内で実行されるプログラムの実行単位です。それはプログラムのコード、データ、実行状態など、実行に必要な情報を含みます。プロセスには一意のプロセスIDが割り当てられ、オペレーティングシステムはこれらのプロセスを管理し、リソースの割り当てや制御を担当します。 プロセスのスケジューリングと管理 プロセスのスケジューリングは、複数のプロセスが競合する場合に、どのプロセスを優先して実行するかを決定する仕組みです。スケジューリングアルゴリズムは、公平性、優先度、待ち時間などの要因を考慮して、効率的かつ公正なリソース利用を実現します。オペレーティングシステムはまた、プロセスの生成、終了、中断などを管理し、メモリやCPUの効率的な利用を促進します。 複数のプロセスが同時に実行される際に、これらのプロセスが協調して動作するためには、プロセス同期と通信が必要です。同期は、プロセス間での相互の進捗状況を合わせ、競合状態やデータ不整合を防ぎます。通信は、プロセス間でデータを受け渡し、情報を共有するための仕組みです。これにより、連携してタスクを達成することが可能となります。 オペレーティングシステムは、異なるプロセス間でデータを共有し、同期を図るためにさまざまな機構を提供します。共有メモリ、パイプ、メッセージキュー、セマフォ、モニタなどがその例です。これらの機構を適切に使用することで、プロセス間の協調動作やデータの安全な受け渡しが可能となります。 プロセス管理はオペレーティングシステムの中核的な機能であり、効率的で安定したシステム運用を支えます。各概念や機構の理解は、システム設計やプログラミングにおいて重要です。 BSD Socket(Berkeley Software Distribution Socket)は、ネットワーク通信のためのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)です。BSD UNIXオペレーティングシステムにおいて開発され、後に標準的なネットワークプログラミングのインターフェースとして多くのオペレーティングシステムで採用されました。BSD Socketは、ソケットを用いてプロセス間通信やネットワーク通信を実現するための機能を提供します。 BSD UNIXではSocketを使ってパイプなどのIPC(プロセス間通信)も再実装されました。BSD UNIXが開発された際、Socketを通じたネットワーク通信だけでなく、プロセス間通信の手段としてもSocketが利用され、パイプなどが再構築されました。 BSD Socket APIはその後、SystemVを含む多くのUNIX系オペレーティングシステムに採用され、ネットワークとIPCの両方で幅広く使用されるようになりました。 SystemV STREAMS(StreamS)は、UNIX System Vオペレーティングシステムで導入された通信機構です。STREAMSは、モジュール化された通信プロトコルスタックを提供し、柔軟で効率的なデータの受け渡しを可能にします。これは、プロセス間通信やデバイス制御において、標準的なインターフェースとして使用されました。 STREAMSはUNIXの派生版や一部の商用UNIXオペレーティングシステムでサポートされています。 オペレーティングシステムのメモリ管理は、コンピュータのメモリ資源を効果的に管理する仕組みです。これにより、複数のプログラムが同時に実行され、物理メモリを適切に利用できます。メモリ管理はプロセスの割り当てや解放、ページング、セグメンテーション、仮想メモリの導入などを含み、システムの安定性と性能を確保します。 メモリ管理は、コンピューターシステムにおける重要な側面であり、メモリは階層的な構造を有しています。この階層には、コンピュータがデータを処理する際に使用される異なるタイプのメモリが含まれます。最も高速で直接アクセス可能なのがレジスタであり、次にキャッシュ、主記憶(RAM)、そして補助記憶(ハードディスクなど)が続きます。この章では、各メモリ階層がどのように機能し、効果的に管理されるかを探求します。 レジスタはCPU内部にあり、非常に高速でありながらも容量が非常に小さいため、プロセッサが即座にアクセスできるデータを格納します。キャッシュは主記憶とプロセッサ間のデータ転送を高速化するための中間的なメモリであり、主記憶はプロセッサが直接アクセスする大容量のメモリです。補助記憶は永続的なデータの保存やプログラムの読み込みに用いられます。 仮想記憶は、主記憶装置と補助記憶装置から構成される記憶領域であり、補助記憶装置を安価で大容量のデバイスとして使用することで、プログラマが仮想記憶上で大容量の主記憶装置が実装されているかのようにプログラミングを行うことができる概念です。 ページングとセグメンテーションは、仮想記憶の管理手法であり、物理メモリの効率的な利用を目指しています。 ページングでは、メモリを固定サイズのページに分割し、プログラムの実行に必要なページだけを動的に読み込みます。これにより、物理メモリの空間が節約され、必要なページだけが物理メモリに配置されます。ページングは、デマンドページングの手法を使用し、プロセスがアクセスしようとするページが物理メモリに存在しない場合にページフォルトが発生し、必要なページが動的に読み込まれます。 一方、セグメンテーションでは、プログラムを論理的なセグメントに分割し、必要なセグメントだけを物理メモリに読み込むことでメモリを効果的に利用します。各セグメントは論理的なまとまりを持ち、柔軟なメモリ管理が可能です。 これらの手法は、コンピュータシステムのメモリ管理において重要であり、効率的なリソース利用と性能向上に寄与しています。 仮想記憶は、物理メモリを補完するための概念であり、プロセスにとっては拡張されたメモリ空間を提供します。通常、プロセスは必要なだけのメモリを仮想的に確保できるため、物理メモリよりも広範なメモリアクセスが可能です。しかし、すべての仮想記憶が物理メモリに常時格納されているわけではありません。 ページフォルトは、プログラムが物理メモリにアクセスしようとした際に発生します。もし必要なページが物理メモリに存在しない場合、オペレーティングシステムはページフォルトを検知し、必要なページをディスクや他の補助記憶装置から読み込みます。これにより、物理メモリの限られたスペースに必要なページだけを動的に配置することが可能となります。 ページフォルトのハンドリングは、仮想記憶の有効活用と効率的なメモリ使用を実現します。オペレーティングシステムは必要なページを要求された時点で読み込むため、大きなプログラムやデータセットを処理する際にも物理メモリを効果的に活用できます。 デマンドページング方式の仮想記憶は、ページングとPMMU(Paged Memory Management Unit)との連携によって実現されます。 以下に、その仕組みについて簡単に説明します。 プロセスが初めてアクセスしようとするメモリ領域に対して、そのページが物理メモリに存在しない場合にページフォルトが発生します。ページフォルトが発生すると、オペレーティングシステムは必要なページを補完的に物理メモリに読み込みます。 仮想記憶、デマンドページング、PMMUが組み合わさることで、大容量の仮想メモリを有効に利用しながら、物理メモリを必要に応じて動的に確保し、効率的にプロセスを実行することが可能となります。 仮想記憶の実装には、デマンドページングとPMMU以外にもいくつかのアプローチが存在します。以下に、その一部を紹介します。 これらの手法は、システムの要件や特性によって異なる利用があり、適切な組み合わせが選択されます。 初期の仮想記憶の実装例として、Atlasコンピュータが挙げられます。Atlasは、1960年代初頭にイギリスのマンチェスター大学で開発された大型のコンピュータシステムで、仮想記憶の概念を実現しました。Atlasの仮想記憶システムは、当時のコンピュータシステムと比較して先進的で、ページング・ページテーブル・プロセス間の分離などの特徴がありました。 {{See|[[#Atlas Supervisor (1962)}}}} Atlasの仮想記憶システムは、その後のコンピュータアーキテクチャの発展に影響を与え、ページングや仮想記憶の考え方が広く受け入れられる基盤を築きました。 MULTICS(Multiplexed Information and Computing Service)は、仮想記憶を採用した初期の商用オペレーティングシステムの一つです。MULTICSは、General Electric(GE)、Bell Labs(AT&T)、およびMIT(Massachusetts Institute of Technology)の共同開発プロジェクトとして始まり、GE-645メインフレームコンピュータ上で動作しました。 MULTICSは、セキュリティや拡張性の向上を含む様々な革新的な機能を持っていましたが、その中でも特に注目されたのが仮想記憶の導入でした。MULTICSの仮想記憶は、物理メモリよりも大きな仮想メモリ空間をプログラムに提供し、必要な部分だけを物理メモリに配置することで、大規模なプログラムや複数のプロセスを同時に実行できるようになりました。 MULTICSの仮想記憶は、ページングとセグメンテーションを組み合わせた方式を採用していました。これにより、プログラムやデータを効率的に管理し、ユーザーに対して広い仮想アドレス空間を提供できました。MULTICSの仮想記憶は、その後のオペレーティングシステムにおける仮想記憶の発展に影響を与えました。 商用で最初に導入された仮想記憶システムの一つは、IBMの「System/360 Model 67」が含まれます。このシステムは、1966年に導入されました。System/360 Model 67は、プログラムが物理メモリに収まりきらなくても実行できるようにするために、仮想記憶の概念を採用していました。 System/360 Model 67の仮想記憶システムは、プログラムが実際の物理メモリよりも大きなサイズであっても実行でき、必要な部分だけを物理メモリに読み込む仕組みを持っていました。これにより、大規模で複雑なプログラムを効率的に実行できるようになりました。 メモリ保護は、プロセスがメモリを読み書きできるかどうかを管理します。アクセス権の設定やセグメンテーションにおけるセグメント保護など、様々な手法が存在します。これらの手法により、オペレーティングシステムはプロセスが正しくメモリにアクセスできるように制御します。 アクセス権は通常、読み取り専用、読み書き可能、実行可能などの形式で指定され、各プロセスが必要な権限を持つかどうかを管理します。セグメンテーションにおいては、各セグメントに対して保護フラグが設定され、プロセスはそれに基づいてメモリへのアクセスを制御します。これにより、異なるプロセスがお互いのメモリを不正にアクセスすることを防ぎ、システム全体のセキュリティを確保します。 以下は、OSのメモリ管理に関連する用語の一覧です。 オペレーティングシステムのファイルシステムは、データを整理して保存する仕組みです。ファイルやディレクトリを階層的に管理し、アクセスや保護機能を提供します。これにより、ユーザーはデータを構造的に保存・取得でき、プログラムやシステムが必要な情報にアクセスできます。ファイルシステムはデータの整合性と永続性を保ち、効率的なデータ管理を実現します。 オペレーティングシステムのデバイス管理は、コンピュータ内外のハードウェアデバイスとの効率的な通信を担当します。デバイスドライバを介し、異なるデバイスとのインタラクションを標準化し、アプリケーションやユーザーがハードウェアを利用できるようにします。デバイス管理はデバイスの初期化、資源割り当て、エラーハンドリングなどを通じてシステムの正確かつ円滑な動作を確保します。 オペレーティングシステムのセキュリティは、機密性、整合性、可用性を保護し、不正なアクセスからシステムを守ります。一方で、ケーパビリティはユーザーやプロセスが持つ権限や操作可能な範囲を制御し、機能の適切な利用を促進します。セキュリティとケーパビリティの統合は、システム全体の信頼性と安定性を確保します。 オペレーティングシステムのプロセス間通信(IPC)は、プロセス間で情報をやり取りするメカニズムで、共有メモリやメッセージパッシングなどが利用されます。ネットワーキングは、複数のシステムが通信してリソースを共有し、分散処理やデータ交換を可能にします。これらはオペレーティングシステムが異なるプロセスやシステム間で効果的なコミュニケーションをサポートする重要な機能です。 オペレーティングシステムの実装と最適化は、カーネルの構造や設計、システムコールとAPIの効果的な提供、パフォーマンス向上と最適化の手法を含みます。カーネルはOSの中核で、システムコールやAPIはユーザーとOSのやり取りを制御します。最適化は効率的な動作やリソース利用を追求し、高いパフォーマンスを実現します。 ここからは、実在のオペレーティングシステムを題材に、その設計と実装について解説します。 Atlas Supervisorは、Manchester Universityで開発された世界初のバッチ処理オペレーティングシステムの一つです。 Atlasコンピュータ向けに設計され、当初は並列処理やリアルタイム処理をサポートしていました。以下に、Atlas Supervisorが提供していた主な機能について見ていきましょう。 Atlas Supervisorは当時のハードウェアと調和して、計算機利用の合理性を追求した先進的なオペレーティングシステムであり、その後のオペレーティングシステムの発展に影響を与えました。 MIT(マサチューセッツ工科大学)で開発されたCTSSは、1961年に初めて導入されたオペレーティングシステムの一つで、仮想記憶の概念を取り入れていました。これにより、複数のユーザーが同時にメインフレームを使用できるようになりました。 IBM System/360 Model 67は、セグメンテーションとページングを組み合わせた仮想記憶をサポートしたメインフレームコンピュータでした。これにより、大規模な科学計算やビジネスアプリケーション向けに柔軟で効率的なメモリ管理が可能となりました。 MULTICSは、ベル研究所、MIT、およびゼネラル・エレクトリック(GE)が共同で開発したオペレーティングシステムで、セグメンテーションとページングを採用し、仮想記憶の概念を拡張しました。MULTICSのアイディアは後にUNIXに影響を与えました。 MULTICSはUNIXに影響を与えた重要な要因の一つとされています。MULTICSプロジェクトに携わっていたKen Thompson、Dennis Ritchie、そしてその他の開発者たちが、MULTICSの経験から得た教訓を元に新しいオペレーティングシステムであるUNIXを開発しました。 UNIXは、MULTICSよりもシンプルで軽量な設計を持っており、小規模なマシンでも動作可能でした。MULTICSでの経験がUNIXの設計に影響を与え、シェル、ファイルシステム、プロセス管理などの概念が引き継がれました。UNIXは1970年代から広く普及し、その後のオペレーティングシステムの発展に大きな影響を与えました。 UNIXがMULTICSから模倣または影響を受けた具体的な機能や概念はいくつかあります。 以下はその一部です: これらの機能や概念は、UNIXがMULTICSの経験から学びながら独自のアプローチで実装され、UNIXが普及する一因となりました。 これらの「UNIXらしさ」と言われる特徴は、MULTICSから影響を受けいますが、UNIXの仮想記憶システムは、MULTICSからの直接の影響は受けていません。UNIXの仮想記憶は、主にKen ThompsonとDennis Ritchieによる独自の設計に基づいています。UNIXが登場した時点では、コンピュータの物理メモリが非常に限られていたため、仮想記憶が導入されました。 MULTICSとUNIXの時代背景を考えると、MULTICSの影響は他の要素に比べて相対的に小さかったと言えます。UNIXは小型でリソースが限られたマシン上で動作することを重視し、シンプルで効率的な設計を採用しました。UNIXの仮想記憶の実装は、MULTICSの大規模かつ複雑な設計からは逸脱しています。 UNIXは、ベル研究所で開発されたオペレーティングシステムで、Ken Thompson、Dennis Ritchie、およびチームによって生み出されました。シンプルで柔軟な設計を持ち、C言語で記述されたことが特徴です。UNIXは、マルチユーザー、マルチタスク、およびポータブル性を重視し、その後のオペレーティングシステムの基盤となりました。 OS-9は、Microware Systems Corporationが開発したリアルタイムオペレーティングシステムで、主に組み込みシステムや産業制御などの用途で利用されました。モジューラ設計を採用しています。8ビットプロセッサであるMC6809をターゲットとしましたがOS-9レベルIIでは仮想記憶をサポートしました。 Machは、カーネギーメロン大学で開発されたマイクロカーネルベースのオペレーティングシステムで、仮想メモリやマルチプロセッシングをサポートしています。Machは、そのマイクロカーネルアーキテクチャから派生して、GNU/Hurdなどのプロジェクトに影響を与えました。 OS/2は、IBMとマイクロソフトが共同で開発したオペレーティングシステムで、当初はPC向けに開発されました。マルチタスク、マルチスレッド、およびGUIサポートを提供し、Windowsとの互換性も備えていましたが、後にWindows NTに取って代わられました。 Windows NTは、マイクロソフトが開発した32ビットのオペレーティングシステムで、企業向けに設計されました。安定性、セキュリティ、ネットワーキングの向上を重視し、Windowsファミリーの基盤となりました。 Windows 2000やXPなどのバージョンがこれを基にしています。 本書を読むには予備知識としてアセンブラの知識と、X86系CPUのレジスタなどのアーキテクチャの知識が必要である。 一般的にプログラミングにおいて、ハードウェアの制御は、コンパイラが対応していない命令(特権命令やIO命令など)はアセンブリ言語で記述する事になる。 もし知らなければwikibooks記事『X86アセンブラ』などで解説してある。特に『X86アセンブラ/GASでの文法』『X86アセンブラ/x86アーキテクチャ』『X86アセンブラ/x86アセンブラ』では初心者むけに説明してある。 本書では触れてないが「カーネル」とか「ユーザランド」とかの用語についてはwikibooks『高等学校工業/ソフトウェア技術』などで触れてある。 本書はタイトルが今のところは「オペレーティングシステム」だが、実際はコンピュータアーキテクチャ理論やデジタル回路理論など低レイヤーの理論や実務的知識が混在したものになっている(あとで整理する)。大学の科目の分類が縦割りのタコツボ・時代おくれで、全体像が分かりづらいので、予定では、今後の構成でも、意識的にコンピュータアーキテクチャなど関連分野の説明を、整理後にも、ある程度は残しておく予定。 なのでOSと言うタイトルなのにマイコンCPU(Z80など)にも触れているという状況である。 オペレーティングシステムは、ユーザーがハードウェアレベルのプログラミングをする必要をなくし、パソコンをより使いやすくするために設計されています。UEFIを使用する場合、起動時にUEFIファームウェアがハードウェアを初期化し、UEFIブートローダーを使用してオペレーティングシステムを起動します。デバイスドライバは、オペレーティングシステム開発者が自分で作成する必要があります。 BIOSは古くから使われてきたブートストラップ方式で、起動時にハードウェアを初期化し、オペレーティングシステムを起動していました。しかし、BIOSにはいくつかの制限があり、セキュリティや機能性の向上が必要とされるようになりました。そのため、UEFIが開発され、BIOSからUEFIに移行することが決定されました。UEFIは、より高度なセキュリティ機能、拡張性、性能の向上など、多数の利点を提供しています。現在、多くのPCはUEFIを使用しており、BIOSよりも優れたブートストラップ方式として認められています。 ここでは、歴史的な経緯を紹介するためBIOSにも言及します。 PCに電源を入れた瞬間から順に、以下のようなプロセスが起こります。 UEFI/GPTの場合、PCに電源を入れた瞬間から順に、以下のようなプロセスが起こります。 UEFI/GPTの場合は、UEFIがBIOSよりも高度な機能を提供するため、より高速で信頼性の高いブートプロセスを提供します。 また、GPTはMBRよりも多数のパーティションをサポートし、パーティションのサイズ制限も緩和されます。 BIOSとUEFIは、システムの初期化やブートプロセスに必要なハードウェア情報の取得と管理を行うために、メモリマップを使用します。以下に、BIOSとUEFIのメモリマップの違いを説明します。 UEFIのメモリマップは、より柔軟性があり、より高度な機能を提供します。UEFIは、物理メモリのアドレッシングやデバイスドライバの管理により高度な機能を提供するため、BIOSよりも多数のOSに対応することができます。また、UEFIのメモリマップは、UEFIサービスを介して、システムの状態の取得や変更を行うことができるため、BIOSよりも柔軟性があります。 BIOSとUEFIは、ハードウェアの初期化やオペレーティングシステムの起動など、システムのブートプロセスに必要なタスクを実行するために、割り込みを使用します。以下に、BIOSとUEFIの割り込みの違いを説明します。 U EFIの割り込みは、BIOSと比較して、より高度な機能を提供することができます。UEFIは、C言語で書かれたサービスを呼び出すことによって、より高度な機能を提供できます。これにより、UEFIは、BIOSよりも柔軟性があり、より多数のオペレーティングシステムやアプリケーションに対応することができます。 UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、従来のBIOS(Basic Input/Output System)に代わる新しいファームウェア規格です。 UEFIは、従来のBIOSに比べていくつかの優れた機能を提供しています。本稿では、UEFIがなぜ必要になり、何が優れているのかについて説明します。 [UEFIとは何か、従来のBIOSとの違いは何かについて簡単に説明します。] UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、コンピュータの起動時に実行されるファームウェア規格です。従来のBIOS(Basic Input/Output System)に代わるものとして開発されました。BIOSは、1970年代に開発され、コンピュータの起動時に必要な基本的なハードウェア設定や起動ドライブの選択を行うために使用されていました。しかし、BIOSは時代遅れになり、UEFIが開発されるようになりました。 UEFIは、BIOSに比べて多数の優れた機能を提供しています。セキュリティ機能が強化されており、悪意のあるソフトウェアをブロックすることができます。拡張性が高く、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、機能追加が容易になっています。起動時間の短縮や大容量ストレージのサポート、グラフィカルインターフェイスの向上なども特徴的です。 従来のBIOSは、16ビットのアセンブリ言語で開発されており、拡張性が低かったため、UEFIは64ビットのC言語で開発されました。また、UEFIはBIOSよりも起動時間が短く、セキュリティ面でも優れているため、現代のコンピュータに必要な要件を満たすようになっています。 UEFIは、現代のコンピュータにとって欠かせない規格となっています。UEFIの普及により、コンピュータの起動時間が短くなり、セキュリティや機能性も向上するとともに、グラフィカルインターフェイスによってユーザーエクスペリエンスも向上しています。 [UEFIは、セキュリティ機能が強化されています。Secure BootやUEFI Secure Flashなど、UEFIにはセキュリティ機能が多数実装されています。これらの機能は、コンピュータの起動時に悪意のあるソフトウェアをブロックすることができます。] UEFIのセキュリティ機能の一つであるSecure Bootは、UEFIファームウェアが起動する前に、署名されたオペレーティングシステムやドライバーを認証することができます。これにより、起動時に悪意のあるソフトウェアが起動するのを防止し、システムのセキュリティを高めることができます。Secure Bootは、UEFIの機能の中でも特に重要なセキュリティ機能であり、WindowsやLinuxなどのオペレーティングシステムでもサポートされています。 また、UEFI Secure Flashは、UEFIファームウェアを保護する機能です。これにより、UEFIファームウェアが偽造されたり、マルウェアに感染したりすることを防止することができます。UEFI Secure Flashは、UEFIファームウェアの更新時にも役立ちます。署名されたファームウェアを使用することで、正当な更新プログラムであることを確認し、システムを保護することができます。 さらに、UEFIにはTrusted Platform Module(TPM)と呼ばれるセキュリティチップをサポートすることができます。TPMは、コンピュータに組み込まれた暗号キーを使用し、システムのセキュリティを強化するための機能です。TPMは、セキュリティに特に敏感な企業や政府機関などで広く使用されています。 TPMは、Windows 11 から必須要件となっています。 以上のように、UEFIはセキュリティ面でも優れた機能を提供しています。これらの機能により、悪意のあるソフトウェアからコンピュータを保護し、ユーザーの個人情報や重要なデータを守ることができます。 [UEFIは、BIOSよりも拡張性が高いです。UEFIは、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、従来のBIOSよりも機能追加が容易になっています。] UEFIの拡張性は、従来のBIOSと比べて大幅に向上しています。UEFIは、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、従来のBIOSよりも機能追加が容易になっています。これにより、UEFIのファームウェアに新しい機能を追加することができ、コンピュータの機能を拡張することができます。 また、UEFIはファームウェアに対して、エクステンシブル・ファームウェア・インターフェース(EFI)と呼ばれる標準インターフェースを提供します。このインターフェースは、ハードウェアとソフトウェアの間の橋渡しを行う役割を果たし、システムの拡張性を高めることができます。EFIは、ドライバーやアプリケーションが互換性のある方法でインストール、実行されることを保証することができます。 さらに、UEFIは、ファームウェアを実行するプラットフォーム上で動作するアプリケーションのためのフレームワークを提供することができます。これにより、ファームウェア上で直接アプリケーションを実行することができ、オペレーティングシステムが起動する前に必要な処理を行うことができます。UEFIアプリケーションは、UEFIの拡張性を高め、システム管理やユーティリティなどの機能を提供することができます。 以上のように、UEFIは、従来のBIOSよりも拡張性が高く、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、機能追加が容易になっています。さらに、UEFIはEFIやUEFIアプリケーションの提供により、システムの拡張性を高めることができます。 アーキテクチャ非依存のドライバとは、特定のCPUアーキテクチャに依存せず、複数のアーキテクチャに対応できるドライバのことです。これは、コンピュータのハードウェアが異なる場合でも、同じドライバを使用できるため、ドライバの開発や管理が簡素化され、互換性の向上につながります。 UEFIにおいても、アーキテクチャ非依存のドライバが使用されています。これらのドライバは、EDK II(EFI Development Kit II)に含まれており、プラットフォームのアーキテクチャに関係なく、UEFI上で動作することができます。 また、UEFIのアーキテクチャ依存のドライバと同様に、アーキテクチャ非依存のドライバもUEFIのドライバモデルに基づいて開発されています。UEFIのドライバモデルは、PEI(Pre-EFI Initialization)フェーズ、DXE(Driver Execution Environment)フェーズ、BDS(Boot Device Selection)フェーズ、そしてランタイムフェーズの4つのフェーズに分かれており、それぞれのフェーズで必要なドライバがロードされます。アーキテクチャ非依存のドライバは、これらのフェーズのうち、DXEフェーズでロードされます。 [UEFIは、BIOSよりも高速な起動時間を実現します。UEFIは、従来のBIOSに比べて、メモリの管理が効率的であるため、起動時間を短縮できます。] UEFIは、BIOSよりも高速な起動時間を実現することができます。これは、UEFIが従来のBIOSに比べて、メモリの管理が効率的であるためです。UEFIは、BIOSと比べて、より多くのメモリをサポートすることができます。また、UEFIは、メモリ管理において、従来のBIOSよりも優れたアルゴリズムを採用しています。これにより、起動時のメモリ管理がより効率的に行われ、起動時間が短縮されます。 さらに、UEFIは、ブートローダーの読み込みにおいても優れた性能を発揮します。UEFIは、従来のBIOSよりも大きなディスク容量をサポートしており、UEFIファームウェアによるブートローダーの読み込み速度が速いため、起動時間を短縮することができます。 また、UEFIは、ファームウェアにおいて、並列処理を採用することができます。これにより、UEFIは、複数のタスクを同時に処理することができます。従来のBIOSでは、タスクを順次処理する必要がありましたが、UEFIでは、並列処理により、タスクを同時に処理することができるため、起動時間が短縮されます。 以上のように、UEFIは、BIOSよりも高速な起動時間を実現することができます。これは、UEFIがメモリの管理が効率的であり、ブートローダーの読み込みにおいても優れた性能を発揮するためです。さらに、UEFIは、並列処理を採用することができるため、起動時間を短縮することができます。 [UEFIは、BIOSよりも大容量ストレージのサポートが容易です。UEFIは、GUID Partition Table(GPT)をサポートしているため、2TB以上のHDDやSSDなどの大容量ストレージをサポートすることができます。] UEFIは、BIOSよりも大容量ストレージのサポートが容易です。UEFIは、GUID Partition Table(GPT)をサポートしており、2TB以上のHDDやSSDなどの大容量ストレージをサポートすることができます。 従来のBIOSでは、Master Boot Record(MBR)を使用していたため、2TB以上のストレージをサポートすることができませんでした。MBRは、512バイトのサイズ制限があるため、2TB以上のストレージを使用する場合には、パーティションを複数に分割する必要がありました。しかし、UEFIは、GPTをサポートしているため、2TB以上のストレージを単一のパーティションとして認識することができます。これにより、大容量ストレージの管理が容易になり、ストレージの最適化がより簡単になります。 また、UEFIは、多くのストレージデバイスに対して、より高度な機能をサポートすることができます。UEFIは、Advanced Host Controller Interface(AHCI)やNVMeなどの高度なストレージインターフェースをサポートしており、SSDなどの高速なストレージデバイスの性能を最大限に引き出すことができます。 以上のように、UEFIは、BIOSよりも大容量ストレージのサポートが容易であるため、2TB以上のHDDやSSDなどの大容量ストレージをサポートすることができます。また、UEFIは、高度なストレージインターフェースをサポートすることができるため、ストレージデバイスの性能を最大限に引き出すことができます。 [UEFIには、BIOSよりも優れたグラフィカルインターフェイスがあります。これにより、BIOSよりも視覚的な操作が可能になり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。] UEFIには、BIOSよりも優れたグラフィカルインターフェイスがあります。従来のBIOSは、文字ベースのインターフェイスを使用しており、操作が限定されていました。しかし、UEFIは、グラフィカルインターフェイスを使用することができます。これにより、視覚的な操作が可能になり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。 UEFIのグラフィカルインターフェイスは、通常、マウスやタッチパッドを使用して操作することができます。また、キーボードでも操作することができます。グラフィカルインターフェイスを使用することで、UEFIの設定や構成をより簡単に行うことができます。また、グラフィカルインターフェイスを使用することで、BIOSよりも視覚的な情報を提供することができます。 さらに、UEFIのグラフィカルインターフェイスは、スクリーンリーダーや拡張性の高いアシスト技術をサポートすることができます。これにより、視覚障害者などのユーザーでも、UEFIを使用することができます。 以上のように、UEFIには、BIOSよりも優れたグラフィカルインターフェイスがあります。グラフィカルインターフェイスを使用することで、UEFIの設定や構成をより簡単に行うことができ、視覚的な情報を提供することができます。また、スクリーンリーダーや拡張性の高いアシスト技術をサポートすることができるため、視覚障害者などのユーザーでもUEFIを使用することができます。 UEFI Shellとは、UEFIベースのシステムにおいて、UEFIファームウェアが提供するコマンドラインシェルのことです。UEFI Shellは、UEFIファームウェアによって提供される機能の一部であり、ユーザーがUEFIファームウェアを直接制御することができます。 UEFI Shellは、UEFIファームウェアによって提供されるため、UEFIベースのシステムにはすべて搭載されています。UEFI Shellは、UEFIの拡張性の高さを示す代表的な例であり、ドライバーやアプリケーションをシェルに統合することができます。また、UEFI Shellは、UEFIのセキュリティ機能を使用してシステムのセキュリティを確保することもできます。 UEFI Shellは、UEFIベースのシステムの設定やデバッグ、トラブルシューティングなどに使用されます。ユーザーは、UEFI Shellを使用して、ストレージデバイスの操作、ファイルシステムの操作、ネットワークの設定などを行うことができます。UEFI Shellは、コマンドラインインターフェースを提供するため、一般的なコマンドやスクリプトを使用してタスクを自動化することもできます。 UEFI Shellは、UEFIの機能を理解するために必要な知識を持つエンジニアや開発者にとって、非常に便利なツールです。UEFI Shellを使用することで、システムの動作やパフォーマンスを最適化することができます。 UEFIは、ネットワークブートに必要なプロトコルとサービスを提供することにより、ネットワークサポートを強化しています。UEFIネットワークスタックには、以下のようなプロトコルやサービスが含まれています。 UEFIのネットワークサポートは、OSに依存しないため、UEFI自体がネットワーク接続を確立でき、ネットワーク上のリソースにアクセスできることを意味しています。これにより、ネットワーク上のリモートサーバーからOSをブートすることができます。 UEFIは、複数のファイルシステムをサポートしており、主要なものとしてFAT32、NTFS、ISO 9660、UDFなどがあります。UEFIファームウェアには、これらのファイルシステムにアクセスするためのドライバーが組み込まれています。 特に、UEFIはFAT32ファイルシステムを必須としており、UEFIシステムパーティションにはFAT32が使用されます。このパーティションには、UEFIファームウェアや起動ローダー、設定ファイルなどが含まれています。UEFIファームウェアは、このパーティションを自動的に認識し、必要なファイルを読み込んでシステムを起動することができます。 また、UEFIはネットワークファイルシステムにも対応しており、PXEブートなどを利用して、ネットワーク上のサーバーからOSを起動することができます。これにより、大規模なサーバー環境でのOSのデプロイやメンテナンスが容易になります。 Macintoshは、UEFIの前身であるEFI(Extensible Firmware Interface)を採用しています。EFIは、Appleが1998年に開発したプラットフォームファームウェアで、Intelと共同で開発されました。当初はMacintoshのプラットフォームファームウェアとして採用され、後にUEFIの基礎となりました。 MacintoshのEFIは、標準的なPCのUEFIとは異なり、Macintosh固有の仕様があります。たとえば、MacintoshのEFIは、GPTスキームに基づくブートデバイスの選択方法が異なります。また、MacintoshのEFIには、OS XやmacOSの起動時に使用されるBoot Campなどの固有の機能が含まれています。 Macintoshは、UEFIを正式にサポートするようになったのは、2015年以降のMacモデルからとなりました。これにより、Macintoshも他のPCと同様に、UEFIの機能やセキュリティを活用することができるようになりました。 IBMは、UEFIの策定において重要な役割を果たしました。IBMは、PC BIOSの標準化を提唱しており、1990年代初頭にPC/AT互換機向けのPC BIOS規格を開発しました。しかし、PC BIOSは、コンピュータの機能拡張に対応できなくなってきたことから、IBMは新しいファームウェア規格の策定を提唱しました。 その結果、UEFIが開発され、2005年にはUEFIフォーラムが設立されました。IBMはUEFIフォーラムの設立メンバーの1つであり、UEFIの開発において重要な役割を果たしました。また、IBMは、x86_64アーキテクチャにおけるUEFIの開発にも取り組んでいます。 PowerPCは、UEFIのサポートを提供するアーキテクチャの1つです。UEFIは、x86アーキテクチャだけでなく、ARMやPowerPCなどの様々なアーキテクチャをサポートしています。PowerPCにおいても、UEFIを使用することで、従来のBIOSよりも高速な起動時間や、セキュリティ機能の強化などの恩恵を受けることができます。また、UEFIを使用することで、PowerPCに対するソフトウェア開発の容易化も期待されています。 Power Architectureは、サーバーや組み込みシステムで使用されるプロセッサアーキテクチャのファミリーで、PowerPCプロセッサを含んでいます。UEFIは、x86アーキテクチャに最初に導入されたが、その後、他のアーキテクチャにも広がっていきました。Power Architectureに対するUEFIのサポートは、2012年にUEFI Forumによって標準化されました。 Power Architectureにおいて、UEFIを実装する際には、EFIファームウェアをPowerPCアーキテクチャ向けに移植する必要があります。Power Architecture向けのUEFIの実装には、オープンソースのOpenPOWER FoundationとIBMのOpen Firmwareが利用されています。また、UEFIの実装には、Linuxカーネルのようなオープンソースソフトウェアも使用されています。 [UEFIは、BIOSに比べてセキュリティや拡張性、起動時間の短縮など多数の優れた機能を提供しています。今後も、UEFIはコンピュータ業界で重要な役割を果たすことが予想されます。] 以上のように、UEFIはBIOSよりも優れた機能を持ち、より高度なセキュリティや拡張性、起動時間の短縮などの面で優れています。さらに、UEFIは大容量ストレージのサポートや、より視覚的なグラフィカルインターフェイスも提供しています。これらの機能は、現代の高度なコンピュータシステムにとって必要不可欠であり、UEFIはその要件を満たすために開発されました。 UEFIがBIOSを置き換えることにより、コンピュータ業界はますます効率的になり、コンピュータの起動時間が短縮され、より高度なセキュリティ機能を持つことができます。UEFIは、現在のコンピュータシステムの基盤となっており、今後もますます重要な役割を果たすことが予想されます。 一般に、エミューレーターを使って実験します。 無料のフリーソフトでも、w:QEMUなどのエミュレータを使えるので、アセンブラのw:NASM(無料ソフト)などで(アセンブリコード入力を経由して)機械語を入力していきます。 ※ 次の節で、qemuの使い方を大まかに説明する。 原理的には、アセンブラを経由せずともバイナリエディタ(Hex editor)といわれるもので機械語を直接に書いてプログラムするのも、原理的には可能です。そもそもアセンブラ自体どうやって開発されたかを想像すれば、おそらくバイナリエディタを、流通しているCPU用のアセンブラ命令にあわせて特化してプログラミング用に作られたソフトウェア(がアセンブラ)なのでしょう。 原理の理解としてはバイナリエディタの存在に気づくことも重要ですが、しかしバイナリエディタによるプログラミングではコード記述が覚えづらく非現実的ですし、一目では内容が分かりづらいです。なので、一般にアセンブラで入力していくのが、OS製作では現実的でしょう。 さて、NASMは、あくまでエミュレーター上での仮想化なので、完全には仕組みを再現していませんが、しかし個人の学習では、止む(やむ)を得ません。 もしもエミュレータを使わずに、BIOSのブート設定を 毎回 書き換えて実機のパソコンでブートの実験などを毎回したとしたら、とてもメンドウです。なので、エミュレータを使って、手間を省きます。 なお、一般的なLinuxなどでは、リリース直前の開発の後半などで、確認のために最終的に開発者たちはDVDなどに書き込んでブートしてみたりするなどして、実験します(いわゆる「ベータテスト」などで、DVDのISOを無料配布している)。 なお余談ですが、OS自作でなくCPU自作をしたい場合、w:GNU Binutilsなどの無料のクロスアセンブラがありますので、そういうのを活用します。半導体製造工場などを個人は持ってないので、ソフト的にエミュレートするしかありません。 エミュレータにも種類や方式が色々とあります。 方式のひとつとして、ホストOSのインストールされているパソコンのCPUを間借りする方式があります。 別の方式として、ホスト側のCPUは間借りせずソフトウェア内に仮想のCPUを制作する方式のものなどもあります。 コミュニティ ベース の qemuやBochs というエミュレータは、(ホストCPUをあまり)間借りしないで、ソフト的に仮想のCPUを作る方式のものである いっぽう、オラクル社のVirtual Box やヴイエムウェア社のVMWare というエミュレータは、ホストPCのCPUを間借りする方式のものである。 私たちの学習の目的には、VirtualBox 的に複数のCPUが混ざり合うと学習的に分かりづらくなるので、qemuのようなソフト的にCPUの機能を再現するほうが分かりやすいと考え、qemuを優先して紹介することにする。 また、qemu はオープンソースである。 なお、Virtual Box は昔は非オープンソースだったが、現在はオープンソース版のVirtual Box がある。 なお、オラクル社のようなホストCPUを間借りする方式にも長所はあり、仮想化の中では処理速度を速くしやすいという長所もある。 本書では、とりあえず qemu を前提として説明する。 前提として、ダウンロードとインストールは既に終わっていると仮定する。 qemuは、コマンドプロンプトから使うソフトウェアである。 なので、まずパス(Path)を通さないといけない。 具体的には、環境変数PATHにqemuのあるフォルダーを追加する。 さて、パスが追加し終わったら、はたして本当にパスが通ってるの確認のため、Windwosのコマンド プロンプトを起動して というふうに、コマンド「qemu-img」でも入力してみよう。 なお、「qemu」というコマンドは無いので、「qemu」とコマンド入力しても。 さて qemu-imgコマンドは引数を指定して使用するコマンドなので、上記コマンド「qemu-img」を実行すれば、端末上で引数が足りないことをqemuから警告されるハズである。 のように、qemuから警告されれば、ひとまずqemuのインストールは成功である。 あらかじめ、起動したいファイルを機械語で作っておき、たとえば、testos.img とかの名前をつけて、ホームディレクトリーなどコマンド端末の認識できる場所に保存しておく。 そしてコマンド端末で のようにコマンド qemu-system-i386 を使えばいい。 では、そのOSイメージをどうやって作るか。 原理は、 まず、アセンブラの nasm で書く。(nasm は Netwide Assembler ともいう。) あらかじめアセンブラコード形式で、OSにしたいファイルをアセンブリコードで作っておいて、testos.asm などの名前で保存しておく必要がある。 nasmなら、testos.asm を(PEフォーマットでない、直訳の)機械語にするコマンドは だけで終わる。 そして、こうして作成したブートイメージをqemuで起動する方法は、ホームファイルに先ほど作成した testos.img を置いた上で、 のコマンドだけで終わる。 では、元になるアセンブリコードをどうやって調達するか? とりあえず、ネットで読者の勉強用に(彼らの)自作OSのブートローダーのアセンブリコードを公開してくれている人がチラホラといるので、彼らのコードで実験するのが良いだろう。 ネット上に Bochs の使い方の入門書がぜんぜん無いので、wikibook で教えることにする。 Bochsでは、アセンブルはできない。 Bochsの用途は、すでに別ツール(たとえば nasm んど)で作成ずみの img ファイルをBochsで起動するだけのものである。 asmファイルからimgファイルへのアセンブルは、あらかじめ nasm などで行っておく。 Bochsの利便性は、コマンドを覚えなくて言いことである。起動コマンドのBochsだけ押せばウィンドウが起動するので、あとはそのウィンドウ側でGUI的に操作してエミュレータの起動をできるという便利ツールなエミュレータが Bochs である。 さて、Boshs をインストールしてから、環境変数(パス)の設定を終えれば、 コマンドプロンプトで、コマンド bochs で起動する。つまり のように「bochs」の部分を入力する。 で、起動するとダイアログ画面が現れる。 さて、これだけでは、そもそも何のファイルを起動するかすらも設定されてない。なので、これから、このダイアログ画面で、それを設定する。 まず、真ん中の項目(中央ペイン)にある「Edit Option」 の「Disk & boot」をダブルクリックすると、画面が遷移して、 オプション画面である「Bochs Disk Options」画面になる。この項目で、何のファイルを起動するかを設定できる。 そのためには、 その「Bochs Disk Options」画面の中で、タブ「ATA Channel 0」> 子タブ「First HD/CD on Channel 0」 をクリックすると出てくる画面に、 上から2段目あたりに という項目があるので、その のなかに、起動したいimgファイル名を入れる。 たとえば、「testos.img」ファイルを起動したいなら、 のようになる。 こうして、(おそらく)あとはこのオプション画面を終了して(ダイアログ・ウィンドウの右上のクローズ用の×ボタンを押せばいい)メインメニュー画面に戻り、右ペインにあるStartボタンを押せばいい。 Panic ウィンドウが表示されて Message 欄に「specified geometry doesn't fit on disk」 と書いてあるが、このまま左下の欄にある Continue をクリックして、OKを押せばいい。 なお、Path or physical device name の設定をしてないで空欄のままにしておくと、Startの際に Message 欄に 「no bootable device」 と出る。 BochsのDtart>OKの後のエミュレート起動後の終了方法は、ウインドウの上部にあるメニューバーの右側のほうに、○印の中にタテ線「|」のある終了ボタン「(|)」があるので、これを押せばいい。(右上の×ボタンは使えない。×ボタンをクリックしても反応しない。) 一般的なアセンブラには DB 命令というのがあり、これはORG命令などで指定したメモリに値を書き込む命令であるが、これで機械語も書き込みできる。 もし、機械語を書き込む先を、メモリではなく、ハードディスクやUSBメモリやフロッピーディスクなどのブート可能なメディアにすれば、原理的には、これでブートローダを作れる。 なお、DB とは data byte の略だと言われている。 さて、では、OSを作るためには、まず、ブートセクタを書き込めばいいのですが、では、どういう内容のことを書き込めばいいのでしょうか。 まず、ブートローダを書き込むわけですが、 規格により、 また、 と決まっている。 なので、このために をどこかに書き込む必要があります。 times とは、nasm の擬似命令のひとつで、繰り返し命令のことです。 「aa55」の署名を書き込まずにQemu上で機械語を起動しても、いくつかのメッセージのあとに「No Bootable device」などと表示されるだけです。 さて、上記コードの場合は という命令です。 $ は、そのtimes命令が出されたときの現在のアドレスです。 $$ は、現在のセクションの最初のアドレスです。 間違えて、「55aa」(マチガイ!)を書き込まないようにしてください。詳しくは『w:リトルエンディアン』で調べてください。 MBRのサイズは512バイトと決まっており、その末尾2バイトに「aa55」と書き込むので、times 繰り返し命令 では「510」と2バイトぶん、余らせています。 なので、とりあえず下記のように書き込みましょう。 成功すれば、 qemu上で、「H」と表示されます。 int 0x10 とは、ディスプレイへの割り込み命令のひとつです。int でBIOSにより割り込み命令を指示しています。intの引数で、どんな割り込みをするかを指示しており、int 0x10 はビデオサービスの割り込みです。 ですが、int 0x10 だけでは、ディスプレイに文字も画像も表示できません。 int 0x10に加えて、さらに、何を割り込ませるかの指定を行う必要があり、 mov ah, 0x0e で文字割り込みを指定しています。(※ 詳しくは『en:w:INT 10H』(英語版ウィキペディア)などを参照してください。) int 0x10 の命令は、上記の手本コードのように、 アキュムレータ レジスタで指示しなければなりません。 なお、学校などで、もしかしたら、情報科学・計算機科学の教育では「アキュムレータ」とは「加減乗除などのためのレジスタ」とか習うかもしれませんが、しかし実際のCPUでは、(上記コード例のように)設定などの一時保存にもアキュムレータが流用されています。 。CR0の最下位ビットのが0ならリアルモードです。実際には、プロテクトモードの移行のためには、さらに グローバル デスクリプタ テーブル(GDT)というものを作成する必要があるが、初学者には当面は知らなくていいので、もうプロテウトモードの説明は後回しにする(※ 現時点では未記述)。 さて、この場合での int 0x10 は、alレジスタにある文字を表示できます。 「Hello 」と表示させたければ、「H」だけでなく、同様の操作を繰り返し、「e」「l」「l」「o」を追加で表示させればいいだけなので、 でブート後に「Hello」と表示できます。 ラベルやジャンプ命令を使うと、繰り返し命令を実装できる。 上の「Hello」のプログラムを、ラベルなどによる繰り返し処理でプログラムするとするなら、下記のようになるl org 0x7c00 とは、このようなテキスト処理をするのにBIOSに予約されている領域が7c00 なので、そこから書き始める必要がある。 org は擬似命令であり、これからの書き込みのメモリ位置を指定する命令である。 また、 mov si, greet は形式的には、あたかもラベルgreetの内容を代入するかのような表現ですが、 実際は、単にgreet ラベルの先頭のメモリを代入するだけです。 int 0x10 は、繰返し命令の中で、毎回、使用する必要がある。 次のようlodsb 命令とsiレジスタを使っても良い。lodsbは[ds:si]からalに1バイト読込む(ロード load)命令であり、さらに使用後に自動的にsiレジスタの指し示す位置を1バイトぶんだけインクリメント(DF=0の場合、DF=1の場合はデクリメント)してくれるので、手間が省ける。 ※ 2022年現在のx86プロセッサは、x86命令セットをマイクロ命令に分解し、マイクロ命令の組合せによっては複合的なマイクロ命令に合成し実行しています。ところが、lodsbの様な複雑な命令はマイクロ命令に翻訳されず固定的なマイクロコードにより実行されます。このため、かつて命令読込みのオーバーヘッドがなくせるという理由で「最適化」の代表だった複雑な命令を使うことは、現在は実行速度を低下させることになります。 解説 lodsb の内容は と等価である(DF=0の場合、また OF, SF, ZF, AF, PF は inc si の結果により修飾されるので厳密には異なる)。 の代わりに でも良い。 また test の代わりに でも良い。 ※ かつては、定数とレジスタの比較はレジスタファイルの読出しハザードがありストールの原因になりましたが、Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャ以降のプロセッサであればマイクロフュージョンの対象となり、test命令やor命令を使うメリットはなく、專ら可読性を損なうだけです。 まず、設定として、 というコードが必要です。 int 0x10 はグラフィック割り込みです。 グラフィック割り込みの場合、ahは0に固定するように規格で決まっています。 alによって、ビデオモードを指定しています。 alが0x13なら、320 x 200ドット x 16色モード(8bitカラー) という意味です。 一般的なパソコンではグラフィック描画用のVRAMアドレスは 0xa0000 から 0xaffffの領域が割り当てられています。 なので、mov命令で、このアドレスに書き込むと、VRAMに直書きできます。 で、問題は、通常の16ビットCPUモードのmov命令では、 メモリ番号は4ケタまでしかアクセスできない。「a0000」や「affff」は5ケタであることに注目。 で、しかも、ブートローダ起動中のリアルモードでは、この16ビットCPUのモードである(らしい) なので、ともかく、通常の方法ではアクセスできない。 5ケタのメモリ番号にアクセスするためには、 「セグメント方式」という手法を使う。 簡単に言うと、 なお、上式の数は十進数である。 16進数になおすと、単にセグメントベース×16は、末尾に0をつけたすだけである。 これらのセグメントベースを格納するために「セグメントレジスタ」と言う専用のレジスタを使う。 16ビットCPUのセグメントレジスタには の4つがある。 なおFSとGSは32ビットCPU以降のセグメントレジスタである。 CSは、CPUが実行するプログラムを格納するためのセグメントとして、CPUに使用させる。 DSは、メモリの読み書きといったデータ関係の手段のセグメントとして、CPUに使用させる。 SSはスタック関係のセグメントで使用。 「エクストラ」とは、「その他」とか「追加の」のような意味。 よく分からなければ「セグメントベース」でググると、詳しく紹介してくれている親切なITブロガー日本人さんが何人かネットにいるので、それらのページを参照してください。 で、書式は、[セグメントベース:オフセット]の書式である。 下記のようなコードで、ブート直後の画面の任意の場所にピクセル単位で色をぬれる。 さて、mov 命令でメモリに書き込むには mov BYTE [123], 0x4567 の書式で書き込みます。 この場合、メモリの123番地に、数値(16進数で)4567を書き込むわけです。 [ ] をつけると、メモリへの指示だとアセンブラなどが認識します。 ここでの「BYTE」 は1バイト長で書き込め、という命令です。 2バイト長なら(BYTE でなく) WORD になります。 4バイト長さなら DWORD になります。 なお のように書いた場合は、メモリ123番地にある内容をレジスタalに書き込め、という命令になります。 このように、(書き込みだけでなく)メモリからの読み込みにも [ ] は使えます。 つまり、 [ ] をつけると、メモリへの指示だとアセンブラなどが認識します。 0xa0000は画面の左上だが、そこに色を塗っても見づらいので、 上記コードでは 0xa1111 から色を塗り始めることにした。 なお 0xaffff は画面の右下である。 画面の真ん中の上のほうに、なんか緑色っぽい線が5ミリくらいの長さで水平に引かれている結果が表示されると思う。 上記のコードでは、分かりやすさを重視して、あえて繰り返し命令(ラベルやジャンプ命令で実装できる)を使わなかったが、実際に図形を書きたい場合は、ラベルを活用して繰り返し命令で処理するのが効率的だろう。 なお、上記コード例1で とあるが、 これを、(下記はエラーになる) とまとめても、なぜかエラーになる。 なので、手本のコードのように、レジスタを経由する必要がある。 一般的名パソコンでは、英数字などのテキスト出力も、ブート直後の段階では、専用のメモリ領域が用意されるので、このメモリを書き換えることで、テキスト文字を出力できます。(ただし、漢字や平仮名・カタカナなどは無理。) ブートプログラムの確認作業などに、便利な機能でしょう。 また、 int 命令によって、1文字ずつ書いていく方法は、原理は単純ですが、実装では、処理速度があまり速くないという問題があります。 ラベル命令やジャンプ命令などを使ってコードの行数を減らしても、int命令で書き込みをするよりも、テキスト用メモリを直に書き換えするほうが処理速度が速くなります。 一般的なパソコンでは 0xb800 からの領域がテキスト用メモリに割り当てられています。 なので、まず と指定します。 メモリ領域のうち、0xa0000 から0xfffff までの領域は通常のパソコンでは、BIOSがハードウェアを管理するために使用することになっています。 このため、それらハード管理以外のソフトウェア的な処理をするためにメモリ使用したい場合は、この領域を避けてメモリを使用する必要があります。 こういった用途には Linuxなどの現代のオープンソースOSでは、 メモリを使用する際には 0x100000 以降の領域を使うのが一般的です。 原理的には 0xa0000 未満の領域も使用可能ですが、使いすぎ等のミスによって0xa0000以降にハミ出る恐れがあるので、なるべく 0x100000 以降の領域だけを使うほうが安全でしょう。 まず、フロッピーディスクやハードディスクなどに読み書きのできる割り込み命令で、 int 0x13 というのがあります。 2000年代の現代では、これを大容量デバイス用に拡張した拡張 int 0x13 というのがあります。 どちらの int 0x13 とも、ドライブ番号は、DLレジスタ(データレジスタの下位(Low)の部分)で指定します。 このように、int 0x13 では、割り込み時におけるレジスタの役割が決められています。 さて、拡張 int 0x13 を使って、フロッピーディスクやハードディスクなどの記憶媒体に割り込みをできます。(USB対応については今後の見通しは不明。書き込みできるものもあるようだが、) int 13h は、レジスタなどの数値で 書き込みの方式や対象を指定します。拡張 int 13h と、非格調 int 13h では、レジスタの解釈が違っております。 格調 int 0x13 のほうの方式を LBA方式といいます。 格調 int 0x13 では、レジスタに収まりきらない様々な情報を、任にの Disk Addres Packet (DAP)という場所に配置しており、その形式も決まっています。 ※ 調査中 なお、拡張されてない int 0x13 は、ハードディスク容量などの小さい時代の古い規格のものであり、現代では、読み書きに時間が掛かったり、あるいは不可能です。 非拡張の int 0x13 では、ドライブ番号は、DLレジスタ(データレジスタの下位(Low)の部分)で指定します。 AHレジスタが 0x02 なら 読込み、AHレジスタが 0x03 なら 書込み です。 int 13hともいう。 まず、int命令で、キーボードサービスの割りこみがあり、 int 0x16 がキーボードサービスである。 さてint 0x16 を呼び出す際、 なら、ah = 0x00 は、キーボードのキー入力待ちである。ah = 0x10 だと拡張キーボード対応らしい 。 実は一般的なパソコンでは、アセンブリ言語の命令で、いくつかのハードウェアに読み書きのアクセスするための、専用の命令がある。 IN 命令と、 OUT命令である。 そして、キーボードなど、昔のどこのパソコンにも存在したハードウェアは、実はハードウェア番号が決められている(「I/Oポートアドレス」などという)。 たとえば、キーボードはハードウェア番号(I/Oポートアドレス)が十六進数で0x60 番である。(メモリマップとは別。メモリアドレスの0x0060などにdb命令で書き込んでも、目的のハードにはアクセスできない。 ) IN命令で、引数で指定したレジスタ(普通はALレジスタやAXレジスタを指定する)に、もうひとつの引数で指定した目的デバイスから送られた値が保存されます。(引数の順序はアセンブラの種類などによって異なるので、説明を除外。) また、OUT命令で、引数で指定したレジスタ(普通はALレジスタやAXレジスタを指定する)に格納されている値が、もうひとつの引数で目的デバイスに送られます。 たとえば、下記のようなコードで、キーボードの文字「E」または前後のWかRを押すと、1行ぶん下の位置に文字「G」が表示される。 in al, 0x60 を使えば、キーボードコントローラーから送られてきたキーも al に入力されます。 in al, 0x60 とは、けっして「レジスタ al に 60 を代入しろ!」(×、マチガイ)という意味ではなく(そもそも定数の代入だけなら mov 命令だけで可能である)、「ポートアドレス 0x60番 のポートから送信されてきたデータを、レジスタalに代入しろ」という意味です。勘違いしないでください。 そして、キーボードコントローラーのポートアドレスが 0x60 なので、めでたく、上記コードでキーボードから押されたボタンの情報を受け取れます。 さて、キーボードを押したとき、押したボタンに対応するスキャンコードが、パソコン内部にあるキーボードコントローラー(KBC)という装置に送信される仕組みになっています。 このスキャンコードは、アスキーコードとは異なります。 上記コード例にある cmp al, 18 の数値「18」とは、スキャンコードでの番号です。だいたいスキャンコードで18番のあたりが文字 W,E,R のどれかのあたりです。 また、アスキーでは「2」と「"」とは別の文字ですが、しかし日本語キーボードの場合、「2」と「"」はボタンが同じなので、スキャンコードでは同一になります。 このように、物理的に同じ位置にあるかどうかで、スキャンコードは決まります(なお、JIS配列キーボードやUS配列キーボードのように言語が違うキーボードでも、位置が同じなら、ほとんどのボタンのスキャンコードの内容も同じ場合が多い)。 また、スキャンコードは、押されている時に送信されるコード(「メイク コード」という)と、離した瞬間に送信されるコード(「ブレイク コード」という)とが、それぞれ違うコードです。 日本語キーボードは OADG という規格にほぼ統一されています。 ですが、世界的にスキャンコードの規格は、古いものでも3種類くらいあり、さらにUSBキーボードの規格は別です。このため、日本語 OADG のスキャンコードも、現在でも3種類くらいあります。 下記のリンクが詳しいです。 なお、一般的に「メイクコード/ブレイクコード」の書式です。 たとえば、ボタン「1」(「!」と同じ)のスキャンコードが「16 / F0 16」とかかれていれば、メイクコードが「16」であり、ブレイクコードが「FD 16」という意味です。(ある規格では、ブレイクコードは、メイクコードの先頭にF0がついたものになっている。) なお、キーボードコントローラーもインテルなどが製造していました。かつて Intel i8042 というキーボードコントローラーが有名でした。 より正確な仕組みとしては、シリアル通信(PS 2 信号)などで送られた信号をKBCあたりでスキャンコードに変換しているわけですが、CPUから見ればスキャンコードしか見えないので、あまり気にしなくていいでしょう。 0から作るOS開発 カーネルローダその3 プロテクティッドモードへの移行とA20 ※ 本wikibooksの当ページが完成するまでの間、上記の参考サイトが分かりやすくて役立つと思いますので勉強してください。 次のようなコードを使えばledが点滅するらしいのだが、しかしエミュレータでの実験では分からなかった(Windows起動により、すでにLEDが点灯しているので、区別しづらい)。 0xED というのは、LED点灯に関する命令の番号。 一般的なブートローダのいくつかには、ブートセクタに BIOS Parameter Block (BPB)というものが書かれており、これは BIOS への指示や設定を出すブロックです。 パソコンの電源を投入して、まず最初に起動するのは BIOS なのですから、このブロックが必要です。少なくとも Windows系OSのブートローダーでは、そうなっていると言われています。 このように、ブートセクタは、書式がほぼ決まっています。 という構成になっています。 ジャンプしてしまうので、BPB はプログラムカウンタでは読み取れず、BPBはBIOSしか読み取れないことに注目しましょう。 市販のOS自作本にある、DB命令で書き込む冒頭の 「DB 0xeb」 と言うのも、このJMP命令のことです。 JMP命令はX86系CPUの機械語では eb です。 『IA-32 インテル®アーキテクチャソフトウェア・デベロッパーズ・マニュアル』『中巻A:命令セット・リファレンスA-M』3-411 プロテクトモードとは、CPUの32ビットモード(および32ビット以上のモード)のこと。 32ビットモードには、アクセス権の無い状態からのアクセスを禁止するという、特権レベルによる保護機能などがあるので、プロテクトモードという。 プロテクトモードにいこうするためのコードの一部を抜粋すると、おおむね書きのような感じになる。 cr0レジスタの最下位ビット(PEビットという)が1だとプロテクトモードである、という仕様である。 の3行の処理で、cr0レジスタの最下位ビットを1に設定している。なお、このcr0の最下位ビットのことをプロテクト・エネーブルド pr0tect enebled という意味でPEビットという。 設定後にわざわざジャンプ命令 jmp を通す理由は、CPUの先読みした命令を破棄するためである 。ジャンプ命令には、先読みを破棄する機能がある。 なお、パイプラインという仕組みにより、CPUは先読みしている。このパイプラインの先読みを破棄することをフラッシュという。 実はCPUは、いくつか先の命令をすでに先読みしている(これがパイプライン)。プロテクトモード以降では、それが不具合の原因になるので、いったんフラッシュする(カラにする)必要がある。 なので、CPUのパイプラインをフラッシュするためにジャンプ命令を使っている。 さて、一般にWindowsやLinuxなどのOSには、パーティションという、インストール時にハードディスクの使用領域を決める機能がある。 実はCPU側に、メモリに関する機能だが、似たような動作を機能がある。 GDT(グローバル ディスクリプタ テーブル Global Descriptor Table)といって、メモリのアドレスのどこからどこまでがそのCPUで使える領域を定義する機能がある。 で、プロテクトモードでは、あらかじめ、このGDTを設定しないと動作しない。そういう仕様で、むかしのインテルあたりの人が決めてしまったので、従うしかない。 で、実はCPUにGDTレジスタ(GDTR)という、GDTの場所を保管する専用レジスタがあるので、このGDTレジスタにGDTのアドレスなどの情報を入れる必要がある。 さらに、このGDTレジスタに書き込むための専用の命令 lgdt (ロードgdt)があるので、これを使う必要がある。(「書き込みだから save では?」という疑問も、わくかもしれないが、こういう名前に決まってしまってるので、従うしかない。) 同様に IDT(Interrupt Descriptor Table)というのがある。 さらに、16ビット時代の昔はCPUのアドレスバスが20本までだったので、リアルモードでは利用するアドレスバスが20本までという制限が掛かっており、A00からA19までを使用している。A20以降はマスクされている。 この制限のことを「A20のマスク」という。プロテクトモードに以降するためには、このA20のマスクを解除しないといけない。 下記の順序で作業しないといけない。そういう仕様である。 A20マスクの解除には複数の方法がある。 キーボードコントローラから解除できる理由は、単に昔のインテルかどこかの人が設計したとき、たまたまキーボードコントローラ用のアドレスバスが余ってたからだけと言う理由らしく、あまり技術的な深い意味は無い。 なお作業の順番について、A20のマスク解除の順場は多少前倒しになっても平気なようである。 ある程度、理解が進むと、 Linux など実際に活用されているオープンソースOSのブートローダを調べたいと感じるかもしれません。 まずOSの起動で最初に動くのはブートローダだからです。 しかし Linux を開発している kernel.org のサイトには、ブートローダは無いのです。 Linux で仕様されているブートローダは、Gnu(グニュー)というオープンソース・ソフトウェア団体の作っている GRUB (グラブ)というソフトウェアです。 なのでブートローダをソースコードを探す場合も、Gru Grub のウェブサイトを探す必要があります。 書籍だとアスキー出版『Linuxのブートプロセスを見る』などの題名の書籍で Grub を紹介してるので、ついつい何となく、ソースコードを読むためにリーナスの管理している kernel.org を探しがちですが、しかし、よくよく考えたら、Grub は Linux ではありません(実際、Windows版Grubもある)。 もし『Grubのブートプロセスを見る』だと売れないので、出版社が「Linuxのブートプロセスを見る」という題名にしたのでしょう。 私たちOS開発をしたい読者は、けっして出版社にマインド・コントロールされたままでは、イケません。真実「Grub は Linux ではない」に気がつきましょう。 Grub のソースコードのダウンロードにgitコマンド(git clone などのコマンド)が必要なので、あらかじめインストールしておくか、Gitコマンドが最初から使える Ubuntu か Fedora などのLinuxをパソコンにインスト-ルしておきましょう。 Git コマンドのインストールと、Git Hub などのウェブサイトとは別物ですので、混同しないようにしましょう。 外部リンク: Gitの公式サイト なお Windows版のGitはVimエディターにしか対応してないとの情報がインストール時に出ますが、しかしわざわざvimを別途インストールしなくても、Win版GitをインストールすればWindwowsコマンドプロンプトでGitコマンドを使えるようになります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "この教科書は、コンピューターシステムの基本的な構成要素であるオペレーティングシステムに焦点を当てています。読者には、プロセス管理、メモリ管理、ファイルシステム、デバイス管理、セキュリティ、ケーパビリティ、プロセス間通信など、幅広いトピックを網羅的に理解することが期待されます。オペレーティングシステムがシステムの安定性、効率性、およびセキュリティに与える影響を考察し、現代のコンピューティング環境において不可欠な役割を果たしていることを強調します。著者は基本的な概念をわかりやすく説明し、実際のシステムに対する応用に焦点を当てています。この教科書は、学生、研究者、そしてプロフェッショナルがオペレーティングシステムの理論と実践を深く理解し、実用的なスキルを磨くための道しるべとなることを意図しています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "現代社会において、コンピューターシステムは我々の日常生活やビジネス活動において不可欠な存在となっています。この章では、コンピューターシステムの根幹をなす基本構成要素に焦点を当て、その洗練された構造が如何にして機能するかを探求します。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "プロセッサ、メモリ、デバイスなどのハードウェアは、コンピューターシステムの根幹をなす要素であり、計算とデータ処理の基盤を提供しています。プロセッサは高度な演算能力を有し、プログラムの実行やデータ処理を担当します。メモリは、プロセッサが効率的にアクセスできるようにデータや命令を一時的に保持し、効率的な処理を支えます。デバイスは、入出力を制御し、外部機器との連携を担当します。これらのハードウェアコンポーネントが連携することで、コンピューターシステムは多様なタスクを遂行し、我々の日常生活に欠かせない存在となっています。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "ソフトウェアは、ハードウェアを効果的に制御し、様々なタスクを実行します。オペレーティングシステムは、ハードウェア資源を管理し、アプリケーションソフトウェアが効果的に動作する環境を提供します。アプリケーションソフトウェアは、ユーザーのニーズに合わせて機能し、データの処理や情報の提供などを行います。ソフトウェアの協力により、ユーザーエクスペリエンスが向上し、リソースが最適に利用されます。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "ネットワーク技術や通信プロトコルは、異なるコンピューターシステム同士を結びつけ、情報の共有と連携を可能にします。これにより、データの移動やリモートアクセスが実現され、情報社会の基盤を支えています。通信機構によって、地理的な制約を超えてリソースや情報を利用できるようになり、グローバルなコネクティビティが形成されます。これらの要素が緊密に連携し、複雑な機能を実現しているコンピューターシステムの進化を探求します。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステム(OS)は、コンピューターシステムにおいて不可欠な仲介者としての役割を果たしています。その基本的な役割は多岐にわたり、コンピュータの効率的な運用とユーザーエクスペリエンスの向上を担保します。この節では、オペレーティングシステムが果たす主要な役割に焦点を当て、その進化と歴史的変遷を明らかにします。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステムはその発展の中で、様々な進化と挑戦に直面してきました。時代とともに変わる技術や要件に順応し、新たな機能やアーキテクチャが取り入れられてきました。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "以下はその進化の一端を探るものです。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "これらの進化と挑戦は、オペレーティングシステムが未来の技術とニーズに対応し続けるための基盤となっています。将来的な展望では、人工知能、量子コンピューティング、エッジコンピューティングなどが新たな課題となり、オペレーティングシステムはこれらの分野においてどのように進化していくかが注目されています。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステムの理解には、複数の基本的な概念や用語への理解が欠かせません。これらの用語の統一的な理解が、後の章で深化する知識の基盤となります。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "これらの基本的な概念と用語への理解が、オペレーティングシステムにおけるさまざまな機能やメカニズムを理解する上での出発点となります。深い知識の構築に向けて、これらの概念を綿密に理解していきましょう。", "title": "序論" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "プロセスは、コンピュータシステム内で実行されるプログラムの実行単位です。それはプログラムのコード、データ、実行状態など、実行に必要な情報を含みます。プロセスには一意のプロセスIDが割り当てられ、オペレーティングシステムはこれらのプロセスを管理し、リソースの割り当てや制御を担当します。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "プロセスのスケジューリングと管理 プロセスのスケジューリングは、複数のプロセスが競合する場合に、どのプロセスを優先して実行するかを決定する仕組みです。スケジューリングアルゴリズムは、公平性、優先度、待ち時間などの要因を考慮して、効率的かつ公正なリソース利用を実現します。オペレーティングシステムはまた、プロセスの生成、終了、中断などを管理し、メモリやCPUの効率的な利用を促進します。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "複数のプロセスが同時に実行される際に、これらのプロセスが協調して動作するためには、プロセス同期と通信が必要です。同期は、プロセス間での相互の進捗状況を合わせ、競合状態やデータ不整合を防ぎます。通信は、プロセス間でデータを受け渡し、情報を共有するための仕組みです。これにより、連携してタスクを達成することが可能となります。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステムは、異なるプロセス間でデータを共有し、同期を図るためにさまざまな機構を提供します。共有メモリ、パイプ、メッセージキュー、セマフォ、モニタなどがその例です。これらの機構を適切に使用することで、プロセス間の協調動作やデータの安全な受け渡しが可能となります。 プロセス管理はオペレーティングシステムの中核的な機能であり、効率的で安定したシステム運用を支えます。各概念や機構の理解は、システム設計やプログラミングにおいて重要です。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "BSD Socket(Berkeley Software Distribution Socket)は、ネットワーク通信のためのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)です。BSD UNIXオペレーティングシステムにおいて開発され、後に標準的なネットワークプログラミングのインターフェースとして多くのオペレーティングシステムで採用されました。BSD Socketは、ソケットを用いてプロセス間通信やネットワーク通信を実現するための機能を提供します。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "BSD UNIXではSocketを使ってパイプなどのIPC(プロセス間通信)も再実装されました。BSD UNIXが開発された際、Socketを通じたネットワーク通信だけでなく、プロセス間通信の手段としてもSocketが利用され、パイプなどが再構築されました。", "title": "プロセス管理" }, { "paragraph_id": 17, "tag": 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"レジスタはCPU内部にあり、非常に高速でありながらも容量が非常に小さいため、プロセッサが即座にアクセスできるデータを格納します。キャッシュは主記憶とプロセッサ間のデータ転送を高速化するための中間的なメモリであり、主記憶はプロセッサが直接アクセスする大容量のメモリです。補助記憶は永続的なデータの保存やプログラムの読み込みに用いられます。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "仮想記憶は、主記憶装置と補助記憶装置から構成される記憶領域であり、補助記憶装置を安価で大容量のデバイスとして使用することで、プログラマが仮想記憶上で大容量の主記憶装置が実装されているかのようにプログラミングを行うことができる概念です。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "ページングとセグメンテーションは、仮想記憶の管理手法であり、物理メモリの効率的な利用を目指しています。 ページングでは、メモリを固定サイズのページに分割し、プログラムの実行に必要なページだけを動的に読み込みます。これにより、物理メモリの空間が節約され、必要なページだけが物理メモリに配置されます。ページングは、デマンドページングの手法を使用し、プロセスがアクセスしようとするページが物理メモリに存在しない場合にページフォルトが発生し、必要なページが動的に読み込まれます。 一方、セグメンテーションでは、プログラムを論理的なセグメントに分割し、必要なセグメントだけを物理メモリに読み込むことでメモリを効果的に利用します。各セグメントは論理的なまとまりを持ち、柔軟なメモリ管理が可能です。 これらの手法は、コンピュータシステムのメモリ管理において重要であり、効率的なリソース利用と性能向上に寄与しています。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "仮想記憶は、物理メモリを補完するための概念であり、プロセスにとっては拡張されたメモリ空間を提供します。通常、プロセスは必要なだけのメモリを仮想的に確保できるため、物理メモリよりも広範なメモリアクセスが可能です。しかし、すべての仮想記憶が物理メモリに常時格納されているわけではありません。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "ページフォルトは、プログラムが物理メモリにアクセスしようとした際に発生します。もし必要なページが物理メモリに存在しない場合、オペレーティングシステムはページフォルトを検知し、必要なページをディスクや他の補助記憶装置から読み込みます。これにより、物理メモリの限られたスペースに必要なページだけを動的に配置することが可能となります。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "ページフォルトのハンドリングは、仮想記憶の有効活用と効率的なメモリ使用を実現します。オペレーティングシステムは必要なページを要求された時点で読み込むため、大きなプログラムやデータセットを処理する際にも物理メモリを効果的に活用できます。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "デマンドページング方式の仮想記憶は、ページングとPMMU(Paged Memory Management Unit)との連携によって実現されます。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "以下に、その仕組みについて簡単に説明します。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "プロセスが初めてアクセスしようとするメモリ領域に対して、そのページが物理メモリに存在しない場合にページフォルトが発生します。ページフォルトが発生すると、オペレーティングシステムは必要なページを補完的に物理メモリに読み込みます。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "仮想記憶、デマンドページング、PMMUが組み合わさることで、大容量の仮想メモリを有効に利用しながら、物理メモリを必要に応じて動的に確保し、効率的にプロセスを実行することが可能となります。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "仮想記憶の実装には、デマンドページングとPMMU以外にもいくつかのアプローチが存在します。以下に、その一部を紹介します。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "これらの手法は、システムの要件や特性によって異なる利用があり、適切な組み合わせが選択されます。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "初期の仮想記憶の実装例として、Atlasコンピュータが挙げられます。Atlasは、1960年代初頭にイギリスのマンチェスター大学で開発された大型のコンピュータシステムで、仮想記憶の概念を実現しました。Atlasの仮想記憶システムは、当時のコンピュータシステムと比較して先進的で、ページング・ページテーブル・プロセス間の分離などの特徴がありました。 {{See|[[#Atlas Supervisor (1962)}}}}", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "Atlasの仮想記憶システムは、その後のコンピュータアーキテクチャの発展に影響を与え、ページングや仮想記憶の考え方が広く受け入れられる基盤を築きました。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "MULTICS(Multiplexed Information and Computing Service)は、仮想記憶を採用した初期の商用オペレーティングシステムの一つです。MULTICSは、General Electric(GE)、Bell Labs(AT&T)、およびMIT(Massachusetts Institute of Technology)の共同開発プロジェクトとして始まり、GE-645メインフレームコンピュータ上で動作しました。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "MULTICSは、セキュリティや拡張性の向上を含む様々な革新的な機能を持っていましたが、その中でも特に注目されたのが仮想記憶の導入でした。MULTICSの仮想記憶は、物理メモリよりも大きな仮想メモリ空間をプログラムに提供し、必要な部分だけを物理メモリに配置することで、大規模なプログラムや複数のプロセスを同時に実行できるようになりました。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "MULTICSの仮想記憶は、ページングとセグメンテーションを組み合わせた方式を採用していました。これにより、プログラムやデータを効率的に管理し、ユーザーに対して広い仮想アドレス空間を提供できました。MULTICSの仮想記憶は、その後のオペレーティングシステムにおける仮想記憶の発展に影響を与えました。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "商用で最初に導入された仮想記憶システムの一つは、IBMの「System/360 Model 67」が含まれます。このシステムは、1966年に導入されました。System/360 Model 67は、プログラムが物理メモリに収まりきらなくても実行できるようにするために、仮想記憶の概念を採用していました。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "System/360 Model 67の仮想記憶システムは、プログラムが実際の物理メモリよりも大きなサイズであっても実行でき、必要な部分だけを物理メモリに読み込む仕組みを持っていました。これにより、大規模で複雑なプログラムを効率的に実行できるようになりました。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "メモリ保護は、プロセスがメモリを読み書きできるかどうかを管理します。アクセス権の設定やセグメンテーションにおけるセグメント保護など、様々な手法が存在します。これらの手法により、オペレーティングシステムはプロセスが正しくメモリにアクセスできるように制御します。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "アクセス権は通常、読み取り専用、読み書き可能、実行可能などの形式で指定され、各プロセスが必要な権限を持つかどうかを管理します。セグメンテーションにおいては、各セグメントに対して保護フラグが設定され、プロセスはそれに基づいてメモリへのアクセスを制御します。これにより、異なるプロセスがお互いのメモリを不正にアクセスすることを防ぎ、システム全体のセキュリティを確保します。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "以下は、OSのメモリ管理に関連する用語の一覧です。", "title": "メモリ管理" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステムのファイルシステムは、データを整理して保存する仕組みです。ファイルやディレクトリを階層的に管理し、アクセスや保護機能を提供します。これにより、ユーザーはデータを構造的に保存・取得でき、プログラムやシステムが必要な情報にアクセスできます。ファイルシステムはデータの整合性と永続性を保ち、効率的なデータ管理を実現します。", "title": "ファイルシステム" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステムのデバイス管理は、コンピュータ内外のハードウェアデバイスとの効率的な通信を担当します。デバイスドライバを介し、異なるデバイスとのインタラクションを標準化し、アプリケーションやユーザーがハードウェアを利用できるようにします。デバイス管理はデバイスの初期化、資源割り当て、エラーハンドリングなどを通じてシステムの正確かつ円滑な動作を確保します。", "title": "デバイス管理" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステムのセキュリティは、機密性、整合性、可用性を保護し、不正なアクセスからシステムを守ります。一方で、ケーパビリティはユーザーやプロセスが持つ権限や操作可能な範囲を制御し、機能の適切な利用を促進します。セキュリティとケーパビリティの統合は、システム全体の信頼性と安定性を確保します。", "title": "セキュリティとケーパビリティ" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステムのプロセス間通信(IPC)は、プロセス間で情報をやり取りするメカニズムで、共有メモリやメッセージパッシングなどが利用されます。ネットワーキングは、複数のシステムが通信してリソースを共有し、分散処理やデータ交換を可能にします。これらはオペレーティングシステムが異なるプロセスやシステム間で効果的なコミュニケーションをサポートする重要な機能です。", "title": "プロセス間通信とネットワーキング" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステムの実装と最適化は、カーネルの構造や設計、システムコールとAPIの効果的な提供、パフォーマンス向上と最適化の手法を含みます。カーネルはOSの中核で、システムコールやAPIはユーザーとOSのやり取りを制御します。最適化は効率的な動作やリソース利用を追求し、高いパフォーマンスを実現します。", "title": "実装と最適化" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "ここからは、実在のオペレーティングシステムを題材に、その設計と実装について解説します。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "Atlas Supervisorは、Manchester Universityで開発された世界初のバッチ処理オペレーティングシステムの一つです。 Atlasコンピュータ向けに設計され、当初は並列処理やリアルタイム処理をサポートしていました。以下に、Atlas Supervisorが提供していた主な機能について見ていきましょう。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "Atlas Supervisorは当時のハードウェアと調和して、計算機利用の合理性を追求した先進的なオペレーティングシステムであり、その後のオペレーティングシステムの発展に影響を与えました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "MIT(マサチューセッツ工科大学)で開発されたCTSSは、1961年に初めて導入されたオペレーティングシステムの一つで、仮想記憶の概念を取り入れていました。これにより、複数のユーザーが同時にメインフレームを使用できるようになりました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "IBM System/360 Model 67は、セグメンテーションとページングを組み合わせた仮想記憶をサポートしたメインフレームコンピュータでした。これにより、大規模な科学計算やビジネスアプリケーション向けに柔軟で効率的なメモリ管理が可能となりました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "MULTICSは、ベル研究所、MIT、およびゼネラル・エレクトリック(GE)が共同で開発したオペレーティングシステムで、セグメンテーションとページングを採用し、仮想記憶の概念を拡張しました。MULTICSのアイディアは後にUNIXに影響を与えました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "MULTICSはUNIXに影響を与えた重要な要因の一つとされています。MULTICSプロジェクトに携わっていたKen Thompson、Dennis Ritchie、そしてその他の開発者たちが、MULTICSの経験から得た教訓を元に新しいオペレーティングシステムであるUNIXを開発しました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "UNIXは、MULTICSよりもシンプルで軽量な設計を持っており、小規模なマシンでも動作可能でした。MULTICSでの経験がUNIXの設計に影響を与え、シェル、ファイルシステム、プロセス管理などの概念が引き継がれました。UNIXは1970年代から広く普及し、その後のオペレーティングシステムの発展に大きな影響を与えました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "UNIXがMULTICSから模倣または影響を受けた具体的な機能や概念はいくつかあります。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "以下はその一部です:", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "これらの機能や概念は、UNIXがMULTICSの経験から学びながら独自のアプローチで実装され、UNIXが普及する一因となりました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "これらの「UNIXらしさ」と言われる特徴は、MULTICSから影響を受けいますが、UNIXの仮想記憶システムは、MULTICSからの直接の影響は受けていません。UNIXの仮想記憶は、主にKen ThompsonとDennis Ritchieによる独自の設計に基づいています。UNIXが登場した時点では、コンピュータの物理メモリが非常に限られていたため、仮想記憶が導入されました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "MULTICSとUNIXの時代背景を考えると、MULTICSの影響は他の要素に比べて相対的に小さかったと言えます。UNIXは小型でリソースが限られたマシン上で動作することを重視し、シンプルで効率的な設計を採用しました。UNIXの仮想記憶の実装は、MULTICSの大規模かつ複雑な設計からは逸脱しています。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "UNIXは、ベル研究所で開発されたオペレーティングシステムで、Ken Thompson、Dennis Ritchie、およびチームによって生み出されました。シンプルで柔軟な設計を持ち、C言語で記述されたことが特徴です。UNIXは、マルチユーザー、マルチタスク、およびポータブル性を重視し、その後のオペレーティングシステムの基盤となりました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "OS-9は、Microware Systems Corporationが開発したリアルタイムオペレーティングシステムで、主に組み込みシステムや産業制御などの用途で利用されました。モジューラ設計を採用しています。8ビットプロセッサであるMC6809をターゲットとしましたがOS-9レベルIIでは仮想記憶をサポートしました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "Machは、カーネギーメロン大学で開発されたマイクロカーネルベースのオペレーティングシステムで、仮想メモリやマルチプロセッシングをサポートしています。Machは、そのマイクロカーネルアーキテクチャから派生して、GNU/Hurdなどのプロジェクトに影響を与えました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "OS/2は、IBMとマイクロソフトが共同で開発したオペレーティングシステムで、当初はPC向けに開発されました。マルチタスク、マルチスレッド、およびGUIサポートを提供し、Windowsとの互換性も備えていましたが、後にWindows NTに取って代わられました。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "Windows NTは、マイクロソフトが開発した32ビットのオペレーティングシステムで、企業向けに設計されました。安定性、セキュリティ、ネットワーキングの向上を重視し、Windowsファミリーの基盤となりました。 Windows 2000やXPなどのバージョンがこれを基にしています。", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "", "title": "実際のオペレーティングシステムの設計と実装" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "本書を読むには予備知識としてアセンブラの知識と、X86系CPUのレジスタなどのアーキテクチャの知識が必要である。", "title": "ケーススタディとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "一般的にプログラミングにおいて、ハードウェアの制御は、コンパイラが対応していない命令(特権命令やIO命令など)はアセンブリ言語で記述する事になる。", "title": "ケーススタディとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "もし知らなければwikibooks記事『X86アセンブラ』などで解説してある。特に『X86アセンブラ/GASでの文法』『X86アセンブラ/x86アーキテクチャ』『X86アセンブラ/x86アセンブラ』では初心者むけに説明してある。", "title": "ケーススタディとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "本書では触れてないが「カーネル」とか「ユーザランド」とかの用語についてはwikibooks『高等学校工業/ソフトウェア技術』などで触れてある。", "title": "ケーススタディとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "本書はタイトルが今のところは「オペレーティングシステム」だが、実際はコンピュータアーキテクチャ理論やデジタル回路理論など低レイヤーの理論や実務的知識が混在したものになっている(あとで整理する)。大学の科目の分類が縦割りのタコツボ・時代おくれで、全体像が分かりづらいので、予定では、今後の構成でも、意識的にコンピュータアーキテクチャなど関連分野の説明を、整理後にも、ある程度は残しておく予定。", "title": "ケーススタディとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "なのでOSと言うタイトルなのにマイコンCPU(Z80など)にも触れているという状況である。", "title": "ケーススタディとプロジェクト" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "オペレーティングシステムは、ユーザーがハードウェアレベルのプログラミングをする必要をなくし、パソコンをより使いやすくするために設計されています。UEFIを使用する場合、起動時にUEFIファームウェアがハードウェアを初期化し、UEFIブートローダーを使用してオペレーティングシステムを起動します。デバイスドライバは、オペレーティングシステム開発者が自分で作成する必要があります。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "BIOSは古くから使われてきたブートストラップ方式で、起動時にハードウェアを初期化し、オペレーティングシステムを起動していました。しかし、BIOSにはいくつかの制限があり、セキュリティや機能性の向上が必要とされるようになりました。そのため、UEFIが開発され、BIOSからUEFIに移行することが決定されました。UEFIは、より高度なセキュリティ機能、拡張性、性能の向上など、多数の利点を提供しています。現在、多くのPCはUEFIを使用しており、BIOSよりも優れたブートストラップ方式として認められています。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "ここでは、歴史的な経緯を紹介するためBIOSにも言及します。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "PCに電源を入れた瞬間から順に、以下のようなプロセスが起こります。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "UEFI/GPTの場合、PCに電源を入れた瞬間から順に、以下のようなプロセスが起こります。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "UEFI/GPTの場合は、UEFIがBIOSよりも高度な機能を提供するため、より高速で信頼性の高いブートプロセスを提供します。 また、GPTはMBRよりも多数のパーティションをサポートし、パーティションのサイズ制限も緩和されます。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "BIOSとUEFIは、システムの初期化やブートプロセスに必要なハードウェア情報の取得と管理を行うために、メモリマップを使用します。以下に、BIOSとUEFIのメモリマップの違いを説明します。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "UEFIのメモリマップは、より柔軟性があり、より高度な機能を提供します。UEFIは、物理メモリのアドレッシングやデバイスドライバの管理により高度な機能を提供するため、BIOSよりも多数のOSに対応することができます。また、UEFIのメモリマップは、UEFIサービスを介して、システムの状態の取得や変更を行うことができるため、BIOSよりも柔軟性があります。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "BIOSとUEFIは、ハードウェアの初期化やオペレーティングシステムの起動など、システムのブートプロセスに必要なタスクを実行するために、割り込みを使用します。以下に、BIOSとUEFIの割り込みの違いを説明します。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "U EFIの割り込みは、BIOSと比較して、より高度な機能を提供することができます。UEFIは、C言語で書かれたサービスを呼び出すことによって、より高度な機能を提供できます。これにより、UEFIは、BIOSよりも柔軟性があり、より多数のオペレーティングシステムやアプリケーションに対応することができます。", "title": "総論" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、従来のBIOS(Basic Input/Output System)に代わる新しいファームウェア規格です。 UEFIは、従来のBIOSに比べていくつかの優れた機能を提供しています。本稿では、UEFIがなぜ必要になり、何が優れているのかについて説明します。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "[UEFIとは何か、従来のBIOSとの違いは何かについて簡単に説明します。]", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、コンピュータの起動時に実行されるファームウェア規格です。従来のBIOS(Basic Input/Output System)に代わるものとして開発されました。BIOSは、1970年代に開発され、コンピュータの起動時に必要な基本的なハードウェア設定や起動ドライブの選択を行うために使用されていました。しかし、BIOSは時代遅れになり、UEFIが開発されるようになりました。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "UEFIは、BIOSに比べて多数の優れた機能を提供しています。セキュリティ機能が強化されており、悪意のあるソフトウェアをブロックすることができます。拡張性が高く、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、機能追加が容易になっています。起動時間の短縮や大容量ストレージのサポート、グラフィカルインターフェイスの向上なども特徴的です。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "従来のBIOSは、16ビットのアセンブリ言語で開発されており、拡張性が低かったため、UEFIは64ビットのC言語で開発されました。また、UEFIはBIOSよりも起動時間が短く、セキュリティ面でも優れているため、現代のコンピュータに必要な要件を満たすようになっています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "UEFIは、現代のコンピュータにとって欠かせない規格となっています。UEFIの普及により、コンピュータの起動時間が短くなり、セキュリティや機能性も向上するとともに、グラフィカルインターフェイスによってユーザーエクスペリエンスも向上しています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "[UEFIは、セキュリティ機能が強化されています。Secure BootやUEFI Secure Flashなど、UEFIにはセキュリティ機能が多数実装されています。これらの機能は、コンピュータの起動時に悪意のあるソフトウェアをブロックすることができます。]", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "UEFIのセキュリティ機能の一つであるSecure Bootは、UEFIファームウェアが起動する前に、署名されたオペレーティングシステムやドライバーを認証することができます。これにより、起動時に悪意のあるソフトウェアが起動するのを防止し、システムのセキュリティを高めることができます。Secure Bootは、UEFIの機能の中でも特に重要なセキュリティ機能であり、WindowsやLinuxなどのオペレーティングシステムでもサポートされています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "また、UEFI Secure Flashは、UEFIファームウェアを保護する機能です。これにより、UEFIファームウェアが偽造されたり、マルウェアに感染したりすることを防止することができます。UEFI Secure Flashは、UEFIファームウェアの更新時にも役立ちます。署名されたファームウェアを使用することで、正当な更新プログラムであることを確認し、システムを保護することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "さらに、UEFIにはTrusted Platform Module(TPM)と呼ばれるセキュリティチップをサポートすることができます。TPMは、コンピュータに組み込まれた暗号キーを使用し、システムのセキュリティを強化するための機能です。TPMは、セキュリティに特に敏感な企業や政府機関などで広く使用されています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "TPMは、Windows 11 から必須要件となっています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "以上のように、UEFIはセキュリティ面でも優れた機能を提供しています。これらの機能により、悪意のあるソフトウェアからコンピュータを保護し、ユーザーの個人情報や重要なデータを守ることができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "[UEFIは、BIOSよりも拡張性が高いです。UEFIは、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、従来のBIOSよりも機能追加が容易になっています。]", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "UEFIの拡張性は、従来のBIOSと比べて大幅に向上しています。UEFIは、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、従来のBIOSよりも機能追加が容易になっています。これにより、UEFIのファームウェアに新しい機能を追加することができ、コンピュータの機能を拡張することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "また、UEFIはファームウェアに対して、エクステンシブル・ファームウェア・インターフェース(EFI)と呼ばれる標準インターフェースを提供します。このインターフェースは、ハードウェアとソフトウェアの間の橋渡しを行う役割を果たし、システムの拡張性を高めることができます。EFIは、ドライバーやアプリケーションが互換性のある方法でインストール、実行されることを保証することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "さらに、UEFIは、ファームウェアを実行するプラットフォーム上で動作するアプリケーションのためのフレームワークを提供することができます。これにより、ファームウェア上で直接アプリケーションを実行することができ、オペレーティングシステムが起動する前に必要な処理を行うことができます。UEFIアプリケーションは、UEFIの拡張性を高め、システム管理やユーティリティなどの機能を提供することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "以上のように、UEFIは、従来のBIOSよりも拡張性が高く、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、機能追加が容易になっています。さらに、UEFIはEFIやUEFIアプリケーションの提供により、システムの拡張性を高めることができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "アーキテクチャ非依存のドライバとは、特定のCPUアーキテクチャに依存せず、複数のアーキテクチャに対応できるドライバのことです。これは、コンピュータのハードウェアが異なる場合でも、同じドライバを使用できるため、ドライバの開発や管理が簡素化され、互換性の向上につながります。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "UEFIにおいても、アーキテクチャ非依存のドライバが使用されています。これらのドライバは、EDK II(EFI Development Kit II)に含まれており、プラットフォームのアーキテクチャに関係なく、UEFI上で動作することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "また、UEFIのアーキテクチャ依存のドライバと同様に、アーキテクチャ非依存のドライバもUEFIのドライバモデルに基づいて開発されています。UEFIのドライバモデルは、PEI(Pre-EFI Initialization)フェーズ、DXE(Driver Execution Environment)フェーズ、BDS(Boot Device Selection)フェーズ、そしてランタイムフェーズの4つのフェーズに分かれており、それぞれのフェーズで必要なドライバがロードされます。アーキテクチャ非依存のドライバは、これらのフェーズのうち、DXEフェーズでロードされます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "[UEFIは、BIOSよりも高速な起動時間を実現します。UEFIは、従来のBIOSに比べて、メモリの管理が効率的であるため、起動時間を短縮できます。]", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "UEFIは、BIOSよりも高速な起動時間を実現することができます。これは、UEFIが従来のBIOSに比べて、メモリの管理が効率的であるためです。UEFIは、BIOSと比べて、より多くのメモリをサポートすることができます。また、UEFIは、メモリ管理において、従来のBIOSよりも優れたアルゴリズムを採用しています。これにより、起動時のメモリ管理がより効率的に行われ、起動時間が短縮されます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "さらに、UEFIは、ブートローダーの読み込みにおいても優れた性能を発揮します。UEFIは、従来のBIOSよりも大きなディスク容量をサポートしており、UEFIファームウェアによるブートローダーの読み込み速度が速いため、起動時間を短縮することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "また、UEFIは、ファームウェアにおいて、並列処理を採用することができます。これにより、UEFIは、複数のタスクを同時に処理することができます。従来のBIOSでは、タスクを順次処理する必要がありましたが、UEFIでは、並列処理により、タスクを同時に処理することができるため、起動時間が短縮されます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "以上のように、UEFIは、BIOSよりも高速な起動時間を実現することができます。これは、UEFIがメモリの管理が効率的であり、ブートローダーの読み込みにおいても優れた性能を発揮するためです。さらに、UEFIは、並列処理を採用することができるため、起動時間を短縮することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "[UEFIは、BIOSよりも大容量ストレージのサポートが容易です。UEFIは、GUID Partition Table(GPT)をサポートしているため、2TB以上のHDDやSSDなどの大容量ストレージをサポートすることができます。]", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "UEFIは、BIOSよりも大容量ストレージのサポートが容易です。UEFIは、GUID Partition Table(GPT)をサポートしており、2TB以上のHDDやSSDなどの大容量ストレージをサポートすることができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "従来のBIOSでは、Master Boot Record(MBR)を使用していたため、2TB以上のストレージをサポートすることができませんでした。MBRは、512バイトのサイズ制限があるため、2TB以上のストレージを使用する場合には、パーティションを複数に分割する必要がありました。しかし、UEFIは、GPTをサポートしているため、2TB以上のストレージを単一のパーティションとして認識することができます。これにより、大容量ストレージの管理が容易になり、ストレージの最適化がより簡単になります。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "また、UEFIは、多くのストレージデバイスに対して、より高度な機能をサポートすることができます。UEFIは、Advanced Host Controller Interface(AHCI)やNVMeなどの高度なストレージインターフェースをサポートしており、SSDなどの高速なストレージデバイスの性能を最大限に引き出すことができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "以上のように、UEFIは、BIOSよりも大容量ストレージのサポートが容易であるため、2TB以上のHDDやSSDなどの大容量ストレージをサポートすることができます。また、UEFIは、高度なストレージインターフェースをサポートすることができるため、ストレージデバイスの性能を最大限に引き出すことができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "[UEFIには、BIOSよりも優れたグラフィカルインターフェイスがあります。これにより、BIOSよりも視覚的な操作が可能になり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。]", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "UEFIには、BIOSよりも優れたグラフィカルインターフェイスがあります。従来のBIOSは、文字ベースのインターフェイスを使用しており、操作が限定されていました。しかし、UEFIは、グラフィカルインターフェイスを使用することができます。これにより、視覚的な操作が可能になり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "UEFIのグラフィカルインターフェイスは、通常、マウスやタッチパッドを使用して操作することができます。また、キーボードでも操作することができます。グラフィカルインターフェイスを使用することで、UEFIの設定や構成をより簡単に行うことができます。また、グラフィカルインターフェイスを使用することで、BIOSよりも視覚的な情報を提供することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "さらに、UEFIのグラフィカルインターフェイスは、スクリーンリーダーや拡張性の高いアシスト技術をサポートすることができます。これにより、視覚障害者などのユーザーでも、UEFIを使用することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "以上のように、UEFIには、BIOSよりも優れたグラフィカルインターフェイスがあります。グラフィカルインターフェイスを使用することで、UEFIの設定や構成をより簡単に行うことができ、視覚的な情報を提供することができます。また、スクリーンリーダーや拡張性の高いアシスト技術をサポートすることができるため、視覚障害者などのユーザーでもUEFIを使用することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "UEFI Shellとは、UEFIベースのシステムにおいて、UEFIファームウェアが提供するコマンドラインシェルのことです。UEFI Shellは、UEFIファームウェアによって提供される機能の一部であり、ユーザーがUEFIファームウェアを直接制御することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "UEFI Shellは、UEFIファームウェアによって提供されるため、UEFIベースのシステムにはすべて搭載されています。UEFI Shellは、UEFIの拡張性の高さを示す代表的な例であり、ドライバーやアプリケーションをシェルに統合することができます。また、UEFI Shellは、UEFIのセキュリティ機能を使用してシステムのセキュリティを確保することもできます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "UEFI Shellは、UEFIベースのシステムの設定やデバッグ、トラブルシューティングなどに使用されます。ユーザーは、UEFI Shellを使用して、ストレージデバイスの操作、ファイルシステムの操作、ネットワークの設定などを行うことができます。UEFI Shellは、コマンドラインインターフェースを提供するため、一般的なコマンドやスクリプトを使用してタスクを自動化することもできます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "UEFI Shellは、UEFIの機能を理解するために必要な知識を持つエンジニアや開発者にとって、非常に便利なツールです。UEFI Shellを使用することで、システムの動作やパフォーマンスを最適化することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "UEFIは、ネットワークブートに必要なプロトコルとサービスを提供することにより、ネットワークサポートを強化しています。UEFIネットワークスタックには、以下のようなプロトコルやサービスが含まれています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "UEFIのネットワークサポートは、OSに依存しないため、UEFI自体がネットワーク接続を確立でき、ネットワーク上のリソースにアクセスできることを意味しています。これにより、ネットワーク上のリモートサーバーからOSをブートすることができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "UEFIは、複数のファイルシステムをサポートしており、主要なものとしてFAT32、NTFS、ISO 9660、UDFなどがあります。UEFIファームウェアには、これらのファイルシステムにアクセスするためのドライバーが組み込まれています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "特に、UEFIはFAT32ファイルシステムを必須としており、UEFIシステムパーティションにはFAT32が使用されます。このパーティションには、UEFIファームウェアや起動ローダー、設定ファイルなどが含まれています。UEFIファームウェアは、このパーティションを自動的に認識し、必要なファイルを読み込んでシステムを起動することができます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "また、UEFIはネットワークファイルシステムにも対応しており、PXEブートなどを利用して、ネットワーク上のサーバーからOSを起動することができます。これにより、大規模なサーバー環境でのOSのデプロイやメンテナンスが容易になります。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "Macintoshは、UEFIの前身であるEFI(Extensible Firmware Interface)を採用しています。EFIは、Appleが1998年に開発したプラットフォームファームウェアで、Intelと共同で開発されました。当初はMacintoshのプラットフォームファームウェアとして採用され、後にUEFIの基礎となりました。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "MacintoshのEFIは、標準的なPCのUEFIとは異なり、Macintosh固有の仕様があります。たとえば、MacintoshのEFIは、GPTスキームに基づくブートデバイスの選択方法が異なります。また、MacintoshのEFIには、OS XやmacOSの起動時に使用されるBoot Campなどの固有の機能が含まれています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "Macintoshは、UEFIを正式にサポートするようになったのは、2015年以降のMacモデルからとなりました。これにより、Macintoshも他のPCと同様に、UEFIの機能やセキュリティを活用することができるようになりました。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "IBMは、UEFIの策定において重要な役割を果たしました。IBMは、PC BIOSの標準化を提唱しており、1990年代初頭にPC/AT互換機向けのPC BIOS規格を開発しました。しかし、PC BIOSは、コンピュータの機能拡張に対応できなくなってきたことから、IBMは新しいファームウェア規格の策定を提唱しました。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "その結果、UEFIが開発され、2005年にはUEFIフォーラムが設立されました。IBMはUEFIフォーラムの設立メンバーの1つであり、UEFIの開発において重要な役割を果たしました。また、IBMは、x86_64アーキテクチャにおけるUEFIの開発にも取り組んでいます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "PowerPCは、UEFIのサポートを提供するアーキテクチャの1つです。UEFIは、x86アーキテクチャだけでなく、ARMやPowerPCなどの様々なアーキテクチャをサポートしています。PowerPCにおいても、UEFIを使用することで、従来のBIOSよりも高速な起動時間や、セキュリティ機能の強化などの恩恵を受けることができます。また、UEFIを使用することで、PowerPCに対するソフトウェア開発の容易化も期待されています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "Power Architectureは、サーバーや組み込みシステムで使用されるプロセッサアーキテクチャのファミリーで、PowerPCプロセッサを含んでいます。UEFIは、x86アーキテクチャに最初に導入されたが、その後、他のアーキテクチャにも広がっていきました。Power Architectureに対するUEFIのサポートは、2012年にUEFI Forumによって標準化されました。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "Power Architectureにおいて、UEFIを実装する際には、EFIファームウェアをPowerPCアーキテクチャ向けに移植する必要があります。Power Architecture向けのUEFIの実装には、オープンソースのOpenPOWER FoundationとIBMのOpen Firmwareが利用されています。また、UEFIの実装には、Linuxカーネルのようなオープンソースソフトウェアも使用されています。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "[UEFIは、BIOSに比べてセキュリティや拡張性、起動時間の短縮など多数の優れた機能を提供しています。今後も、UEFIはコンピュータ業界で重要な役割を果たすことが予想されます。]", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "以上のように、UEFIはBIOSよりも優れた機能を持ち、より高度なセキュリティや拡張性、起動時間の短縮などの面で優れています。さらに、UEFIは大容量ストレージのサポートや、より視覚的なグラフィカルインターフェイスも提供しています。これらの機能は、現代の高度なコンピュータシステムにとって必要不可欠であり、UEFIはその要件を満たすために開発されました。 UEFIがBIOSを置き換えることにより、コンピュータ業界はますます効率的になり、コンピュータの起動時間が短縮され、より高度なセキュリティ機能を持つことができます。UEFIは、現在のコンピュータシステムの基盤となっており、今後もますます重要な役割を果たすことが予想されます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "一般に、エミューレーターを使って実験します。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "無料のフリーソフトでも、w:QEMUなどのエミュレータを使えるので、アセンブラのw:NASM(無料ソフト)などで(アセンブリコード入力を経由して)機械語を入力していきます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "※ 次の節で、qemuの使い方を大まかに説明する。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "原理的には、アセンブラを経由せずともバイナリエディタ(Hex editor)といわれるもので機械語を直接に書いてプログラムするのも、原理的には可能です。そもそもアセンブラ自体どうやって開発されたかを想像すれば、おそらくバイナリエディタを、流通しているCPU用のアセンブラ命令にあわせて特化してプログラミング用に作られたソフトウェア(がアセンブラ)なのでしょう。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "原理の理解としてはバイナリエディタの存在に気づくことも重要ですが、しかしバイナリエディタによるプログラミングではコード記述が覚えづらく非現実的ですし、一目では内容が分かりづらいです。なので、一般にアセンブラで入力していくのが、OS製作では現実的でしょう。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "さて、NASMは、あくまでエミュレーター上での仮想化なので、完全には仕組みを再現していませんが、しかし個人の学習では、止む(やむ)を得ません。 もしもエミュレータを使わずに、BIOSのブート設定を 毎回 書き換えて実機のパソコンでブートの実験などを毎回したとしたら、とてもメンドウです。なので、エミュレータを使って、手間を省きます。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "なお、一般的なLinuxなどでは、リリース直前の開発の後半などで、確認のために最終的に開発者たちはDVDなどに書き込んでブートしてみたりするなどして、実験します(いわゆる「ベータテスト」などで、DVDのISOを無料配布している)。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "なお余談ですが、OS自作でなくCPU自作をしたい場合、w:GNU Binutilsなどの無料のクロスアセンブラがありますので、そういうのを活用します。半導体製造工場などを個人は持ってないので、ソフト的にエミュレートするしかありません。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "エミュレータにも種類や方式が色々とあります。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "方式のひとつとして、ホストOSのインストールされているパソコンのCPUを間借りする方式があります。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "別の方式として、ホスト側のCPUは間借りせずソフトウェア内に仮想のCPUを制作する方式のものなどもあります。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "コミュニティ ベース の qemuやBochs というエミュレータは、(ホストCPUをあまり)間借りしないで、ソフト的に仮想のCPUを作る方式のものである", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "いっぽう、オラクル社のVirtual Box やヴイエムウェア社のVMWare というエミュレータは、ホストPCのCPUを間借りする方式のものである。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "私たちの学習の目的には、VirtualBox 的に複数のCPUが混ざり合うと学習的に分かりづらくなるので、qemuのようなソフト的にCPUの機能を再現するほうが分かりやすいと考え、qemuを優先して紹介することにする。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "また、qemu はオープンソースである。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "なお、Virtual Box は昔は非オープンソースだったが、現在はオープンソース版のVirtual Box がある。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "なお、オラクル社のようなホストCPUを間借りする方式にも長所はあり、仮想化の中では処理速度を速くしやすいという長所もある。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "本書では、とりあえず qemu を前提として説明する。", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "", "title": "UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか?" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "前提として、ダウンロードとインストールは既に終わっていると仮定する。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "qemuは、コマンドプロンプトから使うソフトウェアである。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "なので、まずパス(Path)を通さないといけない。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "具体的には、環境変数PATHにqemuのあるフォルダーを追加する。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "さて、パスが追加し終わったら、はたして本当にパスが通ってるの確認のため、Windwosのコマンド プロンプトを起動して", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "というふうに、コマンド「qemu-img」でも入力してみよう。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "なお、「qemu」というコマンドは無いので、「qemu」とコマンド入力しても。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "さて qemu-imgコマンドは引数を指定して使用するコマンドなので、上記コマンド「qemu-img」を実行すれば、端末上で引数が足りないことをqemuから警告されるハズである。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "のように、qemuから警告されれば、ひとまずqemuのインストールは成功である。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "あらかじめ、起動したいファイルを機械語で作っておき、たとえば、testos.img とかの名前をつけて、ホームディレクトリーなどコマンド端末の認識できる場所に保存しておく。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "そしてコマンド端末で", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "のようにコマンド qemu-system-i386 を使えばいい。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "では、そのOSイメージをどうやって作るか。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "原理は、", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "まず、アセンブラの nasm で書く。(nasm は Netwide Assembler ともいう。)", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "あらかじめアセンブラコード形式で、OSにしたいファイルをアセンブリコードで作っておいて、testos.asm などの名前で保存しておく必要がある。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "nasmなら、testos.asm を(PEフォーマットでない、直訳の)機械語にするコマンドは", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "だけで終わる。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "そして、こうして作成したブートイメージをqemuで起動する方法は、ホームファイルに先ほど作成した testos.img を置いた上で、", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "のコマンドだけで終わる。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "では、元になるアセンブリコードをどうやって調達するか? とりあえず、ネットで読者の勉強用に(彼らの)自作OSのブートローダーのアセンブリコードを公開してくれている人がチラホラといるので、彼らのコードで実験するのが良いだろう。", "title": "qemuの設定方法と使用方法" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "ネット上に Bochs の使い方の入門書がぜんぜん無いので、wikibook で教えることにする。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "Bochsでは、アセンブルはできない。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "Bochsの用途は、すでに別ツール(たとえば nasm んど)で作成ずみの img ファイルをBochsで起動するだけのものである。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "asmファイルからimgファイルへのアセンブルは、あらかじめ nasm などで行っておく。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "Bochsの利便性は、コマンドを覚えなくて言いことである。起動コマンドのBochsだけ押せばウィンドウが起動するので、あとはそのウィンドウ側でGUI的に操作してエミュレータの起動をできるという便利ツールなエミュレータが Bochs である。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "さて、Boshs をインストールしてから、環境変数(パス)の設定を終えれば、 コマンドプロンプトで、コマンド bochs で起動する。つまり", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "のように「bochs」の部分を入力する。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "で、起動するとダイアログ画面が現れる。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "さて、これだけでは、そもそも何のファイルを起動するかすらも設定されてない。なので、これから、このダイアログ画面で、それを設定する。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "まず、真ん中の項目(中央ペイン)にある「Edit Option」 の「Disk & boot」をダブルクリックすると、画面が遷移して、", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "オプション画面である「Bochs Disk Options」画面になる。この項目で、何のファイルを起動するかを設定できる。 そのためには、", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "その「Bochs Disk Options」画面の中で、タブ「ATA Channel 0」> 子タブ「First HD/CD on Channel 0」 をクリックすると出てくる画面に、", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "上から2段目あたりに", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "という項目があるので、その のなかに、起動したいimgファイル名を入れる。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "たとえば、「testos.img」ファイルを起動したいなら、", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "のようになる。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "こうして、(おそらく)あとはこのオプション画面を終了して(ダイアログ・ウィンドウの右上のクローズ用の×ボタンを押せばいい)メインメニュー画面に戻り、右ペインにあるStartボタンを押せばいい。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "Panic ウィンドウが表示されて Message 欄に「specified geometry doesn't fit on disk」 と書いてあるが、このまま左下の欄にある Continue をクリックして、OKを押せばいい。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 198, "tag": "p", "text": "なお、Path or physical device name の設定をしてないで空欄のままにしておくと、Startの際に Message 欄に 「no bootable device」 と出る。", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 199, "tag": "p", "text": "BochsのDtart>OKの後のエミュレート起動後の終了方法は、ウインドウの上部にあるメニューバーの右側のほうに、○印の中にタテ線「|」のある終了ボタン「(|)」があるので、これを押せばいい。(右上の×ボタンは使えない。×ボタンをクリックしても反応しない。)", "title": "Bochs の使い方" }, { "paragraph_id": 200, "tag": "p", "text": "一般的なアセンブラには DB 命令というのがあり、これはORG命令などで指定したメモリに値を書き込む命令であるが、これで機械語も書き込みできる。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 201, "tag": "p", "text": "もし、機械語を書き込む先を、メモリではなく、ハードディスクやUSBメモリやフロッピーディスクなどのブート可能なメディアにすれば、原理的には、これでブートローダを作れる。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 202, "tag": "p", "text": "なお、DB とは data byte の略だと言われている。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 203, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 204, "tag": "p", "text": "さて、では、OSを作るためには、まず、ブートセクタを書き込めばいいのですが、では、どういう内容のことを書き込めばいいのでしょうか。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 205, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 206, "tag": "p", "text": "まず、ブートローダを書き込むわけですが、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 207, "tag": "p", "text": "規格により、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 208, "tag": "p", "text": "また、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 209, "tag": "p", "text": "と決まっている。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 210, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 211, "tag": "p", "text": "なので、このために", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 212, "tag": "p", "text": "をどこかに書き込む必要があります。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 213, "tag": "p", "text": "times とは、nasm の擬似命令のひとつで、繰り返し命令のことです。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 214, "tag": "p", "text": "「aa55」の署名を書き込まずにQemu上で機械語を起動しても、いくつかのメッセージのあとに「No Bootable device」などと表示されるだけです。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 215, "tag": "p", "text": "さて、上記コードの場合は", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 216, "tag": "p", "text": "という命令です。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 217, "tag": "p", "text": "$ は、そのtimes命令が出されたときの現在のアドレスです。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 218, "tag": "p", "text": "$$ は、現在のセクションの最初のアドレスです。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 219, "tag": "p", "text": "間違えて、「55aa」(マチガイ!)を書き込まないようにしてください。詳しくは『w:リトルエンディアン』で調べてください。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 220, "tag": "p", "text": "MBRのサイズは512バイトと決まっており、その末尾2バイトに「aa55」と書き込むので、times 繰り返し命令 では「510」と2バイトぶん、余らせています。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 221, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 222, "tag": "p", "text": "なので、とりあえず下記のように書き込みましょう。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 223, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 224, "tag": "p", "text": "成功すれば、 qemu上で、「H」と表示されます。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 225, "tag": "p", "text": "int 0x10 とは、ディスプレイへの割り込み命令のひとつです。int でBIOSにより割り込み命令を指示しています。intの引数で、どんな割り込みをするかを指示しており、int 0x10 はビデオサービスの割り込みです。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 226, "tag": "p", "text": "ですが、int 0x10 だけでは、ディスプレイに文字も画像も表示できません。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 227, "tag": "p", "text": "int 0x10に加えて、さらに、何を割り込ませるかの指定を行う必要があり、 mov ah, 0x0e で文字割り込みを指定しています。(※ 詳しくは『en:w:INT 10H』(英語版ウィキペディア)などを参照してください。)", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 228, "tag": "p", "text": "int 0x10 の命令は、上記の手本コードのように、 アキュムレータ レジスタで指示しなければなりません。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 229, "tag": "p", "text": "なお、学校などで、もしかしたら、情報科学・計算機科学の教育では「アキュムレータ」とは「加減乗除などのためのレジスタ」とか習うかもしれませんが、しかし実際のCPUでは、(上記コード例のように)設定などの一時保存にもアキュムレータが流用されています。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 230, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 231, "tag": "p", "text": "。CR0の最下位ビットのが0ならリアルモードです。実際には、プロテクトモードの移行のためには、さらに グローバル デスクリプタ テーブル(GDT)というものを作成する必要があるが、初学者には当面は知らなくていいので、もうプロテウトモードの説明は後回しにする(※ 現時点では未記述)。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 232, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 233, "tag": "p", "text": "さて、この場合での int 0x10 は、alレジスタにある文字を表示できます。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 234, "tag": "p", "text": "「Hello 」と表示させたければ、「H」だけでなく、同様の操作を繰り返し、「e」「l」「l」「o」を追加で表示させればいいだけなので、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 235, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 236, "tag": "p", "text": "でブート後に「Hello」と表示できます。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 237, "tag": "p", "text": "ラベルやジャンプ命令を使うと、繰り返し命令を実装できる。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 238, "tag": "p", "text": "上の「Hello」のプログラムを、ラベルなどによる繰り返し処理でプログラムするとするなら、下記のようになるl", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 239, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 240, "tag": "p", "text": "org 0x7c00 とは、このようなテキスト処理をするのにBIOSに予約されている領域が7c00 なので、そこから書き始める必要がある。 org は擬似命令であり、これからの書き込みのメモリ位置を指定する命令である。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 241, "tag": "p", "text": "また、 mov si, greet は形式的には、あたかもラベルgreetの内容を代入するかのような表現ですが、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 242, "tag": "p", "text": "実際は、単にgreet ラベルの先頭のメモリを代入するだけです。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 243, "tag": "p", "text": "int 0x10 は、繰返し命令の中で、毎回、使用する必要がある。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 244, "tag": "p", "text": "次のようlodsb 命令とsiレジスタを使っても良い。lodsbは[ds:si]からalに1バイト読込む(ロード load)命令であり、さらに使用後に自動的にsiレジスタの指し示す位置を1バイトぶんだけインクリメント(DF=0の場合、DF=1の場合はデクリメント)してくれるので、手間が省ける。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 245, "tag": "p", "text": "※ 2022年現在のx86プロセッサは、x86命令セットをマイクロ命令に分解し、マイクロ命令の組合せによっては複合的なマイクロ命令に合成し実行しています。ところが、lodsbの様な複雑な命令はマイクロ命令に翻訳されず固定的なマイクロコードにより実行されます。このため、かつて命令読込みのオーバーヘッドがなくせるという理由で「最適化」の代表だった複雑な命令を使うことは、現在は実行速度を低下させることになります。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 246, "tag": "p", "text": "解説", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 247, "tag": "p", "text": "lodsb の内容は", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 248, "tag": "p", "text": "と等価である(DF=0の場合、また OF, SF, ZF, AF, PF は inc si の結果により修飾されるので厳密には異なる)。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 249, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 250, "tag": "p", "text": "の代わりに", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 251, "tag": "p", "text": "でも良い。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 252, "tag": "p", "text": "また test の代わりに", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 253, "tag": "p", "text": "でも良い。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 254, "tag": "p", "text": "※ かつては、定数とレジスタの比較はレジスタファイルの読出しハザードがありストールの原因になりましたが、Sandy Bridgeマイクロアーキテクチャ以降のプロセッサであればマイクロフュージョンの対象となり、test命令やor命令を使うメリットはなく、專ら可読性を損なうだけです。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 255, "tag": "p", "text": "まず、設定として、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 256, "tag": "p", "text": "というコードが必要です。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 257, "tag": "p", "text": "int 0x10 はグラフィック割り込みです。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 258, "tag": "p", "text": "グラフィック割り込みの場合、ahは0に固定するように規格で決まっています。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 259, "tag": "p", "text": "alによって、ビデオモードを指定しています。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 260, "tag": "p", "text": "alが0x13なら、320 x 200ドット x 16色モード(8bitカラー)", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 261, "tag": "p", "text": "という意味です。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 262, "tag": "p", "text": "一般的なパソコンではグラフィック描画用のVRAMアドレスは 0xa0000 から 0xaffffの領域が割り当てられています。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 263, "tag": "p", "text": "なので、mov命令で、このアドレスに書き込むと、VRAMに直書きできます。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 264, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 265, "tag": "p", "text": "で、問題は、通常の16ビットCPUモードのmov命令では、 メモリ番号は4ケタまでしかアクセスできない。「a0000」や「affff」は5ケタであることに注目。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 266, "tag": "p", "text": "で、しかも、ブートローダ起動中のリアルモードでは、この16ビットCPUのモードである(らしい)", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 267, "tag": "p", "text": "なので、ともかく、通常の方法ではアクセスできない。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 268, "tag": "p", "text": "5ケタのメモリ番号にアクセスするためには、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 269, "tag": "p", "text": "「セグメント方式」という手法を使う。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 270, "tag": "p", "text": "簡単に言うと、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 271, "tag": "p", "text": "なお、上式の数は十進数である。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 272, "tag": "p", "text": "16進数になおすと、単にセグメントベース×16は、末尾に0をつけたすだけである。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 273, "tag": "p", "text": "これらのセグメントベースを格納するために「セグメントレジスタ」と言う専用のレジスタを使う。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 274, "tag": "p", "text": "16ビットCPUのセグメントレジスタには", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 275, "tag": "p", "text": "の4つがある。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 276, "tag": "p", "text": "なおFSとGSは32ビットCPU以降のセグメントレジスタである。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 277, "tag": "p", "text": "CSは、CPUが実行するプログラムを格納するためのセグメントとして、CPUに使用させる。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 278, "tag": "p", "text": "DSは、メモリの読み書きといったデータ関係の手段のセグメントとして、CPUに使用させる。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 279, "tag": "p", "text": "SSはスタック関係のセグメントで使用。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 280, "tag": "p", "text": "「エクストラ」とは、「その他」とか「追加の」のような意味。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 281, "tag": "p", "text": "よく分からなければ「セグメントベース」でググると、詳しく紹介してくれている親切なITブロガー日本人さんが何人かネットにいるので、それらのページを参照してください。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 282, "tag": "p", "text": "で、書式は、[セグメントベース:オフセット]の書式である。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 283, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 284, "tag": "p", "text": "下記のようなコードで、ブート直後の画面の任意の場所にピクセル単位で色をぬれる。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 285, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 286, "tag": "p", "text": "さて、mov 命令でメモリに書き込むには mov BYTE [123], 0x4567 の書式で書き込みます。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 287, "tag": "p", "text": "この場合、メモリの123番地に、数値(16進数で)4567を書き込むわけです。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 288, "tag": "p", "text": "[ ] をつけると、メモリへの指示だとアセンブラなどが認識します。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 289, "tag": "p", "text": "ここでの「BYTE」 は1バイト長で書き込め、という命令です。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 290, "tag": "p", "text": "2バイト長なら(BYTE でなく) WORD になります。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 291, "tag": "p", "text": "4バイト長さなら DWORD になります。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 292, "tag": "p", "text": "なお", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 293, "tag": "p", "text": "のように書いた場合は、メモリ123番地にある内容をレジスタalに書き込め、という命令になります。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 294, "tag": "p", "text": "このように、(書き込みだけでなく)メモリからの読み込みにも [ ] は使えます。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 295, "tag": "p", "text": "つまり、 [ ] をつけると、メモリへの指示だとアセンブラなどが認識します。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 296, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 297, "tag": "p", "text": "0xa0000は画面の左上だが、そこに色を塗っても見づらいので、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 298, "tag": "p", "text": "上記コードでは 0xa1111 から色を塗り始めることにした。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 299, "tag": "p", "text": "なお 0xaffff は画面の右下である。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 300, "tag": "p", "text": "画面の真ん中の上のほうに、なんか緑色っぽい線が5ミリくらいの長さで水平に引かれている結果が表示されると思う。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 301, "tag": "p", "text": "上記のコードでは、分かりやすさを重視して、あえて繰り返し命令(ラベルやジャンプ命令で実装できる)を使わなかったが、実際に図形を書きたい場合は、ラベルを活用して繰り返し命令で処理するのが効率的だろう。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 302, "tag": "p", "text": "なお、上記コード例1で", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 303, "tag": "p", "text": "とあるが、", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 304, "tag": "p", "text": "これを、(下記はエラーになる)", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 305, "tag": "p", "text": "とまとめても、なぜかエラーになる。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 306, "tag": "p", "text": "なので、手本のコードのように、レジスタを経由する必要がある。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 307, "tag": "p", "text": "一般的名パソコンでは、英数字などのテキスト出力も、ブート直後の段階では、専用のメモリ領域が用意されるので、このメモリを書き換えることで、テキスト文字を出力できます。(ただし、漢字や平仮名・カタカナなどは無理。)", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 308, "tag": "p", "text": "ブートプログラムの確認作業などに、便利な機能でしょう。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 309, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 310, "tag": "p", "text": "また、 int 命令によって、1文字ずつ書いていく方法は、原理は単純ですが、実装では、処理速度があまり速くないという問題があります。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 311, "tag": "p", "text": "ラベル命令やジャンプ命令などを使ってコードの行数を減らしても、int命令で書き込みをするよりも、テキスト用メモリを直に書き換えするほうが処理速度が速くなります。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 312, "tag": "p", "text": "一般的なパソコンでは 0xb800 からの領域がテキスト用メモリに割り当てられています。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 313, "tag": "p", "text": "なので、まず", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 314, "tag": "p", "text": "と指定します。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 315, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 316, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 317, "tag": "p", "text": "メモリ領域のうち、0xa0000 から0xfffff までの領域は通常のパソコンでは、BIOSがハードウェアを管理するために使用することになっています。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 318, "tag": "p", "text": "このため、それらハード管理以外のソフトウェア的な処理をするためにメモリ使用したい場合は、この領域を避けてメモリを使用する必要があります。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 319, "tag": "p", "text": "こういった用途には Linuxなどの現代のオープンソースOSでは、 メモリを使用する際には 0x100000 以降の領域を使うのが一般的です。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 320, "tag": "p", "text": "原理的には 0xa0000 未満の領域も使用可能ですが、使いすぎ等のミスによって0xa0000以降にハミ出る恐れがあるので、なるべく 0x100000 以降の領域だけを使うほうが安全でしょう。", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 321, "tag": "p", "text": "", "title": "擬似命令を使ってブートローダを作ろう" }, { "paragraph_id": 322, "tag": "p", "text": "まず、フロッピーディスクやハードディスクなどに読み書きのできる割り込み命令で、 int 0x13 というのがあります。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 323, "tag": "p", "text": "2000年代の現代では、これを大容量デバイス用に拡張した拡張 int 0x13 というのがあります。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 324, "tag": "p", "text": "どちらの int 0x13 とも、ドライブ番号は、DLレジスタ(データレジスタの下位(Low)の部分)で指定します。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 325, "tag": "p", "text": "このように、int 0x13 では、割り込み時におけるレジスタの役割が決められています。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 326, "tag": "p", "text": "さて、拡張 int 0x13 を使って、フロッピーディスクやハードディスクなどの記憶媒体に割り込みをできます。(USB対応については今後の見通しは不明。書き込みできるものもあるようだが、)", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 327, "tag": "p", "text": "int 13h は、レジスタなどの数値で 書き込みの方式や対象を指定します。拡張 int 13h と、非格調 int 13h では、レジスタの解釈が違っております。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 328, "tag": "p", "text": "格調 int 0x13 のほうの方式を LBA方式といいます。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 329, "tag": "p", "text": "格調 int 0x13 では、レジスタに収まりきらない様々な情報を、任にの Disk Addres Packet (DAP)という場所に配置しており、その形式も決まっています。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 330, "tag": "p", "text": "※ 調査中", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 331, "tag": "p", "text": "", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 332, "tag": "p", "text": "なお、拡張されてない int 0x13 は、ハードディスク容量などの小さい時代の古い規格のものであり、現代では、読み書きに時間が掛かったり、あるいは不可能です。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 333, "tag": "p", "text": "非拡張の int 0x13 では、ドライブ番号は、DLレジスタ(データレジスタの下位(Low)の部分)で指定します。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 334, "tag": "p", "text": "AHレジスタが 0x02 なら 読込み、AHレジスタが 0x03 なら 書込み です。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 335, "tag": "p", "text": "", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 336, "tag": "p", "text": "int 13hともいう。", "title": "ハードディスクなどへのアクセス" }, { "paragraph_id": 337, "tag": "p", "text": "まず、int命令で、キーボードサービスの割りこみがあり、 int 0x16 がキーボードサービスである。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 338, "tag": "p", "text": "さてint 0x16 を呼び出す際、", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 339, "tag": "p", "text": "なら、ah = 0x00 は、キーボードのキー入力待ちである。ah = 0x10 だと拡張キーボード対応らしい 。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 340, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 341, "tag": "p", "text": "実は一般的なパソコンでは、アセンブリ言語の命令で、いくつかのハードウェアに読み書きのアクセスするための、専用の命令がある。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 342, "tag": "p", "text": "IN 命令と、 OUT命令である。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 343, "tag": "p", "text": "そして、キーボードなど、昔のどこのパソコンにも存在したハードウェアは、実はハードウェア番号が決められている(「I/Oポートアドレス」などという)。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 344, "tag": "p", "text": "たとえば、キーボードはハードウェア番号(I/Oポートアドレス)が十六進数で0x60 番である。(メモリマップとは別。メモリアドレスの0x0060などにdb命令で書き込んでも、目的のハードにはアクセスできない。 )", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 345, "tag": "p", "text": "IN命令で、引数で指定したレジスタ(普通はALレジスタやAXレジスタを指定する)に、もうひとつの引数で指定した目的デバイスから送られた値が保存されます。(引数の順序はアセンブラの種類などによって異なるので、説明を除外。)", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 346, "tag": "p", "text": "また、OUT命令で、引数で指定したレジスタ(普通はALレジスタやAXレジスタを指定する)に格納されている値が、もうひとつの引数で目的デバイスに送られます。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 347, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 348, "tag": "p", "text": "たとえば、下記のようなコードで、キーボードの文字「E」または前後のWかRを押すと、1行ぶん下の位置に文字「G」が表示される。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 349, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 350, "tag": "p", "text": "in al, 0x60 を使えば、キーボードコントローラーから送られてきたキーも al に入力されます。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 351, "tag": "p", "text": "in al, 0x60 とは、けっして「レジスタ al に 60 を代入しろ!」(×、マチガイ)という意味ではなく(そもそも定数の代入だけなら mov 命令だけで可能である)、「ポートアドレス 0x60番 のポートから送信されてきたデータを、レジスタalに代入しろ」という意味です。勘違いしないでください。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 352, "tag": "p", "text": "そして、キーボードコントローラーのポートアドレスが 0x60 なので、めでたく、上記コードでキーボードから押されたボタンの情報を受け取れます。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 353, "tag": "p", "text": "さて、キーボードを押したとき、押したボタンに対応するスキャンコードが、パソコン内部にあるキーボードコントローラー(KBC)という装置に送信される仕組みになっています。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 354, "tag": "p", "text": "このスキャンコードは、アスキーコードとは異なります。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 355, "tag": "p", "text": "上記コード例にある cmp al, 18 の数値「18」とは、スキャンコードでの番号です。だいたいスキャンコードで18番のあたりが文字 W,E,R のどれかのあたりです。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 356, "tag": "p", "text": "また、アスキーでは「2」と「\"」とは別の文字ですが、しかし日本語キーボードの場合、「2」と「\"」はボタンが同じなので、スキャンコードでは同一になります。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 357, "tag": "p", "text": "このように、物理的に同じ位置にあるかどうかで、スキャンコードは決まります(なお、JIS配列キーボードやUS配列キーボードのように言語が違うキーボードでも、位置が同じなら、ほとんどのボタンのスキャンコードの内容も同じ場合が多い)。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 358, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 359, "tag": "p", "text": "また、スキャンコードは、押されている時に送信されるコード(「メイク コード」という)と、離した瞬間に送信されるコード(「ブレイク コード」という)とが、それぞれ違うコードです。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 360, "tag": "p", "text": "日本語キーボードは OADG という規格にほぼ統一されています。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 361, "tag": "p", "text": "ですが、世界的にスキャンコードの規格は、古いものでも3種類くらいあり、さらにUSBキーボードの規格は別です。このため、日本語 OADG のスキャンコードも、現在でも3種類くらいあります。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 362, "tag": "p", "text": "下記のリンクが詳しいです。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 363, "tag": "p", "text": "なお、一般的に「メイクコード/ブレイクコード」の書式です。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 364, "tag": "p", "text": "たとえば、ボタン「1」(「!」と同じ)のスキャンコードが「16 / F0 16」とかかれていれば、メイクコードが「16」であり、ブレイクコードが「FD 16」という意味です。(ある規格では、ブレイクコードは、メイクコードの先頭にF0がついたものになっている。)", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 365, "tag": "p", "text": "なお、キーボードコントローラーもインテルなどが製造していました。かつて Intel i8042 というキーボードコントローラーが有名でした。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 366, "tag": "p", "text": "より正確な仕組みとしては、シリアル通信(PS 2 信号)などで送られた信号をKBCあたりでスキャンコードに変換しているわけですが、CPUから見ればスキャンコードしか見えないので、あまり気にしなくていいでしょう。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 367, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 368, "tag": "p", "text": "0から作るOS開発 カーネルローダその3 プロテクティッドモードへの移行とA20", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 369, "tag": "p", "text": "※ 本wikibooksの当ページが完成するまでの間、上記の参考サイトが分かりやすくて役立つと思いますので勉強してください。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 370, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 371, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 372, "tag": "p", "text": "次のようなコードを使えばledが点滅するらしいのだが、しかしエミュレータでの実験では分からなかった(Windows起動により、すでにLEDが点灯しているので、区別しづらい)。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 373, "tag": "p", "text": "0xED というのは、LED点灯に関する命令の番号。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 374, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 375, "tag": "p", "text": "一般的なブートローダのいくつかには、ブートセクタに BIOS Parameter Block (BPB)というものが書かれており、これは BIOS への指示や設定を出すブロックです。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 376, "tag": "p", "text": "パソコンの電源を投入して、まず最初に起動するのは BIOS なのですから、このブロックが必要です。少なくとも Windows系OSのブートローダーでは、そうなっていると言われています。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 377, "tag": "p", "text": "このように、ブートセクタは、書式がほぼ決まっています。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 378, "tag": "p", "text": "という構成になっています。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 379, "tag": "p", "text": "ジャンプしてしまうので、BPB はプログラムカウンタでは読み取れず、BPBはBIOSしか読み取れないことに注目しましょう。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 380, "tag": "p", "text": "市販のOS自作本にある、DB命令で書き込む冒頭の 「DB 0xeb」 と言うのも、このJMP命令のことです。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 381, "tag": "p", "text": "JMP命令はX86系CPUの機械語では eb です。", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 382, "tag": "p", "text": "『IA-32 インテル®アーキテクチャソフトウェア・デベロッパーズ・マニュアル』『中巻A:命令セット・リファレンスA-M』3-411", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 383, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 384, "tag": "p", "text": "", "title": "キーボードサービス" }, { "paragraph_id": 385, "tag": "p", "text": "プロテクトモードとは、CPUの32ビットモード(および32ビット以上のモード)のこと。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 386, "tag": "p", "text": "32ビットモードには、アクセス権の無い状態からのアクセスを禁止するという、特権レベルによる保護機能などがあるので、プロテクトモードという。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 387, "tag": "p", "text": "プロテクトモードにいこうするためのコードの一部を抜粋すると、おおむね書きのような感じになる。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 388, "tag": "p", "text": "cr0レジスタの最下位ビット(PEビットという)が1だとプロテクトモードである、という仕様である。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 389, "tag": "p", "text": "の3行の処理で、cr0レジスタの最下位ビットを1に設定している。なお、このcr0の最下位ビットのことをプロテクト・エネーブルド pr0tect enebled という意味でPEビットという。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 390, "tag": "p", "text": "設定後にわざわざジャンプ命令 jmp を通す理由は、CPUの先読みした命令を破棄するためである 。ジャンプ命令には、先読みを破棄する機能がある。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 391, "tag": "p", "text": "なお、パイプラインという仕組みにより、CPUは先読みしている。このパイプラインの先読みを破棄することをフラッシュという。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 392, "tag": "p", "text": "実はCPUは、いくつか先の命令をすでに先読みしている(これがパイプライン)。プロテクトモード以降では、それが不具合の原因になるので、いったんフラッシュする(カラにする)必要がある。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 393, "tag": "p", "text": "なので、CPUのパイプラインをフラッシュするためにジャンプ命令を使っている。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 394, "tag": "p", "text": "", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 395, "tag": "p", "text": "", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 396, "tag": "p", "text": "さて、一般にWindowsやLinuxなどのOSには、パーティションという、インストール時にハードディスクの使用領域を決める機能がある。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 397, "tag": "p", "text": "実はCPU側に、メモリに関する機能だが、似たような動作を機能がある。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 398, "tag": "p", "text": "GDT(グローバル ディスクリプタ テーブル Global Descriptor Table)といって、メモリのアドレスのどこからどこまでがそのCPUで使える領域を定義する機能がある。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 399, "tag": "p", "text": "で、プロテクトモードでは、あらかじめ、このGDTを設定しないと動作しない。そういう仕様で、むかしのインテルあたりの人が決めてしまったので、従うしかない。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 400, "tag": "p", "text": "で、実はCPUにGDTレジスタ(GDTR)という、GDTの場所を保管する専用レジスタがあるので、このGDTレジスタにGDTのアドレスなどの情報を入れる必要がある。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 401, "tag": "p", "text": "さらに、このGDTレジスタに書き込むための専用の命令 lgdt (ロードgdt)があるので、これを使う必要がある。(「書き込みだから save では?」という疑問も、わくかもしれないが、こういう名前に決まってしまってるので、従うしかない。)", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 402, "tag": "p", "text": "", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 403, "tag": "p", "text": "同様に IDT(Interrupt Descriptor Table)というのがある。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 404, "tag": "p", "text": "さらに、16ビット時代の昔はCPUのアドレスバスが20本までだったので、リアルモードでは利用するアドレスバスが20本までという制限が掛かっており、A00からA19までを使用している。A20以降はマスクされている。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 405, "tag": "p", "text": "この制限のことを「A20のマスク」という。プロテクトモードに以降するためには、このA20のマスクを解除しないといけない。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 406, "tag": "p", "text": "下記の順序で作業しないといけない。そういう仕様である。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 407, "tag": "p", "text": "A20マスクの解除には複数の方法がある。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 408, "tag": "p", "text": "キーボードコントローラから解除できる理由は、単に昔のインテルかどこかの人が設計したとき、たまたまキーボードコントローラ用のアドレスバスが余ってたからだけと言う理由らしく、あまり技術的な深い意味は無い。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 409, "tag": "p", "text": "なお作業の順番について、A20のマスク解除の順場は多少前倒しになっても平気なようである。", "title": "プロテクトモード" }, { "paragraph_id": 410, "tag": "p", "text": "ある程度、理解が進むと、 Linux など実際に活用されているオープンソースOSのブートローダを調べたいと感じるかもしれません。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 411, "tag": "p", "text": "まずOSの起動で最初に動くのはブートローダだからです。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 412, "tag": "p", "text": "しかし Linux を開発している kernel.org のサイトには、ブートローダは無いのです。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 413, "tag": "p", "text": "Linux で仕様されているブートローダは、Gnu(グニュー)というオープンソース・ソフトウェア団体の作っている GRUB (グラブ)というソフトウェアです。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 414, "tag": "p", "text": "なのでブートローダをソースコードを探す場合も、Gru Grub のウェブサイトを探す必要があります。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 415, "tag": "p", "text": "書籍だとアスキー出版『Linuxのブートプロセスを見る』などの題名の書籍で Grub を紹介してるので、ついつい何となく、ソースコードを読むためにリーナスの管理している kernel.org を探しがちですが、しかし、よくよく考えたら、Grub は Linux ではありません(実際、Windows版Grubもある)。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 416, "tag": "p", "text": "もし『Grubのブートプロセスを見る』だと売れないので、出版社が「Linuxのブートプロセスを見る」という題名にしたのでしょう。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 417, "tag": "p", "text": "私たちOS開発をしたい読者は、けっして出版社にマインド・コントロールされたままでは、イケません。真実「Grub は Linux ではない」に気がつきましょう。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 418, "tag": "p", "text": "Grub のソースコードのダウンロードにgitコマンド(git clone などのコマンド)が必要なので、あらかじめインストールしておくか、Gitコマンドが最初から使える Ubuntu か Fedora などのLinuxをパソコンにインスト-ルしておきましょう。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 419, "tag": "p", "text": "Git コマンドのインストールと、Git Hub などのウェブサイトとは別物ですので、混同しないようにしましょう。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 420, "tag": "p", "text": "外部リンク: Gitの公式サイト", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" }, { "paragraph_id": 421, "tag": "p", "text": "なお Windows版のGitはVimエディターにしか対応してないとの情報がインストール時に出ますが、しかしわざわざvimを別途インストールしなくても、Win版GitをインストールすればWindwowsコマンドプロンプトでGitコマンドを使えるようになります。", "title": "Linuxのブートローダはkernelには無い" } ]
この教科書は、コンピューターシステムの基本的な構成要素であるオペレーティングシステムに焦点を当てています。読者には、プロセス管理、メモリ管理、ファイルシステム、デバイス管理、セキュリティ、ケーパビリティ、プロセス間通信など、幅広いトピックを網羅的に理解することが期待されます。オペレーティングシステムがシステムの安定性、効率性、およびセキュリティに与える影響を考察し、現代のコンピューティング環境において不可欠な役割を果たしていることを強調します。著者は基本的な概念をわかりやすく説明し、実際のシステムに対する応用に焦点を当てています。この教科書は、学生、研究者、そしてプロフェッショナルがオペレーティングシステムの理論と実践を深く理解し、実用的なスキルを磨くための道しるべとなることを意図しています。
{{stub}} 低水準プログラミングは、コンピュータのハードウェアに近い形で行われるプログラミング手法です。アセンブリ言語や機械語により直接的に制御し、メモリやレジスタ、命令セットなどにアクセスします。高度な抽象化を提供せず、ハードウェアの細部に対して直接的な操作が可能なため、制御の精度が高まりますが、同時に複雑さも増します。通常、高水準言語よりもハードウェアと密接な関わりがあり、性能最適化やリソース制御が求められます。 ;予備知識 :本書を読むには予備知識としてアセンブラの知識と、X86系CPUのレジスタなどのアーキテクチャの知識が必要である。 一般的にプログラミングにおいて、ハードウェアの制御は、コンパイラが対応していない命令(特権命令やIO命令など)はアセンブリ言語で記述する事になる。 もし知らなければwikibooks記事『[[X86アセンブラ]]』などで解説してある。特に『[[X86アセンブラ/GASでの文法]]』『[[X86アセンブラ/x86アーキテクチャ]]』『[[X86アセンブラ/x86アセンブラ]]』では初心者むけに説明してある。 本書では触れてないが「カーネル」とか「ユーザランド」とかの用語についてはwikibooks『[[高等学校工業/ソフトウェア技術]]』などで触れてある。 <!--- 本書はタイトルが今のところは「オペレーティングシステム」だが、実際はコンピュータアーキテクチャ理論やデジタル回路理論など低レイヤーの理論や実務的知識が混在したものになっている(あとで整理する)。大学の科目の分類が縦割りのタコツボ・時代おくれで、全体像が分かりづらいので、予定では、今後の構成でも、意識的にコンピュータアーキテクチャなど関連分野の説明を、整理後にも、ある程度は残しておく予定。 なのでOSと言うタイトルなのにマイコンCPU(Z80など)にも触れているという状況である。 ---> == 総論 == === 学習の方向性 === ==== 概要 ==== 低水準プログラミングの学習では、コンピュータの内部構造や動作に深く迫り、高度な技術的理解を養います。アーキテクチャの理解から始め、アセンブリ言語や機械語の習得を通じて、コンピュータハードウェアに直接アクセスするスキルを身につけます。また、レジスタやメモリの操作、デバッグ技術の磨きも重要です。これにより、プログラムの効率やパフォーマンスを向上させる能力が向上します。アーキテクチャの理論を応用することで、組み込みシステムやベアメタルプログラミングなど、実践的なプロジェクトにも挑戦できます。総じて、低水準プログラミングの学習は、コンピュータサイエンスの基盤を深化させ、プログラミングの本質を理解する重要な一環です。 ==== ブートの概要 ==== BIOS(基本入出力システム)は長らくコンピュータの起動プロセスを担ってきたブートストラップ方式でした。起動時にハードウェアの初期化とオペレーティングシステムの起動を行っていました。しかし、BIOSはセキュリティや機能性の向上に制限があり、これを克服する必要が生じました。 UEFI(統一拡張ファームウェアインターフェース)は、BIOSの制約を乗り越えるために開発されました。UEFIは高度なセキュリティ機能、拡張性、性能向上など多数の利点を提供しています。その結果、BIOSからUEFIへの移行が進み、現代の多くのPCでUEFIが採用されています。 歴史的な経緯からBIOSも言及すると、初期のPCはBIOSが標準的でしたが、技術の進化とともに限界が明らかとなりました。UEFIの導入により、セキュリティの向上や新たな機能の実現が可能となり、コンピュータのブートプロセスが進化しました。UEFIはBIOSよりも柔軟で効率的なブートストラップ方式として広く認識され、現代のコンピュータアーキテクチャにおいて不可欠な存在となっています。 ===== BIOS/MBR によるブートストラップ手順:レガシィ ===== BIOS(基本入出力システム)とMBR(マスターブートレコード)によるブートストラップ手順は、コンピュータの起動プロセスの基本を形成します。 ;電源投入とPOST(電源自己診断): ユーザが電源を投入すると、BIOSが動作し、POSTが実行されます。POSTはハードウェアの自己診断を行い、異常がなければブートプロセスが続行されます。 ;ブートデバイスの選択: BIOSは事前に指定されたブートデバイス(通常はハードディスク)からブートローダーを読み込むように構成されています。 ;MBRの読み込み: BIOSは選択されたブートデバイスの先頭セクタにあるMBRを読み込みます。MBRは512バイトの特別な領域で、パーティション情報とブートローダーへのジャンプ命令が格納されています。 ;ブートローダーの実行: MBRからジャンプされたブートローダーは、オペレーティングシステムのインストールされたパーティションを特定し、その先頭セクタからオペレーティングシステムのカーネルを読み込みます。 ;オペレーティングシステムの起動: ブートローダーがカーネルをメモリに読み込んだら、制御をカーネルに移し、オペレーティングシステムが本格的に起動します。 この手順により、BIOSとMBRを使用したブートストラップが実現され、オペレーティングシステムが起動します。ただし、UEFIが普及する中で、新しいシステムではUEFI/GPT方式が採用されることが一般的になっています。 ===== UEFI/GPT によるブートストラップ手順:モダン ===== UEFI(統一拡張ファームウェアインターフェース)とGPT(ガイドパーティションテーブル)は、BIOS/MBRに代わる先進的なブートストラップ方式で、新しいコンピュータアーキテクチャで広く利用されています。 ;UEFI Firmwareの起動: 電源投入時、UEFI Firmwareが起動し、ハードウェアの初期化を行います。UEFI Firmwareはファームウェアとしての基本機能だけでなく、ブートマネージャとしても機能します。 ;UEFI Boot Managerの起動: UEFI Firmwareは内蔵のUEFI Boot Managerを呼び出し、ブートデバイスのリストを取得します。この際、GPTが使用されていることが前提です。 ;EFI System Partition(ESP)の選択: UEFI Boot ManagerはEFI System Partition(ESP)を特定し、その中からブートローダー(例: GRUBやWindows Boot Manager)を探します。ESPはGPT内で特定され、複数のオペレーティングシステムのブートローダーが格納されていることがあります。 ;ブートローダーの読み込み: 選択されたブートローダーがESPから読み込まれ、メモリに配置されます。 ;オペレーティングシステムの起動: ブートローダーがオペレーティングシステムのカーネルを特定し、それをメモリに読み込んだ後、制御をカーネルに渡してオペレーティングシステムを起動します。 UEFI/GPT方式は、従来のBIOS/MBR方式よりも柔軟性があり、大容量ディスクやセキュリティ機能の向上など多くの利点があります。また、複数のオペレーティングシステムをサポートしやすいため、現代の多様な環境に適しています。 ==== メモリマップ ==== BIOSとUEFIは、コンピュータの初期化やブートプロセスにおいてハードウェア情報を管理するために、メモリマップを利用します。以下に、BIOSとUEFIのメモリマップの違いについて説明します。 ;BIOSのメモリマップ :;物理メモリ基準: BIOSのメモリマップは物理メモリを基準にしています。 :;32ビットアドレッシング: 32ビットアドレッシングを使用しており、システムのメモリサイズが4GBを超える場合に問題が発生する可能性があります。 :;RAM、ROM、PCIデバイス、システムファームウェアなどを含む: システムのメモリアドレス空間にはRAM、ROM、PCIデバイス、システムファームウェアなどが含まれます。 ;UEFIのメモリマップ :;仮想メモリ基準: UEFIのメモリマップは仮想メモリを基準にしています。 :;64ビットアドレッシング: 64ビットアドレッシングを使用しており、システムのメモリサイズに制限がなく、大容量の物理メモリを効率的に扱えます。 :;物理メモリ、PCIデバイス、システムファームウェア、UEFIサービス、ACPIテーブルなどを含む: UEFIのメモリマップには物理メモリだけでなく、PCIデバイス、システムファームウェア、UEFIサービス、ACPIテーブルなどが含まれます。 UEFIのメモリマップは、物理メモリのアドレッシングやデバイスドライバの管理を通じて高度な機能を提供します。これにより、BIOSよりも多様なオペレーティングシステムに対応でき、柔軟性が向上します。また、UEFIサービスを介してシステムの状態の取得や変更が可能であり、BIOSよりも進化した機能を提供しています。 ==== 割り込み ==== BIOSとUEFIは、システムの初期化やオペレーティングシステムの起動など、ブートプロセスにおいて割り込みを活用します。以下に、BIOSとUEFIの割り込みの違いについて説明します。 ;BIOSの割り込み :;16ビットリアルモード: BIOSは16ビットリアルモードを使用し、割り込みの処理にはアセンブリ言語で書かれたINT命令が使用されます。 :;割り込みベクターテーブル: BIOSの割り込みは、BIOS ROM内に格納された割り込みベクターテーブルを参照して処理を実行します。 :;ハードウェア制御、デバイスドライバの初期化、オペレーティングシステムの起動: BIOSの割り込みは、ハードウェアの制御、デバイスドライバの初期化、オペレーティングシステムの起動などのタスクを実行します。 ;UEFIの割り込み :;64ビットモード: UEFIは64ビットモードを使用し、割り込みの処理にはC言語で書かれたUEFIサービスを呼び出すことによって実行されます。 :;System Service Table(SST): UEFIの割り込みは、UEFIファームウェア内に格納されたSystem Service Table(SST)を参照して処理を実行します。 :;高度な機能の提供: UEFIの割り込みは、BIOSと比較してより高度な機能を提供します。C言語で書かれたサービスを呼び出すことにより、柔軟性が向上し、多様なオペレーティングシステムやアプリケーションに対応します。 UEFIは、C言語で書かれたサービスを使用することで、より高度な機能を提供し、柔軟性が向上しています。これにより、BIOSよりも進化した割り込みハンドリングが可能となり、現代の複雑なシステムに対応できます。 == UEFIはなぜ必要になり何が優れているのか? == UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、従来のBIOS(Basic Input/Output System)に代わる新しいファームウェア規格です。 UEFIは、従来のBIOSに比べていくつかの優れた機能を提供しています。本稿では、UEFIがなぜ必要になり、何が優れているのかについて説明します。 === イントロダクション === [UEFIとは何か、従来のBIOSとの違いは何かについて簡単に説明します。] UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、コンピュータの起動時に実行されるファームウェア規格です。従来のBIOS(Basic Input/Output System)に代わるものとして開発されました。BIOSは、1970年代に開発され、コンピュータの起動時に必要な基本的なハードウェア設定や起動ドライブの選択を行うために使用されていました。しかし、BIOSは時代遅れになり、UEFIが開発されるようになりました。 UEFIは、BIOSに比べて多数の優れた機能を提供しています。セキュリティ機能が強化されており、悪意のあるソフトウェアをブロックすることができます。拡張性が高く、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、機能追加が容易になっています。起動時間の短縮や大容量ストレージのサポート、グラフィカルインターフェイスの向上なども特徴的です。 従来のBIOSは、16ビットのアセンブリ言語で開発されており、拡張性が低かったため、UEFIは64ビットのC言語で開発されました。また、UEFIはBIOSよりも起動時間が短く、セキュリティ面でも優れているため、現代のコンピュータに必要な要件を満たすようになっています。 UEFIは、現代のコンピュータにとって欠かせない規格となっています。UEFIの普及により、コンピュータの起動時間が短くなり、セキュリティや機能性も向上するとともに、グラフィカルインターフェイスによってユーザーエクスペリエンスも向上しています。 === セキュリティ === [UEFIは、セキュリティ機能が強化されています。Secure BootやUEFI Secure Flashなど、UEFIにはセキュリティ機能が多数実装されています。これらの機能は、コンピュータの起動時に悪意のあるソフトウェアをブロックすることができます。] UEFIのセキュリティ機能の一つであるSecure Bootは、UEFIファームウェアが起動する前に、署名されたオペレーティングシステムやドライバーを認証することができます。これにより、起動時に悪意のあるソフトウェアが起動するのを防止し、システムのセキュリティを高めることができます。Secure Bootは、UEFIの機能の中でも特に重要なセキュリティ機能であり、WindowsやLinuxなどのオペレーティングシステムでもサポートされています。 また、UEFI Secure Flashは、UEFIファームウェアを保護する機能です。これにより、UEFIファームウェアが偽造されたり、マルウェアに感染したりすることを防止することができます。UEFI Secure Flashは、UEFIファームウェアの更新時にも役立ちます。署名されたファームウェアを使用することで、正当な更新プログラムであることを確認し、システムを保護することができます。 さらに、UEFIにはTrusted Platform Module(TPM)と呼ばれるセキュリティチップをサポートすることができます。TPMは、コンピュータに組み込まれた暗号キーを使用し、システムのセキュリティを強化するための機能です。TPMは、セキュリティに特に敏感な企業や政府機関などで広く使用されています。 TPMは、Windows 11 から必須要件となっています。 以上のように、UEFIはセキュリティ面でも優れた機能を提供しています。これらの機能により、悪意のあるソフトウェアからコンピュータを保護し、ユーザーの個人情報や重要なデータを守ることができます。 === 拡張性 === [UEFIは、BIOSよりも拡張性が高いです。UEFIは、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、従来のBIOSよりも機能追加が容易になっています。] UEFIの拡張性は、従来のBIOSと比べて大幅に向上しています。UEFIは、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、従来のBIOSよりも機能追加が容易になっています。これにより、UEFIのファームウェアに新しい機能を追加することができ、コンピュータの機能を拡張することができます。 また、UEFIはファームウェアに対して、エクステンシブル・ファームウェア・インターフェース(EFI)と呼ばれる標準インターフェースを提供します。このインターフェースは、ハードウェアとソフトウェアの間の橋渡しを行う役割を果たし、システムの拡張性を高めることができます。EFIは、ドライバーやアプリケーションが互換性のある方法でインストール、実行されることを保証することができます。 さらに、UEFIは、ファームウェアを実行するプラットフォーム上で動作するアプリケーションのためのフレームワークを提供することができます。これにより、ファームウェア上で直接アプリケーションを実行することができ、オペレーティングシステムが起動する前に必要な処理を行うことができます。UEFIアプリケーションは、UEFIの拡張性を高め、システム管理やユーティリティなどの機能を提供することができます。 以上のように、UEFIは、従来のBIOSよりも拡張性が高く、ドライバーやアプリケーションをファームウェアに統合できるため、機能追加が容易になっています。さらに、UEFIはEFIやUEFIアプリケーションの提供により、システムの拡張性を高めることができます。 === アーキテクチャ非依存のドライバ === アーキテクチャ非依存のドライバとは、特定のCPUアーキテクチャに依存せず、複数のアーキテクチャに対応できるドライバのことです。これは、コンピュータのハードウェアが異なる場合でも、同じドライバを使用できるため、ドライバの開発や管理が簡素化され、互換性の向上につながります。 UEFIにおいても、アーキテクチャ非依存のドライバが使用されています。これらのドライバは、EDK II(EFI Development Kit II)に含まれており、プラットフォームのアーキテクチャに関係なく、UEFI上で動作することができます。 また、UEFIのアーキテクチャ依存のドライバと同様に、アーキテクチャ非依存のドライバもUEFIのドライバモデルに基づいて開発されています。UEFIのドライバモデルは、PEI(Pre-EFI Initialization)フェーズ、DXE(Driver Execution Environment)フェーズ、BDS(Boot Device Selection)フェーズ、そしてランタイムフェーズの4つのフェーズに分かれており、それぞれのフェーズで必要なドライバがロードされます。アーキテクチャ非依存のドライバは、これらのフェーズのうち、DXEフェーズでロードされます。 === 起動時間の短縮 === [UEFIは、BIOSよりも高速な起動時間を実現します。UEFIは、従来のBIOSに比べて、メモリの管理が効率的であるため、起動時間を短縮できます。] UEFIは、BIOSよりも高速な起動時間を実現することができます。これは、UEFIが従来のBIOSに比べて、メモリの管理が効率的であるためです。UEFIは、BIOSと比べて、より多くのメモリをサポートすることができます。また、UEFIは、メモリ管理において、従来のBIOSよりも優れたアルゴリズムを採用しています。これにより、起動時のメモリ管理がより効率的に行われ、起動時間が短縮されます。 さらに、UEFIは、ブートローダーの読み込みにおいても優れた性能を発揮します。UEFIは、従来のBIOSよりも大きなディスク容量をサポートしており、UEFIファームウェアによるブートローダーの読み込み速度が速いため、起動時間を短縮することができます。 また、UEFIは、ファームウェアにおいて、並列処理を採用することができます。これにより、UEFIは、複数のタスクを同時に処理することができます。従来のBIOSでは、タスクを順次処理する必要がありましたが、UEFIでは、並列処理により、タスクを同時に処理することができるため、起動時間が短縮されます。 以上のように、UEFIは、BIOSよりも高速な起動時間を実現することができます。これは、UEFIがメモリの管理が効率的であり、ブートローダーの読み込みにおいても優れた性能を発揮するためです。さらに、UEFIは、並列処理を採用することができるため、起動時間を短縮することができます。 === 大容量ストレージのサポート === [UEFIは、BIOSよりも大容量ストレージのサポートが容易です。UEFIは、GUID Partition Table(GPT)をサポートしているため、2TB以上のHDDやSSDなどの大容量ストレージをサポートすることができます。] UEFIは、BIOSよりも大容量ストレージのサポートが容易です。UEFIは、GUID Partition Table(GPT)をサポートしており、2TB以上のHDDやSSDなどの大容量ストレージをサポートすることができます。 従来のBIOSでは、Master Boot Record(MBR)を使用していたため、2TB以上のストレージをサポートすることができませんでした。MBRは、512バイトのサイズ制限があるため、2TB以上のストレージを使用する場合には、パーティションを複数に分割する必要がありました。しかし、UEFIは、GPTをサポートしているため、2TB以上のストレージを単一のパーティションとして認識することができます。これにより、大容量ストレージの管理が容易になり、ストレージの最適化がより簡単になります。 また、UEFIは、多くのストレージデバイスに対して、より高度な機能をサポートすることができます。UEFIは、Advanced Host Controller Interface(AHCI)やNVMeなどの高度なストレージインターフェースをサポートしており、SSDなどの高速なストレージデバイスの性能を最大限に引き出すことができます。 以上のように、UEFIは、BIOSよりも大容量ストレージのサポートが容易であるため、2TB以上のHDDやSSDなどの大容量ストレージをサポートすることができます。また、UEFIは、高度なストレージインターフェースをサポートすることができるため、ストレージデバイスの性能を最大限に引き出すことができます。 === グラフィカルインターフェイス === [UEFIには、BIOSよりも優れたグラフィカルインターフェイスがあります。これにより、BIOSよりも視覚的な操作が可能になり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。] UEFIには、BIOSよりも優れたグラフィカルインターフェイスがあります。従来のBIOSは、文字ベースのインターフェイスを使用しており、操作が限定されていました。しかし、UEFIは、グラフィカルインターフェイスを使用することができます。これにより、視覚的な操作が可能になり、ユーザーエクスペリエンスが向上します。 UEFIのグラフィカルインターフェイスは、通常、マウスやタッチパッドを使用して操作することができます。また、キーボードでも操作することができます。グラフィカルインターフェイスを使用することで、UEFIの設定や構成をより簡単に行うことができます。また、グラフィカルインターフェイスを使用することで、BIOSよりも視覚的な情報を提供することができます。 さらに、UEFIのグラフィカルインターフェイスは、スクリーンリーダーや拡張性の高いアシスト技術をサポートすることができます。これにより、視覚障害者などのユーザーでも、UEFIを使用することができます。 以上のように、UEFIには、BIOSよりも優れたグラフィカルインターフェイスがあります。グラフィカルインターフェイスを使用することで、UEFIの設定や構成をより簡単に行うことができ、視覚的な情報を提供することができます。また、スクリーンリーダーや拡張性の高いアシスト技術をサポートすることができるため、視覚障害者などのユーザーでもUEFIを使用することができます。 === UEFI Shell === UEFI Shellとは、UEFIベースのシステムにおいて、UEFIファームウェアが提供するコマンドラインシェルのことです。UEFI Shellは、UEFIファームウェアによって提供される機能の一部であり、ユーザーがUEFIファームウェアを直接制御することができます。 UEFI Shellは、UEFIファームウェアによって提供されるため、UEFIベースのシステムにはすべて搭載されています。UEFI Shellは、UEFIの拡張性の高さを示す代表的な例であり、ドライバーやアプリケーションをシェルに統合することができます。また、UEFI Shellは、UEFIのセキュリティ機能を使用してシステムのセキュリティを確保することもできます。 UEFI Shellは、UEFIベースのシステムの設定やデバッグ、トラブルシューティングなどに使用されます。ユーザーは、UEFI Shellを使用して、ストレージデバイスの操作、ファイルシステムの操作、ネットワークの設定などを行うことができます。UEFI Shellは、コマンドラインインターフェースを提供するため、一般的なコマンドやスクリプトを使用してタスクを自動化することもできます。 UEFI Shellは、UEFIの機能を理解するために必要な知識を持つエンジニアや開発者にとって、非常に便利なツールです。UEFI Shellを使用することで、システムの動作やパフォーマンスを最適化することができます。 === UEFIのネットワークサポート === UEFIは、ネットワークブートに必要なプロトコルとサービスを提供することにより、ネットワークサポートを強化しています。UEFIネットワークスタックには、以下のようなプロトコルやサービスが含まれています。 # Preboot Execution Environment(PXE): PXEは、ネットワーク上からブート可能なイメージを取得するためのプロトコルです。UEFIのネットワークスタックには、PXEブートをサポートするコードが含まれています。 # Transmission Control Protocol/Internet Protocol(TCP/IP): TCP/IPは、インターネットを構成するためのプロトコルです。UEFIネットワークスタックには、TCP/IPスタックが含まれており、ネットワーク上のデバイスと通信するためのプロトコルとして使用できます。 # User Datagram Protocol(UDP): UDPは、TCP/IPの一種のプロトコルで、信頼性の低い通信に使用されます。UEFIネットワークスタックには、UDPスタックが含まれており、PXEブートなどの通信に使用できます。 # Internet Control Message Protocol(ICMP): ICMPは、ネットワーク上で通信エラーを処理するためのプロトコルです。UEFIネットワークスタックには、ICMPスタックが含まれており、ネットワーク上の通信エラーを処理するために使用できます。 UEFIのネットワークサポートは、OSに依存しないため、UEFI自体がネットワーク接続を確立でき、ネットワーク上のリソースにアクセスできることを意味しています。これにより、ネットワーク上のリモートサーバーからOSをブートすることができます。 === UEFIのファイルシステム === UEFIは、複数のファイルシステムをサポートしており、主要なものとしてFAT32、NTFS、ISO 9660、UDFなどがあります。UEFIファームウェアには、これらのファイルシステムにアクセスするためのドライバーが組み込まれています。 特に、UEFIはFAT32ファイルシステムを必須としており、UEFIシステムパーティションにはFAT32が使用されます。このパーティションには、UEFIファームウェアや起動ローダー、設定ファイルなどが含まれています。UEFIファームウェアは、このパーティションを自動的に認識し、必要なファイルを読み込んでシステムを起動することができます。 また、UEFIはネットワークファイルシステムにも対応しており、PXEブートなどを利用して、ネットワーク上のサーバーからOSを起動することができます。これにより、大規模なサーバー環境でのOSのデプロイやメンテナンスが容易になります。 === MacintoshとUEFI === Macintoshは、UEFIの前身であるEFI(Extensible Firmware Interface)を採用しています。EFIは、Appleが1998年に開発したプラットフォームファームウェアで、Intelと共同で開発されました。当初はMacintoshのプラットフォームファームウェアとして採用され、後にUEFIの基礎となりました。 MacintoshのEFIは、標準的なPCのUEFIとは異なり、Macintosh固有の仕様があります。たとえば、MacintoshのEFIは、GPTスキームに基づくブートデバイスの選択方法が異なります。また、MacintoshのEFIには、OS XやmacOSの起動時に使用されるBoot Campなどの固有の機能が含まれています。 Macintoshは、UEFIを正式にサポートするようになったのは、2015年以降のMacモデルからとなりました。これにより、Macintoshも他のPCと同様に、UEFIの機能やセキュリティを活用することができるようになりました。 === IBMとUEFI === IBMは、UEFIの策定において重要な役割を果たしました。IBMは、PC BIOSの標準化を提唱しており、1990年代初頭にPC/AT互換機向けのPC BIOS規格を開発しました。しかし、PC BIOSは、コンピュータの機能拡張に対応できなくなってきたことから、IBMは新しいファームウェア規格の策定を提唱しました。 その結果、UEFIが開発され、2005年にはUEFIフォーラムが設立されました。IBMはUEFIフォーラムの設立メンバーの1つであり、UEFIの開発において重要な役割を果たしました。また、IBMは、x86_64アーキテクチャにおけるUEFIの開発にも取り組んでいます。 === PowerPCとUEFI === PowerPCは、UEFIのサポートを提供するアーキテクチャの1つです。UEFIは、x86アーキテクチャだけでなく、ARMやPowerPCなどの様々なアーキテクチャをサポートしています。PowerPCにおいても、UEFIを使用することで、従来のBIOSよりも高速な起動時間や、セキュリティ機能の強化などの恩恵を受けることができます。また、UEFIを使用することで、PowerPCに対するソフトウェア開発の容易化も期待されています。 === POWERアーキテクチャとUEFI === Power Architectureは、サーバーや組み込みシステムで使用されるプロセッサアーキテクチャのファミリーで、PowerPCプロセッサを含んでいます。UEFIは、x86アーキテクチャに最初に導入されたが、その後、他のアーキテクチャにも広がっていきました。Power Architectureに対するUEFIのサポートは、2012年にUEFI Forumによって標準化されました。 Power Architectureにおいて、UEFIを実装する際には、EFIファームウェアをPowerPCアーキテクチャ向けに移植する必要があります。Power Architecture向けのUEFIの実装には、オープンソースのOpenPOWER FoundationとIBMのOpen Firmwareが利用されています。また、UEFIの実装には、Linuxカーネルのようなオープンソースソフトウェアも使用されています。 === まとめ === [UEFIは、BIOSに比べてセキュリティや拡張性、起動時間の短縮など多数の優れた機能を提供しています。今後も、UEFIはコンピュータ業界で重要な役割を果たすことが予想されます。] 以上のように、UEFIはBIOSよりも優れた機能を持ち、より高度なセキュリティや拡張性、起動時間の短縮などの面で優れています。さらに、UEFIは大容量ストレージのサポートや、より視覚的なグラフィカルインターフェイスも提供しています。これらの機能は、現代の高度なコンピュータシステムにとって必要不可欠であり、UEFIはその要件を満たすために開発されました。 UEFIがBIOSを置き換えることにより、コンピュータ業界はますます効率的になり、コンピュータの起動時間が短縮され、より高度なセキュリティ機能を持つことができます。UEFIは、現在のコンピュータシステムの基盤となっており、今後もますます重要な役割を果たすことが予想されます。 {{コラム|UEFIの歴史|2=UEFIの歴史は、1998年にIntelによって最初に提唱されました。当時、従来のBIOSは、IBM PC互換機において標準的なファームウェアでしたが、その限界が問題となっていました。UEFIの開発は、BIOSの制限を克服するために行われました。 UEFIの開発には、当初からIntelのほか、IBM、AMD、Microsoft、およびHPなどの大手企業が参加しました。2005年には、UEFIフォーラムが設立され、UEFIの標準化と普及を促進するための活動が開始されました。その後、UEFIの仕様は、フォーラムに参加する会員企業によって共同で策定されました。 UEFIの初期バージョンは、主にサーバー向けに開発され、デスクトップやモバイルデバイス向けのバージョンは、より後のバージョンで提供されました。UEFI 2.0が2006年にリリースされ、UEFI 2.7Aが2018年にリリースされました。 UEFIは、BIOSよりも高速でセキュアな起動プロセスを提供することができるため、現在では多くのコンピュータに採用されています。UEFIの普及は、現代のコンピュータアーキテクチャにおいて重要な役割を果たしています。 }} == UEFIアプリ == UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)アプリケーションの開発は、通常、C言語やアセンブリ言語を使用して行います。以下に、簡単なUEFIアプリケーションの例を示します。なお、UEFIアプリのビルドは専用のツールチェーンが必要です。一般的に、EDK II(EFI Development Kit II)を使用してビルドします。 まず、以下は簡単な "Hello, UEFI!" を表示するサンプルプログラムのUEFIアプリケーションの例です。このプログラムはC言語で書かれています。 :<syntaxhighlight lang=c> #include <efi.h> #include <efilib.h> EFI_STATUS EFIAPI efi_main(EFI_HANDLE ImageHandle, EFI_SYSTEM_TABLE *SystemTable) { InitializeLib(ImageHandle, SystemTable); Print(L"Hello, UEFI!\n"); return EFI_SUCCESS; } </syntaxhighlight> このプログラムでは、<code>efi_main</code> 関数がエントリーポイントとなります。<code>InitializeLib</code> 関数は <code>ImageHandle</code> と <code>SystemTable</code> を初期化します。<code>Print</code> 関数を使用して画面にメッセージを表示しています。このプログラムは <code>EFI_SUCCESS</code> を返すことで正常終了を示しています。 これをビルドするには、EDK IIを使用します。以下に簡単な手順を示しますが、ビルド環境やプロジェクト構成により異なる場合があります。 # EDK IIをダウンロードします。EDK IIのGitHubリポジトリ から最新のソースコードを入手します。 # <code>edksetup.sh</code>(Linux/macOS)または <code>edksetup.bat</code>(Windows)を実行してビルド環境を初期化します。 # <code>BaseTools</code> ディレクトリに移動し、ビルドツールをビルドします。 #:<syntaxhighlight lang=shell> make -C BaseTools </syntaxhighlight> # ソースコードがあるディレクトリに移動し、プロジェクトファイル(<code>.inf</code> 拡張子のファイル)を作成します。例えば、 <code>HelloWorld.inf</code> というファイルに以下の内容を書きます。 #; HelloWorld.inf #:<syntaxhighlight lang=text> [Defines] INF_VERSION = 1.25 BASE_NAME = HelloWorld FILE_GUID = C8F81A05-79B8-4A25-BA22-03A995E8D5A7 MODULE_TYPE = UEFI_APPLICATION VERSION_STRING = 1.0 ENTRY_POINT = efi_main [Sources] HelloWorld.c [Packages] MdePkg/MdePkg.dec </syntaxhighlight> # ビルドを実行します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> build -p HelloWorld.inf </syntaxhighlight> # ビルドが成功すると、ビルドディレクトリに生成された <code>HelloWorld.efi</code> がUEFIアプリケーションとして使用できます。 なお、これは簡単な例であり、実際のUEFIアプリケーションはより複雑な機能を持つことがあります。UEFI仕様に基づいたプログラミングについては、[https://uefi.org/specifications UEFI Specifications] を参照してください。 === UEFI Specificationsの機能の概要 === UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、従来のBIOS(Basic Input/Output System)の代替として設計された仕様で、システムファームウェアの標準化と拡張性を提供します。UEFIは、主に次のような機能を提供します。 ;EFIブートサービス: UEFIファームウェアは、EFIブートサービスを提供し、UEFIアプリケーションの起動を可能にします。これにより、様々なデバイスからのブートが可能になり、従来のBIOSの制約を克服します。 ;UEFIランタイムサービス: UEFIファームウェアは、起動後もシステムが実行されている間に利用可能なランタイムサービスを提供します。これにより、UEFIアプリケーションはシステム機能にアクセスでき、オペレーティングシステムが起動してからもシステム制御が可能になります。 ;ファームウェアボリューム: UEFIには、EFI System Partition(ESP)と呼ばれる特別なパーティションがあります。ESPには、UEFIブートローダーや設定ファイルなどが格納され、システムのブートプロセスをサポートします。 ;UEFIアプリケーションのロードと実行: UEFIアプリケーションは、UEFIファームウェアによってロードおよび実行されます。これにより、UEFIアプリケーションは様々なデバイスやファイルシステムからロードできます。 ;グラフィカルユーザーインターフェース(GUI): UEFIは、グラフィカルユーザーインターフェースをサポートしており、ユーザーフレンドリーなメニューインターフェースを提供します。これは、UEFIセットアップユーティリティやUEFIブートローダーなどによって利用されます。 ;セキュアブート: UEFIにはセキュアブート機能が組み込まれており、署名されたコードのみが実行されるように保護します。これにより、マルウェアや未署名のコードからのシステムへの侵入が防がれます。 ;ネットワークスタック: UEFIは、ネットワークスタックをサポートしており、ネットワークからOSのインストールやアップデートを行うことができます。 ;UEFIドライバ: UEFIアプリケーションやUEFIファームウェアは、ハードウェアやプロトコルに関するドライバをサポートし、これにより様々なデバイスとの通信が可能になります。 UEFIの仕様は継続的に進化しており、新しい機能が追加されています。各マザーボードメーカーはこれらのUEFI仕様に基づいて独自のUEFIファームウェアを実装します。 === EDK II === EDK II(Extensible Firmware Interface Development Kit II)は、UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)ファームウェア開発のためのオープンソースの開発キットです。EDK IIは、UEFIファームウェアの設計、開発、テスト、デバッグをサポートするためのフレームワークとツールセットを提供します。 以下に、EDK IIの主な特徴と機能をいくつか挙げてみましょう。 ;UEFI 仕様への準拠: EDK IIは、UEFIフォーラムの仕様に準拠しています。これにより、EDK IIで開発されたファームウェアはUEFI標準に基づいており、様々なハードウェアやオペレーティングシステムでの動作が期待できます。 ;モジュールベースの設計: EDK IIはモジュールベースで設計されており、異なるモジュール(例: ドライバ、アプリケーション、ブートローダーなど)が簡単に組み合わせられます。これにより、再利用性が向上し、柔軟な構成が可能です。 C言語およびUEFI Shellのサポート: EDK IIはC言語で開発され、C言語を使用してファームウェアを記述することができます。また、UEFI Shellと呼ばれる独自のコマンドライン環境もサポートしており、システムのテストやデバッグが容易に行えます。 ;ビルド環境とツールチェーン: EDK IIには、ファームウェアのビルドやパッケージングに必要なツールチェーンが含まれています。また、ビルド構成の管理やモジュール間の依存性解決をサポートするビルド環境も提供されています。 ;豊富なサンプルコード: EDK IIには、様々なサンプルコードが含まれており、これを基にしてファームウェアの開発を始めることができます。これにより、開発者はUEFI仕様に準拠したファームウェアの作成に役立つリソースを活用できます。 アクティブなコミュニティとサポート: EDK IIはオープンソースプロジェクトであり、アクティブな開発者コミュニティが存在しています。開発者はフォーラムやメーリングリストを通じて質問や情報共有ができ、コミュニティによるサポートが期待できます。 E DK IIは、UEFIファームウェアの開発者が効率的かつ標準に基づいたファームウェアを構築するための有力なツールキットの一つです。 === 類似のキット === UEFIファームウェアの開発において、EDK II以外にもいくつかの類似したフレームワークやキットが存在します。以下に、いくつかの代表的なものを紹介します。 ;TianoCore (EDK I):EDK I(旧称: TianoCore)はEDK IIの前身であり、UEFI仕様の初期のバージョンに対応しています。EDK Iは、UEFIファームウェアの開発に使用されるフレームワークとして広く利用されました。しかし、後にEDK IIが導入され、現在では主にEDK IIが推奨されています。 ;Coreboot:Corebootは、オープンソースのファームウェアとして知られていますが、UEFIにも対応しています。Corebootは軽量かつ高速で、特に組み込みシステムやカスタムハードウェア向けに利用されています。UEFIとしてはSlim Bootloader(SlimBoot)がCorebootと組み合わせて使用されることがあります。 ;OVMF (Open Virtual Machine Firmware):OVMFは、仮想環境(主にQEMUなど)で使用されるUEFIファームウェアです。UEFI仕様に準拠した仮想マシンを構築するために利用されます。OVMFはTianoCoreプロジェクトの一部であり、EDK IIの一部も含まれています。 ;U-Boot:U-Bootは、組み込みシステムや組み込みLinuxデバイスで一般的に使用されるブートローダーですが、一部のバージョンではUEFIにも対応しています。U-Bootは柔軟で拡張可能なブートローダーとして知られており、LinuxやAndroidデバイスなどで広く利用されています。 これらのフレームワークやキットは、UEFIの特定の用途や要件に応じて選択されます。開発者はプロジェクトのニーズに合わせて最適なツールキットを選択し、UEFIファームウェアの開発を進めることが重要です。 == 実験の手段 == 一般的に、低水準プログラミングの学習やOS開発の実験では、エミュレーターが利用されます。無料で入手可能なエミュレータソフトウェアとして、QEMUなどが挙げられます。また、アセンブリ言語でのプログラム開発には、無料で利用できるNetwide Assembler(NASM)などが使われます。 ;QEMUを使用する QEMUは、仮想マシンのエミュレーションや仮想化を行うためのオープンソースのエミュレーターです。以下は、QEMUを用いた実験手順の大まかな流れです。 ;QEMUのインストール: QEMUを公式サイトからダウンロードし、適切なプラットフォームにインストールします。 ;アセンブリコードの記述: NASMを用いてアセンブリ言語でプログラムを記述します。例えば、x86アーキテクチャのアセンブリ言語を使用します。 ;アセンブルとリンク: NASMを使用してアセンブリコードを機械語にアセンブルし、必要に応じてリンカを使用してオブジェクトファイルを生成します。 ;イメージの作成: ブート可能なイメージを生成します。これには、アセンブルされた機械語ファイルをディスクイメージに組み込む作業が含まれます。 ;QEMUでの実行: 作成したブート可能なイメージをQEMUでエミュレートし、実行します。QEMUは仮想環境内でプログラムが実行される様子を模倣します。 ;バイナリエディタの利用 原理的には、バイナリエディタ(16進数で表示されるヘックスエディタ)を使用して機械語を直接記述することも可能です。ただし、これはコードの記述が困難であり、内容の理解が難しいため、アセンブラを用いる方が現実的です。 ;NASMの活用 NASMはアセンブリ言語をサポートする無料のアセンブラであり、学習者にとって手軽に利用できます。アセンブリ言語を通じて機械語を入力し、エミュレーターで実行することで、コンピュータの動作原理を理解しやすくなります。 エミュレーターの使用は、実機での実験を簡略化し、手間を省くための効果的な手段です。これにより、OSやハードウェアの開発者は効率的に実験を進め、デバッグを行うことができます。 === エミュレータの種類 === エミュレータは、様々な方式や種類が存在します。これらの方式には、ホストOSのCPUを利用する方式や、ソフトウェア内で仮想のCPUを作成する方式があります。 ; ソフトウェア・イミュレーション :; QEMU: コミュニティベースのQEMUは、ホストOSのCPUを直接利用するのではなく、ソフトウェア内で仮想のCPUを作成する方式を採用しています。QEMUはオープンソースであり、柔軟性がありながらもリソースを効率的に利用できる特徴があります。学習者にとっては、複数のCPUが混ざり合うことなく、分かりやすい環境を提供します。 :; Bochs: BochsもQEMUと同様に、ソフトウェア内で仮想のCPUを制作する方式のエミュレータです。Bochsは高い柔軟性を持ち、様々な環境で利用できる特長がありますが、処理速度が相対的に低いという特徴もあります。 ; ホストCPUを間借りする方式 :;VirtualBox: Oracleが提供するVirtualBoxは、ホストPCのCPUを直接利用する方式のエミュレータです。複数のOSを同時に実行できる仮想環境を提供し、処理速度が速いことが特徴です。ただし、長所としては学習的に複数のCPUが混ざり合うと分かりづらいことが挙げられます。 :;VMWare: ヴイエムウェア社のVMWareも、ホストCPUを直接利用する方式のエミュレータの一例です。VMWareは企業向けに高度な仮想化環境を提供しており、処理速度やセキュリティの面で優れた性能を持っています。 ;学習の目的におけるエミュレータの選択 学習の目的において、QEMUのようなソフト的にCPUの機能を再現するエミュレータが分かりやすいとされます。QEMUはオープンソースであり、学習者が柔軟に実験を進める上で利点があります。 一方で、VirtualBoxやVMWareのようなホストCPUを間借りする方式も性能が高く、仮想化の中で処理速度を速くしやすいという利点があります。ただし、学習者が理解する上では、複数のCPUが関与することで分かりにくくなる可能性があるため、初学者向けにはQEMUの利用が優れていると考えられます。 本書では、QEMUを前提として説明を進めます。 == qemuの設定方法と使用方法 == === 設定方法(Windowsの場合) === QEMUをWindows上で使用するためには、まずQEMUの実行ファイルが格納されているフォルダを環境変数PATHに追加する必要があります。以下に手順を示します。 # パスの追加: #* デスクトップで「システムのプロパティ」を検索し、システムのプロパティを開きます。 #* [詳細設定]タブの右下にある[環境変数]ボタンをクリックします。 #* [環境変数]画面を開きます。 #* <nowiki>'''システム環境変数'''</nowiki>の設定の先頭に、<code>C:\Program Files\qemu;</code>といった形でQEMUのフォルダのパスを追加します。 # パスの確認: #* パスが追加されたら、コマンドプロンプトを起動して、以下のコマンドでQEMUが正しくインストールされているか確認します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> qemu-img </syntaxhighlight> #* 上記コマンドを実行すると、<code>qemu-img: Not enough arguments Try 'qemu-img --help' for more information</code>のような警告が表示されれば、QEMUのインストールは成功しています。 これにより、QEMUのコマンドをコマンドプロンプトから直接実行できるようになります。これ以降はQEMUを利用して仮想マシンを構築し、学習や実験を進めることができます。 === 使い方 === QEMUを使用して自作のOSイメージを実行する手順は以下の通りです。まず、機械語で書かれたOSイメージ(例: <code>testos.img</code>)を用意します。その後、QEMUをコマンドプロンプトから起動します。 ==== OSイメージの作成 ==== # アセンブラの利用: #* アセンブラコード形式でOSにしたいファイルを作成します。一般的にはNetwide Assembler(NASM)を使用します。 #* 例えば、<code>testos.asm</code>という名前で保存します。 # アセンブラで機械語に変換: #* コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行して、アセンブリコードを機械語に変換します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> nasm testos.asm -o testos.img </syntaxhighlight> #* これにより、<code>testos.img</code>というブート可能なイメージが作成されます。 ==== QEMUでの起動 ==== # QEMUのコマンド: #* コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行してQEMUを起動します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> qemu-system-i386 testos.img </syntaxhighlight> #* これにより、QEMUが仮想環境内で<code>testos.img</code>をブートし、自作OSが実行されます。 ==== 注意事項 ==== * OSイメージを作成する際は、ネット上で公開されている他の自作OSのブートローダーコードを利用することも可能です。ただし、自身でアセンブリコードを理解することが学習に寄与します。 * GCCなどのコンパイラを使用する場合、余分な情報が含まれる可能性があるため、OS制作ではなるべくアセンブラを使用することが推奨されます。 * 本書では、初等的なブートローダーのコードも提供しているため、学習者はそれを利用して実験することができます。 == Bochs の使い方 == Bochsは、あらかじめ作成されたイメージファイルを使用してエミュレーションを行うツールです。以下はBochsの基本的な使い方の手順です。 ==== Bochsのインストールと環境変数の設定 ==== # Bochsのインストール: #* Bochsを公式ウェブサイトからダウンロードしてインストールします。 # 環境変数の設定: #* Bochsをインストールしたディレクトリのパスを環境変数に追加します。これにより、コマンドプロンプトからBochsを直接呼び出せるようになります。 ==== Bochsの起動 ==== # コマンドプロンプトでBochsを起動: #* コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行してBochsを起動します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> bochs </syntaxhighlight> #* 上記コマンドを実行すると、Bochsのメイン画面が表示されます。 # Disk Optionsの設定: #* メイン画面から「Edit Options」を選択し、「Disk & boot」をダブルクリックします。 #* 表示される「Bochs Disk Options」画面の「ATA Channel 0」>「First HD/CD on Channel 0」で、Path or physical device name欄に起動したいイメージファイルのパスを入力します。例: <code>testos.img</code> # 起動: #* 「Bochs Disk Options」画面を閉じて、メイン画面に戻ります。 #* メイン画面の右ペインにある「Start」ボタンをクリックしてエミュレーションを開始します。 # Panicウィンドウの処理: #* 起動時にPanicウィンドウが表示され、「specified geometry doesn't fit on disk」と表示される場合があります。この際はContinueをクリックし、OKを押して続行します。 # エミュレーションの終了: #* エミュレーションが終了したら、メニューバー右上の「(|)」ボタンをクリックしてBochsを終了します。×ボタンは使用できません。 これでBochsを使用して自作OSのイメージをエミュレートする準備が整いました。 Bochsは直感的なGUIを提供し、設定も簡単に行えるため、学習者にとって使いやすいエミュレータです。 BochsのDtart>OKの後のエミュレート起動後の終了方法は、ウインドウの上部にあるメニューバーの右側のほうに、○印の中にタテ線「|」のある終了ボタン「(|)」があるので、これを押せばいい。(右上の×ボタンは使えない。×ボタンをクリックしても反応しない。) == 擬似命令を使ってブートローダを作ろう == === 擬似命令とブートセクタの作成 === 擬似命令(pseudo-instruction)は、アセンブリ言語において、アセンブラ自体に対する指示や処理を行う命令のことです。代表的なものに<code>DB</code>(Data Byte)があり、これは指定されたメモリアドレスにバイトデータを書き込むためのものです。擬似命令は、機械語への変換の対象ではなく、アセンブラに対する指示としてのみ解釈されます。 ブートセクタを作成するためには、以下の手順があります。 ==== アセンブラでブートセクタを作成 ==== まず、<code>DB</code>命令を使用してブートセクタをアセンブリ言語で作成します。例えば、以下はシンプルなブートセクタの例です。 :<syntaxhighlight lang=asm> ORG 0x7C00 ; ブートセクタのロードアドレスを0x7C00に指定 start: JMP start ; ブートセクタの無限ループ DB 0x55 ; シグネチャの0xAA55 DB 0xAA </syntaxhighlight> この例では、<code>ORG</code>命令でブートセクタのロードアドレスを<code>0x7C00</code>に指定し、<code>JMP start</code>によって無限ループを実現しています。そして、最後に<code>DB</code>命令でブートセクタの終了を示すシグネチャ<code>0xAA55</code>を書き込んでいます。 ==== アセンブリ言語を機械語にアセンブル ==== 作成したアセンブリコードをアセンブラで機械語に変換します。一般的には<code>nasm</code>コマンドを使用します。 :<syntaxhighlight lang=shell> nasm boot_sector.asm -o boot_sector.bin </syntaxhighlight> このコマンドにより、<code>boot_sector.asm</code>が<code>boot_sector.bin</code>として機械語に変換されます。 ==== ブートセクタの書き込み ==== 機械語に変換されたブートセクタをブート可能なメディア(ハードディスク、USBメモリ、フロッピーディスクなど)に書き込みます。これは専用のツールやコマンドを使用します。例えば、<code>dd</code>コマンドを使用する場合: :<syntaxhighlight lang=shell> dd if=boot_sector.bin of=/dev/sdX bs=512 count=1 </syntaxhighlight> ここで、<code>/dev/sdX</code>は書き込む対象のデバイスを指定します。注意が必要で、適切なデバイスを指定しないと誤って他のデータを上書きする可能性があります。 以上の手順により、ブートセクタを作成し、それをブート可能なメディアに書き込むことができます。このブートセクタは非常に基本的なものであり、実際のOSのブートローダーやカーネルの開発にはさらに多くのコードや機能が必要です。 === ブートローダ === ブートローダを作成するためには、Master Boot Record(MBR)の仕様に準拠する必要があります。MBRは512バイトで構成され、最後の2バイトには<code>0xAA55</code>というシグネチャが必要です。 以下は、シンプルなブートローダの例です。この例では、文字の表示を通じてブートローダの基本的な仕組みを説明します。 :<syntaxhighlight lang=asm> ORG 0x7C00 ; ブートローダのロードアドレスを0x7C00に指定 start: mov cx, 5 ; 文字列の長さ mov si, msg ; 文字列のアドレス print_loop: mov ah, 0x0e ; 1文字出力 lodsb ; SIが指すアドレスからALに文字をロード int 0x10 loop print_loop ; CXが0でない場合はループ times 510 - ($ - $$) db 0 ; 510バイトまで0で埋める db 0x55, 0xaa ; MBRの終了を示すシグネチャ msg db 'Hello', 0 ; 文字列 'Hello' を定義 </syntaxhighlight> このブートローダは、ディスプレイに文字列 "Hello" を表示するだけの非常にシンプルなものです。<code>int 0x10</code>はBIOSに対して文字の表示を依頼する割り込みです。 ブートローダのアセンブリコードを機械語に変換するには、以下のコマンドを使用します。 :<syntaxhighlight lang=shell> nasm bootloader.asm -o bootloader.bin </syntaxhighlight> これにより、<code>bootloader.asm</code>が<code>bootloader.bin</code>として機械語に変換されます。 作成されたブートローダをブート可能なメディアに書き込むためには、<code>dd</code>コマンドなどを使用します。以下は例です(<code>/dev/sdX</code>は対象のデバイスに適切に置き換えてください)。 :<syntaxhighlight lang=shell> dd if=bootloader.bin of=/dev/sdX bs=512 count=1 </syntaxhighlight> これにより、MBRにブートローダが書き込まれます。 このブートローダは非常に基本的なものであり、実際のOSのブートローダはさらに高度で複雑な機能を持っています。ただし、この例を通じてブートローダの基本的な構造やアセンブリ言語の使用方法を理解することができます。 === メモリ直書き === ==== グラフィックのVRAM直書き ==== グラフィックモードでのVRAMへの直書きは、ビデオモードを設定し、セグメント方式を使用してアドレスを計算することが必要です。以下は、例としてVRAMに色を書き込むアセンブリコードです。 :<syntaxhighlight lang=asm> ORG 0x7C00 start: mov al, 0x13 ; グラフィックモード0x13(320 x 200ドット x 16色モード) mov ah, 0x00 int 0x10 mov bx, 1111 ; VRAMに書き込むアドレスの計算用 mov ax, 0xA000 ; VRAMアクセスのためのセグメント処理で使用 mov ds, ax mov al, 0x01 ; 色の設定 mov [ds:bx], al ; VRAMに書き込み ; 以下同様に続けて書き込む times 510 - ($ - $$) db 0 ; 510バイトまで0で埋める db 0x55, 0xAA ; MBRの終了を示すシグネチャ </syntaxhighlight> このコードでは、ビデオモード0x13を設定して320x200ドットの16色モードに切り替えます。その後、<code>mov ds, ax</code>でセグメントレジスタを使用してVRAMにアクセスします。<code>mov [ds:bx], al</code>で指定アドレスに色を書き込んでいます。 ==== テキスト直書き ==== 一般的に、テキストモードでのVRAMへの直書きも同様にして行います。以下は、テキストモード(80x25文字)でのVRAM直書きの例です。 :<syntaxhighlight lang=asm> ORG 0x7C00 start: mov al, 3 ; テキストモード(80x25) mov ah, 0 int 0x10 mov bx, 0 ; VRAMに書き込むアドレスの計算用 mov ax, 0xB800 ; VRAMアクセスのためのセグメント処理で使用 mov ds, ax mov al, 'H' ; 文字 'H' を書き込む mov [ds:bx], al ; 以下同様に続けて書き込む times 510 - ($ - $$) db 0 ; 510バイトまで0で埋める db 0x55, 0xAA ; MBRの終了を示すシグネチャ </syntaxhighlight> この例では、ビデオモードを設定し、テキストモードに切り替えてから、<code>mov [ds:bx], al</code>で指定アドレスに文字を書き込んでいます。実際のテキスト表示はASCIIコードに基づくものであり、それに対応する文字を指定して書き込みます。 ==== VESA BIOSコール ==== 上記のコードはVESA BIOSコールではなく、古典的なBIOS割り込みを使用しています。VESA(Video Electronics Standards Association)は、グラフィックモードの設定や操作を行うための標準を提供しており、そのためのBIOSコールも存在します。 上記のコードは、BIOSのINT 0x10を使用してビデオモードを切り替え、VRAMに直接書き込むためにセグメントアドレッシングを利用しています。VESA BIOSコールを使用する場合、より高度なグラフィックモードの設定や操作が可能ですが、そのためにはVESA BIOSの機能を呼び出す必要があります。 以下は、VESA BIOSコールを使用してVESAグラフィックモードに切り替え、VRAMに直接書き込むための簡単な例です。ただし、VESA BIOSコールはBIOSの機能に依存するため、全てのシステムで動作するわけではありません。 :<syntaxhighlight lang=asm> ORG 0x7C00 start: ; VESA BIOSコールでグラフィックモード0x13(320 x 200ドット x 256色) mov ax, 0x4F02 mov bx, 0x0013 int 0x10 ; VRAMに直接書き込む処理(例: カラー0xFF) mov edi, 0xA0000 ; VRAMの物理アドレス mov ecx, 320 * 200 ; 画面サイズ(320x200) mov eax, 0xFF ; 書き込む色 rep stosd ; ecx回だけVRAMにeaxの値を書き込む times 510 - ($ - $$) db 0 ; 510バイトまで0で埋める db 0x55, 0xAA ; MBRの終了を示すシグネチャ </syntaxhighlight> このコードはVESA BIOSコールを使用してグラフィックモードを切り替え、<code>rep stosd</code>命令を使用してVRAMに指定の色を書き込んでいます。ただし、VESA BIOSコールのサポートが必要なため、全ての環境で動作するわけではありません。 ==== VESA BIOSの 存在テスト ==== VESA BIOSの存在をテストするためには、VESA BIOSコールのサポート状況を確認する必要があります。以下は、簡単な例です。 :<syntaxhighlight lang=asm> ORG 0x7C00 start: ; VESA BIOSコールサポートを確認する mov ax, 0x4F00 mov di, 0x0 ; VESA情報の構造体を格納するためのポインタ int 0x10 ; AX=0x4Fをサポートしている場合、CF=0 jc unsupported_vesa ; CF=0の場合、VESA BIOSコールがサポートされている ; ここに処理を追加する unsupported_vesa: ; サポートされていない場合の処理 ; 例: エラーメッセージを表示 mov ah, 0x0E mov al, 'V' int 0x10 mov al, 'E' int 0x10 jmp $ times 510 - ($ - $$) db 0 ; 510バイトまで0で埋める db 0x55, 0xAA ; MBRの終了を示すシグネチャ </syntaxhighlight> このコードでは、VESA BIOSコールのサポートを確認するために<code>0x4F00</code>を<code>int 0x10</code>で呼び出し、Carry Flag (CF) を確認しています。CFがセットされている場合、VESA BIOSコールがサポートされていないことを示します。CFがクリアされている場合、VESA情報が構造体に格納され、VESA BIOSコールがサポートされていることを示します。 もしサポートされていない場合、エラーメッセージを表示して終了します。サポートされている場合、<code>unsupported_vesa</code>のラベルの下に処理を追加してください。 === BIOSに予約されたメモリ領域 === メモリ領域のうち、0xa0000 から0xfffff までの領域は通常のパソコンでは、BIOSがハードウェアを管理するために使用することになっています<ref>白崎博生 著『Linuxのブートプロセスをみる』、株式会社KADOKAWA(発行)、アスキー・メディアワークス(プロデュース)、2014年10月2日 初版、70ページ</ref>。 このため、それらハード管理以外のソフトウェア的な処理をするためにメモリ使用したい場合は、この領域を避けてメモリを使用する必要があります。 こういった用途には Linuxなどの現代のオープンソースOSでは、 メモリを使用する際には 0x100000 以降の領域を使うのが一般的です。 原理的には 0xa0000 未満の領域も使用可能ですが、使いすぎ等のミスによって0xa0000以降にハミ出る恐れがあるので、なるべく 0x100000 以降の領域だけを使うほうが安全でしょう。 ;註: :上記の記述はBIOSのメモリ管理に関する基本的な概念を説明したものですが、最新のシステムやプラットフォームではUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)が一般的になっており、BIOSに代わる形で使用されています。UEFIはBIOSよりも柔軟で機能豊富なファームウェアインターフェースを提供し、従来のBIOSの制約を克服しています。 :また、メモリ管理においても、UEFIがより高度で広範な機能を提供しています。例えば、UEFIブートローダーを使用してメモリの初期化やマッピングを行うことがあります。そのため、BIOSに予約されたメモリ領域の詳細な取り決めや制約もUEFI環境において異なる場合があります。 == ハードディスクなどへのアクセス == まず、フロッピーディスクやハードディスクなどに読み書きのできる割り込み命令で、 int 0x13 というのがあります。 2000年代の現代では、これを大容量デバイス用に拡張した拡張 int 0x13 というのがあります。 どちらの int 0x13 とも、ドライブ番号は、DLレジスタ(データレジスタの下位(Low)の部分)で指定します。 このように、int 0x13 では、割り込み時におけるレジスタの役割が決められています。 ;拡張 int 0x13 さて、拡張 int 0x13 を使って、フロッピーディスクやハードディスクなどの記憶媒体に割り込みをできます。(USB対応については今後の見通しは不明。書き込みできるものもあるようだが、) int 13h は、レジスタなどの数値で 書き込みの方式や対象を指定します。拡張 int 13h と、非格調 int 13h では、レジスタの解釈が違っております。 格調 int 0x13 のほうの方式を LBA方式といいます。 {| class="wikitable" |+ 格調 int 0x13 (LBA方式)の仕様 |- | AH || 読み込みは 42h で固定 |- | AL || 読み込むセクタ数 |- | DL || ドライブ番号 |- | DS:SI || Disk Address Packet のアドレス |- |} 格調 int 0x13 では、レジスタに収まりきらない様々な情報を、任にの Disk Addres Packet (DAP)という場所に配置しており、その形式も決まっています。 ※ 調査中 ;非拡張の int 0x13 なお、拡張されてない int 0x13 は、ハードディスク容量などの小さい時代の古い規格のものであり、現代では、読み書きに時間が掛かったり、あるいは不可能です。 非拡張の int 0x13 では、ドライブ番号は、DLレジスタ(データレジスタの下位(Low)の部分)で指定します。 AHレジスタが 0x02 なら 読込み、AHレジスタが 0x03 なら 書込み です。 {| class="wikitable" |+ 仕様 |- | AH || 読み込みは 0x02 で固定 |- | AL || 読み込むセクタ数 |- | CH || トラック番号(下位8ビット) |- | CL || |- | DH || ヘッド番号 |- | DH || ヘッド番号 |- | DL || ドライブ番号 |- | ES:BX または ES:EBX || 読み込みたい先のアドレス |- |} ;参考サイト :[http://caspar.hazymoon.jp/OpenBSD/misc/hdd.html ディスクBIOS] :[http://jou4.hateblo.jp/entry/2012/12/15/120611 INT 13h - jou4のブログ] {{code|int 13h}}ともいう。 ;参考文献 :林高勲『作って理解するOS』 328ページで、非拡張 int 13h のCHS方式について解説あり。 == キーボードサービス == === int による割り込み === まず、int命令で、キーボードサービスの割りこみがあり、 int 0x16 がキーボードサービスである。 ;コード例 <syntaxhighlight lang="asm"> mov ah, 0x0e ; 1文字出力 mov al, 'p' ; 「pushしろ」・・・のつもり int 0x10 mov al, ' ' int 0x10 mov al, 's' ; 「space」・・・のつもり int 0x10 mov al, ' ' int 0x10 mov al, ' ' int 0x10 .LOOP: mov ah,0x00 ; キーボード入力待ち. 0x10 でもいい int 0x16 cmp al, ' ' ; 空白なのでスペース jne .LOOP ; 直前の比較cmpの結果が偽(否定)だったらループする mov ah, 0x0e ; 1文字出力 mov al, 'f' ; 「finish 終わったよ」・・・のつもり int 0x10 times 510 - ($ - $$ ) db 0 db 0x55 , 0xaa </syntaxhighlight> さてint 0x16 を呼び出す際、 mov ah,0x00 ; キーボード入力待ち. 0x10 でもいい なら、ah = 0x00 は、キーボードのキー入力待ちである。ah = 0x10 だと拡張キーボード対応らしい[http://softwaretechnique.jp/OS_Development/Tips/Bios_Services/keyboard_services.html] 。 === in または out命令による処理 === 実は一般的なパソコンでは、アセンブリ言語の命令で、いくつかのハードウェアに読み書きのアクセスするための、専用の命令がある。 <code>IN</code> 命令と、 <code>OUT</code>命令である。 そして、キーボードなど、昔のどこのパソコンにも存在したハードウェアは、実はハードウェア番号が決められている(「I/Oポートアドレス」などという)。 たとえば、キーボードはハードウェア番号(I/Oポートアドレス)が十六進数で0x60 番である。(メモリマップとは別。メモリアドレスの0x0060などにdb命令で書き込んでも、目的のハードにはアクセスできない。 ) IN命令で、引数で指定したレジスタ(普通はALレジスタやAXレジスタを指定する)に、もうひとつの引数で指定した目的デバイスから送られた値が保存されます。(引数の順序はアセンブラの種類などによって異なるので、説明を除外。) また、OUT命令で、引数で指定したレジスタ(普通はALレジスタやAXレジスタを指定する)に格納されている値が、もうひとつの引数で目的デバイスに送られます。 たとえば、下記のようなコードで、キーボードの文字「E」または前後のWかRを押すと、1行ぶん下の位置に文字「G」が表示される。 ;コード例 <syntaxhighlight lang="asm"> mov al, 'p' ; 「push e」と表示の予定 int 0x10 mov al, 'u' int 0x10 mov al, 's' int 0x10 mov al, 'h' int 0x10 mov al, ' ' int 0x10 mov al, 'E' int 0x10 mov al, 0x0a ;改行の指示 int 0x10 .LOOP: in al, 0x60 ; in al, 0x0060 でもよい cmp al, 18 ; 値が文字 'E' かどうか判定のつもり jne .LOOP ; 偽なら LOOP 冒頭にジャンプ mov ah, 0x0e ; 1文字出力 mov al, 'G' int 0x10 times 510 - ($ - $$ ) db 0 db 0x55 , 0xaa </syntaxhighlight> ;解説 <code> in al, 0x60 </code> を使えば、キーボードコントローラーから送られてきたキーも al に入力されます。 <code>in al, 0x60 </code> とは、けっして「レジスタ al に 60 を代入しろ!」(×、マチガイ)という意味ではなく(そもそも定数の代入だけなら mov 命令だけで可能である)、「ポートアドレス 0x60番 のポートから送信されてきたデータを、レジスタalに代入しろ」という意味です。勘違いしないでください。 そして、キーボードコントローラーのポートアドレスが 0x60 なので、めでたく、上記コードでキーボードから押されたボタンの情報を受け取れます。 さて、キーボードを押したとき、押したボタンに対応するスキャンコードが、パソコン内部にあるキーボードコントローラー(KBC)という装置に送信される仕組みになっています。 このスキャンコードは、アスキーコードとは異なります。 上記コード例にある cmp al, 18 の数値「18」とは、スキャンコードでの番号です。だいたいスキャンコードで18番のあたりが文字 W,E,R のどれかのあたりです。 また、アスキーでは「2」と「"」とは別の文字ですが、しかし日本語キーボードの場合、「2」と「"」はボタンが同じなので、スキャンコードでは同一になります。 このように、物理的に同じ位置にあるかどうかで、スキャンコードは決まります(なお、JIS配列キーボードやUS配列キーボードのように言語が違うキーボードでも、位置が同じなら、ほとんどのボタンのスキャンコードの内容も同じ場合が多い)。 また、スキャンコードは、押されている時に送信されるコード(「メイク コード」という)と、離した瞬間に送信されるコード(「ブレイク コード」という)とが、それぞれ違うコードです。 日本語キーボードは OADG という規格にほぼ統一されています。 ですが、世界的にスキャンコードの規格は、古いものでも3種類くらいあり、さらにUSBキーボードの規格は別です。このため、日本語 OADG のスキャンコードも、現在でも3種類くらいあります。 下記のリンクが詳しいです。 [http://www3.airnet.ne.jp/saka/hardware/keyboard/109scode.html ] なお、一般的に「メイクコード/ブレイクコード」の書式です。 たとえば、ボタン「1」(「!」と同じ)のスキャンコードが「16 / F0 16」とかかれていれば、メイクコードが「16」であり、ブレイクコードが「FD 16」という意味です。(ある規格では、ブレイクコードは、メイクコードの先頭にF0がついたものになっている。) なお、キーボードコントローラーもインテルなどが製造していました。かつて Intel i8042 というキーボードコントローラーが有名でした。 より正確な仕組みとしては、シリアル通信(PS 2 信号)などで送られた信号をKBCあたりでスキャンコードに変換しているわけですが、CPUから見ればスキャンコードしか見えないので、あまり気にしなくていいでしょう。 ;参考サイト [http://softwaretechnique.jp/OS_Development/kernel_loader3.html 0から作るOS開発 カーネルローダその3 プロテクティッドモードへの移行とA20 ] ※ 本wikibooksの当ページが完成するまでの間、上記の参考サイトが分かりやすくて役立つと思いますので勉強してください。 === 出力例? === 次のようなコードを使えばledが点滅するらしいのだが、しかしエミュレータでの実験では分からなかった(Windows起動により、すでにLEDが点灯しているので、区別しづらい)。 <syntaxhighlight lang="asm"> mov al, 0xED out 0x60, al </syntaxhighlight> 0xED というのは、LED点灯に関する命令の番号。 === BPB === 一般的なブートローダのいくつかには、ブートセクタに BIOS Parameter Block (BPB)というものが書かれており、これは BIOS への指示や設定を出すブロックです。 パソコンの電源を投入して、まず最初に起動するのは BIOS なのですから、このブロックが必要です。少なくとも Windows系OSのブートローダーでは、そうなっていると言われています。 このように、ブートセクタは、書式がほぼ決まっています。 <pre> 冒頭でJMP命令で ブートローダ(IPL: Initial Program Loader)へジャンプ BPB IPL 位置0x01FE に 0x55AA と書いて「ここまでがブートローダ」だとBIOSに認識させる </pre> という構成になっています。 ジャンプしてしまうので、BPB はプログラムカウンタでは読み取れず、BPBはBIOSしか読み取れないことに注目しましょう。 市販のOS自作本にある、DB命令で書き込む冒頭の 「DB 0xeb」 と言うのも、このJMP命令のことです。 JMP命令はX86系CPUの機械語では <code>eb</code> です。 [https://www.intel.co.jp/content/dam/www/public/ijkk/jp/ja/documents/developer/IA32_Arh_Dev_Man_Vol2A_i.pdf 『IA-32 インテル®アーキテクチャソフトウェア・デベロッパーズ・マニュアル』『中巻A:命令セット・リファレンスA-M』3-411] == プロテクトモード == プロテクトモードとは、CPUの32ビットモード(および32ビット以上のモード)のこと。 32ビットモードには、アクセス権の無い状態からのアクセスを禁止するという、特権レベルによる保護機能などがあるので、プロテクトモードという。 プロテクトモードにいこうするためのコードの一部を抜粋すると、おおむね書きのような感じになる<ref>白崎博生 著『Linuxのブートプロセスをみる』、株式会社KADOKAWA(発行)、アスキー・メディアワークス(プロデュース)、2014年10月2日 初版、98ページ </ref>。 ;コード例 <syntaxhighlight lang="asm"> mov eax, cr0 ; or ax, 1 ; mov cr0, eax ; 最下位ビットに1を設定 jmp ジャンプ先のラベル ジャンプ先のラベル: mov ax, ここに何か ; mov ax, 0x10 mov ds, ax mov es, ax mov fs, ax mov gs, ax </syntaxhighlight> ;解説 cr0レジスタの最下位ビット(PEビットという)が1だとプロテクトモードである、という仕様である。 <syntaxhighlight lang="asm"> mov eax, cr0 or ax, 1 mov cr0, eax </syntaxhighlight> の3行の処理で、cr0レジスタの最下位ビットを1に設定している。なお、このcr0の最下位ビットのことをプロテクト・エネーブルド pr0tect enebled という意味でPEビットという。 設定後にわざわざジャンプ命令 jmp を通す理由は、CPUの先読みした命令を破棄するためである<ref>白崎博生 著『Linuxのブートプロセスをみる』、株式会社KADOKAWA(発行)、アスキー・メディアワークス(プロデュース)、2014年10月2日 初版、98ページ </ref><ref>林高勲 著『X86系コンピュータを動かす理論と実装 作って理解するOS』、技術評論社、2019年10月9日 初版 第1刷 発行、471ページ</ref> 。ジャンプ命令には、先読みを破棄する機能がある。 なお、パイプラインという仕組みにより、CPUは先読みしている。このパイプラインの先読みを破棄することをフラッシュという。 実はCPUは、いくつか先の命令をすでに先読みしている(これがパイプライン)。プロテクトモード以降では、それが不具合の原因になるので、いったんフラッシュする(カラにする)必要がある。 なので、CPUのパイプラインをフラッシュするためにジャンプ命令を使っている。 ;全体像 さて、一般にWindowsやLinuxなどのOSには、パーティションという、インストール時にハードディスクの使用領域を決める機能がある。 実はCPU側に、メモリに関する機能だが、似たような動作を機能がある。 GDT(グローバル ディスクリプタ テーブル Global Descriptor Table)といって、メモリのアドレスのどこからどこまでがそのCPUで使える領域を定義する機能がある。 で、プロテクトモードでは、あらかじめ、このGDTを設定しないと動作しない。そういう仕様で、むかしのインテルあたりの人が決めてしまったので、従うしかない。 で、実はCPUにGDTレジスタ(GDTR)という、GDTの場所を保管する専用レジスタがあるので、このGDTレジスタにGDTのアドレスなどの情報を入れる必要がある。 さらに、このGDTレジスタに書き込むための専用の命令 lgdt (ロードgdt)があるので、これを使う必要がある。(「書き込みだから save では?」という疑問も、わくかもしれないが、こういう名前に決まってしまってるので、従うしかない。) 同様に IDT(Interrupt Descriptor Table)というのがある。 さらに、16ビット時代の昔はCPUのアドレスバスが20本までだったので、リアルモードでは利用するアドレスバスが20本までという制限が掛かっており、A00からA19までを使用している。A20以降はマスクされている。 この制限のことを「A20のマスク」という。プロテクトモードに以降するためには、このA20のマスクを解除しないといけない。 下記の順序で作業しないといけない。そういう仕様である。 #  GDT(Global Descriptor Table)の作成 #  GDTレジスタの設定 #  IDT(Interrupt Descriptor Table)の作成 #  IDTレジスタの設定 #  A20のマスク解除 #  CPUへの割り込み禁止 #  cr0レジスタの最下位ビット(PEビット)を1に設定 #  CPUの先読み(パイプライン)を除去する(jmp命令で除去できる) #  セグメントレジスタの設定 A20マスクの解除には複数の方法がある。 * キーボードコントローラーから解除 * System Control Portから制御 * BIOSの割り込み命令 int 15 で解除 キーボードコントローラから解除できる理由は、単に昔のインテルかどこかの人が設計したとき、たまたまキーボードコントローラ用のアドレスバスが余ってたからだけと言う理由らしく、あまり技術的な深い意味は無い。 なお作業の順番について、A20のマスク解除の順場は多少前倒しになっても平気なようである。 == Linuxのブートローダはkernelには無い == ある程度、理解が進むと、 Linux など実際に活用されているオープンソースOSのブートローダを調べたいと感じるかもしれません。 まずOSの起動で最初に動くのはブートローダだからです。 しかし Linux を開発している kernel.org のサイトには、ブートローダは無いのです。 Linux で仕様されているブートローダは、Gnu(グニュー)というオープンソース・ソフトウェア団体の作っている GRUB (グラブ)というソフトウェアです。 なのでブートローダをソースコードを探す場合も、Gru Grub のウェブサイトを探す必要があります。 書籍だとアスキー出版『Linuxのブートプロセスを見る』などの題名の書籍で Grub を紹介してるので、ついつい何となく、ソースコードを読むためにリーナスの管理している kernel.org を探しがちですが、しかし、よくよく考えたら、Grub は Linux ではありません(実際、Windows版Grubもある)。 もし『'''Grub'''のブートプロセスを見る』だと売れないので、出版社が「Linuxのブートプロセスを見る」という題名にしたのでしょう。 私たちOS開発をしたい読者は、けっして出版社にマインド・コントロールされたままでは、イケません。真実「Grub は Linux ではない」に気がつきましょう。 Grub のソースコードのダウンロードにgitコマンド(git clone などのコマンド)が必要なので、あらかじめインストールしておくか、Gitコマンドが最初から使える Ubuntu か Fedora などのLinuxをパソコンにインスト-ルしておきましょう。 Git コマンドのインストールと、Git Hub などのウェブサイトとは別物ですので、混同しないようにしましょう。 '''外部リンク''': [https://git-scm.com/ Gitの公式サイト] なお Windows版のGitはVimエディターにしか対応してないとの情報がインストール時に出ますが、しかしわざわざvimを別途インストールしなくても、Win版GitをインストールすればWindwowsコマンドプロンプトでGitコマンドを使えるようになります。 == 参考文献 == === 書籍出版物 === * 白崎博生 著『Linuxのブートプロセスをみる』、株式会社KADOKAWA(発行)、アスキー・メディアワークス(プロデュース)、2014年10月2日 初版 * 内田公太・上川大介 著『自作エミュレータで学ぶX86アーキテクチャ』、株式会社マイナビ (※出版社名)、2015年8月30日 初版 第1刷 発行、 * 林高勲 著『X86系コンピュータを動かす理論と実装 作って理解するOS』、技術評論社、2019年10月9日 初版 第1刷 発行、 * Igor Zhirkov 著、古川邦夫 監訳『低レベルプログラミング』、翔泳社、2018年01月19日 初版 第1刷 発行、 * このほか、マイナビ出版の『OS自作入門』(川合秀美 著)を参考にしたが(同じ出版社の『自作エミュレータで学ぶX86アーキテクチャ』でも川合氏の文献をところどころ引用的に出して技術解説している)、しかし本書 wikibooks では残念ながら技術内容の確認作業には使えなかった(著者の川合氏が技術内容の正確さよりも初心者の取っ付きやすさを優先しているため。また、ところどころ説明が不十分(アセンブリ言語による各論の理解よりも、読者がC言語でコードを作って動かせることや、全体像の把握を重視している、川合氏の方針のため)。)技術内容の確認作業には、上記一覧の別文献を参考にした。あと、川合氏の文献は2005年の出版物という事もあり、古いので、現代の動向の確認には別文献に当たることになった。 なお、上記文献一覧にある林高勲 著『X86系コンピュータを動かす理論と実装 作って理解するOS』(技術評論社)を、川合氏が監修している。 ただし、直接にこそ川合氏の文献を本wikiは参考にしてないものの、しかし川合氏の文献は日本でのOS自作解説書の草分け的な存在なので、間接的には本wikiも影響を大きく受けているだろう。だからこそ、2019年代の現代でも増刷・再版され続けている(絶版になってない)。 他の著者(名誉のため名前は伏せる)のOS自作本の中には、絶版になってしまったものもある。 == 脚注 == <references/> == 関連項目 == * [[詳細Linux|Linux]] * [[詳細Minix|Minix]] * [[詳細FreBSD|FreeBSD]] * [[IA-32入門|IA-32入門]] == 外部リンク == # [http://softwaretechnique.jp/OS_Development/Tips/Bios_Services/video_services.html 『Tips BIOSサービス割り込み ビデオサービス』] # [https://wiki.osdev.org/Main_Page 『Expanded Main Page - OSDev Wiki』](英語) # [http://elm-chan.org/docs/fat.html#notes FATファイルシステムのしくみと操作法] # [https://www.cqpub.co.jp/column/books/2001a/34331PC_Legacy/default.htm パソコンのレガシィI/O活用大全 ] [[カテゴリ:プログラミング|ていすいしゆん ふろくらみんく]]
2024-01-20T01:00:17Z
2024-01-20T04:36:25Z
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中学校社会 地理/練習問題/世界のすがた
(1)地球において、陸地と海洋の面積の比(陸:海)はいくつか。正しいものを選びなさい。 ア 2:8 イ 3:7 ウ 5:5 エ 7:3 オ 8:2 (2)A,B,Cの示す州を答えましょう。 (3)A,Bの州を含む大陸名を答えましょう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "(1)地球において、陸地と海洋の面積の比(陸:海)はいくつか。正しいものを選びなさい。 ア 2:8 イ 3:7 ウ 5:5 エ 7:3 オ 8:2 (2)A,B,Cの示す州を答えましょう。 (3)A,Bの州を含む大陸名を答えましょう。", "title": "問題" } ]
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==問題== ===大洋と大陸=== (1)地球において、陸地と海洋の面積の比(陸:海)はいくつか。正しいものを選びなさい。 <br>ア 2:8 <br>イ 3:7 <br>ウ 5:5 <br>エ 7:3 <br>オ 8:2 <br> (2)A,B,Cの示す州を答えましょう。 [[File:World map with border.png|600x700px]] <br>(3)A,Bの州を含む大陸名を答えましょう。 <!--===地球上の場所の表し方===--> [[カテゴリ:中学校地理]]
2024-01-20T05:05:46Z
2024-01-24T09:46:11Z
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Yarn
Yarnは、JavaScriptパッケージの依存関係を管理するためのモダンで高性能なパッケージマネージャーです。Facebookが開発し、npm(Node Package Manager)の代替として登場しました。Yarnはパフォーマンスの向上、セキュリティの向上、および信頼性の向上に焦点を当て、大規模なプロジェクトでのパッケージ管理を効率的に行います。 Yarnは、Node.jsプロジェクトでのパッケージの追加、削除、および依存関係の解決を効果的に行うためのツールです。以下は、Yarnを使う主な利点です。 Yarnを使用するには、まずNode.jsとYarnをインストールする必要があります。以下は、インストール手順です。 これで、Node.jsとYarnが正しくインストールされ、プロジェクトでYarnを利用できるようになりました。次に、新しいプロジェクトを初期化する方法やパッケージを追加する手順など、Yarnの基本的な使用法について学びましょう。 新しいNode.jsプロジェクトを始める際には、yarn initコマンドを使用してプロジェクトを初期化します。このコマンドを実行することで、プロジェクトの基本情報を入力し、package.jsonファイルが生成されます。 コマンドを実行すると、いくつかの質問が表示されます。これらの質問に答えることで、プロジェクトの基本設定が行われます。以下は、いくつかの典型的な質問の例です。 これらの質問に答えると、最終的に生成されたpackage.jsonファイルには、プロジェクトの基本的な情報が含まれます。 yarn initコマンドの実行が完了すると、生成されたpackage.jsonファイルは以下のような形式を持っています。 このファイルには、プロジェクトの名前、バージョン、説明、エントリーポイント、テストスクリプト、リポジトリ情報、キーワード、著者、ライセンスなどが含まれています。これはプロジェクトのメタデータとして機能し、依存関係の管理やスクリプトの実行などに使用されます。 このpackage.jsonファイルは、プロジェクトがどのように振る舞うかや、どのライブラリが必要かなどの情報を提供します。プロジェクトを進めるには、このファイルを適切に編集し、必要な依存関係を追加していくことになります。 新しいパッケージをプロジェクトに追加するには、yarn addコマンドを使用します。このコマンドは、指定したパッケージを依存関係に追加し、package.jsonファイルのdependenciesセクションにも追加します。 例えば、Expressをプロジェクトに追加する場合は以下のようにします。 このコマンドはExpressをダウンロードし、プロジェクトのnode_modulesディレクトリにインストールします。また、package.jsonファイルも更新され、Expressがdependenciesとしてリストされます。 不要なパッケージをプロジェクトから削除するには、yarn removeコマンドを使用します。 例えば、削除したいパッケージがexpressである場合は以下のようにします。 このコマンドは、指定したパッケージをnode_modulesディレクトリから削除し、package.jsonファイルのdependenciesセクションからも削除します。 yarn addコマンドで新しいパッケージを追加したり、yarn removeコマンドでパッケージを削除したりした後、依存関係を最新の状態にするためには、yarn installコマンドを使用します。 このコマンドは、package.jsonファイルにリストされた依存関係を元に、node_modulesディレクトリ内に必要なパッケージをインストールします。また、yarn.lockファイルも更新され、プロジェクト全体の依存関係の一貫性が保たれます。 これらのコマンドを利用することで、プロジェクトの依存関係を管理し、簡単に新しいライブラリやツールを導入できます。 パッケージのバージョンを指定することは、プロジェクトの安定性を確保し、予期せぬ動作の変更を防ぐ上で重要です。Yarnでは、package.jsonファイルのdependenciesセクションにある各パッケージのバージョン指定が行われます。 プロジェクトに導入されているパッケージのバージョンをアップデートするには、yarn upgradeコマンドを使用します。このコマンドは指定したパッケージを最新のバージョンにアップグレードします。 また、特定のバージョン範囲内でアップグレードを行いたい場合は、バージョン指定も可能です。 これにより、example-packageのメジャーバージョンが1であり、かつ1.2.0以上で最新のバージョンにアップグレードされます。 パッケージのアップデートを慎重に行い、プロジェクトの予期せぬ問題を回避するために、変更履歴やドキュメントを確認することが重要です。
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Yarnは、JavaScriptパッケージの依存関係を管理するためのモダンで高性能なパッケージマネージャーです。Facebookが開発し、npmの代替として登場しました。Yarnはパフォーマンスの向上、セキュリティの向上、および信頼性の向上に焦点を当て、大規模なプロジェクトでのパッケージ管理を効率的に行います。
Yarnは、JavaScriptパッケージの依存関係を管理するためのモダンで高性能なパッケージマネージャーです。Facebookが開発し、[[npm]](Node Package Manager)の代替として登場しました。Yarnはパフォーマンスの向上、セキュリティの向上、および信頼性の向上に焦点を当て、大規模なプロジェクトでのパッケージ管理を効率的に行います。 == 導入 == === Yarnとは何か、なぜ使うのか=== Yarnは、Node.jsプロジェクトでのパッケージの追加、削除、および依存関係の解決を効果的に行うためのツールです。以下は、Yarnを使う主な利点です。 # 高速なインストール: Yarnは依存関係のインストールをパラレルで行うため、高速なパッケージの取得とインストールが可能です。 # セキュリティの向上: パッケージのダウンロード時にハッシュ値を確認し、変更があった場合はエラーを発生させます。これにより、信頼性とセキュリティが向上します。 # 依存関係の一貫性: パッケージの依存関係が<code>yarn.lock</code>ファイルに記録され、異なる開発環境でも一貫性のある依存関係が確保されます。 # ワークスペースのサポート: 複数のパッケージを同時に管理することができ、モノレポ(Monorepo)プロジェクトにも適しています。 === インストール手順 (Node.jsとYarn)=== Yarnを使用するには、まずNode.jsとYarnをインストールする必要があります。以下は、インストール手順です。 # Node.jsのインストール: Yarnを使用するには、まずNode.jsをインストールする必要があります。Node.jsの最新バージョンは公式サイトからダウンロードできます。インストール後、Node.jsとnpmが利用可能になります。 # Yarnのインストール: 次に、npmを使用してYarnをインストールします。以下のコマンドをターミナルまたはコマンドプロンプトに入力してください。 #:<syntaxhighlight lang=shell> npm install -g yarn </syntaxhighlight> #: これにより、システム全体でYarnが利用可能になります。インストールが完了したら、<code>yarn --version</code>コマンドでバージョンを確認できます。 これで、Node.jsとYarnが正しくインストールされ、プロジェクトでYarnを利用できるようになりました。次に、新しいプロジェクトを初期化する方法やパッケージを追加する手順など、Yarnの基本的な使用法について学びましょう。 {{コラム|npmとyarnの互換性|2=npm(Node Package Manager)とYarnは、どちらもJavaScriptパッケージの依存関係を管理するためのツールであり、互換性があります。以下は、npmとYarnの互換性に関する重要なポイントです。 # パッケージの互換性: #* npmで管理されたプロジェクトは、Yarnで利用できるし、その逆も同様です。どちらのパッケージマネージャーでも、同じ<code>package.json</code>ファイルと<code>node_modules</code>ディレクトリを共有できます。 # インストールの互換性: #* <code>package.json</code>に記載された依存関係を元に、どちらのツールも同じバージョンのパッケージをインストールします。したがって、どちらを使用しても同じ状態になります。 # <code>yarn.lock</code>と<code>package-lock.json</code>: #* Yarnは<code>yarn.lock</code>ファイルを使用して依存関係をロックし、npmは<code>package-lock.json</code>ファイルを使用します。これらのロックファイルは、プロジェクトの依存関係を確実にするために使用されます。Yarnとnpmはそれぞれのロックファイルを生成し、それによって互換性が確保されます。 # スクリプトの互換性: #* <code>scripts</code>セクションに記述されたnpmスクリプトは、Yarnで実行できますし、その逆も同様です。例えば、<code>yarn start</code>と<code>npm start</code>は同じスクリプトを実行します。 # グローバルモードの互換性: #* npmとYarnはどちらもプロジェクトごとに依存関係を管理することができますが、グローバルモードもサポートしています。ただし、グローバルモードではプロジェクトごとの依存関係と異なり、パッケージのバージョンの衝突が発生する可能性があります。 総じて、npmとYarnは互換性があり、同じエコシステム内で協力して使用することができます。ただし、プロジェクトごとの選択肢や開発チームの好みによって、どちらを使用するかが決定されることがあります。 }} == プロジェクトの初期化 == === <code>yarn init</code>コマンドを使用して新しいプロジェクトを初期化 === 新しいNode.jsプロジェクトを始める際には、<code>yarn init</code>コマンドを使用してプロジェクトを初期化します。このコマンドを実行することで、プロジェクトの基本情報を入力し、<code>package.json</code>ファイルが生成されます。 :<syntaxhighlight lang=shell> yarn init </syntaxhighlight> コマンドを実行すると、いくつかの質問が表示されます。これらの質問に答えることで、プロジェクトの基本設定が行われます。以下は、いくつかの典型的な質問の例です。 # package name: パッケージの名前を入力します。デフォルトでは、カレントディレクトリの名前が提案されます。 # version: パッケージの初期バージョンを指定します。 # description: パッケージに関する簡潔な説明を入力します。 # entry point: アプリケーションやライブラリのメインファイルを指定します。デフォルトでは、<code>index.js</code>が提案されます。 # test command: テストスクリプトのコマンドを指定します。 # git repository: プロジェクトのGitリポジトリのURLを入力します。 これらの質問に答えると、最終的に生成された<code>package.json</code>ファイルには、プロジェクトの基本的な情報が含まれます。 === <code>package.json</code>ファイルの生成と基本情報の入力 === <code>yarn init</code>コマンドの実行が完了すると、生成された<code>package.json</code>ファイルは以下のような形式を持っています。 :<syntaxhighlight lang=json> { "name": "your-project-name", "version": "1.0.0", "description": "Your project description", "main": "index.js", "scripts": { "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1" }, "repository": { "type": "git", "url": "https://github.com/your-username/your-project-name.git" }, "keywords": [], "author": "Your Name", "license": "MIT" } </syntaxhighlight> このファイルには、プロジェクトの名前、バージョン、説明、エントリーポイント、テストスクリプト、リポジトリ情報、キーワード、著者、ライセンスなどが含まれています。これはプロジェクトのメタデータとして機能し、依存関係の管理やスクリプトの実行などに使用されます。 この<code>package.json</code>ファイルは、プロジェクトがどのように振る舞うかや、どのライブラリが必要かなどの情報を提供します。プロジェクトを進めるには、このファイルを適切に編集し、必要な依存関係を追加していくことになります。 == パッケージの管理 == === パッケージの追加: <code>yarn add</code>コマンドの使用 === 新しいパッケージをプロジェクトに追加するには、<code>yarn add</code>コマンドを使用します。このコマンドは、指定したパッケージを依存関係に追加し、<code>package.json</code>ファイルの<code>dependencies</code>セクションにも追加します。 例えば、Expressをプロジェクトに追加する場合は以下のようにします。 :<syntaxhighlight lang=shell> yarn add express </syntaxhighlight> このコマンドはExpressをダウンロードし、プロジェクトの<code>node_modules</code>ディレクトリにインストールします。また、<code>package.json</code>ファイルも更新され、Expressが<code>dependencies</code>としてリストされます。 === パッケージの削除: <code>yarn remove</code>コマンドの使用 === 不要なパッケージをプロジェクトから削除するには、<code>yarn remove</code>コマンドを使用します。 例えば、削除したいパッケージが<code>express</code>である場合は以下のようにします。 :<syntaxhighlight lang=shell> yarn remove express </syntaxhighlight> このコマンドは、指定したパッケージを<code>node_modules</code>ディレクトリから削除し、<code>package.json</code>ファイルの<code>dependencies</code>セクションからも削除します。 === 依存関係のインストール: <code>yarn install</code>コマンドの使用 === <code>yarn add</code>コマンドで新しいパッケージを追加したり、<code>yarn remove</code>コマンドでパッケージを削除したりした後、依存関係を最新の状態にするためには、<code>yarn install</code>コマンドを使用します。 :<syntaxhighlight lang=shell> yarn install </syntaxhighlight> このコマンドは、<code>package.json</code>ファイルにリストされた依存関係を元に、<code>node_modules</code>ディレクトリ内に必要なパッケージをインストールします。また、<code>yarn.lock</code>ファイルも更新され、プロジェクト全体の依存関係の一貫性が保たれます。 これらのコマンドを利用することで、プロジェクトの依存関係を管理し、簡単に新しいライブラリやツールを導入できます。 == パッケージのバージョン管理 == === パッケージのバージョン指定方法 === パッケージのバージョンを指定することは、プロジェクトの安定性を確保し、予期せぬ動作の変更を防ぐ上で重要です。Yarnでは、<code>package.json</code>ファイルの<code>dependencies</code>セクションにある各パッケージのバージョン指定が行われます。 * 具体的なバージョン指定: この場合、<code>example-package</code>は厳密にバージョン1.2.3を使用します。 *: <syntaxhighlight lang=shell> "dependencies": { "example-package": "1.2.3" } </syntaxhighlight> * 範囲指定: <code>^</code>を使ってメジャーバージョンが同じであれば新しいパッチやマイナーバージョンも利用されるように指定します。 *: <syntaxhighlight lang=shell> "dependencies": { "example-package": "^1.2.3" } </syntaxhighlight> * 範囲指定(マイナー以下を除く): <code>~</code>を使ってメジャーとマイナーバージョンが同じであれば新しいパッチバージョンも利用されるように指定します。 *: <syntaxhighlight lang=shell> "dependencies": { "example-package": "~1.2.3" } </syntaxhighlight> * 最新のバージョン: <code>*</code>を使うと最新のバージョンが利用されます。 *: <syntaxhighlight lang=shell> "dependencies": { "example-package": "*" } </syntaxhighlight> === パッケージのアップデート: <code>yarn upgrade</code>コマンドの使用 === プロジェクトに導入されているパッケージのバージョンをアップデートするには、<code>yarn upgrade</code>コマンドを使用します。このコマンドは指定したパッケージを最新のバージョンにアップグレードします。 : <syntaxhighlight lang=shell> yarn upgrade example-package </syntaxhighlight> また、特定のバージョン範囲内でアップグレードを行いたい場合は、バージョン指定も可能です。 : <syntaxhighlight lang=shell> yarn upgrade example-package@^1.2.0 </syntaxhighlight> これにより、<code>example-package</code>のメジャーバージョンが1であり、かつ1.2.0以上で最新のバージョンにアップグレードされます。 パッケージのアップデートを慎重に行い、プロジェクトの予期せぬ問題を回避するために、変更履歴やドキュメントを確認することが重要です。 == プロジェクトのスクリプト == * <code>scripts</code>セクションの使い方 * カスタムスクリプトの追加と実行方法 * <code>yarn run</code>コマンドの使用 == ワークスペースとモノレポ == * ワークスペースの概要 * 複数のパッケージを管理する方法 * モノレポのセットアップ == Yarnの機能とオプション == * ロックファイルの理解と利点 * キャッシュのクリアと管理 * グローバルモードとローカルモードの違い == トラブルシューティングとベストプラクティス == * 依存関係の競合の解決 * パフォーマンス向上のためのベストプラクティス * よくある問題と解決策 == コミュニティとリソース == * Yarnの公式ドキュメント * GitHubコミュニティとイシュートラッキング * 関連するフレームワークやプラグイン == 脚註 == <references /> [[カテゴリ:JavaScript]]
2024-01-20T06:19:38Z
2024-03-12T06:37:02Z
[ "テンプレート:コラム" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Yarn
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高等学校 地学基礎/地震災害・火山災害
高等学校の学習>高等学校理科>高等学校地学>高等学校 地学基礎>地震災害・火山災害 自然界の様々な現象は、人間にとって良い面もあります。しかし、自然災害で生活を危うくしてしまいます。日本は地震や火山噴火などの自然災害が他国と比べても非常に多くなっています。これまでどのような災害を火山や地震からもたらしましたか? 大きな地震があると、強い地震動で建物の倒壊や土砂災害などをもたらします。また、土地の隆起や沈降、水平方向のずれから被害が出るかもしれません。さらに、火災・停電・断水などの複雑的な災害に見舞われるかもしれません。大きな地震があると、砂地の地盤(河川沿いや埋め立て地など)も動きます。この時、地下水が砂層と混じり合い、砂層が一時的に液体のようになります(液状化現象)。2024年の能登半島地震は、建物の倒壊や火災で大きな被害を出しました。2011年の東北地方太平洋沖地震は、強い地震動や津波で大きな被害を出しました。福島第一原子力発電所も東北地方太平洋沖地震で電源を全て失い、水素爆発や火災を招きました。その後、大量の放射性物質が空気中に運んでしまいました(福島第一原子力発電所事故)。 地震で海底の断層が動いたり、海底地滑りがあったりすると、大きな波(津波)が出来ます。津波の波長(波の山から山の長さ・谷から谷の長さ)は数キロから数百キロメートルと非常に長く、津波の周期(波の山から次の山・谷から次の谷がくるまでの時間)も数10分と非常に長くなっています。なお、波浪の波長は最大で数m~数十m程度と非常に短く、波浪の周期も数10秒と非常に短くなっています。津波は、地震の震源が海域で、あまり深くなく、マグニチュードも大きい時によく発生します。海底から海面までの水が全て動くので、津波は通常の波よりもはるかに大きなエネルギーを持ちます。2011年の東北地方太平洋沖地震後、約20mの津波が宮城県女川町を襲いました。また、宮城県女川町笠貝島で最大約43mの標高まで津波が来ました。 ★津波が出来るまで 津波は、一度海面が下がってから押し寄せてきます。また、津波は第2波と第3波と繰り返すうちに大きくなります。このように、地震の数時間後でも津波が押し寄せるかもしれないので、津波が完全に収まるまで海岸付近に近づかないでください。津波の高さは、海岸の地形で変わります。岬の先端やリアス式海岸の奥に集まると、津波の波高も高くなってしまいます。 火山弾や溶岩流などが、近くの建物を壊したり燃やしたりします。火山灰はとても小さな粒子で作られているので、上空に送られて遠くの場所に飛んでいきます。大量の火山灰は、人々の健康や農作物に悪いかもしれません。また、雨と混ざると、家屋の倒壊も起こりやすくなります(泥流)。溶岩ドームの崩落なども火砕流の原因になります。火山ガスは火口とその周辺から出ており、人体に有害な成分を含まれています。 1991年、長崎県の雲仙岳で火砕流が起こり、43名が亡くなりました。2000年、東京都の三宅島で火山が噴火すると、高濃度の火山ガスが流れ込み、全島民が島外に逃げ出しました。2014年、長野県の御嶽山で水蒸気爆発があり、58名が亡くなりました。気象庁の説明から、火山が噴火すると風に乗って火山礫を遠くまで運ばれます(小さな噴石)。また、火山が噴火すると火口から放物線を描くように火山岩を運びます。この時、火山岩はおよそ2~4kmの間に落ちます(大きな噴石)。大きな噴石は建物を丸ごと壊してしまうような力もあります。さらに、昔は大きな火山活動もありました。例えば、約9万年前に熊本県の阿蘇山で大きな火砕流が半径180km(鹿児島県以外の九州全域と山口県)まで流れています。この研究は火山周辺の地層から分かっています。 火山性地震や火山性微動は、噴火や地下のマグマ活動からよく起こります。マグマの上昇で地盤が変わると、断層も出来ます。また、地震動や火山体内部のマグマの圧力上昇から火山体が崩れ、岩塊も砕けながら高速で斜面から流れるかもしれません(岩屑流・岩雪崩・岩屑雪崩)。岩屑流や火山砕屑物などの堆積物が河川をせき止めます。そして、河川が決壊すると土砂と水が一緒に動きます(土石流・泥流)。1985年、コロンビアのネバド・デル・ルイス山で、大きな泥流が発生しました。その結果、山麓で大勢の人が亡くなりました。2018年、インドネシアのクラカタウ山が噴火すると海に土砂が流れ込みました。そして、その土砂が津波を発生させ、沿岸地域に被害をもたらしました。
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高等学校の学習>高等学校理科>高等学校地学>高等学校 地学基礎>地震災害・火山災害  自然界の様々な現象は、人間にとって良い面もあります。しかし、自然災害で生活を危うくしてしまいます。日本は地震や火山噴火などの自然災害が他国と比べても非常に多くなっています。これまでどのような災害を火山や地震からもたらしましたか?
[[高等学校の学習]]>[[高等学校理科]]>[[高等学校地学]]>[[高等学校 地学基礎]]>地震災害・火山災害  自然界の様々な現象は、人間にとって良い面もあります。しかし、自然災害で生活を危うくしてしまいます。日本は地震や火山噴火などの自然災害が他国と比べても非常に多くなっています。これまでどのような災害を火山や地震からもたらしましたか? == 地震と災害 == === 激しい揺れによる被害 === [[ファイル:Air Self-Defense Force drone search operation at Wajima Asaichi.jpg|サムネイル|237x237ピクセル|能登半島地震火災後の輪島朝市]]  大きな地震があると、強い地震動で建物の倒壊や土砂災害などをもたらします。また、土地の隆起や沈降、水平方向のずれから被害が出るかもしれません。さらに、火災・停電・断水などの複雑的な災害に見舞われるかもしれません。大きな地震があると、砂地の地盤(河川沿いや埋め立て地など)も動きます。この時、地下水が砂層と混じり合い、砂層が一時的に液体のようになります(<span style="color:#f29100">'''液状化現象'''</span>)。2024年の能登半島地震は、建物の倒壊や火災で大きな被害を出しました。<ref>1995年の兵庫県南部地震も同じ被害が出ました。</ref>2011年の東北地方太平洋沖地震は、強い地震動や津波で大きな被害を出しました。福島第一原子力発電所も東北地方太平洋沖地震で電源を全て失い、水素爆発や火災を招きました。その後、大量の放射性物質が空気中に運んでしまいました(福島第一原子力発電所事故)。 === 津波 === [[ファイル:Devastation after tsunami in Rikuzentakata.jpg|サムネイル|岩手県陸前高田市の津波被害]]  地震で海底の断層が動いたり、海底地滑りがあったりすると、大きな波(<span style="color:#f29100">'''津波'''</span>)が出来ます。津波の波長(波の山から山の長さ・谷から谷の長さ)は数キロから数百キロメートルと非常に長く、津波の周期(波の山から次の山・谷から次の谷がくるまでの時間)も数10分と非常に長くなっています<ref>国土交通省気象庁「[https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq26.html 津波について]」より</ref>。なお、波浪の波長は最大で数m~数十m程度と非常に短く、波浪の周期も数10秒と非常に短くなっています。津波は、地震の震源が海域で、あまり深くなく、マグニチュードも大きい時によく発生します。海底から海面までの水が全て動くので、津波は通常の波よりもはるかに大きなエネルギーを持ちます。2011年の東北地方太平洋沖地震後、約20mの津波が宮城県女川町を襲いました。また、宮城県女川町笠貝島で最大約43mの標高まで津波が来ました。 ★津波が出来るまで<ref>日本気象協会「[https://tenki.jp/bousai/knowledge/6ddf920.html 津波のしくみ]」から</ref> <gallery widths="180" heights="180"> ファイル:Eq-gen1.svg|地震前のプレート境界図 ファイル:Eq-gen2.svg|大陸プレートが海洋プレートの下に沈み込みます。この時、大陸プレートにひずみが出来ます。 ファイル:Eq-gen3.svg|ひずみが限界を迎えると地震が発生します。 ファイル:Eq-gen4.svg|津波が発生します。 </gallery> 津波は、一度海面が下がってから押し寄せてきます。また、津波は第2波と第3波と繰り返すうちに大きくなります。このように、地震の数時間後でも津波が押し寄せるかもしれないので、津波が完全に収まるまで海岸付近に近づかないでください。津波の高さは、海岸の地形で変わります。岬の先端やリアス式海岸の奥に集まると、津波の波高も高くなってしまいます。 == 火山と災害 == === 火山噴出物による被害 ===  火山弾や溶岩流などが、近くの建物を壊したり燃やしたりします。火山灰はとても小さな粒子で作られているので、上空に送られて遠くの場所に飛んでいきます。大量の火山灰は、人々の健康や農作物に悪いかもしれません。また、雨と混ざると、家屋の倒壊も起こりやすくなります(泥流)。溶岩ドームの崩落なども火砕流の原因になります。火山ガスは火口とその周辺から出ており、人体に有害な成分を含まれています。 [[ファイル:Mount Ontake from Kurakake Pass.JPG|サムネイル|御嶽山]]  1991年、長崎県の雲仙岳で火砕流が起こり、43名が亡くなりました。2000年、東京都の三宅島で火山が噴火すると、高濃度の火山ガスが流れ込み、全島民が島外に逃げ出しました。2014年、長野県の御嶽山で水蒸気爆発があり、58名が亡くなりました。気象庁の説明から、火山が噴火すると風に乗って火山礫を遠くまで運ばれます(小さな噴石)。また、火山が噴火すると火口から放物線を描くように火山岩を運びます。この時、火山岩はおよそ2~4kmの間に落ちます(大きな噴石)。大きな噴石は建物を丸ごと壊してしまうような力もあります。さらに、昔は大きな火山活動もありました。例えば、約9万年前に熊本県の阿蘇山で大きな火砕流が半径180km(鹿児島県以外の九州全域と山口県)まで流れています。この研究は火山周辺の地層から分かっています。 === 噴火活動に伴う被害 ===  火山性地震や火山性微動は、噴火や地下のマグマ活動からよく起こります。マグマの上昇で地盤が変わると、断層も出来ます。また、地震動や火山体内部のマグマの圧力上昇から火山体が崩れ、岩塊も砕けながら高速で斜面から流れるかもしれません(岩屑流・岩雪崩・岩屑雪崩)。岩屑流や火山砕屑物などの堆積物が河川をせき止めます。そして、河川が決壊すると土砂と水が一緒に動きます(土石流・泥流)。1985年、コロンビアの[[w:ネバドデルルイス火山|ネバド・デル・ルイス山]]で、大きな泥流が発生しました。その結果、山麓で大勢の人が亡くなりました。2018年、インドネシアの[[w:アナク・クラカタウ島|クラカタウ山]]が噴火すると海に土砂が流れ込みました。そして、その土砂が[[w:スンダ海峡津波|津波]]を発生させ、沿岸地域に被害をもたらしました。 == 資料出所 == * 啓林館『高等学校 地学基礎』磯崎行雄ほか編著 2022年 == ここに注意!! == [[カテゴリ:高等学校地学基礎]]
2024-01-20T12:50:43Z
2024-02-07T14:44:03Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1_%E5%9C%B0%E5%AD%A6%E5%9F%BA%E7%A4%8E/%E5%9C%B0%E9%9C%87%E7%81%BD%E5%AE%B3%E3%83%BB%E7%81%AB%E5%B1%B1%E7%81%BD%E5%AE%B3
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React.js
React.jsは、柔軟で効果的なフロントエンドライブラリで、Webアプリケーションの構築において人気を博しています。本ガイドでは、React.jsの基本的な概念から始め、JSXやコンポーネントの作成、プロパティとステートの管理、イベント処理、条件付きレンダリングなど、幅広いトピックにわたります。初心者向けに、Node.jsとnpmのインストールから始まり、Reactアプリケーションのセットアップ、最新のTypeScriptを取り入れた開発もカバーします。各セクションには実際のコード例や実践的な演習が含まれ、手を動かしながら学べるよう工夫されています。React.jsを使用して効率的かつモダンなフロントエンドアプリケーションを構築するスキルを身につけ、最終的には実践プロジェクトを通じて習得した知識を活かすことが目標です。 React.jsは、Meta(以前のFacebook)が開発したUIライブラリで、柔軟かつ効率的なユーザーインターフェースを構築するために利用されます。本チュートリアルでは、React.jsの基本から学び、TypeScript(TSX)を組み合わせて実際のプロジェクトを構築する手順を紹介します。 React.jsは、コンポーネントベースのアーキテクチャと仮想DOMを使用して、効果的かつ柔軟なUIを構築するためのライブラリです。コンポーネントは再利用可能な部品であり、個々の状態を持っています。 Reactの仮想DOM(Virtual DOM)は、実際のDOMと同じ構造を持つが、ブラウザ上には直接表示されず、メモリ上に存在します。UIが変更されると、仮想DOMが新しいUI状態を反映し、実際のDOMと比較して変更点を効率的に見つけ出します。そして、変更が必要な部分のみを実際のDOMに適用し、再描画のコストを最小限に抑えます。 仮想DOMの使用は、UIのパフォーマンス向上や開発者が直感的にUIを更新できるようにするなど、Reactのコア技術の一部として重要です。 TypeScriptはJavaScriptに型を導入した拡張言語で、開発プロセスを効果的にし、コードの品質を向上させます。ReactとTypeScriptを組み合わせることで、より安全でメンテナブルなコードを書くことができます。型エラーの早期発見やIDEのサポートを受けることで、開発効率が向上し、信頼性の高いアプリケーションを構築できます。 TypeScriptも、JSXと呼ばれるJavaScriptの拡張構文と同様に、TSXと呼ばれるTypeScriptの拡張構文を持っています。 これらの基本的な概念を理解した上で、React.jsとTypeScriptを使用したフロントエンド開発に進んでいきましょう。 React.jsの開発には、Node.jsとnpmのインストールが必要です。以下は、簡単な手順です。 npmはNode.jsのパッケージマネージャで、React.jsプロジェクトの依存関係や開発ツールを管理します。npmの基本的な使い方について学びましょう。 これで、Node.jsおよびnpmの基本的な使い方とパッケージの管理方法についての理解ができました。次に、React.jsとTypeScriptを使った最初のコンポーネントを作成していきましょう。 React.jsの開発には、Create React Appを使用して新しいプロジェクトを作成することが一般的です。Create React Appは、Reactアプリケーションを簡単かつ迅速にセットアップするための公式なツールです。 Create React Appを使用することで、設定ファイルやビルドプロセスについて心配することなく、Reactアプリケーションの開発を素早く始めることができます。次に、Reactコンポーネントの基本的な作成と表示について学びましょう。 Reactでは、JSX(JavaScript XML)構文を使用してコンポーネントを記述します。JSXはXML構文のような記法で、JavaScriptの拡張です。TypeScriptを使用する場合は、TSX(TypeScript XML)を使用します。 以下は、基本的なJSXの例です。 JSXでは、HTMLタグのような構文が使用されていますが、これはReact.createElement()関数によってコンパイルされ、React要素が作成されます。 TSXでは以下のようになります。 TSXでは、JSX要素の型アノテーションが通常必要です。型アノテーションはJSX.Elementを使用して、変数elementがJSX要素であることを示しています。 TypeScriptのTSXでは通常、型推論が十分に効果的に機能します。変数の型を明示的に指定せずに宣言すると、TypeScriptは初期化された値からその変数の型を推論します。以下は、型推論が可能な例です。 この場合、TypeScriptは変数elementの型を自動的にJSX.Elementと推論します。型推論を利用することでコードは簡潔になり、冗長な型アノテーションを回避できます。ただし、特定の場面で型を明示的に指定することが望ましい場合もあります。 コンポーネント(Component)は、React.jsにおいてUIを構築するための基本的な部品です。Reactアプリケーションは、これらのコンポーネントから構成され、個々のコンポーネントは再利用可能な単位として機能します。 具体的には、コンポーネントは次のような特徴を持っています: コンポーネントは小さな部品から大きなアプリケーションまで、Reactの柔軟性と拡張性を提供する重要な概念です。 Reactコンポーネントは、単純な関数またはクラスとして定義できます。以下は、関数コンポーネントの例です。 また、同様のコンポーネントをクラスとしても書くことができます。 これらのコンポーネントは、他のコンポーネントから呼び出して再利用できます。また、これをReactDOMを使ってHTMLにレンダリングすることができます。 この例では、MyComponentコンポーネントを<div id="root"></div>にレンダリングしています。 ReactDOMは、React.jsで仮想DOMを実際のDOMに反映させるためのライブラリです。Reactアプリケーションでは、仮想DOMを使用してUIの変更を効率的に処理し、その変更をブラウザ上の実際のDOMに反映させます。ReactDOMは、この仮想DOMと実際のDOMの橋渡しを行います。 以下は、ReactDOMが使用される基本的な使い方です。 ReactDOMはReactの一部であり、Reactが提供する重要なツールの一つです。DOMの描画や再描画の際には、ReactDOMを使用して実際のDOMとReactの仮想DOMを連携させることが不可欠です。 次に、プロパティとステートについて学びながら、Reactコンポーネントのより高度な機能を探っていきましょう。 Reactコンポーネントでは、プロパティ(Props)とステート(State)という二つの主要な概念があります。これらを活用することで、コンポーネントは動的で柔軟な振る舞いを示すことができます。 プロパティは、親コンポーネントから子コンポーネントに情報を渡すための仕組みです。関数コンポーネントでは引数としてpropsオブジェクトを受け取り、クラスコンポーネントではthis.propsを使用します。 上記の例では、MyComponentにnameというプロパティを渡しています。このようにして、動的なデータをコンポーネントに受け渡すことができます。 ステートは、コンポーネント内で管理される状態を表します。ステートは主にクラスコンポーネントで使用され、this.stateを通じてアクセスされます。コンポーネントが内部で保持するデータが変更されると、Reactは自動的に再レンダリングします。 上記の例では、Counterコンポーネントが内部でcountというステートを持ち、ボタンがクリックされるとincrementメソッドが呼び出され、ステートが更新されます。この更新により、<p>要素内の表示が変更されます。 これらの概念を理解した上で、イベントハンドリングや条件付きレンダリングなどの応用的なトピックに進んでいきましょう。 Reactコンポーネントでは、ユーザーの操作に応じてイベントを処理することが一般的です。これにはクリック、入力、フォーム送信などの様々なイベントが含まれます。イベントハンドリングは、Reactのコンポーネント内で関数を作成し、それをイベントに対して呼び出す形で行います。 以下は、ボタンがクリックされたときにアラートを表示する単純な例です。 上記の例では、handleClickメソッドがボタンがクリックされたときに呼び出されます。onClickプロパティには、関数が渡されていることに注意してください。アロー関数を使用することで、thisの参照が正しくなります。 イベントハンドリングによく使用されるパターンは、ステートの更新です。例として、フォームの入力値をステートに保存し、動的に反映する場合を考えてみましょう。 この例では、<input>要素のonChangeイベントでhandleChangeメソッドが呼び出され、入力値がステートに更新されます。その後、更新されたステートが表示される<p>要素に反映されます。 これらの概念を身につけることで、Reactアプリケーション内でユーザーの入力やイベントに対応することが可能となります。次に、条件付きレンダリングなど、Reactの応用的な機能に進んでいきましょう。 Reactでは、特定の条件が満たされたときにコンポーネントの表示を切り替える「条件付きレンダリング」が一般的です。これにより、ユーザーの操作やデータの状態に基づいて、動的なUIを実現することができます。 最も基本的な形の条件付きレンダリングは、JavaScriptの条件演算子(三項演算子)を使用する方法です。 この例では、isLoggedInというステートの値によって表示されるメッセージが切り替わります。条件が真の場合は「Welcome back, User!」が表示され、偽の場合は「Please log in.」が表示されます。 複雑な条件やロジックに基づいてコンポーネントを表示する場合は、条件に合致するコンポーネントを変数に格納し、それをJSX内で使用する方法があります。 この例では、温度に基づいて表示するメッセージを動的に切り替えています。message変数に条件に合致するJSXを代入し、それをレンダリングしています。 条件付きレンダリングを上手に利用することで、異なる状態やデータに対応した動的なUIを構築することができます。次に、Reactアプリケーションの最適化やコンポーネント間のデータ伝達について学びましょう。 Reactにおいて、リストを効果的に表示するためには、配列を使って動的に要素を生成し、それぞれにユニークなキーを付与することが重要です。これにより、Reactが正確にどの要素が変更されたかを判断し、最適な再レンダリングを実現できます。 配列を使ってリストを表示する際には、map関数を活用します。以下は、単純なリストの例です。 この例では、todosという配列内の各要素をmap関数で取り出し、それぞれの要素にインデックスをキーとして付与しています。ただし、この方法は一意なキーを保証できないため、もし可能であれば一意なIDを使用する方が良いでしょう。 一意なキーを持つことはReactでのリスト表示において重要です。これによりReactは、要素の変更や削除を正確にトラックできます。 このように、リストの各要素には一意なIDを持たせることで、Reactが要素の追加、変更、削除などを正確に処理できます。 リストとキーを理解することで、動的で柔軟なUIを構築する際において、Reactが効果的に動作するようになります。次に、フォームの作成と入力処理とコントロールされたコンポーネントについて学んでいきましょう。 Reactにおいて、フォームの作成と入力処理は一般的なタスクです。Reactを使用することで、フォームの状態を簡単に管理し、ユーザーの入力に対して動的に反応するUIを構築できます。 Reactでは、通常のHTMLフォームと同様に、<form>要素を使用します。フォーム内の入力要素は、通常のHTMLと同様に、<input>、<select>、<textarea>などを使用します。以下は、シンプルなフォームの例です。 この例では、<input>の値をinputValueというステートに保存し、onChangeイベントでその値を更新しています。また、<form>のonSubmitイベントでフォームの送信を処理しています。 Reactでは、フォーム要素の値をReactのステートで管理することを「コントロールされたコンポーネント」と呼びます。これにより、フォーム要素とReactのステートが同期し、リアルタイムにユーザーの入力に対応できます。 関数コンポーネントではuseStateフックを使用してステートを管理します。valueとonChangeを使用して、入力要素とステートを連動させています。 フォームと入力処理の理解により、Reactを使った動的なユーザーインターフェースの構築がより容易になります。次に、ReactのライフサイクルやHooksの詳細などを学んでいきましょう。 Reactコンポーネントは、マウント(Mounting)、アンマウント(Unmounting)、更新(Updating)の3つのフェーズでライフサイクルが管理されています。それぞれのフェーズにはライフサイクルメソッドが存在し、これらを利用することで特定のタイミングでの処理を実行できます。 以下に代表的なライフサイクルメソッドを示します。 これらのメソッドを活用することで、コンポーネントのライフサイクルの各ステージで必要な処理を行うことができます。React Hooksを使った関数コンポーネントにおいては、useEffectなどのフックがこれらの機能を提供します。 React Hooksは、React v16.8以降で導入された機能であり、関数コンポーネントにおいて状態やライフサイクルメソッドなどの機能を利用できるようにします。主なHooksとしてはuseState、useEffectなどがあります。また、これらの基本的なHooksを組み合わせて独自のHooksを作成することもできます。 useState Hookは、関数コンポーネント内で状態を管理するために使用されます。通常のクラスコンポーネントにおけるthis.stateと同様の機能を提供します。 useEffect Hookは、コンポーネントがマウント、アンマウント、または更新される際に副作用を実行するために使用されます。クラスコンポーネントにおけるライフサイクルメソッド(componentDidMount、componentDidUpdate、componentWillUnmount)に相当します。 カスタムフックは、Hooksを組み合わせて独自のロジックを抽象化したものです。カスタムフックの名前は通常useで始まり、複数のHookを組み合わせて再利用性の高い機能を作成することができます。 このように、カスタムフックを使うことで特定の機能を抽象化し、複数のコンポーネントで再利用できるようになります。React Hooksをうまく活用することで、コンポーネントのロジックをより明確にし、コードの再利用性を向上させることができます。 Reactアプリケーションにおいて、異なるページやビューを表示するためには、ルーティングの実装が必要です。React Routerは、Reactアプリケーションのための人気のあるルーティングライブラリであり、ページ遷移や動的なルーティングを容易に実現できます。 まず最初に、React Routerをプロジェクトに導入します。以下のコマンドを使用して、react-router-domをインストールします。 React Routerを使用して、複数のページやビューを実現するためには、BrowserRouterやRouteコンポーネントを使用します。 上記の例では、BrowserRouterを使用して/と/aboutのパスに対応するコンポーネント(HomeとAbout)を表示しています。Linkコンポーネントを使用することで、ページ間のリンクを簡単に作成できます。 React Routerを使用することで、動的なルーティングも実現できます。例えば、ユーザーのIDに基づいて個別のユーザーページを表示する場合などです。 この例では、:idという動的なパラメータを使用して、/user/1や/user/2などのパスに対応するユーザーページを表示しています。match.params.idを通じて、動的なパラメータの値にアクセスできます。 React Routerを使用することで、シンプルかつ効果的にReactアプリケーション内でのルーティングを実現できます。 Reactアプリケーションでは、グローバルな状態を管理する必要がある場面があります。Context APIは、Reactコンポーネントツリー全体で共有されるグローバルな状態を簡単に管理するための手段を提供します。 Context APIを使用することで、Reduxなどの状態管理ライブラリを導入せずに、アプリケーション全体で共有される状態を簡単に管理できます。以下は、基本的なContextの使用例です。 この例では、DataContextを作成し、DataProviderでグローバルなステートとその更新関数を提供しています。useDataカスタムフックを使用することで、どのコンポーネントでもグローバルなステートにアクセスできます。 アプリケーション内の異なる部分で同じデータを共有する場合、Context APIを活用することが重要です。以下は、前述のDataProviderを使用して、異なるコンポーネントでデータを共有する例です。 DataProviderで提供されたグローバルなステートを、useDataカスタムフックを介してComponentAとComponentBで共有しています。これにより、どちらのコンポーネントでも同じデータを読み書きすることができます。 Context APIは、簡潔ながらも効果的なグローバルな状態管理の手段を提供し、Reactアプリケーションの複雑さを低減させます。 これまでの知識を活かして、Reactアプリケーションを開発してみましょう。 この最終プロジェクトでは、以下の要素を含めたシンプルなタスク管理アプリケーションを構築します。 以下は、プロジェクトを進めるための基本的な構成です。この構成をベースにしながら、アプリケーションをカスタマイズしていってください。 まず、新しいReactプロジェクトを作成します。 必要なパッケージをインストールします。 プロジェクトのファイル構成 以上で、シンプルなタスク管理アプリケーションが完成しました。このプロジェクトをベースにして、機能の拡張やデザインのカスタマイズを行いながら、Reactの様々な機能やライブラリを実践してみてください。 Reactアプリケーションを開発したら、それをビルドし、デプロイして公開することが重要です。以下では、Reactアプリケーションをビルドし、一般的なデプロイ方法を紹介します。 Reactアプリケーションをビルドすると、最適化された静的なファイルが生成され、これをサーバーにデプロイして公開することができます。 ビルドは以下のコマンドで行います。 このコマンドを実行すると、buildディレクトリが生成され、その中にビルドされたファイルが格納されます。 デプロイの方法はいくつかありますが、ここでは簡単な2つの方法を紹介します。 これで、Reactアプリケーションをビルドしてデプロイし、公開する基本的な手順を学びました。デプロイ先によって手順が異なるため、選択したプラットフォームのドキュメントも確認することをお勧めします。 React.jsとTypeScriptを使用して、モダンなフロントエンド開発を行うための基本的な概念について学びました。以下は、このチュートリアルで取り上げた主要なトピックです。 このチュートリアルを通じてReact.jsとTypeScriptの基本を学びましたが、これはまだ始まりに過ぎません。以下は、これから学習を深めるためのリソースです。 React.jsとTypeScriptを組み合わせて使いこなすためには、実際のプロジェクトでの経験が最も効果的です。小さなプロジェクトから始めて、徐々に複雑なアプリケーションに挑戦してみましょう。学習の旅がさらなる成長とスキル向上につながります。成功を祈ります!
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "React.jsは、柔軟で効果的なフロントエンドライブラリで、Webアプリケーションの構築において人気を博しています。本ガイドでは、React.jsの基本的な概念から始め、JSXやコンポーネントの作成、プロパティとステートの管理、イベント処理、条件付きレンダリングなど、幅広いトピックにわたります。初心者向けに、Node.jsとnpmのインストールから始まり、Reactアプリケーションのセットアップ、最新のTypeScriptを取り入れた開発もカバーします。各セクションには実際のコード例や実践的な演習が含まれ、手を動かしながら学べるよう工夫されています。React.jsを使用して効率的かつモダンなフロントエンドアプリケーションを構築するスキルを身につけ、最終的には実践プロジェクトを通じて習得した知識を活かすことが目標です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "React.jsは、Meta(以前のFacebook)が開発したUIライブラリで、柔軟かつ効率的なユーザーインターフェースを構築するために利用されます。本チュートリアルでは、React.jsの基本から学び、TypeScript(TSX)を組み合わせて実際のプロジェクトを構築する手順を紹介します。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "React.jsは、コンポーネントベースのアーキテクチャと仮想DOMを使用して、効果的かつ柔軟なUIを構築するためのライブラリです。コンポーネントは再利用可能な部品であり、個々の状態を持っています。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Reactの仮想DOM(Virtual DOM)は、実際のDOMと同じ構造を持つが、ブラウザ上には直接表示されず、メモリ上に存在します。UIが変更されると、仮想DOMが新しいUI状態を反映し、実際のDOMと比較して変更点を効率的に見つけ出します。そして、変更が必要な部分のみを実際のDOMに適用し、再描画のコストを最小限に抑えます。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "仮想DOMの使用は、UIのパフォーマンス向上や開発者が直感的にUIを更新できるようにするなど、Reactのコア技術の一部として重要です。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "TypeScriptはJavaScriptに型を導入した拡張言語で、開発プロセスを効果的にし、コードの品質を向上させます。ReactとTypeScriptを組み合わせることで、より安全でメンテナブルなコードを書くことができます。型エラーの早期発見やIDEのサポートを受けることで、開発効率が向上し、信頼性の高いアプリケーションを構築できます。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "TypeScriptも、JSXと呼ばれるJavaScriptの拡張構文と同様に、TSXと呼ばれるTypeScriptの拡張構文を持っています。 これらの基本的な概念を理解した上で、React.jsとTypeScriptを使用したフロントエンド開発に進んでいきましょう。", "title": "はじめに" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "React.jsの開発には、Node.jsとnpmのインストールが必要です。以下は、簡単な手順です。", "title": "Node.jsとnpmの導入" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "npmはNode.jsのパッケージマネージャで、React.jsプロジェクトの依存関係や開発ツールを管理します。npmの基本的な使い方について学びましょう。", "title": 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"コンポーネントは小さな部品から大きなアプリケーションまで、Reactの柔軟性と拡張性を提供する重要な概念です。", "title": "コンポーネント" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "Reactコンポーネントは、単純な関数またはクラスとして定義できます。以下は、関数コンポーネントの例です。", "title": "コンポーネント" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "また、同様のコンポーネントをクラスとしても書くことができます。", "title": "コンポーネント" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "これらのコンポーネントは、他のコンポーネントから呼び出して再利用できます。また、これをReactDOMを使ってHTMLにレンダリングすることができます。", "title": "コンポーネント" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "この例では、MyComponentコンポーネントを<div id=\"root\"></div>にレンダリングしています。", "title": "コンポーネント" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "ReactDOMは、React.jsで仮想DOMを実際のDOMに反映させるためのライブラリです。Reactアプリケーションでは、仮想DOMを使用してUIの変更を効率的に処理し、その変更をブラウザ上の実際のDOMに反映させます。ReactDOMは、この仮想DOMと実際のDOMの橋渡しを行います。", "title": "コンポーネント" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "以下は、ReactDOMが使用される基本的な使い方です。", "title": "コンポーネント" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "ReactDOMはReactの一部であり、Reactが提供する重要なツールの一つです。DOMの描画や再描画の際には、ReactDOMを使用して実際のDOMとReactの仮想DOMを連携させることが不可欠です。", "title": "コンポーネント" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "次に、プロパティとステートについて学びながら、Reactコンポーネントのより高度な機能を探っていきましょう。", "title": "コンポーネント" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "Reactコンポーネントでは、プロパティ(Props)とステート(State)という二つの主要な概念があります。これらを活用することで、コンポーネントは動的で柔軟な振る舞いを示すことができます。", "title": "プロパティとステート" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "プロパティは、親コンポーネントから子コンポーネントに情報を渡すための仕組みです。関数コンポーネントでは引数としてpropsオブジェクトを受け取り、クラスコンポーネントではthis.propsを使用します。", "title": "プロパティとステート" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "上記の例では、MyComponentにnameというプロパティを渡しています。このようにして、動的なデータをコンポーネントに受け渡すことができます。", "title": "プロパティとステート" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "ステートは、コンポーネント内で管理される状態を表します。ステートは主にクラスコンポーネントで使用され、this.stateを通じてアクセスされます。コンポーネントが内部で保持するデータが変更されると、Reactは自動的に再レンダリングします。", "title": "プロパティとステート" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "上記の例では、Counterコンポーネントが内部でcountというステートを持ち、ボタンがクリックされるとincrementメソッドが呼び出され、ステートが更新されます。この更新により、<p>要素内の表示が変更されます。", "title": "プロパティとステート" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "これらの概念を理解した上で、イベントハンドリングや条件付きレンダリングなどの応用的なトピックに進んでいきましょう。", "title": "プロパティとステート" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "Reactコンポーネントでは、ユーザーの操作に応じてイベントを処理することが一般的です。これにはクリック、入力、フォーム送信などの様々なイベントが含まれます。イベントハンドリングは、Reactのコンポーネント内で関数を作成し、それをイベントに対して呼び出す形で行います。", "title": "イベントハンドリング" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "以下は、ボタンがクリックされたときにアラートを表示する単純な例です。", "title": "イベントハンドリング" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "上記の例では、handleClickメソッドがボタンがクリックされたときに呼び出されます。onClickプロパティには、関数が渡されていることに注意してください。アロー関数を使用することで、thisの参照が正しくなります。", "title": "イベントハンドリング" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "イベントハンドリングによく使用されるパターンは、ステートの更新です。例として、フォームの入力値をステートに保存し、動的に反映する場合を考えてみましょう。", "title": "イベントハンドリング" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "この例では、<input>要素のonChangeイベントでhandleChangeメソッドが呼び出され、入力値がステートに更新されます。その後、更新されたステートが表示される<p>要素に反映されます。", "title": "イベントハンドリング" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "これらの概念を身につけることで、Reactアプリケーション内でユーザーの入力やイベントに対応することが可能となります。次に、条件付きレンダリングなど、Reactの応用的な機能に進んでいきましょう。", "title": "イベントハンドリング" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "Reactでは、特定の条件が満たされたときにコンポーネントの表示を切り替える「条件付きレンダリング」が一般的です。これにより、ユーザーの操作やデータの状態に基づいて、動的なUIを実現することができます。", "title": "条件付きレンダリング" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "最も基本的な形の条件付きレンダリングは、JavaScriptの条件演算子(三項演算子)を使用する方法です。", "title": "条件付きレンダリング" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "この例では、isLoggedInというステートの値によって表示されるメッセージが切り替わります。条件が真の場合は「Welcome back, User!」が表示され、偽の場合は「Please log in.」が表示されます。", "title": "条件付きレンダリング" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "複雑な条件やロジックに基づいてコンポーネントを表示する場合は、条件に合致するコンポーネントを変数に格納し、それをJSX内で使用する方法があります。", "title": "条件付きレンダリング" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "この例では、温度に基づいて表示するメッセージを動的に切り替えています。message変数に条件に合致するJSXを代入し、それをレンダリングしています。", "title": "条件付きレンダリング" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "条件付きレンダリングを上手に利用することで、異なる状態やデータに対応した動的なUIを構築することができます。次に、Reactアプリケーションの最適化やコンポーネント間のデータ伝達について学びましょう。", "title": "条件付きレンダリング" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "Reactにおいて、リストを効果的に表示するためには、配列を使って動的に要素を生成し、それぞれにユニークなキーを付与することが重要です。これにより、Reactが正確にどの要素が変更されたかを判断し、最適な再レンダリングを実現できます。", "title": "リストとキー" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "配列を使ってリストを表示する際には、map関数を活用します。以下は、単純なリストの例です。", "title": "リストとキー" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "この例では、todosという配列内の各要素をmap関数で取り出し、それぞれの要素にインデックスをキーとして付与しています。ただし、この方法は一意なキーを保証できないため、もし可能であれば一意なIDを使用する方が良いでしょう。", "title": "リストとキー" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "一意なキーを持つことはReactでのリスト表示において重要です。これによりReactは、要素の変更や削除を正確にトラックできます。", "title": "リストとキー" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "このように、リストの各要素には一意なIDを持たせることで、Reactが要素の追加、変更、削除などを正確に処理できます。", "title": "リストとキー" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "リストとキーを理解することで、動的で柔軟なUIを構築する際において、Reactが効果的に動作するようになります。次に、フォームの作成と入力処理とコントロールされたコンポーネントについて学んでいきましょう。", "title": "リストとキー" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "Reactにおいて、フォームの作成と入力処理は一般的なタスクです。Reactを使用することで、フォームの状態を簡単に管理し、ユーザーの入力に対して動的に反応するUIを構築できます。", "title": "フォームと入力処理" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "Reactでは、通常のHTMLフォームと同様に、<form>要素を使用します。フォーム内の入力要素は、通常のHTMLと同様に、<input>、<select>、<textarea>などを使用します。以下は、シンプルなフォームの例です。", "title": "フォームと入力処理" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "この例では、<input>の値をinputValueというステートに保存し、onChangeイベントでその値を更新しています。また、<form>のonSubmitイベントでフォームの送信を処理しています。", "title": "フォームと入力処理" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "Reactでは、フォーム要素の値をReactのステートで管理することを「コントロールされたコンポーネント」と呼びます。これにより、フォーム要素とReactのステートが同期し、リアルタイムにユーザーの入力に対応できます。", "title": "フォームと入力処理" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "関数コンポーネントではuseStateフックを使用してステートを管理します。valueとonChangeを使用して、入力要素とステートを連動させています。", "title": "フォームと入力処理" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "フォームと入力処理の理解により、Reactを使った動的なユーザーインターフェースの構築がより容易になります。次に、ReactのライフサイクルやHooksの詳細などを学んでいきましょう。", "title": "フォームと入力処理" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "Reactコンポーネントは、マウント(Mounting)、アンマウント(Unmounting)、更新(Updating)の3つのフェーズでライフサイクルが管理されています。それぞれのフェーズにはライフサイクルメソッドが存在し、これらを利用することで特定のタイミングでの処理を実行できます。", "title": "コンポーネントのライフサイクル" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "以下に代表的なライフサイクルメソッドを示します。", "title": "コンポーネントのライフサイクル" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "これらのメソッドを活用することで、コンポーネントのライフサイクルの各ステージで必要な処理を行うことができます。React Hooksを使った関数コンポーネントにおいては、useEffectなどのフックがこれらの機能を提供します。", "title": "コンポーネントのライフサイクル" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "React Hooksは、React v16.8以降で導入された機能であり、関数コンポーネントにおいて状態やライフサイクルメソッドなどの機能を利用できるようにします。主なHooksとしてはuseState、useEffectなどがあります。また、これらの基本的なHooksを組み合わせて独自のHooksを作成することもできます。", "title": "React Hooksの導入" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "useState Hookは、関数コンポーネント内で状態を管理するために使用されます。通常のクラスコンポーネントにおけるthis.stateと同様の機能を提供します。", "title": "React Hooksの導入" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "useEffect Hookは、コンポーネントがマウント、アンマウント、または更新される際に副作用を実行するために使用されます。クラスコンポーネントにおけるライフサイクルメソッド(componentDidMount、componentDidUpdate、componentWillUnmount)に相当します。", "title": "React Hooksの導入" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "カスタムフックは、Hooksを組み合わせて独自のロジックを抽象化したものです。カスタムフックの名前は通常useで始まり、複数のHookを組み合わせて再利用性の高い機能を作成することができます。", "title": "React Hooksの導入" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "このように、カスタムフックを使うことで特定の機能を抽象化し、複数のコンポーネントで再利用できるようになります。React Hooksをうまく活用することで、コンポーネントのロジックをより明確にし、コードの再利用性を向上させることができます。", "title": "React Hooksの導入" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "Reactアプリケーションにおいて、異なるページやビューを表示するためには、ルーティングの実装が必要です。React Routerは、Reactアプリケーションのための人気のあるルーティングライブラリであり、ページ遷移や動的なルーティングを容易に実現できます。", "title": "ルーティングとReact Router" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "まず最初に、React Routerをプロジェクトに導入します。以下のコマンドを使用して、react-router-domをインストールします。", "title": "ルーティングとReact Router" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "React Routerを使用して、複数のページやビューを実現するためには、BrowserRouterやRouteコンポーネントを使用します。", "title": "ルーティングとReact Router" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "上記の例では、BrowserRouterを使用して/と/aboutのパスに対応するコンポーネント(HomeとAbout)を表示しています。Linkコンポーネントを使用することで、ページ間のリンクを簡単に作成できます。", "title": "ルーティングとReact Router" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "React Routerを使用することで、動的なルーティングも実現できます。例えば、ユーザーのIDに基づいて個別のユーザーページを表示する場合などです。", "title": "ルーティングとReact Router" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "この例では、:idという動的なパラメータを使用して、/user/1や/user/2などのパスに対応するユーザーページを表示しています。match.params.idを通じて、動的なパラメータの値にアクセスできます。", "title": "ルーティングとReact Router" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "React Routerを使用することで、シンプルかつ効果的にReactアプリケーション内でのルーティングを実現できます。", "title": "ルーティングとReact Router" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "Reactアプリケーションでは、グローバルな状態を管理する必要がある場面があります。Context APIは、Reactコンポーネントツリー全体で共有されるグローバルな状態を簡単に管理するための手段を提供します。", "title": "状態管理とContext API" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "Context APIを使用することで、Reduxなどの状態管理ライブラリを導入せずに、アプリケーション全体で共有される状態を簡単に管理できます。以下は、基本的なContextの使用例です。", "title": "状態管理とContext API" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "この例では、DataContextを作成し、DataProviderでグローバルなステートとその更新関数を提供しています。useDataカスタムフックを使用することで、どのコンポーネントでもグローバルなステートにアクセスできます。", "title": "状態管理とContext API" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "アプリケーション内の異なる部分で同じデータを共有する場合、Context APIを活用することが重要です。以下は、前述のDataProviderを使用して、異なるコンポーネントでデータを共有する例です。", "title": "状態管理とContext API" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "DataProviderで提供されたグローバルなステートを、useDataカスタムフックを介してComponentAとComponentBで共有しています。これにより、どちらのコンポーネントでも同じデータを読み書きすることができます。", "title": "状態管理とContext API" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "Context APIは、簡潔ながらも効果的なグローバルな状態管理の手段を提供し、Reactアプリケーションの複雑さを低減させます。", "title": "状態管理とContext API" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "これまでの知識を活かして、Reactアプリケーションを開発してみましょう。", "title": "最終プロジェクトの構築" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "この最終プロジェクトでは、以下の要素を含めたシンプルなタスク管理アプリケーションを構築します。", "title": "最終プロジェクトの構築" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "以下は、プロジェクトを進めるための基本的な構成です。この構成をベースにしながら、アプリケーションをカスタマイズしていってください。", "title": "最終プロジェクトの構築" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "まず、新しいReactプロジェクトを作成します。", "title": "最終プロジェクトの構築" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "必要なパッケージをインストールします。", "title": "最終プロジェクトの構築" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "プロジェクトのファイル構成", "title": "最終プロジェクトの構築" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "以上で、シンプルなタスク管理アプリケーションが完成しました。このプロジェクトをベースにして、機能の拡張やデザインのカスタマイズを行いながら、Reactの様々な機能やライブラリを実践してみてください。", "title": "最終プロジェクトの構築" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": 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React.jsは、柔軟で効果的なフロントエンドライブラリで、Webアプリケーションの構築において人気を博しています。本ガイドでは、React.jsの基本的な概念から始め、JSXやコンポーネントの作成、プロパティとステートの管理、イベント処理、条件付きレンダリングなど、幅広いトピックにわたります。初心者向けに、Node.jsとnpmのインストールから始まり、Reactアプリケーションのセットアップ、最新のTypeScriptを取り入れた開発もカバーします。各セクションには実際のコード例や実践的な演習が含まれ、手を動かしながら学べるよう工夫されています。React.jsを使用して効率的かつモダンなフロントエンドアプリケーションを構築するスキルを身につけ、最終的には実践プロジェクトを通じて習得した知識を活かすことが目標です。
{{Wikipedia|React}} React.jsは、柔軟で効果的なフロントエンドライブラリで、Webアプリケーションの構築において人気を博しています。本ガイドでは、React.jsの基本的な概念から始め、JSXやコンポーネントの作成、プロパティとステートの管理、イベント処理、条件付きレンダリングなど、幅広いトピックにわたります。初心者向けに、Node.jsとnpmのインストールから始まり、Reactアプリケーションのセットアップ、最新のTypeScriptを取り入れた開発もカバーします。各セクションには実際のコード例や実践的な演習が含まれ、手を動かしながら学べるよう工夫されています。React.jsを使用して効率的かつモダンなフロントエンドアプリケーションを構築するスキルを身につけ、最終的には実践プロジェクトを通じて習得した知識を活かすことが目標です。 == はじめに == React.jsは、Meta(以前のFacebook)が開発したUIライブラリで、柔軟かつ効率的なユーザーインターフェースを構築するために利用されます。本チュートリアルでは、React.jsの基本から学び、TypeScript(TSX)を組み合わせて実際のプロジェクトを構築する手順を紹介します。 === React.jsとは === React.jsは、コンポーネントベースのアーキテクチャと仮想DOMを使用して、効果的かつ柔軟なUIを構築するためのライブラリです。コンポーネントは再利用可能な部品であり、個々の状態を持っています。 === 仮想DOM === Reactの仮想DOM(Virtual DOM)は、実際のDOMと同じ構造を持つが、ブラウザ上には直接表示されず、メモリ上に存在します。UIが変更されると、仮想DOMが新しいUI状態を反映し、実際のDOMと比較して変更点を効率的に見つけ出します。そして、変更が必要な部分のみを実際のDOMに適用し、再描画のコストを最小限に抑えます。 仮想DOMの使用は、UIのパフォーマンス向上や開発者が直感的にUIを更新できるようにするなど、Reactのコア技術の一部として重要です。 === TypeScript === TypeScriptはJavaScriptに型を導入した拡張言語で、開発プロセスを効果的にし、コードの品質を向上させます。ReactとTypeScriptを組み合わせることで、より安全でメンテナブルなコードを書くことができます。型エラーの早期発見やIDEのサポートを受けることで、開発効率が向上し、信頼性の高いアプリケーションを構築できます。 TypeScriptも、JSXと呼ばれるJavaScriptの拡張構文と同様に、TSXと呼ばれるTypeScriptの拡張構文を持っています。 これらの基本的な概念を理解した上で、React.jsとTypeScriptを使用したフロントエンド開発に進んでいきましょう。 {{コラム|React.jsとReact Native|2=React.js(またはReact)とReact Nativeは、Meta(以前のFacebook)によって開発されたJavaScriptライブラリで、ユーザーインターフェースを構築するために使用されます。それぞれのフレームワークは異なるプラットフォームでのアプリケーション開発に焦点を当てています。 ;React.js :React.jsは、Webアプリケーションの開発に特化したライブラリです。以下は、React.jsの主な特徴です。 :;Webアプリケーション開発:React.jsは、動的なユーザーインターフェースを構築するために使用されます。シングルページアプリケーション(SPA)の開発に適しています。 :;コンポーネントベース:React.jsはコンポーネントベースのアーキテクチャを採用しており、UIを小さな再利用可能な部品に分割します。これにより、コードのメンテナンス性が向上します。 :;Virtual DOM:React.jsは仮想DOM(Virtual DOM)を使用して、効率的かつ高速にUIを更新します。これにより、必要な部分だけが再描画され、パフォーマンスが向上します。 :;JSX:React.jsでは、JSX(JavaScript XML)を使用してコンポーネントの見た目を記述します。JSXはXML構文をJavaScriptに組み込むことができる構文拡張です。 ;React Native :React Nativeは、モバイルアプリケーションの開発に特化したフレームワークです。以下は、React Nativeの主な特徴です。 :;モバイルアプリケーション開発:React NativeはiOSおよびAndroidプラットフォームで動作するネイティブなモバイルアプリケーションを開発するためのフレームワークです。 :;コンポーネントベース:React NativeもReact.jsと同様に、コンポーネントベースのアーキテクチャを使用します。React.jsで作成したコンポーネントを一部再利用できるため、開発効率が向上します。 :;ネイティブAPIのアクセス:React Nativeアプリケーションは、JavaScriptを使用してネイティブAPIにアクセスできます。これにより、ネイティブな機能やモジュールを組み込むことが可能です。 :;Hot Reloading:React NativeはHot Reloadingをサポートしており、アプリケーションのコード変更をリアルタイムで反映させることができます。 ;共通点 :React.jsとReact Nativeは、以下の点で共通しています。 :;ReactMeta(以前のFacebook):両者ともReactコンポーネントのアーキテクチャを採用しており、コンポーネントを再利用することができます。 :;React生態系:React.jsとReact Nativeは、同じ生態系を共有しています。開発者はReactの基本的な概念を学び、両方のプラットフォームでコードを再利用できます。 :;一貫性:React.jsで開発したスキルや知識は、React Nativeの開発にも適用できます。これにより、同じ開発者がWebアプリケーションとモバイルアプリケーションの両方を開発できます。 React.jsとReact Nativeは、それぞれの特性に応じて異なる使用ケースで活躍します。開発者はプロジェクトの要件に基づいて、どちらを選択するかを検討する必要があります。 :;本書では、[[React.js]] を扱い [[React Native]] は扱いません。 }} == Node.jsとnpmの導入 == React.jsの開発には、Node.jsとnpmのインストールが必要です。以下は、簡単な手順です。 === Node.jsのインストール === {{Main|Node.js}} # Node.jsの公式ウェブサイトを訪れます。 # ウェブサイトから最新バージョンのNode.jsインストーラーをダウンロードします。 # ダウンロードしたインストーラーを実行して、指示に従ってNode.jsをインストールします。 === npmパッケージの管理 === {{Main|npm}} npmはNode.jsのパッケージマネージャで、React.jsプロジェクトの依存関係や開発ツールを管理します。npmの基本的な使い方について学びましょう。 # プロジェクトの初期化 #: 新しいReact.jsプロジェクトを作成するには、コマンドラインでプロジェクトのディレクトリに移動し、次のコマンドを実行します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> npx create-react-app my-react-app </syntaxhighlight> #: これにより、基本的なReactアプリケーションのテンプレートが作成されます。 # パッケージの追加 #: Reactアプリケーションには様々なパッケージが利用されます。例えば、TypeScriptを導入する場合、次のようにして追加します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> npm install --save typescript @types/react @types/react-dom </syntaxhighlight> #: このコマンドは、TypeScriptとReact用の型定義をプロジェクトに追加します。 # パッケージの削除 #: 不要になったパッケージを削除するには、次のようにコマンドを実行します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> npm uninstall パッケージ名 </syntaxhighlight> これで、Node.jsおよびnpmの基本的な使い方とパッケージの管理方法についての理解ができました。次に、React.jsとTypeScriptを使った最初のコンポーネントを作成していきましょう。 == 開発環境のセットアップ == === Create React Appを使用して新しいプロジェクトを作成 === React.jsの開発には、Create React Appを使用して新しいプロジェクトを作成することが一般的です。Create React Appは、Reactアプリケーションを簡単かつ迅速にセットアップするための公式なツールです。 === Create React Appを使用して新しいプロジェクトを作成 === # Create React Appのインストール Create React Appをインストールするには、以下のコマンドを実行します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> npx create-react-app my-react-app </syntaxhighlight> #:<code>my-react-app</code>は作成するプロジェクトの名前で、この部分を任意の名前に変更できます。 # プロジェクトディレクトリに移動 Create React Appで生成されたプロジェクトのディレクトリに移動します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> cd my-react-app </syntaxhighlight> # 開発サーバーの起動 開発サーバーを起動し、Reactアプリケーションをローカルで実行するには、以下のコマンドを実行します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> npm start </syntaxhighlight> #: ブラウザで <code><nowiki>http://localhost:3000</nowiki></code> にアクセスすると、Reactアプリケーションが表示されます。 Create React Appを使用することで、設定ファイルやビルドプロセスについて心配することなく、Reactアプリケーションの開発を素早く始めることができます。次に、Reactコンポーネントの基本的な作成と表示について学びましょう。 == JSXとTSXの基本 == Reactでは、JSX(JavaScript XML)構文を使用してコンポーネントを記述します。JSXはXML構文のような記法で、JavaScriptの拡張です。TypeScriptを使用する場合は、TSX(TypeScript XML)を使用します。 以下は、基本的なJSXの例です。 ;elm.jsx:<syntaxhighlight lang=jsx> const element = <h1>Hello, React!</h1>; </syntaxhighlight> JSXでは、HTMLタグのような構文が使用されていますが、これはReact.createElement()関数によってコンパイルされ、React要素が作成されます。 TSXでは以下のようになります。 ;elm.tsx:<syntaxhighlight lang=tsx> const element: JSX.Element = <h1>Hello, React!</h1>; </syntaxhighlight> TSXでは、JSX要素の型アノテーションが通常必要です。型アノテーションは<code>JSX.Element</code>を使用して、変数<code>element</code>がJSX要素であることを示しています。 TypeScriptのTSXでは通常、型推論が十分に効果的に機能します。変数の型を明示的に指定せずに宣言すると、TypeScriptは初期化された値からその変数の型を推論します。以下は、型推論が可能な例です。 ;elm-ti.tsx:<syntaxhighlight lang=tsx> const element = <h1>Hello, React!</h1>; </syntaxhighlight> この場合、TypeScriptは変数<code>element</code>の型を自動的に<code>JSX.Element</code>と推論します。型推論を利用することでコードは簡潔になり、冗長な型アノテーションを回避できます。ただし、特定の場面で型を明示的に指定することが望ましい場合もあります。 == コンポーネント == コンポーネント(Component)は、React.jsにおいてUIを構築するための基本的な部品です。Reactアプリケーションは、これらのコンポーネントから構成され、個々のコンポーネントは再利用可能な単位として機能します。 具体的には、コンポーネントは次のような特徴を持っています: ;再利用可能性: コンポーネントは独立して機能し、他の部分で再利用できるように設計されます。これにより、コードの保守性が向上し、効率的な開発が可能となります。 ;状態(State): コンポーネントは内部で状態を管理できます。状態はコンポーネントが保持するデータであり、それに基づいて動的なUIの変更が可能です。 ;プロパティ(Props): 親コンポーネントから子コンポーネントにデータを渡すためのプロパティが使用されます。これにより、コンポーネント間で情報を共有できます。 ;ライフサイクルメソッド: コンポーネントはマウント(Mount)、アップデート(Update)、アンマウント(Unmount)などのライフサイクルメソッドを持ちます。これらのメソッドを利用して、特定のタイミングでコードを実行できます。 ;JSX: Reactコンポーネントは通常、JSX(JavaScript XML)構文を使用して記述されます。JSXはHTMLライクな構文で、JavaScriptコード内にXML構造を記述することができます。また、JavaScriptに型アノテーションなどを追加したTypeScriptを同様に拡張してTSX(TypeScript XML)構文を使用して記述することもできます。 コンポーネントは小さな部品から大きなアプリケーションまで、Reactの柔軟性と拡張性を提供する重要な概念です。 === コンポーネントの作成と表示 === Reactコンポーネントは、単純な関数またはクラスとして定義できます。以下は、関数コンポーネントの例です。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; function MyComponent() { return <div>Hello, I'm a React component!</div>; } // このようにも書けます const MyComponent2 () => <div>Hello, I'm a React component!</div>; </syntaxhighlight> また、同様のコンポーネントをクラスとしても書くことができます。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React, { Component } from 'react'; class MyComponent extends Component { render() { return <div>Hello, I'm a React component!</div>; } } </syntaxhighlight> これらのコンポーネントは、他のコンポーネントから呼び出して再利用できます。また、これをReactDOMを使ってHTMLにレンダリングすることができます。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; import ReactDOM from 'react-dom'; const element = <MyComponent />; ReactDOM.render(element, document.getElementById('root')); </syntaxhighlight> この例では、<code>MyComponent</code>コンポーネントを<code><nowiki><div id="root"></div></nowiki></code>にレンダリングしています。 ;ReactDOM <code>ReactDOM</code>は、React.jsで仮想DOMを実際のDOMに反映させるためのライブラリです。Reactアプリケーションでは、仮想DOMを使用してUIの変更を効率的に処理し、その変更をブラウザ上の実際のDOMに反映させます。<code>ReactDOM</code>は、この仮想DOMと実際のDOMの橋渡しを行います。 以下は、<code>ReactDOM</code>が使用される基本的な使い方です。 # DOMに描画する: Reactで構築されたUIを実際のDOMに描画するためには、<code>ReactDOM.render()</code>メソッドを使用します。これにより、Reactのコンポーネントツリーがブラウザ上のDOMに反映されます。 #:<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; import ReactDOM from 'react-dom'; import App from './App'; ReactDOM.render(<App />, document.getElementById('root')); </syntaxhighlight> #: 上記の例では、<code><App /></code>というReactコンポーネントを、IDが 'root' である実際のDOMの要素に描画しています。 # 動的な変更を反映する: アプリケーションが実行されている間に状態が変化したり、データが更新された場合、<code>ReactDOM.render()</code>を再度呼び出すことで変更を反映させます。 #:<syntaxhighlight lang=jsx> import React, { useState } from 'react'; import ReactDOM from 'react-dom'; function Counter() { const [count, setCount] = useState(0); return ( <div> <p>{count}</p> <button onClick={() => setCount(count + 1)}>Increment</button> </div> ); } ReactDOM.render(<Counter />, document.getElementById('root')); </syntaxhighlight> #: この例では、<code>useState</code>フックを使用してコンポーネントの状態を管理しており、ボタンがクリックされるたびに状態が変更されて再描画が行われます。 <code>ReactDOM</code>はReactの一部であり、Reactが提供する重要なツールの一つです。DOMの描画や再描画の際には、<code>ReactDOM</code>を使用して実際のDOMとReactの仮想DOMを連携させることが不可欠です。 次に、プロパティとステートについて学びながら、Reactコンポーネントのより高度な機能を探っていきましょう。 == プロパティとステート == Reactコンポーネントでは、プロパティ(Props)とステート(State)という二つの主要な概念があります。これらを活用することで、コンポーネントは動的で柔軟な振る舞いを示すことができます。 === プロパティの受け渡し === プロパティは、親コンポーネントから子コンポーネントに情報を渡すための仕組みです。関数コンポーネントでは引数として<code>props</code>オブジェクトを受け取り、クラスコンポーネントでは<code>this.props</code>を使用します。 :<syntaxhighlight lang=jsx> // 関数コンポーネント function MyComponent(props) { return <div>Hello, {props.name}!</div>; } // クラスコンポーネント class MyComponent extends React.Component { render() { return <div>Hello, {this.props.name}!</div>; } } // 使用例 const element = <MyComponent name="John" />; </syntaxhighlight> 上記の例では、<code>MyComponent</code>に<code>name</code>というプロパティを渡しています。このようにして、動的なデータをコンポーネントに受け渡すことができます。 === ステートの管理 === ステートは、コンポーネント内で管理される状態を表します。ステートは主にクラスコンポーネントで使用され、<code>this.state</code>を通じてアクセスされます。コンポーネントが内部で保持するデータが変更されると、Reactは自動的に再レンダリングします。 :<syntaxhighlight lang=jsx> class Counter extends React.Component { constructor(props) { super(props); this.state = { count: 0 }; } increment() { this.setState({ count: this.state.count + 1 }); } render() { return ( <div> <p>Count: {this.state.count}</p> <button onClick={() => this.increment()}>Increment</button> </div> ); } } </syntaxhighlight> 上記の例では、<code>Counter</code>コンポーネントが内部で<code>count</code>というステートを持ち、ボタンがクリックされると<code>increment</code>メソッドが呼び出され、ステートが更新されます。この更新により、<code><nowiki><p></nowiki></code>要素内の表示が変更されます。 これらの概念を理解した上で、イベントハンドリングや条件付きレンダリングなどの応用的なトピックに進んでいきましょう。 == イベントハンドリング == Reactコンポーネントでは、ユーザーの操作に応じてイベントを処理することが一般的です。これにはクリック、入力、フォーム送信などの様々なイベントが含まれます。イベントハンドリングは、Reactのコンポーネント内で関数を作成し、それをイベントに対して呼び出す形で行います。 === イベントの処理 === 以下は、ボタンがクリックされたときにアラートを表示する単純な例です。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; class MyButton extends React.Component { handleClick() { alert('Button clicked!'); } render() { return <button onClick={() => this.handleClick()}>Click me</button>; } } </syntaxhighlight> 上記の例では、<code>handleClick</code>メソッドがボタンがクリックされたときに呼び出されます。<code>onClick</code>プロパティには、関数が渡されていることに注意してください。アロー関数を使用することで、<code>this</code>の参照が正しくなります。 === ステートの更新 === イベントハンドリングによく使用されるパターンは、ステートの更新です。例として、フォームの入力値をステートに保存し、動的に反映する場合を考えてみましょう。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; class InputForm extends React.Component { constructor(props) { super(props); this.state = { inputValue: '' }; } handleChange(event) { this.setState({ inputValue: event.target.value }); } render() { return ( <div> <input type="text" value={this.state.inputValue} onChange={(event) => this.handleChange(event)} /> <p>You typed: {this.state.inputValue}</p> </div> ); } } </syntaxhighlight> この例では、<code><input></code>要素の<code>onChange</code>イベントで<code>handleChange</code>メソッドが呼び出され、入力値がステートに更新されます。その後、更新されたステートが表示される<code><nowiki><p></nowiki></code>要素に反映されます。 これらの概念を身につけることで、Reactアプリケーション内でユーザーの入力やイベントに対応することが可能となります。次に、条件付きレンダリングなど、Reactの応用的な機能に進んでいきましょう。 == 条件付きレンダリング == Reactでは、特定の条件が満たされたときにコンポーネントの表示を切り替える「条件付きレンダリング」が一般的です。これにより、ユーザーの操作やデータの状態に基づいて、動的なUIを実現することができます。 === 条件文を使用した表示の切り替え === 最も基本的な形の条件付きレンダリングは、JavaScriptの条件演算子(三項演算子)を使用する方法です。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; class Greeting extends React.Component { constructor(props) { super(props); this.state = { isLoggedIn: false }; } render() { return ( <div> {this.state.isLoggedIn ? ( <p>Welcome back, User!</p> ) : ( <p>Please log in.</p> )} </div> ); } } </syntaxhighlight> この例では、<code>isLoggedIn</code>というステートの値によって表示されるメッセージが切り替わります。条件が真の場合は「Welcome back, User!」が表示され、偽の場合は「Please log in.」が表示されます。 === ロジックに基づくコンポーネントの表示 === 複雑な条件やロジックに基づいてコンポーネントを表示する場合は、条件に合致するコンポーネントを変数に格納し、それをJSX内で使用する方法があります。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; class TemperatureDisplay extends React.Component { constructor(props) { super(props); this.state = { temperature: 25 }; } render() { const { temperature } = this.state; let message; if (temperature > 30) { message = <p>It's too hot!</p>; } else if (temperature < 10) { message = <p>It's too cold!</p>; } else { message = <p>The temperature is just right.</p>; } return ( <div> <p>Current Temperature: {temperature}°C</p> {message} </div> ); } } </syntaxhighlight> この例では、温度に基づいて表示するメッセージを動的に切り替えています。<code>message</code>変数に条件に合致するJSXを代入し、それをレンダリングしています。 条件付きレンダリングを上手に利用することで、異なる状態やデータに対応した動的なUIを構築することができます。次に、Reactアプリケーションの最適化やコンポーネント間のデータ伝達について学びましょう。 == リストとキー == Reactにおいて、リストを効果的に表示するためには、配列を使って動的に要素を生成し、それぞれにユニークなキーを付与することが重要です。これにより、Reactが正確にどの要素が変更されたかを判断し、最適な再レンダリングを実現できます。 === 配列を使ったリストの表示 === 配列を使ってリストを表示する際には、<code>map</code>関数を活用します。以下は、単純なリストの例です。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; class TodoList extends React.Component { constructor(props) { super(props); this.state = { todos: ['Task 1', 'Task 2', 'Task 3'] }; } render() { return ( <ul> {this.state.todos.map((todo, index) => ( <li key={index}>{todo}</li> ))} </ul> ); } } </syntaxhighlight> この例では、<code>todos</code>という配列内の各要素を<code>map</code>関数で取り出し、それぞれの要素にインデックスをキーとして付与しています。ただし、この方法は一意なキーを保証できないため、もし可能であれば一意なIDを使用する方が良いでしょう。 === ユニークなキーの付与 === 一意なキーを持つことはReactでのリスト表示において重要です。これによりReactは、要素の変更や削除を正確にトラックできます。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; class TodoList extends React.Component { constructor(props) { super(props); this.state = { todos: [ { id: 1, text: 'Task 1' }, { id: 2, text: 'Task 2' }, { id: 3, text: 'Task 3' }, ], }; } render() { return ( <ul> {this.state.todos.map((todo) => ( <li key={todo.id}>{todo.text}</li> ))} </ul> ); } } </syntaxhighlight> このように、リストの各要素には一意なIDを持たせることで、Reactが要素の追加、変更、削除などを正確に処理できます。 リストとキーを理解することで、動的で柔軟なUIを構築する際において、Reactが効果的に動作するようになります。次に、フォームの作成と入力処理とコントロールされたコンポーネントについて学んでいきましょう。 == フォームと入力処理 == Reactにおいて、フォームの作成と入力処理は一般的なタスクです。Reactを使用することで、フォームの状態を簡単に管理し、ユーザーの入力に対して動的に反応するUIを構築できます。 === フォームの作成と入力処理 === Reactでは、通常のHTMLフォームと同様に、<code><form></code>要素を使用します。フォーム内の入力要素は、通常のHTMLと同様に、<code><input></code>、<code><select></code>、<code><textarea></code>などを使用します。以下は、シンプルなフォームの例です。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React from 'react'; class MyForm extends React.Component { constructor(props) { super(props); this.state = { inputValue: '' }; } handleChange(event) { this.setState({ inputValue: event.target.value }); } handleSubmit(event) { alert('A name was submitted: ' + this.state.inputValue); event.preventDefault(); } render() { return ( <form onSubmit={(event) => this.handleSubmit(event)}> <label> Name: <input type="text" value={this.state.inputValue} onChange={(event) => this.handleChange(event)} /> </label> <button type="submit">Submit</button> </form> ); } } </syntaxhighlight> この例では、<code><input></code>の値を<code>inputValue</code>というステートに保存し、<code>onChange</code>イベントでその値を更新しています。また、<code><form></code>の<code>onSubmit</code>イベントでフォームの送信を処理しています。 === コントロールされたコンポーネント === Reactでは、フォーム要素の値をReactのステートで管理することを「コントロールされたコンポーネント」と呼びます。これにより、フォーム要素とReactのステートが同期し、リアルタイムにユーザーの入力に対応できます。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React, { useState } from 'react'; function ControlledForm() { const [inputValue, setInputValue] = useState(''); const handleChange = (event) => { setInputValue(event.target.value); }; const handleSubmit = (event) => { alert('A name was submitted: ' + inputValue); event.preventDefault(); }; return ( <form onSubmit={handleSubmit}> <label> Name: <input type="text" value={inputValue} onChange={handleChange} /> </label> <button type="submit">Submit</button> </form> ); } </syntaxhighlight> 関数コンポーネントでは<code>useState</code>フックを使用してステートを管理します。<code>value</code>と<code>onChange</code>を使用して、入力要素とステートを連動させています。 フォームと入力処理の理解により、Reactを使った動的なユーザーインターフェースの構築がより容易になります。次に、ReactのライフサイクルやHooksの詳細などを学んでいきましょう。 == コンポーネントのライフサイクル == Reactコンポーネントは、マウント(Mounting)、アンマウント(Unmounting)、更新(Updating)の3つのフェーズでライフサイクルが管理されています。それぞれのフェーズにはライフサイクルメソッドが存在し、これらを利用することで特定のタイミングでの処理を実行できます。 === マウント、アンマウント、更新のフェーズ === # マウント(Mounting): #* コンポーネントがDOMに挿入される最初の瞬間。 #* <code>constructor</code>、<code>render</code>、<code>componentDidMount</code>などが主に利用される。 # アンマウント(Unmounting): #* コンポーネントがDOMから削除される瞬間。 #* <code>componentWillUnmount</code>などが利用され、クリーンアップやリソース解放が行われる。 # 更新(Updating): #* コンポーネントが再描画される瞬間。 #* <code>shouldComponentUpdate</code>、<code>render</code>、<code>componentDidUpdate</code>などが主に利用され、条件に応じた更新やサイドエフェクトの処理が行われる。 === ライフサイクルメソッドの使用 === 以下に代表的なライフサイクルメソッドを示します。 # <code>constructor(props)</code>: #* コンポーネントの初期化を行うメソッド。 #* コンストラクタ内で<code>this.state</code>を設定することができる。 # <code>render()</code>: #* コンポーネントを描画するメソッド。 #* <code>render</code>内ではステートとプロパティにアクセスし、JSXを返す。 # <code>componentDidMount()</code>: #* コンポーネントがDOMにマウントされた後に呼ばれるメソッド。 #* APIリクエストの発行や外部ライブラリの初期化など、マウント後の処理に利用される。 # <code>componentWillUnmount()</code>: #* コンポーネントがDOMからアンマウントされる前に呼ばれるメソッド。 #* イベントリスナーの解除やリソースの解放など、アンマウント前のクリーンアップに利用される。 # <code>shouldComponentUpdate(nextProps, nextState)</code>: #* コンポーネントが再描画される前に呼ばれるメソッド。 #* 返り値が<code>true</code>の場合、再描画が行われる。パフォーマンスの最適化に利用される。 # <code>componentDidUpdate(prevProps, prevState)</code>: #* コンポーネントが再描画された後に呼ばれるメソッド。 #* 更新後のDOMにアクセスするための処理に利用される。 これらのメソッドを活用することで、コンポーネントのライフサイクルの各ステージで必要な処理を行うことができます。React Hooksを使った関数コンポーネントにおいては、<code>useEffect</code>などのフックがこれらの機能を提供します。 == React Hooksの導入 == React Hooksは、React v16.8以降で導入された機能であり、関数コンポーネントにおいて状態やライフサイクルメソッドなどの機能を利用できるようにします。主なHooksとしては<code>useState</code>、<code>useEffect</code>などがあります。また、これらの基本的なHooksを組み合わせて独自のHooksを作成することもできます。 === useState、useEffectの基本 === ==== <code>useState</code> ==== <code>useState</code> Hookは、関数コンポーネント内で状態を管理するために使用されます。通常のクラスコンポーネントにおける<code>this.state</code>と同様の機能を提供します。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React, { useState } from 'react'; function Counter() { const [count, setCount] = useState(0); return ( <div> <p>Count: {count}</p> <button onClick={() => setCount(count + 1)}>Increment</button> </div> ); } </syntaxhighlight> ==== <code>useEffect</code> ==== <code>useEffect</code> Hookは、コンポーネントがマウント、アンマウント、または更新される際に副作用を実行するために使用されます。クラスコンポーネントにおけるライフサイクルメソッド(<code>componentDidMount</code>、<code>componentDidUpdate</code>、<code>componentWillUnmount</code>)に相当します。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import React, { useEffect, useState } from 'react'; function ExampleComponent() { const [data, setData] = useState(null); useEffect(() => { // マウント時に実行される処理 fetchData(); // アンマウント時のクリーンアップ return () => { // クリーンアップ処理 }; }, []); // 空の依存リストはコンポーネントのマウントとアンマウント時にのみ実行 return <div>{data ? data : 'Loading...'}</div>; } </syntaxhighlight> === カスタムフックの作成 === カスタムフックは、Hooksを組み合わせて独自のロジックを抽象化したものです。カスタムフックの名前は通常<code>use</code>で始まり、複数のHookを組み合わせて再利用性の高い機能を作成することができます。 :<syntaxhighlight lang=jsx> import { useState, useEffect } from 'react'; function useFetch(url) { const [data, setData] = useState(null); useEffect(() => { const fetchData = async () => { try { const response = await fetch(url); const result = await response.json(); setData(result); } catch (error) { console.error('Error fetching data:', error); } }; fetchData(); }, [url]); return data; } // 他のコンポーネントで使用 function ExampleComponent() { const data = useFetch('https://api.example.com/data'); return <div>{data ? data : 'Loading...'}</div>; } </syntaxhighlight> このように、カスタムフックを使うことで特定の機能を抽象化し、複数のコンポーネントで再利用できるようになります。React Hooksをうまく活用することで、コンポーネントのロジックをより明確にし、コードの再利用性を向上させることができます。 == ルーティングとReact Router == Reactアプリケーションにおいて、異なるページやビューを表示するためには、ルーティングの実装が必要です。React Routerは、Reactアプリケーションのための人気のあるルーティングライブラリであり、ページ遷移や動的なルーティングを容易に実現できます。 === React Routerの導入 === まず最初に、React Routerをプロジェクトに導入します。以下のコマンドを使用して、<code>react-router-dom</code>をインストールします。 :<syntaxhighlight lang=shell> npm install react-router-dom </syntaxhighlight> === ページ遷移の実装 === React Routerを使用して、複数のページやビューを実現するためには、<code>BrowserRouter</code>や<code>Route</code>コンポーネントを使用します。 :<syntaxhighlight lang=jsx> // App.js import React from 'react'; import { BrowserRouter as Router, Route, Link } from 'react-router-dom'; const Home = () => <div>Home Page</div>; const About = () => <div>About Page</div>; function App() { return ( <Router> <nav> <ul> <li> <Link to="/">Home</Link> </li> <li> <Link to="/about">About</Link> </li> </ul> </nav> <Route path="/" exact component={Home} /> <Route path="/about" component={About} /> </Router> ); } export default App; </syntaxhighlight> 上記の例では、<code>BrowserRouter</code>を使用して<code>/</code>と<code>/about</code>のパスに対応するコンポーネント(<code>Home</code>と<code>About</code>)を表示しています。<code>Link</code>コンポーネントを使用することで、ページ間のリンクを簡単に作成できます。 === 動的なルーティング === React Routerを使用することで、動的なルーティングも実現できます。例えば、ユーザーのIDに基づいて個別のユーザーページを表示する場合などです。 :<syntaxhighlight lang=jsx> // App.js import React from 'react'; import { BrowserRouter as Router, Route, Link } from 'react-router-dom'; const User = ({ match }) => ( <div> User ID: {match.params.id} </div> ); function App() { return ( <Router> <nav> <ul> <li> <Link to="/user/1">User 1</Link> </li> <li> <Link to="/user/2">User 2</Link> </li> </ul> </nav> <Route path="/user/:id" component={User} /> </Router> ); } export default App; </syntaxhighlight> この例では、<code>:id</code>という動的なパラメータを使用して、<code>/user/1</code>や<code>/user/2</code>などのパスに対応するユーザーページを表示しています。<code>match.params.id</code>を通じて、動的なパラメータの値にアクセスできます。 React Routerを使用することで、シンプルかつ効果的にReactアプリケーション内でのルーティングを実現できます。 == 状態管理とContext API == Reactアプリケーションでは、グローバルな状態を管理する必要がある場面があります。Context APIは、Reactコンポーネントツリー全体で共有されるグローバルな状態を簡単に管理するための手段を提供します。 === グローバルなステートの管理 === Context APIを使用することで、Reduxなどの状態管理ライブラリを導入せずに、アプリケーション全体で共有される状態を簡単に管理できます。以下は、基本的なContextの使用例です。 :<syntaxhighlight lang=jsx> // DataContext.js import React, { createContext, useState, useContext } from 'react'; const DataContext = createContext(); export const DataProvider = ({ children }) => { const [data, setData] = useState('Initial Data'); const updateData = (newData) => { setData(newData); }; return ( <DataContext.Provider value={{ data, updateData }}> {children} </DataContext.Provider> ); }; export const useData = () => { const context = useContext(DataContext); if (!context) { throw new Error('useData must be used within a DataProvider'); } return context; }; </syntaxhighlight> この例では、<code>DataContext</code>を作成し、<code>DataProvider</code>でグローバルなステートとその更新関数を提供しています。<code>useData</code>カスタムフックを使用することで、どのコンポーネントでもグローバルなステートにアクセスできます。 === Contextを使用したデータの共有 === アプリケーション内の異なる部分で同じデータを共有する場合、Context APIを活用することが重要です。以下は、前述の<code>DataProvider</code>を使用して、異なるコンポーネントでデータを共有する例です。 ; App.js :<syntaxhighlight lang=jsx> // App.js import React from 'react'; import { DataProvider } from './DataContext'; import ComponentA from './ComponentA'; import ComponentB from './ComponentB'; function App() { return ( <DataProvider> <div> <h1>App Component</h1> <ComponentA /> <ComponentB /> </div> </DataProvider> ); } export default App; </syntaxhighlight> ; ComponentA.js :<syntaxhighlight lang=jsx> // ComponentA.js import React from 'react'; import { useData } from './DataContext'; const ComponentA = () => { const { data, updateData } = useData(); return ( <div> <h2>Component A</h2> <p>Data from Context: {data}</p> <button onClick={() => updateData('Updated Data from A')}>Update Data</button> </div> ); }; export default ComponentA; </syntaxhighlight> ; ComponentB.js :<syntaxhighlight lang=jsx> // ComponentB.js import React from 'react'; import { useData } from './DataContext'; const ComponentB = () => { const { data } = useData(); return ( <div> <h2>Component B</h2> <p>Data from Context: {data}</p> </div> ); }; export default ComponentB; </syntaxhighlight> <code>DataProvider</code>で提供されたグローバルなステートを、<code>useData</code>カスタムフックを介して<code>ComponentA</code>と<code>ComponentB</code>で共有しています。これにより、どちらのコンポーネントでも同じデータを読み書きすることができます。 Context APIは、簡潔ながらも効果的なグローバルな状態管理の手段を提供し、Reactアプリケーションの複雑さを低減させます。 == 最終プロジェクトの構築 == これまでの知識を活かして、Reactアプリケーションを開発してみましょう。 この最終プロジェクトでは、以下の要素を含めたシンプルなタスク管理アプリケーションを構築します。 #タスクの追加、削除、完了/未完了の切り替え機能 #グローバルな状態管理としてContext APIの利用 #ルーティングにReact Routerの導入 #コンポーネントの再利用 #スタイリングのためにCSSやライブラリの利用 以下は、プロジェクトを進めるための基本的な構成です。この構成をベースにしながら、アプリケーションをカスタマイズしていってください。 === プロジェクトのセットアップ === まず、新しいReactプロジェクトを作成します。 :<syntaxhighlight lang=shell> npx create-react-app task-manager cd task-manager </syntaxhighlight> 必要なパッケージをインストールします。 :<syntaxhighlight lang=shell> npm install react-router-dom </syntaxhighlight> プロジェクトのファイル構成 :<syntaxhighlight lang=text> task-manager ├── src │ ├── components │ │ ├── TaskList.js │ │ └── TaskForm.js │ ├── context │ │ └── TaskContext.js │ ├── pages │ │ ├── Home.js │ │ └── About.js │ ├── App.js │ ├── index.js │ └── styles.css └── package.json </syntaxhighlight> === コンポーネントの作成 === ;TaskList.js :<syntaxhighlight lang=jsx> // TaskList.js import React from 'react'; import { useTask } from '../context/TaskContext'; const TaskList = () => { const { tasks, toggleTask, deleteTask } = useTask(); return ( <ul> {tasks.map((task) => ( <li key={task.id}> <input type="checkbox" checked={task.completed} onChange={() => toggleTask(task.id)} /> <span className={task.completed ? 'completed' : ''}>{task.text}</span> <button onClick={() => deleteTask(task.id)}>Delete</button> </li> ))} </ul> ); }; export default TaskList; </syntaxhighlight> ; TaskForm.js :<syntaxhighlight lang=jsx> // TaskForm.js import React, { useState } from 'react'; import { useTask } from '../context/TaskContext'; const TaskForm = () => { const { addTask } = useTask(); const [text, setText] = useState(''); const handleSubmit = (e) => { e.preventDefault(); if (text.trim() !== '') { addTask(text); setText(''); } }; return ( <form onSubmit={handleSubmit}> <input type="text" placeholder="Add a new task" value={text} onChange={(e) => setText(e.target.value)} /> <button type="submit">Add Task</button> </form> ); }; export default TaskForm; </syntaxhighlight> === Context APIの設定 === ;TaskContext.js :<syntaxhighlight lang=jsx> // TaskContext.js import React, { createContext, useContext, useState } from 'react'; const TaskContext = createContext(); export const TaskProvider = ({ children }) => { const [tasks, setTasks] = useState([]); const addTask = (text) => { setTasks([...tasks, { id: tasks.length + 1, text, completed: false }]); }; const deleteTask = (taskId) => { setTasks(tasks.filter((task) => task.id !== taskId)); }; const toggleTask = (taskId) => { setTasks( tasks.map((task) => task.id === taskId ? { ...task, completed: !task.completed } : task ) ); }; return ( <TaskContext.Provider value={{ tasks, addTask, deleteTask, toggleTask }}> {children} </TaskContext.Provider> ); }; export const useTask = () => { const context = useContext(TaskContext); if (!context) { throw new Error('useTask must be used within a TaskProvider'); } return context; }; </syntaxhighlight> === ページの作成 === ; Home.js :<syntaxhighlight lang=jsx> // Home.js import React from 'react'; import TaskList from '../components/TaskList'; import TaskForm from '../components/TaskForm'; const Home = () => { return ( <div> <h1>Task Manager</h1> <TaskForm /> <TaskList /> </div> ); }; export default Home; </syntaxhighlight> ; About.js :<syntaxhighlight lang=jsx> // About.js import React from 'react'; const About = () => { return ( <div> <h1>About Page</h1> <p>This is a simple task manager application built with React.</p> </div> ); }; export default About; </syntaxhighlight> === ルーティングの設定 === ;App.js :<syntaxhighlight lang=jsx> // App.js import React from 'react'; import { BrowserRouter as Router, Route, Link } from 'react-router-dom'; import Home from './pages/Home'; import About from './pages/About'; import { TaskProvider } from './context/TaskContext'; function App() { return ( <Router> <TaskProvider> <nav> <ul> <li> <Link to="/">Home</Link> </li> <li> <Link to="/about">About</Link> </li> </ul> </nav> <Route path="/" exact component={Home} /> <Route path="/about" component={About} /> </TaskProvider> </Router> ); } export default App; </syntaxhighlight> === スタイリングの追加 === ;styles.css :<syntaxhighlight lang=css> /* styles.css */ body { font-family: 'Arial', sans-serif; } h1 { color: #333; } form { margin-bottom: 20px; } ul { list-style: none; padding: 0; } li { display: flex; align-items: center; margin-bottom: 10px; } .completed { text-decoration: line-through; color: #999; } button { margin-left: 10px; cursor: pointer; } </syntaxhighlight> 以上で、シンプルなタスク管理アプリケーションが完成しました。このプロジェクトをベースにして、機能の拡張やデザインのカスタマイズを行いながら、Reactの様々な機能やライブラリを実践してみてください。 == デプロイと公開 == Reactアプリケーションを開発したら、それをビルドし、デプロイして公開することが重要です。以下では、Reactアプリケーションをビルドし、一般的なデプロイ方法を紹介します。 === アプリケーションのビルド === Reactアプリケーションをビルドすると、最適化された静的なファイルが生成され、これをサーバーにデプロイして公開することができます。 ビルドは以下のコマンドで行います。 :<syntaxhighlight lang=shell> npm run build </syntaxhighlight> このコマンドを実行すると、<code>build</code>ディレクトリが生成され、その中にビルドされたファイルが格納されます。 === アプリケーションのデプロイ === デプロイの方法はいくつかありますが、ここでは簡単な2つの方法を紹介します。 ==== GitHub Pagesを利用する ==== # GitHub レポジトリの作成: GitHubに新しいレポジトリを作成します。 # コードをプッシュ: ローカルでビルドしたコードをGitHubレポジトリにプッシュします。 #:<syntaxhighlight lang=shell> git remote add origin <GitHub レポジトリのURL> git add . git commit -m "ビルドしたコードを追加" git push -u origin master </syntaxhighlight> # GitHub Pagesの有効化: GitHubのレポジトリの設定から、"Pages"セクションに移動し、<code>Source</code>を<code>gh-pages</code>や<code>master</code>ブランチに設定します。 # 公開されたURLの確認: デプロイされたアプリケーションは、GitHub PagesのURLで公開されます。例: <code><nowiki>https://username.github.io/repository-name</nowiki></code> ==== Netlifyを利用する ==== # Netlify アカウントの作成: Netlifyでアカウントを作成します。 # 新しいサイトを作成: Netlifyのダッシュボードから新しいサイトを作成します。GitHubを連携させると、リポジトリを選択してデプロイできます。 # ビルド設定: デプロイされる前に、ビルドコマンドとディレクトリを設定する必要があります。通常は、以下の設定を使用します。 #* Build command: <code>npm run build</code> #* Publish directory: <code>build</code> # デプロイ: 設定が完了したら、手動でデプロイするか、GitHubと連携して自動デプロイを行います。 # 公開されたURLの確認: デプロイされたアプリケーションは、Netlifyの提供するURLで公開されます。 #:例: <code><nowiki>https://yoursite.netlify.app</nowiki></code> === 注意事項 === * ビルドしたコードは、デプロイする環境によって異なる挙動を示すことがあります。テストが不可欠です。 * APIキーなどの秘密情報は、環境変数を用いてセキュアに管理することが重要です。 * デプロイしたアプリケーションが正しく動作するか、定期的に確認しましょう。 これで、Reactアプリケーションをビルドしてデプロイし、公開する基本的な手順を学びました。デプロイ先によって手順が異なるため、選択したプラットフォームのドキュメントも確認することをお勧めします。 == 用語集 == ; API (Application Programming Interface) : アプリケーションとプログラム間の相互作用を可能にするインターフェース。ReactやReact Nativeが提供するAPIは、開発者がライブラリやフレームワークと対話する手段です。 ; Component (コンポーネント) : UIを構築するための再利用可能な部品。Reactアプリケーションはコンポーネントベースのアーキテクチャで構築され、UIを独立した部品に分割します。 ; Context API : グローバルな状態を管理するためのReactのAPI。コンポーネントツリー全体でデータを渡すために使用され、プロバイダーとコンシューマーの役割を果たします。 ; Higher-Order Component (HOC) : コンポーネントをラップして新しい機能を追加するための高階関数。コンポーネントのロジックを再利用し、コードの共有を容易にします。 ; Hooks : React 16.8以降で導入された機能で、関数コンポーネント内で状態やライフサイクルの機能を利用できるようにするもの。代表的なものには<code>useState</code>や<code>useEffect</code>があります。 ; JSX (JavaScript XML) : JavaScriptの構文拡張で、Reactコンポーネントの見た目を記述するために使用される。HTMLライクな構文で、JavaScript内でXML構造を表現できる。 ; React : Meta(以前のFacebook)が開発したJavaScriptライブラリで、ユーザーインターフェースを構築するために使用される。Reactは、コンポーネントベースのアーキテクチャと仮想DOMを提供しています。 ; Redux : Reactアプリケーションの状態管理を行うためのJavaScriptライブラリ。単一のストアでアプリケーション全体の状態を管理します。 ; Reducer : Reduxで状態の変更を処理する純粋な関数。アクションに基づいて新しい状態を生成します。 ; State (ステート) : Reactコンポーネント内で管理される状態のこと。<code>useState</code>フックを使用してコンポーネント内でステートを宣言できます。 ; Styled Components : Reactアプリケーション内でスタイルを付けるためのライブラリ。JavaScript内にスタイルを記述し、コンポーネントに直接適用できる。 ; Virtual DOM : Reactが効率的なUI更新を行うために使用する仮想のDOM。変更があった部分のみを実際のDOMに反映させ、パフォーマンスを向上させる。 ; WebPack : モジュールバンドラで、Reactプロジェクトのビルドやバンドルに使用される。JavaScript、CSS、画像などをバンドルし、効率的に管理する。 == まとめ == === React.jsとTypeScriptの基本的な概念の再確認 === React.jsとTypeScriptを使用して、モダンなフロントエンド開発を行うための基本的な概念について学びました。以下は、このチュートリアルで取り上げた主要なトピックです。 # React.jsの基礎: #* JSXの導入と使用 #* コンポーネントの作成と再利用 #* プロパティとステートの管理 #* イベントハンドリングと条件付きレンダリング #* リストとキーの重要性 # React Hooks: #* <code>useState</code>と<code>useEffect</code>の基本的な使用法 #* カスタムフックの作成 #* 関数コンポーネント内での状態管理 # React Router: #* ルーティングの基本 #* 動的なルーティングの実装 # Context API: #* グローバルな状態の管理 #* <code>createContext</code>、<code>useContext</code>、<code>useReducer</code>の活用 # TypeScriptとの統合: #* TypeScriptの導入と基本的な型の付与 #* TypeScriptを使用したReactコンポーネントの記述 # 最終プロジェクト: #* タスク管理アプリケーションの構築 #* コンポーネント、ルーティング、状態管理の統合 === 今後の学習のためのリソース === このチュートリアルを通じてReact.jsとTypeScriptの基本を学びましたが、これはまだ始まりに過ぎません。以下は、これから学習を深めるためのリソースです。 # React 公式ドキュメント: #* React 公式ドキュメント( https://react.dev/ )は常に最新で詳細な情報が提供されています。新しい機能やアップデートに追従するために、定期的にチェックしましょう。 # TypeScript 公式ハンドブック: #* TypeScript 公式ハンドブック( https://www.typescriptlang.org/docs/handbook/intro.html )は、TypeScriptの基本から応用まで幅広く解説されています。 # React Router 公式ドキュメント: #* React Router 公式ドキュメント( https://reactrouter.com/en/main )で、Reactアプリケーションのナビゲーションとルーティングに関する詳細な情報を入手できます。 # Netlify Documentation: #* Netlify Documentation( https://docs.netlify.com/ )で、Netlifyを使用したアプリケーションのデプロイとホスティングに関するガイドを確認できます。 React.jsとTypeScriptを組み合わせて使いこなすためには、実際のプロジェクトでの経験が最も効果的です。小さなプロジェクトから始めて、徐々に複雑なアプリケーションに挑戦してみましょう。学習の旅がさらなる成長とスキル向上につながります。成功を祈ります! == 脚註 == <references /> == 参考資料 == * React 公式ドキュメント: https://reactjs.org/ * TypeScript 公式ドキュメント: https://www.typescriptlang.org/ * React Router 公式ドキュメント: https://reactrouter.com/ [[カテゴリ:JavaScript]] [[カテゴリ:TypeScript]] [[カテゴリ:フロントエンド]] [[カテゴリ:フレームワーク]]
2024-01-21T02:33:32Z
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[ "テンプレート:コラム", "テンプレート:Main", "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/React.js
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Nvm
NVM(Node Version Manager)は、Node.jsのバージョン管理ツールです。Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで実行するためのプラットフォームであり、開発者がJavaScriptを用いてサーバーサイドのアプリケーションを構築するための環境を提供します。 NVMは、異なるNode.jsのバージョンを簡単に切り替えることができるツールで、開発者が複数のプロジェクトで異なるNode.jsバージョンを利用できるようにします。これは特に、異なるプロジェクトで異なるNode.jsの要件がある場合や、新しいNode.jsのバージョンがリリースされた場合に便利です。 nvmを使用すると、Node.jsのバージョン管理がユーザーのホームディレクトリに対して行われ、ルート権限が必要なくなります。これにより、異なるバージョンのNode.jsを簡単に切り替えることができ、システム全体に影響を与えずにプロジェクトごとに必要なバージョンを利用できます。 また、異なるプロジェクトで異なるNode.jsのバージョンが必要な場合にも便利です。各プロジェクトディレクトリにおいて、.nvmrc ファイルを作成し、その中に使用するNode.jsのバージョンを指定することで、プロジェクトごとに異なるバージョンを簡単に管理できます。 ルート権限を使用せずにNode.jsを管理できることは、開発者にとって柔軟性とセキュリティの向上に寄与します。 まず、 https://github.com/nvm-sh/nvm を訪れ最新のバージョンを確認してください。 では、NVMをインストールします。以下のコマンドをターミナルに入力してください。 または、wgetが利用可能な場合: このコマンドは、NVMをダウンロードし、システムにインストールします。インストールが完了すると、新しいシェルセッションを開始するか、以下のコマンドを実行してNVMを有効にします。 Bashを使用している場合: Zshを使用している場合: NVMを使ってNode.jsをインストールします。以下のコマンドで最新の安定版をインストールできます。 特定のバージョンをインストールしたい場合は、次のようにします。 複数のNode.jsバージョンがインストールされている場合、必要なバージョンに切り替えることができます。 デフォルトで使用するNode.jsバージョンを設定することもできます。 これで、新しいシェルセッションを開始すると、デフォルトのNode.jsバージョンが自動的に選択されます。 これで、基本的なNVMの使用方法を理解できました。必要に応じて、Node.jsのバージョンを切り替えたり、プロジェクトごとに異なるバージョンを使用したりできます。 nvmを使用する際に問題が発生する場合、いくつかの一般的なトラブルシューティング手順があります。以下は、nvmに関連する一般的な問題とその解決策です。 これらのトラブルシューティング手順が問題を解決するのに役立つかもしれません。しかし、特定の問題が解決できない場合、nvmのGitHubリポジトリや関連するコミュニティフォーラムなどでサポートを受けることを検討してください。 nvmは非常に強力なツールで、様々なトリックや裏技を利用することができます。以下は、いくつかのnvmのトリックです: これらのトリックを組み合わせることで、nvmを効果的に活用し、プロジェクトや個々のニーズに合わせたNode.jsのバージョン管理を行えます。
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NVMは、Node.jsのバージョン管理ツールです。Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで実行するためのプラットフォームであり、開発者がJavaScriptを用いてサーバーサイドのアプリケーションを構築するための環境を提供します。 NVMは、異なるNode.jsのバージョンを簡単に切り替えることができるツールで、開発者が複数のプロジェクトで異なるNode.jsバージョンを利用できるようにします。これは特に、異なるプロジェクトで異なるNode.jsの要件がある場合や、新しいNode.jsのバージョンがリリースされた場合に便利です。 nvmを使用すると、Node.jsのバージョン管理がユーザーのホームディレクトリに対して行われ、ルート権限が必要なくなります。これにより、異なるバージョンのNode.jsを簡単に切り替えることができ、システム全体に影響を与えずにプロジェクトごとに必要なバージョンを利用できます。 また、異なるプロジェクトで異なるNode.jsのバージョンが必要な場合にも便利です。各プロジェクトディレクトリにおいて、.nvmrc ファイルを作成し、その中に使用するNode.jsのバージョンを指定することで、プロジェクトごとに異なるバージョンを簡単に管理できます。 ルート権限を使用せずにNode.jsを管理できることは、開発者にとって柔軟性とセキュリティの向上に寄与します。
NVM(Node Version Manager)は、[[Node.js]]のバージョン管理ツールです。Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで実行するためのプラットフォームであり、開発者がJavaScriptを用いてサーバーサイドのアプリケーションを構築するための環境を提供します。 NVMは、異なるNode.jsのバージョンを簡単に切り替えることができるツールで、開発者が複数のプロジェクトで異なるNode.jsバージョンを利用できるようにします。これは特に、異なるプロジェクトで異なるNode.jsの要件がある場合や、新しいNode.jsのバージョンがリリースされた場合に便利です。 <code>nvm</code>を使用すると、Node.jsのバージョン管理がユーザーのホームディレクトリに対して行われ、ルート権限が必要なくなります。これにより、異なるバージョンのNode.jsを簡単に切り替えることができ、システム全体に影響を与えずにプロジェクトごとに必要なバージョンを利用できます。 また、異なるプロジェクトで異なるNode.jsのバージョンが必要な場合にも便利です。各プロジェクトディレクトリにおいて、<code>.nvmrc</code> ファイルを作成し、その中に使用するNode.jsのバージョンを指定することで、プロジェクトごとに異なるバージョンを簡単に管理できます。 ルート権限を使用せずにNode.jsを管理できることは、開発者にとって柔軟性とセキュリティの向上に寄与します。 == NVMのインストール == まず、 https://github.com/nvm-sh/nvm を訪れ最新のバージョンを確認してください。 では、NVMをインストールします。以下のコマンドをターミナルに入力してください。 curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.39.7/install.sh | bash または、wgetが利用可能な場合: wget -qO- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.37.7/install.sh | bash このコマンドは、NVMをダウンロードし、システムにインストールします。インストールが完了すると、新しいシェルセッションを開始するか、以下のコマンドを実行してNVMを有効にします。 Bashを使用している場合: source ~/.bashrc Zshを使用している場合: source ~/.zshrc == Node.jsのインストール == NVMを使ってNode.jsをインストールします。以下のコマンドで最新の安定版をインストールできます。 nvm install stable 特定のバージョンをインストールしたい場合は、次のようにします。 nvm install v21.6.0 == Node.jsのバージョンの切り替え == 複数のNode.jsバージョンがインストールされている場合、必要なバージョンに切り替えることができます。 nvm use v21.6.0 == デフォルトのNode.jsバージョンの設定 == デフォルトで使用するNode.jsバージョンを設定することもできます。 nvm alias default v21.6.0 これで、新しいシェルセッションを開始すると、デフォルトのNode.jsバージョンが自動的に選択されます。 これで、基本的なNVMの使用方法を理解できました。必要に応じて、Node.jsのバージョンを切り替えたり、プロジェクトごとに異なるバージョンを使用したりできます。 == トラブルシューティング == nvmを使用する際に問題が発生する場合、いくつかの一般的なトラブルシューティング手順があります。以下は、nvmに関連する一般的な問題とその解決策です。 ;インストールが機能していない場合: :curlやwgetのエラーが発生する場合、まずこれらのコマンドが正しくインストールされていることを確認してください。また、ネットワークに接続されていることも確認してください。 ;シェルがnvmを認識しない場合: :新しいターミナルウィンドウを開いて、シェルがnvmを認識するようにします。source ~/.bashrc(またはsource ~/.zshrcなど)を実行して、シェルを再読み込みできます。 ;Node.jsのバージョンが正しく切り替わらない場合: :nvm use <version>を使用してNode.jsのバージョンを切り替える際にエラーが発生する場合、.nvmrcファイルが存在し、正しいバージョンが指定されていることを確認してください。 ;npmがインストールされていない場合: :nvmでNode.jsをインストールした後にnpmが見つからない場合、最新のNode.jsにアップグレードするとnpmも最新バージョンにアップグレードされることがあります。 nvm install --lts nvm install-latest-npm ;Permission Deniedエラーが発生する場合: :nvmがNode.jsをグローバルにインストールする際にパーミッションの問題が発生する場合、sudoを使用せずにnvmを使うようにしましょう。また、Node.jsがインストールされているディレクトリがユーザーに書き込み可能であることを確認してください。 ;nvmのアップデートが必要な場合: :nvm自体が古いバージョンである可能性があります。最新のnvmにアップデートしてみてください。 nvm install node --reinstall-packages-from=node ;キャッシュ関連の問題: :キャッシュが問題を引き起こすことがあります。キャッシュディレクトリを確認し、必要に応じてクリアしてみてください。 nvm cache clear ;デフォルトエイリアスの設定が不正確な場合: :デフォルトエイリアスが正しく設定されているか確認してください。 nvm alias default <version> これらのトラブルシューティング手順が問題を解決するのに役立つかもしれません。しかし、特定の問題が解決できない場合、nvmのGitHubリポジトリや関連するコミュニティフォーラムなどでサポートを受けることを検討してください。 == nvm のトリック == <code>nvm</code>は非常に強力なツールで、様々なトリックや裏技を利用することができます。以下は、いくつかの<code>nvm</code>のトリックです: # <code>.nvmrc</code> ファイルの利用: プロジェクトごとに異なるNode.jsバージョンを使用する場合、プロジェクトのルートディレクトリに<code>.nvmrc</code>ファイルを作成し、使用したいNode.jsのバージョンを指定できます。例えば、<code>.nvmrc</code>ファイルに <code>14</code> と書くと、そのディレクトリ内で<code>nvm use</code>を実行するとNode.js 14が自動的に選択されます。 # デフォルトバージョンの設定: <code>nvm alias default [version]</code>を使用して、デフォルトで使用するNode.jsのバージョンを設定できます。これにより、新しいシェルを開いたときに常に指定したバージョンが選択されます。 # 自動エイリアス: <code>nvm</code>はいくつかの自動エイリアスを提供しています。たとえば、<code>lts/*</code>は最新のLTS(Long-Term Support)バージョンを指します。<code>nvm use --lts</code>や<code>nvm uninstall --lts</code>などのコマンドでこれを利用できます。 # Node.jsとnpmの同時アップグレード: <code>nvm install [version] --latest-npm</code>を使用すると、Node.jsをインストールする際に同時にnpmも最新の安定版にアップグレードできます。 # 特定のLTSバージョンの選択: <code>nvm use --lts=<LTS name></code>を使用して、特定のLTSラインのバージョンを選択できます。例えば、<code>nvm use --lts=erbium</code>はNode.jsのLTSラインである"Erbium"を使用します。 # バージョン比較: <code>nvm version [version]</code>や<code>nvm version-remote [version]</code>を使用して、指定した説明をローカルやリモートのNode.jsバージョンに解決できます。 # npmパッケージの再インストール: <code>nvm reinstall-packages [version]</code>を使用して、特定のNode.jsバージョンに含まれるnpmパッケージを再インストールできます。 # カラーコードの設定: <code>nvm set-colors [color codes]</code>を使用して、ターミナル上のテキストの色を設定できます。 これらのトリックを組み合わせることで、<code>nvm</code>を効果的に活用し、プロジェクトや個々のニーズに合わせたNode.jsのバージョン管理を行えます。 [[カテゴリ:JavaScript]]
2024-01-21T04:22:34Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Nvm
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Svelte
Svelteは、JavaScriptフレームワークの一種で、リアクティブなUIを構築するためのものです。以下は、Svelteフレームワークの基本的なチュートリアルです。 Svelte(スヴェルト)は、リアクティブなWebアプリケーションを構築するためのJavaScriptフレームワークです。Svelteは、アプリケーションが実行される際にブラウザで動作するJavaScriptコードを生成するのではなく、コンパイル時に最適化されたバイナリコードを生成することが特徴です。このアプローチにより、実行時のオーバーヘッドが削減され、軽量で高速なWebアプリケーションの構築が可能となります。 Svelteの主な特徴と利点は以下のとおりです: Svelteは、Vue.jsやReact.jsなどの他のフレームワークと異なるアプローチを取っており、独自の利点を持っています。デベロッパーが柔軟で効率的にリアクティブなWebアプリケーションを構築するために使用されます。 ビルドが成功すると、public フォルダ内に生成されたファイルがあります。これを適切なホスティングサービスにデプロイしてください。 Svelteアプリケーションのディレクトリ構造は、以下のようになります。この例では、Svelteのデフォルトテンプレートに基づいています。 各ディレクトリおよびファイルの簡単な説明: このディレクトリ構造は、一般的なSvelteプロジェクトのものであり、プロジェクトのニーズに応じて調整できます。 SvelteはTypeScript(TS)と統合された開発をサポートしています。Svelte 3以降は、TypeScriptを公式にサポートしており、TypeScriptを使用してSvelteアプリケーションを記述することができます。 以下は、SvelteとTypeScriptを組み合わせて使用する基本的な手順です。 以下は、SvelteアプリケーションのApp.svelte.tsの基本的な例です。この例では、nameというプロパティを持つコンポーネントを作成し、その値を入力フィールドから変更できるようにしています。 この例では、<script>セクション内でlang="ts"を使用してTypeScriptを指定しています。exportキーワードを使用してnameプロパティを外部に公開しています。<input>要素にはbind:valueディレクティブを使用して、nameプロパティを双方向バインディングしています。 以上で、SvelteアプリケーションでTypeScriptを使用する準備が整いました。これにより、SvelteとTypeScriptを組み合わせて型安全なWebアプリケーションを開発することができます。
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Svelteは、JavaScriptフレームワークの一種で、リアクティブなUIを構築するためのものです。以下は、Svelteフレームワークの基本的なチュートリアルです。
Svelteは、JavaScriptフレームワークの一種で、リアクティブなUIを構築するためのものです。以下は、Svelteフレームワークの基本的なチュートリアルです。 == Svelteとは == Svelte(スヴェルト)は、リアクティブなWebアプリケーションを構築するためのJavaScriptフレームワークです。Svelteは、アプリケーションが実行される際にブラウザで動作するJavaScriptコードを生成するのではなく、コンパイル時に最適化されたバイナリコードを生成することが特徴です。このアプローチにより、実行時のオーバーヘッドが削減され、軽量で高速なWebアプリケーションの構築が可能となります。 Svelteの主な特徴と利点は以下のとおりです: ;リアクティビティの組み込み: Svelteは、データの変更に応じて自動的にUIを更新するリアクティブな仕組みを提供します。変数の変更が自動的にDOMの変更に反映されるため、手動でDOMを更新する必要がありません。 ;コンパイル時の最適化: Svelteコンポーネントは、ビルド時に最適化されたJavaScriptコードに変換され、ブラウザにダウンロードされます。これにより、ランタイムでの冗長な処理が削減され、アプリケーションのパフォーマンスが向上します。 ;単一ファイルコンポーネント: Svelteでは、HTML、CSS、およびJavaScriptが1つのコンポーネントファイルに結合されています。これにより、関連するコードが一箇所にまとまり、開発者がコードを理解しやすくなります。 ;枯れた文法: Svelteはシンプルでわかりやすい文法を提供し、他のフレームワークと比較して学習コストが低いとされています。 ;エコシステムの成熟: Svelteには豊富なエコシステムがあり、プラグインやアドオンを使用して開発プロセスをサポートすることができます。 Svelteは、[[Vue.js]]や[[React.js]]などの他のフレームワークと異なるアプローチを取っており、独自の利点を持っています。デベロッパーが柔軟で効率的にリアクティブなWebアプリケーションを構築するために使用されます。 == 基本手順 == # Svelteのインストール #: Svelteを使用するには、[[Node.js]]が必要です。まず、Node.jsをインストールした後、次のコマンドでSvelteをグローバルにインストールします。 #: <syntaxhighlight lang=shell> npx degit sveltejs/template svelte-app cd svelte-app npm install </syntaxhighlight> # プロジェクトのセットアップ #: プロジェクトのセットアップが完了したら、以下のコマンドでローカルサーバーを起動します。 #: <syntaxhighlight lang=shell> npm run dev </syntaxhighlight> #: デフォルトでは、<nowiki>http://localhost:8080</nowiki> でアプリが起動します。 # Svelteコンポーネントの作成 #: Svelteでは、<code>.svelte</code> 拡張子のファイルがコンポーネントを表します。 #: 例えば、<code>App.svelte</code> ファイルを作成し、以下のようなコードを追加します。 #; App.svelte #: <syntaxhighlight lang=svelte> <script> let name = 'World'; </script> <main> <h1>Hello {name}!</h1> <input bind:value={name} placeholder="Enter your name" /> </main> <style> main { text-align: center; margin: 1em; } input { padding: 0.5em; margin: 0.5em; } </style> </syntaxhighlight> # コンポーネントの使用 #: <code>src/main.js</code> ファイルを開いて、以下のように変更します。 #; src/main.js #: <syntaxhighlight lang=shell> import App from './App.svelte'; const app = new App({ target: document.body, props: { name: 'Svelte', }, }); export default app; </syntaxhighlight> # ビルドとデプロイ #: Svelteアプリケーションをビルドし、本番環境にデプロイするには、以下のコマンドを使用します。 #: <syntaxhighlight lang=shell> npm run build </syntaxhighlight> ビルドが成功すると、<code>public</code> フォルダ内に生成されたファイルがあります。これを適切なホスティングサービスにデプロイしてください。 == ディレクトツリー == Svelteアプリケーションのディレクトリ構造は、以下のようになります。この例では、Svelteのデフォルトテンプレートに基づいています。 :<syntaxhighlight lang=text> svelte-app/ ├── node_modules/ ├── public/ │ ├── favicon.png │ ├── global.css │ └── index.html ├── src/ │ ├── components/ │ │ └── App.svelte │ ├── App.svelte │ ├── main.js │ └── routes.js ├── .gitignore ├── package-lock.json ├── package.json ├── rollup.config.js └── README.md </syntaxhighlight> 各ディレクトリおよびファイルの簡単な説明: * node_modules: Node.jsパッケージの依存関係が格納されるディレクトリ。 * public: 静的なファイルやビルドされたアプリケーションが配置されるディレクトリ。 * favicon.png: アプリケーションのアイコンファイル。 * global.css: グローバルなCSSスタイルが格納されるファイル。 * index.html: アプリケーションのエントリーポイントのHTMLファイル。 * src: ソースコードが格納されるディレクトリ。 * components: Svelteコンポーネントが格納されるサブディレクトリ。 * App.svelte: ルートコンポーネントとしての役割を果たすSvelteファイル。 * main.js: アプリケーションのエントリーポイントで、Svelteアプリケーションを初期化してレンダリングします。 * routes.js: アプリケーションのルーティングに関する定義が含まれるファイル。 * .gitignore: Gitの無視設定が記述されたファイル。 * package-lock.json: npmのパッケージの正確なバージョン情報が格納されるファイル。 * package.json: プロジェクトのメタ情報や依存関係が記述されたファイル。 * rollup.config.js: ビルドツールであるRollupの設定ファイル。 * README.md: プロジェクトに関する説明やドキュメンテーションが記述されたファイル。 このディレクトリ構造は、一般的なSvelteプロジェクトのものであり、プロジェクトのニーズに応じて調整できます。 == TypeScriptを使う == SvelteはTypeScript(TS)と統合された開発をサポートしています。Svelte 3以降は、TypeScriptを公式にサポートしており、TypeScriptを使用してSvelteアプリケーションを記述することができます。 以下は、SvelteとTypeScriptを組み合わせて使用する基本的な手順です。 # プロジェクトの作成: Svelteプロジェクトを作成するには、公式のテンプレートを使用します。次のコマンドでテンプレートをクローンします。 #: <syntaxhighlight lang=shell> npx degit sveltejs/template svelte-app cd svelte-app </syntaxhighlight> # TypeScriptの設定: TypeScriptを導入するために、以下のコマンドを実行します。 #: <syntaxhighlight lang=shell> npm install --save-dev typescript </syntaxhighlight> # TypeScriptの設定ファイル: プロジェクトルートに<code>tsconfig.json</code>ファイルを作成します。 #; tsconfig.json #: <syntaxhighlight lang=json> { "compilerOptions": { "target": "es2017", "module": "esnext", "moduleResolution": "node", "strict": true, "jsx": "preserve", "esModuleInterop": true }, "include": ["src/**/*"], "exclude": ["node_modules/*", "public/*"] } </syntaxhighlight> # SvelteのTypeScriptサポート #: TypeScriptをSvelteで使用するために、Svelte用のTypeScriptプリプロセッサをインストールします。 #: <syntaxhighlight lang=shell> npm install --save-dev svelte-preprocess typescript </syntaxhighlight> #: そして、<code>svelte.config.js</code>ファイルをプロジェクトルートに作成し、以下のように設定します。 #: <syntaxhighlight lang=js> const sveltePreprocess = require('svelte-preprocess'); module.exports = { preprocess: sveltePreprocess(), }; </syntaxhighlight> # コンポーネントの拡張子: TypeScriptを使用する場合、<code>.svelte</code>ファイルの代わりに<code>.svelte.ts</code>という拡張子を使用することが一般的です。 例: <code>App.svelte.ts</code> 以下は、Svelteアプリケーションの<code>App.svelte.ts</code>の基本的な例です。この例では、<code>name</code>というプロパティを持つコンポーネントを作成し、その値を入力フィールドから変更できるようにしています。 ; App.svelte.ts : <syntaxhighlight lang=ts> <!-- App.svelte.ts --> <script lang="ts"> export let name: string = 'World'; </script> <main> <h1>Hello {name}!</h1> <input bind:value={name} placeholder="Enter your name" /> </main> <style> main { text-align: center; margin: 1em; } input { padding: 0.5em; margin: 0.5em; } </style> </syntaxhighlight> この例では、<code><script></code>セクション内で<code>lang="ts"</code>を使用してTypeScriptを指定しています。<code>export</code>キーワードを使用して<code>name</code>プロパティを外部に公開しています。<code><input></code>要素には<code>bind:value</code>ディレクティブを使用して、<code>name</code>プロパティを双方向バインディングしています。 以上で、SvelteアプリケーションでTypeScriptを使用する準備が整いました。これにより、SvelteとTypeScriptを組み合わせて型安全なWebアプリケーションを開発することができます。 == Svelteのトリック == Svelteの開発において、効果的で便利なトリックがいくつかあります。以下は、いくつかのSvelteトリックの例です: # 変数の再代入: Svelteでは、変数を再代入することで自動的にUIが更新されます。これにより、簡潔でリアクティブなコードを書くことができます。 #: <syntaxhighlight lang=svelte> <script> let count = 0; function increment() { count += 1; } </script> <button on:click={increment}>Increment</button> <p>Count: {count}</p> </syntaxhighlight> # イベント修飾子: Svelteでは、イベントに修飾子を追加することができます。例えば、<code>on:click</code>イベントに<code>.prevent</code>修飾子を使用して、デフォルトのイベントを防ぐことができます。 #: <syntaxhighlight lang=svelte> <form on:submit|prevent={handleSubmit}> <!-- フォームの内容 --> </form> </syntaxhighlight> # 変数の一括割り当て: Svelteでは、変数の一括割り当てを行うことができます。例えば、オブジェクトのプロパティを変数にまとめて割り当てることができます。 #: <syntaxhighlight lang=svelte> <script> let user = { name: 'John', age: 25, city: 'Example City' }; </script> <p>{user.name}, {user.age}, {user.city}</p> </syntaxhighlight> # 条件付きクラス: <code>class:</code>ディレクティブを使用して、条件に基づいてクラスを追加できます。 #: <syntaxhighlight lang=svelte> <script> let isActive = true; </script> <div class:active={isActive}>This div is active</div> </syntaxhighlight> # ローカルスタイル: Svelteでは、コンポーネント内でスタイルをローカルに定義することができます。これにより、スタイルのカプセル化が実現されます。 #: <syntaxhighlight lang=svelte> <style> div { color: blue; } </style> <div>This text is blue.</div> </syntaxhighlight> これらはSvelteの基本的なトリックの一部です。詳細な情報や応用的なテクニックについては、公式ドキュメントやコミュニティの資料を参照することが役立ちます。
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Svelte
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高等学校 地学基礎/気象災害
これらの突風は、大気の状態がはっきりしない時に起こりやすくなります。毎年7月から10月は、前線や台風が頻繁に通るので、大気の状態もはっきりしません。年間発生数の約60%がこの4か月間に発生しています。 東アジア大陸内部の砂漠地域や黄土高原から、大量の砂塵(黄砂)が強風で大気中に舞い上がります。その後、大量の砂塵(黄砂)は上空の偏西風で流されて地面に落ちます(黄砂現象)。3月から5月にかけて、日本の上空に移動性高気圧がよく見られます。この時、空全体が黄褐色に煙ります。 冬になると、日本海側は大雪の被害を受けやすくなります。また、冬の終わりから春の初め頃(1月~3月)になると、大陸の寒気も弱まります。この時、温帯低気圧が日本の南岸沿いを進みます(南岸低気圧)。その結果、関東から西日本までの太平洋側に大雪を降らせます。さらに、低気圧は急速に発達しながら北海道の東の海上に抜けるので、暴風雪と高波の被害が北日本で大きくなります。大雪が降ると、交通機関にも影響を与えます。加えて、山地に大雪が降ると、雪崩の被害をもたらします。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "これらの突風は、大気の状態がはっきりしない時に起こりやすくなります。毎年7月から10月は、前線や台風が頻繁に通るので、大気の状態もはっきりしません。年間発生数の約60%がこの4か月間に発生しています。", "title": "突風による災害" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "東アジア大陸内部の砂漠地域や黄土高原から、大量の砂塵(黄砂)が強風で大気中に舞い上がります。その後、大量の砂塵(黄砂)は上空の偏西風で流されて地面に落ちます(黄砂現象)。3月から5月にかけて、日本の上空に移動性高気圧がよく見られます。この時、空全体が黄褐色に煙ります。", "title": "地域や季節に特有の気象災害" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "冬になると、日本海側は大雪の被害を受けやすくなります。また、冬の終わりから春の初め頃(1月~3月)になると、大陸の寒気も弱まります。この時、温帯低気圧が日本の南岸沿いを進みます(南岸低気圧)。その結果、関東から西日本までの太平洋側に大雪を降らせます。さらに、低気圧は急速に発達しながら北海道の東の海上に抜けるので、暴風雪と高波の被害が北日本で大きくなります。大雪が降ると、交通機関にも影響を与えます。加えて、山地に大雪が降ると、雪崩の被害をもたらします。", "title": "地域や季節に特有の気象災害" } ]
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[[高等学校の学習]]>[[高等学校理科]]>[[高等学校地学]]>[[高等学校 地学基礎]]>気象災害 == 大雨による災害 == === 大雨 === === 土砂災害 === === 河川の氾濫と低地の浸水 === == 突風による災害 ==  これらの突風は、大気の状態がはっきりしない時に起こりやすくなります。毎年7月から10月は、前線や台風が頻繁に通るので、大気の状態もはっきりしません。年間発生数の約60%がこの4か月間に発生しています。 == 地域や季節に特有の気象災害 == === 黄砂現象 ===  東アジア大陸内部の砂漠地域や黄土高原から、大量の砂塵(黄砂)が強風で大気中に舞い上がります。その後、大量の砂塵(黄砂)は上空の偏西風で流されて地面に落ちます(黄砂現象)。3月から5月にかけて、日本の上空に移動性高気圧がよく見られます。この時、空全体が黄褐色に煙ります。 === 大雪 ===  冬になると、日本海側は大雪の被害を受けやすくなります。また、冬の終わりから春の初め頃(1月~3月)になると、大陸の寒気も弱まります。この時、温帯低気圧が日本の南岸沿いを進みます(南岸低気圧)。その結果、関東から西日本までの太平洋側に大雪を降らせます。さらに、低気圧は急速に発達しながら北海道の東の海上に抜けるので、暴風雪と高波の被害が北日本で大きくなります。大雪が降ると、交通機関にも影響を与えます。加えて、山地に大雪が降ると、雪崩の被害をもたらします。 === 台風 === == 資料出所 == * 啓林館『高等学校 地学基礎』磯崎行雄ほか編著 2022年 [[カテゴリ:高等学校地学基礎|きしようさいかい]]
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1_%E5%9C%B0%E5%AD%A6%E5%9F%BA%E7%A4%8E/%E6%B0%97%E8%B1%A1%E7%81%BD%E5%AE%B3
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BSDソケットプログラミング
ネットワーク通信は、現代のソフトウェア開発において不可欠な要素となっています。その中でもBSDソケットは、広く採用されたAPIであり、TCP/IPプロトコルスイートを基盤にしたネットワーク通信のための標準的な手段を提供します。本書は、BSDソケットプログラミングに焦点を当て、その基本から高度なトピックまでを網羅しています。 初めに、ネットワークプログラミングの基礎を築くため、ソケットの基本概念とIPアドレス、ポート番号などについて掘り下げます。その後、TCPソケットプログラミングとUDPソケットプログラミングに焦点を当て、クライアントとサーバの基本的な実装方法を学びます。マルチクライアントサーバアーキテクチャ、非同期ソケットプログラミングなど、実際の応用シナリオにおけるスキルも磨かれるでしょう。 セキュリティと最適化に関しては、SSL/TLSの導入やネットワークの効率的な最適化手法に焦点を当て、安全かつ効率的な通信の実現を目指します。さらに、マルチキャストやブロードキャストといった高度なトピックスも扱い、読者が実世界の複雑な環境でのネットワークプログラミングに自信を持てるようになることを目指しています。本書を通じて、読者は堅牢で効率的なネットワークアプリケーションの開発に必要なスキルを身につけることができるでしょう。 このでは、ソケットはなにかについて、その概要を学びます。 ソケットの基本概念を理解することは、ネットワークプログラミングにおいて異なるプロセス間での効果的な通信を可能にし、アプリケーションのネットワーク機能を構築する上で不可欠です。 IPアドレスとポート番号は共に、ネットワーク通信において送信元と送信先を正確に指定し、通信の正確な経路を確立するための重要な要素です。これにより、ネットワーク上で正確かつ効率的なデータの送受信が可能になります。 ネットワーク通信において、プロトコルは通信のためのルールや手順を定義します。主に使用されるプロトコルには、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)とUDP(User Datagram Protocol)があります。 以下に、これらのプロトコルの基本的な概念を示します。 これらのプロトコルは、ネットワーク通信の基盤を提供し、異なる要件に対応するために利用されます。プログラムがどのプロトコルを使用するかは、通信の性質や要求によって異なります。 BSDソケット(Berkeley Software Distribution sockets)は、ネットワークプログラミングにおいて使用されるAPI(Application Programming Interface)であり、主にUNIX系オペレーティングシステム(例: BSD, macOS, Soralis, Linuxなど)でサポートされています。 以下は、BSDソケットの概要です。 BSDソケットは、ノンブロッキングおよび非同期I/Oのサポートも提供しています。これにより、複数のソケットを同時に処理し、効率的なネットワークプログラミングが可能となります。 BSDソケットは標準的で柔軟なAPIであり、多くのプログラミング言語で利用できます。ネットワーク通信の基礎を提供するため、広く使用されています。 このプログラムは、サーバが指定したポートでクライアントからの接続を待ち受け、接続が確立されたらクライアントからのメッセージを受信し、それを表示します。最後に、ソケットを閉じて通信を終了します。 このプログラムは、説明のためエラー処理を省略しています。 このプログラムは、C言語を使用してTCPソケット通信を行うクライアントの基本的な実装を示しています。以下に各部分の解説を行います。 このプログラムは、サーバに接続し、指定したメッセージを送信した後、ソケットを閉じて通信を終了します。通常、ネットワーク通信の際にはエラー処理も含めてより堅牢なコードを書く必要がありますが、上記の例は基本的な流れを示しています。 これらの手順により、基本的なTCPソケット通信のクライアントとサーバの実装が行われます。クライアントがサーバに接続し、メッセージを送信し、サーバがそのメッセージを受信するシンプルな例です。 selectシステムコールは、I/O多重化を利用して、複数のファイルディスクリプタ(通常はソケット)に対して同時に待機できるかどうかを監視するために使用されます。selectを使用することで、シングルスレッドで複数のクライアントとの通信を非同期に処理することができます。 以下は、selectを使用したシンプルな例です。この例では、サーバが新しいクライアントの接続を待ち受け、selectを使用して複数のクライアントとの通信を同時に処理します。 この例では、selectを使用して新しいクライアントの接続や既存のクライアントからのデータを非同期に処理しています。 このプログラムは、同時に複数のクライアントと通信できるサーバを実現するためにselectを使用しています。ただし、リアルワールドのアプリケーションでは、より高度なアーキテクチャやライブラリを使用することが推奨されます。 select()は、I/O多重化を行うためのシステムコールであり、主にネットワークプログラミングにおいて使用されます。以下に、select()の機能を説明します。 select()はシングルスレッドのプログラミングにおいて使用されるものであり、大規模で高性能なネットワークアプリケーションの場合は、より高度な手法やライブラリ(例: epoll、kqueue、libeventなど)が推奨されることがあります。 複数のプラットホームで機能するよう、多重化・非同期化されたソケットハンドリングを指向すると、select() は依然有望な選択肢の1つになります。
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ネットワーク通信は、現代のソフトウェア開発において不可欠な要素となっています。その中でもBSDソケットは、広く採用されたAPIであり、TCP/IPプロトコルスイートを基盤にしたネットワーク通信のための標準的な手段を提供します。本書は、BSDソケットプログラミングに焦点を当て、その基本から高度なトピックまでを網羅しています。 初めに、ネットワークプログラミングの基礎を築くため、ソケットの基本概念とIPアドレス、ポート番号などについて掘り下げます。その後、TCPソケットプログラミングとUDPソケットプログラミングに焦点を当て、クライアントとサーバの基本的な実装方法を学びます。マルチクライアントサーバアーキテクチャ、非同期ソケットプログラミングなど、実際の応用シナリオにおけるスキルも磨かれるでしょう。 セキュリティと最適化に関しては、SSL/TLSの導入やネットワークの効率的な最適化手法に焦点を当て、安全かつ効率的な通信の実現を目指します。さらに、マルチキャストやブロードキャストといった高度なトピックスも扱い、読者が実世界の複雑な環境でのネットワークプログラミングに自信を持てるようになることを目指しています。本書を通じて、読者は堅牢で効率的なネットワークアプリケーションの開発に必要なスキルを身につけることができるでしょう。
ネットワーク通信は、現代のソフトウェア開発において不可欠な要素となっています。その中でもBSDソケットは、広く採用されたAPIであり、TCP/IPプロトコルスイートを基盤にしたネットワーク通信のための標準的な手段を提供します。本書は、BSDソケットプログラミングに焦点を当て、その基本から高度なトピックまでを網羅しています。 初めに、ネットワークプログラミングの基礎を築くため、ソケットの基本概念とIPアドレス、ポート番号などについて掘り下げます。その後、TCPソケットプログラミングとUDPソケットプログラミングに焦点を当て、クライアントとサーバの基本的な実装方法を学びます。マルチクライアントサーバアーキテクチャ、非同期ソケットプログラミングなど、実際の応用シナリオにおけるスキルも磨かれるでしょう。 セキュリティと最適化に関しては、SSL/TLSの導入やネットワークの効率的な最適化手法に焦点を当て、安全かつ効率的な通信の実現を目指します。さらに、マルチキャストやブロードキャストといった高度なトピックスも扱い、読者が実世界の複雑な環境でのネットワークプログラミングに自信を持てるようになることを目指しています。本書を通じて、読者は堅牢で効率的なネットワークアプリケーションの開発に必要なスキルを身につけることができるでしょう。 == レベル 1: 基本的なネットワークプログラミング == === ネットワークプログラミングの基礎 === ==== ソケットの基本概念 ==== このでは、ソケットはなにかについて、その概要を学びます。 ;通信のエンドポイント:ソケットは、ネットワーク上で通信を行うプロセスを指すエンドポイントです。各ソケットは通信の発信点または受信点として機能し、ネットワーク上で一意に識別されます。 ;ソケットの種類:ソケットにはいくつかの種類があります。主な種類には、ストリームソケット(TCPソケット)とデータグラムソケット(UDPソケット)があります。ストリームソケットは信頼性のあるストリーム通信を提供し、データグラムソケットは非接続型のデータグラム通信を行います。 ;ソケットの作成と識別:プログラムはソケットを作成して利用します。ソケットは通常、アプリケーション内で一意の識別子(ソケットディスクリプタ)で識別され、通信のためのインターフェースとして機能します。 ;通信プロトコル:ソケットは通信に使用されるプロトコルに依存します。主要なプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)とUDP(User Datagram Protocol)があり、これらを使用して信頼性のある接続型通信または非接続型通信を実現します。 ;接続の確立と解除:ソケットを使用して通信を行う前に、通信の発信点と受信点の間で接続を確立する必要があります。TCPソケットではこれが特に重要で、確立した接続は通信終了後に解除されます。 ソケットの基本概念を理解することは、ネットワークプログラミングにおいて異なるプロセス間での効果的な通信を可能にし、アプリケーションのネットワーク機能を構築する上で不可欠です。 ==== IPアドレスとポート番号の理解 ==== ;IPアドレス(Internet Protocol Address): IPアドレスは、コンピューターネットワーク上で通信するデバイスを一意に識別するための数値的なアドレスです。IPv4(32ビット)やIPv6(128ビット)などの規格があり、通常、ドットで区切られた4つのオクテット(IPv4)やコロンで区切られた8つのクアッド(IPv6)で表現されます。例えば、IPv4アドレスでは「192.168.0.1」のように表記されます。IPアドレスには、ネットワーク上でデータを送受信するための唯一の識別子としての役割があります。 ;ポート番号: ポート番号は、ネットワーク上で通信するプロセスを特定するための数値です。TCPやUDPなどのトランスポート層プロトコルは、通信するデバイス上のプロセスを識別するためにポート番号を使用します。ポート番号は通常、0から65535までの範囲で指定されます。0から1023までの範囲は一般に「ウェルノウンポート」と呼ばれ、一般的なプロトコルに割り当てられることがあります。例えば、HTTPの通信は通常ポート80を使用します。クライアントとサーバが通信する際、相互に合意されたポート番号を使用して通信先のプロセスを特定します。 IPアドレスとポート番号は共に、ネットワーク通信において送信元と送信先を正確に指定し、通信の正確な経路を確立するための重要な要素です。これにより、ネットワーク上で正確かつ効率的なデータの送受信が可能になります。 ==== プロトコル(主にTCP/IPとUDP)の基礎 ==== ネットワーク通信において、プロトコルは通信のためのルールや手順を定義します。主に使用されるプロトコルには、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)とUDP(User Datagram Protocol)があります。 以下に、これらのプロトコルの基本的な概念を示します。 ;TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol): :;TCP(Transmission Control Protocol):TCPは、信頼性のある接続型通信を提供するプロトコルです。データはストリームとして送受信され、順序が保持され、エラーチェックや再送信などの機能が備わっています。主にWebブラウジングやファイル転送など、信頼性が求められるアプリケーションで使用されます。 :;IP(Internet Protocol):IPは、ネットワーク上でデータを転送するための基本的なプロトコルです。IPアドレスを使用してデバイスを一意に特定し、パケットとしてデータを送信します。IPv4とIPv6があり、現在はIPv4が広く使用されています。 :;UDP(User Datagram Protocol):UDPは、非接続型のプロトコルで、信頼性は低いが高速で動作します。データはデータグラムとして送受信され、順序が保持されないため、主にリアルタイム性が重要なアプリケーションで使用されます。例えば、音声や動画のストリーミングなどが挙げられます。 :;ポート番号:どちらのプロトコルも、通信するプロセスを特定するためにポート番号が使用されます。TCPやUDPの通信先プロセスは、IPアドレスとポート番号の組み合わせによって一意に識別されます。 :;用途:TCP/IPは、インターネットを含む広範なネットワーク環境で使用され、様々なアプリケーションやサービスで信頼性のある通信を提供します。UDPは、遅延が許容される状況や、ストリーミングなどのアプリケーションで利用されます。 これらのプロトコルは、ネットワーク通信の基盤を提供し、異なる要件に対応するために利用されます。プログラムがどのプロトコルを使用するかは、通信の性質や要求によって異なります。 === BSDソケットの概要 === BSDソケット(Berkeley Software Distribution sockets)は、ネットワークプログラミングにおいて使用されるAPI(Application Programming Interface)であり、主にUNIX系オペレーティングシステム(例: BSD, macOS, Soralis, Linuxなど)でサポートされています。 以下は、BSDソケットの概要です。 ;ソケットの基本概念: :ソケットは、ネットワーク上で通信するためのエンドポイントを提供する仕組みです。ソケットを使用することで、クライアントとサーバ間でデータの送受信が可能になります。通信の手段として、TCPやUDPなどのプロトコルを使用します。 :;ソケットの種類:BSDソケットは、ストリームソケットとデータグラムソケットという主要な2つの種類のソケットを提供します。 ::;ストリームソケット: TCPプロトコルを使用し、信頼性のあるストリーム通信を提供します。通信はバイトストリームとして行われ、順序が保持されます。 ::;データグラムソケット: UDPプロトコルを使用し、非接続型のデータグラム通信を提供します。通信はデータグラムとして送受信され、順序が保持されません。 :;ソケットの作成と操作:プログラムは、BSDソケットAPIを使用してソケットを作成し、通信の設定や制御を行います。ソケットはファイルディスクリプタとして扱われ、openやread、writeなどのファイルI/O関数と同様に使用されます。 :;アドレス構造と通信:ソケットは通信する相手を特定するためにアドレス構造を使用します。IPv4やIPv6のアドレス構造が一般的です。通信はクライアントがサーバに接続する際の手順や、データの送受信などを含みます。 :;ノンブロッキングおよび非同期I/O: BSDソケットは、ノンブロッキングおよび非同期I/Oのサポートも提供しています。これにより、複数のソケットを同時に処理し、効率的なネットワークプログラミングが可能となります。 BSDソケットは標準的で柔軟なAPIであり、多くのプログラミング言語で利用できます。ネットワーク通信の基礎を提供するため、広く使用されています。 === 用語集 === ;ソケット(Socket):ネットワーク通信におけるエンドポイントであり、データの送受信を可能にする通信のためのインターフェース。 ;IPアドレス(Internet Protocol Address):ネットワーク上のデバイスを一意に識別するための数値的なアドレス。 ;ポート番号(Port Number):ネットワーク上のプロセスを特定するための数値。通信の発信元や受信先のポート番号を指定することで、プロセス間の通信が可能となる。 ;プロトコル(Protocol):ネットワーク通信において、データの送受信や通信手順を定義する規約。TCPやUDPが代表的なネットワークプロトコル。 ;ストリームソケット(Stream Socket):TCPプロトコルを使用し、信頼性のあるストリーム通信を提供するソケット。 ;データグラムソケット(Datagram Socket):UDPプロトコルを使用し、非接続型のデータグラム通信を提供するソケット。 ;TCP (Transmission Control Protocol):コネクション指向の通信を提供するプロトコル。信頼性の高いストリーム通信を実現する。 ;UDP (User Datagram Protocol):コネクションレスで非信頼性のデータグラム通信を提供するプロトコル。 ;ノンブロッキング(Non-blocking):ソケットやI/O操作が待機状態になったとき、即座に制御を戻す方式。通信の途中で他の処理を行える。 ;非同期I/O(Asynchronous I/O):イベントが発生するまでブロックせず、他の処理を行えるI/O操作の方式。 ;アドレス構造(Address Structure):ソケットが通信相手を特定するために使用するアドレスの形式。IPv4やIPv6アドレス構造が一般的。 ;ファイルディスクリプタ(File Descriptor):オープンされたファイルやソケットなどへの参照を表す整数。ソケットもファイルディスクリプタとして扱われる。 ;接続(Connection):クライアントとサーバの間でソケットを介して確立される通信経路。 ;クライアント(Client):ソケット通信において、接続を発起する側のプログラムやデバイス。 ;サーバ(Server):ソケット通信において、接続を待ち受け、リクエストに対応する側のプログラムやデバイス。 ;ウェルノウンポート(Well-Known Port):0から1023までのポート番号の範囲。一般的なプロトコルによって割り当てられる。 == レベル 2: TCP/IPプログラミング == === TCPソケットプログラミング === ==== サーバの基本的な実装(C言語) ==== ;server.c:<syntaxhighlight lang=c> #include <arpa/inet.h> #include <netinet/in.h> #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <string.h> #include <sys/socket.h> #include <unistd.h> int main() { // ソケットの作成 int server_socket = socket(AF_INET, SOCK_STREAM, 0); // サーバのアドレスを設定 struct sockaddr_in server_address = { .sin_family = AF_INET, // アドレスファミリーはIPv4 .sin_port = htons(12345), // ポート番号をネットワークバイトオーダーに変換 .sin_addr.s_addr = INADDR_ANY // すべての利用可能なネットワークインターフェースをバインド }; // ソケットをポートにバインド bind(server_socket, (struct sockaddr *)&server_address, sizeof(server_address)); // 接続待機 listen(server_socket, 5); printf("サーバが起動しました...\n"); // クライアントからの接続を待機 int client_socket = accept(server_socket, NULL, NULL); // クライアントからのデータ受信 char buffer[1024]; recv(client_socket, buffer, sizeof(buffer), 0); printf("クライアントからのメッセージ: %s\n", buffer); // ソケットを閉じる close(server_socket); close(client_socket); return 0; } </syntaxhighlight> * <code>socket()</code>は、ソケット(socket)を作成するためのシステムコールです。 *: <syntaxhighlight lang=c> int socket(int domain, // アドレスファミリ: AF_INET(IPv4)やAF_INET6(IPv6)があります。 int type, // ソケットの種類: SOCK_STREAM(ストリーム/TCP)やSOCK_DGRAM(データグラム/UDP)など int protocol); // トランスポート層プロトコル: 0を指定するとデフォルトのプロトコルが選択されます。 </syntaxhighlight> # <code>socket</code>関数を使用してソケットを作成します。<code>AF_INET</code>はIPv4を指定し、<code>SOCK_STREAM</code>はTCPソケットを指定します。 # <code>struct sockaddr_in</code>を使用して、サーバのアドレス情報を構造体に設定します。<code>sin_family</code>はアドレスファミリ(ここではIPv4)、<code>sin_port</code>はポート番号、<code>sin_addr.s_addr</code>はIPアドレスを表します。 # <code>bind</code>関数を使用して、作成したソケットを指定したポートにバインドします。これにより、クライアントがこのポートに接続できるようになります。 # <code>listen</code>関数でクライアントからの接続を待ちます。第2引数の5は、同時に待機できる接続の最大数を指定します。 # <code>accept</code>関数を使用して、クライアントからの接続を受け入れます。この関数はブロックし、クライアントが接続するまで待機します。 # <code>recv</code>関数を使用して、クライアントからのデータを受信します。受信したデータは<code>buffer</code>に格納されます。 # 受信したメッセージをコンソールに表示します。 # <code>close</code>関数を使用して、ソケットを閉じて接続を終了します。 このプログラムは、サーバが指定したポートでクライアントからの接続を待ち受け、接続が確立されたらクライアントからのメッセージを受信し、それを表示します。最後に、ソケットを閉じて通信を終了します。 このプログラムは、説明のためエラー処理を省略しています。 ==== クライアントの基本的な実装(C言語) ==== ;client.c:<syntaxhighlight lang=c> #include <arpa/inet.h> #include <netinet/in.h> #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <string.h> #include <sys/socket.h> #include <unistd.h> int main() { // ソケットの作成 int client_socket = socket(AF_INET, SOCK_STREAM, 0); // ソケットの設定 // サーバのアドレスを設定 struct sockaddr_in server_address = { .sin_family = AF_INET, // アドレスファミリーはIPv4 .sin_port = htons(12345), // ポート番号をネットワークバイトオーダーに変換 .sin_addr.s_addr = INADDR_ANY // すべての利用可能なネットワークインターフェースをバインド }; inet_pton(AF_INET, "127.0.0.1", &server_address.sin_addr); // サーバに接続 connect(client_socket, (struct sockaddr*)&server_address, sizeof(server_address)); // サーバにデータ送信 char message[] = "Hello, Server!"; send(client_socket, message, sizeof(message), 0); // ソケットを閉じる close(client_socket); return 0; } </syntaxhighlight> このプログラムは、C言語を使用してTCPソケット通信を行うクライアントの基本的な実装を示しています。以下に各部分の解説を行います。 # <code>socket</code>関数を使用してクライアント用のソケットを作成します。<code>AF_INET</code>はIPv4を指定し、<code>SOCK_STREAM</code>はTCPソケットを指定します。 # <code>struct sockaddr_in</code>を使用して、サーバのアドレス情報を構造体に設定します。<code>sin_family</code>はアドレスファミリ(ここではIPv4)、<code>sin_port</code>はポート番号、<code>sin_addr.s_addr</code>はIPアドレスを表します。 # <code>connect</code>関数を使用して、クライアントがサーバに接続します。この関数は指定したサーバのアドレスに対して接続を確立します。 # <code>send</code>関数を使用して、サーバにデータを送信します。ここでは"Hello, Server!"というメッセージを送信しています。 # <code>close</code>関数を使用して、ソケットを閉じて接続を終了します。 このプログラムは、サーバに接続し、指定したメッセージを送信した後、ソケットを閉じて通信を終了します。通常、ネットワーク通信の際にはエラー処理も含めてより堅牢なコードを書く必要がありますが、上記の例は基本的な流れを示しています。 === 接続の確立と切断 === # 接続の確立(サーバ側): #* <code>socket</code>関数でソケットを作成。 #* <code>bind</code>関数でポートにバインド。 #* <code>listen</code>関数で接続待機。 #* <code>accept</code>関数でクライアントからの接続を待機。 # 接続の確立(クライアント側): #* <code>socket</code>関数でソケットを作成。 #* <code>connect</code>関数でサーバに接続。 # データの送受信: #* <code>send</code>関数や<code>recv</code>関数を使用してデータを送受信。 # 接続の切断: #* <code>close</code>関数でソケットを閉じ、接続を切断。 これらの手順により、基本的なTCPソケット通信のクライアントとサーバの実装が行われます。クライアントがサーバに接続し、メッセージを送信し、サーバがそのメッセージを受信するシンプルな例です。 === マルチクライアントサーバアーキテクチャ === ==== 同時に複数のクライアントを処理する方法 ==== <code>select</code>システムコールは、I/O多重化を利用して、複数のファイルディスクリプタ(通常はソケット)に対して同時に待機できるかどうかを監視するために使用されます。<code>select</code>を使用することで、シングルスレッドで複数のクライアントとの通信を非同期に処理することができます。 以下は、<code>select</code>を使用したシンプルな例です。この例では、サーバが新しいクライアントの接続を待ち受け、<code>select</code>を使用して複数のクライアントとの通信を同時に処理します。 ;select.c:<syntaxhighlight lang=c> #include <arpa/inet.h> #include <netinet/in.h> #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <string.h> #include <sys/socket.h> #include <unistd.h> #define MAX_CLIENTS 10 int main() { // サーバのソケットを作成 int server_socket = socket(AF_INET, SOCK_STREAM, 0); // サーバのアドレスを設定 struct sockaddr_in server_address = { .sin_family = AF_INET, // アドレスファミリーはIPv4 .sin_port = htons(12345), // ポート番号をネットワークバイトオーダーに変換 .sin_addr.s_addr = INADDR_ANY // すべての利用可能なネットワークインターフェースをバインド }; // サーバのソケットをバインド bind(server_socket, (struct sockaddr*)&server_address, sizeof(server_address)); // ソケットをリスニング listen(server_socket, 5); printf("サーバが起動しました...\n"); // クライアントのソケット配列を初期化 int client_sockets[MAX_CLIENTS]; for (int i = 0; i < MAX_CLIENTS; ++i) { client_sockets[i] = 0; } for (;;) { fd_set readfds; // fd_setをクリアしてファイルディスクリプタをセット FD_ZERO(&readfds); FD_SET(server_socket, &readfds); int max_sd = server_socket; // 既存のクライアントソケットをセット for (int i = 0; i < MAX_CLIENTS; ++i) { int sd = client_sockets[i]; if (sd > 0) { FD_SET(sd, &readfds); } if (sd > max_sd) { max_sd = sd; } } // クライアントからのアクティビティを待機 int activity = select(max_sd + 1, &readfds, NULL, NULL, NULL); if (FD_ISSET(server_socket, &readfds)) { // 新しいクライアントが接続された場合 struct sockaddr_in client_address; socklen_t addrlen = sizeof(client_address); int new_socket = accept( server_socket, (struct sockaddr*)&client_address, &addrlen); // クライアントソケットを配列に追加 for (int i = 0; i < MAX_CLIENTS; ++i) { if (client_sockets[i] == 0) { client_sockets[i] = new_socket; printf( "新しいクライアントが接続しました, ソケット FD: %d, " "IP: %s, ポート: %d\n", new_socket, inet_ntoa(client_address.sin_addr), ntohs(client_address.sin_port)); break; } } } // クライアントからのデータを処理 for (int i = 0; i < MAX_CLIENTS; ++i) { int sd = client_sockets[i]; if (FD_ISSET(sd, &readfds)) { // クライアントからのデータを処理 // ここに実際のデータ処理ロジックを追加 } } } return 0; } </syntaxhighlight> この例では、<code>select</code>を使用して新しいクライアントの接続や既存のクライアントからのデータを非同期に処理しています。 # ヘッダーファイルと定義: #* <code>stdio.h</code>, <code>stdlib.h</code>, <code>string.h</code>, <code>unistd.h</code>, <code>arpa/inet.h</code>などの標準的なヘッダーファイルをインクルードしています。 #* <code>MAX_CLIENTS</code>はクライアントの最大数を定義しています。 # メイン関数内の変数宣言: #* <code>server_socket</code>: サーバのメインソケット。 #* <code>client_sockets[MAX_CLIENTS]</code>: クライアントのソケットを管理する配列。 #* <code>fd_set readfds</code>: ファイルディスクリプタの集合。<code>select</code>で使用します。 #* <code>max_sd</code>: <code>select</code>で監視する最大のファイルディスクリプタ。 #* <code>activity</code>: <code>select</code>の戻り値。アクティビティの有無を示します。 #* <code>new_socket</code>: 新しいクライアントのソケット。 #* <code>server_address</code>, <code>client_address</code>: サーバとクライアントのアドレス情報。 #* <code>addrlen</code>: クライアントアドレスの長さ。 # サーバの初期化: #* <code>socket</code>, <code>bind</code>, <code>listen</code>を使って、サーバのソケットを作成し、アドレスをバインドし、接続待ちの状態にします。 # クライアントの初期化: #* <code>client_sockets</code>配列を初期化しています。 # メインループ: #* <code>select</code>を使用して、サーバのメインソケットとクライアントのソケットを監視します。 #* <code>accept</code>を使用して新しいクライアントが接続された場合、そのソケットを<code>client_sockets</code>に追加します。 #* クライアントからのデータが到着した場合、データ処理ロジックを実行します。 # 新しいクライアントの追加: #* <code>accept</code>で新しいクライアントの接続を待機し、そのソケットを<code>client_sockets</code>に追加します。 # クライアントからのデータ処理: #* <code>select</code>で待機中のクライアントがデータを送信した場合、データ処理ロジックを実行します。 #* この部分には、実際のアプリケーションに特有の処理が追加されるべきです。 このプログラムは、同時に複数のクライアントと通信できるサーバを実現するために<code>select</code>を使用しています。ただし、リアルワールドのアプリケーションでは、より高度なアーキテクチャやライブラリを使用することが推奨されます。 ===== select()の機能 ===== <code>select()</code>は、I/O多重化を行うためのシステムコールであり、主にネットワークプログラミングにおいて使用されます。以下に、<code>select()</code>の機能を説明します。 # 複数のファイルディスクリプタを監視: #* <code>select()</code>は、指定されたファイルディスクリプタセット(<code>fd_set</code>)を監視し、その中で読み取り、書き込み、エラーなどのアクティビティが発生するのを待機します。 # 同時に複数のソケットを処理: #* シングルスレッドのプログラムでも、複数のクライアントと同時に通信するための手段として利用されます。これにより、一度に複数のクライアントからのイベントを待機できます。 # ブロッキングおよび非ブロッキングモード: #* <code>select()</code>は、指定されたファイルディスクリプタが準備できるまで待機します。これにより、ブロッキングモードで利用されることがあります。 #* 各ファイルディスクリプタを非ブロッキングモードに設定することで、<code>select()</code>をポーリングすることも可能です。 # タイムアウト設定: #* <code>select()</code>は、指定されたタイムアウト時間内にアクティビティが発生しない場合に制御を戻します。これにより、一定の間隔でクライアントの状態を監視することができます。 # プラットフォーム非依存: #* <code>select()</code>はPOSIX標準に準拠しており、Unix系のオペレーティングシステムで広くサポートされています。ただし、一部の制限や挙動の違いもあります。 # 簡易なマルチプレキシング: #* 複数のクライアントが同時に接続されている場合、<code>select()</code>を使用して受信可能なクライアントを選択し、それに対応する処理を行うことができます。 # ファイルディスクリプタの監視種別: #* <code>select()</code>の引数として与える<code>fd_set</code>には、<code>read</code>、<code>write</code>、<code>except</code>(エラー状態)に対するファイルディスクリプタの集合を設定できます。これにより、それぞれのイベントに対する待機が可能です。 select()はシングルスレッドのプログラミングにおいて使用されるものであり、大規模で高性能なネットワークアプリケーションの場合は、より高度な手法やライブラリ(例: epoll、kqueue、libeventなど)が推奨されることがあります。 # <code>epoll</code>: #* <code>epoll</code>はLinux独自のシステムコールで、高性能なイベント通知メカニズムを提供します。主に大規模なネットワークプログラミングアプリケーションで利用されます。 # <code>kqueue</code>: #* <code>kqueue</code>は主にBSD系オペレーティングシステム(FreeBSD、OpenBSDなど)で使用されるイベント通知メカニズムです。<code>kqueue</code>はファイルディスクリプタ上のイベントやシグナルなどを効率的にハンドリングできます。 # <code>libevent</code>: #* <code>libevent</code>は、異なるプラットフォームでのイベント通知メカニズムを抽象化したライブラリです。<code>select</code>、<code>poll</code>、<code>epoll</code>、<code>kqueue</code>などをバックエンドとして使用でき、プログラマには同じAPIを提供します。 複数のプラットホームで機能するよう、多重化・非同期化されたソケットハンドリングを指向すると、select() は依然有望な選択肢の1つになります。 == レベル 3: UDPプログラミングと応用 == === UDPソケットプログラミング === ==== データグラムソケットを使用した通信 ==== ==== エラー処理と信頼性の確保 ==== === 非同期ソケットプログラミング === ==== イベント駆動型のネットワークプログラミング ==== ==== 非同期I/Oの基礎 ==== == レベル 4: セキュリティと最適化 == === ネットワークセキュリティ === ==== SSL/TLSの導入 ==== ==== セキュアな通信の実装 ==== === ネットワークの最適化 === ==== バッファリングとストリームの効率的な管理 ==== ==== プロトコルの最適化手法 ==== == レベル 5: 応用トピックス == === マルチキャストとブロードキャスト === ==== マルチキャスト通信の理解と実装 ==== ==== ブロードキャスト通信の概要 ==== === ネットワークプログラミングのベストプラクティス === ==== エラーハンドリングとデバッグのテクニック ==== ==== コードの効率的な記述とメンテナンス ==== [[カテゴリ:プログラミング]]
2024-01-22T01:08:06Z
2024-02-08T08:06:08Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/BSD%E3%82%BD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
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ビルドツール
本書は、ソフトウェア開発における効率的なビルドプロセスの理解と適用を目指します。ビルドツールの基本概念から一般的なツール(Make、Ant、Maven、Gradleなど)の具体的な使用法までを網羅し、実践的なスキルを養成します。開発者がコードのビルド、テスト、デプロイをスムーズに行うための手法やベストプラクティスに焦点を当て、CI/CDとの統合も含めた包括的な知識を提供します。業界標準のビルドツールをマスターすることで、効果的なチーム協力と高品質なソフトウェアの開発に寄与する能力を身につけましょう。 ソフトウェア開発において、ビルドツールはソースコードから実行可能なプログラムへの変換を担当し、開発プロセスの重要な要素となっています。ビルドツールはソースコードのコンパイル、リンク、テスト、およびデプロイなどのタスクを効率的かつ自動化された方法で実行し、開発者がアプリケーションの品質を保ちつつ、素早く変更を反映できるようにします。 ビルドプロセスは、ソースコードからバイナリや実行可能なアプリケーションへの変換手順を指します。これは通常、複数のファイルやモジュールのコンパイル、依存関係の解決、リソースの処理、テストの実行、そして最終的な成果物の生成などから成り立ちます。ビルドプロセスが効率的で再現可能であることは、大規模で複雑なプロジェクトにおいて不可欠であり、ビルドツールはその実現に貢献します。 ビルドの主な目的は、人間が読み書きしやすいソースコードを、機械が理解できる形式である実行可能なプログラムに変換することです。この変換プロセスには複数のステップが含まれ、通常はコンパイル、リンク、および必要なリソースの結合などが含まれます。コンパイラは、ソースコードを機械語や中間コードに変換し、リンカはそれらを結合して最終的な実行可能ファイルを生成します。 ビルドプロセスでは、ソースコードやリソースの間に存在する依存関係を理解し、適切な順序でビルドを行うことが重要です。依存関係が解決されない場合、不正確な成果物やエラーが発生する可能性があります。ビルドツールはこれらの依存関係をトラッキングし、変更がある場合には変更された部分だけを再ビルドするなど、適切な順序でビルドを実行することで開発プロセスの効率を向上させます。 ソフトウェア開発において、さまざまなビルドツールが利用されます。これらのツールはプログラムのコンパイルやリソースの管理など、様々なビルドタスクを効率的に処理します。 これらのビルドツールはプロジェクトの要件や開発者の好みによって選択され、効果的なビルドプロセスの構築に貢献しています。 Makeはソフトウェアビルドの自動化に使用される強力なツールで、その中心的な概念はMakefileに基づいています。Makefileは、ビルドプロセスのルールを定義します。基本構造は以下の通りです: Makefileでは変数を使用して値を格納し、再利用することができます。変数は以下のように定義されます: そして、後で変数を使用する際には$(VAR_NAME)のように記述します。 これらの基本ターゲットは、Makefile内で事前に定義されていることが一般的ですが、必要に応じて独自のターゲットを追加することも可能です。 CMakeは、クロスプラットフォームなビルド設定を生成するためのオープンソースのビルドシステムです。CMakeは、プロジェクトの構造や依存関係を定義するCMakeLists.txtと呼ばれるスクリプトを使用します。このスクリプトは、MakefileやVisual Studioプロジェクトなどの具体的なビルドファイルに変換され、異なる環境やプラットフォームでのビルドを可能にします。CMakeは特に、C++プロジェクトのために広く使用され、高い柔軟性を提供します。 Ninjaは、高速で軽量なビルドツールで、Googleが開発したオープンソースのプロジェクトです。NinjaはMakeよりも高速で、大規模なプロジェクトに特に適しています。CMakeと組み合わせて使用されることが一般的で、CMakeが生成するMakefileなどを実行する代わりに、Ninjaが直接ビルドを行います。シンプルで効率的なビルドツールとして広く利用されています。 Rakeは、Ruby言語で記述されたビルドツールで、Rubyプロジェクトで一般的に使用されます。Rakefileと呼ばれるスクリプトを使用してビルドタスクを定義し、依存関係のあるタスクの順序を指定できます。Rubyスクリプトの柔軟性と豊富な機能を活かして、ビルドやデプロイ、テストなどのタスクを記述することができます。Rakeは、特にRuby on RailsなどのRubyベースのフレームワークでよく使用されます。 Apache Antは、Javaプロジェクトのビルドとデプロイを自動化するためのツールで、XML形式のビルドファイルを使用します。ビルドファイルは通常、build.xmlという名前で保存されます。基本構造は以下の通りです: Antのビルドファイルでは、タスクがビルドプロセスの基本単位です。タスクは以下のようにして定義されます: 例えば、Javaコンパイルタスクは以下のように記述されます: プロパティはAntビルドファイル内で変数として使用され、値を格納するために利用されます。プロパティは以下のように定義されます: そして、後でプロパティを参照する際には${project.name}のように使用します。 Antでは、特定のファイルやディレクトリのセットを操作するためにファイルセットとディレクトリセットが利用されます。これらは以下のように定義されます: これらのセットは、コピー、削除、圧縮などの操作に使用され、プロジェクト内でのリソースの管理を容易にします。Antは柔軟性があり、Javaプロジェクトのビルドおよびデプロイに広く使用されています。 Apache Mavenは、Javaプロジェクトのビルド、テスト、デプロイを管理するためのツールであり、プロジェクトの構造を一貫性のある形で管理します。Mavenプロジェクトは通常、以下のディレクトリ構造を持ちます: pom.xmlはプロジェクトオブジェクトモデル(POM)と呼ばれ、プロジェクトの設定や依存関係などの情報を定義します。 Mavenはビルドを「ライフサイクル」と呼ばれる一連のフェーズに分割します。典型的なライフサイクルは以下の通りです: Mavenでは、プロジェクトが依存する外部ライブラリやモジュールを明示的に宣言します。これはpom.xml内で以下のように記述されます: Mavenはこれらの依存関係を解析し、必要なJARファイルなどを自動的にダウンロードしてプロジェクトに組み込みます。 Mavenはビルドに必要な依存関係を取得するために、中央リポジトリなどのリモートリポジトリを使用します。また、ローカルリポジトリも管理し、インストールされたアーティファクトをキャッシュします。これにより、再ビルド時に依存関係を再度ダウンロードする必要がありません。 Gradleは、Kotlin DSLを使用してビルドスクリプトを記述します。プロジェクトは通常、以下のディレクトリ構造を持っています: ビルドスクリプトは、プロジェクトの依存関係、タスクの定義、ビルドのカスタマイズなどを記述します。 Gradleでは、タスクがビルドプロセスの基本単位です。タスクはビルドスクリプト内で以下のように定義されます: そして、ターミナルで ./gradlew myTask のようにしてタスクを実行できます。 Gradleでは、ビルドスクリプト内でプロジェクトの依存関係を宣言します。例えば、外部ライブラリの依存関係を記述すると: Gradleはこれらの依存関係を解決し、必要なJARファイルなどをダウンロードします。 GradleもMaven同様、リモートリポジトリから依存関係を解決します。また、ローカルリポジトリも使用し、依存関係のキャッシュやインストール済みアーティファクトを管理します。デフォルトで中央リポジトリを使用しますが、他のリポジトリも追加できます。 ソフトウェア開発において、ビルドツールとCI/CD(Continuous Integration/Continuous Delivery)ツールの統合は効率的な開発プロセスの鍵となります。これにより、ソースコードの変更が自動的にビルド、テスト、デプロイされ、品質の高いソフトウェアが迅速に提供されます。 ビルドツールとCI/CDツールの連携は、さまざまなツールで異なる方法で行われますが、一般的なステップは以下の通りです: 継続的インテグレーション(CI)は、開発者がコードを共有リポジトリにプッシュしたときに自動的にビルドとテストをトリガーし、問題を早期に発見するプラクティスです。ビルドツールとCI/CDツールの統合により、これらのプロセスが自動的に行われ、開発者は安定したコードベースを保つことができます。CI/CDツールは、ビルドの自動化、テストの実行、デプロイの自動化などを通じて、継続的なソフトウェアデリバリーを実現します。
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本書は、ソフトウェア開発における効率的なビルドプロセスの理解と適用を目指します。ビルドツールの基本概念から一般的なツール(Make、Ant、Maven、Gradleなど)の具体的な使用法までを網羅し、実践的なスキルを養成します。開発者がコードのビルド、テスト、デプロイをスムーズに行うための手法やベストプラクティスに焦点を当て、CI/CDとの統合も含めた包括的な知識を提供します。業界標準のビルドツールをマスターすることで、効果的なチーム協力と高品質なソフトウェアの開発に寄与する能力を身につけましょう。
{{Wikipedia|ビルド (ソフトウェア)#ビルドの自動化}} 本書は、ソフトウェア開発における効率的なビルドプロセスの理解と適用を目指します。ビルドツールの基本概念から一般的なツール(Make、Ant、Maven、Gradleなど)の具体的な使用法までを網羅し、実践的なスキルを養成します。開発者がコードのビルド、テスト、デプロイをスムーズに行うための手法やベストプラクティスに焦点を当て、CI/CDとの統合も含めた包括的な知識を提供します。業界標準のビルドツールをマスターすることで、効果的なチーム協力と高品質なソフトウェアの開発に寄与する能力を身につけましょう。 == ビルドツールの基本概念 == === 導入 === ==== ビルドツールの定義と重要性 ==== ソフトウェア開発において、ビルドツールはソースコードから実行可能なプログラムへの変換を担当し、開発プロセスの重要な要素となっています。ビルドツールはソースコードのコンパイル、リンク、テスト、およびデプロイなどのタスクを効率的かつ自動化された方法で実行し、開発者がアプリケーションの品質を保ちつつ、素早く変更を反映できるようにします。 ==== ビルドプロセスの概要 ==== ビルドプロセスは、ソースコードからバイナリや実行可能なアプリケーションへの変換手順を指します。これは通常、複数のファイルやモジュールのコンパイル、依存関係の解決、リソースの処理、テストの実行、そして最終的な成果物の生成などから成り立ちます。ビルドプロセスが効率的で再現可能であることは、大規模で複雑なプロジェクトにおいて不可欠であり、ビルドツールはその実現に貢献します。 === ビルドの基本原則 === ==== ソースコードから実行可能なプログラムへの変換 ==== ビルドの主な目的は、人間が読み書きしやすいソースコードを、機械が理解できる形式である実行可能なプログラムに変換することです。この変換プロセスには複数のステップが含まれ、通常はコンパイル、リンク、および必要なリソースの結合などが含まれます。コンパイラは、ソースコードを機械語や中間コードに変換し、リンカはそれらを結合して最終的な実行可能ファイルを生成します。 ==== 依存関係とビルドの順序 ==== ビルドプロセスでは、ソースコードやリソースの間に存在する依存関係を理解し、適切な順序でビルドを行うことが重要です。依存関係が解決されない場合、不正確な成果物やエラーが発生する可能性があります。ビルドツールはこれらの依存関係をトラッキングし、変更がある場合には変更された部分だけを再ビルドするなど、適切な順序でビルドを実行することで開発プロセスの効率を向上させます。 === ビルドツールの種類 === ==== Make、CMake、Ninja、Rake、Apache Ant、Maven、Gradleなどの一般的なビルドツールの紹介 ==== ソフトウェア開発において、さまざまなビルドツールが利用されます。これらのツールはプログラムのコンパイルやリソースの管理など、様々なビルドタスクを効率的に処理します。 ;Make: :ターゲット、依存関係、コマンドを定義するMakefileを使用するクロスプラットフォームなビルドツール。 ;CMake: :プラットフォームに依存しないビルド設定を生成するためのクロスプラットフォームなツール。MakefilesやVisual Studioプロジェクトなどを生成できる。 ;Ninja: :高速で軽量なビルドツールで、特に大規模なプロジェクトに適しています。CMakeと組み合わせて使用されることが多い。 ;Rake: :Ruby製のビルドツールで、Rubyスクリプトを使用してビルドタスクを記述します。主にRubyプロジェクトで使用されます。 ;Apache Ant: :Javaプロジェクト向けのビルドツール。XML形式のビルドファイルを使用してビルドプロセスを記述します。 ;Maven: :Javaプロジェクトの依存性管理やビルドを行うためのツール。プロジェクトのライフサイクルを管理し、標準的なディレクトリ構造に基づいてビルドを行います。 ;Gradle: :Kotlin DSL(ドメイン固有言語)を使用したビルドツール。柔軟性が高く、JavaやAndroidプロジェクトで広く利用されています。 これらのビルドツールはプロジェクトの要件や開発者の好みによって選択され、効果的なビルドプロセスの構築に貢献しています。 == Make == {{Main|プログラミング/make}} === Makefileの基礎 === ==== ターゲット、依存関係、コマンドの基本構造 ==== Makeはソフトウェアビルドの自動化に使用される強力なツールで、その中心的な概念はMakefileに基づいています。Makefileは、ビルドプロセスのルールを定義します。基本構造は以下の通りです: :<syntaxhighlight lang=makefile> target: dependencies command </syntaxhighlight> * ターゲット(Target): ビルドの対象となるファイルやタスクの名前です。 * 依存関係(Dependencies): ターゲットを構築するために必要なファイルやタスクのリストです。 * コマンド(Command): ターゲットを構築するための具体的なコマンドやスクリプトです。 ** コマンドの左はタブです。 ==== 変数の使用 ==== Makefileでは変数を使用して値を格納し、再利用することができます。変数は以下のように定義されます: :<syntaxhighlight lang=makefile> VAR_NAME = value </syntaxhighlight> そして、後で変数を使用する際には<code>$(VAR_NAME)</code>のように記述します。 === Makeの基本ターゲット === ==== make、make clean、make installなどの基本ターゲットの使用方法 ==== # <code>make</code>ターゲット: #* <code>make</code>コマンドはMakefileを読み込み、最初のターゲットを実行します。 #* 例: <code>make</code> # <code>clean</code>ターゲット: #* 一時ファイルや生成物を削除するためのターゲット。 #* 例: <code>make clean</code> # <code>install</code>ターゲット: #* アプリケーションをシステムにインストールするためのターゲット。 #* 例: <code>make install</code> これらの基本ターゲットは、Makefile内で事前に定義されていることが一般的ですが、必要に応じて独自のターゲットを追加することも可能です。 == CMake == {{Main|CMake}} CMakeは、クロスプラットフォームなビルド設定を生成するためのオープンソースのビルドシステムです。CMakeは、プロジェクトの構造や依存関係を定義するCMakeLists.txtと呼ばれるスクリプトを使用します。このスクリプトは、MakefileやVisual Studioプロジェクトなどの具体的なビルドファイルに変換され、異なる環境やプラットフォームでのビルドを可能にします。CMakeは特に、C++プロジェクトのために広く使用され、高い柔軟性を提供します。 == Ninja == {{Main|Ninja}} Ninjaは、高速で軽量なビルドツールで、Googleが開発したオープンソースのプロジェクトです。NinjaはMakeよりも高速で、大規模なプロジェクトに特に適しています。CMakeと組み合わせて使用されることが一般的で、CMakeが生成するMakefileなどを実行する代わりに、Ninjaが直接ビルドを行います。シンプルで効率的なビルドツールとして広く利用されています。 == Rake == Rakeは、Ruby言語で記述されたビルドツールで、Rubyプロジェクトで一般的に使用されます。Rakefileと呼ばれるスクリプトを使用してビルドタスクを定義し、依存関係のあるタスクの順序を指定できます。Rubyスクリプトの柔軟性と豊富な機能を活かして、ビルドやデプロイ、テストなどのタスクを記述することができます。Rakeは、特にRuby on RailsなどのRubyベースのフレームワークでよく使用されます。 == Apache Ant == === Antの基礎 === ==== ビルドファイルの基本構造 ==== Apache Antは、Javaプロジェクトのビルドとデプロイを自動化するためのツールで、XML形式のビルドファイルを使用します。ビルドファイルは通常、<code>build.xml</code>という名前で保存されます。基本構造は以下の通りです: ;build.xml:<syntaxhighlight lang=xml> <project name="MyProject" default="build" basedir="."> <!-- ターゲットやタスクの定義 --> </project> </syntaxhighlight> ==== タスクの作成と使用 ==== Antのビルドファイルでは、タスクがビルドプロセスの基本単位です。タスクは以下のようにして定義されます: :<syntaxhighlight lang=xml> <taskname attribute="value" /> </syntaxhighlight> 例えば、Javaコンパイルタスクは以下のように記述されます: :<syntaxhighlight lang=xml> <javac srcdir="src" destdir="build" /> </syntaxhighlight> === Antのプロジェクト管理 === ==== プロパティの使用 ==== プロパティはAntビルドファイル内で変数として使用され、値を格納するために利用されます。プロパティは以下のように定義されます: :<syntaxhighlight lang=xml> <property name="project.name" value="MyProject" /> </syntaxhighlight> そして、後でプロパティを参照する際には<code>${project.name}</code>のように使用します。 ==== ファイルセットとディレクトリセット ==== Antでは、特定のファイルやディレクトリのセットを操作するためにファイルセットとディレクトリセットが利用されます。これらは以下のように定義されます: :<syntaxhighlight lang=xml> <fileset dir="src" includes="**/*.java" /> <dirset dir="lib" /> </syntaxhighlight> これらのセットは、コピー、削除、圧縮などの操作に使用され、プロジェクト内でのリソースの管理を容易にします。Antは柔軟性があり、Javaプロジェクトのビルドおよびデプロイに広く使用されています。 == Apache Maven == === Mavenの概要 === ==== プロジェクト構造と概念 ==== Apache Mavenは、Javaプロジェクトのビルド、テスト、デプロイを管理するためのツールであり、プロジェクトの構造を一貫性のある形で管理します。Mavenプロジェクトは通常、以下のディレクトリ構造を持ちます: :<syntaxhighlight lang=text> myproject |-- src | |-- main | | |-- java | | |-- resources | |-- test | |-- java | |-- resources |-- target |-- pom.xml </syntaxhighlight> <code>pom.xml</code>はプロジェクトオブジェクトモデル(POM)と呼ばれ、プロジェクトの設定や依存関係などの情報を定義します。 ==== ビルドライフサイクル ==== Mavenはビルドを「ライフサイクル」と呼ばれる一連のフェーズに分割します。典型的なライフサイクルは以下の通りです: * <code>clean</code>: ビルド前のクリーンアップ * <code>validate</code>: プロジェクトが正しく動作するか検証 * <code>compile</code>: ソースコードをコンパイル * <code>test</code>: 単体テストを実行 * <code>package</code>: アプリケーションをパッケージ化 * <code>install</code>: ローカルリポジトリにパッケージをインストール * <code>deploy</code>: リモートリポジトリにパッケージをデプロイ === Mavenの依存性管理 === ==== 依存性の宣言と解決 ==== Mavenでは、プロジェクトが依存する外部ライブラリやモジュールを明示的に宣言します。これは<code>pom.xml</code>内で以下のように記述されます: ;pom.xml:<syntaxhighlight lang=txml> <dependencies> <dependency> <groupId>groupID</groupId> <artifactId>artifactID</artifactId> <version>version</version> </dependency> <!-- 他の依存関係 --> </dependencies> </syntaxhighlight> Mavenはこれらの依存関係を解析し、必要なJARファイルなどを自動的にダウンロードしてプロジェクトに組み込みます。 ==== Mavenリポジトリ ==== Mavenはビルドに必要な依存関係を取得するために、中央リポジトリなどのリモートリポジトリを使用します。また、ローカルリポジトリも管理し、インストールされたアーティファクトをキャッシュします。これにより、再ビルド時に依存関係を再度ダウンロードする必要がありません。 == Gradle == {{Main|Gradle}} ==== プロジェクト構造とビルドスクリプト ==== Gradleは、Kotlin DSLを使用してビルドスクリプトを記述します。プロジェクトは通常、以下のディレクトリ構造を持っています: :<syntaxhighlight lang=text> myproject |-- src | |-- main | | |-- java | | |-- resources | |-- test | |-- java | |-- resources |-- build.gradle.kts </syntaxhighlight> ビルドスクリプトは、プロジェクトの依存関係、タスクの定義、ビルドのカスタマイズなどを記述します。 ==== タスクの定義と実行 ==== Gradleでは、タスクがビルドプロセスの基本単位です。タスクはビルドスクリプト内で以下のように定義されます: :<syntaxhighlight lang=kotlin> tasks.register("myTask") { doLast { // タスクの実行内容 } } </syntaxhighlight> そして、ターミナルで <code>./gradlew myTask</code> のようにしてタスクを実行できます。 === Gradleの依存性管理 === ==== 依存性の記述と解決 ==== Gradleでは、ビルドスクリプト内でプロジェクトの依存関係を宣言します。例えば、外部ライブラリの依存関係を記述すると: :<syntaxhighlight lang=kotlin> dependencies { implementation("groupID:artifactID:version") // 他の依存関係 } </syntaxhighlight> Gradleはこれらの依存関係を解決し、必要なJARファイルなどをダウンロードします。 ==== Gradleのリポジトリ ==== GradleもMaven同様、リモートリポジトリから依存関係を解決します。また、ローカルリポジトリも使用し、依存関係のキャッシュやインストール済みアーティファクトを管理します。デフォルトで中央リポジトリを使用しますが、他のリポジトリも追加できます。 == CI/CDとの統合 == === ビルドツールとCI/CDパイプラインの統合 === ソフトウェア開発において、ビルドツールとCI/CD(Continuous Integration/Continuous Delivery)ツールの統合は効率的な開発プロセスの鍵となります。これにより、ソースコードの変更が自動的にビルド、テスト、デプロイされ、品質の高いソフトウェアが迅速に提供されます。 ==== Jenkins、Travis CI、CircleCIなどのCI/CDツールとの連携 ==== ビルドツールとCI/CDツールの連携は、さまざまなツールで異なる方法で行われますが、一般的なステップは以下の通りです: ;ソースコードのリポジトリとの連携: :CI/CDツールには、ビルドツールと連携するためのリポジトリへのアクセス権限が必要です。通常、GitHub、GitLab、Bitbucketなどのリポジトリとの統合がサポートされています。 ;ビルドジョブの設定: :CI/CDツールでビルドジョブを設定し、ビルドツールのコマンドやスクリプトを指定します。ビルドジョブは、ソースコードが変更されたときにトリガーされるように構成されます。 ;ビルドアーティファクトの生成: :ビルドツールはソースコードをビルドし、生成されたアーティファクト(実行可能ファイル、ライブラリ、デプロイ可能なパッケージなど)をCI/CDツールに提供します。 ;テストの実行: :CI/CDツールはビルドされたアーティファクトに対してテストを実行し、品質の確認を行います。テストが成功すると、次のステップに進みます。 ;デプロイと展開: :成功したビルドとテストの後、CI/CDツールはアプリケーションをデプロイ可能な状態にし、目的の環境にデプロイや展開を行います。 ==== ビルドの自動化と継続的インテグレーション ==== 継続的インテグレーション(CI)は、開発者がコードを共有リポジトリにプッシュしたときに自動的にビルドとテストをトリガーし、問題を早期に発見するプラクティスです。ビルドツールとCI/CDツールの統合により、これらのプロセスが自動的に行われ、開発者は安定したコードベースを保つことができます。CI/CDツールは、ビルドの自動化、テストの実行、デプロイの自動化などを通じて、継続的なソフトウェアデリバリーを実現します。 == ベストプラクティスとトラブルシューティング == ==== メンテナビリティ向上のためのヒントとコツ ==== ==== ビルドの最適化 ==== == ベストプラクティスとトラブルシューティング == === ビルドツールのベストプラクティス === ;明示的な依存関係の管理: :ビルドツールの設定やビルドスクリプトにおいて、依存関係を明示的に管理しましょう。これにより、プロジェクトの構造や依存関係が一目で理解でき、メンテナンスが容易になります。 ;設定ファイルの外部化: :設定やビルドオプションは可能な限り外部の設定ファイルに分離しましょう。これにより、異なる環境でのビルドや設定の変更が容易になります。 ;バージョン管理の適用: :ビルドツールの設定ファイルやスクリプトをバージョン管理ツールで管理し、変更履歴を追跡しましょう。これにより、バージョン間の変更点を確認でき、問題が発生した場合には迅速に戻すことができます。 ;ビルドの分割: :ビルドプロセスを複数のステップに分割し、それぞれのステップを独立して実行できるようにします。これにより、特定のステップのみ再実行することができ、ビルド時間を短縮できます。 ;ビルドの最適化 :;並列ビルドの活用: ::ビルドプロセスを複数のタスクやモジュールに分割し、複数のプロセッサやコアを使用してビルドを並列実行します。これによりビルドの高速化が図れます。 :;キャッシュの活用: ::ビルドの中間生成物や依存関係のダウンロード結果などをキャッシュし、再ビルド時に再利用することで、ビルド時間を短縮できます。 :;不要なタスクのスキップ: ::ビルドにおいて実行不要なタスクをスキップすることで、冗長な処理を省き、ビルドの効率を向上させます。 :;プロファイリングと最適化: ::ビルドプロセスの実行時にどの部分が時間を消費しているかをプロファイリングし、ボトルネックとなっている箇所を最適化します。 ;トラブルシューティング :;エラーメッセージの理解: ::ビルドエラーや警告メッセージを正確に理解しましょう。エラーメッセージは問題の特定に役立ちます。 ::デバッグモードの利用: ::ビルドツールが提供するデバッグモードを利用して、ビルドプロセスの実行をデバッグします。変数の値やタスクの実行順序を確認できます。 :;ログの詳細化: ::ビルドログの詳細度を上げて、実行された各タスクやスクリプトの出力を確認しましょう。 :;依存関係の確認: ::ビルドの依存関係が正しく設定されているか確認し、必要なファイルやモジュールが正しく取得されているか確認します。 :;バージョンの整合性: ::使用しているビルドツールやプラグインのバージョンが互換性を持っているか確認しましょう。アップデートが必要な場合は、バージョンの整合性を確保します。 [[Category:ビルドツール]]
2024-01-24T23:54:14Z
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MSYS2
MSYS2は、Windows上で開発ツールやライブラリを利用するための環境を提供するソフトウェアパッケージです。MSYS2を使用すると、GNU/Linuxに近い環境でソフトウェアをビルドしたり実行したりすることができます。以下に、MSYS2の基本的な使い方に関する情報を提供しますが、MSYS2のバージョンや変更点によっては、最新の公式ドキュメントを確認することをお勧めします。 MSYS2をインストールする手順は以下の通りです。 MSYS2は継続的にメンテナンスされており、パッケージのアップデートが提供されます。定期的にアップデートを行うことで、最新のツールやライブラリを利用できます。 MSYS2では、pacman パッケージマネージャを使用してソフトウェアパッケージをインストールします。 MSYS2を使用してソフトウェアをビルドする場合、一般的にはGCC(GNU Compiler Collection)が利用されます。必要に応じて、以下のコマンドでGCCをインストールできます。 MSYS2を使用すると、WindowsのファイルパスとMSYS2の仮想ファイルシステムのパスが異なるため、パスの設定に注意が必要です。 MSYS2のターミナルを起動すると、MSYS2 MinGW 64-bitまたは32-bit ターミナルが使用可能です。これを利用してコマンドを実行したり、ソフトウェアをビルドしたりできます。 これはMSYS2の基本的な使用方法の概要です。 詳細な情報や特定のユースケースに合わせた手順は、MSYS2の公式ドキュメント を参照してください。 MSYS2は、Windows上でのソフトウェア開発やビルドに便利なツールとして広く使用されています。以下は、MSYS2の主なユースケースの一部です。 これらは一般的なMSYS2のユースケースの例です。プロジェクトによっては、MSYS2が提供する柔軟性や便利なツールがさまざまな開発タスクに適していることがあります。 MSYS2を使用する際のベストプラクティスは、効率的な開発環境を構築し、問題を最小限に抑えるために役立ちます。以下は、MSYS2の使用時に考慮すべきいくつかのベストプラクティスです。 これらのベストプラクティスは、MSYS2を使用して効果的かつ問題なく開発するための手順の一部です。プロジェクトの性質や要件によっては、これに加えてさらなる最適化や特定のツールの利用が必要となるかもしれません。 MSYS2とCygwinは、どちらもWindows上でUnix/Linux風の環境を提供するためのツールですが、いくつかの重要な違いがあります。以下に、MSYS2とCygwinの主な違いをいくつか挙げてみましょう。 どちらを選択するかは、開発の目的や要件に依存します。MSYS2はネイティブWindowsアプリケーションの開発に適していますが、CygwinはGNU/Linux向けのプログラムをWindows上で実行したい場合に適しています。 MSYS2とWindows Subsystem for Linux (WSL) は、Windows上でUnix/Linux風の環境を提供するツールですが、それぞれ異なる目的やアプローチを持っています。以下は、MSYS2とWSLの主な違いです。 これらの違いから、MSYS2とWSLはそれぞれ異なるユースケースに向いています。開発者やユーザーは、具体的な要件に基づいてどちらを選択するかを検討する必要があります。 MSYS2は、MSYS(Minimal SYStem)の後継として開発され、その歴史的変遷は以下のようになっています。 MSYS2は、Windows上での開発作業を容易にするための重要なツールとして、広く採用されています。アクティブな開発とコミュニティのサポートにより、MSYS2は継続的に進化し、開発者が現代的で効率的な環境で作業できるようになっています。 GNU(GNU's Not Unix)は、Unixライクな環境を提供するオープンソースのソフトウェアプロジェクトです。MSYS2は、GNUのツールセットを基盤としています。以下は、GNUとMSYS2の関係についてのポイントです: 総じて、MSYS2はGNUの哲学とツールセットを尊重しながら、Windows上でGNUおよびUnix/Linux風の環境を提供することに焦点を当てています。GNUプロジェクトは、オープンソースソフトウェアの発展に多大な影響を与えており、MSYS2はその一環として構築されています。 MSYS2のソースコードや関連するリソースにアクセスするための情報は、公式のMSYS2ウェブサイトやGitHubリポジトリから入手できます。以下にそのリンクを示します。 これらのリソースを通じて、MSYS2に関する最新の情報や資料、ソースコードにアクセスすることができます。MSYS2の開発や使用に関心を持っている場合は、これらのリンクを確認することをお勧めします。
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MSYS2は、Windows上で開発ツールやライブラリを利用するための環境を提供するソフトウェアパッケージです。MSYS2を使用すると、GNU/Linuxに近い環境でソフトウェアをビルドしたり実行したりすることができます。以下に、MSYS2の基本的な使い方に関する情報を提供しますが、MSYS2のバージョンや変更点によっては、最新の公式ドキュメントを確認することをお勧めします。
{{Wikipedia|MSYS#MSYS2}} MSYS2は、Windows上で開発ツールやライブラリを利用するための環境を提供するソフトウェアパッケージです。MSYS2を使用すると、GNU/Linuxに近い環境でソフトウェアをビルドしたり実行したりすることができます。以下に、MSYS2の基本的な使い方に関する情報を提供しますが、MSYS2のバージョンや変更点によっては、最新の公式ドキュメントを確認することをお勧めします。 == 基本的な使い方 == === インストール === MSYS2をインストールする手順は以下の通りです。 # [https://www.msys2.org/ MSYS2の公式サイト] からインストーラーをダウンロードします。 # インストーラーを起動し、指示に従ってMSYS2をインストールします。 # インストールが完了したら、MSYS2 MinGW 64-bitまたは32-bit ターミナルを起動します。 === パッケージのアップデート === MSYS2は継続的にメンテナンスされており、パッケージのアップデートが提供されます。定期的にアップデートを行うことで、最新のツールやライブラリを利用できます。 :<syntaxhighlight> pacman -Syu </syntaxhighlight> === パッケージのインストール === MSYS2では、<code>pacman</code> パッケージマネージャを使用してソフトウェアパッケージをインストールします。 :<syntaxhighlight> pacman -S <package_name> </syntaxhighlight> === ビルドツールの利用 === MSYS2を使用してソフトウェアをビルドする場合、一般的にはGCC(GNU Compiler Collection)が利用されます。必要に応じて、以下のコマンドでGCCをインストールできます。 :<syntaxhighlight> pacman -S mingw-w64-x86_64-gcc </syntaxhighlight> === パスの設定 === MSYS2を使用すると、WindowsのファイルパスとMSYS2の仮想ファイルシステムのパスが異なるため、パスの設定に注意が必要です。 :<syntaxhighlight> export PATH=/mingw64/bin:$PATH </syntaxhighlight> === MSYS2 MinGW 64-bitまたは32-bit ターミナル === MSYS2のターミナルを起動すると、MSYS2 MinGW 64-bitまたは32-bit ターミナルが使用可能です。これを利用してコマンドを実行したり、ソフトウェアをビルドしたりできます。 これはMSYS2の基本的な使用方法の概要です。 詳細な情報や特定のユースケースに合わせた手順は、MSYS2の公式ドキュメント を参照してください。 == ユースケース == MSYS2は、Windows上でのソフトウェア開発やビルドに便利なツールとして広く使用されています。以下は、MSYS2の主なユースケースの一部です。 ;クロスプラットフォームのソフトウェア開発: MSYS2を使用すると、Windows上でLinuxに近い環境を構築できます。これにより、クロスプラットフォームのソフトウェアを開発する際に、Linux環境と同じようにビルドやテストを行うことができます。 ;UNIXツールの利用: MSYS2には、Unix系のコマンドやツールが含まれています。これにより、Windows上でUNIXコマンドを使用してファイルの操作やシェルスクリプトを実行することが可能です。 ;C/C++の開発: MSYS2は、GCCを含むC/C++開発用のツールチェーンを提供しています。これにより、Windows上でC/C++のプログラムをビルドし、実行することができます。 ;パッケージ管理: MSYS2はパッケージマネージャであるPacmanを提供しており、簡単に必要なライブラリやツールをインストールできます。これは特に、他のプロジェクトや依存関係の解決に役立ちます。 ;コンソールベースの開発: MSYS2のコンソール環境は、ターミナルでの開発やスクリプトの実行に適しています。開発者が慣れ親しんだGNU/Linuxのコマンドを使用できるため、効率的な作業が可能です。 ;ネイティブWindowsアプリケーションのビルド: MSYS2を使用してWindows APIやネイティブなWindowsアプリケーションを開発することもできます。ただし、通常のWindows開発とは異なり、MSYS2は主にUnix系のツールと統合されています。 これらは一般的なMSYS2のユースケースの例です。プロジェクトによっては、MSYS2が提供する柔軟性や便利なツールがさまざまな開発タスクに適していることがあります。 == ベストプラクティス == MSYS2を使用する際のベストプラクティスは、効率的な開発環境を構築し、問題を最小限に抑えるために役立ちます。以下は、MSYS2の使用時に考慮すべきいくつかのベストプラクティスです。 # 正確なパッケージのインストール: 開発に必要なライブラリやツールは、正確なパッケージ名を指定して<code>pacman</code>でインストールしましょう。不足しているパッケージがビルドエラーや実行時の問題の原因となることがあります。=== # 正しいビルドツールのインストール: 開発には適切なビルドツールが必要です。C/C++開発を行う場合は、GCCなどをインストールしておきましょう。=== # パッケージの定期的なアップデート: 定期的に<code>pacman -Syu</code>コマンドを実行してMSYS2自体とインストールされているパッケージを最新の状態に保ちましょう。これにより、セキュリティの向上や最新の機能の利用が可能です。=== # パスの設定: ビルドツールやインストールしたプログラムを使用するために、適切なパスを設定しておくことが重要です。例えば、GCCのバイナリが含まれているディレクトリをパスに追加します。=== #:<syntaxhighlight> export PATH=/mingw64/bin:$PATH </syntaxhighlight> # ファイルパスの注意: MSYS2とWindowsではファイルパスが異なるため、注意が必要です。WindowsのパスとMSYS2のパスの相互変換には、<code>cygpath</code>ツールを使用することができます。=== #:<syntaxhighlight> cygpath -w /path/to/file </syntaxhighlight> # MSYS2 MinGW 64-bitまたは32-bit ターミナルの選択: MSYS2にはMinGW 64-bitおよび32-bitの2つのターミナルが用意されています。プロジェクトの要件に合わせて適切なターミナルを選択して使用しましょう。 これらのベストプラクティスは、MSYS2を使用して効果的かつ問題なく開発するための手順の一部です。プロジェクトの性質や要件によっては、これに加えてさらなる最適化や特定のツールの利用が必要となるかもしれません。 == Cygwin との違い == MSYS2とCygwinは、どちらもWindows上でUnix/Linux風の環境を提供するためのツールですが、いくつかの重要な違いがあります。以下に、MSYS2とCygwinの主な違いをいくつか挙げてみましょう。 # 目的の違い: #* MSYS2: 主にネイティブなWindowsアプリケーションのビルドや開発をサポートすることに焦点を当てています。MSYS2は、Windows APIやネイティブなWindowsコンパイラ(MinGWなど)を使用する開発者向けに設計されています。 #* Cygwin: Windows上で動作するUnix/Linux風の環境を提供し、Unix/Linux向けに開発されたプログラムやツールをWindows上で実行できるようにします。Cygwinは、ユーザーがWindows環境でUnix/Linuxのプログラムやツールを使用できるようにすることが主な目的です。 # ファイルパスの扱い: #* MSYS2: WindowsファイルパスとUnixファイルパスを変換するために、<code>/c/Program Files</code>のようなUnixスタイルのパスを使用します。 #* Cygwin: WindowsファイルパスとCygwin内のファイルパスは厳密にマッピングされ、<code>C:\Program Files</code>などのWindowsスタイルのパスがそのまま使用されます。 # ランタイムライブラリ: #* MSYS2: MinGW(Minimalist GNU for Windows)を使用し、ネイティブなWindows APIをサポートします。MSYS2のパッケージは通常、MinGW向けにビルドされています。 #* Cygwin: Cygwin環境は、Cygwin DLLと呼ばれる特別なランタイムライブラリに依存しています。これにより、Cygwin環境内で動作するプログラムはCygwin DLLに依存します。 # パッケージマネージャ: #* MSYS2: Pacmanパッケージマネージャを使用します。Pacmanはシンプルで効率的なパッケージ管理を提供します。 #* Cygwin: Cygwinのパッケージ管理ツールは <code>apt-cyg</code> などがありますが、Cygwinは元々Unix風の環境を提供することが目的で、パッケージ管理はサードパーティのツールに依存しています。 # バイナリ互換性: #* MSYS2: Windows DLL(Dynamic Link Library)やWindows APIに対するバイナリ互換性があり、ネイティブなWindowsアプリケーションがビルドされます。 #* Cygwin: Cygwin DLLが必要なため、Cygwin上でビルドされたプログラムはCygwin DLLに依存し、他のWindows環境で動作するためにはDLLも一緒に提供する必要があります。 どちらを選択するかは、開発の目的や要件に依存します。MSYS2はネイティブWindowsアプリケーションの開発に適していますが、CygwinはGNU/Linux向けのプログラムをWindows上で実行したい場合に適しています。 == WSL との違い == MSYS2とWindows Subsystem for Linux (WSL) は、Windows上でUnix/Linux風の環境を提供するツールですが、それぞれ異なる目的やアプローチを持っています。以下は、MSYS2とWSLの主な違いです。 ;目的: :;MSYS2: Windows上でネイティブなWindowsアプリケーションの開発やビルドをサポートすることが主な目的です。MSYS2はMinGWを使用しており、Windows APIに直接アクセスできます。 :;WSL: Windows Subsystem for Linuxは、Windows上でLinuxディストリビューションを実行することを可能にします。WSLは、LinuxのツールやコマンドをWindows上で利用できるようにします。 ;ランタイム: :;MSYS2: Windowsネイティブのランタイムと相互運用します。Windows APIやネイティブなWindowsプログラムをサポートします。 :;WSL: Linuxカーネルが提供され、WSL上ではLinuxのユーザーランドが動作します。Linuxツールやプログラムが利用可能で、Linuxのバイナリが直接実行できます。 ;ファイルシステム: :;MSYS2: WindowsファイルシステムとMSYS2の仮想ファイルシステムが連携しており、WindowsパスとUnixスタイルのパスが混在します。 :;WSL: WSLはWindowsとは異なるファイルシステムを使用し、Linuxの標準的なファイルツリー構造を提供します。Windowsファイルシステムへのアクセスも可能です。 ;パッケージ管理: :;MSYS2: Pacmanパッケージマネージャを使用します。MSYS2環境において、MinGWや他のツールを簡単に導入できます。 :;WSL: Linuxディストリビューションの特有のパッケージ管理ツール(例: APT、YUM)を使用します。 ;性能: :;MSYS2: Windowsネイティブのランタイムを使用しており、相対的に軽量で高速です。 :;WSL: Linuxカーネルを使用するため、WSL上で動作するプログラムはWindowsネイティブのプログラムよりもやや遅い場合があります。 ;利用シナリオ: :;MSYS2: Windows上でのネイティブアプリケーション開発、ビルド、およびシェルスクリプトの実行が主な用途です。 :;WSL: Linux向けのアプリケーション開発、シェルスクリプトの実行、Linux環境でのコマンドラインツールの利用が主な用途です。 これらの違いから、MSYS2とWSLはそれぞれ異なるユースケースに向いています。開発者やユーザーは、具体的な要件に基づいてどちらを選択するかを検討する必要があります。 == 小史 == MSYS2は、MSYS(Minimal SYStem)の後継として開発され、その歴史的変遷は以下のようになっています。 ;MSYS2の始まり (2013): :MSYS2プロジェクトは、MSYSの限界や不足点を解決し、Windows上でのソフトウェア開発をより効果的に行うために始まりました。MSYS2は、MSYSの目標を引き継ぎつつ、新しい特徴と改良点を導入しました。 ;新しいパッケージ管理ツール: :MSYS2は、Pacmanと呼ばれる新しいパッケージ管理ツールを導入し、ユーザーに簡単で強力なパッケージ管理機能を提供しました。これにより、ユーザーはコマンドラインを使用してソフトウェアパッケージを簡単にインストール、アップデート、削除できるようになりました。 ;64ビットサポートの追加: :MSYS2は64ビット版をサポートし、ユーザーは32ビット版と64ビット版のどちらを選択して使用するかを選択できるようになりました。これにより、より大規模で高性能なアプリケーションの開発が可能になりました。 ;MSYS2の安定版リリース (2015): :MSYS2は安定版をリリースし、Windows上でUnix風の環境を提供すると同時に、多くの開発者やユーザーによって採用されるようになりました。安定したパッケージ管理とアクティブな開発コミュニティにより、MSYS2はますます人気を集めるようになりました。 ;継続的な改良とアップデート: :MSYS2は継続的に改良が行われ、新しい機能が追加され、セキュリティの向上が図られています。新しいツールやライブラリのサポート、バグ修正などが行われています。 MSYS2は、Windows上での開発作業を容易にするための重要なツールとして、広く採用されています。アクティブな開発とコミュニティのサポートにより、MSYS2は継続的に進化し、開発者が現代的で効率的な環境で作業できるようになっています。 == GNUとの関係 == GNU(GNU's Not Unix)は、Unixライクな環境を提供するオープンソースのソフトウェアプロジェクトです。MSYS2は、GNUのツールセットを基盤としています。以下は、GNUとMSYS2の関係についてのポイントです: ;GNUツールセットの使用: :MSYS2は、UnixやGNUプロジェクトに由来するツールセットをWindows上で使用することを可能にします。これには、GNU Compiler Collection (GCC) やGNU Bash、Coreutils、grep、sed、awkなどが含まれています。 ;MinGWとの統合: :MSYS2は、MinGW(Minimalist GNU for Windows)をベースにしています。MinGWは、Windows上でネイティブなWindowsアプリケーションをビルドするためのGNUツールセットを提供しています。MSYS2はこれに加えて、Unix風の環境を提供することで、Windows開発者がLinux/Unixライクな開発環境で作業できるようにします。 ;Pacmanパッケージマネージャ: :MSYS2は、Pacmanと呼ばれるパッケージ管理ツールを使用しています。PacmanはArch Linuxディストリビューションで使われるものを基にしており、MSYS2のユーザーが簡単に必要なツールやライブラリをインストールできるようになっています。 ;GNU Bashの利用: :MSYS2は、GNU Bashをデフォルトのシェルとして提供しています。これにより、ユーザーはUnix/Linux風のコマンドライン環境を使用できます。 ;オープンソースとフリーソフトウェアの思想: :GNUプロジェクトと同様に、MSYS2もオープンソースおよびフリーソフトウェアの原則に基づいています。ユーザーはソースコードにアクセスでき、自由に改変および再配布できます。 総じて、MSYS2はGNUの哲学とツールセットを尊重しながら、Windows上でGNUおよびUnix/Linux風の環境を提供することに焦点を当てています。GNUプロジェクトは、オープンソースソフトウェアの発展に多大な影響を与えており、MSYS2はその一環として構築されています。 == リソース == MSYS2のソースコードや関連するリソースにアクセスするための情報は、公式のMSYS2ウェブサイトやGitHubリポジトリから入手できます。以下にそのリンクを示します。 ;公式ウェブサイト: :[https://www.msys2.org/ MSYS2 公式ウェブサイト] :公式サイトには、MSYS2のダウンロードリンクやドキュメンテーションなどが含まれています。 ;GitHubリポジトリ: :[https://github.com/msys2 MSYS2 GitHubリポジトリ] :MSYS2のソースコード、ビルドスクリプト、および関連する資源がこちらにあります。 ;ドキュメンテーション: :[https://www.msys2.org/docs/what-is-msys2/ MSYS2 公式ドキュメンテーション] :MSYS2の使用方法や設定に関するドキュメントがここに掲載されています。 これらのリソースを通じて、MSYS2に関する最新の情報や資料、ソースコードにアクセスすることができます。MSYS2の開発や使用に関心を持っている場合は、これらのリンクを確認することをお勧めします。
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https://ja.wikibooks.org/wiki/MSYS2
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Cygwin
Cygwinは、Windows環境でUNIX風の環境を提供するツールセットおよびランタイム環境です。これにより、Windows上でGNUのコマンドやユーティリティをはじめとするオープンソースソフトウェアを使用できるようになります。以下は、Cygwinに関する基本的な情報と操作についてのハンドブックです Cygwin(サイグウィン)は、Windows環境でUNIXやLinuxの機能をエミュレートするためのツールセットやランタイム環境です。これにより、Windows上でUNIX風のコマンドやユーティリティを利用できます。CygwinはGNU General Public License(GPL)の下で提供されており、オープンソースのプロジェクトとして開発されています。 Cygwinが提供する主な機能と特徴には以下が含まれます: Cygwinは、WindowsユーザーがUNIXの開発やシステム管理の経験を活かしながら、Windows環境での作業を行うためのツールとして広く利用されています。 これはCygwinの基本的な使い方に関する簡単なハンドブックです。Cygwinの公式ドキュメントやコミュニティのフォーラムも参考にするとより詳細な情報が得られます。 Cygwinは、GNUプロジェクトの一環として、Windows環境でUNIXの機能を提供するためのツールセットおよびランタイム環境として開発されました。以下は、Cygwinの主な歴史的なマイルストーンです。 Cygwinは持続的に改善され、新しい機能や最新のバージョンのGNUツールセットが統合されています。パフォーマンスの向上や新しい機能の追加が続けられています。 Cygwinは現在もアクティブに開発およびサポートされており、WindowsユーザーにUNIX風の環境を提供し続けています。最新のWindowsバージョンに対応するよう定期的にアップデートが行われています。 Cygwinは、Windows環境での開発やシステム管理において、UNIXのツールやコマンドを使いたいユーザーにとって非常に有用なツールとなっています。 Cygwinのユースケースは、Windows環境でUNIX風のコマンドライン環境を提供することです。これにより、以下のようなユースケースが考えられます。 Cygwinを使用する際のベストプラクティスは以下の通りです。 これらのベストプラクティスを考慮することで、Cygwinを効果的かつ安全に使用できます。
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Cygwinは、Windows環境でUNIX風の環境を提供するツールセットおよびランタイム環境です。これにより、Windows上でGNUのコマンドやユーティリティをはじめとするオープンソースソフトウェアを使用できるようになります。以下は、Cygwinに関する基本的な情報と操作についてのハンドブックです
{{Wikipedia}} Cygwinは、Windows環境でUNIX風の環境を提供するツールセットおよびランタイム環境です。これにより、Windows上でGNUのコマンドやユーティリティをはじめとするオープンソースソフトウェアを使用できるようになります。以下は、Cygwinに関する基本的な情報と操作についてのハンドブックです == Cygwinとは == Cygwin(サイグウィン)は、Windows環境でUNIXやLinuxの機能をエミュレートするためのツールセットやランタイム環境です。これにより、Windows上でUNIX風のコマンドやユーティリティを利用できます。CygwinはGNU General Public License(GPL)の下で提供されており、オープンソースのプロジェクトとして開発されています。 Cygwinが提供する主な機能と特徴には以下が含まれます: # UNIX風のコマンドライン環境: #* Cygwinは、UNIXのターミナルやコマンドプロンプトに似たコマンドライン環境を提供します。これにより、Windows上でUNIX風のコマンドを使用できます。 # GNUツールセットの提供: #* Cygwinには、GNUのツールセットが含まれています。これには、<code>bash</code>シェル、<code>ls</code>、<code>cp</code>、<code>mv</code>、<code>rm</code>などの基本的なユーティリティが含まれており、開発者やシステム管理者にとって馴染み深いツールが利用可能です。 # POSIX互換性: #* Cygwinは、Windows APIとPOSIX(Portable Operating System Interface)の相互運用性を提供し、UNIX系システムとの互換性を高めています。これにより、Cygwin環境で動作するプログラムがUNIX環境で動作しやすくなります。 # パッケージ管理システム: #* Cygwinには簡単なパッケージ管理システムが組み込まれており、必要なツールやライブラリを追加できます。これにより、必要なパッケージのインストールやアップデートが容易に行えます。 # クロスプラットフォーム開発: #* Cygwinを使用することで、Windows上でクロスプラットフォームの開発が可能になります。UNIX環境で開発されたプログラムをWindows上でビルドし、実行できます。 Cygwinは、WindowsユーザーがUNIXの開発やシステム管理の経験を活かしながら、Windows環境での作業を行うためのツールとして広く利用されています。 == Cygwinのインストール == # Cygwinのダウンロード: Cygwinの公式ウェブサイト( https://www.cygwin.com/ )から<code>setup-x86_64.exe</code> をダウンロードします。 # インストーラの実行: ダウンロードした<code>setup-x86_64.exe</code> を実行して、Cygwinをインストールします。 # パッケージの選択: インストーラが表示されたら、使用したいパッケージを選択します。基本的なオープンソースユーティリティやシェル、開発ツールなどが含まれています。 #: <code>setup-x86_64.exe</code> は、今後もパッケージ管理に使うので消さないでください。また、<code>setup-x86_64.exe</code> は頻繁にアップデートします。その場合は、最新の <code>setup-x86_64.exe</code> <code>setup-x86_64.exe</code> に引き換えてください。 == Cygwinの使用 == # Cygwin ターミナルの起動: インストールが完了すると、Cygwin ターミナルを起動できます。これは、GNU/Linuxのターミナルに似た環境を提供します。 # 基本的なコマンド: #* <code>ls</code>: ディレクトリの中身を表示。 #* <code>cd</code>: ディレクトリの変更。 #* <code>pwd</code>: 現在のディレクトリを表示。 #* <code>cp</code>, <code>mv</code>, <code>rm</code>: ファイルのコピー、移動、削除。 #* <code>mkdir</code>: ディレクトリの作成。 #* <code>nano</code>または<code>vim</code>: テキストエディタの起動。 # ファイルのパス: #* Windowsのファイルパスは <code>C:\path\to\file</code> のようになりますが、Cygwin内では <code>/cygdrive/c/path/to/file</code> となります。 # パッケージの管理: #* <code>setup-x86_64.exe</code> を再度実行して、新しいパッケージを追加したり、既存のパッケージをアップデートできます。 == よく使われるコマンド == # パッケージの検索とインストール: #:<syntaxhighlight lang=shell> apt-cyg install <package-name> </syntaxhighlight> # パッケージのアンインストール: #:<syntaxhighlight lang=shell> apt-cyg remove <package-name> </syntaxhighlight> # Cygwinのアップデート: #:<syntaxhighlight lang=shell> apt-cyg update </syntaxhighlight> # パッケージリストの表示: #:<syntaxhighlight lang=shell> apt-cyg list </syntaxhighlight> # パッケージの情報表示: #:<syntaxhighlight lang=shell> apt-cyg show <package-name> </syntaxhighlight> これはCygwinの基本的な使い方に関する簡単なハンドブックです。Cygwinの公式ドキュメントやコミュニティのフォーラムも参考にするとより詳細な情報が得られます。 == 小史 == Cygwinは、GNUプロジェクトの一環として、Windows環境でUNIXの機能を提供するためのツールセットおよびランタイム環境として開発されました。以下は、Cygwinの主な歴史的なマイルストーンです。 ;1995年 -- Cygwinの開発が始まる。 :Cygwinは、Cygnus Solutions(後にRed Hatに統合)のスティーブ・チェンバレン(Steve Chamberlain)によって初めて開発されました。当初は、Windows 95とWindows NT 4.0向けの32ビットのランタイムライブラリとツールキットでした。 ;1996年 -- 最初のリリース。 :最初の公式リリースであるCygwin 1.0が登場しました。これにより、Windows上でUNIXの機能を利用できるようになりました。 ;GNU General Public License(GPL)の導入: :CygwinのコアパッケージはGPLで提供され、GNUツールセットとの互換性が強化されました。これにより、CygwinがGNUプロジェクトの一部として位置づけられることとなりました。 ;1999年 -- Cygnus SolutionsがRed Hatに統合。 :Cygwinの開発元であったCygnus Solutionsは、Red Hatに統合されました。これにより、CygwinはRed Hatの一部として開発が継続されました。 ;2000年以降 -- 持続的な改善と開発。 Cygwinは持続的に改善され、新しい機能や最新のバージョンのGNUツールセットが統合されています。パフォーマンスの向上や新しい機能の追加が続けられています。 ;現在: 開発とサポートが継続中。 Cygwinは現在もアクティブに開発およびサポートされており、WindowsユーザーにUNIX風の環境を提供し続けています。最新のWindowsバージョンに対応するよう定期的にアップデートが行われています。 Cygwinは、Windows環境での開発やシステム管理において、UNIXのツールやコマンドを使いたいユーザーにとって非常に有用なツールとなっています。 == ユースケース == Cygwinのユースケースは、Windows環境でUNIX風のコマンドライン環境を提供することです。これにより、以下のようなユースケースが考えられます。 ;クロスプラットフォーム開発: :Windows上での開発作業において、UNIX環境で一般的なツールやスクリプトが必要な場合があります。Cygwinを使用すると、Windows上でこれらのツールを利用できます。 ;シェルスクリプトの実行: :UNIX環境で書かれたシェルスクリプトやコマンドをWindows上で実行するために使用されます。これにより、クロスプラットフォームのスクリプトが実行できます。 ;既存のUNIXアプリケーションの移植: :Cygwinを使用して、UNIXで動作する既存のアプリケーションをWindowsに移植し、Windows上で実行することができます。 ;コマンドライン開発: :Windows上でのコマンドライン開発が必要な場合、Cygwinはgccなどのコンパイラやmakeツールなどの開発ツールを提供します。 ;システム管理: :システム管理者がWindowsサーバーやネットワーク上で作業する場合、Cygwinはシステム管理のためのツールやスクリプトの利用を可能にします。 ;テスト環境の構築: :クロスプラットフォームのソフトウェアをテストする際に、Windows上でUNIX環境を模倣することができます。 ::注意: ただし、CygwinはWindows上でUNIX環境を提供するものであり、完全にUNIXと同じではないため、特定のプログラムやライブラリが正しく動作するかどうかを確認する必要があります。 == ベストプラクティス == Cygwinを使用する際のベストプラクティスは以下の通りです。 # 適切なパッケージの選択: #* インストール時に必要なパッケージを選択してください。デフォルトの設定でインストールすると、基本的なUNIXツールセットが利用可能になりますが、必要に応じて追加のパッケージもインストールできます。 # アップデートの定期的な実行: #* Cygwinのパッケージは定期的に更新されます。<code>setup-x86_64.exe</code>を定期的に実行して、システムを最新の状態に保ちましょう。 # 適切なファイルの変換: #* WindowsとUNIXでは行末の文字が異なるため、テキストファイルを相互に変換することが必要な場合があります。<code>dos2unix</code>や<code>unix2dos</code>といったツールを使用して変換を行います。 # Windowsとの統合: #* Windowsファイルシステムへのアクセスは<code>/cygdrive</code>以下で行います。例えば、<code>C:\</code>ドライブは<code>/cygdrive/c/</code>としてアクセスできます。 # セキュリティ設定: #* Cygwinを使用する際には、Windowsのセキュリティ設定に気を付けてください。特に、Cygwinが利用するディレクトリやファイルに対して適切なアクセス許可を設定しておくことが重要です。 # パフォーマンス向上: #* CygwinはWindows上でUNIX環境をエミュレートしているため、一部の操作でパフォーマンスが低下することがあります。大きなデータセットや処理になるべく注意し、適切な最適化を行うことが望ましいです。 # バックアップとリストア: #* Cygwinの設定やホームディレクトリ、カスタムのスクリプトなどは定期的にバックアップし、必要な場合にはリストアできるようにしておくと便利です。 # ドキュメントの参照: #* Cygwinには豊富なドキュメントが提供されています。公式ドキュメントやコミュニティのフォーラムを参照して、問題のトラブルシューティングやベストプラクティスを学ぶことができます。 これらのベストプラクティスを考慮することで、Cygwinを効果的かつ安全に使用できます。 [[カテゴリ:情報技術]]
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2024-02-06T02:23:23Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Cygwin
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クロス開発
ソフトウェア開発の世界では、様々なプラットフォームやアーキテクチャが共存し、開発者は異なる環境で動作するアプリケーションやソフトウェアを構築する必要があります。本書は、そうした異なるプラットフォーム間でのソフトウェア開発に焦点を当て、クロス開発に関する理解を深めるための手引きです。 クロス開発は、異なるプラットフォームやアーキテクチャ間でソフトウェアを開発する手法です。開発者は、ホスト環境と呼ばれる開発を行う環境とは異なる、実際にソフトウェアが動作するターゲット環境を考慮しながらプログラムを構築します。これにより、例えばx86アーキテクチャの開発環境からARMアーキテクチャのデバイスに対応するプログラムを開発できます。 ホスト環境は開発者がソフトウェアを作成する環境であり、通常はデスクトップコンピュータや開発用のサーバです。一方、ターゲット環境は実際にソフトウェアが動作する場所であり、組み込みデバイスやサーバ、モバイルデバイスなどが該当します。ホストとターゲットの環境が異なるため、クロス開発ではツールやプロセスが適切に調整される必要があります。 クロスコンパイラは、ホスト環境で開発したソースコードをターゲット環境のアーキテクチャに対応した実行形式に変換するツールです。これにより、ホスト環境とは異なるアーキテクチャで動作するバイナリを生成できます。一方、クロスデバッガは、ホスト環境上でターゲット環境のプログラムをデバッグするためのツールであり、リモートデバッグなども可能です。 クロス開発において、異なるプラットフォームやアーキテクチャに対応するためには、特定のツールセットである「ツールチェイン」を導入することが必要です。このツールチェインには、主に以下の3つの要素が含まれます。 クロスコンパイラは、開発者がホスト環境上でソースコードをコンパイルし、異なるアーキテクチャやプラットフォーム向けの実行可能なバイナリを生成するためのツールです。例えば、x86アーキテクチャで開発したコードをARMアーキテクチャ向けにコンパイルする際には、ARM向けのクロスコンパイラが必要です。これにより、ホスト環境と異なるアーキテクチャでのプログラム実行が可能になります。 クロスデバッガは、ホスト環境上でターゲット環境のプログラムをデバッグするためのツールです。リモートデバッグやトレースをサポートし、デバッグ対象の実行環境が物理的に離れている場合でも、効果的なデバッグが可能となります。クロスデバッガを使用することで、異なるプラットフォームでの開発やデバッグがスムーズに行えます。 ビルドツールは、ソースコードのビルドプロセスを管理し、コンパイルやリンク、ライブラリの結合などを自動的に行います。クロス開発においては、ツールチェインに組み込まれたビルドツールが異なるプラットフォームでのビルドプロセスを適切に処理します。これにより、開発者は手動でビルドの切り替えを行わずに、簡単かつ一貫性のあるビルドプロセスを実現できます。 これらのツールを導入することで、開発者はクロス開発において異なるプラットフォームでの開発を容易に行うことができ、柔軟性や効率性を向上させることが期待されます。ツールチェインの正しい導入は、クロス開発プロジェクトの成功に不可欠な要素の一つと言えます。 クロスビルド環境の構築は、異なるプラットフォームやアーキテクチャに対応するためのクロスコンパイラやクロスデバッガを含む開発ツールが正しく組み込まれた環境を指します。この環境を構築するには、以下の手順が必要です。 適切なツールチェインを選定することはクロスビルド環境の成功において重要です。プロジェクトの要件に合わせて、対象となるアーキテクチャやプラットフォームに対応したツールチェインを選択します。公式のツールチェインやオープンソースのツールセットを利用することが一般的です。 選定したツールチェインをホスト環境にインストールします。これには、パッケージマネージャを使用するか、ツールチェインの提供元からダウンロードして手動でインストールする方法があります。インストール後、環境変数や設定ファイルを適切に設定して、ツールチェインが正しく機能するようにします。 ビルドシステムに対して、クロスビルドするターゲット環境のアーキテクチャやプラットフォームを正確に指定します。これにより、ビルドシステムは適切なツールチェインやコンパイルオプションを使用してビルドを行います。 ビルドシステムにクロスコンパイラを統合し、ソースコードが選択したターゲット環境向けにコンパイルされるように設定します。これには、ビルドスクリプトやビルド設定ファイルの編集が含まれます。 クロスデバッガをビルドシステムに統合し、デバッグ情報の取得やリモートデバッグの設定を行います。デバッグ対象が異なるプラットフォームで実行される場合、デバッガはその環境に対応した情報を提供する必要があります。 リモートデバッグやトレース機能を最適化し、クロスビルド環境でのデバッグプロセスを効果的かつ迅速に行えるようにします。 構築したクロスビルド環境を用いて、サンプルプログラムやテストプロジェクトなどをビルド・実行し、正しく動作するかどうかを確認します。問題が発生した場合は、ツールチェインや設定の見直しを行います。 これらの基礎知識を習得することで、クロス開発において異なるプラットフォームでの開発作業がスムーズかつ効率的に進められるようになります。 クロス開発向けのツールチェインは、異なるプラットフォームやアーキテクチャでのソフトウェア開発を可能にするための重要なツールの組み合わせです。以下は、代表的なクロス開発向けツールチェインのいくつかです。 これらのツールチェインは、異なる開発ニーズやプロジェクトの要件に対応するために選択されます。適切なツールチェインの選定は、クロス開発プロジェクトの成功において重要な要素であり、プラットフォームやアーキテクチャによって最適なツールを選ぶことが重要です。 ビルドシステムとツールチェインを提供している言語処理系です。 以下にそれぞれの特徴を簡単に紹介します。 これらの言語は、自身が強力なビルドツールやツールチェインを持っているため、特に簡潔で一貫性があり、プロジェクトの管理が容易です。これは、言語自体が「バッテリーを含む」哲学を持っており、開発者が必要とする多くのツールが最初から組み込まれていることを意味しています。 クロス開発は、通常、開発者が異なるプラットフォームやアーキテクチャでソフトウェアを構築する必要がある場合に利用されます。以下に、クロス開発の具体的なユースケースの例を挙げてみましょう。 これらのユースケースでは、異なるプラットフォームやアーキテクチャに対応するために、クロス開発が必要です。クロス開発を適切に行うことで、ソフトウェアを広範なデバイスや環境で利用できるようになります。 クロス開発を行う際には、効率的で安定したプロセスを確立するためにいくつかのベストプラクティスがあります。以下は、クロス開発におけるベストプラクティスの一部です。 これらのベストプラクティスは、クロス開発プロジェクトの成功に向けて役立つものです。プロジェクトのニーズや要件に合わせて、これらのベストプラクティスを柔軟に適用していくことが重要です。
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ソフトウェア開発の世界では、様々なプラットフォームやアーキテクチャが共存し、開発者は異なる環境で動作するアプリケーションやソフトウェアを構築する必要があります。本書は、そうした異なるプラットフォーム間でのソフトウェア開発に焦点を当て、クロス開発に関する理解を深めるための手引きです。
ソフトウェア開発の世界では、様々なプラットフォームやアーキテクチャが共存し、開発者は異なる環境で動作するアプリケーションやソフトウェアを構築する必要があります。本書は、そうした異なるプラットフォーム間でのソフトウェア開発に焦点を当て、クロス開発に関する理解を深めるための手引きです。 == 基礎知識 == === クロス開発の概要 === ==== クロス開発の基本概念 ==== クロス開発は、異なるプラットフォームやアーキテクチャ間でソフトウェアを開発する手法です。開発者は、ホスト環境と呼ばれる開発を行う環境とは異なる、実際にソフトウェアが動作するターゲット環境を考慮しながらプログラムを構築します。これにより、例えばx86アーキテクチャの開発環境からARMアーキテクチャのデバイスに対応するプログラムを開発できます。 ==== ホスト環境とターゲット環境の違い ==== ホスト環境は開発者がソフトウェアを作成する環境であり、通常はデスクトップコンピュータや開発用のサーバです。一方、ターゲット環境は実際にソフトウェアが動作する場所であり、組み込みデバイスやサーバ、モバイルデバイスなどが該当します。ホストとターゲットの環境が異なるため、クロス開発ではツールやプロセスが適切に調整される必要があります。 ==== クロスコンパイラ、クロスデバッガの役割 ==== クロスコンパイラは、ホスト環境で開発したソースコードをターゲット環境のアーキテクチャに対応した実行形式に変換するツールです。これにより、ホスト環境とは異なるアーキテクチャで動作するバイナリを生成できます。一方、クロスデバッガは、ホスト環境上でターゲット環境のプログラムをデバッグするためのツールであり、リモートデバッグなども可能です。 === ツールチェインの導入 === ==== クロスコンパイラ、クロスデバッガ、ビルドツールの導入 ==== クロス開発において、異なるプラットフォームやアーキテクチャに対応するためには、特定のツールセットである「ツールチェイン」を導入することが必要です。このツールチェインには、主に以下の3つの要素が含まれます。 ===== クロスコンパイラ ===== クロスコンパイラは、開発者がホスト環境上でソースコードをコンパイルし、異なるアーキテクチャやプラットフォーム向けの実行可能なバイナリを生成するためのツールです。例えば、x86アーキテクチャで開発したコードをARMアーキテクチャ向けにコンパイルする際には、ARM向けのクロスコンパイラが必要です。これにより、ホスト環境と異なるアーキテクチャでのプログラム実行が可能になります。 ===== クロスデバッガ ===== クロスデバッガは、ホスト環境上でターゲット環境のプログラムをデバッグするためのツールです。リモートデバッグやトレースをサポートし、デバッグ対象の実行環境が物理的に離れている場合でも、効果的なデバッグが可能となります。クロスデバッガを使用することで、異なるプラットフォームでの開発やデバッグがスムーズに行えます。 ===== ビルドツール ===== ビルドツールは、ソースコードのビルドプロセスを管理し、コンパイルやリンク、ライブラリの結合などを自動的に行います。クロス開発においては、ツールチェインに組み込まれたビルドツールが異なるプラットフォームでのビルドプロセスを適切に処理します。これにより、開発者は手動でビルドの切り替えを行わずに、簡単かつ一貫性のあるビルドプロセスを実現できます。 これらのツールを導入することで、開発者はクロス開発において異なるプラットフォームでの開発を容易に行うことができ、柔軟性や効率性を向上させることが期待されます。ツールチェインの正しい導入は、クロス開発プロジェクトの成功に不可欠な要素の一つと言えます。 ==== クロスビルド環境の構築 ==== クロスビルド環境の構築は、異なるプラットフォームやアーキテクチャに対応するためのクロスコンパイラやクロスデバッガを含む開発ツールが正しく組み込まれた環境を指します。この環境を構築するには、以下の手順が必要です。 ===== ツールチェインの選定とインストール ===== ====== ツールチェインの選定 ====== 適切なツールチェインを選定することはクロスビルド環境の成功において重要です。プロジェクトの要件に合わせて、対象となるアーキテクチャやプラットフォームに対応したツールチェインを選択します。公式のツールチェインやオープンソースのツールセットを利用することが一般的です。 ====== ツールチェインのインストール ====== 選定したツールチェインをホスト環境にインストールします。これには、パッケージマネージャを使用するか、ツールチェインの提供元からダウンロードして手動でインストールする方法があります。インストール後、環境変数や設定ファイルを適切に設定して、ツールチェインが正しく機能するようにします。 ===== ビルドシステムの設定 ===== ====== ターゲット環境の指定 ====== ビルドシステムに対して、クロスビルドするターゲット環境のアーキテクチャやプラットフォームを正確に指定します。これにより、ビルドシステムは適切なツールチェインやコンパイルオプションを使用してビルドを行います。 ====== クロスコンパイラの統合 ====== ビルドシステムにクロスコンパイラを統合し、ソースコードが選択したターゲット環境向けにコンパイルされるように設定します。これには、ビルドスクリプトやビルド設定ファイルの編集が含まれます。 ===== クロスデバッガの設定 ===== ====== デバッガの統合 ====== クロスデバッガをビルドシステムに統合し、デバッグ情報の取得やリモートデバッグの設定を行います。デバッグ対象が異なるプラットフォームで実行される場合、デバッガはその環境に対応した情報を提供する必要があります。 ====== デバッグプロセスの最適化 ====== リモートデバッグやトレース機能を最適化し、クロスビルド環境でのデバッグプロセスを効果的かつ迅速に行えるようにします。 ===== クロスビルド環境の検証 ===== 構築したクロスビルド環境を用いて、サンプルプログラムやテストプロジェクトなどをビルド・実行し、正しく動作するかどうかを確認します。問題が発生した場合は、ツールチェインや設定の見直しを行います。 これらの基礎知識を習得することで、クロス開発において異なるプラットフォームでの開発作業がスムーズかつ効率的に進められるようになります。 === クロス開発向けのツールチェイン === クロス開発向けのツールチェインは、異なるプラットフォームやアーキテクチャでのソフトウェア開発を可能にするための重要なツールの組み合わせです。以下は、代表的なクロス開発向けツールチェインのいくつかです。 ;GNUツールチェイン: :;GCC (GNU Compiler Collection): オープンソースかつ広く利用されるコンパイラ。さまざまなアーキテクチャとプラットフォームに対応しており、C、C++、Fortranなどの言語をサポートしています。 :;GDB (GNU Debugger): オープンソースのデバッガ。様々なプラットフォームでのデバッグをサポートし、リモートデバッグやトレース機能も提供しています。 ;LLVM/Clangツールチェイン: :;Clang: LLVMプロジェクトの一部であり、クロスプラットフォームで動作するC、C++、Objective-Cのコンパイラ。優れた診断機能や高速なビルドを提供しています。 :;LLDB: LLVMプロジェクトのデバッガ。iOSやAndroidを含む様々なプラットフォームで利用されています。 ;Android NDK (Native Development Kit): :Androidプラットフォーム向けのクロス開発を支援するツールセット。主にC、C++での開発をサポートし、GCCやClang、各種ツールが含まれています。 ;ARMツールチェイン: :ARMアーキテクチャ向けに特化したツールチェイン。ARMプロセッサ向けのクロスコンパイラやデバッガが含まれており、組み込み開発やモバイルアプリケーション開発に利用されます。 ;Xcode Command Line Tools: :macOSやiOSアプリケーションの開発に使用されるツールセット。ClangやLLDB、各種ビルドツールが含まれています。 ;Qtツールチェイン: :クロスプラットフォームなアプリケーション開発フレームワークであるQt向けのツールセット。クロスコンパイラやビルドツールが含まれており、GUIアプリケーションの開発をサポートします。 これらのツールチェインは、異なる開発ニーズやプロジェクトの要件に対応するために選択されます。適切なツールチェインの選定は、クロス開発プロジェクトの成功において重要な要素であり、プラットフォームやアーキテクチャによって最適なツールを選ぶことが重要です。 === 自己完結的な言語処理系 === ビルドシステムとツールチェインを提供している言語処理系です。 以下にそれぞれの特徴を簡単に紹介します。 ==== Go ==== * ビルドシステム: Goは、非常に単純なビルドシステムを採用しています。<code>go build</code>コマンドを使用して、ソースコードから実行可能なバイナリを生成できます。Goは静的バイナリを生成し、外部の依存関係をバイナリに組み込むため、依存するライブラリの手動管理が少なくなります。 * ツールチェイン: Go言語には、コンパイラやビルドツール、パッケージ管理などが組み込まれた統合されたツールチェインがあります。Goはクロスコンパイルもサポートしており、異なるプラットフォーム向けの実行可能なバイナリを容易に生成できます。 ==== Zig ==== * ビルドシステム: Zigは、ビルドとパッケージ管理のために独自のビルドシステムを採用しています。Zigのビルドシステムは、モジュールや依存関係の管理、ビルドの柔軟性などに焦点を当てています。 * ツールチェイン: Zigは自己完結型であり、Zigコンパイラ (<code>zig</code>) はC言語で書かれています。Zigはビルドやデバッグツール、テストフレームワークなどを提供しており、C言語との相互運用性にも力を入れています。 ==== Rust ==== * ビルドシステム: RustはCargoと呼ばれるビルドシステムとパッケージマネージャを提供しています。CargoはRustのソースコードのビルド、依存関係の管理、パッケージのダウンロードなどを自動的に行います。 * ツールチェイン: Rustは <code>rustc</code> と呼ばれるコンパイラを中心に、Cargoやその他の関連ツールが含まれた統合ツールチェインを提供しています。Rustupと呼ばれるツールは、Rustのバージョン管理やクロスコンパイルのサポートを行います。 ==== Crystal ==== * ビルドシステム: Crystalは <code>crystal</code> コマンドを使用してソースコードをコンパイルします。Crystalのビルドは静的な実行可能ファイルを生成し、依存関係の管理が容易です。 * ツールチェイン: Crystalはコンパイラとビルドツールを組み合わせて提供しており、独自のツールチェインを形成しています。 ==== D言語 ==== * ビルドシステム: D言語は <code>dmd</code> コンパイラを使用してビルドします。ビルドは単純であり、標準のビルドツールとして <code>dub</code> が提供されています。 * ツールチェイン: D言語には <code>dmd</code> と呼ばれるコンパイラが含まれており、標準ライブラリやビルドツールが同梱されたツールチェインが提供されています。 これらの言語は、自身が強力なビルドツールやツールチェインを持っているため、特に簡潔で一貫性があり、プロジェクトの管理が容易です。これは、言語自体が「バッテリーを含む」哲学を持っており、開発者が必要とする多くのツールが最初から組み込まれていることを意味しています。 == ターゲットプラットフォームへのデプロイ == === 異なるアーキテクチャへの開発 === === 86からARMやその他のアーキテクチャへのクロス開発 === ==== ハードウェアエミュレーションの利用 ==== === 組み込みシステムへのデプロイ === ==== 組み込みLinuxデバイスへのソフトウェアの展開 ==== ==== デバイス制約の考慮 ==== == クロスデバッギングとテスト == === クロスデバッギングの戦略 === ==== リモートデバッグの手法 ==== ==== トレースツールの利用 ==== === 結合テストとシミュレーション === ==== ターゲット環境での結合テスト ==== ==== シミュレーションツールの利用 ==== == クロスプラットフォーム開発 == === クロスプラットフォームフレームワークの利用 === === amarin、React Native、Flutterなどのクロスプラットフォーム開発ツールの導入 === ==== 一元化されたコードベースのメリットと課題 ==== === ビルドシステムとプロジェクト管理 === ==== CMake、Makefile、Gradleの使用方法 ==== ==== クロスプラットフォームプロジェクトの構成と管理 ==== == セキュリティと最適化 == === セキュリティとコンプライアンス === ==== クロス開発におけるセキュリティの考慮事項 ==== ==== コンプライアンスに関するガイドライン ==== === 性能最適化 === ==== ターゲット環境における性能最適化戦略 ==== ==== クロスコンパイラの最適化オプションの活用 ==== == プロジェクトワーク == ==== 実践プロジェクト ==== ==== クロス開発技術の総合的な適用 ==== ==== プロジェクトの進行とデリバリー ==== == ユースケース == クロス開発は、通常、開発者が異なるプラットフォームやアーキテクチャでソフトウェアを構築する必要がある場合に利用されます。以下に、クロス開発の具体的なユースケースの例を挙げてみましょう。 ;組み込みシステム開発: :;IoTデバイス: センサーやアクチュエータを備えたIoTデバイスの開発では、組み込みシステム向けにクロス開発が必要です。異なるアーキテクチャやプラットフォーム向けに最適化されたソフトウェアを開発することが一般的です。 ;クロスプラットフォームアプリケーション: :;モバイルアプリケーション: AndroidとiOSプラットフォーム向けにアプリケーションを開発する場合、クロス開発が必要です。フレームワークやツールキットを使用して、共通のコードベースから異なるプラットフォーム向けのアプリを生成します。 ;ゲーム開発: :;クロスプラットフォームゲーム: ゲーム開発においては、異なるゲームコンソールやデバイス、オペレーティングシステムに対応するためにクロス開発が頻繁に行われます。ゲームエンジンやクロスプラットフォームのフレームワークを使用することが一般的です。 ;ボードサポートパッケージ(BSP)開発: :;組み込みLinuxデバイス: 組み込みLinuxデバイスの場合、ボードサポートパッケージ (BSP) を開発する必要があります。これには、クロスコンパイラやデバッガを使用して、Linuxカーネルやドライバを特定のハードウェアプラットフォームに適用する作業が含まれます。 ;クロスアーキテクチャコンパイル: :;クロスアーキテクチャ向けのアプリケーション: 例えば、x86からARMアーキテクチャへのクロスコンパイルは、組み込みシステムやモバイルデバイスなど様々な領域で必要とされます。 ;オペレーティングシステムの移植 :オペレーティングシステムはハードウェアに密接に結びついており、異なるハードウェアやプラットフォームに対応するにはクロス開発が必要です。移植の手順として、ソースコードのクローン、クロスコンパイラのセットアップ、デバイスドライバの実装、ブートローダーの設定、ハードウェア抽象化レイヤーの実装、デバッグと検証が挙げられます。移植は高度な技術が必要で、計画と適切なツールの活用が成功の鍵です。 これらのユースケースでは、異なるプラットフォームやアーキテクチャに対応するために、クロス開発が必要です。クロス開発を適切に行うことで、ソフトウェアを広範なデバイスや環境で利用できるようになります。 == ベストプラクティス == クロス開発を行う際には、効率的で安定したプロセスを確立するためにいくつかのベストプラクティスがあります。以下は、クロス開発におけるベストプラクティスの一部です。 ;ツールチェインとビルドツールの選定: :適切なツールチェインを選定し、対象のプラットフォームやアーキテクチャに最適なクロスコンパイラやビルドツールを使用します。公式のツールやオープンソースのツールを活用し、開発環境を統一します。 ;モジュール化とプラットフォーム非依存性: :コードをモジュール化し、プラットフォームに依存しない部分と依存する部分を明確にします。共通のコードベースを維持することで、クロスプラットフォーム対応が容易になります。 ;CI/CDの導入: :継続的インテグレーション (CI) と継続的デリバリー (CD) を導入して、コードのビルド、テスト、デプロイを自動化します。これにより、コード変更が早期に検出され、安定性が向上します。 ;クロスデバッガの利用: :クロスデバッガを積極的に使用して、異なるプラットフォームやアーキテクチャでのデバッグを効率的に行います。リモートデバッグ機能を活用して、実機やエミュレータ上でデバッグを行います。 ;テストの適切な実施: :ユニットテスト、結合テスト、およびプラットフォームテストを適切に行います。異なるプラットフォームでのテストケースを十分に網羅することで、互換性や安定性の問題を事前に発見しやすくなります。 ;クロスプラットフォームビルドの自動化: :ビルドプロセスを自動化し、異なるプラットフォームへのビルドを簡単かつ一貫して行います。ビルドスクリプトやビルドツールを使用して、手動でのビルドエラーを最小限に抑えます。 ;ドキュメンテーション: :プロジェクトやクロスビルドに関する詳細なドキュメンテーションを作成します。特に異なるプラットフォームでのセットアップ手順や注意事項に焦点を当て、新しい開発者が迅速にプロジェクトに参加できるようにします。 ;セキュリティの考慮: :異なるプラットフォームやアーキテクチャにおいてもセキュリティを重視し、プラットフォーム固有のセキュリティ要件に対応します。適切な暗号化やセキュアコーディングの手法を採用します。 これらのベストプラクティスは、クロス開発プロジェクトの成功に向けて役立つものです。プロジェクトのニーズや要件に合わせて、これらのベストプラクティスを柔軟に適用していくことが重要です。 [[カテゴリ:情報技術]]
2024-01-25T06:05:44Z
2024-03-12T07:20:09Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E9%96%8B%E7%99%BA
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SDKMAN
SDKMANは、ソフトウェア開発における複雑なSDKの管理をシンプルかつ効率的に行うためのツールです。本書では、SDKMANの基本から高度な機能までを包括的に解説します。開発者が異なるプロジェクトで異なるバージョンのSDKを必要とする現代の環境で、SDKの管理は必須です。SDKMANはその必要性に応え、簡単なコマンドでSDKのインストール、切り替え、管理を可能にします。本書は、SDKMANの初心者から上級者まで、幅広い読者層に役立つ情報を提供します。SDKのバージョン管理、プロジェクトへの統合、トラブルシューティングなど、SDKMANの機能や活用法を理解し、開発プロセスをスムーズに進めるための手助けとなるでしょう。 SDKMAN(Software Development Kit Manager)は、ソフトウェア開発者が複数のソフトウェア開発キット(SDK)を管理するためのツールです。Java、Groovy、Grail、Scala、Kotlin、Maven、Gradle、Antなど、さまざまなプログラミング言語やビルドツールに対応しています。SDKMANを使用すると、複数のバージョンのSDKをシームレスに切り替えることができ、プロジェクトごとに異なるバージョンのSDKを使用することが容易になります。 SDKMANの主な利点は以下の通りです: SDKMANをインストールするには、次の手順に従います: SDKMANが正常にインストールされたら、SDKのインストールや管理が可能になります。 SDKMANの基本的な機能について理解することは、SDKの効果的な管理と利用に不可欠です。このセクションでは、SDKMANのコマンドラインインターフェース(CLI)の概要から、SDKのインストール、バージョン管理、およびアンインストールまでを解説します。 SDKMANは主にコマンドラインインターフェース(CLI)を介して操作されます。CLIを使うことで、ターミナルから簡単にSDKの管理を行うことができます。主要なCLIコマンドは以下の通りです: これらのコマンドを使うことで、SDKのインストールや切り替え、バージョンの管理を容易に行うことができます。 SDKのインストールは、以下の手順に従います: インストールが完了すると、sdk use [SDK_NAME] [VERSION]コマンドを使用して、特定のバージョンのSDKを有効にします。 SDKMANを使ってインストールされたSDKは、ユーザーのホームディレクトリ内に格納されます。 SDKMANを使用すると、複数のバージョンのSDKを簡単に管理できます。特定のバージョンのSDKを使用するには、sdk use [SDK_NAME] [VERSION]コマンドを使用します。必要に応じて、プロジェクトごとに異なるバージョンのSDKを使用することができます。 不要なSDKをアンインストールするには、sdk uninstall [SDK_NAME] [VERSION]コマンドを使用します。指定したバージョンのSDKが削除されます。 SDKMANを使用すると、複数のSDKを効率的に管理できます。このセクションでは、インストール可能なSDKの一覧の取得方法、特定のSDKのバージョン一覧の表示方法、およびインストール済みSDKの一覧の取得方法について解説します。 SDKMANを使用してインストール可能なSDKの一覧を取得するには、以下のコマンドを使用します: このコマンドを実行すると、利用可能なすべてのSDKの一覧が表示されます。Java、Groovy、Scala、Maven、Gradleなど、多くのSDKが含まれています。表示された一覧から、インストールしたいSDKの名前を選択してインストールすることができます。 以下は、SDKMANでインストール可能なSDKの一覧を表組みにしたものです: 特定のSDKのバージョン一覧を表示するには、以下のコマンドを使用します: [SDK_NAME]には、インストールしたいSDKの名前を指定します。例えば、Javaの場合は、次のようにコマンドを入力します: 指定したSDK(ここではJava)の利用可能なバージョンが一覧表示されます。特定のバージョンをインストールしたい場合は、そのバージョンを選択してインストールします。 インストール済みのSDKの一覧を取得するには、以下のコマンドを使用します: これにより、ユーザーがすでにインストールしているすべてのSDKが表示されます。インストールされているSDKの一覧を確認することで、現在の環境にどのSDKが利用可能かを把握することができます。 SDKMAN自体も定期的にアップデートされます。新しい機能や改善点がリリースされるたびに、SDKMANを最新の状態に保つことが重要です。SDKMANをアップデートするには、以下のコマンドを使用します: このコマンドを実行すると、SDKMANの最新バージョンがダウンロードされ、自動的にアップデートが行われます。 SDKMANを使用する際には、特定のSDKを有効化して使用する必要があります。このセクションでは、SDKの有効化方法、無効化方法、およびグローバルSDKとローカルSDKの切り替え方法について説明します。 特定のSDKを使用するには、以下のコマンドを使用してSDKを有効化します: [SDK_NAME]には使用したいSDKの名前、[VERSION]には使用したいSDKのバージョンを指定します。例えば、Javaのバージョン11を有効にするには、次のようにコマンドを入力します: 指定したSDKとバージョンが有効化され、現在のシェルセッションで使用可能になります。 特定のSDKを無効にするには、以下のコマンドを使用します: このコマンドを使用すると、指定したSDKが無効化され、デフォルトのSDKが有効化されます。 SDKMANでは、グローバルなSDKとローカルなSDKを切り替えることができます。グローバルSDKは、全体のシステムで使用されるデフォルトのSDKです。一方、ローカルSDKは、特定のプロジェクト内でのみ有効なSDKです。 これらのベンダーは、OpenJDKのカスタムバージョンを提供し、それぞれ異なる機能やサポートを提供しています。開発者は、自分のプロジェクトのニーズに合ったJDKを選択することができます。 SDKMANを使用してさまざまなSDKを管理できます。代表的なSDKの使用例を以下に示します: 必要に応じて、使用したいSDKとバージョンを指定してコマンドを実行します。SDKMANを介して、プロジェクトごとに異なるSDKを簡単に切り替えることができます。
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SDKMANは、ソフトウェア開発における複雑なSDKの管理をシンプルかつ効率的に行うためのツールです。本書では、SDKMANの基本から高度な機能までを包括的に解説します。開発者が異なるプロジェクトで異なるバージョンのSDKを必要とする現代の環境で、SDKの管理は必須です。SDKMANはその必要性に応え、簡単なコマンドでSDKのインストール、切り替え、管理を可能にします。本書は、SDKMANの初心者から上級者まで、幅広い読者層に役立つ情報を提供します。SDKのバージョン管理、プロジェクトへの統合、トラブルシューティングなど、SDKMANの機能や活用法を理解し、開発プロセスをスムーズに進めるための手助けとなるでしょう。
SDKMANは、ソフトウェア開発における複雑なSDKの管理をシンプルかつ効率的に行うためのツールです。本書では、SDKMANの基本から高度な機能までを包括的に解説します。開発者が異なるプロジェクトで異なるバージョンのSDKを必要とする現代の環境で、SDKの管理は必須です。SDKMANはその必要性に応え、簡単なコマンドでSDKのインストール、切り替え、管理を可能にします。本書は、SDKMANの初心者から上級者まで、幅広い読者層に役立つ情報を提供します。SDKのバージョン管理、プロジェクトへの統合、トラブルシューティングなど、SDKMANの機能や活用法を理解し、開発プロセスをスムーズに進めるための手助けとなるでしょう。 == はじめに == SDKMAN(Software Development Kit Manager)は、ソフトウェア開発者が複数のソフトウェア開発キット(SDK)を管理するためのツールです。[[Java]]、[[Groovy]]、[[Grail]]、[[Scala]]、[[Kotlin]]、[[Maven]]、[[Gradle]]、[[Ant]]など、さまざまなプログラミング言語やビルドツールに対応しています。SDKMANを使用すると、複数のバージョンのSDKをシームレスに切り替えることができ、プロジェクトごとに異なるバージョンのSDKを使用することが容易になります。 === SDKMANの利点 === SDKMANの主な利点は以下の通りです: ;複数のバージョンの管理: SDKMANを使用すると、複数のバージョンのSDKを簡単に管理できます。これにより、プロジェクトごとに異なるSDKバージョンを使用できます。 ;簡単な切り替え: SDKMANを介して、簡単に異なるバージョンのSDKに切り替えることができます。プロジェクトの要件に合わせて、必要なバージョンを選択できます。 ;環境の独立性: SDKMANはユーザーのホームディレクトリにSDKをインストールするため、システム全体に影響を与えることなく、個々のユーザーがSDKを管理できます。 ;プロジェクトの依存性の解決: プロジェクトごとに必要なSDKのバージョンを管理することで、プロジェクトの依存性の問題を回避できます。 ;複数OSのサポート: SDKMANは主要なオペレーティングシステム(Windows、macOS、Linux)をサポートしています。 === SDKMANのインストール方法 === SDKMANをインストールするには、次の手順に従います: ;前提条件の確認: SDKMANをインストールするためには、curlとzipがシステムにインストールされている必要があります。これらのツールがインストールされていることを確認してください。 ;インストールスクリプトの実行: ターミナルを開き、次のコマンドを実行してSDKMANのインストールスクリプトをダウンロードし即時実行します。 :<syntaxhighlight lang=shell> curl -s "https://get.sdkman.io" | bash </syntaxhighlight> ;SDKMANの初期化: インストールスクリプトが正常に実行されたら、SDKMANを初期化します。次のコマンドを実行します。 :<syntaxhighlight lang=shell> source "$HOME/.sdkman/bin/sdkman-init.sh" </syntaxhighlight> :これにより、SDKMANが現在のシェルセッションで有効になります。 ;SDKMANのバージョンの確認: SDKMANが正しくインストールされたかどうかを確認するには、次のコマンドを実行してバージョンを確認します。 :<syntaxhighlight lang=shell> sdk version </syntaxhighlight> :正常にインストールされていれば、SDKMANのバージョンが表示されます。 SDKMANが正常にインストールされたら、SDKのインストールや管理が可能になります。 == SDKMANの基本 == SDKMANの基本的な機能について理解することは、SDKの効果的な管理と利用に不可欠です。このセクションでは、SDKMANのコマンドラインインターフェース(CLI)の概要から、SDKのインストール、バージョン管理、およびアンインストールまでを解説します。 === SDKMANのコマンドラインインターフェース(CLI)の概要 === SDKMANは主にコマンドラインインターフェース(CLI)を介して操作されます。CLIを使うことで、ターミナルから簡単にSDKの管理を行うことができます。主要なCLIコマンドは以下の通りです: *<code>sdk list</code>: インストール可能なSDKの一覧を表示します。 *<code>sdk install [SDK_NAME]</code>: 指定したSDKをインストールします。[SDK_NAME]には、Java、Groovy、GradleなどのSDK名が入ります。 *<code>sdk use [SDK_NAME] [VERSION]</code>: 指定したバージョンのSDKを有効化します。 *<code>sdk current</code>: 現在のSDKのバージョンを表示します。 *<code>sdk default [SDK_NAME] [VERSION]</code>: デフォルトのSDKとバージョンを設定します。 *<code>sdk list [SDK_NAME]</code>: 指定したSDKのインストールされているバージョンの一覧を表示します。 *<code>sdk uninstall [SDK_NAME] [VERSION]</code>: 指定したバージョンのSDKをアンインストールします。 これらのコマンドを使うことで、SDKのインストールや切り替え、バージョンの管理を容易に行うことができます。 === SDKのインストール === SDKのインストールは、以下の手順に従います: *<code>sdk list</code>コマンドで利用可能なSDKの一覧を確認します。 *<code>sdk install [SDK_NAME]</code>コマンドを使用して、インストールしたいSDKを指定します。 インストールが完了すると、<code>sdk use [SDK_NAME] [VERSION]</code>コマンドを使用して、特定のバージョンのSDKを有効にします。 SDKMANを使ってインストールされたSDKは、ユーザーのホームディレクトリ内に格納されます。 === SDKのバージョン管理 === SDKMANを使用すると、複数のバージョンのSDKを簡単に管理できます。特定のバージョンのSDKを使用するには、<code>sdk use [SDK_NAME] [VERSION]</code>コマンドを使用します。必要に応じて、プロジェクトごとに異なるバージョンのSDKを使用することができます。 === SDKのアンインストール === 不要なSDKをアンインストールするには、<code>sdk uninstall [SDK_NAME] [VERSION]</code>コマンドを使用します。指定したバージョンのSDKが削除されます。 == SDKの管理 == SDKMANを使用すると、複数のSDKを効率的に管理できます。このセクションでは、インストール可能なSDKの一覧の取得方法、特定のSDKのバージョン一覧の表示方法、およびインストール済みSDKの一覧の取得方法について解説します。 === インストール可能なSDKの一覧 === SDKMANを使用してインストール可能なSDKの一覧を取得するには、以下のコマンドを使用します: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk list </syntaxhighlight> このコマンドを実行すると、利用可能なすべてのSDKの一覧が表示されます。Java、Groovy、Scala、Maven、Gradleなど、多くのSDKが含まれています。表示された一覧から、インストールしたいSDKの名前を選択してインストールすることができます。 ==== SDKMANでインストール可能なSDK ==== 以下は、SDKMANでインストール可能なSDKの一覧を表組みにしたものです: :{| class="sortable wikitable" |+ SDKMANでインストール可能なSDK !SDK !分類 !説明 |- !Apache ActiveMQ (Classic) | メッセージング | Apache ActiveMQは、メッセージブローカーシステムであり、分散メッセージングのためのオープンソースのJavaメッセージングサービスです。Classicバージョンは5.17.1です。 |- !Ant | ビルド | Apache Antは、Javaプログラムのビルドを自動化するためのツールです。 |- !AsciidoctorJ | ドキュメント生成 | AsciidoctorJは、AsciidoctorのJava実装であり、AsciiDoc形式のドキュメントを処理してHTML、PDF、EPUB、DocBookなどの形式に変換します。 |- !Ballerina | プログラミング言語 | Ballerinaは、クラウドネイティブアプリケーションのためのプログラミング言語およびランタイムです。swan-lake-p3が利用可能です。 |- !Concurnas | プログラミング言語 | Concurnasは、JVM上で並行プログラミングをサポートするプログラミング言語です。 |- !CXF | フレームワーク | Apache CXFは、JavaプログラムからWebサービスを構築および消費するためのオープンソースフレームワークです。 |- !Detekt | 静的解析 | Detektは、Kotlinコードの静的解析を行うツールです。コード品質を向上させ、バグやセキュリティの問題を見つけるのに役立ちます。 |- !Flink | データ処理 | Apache Flinkは、大規模なストリームおよびバッチデータ処理に使用されるオープンソースの分散処理エンジンです。 |- !Gaiden | プログラミング言語 | Gaidenは、関数型プログラミング言語であり、Clojureの影響を受けています。 |- !Graal Cloud Native | 実行環境 | Graal Cloud Nativeは、GraalVMを使用してクラウドネイティブアプリケーションを構築および実行するためのプラットフォームです。 |- !Gradle | ビルド | Gradleは、プロジェクトのビルド自動化および依存関係管理のためのビルドツールです。 |- !Grails | フレームワーク | Grailsは、Javaプラットフォーム向けのWebアプリケーションフレームワークです。 |- !Groovy | プログラミング言語 | Groovyは、Javaプログラミング言語の機能を拡張し、シンプルな構文で記述された動的なプログラミング言語です。 |- !GroovyServ | ツール | GroovyServは、Groovyスクリプトを高速に実行するためのサーバーです。 |- !Infrastructor | ツール | Infrastructorは、インフラストラクチャのコードを記述するためのDSL(Domain-Specific Language)です。 |- !Java | プログラミング言語 | Javaは、オブジェクト指向プログラミング言語であり、広く使用されているプログラミング言語の1つです。 |- !JBake | ツール | JBakeは、Markdownファイルから静的Webサイトを生成するためのツールです。 |- !JBang | ツール | JBangは、Javaベースのスクリプトを作成し、実行するためのツールです。 |- !Jikkou | ツール | Jikkouは、GitOpsパイプラインを構築するためのフレームワークです。 |- !Apache JMeter | テスト | Apache JMeterは、負荷テスト、機能テスト、パフォーマンステストを行うためのJavaベースのオープンソースツールです。 |- !Joern | 解析 | Joernは、静的解析ツールであり、ソースコードを分析してセキュリティの問題を特定します。 |- !Karaf | サーバー | Apache Karafは、Osgi(Open Service Gateway Initiative)ランタイムを提供するカーネルです。 |- !Kotlin | プログラミング言語 | Kotlinは、静的型付けのプログラミング言語であり、Java Virtual Machine(JVM)およびJavaScriptで実行できます。 |- !Layrry | ツール | Layrryは、Javaプラットフォーム向けの軽量なモジュール化ツールです。 |- !Leiningen | ビルド | Leiningenは、Clojureプロジェクトのためのビルドツールです。 |- !Maven | ビルド | Mavenは、Javaプロジェクトのビルド自動化、依存関係管理、およびプロジェクト管理のためのツールです。 |- !Micronaut | フレームワーク | Micronautは、軽量でリアクティブなマイクロサービスアプリケーションを構築するためのフレームワークです。 |- !Mule Flow Diagrams | ツール | Mule Flow Diagramsは、Muleアプリケーションのフローダイアグラムを作成するためのツールです。 |- !MyBatis Migrations | データベース | MyBatis Migrationsは、データベースマイグレーションのためのツールです。 |- !Neo4j-Migrations | データベース | Neo4j-Migrationsは、Neo4jグラフデータベースのマイグレーションを管理するためのツールです。 |- !Pierrot | ツール | Pierrotは、Javaプロジェクトのビルドスクリプトを管理するためのツールです。 |- !Pomchecker | ツール | Pomcheckerは、Mavenプロジェクトのpom.xmlファイルを検証するためのツールです。 |- !Scala | プログラミング言語 | Scalaは、オブジェクト指向および関数型プログラミング言語であり、JVM上で実行できます。 |- !Spark | データ処理 | Apache Sparkは、大規模なデータ処理タスクを処理するためのクラスターコンピューティングフレームワークです。 |- !Spring Boot | フレームワーク | Spring Bootは、Javaアプリケーションの簡素化された、生産的な開発を可能にするフレームワークです。 |- !Apache Tomcat | サーバー | Apache Tomcatは、Java ServletおよびJavaServer Pages(JSP)の実装であり、Java EE仕様をサポートするWebコンテナです。 |- !Vert.x | フレームワーク | Vert.xは、レアクティブおよびポリグロットなアプリケーションを構築するためのツールキットです。 |- !VisualVM | ツール | VisualVMは、Java仮想マシン上で実行されるアプリケーションをモニタリングおよびプロファイリングするためのツールです。 |} :この表には、ビルドツール、フレームワーク、言語、ランタイムなどが含まれています。 :それぞれが異なる目的や用途に適しています。 === 特定のSDKのバージョン一覧 === 特定のSDKのバージョン一覧を表示するには、以下のコマンドを使用します: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk list [SDK_NAME] </syntaxhighlight> [SDK_NAME]には、インストールしたいSDKの名前を指定します。例えば、Javaの場合は、次のようにコマンドを入力します: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk list java </syntaxhighlight> 指定したSDK(ここではJava)の利用可能なバージョンが一覧表示されます。特定のバージョンをインストールしたい場合は、そのバージョンを選択してインストールします。 === インストール済みSDKの一覧 === インストール済みのSDKの一覧を取得するには、以下のコマンドを使用します: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk list installed </syntaxhighlight> これにより、ユーザーがすでにインストールしているすべてのSDKが表示されます。インストールされているSDKの一覧を確認することで、現在の環境にどのSDKが利用可能かを把握することができます。 === SDKのアップデート === SDKMAN自体も定期的にアップデートされます。新しい機能や改善点がリリースされるたびに、SDKMANを最新の状態に保つことが重要です。SDKMANをアップデートするには、以下のコマンドを使用します: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk selfupdate </syntaxhighlight> このコマンドを実行すると、SDKMANの最新バージョンがダウンロードされ、自動的にアップデートが行われます。 == SDKの使用 == SDKMANを使用する際には、特定のSDKを有効化して使用する必要があります。このセクションでは、SDKの有効化方法、無効化方法、およびグローバルSDKとローカルSDKの切り替え方法について説明します。 === SDKの有効化 === 特定のSDKを使用するには、以下のコマンドを使用してSDKを有効化します: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk use [SDK_NAME] [VERSION] </syntaxhighlight> [SDK_NAME]には使用したいSDKの名前、[VERSION]には使用したいSDKのバージョンを指定します。例えば、Javaのバージョン11を有効にするには、次のようにコマンドを入力します: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk use java 11.0.12-open </syntaxhighlight> 指定したSDKとバージョンが有効化され、現在のシェルセッションで使用可能になります。 === SDKの無効化 === 特定のSDKを無効にするには、以下のコマンドを使用します: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk unset [SDK_NAME] </syntaxhighlight> このコマンドを使用すると、指定したSDKが無効化され、デフォルトのSDKが有効化されます。 === グローバルSDKとローカルSDKの切り替え === SDKMANでは、グローバルなSDKとローカルなSDKを切り替えることができます。グローバルSDKは、全体のシステムで使用されるデフォルトのSDKです。一方、ローカルSDKは、特定のプロジェクト内でのみ有効なSDKです。 # '''グローバルSDKの切り替え:''' #:<syntaxhighlight lang=shell> sdk default [SDK_NAME] [VERSION] </syntaxhighlight> #: このコマンドを使用して、デフォルトのSDKを指定のSDKとバージョンに設定します。 # '''ローカルSDKの切り替え:''' #:<syntaxhighlight lang=shell> sdk use java 17.0.10-tem </syntaxhighlight> # '''プロジェクトのSDKの自動切り替え:''' #: プロジェクトディレクトリ内で、<code>.sdkmanrc</code>というファイルを作成し、そこに設定を記述します。 #: 例えば、Temurin JDK 17.0.10 を使用する場合は、<code>.sdkmanrc</code>ファイルに次の行を追加します: #:<syntaxhighlight lang=text> java=17.0.10-tem </syntaxhighlight> #: これにより、プロジェクト内でTemurin JDK 17.0.10が使用されるようになります。 ==== JDK Vendor ==== # '''Corretto:''' Amazonが提供するOpenJDKのバージョンです。Amazon Correttoは、Javaアプリケーションの開発と実行に使用できます。 # '''Dragonwell:''' Alibabaが提供するOpenJDKのバージョンです。Dragonwellは、Alibabaの内部で開発および使用されているJDKのオープンソースバージョンです。 # '''Gluon:''' Gluonは、Javaアプリケーションの開発ツールやフレームワークを提供する企業であり、JDKのカスタムバージョンを提供しています。 # '''GraalVM CE:''' Oracleが開発しているGraalVMのCommunity Edition(CE)のバージョンです。GraalVMは、多言語ランタイムおよび開発ツールのプラットフォームです。 # '''GraalVM Oracle:''' Oracleが提供するGraalVMの商用版です。Enterprise Editionとも呼ばれます。 # '''Java.net:''' オープンソースコミュニティによって提供されるOpenJDKのバージョンです。 # '''JetBrains:''' JetBrainsは、IDEであるIntelliJ IDEAの開発者であり、JBR(JetBrains Runtime)として知られるカスタムJDKのバージョンを提供しています。 # '''Liberica:''' BellSoftが提供するOpenJDKのバージョンです。Liberica JDKは、商用サポートを含む様々なエディションで提供されています。 # '''Liberica NIK:''' ニッポン情報株式会社(NIK)が提供するLiberica JDKのバージョンです。 # '''Mandrel:''' Red Hatが提供するGraalVMのNative Imageのサブセットです。主にQuarkusアプリケーションの実行に使用されます。 # '''Microsoft:''' Microsoftが提供するOpenJDKのバージョンです。AzureなどのクラウドサービスでのJavaアプリケーションの実行に使用されます。 # '''Oracle:''' Oracleが提供するJava SE Development Kit(JDK)のバージョンです。Oracle JDKは、Javaの公式実装の1つです。 # '''SapMachine:''' SAPが提供するOpenJDKのバージョンです。主にSAPアプリケーションの実行に使用されます。 # '''Semeru:''' Huaweiが提供するOpenJDKのバージョンです。 # '''Temurin:''' AdoptOpenJDKがTemurinに改名した後、Eclipse Adoptiumプロジェクトとして提供しているOpenJDKのバージョンです。 # '''Tencent:''' Tencentが提供するOpenJDKのバージョンです。 # '''Trava:''' Twitterが提供するOpenJDKのバージョンです。 # '''Zulu:''' Azul Systemsが提供するOpenJDKのバージョンです。Zuluは、商用サポートを含む様々なエディションで提供されています。 これらのベンダーは、OpenJDKのカスタムバージョンを提供し、それぞれ異なる機能やサポートを提供しています。開発者は、自分のプロジェクトのニーズに合ったJDKを選択することができます。 === SDKの使用例(例:Java、Gradle、Mavenなど) === SDKMANを使用してさまざまなSDKを管理できます。代表的なSDKの使用例を以下に示します: ; Java: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk use java [VERSION] </syntaxhighlight> ; Gradle: :<syntaxhighlight lang=shell> sdk use gradle [VERSION] </syntaxhighlight> ; Maven: :<syntaxhighlight lang=shell> </syntaxhighlight> 必要に応じて、使用したいSDKとバージョンを指定してコマンドを実行します。SDKMANを介して、プロジェクトごとに異なるSDKを簡単に切り替えることができます。 == SDKMANの設定 == === デフォルトのSDKの設定 === === プロキシの設定 === === 環境変数とSDKMAN === == SDKMANとプロジェクト == === SDKMANを使用したプロジェクトのセットアップ === === プロジェクトのSDKのバージョン管理 === == SDKMANの拡張 == === SDKMANのプラグインシステム === === カスタムSDKの追加 === === SDKMANのAPIの利用 === == トラブルシューティング == === よくある問題と解決策 === === バグ報告とフィードバックの提供方法 === == ベストプラクティス == === SDKの適切な管理方法 === === SDKMANの効果的な使用方法 === === インストールされたSDKの最適な活用方法 === == 参考資料 == === SDKMANの公式ドキュメントへのリンク === === 関連するリソースやブログポストのリンク === [[カテゴリ:プログラミング]]
2024-01-25T08:33:27Z
2024-03-12T07:19:29Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/SDKMAN
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[[ビルドツール]]のカテゴリ [[Category:プログラミング]]
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Meson
Meson(メソン)は、効率的で使いやすいビルドシステムであり、ソースコードの管理を簡素化し、様々なプログラミング言語やプロジェクトに柔軟に対応します。 Pythonで開発され、C、C++、Rust、Java、Pythonなどの言語をサポートしており、複雑なビルドタスクをシンプルな構文で自動化します。 Mesonは読みやすく記述しやすいPythonに似た構文を使用し、NinjaやVisual Studioなどのバックエンドを利用して高速なビルドを提供します。 クロスプラットフォームで動作し、Linux、Windows、macOSなどで開発が可能であり、モジュール化された設計により外部ライブラリの統合や独自のカスタムルールの追加が容易です。 アウトオブツリービルドをサポートしており、ビルドディレクトリをソースコードとは別に保持することでビルドシステムのクリーンさを維持します。 MesonのインストールはPythonとpipを使用して行い、バージョン確認後、プロジェクトのビルドや管理にMesonを導入することができます。 Meson(メソン)は、効率的で使いやすいビルドシステムであり、様々なプログラミング言語やプロジェクトに対応しています。この章では、Mesonビルドシステムの基本的な概要とその利点について紹介します。 Mesonは、プロジェクトのビルドを自動化し、ソースコードの管理を簡素化するためのツールです。MesonはPythonで書かれており、複雑なビルドタスクをシンプルな記述で行うことができます。C、C++、Rust、Java、Pythonなどの言語をサポートしており、さまざまな種類のプロジェクトに柔軟に対応しています。 Mesonの特徴は以下のとおりです。 シンプルな構文: MesonのビルドファイルはPythonに似た簡潔な構文を使用しており、読みやすく記述しやすいです。 高速なビルド: NinjaやVisual Studioなどのバックエンドを使用することで、Mesonは高速なビルドを実現します。 クロスプラットフォーム: MesonはLinux、Windows、macOSなどのさまざまなプラットフォームで動作し、クロスプラットフォームの開発をサポートします。 モジュール化された設計: Mesonはモジュール化された設計を採用しており、外部ライブラリの統合や独自のカスタムルールの追加が容易です。 アウトオブツリービルド: Mesonは、ビルド用のディレクトリをソースコードとは別に保持する「アウトオブツリービルド」をサポートしています。これにより、ビルドディレクトリ内でのソースコードの汚染を回避し、ビルドシステムのクリーンさを維持できます。 Mesonをインストールする手順は以下の通りです。 Mesonのインストールが完了したら、プロジェクトのビルドや管理にMesonを利用する準備が整いました。 Mesonを使用してプロジェクトを効率的にビルドするためには、いくつかの基本的な手順に従う必要があります。この章では、Mesonを使用したプロジェクトの初期化からビルド、そしてインストールまでの基本的な手順を説明します。 プロジェクトをMesonで管理するには、まずプロジェクトを初期化する必要があります。プロジェクトのルートディレクトリで以下のコマンドを実行します。 このコマンドにより、プロジェクト名のディレクトリが作成され、Mesonの初期設定が行われます。また、meson.buildという名前のビルド定義ファイルも生成されます。 Mesonでは、アウトオブツリービルドを推奨しています。つまり、ソースコードとは別にビルド用のディレクトリを作成し、その中でビルドを実行します。プロジェクトのルートディレクトリ内で、次のようにしてビルドディレクトリを作成します。 このコマンドにより、指定した名前のビルドディレクトリが作成され、Mesonによるビルドの準備が完了します。 ビルドディレクトリが準備されたら、次は実際にコンパイルとインストールを行います。以下のコマンドを使用します。 このコマンドにより、指定したビルドディレクトリ内でプロジェクトのコンパイルが実行されます。コンパイルが成功すると、ビルドされたファイルがビルドディレクトリ内に生成されます。 このコマンドにより、ビルドされたファイルがシステムにインストールされます。インストール先のディレクトリは、meson.buildファイルで指定されたディレクトリになります。 これで、Mesonを使用してプロジェクトをビルドし、必要に応じてシステムにインストールする基本的な手順を理解しました。 ここでは、基本的なレシピの書き方について説明します。 以下は、簡単な例で、C言語のプロジェクトのビルド手順を示すmeson.buildファイルの例です。 これは、名前がmy_projectで言語がCであるプロジェクトを定義し、srcディレクトリ内のfile1.cとfile2.cからなるソースコードを持つmy_executableという実行可能ファイルをビルドするためのレシピです。 上記のレシピは、以下のようなディレクトリ構造を想定しています。 このディレクトリ構造では、プロジェクトのルートディレクトリにmeson.buildファイルがあり、その中でsrc/ディレクトリ内のソースファイルを指定しています。Mesonはこの構造に従ってプロジェクトをビルドします。 Mesonによるビルドの仕組みは、プロジェクトのソースコードとビルドシステムの定義を解析し、それに基づいてビルドを実行するプロセスです。以下に、Mesonによるビルドの仕組みの概要を説明します。 Mesonによるビルドの仕組みは、プロジェクトの定義からビルドの実行、そして最終的な成果物のインストールまで、効率的で柔軟な方法で行われます。 MesonとCMakeは、どちらも人気のあるビルドシステムであり、プロジェクトのビルドや管理に使用されます。以下に、MesonとCMakeの主な違いを示します。 文書化: MesonとCMakeはどちらも優れたビルドシステムであり、プロジェクトのニーズや個々の好みに応じて選択することが重要です。MesonはPythonライクな構文や高速なビルドなどの特徴を持ち、CMakeはクロスプラットフォームサポートや豊富なエコシステムなどの利点があります。 Mesonの歴史は、その作者であるJussi Pakkanenによる開発から始まります。Mesonは、彼がPythonで記述し、簡潔で効率的なビルドシステムを作成することを目指しています。以下に、Mesonの主なマイルストーンと歴史を示します。 Mesonは、その簡潔さ、高速さ、そして使いやすさから、多くの開発者やプロジェクトに採用されています。これからもMesonは、さらなる進化と普及が期待されるビルドシステムとして注目されています。 Mesonの基本的な使い方に関するリソースを提供します。
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Meson(メソン)は、効率的で使いやすいビルドシステムであり、ソースコードの管理を簡素化し、様々なプログラミング言語やプロジェクトに柔軟に対応します。 Pythonで開発され、C、C++、Rust、Java、Pythonなどの言語をサポートしており、複雑なビルドタスクをシンプルな構文で自動化します。 Mesonは読みやすく記述しやすいPythonに似た構文を使用し、NinjaやVisual Studioなどのバックエンドを利用して高速なビルドを提供します。 クロスプラットフォームで動作し、Linux、Windows、macOSなどで開発が可能であり、モジュール化された設計により外部ライブラリの統合や独自のカスタムルールの追加が容易です。 アウトオブツリービルドをサポートしており、ビルドディレクトリをソースコードとは別に保持することでビルドシステムのクリーンさを維持します。 MesonのインストールはPythonとpipを使用して行い、バージョン確認後、プロジェクトのビルドや管理にMesonを導入することができます。
Meson(メソン)は、効率的で使いやすいビルドシステムであり、ソースコードの管理を簡素化し、様々なプログラミング言語やプロジェクトに柔軟に対応します。 Pythonで開発され、C、C++、Rust、Java、Pythonなどの言語をサポートしており、複雑なビルドタスクをシンプルな構文で自動化します。 Mesonは読みやすく記述しやすいPythonに似た構文を使用し、NinjaやVisual Studioなどのバックエンドを利用して高速なビルドを提供します。 クロスプラットフォームで動作し、Linux、Windows、macOSなどで開発が可能であり、モジュール化された設計により外部ライブラリの統合や独自のカスタムルールの追加が容易です。 アウトオブツリービルドをサポートしており、ビルドディレクトリをソースコードとは別に保持することでビルドシステムのクリーンさを維持します。 MesonのインストールはPythonとpipを使用して行い、バージョン確認後、プロジェクトのビルドや管理にMesonを導入することができます。 == はじめに == Meson(メソン)は、効率的で使いやすいビルドシステムであり、様々なプログラミング言語やプロジェクトに対応しています。この章では、Mesonビルドシステムの基本的な概要とその利点について紹介します。 === Mesonとは何か? === Mesonは、プロジェクトのビルドを自動化し、ソースコードの管理を簡素化するためのツールです。MesonはPythonで書かれており、複雑なビルドタスクをシンプルな記述で行うことができます。C、C++、Rust、Java、Pythonなどの言語をサポートしており、さまざまな種類のプロジェクトに柔軟に対応しています。 === Mesonの特徴 === Mesonの特徴は以下のとおりです。 シンプルな構文: MesonのビルドファイルはPythonに似た簡潔な構文を使用しており、読みやすく記述しやすいです。 高速なビルド: NinjaやVisual Studioなどのバックエンドを使用することで、Mesonは高速なビルドを実現します。 クロスプラットフォーム: MesonはLinux、Windows、macOSなどのさまざまなプラットフォームで動作し、クロスプラットフォームの開発をサポートします。 モジュール化された設計: Mesonはモジュール化された設計を採用しており、外部ライブラリの統合や独自のカスタムルールの追加が容易です。 アウトオブツリービルド: Mesonは、ビルド用のディレクトリをソースコードとは別に保持する「アウトオブツリービルド」をサポートしています。これにより、ビルドディレクトリ内でのソースコードの汚染を回避し、ビルドシステムのクリーンさを維持できます。 === Mesonのインストール方法 === Mesonをインストールする手順は以下の通りです。 #Pythonのインストール: MesonはPythonで動作するため、まずはPythonのインストールが必要です。Pythonは公式サイト( https://www.python.org/ )からダウンロードしてインストールします。 #pipを使用したMesonのインストール: Pythonのパッケージ管理システムであるpipを使用して、Mesonをインストールします。コマンドラインで以下のコマンドを実行します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> pip install meson </syntaxhighlight> #インストールの確認: Mesonが正しくインストールされたかどうかを確認するために、以下のコマンドを実行します。 #:<syntaxhighlight lang=shell> meson --version </syntaxhighlight> #:バージョン情報が表示されれば、Mesonのインストールが成功しています。 Mesonのインストールが完了したら、プロジェクトのビルドや管理にMesonを利用する準備が整いました。 == 基本的な使い方 == Mesonを使用してプロジェクトを効率的にビルドするためには、いくつかの基本的な手順に従う必要があります。この章では、Mesonを使用したプロジェクトの初期化からビルド、そしてインストールまでの基本的な手順を説明します。 === プロジェクトの初期化 === プロジェクトをMesonで管理するには、まずプロジェクトを初期化する必要があります。プロジェクトのルートディレクトリで以下のコマンドを実行します。 :<syntaxhighlight lang=shell> meson init <プロジェクト名> </syntaxhighlight> このコマンドにより、プロジェクト名のディレクトリが作成され、Mesonの初期設定が行われます。また、<code>meson.build</code>という名前のビルド定義ファイルも生成されます。 === ビルドディレクトリの構築 === Mesonでは、アウトオブツリービルドを推奨しています。つまり、ソースコードとは別にビルド用のディレクトリを作成し、その中でビルドを実行します。プロジェクトのルートディレクトリ内で、次のようにしてビルドディレクトリを作成します。 :<syntaxhighlight lang=shell> meson setup <ビルドディレクトリ名> </syntaxhighlight> このコマンドにより、指定した名前のビルドディレクトリが作成され、Mesonによるビルドの準備が完了します。 === コンパイルとインストール === ビルドディレクトリが準備されたら、次は実際にコンパイルとインストールを行います。以下のコマンドを使用します。 :<syntaxhighlight lang=shell> meson compile -C <ビルドディレクトリ名> </syntaxhighlight> このコマンドにより、指定したビルドディレクトリ内でプロジェクトのコンパイルが実行されます。コンパイルが成功すると、ビルドされたファイルがビルドディレクトリ内に生成されます。 :<syntaxhighlight lang=shell> meson install -C <ビルドディレクトリ名> </syntaxhighlight> このコマンドにより、ビルドされたファイルがシステムにインストールされます。インストール先のディレクトリは、<code>meson.build</code>ファイルで指定されたディレクトリになります。 これで、Mesonを使用してプロジェクトをビルドし、必要に応じてシステムにインストールする基本的な手順を理解しました。 == レシピ == ここでは、基本的なレシピの書き方について説明します。 # meson.buildファイルの作成: レシピは通常、プロジェクトのルートディレクトリにある<code>meson.build</code>という名前のファイルに記述されます。このファイルはMesonビルドシステムによって解釈され、プロジェクトのビルド手順が定義されます。 # プロジェクトの構造を定義する: <code>meson.build</code>ファイルの中で、プロジェクトの構造を定義します。これには、ソースコードのディレクトリ構造やプロジェクトに含まれるファイルのリストを指定します。 # ビルドオプションの設定: Mesonでは、ビルドオプションを使用してビルドの様々な側面をカスタマイズできます。これには、コンパイラの選択、最適化オプション、デバッグオプションなどが含まれます。ビルドオプションは、<code>meson.build</code>ファイル内で定義され、<code>meson configure</code>コマンドを使用して設定されます。 # ターゲットの定義: Mesonでは、ビルド対象となるターゲット(実行可能ファイル、ライブラリ、テストなど)を明示的に定義する必要があります。これは、<code>executable()</code>、<code>shared_library()</code>、<code>static_library()</code>、<code>test()</code>などの関数を使用して行います。 # 依存関係の管理: プロジェクトが外部ライブラリや他のプロジェクトに依存している場合、これらの依存関係を明示的に指定する必要があります。これは、<code>dependency()</code>関数を使用して行います。 # カスタムルールの追加: 必要に応じて、Mesonのビルドシステムに独自のカスタムルールを追加することができます。これには、<code>custom_target()</code>や<code>custom_target()</code>などの関数を使用します。 以下は、簡単な例で、C言語のプロジェクトのビルド手順を示す<code>meson.build</code>ファイルの例です。 ;meson.build:<syntaxhighlight lang=python3> project('my_project', 'c') sources = ['src/file1.c', 'src/file2.c'] executable('my_executable', sources) </syntaxhighlight> これは、名前が<code>my_project</code>で言語がCであるプロジェクトを定義し、<code>src</code>ディレクトリ内の<code>file1.c</code>と<code>file2.c</code>からなるソースコードを持つ<code>my_executable</code>という実行可能ファイルをビルドするためのレシピです。 上記のレシピは、以下のようなディレクトリ構造を想定しています。 :<syntaxhighlight lang=text> project_root/ ├── meson.build └── src/ ├── file1.c └── file2.c </syntaxhighlight> * <code>project_root/</code>: プロジェクトのルートディレクトリです。 * <code>meson.build</code>: Mesonビルドシステムの設定やビルド手順が記述されたファイルです。 * <code>src/</code>: ソースコードが格納されているディレクトリです。 ** <code>file1.c</code>: ソースファイル1 ** <code>file2.c</code>: ソースファイル2 このディレクトリ構造では、プロジェクトのルートディレクトリに<code>meson.build</code>ファイルがあり、その中で<code>src/</code>ディレクトリ内のソースファイルを指定しています。Mesonはこの構造に従ってプロジェクトをビルドします。 == Mesonによるビルドの仕組み == Mesonによるビルドの仕組みは、プロジェクトのソースコードとビルドシステムの定義を解析し、それに基づいてビルドを実行するプロセスです。以下に、Mesonによるビルドの仕組みの概要を説明します。 # プロジェクトの定義: Mesonでは、プロジェクトを定義するために<code>meson.build</code>ファイルが使用されます。このファイルには、ビルドの設定やビルドに含まれるターゲット(実行可能ファイル、ライブラリ、テストなど)が記述されます。これには、ソースコードのファイルパス、コンパイルオプション、依存関係などが含まれます。 # ビルドシステムの選択: Mesonでは、Ninjaがデフォルトのビルドシステムですが、他のバックエンド(Make、Visual Studio、Xcodeなど)も利用できます。<code>meson setup</code>コマンドを使用して、プロジェクトのビルドディレクトリを作成する際に、使用するバックエンドを指定します。 # ビルドディレクトリの作成: ビルドを実行する前に、ビルド用のディレクトリを作成する必要があります。このディレクトリには、ソースコードのビルドに必要なすべてのファイルが生成されます。 # コンフィギュレーション: Mesonはコンフィギュレーションステップを持ちます。このステップでは、ビルドオプションやプロジェクトの設定を解析し、ビルドに必要な依存関係を確認します。また、コンパイルやリンクに使用するコンパイラやリンカなどのツールを決定します。 # ビルドの実行: Mesonは、解析されたプロジェクトの定義に基づいて、ソースコードのコンパイル、リンク、およびその他のビルドタスクを実行します。これにより、実行可能ファイルやライブラリなどのビルドが行われます。 # テストの実行: Mesonは、テストフレームワークをサポートし、定義されたテストを実行するための機能も提供しています。これにより、ビルドしたソフトウェアの品質を確保するためのテストを実行できます。 # インストール: ビルドが成功した場合、Mesonはビルドされた成果物(実行可能ファイル、ライブラリなど)を指定された場所にインストールします。これにより、他のプロジェクトから利用できるようになります。 Mesonによるビルドの仕組みは、プロジェクトの定義からビルドの実行、そして最終的な成果物のインストールまで、効率的で柔軟な方法で行われます。 == ユースケース == # クロスプラットフォーム開発: MesonはLinux、Windows、macOSなどのさまざまなプラットフォームで動作し、クロスプラットフォームの開発に適しています。これにより、異なる環境での開発やビルドが容易になります。 # 大規模プロジェクト: Mesonは大規模なプロジェクトにも対応しており、複数のサブディレクトリやモジュール化された構造を効果的に管理できます。大規模プロジェクトのビルドや管理において、Mesonは高い生産性を提供します。 # オープンソースプロジェクト: Mesonは多くのオープンソースプロジェクトで採用されており、特にGNOMEプロジェクトなどの大規模なプロジェクトで広く使用されています。オープンソースコミュニティでは、Mesonがコントリビューターの参加を容易にし、プロジェクトのメンテナンスを簡素化します。 == ベストプラクティス == # アウトオブツリービルドの推奨: Mesonでは、ソースコードとは別にビルド用のディレクトリを作成してアウトオブツリービルドを行うことが推奨されています。これにより、ビルドのクリーンさと効率性が向上し、ソースコードの汚染が防止されます。 # 定期的なコンフィギュレーション: プロジェクトの依存関係やビルドオプションは変化する可能性があるため、定期的にコンフィギュレーションを実行し、最新の設定を反映することが重要です。新しいライブラリの追加やビルドオプションの変更があった場合には、再コンフィギュレーションを行います。 # テストスイートの統合: Mesonはテストフレームワークをサポートしており、プロジェクトに組み込まれたテストスイートを実行して品質を確保することができます。ビルドの一部としてテストを統合することで、ソフトウェアの信頼性を高めることができます。 # ドキュメントの充実: プロジェクトのビルド手順や依存関係、ビルドオプションなどの情報をドキュメント化することで、新しい開発者やコントリビューターがプロジェクトに参加しやすくなります。Mesonのプロジェクトでは、<code>README</code>ファイルや<code>meson_options.txt</code>などのドキュメントを充実させることが推奨されます。 == CMake との違い == MesonとCMakeは、どちらも人気のあるビルドシステムであり、プロジェクトのビルドや管理に使用されます。以下に、MesonとCMakeの主な違いを示します。 ;言語と構文: :;Meson: Pythonライクな構文を使用しており、読みやすく記述しやすい特徴があります。 :;CMake: 独自のDSL(Domain Specific Language)を使用しており、学習コストが高く、時には複雑な構文が必要な場合があります。 ;ビルド速度: :;Meson: 高速なビルドが特徴であり、Ninjaと組み合わせることで効率的なビルドを提供します。 :;CMake: 標準のビルドシステムとしては比較的速いですが、大規模なプロジェクトではビルド時間が増加することがあります。 ;クロスプラットフォームサポート: :;Meson: クロスプラットフォームのサポートが強力であり、Linux、Windows、macOSなどのさまざまなプラットフォームで動作します。 :;CMake: クロスプラットフォームのサポートがありますが、プラットフォームごとに微妙な違いがある場合があります。 文書化: :;Meson: ドキュメントが充実しており、使いやすさが重視されています。Mesonの公式サイトには豊富な情報が提供されています。 :;CMake: ドキュメントは広範であり、幅広いトピックにわたる情報が提供されていますが、初心者向けの入門情報が不足している場合があります。 ;コミュニティとエコシステム: :;Meson: 比較的小規模なコミュニティですが、活発に開発が進められています。パッケージ管理システムなどのエコシステムはまだ発展途上です。 :;CMake: 大規模なコミュニティとエコシステムがあり、多くのライブラリやツールがCMakeでサポートされています。 MesonとCMakeはどちらも優れたビルドシステムであり、プロジェクトのニーズや個々の好みに応じて選択することが重要です。MesonはPythonライクな構文や高速なビルドなどの特徴を持ち、CMakeはクロスプラットフォームサポートや豊富なエコシステムなどの利点があります。 == 小史 == Mesonの歴史は、その作者であるJussi Pakkanenによる開発から始まります。Mesonは、彼がPythonで記述し、簡潔で効率的なビルドシステムを作成することを目指しています。以下に、Mesonの主なマイルストーンと歴史を示します。 ;2013年: Jussi PakkanenがMesonプロジェクトを開始し、最初のコードがリリースされる。 ;2014年: Mesonの最初の公式リリースが行われ、コミュニティの関心を集める。 ;2015年: Mesonがより一般的に使われるようになり、プロジェクトの成長が加速する。 ;2016年: Mesonの安定性と機能が向上し、多くのプロジェクトがMesonを採用し始める。特に、GNOMEプロジェクトがMesonを採用し、従来のAutotoolsに代わるビルドシステムとして採用する動きが見られる。 ;2017年: Mesonの普及が加速し、多くのオープンソースプロジェクトがMesonを採用する。Mesonのコミュニティも成長し、積極的な開発とサポートが行われる。 ;2018年: Mesonの人気が高まり、ビルドシステムとしての地位を確立する。Mesonの安定性、パフォーマンス、使いやすさが評価され、多くの開発者がMesonを選択するようになる。 ;2020年: Mesonは依然として活発な開発が行われ、新しい機能や改善が追加され続けている。Mesonは、多くのプロジェクトにとって信頼性の高いビルドシステムとして定着しています。 Mesonは、その簡潔さ、高速さ、そして使いやすさから、多くの開発者やプロジェクトに採用されています。これからもMesonは、さらなる進化と普及が期待されるビルドシステムとして注目されています。 == リソース == Mesonの基本的な使い方に関するリソースを提供します。 ;Meson公式ドキュメント : https://mesonbuild.com/ :Mesonの公式ウェブサイトには詳細なドキュメントがあります。ここにはチュートリアル、リファレンス、FAQ、コミュニティリソースへのリンクが含まれています。 ;GitHubリポジトリ : https://github.com/mesonbuild/meson : Mesonのソースコードや最新のアップデートはGitHubで入手できます。また、バグの追跡や機能の提案など、コミュニティとのやり取りも行われています。 [[Category:ビルドツール]]
2024-01-26T00:59:17Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Meson
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CI/CD
Continuous Integration (CI) と Continuous Delivery/Continuous Deployment (CD) は、現代のソフトウェア開発の中心的な概念となっています。この便覧は、CI/CD の基本原則から実践的な導入手順、ベストプラクティス、最新のトピックまでを包括的にカバーします。 CI は、開発者がコードを共有リポジトリに統合する際に自動的にビルドやテストを実行するプロセスです。これにより、コードの品質が保たれ、開発者間のコラボレーションが円滑化されます。一方、CD は、ソフトウェアのリリースプロセスを自動化し、変更を迅速かつ信頼性の高い形でエンドユーザーに提供します。 この便覧では、CI/CD の基礎からツールの選定、パイプラインの構築、ベストプラクティス、実装事例までを網羅的に解説します。また、最新のトピックや展望についても触れ、読者が CI/CD を効果的に活用し、ソフトウェア開発プロセスを革新するための知識を提供します。 CI/CD 便覧は、開発者、エンジニア、プロジェクトマネージャー、およびソフトウェア開発に関わる全ての方々にとって価値のあるリソースとなることを目指しています。 CI/CD(Continuous Integration/Continuous DeliveryまたはContinuous Deployment)は、ソフトウェア開発プロセスの自動化と効率化を目的としたアプローチです。CIでは、開発者がコードを共有リポジトリに統合する際に自動的にビルドやテストが実行されます。CDでは、ソフトウェアをいつでもリリース可能な状態に保ち、リリースプロセスを自動化します。これにより、開発チームは迅速かつ信頼性の高いソフトウェアを提供できるようになります。 CI/CDを導入する主な理由は、開発プロセスの効率化と品質向上です。CI/CDによって、次のような利点が得られます。 迅速な反復とリリース: CI/CDにより、開発者は短いサイクルでコードをテストし、リリースできます。これにより、新機能の追加やバグ修正が迅速に行われます。 品質の向上: 自動化されたビルドとテストにより、品質管理が向上し、バグが早期に発見されます。これにより、安定したソフトウェアを提供できます。 作業の透明化: CI/CDパイプラインを通じて、コードの変更やビルドの状況がリアルタイムで可視化されます。開発者は常にプロジェクトの状態を把握できます。 リスクの低減: 自動化されたデプロイメントプロセスにより、人為的なエラーやヒューマンエラーを減らし、安定したリリースを保証します。 CI/CDの利点は明白ですが、課題も存在します。 CI/CDの導入にはコストや課題が伴いますが、それらを乗り越えることで、開発プロセスの効率化と品質の向上に大きな利益がもたらされます。 Continuous Integration (CI) は、開発者がコードを共有リポジトリに統合する際に、自動的にビルドやテストを実行するプロセスです。CIの原則には以下が含まれます: Continuous Delivery (CD) と Continuous Deployment (CD) は、ソフトウェアをリリース可能な状態に保つプラクティスですが、微妙な違いがあります。 CI/CD パイプラインは、複数の構成要素から構成されます。主要な要素には以下が含まれます: ソース管理: コードのバージョン管理システム(例:Git、Subversion)を使用して、ソースコードを追跡、管理します。 バージョン管理システムは、ソースコードの追跡、管理、共有を可能にする重要なツールです。代表的なバージョン管理システムには、以下があります: CIツールは、自動的にビルド、テスト、デプロイメントを実行するためのプラットフォームです。主要なCIツールには、以下があります: テスト自動化ツールは、ソフトウェアの品質を維持するために使用されます。代表的なテスト自動化ツールには、以下があります: コンテナ化ツールは、アプリケーションやサービスを独立したコンテナにパッケージ化するためのツールです。代表的なコンテナ化ツールには、以下があります: デプロイメントツールは、アプリケーションやインフラストラクチャのデプロイメントを自動化するためのツールです。代表的なデプロイメントツールには、以下があります: CI/CDパイプラインの構築は、上記のツールを統合して自動化された開発、テスト、デプロイメントプロセスを構築することです。これにより、開発チームは素早くかつ信頼性の高いソフトウェアを提供できるようになります。パイプラインの構築には、ツールの選定、設定、スクリプトの作成、ワークフローの定義などが含まれます。 CI/CD(Continuous Integration/Continuous DeliveryまたはContinuous Deployment)の概念は、ソフトウェア開発のプロセスを改善し、効率を高めるために長い歴史を持っています。 以下に、CI/CDの主なマイルストーンと歴史を示します: CI/CDは、ソフトウェア開発の歴史と共に進化してきました。その中核には、開発プロセスの自動化と効率化に対する持続的な取り組みがあります。
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Continuous Integration (CI) と Continuous Delivery/Continuous Deployment (CD) は、現代のソフトウェア開発の中心的な概念となっています。この便覧は、CI/CD の基本原則から実践的な導入手順、ベストプラクティス、最新のトピックまでを包括的にカバーします。 CI は、開発者がコードを共有リポジトリに統合する際に自動的にビルドやテストを実行するプロセスです。これにより、コードの品質が保たれ、開発者間のコラボレーションが円滑化されます。一方、CD は、ソフトウェアのリリースプロセスを自動化し、変更を迅速かつ信頼性の高い形でエンドユーザーに提供します。 この便覧では、CI/CD の基礎からツールの選定、パイプラインの構築、ベストプラクティス、実装事例までを網羅的に解説します。また、最新のトピックや展望についても触れ、読者が CI/CD を効果的に活用し、ソフトウェア開発プロセスを革新するための知識を提供します。 CI/CD 便覧は、開発者、エンジニア、プロジェクトマネージャー、およびソフトウェア開発に関わる全ての方々にとって価値のあるリソースとなることを目指しています。
{{Wikipedia}} Continuous Integration (CI) と Continuous Delivery/Continuous Deployment (CD) は、現代のソフトウェア開発の中心的な概念となっています。この便覧は、CI/CD の基本原則から実践的な導入手順、ベストプラクティス、最新のトピックまでを包括的にカバーします。 CI は、開発者がコードを共有リポジトリに統合する際に自動的にビルドやテストを実行するプロセスです。これにより、コードの品質が保たれ、開発者間のコラボレーションが円滑化されます。一方、CD は、ソフトウェアのリリースプロセスを自動化し、変更を迅速かつ信頼性の高い形でエンドユーザーに提供します。 この便覧では、CI/CD の基礎からツールの選定、パイプラインの構築、ベストプラクティス、実装事例までを網羅的に解説します。また、最新のトピックや展望についても触れ、読者が CI/CD を効果的に活用し、ソフトウェア開発プロセスを革新するための知識を提供します。 CI/CD 便覧は、開発者、エンジニア、プロジェクトマネージャー、およびソフトウェア開発に関わる全ての方々にとって価値のあるリソースとなることを目指しています。 == 導入と概要 == === CI/CD の概要 === CI/CD(Continuous Integration/Continuous DeliveryまたはContinuous Deployment)は、ソフトウェア開発プロセスの自動化と効率化を目的としたアプローチです。CIでは、開発者がコードを共有リポジトリに統合する際に自動的にビルドやテストが実行されます。CDでは、ソフトウェアをいつでもリリース可能な状態に保ち、リリースプロセスを自動化します。これにより、開発チームは迅速かつ信頼性の高いソフトウェアを提供できるようになります。 === なぜ CI/CD を導入するのか === CI/CDを導入する主な理由は、開発プロセスの効率化と品質向上です。CI/CDによって、次のような利点が得られます。 迅速な反復とリリース: CI/CDにより、開発者は短いサイクルでコードをテストし、リリースできます。これにより、新機能の追加やバグ修正が迅速に行われます。 品質の向上: 自動化されたビルドとテストにより、品質管理が向上し、バグが早期に発見されます。これにより、安定したソフトウェアを提供できます。 作業の透明化: CI/CDパイプラインを通じて、コードの変更やビルドの状況がリアルタイムで可視化されます。開発者は常にプロジェクトの状態を把握できます。 リスクの低減: 自動化されたデプロイメントプロセスにより、人為的なエラーやヒューマンエラーを減らし、安定したリリースを保証します。 === CI/CD の利点と課題 === CI/CDの利点は明白ですが、課題も存在します。 ;利点: :高速な開発とリリース :品質の向上と安定性の確保 :チームの生産性向上 :リソースの効率的な活用 ;課題: :導入コストと学習曲線 :セキュリティとコンプライアンスの懸念 :パイプラインの複雑化とメンテナンス :文化的な変化と組織の適応 CI/CDの導入にはコストや課題が伴いますが、それらを乗り越えることで、開発プロセスの効率化と品質の向上に大きな利益がもたらされます。 == CI/CD の基礎 == === Continuous Integration の原則 === Continuous Integration (CI) は、開発者がコードを共有リポジトリに統合する際に、自動的にビルドやテストを実行するプロセスです。CIの原則には以下が含まれます: #<code>頻繁な統合</code>:開発者は定期的にコードを共有リポジトリに統合し、CIパイプラインをトリガーします。 #<code>自動化されたビルド</code>:コードの統合後、ビルドプロセスが自動的に開始されます。このプロセスはソースコードから実行可能なアプリケーションを生成します。 #<code>自動化されたテスト</code>:ビルド後に、自動化されたテストスイートが実行されます。これにより、コードの変更が既存の機能や互換性に影響を与えないかどうかが検証されます。 #<code>即時なフィードバック</code>:テスト結果やビルドの状態は、開発者に即時にフィードバックされます。問題が発生した場合は、すぐに対処することができます。 === Continuous Delivery と Continuous Deployment の違い === Continuous Delivery (CD) と Continuous Deployment (CD) は、ソフトウェアをリリース可能な状態に保つプラクティスですが、微妙な違いがあります。 *<code>Continuous Delivery</code>:ソフトウェアをいつでもリリース可能な状態に保ちますが、実際のリリースは手動で行われます。開発チームは、リリースのタイミングや内容を制御し、リリースの準備が整ったら手動でトリガーします。 *<code>Continuous Deployment</code>:リリースプロセスも自動化され、特定の条件を満たすと自動的にリリースが行われます。開発チームはコードの変更を行い、CI/CDパイプラインが自動的にテスト、ビルド、デプロイを行い、リリースされたソフトウェアがエンドユーザーに提供されます。 === CI/CD パイプラインの構成要素 === CI/CD パイプラインは、複数の構成要素から構成されます。主要な要素には以下が含まれます: ソース管理: コードのバージョン管理システム(例:Git、Subversion)を使用して、ソースコードを追跡、管理します。 #<code>ビルド</code>:ソースコードから実行可能なアプリケーションを生成します。ビルドは自動化され、定期的に実行されます。 #<code>テスト</code>:ビルド後に自動化されたテストが実行されます。ユニットテスト、統合テスト、E2Eテストなどのテストスイートが含まれます。 #<code>デプロイメント</code>:テストに合格したビルドは、環境にデプロイされます。これには、開発、ステージング、本番環境などが含まれます。 #<code>監視とフィードバック</code>:デプロイされたアプリケーションのパフォーマンスや状態を監視し、フィードバックを収集します。これにより、パイプラインの改善や問題の解決が可能となります。 == CI/CD ツール == === バージョン管理システム (Git、Subversion など) === === CI ツール (Jenkins、CircleCI、Travis CI など) === === テスト自動化ツール (JUnit、Selenium、Cypress など) === === コンテナ化ツール (Docker、Kubernetes など) === === デプロイメントツール (Ansible、Terraform など) === === CI/CD パイプラインの構築 === ---- == CI/CD ツール == === バージョン管理システム === バージョン管理システムは、ソースコードの追跡、管理、共有を可能にする重要なツールです。代表的なバージョン管理システムには、以下があります: *<code> Git</code>:分散型バージョン管理システムであり、柔軟性と効率性が高い。GitHub、GitLab、Bitbucketなどのプラットフォームと統合されており、開発者コミュニティで広く採用されている。 *<code> Subversion (SVN)</code>:集中型バージョン管理システムであり、古典的なソースコード管理手法を提供する。単一のリポジトリでの管理が特徴である。 === CI ツール === CIツールは、自動的にビルド、テスト、デプロイメントを実行するためのプラットフォームです。主要なCIツールには、以下があります: *<code> Jenkins</code>:オープンソースのCI/CDツールであり、柔軟なプラグインシステムと豊富なコミュニティサポートが特徴です。 *<code> CircleCI</code>:クラウドベースのCI/CDプラットフォームであり、Dockerコンテナを利用したビルドとテストの並行実行が可能です。 *<code> Travis CI</code>:オープンソースのCI/CDサービスであり、GitHubとのシームレスな統合が可能です。 === テスト自動化ツール === テスト自動化ツールは、ソフトウェアの品質を維持するために使用されます。代表的なテスト自動化ツールには、以下があります: *<code> JUnit</code>:Javaアプリケーションのユニットテストを実行するためのフレームワークです。 *<code> Selenium</code>:WebアプリケーションのUIテストを自動化するためのツールであり、さまざまなブラウザでテストを実行できます。 *<code> Cypress</code>:モダンなWebアプリケーションのエンドツーエンドテストを自動化するためのフレームワークであり、高速で信頼性の高いテストが可能です。 === コンテナ化ツール === コンテナ化ツールは、アプリケーションやサービスを独立したコンテナにパッケージ化するためのツールです。代表的なコンテナ化ツールには、以下があります: *<code> Docker</code>:コンテナ化されたアプリケーションを作成、配布、実行するためのプラットフォームであり、開発から本番環境までの一貫した実行環境を提供します。 *<code> Kubernetes</code>:コンテナ化されたアプリケーションのデプロイメント、スケーリング、管理を自動化するオーケストレーションツールであり、複雑なマイクロサービスアーキテクチャの管理に適しています。 === デプロイメントツール === デプロイメントツールは、アプリケーションやインフラストラクチャのデプロイメントを自動化するためのツールです。代表的なデプロイメントツールには、以下があります: *<code> Ansible</code>:インフラストラクチャの自動化と構成管理を行うためのオープンソースのツールであり、シンプルな記述形式と柔軟性が特徴です。 *<code> Terraform</code>:インフラストラクチャのコード化とプロビジョニングを行うためのツールであり、クラウドプロバイダーに依存しないインフラ管理が可能です。 === CI/CD パイプラインの構築 === CI/CDパイプラインの構築は、上記のツールを統合して自動化された開発、テスト、デプロイメントプロセスを構築することです。これにより、開発チームは素早くかつ信頼性の高いソフトウェアを提供できるようになります。パイプラインの構築には、ツールの選定、設定、スクリプトの作成、ワークフローの定義などが含まれます。 == ソースコード管理とビルドの設定 == === テストの自動化と統合 === === デプロイメント戦略の設計 === === パイプラインの監視と改善 === == CI/CD のベストプラクティス == === テスト駆動開発 (TDD) の導入 === === レビューとフィードバックのプロセス === === インフラストラクチャのコード化とバージョン管理 === === セキュリティとコンプライアンスの考慮 === == CI/CD の展望 == === DevOps との関連性 === === AI/ML の導入と CI/CD の統合 === === サーバーレスアーキテクチャとの適合性 === == CI/CD の実装事例 == === 有名企業の事例紹介 === === 成功事例と失敗事例の分析 === == 小史 == CI/CD(Continuous Integration/Continuous DeliveryまたはContinuous Deployment)の概念は、ソフトウェア開発のプロセスを改善し、効率を高めるために長い歴史を持っています。 以下に、CI/CDの主なマイルストーンと歴史を示します: *2000年代初頭:CIの登場 *:ソフトウェアの複雑さが増し、チームが大規模なプロジェクトに取り組む際に、ソースコードの統合に関する問題が顕在化し始める。 *:2000年代初頭には、CIの概念が提唱され、自動化されたビルドとテストプロセスが開発プロセスに導入される。 *2000年代後半:CIの普及とツールの登場 *:オープンソースのCIツール、特にJenkins(当時はHudson)の登場により、CIが広く普及し始める。CIツールの発展により、開発者はソースコードの変更が他のチームメンバーの作業に影響を与えないかどうかを迅速に検証できるようになる。 *2010年代初頭:CDの概念の浸透 *:2010年代初頭には、Continuous Delivery(CD)の概念が浸透し始める。CDは、CIの原則を拡張し、ソフトウェアをリリース可能な状態に保つプロセスを自動化することを目指す。この時期には、ビルド、テスト、デプロイメントの自動化を統合したCI/CDツールが登場し、開発プロセス全体を自動化することが可能となる。 *2010年代後半:Continuous Deploymentの台頭 *:Continuous Deployment(CD)の概念がより一般的になり、一部の組織ではリリースプロセスの完全な自動化を実現し始める。コンテナ技術の普及により、アプリケーションの環境依存性を軽減し、CDの実装が容易になる。 *2020年代:CI/CDの普及と進化 *:2020年代に入ると、CI/CDの導入が企業や組織のデフォルトとなりつつあり、ソフトウェア開発プロセスの主流となる。AIや機械学習の進化により、CI/CDパイプラインの自動化や改善がさらに促進される。 *2020年代中盤(現在):持続的な改善と新たなトレンド *:現在は、CI/CDの実践において持続的な改善が重要視されており、自動化の向上やセキュリティ、コンプライアンスへの対応が注目されている。クラウドネイティブなアプリケーション開発やマイクロサービスアーキテクチャの普及に伴い、CI/CDの適用範囲が拡大している。 CI/CDは、ソフトウェア開発の歴史と共に進化してきました。その中核には、開発プロセスの自動化と効率化に対する持続的な取り組みがあります。 [[Category:プログラミング]]
2024-01-26T01:31:26Z
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[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/CI/CD
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国家公務員法第82条
法学>行政法>国家公務員法>コンメンタール国家公務員法 (懲戒の場合) 地方公務員法
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法学>行政法>国家公務員法>コンメンタール国家公務員法
[[法学]]>[[行政法]]>[[国家公務員法]]>[[コンメンタール国家公務員法]] ==条文== (懲戒の場合) ;第82条   #職員が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該職員に対し、懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。 ##この法律若しくは[[国家公務員倫理法]]又はこれらの法律に基づく命令([[国家公務員倫理法第5条]]第3項の規定に基づく訓令及び同条第4項の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合 ##職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合 ##国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合 #職員が、任命権者の要請に応じ特別職に属する国家公務員、地方公務員又は沖縄振興開発金融公庫その他その業務が国の事務若しくは事業と密接な関連を有する法人のうち人事院規則で定めるものに使用される者(以下この項において「特別職国家公務員等」という。)となるため退職し、引き続き特別職国家公務員等として在職した後、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合(一の特別職国家公務員等として在職した後、引き続き一以上の特別職国家公務員等として在職し、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合を含む。)において、当該退職までの引き続く職員としての在職期間(当該退職前に同様の退職(以下この項において「先の退職」という。)、特別職国家公務員等としての在職及び職員としての採用がある場合には、当該先の退職までの引き続く職員としての在職期間を含む。以下この項において「要請に応じた退職前の在職期間」という。)中に前項各号のいずれかに該当したときは、当該職員に対し、同項に規定する懲戒処分を行うことができる。定年前再任用短時間勤務職員が、年齢60年以上退職者となつた日までの引き続く職員としての在職期間(要請に応じた退職前の在職期間を含む。)又は[[国家公務員法第60条の2|第60条の2]]第1項の規定によりかつて採用されて定年前再任用短時間勤務職員として在職していた期間中に前項各号のいずれかに該当したときも、同様とする。 ==解説== :公務員に対する懲戒処分について、懲戒権者は、諸般の事情を考慮して、懲戒処分をするか否か、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択するかを決定する裁量権を有しており、その判断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となるものと解される。 ==参照条文== 地方公務員法 *[[地方公務員法第29条]] *:第1項 *:職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。 *:#この法律若しくは[[地方公務員法第57条|第57条]]に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合 *:#職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合 *:#全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合 ==判例== #[https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53213 行政処分無効確認等、附帯](最高裁判決 昭和52年12月20日) 本条(ただし、昭和40年法律第69号にる改正前のもの)8、[[国家公務員法第98条|国家公務員法98条]]1項/同(昭和40年法律第69号にる改正前のもの)5項、[[国家公務員法第84条|国家公務員法(昭和40年法律第69号にる改正前のもの)84条]]、[[国家公務員法第101条|国家公務員法(昭和40年法律第69号にる改正前のもの)101条]]1項、[[人事院規則14-1]](昭和24年5月9日施行)3項、[[行政事件訴訟法第30条|行政事件訴訟法30条]] ##'''職員の行為が国家公務員法(昭和40年法律第69号による改正前のもの)98条5項に違反する場合と同法98条1項、101条1項、人事院規則14-1第3項違反''' ##:職員の行為が(昭和40年法律第69号による改正前のもの)98条5項に違反する場合と同法98条1項、101条1項、人事院規則14-1第3項の違反となることを妨げられない。 ##'''公務員に対する懲戒処分の適否に関する裁判所の審査''' ##:裁判所が懲戒権者の裁量権の行使としてされた公務員に対する懲戒処分の適否を審査するにあたつては、懲戒権者と同一の立場に立つて懲戒処分をすべきであつたかどうか又はいかなる処分を選択すべきであつたかについて判断し、その結果と右処分とを比較してその軽重を論ずべきものではなく、それが社会観念上著しく妥当を欠き裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法と判断すべきものである。 ##'''争議行為等の禁止規定違反などを理由としてされた税関職員に対する懲戒免職処分が裁量権の範囲を超えこれを濫用したものとはいえないとされた事例''' ##:勤務時間内の職場集会、繁忙期における怠業、超過勤務の一せい拒否等の争議行為に参加しあるいはこれをあおりそそのかしたことが国家公務員法の争議行為等の禁止規定に違反するなどの理由でされた税関職員に対する懲戒免職処分は、右職場集会が公共性の極めて強い税関におけるもので職場離脱が職場全体で行われ当局の再三の警告、執務命令を無視して強行されたこと、右怠業が業務処理の妨害行為を伴いその遅延により業者に迷惑を及ぼしたこと、右超過勤務の一せい拒否が職場全体に及び業者からも抗議が出ていたこと、職員に処分の前歴があることなど判示のような事情のもとでは、社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえず、懲戒権者に任された裁量権の範囲を超えこれを濫用したものと判断することはできない。 ===関連判例=== ;[[地方公務員法第29条#判例]] ---- {{前後 |[[コンメンタール国家公務員法|国家公務員法]] |[[コンメンタール国家公務員法#3|第3章 官職の基準]]<br> [[コンメンタール国家公務員法#3-6|第6節 分限、懲戒及び保障]]<br> [[コンメンタール国家公務員法#3-6-2|第2款 分限及び懲戒]] |[[地方公務員法第81条の8]]<br>(定年に関する事務の調整等) |[[地方公務員法第83条]]<br>(懲戒の効果) }} {{stub|law}} [[category:国家公務員法|82]]
2024-01-26T07:18:01Z
2024-01-26T07:18:01Z
[ "テンプレート:前後", "テンプレート:Stub" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%85%AC%E5%8B%99%E5%93%A1%E6%B3%95%E7%AC%AC82%E6%9D%A1
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ウィキブックス・スクール/高校英語/基礎
ウィキブックス・スクール/高校英語/基礎へようこそ。ここでは、高校英語基礎レベルを取り扱います。 基本的に、予習、講座の受け方は上位ページに従ってください。ここでは復習と、ちょっとした留意点だけ取り上げます。 音読は1講座ごとに最低7回やりましょう。最終的には20回読んでいただきます。20回読んだらさっさと標準クラスへ進んでしまいましょう。 また、巷に溢れている「正しい音読法」は気にしなくて結構です。自分のペースで、正しい発音で読んでください。ノートの端にあるメモなどをちらちらと見ながら音読すれば、それで十分です。 各講座を受けた後は、確認テストを受けてください。90点以上取ったら次に行きましょう。多分取れます。基礎クラスの最後には総確認テストもありますよ。 最後に、この基礎クラスは1ヶ月以内に全て受けてください。 これらのことをやっていただければ完璧です。 現在整備中となっています。ご了承ください。
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{{PAGENAME}}へようこそ。ここでは、高校英語基礎レベルを取り扱います。 == ガイダンス == 基本的に、予習、講座の受け方は上位ページに従ってください。ここでは復習と、ちょっとした留意点だけ取り上げます。 === 音読 === 音読は1講座ごとに最低7回やりましょう。最終的には20回読んでいただきます。20回読んだらさっさと標準クラスへ進んでしまいましょう。 また、巷に溢れている「正しい音読法」は気にしなくて結構です。自分のペースで、正しい発音で読んでください。ノートの端にあるメモなどをちらちらと見ながら音読すれば、それで十分です。 === テスト === 各講座を受けた後は、確認テストを受けてください。90点以上取ったら次に行きましょう。多分取れます。基礎クラスの最後には総確認テストもありますよ。 === その他 === 最後に、この基礎クラスは'''1ヶ月以内に全て受けてください。''' これらのことをやっていただければ完璧です。 == 講座一覧 == *[[/1]] *[[/2]] *[[/3]] *[[/4]] *[[/5]] ''現在整備中となっています。ご了承ください。'' {{デフォルトソート:wikibooksりゆうこうこうえいこ|1}} [[Category:高等学校教育]] [[カテゴリ:英語]]
2024-01-28T10:29:46Z
2024-01-31T11:54:46Z
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ウィキブックス・スクール/高校英語/基礎/1
こんばんは。ウィキブックス・スクール英語基礎 第1講になります。 講座の組み立て方としては となっています。 ちょっと講座の受け方について。 まず、ライティングが終わった段階で、リーディングに移るのですが、その際リーディングの文章を全文ノートに書き写してください。行間は2、3行空けとくといいかもです。 それから板書ですが、ここに載せている画像のような感じでとってみると、音読の時に役立ちますよ。詳しいやり方はそれぞれのとこで解説するので、まあ、読み進めて。ただ、一つ留めておいてほしいのは、必ずメモをとってください。いくら面倒でも、メモはとってくれないと、あんまり、理解はできないんじゃないでしょうか。 正直な話、このページをバーっと下にスクロールするだけで学力がつくんなら、誰も苦労しませんよ。だから、頑張ってメモをとりましょうね。 復習については、また後で言います。それではライティングをやっていきましょう。 ライティングは7題あります。しっかりメモをとって。それでは問題をみましょうか。 難しいですね!6番なんて、どうやるんでしょうね。経済学とか学びたければ、避けては通れないんじゃないでしょうか。いろんな文法事項が混じっていて、これから詳しく取り上げていくのも含まれているんですが。 ここからシドニーオペラハウスまではどれくらい遠いですか? えー、オーストラリアとかで使うんじゃないでしょうか。これが使えるとそれなりに役立つでしょう。まず、「どれくらい遠い」という表現ですが、「how far~」という表現を使います。疑問詞ですので文頭に置き、 になります。そして疑問文ですから、この後に「動詞」「主語」と続くわけですね。「is it」になるんですが、これは、「困ったときに置く主語、動詞」です。ちょっと解説します? 例えば、「今日は暑いです」と書きましょうか。今からヘンな文を書きます。 これだと、ニュアンスが「『今日』というのは暑い」になりかねません。というか、なります。流石におかしいですよね。これだと困るので、主語をItにし、 になるわけです。「今日」とか「距離」とかいった概念を主語にするのはあまり勧められないというところですかね。 同様の理由で、1番も、疑問文の動詞・主語がis itになり「How far is it~」になります。 次に、「ここからシドニーオペラハウスまで」ですが「from here to the Sydney Opera House」です。「from A to B」で「AからBまで」、重要表現なので必ず覚えてください。 この二つを繋げるともうできましたね。解答はこのようになります。 How far is it from here to the Sydney Opera House? ついでにHowを使った重要表現を一通りおさえてください。ちなみにHow単体では「どうやって」とか「どんな感じで」という意味です。「How far~」はもういいですね。「どのくらい遠い?」です。下の表も、わかんないのだけでいいですから、絶対にメモして。 リンダはあの頃、いつもギターを弾いていた。 なんだか哀愁漂う文ですね。「used to」を使ってもいいんですが、ここでは過去進行形の特別な使い方を使ってみましょう。 現在進行形については流石にいいですね。be動詞の後に動詞のing形がつくだけです。過去進行になると、ingの前のbe動詞が過去形になると。 で、繰り返されることは進行形でも表せるんです。このとき、頻度を表す単語と一緒に使います。例えばusuallyとかevery dayとかが、「頻度を表す単語」ですね。これは現在・過去どちらでも使えます。 リンダは「Linda」、女性の名前です。結構目にしたことがあるんじゃないでしょうか。で、「いつもギターを弾いていた」を特別な過去進行で表すから となります。楽器の前にはtheが付くんでしたね。この文に「あの頃」を入れます。この表現は大事ですから、「この頃」と一緒に覚えてください。 簡単ですね。「あの」がthat、複数形にするとthose、前が複数形ですから後ろのdaysも複数。「these days」も同様です。 文末に入れると仕上がりますね。 Linda was always playing the guitar those days. alwaysとかusuallyとかoftenとかがどこに来るかは分かってますか?be動詞の後ろ、一般動詞の前です。 スマホを探しているの。どこにあるか知ってる? 前半は簡単じゃん。「探す」はsearch forでもいいですが、それだとちょっと格式張ってるので「look for」にしましょう。スマホは「cell phone」ですね。「mobile phone」でもいいですよ。 「探している」は進行形にしときましょうか。スマホは多分その人のものでしょう。さすがにスマホを2つ持ってて両方失くしたなんてのはないでしょうから「cell phone」は単数形でいいですね。 「cell phone」は「mobile phone」でもいいですよ。 続いて後半部分です。いわゆる「間接疑問文」というやつですね。まず「主節」(文全体の主語がある文節)を書いてみましょう。この分の主語は、和文では省略されていますが多分「あなたは」でしょうね。分かりやすいように和文を書き直すと「あなたはどこにそれ(スマホ)があるか知ってる?」になります。 文全体の主語「あなたは」に対応する述語は「知ってる?」になりますか。合わせて「あなたは知ってる?」になります。その部分をまず書きましょう。疑問文ですから、 になります。簡単ですね。ここに「どこにそれ(スマホ)があるか」を付け足します。「どこにそれがあるか」の方がわかりやすいでしょうか。この「どこにそれがあるか」は、英語にすると疑問詞が入るので「疑問詞節」とでも呼びますか(正式名称じゃないですよ)。ここを普通に書けば「Where is it」なんですが、これは、間接疑問文の疑問詞節です。間接疑問文の主節じゃないとこ(たいてい疑問詞節)は、普通に主語・動詞の順で並びます。 別に大して怖がることでもなくて、和文が「どこにそれがあるか」でしょ?「Where is it?」だと「それはどこにあるか?」と訳せます。一方、「Where it is」だと「どこにそれがあるか」になります。前者をこの問題の主節につけると「どこにそれがあるか?あなたは知ってる?」一文の中に二つも疑問があるのはキモいじゃん。そういうこと。 これに従って書き換えると、疑問詞節は「Where it is」になります。これを繋げて、解答は になります。オレンジの三角で囲われているところが「疑問詞節」です。ちゃんと「主語(ここではit)・動詞(ここではis)」の順に並んでいますね。3番全体の答えは、二つを繋げるとできます。 I am looking for my cell phone. Do you know where it is? 来月から海外旅行に行きます。 未来の話ってやつですね。「be going to」と「will」の二つがありますが、ざっくり違いを解説しましょうか。 この時系列は、だいたい主観で構いません。今回の場合、まさか当日になって「よし、海外に行こう。」なんて人はいないでしょう。よって「be going to」を使います。 主語は一人なのか複数人なのかわかりませんね。どっちでもよいということを表すため、解答中では「 [ I/We ] 」みたいな感じでスラッシュで区切って表しますよ。大カッコは「ひとまとまり」を表します。IとWe、どっちをメモしていただいても構いません。両方書きたいなら、スラッシュで区切らずに上下に分けて書いたほうがいいと思いますよ。 話がそれましたね。「海外旅行」は「travel abroad」くらいでいいでしょう。「abroad」は「海外」です。「abroad」の前に「to」は要りません。そして、「来月から」は「from next month」です。「From A to B」とほぼ同じ用法ですね。よって解答はこうなります。 [ I/We ] are going to travel abroad from next month. ご機嫌いかが?-ありがとう。とてもいいわ。 えっと、これは慣用表現になりますね。よく挨拶で聞くでしょう、「How are you?」で全く問題ありません。ただ、皆さんには「ちょっとネイティブっぽい英語」を覚えてもらいます。簡単です。「How are you」の後に「doing」か「today」をつければいいのです。どっちでも構いません。 件の「どっちでもいい時は大カッコスラッシュ」で表しました。メモするときは4番で書いた方法に従ってください。 で、これに対する返答です。皆さんは「I'm great.」とか、たまに「I'm fine, thank you.」とかを習ってきたんじゃないでしょうか。こんないちいち主語動詞のある文を作ってなくていいので、これで済ませましょう。 または、 どちらでも返答として成立します。もちろん「Really good, thank you.」みたいに繋げてもいいですよ。 How are you [ doing/today ]? - Good, thank you. / Really Good. 和文の返答が「ありがとう。とてもいいわ」なので「Good, thank you.」のほうがいいでしょう。 近頃の株相場の上昇についてどうお考えですか。 はい、難しそうなやつです。でもこんなのにいちいちびびってたらキリがないので、文を分割して書いていきましょう。 まず、文全体の主語は、やっぱり省略されてますが「あなたは」でしょうね。それに対応する述語は「どうお考えですか」。ここで注意してほしいんですが、「どう」が「how」なので「How do you think〜〜?」にしたいのは分かりますが、違います。「どう考えますか」は、「What do you think〜〜?」です。絶対に覚えてください。どうしても「How」を使いたい場合は、「How do you feel〜〜」、「どう感じますか」になります。太字で表した二つは絶対にメモして。今回の場合、主節は、「どう考えますか」に「ついて」がくっつくので「What do you think about〜〜〜?」になります。「about」は「of」でもいいですよ。 で、「近頃の株相場の上昇について」。修飾節と呼びましょう(正式じゃないと思うなあ)。「ついて」は主節の方で「about」にしましたからもういいですね。「近頃の株相場の上昇」ですが、 ですね。メモしてくださいよ。「近頃」はライティング2番でやった「these days」でも大いに結構です。解答では、大カッコスラッシュで表しましょうか。この3つの要素を並べてやると 以上が、修飾節になります。ピンクの文字のところは所謂「現在完了」、要は「継続」の文法ですね。2、3回くらい後にとても詳しくやるから大丈夫です。とりあえず「have + 動詞の過去分詞=現在まで続く継続」とだけ覚えておいてください。 主節と修飾説をくっつけてやって、 What do you think [ about/of ] the stock market has been rising [recently/these days]? になります。なんてことなかったですね。 オレたちと野球観に行かない? - 行きたいなあ。 えー、皆さんが外国に留学して、現地に友達ができて、野球を観にいきたくなった時に、これが分かんないと何もできませんね。他人を誘う慣用表現としては「Shall we~」「Let's~」とかいろいろありますが、ここでは「Why don't~」を使ってみましょう。ちなみに「Why don't~」は「Why not~」と同義です。どっち使ってもいいですよ。文全体の主語は、やっぱり省略されてるけど「あなた」、「you」でしょうね。「don't」の後にくっつけて「Why don't you~」これが主節になります。 その後に「オレたちと野球観にいく」を付けましょう。「観に行かない?」の「ない?」まではもう主節で言ったのでいらないですね。「野球」は野球の試合でしょうから、「野球の試合」が「the baseball game」、「観にいく」が「go to see」、「オレたち」が「with us」です。並べて「go to see the baseball game with us」になりました。主節とくっつけて です。 それに対する返答「行きたいなあ」。ただ答えるだけじゃないですね。否定疑問文に対する返答。質問に「don't」が含まれてるので、実は上の質問文は否定疑問文という、それなりにややこしいものだったんですね。どうします?「はい、いきたいです」だから「Yes, I want to go to see the baseball game with you」と全部書いたけど、そう答えます?それとも、「いいえ、行きたいです」だから「No,I want to~」のほうがいいのかしら? だんだんこんがらがってきましたね。否定疑問文に対する返答は、質問文のnotを消して考えましょう。すると、先程の「Yes, I want to go to see the baseball game with you」でけっこうです。このうち「go to see~」から先は質問文の方で言ってるので消しちゃいましょう。解答は、 [ Why don't you/Why not you ]go to see the baseball game with us? - Yes, I want to. です。なんてことないですね。 7問のライティング解答を、一気に確認しましょう。 しっかりメモをとっていただけたでしょうか。 えー。 復習ですが、何をなさっても結構です。と言っても「ちゃんと復習しようね!」なんていわれたって何していいかわからないですよね。音読で結構です。ライティングとリーディングの文章を、毎講座ごとに7回ずつ。最終的には20回音読していただきます。巷で言われている「正しい音読法」などは気にしないでください。あれは上級者向け、英検2級でも早いくらい。 音読にあたって、必ずネイティブの方の発音を聴いてください。Google翻訳に通せば一応確認できます。後は自分のペースで、ゆっくり音読していきましょうね。どんなに下手でもいいです。メモと音読、この2つさえやっていただければ結構ですよ。 あの、言ってしまえば、英語なんて結局は単語&文法なんですよ。単語なんて日本語訳と英単語併せて5回くらい書けば5年は忘れませんから、後は音読ですよ。世間で言われている4技能「話す、聞く、読む、書く」のほぼ全部、音読でコンプリートできます。本当言うとライティングは「書いてみて、チェックを受ける」が一番いいやり方なんですけどね。気にしないの。 みなさんの中には、自分の進路とかそういったものをあまり考えていないというか、そんな方も少なくないと思うんですが、「自分は数学が、できねー。アキラメッ」「うち、英語できんしー」とかいって。それで教員から「偏差値のあまり良くない大学だが、推薦で狙え」なんて言われる。そんなダメなんですよ。それが積み重なっていくことで、ダメになってしまうの。まずは自信をつけましょうよ。このページ見てるってことは、ちょっとはやる気があるってことでしょ?今から大学受験まで間に合うか知らないけど、1年前とかなら完璧に間に合うから始めません? みなさんね、上を見ましょうよ。国公立志望なら東京一工、私立志望なら早慶上理に行くつもりで勉強する!それで地方旧帝大とかMARCH、関関同立受ければいいようになるんじゃないんでしょうか。例えば、あなたが偏差値40前半の高2だとして、そこから今言ったようなことして受かったらどうなります?できないって言いきれます?言い切れないでしょう?とりあえずはメモとって、音読して、他の教科も頑張りましょうよ。30点を70点に上げるのと、98点を100点にするのとどっちが簡単だと思います?30点から70点の方が断然簡単ですよ。 あと一つ、皆さんに行っておくのですが、さっさと先に進んでください。第1講が終わったら第2講。終わったら第3講。音読とテストさえ受ければ、もう何もしなくていいですから。たった1講にダラダラとしがみついてるのはダメ。よい?だって、だいたいこの基礎クラスが18講でしょ。18コマ終わらせて、音読20回すれば、もう標準クラスですよ。標準レベルになるんですよ。だから早めにどうぞ。 じゃあ、ぼちぼちリーディングをやっていきましょうか。 今回の文章はこんな感じです。ノートにボールペンか何かで書き写してください。行間を2、3行開けるといいかもです。 Brighton is a town located in the southern part of England, United Kingdom (UK). Now, it is one of the most famous resorts in the world. However, until the 18th century, it was merely a little fishing village. In the George III era, the then prince of Wales liked Brighton, and constructed Royal Pavilion. Therefore, Brighton developed as a highly fashionable seaside resort. The population of the town is about 160,000, and there is University of Sussex near the town. Brighton became a popular town by tourism. Additionally, Brighton is known for a number of large malls and is renowned in a song. The most famous point is that Brighton has beautiful beaches. As a result, the resort near the coast turned into one of the most popular sites in the UK. Furthermore, Brighton has a deep comprehension of LGBT, called "the most comfortable town in the UK". えー、「ブライトン」という街についての文章です。長いですねー。でもソースで見たら12行ですよ。ではとってもていねいに、解説していきましょう。 文全体の主語は「Brighton」、動詞は「is」で、「located」から後が「a town」を修飾しています。書き込んでみると ということになります。主節はそのまま、「ブライトンは街だ」ピンクで囲った修飾節が「イギリス、イングランド南部に位置する」ですね。「locate in」は「位置する」、なおinはatのこともあります。「the Southern part of」は「南の部分」ですから「南部」ですね。イングランドとイギリスはいいでしょう。全訳は「ブライトンはイギリス、イングランド南部に位置する町である」ですね。 では次の文。 この文は下線部で比較を使っていますね。ちょっと説明しましょうか。 中学の内容になるので飛ばしても結構ですが、比較は大雑把に分けて3つあり、「AはBと同じ」「AはBより〜だ」「Aは最高」です。 「AはBと同じくらい〜だ」ということを言いたいとき、「A...as〜as B」といいます。「〜」の形は変えない。 「AはBより〜だ」をいいたいとき、「A...『比較級』than B」となります。比較級というのは、後ろに「~er」または、単語が長すぎるときは「more+その単語」で表します。 「Aは最高だ」をいいたいとき、「A...the 『最上級』」となります。「the」は絶対つけます。「最上級」は「〜est」または「most 〜」ですね。 まあ後々の講座で丁寧にやるので、とりあえずは今書いたことだけは押さえておいてください。 で、この文では下線部分で「最上級」の比較を使っています。「one of」が「〜のうちの一つ」、「the most famous resorts」が「最も有名なリゾート地(たち)」です。あわせて「最も有名なリゾート地の一つ」ですね。水色がついているのはなぜでしょう?これは「最も有名なリゾート地(the most famous resorts)」がたくさんあって、ブライトンが「そのうちの一つ」だからです。「in the world」は「世界中で」、「Now」は現在とか今ですね。あわせて「現在、そこは世界中で最も有名なリゾート地の一つだ」。「resort」は「リゾート」でいいですよ。どうしても嫌なら「保養地」。 次の文は However「しかし」、「until」は「〜まで」で結構です。似た意味、というかほぼ同じものに「till」があります。「世紀」はcentury、これは18thですから18世紀。18世紀といったら特定できるので、「the」がつきますね。merelyは「ただの」「〜に過ぎない」両方合わせて「ただの〜に過ぎない」でもいいんじゃないでしょうか。「fishing village」は「魚釣りの村」、要は「漁村」ですね。訳は「しかし、18世紀まで、それはただの小さな漁村だった。」。 次の文は なっがい文ですね。「In the George III era」、「era」が「時代」ですから「ジョージ3世の時代」、ジョージ3世の時代は特定できるのでtheがつきますね。この後ろのコンマで一回切れます。「In the George III era /, the then prince of Wales〜」ということです。スラッシュ入れといてくださいね。その後の文章ですが、主語が「the then prince of Wales(当時の英国皇太子)」、1つ目の動詞が「liked」、andで完全に切れて、2つ目の動詞が「constructed(建設された)」。「construct」は「建設する」。重要単語。今言ったことを書き込みますと ということになります。メモとるときは、主語動詞は下線引いたらいいですよ。この文は和訳すると「ジョージ3世時代、当時の英国皇太子がブライトンを気に入り、ロイヤル・パビリオンを建設した」になります。 「Therefore」は「だから」「よって」、「so」と同じような意味です。当たり前のように出てきますよ。「develop」は「発達する」、この文は大事な単語が二つもありますね。「as」のここでの意味は「〜として」です。ちょっと書き込むと という感じで、「as」から後ろがひとかたまりになってるんですね。「highly」は「高い」ですが、ここでは「とても」でいいでしょう。「fashionable」はファッショナブルでもいいんですが、「おしゃれ」にしときましょうか。「seaside」は海辺。「resort」はさっきやりました、リゾートでいいですね。和訳して「よって、ブライトンはとてもおしゃれな海辺のリゾートとして発達した。」 「The population of the town」は「その町の人口」、これが一つ目の主語です。「about」のここでの意味は「およそ」「約」、「160,000」は16万、「one hundred sixty thousand」と読みます。「and」で完全に切れ、二つ目の主語「there」のここでの意味は「そこには」、何があるかというと「University of Sussex」、サセックス大学ですね。それが「near the town」和訳して「その町(ブライトン)の近くに」になります。書き込むと 和訳して「町の人口はおよそ16万人で、近くにはサセックス大学もある。」 「become」は「なる」、こんな簡単な文ならSだのVだの書き込むこともないですね。「popular town」は「人気な町」、「by tourism」は「観光事業によって」。「tourism」は「観光旅行」「観光事業」。和訳して「ブライトンは観光事業によって人気の街になった。」 「Additionally」は「加えて」。「add(加える)」が「addition」になり、それにヘンなのがくっついたんですね。「Brighton」が文全体の主語、「be known for〜」で「〜で知られている」。受動態ですね。で、その続きが「a number of large malls」、「たくさんの大きなショッピングモール」。「mall」は「ショッピングモール」です。ついでに「a number of」と「the number of」について解説しましょう。 超重要。 混同したら破滅しますよ。
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"同様の理由で、1番も、疑問文の動詞・主語がis itになり「How far is it~」になります。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "次に、「ここからシドニーオペラハウスまで」ですが「from here to the Sydney Opera House」です。「from A to B」で「AからBまで」、重要表現なので必ず覚えてください。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "この二つを繋げるともうできましたね。解答はこのようになります。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "How far is it from here to the Sydney Opera House?", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "ついでにHowを使った重要表現を一通りおさえてください。ちなみにHow単体では「どうやって」とか「どんな感じで」という意味です。「How far~」はもういいですね。「どのくらい遠い?」です。下の表も、わかんないのだけでいいですから、絶対にメモして。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "リンダはあの頃、いつもギターを弾いていた。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "なんだか哀愁漂う文ですね。「used to」を使ってもいいんですが、ここでは過去進行形の特別な使い方を使ってみましょう。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "現在進行形については流石にいいですね。be動詞の後に動詞のing形がつくだけです。過去進行になると、ingの前のbe動詞が過去形になると。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "で、繰り返されることは進行形でも表せるんです。このとき、頻度を表す単語と一緒に使います。例えばusuallyとかevery dayとかが、「頻度を表す単語」ですね。これは現在・過去どちらでも使えます。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "リンダは「Linda」、女性の名前です。結構目にしたことがあるんじゃないでしょうか。で、「いつもギターを弾いていた」を特別な過去進行で表すから", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "となります。楽器の前にはtheが付くんでしたね。この文に「あの頃」を入れます。この表現は大事ですから、「この頃」と一緒に覚えてください。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "簡単ですね。「あの」がthat、複数形にするとthose、前が複数形ですから後ろのdaysも複数。「these days」も同様です。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "文末に入れると仕上がりますね。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "Linda was always playing the guitar those days.", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "alwaysとかusuallyとかoftenとかがどこに来るかは分かってますか?be動詞の後ろ、一般動詞の前です。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "スマホを探しているの。どこにあるか知ってる?", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "前半は簡単じゃん。「探す」はsearch forでもいいですが、それだとちょっと格式張ってるので「look for」にしましょう。スマホは「cell phone」ですね。「mobile phone」でもいいですよ。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "「探している」は進行形にしときましょうか。スマホは多分その人のものでしょう。さすがにスマホを2つ持ってて両方失くしたなんてのはないでしょうから「cell phone」は単数形でいいですね。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "「cell phone」は「mobile phone」でもいいですよ。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "続いて後半部分です。いわゆる「間接疑問文」というやつですね。まず「主節」(文全体の主語がある文節)を書いてみましょう。この分の主語は、和文では省略されていますが多分「あなたは」でしょうね。分かりやすいように和文を書き直すと「あなたはどこにそれ(スマホ)があるか知ってる?」になります。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "文全体の主語「あなたは」に対応する述語は「知ってる?」になりますか。合わせて「あなたは知ってる?」になります。その部分をまず書きましょう。疑問文ですから、", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "になります。簡単ですね。ここに「どこにそれ(スマホ)があるか」を付け足します。「どこにそれがあるか」の方がわかりやすいでしょうか。この「どこにそれがあるか」は、英語にすると疑問詞が入るので「疑問詞節」とでも呼びますか(正式名称じゃないですよ)。ここを普通に書けば「Where is it」なんですが、これは、間接疑問文の疑問詞節です。間接疑問文の主節じゃないとこ(たいてい疑問詞節)は、普通に主語・動詞の順で並びます。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "別に大して怖がることでもなくて、和文が「どこにそれがあるか」でしょ?「Where is it?」だと「それはどこにあるか?」と訳せます。一方、「Where it is」だと「どこにそれがあるか」になります。前者をこの問題の主節につけると「どこにそれがあるか?あなたは知ってる?」一文の中に二つも疑問があるのはキモいじゃん。そういうこと。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "これに従って書き換えると、疑問詞節は「Where it is」になります。これを繋げて、解答は", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "になります。オレンジの三角で囲われているところが「疑問詞節」です。ちゃんと「主語(ここではit)・動詞(ここではis)」の順に並んでいますね。3番全体の答えは、二つを繋げるとできます。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "I am looking for my cell phone. Do you know where it is?", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "来月から海外旅行に行きます。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "未来の話ってやつですね。「be going to」と「will」の二つがありますが、ざっくり違いを解説しましょうか。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "この時系列は、だいたい主観で構いません。今回の場合、まさか当日になって「よし、海外に行こう。」なんて人はいないでしょう。よって「be going to」を使います。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "主語は一人なのか複数人なのかわかりませんね。どっちでもよいということを表すため、解答中では「 [ I/We ] 」みたいな感じでスラッシュで区切って表しますよ。大カッコは「ひとまとまり」を表します。IとWe、どっちをメモしていただいても構いません。両方書きたいなら、スラッシュで区切らずに上下に分けて書いたほうがいいと思いますよ。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "話がそれましたね。「海外旅行」は「travel abroad」くらいでいいでしょう。「abroad」は「海外」です。「abroad」の前に「to」は要りません。そして、「来月から」は「from next month」です。「From A to B」とほぼ同じ用法ですね。よって解答はこうなります。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "[ I/We ] are going to travel abroad from next month.", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "ご機嫌いかが?-ありがとう。とてもいいわ。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "えっと、これは慣用表現になりますね。よく挨拶で聞くでしょう、「How are you?」で全く問題ありません。ただ、皆さんには「ちょっとネイティブっぽい英語」を覚えてもらいます。簡単です。「How are you」の後に「doing」か「today」をつければいいのです。どっちでも構いません。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "件の「どっちでもいい時は大カッコスラッシュ」で表しました。メモするときは4番で書いた方法に従ってください。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "で、これに対する返答です。皆さんは「I'm great.」とか、たまに「I'm fine, thank you.」とかを習ってきたんじゃないでしょうか。こんないちいち主語動詞のある文を作ってなくていいので、これで済ませましょう。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "または、", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "どちらでも返答として成立します。もちろん「Really good, thank you.」みたいに繋げてもいいですよ。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "How are you [ doing/today ]? - Good, thank you. / Really Good.", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "和文の返答が「ありがとう。とてもいいわ」なので「Good, thank you.」のほうがいいでしょう。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "近頃の株相場の上昇についてどうお考えですか。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "はい、難しそうなやつです。でもこんなのにいちいちびびってたらキリがないので、文を分割して書いていきましょう。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "まず、文全体の主語は、やっぱり省略されてますが「あなたは」でしょうね。それに対応する述語は「どうお考えですか」。ここで注意してほしいんですが、「どう」が「how」なので「How do you think〜〜?」にしたいのは分かりますが、違います。「どう考えますか」は、「What do you think〜〜?」です。絶対に覚えてください。どうしても「How」を使いたい場合は、「How do you feel〜〜」、「どう感じますか」になります。太字で表した二つは絶対にメモして。今回の場合、主節は、「どう考えますか」に「ついて」がくっつくので「What do you think about〜〜〜?」になります。「about」は「of」でもいいですよ。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "で、「近頃の株相場の上昇について」。修飾節と呼びましょう(正式じゃないと思うなあ)。「ついて」は主節の方で「about」にしましたからもういいですね。「近頃の株相場の上昇」ですが、", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "ですね。メモしてくださいよ。「近頃」はライティング2番でやった「these days」でも大いに結構です。解答では、大カッコスラッシュで表しましょうか。この3つの要素を並べてやると", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "以上が、修飾節になります。ピンクの文字のところは所謂「現在完了」、要は「継続」の文法ですね。2、3回くらい後にとても詳しくやるから大丈夫です。とりあえず「have + 動詞の過去分詞=現在まで続く継続」とだけ覚えておいてください。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "主節と修飾説をくっつけてやって、", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "What do you think [ about/of ] the stock market has been rising [recently/these days]?", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "になります。なんてことなかったですね。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "オレたちと野球観に行かない? - 行きたいなあ。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "えー、皆さんが外国に留学して、現地に友達ができて、野球を観にいきたくなった時に、これが分かんないと何もできませんね。他人を誘う慣用表現としては「Shall we~」「Let's~」とかいろいろありますが、ここでは「Why don't~」を使ってみましょう。ちなみに「Why don't~」は「Why not~」と同義です。どっち使ってもいいですよ。文全体の主語は、やっぱり省略されてるけど「あなた」、「you」でしょうね。「don't」の後にくっつけて「Why don't you~」これが主節になります。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "その後に「オレたちと野球観にいく」を付けましょう。「観に行かない?」の「ない?」まではもう主節で言ったのでいらないですね。「野球」は野球の試合でしょうから、「野球の試合」が「the baseball game」、「観にいく」が「go to see」、「オレたち」が「with us」です。並べて「go to see the baseball game with us」になりました。主節とくっつけて", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "です。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "それに対する返答「行きたいなあ」。ただ答えるだけじゃないですね。否定疑問文に対する返答。質問に「don't」が含まれてるので、実は上の質問文は否定疑問文という、それなりにややこしいものだったんですね。どうします?「はい、いきたいです」だから「Yes, I want to go to see the baseball game with you」と全部書いたけど、そう答えます?それとも、「いいえ、行きたいです」だから「No,I want to~」のほうがいいのかしら?", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "だんだんこんがらがってきましたね。否定疑問文に対する返答は、質問文のnotを消して考えましょう。すると、先程の「Yes, I want to go to see the baseball game with you」でけっこうです。このうち「go to see~」から先は質問文の方で言ってるので消しちゃいましょう。解答は、", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "[ Why don't you/Why not you ]go to see the baseball game with us? - Yes, I want to.", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "です。なんてことないですね。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "7問のライティング解答を、一気に確認しましょう。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "しっかりメモをとっていただけたでしょうか。", "title": "ライティング" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "えー。", "title": "" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "復習ですが、何をなさっても結構です。と言っても「ちゃんと復習しようね!」なんていわれたって何していいかわからないですよね。音読で結構です。ライティングとリーディングの文章を、毎講座ごとに7回ずつ。最終的には20回音読していただきます。巷で言われている「正しい音読法」などは気にしないでください。あれは上級者向け、英検2級でも早いくらい。", "title": "" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "音読にあたって、必ずネイティブの方の発音を聴いてください。Google翻訳に通せば一応確認できます。後は自分のペースで、ゆっくり音読していきましょうね。どんなに下手でもいいです。メモと音読、この2つさえやっていただければ結構ですよ。", "title": "" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "あの、言ってしまえば、英語なんて結局は単語&文法なんですよ。単語なんて日本語訳と英単語併せて5回くらい書けば5年は忘れませんから、後は音読ですよ。世間で言われている4技能「話す、聞く、読む、書く」のほぼ全部、音読でコンプリートできます。本当言うとライティングは「書いてみて、チェックを受ける」が一番いいやり方なんですけどね。気にしないの。", "title": "" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "みなさんの中には、自分の進路とかそういったものをあまり考えていないというか、そんな方も少なくないと思うんですが、「自分は数学が、できねー。アキラメッ」「うち、英語できんしー」とかいって。それで教員から「偏差値のあまり良くない大学だが、推薦で狙え」なんて言われる。そんなダメなんですよ。それが積み重なっていくことで、ダメになってしまうの。まずは自信をつけましょうよ。このページ見てるってことは、ちょっとはやる気があるってことでしょ?今から大学受験まで間に合うか知らないけど、1年前とかなら完璧に間に合うから始めません?", "title": "" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "みなさんね、上を見ましょうよ。国公立志望なら東京一工、私立志望なら早慶上理に行くつもりで勉強する!それで地方旧帝大とかMARCH、関関同立受ければいいようになるんじゃないんでしょうか。例えば、あなたが偏差値40前半の高2だとして、そこから今言ったようなことして受かったらどうなります?できないって言いきれます?言い切れないでしょう?とりあえずはメモとって、音読して、他の教科も頑張りましょうよ。30点を70点に上げるのと、98点を100点にするのとどっちが簡単だと思います?30点から70点の方が断然簡単ですよ。", "title": "" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "あと一つ、皆さんに行っておくのですが、さっさと先に進んでください。第1講が終わったら第2講。終わったら第3講。音読とテストさえ受ければ、もう何もしなくていいですから。たった1講にダラダラとしがみついてるのはダメ。よい?だって、だいたいこの基礎クラスが18講でしょ。18コマ終わらせて、音読20回すれば、もう標準クラスですよ。標準レベルになるんですよ。だから早めにどうぞ。", "title": "" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "じゃあ、ぼちぼちリーディングをやっていきましょうか。", "title": "" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "今回の文章はこんな感じです。ノートにボールペンか何かで書き写してください。行間を2、3行開けるといいかもです。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "Brighton is a town located in the southern part of England, United Kingdom (UK). Now, it is one of the most famous resorts in the world. However, until the 18th century, it was merely a little fishing village. In the George III era, the then prince of Wales liked Brighton, and constructed Royal Pavilion. Therefore, Brighton developed as a highly fashionable seaside resort. The population of the town is about 160,000, and there is University of Sussex near the town.", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "Brighton became a popular town by tourism. Additionally, Brighton is known for a number of large malls and is renowned in a song. The most famous point is that Brighton has beautiful beaches. As a result, the resort near the coast turned into one of the most popular sites in the UK.", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "Furthermore, Brighton has a deep comprehension of LGBT, called \"the most comfortable town in the UK\".", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "えー、「ブライトン」という街についての文章です。長いですねー。でもソースで見たら12行ですよ。ではとってもていねいに、解説していきましょう。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "文全体の主語は「Brighton」、動詞は「is」で、「located」から後が「a town」を修飾しています。書き込んでみると", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "ということになります。主節はそのまま、「ブライトンは街だ」ピンクで囲った修飾節が「イギリス、イングランド南部に位置する」ですね。「locate in」は「位置する」、なおinはatのこともあります。「the Southern part of」は「南の部分」ですから「南部」ですね。イングランドとイギリスはいいでしょう。全訳は「ブライトンはイギリス、イングランド南部に位置する町である」ですね。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "では次の文。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "この文は下線部で比較を使っていますね。ちょっと説明しましょうか。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "中学の内容になるので飛ばしても結構ですが、比較は大雑把に分けて3つあり、「AはBと同じ」「AはBより〜だ」「Aは最高」です。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "「AはBと同じくらい〜だ」ということを言いたいとき、「A...as〜as B」といいます。「〜」の形は変えない。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "「AはBより〜だ」をいいたいとき、「A...『比較級』than B」となります。比較級というのは、後ろに「~er」または、単語が長すぎるときは「more+その単語」で表します。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "「Aは最高だ」をいいたいとき、「A...the 『最上級』」となります。「the」は絶対つけます。「最上級」は「〜est」または「most 〜」ですね。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "まあ後々の講座で丁寧にやるので、とりあえずは今書いたことだけは押さえておいてください。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "で、この文では下線部分で「最上級」の比較を使っています。「one of」が「〜のうちの一つ」、「the most famous resorts」が「最も有名なリゾート地(たち)」です。あわせて「最も有名なリゾート地の一つ」ですね。水色がついているのはなぜでしょう?これは「最も有名なリゾート地(the most famous resorts)」がたくさんあって、ブライトンが「そのうちの一つ」だからです。「in the world」は「世界中で」、「Now」は現在とか今ですね。あわせて「現在、そこは世界中で最も有名なリゾート地の一つだ」。「resort」は「リゾート」でいいですよ。どうしても嫌なら「保養地」。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "次の文は", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "However「しかし」、「until」は「〜まで」で結構です。似た意味、というかほぼ同じものに「till」があります。「世紀」はcentury、これは18thですから18世紀。18世紀といったら特定できるので、「the」がつきますね。merelyは「ただの」「〜に過ぎない」両方合わせて「ただの〜に過ぎない」でもいいんじゃないでしょうか。「fishing village」は「魚釣りの村」、要は「漁村」ですね。訳は「しかし、18世紀まで、それはただの小さな漁村だった。」。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "次の文は", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "なっがい文ですね。「In the George III era」、「era」が「時代」ですから「ジョージ3世の時代」、ジョージ3世の時代は特定できるのでtheがつきますね。この後ろのコンマで一回切れます。「In the George III era /, the then prince of Wales〜」ということです。スラッシュ入れといてくださいね。その後の文章ですが、主語が「the then prince of Wales(当時の英国皇太子)」、1つ目の動詞が「liked」、andで完全に切れて、2つ目の動詞が「constructed(建設された)」。「construct」は「建設する」。重要単語。今言ったことを書き込みますと", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "ということになります。メモとるときは、主語動詞は下線引いたらいいですよ。この文は和訳すると「ジョージ3世時代、当時の英国皇太子がブライトンを気に入り、ロイヤル・パビリオンを建設した」になります。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "「Therefore」は「だから」「よって」、「so」と同じような意味です。当たり前のように出てきますよ。「develop」は「発達する」、この文は大事な単語が二つもありますね。「as」のここでの意味は「〜として」です。ちょっと書き込むと", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "という感じで、「as」から後ろがひとかたまりになってるんですね。「highly」は「高い」ですが、ここでは「とても」でいいでしょう。「fashionable」はファッショナブルでもいいんですが、「おしゃれ」にしときましょうか。「seaside」は海辺。「resort」はさっきやりました、リゾートでいいですね。和訳して「よって、ブライトンはとてもおしゃれな海辺のリゾートとして発達した。」", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "「The population of the town」は「その町の人口」、これが一つ目の主語です。「about」のここでの意味は「およそ」「約」、「160,000」は16万、「one hundred sixty thousand」と読みます。「and」で完全に切れ、二つ目の主語「there」のここでの意味は「そこには」、何があるかというと「University of Sussex」、サセックス大学ですね。それが「near the town」和訳して「その町(ブライトン)の近くに」になります。書き込むと", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "和訳して「町の人口はおよそ16万人で、近くにはサセックス大学もある。」", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "「become」は「なる」、こんな簡単な文ならSだのVだの書き込むこともないですね。「popular town」は「人気な町」、「by tourism」は「観光事業によって」。「tourism」は「観光旅行」「観光事業」。和訳して「ブライトンは観光事業によって人気の街になった。」", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "「Additionally」は「加えて」。「add(加える)」が「addition」になり、それにヘンなのがくっついたんですね。「Brighton」が文全体の主語、「be known for〜」で「〜で知られている」。受動態ですね。で、その続きが「a number of large malls」、「たくさんの大きなショッピングモール」。「mall」は「ショッピングモール」です。ついでに「a number of」と「the number of」について解説しましょう。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "超重要。", "title": "リーディング" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "混同したら破滅しますよ。", "title": "リーディング" } ]
こんばんは。ウィキブックス・スクール英語基礎 第1講になります。 講座の組み立て方としては ライティング 7題 リーディング 1題 となっています。 ちょっと講座の受け方について。 まず、ライティングが終わった段階で、リーディングに移るのですが、その際リーディングの文章を全文ノートに書き写してください。行間は2、3行空けとくといいかもです。 それから板書ですが、ここに載せている画像のような感じでとってみると、音読の時に役立ちますよ。詳しいやり方はそれぞれのとこで解説するので、まあ、読み進めて。ただ、一つ留めておいてほしいのは、必ずメモをとってください。いくら面倒でも、メモはとってくれないと、あんまり、理解はできないんじゃないでしょうか。 正直な話、このページをバーっと下にスクロールするだけで学力がつくんなら、誰も苦労しませんよ。だから、頑張ってメモをとりましょうね。 復習については、また後で言います。それではライティングをやっていきましょう。
こんばんは。ウィキブックス・スクール英語基礎 第1講になります。 講座の組み立て方としては *ライティング 7題 *リーディング 1題 となっています。 ちょっと講座の受け方について。 まず、ライティングが終わった段階で、リーディングに移るのですが、その際リーディングの文章を全文ノートに書き写してください。行間は2、3行空けとくといいかもです。 それから板書ですが、ここに載せている画像のような感じでとってみると、音読の時に役立ちますよ。詳しいやり方はそれぞれのとこで解説するので、まあ、読み進めて。ただ、一つ留めておいてほしいのは、'''必ずメモをとってください。'''いくら面倒でも、メモはとってくれないと、あんまり、理解はできないんじゃないでしょうか。 正直な話、このページをバーっと下にスクロールするだけで学力がつくんなら、誰も苦労しませんよ。だから、頑張ってメモをとりましょうね。 復習については、また後で言います。それではライティングをやっていきましょう。 == ライティング == ライティングは7題あります。しっかりメモをとって。それでは問題をみましょうか。 <blockquote> #ここからシドニーオペラハウスまではどれくらい遠いですか? #リンダはあの頃、いつもギターを弾いていた。 #スマホを探しているの。どこにあるか知ってる? #来月から海外旅行に行きます。 #ご機嫌いかが?-ありがとう。とてもいいわ。 #近頃の株相場の上昇についてどうお考えですか? #オレたちと野球観に行かない?-行きたいなあ。 </blockquote> 難しいですね!6番なんて、どうやるんでしょうね。経済学とか学びたければ、避けては通れないんじゃないでしょうか。いろんな文法事項が混じっていて、これから詳しく取り上げていくのも含まれているんですが。 === 1番 === [[File:Sydney Opera House and Harbour Bridge Dusk (3) 2019-06-21.jpg|thumb|世界遺産になっているシドニーオペラハウス。]] <blockquote> ここからシドニーオペラハウスまではどれくらい遠いですか? </blockquote> えー、オーストラリアとかで使うんじゃないでしょうか。これが使えるとそれなりに役立つでしょう。まず、「どれくらい遠い」という表現ですが、「'''how far~'''」という表現を使います。疑問詞ですので文頭に置き、 *<code>How far</code> になります。そして疑問文ですから、この後に「動詞」「主語」と続くわけですね。「is it」になるんですが、これは、「困ったときに置く主語、動詞」です。ちょっと解説します? ---- 例えば、「今日は暑いです」と書きましょうか。今からヘンな文を書きます。 *<code>Today is hot.</code> これだと、ニュアンスが「『今日』というのは暑い」になりかねません。というか、なります。流石におかしいですよね。これだと困るので、主語をItにし、 *<code>It is hot today.</code> になるわけです。「今日」とか「距離」とかいった概念を主語にするのはあまり勧められないというところですかね。 ---- 同様の理由で、1番も、疑問文の動詞・主語がis itになり「<code>How far is it~</code>」になります。 次に、「ここからシドニーオペラハウスまで」ですが「<code>from here to the Sydney Opera House</code>」です。'''「from A to B」で「AからBまで」'''、重要表現なので必ず覚えてください。 この二つを繋げるともうできましたね。解答はこのようになります。 <blockquote> How far is it from here to the Sydney Opera House? </blockquote> ついでにHowを使った重要表現を一通りおさえてください。ちなみにHow単体では「どうやって」とか「どんな感じで」という意味です。「How far~」はもういいですね。「どのくらい遠い?」です。下の表も、わかんないのだけでいいですから、絶対にメモして。 {| class="wikitable" style="background-color:#E0FFFF;" |+ How を使った重要表現 ! style="background-color:#AFEEEE;" | 英語表現  ! style="background-color:#AFEEEE;" | 日本語の意味 |- | How long~ || どのくらい長い |- | How many~(名詞の複数形) || どのくらい多い(<ins>可算名詞に使う</ins>) |- | How much~(不可算名詞) || どのくらい多い(<ins>不可算名詞に使う</ins>) |- | How many times~ || 何回 |- | How soon~ || どのくらい経過したら |- | How often~ || どのくらいの頻度 |} === 2番 === <blockquote> リンダはあの頃、いつもギターを弾いていた。 </blockquote> なんだか哀愁漂う文ですね。「used to」を使ってもいいんですが、ここでは<ins>過去進行形の特別な使い方</ins>を使ってみましょう。 現在進行形については流石にいいですね。be動詞の後に動詞のing形がつくだけです。過去進行になると、ingの前のbe動詞が過去形になると。 で、'''繰り返されることは進行形でも表せる'''んです。このとき、'''頻度を表す単語と一緒に使います'''。例えばusuallyとかevery dayとかが、「頻度を表す単語」ですね。これは<ins>現在・過去どちらでも使えます</ins>。 リンダは「<code>Linda</code>」、女性の名前です。結構目にしたことがあるんじゃないでしょうか。で、「いつもギターを弾いていた」を特別な過去進行で表すから *<code>Linda was always playing the guitar</code> となります。<ins>楽器の前にはtheが付く</ins>んでしたね。この文に「あの頃」を入れます。この表現は大事ですから、「この頃」と一緒に覚えてください。 *あのころ→those days *このころ→these days 簡単ですね。「あの」がthat、複数形にするとthose、前が複数形ですから後ろのdaysも複数。「these days」も同様です。 文末に入れると仕上がりますね。 <blockquote> Linda was always playing the guitar those days. </blockquote> alwaysとかusuallyとかoftenとかがどこに来るかは分かってますか?<ins>be動詞の後ろ、一般動詞の前</ins>です。 === 3番 === <blockquote> スマホを探しているの。どこにあるか知ってる? </blockquote> 前半は簡単じゃん。「探す」はsearch forでもいいですが、それだとちょっと格式張ってるので「'''look for'''」にしましょう。スマホは「<ins>cell phone</ins>」ですね。「<ins>mobile phone</ins>」でもいいですよ。 「探している」は進行形にしときましょうか。スマホは多分その人のものでしょう。さすがにスマホを2つ持ってて両方失くしたなんてのはないでしょうから「cell phone」は単数形でいいですね。 *<code>I am looking for my cell phone.</code> 「cell phone」は「mobile phone」でもいいですよ。 続いて後半部分です。いわゆる「間接疑問文」というやつですね。まず<ins>「主節」(文全体の主語がある文節)</ins>を書いてみましょう。この分の主語は、和文では省略されていますが多分「あなたは」でしょうね。分かりやすいように和文を書き直すと「あなたはどこにそれ(スマホ)があるか知ってる?」になります。 文全体の主語「あなたは」に対応する述語は「知ってる?」になりますか。合わせて「あなたは知ってる?」になります。その部分をまず書きましょう。疑問文ですから、 *<code>Do you know〜〜?</code> になります。簡単ですね。ここに「どこにそれ(スマホ)があるか」を付け足します。「どこにそれがあるか」の方がわかりやすいでしょうか。この「どこにそれがあるか」は、英語にすると疑問詞が入るので「疑問詞節」とでも呼びますか(正式名称じゃないですよ)。ここを普通に書けば「<code>Where is it</code>」なんですが、これは、間接疑問文の疑問詞節です。'''間接疑問文の主節じゃないとこ(たいてい疑問詞節)は、普通に主語・動詞の順で並びます。''' 別に大して怖がることでもなくて、和文が「どこにそれがあるか」でしょ?<ins>「Where is it?」だと「それはどこにあるか?」と訳せます。一方、「Where it is」だと「どこにそれがあるか」になります。</ins>前者をこの問題の主節につけると「どこにそれがあるか?あなたは知ってる?」'''一文の中に二つも疑問があるのはキモいじゃん。'''そういうこと。 これに従って書き換えると、疑問詞節は「Where it is」になります。これを繋げて、解答は *<code>Do you know <font color="#ff8c00"><</font>where it is<font color="#ff8c00">></font>?</code> になります。オレンジの三角で囲われているところが「疑問詞節」です。ちゃんと「主語(ここではit)・動詞(ここではis)」の順に並んでいますね。3番全体の答えは、二つを繋げるとできます。 <blockquote> I am looking for my cell phone. Do you know where it is? </blockquote> === 4番 === <blockquote> 来月から海外旅行に行きます。 </blockquote> 未来の話ってやつですね。「be going to」と「will」の二つがありますが、ざっくり違いを解説しましょうか。 *be going to→前から決めていること *will→今決めたこと この時系列は、だいたい主観で構いません。今回の場合、まさか当日になって「よし、海外に行こう。」なんて人はいないでしょう。よって「be going to」を使います。 主語は一人なのか複数人なのかわかりませんね。どっちでもよいということを表すため、解答中では「 [ I/We ] 」みたいな感じでスラッシュで区切って表しますよ。大カッコは「ひとまとまり」を表します。IとWe、どっちをメモしていただいても構いません。両方書きたいなら、スラッシュで区切らずに上下に分けて書いたほうがいいと思いますよ。 話がそれましたね。「海外旅行」は「travel abroad」くらいでいいでしょう。「abroad」は「海外」です。<ins>「abroad」の前に「to」は要りません</ins>。そして、「来月から」は「<ins>from</ins> next month」です。「From A to B」とほぼ同じ用法ですね。よって解答はこうなります。 <blockquote> [ I/We ] are going to travel abroad from next month. </blockquote> === 5番 === <blockquote> ご機嫌いかが?-ありがとう。とてもいいわ。 </blockquote> えっと、これは慣用表現になりますね。よく挨拶で聞くでしょう、「How are you?」で全く問題ありません。ただ、皆さんには「ちょっとネイティブっぽい英語」を覚えてもらいます。簡単です。「How are you」の後に「doing」か「today」をつければいいのです。どっちでも構いません。 *<code>How are you [ doing/today ] ?</code> 件の「どっちでもいい時は大カッコスラッシュ」で表しました。メモするときは4番で書いた方法に従ってください。 で、これに対する返答です。皆さんは「I'm great.」とか、たまに「I'm fine, thank you.」とかを習ってきたんじゃないでしょうか。<ins>こんないちいち主語動詞のある文を作ってなくていいので</ins>、これで済ませましょう。 *<code>Good, thank you.</code> または、 *<code>Really Good.</code> どちらでも返答として成立します。もちろん「Really good, thank you.」みたいに繋げてもいいですよ。 <blockquote> How are you [ doing/today ]? - Good, thank you. / Really Good. </blockquote> 和文の返答が「ありがとう。とてもいいわ」なので「Good, thank you.」のほうがいいでしょう。 === 6番 === <blockquote> 近頃の株相場の上昇についてどうお考えですか。 </blockquote> はい、難しそうなやつです。でもこんなのにいちいちびびってたらキリがないので、<ins>文を分割して書いていきましょう。</ins> まず、文全体の主語は、やっぱり省略されてますが「あなたは」でしょうね。それに対応する述語は「どうお考えですか」。ここで注意してほしいんですが、「どう」が「how」なので「How do you think〜〜?」にしたいのは分かりますが、<ins>違います。</ins>'''「どう考えますか」は、「What do you think〜〜?」'''です。絶対に覚えてください。どうしても「How」を使いたい場合は、'''「How do you feel〜〜」、「どう感じますか」'''になります。太字で表した二つは絶対にメモして。今回の場合、主節は、「どう考えますか」に「ついて」がくっつくので「<code>What do you think <ins>about</ins>〜〜〜?</code>」になります。「about」は「of」でもいいですよ。 で、「近頃の株相場の上昇について」。修飾節と呼びましょう(正式じゃないと思うなあ)。「ついて」は主節の方で「about」にしましたからもういいですね。「近頃の株相場の上昇」ですが、 *株相場→(the) stock market *(相場の)上昇→rise *近頃→recently ですね。メモしてくださいよ。「近頃」はライティング2番でやった「these days」でも大いに結構です。解答では、大カッコスラッシュで表しましょうか。この3つの要素を並べてやると *<code>the stock market <font color="#ff1493">has been rising</font> [ recently/these days ].</code> 以上が、修飾節になります。ピンクの文字のところは所謂「現在完了」、要は「継続」の文法ですね。2、3回くらい後にとても詳しくやるから大丈夫です。とりあえず'''「have + 動詞の過去分詞=現在まで続く継続」'''とだけ覚えておいてください。 主節と修飾説をくっつけてやって、 <blockquote> What do you think [ about/of ] the stock market has been rising [recently/these days]? </blockquote> になります。なんてことなかったですね。 === 7番 === <blockquote> オレたちと野球観に行かない? - 行きたいなあ。 </blockquote> [[File:Shohei Ohtani and Ippei Mizuhara (48035187472) (cropped).jpg|thumb|left|ビッグ・スター!]] えー、皆さんが外国に留学して、現地に友達ができて、野球を観にいきたくなった時に、これが分かんないと何もできませんね。<ins>他人を誘う慣用表現としては「Shall we~」「Let's~」</ins>とかいろいろありますが、ここでは「'''Why don't~'''」を使ってみましょう。ちなみに「Why don't~」は「'''Why not~'''」と同義です。どっち使ってもいいですよ。文全体の主語は、やっぱり省略されてるけど「あなた」、「you」でしょうね。「don't」の後にくっつけて「<code>Why don't you~</code>」これが主節になります。 その後に「オレたちと野球観にいく」を付けましょう。「観に行かない?」の「ない?」まではもう主節で言ったのでいらないですね。「野球」は野球の試合でしょうから、<ins>「野球の試合」が「the baseball game」、「観にいく」が「go to see」、「オレたち」が「with us」</ins>です。並べて「<code>go to see the baseball game with us</code>」になりました。主節とくっつけて *<code>[ Why don't you/Why not you ] go to see the baseball game with us?</code> です。 それに対する返答「行きたいなあ」。ただ答えるだけじゃないですね。<ins>否定疑問文に対する返答。</ins>質問に「don't」が含まれてるので、実は上の質問文は否定疑問文という、それなりにややこしいものだったんですね。どうします?「はい、いきたいです」だから「Yes, I want to go to see the baseball game with you」と全部書いたけど、そう答えます?それとも、「いいえ、行きたいです」だから「No,I want to~」のほうがいいのかしら? だんだんこんがらがってきましたね。否定疑問文に対する返答は、'''質問文のnotを消して考えましょう。'''すると、先程の「Yes, I want to go to see the baseball game with you」でけっこうです。このうち「go to see~」から先は質問文の方で言ってるので消しちゃいましょう。解答は、 <blockquote> [ Why don't you/Why not you ]go to see the baseball game with us? - Yes, I want to. </blockquote> です。なんてことないですね。 === ライティング総確認 === 7問のライティング解答を、一気に確認しましょう。 <blockquote> #How far is it from here to the Sydney Opera House? #Linda was always playing the guitar those days. #I am looking for my cell phone. Do you know where it is? #We are going to travel abroad from next month. #How are you doing? - Good, thank you. #What do you think about the stock market has rising recently? #Why don't you go to see the baseball game with us? - Yes, I want to. </blockquote> しっかりメモをとっていただけたでしょうか。 == == えー。 復習ですが、何をなさっても結構です。と言っても「ちゃんと復習しようね!」なんていわれたって何していいかわからないですよね。'''音読で結構です。'''ライティングとリーディングの文章を、毎講座ごとに7回ずつ。最終的には20回音読していただきます。巷で言われている「正しい音読法」などは気にしないでください。あれは上級者向け、英検2級でも早いくらい。 音読にあたって、<ins>必ずネイティブの方の発音を聴いてください。</ins>Google翻訳に通せば一応確認できます。後は自分のペースで、ゆっくり音読していきましょうね。どんなに下手でもいいです。メモと音読、この2つさえやっていただければ結構ですよ。 あの、言ってしまえば、英語なんて結局は単語&文法なんですよ。単語なんて日本語訳と英単語併せて5回くらい書けば5年は忘れませんから、後は音読ですよ。世間で言われている4技能「話す、聞く、読む、書く」のほぼ全部、音読でコンプリートできます。本当言うとライティングは「書いてみて、チェックを受ける」が一番いいやり方なんですけどね。気にしないの。 みなさんの中には、自分の進路とかそういったものをあまり考えていないというか、そんな方も少なくないと思うんですが、「自分は数学が、できねー。アキラメッ」「うち、英語できんしー」とかいって。それで教員から「偏差値のあまり良くない大学だが、推薦で狙え」なんて言われる。<ins>そんなダメなんですよ。</ins>それが積み重なっていくことで、ダメになってしまうの。まずは自信をつけましょうよ。このページ見てるってことは、ちょっとはやる気があるってことでしょ?今から大学受験まで間に合うか知らないけど、1年前とかなら完璧に間に合うから始めません? みなさんね、上を見ましょうよ。国公立志望なら東京一工、私立志望なら早慶上理に行くつもりで勉強する!それで地方旧帝大とかMARCH、関関同立受ければいいようになるんじゃないんでしょうか。例えば、あなたが偏差値40前半の高2だとして、そこから今言ったようなことして受かったらどうなります?<ins>できないって言いきれます?</ins>言い切れないでしょう?とりあえずはメモとって、音読して、他の教科も頑張りましょうよ。<ins>30点を70点に上げるのと、98点を100点にするのとどっちが簡単だと思います?</ins>30点から70点の方が断然簡単ですよ。 あと一つ、皆さんに行っておくのですが、'''さっさと先に進んでください。'''第1講が終わったら第2講。終わったら第3講。音読とテストさえ受ければ、もう何もしなくていいですから。たった1講にダラダラとしがみついてるのはダメ。よい?だって、だいたいこの基礎クラスが18講でしょ。18コマ終わらせて、音読20回すれば、もう標準クラスですよ。<ins>標準レベルになるんですよ。</ins>だから早めにどうぞ。 じゃあ、ぼちぼちリーディングをやっていきましょうか。 == リーディング == 今回の文章はこんな感じです。ノートにボールペンか何かで書き写してください。行間を2、3行開けるといいかもです。 <blockquote>  Brighton is a town located in the southern part of England, United Kingdom (UK). Now, it is one of the most famous resorts in the world. However, until the 18th century, it was merely a little fishing village. In the George III era, the then prince of Wales liked Brighton, and constructed Royal Pavilion. Therefore, Brighton developed as a highly fashionable seaside resort. The population of the town is about 160,000, and there is University of Sussex near the town.  Brighton became a popular town by tourism. Additionally, Brighton is known for a number of large malls and is renowned in a song. The most famous point is that Brighton has beautiful beaches. As a result, the resort near the coast turned into one of the most popular spots in the UK.  Furthermore, There is a deep comprehension of LGBT in Brighton, called "the most comfortable town in the UK". </blockquote> えー、「ブライトン」という街についての文章です。長いですねー。でもソースで見たら12行ですよ。ではとってもていねいに、解説していきましょう。 [[File:Brighton Beach, East Sussex - geograph.org.uk - 2689519.jpg|380px|thumb|ブライトンのビーチ]] *Brighton is a town located in the southern part of England, United Kingdom (UK). 文全体の主語は「Brighton」、動詞は「is」で、「located」から後が「a town」を修飾しています。書き込んでみると *Brighton is a town <font color="#c71585">←〔 </font>located in the southern part of England, United Kingdom(UK)<font color="#c71585"> 〕</font> ということになります。主節はそのまま、「ブライトンは街だ」ピンクで囲った修飾節が「イギリス、イングランド南部に位置する」ですね。<ins>「locate in」は「位置する」、なおinはatのこともあります。</ins>「the Southern part of」は「南の部分」ですから「南部」ですね。イングランドとイギリスはいいでしょう。全訳は「<code>ブライトンはイギリス、イングランド南部に位置する町である</code>」ですね。 では次の文。 *Now, it is <ins><font color="#1e90ff">one of</font> the most famous <font color="#1e90ff">resorts</font></ins> in the world. この文は下線部で比較を使っていますね。ちょっと説明しましょうか。 ---- 中学の内容になるので飛ばしても結構ですが、比較は大雑把に分けて3つあり、「AはBと同じ」「AはBより〜だ」「Aは最高」です。 *'''原級'''(AはBと同じ) 「AはBと同じくらい〜だ」ということを言いたいとき、「<ins>A...as〜as B</ins>」といいます。「〜」の形は変えない。 *'''比較級'''(AはBより〜だ) 「AはBより〜だ」をいいたいとき、「<ins>A...『比較級』than B</ins>」となります。比較級というのは、後ろに「'''~er'''」または、単語が長すぎるときは「'''more+その単語'''」で表します。 *'''最上級'''(Aは最高だ) 「Aは最高だ」をいいたいとき、「<ins>A...the 『最上級』</ins>」となります。「the」は絶対つけます。「最上級」は「'''〜est'''」または「'''most 〜'''」ですね。 まあ後々の講座で丁寧にやるので、とりあえずは今書いたことだけは押さえておいてください。 ---- で、この文では下線部分で「最上級」の比較を使っています。「<font color="#1e90ff">one of</font>」が「〜のうちの一つ」、「'''the most''' famous <font color="#1e90ff">resorts</font>」が「最も有名なリゾート地(たち)」です。あわせて「最も有名なリゾート地の一つ」ですね。水色がついているのはなぜでしょう?これは<ins>「最も有名なリゾート地(the most famous resort'''s''')」がたくさんあって、ブライトンが「そのうちの一つ」だからです。</ins>「in the world」は「世界中で」、「Now」は現在とか今ですね。あわせて「<code>現在、そこは世界中で最も有名なリゾート地の一つだ</code>」。「resort」は「リゾート」でいいですよ。どうしても嫌なら「行楽地」。 次の文は *However, until the 18th century, it was merely a little fishing village. However「しかし」、<ins>「until」は「〜まで」で結構です。似た意味、というかほぼ同じものに「'''till'''」</ins>があります。「世紀」はcentury、これは18thですから18世紀。18世紀といったら<ins>特定できるので</ins>、「the」がつきますね。'''merelyは「ただの」「〜に過ぎない」'''両方合わせて「ただの〜に過ぎない」でもいいんじゃないでしょうか。「fishing village」は「魚釣りの村」、要は「漁村」ですね。訳は「<code>しかし、18世紀まで、それはただの小さな漁村だった。</code>」。 [[File:The Royal Pavilion Brighton UK.jpg|340px|left|thumb|ロイヤル・パビリオン]] 次の文は *In the George III era, the then prince of Wales liked Brighton, and constructed Royal Pavilion. なっがい文ですね。「In the George III era」、<ins>「era」が「時代」</ins>ですから「ジョージ3世の時代」、ジョージ3世の時代は<ins>特定できるのでtheがつきますね。</ins>この後ろのコンマで一回切れます。「In the George III era<font color="#ff1493">''' /'''</font>, the then prince of Wales〜」ということです。スラッシュ入れといてくださいね。その後の文章ですが、主語が「the then prince of Wales(当時の英国皇太子)」、1つ目の動詞が「liked」、andで完全に切れて、2つ目の動詞が「constructed(建設された)」。'''「construct」は「建設する」'''。重要単語。今言ったことを書き込みますと *In the George III era<font color="#ff1493"> '''/'''</font>, <font color="#ff1493">[<small>S</small></font> the then prince of Wales<font color="#ff1493">]</font> <font color="#ff1493">[<small>V1</small> </font>liked<font color="#ff1493"> ]</font>Brighton <font color="#1e90ff">//</font>and <font color="#ff1493">[<small>V2</small></font> constructed<font color="#ff1493">]</font> Royal Pavilion. ということになります。メモとるときは、主語動詞は下線引いたらいいですよ。この文は和訳すると「<code>ジョージ3世時代、当時の英国皇太子がブライトンを気に入り、ロイヤル・パビリオンを建設した</code>」になります。 *Therefore, Brighton developed as a highly fashionable seaside resort. <ins>「Therefore」は「だから」「よって」、「so」と同じような意味</ins>です。当たり前のように出てきますよ。'''「develop」は「発達する」'''、この文は大事な単語が二つもありますね。<ins>「as」のここでの意味は「〜として」</ins>です。ちょっと書き込むと *Therefore, Brighton developed <font color="#1e90ff"><</font>as a highly fashionable seaside resort<font color="1e90ff">></font>. という感じで、「as」から後ろがひとかたまりになってるんですね。<ins>「highly」は「高い」</ins>ですが、ここでは「とても」でいいでしょう。「fashionable」はファッショナブルでもいいんですが、「おしゃれ」にしときましょうか。「seaside」は海辺。「resort」はさっきやりました、リゾートでいいですね。和訳して「<code>よって、ブライトンはとてもおしゃれな海辺のリゾートとして発達した。</code>」 [[File:Falmer House, University of Sussex - geograph.org.uk - 3544046.jpg|300px|thumb|サセックス大学の校内]] *The population of the town is about 160,000, and there is University of Sussex near the town. 「The population of the town」は「その町の人口」、これが一つ目の主語です。<ins>「about」のここでの意味は「およそ」「約」</ins>、「160,000」は16万、「one hundred sixty thousand」と読みます。「and」で完全に切れ、二つ目の主語「there」のここでの意味は「そこには」、何があるかというと「University of Sussex」、サセックス大学ですね。それが「near the town」和訳して「その町(ブライトン)の近くに」になります。書き込むと *<font color="1e90ff">[<small>S1</small></font>The population of the town<font color="1e90ff"> ]</font><font color="1e90ff"> [<small>V1</small> </font>is<font color="1e90ff"> ]</font> about 160,000, <font color="ff1493"> //</font>and <font color="1e90ff">[<small>S2</small></font> there<font color="1e90ff"> ] </font><font color="1e90ff">[<small>V2</small> </font>is <font color="1e90ff">]</font> University of Sussex near the town. 和訳して「<code>町の人口はおよそ16万人で、近くにはサセックス大学もある。</code>」 *Brighton became a popular town by tourism. 「become」は「なる」、こんな簡単な文ならSだのVだの書き込むこともないですね。主語はブライトン、動詞は「become」。「popular town」は「人気な町」、「by tourism」は「観光事業によって」。'''「tourism」は「観光旅行」「観光事業」。'''和訳して「<code>ブライトンは観光事業によって人気の街になった。</code>」 *Additionally, Brighton is known for a number of large malls and is renowned in a song. '''「Additionally」は「加えて」。'''「add(加える)」が「addition」になり、それにヘンなのがくっついて「Additionally」になったんですね。そこで切れて、「Brighton」が文全体の主語、<ins>「be known for〜」で「〜で知られている」</ins>。受動態ですね。で、その続きが「a number of large malls」、「たくさんの大きなショッピングモール」。「mall」は「ショッピングモール」です。ついでに「a number of」と「the number of」について解説しましょう。 ---- 超重要。 *'''A '''number of〜 → '''たくさんの〜''' *'''The '''number of〜 → '''〜の数は''' 混同したら破滅しますよ。 ---- それでandで完全に切れて、2つ目の動詞が「is renowned」。<ins>「be renowned」は「有名だ」</ins>。大事です。「in a song」は「歌の中」、つまり歌になっているってことですね。一応書き込みましょうか。 *Additionally<font color="#ff1493">/</font>, <font color="#ff1493">[<small>S</small></font>Brighton <font color="#ff1493">]</font><font color="#ff1493">[<small>V1</small></font>is known for<font color="#ff1493">]</font> a number of large malls <font color="#ff1493">//</font>and <font color="#ff1493">[<small>V2</small></font>is renowned<font color="#ff1493">]</font> in a song. 和訳して、「<code>加えて、ブライトンはたくさんの大きなショッピングモールで知られており、また歌になっていることでも有名だ。</code>」この歌は、クイーンの「Brighton Rock」のことじゃないでしょうか。 *The most famous point is that Brighton has beautiful beaches. 「The most famous point」は「最も有名な点」。字面通りですね。isが動詞で、that節がまとまってますね。書き込みましょうか。 *The most famous point is <font color="#1e90ff">←<</font>that Brighton has beautiful beaches<font color="#1e90ff">></font>. 主語動詞は省略します。that節の中は、直訳すると「ブライトンは綺麗なビーチを持っている」要は「ブライトンには綺麗なビーチがある」ということですね。主節とくっつけて「<code>最も有名な点は、ブライトンには綺麗なビーチがあるという点だ。</code>」 *As a result, the resort near the coast turned into one of the most popular spots in the UK. '''As a result = 結果として。'''主語は「the resort near the coast」、<ins>「coast」は「海岸」</ins>ですね。「海岸近くのそのリゾート地は」resortはリゾート地でもOK。動詞は'''「turned into」、「変わった」'''。「become」とほぼ同じ意味です。一旦かくと *As a result<font color="#ff1493">/</font>, <font color="#ff1493">[<small>S</small></font>the resort near the coast<font color="#ff1493">]</font> <font color="#ff1493">[<small>V</small></font>turned into<font color="#ff1493">]</font> <ins><font color="#ff8c00">one of</font> the most popular <font color="#ff8c00">spots</font></ins> in the UK. えっと、動詞「turned into」までは解説したので、その後から。下線部「one of the most popular spots」で比較の最上級が使われてますね。「最も人気のある場所の一つ」です。オレンジになっている「one of」と「spots」ですが、<ins>最も有名なスポットがいくつかあって、そのうちの一つがブライトン</ins>ということですね。「in the UK」は「イギリスで」。和訳して「<code>結果として、海岸近くのそのリゾート地は、イギリスで最も有名な場所の一つになった。</code>」 *Furthermore<font color="#1e90ff">/</font>, <font color="#1e90ff">[<small>S</small></font>there<font color="#1e90ff">]</font> <font color="#1e90ff">[<small>V1</small></font>is<font color="#1e90ff">]</font> a deep comprehension of LGBT in Brighton,<font color="#1e90ff">//</font> <font color="#1e90ff">[<small>V2</small></font>called<font color="#1e90ff">]</font> "the most comfortable town in the UK". '''Furthermore は「さらに」'''、<ins>同義語として「in addition」「additionally」</ins>があります。主語は「there」、動詞1が「is」、'''「comprehension」は「理解」'''。「ブライトンにはLGBTについて深い(deep)理解があり」、2つ目のコンマで完全に切れて動詞2が「called」。ここは分詞構文を使っていますね。 ---- 分詞構文は絶対大事なので、ここで一旦覚えてください。やり方は簡単。<ins>動詞が2つ以上あり、主語は同じ文のときは #接続詞を消す #主語を消す #動詞を〜ing形にする これだけ。ここでは元の文は「〜,and there is called "〜」、意味は「〜、そしてそこは〜と呼ばれている」でした。1、接続詞「and」が消え 2、主語「there」が前とかぶっているので消す 3、動詞「is」を進行形「being」にする。 で、消せないこともありますが、<ins>この場合だと「being」も消せる</ins>。意味は変わりません。まあbeingがいつ消えるかということについては、多分ずーっと後の方だろうけどやるので、気にしないで。 ---- で、「""」で囲まれているとこが「イギリスで最も住みやすい町」。'''「comfortable」は「快適な」'''、ここでは「住みやすい」に変えましたけど。和訳して「<code>さらに、ブライトンにはLGBTについて深い理解があり、『イギリスで最も住みやすい町』と呼ばれている。</code>」 読みましたね。書き込んだやつを載せると <blockquote>  Brighton is a town <font color="#c71585">←〔 </font>located in the southern part of England, United Kingdom(UK)<font color="#c71585"> 〕</font>. Now, it is <ins><font color="#1e90ff">one of</font> the most famous <font color="#1e90ff">resorts</font></ins> in the world. However, until the 18th century, it was merely a little fishing village. In the George III era<font color="#ff1493"> '''/'''</font>, <font color="#ff1493">[<small>S</small></font> the then prince of Wales<font color="#ff1493">]</font> <font color="#ff1493">[<small>V1</small> </font>liked<font color="#ff1493"> ]</font>Brighton <font color="#1e90ff">//</font>and <font color="#ff1493">[<small>V2</small></font> constructed<font color="#ff1493">]</font> Royal Pavilion. Therefore, Brighton developed <font color="#1e90ff"><</font>as a highly fashionable seaside resort<font color="1e90ff">></font>. <font color="1e90ff">[<small>S1</small></font>The population of the town<font color="1e90ff"> ]</font><font color="1e90ff"> [<small>V1</small> </font>is<font color="1e90ff"> ]</font> about 160,000, <font color="ff1493"> //</font>and <font color="1e90ff">[<small>S2</small></font> there<font color="1e90ff"> ] </font><font color="1e90ff">[<small>V2</small> </font>is <font color="1e90ff">]</font> University of Sussex near the town.  Brighton became a popular town by tourism. Additionally<font color="#ff1493">/</font>, <font color="#ff1493">[<small>S</small></font>Brighton <font color="#ff1493">]</font><font color="#ff1493">[<small>V1</small></font>is known for<font color="#ff1493">]</font> a number of large malls <font color="#ff1493">//</font>and <font color="#ff1493">[<small>V2</small></font>is renowned<font color="#ff1493">]</font> in a song. The most famous point is <font color="#1e90ff">←<</font>that Brighton has beautiful beaches<font color="#1e90ff">></font>. As a result<font color="#ff1493">/</font>, <font color="#ff1493">[<small>S</small></font>the resort near the coast<font color="#ff1493">]</font> <font color="#ff1493">[<small>V</small></font>turned into<font color="#ff1493">]</font> <ins><font color="#ff8c00">one of</font> the most popular <font color="#ff8c00">spots</font></ins> in the UK.  Furthermore<font color="#1e90ff">/</font>, <font color="#1e90ff">[<small>S</small></font>there<font color="#1e90ff">]</font> <font color="#1e90ff">[<small>V1</small></font>is<font color="#1e90ff">]</font> a deep comprehension of LGBT in Brighton,<font color="#1e90ff">//</font> <font color="#1e90ff">[<small>V2</small></font>called<font color="#1e90ff">]</font> "the most comfortable town in the UK". </blockquote> いかがでしたかね。和文の方はメモ取ってもらっていると思うので、載せませんよ。 == 終わりに == えー、第1講が終わりました。ちゃんと音読を7回。ほんとは10回と言いたいけど7回。それと確認テストを受けてもらって、'''合格点90点。'''やってりゃ絶対取れるので心配しないで。リンクは下にあります。 では終わりにしましょう。さようなら。 <span style="font-size:200%">[[/テスト|確認テスト]]</font> {{デフォルトソート:ういきふつくすすくうる|こうこうえいこ|きそ|1}} [[Category:ウィキブックス・スクール|こうこうえいこきそ1]] [[カテゴリ:英語]]
2024-01-28T13:22:39Z
2024-02-08T12:17:48Z
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こんにちは。'''ウィキブックス・スクール'''へようこそ。あなたの受講を歓迎します。 ここでは現在、高校の内容のみを取り扱っています。科目は基本5教科となっています(国数英理社)<!--ぜひ中学の内容や、その他高校の内容も、なんでも追加してください。高校は芸術関連、特に情報科を求めています。初版執筆者が専門外ですのでできません。中学関連は、ぜひ進めていただけると幸いです。初版執筆者は、高校の整備が終わり次第取り組みます。-->。 == 中学校の内容 == ''現在整備中です。申し訳ありませんが、[[中学校の学習]]をご覧ください。'' == 高等学校の内容 == 予習、復習などのやり方は各ページに従ってください。 === 国語 === ==== 文系向け ==== *[[/高校現代文]]・・・小説、評論文など取り扱っています。 *[[/高校古文漢文]]・・・発展クラスでは、奈良時代の文章も取り扱います。 ==== 理系向け ==== *[[/高校現代文(理)]] *[[/高校古文漢文(理)]] === 数学 === (2022年以降の新課程版で解説します。) ==== 文系向け ==== *[[/数学I・A(文)]] *[[/数学II・B・C]](文) ==== 理系向け ==== *[[/数学I・A]] *[[/数学II・B]][[/数学III・C|・C]] *[[/数学III]]<!--誰か助けてください。初版執筆者は文系なので、数3Cは全くわかりません。この下の物理や科学、生物、地学もそうです。「基礎」がつけばちょっとはわかりますが。--> === 英語 === *[[/高校英語]]・・・英語の力を伸ばします。 === 理科 === *[[/物理]] *[[/物理基礎]] *[[/化学]] *[[/化学基礎]] *[[/生物]] *[[/生物基礎]] *[[/地学]] *[[/地学基礎]] === 社会 === *[[/日本史]] *[[/世界史]] {{デフォルトソート:ういきふつくすすくうる}} [[Category:ウィキブックス・スクール|*]] [[Category:中学校教育]] [[Category:高等学校教育]]
2024-01-29T11:26:51Z
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スタリオン箕浦/sandbox/基礎/1
こんばんは。Wikibooks流英語基礎 第1講になります。 講座の組み立て方としては となっています。復習は音読ですが、必ずネイティブの方の発音を聴いてからにしてください。Google翻訳などに通せば簡単に聴けます。 それではライティングをやっていきましょう。 ライティングは6題あります。
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OSS開発ツール/ツールチェイン
ツールチェインは、ソフトウェア開発プロセスにおいて重要な役割を果たす一連のツールの組み合わせです。主に、コンパイル工程で使用されるツールで構成されます。 以下に、ツールチェインの主要な構成要素と代表的なツールを紹介します。 以下は、binutilsに含まれる主要なコマンドと、それに対応するGCC、LLVM、およびelfutilsのコマンドの対応関係を示した表です。 これらの機能を提供する代表的なツールには、次のようなものがあります。 これらのツールは、ソフトウェア開発のさまざまな段階で使用され、コンパイル工程を支援しています。ツールチェインの選択は、プロジェクトの要件や開発者の好みに応じて行われますが、これらのツールは広く利用されている信頼性の高いオプションです。 GCCとClangのLTO(リンク時最適化)、PGO(プロファイルガイド最適化)、PCH(プリコンパイルヘッダー)、C++モジュールの間にはいくつかの非互換性があります。 これらの非互換性のため、GCCとClangのプロジェクトやビルド間での相互運用性には注意が必要です。 特に、LTOやPGOなどの高度な最適化を使用する場合は、ツールチェーンを統一することが重要です。 言語処理系に統合されたツールチェインは、言語のコンパイラやビルドツールなどのツールが言語処理系に含まれていることを指します。以下に、いくつかの言語の例を挙げます。 これらのツールは、Go言語の標準ライブラリに含まれており、開発者が簡単に利用できます。 その他にも、以下のようなドロップインツールがあります: さらに、以下のコマンドも利用できます: これらのツールは、Zig言語の標準ライブラリとして提供されており、開発者がプロジェクトのビルド、テスト、およびドキュメント生成を簡単に行えるように設計されています。 これらの言語では、言語の主要なツールが言語処理系に統合されているため、開発者は追加のインストールや設定をする必要がありません。言語の公式ディストリビューションをダウンロードしてインストールするだけで、すぐにプロジェクトの開発を開始することができます。 ツールチェインのベストプラクティスにはいくつかの重要な点があります。以下に、ソフトウェア開発プロセスでツールチェインを効果的に使用するためのいくつかのベストプラクティスを示します。 ツールチェインの適切な選択と管理は、ソフトウェア開発プロセスの効率性と品質に大きく影響します。これらのベスト:プラクティスを遵守することで、プロジェクトの成功に貢献することができます。
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ツールチェインは、ソフトウェア開発プロセスにおいて重要な役割を果たす一連のツールの組み合わせです。主に、コンパイル工程で使用されるツールで構成されます。 以下に、ツールチェインの主要な構成要素と代表的なツールを紹介します。 以下は、binutilsに含まれる主要なコマンドと、それに対応するGCC、LLVM、およびelfutilsのコマンドの対応関係を示した表です。 これらの機能を提供する代表的なツールには、次のようなものがあります。 これらのツールは、ソフトウェア開発のさまざまな段階で使用され、コンパイル工程を支援しています。ツールチェインの選択は、プロジェクトの要件や開発者の好みに応じて行われますが、これらのツールは広く利用されている信頼性の高いオプションです。
{{Nav}} ツールチェインは、ソフトウェア開発プロセスにおいて重要な役割を果たす一連のツールの組み合わせです。主に、コンパイル工程で使用されるツールで構成されます。 以下に、ツールチェインの主要な構成要素と代表的なツールを紹介します。 ;ar(1): アーカイブ(静的ライブラリ)の操作を行うユーティリティ。複数のオブジェクトファイルをまとめてライブラリにする。ライブラリの作成、更新、展開などに使用される。 ;as(1): アセンブラ。アセンブリ言語を機械語に変換するツール。ソースコードをコンパイルしてオブジェクトファイルを生成する。 ;gprof(1): プログラムのプロファイリング情報を生成する。プログラムの実行時の関数呼び出しの回数や時間を計測し、性能のプロファイリングを行う。 ;ld(1): リンカ。オブジェクトファイルやライブラリをリンクして実行可能ファイルや共有ライブラリを生成する。外部ライブラリの解決やアドレスの再配置を行う。 ;nm(1): シンボル情報の表示を行う。オブジェクトファイルやライブラリに含まれるシンボルの一覧を表示する。 ;ranlib(1): アーカイブファイルに索引を作成する。アーカイブ内のオブジェクトファイルの位置やサイズなどの情報をインデックス化し、高速なシンボル検索を可能にする。 ;size(1): オブジェクトファイルのサイズ情報を表示する。セクションごとのサイズや合計サイズなどを表示し、プログラムのメモリ使用量などを確認する。 ;strings(1): バイナリファイルからASCII文字列を抽出する。プログラム内に含まれるテキスト文字列や識別子などの情報を抽出して表示する。 ;strip(1): 実行可能ファイルや共有ライブラリからシンボル情報を削除する。ファイルサイズを削減し、セキュリティ向上や実行速度の向上を図る。 以下は、binutilsに含まれる主要なコマンドと、それに対応するGCC、LLVM、およびelfutilsのコマンドの対応関係を示した表です。 :{| class=wikitable |+ ツールとツールチェイン毎の対応 |- !ツール!!binutils!!GCC!!LLVM!!elfutils!!説明 |- |addr2line||addr2line||addr2line||llvm-addr2line||eu-addr2line||アドレスからソースファイルと行番号を特定 |- |ar |ar |gcc-ar |llvm-ar | - | アーカイブファイルの作成と操作 |- | as | as | gcc | llvm-as | eu-as |アセンブラ |- |c++filt |c++filt |c++filt |llvm-cxxfilt | - | C++シンボルデマングリング |- | dwp | dwp | - | llvm-dwp | - | DWARFプログラムの結合 |- |elfedit |elfedit | - |llvm-elfedit | - | ELFファイルの編集 |- |gprof |gprof |gprof |llvm-profdata | - | プロファイルデータの表示 |- |ld |ld |gcc |lld |eu-ld |リンカ |- |ld.bfd | ld.bfd | - | - | - | BFDリンカ |- |ld.gold |ld.gold | - | - | - |Goldリンカ |- |nm |nm |gcc-nm |llvm-nm |eu-nm |シンボル情報の表示 |- |objcopy |objcopy |objcopy |llvm-objcopy | - | オブジェクトファイルの変換 |- |objdump |objdump |objdump |llvm-objdump |eu-objdump |オブジェクトファイルの解析 |- |ranlib |ranlib |gcc-ranlib | - | - |ライブラリ索引の作成 |- |readelf |readelf | - | - |eu-readelf |ELFファイル情報の表示 |- |size |size |size |llvm-size | - |オブジェクトファイルのサイズ情報表示 |- |strings |strings |strings |llvm-strings | - | バイナリファイルから文字列を抽出 |- |strip |strip |strip |llvm-strip | - |バイナリファイルからシンボルを削除 |} :各ツールは異なるプロジェクトから提供されており、それぞれ独自の機能やオプションを持っています。使用する際には、それぞれのツールのドキュメントやマニュアルを参照することが重要です。 これらの機能を提供する代表的なツールには、次のようなものがあります。 ;binutils: :binutilsは、GNUプロジェクトの一部として開発されたバイナリユーティリティツールのコレクションです。アセンブラ(as)、リンカ(ld)などが含まれます。 ;GCC :<code>gcc-ar</code>、<code>gcc-nm</code>、<code>gcc-ranlib</code>は、GCCに含まれるユーティリティで、アーカイブ操作やシンボル抽出、索引作成を行います。 ;LLVM: :LLVMプロジェクトには、コンパイラのバックエンドとして機能するツールが含まれています。これには、lld(リンカ)、llvm-as(アセンブラ)、llvm-link(リンク)、llvm-nm(シンボル情報の抽出)などがあります。 ;elfutils: :elfutilsは、ELF形式のバイナリファイルを操作するためのユーティリティ集合です。これには、eu-as(アセンブラ)、eu-ld(リンカ)、eu-nm(シンボル情報の抽出)などが含まれます。 これらのツールは、ソフトウェア開発のさまざまな段階で使用され、コンパイル工程を支援しています。ツールチェインの選択は、プロジェクトの要件や開発者の好みに応じて行われますが、これらのツールは広く利用されている信頼性の高いオプションです。 == GCCとClangのLTO/PGO/PCH/C++モジュールの非互換性 == GCCとClangのLTO(リンク時最適化)、PGO(プロファイルガイド最適化)、PCH(プリコンパイルヘッダー)、C++モジュールの間にはいくつかの非互換性があります。 ;LTO(リンク時最適化): :GCCとClangのLTOは、異なる形式で実装されています。そのため、GCCでビルドされたオブジェクトファイルとClangでビルドされたオブジェクトファイルを同時にリンクすることは困難です。 ;PGO(プロファイルガイド最適化): :GCCとClangのPGOは、プロファイル情報の収集方法や最適化手法が異なるため、同じプロファイル情報を使用しての最適化は困難です。 ;PCH(プリコンパイルヘッダー): :GCCとClangのPCH形式は異なります。そのため、互換性のあるPCHファイルを生成することはできません。 ;C++モジュール: :GCCとClangのC++モジュールのサポートは異なります。特に、GCCのC++モジュールは実験的な機能であり、ClangのC++モジュールとは異なる形式で実装されています。 これらの非互換性のため、GCCとClangのプロジェクトやビルド間での相互運用性には注意が必要です。 特に、LTOやPGOなどの高度な最適化を使用する場合は、ツールチェーンを統一することが重要です。 == 言語処理系に統合されたツールチェイン == 言語処理系に統合されたツールチェインは、言語のコンパイラやビルドツールなどのツールが言語処理系に含まれていることを指します。以下に、いくつかの言語の例を挙げます。 ;Go :Go言語における言語処理系に統合されたツールチェインには、以下のようなものがあります: *go build: ソースコードから実行可能なバイナリを生成します。 *go run: ソースコードをコンパイルせずに直接実行します。 *go test: ユニットテストを実行します。 *go get: パッケージの取得や更新を行います。 *go vet: コードの品質を検査し、潜在的な問題を見つけます。 *go fmt: ソースコードをフォーマットします。 *go doc: ドキュメントを生成し、パッケージの情報を表示します。 *go mod: モジュール管理を行います。 これらのツールは、Go言語の標準ライブラリに含まれており、開発者が簡単に利用できます。 ;Zig :Zig言語のツールチェインには、言語処理系に統合された多くのツールが含まれています。以下はその一部です: * build: <code>build.zig</code>ファイルからプロジェクトをビルドします。 * init-exe: 現在のディレクトリに <code>zig build</code> アプリケーションを初期化します。 * init-lib: 現在のディレクトリに <code>zig build</code> ライブラリを初期化します。 * ast-check: 任意のファイルセット内で単純なコンパイルエラーを探します。 * build-exe: ソースまたはオブジェクトファイルから実行可能ファイルを作成します。 * build-lib: ソースまたはオブジェクトファイルからライブラリを作成します。 * build-obj: ソースまたはオブジェクトファイルからオブジェクトファイルを作成します。 * fmt: Zigのソースコードを標準の形式に書き直します。 * run: 実行可能ファイルを作成してすぐに実行します。 * test: テストビルドを作成し、実行します。 * translate-c: CコードをZigコードに変換します。 その他にも、以下のようなドロップインツールがあります: * ar: ドロップインアーカイバーとしてZigを使用します。 * cc: ドロップインCコンパイラとしてZigを使用します。 * c++: ドロップインC++コンパイラとしてZigを使用します。 * dlltool: dlltool.exeとしてZigを使用します。 * lib: lib.exeとしてZigを使用します。 * ranlib: ranlibとしてZigを使用します。 * objcopy: objcopyとしてZigを使用します。 さらに、以下のコマンドも利用できます: * env: ライブラリパス、標準パス、キャッシュディレクトリ、およびバージョンを表示します。 * help: ヘルプを表示して終了します。 * libc: ネイティブlibcのパスファイルを表示または検証します。 * targets: 利用可能なコンパイルターゲットをリストします。 これらのツールは、Zig言語の標準ライブラリとして提供されており、開発者がプロジェクトのビルド、テスト、およびドキュメント生成を簡単に行えるように設計されています。 これらの言語では、言語の主要なツールが言語処理系に統合されているため、開発者は追加のインストールや設定をする必要がありません。言語の公式ディストリビューションをダウンロードしてインストールするだけで、すぐにプロジェクトの開発を開始することができます。 == ベストプラクティス == ツールチェインのベストプラクティスにはいくつかの重要な点があります。以下に、ソフトウェア開発プロセスでツールチェインを効果的に使用するためのいくつかのベストプラクティスを示します。 ;適切なツールの選択: :プロジェクトのニーズに応じて、適切なコンパイラ、リンカ、デバッガなどのツールを選択します。プロジェクトの言語やターゲットプラットフォームによって異なる場合があります。 ;ツールチェインのバージョン管理: :ツールチェインのバージョン管理を行います。特定のバージョンがプロジェクトにとって最適であるかどうかを確認し、必要に応じてバージョンを更新します。 ;ツールのカスタマイズ: :必要に応じて、ツールチェインをカスタマイズしてプロジェクトの要件に合わせます。ビルドオプションや最適化設定などを調整することで、パフォーマンスやセキュリティを向上させることができます。 ;ドキュメントとトレーニング: :チーム全体がツールチェインを適切に使用できるように、ドキュメントを作成し、トレーニングを提供します。新しいメンバーがプロジェクトに参加した場合や、新しいツールが導入された場合に特に重要です。 ;ツールの最新情報の追跡: :ツールチェインの開発やリリースに関する最新情報を追跡し、新機能や改善点を活用します。これにより、プロジェクトの生産性や品質を向上させることができます。 ;バグレポートとフィードバック: :問題やバグが発生した場合は、ツールの開発者にバグレポートを提出し、フィードバックを提供します。これにより、ツールの品質向上に貢献できます。 ツールチェインの適切な選択と管理は、ソフトウェア開発プロセスの効率性と品質に大きく影響します。これらのベスト:プラクティスを遵守することで、プロジェクトの成功に貢献することができます。 [[Category:OSS開発ツール|つるちえいん]]
2024-01-30T00:43:23Z
2024-01-30T00:58:10Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/OSS%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB/%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3
38,998
OSS開発ツール/インタープリター
OSSの開発に用いられるインタープリターも、プロジェクトの性質や開発者のニーズによって異なります。 以下に、一般的なインタープリターとそれぞれの主なユースケースをいくつか挙げます。 これらのインタープリターは、それぞれの言語やプロジェクトの特性に合わせて選択されます。開発者は、目的に応じて最適なインタープリターを選択することで、効率的な開発とプロジェクトの成功を促進することができます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "OSSの開発に用いられるインタープリターも、プロジェクトの性質や開発者のニーズによって異なります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "以下に、一般的なインタープリターとそれぞれの主なユースケースをいくつか挙げます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "これらのインタープリターは、それぞれの言語やプロジェクトの特性に合わせて選択されます。開発者は、目的に応じて最適なインタープリターを選択することで、効率的な開発とプロジェクトの成功を促進することができます。", "title": "" } ]
OSSの開発に用いられるインタープリターも、プロジェクトの性質や開発者のニーズによって異なります。 以下に、一般的なインタープリターとそれぞれの主なユースケースをいくつか挙げます。 これらのインタープリターは、それぞれの言語やプロジェクトの特性に合わせて選択されます。開発者は、目的に応じて最適なインタープリターを選択することで、効率的な開発とプロジェクトの成功を促進することができます。
{{Nav}} OSSの開発に用いられるインタープリターも、プロジェクトの性質や開発者のニーズによって異なります。 以下に、一般的なインタープリターとそれぞれの主なユースケースをいくつか挙げます。 ; Python: :*主なユースケース:Python言語で書かれたOSSプロジェクトや、データサイエンス、機械学習、ウェブ開発などの領域で広く使用されています。 :*特徴:動的な型付け、豊富な標準ライブラリ、クロスプラットフォーム性、使いやすさが特徴です。 ; Ruby: :*主なユースケース:Ruby言語で書かれたOSSプロジェクトや、ウェブアプリケーション開発、自動化、テストなどの分野で使用されています。 :*特徴:エレガントな構文、強力なメタプログラミング能力、Railsなどのフレームワークとの統合が特徴です。 ; Node.js (JavaScript) : :*主なユースケース:JavaScript言語で書かれたOSSプロジェクトや、ウェブサーバー、API、マイクロサービスなどの開発で広く使用されています。 :*特徴:非同期イベント駆動のプログラミングモデル、npmという強力なパッケージ管理システム、広範なコミュニティとエコシステムがあります。 ; PHP: :*主なユースケース:PHP言語で書かれたOSSプロジェクトや、ウェブアプリケーション、CMS(Content Management System)開発、ウェブサイトなどで使用されています。 :*特徴:ウェブ開発向けに設計された言語であり、短期間でウェブアプリケーションを構築することができます。 ; Perl: :*主なユースケース:テキスト処理、ウェブ開発、システム管理など、多岐にわたる用途で使用されています。特に、正規表現やテキストマニピュレーションのニーズがある場合によく使われます。 :*特徴:強力なテキスト処理機能、正規表現のサポート、クロスプラットフォーム性、CPAN(Comprehensive Perl Archive Network)という豊富なモジュールのリポジトリが特徴です。 これらのインタープリターは、それぞれの言語やプロジェクトの特性に合わせて選択されます。開発者は、目的に応じて最適なインタープリターを選択することで、効率的な開発とプロジェクトの成功を促進することができます。 [[Category:OSS開発ツール|いんたふりた]]
2024-01-30T01:04:49Z
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[ "テンプレート:Nav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/OSS%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%BC
39,001
Wikibooks流学習講座/高校英語/基礎
当ページ「Wikibooks流学習講座/高校英語/基礎」はまもなく削除される予定です。理由は以下の通りです。 削除に同意されないのであれば、方針などを確認して、ページを適切なものに書き換えた上で、このテンプレートを取り除いてください。勝手に取り除いた場合、投稿ブロックされる恐れがあります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "当ページ「Wikibooks流学習講座/高校英語/基礎」はまもなく削除される予定です。理由は以下の通りです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "削除に同意されないのであれば、方針などを確認して、ページを適切なものに書き換えた上で、このテンプレートを取り除いてください。勝手に取り除いた場合、投稿ブロックされる恐れがあります。", "title": "" } ]
転送 ウィキブックス・スクール/高校英語/基礎
{{sd|移動後の残骸}} #転送 [[ウィキブックス・スクール/高校英語/基礎]]
2024-01-31T11:54:46Z
2024-02-04T12:12:28Z
[ "テンプレート:Sd" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Wikibooks%E6%B5%81%E5%AD%A6%E7%BF%92%E8%AC%9B%E5%BA%A7/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E8%8B%B1%E8%AA%9E/%E5%9F%BA%E7%A4%8E
39,006
Java/改廃された技術
Javaの改廃された技術や古くなった技術は、技術の進化や新しい要求によって置き換えられることがあります。 以下は、それぞれの技術名、サポート開始年、サポート終了年、廃止または衰退の理由、および代替技術に関する情報です。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Javaの改廃された技術や古くなった技術は、技術の進化や新しい要求によって置き換えられることがあります。", "title": "改廃された技術" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "以下は、それぞれの技術名、サポート開始年、サポート終了年、廃止または衰退の理由、および代替技術に関する情報です。", "title": "改廃された技術" } ]
null
== 改廃された技術 == Javaの改廃された技術や古くなった技術は、技術の進化や新しい要求によって置き換えられることがあります。 以下は、それぞれの技術名、サポート開始年、サポート終了年、廃止または衰退の理由、および代替技術に関する情報です。 # '''Java Applet''' #* サポート開始年: 1995年 #* サポート終了年: 2020年 #; 廃止または衰退の理由: セキュリティ上の問題や新しいウェブテクノロジー(HTML5など)の台頭により、ほとんどのブラウザがJava Appletのサポートを終了しました。 #; 代替技術: HTML5やJavaScriptによるウェブアプリケーションの開発が一般的です。 # '''AWT (Abstract Window Toolkit)''' #* サポート開始年: 1995年 #* サポート終了年: なし(一部の機能はSwingやJavaFXなどの新しいGUIツールキットによって置き換えられました) #; 廃止または衰退の理由: より強力で柔軟なGUIツールキット(SwingやJavaFX)が開発され、AWTの一部の機能が置き換えられました。 #; 代替技術: SwingやJavaFXなどのGUIツールキットが使用されます。 # '''Java Servlet API 2.x''' #* サポート開始年: 1999年 #* サポート終了年: 2009年(Servlet 3.0以降がリリースされ、代替技術として推奨されました) #; 廃止または衰退の理由: Servlet 3.0以降のバージョンがリリースされ、新しい機能や改善が導入されました。 #; 代替技術: Servlet 3.0以降のバージョンが使用されます。 # '''Java Web Start''' #* サポート開始年: 2001年 #* サポート終了年: 2015年以降(Oracleによって段階的にサポート終了されました) #; 廃止または衰退の理由: セキュリティ上の懸念やブラウザベンダーによるサポートの停止により、ほとんど使用されなくなりました。 #; 代替技術: ウェブアプリケーションフレームワーク(Spring Boot、Quarkusなど)やウェブブラウザーの技術(JavaScriptなど)が使用されます。 # '''JavaBeans''' #* サポート開始年: 1996年 #* サポート終了年: なし #; 廃止または衰退の理由: 一部のJava開発でまだ使用されていますが、より現代的なフレームワークやライブラリ(Spring Frameworkなど)によって置き換えられることがあります。 #; 代替技術: Spring Frameworkなどのフレームワークが使用されます。 # '''Java EE (Java Platform, Enterprise Edition)''' #* サポート開始年: 1998年 #* サポート終了年: 2017年(Oracleによる開発停止)、2019年(Jakarta EEとしてEclipse Foundationにより再出発) #; 廃止または衰退の理由: OracleによるJava EEの開発停止と、Eclipse FoundationによるJakarta EEの設立により、Java EEの開発が終了しました。 #; 代替技術: Jakarta EEがJava EEの後継として開発されました。 [[Category:Java|かいはい された きしゆつ]]
2024-02-01T01:13:28Z
2024-02-01T01:13:28Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/%E6%94%B9%E5%BB%83%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%8A%80%E8%A1%93
39,007
Python/コードギャラリー
エラトステネスの篩を、若干 Python らしく書いてみました。 最大公約数と最小公倍数を、若干 Python らしく書いてみました。 二分法を、若干 Python らしく書いてみました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "エラトステネスの篩を、若干 Python らしく書いてみました。", "title": "コードギャラリー" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "最大公約数と最小公倍数を、若干 Python らしく書いてみました。", "title": "コードギャラリー" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "二分法を、若干 Python らしく書いてみました。", "title": "コードギャラリー" } ]
null
== コードギャラリー == :<syntaxhighlight lang=python highlight=18> </syntaxhighlight> :<syntaxhighlight lang=text> </syntaxhighlight> === エラトステネスの篩 === {{先頭に戻る|title=コード・ギャラリーに戻る|label=コードギャラリー|style=border-top:1px solid gray;}} エラトステネスの篩を、若干 Python らしく書いてみました。 ;エラトステネスの篩:<syntaxhighlight lang=python line> def sieve(numbers): if not numbers: return () p = numbers[0] return (p,) + sieve(tuple(x for x in numbers[1:] if x % p != 0)) def main(): print(f"Prime numbers up to 1000: {sieve(range(2, 1000))}") if __name__ == "__main__": main() </syntaxhighlight> ;実行結果:<syntaxhighlight lang=text> Prime numbers up to 1000: (2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97, 101, 103, 107, 109, 113, 127, 131, 137, 139, 149, 151, 157, 163, 167, 173, 179, 181, 191, 193, 197, 199, 211, 223, 227, 229, 233, 239, 241, 251, 257, 263, 269, 271, 277, 281, 283, 293, 307, 311, 313, 317, 331, 337, 347, 349, 353, 359, 367, 373, 379, 383, 389, 397, 401, 409, 419, 421, 431, 433, 439, 443, 449, 457, 461, 463, 467, 479, 487, 491, 499, 503, 509, 521, 523, 541, 547, 557, 563, 569, 571, 577, 587, 593, 599, 601, 607, 613, 617, 619, 631, 641, 643, 647, 653, 659, 661, 673, 677, 683, 691, 701, 709, 719, 727, 733, 739, 743, 751, 757, 761, 769, 773, 787, 797, 809, 811, 821, 823, 827, 829, 839, 853, 857, 859, 863, 877, 881, 883, 887, 907, 911, 919, 929, 937, 941, 947, 953, 967, 971, 977, 983, 991, 997) </syntaxhighlight> === 最大公約数と最小公倍数 === {{先頭に戻る|title=コード・ギャラリーに戻る|label=コードギャラリー|style=border-top:1px solid gray;}} 最大公約数と最小公倍数を、若干 Python らしく書いてみました。 ;最大公約数と最小公倍数:<syntaxhighlight lang=python line> from functools import reduce def gcd2(m, n): return m if n == 0 else gcd2(n, m % n) def gcd(*ints): return reduce(gcd2, ints) def lcm2(m, n): return m * n // gcd2(m, n) def lcm(*ints): return reduce(lcm2, ints) print(f"gcd2(30, 45) => {gcd2(30, 45)}") print(f"gcd(30, 72, 12) => {gcd(30, 72, 12)}") print(f"lcm2(30, 72) => {lcm2(30, 72)}") print(f"lcm(30, 42, 72) => {lcm(30, 42, 72)}") </syntaxhighlight> ;実行結果:<syntaxhighlight lang=text> gcd2(30, 45) => 15 gcd(30, 72, 12) => 6 lcm2(30, 72) => 360 lcm(30, 42, 72) => 2520 </syntaxhighlight> === 二分法 === {{先頭に戻る|title=コード・ギャラリーに戻る|label=コードギャラリー|style=border-top:1px solid gray;}} [[W:二分法|二分法]]を、若干 Python らしく書いてみました。 ;二分法:<syntaxhighlight lang=python line> from decimal import Decimal def bisection(low, high, f): x = Decimal(low + high) / 2 fx = f(x) if abs(fx) < Decimal('1.0e-10'): return x if fx < 0: low = x else: high = x return bisection(low, high, f) print(bisection(0, 3, lambda x: x - 1)) print(bisection(0, 3, lambda x: x * x - 1)) </syntaxhighlight> ;実行結果:<syntaxhighlight lang=text> 0.9999999999417923390865325925 1.000000000029103830456733703 </syntaxhighlight> : [[旧課程(-2012年度)高等学校数学B/数値計算とコンピューター#2分法]]の例を Python に移植しました。 [[カテゴリ:Python|こおときやらりい]]
2024-02-01T05:29:34Z
2024-02-01T08:27:57Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Python/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC
39,012
Java/基礎/クラス
プログラミングにおけるクラスは、オブジェクト指向プログラミングの中核をなす概念であり、データとそのデータを操作する関数(メソッド)を組み合わせたものです。クラスは、特定のデータ構造や振る舞いを定義し、それをインスタンス化して実際のオブジェクトを作成します。 Javaにおけるクラスは、オブジェクト指向プログラミング(OOP)の中心的な概念であり、属性(フィールド)と操作(メソッド)を組み合わせた設計図です。クラスは、特定のオブジェクトの構造や振る舞いを定義し、その設計に基づいて実際のオブジェクトを作成します。Javaのクラスは、コンストラクタを使用して新しいオブジェクトを生成し、インスタンス変数を使用してオブジェクトの状態を保持します。また、メソッドを使用してオブジェクトの振る舞いを定義し、それらのメソッドを呼び出してオブジェクトの操作を実行します。クラスは、Javaプログラムの構造化と再利用性を高めるために使用され、大規模なアプリケーション開発において重要な役割を果たします。 Javaでクラスを定義するには、以下のようにクラス名と中括弧で囲まれたクラス本体を宣言します。 クラスのインスタンス化は、クラスからオブジェクトを生成するプロセスです。 これがJavaのクラスの基本的な概念です。クラスはオブジェクト指向プログラミングの中心的な要素であり、Javaプログラムの構築において重要な役割を果たします。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "プログラミングにおけるクラスは、オブジェクト指向プログラミングの中核をなす概念であり、データとそのデータを操作する関数(メソッド)を組み合わせたものです。クラスは、特定のデータ構造や振る舞いを定義し、それをインスタンス化して実際のオブジェクトを作成します。", "title": "Javaにおけるクラス" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Javaにおけるクラスは、オブジェクト指向プログラミング(OOP)の中心的な概念であり、属性(フィールド)と操作(メソッド)を組み合わせた設計図です。クラスは、特定のオブジェクトの構造や振る舞いを定義し、その設計に基づいて実際のオブジェクトを作成します。Javaのクラスは、コンストラクタを使用して新しいオブジェクトを生成し、インスタンス変数を使用してオブジェクトの状態を保持します。また、メソッドを使用してオブジェクトの振る舞いを定義し、それらのメソッドを呼び出してオブジェクトの操作を実行します。クラスは、Javaプログラムの構造化と再利用性を高めるために使用され、大規模なアプリケーション開発において重要な役割を果たします。", "title": "Javaにおけるクラス" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Javaでクラスを定義するには、以下のようにクラス名と中括弧で囲まれたクラス本体を宣言します。", "title": "Javaにおけるクラス" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "クラスのインスタンス化は、クラスからオブジェクトを生成するプロセスです。", "title": "Javaにおけるクラス" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "これがJavaのクラスの基本的な概念です。クラスはオブジェクト指向プログラミングの中心的な要素であり、Javaプログラムの構築において重要な役割を果たします。", "title": "Javaにおけるクラス" } ]
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{{Nav}} = クラス = プログラミングにおけるクラスは、オブジェクト指向プログラミングの中核をなす概念であり、データとそのデータを操作する関数(メソッド)を組み合わせたものです。クラスは、特定のデータ構造や振る舞いを定義し、それをインスタンス化して実際のオブジェクトを作成します。 == Javaにおけるクラス == Javaにおけるクラスは、オブジェクト指向プログラミング(OOP)の中心的な概念であり、属性(フィールド)と操作(メソッド)を組み合わせた設計図です。クラスは、特定のオブジェクトの構造や振る舞いを定義し、その設計に基づいて実際のオブジェクトを作成します。Javaのクラスは、コンストラクタを使用して新しいオブジェクトを生成し、インスタンス変数を使用してオブジェクトの状態を保持します。また、メソッドを使用してオブジェクトの振る舞いを定義し、それらのメソッドを呼び出してオブジェクトの操作を実行します。クラスは、Javaプログラムの構造化と再利用性を高めるために使用され、大規模なアプリケーション開発において重要な役割を果たします。 {{Main|Java/文法/クラス}} === クラスの宣言と構造 === Javaでクラスを定義するには、以下のようにクラス名と中括弧で囲まれたクラス本体を宣言します。 :<syntaxhighlight lang=java> public class MyClass { // フィールド(属性) int myField; // メソッド(動作) void myMethod() { // メソッドの中身 } } </syntaxhighlight> * <code>public</code> はアクセス修飾子で、このクラスが他のクラスからアクセス可能であることを示します。 * <code>class</code> キーワードはクラスを宣言するために使用されます。 * <code>MyClass</code> はクラスの名前です。 * 中括弧 <code>{}</code> 内にはクラスのフィールドやメソッドが定義されます。 === クラスのインスタンス化 === クラスのインスタンス化は、クラスからオブジェクトを生成するプロセスです。 :<syntaxhighlight lang=java> MyClass myObject = new MyClass(); </syntaxhighlight> * <code>new</code> キーワードは新しいオブジェクトのインスタンスを作成します。 * <code>MyClass()</code> はクラスのコンストラクタです。この場合、引数を取らないデフォルトのコンストラクタが使用されます。 === フィールドとメソッドへのアクセス === :<syntaxhighlight lang=java> myObject.myField = 10; // フィールドへのアクセス myObject.myMethod(); // メソッドの呼び出し </syntaxhighlight> * <code>.</code>(ドット)演算子を使用して、オブジェクトのフィールドやメソッドにアクセスします。 === クラスの利用 === :<syntaxhighlight lang=java> public class Main { public static void main(String[] args) { MyClass myObject = new MyClass(); myObject.myField = 20; myObject.myMethod(); } } </syntaxhighlight> * <code>main</code> メソッドはJavaプログラムのエントリーポイントです。 * <code>MyClass</code> の新しいインスタンスを作成し、フィールドに値を設定し、メソッドを呼び出しています。 これがJavaのクラスの基本的な概念です。クラスはオブジェクト指向プログラミングの中心的な要素であり、Javaプログラムの構築において重要な役割を果たします。 {{Nav}} [[カテゴリ:Java|くらす]]
2024-02-02T03:24:57Z
2024-02-04T04:08:42Z
[ "テンプレート:Nav", "テンプレート:Main" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/%E5%9F%BA%E7%A4%8E/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9
39,013
Java/Optional
JavaのOptionalは、Java 8で導入されたクラスで、nullセキュリティという問題に対処するための手段の1つです。Optionalは、値が存在するかどうかを示すラッパークラスであり、nullを明示的に処理することなく、値の有無を安全に操作するための手段を提供します。 Optionalは以下のように使用できます: Optionalは、null値の扱いに関するバグを減らし、より安全で明確なコードを作成するのに役立ちます。 ただし、Optionalを過度に使用することは、コードを複雑にする可能性があるため、適切なバランスが必要です。 以下は、JavaのOptionalクラスの一部の主要なメソッドとその説明を表形式で示したものです。 これらのメソッドは、Java 8からOptionalクラスで導入され、nullを避けるために便利な方法を提供します。 Optionalはnullを扱う際の安全性を向上させるための手段ですが、参照型には依然としてnullを取り得るという点に留意する必要があります。 Optionalは、主にnullを返す可能性のあるメソッドの戻り値や、メソッドの引数として使用されます。しかし、既存のコードや外部ライブラリとの連携、あるいは一時的なnull値の許容など、様々な理由でnullが依然として存在することがあります。 そのため、Optionalを使用することでnullの扱いを明確にすることができますが、すべてのnullを完全に排除することは難しい場合があります。したがって、プログラマーは依然としてnullの可能性に備えてコードを記述する必要があります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "JavaのOptionalは、Java 8で導入されたクラスで、nullセキュリティという問題に対処するための手段の1つです。Optionalは、値が存在するかどうかを示すラッパークラスであり、nullを明示的に処理することなく、値の有無を安全に操作するための手段を提供します。", "title": "Optional" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Optionalは以下のように使用できます:", "title": "Optional" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Optionalは、null値の扱いに関するバグを減らし、より安全で明確なコードを作成するのに役立ちます。 ただし、Optionalを過度に使用することは、コードを複雑にする可能性があるため、適切なバランスが必要です。", "title": "Optional" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "以下は、JavaのOptionalクラスの一部の主要なメソッドとその説明を表形式で示したものです。", "title": "Optional" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "これらのメソッドは、Java 8からOptionalクラスで導入され、nullを避けるために便利な方法を提供します。", "title": "Optional" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Optionalはnullを扱う際の安全性を向上させるための手段ですが、参照型には依然としてnullを取り得るという点に留意する必要があります。", "title": "Optionalが出来ても、参照型はnullを取り得る" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Optionalは、主にnullを返す可能性のあるメソッドの戻り値や、メソッドの引数として使用されます。しかし、既存のコードや外部ライブラリとの連携、あるいは一時的なnull値の許容など、様々な理由でnullが依然として存在することがあります。", "title": "Optionalが出来ても、参照型はnullを取り得る" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "そのため、Optionalを使用することでnullの扱いを明確にすることができますが、すべてのnullを完全に排除することは難しい場合があります。したがって、プログラマーは依然としてnullの可能性に備えてコードを記述する必要があります。", "title": "Optionalが出来ても、参照型はnullを取り得る" } ]
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{{Nav}} == NULL許容型 == NULL許容型(nullable type)は、プログラミング言語において、変数が値を持たないことを明示的に許容する型のことです。通常、NULL許容型は、値が存在しないことを示すために特別な値(通常はNULL、nil、またはundefinedなど)を持ちます。 NULL許容型の主な目的は、nullポインタ例外などのランタイムエラーを回避し、プログラムの安全性を向上させることです。これにより、プログラマーは値が存在しない場合に備えて適切にコードを記述することができます。 多くのプログラミング言語でNULL許容型がサポートされています。例えば、JavaのOptional型、SwiftのOptional型、C#のNullable型などがあります。これらの型は、値が存在しない場合を明示的に示すことで、コードの安全性と可読性を向上させます。 以下は、各プログラミング言語におけるNULL許容型の例です: :{| class="wikitable" |+ 各プログラミング言語におけるNULL許容型の例 !型 !言語 !説明 |- |Optional<T> |Java |JavaのOptional型は、値が存在しない場合にnullではなくOptional.empty()を返すため、nullポインタ例外を回避し、コードの安全性を向上させます。 |- |Type? |Kotlin |KotlinのNullable型は、変数やプロパティの型の末尾に "?" を付けることで、その変数やプロパティがnullを許容するNullable型として扱われます。 |- |Option<T> |Scala |ScalaのOption型は、Some値を持つ場合は値が存在し、Noneを持つ場合は値が存在しないことを示します。これにより、nullチェックやnullポインタ例外を回避することができます。 |- |Nullable<T> |C# |C#のNullable型は、値型にnullを割り当てるための型です。通常の値型ではnullを許可しないため、Nullable型を使用することでnull許容型を表現します。 |- |Option<T> |Swift |SwiftのOptional型は、値が存在する場合はSome値を持ち、値が存在しない場合はnilを持ちます。これにより、nilチェックやnilによるクラッシュを回避するために使用されます。 |} == Optional == JavaのOptionalは、Java 8で導入されたクラスで、nullセキュリティという問題に対処するための手段の1つです。Optionalは、値が存在するかどうかを示すラッパークラスであり、nullを明示的に処理することなく、値の有無を安全に操作するための手段を提供します。 Optionalは以下のように使用できます: # Optionalの作成: Optional.ofNullable() メソッドを使用して、可能性のあるnull値を含むオブジェクトからOptionalを作成できます。 #:<syntaxhighlight lang=java> String str = null; Optional<String> optionalStr = Optional.ofNullable(str); </syntaxhighlight> # 値の取得: 値が存在する場合、Optional.get() メソッドを使用してその値を取得できます。ただし、値が存在しない場合は NoSuchElementException がスローされる可能性がありますので、Optional.isPresent() メソッドを使用して事前に値の存在を確認することが重要です。 #:<syntaxhighlight lang=java> if (optionalStr.isPresent()) { String value = optionalStr.get(); System.out.println("Value: " + value); } else { System.out.println("Value is not present."); } </syntaxhighlight> # 値の存在確認とデフォルト値の提供: 値が存在しない場合にデフォルト値を提供する場合は、Optional.orElse() メソッドを使用できます。 #:<syntaxhighlight lang=java> String valueOrDefault = optionalStr.orElse("Default Value"); </syntaxhighlight> # 値の存在確認と値の処理: 値が存在する場合のみ、値に対して処理を行いたい場合は、Optional.ifPresent() メソッドを使用できます。 #:<syntaxhighlight lang=java> optionalStr.ifPresent(value -> System.out.println("Value: " + value)); </syntaxhighlight> Optionalは、null値の扱いに関するバグを減らし、より安全で明確なコードを作成するのに役立ちます。 ただし、Optionalを過度に使用することは、コードを複雑にする可能性があるため、適切なバランスが必要です。 以下は、JavaのOptionalクラスの一部の主要なメソッドとその説明を表形式で示したものです。 :{| class="wikitable" |+ Optionalクラスの主要なメソッド一覧 !メソッド !説明 |- |<code>empty()</code> |空のOptionalインスタンスを作成します。 |- |<code>of(T value)</code> |指定された非nullの値でOptionalインスタンスを作成します。 |- |<code>ofNullable(T value)</code> |指定された値がnullであれば空のOptional、そうでなければその値でOptionalインスタンスを作成します。 |- |<code>isPresent()</code> |Optionalに値が含まれている場合はtrueを返します。 |- |<code>ifPresent(Consumer<? super T> consumer)</code> |Optionalが値を含んでいる場合、指定されたコンシューマー関数を値に適用します。 |- |<code>get()</code> |値を取得します。値が存在しない場合は例外NoSuchElementExceptionをスローします。 |- |<code>orElse(T other)</code> |値が存在する場合はその値を返し、そうでなければ指定された値を返します。 |- |<code>orElseGet(Supplier<? extends T> supplier)</code> |値が存在する場合はその値を返し、そうでなければサプライヤー関数の結果を返します。 |- |<code>orElseThrow(Supplier<? extends X> exceptionSupplier)</code> |値が存在する場合はその値を返し、そうでなければ指定された例外をスローします。 |- |<code>filter(Predicate<? super T> predicate)</code> |値が述語によってテストされ、述語がtrueを返した場合はこのOptionalを返します。それ以外の場合は空のOptionalを返します。 |- |<code>map(Function<? super T, ? extends U> mapper)</code> |値を関数に適用し、結果が非nullであればそれを含むOptionalを返します。そうでなければ空のOptionalを返します。 |- |<code>flatMap(Function<? super T, Optional<nowiki><U>> mapper)</nowiki></code> |値を関数に適用し、結果が空のOptionalでない場合はそのOptionalを返します。そうでなければ空のOptionalを返します。 |- |<code>equals(Object obj)</code> |指定されたオブジェクトがこのOptionalと等しいかどうかを比較します。 |- |<code>hashCode()</code> |Optionalのハッシュコード値を返します。 |- |<code>toString()</code> |Optionalの文字列表現を返します。 |} これらのメソッドは、Java 8からOptionalクラスで導入され、nullを避けるために便利な方法を提供します。 == Optionalが出来ても、参照型はnullを取り得る == Optionalはnullを扱う際の安全性を向上させるための手段ですが、参照型には依然としてnullを取り得るという点に留意する必要があります。 Optionalは、主にnullを返す可能性のあるメソッドの戻り値や、メソッドの引数として使用されます。しかし、既存のコードや外部ライブラリとの連携、あるいは一時的なnull値の許容など、様々な理由でnullが依然として存在することがあります。 そのため、Optionalを使用することでnullの扱いを明確にすることができますが、すべてのnullを完全に排除することは難しい場合があります。したがって、プログラマーは依然としてnullの可能性に備えてコードを記述する必要があります。 {{Nav}} [[Category:Java]]
2024-02-02T04:06:03Z
2024-02-04T02:21:02Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/Optional
39,014
Java/基礎/型
プログラミングにおける「型」(または「データ型」)は、データの種類や性質を表す概念です。プログラミング言語において、変数、関数の引数や戻り値、オブジェクトなどの要素には、それぞれ特定の型が割り当てられます。型は、そのデータがどのような値や操作を持ち、どのようにメモリ上で表現されるかを決定します。 プログラミングにおける型の役割は次のようなものがあります: プログラミングにおける型は、プログラムの構造や振る舞いを理解し、データを適切に扱うための基本的な概念です。適切な型の選択と使用は、プログラムの正確性、効率性、保守性を向上させるのに役立ちます。 Javaにおける型は、プリミティブ型、クラス型、配列型の3つに大別されます。また、値型と参照型の2つのカテゴリーに分けることもできます。 プリミティブ型は、Javaの基本的なデータ型で、値そのものを格納する値型です。 Javaのプリミティブ型には、以下の8つがあります。 Javaでは自動的に型変換が行われる場合があります。例えば、int型とdouble型の演算を行うと、int型の値が自動的にdouble型に変換されます。 ただし、変換元の型よりも変換先の型が大きい場合、精度の低下や情報の欠落が発生する場合があるため、注意が必要です。 また、Javaのプリミティブ型には、各データ型のラッパークラスが用意されています。 ラッパークラスを使用することで、プリミティブ型をクラスとして扱えるようになります。 例えば、int型の場合はIntegerクラスが対応しています。 参照型には、クラス型、インタフェース型、配列型などがあります。 クラス型やインタフェース型は、それぞれ自分で定義して使用することができます。 配列型は、同じデータ型の値を複数格納するためのもので、以下のように宣言します。 Javaのプリミティブ型は、値そのものを格納するのに対し、参照型はオブジェクトへの参照を格納するため、メモリの使用方法が異なります。 また、プリミティブ型は値渡し、参照型は参照渡しとして扱われます。 このため、値渡しの場合は、値そのものがコピーされ、オリジナルの変数に影響を与えませんが、参照渡しの場合は、オブジェクトそのものへの参照が渡されるため、オリジナルのオブジェクトに影響を与える可能性があります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける「型」(または「データ型」)は、データの種類や性質を表す概念です。プログラミング言語において、変数、関数の引数や戻り値、オブジェクトなどの要素には、それぞれ特定の型が割り当てられます。型は、そのデータがどのような値や操作を持ち、どのようにメモリ上で表現されるかを決定します。", "title": "型" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける型の役割は次のようなものがあります:", "title": "型" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける型は、プログラムの構造や振る舞いを理解し、データを適切に扱うための基本的な概念です。適切な型の選択と使用は、プログラムの正確性、効率性、保守性を向上させるのに役立ちます。", "title": "型" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Javaにおける型は、プリミティブ型、クラス型、配列型の3つに大別されます。また、値型と参照型の2つのカテゴリーに分けることもできます。", "title": "Javaにおける型" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "プリミティブ型は、Javaの基本的なデータ型で、値そのものを格納する値型です。", "title": "Javaにおける型" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Javaのプリミティブ型には、以下の8つがあります。", "title": "Javaにおける型" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Javaでは自動的に型変換が行われる場合があります。例えば、int型とdouble型の演算を行うと、int型の値が自動的にdouble型に変換されます。", "title": "Javaにおける型" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ただし、変換元の型よりも変換先の型が大きい場合、精度の低下や情報の欠落が発生する場合があるため、注意が必要です。", "title": "Javaにおける型" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "また、Javaのプリミティブ型には、各データ型のラッパークラスが用意されています。 ラッパークラスを使用することで、プリミティブ型をクラスとして扱えるようになります。 例えば、int型の場合はIntegerクラスが対応しています。", "title": "Javaにおける型" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "参照型には、クラス型、インタフェース型、配列型などがあります。 クラス型やインタフェース型は、それぞれ自分で定義して使用することができます。 配列型は、同じデータ型の値を複数格納するためのもので、以下のように宣言します。", "title": "Javaにおける型" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "Javaのプリミティブ型は、値そのものを格納するのに対し、参照型はオブジェクトへの参照を格納するため、メモリの使用方法が異なります。 また、プリミティブ型は値渡し、参照型は参照渡しとして扱われます。 このため、値渡しの場合は、値そのものがコピーされ、オリジナルの変数に影響を与えませんが、参照渡しの場合は、オブジェクトそのものへの参照が渡されるため、オリジナルのオブジェクトに影響を与える可能性があります。", "title": "Javaにおける型" } ]
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{{Nav}} = 型 = プログラミングにおける「型」(または「データ型」)は、データの種類や性質を表す概念です。プログラミング言語において、変数、関数の引数や戻り値、オブジェクトなどの要素には、それぞれ特定の型が割り当てられます。型は、そのデータがどのような値や操作を持ち、どのようにメモリ上で表現されるかを決定します。 プログラミングにおける型の役割は次のようなものがあります: # データの性質を表現する: 型は、データがどのような性質を持つかを表現します。例えば、整数型は整数の値を表し、文字列型は文字列のシーケンスを表します。 # メモリの割り当てと管理: 型は、データがメモリ上でどのように表現されるかを定義します。これにより、適切なメモリの割り当てと管理が行われます。 # 演算と操作の定義: 型は、そのデータ型に対して許可される演算や操作を定義します。例えば、整数型では加算や減算などの算術演算が可能ですが、文字列型では文字列の結合や比較などが可能です。 # プログラムの正確性と安全性の確保: 型システムは、プログラム内でのデータの正確性と安全性を保証します。型によって、不適切な型の操作や予期しないデータの変換が防止されます。 プログラミングにおける型は、プログラムの構造や振る舞いを理解し、データを適切に扱うための基本的な概念です。適切な型の選択と使用は、プログラムの正確性、効率性、保守性を向上させるのに役立ちます。 == Javaにおける型 == Javaにおける型は、プリミティブ型、クラス型、配列型の3つに大別されます。また、値型と参照型の2つのカテゴリーに分けることもできます。 ;プリミティブ型 (Primitive Types): :プリミティブ型は、データそのものを格納します。Javaのプリミティブ型には、整数型(byte、short、int、long)、浮動小数点型(float、double)、論理型(boolean)、文字型(char)があります。これらの型は、プリミティブな値を直接的に格納し、メモリ上に確保されます。また、プリミティブ型は値型に分類されます。 ;クラス型 (Class Types): :クラス型は、オブジェクトへの参照を格納します。Javaでは、クラスやインタフェースを使用してユーザーが独自のデータ型を定義できます。これらの型は、ヒープ領域に実際のデータを格納し、変数はそのデータへの参照を保持します。クラス型は参照型に分類されます。 ;配列型 (Array Types): :配列型は、同じ型の複数の要素を格納します。Javaの配列はオブジェクトであり、配列型変数は配列への参照を保持します。配列は固定長ですが、可変長リストとして振る舞うコレクションクラスも提供されています。配列型も参照型に分類されます。 ;値型 (Value Types): :プリミティブ型は値型に分類されます。値型は、その変数が実際のデータの値を直接的に保持します。 ;参照型 (Reference Types): :クラス型と配列型は参照型に分類されます。参照型は、変数が実際のデータへの参照を保持し、そのデータはヒープ領域に格納されます。 === プリミティブ型 === {{Wikipedia|プリミティブ型}} プリミティブ型は、Javaの基本的なデータ型で、値そのものを格納する値型です。 Javaのプリミティブ型には、以下の8つがあります。 :{| class=wikitable |+ プリミティブ型 !データ型!!サイズ (ビット数)!!値の範囲!!ラッパークラス |- !boolean |1 |true または false |Boolean |- !byte |8 | -128 から 127 |Byte |- !short |16 | -32768 から 32767 |Short |- !int |32 | -2147483648 から 2147483647 |Integer |- !long |64 | -9223372036854775808 から 9223372036854775807 |Long |- !float |32 |IEEE 754 単精度浮動小数点数 |Float |- !double |64 |IEEE 754 倍精度浮動小数点数 |Double |- !char |16 | UTF-16の16ビット分。charという名前だがサロゲートペアにより16ビットの範囲を超えたUnicodeについては、「その半分」を表現する |Character |} Javaでは自動的に型変換が行われる場合があります。例えば、int型とdouble型の演算を行うと、int型の値が自動的にdouble型に変換されます。 ただし、変換元の型よりも変換先の型が大きい場合、精度の低下や情報の欠落が発生する場合があるため、注意が必要です。 また、Javaのプリミティブ型には、各データ型の[[Java/ラッパークラス|ラッパークラス]]が用意されています。 ラッパークラスを使用することで、プリミティブ型をクラスとして扱えるようになります。 例えば、int型の場合はIntegerクラスが対応しています。 === 参照型 === {{Wikipedia|参照 (計算機科学)|参照型}} 参照型には、クラス型、インタフェース型、配列型などがあります。 クラス型やインタフェース型は、それぞれ自分で定義して使用することができます。 配列型は、同じデータ型の値を複数格納するためのもので、以下のように宣言します。 ;注意点 Javaのプリミティブ型は、値そのものを格納するのに対し、参照型はオブジェクトへの参照を格納するため、メモリの使用方法が異なります。 また、プリミティブ型は値渡し、参照型は参照渡しとして扱われます。 このため、値渡しの場合は、値そのものがコピーされ、オリジナルの変数に影響を与えませんが、参照渡しの場合は、オブジェクトそのものへの参照が渡されるため、オリジナルのオブジェクトに影響を与える可能性があります。 {{Nav}} [[Category:Java|かた]]
2024-02-02T04:10:18Z
2024-02-04T00:59:24Z
[ "テンプレート:Nav", "テンプレート:Wikipedia" ]
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39,015
Java/基礎/リテラル
Javaにおけるリテラル(literal)とは、ソースコード上で直接的に表現される値のことを指します。つまり、コード内に直接書かれた値そのものを指します。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Javaにおけるリテラル(literal)とは、ソースコード上で直接的に表現される値のことを指します。つまり、コード内に直接書かれた値そのものを指します。", "title": "リテラル" } ]
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{{Nav}} = リテラル = {{Wikipedia|リテラル}} リテラル(Literal)とは、プログラミング言語において、コード内で直接値を表現する方法のことです。リテラルは、そのままの値を表し、プログラムの実行時にその値がそのまま使用されます。 プログラミング言語にはさまざまなタイプのリテラルがあります。以下にいくつかの例を挙げます。 # 整数リテラル: 整数の値を直接表現します。例えば、<code>123</code>, <code>0</code>, <code>-42</code>などが整数リテラルです。 # 浮動小数点数リテラル: 浮動小数点数の値を直接表現します。例えば、<code>3.14</code>, <code>0.0</code>, <code>-1.5</code>などが浮動小数点数リテラルです。 # 文字列リテラル: 文字列の値を直接表現します。文字列リテラルは通常、引用符(<code>'</code>または<code>"</code>)で囲まれます。例えば、<code>"Hello, World!"</code>, <code>'a'</code>, <code>"123"</code>などが文字列リテラルです。 # 真偽値リテラル: 真偽値(真または偽)を直接表現します。例えば、<code>true</code>や<code>false</code>が真偽値リテラルです。 # 特殊なリテラル: 一部のプログラミング言語には、特殊なリテラルが存在します。例えば、nullリテラルは、何も値がないことを表現します。 リテラルは、プログラムのコード内で値を明示的に表現するために使用されます。例えば、変数に値を代入する際や関数の引数として値を渡す際などに、リテラルを使用することが一般的です。 == Javaにおけるリテラル == Javaにおけるリテラル(literal)とは、ソースコード上で直接的に表現される値のことを指します。つまり、コード内に直接書かれた値そのものを指します。 :<syntaxhighlight lang=java> public class NumberLiteralExample { public static void main(String[] args) { // 10進数の整数リテラル int decimalInteger = 42; // 2進数の整数リテラル int binaryInteger = 0b101010; // 10進数の42 // 8進数の整数リテラル int octalInteger = 052; // 10進数の42 // 16進数の整数リテラル int hexInteger = 0x2A; // 10進数の42 // 浮動小数点数リテラル double realNumber = 3.14; // 指数表記の浮動小数点数リテラル double scientificNotation = 6.022e23; // 6.022 × 10^23 // 文字リテラル: 'A'を文字型の変数に代入 char charValue = 'A'; // 文字列リテラル: "Hello, World!"を文字列型の変数に代入 String stringValue = "Hello, World!"; // 真偽値リテラル: falseを真偽値型の変数に代入 boolean booleanValue0 = false; // 真偽値リテラル: trueを真偽値型の変数に代入 boolean booleanValue1 = true; // nullリテラル: nullをオブジェクト型の変数に代入 Object nullValue = null; } } </syntaxhighlight> {{Nav}} [[Category:Java|りてらる]]
2024-02-02T04:24:35Z
2024-02-04T04:22:50Z
[ "テンプレート:Nav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/%E5%9F%BA%E7%A4%8E/%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%A9%E3%83%AB
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Java/基礎/配列
プログラミングにおける配列(Array)は、同じデータ型の要素が連続して格納されたデータ構造です。配列は、複数の値を一つの変数に格納するために使用され、要素はインデックス(通常は0から始まる整数)によって識別されます。配列は、データの集合を表現し、効率的なデータアクセスと操作を可能にします。 配列は、以下のような特性を持ちます: 配列は、プログラム内で複数の値を効率的に処理するために広く使用されます。特定の要素を参照、更新、追加、削除することができ、ループ構造を使用して配列内のすべての要素を順番に処理することができます。多くのプログラミング言語で配列がサポートされており、基本的なデータ構造の一つとして広く使用されています。 Javaの配列は、同じ型の複数の要素を格納するためのデータ構造です。 配列は固定サイズであり、要素は0から始まるインデックスでアクセスされます。 Javaでは、配列はオブジェクトとして扱われます。 以下のJavaのソースコードは、配列を宣言し、初期化し、要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループの使用、配列のコピー、ソート、比較など、様々な操作を行う方法を示しています。 このコードでは、配列を宣言し、初期化する際に初期化リストを使用しています。そして、配列の要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループを使った要素の表示、Arrays.copyOfを使った配列のコピー、Arrays.sortを使った配列のソート、そしてArrays.equalsを使った配列の比較を行っています。 このコードは、配列を操作するための基本的な手法を示しており、これらの手法を理解することで、Javaで配列を効果的に利用することができます。 以下は、Javaの配列で使用できる主なメソッドの一覧です。この一覧には、配列の作成、要素の操作、配列のコピー、比較、ソートなど、さまざまな操作に関連するメソッドが含まれています。 これらのメソッドは、Javaの java.util.Arrays クラスで定義されており、配列を効果的に操作するための便利なユーティリティを提供しています。 Javaにおける多次元配列(Multidimensional Array)は、配列の要素が配列である配列のことを指します。つまり、配列内に配列を持つことで、複数の次元を持つデータ構造を表現します。 たとえば、2次元配列は行と列のような2つの次元を持ちます。3次元配列は、立方体のように3つの次元を持ちます。これにより、行列、立方体、テンソルなどの構造化されたデータを効率的に表現することができます。 以下は、Javaで多次元配列を宣言および初期化する方法の例です。 多次元配列は、ネストされたforループを使用して要素にアクセスすることが一般的です。例えば、2次元配列の要素にアクセスするには、2つのループを使用して行と列を反復処理します。 Java 5以降では、拡張forループ(enhanced for loop)またはfor-eachループと呼ばれる新しいループ形式が導入されました。これは、コレクションや配列などの反復可能なオブジェクトを簡潔に反復処理するために使用されます。 以下は、拡張forループを使用して多次元配列を反復処理する方法の例です。 この方法では、2つまたは3つのネストされたループを使用する必要がなくなり、より簡潔で読みやすいコードが得られます。各ループでは、拡張forループを使用して配列の各要素を直接取得し、それを処理することができます。 拡張forループは、配列やリストなどの反復可能なコレクションの要素を処理する場合に非常に便利です。これにより、ループの記述が簡素化され、コードの可読性が向上します。 以下は、4x4のdouble配列を宣言し、それを単位行列にするJavaのコード例です。 このコードは、4x4のdouble配列を宣言し、その要素を単位行列に初期化します。その後、単位行列を出力します。単位行列は、対角要素がすべて1で、それ以外の要素がすべて0の正方行列です。 多次元配列は、行列や画像処理など、多次元のデータを扱う際に役立ちます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける配列(Array)は、同じデータ型の要素が連続して格納されたデータ構造です。配列は、複数の値を一つの変数に格納するために使用され、要素はインデックス(通常は0から始まる整数)によって識別されます。配列は、データの集合を表現し、効率的なデータアクセスと操作を可能にします。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "配列は、以下のような特性を持ちます:", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "配列は、プログラム内で複数の値を効率的に処理するために広く使用されます。特定の要素を参照、更新、追加、削除することができ、ループ構造を使用して配列内のすべての要素を順番に処理することができます。多くのプログラミング言語で配列がサポートされており、基本的なデータ構造の一つとして広く使用されています。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Javaの配列は、同じ型の複数の要素を格納するためのデータ構造です。 配列は固定サイズであり、要素は0から始まるインデックスでアクセスされます。 Javaでは、配列はオブジェクトとして扱われます。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "以下のJavaのソースコードは、配列を宣言し、初期化し、要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループの使用、配列のコピー、ソート、比較など、様々な操作を行う方法を示しています。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "このコードでは、配列を宣言し、初期化する際に初期化リストを使用しています。そして、配列の要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループを使った要素の表示、Arrays.copyOfを使った配列のコピー、Arrays.sortを使った配列のソート、そしてArrays.equalsを使った配列の比較を行っています。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "このコードは、配列を操作するための基本的な手法を示しており、これらの手法を理解することで、Javaで配列を効果的に利用することができます。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "以下は、Javaの配列で使用できる主なメソッドの一覧です。この一覧には、配列の作成、要素の操作、配列のコピー、比較、ソートなど、さまざまな操作に関連するメソッドが含まれています。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "これらのメソッドは、Javaの java.util.Arrays クラスで定義されており、配列を効果的に操作するための便利なユーティリティを提供しています。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "Javaにおける多次元配列(Multidimensional Array)は、配列の要素が配列である配列のことを指します。つまり、配列内に配列を持つことで、複数の次元を持つデータ構造を表現します。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "たとえば、2次元配列は行と列のような2つの次元を持ちます。3次元配列は、立方体のように3つの次元を持ちます。これにより、行列、立方体、テンソルなどの構造化されたデータを効率的に表現することができます。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "以下は、Javaで多次元配列を宣言および初期化する方法の例です。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "多次元配列は、ネストされたforループを使用して要素にアクセスすることが一般的です。例えば、2次元配列の要素にアクセスするには、2つのループを使用して行と列を反復処理します。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "Java 5以降では、拡張forループ(enhanced for loop)またはfor-eachループと呼ばれる新しいループ形式が導入されました。これは、コレクションや配列などの反復可能なオブジェクトを簡潔に反復処理するために使用されます。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "以下は、拡張forループを使用して多次元配列を反復処理する方法の例です。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "この方法では、2つまたは3つのネストされたループを使用する必要がなくなり、より簡潔で読みやすいコードが得られます。各ループでは、拡張forループを使用して配列の各要素を直接取得し、それを処理することができます。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "拡張forループは、配列やリストなどの反復可能なコレクションの要素を処理する場合に非常に便利です。これにより、ループの記述が簡素化され、コードの可読性が向上します。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "以下は、4x4のdouble配列を宣言し、それを単位行列にするJavaのコード例です。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "このコードは、4x4のdouble配列を宣言し、その要素を単位行列に初期化します。その後、単位行列を出力します。単位行列は、対角要素がすべて1で、それ以外の要素がすべて0の正方行列です。", "title": "Javaの配列" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "多次元配列は、行列や画像処理など、多次元のデータを扱う際に役立ちます。", "title": "Javaの配列" } ]
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{{Nav}} = 配列 = プログラミングにおける配列(Array)は、同じデータ型の要素が連続して格納されたデータ構造です。配列は、複数の値を一つの変数に格納するために使用され、要素はインデックス(通常は0から始まる整数)によって識別されます。配列は、データの集合を表現し、効率的なデータアクセスと操作を可能にします。 配列は、以下のような特性を持ちます: # 同じデータ型の要素: 配列内のすべての要素は同じデータ型である必要があります。例えば、すべての要素が整数、文字列、または浮動小数点数などの特定の型である必要があります。 # 連続したメモリ領域に配置される: 配列の要素はメモリ内で連続した領域に配置されます。これにより、配列内の要素は互いに隣接しているため、効率的なデータアクセスが可能になります。 # 要素のインデックス: 配列内の要素はインデックスによって識別されます。通常は0から始まる整数のインデックスが使用され、各要素はそのインデックスによってアクセスされます。 # サイズ固定: 配列は固定サイズであり、作成後に要素の数を変更することはできません。一度に格納できる要素の数が決まっています。 配列は、プログラム内で複数の値を効率的に処理するために広く使用されます。特定の要素を参照、更新、追加、削除することができ、ループ構造を使用して配列内のすべての要素を順番に処理することができます。多くのプログラミング言語で配列がサポートされており、基本的なデータ構造の一つとして広く使用されています。 == Javaの配列 == Javaの配列は、同じ型の複数の要素を格納するためのデータ構造です。 配列は固定サイズであり、要素は0から始まるインデックスでアクセスされます。 Javaでは、配列はオブジェクトとして扱われます。 以下のJavaのソースコードは、配列を宣言し、初期化し、要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループの使用、配列のコピー、ソート、比較など、様々な操作を行う方法を示しています。 :<syntaxhighlight lang=java> import java.util.Arrays; public class ArrayQuickTour { public static void main(String[] args) { // 配列の宣言と初期化 int[] numbers = {5, 2, 7, 1, 9}; // 配列の要素へのアクセス System.out.println("First element: " + numbers[0]); // 配列の長さの取得 int length = numbers.length; System.out.println("Array length: " + length); // 拡張forループを使って配列の要素にアクセス System.out.println("Elements:"); for (int num : numbers) { System.out.println(num); } // 配列のコピー int[] copy = Arrays.copyOf(numbers, numbers.length); System.out.println("Copied array: " + Arrays.toString(copy)); // 配列のソート Arrays.sort(numbers); System.out.println("Sorted array: " + Arrays.toString(numbers)); // 配列の比較 int[] numbers2 = {5, 2, 7, 1, 9}; boolean isEqual = Arrays.equals(numbers, numbers2); System.out.println("Arrays are equal: " + isEqual); } } </syntaxhighlight> このコードでは、配列を宣言し、初期化する際に初期化リストを使用しています。そして、配列の要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループを使った要素の表示、<code>Arrays.copyOf</code>を使った配列のコピー、<code>Arrays.sort</code>を使った配列のソート、そして<code>Arrays.equals</code>を使った配列の比較を行っています。 このコードは、配列を操作するための基本的な手法を示しており、これらの手法を理解することで、Javaで配列を効果的に利用することができます。 === メソッド一覧 === 以下は、Javaの配列で使用できる主なメソッドの一覧です。この一覧には、配列の作成、要素の操作、配列のコピー、比較、ソートなど、さまざまな操作に関連するメソッドが含まれています。 :{| class="wikitable" |+ 配列のメソッド一覧 !メソッド !説明 |- |<code>copyOf()</code> |配列のコピーを作成します。指定した長さよりも短い場合は、ゼロパディングされ、指定した長さよりも長い場合は、切り詰められます。 |- |<code>copyOfRange()</code> |指定された範囲の配列のコピーを作成します。 |- |<code>equals()</code> |2つの配列が同じかどうかを比較します。 |- |<code>fill()</code> |配列のすべての要素を指定した値で埋めます。 |- |<code>sort()</code> |配列の要素を昇順にソートします。 |- |<code>binarySearch()</code> |二分探索を使用して、指定された値を配列内で検索します。ソートされている配列で使用する必要があります。 |- |<code>toString()</code> |配列の内容を文字列として返します。 |- |<code>hashCode()</code> |配列のハッシュコードを返します。 |- |<code>parallelPrefix()</code> |並列で累積を計算し、結果を配列に格納します。 |- |<code>parallelSetAll()</code> |配列のすべての要素に対して、指定された関数を並列で適用します。 |- |<code>parallelSort()</code> |配列の要素を並列にソートします。 |- |<code>setAll()</code> |配列のすべての要素に対して、指定された関数を適用します。 |- |<code>stream()</code> |配列をストリームに変換します。 |- |<code>asList()</code> |配列を固定サイズのリストに変換します。 |- |<code>hashCode()</code> |配列のハッシュコードを返します。 |} これらのメソッドは、Javaの <code>java.util.Arrays</code> クラスで定義されており、配列を効果的に操作するための便利なユーティリティを提供しています。 == 多次元配列 == Javaにおける多次元配列(Multidimensional Array)は、配列の要素が配列である配列のことを指します。つまり、配列内に配列を持つことで、複数の次元を持つデータ構造を表現します。 たとえば、2次元配列は行と列のような2つの次元を持ちます。3次元配列は、立方体のように3つの次元を持ちます。これにより、行列、立方体、テンソルなどの構造化されたデータを効率的に表現することができます。 以下は、Javaで多次元配列を宣言および初期化する方法の例です。 :<syntaxhighlight lang=java> // 2次元配列の宣言と初期化 int[][] twoDimArray = new int[3][4]; // 3行4列の2次元配列 twoDimArray[0][0] = 1; // (0, 0)に値を設定 twoDimArray[1][2] = 5; // (1, 2)に値を設定 // 3次元配列の宣言と初期化 int[][][] threeDimArray = new int[2][3][4]; // 2*3*4の3次元配列 threeDimArray[0][1][2] = 7; // (0, 1, 2)に値を設定 threeDimArray[1][2][3] = 9; // (1, 2, 3)に値を設定 </syntaxhighlight> 多次元配列は、ネストされたforループを使用して要素にアクセスすることが一般的です。例えば、2次元配列の要素にアクセスするには、2つのループを使用して行と列を反復処理します。 :<syntaxhighlight lang=java> for (int i = 0; i < twoDimArray.length; i++) { for (int j = 0; j < twoDimArray[i].length; j++) { System.out.print(twoDimArray[i][j] + " "); } System.out.println(); } </syntaxhighlight> Java 5以降では、拡張forループ(enhanced for loop)またはfor-eachループと呼ばれる新しいループ形式が導入されました。これは、コレクションや配列などの反復可能なオブジェクトを簡潔に反復処理するために使用されます。 以下は、拡張forループを使用して多次元配列を反復処理する方法の例です。 :<syntaxhighlight lang=java> // 2次元配列の反復処理 for (int[] row : twoDimArray) { for (int element : row) { System.out.print(element + " "); } System.out.println(); } // 3次元配列の反復処理 for (int[][] plane : threeDimArray) { for (int[] row : plane) { for (int element : row) { System.out.print(element + " "); } System.out.println(); } } </syntaxhighlight> この方法では、2つまたは3つのネストされたループを使用する必要がなくなり、より簡潔で読みやすいコードが得られます。各ループでは、拡張forループを使用して配列の各要素を直接取得し、それを処理することができます。 拡張forループは、配列やリストなどの反復可能なコレクションの要素を処理する場合に非常に便利です。これにより、ループの記述が簡素化され、コードの可読性が向上します。 以下は、4x4のdouble配列を宣言し、それを単位行列にするJavaのコード例です。 :<syntaxhighlight lang=java> public class Main { public static void main(String[] args) { // 4x4のdouble配列を宣言し、単位行列に初期化する int size = 4; double[][] matrix = new double[size][size]; // 単位行列に初期化する for (int i = 0; i < matrix.length; i++) { for (int j = 0; j < matrix[i].length; j++) { matrix[i][j] = (i == j) ? 1.0 : 0.0; } } // 行列を出力する for (int i = 0; i < matrix.length; i++) { for (int j = 0; j < matrix[i].length; j++) { System.out.print(matrix[i][j] + " "); } System.out.println(); } } } </syntaxhighlight> このコードは、4x4のdouble配列を宣言し、その要素を単位行列に初期化します。その後、単位行列を出力します。単位行列は、対角要素がすべて1で、それ以外の要素がすべて0の正方行列です。 多次元配列は、行列や画像処理など、多次元のデータを扱う際に役立ちます。 :<syntaxhighlight lang=java> </syntaxhighlight> {{Nav}} [[カテゴリ:Java|はいれつ]] [[カテゴリ:配列]]
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Java/基礎/文字列
プログラミングにおける文字列(String)は、文字の連続した列を表すデータ型です。文字列は、テキストや文字データを扱うための基本的なデータ構造であり、多くのプログラミング言語でサポートされています。 文字列は、文字の配列として表現されます。各文字は、通常はUnicodeやASCIIなどの文字コードで符号化され、文字列全体はそれらの文字の連続したシーケンスとして表現されます。 文字列は、プログラム内でテキストデータを格納、操作、表示するために使用されます。 具体的な用途としては、次のようなものがあります: 文字列は、ほぼすべてのプログラミング言語で重要な概念であり、プログラミングにおいて広く使用されています。 Javaの文字列は、java.lang.Stringクラスで表されるオブジェクト型のデータです。文字列は、文字のシーケンスであり、文字列中の各文字はUnicode文字を表します。Javaの文字列はイミュータブル(不変)であり、一度作成された文字列オブジェクトの内容は変更できません。 以下は、Javaの文字列に関する基本的な操作を1つのソースコードにまとめたものです。 このコードでは、文字列の作成、結合、長さの取得、部分文字列の取得、比較、検索、大文字・小文字変換、空白の削除、置換などの基本的な操作を行っています。これらの操作は、Javaの文字列処理においてよく使用されます。 以下は、Javaの文字列クラス (java.lang.String) に含まれる主なメソッドの一覧です。 これらのメソッドは、Javaの文字列を操作するために使用されます。それぞれのメソッドは、文字列に対して特定の操作を行います。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける文字列(String)は、文字の連続した列を表すデータ型です。文字列は、テキストや文字データを扱うための基本的なデータ構造であり、多くのプログラミング言語でサポートされています。", "title": "Javaの文字列" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "文字列は、文字の配列として表現されます。各文字は、通常はUnicodeやASCIIなどの文字コードで符号化され、文字列全体はそれらの文字の連続したシーケンスとして表現されます。 文字列は、プログラム内でテキストデータを格納、操作、表示するために使用されます。", "title": "Javaの文字列" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "具体的な用途としては、次のようなものがあります:", "title": "Javaの文字列" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "文字列は、ほぼすべてのプログラミング言語で重要な概念であり、プログラミングにおいて広く使用されています。", "title": "Javaの文字列" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Javaの文字列は、java.lang.Stringクラスで表されるオブジェクト型のデータです。文字列は、文字のシーケンスであり、文字列中の各文字はUnicode文字を表します。Javaの文字列はイミュータブル(不変)であり、一度作成された文字列オブジェクトの内容は変更できません。", "title": "Javaの文字列" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "以下は、Javaの文字列に関する基本的な操作を1つのソースコードにまとめたものです。", "title": "Javaの文字列" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "このコードでは、文字列の作成、結合、長さの取得、部分文字列の取得、比較、検索、大文字・小文字変換、空白の削除、置換などの基本的な操作を行っています。これらの操作は、Javaの文字列処理においてよく使用されます。", "title": "Javaの文字列" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "以下は、Javaの文字列クラス (java.lang.String) に含まれる主なメソッドの一覧です。", "title": "Javaの文字列" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "これらのメソッドは、Javaの文字列を操作するために使用されます。それぞれのメソッドは、文字列に対して特定の操作を行います。", "title": "Javaの文字列" } ]
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{{Nav}} = 文字列 = プログラミングにおける文字列(String)は、文字の連続した列を表すデータ型です。文字列は、テキストや文字データを扱うための基本的なデータ構造であり、多くのプログラミング言語でサポートされています。 文字列は、文字の配列として表現されます。各文字は、通常はUnicodeやASCIIなどの文字コードで符号化され、文字列全体はそれらの文字の連続したシーケンスとして表現されます。 文字列は、プログラム内でテキストデータを格納、操作、表示するために使用されます。 具体的な用途としては、次のようなものがあります: # '''テキストの処理:''' 文字列を使用して、ユーザーからの入力や外部ファイルから読み取ったテキストデータを処理します。例えば、テキストの検索、置換、分割などの操作を行います。 # '''表示とフォーマット:''' 文字列は、プログラムの出力として表示されるテキストを表します。フォーマット済みのテキストや、可変のテキストメッセージを生成してユーザーに表示するために使用されます。 # '''データの保存:''' 文字列は、データベースやファイルなどの永続的なストレージに保存されるテキストデータを表現するために使用されます。例えば、ユーザーの名前やメールアドレスなどの情報を文字列として保存します。 # '''プログラムの制御:''' 文字列は、条件分岐やループなどのプログラムの制御構造においても使用されます。特定の文字列のパターンに一致するかどうかを確認するための条件式や、繰り返し処理の終了条件として使用されます。 文字列は、ほぼすべてのプログラミング言語で重要な概念であり、プログラミングにおいて広く使用されています。 == Javaの文字列 == Javaの文字列は、<code>java.lang.String</code>クラスで表されるオブジェクト型のデータです。文字列は、文字のシーケンスであり、文字列中の各文字はUnicode文字を表します。Javaの文字列はイミュータブル(不変)であり、一度作成された文字列オブジェクトの内容は変更できません。 以下は、Javaの文字列に関する基本的な操作を1つのソースコードにまとめたものです。 :<syntaxhighlight lang=java> public class StringQuickTour { public static void main(String[] args) { // 文字列の作成 String str1 = "Hello"; String str2 = new String("World"); // 文字列の結合 String result = str1 + " " + str2; // 文字列の長さ int length = str1.length(); // 文字の取得 char firstChar = str1.charAt(0); // 部分文字列の取得 String subStr = str1.substring(1, 3); // 文字列の比較 boolean isEqual = str1.equals(str2); // 文字列の検索 int index = str1.indexOf("l"); // 大文字・小文字変換 String upperCaseStr = str1.toUpperCase(); String lowerCaseStr = str1.toLowerCase(); // 空白の削除 String trimmedStr = str1.trim(); // 文字列の置換 String replacedStr = str1.replace("l", "r"); // 結果の表示 System.out.println("Result: " + result); System.out.println("Length: " + length); System.out.println("First character: " + firstChar); System.out.println("Substring: " + subStr); System.out.println("Equal: " + isEqual); System.out.println("Index of 'l': " + index); System.out.println("Uppercase: " + upperCaseStr); System.out.println("Lowercase: " + lowerCaseStr); System.out.println("Trimmed: " + trimmedStr); System.out.println("Replaced: " + replacedStr); } } </syntaxhighlight> このコードでは、文字列の作成、結合、長さの取得、部分文字列の取得、比較、検索、大文字・小文字変換、空白の削除、置換などの基本的な操作を行っています。これらの操作は、Javaの文字列処理においてよく使用されます。 === メソッド === 以下は、Javaの文字列クラス (<code>java.lang.String</code>) に含まれる主なメソッドの一覧です。 :{| class="wikitable" |+ 文字列のメソッド一覧 !メソッド !説明 |- |<code>charAt(int index)</code> |指定されたインデックスの文字を取得します。 |- |<code>length()</code> |文字列の長さを取得します。 |- |<code>substring(int beginIndex)</code> |指定されたインデックスから文字列の終端までの部分文字列を取得します。 |- |<code>substring(int beginIndex, int endIndex)</code> |指定された範囲の部分文字列を取得します。 |- |<code>indexOf(String str)</code> |指定された文字列が最初に出現する位置のインデックスを取得します。 |- |<code>lastIndexOf(String str)</code> |指定された文字列が最後に出現する位置のインデックスを取得します。 |- |<code>startsWith(String prefix)</code> |指定された文字列で始まるかどうかを判定します。 |- |<code>endsWith(String suffix)</code> |指定された文字列で終わるかどうかを判定します。 |- |<code>toLowerCase()</code> |文字列を小文字に変換します。 |- |<code>toUpperCase()</code> |文字列を大文字に変換します。 |- |<code>trim()</code> |文字列の先頭および末尾の空白を除去します。 |- |<code>equals(Object another)</code> |指定されたオブジェクトと文字列が等しいかどうかを判定します。 |- |<code>equalsIgnoreCase(String another)</code> |大文字と小文字を無視して、指定された文字列と等しいかどうかを判定します。 |- |<code>compareTo(String another)</code> |2つの文字列を辞書順で比較します。 |- |<code>concat(String str)</code> |指定された文字列を現在の文字列の末尾に追加します。 |- |<code>replace(char oldChar, char newChar)</code> |指定された古い文字を新しい文字で置き換えます。 |- |<code>replaceAll(String regex, String replacement)</code> |正規表現にマッチする部分を、指定された置換文字列で置き換えます。 |- |<code>split(String regex)</code> |指定された正規表現に基づいて、文字列を分割します。 |- |<code>contains(CharSequence s)</code> |指定された文字列または文字シーケンスがこの文字列内に含まれているかどうかを判定します。 |} これらのメソッドは、Javaの文字列を操作するために使用されます。それぞれのメソッドは、文字列に対して特定の操作を行います。 {{Nav}} [[カテゴリ:Java|きそ もしれつ]]
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/%E5%9F%BA%E7%A4%8E/%E6%96%87%E5%AD%97%E5%88%97
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Java/基礎/コレクション
プログラミングにおけるコレクション(Collection)は、複数の要素をまとめて管理するためのデータ構造です。コレクションは、配列やリスト、セット、マップなど、さまざまな形式で提供されます。これらのデータ構造は、異なる目的や要件に応じて使われ、データの格納、検索、操作、管理を行うための便利な手段として利用されます。 コレクションの主な特徴は以下の通りです: プログラミングにおけるコレクションは、さまざまな用途に活用されます。例えば、データの一時的な保存や処理、データの集計や集合演算、データの操作や変換など、さまざまな場面で利用されます。多くのプログラミング言語やフレームワークは、標準ライブラリやサードパーティライブラリを通じてさまざまなコレクションを提供しています。 Javaのコレクションは、複数の要素を格納し、効率的なデータ操作を可能にするためのフレームワークです。Javaのコレクションフレームワークは、java.utilパッケージに含まれており、さまざまなインターフェースとそれらを実装するクラスが提供されています。主なコレクションインターフェースには、リスト、セット、マップなどがあります。 以下は、Javaのコレクションフレームワークを使った例を1つのソースコードにまとめたものです。 このコードでは、リスト、セット、マップ、キュー、デッキのそれぞれのコレクションを作成し、要素を追加しています。それぞれのコレクションの要素が出力されます。これにより、Javaのコレクションフレームワークの基本的な使い方を示しています。 以下は、Javaのコレクションフレームワークに含まれる主要なクラスとインターフェースの一覧を、名前、クラス・インターフェースの別、説明の順に表組みで示したものです。 これらのクラスとインターフェースは、Javaのコレクションフレームワークを構成し、さまざまなデータ構造を効率的に操作するための手段を提供します。 Javaのコレクションフレームワークは、データを効率的に管理し、操作するための標準的なAPIセットです。これにより、プログラマーはリスト、セット、マップなどのさまざまなデータ構造を使用してデータを格納し、操作することができます。Javaのコレクションフレームワークは、java.utilパッケージに含まれており、多くのインターフェースとクラスから構成されています。 コレクションフレームワークの主な特徴は次のとおりです: コレクションフレームワークは、Javaプログラミングにおいて非常に重要であり、さまざまなアプリケーションやライブラリで広く使用されています。プログラマーは、これらのAPIを十分に理解し、適切に活用することで、効率的で堅牢なコードを作成することができます。
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{{Nav}} = コレクション = プログラミングにおけるコレクション(Collection)は、複数の要素をまとめて管理するためのデータ構造です。コレクションは、配列やリスト、セット、マップなど、さまざまな形式で提供されます。これらのデータ構造は、異なる目的や要件に応じて使われ、データの格納、検索、操作、管理を行うための便利な手段として利用されます。 コレクションの主な特徴は以下の通りです: # '''動的サイズ:''' コレクションは通常、要素の追加や削除などの操作によって動的にサイズが変化します。配列のように固定サイズではなく、必要に応じて要素を増減させることができます。 # '''ジェネリック:''' 多くの場合、コレクションはジェネリック型をサポートしており、異なるデータ型の要素を格納することができます。これにより、汎用的なコレクションを作成し、様々な種類のデータを扱うことが可能になります。 # '''高度な操作:''' コレクションは、要素の追加、削除、検索、ソート、フィルタリングなど、さまざまな操作をサポートします。これにより、効率的なデータの管理や処理が可能になります。 # '''相互変換:''' コレクション間でデータを相互変換することができる場合があります。たとえば、配列をリストに変換したり、リストをセットに変換したりすることができます。 プログラミングにおけるコレクションは、さまざまな用途に活用されます。例えば、データの一時的な保存や処理、データの集計や集合演算、データの操作や変換など、さまざまな場面で利用されます。多くのプログラミング言語やフレームワークは、標準ライブラリやサードパーティライブラリを通じてさまざまなコレクションを提供しています。 == Javaのコレクション == Javaのコレクションは、複数の要素を格納し、効率的なデータ操作を可能にするためのフレームワークです。Javaのコレクションフレームワークは、<code>java.util</code>パッケージに含まれており、さまざまなインターフェースとそれらを実装するクラスが提供されています。主なコレクションインターフェースには、リスト、セット、マップなどがあります。 以下は、Javaのコレクションフレームワークを使った例を1つのソースコードにまとめたものです。 :<syntaxhighlight lang=java> import java.util.*; public class CollectionQuickTour { public static void main(String[] args) { // リストの例 List<String> myList = new ArrayList<>(); myList.add("Apple"); myList.add("Banana"); myList.add("Orange"); System.out.println("List: " + myList); // セットの例 Set<Integer> mySet = new HashSet<>(); mySet.add(1); mySet.add(2); mySet.add(3); mySet.add(1); // 重複した要素は無視される System.out.println("Set: " + mySet); // マップの例 Map<String, Integer> myMap = new HashMap<>(); myMap.put("One", 1); myMap.put("Two", 2); myMap.put("Three", 3); System.out.println("Map: " + myMap); // キューの例 Queue<String> myQueue = new LinkedList<>(); myQueue.add("First"); myQueue.add("Second"); myQueue.add("Third"); System.out.println("Queue: " + myQueue); // デッキの例 Deque<Integer> myDeque = new ArrayDeque<>(); myDeque.addFirst(1); myDeque.addLast(2); myDeque.addLast(3); System.out.println("Deque: " + myDeque); } } </syntaxhighlight> このコードでは、リスト、セット、マップ、キュー、デッキのそれぞれのコレクションを作成し、要素を追加しています。それぞれのコレクションの要素が出力されます。これにより、Javaのコレクションフレームワークの基本的な使い方を示しています。 以下は、Javaのコレクションフレームワークに含まれる主要なクラスとインターフェースの一覧を、名前、クラス・インターフェースの別、説明の順に表組みで示したものです。 :{| class=wikitable |+ コレクションフレームワークに含まれる主要なクラスとインターフェース一覧 |- !名前 !クラス・インターフェースの別 !説明 |- !Collection |インターフェース |オブジェクトのコレクションを表します。リスト、セット、キューなどの基本的な操作を提供します。 |- !List |インターフェース |順序付きの要素のコレクションを表します。要素の重複を許します。 |- !Set |インターフェース |重複を許さない要素のコレクションを表します。 |- !Map |インターフェース |キーと値のペアのコレクションを表します。キーは一意であり、各キーには1つの値が関連付けられます。 |- !Queue |インターフェース |FIFO (First-In-First-Out) データ構造を表します。要素の挿入はキューの末尾に行われ、削除はキューの先頭から行われます。 |- !Deque |インターフェース |双方向キュー (Double Ended Queue) データ構造を表します。要素の挿入と削除がキューの両端で行われます。 |- !ArrayList |クラス |動的配列を実装したリストです。 |- !LinkedList |クラス |リンクリストを実装したリストです。 |- !HashSet |クラス |ハッシュテーブルを使用して実装されたセットです。 |- !TreeSet |クラス |赤黒木を使用して実装されたセットです。要素は自然順序またはコンパレータによってソートされます。 |- !LinkedHashSet |クラス |ハッシュテーブルとリンクリストを組み合わせて実装されたセットです。要素の挿入順序を保持します。 |- !HashMap |クラス |ハッシュテーブルを使用して実装されたマップです。 |- !TreeMap |クラス |赤黒木を使用して実装されたマップです。キーは自然順序またはコンパレータによってソートされます。 |- !LinkedHashMap |クラス |ハッシュテーブルと双方向リンクリストを組み合わせて実装されたマップです。要素の挿入順序を保持します。 |} これらのクラスとインターフェースは、Javaのコレクションフレームワークを構成し、さまざまなデータ構造を効率的に操作するための手段を提供します。 === コレクションフレームワーク === Javaのコレクションフレームワークは、データを効率的に管理し、操作するための標準的なAPIセットです。これにより、プログラマーはリスト、セット、マップなどのさまざまなデータ構造を使用してデータを格納し、操作することができます。Javaのコレクションフレームワークは、<code>java.util</code>パッケージに含まれており、多くのインターフェースとクラスから構成されています。 コレクションフレームワークの主な特徴は次のとおりです: # '''柔軟性:''' コレクションフレームワークは、異なる種類のデータ構造を提供し、プログラマーがプログラムの要件に応じて適切なデータ構造を選択できるようにします。 # '''再利用性:''' 既存のコレクションクラスやインターフェースを使用することで、プログラマーは再利用可能なコードを作成しやすくなります。 # '''拡張性:''' コレクションフレームワークは、カスタムコレクションの作成や既存のコレクションの拡張を容易にします。プログラマーは独自のデータ構造を定義し、それをコレクションとして使用することができます。 # '''効率性:''' コレクションフレームワークは、データの効率的な格納、検索、操作を実現するために最適化されています。さまざまなデータ構造は、特定の操作に対して最適な性能を提供します。 # '''型安全性:''' ジェネリクスを使用することで、コンパイル時の型安全性が向上します。これにより、コンパイル時に型エラーを検出しやすくなります。 コレクションフレームワークは、Javaプログラミングにおいて非常に重要であり、さまざまなアプリケーションやライブラリで広く使用されています。プログラマーは、これらのAPIを十分に理解し、適切に活用することで、効率的で堅牢なコードを作成することができます。 {{Nav}} [[カテゴリ:Java|きそ はいれつ]]
2024-02-02T06:39:48Z
2024-02-04T04:02:36Z
[ "テンプレート:Nav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/%E5%9F%BA%E7%A4%8E/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
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Java/基礎/例外処理
プログラミングにおける例外処理は、プログラムが実行中に発生する予期しないエラーや異常な状況に対処するための仕組みや手法を指します。プログラムが実行中にエラーが発生する可能性がある場合、例外処理はプログラムの安定性を維持し、クラッシュや異常終了を防ぎます。 以下は、プログラミングにおける例外処理の基本的な概念です: 例外処理は、プログラミングにおいて非常に重要です。適切に実装された例外処理は、プログラムの安定性を高め、ユーザーエクスペリエンスを向上させるのに役立ちます。また、例外処理はデバッグや問題解決の際にも役立ちます。 Javaの例外処理は、プログラム実行中に予期しない状況やエラーが発生した場合に、その状況を適切に処理するための仕組みです。Javaの例外処理は、プログラムの安全性や信頼性を高めるために非常に重要です。 例外は、実行時に発生するエラーの種類や条件を表します。例えば、ゼロ除算、配列の範囲外へのアクセス、ファイルが見つからないなどのエラーは、Javaの例外処理を使用して適切に処理することができます。 Javaの例外処理は以下のような特徴を持ちます: Javaの例外処理は、プログラムのロバストさを向上させ、予期しない状況に対処するための重要な手段です。例外処理を適切に使用することで、プログラムの安全性や信頼性を向上させることができます。 以下は、Javaの例外処理を1つのソースコードで解説したものです。 この例では、次のような内容を含んでいます: Javaには throws キーワードがあります。throws キーワードは、メソッドが特定の例外をスローする可能性があることを宣言するために使用されます。 メソッドが特定の例外をスローする可能性がある場合、そのメソッドのシグネチャに throws キーワードを使用して、その例外を指定します。これにより、メソッドを呼び出す際に、呼び出し元がその例外を適切に処理するか、またはさらに上位の呼び出し元に例外を伝播させるかを決定できます。 例えば: この例では、readFile メソッドが IOException をスローする可能性があることが宣言されています。メソッド内で IOException が発生する可能性がある場合、その例外をキャッチして処理するか、または readFile メソッドの呼び出し元で try-catch ブロックを使用して例外を処理する必要があります。 throws キーワードを使用することで、メソッドの呼び出し元がそのメソッドがスローする可能性がある例外に対処できるようになります。 Javaの例外には、いくつかの主要なクラスがあります。 以下に、Javaの例外クラスのいくつかを表組みで示します。 これらはJavaの例外の一部であり、それぞれ特定の状況や条件で発生します。Javaの例外処理では、これらの例外クラスを適切にキャッチして処理することが重要です。また、必要に応じて独自の例外クラスを定義することもできます。
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{{Nav}} = 例外処理 = プログラミングにおける例外処理は、プログラムが実行中に発生する予期しないエラーや異常な状況に対処するための仕組みや手法を指します。プログラムが実行中にエラーが発生する可能性がある場合、例外処理はプログラムの安定性を維持し、クラッシュや異常終了を防ぎます。 以下は、プログラミングにおける例外処理の基本的な概念です: # '''例外の発生:''' プログラムが実行中にエラーが発生すると、通常のプログラムのフローが中断されます。このような状況を例外と呼びます。例外は、ゼロ除算、配列の範囲外アクセス、ファイルが見つからないなどのさまざまな条件で発生します。 # '''例外のスロー:''' プログラム内の特定の箇所で、例外が発生したことを明示的に示すことができます。この動作を例外のスローと呼びます。通常、特定の条件が満たされた場合やエラーが発生した場合に、例外をスローします。 # '''例外のキャッチ:''' プログラム内で例外がスローされた場合、適切な処理を行うために例外をキャッチすることができます。この動作を例外のキャッチと呼びます。例外をキャッチすることで、プログラムは正常に処理を継続するか、エラーを適切に通知することができます。 # '''例外ハンドリング:''' 例外をキャッチして処理する手法を例外ハンドリングと呼びます。例外ハンドリングでは、例外をキャッチし、エラーをログに記録したり、ユーザーにエラーメッセージを表示したり、プログラムの状態を回復させたりすることができます。 例外処理は、プログラミングにおいて非常に重要です。適切に実装された例外処理は、プログラムの安定性を高め、ユーザーエクスペリエンスを向上させるのに役立ちます。また、例外処理はデバッグや問題解決の際にも役立ちます。 == Javaの例外処理 == Javaの例外処理は、プログラム実行中に予期しない状況やエラーが発生した場合に、その状況を適切に処理するための仕組みです。Javaの例外処理は、プログラムの安全性や信頼性を高めるために非常に重要です。 例外は、実行時に発生するエラーの種類や条件を表します。例えば、ゼロ除算、配列の範囲外へのアクセス、ファイルが見つからないなどのエラーは、Javaの例外処理を使用して適切に処理することができます。 Javaの例外処理は以下のような特徴を持ちます: # '''例外クラスの階層構造:''' Javaでは、<code>Throwable</code> クラスを基底クラスとして、例外を表すさまざまなクラスが階層的に定義されています。<code>Throwable</code> クラスのサブクラスには、<code>Exception</code>(検査例外)や <code>RuntimeException</code>(非検査例外)などがあります。 # '''try-catch-finally ブロック:''' Javaでは、<code>try</code> ブロック内で例外が発生する可能性のあるコードを囲み、それに対する処理を <code>catch</code> ブロックで定義します。また、<code>finally</code> ブロックを使用して、例外の発生にかかわらず必ず実行される処理を記述することができます。 # '''例外のスロー:''' メソッド内で発生した例外を明示的に処理せずに、呼び出し元に例外をスローすることができます。これにより、例外を適切な場所で処理することができます。 # '''検査例外と非検査例外:''' Javaでは、検査例外(checked exception)と非検査例外(unchecked exception)の2種類の例外があります。検査例外はコンパイル時にチェックされるため、明示的に処理するか、メソッドの throws 宣言で伝播させる必要があります。一方、非検査例外は実行時に発生し、明示的な処理が必要ありません。 Javaの例外処理は、プログラムのロバストさを向上させ、予期しない状況に対処するための重要な手段です。例外処理を適切に使用することで、プログラムの安全性や信頼性を向上させることができます。 以下は、Javaの例外処理を1つのソースコードで解説したものです。 :<syntaxhighlight lang=java> public class ExceptionHandlingQuickTour { public static void main(String[] args) { try { // 例外が発生する可能性のあるコード int result = divide(10, 0); System.out.println("結果: " + result); // この行は実行されません } catch (ArithmeticException e) { // ArithmeticException が発生した場合の処理 System.out.println("0 で割ることはできません。"); } finally { // 必ず実行されるブロック System.out.println("プログラムの実行が完了しました。"); } } // 例外をスローする可能性のあるメソッド public static int divide(int num1, int num2) { if (num2 == 0) { throw new ArithmeticException("0 で割ることはできません。"); } return num1 / num2; } } </syntaxhighlight> この例では、次のような内容を含んでいます: # <code>main</code> メソッド内で <code>try-catch-finally</code> ブロックが使用されています。<code>try</code> ブロック内では例外が発生する可能性のあるコードが配置され、<code>catch</code> ブロックでは特定の例外が発生した場合の処理が定義されています。<code>finally</code> ブロックは例外の発生にかかわらず必ず実行されるブロックです。 # <code>divide</code> メソッドは、引数 <code>num2</code> が 0 の場合に <code>ArithmeticException</code> をスローする可能性があります。 # <code>main</code> メソッドでは、<code>divide</code> メソッドを呼び出し、0 で割るエラーが発生した場合に <code>ArithmeticException</code> をキャッチし、適切なメッセージを出力します。 # <code>finally</code> ブロックは、プログラムが正常に終了したかどうかに関係なく、必ず実行されることが保証されています。 === throws === Javaには <code>throws</code> キーワードがあります。<code>throws</code> キーワードは、メソッドが特定の例外をスローする可能性があることを宣言するために使用されます。 メソッドが特定の例外をスローする可能性がある場合、そのメソッドのシグネチャに <code>throws</code> キーワードを使用して、その例外を指定します。これにより、メソッドを呼び出す際に、呼び出し元がその例外を適切に処理するか、またはさらに上位の呼び出し元に例外を伝播させるかを決定できます。 例えば: :<syntaxhighlight lang=java> public void readFile() throws IOException { // ファイルを読み込む処理 } </syntaxhighlight> この例では、<code>readFile</code> メソッドが <code>IOException</code> をスローする可能性があることが宣言されています。メソッド内で <code>IOException</code> が発生する可能性がある場合、その例外をキャッチして処理するか、または <code>readFile</code> メソッドの呼び出し元で <code>try-catch</code> ブロックを使用して例外を処理する必要があります。 <code>throws</code> キーワードを使用することで、メソッドの呼び出し元がそのメソッドがスローする可能性がある例外に対処できるようになります。 === 例外クラス === Javaの例外には、いくつかの主要なクラスがあります。 以下に、Javaの例外クラスのいくつかを表組みで示します。 {| class="wikitable" |+ 主要な例外クラス !例外クラス !説明 |- |<code>ArithmeticException</code> |数学的な操作中に発生する例外(ゼロ除算など) |- |<code>ArrayIndexOutOfBoundsException</code> |配列への無効なインデックスアクセスが発生した場合の例外 |- |<code>NullPointerException</code> |ヌル参照が使用された場合の例外 |- |<code>IOException</code> |入出力操作中に発生する例外 |- |<code>FileNotFoundException</code> |ファイルが見つからない場合の例外 |- |<code>NumberFormatException</code> |文字列が数値に変換できない場合の例外 |- |<code>IllegalArgumentException</code> |メソッドに渡された引数が無効な場合の例外 |- |<code>RuntimeException</code> |実行時に発生する一般的な例外の基底クラス |} これらはJavaの例外の一部であり、それぞれ特定の状況や条件で発生します。Javaの例外処理では、これらの例外クラスを適切にキャッチして処理することが重要です。また、必要に応じて独自の例外クラスを定義することもできます。 {{Nav}} [[カテゴリ:Java|きそ れいかいしより]]
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Java/文法/コメント
プログラミングにおけるコメントは、コード内に追加されるテキストであり、主に以下の目的で使用されます。 プログラミング言語によってコメントの書き方や形式は異なりますが、一般的な方法として、単一行コメントや複数行コメントがあります。単一行コメントは通常、行の先頭に // を置いて記述します。複数行コメントは、/* で始まり */ で終わるブロックを使用して記述します。 コメントは、コードの可読性やメンテナンス性を向上させる重要な手法であり、良いコメントを記述することは、プログラミングにおける良い実践の一部です。 Javaのコメントは、Javaプログラム内に追加されるテキストであり、コードの読みやすさや理解を助けるために使用されます。コメントはコンパイラによって無視され、プログラムの実行時には無視されます。主な目的は、以下の点にあります。 Javaでは、以下の2つの主なコメント形式が一般的に使用されます。 コメントは、効果的なコードの記述やメンテナンスに欠かせない要素であり、開発プロセスをスムーズにします。 JavaDocは、Javaプログラミング言語において、ソースコード内のドキュメンテーションを生成するためのツールです。これは、Javaプログラムのソースコードに特定のコメント形式を記述し、それをJavaDocツールで処理することで、プログラムのAPIドキュメントを生成します。 JavaDocコメントは通常、クラス、メソッド、フィールドなどの要素に対して記述され、特定の形式に従います。一般的には、以下のような形式で記述されます。 JavaDocコメントには、概要や詳細な説明、パラメータ、戻り値、例などが含まれることがあります。JavaDocコメントを適切に記述することで、他の開発者がAPIを理解しやすくなり、プログラムの使用方法や機能を簡単に把握できるようになります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "プログラミングにおけるコメントは、コード内に追加されるテキストであり、主に以下の目的で使用されます。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "プログラミング言語によってコメントの書き方や形式は異なりますが、一般的な方法として、単一行コメントや複数行コメントがあります。単一行コメントは通常、行の先頭に // を置いて記述します。複数行コメントは、/* で始まり */ で終わるブロックを使用して記述します。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "コメントは、コードの可読性やメンテナンス性を向上させる重要な手法であり、良いコメントを記述することは、プログラミングにおける良い実践の一部です。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Javaのコメントは、Javaプログラム内に追加されるテキストであり、コードの読みやすさや理解を助けるために使用されます。コメントはコンパイラによって無視され、プログラムの実行時には無視されます。主な目的は、以下の点にあります。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Javaでは、以下の2つの主なコメント形式が一般的に使用されます。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "コメントは、効果的なコードの記述やメンテナンスに欠かせない要素であり、開発プロセスをスムーズにします。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "JavaDocは、Javaプログラミング言語において、ソースコード内のドキュメンテーションを生成するためのツールです。これは、Javaプログラムのソースコードに特定のコメント形式を記述し、それをJavaDocツールで処理することで、プログラムのAPIドキュメントを生成します。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "JavaDocコメントは通常、クラス、メソッド、フィールドなどの要素に対して記述され、特定の形式に従います。一般的には、以下のような形式で記述されます。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "JavaDocコメントには、概要や詳細な説明、パラメータ、戻り値、例などが含まれることがあります。JavaDocコメントを適切に記述することで、他の開発者がAPIを理解しやすくなり、プログラムの使用方法や機能を簡単に把握できるようになります。", "title": "Javaのコメント" } ]
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{{Nav}} = コメント = プログラミングにおけるコメントは、コード内に追加されるテキストであり、主に以下の目的で使用されます。 # '''説明とドキュメント化:''' コードの目的や処理の説明、特定のアルゴリズムや処理の詳細を記述することができます。これにより、他の開発者がコードを理解しやすくなります。 # '''デバッグとトラブルシューティング:''' コード内で問題が発生した場合、コメントを使用して特定のセクションや変数の目的を理解し、デバッグしやすくすることができます。 # '''コードの一時的な無効化:''' コードの一部を一時的に無効にするために、コメントを使用することができます。これは、デバッグや特定の機能のテストなど、開発プロセスの一環として役立ちます。 プログラミング言語によってコメントの書き方や形式は異なりますが、一般的な方法として、単一行コメントや複数行コメントがあります。単一行コメントは通常、行の先頭に <code>//</code> を置いて記述します。複数行コメントは、<code>/*</code> で始まり <code>*/</code> で終わるブロックを使用して記述します。 コメントは、コードの可読性やメンテナンス性を向上させる重要な手法であり、良いコメントを記述することは、プログラミングにおける良い実践の一部です。 == Javaのコメント == Javaのコメントは、Javaプログラム内に追加されるテキストであり、コードの読みやすさや理解を助けるために使用されます。コメントはコンパイラによって無視され、プログラムの実行時には無視されます。主な目的は、以下の点にあります。 # '''説明とドキュメント化:''' コードの目的や処理の説明、特定のアルゴリズムや処理の詳細を記述することができます。これにより、他の開発者がコードを理解しやすくなります。 # '''デバッグとトラブルシューティング:''' コード内で問題が発生した場合、コメントを使用して特定のセクションや変数の目的を理解し、デバッグしやすくすることができます。 # '''コードの一時的な無効化:''' コードの一部を一時的に無効にするために、コメントを使用することができます。これは、デバッグや特定の機能のテストなど、開発プロセスの一環として役立ちます。 Javaでは、以下の2つの主なコメント形式が一般的に使用されます。 # '''単一行コメント:''' <code>//</code> を使って行ごとにコメントを追加します。 #:<syntaxhighlight lang=java> // この行は単一行コメントです int x = 5; // 変数xを値で初期化する </syntaxhighlight> # '''複数行コメント:''' <code>/*</code> と <code>*/</code> の間に複数の行のコメントを追加します。 #:<syntaxhighlight lang=java> /* これは 複数行コメントです */ int y = 10; /* 変数yを値で初期化する */ </syntaxhighlight> コメントは、効果的なコードの記述やメンテナンスに欠かせない要素であり、開発プロセスをスムーズにします。 == JavaDoc == JavaDocは、Javaプログラミング言語において、ソースコード内のドキュメンテーションを生成するためのツールです。これは、Javaプログラムのソースコードに特定のコメント形式を記述し、それをJavaDocツールで処理することで、プログラムのAPIドキュメントを生成します。 JavaDocコメントは通常、クラス、メソッド、フィールドなどの要素に対して記述され、特定の形式に従います。一般的には、以下のような形式で記述されます。 :<syntaxhighlight lang=java> /** * このクラスは...(クラスの概要) * 詳細な説明や使用方法など */ public class MyClass { /** * このメソッドは...(メソッドの概要) * 詳細な説明やパラメータ、戻り値など * @param param1 パラメータ1の説明 * @param param2 パラメータ2の説明 * @return 戻り値の説明 */ public int myMethod(int param1, int param2) { // メソッドの処理 } } </syntaxhighlight> JavaDocコメントには、概要や詳細な説明、パラメータ、戻り値、例などが含まれることがあります。JavaDocコメントを適切に記述することで、他の開発者がAPIを理解しやすくなり、プログラムの使用方法や機能を簡単に把握できるようになります。 {{Nav}} [[カテゴリ:Java|ふんほう こめんと]]
2024-02-02T09:13:09Z
2024-02-04T00:20:37Z
[ "テンプレート:Nav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/%E6%96%87%E6%B3%95/%E3%82%B3%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88
39,022
Java/null
プログラミングにおける「null」とは、値が存在しないことを表す特別な値です。nullはプログラムで使用されるさまざまなデータ型(オブジェクト、配列、ポインタなど)の初期値として設定されることがあります。 主な用途としては以下のようなものがあります: nullは便利な概念ですが、誤った使用やnullポインター例外などのランタイムエラーを引き起こす可能性があります。そのため、nullの使用は慎重に行う必要があります。近年のプログラミング言語では、null安全性を向上させるためにオプショナル型やnull許容型などの機能が導入されています。 Javaにおける「null」とは、参照型(Reference Type)の変数が参照するオブジェクトが存在しないことを示す特別な値です。Javaのすべてのオブジェクトはヒープ領域に保存され、変数はそのオブジェクトへの参照(アドレス)を保持します。nullは、そのような参照がオブジェクトを指していないことを示します。 以下はnullの主な特徴です: Javaでは、nullを適切に扱うことが重要です。nullをチェックし、nullポインターエクセプションを防ぐための適切な手段があります。 例えば、条件付きのnullチェックやOptionalクラスの使用などが挙げられます。 Javaにはnull安全性を向上させるためのさまざまな手段があり、プログラマーはこれらの手段を活用してnull関連の問題を回避できます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける「null」とは、値が存在しないことを表す特別な値です。nullはプログラムで使用されるさまざまなデータ型(オブジェクト、配列、ポインタなど)の初期値として設定されることがあります。", "title": "null" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "主な用途としては以下のようなものがあります:", "title": "null" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "nullは便利な概念ですが、誤った使用やnullポインター例外などのランタイムエラーを引き起こす可能性があります。そのため、nullの使用は慎重に行う必要があります。近年のプログラミング言語では、null安全性を向上させるためにオプショナル型やnull許容型などの機能が導入されています。", "title": "null" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Javaにおける「null」とは、参照型(Reference Type)の変数が参照するオブジェクトが存在しないことを示す特別な値です。Javaのすべてのオブジェクトはヒープ領域に保存され、変数はそのオブジェクトへの参照(アドレス)を保持します。nullは、そのような参照がオブジェクトを指していないことを示します。", "title": "Javaにおけるnull" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "以下はnullの主な特徴です:", "title": "Javaにおけるnull" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Javaでは、nullを適切に扱うことが重要です。nullをチェックし、nullポインターエクセプションを防ぐための適切な手段があります。 例えば、条件付きのnullチェックやOptionalクラスの使用などが挙げられます。 Javaにはnull安全性を向上させるためのさまざまな手段があり、プログラマーはこれらの手段を活用してnull関連の問題を回避できます。", "title": "Javaにおけるnull" } ]
null
{{Nav}} == null == プログラミングにおける「null」とは、値が存在しないことを表す特別な値です。nullはプログラムで使用されるさまざまなデータ型(オブジェクト、配列、ポインタなど)の初期値として設定されることがあります。 主な用途としては以下のようなものがあります: # 値の不在を表現する: 変数が値を持たないことを示すために使用されます。例えば、ある関数が特定の条件下で値を返さない場合、通常はnullを返します。 # 初期化: 変数を初期化するために使用されることがあります。特に、オブジェクトや参照型の変数はnullで初期化されることがあります。 # オブジェクトの欠落を示す: オブジェクトが存在しないことを示すために使用されることがあります。例えば、あるオブジェクトのメンバー変数がnullであれば、そのオブジェクトが特定の状態にないことを意味することができます。 nullは便利な概念ですが、誤った使用やnullポインター例外などのランタイムエラーを引き起こす可能性があります。そのため、nullの使用は慎重に行う必要があります。近年のプログラミング言語では、null安全性を向上させるためにオプショナル型やnull許容型などの機能が導入されています。 == Javaにおけるnull == Javaにおける「null」とは、参照型(Reference Type)の変数が参照するオブジェクトが存在しないことを示す特別な値です。Javaのすべてのオブジェクトはヒープ領域に保存され、変数はそのオブジェクトへの参照(アドレス)を保持します。nullは、そのような参照がオブジェクトを指していないことを示します。 以下はnullの主な特徴です: # オブジェクトの不在を示す: 変数がnullを持っている場合、その変数がどのオブジェクトも指していないことを意味します。つまり、その変数には有効な値が含まれていないということです。 # 参照型の初期値: 参照型の変数はデフォルトでnullに初期化されます。つまり、明示的に値を設定しない限り、参照型の変数はnullを持ちます。 #:<syntaxhighlight lang=java> String str; // strはnullを持つ </syntaxhighlight> # NullPointerException(NPE): nullへの参照を解決しようとすると、NullPointerExceptionが発生する可能性があります。つまり、nullが予期せずプログラムの実行中に使用されるとエラーが発生します。 Javaでは、nullを適切に扱うことが重要です。nullをチェックし、nullポインターエクセプションを防ぐための適切な手段があります。 例えば、条件付きのnullチェックやOptionalクラスの使用などが挙げられます。 Javaにはnull安全性を向上させるためのさまざまな手段があり、プログラマーはこれらの手段を活用してnull関連の問題を回避できます。 {{Nav}} [[Category:Java]]
2024-02-02T13:13:41Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/null
39,023
Java/列挙型 (enum)
プログラミングにおける列挙型(Enum型)は、特定の一連の定数を表すために使用されるデータ型です。列挙型は、特定の値のセットに名前を付け、それをまとめるためのもので、可読性や保守性を向上させます。 以下は、Javaでの列挙型の基本的な使い方の例です: この例では、Day 列挙型が定義されています。この列挙型は、曜日を表す7つの定数を持っています。そして、Day 列挙型の変数 today を宣言し、switch 文でその値を使って処理を行っています。 列挙型の主な特徴は次のとおりです: 各プログラミング言語において、列挙型の実装方法や機能は異なることがありますが、基本的な概念は類似しています。 Javaの列挙型はメソッドを持つことができます。列挙型の定数にメソッドを追加することで、特定の振る舞いを持つ列挙定数を表現することができます。 以下は、Javaの列挙型にメソッドを追加する例です。 この例では、Day 列挙型に getAbbreviation() というメソッドを追加しています。これは各列挙定数の略称(例: "Mon"、"Tue"など)を返すメソッドです。また、各列挙定数の略称を保持するための abbreviation フィールドが追加されています。 このように、列挙型にメソッドを追加することで、特定の列挙定数に関連する振る舞いをカプセル化し、コードの可読性や保守性を向上させることができます。 Javaの列挙型(Enum型)のユニークな特徴はいくつかあります。以下にいくつか挙げてみます。 これらの特徴により、Javaの列挙型は、定数をまとめて表現し、型安全性を保証し、コードの可読性を向上させるための強力な機能として広く利用されています。 Javaの列挙型をループで処理する場合、拡張forループや普通のforループを使うことができます。列挙型の列挙定数は配列として扱えるため、forループでそれらを反復処理することができます。 以下は、列挙型をループで処理する例です。 この例では、Day 列挙型の定数を拡張forループと普通のforループで処理しています。Day.values() メソッドを使うことで、列挙型の定数を配列として取得することができます。それぞれのループ内で、定数を順番に取り出して表示しています。 このようにして、Javaの列挙型をループで処理することができます。列挙型は定数をグループ化するための便利な方法であり、ループを使ってこれらの定数を効果的に処理することができます。 列挙型(Enum型)はメソッドを持つことができます。以下に、Javaの列挙型のメソッドとその説明を表形式で示します。 これらのメソッドは、列挙型の定数を操作したり、列挙型を使用する際に便利な機能を提供します。たとえば、values() メソッドを使用してすべての列挙定数を取得したり、valueOf(String name) メソッドを使用して指定された名前に対応する列挙定数を取得したりすることができます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける列挙型(Enum型)は、特定の一連の定数を表すために使用されるデータ型です。列挙型は、特定の値のセットに名前を付け、それをまとめるためのもので、可読性や保守性を向上させます。", "title": "列挙型" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "以下は、Javaでの列挙型の基本的な使い方の例です:", "title": "列挙型" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "この例では、Day 列挙型が定義されています。この列挙型は、曜日を表す7つの定数を持っています。そして、Day 列挙型の変数 today を宣言し、switch 文でその値を使って処理を行っています。", "title": "列挙型" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "列挙型の主な特徴は次のとおりです:", "title": "列挙型" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "各プログラミング言語において、列挙型の実装方法や機能は異なることがありますが、基本的な概念は類似しています。", "title": "列挙型" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Javaの列挙型はメソッドを持つことができます。列挙型の定数にメソッドを追加することで、特定の振る舞いを持つ列挙定数を表現することができます。", "title": "列挙型" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "以下は、Javaの列挙型にメソッドを追加する例です。", "title": "列挙型" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "この例では、Day 列挙型に getAbbreviation() というメソッドを追加しています。これは各列挙定数の略称(例: \"Mon\"、\"Tue\"など)を返すメソッドです。また、各列挙定数の略称を保持するための abbreviation フィールドが追加されています。", "title": "列挙型" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "このように、列挙型にメソッドを追加することで、特定の列挙定数に関連する振る舞いをカプセル化し、コードの可読性や保守性を向上させることができます。", "title": "列挙型" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "Javaの列挙型(Enum型)のユニークな特徴はいくつかあります。以下にいくつか挙げてみます。", "title": "Javaの列挙型(Enum型)の特徴" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "これらの特徴により、Javaの列挙型は、定数をまとめて表現し、型安全性を保証し、コードの可読性を向上させるための強力な機能として広く利用されています。", "title": "Javaの列挙型(Enum型)の特徴" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "Javaの列挙型をループで処理する場合、拡張forループや普通のforループを使うことができます。列挙型の列挙定数は配列として扱えるため、forループでそれらを反復処理することができます。", "title": "列挙型とループ" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "以下は、列挙型をループで処理する例です。", "title": "列挙型とループ" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "この例では、Day 列挙型の定数を拡張forループと普通のforループで処理しています。Day.values() メソッドを使うことで、列挙型の定数を配列として取得することができます。それぞれのループ内で、定数を順番に取り出して表示しています。", "title": "列挙型とループ" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "このようにして、Javaの列挙型をループで処理することができます。列挙型は定数をグループ化するための便利な方法であり、ループを使ってこれらの定数を効果的に処理することができます。", "title": "列挙型とループ" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "列挙型(Enum型)はメソッドを持つことができます。以下に、Javaの列挙型のメソッドとその説明を表形式で示します。", "title": "メソッド" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "これらのメソッドは、列挙型の定数を操作したり、列挙型を使用する際に便利な機能を提供します。たとえば、values() メソッドを使用してすべての列挙定数を取得したり、valueOf(String name) メソッドを使用して指定された名前に対応する列挙定数を取得したりすることができます。", "title": "メソッド" } ]
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{{Nav}} == 列挙型 == プログラミングにおける列挙型(Enum型)は、特定の一連の定数を表すために使用されるデータ型です。列挙型は、特定の値のセットに名前を付け、それをまとめるためのもので、可読性や保守性を向上させます。 以下は、Javaでの列挙型の基本的な使い方の例です: :<syntaxhighlight lang=java> // 列挙型の定義 enum Day { SUNDAY, MONDAY, TUESDAY, WEDNESDAY, THURSDAY, FRIDAY, SATURDAY } public class EnumExample { public static void main(String[] args) { // 列挙型の使用 Day today = Day.WEDNESDAY; // switch文での列挙型の使用 switch (today) { case MONDAY: System.out.println("It's Monday!"); break; case WEDNESDAY: System.out.println("It's Wednesday!"); break; case FRIDAY: System.out.println("It's Friday!"); break; default: System.out.println("It's some other day."); } } } </syntaxhighlight> この例では、<code>Day</code> 列挙型が定義されています。この列挙型は、曜日を表す7つの定数を持っています。そして、<code>Day</code> 列挙型の変数 <code>today</code> を宣言し、<code>switch</code> 文でその値を使って処理を行っています。 列挙型の主な特徴は次のとおりです: # 定数の集合: 列挙型はあらかじめ定義された一連の定数を持ちます。 # 型安全性: コンパイラは列挙型の型安全性を保証し、無効な値の使用を防ぎます。 # 可読性の向上: 列挙型はソースコードを読みやすくし、保守性を向上させます。 # switch文での利用: 列挙型は <code>switch</code> 文などで直感的に使うことができます。 各プログラミング言語において、列挙型の実装方法や機能は異なることがありますが、基本的な概念は類似しています。 === Javaの列挙型はクラス === Javaの列挙型はメソッドを持つことができます。列挙型の定数にメソッドを追加することで、特定の振る舞いを持つ列挙定数を表現することができます。 以下は、Javaの列挙型にメソッドを追加する例です。 :<syntaxhighlight lang=java> enum Day { SUNDAY("Sun"), MONDAY("Mon"), TUESDAY("Tue"), WEDNESDAY("Wed"), THURSDAY("Thu"), FRIDAY("Fri"), SATURDAY("Sat"); private final String abbreviation; // コンストラクタ private Day(String abbreviation) { this.abbreviation = abbreviation; } // 列挙定数の略称を返すメソッド public String getAbbreviation() { return abbreviation; } } public class EnumAsClassExample { public static void main(String[] args) { // MONDAYの略称を取得する System.out.println("MONDAYの略称は: " + Day.MONDAY.getAbbreviation()); } } </syntaxhighlight> この例では、<code>Day</code> 列挙型に <code>getAbbreviation()</code> というメソッドを追加しています。これは各列挙定数の略称(例: "Mon"、"Tue"など)を返すメソッドです。また、各列挙定数の略称を保持するための <code>abbreviation</code> フィールドが追加されています。 このように、列挙型にメソッドを追加することで、特定の列挙定数に関連する振る舞いをカプセル化し、コードの可読性や保守性を向上させることができます。 == Javaの列挙型(Enum型)の特徴 == Javaの列挙型(Enum型)のユニークな特徴はいくつかあります。以下にいくつか挙げてみます。 # 型安全性と厳密な制限: Javaの列挙型は、型安全性が保証されています。つまり、列挙定数は列挙型のインスタンスであり、他の型の値と混同することはありません。また、コンパイラは列挙型を厳密に制限し、列挙定数の定義と使用方法に関するエラーを検出します。 # シリアル化のサポート: 列挙型はJavaのシリアル化機構に完全に統合されています。これにより、列挙型をオブジェクトとしてシリアル化し、デシリアル化することができます。 # switch文での利用: 列挙型は、Javaのswitch文と非常に相性が良いです。switch文のケースラベルとして列挙定数を使用することができ、コードの可読性を向上させます。 # フィールドとメソッドの追加: 列挙型にはフィールドやメソッドを追加することができます。これにより、列挙型は特定の振る舞いを持つ列挙定数を表現するために使用できます。 # シングルトンパターンの実装: 列挙型はシングルトンパターンを実装するのに便利です。シングルトンとして定義された列挙型は、JVMによって保証されるため、複数のスレッドから安全にアクセスできます。 # 拡張の禁止: 列挙型はfinalクラスであり、サブクラス化が禁止されています。これにより、列挙型は不変であり、安定した振る舞いを保証します。 これらの特徴により、Javaの列挙型は、定数をまとめて表現し、型安全性を保証し、コードの可読性を向上させるための強力な機能として広く利用されています。 == 列挙型とループ == Javaの列挙型をループで処理する場合、拡張forループや普通のforループを使うことができます。列挙型の列挙定数は配列として扱えるため、forループでそれらを反復処理することができます。 以下は、列挙型をループで処理する例です。 :<syntaxhighlight lang=java> enum Day { SUNDAY, MONDAY, TUESDAY, WEDNESDAY, THURSDAY, FRIDAY, SATURDAY } public class EnumLoopExample { public static void main(String[] args) { // 拡張forループで列挙型の定数を処理する例 System.out.println("列挙型の定数を拡張forループで処理:"); for (Day day : Day.values()) { System.out.println(day); } // 普通のforループで列挙型の定数を処理する例 System.out.println("\n列挙型の定数を普通のforループで処理:"); for (int i = 0; i < Day.values().length; i++) { System.out.println(Day.values()[i]); } } } </syntaxhighlight> この例では、<code>Day</code> 列挙型の定数を拡張forループと普通のforループで処理しています。<code>Day.values()</code> メソッドを使うことで、列挙型の定数を配列として取得することができます。それぞれのループ内で、定数を順番に取り出して表示しています。 このようにして、Javaの列挙型をループで処理することができます。列挙型は定数をグループ化するための便利な方法であり、ループを使ってこれらの定数を効果的に処理することができます。 == メソッド == 列挙型(Enum型)はメソッドを持つことができます。以下に、Javaの列挙型のメソッドとその説明を表形式で示します。 :{| class="wikitable" |+ Javaの列挙型のメソッド !メソッド !説明 |- |values() |列挙型のすべての定数を配列として返す。 |- |valueOf(String name) |指定された名前に対応する列挙型の定数を返す。 |- |ordinal() |列挙定数の順序(0から始まるインデックス)を返す。 |- |toString() |列挙定数の名前を返す。 |- |name() |列挙定数の名前を返す(toString()と同じ)。 |- |getDeclaringClass() |列挙定数のクラス(Enum型を拡張したクラス)を返す。 |- |compareTo(E other) |指定された列挙定数との順序比較を行う。 |- |equals(Object other) |指定されたオブジェクトとこの列挙定数が等しいかどうかを比較する。 |- |hashCode() |列挙定数のハッシュコードを返す。 |- |static <T extends Enum<T>> T valueOf(Class<T> enumType, String name) |指定された名前に対応する指定された列挙型の定数を返す。 |} これらのメソッドは、列挙型の定数を操作したり、列挙型を使用する際に便利な機能を提供します。たとえば、<code>values()</code> メソッドを使用してすべての列挙定数を取得したり、<code>valueOf(String name)</code> メソッドを使用して指定された名前に対応する列挙定数を取得したりすることができます。 {{Nav}} [[カテゴリ:Java|れつきよかた]]
2024-02-02T14:38:43Z
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[ "テンプレート:Nav" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/%E5%88%97%E6%8C%99%E5%9E%8B_(enum)
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Java/キーワードと識別子
キーワード(Keyword)と識別子(Identifier)は、プログラミング言語において重要な概念です。 Javaのキーワードは、言語の構文や機能を定義するために予約された単語です。 これらの単語は変数名やメソッド名として使用することはできません。 この表は、Java 9から導入された新しいキーワードや機能を、アルファベット順に並べ、各キーワードの分類と説明を示しています。 Javaの識別子は、クラス、変数、メソッドなどに付けられる名前です。識別子のルールは次のようになります。 例えば、次のような識別子があります: これらのキーワードと識別子を適切に使用することで、Javaのコードを明確で理解しやすいものにすることができます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "キーワード(Keyword)と識別子(Identifier)は、プログラミング言語において重要な概念です。", "title": "キーワードと識別子" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Javaのキーワードは、言語の構文や機能を定義するために予約された単語です。 これらの単語は変数名やメソッド名として使用することはできません。", "title": "Javaにおけるキーワードと識別子" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "この表は、Java 9から導入された新しいキーワードや機能を、アルファベット順に並べ、各キーワードの分類と説明を示しています。", "title": "Javaにおけるキーワードと識別子" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Javaの識別子は、クラス、変数、メソッドなどに付けられる名前です。識別子のルールは次のようになります。", "title": "Javaにおけるキーワードと識別子" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "例えば、次のような識別子があります:", "title": "Javaにおけるキーワードと識別子" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "これらのキーワードと識別子を適切に使用することで、Javaのコードを明確で理解しやすいものにすることができます。", "title": "Javaにおけるキーワードと識別子" } ]
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{{Nav}} == キーワードと識別子 == キーワード(Keyword)と識別子(Identifier)は、プログラミング言語において重要な概念です。 # キーワード: #* キーワードは、プログラミング言語において特別な意味を持つ単語です。 #* これらの単語は通常、言語の構文や機能を定義するために使われます。 #* 一般的なキーワードには、条件分岐(if、else、switch)、ループ(for、while)、データ型(int、float、string)、関数定義(function、def)、クラス定義(class)、そして予約語(reserved words)などがあります。 #* キーワードは通常、変数名や関数名として使用することはできません(PL/Iのような少数の例外はあります)。 # 識別子: #* 識別子は、プログラム内でのデータやオブジェクトを一意に識別するための名前です。 #* 変数名、関数名、クラス名などが一般的な識別子の例です。 #* 識別子は通常、プログラミング言語の構文ルールに従って命名されます。 #* 一般的な命名規則には、識別子がアルファベットまたはアンダースコアで始まり、その後にアルファベット、数字、アンダースコアの組み合わせが続くというものがあります。 #* 識別子は通常、キーワードとは区別されます。つまり、キーワードと同じ名前は識別子として使用できません。 == Javaにおけるキーワードと識別子 == === キーワード(Keywords): === Javaのキーワードは、言語の構文や機能を定義するために予約された単語です。 これらの単語は変数名やメソッド名として使用することはできません。 ==== ReservedKeyword ==== :{| class="sortable wikitable" |+ ReservedKeyword !キーワード !分類 !説明 |- !abstract | クラス修飾子 | # 抽象クラスを定義 # 抽象メソッドを定義 |- !assert | アサーション | アサーションを定義 |- !boolean | データ型 | 真偽値のデータ型を定義 |- !break | 制御構文 | # ループ文を中断 # switch文を中断 |- !byte | データ型 | 8ビットの整数型のデータ型を定義 |- !case | 制御構文 | switch文内の個々のケースを定義 |- !catch | 例外処理 | 例外を捕捉し処理 |- !char | データ型 | 文字のデータ型を定義 |- !class | クラス | クラスを定義 |- !const | 互換性 | Javaでは使用されません。 |- !continue | 制御構文 | ループ内で次の反復処理に進むためのキーワード。 |- !default | 制御構文 | switch文のデフォルトのケースを定義 |- !do | 制御構文 | ループを定義 |- !double | データ型 | 浮動小数点数のデータ型を定義 |- !else | 制御構文 | 条件が偽の場合に実行されるブロックを定義 |- !enum | 列挙型 | 列挙型を定義 |- !extends | クラス修飾子 | クラスが別のクラスを拡張することを示すための修飾子。 |- !final | クラス修飾子 | # 変数の再代入禁止 # メソッドのサブクラスによるオーバーライド禁止 # クラスの継承禁止 |- !finally | 例外処理 | try-catch-finally構文で、必ず実行されるブロックを定義 |- !float | データ型 | 単精度浮動小数点数のデータ型を定義 |- !for | 制御構文 | # for (初期化式; 条件式; 更新式) 文 # for (要素の型 変数名 : 配列またはコレクション) 文 |- !goto | 互換性 | Javaでは使用されません。 |- !if | 制御構文 | 条件文を定義 |- !implements | クラス修飾子 | インターフェースを実装するための修飾子。 |- !import | パッケージ | 別のパッケージのクラスやインターフェースをインポート |- !instanceof | 演算子 | オブジェクトが特定の型のインスタンスであるか? |- !int | データ型 | 整数のデータ型を定義 |- !interface | クラス修飾子 | インターフェースを定義するための修飾子。 |- !long | データ型 | 長整数のデータ型を定義 |- !native | クラス修飾子 | ネイティブメソッドを定義するための修飾子。 |- !new | 演算子 | 新しいオブジェクトを作成 |- !package | パッケージ | クラスやインターフェースのグループを定義 |- !private | アクセス修飾子 | メンバーがクラス内でのみアクセス可能であることを指定するための修飾子。 |- !protected | アクセス修飾子 | クラスのサブクラスからのアクセスを制限するための修飾子。 |- !public | アクセス修飾子 | クラスやメンバーがどこからでもアクセス可能であることを指定するための修飾子。 |- !return | 制御構文 | メソッドから値を返すためのキーワード。 |- !short | データ型 | 短整数のデータ型を定義 |- !static | クラス修飾子 | # 静的変数 (static variables)を宣言 # 静的メソッド (static methods)を定義 # 静的初期化ブロック (static initializer block)を定義 # 静的ネストしたクラス(static nested class)を定義 |- !strictfp | クラス修飾子 | 浮動小数点演算の結果をプラットフォームに依存せずに制御するための修飾子。 |- !super | クラス | 親クラスのコンストラクタやメソッドを呼び出すためのキーワード。 |- !switch | 制御構文 | # switch文を定義 # switch式を定義 |- !synchronized | クラス修飾子 | スレッドセーフな実装を定義するための修飾子。 |- ! this | クラス | 現在のオブジェクトを参照 |- !throw | 例外処理 | 例外をスロー |- !throws | 例外処理 | メソッドが例外をスローする可能性があることを宣言 |- !transient | クラス修飾子 | シリアライズされる際に、変数を無視するための修飾子。 |- !try | 例外処理 | 例外が発生する可能性があるコードブロックを定義 |- !void | データ型 | メソッドが戻り値を持たないことを示すためのキーワード。 |- !volatile | クラス修飾子 | 変数が複数のスレッドから変更される可能性があることを示すための修飾子。 |- !while | 制御構文 | ループを定義 |- !_ (underscore) | 予約 | 将来の可能性を考慮してパラメータ宣言で予約されています。 |} : この表は、Javaのキーワードをアルファベット順に並べ、各キーワードの分類と説明を示しています。 ==== ContextualKeyword ==== :{| class="sortable wikitable" |+ ContextualKeyword !キーワード !分類 !説明 |- !exports | モジュール | モジュールが外部に提供するパッケージを指定 |- !module | モジュール | モジュールを定義 |- !non-sealed | シールドクラス | 非シールドクラスを定義 |- !open | モジュール | モジュールやパッケージ、クラスが開かれた(拡張可能な)ものであることを示すためのキーワード。 |- !opens | モジュール | パッケージまたはモジュール内の特定のパッケージを開くためのキーワード。 |- !permits | シールドクラス | sealedクラスが他のクラスを継承することを許可 |- !provides | モジュール | サービスプロバイダーがサービスの実装を提供 |- !record | 型 | レコードクラスを定義 |- !requires | モジュール | モジュール間の依存関係を宣言 |- !sealed | シールドクラス | シールドクラスを定義 |- !to | モジュール | providesキーワードで指定されたサービスプロバイダーを、特定のサービスに提供 |- !transitive | モジュール | モジュール間の依存関係を伝播させるためのキーワード。 |- !uses | モジュール | サービスを使用 |- !var | 型 | ローカル変数宣言における型推論 |- !with | クラス | extends句やimplements句で、クラスやインターフェースに合成のクラスを指定 |- !yield | 制御構造 | ジェネレーターメソッドから値を生成 |} この表は、Java 9から導入された新しいキーワードや機能を、アルファベット順に並べ、各キーワードの分類と説明を示しています。 === 識別子(Identifiers)=== Javaの識別子は、クラス、変数、メソッドなどに付けられる名前です。識別子のルールは次のようになります。 * 最初の文字は文字またはアンダースコア(_)で始まります。 * 残りの文字は文字、数字、アンダースコアのいずれかである必要があります。 * 大文字と小文字は区別されます。 * キーワードを識別子として使用することはできません。 例えば、次のような識別子があります: # className: クラスの名前。 # variableName: 変数の名前。 # methodName(): メソッドの名前。 これらのキーワードと識別子を適切に使用することで、Javaのコードを明確で理解しやすいものにすることができます。 {{Nav}} [[Category:Java|きわと と しきへつし]]
2024-02-03T13:01:18Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A8%E8%AD%98%E5%88%A5%E5%AD%90
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Java/初級編
情報技術 > Java > Javaクイックツアー Javaは、オブジェクト指向プログラミング言語の中でも特に広く使われています。その特徴を見ていきましょう。 これらはJavaの基本的な概念と構文の一部です。 Javaを学ぶ際には、これらの概念を実際のコードで試してみることが重要です。 Javaは非常に多様なユースケースで使用されています。以下はその一部です。 Javaはこれらのユースケースにおいて幅広く活用され、その堅牢性、安全性、クロスプラットフォーム性、豊富なライブラリなどの特徴により、多くの開発者に選択されています。 Javaのベストプラクティスには、以下のようなものがあります。 これらのベストプラクティスを遵守することで、より堅牢でメンテナブルなJavaプログラムを開発することができます。 Javaのイディオム(慣用句)には、次のようなものがあります。 これらのイディオムは、Javaのプログラミングスタイルやデザインパターンにおいてよく使用されます。 それぞれが特定の問題を解決するために設計されており、Java開発者が効果的にコードを記述するための重要なツールとなっています。 「Hello World!」は、プログラミングの世界で伝統的に使われる初心者向けの最初のプログラムです。 Javaでも同様に、「Hello World!」プログラムは、基本的な構文や開発環境の設定を理解するために使われます。 まず、テキストエディタや統合開発環境(IDE)を使用して、Javaのソースコードを書きます。 以下が「Hello World」のソースコード例です。 このコードでは、HelloWorldという名前のクラスを定義し、その中にmainメソッドを記述しています。 mainメソッドはJavaプログラムのエントリポイントであり、プログラムの実行が開始される場所です。System.out.printlnは、コンソールに文字列を出力するためのメソッドです。 Javaのソースコードをコンパイルするには、Java Development Kit(JDK)がインストールされている必要があります。 コンパイルは次の手順で行います。 これにより、HelloWorld.javaファイルがHelloWorld.classという名前のバイトコードファイルにコンパイルされます。 コンパイルされたJavaプログラムを実行するには、以下の手順を実行します。 これにより、コンソールに Hello, World! という文字列が表示されます。 以上が、Javaでの「Hello World」プログラムの作成、コンパイル、実行の手順です。 Javaでの「Hello World」プログラムは、単純な文字列の表示に過ぎませんが、その背後にはいくつかの興味深い蘊蓄があります。 Javaの「Hello World」プログラムは、単なる最初のステップに過ぎませんが、Java言語の重要な特徴や原則を理解するのに役立ちます。 情報技術 >Java>プログラミングのための準備 Javaのプログラムを作るには、Javaの開発キット「JDK(Java SE Development Kit)」をシステムにインストールしておく必要があります。 JDKが、お使いのシステムにすでにインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。 Windowsであればコマンドプロンプトや「ターミナル」(windows11以降)、 Mac OS Xであればターミナル、 LinuxであればGNOME端末やKonsole、Ktermなどを起動します。 Windowsのコマンドプロンプトは、スタートメニューの [プログラム]ー[アクセサリ] の中にあります。 Mac OS Xのターミナルは、[アプリケーション] フォルダの中にある [ユーティリティ] フォルダの中にあります。 起動したCUI環境で、次のように入力します。 「javac」というのは、Javaのコンパイラのことです。 上記のコマンドを実行して、javacのバージョン情報が表示されれば、 JDKがインストールされています。 以下は、実行結果の一例です。 この項目はNFTC以前の内容です。 かつてJava開発元のoracleは、JDKを無償で提供していた時期がありましたが、しかし現在では、JDKの商用利用は有償化されています。 実はOracleと契約すれば非商用利用の範囲なら無償でJDKを使えるのですが、しかし手続きなど面倒です。 実は現在のJDKには、通常のJDKとは別種類の、機能が制限されているものの無料かつ契約不要で使える openJDK という別エディションもあり、oracleがこれも協力しています。openJDKのサイトは こちら です。 ですが、WindowsへのopenJDKはインストールが複雑です。Windows環境にインストールする場合、openJDKの公式サイトにあるバイナリをダウンロードしてインストールしても、既存の通常版Javaランタイムなどがパソコンにインストール済みだと、干渉して、うまくopenJDK が起動しない場合もあります。 実はこのopenJDKをインストールしやすくなど改良したAdoptOpenJDKというのが別途、開発されており、IBMやマイクロソフトなどに支援されています。(Adoptium Marketplaceでスポンサー企業を確認できる) しかし、最新版などはAdoptOpenJDKでは使えません。 最新版のopenJDKをどうしても使いたい場合、Windowsでの利用をあきらめてLinuxなどで試すのが簡単でしょう。 初心者はWindowsの場合、このAdoptOpenJDKを使うのがラクです。 なお、Oracleの公式サイトでは2023年時点では、通常版openJDKも無料で提供されています。 Java開発者向けページ をたどって探していけば、openJDKのサイトへのリンクも見つかります。 インストールに必要なファイルをダウンロードし、ガイドに従ってインストールしてください。なお、このページは英語で書かれていますが、ページの右側に「Java SE」のダウンロードページへのリンクがあり、そのリンク先のページに行けば、日本語ページへのリンクを見つけることができます。 「java」コマンドを実行するためのソフトウェアと、コンパイルの「javac」コマンドを実行するソフトウェアとは別物です。 この両方のソフトウェアをインストールする必要があります。 Fedora Linux の場合、コマンドラインの install などのコマンドでJavaをインストールすると同時にopenJDKのランタイムも入ります。つまり でopenJDKが入ります。なお、インストールコマンドで「openJDK」で検索をしてもヒットしないので、気をつけてください。「Java」で検索する必要があります。 普通にインストールした場合、やや古いバージョンの長期サポート版の openjdk がインストールされます。 ですが、これはJavaのコマンドラインでの実行環境(JRE に相当)であり、コンパイルツールは別です。 さらに、Javaのコンパイラ一式をインストールするため、 のコマンドで、openjdk-develをインストールする必要があります。バージョン番号は読者の時代に応じて変更してください。なお、パッケージマネージャの検索で「openjdk-devel」と探しても出ません。 ともかくjava-1.8.0-openjdk-devel 相当のソフトウェアをインストールしないと、javacコマンドが使えません。 最新版のテストなどには、上記のバージョンは使えません。もし最新のバージョンをインストールしたい場合、後述のセクションのようにlatest版をインストールします。 Fedoraの場合、おそらく、 で入ります(※ いろいろ試したあとに成功したので、まだ条件が限定できてない)。 ただし、最新版をインストールしただけでは、javaコマンドやjavacコマンドを入力しても最新版はまだ動作せずに使えません。javaコマンドなどを実行しても、旧バージョンのJavaが動きつづけるだけです。 なので、加えて下記の設定をしないと、既にインストールした長期サポート版(LTS)が実行されてしまいます。 コマンド により、実行に使う java を最新版に切り替えれば、最新版javaを使えます。 なお、このコマンドを実行しても、コンパイラの javac のバージョンはそのままです。上記コマンドで切り替わるのは java ランタイム側だけです。 JDKの他に必要なものは何でしょうか? プログラミングには、ソースコードを書くためのテキストエディタが必要です。Windowsのメモ帳やMac OS Xのテキストエディットでもプログラミングをすることができます。 とりあえずであれば、そうしたテキストエディタを使うこともできるでしょう。 しかし、プログラマはエディタ(テキストエディタのこと)にこだわるものです。まだ愛用のエディタを持っていない方は、プログラミングの学習方々、ぜひ手に馴染むエディタを探してみてください。 プログラミングにおける変数は、値やデータを格納するための記号的な名前です。変数は、メモリ内の特定の場所を参照し、その場所に値を保持します。これにより、プログラム内でデータを操作したり処理したりすることができます。 変数は、プログラム内で使用されるデータの値を表現し、名前を介してそれらの値にアクセスする手段を提供します。また、変数は値を保持するだけでなく、値を変更することもできます。これにより、プログラムが動的に振る舞うことが可能になります。 例えば、プログラムがユーザーの名前や年齢などの情報を取得し、それを後で使用する必要がある場合、変数を使用してその情報を格納し、必要に応じて変更や処理を行うことができます。 Javaにおける変数とは、データを格納する箱のようなものです。変数は、プログラム内で使用されるデータを保持し、それに名前を付けることができます。これにより、プログラム内で値を簡単に参照したり変更したりできます。 Javaでは、変数を使用する前に、その変数の型(データの種類)を宣言する必要があります。例えば、整数を格納する変数の場合はint型、小数を格納する変数の場合はdouble型、文字列を格納する変数の場合はString型などがあります。 変数の宣言は次のように行います: これにより、age、height、nameという名前の変数が宣言されます。ただし、この時点ではまだ値は割り当てられていません。 変数に値を代入するには、以下のようにします: これにより、それぞれの変数に値が割り当てられます。 また、変数の宣言と初期化を同時に行うこともできます: これにより、変数の宣言と初期化を一度に行うことができます。 Javaにおいて、再代入とは変数に新しい値を割り当てることを指します。Javaでは、再代入が可能な変数は、その型がプリミティブ型であるか、または参照型であるかによって挙動が異なります。 変数に再代入された値の型は、変数が宣言された際に指定された型と一致する必要があります。たとえば、int型の変数には整数値を、double型の変数には浮動小数点数を再代入する必要があります。再代入された値の型が異なる場合、コンパイルエラーが発生します。 Javaにおける文字列は、文字のシーケンスを表現するためのデータ型です。Javaでは、文字列はjava.lang.Stringクラスを使用して表現されます。文字列は、ダブルクォーテーション(”)で囲まれた文字のシーケンスとして表現されます。 文字列はイミュータブル(変更不能)であり、一度作成されると変更することができません。つまり、文字列を変更する操作は、新しい文字列を作成することになります。 以下は、Javaで文字列を宣言する例です: この例では、greetingという名前の変数に文字列"Hello, world!"が代入されています。 Javaでは、final修飾子を使って宣言された変数は、イミュータブル(不変)です。final修飾子を使用すると、その変数に対する再代入ができなくなります。つまり、一度初期化された後はその値を変更することができません。 以下は、final修飾子を使って宣言されたイミュータブルな変数の例です: これらの変数AGEとNAMEは、一度初期化された後に再代入することができません。このような変数は、プログラム内で定数として使用されることがあります。 Javaにおいて、final修飾された参照型変数は、変数の参照先(オブジェクトへの参照)が不変であることを示します。つまり、一度初期化された後は、その変数が参照するオブジェクトを変更することはできませんが、オブジェクト自体の内容は変更可能です。 以下は、final修飾子を使って宣言された参照型変数の例です: この例では、final修飾子が付けられたbuilder変数は、一度StringBuilderオブジェクトに初期化された後、その参照先を変更することができません。ただし、StringBuilderオブジェクト自体の内容を変更することは可能です。 Javaにおけるキャスト(cast)は、データ型を変換する操作を指します。Javaでは、異なるデータ型の間で変換を行う際にキャストを使用します。キャストは、変換元のデータ型を指定し、変換後のデータ型に変換するための演算子です。 キャストは基本的に2つの形式があります: キャストを行う際には、変換元のデータ型と変換後のデータ型が互換性があるかどうかを確認する必要があります。 たとえば、数値型同士のキャストや、参照型の継承関係に基づくキャストが可能ですが、互換性のない型同士のキャストはコンパイルエラーを引き起こします。 Java 10以降、Javaにはローカル変数の型推論機能が追加されました。これは、varキーワードを使用して変数を宣言する際に、コンパイラが変数の型を自動的に推論する機能です。この機能により、変数の型を明示的に指定する必要がなくなり、コードの冗長性を減らすことができます。 変数の宣言時に初期化子が提供される場合、その初期化子の型に基づいて変数の型が推論されます。推論された型は静的な型であり、実行時に変更されることはありません。 例えば、以下のようにvarを使用して変数を宣言することができます: varを使用することで、変数の型が明確になる場合には冗長な型の記述を省略できます。ただし、可読性を損なわない範囲での使用が推奨されます。また、varを使用する場合でも、適切な変数名やコメントを追加することで、コードの理解を助けることが重要です。 Java 10以降、Javaにはループ変数の型推論機能が追加されました。 これにより、forループや拡張forループ(拡張for文、拡張forループ)で、ループ変数の型を自動的に推論することができます。 これにより、コードの冗長性を減らし、可読性を向上させることができます。 具体的には、forループの初期化部でループ変数を宣言し、その型をvarキーワードで指定することができます。 この際、初期化式によって型が明示的に指定される場合、その型を推論してループ変数の型を決定します。 拡張forループでは、コレクションや配列を反復処理する際に、ループ変数の型を指定せずに、varキーワードを使用してループ変数を宣言することができます。この場合、コレクションや配列の要素の型がループ変数の型として推論されます。 以下は、forループと拡張forループでのループ変数の型推論の例です: varを使用することで、ループ変数の型を省略し、コードをよりシンプルにすることができます。ただし、適切な変数名やコメントを追加して、コードの可読性を確保することが重要です。 ラムダ式の型推論とは、Javaでラムダ式を使用する際に、コンパイラがラムダ式のパラメータの型や戻り値の型を自動的に推論する機能を指します。つまり、ラムダ式のパラメータや戻り値の型を明示的に指定せずに、コンパイラがコードの文脈から型を推測することができます。 例えば、次のコードでは、ラムダ式 (int i) -> i * i のパラメータ i の型が int として指定されています。しかし、Javaのコンパイラは、このコードの文脈から i の型が int 型であることを推論することができます。 var キーワードを使用することで、変数 x の型を明示的に指定せずに、コンパイラがラムダ式の型を推論することができます。そのため、コードをよりシンプルに記述することができます。 varキーワードを使わずに、ラムダ式の型を明示的に指定する場合は、次のようになります: このコードでは、IntUnaryOperatorインターフェースを使用してラムダ式を宣言しています。IntUnaryOperatorは、int型の引数を受け取り、int型の値を返す関数型インターフェースです。ラムダ式の引数がint型であるため、このインターフェースを使ってラムダ式を宣言しています。 varによるラムダ式の型推論をつかうと、この調べごとをする必要がなくなります。 複雑な型を返すメソッドを受け取る場合にも、型推論は有用です。以下の例では、flatMap() メソッドを使用して、文字列のリストを1つの文字列に変換しています。 最後に、ループを用いた具体例を示します。以下の例では、リストを String[] に変換しています。 プログラミングにおけるコメントは、コード内に追加されるテキストであり、主に以下の目的で使用されます。 プログラミング言語によってコメントの書き方や形式は異なりますが、一般的な方法として、単一行コメントや複数行コメントがあります。単一行コメントは通常、行の先頭に // を置いて記述します。複数行コメントは、/* で始まり */ で終わるブロックを使用して記述します。 コメントは、コードの可読性やメンテナンス性を向上させる重要な手法であり、良いコメントを記述することは、プログラミングにおける良い実践の一部です。 Javaのコメントは、Javaプログラム内に追加されるテキストであり、コードの読みやすさや理解を助けるために使用されます。コメントはコンパイラによって無視され、プログラムの実行時には無視されます。主な目的は、以下の点にあります。 Javaでは、以下の2つの主なコメント形式が一般的に使用されます。 コメントは、効果的なコードの記述やメンテナンスに欠かせない要素であり、開発プロセスをスムーズにします。 JavaDocは、Javaプログラミング言語において、ソースコード内のドキュメンテーションを生成するためのツールです。これは、Javaプログラムのソースコードに特定のコメント形式を記述し、それをJavaDocツールで処理することで、プログラムのAPIドキュメントを生成します。 JavaDocコメントは通常、クラス、メソッド、フィールドなどの要素に対して記述され、特定の形式に従います。一般的には、以下のような形式で記述されます。 JavaDocコメントには、概要や詳細な説明、パラメータ、戻り値、例などが含まれることがあります。JavaDocコメントを適切に記述することで、他の開発者がAPIを理解しやすくなり、プログラムの使用方法や機能を簡単に把握できるようになります。 情報技術 > Java > Java/初級編 プログラミングにおける式(Expression)は、値や演算子、関数呼び出し、変数などから構成される計算を表す文法構造です。式はプログラム内で評価され、結果の値を生成します。 演算子(Operator)は、式内で値や変数を操作するための記号またはキーワードです。演算子には算術演算子(加算、減算など)、比較演算子(等しい、大なり、小なりなど)、論理演算子(AND、ORなど)、代入演算子(変数に値を代入する演算子)などがあります。演算子は一般的に、式内で値を組み合わせて新しい値を生成するために使用されます。 例えば、以下のような式があります: この式は、変数 a、b、c の値を使用して、乗算(*)と加算(+)の演算を行います。これにより、新しい値が生成されます。 Javaにおける式(Expression)は、値、変数、演算子、メソッド呼び出し、またはこれらの組み合わせから構成されるプログラム内の計算を表す文法要素です。式はプログラム内で評価され、結果の値を生成します。 Javaの演算子(Operator)は、式内で値や変数を操作するための特殊な記号またはキーワードです。 Javaの演算子は多岐にわたり、主な種類には以下のようなものがあります: これらの演算子を使用して、Javaプログラム内で様々な計算や操作を行うことができます。 Javaにおける算術演算子は、基本的な数値計算を行うための演算子を指します。 Javaでは、整数型と浮動小数点型のデータを扱うための算術演算子が提供されています。 主な算術演算子には以下が含まれます: Javaの算術演算は、整数型と浮動小数点型の両方で動作し、適切な結果を返します。 プログラマは、演算に使用される数値の型を適切に選択する必要があります。 JavaのInfinityとNaNは、浮動小数点数の特殊な値であり、IEEE 754規格に基づいて定義されています。以下に、それぞれの意味と特性について説明します。 JavaのInfinityとNaNは、浮動小数点数の計算において特殊な値として使用されます。これらの値は、次のような場面で発生します。 isNaN()とisFinite()メソッド: IEEE 754規格に基づいて定義されたこれらの特殊な値は、浮動小数点数の算術演算においてエラー処理や特殊な状況を処理するために使用されます。これらの特性を理解することは、正確な数値計算を行う上で重要です。 -0.0(マイナスゼロ)は、浮動小数点数の一部で、通常のゼロとは異なる概念です。IEEE 754規格では、ゼロを表現する方法として、符号付きゼロ(+0.0および-0.0)が導入されています。 この区別は、通常の算術演算では影響を与えませんが、一部の特殊な状況で重要になります。例えば、次のような場面で符号つきゼロが役立ちます。 JavaのDoubleとFloatのデータ型では、+0.0と-0.0は異なる値として区別されます。これは、JavaがIEEE 754規格に従っているためです。例えば、以下のようなコードを実行すると、+0.0と-0.0が等しいかどうかを確認できます。 Double.compare() は、Java プログラミング言語において、2 つの double 値を比較するための静的メソッドです。このメソッドは、次のような形式で使用されます: Double.compare() メソッドは、以下のルールに従って比較を行います。 整数演算の桁あふれ(オーバーフロー)は、整数の演算結果がそのデータ型で表現可能な範囲を超える場合に発生します。Javaの整数型には、それぞれの範囲が定義されています。以下に、主な整数型とその範囲を示します。 たとえば、int型でのオーバーフローが発生する状況を考えてみましょう。以下のコードでは、整数の最大値に1を加えようとしています。 このコードを実行すると、overflow 変数は -2147483648 になります。これは、Integer.MAX_VALUE で表現される最大値に1を加えることで、オーバーフローが発生し、最小値(Integer.MIN_VALUE)に戻るためです。 同様に、他の整数型でも同様の挙動が発生します。オーバーフローを防ぐためには、適切な範囲内での演算を行うか、オーバーフローが発生する可能性がある場合には適切に処理する必要があります。 Javaでは、整数演算でオーバーフローを生じても例外は上がりません。 例外をあげオーバーフローを捕捉するために、Math.addExactと、そのファミリーが用意されています。 Math.addExact() メソッドは、Java 8 で追加された整数演算時のオーバーフローを検出するためのメソッドの一部です。このメソッドは、整数型の加算を行い、結果がそのデータ型で表現可能な範囲を超えた場合に ArithmeticException をスローします。 Math クラスには、他にもオーバーフローを検出するためのメソッドが用意されています。主なものには、次のようなものがあります: これらのメソッドを使用することで、整数演算時にオーバーフローが発生した場合に、適切に例外を処理できます。 以下は、Math.addExact() メソッドを使用して整数値の加算を行い、オーバーフローが発生した場合に例外を処理する例です。 このコードでは、Integer.MAX_VALUE に 1 を加算しようとしています。Math.addExact() メソッドは、この加算がオーバーフローを引き起こす可能性があるため、例外をスローします。try-catch ブロックを使用して、ArithmeticException をキャッチし、オーバーフローが発生したことを示すメッセージを出力しています。 浮動小数点演算の桁あふれは、浮動小数点数を操作する際に、その値がデータ型で表現可能な範囲を超える場合に発生します。浮動小数点数は、指数部と仮数部から構成され、一定の精度を保ちつつ非常に大きな値や小さな値を表現するために使用されます。 Javaにおいて、浮動小数点数は主に以下の2つのデータ型で表現されます。 これらのデータ型は、それぞれ一定の範囲と精度を持っていますが、非常に大きな値や小さな値に対しても表現可能です。 桁あふれは、浮動小数点演算の結果が、そのデータ型で表現可能な範囲を超える場合に発生します。これにより、計算結果が無限大や無限小に発散する場合や、精度が失われる場合があります。また、浮動小数点数の演算において、有効桁数を超えた部分が切り捨てられることも桁あふれの一形態です。 例えば、次のコードでは、倍精度浮動小数点数の最大値に1を加える操作を行っています。 この場合、overflow 変数の値は Infinity になります。これは、最大値に1を加えた結果が倍精度浮動小数点数の表現可能な範囲を超えたため、桁あふれが発生したことを示しています。 Javaの浮動小数点数における誤差は、主に2つの要因によって生じます。 Javaの浮動小数点数における誤差を最小限に抑えるためには、次のような注意点があります。 計算の順序を適切に管理し、丸め誤差を最小限に抑える。 これらの対策を講じることで、Javaの浮動小数点数による誤差を最小限に抑えることができます。 また、浮動小数点数の演算における丸め誤差や演算誤差を最小限に抑えるためには、以下のような注意点があります。 これらの注意点を考慮することで、Javaの浮動小数点数による計算における誤差を最小限に抑えることができます。 さらに、浮動小数点数の計算における誤差を最小限に抑えるために、次のようなアプローチも考慮されます。 以上のようなアプローチを組み合わせることで、Javaの浮動小数点数を使用した計算における誤差を最小限に抑えることができます。ただし、特定の問題や要件に応じて、最適なアプローチを選択する必要があります。 浮動小数点数の内部表現により、一部の10進数を正確に表現することができません。たとえば、0.1を浮動小数点数として表現すると、厳密な値ではなく近似値になります。そのため、0.1を10回足しても厳密に1.0にはならない場合があります。 Javaでは、float型やdouble型を使用して浮動小数点数を表現しますが、これらの型は有限のビット数で浮動小数点数を表現するため、一部の10進数を正確に表現することができません。その結果、浮動小数点数の計算においては、丸め誤差や演算誤差が生じる可能性があります。 例えば、次のコードを見てみましょう。 このコードでは、0.1を10回足した結果が正確に1.0にならず、0.9999999999999999 という近似値になります。 このように誤差が生じるのは、内部的に浮動小数点数は2進数で扱われているためです(0.1は、2進数では循環小数になるため正確に表現できません)。 誤差を補正する方法はいくつかありますが、カハンの総和アルゴリズム( Kahan summation algorithm )が代表的です。 また、Java Stream API も補正アルゴリズムを実装しています。 Javaの算術演算子には、優先順位と結合性があります。以下に、一般的な算術演算子の優先順位と結合性を示します。 この優先順位と結合性に基づいて、式が評価されます。例えば、次の式を考えてみましょう。 この式では、乗算 (*) が加算 (+) よりも高い優先順位を持つため、まず 3 * 2 が計算されます。結果は 6 です。その後、5 と 6 の加算が行われ、最終的な結果は 11 になります。 結合性(associativity)は、演算子が式内で連続して出現する場合に、その演算子がどのような順序で評価されるかを示す性質です。結合性は通常、左から右への結合(左結合性)または右から左への結合(右結合性)のいずれかとして定義されます。 算術演算子の結合性により、この式は左から右に評価されます。例えば、次の式を考えてみましょう。 この式では、減算 (-) は左から右に結合するため、まず左側の 10 - 5 が計算されます。結果は 5 です。その後、5 から 3 を減算することで、最終的な結果は 2 になります。 Javaの算術演算子の優先順位と結合性を理解することで、式を正しく評価することができます。 Javaの比較演算子は、異なる値や式の間で比較を行い、結果を真偽値(trueまたはfalse)で返します。以下は、Javaで使用される主な比較演算子です。 これらの比較演算子は、条件文やループ、その他の制御構造でよく使用されます。 論理演算子は、論理値(真偽値)を操作するために使用されます。Javaでは、3つの主要な論理演算子があります。 これらの演算子は、条件文やループなどの制御構造で論理式を組み立てるために使用されます。 ビット演算子は、整数のビットレベルでの演算を実行します。Javaのビット演算子は、以下のようになります。 これらの演算子は、ビット単位のデータ処理や、効率的なビットマスクの作成に使用されます。 代入演算子は、変数に値を割り当てるために使用されます。Javaの代入演算子には、単純な代入演算子と複合代入演算子があります。 これらの演算子は、変数の値を更新する際に使用され、簡潔なコードを記述するのに役立ちます。 「条件分岐」は、プログラミングにおいて重要な概念の一つです。条件分岐を使うことで、プログラムは特定の条件に応じて異なる処理を実行することができます。 この章では、Javaでの条件分岐の基本的な使い方から、より高度な使い方までを解説します。if-else文、switch文、switch式、論理演算子、三項演算子など、様々な種類の条件分岐について学ぶことができます。また、例外処理における条件分岐の使い方についても解説します。 各セクションでは、実際のコード例を使って、どのように条件分岐を使えばよいかを説明します。また、練習問題も用意していますので、理解を深めるために挑戦してみてください。 条件分岐は、プログラムの制御構造を理解する上で重要な概念です。本章を通して、条件分岐の基本的な使い方から応用までを学び、プログラムの制御構造を理解してください。 Javaのif-else文は、プログラムの流れを条件分岐させるための文です。条件に応じて実行される文を切り替えることができます。 if文は、指定された条件が真である場合に実行される文を指定します。if文が偽である場合に実行される文を指定するために、else節を組み合わせて使うことができます。 if-else文の基本構文は以下の通りです。 条件式は、真偽値を返す式です。もし条件式が真であれば、if文の中の文が実行され、偽であればelse節の中の文が実行されます。 また、else節は省略することができます。省略した場合、条件式が偽である場合には何も実行されません。 複数の条件を判定する場合には、else if節を使うことができます。 複数の条件を判定する場合には、if-else文をネストして使うこともできます。 このコードは、if-else文を使って変数nが負の数、正の数、零、またはNaN(非数)であるかを判定しています。 まず、変数nに0.0を0.0で割った結果を代入しています。0.0を0.0で割るとNaNになるため、この変数はNaNになります。 次に、if-else文を使って、nが負の数、正の数、零、またはNaNであるかを判定しています。 まず、n < 0.0という条件を使って、nが負の数であるかを判定しています。もしnが負の数であれば、System.out.println("負の数です");が実行されます。 次に、n > 0.0という条件を使って、nが正の数であるかを判定しています。もしnが正の数であれば、System.out.println("正の数です。");が実行されます。 次に、n == 0.0という条件を使って、nが零であるかを判定しています。もしnが零であれば、System.out.println("零です。");が実行されます。 最後に、else節を使って、nがNaNであるかを判定しています。NaNはどの数とも等しくならないため、n == 0.0やn < 0.0、n > 0.0のいずれの条件も成立しないため、else節が実行されます。else節では、nの値をそのまま表示するSystem.out.println(n + "です。");が実行されます。 このように、if-else文を使うことで、複数の条件を判定し、条件に応じた処理を行うことができます。 Javaのswitch文は、複数の条件分岐を処理するための構文です。特定の変数の値をチェックし、その値に応じて分岐することができます。 基本的な構文は以下の通りです。 式には、チェックする式を指定します。各caseには、変数が持つ値が一致する場合に実行される処理を記述します。defaultには、上記のいずれの値にも一致しない場合に実行される処理を記述します。 式には、数値以外に文字列も使うことが出来ます。 以下は、Javaのswitch文で文字列型を使用した例です。 この例では、変数fruitに文字列型の「りんご」が代入されています。switch文の条件式であるswitch (fruit)では、文字列型の変数fruitを使用しています。 switch文のcaseラベルには、文字列型の定数をカンマで区切って列挙しています。 また、caseラベルで果物として認識する文字列は、同じ文の中に複数記述することができます。 break文を使用して、該当するcaseラベルにマッチした場合は、それに続く文を実行するようにしています。 また、Javaのswitch文では、Enumを使った網羅性の確保ができます。Enumは、プログラムで扱う定数を列挙するためのクラスです。 以下は、Enumを使ったswitch文の例です。 この例では、AnimalというEnumを定義し、それを使って動物の鳴き声を出力するプログラムを書いています。switch文のcaseには、Enumの要素を列挙しています。 switch文は、if文と比べて複数の条件分岐をスッキリと書くことができるため、コードの可読性が向上するという利点があります。 Java 12から、Javaにはswitch式という新しい構文が導入されました。switch式は、通常のswitch文と同様に、複数の値の比較に基づいて異なるコードブロックを実行するために使用されますが、式の値を返すこともできます。 switch式は、通常のswitch文と同じように、いくつかのcaseブロックを持ちます。ただし、switch式では、個々のcaseラベルに式を直接使用できます。また、値を返すことができるため、式の値を変数に代入することもできます。 Javaのswitch式の構文は以下の通りです。 なお、switch式はJava 12から導入された新しい機能であり、以前のバージョンのJavaでは使用できません。 以下は、switch式の例です。 この例では、変数fruitに文字列型の「りんご」が代入されています。switch式では、変数fruitを評価しています。caseラベルには、直接式を使用しています。caseラベルで果物として認識する文字列は、同じ文の中にカンマで区切って複数記述することができます。->演算子を使用して、各caseラベルの式を実行します。 switch式の最後には、値を返すことができます。この例では、式の結果を変数resultに代入しています。最後に、変数resultの値を出力しています。 Javaにおいて、条件式は比較演算子や論理演算子を用いて、複数の条件を組み合わせた式を表現することができます。論理演算子は、2つのブーリアン値(trueまたはfalse)を受け取り、新しいブーリアン値を返します。 Javaには、5つの論理演算子があります。 以下は、論理演算子(AND、OR、NOT)の真理値表を表形式で示したものです。 この表では、AとBがそれぞれ真(true)または偽(false)の場合に対する、NOT、AND、ORの結果が示されています。 Javaの三項演算子は、条件式 ? 式1 : 式2 の形式を持ちます。この演算子は、条件式が true の場合は式1を、falseの場合は式2を評価して返します。例えば、以下のようなコードが考えられます。 このコードでは、aとbの値を比較して、aがbよりも大きければaを、そうでなければbを最大値として選択します。 三項演算子を使って、if文を使う代わりに簡潔に書くことができます。 ただし、三項演算子は条件式と2つの式のみを評価するので、複雑な条件分岐を行う場合にはif文を使用することが推奨されます。 Java 16で導入されたパターンマッチング式(Pattern Matching for instanceof)は、Java言語の制御構造の一つです。 通常、オブジェクトの型を判定するためには instanceof 演算子を使用します。パターンマッチング式は、この instanceof 演算子をより簡潔かつ安全に使用できるようにしたものです。 例えば、次のようなコードがあります。 このコードは、オブジェクトが String クラスのインスタンスである場合に、そのオブジェクトを String 型にキャストして大文字に変換し、標準出力に出力するという処理を行っています。 パターンマッチング式を使用すると、このコードを次のように書き換えることができます。 このコードでは、オブジェクトが String クラスのインスタンスである場合に、そのオブジェクトを String 型にキャストせずに、変数 str に直接代入しています。また、変数 str は if 文の中でのみ有効なローカル変数となります。 このように、パターンマッチング式を使用することで、より簡潔で安全なコードを書くことができます。 switchのパターンマッチング拡張とは、Javaプログラミング言語において、switch文やswitch式においてパターンを使用して条件を指定できるようにする機能です。通常のswitch文やswitch式では、一致する値の厳密な等式比較しか行えませんでしたが、パターンマッチング拡張により、より柔軟な条件指定が可能になります。 具体的には、switch文やswitch式のケースラベルで、従来の定数だけでなく、パターンも指定できるようになります。これにより、オブジェクトの型や構造に基づいて条件を指定することができます。例えば、オブジェクトが特定の型であるか、あるいは特定のフィールドの値を持つかどうかなどの条件を指定することができます。 これにより、従来は複雑だった複数の条件分岐を一つのswitch文やswitch式で表現することができるようになり、コードの可読性が向上します。また、パターンマッチングにより、より安全な条件指定が可能になります。 以下は、Java 21で導入されたswitch文のパターンマッチング拡張を使用したコード例です。 この例では、formatterPatternSwitchメソッド内で、switch文を使用してobjの型に基づいて処理を分岐しています。各ケースラベルでは、オブジェクトが特定の型にマッチするかどうかをパターンで指定しています。例えば、case Integer iでは、objがInteger型にマッチする場合、iというパターン変数が導入され、その値がint %dのフォーマット文字列に埋め込まれます。他の型についても同様の処理が行われます。 このように、switch文のパターンマッチング拡張を使用することで、よりシンプルで効率的なコードを記述することができます。 以下は、Java 21で導入されたswitch文のパターンマッチング拡張で使用できるパターンの一覧を表形式で示したものです。 これらのパターンを使用して、switch文やswitch式のケースラベルで条件分岐を行うことができます。それぞれのパターンは、特定の条件にマッチするかどうかをチェックするために使用されます。 反復 (Iteration) は、同じ処理を繰り返し実行することで、コードの簡潔さと再利用性を向上させるためによく使用されます。Javaには、様々な方法で反復処理を行うことができます。たとえば、for文、while文、do-while文、拡張for文、Iterator、forEachメソッドなどがあります。 このチュートリアルでは、これらの反復処理方法を解説し、それぞれの使用方法や適切な場面について説明します。また、配列やコレクションに対する反復処理、ループ制御についても解説します。 反復処理は、プログラミングにおいて非常に重要な概念であり、プログラムの処理効率や保守性を向上させるためにも、しっかりと理解しておく必要があります。本チュートリアルを通じて、反復処理について深く理解し、効果的に使用するための知識を身につけましょう。 次のサンプルは、一応Hello worldの日本語版です。 Hello world同様、実用的な意味はありませんが、反復処理の例となっています。 上の例はfor文と呼ばれる構文を使った例です(4行目にキーワード「for」があることに注意してください)。 コンパイルして実行してみましょう。 このプログラムはwhile文を使って次のように書くこともできます。 さらにdo-while文を使って次のような書き方もできます。 またさらに、CharSequence#codePoints()でコードポイントのStreamを取得し、これのforEachメソッドで繰返しを行う次のような書き方も可能です。 これが最もシンプルな書き方です。 各構文の詳細を説明する前に、共通する要素について説明します。 反復には、必ず反復条件を伴います。反復は、反復条件が満たされている間だけ続けられ、条件が満たされなくなると終了する。 反復条件は、比較演算子を使って表現されることがあります。 比較演算子は不等号などの数学記号に似ています。 ==演算子は、プリミティブ型の値またはオブジェクトの参照を比較するために使用されます。!=演算子は、==演算子と同じように使用されますが、2つの値が等しくない場合にtrueを返します。 <、>、<=、>=演算子は、プリミティブ型の値の大小関係を比較するために使用されます。 instanceof演算子は、オブジェクトの型を調べるために使用されます。左辺が右辺のクラスのインスタンスである場合、trueを返します。 注意点としては、オブジェクトの比較に==演算子を使用すると、オブジェクトの参照を比較するため、同じ内容のオブジェクトでもfalseを返す場合があります。 オブジェクトの内容を比較する場合は、.equals()メソッドを使用する必要があります。 Javaのfor文は、反復処理を行うための制御構造の一つで、指定された回数または条件を満たすまで繰り返します。一般的に、以下の形式で使用されます。 for文の本体は、継続条件式がtrueを返す間、繰り返し実行されます。通常、変数の値を使って何らかの処理を行います。 以下は、1から10までの整数を出力する例です。 for文の学習と言えば、典型的な例が掛け算九九を表示するサンプルです。 Javaにおいて、拡張for文(またはfor-each文)は、配列やコレクションなどの要素を繰り返し処理するための簡潔な方法を提供します。 標準的なforループとは異なり、ループカウンタを使用する必要がなく、ループ対象のデータ型に応じてループ変数を明示的に宣言する必要がありません。 構文は以下のようになります。 以下に、配列やコレクションを用いた拡張for文の例を示します。 この例では、配列numsの要素を順に表示するためにint型のループ変数numを使用し、同様に、コレクションfruitsの要素を順に表示するためにString型のループ変数fruitを使用しています。 拡張for文を使用することで、コードがより簡潔で読みやすくなります。 Javaにおけるwhile文は、指定した条件式がtrueである間、反復処理を続ける制御構造です。構文は以下の通りです。 条件式がtrueである限り、中括弧内の文が繰り返し実行されます。条件式がfalseになった時点で、while文の実行は終了します。 例えば、1から10までの整数を出力するプログラムは以下のように書けます。 このプログラムでは、変数iを1で初期化し、iが10以下である限り、iを出力してiを1ずつ増やしています。 これをStreamを使用して書き換えることができます。 IntStream.rangeClosed(1, 10)は、1から10までの整数のストリームを生成します。そして、.forEach(System.out::println)で各要素を出力しています。 rangeClosed()メソッドは指定された範囲(この場合は1から10まで)の整数ストリームを生成します。このストリームを使用して各要素に対して操作を行うことができます。 Javaにおいて、whileループを使ってファイルを読み込む方法について説明します。 以下は、例としてファイルの中身を1行ずつ読み込み、コンソールに出力するプログラムです。 まず、BufferedReader クラスを使ってファイルを読み込むための準備をします。BufferedReader クラスは、テキストファイルを1行ずつ読み込むためのクラスで、FileReader クラスと組み合わせて使用します。 while ループ内では、BufferedReader オブジェクトの readLine() メソッドを使って、ファイルから1行ずつデータを読み込みます。読み込んだ行が null でない場合は、読み込んだ行をコンソールに出力します。 ファイルの読み込みが終了したら、ファイルを閉じるために close() メソッドを呼び出します。また、エラーが発生した場合は、例外処理を行います。 このように、while ループを使ってファイルを読み込むことができます。ただし、ファイルの読み込みには例外処理が必要であることに注意してください。 上記のサンプルでは、while文の反復条件が(line = in.readLine()) != nullと書かれています。 これは代入演算と比較演算を同時に行う書き方で、こうした類の処理によく使われるパターンですが、慣れない間は奇異に見えるかもしれません。 なぜこうした書き方が可能なのかというと、代入演算の式は、その式で代入結果の値を返すからです。 念のため、処理の流れを追ってみましょう。 まず括弧内の処理、つまりline = in.readLine()が実行されます。この式は、変数lineに代入された値を返します。要するに、全体でlineが返されると考えてよいでしょう。 続いて、比較演算が行われます。括弧内をlineに置き換えるとわかりよいでしょう。つまりline != nullという判定が行われることになります。lineがnullになった場合、行はそれ以上ないというサインなので、ループから抜ける必要があります。 上記のサンプルは、for文を使ってたとえば と書くこともできます。 コードの効率性や可読性、保守性なども考慮して判断する必要があります。 さらに、ファイル読み込みのコードをStreamを使用して書き換えることができます。BufferedReaderからの行のストリームを取得し、それを使用して各行を処理する方法があります。 このコードでは、Files.lines(Paths.get("input.txt"))を使用して、ファイルを行のストリームとして読み込んでいます。そして、.forEach(System.out::println)を使って、各行をコンソールに出力しています。 Files.lines()はファイルを行のストリームとして読み込む便利な方法です。それを使用することで、BufferedReaderを明示的に使わずにファイルをストリームとして扱うことができます。 Javaのdo-while文は、while文と同じくループ処理を行うための構文の1つです。ただし、while文と異なり、do-while文はループの最初に1度だけブロック内の処理を実行し、その後に条件式を評価します。条件式がtrueの場合、再びブロック内の処理を実行します。条件式がfalseの場合、ループから抜けます。 do-while文の基本構文は以下のようになります。 例えば、1から10までの整数を順番に出力する場合は、次のようにdo-while文を使用することができます。 このコードでは、変数iを初期化してから、doブロック内でiを出力し、iを1増やしています。その後、while文でiが10以下である限り、doブロックを繰り返し実行します。結果として、1から10までの整数が順番に出力されます。 do-while文は、ループの最初に必ず1度だけブロック内の処理を実行する必要がある場合に使用することができます。また、条件式がfalseであっても、ブロック内の処理を最低1回実行することが保証されるため、while文と異なり、特定の処理を必ず実行する必要がある場合にも適しています。 JavaのIteratorは、コレクションオブジェクト内の要素を順番に取得するためのインターフェースです。Iteratorは、Javaのコレクションフレームワークの一部であり、java.utilパッケージに含まれています。 Iteratorを使用することで、配列やリストなどのコレクションオブジェクトの要素を順番に取得し、処理を行うことができます。Iteratorは、以下の3つのメソッドを持っています。 Iteratorの基本的な使い方は、以下のようになります。 ここで、collectionは要素を持つコレクションオブジェクトです。まず、iterator()メソッドを使用してイテレータを取得し、hasNext()メソッドで次の要素があるかどうかを確認します。次の要素がある場合、next()メソッドで次の要素を取得し、処理を行います。 また、Iteratorは、要素を削除するためのremove()メソッドを持っています。このメソッドを使用する場合は、必ずnext()メソッドで要素を取得した直後に呼び出す必要があります。例えば、次のように使用することができます。 Iteratorを使用することで、コレクションオブジェクトの要素を順番に取得し、必要な処理を行うことができます。ただし、Iteratorは単方向のイテレーションしかサポートしていないため、要素の逆順の処理が必要な場合は、リストイテレータを使用することが推奨されます。 JavaのforEachメソッドは、Java 8から導入された機能で、配列やコレクションの要素を繰り返し処理するためのメソッドです。forEachメソッドは、以下のように使用します。 ここで、arrayOrCollectionは、要素を持つ配列またはコレクションオブジェクトです。forEachメソッドは、要素ごとに指定された処理を行うためのラムダ式を引数として受け取ります。 ラムダ式は、->を用いて定義されます。上記の例では、elementという変数が要素を表し、{}内には要素に対する処理が記述されます。この場合、forEachメソッドは、配列またはコレクションの要素を繰り返し、各要素に対して指定された処理を行います。 forEachメソッドは、拡張for文に比べて、コードを簡潔に書くことができます。また、複数の要素に対して同じ処理を行う場合にも適しています。 forEachメソッドは、配列やコレクションの要素を順番に処理するため、要素の追加や削除などの操作を行う場合は、for文またはIteratorを使用する必要があります。また、forEachメソッドは、並列処理にも対応しており、parallelStreamメソッドと組み合わせて使用することで、複数のスレッドを使用した並列処理が可能です。 Javaのコレクションフレームワークを使用してリスト(List)、セット(Set)、およびマップ(Map)を作成し、それらの要素を表示する例 コードの概要: 各コレクション(リスト、セット、マップ)は、Java 9で導入された List.of()、Set.of()、Map.of() メソッドを使用して作成されています。これらのメソッドは、不変のコレクションを作成し、指定された要素で初期化する便利な方法を提供します。そして、forEach メソッドは、各要素に対して指定されたアクション(この場合は表示)を実行するために使用されています。 List.ofメソッドは、指定された要素から不変のリストを作成するために使用されます。つまり、この場合、"apple", "banana", "orange" の3つの要素を持つリストが作成されます。 そして、forEachメソッドは、リスト内の各要素に対して指定されたアクションを実行します。System.out::printlnは、メソッド参照を使っています。これはprintlnメソッドへの参照を表しています。 つまり、fruits.forEach(System.out::println);は、リストの各要素をSystem.out.printlnメソッドを使って出力するという意味です。 メソッドチェインは、Javaで複数のメソッド呼び出しを1つの文でつなげて書く方法です。これにより、コードがより簡潔で読みやすくなります。例を見てみましょう。 この例では、List.ofメソッドを使用してリストを作成し、それをストリームに変換しています。そして、メソッドチェインを使用していくつかの処理を行っています。 これにより、1つのストリーム処理内で複数の操作を行い、最終的な結果を得ることができます。メソッドチェインを使うと、コードがシンプルで、各ステップが連続しているため、処理の流れがより明確になります。 以下は、Javaで反復処理を行う際に使用する主要な文法とメソッドのチートシートです。 プログラミングにおける「型」(または「データ型」)は、データの種類や性質を表す概念です。プログラミング言語において、変数、関数の引数や戻り値、オブジェクトなどの要素には、それぞれ特定の型が割り当てられます。型は、そのデータがどのような値や操作を持ち、どのようにメモリ上で表現されるかを決定します。 プログラミングにおける型の役割は次のようなものがあります: プログラミングにおける型は、プログラムの構造や振る舞いを理解し、データを適切に扱うための基本的な概念です。適切な型の選択と使用は、プログラムの正確性、効率性、保守性を向上させるのに役立ちます。 Javaにおける型は、プリミティブ型、クラス型、配列型の3つに大別されます。また、値型と参照型の2つのカテゴリーに分けることもできます。 プリミティブ型は、Javaの基本的なデータ型で、値そのものを格納する値型です。 Javaのプリミティブ型には、以下の8つがあります。 Javaでは自動的に型変換が行われる場合があります。例えば、int型とdouble型の演算を行うと、int型の値が自動的にdouble型に変換されます。 ただし、変換元の型よりも変換先の型が大きい場合、精度の低下や情報の欠落が発生する場合があるため、注意が必要です。 また、Javaのプリミティブ型には、各データ型のラッパークラスが用意されています。 ラッパークラスを使用することで、プリミティブ型をクラスとして扱えるようになります。 例えば、int型の場合はIntegerクラスが対応しています。 参照型には、クラス型、インタフェース型、配列型などがあります。 クラス型やインタフェース型は、それぞれ自分で定義して使用することができます。 配列型は、同じデータ型の値を複数格納するためのもので、以下のように宣言します。 Javaのプリミティブ型は、値そのものを格納するのに対し、参照型はオブジェクトへの参照を格納するため、メモリの使用方法が異なります。 また、プリミティブ型は値渡し、参照型は参照渡しとして扱われます。 このため、値渡しの場合は、値そのものがコピーされ、オリジナルの変数に影響を与えませんが、参照渡しの場合は、オブジェクトそのものへの参照が渡されるため、オリジナルのオブジェクトに影響を与える可能性があります。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 Javaにおけるリテラル(literal)とは、ソースコード上で直接的に表現される値のことを指します。つまり、コード内に直接書かれた値そのものを指します。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 Javaでは、数値リテラルの中にアンダースコアを挿入することで、コードの読みやすさを向上させる事ができます。 数値リテラルへのアンダースコアの挿入は、Java 7 からサポートされました。 たとえば、以下のような数値リテラルがある場合を考えてみましょう。 このコードでは、aに1000000という値が代入されています。しかしこの数値は非常に大きく、どのような値であるかをすぐに理解するのは難しいかもしれません。 そこで、アンダースコアを使用して数値リテラルを以下のように書き換えることができます。 このように書くことで、数値が100万であることがすぐにわかります。 アンダースコアは数値の途中でも使用することができます。たとえば、以下のように数値を書くことができます。 このようにすることで、バイナリ表現された数値がより読みやすくなります。 アンダースコアは、浮動小数点数にも使用することができます。たとえば、以下のように書くことができます。 このようにすることで、円周率をより読みやすく書くことができます。 ただし、アンダースコアを数値リテラルの先頭や末尾、小数点の前後に置くことはできません。また、同じ数値リテラル内で複数のアンダースコアを使用することはできません。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 プログラミングにおける「null」とは、値が存在しないことを表す特別な値です。nullはプログラムで使用されるさまざまなデータ型(オブジェクト、配列、ポインタなど)の初期値として設定されることがあります。 主な用途としては以下のようなものがあります: nullは便利な概念ですが、誤った使用やnullポインター例外などのランタイムエラーを引き起こす可能性があります。そのため、nullの使用は慎重に行う必要があります。近年のプログラミング言語では、null安全性を向上させるためにオプショナル型やnull許容型などの機能が導入されています。 Javaにおける「null」とは、参照型(Reference Type)の変数が参照するオブジェクトが存在しないことを示す特別な値です。Javaのすべてのオブジェクトはヒープ領域に保存され、変数はそのオブジェクトへの参照(アドレス)を保持します。nullは、そのような参照がオブジェクトを指していないことを示します。 以下はnullの主な特徴です: Javaでは、nullを適切に扱うことが重要です。nullをチェックし、nullポインターエクセプションを防ぐための適切な手段があります。 例えば、条件付きのnullチェックやOptionalクラスの使用などが挙げられます。 Javaにはnull安全性を向上させるためのさまざまな手段があり、プログラマーはこれらの手段を活用してnull関連の問題を回避できます。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 JavaのOptionalは、Java 8で導入されたクラスで、nullセキュリティという問題に対処するための手段の1つです。Optionalは、値が存在するかどうかを示すラッパークラスであり、nullを明示的に処理することなく、値の有無を安全に操作するための手段を提供します。 Optionalは以下のように使用できます: Optionalは、null値の扱いに関するバグを減らし、より安全で明確なコードを作成するのに役立ちます。 ただし、Optionalを過度に使用することは、コードを複雑にする可能性があるため、適切なバランスが必要です。 以下は、JavaのOptionalクラスの一部の主要なメソッドとその説明を表形式で示したものです。 これらのメソッドは、Java 8からOptionalクラスで導入され、nullを避けるために便利な方法を提供します。 Optionalはnullを扱う際の安全性を向上させるための手段ですが、参照型には依然としてnullを取り得るという点に留意する必要があります。 Optionalは、主にnullを返す可能性のあるメソッドの戻り値や、メソッドの引数として使用されます。しかし、既存のコードや外部ライブラリとの連携、あるいは一時的なnull値の許容など、様々な理由でnullが依然として存在することがあります。 そのため、Optionalを使用することでnullの扱いを明確にすることができますが、すべてのnullを完全に排除することは難しい場合があります。したがって、プログラマーは依然としてnullの可能性に備えてコードを記述する必要があります。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 Javaの文字列は、java.lang.Stringクラスで表されるオブジェクト型のデータです。文字列は、文字のシーケンスであり、文字列中の各文字はUnicode文字を表します。Javaの文字列はイミュータブル(不変)であり、一度作成された文字列オブジェクトの内容は変更できません。 以下は、Javaの文字列に関する基本的な操作を1つのソースコードにまとめたものです。 このコードでは、文字列の作成、結合、長さの取得、部分文字列の取得、比較、検索、大文字・小文字変換、空白の削除、置換などの基本的な操作を行っています。これらの操作は、Javaの文字列処理においてよく使用されます。 以下は、Javaの文字列クラス (java.lang.String) に含まれる主なメソッドの一覧です。 これらのメソッドは、Javaの文字列を操作するために使用されます。それぞれのメソッドは、文字列に対して特定の操作を行います。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 Javaの配列は、同じ型の複数の要素を格納するためのデータ構造です。 配列は固定サイズであり、要素は0から始まるインデックスでアクセスされます。 Javaでは、配列はオブジェクトとして扱われます。 以下のJavaのソースコードは、配列を宣言し、初期化し、要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループの使用、配列のコピー、ソート、比較など、様々な操作を行う方法を示しています。 このコードでは、配列を宣言し、初期化する際に初期化リストを使用しています。そして、配列の要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループを使った要素の表示、Arrays.copyOfを使った配列のコピー、Arrays.sortを使った配列のソート、そしてArrays.equalsを使った配列の比較を行っています。 このコードは、配列を操作するための基本的な手法を示しており、これらの手法を理解することで、Javaで配列を効果的に利用することができます。 以下は、Javaの配列で使用できる主なメソッドの一覧です。この一覧には、配列の作成、要素の操作、配列のコピー、比較、ソートなど、さまざまな操作に関連するメソッドが含まれています。 これらのメソッドは、Javaの java.util.Arrays クラスで定義されており、配列を効果的に操作するための便利なユーティリティを提供しています。 Javaにおける多次元配列(Multidimensional Array)とは、配列の要素が配列である配列のことです。つまり、配列内に配列を持つことで、複数の次元を持つデータ構造を表現します。 たとえば、2次元配列は行と列のような2つの次元を持ちます。3次元配列は、立方体のように3つの次元を持ちます。これにより、行列、立方体、テンソルなどの構造化されたデータを効率的に表現することができます。 以下は、Javaで多次元配列を宣言および初期化する方法の例です。 多次元配列は、ネストされたforループを使用して要素にアクセスすることが一般的です。例えば、2次元配列の要素にアクセスするには、2つのループを使用して行と列を反復処理します。 Java 5以降では、拡張forループ(enhanced for loop)またはfor-eachループと呼ばれる新しいループ形式が導入されました。これは、コレクションや配列などの反復可能なオブジェクトを簡潔に反復処理するために使用されます。 以下は、拡張forループを使用して多次元配列を反復処理する方法の例です。 この方法では、2つまたは3つのネストされたループを使用する必要がなくなり、より簡潔で読みやすいコードが得られます。各ループでは、拡張forループを使用して配列の各要素を直接取得し、それを処理することができます。 拡張forループは、配列やリストなどの反復可能なコレクションの要素を処理する場合に非常に便利です。これにより、ループの記述が簡素化され、コードの可読性が向上します。 以下は、4x4のdouble配列を宣言し、それを単位行列にするJavaのコード例です。 このコードは、4x4のdouble配列を宣言し、その要素を単位行列に初期化します。その後、単位行列を出力します。単位行列は、対角要素がすべて1で、それ以外の要素がすべて0の正方行列です。 多次元配列は、行列や画像処理など、多次元のデータを扱う際に役立ちます。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 Javaのコレクションは、複数の要素を格納し、効率的なデータ操作を可能にするためのフレームワークです。Javaのコレクションフレームワークは、java.utilパッケージに含まれており、さまざまなインターフェースとそれらを実装するクラスが提供されています。主なコレクションインターフェースには、リスト、セット、マップなどがあります。 以下は、Javaのコレクションフレームワークを使った例を1つのソースコードにまとめたものです。 このコードでは、リスト、セット、マップ、キュー、デッキのそれぞれのコレクションを作成し、要素を追加しています。それぞれのコレクションの要素が出力されます。これにより、Javaのコレクションフレームワークの基本的な使い方を示しています。 以下は、Javaのコレクションフレームワークに含まれる主要なクラスとインターフェースの一覧を、名前、クラス・インターフェースの別、説明の順に表組みで示したものです。 これらのクラスとインターフェースは、Javaのコレクションフレームワークを構成し、さまざまなデータ構造を効率的に操作するための手段を提供します。 Javaのコレクションフレームワークは、データを効率的に管理し、操作するための標準的なAPIセットです。これにより、プログラマーはリスト、セット、マップなどのさまざまなデータ構造を使用してデータを格納し、操作することができます。Javaのコレクションフレームワークは、java.utilパッケージに含まれており、多くのインターフェースとクラスから構成されています。 コレクションフレームワークの主な特徴は次のとおりです: コレクションフレームワークは、Javaプログラミングにおいて非常に重要であり、さまざまなアプリケーションやライブラリで広く使用されています。プログラマーは、これらのAPIを十分に理解し、適切に活用することで、効率的で堅牢なコードを作成することができます。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 Javaでは、クラスはオブジェクト指向プログラミングの基本的な構成要素です。クラスは特定の属性(データフィールド)と動作(メソッド)を持つオブジェクトの設計図です。 Javaでクラスを定義するには、以下のようにクラス名と中括弧で囲まれたクラス本体を宣言します。 クラスのインスタンス化は、クラスからオブジェクトを生成するプロセスです。 これがJavaのクラスの基本的な概念です。クラスはオブジェクト指向プログラミングの中心的な要素であり、Javaプログラムの構築において重要な役割を果たします。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 プログラミングにおける例外処理は、プログラムが実行中に発生する予期しないエラーや異常な状況に対処するための仕組みや手法を指します。プログラムが実行中にエラーが発生する可能性がある場合、例外処理はプログラムの安定性を維持し、クラッシュや異常終了を防ぎます。 以下は、プログラミングにおける例外処理の基本的な概念です: 例外処理は、プログラミングにおいて非常に重要です。適切に実装された例外処理は、プログラムの安定性を高め、ユーザーエクスペリエンスを向上させるのに役立ちます。また、例外処理はデバッグや問題解決の際にも役立ちます。 Javaの例外処理は、プログラム実行中に予期しない状況やエラーが発生した場合に、その状況を適切に処理するための仕組みです。Javaの例外処理は、プログラムの安全性や信頼性を高めるために非常に重要です。 例外は、実行時に発生するエラーの種類や条件を表します。例えば、ゼロ除算、配列の範囲外へのアクセス、ファイルが見つからないなどのエラーは、Javaの例外処理を使用して適切に処理することができます。 Javaの例外処理は以下のような特徴を持ちます: Javaの例外処理は、プログラムのロバストさを向上させ、予期しない状況に対処するための重要な手段です。例外処理を適切に使用することで、プログラムの安全性や信頼性を向上させることができます。 以下は、Javaの例外処理を1つのソースコードで解説したものです。 この例では、次のような内容を含んでいます: Javaには throws キーワードがあります。throws キーワードは、メソッドが特定の例外をスローする可能性があることを宣言するために使用されます。 メソッドが特定の例外をスローする可能性がある場合、そのメソッドのシグネチャに throws キーワードを使用して、その例外を指定します。これにより、メソッドを呼び出す際に、呼び出し元がその例外を適切に処理するか、またはさらに上位の呼び出し元に例外を伝播させるかを決定できます。 例えば: この例では、readFile メソッドが IOException をスローする可能性があることが宣言されています。メソッド内で IOException が発生する可能性がある場合、その例外をキャッチして処理するか、または readFile メソッドの呼び出し元で try-catch ブロックを使用して例外を処理する必要があります。 throws キーワードを使用することで、メソッドの呼び出し元がそのメソッドがスローする可能性がある例外に対処できるようになります。 Javaの例外には、いくつかの主要なクラスがあります。 以下に、Javaの例外クラスのいくつかを表組みで示します。 これらはJavaの例外の一部であり、それぞれ特定の状況や条件で発生します。Javaの例外処理では、これらの例外クラスを適切にキャッチして処理することが重要です。また、必要に応じて独自の例外クラスを定義することもできます。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "情報技術 > Java > Javaクイックツアー", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Javaは、オブジェクト指向プログラミング言語の中でも特に広く使われています。その特徴を見ていきましょう。", "title": "Javaの基本的な特徴" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "これらはJavaの基本的な概念と構文の一部です。 Javaを学ぶ際には、これらの概念を実際のコードで試してみることが重要です。", "title": "Javaの基本的な概念と構文" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Javaは非常に多様なユースケースで使用されています。以下はその一部です。", "title": "ユースケース" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Javaはこれらのユースケースにおいて幅広く活用され、その堅牢性、安全性、クロスプラットフォーム性、豊富なライブラリなどの特徴により、多くの開発者に選択されています。", "title": "ユースケース" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Javaのベストプラクティスには、以下のようなものがあります。", "title": "ベストプラクティス" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "これらのベストプラクティスを遵守することで、より堅牢でメンテナブルなJavaプログラムを開発することができます。", "title": "ベストプラクティス" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Javaのイディオム(慣用句)には、次のようなものがあります。", "title": "イディオム" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "これらのイディオムは、Javaのプログラミングスタイルやデザインパターンにおいてよく使用されます。 それぞれが特定の問題を解決するために設計されており、Java開発者が効果的にコードを記述するための重要なツールとなっています。", "title": "イディオム" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "「Hello World!」は、プログラミングの世界で伝統的に使われる初心者向けの最初のプログラムです。 Javaでも同様に、「Hello World!」プログラムは、基本的な構文や開発環境の設定を理解するために使われます。", "title": "Hello World!" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "まず、テキストエディタや統合開発環境(IDE)を使用して、Javaのソースコードを書きます。", "title": "ソースコードの書き方" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "以下が「Hello World」のソースコード例です。", "title": "ソースコードの書き方" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "このコードでは、HelloWorldという名前のクラスを定義し、その中にmainメソッドを記述しています。 mainメソッドはJavaプログラムのエントリポイントであり、プログラムの実行が開始される場所です。System.out.printlnは、コンソールに文字列を出力するためのメソッドです。", "title": "ソースコードの書き方" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "Javaのソースコードをコンパイルするには、Java Development Kit(JDK)がインストールされている必要があります。 コンパイルは次の手順で行います。", "title": "コンパイル" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "これにより、HelloWorld.javaファイルがHelloWorld.classという名前のバイトコードファイルにコンパイルされます。", "title": "コンパイル" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "コンパイルされたJavaプログラムを実行するには、以下の手順を実行します。", "title": "実行" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "これにより、コンソールに Hello, World! という文字列が表示されます。", "title": "実行" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "以上が、Javaでの「Hello World」プログラムの作成、コンパイル、実行の手順です。", "title": "実行" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "Javaでの「Hello World」プログラムは、単純な文字列の表示に過ぎませんが、その背後にはいくつかの興味深い蘊蓄があります。", "title": "実行" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "Javaの「Hello World」プログラムは、単なる最初のステップに過ぎませんが、Java言語の重要な特徴や原則を理解するのに役立ちます。", "title": "実行" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "情報技術 >Java>プログラミングのための準備", "title": "実行" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "Javaのプログラムを作るには、Javaの開発キット「JDK(Java SE Development Kit)」をシステムにインストールしておく必要があります。", "title": "JDKのインストール" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "JDKが、お使いのシステムにすでにインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。", 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"かつてJava開発元のoracleは、JDKを無償で提供していた時期がありましたが、しかし現在では、JDKの商用利用は有償化されています。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "実はOracleと契約すれば非商用利用の範囲なら無償でJDKを使えるのですが、しかし手続きなど面倒です。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "実は現在のJDKには、通常のJDKとは別種類の、機能が制限されているものの無料かつ契約不要で使える openJDK という別エディションもあり、oracleがこれも協力しています。openJDKのサイトは こちら です。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "ですが、WindowsへのopenJDKはインストールが複雑です。Windows環境にインストールする場合、openJDKの公式サイトにあるバイナリをダウンロードしてインストールしても、既存の通常版Javaランタイムなどがパソコンにインストール済みだと、干渉して、うまくopenJDK が起動しない場合もあります。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "実はこのopenJDKをインストールしやすくなど改良したAdoptOpenJDKというのが別途、開発されており、IBMやマイクロソフトなどに支援されています。(Adoptium Marketplaceでスポンサー企業を確認できる)", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "しかし、最新版などはAdoptOpenJDKでは使えません。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "最新版のopenJDKをどうしても使いたい場合、Windowsでの利用をあきらめてLinuxなどで試すのが簡単でしょう。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "初心者はWindowsの場合、このAdoptOpenJDKを使うのがラクです。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "なお、Oracleの公式サイトでは2023年時点では、通常版openJDKも無料で提供されています。 Java開発者向けページ をたどって探していけば、openJDKのサイトへのリンクも見つかります。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "インストールに必要なファイルをダウンロードし、ガイドに従ってインストールしてください。なお、このページは英語で書かれていますが、ページの右側に「Java SE」のダウンロードページへのリンクがあり、そのリンク先のページに行けば、日本語ページへのリンクを見つけることができます。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "「java」コマンドを実行するためのソフトウェアと、コンパイルの「javac」コマンドを実行するソフトウェアとは別物です。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "この両方のソフトウェアをインストールする必要があります。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "Fedora Linux の場合、コマンドラインの install などのコマンドでJavaをインストールすると同時にopenJDKのランタイムも入ります。つまり", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "でopenJDKが入ります。なお、インストールコマンドで「openJDK」で検索をしてもヒットしないので、気をつけてください。「Java」で検索する必要があります。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "普通にインストールした場合、やや古いバージョンの長期サポート版の openjdk がインストールされます。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "ですが、これはJavaのコマンドラインでの実行環境(JRE に相当)であり、コンパイルツールは別です。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "さらに、Javaのコンパイラ一式をインストールするため、", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "のコマンドで、openjdk-develをインストールする必要があります。バージョン番号は読者の時代に応じて変更してください。なお、パッケージマネージャの検索で「openjdk-devel」と探しても出ません。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "ともかくjava-1.8.0-openjdk-devel 相当のソフトウェアをインストールしないと、javacコマンドが使えません。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "最新版のテストなどには、上記のバージョンは使えません。もし最新のバージョンをインストールしたい場合、後述のセクションのようにlatest版をインストールします。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "Fedoraの場合、おそらく、", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "で入ります(※ いろいろ試したあとに成功したので、まだ条件が限定できてない)。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "ただし、最新版をインストールしただけでは、javaコマンドやjavacコマンドを入力しても最新版はまだ動作せずに使えません。javaコマンドなどを実行しても、旧バージョンのJavaが動きつづけるだけです。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "なので、加えて下記の設定をしないと、既にインストールした長期サポート版(LTS)が実行されてしまいます。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "コマンド", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "により、実行に使う java を最新版に切り替えれば、最新版javaを使えます。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "なお、このコマンドを実行しても、コンパイラの javac のバージョンはそのままです。上記コマンドで切り替わるのは java ランタイム側だけです。", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "", "title": "もし、インストールされていなければ、" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "JDKの他に必要なものは何でしょうか?", "title": "プログラミングに必要なもの" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "プログラミングには、ソースコードを書くためのテキストエディタが必要です。Windowsのメモ帳やMac OS Xのテキストエディットでもプログラミングをすることができます。 とりあえずであれば、そうしたテキストエディタを使うこともできるでしょう。", "title": "プログラミングに必要なもの" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "しかし、プログラマはエディタ(テキストエディタのこと)にこだわるものです。まだ愛用のエディタを持っていない方は、プログラミングの学習方々、ぜひ手に馴染むエディタを探してみてください。", "title": "プログラミングに必要なもの" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "", "title": "プログラミングに必要なもの" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "", "title": "プログラミングに必要なもの" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける変数は、値やデータを格納するための記号的な名前です。変数は、メモリ内の特定の場所を参照し、その場所に値を保持します。これにより、プログラム内でデータを操作したり処理したりすることができます。", "title": "変数" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "変数は、プログラム内で使用されるデータの値を表現し、名前を介してそれらの値にアクセスする手段を提供します。また、変数は値を保持するだけでなく、値を変更することもできます。これにより、プログラムが動的に振る舞うことが可能になります。", "title": "変数" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "例えば、プログラムがユーザーの名前や年齢などの情報を取得し、それを後で使用する必要がある場合、変数を使用してその情報を格納し、必要に応じて変更や処理を行うことができます。", "title": "変数" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "Javaにおける変数とは、データを格納する箱のようなものです。変数は、プログラム内で使用されるデータを保持し、それに名前を付けることができます。これにより、プログラム内で値を簡単に参照したり変更したりできます。", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "Javaでは、変数を使用する前に、その変数の型(データの種類)を宣言する必要があります。例えば、整数を格納する変数の場合はint型、小数を格納する変数の場合はdouble型、文字列を格納する変数の場合はString型などがあります。", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "変数の宣言は次のように行います:", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "これにより、age、height、nameという名前の変数が宣言されます。ただし、この時点ではまだ値は割り当てられていません。", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "変数に値を代入するには、以下のようにします:", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "これにより、それぞれの変数に値が割り当てられます。", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "また、変数の宣言と初期化を同時に行うこともできます:", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "これにより、変数の宣言と初期化を一度に行うことができます。", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "Javaにおいて、再代入とは変数に新しい値を割り当てることを指します。Javaでは、再代入が可能な変数は、その型がプリミティブ型であるか、または参照型であるかによって挙動が異なります。", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "変数に再代入された値の型は、変数が宣言された際に指定された型と一致する必要があります。たとえば、int型の変数には整数値を、double型の変数には浮動小数点数を再代入する必要があります。再代入された値の型が異なる場合、コンパイルエラーが発生します。", "title": "Javaにおける変数" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "Javaにおける文字列は、文字のシーケンスを表現するためのデータ型です。Javaでは、文字列はjava.lang.Stringクラスを使用して表現されます。文字列は、ダブルクォーテーション(”)で囲まれた文字のシーケンスとして表現されます。", "title": "文字列" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "文字列はイミュータブル(変更不能)であり、一度作成されると変更することができません。つまり、文字列を変更する操作は、新しい文字列を作成することになります。", "title": "文字列" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "以下は、Javaで文字列を宣言する例です:", "title": "文字列" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "この例では、greetingという名前の変数に文字列\"Hello, world!\"が代入されています。", "title": "文字列" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "Javaでは、final修飾子を使って宣言された変数は、イミュータブル(不変)です。final修飾子を使用すると、その変数に対する再代入ができなくなります。つまり、一度初期化された後はその値を変更することができません。", "title": "final 修飾された変数" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "以下は、final修飾子を使って宣言されたイミュータブルな変数の例です:", "title": "final 修飾された変数" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "これらの変数AGEとNAMEは、一度初期化された後に再代入することができません。このような変数は、プログラム内で定数として使用されることがあります。", "title": "final 修飾された変数" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "Javaにおいて、final修飾された参照型変数は、変数の参照先(オブジェクトへの参照)が不変であることを示します。つまり、一度初期化された後は、その変数が参照するオブジェクトを変更することはできませんが、オブジェクト自体の内容は変更可能です。", "title": "final 修飾された変数" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "以下は、final修飾子を使って宣言された参照型変数の例です:", "title": "final 修飾された変数" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "この例では、final修飾子が付けられたbuilder変数は、一度StringBuilderオブジェクトに初期化された後、その参照先を変更することができません。ただし、StringBuilderオブジェクト自体の内容を変更することは可能です。", "title": "final 修飾された変数" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "Javaにおけるキャスト(cast)は、データ型を変換する操作を指します。Javaでは、異なるデータ型の間で変換を行う際にキャストを使用します。キャストは、変換元のデータ型を指定し、変換後のデータ型に変換するための演算子です。", "title": "キャスト" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "キャストは基本的に2つの形式があります:", "title": "キャスト" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "キャストを行う際には、変換元のデータ型と変換後のデータ型が互換性があるかどうかを確認する必要があります。 たとえば、数値型同士のキャストや、参照型の継承関係に基づくキャストが可能ですが、互換性のない型同士のキャストはコンパイルエラーを引き起こします。", "title": "キャスト" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "Java 10以降、Javaにはローカル変数の型推論機能が追加されました。これは、varキーワードを使用して変数を宣言する際に、コンパイラが変数の型を自動的に推論する機能です。この機能により、変数の型を明示的に指定する必要がなくなり、コードの冗長性を減らすことができます。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "変数の宣言時に初期化子が提供される場合、その初期化子の型に基づいて変数の型が推論されます。推論された型は静的な型であり、実行時に変更されることはありません。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "例えば、以下のようにvarを使用して変数を宣言することができます:", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "varを使用することで、変数の型が明確になる場合には冗長な型の記述を省略できます。ただし、可読性を損なわない範囲での使用が推奨されます。また、varを使用する場合でも、適切な変数名やコメントを追加することで、コードの理解を助けることが重要です。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "Java 10以降、Javaにはループ変数の型推論機能が追加されました。 これにより、forループや拡張forループ(拡張for文、拡張forループ)で、ループ変数の型を自動的に推論することができます。 これにより、コードの冗長性を減らし、可読性を向上させることができます。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "具体的には、forループの初期化部でループ変数を宣言し、その型をvarキーワードで指定することができます。 この際、初期化式によって型が明示的に指定される場合、その型を推論してループ変数の型を決定します。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "拡張forループでは、コレクションや配列を反復処理する際に、ループ変数の型を指定せずに、varキーワードを使用してループ変数を宣言することができます。この場合、コレクションや配列の要素の型がループ変数の型として推論されます。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "以下は、forループと拡張forループでのループ変数の型推論の例です:", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "varを使用することで、ループ変数の型を省略し、コードをよりシンプルにすることができます。ただし、適切な変数名やコメントを追加して、コードの可読性を確保することが重要です。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "ラムダ式の型推論とは、Javaでラムダ式を使用する際に、コンパイラがラムダ式のパラメータの型や戻り値の型を自動的に推論する機能を指します。つまり、ラムダ式のパラメータや戻り値の型を明示的に指定せずに、コンパイラがコードの文脈から型を推測することができます。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "例えば、次のコードでは、ラムダ式 (int i) -> i * i のパラメータ i の型が int として指定されています。しかし、Javaのコンパイラは、このコードの文脈から i の型が int 型であることを推論することができます。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "var キーワードを使用することで、変数 x の型を明示的に指定せずに、コンパイラがラムダ式の型を推論することができます。そのため、コードをよりシンプルに記述することができます。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "varキーワードを使わずに、ラムダ式の型を明示的に指定する場合は、次のようになります:", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "このコードでは、IntUnaryOperatorインターフェースを使用してラムダ式を宣言しています。IntUnaryOperatorは、int型の引数を受け取り、int型の値を返す関数型インターフェースです。ラムダ式の引数がint型であるため、このインターフェースを使ってラムダ式を宣言しています。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "varによるラムダ式の型推論をつかうと、この調べごとをする必要がなくなります。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "複雑な型を返すメソッドを受け取る場合にも、型推論は有用です。以下の例では、flatMap() メソッドを使用して、文字列のリストを1つの文字列に変換しています。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "最後に、ループを用いた具体例を示します。以下の例では、リストを String[] に変換しています。", "title": "型推論 (var)" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "プログラミングにおけるコメントは、コード内に追加されるテキストであり、主に以下の目的で使用されます。", "title": "コメント" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "プログラミング言語によってコメントの書き方や形式は異なりますが、一般的な方法として、単一行コメントや複数行コメントがあります。単一行コメントは通常、行の先頭に // を置いて記述します。複数行コメントは、/* で始まり */ で終わるブロックを使用して記述します。", "title": "コメント" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "コメントは、コードの可読性やメンテナンス性を向上させる重要な手法であり、良いコメントを記述することは、プログラミングにおける良い実践の一部です。", "title": "コメント" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "Javaのコメントは、Javaプログラム内に追加されるテキストであり、コードの読みやすさや理解を助けるために使用されます。コメントはコンパイラによって無視され、プログラムの実行時には無視されます。主な目的は、以下の点にあります。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "Javaでは、以下の2つの主なコメント形式が一般的に使用されます。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "コメントは、効果的なコードの記述やメンテナンスに欠かせない要素であり、開発プロセスをスムーズにします。", "title": "Javaのコメント" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "JavaDocは、Javaプログラミング言語において、ソースコード内のドキュメンテーションを生成するためのツールです。これは、Javaプログラムのソースコードに特定のコメント形式を記述し、それをJavaDocツールで処理することで、プログラムのAPIドキュメントを生成します。", "title": "JavaDoc" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "JavaDocコメントは通常、クラス、メソッド、フィールドなどの要素に対して記述され、特定の形式に従います。一般的には、以下のような形式で記述されます。", "title": "JavaDoc" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "JavaDocコメントには、概要や詳細な説明、パラメータ、戻り値、例などが含まれることがあります。JavaDocコメントを適切に記述することで、他の開発者がAPIを理解しやすくなり、プログラムの使用方法や機能を簡単に把握できるようになります。 情報技術 > Java > Java/初級編", "title": "JavaDoc" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける式(Expression)は、値や演算子、関数呼び出し、変数などから構成される計算を表す文法構造です。式はプログラム内で評価され、結果の値を生成します。", "title": "式と演算子" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "演算子(Operator)は、式内で値や変数を操作するための記号またはキーワードです。演算子には算術演算子(加算、減算など)、比較演算子(等しい、大なり、小なりなど)、論理演算子(AND、ORなど)、代入演算子(変数に値を代入する演算子)などがあります。演算子は一般的に、式内で値を組み合わせて新しい値を生成するために使用されます。", "title": "式と演算子" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "例えば、以下のような式があります:", "title": "式と演算子" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "この式は、変数 a、b、c の値を使用して、乗算(*)と加算(+)の演算を行います。これにより、新しい値が生成されます。", "title": "式と演算子" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "Javaにおける式(Expression)は、値、変数、演算子、メソッド呼び出し、またはこれらの組み合わせから構成されるプログラム内の計算を表す文法要素です。式はプログラム内で評価され、結果の値を生成します。", "title": "Javaにおける式と演算子" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "Javaの演算子(Operator)は、式内で値や変数を操作するための特殊な記号またはキーワードです。", "title": "Javaにおける式と演算子" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "Javaの演算子は多岐にわたり、主な種類には以下のようなものがあります:", "title": "Javaにおける式と演算子" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "これらの演算子を使用して、Javaプログラム内で様々な計算や操作を行うことができます。", "title": "Javaにおける式と演算子" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "Javaにおける算術演算子は、基本的な数値計算を行うための演算子を指します。 Javaでは、整数型と浮動小数点型のデータを扱うための算術演算子が提供されています。", "title": "算術演算子" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "主な算術演算子には以下が含まれます:", "title": "算術演算子" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "Javaの算術演算は、整数型と浮動小数点型の両方で動作し、適切な結果を返します。 プログラマは、演算に使用される数値の型を適切に選択する必要があります。", "title": "算術演算子" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "JavaのInfinityとNaNは、浮動小数点数の特殊な値であり、IEEE 754規格に基づいて定義されています。以下に、それぞれの意味と特性について説明します。", "title": "多様な算術演算子" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "JavaのInfinityとNaNは、浮動小数点数の計算において特殊な値として使用されます。これらの値は、次のような場面で発生します。", "title": "多様な算術演算子" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "isNaN()とisFinite()メソッド:", "title": "多様な算術演算子" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "IEEE 754規格に基づいて定義されたこれらの特殊な値は、浮動小数点数の算術演算においてエラー処理や特殊な状況を処理するために使用されます。これらの特性を理解することは、正確な数値計算を行う上で重要です。", "title": "多様な算術演算子" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "-0.0(マイナスゼロ)は、浮動小数点数の一部で、通常のゼロとは異なる概念です。IEEE 754規格では、ゼロを表現する方法として、符号付きゼロ(+0.0および-0.0)が導入されています。", "title": "多様な算術演算子" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "この区別は、通常の算術演算では影響を与えませんが、一部の特殊な状況で重要になります。例えば、次のような場面で符号つきゼロが役立ちます。", "title": "多様な算術演算子" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "JavaのDoubleとFloatのデータ型では、+0.0と-0.0は異なる値として区別されます。これは、JavaがIEEE 754規格に従っているためです。例えば、以下のようなコードを実行すると、+0.0と-0.0が等しいかどうかを確認できます。", "title": "多様な算術演算子" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "Double.compare() は、Java プログラミング言語において、2 つの double 値を比較するための静的メソッドです。このメソッドは、次のような形式で使用されます:", "title": "多様な算術演算子" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "Double.compare() メソッドは、以下のルールに従って比較を行います。", "title": "多様な算術演算子" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "整数演算の桁あふれ(オーバーフロー)は、整数の演算結果がそのデータ型で表現可能な範囲を超える場合に発生します。Javaの整数型には、それぞれの範囲が定義されています。以下に、主な整数型とその範囲を示します。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "たとえば、int型でのオーバーフローが発生する状況を考えてみましょう。以下のコードでは、整数の最大値に1を加えようとしています。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "このコードを実行すると、overflow 変数は -2147483648 になります。これは、Integer.MAX_VALUE で表現される最大値に1を加えることで、オーバーフローが発生し、最小値(Integer.MIN_VALUE)に戻るためです。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "同様に、他の整数型でも同様の挙動が発生します。オーバーフローを防ぐためには、適切な範囲内での演算を行うか、オーバーフローが発生する可能性がある場合には適切に処理する必要があります。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "Javaでは、整数演算でオーバーフローを生じても例外は上がりません。 例外をあげオーバーフローを捕捉するために、Math.addExactと、そのファミリーが用意されています。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "Math.addExact() メソッドは、Java 8 で追加された整数演算時のオーバーフローを検出するためのメソッドの一部です。このメソッドは、整数型の加算を行い、結果がそのデータ型で表現可能な範囲を超えた場合に ArithmeticException をスローします。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "Math クラスには、他にもオーバーフローを検出するためのメソッドが用意されています。主なものには、次のようなものがあります:", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "これらのメソッドを使用することで、整数演算時にオーバーフローが発生した場合に、適切に例外を処理できます。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "以下は、Math.addExact() メソッドを使用して整数値の加算を行い、オーバーフローが発生した場合に例外を処理する例です。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 147, "tag": "p", "text": "このコードでは、Integer.MAX_VALUE に 1 を加算しようとしています。Math.addExact() メソッドは、この加算がオーバーフローを引き起こす可能性があるため、例外をスローします。try-catch ブロックを使用して、ArithmeticException をキャッチし、オーバーフローが発生したことを示すメッセージを出力しています。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 148, "tag": "p", "text": "浮動小数点演算の桁あふれは、浮動小数点数を操作する際に、その値がデータ型で表現可能な範囲を超える場合に発生します。浮動小数点数は、指数部と仮数部から構成され、一定の精度を保ちつつ非常に大きな値や小さな値を表現するために使用されます。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 149, "tag": "p", "text": "Javaにおいて、浮動小数点数は主に以下の2つのデータ型で表現されます。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 150, "tag": "p", "text": "これらのデータ型は、それぞれ一定の範囲と精度を持っていますが、非常に大きな値や小さな値に対しても表現可能です。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 151, "tag": "p", "text": "桁あふれは、浮動小数点演算の結果が、そのデータ型で表現可能な範囲を超える場合に発生します。これにより、計算結果が無限大や無限小に発散する場合や、精度が失われる場合があります。また、浮動小数点数の演算において、有効桁数を超えた部分が切り捨てられることも桁あふれの一形態です。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 152, "tag": "p", "text": "例えば、次のコードでは、倍精度浮動小数点数の最大値に1を加える操作を行っています。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 153, "tag": "p", "text": "この場合、overflow 変数の値は Infinity になります。これは、最大値に1を加えた結果が倍精度浮動小数点数の表現可能な範囲を超えたため、桁あふれが発生したことを示しています。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 154, "tag": "p", "text": "Javaの浮動小数点数における誤差は、主に2つの要因によって生じます。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 155, "tag": "p", "text": "Javaの浮動小数点数における誤差を最小限に抑えるためには、次のような注意点があります。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 156, "tag": "p", "text": "計算の順序を適切に管理し、丸め誤差を最小限に抑える。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 157, "tag": "p", "text": "これらの対策を講じることで、Javaの浮動小数点数による誤差を最小限に抑えることができます。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 158, "tag": "p", "text": "また、浮動小数点数の演算における丸め誤差や演算誤差を最小限に抑えるためには、以下のような注意点があります。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 159, "tag": "p", "text": "これらの注意点を考慮することで、Javaの浮動小数点数による計算における誤差を最小限に抑えることができます。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 160, "tag": "p", "text": "さらに、浮動小数点数の計算における誤差を最小限に抑えるために、次のようなアプローチも考慮されます。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 161, "tag": "p", "text": "以上のようなアプローチを組み合わせることで、Javaの浮動小数点数を使用した計算における誤差を最小限に抑えることができます。ただし、特定の問題や要件に応じて、最適なアプローチを選択する必要があります。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 162, "tag": "p", "text": "浮動小数点数の内部表現により、一部の10進数を正確に表現することができません。たとえば、0.1を浮動小数点数として表現すると、厳密な値ではなく近似値になります。そのため、0.1を10回足しても厳密に1.0にはならない場合があります。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 163, "tag": "p", "text": "Javaでは、float型やdouble型を使用して浮動小数点数を表現しますが、これらの型は有限のビット数で浮動小数点数を表現するため、一部の10進数を正確に表現することができません。その結果、浮動小数点数の計算においては、丸め誤差や演算誤差が生じる可能性があります。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 164, "tag": "p", "text": "例えば、次のコードを見てみましょう。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 165, "tag": "p", "text": "このコードでは、0.1を10回足した結果が正確に1.0にならず、0.9999999999999999 という近似値になります。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 166, "tag": "p", "text": "このように誤差が生じるのは、内部的に浮動小数点数は2進数で扱われているためです(0.1は、2進数では循環小数になるため正確に表現できません)。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 167, "tag": "p", "text": "誤差を補正する方法はいくつかありますが、カハンの総和アルゴリズム( Kahan summation algorithm )が代表的です。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 168, "tag": "p", "text": "また、Java Stream API も補正アルゴリズムを実装しています。", "title": "算術演算の注意事項" }, { "paragraph_id": 169, "tag": "p", "text": "Javaの算術演算子には、優先順位と結合性があります。以下に、一般的な算術演算子の優先順位と結合性を示します。", "title": "優先順位と結合性" }, { "paragraph_id": 170, "tag": "p", "text": "この優先順位と結合性に基づいて、式が評価されます。例えば、次の式を考えてみましょう。", "title": "優先順位と結合性" }, { "paragraph_id": 171, "tag": "p", "text": "この式では、乗算 (*) が加算 (+) よりも高い優先順位を持つため、まず 3 * 2 が計算されます。結果は 6 です。その後、5 と 6 の加算が行われ、最終的な結果は 11 になります。", "title": "優先順位と結合性" }, { "paragraph_id": 172, "tag": "p", "text": "結合性(associativity)は、演算子が式内で連続して出現する場合に、その演算子がどのような順序で評価されるかを示す性質です。結合性は通常、左から右への結合(左結合性)または右から左への結合(右結合性)のいずれかとして定義されます。", "title": "優先順位と結合性" }, { "paragraph_id": 173, "tag": "p", "text": "算術演算子の結合性により、この式は左から右に評価されます。例えば、次の式を考えてみましょう。", "title": "優先順位と結合性" }, { "paragraph_id": 174, "tag": "p", "text": "この式では、減算 (-) は左から右に結合するため、まず左側の 10 - 5 が計算されます。結果は 5 です。その後、5 から 3 を減算することで、最終的な結果は 2 になります。", "title": "優先順位と結合性" }, { "paragraph_id": 175, "tag": "p", "text": "Javaの算術演算子の優先順位と結合性を理解することで、式を正しく評価することができます。", "title": "優先順位と結合性" }, { "paragraph_id": 176, "tag": "p", "text": "Javaの比較演算子は、異なる値や式の間で比較を行い、結果を真偽値(trueまたはfalse)で返します。以下は、Javaで使用される主な比較演算子です。", "title": "比較演算子" }, { "paragraph_id": 177, "tag": "p", "text": "これらの比較演算子は、条件文やループ、その他の制御構造でよく使用されます。", "title": "比較演算子" }, { "paragraph_id": 178, "tag": "p", "text": "論理演算子は、論理値(真偽値)を操作するために使用されます。Javaでは、3つの主要な論理演算子があります。", "title": "論理演算子" }, { "paragraph_id": 179, "tag": "p", "text": "これらの演算子は、条件文やループなどの制御構造で論理式を組み立てるために使用されます。", "title": "論理演算子" }, { "paragraph_id": 180, "tag": "p", "text": "ビット演算子は、整数のビットレベルでの演算を実行します。Javaのビット演算子は、以下のようになります。", "title": "ビット演算子" }, { "paragraph_id": 181, "tag": "p", "text": "これらの演算子は、ビット単位のデータ処理や、効率的なビットマスクの作成に使用されます。", "title": "ビット演算子" }, { "paragraph_id": 182, "tag": "p", "text": "代入演算子は、変数に値を割り当てるために使用されます。Javaの代入演算子には、単純な代入演算子と複合代入演算子があります。", "title": "代入演算子" }, { "paragraph_id": 183, "tag": "p", "text": "これらの演算子は、変数の値を更新する際に使用され、簡潔なコードを記述するのに役立ちます。", "title": "代入演算子" }, { "paragraph_id": 184, "tag": "p", "text": "「条件分岐」は、プログラミングにおいて重要な概念の一つです。条件分岐を使うことで、プログラムは特定の条件に応じて異なる処理を実行することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 185, "tag": "p", "text": "この章では、Javaでの条件分岐の基本的な使い方から、より高度な使い方までを解説します。if-else文、switch文、switch式、論理演算子、三項演算子など、様々な種類の条件分岐について学ぶことができます。また、例外処理における条件分岐の使い方についても解説します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 186, "tag": "p", "text": "各セクションでは、実際のコード例を使って、どのように条件分岐を使えばよいかを説明します。また、練習問題も用意していますので、理解を深めるために挑戦してみてください。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 187, "tag": "p", "text": "条件分岐は、プログラムの制御構造を理解する上で重要な概念です。本章を通して、条件分岐の基本的な使い方から応用までを学び、プログラムの制御構造を理解してください。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 188, "tag": "p", "text": "Javaのif-else文は、プログラムの流れを条件分岐させるための文です。条件に応じて実行される文を切り替えることができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 189, "tag": "p", "text": "if文は、指定された条件が真である場合に実行される文を指定します。if文が偽である場合に実行される文を指定するために、else節を組み合わせて使うことができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 190, "tag": "p", "text": "if-else文の基本構文は以下の通りです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 191, "tag": "p", "text": "条件式は、真偽値を返す式です。もし条件式が真であれば、if文の中の文が実行され、偽であればelse節の中の文が実行されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 192, "tag": "p", "text": "また、else節は省略することができます。省略した場合、条件式が偽である場合には何も実行されません。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 193, "tag": "p", "text": "複数の条件を判定する場合には、else if節を使うことができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 194, "tag": "p", "text": "複数の条件を判定する場合には、if-else文をネストして使うこともできます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 195, "tag": "p", "text": "このコードは、if-else文を使って変数nが負の数、正の数、零、またはNaN(非数)であるかを判定しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 196, "tag": "p", "text": "まず、変数nに0.0を0.0で割った結果を代入しています。0.0を0.0で割るとNaNになるため、この変数はNaNになります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 197, "tag": "p", "text": "次に、if-else文を使って、nが負の数、正の数、零、またはNaNであるかを判定しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 198, "tag": "p", "text": "まず、n < 0.0という条件を使って、nが負の数であるかを判定しています。もしnが負の数であれば、System.out.println(\"負の数です\");が実行されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 199, "tag": "p", "text": "次に、n > 0.0という条件を使って、nが正の数であるかを判定しています。もしnが正の数であれば、System.out.println(\"正の数です。\");が実行されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 200, "tag": "p", "text": "次に、n == 0.0という条件を使って、nが零であるかを判定しています。もしnが零であれば、System.out.println(\"零です。\");が実行されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 201, "tag": "p", "text": "最後に、else節を使って、nがNaNであるかを判定しています。NaNはどの数とも等しくならないため、n == 0.0やn < 0.0、n > 0.0のいずれの条件も成立しないため、else節が実行されます。else節では、nの値をそのまま表示するSystem.out.println(n + \"です。\");が実行されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 202, "tag": "p", "text": "このように、if-else文を使うことで、複数の条件を判定し、条件に応じた処理を行うことができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 203, "tag": "p", "text": "Javaのswitch文は、複数の条件分岐を処理するための構文です。特定の変数の値をチェックし、その値に応じて分岐することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 204, "tag": "p", "text": "基本的な構文は以下の通りです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 205, "tag": "p", "text": "式には、チェックする式を指定します。各caseには、変数が持つ値が一致する場合に実行される処理を記述します。defaultには、上記のいずれの値にも一致しない場合に実行される処理を記述します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 206, "tag": "p", "text": "式には、数値以外に文字列も使うことが出来ます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 207, "tag": "p", "text": "以下は、Javaのswitch文で文字列型を使用した例です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 208, "tag": "p", "text": "この例では、変数fruitに文字列型の「りんご」が代入されています。switch文の条件式であるswitch (fruit)では、文字列型の変数fruitを使用しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 209, "tag": "p", "text": "switch文のcaseラベルには、文字列型の定数をカンマで区切って列挙しています。 また、caseラベルで果物として認識する文字列は、同じ文の中に複数記述することができます。 break文を使用して、該当するcaseラベルにマッチした場合は、それに続く文を実行するようにしています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 210, "tag": "p", "text": "また、Javaのswitch文では、Enumを使った網羅性の確保ができます。Enumは、プログラムで扱う定数を列挙するためのクラスです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 211, "tag": "p", "text": "以下は、Enumを使ったswitch文の例です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 212, "tag": "p", "text": "この例では、AnimalというEnumを定義し、それを使って動物の鳴き声を出力するプログラムを書いています。switch文のcaseには、Enumの要素を列挙しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 213, "tag": "p", "text": "switch文は、if文と比べて複数の条件分岐をスッキリと書くことができるため、コードの可読性が向上するという利点があります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 214, "tag": "p", "text": "Java 12から、Javaにはswitch式という新しい構文が導入されました。switch式は、通常のswitch文と同様に、複数の値の比較に基づいて異なるコードブロックを実行するために使用されますが、式の値を返すこともできます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 215, "tag": "p", "text": "switch式は、通常のswitch文と同じように、いくつかのcaseブロックを持ちます。ただし、switch式では、個々のcaseラベルに式を直接使用できます。また、値を返すことができるため、式の値を変数に代入することもできます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 216, "tag": "p", "text": "Javaのswitch式の構文は以下の通りです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 217, "tag": "p", "text": "なお、switch式はJava 12から導入された新しい機能であり、以前のバージョンのJavaでは使用できません。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 218, "tag": "p", "text": "以下は、switch式の例です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 219, "tag": "p", "text": "この例では、変数fruitに文字列型の「りんご」が代入されています。switch式では、変数fruitを評価しています。caseラベルには、直接式を使用しています。caseラベルで果物として認識する文字列は、同じ文の中にカンマで区切って複数記述することができます。->演算子を使用して、各caseラベルの式を実行します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 220, "tag": "p", "text": "switch式の最後には、値を返すことができます。この例では、式の結果を変数resultに代入しています。最後に、変数resultの値を出力しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 221, "tag": "p", "text": "", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 222, "tag": "p", "text": "Javaにおいて、条件式は比較演算子や論理演算子を用いて、複数の条件を組み合わせた式を表現することができます。論理演算子は、2つのブーリアン値(trueまたはfalse)を受け取り、新しいブーリアン値を返します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 223, "tag": "p", "text": "Javaには、5つの論理演算子があります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 224, "tag": "p", "text": "以下は、論理演算子(AND、OR、NOT)の真理値表を表形式で示したものです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 225, "tag": "p", "text": "この表では、AとBがそれぞれ真(true)または偽(false)の場合に対する、NOT、AND、ORの結果が示されています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 226, "tag": "p", "text": "Javaの三項演算子は、条件式 ? 式1 : 式2 の形式を持ちます。この演算子は、条件式が true の場合は式1を、falseの場合は式2を評価して返します。例えば、以下のようなコードが考えられます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 227, "tag": "p", "text": "このコードでは、aとbの値を比較して、aがbよりも大きければaを、そうでなければbを最大値として選択します。 三項演算子を使って、if文を使う代わりに簡潔に書くことができます。 ただし、三項演算子は条件式と2つの式のみを評価するので、複雑な条件分岐を行う場合にはif文を使用することが推奨されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 228, "tag": "p", "text": "Java 16で導入されたパターンマッチング式(Pattern Matching for instanceof)は、Java言語の制御構造の一つです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 229, "tag": "p", "text": "通常、オブジェクトの型を判定するためには instanceof 演算子を使用します。パターンマッチング式は、この instanceof 演算子をより簡潔かつ安全に使用できるようにしたものです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 230, "tag": "p", "text": "例えば、次のようなコードがあります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 231, "tag": "p", "text": "このコードは、オブジェクトが String クラスのインスタンスである場合に、そのオブジェクトを String 型にキャストして大文字に変換し、標準出力に出力するという処理を行っています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 232, "tag": "p", "text": "パターンマッチング式を使用すると、このコードを次のように書き換えることができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 233, "tag": "p", "text": "このコードでは、オブジェクトが String クラスのインスタンスである場合に、そのオブジェクトを String 型にキャストせずに、変数 str に直接代入しています。また、変数 str は if 文の中でのみ有効なローカル変数となります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 234, "tag": "p", "text": "このように、パターンマッチング式を使用することで、より簡潔で安全なコードを書くことができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 235, "tag": "p", "text": "switchのパターンマッチング拡張とは、Javaプログラミング言語において、switch文やswitch式においてパターンを使用して条件を指定できるようにする機能です。通常のswitch文やswitch式では、一致する値の厳密な等式比較しか行えませんでしたが、パターンマッチング拡張により、より柔軟な条件指定が可能になります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 236, "tag": "p", "text": "具体的には、switch文やswitch式のケースラベルで、従来の定数だけでなく、パターンも指定できるようになります。これにより、オブジェクトの型や構造に基づいて条件を指定することができます。例えば、オブジェクトが特定の型であるか、あるいは特定のフィールドの値を持つかどうかなどの条件を指定することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 237, "tag": "p", "text": "これにより、従来は複雑だった複数の条件分岐を一つのswitch文やswitch式で表現することができるようになり、コードの可読性が向上します。また、パターンマッチングにより、より安全な条件指定が可能になります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 238, "tag": "p", "text": "以下は、Java 21で導入されたswitch文のパターンマッチング拡張を使用したコード例です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 239, "tag": "p", "text": "この例では、formatterPatternSwitchメソッド内で、switch文を使用してobjの型に基づいて処理を分岐しています。各ケースラベルでは、オブジェクトが特定の型にマッチするかどうかをパターンで指定しています。例えば、case Integer iでは、objがInteger型にマッチする場合、iというパターン変数が導入され、その値がint %dのフォーマット文字列に埋め込まれます。他の型についても同様の処理が行われます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 240, "tag": "p", "text": "このように、switch文のパターンマッチング拡張を使用することで、よりシンプルで効率的なコードを記述することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 241, "tag": "p", "text": "以下は、Java 21で導入されたswitch文のパターンマッチング拡張で使用できるパターンの一覧を表形式で示したものです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 242, "tag": "p", "text": "これらのパターンを使用して、switch文やswitch式のケースラベルで条件分岐を行うことができます。それぞれのパターンは、特定の条件にマッチするかどうかをチェックするために使用されます。 反復 (Iteration) は、同じ処理を繰り返し実行することで、コードの簡潔さと再利用性を向上させるためによく使用されます。Javaには、様々な方法で反復処理を行うことができます。たとえば、for文、while文、do-while文、拡張for文、Iterator、forEachメソッドなどがあります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 243, "tag": "p", "text": "このチュートリアルでは、これらの反復処理方法を解説し、それぞれの使用方法や適切な場面について説明します。また、配列やコレクションに対する反復処理、ループ制御についても解説します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 244, "tag": "p", "text": "反復処理は、プログラミングにおいて非常に重要な概念であり、プログラムの処理効率や保守性を向上させるためにも、しっかりと理解しておく必要があります。本チュートリアルを通じて、反復処理について深く理解し、効果的に使用するための知識を身につけましょう。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 245, "tag": "p", "text": "次のサンプルは、一応Hello worldの日本語版です。 Hello world同様、実用的な意味はありませんが、反復処理の例となっています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 246, "tag": "p", "text": "上の例はfor文と呼ばれる構文を使った例です(4行目にキーワード「for」があることに注意してください)。 コンパイルして実行してみましょう。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 247, "tag": "p", "text": "このプログラムはwhile文を使って次のように書くこともできます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 248, "tag": "p", "text": "さらにdo-while文を使って次のような書き方もできます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 249, "tag": "p", "text": "またさらに、CharSequence#codePoints()でコードポイントのStreamを取得し、これのforEachメソッドで繰返しを行う次のような書き方も可能です。 これが最もシンプルな書き方です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 250, "tag": "p", "text": "各構文の詳細を説明する前に、共通する要素について説明します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 251, "tag": "p", "text": "反復には、必ず反復条件を伴います。反復は、反復条件が満たされている間だけ続けられ、条件が満たされなくなると終了する。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 252, "tag": "p", "text": "反復条件は、比較演算子を使って表現されることがあります。 比較演算子は不等号などの数学記号に似ています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 253, "tag": "p", "text": "==演算子は、プリミティブ型の値またはオブジェクトの参照を比較するために使用されます。!=演算子は、==演算子と同じように使用されますが、2つの値が等しくない場合にtrueを返します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 254, "tag": "p", "text": "<、>、<=、>=演算子は、プリミティブ型の値の大小関係を比較するために使用されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 255, "tag": "p", "text": "instanceof演算子は、オブジェクトの型を調べるために使用されます。左辺が右辺のクラスのインスタンスである場合、trueを返します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 256, "tag": "p", "text": "注意点としては、オブジェクトの比較に==演算子を使用すると、オブジェクトの参照を比較するため、同じ内容のオブジェクトでもfalseを返す場合があります。 オブジェクトの内容を比較する場合は、.equals()メソッドを使用する必要があります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 257, "tag": "p", "text": "Javaのfor文は、反復処理を行うための制御構造の一つで、指定された回数または条件を満たすまで繰り返します。一般的に、以下の形式で使用されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 258, "tag": "p", "text": "for文の本体は、継続条件式がtrueを返す間、繰り返し実行されます。通常、変数の値を使って何らかの処理を行います。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 259, "tag": "p", "text": "以下は、1から10までの整数を出力する例です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 260, "tag": "p", "text": "for文の学習と言えば、典型的な例が掛け算九九を表示するサンプルです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 261, "tag": "p", "text": "", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 262, "tag": "p", "text": "Javaにおいて、拡張for文(またはfor-each文)は、配列やコレクションなどの要素を繰り返し処理するための簡潔な方法を提供します。 標準的なforループとは異なり、ループカウンタを使用する必要がなく、ループ対象のデータ型に応じてループ変数を明示的に宣言する必要がありません。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 263, "tag": "p", "text": "構文は以下のようになります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 264, "tag": "p", "text": "以下に、配列やコレクションを用いた拡張for文の例を示します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 265, "tag": "p", "text": "この例では、配列numsの要素を順に表示するためにint型のループ変数numを使用し、同様に、コレクションfruitsの要素を順に表示するためにString型のループ変数fruitを使用しています。 拡張for文を使用することで、コードがより簡潔で読みやすくなります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 266, "tag": "p", "text": "", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 267, "tag": "p", "text": "Javaにおけるwhile文は、指定した条件式がtrueである間、反復処理を続ける制御構造です。構文は以下の通りです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 268, "tag": "p", "text": "条件式がtrueである限り、中括弧内の文が繰り返し実行されます。条件式がfalseになった時点で、while文の実行は終了します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 269, "tag": "p", "text": "例えば、1から10までの整数を出力するプログラムは以下のように書けます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 270, "tag": "p", "text": "このプログラムでは、変数iを1で初期化し、iが10以下である限り、iを出力してiを1ずつ増やしています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 271, "tag": "p", "text": "これをStreamを使用して書き換えることができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 272, "tag": "p", "text": "IntStream.rangeClosed(1, 10)は、1から10までの整数のストリームを生成します。そして、.forEach(System.out::println)で各要素を出力しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 273, "tag": "p", "text": "rangeClosed()メソッドは指定された範囲(この場合は1から10まで)の整数ストリームを生成します。このストリームを使用して各要素に対して操作を行うことができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 274, "tag": "p", "text": "Javaにおいて、whileループを使ってファイルを読み込む方法について説明します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 275, "tag": "p", "text": "以下は、例としてファイルの中身を1行ずつ読み込み、コンソールに出力するプログラムです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 276, "tag": "p", "text": "まず、BufferedReader クラスを使ってファイルを読み込むための準備をします。BufferedReader クラスは、テキストファイルを1行ずつ読み込むためのクラスで、FileReader クラスと組み合わせて使用します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 277, "tag": "p", "text": "while ループ内では、BufferedReader オブジェクトの readLine() メソッドを使って、ファイルから1行ずつデータを読み込みます。読み込んだ行が null でない場合は、読み込んだ行をコンソールに出力します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 278, "tag": "p", "text": "ファイルの読み込みが終了したら、ファイルを閉じるために close() メソッドを呼び出します。また、エラーが発生した場合は、例外処理を行います。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 279, "tag": "p", "text": "このように、while ループを使ってファイルを読み込むことができます。ただし、ファイルの読み込みには例外処理が必要であることに注意してください。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 280, "tag": "p", "text": "上記のサンプルでは、while文の反復条件が(line = in.readLine()) != nullと書かれています。 これは代入演算と比較演算を同時に行う書き方で、こうした類の処理によく使われるパターンですが、慣れない間は奇異に見えるかもしれません。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 281, "tag": "p", "text": "なぜこうした書き方が可能なのかというと、代入演算の式は、その式で代入結果の値を返すからです。 念のため、処理の流れを追ってみましょう。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 282, "tag": "p", "text": "まず括弧内の処理、つまりline = in.readLine()が実行されます。この式は、変数lineに代入された値を返します。要するに、全体でlineが返されると考えてよいでしょう。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 283, "tag": "p", "text": "続いて、比較演算が行われます。括弧内をlineに置き換えるとわかりよいでしょう。つまりline != nullという判定が行われることになります。lineがnullになった場合、行はそれ以上ないというサインなので、ループから抜ける必要があります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 284, "tag": "p", "text": "上記のサンプルは、for文を使ってたとえば", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 285, "tag": "p", "text": "と書くこともできます。 コードの効率性や可読性、保守性なども考慮して判断する必要があります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 286, "tag": "p", "text": "", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 287, "tag": "p", "text": "さらに、ファイル読み込みのコードをStreamを使用して書き換えることができます。BufferedReaderからの行のストリームを取得し、それを使用して各行を処理する方法があります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 288, "tag": "p", "text": "このコードでは、Files.lines(Paths.get(\"input.txt\"))を使用して、ファイルを行のストリームとして読み込んでいます。そして、.forEach(System.out::println)を使って、各行をコンソールに出力しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 289, "tag": "p", "text": "Files.lines()はファイルを行のストリームとして読み込む便利な方法です。それを使用することで、BufferedReaderを明示的に使わずにファイルをストリームとして扱うことができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 290, "tag": "p", "text": "Javaのdo-while文は、while文と同じくループ処理を行うための構文の1つです。ただし、while文と異なり、do-while文はループの最初に1度だけブロック内の処理を実行し、その後に条件式を評価します。条件式がtrueの場合、再びブロック内の処理を実行します。条件式がfalseの場合、ループから抜けます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 291, "tag": "p", "text": "do-while文の基本構文は以下のようになります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 292, "tag": "p", "text": "例えば、1から10までの整数を順番に出力する場合は、次のようにdo-while文を使用することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 293, "tag": "p", "text": "このコードでは、変数iを初期化してから、doブロック内でiを出力し、iを1増やしています。その後、while文でiが10以下である限り、doブロックを繰り返し実行します。結果として、1から10までの整数が順番に出力されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 294, "tag": "p", "text": "do-while文は、ループの最初に必ず1度だけブロック内の処理を実行する必要がある場合に使用することができます。また、条件式がfalseであっても、ブロック内の処理を最低1回実行することが保証されるため、while文と異なり、特定の処理を必ず実行する必要がある場合にも適しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 295, "tag": "p", "text": "JavaのIteratorは、コレクションオブジェクト内の要素を順番に取得するためのインターフェースです。Iteratorは、Javaのコレクションフレームワークの一部であり、java.utilパッケージに含まれています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 296, "tag": "p", "text": "Iteratorを使用することで、配列やリストなどのコレクションオブジェクトの要素を順番に取得し、処理を行うことができます。Iteratorは、以下の3つのメソッドを持っています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 297, "tag": "p", "text": "Iteratorの基本的な使い方は、以下のようになります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 298, "tag": "p", "text": "ここで、collectionは要素を持つコレクションオブジェクトです。まず、iterator()メソッドを使用してイテレータを取得し、hasNext()メソッドで次の要素があるかどうかを確認します。次の要素がある場合、next()メソッドで次の要素を取得し、処理を行います。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 299, "tag": "p", "text": "また、Iteratorは、要素を削除するためのremove()メソッドを持っています。このメソッドを使用する場合は、必ずnext()メソッドで要素を取得した直後に呼び出す必要があります。例えば、次のように使用することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 300, "tag": "p", "text": "Iteratorを使用することで、コレクションオブジェクトの要素を順番に取得し、必要な処理を行うことができます。ただし、Iteratorは単方向のイテレーションしかサポートしていないため、要素の逆順の処理が必要な場合は、リストイテレータを使用することが推奨されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 301, "tag": "p", "text": "JavaのforEachメソッドは、Java 8から導入された機能で、配列やコレクションの要素を繰り返し処理するためのメソッドです。forEachメソッドは、以下のように使用します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 302, "tag": "p", "text": "ここで、arrayOrCollectionは、要素を持つ配列またはコレクションオブジェクトです。forEachメソッドは、要素ごとに指定された処理を行うためのラムダ式を引数として受け取ります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 303, "tag": "p", "text": "ラムダ式は、->を用いて定義されます。上記の例では、elementという変数が要素を表し、{}内には要素に対する処理が記述されます。この場合、forEachメソッドは、配列またはコレクションの要素を繰り返し、各要素に対して指定された処理を行います。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 304, "tag": "p", "text": "forEachメソッドは、拡張for文に比べて、コードを簡潔に書くことができます。また、複数の要素に対して同じ処理を行う場合にも適しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 305, "tag": "p", "text": "forEachメソッドは、配列やコレクションの要素を順番に処理するため、要素の追加や削除などの操作を行う場合は、for文またはIteratorを使用する必要があります。また、forEachメソッドは、並列処理にも対応しており、parallelStreamメソッドと組み合わせて使用することで、複数のスレッドを使用した並列処理が可能です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 306, "tag": "p", "text": "Javaのコレクションフレームワークを使用してリスト(List)、セット(Set)、およびマップ(Map)を作成し、それらの要素を表示する例", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 307, "tag": "p", "text": "コードの概要:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 308, "tag": "p", "text": "各コレクション(リスト、セット、マップ)は、Java 9で導入された List.of()、Set.of()、Map.of() メソッドを使用して作成されています。これらのメソッドは、不変のコレクションを作成し、指定された要素で初期化する便利な方法を提供します。そして、forEach メソッドは、各要素に対して指定されたアクション(この場合は表示)を実行するために使用されています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 309, "tag": "p", "text": "List.ofメソッドは、指定された要素から不変のリストを作成するために使用されます。つまり、この場合、\"apple\", \"banana\", \"orange\" の3つの要素を持つリストが作成されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 310, "tag": "p", "text": "そして、forEachメソッドは、リスト内の各要素に対して指定されたアクションを実行します。System.out::printlnは、メソッド参照を使っています。これはprintlnメソッドへの参照を表しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 311, "tag": "p", "text": "つまり、fruits.forEach(System.out::println);は、リストの各要素をSystem.out.printlnメソッドを使って出力するという意味です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 312, "tag": "p", "text": "", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 313, "tag": "p", "text": "メソッドチェインは、Javaで複数のメソッド呼び出しを1つの文でつなげて書く方法です。これにより、コードがより簡潔で読みやすくなります。例を見てみましょう。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 314, "tag": "p", "text": "この例では、List.ofメソッドを使用してリストを作成し、それをストリームに変換しています。そして、メソッドチェインを使用していくつかの処理を行っています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 315, "tag": "p", "text": "これにより、1つのストリーム処理内で複数の操作を行い、最終的な結果を得ることができます。メソッドチェインを使うと、コードがシンプルで、各ステップが連続しているため、処理の流れがより明確になります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 316, "tag": "p", "text": "", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 317, "tag": "p", "text": "以下は、Javaで反復処理を行う際に使用する主要な文法とメソッドのチートシートです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 318, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける「型」(または「データ型」)は、データの種類や性質を表す概念です。プログラミング言語において、変数、関数の引数や戻り値、オブジェクトなどの要素には、それぞれ特定の型が割り当てられます。型は、そのデータがどのような値や操作を持ち、どのようにメモリ上で表現されるかを決定します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 319, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける型の役割は次のようなものがあります:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 320, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける型は、プログラムの構造や振る舞いを理解し、データを適切に扱うための基本的な概念です。適切な型の選択と使用は、プログラムの正確性、効率性、保守性を向上させるのに役立ちます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 321, "tag": "p", "text": "Javaにおける型は、プリミティブ型、クラス型、配列型の3つに大別されます。また、値型と参照型の2つのカテゴリーに分けることもできます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 322, "tag": "p", "text": "プリミティブ型は、Javaの基本的なデータ型で、値そのものを格納する値型です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 323, "tag": "p", "text": "Javaのプリミティブ型には、以下の8つがあります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 324, "tag": "p", "text": "Javaでは自動的に型変換が行われる場合があります。例えば、int型とdouble型の演算を行うと、int型の値が自動的にdouble型に変換されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 325, "tag": "p", "text": "ただし、変換元の型よりも変換先の型が大きい場合、精度の低下や情報の欠落が発生する場合があるため、注意が必要です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 326, "tag": "p", "text": "また、Javaのプリミティブ型には、各データ型のラッパークラスが用意されています。 ラッパークラスを使用することで、プリミティブ型をクラスとして扱えるようになります。 例えば、int型の場合はIntegerクラスが対応しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 327, "tag": "p", "text": "参照型には、クラス型、インタフェース型、配列型などがあります。 クラス型やインタフェース型は、それぞれ自分で定義して使用することができます。 配列型は、同じデータ型の値を複数格納するためのもので、以下のように宣言します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 328, "tag": "p", "text": "Javaのプリミティブ型は、値そのものを格納するのに対し、参照型はオブジェクトへの参照を格納するため、メモリの使用方法が異なります。 また、プリミティブ型は値渡し、参照型は参照渡しとして扱われます。 このため、値渡しの場合は、値そのものがコピーされ、オリジナルの変数に影響を与えませんが、参照渡しの場合は、オブジェクトそのものへの参照が渡されるため、オリジナルのオブジェクトに影響を与える可能性があります。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 329, "tag": "p", "text": "Javaにおけるリテラル(literal)とは、ソースコード上で直接的に表現される値のことを指します。つまり、コード内に直接書かれた値そのものを指します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 330, "tag": "p", "text": "スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 Javaでは、数値リテラルの中にアンダースコアを挿入することで、コードの読みやすさを向上させる事ができます。 数値リテラルへのアンダースコアの挿入は、Java 7 からサポートされました。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 331, "tag": "p", "text": "たとえば、以下のような数値リテラルがある場合を考えてみましょう。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 332, "tag": "p", "text": "このコードでは、aに1000000という値が代入されています。しかしこの数値は非常に大きく、どのような値であるかをすぐに理解するのは難しいかもしれません。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 333, "tag": "p", "text": "そこで、アンダースコアを使用して数値リテラルを以下のように書き換えることができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 334, "tag": "p", "text": "このように書くことで、数値が100万であることがすぐにわかります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 335, "tag": "p", "text": "アンダースコアは数値の途中でも使用することができます。たとえば、以下のように数値を書くことができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 336, "tag": "p", "text": "このようにすることで、バイナリ表現された数値がより読みやすくなります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 337, "tag": "p", "text": "アンダースコアは、浮動小数点数にも使用することができます。たとえば、以下のように書くことができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 338, "tag": "p", "text": "このようにすることで、円周率をより読みやすく書くことができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 339, "tag": "p", "text": "ただし、アンダースコアを数値リテラルの先頭や末尾、小数点の前後に置くことはできません。また、同じ数値リテラル内で複数のアンダースコアを使用することはできません。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 340, "tag": "p", "text": "スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 341, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける「null」とは、値が存在しないことを表す特別な値です。nullはプログラムで使用されるさまざまなデータ型(オブジェクト、配列、ポインタなど)の初期値として設定されることがあります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 342, "tag": "p", "text": "主な用途としては以下のようなものがあります:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 343, "tag": "p", "text": "nullは便利な概念ですが、誤った使用やnullポインター例外などのランタイムエラーを引き起こす可能性があります。そのため、nullの使用は慎重に行う必要があります。近年のプログラミング言語では、null安全性を向上させるためにオプショナル型やnull許容型などの機能が導入されています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 344, "tag": "p", "text": "Javaにおける「null」とは、参照型(Reference Type)の変数が参照するオブジェクトが存在しないことを示す特別な値です。Javaのすべてのオブジェクトはヒープ領域に保存され、変数はそのオブジェクトへの参照(アドレス)を保持します。nullは、そのような参照がオブジェクトを指していないことを示します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 345, "tag": "p", "text": "以下はnullの主な特徴です:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 346, "tag": "p", "text": "Javaでは、nullを適切に扱うことが重要です。nullをチェックし、nullポインターエクセプションを防ぐための適切な手段があります。 例えば、条件付きのnullチェックやOptionalクラスの使用などが挙げられます。 Javaにはnull安全性を向上させるためのさまざまな手段があり、プログラマーはこれらの手段を活用してnull関連の問題を回避できます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 347, "tag": "p", "text": "スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 348, "tag": "p", "text": "JavaのOptionalは、Java 8で導入されたクラスで、nullセキュリティという問題に対処するための手段の1つです。Optionalは、値が存在するかどうかを示すラッパークラスであり、nullを明示的に処理することなく、値の有無を安全に操作するための手段を提供します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 349, "tag": "p", "text": "Optionalは以下のように使用できます:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 350, "tag": "p", "text": "Optionalは、null値の扱いに関するバグを減らし、より安全で明確なコードを作成するのに役立ちます。 ただし、Optionalを過度に使用することは、コードを複雑にする可能性があるため、適切なバランスが必要です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 351, "tag": "p", "text": "以下は、JavaのOptionalクラスの一部の主要なメソッドとその説明を表形式で示したものです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 352, "tag": "p", "text": "これらのメソッドは、Java 8からOptionalクラスで導入され、nullを避けるために便利な方法を提供します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 353, "tag": "p", "text": "Optionalはnullを扱う際の安全性を向上させるための手段ですが、参照型には依然としてnullを取り得るという点に留意する必要があります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 354, "tag": "p", "text": "Optionalは、主にnullを返す可能性のあるメソッドの戻り値や、メソッドの引数として使用されます。しかし、既存のコードや外部ライブラリとの連携、あるいは一時的なnull値の許容など、様々な理由でnullが依然として存在することがあります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 355, "tag": "p", "text": "そのため、Optionalを使用することでnullの扱いを明確にすることができますが、すべてのnullを完全に排除することは難しい場合があります。したがって、プログラマーは依然としてnullの可能性に備えてコードを記述する必要があります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 356, "tag": "p", "text": "スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 357, "tag": "p", "text": "Javaの文字列は、java.lang.Stringクラスで表されるオブジェクト型のデータです。文字列は、文字のシーケンスであり、文字列中の各文字はUnicode文字を表します。Javaの文字列はイミュータブル(不変)であり、一度作成された文字列オブジェクトの内容は変更できません。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 358, "tag": "p", "text": "以下は、Javaの文字列に関する基本的な操作を1つのソースコードにまとめたものです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 359, "tag": "p", "text": "このコードでは、文字列の作成、結合、長さの取得、部分文字列の取得、比較、検索、大文字・小文字変換、空白の削除、置換などの基本的な操作を行っています。これらの操作は、Javaの文字列処理においてよく使用されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 360, "tag": "p", "text": "以下は、Javaの文字列クラス (java.lang.String) に含まれる主なメソッドの一覧です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 361, "tag": "p", "text": "これらのメソッドは、Javaの文字列を操作するために使用されます。それぞれのメソッドは、文字列に対して特定の操作を行います。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 362, "tag": "p", "text": "スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 363, "tag": "p", "text": "Javaの配列は、同じ型の複数の要素を格納するためのデータ構造です。 配列は固定サイズであり、要素は0から始まるインデックスでアクセスされます。 Javaでは、配列はオブジェクトとして扱われます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 364, "tag": "p", "text": "以下のJavaのソースコードは、配列を宣言し、初期化し、要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループの使用、配列のコピー、ソート、比較など、様々な操作を行う方法を示しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 365, "tag": "p", "text": "このコードでは、配列を宣言し、初期化する際に初期化リストを使用しています。そして、配列の要素へのアクセス、配列の長さの取得、拡張forループを使った要素の表示、Arrays.copyOfを使った配列のコピー、Arrays.sortを使った配列のソート、そしてArrays.equalsを使った配列の比較を行っています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 366, "tag": "p", "text": "このコードは、配列を操作するための基本的な手法を示しており、これらの手法を理解することで、Javaで配列を効果的に利用することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 367, "tag": "p", "text": "以下は、Javaの配列で使用できる主なメソッドの一覧です。この一覧には、配列の作成、要素の操作、配列のコピー、比較、ソートなど、さまざまな操作に関連するメソッドが含まれています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 368, "tag": "p", "text": "これらのメソッドは、Javaの java.util.Arrays クラスで定義されており、配列を効果的に操作するための便利なユーティリティを提供しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 369, "tag": "p", "text": "Javaにおける多次元配列(Multidimensional Array)とは、配列の要素が配列である配列のことです。つまり、配列内に配列を持つことで、複数の次元を持つデータ構造を表現します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 370, "tag": "p", "text": "たとえば、2次元配列は行と列のような2つの次元を持ちます。3次元配列は、立方体のように3つの次元を持ちます。これにより、行列、立方体、テンソルなどの構造化されたデータを効率的に表現することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 371, "tag": "p", "text": "以下は、Javaで多次元配列を宣言および初期化する方法の例です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 372, "tag": "p", "text": "多次元配列は、ネストされたforループを使用して要素にアクセスすることが一般的です。例えば、2次元配列の要素にアクセスするには、2つのループを使用して行と列を反復処理します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 373, "tag": "p", "text": "Java 5以降では、拡張forループ(enhanced for loop)またはfor-eachループと呼ばれる新しいループ形式が導入されました。これは、コレクションや配列などの反復可能なオブジェクトを簡潔に反復処理するために使用されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 374, "tag": "p", "text": "以下は、拡張forループを使用して多次元配列を反復処理する方法の例です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 375, "tag": "p", "text": "この方法では、2つまたは3つのネストされたループを使用する必要がなくなり、より簡潔で読みやすいコードが得られます。各ループでは、拡張forループを使用して配列の各要素を直接取得し、それを処理することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 376, "tag": "p", "text": "拡張forループは、配列やリストなどの反復可能なコレクションの要素を処理する場合に非常に便利です。これにより、ループの記述が簡素化され、コードの可読性が向上します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 377, "tag": "p", "text": "以下は、4x4のdouble配列を宣言し、それを単位行列にするJavaのコード例です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 378, "tag": "p", "text": "このコードは、4x4のdouble配列を宣言し、その要素を単位行列に初期化します。その後、単位行列を出力します。単位行列は、対角要素がすべて1で、それ以外の要素がすべて0の正方行列です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 379, "tag": "p", "text": "多次元配列は、行列や画像処理など、多次元のデータを扱う際に役立ちます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 380, "tag": "p", "text": "スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 381, "tag": "p", "text": "Javaのコレクションは、複数の要素を格納し、効率的なデータ操作を可能にするためのフレームワークです。Javaのコレクションフレームワークは、java.utilパッケージに含まれており、さまざまなインターフェースとそれらを実装するクラスが提供されています。主なコレクションインターフェースには、リスト、セット、マップなどがあります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 382, "tag": "p", "text": "以下は、Javaのコレクションフレームワークを使った例を1つのソースコードにまとめたものです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 383, "tag": "p", "text": "このコードでは、リスト、セット、マップ、キュー、デッキのそれぞれのコレクションを作成し、要素を追加しています。それぞれのコレクションの要素が出力されます。これにより、Javaのコレクションフレームワークの基本的な使い方を示しています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 384, "tag": "p", "text": "以下は、Javaのコレクションフレームワークに含まれる主要なクラスとインターフェースの一覧を、名前、クラス・インターフェースの別、説明の順に表組みで示したものです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 385, "tag": "p", "text": "これらのクラスとインターフェースは、Javaのコレクションフレームワークを構成し、さまざまなデータ構造を効率的に操作するための手段を提供します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 386, "tag": "p", "text": "Javaのコレクションフレームワークは、データを効率的に管理し、操作するための標準的なAPIセットです。これにより、プログラマーはリスト、セット、マップなどのさまざまなデータ構造を使用してデータを格納し、操作することができます。Javaのコレクションフレームワークは、java.utilパッケージに含まれており、多くのインターフェースとクラスから構成されています。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 387, "tag": "p", "text": "コレクションフレームワークの主な特徴は次のとおりです:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 388, "tag": "p", "text": "コレクションフレームワークは、Javaプログラミングにおいて非常に重要であり、さまざまなアプリケーションやライブラリで広く使用されています。プログラマーは、これらのAPIを十分に理解し、適切に活用することで、効率的で堅牢なコードを作成することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 389, "tag": "p", "text": "スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 390, "tag": "p", "text": "Javaでは、クラスはオブジェクト指向プログラミングの基本的な構成要素です。クラスは特定の属性(データフィールド)と動作(メソッド)を持つオブジェクトの設計図です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 391, "tag": "p", "text": "Javaでクラスを定義するには、以下のようにクラス名と中括弧で囲まれたクラス本体を宣言します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 392, "tag": "p", "text": "クラスのインスタンス化は、クラスからオブジェクトを生成するプロセスです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 393, "tag": "p", "text": "これがJavaのクラスの基本的な概念です。クラスはオブジェクト指向プログラミングの中心的な要素であり、Javaプログラムの構築において重要な役割を果たします。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。 スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 394, "tag": "p", "text": "プログラミングにおける例外処理は、プログラムが実行中に発生する予期しないエラーや異常な状況に対処するための仕組みや手法を指します。プログラムが実行中にエラーが発生する可能性がある場合、例外処理はプログラムの安定性を維持し、クラッシュや異常終了を防ぎます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 395, "tag": "p", "text": "以下は、プログラミングにおける例外処理の基本的な概念です:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 396, "tag": "p", "text": "例外処理は、プログラミングにおいて非常に重要です。適切に実装された例外処理は、プログラムの安定性を高め、ユーザーエクスペリエンスを向上させるのに役立ちます。また、例外処理はデバッグや問題解決の際にも役立ちます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 397, "tag": "p", "text": "Javaの例外処理は、プログラム実行中に予期しない状況やエラーが発生した場合に、その状況を適切に処理するための仕組みです。Javaの例外処理は、プログラムの安全性や信頼性を高めるために非常に重要です。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 398, "tag": "p", "text": "例外は、実行時に発生するエラーの種類や条件を表します。例えば、ゼロ除算、配列の範囲外へのアクセス、ファイルが見つからないなどのエラーは、Javaの例外処理を使用して適切に処理することができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 399, "tag": "p", "text": "Javaの例外処理は以下のような特徴を持ちます:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 400, "tag": "p", "text": "Javaの例外処理は、プログラムのロバストさを向上させ、予期しない状況に対処するための重要な手段です。例外処理を適切に使用することで、プログラムの安全性や信頼性を向上させることができます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 401, "tag": "p", "text": "以下は、Javaの例外処理を1つのソースコードで解説したものです。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 402, "tag": "p", "text": "この例では、次のような内容を含んでいます:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 403, "tag": "p", "text": "Javaには throws キーワードがあります。throws キーワードは、メソッドが特定の例外をスローする可能性があることを宣言するために使用されます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 404, "tag": "p", "text": "メソッドが特定の例外をスローする可能性がある場合、そのメソッドのシグネチャに throws キーワードを使用して、その例外を指定します。これにより、メソッドを呼び出す際に、呼び出し元がその例外を適切に処理するか、またはさらに上位の呼び出し元に例外を伝播させるかを決定できます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 405, "tag": "p", "text": "例えば:", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 406, "tag": "p", "text": "この例では、readFile メソッドが IOException をスローする可能性があることが宣言されています。メソッド内で IOException が発生する可能性がある場合、その例外をキャッチして処理するか、または readFile メソッドの呼び出し元で try-catch ブロックを使用して例外を処理する必要があります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 407, "tag": "p", "text": "throws キーワードを使用することで、メソッドの呼び出し元がそのメソッドがスローする可能性がある例外に対処できるようになります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 408, "tag": "p", "text": "Javaの例外には、いくつかの主要なクラスがあります。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 409, "tag": "p", "text": "以下に、Javaの例外クラスのいくつかを表組みで示します。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 410, "tag": "p", "text": "これらはJavaの例外の一部であり、それぞれ特定の状況や条件で発生します。Javaの例外処理では、これらの例外クラスを適切にキャッチして処理することが重要です。また、必要に応じて独自の例外クラスを定義することもできます。", "title": "if-else文" }, { "paragraph_id": 411, "tag": "p", "text": "スクリプトに割り当てた時間が終了しました。スクリプトに割り当てた時間が終了しました。", "title": "if-else文" } ]
情報技術 > Java > Javaクイックツアー
この単元で学ぶことは、Javaプログラミングの基礎と初歩的な構文です。 変数、演算、条件分岐、反復処理、型、リテラル、文字列、配列、クラス、例外処理など、プログラミングの基本要素を学びます。 これにより、Javaでの基本的なプログラミング概念やスキルを身に付けることができます。 {{:Java/クイックツアー}} {{:Java/Hello world}} {{:Java/プログラミングのための準備}} {{:Java/基礎/変数と代入演算}} {{:Java/文法/コメント}} {{:Java/基礎/算術演算}} {{:Java/基礎/条件分岐}} {{:Java/基礎/反復処理}} {{:Java/基礎/型}} {{:Java/基礎/リテラル}} {{:Java/アンダースコア}} {{:Java/null}} {{:Java/Optional}} {{:Java/基礎/文字列}} {{:Java/基礎/配列}} {{:Java/基礎/コレクション}} {{:Java/基礎/クラス}} {{:Java/基礎/例外処理}}
2024-02-03T23:48:48Z
2024-02-04T22:42:32Z
[ "Java/null", "Java/プログラミングのための準備", "Java/基礎/算術演算", "Java/基礎/リテラル", "Java/Optional", "Java/基礎/配列", "Java/基礎/クラス", "Java/クイックツアー", "Java/Hello world", "Java/基礎/反復処理", "Java/基礎/条件分岐", "Java/基礎/型", "Java/基礎/例外処理", "Java/基礎/文字列", "Java/基礎/コレクション", "Java/基礎/変数と代入演算", "Java/文法/コメント", "Java/アンダースコア" ]
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Google Guava
Google Guavaは、Googleが開発したJavaプログラミング言語向けのオープンソースのユーティリティライブラリです。Guavaは、Java標準ライブラリには含まれていない便利な機能やデータ構造、ユーティリティメソッドを提供します。 Guavaは、コーディングの効率性と品質を向上させるために設計されています。これには、コレクションフレームワークの強化、関数型プログラミングスタイルのサポート、文字列操作やI/O操作などの機能が含まれます。また、Guavaは安定しており、幅広いユーザーによって使用されています。 主な機能には、Immutable Collections(イミュータブルなコレクション)、Functional Programming Utilities(関数型プログラミングユーティリティ)、Caches(キャッシュ)、Strings Utilities(文字列ユーティリティ)、Concurrency Utilities(並行性ユーティリティ)などがあります。これらの機能は、Javaプログラマーがコードをより効率的に記述し、より堅牢なアプリケーションを構築するのに役立ちます。 Google Guavaの特徴は次のとおりです: 豊富な機能セット: Guavaは、Javaの標準ライブラリにはない便利な機能を提供します。 これには、コレクション、文字列、I/O、並行性など、さまざまな領域でのユーティリティメソッドやデータ構造が含まれます。 これらの例は、Google Guavaの一部機能の使用方法を示していますが、Guavaにはさらに多くの便利な機能があります。 Google Guavaは、Java SEの標準ライブラリには含まれていない、いくつかの便利な機能や拡張を提供しますが、一部の機能はJava SEの標準ライブラリでも利用可能です。以下は、Guavaと重複するJava SEの機能の例です: Java SEの標準ライブラリには多くの便利な機能が含まれていますが、Guavaはそれらを補完し、より効率的なコーディングやより堅牢なアプリケーションを構築するための追加機能を提供します。 Google Guavaの機能は主に以下のカテゴリに分類されます: これらのパッケージは、Google Guavaが提供する機能を効果的に組織化しており、開発者が必要な機能を見つけやすくなっています。 Google Guavaに関するリソースは以下の通りです:
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Google Guavaは、Googleが開発したJavaプログラミング言語向けのオープンソースのユーティリティライブラリです。Guavaは、Java標準ライブラリには含まれていない便利な機能やデータ構造、ユーティリティメソッドを提供します。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Guavaは、コーディングの効率性と品質を向上させるために設計されています。これには、コレクションフレームワークの強化、関数型プログラミングスタイルのサポート、文字列操作やI/O操作などの機能が含まれます。また、Guavaは安定しており、幅広いユーザーによって使用されています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "主な機能には、Immutable Collections(イミュータブルなコレクション)、Functional Programming Utilities(関数型プログラミングユーティリティ)、Caches(キャッシュ)、Strings Utilities(文字列ユーティリティ)、Concurrency Utilities(並行性ユーティリティ)などがあります。これらの機能は、Javaプログラマーがコードをより効率的に記述し、より堅牢なアプリケーションを構築するのに役立ちます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Google Guavaの特徴は次のとおりです: 豊富な機能セット: Guavaは、Javaの標準ライブラリにはない便利な機能を提供します。 これには、コレクション、文字列、I/O、並行性など、さまざまな領域でのユーティリティメソッドやデータ構造が含まれます。", "title": "特徴" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "これらの例は、Google Guavaの一部機能の使用方法を示していますが、Guavaにはさらに多くの便利な機能があります。", "title": "クイックツアー" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Google Guavaは、Java SEの標準ライブラリには含まれていない、いくつかの便利な機能や拡張を提供しますが、一部の機能はJava SEの標準ライブラリでも利用可能です。以下は、Guavaと重複するJava SEの機能の例です:", "title": "Guavaと重複するJava SEの機能" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Java SEの標準ライブラリには多くの便利な機能が含まれていますが、Guavaはそれらを補完し、より効率的なコーディングやより堅牢なアプリケーションを構築するための追加機能を提供します。", "title": "Guavaと重複するJava SEの機能" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Google Guavaの機能は主に以下のカテゴリに分類されます:", "title": "機能分類" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "これらのパッケージは、Google Guavaが提供する機能を効果的に組織化しており、開発者が必要な機能を見つけやすくなっています。", "title": "機能分類" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "Google Guavaに関するリソースは以下の通りです:", "title": "リソース" } ]
Google Guavaは、Googleが開発したJavaプログラミング言語向けのオープンソースのユーティリティライブラリです。Guavaは、Java標準ライブラリには含まれていない便利な機能やデータ構造、ユーティリティメソッドを提供します。 Guavaは、コーディングの効率性と品質を向上させるために設計されています。これには、コレクションフレームワークの強化、関数型プログラミングスタイルのサポート、文字列操作やI/O操作などの機能が含まれます。また、Guavaは安定しており、幅広いユーザーによって使用されています。 主な機能には、Immutable Collections(イミュータブルなコレクション)、Functional Programming Utilities(関数型プログラミングユーティリティ)、Caches(キャッシュ)、Strings Utilities(文字列ユーティリティ)、Concurrency Utilities(並行性ユーティリティ)などがあります。これらの機能は、Javaプログラマーがコードをより効率的に記述し、より堅牢なアプリケーションを構築するのに役立ちます。
{{Wikipedia}} Google Guavaは、Googleが開発したJavaプログラミング言語向けのオープンソースのユーティリティライブラリです。Guavaは、Java標準ライブラリには含まれていない便利な機能やデータ構造、ユーティリティメソッドを提供します。 Guavaは、コーディングの効率性と品質を向上させるために設計されています。これには、コレクションフレームワークの強化、関数型プログラミングスタイルのサポート、文字列操作やI/O操作などの機能が含まれます。また、Guavaは安定しており、幅広いユーザーによって使用されています。 主な機能には、Immutable Collections(イミュータブルなコレクション)、Functional Programming Utilities(関数型プログラミングユーティリティ)、Caches(キャッシュ)、Strings Utilities(文字列ユーティリティ)、Concurrency Utilities(並行性ユーティリティ)などがあります。これらの機能は、Javaプログラマーがコードをより効率的に記述し、より堅牢なアプリケーションを構築するのに役立ちます。 == 特徴 == Google Guavaの特徴は次のとおりです: 豊富な機能セット: Guavaは、Javaの標準ライブラリにはない便利な機能を提供します。 これには、コレクション、文字列、I/O、並行性など、さまざまな領域でのユーティリティメソッドやデータ構造が含まれます。 # '''イミュータブルなコレクション:''' Guavaは、イミュータブルなコレクションを提供し、変更不能なデータ構造を使うことで安全性を向上させます。これにより、意図しない変更や競合状態を回避するのに役立ちます。 # '''関数型プログラミングのサポート:''' Guavaは、関数型プログラミングのスタイルをサポートし、関数型インターフェースや関数型プログラミングパターンを提供します。これにより、コードの明確さや再利用性が向上し、エラーの可能性が減ります。 # '''高性能なキャッシュ:''' Guavaのキャッシュ機能は、アプリケーションのパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。キャッシュされたデータへのアクセス速度を高め、外部リソースへの負荷を減らします。 # '''コードの効率化:''' Guavaは、コードの効率性を向上させるためのユーティリティやベストプラクティスを提供します。これにより、より効率的でメンテナンス性の高いコードを書くことができます。 # '''広範なコミュニティとサポート:''' Guavaは、Googleを含む広範なコミュニティによってサポートされており、定期的な更新やバグ修正が行われています。これにより、安定性や信頼性が確保されます。 == クイックツアー == # '''関数型プログラミングのサポート:''' #: Guavaは、関数型プログラミングスタイルをサポートしており、関数型インターフェースや関数合成などの機能を提供します。 #:<syntaxhighlight lang=java> Function<Integer, String> intToString = Object::toString; List<String> stringList = Lists.transform(ImmutableList.of(1, 2, 3), intToString); </syntaxhighlight> # '''キャッシュの利用:''' #: Guavaのキャッシュ機能は、アプリケーションのパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。キャッシュされたデータへのアクセス速度を高め、外部リソースへの負荷を減らします。 #:<syntaxhighlight lang=java> LoadingCache<Key, Graph> graphs = CacheBuilder.newBuilder() .maximumSize(1000) .expireAfterWrite(10, TimeUnit.MINUTES) .build( new CacheLoader<Key, Graph>() { public Graph load(Key key) throws AnyException { return createExpensiveGraph(key); } }); </syntaxhighlight> # '''文字列処理:''' #: Guavaは、文字列操作を行うための便利なユーティリティメソッドを提供します。 #:<syntaxhighlight lang=java> String input = "foo , bar , baz"; Iterable<String> parts = Splitter.on(',') .trimResults() .omitEmptyStrings() .split(input); </syntaxhighlight> # '''イミュータブルなコレクション:''' #: Guavaのイミュータブルなコレクションは、変更不可能なデータ構造を提供します。これにより、データの安全性が向上し、意図しない変更や競合状態を回避することができます。 #:<syntaxhighlight lang=java> ImmutableList<String> immutableList = ImmutableList.of("apple", "banana", "orange"); ImmutableMap<Integer, String> immutableMap = ImmutableMap.of(1, "one", 2, "two"); </syntaxhighlight> # '''イミュータブルなコレクション操作:''' #: Guavaは、イミュータブルなコレクションを操作するための便利なメソッドを提供します。 #:<syntaxhighlight lang=java> ImmutableList<String> originalList = ImmutableList.of("apple", "banana", "orange"); ImmutableList<String> newList = ImmutableList.<String>builder() .addAll(originalList) .add("grape") .build(); </syntaxhighlight> # '''Java標準ライブラリの拡張:''' #: Guavaは、Java標準ライブラリを補完し、さまざまな領域で機能を拡張します。これには、Javaの古いバージョンでは利用できない新しい機能のサポートや、より使いやすいAPIの提供が含まれます。 # '''コンカレンシーの管理:''' #: Guavaは、並行性を扱うための機能を提供します。これには、スレッドセーフなコレクションや同期ユーティリティなどが含まれます。これにより、複数のスレッドからのアクセスを安全に行うことができます。 # '''便利なユーティリティメソッド:''' #: Guavaには、様々な便利なユーティリティメソッドが含まれています。これにより、より効率的かつ読みやすいコードを書くことができます。例えば、Guavaの<code>Preconditions</code>クラスは、事前条件をチェックするための便利なメソッドを提供します。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.base.Preconditions; public class MyClass { private String data; public MyClass(String data) { this.data = Preconditions.checkNotNull(data, "Data must not be null"); } } </syntaxhighlight> これらの例は、Google Guavaの一部機能の使用方法を示していますが、Guavaにはさらに多くの便利な機能があります。 == Guavaと重複するJava SEの機能 == Google Guavaは、Java SEの標準ライブラリには含まれていない、いくつかの便利な機能や拡張を提供しますが、一部の機能はJava SEの標準ライブラリでも利用可能です。以下は、Guavaと重複するJava SEの機能の例です: # '''コレクションフレームワーク:''' Java SEには、<code>java.util</code>パッケージに含まれるコレクションフレームワークがあります。これには、<code>ArrayList</code>、<code>HashMap</code>、<code>HashSet</code>などのデータ構造が含まれます。Guavaのコレクションはこれらのクラスを補完するものであり、不変のコレクションや便利なメソッドを提供します。 # '''文字列操作:''' Java SEには、<code>java.lang.String</code>クラスに多くの文字列操作メソッドが含まれています。これには、<code>substring()</code>、<code>split()</code>、<code>trim()</code>などが含まれます。Guavaはこれらの機能を補完するものであり、より高度な文字列操作や便利なユーティリティを提供します。 # '''並行性ユーティリティ:''' Java SEには、<code>java.util.concurrent</code>パッケージに多くの並行性関連のユーティリティが含まれています。これには、<code>Executor</code>、<code>ConcurrentHashMap</code>、<code>Semaphore</code>などが含まれます。Guavaも並行性ユーティリティを提供しますが、Java SEの機能と同等のものが多く存在します。 # '''例外処理:''' Java SEには、例外処理のための標準的な仕組みがあります。これには、<code>try-catch</code>ブロックや<code>throws</code>キーワードなどが含まれます。Guavaの<code>Throwables</code>クラスは、例外処理に関連する便利なユーティリティメソッドを提供しますが、Java SEの機能と比較すると、補完的なものです。 Java SEの標準ライブラリには多くの便利な機能が含まれていますが、Guavaはそれらを補完し、より効率的なコーディングやより堅牢なアプリケーションを構築するための追加機能を提供します。 == 機能分類 == Google Guavaの機能は主に以下のカテゴリに分類されます: # '''com.google.common.annotations:''' アノテーションの種類を提供します。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.annotations.Beta; public class Main { @Beta public void someMethod() { // ベータ版APIを使用する例 } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.base:''' 基本的なユーティリティライブラリやインターフェースを提供します。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.base.Joiner; public class Main { public static void main(String[] args) { String joinedString = Joiner.on(", ").join("apple", "banana", "orange"); System.out.println(joinedString); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.cache:''' キャッシュ関連のユーティリティが含まれています。ただし、Caffeineが推奨されることになりました。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.cache.Cache; import com.google.common.cache.CacheBuilder; public class Main { public static void main(String[] args) { Cache<String, Integer> cache = CacheBuilder.newBuilder().build(); cache.put("key", 123); int value = cache.getIfPresent("key"); System.out.println(value); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.collect:''' コレクションのインターフェースや実装、その他のコレクション用のユーティリティを提供します。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.collect.ImmutableList; public class Main { public static void main(String[] args) { ImmutableList<String> list = ImmutableList.of("apple", "banana", "orange"); System.out.println(list); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.escape:''' エスケーパーやエンコーダーのインターフェース、ユーティリティ、およびシンプルな実装を提供します。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.escape.Escaper; import com.google.common.html.HtmlEscapers; public class Main { public static void main(String[] args) { Escaper escaper = HtmlEscapers.htmlEscaper(); String html = "<script>alert('XSS');</script>"; String escapedHtml = escaper.escape(html); System.out.println(escapedHtml); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.eventbus:''' EventBusは、依存関係の注入や並行性フレームワークを推奨されますが、これは発行-購読スタイルの通信を可能にします。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.eventbus.EventBus; import com.google.common.eventbus.Subscribe; public class Main { public static void main(String[] args) { EventBus eventBus = new EventBus(); eventBus.register(new EventListener()); eventBus.post("Hello, world!"); } static class EventListener { @Subscribe public void handleEvent(String event) { System.out.println("Received event: " + event); } } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.graph:''' グラフ(ノードとエッジ)データを表現するためのAPIが含まれます。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.graph.Graph; import com.google.common.graph.ImmutableGraph; import com.google.common.graph.GraphBuilder; public class Main { public static void main(String[] args) { Graph<Integer> graph = GraphBuilder.undirected().build(); graph.addNode(1); graph.addNode(2); graph.putEdge(1, 2); System.out.println(graph.hasEdgeConnecting(1, 2)); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.hash:''' ハッシュ関数や関連構造を提供します。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.hash.HashFunction; import com.google.common.hash.Hashing; public class Main { public static void main(String[] args) { HashFunction hashFunction = Hashing.sha256(); String input = "Hello, world!"; String hashed = hashFunction.hashBytes(input.getBytes()).toString(); System.out.println("Hashed value: " + hashed); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.html:''' HTML用のエスケーパーが含まれています。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.html.HtmlEscapers; public class Main { public static void main(String[] args) { String unsafeHtml = "<script>alert('XSS');</script>"; String safeHtml = HtmlEscapers.htmlEscaper().escape(unsafeHtml); System.out.println("Safe HTML: " + safeHtml); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.io:''' 入力ストリーム、出力ストリーム、リーダー、ライター、ファイルなどのI/Oに関するユーティリティメソッドとクラスが含まれています。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.io.Files; import java.io.File; import java.io.IOException; import java.nio.charset.StandardCharsets; public class Main { public static void main(String[] args) throws IOException { File file = new File("example.txt"); Files.write("Hello, world!", file, StandardCharsets.UTF_8); String content = Files.asCharSource(file, StandardCharsets.UTF_8).read(); System.out.println("File content: " + content); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.math:''' プリミティブ値やBigInteger、BigDecimalインスタンスに対して動作する算術関数が含まれています。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.math.BigIntegerMath; import java.math.BigInteger; import java.math.RoundingMode; public class Main { public static void main(String[] args) { BigInteger factorial = BigIntegerMath.factorial(5); System.out.println("Factorial of 5: " + factorial); double sqrtTwo = BigIntegerMath.sqrt(BigInteger.valueOf(2), RoundingMode.HALF_EVEN).doubleValue(); System.out.println("Square root of 2: " + sqrtTwo); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.net:''' ネットワーキングに関するユーティリティメソッドやクラスが含まれています(IPアドレスやドメイン名など)。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.net.InetAddresses; import java.net.InetAddress; public class Main { public static void main(String[] args) { String ipAddress = "192.168.1.1"; InetAddress inetAddress = InetAddresses.forString(ipAddress); System.out.println("IP Address: " + inetAddress); boolean isIpv4 = InetAddresses.isInetAddress(ipAddress); System.out.println("Is IPv4 address: " + isIpv4); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.primitives:''' 8つのプリミティブ型とvoidのための静的ユーティリティや、これらを符号なしとして扱ったり、不変の配列に格納したりするための値型が含まれています。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.primitives.Ints; public class Main { public static void main(String[] args) { int[] numbers = {3, 1, 4, 1, 5, 9, 2, 6, 5, 3}; int min = Ints.min(numbers); int max = Ints.max(numbers); System.out.println("Minimum: " + min); System.out.println("Maximum: " + max); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.reflect:''' リフレクションに関するユーティリティが含まれています。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.reflect.TypeToken; import java.util.List; public class Main { public static void main(String[] args) { TypeToken<List<String>> typeToken = new TypeToken<List<String>>() {}; System.out.println("Type: " + typeToken.getType()); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.util.concurrent:''' 並行性に関するユーティリティが含まれています。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.util.concurrent.ListeningExecutorService; import com.google.common.util.concurrent.MoreExecutors; import com.google.common.util.concurrent.ThreadFactoryBuilder; import java.util.concurrent.Callable; import java.util.concurrent.ExecutionException; import java.util.concurrent.Executors; import java.util.concurrent.TimeUnit; public class Main { public static void main(String[] args) throws ExecutionException, InterruptedException { // スレッドプールを作成 ListeningExecutorService executorService = MoreExecutors.listeningDecorator( Executors.newFixedThreadPool(2, new ThreadFactoryBuilder().setNameFormat("worker-%d").build())); // タスクの実行 executorService.submit(() -> { System.out.println("Task 1 is running..."); return "Task 1"; }); executorService.submit(() -> { System.out.println("Task 2 is running..."); return "Task 2"; }); // シャットダウン executorService.shutdown(); executorService.awaitTermination(10, TimeUnit.SECONDS); } } </syntaxhighlight> # '''com.google.common.xml:''' XML用のエスケーパーが含まれています。 #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.common.xml.XmlEscapers; public class Main { public static void main(String[] args) { String unsafeXml = "<message>Hello, world!</message>"; String safeXml = XmlEscapers.xmlContentEscaper().escape(unsafeXml); System.out.println("Safe XML: " + safeXml); } } </syntaxhighlight> これらのパッケージは、Google Guavaが提供する機能を効果的に組織化しており、開発者が必要な機能を見つけやすくなっています。 == リソース == Google Guavaに関するリソースは以下の通りです: # Google Guavaの公式ウェブサイト #: https://guava.dev/ #: ドキュメント、APIリファレンス、最新のリリース情報などを提供しています。 # GitHubリポジトリ #: https://github.com/google/guava #: Google Guavaのソースコードや最新の開発情報は、GitHubリポジトリで入手できます。また、問題の追跡やプロジェクトへの貢献もここで行われます。 # Google Guava Wiki #: https://github.com/google/guava/wiki #: Google GuavaのWikiでは、より詳細なドキュメントや使用例、パフォーマンスガイド、FAQなどが提供されています。 [[Category:Java]] [[Category:フレームワーク]]
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[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Google_Guava
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Google Guice
Google Guiceは、Javaプログラミング言語向けの軽量な依存性注入(DI)フレームワークです。依存性注入は、コンポーネント間の依存関係を解決し、コードの柔軟性、テスタビリティ、保守性を向上させるためのソフトウェア設計パターンの一つです。 Guiceを使用すると、Javaアプリケーションのオブジェクトやサービス間の依存関係を明示的に定義し、Guiceがそれらの依存関係を管理することができます。これにより、コードの耦合度を低減し、テストのしやすさやコードの再利用性を高めることができます。 Guiceは、アノテーションを使用して依存性の注入を行うことができるため、コードの可読性が向上します。また、Google Guiceは軽量でありながらパフォーマンスが良いため、多くのJava開発者に利用されています。 Google Guiceの主な特徴は次のとおりです: Google Guiceはこれらの特徴により、Javaアプリケーションの開発やメンテナンスを容易にし、柔軟性と保守性を向上させるのに役立ちます。 以下の手順は、基本的な依存性注入パターンを理解し、Guiceを使ったサンプルアプリケーションを作成するためのものです。 これで、基本的なGoogle Guiceの使い方がわかりました。このクイックツアーを基に、より複雑なアプリケーションを構築するための理解を深めることができます。 Guiceの公式ドキュメントやサンプルコードも参照すると、より詳細な情報を得ることができます。 Google Guiceのリソースは、公式ウェブサイトやGitHubリポジトリなどで利用できます。 以下は、主要なリソースのリンクです:
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Google Guiceは、Javaプログラミング言語向けの軽量な依存性注入(DI)フレームワークです。依存性注入は、コンポーネント間の依存関係を解決し、コードの柔軟性、テスタビリティ、保守性を向上させるためのソフトウェア設計パターンの一つです。 Guiceを使用すると、Javaアプリケーションのオブジェクトやサービス間の依存関係を明示的に定義し、Guiceがそれらの依存関係を管理することができます。これにより、コードの耦合度を低減し、テストのしやすさやコードの再利用性を高めることができます。 Guiceは、アノテーションを使用して依存性の注入を行うことができるため、コードの可読性が向上します。また、Google Guiceは軽量でありながらパフォーマンスが良いため、多くのJava開発者に利用されています。
{{Wikipedia}} Google Guiceは、Javaプログラミング言語向けの軽量な依存性注入(DI)フレームワークです。依存性注入は、コンポーネント間の依存関係を解決し、コードの柔軟性、テスタビリティ、保守性を向上させるためのソフトウェア設計パターンの一つです。 Guiceを使用すると、Javaアプリケーションのオブジェクトやサービス間の依存関係を明示的に定義し、Guiceがそれらの依存関係を管理することができます。これにより、コードの耦合度を低減し、テストのしやすさやコードの再利用性を高めることができます。 Guiceは、アノテーションを使用して依存性の注入を行うことができるため、コードの可読性が向上します。また、Google Guiceは軽量でありながらパフォーマンスが良いため、多くのJava開発者に利用されています。 == 特徴 == Google Guiceの主な特徴は次のとおりです: # '''軽量さ:''' Guiceは軽量なフレームワークであり、必要最小限の機能を提供します。これにより、アプリケーションのオーバーヘッドを最小限に抑えることができます。 # '''アノテーションベースの依存性注入:''' Guiceはアノテーションを使用して依存性の注入を行います。これにより、コードの可読性が向上し、依存性を明示的に定義することができます。 # '''自動バインディング:''' Guiceは、多くの場合、依存性のバインディングを自動的に行うことができます。つまり、特定の型やアノテーションを使用することで、Guiceが自動的に依存性を解決し、注入します。 # '''モジュールシステム:''' Guiceはモジュールという機能を提供し、依存関係のバインディングをグループ化することができます。これにより、アプリケーションの構成が容易になり、可読性が向上します。 # '''拡張性:''' Guiceは拡張可能なフレームワークであり、カスタムバインディングや拡張ポイントを提供します。これにより、特定のニーズに合わせてフレームワークを拡張することができます。 # '''テスタビリティの向上:''' Guiceを使用することで、コードのテストが容易になります。依存関係の注入を使用することで、モックやスタブを簡単に導入し、ユニットテストや統合テストを実行することができます。 Google Guiceはこれらの特徴により、Javaアプリケーションの開発やメンテナンスを容易にし、柔軟性と保守性を向上させるのに役立ちます。 == クイックツアー == 以下の手順は、基本的な依存性注入パターンを理解し、Guiceを使ったサンプルアプリケーションを作成するためのものです。 # '''Guiceの依存性の追加:''' #: MavenやGradleなどのビルドツールを使用して、プロジェクトにGuiceの依存性を追加します。 #:Mavenを使用する場合 #:;pom.xml:<syntaxhighlight lang=xml> <dependency> <groupId>com.google.inject</groupId> <artifactId>guice</artifactId> <version>4.2.3</version> <!-- 最新のバージョンを指定 --> </dependency> </syntaxhighlight> #:Gradleで GroovyDSLを使用する場合 #:;build.gradle:<syntaxhighlight lang=groovy> dependencies { implementation 'com.google.inject:guice:4.2.3' // 最新のバージョンを指定 } </syntaxhighlight> #:Gradleで KotlinDSLを使用する場合 #:;build.gradle.kts:<syntaxhighlight lang=kotlin> dependencies { implementation("com.google.inject:guice:4.2.3") // 最新のバージョンを指定 } </syntaxhighlight> # '''モジュールの作成:''' #: Guiceでは、依存性のバインディングをモジュールとして定義します。以下は簡単なモジュールの例です: #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.inject.AbstractModule; public class MyModule extends AbstractModule { @Override protected void configure() { bind(MyService.class).to(MyServiceImpl.class); } } </syntaxhighlight> #: この例では、<code>MyService</code> インターフェースが <code>MyServiceImpl</code> クラスにバインドされています。 # '''GuiceのInjectorの作成:''' #: Guiceの <code>Injector</code> クラスを使用して、依存性の注入を行います。モジュールを使って <code>Injector</code> を作成します: #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.inject.Guice; import com.google.inject.Injector; public class MyApp { public static void main(String[] args) { Injector injector = Guice.createInjector(new MyModule()); MyApplication myApp = injector.getInstance(MyApplication.class); myApp.run(); } } </syntaxhighlight> # '''クラスの依存性注入:''' #: 依存性を注入したいクラスで、<code>@Inject</code> アノテーションを使用してGuiceによる依存性注入を有効にします: #:<syntaxhighlight lang=java> import com.google.inject.Inject; public class MyApplication { private final MyService myService; @Inject public MyApplication(MyService myService) { this.myService = myService; } public void run() { // アプリケーションのロジックを実行 myService.doSomething(); } } </syntaxhighlight> #: <code>MyApplication</code> クラスのコンストラクタに <code>@Inject</code> アノテーションが付いており、これによりGuiceが依存性を解決して注入します。 これで、基本的なGoogle Guiceの使い方がわかりました。このクイックツアーを基に、より複雑なアプリケーションを構築するための理解を深めることができます。 Guiceの公式ドキュメントやサンプルコードも参照すると、より詳細な情報を得ることができます。 == リソース == Google Guiceのリソースは、公式ウェブサイトやGitHubリポジトリなどで利用できます。 以下は、主要なリソースのリンクです: # '''Google Guiceの公式ウェブサイト:''' #: https://github.com/google/guice #: ドキュメント、チュートリアル、サンプルコードなどが提供されています。新機能のリリースノートもここで確認できます。 # Google Guice Wiki #: https://github.com/google/guice/wiki #: Google GuiceのWikiページには、さまざまなトピックに関する情報が掲載されています。ドキュメントやベストプラクティスのガイドなどが含まれています。 [[Category:Java]] [[Category:フレームワーク]]
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[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Google_Guice
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Spring Framework
Spring Framework(スプリング フレームワーク)は、Javaプラットフォーム向けのオープンソースのアプリケーションフレームワークです。このフレームワークは、企業アプリケーションの開発において、様々な側面での機能を提供し、アプリケーションの設計、開発、テスト、デプロイメントなどのプロセスを簡素化します。Spring Frameworkは、複雑な企業レベルのアプリケーションの構築を容易にし、柔軟性、拡張性、保守性を向上させることを目的としています。 Spring Frameworkの主な特徴は以下の通りです: これらの特徴により、Spring Frameworkは企業レベルのJavaアプリケーション開発において広く利用されています。 Spring Frameworkの機能は、以下のように分類されます: これらの機能は、Spring Frameworkが提供する多様な用途や要件に対応するために設計されています。 開発者は必要に応じてこれらの機能を組み合わせて利用し、柔軟かつ効率的なアプリケーションを構築することができます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Spring Framework(スプリング フレームワーク)は、Javaプラットフォーム向けのオープンソースのアプリケーションフレームワークです。このフレームワークは、企業アプリケーションの開発において、様々な側面での機能を提供し、アプリケーションの設計、開発、テスト、デプロイメントなどのプロセスを簡素化します。Spring Frameworkは、複雑な企業レベルのアプリケーションの構築を容易にし、柔軟性、拡張性、保守性を向上させることを目的としています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Spring Frameworkの主な特徴は以下の通りです:", "title": "特徴" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "これらの特徴により、Spring Frameworkは企業レベルのJavaアプリケーション開発において広く利用されています。", "title": "特徴" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Spring Frameworkの機能は、以下のように分類されます:", "title": "機能分類" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "これらの機能は、Spring Frameworkが提供する多様な用途や要件に対応するために設計されています。 開発者は必要に応じてこれらの機能を組み合わせて利用し、柔軟かつ効率的なアプリケーションを構築することができます。", "title": "機能分類" } ]
Spring Frameworkは、Javaプラットフォーム向けのオープンソースのアプリケーションフレームワークです。このフレームワークは、企業アプリケーションの開発において、様々な側面での機能を提供し、アプリケーションの設計、開発、テスト、デプロイメントなどのプロセスを簡素化します。Spring Frameworkは、複雑な企業レベルのアプリケーションの構築を容易にし、柔軟性、拡張性、保守性を向上させることを目的としています。
{{Wikipedia}} Spring Framework(スプリング フレームワーク)は、Javaプラットフォーム向けのオープンソースのアプリケーションフレームワークです。このフレームワークは、企業アプリケーションの開発において、様々な側面での機能を提供し、アプリケーションの設計、開発、テスト、デプロイメントなどのプロセスを簡素化します。Spring Frameworkは、複雑な企業レベルのアプリケーションの構築を容易にし、柔軟性、拡張性、保守性を向上させることを目的としています。 == 特徴 == Spring Frameworkの主な特徴は以下の通りです: # '''軽量性(Lightweight):''' Spring Frameworkは、軽量でありながら強力な機能を提供します。必要最低限の依存関係を持ち、アプリケーションの実行に必要なリソースを最小限に抑えます。 # '''IoCコンテナとDI(Dependency Injection):''' SpringはIoCコンテナを提供し、DIをサポートします。これにより、アプリケーションのオブジェクトのライフサイクルと依存関係を管理しやすくします。 # '''AOP(Aspect-Oriented Programming)のサポート:''' SpringはAOPをサポートし、アプリケーションの横断的な関心事(cross-cutting concerns)を分離しやすくします。これにより、コードの再利用性や保守性が向上します。 # '''トランザクション管理:''' Springはトランザクション管理を簡素化し、データベーストランザクションやプログラムのトランザクション管理をサポートします。これにより、データベース操作の安全性と一貫性が確保されます。 # '''多様なモジュール:''' Spring Frameworkには、データアクセス、セキュリティ、Web開発など、様々な用途に特化したモジュールが用意されています。開発者は必要なモジュールを選択して組み合わせることができます。 # '''テスト容易性:''' Springのコンポーネントベースのアーキテクチャは、ユニットテストや統合テストを容易にします。DIを活用することで、依存関係をモックやスタブに置き換えることが簡単になります。 # '''サードパーティ製品との統合:''' Springは多くのサードパーティ製品やフレームワークとの統合をサポートしており、例えばHibernate、JPA、Spring Securityなどの様々なライブラリとの連携が容易です。 # '''コミュニティとサポート:''' Spring Frameworkは広範なコミュニティによってサポートされています。ドキュメント、チュートリアル、フォーラム、ユーザーグループなど、豊富な情報源が利用できます。 これらの特徴により、Spring Frameworkは企業レベルのJavaアプリケーション開発において広く利用されています。 == クイックツアー == # '''プロジェクトのセットアップ:''' #* MavenやGradleを使用して新しいSpringプロジェクトをセットアップします。依存関係には <code>spring-boot-starter</code> などのSpring Bootスターターを追加します。 # '''コンポーネントの作成:''' #* <code>@Component</code>、<code>@Service</code>、<code>@Repository</code>などのアノテーションを使用してSpringコンポーネントを作成します。これらのコンポーネントは自動的にSpringによって管理されます。 # '''DI(Dependency Injection):''' #* コンポーネント間の依存関係を解決するためにDIを使用します。<code>@Autowired</code>アノテーションを使用して、依存関係を注入します。 # '''IoCコンテナの活用:''' #* SpringのIoCコンテナを使用して、コンポーネントのライフサイクルを管理します。XMLやJavaConfigを使用して、コンポーネントの設定を行います。 # '''AOP(Aspect-Oriented Programming)の利用:''' #* AOPを使用して、クロスカット機能(logging、トランザクション管理など)を追加します。<code>@Aspect</code>アノテーションを使用してアスペクトを定義します。 # '''データアクセス:''' #* Spring DataやJDBC Templateを使用して、データベースアクセスを簡素化します。エンティティやリポジトリを定義し、Springが自動的にクエリを生成します。 # '''Webアプリケーション開発:''' #* Spring MVCやSpring WebFluxを使用して、Webアプリケーションを開発します。コントローラー、ビュー、サービスを作成して、リクエストとレスポンスを処理します。 # '''セキュリティの実装:''' #* Spring Securityを使用して、アプリケーションのセキュリティを強化します。ユーザー認証や認可を実装し、HTTPSを有効化します。 # '''テスト:''' #* JUnitやSpring Testを使用して、ユニットテストや統合テストを実装します。Spring Boot Testを使用して、アプリケーションの自動テストを行います。 == 機能分類 == Spring Frameworkの機能は、以下のように分類されます: # '''コア機能(Core Features):''' IoCコンテナとDI(Dependency Injection): コンポーネントのライフサイクルを管理し、依存関係の注入を提供します。 ## '''AOP(Aspect-Oriented Programming):''' 横断的な関心事(cross-cutting concerns)をモジュール化し、コードの再利用性と保守性を向上させます。 ## '''イベント処理とリスナー:''' イベントの発行とリスナーの登録をサポートし、アプリケーション内でのメッセージングを容易にします。 # '''データアクセス(Data Access):''' ## '''JDBC:''' JDBCテンプレートやNamedParameterJdbcTemplateなどを提供し、データベースへのアクセスを簡素化します。 ## '''ORM(Object-Relational Mapping):''' Spring Data JPAやSpring Data JDBC、HibernateなどのORMフレームワークとの統合をサポートします。 # '''Web開発(Web Development):''' ## '''Spring MVC:''' Webアプリケーションの開発を支援し、モデル、ビュー、コントローラーのパターンを提供します。 ## '''RESTful Webサービス:''' Spring BootやSpring WebFluxを使用してRESTfulなWebサービスを構築します。 # '''セキュリティ(Security):''' 認証と認可: ユーザー認証やロールベースのアクセス制御を実装します。 ## '''HTTPSの有効化:''' アプリケーションの通信を暗号化し、セキュリティを向上させます。 # '''テストとテストサポート(Testing and Testing Support):''' ## '''ユニットテスト:''' JUnitやTestNGを使用して、単体テストを実行します。 ## '''統合テスト:''' Spring Boot TestやSpring Testを使用して、アプリケーションの統合テストを実行します。 # '''バッチ処理(Batch Processing):''' ## '''Spring Batch:''' バッチ処理ジョブの作成と管理を支援し、大量のデータを処理します。 # '''メッセージング(Messaging):''' ## '''Spring Integration:''' メッセージ駆動型のアプリケーションの開発をサポートします。 ## '''Spring AMQP:''' Advanced Message Queuing Protocol(AMQP)を使用したメッセージングシステムの統合を提供します。 # '''タスク実行とスケジューリング(Task Execution and Scheduling):''' ## '''Spring Task:''' アプリケーション内のタスクの実行とスケジューリングを管理します。 これらの機能は、Spring Frameworkが提供する多様な用途や要件に対応するために設計されています。 開発者は必要に応じてこれらの機能を組み合わせて利用し、柔軟かつ効率的なアプリケーションを構築することができます。 == リソース == * 公式ドキュメント: https://spring.io/ [[Category:Java]] [[Category:フレームワーク]]
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[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Spring_Framework
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ウィキブックス・スクール/化学基礎
ウィキブックス・スクール/化学基礎へようこそ。こちらでは、高等学校化学基礎の内容を取り扱っています。詳しいことは講座内で説明を受けてください。こちらでは確認テストのみの指示といたします。 毎講座ごとにテストがあるのはどこもそうですが、合格点は90点とします。90点以上を取りましたら、次の講座へ進んでください。少々難しい問題も加えられています。 おそらく講座内でも指示があると思います。 なお当講座パッケージでは、難易度別の講座グループなどはありません。 以下が講座一覧になります。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ウィキブックス・スクール/化学基礎へようこそ。こちらでは、高等学校化学基礎の内容を取り扱っています。詳しいことは講座内で説明を受けてください。こちらでは確認テストのみの指示といたします。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "毎講座ごとにテストがあるのはどこもそうですが、合格点は90点とします。90点以上を取りましたら、次の講座へ進んでください。少々難しい問題も加えられています。", "title": "確認テストについて" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "おそらく講座内でも指示があると思います。", "title": "確認テストについて" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "なお当講座パッケージでは、難易度別の講座グループなどはありません。", "title": "確認テストについて" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "以下が講座一覧になります。", "title": "講座一覧" } ]
ウィキブックス・スクール/化学基礎へようこそ。こちらでは、高等学校化学基礎の内容を取り扱っています。詳しいことは講座内で説明を受けてください。こちらでは確認テストのみの指示といたします。
{{PAGENAME}}へようこそ。こちらでは、高等学校化学基礎の内容を取り扱っています。詳しいことは講座内で説明を受けてください。こちらでは確認テストのみの指示といたします。 == 確認テストについて == 毎講座ごとにテストがあるのはどこもそうですが、'''合格点は90点とします。'''90点以上を取りましたら、次の講座へ進んでください。少々難しい問題も加えられています。 おそらく講座内でも指示があると思います。 ---- なお当講座パッケージでは、難易度別の講座グループなどはありません。 == 講座一覧 == 以下が講座一覧になります。 *[[/0]] *[[/1]] *[[/2]] *[[/3]] *[[/4]] *[[/5]] *[[/6]] *[[/7]] *[[/8]] *[[/9]] {{デフォルトソート:ういきふつくすすくうる|かかくきそ}} [[Category:高等学校教育]] [[Category:ウィキブックス・スクール]] [[カテゴリ:高等学校化学]]
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%AD%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB/%E5%8C%96%E5%AD%A6%E5%9F%BA%E7%A4%8E
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Apache Maven
Maven(メイヴン)は、Javaプロジェクトのビルド、依存関係の管理、ドキュメントの作成などを自動化するためのツールです。Apache Mavenプロジェクトによって管理されており、プロジェクトの構造を標準化し、効率的なビルドプロセスを提供します。 Mavenは、プロジェクトの設定や依存関係をXMLフォーマットで記述したpom.xml(Project Object Model)ファイルに基づいて、ビルドを実行します。また、中央リポジトリなどのリポジトリから必要なライブラリやプラグインをダウンロードし、プロジェクトのビルドに必要なすべての依存関係を解決します。 Mavenを使用すると、プロジェクトのビルド、テスト、パッケージング、デプロイなどのタスクを簡単に自動化できます。さらに、Mavenはプロジェクトの構造やライフサイクルを明確に定義することで、開発者間の共通の理解を促進し、プロジェクトのメンテナンスを容易にします。 Mavenの特徴は以下のとおりです: これらの特徴により、MavenはJavaプロジェクトの効率的なビルド、依存関係管理、およびプロジェクト管理をサポートします。 Mavenのクイックツアーを以下に示します: これらのステップを実行することで、Mavenを使用してJavaプロジェクトを効率的にビルド、テスト、および管理することができます。 Mavenに関する公式なリソースは次の通りです:
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Maven(メイヴン)は、Javaプロジェクトのビルド、依存関係の管理、ドキュメントの作成などを自動化するためのツールです。Apache Mavenプロジェクトによって管理されており、プロジェクトの構造を標準化し、効率的なビルドプロセスを提供します。 Mavenは、プロジェクトの設定や依存関係をXMLフォーマットで記述したpom.xmlファイルに基づいて、ビルドを実行します。また、中央リポジトリなどのリポジトリから必要なライブラリやプラグインをダウンロードし、プロジェクトのビルドに必要なすべての依存関係を解決します。 Mavenを使用すると、プロジェクトのビルド、テスト、パッケージング、デプロイなどのタスクを簡単に自動化できます。さらに、Mavenはプロジェクトの構造やライフサイクルを明確に定義することで、開発者間の共通の理解を促進し、プロジェクトのメンテナンスを容易にします。
{{Wikipedia}} Maven(メイヴン)は、Javaプロジェクトのビルド、依存関係の管理、ドキュメントの作成などを自動化するためのツールです。Apache Mavenプロジェクトによって管理されており、プロジェクトの構造を標準化し、効率的なビルドプロセスを提供します。 Mavenは、プロジェクトの設定や依存関係をXMLフォーマットで記述した<code>pom.xml</code>(Project Object Model)ファイルに基づいて、ビルドを実行します。また、中央リポジトリなどのリポジトリから必要なライブラリやプラグインをダウンロードし、プロジェクトのビルドに必要なすべての依存関係を解決します。 Mavenを使用すると、プロジェクトのビルド、テスト、パッケージング、デプロイなどのタスクを簡単に自動化できます。さらに、Mavenはプロジェクトの構造やライフサイクルを明確に定義することで、開発者間の共通の理解を促進し、プロジェクトのメンテナンスを容易にします。 == 特徴 == Mavenの特徴は以下のとおりです: # 標準化されたプロジェクト構造: Mavenは、プロジェクトの構造やフォルダーの配置などを事前に定義された標準に従って構築します。これにより、プロジェクトの構造が統一され、開発者間でのコードの配置やライブラリの配置に関する混乱が減少します。 # 依存関係管理: Mavenは依存関係を効率的に管理します。プロジェクトが他のライブラリやフレームワークに依存している場合、Mavenは自動的にこれらの依存関係を解決し、必要なJARファイルをダウンロードします。 # 自動化されたビルド: Mavenはビルドプロセスを自動化します。<code>pom.xml</code>ファイルにビルド手順やリソースの場所などを定義することで、コマンドを1つ実行するだけで、プロジェクトのビルド、テスト、パッケージングなどを簡単に実行できます。 # プラグインの豊富なエコシステム: Mavenは豊富なプラグインエコシステムを提供しており、ビルドプロセスをカスタマイズしたり、特定のタスクを実行したりするための機能を拡張できます。たとえば、テストの実行、静的コード解析、デプロイメントなどの作業を簡単に追加できます。 # 中央リポジトリの利用: Mavenは中央リポジトリと呼ばれる中央のライブラリリポジトリから依存関係を解決します。このリポジトリには数多くのJavaライブラリやフレームワークが含まれており、必要な依存関係を迅速かつ容易に解決できます。 # プロジェクトのドキュメント化: Mavenはプロジェクトのドキュメントを生成するためのツールも提供します。JavaDocやサイトのドキュメント、リリースノートなどを自動的に生成することができます。 これらの特徴により、MavenはJavaプロジェクトの効率的なビルド、依存関係管理、およびプロジェクト管理をサポートします。 == クイックツアー == Mavenのクイックツアーを以下に示します: # Mavenのインストール: Mavenを利用するためには、まずMavenをインストールする必要があります。Mavenの公式ウェブサイト(<nowiki>https://maven.apache.org/)からMavenの最新バージョンをダウンロードして、インストール手順に従います。インストールが完了すると、`mvn`コマンドが利用可能になります。</nowiki> # 新しいプロジェクトの作成: Mavenを使用して新しいプロジェクトを作成するには、<code>mvn archetype:generate</code>コマンドを使用します。このコマンドを実行すると、インタラクティブなプロンプトが表示され、プロジェクトの構造やテンプレートを選択することができます。例えば、<code>mvn archetype:generate -DgroupId=com.example -DartifactId=my-project -DarchetypeArtifactId=maven-archetype-quickstart -DinteractiveMode=false</code>というコマンドを実行すると、<code>com.example</code>グループIDと<code>my-project</code>アーティファクトIDを持つ新しいJavaプロジェクトが作成されます。 # プロジェクトのビルド: 作成したプロジェクトのルートディレクトリに移動し、<code>mvn package</code>コマンドを実行してプロジェクトをビルドします。このコマンドは、プロジェクトのコンパイル、テスト、およびパッケージングを実行します。ビルドが成功すると、<code>target</code>ディレクトリにビルドされたJARファイルが生成されます。 # 依存関係の追加: プロジェクトが外部ライブラリやフレームワークに依存している場合、<code>pom.xml</code>ファイルに依存関係を追加します。依存関係は<code><dependencies></code>セクション内で定義され、groupId、artifactId、およびバージョンで指定されます。依存関係が追加されると、Mavenは自動的にこれらのライブラリをダウンロードしてプロジェクトに組み込みます。 # プロジェクトのテスト: MavenはJUnitなどのテストフレームワークをサポートしており、プロジェクトのテストを実行するための組み込みの機能を提供します。<code>mvn test</code>コマンドを使用して、プロジェクトのテストを実行します。これにより、<code>src/test/java</code>ディレクトリ内のテストクラスが実行され、テスト結果が出力されます。 # プロジェクトのドキュメント生成: Mavenはプロジェクトのドキュメントを生成するための機能も提供しています。<code>mvn site</code>コマンドを実行すると、プロジェクトのサイトドキュメントが生成され、<code>target/site</code>ディレクトリに保存されます。これには、JavaDocやプロジェクトの概要、ライセンス情報などが含まれます。 これらのステップを実行することで、Mavenを使用してJavaプロジェクトを効率的にビルド、テスト、および管理することができます。 == リソース == Mavenに関する公式なリソースは次の通りです: # Apache Maven公式ウェブサイト: Mavenの最新情報やダウンロード、ドキュメントなどを提供しています。公式ウェブサイトは以下のURLからアクセスできます: https://maven.apache.org/ # Mavenプロジェクトのドキュメント: Mavenのドキュメントは、様々なトピックにわたる詳細な情報を提供しています。プロジェクトのセットアップから基本的な使い方、高度な機能に至るまで、幅広いトピックを網羅しています。公式ドキュメントは以下のURLから利用できます: https://maven.apache.org/guides/index.html # MavenプロジェクトのGitHubリポジトリ: Mavenのソースコードや開発に関する情報は、GitHub上で公開されています。このリポジトリでは、バグレポートの提出や機能のリクエスト、最新の変更履歴などが確認できます。GitHubリポジトリは以下のURLからアクセスできます: https://github.com/apache/maven [[Category:Java]] [[Category:ビルドツール]]
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[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Apache_Maven
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Apache Ant
Apache Antは、Javaプログラミング言語向けのビルドツールの1つです。Apache Antは、プログラムのコンパイル、テスト、デプロイメントなどの作業を自動化するために使用されます。AntはXMLベースの構成ファイルを使用し、タスクと呼ばれる個々の操作を定義します。これにより、複雑なビルドプロセスを明示的に定義し、プログラマがビルドプロセスを柔軟に制御できるようになります。 Antは、Javaプログラムのビルドだけでなく、その他の作業にも使用できます。たとえば、ファイルのコピー、圧縮、アーカイブの作成、テストの実行など、多くの一般的なタスクを処理することができます。 Apache Antは、Java開発者にとって広く利用されており、オープンソースのプロジェクトとしてApacheソフトウェア財団によって管理されています。 Apache Antの特徴は以下のとおりです: これらの特徴により、Apache AntはJavaプロジェクトのビルドと自動化に広く使用されています。 Apache Antのクイックツアーは、Antを始める際に役立つ基本的な手順を示します。 これらのステップに従うことで、Apache Antを使用してプロジェクトのビルドプロセスを効率化し、自動化する準備が整います。 Apache Antに関する情報やリソースを入手するための主要なウェブサイトとリンクは以下の通りです: これらのリソースは、Apache Antを使用してプロジェクトを効率的にビルドし、自動化するための情報を提供しています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Apache Antは、Javaプログラミング言語向けのビルドツールの1つです。Apache Antは、プログラムのコンパイル、テスト、デプロイメントなどの作業を自動化するために使用されます。AntはXMLベースの構成ファイルを使用し、タスクと呼ばれる個々の操作を定義します。これにより、複雑なビルドプロセスを明示的に定義し、プログラマがビルドプロセスを柔軟に制御できるようになります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Antは、Javaプログラムのビルドだけでなく、その他の作業にも使用できます。たとえば、ファイルのコピー、圧縮、アーカイブの作成、テストの実行など、多くの一般的なタスクを処理することができます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Apache Antは、Java開発者にとって広く利用されており、オープンソースのプロジェクトとしてApacheソフトウェア財団によって管理されています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Apache Antの特徴は以下のとおりです:", "title": "特徴" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "これらの特徴により、Apache AntはJavaプロジェクトのビルドと自動化に広く使用されています。", "title": "特徴" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Apache Antのクイックツアーは、Antを始める際に役立つ基本的な手順を示します。", "title": "クイックツアー" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "これらのステップに従うことで、Apache Antを使用してプロジェクトのビルドプロセスを効率化し、自動化する準備が整います。", "title": "クイックツアー" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Apache Antに関する情報やリソースを入手するための主要なウェブサイトとリンクは以下の通りです:", "title": "リソース" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "これらのリソースは、Apache Antを使用してプロジェクトを効率的にビルドし、自動化するための情報を提供しています。", "title": "リソース" } ]
Apache Antは、Javaプログラミング言語向けのビルドツールの1つです。Apache Antは、プログラムのコンパイル、テスト、デプロイメントなどの作業を自動化するために使用されます。AntはXMLベースの構成ファイルを使用し、タスクと呼ばれる個々の操作を定義します。これにより、複雑なビルドプロセスを明示的に定義し、プログラマがビルドプロセスを柔軟に制御できるようになります。 Antは、Javaプログラムのビルドだけでなく、その他の作業にも使用できます。たとえば、ファイルのコピー、圧縮、アーカイブの作成、テストの実行など、多くの一般的なタスクを処理することができます。 Apache Antは、Java開発者にとって広く利用されており、オープンソースのプロジェクトとしてApacheソフトウェア財団によって管理されています。
{{Wikipedia}} Apache Antは、Javaプログラミング言語向けのビルドツールの1つです。Apache Antは、プログラムのコンパイル、テスト、デプロイメントなどの作業を自動化するために使用されます。AntはXMLベースの構成ファイルを使用し、タスクと呼ばれる個々の操作を定義します。これにより、複雑なビルドプロセスを明示的に定義し、プログラマがビルドプロセスを柔軟に制御できるようになります。 Antは、Javaプログラムのビルドだけでなく、その他の作業にも使用できます。たとえば、ファイルのコピー、圧縮、アーカイブの作成、テストの実行など、多くの一般的なタスクを処理することができます。 Apache Antは、Java開発者にとって広く利用されており、オープンソースのプロジェクトとしてApacheソフトウェア財団によって管理されています。 == 特徴 == Apache Antの特徴は以下のとおりです: # プラットフォーム非依存性: AntはJavaで書かれており、Javaプログラムをビルドするためのツールとして設計されています。そのため、Windows、Mac、Linuxなど、さまざまなプラットフォームで動作します。 # XMLベースの構成ファイル: AntのビルドプロセスはXML形式の構成ファイルに記述されます。このXMLファイルは人間にとって読みやすく、プロジェクトのビルドプロセスを明示的に定義することができます。 # 柔軟性と拡張性: Antは、ユーザーが独自のタスクを作成してビルドプロセスを拡張できるように設計されています。また、多くのプラグインが利用可能であり、これによりAntの機能を簡単に拡張することができます。 # 再利用可能なタスク: Antはタスクとして定義された個々の操作を実行するため、これらのタスクは繰り返し使用できます。これにより、ビルドプロセスの再利用性が高まります。 # 並列実行: Antは並列実行をサポートしており、複数のタスクを同時に実行することができます。これにより、ビルドプロセスの効率が向上します。 # コマンドラインインターフェース: Antはコマンドラインから実行できるため、CI/CDツールやスクリプトから簡単に呼び出すことができます。 # 豊富なビルドタスク: Antには、ファイルの操作、コンパイル、テスト、アーカイブの作成など、さまざまなビルドタスクが組み込まれています。 これらの特徴により、Apache AntはJavaプロジェクトのビルドと自動化に広く使用されています。 == クイックツアー == Apache Antのクイックツアーは、Antを始める際に役立つ基本的な手順を示します。 # Antのインストール: Apache Antをダウンロードしてインストールします。公式ウェブサイト( https://ant.apache.org/ )から入手できます。ダウンロードしたファイルを解凍し、適切な場所に配置します。 # 環境変数の設定: インストールしたAntのbinディレクトリへのパスを環境変数に追加します。これにより、コマンドラインからAntを実行できるようになります。 # プロジェクトの準備: Antでビルドするプロジェクトのディレクトリ構造を準備します。一般的に、ソースコードやリソースはsrcディレクトリに配置し、ビルドされたファイルはbuildディレクトリに出力します。 # ビルドファイルの作成: プロジェクトのルートディレクトリにbuild.xmlという名前のAntのビルドファイルを作成します。このファイルにビルドプロセスを記述します。 # ビルドターゲットの定義: build.xmlファイル内で、ビルドのターゲット(コンパイル、テスト、デプロイなど)を定義します。これらのターゲットは、Antが実行する作業を指定します。 # タスクの追加: ターゲット内で、Antのタスクを使用してビルドプロセスを構築します。これには、Javaコンパイル、ファイルのコピー、アーカイブの作成などが含まれます。 # ビルドの実行: コマンドラインでAntを呼び出し、特定のターゲットを実行します。たとえば、<code>ant compile</code>と入力してコンパイルを実行できます。 # ビルドのカスタマイズ: 必要に応じて、ビルドファイルをカスタマイズしてプロジェクトの要件に合わせます。Antは柔軟で拡張可能なツールであり、プロジェクトに合わせて調整できます。 これらのステップに従うことで、Apache Antを使用してプロジェクトのビルドプロセスを効率化し、自動化する準備が整います。 == リソース == Apache Antに関する情報やリソースを入手するための主要なウェブサイトとリンクは以下の通りです: # Apache Ant公式ウェブサイト: Apache Antの最新情報、ドキュメント、ダウンロードリンクなどを提供しています。 https://ant.apache.org/ # Apache Antドキュメント: Apache Antの公式ドキュメントには、ビルドファイルの作成方法、タスクリファレンス、チュートリアルなどが含まれています。 https://ant.apache.org/manual/ # Apache AntプロジェクトのGitHubリポジトリ: Apache Antのソースコードや最新の開発情報を入手できます。 https://github.com/apache/ant これらのリソースは、Apache Antを使用してプロジェクトを効率的にビルドし、自動化するための情報を提供しています。 [[Category:Java]] [[Category:ビルドツール]]
2024-02-05T01:16:53Z
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[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Apache_Ant
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Fortran/文字列操作
Modern Fortran has a wide range of facilities for handling string or text data but some of these language-defined facilities have not been widely implemented by the compiler developers. It should be remembered that Fortran is designed for scientific computing and is probably not a good choice for writing a new word processor. The main feature in Fortran that supports strings is the intrinsic data type character. A character literal constant can be delimited by either single or double quotes, and, where necessary, these can be escaped by using two consecutive single or double quotes. The concatenation operator is // (but this cannot be used to concatenate character entities of different KIND). Character scalar variables and arrays are allowed. Character variables have a sub-string notation to refer to and extract sub-strings. Example In the above example, the two character variables word1 and word2 are declared to have length 6 and 2 characters respectively. In character assignment operations, if the right hand side of the assignment is shorter than the left hand side, the remaining characters on the left hand side are filled with blanks. If the right hand side is longer than the left hand side, then the right hand side is truncated. In neither case is an error raised either by the compiler or at run time. character arrays and coarrays are permitted and can be declared and accessed in the same way as any other Fortran array. Where the array index and substring notations are to be combined, the array indices appear first and the substring expression appears second as illustrated in the final line of the following example: Unlike some programming languages, Fortran character data and variables do not require an explicit character to terminate a string. Also, unlike C-type languages, Fortran character data do not accommodate embedded and escaped control characters (e.g. /n) and all processing of output control is done via an extensive format sub-system. Internally, Fortran maintains a collating sequence for all the permitted characters. Non-printing characters may be included in the collating sequence. The collating sequence is not specified by the language standard but most vendors support either ASCII or EBCDIC. This collating sequence means that lexical comparisons can be performed to ascertain whether e.g. 'a'<'b', but the outcome is essentially vendor specific. Hence there is a difference between functions such as ichar and iachar that is described below. character can also have a kind, but this is vendor-specific. It can allow compilers to support unicode, or the Russian alphabet or Japanese characters etc. It is not necessary to specify the length or kind of a character variable. If a character variable is declared with neither, the result is a variable of default kind and one character long. A single number is to indicate length, and two numbers indicate length and kind in that order. It is generally much clearer, but slightly more verbose to be explicit, as shown in lines 6-8 of the following example. The compiler vendor has control over which kinds of character are supported and the integer values assigned to access the corresponding character sets. The intrinsic function selected_char_kind(name) returns the positive integer kind value of the character set with the corresponding name (e.g default, ascii, kanji, iso_10646 etc) but the only character set that must be supported is default, and if the name is not supported then -1 will be returned. Disappointingly, vendors generally have been slow to implement more than the default kind but gfortran, for instance, is a notable exception. Fortran has a fairly limited set of intrinsic functions to support character manipulation, searching and conversion. But the basic set is enough to construct some powerful features as required. There are some strange absences such as the ability to convert from lower-case to upper-case but this can be understood and forgiven since these concepts may not exist in many of the languages or character sets that may be represented by different character kinds. Functions such as size, lbound and ubound which apply to arrays of any data type, including character type, are not described here. achar(i, kind) returns the ith character in the ASCII collating sequence for the characters of the specified kind. The integer i must be in the range 0 < i < 127. Kind is an optional integer. If kind is not specified the default kind is assumed. achar(72) has the value 'H'. One really useful feature of achar is that it permits access to the non-printing ASCII characters such as return (achar(13)). achar will always return the ASCII character even if the processor's collating sequence is not ASCII. If kind is present, the kind parameter of the result is that specified by kind; otherwise, the kind parameter of the result is that of default character. If the processor cannot represent the result value in the kind of the result, the result is undefined. Using achar is highly recommended in preference to char, described below, because it is portable from one processor to another. adjustl(string) left justifies by removing leading (left) blanks from string and filling the right of string with blanks so that the result has the same length as the input string. adjustr(string) right justifies by removing trailing (right) blanks from string and filling the left of the string with blanks so that the result has the same length as the input string. char(i, kind) returns the ith character in the processor collating sequence for the characters of the specified kind. The integer i does not have to be in the range 0 < i < 127. Kind is an optional integer. If kind is not specified the default kind is assumed. If the processor cannot represent the result value in the kind of the result, the result is undefined. iachar(c, kind) is the inverse of achar described above. c is a single input character and iachar(c) returns the position of c in the ASCII character set as a default integer. Kind is an optional input integer and if kind is specified, it specifies the kind of the integer returned by iachar. ichar(c, kind) is the inverse of CHAR described above. c is a single input character and ichar(c) returns the position of c in the selected character set as a default integer. Kind is an optional input integer and if kind is specified, it specifies the kind of the integer returned by ichar. index(string, substring) returns a default integer representing the position of the first instance of substring in string searching from left to right. There are two optional arguments: back and kind. If the logical back is set true the search is conducted from right to left, and if the integer kind is specified, then the integer returned by index will be of that kind. If substring does not appear in string the result is 0. len(c, kind) returns an integer representing the declared length of character c. This can be extremely useful in subprograms which receive character dummy arguments. c can be a character array. Kind is an optional integer which controls the kind of the integer returned by len. len_trimc, kind) returns the length of c excluding any trailing blanks (but including leading blanks). If c is only blanks the result is 0. Hence expressions like len_trim(adjustl(c)) can be used to count the number of characters in c between the first and last non-blank characters. Kind is an optional integer which controls the kind of the integer returned by len_trim. new_line(c) is a character function that returns the new line character for the current processor. The kind of the returned character will be the same as the kind of c. A blank character may be returned if the character kind from which c is drawn does not contain a relevant newline character. This function is not likely to be used except in some very specific circumstances. repeat(string, ncopies) concatenates integer ncopies of the string. Hence repeat('=',72) is a string of 72 equals signs. String must be scalar but can be of any length. Trailing blanks in string are included in the result. scan(string, set, back, kind) returns a default integer (or an integer of the optional kind) that represents the first position that any character in set appears in string. To search right to left, the optional logical back must be set true. string can be an array in which case, the result in an integer array. If string is an array then set can be an array of the same size and shape as string and each element of set is scanned for in the corresponding element of string. index, described above, is a special case of scan, because every character of set must be found and in the order of the characters in set. selected_char_kind(name) is an integer function that returns the kind value of the character set named. The only set that must be supported by the language standard is name='DEFAULT'. If name is not supported the result is -1. trim(string) is a character valued function that returns a string with the trailing blanks removed. If string is all blanks the result has zero length. verify(string, set, back, kind) is an integer function that returns the position of the first character in string that is not in set. So verify is roughly the obverse of scan. In verify back and kind are both optional and have the same role as described in scan above. If every character in string is also in set (or string has zero length), then the function returns 0. Fortran does not have any language-defined regex or sorting capability for character data. Fortran does not have a language-defined text tokenizer but, with a little ingenuity, list directed input can provide a partial solution. However, there are Fortran libraries that wrap C regex libraries. read for character data can be list-directed or formated using the "a" or "an" forms of this edit descriptor. In the "a" form, the width is taken from the width of the corresponding item in the list. In the "an" form, the integer n specifies the number of characters to transfer. The general edit description "gn" can also be used. Example The a and g edit descriptors exist for write as described above. The "a" form will write the whole character variable including all the trailing blanks so it is common to use trim or adjustl or both. Example Fortran has many hidden secrets and one of the most useful is that read and write statements can be used on character variables as if they were files. Hence the otherwise mystifying lack of functions to convert numbers to strings and vice versa. The character variable is treated as an 'internal file' Example In addition to type conversion, this internal read/write can be used as a very flexible and bullet proof method of reading files where the contents may be of uncertain format. The external file is read line by line into a character variable, scan and verify can be used on the line to determine what is present and then an internal file read is done on the character variable to convert to real, integer, complex etc as appropriate. The size of character scalar data can be deferred (or "allocatable") and therefore free from being required to be declared of a specific length. The resulting scalar can then be formally allocated, or it can be automatically allocated as shown in the following example. Example It is even possible to declare an array of assumed length elements, as illustrated below. Example However, this feature should be used carefully and some restrictions apply It is frequently the case that a procedure may be written with a character dummy argument where the length of that argument is not known in advance. Modern Fortran allows dummy arguments to be declared with assumed length using len=*. Functions of type character can be written so that the result assumed a length related to the length of the dummy arguments. Example In the above example, the character variable temp is declared to have 5 more characters than string, no matter how long the actual argument is. In the next example, a function return a string, the length of which is related to the length of one or more arguments. Example In circumstances where the character function has to return a string and the length of this string is not simply related to the inputs, the assumed length, allocatable form described above can be used, and is illustrated in the case conversion examples below. character parameters can be declared without explicitly stating the length, for example; Here are some further examples of the ideas above, but directed to the case conversion for languages where case conversion as a concept exists. In the first example, the ASCII character set functions iachar and achar are used to check each character in a string consecutively. Example An alternative approach that does not rely on the ASCII representation function could be as follows: Example Which routine is quicker will depend on the relative speed of the index and iachar intrinsics. In one less than very scientific test, the first method above seemed to be slightly more than twice as fast as the second method, but this will vary from vendor to vendor.
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Modern Fortran has a wide range of facilities for handling string or text data but some of these language-defined facilities have not been widely implemented by the compiler developers. It should be remembered that Fortran is designed for scientific computing and is probably not a good choice for writing a new word processor.", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "The main feature in Fortran that supports strings is the intrinsic data type character. A character literal constant can be delimited by either single or double quotes, and, where necessary, these can be escaped by using two consecutive single or double quotes. The concatenation operator is // (but this cannot be used to concatenate character entities of different KIND). Character scalar variables and arrays are allowed. Character variables have a sub-string notation to refer to and extract sub-strings.", "title": "Character type" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Example", "title": "Character type" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "In the above example, the two character variables word1 and word2 are declared to have length 6 and 2 characters respectively.", "title": "Character type" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "In character assignment operations, if the right hand side of the assignment is shorter than the left hand side, the remaining characters on the left hand side are filled with blanks. If the right hand side is longer than the left hand side, then the right hand side is truncated. In neither case is an error raised either by the compiler or at run time.", "title": "Character type" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "character arrays and coarrays are permitted and can be declared and accessed in the same way as any other Fortran array. Where the array index and substring notations are to be combined, the array indices appear first and the substring expression appears second as illustrated in the final line of the following example:", "title": "Character type" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Unlike some programming languages, Fortran character data and variables do not require an explicit character to terminate a string. Also, unlike C-type languages, Fortran character data do not accommodate embedded and escaped control characters (e.g. /n) and all processing of output control is done via an extensive format sub-system.", "title": "Character type" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Internally, Fortran maintains a collating sequence for all the permitted characters. Non-printing characters may be included in the collating sequence. The collating sequence is not specified by the language standard but most vendors support either ASCII or EBCDIC. This collating sequence means that lexical comparisons can be performed to ascertain whether e.g. 'a'<'b', but the outcome is essentially vendor specific. Hence there is a difference between functions such as ichar and iachar that is described below.", "title": "Character collating sequence" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "character can also have a kind, but this is vendor-specific. It can allow compilers to support unicode, or the Russian alphabet or Japanese characters etc. It is not necessary to specify the length or kind of a character variable. If a character variable is declared with neither, the result is a variable of default kind and one character long. A single number is to indicate length, and two numbers indicate length and kind in that order. It is generally much clearer, but slightly more verbose to be explicit, as shown in lines 6-8 of the following example. The compiler vendor has control over which kinds of character are supported and the integer values assigned to access the corresponding character sets.", "title": "Character kind" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "The intrinsic function selected_char_kind(name) returns the positive integer kind value of the character set with the corresponding name (e.g default, ascii, kanji, iso_10646 etc) but the only character set that must be supported is default, and if the name is not supported then -1 will be returned. Disappointingly, vendors generally have been slow to implement more than the default kind but gfortran, for instance, is a notable exception.", "title": "Character kind" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "Fortran has a fairly limited set of intrinsic functions to support character manipulation, searching and conversion. But the basic set is enough to construct some powerful features as required. There are some strange absences such as the ability to convert from lower-case to upper-case but this can be understood and forgiven since these concepts may not exist in many of the languages or character sets that may be represented by different character kinds. Functions such as size, lbound and ubound which apply to arrays of any data type, including character type, are not described here.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "achar(i, kind) returns the ith character in the ASCII collating sequence for the characters of the specified kind. The integer i must be in the range 0 < i < 127. Kind is an optional integer. If kind is not specified the default kind is assumed. achar(72) has the value 'H'. One really useful feature of achar is that it permits access to the non-printing ASCII characters such as return (achar(13)). achar will always return the ASCII character even if the processor's collating sequence is not ASCII. If kind is present, the kind parameter of the result is that specified by kind; otherwise, the kind parameter of the result is that of default character. If the processor cannot represent the result value in the kind of the result, the result is undefined. Using achar is highly recommended in preference to char, described below, because it is portable from one processor to another.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "adjustl(string) left justifies by removing leading (left) blanks from string and filling the right of string with blanks so that the result has the same length as the input string.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "adjustr(string) right justifies by removing trailing (right) blanks from string and filling the left of the string with blanks so that the result has the same length as the input string.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "char(i, kind) returns the ith character in the processor collating sequence for the characters of the specified kind. The integer i does not have to be in the range 0 < i < 127. Kind is an optional integer. If kind is not specified the default kind is assumed. If the processor cannot represent the result value in the kind of the result, the result is undefined.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "iachar(c, kind) is the inverse of achar described above. c is a single input character and iachar(c) returns the position of c in the ASCII character set as a default integer. Kind is an optional input integer and if kind is specified, it specifies the kind of the integer returned by iachar.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "ichar(c, kind) is the inverse of CHAR described above. c is a single input character and ichar(c) returns the position of c in the selected character set as a default integer. Kind is an optional input integer and if kind is specified, it specifies the kind of the integer returned by ichar.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "index(string, substring) returns a default integer representing the position of the first instance of substring in string searching from left to right. There are two optional arguments: back and kind. If the logical back is set true the search is conducted from right to left, and if the integer kind is specified, then the integer returned by index will be of that kind. If substring does not appear in string the result is 0.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "len(c, kind) returns an integer representing the declared length of character c. This can be extremely useful in subprograms which receive character dummy arguments. c can be a character array. Kind is an optional integer which controls the kind of the integer returned by len.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "len_trimc, kind) returns the length of c excluding any trailing blanks (but including leading blanks). If c is only blanks the result is 0. Hence expressions like len_trim(adjustl(c)) can be used to count the number of characters in c between the first and last non-blank characters. Kind is an optional integer which controls the kind of the integer returned by len_trim.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "new_line(c) is a character function that returns the new line character for the current processor. The kind of the returned character will be the same as the kind of c. A blank character may be returned if the character kind from which c is drawn does not contain a relevant newline character. This function is not likely to be used except in some very specific circumstances.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "repeat(string, ncopies) concatenates integer ncopies of the string. Hence repeat('=',72) is a string of 72 equals signs. String must be scalar but can be of any length. Trailing blanks in string are included in the result.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "scan(string, set, back, kind) returns a default integer (or an integer of the optional kind) that represents the first position that any character in set appears in string. To search right to left, the optional logical back must be set true. string can be an array in which case, the result in an integer array. If string is an array then set can be an array of the same size and shape as string and each element of set is scanned for in the corresponding element of string. index, described above, is a special case of scan, because every character of set must be found and in the order of the characters in set.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "selected_char_kind(name) is an integer function that returns the kind value of the character set named. The only set that must be supported by the language standard is name='DEFAULT'. If name is not supported the result is -1.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "trim(string) is a character valued function that returns a string with the trailing blanks removed. If string is all blanks the result has zero length.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "verify(string, set, back, kind) is an integer function that returns the position of the first character in string that is not in set. So verify is roughly the obverse of scan. In verify back and kind are both optional and have the same role as described in scan above. If every character in string is also in set (or string has zero length), then the function returns 0.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "Fortran does not have any language-defined regex or sorting capability for character data. Fortran does not have a language-defined text tokenizer but, with a little ingenuity, list directed input can provide a partial solution. However, there are Fortran libraries that wrap C regex libraries.", "title": "Language-defined Intrinsic Functions and Subprograms" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "read for character data can be list-directed or formated using the \"a\" or \"an\" forms of this edit descriptor. In the \"a\" form, the width is taken from the width of the corresponding item in the list. In the \"an\" form, the integer n specifies the number of characters to transfer. The general edit description \"gn\" can also be used.", "title": "I/O of character data" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "Example", "title": "I/O of character data" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "The a and g edit descriptors exist for write as described above. The \"a\" form will write the whole character variable including all the trailing blanks so it is common to use trim or adjustl or both.", "title": "I/O of character data" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "Example", "title": "I/O of character data" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "Fortran has many hidden secrets and one of the most useful is that read and write statements can be used on character variables as if they were files. Hence the otherwise mystifying lack of functions to convert numbers to strings and vice versa. The character variable is treated as an 'internal file'", "title": "I/O of character data" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "Example", "title": "I/O of character data" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "In addition to type conversion, this internal read/write can be used as a very flexible and bullet proof method of reading files where the contents may be of uncertain format. The external file is read line by line into a character variable, scan and verify can be used on the line to determine what is present and then an internal file read is done on the character variable to convert to real, integer, complex etc as appropriate.", "title": "I/O of character data" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "The size of character scalar data can be deferred (or \"allocatable\") and therefore free from being required to be declared of a specific length. The resulting scalar can then be formally allocated, or it can be automatically allocated as shown in the following example.", "title": "Recent Extensions" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "Example", "title": "Recent Extensions" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "It is even possible to declare an array of assumed length elements, as illustrated below.", "title": "Recent Extensions" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "Example", "title": "Recent Extensions" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "However, this feature should be used carefully and some restrictions apply", "title": "Recent Extensions" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "It is frequently the case that a procedure may be written with a character dummy argument where the length of that argument is not known in advance. Modern Fortran allows dummy arguments to be declared with assumed length using len=*. Functions of type character can be written so that the result assumed a length related to the length of the dummy arguments.", "title": "Actual/Dummy arguments of type character" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "Example", "title": "Actual/Dummy arguments of type character" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "In the above example, the character variable temp is declared to have 5 more characters than string, no matter how long the actual argument is. In the next example, a function return a string, the length of which is related to the length of one or more arguments.", "title": "Actual/Dummy arguments of type character" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "Example", "title": "Actual/Dummy arguments of type character" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "In circumstances where the character function has to return a string and the length of this string is not simply related to the inputs, the assumed length, allocatable form described above can be used, and is illustrated in the case conversion examples below.", "title": "Actual/Dummy arguments of type character" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "character parameters can be declared without explicitly stating the length, for example;", "title": "character parameters" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "Here are some further examples of the ideas above, but directed to the case conversion for languages where case conversion as a concept exists. In the first example, the ASCII character set functions iachar and achar are used to check each character in a string consecutively.", "title": "Approaches to Case Conversion" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "Example", "title": "Approaches to Case Conversion" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "An alternative approach that does not rely on the ASCII representation function could be as follows:", "title": "Approaches to Case Conversion" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "Example", "title": "Approaches to Case Conversion" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "Which routine is quicker will depend on the relative speed of the index and iachar intrinsics. In one less than very scientific test, the first method above seemed to be slightly more than twice as fast as the second method, but this will vary from vendor to vendor.", "title": "Approaches to Case Conversion" } ]
Modern Fortran has a wide range of facilities for handling string or text data but some of these language-defined facilities have not been widely implemented by the compiler developers. It should be remembered that Fortran is designed for scientific computing and is probably not a good choice for writing a new word processor.
{{nav}} {{Wikipedia|Fortran}} モダンなFortranには、文字列やテキストデータを扱うためのさまざまな機能がありますが、これらの言語定義の機能のいくつかはコンパイラ開発者によって広く実装されていません。Fortranは科学計算用に設計されているため、新しいワードプロセッサを書くのには適していないことを覚えておく必要があります。 == 文字型 == 文字列をサポートするFortranの主要な機能は、組み込みデータ型<code>character</code>です。文字定数はシングルクォートまたはダブルクォートで囲まれることができ、必要に応じて連続した2つのシングルクォートまたはダブルクォートを使用してエスケープすることができます。文字列の連結演算子は<code>//</code>です(ただし、異なるKINDの文字エンティティを連結することはできません)。文字スカラー変数や配列が許可されており、文字変数にはサブ文字列を参照して抽出するためのサブ文字列表記があります。 例: :<syntaxhighlight lang=fortran> program string_1 implicit none ! 宣言 character (len=6) :: word1 character (len=2) :: word2 word1 = "abcdef" ! 代入 word2 = word1(5:6) ! サブストリング word1 = 'Don''t ' ! ダブルクォートでエスケープ write (*,*) word2//word1 ! 連結 end program string_1 </syntaxhighlight> 上記の例では、2つの<code>character</code>変数<code>word1</code>と<code>word2</code>がそれぞれ長さ6と2の文字列として宣言されています。 <code>character</code>の代入操作では、代入文の右辺が左辺よりも短い場合、左辺の残りの文字は空白で埋められます。右辺が左辺よりも長い場合、右辺は切り捨てられます。どちらの場合も、コンパイラや実行時にエラーが発生することはありません。 <code>character</code>配列や共配列も許可されており、他のFortran配列と同じように宣言およびアクセスすることができます。配列のインデックスとサブ文字列表記を組み合わせる場合、配列のインデックスが最初に現れ、サブ文字列式が2番目に現れます。次の例の最後の行に示されているように。 :<syntaxhighlight lang=fortran> character (len=120), dimension (10) :: text text(1) = 'This is the first element of the array "text"' text(2:3) = ' ' ! Elements 2 and 3 are blank. text(4)(20:20) = '!' ! Character 20 of element 4. </syntaxhighlight> いくつかのプログラミング言語とは異なり、Fortranの<code>character</code>データと変数には文字列を終了する明示的な文字が必要ありません。また、C型言語とは異なり、Fortranの<code>character</code>データは埋め込みおよびエスケープされた制御文字(たとえば/n)を収容せず、出力制御のすべての処理は幅広い<code>format</code>サブシステムを介して行われます。 == 文字のコレーティングシーケンス == 内部的に、Fortranは許可されているすべての文字のコレーティングシーケンスを維持します。非表示文字をコレーティングシーケンスに含めることができます。コレーティングシーケンスは言語規格で指定されていませんが、ほとんどのベンダーはASCIIまたはEBCDICをサポートしています。このコレーティングシーケンスにより、例えば<code>'a'<'b'</code>などのレクシカル比較が行われ、文字'a'が文字'b'より前にあるかどうかが判断されますが、結果は基本的にベンダー固有です。したがって、<code>ichar</code>や<code>iachar</code>などの関数には以下で説明されているような違いがあります。 == 文字の種類 == <code>character</code>には<code>kind</code>もありますが、これはベンダー固有です。コンパイラがunicodeやロシア語アルファベット、日本語の文字などをサポートできるようにします。文字変数の長さや種類を指定する必要はありません。文字変数が長さや種類の指定なしで宣言された場合、結果はデフォルトの種類で1文字の変数になります。長さを示すためには単一の数字を使用し、長さと種類を示す場合はその順序で2つの数字を使用します。明示的に示すことがより明確ですが、少し冗長になります。次の例の6-8行に示されているように。コンパイラベンダーは、サポートされる文字の種類と、対応する文字セットへのアクセスに割り当てられる整数値を制御します。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program string_2 implicit none character :: one character (5) :: english_name character (5,2) :: japanese_name character (len=80) :: line character (len=120, kind=3) :: unicode_line character (kind=4, len=256) :: ebcdic_string !... end program string_2 </syntaxhighlight> 組み込み関数<code>selected_char_kind(name)</code>は、指定された名前の文字セットの正の整数の種類値を返します(例: デフォルト、ascii、kanji、iso_10646など)、しかし、サポートされる必要がある唯一のセットは<code>default</code>であり、名前がサポートされていない場合は-1が返されます。残念ながら、ベンダーは一般にデフォルトの種類以上を実装するのに時間がかかることがありますが、例外的にgfortranなどがあります。 == 言語定義の組み込み関数とサブプログラム == Fortranには文字列操作、検索、変換をサポートする比較的限られた組み込み関数があります。ただし、必要に応じていくつかの強力な機能を構築するのに十分な基本的なセットがあります。小文字を大文字に変換する能力など、いくつかの奇妙な不足がありますが、これはこれらの概念が異なる<code>character</code>の種類で表される可能性がある多くの言語や文字セットに存在しないかもしれないため理解され、許容されます。配列のサイズを取得する<code>size</code>、下限を取得する<code>lbound</code>、上限を取得する<code>ubound</code>など、すべてのデータ型の配列に適用される関数はここでは説明されていません。 === achar === <code>achar(i, kind)</code>は、指定された種類の文字のASCIIコレーティングシーケンスでi番目の文字を返します。整数<code>i</code>は0 < i < 127の範囲内でなければなりません。Kindはオプションの整数です。Kindが指定されていない場合、デフォルトの種類が想定されます。 <code>achar(72)</code>は値'H'を持ちます。 <code>achar</code>の非常に便利な機能の1つは、改行(<code>achar(13)</code>)などの非表示のASCII文字へのアクセスを許可することです。 <code>achar</code>は常にASCII文字を返しますが、プロセッサのコレーティングシーケンスがASCIIでない場合でもです。Kindが存在する場合、結果の種類パラメータはkindで指定されたものになります。そうでない場合、結果の種類パラメータはデフォルトの文字の種類です。プロセッサが結果の値を結果の種類の種類で表現できない場合、結果は未定義です。<code>achar</code>を使用することは、後述の<code>char</code>よりもポータブルであるため、強く推奨されます。 === adjustl === <code>adjustl(string)</code>は、stringから先頭の(左側の)空白を削除し、stringの右側に空白を追加して、結果が入力文字列と同じ長さになるように左揃えします。 === adjustr === <code>adjustr(string)</code>は、stringから末尾(右側)の空白を削除し、stringの左側に空白を追加して、結果が入力文字列と同じ長さになるように右揃えします。 === char === <code>char(i, kind)</code>は、指定された種類の文字のプロセッサコレーティングシーケンスでi番目の文字を返します。整数<code>i</code>は0 < i < 127の範囲内である必要はありません。Kindはオプションの整数です。Kindが指定されていない場合、デフォルトの種類が想定されます。プロセッサが結果の値を結果の種類の種類で表現できない場合、結果は未定義です。 === iachar === <code>iachar(c, kind)</code>は、上記で説明した<code>achar</code>の逆です。cは単一の入力文字で、<code>iachar(c)</code>はデフォルトの整数としてASCII文字セット内のcの位置を返します。Kindはオプションの入力整数であり、kindが指定されている場合、<code>iachar</code>によって返される整数の種類が指定されます。 === ichar === <code>ichar(c, kind)</code>は、上記で説明したCHARの逆です。cは単一の入力文字で、<code>ichar(c)</code>は選択された文字セット内のcの位置をデフォルトの整数として返します。Kindはオプションの入力整数であり、kindが指定されている場合、<code>ichar</code>によって返される整数の種類が指定されます。 === index === <code>index(string, substring)</code>は、string内のsubstringの最初のインスタンスの位置を表すデフォルトの整数を返します。左から右に検索します。バックとkindの2つのオプション引数があります。論理的なbackがtrueに設定されている場合、検索は右から左に行われ、整数kindが指定されている場合、<code>index</code>によって返される整数はその種類になります。substringがstringに現れない場合、結果は0になります。 === len === <code>len(c, kind)</code>は、文字cの宣言された長さを表す整数を返します。これは、文字ダミー引数を受け取るサブプログラムで非常に役立ちます。 <code>c</code>は文字配列にすることができます。Kindはオプションの整数であり、<code>len</code>によって返される整数の種類を制御します。 === len_trim === <code>len_trim(c, kind)</code>は、cの末尾の空白を除いた長さを返します(先頭の空白は含まれます)。cがすべての空白の場合、結果は0になります。したがって、<code>len_trim(adjustl(c))</code>のような式は、cの先頭と最後の非空白文字の間の文字数を数えるために使用できます。Kindはオプションの整数であり、<code>len_trim</code>によって返される整数の種類を制御します。 === new_line === <code>new_line(c)</code>は、現在のプロセッサの改行文字を返す文字関数です。返される文字の種類は<code>c</code>の種類と同じになります。関連する改行文字が含まれていない場合、空白文字が返される場合があります。この関数は、非常に特定の状況でのみ使用される可能性があります。 === repeat === <code>repeat(string, ncopies)</code>は、文字列の整数ncopiesを連結します。したがって、<code>repeat('=',72)</code>は72個の等号の文字列です。Stringはスカラーでなければなりませんが、任意の長さにすることができます。文字列の末尾の空白が結果に含まれます。 === scan === <code>scan(string, set, back, kind)</code>は、文字列内のセットのいずれかの文字が最初に現れる位置を表すデフォルトの整数(またはオプションの種類の整数)を返します。右から左に検索するには、オプションの論理バックをtrueに設定する必要があります。stringは配列であり、その場合、結果は整数配列です。stringが配列の場合、setはstringと同じサイズおよび形状の配列であることができ、setの各要素がstringの対応する要素で検索されます。上記で説明した<code>index</code>は、セット内のすべての文字がセット内の文字の順序で見つかり、セット内の文字の順序で見つかるため、<code>scan</code>の特別な場合です。 === selected_char_kind === <code>selected_char_kind(name)</code>は、指定された名前の文字セットの種類値を返す整数関数です。言語標準でサポートされているセットは<code>name='DEFAULT'</code>だけです。名前がサポートされていない場合、結果は-1になります。 === trim === <code>trim(string)</code>は、末尾の空白が除去された文字列を返す文字型の関数です。stringがすべて空白の場合、結果の長さはゼロになります。 === verify === <code>verify(string, set, back, kind)</code>は、文字列内のセットに含まれない最初の文字の位置を表す整数関数です。したがって、<code>verify</code>は<code>scan</code>の逆の動作です。 <code>verify</code>では、backとkindの両方がオプションであり、<code>scan</code>で説明したのと同じ役割を果たします。文字列のすべての文字がセットにも含まれている場合、結果は0になります。stringが配列の場合、setも配列である必要があります。 === 正規表現 === Fortranには文字データ用の言語定義の正規表現やソート機能はありません。Fortranには言語定義のテキストトークナイザーもありませんが、少しの工夫で、リスト指向の入力が部分的な解決策を提供できます。ただし、Cの正規表現ライブラリをラップしたFortranのライブラリがあります。 == 文字データの入出力 == === 書式付き読み込み === 文字データの<code>read</code>はリスト指向または "a" または "an" の形式の編集記述子を使用してフォーマットすることができます。 "a" 形式では、幅はリストの対応する項目の幅から取得されます。 "an" 形式では、整数nが転送する文字数を指定します。一般的な編集記述子 "gn" も使用できます。 ;例:<syntaxhighlight lang=fortran> character (120) :: line open (10,"test.dat") read (10,'(a)') line ! 120文字までの行をlineに読み込む read (10,'(a5)') line(115:) ! 5文字を読み込んで、lineの末尾に配置する </syntaxhighlight> === 書式付き書き込み === <code>write</code>用のaおよびg編集記述子は上記のように説明されています。 "a" 形式では、末尾のすべての空白を含む文字列全体が書き込まれるため、<code>trim</code>または<code>adjustl</code>またはその両方を使用するのが一般的です。 ;例:<syntaxhighlight lang=fortran> character (len=512) :: line !... write (10,'(a)') trim(adjustl(line)) </syntaxhighlight> === 内部読み込みおよび書き込み === Fortranには多くの隠れた秘密があり、そのうちの1つは、文字変数をファイルのように扱い、<code>read</code>および<code>write</code>ステートメントを使用できるということです。したがって、数値を文字列に変換するための関数などがないことも説明できます。文字変数は '内部ファイル' として扱われます。 ;例:<syntaxhighlight lang=fortran> character (120) :: text_in, text_out integer :: i real :: x !... write (text_in,'(A,I0)') 'i = ', i ! フォーマット指定 !... read (text_out,*) x ! リスト指向 </syntaxhighlight> この内部読み取り/書き込みは型変換に加えて、内容が曖昧な形式のファイルを読み取るための非常に柔軟で確実な方法として使用できます。外部ファイルは文字列変数に行ごとに読み込まれ、行に<code>scan</code>および<code>verify</code>を使用して存在する内容を判断し、次に文字列変数に対して内部ファイル読み込みが行われ、適切な<code>real</code>、<code>integer</code>、<code>complex</code>などに変換されます。 == 最近の拡張 == === character(:), allocatable === スカラー文字データのサイズを遅延(または "allocatable" )にすることができ、したがって特定の長さで宣言する必要がなくなります。結果として得られるスカラーは、明示的に割り当てることも、次の例に示すように自動的に割り当てることもできます。 ;例:<syntaxhighlight lang=fortran> character (:), allocatable :: string !... string = 'abcdef' !... string = '1234567890' !... string = trim(line) !... </syntaxhighlight> 以下のように、仮定される長さの要素の配列を宣言することもできます。 ;例:<syntaxhighlight lang=fortran> character (:), dimension (:), allocatable :: strings </syntaxhighlight> ただし、この機能は慎重に使用する必要があり、いくつかの制限が適用されます。 == 実引数/仮引数の文字のタイプ == ロシージャが、その引数の長さが事前にわからない文字ダミー引数を持つ場合がよくあります。Modern Fortranでは、ダミー引数を<code>len=*</code>を使用して仮定された長さで宣言することができます。文字タイプの関数は、結果がダミー引数の長さに関連付けられる長さを仮定するように書くことができます。 ;例:<syntaxhighlight lang=fortran> call this('Hello') call this('Goodbye') !... subroutine this(string) implicit none character (len=*), intent (in) :: string character (len=len(string)+5) :: temp !... end subroutine </syntaxhighlight> 上記の例では、<code>character</code>変数<code>temp</code>は、実際の引数の長さに関係なく、5つの文字よりも長く宣言されています。次の例では、文字列を返す関数があり、この文字列の長さは、1つまたは複数の引数の長さに関連付けられています。 ;例:<syntaxhighlight lang=fortran> string = that('thing', 7) !... function that(in_string, n) result (out_string) implicit none character (len=*), intent (in) :: in_string integer, intent(in) :: n character (len=len(in_string)*n) :: out_string !... end function </syntaxhighlight> 文字列関数が文字列を返す必要があり、その文字列の長さが単純に入力と関連していない場合、上記のように、仮定された長さ、割り当て可能な形式を使用することができます。 == 文字パラメータ == <code>character</code>パラメータは、明示的に長さを指定せずに宣言することができます。 :<syntaxhighlight lang=fortran> character (*), parameter :: place = 'COEFF_LIST_initialise' </syntaxhighlight> == 大文字・小文字変換のアプローチ == 以上のアイデアのさらなる例を以下に示しますが、大文字・小文字変換の場合に適用されます。ASCII文字セットの関数<code>iachar</code>および<code>achar</code>を使用して、文字列内の各文字を順番に確認します。 ;例:<syntaxhighlight lang=fortran> function up_case(in) result (out) implicit none character (*), intent (in) :: in character (:), allocatable :: out integer :: i, j out = in ! 全配列を転送 do i = 1, LEN_TRIM(out) ! 各文字 j = iachar(out(i:i)) ! ASCII位置を取得 select case (j) case (97:122) ! 小文字の文字 out(i:i) = ACHAR(j-32) ! 大文字にオフセット end select end do end function up_case </syntaxhighlight> ASCII表現関数に依存しない代替手法は次のようになります。 ;例:<syntaxhighlight lang=fortran> function to_upper(in) result (out) implicit none character (*), intent (in) :: in character (:), allocatable :: out integer :: i, j character (*), parameter :: upp = 'ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ' character (*), parameter :: low = 'abcdefghijklmnopqrstuvwxyz' out = in ! すべての文字を転送 do i = 1, len_trim(out) ! すべての非ブランク j = index(low, out(i:i)) ! ith文字はlowにあるか if (j>0) out(i:i) = upp(j:j) ! はい、それからuppに置き換える end do end function to_upper </syntaxhighlight> どのルーチンが速いかは、<code>index</code>および<code>iachar</code>のインストラクションの相対速度に依存します。ほとんど非常に科学的なテスト下では、上記の最初の方法が2番目の方法よりもわずかに2倍以上速く見えましたが、これはベンダーによって異なります。
2024-02-05T03:12:41Z
2024-02-05T03:30:26Z
[ "テンプレート:Nav", "テンプレート:Wikipedia", "テンプレート:BookCat" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Fortran/%E6%96%87%E5%AD%97%E5%88%97%E6%93%8D%E4%BD%9C
39,039
Fortran/構造化データ
Structures, structured types, or derived types(DT) were first introduced in Fortran 90. Structures allow the user to create data types that hold multiple different variables. Derived types are often implemented within modules such that one can easily reuse them. They might also hold type-bound procedures which are intended to process the structure. The arguments pass(name), nopass indicate whether the object should be passed as the first argument. Similar to the character data type, structures can be parameterized by two different parameter types: kind, len. The kind parameters must be known at compile type (consist of constants) whereas the len parameters can change at runtime. As an example, we can define a new structure type, 'Fruit' which stores some basic fruit variables: We can declare two 'fruit' variables, and assign them values: And we can then use the fruit variables and their child values in normal Fortran operations. テンプレート:Bookcat
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Structures, structured types, or derived types(DT) were first introduced in Fortran 90. Structures allow the user to create data types that hold multiple different variables. Derived types are often implemented within modules such that one can easily reuse them. They might also hold type-bound procedures which are intended to process the structure. The arguments pass(name), nopass indicate whether the object should be passed as the first argument. Similar to the character data type, structures can be parameterized by two different parameter types: kind, len. The kind parameters must be known at compile type whereas the len parameters can change at runtime.
{{nav}} {{Wikipedia|Fortran}} '''構造体'''、'''構造化型'''、または'''派生型(DT)'''は、最初にFortran 90で導入されました。<ref name="lahey">[http://www.lahey.com/lookat90.htm A Look at Fortran 90] - Lahey computer systems</ref> 構造体は、複数の異なる変数を保持する''データ型''を作成できるようにします。 派生型は、一般にモジュール内で実装され、簡単に再利用できるようになっています。また、構造体を処理するための''型に関連付けられた手続き''を保持することができます。引数<code>pass(name), nopass</code>は、オブジェクトを最初の引数として渡すかどうかを示します。 文字列のデータ型<code>character</code>と同様に、構造体は2つの異なるパラメータ型でパラメータ化できます:<code>kind, len</code>。 <code>kind</code>パラメータはコンパイル時に既知でなければならず(定数で構成されています)、<code>len</code>パラメータは実行時に変更できます。 == 簡単な例 == 例として、新しい構造体タイプ 'Fruit' を定義し、いくつかの基本的な果物変数を保持します: :<syntaxhighlight lang=fortran> type fruit real :: diameter ! in mm real :: length ! in mm character :: colour end type </syntaxhighlight> 2つの 'fruit' 変数を宣言し、値を割り当てることができます: <syntaxhighlight lang=fortran> type (fruit) :: apple, banana apple = fruit(50, 45, "red") banana%diameter = 40 banana%length = 200 banana%colour = "yellow" </syntaxhighlight> その後、通常のFortran操作で果物変数とその子の値を使用できます。 == 例: 型に関連付けられた手続き == <syntaxhighlight lang=fortran> !> type-bound procedures (pass/nopass arguments)の使用方法を示す module test_m implicit none private public test_type type test_type integer :: i contains procedure, nopass :: print_hello procedure :: print_int end type contains !> タイプ固有データを処理しない => nopass subroutine print_hello print *, "hello" end subroutine !> タイプ固有データを処理する => 最初の引数は型 "class(test_type)" の "this" !! classを使用し、typeではなく !!!! subroutine print_int(this) class(test_type), intent(in) :: this print *, "i", this%i end subroutine end module program main use test_m implicit none type (test_type) :: obj obj%i = 1 call obj%print_hello call obj%print_int end program </syntaxhighlight> == 例: パラメータ付き型 == <syntaxhighlight lang=fortran> ! パラメータを持つ型のテスト: kind + len program main implicit none type matrix(rows, cols, k) integer, len :: rows, cols integer, kind :: k = kind(0.0) ! optional/default value real (kind=k), dimension(rows, cols) :: vals end type type (matrix(rows=3, cols=3)) :: my_obj end program </syntaxhighlight> == 脚註 == <references />
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Fortran/%E6%A7%8B%E9%80%A0%E5%8C%96%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF
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Fortran/メモリ管理と共通ブロック
Most Fortran programs prior to the Fortran90 standard used self-contained data, without structures, and without much in the way of shared, structured data. However, it was possible to share data, in structured and unstructured ways, using common blocks. Furthermore, there used to be little memory management going on in a Fortran program. Until Fortran90 allocated storage wasn't even possible, except via certain extensions (e.g. Cray pointers). Modern Fortran, however, supports many modern programming paradigms, has full support for allocatable data (including allocatable types), and allows for the use of pointers. Since Fortran90, shared variables are conveniently managed by the use of modules. Common blocks were used to define global memory prior to the Fortran90 standard; their use in modern Fortran is discouraged. A Fortran module can also contain subroutines and functions, but we shall leave the discussion of these features for later. As for the management of shared variables, they may be defined in a module: Note that it is considered good practice to declare any module private, even if it contains only public variables. Although save is the default for a variable in a module, meaning that it retains its previous value whenever the variables within the modules are used, it is sometimes considered good practice to make this explicit. The module can then be used in the main program: Common blocks have been replaced by the use of public variables in modules in modern Fortran standards (Fortran90 and later). They are, however, historically important due to their use in older Fortran standards (77 and prior). A common block was Fortran's way of using shared, common storage for standards prior to Fortran90. In its simplest form, a common block is a way of defining global memory. Be careful, though. In most languages, each item in common memory is shared as a globally known name separately. In Fortran, however, the common block is a shared thing. I'll show several examples, but each example will share i and another_integer, and my_array, a 10x10 array of real numbers. In C, for instance, I can define the shared memory using: and use these data elsewhere with: Note that one module declares the storage, and another uses the storage. Also note that the definitions and usages are not in the same order. This is because in C, as in most languages, i, another_integer, and my_array are all shared items. Not so in Fortran. In Fortran, all routines sharing this storage would have a definition something like this: This common block is stored as a block of data, as a linkable named structure. The only problem is that we don't know its name. Various compilers will give various names to this block. In some systems, the block actually doesn't have a name. We can avoid this problem by giving the structure a name. For instance, Using this form, two different Fortran programs can identify the same area of storage and share it, without having to know the structure of all shared storage. Also using this format, a C or other program could share the storage. For instance, a C program wanting to share this storage would declare the same storage as follows: In the above example, having the my_block names match is critical, as well as having the types, sizes, and order match. However, having the names internally match is not since these names are known only locally. Also note that in the above example, Fortran's my_array(i,j) matches C's my_block.my_aArray[j][i]. Byte alignment of intrinsic data types can mostly be ensured simply by using the appropriate kind. Fortran does not have any way of automatically ensuring derived data types are byte aligned. However, it is quite simple for the programmer to ensure that appropriate padding for data is inserted. For example, let's say we have a derived type that contains a character and an integer Arrays of this type will have elements of size 5 bytes. If we want the elements of an array of this type to align every 8 bytes we need to add 3 more bytes of padding. We can do this by adding characters that serve no other purpose than as padding. In Fortran one can use pointers as some kind of alias for other data, e.g. such as a row in a matrix. Each pointer is in one of the following states The intrinsic function associated distinguished between the second and third states. We will use the following example: Let a pointer ptr be the alias of some real value x. For the next example we will use a real matrix matr as target and the pointer ptr should alias a specific row. Pointers can also be appointed to other pointers. This causes them to be an alias of the same data that the first pointer is. See the example below. The difference between ordinary and pointer assignments of pointers can be explained by the following equalities. Assume this setup Ordinary assignments of pointers lead to assignments of the data they point to. One can see this by the following two statements which are equal. In contrast, pointer assignments changes the alias of one of the pointers and no change on the underlying data. See the equal example statements. After definition of pointers one can allocate memory for it using the allocate command. The memory pointed to by a pointer is given free again by the deallocate command. See the following example. You can declare an array to have a known number of dimensions, but an unknown size using allocation: You can also declare something as a pointer: In archaic versions of FORTRAN (77 and before), you'd just have a big static array and use whatever portion of it you need.
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Most Fortran programs prior to the Fortran90 standard used self-contained data, without structures, and without much in the way of shared, structured data. However, it was possible to share data, in structured and unstructured ways, using common blocks. Furthermore, there used to be little memory management going on in a Fortran program. Until Fortran90 allocated storage wasn't even possible, except via certain extensions (e.g. Cray pointers). Modern Fortran, however, supports many modern programming paradigms, has full support for allocatable data (including allocatable types), and allows for the use of pointers.", "title": "Introduction and historical background" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Since Fortran90, shared variables are conveniently managed by the use of modules. Common blocks were used to define global memory prior to the Fortran90 standard; their use in modern Fortran is discouraged. A Fortran module can also contain subroutines and functions, but we shall leave the discussion of these features for later. As for the management of shared variables, they may be defined in a module:", "title": "Shared variables in modules" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "Note that it is considered good practice to declare any module private, even if it contains only public variables. Although save is the default for a variable in a module, meaning that it retains its previous value whenever the variables within the modules are used, it is sometimes considered good practice to make this explicit. The module can then be used in the main program:", "title": "Shared variables in modules" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Common blocks have been replaced by the use of public variables in modules in modern Fortran standards (Fortran90 and later). They are, however, historically important due to their use in older Fortran standards (77 and prior). A common block was Fortran's way of using shared, common storage for standards prior to Fortran90. In its simplest form, a common block is a way of defining global memory. Be careful, though. In most languages, each item in common memory is shared as a globally known name separately. In Fortran, however, the common block is a shared thing. I'll show several examples, but each example will share i and another_integer, and my_array, a 10x10 array of real numbers.", "title": "Common blocks" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "In C, for instance, I can define the shared memory using:", "title": "Common blocks" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "and use these data elsewhere with:", "title": "Common blocks" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Note that one module declares the storage, and another uses the storage. Also note that the definitions and usages are not in the same order. This is because in C, as in most languages, i, another_integer, and my_array are all shared items. Not so in Fortran. In Fortran, all routines sharing this storage would have a definition something like this:", "title": "Common blocks" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "This common block is stored as a block of data, as a linkable named structure. The only problem is that we don't know its name. Various compilers will give various names to this block. In some systems, the block actually doesn't have a name. We can avoid this problem by giving the structure a name. For instance,", "title": "Common blocks" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "Using this form, two different Fortran programs can identify the same area of storage and share it, without having to know the structure of all shared storage. Also using this format, a C or other program could share the storage. For instance, a C program wanting to share this storage would declare the same storage as follows:", "title": "Common blocks" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "In the above example, having the my_block names match is critical, as well as having the types, sizes, and order match. However, having the names internally match is not since these names are known only locally. Also note that in the above example, Fortran's my_array(i,j) matches C's my_block.my_aArray[j][i].", "title": "Common blocks" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "Byte alignment of intrinsic data types can mostly be ensured simply by using the appropriate kind. Fortran does not have any way of automatically ensuring derived data types are byte aligned. However, it is quite simple for the programmer to ensure that appropriate padding for data is inserted. For example, let's say we have a derived type that contains a character and an integer", "title": "Byte alignment" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "Arrays of this type will have elements of size 5 bytes. If we want the elements of an array of this type to align every 8 bytes we need to add 3 more bytes of padding. 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{{nav}} {{Wikipedia|Fortran}} ==導入と歴史的背景== Fortran90標準以前のほとんどのFortranプログラムは、構造を持たず、共有された構造化されたデータをほとんど持たずに、自己完結型のデータを使用していました。ただし、共通ブロックを使用して、構造化された方法や非構造化された方法でデータを共有することは可能でした。さらに、Fortranプログラムではほとんどメモリ管理が行われていませんでした。Fortran90以前は、割り当てられたストレージは(Crayポインタなどの)特定の拡張機能を介してさえ可能ではありませんでした。しかし、現代のFortranは、多くの現代のプログラミングパラダイムをサポートし、アロケータブルデータ(アロケータブル型を含む)の完全なサポートを提供し、ポインタの使用を可能にします。 ==モジュール内の共有変数== Fortran90以降、共有変数はモジュールの使用によって便利に管理されます。共通ブロックは、Fortran90標準以前にグローバルメモリを定義するために使用されました。ただし、現代のFortranでは、その使用は非推奨です。Fortranモジュールには、サブルーチンや関数も含めることができますが、これらの機能の議論は後で行います。共有変数の管理に関しては、モジュールで定義することができます: :<syntaxhighlight lang=fortran> module shared_variables implicit none private integer, public, save :: shared_integer integer, public, save :: another_shared_integer type, public :: shared_type logical :: my_logical character :: my_character end type shared_type type (shared_type), public :: shared_stuff end module shared_variables </syntaxhighlight> すべてのモジュール変数に対して<code>save</code>がデフォルトであるため、それが前の値を保持するという意味で、明示的にこの設定を行うことが良いとされる場合がありますが、良い慣例とされています。その後、次のようにメインプログラムでモジュールを使用できます: :<syntaxhighlight lang=fortran> program my_example use shared_variables, only: shared_integer, shared_stuff implicit none integer :: some_local_integer ! これは動作し、shared_integerをいくつかのローカル変数に割り当てます。 shared_integer = some_local_integer ! これは、型shared_stuffのコンポーネントmy_characterを ! 標準出力に出力します。 write (*,*) shared_stuff%my_character ! しかし、これは機能しません。別の共有整数が ! モジュールからインポートされていないため、プログラムはコンパイルされません。 shared_integer = another_shared_integer end program my_example </syntaxhighlight> ==共通ブロック== 共通ブロックは、現代のFortran標準(Fortran90以降)ではモジュール内の公開変数の使用によって置き換えられていますが、古いFortran標準(77およびそれ以前)での使用のために歴史的に重要です。共通ブロックは、Fortran90以前の標準で共有された一般的なストレージを使用するFortranの方法でした。共通ブロックは、グローバルメモリを定義する方法の一つです。ただし、注意が必要です。ほとんどの言語では、共通メモリ内の各項目は個別にグローバルに知られる名前として共有されます。ただし、Fortranでは、共通ブロックは共有されるものです。いくつかの例を示しますが、各例では<code>i</code>、<code>another_integer</code>、および<code>my_array</code>が共有され、10x10の実数配列です。 たとえば、Cでは、次のように共有メモリを定義できます: :<syntaxhighlight lang=c> int i; int another_integer; float my_array[10][10]; </syntaxhighlight> および次のようにしてこれらのデータを他の場所で使用できます: :<syntaxhighlight lang=c> extern float my_array[10][10]; extern int i; extern int another_integer; </syntaxhighlight> ストレージを宣言するモジュールと、そのストレージを使用する別のモジュールがあります。また、定義と使用が同じ順序になっていないことに注意してください。これは、Cでは、ほとんどの言語で<code>i</code>、<code>another_integer</code>、および<code>my_array</code>がすべて共有アイテムであるためです。Fortranではそうではありません。Fortranでは、このストレージを共有するすべてのルーチンが次のような定義を持ちます: :<syntaxhighlight lang=fortran> common i, another_integer, my_array integer another_integer real my_array(10,10) </syntaxhighlight> この共通ブロックは、リンク可能な名前付き構造としてデータのブロックとして保存されます。ただし、その名前はわかりません。さまざまなコンパイラは、このブロックにさまざまな名前を付けます。一部のシステムでは、ブロックに名前が実際にはありません。この問題を回避するには、構造に名前を付けます。たとえば、次のようにします。 :<syntaxhighlight lang=fortran> common /my_block/ i, another_integer, my_array integer another_integer real my_array(10,10) </syntaxhighlight> この形式を使用すると、異なる2つのFortranプログラムが同じストレージ領域を識別し、共有し、すべての共有ストレージの構造を知る必要がなくなります。また、この形式を使用すると、Cまたは他のプログラムもストレージを共有できます。たとえば、このストレージを共有したいCプログラムは、次のように同じストレージを宣言します。 :<syntaxhighlight lang=c> extern struct { int i; int another_integer; float my_array[10][10]; } my_block; </syntaxhighlight> 上記の例では、<code>my_block</code>名が一致していることが重要であり、タイプ、サイズ、および順序が一致していることが重要です。ただし、内部的に名前が一致している必要はないため、これらの名前はローカルでのみ知られています。また、上記の例では、Fortranの<code>my_array(i,j)</code>がCの<code>my_block.my_aArray[j][i]</code>と一致していることに注意してください。 == バイトアライメント == 組込みのデータ型のバイトアライメントは、適切な種類を使用することでほとんど保証されます。Fortranには、派生データ型がバイトアライメントされていることを自動的に保証する方法はありません。ただし、プログラマがデータに適切なパディングを挿入することは非常に簡単です。たとえば、文字と整数を含む派生型があるとします :<syntaxhighlight lang=fortran> type :: my_type integer (kind=4) :: ival character (len=1) :: letter end type </syntaxhighlight> この型の配列は、要素が5バイトのサイズになります。このタイプの配列の要素を8バイトごとに配置したい場合は、3バイトのパディングを追加する必要があります。これは、他の目的で使用されないキャラクターをパディングとして追加することで行うことができます。 :<syntaxhighlight lang=fortran> type :: my_type integer (kind=4) :: ival character (len=1) :: letter character (len=3) :: padding end type </syntaxhighlight> == ポインタを使用したメモリ管理 == Fortranでは、ポインタを他のデータの ''エイリアス'' として使用できます。たとえば、行列の行のようなものです。 === ポインタの状態 === 各ポインタは、次の状態のいずれかにあります ;未定義: 初期化されていない ;定義済 :; null/未代入: どのデータのエイリアスでもありません :; 代入済み: いくつかのデータのエイリアスです。 組み込み関数<code>associated</code>は、第2および第3の状態を区別します。 === 代入 === ==== 概要 ==== 次のような例を使用します:ポインタ<code>ptr</code>は、実数値<code>x</code>のエイリアスです。 :<syntaxhighlight lang=fortran> real, target :: x real, pointer :: ptr ptr => x </syntaxhighlight> 次の例では、実数行列<code>matr</code>を対象とし、ポインタ<code>ptr</code>は特定の行のエイリアスとして機能する必要があります。 :<syntaxhighlight lang=fortran> real, dimension (4, 4), target :: matr real, dimension (:), pointer :: ptr ptr => matr(2, :) </syntaxhighlight> ポインタを他のポインタに指定することもできます。 これにより、それらが最初のポインタと同じデータのエイリアスになります。以下の例を参照してください。 :<syntaxhighlight lang=fortran> real, target :: x real, pointer :: ptr1, ptr2 ptr1 => x ptr2 => ptr1 </syntaxhighlight> ==== 通常の代入とポインタ代入 ==== ポインタの''通常の代入とポインタ代入''の違いは、次の等式で説明できます。次のセットアップを想定してください :<syntaxhighlight lang=fortran> real, target :: x1, x2 real, pointer :: ptr1, ptr2 ptr1 => x1 ptr2 => x2 </syntaxhighlight> ポインタの通常の代入は、それらが指すデータの代入につながります。これは、次の2つのステートメントが等しいことからわかります。 :<syntaxhighlight lang=fortran> ! 2つの等しいステートメント ptr1 = ptr2 x1 = x2 </syntaxhighlight> 対照的に、ポインタ代入は、ポインタのエイリアスを変更し、基礎データに変更を加えません。 等しい例文を参照してください。 :<syntaxhighlight lang=fortran> ! 2つの等しいステートメント ptr1 => ptr2 ptr1 => x2 </syntaxhighlight> === メモリ割り当て === ポインタの定義後、<code>allocate</code>コマンドを使用してメモリを割り当てることができます。ポインタが指すメモリは、<code>deallocate</code>コマンドで無料になります。次の例を参照してください。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program main implicit none real, allocatable :: ptr allocate (ptr) ptr = 1. print *, ptr deallocate (ptr) end program main </syntaxhighlight> === 例 === ==== アロケータブル対ポインタ ==== 次のように、配列の次元数はわかっていますが、サイズは不明ですが、割り当てを使用して宣言できます: :<syntaxhighlight lang=fortran> real, dimension (:,:), allocatable :: my_array allocate (my_array(10,10)) deallocate (my_array) </syntaxhighlight> ポインタとしても宣言できます: :<syntaxhighlight lang=fortran> real, dimension (:,:), pointer :: some_pointer allocate (some_pointer(10,10)) deallocate (some_pointer) </syntaxhighlight> 古代のFORTRAN(77およびそれ以前)のバージョンでは、大きな静的配列があり、必要な部分を使用していました。
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Fortran/エラーの捕捉
Typically in an error situation, your program will stop, and you'll get an error message. The only exception to this is that at the end of read and write statements' parenthesized control list, you can add, err=label to determine which line to jump to in the event of an error. Modern Fortran (from Fortran 90 onwards) has introduced four main areas for error capture: 1) File handling and i/o operation error handling 2) IEEE floating point error detection and reporting 3) Dynamic allocation 4) Command line operations All the external file handling statements and I/O operations (open, read, write, close, inquire, backspace, endfile, flush, rewind and wait) can now take optional iostat and iomsg clauses. iostat is an integer which returns a non-zero value if there is an error, in which case, the character variable assigned to iomsg will return a brief error message. The non-zero integers and the messages are compiler dependent but the intrinsic module, iso_fortran_env, gives access to two important values: iostat_end and iostat_eor. If an error occurs, and iostat is non-zero, execution will not stop. The ERR clause is still supported but should not be used. Note that the length required for the message character is vendor and error dependent. This is a big topic, but in essence modern Fortran provides access to three intrinsic modules: IEEE_arithmetic, IEEE_exceptions and IEEE_features. These features can be used to intercept errors such as divide by zero and overflow but at the expense of some performance. The IEEE_features module controls access to the features the programmer may require, by use association in the scoping unit where the programmer places the use statement, See Chapter 11 in Metcalf et al, Modern Fortran Explained, OUP. All the necessary basic facilities exist in order for the programmer to construct a try/catch system if desired. Modern Fortran allows run-time allocation and deallocation of arrays of any type, and a typical error might be to try to dynamically allocate an array so large that there is not enough memory, or an attempt to deallocate an array which is not already allocated. There are optional clauses stat and errmsg which can be used to prevent program failure and allow the programmer to take evasive action. These features are available in the equivalent coarray features. Modern Fortran also supports error detection for the execution of command line operations, In this example, the programmer of the my.exe program has the responsibility for what codes are returned and what error messages are exposed, except that -1 and -2 are reserved for allowing the compiler vendor indicating what features may be supported.
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Typically in an error situation, your program will stop, and you'll get an error message. The only exception to this is that at the end of read and write statements' parenthesized control list, you can add, err=label to determine which line to jump to in the event of an error.", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Modern Fortran (from Fortran 90 onwards) has introduced four main areas for error capture:", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "1) File handling and i/o operation error handling", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "2) IEEE floating point error detection and reporting", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "3) Dynamic allocation", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "4) Command line operations", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "All the external file handling statements and I/O operations (open, read, write, close, inquire, backspace, endfile, flush, rewind and wait) can now take optional iostat and iomsg clauses. iostat is an integer which returns a non-zero value if there is an error, in which case, the character variable assigned to iomsg will return a brief error message. The non-zero integers and the messages are compiler dependent but the intrinsic module, iso_fortran_env, gives access to two important values: iostat_end and iostat_eor. If an error occurs, and iostat is non-zero, execution will not stop. The ERR clause is still supported but should not be used.", "title": "File handling and I/O Operations" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Note that the length required for the message character is vendor and error dependent.", "title": "File handling and I/O Operations" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "This is a big topic, but in essence modern Fortran provides access to three intrinsic modules: IEEE_arithmetic, IEEE_exceptions and IEEE_features. These features can be used to intercept errors such as divide by zero and overflow but at the expense of some performance.", "title": "IEEE floating point error detection and reporting" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "The IEEE_features module controls access to the features the programmer may require, by use association in the scoping unit where the programmer places the use statement,", "title": "IEEE floating point error detection and reporting" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "See Chapter 11 in Metcalf et al, Modern Fortran Explained, OUP. All the necessary basic facilities exist in order for the programmer to construct a try/catch system if desired.", "title": "IEEE floating point error detection and reporting" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "Modern Fortran allows run-time allocation and deallocation of arrays of any type, and a typical error might be to try to dynamically allocate an array so large that there is not enough memory, or an attempt to deallocate an array which is not already allocated. There are optional clauses stat and errmsg which can be used to prevent program failure and allow the programmer to take evasive action.", "title": "Dynamic Allocation" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "These features are available in the equivalent coarray features.", "title": "Dynamic Allocation" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "Modern Fortran also supports error detection for the execution of command line operations,", "title": "Command Line Operations" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "In this example, the programmer of the my.exe program has the responsibility for what codes are returned and what error messages are exposed, except that -1 and -2 are reserved for allowing the compiler vendor indicating what features may be supported.", "title": "Command Line Operations" } ]
Typically in an error situation, your program will stop, and you'll get an error message. The only exception to this is that at the end of read and write statements' parenthesized control list, you can add, err=label to determine which line to jump to in the event of an error. Modern Fortran has introduced four main areas for error capture: 1) File handling and i/o operation error handling 2) IEEE floating point error detection and reporting 3) Dynamic allocation 4) Command line operations
{{nav}} {{Wikipedia|Fortran}} 通常、エラーが発生すると、プログラムは停止し、エラーメッセージが表示されます。ただし、<code>read</code>と<code>write</code>文の括弧付き制御リストの末尾に、<code>err=''label''</code>を追加することで、エラー発生時にジャンプする行を指定できます。 現代のFortran(Fortran 90以降)では、主に次の4つのエラー捕捉領域が導入されています: # ファイル処理とI/O操作のエラー処理 # IEEE浮動小数点エラーの検出と報告 # 動的割り当て # コマンドライン操作 == ファイル処理とI/O操作 == すべての外部ファイル処理文およびI/O操作(<code>open</code>、<code>read</code>、<code>write</code>、<code>close</code>、<code>inquire</code>、<code>backspace</code>、<code>endfile</code>、<code>flush</code>、<code>rewind</code>、および<code>wait</code>)は、オプションの<code>iostat</code>および<code>iomsg</code>句を受け入れるようになりました。 <code>iostat</code>は、エラーが発生した場合に非ゼロの値を返します。その場合、<code>iomsg</code>に割り当てられた文字変数は簡潔なエラーメッセージを返します。非ゼロの整数とメッセージは、コンパイラに依存しますが、組込みモジュール<code>iso_fortran_env</code>を介して重要な値<code>iostat_end</code>と<code>iostat_eor</code>にアクセスできます。エラーが発生し、<code>iostat</code>が非ゼロの場合、実行は停止しません。 ERR句はまだサポートされていますが、使用されるべきではありません。 === 例 === :<syntaxhighlight lang=fortran> integer :: my_iostat character (256) :: my_iomsg open (file='my.dat', unit=10, iostat=my_iostat, iomsg=my_iomsg) if (my_iostat/=0) then write (*,*) 'Open my.dat failed with iostat = ', my_iostat, ' iomsg = '//trim(my_iomsg) end if </syntaxhighlight> メッセージ文字の必要な長さは、ベンダーおよびエラーに依存します。 == IEEE浮動小数点エラーの検出と報告 == これは大きなトピックですが、本質的には、現代のFortranは3つの組込みモジュール<code>IEEE_arithmetic</code>、<code>IEEE_exceptions</code>、および<code>IEEE_features</code>へのアクセスを提供します。これらの機能を使用して、ゼロで割るエラーやオーバーフローなどのエラーを検出できますが、その代わりにパフォーマンスが若干低下します。 <code>IEEE_features</code>モジュールは、プログラマが必要とする機能へのアクセスを制御し、プログラマが使用ステートメントを配置するスコープユニットでの使用関連付けによって制御されます。 === 例 === :<syntaxhighlight lang=fortran> subroutine blah use, intrinsic :: ieee_features ! ... end subroutine blah </syntaxhighlight> Metcalfらによる『Modern Fortran Explained』(OUP)の第11章を参照してください。プログラマが望む場合には、必要な基本的な機能がすべて揃っており、try/catchシステムを構築することができます。 ;訳註 :Fortranでは、組み込みモジュールIEEE_arithmetic、IEEE_exceptions、およびIEEE_featuresを使用して、try-catchの機能を模倣することができます。以下に、簡単な例を示します。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program try_catch_example use ieee_arithmetic, only: ieee_is_nan implicit none real :: result integer :: status ! Try result = divide(10.0, 0.0, status) ! Check for error if (status /= 0) then print *, "Error occurred during division operation." else print *, "Result of division: ", result end if contains ! Custom division function real function divide(dividend, divisor, status) real, intent(in) :: dividend, divisor integer, intent(out) :: status if (ieee_is_nan(divisor)) then status = 1 ! Indicate divide by zero error divide = 0.0 ! Return 0 as result else status = 0 ! No error divide = dividend / divisor end if end function divide end program try_catch_example </syntaxhighlight> ::この例では、<code>ieee_arithmetic</code>モジュールから<code>ieee_is_nan</code>関数を使用して、ゼロで割るエラーを捕捉しています。<code>status</code>変数を使用してエラー状態を示し、それに応じて処理を行っています。このように、Fortranでは独自のエラーハンドリング機構を実装することができます。 == 動的割り当て == 現代のFortranでは、任意の型の配列の実行時の割り当てと解放が可能であり、典型的なエラーは、メモリが不足しているために配列を動的に割り当てようとするか、既に割り当てられていない配列を解放しようとすることです。プログラムの失敗を防ぎ、プログラマが回避策を講じることを許可するために、オプションの句<code>stat</code>および<code>errmsg</code>が使用されます。 === 例 === :<syntaxhighlight lang=fortran> real, allocatable, dimension (:) :: x integer :: my_stat character (256) :: my_errmsg allocate (x(100000000), stat=my_stat, errmsg=my_errmsg) if (my_stat/=0) then write(*,*) 'Failed to allocate x with stat = ', my_stat, ' and errmsg '//trim(my_errmsg) end if </syntaxhighlight> これらの機能は、等価の共配列機能でも利用できます。 == コマンドライン操作 == 現代のFortranは、コマンドライン操作の実行に対するエラー検出もサポートしています。 === 例 === :<syntaxhighlight lang=fortran> integer :: my_cmdstat character (256) :: my_cmdmsg call execute_command_line('my.exe', cmdstat=my_cmdstat, cmdmsg=my_cmdmsg ) if (my_cmdstat/=0) stop </syntaxhighlight> この例では、my.exeプログラムのプログラマが、返されるコードと公開されるエラーメッセージを制御します。 ただし、-1および-2は、コンパイラベンダーがサポートされる機能を示すために予約されています。
2024-02-05T10:37:34Z
2024-02-05T11:04:29Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Fortran/%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%8D%95%E6%8D%89
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Fortran/並列処理
Parallelism is included in the Fortran 2008 standard. To use parallel features, a Fortran program must be compiled with parallelism enabled. For example, the Intel ifort compiler uses the flag -coarray. Fortran uses a Partitioned Global Address Space (PGAS) model for parallelism. For each processor, the program is executed as a separate duplicate "image" of the program, each with their own separate memory partition. Consider the following program: The intrinsic function this_image returns the number of the image that is being executed, and the intrinsic function num_images returns the total number of images for the program. If the program is compiled and executed with 4 processors, the output might look something like this: Note that the images are executed asynchronously and so the output may not appear in the order 1, 2, 3 then 4. Coarrays are a way of communicating data in arrays across images. A coarray is just like a normal array but it has extra codimensions for each image. Codimensions can be declared and indexed using the square brackets []. For example to declare a rank 1 coarray with size of 10 and a codimension of size 4: Scalar variables can also be coarrays: Here, * denotes the maximum number of available processors. The codimensions can have multiple axes just like normal dimensions, however, there is a limit of rank 15 for codimensions. Transferring data between images is as simple as indexing on the codimensions.
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Parallelism is included in the Fortran 2008 standard. To use parallel features, a Fortran program must be compiled with parallelism enabled. For example, the Intel ifort compiler uses the flag -coarray.", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "Fortran uses a Partitioned Global Address Space (PGAS) model for parallelism. For each processor, the program is executed as a separate duplicate \"image\" of the program, each with their own separate memory partition. Consider the following program:", "title": "Images" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "The intrinsic function this_image returns the number of the image that is being executed, and the intrinsic function num_images returns the total number of images for the program. If the program is compiled and executed with 4 processors, the output might look something like this:", "title": "Images" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Note that the images are executed asynchronously and so the output may not appear in the order 1, 2, 3 then 4.", "title": "Images" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Coarrays are a way of communicating data in arrays across images. A coarray is just like a normal array but it has extra codimensions for each image. Codimensions can be declared and indexed using the square brackets []. For example to declare a rank 1 coarray with size of 10 and a codimension of size 4:", "title": "Coarrays" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Scalar variables can also be coarrays:", "title": "Coarrays" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Here, * denotes the maximum number of available processors. The codimensions can have multiple axes just like normal dimensions, however, there is a limit of rank 15 for codimensions. Transferring data between images is as simple as indexing on the codimensions.", "title": "Coarrays" } ]
Parallelism is included in the Fortran 2008 standard. To use parallel features, a Fortran program must be compiled with parallelism enabled. For example, the Intel ifort compiler uses the flag -coarray.
{{nav}} {{Wikipedia|Fortran}} 並列処理は、Fortran 2008標準に含まれています。並列機能を使用するには、Fortranプログラムを並列処理が有効になっている状態でコンパイルする必要があります。例えば、Intel ifortコンパイラでは、<code>-coarray</code>フラグが使用されます。 == イメージ == Fortranは、並列処理のために[[W:区分化大域アドレス空間|区分化大域アドレス空間]](Partitioned Global Address Space; PGAS)モデルを使用しています。各プロセッサに対して、プログラムは独自のメモリパーティションを持つ別個の重複した「イメージ」として実行されます。以下のプログラムを考えてみてください: :<syntaxhighlight lang="fortran"> program hello implicit none write (*,*) 'Hello from ', this_image(), 'of', num_images() end program hello </syntaxhighlight> 組込み関数 <code>this_image</code> は、実行中のイメージの番号を返し、組込み関数 <code>num_images</code> はプログラムの全イメージ数を返します。プログラムが4つのプロセッサでコンパイルおよび実行された場合、出力は次のようになるかもしれません: :<syntaxhighlight lang=text> Hello from image 1 of 4 Hello from image 4 of 4 Hello from image 2 of 4 Hello from image 3 of 4 </syntaxhighlight> イメージは非同期に実行されるため、出力が1、2、3、4の順番で表示されるとは限りません。 == 共配列 == 共配列(Coarray)は、イメージ間で配列データを通信する方法です。共配列は通常の配列と同じように機能しますが、各イメージに対して追加のコディメンションがあります。コディメンションは角かっこ <code>[]</code> を使用して宣言およびインデックス化することができます。例えば、サイズが10でコディメンションのサイズが4のランク1の共配列を宣言するには: :<syntaxhighlight lang="fortran"> real :: coarr(10)[4] ! もしくは、同じことを行うために宣言属性を使用することもできます real, dimension (10), codimension [4] :: another_coarr </syntaxhighlight> スカラ変数も共配列にすることができます: :<syntaxhighlight lang="fortran"> integer :: scalar['*'] </syntaxhighlight> ここで、'' は利用可能なプロセッサの最大数を示します。コディメンションには通常の次元と同様に複数の軸があることができますが、コディメンションのランクは15が上限です。イメージ間でデータを転送するのはコディメンションのインデックス化と同じくらい簡単です。 :<syntaxhighlight lang="fortran"> ! すべてのイメージを1に設定 coarr = 1 ! インデックス化 another_coarr(3)[4] = coarr(3)[3] </syntaxhighlight> {{コラム|訳者から解説|2=共配列(Coarray)は、Fortranの並列処理機能を提供するための概念の一部です。これはFortran 2008標準で導入され、プログラムを複数のプロセッサまたはイメージに分割し、それらのイメージ間でデータを共有するための仕組みを提供します。共配列は、プログラムをイメージと呼ばれる独立した実行単位に分割し、それらのイメージが相互に通信することで、並列処理を実現します。 主な特徴や用語について以下に説明します: # イメージ(Image): #* イメージは、プログラムが実行される各独立した実行単位です。各イメージは同じプログラムのコピーであり、独自のメモリ空間を持ちます。 # コディメンション(Codimension): #* 共配列は通常の配列と同じように宣言されますが、それぞれのイメージに対して追加のコディメンションがあります。これは、通常の配列の次元に追加されるもので、各イメージが別々のデータを持つための仕組みです。 # '''*''' マーカー: #* 共配列のコディメンションには、通常の次元と同様にサイズを指定できますが、<code>*</code>というマーカーを使って利用可能なプロセッサの最大数を指定することもできます。これにより、動的にプロセッサ数に対応したコディメンションを作成できます。 # データの転送: #* 共配列は、イメージ間でデータを効率的に転送する手段を提供します。データの転送は、コディメンションを介して行われ、特に対応するコディメンションのインデックス化を使用して行います。 共配列を使用することで、Fortranプログラムは異なるイメージで同時に実行され、イメージ間でデータを簡単に共有できます。これにより、並列処理の構築や高性能計算の実現が容易になります。 }}
2024-02-05T11:21:14Z
2024-02-05T11:53:54Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Fortran/%E4%B8%A6%E5%88%97%E5%87%A6%E7%90%86
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Fortran/オブジェクト指向プログラミング
Data can be gathered in modules. The general form is given by There are three possible access properties: public, private, protected. One can include the module's public data in outside code. There are three ways. Modules can be extended using submodules. Multiple advantages arise In Fortran one can derive structures off of other structures, so called derived data types. The derived types will have the features of the parent type as well as the newly added ones and the general syntax is given by: The following example shows different types of people within a company. One can define procedures which will be invoked before the object is automatically deleted (out of scope). This is done with the statement final. The following example illustrates it One can set the base type as abstract such that one cannot initialize objects of that type but one can derive sub-types of it (via extends). Specific procedures which should be defined in the sub-type need the property deferred as well as an explicit interface. The following example illustrates their use. One can create pointers to child classes by using type definitions in allocate statements and the select type environment. The following example highlights its use.
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Data can be gathered in modules. The general form is given by", "title": "Object-oriented programming" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "There are three possible access properties: public, private, protected.", "title": "Object-oriented programming" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "One can include the module's public data in outside code. There are three ways.", "title": "Object-oriented programming" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Modules can be extended using submodules. Multiple advantages arise", "title": "Object-oriented programming" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "In Fortran one can derive structures off of other structures, so called derived data types. The derived types will have the features of the parent type as well as the newly added ones and the general syntax is given by:", "title": "Object-oriented programming" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "The following example shows different types of people within a company.", "title": "Object-oriented programming" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "One can define procedures which will be invoked before the object is automatically deleted (out of scope). This is done with the statement final. The following example illustrates it", "title": "Object-oriented programming" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "One can set the base type as abstract such that one cannot initialize objects of that type but one can derive sub-types of it (via extends). Specific procedures which should be defined in the sub-type need the property deferred as well as an explicit interface.", "title": "Object-oriented programming" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "The following example illustrates their use.", "title": "Object-oriented programming" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "One can create pointers to child classes by using type definitions in allocate statements and the select type environment. The following example highlights its use.", "title": "Object-oriented programming" } ]
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{{nav}} {{Wikipedia|Fortran}} == オブジェクト指向プログラミング == === モジュール === ==== 概要 ==== データは<code>module</code>内にまとめることができます。一般的な形式は以下の通りです。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module <name> [use <module_names>] [<declarations>] contains [<subroutines and functions>] end module [<name>] </syntaxhighlight> ==== データへのアクセス ==== 3つのアクセスプロパティがあります: <code>public, private, protected</code>。 *<code>public</code>: 外部のコードから読み書きが可能です。 *<code>private</code>: 外部のコードからアクセスできません。 *<code>public, protected</code>: 外部のコードから読み取りが可能です。 ==== 他のコードでモジュールを使用する ==== モジュールの公開データを外部のコードに含めることができます。 3つの方法があります。 * <code>use <moduleName></code>: すべての公開データとメソッドが含まれます * <code>use <moduleName>, <renames></code>: すべての公開データとメソッドが含まれますが、一部の公開データやメソッドの名前を変更します * <code>use <moduleName>, only: <subset></code>: 一部の公開データとメソッドのみが含まれます ==== 例 ==== ===== 概要 ===== :<syntaxhighlight lang=fortran> module test_m implicit none private ! すべてのデータはデフォルトで非公開です。 ! これらの手続きはpublicに設定され、モジュールの外部からアクセス可能です。 public print_coords, set_coords real :: x, y ! モジュールの外部からはアクセスできません。 contains subroutine print_coords print *, "x, y", x, y end subroutine subroutine set_coords(new_x, new_y) real, intent(in) :: new_x, new_y x = new_x y = new_y end subroutine end module program main use test_m ! "test_m"モジュールをインポートします implicit none call set_coords(1.0, 1.0) ! test_modからpublicな手続きを呼び出します。 call print_coords end program </syntaxhighlight> ===== データアクセス ===== :<syntaxhighlight lang=fortran> module data_access_m implicit none private public a, b protected b private c integer :: a = 1 integer :: b = 1 integer :: c = 1 end module program main use data_access_m ! publicオブジェクトへのアクセスは可能です。 print *, a ! publicオブジェクトの編集は可能です。 a = 2 ! protectedオブジェクトへのアクセスは可能です。 print *, b ! protectedオブジェクトの編集はできません。 !b = 2 <- エラー ! privateオブジェクトへのアクセスはできません !print *, c <- エラー ! privateオブジェクトの編集はできません !c = 2 <- エラー end program </syntaxhighlight> ===== モジュールの使用 ===== :<syntaxhighlight lang=fortran> module test_module implicit none private integer, public :: a = 1 integer, public, protected :: b = 1 integer, private :: c = 1 end module test_module !> test_moduleのすべての公開データをインポートします。 program main use test_module print *, a, b end program main !> すべてのデータをインポートし、名前を変更します。 program main use test_module, better_name => a ! 新しい名前が利用可能です。 print *, better_name ! 古い名前はもう利用できません。 !print *, a <- エラー end program main !> 公開データのサブセットのみをインポートします。 program main use test_module, only : a ! aだけがロードされます。 print *, a ! bはロードされません。 !print *, b <- エラー end program main </syntaxhighlight> === サブモジュール === モジュールはサブモジュールを使用して拡張することができます。複数の利点があります * 大きなモジュールの分割 * インターフェース定義と実装の分割により、依存するモジュールが実装が変更されても再コンパイルする必要がありません * 2つのモジュールがお互いからデータを必要とする場合。 ==== 例 ==== ===== 定義と実装の分割 ===== :<syntaxhighlight lang=fortran> !> 円に関する簡単なモジュール module circle_mod implicit none private public :: area, radius real :: radius real, parameter :: PI = 3.1415 interface ! インターフェースブロックが必要です。サブモジュール経由で実装される各機能には、ここにエントリが必要です。 module function area() ! 重要です。"module"キーワードに注意してください。 real :: area end function end interface end module submodule (circle_mod) circle_subm ! サブモジュール (親モジュール) 子モジュール. contains module function area() ! 再び "module" キーワード。 area = PI*radius**2 end function end submodule program main use circle_mod implicit none radius = 1.0 print *, "area:", area() end program </syntaxhighlight> === 派生データ型 === Fortranでは、他の構造から構造を派生させることができます。これを「派生データ型」と呼び、派生型は親型の特徴を持ち、新たに追加されたものも持ちます。一般的な構文は以下の通りです。 :<syntaxhighlight lang=fortran> type, extends(<parentTypeName>) :: <newTypeName> <definitions> end type </syntaxhighlight> 次の例は、会社内の異なるタイプの人々を示しています。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module company_data_mod implicit none private public phone_type, address_type, person_type, employee_type, salaried_worker_type, hourly_worker_type type phone_type integer :: area_code, number end type type address_type integer :: number character (len=:), allocatable :: street, city character (len=2) :: state integer :: zip_code end type type person_type character (len=:), allocatable :: name type (address_type) :: address type (phone_type) :: phone character (len=:), allocatable :: remarks end type type, extends (person_type) :: employee_type integer :: phone_extension, mail_stop, id_number end type type, extends (employee_type) :: salaried_worker_type real :: weekly_salary end type type, extends (employee_type) :: hourly_worker_type real :: hourly_wage, overtime_factor, hours_worked end type end module program main use company_data_mod implicit none type (hourly_worker_type) :: obj end program </syntaxhighlight> ==== デストラクタ ==== オブジェクトが自動的に削除される前に呼び出される手続きを定義することができます。これは<code>final</code>ステートメントで行われます。次の例を参照してください。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module person_m implicit none type person integer, allocatable :: numbers(:) contains final :: del end type contains subroutine del(this) !! 派生型のデストラクタの例。 allocatables は !! 自動的に解放されるので、これは final の使用法を示すだけです。 type (person), intent (inout) :: this if (allocated(this%numbers)) deallocate (this%numbers) end subroutine end module </syntaxhighlight> ==== 抽象基底型と遅延手続き ==== 基底型を<code>abstract</code>として設定することで、その型のオブジェクトを初期化できなくなりますが、その型のサブタイプを派生させることはできます(<code>extends</code>を使用)。サブタイプで定義する必要のある特定の手続きは、<code>deferred</code>プロパティを持つ必要があり、明示的なインターフェースが必要です。 以下の例はその使用方法を示しています。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module shape_m implicit none type, abstract :: shape real :: a, b contains procedure :: print => shape_print procedure (area_shape), deferred :: area end type interface real function area_shape(this) import :: shape class (shape), intent (in) :: this end function end interface contains subroutine shape_print(this) class (shape), intent (in) :: this print *, 'a,b', this%a, this%b end subroutine end module module line_m use shape_m implicit none private public line type, extends (shape) :: line contains procedure :: area end type contains real function area(this) class (line), intent (in) :: this area = abs(this%a - this%b) end function end module module rectangle_m use shape_m implicit none private public rectangle type, extends(shape) :: rectangle contains procedure :: area end type contains real function area(this) class (rectangle), intent (in) :: this area = this%a * this%b end function end module program main use line_m use rectangle_m implicit none type (line) :: l type (rectangle) :: r ! line l%a = 2.0 l%b = 4.0 print *, "line ... " call l%print print *, "-> from: ", l%a print *, "-> to: ", l%b print *, "-> length:", l%area() ! rectangle r%a = 3.0 r%b = 5.0 print * print *, "rectangle ..." call r%print print *, "-> side a:", r%a print *, "-> side b:", r%b print *, "-> area: ", r%area() end program </syntaxhighlight> ==== ポリモーフィックポインタ ==== <code>allocate</code>文での型定義と<code>select type</code>環境を使用して、子クラスへのポインタを作成することができます。 以下の例ではその使用方法を強調しています。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module shape_m implicit none type, abstract :: shape ! 親クラスを実装するために使用される空のクラスです。 ! abstract の理由: TYPE(!) shapeのオブジェクトは存在しないはずです。 ! ポリモーフィックCLASSのインスタンスのみ。 end type end module module line_m use shape_m implicit none type, extends (shape) :: line ! 1つの属性を持つ子クラスです。 ! extends(shape)の理由: ポリモーフィックshapeポインタは ! この型のオブジェクトを指すことができます。 real :: length end type end module module rectangle_m use shape_m implicit none type, extends (shape) :: rectangle ! 別の属性を持つ子クラスです ! extends(shape)の理由: (lineの説明を参照) real :: area end type end module program main use rectangle_m use line_m implicit none class (shape), allocatable :: sh ! 親クラスへのポインタ。 ! allocate (line :: sh) allocate (rectangle :: sh) ! 子型を使用して割り当てます select type (x => sh) ! アソシエーションブロック。"x"は子オブジェクトへのポインタおよびその型になります(!!) type is (line) ! 正しい子タイプを選択します (allocateステートメントで使用したもの) x%length = 1.0 print *, 'line length', x%length type is (rectangle) x%area = 2.0 print *, 'rectangle area', x%area ! class is () ! クラスを使用して選択します。 class default ! 何も適用されなかった場合。 error stop 'class/type not specified!' end select end program </syntaxhighlight> == 用語のまとめ(和訳独自) == ここでは、Fortranに関連するオブジェクト指向プログラミングの用語をまとめます。 # モジュール (Module): #* データや手続きをまとめた単位。 #* カプセル化や再利用性を促進する。 #* <code>module</code>ブロックで宣言し、<code>end module</code>で終了する。 # データアクセスプロパティ: #* <code>public</code>, <code>private</code>, <code>protected</code>の3つのアクセスプロパティがある。 #* <code>public</code>: 外部コードから読み書き可能。 #* <code>private</code>: 外部コードからアクセス不可。 #* <code>protected</code>: 外部コードから読み取り可能。 # モジュールの使用: #* 外部のコードでモジュールのデータや手続きを使用する方法。 #* <code>use <moduleName></code>でモジュールをインポートする。 #* <code>use <moduleName>, only: <subset></code>で一部のデータや手続きのみをインポートする。 # サブモジュール (Submodule): #* 大規模なモジュールをさらに分割するための仕組み。 #* インターフェースと実装を分離し、依存関係を管理する。 # 派生データ型 (Derived Data Type): #* 他のデータ型から派生した新しいデータ型。 #* <code>type, extends(<parentTypeName>) :: <newTypeName></code>の形式で宣言する。 # デストラクタ (Destructor): #* オブジェクトが削除される前に実行される手続き。 #* リソースの解放や後処理を行うために使用される。 # 抽象基底型 (Abstract Base Type): #* インスタンスを作成できない抽象的な型。 #* 派生型は抽象基底型から派生して具体的な型を作成する。 # 遅延手続き (Deferred Procedure): #* 派生型で実装する必要のある手続き。 #* 抽象基底型で定義され、具体的な型で実装される。 # ポリモーフィックポインタ (Polymorphic Pointer): #* 異なる型のオブジェクトに対して同じポインタを使用できる仕組み。 #* 実行時に異なる型のオブジェクトを操作するために使用される。 これらの用語を理解することで、Fortranでオブジェクト指向プログラミングをより効果的に行うことができます。 [[カテゴリ:オブジェクト指向]]
2024-02-05T12:02:36Z
2024-02-06T01:35:15Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Fortran/%E3%82%AA%E3%83%96%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%8C%87%E5%90%91%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
39,044
Fortran/言語の拡張とオーバーロード
Like several other languages, Fortran 90 and newer supports the ability to select the appropriate routine from a list of routines based on the arguments passed. This selection is done at compile time and is thus unencumbered by run-time performance penalties. This feature is accessed by use of modules and the interface block. In the following example, a module is specified which contains an interface function f which can handle arguments of various types. A program which uses this module now has access to a single interface function f which accepts arguments that are of integer, real, or complex type. The return type of the function is the same as the input type. In this way the routine is much like many of the intrinsic functions defined as part of the Fortran standard. An example program is given below: One can extend intrinsic functions. This is similar to overload operators. Here we will demonstrate this by extending the sqrt function. The intrinsic function is not implemented for arguments of integer type. This is because there is no clear idea how to define the result of non integer type (e.g. 4 = 2 {\displaystyle {\sqrt {4}}=2} , but how to define 5 = 2.236 ... {\displaystyle {\sqrt {5}}=2.236\ldots } ). We implement a method here where the result is always the nearest integer. Fortran 90 and newer supports the creation of new data types which are composites of existing types. In some ways this is similar to an array, but the components need not be all of the same type and they are referenced by name, not index. Such data types must be declared before variables of that type, and the declaration must be in scope to be used. An example of a simple 2d vector type is given below. Variables of this type can be declared much like any other variable, including variable characteristics such are pointer or dimension. Using derived data types, the Fortran language can be extended to represent more diverse types of data than those represented by the primitive types. Operators can be overloaded so that derived data types support the standard operations, opening the possibility of extending the Fortran language to have new types which behave nearly like the native types. The assignment operator = can be overloaded. We will demonstrate this by the following example. Here, we define how the assignment of a logical type on the left and an integer on the right should be performed. One can overload intrinsic operators, such as +,-,*. In the following example we will overload the * operator to work as the logical .and.. One can create newly self-created operators. We demonstrate this by the following example: We create an unary operator .even. <int> which outputs a logical if the given integer is even as well as a binary operator <reals> .cross. <reals> that performs the standard cross product of two real vectors.
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Like several other languages, Fortran 90 and newer supports the ability to select the appropriate routine from a list of routines based on the arguments passed. This selection is done at compile time and is thus unencumbered by run-time performance penalties. This feature is accessed by use of modules and the interface block.", "title": "Procedure Overloading" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "In the following example, a module is specified which contains an interface function f which can handle arguments of various types.", "title": "Procedure Overloading" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "A program which uses this module now has access to a single interface function f which accepts arguments that are of integer, real, or complex type. The return type of the function is the same as the input type. In this way the routine is much like many of the intrinsic functions defined as part of the Fortran standard. An example program is given below:", "title": "Procedure Overloading" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "One can extend intrinsic functions. This is similar to overload operators.", "title": "Intrinsic functions" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "Here we will demonstrate this by extending the sqrt function. The intrinsic function is not implemented for arguments of integer type. This is because there is no clear idea how to define the result of non integer type (e.g. 4 = 2 {\\displaystyle {\\sqrt {4}}=2} , but how to define 5 = 2.236 ... {\\displaystyle {\\sqrt {5}}=2.236\\ldots } ). We implement a method here where the result is always the nearest integer.", "title": "Intrinsic functions" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "Fortran 90 and newer supports the creation of new data types which are composites of existing types. In some ways this is similar to an array, but the components need not be all of the same type and they are referenced by name, not index. Such data types must be declared before variables of that type, and the declaration must be in scope to be used. An example of a simple 2d vector type is given below.", "title": "Derived Data Types" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "Variables of this type can be declared much like any other variable, including variable characteristics such are pointer or dimension.", "title": "Derived Data Types" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "Using derived data types, the Fortran language can be extended to represent more diverse types of data than those represented by the primitive types.", "title": "Derived Data Types" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "Operators can be overloaded so that derived data types support the standard operations, opening the possibility of extending the Fortran language to have new types which behave nearly like the native types.", "title": "Operator Overloading" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "The assignment operator = can be overloaded. We will demonstrate this by the following example. Here, we define how the assignment of a logical type on the left and an integer on the right should be performed.", "title": "Operator Overloading" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "One can overload intrinsic operators, such as +,-,*.", "title": "Operator Overloading" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "In the following example we will overload the * operator to work as the logical .and..", "title": "Operator Overloading" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "One can create newly self-created operators.", "title": "Operator Overloading" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "We demonstrate this by the following example: We create an unary operator .even. <int> which outputs a logical if the given integer is even as well as a binary operator <reals> .cross. <reals> that performs the standard cross product of two real vectors.", "title": "Operator Overloading" } ]
null
{{nav}} {{Wikipedia|Fortran}} == 手続きのオーバーローディング == Fortran 90およびそれ以降では、他のいくつかの言語と同様に、渡された引数に基づいてルーチンのリストから適切なルーチンを選択する機能がサポートされています。この選択はコンパイル時に行われるため、実行時のパフォーマンスペナルティはありません。この機能は、モジュールとインターフェースブロックの使用によってアクセスされます。 以下の例では、さまざまな型の引数を処理できるインターフェース関数<code>f</code>を含むモジュールが指定されています。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module extension_m implicit none private public f ! Only the interface f is accessable outside the module. interface f ! The overloaded function is called "f". module procedure f_i ! "f(x)" for integer argument "x" will call "f_i" module procedure f_r ! "f(x)" for real argument "x" will call "f_r" module procedure f_z ! ... complex .... "f_z" end interface contains integer function f_i(x) result (y) integer, intent (in) :: x y = x**2 - 1 end function real function f_r(x) result(y) real, intent (in) :: x y = x**2 - 1.0 end function complex function f_z(x) result(y) complex, intent (in) :: x y = x**2 - 1.0 end function end module </syntaxhighlight> このモジュールを使用するプログラムでは、整数、実数、または複素数型の引数を受け入れる単一のインターフェース関数<code>f</code>にアクセスできます。関数の戻り値の型は入力の型と同じです。このようにして、ルーチンはFortran標準の一部として定義されている多くの組み込み関数と似ています。以下に、例のプログラムが示されています。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program main use extension_m implicit none complex :: xz, yz integer :: xi, yi real :: xr, yr xi = 2 xr = 2.0 xz = 2.0 yi = f(xi) yr = f(xr) yz = f(xz) end program </syntaxhighlight> == 組み込み関数の拡張 == 組み込み関数を拡張することができます。これは演算子のオーバーロードと似ています。 以下では、<code>sqrt</code>関数を拡張してみます。整数型の引数に対しては組み込みの関数が実装されていないことに注意してください。これは、整数型の引数の結果をどのように定義するかが明確でないためです(例えば、<math>\sqrt{4}=2</math>ですが、<math>\sqrt{5}=2.236 \ldots</math>をどのように定義するかがわかりません)。ここでは、結果が常に最も近い整数になるような方法を実装します。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module sqrt_int_m implicit none private public sqrt ! use intrinsic sqrt for data types which are not overloaded intrinsic :: sqrt ! extend sqrt for integers interface sqrt module procedure sqrt_int end interface contains pure integer function sqrt_int(i) integer, intent (in) :: i sqrt_int = nint(sqrt(real(i))) end function end module program main use sqrt_int_m implicit none integer :: i ! sqrt can be called by real and integer arguments do i = 1, 7 print *, "i, sqrt(i), sqrt(real(i))", i, sqrt(i), sqrt(real(i)) end do end program </syntaxhighlight> == 派生データ型 == Fortran 90およびそれ以降では、既存の型の合成である新しいデータ型の作成がサポートされています。これは配列に似ていますが、構成要素はすべて同じ型である必要はなく、名前で参照されます。このようなデータ型は、その型の変数が宣言される前に宣言され、使用するためにスコープ内にある必要があります。以下は、単純な2次元ベクトル型の例です。 :<syntaxhighlight lang=fortran> type :: vec_t real :: x,y end type </syntaxhighlight> この型の変数は、変数の特性、ポインター、および次元を含む、他の変数と同様に宣言できます。 :<syntaxhighlight lang=fortran> type (vec_t) :: a,b type (vec_t), dimension (10) :: vecs </syntaxhighlight> [[Fortran/オブジェクト指向プログラミング#派生データ型|派生データ型]]を使用すると、Fortran言語は、プリミティブ型で表されるデータよりも多様な種類のデータを表すことができます。 == 演算子のオーバーローディング == 演算子をオーバーロードして、派生データ型が標準の操作をサポートし、Fortran言語をネイティブの型とほぼ同じように振る舞う新しい型を持つ可能性を開くことができます。 === 代入 === 代入演算子<code>=</code>をオーバーロードすることができます。 以下の例で示すように、左辺に論理型、右辺に整数を指定した場合の代入方法を定義します。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module overload_assignment_m implicit none private public assignment (=) interface assignment (=) module procedure logical_gets_integer end interface contains subroutine logical_gets_integer(tf, i) logical, intent (out) :: tf integer, intent (in) :: i tf = (i == 0) end subroutine end module program main use overload_assignment_m implicit none logical :: tf tf = 0 print *, "tf=0:", tf ! Yields: T tf = 1 print *, "tf=1:", tf ! Yields: F end program </syntaxhighlight> === 組み込み演算子 === <code>+</code>、<code>-</code>、<code>*</code>などの組み込み演算子をオーバーロードすることができます。 次の例では、<code>*</code>演算子を論理<code>.and.</code>として機能するようにオーバーロードします。 </code>. :<syntaxhighlight lang=fortran> module overload_asterisk_m implicit none private public operator (*) interface operator (*) module procedure logical_and end interface contains pure logical function logical_and(log1, log2) logical, intent (in) :: log1, log2 logical_and = (log1 .and. log2) end function end module program main use overload_asterisk_m implicit none logical, parameter :: T = .true., F = .false. print *, "T*T:", T*T ! Yields: T print *, "T*F:", T*F ! Yields: F print *, "F*T:", F*T ! Yields: F print *, "F*F:", F*F ! Yields: F end program </syntaxhighlight> === 新しい演算子 === 新しい独自の演算子を作成することができます。 次の例では、与えられた整数が偶数であるかどうかを出力する単項演算子<code>.even. <int></code>と、2つの<code>real</code>ベクトルの標準的な外積を行う二項演算子<code><reals> .cross. <reals></code>を作成します。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module new_operators_m implicit none private public operator (.even.) public operator (.cross.) interface operator (.even.) module procedure check_even end interface interface operator (.cross.) module procedure cross_product end interface contains pure logical function check_even(i) integer, intent (in) :: i check_even = (modulo(i, 2) == 0) end function function cross_product(x, y) result(z) real, intent (in) :: x(3), y(3) real :: z(3) z(1) = x(2)*y(3) - x(3)*y(2) z(2) = x(3)*y(1) - x(1)*y(3) z(3) = x(1)*y(2) - x(2)*y(1) end function end module program main use new_operators_m implicit none integer :: i real :: x(3), y(3) do i = 1, 6 print *, "i:", i, "even?", .even. i end do print * x = [ 1, 2, 3] y = [-1, 2, -3] print *, 'x', x print *, 'y', y print *, 'x cross_product y', x .cross. y end program </syntaxhighlight>
2024-02-05T12:49:25Z
2024-02-05T13:07:13Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Fortran/%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%8B%A1%E5%BC%B5%E3%81%A8%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89
39,045
Fortran/言語の混合
Fortran types map quite well to intrinsic types in other compiled languages. The following is a table of Fortran-to-C types: The layout of Fortran arrays in memory contrasts with arrays in C and many C-based languages. When iterating over contiguous array elements in C, the rightmost array subscript varies the fastest, while in Fortran, the leftmost array subscript varies the fastest. Hence the element following x(1,1) in contiguous memory is x(2,1), not x(1,2). Furthermore, the element sub-scripting in C starts at 0, while Fortran starts at 1 by default. An element in Fortran may be x(1), while the equivalent value in C code would be x[0]. However, when passing a Fortran array to a C function, you do not need to (and should not) reshape the array into C-style subscripts first; the compiler will automatically do this for you. See the Common Blocks section. Many languages push their arguments onto the stack, some as constants and some as addresses. In most compilers, Fortran will compile a block of pointers to variables and constants, and push the address of that block. So, if we had a Fortran procedure defined as follows: then the C definition would be: The C code could call the routine as follows: In PL/1, you can define an external common block, subroutine, or procedure to be of type FORTRAN. When you do this, everything, down to subscript order, will be handled for you. Likewise, you can define a PL/1 item, such as a subroutine, to be of type FORTRAN, and it will then be callable by Fortran using Fortran's calling conventions.
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "Fortran types map quite well to intrinsic types in other compiled languages. The following is a table of Fortran-to-C types:", "title": "Types" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "The layout of Fortran arrays in memory contrasts with arrays in C and many C-based languages. When iterating over contiguous array elements in C, the rightmost array subscript varies the fastest, while in Fortran, the leftmost array subscript varies the fastest. Hence the element following x(1,1) in contiguous memory is x(2,1), not x(1,2). Furthermore, the element sub-scripting in C starts at 0, while Fortran starts at 1 by default. An element in Fortran may be x(1), while the equivalent value in C code would be x[0]. However, when passing a Fortran array to a C function, you do not need to (and should not) reshape the array into C-style subscripts first; the compiler will automatically do this for you.", "title": "Arrays" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "See the Common Blocks section.", "title": "Global Storage" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "Many languages push their arguments onto the stack, some as constants and some as addresses. In most compilers, Fortran will compile a block of pointers to variables and constants, and push the address of that block. So, if we had a Fortran procedure defined as follows:", "title": "Subroutine and function calls" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "then the C definition would be:", "title": "Subroutine and function calls" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "The C code could call the routine as follows:", "title": "Subroutine and function calls" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "In PL/1, you can define an external common block, subroutine, or procedure to be of type FORTRAN. When you do this, everything, down to subscript order, will be handled for you. Likewise, you can define a PL/1 item, such as a subroutine, to be of type FORTRAN, and it will then be callable by Fortran using Fortran's calling conventions.", "title": "The PL/1 Special Case" } ]
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{{nav}} {{Wikipedia|Fortran}} == 型 == Fortranの型は、他のコンパイルされた言語の組み込み型と非常によくマッピングされます。以下は、FortranからCへの型の対応表です: :{| class=wikitable |+ FortranからCへの型の対応表 ! Fortran !! C |- | COMMON | extern struct |- | INTEGER*1 | signed char |- | INTEGER*2 | short |- | INTEGER*4 | long |- | INTEGER*8 | long long |- | INTEGER | int |- | REAL | float |- | REAL*4 | float |- | REAL*8 | double |- | REAL*16 | long double |- | LOGICAL | int |- | LOGICAL*n | char [n] |- | CHARACTER*n | char [n] |- | DOUBLE PRECISION | double |- | COMPLEX | float [2] |- | COMPLEX*8 | float [2] |- | COMPLEX*16 | double [2] |- | COMPLEX*32 | long double [2] |} == 配列 == Fortranの配列のメモリレイアウトは、Cや多くのCベースの言語の配列とは対照的です。Cで連続した配列要素を反復処理する場合、右側の配列添字が最も速く変化しますが、Fortranでは左側の配列添字が最も速く変化します。したがって、連続したメモリ内の<code>x(1,1)</code>の次の要素は<code>x(2,1)</code>であり、<code>x(1,2)</code>ではありません。さらに、Cの要素の添字付けは0から始まりますが、Fortranの添字付けはデフォルトで1から始まります。Fortranの要素は<code>x(1)</code>であるかもしれませんが、Cコードの等価値は<code>x[0]</code>です。ただし、Fortran配列をCの関数に渡す場合、最初に配列をCスタイルの添字に変換する必要はありません(むしろ、しないでください);コンパイラが自動的にこれを行います。 == グローバルストレージ == [[Fortran/メモリ管理と共通ブロック#共通ブロック|共通ブロック]]セクションを参照してください。 == サブルーチンと関数の呼び出し == 多くの言語は、引数をスタックにプッシュします。いくつかは定数として、いくつかはアドレスとして。ほとんどのコンパイラでは、Fortranは変数と定数へのポインターのブロックをコンパイルし、そのブロックのアドレスをプッシュします。したがって、次のようにFortranプロシージャが定義されている場合: :<syntaxhighlight lang=fortran> subroutine my_sub(i, j, x) </syntaxhighlight> そのCでの定義は次のようになります: :<syntaxhighlight lang=c> struct my_sub_args { int *i; int *j; float *x; } my_sub_args = {&i, &j, &x}; void my_sub(my_sub_args*); </syntaxhighlight> Cコードは次のようにしてルーチンを呼び出すことができます: :<syntaxhighlight lang=c> my_sub(&my_sub_args); </syntaxhighlight> == PL/Iの特別な場合 == PL/Iでは、外部共通ブロック、サブルーチン、または手続きをFORTRAN型と定義することができます。これを行うと、添字順序まで含めて、すべてが自動的に処理されます。同様に、PL/Iアイテム(例えば、サブルーチンなど)をFORTRAN型と定義することもでき、FortranがFortranの呼び出し規約を使用してそれを呼び出すことができるようになります。
2024-02-05T13:11:14Z
2024-02-05T13:33:42Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Fortran/%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%B7%B7%E5%90%88
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JavaFX
JavaFXは、Javaプラットフォーム向けのユーザーインターフェース(UI)およびグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ライブラリおよびソフトウェアフレームワークです。JavaFXは、豊富なビジュアルエクスペリエンスを提供し、デスクトップ、モバイル、および組み込みデバイス向けのアプリケーションを開発するために使用されます。 JavaFXは、Javaの標準ライブラリの一部として提供されており、Java Development Kit(JDK)に含まれています。JavaFXは、豊富なグラフィックス、アニメーション、メディア再生機能、および豊富なUIコントロールを提供し、開発者が魅力的で使いやすいアプリケーションを構築できるように支援します。 JavaFXは、Java言語で開発されており、FXMLというXMLベースの言語を使用してUIを記述することができます。また、CSS(Cascading Style Sheets)を使用してスタイルを定義することも可能です。 JavaFXは、Java Swingと比較してより現代的なアプローチを取っており、リッチなUIや洗練されたグラフィックスを実現するための機能を提供しています。 JavaFXは、JavaでGUIアプリケーションを開発するためのツールキットです。JavaFXを使用すると、豊富なUIコントロール、グラフィックス、レイアウト、CSSスタイルシートなどを使用して、美しい、インタラクティブなデスクトップアプリケーションを作成できます。 JavaFXアプリケーションは、JavaFX Scene Graphと呼ばれるグラフィカルなオブジェクトツリーで構築されます。このScene Graphを構築するには、FXMLというXMLベースのマークアップ言語を使用することもできます。FXMLを使用すると、GUIのレイアウトとデザインを分離し、デザイナーとプログラマーが分業できます。 JavaFXには、JavaFXアプリケーションを構築するための豊富なAPIが用意されています。これには、UIコントロール(ラベル、ボタン、テキストボックスなど)、レイアウトマネージャー、アニメーション、トランジション、CSSスタイルシートなどが含まれます。また、FXMLを使用して、JavaコントローラクラスにUIコントロールをバインドし、ユーザーのアクションに応答するコードを記述できます。 JavaFXは、Java SE Development Kit(JDK)の一部であり、JavaFXを使用するためにはJDKをインストールする必要があります。また、JavaFXの最新バージョンは、OpenJFXプロジェクトとしてオープンソースで開発されており、多くのIDEがJavaFXプロジェクトをサポートしています。 FXMLとは、JavaFXのUIを宣言的に記述するXMLベースのマークアップ言語です。 FXMLを使用することで、JavaFXのUIをより簡単に作成できます。 以下は、FXMLの例です。 FXMLでは、UI要素を定義するためにXMLタグを使用し、その属性を使用してUI要素の属性を設定します。 FXMLファイルの最上位の要素はルート要素であり、この場合はStackPaneです。 StackPane要素のchildrenタグ内に、Text要素があり、そのtext属性にはテキストコンテンツが設定されます。 FXMLファイルは、JavaFXのアプリケーションクラスからロードされます。例えば、FXMLLoaderクラスを使用してロードできます。 以下は、FXMLを使用してJavaFXアプリケーションを初期化するためのコードの例です。 FXMLを使用する場合、start()メソッド内でFXMLファイルをロードする必要があります。 FXMLLoaderクラスを使用して、FXMLファイルを読み込み、FXMLのルート要素を取得します。 これをJavaFXのSceneに追加し、Stageに表示することができます。 JavaFXはCSSを使用して外観をスタイリングできます。CSSを使用すると、ボタン、ラベル、テキストフィールドなど、JavaFXの多くのUIコントロールの外観をカスタマイズできます。 以下は、AWT、Swing、およびJavaFXの特徴を比較する表です。 FXMLは機能的には優れているのですが、XMLに基づいているので記述性と可読性に難があります。 このため、いくつかの代替技術が開発されています。 以下はいくつかの代替技術の例です。 これらの代替技術は、FXMLを回避したり、UIの構築をよりプログラマブルにしたりするために使用することができます。KotlinやGroovyの柔軟性を活かしたUI開発を行いたい場合には、これらの代替技術が有用です。
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JavaFXは、Javaプラットフォーム向けのユーザーインターフェース(UI)およびグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ライブラリおよびソフトウェアフレームワークです。JavaFXは、豊富なビジュアルエクスペリエンスを提供し、デスクトップ、モバイル、および組み込みデバイス向けのアプリケーションを開発するために使用されます。 JavaFXは、Javaの標準ライブラリの一部として提供されており、Java Development Kit(JDK)に含まれています。JavaFXは、豊富なグラフィックス、アニメーション、メディア再生機能、および豊富なUIコントロールを提供し、開発者が魅力的で使いやすいアプリケーションを構築できるように支援します。 JavaFXは、Java言語で開発されており、FXMLというXMLベースの言語を使用してUIを記述することができます。また、CSSを使用してスタイルを定義することも可能です。 JavaFXは、Java Swingと比較してより現代的なアプローチを取っており、リッチなUIや洗練されたグラフィックスを実現するための機能を提供しています。
{{Wikipedia|JavaFX}} JavaFXは、Javaプラットフォーム向けのユーザーインターフェース(UI)およびグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ライブラリおよびソフトウェアフレームワークです。JavaFXは、豊富なビジュアルエクスペリエンスを提供し、デスクトップ、モバイル、および組み込みデバイス向けのアプリケーションを開発するために使用されます。 JavaFXは、Javaの標準ライブラリの一部として提供されており、Java Development Kit(JDK)に含まれています。JavaFXは、豊富なグラフィックス、アニメーション、メディア再生機能、および豊富なUIコントロールを提供し、開発者が魅力的で使いやすいアプリケーションを構築できるように支援します。 JavaFXは、Java言語で開発されており、FXMLというXMLベースの言語を使用してUIを記述することができます。また、CSS(Cascading Style Sheets)を使用してスタイルを定義することも可能です。 JavaFXは、Java Swingと比較してより現代的なアプローチを取っており、リッチなUIや洗練されたグラフィックスを実現するための機能を提供しています。 == JavaFX== JavaFXは、JavaでGUIアプリケーションを開発するためのツールキットです。JavaFXを使用すると、豊富なUIコントロール、グラフィックス、レイアウト、CSSスタイルシートなどを使用して、美しい、インタラクティブなデスクトップアプリケーションを作成できます。 JavaFXアプリケーションは、JavaFX Scene Graphと呼ばれるグラフィカルなオブジェクトツリーで構築されます。このScene Graphを構築するには、FXMLというXMLベースのマークアップ言語を使用することもできます。FXMLを使用すると、GUIのレイアウトとデザインを分離し、デザイナーとプログラマーが分業できます。 JavaFXには、JavaFXアプリケーションを構築するための豊富なAPIが用意されています。これには、UIコントロール(ラベル、ボタン、テキストボックスなど)、レイアウトマネージャー、アニメーション、トランジション、CSSスタイルシートなどが含まれます。また、FXMLを使用して、JavaコントローラクラスにUIコントロールをバインドし、ユーザーのアクションに応答するコードを記述できます。 JavaFXは、Java SE Development Kit(JDK)の一部であり、JavaFXを使用するためにはJDKをインストールする必要があります。また、JavaFXの最新バージョンは、OpenJFXプロジェクトとしてオープンソースで開発されており、多くのIDEがJavaFXプロジェクトをサポートしています。 === FXML=== FXMLとは、JavaFXのUIを宣言的に記述するXMLベースのマークアップ言語です。 FXMLを使用することで、JavaFXのUIをより簡単に作成できます。 以下は、FXMLの例です。 ;sample.fxml:<syntaxhighlight lang=xml> <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <?import javafx.scene.layout.StackPane?> <?import javafx.scene.text.Text?> <StackPane prefHeight="200.0" prefWidth="250.0" xmlns="http://javafx.com/javafx/16" xmlns:fx="http://javafx.com/fxml/1" fx:controller="sample" fx:stylesheet="sample.css"> <children> <Text text="Hello, JavaFX!" /> </children> </StackPane> </syntaxhighlight> FXMLでは、UI要素を定義するためにXMLタグを使用し、その属性を使用してUI要素の属性を設定します。 FXMLファイルの最上位の要素はルート要素であり、この場合はStackPaneです。 StackPane要素のchildrenタグ内に、Text要素があり、そのtext属性にはテキストコンテンツが設定されます。 FXMLファイルは、JavaFXのアプリケーションクラスからロードされます。例えば、FXMLLoaderクラスを使用してロードできます。 以下は、FXMLを使用してJavaFXアプリケーションを初期化するためのコードの例です。 ;sample.java:<syntaxhighlight lang=java> import javafx.application.Application; import javafx.fxml.FXMLLoader; import javafx.scene.Scene; import javafx.stage.Stage; public class sample extends Application { @Override public void start(Stage primaryStage) throws Exception { primaryStage.setTitle("ここはタイトル"); primaryStage.setOnCloseRequest(e -> System.exit(0)); FXMLLoader loader = new FXMLLoader(getClass().getResource("sample.fxml")); StackPane root = loader.load(); Scene scene = new Scene(root, 250, 200); primaryStage.setScene(scene); primaryStage.show(); } public static void main(String[] args) { launch(args); } } </syntaxhighlight> FXMLを使用する場合、start()メソッド内でFXMLファイルをロードする必要があります。 FXMLLoaderクラスを使用して、FXMLファイルを読み込み、FXMLのルート要素を取得します。 これをJavaFXのSceneに追加し、Stageに表示することができます。 === CSS=== JavaFXはCSSを使用して外観をスタイリングできます。CSSを使用すると、ボタン、ラベル、テキストフィールドなど、JavaFXの多くのUIコントロールの外観をカスタマイズできます。 ;sample.css:<syntaxhighlight lang=java> .root { -fx-background-color: #f2f2f2; /* ルートノードの背景色 */ } .text { -fx-font-size: 24pt; /* テキストのフォントサイズ ''/ -fx-text-fill: #ff0000; /'' テキストの文字色 */ } </syntaxhighlight> :{| class=wikitable |+ JavaFX/CSSの主なプロパティ !プロパティ名 !説明 |- ! -fx-alignment |コントロール内のコンテンツの配置位置を指定する |- ! -fx-background-color |コントロールの背景色を指定する |- ! -fx-background-image |コントロールの背景画像を指定する |- ! -fx-background-insets |コントロールの背景画像の余白を指定する |- ! -fx-background-position |コントロールの背景画像の位置を指定する |- ! -fx-background-radius |コントロールの背景画像の角丸のサイズを指定する |- ! -fx-background-size |コントロールの背景画像のサイズを指定する |- ! -fx-border-color |コントロールの枠線の色を指定する |- ! -fx-border-insets |コントロールの枠線の余白を指定する |- ! -fx-border-radius |コントロールの枠線の角丸のサイズを指定する |- ! -fx-border-style |コントロールの枠線のスタイルを指定する |- ! -fx-border-width | コントロールの枠線の太さを指定する |- ! -fx-font |コントロールのフォントを指定する |- ! -fx-font-family |コントロールのフォントファミリーを指定する |- ! -fx-font-size |コントロールのフォントサイズを指定する |- ! -fx-font-style |コントロールのフォントスタイルを指定する |- ! -fx-font-weight |コントロールのフォントの太さを指定する |- ! -fx-text-alignment |テキストの水平方向の配置位置を指定する |- ! -fx-text-fill |テキストの色を指定する |- ! -fx-padding |コントロールの内側の余白を指定する |- ! -fx-opacity |コントロールの不透明度を指定する |- ! -fx-cursor |マウスポインタの形状を指定する |- ! -fx-effect |コントロールに対して適用するエフェクトを指定する |- ! -fx-focus-color |フォーカスがあたったときの色を指定する |- ! -fx-focus-traversable |コントロールがフォーカスを受け取るかどうかを指定する |- ! -fx-highlight-fill |選択範囲の背景色を指定する |- ! -fx-highlight-text-fill |選択範囲内のテキストの色を指定する |} === AWT、Swing、JavaFXの特徴を比較=== 以下は、AWT、Swing、およびJavaFXの特徴を比較する表です。 :{| class=wikitable |+ AWT、Swing、JavaFXの特徴を比較 !特徴 !AWT !Swing !JavaFX |- !コンポーネント | ネイティブコンポーネントを使用 | ルックアンドフィールの変更が可能 | CSSを使用してスタイリング可能 |- !ルックアンドフィール | ネイティブOSのルックアンドフィール | ネイティブOSのルックアンドフィール または、独自のルックアンドフィール | 独自のルックアンドフィール |- !レンダリングエンジン | ネイティブ | Javaで実装された独自の描画エンジン | Javaで実装された独自の描画エンジン |- !イベントモデル | ネイティブ | Javaで実装された独自のイベントモデル | Javaで実装された独自のイベントモデル |- !レイアウトマネージャ | プラットフォームに依存 | Javaで実装された独自のレイアウトマネージャ | Javaで実装された独自のレイアウトマネージャ |- !カスタマイズ性 | 限定的 | 高い | 高い |- !機能拡張 | オーバーヘッドが少ない | 高い | 高い |- !モバイルサポート | 限定的 | 限定的 | 高い |- !非同期処理 | サポートされていない | サポートされていない | サポートされている |- !グラフィックス機能 | 限定的 | 高い | 高い |- !アニメーション | 不十分 | 限定的 | 高い |- !動画・3Dサポート | なし | なし | 組み込みでサポート |- !グラフィックス性能 | 低い | 中程度 | 高い |- !ツールチップサポート | なし | あり | あり |} * AWTは古典的なアプローチで、ネイティブOSの機能をそのまま利用しますが、機能やカスタマイズ性に制限があります。 * SwingはAWTの欠点を克服し、より高度なカスタマイズ性や機能拡張を提供しますが、レンダリングやパフォーマンスに関しては劣ることがあります。 * JavaFXはSwingと同様に多くのGUIコンポーネントを提供し、レスポンシブなレイアウト、アニメーション、3Dグラフィックス、FXMLといったモダンな特徴を持っています。 == FXMLの代替技術 == FXMLは機能的には優れているのですが、XMLに基づいているので記述性と可読性に難があります。 このため、いくつかの代替技術が開発されています。 以下はいくつかの代替技術の例です。 # Kotlin DSL (Domain Specific Language): Kotlinは、Javaと互換性があり、JavaFXとの統合も簡単です。Kotlin DSLを使用してUIをプログラム的に構築することができます。Kotlin DSLは、JavaFXのAPIをより簡潔かつ直感的に使用することができます。この方法を選択すると、FXMLの代わりにUIをコードで構築することができます。 #:<syntaxhighlight lang=kotlin> import javafx.application.Application import javafx.scene.Scene import javafx.scene.control.Button import javafx.scene.layout.VBox import javafx.stage.Stage fun main() = launchApp { title = "KotlinFX Example" width = 300.0 height = 200.0 scene = scene { root = VBox { center = button("Click Me") { onAction { println("Button clicked!") } } } } } </kotlin> # TornadoFX: TornadoFXは、Kotlinで構築されたJavaFX向けの軽量フレームワークです。TornadoFXは、Kotlinの特性を活かしてUIを宣言的に構築し、FXMLを回避することができます。また、TornadoFXは、リアクティブプログラミングのサポートやDI (Dependency Injection) の統合など、さまざまな機能を提供します。 #:<syntaxhighlight lang=kotlin> import tornadofx.* class TornadoFXExample : App() { override fun start(stage: Stage) { stage { title = "TornadoFX Example" width = 300.0 height = 200.0 scene { root = vbox { button("Click Me") { setOnAction { println("Button clicked!") } } } } } } } fun main() = launch<TornadoFXExample>() </syntaxhighlight> # GroovyFX: GroovyFXは、JavaFXをGroovyスクリプトで利用するためのライブラリです。GroovyFXを使用すると、JavaFXのAPIをGroovyの柔軟性と表現力を利用して利用することができます。これにより、FXMLを使用せずにUIをプログラム的に構築することができます。 #:<syntaxhighlight lang=groovy> @Grapes([ @Grab('org.codehaus.groovyfx:groovyfx:0.6.0') ]) import groovyx.javafx.GroovyFX def primaryStage = GroovyFX.start { title = "GroovyFX Example" width = 300 height = 200 vbox { button("Click me!") { setOnAction { println("Button clicked!") } } } } </syntaxhighlight> これらの代替技術は、FXMLを回避したり、UIの構築をよりプログラマブルにしたりするために使用することができます。KotlinやGroovyの柔軟性を活かしたUI開発を行いたい場合には、これらの代替技術が有用です。 [[カテゴリ:ソフトウェア]]
2024-02-07T04:09:28Z
2024-02-08T08:04:01Z
[ "テンプレート:Wikipedia" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/JavaFX
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Java/レコード
Java16でrecord型追加された。レコードという名前のとおり、インスタンス作成時の一度しか書き換えをしない記録を書くためのものである。 クラスを用いても同じ動作のものを作れるが、レコード型を使うことによりコード量が短くなるし、意図も明確になる等、利点がある。 は、次の標準クラスと同等です インスタンスの作成の際には上記コードのようにfinal var aのようにfinal修飾子をつけなくても、record型のインスタンスを作成する際は自動的にそのインスタンスがfinal になり、書き換え不能になる。 なお、final var a = new Person("Tom", 13);のようにfinal をつけてインスタンスを作成しても、正常に動く(結果は上記と同じ)。
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{{Nav}} == レコード == Java16でrecord型追加された<ref>{{Cite web |url=https://docs.oracle.com/javase/jp/18/docs/api/java.base/java/lang/Record.html |title=Record (Java SE 16 &amp; JDK 16) |date=2021/07/20 |accessdate=2022/07/01 }}</ref>。レコードという名前のとおり、インスタンス作成時の一度しか書き換えをしない記録を書くためのものである。 クラスを用いても同じ動作のものを作れるが、レコード型を使うことによりコード量が短くなるし、意図も明確になる等、利点がある。 ;コード例 ;sample.java:<syntaxhighlight lang="Java"> class sample { public static void main(String[] args) { record Person(String name, int year) {} var a = new Person("Tom", 13); System.out.println(a.name()); // Tom System.out.println(a.year()); // 13 System.out.println(a); // Person[name=Tom, year=13] var b = new Person("John", 15); System.out.println(b.name); // John System.out.println(b.year); // 15 System.out.println(b); // Person[name=John, year=15] } } </syntaxhighlight> ;実行結果:<syntaxhighlight lang="text"> Tom 13 Person[name=Tom, year=13] John 15 Person[name=John, year=15] </syntaxhighlight> ;レコード定義:<syntaxhighlight lang="Java"> record Person(String name, int year) {} </syntaxhighlight> は、次の標準クラスと同等です :<syntaxhighlight lang="Java"> public final class Person { private final String name; private final int year; public Person(String name, int year) { this.name = name; this.year = year; } String name() { return this.name; } int year() { return this.year; } // equals() と hashCode() を実装し、2つのレコードオブジェクトが同じ型であり、 // 同じフィールド値を含む場合、等しいことを指定する。 public boolean equals... public int hashCode... // toString() の実装で、レコードクラスのすべてのフィールドの名前と文字列表現を返す。 public String toString() {...} } </syntaxhighlight> インスタンスの作成の際には上記コードのように<code>final var a</code>のようにfinal修飾子をつけなくても、record型のインスタンスを作成する際は自動的にそのインスタンスがfinal になり、書き換え不能になる。 なお、<code>final var a = new Person("Tom", 13);</code>のようにfinal をつけてインスタンスを作成しても、正常に動く(結果は上記と同じ)。 {{Nav}} [[Category:Java]]
2024-02-07T04:12:35Z
2024-02-07T04:12:35Z
[ "テンプレート:Nav", "テンプレート:Cite web" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/Java/%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89
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中学校高等学校保健体育実技編/サッカー
18世紀中頃になると、フットボールは学校の校庭で行われるようになりました。その後、フットボールは制限時間内に得点を取り合うスポーツに変わりました。しかし、この時のルールはそれぞれの学校で違っていました。1863年、イングランドでフットボール協会が生まれました。フットボール協会は、足を使ってボールを運ぶように統一ルールを決めました。この統一ルールで対外試合を行えるようになりました(サッカー)。サッカー(フットボール)は統一ルールで行われています。統一ルールがわかりやすく、競技も面白いので、サッカーはすぐに世界中へ広まりました。 ※下記、2冊を読み比べて執筆しました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "18世紀中頃になると、フットボールは学校の校庭で行われるようになりました。その後、フットボールは制限時間内に得点を取り合うスポーツに変わりました。しかし、この時のルールはそれぞれの学校で違っていました。1863年、イングランドでフットボール協会が生まれました。フットボール協会は、足を使ってボールを運ぶように統一ルールを決めました。この統一ルールで対外試合を行えるようになりました(サッカー)。サッカー(フットボール)は統一ルールで行われています。統一ルールがわかりやすく、競技も面白いので、サッカーはすぐに世界中へ広まりました。", "title": "歴史" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "※下記、2冊を読み比べて執筆しました。", "title": "資料出所" } ]
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[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>[[中学校高等学校保健体育実技編]]>サッカー [[高等学校の学習]]>[[高等学校保健体育]]>[[中学校高等学校保健体育実技編]]>サッカー == 歴史 == === 発祥 ===  古代文明が始まる前から、足でボールのような物体を蹴る遊びを世界中で広く行われていました。12世紀を迎えると、イギリス各地でマスフットボールが祭りとして行われていました。マスフットボールは、フットボールと違います。数百人の住民が2つのチームに分かれ、町や村を駆け回りました。マスフットボールは、そのような場所で一個のボールを奪い合いながら、先にゴールに向かう競技です。当初のマスフットボールは、簡単なルール(武器の禁止)だけでした。そのため、ボールを持っても、蹴っても、相手をつかんだり殴ったりしても構いませんでした。その結果、建物が壊され、死傷者も出したので、1314年以降、国王から頻繁に禁止命令が出されるようになりました。  18世紀中頃になると、フットボールは学校の校庭で行われるようになりました。その後、フットボールは制限時間内に得点を取り合うスポーツに変わりました。しかし、この時のルールはそれぞれの学校で違っていました。1863年、イングランドでフットボール協会が生まれました。フットボール協会は、足を使ってボールを運ぶように統一ルールを決めました。この統一ルールで対外試合を行えるようになりました(サッカー)。サッカー(フットボール)は統一ルールで行われています。統一ルールがわかりやすく、競技も面白いので、サッカーはすぐに世界中へ広まりました。 == 資料出所 == ※下記、2冊を読み比べて執筆しました。 * 佐伯年詩雄ほか編著 年度版『中学体育実技』学研教育みらい * 高橋健夫ほか編著 年度版『ステップアップ高校スポーツ』大修館書店  [[カテゴリ:サッカー]]
2024-02-07T06:18:05Z
2024-02-08T18:53:01Z
[]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E4%BF%9D%E5%81%A5%E4%BD%93%E8%82%B2%E5%AE%9F%E6%8A%80%E7%B7%A8/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC
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中学校保健体育/性感染症の予防
どうしたら性感染症を予防出来ますか? 性感染症 ※性感染症はどんな病気ですか。 性感染症は、性的接触から感染します。感染者の精子・腟分泌液・血液中の病原体・性器や口の粘膜などが相手の粘膜や皮膚に触れると感染します。例えば、性器クラミジア感染症・淋菌感染症・性器ヘルペスウイルス感染症・梅毒などがあります。このうち、梅毒は梅毒トレポネーマ(病原体)から感染します。梅毒の症状は進行段階で変わります。発熱・発疹など、違う病気の症状と見分けにくくなります。症状自体が現れたり消えたりを繰り返したりするので、感染を広げやすくなります。近年、梅毒の感染者が大きく増えています。性感染症は、無症状だったり、自覚症状をほとんど感じなかったりします。例えば、性器ヘルペスウイルス感染者の70~80%は無症状です。本人が性感染症に気づかないため、性的接触で相手に感染を広げるかもしれません。10代で性感染症にかかる人もいるので、青少年の感染が社会問題になっています。 梅毒の治療薬(サルバルサン)は、秦佐八郎とドイツのパウル・エールリヒが一緒になって作りました。 ★主な性感染症 ★性感染症報告数(2021年調査) 上の表は厚生労働省「性感染症報告数」の統計資料から抜粋しています。 ※どうすれば性感染症を予防出来ますか? 1回の性的接触だけで性感染症にかかります。性感染症は自然に治りません。性感染症の治療を受けないと、卵管・子宮・尿道に炎症が現れ、不妊症の原因になります。また、炎症が卵管にあると、受精卵は子宮ではなく卵管に着床します(子宮外妊娠)。受精卵が成長すると、卵管が破れて命を落としてしまいます。さらに、母親が性感染症にかかると、胎児も性感染症に感染します。その結果、胎児の早産や流産につながります。 性的接触を避けて性感染症を予防しましょう。また、コンドームは直接接触しないので、性感染症の予防につながります。 症状がみられたり、感染の不安があったりしたら、出来るだけ早く医療機関(泌尿器科・皮膚科・婦人科など)で検査・治療を受けましょう。ただし、自分がしっかり治療を受けて治っても、相手が感染していたら繰り返し感染します。そのため、相手も自分も同時に治療を受けなければなりません。 ★性的接触の繋がり もし、それぞれの人が過去に違う人と性的接触をしたら、そのカップルは不特定多数の人とつながっています。その中に感染者がいれば...
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どうしたら性感染症を予防出来ますか?
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>性感染症の予防 どうしたら性感染症を予防出来ますか? == キーワード == 性感染症 == 性感染症の感染経路 == ※性感染症はどんな病気ですか。 '''性感染症'''は、性的接触から感染します。感染者の精子・腟分泌液・血液中の病原体・性器や口の粘膜などが相手の粘膜や皮膚に触れると感染します。例えば、性器クラミジア感染症・淋菌感染症・性器ヘルペスウイルス感染症・梅毒などがあります。このうち、梅毒は梅毒トレポネーマ(病原体)から感染します。梅毒の症状は進行段階で変わります。発熱・発疹など、違う病気の症状と見分けにくくなります。症状自体が現れたり消えたりを繰り返したりするので、感染を広げやすくなります。近年、梅毒の感染者が大きく増えています。性感染症は、無症状だったり、自覚症状をほとんど感じなかったりします。例えば、性器ヘルペスウイルス感染者の70~80%は無症状です。本人が性感染症に気づかないため、性的接触で相手に感染を広げるかもしれません。10代で性感染症にかかる人もいるので、青少年の感染が社会問題になっています。 梅毒の治療薬(サルバルサン)は、秦佐八郎とドイツのパウル・エールリヒが一緒になって作りました。 ★主な性感染症 {| class="wikitable" !病名(病原体) !潜伏期間 !主な症状・特徴 !治療 |- !性器クラミジア感染症 (クラミジア・トラコマチス) |1~3週間 |男性:尿道の痒み・排尿痛 女性:おりものがわずかに増えるだけで、無症状です。 |抗生物質の内服 |- !淋菌感染症(淋菌) |2~9日 |男性:尿道の痒み・排尿痛 女性:無症状です。 |抗生物質の内服 |- !性器ヘルペスウイルス感染症 (単純ヘルペスウイルス) |2~21日 | * 外性器やその周辺の痒み・痛み・水疱などがみられます。 * 繰り返し再発します。 * 感染しても、無症状です。 |抗ウイルス剤の内服など |- !尖圭コンジローマ (ヒトパピローマウイルス) |3週~8か月 | * 性器やその周辺に先の尖った疣が出来ます。 * 痛みを伴いません。 |外科的な切除など |- !梅毒(梅毒トレポネーマ) |3〜6週間程度 | * 3週間後、性器と足の付け根にしこりが見られます。 * 約3カ月後から全身に赤い斑点が見られます。 |抗生物質の内服・注射など |} <gallery widths="200" heights="150"> ファイル:Pap smear showing clamydia in the vacuoles 500x H&E.jpg|クラミジア・トラコマチス ファイル:Gonococcal urethritis PHIL 4085 lores.jpg|淋菌 </gallery>★性感染症報告数(2021年調査) {| class="wikitable" ! rowspan="2" |感染症 ! colspan="2" |報告数(人) |- !男性 !女性 |- |性器クラミジア感染症 |15458 |14545 |- |淋菌感染症 |8097 |2302 |- |性器ヘルペスウイルス感染症 |3387 |5594 |- |梅毒 |5261 |2717 |} 上の表は厚生労働省「[https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html 性感染症報告数]」の統計資料から抜粋しています。 == 性感染症の予防対策 == ※どうすれば性感染症を予防出来ますか? [[ファイル:性感染症の連鎖.svg|右|フレームなし|297x297ピクセル]] 1回の性的接触だけで性感染症にかかります。性感染症は自然に治りません。性感染症の治療を受けないと、卵管・子宮・尿道に炎症が現れ、不妊症の原因になります。また、炎症が卵管にあると、受精卵は子宮ではなく卵管に着床します(子宮外妊娠)。受精卵が成長すると、卵管が破れて命を落としてしまいます。さらに、母親が性感染症にかかると、胎児も性感染症に感染します。その結果、胎児の早産や流産につながります。 性的接触を避けて性感染症を予防しましょう。また、コンドームは直接接触しないので、性感染症の予防につながります。 症状がみられたり、感染の不安があったりしたら、出来るだけ早く医療機関(泌尿器科・皮膚科・婦人科など)で検査・治療を受けましょう。ただし、自分がしっかり治療を受けて治っても、相手が感染していたら繰り返し感染します。そのため、相手も自分も同時に治療を受けなければなりません。 ★性的接触の繋がり もし、それぞれの人が過去に違う人と性的接触をしたら、そのカップルは不特定多数の人とつながっています。その中に感染者がいれば… == 資料出所 == * 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年 * 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年 [[カテゴリ:感染症]] [[カテゴリ:中学校保健体育|せいかんせんしようのよほう]]
2024-02-07T06:52:33Z
2024-03-17T07:59:36Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E4%BF%9D%E5%81%A5%E4%BD%93%E8%82%B2/%E6%80%A7%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2
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配列
計算機科学における配列は、同じ型のデータ要素が連続したメモリ領域に順番に格納されるデータ構造です。配列は一連の要素を、それぞれの要素に割り当てられたインデックスによって識別します。配列を使用することで、同じ種類のデータを効率的に管理し、効果的な操作(例:要素の追加、削除、検索など)を行うことができます。配列は、多くのプログラミング言語やアルゴリズムで広く使用されています。 配列は、同じ型の要素が連続したメモリ領域に格納されるデータ構造です。配列は以下の基本的な特性を持ちます: これらの特性を持つ配列は、プログラミング言語やアルゴリズムにおいて重要な役割を果たしています。 配列の操作には、次のような基本的な操作が含まれます: これらの操作は、配列を使用してデータを効果的に操作し、処理するための基本的な手法です。プログラミング言語やライブラリによっては、これらの操作をサポートする便利な関数やメソッドが提供されています。 以下に、C言語、Java、Python、JavaScript、Fortran、VBAにおける配列とその操作の特徴を説明し、主要な部分だけのコード例を示します。 これらのコード例は、各言語での配列の初期化、要素への代入、要素の参照を示しています。 それぞれの言語の特徴に注意してください。 配列と反復処理は、プログラミングにおいて非常に密接な関係にあります。配列は同じ型のデータを複数格納するためのデータ構造であり、反復処理は同じ処理を複数回実行するための制御構造です。配列を使用して複数のデータを効率的に管理し、反復処理を使用してそれらのデータに対して同じ処理を反復して適用することが一般的です。 例えば、配列に格納された数値の合計を計算するプログラムを考えてみましょう。この場合、配列内の各要素に対して反復して処理を行い、それらの要素を合計します。 以下に、Pythonのコード例を示します: この例では、配列の各要素に対して反復して処理を行い、その要素を合計に加算しています。 反復処理処理を使用することで、配列内のすべての要素を効率的に処理することができます。 配列は、さまざまなユースケースで使用されます。 いくつかの一般的なユースケースを以下に示します: これらは配列の一般的なユースケースの一部ですが、他にもさまざまな用途があります。配列はプログラミングにおいて非常に基本的でありながら、非常に重要なデータ構造であり、多くのアプリケーションやアルゴリズムで使用されています。 配列のベストプラクティスにはいくつかの重要な考え方があります: これらのベストプラクティスは、配列を効率的かつ安全に使用するための重要な考え方です。適切なデータ構造の選択やメモリ管理、インデックスの範囲チェックなどを意識することで、プログラムの品質を向上させることができます。 配列のイディオムは、プログラミングにおいてよく使われる配列操作のパターンや慣用句のことを指します。 以下に、一般的な配列のイディオムをいくつか紹介します: これらの配列のイディオムは、さまざまなプログラミング言語でよく使用されます。特定の操作やパターンを達成するために、これらのイディオムを理解し、適切に適用することが重要です。
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計算機科学における配列は、同じ型のデータ要素が連続したメモリ領域に順番に格納されるデータ構造です。配列は一連の要素を、それぞれの要素に割り当てられたインデックスによって識別します。配列を使用することで、同じ種類のデータを効率的に管理し、効果的な操作を行うことができます。配列は、多くのプログラミング言語やアルゴリズムで広く使用されています。
計算機科学における配列は、同じ型のデータ要素が連続したメモリ領域に順番に格納されるデータ構造です。配列は一連の要素を、それぞれの要素に割り当てられたインデックスによって識別します。配列を使用することで、同じ種類のデータを効率的に管理し、効果的な操作(例:要素の追加、削除、検索など)を行うことができます。配列は、多くのプログラミング言語やアルゴリズムで広く使用されています。 == 配列の基本 == 配列は、同じ型の要素が連続したメモリ領域に格納されるデータ構造です。配列は以下の基本的な特性を持ちます: # '''同質性(Homogeneity):''' 配列内の全ての要素は同じデータ型でなければなりません。例えば、整数の配列や文字列の配列などがあります。 # '''連続性(Contiguity):''' 配列内の要素はメモリ上で連続して格納されます。これにより、インデックスを使用して配列内の要素に効率的にアクセスできます。 # '''インデックス:''' 配列内の要素は、0から始まるインデックス(C言語など)や1から始まるインデックス(Fortranなど)など、特定の番号で識別されます。 # '''固定/可変長性:''' 配列のサイズは固定されることがありますが、一部の言語では可変長の配列もサポートされます。可変長の場合、動的メモリ割り当てが行われることがあります。 # '''ランダムアクセス:''' 配列内の要素は、インデックスを使用してランダムにアクセスできます。これにより、任意の位置にある要素への高速なアクセスが可能です。 これらの特性を持つ配列は、プログラミング言語やアルゴリズムにおいて重要な役割を果たしています。 == 配列の操作 == 配列の操作には、次のような基本的な操作が含まれます: # '''要素への代入:''' インデックスを使用して、配列内の特定の要素に値を代入します。 #: 例えば、<code>array[index] = 42</code>のようにして、<code>index</code>番目の要素に値を代入します。 # '''要素の参照:''' インデックスを使用して、配列内の特定の要素にアクセスします。 #: 例えば、<code>array[index]</code>のようにして、<code>index</code>番目の要素にアクセスします。 # '''要素の挿入:''' 配列内の特定の位置に新しい要素を挿入します。これには、挿入位置以降の要素を移動する必要があります。 # '''要素の削除:''' 配列内の特定の要素を削除します。これには、削除した要素より後の要素を前に移動する必要があります。 # '''要素の追加:''' 配列の末尾に新しい要素を追加します。これには、配列のサイズを拡張する必要があります。 # '''要素の検索:''' 特定の値を持つ要素を検索します。これには、線形探索や二分探索などのアルゴリズムが使用されます。 # '''要素の並び替え:''' 配列内の要素を特定の基準に従って並び替えます。例えば、昇順や降順に並べ替えることがあります。 これらの操作は、配列を使用してデータを効果的に操作し、処理するための基本的な手法です。プログラミング言語やライブラリによっては、これらの操作をサポートする便利な関数やメソッドが提供されています。 == 様々なプログラミング言語における配列とその操作 == 以下に、[[C言語]]、[[Java]]、[[Python]]、[[JavaScript]]、[[Fortran]]、[[VBA]]における配列とその操作の特徴を説明し、主要な部分だけのコード例を示します。 # '''C言語:''' #: 配列は同じ型の要素を持ち、連続したメモリ領域に格納されます。 #: インデックスは0から始まります。 #: 要素へのアクセス、代入、参照は、直接のメモリアクセスを通じて行われます。 #:<syntaxhighlight lang=c> int ary[5] = {2, 3, 5, 7, 11}; // 初期化 ary[0] = 10; // 代入 int value = ary[2]; // 参照 </syntaxhighlight> # '''Java:''' #: 配列はオブジェクトであり、同じ型の要素を持ちます。 #: インデックスは0から始まります。 #: 配列のサイズは宣言時に指定し、固定です。 #:<syntaxhighlight lang=java> int[] ary = {2, 3, 5, 7, 11}; // 初期化 ary[0] = 10; // 代入 int value = ary[2]; // 参照 </syntaxhighlight> # '''Python:''' #: リスト(List)が配列に相当し、異なる型の要素を持つことができます。 #: インデックスは0から始まります。 #: リストは動的にサイズが変更されるため、サイズの宣言は必要ありません。 #:<syntaxhighlight lang=python3> ary = [2, 3, 5, 7, 11] # 初期化 ary[0] = 10 # 代入 value = ary[2] # 参照 </syntaxhighlight> # '''JavaScript:''' #: 配列は動的にサイズが変更されることができ、異なる型の要素を持つことができます。 #: インデックスは0から始まります。 #: JavaScriptの配列はオブジェクトであり、メソッドを使って操作することができます。 #:<syntaxhighlight lang=js> let ary = [2, 3, 5, 7, 11]; // 初期化 ary[0] = 10; // 代入 let value = ary[2]; // 参照 </syntaxhighlight> # '''Fortran:''' #: Fortranの配列は1から始まるインデックスを持ちます。 #: 同じ型の要素を持つ連続したメモリ領域に格納されます。 #: 配列のサイズは宣言時に固定されます。 #:<syntaxhighlight lang=fortran> integer :: ary(5) = [2, 3, 5, 7, 11] ! 初期化 ary(1) = 10 ! 代入 integer :: value value = ary(3) ! 参照 </syntaxhighlight> # '''VBA (Visual Basic for Applications):''' #: VBAの配列は0から始まるインデックスを持ちます。 #: 同じ型の要素を持つ連続したメモリ領域に格納されます。 #: 配列のサイズは宣言時に固定されます。 #:<syntaxhighlight lang=vba> Dim ary(4) As Integer ' 初期化 ary(0) = 1 ' 代入 Dim value As Integer value = ary(2) ' 参照 </syntaxhighlight> これらのコード例は、各言語での配列の初期化、要素への代入、要素の参照を示しています。 それぞれの言語の特徴に注意してください。 == 反復処理 == 配列と反復処理は、プログラミングにおいて非常に密接な関係にあります。配列は同じ型のデータを複数格納するためのデータ構造であり、反復処理は同じ処理を複数回実行するための制御構造です。配列を使用して複数のデータを効率的に管理し、反復処理を使用してそれらのデータに対して同じ処理を反復して適用することが一般的です。 例えば、配列に格納された数値の合計を計算するプログラムを考えてみましょう。この場合、配列内の各要素に対して反復して処理を行い、それらの要素を合計します。 以下に、Pythonのコード例を示します: :<syntaxhighlight lang=python3> nums = [1, 1, 2, 3, 5] # 配列の初期化 total = 0 # 合計を格納する変数の初期化 for num in nums: # 配列の要素に対して反復処理 total += num # 合計に要素を加算 print("Total:", total) # 合計の出力 </syntaxhighlight> この例では、配列の各要素に対して反復して処理を行い、その要素を合計に加算しています。 反復処理処理を使用することで、配列内のすべての要素を効率的に処理することができます。 == ユースケース == 配列は、さまざまなユースケースで使用されます。 いくつかの一般的なユースケースを以下に示します: # '''データのコレクション:''' 複数のデータ項目をまとめて管理するために使用されます。例えば、学生の試験の成績、顧客の注文リスト、センサーデータなどが配列で表現される場合があります。 # '''アルゴリズムとデータ処理:''' ソート、検索、フィルタリングなどのアルゴリズムを実装するために使用されます。配列は効率的なデータアクセスと変更を提供し、これらのアルゴリズムの実行を容易にします。 # '''行列演算:''' 2次元配列は行列を表現するために使用され、数学的な演算や画像処理などの領域で活用されます。 # '''キューとスタック:''' 配列を使用して、キュー(先入れ先出し)やスタック(後入れ先出し)などのデータ構造を実装することができます。これらのデータ構造は、データの順序付けや一時的な保存に使用されます。 # '''キャッシュメモリ:''' プログラムやシステムのパフォーマンスを向上させるために、配列はキャッシュメモリの実装に使用されます。データの一時的な保存や高速なアクセスを提供します。 これらは配列の一般的なユースケースの一部ですが、他にもさまざまな用途があります。配列はプログラミングにおいて非常に基本的でありながら、非常に重要なデータ構造であり、多くのアプリケーションやアルゴリズムで使用されています。 == ベストプラクティス == 配列のベストプラクティスにはいくつかの重要な考え方があります: # '''適切なデータ構造の選択:''' 配列は要素の追加や削除が効率的でない場合があります。そのため、データの追加や削除が頻繁に発生する場合は、リストやマップなどの他のデータ構造を検討することが重要です。 # '''配列のサイズの考慮:''' 配列を宣言する際には、そのサイズを適切に設定することが重要です。不必要に大きな配列を確保するとメモリの無駄になり、小さすぎる場合はプログラムの動作に影響を与える可能性があります。 # '''メモリ管理:''' 配列を動的に確保する場合、メモリの解放を忘れないようにすることが重要です。メモリリークはプログラムのパフォーマンスを低下させる原因となります。 # '''インデックスの範囲チェック:''' 配列の要素にアクセスする際には、インデックスが配列の範囲内にあることを確認することが重要です。範囲外のインデックスにアクセスすると、プログラムがクラッシュする可能性があります。 # '''効率的なアクセスパターンの使用:''' 配列の要素にアクセスする際に、効率的なアクセスパターンを使用することが重要です。例えば、多次元配列の場合は行優先や列優先のアクセスパターンを選択することがあります。 # '''適切なデータ型の使用:''' 配列に格納されるデータの性質に応じて、適切なデータ型を選択することが重要です。例えば、整数値の配列には整数型を使用し、浮動小数点数の配列には浮動小数点型を使用します。 これらのベストプラクティスは、配列を効率的かつ安全に使用するための重要な考え方です。適切なデータ構造の選択やメモリ管理、インデックスの範囲チェックなどを意識することで、プログラムの品質を向上させることができます。 == イディオム == 配列のイディオムは、プログラミングにおいてよく使われる配列操作のパターンや慣用句のことを指します。 以下に、一般的な配列のイディオムをいくつか紹介します: # '''配列の反復処理:''' 配列内のすべての要素に対して同じ処理を実行する際には、反復処理を使用します。このイディオムは、forループやwhileループなどの反復構造を使用して実装されます。 # '''要素の合計/平均の計算:''' 配列内の数値要素の合計や平均を計算する際には、反復処理と加算を組み合わせて使用します。 # '''最大値/最小値の検索:''' 配列内の数値要素の中から最大値や最小値を見つける際には、一般的に反復処理と比較を使用します。 # '''フィルタリング:''' 特定の条件に一致する要素だけを選択して新しい配列を作成する操作です。通常は反復処理と条件文を使用します。 # '''要素のコピー:''' 他の配列から要素をコピーする際には、反復処理や組み込みの配列コピー関数を使用します。 # '''要素の並び替え:''' 配列内の要素を並び替える操作です。一般的には組み込みの並び替え関数やアルゴリズムを使用します。 # '''要素の結合:''' 複数の配列を結合して新しい配列を作成する操作です。通常は反復処理や組み込みの結合関数を使用します。 # '''要素の削除:''' 特定の条件に一致する要素を削除する操作です。反復処理や条件文を使用して削除すべき要素を特定し、それを別の配列にコピーする方法が一般的です。 これらの配列のイディオムは、さまざまなプログラミング言語でよく使用されます。特定の操作やパターンを達成するために、これらのイディオムを理解し、適切に適用することが重要です。 [[Category:プログラミング]] [[カテゴリ:配列]]
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リスト構造
リスト構造は、コンピュータ科学でデータを格納するための基本的なデータ構造の一つです。要素が順序付けされ、一つの要素から次の要素へのポインタ(参照)が繋がっています。これにより、データの挿入や削除が効率的に行えます。リストには単方向リストと双方向リストの2つの主要な種類があります。単方向リストでは、各要素が次の要素へのポインタを持ちますが、双方向リストでは前後の要素へのポインタを持ちます。リスト構造は、プログラミング言語やデータベースなどのさまざまなアプリケーションで幅広く使用されています。 リスト構造の基本的な性質は、挿入や削除が容易である反面、ランダムアクセスが効率的ではないことです。リストはポインタによって要素がつながっているため、要素の挿入や削除は、単にポインタの再配置を行うだけで済みます。このため、挿入や削除の時間複雑度はO(1)です。一方、ランダムアクセスは、要素を順番に辿る必要があるため、時間複雑度はO(n)になります。これは、配列の場合と比較して効率が悪い点です。配列では、インデックスによるランダムアクセスがO(1)で実現されますが、挿入や削除は要素の移動が必要であり、その場合の時間複雑度はO(n)になります。したがって、リスト構造と配列は、それぞれ異なる操作において利点を持ちます。 単方向連結リスト(Singly Linked List)は、データを連続したノードに格納し、各ノードが次のノードへの参照を持つデータ構造です。各ノードはデータと次のノードへのポインタ(参照)から構成されます。最後のノードは通常、次のノードへの参照がないことを示す特別な値(通常は null や nil)を持ちます。 以下は、単方向連結リストの特徴です。 単方向連結リストは、データの挿入と削除が頻繁に行われる場合や、ランダムアクセスが少ない場合に適しています。しかし、要素の検索やランダムアクセスが頻繁に必要な場合には、他のデータ構造(例えば、配列や二分木など)の方が適していることがあります。 このコードは、単方向連結リストを実装しています。単方向連結リストは、各要素が次の要素への参照を持つデータ構造です。以下は、コードの主な機能とクラスの構造についての解説です。 このコードは、単方向連結リストの基本的な操作を提供し、それらが期待通りに機能することを保証するテストを提供しています。テストによって、コードの正しさが検証されています。 このRustのコードは、単方向連結リストを表すデータ構造を実装しています。以下の要素からなります: また、SinglyLinkedList<T> には、デバッグ用のフォーマットや表示用のフォーマットが実装されています。これにより、println! マクロなどでリストの内容を出力できます。 最後に、main 関数では SinglyLinkedList を使用して、リストを作成し、要素の追加、デバッグ表示、通常の表示、イテレーション、フィルタリング、マッピングなどが行われています。 Iterator 構造体は、リスト内の要素に順番にアクセスするための手段を提供します。Next メソッドは、イテレータが現在指している要素を返し、次の要素に進みます。また、Iterate メソッドは、単方向連結リストのイテレータを生成するためのメソッドです。これにより、リスト内の要素に順番にアクセスするためのイテレータが提供されます。 Map、Select、Reduce メソッドでは、Iterator パターンが活用されています。これらのメソッドは、リスト内の要素に対して関数を適用したり、条件を満たす要素を選択したり、要素を結合したりするために、イテレータが使用されています。これにより、コレクション内の要素に対する操作が効率的に実装されています。 Iterator パターンの利点は、データ構造の内部構造に依存せずに要素にアクセスできることです。また、反復処理が抽象化され、コードの再利用性が向上します。さらに、Iterator を使用することで、リストの要素に順番にアクセスするための操作が明確になり、コードがよりシンプルで理解しやすくなります。 このプログラムは、単方向連結リストを表現し、さまざまな操作を行うためのものです。以下に、主な部分の解説を提供します。 これらの要素が組み合わさって、単方向連結リストの作成、操作、表示が行われています。 このプログラムは、単方向連結リストを表すSinglyLinkedListクラスを実装しています。ListNodeクラスは、単方向連結リスト内のノードを表します。 SinglyLinkedListクラスには次のメソッドが含まれています: Mainクラスには、SinglyLinkedListクラスを使用してリスト構造を操作するためのmainメソッドが含まれています。pushメソッドを使用してリストに要素を追加し、inspectメソッドやtoStringメソッドを使用してリストの表現を出力します。また、toArrayメソッドを使用してリストの配列表現を取得し、配列として出力します。 単方向循環リスト(Singly Circular Linked List)は、単方向連結リストの一種であり、最後のノードが最初のノードを指すように構成されたデータ構造です。つまり、最後のノードの次のノードへの参照が先頭のノードを指すようになっています。 単方向循環リストは、通常の単方向連結リストに比べて以下の特徴があります。 単方向循環リストは、環状的なデータ構造を表現したり、特定のアプリケーションやアルゴリズムに使用されることがあります。例えば、ラウンドロビンスケジューリング、キャッシュアルゴリズム、ゲーム開発などで使用されることがあります。 単方向リストと単方向循環リストの差異は小さいので、SinglyCircularLinkedListはSinglyLinkedListを継承して実装しました。 双方向循環リスト(Doubly Circular Linked List)は、双方向連結リストの一種であり、各ノードが前後のノードへの参照を持ち、最後のノードが最初のノード、最初のノードが最後のノードを指すように構成されたデータ構造です。つまり、各ノードが前のノードと次のノードの両方への参照を持ち、最後のノードの次のノードが最初のノード、最初のノードの前のノードが最後のノードを指します。 双方向循環リストは、通常の双方向連結リストと循環リストの特徴を組み合わせたもので、以下のような特徴があります。 双方向循環リストは、双方向連結リストの利点と循環リストの利点を組み合わせ、さまざまなアプリケーションやアルゴリズムに使用されます。例えば、環状バッファやキャッシュの実装、ダブリンゲームのボード表現などで利用されることがあります。 双方向循環リストは単方向循環リストを継承して実装しました。 リスト構造では、主に次の操作が行われます: これらの操作は、ポインタを再配置することで実現されます。 様々なプログラミング言語でリスト構造がサポートされています。例えば、C言語ではポインタを使用して自前でリストを実装することが一般的です。JavaやC#などの言語では、リストを抽象化したデータ構造が提供されており、要素の追加や削除が容易に行えます。 リスト内の要素を一つずつ処理するために反復処理が利用されます。これは、各要素を順番に取り出して特定の処理を施すために使用されます。例えば、リスト内のすべての要素を合計する場合などに利用されます。 リスト構造は、データの集合を管理する必要がある場面で広く使用されます。例えば、データベースから取得した複数の行を処理する際や、ファイル内のテキスト行を読み込む際に利用されます。また、キューやスタックなどのデータ構造を実装するための基盤としても使用されます。 要素の追加や削除が頻繁に行われる場合は、リスト構造を使用します。 検索やランダムアクセスが頻繁に行われる場合は、他のデータ構造(例えば、配列)を検討します。
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リスト構造は、コンピュータ科学でデータを格納するための基本的なデータ構造の一つです。要素が順序付けされ、一つの要素から次の要素へのポインタ(参照)が繋がっています。これにより、データの挿入や削除が効率的に行えます。リストには単方向リストと双方向リストの2つの主要な種類があります。単方向リストでは、各要素が次の要素へのポインタを持ちますが、双方向リストでは前後の要素へのポインタを持ちます。リスト構造は、プログラミング言語やデータベースなどのさまざまなアプリケーションで幅広く使用されています。
リスト構造は、コンピュータ科学でデータを格納するための基本的なデータ構造の一つです。要素が順序付けされ、一つの要素から次の要素へのポインタ(参照)が繋がっています。これにより、データの挿入や削除が効率的に行えます。リストには単方向リストと双方向リストの2つの主要な種類があります。単方向リストでは、各要素が次の要素へのポインタを持ちますが、双方向リストでは前後の要素へのポインタを持ちます。リスト構造は、プログラミング言語やデータベースなどのさまざまなアプリケーションで幅広く使用されています。 == リスト構造の基本 == リスト構造の基本的な性質は、挿入や削除が容易である反面、ランダムアクセスが効率的ではないことです。リストはポインタによって要素がつながっているため、要素の挿入や削除は、単にポインタの再配置を行うだけで済みます。このため、挿入や削除の時間複雑度はO(1)です。一方、ランダムアクセスは、要素を順番に辿る必要があるため、時間複雑度はO(n)になります。これは、配列の場合と比較して効率が悪い点です。配列では、インデックスによるランダムアクセスがO(1)で実現されますが、挿入や削除は要素の移動が必要であり、その場合の時間複雑度はO(n)になります。したがって、リスト構造と配列は、それぞれ異なる操作において利点を持ちます。 == 単方向連結リスト == 単方向連結リスト(Singly Linked List)は、データを連続したノードに格納し、各ノードが次のノードへの参照を持つデータ構造です。各ノードはデータと次のノードへのポインタ(参照)から構成されます。最後のノードは通常、次のノードへの参照がないことを示す特別な値(通常は null や nil)を持ちます。 以下は、単方向連結リストの特徴です。 # '''単方向性:''' 各ノードが次のノードへの参照のみを持ち、逆方向の参照を持たないため、データを順方向にのみ走査できます。 # '''動的なサイズ変更:''' リストの先頭への挿入や削除が容易であり、動的なサイズ変更が可能です。先頭への挿入や削除は O(1) の時間で実行できます。 # '''連続したメモリ領域を必要としない:''' リストの各ノードはメモリ上で非連続的に配置され、挿入や削除操作によってメモリの断片化が発生しません。 # '''ランダムアクセスの非効率性:''' リストの要素にランダムアクセスする際には、先頭から順番にノードをたどる必要があるため、平均的な時間計算量は O(n) となります。 # '''スタックやキューとしての利用:''' 先頭への挿入や削除が効率的であるため、スタックやキューなどのデータ構造として利用されることがあります。 単方向連結リストは、データの挿入と削除が頻繁に行われる場合や、ランダムアクセスが少ない場合に適しています。しかし、要素の検索やランダムアクセスが頻繁に必要な場合には、他のデータ構造(例えば、[[配列]]や二分木など)の方が適していることがあります。 === Ruby === ;[https://paiza.io/projects/PsLnpReeB5TAr9Z3wcxsDw?language=ruby sll.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby> # 単方向連結リストの実装 class SinglyLinkedList include Enumerable # ListNode は単方向連結リスト内のノード。 ListNode = Struct.new(:data, :next) # 単方向連結リストを初期化します。 # # *args - 初期化時の引数、配列または整数が指定されることがあります。 # - 配列の場合はその要素を順にリストに追加します。 # - 整数の場合は、0からその数までの整数をリストに追加します。 # - ブロックが与えられた場合は、それぞれの要素に対してブロックを適用して追加します。 def initialize(*args, &block) @head = nil case [args, block] in [Array => ary], nil ary.each{ push _1 } in [Array => ary], block ary.each{ push block[_1] } in [Integer => size], nil raise ArgumentError, "#{self.class}#initialize: #{args.inspect}" if size < 0 size.times{ push _1 } in [Integer => size], block raise ArgumentError, "#{self.class}#initialize: #{args.inspect}" if size < 0 size.times{ push block[_1] } in [Integer => size, val], nil raise ArgumentError, "#{self.class}#initialize: #{args.inspect}" if size < 0 size.times{ push val } in [], nil else raise ArgumentError, "#{self.class}#initialize: #{args.inspect} #{block && "block_given!"}" end end # リストの先頭に要素を追加します。 # # data - リストに追加するデータ。 # # Returns self. def unshift(data) @head = ListNode.new(data, @head) self end alias prepend unshift # リストの末尾に要素を追加します。 # # data - リストに追加するデータ。 # # Returns self. def push(data) if @head.nil? @head = ListNode.new(data) else current = @head current = current.next until current.next.nil? current.next = ListNode.new(data) end self end alias append push # リストの先頭の要素を取り出します。 def shift(*args) case args in [size] => a if size.is_a?(Integer) raise ArgumentError, "#{self.class}##{__method__}: #{args.inspect}" if size < 0 return Array.new(size) { send(__method__) } in [] else raise ArgumentError, "#{self.class}##{__method__}: #{args.inspect}" end data = @head&.data @head = @head&.next data end # リストの末尾の要素を取り出します。 def pop(*args) case args in [size] => a if size.is_a?(Integer) raise ArgumentError, "#{self.class}##{__method__}: #{args.inspect}" if size < 0 return Array.new(size) { send(__method__) } return ary in [] else raise ArgumentError, "#{self.class}##{__method__}: #{args.inspect}" end return nil if @head.nil? if @head.next.nil? data = @head.data @head = nil return data end current = @head last = current until current.next.nil? last = current current = current.next end data = current.data last.next = nil data end # リストをトラバースして各ノードに対してブロックを適用します。 # # Returns nothing. def each return to_enum unless block_given? current = @head while current yield(current.data) if block_given? current = current.next end self end # リストの文字列表現を返します。 # # Returns リストを表す文字列。 def to_s = "(#{to_a.join(' ')})" # リストのデバッグ用表現を返します。 # # Returns デバッグ用表現を表す文字列。 def inspect = "#{self.class}(#{to_a.join ', '})" end def SinglyLinkedList(args, &block) = SinglyLinkedList.new(args, &block) require 'minitest/spec' describe SinglyLinkedList do let(:list0) { SinglyLinkedList.new } let(:list3) { SinglyLinkedList.new([1, 2, 3]) } describe '#initialize' do it 'initializes an empty list if no arguments are provided' do list = SinglyLinkedList.new expect(list.to_a).must_equal [] end it 'initializes with an array' do list = SinglyLinkedList.new([1, 2, 3]) expect(list.to_a).must_equal [1, 2, 3] end it 'initializes with an array with block' do list = SinglyLinkedList.new([1, 2, 3]){|i| 2 * i } expect(list.to_a).must_equal [2, 4, 6] end it 'initializes with a block' do list = SinglyLinkedList.new(3) { |i| i + 1 } expect(list.to_a).must_equal [1, 2, 3] end it 'initializes with a block' do list = SinglyLinkedList.new(3, 42) expect(list.to_a).must_equal [42, 42, 42] end it 'raises ArgumentError if negative size is provided' do expect { SinglyLinkedList.new(-1) }.must_raise ArgumentError end it 'raises ArgumentError if unexpected arguments are provided' do expect { SinglyLinkedList.new('unexpected') }.must_raise ArgumentError end end describe '#unshift' do it 'adds elements to the beginning of the list' do list0.unshift(3).unshift(2).unshift(1) expect(list0.to_a).must_equal [1, 2, 3] end end describe '#push' do it 'adds elements to the end of the list' do list0.push(1).push(2).push(3) expect(list0.to_a).must_equal [1, 2, 3] end end describe '#shift' do it 'removes and returns the first element from the list' do expect(list3.shift).must_equal 1 expect(list3.to_a).must_equal [2, 3] end it 'multi shift from the list' do expect(list3.shift(2)).must_equal [1, 2] expect(list3.to_a).must_equal [3] end it 'Ill. shift args.' do expect { list3.shift('unexpected') }.must_raise ArgumentError end it 'returns nil if the list is empty' do expect(list0.shift).must_be_nil end end describe '#pop' do it 'removes and returns the last element from the list' do expect(list3.pop).must_equal 3 expect(list3.to_a).must_equal [1, 2] end it 'multi pop from the list' do expect(list3.pop(2)).must_equal [3, 2] expect(list3.to_a).must_equal [1] end it 'Ill. pop args.' do expect { list3.shift('unexpected') }.must_raise ArgumentError end it 'returns nil if the list is empty' do expect(list0.pop).must_be_nil end end describe '#each' do it 'iterates over each element in the list' do result = [] list3.each { |x| result << x } expect(result).must_equal [1, 2, 3] end it 'returns an enumerator if no block is given' do expect(list3.each).must_be_kind_of Enumerator end end describe '#to_s' do it 'returns a string representation of the list' do expect(list3.to_s).must_equal "(1 2 3)" end end describe '#inspect' do it 'returns a debug representation of the list' do expect(list3.inspect).must_equal "SinglyLinkedList(1, 2, 3)" end end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> このコードは、単方向連結リストを実装しています。単方向連結リストは、各要素が次の要素への参照を持つデータ構造です。以下は、コードの主な機能とクラスの構造についての解説です。 # <code>SinglyLinkedList</code> クラス: #* <code>Enumerable</code> モジュールをインクルードしており、繰り返し処理を行うためのメソッドを提供しています。 #* <code>ListNode</code> という構造体を定義しています。これは単方向連結リスト内のノードを表します。 #* <code>initialize</code> メソッド: 空の単方向連結リストを初期化します。 #* <code>unshift(data)</code> メソッド: リストの先頭に要素を追加します。 #* <code>push(data)</code> メソッド: リストの末尾に要素を追加します。 #* <code>shift(n)</code> メソッド: リストの先頭の要素を取り出します。 #* <code>pop(n)</code> メソッド: リストの末尾の要素を取り出します。 #* <code>each</code> メソッド: リストをトラバースして各ノードに対してブロックを適用します。 #* <code>to_s</code> メソッド: リストの文字列表現を返します。 #* <code>inspect</code> メソッド: リストのデバッグ用表現を返します。 このコードは、単方向連結リストの基本的な操作を提供し、それらが期待通りに機能することを保証するテストを提供しています。テストによって、コードの正しさが検証されています。 === Rust === ;list.rs:<syntaxhighlight lang=rust> use std::fmt; #[derive(Debug)] pub struct ListNode<T> { data: T, next: Option<Box<ListNode<T>>>, } impl<T> ListNode<T> { pub fn new(data: T) -> Self { ListNode { data, next: None } } } pub struct SinglyLinkedList<T> { head: Option<Box<ListNode<T>>>, } impl<T> SinglyLinkedList<T> { pub fn new() -> Self { SinglyLinkedList { head: None } } pub fn push(&mut self, data: T) -> &mut Self { let new_node = Box::new(ListNode::new(data)); if let Some(ref mut head) = self.head { let mut current = head; while let Some(ref mut next) = current.next { current = next; } current.next = Some(new_node); } else { self.head = Some(new_node); } self } pub fn pop(&mut self) -> Option<T> { self.head.take().map(|node| { self.head = node.next; node.data }) } pub fn shift(&mut self) -> Option<T> { self.head.take().map(|mut node| { self.head = node.next.take(); node.data }) } pub fn unshift(&mut self, data: T) -> &mut Self { let new_node = Box::new(ListNode::new(data)); let mut new_head = Some(new_node); std::mem::swap(&mut self.head, &mut new_head); if let Some(ref mut head) = self.head { head.next = new_head; } self } pub fn iter(&self) -> ListIterator<'_, T> { ListIterator { current: self.head.as_ref().map(|node| &**node), } } pub fn to_vec(&self) -> Vec<&T> { let mut result = Vec::new(); let mut current = self.head.as_ref().map(|node| &**node); while let Some(node) = current { result.push(&node.data); current = node.next.as_ref().map(|next| &**next); } result } } pub struct ListIterator<'a, T> { current: Option<&'a ListNode<T>>, } impl<'a, T> Iterator for ListIterator<'a, T> { type Item = &'a T; fn next(&mut self) -> Option<Self::Item> { match self.current { Some(node) => { self.current = node.next.as_ref().map(|next| &**next); Some(&node.data) } None => None, } } } impl<T: fmt::Debug> fmt::Debug for SinglyLinkedList<T> { fn fmt(&self, f: &mut fmt::Formatter<'_>) -> fmt::Result { write!(f, "SinglyLinkedList[")?; let mut current = self.head.as_ref().map(|node| &**node); while let Some(node) = current { write!(f, "{:?}", node.data)?; current = node.next.as_ref().map(|next| &**next); if current.is_some() { write!(f, " -> ")?; } } write!(f, "]") } } impl<T: fmt::Display> fmt::Display for SinglyLinkedList<T> { fn fmt(&self, f: &mut fmt::Formatter<'_>) -> fmt::Result { write!(f, "(")?; let mut current = self.head.as_ref().map(|node| &**node); while let Some(node) = current { write!(f, "{}", node.data)?; current = node.next.as_ref().map(|next| &**next); if current.is_some() { write!(f, " ")?; } } write!(f, ")") } } fn main() { let mut list = SinglyLinkedList::new(); list.push(1).push(2).push(3).push(4).push(5); println!("{:?}", list); // => "SinglyLinkedList[1 -> 2 -> 3 -> 4 -> 5]" println!("{}", list); // => "(1 2 3)" println!("{:?}", list.to_vec()); // => [1, 2, 3] let doubled_filtered_numbers: Vec<_> = list .iter() .filter(|&x| *x % 2 == 0) .map(|x| x * 2) .collect(); println!("{:?}", doubled_filtered_numbers); // => [4, 8] let mut list = SinglyLinkedList::new(); list.push(1).push(2).push(3); list.unshift(8); println!("{}", list); // => "(8 1 2 3)" println!("{:?}", list.pop()); // => Some(8) println!("{}", list); // => "(8 1 2 3)" println!("{:?}", list.shift()); // => Some(1) println!("{}", list); // => "(2 3)" } </syntaxhighlight> このRustのコードは、単方向連結リストを表すデータ構造を実装しています。以下の要素からなります: * <code>ListNode<T></code>: リスト内の各ノードを表す構造体です。データ <code>T</code> と次のノードへの参照を持ちます。 * <code>SinglyLinkedList<T></code>: 単方向連結リスト全体を表す構造体で、リストの先頭ノードへの参照を持ちます。ノードの追加や反復処理のためのメソッドを提供します。 * <code>ListIterator<'a, T></code>: リストを反復処理するイテレータです。<code>Iterator</code> トレイトを実装しており、次の要素を返す <code>next</code> メソッドを提供します。 また、<code>SinglyLinkedList<T></code> には、デバッグ用のフォーマットや表示用のフォーマットが実装されています。これにより、<code>println!</code> マクロなどでリストの内容を出力できます。 最後に、<code>main</code> 関数では <code>SinglyLinkedList</code> を使用して、リストを作成し、要素の追加、デバッグ表示、通常の表示、イテレーション、フィルタリング、マッピングなどが行われています。 === Go === ;list.go:<syntaxhighlight lang=go> package main import ( "fmt" ) // ListNode は単方向連結リスト内のノードを表します。 type ListNode struct { data int next *ListNode } // SinglyLinkedList は単方向連結リストを表します。 type SinglyLinkedList struct { head *ListNode } // NewSinglyLinkedList は新しい SinglyLinkedList インスタンスを作成します。 func NewSinglyLinkedList(data ...int) *SinglyLinkedList { list := &SinglyLinkedList{} for _, d := range data { list.Push(d) } return list } // unshift はリストの先頭に要素を追加します。 func (list *SinglyLinkedList) Unshift(data int) { list.head = &ListNode{data, list.head} } // push はリストの末尾に要素を追加します。 func (list *SinglyLinkedList) Push(data int) *SinglyLinkedList { if list.head == nil { list.head = &ListNode{data, nil} return list } tail := list.findTail() tail.next = &ListNode{data, nil} return list } // findTail はリストの末尾の要素を取得します。 func (list *SinglyLinkedList) findTail() *ListNode { if list.head == nil { return nil } current := list.head for current.next != nil { current = current.next } return current } // Shift はリストの先頭の要素を取り出します。 func (list *SinglyLinkedList) Shift() int { if list.head == nil { return -1 // エラーを表す値として-1を返す } data := list.head.data list.head = list.head.next return data } // pop はリストの末尾の要素を取り出します。 func (list *SinglyLinkedList) pop() int { if list.head == nil { return -1 // エラーを表す値として-1を返す } if list.head.next == nil { data := list.head.data list.head = nil return data } current := list.head var last *ListNode for current.next != nil { last = current current = current.next } data := current.data last.next = nil return data } // Iterator は単方向連結リストのイテレータを表します。 type Iterator struct { current *ListNode } // HasNext は次の要素があるかどうかを返します。 func (it *Iterator) HasNext() bool { return it.current != nil } // Next は次の要素を返します。 func (it *Iterator) Next() int { if it.current != nil { data := it.current.data it.current = it.current.next return data } return 0 } // NewIterator は新しいイテレータを作成します。 func (list *SinglyLinkedList) NewIterator() *Iterator { return &Iterator{current: list.head} } // Map はリスト内の各要素に関数を適用した結果からなるリストを返します。 func (list *SinglyLinkedList) Map(f func(int) int) *SinglyLinkedList { result := &SinglyLinkedList{} iterator := list.NewIterator() for iterator.HasNext() { result.Push(f(iterator.Next())) } return result } // Select はリスト内の条件を満たす要素からなるリストを返します。 func (list *SinglyLinkedList) Select(f func(int) bool) *SinglyLinkedList { result := &SinglyLinkedList{} iterator := list.NewIterator() for iterator.HasNext() { val := iterator.Next() if f(val) { result.Push(val) } } return result } // Reduce はリストの各要素を結合して単一の値を返します。 func (list *SinglyLinkedList) Reduce(initial int, f func(int, int) int) int { accumulator := initial iterator := list.NewIterator() for iterator.HasNext() { accumulator = f(accumulator, iterator.Next()) } return accumulator } // String はリストの文字列表現を返します。 func (list *SinglyLinkedList) String() string { var result string iterator := list.NewIterator() for iterator.HasNext() { result += fmt.Sprintf("%d", iterator.Next()) if iterator.HasNext() { result += " " } } return fmt.Sprintf("(%s)", result) } // Inspect はリストのデバッグ用表現を返します。 func (list *SinglyLinkedList) Inspect() string { var result string iterator := list.NewIterator() for iterator.HasNext() { result += fmt.Sprintf("%d -> ", iterator.Next()) } return result + "nil" } // ToSlice はリストの配列表現を返します。 func (list *SinglyLinkedList) ToSlice() []int { var slice []int iterator := list.NewIterator() for iterator.HasNext() { slice = append(slice, iterator.Next()) } return slice } func main() { // リスト構造の操作 list := SinglyLinkedList{} list.Push(1).Push(2).Push(3) // リストのデバッグ用表現を表示 fmt.Println(list.Inspect()) // => "1 -> 2 -> 3 -> nil" // Enumerableメソッドの利用例 mapped := list.Map(func(x int) int { return x * 2 }).ToSlice() fmt.Println(mapped) // => [2 4 6] filtered := list.Select(func(x int) bool { return x%2 == 0 }).ToSlice() fmt.Println(filtered) // => [2] sum := list.Reduce(0, func(acc, x int) int { return acc + x }) fmt.Println(sum) // => 6 // メソッドチェーンの利用例 chained := list.Map(func(x int) int { return x * 2 }). Select(func(x int) bool { return x < 5 }). ToSlice() fmt.Println(chained) // => [2 4] iterator := list.NewIterator() for iterator.HasNext() { fmt.Printf("%d ", iterator.Next()) } fmt.Println() // 改行 } </syntaxhighlight> <code>Iterator</code> 構造体は、リスト内の要素に順番にアクセスするための手段を提供します。<code>Next</code> メソッドは、イテレータが現在指している要素を返し、次の要素に進みます。また、<code>Iterate</code> メソッドは、単方向連結リストのイテレータを生成するためのメソッドです。これにより、リスト内の要素に順番にアクセスするためのイテレータが提供されます。 <code>Map</code>、<code>Select</code>、<code>Reduce</code> メソッドでは、Iterator パターンが活用されています。これらのメソッドは、リスト内の要素に対して関数を適用したり、条件を満たす要素を選択したり、要素を結合したりするために、イテレータが使用されています。これにより、コレクション内の要素に対する操作が効率的に実装されています。 Iterator パターンの利点は、データ構造の内部構造に依存せずに要素にアクセスできることです。また、反復処理が抽象化され、コードの再利用性が向上します。さらに、Iterator を使用することで、リストの要素に順番にアクセスするための操作が明確になり、コードがよりシンプルで理解しやすくなります。 === Haskell === ;list.hs:<syntaxhighlight lang=haskell> data ListNode a = ListNode { listData :: a, nextNode :: Maybe (ListNode a) } data SinglyLinkedList a = SinglyLinkedList { headNode :: Maybe (ListNode a) } -- 空の単方向リンクリストを初期化します。 emptyList :: SinglyLinkedList a emptyList = SinglyLinkedList { headNode = Nothing } -- リストの末尾に要素を追加します。 push :: SinglyLinkedList a -> a -> SinglyLinkedList a push list value = case headNode list of Nothing -> list { headNode = Just $ ListNode value Nothing } Just node -> list { headNode = Just $ appendNode node } where appendNode (ListNode val next) = ListNode val (Just (appendNode' next)) appendNode' Nothing = ListNode value Nothing appendNode' (Just n) = ListNode (listData n) (Just (appendNode' (nextNode n))) -- リストの文字列表現を返します。 toString :: Show a => SinglyLinkedList a -> String toString list = "(" ++ formatList (headNode list) ++ ")" where formatList Nothing = "" formatList (Just node) = show (listData node) ++ " " ++ formatList (nextNode node) -- リストのデバッグ用表現を返します。 inspect :: Show a => SinglyLinkedList a -> String inspect list = formatList (headNode list) where formatList Nothing = "nil" formatList (Just node) = show (listData node) ++ " -> " ++ formatList (nextNode node) -- リストの配列表現を返します。 toArray :: SinglyLinkedList a -> [a] toArray list = formatList (headNode list) where formatList Nothing = [] formatList (Just node) = listData node : formatList (nextNode node) main :: IO () main = do -- リスト構造の操作 let list = foldl push emptyList [1, 2, 3] putStrLn $ inspect list -- => "1 -> 2 -> 3 -> nil" putStrLn $ toString list -- => "(1 2 3)" print $ toArray list -- => [1, 2, 3] </syntaxhighlight> === JavaScript === ;list.js:<syntaxhighlight lang=js> class ListNode { constructor(data) { this.data = data; this.nextNode = null; } } class SinglyLinkedList { constructor() { this.head = null; } push(data) { const newNode = new ListNode(data); if (!this.head) { this.head = newNode; } else { let current = this.head; while (current.nextNode) { current = current.nextNode; } current.nextNode = newNode; } // メソッドチェインをサポートするためにthisを返す return this; } *[Symbol.iterator]() { let current = this.head; while (current) { yield current.data; current = current.nextNode; } } forEach(callback, thisArg) { for (const item of this) { callback.call(thisArg, item); } } map(callback, thisArg) { const newArray = []; for (const item of this) { newArray.push(callback.call(thisArg, item)); } return newArray; } filter(callback, thisArg) { const newArray = []; for (const item of this) { if (callback.call(thisArg, item)) { newArray.push(item); } } return newArray; } reduce(callback, initialValue) { let accumulator = initialValue; for (const item of this) { accumulator = callback(accumulator, item); } return accumulator; } every(callback, thisArg) { for (const item of this) { if (!callback.call(thisArg, item)) { return false; } } return true; } find(callback, thisArg) { for (const item of this) { if (callback.call(thisArg, item)) { return item; } } return undefined; } findIndex(callback, thisArg) { let index = 0; for (const item of this) { if (callback.call(thisArg, item)) { return index; } index++; } return -1; } findLast(callback, thisArg) { let found; for (const item of this) { if (callback.call(thisArg, item)) { found = item; } } return found; } findLastIndex(callback, thisArg) { let lastIndex = -1; let index = 0; for (const item of this) { if (callback.call(thisArg, item)) { lastIndex = index; } index++; } return lastIndex; } flatMap(callback, thisArg) { const newArray = []; for (const item of this) { const result = callback.call(thisArg, item); if (Array.isArray(result)) { newArray.push(...result); } else { newArray.push(result); } } return newArray; } some(callback, thisArg) { for (const item of this) { if (callback.call(thisArg, item)) { return true; } } return false; } } // リスト構造の操作 const list = new SinglyLinkedList() .push(1) .push(2) .push(3); // メソッドチェインでの操作 const chainedArray = list .filter(item => item % 2 === 0) .map(item => item * 2); console.log(chainedArray); // => [4] // for...of ループでの反復処理 for (const item of list) { console.log(item); } // Spread 演算子を使った反復処理 const array = [...list]; console.log(array); // => [1, 2, 3] // every const allGreaterThanZero = list.every(item => item > 0); console.log(allGreaterThanZero); // => true // filter const filteredArray = list.filter(item => item % 2 === 0); console.log(filteredArray); // => [2] // find const foundItem = list.find(item => item === 2); console.log(foundItem); // => 2 // findIndex const foundIndex = list.findIndex(item => item === 2); console.log(foundIndex); // => 1 // findLast const foundLastItem = list.findLast(item => item > 1); console.log(foundLastItem); // => 3 // findLastIndex const foundLastIndex = list.findLastIndex(item => item > 1); console.log(foundLastIndex); // => 2 // flatMap const flattenedArray = list.flatMap(item => [item, item * 2]); console.log(flattenedArray); // => [1, 2, 2, 4, 3, 6] // some const anyGreaterThanTwo = list.some(item => item > 2); console.log(anyGreaterThanTwo); // => true </syntaxhighlight> === C === ;list.c:<syntaxhighlight lang=c> #include <stdio.h> #include <stdlib.h> // リストノードの構造体の定義 typedef struct ListNode { int data; struct ListNode *nextNode; } ListNode; // 単方向連結リストの構造体の定義 typedef struct SinglyLinkedList { ListNode *head; } SinglyLinkedList; // 新しいリストノードを作成する関数 ListNode* createNode(int data) { ListNode *node = (ListNode*)malloc(sizeof(ListNode)); if (node != NULL) { node->data = data; node->nextNode = NULL; } return node; } // 空の単方向連結リストを初期化する関数 void initialize(SinglyLinkedList *list) { list->head = NULL; } // リストの末尾に要素を追加する関数 void push(SinglyLinkedList *list, int data) { ListNode *newNode = createNode(data); if (list->head == NULL) { list->head = newNode; } else { ListNode *current = list->head; while (current->nextNode != NULL) { current = current->nextNode; } current->nextNode = newNode; } } // リストの文字列表現を返す関数 char* toString(SinglyLinkedList *list) { char *result = (char*)malloc(256 * sizeof(char)); if (result != NULL) { ListNode *current = list->head; sprintf(result, "("); while (current != NULL) { char temp[16]; sprintf(temp, "%d ", current->data); strcat(result, temp); current = current->nextNode; } strcat(result, ")\0"); } return result; } // リストのデバッグ用表現を返す関数 char* inspect(SinglyLinkedList *list) { char *result = (char*)malloc(256 * sizeof(char)); if (result != NULL) { ListNode *current = list->head; sprintf(result, ""); while (current != NULL) { char temp[16]; sprintf(temp, "%d -> ", current->data); strcat(result, temp); current = current->nextNode; } strcat(result, "nil\0"); } return result; } // リストの配列表現を返す関数 int* toArray(SinglyLinkedList *list) { int *array = (int*)malloc(256 * sizeof(int)); if (array != NULL) { ListNode *current = list->head; int index = 0; while (current != NULL) { array[index++] = current->data; current = current->nextNode; } array[index] = -1; // 終端をマークするために -1 を挿入 } return array; } int main() { // リスト構造の操作 SinglyLinkedList list; initialize(&list); push(&list, 1); push(&list, 2); push(&list, 3); // リストの文字列表現を出力 printf("%s\n", inspect(&list)); // => "1 -> 2 -> 3 -> nil" printf("%s\n", toString(&list)); // => "(1 2 3)" // リストの配列表現を出力 int *array = toArray(&list); printf("["); for (int i = 0; array[i] != -1; ++i) { printf("%d ", array[i]); } printf("]\n"); // メモリリークを防ぐために配列を解放 free(array); return 0; } </syntaxhighlight> === C++ === ;list.C:<syntaxhighlight lang=c++> #include <iostream> #include <vector> #include <functional> // リストノードの構造体の定義 struct ListNode { int data; ListNode *nextNode; ListNode(int data) : data(data), nextNode(nullptr) {} }; // 単方向連結リストのクラスの定義 class SinglyLinkedList { private: ListNode *head; public: // コンストラクタ SinglyLinkedList() : head(nullptr) {} // デストラクタ ~SinglyLinkedList() { ListNode *current = head; while (current) { ListNode *next = current->nextNode; delete current; current = next; } } // リストの末尾に要素を追加するメソッド void push(int data) { if (!head) { head = new ListNode(data); } else { ListNode *current = nullptr; for (current = head; current->nextNode; current = current->nextNode) { ; } current->nextNode = new ListNode(data); } } // リストの文字列表現を返すメソッド std::string toString() { std::string result = "("; traverse([&result](int data) { result += std::to_string(data) + " "; }); result += ")"; return result; } // リストのデバッグ用表現を返すメソッド std::string inspect() { std::string result; traverse([&result](int data) { result += std::to_string(data) + " -> "; }); result += "nil"; return result; } // リストの配列表現を返すメソッド std::vector<int> toArray() { std::vector<int> array; traverse([&array](int data) { array.push_back(data); }); return array; } private: // トラバース関数 void traverse(std::function<void(int)> callback) { ListNode *current = nullptr; for (current = head;current; current = current->nextNode) { callback(current->data); } } }; int main() { // リスト構造の操作 SinglyLinkedList list; list.push(1); list.push(2); list.push(3); // リストの文字列表現を出力 std::cout << list.inspect() << std::endl; // => "1 -> 2 -> 3 -> nil" std::cout << list.toString() << std::endl; // => "(1 2 3)" // リストの配列表現を出力 std::vector<int> array = list.toArray(); std::cout << "["; for (auto data : array) { std::cout << data << " "; } std::cout << "]" << std::endl; return 0; } </syntaxhighlight> このプログラムは、単方向連結リストを表現し、さまざまな操作を行うためのものです。以下に、主な部分の解説を提供します。 # ListNode構造体: #* <code>ListNode</code> は、単方向連結リストのノードを表します。 #* <code>data</code> メンバ変数は、ノードが保持する整数値を格納します。 #* <code>nextNode</code> メンバ変数は、次のノードへのポインタを保持します。 # SinglyLinkedListクラス: #* <code>SinglyLinkedList</code> は、単方向連結リストを表すクラスです。 #* <code>head</code> メンバ変数は、リストの先頭ノードを示すポインタです。 #* コンストラクタでは、リストを初期化し、<code>head</code> を nullptr に設定します。 #* デストラクタでは、リストの全てのノードを解放します。 # pushメソッド: #* 新しい要素をリストの末尾に追加するためのメソッドです。 #* リストが空の場合は、新しいノードを作成して <code>head</code> に設定します。 #* リストが空でない場合は、最後のノードまで移動してから新しいノードを追加します。 # toStringメソッド: #* リストの要素を文字列形式で返すメソッドです。 #* <code>traverse</code> メソッドを使用して、各要素を文字列に追加します。 # inspectメソッド: #* デバッグ用のリスト表現を文字列形式で返すメソッドです。 #* <code>traverse</code> メソッドを使用して、各要素とそれに続く矢印 "→" を文字列に追加します。 # toArrayメソッド: #* リストの要素を配列形式で返すメソッドです。 #* <code>traverse</code> メソッドを使用して、各要素を配列に追加します。 # traverseメソッド: #* リストの全ての要素を順番に処理するためのメソッドです。 #* コールバック関数を引数として受け取り、各要素に対してその関数を呼び出します。 # main関数: #* <code>SinglyLinkedList</code> のインスタンスを作成し、いくつかの要素を追加します。 #* <code>inspect</code> メソッド、<code>toString</code> メソッド、および <code>toArray</code> メソッドを使用して、リストの内容を表示します。 これらの要素が組み合わさって、単方向連結リストの作成、操作、表示が行われています。 === C# === ;list.cs:<syntaxhighlight lang=cs> using System; using System.Collections; using System.Collections.Generic; using System.Text; public class ListNode { public int Data { get; set; } public ListNode NextNode { get; set; } public ListNode(int data) { Data = data; NextNode = null; } } public class SinglyLinkedList : IEnumerable<int> { private ListNode head; public SinglyLinkedList() { head = null; } // リストの末尾に要素を追加する public SinglyLinkedList Push(int data) { if (head == null) { head = new ListNode(data); } else { ListNode current = head; while (current.NextNode != null) { current = current.NextNode; } current.NextNode = new ListNode(data); } return this; } // リストの要素を文字列として表現する public override string ToString() { StringBuilder result = new StringBuilder("("); foreach (int data in this) { result.Append(data).Append(" "); } result.Append(")"); return result.ToString(); } // リストの要素を調査して表現する public string Inspect() { StringBuilder result = new StringBuilder(); foreach (int data in this) { result.Append(data).Append(" -> "); } result.Append("nil"); return result.ToString(); } // リストの要素を配列に変換する public List<int> ToArray() { List<int> array = new List<int>(); foreach (int data in this) { array.Add(data); } return array; } // リストの要素を減算する public int Reduce(int initial, Func<int, int, int> func) { int accumulator = initial; foreach (int data in this) { accumulator = func(accumulator, data); } return accumulator; } // リストの各要素に関数を適用する public SinglyLinkedList Map(Func<int, int> func) { SinglyLinkedList result = new SinglyLinkedList(); foreach (int data in this) { result.Push(func(data)); } return result; } // 条件を満たす要素だけを含む新しいリストを返す public SinglyLinkedList Filter(Func<int, bool> predicate) { SinglyLinkedList result = new SinglyLinkedList(); foreach (int data in this) { if (predicate(data)) { result.Push(data); } } return result; } // IEnumerable<int> の実装 public IEnumerator<int> GetEnumerator() { ListNode current = head; while (current != null) { yield return current.Data; current = current.NextNode; } } IEnumerator IEnumerable.GetEnumerator() { return GetEnumerator(); } } class Program { static void Main(string[] args) { SinglyLinkedList list = new SinglyLinkedList() .Push(1) .Push(2) .Push(3); Console.WriteLine(list.Inspect()); // => "1 -> 2 -> 3 -> nil" Console.WriteLine(list.ToString()); // => "(1 2 3)" List<int> array = list.ToArray(); Console.Write("["); foreach (int item in array) { Console.Write(item + " "); } Console.WriteLine("]"); int sum = list.Reduce(0, (acc, x) => acc + x); Console.WriteLine("Sum: " + sum); // => 6 SinglyLinkedList mapped = list.Map(x => x * 2); Console.WriteLine("Mapped: " + mapped.ToString()); // => "(2 4 6)" SinglyLinkedList filtered = list.Filter(x => x % 2 == 0); Console.WriteLine("Filtered: " + filtered.ToString()); // => "(2)" } } </syntaxhighlight> === Java === ;list.java:<syntaxhighlight lang=java> import java.util.ArrayList; import java.util.List; // ListNode クラスは単方向連結リスト内のノードを表します。 class ListNode { // ノードのデータを取得/設定します。 int data; // 次のノードへの参照を取得/設定します。 ListNode nextNode; // 新しいノードを与えられたデータで初期化します。 ListNode(int data) { this.data = data; this.nextNode = null; } } // SinglyLinkedList クラスは単方向連結リストを表します。 class SinglyLinkedList { private ListNode head; // 空の単方向連結リストを初期化します。 public SinglyLinkedList() { head = null; } // リストの末尾に要素を追加します。 public void push(int data) { if (head == null) { head = new ListNode(data); } else { ListNode current = head; while (current.nextNode != null) { current = current.nextNode; } current.nextNode = new ListNode(data); } } // リストの文字列表現を返します。 public String toString() { StringBuilder result = new StringBuilder("("); traverse(data -> result.append(data).append(" ")); result.append(")"); return result.toString(); } // リストのデバッグ用表現を返します。 public String inspect() { StringBuilder result = new StringBuilder(); traverse(data -> result.append(data).append(" -> ")); result.append("nil"); return result.toString(); } // リストの配列表現を返します。 public List<Integer> toArray() { List<Integer> array = new ArrayList<>(); traverse(array::add); return array; } // リストをトラバースして各要素に対して指定されたアクションを実行します。 public void traverse(java.util.function.Consumer<Integer> action) { ListNode current = head; while (current != null) { action.accept(current.data); current = current.nextNode; } } } public class Main { public static void main(String[] args) { // リスト構造の操作 SinglyLinkedList list = new SinglyLinkedList(); list.push(1); list.push(2); list.push(3); // リストの文字列表現を出力 System.out.println(list.inspect()); // => "1 -> 2 -> 3 -> nil" System.out.println(list.toString()); // => "(1 2 3)" // リストの配列表現を出力 List<Integer> array = list.toArray(); System.out.print("["); for (int i : array) { System.out.print(i + " "); } System.out.println("]"); } } </syntaxhighlight> このプログラムは、単方向連結リストを表す<code>SinglyLinkedList</code>クラスを実装しています。<code>ListNode</code>クラスは、単方向連結リスト内のノードを表します。 <code>SinglyLinkedList</code>クラスには次のメソッドが含まれています: * <code>push(int data)</code>: リストの末尾に要素を追加します。 * <code>toString()</code>: リストの文字列表現を返します。 * <code>inspect()</code>: リストのデバッグ用表現を返します。 * <code>toArray()</code>: リストの配列表現を返します。 * <code>traverse(java.util.function.Consumer<Integer> action)</code>: リストをトラバースして各要素に対して指定されたアクションを実行します。 <code>Main</code>クラスには、<code>SinglyLinkedList</code>クラスを使用してリスト構造を操作するための<code>main</code>メソッドが含まれています。<code>push</code>メソッドを使用してリストに要素を追加し、<code>inspect</code>メソッドや<code>toString</code>メソッドを使用してリストの表現を出力します。また、<code>toArray</code>メソッドを使用してリストの配列表現を取得し、配列として出力します。 === Python3 === ;list.py:<syntaxhighlight lang=python3> # SinglyLinkedList クラスは単方向連結リストを表します。 class SinglyLinkedList: # ListNode クラスは単方向連結リスト内のノードを表します。 class ListNode: # 空のノードを初期化します。 def __init__(self, data): # ノードのデータを取得/設定します。 self.data = data # 次のノードへの参照を取得/設定します。 self.next_node = None # 空の単方向連結リストを初期化します。 def __init__(self): self.head = None # リストの末尾に要素を追加します。 def push(self, data): if self.head is None: self.head = self.ListNode(data) else: current = self.head while current.next_node: current = current.next_node current.next_node = self.ListNode(data) # リストの先頭から要素を取り出します。 def shift(self): if self.head is None: return None else: removed_data = self.head.data self.head = self.head.next_node return removed_data # イテレータを使用してリストをトラバースします。 def __iter__(self): current = self.head while current: yield current.data current = current.next_node # リストの文字列表現を返します。 def __str__(self): return f"({' '.join(str(x) for x in self)})" # リストのデバッグ用表現を返します。 def __repr__(self): return " -> ".join([repr(x) for x in self] + [repr(None)]) # リストの長さ def __len__(self): count = 0 for _ in self: count += 1 return count import unittest class TestSinglyLinkedList(unittest.TestCase): def setUp(self): self.lst3 = SinglyLinkedList() [self.lst3.push(x) for x in [1, 2, 3]] def test_empty_list(self): lst = SinglyLinkedList() self.assertEqual(str(lst), "()") self.assertEqual(list(lst), []) self.assertEqual(repr(lst), 'None') self.assertEqual(len(lst), 0) self.assertEqual(lst.shift(), None) def test_str(self): self.assertEqual(str(self.lst3), '(1 2 3)') def test_list(self): self.assertEqual(list(self.lst3), [1, 2, 3]) def test_repr(self): self.assertEqual(repr(self.lst3), '1 -> 2 -> 3 -> None') def test_len(self): lst = SinglyLinkedList() self.assertEqual(len(lst), 0) self.assertEqual(len(self.lst3), 3) def test_push(self): lst = SinglyLinkedList() lst.push(10) self.assertEqual(str(lst), '(10)') lst.push(5) self.assertEqual(str(lst), '(10 5)') lst.push(20) self.assertEqual(str(lst), '(10 5 20)') def test_shift(self): self.assertEqual(self.lst3.shift(), 1) self.assertEqual(str(self.lst3), '(2 3)') self.assertEqual(self.lst3.shift(), 2) self.assertEqual(str(self.lst3), '(3)') self.assertEqual(self.lst3.shift(), 3) self.assertEqual(str(self.lst3), '()') self.assertEqual(self.lst3.shift(), None) self.assertEqual(str(self.lst3), '()') if __name__ == "__main__": unittest.main() </syntaxhighlight> === Kotlin === ;list.kt:<syntaxhighlight lang=kotlin> class SinglyLinkedList<T> : Iterable<T> { private data class Node<T>(val data: T, var next: Node<T>? = null) private var head: Node<T>? = null fun unshift(data: T): SinglyLinkedList<T> { head = Node(data, head) return this } fun prepend(data: T): SinglyLinkedList<T> { return unshift(data) } fun push(data: T): SinglyLinkedList<T> { if (head == null) { head = Node(data) } else { var current = head while (current?.next != null) { current = current.next } current?.next = Node(data) } return this } fun append(data: T): SinglyLinkedList<T> { return push(data) } fun shift(): T? { val data = head?.data head = head?.next return data } fun pop(): T? { if (head == null) return null if (head?.next == null) { val data = head?.data head = null return data } var current = head var last = current while (current?.next != null) { last = current current = current.next } val data = current!!.data last!!.next = null return data } override fun iterator(): Iterator<T> { return object : Iterator<T> { private var current: Node<T>? = head override fun hasNext(): Boolean { return current != null } override fun next(): T { val data = current!!.data current = current!!.next return data } } } override fun toString(): String { val builder = StringBuilder("(") val iterator = iterator() while (iterator.hasNext()) { builder.append(iterator.next()) if (iterator.hasNext()) { builder.append(" ") } } builder.append(")") return builder.toString() } fun inspect(): String { val builder = StringBuilder() val iterator = iterator() while (iterator.hasNext()) { builder.append(iterator.next()) builder.append(" -> ") } builder.append("null") return builder.toString() } } fun main() { val list = SinglyLinkedList<Int>() list.push(1).push(2).push(3) println(list.inspect()) // => "1 -> 2 -> 3 -> nil" println(list.toString()) // => "(1 2 3)" list.unshift(10).unshift(20).unshift(30) println(list.toString()) // => "(30 20 10 1 2 3)" println(list.shift()) // => 30 println(list.shift()) // => 20 println(list.shift()) // => 10 // Using Iterable-like methods println(list.toList()) // => [1, 2, 3] println(list.map { it * 2 }) // => [2, 4, 6] println(list.filter { it % 2 == 0 }) // => [2] println(list.reduceOrNull(Int::plus)) // => 6 println(list.count()) // => 3 println(list.all { it < 10 }) // => true println(list.any { it < 3 }) // => true println(list.minOrNull() to list.maxOrNull()) // => (1, 3) } </syntaxhighlight> == 単方向循環リスト == 単方向循環リスト(Singly Circular Linked List)は、単方向連結リストの一種であり、最後のノードが最初のノードを指すように構成されたデータ構造です。つまり、最後のノードの次のノードへの参照が先頭のノードを指すようになっています。 単方向循環リストは、通常の単方向連結リストに比べて以下の特徴があります。 # '''ループ性:''' 最後のノードが最初のノードを指すため、リストがループしています。これにより、最後のノードの次のノードを辿ると最初のノードに戻ることができます。 # '''ループの終了条件の省略:''' 単方向循環リストでは、ループの終了条件を明示的に定義する必要がありません。従って、特定の位置までのループ処理を行う場合に便利です。 # '''末尾へのアクセスの効率性:''' リストの末尾のノードにアクセスするために、最後のノードを特定する必要がなくなります。ループがあるため、先頭のノードから次々にノードを辿っていくことで末尾のノードに到達できます。 # '''無限ループの可能性:''' 単方向循環リストは無限にループする可能性があります。適切な終了条件を設定しない場合、ループ内での操作が無限に続くことがあります。 単方向循環リストは、環状的なデータ構造を表現したり、特定のアプリケーションやアルゴリズムに使用されることがあります。例えば、ラウンドロビンスケジューリング、キャッシュアルゴリズム、ゲーム開発などで使用されることがあります。 === Ruby === 単方向リストと単方向循環リストの差異は小さいので、SinglyCircularLinkedListはSinglyLinkedListを継承して実装しました。 ;[https://paiza.io/projects/WpIAHwutIO4bjRKRPs-V2A?language=ruby scll.rb]:<syntaxhighlight lang=ruby> require_relative "sll.rb" # 単方向循環リストクラス class SinglyCircularLinkedList < SinglyLinkedList # リストの先頭に要素を追加します。 # # data - リストに追加するデータ。 # # Returns self. def unshift(data) if @head.nil? @head = ListNode.new(data) @head.next = @head else new_node = ListNode.new(data) last_node = @head last_node = last_node.next while last_node.next != @head last_node.next = new_node new_node.next = @head @head = new_node end self end alias prepend unshift # リストの末尾に要素を追加します。 # # data - リストに追加するデータ。 # # Returns nothing. def push(data) if @head.nil? @head = ListNode.new(data) @head.next = @head # 最初の要素が最後の要素を指す else current = @head current = current.next while current.next != @head current.next = ListNode.new(data) current.next.next = @head # 最後の要素が最初の要素を指す end self end # リストの先頭から要素を取り出します。 # # _n - 取り出す要素の数。 # この引数は無視されます。 # # Returns 取り出された要素のデータ、リストが空の場合はnilを返します。 def shift(_n = nil) return nil if @head.nil? if @head.next == @head data = @head.data @head = nil return data end data = @head.data head = @head @head = @head.next last_node = @head last_node = last_node.next while last_node.next != head last_node.next = @head data end # リストの末尾から要素を取り出します。 # # _n - 取り出す要素の数。 # この引数は無視されます。 # # Returns 取り出された要素のデータ、リストが空の場合はnilを返します。 def pop(_n = nil) return nil if @head.nil? if @head.next == @head data = @head.data @head = nil return data end last_node = @head.next prev_node = @head while last_node.next != @head prev_node = last_node last_node = last_node.next end data = last_node.data prev_node.next = @head data end # リストをトラバースして各ノードに対してブロックを適用します。 # # Returns nothing. def each return to_enum unless block_given? return unless @head current = @head loop do yield(current.data) if block_given? current = current.next break if current == @head end end end def SinglyCircularLinkedList(args, &block) = SinglyCircularLinkedList.new(args, &block) require 'minitest/spec' describe SinglyCircularLinkedList do let(:list) { SinglyCircularLinkedList.new } describe '#initialize' do it 'initializes an empty list if no arguments are provided' do list = SinglyCircularLinkedList.new expect(list.to_a).must_equal [] end it 'initializes with an array' do list = SinglyCircularLinkedList.new([1, 2, 3]) expect(list.to_a).must_equal [1, 2, 3] end it 'initializes with a block' do list = SinglyCircularLinkedList.new(3) { |i| i + 1 } expect(list.to_a).must_equal [1, 2, 3] end it 'raises ArgumentError if negative size is provided' do expect { SinglyCircularLinkedList.new(-1) }.must_raise ArgumentError end it 'raises ArgumentError if unexpected arguments are provided' do expect { SinglyCircularLinkedList.new('unexpected') }.must_raise ArgumentError end end describe '#unshift' do it 'adds an element to the beginning of the list' do list.unshift(1) list.unshift(2) expect(list.to_a).must_equal [2, 1] end end describe '#prepend' do it 'is an alias for #unshift' do list.prepend(1) list.prepend(2) expect(list.to_a).must_equal [2, 1] end end describe '#push' do it 'adds an element to the end of the list' do list.push(1).push(2) expect(list.to_a).must_equal [1, 2] end end describe '#shift' do it 'removes and returns the first element of the list' do list.push(1).push(2) expect(list.shift).must_equal 1 expect(list.to_a).must_equal [2] end it 'returns nil if the list is empty' do expect(list.shift).must_be_nil end end describe '#pop' do it 'removes and returns the last element of the list' do list.push(1).push(2) expect(list.pop).must_equal 2 expect(list.to_a).must_equal [1] end it 'returns nil if the list is empty' do expect(list.pop).must_be_nil end end describe '#each' do it 'iterates over each element of the list' do list.push(1).push(2) result = [] list.each { |data| result << data } expect(result).must_equal [1, 2] end it 'returns an enumerator if no block is given' do list.push(1).push(2) enum = list.each expect(enum.each_with_index.to_a).must_equal [[1, 0], [2, 1]] end it 'does nothing for an empty list' do result = [] list.each { |data| result << data } expect(result).must_equal [] end end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == 双方向循環リスト == 双方向循環リスト(Doubly Circular Linked List)は、双方向連結リストの一種であり、各ノードが前後のノードへの参照を持ち、最後のノードが最初のノード、最初のノードが最後のノードを指すように構成されたデータ構造です。つまり、各ノードが前のノードと次のノードの両方への参照を持ち、最後のノードの次のノードが最初のノード、最初のノードの前のノードが最後のノードを指します。 双方向循環リストは、通常の双方向連結リストと循環リストの特徴を組み合わせたもので、以下のような特徴があります。 # '''双方向性:''' 各ノードが前のノードと次のノードの両方への参照を持つため、前方向や後方向の走査が容易です。これにより、双方向性の操作が可能になります。 # '''ループ性:''' 最後のノードが最初のノード、最初のノードが最後のノードを指すため、リストがループしています。これにより、循環的な操作やデータ構造の表現が可能になります。 # '''先頭と末尾へのアクセスの効率性:''' 最初のノードと最後のノードへのアクセスが容易であり、それぞれのノードが直接的に参照されるため、アクセス時間が短縮されます。 # '''無限ループの可能性:''' 双方向循環リストも無限にループする可能性があります。適切な終了条件を設定しない場合、ループ内での操作が無限に続くことがあります。 双方向循環リストは、双方向連結リストの利点と循環リストの利点を組み合わせ、さまざまなアプリケーションやアルゴリズムに使用されます。例えば、環状バッファやキャッシュの実装、ダブリンゲームのボード表現などで利用されることがあります。 === Ruby === 双方向循環リストは単方向循環リストを継承して実装しました。 ;[https://paiza.io/projects/JjrPrE6sIPDZagCxaC7XEg?language=ruby dcll.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby> require_relative "scll.rb" class DoublyCircularLinkedList < SinglyCircularLinkedList # ListNode は双方向循環リスト内のノードを表します。 ListNode = Struct.new(:data, :prev, :next) # リストの先頭に要素を追加します。 # # data - リストに追加するデータ。 # # Returns self. def unshift(data) if @head.nil? @head = ListNode.new(data) @head.prev = @head @head.next = @head else new_node = ListNode.new(data) last_node = @head.prev last_node.next = new_node new_node.prev = last_node new_node.next = @head @head.prev = new_node @head = new_node end self end alias prepend unshift # リストの末尾に要素を追加します。 # # data - リストに追加するデータ。 # # Returns nothing. def push(data) if @head.nil? @head = ListNode.new(data) @head.prev = @head @head.next = @head else new_node = ListNode.new(data) last_node = @head.prev last_node.next = new_node new_node.prev = last_node new_node.next = @head @head.prev = new_node end self end alias append push # リストの先頭から要素を取り出します。 # # _n - 取り出す要素の数。 # この引数は無視されます。 # # Returns 取り出された要素のデータ、リストが空の場合はnilを返します。 def shift(_n = nil) return nil if @head.nil? if @head.next == @head data = @head.data @head = nil return data end data = @head.data @head.prev.next = @head.next @head.next.prev = @head.prev @head = @head.next data end # リストの末尾から要素を取り出します。 # # _n - 取り出す要素の数。 # この引数は無視されます。 # # Returns 取り出された要素のデータ、リストが空の場合はnilを返します。 def pop(_n = nil) return nil if @head.nil? if @head.next == @head data = @head.data @head = nil return data end @head = @head.prev data = @head.data @head.prev.next = @head.next @head.next.prev = @head.prev @head = @head.next data end end def DoublyCircularLinkedList(args, &block) = DoublyCircularLinkedList.new(args, &block) require 'minitest/spec' describe DoublyCircularLinkedList do let(:list) { DoublyCircularLinkedList.new } describe '#initialize' do it 'initializes an empty list' do expect(list.to_s).must_equal '()' end it 'initializes with an array' do list = DoublyCircularLinkedList.new([1, 2, 3]) expect(list.to_s).must_equal '(1 2 3)' end it 'initializes with an integer' do list = DoublyCircularLinkedList.new(3) expect(list.to_s).must_equal '(0 1 2)' end it 'initializes with an array and block' do list = DoublyCircularLinkedList.new([1, 2, 3]) { |i| i * 2 } expect(list.to_s).must_equal '(2 4 6)' end it 'initializes with an integer and block' do list = DoublyCircularLinkedList.new(3) { |i| i * 2 } expect(list.to_s).must_equal '(0 2 4)' end end describe '#push' do it 'adds an element to the end of the list' do list.push(1) expect(list.to_s).must_equal '(1)' list.push(2) expect(list.to_s).must_equal '(1 2)' end end describe '#pop' do it 'removes and returns the last element of the list' do list.push(1).push(2) expect(list.pop).must_equal 2 expect(list.to_s).must_equal '(1)' end it 'returns nil if the list is empty' do expect(list.pop).must_be_nil end end describe '#unshift' do it 'adds an element to the beginning of the list' do list.unshift(1) expect(list.to_s).must_equal '(1)' list.unshift(2) expect(list.to_s).must_equal '(2 1)' end end describe '#shift' do it 'removes and returns the first element of the list' do list.push(1).push(2) expect(list.shift).must_equal 1 expect(list.to_s).must_equal '(2)' end it 'returns nil if the list is empty' do expect(list.shift).must_be_nil end end describe '#each' do it 'iterates over each element of the list' do list.push(1).push(2) result = [] list.each { |data| result << data } expect(result).must_equal [1, 2] end it 'returns an enumerator if no block is given' do list.push(1).push(2) enum = list.each expect(enum.each_with_index.to_a).must_equal [[1, 0], [2, 1]] end it 'does nothing for an empty list' do result = [] list.each { |data| result << data } expect(result).must_equal [] end end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == リスト構造の操作 == リスト構造では、主に次の操作が行われます: *要素の挿入: リストの任意の位置に新しい要素を挿入します。 *要素の削除: リストから要素を削除します。 *要素の検索: 特定の要素を探します。 *リストの結合: 2つのリストを結合して1つのリストにします。 これらの操作は、ポインタを再配置することで実現されます。 == 様々なプログラミング言語におけるリスト構造とその操作 == 様々なプログラミング言語でリスト構造がサポートされています。例えば、C言語ではポインタを使用して自前でリストを実装することが一般的です。JavaやC#などの言語では、リストを抽象化したデータ構造が提供されており、要素の追加や削除が容易に行えます。 == 反復処理 == リスト内の要素を一つずつ処理するために反復処理が利用されます。これは、各要素を順番に取り出して特定の処理を施すために使用されます。例えば、リスト内のすべての要素を合計する場合などに利用されます。 == ユースケース == リスト構造は、データの集合を管理する必要がある場面で広く使用されます。例えば、データベースから取得した複数の行を処理する際や、ファイル内のテキスト行を読み込む際に利用されます。また、キューやスタックなどのデータ構造を実装するための基盤としても使用されます。 == ベストプラクティス == 要素の追加や削除が頻繁に行われる場合は、リスト構造を使用します。 検索やランダムアクセスが頻繁に行われる場合は、他のデータ構造(例えば、配列)を検討します。 [[カテゴリ:データ構造|りすと]]
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E6%A7%8B%E9%80%A0
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スタック構造
計算機科学における「スタック」は、ハードウェアとソフトウェアの両方で重要な役割を果たす概念です。それぞれのスタックについて説明します。 ハードウェア・スタックとソフトウェア・スタックは、異なるレベルでプログラムの実行を支援し、プログラムの制御フローやデータ管理に不可欠な役割を果たします。 スタックは、データを一時的に保持するためのデータ構造であり、後入れ先出し(LIFO: Last In, First Out)の原則に基づいて動作します。これは、最後に追加された要素が最初に取り出されることを意味します。 スタックは通常、次の2つの基本操作で構成されます: ほとんどのプログラミング言語には、スタックを操作するための組み込み関数や標準ライブラリがあります。例えば、C言語では配列を用いてスタックを実装することが一般的です。JavaやPythonなどの高水準言語では、スタックを抽象化したクラスやライブラリが提供されています。 以下は、様々なプログラミング言語におけるスタックの標準的な実装方法の表です。 これらの実装方法は、それぞれの言語で一般的なものであり、要素の追加、削除、参照、空のチェック、サイズの取得などの操作を提供します。 スタックは、再帰的なアルゴリズムを反復的に解決するのに役立ちます。例えば、深さ優先探索(DFS)アルゴリズムなどの多くのアルゴリズムは、再帰的に呼び出す代わりに、スタックを使用して反復的に解決することができます。 逆ポーランド記法(逆ポーランド記号法または逆ポーランド式)は、数式や式を表現するための一種の記法です。この記法では、演算子が対応するオペランドの後に置かれます。これにより、括弧の使用や演算子の優先順位の考慮が不要になり、簡潔で計算機で処理しやすい式を得ることができます。 逆ポーランド記法を処理するための効率的な方法の一つが、スタックを利用することです。具体的には、式を左から右にスキャンし、オペランドを見つけるたびにスタックにプッシュします。演算子を見つけた場合は、スタックから必要な数のオペランドをポップし、その演算子を実行して結果をスタックにプッシュします。このプロセスを繰り返し、最終的にスタックには計算結果が残ります。 以下は、逆ポーランド記法をスタックを用いて評価するアルゴリズムの概要です: 逆ポーランド記法をスタックを用いて評価することで、演算子の優先順位や括弧の管理などの複雑な処理を省略し、比較的単純なアルゴリズムで式を評価することができます。このため、計算機やプログラミング言語のコンパイラなどで広く利用されています。 Rubyで逆ポーランド記法を評価するための実装を示します。この実装では、スタックを用いて逆ポーランド記法の式を評価します。 このコードは、逆ポーランド記法(RPN)の式を評価するためのRPNクラスを提供します。逆ポーランド記法は、演算子がそのオペランドの後に現れる形式であり、括弧や優先順位の概念がないため、計算が比較的容易になります。 このRPNクラスは、内部的にスタックを使用して式を評価します。式を分割し、各トークンを処理することで、演算子とオペランドを適切に処理し、計算を実行します。 クラスは、Arrayクラスを継承しており、push,popなどのメソッドはArrayの実装を引き継いでいます。 RPNクラスは次のメソッドを提供します: テストケースは、Minitestを使用して実装されており、RPNクラスが正しく機能することを確認します。 異常なケースもテストされており、0で割った場合や無限大を扱う場合の振る舞いも検証されています。 Forthは、スタック指向のプログラミング言語です。これは、他の言語とは異なり、計算や処理の中心にスタック(stack)を置いています。スタックは、データを一時的に保存するためのメモリ構造であり、LIFO(Last In, First Out)の原則に従います。つまり、最後に追加されたデータが最初に取り出されます。 Forthのプログラミングスタイルは、このスタックを活用しています。Forthのプログラムは、主に単純な命令(ワードと呼ばれます)の連続で構成され、これらの命令は主にスタックの上で動作します。Forthの命令は、スタックに対する操作を行うものであり、通常はスタックに値を積み上げ(push)たり、取り出したり(pop)、その値を操作したりします。 例えば、2つの数値を足すForthのコードを考えてみましょう。この場合、最初に2つの数値をスタックにプッシュし、それから加算の命令を使ってそれらの数値をポップアップして加算します。 この例では、最初に5と3がスタックにプッシュされ、次に加算命令(+)が実行されて、結果である8が表示される(.は結果を表示するForthの命令です)。 このように、Forthはシンプルで直感的なスタック指向のプログラミングスタイルを採用しており、これによりコードの記述が簡潔で効率的になります。 Forthは比較的小さな言語なので、サブセットを実装するのは容易です。 実際に Rubyでサンプル実装してみました。 この実装では、dup などのForth基本語彙とユーザー定義ワードは実装済みで、再帰も行えますForthで一般的なリターンスタックではなく、辞書にラムダ式を埋め込んで実現しています。 制御構造は、if-else-then, case-of-endof-endcase, do-loopと ?do-loop を実装し、多重ループには I, J, K の3重まで対応しています。 また、Rubyの演算子とメソッドをワードとして取り込んでいます。 同様にMathモジュールからもワードを取り込んでいます。 再帰的呼び出しは、関数やメソッドが自分自身を呼び出すことを指します。このような再帰的呼び出しは、基底ケースと呼ばれる条件で停止するまで、何度も繰り返されます。再帰的なアルゴリズムは、問題をより小さな部分問題に分割し、その結果を組み合わせて全体の解を得るために使用されます。 再帰的呼び出しでは、各関数呼び出しがスタックフレームとしてスタックにプッシュされます。スタックフレームには、関数の引数、ローカル変数、および戻りアドレスなどの情報が含まれます。これにより、再帰的な関数がどこに戻るべきかが確保されます。 再帰的呼び出しのプロセス中、スタックは関数呼び出しの連鎖として構築されます。基底ケースに達すると、再帰呼び出しの連鎖は終了し、スタックは戻り始めます。各関数呼び出しが戻るとき、対応するスタックフレームがポップされ、その関数の実行が終了します。このように、スタックは再帰的呼び出しのために必要な情報を管理し、再帰アルゴリズムの正常な実行を可能にします。 例えば、階乗を計算する再帰関数を考えてみましょう。 この再帰関数では、各呼び出しでスタックに新しいフレームが追加され、nが0になるまで関数が再帰的に呼び出されます。そして、基底ケースに到達したときに再帰が終了し、スタックから各フレームが順番にポップされていきます。 以下は、再帰呼び出しのイメージを表組みで示したものです。 各スタックフレームには、再帰的な呼び出しに関連する情報が含まれます。 この情報には、関数名、引数、および戻りアドレス(再帰が終了した後に戻るべき呼び出し元のアドレス)が含まれます。 再帰が進むにつれて、スタックに新しいフレームが追加され、再帰が終了するとスタックからフレームがポップされます。 スタックに関連する他のトピックには、以下のようなものがあります: これらのトピックは、スタックに関連する概念や応用について更に深く理解する上で重要です。 スタックは、関数の呼び出し、式の評価、ブラウザの履歴管理、Undo/Redo操作など、さまざまなユースケースで使用されます。また、プログラム内で一時的なデータを保持するための一般的な手段としても使用されます。 スタックを使用する際のベストプラクティスには、以下が含まれます: スタックを使用する際には、特定のプログラミング言語やコーディングスタイルに固有のイディオムが存在します。例えば、Pythonではリストをスタックとして使用することがよくありますが、特定のメソッド(例えば、append()やpop())を使用することで、スタック操作を簡潔に実現することができます。 これらの基本的な概念やユースケースを理解し、適切に活用することで、プログラムの効率性やメモリ管理の向上に貢献することができます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "計算機科学における「スタック」は、ハードウェアとソフトウェアの両方で重要な役割を果たす概念です。それぞれのスタックについて説明します。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ハードウェア・スタックとソフトウェア・スタックは、異なるレベルでプログラムの実行を支援し、プログラムの制御フローやデータ管理に不可欠な役割を果たします。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "スタックは、データを一時的に保持するためのデータ構造であり、後入れ先出し(LIFO: Last In, First Out)の原則に基づいて動作します。これは、最後に追加された要素が最初に取り出されることを意味します。", "title": "スタックの基本" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "スタックは通常、次の2つの基本操作で構成されます:", "title": "スタックの操作" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "ほとんどのプログラミング言語には、スタックを操作するための組み込み関数や標準ライブラリがあります。例えば、C言語では配列を用いてスタックを実装することが一般的です。JavaやPythonなどの高水準言語では、スタックを抽象化したクラスやライブラリが提供されています。", "title": "様々なプログラミング言語におけるスタックとその操作" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "以下は、様々なプログラミング言語におけるスタックの標準的な実装方法の表です。", "title": "様々なプログラミング言語におけるスタックとその操作" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "これらの実装方法は、それぞれの言語で一般的なものであり、要素の追加、削除、参照、空のチェック、サイズの取得などの操作を提供します。", "title": 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"text": "Rubyで逆ポーランド記法を評価するための実装を示します。この実装では、スタックを用いて逆ポーランド記法の式を評価します。", "title": "逆ポーランド記法とスタック" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "このコードは、逆ポーランド記法(RPN)の式を評価するためのRPNクラスを提供します。逆ポーランド記法は、演算子がそのオペランドの後に現れる形式であり、括弧や優先順位の概念がないため、計算が比較的容易になります。", "title": "逆ポーランド記法とスタック" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "このRPNクラスは、内部的にスタックを使用して式を評価します。式を分割し、各トークンを処理することで、演算子とオペランドを適切に処理し、計算を実行します。", "title": "逆ポーランド記法とスタック" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "クラスは、Arrayクラスを継承しており、push,popなどのメソッドはArrayの実装を引き継いでいます。", "title": "逆ポーランド記法とスタック" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "RPNクラスは次のメソッドを提供します:", "title": "逆ポーランド記法とスタック" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "テストケースは、Minitestを使用して実装されており、RPNクラスが正しく機能することを確認します。 異常なケースもテストされており、0で割った場合や無限大を扱う場合の振る舞いも検証されています。", "title": "逆ポーランド記法とスタック" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "Forthは、スタック指向のプログラミング言語です。これは、他の言語とは異なり、計算や処理の中心にスタック(stack)を置いています。スタックは、データを一時的に保存するためのメモリ構造であり、LIFO(Last In, First Out)の原則に従います。つまり、最後に追加されたデータが最初に取り出されます。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "Forthのプログラミングスタイルは、このスタックを活用しています。Forthのプログラムは、主に単純な命令(ワードと呼ばれます)の連続で構成され、これらの命令は主にスタックの上で動作します。Forthの命令は、スタックに対する操作を行うものであり、通常はスタックに値を積み上げ(push)たり、取り出したり(pop)、その値を操作したりします。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "例えば、2つの数値を足すForthのコードを考えてみましょう。この場合、最初に2つの数値をスタックにプッシュし、それから加算の命令を使ってそれらの数値をポップアップして加算します。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "この例では、最初に5と3がスタックにプッシュされ、次に加算命令(+)が実行されて、結果である8が表示される(.は結果を表示するForthの命令です)。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "このように、Forthはシンプルで直感的なスタック指向のプログラミングスタイルを採用しており、これによりコードの記述が簡潔で効率的になります。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "Forthは比較的小さな言語なので、サブセットを実装するのは容易です。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "実際に Rubyでサンプル実装してみました。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "この実装では、dup などのForth基本語彙とユーザー定義ワードは実装済みで、再帰も行えますForthで一般的なリターンスタックではなく、辞書にラムダ式を埋め込んで実現しています。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "制御構造は、if-else-then, case-of-endof-endcase, do-loopと ?do-loop を実装し、多重ループには I, J, K の3重まで対応しています。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "また、Rubyの演算子とメソッドをワードとして取り込んでいます。 同様にMathモジュールからもワードを取り込んでいます。", "title": "Forthとスタック" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "再帰的呼び出しは、関数やメソッドが自分自身を呼び出すことを指します。このような再帰的呼び出しは、基底ケースと呼ばれる条件で停止するまで、何度も繰り返されます。再帰的なアルゴリズムは、問題をより小さな部分問題に分割し、その結果を組み合わせて全体の解を得るために使用されます。", "title": "再帰的呼び出しとスタック" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "再帰的呼び出しでは、各関数呼び出しがスタックフレームとしてスタックにプッシュされます。スタックフレームには、関数の引数、ローカル変数、および戻りアドレスなどの情報が含まれます。これにより、再帰的な関数がどこに戻るべきかが確保されます。", "title": "再帰的呼び出しとスタック" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "再帰的呼び出しのプロセス中、スタックは関数呼び出しの連鎖として構築されます。基底ケースに達すると、再帰呼び出しの連鎖は終了し、スタックは戻り始めます。各関数呼び出しが戻るとき、対応するスタックフレームがポップされ、その関数の実行が終了します。このように、スタックは再帰的呼び出しのために必要な情報を管理し、再帰アルゴリズムの正常な実行を可能にします。", "title": "再帰的呼び出しとスタック" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "例えば、階乗を計算する再帰関数を考えてみましょう。", "title": "再帰的呼び出しとスタック" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "この再帰関数では、各呼び出しでスタックに新しいフレームが追加され、nが0になるまで関数が再帰的に呼び出されます。そして、基底ケースに到達したときに再帰が終了し、スタックから各フレームが順番にポップされていきます。", "title": "再帰的呼び出しとスタック" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "以下は、再帰呼び出しのイメージを表組みで示したものです。", "title": "再帰的呼び出しとスタック" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "各スタックフレームには、再帰的な呼び出しに関連する情報が含まれます。 この情報には、関数名、引数、および戻りアドレス(再帰が終了した後に戻るべき呼び出し元のアドレス)が含まれます。 再帰が進むにつれて、スタックに新しいフレームが追加され、再帰が終了するとスタックからフレームがポップされます。", "title": "再帰的呼び出しとスタック" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "スタックに関連する他のトピックには、以下のようなものがあります:", "title": "トピックス" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "これらのトピックは、スタックに関連する概念や応用について更に深く理解する上で重要です。", "title": "トピックス" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "スタックは、関数の呼び出し、式の評価、ブラウザの履歴管理、Undo/Redo操作など、さまざまなユースケースで使用されます。また、プログラム内で一時的なデータを保持するための一般的な手段としても使用されます。", "title": "ユースケース" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "スタックを使用する際のベストプラクティスには、以下が含まれます:", "title": "ベストプラクティス" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "スタックを使用する際には、特定のプログラミング言語やコーディングスタイルに固有のイディオムが存在します。例えば、Pythonではリストをスタックとして使用することがよくありますが、特定のメソッド(例えば、append()やpop())を使用することで、スタック操作を簡潔に実現することができます。", "title": "イディオム" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "これらの基本的な概念やユースケースを理解し、適切に活用することで、プログラムの効率性やメモリ管理の向上に貢献することができます。", "title": "イディオム" } ]
計算機科学における「スタック」は、ハードウェアとソフトウェアの両方で重要な役割を果たす概念です。それぞれのスタックについて説明します。 ハードウェア・スタック: ハードウェア・スタックは、コンピュータのCPU(中央処理装置)によって直接管理されるメモリ領域です。主にプログラムの実行時に使用され、サブルーチン(関数)の呼び出し、局所変数の割り当て、復帰アドレスの保持など、プログラムの実行フローを管理するために利用されます。通常、スタックポインタと呼ばれるレジスタがスタックのトップを示し、プッシュおよびポップ命令によってスタック上でデータを操作します。ハードウェア・スタックは、プログラムの制御フローに関連した低レベルの操作に使用されます。 ソフトウェア・スタック: ソフトウェア・スタックは、プログラミング言語やアプリケーションソフトウェア内で使用される抽象化されたデータ構造です。通常、動的メモリの一部として実装され、プログラムの実行中に必要なデータや関数呼び出しの情報を保持します。ソフトウェア・スタックは、関数の呼び出しと復帰、ローカル変数の格納、式の評価など、高レベルのプログラムの実行に使用されます。プログラミング言語や実行環境によっては、ソフトウェア・スタックが自動的に管理され、プログラマが明示的にスタック操作を行う必要がない場合もあります。 ハードウェア・スタックとソフトウェア・スタックは、異なるレベルでプログラムの実行を支援し、プログラムの制御フローやデータ管理に不可欠な役割を果たします。
計算機科学における「スタック」は、ハードウェアとソフトウェアの両方で重要な役割を果たす概念です。それぞれのスタックについて説明します。 # '''ハードウェア・スタック:''' ハードウェア・スタックは、コンピュータのCPU(中央処理装置)によって直接管理されるメモリ領域です。主にプログラムの実行時に使用され、サブルーチン(関数)の呼び出し、局所変数の割り当て、復帰アドレスの保持など、プログラムの実行フローを管理するために利用されます。通常、スタックポインタと呼ばれるレジスタがスタックのトップを示し、プッシュおよびポップ命令によってスタック上でデータを操作します。ハードウェア・スタックは、プログラムの制御フローに関連した低レベルの操作に使用されます。 # '''ソフトウェア・スタック:''' ソフトウェア・スタックは、プログラミング言語やアプリケーションソフトウェア内で使用される抽象化されたデータ構造です。通常、動的メモリの一部として実装され、プログラムの実行中に必要なデータや関数呼び出しの情報を保持します。ソフトウェア・スタックは、関数の呼び出しと復帰、ローカル変数の格納、式の評価など、高レベルのプログラムの実行に使用されます。プログラミング言語や実行環境によっては、ソフトウェア・スタックが自動的に管理され、プログラマが明示的にスタック操作を行う必要がない場合もあります。 ハードウェア・スタックとソフトウェア・スタックは、異なるレベルでプログラムの実行を支援し、プログラムの制御フローやデータ管理に不可欠な役割を果たします。 == スタックの基本 == スタックは、データを一時的に保持するためのデータ構造であり、後入れ先出し(LIFO: Last In, First Out)の原則に基づいて動作します。これは、最後に追加された要素が最初に取り出されることを意味します。 == スタックの操作 == スタックは通常、次の2つの基本操作で構成されます: # '''プッシュ(Push):''' 新しい要素をスタックに追加します。新しい要素はスタックの一番上に配置されます。 # '''ポップ(Pop):''' スタックから要素を取り出します。取り出されるのは常にスタックの一番上にある要素です。 == 様々なプログラミング言語におけるスタックとその操作 == ほとんどのプログラミング言語には、スタックを操作するための組み込み関数や標準ライブラリがあります。例えば、C言語では配列を用いてスタックを実装することが一般的です。JavaやPythonなどの高水準言語では、スタックを抽象化したクラスやライブラリが提供されています。 以下は、様々なプログラミング言語におけるスタックの標準的な実装方法の表です。 :{| class="sortable wikitable" |+ 言語毎のスタックの標準的な実装方法 !プログラミング言語 !スタックの実装方法 |- | [[JavaScript]] |配列 (Array) |- | [[Python]] |リスト (List) |- | [[Ruby]] |配列 (Array) |- | [[Java]] |<code>java.util.Stack</code> クラス |- | [[C++]] |<code>std::stack</code> コンテナ |- | [[Rust]] |<code>std::collections::VecDeque</code> |- | [[Go]] |スライス (Slice) |- | [[Scheme]] |リスト (List) |- | [[C Sharp|C#]] |<code>System.Collections.Generic.Stack</code> クラス |- | [[Kotlin]] |<code>java.util.Stack</code> クラス |- | [[Scala]] |<code>scala.collection.mutable.Stack</code> クラス |- | [[Swift]] |配列 (Array) |- | [[Haskell]] |リスト (List) |} これらの実装方法は、それぞれの言語で一般的なものであり、要素の追加、削除、参照、空のチェック、サイズの取得などの操作を提供します。 == 反復処理 == スタックは、再帰的なアルゴリズムを反復的に解決するのに役立ちます。例えば、深さ優先探索(DFS)アルゴリズムなどの多くのアルゴリズムは、再帰的に呼び出す代わりに、スタックを使用して反復的に解決することができます。 == 逆ポーランド記法とスタック == 逆ポーランド記法(逆ポーランド記号法または逆ポーランド式)は、数式や式を表現するための一種の記法です。この記法では、演算子が対応するオペランドの後に置かれます。これにより、括弧の使用や演算子の優先順位の考慮が不要になり、簡潔で計算機で処理しやすい式を得ることができます。 逆ポーランド記法を処理するための効率的な方法の一つが、スタックを利用することです。具体的には、式を左から右にスキャンし、オペランドを見つけるたびにスタックにプッシュします。演算子を見つけた場合は、スタックから必要な数のオペランドをポップし、その演算子を実行して結果をスタックにプッシュします。このプロセスを繰り返し、最終的にスタックには計算結果が残ります。 以下は、逆ポーランド記法をスタックを用いて評価するアルゴリズムの概要です: # 式を左から右にスキャンします。 # オペランドを見つけた場合、スタックにプッシュします。 # 演算子を見つけた場合、スタックから必要な数のオペランドをポップし、その演算子を実行して結果をスタックにプッシュします。 # スキャンが終了したら、スタックに残っている要素が計算結果となります。 逆ポーランド記法をスタックを用いて評価することで、演算子の優先順位や括弧の管理などの複雑な処理を省略し、比較的単純なアルゴリズムで式を評価することができます。このため、計算機やプログラミング言語のコンパイラなどで広く利用されています。 === Rubyでの実装 === Rubyで逆ポーランド記法を評価するための実装を示します。この実装では、スタックを用いて逆ポーランド記法の式を評価します。 ; [https://paiza.io/projects/AxgBkqMpE_8TlukVxaVJZA?language=ruby Rubyで逆ポーランド記法を評価する実装] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # RPNクラスは逆ポーランド記法(Reverse Polish Notation)の式を評価するためのクラスです。 # スタック構造を使用して式を解析し、結果を計算します。 # Rubyでは、Arrayクラスがpop,pushなどのスタックとしてのメソッドが完備されているので継承しました。 class RPN < Array # 与えられた逆ポーランド記法の式を評価し、結果を返します。 # @param expression [String] 評価する式 # @return [Numeric] 式の評価結果 def eval(expression) expression.split.each do |token| case token when /\A-?\d+\z/, # 十進数 /\A[+-]?0[Bb][01]+\z/, # 2進数 /\A[+-]?0[Oo][0-7]+\z/, # 8進数 /\A[+-]?0[Xx][0-9A-Fa-f]+\z/ # 10進数 push Integer(token) when /\A-?\d+(\.\d+)?([eE][-+]?\d+)?\z/ # 浮動小数点数 push(token.to_f) when *%w[+ - * / % ** & | ^ << >> == !=] # 二項演算子 left, right = pop(2) push left.send(token.to_sym, right) when *%w[~ ! abs to_i to_f to_r to_c] # 単項演算子 push pop.send(token.to_sym) else raise RuntimeError, "Invalid operator: #{token}" end end # 最終的な結果はスタックの一番上に残る peek end # スタックの一番上の値を返しますが、スタックから削除しません。 # @return [Numeric, nil] スタックの一番上の値。スタックが空の場合はnilを返します。 alias peek last end require 'minitest/spec' describe RPN do let(:rpn) { RPN.new } describe '#eval' do it 'returns the evaluation result of the given RPN expression' do expect(rpn.eval('5')).must_equal 5 expect(rpn.eval('3 +')).must_equal 8 expect(rpn.eval('2 -')).must_equal 6 expect(rpn.eval('4 *')).must_equal 24 expect(rpn.eval('14 3 /')).must_equal 4 expect(rpn.eval('14 3 %')).must_equal 2 expect(rpn.eval('2 3 **')).must_equal 8 expect(rpn.eval('2 0.5 **')).must_equal 1.4142135623730951 expect(rpn).must_equal [24, 4, 2, 8, 1.4142135623730951] end it 'eval ^' do expect(rpn.eval('5 ~')).must_equal -6 end it 'eval == != !' do expect(rpn.eval('5 5 ==')).must_equal true expect(rpn.eval('5 5 !=')).must_equal false expect(rpn.eval('5 5.0 ==')).must_equal true expect(rpn.eval('5 5.0 !=')).must_equal false expect(rpn.eval('5 5.5 ==')).must_equal false expect(rpn.eval('5 5.5 !=')).must_equal true expect(rpn.eval('5 5 == !')).must_equal false expect(rpn.eval('5 5 != !')).must_equal true end it 'eval abs to_i to_f' do expect(rpn.eval('-5 abs')).must_equal 5 expect(rpn.eval('5 abs')).must_equal 5 expect(rpn.eval('3.14 to_i')).must_equal 3 expect(rpn.eval('5 to_f 2 /')).must_equal 2.5 end it 'eval abs to_r to_c' do expect(rpn.eval('-5 to_r 3 /')).must_equal -5r/3 expect(rpn.eval('-2 to_c 0.5 **')).must_equal '0.0+1.4142135623730951i'.to_c end it 'raises an error for invalid expressions' do expect { rpn.eval('2 +') }.must_raise TypeError end it 'raises an error for invalid operator' do expect { rpn.eval('@') }.must_raise RuntimeError end end describe '#peek' do it 'returns the top element of the stack without removing it' do rpn.eval('1 2 3 + +') expect(rpn.peek).must_equal 6 end it 'returns nil for an empty stack' do expect(rpn.peek).must_be_nil end end describe 'special cases' do it 'returns NaN when dividing zero by zero' do rpn.eval('0.0 0 /') expect(rpn.peek.nan?).must_equal true expect { rpn.eval('0 0 /') }.must_raise ZeroDivisionError end it 'returns Infinity or -Infinity when dividing by zero with proper signs' do rpn.eval('1.0 0 /') expect(rpn.peek).must_equal Float::INFINITY rpn.eval('-1.0 0 /') expect(rpn.peek).must_equal(-Float::INFINITY) rpn.eval('1 -0.0 /') expect(rpn.peek).must_equal(-Float::INFINITY) rpn.eval('-1 -0.0 /') expect(rpn.peek).must_equal Float::INFINITY expect { rpn.eval('-1 -0 /') }.must_raise ZeroDivisionError end end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> このコードは、逆ポーランド記法(RPN)の式を評価するための<code>RPN</code>クラスを提供します。逆ポーランド記法は、演算子がそのオペランドの後に現れる形式であり、括弧や優先順位の概念がないため、計算が比較的容易になります。 この<code>RPN</code>クラスは、内部的にスタックを使用して式を評価します。式を分割し、各トークンを処理することで、演算子とオペランドを適切に処理し、計算を実行します。 クラスは、<code>Array</code>クラスを継承しており、<code>push</code>,<code>pop</code>などのメソッドはArrayの実装を引き継いでいます。 RPNクラスは次のメソッドを提供します: * <code>eval(expression)</code>: 与えられた逆ポーランド記法の式を評価し、結果を返します。 * <code>peek</code>: スタックの一番上の値を返しますが、スタックから削除しません。 テストケースは、Minitestを使用して実装されており、<code>RPN</code>クラスが正しく機能することを確認します。 異常なケースもテストされており、0で割った場合や無限大を扱う場合の振る舞いも検証されています。 == Forthとスタック == Forthは、スタック指向のプログラミング言語です。これは、他の言語とは異なり、計算や処理の中心にスタック(stack)を置いています。スタックは、データを一時的に保存するためのメモリ構造であり、LIFO(Last In, First Out)の原則に従います。つまり、最後に追加されたデータが最初に取り出されます。 Forthのプログラミングスタイルは、このスタックを活用しています。Forthのプログラムは、主に単純な命令(ワードと呼ばれます)の連続で構成され、これらの命令は主にスタックの上で動作します。Forthの命令は、スタックに対する操作を行うものであり、通常はスタックに値を積み上げ(push)たり、取り出したり(pop)、その値を操作したりします。 例えば、2つの数値を足すForthのコードを考えてみましょう。この場合、最初に2つの数値をスタックにプッシュし、それから加算の命令を使ってそれらの数値をポップアップして加算します。 :<syntaxhighlight lang=forth> 5 3 + . </syntaxhighlight> この例では、最初に5と3がスタックにプッシュされ、次に加算命令(+)が実行されて、結果である8が表示される(<code>.</code>は結果を表示するForthの命令です)。 このように、Forthはシンプルで直感的なスタック指向のプログラミングスタイルを採用しており、これによりコードの記述が簡潔で効率的になります。 === RubyでForthを実装 === Forthは比較的小さな言語なので、サブセットを実装するのは容易です。 実際に [[Ruby]]でサンプル実装してみました。 この実装では、<code>dup</code> などのForth基本語彙とユーザー定義ワードは実装済みで、再帰も行えますForthで一般的なリターンスタックではなく、辞書にラムダ式を埋め込んで実現しています。 制御構造は、<code>if-else-then</code>, <code>case-of-endof-endcase</code>, <code>do-loop</code>と <code>?do-loop</code> を実装し、多重ループには <code>I</code>, <code>J</code>, <code>K</code> の3重まで対応しています。 また、Rubyの演算子とメソッドをワードとして取り込んでいます。 同様にMathモジュールからもワードを取り込んでいます。 ;[https://paiza.io/projects/idZToW8toXM91Uj5vcbMXA?language=ruby forth.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby line> # frozen_string_literal: true class Forth < Array Call = Struct.new :addr class Return end class ReturnFalse end Branch = Struct.new :offset BranchFalse = Struct.new :offset class Case end Of = Struct.new :offset class EndCase end def initialize super # ループカウンタスタック(I/J/Kを記憶) @lcstack = [] # ループ先頭ワードスタック do/?do - loop/+loop で使用 @lwstack = [] # 中間コード列 @codespace = [] # Rスタック @rstack = [] # 定数辞書 @constants = {} # 変数辞書 @variables = {} @varnames = [] @words = { '.' => ->(x) { print "#{x} " }, # Print the top value of the stack '.s' => -> { p self }, # Print the entire stack 'clear' => -> { clear }, 'cr' => -> { puts }, 'depth' => -> { push size }, 'drop' => ->(x) {}, 'dup' => -> { push peek }, 'nip' => ->(_x1, x2) { push(x2) }, # ( x1 x2 -- x2 ) Drop the second item on the stack 'over' => ->(x1, x2) { push(x1, x2, x1) }, # ( x1 x2 -- x1 x2 x1 )Copy the second item on the stack to the top 'rot' => lambda { |x1, x2, x3| push(x2, x3, x1) }, # ( x1 x2 x3 -- x2 x3 x1 ) Rotate the top three values on the stack '-rot' => lambda { |x1, x2, x3| push(x3, x1, x2) }, # ( x1 x2 x3 -- x3 x1 x2 ) Reverse rotate the top three values on the stack 'swap' => ->(x1, x2) { push(x2, x1) }, # ( x1 x2 -- x2 x1) Swap the top two values of the stack 'tuck' => lambda { |x1, x2| push(x2, x1, x2) }, # ( x1 x2 -- x2 x1 x2 ) Insert a copy of the top item below the second item on the stack '2drop' => ->(x1, x2) {}, # ( x1 x2 -- ) スタックの上位2つの値を削除します。 '2dup' => ->(x1, x2) { push(x1, x2, x1, x2) }, # ( x1 x2 -- x1 x2 x1 x2 ) スタックの上位2つの値を複製します。 '2nip' => ->(_x1, _x2, x3) { push(x3) }, # ( x1 x2 x3 -- x3 ) スタックの上位2つの値を削除し、3番目の値を残します。 '2over' => lambda { |x1, x2, x3, x4| # ( x1 x2 x3 x4 -- x1 x2 x3 x4 x1 x2 ) スタックの3番目と4番目の値をコピーして最上位に置きます。 push(x1, x2, x3, x4, x1, x2) }, '2rot' => lambda { |x1, x2, x3, x4, x5, x6| # ( x1 x2 x3 x4 x5 x6 -- x3 x4 x5 x6 x1 x2 ) スタックの上位6つの値を回転させます。 push(x3, x4, x5, x6, x1, x2) }, '2swap' => lambda { |x1, x2, x3, x4| # ( x1 x2 x3 x4 -- x3 x4 x1 x2 ) スタックの上位4つの値を交換します。 push(x3, x4, x1, x2) }, '2tuck' => lambda { |x1, x2, x3, x4| # ( x1 x2 x3 x4 -- x3 x4 x1 x2 x3 x4 ) スタックの3番目と4番目の値を2番目と1番目の値の間に挿入します。 push(x3, x4, x1, x2, x3, x4) }, 'min' => ->(x1, x2) { push [x1, x2].min }, 'max' => ->(x1, x2) { push [x1, x2].max }, 'nan?' => ->(x) { push x.nan? }, 'words' => lambda do @words.select { |k| k.instance_of? String }.keys.sort.each do |k| v = @words[k] puts "#{k}: ( #{v.parameters.map { |x| case x in [:req, Symbol => x] x.to_s else nil end } * ' ' } )" end @words.select { |k| k.instance_of? Proc }.keys.each_with_index do |k, index| v = @words[k] puts "<lamda #{index}>: ( #{v.parameters.map { |x| case x in [:req, Symbol => x] x.to_s else nil end } * ' ' } )" end end, 'I' => -> { push @lcstack[-1] }, 'J' => -> { push @lcstack[-2] }, 'K' => -> { push @lcstack[-3] }, 'INFINITY' => -> { push Float::INFINITY }, '-INFINITY' => -> { push(-Float::INFINITY) }, 'NAN' => -> { push Float::NAN }, 'EPSILON' => -> { push Float::EPSILON }, 'PI' => -> { push Math::PI }, 'constant' => lambda { @evalstack.push(lambda { |word| if @constants.include? word puts "duplicate define #{word}" else @constants[word] = pop end @evalstack.pop }) }, 'variable' => lambda { @evalstack.push(lambda { |word| @variables[word] = nil @evalstack.pop }) }, ':' => lambda { # ワード定義 push ':' define_word } } # Import from Numeric %w[negative? zero? [] abs rationalize class to_c to_f to_i to_r ! != == < <= > >= -@ ~ + - * / % divmod **].each do |word| m = word.to_sym ary_ = [1.0, 1, 1r, 1i] q = ary_.each { |n| break n if n.respond_to? m } next if q == ary_ case q.method(m).parameters in [] then @words[word] = ->(x) { push x.send(m) } in [[:rest]] => a then @words[word] = ->(x1, x2) { push x1.send(m, x2) } in [[:req]] then @words[word] = ->(x1, x2) { push x1.send(m, x2) } else end end # Import from Math module %w[sin cos tan sqrt cbrt].sort.each do |word| m = word.to_sym case Math.method(m).parameters in [[:req]] then @words[word] = ->(x) { push Math.send(m, x) } in [[:rest]] then @words[word] = ->(x) { push Math.send(m, x) } in [[:req], [:req]] then @words[word] = ->(x1, x2) { push Math.send(node, x1, x2) } else end end # ワードに別名を定義 { 'negate' => '-@', 'invert' => '~', '=' => '==', '<>' => '!=' }.each { |key, value| @words[key] = @words[value] } # ワード定義中に有効なワード @keywords = { ';' => lambda { name, *body = slice!(rindex(':')..-1).drop(1) start = @codespace.size body.each { |word| @codespace.push word } @codespace.push Return.new @words[name] = Call.new(start) # @words[name] = -> { body.each { |word| eval word } } enddef_word }, 'if' => lambda { push 'if' define_word }, 'then' => lambda { body = slice!(rindex('if')..-1).drop(1) _then = body.take_while { |word| word != 'else' } _else = body.drop_while { |word| word != 'else' }.drop_while { |word| word == 'else' } start = @codespace.size if _else.size > 0 _then.push Return.new @codespace.push BranchFalse.new _then.size _then.each { |word| @codespace.push word } _else.each { |word| @codespace.push word } @codespace.push Return.new else @codespace.push ReturnFalse.new _then.each { |word| @codespace.push word } @codespace.push Return.new end name = Call.new(start) push(name) @words[name] = name # XXX enddef_word }, 'case' => lambda { push 'case' @casestack ||= [] @casestack.push [] define_word }, 'of' => lambda { stmt = @casestack.last.empty? ? 'case' : 'endof' _when = slice!(rindex(stmt)..-1).drop(1) @casestack.last << _when push 'of' }, 'endof' => lambda { body = slice!(rindex('of')..-1).drop(1) @casestack.last.last[1] = body push 'endof' }, 'endcase' => lambda { default_ = slice!(rindex('endof')..-1).drop(1) tbl = @casestack.pop start = @codespace.size @codespace.push Case.new tbl.each do |w, body| @codespace.push w body.push EndCase.new @codespace.push Of.new body.size body.each { |word| @codespace.push word } end default_.each { |word| @codespace.push(word) } @codespace.push EndCase.new word = Call.new start push(word) @words[word] = word enddef_word }, 'do' => lambda { push 'do' @lwstack.push 'do' define_word }, '?do' => lambda { push '?do' @lwstack.push '?do' define_word }, 'loop' => lambda { stmt = @lwstack.pop body = slice!(rindex(stmt)..-1).drop(1) word = case stmt in 'do' lambda { |limit, start| level = @lcstack.size @lcstack.push start loop do body.each { |word| eval(word) } @lcstack[level] += 1 break unless @lcstack[level] <= limit end @lcstack.pop } in '?do' lambda { |limit, start| level = @lcstack.size @lcstack.push start while @lcstack[level] <= limit body.each { |word| eval(word) } @lcstack[level] += 1 end @lcstack.pop } end push(word) @words[word] = word enddef_word }, '+loop' => lambda { stmt = @lwstack.pop body = slice!(rindex(stmt)..-1).drop(1) word = case stmt in 'do' lambda { |limit, start| level = @lcstack.size @lcstack.push start eval(body.last) step = pop loop do body.each { |word| eval(word) } @lcstack[level] += step break unless @lcstack[level] <= limit end @lcstack.pop } in '?do' lambda { |limit, start| level = @lcstack.size @lcstack.push start eval(body.last) step = pop while @lcstack[level] <= limit body.each { |word| eval(word) } @lcstack[level] += step end @lcstack.pop } end push(word) @words[word] = word enddef_word }, '."' => lambda { push '."' @evalstack.push(lambda do |word| case word when /(.*)"$/ push ::Regexp.last_match(1) body = slice!(rindex('."')..-1).drop(1) word = -> { push body * ' ' } push(word) @words[word] = word @evalstack.pop else push(word) end end) }, '(' => lambda { push '(' @evalstack.push(lambda do |word| case word when ')' slice!(rindex('(')..-1).drop(1) @evalstack.pop else push(word) end end) } } # キーワードに別名を定義 { 'endif' => 'then' }.each { |key, value| @keywords[key] = @keywords[value] } # evaluator stack @evalstack = [method(:eval)] end alias peek last def eval(word) case word in /\A-?\d+\z/ # Decimal integer push Integer(word) in /\A[+-]?0[Bb][01]+\z/ # Binary integer push Integer(word) in /\A[+-]?0[Oo][0-7]+\z/ # Octal integer push Integer(word) in /\A[+-]?0[Xx][0-9A-Fa-f]+\z/ # Hexadecimal integer push Integer(word) in /\A[+-]?\d+(\.\d+)?([eE][-+]?\d+)?\z/ # Floating point number push Float(word) else if @constants.include? word push @constants[word] return end if @variables.include? word @varnames.push word @evalstack.push(lambda { |word| case word in '!' @variables[@varnames.pop] = pop in '@' push @variables[@varnames.pop] end @evalstack.pop }) return end case @words[word] in Proc => proc then n = proc.parameters.reduce(0) do |result, el| el.first == :req ? result + 1 : result end proc[*pop(n)] in Call => call then addr = call.addr ip = addr loop do word = @codespace[ip] case word in Return then break in ReturnFalse then break unless pop in BranchFalse => bf then ip += bf.offset unless pop in Case => _case then @rstack.push pop in Of => of then ip += of.offset unless @rstack.last == pop in EndCase => endcase then @rstack.pop break else eval(word) end ip += 1 end else raise "#{__method__}: Unknown word(#{word}(#{word.class}))" end end self end def eval_line(line) line.split.each { |word| @evalstack.last[word] } self end def repl while (line = gets) eval_line(line) end end private def define_word @evalstack.push(lambda do |word| @keywords[word] ? @keywords[word][] : push(word) end) end def enddef_word = @evalstack.pop end require 'minitest/spec' # 標準出力をキャプチャして文字列として返す def capture_stdout original_stdout = $stdout $stdout = StringIO.new yield $stdout.string ensure $stdout = original_stdout end describe Forth do before do @forth = Forth.new end describe 'basic operation' do it 'initialize' do _(@forth.eval_line('')).must_equal [] end it '.' do actual_output = capture_stdout { @forth.eval_line('123 .') } _(actual_output).must_equal '123 ' end it '.s' do actual_output = capture_stdout { @forth.eval_line('123 .s') } _(actual_output).must_equal "[123]\n" end it 'words' do skip @forth.eval_line(': cube dup dup * * ;') @forth.eval_line(%(: sign dup 0 < if -1 else dup 0 > if 1 else 0 then then ;)) @forth.eval_line(%(: d34 3 1 do 4 1 do I J loop loop ; d34)) actual_output = capture_stdout { @forth.eval_line('words') } _(actual_output).must_equal '' end it 'stack op.' do _(@forth.eval_line('1')).must_equal [1] _(@forth.eval_line('2')).must_equal [1, 2] _(@forth.eval_line('+')).must_equal [3] end it 'to_i' do _(@forth.eval_line(%(3.1415926536))).must_equal [3.1415926536] _(@forth.eval_line(%(to_i))).must_equal [3] end it 'to_f' do _(@forth.eval_line(%(3))).must_equal [3] _(@forth.eval_line(%(to_f))).must_equal [3.0] end it 'to_c' do _(@forth.eval_line(%(-2))).must_equal [-2] _(@forth.eval_line(%(to_c))).must_equal [-2] _(@forth.eval_line(%(0.5 **))).must_equal [(0.0 + 1.4142135623730951i)] end it 'to_r' do _(@forth.eval_line(%(12))).must_equal [12] _(@forth.eval_line(%(to_r))).must_equal [12] _(@forth.eval_line(%(18 /))).must_equal [Rational(2, 3)] _(@forth.eval_line(%(0.0 /))).must_equal [Float::INFINITY] _(@forth.eval_line(%(0.0 to_r 0.0 / nan?))).must_equal [Float::INFINITY, true] _ { @forth.eval_line(%(12 to_r 0 /)) }.must_raise ZeroDivisionError end it 'extensive func.' do _(@forth.eval_line(%(9 5 divmod))).must_equal [[1, 4]] _(@forth.eval_line(%(clear 27 cbrt))).must_equal [3] _(@forth.eval_line(%(clear PI 4 / sin))).must_equal [0.7071067811865475] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 zero?))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 0 []))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 1 []))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 2 []))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 3 []))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 4 []))).must_equal [0] _(@forth.eval_line(%(clear 73 42 rationalize class))).must_equal [Rational] end end describe 'Basic words' do it 'should execute . correctly' do output = capture_stdout { @forth.eval_line(%(123 .)) } _(output).must_equal '123 ' end it 'should execute .s correctly' do output = capture_stdout { @forth.eval_line(%(1 2 3 .s)) } _(output).must_equal "[1, 2, 3]\n" end it 'should execute clear correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 clear)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[]\n" end it 'should execute depth correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 depth)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 3, 3]\n" end it 'should execute drop correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 drop)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2]\n" end it 'should execute dup correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 dup)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 2]\n" end it 'should execute nip correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 nip)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 3]\n" end it 'should execute over correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 over)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 1]\n" end it 'should execute rot correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 rot)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[2, 3, 1]\n" end it 'should execute -rot correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 -rot)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[3, 1, 2]\n" end it 'should execute swap correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 swap)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[2, 1]\n" end it 'should execute tuck correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 tuck)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[2, 1, 2]\n" end it 'should execute 2drop correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2drop)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2]\n" end it 'should execute 2dup correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 2dup)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 1, 2]\n" end it 'should execute 2nip correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2nip)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 4]\n" end it 'should execute 2over correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2over)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 3, 4, 1, 2]\n" end it 'should execute 2rot correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 5 6 2rot)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[3, 4, 5, 6, 1, 2]\n" end it 'should execute 2swap correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2swap)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[3, 4, 1, 2]\n" end it 'should execute 2tuck correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2tuck)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[3, 4, 1, 2, 3, 4]\n" end end describe 'arithmetic operations' do it 'should perform arithmetic operations correctly' do _(@forth.eval_line(%(5 3 + 2 *))).must_equal [16] end it '!' do _(@forth.eval_line(%(clear 1 !))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 0 !))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1 < !))).must_equal [false] end it '!= ==' do _(@forth.eval_line(%(clear 1 1 !=))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1 1 ==))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1 !=))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1 ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1 1.0 !=))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1 1.0 ==))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1.0 !=))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1.0 ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1.0 1 !=))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1.0 1 ==))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 1 !=))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 1 ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear NAN 1 ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear NAN 1 !=))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear NAN NAN ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear NAN NAN !=))).must_equal [true] end it 'abs' do _(@forth.eval_line(%(4 abs))).must_equal [4] _(@forth.eval_line(%(clear -4 abs))).must_equal [4] _(@forth.eval_line(%(clear -9 to_c 0.5 ** 4 + abs))).must_equal [5] end it 'min max' do _(@forth.eval_line(%(4 1 min))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(4 max))).must_equal [4] end it 'negate invert' do _(@forth.eval_line(%(1 negate))).must_equal [-1] _(@forth.eval_line(%(negate))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(4 invert))).must_equal [1, -5] end it 'negative?' do _(@forth.eval_line(%(clear -1 negative?))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 negative?))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1 negative?))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear -1.0 negative?))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 negative?))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1.0 negative?))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear -0.0 negative?))).must_equal [false] end end describe 'comparison operations' do it 'should compare values correctly' do _(@forth.eval_line(%(5 3 < 5 3 > 5 5 ==))).must_equal [false, true, true] end end describe 'dup' do it 'should duplicate the top value of the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 dup))).must_equal [5, 5] end end describe 'drop' do it 'should remove the top value from the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 drop))).must_equal [] end end describe 'swap' do it '( x1 x2 -- x2 x1 ) should swap the top two values of the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 swap))).must_equal [10, 5] end end describe 'over' do it 'should copy the second item on the stack to the top' do _(@forth.eval_line(%(5 10 over))).must_equal [5, 10, 5] end end describe 'rot' do it 'should rotate the top three values on the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 15 rot))).must_equal [10, 15, 5] end end describe '-rot' do it 'should reverse rotate the top three values on the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 15 -rot))).must_equal [15, 5, 10] end end describe 'nip' do it '( x1 x2 -- x2 ) should drop the second item on the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 nip))).must_equal [10] end end describe 'tuck' do it 'should insert a copy of the top item below the second item on the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 tuck))).must_equal [10, 5, 10] end end describe 'constant' do it 'define constant' do _(@forth.eval_line(%(42 constant C1))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(12 C1))).must_equal [12, 42] actual_output = capture_stdout do _(@forth.eval_line(%(34 constant C1))).must_equal [12, 42, 34] end _(actual_output).must_equal "duplicate define C1\n" end end describe 'variable' do it 'define variable' do _(@forth.eval_line(%(variable v1))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(12 v1 !))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(v1 @ ))).must_equal [12] end end describe 'if-then-else' do it 'should execute if-then blocks correctly' do _(@forth.eval_line(%(: xxx if 2 + then ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(0 5 3 > xxx))).must_equal [2] _(@forth.eval_line(%(5 3 < xxx))).must_equal [2] end it 'should execute if-else-then blocks correctly' do _(@forth.eval_line(%(: ttt 5 3 > if 2 2 + else 3 3 + then ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(ttt))).must_equal [4] _(@forth.eval_line(%[clear : sss ( n -- ) if ." true" else ." false" then ;])).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(1 2 < sss))).must_equal ['true'] end it 'should execute if-else-endif blocks correctly' do _(@forth.eval_line(%(: ttt 5 3 > if 2 2 + else 3 3 + endif ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(ttt))).must_equal [4] _(@forth.eval_line(%[clear : sss ( n -- ) if ." true" else ." false" endif ;])).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(1 2 < sss))).must_equal ['true'] end it 'should execute if-then-else nested blocks correctly' do _(@forth.eval_line(%(: c dup dup * * ; 3 c))).must_equal [27] _(@forth.eval_line(%(clear))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(: sign dup 0 < if -1 else dup 0 > if 1 else 0 then then ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(123 sign))).must_equal [123, 1] _(@forth.eval_line(%(clear -123 sign))).must_equal [-123, -1] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 sign))).must_equal [0.0, 0] _(@forth.eval_line(%(clear 0 sign))).must_equal [0.0, 0] end end describe 'case _ of ... endof _ of ... endof default endcase' do it 'should execute case-endcase correctly' do _(@forth.eval_line(%(: t case 1 of 111 endof 2 of 222 endof 3 of 333 endof 999 endcase ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(clear 2 t ))).must_equal [222] _(@forth.eval_line(%(clear 1 t ))).must_equal [111] _(@forth.eval_line(%(clear 3 t ))).must_equal [333] _(@forth.eval_line(%(clear 0 t ))).must_equal [999] _(@forth.eval_line(%(clear 2.0 t ))).must_equal [222] _(@forth.eval_line(%(clear 1.0 t ))).must_equal [111] _(@forth.eval_line(%(clear 3.0 t ))).must_equal [333] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 t ))).must_equal [999] end end describe 'do loop' do it 'should execute do loops correctly' do _(@forth.eval_line(%(: d3 3 1 do I loop ; d3))).must_equal [1, 2, 3] end it 'should execute do +loops correctly' do _(@forth.eval_line(%(: d15 15 1 do I 5 +loop ;))).must_equal [] end it 'should execute do loops nested correctly' do _(@forth.eval_line(%(: d34 3 1 do 4 1 do I J loop loop ; d34))).must_equal [1, 1, 2, 1, 3, 1, 4, 1, 1, 2, 2, 2, 3, 2, 4, 2, 1, 3, 2, 3, 3, 3, 4, 3] end it 'should execute do loops nested correctly w/ stdout' do actual_output = capture_stdout do @forth.eval_line(%(: d34 3 1 do 4 1 do I . J . ." ," . loop cr loop ; d34)) end _(actual_output).must_equal <<~EOS 1 1 , 2 1 , 3 1 , 4 1 ,#{' '} 1 2 , 2 2 , 3 2 , 4 2 ,#{' '} 1 3 , 2 3 , 3 3 , 4 3 ,#{' '} EOS end it 'should execute do do +loop loop nested correctly' do _(@forth.eval_line(%(: d34 3 1 do 4 1 do I J 2 +loop I loop ; d34 ))).must_equal [1, 1, 2, 3, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 3, 2, 2, 2, 1, 3, 2, 3, 3, 2, 3] end end end Minitest.run </syntaxhighlight> == 再帰的呼び出しとスタック == 再帰的呼び出しは、関数やメソッドが自分自身を呼び出すことを指します。このような再帰的呼び出しは、基底ケースと呼ばれる条件で停止するまで、何度も繰り返されます。再帰的なアルゴリズムは、問題をより小さな部分問題に分割し、その結果を組み合わせて全体の解を得るために使用されます。 再帰的呼び出しでは、各関数呼び出しがスタックフレームとしてスタックにプッシュされます。スタックフレームには、関数の引数、ローカル変数、および戻りアドレスなどの情報が含まれます。これにより、再帰的な関数がどこに戻るべきかが確保されます。 再帰的呼び出しのプロセス中、スタックは関数呼び出しの連鎖として構築されます。基底ケースに達すると、再帰呼び出しの連鎖は終了し、スタックは戻り始めます。各関数呼び出しが戻るとき、対応するスタックフレームがポップされ、その関数の実行が終了します。このように、スタックは再帰的呼び出しのために必要な情報を管理し、再帰アルゴリズムの正常な実行を可能にします。 例えば、階乗を計算する再帰関数を考えてみましょう。 :<syntaxhighlight lang=ruby> def factorial(n) return 1 if n == 0 return n * factorial(n - 1) end puts factorial(5) # 出力: 120 </syntaxhighlight> この再帰関数では、各呼び出しでスタックに新しいフレームが追加され、nが0になるまで関数が再帰的に呼び出されます。そして、基底ケースに到達したときに再帰が終了し、スタックから各フレームが順番にポップされていきます。 以下は、再帰呼び出しのイメージを表組みで示したものです。 :{| class=wikitable |- factorialのスタックのイメージ ! スタックフレーム !! 関数名 !! 引数 !! 戻りアドレス |- | Frame 1 || factorial || 5 || Return Address 1 |- | Frame 2 || factorial || 4 || Return Address 2 |- | Frame 3 || factorial || 3 || Return Address 3 |- | Frame 4 || factorial || 2 || Return Address 4 |- | Frame 5 || factorial || 1 || Return Address 5 |- | Frame 6 || factorial || 0 || Return Address 6 |} 各スタックフレームには、再帰的な呼び出しに関連する情報が含まれます。 この情報には、関数名、引数、および戻りアドレス(再帰が終了した後に戻るべき呼び出し元のアドレス)が含まれます。 再帰が進むにつれて、スタックに新しいフレームが追加され、再帰が終了するとスタックからフレームがポップされます。 == トピックス == スタックに関連する他のトピックには、以下のようなものがあります: # '''[[キュー]] (Queue):''' スタックと同様に、キューもデータを保持するためのデータ構造ですが、キューは先入れ先出し(FIFO: First In, First Out)の原則に基づいて動作します。キューは、例えば、待ち行列やバッファなどで使用されます。 # '''再帰:''' スタックと再帰の関係については既に説明しましたが、再帰は関数が自分自身を直接または間接的に呼び出すことを指します。再帰の実行中には、各関数呼び出しがスタックに新しいフレームとしてプッシュされます。 # '''スタックの実装:''' スタックは、リストや配列を用いて簡単に実装することができます。リストや配列の操作(push/pop)を利用して、スタックの基本的な機能を実現します。 # '''スタックの最適化:''' スタックの操作を効率的に行うために、特定のアルゴリズムやデータ構造が使用される場合があります。例えば、動的配列を用いた実装や、スタックポインタを使用してスタックの領域を動的に確保する方法などがあります。 # '''スタックの応用:''' スタックは、プログラミングやアルゴリズムのさまざまな分野で使用されます。例えば、深さ優先探索(DFS)、バックトラック法、構文解析、計算機の評価スタックなどが挙げられます。 これらのトピックは、スタックに関連する概念や応用について更に深く理解する上で重要です。 == ユースケース == スタックは、関数の呼び出し、式の評価、ブラウザの履歴管理、Undo/Redo操作など、さまざまなユースケースで使用されます。また、プログラム内で一時的なデータを保持するための一般的な手段としても使用されます。 == ベストプラクティス == スタックを使用する際のベストプラクティスには、以下が含まれます: * スタックの容量を適切に管理し、オーバーフローを防止する。 * データの整合性を維持するため、プッシュとポップの対を正確に管理する。 * 適切なデータ構造やアルゴリズムを選択し、効率的なスタック操作を実行する。 == イディオム == スタックを使用する際には、特定のプログラミング言語やコーディングスタイルに固有のイディオムが存在します。例えば、Pythonではリストをスタックとして使用することがよくありますが、特定のメソッド(例えば、<code>append()</code>や<code>pop()</code>)を使用することで、スタック操作を簡潔に実現することができます。 これらの基本的な概念やユースケースを理解し、適切に活用することで、プログラムの効率性やメモリ管理の向上に貢献することができます。 [[Category:プログラミング]] [[Category:スタック]]
2024-02-08T03:50:06Z
2024-03-23T06:47:38Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AF%E6%A7%8B%E9%80%A0
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スタック構造
計算機科学における「スタック」は、ハードウェアとソフトウェアの両方で重要な役割を果たす概念です。それぞれのスタックについて説明します。 ハードウェア・スタックとソフトウェア・スタックは、異なるレベルでプログラムの実行を支援し、プログラムの制御フローやデータ管理に不可欠な役割を果たします。 スタックは、データを一時的に保持するためのデータ構造であり、後入れ先出し(LIFO: Last In, First Out)の原則に基づいて動作します。これは、最後に追加された要素が最初に取り出されることを意味します。 スタックは通常、次の2つの基本操作で構成されます: ほとんどのプログラミング言語には、スタックを操作するための組み込み関数や標準ライブラリがあります。例えば、C言語では配列を用いてスタックを実装することが一般的です。JavaやPythonなどの高水準言語では、スタックを抽象化したクラスやライブラリが提供されています。 以下は、様々なプログラミング言語におけるスタックの標準的な実装方法の表です。 これらの実装方法は、それぞれの言語で一般的なものであり、要素の追加、削除、参照、空のチェック、サイズの取得などの操作を提供します。 スタックは、再帰的なアルゴリズムを反復的に解決するのに役立ちます。例えば、深さ優先探索(DFS)アルゴリズムなどの多くのアルゴリズムは、再帰的に呼び出す代わりに、スタックを使用して反復的に解決することができます。 逆ポーランド記法(逆ポーランド記号法または逆ポーランド式)は、数式や式を表現するための一種の記法です。この記法では、演算子が対応するオペランドの後に置かれます。これにより、括弧の使用や演算子の優先順位の考慮が不要になり、簡潔で計算機で処理しやすい式を得ることができます。 逆ポーランド記法を処理するための効率的な方法の一つが、スタックを利用することです。具体的には、式を左から右にスキャンし、オペランドを見つけるたびにスタックにプッシュします。演算子を見つけた場合は、スタックから必要な数のオペランドをポップし、その演算子を実行して結果をスタックにプッシュします。このプロセスを繰り返し、最終的にスタックには計算結果が残ります。 以下は、逆ポーランド記法をスタックを用いて評価するアルゴリズムの概要です: 逆ポーランド記法をスタックを用いて評価することで、演算子の優先順位や括弧の管理などの複雑な処理を省略し、比較的単純なアルゴリズムで式を評価することができます。このため、計算機やプログラミング言語のコンパイラなどで広く利用されています。 Rubyで逆ポーランド記法を評価するための実装を示します。この実装では、スタックを用いて逆ポーランド記法の式を評価します。 このコードは、逆ポーランド記法(RPN)の式を評価するためのRPNクラスを提供します。逆ポーランド記法は、演算子がそのオペランドの後に現れる形式であり、括弧や優先順位の概念がないため、計算が比較的容易になります。 このRPNクラスは、内部的にスタックを使用して式を評価します。式を分割し、各トークンを処理することで、演算子とオペランドを適切に処理し、計算を実行します。 クラスは、Arrayクラスを継承しており、push,popなどのメソッドはArrayの実装を引き継いでいます。 RPNクラスは次のメソッドを提供します: テストケースは、Minitestを使用して実装されており、RPNクラスが正しく機能することを確認します。 異常なケースもテストされており、0で割った場合や無限大を扱う場合の振る舞いも検証されています。 Forthは、スタック指向のプログラミング言語です。これは、他の言語とは異なり、計算や処理の中心にスタック(stack)を置いています。スタックは、データを一時的に保存するためのメモリ構造であり、LIFO(Last In, First Out)の原則に従います。つまり、最後に追加されたデータが最初に取り出されます。 Forthのプログラミングスタイルは、このスタックを活用しています。Forthのプログラムは、主に単純な命令(ワードと呼ばれます)の連続で構成され、これらの命令は主にスタックの上で動作します。Forthの命令は、スタックに対する操作を行うものであり、通常はスタックに値を積み上げ(push)たり、取り出したり(pop)、その値を操作したりします。 例えば、2つの数値を足すForthのコードを考えてみましょう。この場合、最初に2つの数値をスタックにプッシュし、それから加算の命令を使ってそれらの数値をポップアップして加算します。 この例では、最初に5と3がスタックにプッシュされ、次に加算命令(+)が実行されて、結果である8が表示される(.は結果を表示するForthの命令です)。 このように、Forthはシンプルで直感的なスタック指向のプログラミングスタイルを採用しており、これによりコードの記述が簡潔で効率的になります。 Forthは比較的小さな言語なので、サブセットを実装するのは容易です。 実際に Rubyでサンプル実装してみました。 この実装では、dup などのForth基本語彙とユーザー定義ワードは実装済みで、再帰も行えますForthで一般的なリターンスタックではなく、辞書にラムダ式を埋め込んで実現しています。 制御構造は、if-else-then, case-of-endof-endcase, do-loopと ?do-loop を実装し、多重ループには I, J, K の3重まで対応しています。 また、Rubyの演算子とメソッドをワードとして取り込んでいます。 同様にMathモジュールからもワードを取り込んでいます。 再帰的呼び出しは、関数やメソッドが自分自身を呼び出すことを指します。このような再帰的呼び出しは、基底ケースと呼ばれる条件で停止するまで、何度も繰り返されます。再帰的なアルゴリズムは、問題をより小さな部分問題に分割し、その結果を組み合わせて全体の解を得るために使用されます。 再帰的呼び出しでは、各関数呼び出しがスタックフレームとしてスタックにプッシュされます。スタックフレームには、関数の引数、ローカル変数、および戻りアドレスなどの情報が含まれます。これにより、再帰的な関数がどこに戻るべきかが確保されます。 再帰的呼び出しのプロセス中、スタックは関数呼び出しの連鎖として構築されます。基底ケースに達すると、再帰呼び出しの連鎖は終了し、スタックは戻り始めます。各関数呼び出しが戻るとき、対応するスタックフレームがポップされ、その関数の実行が終了します。このように、スタックは再帰的呼び出しのために必要な情報を管理し、再帰アルゴリズムの正常な実行を可能にします。 例えば、階乗を計算する再帰関数を考えてみましょう。 この再帰関数では、各呼び出しでスタックに新しいフレームが追加され、nが0になるまで関数が再帰的に呼び出されます。そして、基底ケースに到達したときに再帰が終了し、スタックから各フレームが順番にポップされていきます。 以下は、再帰呼び出しのイメージを表組みで示したものです。 各スタックフレームには、再帰的な呼び出しに関連する情報が含まれます。 この情報には、関数名、引数、および戻りアドレス(再帰が終了した後に戻るべき呼び出し元のアドレス)が含まれます。 再帰が進むにつれて、スタックに新しいフレームが追加され、再帰が終了するとスタックからフレームがポップされます。 スタックに関連する他のトピックには、以下のようなものがあります: これらのトピックは、スタックに関連する概念や応用について更に深く理解する上で重要です。 スタックは、関数の呼び出し、式の評価、ブラウザの履歴管理、Undo/Redo操作など、さまざまなユースケースで使用されます。また、プログラム内で一時的なデータを保持するための一般的な手段としても使用されます。 スタックを使用する際のベストプラクティスには、以下が含まれます: スタックを使用する際には、特定のプログラミング言語やコーディングスタイルに固有のイディオムが存在します。例えば、Pythonではリストをスタックとして使用することがよくありますが、特定のメソッド(例えば、append()やpop())を使用することで、スタック操作を簡潔に実現することができます。 これらの基本的な概念やユースケースを理解し、適切に活用することで、プログラムの効率性やメモリ管理の向上に貢献することができます。
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計算機科学における「スタック」は、ハードウェアとソフトウェアの両方で重要な役割を果たす概念です。それぞれのスタックについて説明します。 ハードウェア・スタック: ハードウェア・スタックは、コンピュータのCPU(中央処理装置)によって直接管理されるメモリ領域です。主にプログラムの実行時に使用され、サブルーチン(関数)の呼び出し、局所変数の割り当て、復帰アドレスの保持など、プログラムの実行フローを管理するために利用されます。通常、スタックポインタと呼ばれるレジスタがスタックのトップを示し、プッシュおよびポップ命令によってスタック上でデータを操作します。ハードウェア・スタックは、プログラムの制御フローに関連した低レベルの操作に使用されます。 ソフトウェア・スタック: ソフトウェア・スタックは、プログラミング言語やアプリケーションソフトウェア内で使用される抽象化されたデータ構造です。通常、動的メモリの一部として実装され、プログラムの実行中に必要なデータや関数呼び出しの情報を保持します。ソフトウェア・スタックは、関数の呼び出しと復帰、ローカル変数の格納、式の評価など、高レベルのプログラムの実行に使用されます。プログラミング言語や実行環境によっては、ソフトウェア・スタックが自動的に管理され、プログラマが明示的にスタック操作を行う必要がない場合もあります。 ハードウェア・スタックとソフトウェア・スタックは、異なるレベルでプログラムの実行を支援し、プログラムの制御フローやデータ管理に不可欠な役割を果たします。
計算機科学における「スタック」は、ハードウェアとソフトウェアの両方で重要な役割を果たす概念です。それぞれのスタックについて説明します。 # '''ハードウェア・スタック:''' ハードウェア・スタックは、コンピュータのCPU(中央処理装置)によって直接管理されるメモリ領域です。主にプログラムの実行時に使用され、サブルーチン(関数)の呼び出し、局所変数の割り当て、復帰アドレスの保持など、プログラムの実行フローを管理するために利用されます。通常、スタックポインタと呼ばれるレジスタがスタックのトップを示し、プッシュおよびポップ命令によってスタック上でデータを操作します。ハードウェア・スタックは、プログラムの制御フローに関連した低レベルの操作に使用されます。 # '''ソフトウェア・スタック:''' ソフトウェア・スタックは、プログラミング言語やアプリケーションソフトウェア内で使用される抽象化されたデータ構造です。通常、動的メモリの一部として実装され、プログラムの実行中に必要なデータや関数呼び出しの情報を保持します。ソフトウェア・スタックは、関数の呼び出しと復帰、ローカル変数の格納、式の評価など、高レベルのプログラムの実行に使用されます。プログラミング言語や実行環境によっては、ソフトウェア・スタックが自動的に管理され、プログラマが明示的にスタック操作を行う必要がない場合もあります。 ハードウェア・スタックとソフトウェア・スタックは、異なるレベルでプログラムの実行を支援し、プログラムの制御フローやデータ管理に不可欠な役割を果たします。 == スタックの基本 == スタックは、データを一時的に保持するためのデータ構造であり、後入れ先出し(LIFO: Last In, First Out)の原則に基づいて動作します。これは、最後に追加された要素が最初に取り出されることを意味します。 == スタックの操作 == スタックは通常、次の2つの基本操作で構成されます: # '''プッシュ(Push):''' 新しい要素をスタックに追加します。新しい要素はスタックの一番上に配置されます。 # '''ポップ(Pop):''' スタックから要素を取り出します。取り出されるのは常にスタックの一番上にある要素です。 == 様々なプログラミング言語におけるスタックとその操作 == ほとんどのプログラミング言語には、スタックを操作するための組み込み関数や標準ライブラリがあります。例えば、C言語では配列を用いてスタックを実装することが一般的です。JavaやPythonなどの高水準言語では、スタックを抽象化したクラスやライブラリが提供されています。 以下は、様々なプログラミング言語におけるスタックの標準的な実装方法の表です。 :{| class="sortable wikitable" |+ 言語毎のスタックの標準的な実装方法 !プログラミング言語 !スタックの実装方法 |- | [[JavaScript]] |配列 (Array) |- | [[Python]] |リスト (List) |- | [[Ruby]] |配列 (Array) |- | [[Java]] |<code>java.util.Stack</code> クラス |- | [[C++]] |<code>std::stack</code> コンテナ |- | [[Rust]] |<code>std::collections::VecDeque</code> |- | [[Go]] |スライス (Slice) |- | [[Scheme]] |リスト (List) |- | [[C Sharp|C#]] |<code>System.Collections.Generic.Stack</code> クラス |- | [[Kotlin]] |<code>java.util.Stack</code> クラス |- | [[Scala]] |<code>scala.collection.mutable.Stack</code> クラス |- | [[Swift]] |配列 (Array) |- | [[Haskell]] |リスト (List) |} これらの実装方法は、それぞれの言語で一般的なものであり、要素の追加、削除、参照、空のチェック、サイズの取得などの操作を提供します。 == 反復処理 == スタックは、再帰的なアルゴリズムを反復的に解決するのに役立ちます。例えば、深さ優先探索(DFS)アルゴリズムなどの多くのアルゴリズムは、再帰的に呼び出す代わりに、スタックを使用して反復的に解決することができます。 == 逆ポーランド記法とスタック == 逆ポーランド記法(逆ポーランド記号法または逆ポーランド式)は、数式や式を表現するための一種の記法です。この記法では、演算子が対応するオペランドの後に置かれます。これにより、括弧の使用や演算子の優先順位の考慮が不要になり、簡潔で計算機で処理しやすい式を得ることができます。 逆ポーランド記法を処理するための効率的な方法の一つが、スタックを利用することです。具体的には、式を左から右にスキャンし、オペランドを見つけるたびにスタックにプッシュします。演算子を見つけた場合は、スタックから必要な数のオペランドをポップし、その演算子を実行して結果をスタックにプッシュします。このプロセスを繰り返し、最終的にスタックには計算結果が残ります。 以下は、逆ポーランド記法をスタックを用いて評価するアルゴリズムの概要です: # 式を左から右にスキャンします。 # オペランドを見つけた場合、スタックにプッシュします。 # 演算子を見つけた場合、スタックから必要な数のオペランドをポップし、その演算子を実行して結果をスタックにプッシュします。 # スキャンが終了したら、スタックに残っている要素が計算結果となります。 逆ポーランド記法をスタックを用いて評価することで、演算子の優先順位や括弧の管理などの複雑な処理を省略し、比較的単純なアルゴリズムで式を評価することができます。このため、計算機やプログラミング言語のコンパイラなどで広く利用されています。 === Rubyでの実装 === Rubyで逆ポーランド記法を評価するための実装を示します。この実装では、スタックを用いて逆ポーランド記法の式を評価します。 ; [https://paiza.io/projects/AxgBkqMpE_8TlukVxaVJZA?language=ruby Rubyで逆ポーランド記法を評価する実装] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # RPNクラスは逆ポーランド記法(Reverse Polish Notation)の式を評価するためのクラスです。 # スタック構造を使用して式を解析し、結果を計算します。 # Rubyでは、Arrayクラスがpop,pushなどのスタックとしてのメソッドが完備されているので継承しました。 class RPN < Array # 与えられた逆ポーランド記法の式を評価し、結果を返します。 # @param expression [String] 評価する式 # @return [Numeric] 式の評価結果 def eval(expression) expression.split.each do |token| case token when /\A-?\d+\z/, # 十進数 /\A[+-]?0[Bb][01]+\z/, # 2進数 /\A[+-]?0[Oo][0-7]+\z/, # 8進数 /\A[+-]?0[Xx][0-9A-Fa-f]+\z/ # 10進数 push Integer(token) when /\A-?\d+(\.\d+)?([eE][-+]?\d+)?\z/ # 浮動小数点数 push(token.to_f) when *%w[+ - * / % ** & | ^ << >> == !=] # 二項演算子 left, right = pop(2) push left.send(token.to_sym, right) when *%w[~ ! abs to_i to_f to_r to_c] # 単項演算子 push pop.send(token.to_sym) else raise RuntimeError, "Invalid operator: #{token}" end end # 最終的な結果はスタックの一番上に残る peek end # スタックの一番上の値を返しますが、スタックから削除しません。 # @return [Numeric, nil] スタックの一番上の値。スタックが空の場合はnilを返します。 alias peek last end require 'minitest/spec' describe RPN do let(:rpn) { RPN.new } describe '#eval' do it 'returns the evaluation result of the given RPN expression' do expect(rpn.eval('5')).must_equal 5 expect(rpn.eval('3 +')).must_equal 8 expect(rpn.eval('2 -')).must_equal 6 expect(rpn.eval('4 *')).must_equal 24 expect(rpn.eval('14 3 /')).must_equal 4 expect(rpn.eval('14 3 %')).must_equal 2 expect(rpn.eval('2 3 **')).must_equal 8 expect(rpn.eval('2 0.5 **')).must_equal 1.4142135623730951 expect(rpn).must_equal [24, 4, 2, 8, 1.4142135623730951] end it 'eval ^' do expect(rpn.eval('5 ~')).must_equal -6 end it 'eval == != !' do expect(rpn.eval('5 5 ==')).must_equal true expect(rpn.eval('5 5 !=')).must_equal false expect(rpn.eval('5 5.0 ==')).must_equal true expect(rpn.eval('5 5.0 !=')).must_equal false expect(rpn.eval('5 5.5 ==')).must_equal false expect(rpn.eval('5 5.5 !=')).must_equal true expect(rpn.eval('5 5 == !')).must_equal false expect(rpn.eval('5 5 != !')).must_equal true end it 'eval abs to_i to_f' do expect(rpn.eval('-5 abs')).must_equal 5 expect(rpn.eval('5 abs')).must_equal 5 expect(rpn.eval('3.14 to_i')).must_equal 3 expect(rpn.eval('5 to_f 2 /')).must_equal 2.5 end it 'eval abs to_r to_c' do expect(rpn.eval('-5 to_r 3 /')).must_equal -5r/3 expect(rpn.eval('-2 to_c 0.5 **')).must_equal '0.0+1.4142135623730951i'.to_c end it 'raises an error for invalid expressions' do expect { rpn.eval('2 +') }.must_raise TypeError end it 'raises an error for invalid operator' do expect { rpn.eval('@') }.must_raise RuntimeError end end describe '#peek' do it 'returns the top element of the stack without removing it' do rpn.eval('1 2 3 + +') expect(rpn.peek).must_equal 6 end it 'returns nil for an empty stack' do expect(rpn.peek).must_be_nil end end describe 'special cases' do it 'returns NaN when dividing zero by zero' do rpn.eval('0.0 0 /') expect(rpn.peek.nan?).must_equal true expect { rpn.eval('0 0 /') }.must_raise ZeroDivisionError end it 'returns Infinity or -Infinity when dividing by zero with proper signs' do rpn.eval('1.0 0 /') expect(rpn.peek).must_equal Float::INFINITY rpn.eval('-1.0 0 /') expect(rpn.peek).must_equal(-Float::INFINITY) rpn.eval('1 -0.0 /') expect(rpn.peek).must_equal(-Float::INFINITY) rpn.eval('-1 -0.0 /') expect(rpn.peek).must_equal Float::INFINITY expect { rpn.eval('-1 -0 /') }.must_raise ZeroDivisionError end end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> このコードは、逆ポーランド記法(RPN)の式を評価するための<code>RPN</code>クラスを提供します。逆ポーランド記法は、演算子がそのオペランドの後に現れる形式であり、括弧や優先順位の概念がないため、計算が比較的容易になります。 この<code>RPN</code>クラスは、内部的にスタックを使用して式を評価します。式を分割し、各トークンを処理することで、演算子とオペランドを適切に処理し、計算を実行します。 クラスは、<code>Array</code>クラスを継承しており、<code>push</code>,<code>pop</code>などのメソッドはArrayの実装を引き継いでいます。 RPNクラスは次のメソッドを提供します: * <code>eval(expression)</code>: 与えられた逆ポーランド記法の式を評価し、結果を返します。 * <code>peek</code>: スタックの一番上の値を返しますが、スタックから削除しません。 テストケースは、Minitestを使用して実装されており、<code>RPN</code>クラスが正しく機能することを確認します。 異常なケースもテストされており、0で割った場合や無限大を扱う場合の振る舞いも検証されています。 == Forthとスタック == [[Forth]]は、スタック指向のプログラミング言語です。これは、他の言語とは異なり、計算や処理の中心にスタック(stack)を置いています。スタックは、データを一時的に保存するためのメモリ構造であり、LIFO(Last In, First Out)の原則に従います。つまり、最後に追加されたデータが最初に取り出されます。 Forthのプログラミングスタイルは、このスタックを活用しています。Forthのプログラムは、主に単純な命令(ワードと呼ばれます)の連続で構成され、これらの命令は主にスタックの上で動作します。Forthの命令は、スタックに対する操作を行うものであり、通常はスタックに値を積み上げ(push)たり、取り出したり(pop)、その値を操作したりします。 例えば、2つの数値を足すForthのコードを考えてみましょう。この場合、最初に2つの数値をスタックにプッシュし、それから加算の命令を使ってそれらの数値をポップアップして加算します。 :<syntaxhighlight lang=forth> 5 3 + . </syntaxhighlight> この例では、最初に5と3がスタックにプッシュされ、次に加算命令(+)が実行されて、結果である8が表示される(<code>.</code>は結果を表示するForthの命令です)。 このように、Forthはシンプルで直感的なスタック指向のプログラミングスタイルを採用しており、これによりコードの記述が簡潔で効率的になります。 === RubyでForthを実装 === Forthは比較的小さな言語なので、サブセットを実装するのは容易です。 実際に [[Ruby]]でサンプル実装してみました。 この実装では、<code>dup</code> などのForth基本語彙とユーザー定義ワードは実装済みで、再帰も行えますForthで一般的なリターンスタックではなく、辞書にラムダ式を埋め込んで実現しています。 制御構造は、<code>if-else-then</code>, <code>case-of-endof-endcase</code>, <code>do-loop</code>と <code>?do-loop</code> を実装し、多重ループには <code>I</code>, <code>J</code>, <code>K</code> の3重まで対応しています。 また、Rubyの演算子とメソッドをワードとして取り込んでいます。 同様にMathモジュールからもワードを取り込んでいます。 ;[https://paiza.io/projects/idZToW8toXM91Uj5vcbMXA?language=ruby forth.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby line> # frozen_string_literal: true class Forth < Array Call = Struct.new :addr class Return end class ReturnFalse end Branch = Struct.new :offset BranchFalse = Struct.new :offset class Case end Of = Struct.new :offset class EndCase end def initialize super # ループカウンタスタック(I/J/Kを記憶) @lcstack = [] # ループ先頭ワードスタック do/?do - loop/+loop で使用 @lwstack = [] # 中間コード列 @codespace = [] # Rスタック @rstack = [] # 定数辞書 @constants = {} # 変数辞書 @variables = {} @varnames = [] @words = { '.' => ->(x) { print "#{x} " }, # Print the top value of the stack '.s' => -> { p self }, # Print the entire stack 'clear' => -> { clear }, 'cr' => -> { puts }, 'depth' => -> { push size }, 'drop' => ->(x) {}, 'dup' => -> { push peek }, 'nip' => ->(_x1, x2) { push(x2) }, # ( x1 x2 -- x2 ) Drop the second item on the stack 'over' => ->(x1, x2) { push(x1, x2, x1) }, # ( x1 x2 -- x1 x2 x1 )Copy the second item on the stack to the top 'rot' => lambda { |x1, x2, x3| push(x2, x3, x1) }, # ( x1 x2 x3 -- x2 x3 x1 ) Rotate the top three values on the stack '-rot' => lambda { |x1, x2, x3| push(x3, x1, x2) }, # ( x1 x2 x3 -- x3 x1 x2 ) Reverse rotate the top three values on the stack 'swap' => ->(x1, x2) { push(x2, x1) }, # ( x1 x2 -- x2 x1) Swap the top two values of the stack 'tuck' => lambda { |x1, x2| push(x2, x1, x2) }, # ( x1 x2 -- x2 x1 x2 ) Insert a copy of the top item below the second item on the stack '2drop' => ->(x1, x2) {}, # ( x1 x2 -- ) スタックの上位2つの値を削除します。 '2dup' => ->(x1, x2) { push(x1, x2, x1, x2) }, # ( x1 x2 -- x1 x2 x1 x2 ) スタックの上位2つの値を複製します。 '2nip' => ->(_x1, _x2, x3) { push(x3) }, # ( x1 x2 x3 -- x3 ) スタックの上位2つの値を削除し、3番目の値を残します。 '2over' => lambda { |x1, x2, x3, x4| # ( x1 x2 x3 x4 -- x1 x2 x3 x4 x1 x2 ) スタックの3番目と4番目の値をコピーして最上位に置きます。 push(x1, x2, x3, x4, x1, x2) }, '2rot' => lambda { |x1, x2, x3, x4, x5, x6| # ( x1 x2 x3 x4 x5 x6 -- x3 x4 x5 x6 x1 x2 ) スタックの上位6つの値を回転させます。 push(x3, x4, x5, x6, x1, x2) }, '2swap' => lambda { |x1, x2, x3, x4| # ( x1 x2 x3 x4 -- x3 x4 x1 x2 ) スタックの上位4つの値を交換します。 push(x3, x4, x1, x2) }, '2tuck' => lambda { |x1, x2, x3, x4| # ( x1 x2 x3 x4 -- x3 x4 x1 x2 x3 x4 ) スタックの3番目と4番目の値を2番目と1番目の値の間に挿入します。 push(x3, x4, x1, x2, x3, x4) }, 'min' => ->(x1, x2) { push [x1, x2].min }, 'max' => ->(x1, x2) { push [x1, x2].max }, 'nan?' => ->(x) { push x.nan? }, 'words' => lambda do @words.select { |k| k.instance_of? String }.keys.sort.each do |k| v = @words[k] puts "#{k}: ( #{v.parameters.map { |x| case x in [:req, Symbol => x] x.to_s else nil end } * ' ' } )" end @words.select { |k| k.instance_of? Proc }.keys.each_with_index do |k, index| v = @words[k] puts "<lamda #{index}>: ( #{v.parameters.map { |x| case x in [:req, Symbol => x] x.to_s else nil end } * ' ' } )" end end, 'I' => -> { push @lcstack[-1] }, 'J' => -> { push @lcstack[-2] }, 'K' => -> { push @lcstack[-3] }, 'INFINITY' => -> { push Float::INFINITY }, '-INFINITY' => -> { push(-Float::INFINITY) }, 'NAN' => -> { push Float::NAN }, 'EPSILON' => -> { push Float::EPSILON }, 'PI' => -> { push Math::PI }, 'constant' => lambda { @evalstack.push(lambda { |word| if @constants.include? word puts "duplicate define #{word}" else @constants[word] = pop end @evalstack.pop }) }, 'variable' => lambda { @evalstack.push(lambda { |word| @variables[word] = nil @evalstack.pop }) }, ':' => lambda { # ワード定義 push ':' define_word } } # Import from Numeric %w[negative? zero? [] abs rationalize class to_c to_f to_i to_r ! != == < <= > >= -@ ~ + - * / % divmod **].each do |word| m = word.to_sym ary_ = [1.0, 1, 1r, 1i] q = ary_.each { |n| break n if n.respond_to? m } next if q == ary_ case q.method(m).parameters in [] then @words[word] = ->(x) { push x.send(m) } in [[:rest]] => a then @words[word] = ->(x1, x2) { push x1.send(m, x2) } in [[:req]] then @words[word] = ->(x1, x2) { push x1.send(m, x2) } else end end # Import from Math module %w[sin cos tan sqrt cbrt].sort.each do |word| m = word.to_sym case Math.method(m).parameters in [[:req]] then @words[word] = ->(x) { push Math.send(m, x) } in [[:rest]] then @words[word] = ->(x) { push Math.send(m, x) } in [[:req], [:req]] then @words[word] = ->(x1, x2) { push Math.send(node, x1, x2) } else end end # ワードに別名を定義 { 'negate' => '-@', 'invert' => '~', '=' => '==', '<>' => '!=' }.each { |key, value| @words[key] = @words[value] } # ワード定義中に有効なワード @keywords = { ';' => lambda { name, *body = slice!(rindex(':')..-1).drop(1) start = @codespace.size body.each { |word| @codespace.push word } @codespace.push Return.new @words[name] = Call.new(start) # @words[name] = -> { body.each { |word| eval word } } enddef_word }, 'if' => lambda { push 'if' define_word }, 'then' => lambda { body = slice!(rindex('if')..-1).drop(1) _then = body.take_while { |word| word != 'else' } _else = body.drop_while { |word| word != 'else' }.drop_while { |word| word == 'else' } start = @codespace.size if _else.size > 0 _then.push Return.new @codespace.push BranchFalse.new _then.size _then.each { |word| @codespace.push word } _else.each { |word| @codespace.push word } @codespace.push Return.new else @codespace.push ReturnFalse.new _then.each { |word| @codespace.push word } @codespace.push Return.new end name = Call.new(start) push(name) @words[name] = name # XXX enddef_word }, 'case' => lambda { push 'case' @casestack ||= [] @casestack.push [] define_word }, 'of' => lambda { stmt = @casestack.last.empty? ? 'case' : 'endof' _when = slice!(rindex(stmt)..-1).drop(1) @casestack.last << _when push 'of' }, 'endof' => lambda { body = slice!(rindex('of')..-1).drop(1) @casestack.last.last[1] = body push 'endof' }, 'endcase' => lambda { default_ = slice!(rindex('endof')..-1).drop(1) tbl = @casestack.pop start = @codespace.size @codespace.push Case.new tbl.each do |w, body| @codespace.push w body.push EndCase.new @codespace.push Of.new body.size body.each { |word| @codespace.push word } end default_.each { |word| @codespace.push(word) } @codespace.push EndCase.new word = Call.new start push(word) @words[word] = word enddef_word }, 'do' => lambda { push 'do' @lwstack.push 'do' define_word }, '?do' => lambda { push '?do' @lwstack.push '?do' define_word }, 'loop' => lambda { stmt = @lwstack.pop body = slice!(rindex(stmt)..-1).drop(1) word = case stmt in 'do' lambda { |limit, start| level = @lcstack.size @lcstack.push start loop do body.each { |word| eval(word) } @lcstack[level] += 1 break unless @lcstack[level] <= limit end @lcstack.pop } in '?do' lambda { |limit, start| level = @lcstack.size @lcstack.push start while @lcstack[level] <= limit body.each { |word| eval(word) } @lcstack[level] += 1 end @lcstack.pop } end push(word) @words[word] = word enddef_word }, '+loop' => lambda { stmt = @lwstack.pop body = slice!(rindex(stmt)..-1).drop(1) word = case stmt in 'do' lambda { |limit, start| level = @lcstack.size @lcstack.push start eval(body.last) step = pop loop do body.each { |word| eval(word) } @lcstack[level] += step break unless @lcstack[level] <= limit end @lcstack.pop } in '?do' lambda { |limit, start| level = @lcstack.size @lcstack.push start eval(body.last) step = pop while @lcstack[level] <= limit body.each { |word| eval(word) } @lcstack[level] += step end @lcstack.pop } end push(word) @words[word] = word enddef_word }, '."' => lambda { push '."' @evalstack.push(lambda do |word| case word when /(.*)"$/ push ::Regexp.last_match(1) body = slice!(rindex('."')..-1).drop(1) word = -> { push body * ' ' } push(word) @words[word] = word @evalstack.pop else push(word) end end) }, '(' => lambda { push '(' @evalstack.push(lambda do |word| case word when ')' slice!(rindex('(')..-1).drop(1) @evalstack.pop else push(word) end end) } } # キーワードに別名を定義 { 'endif' => 'then' }.each { |key, value| @keywords[key] = @keywords[value] } # evaluator stack @evalstack = [method(:eval)] end alias peek last def eval(word) case word in /\A-?\d+\z/ # Decimal integer push Integer(word) in /\A[+-]?0[Bb][01]+\z/ # Binary integer push Integer(word) in /\A[+-]?0[Oo][0-7]+\z/ # Octal integer push Integer(word) in /\A[+-]?0[Xx][0-9A-Fa-f]+\z/ # Hexadecimal integer push Integer(word) in /\A[+-]?\d+(\.\d+)?([eE][-+]?\d+)?\z/ # Floating point number push Float(word) else if @constants.include? word push @constants[word] return end if @variables.include? word @varnames.push word @evalstack.push(lambda { |word| case word in '!' @variables[@varnames.pop] = pop in '@' push @variables[@varnames.pop] end @evalstack.pop }) return end case @words[word] in Proc => proc then n = proc.parameters.reduce(0) do |result, el| el.first == :req ? result + 1 : result end proc[*pop(n)] in Call => call then addr = call.addr ip = addr loop do word = @codespace[ip] case word in Return then break in ReturnFalse then break unless pop in BranchFalse => bf then ip += bf.offset unless pop in Case => _case then @rstack.push pop in Of => of then ip += of.offset unless @rstack.last == pop in EndCase => endcase then @rstack.pop break else eval(word) end ip += 1 end else raise "#{__method__}: Unknown word(#{word}(#{word.class}))" end end self end def eval_line(line) line.split.each { |word| @evalstack.last[word] } self end def repl while (line = gets) eval_line(line) end end private def define_word @evalstack.push(lambda do |word| @keywords[word] ? @keywords[word][] : push(word) end) end def enddef_word = @evalstack.pop end require 'minitest/spec' # 標準出力をキャプチャして文字列として返す def capture_stdout original_stdout = $stdout $stdout = StringIO.new yield $stdout.string ensure $stdout = original_stdout end describe Forth do before do @forth = Forth.new end describe 'basic operation' do it 'initialize' do _(@forth.eval_line('')).must_equal [] end it '.' do actual_output = capture_stdout { @forth.eval_line('123 .') } _(actual_output).must_equal '123 ' end it '.s' do actual_output = capture_stdout { @forth.eval_line('123 .s') } _(actual_output).must_equal "[123]\n" end it 'words' do skip @forth.eval_line(': cube dup dup * * ;') @forth.eval_line(%(: sign dup 0 < if -1 else dup 0 > if 1 else 0 then then ;)) @forth.eval_line(%(: d34 3 1 do 4 1 do I J loop loop ; d34)) actual_output = capture_stdout { @forth.eval_line('words') } _(actual_output).must_equal '' end it 'stack op.' do _(@forth.eval_line('1')).must_equal [1] _(@forth.eval_line('2')).must_equal [1, 2] _(@forth.eval_line('+')).must_equal [3] end it 'to_i' do _(@forth.eval_line(%(3.1415926536))).must_equal [3.1415926536] _(@forth.eval_line(%(to_i))).must_equal [3] end it 'to_f' do _(@forth.eval_line(%(3))).must_equal [3] _(@forth.eval_line(%(to_f))).must_equal [3.0] end it 'to_c' do _(@forth.eval_line(%(-2))).must_equal [-2] _(@forth.eval_line(%(to_c))).must_equal [-2] _(@forth.eval_line(%(0.5 **))).must_equal [(0.0 + 1.4142135623730951i)] end it 'to_r' do _(@forth.eval_line(%(12))).must_equal [12] _(@forth.eval_line(%(to_r))).must_equal [12] _(@forth.eval_line(%(18 /))).must_equal [Rational(2, 3)] _(@forth.eval_line(%(0.0 /))).must_equal [Float::INFINITY] _(@forth.eval_line(%(0.0 to_r 0.0 / nan?))).must_equal [Float::INFINITY, true] _ { @forth.eval_line(%(12 to_r 0 /)) }.must_raise ZeroDivisionError end it 'extensive func.' do _(@forth.eval_line(%(9 5 divmod))).must_equal [[1, 4]] _(@forth.eval_line(%(clear 27 cbrt))).must_equal [3] _(@forth.eval_line(%(clear PI 4 / sin))).must_equal [0.7071067811865475] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 zero?))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 0 []))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 1 []))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 2 []))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 3 []))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(clear 0b1111 4 []))).must_equal [0] _(@forth.eval_line(%(clear 73 42 rationalize class))).must_equal [Rational] end end describe 'Basic words' do it 'should execute . correctly' do output = capture_stdout { @forth.eval_line(%(123 .)) } _(output).must_equal '123 ' end it 'should execute .s correctly' do output = capture_stdout { @forth.eval_line(%(1 2 3 .s)) } _(output).must_equal "[1, 2, 3]\n" end it 'should execute clear correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 clear)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[]\n" end it 'should execute depth correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 depth)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 3, 3]\n" end it 'should execute drop correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 drop)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2]\n" end it 'should execute dup correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 dup)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 2]\n" end it 'should execute nip correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 nip)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 3]\n" end it 'should execute over correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 over)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 1]\n" end it 'should execute rot correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 rot)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[2, 3, 1]\n" end it 'should execute -rot correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 -rot)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[3, 1, 2]\n" end it 'should execute swap correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 swap)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[2, 1]\n" end it 'should execute tuck correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 tuck)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[2, 1, 2]\n" end it 'should execute 2drop correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2drop)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2]\n" end it 'should execute 2dup correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 2dup)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 1, 2]\n" end it 'should execute 2nip correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2nip)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 4]\n" end it 'should execute 2over correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2over)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[1, 2, 3, 4, 1, 2]\n" end it 'should execute 2rot correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 5 6 2rot)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[3, 4, 5, 6, 1, 2]\n" end it 'should execute 2swap correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2swap)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[3, 4, 1, 2]\n" end it 'should execute 2tuck correctly' do @forth.eval_line(%(1 2 3 4 2tuck)) _(capture_stdout { @forth.eval_line('.s') }).must_equal "[3, 4, 1, 2, 3, 4]\n" end end describe 'arithmetic operations' do it 'should perform arithmetic operations correctly' do _(@forth.eval_line(%(5 3 + 2 *))).must_equal [16] end it '!' do _(@forth.eval_line(%(clear 1 !))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 0 !))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1 < !))).must_equal [false] end it '!= ==' do _(@forth.eval_line(%(clear 1 1 !=))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1 1 ==))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1 !=))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1 ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1 1.0 !=))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1 1.0 ==))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1.0 !=))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 1.0 ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1.0 1 !=))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1.0 1 ==))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 1 !=))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 1 ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear NAN 1 ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear NAN 1 !=))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear NAN NAN ==))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear NAN NAN !=))).must_equal [true] end it 'abs' do _(@forth.eval_line(%(4 abs))).must_equal [4] _(@forth.eval_line(%(clear -4 abs))).must_equal [4] _(@forth.eval_line(%(clear -9 to_c 0.5 ** 4 + abs))).must_equal [5] end it 'min max' do _(@forth.eval_line(%(4 1 min))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(4 max))).must_equal [4] end it 'negate invert' do _(@forth.eval_line(%(1 negate))).must_equal [-1] _(@forth.eval_line(%(negate))).must_equal [1] _(@forth.eval_line(%(4 invert))).must_equal [1, -5] end it 'negative?' do _(@forth.eval_line(%(clear -1 negative?))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0 negative?))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1 negative?))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear -1.0 negative?))).must_equal [true] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 negative?))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear 1.0 negative?))).must_equal [false] _(@forth.eval_line(%(clear -0.0 negative?))).must_equal [false] end end describe 'comparison operations' do it 'should compare values correctly' do _(@forth.eval_line(%(5 3 < 5 3 > 5 5 ==))).must_equal [false, true, true] end end describe 'dup' do it 'should duplicate the top value of the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 dup))).must_equal [5, 5] end end describe 'drop' do it 'should remove the top value from the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 drop))).must_equal [] end end describe 'swap' do it '( x1 x2 -- x2 x1 ) should swap the top two values of the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 swap))).must_equal [10, 5] end end describe 'over' do it 'should copy the second item on the stack to the top' do _(@forth.eval_line(%(5 10 over))).must_equal [5, 10, 5] end end describe 'rot' do it 'should rotate the top three values on the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 15 rot))).must_equal [10, 15, 5] end end describe '-rot' do it 'should reverse rotate the top three values on the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 15 -rot))).must_equal [15, 5, 10] end end describe 'nip' do it '( x1 x2 -- x2 ) should drop the second item on the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 nip))).must_equal [10] end end describe 'tuck' do it 'should insert a copy of the top item below the second item on the stack' do _(@forth.eval_line(%(5 10 tuck))).must_equal [10, 5, 10] end end describe 'constant' do it 'define constant' do _(@forth.eval_line(%(42 constant C1))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(12 C1))).must_equal [12, 42] actual_output = capture_stdout do _(@forth.eval_line(%(34 constant C1))).must_equal [12, 42, 34] end _(actual_output).must_equal "duplicate define C1\n" end end describe 'variable' do it 'define variable' do _(@forth.eval_line(%(variable v1))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(12 v1 !))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(v1 @ ))).must_equal [12] end end describe 'if-then-else' do it 'should execute if-then blocks correctly' do _(@forth.eval_line(%(: xxx if 2 + then ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(0 5 3 > xxx))).must_equal [2] _(@forth.eval_line(%(5 3 < xxx))).must_equal [2] end it 'should execute if-else-then blocks correctly' do _(@forth.eval_line(%(: ttt 5 3 > if 2 2 + else 3 3 + then ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(ttt))).must_equal [4] _(@forth.eval_line(%[clear : sss ( n -- ) if ." true" else ." false" then ;])).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(1 2 < sss))).must_equal ['true'] end it 'should execute if-else-endif blocks correctly' do _(@forth.eval_line(%(: ttt 5 3 > if 2 2 + else 3 3 + endif ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(ttt))).must_equal [4] _(@forth.eval_line(%[clear : sss ( n -- ) if ." true" else ." false" endif ;])).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(1 2 < sss))).must_equal ['true'] end it 'should execute if-then-else nested blocks correctly' do _(@forth.eval_line(%(: c dup dup * * ; 3 c))).must_equal [27] _(@forth.eval_line(%(clear))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(: sign dup 0 < if -1 else dup 0 > if 1 else 0 then then ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(123 sign))).must_equal [123, 1] _(@forth.eval_line(%(clear -123 sign))).must_equal [-123, -1] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 sign))).must_equal [0.0, 0] _(@forth.eval_line(%(clear 0 sign))).must_equal [0.0, 0] end end describe 'case _ of ... endof _ of ... endof default endcase' do it 'should execute case-endcase correctly' do _(@forth.eval_line(%(: t case 1 of 111 endof 2 of 222 endof 3 of 333 endof 999 endcase ;))).must_equal [] _(@forth.eval_line(%(clear 2 t ))).must_equal [222] _(@forth.eval_line(%(clear 1 t ))).must_equal [111] _(@forth.eval_line(%(clear 3 t ))).must_equal [333] _(@forth.eval_line(%(clear 0 t ))).must_equal [999] _(@forth.eval_line(%(clear 2.0 t ))).must_equal [222] _(@forth.eval_line(%(clear 1.0 t ))).must_equal [111] _(@forth.eval_line(%(clear 3.0 t ))).must_equal [333] _(@forth.eval_line(%(clear 0.0 t ))).must_equal [999] end end describe 'do loop' do it 'should execute do loops correctly' do _(@forth.eval_line(%(: d3 3 1 do I loop ; d3))).must_equal [1, 2, 3] end it 'should execute do +loops correctly' do _(@forth.eval_line(%(: d15 15 1 do I 5 +loop ;))).must_equal [] end it 'should execute do loops nested correctly' do _(@forth.eval_line(%(: d34 3 1 do 4 1 do I J loop loop ; d34))).must_equal [1, 1, 2, 1, 3, 1, 4, 1, 1, 2, 2, 2, 3, 2, 4, 2, 1, 3, 2, 3, 3, 3, 4, 3] end it 'should execute do loops nested correctly w/ stdout' do actual_output = capture_stdout do @forth.eval_line(%(: d34 3 1 do 4 1 do I . J . ." ," . loop cr loop ; d34)) end _(actual_output).must_equal <<~EOS 1 1 , 2 1 , 3 1 , 4 1 ,#{' '} 1 2 , 2 2 , 3 2 , 4 2 ,#{' '} 1 3 , 2 3 , 3 3 , 4 3 ,#{' '} EOS end it 'should execute do do +loop loop nested correctly' do _(@forth.eval_line(%(: d34 3 1 do 4 1 do I J 2 +loop I loop ; d34 ))).must_equal [1, 1, 2, 3, 1, 2, 1, 1, 2, 2, 3, 2, 2, 2, 1, 3, 2, 3, 3, 2, 3] end end end Minitest.run </syntaxhighlight> == 再帰的呼び出しとスタック == 再帰的呼び出しは、関数やメソッドが自分自身を呼び出すことを指します。このような再帰的呼び出しは、基底ケースと呼ばれる条件で停止するまで、何度も繰り返されます。再帰的なアルゴリズムは、問題をより小さな部分問題に分割し、その結果を組み合わせて全体の解を得るために使用されます。 再帰的呼び出しでは、各関数呼び出しがスタックフレームとしてスタックにプッシュされます。スタックフレームには、関数の引数、ローカル変数、および戻りアドレスなどの情報が含まれます。これにより、再帰的な関数がどこに戻るべきかが確保されます。 再帰的呼び出しのプロセス中、スタックは関数呼び出しの連鎖として構築されます。基底ケースに達すると、再帰呼び出しの連鎖は終了し、スタックは戻り始めます。各関数呼び出しが戻るとき、対応するスタックフレームがポップされ、その関数の実行が終了します。このように、スタックは再帰的呼び出しのために必要な情報を管理し、再帰アルゴリズムの正常な実行を可能にします。 例えば、階乗を計算する再帰関数を考えてみましょう。 :<syntaxhighlight lang=ruby> def factorial(n) return 1 if n == 0 return n * factorial(n - 1) end puts factorial(5) # 出力: 120 </syntaxhighlight> この再帰関数では、各呼び出しでスタックに新しいフレームが追加され、nが0になるまで関数が再帰的に呼び出されます。そして、基底ケースに到達したときに再帰が終了し、スタックから各フレームが順番にポップされていきます。 以下は、再帰呼び出しのイメージを表組みで示したものです。 :{| class=wikitable |- factorialのスタックのイメージ ! スタックフレーム !! 関数名 !! 引数 !! 戻りアドレス |- | Frame 1 || factorial || 5 || Return Address 1 |- | Frame 2 || factorial || 4 || Return Address 2 |- | Frame 3 || factorial || 3 || Return Address 3 |- | Frame 4 || factorial || 2 || Return Address 4 |- | Frame 5 || factorial || 1 || Return Address 5 |- | Frame 6 || factorial || 0 || Return Address 6 |} 各スタックフレームには、再帰的な呼び出しに関連する情報が含まれます。 この情報には、関数名、引数、および戻りアドレス(再帰が終了した後に戻るべき呼び出し元のアドレス)が含まれます。 再帰が進むにつれて、スタックに新しいフレームが追加され、再帰が終了するとスタックからフレームがポップされます。 == トピックス == スタックに関連する他のトピックには、以下のようなものがあります: # '''[[キュー]] (Queue):''' スタックと同様に、キューもデータを保持するためのデータ構造ですが、キューは先入れ先出し(FIFO: First In, First Out)の原則に基づいて動作します。キューは、例えば、待ち行列やバッファなどで使用されます。 # '''再帰:''' スタックと再帰の関係については既に説明しましたが、再帰は関数が自分自身を直接または間接的に呼び出すことを指します。再帰の実行中には、各関数呼び出しがスタックに新しいフレームとしてプッシュされます。 # '''スタックの実装:''' スタックは、リストや配列を用いて簡単に実装することができます。リストや配列の操作(push/pop)を利用して、スタックの基本的な機能を実現します。 # '''スタックの最適化:''' スタックの操作を効率的に行うために、特定のアルゴリズムやデータ構造が使用される場合があります。例えば、動的配列を用いた実装や、スタックポインタを使用してスタックの領域を動的に確保する方法などがあります。 # '''スタックの応用:''' スタックは、プログラミングやアルゴリズムのさまざまな分野で使用されます。例えば、深さ優先探索(DFS)、バックトラック法、構文解析、計算機の評価スタックなどが挙げられます。 これらのトピックは、スタックに関連する概念や応用について更に深く理解する上で重要です。 == ユースケース == スタックは、関数の呼び出し、式の評価、ブラウザの履歴管理、Undo/Redo操作など、さまざまなユースケースで使用されます。また、プログラム内で一時的なデータを保持するための一般的な手段としても使用されます。 == ベストプラクティス == スタックを使用する際のベストプラクティスには、以下が含まれます: * スタックの容量を適切に管理し、オーバーフローを防止する。 * データの整合性を維持するため、プッシュとポップの対を正確に管理する。 * 適切なデータ構造やアルゴリズムを選択し、効率的なスタック操作を実行する。 == イディオム == スタックを使用する際には、特定のプログラミング言語やコーディングスタイルに固有のイディオムが存在します。例えば、Pythonではリストをスタックとして使用することがよくありますが、特定のメソッド(例えば、<code>append()</code>や<code>pop()</code>)を使用することで、スタック操作を簡潔に実現することができます。 これらの基本的な概念やユースケースを理解し、適切に活用することで、プログラムの効率性やメモリ管理の向上に貢献することができます。 [[Category:プログラミング]] [[Category:スタック]]
2024-02-08T03:50:06Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AF%E6%A7%8B%E9%80%A0
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キュー
キュー(Queue)は、計算機科学において、データを一時的に保存し、後で取り出すためのデータ構造の一種です。キューは、先入れ先出し(FIFO: First-In-First-Out)の原則に基づいて動作します。つまり、最初に追加されたデータが最初に取り出されるという特徴があります。 キューは、待ち行列としても知られており、現実世界の待ち行列と同様に、先に到着したデータが先に処理されるイメージです。この性質により、キューはデータの一時的な保持や、プロセスの制御など、さまざまな場面で活用されます。 キューには、主に以下の基本的な操作があります: これらの操作によって、キューは効率的にデータを管理し、取り出しやすくします。 各プログラミング言語には、キューを実装するための独自の方法やライブラリがあります。一般的なプログラミング言語におけるキューの実装例を見てみましょう。 以下は、Arrayを継承したQueueクラスの実装例です。 この実装では、QueueクラスがArrayを継承しており、Arrayのすべてのメソッドとプロパティを利用できます。 また、Queueクラス独自のメソッドや動作も定義されています。 各言語の標準ライブラリやサードパーティのライブラリを活用することで、キューを簡単に利用できます。 キューは、データを一時的に保存し、先入れ先出し(FIFO)の原則に基づいてデータを処理するデータ構造です。 反復処理は、データ構造内の要素を順番に処理する操作です。 キューにデータが追加されると、そのデータはキューの末尾に配置され、最初に追加されたデータが最初に処理されます。 そのため、キューを反復処理する際には、キューの先頭から順番にデータを取り出して処理することが一般的です。 具体的なプログラミング言語でのキューの反復処理の例を示します。 RubyにはQueueクラスがありますが、これはThread Safeな複雑な実装なので配列のメソッドに別名をつけ簡単に実装してみました。 このコードは、Rubyでキューを実装しています。MyQueueクラスはArrayクラスを継承しており、エイリアスを使用してキューの操作を行います。 キューに関連するトピックスとしては、以下のようなものがあります。 これらのトピックスに関する理解は、キューを効果的に活用し、プログラムやシステムの設計を改善する上で重要です。キューはさまざまな場面で利用される汎用的なデータ構造であり、その特性や適切な使用法を理解することで、効率的なプログラミングが可能となります。 キューは、システムやアプリケーションのさまざまな部分で幅広く利用されています。 以下に、いくつかの一般的なユースケースを紹介します。 これらのユースケースは、キューがシステム全体のパフォーマンスや安定性を向上させるためにどれだけ重要であるかを示しています。キューを適切に活用することで、処理の効率性や信頼性を高めることができます。 キューを効果的に使用するためのベストプラクティスには以下が含まれます: これらのベストプラクティスに従うことで、キューを効果的に活用することができます。 キューに関するプログラミングのイディオムとしては、以下のようなものがあります。 これらのイディオムは、キューを効果的に活用するための手法や考え方を示しています。キューを適切に利用することで、データの管理や処理の効率化、システムの信頼性向上などのメリットを得ることができます。
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キュー(Queue)は、計算機科学において、データを一時的に保存し、後で取り出すためのデータ構造の一種です。キューは、先入れ先出しの原則に基づいて動作します。つまり、最初に追加されたデータが最初に取り出されるという特徴があります。 キューは、待ち行列としても知られており、現実世界の待ち行列と同様に、先に到着したデータが先に処理されるイメージです。この性質により、キューはデータの一時的な保持や、プロセスの制御など、さまざまな場面で活用されます。
キュー(Queue)は、計算機科学において、データを一時的に保存し、後で取り出すためのデータ構造の一種です。キューは、先入れ先出し(FIFO: First-In-First-Out)の原則に基づいて動作します。つまり、最初に追加されたデータが最初に取り出されるという特徴があります。 キューは、待ち行列としても知られており、現実世界の待ち行列と同様に、先に到着したデータが先に処理されるイメージです。この性質により、キューはデータの一時的な保持や、プロセスの制御など、さまざまな場面で活用されます。 === キューの操作 === キューには、主に以下の基本的な操作があります: # '''enqueue:''' キューにデータを追加します。新しいデータはキューの末尾に配置されます。 # '''dequeue:''' キューからデータを取り出します。最初に追加されたデータが取り出されます。 # '''peek:''' キューの先頭にあるデータを参照しますが、取り出すことはありません。 # '''isEmpty:''' キューが空かどうかを確認します。 # '''size:''' キュー内のデータの数を返します。 これらの操作によって、キューは効率的にデータを管理し、取り出しやすくします。 === 様々なプログラミング言語におけるキューとその操作 === 各プログラミング言語には、キューを実装するための独自の方法やライブラリがあります。一般的なプログラミング言語におけるキューの実装例を見てみましょう。 * '''Ruby:''' <code>Queue</code> クラスを使用してキューを実装します。 * '''Python:''' <code>queue</code> モジュールを使用してキューを実装します。 * '''Java:''' <code>java.util.Queue</code> インタフェースを実装したクラスが提供されています(例: <code>LinkedList</code>, <code>ArrayDeque</code>)。 * '''C++:''' <code>queue</code> ライブラリを使用します。 * '''JavaScript:''' 配列を使用してキューを実装することが一般的です。 以下は、Arrayを継承したQueueクラスの実装例です。 :<syntaxhighlight lang=js> /** * キューを表すクラスです。 * Arrayを継承しています。 */ class Queue extends Array { /** * 新しいQueueインスタンスを作成します。 * @param {...any} elements - キューに追加する要素 */ constructor(...elements) { super(...elements); } /** * キューに要素を追加します。 * @param {any} element - 追加する要素 */ enqueue(element) { this.push(element); return this; } /** * キューから要素を取り出します。 * @returns {any} キューから取り出した要素 */ dequeue() { return this.shift(); } /** * キューが空かどうかを返します。 * @returns {boolean} キューが空の場合はtrue、それ以外の場合はfalse */ isEmpty() { return this.length === 0; } /** * キューのサイズを返します。 * @returns {number} キューのサイズ */ size() { return this.length; } /** * キューの先頭の要素を返します。 * @returns {any} キューの先頭の要素 */ peek() { return this[0]; } } // Queueクラスの使用例 const queue = new Queue(2, 3, 5, 7); console.log(queue.length); // 4 console.log(queue.isEmpty()); // false queue.enqueue(5) .enqueue(6); console.log(queue.peek()); // 2 console.log(queue.dequeue()); // 2 console.log(queue.dequeue()); // 3 console.log(queue); // Queue(4) [ 5, 7, 5, 6 ] queue.forEach((element, index) => console.log(`${index}: ${element}`)); </syntaxhighlight> この実装では、QueueクラスがArrayを継承しており、Arrayのすべてのメソッドとプロパティを利用できます。 また、Queueクラス独自のメソッドや動作も定義されています。 各言語の標準ライブラリやサードパーティのライブラリを活用することで、キューを簡単に利用できます。 === 反復処理 === キューは、データを一時的に保存し、先入れ先出し(FIFO)の原則に基づいてデータを処理するデータ構造です。 反復処理は、データ構造内の要素を順番に処理する操作です。 キューにデータが追加されると、そのデータはキューの末尾に配置され、最初に追加されたデータが最初に処理されます。 そのため、キューを反復処理する際には、キューの先頭から順番にデータを取り出して処理することが一般的です。 具体的なプログラミング言語でのキューの反復処理の例を示します。 ==== Rubyでの実装 ==== RubyにはQueueクラスがありますが、これはThread Safeな複雑な実装なので配列のメソッドに別名をつけ簡単に実装してみました。 ; [https://paiza.io/projects/hq9pTWVU7gaip2PcDgo4Bg?language=ruby コード例] :<syntaxhighlight lang=ruby> class MyQueue < Array alias enqueue push alias dequeue shift alias size length alias peek first end require 'minitest/spec' require 'minitest/autorun' describe MyQueue do let(:queue) { MyQueue.new } describe 'empty queue creation' do it 'creates an empty queue' do expect(queue).must_equal [] end it '#empty?' do expect(queue.empty?).must_equal true end end describe 'queue operation' do it 'enqueue and dequeue' do queue.enqueue(1) queue.enqueue(2) queue.enqueue(3) expect(queue.dequeue).must_equal 1 expect(queue.dequeue).must_equal 2 expect(queue.dequeue).must_equal 3 expect(queue.dequeue).must_be_nil end it '#size' do expect(queue.size).must_equal 0 queue.enqueue(1) queue.enqueue(2) expect(queue.size).must_equal 2 end it '#peek' do queue.enqueue(1) queue.enqueue(2) expect(queue.peek).must_equal 1 expect(queue.size).must_equal 2 end end end </syntaxhighlight> このコードは、Rubyでキューを実装しています。<code>MyQueue</code>クラスは<code>Array</code>クラスを継承しており、エイリアスを使用してキューの操作を行います。 * <code>enqueue</code>メソッドは<code>push</code>メソッドのエイリアスです。これにより、要素をキューの末尾に追加します。 * <code>dequeue</code>メソッドは<code>shift</code>メソッドのエイリアスです。これにより、キューの先頭から要素を取り出します。 * <code>size</code>メソッドは<code>length</code>メソッドのエイリアスです。これにより、キューのサイズを取得します。 * <code>peek</code>メソッドは<code>first</code>メソッドのエイリアスです。これにより、キューの先頭の要素を取得します。 === トピックス === キューに関連するトピックスとしては、以下のようなものがあります。 # '''並列処理との関連性:''' #: キューは並列処理において重要な役割を果たします。複数のスレッドやプロセスが同時にデータを処理する場合、データの同期や処理の調整が必要となります。キューを使用することで、データの安全な共有やスレッド間の通信を行うことができます。ジョブキューなどのキューを活用することで、並列処理を効率的に実装することが可能です。 # '''イベント駆動型プログラミング:''' #: イベント駆動型プログラミングでは、発生したイベントを順次処理する必要があります。この際、イベントが発生した順番に処理を行うためにキューが利用されます。イベントキューを使用することで、イベントの順序を保持し、適切なタイミングで処理を行うことができます。これにより、非同期的なイベントの処理を効率的に行うことができます。 # '''データ構造の効率性:''' #: キューはデータ構造の一つであり、データの一時的な保持や操作を行う際に使用されます。キューの実装方法や操作方法によって、データの挿入や取り出しの効率が変わります。効率的なキューの実装は、プログラムのパフォーマンスやメモリの使用量に影響を与えるため、重要です。特に、大規模なデータセットや高負荷の環境においては、効率的なキューの選択や最適化が求められます。 # '''マルチスレッド環境での安全な操作:''' #: マルチスレッド環境では、複数のスレッドが同時にキューにアクセスする可能性があります。このため、キューの操作が安全であることが重要です。適切なロックやセマフォを使用することで、キューの同期を確保し、データの競合や不整合を防ぐことができます。マルチスレッド環境でのキューの安全な操作は、システムの信頼性や安定性を向上させるために不可欠です。 これらのトピックスに関する理解は、キューを効果的に活用し、プログラムやシステムの設計を改善する上で重要です。キューはさまざまな場面で利用される汎用的なデータ構造であり、その特性や適切な使用法を理解することで、効率的なプログラミングが可能となります。 === ユースケース === キューは、システムやアプリケーションのさまざまな部分で幅広く利用されています。 以下に、いくつかの一般的なユースケースを紹介します。 # '''ジョブキュー:''' #: ジョブキューは、タスクの処理を管理するために使用されます。例えば、ウェブアプリケーションにおいて、バックグラウンドで実行されるタスク(バッチ処理、メール送信、ファイルの処理など)をキューに追加し、順次処理することがあります。ジョブキューを使用することで、負荷の高いタスクを効率的に処理し、システムのレスポンス時間を向上させることができます。 # '''メッセージキュー:''' #: メッセージキューは、システム間やアプリケーション間の非同期通信を実現するために使用されます。例えば、マイクロサービスアーキテクチャでは、複数のサービス間でメッセージを送受信する必要があります。メッセージキューを使用することで、送信者と受信者が直接通信する必要がなくなり、柔軟性の高いシステムを構築することができます。 # '''イベントキュー:''' #: イベントキューは、イベントの順序付けや処理を行うために使用されます。例えば、GUIアプリケーションでは、ユーザーの操作(ボタンクリック、キー入力など)をイベントとしてキューに追加し、順次処理します。これにより、ユーザーの操作に応じた処理を正確に行うことができます。 # '''データ処理キュー:''' #: データ処理キューは、大量のデータを効率的に処理するために使用されます。例えば、データ処理パイプラインでは、データの収集、変換、分析、保存などのステップをキューに追加し、それぞれのステップを独立して並行して処理します。データ処理キューを使用することで、処理のスケーラビリティや可用性を向上させることができます。 # '''メッセージキュー:''' #: メッセージキューは、プロセス間でデータを非同期に送受信するためのキューです。データはメッセージとしてキューに格納され、別のプロセスがそれを取り出して処理することができます。メッセージキューは、プロセス間の解耦を可能にし、異なるスピードで処理されるプロセス間の通信を効率的に行うことができます。 # '''シグナルキュー:''' #: シグナルキューは、シグナルをキューに格納して通知するためのキューです。シグナルはプロセスに対する通知や割り込みの形で使用され、キューを介して送信されます。シグナルキューを使用することで、プロセス間のイベントの通知や同期を行うことができます。 これらのユースケースは、キューがシステム全体のパフォーマンスや安定性を向上させるためにどれだけ重要であるかを示しています。キューを適切に活用することで、処理の効率性や信頼性を高めることができます。 === ベストプラクティス === キューを効果的に使用するためのベストプラクティスには以下が含まれます: * キューの適切なサイズを設定し、オーバーフローやアンダーフローを防止する。 * キューの要素が多くなりすぎないよう、定期的に整理する。 * マルチスレッド環境での操作時には、適切な同期処理を行う。 これらのベストプラクティスに従うことで、キューを効果的に活用することができます。 === イディオム === キューに関するプログラミングのイディオムとしては、以下のようなものがあります。 # '''待ち行列(FIFO):''' #: キューは、待ち行列(First-In-First-Out)の性質を持っています。つまり、最初に追加された要素が最初に取り出されるという特性があります。この性質を活かして、処理を順番に行う必要がある場合や、リソースの共有や制御を行う場合にキューを利用します。 # '''バックプレッシャー:''' #: キューには容量制限が設定される場合があります。この場合、キューが容量いっぱいになった際には、新しい要素の追加をブロックするか、古い要素を削除するなどの戦略が取られます。バックプレッシャーは、システムが過負荷になるのを防ぐための重要な手法です。 # '''キューアップ:''' #: キューアップとは、キューを利用して問題を解決するアプローチのことを指します。キューを使うことで、データの一時的な保持や順序付け、非同期処理などを実現し、シンプルで効率的な解決策を得ることができます。 # '''キューのポーリング:''' #: キューのポーリングとは、定期的にキューをチェックして新しい要素が追加されていないかを確認する手法です。ポーリングを行うことで、リアルタイム性のあるシステムやイベント駆動型のアプリケーションでキューを監視し、適切なタイミングで処理を行うことができます。 # '''キューバースト:''' #: キューバーストとは、突然の大量のデータがキューに追加される現象のことを指します。この現象に対処するためには、キューのサイズや処理能力を適切に設計し、キューが過負荷にならないようにする必要があります。 これらのイディオムは、キューを効果的に活用するための手法や考え方を示しています。キューを適切に利用することで、データの管理や処理の効率化、システムの信頼性向上などのメリットを得ることができます。 ---- == 計算機科学における「キュー」とは? == == キューの操作 == == 様々なプログラミング言語におけるキューとその操作 == == 反復処理 == === Rubyでの実装 === == トピックス == == ユースケース == == ベストプラクティス == == イディオム == [[Category:プログラミング]] [[Category:キュー]]
2024-02-08T03:55:17Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC
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ツリー構造
計算機科学における「ツリー」とは、階層的なデータ構造を表現するための重要な概念です。ツリーは、一つ以上のノードが親子関係で接続された、木構造のデータを表します。一般的には、根ノード(ルート)から始まり、それに子ノードが接続され、さらにその子ノードにも同様の接続が行われる形態を取ります。 ツリー構造は、階層的な関係や親子関係を表現するのに非常に有用であり、データの組織化や効率的な検索、操作を可能にします。ツリーは、データベースのインデックス、ファイルシステムの階層、コンピュータネットワークの階層的な構造など、さまざまな領域で広く利用されています。 ツリーにはいくつかの種類があります。代表的なものを以下に挙げます。 これらは代表的なツリーの種類ですが、他にも様々な種類が存在します。適切なツリーの種類を選択することは、特定の問題やアプリケーションにおいて効率的なデータ操作を行うために重要です。 平衡二分探索木には、以下のようなものがあります: これらの平衡二分探索木は、それぞれ異なるアプローチを使用して平衡を実現し、異なる利点とトレードオフを持っています。どのデータ構造を選択するかは、特定のアプリケーションの要件や性能目標に依存します。 ツリーには、さまざまな操作があります。代表的なものを以下に説明します。 これらはツリーの基本的な操作ですが、特定のアプリケーションや問題に応じて、さらに多くの操作が必要になる場合があります。ツリーの操作は、データの効率的な管理や操作を可能にし、多くのアルゴリズムやデータ構造の基礎となります。 ツリーにおける反復処理は、ツリー内のすべての要素を訪問する操作です。主な方法には、深さ優先探索(Depth-First Search, DFS)と幅優先探索(Breadth-First Search, BFS)の2つがあります。それぞれの方法について説明します。 これらの方法を使用することで、ツリー内のすべての要素を効率的に訪問することができます。深さ優先探索は、再帰の性質を利用して実装が比較的簡単ですが、スタックの深さが大きくなる可能性があるため、非再帰的な手法も使用されます。一方幅優先探索は、通常はキューを使用した非再帰的な手法で実装されます。 RubyのEnumerableモジュールは、eachメソッドを含む様々な反復処理に関連するメソッドを提供するためのミックスインです。これにより、クラスがEnumerableモジュールをincludeすると、eachメソッドを実装するだけで、map、select、reduceなど、多くの便利なメソッドを利用することができます。 ツリー構造の場合、Enumerableモジュールをincludeし、eachメソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これをeachメソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 KotlinのIterableインターフェースは、各メソッドを含む様々な反復処理に関連するメソッドを提供するためのインターフェースです。これにより、クラスがIterableを実装すると、forEachなどの便利なメソッドを利用することができます。 ツリー構造の場合、Iterableを実装し、iteratorメソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これをiteratorメソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 このように、KotlinではIterableインターフェースを使用して反復処理を行います。RubyのEnumerableモジュールと同様に、Iterableインターフェースも様々な便利なメソッドを提供し、ツリー構造の反復処理を簡潔かつ効率的に実装することができます。 RustのIteratorトレイトは、各メソッドを含む様々な反復処理に関連するトレイトを提供するためのトレイトです。これにより、クラスがIteratorトレイトを実装すると、map、filter、foldなどの便利なメソッドを利用することができます。 ツリー構造の場合、Iteratorトレイトを実装し、nextメソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これをnextメソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 このように、RustではIteratorトレイトを使用して反復処理を行います。RubyのEnumerableモジュールやKotlinのIterableインターフェースと同様に、Iteratorトレイトも様々な便利なメソッドを提供し、ツリー構造の反復処理を実装する際に役立ちます。 JavaScriptのIteratorプロトコルは、Symbol.iteratorメソッドを含むオブジェクトに対して使用され、反復処理を行うためのプロトコルです。これにより、オブジェクトがIteratorプロトコルを実装すると、for...ofループなどの便利な機能を利用することができます。 ツリー構造の場合、Iteratorプロトコルを実装し、[Symbol.iterator]() メソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これを[Symbol.iterator]() メソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 このように、JavaScriptではIteratorプロトコルを使用して反復処理を行います。Iteratorプロトコルは、Symbol.iteratorメソッドを含むオブジェクトに適用され、反復処理を可能にします。これにより、for...ofループなどの便利な機能を使用して、ツリー構造の要素を効率的に処理することができます。 Pythonのイテレータプロトコルは、__iter__() と __next__() メソッドを持つオブジェクトに対して使用され、反復処理を行うためのプロトコルです。これにより、オブジェクトがイテレータプロトコルを実装すると、forループなどの便利な機能を利用することができます。 ツリー構造の場合、イテレータプロトコルを実装し、__iter__() メソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これを__iter__() メソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 このように、Pythonではイテレータプロトコルを使用して反復処理を行います。イテレータプロトコルは、__iter__() メソッドと __next__() メソッドを持つオブジェクトに適用され、反復処理を可能にします。これにより、forループなどの便利な機能を使用して、ツリー構造の要素を効率的に処理することができます。 Goでの反復処理の実装は、イテレータパターンで実現するのが一般的です。 ツリー構造の反復にイテレータパターンを適用する際には、各ノードを訪れるための方法と、必要に応じてノードを追加する方法を定義する必要があります。以下は、イテレータパターンを使用してツリー構造を反復処理する基本的な手順です。 Goでは、イテレータパターンをより一般化・抽象化する取り組みが2024年2月時点で行われており、標準ライブラリやフレームワークとして実装されるかもしれません。 Javaでは、Iterable インターフェースと Iterator インターフェースが反復処理を一般化するために使用されます。Iterable インターフェースは、反復子を提供する iterator() メソッドを定義し、Iterator インターフェースは、hasNext() メソッドと next() メソッドを定義しています。 C#では、IEnumerable インターフェースと IEnumerator インターフェースが反復処理を一般化するために使用されます。IEnumerable インターフェースは、GetEnumerator() メソッドを定義し、IEnumerator インターフェースは、MoveNext() メソッドと Current プロパティを定義しています。 C++でも反復処理を一般化するための機能がいくつかあります。 これらの方法を使用して、C++でさまざまな種類のデータ構造やコンテナに対して反復処理を行うことができます。 二分木(Binary Tree)は、各ノードが最大で2つの子ノードを持つ木構造のデータ構造です。各ノードは通常、親ノードと子ノードへのリンクを持ち、また特定のデータを保持します。二分木では、左の子ノードと右の子ノードがあり、それぞれの子ノードは親ノードよりも小さい(または同じ)値を持つ場合(左の子ノード)と大きい値を持つ場合(右の子ノード)に配置されます。 二分木は多くの場面で使用されます。例えば、データの探索や挿入、削除などの操作を効率的に行うために利用されます。また、再帰的なアルゴリズムやデータ構造を理解するための基本的な概念としても役立ちます。 二分探索木(Binary Search Tree、BST)は、データ構造の一種です。 二分探索木は、各ノードが以下の性質を満たす木構造です。 この性質により、二分探索木は効率的な探索、挿入、削除が可能になります。探索を行う場合、目的のキーと比較しながら、木の構造を辿っていくことで、目的のキーを持つノードを見つけることができます。挿入や削除を行う場合も、二分探索木の性質を保ちつつ操作を行うことで、木のバランスを保ちながら効率的な操作を実現します。 しかし、二分探索木の性能は挿入や削除の際に木のバランスが崩れる可能性があるため、バランスを保つアルゴリズム(例:AVL木や赤黒木)を使用することがあります。 AVL木(Adelson-Velskii and Landis' Tree)は、自己バランス二分探索木(Self-Balancing Binary Search Tree)の一種であり、その名前は発明者であるゲオルク・アドルフ・アドルフ・ヘルツスとルドルフ・バイエルに由来します。AVL木は、挿入や削除などの操作によって木の形状が変化しても、常にバランスを保ちます。 バランスの保持は、各ノードの左部分木と右部分木の高さの差が1以下になるように調整されます。これにより、AVL木では最長経路と最短経路の高さの差が1以下になります。 AVL木のバランスを保つために、挿入や削除の際に自動的に回転操作が行われます。これによって、木のバランスが修正され、効率的な探索が可能になります。 AVL木の探索時間は、平均的にはO(log n)です。この効率的な探索時間は、データの追加や削除が頻繁に行われる場合でも一貫して維持されます。 AVL木は二分木の一種なので、AVLTreeはBinaryTreeを継承し差分プログラミング(difference coding)を試みました。 赤黒木(Red-Black Tree)は、バランス二分木の一種であり、各ノードが追加されたときに特定の条件を満たすように再構築されるデータ構造です。 赤黒木は、以下の性質を持つ木構造です: これらの性質により、赤黒木は追加、削除、検索などの操作において、平均的に効率的な性能を提供します。赤黒木は、データベースの索引や標準ライブラリのセットなど、さまざまなアプリケーションで広く使用されています。 赤黒木(Red-Black Tree)は、BinaryTreeを拡張することで実装できます。赤黒木は、追加の要件として各ノードが「赤」または「黒」の色を持ち、特定の条件(赤の親と赤の子を持たないなど)が満たされる必要があります。以下に、BinaryTreeを継承し、赤黒木を実装する方法を示します。 赤黒木は二分木の一種なので、RedBlackTreeはBinaryTreeを継承し差分プログラミング(difference coding)を試みました。 Splay木(Splay Tree)は、平衡二分探索木の一種であり、特定のノードへのアクセスを行った際にそのノードを木の根に近づけることで、アクセスされたノードへのアクセス時間を短縮するデータ構造です。 Splay木は以下の特徴を持ちます: Splay木は動的なデータ構造として、キャッシュやネットワークルーティング、文字列操作など、さまざまな応用で使用されています。 "Splay"という用語は、英語で「広げる」や「ひろげる」という意味を持ちます。Splay木の名称は、木の操作中に特定のノードを根に近づけるという動作を表現しています。この操作により、アクセスされたノードが木の根に近くなり、そのノードへのアクセスが高速化されるという特性があります。 Splay操作は、木の再構築を伴う動的な操作です。特定のノードがアクセスされると、そのノードを木の根に近づけるために、回転操作などの手法を使用して木の構造を変更します。この操作により、最近アクセスされたノードが高い位置に配置され、その後のアクセスが高速化されることが期待されます。 Splay木を実装するには、二分探索木を継承して、木の操作中にノードを適切な位置まで「スプレー」する必要があります。これは、最後にアクセスされたノードを木の根に持ってくる操作です。以下に、Splay木を実装したコード例を示します。 N分木(N-ary tree)は、各ノードが複数の子ノードを持つ木構造のデータ構造です。N分木では、各ノードが0個以上の子ノードを持つことができます。特に、2分木(binary tree)は、各ノードが最大2つの子ノードを持つN分木の特別なケースです。 N分木は、階層的なデータを表現するのに便利であり、グラフィカルなツリー構造やディレクトリ構造など多くの場面で使用されます。例えば、ファイルシステムのディレクトリ構造、組織図、XMLやHTMLのドキュメントツリーなどがあります。 N分木の特性は、探索や操作が容易であり、特定のノードに効率的にアクセスできることです。また、再帰的な性質を持つため、再帰的なアルゴリズムがしばしば使用されます。 トライ木(Trie tree)は、キーを格納するためのデータ構造であり、特に文字列の検索や辞書の実装に使用されます。各ノードは文字を表し、通常はルートから葉まで単語やキーの一部が並びます。トライ木は、キーの挿入、削除、検索などの操作を効率的に行うことができます。 ツリーに関連するトピックスには、バランス木、二分木、赤黒木、ヒープなどがあります。これらのトピックスは、ツリーを特定の目的や制約に合わせて最適化するための手法やアルゴリズムを提供します。 ツリーは、データベースやファイルシステム、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)など、さまざまな分野で幅広く利用されています。例えば、ファイルシステムではディレクトリやファイルの階層構造を表現し、データベースではインデックス構造やクエリ最適化に使用されます。 ツリーを効果的に使用するためのベストプラクティスには、適切なツリーの選択、適切なアルゴリズムの適用、バランスの取れたツリーの維持などが含まれます。また、メモリ使用量や検索速度などのパフォーマンスにも配慮する必要があります。 ツリーに関連するプログラミングのイディオムには、再帰的なアルゴリズムの使用や深さ優先探索、幅優先探索などがあります。これらのイディオムは、ツリーを操作する際の一般的なアプローチを示しています。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "計算機科学における「ツリー」とは、階層的なデータ構造を表現するための重要な概念です。ツリーは、一つ以上のノードが親子関係で接続された、木構造のデータを表します。一般的には、根ノード(ルート)から始まり、それに子ノードが接続され、さらにその子ノードにも同様の接続が行われる形態を取ります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ツリー構造は、階層的な関係や親子関係を表現するのに非常に有用であり、データの組織化や効率的な検索、操作を可能にします。ツリーは、データベースのインデックス、ファイルシステムの階層、コンピュータネットワークの階層的な構造など、さまざまな領域で広く利用されています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ツリーにはいくつかの種類があります。代表的なものを以下に挙げます。", "title": "ツリーの種類" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "これらは代表的なツリーの種類ですが、他にも様々な種類が存在します。適切なツリーの種類を選択することは、特定の問題やアプリケーションにおいて効率的なデータ操作を行うために重要です。", "title": "ツリーの種類" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "平衡二分探索木には、以下のようなものがあります:", "title": "ツリーの種類" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "これらの平衡二分探索木は、それぞれ異なるアプローチを使用して平衡を実現し、異なる利点とトレードオフを持っています。どのデータ構造を選択するかは、特定のアプリケーションの要件や性能目標に依存します。", "title": "ツリーの種類" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "ツリーには、さまざまな操作があります。代表的なものを以下に説明します。", "title": "ツリーの操作" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "これらはツリーの基本的な操作ですが、特定のアプリケーションや問題に応じて、さらに多くの操作が必要になる場合があります。ツリーの操作は、データの効率的な管理や操作を可能にし、多くのアルゴリズムやデータ構造の基礎となります。", "title": "ツリーの操作" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "ツリーにおける反復処理は、ツリー内のすべての要素を訪問する操作です。主な方法には、深さ優先探索(Depth-First Search, DFS)と幅優先探索(Breadth-First Search, BFS)の2つがあります。それぞれの方法について説明します。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "これらの方法を使用することで、ツリー内のすべての要素を効率的に訪問することができます。深さ優先探索は、再帰の性質を利用して実装が比較的簡単ですが、スタックの深さが大きくなる可能性があるため、非再帰的な手法も使用されます。一方幅優先探索は、通常はキューを使用した非再帰的な手法で実装されます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "RubyのEnumerableモジュールは、eachメソッドを含む様々な反復処理に関連するメソッドを提供するためのミックスインです。これにより、クラスがEnumerableモジュールをincludeすると、eachメソッドを実装するだけで、map、select、reduceなど、多くの便利なメソッドを利用することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "ツリー構造の場合、Enumerableモジュールをincludeし、eachメソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これをeachメソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "KotlinのIterableインターフェースは、各メソッドを含む様々な反復処理に関連するメソッドを提供するためのインターフェースです。これにより、クラスがIterableを実装すると、forEachなどの便利なメソッドを利用することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "ツリー構造の場合、Iterableを実装し、iteratorメソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これをiteratorメソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "このように、KotlinではIterableインターフェースを使用して反復処理を行います。RubyのEnumerableモジュールと同様に、Iterableインターフェースも様々な便利なメソッドを提供し、ツリー構造の反復処理を簡潔かつ効率的に実装することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "RustのIteratorトレイトは、各メソッドを含む様々な反復処理に関連するトレイトを提供するためのトレイトです。これにより、クラスがIteratorトレイトを実装すると、map、filter、foldなどの便利なメソッドを利用することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "ツリー構造の場合、Iteratorトレイトを実装し、nextメソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これをnextメソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "このように、RustではIteratorトレイトを使用して反復処理を行います。RubyのEnumerableモジュールやKotlinのIterableインターフェースと同様に、Iteratorトレイトも様々な便利なメソッドを提供し、ツリー構造の反復処理を実装する際に役立ちます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "JavaScriptのIteratorプロトコルは、Symbol.iteratorメソッドを含むオブジェクトに対して使用され、反復処理を行うためのプロトコルです。これにより、オブジェクトがIteratorプロトコルを実装すると、for...ofループなどの便利な機能を利用することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "ツリー構造の場合、Iteratorプロトコルを実装し、[Symbol.iterator]() メソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これを[Symbol.iterator]() メソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "このように、JavaScriptではIteratorプロトコルを使用して反復処理を行います。Iteratorプロトコルは、Symbol.iteratorメソッドを含むオブジェクトに適用され、反復処理を可能にします。これにより、for...ofループなどの便利な機能を使用して、ツリー構造の要素を効率的に処理することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "Pythonのイテレータプロトコルは、__iter__() と __next__() メソッドを持つオブジェクトに対して使用され、反復処理を行うためのプロトコルです。これにより、オブジェクトがイテレータプロトコルを実装すると、forループなどの便利な機能を利用することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "ツリー構造の場合、イテレータプロトコルを実装し、__iter__() メソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これを__iter__() メソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "このように、Pythonではイテレータプロトコルを使用して反復処理を行います。イテレータプロトコルは、__iter__() メソッドと __next__() メソッドを持つオブジェクトに適用され、反復処理を可能にします。これにより、forループなどの便利な機能を使用して、ツリー構造の要素を効率的に処理することができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "Goでの反復処理の実装は、イテレータパターンで実現するのが一般的です。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "ツリー構造の反復にイテレータパターンを適用する際には、各ノードを訪れるための方法と、必要に応じてノードを追加する方法を定義する必要があります。以下は、イテレータパターンを使用してツリー構造を反復処理する基本的な手順です。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "Goでは、イテレータパターンをより一般化・抽象化する取り組みが2024年2月時点で行われており、標準ライブラリやフレームワークとして実装されるかもしれません。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "Javaでは、Iterable インターフェースと Iterator インターフェースが反復処理を一般化するために使用されます。Iterable インターフェースは、反復子を提供する iterator() メソッドを定義し、Iterator インターフェースは、hasNext() メソッドと next() メソッドを定義しています。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "C#では、IEnumerable インターフェースと IEnumerator インターフェースが反復処理を一般化するために使用されます。IEnumerable インターフェースは、GetEnumerator() メソッドを定義し、IEnumerator インターフェースは、MoveNext() メソッドと Current プロパティを定義しています。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "C++でも反復処理を一般化するための機能がいくつかあります。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "これらの方法を使用して、C++でさまざまな種類のデータ構造やコンテナに対して反復処理を行うことができます。", "title": "反復処理" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "二分木(Binary Tree)は、各ノードが最大で2つの子ノードを持つ木構造のデータ構造です。各ノードは通常、親ノードと子ノードへのリンクを持ち、また特定のデータを保持します。二分木では、左の子ノードと右の子ノードがあり、それぞれの子ノードは親ノードよりも小さい(または同じ)値を持つ場合(左の子ノード)と大きい値を持つ場合(右の子ノード)に配置されます。", "title": "二分木" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "二分木は多くの場面で使用されます。例えば、データの探索や挿入、削除などの操作を効率的に行うために利用されます。また、再帰的なアルゴリズムやデータ構造を理解するための基本的な概念としても役立ちます。", "title": "二分木" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "二分探索木(Binary Search Tree、BST)は、データ構造の一種です。", "title": "二分探索木" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "二分探索木は、各ノードが以下の性質を満たす木構造です。", "title": "二分探索木" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "この性質により、二分探索木は効率的な探索、挿入、削除が可能になります。探索を行う場合、目的のキーと比較しながら、木の構造を辿っていくことで、目的のキーを持つノードを見つけることができます。挿入や削除を行う場合も、二分探索木の性質を保ちつつ操作を行うことで、木のバランスを保ちながら効率的な操作を実現します。 しかし、二分探索木の性能は挿入や削除の際に木のバランスが崩れる可能性があるため、バランスを保つアルゴリズム(例:AVL木や赤黒木)を使用することがあります。", "title": "二分探索木" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "AVL木(Adelson-Velskii and Landis' Tree)は、自己バランス二分探索木(Self-Balancing Binary Search Tree)の一種であり、その名前は発明者であるゲオルク・アドルフ・アドルフ・ヘルツスとルドルフ・バイエルに由来します。AVL木は、挿入や削除などの操作によって木の形状が変化しても、常にバランスを保ちます。", "title": "AVL木" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "バランスの保持は、各ノードの左部分木と右部分木の高さの差が1以下になるように調整されます。これにより、AVL木では最長経路と最短経路の高さの差が1以下になります。", "title": "AVL木" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "AVL木のバランスを保つために、挿入や削除の際に自動的に回転操作が行われます。これによって、木のバランスが修正され、効率的な探索が可能になります。", "title": "AVL木" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "AVL木の探索時間は、平均的にはO(log n)です。この効率的な探索時間は、データの追加や削除が頻繁に行われる場合でも一貫して維持されます。", "title": "AVL木" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "AVL木は二分木の一種なので、AVLTreeはBinaryTreeを継承し差分プログラミング(difference coding)を試みました。", "title": "AVL木" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "赤黒木(Red-Black Tree)は、バランス二分木の一種であり、各ノードが追加されたときに特定の条件を満たすように再構築されるデータ構造です。", "title": "赤黒木" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "赤黒木は、以下の性質を持つ木構造です:", "title": "赤黒木" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "これらの性質により、赤黒木は追加、削除、検索などの操作において、平均的に効率的な性能を提供します。赤黒木は、データベースの索引や標準ライブラリのセットなど、さまざまなアプリケーションで広く使用されています。", "title": "赤黒木" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "赤黒木(Red-Black Tree)は、BinaryTreeを拡張することで実装できます。赤黒木は、追加の要件として各ノードが「赤」または「黒」の色を持ち、特定の条件(赤の親と赤の子を持たないなど)が満たされる必要があります。以下に、BinaryTreeを継承し、赤黒木を実装する方法を示します。", "title": "赤黒木" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "赤黒木は二分木の一種なので、RedBlackTreeはBinaryTreeを継承し差分プログラミング(difference coding)を試みました。", "title": "赤黒木" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "Splay木(Splay Tree)は、平衡二分探索木の一種であり、特定のノードへのアクセスを行った際にそのノードを木の根に近づけることで、アクセスされたノードへのアクセス時間を短縮するデータ構造です。", "title": "Splay木" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "Splay木は以下の特徴を持ちます:", "title": "Splay木" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "Splay木は動的なデータ構造として、キャッシュやネットワークルーティング、文字列操作など、さまざまな応用で使用されています。", "title": "Splay木" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "\"Splay\"という用語は、英語で「広げる」や「ひろげる」という意味を持ちます。Splay木の名称は、木の操作中に特定のノードを根に近づけるという動作を表現しています。この操作により、アクセスされたノードが木の根に近くなり、そのノードへのアクセスが高速化されるという特性があります。 Splay操作は、木の再構築を伴う動的な操作です。特定のノードがアクセスされると、そのノードを木の根に近づけるために、回転操作などの手法を使用して木の構造を変更します。この操作により、最近アクセスされたノードが高い位置に配置され、その後のアクセスが高速化されることが期待されます。", "title": "Splay木" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "Splay木を実装するには、二分探索木を継承して、木の操作中にノードを適切な位置まで「スプレー」する必要があります。これは、最後にアクセスされたノードを木の根に持ってくる操作です。以下に、Splay木を実装したコード例を示します。", "title": "Splay木" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "N分木(N-ary tree)は、各ノードが複数の子ノードを持つ木構造のデータ構造です。N分木では、各ノードが0個以上の子ノードを持つことができます。特に、2分木(binary tree)は、各ノードが最大2つの子ノードを持つN分木の特別なケースです。", "title": "N分木" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "N分木は、階層的なデータを表現するのに便利であり、グラフィカルなツリー構造やディレクトリ構造など多くの場面で使用されます。例えば、ファイルシステムのディレクトリ構造、組織図、XMLやHTMLのドキュメントツリーなどがあります。 N分木の特性は、探索や操作が容易であり、特定のノードに効率的にアクセスできることです。また、再帰的な性質を持つため、再帰的なアルゴリズムがしばしば使用されます。", "title": "N分木" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "トライ木(Trie tree)は、キーを格納するためのデータ構造であり、特に文字列の検索や辞書の実装に使用されます。各ノードは文字を表し、通常はルートから葉まで単語やキーの一部が並びます。トライ木は、キーの挿入、削除、検索などの操作を効率的に行うことができます。", "title": "トライ木" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "ツリーに関連するトピックスには、バランス木、二分木、赤黒木、ヒープなどがあります。これらのトピックスは、ツリーを特定の目的や制約に合わせて最適化するための手法やアルゴリズムを提供します。", "title": "トピックス" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "ツリーは、データベースやファイルシステム、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)など、さまざまな分野で幅広く利用されています。例えば、ファイルシステムではディレクトリやファイルの階層構造を表現し、データベースではインデックス構造やクエリ最適化に使用されます。", "title": "ユースケース" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "ツリーを効果的に使用するためのベストプラクティスには、適切なツリーの選択、適切なアルゴリズムの適用、バランスの取れたツリーの維持などが含まれます。また、メモリ使用量や検索速度などのパフォーマンスにも配慮する必要があります。", "title": "ベストプラクティス" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "ツリーに関連するプログラミングのイディオムには、再帰的なアルゴリズムの使用や深さ優先探索、幅優先探索などがあります。これらのイディオムは、ツリーを操作する際の一般的なアプローチを示しています。", "title": "イディオム" } ]
計算機科学における「ツリー」とは、階層的なデータ構造を表現するための重要な概念です。ツリーは、一つ以上のノードが親子関係で接続された、木構造のデータを表します。一般的には、根ノード(ルート)から始まり、それに子ノードが接続され、さらにその子ノードにも同様の接続が行われる形態を取ります。 ツリー構造は、階層的な関係や親子関係を表現するのに非常に有用であり、データの組織化や効率的な検索、操作を可能にします。ツリーは、データベースのインデックス、ファイルシステムの階層、コンピュータネットワークの階層的な構造など、さまざまな領域で広く利用されています。
計算機科学における「ツリー」とは、階層的なデータ構造を表現するための重要な概念です。ツリーは、一つ以上のノードが親子関係で接続された、木構造のデータを表します。一般的には、根ノード(ルート)から始まり、それに子ノードが接続され、さらにその子ノードにも同様の接続が行われる形態を取ります。 ツリー構造は、階層的な関係や親子関係を表現するのに非常に有用であり、データの組織化や効率的な検索、操作を可能にします。ツリーは、データベースのインデックス、ファイルシステムの階層、コンピュータネットワークの階層的な構造など、さまざまな領域で広く利用されています。 == ツリーの種類 == ツリーにはいくつかの種類があります。代表的なものを以下に挙げます。 # '''二分木(Binary Tree)''' 二分木は、各ノードが最大で2つの子ノードを持つツリーです。各ノードは左の子ノードと右の子ノードを持ち、特定の順序でデータが格納されます。 # '''二分探索木(Binary Search Tree)''' 二分探索木は、二分木の一種であり、各ノードが高々2つの子ノードを持つ木構造です。左部分木の全てのノードの値が、親ノードの値よりも小さく、右部分木の全てのノードの値が親ノードの値よりも大きい性質を持ちます。この性質により、データの挿入、削除、検索などの操作を効率的に行うことができます。 # '''平衡二分探索木(Self-balancing Binary Search Tree)''' 平衡二分探索木は、ツリー内のノードの高さの差が1より大きくならないように調整された二分木です。これにより、ツリーの高さが大幅に増加することを防ぎ、検索や挿入などの操作の効率を向上させます。代表的な平衡二分探索木には、AVL木や赤黒木などがあります。 # '''N分木(N-ary Tree)''' N分木は、各ノードが最大でN個の子ノードを持つツリーです。二分木は特別な場合であり、Nが2であるN分木と言えます。N分木は、特にファイルシステムやデータ構造の表現など、複数の子ノードが必要な場面で使用されます。 # '''トライ木(Trie Tree)''' トライ木は、文字列の集合を格納するために使用される特殊なデータ構造です。各ノードは通常、アルファベットの1文字を表し、ツリーの根から葉までの経路は文字列を表します。トライ木は、文字列の検索や辞書の実装などに効率的です。 # '''セグメント木(Segment Tree)''' セグメント木は、数値の区間に関するクエリを高速に処理するためのデータ構造です。各ノードは、区間内のデータの要約を保持し、ツリーの根には全体の区間の情報が格納されます。セグメント木は、範囲クエリの処理や区間更新などの操作を効率的に行うことができます。 これらは代表的なツリーの種類ですが、他にも様々な種類が存在します。適切なツリーの種類を選択することは、特定の問題やアプリケーションにおいて効率的なデータ操作を行うために重要です。 === 平衡二分探索木 === 平衡二分探索木には、以下のようなものがあります: # '''AVL木(Adelson-Velskii and Landis' Tree)''' AVL木は、各ノードの高さの差が1以下であるというバランス条件を満たします。これにより、木の高さが常にO(log n)となり、挿入や削除操作においても効率的な検索が可能となります。ノードの挿入や削除後に、回転操作を行ってバランスを修復します。 # '''赤黒木(Red-black_tree)''' 赤黒木は、各ノードに赤または黒の色を付け、一定の条件を満たすことでバランスを保つ木構造です。条件は以下の通りです: ## ルートは黒である。 ## 赤のノードの子ノードは全て黒である。 ## 各ノードから葉ノードまでの黒のノード数は同じである(黒の高さが一定)。 #: これにより、挿入、削除、検索操作を効率的に行うことができます。 # '''Splay木''' Splay木は、最近アクセスされたノードをルートに移動させることによって操作を効率化する平衡二分探索木です。挿入、削除、検索の操作において、最近アクセスされたノードがより高い位置に移動し、アクセスされたノードがより頻繁にアクセスされるようになります。 # '''Treap''' Treapは、二分探索木とランダムヒープの両方の性質を持つデータ構造です。各ノードにはキーと優先度があり、キーは二分探索木の性質を満たし、優先度はヒープの性質を満たします。ランダムな優先度に基づいて平衡が保たれるため、Treapは単純で効率的な平衡二分探索木として知られています。 # '''アバランチ木(AVL-Trie)''' アバランチ木は、AVL木とトライ(Trie)の特性を組み合わせたデータ構造です。キーのビットごとのプレフィックスを使ってノードを構築し、各ノードは平衡されたAVL木を保持します。この組み合わせにより、高速な挿入、削除、検索が可能となります。 # '''AA木''' AA木は、アドレス総和(Address-Adjusted)木として知られており、赤黒木のような平衡二分探索木です。しかし、AA木では赤黒木とは異なるバランス条件が使用されています。AA木は、比較的シンプルな操作に基づいて平衡が保たれます。 これらの平衡二分探索木は、それぞれ異なるアプローチを使用して平衡を実現し、異なる利点とトレードオフを持っています。どのデータ構造を選択するかは、特定のアプリケーションの要件や性能目標に依存します。 == ツリーの操作 == ツリーには、さまざまな操作があります。代表的なものを以下に説明します。 # '''挿入(Insertion):''' ツリーに新しいノードを挿入する操作です。挿入されたノードは、適切な位置に配置され、ツリーの構造が保持されます。例えば、二分探索木では、新しいノードは適切な位置に挿入され、ツリーが二分探索木の性質を維持します。 # '''削除(Deletion):''' ツリーから特定のノードを削除する操作です。削除されたノードの子ノードや親ノードの接続が適切に調整され、ツリーの構造が保持されます。削除操作は、ノードの種類やツリーの種類に応じてさまざまな場合があります。 # '''検索(Search):''' ツリー内で特定の値を持つノードを見つける操作です。一般的な検索操作は、再帰的な深さ優先探索や幅優先探索などのアルゴリズムを使用して行われます。特に、二分探索木では、効率的な二分探索アルゴリズムが使用されます。 # '''走査(Traversal):''' ツリー内のすべてのノードを訪問する操作です。一般的な走査方法には、前順走査(Preorder traversal)、中順走査(Inorder traversal)、後順走査(Postorder traversal)などがあります。これらの走査方法は、ツリー内のノードを特定の順序で訪問するために使用されます。 # '''更新(Update):''' ツリー内の特定のノードの値を変更する操作です。更新操作は、ツリーが特定の属性や状態を持つ場合に有用です。更新操作は、検索操作と組み合わせて使用されることがあります。 これらはツリーの基本的な操作ですが、特定のアプリケーションや問題に応じて、さらに多くの操作が必要になる場合があります。ツリーの操作は、データの効率的な管理や操作を可能にし、多くのアルゴリズムやデータ構造の基礎となります。 == 反復処理 == ツリーにおける反復処理は、ツリー内のすべての要素を訪問する操作です。主な方法には、深さ優先探索(Depth-First Search, DFS)と幅優先探索(Breadth-First Search, BFS)の2つがあります。それぞれの方法について説明します。 # '''深さ優先探索(Depth-First Search, DFS):''' #: 深さ優先探索は、ツリーの最大深さまで進んでから次の子ノードに移動する方法です。典型的には再帰的な手法で実装されますが、明示的な[[スタック構造|スタック]](Stack)を使用することもあります。深さ優先探索は、更に以下の3種類に分類されます。 ## '''先行順序探索(preorder_traversal):''' ##: ルート、左部分木、右部分木の順に探索する。 ## '''中間順序探索(inorder_traversal):''' ##: 左部分木、ルート、右部分木の順に探索する。 ## '''後行順序探索(postorder_traversal):''' ##: 左部分木、右部分木、ルートの順に探索する。 # '''幅優先探索(Breadth-First Search, BFS):''' #: 幅優先探索は、ツリーの各レベルを左から右に順番に探索する方法です。通常は[[キュー]](Queue)を使用して実装されます。 これらの方法を使用することで、ツリー内のすべての要素を効率的に訪問することができます。深さ優先探索は、再帰の性質を利用して実装が比較的簡単ですが、スタックの深さが大きくなる可能性があるため、非再帰的な手法も使用されます。一方幅優先探索は、通常はキューを使用した非再帰的な手法で実装されます。 === Ruby === Rubyの<code>Enumerable</code>モジュールは、<code>each</code>メソッドを含む様々な反復処理に関連するメソッドを提供するためのミックスインです。これにより、クラスが<code>Enumerable</code>モジュールをincludeすると、<code>each</code>メソッドを実装するだけで、<code>map</code>、<code>select</code>、<code>reduce</code>など、多くの便利なメソッドを利用することができます。 ツリー構造の場合、<code>Enumerable</code>モジュールをincludeし、<code>each</code>メソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これを<code>each</code>メソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 === Kotlin === KotlinのIterableインターフェースは、各メソッドを含む様々な反復処理に関連するメソッドを提供するためのインターフェースです。これにより、クラスがIterableを実装すると、forEachなどの便利なメソッドを利用することができます。 ツリー構造の場合、Iterableを実装し、iteratorメソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これをiteratorメソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 このように、KotlinではIterableインターフェースを使用して反復処理を行います。RubyのEnumerableモジュールと同様に、Iterableインターフェースも様々な便利なメソッドを提供し、ツリー構造の反復処理を簡潔かつ効率的に実装することができます。 === Rust === RustのIteratorトレイトは、各メソッドを含む様々な反復処理に関連するトレイトを提供するためのトレイトです。これにより、クラスがIteratorトレイトを実装すると、map、filter、foldなどの便利なメソッドを利用することができます。 ツリー構造の場合、Iteratorトレイトを実装し、nextメソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これをnextメソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 このように、RustではIteratorトレイトを使用して反復処理を行います。RubyのEnumerableモジュールやKotlinのIterableインターフェースと同様に、Iteratorトレイトも様々な便利なメソッドを提供し、ツリー構造の反復処理を実装する際に役立ちます。 === JavaScript === JavaScriptのIteratorプロトコルは、Symbol.iteratorメソッドを含むオブジェクトに対して使用され、反復処理を行うためのプロトコルです。これにより、オブジェクトがIteratorプロトコルを実装すると、for...ofループなどの便利な機能を利用することができます。 ツリー構造の場合、Iteratorプロトコルを実装し、[Symbol.iterator]() メソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これを[Symbol.iterator]() メソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 このように、JavaScriptではIteratorプロトコルを使用して反復処理を行います。Iteratorプロトコルは、Symbol.iteratorメソッドを含むオブジェクトに適用され、反復処理を可能にします。これにより、for...ofループなどの便利な機能を使用して、ツリー構造の要素を効率的に処理することができます。 === Python === Pythonのイテレータプロトコルは、<code>__iter__()</code> と <code>__next__()</code> メソッドを持つオブジェクトに対して使用され、反復処理を行うためのプロトコルです。これにより、オブジェクトがイテレータプロトコルを実装すると、forループなどの便利な機能を利用することができます。 ツリー構造の場合、イテレータプロトコルを実装し、<code>__iter__()</code> メソッドを中間順序探索(inorder traversal)として実装することで、簡単にツリーを反復処理することができます。中間順序探索は、左部分木、ルート、右部分木の順に要素を訪問する方法であり、これを<code>__iter__()</code> メソッドによって実装することで、ツリー内の要素を効率的かつ直感的に取得することができます。 このように、Pythonではイテレータプロトコルを使用して反復処理を行います。イテレータプロトコルは、<code>__iter__()</code> メソッドと <code>__next__()</code> メソッドを持つオブジェクトに適用され、反復処理を可能にします。これにより、forループなどの便利な機能を使用して、ツリー構造の要素を効率的に処理することができます。 === Go === Goでの反復処理の実装は、イテレータパターンで実現するのが一般的です。 ツリー構造の反復にイテレータパターンを適用する際には、各ノードを訪れるための方法と、必要に応じてノードを追加する方法を定義する必要があります。以下は、イテレータパターンを使用してツリー構造を反復処理する基本的な手順です。 # イテレータインターフェースの定義: ツリーの要素を反復するためのインターフェースを定義します。このインターフェースには、次のノードを返すメソッドや、反復が終了したかどうかを示すメソッドが含まれる場合があります。 # ツリーのノードを表すクラスの作成: ツリーのノードを表すクラスを作成します。このクラスには、ノードの値や子ノードへの参照が含まれます。 # イテレータの実装: ツリーの反復を実装する具象イテレータクラスを作成します。このクラスは、定義したイテレータインターフェースを実装し、ツリーの要素を反復します。 # 反復処理の実行: クライアントコードで、イテレータを使用してツリーを反復処理します。通常は、<code>for</code> ループや他の反復構造を使用して、ツリー内の要素を順番に処理します。 Goでは、イテレータパターンをより一般化・抽象化する取り組みが2024年2月時点で行われており、標準ライブラリやフレームワークとして実装されるかもしれません。 === Java === Javaでは、<code>Iterable</code> インターフェースと <code>Iterator</code> インターフェースが反復処理を一般化するために使用されます。<code>Iterable</code> インターフェースは、反復子を提供する <code>iterator()</code> メソッドを定義し、<code>Iterator</code> インターフェースは、<code>hasNext()</code> メソッドと <code>next()</code> メソッドを定義しています。 === C# === C#では、<code>IEnumerable</code> インターフェースと <code>IEnumerator</code> インターフェースが反復処理を一般化するために使用されます。<code>IEnumerable</code> インターフェースは、<code>GetEnumerator()</code> メソッドを定義し、<code>IEnumerator</code> インターフェースは、<code>MoveNext()</code> メソッドと <code>Current</code> プロパティを定義しています。 === C++ === C++でも反復処理を一般化するための機能がいくつかあります。 # 範囲ベースのforループ: C++11以降、範囲ベースのforループが導入され、これにより範囲内のすべての要素を簡潔に反復できるようになりました。 # STLイテレータ: C++の標準テンプレートライブラリ(STL)では、反復処理をサポートするためにイテレータが使用されます。STLの多くのコンテナやアルゴリズムは、イテレータを介して反復処理を行います。 # イテレータパターンの実装: ユーザー定義のクラスやデータ構造に対して、イテレータパターンを実装することも可能です。これにより、クラスの内部構造を隠蔽しつつ、外部から反復処理を行うことができます。 これらの方法を使用して、C++でさまざまな種類のデータ構造やコンテナに対して反復処理を行うことができます。 == 二分木 == 二分木(Binary Tree)は、各ノードが最大で2つの子ノードを持つ木構造のデータ構造です。各ノードは通常、親ノードと子ノードへのリンクを持ち、また特定のデータを保持します。二分木では、左の子ノードと右の子ノードがあり、それぞれの子ノードは親ノードよりも小さい(または同じ)値を持つ場合(左の子ノード)と大きい値を持つ場合(右の子ノード)に配置されます。 二分木は多くの場面で使用されます。例えば、データの探索や挿入、削除などの操作を効率的に行うために利用されます。また、再帰的なアルゴリズムやデータ構造を理解するための基本的な概念としても役立ちます。 === Ruby === ;[https://paiza.io/projects/ElY_9rWAilsGf2HHKSDK8Q?language=ruby bt.rb]:<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true # 二分木クラス class BinaryTree include Enumerable # Enumerableモジュールを含める # 二分木のノード TreeNode = Struct.new(:value, :left, :right) def self.new_node(*args) = TreeNode.new(*args) # 新しいツリーを作成 def initialize(*_args) @root = nil end attr_accessor :root def height(node = @root) = node.nil? ? 0 : 1 + [height(node.left), height(node.right)].max def search(key, _node = @root) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" unless key.respond_to?(:<) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" if key.is_a?(Numeric) && !key.finite? any? { |i| i == key } end # 深さ優先探索(DFS; depth-first search); # 先行順序(preorder)で木を走査し、各ノードの値をブロックに渡します。 # # @yieldparam value [Object] 各ノードの値 def preorder_traversal(node = @root, &block) return to_enum(__method__, node) unless block def core(node, &block) return if node.nil? yield node.value core(node.left, &block) core(node.right, &block) end core(node, &block) self end alias dfs preorder_traversal def preorder_traversal_iterative(node = @root, &block) return to_enum(__method__, node) unless block stack = [node] until stack.empty? node = stack.pop yield node.value stack.push node.right if node.right stack.push node.left if node.left end self end # 中間順序(inorder)で木を走査し、各ノードの値をブロックに渡します。 # # @yieldparam value [Object] 各ノードの値 def inorder_traversal(node = @root, &block) return to_enum(__method__, node) unless block def core(node, &block) return if node.nil? core(node.left, &block) yield node.value core(node.right, &block) end core(node, &block) self end alias each inorder_traversal def inorder_traversal_iterative(node = @root, &block) return to_enum(__method__, node) unless block stack = [] loop do if node stack.push(node) node = node.left elsif !stack.empty? node = stack.pop yield node.value node = node.right else break end end self end # 後行順序(postorder)で木を走査し、各ノードの値をブロックに渡します。 # # @yieldparam value [Object] 各ノードの値 def postorder_traversal(node = @root, &block) return to_enum(__method__, node) unless block def core(node, &block) return if node.nil? core(node.left, &block) core(node.right, &block) yield node.value end core(node, &block) self end def postorder_traversal_iterative(node = @root, &block) return to_enum(__method__, node) unless block stack = [node] values = [] until stack.empty? node = stack.pop values << node.value stack.push node.left if node.left stack.push node.right if node.right end yield values.pop until values.empty? self end # 幅優先探索(Breadth-First Search)を行い、各ノードの値をブロックに渡します。 # # @yieldparam value [Object] 各ノードの値 def bfs return to_enum(__method__) unless block_given? return unless @root queue = [@root] until queue.empty? node = queue.shift yield node.value queue.push(node.left) if node.left queue.push(node.right) if node.right end self end # ツリーの文字列表現を返します。 # # Returns ツリーを表す文字列。 def to_s = "(#{to_a.join ' '})" # ツリーのデバッグ用表現を返します。 # # Returns デバッグ用表現を表す文字列。 def inspect ="#{self.class}(#{to_a.join ', '})" # ノードの値をインデントで深さを表現して文字列化します。 # # @param node [Node] ノード # @param level [Integer] ノードの深さ # @param indent [String] インデント文字列 # @return [String] ノードの値をインデントで深さを表現した文字列 def to_indented_s(node = @root, level = 0, indent = ' ') return '' if node.nil? to_indented_s(node.left, level + 1, indent) + "#{indent * level}#{node.value}\n" + to_indented_s(node.right, level + 1, indent) end end require 'minitest/autorun' describe BinaryTree do before do # 二分木の構造を作成 # 5 # / \ # 3 7 # / \ \ # 2 4 8 @tree = BinaryTree.new @tree.root = BinaryTree.new_node(5) @tree.root.left = BinaryTree.new_node(3) @tree.root.left.left = BinaryTree.new_node(2) @tree.root.left.right = BinaryTree.new_node(4) @tree.root.right = BinaryTree.new_node(7) @tree.root.right.right = BinaryTree.new_node(8) end describe '#height' do it 'should calculate the height correctly' do _((@tree.height)).must_equal 3 _((@tree.height(@tree.root.left))).must_equal 2 _((@tree.height(@tree.root.right))).must_equal 2 end end describe '#search' do it 'should find the value in the tree' do _((@tree.search(5))).must_equal true _((@tree.search(2))).must_equal true _((@tree.search(8))).must_equal true end it 'should not find the value not in the tree' do _((@tree.search(10))).must_equal false end end describe '#preorder_traversal' do it 'should traverse the tree in preorder' do _((@tree.preorder_traversal.to_a)).must_equal [5, 3, 2, 4, 7, 8] end end describe '#inorder_traversal' do it 'should traverse the tree in inorder' do _((@tree.inorder_traversal.to_a)).must_equal [2, 3, 4, 5, 7, 8] end end describe '#postorder_traversal' do it 'should traverse the tree in postorder' do _((@tree.postorder_traversal.to_a)).must_equal [2, 4, 3, 8, 7, 5] end end describe '#bfs' do it 'should traverse the tree in breadth-first order' do _((@tree.bfs.to_a)).must_equal [5, 3, 7, 2, 4, 8] end end describe '#to_s' do it 'should return a string representation of the tree' do _((@tree.to_s)).must_equal '(2 3 4 5 7 8)' end end describe '#inspect' do it 'should return a debug representation of the tree' do _((@tree.inspect)).must_equal 'BinaryTree(2, 3, 4, 5, 7, 8)' end end describe '#to_indented_s' do it 'should return an indented string representation of the tree' do expected = <<~INDENTED 2 3 4 5 7 8 INDENTED _((@tree.to_indented_s.chomp)).must_equal expected.chomp end end end </syntaxhighlight> == 二分探索木 == 二分探索木(Binary Search Tree、BST)は、データ構造の一種です。 二分探索木は、各ノードが以下の性質を満たす木構造です。 # 各ノードには、1つのキーがあります。 # 左部分木に含まれるすべてのノードのキーは、そのノードのキーよりも小さくなります。 # 右部分木に含まれるすべてのノードのキーは、そのノードのキーよりも大きくなります。 # 同じキーを持つノードは存在しません。 この性質により、二分探索木は効率的な探索、挿入、削除が可能になります。探索を行う場合、目的のキーと比較しながら、木の構造を辿っていくことで、目的のキーを持つノードを見つけることができます。挿入や削除を行う場合も、二分探索木の性質を保ちつつ操作を行うことで、木のバランスを保ちながら効率的な操作を実現します。 しかし、二分探索木の性能は挿入や削除の際に木のバランスが崩れる可能性があるため、バランスを保つアルゴリズム(例:AVL木や赤黒木)を使用することがあります。 === Ruby === ;[https://paiza.io/projects/jPx8l4Qih2HjutmmAL-0Og?language=ruby bst.rb]:<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true require_relative 'bt' # 二分探索木クラス class BinarySearchTree < BinaryTree # 新しい二分探索木を作成します。 # # @param args [Array<Object>] 挿入する要素の配列 # @yield [element] ブロックが与えられた場合、各要素に対してブロックを実行し、その結果を挿入します。 # @yieldparam element [Object] 要素 def initialize(*args, &block) @root = nil case [args, block] in [[Array => ary], nil] ary.each { insert _1 } in [[Array => ary], Proc] ary.each { insert block[_1] } in [[], nil] else raise ArgumentError, "#{self.class}#initialize: #{args.inspect}" end end # 二分探索木に新しい値を挿入します。 # # @param value [Object] 挿入する値 # @return [BinarySearchTree] 自身のインスタンス def insert(value, node = @root) raise TypeError, "Invalid value: #{value.inspect}" unless value.respond_to?(:<) raise TypeError, "Invalid value: #{value.inspect}" if value.is_a?(Numeric) && !value.finite? @root = insert_recursive(value, node) # @root = insert_iterative(value, node) self end # 指定されたキーを持つ要素が存在するかどうかを返します。 # # @param key [Object] 検索するキー # @return [Boolean] 指定されたキーを持つ要素が存在する場合はtrue、それ以外の場合はfalse def search(key, node = @root) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" unless key.respond_to?(:<) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" if key.is_a?(Numeric) && !key.finite? search_recursive(key, node) # search_iterative(key, node) end # 指定されたキーを持つ要素を削除します。 # # @param key [Object] 削除する要素のキー # @return [BinarySearchTree] 自身のインスタンス def delete(key, node = @root) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" unless key.respond_to?(:<) raise TypeError, "Invalid value: #{key.inspect}" if key.is_a?(Numeric) && !key.finite? @root = delete_node(key, node) self end protected # 二分探索木に値を再帰的に挿入します。 # # @param node [Node, nil] 現在のノード # @param value [Object] 挿入する値 # @return [Node] 挿入後のノード def insert_recursive(value, node) return self.class.new_node(value) if node.nil? case value <=> node.value when -1 then node.left = insert_recursive(value, node.left) when 1 then node.right = insert_recursive(value, node.right) when 0 # sum value else raise TypeError, value.inspect end node end def insert_iterative(value, node) return Node.new(value) if node.nil? prev = nil temp = node until temp.nil? prev = temp temp = case value <=> temp.value when -1 then temp.left when +1 then temp.right when 0 then break else raise TypeError, value.inspect end end unless prev.nil? case value <=> prev.value when -1 then prev.left = Node.new(value) when +1 then prev.right = Node.new(value) when 0 # break else raise TypeError, value.inspect end end node end def search_recursive(key, node) return false if node.nil? case key <=> node.value when -1 then search_recursive(key, node.left) when +1 then search_recursive(key, node.right) when 0 then true else raise TypeError, "#{self.class}#search_recursive: #{key.inspect}" end end def search_iterative(key, node) until node.nil? node = case node.value <=> key when -1 then node.left when +1 then node.right when 0 then return true else raise TypeError, "#{self.class}#search_iterative: #{key.inspect}" end end false end def delete_node(key, node) return node if node.nil? case key <=> node.value when -1 node.left = delete_node(key, node.left) return node when 1 node.right = delete_node(key, node.right) return node when 0 # sum value else raise TypeError, value.inspect end if node.left.nil? return node.right elif node.right.nil? root.left else succParent = node succ = node.right while succ.left succParent = succ succ = succ.left end if succParent != node succParent.left = succ.right else succParent.right = succ.right end node.value = succ.value node end end end def BinarySearchTree(args) = BinarySearchTree.new(args) require 'minitest/autorun' describe BinarySearchTree do describe '#initialize' do it 'creates an empty tree when no arguments are given' do tree = BinarySearchTree.new _(tree.root).must_be_nil end it 'creates a tree with elements from an array' do tree = BinarySearchTree.new([5, 3, 7, 2, 4, 6, 8]) _(tree.inorder_traversal.to_a).must_equal [2, 3, 4, 5, 6, 7, 8] end it 'creates a tree with transformed elements from an array and a block' do tree = BinarySearchTree.new([1, 2, 3]) { |n| n * 2 } _(tree.inorder_traversal.to_a).must_equal [2, 4, 6] end it 'raises an ArgumentError when invalid arguments are given' do _(proc { BinarySearchTree.new(1, 2, 3) }).must_raise ArgumentError end end describe '#insert' do before do @tree = BinarySearchTree.new end it 'inserts a new value into the tree' do @tree.insert(5) @tree.insert(3) @tree.insert(7) _((@tree.inorder_traversal.to_a)).must_equal [3, 5, 7] end it 'raises a TypeError when trying to insert an invalid value' do _(proc { @tree.insert(nil) }).must_raise TypeError _(proc { @tree.insert(Float::INFINITY) }).must_raise TypeError end end describe '#search' do before do @tree = BinarySearchTree.new([5, 3, 7, 2, 4, 6, 8]) end it 'returns true if the value is present in the tree' do _((@tree.search(5))).must_equal true _((@tree.search(3))).must_equal true _((@tree.search(8))).must_equal true end it 'returns false if the value is not present in the tree' do _((@tree.search(1))).must_equal false _((@tree.search(9))).must_equal false end it 'raises a TypeError when trying to search for an invalid value' do _(proc { @tree.search(nil) }).must_raise TypeError _(proc { @tree.search(Float::INFINITY) }).must_raise TypeError end end describe '#delete' do before do @tree = BinarySearchTree.new([5, 3, 7, 2, 4, 6, 8]) end it 'deletes a value from the tree' do @tree.delete(3) _((@tree.inorder_traversal.to_a)).must_equal [2, 4, 5, 6, 7, 8] end it 'deletes the root node correctly' do @tree.delete(5) _((@tree.inorder_traversal.to_a)).must_equal [2, 3, 4, 6, 7, 8] end it 'raises a TypeError when trying to delete an invalid value' do _(proc { @tree.delete(nil) }).must_raise TypeError _(proc { @tree.delete(Float::INFINITY) }).must_raise TypeError end end end </syntaxhighlight> == AVL木 == AVL木(Adelson-Velskii and Landis' Tree)は、自己バランス二分探索木(Self-Balancing Binary Search Tree)の一種であり、その名前は発明者であるゲオルク・アドルフ・アドルフ・ヘルツスとルドルフ・バイエルに由来します。AVL木は、挿入や削除などの操作によって木の形状が変化しても、常にバランスを保ちます。 バランスの保持は、各ノードの左部分木と右部分木の高さの差が1以下になるように調整されます。これにより、AVL木では最長経路と最短経路の高さの差が1以下になります。 AVL木のバランスを保つために、挿入や削除の際に自動的に回転操作が行われます。これによって、木のバランスが修正され、効率的な探索が可能になります。 AVL木の探索時間は、平均的にはO(log n)です。この効率的な探索時間は、データの追加や削除が頻繁に行われる場合でも一貫して維持されます。 === Ruby === AVL木は二分木の一種なので、AVLTreeはBinaryTreeを継承し差分プログラミング(difference coding)を試みました。 ;[https://paiza.io/projects/SfGk14Jem0ypvGMlLLxcSg?language=ruby avlt.rb]:<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true require_relative 'bt' # Ruby program for insertion in AVL Tree class Node attr_accessor :key, :height, :left, :right def initialize(d) @key = d @height = 1 @left = nil @right = nil end def value=(d) @key = d end def value @key end end class AVLTree < BinaryTree # 新しい二分探索木を作成します。 # # @param args [Array<Object>] 挿入する要素の配列 # @yield [element] ブロックが与えられた場合、各要素に対してブロックを実行し、その結果を挿入します。 # @yieldparam element [Object] 要素 def initialize(*args) @root = nil case args in [Array(*ary)] if block_given? ary.each { insert yield(_1) } else ary.each { insert _1 } end in [] else raise ArgumentError, "#{self.class}#initialize: #{args.inspect}" end end def insert(key, node = @root) = @root = insert_(key, node) def delete(key) = delete_node(@root, key) private # A utility function to right # rotate subtree rooted with y # See the diagram given above. def right_rotate(y) x = y.left t2 = x.right # Perform rotation x.right = y y.left = t2 # Update heights y.height = 1 + [height(y.left), height(y.right)].max x.height = 1 + [height(x.left), height(x.right)].max # Return new root x end # A utility function to left # rotate subtree rooted with x # See the diagram given above. def left_rotate(x) y = x.right t2 = y.left # Perform rotation y.left = x x.right = t2 # Update heights x.height = 1 + [height(x.left), height(x.right)].max y.height = 1 + [height(y.left), height(y.right)].max # Return new root y end # Get Balance factor of node N def get_balance(n) n.nil? ? 0 : height(n.left) - height(n.right) end def insert_(key, node = @root) # 1. Perform the normal BST insertion return Node.new(key) if node.nil? if key < node.key node.left = insert_(key, node.left) elsif key > node.key node.right = insert_(key, node.right) else return node # Duplicate keys not allowed end # 2. Update height of this ancestor node node.height = 1 + [height(node.left), height(node.right)].max # 3. Get the balance factor of this ancestor # node to check whether this node became # unbalanced balance = get_balance(node) # If this node becomes unbalanced, then there # are 4 cases # Left Left Case return right_rotate(node) if balance > 1 && key < node.left.key # Right Right Case return left_rotate(node) if balance < -1 && key > node.right.key # Left Right Case if balance > 1 && key > node.left.key node.left = left_rotate(node.left) return right_rotate(node) end # Right Left Case if balance < -1 && key < node.right.key node.right = right_rotate(node.right) return left_rotate(node) end # return the (unchanged) node pointer node end def min_value_node(node) current = node current = current.left until current.left.nil? current end def delete_node(root, key) return root if root.nil? if key < root.key root.left = delete_node(root.left, key) elsif key > root.key root.right = delete_node(root.right, key) elsif root.left.nil? || root.right.nil? temp = root.left.nil? ? root.right : root.left root = if temp.nil? nil else temp end else temp = min_value_node(root.right) root.key = temp.key root.right = delete_node(root.right, temp.key) end return root if root.nil? root.height = 1 + [height(root.left), height(root.right)].max balance = get_balance(root) return right_rotate(root) if balance > 1 && get_balance(root.left) >= 0 if balance > 1 && get_balance(root.left).negative? root.left = left_rotate(root.left) return right_rotate(root) end return left_rotate(root) if balance < -1 && get_balance(root.right) <= 0 if balance < -1 && get_balance(root.right).positive? root.right = right_rotate(root.right) return left_rotate(root) end root end end ############## require 'minitest' class AVLTreeTest < Minitest::Test def setup @tree = AVLTree.new end # 配列を使ってコンストラクタをテストします。 def test_constructor_with_array @tree = AVLTree.new([7, 5, 8]) assert_equal '(5 7 8)', @tree.to_s end def test_height [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } assert_equal '(3 5 7 10 12 15 18)', @tree.to_s assert_equal 'AVLTree(3, 5, 7, 10, 12, 15, 18)', @tree.inspect assert_equal 3, @tree.height @tree.insert 2 assert_equal 4, @tree.height @tree.insert 1 assert_equal 4, @tree.height @tree.insert 0 assert_equal 4, @tree.height @tree.insert(-1) assert_equal 4, @tree.height @tree.insert(-2) assert_equal 4, @tree.height assert_equal 'AVLTree(-2, -1, 0, 1, 2, 3, 5, 7, 10, 12, 15, 18)', @tree.inspect end def test_inorder_traversal [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } expected_output = '3 5 7 10 12 15 18 ' @tree.insert 10 actual_output = capture_stdout { @tree.inorder_traversal { |value| print "#{value} " } } assert_equal expected_output, actual_output end def test_to_indented_s [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } assert_equal(" 3\n 5\n 7\n10\n 12\n 15\n 18\n", @tree.to_indented_s) end def test_search # skip '未実装' [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } assert_equal(true, @tree.search(5)) end def test_delete # skip '未実装' [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } assert_equal 'AVLTree(3, 5, 7, 10, 12, 15, 18)', @tree.inspect @tree.delete(5) assert_equal 'AVLTree(3, 7, 10, 12, 15, 18)', @tree.inspect end # 巨大な木を作るテスト def test_build_large_tree i = 0 n = 1000 open('/usr/share/dict/words') do |f| while (s = f.gets) @tree.insert(s) i += 1 break if i >= n end end assert_equal 10, @tree.height assert_equal n, @tree.count end private # 標準出力をキャプチャして文字列として返す def capture_stdout original_stdout = $stdout $stdout = StringIO.new yield $stdout.string ensure $stdout = original_stdout end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == 赤黒木 == 赤黒木(Red-Black Tree)は、バランス二分木の一種であり、各ノードが追加されたときに特定の条件を満たすように再構築されるデータ構造です。 赤黒木は、以下の性質を持つ木構造です: # 各ノードは「赤」または「黒」の色を持ちます。 # 根(root)ノードは必ず黒である。 # すべての葉(NILノードまたはnullノード)は黒である。 # 赤のノードの子はすべて黒である。 # あるノードからその子孫へのあらゆる単純なパスには、黒いノードの数が同じでなければならない(これは「黒の高さが一定」とも呼ばれます)。 これらの性質により、赤黒木は追加、削除、検索などの操作において、平均的に効率的な性能を提供します。赤黒木は、データベースの索引や標準ライブラリのセットなど、さまざまなアプリケーションで広く使用されています。 === Ruby === 赤黒木(Red-Black Tree)は、BinaryTreeを拡張することで実装できます。赤黒木は、追加の要件として各ノードが「赤」または「黒」の色を持ち、特定の条件(赤の親と赤の子を持たないなど)が満たされる必要があります。以下に、BinaryTreeを継承し、赤黒木を実装する方法を示します。 赤黒木は二分木の一種なので、RedBlackTreeはBinaryTreeを継承し差分プログラミング(difference coding)を試みました。 ;[https://paiza.io/projects/liUahmEy8LBD8ClVc6-lwQ?language=ruby rbt.rb]:<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true require_relative 'bt' class RedBlackTree < BinaryTree class Node attr_accessor :data, :left, :right, :colour, :parent def initialize(data) @data = data @left = nil @right = nil @colour = 'R' @parent = nil end def value @data end def value=(date) @data = date end end def initialize(*args) @root = nil @ll = false # Left-Left Rotation flag @rr = false # Right-Right Rotation flag @lr = false # Left-Right Rotation flag @rl = false # Right-Left Rotation flag case args in [Array(*ary)] if block_given? ary.each { insert yield(_1) } else ary.each { insert _1 } end in [] else raise ArgumentError, "#{self.class}##{__method__}: #{args.inspect}" end end # Public method to insert data into the tree def insert(data) if @root.nil? @root = Node.new(data) @root.colour = 'B' else @root = insert_help(@root, data) end end # ツリーの文字列表現を返します。 # # Returns ツリーを表す文字列。 def to_s = "(#{to_a.join ' '})" # ツリーのデバッグ用表現を返します。 # # Returns デバッグ用表現を表す文字列。 def inspect ="#{self.class}(#{to_a.join ', '})" private # Function to perform left rotation def rotate_left(node) x = node.right y = x.left x.left = node node.right = y node.parent = x y.parent = node unless y.nil? x end # Function to perform right rotation def rotate_right(node) x = node.left y = x.right x.right = node node.left = y node.parent = x y.parent = node unless y.nil? x end # Helper function for insertion def insert_help(root, data) f = false if root.nil? return Node.new(data) elsif data < root.data root.left = insert_help(root.left, data) root.left.parent = root f = true if root != @root && root.colour == 'R' && root.left.colour == 'R' elsif data > root.data root.right = insert_help(root.right, data) root.right.parent = root f = true if root != @root && root.colour == 'R' && root.right.colour == 'R' end # Rotate and recolor based on flags if @ll root = rotate_left(root) root.colour = 'B' root.left.colour = 'R' @ll = false elsif @rr root = rotate_right(root) root.colour = 'B' root.right.colour = 'R' @rr = false elsif @rl root.right = rotate_right(root.right) root.right.parent = root root = rotate_left(root) root.colour = 'B' root.left.colour = 'R' @rl = false elsif @lr root.left = rotate_left(root.left) root.left.parent = root root = rotate_right(root) root.colour = 'B' root.right.colour = 'R' @lr = false end # Handle RED-RED conflict if f if root.parent.right == root if root.parent.left.nil? || root.parent.left.colour == 'B' @rl = true if !root.left.nil? && root.left.colour == 'R' @ll = true if !root.right.nil? && root.right.colour == 'R' else root.parent.left.colour = 'B' root.colour = 'B' root.parent.colour = 'R' if root.parent != @root end elsif root.parent.right.nil? || root.parent.right.colour == 'B' @rr = true if !root.left.nil? && root.left.colour == 'R' @lr = true if !root.right.nil? && root.right.colour == 'R' else root.parent.right.colour = 'B' root.colour = 'B' root.parent.colour = 'R' if root.parent != @root end false end root end end require 'minitest' #:Minitest::Test class RedBlackTreeTest < BinaryTreeTest def initialize(*args) super(*args) @target_class = RedBlackTree end def setup @tree = @target_class.new end # 配列を使ってコンストラクタをテストします。 def test_constructor_with_string assert_raises(ArgumentError) { _ = RedBlackTree.new('abc') } end # 配列を使ってコンストラクタをテストします。 def test_constructor_with_array @tree = RedBlackTree.new([7, 5, 8]) assert_equal '(5 7 8)', @tree.to_s end def test_height [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } assert_equal 'RedBlackTree(3, 5, 7, 10, 12, 15, 18)', @tree.inspect assert_equal 3, @tree.height @tree.insert 2 assert_equal 4, @tree.height @tree.insert 1 assert_equal 4, @tree.height @tree.insert 0 assert_equal 4, @tree.height @tree.insert(-1) assert_equal 4, @tree.height @tree.insert(-2) assert_equal 5, @tree.height assert_equal 'RedBlackTree(-2, -1, 0, 1, 2, 3, 5, 7, 10, 12, 15, 18)', @tree.inspect end def test_inorder_traversal [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } expected_output = '3 5 7 10 12 15 18 ' @tree.insert 10 actual_output = capture_stdout { @tree.inorder_traversal { |value| print "#{value} " } } assert_equal expected_output, actual_output end # 巨大な木を作るテスト def test_build_large_tree srand(19) n = 100000 @tree = @target_class.new((0...n).to_a.shuffle) assert_equal 21, @tree.height assert_equal n, @tree.count end private # 標準出力をキャプチャして文字列として返す def capture_stdout original_stdout = $stdout $stdout = StringIO.new yield $stdout.string ensure $stdout = original_stdout end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == Splay木 == Splay木(Splay Tree)は、平衡二分探索木の一種であり、特定のノードへのアクセスを行った際にそのノードを木の根に近づけることで、アクセスされたノードへのアクセス時間を短縮するデータ構造です。 Splay木は以下の特徴を持ちます: # '''動的な再構築''' Splay木は平衡を保つために回転操作を行いますが、他の平衡二分探索木と異なり、特定のバランス条件を保つ必要はありません。代わりに、アクセスされたノードが常に根に来るように動的に再構築されます。 # '''局所性の利用''' アクセスされたノードを根に近づけることで、そのノードの近くのノードへのアクセスが高速化されます。これは、局所性を利用するため、Splay木は実際のデータにおいて効率的な振る舞いを示します。 # '''単純な実装''' 他の平衡二分探索木と比較して、Splay木は実装が比較的単純です。回転操作が基本的な操作であり、特定のバランス条件を保つ必要がないため、実装が容易です。 Splay木は動的なデータ構造として、キャッシュやネットワークルーティング、文字列操作など、さまざまな応用で使用されています。 "Splay"という用語は、英語で「広げる」や「ひろげる」という意味を持ちます。Splay木の名称は、木の操作中に特定のノードを根に近づけるという動作を表現しています。この操作により、アクセスされたノードが木の根に近くなり、そのノードへのアクセスが高速化されるという特性があります。 Splay操作は、木の再構築を伴う動的な操作です。特定のノードがアクセスされると、そのノードを木の根に近づけるために、回転操作などの手法を使用して木の構造を変更します。この操作により、最近アクセスされたノードが高い位置に配置され、その後のアクセスが高速化されることが期待されます。 === Ruby === Splay木を実装するには、二分探索木を継承して、木の操作中にノードを適切な位置まで「スプレー」する必要があります。これは、最後にアクセスされたノードを木の根に持ってくる操作です。以下に、Splay木を実装したコード例を示します。 ;[https://paiza.io/projects/nOcYHb5ABqIXPlqZBOecGg?language=ruby st.rb]:<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true require_relative 'bst' class SplayTree < BinarySearchTree # 二分探索木に値を挿入し、挿入されたノードを根にスプレーします。 # # @param value [Object] 挿入する値 def insert(value) super(value) @root = splay(@root, value) self end # 二分探索木から指定されたキーのノードを検索し、検索されたノードを根にスプレーします。 # # @param key [Object] 検索するキー # @return [Boolean] ノードが見つかればtrue、見つからなければfalse def search(key) found = super(key) @root = splay(@root, key) found end private # ノードを根にスプレーする操作を行います。 # # @param node [Node, nil] 現在のノード # @param key [Object] スプレーする対象のキー # @return [Node] スプレー後の木の根 def splay(node, value) return node if node.nil? || node.value == value if node.value > value return node if node.left.nil? if node.left.value > value node.left.left = splay(node.left.left, value) node = right_rotate(node) elsif node.left.value < value node.left.right = splay(node.left.right, value) node.left = left_rotate(node.left) if node.left.right end node.left.nil? ? node : right_rotate(node) else return node if node.right.nil? if node.right.value > value node.right.left = splay(node.right.left, value) node.right = right_rotate(node.right) if node.right.left elsif node.right.value < value node.right.right = splay(node.right.right, value) node = left_rotate(node) end node.right.nil? ? node : left_rotate(node) end end # ノードを右に回転します。 # # @param node [Node] 回転の対象となるノード # @return [Node] 回転後のノード def right_rotate(x) y = x.left x.left = y.right y.right = x y end # ノードを左に回転します。 # # @param node [Node] 回転の対象となるノード # @return [Node] 回転後のノード def left_rotate(x) y = x.right x.right = y.left y.left = x y end end require 'minitest' #:Minitest::Test class SplayTreeTest < BinarySearchTreeTest def initialize(*args) super(*args) @target_class = SplayTree end def setup @tree = @target_class.new end # 配列を使ってコンストラクタをテストします。 def test_constructor_with_string assert_raises(ArgumentError) { _ = @target_class.new('abc') } end # 配列を使ってコンストラクタをテストします。 def test_constructor_with_array @tree = @target_class.new([7, 5, 8]) assert_equal '(5 7 8)', @tree.to_s end # 配列とブロックを使ってコンストラクタをテストします。 def test_constructor_with_array_with_block @list = @target_class.new([7, 5, 8]) { |i| 2 * i + 1 } assert_equal '(11 15 17)', @list.to_s assert_equal 'SplayTree(11, 15, 17)', @list.inspect end def test_height [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } assert_equal "#{@target_class}(3, 5, 7, 10, 12, 15, 18)", @tree.inspect assert_equal 7, @tree.height @tree.insert 2 assert_equal 6, @tree.height @tree.insert 1 assert_equal 7, @tree.height @tree.insert 0 assert_equal 8, @tree.height @tree.insert(-1) assert_equal 9, @tree.height @tree.insert(-2) assert_equal 10, @tree.height assert_equal "#{@target_class}(-2, -1, 0, 1, 2, 3, 5, 7, 10, 12, 15, 18)", @tree.inspect end def test_inorder_traversal [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } expected_output = '3 5 7 10 12 15 18 ' @tree.insert 10 actual_output = capture_stdout { @tree.inorder_traversal { |value| print "#{value} " } } assert_equal expected_output, actual_output end # 巨大な木を作るテスト def test_build_large_tree srand(19) n = 100000 @tree = @target_class.new((0...n).to_a.shuffle) assert_equal 45, @tree.height assert_equal n, @tree.count end ## Override def test_dfs [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } expected_output = '18 15 12 10 7 3 5 ' assert_equal(expected_output, capture_stdout { @tree.dfs { |value| print "#{value} " } }) assert_equal(expected_output, capture_stdout do enum = @tree.dfs enum.each do |value| print "#{value} " end end) end def test_bfs [10, 5, 15, 3, 7, 12, 18].each { @tree.insert _1 } expected_output = '18 15 12 10 7 3 5 ' assert_equal(expected_output, capture_stdout { @tree.bfs { |value| print "#{value} " } }) assert_equal(expected_output, capture_stdout do enum = @tree.bfs enum.each do |value| print "#{value} " end end) end def test_inspect @tree.insert(1) assert_equal "#{@target_class}(1)", @tree.inspect @tree.insert(3) assert_equal "#{@target_class}(1, 3)", @tree.inspect @tree.insert(2) assert_equal "#{@target_class}(1, 2, 3)", @tree.inspect @tree.insert(0) assert_equal "#{@target_class}(0, 1, 2, 3)", @tree.inspect end # insertメソッドが要素をツリーに追加することをテストします。 def test_insert_adds_element_to_end_of_list @tree.insert(1) assert_equal '(1)', @tree.to_s @tree.insert(2) assert_equal '(1 2)', @tree.to_s @tree.insert(-1) assert_equal '(-1 1 2)', @tree.to_s assert_equal false, @tree.search(0) assert_equal true, @tree.search(1) begin assert_equal 'NaN', @tree.search(0.0 / 0.0) rescue StandardError 'NaN' end @tree.delete 1 assert_equal '(-1 2)', @tree.to_s @tree.delete 0 assert_equal '(-1 2)', @tree.to_s @tree.delete(-2) assert_equal '(-1 2)', @tree.to_s @tree.delete 3 assert_equal '(-1 2)', @tree.to_s @tree.delete(-1) assert_equal '(2)', @tree.to_s @tree.delete 2 assert_equal '()', @tree.to_s end private # 標準出力をキャプチャして文字列として返す def capture_stdout original_stdout = $stdout $stdout = StringIO.new yield $stdout.string ensure $stdout = original_stdout end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == N分木 == N分木(N-ary tree)は、各ノードが複数の子ノードを持つ木構造のデータ構造です。N分木では、各ノードが0個以上の子ノードを持つことができます。特に、2分木(binary tree)は、各ノードが最大2つの子ノードを持つN分木の特別なケースです。 N分木は、階層的なデータを表現するのに便利であり、グラフィカルなツリー構造やディレクトリ構造など多くの場面で使用されます。例えば、ファイルシステムのディレクトリ構造、組織図、XMLやHTMLのドキュメントツリーなどがあります。 N分木の特性は、探索や操作が容易であり、特定のノードに効率的にアクセスできることです。また、再帰的な性質を持つため、再帰的なアルゴリズムがしばしば使用されます。 === Ruby === ;[https://paiza.io/projects/2PdgI4pV3DZiPu7_xaAI4w?language=ruby NaryTree.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class NaryTree include Enumerable class NaryTreeNode attr_accessor :value, :children def initialize(value) @value = value @children = [] end def add_child(child) = @children << child def each(&block) yield @value @children.each do |child| child.each(&block) end end end def initialize(root_value) @root = NaryTreeNode.new(root_value) end def each(&block) = @root.each(&block) def to_s = to_a.to_s def inspect = to_a.inspect def children = @root.children def value = @root.value def add_child(value, parent_value) parent_node = find_node(parent_value) parent_node.add_child(NaryTreeNode.new(value)) end def find_node(value, node = @root) return node if node.value == value node.children.each do |child| result = find_node(value, child) return result if result end nil end end require 'minitest' class NaryTreeTest < Minitest::Test def setup @tree = NaryTree.new(1) @tree.add_child(2, 1) @tree.add_child(3, 1) @tree.add_child(4, 2) @tree.add_child(5, 2) @tree.add_child(6, 3) end def test_node_value assert_equal 1, @tree.value end def test_node_children_count assert_equal 2, @tree.children.length assert_equal 2, @tree.children[0].children.length assert_equal 1, @tree.children[1].children.length end def test_node_add_child @tree.add_child(7, 2) assert_equal 3, @tree.children[0].children.length assert_equal 7, @tree.children[0].children.last.value end def test_find_node assert_equal 5, @tree.find_node(5)&.value assert_nil @tree.find_node(123)&.value end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == トライ木 == トライ木(Trie tree)は、キーを格納するためのデータ構造であり、特に文字列の検索や辞書の実装に使用されます。各ノードは文字を表し、通常はルートから葉まで単語やキーの一部が並びます。トライ木は、キーの挿入、削除、検索などの操作を効率的に行うことができます。 === Ruby === ;[https://paiza.io/projects/2PdgI4pV3DZiPu7_xaAI4w?language=ruby Trie.rb] :<syntaxhighlight lang=ruby> # frozen_string_literal: true class Trie include Enumerable class TrieNode attr_accessor :children, :is_end_of_word def initialize @children = {} @is_end_of_word = false end end def initialize @root = TrieNode.new end def insert(word) node = @root word.each_char do |char| node.children[char] ||= TrieNode.new node = node.children[char] end node.is_end_of_word = true end def search(word) node = search_node(word) node&.is_end_of_word end def starts_with(prefix) node = search_node(prefix) !!node end private def search_node(word) node = @root word.each_char do |char| return nil unless node.children[char] node = node.children[char] end node end end require 'minitest' class TrieTest < Minitest::Test def setup @trie = Trie.new @trie.insert('apple') @trie.insert('banana') @trie.insert('application') end def test_insert_and_search assert @trie.search('apple') assert @trie.search('banana') assert @trie.search('application') refute @trie.search('app') refute @trie.search('orange') end def test_starts_with assert @trie.starts_with('app') refute @trie.starts_with('or') end end Minitest.run if $PROGRAM_NAME == __FILE__ </syntaxhighlight> == トピックス == ツリーに関連するトピックスには、バランス木、二分木、赤黒木、ヒープなどがあります。これらのトピックスは、ツリーを特定の目的や制約に合わせて最適化するための手法やアルゴリズムを提供します。 == ユースケース == ツリーは、データベースやファイルシステム、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)など、さまざまな分野で幅広く利用されています。例えば、ファイルシステムではディレクトリやファイルの階層構造を表現し、データベースではインデックス構造やクエリ最適化に使用されます。 == ベストプラクティス == ツリーを効果的に使用するためのベストプラクティスには、適切なツリーの選択、適切なアルゴリズムの適用、バランスの取れたツリーの維持などが含まれます。また、メモリ使用量や検索速度などのパフォーマンスにも配慮する必要があります。 == イディオム == ツリーに関連するプログラミングのイディオムには、再帰的なアルゴリズムの使用や深さ優先探索、幅優先探索などがあります。これらのイディオムは、ツリーを操作する際の一般的なアプローチを示しています。 == 計算機科学における「ツリー」とは? == [[Category:プログラミング]] [[Category:ツリー]]
2024-02-08T03:55:38Z
2024-03-12T02:48:48Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%A7%8B%E9%80%A0
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中学校保健体育/感染症の広がり方
★細菌とウイルスの違い ★感染症の例
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "★細菌とウイルスの違い", "title": "病原体とその感染経路" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "★感染症の例", "title": "病原体とその感染経路" } ]
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>感染症の広がり方 感染症はどのように私達の体内に入り、他の人へ移りますか? == キーワード == 病原体・感染症・感染・感染・感染経路・発病 == 病原体とその感染経路 == ※様々な感染症の病原体の種類と感染経路を調べてみましょう。 外から'''病原体'''(細菌やウイルスなど)が私達の体に入ると、'''感染症'''になります。病原体の種類が違うと、感染経路も違います。病原体はそれぞれの感染経路から私達の体内に入ります。体内に入ると、増殖しやすい場所にすみつきます('''感染''')。もし、妊娠中に母親が風疹にかかると、胎児にも感染します。 ★細菌とウイルスの違い [1]細菌 1個の細胞が分かれて、より多くの細胞を作っています。人間と違って細胞壁があります。抗生物質を使うと、細胞壁を作れなくなり、細胞も死んでしまいます。 [2]ウイルス 細胞を持っていなくても、人間の細胞の中に入り込んで、自分のコピーを作り出します。そのため、抗生物質を使っても、ウイルスに効きません。近年、抗ウイルス薬の研究や開発が進められています。 ★感染症の例 {| class="wikitable" !病名 !病原体 !主な感染経路 !潜伏期間 !主な症状 |- !インフルエンザ |インフルエンザウイルス | rowspan="2" |感染者が咳やくしゃみをして、 他の人にうつります。 感染者がドアノブなどを触れて、 他の人がそのドアノブなどを触ると、 その手が口や鼻に当たります。 |1~3日 | * 高い発熱 * 頭痛 * だるさ * 筋肉痛 * 関節痛 * 咳 * 鼻水 * 喉の痛み |- !風疹 |風疹ウイルス |14~21日 | * 発熱 * 発疹 * リンパ節の腫れ |- !麻疹(はしか) |麻疹ウイルス | rowspan="2" |感染者が咳やくしゃみをすると、 病原体も空気中に出されます。 それを、他の人が吸い込んで感染します。 |8~12日 | * 高い発熱 * 発疹 * 咳 * 目の充血 * 鼻水 |- !結核 |結核菌(細菌) |2年以内 | * 発熱 * 体重減少 * 顔色不良 * 寝汗 * 長引く咳 * 痰 |- !ノロウイルス感染症 |ノロウイルス | rowspan="2" | * 感染者の嘔吐物や糞便 * 細菌やウイルス入りの水や食品 |12~48時間 | * 嘔吐 * 下痢 |- !コレラ |コレラ菌(細菌) |1~3日 | * 嘔吐 * 下痢 |- !マラリア |マラリア原虫 |蚊はマラリア原虫を持っており、 その蚊に刺されたら感染します。 |10~30日 | * 高い発熱 * 貧血 |- !デング熱 |デングウイルス |蚊はデングウイルスを持っており、 その蚊に刺されると感染します。 |3~7日 | * 発熱 * 頭痛 * 筋肉痛 * 関節痛 * 腹痛 * 発疹 |} ★様々な感染症の病原体<gallery widths="150" heights="100"> ファイル:H1N1 Influenza Virus Particles (8411599236).jpg|インフルエンザ ファイル:Novel Coronavirus SARS-CoV-2 (49597020648).jpg|新型コロナウイルス ファイル:TB Culture.jpg|結核 ファイル:Rubella virus TEM B82-0203 lores.jpg|風疹ウイルス </gallery> == 感染症は様々な条件で拡大 == ※感染症はどのように広がりますか。 病原体に感染すると、体に発熱などの症状が現れます('''発病''')。潜伏期間は、感染してから発病までの期間をいいます。 感染症の中でも、インフルエンザは冬によく発生します。また、感染症は人通りの激しい場所や衛生状態の悪い場所で広がりやすくなります。このように、'''自然環境'''(温度・湿度など)と'''社会環境'''(住居・人口密度・交通機関など)の双方が、感染症の発生に影響を与えています。 病原体が体内に入っても、感染しない場合もあります。もし、感染しても発病しない場合もあります。感染症の発症は、栄養状態や抵抗力なども関係するからです。 {| style="border:2px solid #D98032;width:100%" cellspacing="0" ! style="background:#D98032" |日本の結核は、まだまだ多い |- | style="padding:5px" |かつて死因の中でも結核は第1位を占めていました。その後、治療薬の使用と予防接種(BCG)によって、結核も減少しています。しかし、現在でも日本の結核感染者は毎年約1万7000人を記録しています。日本の結核感染者は先進諸国と比べても、かなり多くなっています。近年、耐性結核菌が流行ったり、都市部を中心に不特定多数の人が集まりやすい場所で感染したりします。 |} 様々な問題が感染症にあります。具体的には次の通りです。 * エイズ・新型インフルエンザ・新型コロナウイルス(COVID-19)などの新しい感染症(新興感染症)が生まれています。 * 結核のように一度消滅しても、再び世界各地で流行しています。 * 耐性病原体が増えています。 ★感染経路 [1]飛沫感染(インフルエンザ・風疹・新型コロナウイルス感染症など) 感染者が咳やくしゃみをして、その飛沫(しぶき)を吸いこんで感染します。 [2]空気感染(麻疹・結核など) 飛沫の水分が蒸発して軽くなり、空気中の浮遊物を吸い込むと感染します。強い感染力を持っています。 [3]経口感染(ノロウイルス感染症など) 汚染食品や汚染飲料から病原体が体の中に入って感染します。 {| style="border:2px solid #EA5419;width:100%" cellspacing="0" ! style="background:#EA5419" |インフルエンザにかかったら |- | style="padding:5px" |インフルエンザウイルスに感染すると、ほとんどの場合、発症前日から発症後3~7日間まで、鼻や喉からウイルスを飛ばします。この期間は、他の人に移さないためにも、外出を控えましょう。中学生の場合、インフルエンザ発病後5日間・解熱後2日間を過ぎるまで、学校を休まなければなりません[学校保健安全法施行規則]。 |} また、交通機関が整備され、人や物を自由に移動出来るようになると、感染症も世界中に広がりやすくなります。さらに、新たな感染症(新興感染症)が広がると、患者やその家族に偏見を持たれたり、差別を受けやすくなったりします。その結果、人権問題につながります。 ★インフルエンザウイルスと湿度・温度の関係 * 温度が高く、湿度も高かったら、ウイルスの生存率も下がります。 * 気温が低く、湿度も低かったら、ウイルスの生存率も高まります。 ★新型インフルエンザウイルスはどのようにして作られますか? 鳥インフルエンザウイルスとヒトインフルエンザウイルスが豚に感染すると、それぞれの遺伝子が組み合わります。それぞれの遺伝子が組み合わさると、新しいインフルエンザウイルスが生まれます。新しい型に変わると、それまでの薬が効かなくなります。 == 資料出所 == * 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年 * 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年 [[カテゴリ:中学校保健体育]] [[カテゴリ:感染症]]
2024-02-08T08:31:43Z
2024-02-10T09:27:21Z
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ウィキブックス・スクール/化学基礎/1
こんばんは。ウィキブックス・スクール/化学基礎/1へようこそ。高校化学基礎、今回から第3講まではほぼ暗記ですね。皆さんの中には、化学で苦しんでる方も、ずいぶん多いでしょうけれど、とりあえずは この2つで結構。板書はある程度カラフルにとった方がいいですよ。よく「綺麗なノート作りはバカのやることだ。ブー」とか「偉いやつのノートは意外と汚ねー。おー」とか言ってる奴がいますけど、気にしない。そんな蛇ののたうちまわってるような字のノートなんかとったってなんの意味もないんだから。ある程度色使ったほうがやる気もでるもんですよ。 皆さんね、やる気がなきゃ何にも出来やしませんよ。だってそうでしょ?やる気がない→やらない→わからん→さらに嫌になる。最悪のパターンです。特に化学は突然わからなくなることが多いし、わかんなくなったらその後も分からなくなるので、「やる気がでねー」とか言ってたらまさに一巻の終わりですよ。 嫌でしょ?頑張りましょうよ。 授業の組み立て方だけど、とりあえずバーっとメモとってもらって、ちゃちゃっと練習問題解いて、という感じですか。復習は確認テストをうけてもらうことくらいですか。合格点は90点。問題数も多く、難しいのもあるので、いい復習になるから。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "こんばんは。ウィキブックス・スクール/化学基礎/1へようこそ。高校化学基礎、今回から第3講まではほぼ暗記ですね。皆さんの中には、化学で苦しんでる方も、ずいぶん多いでしょうけれど、とりあえずは", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "この2つで結構。板書はある程度カラフルにとった方がいいですよ。よく「綺麗なノート作りはバカのやることだ。ブー」とか「偉いやつのノートは意外と汚ねー。おー」とか言ってる奴がいますけど、気にしない。そんな蛇ののたうちまわってるような字のノートなんかとったってなんの意味もないんだから。ある程度色使ったほうがやる気もでるもんですよ。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "皆さんね、やる気がなきゃ何にも出来やしませんよ。だってそうでしょ?やる気がない→やらない→わからん→さらに嫌になる。最悪のパターンです。特に化学は突然わからなくなることが多いし、わかんなくなったらその後も分からなくなるので、「やる気がでねー」とか言ってたらまさに一巻の終わりですよ。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "嫌でしょ?頑張りましょうよ。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "授業の組み立て方だけど、とりあえずバーっとメモとってもらって、ちゃちゃっと練習問題解いて、という感じですか。復習は確認テストをうけてもらうことくらいですか。合格点は90点。問題数も多く、難しいのもあるので、いい復習になるから。", "title": "" } ]
こんばんは。ウィキブックス・スクール/化学基礎/1へようこそ。高校化学基礎、今回から第3講まではほぼ暗記ですね。皆さんの中には、化学で苦しんでる方も、ずいぶん多いでしょうけれど、とりあえずは 紙 ペン この2つで結構。板書はある程度カラフルにとった方がいいですよ。よく「綺麗なノート作りはバカのやることだ。ブー」とか「偉いやつのノートは意外と汚ねー。おー」とか言ってる奴がいますけど、気にしない。そんな蛇ののたうちまわってるような字のノートなんかとったってなんの意味もないんだから。ある程度色使ったほうがやる気もでるもんですよ。 皆さんね、やる気がなきゃ何にも出来やしませんよ。だってそうでしょ?やる気がない→やらない→わからん→さらに嫌になる。最悪のパターンです。特に化学は突然わからなくなることが多いし、わかんなくなったらその後も分からなくなるので、「やる気がでねー」とか言ってたらまさに一巻の終わりですよ。 嫌でしょ?頑張りましょうよ。 授業の組み立て方だけど、とりあえずバーっとメモとってもらって、ちゃちゃっと練習問題解いて、という感じですか。復習は確認テストをうけてもらうことくらいですか。合格点は90点。問題数も多く、難しいのもあるので、いい復習になるから。
こんばんは。{{PAGENAME}}へようこそ。高校化学基礎、今回から第3講まではほぼ暗記ですね。皆さんの中には、化学で苦しんでる方も、ずいぶん多いでしょうけれど、とりあえずは *紙 *ペン この2つで結構。板書はある程度カラフルにとった方がいいですよ。よく「綺麗なノート作りはバカのやることだ。ブー」とか「偉いやつのノートは意外と汚ねー。おー」とか言ってる奴がいますけど、気にしない。そんな蛇ののたうちまわってるような字のノートなんかとったってなんの意味もないんだから。<ins>ある程度色使ったほうがやる気もでる</ins>もんですよ。 皆さんね、'''やる気がなきゃ何にも出来やしませんよ。'''だってそうでしょ?やる気がない→やらない→わからん→さらに嫌になる。最悪のパターンです。特に化学は突然わからなくなることが多いし、わかんなくなったらその後も分からなくなるので、「やる気がでねー」とか言ってたらまさに一巻の終わりですよ。 嫌でしょ?頑張りましょうよ。 それからもう一つ。勉強してると、絶対「わかんねーなー!」と思うとこがあるんですね。'''飛ばしなさい。'''考えて考えて、分かんなかったら解説見て、それでも分からなかったら放っておく!だって、そんなどうでもいい疑問に拘ってたってなんにもならないんだから。「どうして塩化水素1モルは塩素1モルと水素1モルに分かれるんだろう??????」<ins>そういうもの。</ins>分からなければ放っておいて、どんどん先へ進む!なぜなら、'''どうでもいいことに取り合ってると、自分まで「どうでもいい人間」になる'''から。みんなが中和の単元まで進んでいるのに、自分だけモルで頭が止まっている。そんなん嫌じゃん。 授業の組み立て方だけど、とりあえずバーっとメモとってもらって、ちゃちゃっと練習問題解いて、という感じですか。復習は確認テストをうけてもらうことくらいですか。'''合格点は90点。'''問題数も多く、難しいのもあるので、いい復習になるから。 == 物質について == では。化学っていうのは、「物質」を扱う学問なんですね。じゃあその物質ってなんですかというと、「<ins>質量のあるもの</ins>」を指すんですね。簡単ですね。これ覚えとくと面白いですよ。 で、物質の体系的な分け方の一つとして「'''純物質'''」と「'''混合物'''」というのがあります。なんなんでしょうね。 *純物質→<ins>化学的に一定の組成を持ち、物理的操作で分けられないもの</ins> 例:酸素・金・塩化ナトリウム *混合物→2種以上の物質が'''化学的結合をせず'''ごった煮になっているもの。物理的操作で分けられる。 例:食塩水・石油・空気 というわけですね。「物理的」っていうのは、物理学で捉えられるもののことで、「化学的」とは異なります。「化学的」というのは「<ins>物質の組成・性質が変化する</ins>」変化のことですね。 {{デフォルトソート:ういきふつくすすくうる|かかくきそ|1}} [[Category:ウィキブックス・スクール|かかくきそ1]] [[カテゴリ:高等学校化学]]
2024-02-08T13:00:33Z
2024-02-09T10:11:29Z
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中学校高等学校保健体育実技編/バレーボール
※下記、2冊を読み比べて執筆しました。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "※下記、2冊を読み比べて執筆しました。", "title": "資料出所" } ]
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[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>[[中学校高等学校保健体育実技編]]>バレーボール [[高等学校の学習]]>[[高等学校保健体育]]>[[中学校高等学校保健体育実技編]]>バレーボール == 歴史 == === 発祥 === == 資料出所 == ※下記、2冊を読み比べて執筆しました。 * 佐伯年詩雄ほか編著 年度版『中学体育実技』学研教育みらい * 高橋健夫ほか編著 年度版『ステップアップ高校スポーツ』大修館書店  [[カテゴリ:中学校保健体育]] [[カテゴリ:高等学校保健体育]]
2024-02-08T18:14:49Z
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データ構造とアルゴリズム
データ構造とアルゴリズムは、コンピュータサイエンスにおける基礎的な概念であり、プログラミングやソフトウェア開発において重要な役割を果たします。 データ構造はデータを組織化し、効率的な操作を可能にする方法を提供し、アルゴリズムは特定のタスクを実行する手順や方法論を示します。 これらの概念は、効率的なソフトウェアの設計や問題解決に欠かせません。 まず、データ構造について考えてみましょう。 データ構造は、データを格納し、操作するための方法を定義します。 例えば、配列やリスト、木構造、ハッシュテーブルなどがあります。 それぞれのデータ構造は、異なる目的や要件に適しています。 例えば、配列はランダムアクセスが高速であり、リストは挿入や削除が容易ですが、検索には効率が悪いという特性があります。 次に、アルゴリズムについて考えてみましょう。 アルゴリズムは、特定の問題を解決するための手順や手法を示します。 例えば、ソートアルゴリズムや探索アルゴリズムがあります。 ソートアルゴリズムはデータを順序付ける方法を提供し、探索アルゴリズムは特定の値を見つける方法を提供します。 効率的なアルゴリズムの選択は、プログラムの実行速度やリソース使用量に大きな影響を与えます。 データ構造とアルゴリズムは、ソフトウェア開発において以下のような役割を果たします。 データ構造とアルゴリズムは、プログラミングとソフトウェア開発の基盤をなす重要な概念であり、その理解は効率的で高性能なソフトウェアを開発するために不可欠です。 データ構造は、コンピュータプログラム内でデータを組織化するための方法を定義します。効率的なデータ構造の選択は、プログラムの実行速度やメモリ使用量に大きな影響を与えます。 データ構造の中には、特定の操作(検索、挿入、削除など)に対して効率的なものがあります。例えば、ハッシュテーブルは高速な検索を提供し、リスト構造は動的なサイズ変更が容易です。プログラムの要件やデータの性質に応じて、適切なデータ構造を選択することが重要です。 また、データ構造はメモリ使用量にも影響を与えます。効率的なメモリ使用を実現するためには、データの組織化やデータ構造の選択が重要です。メモリの効率的な利用は、プログラムのパフォーマンスやスケーラビリティに直結します。 さらに、データ構造はプログラムの保守性や拡張性にも影響を与えます。適切に設計されたデータ構造は、プログラムの理解や変更が容易になります。逆に、不適切なデータ構造は、コードの複雑さやバグの発生リスクを増大させる可能性があります。 データ構造は、次のような機能を持ちます。 データの組織化は、情報を論理的なグループに分類し、整理するプロセスです。これにより、データが意味を持ち、効率的に管理できるようになります。 例えば、配列やリストなどのデータ構造を使用することで、複数の要素を1つの単位として管理することができます。 データの組織化によって効率的な操作を実現することが重要です。効率的な操作は、高速な検索、挿入、削除などの処理を可能にします。適切なデータ構造を選択することで、これらの操作をより効率的に行うことができます。 適切なデータ構造の選択は、メモリの使用量を最小限に抑えながら、データを効率的に格納することができます。メモリの最適利用は、プログラムのパフォーマンス向上に直結します。 主なデータ構造には、次のようなものがあります。 配列(Array)は、メモリ上に連続した領域に要素を格納するデータ構造です。配列は固定長であり、同じデータ型の要素を順序付けて保存します。配列の各要素は、インデックス(通常はゼロから始まる整数)によって一意に識別されます。 配列は次のような特徴を持ちます: 配列は多くのプログラミング言語で基本的なデータ構造として提供されており、効率的なメモリ利用と高速なアクセスを提供します。ただし、挿入や削除といった操作は、要素の移動が伴うため、効率的ではありません。 リスト構造(Linked List)は、要素がポインタで繋がったデータ構造です。各要素は、データを格納する部分と、次の要素へのポインタ(参照)を持ちます。このポインタによって、リスト内の要素が順序付けられ、連結されます。 リスト構造は次のような特徴を持ちます: リスト構造は、特に要素の挿入や削除が頻繁に行われる場合や、動的なサイズ変更が必要な場合に適しています。一方で、ランダムアクセスが頻繁に行われる場合には、配列などの他のデータ構造を検討する必要があります。 スタック構造(Stack)は、Last In, First Out(LIFO)の原則に基づいて要素が追加・削除されるデータ構造です。スタックでは、要素の追加と削除が特定の端(通常は一方向)からのみ行われます。 スタックには主に以下の操作があります: スタックは、プログラムで一時的なデータの保存や操作の履歴の管理など、さまざまな用途で使用されます。例えば、関数呼び出しの履歴を管理するのに使用されることがあります。また、逆ポーランド記法などの数式の評価にも利用されます。 スタックは効率的なデータ構造であり、プッシュとポップの操作が一定の時間で行えるため、一時的なデータの保存や操作に適しています。 キュー(Queue)は、First In, First Out(FIFO)の原則に基づいて要素が追加・削除されるデータ構造です。キューでは、新しい要素はキューの末尾に追加され、最初に追加された要素が最初に削除されます。 主な操作としては以下があります: キューは、さまざまなアプリケーションで使用されます。例えば、ジョブキューイングシステムやバッチ処理システムなど、リソースの管理やタスクの処理順序の管理に使用されます。また、マルチスレッドプログラミングにおいて、スレッド間の安全なデータ共有や通信にも使用されます。 キューは、要素の追加と削除がそれぞれ一定の時間で行えるため、タスクの待ち行列を効率的に処理するために適しています。 ツリー構造(Tree)は、階層的な関係を持つノードで構成されるデータ構造です。ツリー構造は、根ノード(root node)から始まり、それぞれのノードが1つまたは複数の子ノードを持つ階層的な構造を持ちます。 ツリー構造には次のような特徴があります: ツリー構造は、データの階層的な組織化や検索、ソートなどに広く使用されます。代表的なツリー構造には、二分木(Binary Tree)、平衡二分木(Balanced Binary Tree)、赤黒木(Red-Black Tree)などがあります。 グラフ構造(Graph)は、ノード(頂点)とエッジ(辺)で構成されるデータ構造です。グラフでは、ノードは個々の要素やオブジェクトを表し、エッジはノード同士を接続する関係を表現します。グラフは、実世界のさまざまな関係性やネットワーク構造をモデル化するために使用されます。 グラフ構造には次のような特徴があります: グラフ構造は、ネットワーク構造、交通ネットワーク、社会ネットワーク、電力ネットワークなど、さまざまな領域で幅広く使用されています。グラフアルゴリズムやグラフ理論は、グラフの解析、最短経路探索、最小カット問題など、様々な問題の解決に役立ちます。 ハッシュテーブル(Hash Table)は、キーと値のペアを関連付けるデータ構造です。ハッシュテーブルでは、キーをハッシュ関数によって計算されたハッシュ値に変換し、そのハッシュ値を配列のインデックスとして使用します。この方式により、高速なデータの挿入、検索、削除が可能になります。 ハッシュテーブルには以下のような特徴があります: ハッシュテーブルは、データベースの索引、キャッシュの実装、高速なデータ検索など、多くのアプリケーションで広く使用されています。効率的なキーと値の関連付けを提供し、高速なデータ操作を実現します。 ヒープ (Heap) は、完全二分木をベースにしたデータ構造で、通常は配列で実装されます。ヒープは主に優先度付きキューを実装するために使用されます。 ヒープには次のような特徴があります: ヒープは、優先度付きキューやソートアルゴリズム(ヒープソートなど)など、さまざまなアプリケーションで使用されます。効率的な操作と完全二分木の性質を利用して、データの管理や処理を行います。 プログラミングにおけるセット(Set; 集合)は、数学の集合論に基づいて設計されたデータ構造です。集合は、重複を許さず、順序がない要素の集まりを表します。プログラミングにおいて、集合は異なる要素の集まりを表現し、その要素に対する操作を提供します。 集合の特徴は次の通りです: プログラミング言語における集合の実装にはいくつかの方法がありますが、主なものには以下のようなものがあります: プログラミング言語によっては、標準ライブラリや外部ライブラリに集合を表現するための特別なデータ構造が用意されていることもあります。これらのデータ構造を使用することで、集合に対する操作を簡単に実行できます。 アルゴリズムは、特定の問題を解決するための手順や方法論を示します。 効率的なアルゴリズムの選択は、プログラムの実行速度やリソース使用量に大きな影響を与えます。 アルゴリズムは、以下のような機能を持ちます。 主なアルゴリズムには、ソートアルゴリズム、探索アルゴリズム、グラフアルゴリズムなどがあります。それぞれのアルゴリズムは、特定の問題やデータ構造に適しています。例えば、バブルソートやクイックソートなどのソートアルゴリズムは、データの順序付けに使用されます。探索アルゴリズムは、リストや木などのデータ構造内で特定の値を見つけるために使用されます。 データ構造とアルゴリズムは、ソフトウェア開発において不可欠な要素であり、効率的なプログラムの設計や問題解決に欠かせません。この記事では、データ構造とアルゴリズムの基本的な概念と役割について解説しました。
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"主なアルゴリズムには、ソートアルゴリズム、探索アルゴリズム、グラフアルゴリズムなどがあります。それぞれのアルゴリズムは、特定の問題やデータ構造に適しています。例えば、バブルソートやクイックソートなどのソートアルゴリズムは、データの順序付けに使用されます。探索アルゴリズムは、リストや木などのデータ構造内で特定の値を見つけるために使用されます。", "title": "アルゴリズム" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "データ構造とアルゴリズムは、ソフトウェア開発において不可欠な要素であり、効率的なプログラムの設計や問題解決に欠かせません。この記事では、データ構造とアルゴリズムの基本的な概念と役割について解説しました。", "title": "アルゴリズム" } ]
データ構造とアルゴリズムは、コンピュータサイエンスにおける基礎的な概念であり、プログラミングやソフトウェア開発において重要な役割を果たします。 データ構造はデータを組織化し、効率的な操作を可能にする方法を提供し、アルゴリズムは特定のタスクを実行する手順や方法論を示します。 これらの概念は、効率的なソフトウェアの設計や問題解決に欠かせません。 まず、データ構造について考えてみましょう。 データ構造は、データを格納し、操作するための方法を定義します。 例えば、配列やリスト、木構造、ハッシュテーブルなどがあります。 それぞれのデータ構造は、異なる目的や要件に適しています。 例えば、配列はランダムアクセスが高速であり、リストは挿入や削除が容易ですが、検索には効率が悪いという特性があります。 次に、アルゴリズムについて考えてみましょう。 アルゴリズムは、特定の問題を解決するための手順や手法を示します。 例えば、ソートアルゴリズムや探索アルゴリズムがあります。 ソートアルゴリズムはデータを順序付ける方法を提供し、探索アルゴリズムは特定の値を見つける方法を提供します。 効率的なアルゴリズムの選択は、プログラムの実行速度やリソース使用量に大きな影響を与えます。 データ構造とアルゴリズムは、ソフトウェア開発において以下のような役割を果たします。 効率性の向上: 適切なデータ構造とアルゴリズムの選択により、プログラムの実行時間やメモリ使用量を最適化することができます。 問題解決の手段: 特定の問題に対して最適な解決策を提供するための基盤となります。例えば、特定のデータのソートや検索などの処理を行う際には、それに最適なデータ構造とアルゴリズムを選択する必要があります。 アプリケーションの設計と最適化: データ構造とアルゴリズムは、アプリケーションの設計段階から最適化段階まで、ソフトウェア開発のあらゆる段階で重要な役割を果たします。 共通言語: データ構造とアルゴリズムは、プログラマーの間で共通の言語として機能し、問題の議論や解決策の共有に役立ちます。 データ構造とアルゴリズムは、プログラミングとソフトウェア開発の基盤をなす重要な概念であり、その理解は効率的で高性能なソフトウェアを開発するために不可欠です。
データ構造とアルゴリズムは、コンピュータサイエンスにおける基礎的な概念であり、プログラミングやソフトウェア開発において重要な役割を果たします。 データ構造はデータを組織化し、効率的な操作を可能にする方法を提供し、アルゴリズムは特定のタスクを実行する手順や方法論を示します。 これらの概念は、効率的なソフトウェアの設計や問題解決に欠かせません。 まず、データ構造について考えてみましょう。 データ構造は、データを格納し、操作するための方法を定義します。 例えば、配列やリスト、木構造、ハッシュテーブルなどがあります。 それぞれのデータ構造は、異なる目的や要件に適しています。 例えば、配列はランダムアクセスが高速であり、リストは挿入や削除が容易ですが、検索には効率が悪いという特性があります。 次に、アルゴリズムについて考えてみましょう。 アルゴリズムは、特定の問題を解決するための手順や手法を示します。 例えば、ソートアルゴリズムや探索アルゴリズムがあります。 ソートアルゴリズムはデータを順序付ける方法を提供し、探索アルゴリズムは特定の値を見つける方法を提供します。 効率的なアルゴリズムの選択は、プログラムの実行速度やリソース使用量に大きな影響を与えます。 データ構造とアルゴリズムは、ソフトウェア開発において以下のような役割を果たします。 # '''効率性の向上:''' #: 適切なデータ構造とアルゴリズムの選択により、プログラムの実行時間やメモリ使用量を最適化することができます。 # '''問題解決の手段:''' #: 特定の問題に対して最適な解決策を提供するための基盤となります。例えば、特定のデータのソートや検索などの処理を行う際には、それに最適なデータ構造とアルゴリズムを選択する必要があります。 # '''アプリケーションの設計と最適化:''' #: データ構造とアルゴリズムは、アプリケーションの設計段階から最適化段階まで、ソフトウェア開発のあらゆる段階で重要な役割を果たします。 # '''共通言語:''' #: データ構造とアルゴリズムは、プログラマーの間で共通の言語として機能し、問題の議論や解決策の共有に役立ちます。 データ構造とアルゴリズムは、プログラミングとソフトウェア開発の基盤をなす重要な概念であり、その理解は効率的で高性能なソフトウェアを開発するために不可欠です。 == データ構造 == データ構造は、コンピュータプログラム内でデータを組織化するための方法を定義します。効率的なデータ構造の選択は、プログラムの実行速度やメモリ使用量に大きな影響を与えます。 データ構造の中には、特定の操作(検索、挿入、削除など)に対して効率的なものがあります。例えば、ハッシュテーブルは高速な検索を提供し、リスト構造は動的なサイズ変更が容易です。プログラムの要件やデータの性質に応じて、適切なデータ構造を選択することが重要です。 また、データ構造はメモリ使用量にも影響を与えます。効率的なメモリ使用を実現するためには、データの組織化やデータ構造の選択が重要です。メモリの効率的な利用は、プログラムのパフォーマンスやスケーラビリティに直結します。 さらに、データ構造はプログラムの保守性や拡張性にも影響を与えます。適切に設計されたデータ構造は、プログラムの理解や変更が容易になります。逆に、不適切なデータ構造は、コードの複雑さやバグの発生リスクを増大させる可能性があります。 データ構造は、次のような機能を持ちます。 === データの組織化 === データの組織化は、情報を論理的なグループに分類し、整理するプロセスです。これにより、データが意味を持ち、効率的に管理できるようになります。 例えば、配列やリストなどのデータ構造を使用することで、複数の要素を1つの単位として管理することができます。 === 効率的な操作 === データの組織化によって効率的な操作を実現することが重要です。効率的な操作は、高速な検索、挿入、削除などの処理を可能にします。適切なデータ構造を選択することで、これらの操作をより効率的に行うことができます。 === メモリの最適利用 === 適切なデータ構造の選択は、メモリの使用量を最小限に抑えながら、データを効率的に格納することができます。メモリの最適利用は、プログラムのパフォーマンス向上に直結します。 === 主なデータ構造 === 主なデータ構造には、次のようなものがあります。 ==== 配列(Array) ==== 配列(Array)は、メモリ上に連続した領域に要素を格納するデータ構造です。配列は固定長であり、同じデータ型の要素を順序付けて保存します。配列の各要素は、インデックス(通常はゼロから始まる整数)によって一意に識別されます。 配列は次のような特徴を持ちます: # '''連続したメモリ領域への配置:''' 配列はメモリ上に要素を連続した領域に配置します。これにより、各要素へのアクセスが効率的に行われます。 # '''ランダムアクセスが可能:''' 配列はインデックスによって要素に直接アクセスできるため、ランダムアクセスが可能です。これにより、特定の要素を迅速に取得することができます。 # '''固定長のサイズ:''' 配列は固定長のサイズを持ちます。要素の数を増減させることはできません。したがって、あらかじめ要素数を知っている場合に最適です。 配列は多くのプログラミング言語で基本的なデータ構造として提供されており、効率的なメモリ利用と高速なアクセスを提供します。ただし、挿入や削除といった操作は、要素の移動が伴うため、効率的ではありません。 {{Main|配列}} ==== リスト構造(Linked List) ==== リスト構造(Linked List)は、要素がポインタで繋がったデータ構造です。各要素は、データを格納する部分と、次の要素へのポインタ(参照)を持ちます。このポインタによって、リスト内の要素が順序付けられ、連結されます。 リスト構造は次のような特徴を持ちます: # '''柔軟なサイズ変更:''' リストは動的なサイズ変更が可能です。要素の追加や削除が容易であり、要素数を動的に変更できます。 # '''メモリの非連続な利用:''' リストの要素はメモリ上で非連続的に配置されます。これにより、要素の挿入や削除が連続したメモリ領域へのアクセスを必要とせず、柔軟性が高まります。 # '''効率的な挿入と削除:''' リスト構造では、要素の挿入や削除がポインタの変更によって行われるため、効率的に操作が行えます。特に、先頭や末尾への挿入や削除は常に一定の時間で行えます。 # '''ランダムアクセスの制限:''' リスト構造では、各要素が次の要素へのポインタを持つため、ランダムアクセスが困難です。要素に順番にアクセスするため、検索や特定の要素へのアクセスには時間がかかる場合があります。 リスト構造は、特に要素の挿入や削除が頻繁に行われる場合や、動的なサイズ変更が必要な場合に適しています。一方で、ランダムアクセスが頻繁に行われる場合には、配列などの他のデータ構造を検討する必要があります。 {{Main|リスト構造}} ==== スタック構造(Stack) ==== スタック構造(Stack)は、Last In, First Out(LIFO)の原則に基づいて要素が追加・削除されるデータ構造です。スタックでは、要素の追加と削除が特定の端(通常は一方向)からのみ行われます。 スタックには主に以下の操作があります: # '''プッシュ(Push):''' 新しい要素をスタックの一番上に追加します。これにより、スタックのサイズが増えます。 # '''ポップ(Pop):''' スタックの一番上にある要素を削除し、その要素を返します。これにより、スタックのサイズが減ります。 スタックは、プログラムで一時的なデータの保存や操作の履歴の管理など、さまざまな用途で使用されます。例えば、関数呼び出しの履歴を管理するのに使用されることがあります。また、逆ポーランド記法などの数式の評価にも利用されます。 スタックは効率的なデータ構造であり、プッシュとポップの操作が一定の時間で行えるため、一時的なデータの保存や操作に適しています。 {{Main|スタック構造}} ==== キュー(Queue) ==== キュー(Queue)は、First In, First Out(FIFO)の原則に基づいて要素が追加・削除されるデータ構造です。キューでは、新しい要素はキューの末尾に追加され、最初に追加された要素が最初に削除されます。 主な操作としては以下があります: # '''エンキュー(Enqueue):''' 新しい要素をキューの末尾に追加します。これにより、キューのサイズが増えます。 # '''デキュー(Dequeue):''' キューの先頭から要素を削除し、その要素を返します。これにより、キューのサイズが減ります。 キューは、さまざまなアプリケーションで使用されます。例えば、ジョブキューイングシステムやバッチ処理システムなど、リソースの管理やタスクの処理順序の管理に使用されます。また、マルチスレッドプログラミングにおいて、スレッド間の安全なデータ共有や通信にも使用されます。 キューは、要素の追加と削除がそれぞれ一定の時間で行えるため、タスクの待ち行列を効率的に処理するために適しています。 {{Main|キュー}} ==== ツリー構造(Tree) ==== ツリー構造(Tree)は、階層的な関係を持つノードで構成されるデータ構造です。ツリー構造は、根ノード(root node)から始まり、それぞれのノードが1つまたは複数の子ノードを持つ階層的な構造を持ちます。 {{Main|ツリー構造}} ツリー構造には次のような特徴があります: # '''根ノード:''' ツリー構造の最上位に位置するノードを根ノードと呼びます。すべての他のノードは、根ノードから直接または間接的に到達可能です。 # '''親ノードと子ノード:''' ツリー構造では、各ノードは1つの親ノードを持ち、その下に0個以上の子ノードを持ちます。親ノードから子ノードへの関係があり、子ノードから親ノードへの関係はありません。 # '''葉ノード:''' ツリー構造の末端に位置するノードを葉ノードと呼びます。葉ノードは子ノードを持たないため、他のノードに結びついていますが、自身は何も結びついていません。 # '''深さ(Depth)と高さ(Height):''' ツリー構造の深さは、根ノードからの最長経路の長さであり、高さはツリーの最大の深さです。深さは根からのレベルを表し、高さは葉ノードへの最長の経路を表します。 ツリー構造は、データの階層的な組織化や検索、ソートなどに広く使用されます。代表的なツリー構造には、二分木(Binary Tree)、平衡二分木(Balanced Binary Tree)、赤黒木(Red-Black Tree)などがあります。 {{Main|ツリー構造}} ==== グラフ構造(Graph) ==== グラフ構造(Graph)は、ノード(頂点)とエッジ(辺)で構成されるデータ構造です。グラフでは、ノードは個々の要素やオブジェクトを表し、エッジはノード同士を接続する関係を表現します。グラフは、実世界のさまざまな関係性やネットワーク構造をモデル化するために使用されます。 グラフ構造には次のような特徴があります: # '''ノード(頂点):''' グラフの基本的な要素であり、個々の要素やオブジェクトを表します。ノードは通常、固有の識別子や属性を持ちます。 # '''エッジ(辺):''' グラフ内のノード同士を接続する線や矢印をエッジと呼びます。エッジには方向性がある有向グラフと、方向性がない無向グラフの2種類があります。 # '''隣接関係:''' グラフでは、エッジによってノード同士が接続されます。ノードAからノードBへのエッジが存在する場合、ノードAとノードBは隣接していると言います。 # '''パス(Path):''' グラフ内のノードとエッジの系列をパスと呼びます。パスには始点と終点があり、ノードとエッジは重複せずに1度ずつ通過します。 # '''サイクル(Cycle):''' グラフ内で同じノードを含む閉じたパスをサイクルと呼びます。サイクルが存在するグラフをサイクリックグラフと呼び、存在しないグラフを非サイクリックグラフと呼びます。 グラフ構造は、ネットワーク構造、交通ネットワーク、社会ネットワーク、電力ネットワークなど、さまざまな領域で幅広く使用されています。グラフアルゴリズムやグラフ理論は、グラフの解析、最短経路探索、最小カット問題など、様々な問題の解決に役立ちます。 {{Main|グラフ構造}} ==== ハッシュテーブル(Hash Table) ==== ハッシュテーブル(Hash Table)は、キーと値のペアを関連付けるデータ構造です。ハッシュテーブルでは、キーをハッシュ関数によって計算されたハッシュ値に変換し、そのハッシュ値を配列のインデックスとして使用します。この方式により、高速なデータの挿入、検索、削除が可能になります。 ハッシュテーブルには以下のような特徴があります: # '''高速な検索:''' ハッシュテーブルは、ハッシュ関数を使用してキーをハッシュ値に変換し、その値を配列のインデックスとして直接使用するため、キーに対する値の検索が高速に行えます。平均的な場合、O(1)の時間計算量で検索が行われます。 # '''動的なサイズ変更:''' ハッシュテーブルは動的なサイズ変更を行うことができます。要素の追加や削除によってテーブルのサイズが自動的に拡大または縮小されます。 # '''衝突処理:''' 異なるキーが同じハッシュ値を生成する場合、衝突(collision)が発生します。ハッシュテーブルでは、衝突を適切に処理する方法が重要です。代表的な衝突処理方法には、チェイン法(Separate Chaining)やオープンアドレス法(Open Addressing)などがあります。 # '''ハッシュ関数の選択:''' ハッシュ関数の選択は、ハッシュテーブルの性能に直接影響します。良いハッシュ関数は、異なるキーを均等にハッシュ値に分散させることができる必要があります。 ハッシュテーブルは、データベースの索引、キャッシュの実装、高速なデータ検索など、多くのアプリケーションで広く使用されています。効率的なキーと値の関連付けを提供し、高速なデータ操作を実現します。 {{Main|ハッシュテーブル}} ==== ヒープ (Heap) ==== ヒープ (Heap) は、完全二分木をベースにしたデータ構造で、通常は配列で実装されます。ヒープは主に優先度付きキューを実装するために使用されます。 ヒープには次のような特徴があります: # '''完全二分木:''' ヒープは完全二分木の特殊な形態であり、各ノードが左から右へと埋まっていく形をしています。これにより、ヒープを配列で効率的に実装することができます。 # '''最小ヒープと最大ヒープ:''' ヒープには、最小ヒープと最大ヒープの2種類があります。最小ヒープでは、親ノードの値が子ノードの値より常に小さくなり、最大ヒープではその逆が成り立ちます。 # '''優先度付きキュー:''' ヒープは優先度付きキューを実装するために使用されます。最小ヒープでは最小値の要素が常に先頭にあり、最大ヒープでは最大値の要素が先頭にあります。 # '''効率的な操作:''' ヒープでは、最小値または最大値の検索、挿入、削除などの操作を効率的に行うことができます。最小値または最大値を取り出す操作は常に O(1) の時間計算量で行えます。 ヒープは、優先度付きキューやソートアルゴリズム(ヒープソートなど)など、さまざまなアプリケーションで使用されます。効率的な操作と完全二分木の性質を利用して、データの管理や処理を行います。 {{Main|ヒープ}} ==== セット(Set; 集合) ==== プログラミングにおけるセット(Set; 集合)は、数学の集合論に基づいて設計されたデータ構造です。集合は、重複を許さず、順序がない要素の集まりを表します。プログラミングにおいて、集合は異なる要素の集まりを表現し、その要素に対する操作を提供します。 集合の特徴は次の通りです: * '''要素の一意性:''' 集合は重複を許しません。同じ要素を複数回含めることはできません。 * '''要素の順序:''' 集合に含まれる要素は順序付けされません。要素が追加された順序や格納された位置に関係なく、要素は等しいと見なされます。 * '''集合演算:''' 集合には様々な演算が定義されています。和集合、積集合、差集合、部分集合の判定など、集合に対する操作を提供します。 プログラミング言語における集合の実装にはいくつかの方法がありますが、主なものには以下のようなものがあります: * '''配列やリスト:''' 要素を保持する単純なデータ構造として、配列やリストを使用する方法があります。要素の重複を避けるために追加前に存在チェックを行う必要があります。 * '''ハッシュセットやセット:''' ハッシュセットやセットは、要素の一意性を保証し、高速な検索操作を提供するデータ構造です。各要素はハッシュ値によって一意に識別されます。 * '''ビットベクトル:''' ビットベクトルは、大量の要素を含む集合を効率的に表現するための方法です。各要素をビットの位置として表し、要素の存在をビット値で表現します。 プログラミング言語によっては、標準ライブラリや外部ライブラリに集合を表現するための特別なデータ構造が用意されていることもあります。これらのデータ構造を使用することで、集合に対する操作を簡単に実行できます。 {{Main|セット}} == アルゴリズム == アルゴリズムは、特定の問題を解決するための手順や方法論を示します。 効率的なアルゴリズムの選択は、プログラムの実行速度やリソース使用量に大きな影響を与えます。 アルゴリズムは、以下のような機能を持ちます。 # '''問題解決の手順:''' #: 特定の問題に対する解決策を提供します。例えば、ソートアルゴリズムはデータを順序付ける手順を示し、探索アルゴリズムは特定の値を見つける手順を示します。 # '''効率的な処理:''' #: 問題を解決するために必要な計算量を最小限に抑えます。効率的なアルゴリズムは、問題の大きさに関わらず一定の時間で処理を行うことができます。 # '''再利用性と拡張性:''' #: アルゴリズムは再利用可能であり、異なる問題に適用することができます。また、アルゴリズムは拡張可能であり、新しい問題にも適用することができます。 主なアルゴリズムには、ソートアルゴリズム、探索アルゴリズム、グラフアルゴリズムなどがあります。それぞれのアルゴリズムは、特定の問題やデータ構造に適しています。例えば、バブルソートやクイックソートなどのソートアルゴリズムは、データの順序付けに使用されます。探索アルゴリズムは、リストや木などのデータ構造内で特定の値を見つけるために使用されます。 {{Main|ソートアルゴリズム|探索アルゴリズム|グラフアルゴリズム}} データ構造とアルゴリズムは、ソフトウェア開発において不可欠な要素であり、効率的なプログラムの設計や問題解決に欠かせません。この記事では、データ構造とアルゴリズムの基本的な概念と役割について解説しました。 [[カテゴリ:データ構造]] [[カテゴリ:アルゴリズム]]
2024-02-08T23:39:32Z
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ソートアルゴリズム
ソートアルゴリズムは、データを特定の順序で整理するための手法です。データを整列することは、データの検索や解析を容易にし、効率的なアルゴリズムを設計する上で基本的なステップです。さまざまなソートアルゴリズムがありますが、その中でもいくつかの代表的なものを紹介します。 これらのソートアルゴリズムは、それぞれ異なる特性を持ちます。ソートすべきデータの量や性質に応じて、適切なアルゴリズムを選択することが重要です。また、ソートアルゴリズムの実装方法や効率性を理解し、適切に適用することも重要です。
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ソートアルゴリズムは、データを特定の順序で整理するための手法です。データを整列することは、データの検索や解析を容易にし、効率的なアルゴリズムを設計する上で基本的なステップです。さまざまなソートアルゴリズムがありますが、その中でもいくつかの代表的なものを紹介します。 バブルソート: バブルソートは、隣接する要素を比較し、必要に応じて交換を繰り返すことでソートを行います。最大の要素が配列の末尾に移動するまでこれを繰り返します。 選択ソート: 選択ソートは、配列を走査しながら最小値を見つけ、それを未整列部分の先頭要素と交換します。これを配列全体に対して繰り返します。 挿入ソート: 挿入ソートは、未整列部分の先頭要素を取り出し、それを整列済み部分に適切な位置に挿入します。配列全体を整列済み部分と未整列部分に分け、未整列部分の要素を取り出して挿入することを繰り返します。 マージソート: マージソートは、分割統治法を用いた効率的なソートアルゴリズムです。配列を分割し、個々の部分配列をソートした後、それらをマージ(統合)して最終的なソート済み配列を生成します。 クイックソート: クイックソートは、分割統治法を用いた効率的なソートアルゴリズムで、特に大きなデータセットに対して高速に動作します。ピボットと呼ばれる要素を選択し、その要素より小さい要素と大きい要素を分割することでソートを行います。その後、再帰的に各部分配列をソートします。 これらのソートアルゴリズムは、それぞれ異なる特性を持ちます。ソートすべきデータの量や性質に応じて、適切なアルゴリズムを選択することが重要です。また、ソートアルゴリズムの実装方法や効率性を理解し、適切に適用することも重要です。
ソートアルゴリズムは、データを特定の順序で整理するための手法です。データを整列することは、データの検索や解析を容易にし、効率的なアルゴリズムを設計する上で基本的なステップです。 :{| class=wikitable |+ ソートアルゴリズムの種類と特性 !style="width:7em"|アルゴリズム !時間計算量 !安定性 !メモリ使用量 !説明 |- ![[#バブルソート|バブルソート]] |最良:<math>O(n)</math> 平均・最悪:<math>O(n^2)</math> |Yes |<math>O(1)</math> |隣接する要素を比較・交換して、未整列の要素を順次移動させるアルゴリズム |- ![[#選択ソート|選択ソート]] |最良・平均・最悪:<math>O(n^2)</math> |No |<math>O(1)</math> |未整列の部分から最小値を見つけて、整列済みの部分の最後に挿入するアルゴリズム |- ![[#挿入ソート|挿入ソート]] | 最良:<math>O(n)</math> 平均・最悪:<math>O(n^2)</math> | Yes | <math>O(1)</math> | 未整列の要素を適切な位置に挿入していくアルゴリズム |- ![[#マージソート|マージソート]] | 最良・平均・最悪:<math>O(n \log n)</math> | Yes | <math>O(n)</math> | データを分割し、それぞれをソートしてからマージ(結合)するアルゴリズム |- ![[#クイックソート|クイックソート]] | 最良・平均:<math>O(n \log n)</math> 最悪:<math>O(n^2)</math> | No | <math>O(\log n)</math> | ピボットを選択し、ピボットより小さい要素と大きい要素を分割して、それぞれを再帰的にソートするアルゴリズム |- ![[#ヒープソート|ヒープソート]] | 最良・平均・最悪:<math>O(n \log n)</math> | No | <math>O(1)</math> | ヒープデータ構造を使用して要素を整列させるアルゴリズム |- ![[#シェルソート|シェルソート]] | 最良・平均:<math>O(n \log n)</math> 最悪:<math>O(n(\log n^2)</math>) | No | <math>O(1)</math> | 部分的にソートされたリストを作成し、それらを挿入ソートで整列させるアルゴリズム |- ![[#バケットソート|バケットソート]] | 最良・平均:<math>O(n+k)</math> 最悪:<math>O(n^2)</math> | Yes | <math>O(n+k)</math> | データの範囲を分割し、各範囲に対応するバケットを使用して要素を整列させるアルゴリズム |- ![[#カウントソート|カウントソート]] | 最良・平均・最悪:<math>O(n+k)</math> | Yes | <math>O(n+k)</math> | 各要素の出現回数を数え、その情報を元に要素を整列させるアルゴリズム |} この表は一般的なソートアルゴリズムの概要を示しており、実際の使用場面やデータの特性に応じて適切なアルゴリズムを選択することが重要です。 == さまざまなソートアルゴリズム == === バブルソート === バブルソート(Bubble Sort)は、隣接する要素を比較し、必要に応じて交換を繰り返すことでソートを行います。 交換が一度も行われなくなるまで(ソートが完了するまで)繰り返します。 ;[https://paiza.io/projects/8ra8JiUwQ5KeoyFvvkcwQw?language=ruby Rubyでの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> def bubble_sort(array) n = array.length loop do swapped = false (n - 1).times do |i| if array[i] > array[i + 1] array[i], array[i + 1] = array[i + 1], array[i] swapped = true end end break unless swapped end array end require 'minitest/autorun' class TestBubbleSort < Minitest::Test def test_sort assert_equal [], bubble_sort([]) assert_equal [1], bubble_sort([1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], bubble_sort([5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5, 6], bubble_sort([6, 5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [-5, -4, -3, -2, -1], bubble_sort([-1, -3, -2, -5, -4]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], bubble_sort([1, 2, 3, 4, 5]) ary = (0...1000).to_a assert_equal ary, bubble_sort(ary.shuffle) end end </syntaxhighlight> === 選択ソート === 選択ソート(Selection Sort)は、配列を走査しながら最小値を見つけ、それを未整列部分の先頭要素と交換します。これを配列全体に対して繰り返します。 ;[https://paiza.io/projects/x6wGDW0xe5xSZUo3vUSV7w?language=ruby Rubyでの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> def selection_sort(array) n = array.length (n - 1).times do |i| min_index = i (i + 1).upto(n - 1) do |j| min_index = j if array[j] < array[min_index] end array[i], array[min_index] = array[min_index], array[i] if min_index != i end array end require 'minitest/autorun' class TestSelectionSort < Minitest::Test def test_sort assert_equal [], selection_sort([]) assert_equal [1], selection_sort([1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], selection_sort([5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5, 6], selection_sort([6, 5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [-5, -4, -3, -2, -1], selection_sort([-1, -3, -2, -5, -4]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], selection_sort([1, 2, 3, 4, 5]) ary = (0...1000).to_a assert_equal ary, selection_sort(ary.shuffle) end end </syntaxhighlight> === 挿入ソート === 挿入ソート(Insertion Sort)は、未整列部分の先頭要素を取り出し、それを整列済み部分に適切な位置に挿入します。 配列全体を整列済み部分と未整列部分に分け、未整列部分の要素を取り出して挿入することを繰り返します。 ;[https://paiza.io/projects/Zjj5fOEjmVY1NPa7FzubiA?language=ruby Rubyでの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> def insertion_sort(array) n = array.length 1.upto(n - 1) do |i| key = array[i] j = i - 1 while j >= 0 && array[j] > key array[j + 1] = array[j] j -= 1 end array[j + 1] = key end array end require 'minitest/autorun' class TestInsertionSort < Minitest::Test def test_sort assert_equal [], insertion_sort([]) assert_equal [1], insertion_sort([1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], insertion_sort([5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5, 6], insertion_sort([6, 5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [-5, -4, -3, -2, -1], insertion_sort([-1, -3, -2, -5, -4]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], insertion_sort([1, 2, 3, 4, 5]) ary = (0...1000).to_a assert_equal ary, insertion_sort(ary.shuffle) end end </syntaxhighlight> === マージソート === マージソート(Merge Sort)は、データを分割し、それぞれをソートしてからマージ(結合)するアルゴリズムです。分割統治法を利用し、再帰的にデータを分割していきます。ソートされた部分列はマージ操作で結合され、最終的に全体がソートされます。 ;[https://paiza.io/projects/QRsy8lYKBWNc6BqI75LIkw?language=ruby Rubyでの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> def merge_sort(array) return array if array.length <= 1 mid = array.length / 2 left_half = merge_sort(array[0...mid]) right_half = merge_sort(array[mid..]) merge(left_half, right_half) end def merge(left, right) sorted = [] until left.empty? || right.empty? sorted << (left.first <= right.first ? left.shift : right.shift) end sorted.concat(left).concat(right) end require 'minitest/autorun' class TestMergeSort < Minitest::Test def test_sort assert_equal [], merge_sort([]) assert_equal [1], merge_sort([1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], merge_sort([5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5, 6], merge_sort([6, 5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [-5, -4, -3, -2, -1], merge_sort([-1, -3, -2, -5, -4]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], merge_sort([1, 2, 3, 4, 5]) ary = (0...1000).to_a assert_equal ary, merge_sort(ary.shuffle) end end </syntaxhighlight> === クイックソート === クイックソート(Quick Sort)は、分割統治法を用いた効率的なソートアルゴリズムで、特に大きなデータセットに対して高速に動作します。ピボットと呼ばれる要素を選択し、その要素より小さい要素と大きい要素を分割することでソートを行います。その後、再帰的に各部分配列をソートします。 ;[https://paiza.io/projects/tQOoEG8ZSe1QWBrgFb5mvQ?language=ruby Rubyでの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> def quick_sort(array) return array if array.length <= 1 pivot = array.sample left, right = array.partition { |element| element < pivot } quick_sort(left) + quick_sort(right) end require 'minitest/autorun' class TestQuickSort < Minitest::Test def test_sort assert_equal [], quick_sort([]) assert_equal [1], quick_sort([1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], quick_sort([5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5, 6], quick_sort([6, 5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [-5, -4, -3, -2, -1], quick_sort([-1, -3, -2, -5, -4]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], quick_sort([1, 2, 3, 4, 5]) ary = (0...1000).to_a assert_equal ary, quick_sort(ary.shuffle) end end </syntaxhighlight> === ヒープソート === ヒープソート(Heap Sort)は、ヒープデータ構造を使用して要素を整列させるアルゴリズムです。ヒープは完全二分木であり、最大(最小)ヒープを構築し、根から順に要素を取り出してソートします。効率的であり、安定性を持ちません。 ;[https://paiza.io/projects/Vj7IRxSf81FMzWN0U8nYoA?language=ruby Rubyでの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> def heap_sort(array) n = array.length # 最大ヒープを構築 (n / 2 - 1).downto(0) do |i| heapify(array, n, i) end # ヒープから要素を取り出してソート (n - 1).downto(1) do |i| array[0], array[i] = array[i], array[0] # 最大要素を末尾に移動 heapify(array, i, 0) # ヒープサイズを減らしてヒープを再構築 end array end def heapify(array, n, i) largest = i left = 2 * i + 1 right = 2 * i + 2 largest = left if left < n && array[left] > array[largest] largest = right if right < n && array[right] > array[largest] if largest != i array[i], array[largest] = array[largest], array[i] heapify(array, n, largest) end end require 'minitest/autorun' class TestHeapSort < Minitest::Test def test_sort assert_equal [], heap_sort([]) assert_equal [1], heap_sort([1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], heap_sort([5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5, 6], heap_sort([6, 5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [-5, -4, -3, -2, -1], heap_sort([-1, -3, -2, -5, -4]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], heap_sort([1, 2, 3, 4, 5]) ary = (0...1000).to_a assert_equal ary, heap_sort(ary.shuffle) end end </syntaxhighlight> === シェルソート === シェルソート(Shell Sort)は、部分的にソートされたリストを作成し、それらを挿入ソートで整列させるアルゴリズムです。挿入ソートと同様に要素を逐次挿入しますが、要素間の間隔を広げることで効率化を図ります。 ;[https://paiza.io/projects/Ac8mfmWK3zF3c6Y-dXq7Mw?language=ruby Rubyでの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> def shell_sort(array) n = array.length gap = n / 2 while gap > 0 gap.upto(n - 1) do |i| temp = array[i] j = i while j >= gap && array[j - gap] > temp array[j] = array[j - gap] j -= gap end array[j] = temp end gap /= 2 end array end require 'minitest/autorun' class TestShellSort < Minitest::Test def test_sort assert_equal [], shell_sort([]) assert_equal [1], shell_sort([1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], shell_sort([5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5, 6], shell_sort([6, 5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [-5, -4, -3, -2, -1], shell_sort([-1, -3, -2, -5, -4]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], shell_sort([1, 2, 3, 4, 5]) ary = (0...1000).to_a assert_equal ary, shell_sort(ary.shuffle) end end </syntaxhighlight> === バケットソート === バケットソート(Bucket Sort)は、要素を複数のバケットに分割し、各バケットごとに別のソートアルゴリズム(通常は挿入ソートなど)を使用してソートし、最後にバケットを結合することでソートを行うアルゴリズムです。以下に、バケットソートの実装例とそのテストコードを示します。 ;[https://paiza.io/projects/gEEpwXHp9t7b4LgooEQTug?language=ruby Rubyでの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> def bucket_sort(array, bucket_size = 5) return array if array.length < 2 # 入力配列の最小値と最大値を取得 min_value = array.min max_value = array.max # バケットを作成 bucket_count = ((max_value - min_value) / bucket_size).floor + 1 buckets = Array.new(bucket_count) { [] } # 配列の各要素を適切なバケットに振り分ける array.each do |element| index = ((element - min_value) / bucket_size).floor buckets[index] << element end # 各バケットをソートし、結合 sorted_array = [] buckets.each do |bucket| insertion_sort(bucket) # ここで別のソートアルゴリズムを使用 sorted_array.concat(bucket) end sorted_array end # 挿入ソート def insertion_sort(array) n = array.length 1.upto(n - 1) do |i| key = array[i] j = i - 1 while j >= 0 && array[j] > key array[j + 1] = array[j] j -= 1 end array[j + 1] = key end array end require 'minitest/autorun' class TestBucketSort < Minitest::Test def test_sort assert_equal [], bucket_sort([]) assert_equal [1], bucket_sort([1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], bucket_sort([5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5, 6], bucket_sort([6, 5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [-5, -4, -3, -2, -1], bucket_sort([-1, -3, -2, -5, -4]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], bucket_sort([1, 2, 3, 4, 5]) ary = (0...1000).to_a assert_equal ary, bucket_sort(ary.shuffle) end end </syntaxhighlight> === カウントソート === カウントソート(Counting Sort)は、整数配列のソートアルゴリズムの一種です。一般的な比較ソートとは異なり、カウントソートは要素の大小関係を比較せず、要素の出現回数を数え上げてソートを行います。 具体的な手順は以下の通りです: # 入力配列の要素の最小値と最大値を調べます。これにより、カウンティング用の配列のサイズを決定します。 カウンティング用の配列を初期化します。この配列は、入力配列の最大値と最小値の範囲内の要素の出現回数をカウントします。 # 入力配列を走査し、各要素の出現回数をカウンティング用の配列に記録します。 # カウンティング用の配列を使って、ソート済みの配列を構築します。 # 入力配列を再度走査し、要素をソート済みの配列に配置します。この際、カウンティング用の配列の情報を利用して、各要素の正しい位置を特定します。 カウントソートは要素の出現回数をカウントするため、非負整数である必要があります。また、要素の範囲が大きい場合や要素が疎な場合には効率が悪くなる傾向がありますが、要素の範囲が比較的狭く、要素の重複が多い場合には高速に動作する特性があります。 ;[https://paiza.io/projects/W3ycjY6kZUgjOH59ugjdSA?language=ruby Rubyでの実装例] :<syntaxhighlight lang=ruby> def count_sort(array) return array if array.length < 2 min_value, max_value = array.minmax count_array = Array.new(max_value - min_value + 1, 0) array.each { |value| count_array[value - min_value] += 1 } sorted_array = [] count_array.each_with_index do |count, i| count.times { sorted_array << i + min_value } end sorted_array end require 'minitest/autorun' class TestCountSort < Minitest::Test def test_sort assert_equal [], count_sort([]) assert_equal [1], count_sort([1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], count_sort([5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5, 6], count_sort([6, 5, 3, 2, 4, 1]) assert_equal [-5, -4, -3, -2, -1], count_sort([-1, -3, -2, -5, -4]) assert_equal [1, 2, 3, 4, 5], count_sort([1, 2, 3, 4, 5]) ary = (0...1000).to_a assert_equal ary, count_sort(ary.shuffle) assert_equal [28, 30, 30, 30, 30, 31, 31, 31, 31, 31, 31, 31], count_sort([31, 28, 31, 30, 31, 30, 31, 31, 30, 31, 30, 31]) end end </syntaxhighlight> [[Category:アルゴリズム]]
2024-02-08T23:43:01Z
2024-03-04T06:52:17Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
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中学校保健体育/エイズの予防
性感染症
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "性感染症", "title": "キーワード" } ]
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>エイズの予防 * どのような病気をエイズといいますか。 * エイズの予防対策を考えてみましょう。 == キーワード == HIV(ヒト免疫不全ウイルス)・エイズ(後天性免疫不全症候群) == エイズの病原体 == ※どのような病気をエイズといいますか。 '''HIV(ヒト免疫不全ウイルス)'''の病原体に感染すると、エイズを発症します。HIVはリンパ球(白血球の一種)で増殖します。HIVは、リンパ球の多い体液(精液、腟分泌物、血液など)を経由して感染します。そのため、薬物乱用者同士が注射器具を使い回したり、妊娠・出産などで母親から胎児に感染したり、感染者との性的接触からも感染します。昔は、HIVの混入薬品(非加熱血液製剤)から感染が広がりました。現在の医療機関は、加熱処理済みの血液製剤を使っています。 == エイズの特徴 == ※エイズの特徴について、調べてみましょう。 CD4リンパ球は、体を病原体から守ってくれます(免疫)。HIVはCD4リンパ球に感染して、CD4リンパ球を破壊します。CD4リンパ球の数が減ると、様々な感染症にかかりやすくなります。このような症状を'''エイズ(後天性免疫不全症候群)'''といいます。 一部のHIV感染者は風邪のような症状を示します。しかし、大半のHIV感染者は全く症状を示しません。HIVの潜伏期間はかなり長く、発症するまで10年以上もかかります。感染力は潜伏期間でもあるので、感染拡大の原因になっています。 現在、HIVそのものを取り除く治療方法やワクチンはありません。しかし、近年、HIVの量を抑え、免疫力を回復させて維持させるような治療方法が注目されています。もし、HIVに感染しても発病を長く抑えられるようになってきています。そのため、HIVの拡大を防ぐためにも、出来るだけ早く発見して、すぐに適切な治療を始められるようにしましょう。 ★HIV感染後のウイルス量の変化 [[ファイル:Hiv-timecourse ja.svg|フレームなし|690x690px]] == HIV感染の予防対策 == ※どうすればエイズを予防出来ますか? 1回の性的接触だけでもHIVに感染します。しかも、無症状期間がかなり長いので、気づかないうちに他の人に感染を広げてしまいます。また、他の性感染症に感染していると、HIVに感染しやすくなります。 近年、20歳代〜30歳代のHIV罹患率が高く、毎年約1000人の新規感染者も報告されているため、HIV感染予防の重要性も高まっています。HIVの感染を予防するため、HIV感染者の血液・精子などの体液に直接触れないようにして、感染経路を塞ぎましょう。そのためにも、性的接触を避けたり、コンドームを正しく使ったり、他の人の血液に触れないようにして、HIV感染の確率を下げましょう。HIVは普段の生活で感染しません。また、感染の不安や疑いがあれば、HIV検査とカウンセリングを全国の保健所などで匿名・無料で受けられます。 もし、性衝動に任せて性的接触をしたり、HIV感染をいつも不安に思ったりしたら、明るく健康的な生活を送れません。正しい情報に基づいて賢い行動をとりましょう。 ★このような場面ではHIVに感染しません。 * 食べ物・食器など * 握手・会話など * トイレの便座・電車の吊り革など * 風呂・プールなど * 蚊・ペット * 咳・くしゃみ・汗・涙など ★HIV感染者・エイズ患者の新規報告数 ★HIV感染者の年齢層別・感染経路別内訳 [1]年齢層別内訳 [2]感染経路別内訳 ただし、血液製剤の感染例を除きます。 {| cellspacing="0" style="border:2px solid #EA5419;width:100%" ! style="background:#EA5419" |世界と日本のHIV状況・世界と日本のエイズ状況 |- | style="padding:5px" |世界のHIV感染者数は3900万人程(2022年推計)と考えられています<ref>公益社団法人 日本WHO協会「[https://japan-who.or.jp/factsheets/factsheets_type/hiv-aids/ HIVとエイズ]」2024年02月11日閲覧</ref>。2022年、約63万人がエイズ関連の疾病で亡くなりました。この数字は、2005年の190万人と比べると大きく減少しています。抗レトロウイルス薬(HIV治療薬)が世界中に広まってからエイズ関連死も減少しています。抗レトロウイルス薬(HIV治療薬)は従来の薬剤よりも少ない副作用で費用面も優れ、多くの人々に治療とその維持を出来るようにしました。 日本国内のHIV新規感染者報告数は、これまで長い間、増加傾向から横ばい傾向で推移していました。しかし、最近は他の先進国と同じように、減少傾向になっています。予防対策とともに、早期発見・早期治療が大切です。 |} == 資料出所 == * 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年 * 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年 == ここに注意!! == [[カテゴリ:中学校保健体育]] [[カテゴリ:感染症]]
2024-02-10T22:20:44Z
2024-02-11T08:01:45Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E4%BF%9D%E5%81%A5%E4%BD%93%E8%82%B2/%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2
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Fortran/Fortranの活用例
The following Fortran code examples or sample programs show different situations depending on the compiler. The first set of examples are for the Fortran II, IV, and 77 compilers. The remaining examples can be compiled and run with any newer standard Fortran compiler (see the end of the main Fortran article for lists of compilers). By convention most contemporary Fortran compilers select the language standard to use during compilation based on source code file name suffix: FORTRAN 77 for .f (or the less common .for), Fortran 90 for .f90, Fortran 95 for .f95. Other standards, if supported, may be selected manually with a command line option. NOTE: Before FORTRAN 90, most FORTRAN compilers enforced fixed-format source code, a carryover from IBM punch cards If errors are produced when you compile your FORTRAN code, first check the column alignment. Some compilers also offer free form source by using a compiler flag One data card input If one of the input values is zero, then the program will end with an error code of "1" in the job control card listing following the execution of the program. Normal output will be one line printed with A, B, C, and AREA. No specific units are stated. Multiple data card input This program has two input checks: one for a blank card to indicate end-of-data, and the other for a zero value within the input data. Either condition causes a message to be printed. Multiple data card input This program has two input checks in the READ statement with the END and ERR parameters, one for a blank card to indicate end-of-data; and the other for zero value along with valid data. In either condition, a message will be printed. A retro example of a FORTRAN IV (later evolved into FORTRAN 66) program deck is available on the IBM 1130 page, including the IBM 1130 DM2 JCL required for compilation and execution. An IBM 1130 emulator is available at IBM 1130.org that will allow the FORTRAN IV program to be compiled and run on a PC. In keeping with computing tradition, the first example presented is a simple program to display the words "Hello, world" on the screen (or printer). This program prints "HELLO, WORLD" to Fortran unit number 6, which on most machines was the line printer or terminal. (The card reader or keyboard was usually connected as unit 5). The number 7 in the WRITE statement refers to the statement number of the corresponding FORMAT statement. FORMAT statements may be placed anywhere in the same program or function/subroutine block as the WRITE statements which reference them. Typically a FORMAT statement is placed immediately following the WRITE statement which invokes it; alternatively, FORMAT statements are grouped together at the end of the program or subprogram block. If execution flows into a FORMAT statement, it is a no-op; thus, the example above has only two executable statements, WRITE and STOP. The initial 13H in the FORMAT statement in the above example defines a Hollerith constant, here meaning that the 13 characters immediately following are to be taken as a character constant (note that the Hollerith constant is not surrounded by delimiters). (Some compilers also supported character literals enclosed in single quotes, a practice that came to be standard with FORTRAN 77.) The space immediately following the 13H is a carriage control character, telling the I/O system to advance to a new line on the output. A zero in this position advances two lines (double space), a 1 advances to the top of a new page and + character will not advance to a new line, allowing overprinting. As of FORTRAN 77, single quotes are used to delimit character literals, and inline character strings may be used instead of references to FORMAT statements. Comment lines may be indicated with either a C or an asterisk (*) in column 1. As of Fortran 90, double quotes are allowed in addition to single quotes. An updated version of the Hello, world example (which here makes use of list-directed I/O, supported as of FORTRAN 77) could be written in Fortran 90 as follows: The following introductory example in FORTRAN 77 finds the greatest common divisor for two numbers A {\displaystyle A} and B {\displaystyle B} using a verbatim implementation of Euclid's algorithm. The above example is intended to illustrate the following: The following shows the results of compiling and running the program. The following FORTRAN 77 example prints out the values of e j i π / 4 {\displaystyle e^{ji\pi /4}} (where j = − 1 {\displaystyle j={\sqrt {-1}}} ) for values of i = 0 , 1 , ... , 7 {\displaystyle i=0,1,\ldots ,7} . The above example is intended to illustrate the following: Incidentally, the output of the above program is as follows (see the article on Euler's formula for the geometric interpretation of these values as eight points spaced evenly about a unit circle in the complex plane). Error can be seen occurring in the last decimal place in some of the numbers above, a result of the COMPLEX data type representing its real and imaginary components in single precision. Incidentally, Fortran 90 also made standard a double-precision complex-number data type (although several compilers provided such a type even earlier). In this example of Fortran 90 code, the programmer has written the bulk of the code inside of a DO loop. Upon execution, instructions are printed to the screen and a SUM variable is initialized to zero outside the loop. Once the loop begins, it asks the user to input any number. This number is added to the variable SUM every time the loop repeats. If the user inputs 0, the EXIT statement terminates the loop, and the value of SUM is displayed on screen. Also apparent in this program is a data file. Before the loop begins, the program creates (or opens, if it has already been run before) a text file called "SumData.DAT". During the loop, the WRITE statement stores any user-inputted number in this file, and upon termination of the loop, also saves the answer. When executed, the console would display the following: And the file SumData.DAT would contain: The following program, which calculates the surface area of a cylinder, illustrates free-form source input and other features introduced by Fortran 90. The following program illustrates dynamic memory allocation and array-based operations, two features introduced with Fortran 90. Particularly noteworthy is the absence of DO loops and IF/THEN statements in manipulating the array; mathematical operations are applied to the array as a whole. Also apparent is the use of descriptive variable names and general code formatting that comport with contemporary programming style. This example computes an average over data entered interactively. Modern Fortran features available for use with procedures, including deferred-shape, protected, and optional arguments, are illustrated in the following example, a function to solve a system of linear equations. Note that an explicit interface to this routine must be available to its caller so that the type signature is known. This is preferably done by placing the function in a MODULE and then USEing the module in the calling routine. An alternative is to use an INTERFACE block, as shown by the following example: In those cases where it is desired to return values via a procedure's arguments, a subroutine is preferred over a function; this is illustrated by the following subroutine to swap the contents of two arrays: As in the previous example, an explicit interface to this routine must be available to its caller so that the type signature is known. As before, this is preferably done by placing the function in a MODULE and then USEing the module in the calling routine. An alternative is to use a INTERFACE block. An alternative way to write the swap_real subroutine from the previous example, is: In the example, the swap_e subroutine is elemental, i.e., it acts upon its array arguments, on an element-by-element basis. Elemental procedures must be pure (i.e., they must have no side effects and can invoke only pure procedures), and all the arguments must be scalar. Since swap_e is internal to the swap_real subroutine, no other program unit can invoke it. The following program serves as a test for any of the two swap_real subroutines presented: In Fortran, the concept of pointers differs from that in C-like languages. A Fortran 90 pointer does not merely store the memory address of a target variable; it also contains additional descriptive information such as the target's rank, the upper and lower bounds of each dimension, and even strides through memory. This allows a Fortran 90 pointer to point at submatrices. Fortran 90 pointers are "associated" with well-defined "target" variables, via either the pointer assignment operator (=>) or an ALLOCATE statement. When appearing in expressions, pointers are always dereferenced; no "pointer arithmetic" is possible. The following example illustrates the concept: A module is a program unit which contains data definitions, global data, and CONTAINed procedures. Unlike a simple INCLUDE file, a module is an independent program unit that can be compiled separately and linked in its binary form. Once compiled, a module's public contents can be made visible to a calling routine via the USE statement. The module mechanism makes the explicit interface of procedures easily available to calling routines. In fact, modern Fortran encourages every SUBROUTINE and FUNCTION to be CONTAINed in a MODULE. This allows the programmer to use the newer argument passing options and allows the compiler to perform full type checking on the interface. The following example also illustrates derived types, overloading of operators and generic procedures.
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "The following Fortran code examples or sample programs show different situations depending on the compiler. The first set of examples are for the Fortran II, IV, and 77 compilers. The remaining examples can be compiled and run with any newer standard Fortran compiler (see the end of the main Fortran article for lists of compilers). By convention most contemporary Fortran compilers select the language standard to use during compilation based on source code file name suffix: FORTRAN 77 for .f (or the less common .for), Fortran 90 for .f90, Fortran 95 for .f95. Other standards, if supported, may be selected manually with a command line option.", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "NOTE: Before FORTRAN 90, most FORTRAN compilers enforced fixed-format source code, a carryover from IBM punch cards", "title": "FORTRAN II, IV, and 77 compilers" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "If errors are produced when you compile your FORTRAN code, first check the column alignment. Some compilers also offer free form source by using a compiler flag", "title": "FORTRAN II, IV, and 77 compilers" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "One data card input", "title": "FORTRAN II, IV, and 77 compilers" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "If one of the input values is zero, then the program will end with an error code of \"1\" in the job control card listing following the execution of the program. Normal output will be one line printed with A, B, C, and AREA. 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The following Fortran code examples or sample programs show different situations depending on the compiler. The first set of examples are for the Fortran II, IV, and 77 compilers. The remaining examples can be compiled and run with any newer standard Fortran compiler. By convention most contemporary Fortran compilers select the language standard to use during compilation based on source code file name suffix: FORTRAN 77 for .f, Fortran 90 for .f90, Fortran 95 for .f95. Other standards, if supported, may be selected manually with a command line option.
{{nav}} 以下の'''Fortranのコード例'''やサンプルプログラムは、コンパイラに依存するさまざまな状況を示しています。最初の一連の例は、Fortran II、IV、および77のコンパイラ用です。残りの例は、新しい標準のFortranコンパイラでコンパイルおよび実行できます(コンパイラのリストについては[[Fortran#フリー(オープンソース)コンパイラ|Fortran記事の末尾]]を参照してください)。通常、ほとんどの現代のFortranコンパイラは、ソースコードファイル名の接尾辞に基づいてコンパイル中に使用する言語標準を選択します:<code>.f</code>(またはまれに<code>.for</code>)に対してFORTRAN 77、<code>.f90</code>に対してFortran 90、<code>.f95</code>に対してFortran 95。他の標準がサポートされている場合、コマンドラインオプションで手動で選択できます。 == FORTRAN II、IV、および77のコンパイラ == 注:FORTRAN 90以前では、ほとんどのFORTRANコンパイラが'''固定フォーマットのソースコード'''を強制しました。これは[http://en.wikipedia.org/wiki/Punch_card IBMパンチカード]の遺物です。 コメントは列1に'''*'''または'''C'''または'''!'''で始まる必要があります。 ステートメントラベルは列1から列5に配置する必要があります。 継続行には列6に非空白文字が必要です。 ステートメントは列7から始まる必要があります。 行の長さは72文字に制限される場合があります(パンチカードの80バイト幅から派生し、最後の8文字は(任意の)シーケンス番号用に予約されています)。 FORTRANコードをコンパイルする際にエラーが発生した場合は、まず列の整列を確認してください。 一部のコンパイラは、コンパイラフラグを使用してフリーフォームソースを提供します ===三角形の面積プログラム=== ====単純なFortran IIプログラム==== ; 1枚のデータカード入力 入力値の1つがゼロの場合、プログラムはプログラムの実行後のジョブコントロールカードリストでエラーコード「1」で終了します。通常、A、B、C、およびAREAが1行で印刷されます。特定の単位は指定されていません。 :<syntaxhighlight lang=fortranfixed> C 三角形の面積 - ヘロンの公式 C 入力 - カードリーダーユニット5、整数入力 C 出力 - C INTEGER VARIABLES START WITH I,J,K,L,M OR N READ(5,501) IA,IB,IC 501 FORMAT(3I5) IF (IA) 701, 777, 701 701 IF (IB) 702, 777, 702 702 IF (IC) 703, 777, 703 777 STOP 1 703 S = (IA + IB + IC) / 2.0 AREA = SQRT( S * (S - IA) * (S - IB) * (S - IC) ) WRITE(6,801) IA,IB,IC,AREA 801 FORMAT(4H A= ,I5,5H B= ,I5,5H C= ,I5,8H AREA= ,F10.2, $13H SQUARE UNITS) STOP END </syntaxhighlight> ====シンプルなFortran IVプログラム==== ; 複数のデータカード入力 このプログラムには2つの入力チェックがあります。1つはデータの終わりを示す空白のカード用であり、もう1つは入力データ内のゼロ値用です。どちらの条件でも、メッセージが表示されます。 :<syntaxhighlight lang=fortranfixed> C 三角形の面積 - ヘロンの公式 C 入力 - カードリーダーユニット5、整数入力、データの終わりのための1つの空白のカード C 出力 - ラインプリンターユニット6、実数出力 C 入力エラーは出力にエラーメッセージを表示します 501 FORMAT(3I5) 601 FORMAT(4H A= ,I5,5H B= ,I5,5H C= ,I5,8H AREA= ,F10.2, $13H SQUARE UNITS) 602 FORMAT(10HNORMAL END) 603 FORMAT(23HINPUT ERROR, ZERO VALUE) INTEGER A,B,C 10 READ(5,501) A,B,C IF(A.EQ.0 .AND. B.EQ.0 .AND. C.EQ.0) GO TO 50 IF(A.EQ.0 .OR. B.EQ.0 .OR. C.EQ.0) GO TO 90 S = (A + B + C) / 2.0 AREA = SQRT( S * (S - A) * (S - B) * (S - C) ) WRITE(6,601) A,B,C,AREA GO TO 10 50 WRITE(6,602) STOP 90 WRITE(6,603) STOP END </syntaxhighlight> ====シンプルなFortran 77プログラム==== ; 複数のデータカード入力 このプログラムには2つの入力チェックがあります。1つはデータの終わりを示す空白のカード用であり、もう1つはゼロ値と有効なデータが入力された場合のチェックです。どちらの条件でも、メッセージが表示されます。 :<syntaxhighlight lang=fortranfixed> C 三角形の面積 - ヘロンの公式 C 入力 - カードリーダーユニット5、整数入力、データの終わりのための空白のカードはありません C 出力 - ラインプリンターユニット6、実数出力 C 入力エラーは出力にエラーメッセージを表示します 501 FORMAT(3I5) 601 FORMAT(" A= ",I5," B= ",I5," C= ",I5," AREA= ",F10.2, $"SQUARE UNITS") 602 FORMAT("NORMAL END") 603 FORMAT("INPUT ERROR OR ZERO VALUE ERROR") INTEGER A,B,C 10 READ(5,501,END=50,ERR=90) A,B,C IF(A=0 .OR. B=0 .OR. C=0) GO TO 90 S = (A + B + C) / 2.0 AREA = SQRT( S * (S - A) * (S - B) * (S - C) ) WRITE(6,601) A,B,C,AREA GO TO 10 50 WRITE(6,602) STOP 90 WRITE(6,603) STOP END </syntaxhighlight> ==「レトロ」FORTRAN IV== FORTRAN IVのレトロなプログラムデッキの例が、[[:en:w:IBM 1130|IBM 1130]]ページで入手可能です。コンパイルと実行に必要なIBM 1130 DM2 JCLも含まれています。IBM 1130エミュレータは[http://ibm1130.org/ IBM 1130.org]で利用可能であり、FORTRAN IVプログラムを[[:en:w:Personal computer|PC]]上でコンパイルおよび実行することができます。 ===Hello, Worldプログラム=== コンピューティングの伝統に従って、最初に紹介される例は、画面(またはプリンター)に「Hello, world」と表示する単純なプログラムです。 ====FORTRAN 66(またFORTRAN IV)==== :<syntaxhighlight lang=fortranfixed> C FORTRAN IVは最初のプログラミング言語の一つで、 C ソースコメントをサポートしていました WRITE (6,7) 7 FORMAT(13H HELLO, WORLD) STOP END </syntaxhighlight> このプログラムは、「HELLO, WORLD」をFortranユニット番号6に出力します。ほとんどのマシンでは、これは[[:en:w:line printer|ラインプリンター]]または[[:en:w:Computer terminal|端末]]でした([[:en:w:Punch card|パンチカード]]リーダーや[[:en:w:Computer keyboard|キーボード]]は通常、ユニット5として接続されていました)。<code>WRITE</code>文中の数字7は、対応する<code>FORMAT</code>文の文番号を指します。<code>FORMAT</code>文は、それを参照する<code>WRITE</code>文と同じプログラムや関数/サブルーチンブロック内のどこにでも配置できます。通常、<code>FORMAT</code>文は、それを呼び出す<code>WRITE</code>文の直後に配置されますが、代替として、<code>FORMAT</code>文はプログラムやサブプログラムブロックの最後にまとめて配置されることもあります。実行が<code>FORMAT</code>文に流れ込んだ場合、それは[[:en:w:NOP|ノーオペレーション]]となります。したがって、上記の例では<code>WRITE</code>と<code>STOP</code>の2つの実行可能な文しかありません。 上記の例の<code>FORMAT</code>文内の最初の<code>13H</code>は、[[:en:w:Hollerith constant|ホーラス定数]]を定義しており、ここでは直後の13文字を文字定数として取り込むことを意味しています(ホーラス定数は区切り文字で囲まれていません)。(一部のコンパイラは、シングルクォーテーションで囲まれた文字リテラルをサポートしており、これはFORTRAN 77で標準となりました。) 13Hの直後のスペースは、出力時に新しい行に進むようにI/Oシステムに指示するキャリッジ制御文字です。この位置にゼロがあると、2行進みます(ダブルスペース)、1が新しいページの先頭に進みます。また、+文字は新しい行に進まず、上書きを許可します。 ====FORTRAN 77==== FORTRAN 77では、文字リテラルを区切るためにシングルクォーテーションが使用され、<code>FORMAT</code>文への参照の代わりにインラインの文字列が使用されるようになりました。コメント行は、列1に<code>C</code>またはアスタリスク(<code>*</code>)を使用して示すことができます。 :<syntaxhighlight lang=fortranfixed> PROGRAM HELLO * PRINT文はWRITEと似ていますが、 * 標準出力ユニットに出力します PRINT '(A)', 'Hello, world' STOP END </syntaxhighlight> ====Fortran 90==== Fortran 90では、シングルクォーテーションに加えて[[:en:w:quotation mark|ダブルクォーテーション]]が許可されます。FORTRAN 77でサポートされているように、''list-directed I/O''を使用した''Hello, world''の更新されたバージョンは、次のようにFortran 90で書くことができます: :<syntaxhighlight lang=fortran> program HelloWorld write (*,*) 'Hello, world!' ! これが一行コメント end program HelloWorld </syntaxhighlight> ==Fortran 77の例== ===最大公約数=== 以下のFORTRAN 77の入門的な例は、[[:en:w:greatest common divisor|最大公約数]]を<math>A</math>と<math>B</math>の2つの数に対して、[[:en:w:Euclidean algorithm#Description of the algorithm|ユークリッドのアルゴリズム]]を用いて求めます。 :<syntaxhighlight lang=fortranfixed> * euclid.f (FORTRAN 77) * ユークリッドのアルゴリズムを使用して最大公約数を見つける PROGRAM EUCLID PRINT *, 'A?' READ *, NA IF (NA.LE.0) THEN PRINT *, 'A must be a positive integer.' STOP END IF PRINT *, 'B?' READ *, NB IF (NB.LE.0) THEN PRINT *, 'B must be a positive integer.' STOP END IF PRINT *, 'The GCD of', NA, ' and', NB, ' is', NGCD(NA, NB), '.' STOP END FUNCTION NGCD(NA, NB) IA = NA IB = NB 1 IF (IB.NE.0) THEN ITEMP = IA IA = IB IB = MOD(ITEMP, IB) GOTO 1 END IF NGCD = IA RETURN END </syntaxhighlight> 上記の例は以下を示すために意図されています: * 上記の<code>PRINT</code>と<code>READ</code>文では、'<code>*</code>'をフォーマットとして使用しており、''リスト指向のフォーマット''を指定しています。リスト指向のフォーマットは、次の引数に基づいて必要な入力または出力のフォーマットをコンパイラに推測させるようにします。 * FORTRANの初期のマシンでは文字セットが制限されていたため、FORTRAN 77では関係演算子 =、≠、<、>、≤、および ≥ を表す<code>.EQ.</code>、<code>.NE.</code>、<code>.LT.</code>、<code>.GT.</code>、<code>.LE.</code>、<code>.GE.</code>のような略記が使用されます。 * この例では、暗黙の型指定機構を使用して、<code>NA</code>、<code>NB</code>、<code>IA</code>、<code>IB</code>、および <code>ITEMP</code> のINTEGER型を指定します。 * 関数<code>NGCD(NA, NB)</code>では、関数引数<code>NA</code>と<code>NB</code>の値がそれぞれローカル変数<code>IA</code>と<code>IB</code>にコピーされます。これは、<code>IA</code>と<code>IB</code>の値が関数内で変更されるために必要です。Fortranの関数およびサブルーチンでの引数の受け渡しはデフォルトで[[:en:w:evaluation strategy#Call by reference|参照渡し]]を利用します([[:en:w:evaluation strategy#Call by value|値渡し]]ではなく、例えば[[:en:w:C programming language|C]]のような言語のデフォルトとは異なります)。関数内から<code>NA</code>と<code>NB</code>を修正すると、関数を呼び出したメインの<code>PROGRAM</code>ユニット内の対応する ''実引数'' が実質的に修正されることになります。 以下に、プログラムのコンパイルと実行の結果を示します。 :<syntaxhighlight lang=console> $ g77 -o euclid euclid.f $ euclid A? 24 B? 36 The GCD of 24 and 36 is 12. </syntaxhighlight> ===複素数=== 以下のFORTRAN 77の例は、<math>j = \sqrt{-1}</math>としたときの<math>e^{j i \pi / 4}</math>の値(ここで<math>j</math>は[[:en:w:imaginary unit|虚数単位]] <math>\sqrt{-1}</math>です)を<math>i = 0, 1, \ldots, 7</math>の値に対して出力します。 :<syntaxhighlight lang=fortranfixed> * cmplxd.f (FORTRAN 77) * Demonstration of COMPLEX numbers * * Prints the values of e ** (j * i * pi / 4) for i = 0, 1, 2, ..., 7 * where j is the imaginary number sqrt(-1) PROGRAM CMPLXD IMPLICIT COMPLEX(X) PARAMETER (PI = 3.141592653589793, XJ = (0, 1)) DO 1, I = 0, 7 X = EXP(XJ * I * PI / 4) IF (AIMAG(X).LT.0) THEN PRINT 2, 'e**(j*', I, '*pi/4) = ', REAL(X), ' - j',-AIMAG(X) ELSE PRINT 2, 'e**(j*', I, '*pi/4) = ', REAL(X), ' + j', AIMAG(X) END IF 2 FORMAT (A, I1, A, F10.7, A, F9.7) 1 CONTINUE STOP END </syntaxhighlight> 上記の例は以下を示すために意図されています: * <code>IMPLICIT</code>文を使用して、変数の暗黙の型を指定することができます。デフォルトの暗黙の型付けスキームと異なる場合、変数の最初の文字に基づいてその暗黙の型を指定します。この例では、この文は変数の暗黙の型を<code>COMPLEX</code>に指定します。 * <code>PARAMETER</code>文は定数を指定するために使用できます。この例の2番目の定数(<code>XJ</code>)は、複素数値の値<math>0 + j1</math>を持ちます。ここで、<math>j</math>は[[:en:w:imaginary unit|虚数単位]]<math>\sqrt{-1}</math>です。 * <code>DO</code>文内の最初の数値は、<code>DO</code>ループ内の最終文とみなされる文の番号を指定します。この例では、<code>END IF</code>または<code>FORMAT</code>が単一の実行文ではないため、(何もしない) <code>CONTINUE</code>文が単にループの最終文として指定されます。 * <code>EXP()</code>は指数関数<math>e^x</math>に対応します。FORTRAN 77では、これは''ジェネリック関数''であり、複数の型(<code>REAL</code>や、この例では<code>COMPLEX</code>など)の引数を受け入れることを意味します。*FORTRAN 66では、''特殊関数''を呼び出す必要がありました。これは、関数引数の型に応じて名前が異なります(この例では<code>COMPLEX</code>値の場合に<code>CEXP()</code>)。 * <code>COMPLEX</code>値の場合、<code>REAL()</code>および<code>AIMAG()</code>は、それぞれ引数の実部と虚部の値を返します。 ちなみに、上記のプログラムの出力は以下の通りです(これらの値は、[[:en:w:Euler's formula|オイラーの公式]]による単位円周上に均等に配置された8つの点としての幾何学的解釈についての記事を参照してください)。 :<syntaxhighlight lang=console> $ cmplxd e**(j*0*pi/4) = 1.0000000 + j0.0000000 e**(j*1*pi/4) = 0.7071068 + j0.7071068 e**(j*2*pi/4) = 0.0000000 + j1.0000000 e**(j*3*pi/4) = -0.7071068 + j0.7071068 e**(j*4*pi/4) = -1.0000000 - j0.0000001 e**(j*5*pi/4) = -0.7071066 - j0.7071069 e**(j*6*pi/4) = 0.0000000 - j1.0000000 e**(j*7*pi/4) = 0.7071070 - j0.7071065 </syntaxhighlight> 上記の数値のいくつかの場合、最後の小数位でエラーが発生していることが見て取れます。これは、<code>COMPLEX</code>データ型が実部と虚部を単精度で表現しているためです。ちなみに、Fortran 90では倍精度の複素数データ型も標準化されました(しかし、いくつかのコンパイラはそれ以前からこのような型を提供していました)。 ===三角形の面積を求めるFORTRAN 90プログラム=== :<syntaxhighlight lang=fortran> program area implicit none real :: A, B, C, S ! area of a triangle read *, A, B, C S = (A + B + C)/2 A = sqrt(S*(S-A)*(S-B)*(S-C)) print *,"area =",A stop end program area </syntaxhighlight> == Fortran 90/95の例 == === DOループを使用した合計値の計算 === このFortran 90のコードの例では、プログラマーはコードの大部分をDOループの中に書いています。実行時には、指示が画面に表示され、SUM変数がループの外でゼロに初期化されます。ループが開始すると、ユーザーに任意の数値の入力を要求します。この数値は、ループが繰り返されるたびに変数SUMに加算されます。ユーザーが0を入力すると、EXIT文がループを終了し、SUMの値が画面に表示されます。 このプログラムには、データファイルも含まれています。ループが始まる前に、プログラムは(もしあれば) "SumData.DAT"というテキストファイルを作成(または開く)します。ループ中、WRITE文はこのファイルに入力された数値を保存し、ループが終了すると回答も保存します。 <syntaxhighlight lang="fortran"> ! sum.f90 ! EXIT文を使用してループを使用した合計値を計算します ! 入力情報と合計値をデータファイルに保存します program summation implicit none integer :: sum, a print *, "This program performs summations. Enter 0 to stop." open (unit=10, file="SumData.DAT") sum = 0 do print *, "Add:" read *, a if (a == 0) then exit else sum = sum + a end if write (10,*) a end do print *, "Summation =", sum write (10,*) "Summation =", sum close(10) end </syntaxhighlight> 実行すると、コンソールに次のように表示されます。 <syntaxhighlight lang="text"> This program performs summations. Enter 0 to stop. Add: 1 Add: 2 Add: 3 Add: 0 Summation = 6 </syntaxhighlight> そして、ファイルSumData.DATには次のように表示されます。 <syntaxhighlight lang="text"> 1 2 3 Summation = 6 </syntaxhighlight> === 円柱の表面積の計算 === 次のプログラムは、円柱の表面積を計算するものであり、自由形式のソース入力やFortran 90で導入された他の機能を示しています。 <syntaxhighlight lang="fortran"> program cylinder ! 円柱の表面積を計算します。 ! ! 変数と定数の宣言 ! 定数=pi ! 変数=半径の2乗と高さ implicit none ! すべての変数を明示的に宣言することを要求する integer :: ierr character(1) :: yn real :: radius, height, area real, parameter :: pi = 3.141592653589793 interactive_loop: do ! ユーザーに半径と高さを入力するように促し、それらを読み取ります。 write (*,*) 'Enter radius and height.' read (*,*,iostat=ierr) radius,height ! 半径と高さが入力から読み取れなかった場合、 ! ループを通じて進みます。 if (ierr /= 0) then write(*,*) 'Error, invalid input.' cycle interactive_loop end if ! 面積を計算します。 **は「累乗」を意味します。 area = 2*pi * (radius**2 + radius*height) ! 入力変数(半径、高さ)と出力(面積)を画面に書き込みます。 write (*,'(1x,a7,f6.2,5x,a7,f6.2,5x,a5,f6.2)') & 'radius=',radius,'height=',height,'area=',area yn = ' ' yn_loop: do write(*,*) 'Perform another calculation? y[n]' read(*,'(a1)') yn if (yn=='y' .or. yn=='Y') exit yn_loop if (yn=='n' .or. yn=='N' .or. yn==' ') exit interactive_loop end do yn_loop end do interactive_loop end program cylinder </syntaxhighlight> === 動的メモリ割り当てと配列 === 次のプログラムは、動的メモリ割り当てと配列ベースの操作を示しており、Fortran 90で導入された2つの機能を説明しています。配列の操作には、DOループやIF / THEN文がないことが特に注目されます。数学的な操作は配列全体に適用されます。また、記述的な変数名の使用と、現代のプログラミングスタイルに準拠した一般的なコードのフォーマットも明らかです。この例では、インタラクティブに入力されたデータの平均値を計算します。 <syntaxhighlight lang="fortran"> program average ! いくつかの数値を読み取り、平均値を取得します ! この例では、データポイントがない場合、ゼロの平均値が返されます ! これは望ましくない動作かもしれませんが、この例を単純化します implicit none integer :: number_of_points real, dimension(:), allocatable :: points real :: average_points=0., positive_average=0., negative_average=0. write (*,*) "Input number of points to average:" read (*,*) number_of_points allocate (points(number_of_points)) write (*,*) "Enter the points to average:" read (*,*) points ! ポイントを合計し、number_of_pointsで割ることで平均値を取ります if (number_of_points > 0) average_points = sum(points)/number_of_points ! 今度は正のポイントと負のポイントだけで平均を取ります if (count(points > 0.) > 0) positive_average = sum(points, points > 0.) & /count(points > 0.) if (count(points < 0.) > 0) negative_average = sum(points, points < 0.) & /count(points < 0.) deallocate (points) ! 結果を端末に出力します write (*,'(''Average = '', 1g12.4)') average_points write (*,'(''Average of positive points = '', 1g12.4)') positive_average write (*,'(''Average of negative points = '', 1g12.4)') negative_average end program average </syntaxhighlight> === 関数の記述 === 以下の例は、線形方程式系を解く関数を示しています。Fortranで利用可能なモダンな機能、例えば、遅延形状、保護された引数、オプション引数などが使用されています。 <syntaxhighlight lang="fortran"> function gauss_sparse(num_iter, tol, b, A, x, actual_iter) result(tol_max) ! この関数は、ガウス・ザイデル法を使用して方程式系(Ax = b)を解きます implicit none real :: tol_max ! 入力:その値は関数内で変更できません integer, intent(in) :: num_iter real, intent(in) :: tol real, intent(in), dimension(:) :: b, A(:,:) ! 入力/出力:その入力値は関数内で使用され、変更できます real, intent(inout) :: x(:) ! 出力:その値は関数内で変更されますが、引数が必要な場合のみ integer, optional, intent(out) :: actual_iter ! ローカル integer :: i, n, iter real :: xk ! 値を初期化します n = size(b) ! 配列のサイズ、size組込み関数を使用して取得します tol_max = 2. * tol iter = 0 ! 収束するまで解を計算します convergence_loop: do while (tol_max >= tol .and. iter < num_iter); iter = iter + 1 tol_max = -1. ! 許容誤差の値をリセットします ! k番目の反復の解を計算します iteration_loop: do i = 1, n ! 現在のx値を計算します xk = (b(i) - dot_product(A(i,:i-1),x(:i-1)) - dot_product(A(i,i+1:n),x(i+1:n))) / A(i, i) ! 解の誤差を計算します ! dot_product(a,v)=a'b tol_max = max((abs(x(i) - xk)/(1. + abs(xk))) ** 2, abs(A(i, i) * (x(i) - xk)), tol_max) x(i) = xk enddo iteration_loop enddo convergence_loop if (present(actual_iter)) actual_iter = iter end function gauss_sparse </syntaxhighlight> このルーチンへの明示的なインターフェースが、その呼び出し元によって利用可能である必要があります。これは、関数をモジュール内に配置し、呼び出しルーチンでそのモジュールをUSEすることによって、最も望ましい方法です。別の方法は、次の例に示すように、INTERFACEブロックを使用することです。 <syntaxhighlight lang="fortran"> program test_gauss_sparse implicit none ! gauss_sparse関数への明示的なインターフェース interface function gauss_sparse(num_iter, tol, b, A, x, actual_iter) result(tol_max) real :: tol_max integer, intent(in) :: num_iter real, intent(in) :: tol real, intent(in), dimension(:) :: b, A(:,:) real, intent(inout) :: x(:) integer, optional, intent(out) :: actual_iter end function end interface ! 変数の宣言 integer :: i, N = 3, actual_iter real :: residue real, allocatable :: A(:,:), x(:), b(:) ! 配列の割り当て allocate (A(N, N), b(N), x(N)) ! 行列の初期化 A = reshape([(real(i), i = 1, size(A))], shape(A)) ! 対角要素が他の要素の合計になるように行列を変更する do i = 1, size(A, 1) A(i,i) = sum(A(i,:)) + 1 enddo ! bの初期化 b = [(i, i = 1, size(b))] ! 初期解(予測解) x = b ! gauss_sparse関数の呼び出し residue = gauss_sparse(num_iter = 100, & tol = 1E-5, & b = b, & A = a, & x = x, & actual_iter = actual_iter) ! 出力 print '(/ "A = ")' do i = 1, size(A, 1) print '(100f6.1)', A(i,:) enddo print '(/ "b = " / (f6.1))', b print '(/ "残差 = ", g10.3 / "反復回数 = ", i0 / "解 = "/ (11x, g10.3))', & residue, actual_iter, x end program test_gauss_sparse </syntaxhighlight> === サブルーチンの記述 === 手続きの引数を介して値を返す場合は、関数よりもサブルーチンを使用することが好まれます。これは、2つの配列の内容を入れ替えるサブルーチンの例によって示されます: <syntaxhighlight lang="fortran"> subroutine swap_real(a1, a2) implicit none ! 入力/出力 real, intent(inout) :: a1(:), a2(:) ! ローカル変数 integer :: i real :: a ! 入れ替え do i = 1, min(size(a1), size(a2)) a = a1(i) a1(i) = a2(i) a2(i) = a enddo end subroutine swap_real </syntaxhighlight> 以前の例と同様に、このルーチンへの ''明示的インターフェース'' は、その [[w:型シグネチャ|型シグネチャ]] が呼び出し元で知られている必要があります。これは、関数を ''モジュール'' に配置し、呼び出しルーチンでモジュールを ''USE'' することによって、望ましい方法です。代替手段として、次の例に示すように ''INTERFACE'' ブロックを使用することもできます。 === 内部と要素手続き === 前の例の <code>swap_real</code> サブルーチンを書き直す別の方法は次の通りです: <syntaxhighlight lang="fortran"> subroutine swap_real(a1, a2) implicit none ! 入力/出力 real, intent(inout) :: a1(:), a2(:) ! ローカル変数 integer :: N ! 内部サブルーチンを使用して入れ替え N = min(size(a1), size(a2)) call swap_e(a1(:N), a2(:N)) contains elemental subroutine swap_e(a1, a2) real, intent(inout) :: a1, a2 real :: a a = a1 a1 = a2 a2 = a end subroutine swap_e end subroutine swap_real </syntaxhighlight> この例では、<code>swap_e</code> サブルーチンが要素であり、それは要素ごとの基準でその配列引数に作用します。要素手続きは [[w:純粋関数|純粋]] でなければならず(つまり、副作用を持たず、純粋な手続きのみを呼び出すことができます)、すべての引数はスカラーでなければなりません。<code>swap_e</code> が <code>swap_real</code> サブルーチンの内部であるため、他のプログラムユニットはそれを呼び出すことはできません。 次のプログラムは、2つの <code>swap_real</code> サブルーチンのいずれかをテストするためのものです: <syntaxhighlight lang="fortran"> program test_swap_real implicit none ! swap_realサブルーチンへの明示的なインターフェース interface subroutine swap_real(a1, a2) real, intent(inout) :: a1(:), a2(:) end subroutine swap_real end interface ! 変数の宣言 integer :: i real :: a(10), b(10) ! a、bの初期化 a = [(real(i), i = 1, 20, 2)] b = a + 1 ! 入れ替え前の出力 print '(/"入れ替え前:")' print '("a = [", 10f6.1, "]")', a print '("b = [", 10f6.1, "]")', b ! swap_realサブルーチンの呼び出し call swap_real(a, b) ! 入れ替え後の出力 print '(// "入れ替え後:")' print '("a = [", 10f6.1, "]")', a print '("b = [", 10f6.1, "]")', b end program test_swap_real </syntaxhighlight> === ポインタとターゲットメソッド === Fortranにおいて、[[w:Pointer (computing)|ポインタ]]の概念は、[[C programming language|C]]のような言語とは異なります。Fortran 90のポインタは単にターゲット変数のメモリアドレスを格納するだけでなく、追加の情報も含みます。その情報には、ターゲットのランク、各次元の上限と下限、さらにはメモリを通過する際のストライドさえ含まれます。これにより、Fortran 90のポインタはサブ行列を指すことができます。 Fortran 90のポインタは、ポインタ代入演算子 (<code>=></code>) または <code>ALLOCATE</code> 文を介して、明確に定義された ''ターゲット'' 変数と ''関連付け'' されます。式中に現れる場合、ポインタは常にデリファレンスされます。 ''ポインタ演算'' はできません。 次の例では、整数の配列を指すポインタを宣言し、そのポインタを介して配列の要素を変更します: <syntaxhighlight lang="fortran"> program pointer_example implicit none ! ポインタの宣言 integer, pointer :: ptr(:) ! ターゲット配列の宣言 integer, dimension(5) :: array ! ポインタをターゲットに関連付ける ptr => array ! ターゲット配列の要素を変更 ptr(1) = 10 ptr(2) = 20 ptr(3) = 30 ptr(4) = 40 ptr(5) = 50 ! 出力 print *, "ターゲット配列の要素:" print *, array end program pointer_example </syntaxhighlight> このプログラムは、ターゲット配列の要素を直接変更するのではなく、ポインタを介して変更することができます。ポインタには <code>=></code> 演算子を使用してターゲットを指定します。 ポインタには [[w:Dynamic memory allocation|動的メモリ割り当て]] にも使用できます。下記に、ポインタを使用して動的に配列を割り当てる方法を示します: <syntaxhighlight lang="fortran"> program dynamic_allocation implicit none ! ポインタの宣言 integer, pointer :: ptr(:) ! 配列のサイズ integer :: size ! ユーザーによる配列のサイズ入力 print *, "配列のサイズを入力してください:" read *, size ! ポインタを割り当て allocate(ptr(size)) ! ユーザーからの入力を配列に格納 print *, "配列の要素を入力してください:" read *, ptr ! 出力 print *, "入力された配列の要素:", ptr ! 割り当て解除 deallocate(ptr) end program dynamic_allocation </syntaxhighlight> このプログラムでは、ユーザーによって配列のサイズが入力され、そのサイズの配列が動的に割り当てられます。その後、ユーザーが要素を入力し、それがポインタに格納された配列に保存されます。 最後に、ポインタのメモリが解放されます。 === コメント === これらの例は、Fortran 90/95の基本的な構文や機能を示しています。Fortranの機能は非常に豊富であり、これらの例でカバーされていない多くの機能がありますが、これらの例で紹介された構文や機能をマスターすることで、Fortranで広範なプログラミングを行う上での基盤を築くことができます。 === モジュール === Fortranのモジュールは、変数、関数、手続きなどの ''公開インターフェース'' を定義するための便利な方法です。これにより、異なるプログラムユニット間で情報を共有することができます。たとえば、以下の例では、定数や手続きを含むモジュールを定義しています: モジュールを使用するプログラムでは、次のようにしてモジュールをインポートします: <syntaxhighlight lang="fortran"> module GlobalModule ! Reference to a pair of procedures included in a previously compiled ! module named PortabilityLibrary use PortabilityLibrary, only: GetLastError, & ! Generic procedure Date ! Specific procedure ! Constants integer, parameter :: dp_k = kind (1.0d0) ! Double precision kind real, parameter :: zero = (0.) real(dp_k), parameter :: pi = 3.141592653589793_dp_k ! Variables integer :: n, m, retint logical :: status, retlog character(50) :: AppName ! Arrays real, allocatable, dimension(:,:,:) :: a, b, c, d complex(dp_k), allocatable, dimension(:) :: z ! Derived type definitions type ijk integer :: i integer :: j integer :: k end type ijk type matrix integer m, n real, allocatable :: a(:,:) ! Fortran 2003 feature. For Fortran 95, use the pointer attribute instead end type matrix ! All the variables and procedures from this module can be accessed ! by other program units, except for AppName public private :: AppName ! Generic procedure swap interface swap module procedure swap_integer, swap_real end interface swap interface GetLastError ! This adds a new, additional procedure to the ! generic procedure GetLastError module procedure GetLastError_GlobalModule end interface GetLastError ! Operator overloading interface operator(+) module procedure add_ijk end interface ! Prototype for external procedure interface function gauss_sparse(num_iter, tol, b, A, x, actual_iter) result(tol_max) real :: tol_max integer, intent(in) :: num_iter real, intent(in) :: tol real, intent(in), dimension(:) :: b, A(:,:) real, intent(inout) :: x(:) integer, optional, intent(out) :: actual_iter end function gauss_sparse end interface ! Procedures included in the module contains ! Internal function function add_ijk(ijk_1, ijk_2) type(ijk) add_ijk, ijk_1, ijk_2 intent(in) :: ijk_1, ijk_2 add_ijk = ijk(ijk_1%i + ijk_2%i, ijk_1%j + ijk_2%j, ijk_1%k + ijk_2%k) end function add_ijk ! Include external files include 'swap_integer.f90' ! Comments SHOULDN'T be added on include lines include 'swap_real.f90' end module GlobalModule </syntaxhighlight>
2024-02-11T23:18:12Z
2024-02-12T00:25:14Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Fortran/Fortran%E3%81%AE%E6%B4%BB%E7%94%A8%E4%BE%8B
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Fortran/よくある質問
This article contains some frequently-asked questions (FAQs) regarding Fortran and their answers. A: Fortran is not obsolete and it will not be any time soon. Fortran is a general purpose programming language and is suitable for many applications. However, it excells at numerical computation and high performance computing. It is fast, portable and it has seamless handling of arrays. Because of this, there are many high-quality Fortran libraries for numerical algorithms and it is widespread in scientific communities (e.g. numerical weather predicion). The language itself is still maintained and regularly updated with modern features; the latest version is Fortran 2018. A: Oracle Solaris Studio, GNU Fortran, G95, and Silverfrost (Windows only) are free software Fortran 95 compilers, and Absoft, IBM, Intel, Lahey, NAG, Pathscale and PGI sell Fortran compilers. Comparative information on Fortran compilers is available at Wikipedia. A: Use an "internal write" to create the file names, for example A: A neater way to do this would be: This way the formatting is clear and you are writing the correct string to the variable. I assume you wanted an integer as the number. 'I' format statement requires an Integer length, or zero in some cases. You are probably thinking of F where the decimal point denotes the number of decimals to consider. A: Gfortran does not accept this block Gives, ERROR, file tag must be of type CHARACTER Can someone else help with this? A: See the answer above. Basically the way you have written the variable file_name is incorrect. Assuming that ITN has been declared as an integer and given a value. A: Use an "internal read" or "internal write". In effect, you use a character variable as the file name and read or write the I/O list. You write things like to convert a string to another type and to convert to a string from another type, as demonstrated by the following program: This answer is based on messages in comp.lang.fortran by Paul van Delst and Dick Hendrickson. A. The Fortran 2008 standard provides the execute_command_line intrinsic procedure to make system calls. Prior versions have no standard way to make system calls, but many compilers have an extension named "system" or something similar. Please consult the documentation of your compiler. In Fortran 2003, one can call C code, and it is possible to call the operating system from C.
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This article contains some frequently-asked questions (FAQs) regarding Fortran and their answers.
{{nav}} この記事には、Fortranに関するいくつかのよくある質問(FAQ)とその回答が含まれています。 == Q. Fortranを学ぶべきですか?時代遅れですか? == A: Fortranは時代遅れではなく、近いうちにそうなることはありません。Fortranは汎用のプログラミング言語であり、多くのアプリケーションに適しています。ただし、数値計算やハイパフォーマンスコンピューティングに優れています。高速で、移植性があり、配列の処理がシームレスです。そのため、数値アルゴリズム用の高品質なFortranライブラリが多数存在し、科学コミュニティ(例:数値気象予測)で広く使用されています。言語自体はまだメンテナンスされ、定期的に最新の機能が追加されています。最新バージョンはFortran 2023, ISO/IEC 1539:2023です。 == Q: どのFortranコンパイラを使用すべきですか? == A: Oracle Solaris Studio、GNU Fortran、G95、およびSilverfrost(Windowsのみ)は無料のソフトウェアFortran 95コンパイラです。また、Absoft、IBM、Intel、Lahey、NAG、Pathscale、およびPGIはFortranコンパイラを販売しています。Fortranコンパイラの比較情報は、[[:en:w:List_of_compilers#Fortran_compilers|Wikipedia]]で入手できます。 == Q: out_01.txt、out_02.txtなどの番号付きファイル名をどのように作成しますか? == A: "内部書き込み"を使用してファイル名を作成します。たとえば、次のようにします。 :<syntaxhighlight lang=fortran> write (file_name,"('out_',i2.2,'.txt')") i </syntaxhighlight> A: よりきれいな方法は次のとおりです。 :<syntaxhighlight lang=fortran> i=<file number> WRITE(file_name, fmt = '(A4,I0,A4)')'out_',i,'.txt' </syntaxhighlight> こうすることで、書式設定が明確になり、変数に正しい文字列が書き込まれます。おそらく、数値が必要なのだと思います。 'I'フォーマットステートメントでは、整数長または一部の場合にはゼロが必要です。十進点は考慮すべき小数点数を示します。 ==Q: このテクニックを使用したopenステートメントはどのように見えますか? OPEN(UNIT = __、FILE = ???、STATUS='NEW')?== A: Gfortranはこのブロックを受け付けません。 :<syntaxhighlight lang=fortran> write(file_name,'cp',(i5.5),'.out') ITN open (67,file = file_name) </syntaxhighlight> エラー、ファイルタグはCHARACTER型である必要があります。 他の人がこれをサポートできますか? A: 上記の回答を参照してください。基本的に、変数file_nameを書き込む方法が間違っています。 :<syntaxhighlight lang=fortran> WRITE(file_name,fmt='(A2,I0,A4)')'cp',ITN,'.out' OPEN(UNIT=67, file=file_name, status='new') </syntaxhighlight> ITNが整数として宣言され、値が与えられていることを前提としています。 == Q: 文字列を整数やその他の型に変換するにはどうすればよいですか?逆にはどうですか? == A: "内部読み取り"または "内部書き込み"を使用します。実際には、文字列変数をファイル名として使用し、I/Oリストを読み取ったり書き込んだりします。次のようにして変換します。 文字列から他の型に変換するには、 :<syntaxhighlight lang=fortran> read (character_variable, format) list of variables </syntaxhighlight> と書き、他の型から文字列に変換するには、 :<syntaxhighlight lang=fortran> write (character_variable, format) list of variables </syntaxhighlight> と書きます。次のプログラムで示されるように、デモンストレーションされています。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program xconvert_integer_string character(20) :: cnum integer :: i i = 445 write(cnum,'(i5)') i write(*,'(a)') trim(cnum) ! should output " 445" write(cnum,'(i5.5)') i write(*,'(a)') trim(cnum) ! should output "00445" i = 34 write(cnum,'(i0)') i write(*,'(a)') trim(cnum) ! should output "34" end program xconvert_integer_string </syntaxhighlight> この回答は、Paul van DelstとDick Hendricksonによるcomp.lang.fortranのメッセージに基づいています。 == Q. Fortranプログラム内でオペレーティングシステムにコマンドを発行するにはどうすればよいですか? == A. Fortran 2008標準では、システムコールを行うための<code>execute_command_line</code>内部手続きが提供されています。以前のバージョンでは、システムコールを行う標準的な方法はありませんが、多くのコンパイラには「system」または類似の拡張機能があります。コンパイラのドキュメントを参照してください。Fortran 2003では、Cコードを呼び出すことができ、Cからオペレーティングシステムを呼び出すことが可能です。
2024-02-12T00:52:06Z
2024-02-12T01:08:06Z
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高等学校美術I/筆の持ち方
鉛筆の場合、5教科で文字を描くさいに使う普通の持ち方のほかにも、美術では鉛筆・絵筆の持ち方には幾つか他の持ち方もあります。 下記では、主に鉛筆と絵筆の、5教科の持ち方以外で、美術でよくある持ち方を紹介します。 なお、普通の5教科での持ち方も、細かい部分を描くさいには使うこともあるので、5教科の鉛筆の持ち方はこれはこれで美術の持ち方のひとつとして使用しても大丈夫です。 なお、下記で紹介する以外にも、ジャンルなどに応じて、いろんな持ち方があります。 習字の太い筆の持ち方とも、絵筆の持ち方は違います。 なお美術では、絵描き事に色々な持ち方があり、べつに持ち方が他の絵描きと違っていても決して「行儀が悪い」とかなりません。なので、人によって描きやすい中指・親指の位置が微妙に違うと思いますので、各自、実際に描く際には下記の持ち方そのものではなく、各自の描きやすい持ち方にアレンジして調節しつつ、使ってください。 絵を描くとき、絵筆などの持ち方は、指先の力具合などの加減を正確にするために、中指を人差し指に添える場合もあります。 文字を書く時に良いとされる鉛筆の握り方とは、中指の位置が違っています。 やや難しい持ち方ですが、親指の先端の位置を変えて、人差し指の半ばほどに親指先端を持ってくる持ち方の方法もあります。 なお、比較として、普通の5教科の持ち方だと親指の先端は人差し指の先端の近くに来ます。 ほかの持ち方として、筆の先端やエンピツの先端を動かすストロークの長さに応じて、持つ位置を変えることがあります。 専門書でも「ストローク」と言う呼び方をしています。 鉛筆の長さが足りない場合は、鉛筆ホルダーで長くできます。 細かい部分を描く場合など、先端を短いストロークで動かす場合は、5教科での普通のエンピツの持ち方のように選択近くを持ちます。 一方、筆・エンピツの先端を長いストロークで動かす場合は、先端から少し離れた位置を持ちます。 ストロークの長さに応じて、持つ位置を調整してください。 画風などによって、指先を動かすさいにヒジをどのていど動かすかどうか等、人ごとに違いがあると思います。各自、自分に都合のいいように調節してください。 とりあえず、「ストロークの長さに応じて、筆の持つ位置を変える」という発想があるかないかが重要です。 他の持ち方として、石膏デッサンなどで使うことの多い、つまむような持ち方が、あります。 文字だけでこの持ち方を説明するのは大変に難しいので、授業などで教わるか、あるいはネット検索で調べてください。
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== 筆の持ち方 == :※ 検定教科書では習いませんが、他に特に書くこともないので(検定教科書ではプロ画家の作品紹介がされていますが、しかし当wikiでは著作権などの都合で掲載できません)、なので編集者たちが趣味で美術技法(市販の美術書などにある内容に準拠しているつもりです)を書いています。 鉛筆の場合、5教科で文字を描くさいに使う普通の持ち方のほかにも、美術では鉛筆・絵筆の持ち方には幾つか他の持ち方もあります。 下記では、主に鉛筆と絵筆の、5教科の持ち方以外で、美術でよくある持ち方を紹介します。 なお、普通の5教科での持ち方も、細かい部分を描くさいには使うこともあるので、5教科の鉛筆の持ち方はこれはこれで美術の持ち方のひとつとして使用しても大丈夫です<ref>『鉛筆デッサンの基本』、遊友出版、2004年8月20日 発行、P24</ref>。 なお、下記で紹介する以外にも、ジャンルなどに応じて、いろんな持ち方があります。 習字の太い筆の持ち方とも、絵筆の持ち方は違います。 なお美術では、絵描き事に色々な持ち方があり、べつに持ち方が他の絵描きと違っていても決して「行儀が悪い」とかなりません。なので、人によって描きやすい中指・親指の位置が微妙に違うと思いますので、各自、実際に描く際には下記の持ち方そのものではなく、各自の描きやすい持ち方にアレンジして調節しつつ、使ってください。 === 中指を添える場合 === 絵を描くとき、絵筆などの持ち方は、指先の力具合などの加減を正確にするために、中指を人差し指に添える場合もあります。 文字を書く時に良いとされる鉛筆の握り方とは、中指の位置が違っています。 === 親指の先端を人差し指の根本ちかくにする場合 === やや難しい持ち方ですが、親指の先端の位置を変えて、人差し指の半ばほどに親指先端を持ってくる持ち方の方法もあります。 なお、比較として、普通の5教科の持ち方だと親指の先端は人差し指の先端の近くに来ます。 === ストロークで変える場合 === ほかの持ち方として、筆の先端やエンピツの先端を動かすストロークの長さに応じて、持つ位置を変えることがあります。 専門書でも「ストローク」と言う呼び方をしています<ref>三上詩絵 著『写真みたいな絵が描ける色鉛筆画』、日本文芸社、2019年9月20日 第1刷 発行、P20</ref>。 鉛筆の長さが足りない場合は、鉛筆ホルダーで長くできます<ref>三上詩絵 著『写真みたいな絵が描ける色鉛筆画』、日本文芸社、2019年9月20日 第1刷 発行、P20</ref>。 細かい部分を描く場合など、先端を短いストロークで動かす場合は、5教科での普通のエンピツの持ち方のように選択近くを持ちます。 一方、筆・エンピツの先端を長いストロークで動かす場合は、先端から少し離れた位置を持ちます。 ストロークの長さに応じて、持つ位置を調整してください。 画風などによって、指先を動かすさいにヒジをどのていど動かすかどうか等、人ごとに違いがあると思います。各自、自分に都合のいいように調節してください。 とりあえず、「ストロークの長さに応じて、筆の持つ位置を変える」という発想があるかないかが重要です。 === つまむような持ち方 === 他の持ち方として、石膏デッサンなどで使うことの多い、つまむような持ち方が、あります。 文字だけでこの持ち方を説明するのは大変に難しいので、授業などで教わるか、あるいはネット検索で調べてください。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1ふてのもちかた}} [[カテゴリ:高校美術|ふてのもちかた]]
2024-02-12T01:38:48Z
2024-03-19T14:13:33Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%BE%8E%E8%A1%93I/%E7%AD%86%E3%81%AE%E6%8C%81%E3%81%A1%E6%96%B9
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高等学校美術I/写真と美術
昔から絵画の勉強、練習には、過去の名画を模写することが良く行われてきました。現代では写真もありますが、写実的な絵は必ずしも写真どおりに描かれているとは限りません。 なぜなら、私たち人間の脳が認識する映像は、じつは目から見た映像情報そのままではない可能性が高い、ということが心理学などの実験などで知られています。心理学の用語ですが、「網膜像」と「知覚像」(perceptual image)という用語があります。我々の眼に映った状態の視界の映像が、「網膜像」です。興味のある場合、これらの用語を調べれば、調査できます。 とはいえ、高校生レベルの基礎的な学習としては、基本は現実の光景、事物を見て絵を描く練習をするのが入門的でしょう。現実を知った上でのアレンジです。 美術史的には、たとえば近代の画家ルノワールと画家セザンヌが、フランスの同じ景色の山を描いた絵の違いが、近代絵画でのそのような印象と写実のちがいの例としては有名です。 セザンヌ的な手法、ルノワール的な手法、どちらを使うか目指すか、目的によって使い分けましょう。 古代の美術などでも、わかりやすさを目的に、あえて、写実画からは少し崩した表現をしていると考えられる作品も多々あります。古代ギリシアの彫刻も、一見すると写実的ですが、彫刻男性ならば実際の古代ギリシア人の体格よりも たくましい体の彫刻である場合が多いのが普通です。 なお、美術史的には、ピカソがキュビズムを生み出す前からもう、目の前の現実にとらわれないで1枚の絵のなかに色々な角度からの視点を問い入れる表現をすることがセザンヌによって行われていた事の実例でもあります。 高校美術とはあまり直接の関係ないですが、心理学の用語で、「大きさの恒常性」(size constancy)という用語があります。たとえば実験するなら、顔の前で腕を伸ばした時を基準にして、腕を曲げて手のひらを(延ばし他ときの基準位置から)半分の位置にすれば、網膜に映る映像での手の幅はおおよそ2倍になるはずですが、しかし人間の心理的な感覚では多少は大きく写っていると感じるものの、2倍ほどは大きく感じられず、結果としてほぼ一定に見えるという心理学の法則が知られています。(美大では研究などではこういう話もしますが。) このような写実と印象の考えの違いとして、セザンヌあたりの時代にすでに、写真の技術が普及していた背景があります。なお、写真の発明は19世紀の前半です。セザンヌよりも前にモネの時代の美術史で、もうそういった写真と印象派の関係についての分析がなされています。 セザンヌなど印象派の人は、写真では取れない、ウソを含んだ分かりやすい絵を追求しています。 必ずしもそれだけが「写真」でない表現ではなく、セザンヌとは別の時代ですが、1枚の絵のなかで遠近が違ってるのにピンボケをしない表現を追求した別の画家もいます。 美術の世界でいう『写実』とは、「目の前の現実や出来事」といった意味であり、そのため、(貴族や神々といった遠い世界の出来事だけでなく、)労働者や農民の姿を作品に描くことも含みます。 ですが、少なくとも日本では、写真のような絵を「写実的」ということもあります。美術史の専門書などでも、見たままのような絵のことを「写実的」と言っている場合もあります。 古代ギリシアの美術が割と見たまんまの感じに近いので、古代ギリシア美術のような見たままの感じに近い作風を「自然主義」ということもありますが、これも古代ギリシア美術などの文脈に依存します。実際には古代ギリシア美術は、完全にはリアルではなく、たとえば男性の像の彫刻は現実よりも逞しく(たくましく)表現されていたりします。 とりあえず、高校レベルの基礎トレーニングの段階では、なるべく目に見えたままを描くのが、とりあえずは無難でしょうか。 右のフェルメールの絵ですが、昔の画家も、モデルにポーズをとってもらって、それを見ながら描いていた、という様子がよくわかります。
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== 絵を描く == 昔から絵画の勉強、練習には、過去の名画を模写することが良く行われてきました。現代では写真もありますが、写実的な絵は必ずしも写真どおりに描かれているとは限りません。 なぜなら、私たち人間の脳が認識する映像は、じつは目から見た映像情報そのままではない可能性が高い、ということが心理学などの実験などで知られています。心理学の用語ですが、「網膜像」と「知覚像」(perceptual image)という用語があります。我々の眼に映った状態の視界の映像が、「網膜像」です。興味のある場合、これらの用語を調べれば、調査できます。 とはいえ、高校生レベルの基礎的な学習としては、基本は現実の光景、事物を見て絵を描く練習をするのが入門的でしょう。現実を知った上でのアレンジです。 美術史的には、たとえば近代の画家ルノワールと画家セザンヌが、フランスの同じ景色の山を描いた絵の違いが、近代絵画でのそのような印象と写実のちがいの例としては有名です。 [[File:Paul Cézanne, Mont Sainte-Victoire.jpg|thumb|400px|left|セザンヌ「サント・ヴィクトワール山」<br>奥の山を大きく描いている。]] [[File:Pierre-Auguste Renoir - Montagne Sainte-Victoire.jpg|thumb|400px|right|ルノワール「サント・ヴィクトワール山」<br>奥の山を小さく描いている。]] {{-}} セザンヌ的な手法、ルノワール的な手法、どちらを使うか目指すか、目的によって使い分けましょう。 古代の美術などでも、わかりやすさを目的に、あえて、写実画からは少し崩した表現をしていると考えられる作品も多々あります<ref>スージー・ホッジ『美術ってなあに? ”なぜ?”から始まるアートの世界』、2017年9月30日 初版発行、河出書房、P21</ref>。古代ギリシアの彫刻も、一見すると写実的ですが、彫刻男性ならば実際の古代ギリシア人の体格よりも たくましい体の彫刻である場合が多いのが普通です<ref>スージー・ホッジ『美術ってなあに? ”なぜ?”から始まるアートの世界』、2017年9月30日 初版発行、河出書房、P13</ref>。 なお、美術史的には、ピカソがキュビズムを生み出す前からもう、目の前の現実にとらわれないで1枚の絵のなかに色々な角度からの視点を問い入れる表現をすることがセザンヌによって行われていた事の実例でもあります<ref>スージー・ホッジ『美術ってなあに? ”なぜ?”から始まるアートの世界』、2017年9月30日 初版発行、河出書房、P37</ref><ref>下濱晶子『10歳からの「美術の歴史」』、株式会社メイツユニバーサルコンテンツ、2020年11月30日 第1版 第1刷発行、P.81</ref><ref>早坂優子 著『鑑賞のための西洋美術史入門』、視覚デザイン研究所、平成18年(2006年)9月1日 第1刷、P.140、</ref><ref>山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画入門』、幻冬舎、2008年5月25日 第1刷 発行、P.110</ref><!-- <ref>山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画入門』、幻冬舎、2008年5月25日 第1刷 発行、P.68 ※引用ページに「ピカソ」の文言は無いが「キュビズム」の文言があり、「キュビズムに」「影響を与えた」とある。</ref> -->。 高校美術とはあまり直接の関係ないですが、心理学の用語で、「大きさの恒常性」(size constancy)という用語があります。たとえば実験するなら、顔の前で腕を伸ばした時を基準にして、腕を曲げて手のひらを(延ばし他ときの基準位置から)半分の位置にすれば、網膜に映る映像での手の幅はおおよそ2倍になるはずですが、しかし人間の心理的な感覚では多少は大きく写っていると感じるものの、2倍ほどは大きく感じられず、結果としてほぼ一定に見えるという心理学の法則が知られています<ref>[https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2018/01/size_perception.pdf 『臨床心理士』「大きさ知覚 人の見方はカメラとは違う」2015/06/17、2022年10月23日に確認. </ref>。(美大では研究などではこういう話もしますが。) このような写実と印象の考えの違いとして、セザンヌあたりの時代にすでに、写真の技術が普及していた背景があります<ref>スージー・ホッジ『美術ってなあに? ”なぜ?”から始まるアートの世界』、2017年9月30日 初版発行、河出書房、P37</ref>。なお、写真の発明は19世紀<ref>[https://www.museum.or.jp/event/104310 『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策』アーティゾン美術館 東京都、 ]</ref>の前半です。セザンヌよりも前にモネの時代の美術史で、もうそういった写真と印象派の関係についての分析がなされています<ref>山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画入門』、幻冬舎、2008年5月25日 第1刷 発行、P.95</ref>。 セザンヌなど印象派の人は、写真では取れない、ウソを含んだ分かりやすい絵を追求しています。 必ずしもそれだけが「写真」でない表現ではなく、セザンヌとは別の時代ですが、1枚の絵のなかで遠近が違ってるのにピンボケをしない表現を追求した別の画家もいます。 {{-}} == 写実画 == [[File:Jan Vermeer - The Art of Painting - Google Art Project.jpg|424px|thumb|ヨハネス・フェルメール『絵画芸術の寓意』(1666〜67年頃)<br>ウィーン美術史美術館蔵(オーストリア)]] 美術の世界でいう『写実』とは、「目の前の現実や出来事」といった意味であり<ref>下濱晶子『10歳からの「美術の歴史」』、株式会社メイツユニバーサルコンテンツ、2020年11月30日 第1版 第1刷発行、、P.5</ref>、そのため、(貴族や神々といった遠い世界の出来事だけでなく、)労働者や農民の姿を作品に描くことも含みます<ref>下濱晶子『10歳からの「美術の歴史」』、株式会社メイツユニバーサルコンテンツ、2020年11月30日 第1版 第1刷発行、、P.5</ref><ref>山田五郎『知識ゼロからの西洋絵画入門』、幻冬舎、2008年5月25日 第1刷 発行、P.67</ref>。 ですが、少なくとも日本では、写真のような絵を「写実的」ということもあります。美術史の専門書などでも、見たままのような絵のことを「写実的」と言っている場合もあります<ref>たとえば、 早坂優子 著『鑑賞のための西洋美術史入門』、視覚デザイン研究所、平成18年(2006年)9月1日 第1刷、P15、</ref>。 古代ギリシアの美術が割と見たまんまの感じに近いので、古代ギリシア美術のような見たままの感じに近い作風を「自然主義」ということもありますが、これも古代ギリシア美術などの文脈に依存します<ref>早坂優子 著『鑑賞のための西洋美術史入門』、視覚デザイン研究所、平成18年(2006年)9月1日 第1刷、P15、</ref>。実際には古代ギリシア美術は、完全にはリアルではなく、たとえば男性の像の彫刻は現実よりも逞しく(たくましく)表現されていたりします。 とりあえず、高校レベルの基礎トレーニングの段階では、なるべく目に見えたままを描くのが、とりあえずは無難でしょうか。 右のフェルメールの絵ですが、昔の画家も、モデルにポーズをとってもらって、それを見ながら描いていた、という様子がよくわかります。 {{コラム|絵の具よりも色鉛筆のほうが写真っぽく描きやすい| なお、20世紀以降の現代で、写真のように精密な絵を描きたい場合、色鉛筆を使うことになるかもしれません。(絵筆と絵の具だと、細かい部分が描けない。) ですが、高校美術では、授業の時間数の制限的に、色鉛筆画は無理でしょう。 なお、色鉛筆画のプロですら、写真で撮影してから<ref>三上詩絵 著『写真みたいな絵が描ける色鉛筆画』、日本文芸社、2019年9月20日 第1刷 発行、P26</ref><ref>三上詩絵 著『写真みたいな絵が描ける色鉛筆画』、日本文芸社、2019年9月20日 第1刷 発行、P106</ref>、その写真をもとに描いています。トレーシングペーパーで写真をトレースすることもあります<ref>三上詩絵 著『写真みたいな絵が描ける色鉛筆画』、日本文芸社、2019年9月20日 第1刷 発行、P29</ref><ref>三上詩絵 著『写真みたいな絵が描ける色鉛筆画』、日本文芸社、2019年9月20日 第1刷 発行、P106</ref>。 高校では、撮影の設備の確保が難しいなどの事情もあるので、授業では色鉛筆画や、そこまでの写実画は、しないでしょう。 なお、動物を撮影する場合は、決してフラッシュ撮影してはいけません。なので、直前に動物以外のもので試し撮りをしましょう。(撮影機器のよっては、周囲の明るさなどによって自動的にフラッシュをするものもあるので、前日だけの試し撮りしても明るさが変わってるので無駄です。必ず、当日の本番直前にも、被写体以外でも試し撮りをしましょう。) あるいは、カメラ写真の静止画像ではなくビデオ撮影で動画として撮影してしまうのも手かもしれません。この場合も、試し撮りを直前に、動物以外のもので行いましょう。 知識として制作工程の全体像を知っておけば十分です。 }} {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1しやしんとひしゆつ}} [[カテゴリ:高校美術|しやしんとひしゆつ]]
2024-02-12T01:40:42Z
2024-03-19T14:12:22Z
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高等学校美術I/風景画
風景画では細かい部分まで描くことも多いので、下書きを鉛筆でうすくするのが普通です。 下書きなしで一発で絵の具の色を塗るなんて、プロ画家ですら無理です。市販の水彩風景画の技法書を見ても、鉛筆で下書きをしています。 鉛筆の濃さは、技法書によると B~2B がおすすめらしいです。。 鉛筆が必要ということは消しゴムも当然ながら必要です。 普通の消しゴムと、練りゴムの2つを用意しておくと良いでしょう。(石膏デッサンなどで用いる消しゴムと同タイプで十分でしょう。) なお、下書きの線は、書き終わったら消しゴムで薄くします。 学校で買い与えられる画材(絵の具セット)のほかにも、色々な画材をプロは使っています。 「マスキングテープ」とは、粘着力の弱い紙テープの茶色いテープ(なお不透明)です。塗りたくない部分の上に、塗りたくない部分を隠すように貼ります。その上から絵の具のついた筆で塗ることで、テープで覆われた部分を塗らずに保護できる、という道具です。 マスキングテープを買う場合は、画材屋・文房具屋で売ってるタイプのものを買ってください。 ただし、美術室に備品としてマスキングテープが置いてある場合もよくあります。ただし、教師がマスキングテープを使わしてくれるかどうか知りません。 美術室の備品のマスキングテープを使った場合、使い終わったら、もとあった場所に返しましょう。 この「マスキング」という概念は、美術以外でも製造業などでも使うので、覚えてください。 コンピュータによるデジタル絵の発達した現代、プロ絵描きの仕事では絵の具を使う仕事は少なくなってしまいましたが、しかマスキングの概念はデジタル絵でも使う可能性がありますので、ぜひ用語を覚えてください。たとえば画像ソフトのフォトショップにも「マスク」「マスキング」などの用語があり、意味も似たような意味で、マスクした部分を塗らないように保護する的な意味です。 なお、マスキングテープは別に水彩画だけに限らず、ポスターカラーなどにも使えます。なので、風景画に限らずポスターなどのデザイン画にもマスキングテープは使えます。 さて、美術の水彩画の話に戻ります。 歯ブラシを生徒が使いまくると美術室が汚れかねないので、授業では禁止されるかもしれません。エプロンも必要になってしまうかもしれませんし。 いちおう、美術室にも刷毛やマスキングテープ、スポンジなどは数個は備品として置いてあるでしょうが、しかし授業中の生徒全員が借してしまうほどの量は無いので、授業では基本的には借りれないかもしれません。 普通科高校レベルの美術なら、いちいち最初から刷毛などを買う必要は無いでしょう。もし必要になりそうだったら、そのときに買えばいいだけです。 そのため、あらかじめ地元の画材屋などを探しておくと良いでしょう。店舗名が画材屋でなく文房具屋の場合もあります。もし大きめの文房具屋があれば、その店が画材屋を兼ねている場合もあります。 マスキングテープは、小型で持ち運びやすいタイプのものが売ってるので、事前に購入して絵の具セットに入れておくのも手かもしれません。 自然物などの風景は、完全に実写そのままには、描けません。森林や、川、などです。 だから教科書会社がwebサイトなどで例示に示す風景作品は、もしかしたら京都あたりの街並みの風景などかもしれません。観光地の街並みとか。 森林や街路樹などの風景の場合、たとえば、春・夏の木々の葉っぱを、1枚1枚、書こうとしても無理です。プロの風景画家ですら1枚1枚の葉は無理です。(秋の落ち葉は後述。) 実際、風景画の技法書を見ても、けっして1枚1枚は葉を描いていません。 観客の視点から見て、何枚かの葉の密集している塊を、色の塊で表現しているだけです。言葉で説明するのは難しいので、絵の仕事に進みたい人は、実際にその分野のプロの作品を見るのが早いでしょう。 なお,マツなど針葉樹は、ふつうの絵筆では書くのが無理です。ドライ ブラシなどを使うことになり、とても高度な技法です。高校生はあきらめたほうが良いかもしれません(授業時間内に終わらない可能性が大) マツ、シラカバ、その他針葉樹、これは難しいでしょう。普通の絵筆をつかって描きやすいのは広葉樹っぽい木でしょう。 デジタル絵の場合、もしかしたらそういう針葉樹っぽいブラシ機能のあるソフトウェアもあるかもしれません。しかし、おそらくデジタルでも、針葉樹の葉を1本1本ずつ描くのは無理でしょう。専用のブラシを使うことになるでしょうか。 そもそも、決して写真そのままのように描かなくても、「美術」の「美」のように、観客が見て美しければ良いのです。風景画の場合、風景によっては、写真のように描くのは無理です。 そもそも写真ぽい画像が必要なら、写真そのものを撮影すれば済みます。 なにか写真っぽくない加工を加えるからこそ、絵なわけです。 観客ごとにセンスが違うでしょうが、まあ、美術作品に金を払う人の鑑賞センスを納得させられれば大丈夫でしょう。 そもそも学校の授業で描く場合、授業時間内に描かないといけないので(放課後に残って描くにも限度がある)、決して写真のようには、あまり細かい葉までは描けません。 秋の落ち葉の密集した地面も、全部を描くのは無理なので、手前~半分くらいまでは描くことになるでしょうか。。 もっとも、学校では、落ち葉の難しさを見越して、秋には風景画の課題を出さないかもしれません。(石膏デッサンやデザインなどの課題にするかもしれません。) 秋は葉はすぐに落ちてしまい、木の色も形も変わるのが早いので、(写真撮影でもしない限りは)描くのは大変です。 川とか池とかは、授業で描くことは無いでしょう。 ふつうの学校では、学内に川が無いのと、学外でスケッチするにしても安全上の問題があります。(ただし金持ちの私立高校だと、噴水とかあるかもしれませんが。) もし、こういう液体モノを描くとしたら「流れるものの絵はとても難しい」のだと一般に美術では知られているのを念頭においてください。難しいです。 ネットで出典が見つからなかったので、その出典の書籍を出しますが、昭和の数学者・数学教育者の遠山啓(とおやま ひらく)という有名な人の教育書の著作集に、たまたま美術の話題があって、遠山が子供時代に川か海かの絵に苦戦した経験談があって、同時代の数学者の矢野健太郎が「川とか海とかは描くのが難しいんですよ」的なことを遠山に伝えたという話が遠山の教育書に載っています。 昭和だけだと出典不足なので平成の1990年代の出典を出すと、アニメ映画版の新世紀エヴァンゲリオン旧劇(1997年版)のパンフレットや当時のインタビュー記事などでも、液体の作画の難しさを話しています(映画中に液体の作画がある。ネタバレ防止のため詳細は伏せる)。 さて、水彩画では、水しぶきとかは、色は基本的には白です(影などを薄い青でつける場合もある)。 もしかしたら実際の水しぶきとは少し違うかもしれません。もしかしたら実際の水しぶきは、もっと透明も混ざってたりするのかもしれませんが、しかし労力的(ほか予算など)にそこまで透明で描くのは無理です。 なお、数十時間を描けて描く水彩画のプロですら水しぶきを不透明にしているのですから、ましてやアニメ産業とかの水しぶきはなおさら不透明の白い塊(かたまり)です。 なお、ゲーム産業も基本的には、そういう感じです。ゲーム機では精密な流体シミュレーションとかは出来ません。流体シミュレーションには大型コンピュータ(いわゆる「スパコン」的なもの)などが必要になるので、小型化の要求されるゲーム機では波しぶきとかのシミュレーションは難しいのです(ゲーム機では子供でも持てるサイズですので)。 だから、ゲームソフトの波とか波しぶきとか、じつはデジタルペンなどによる手書きによるパターンアニメだったりします。 なお、アニメ映画とかだと作品によっては流体シミュレーションをしてリアルな透明感ある波や水しぶきなどを描いている場合もありますが、その場合に使っているコンピュータは、スパコン的な高性能なコンピュータであり、決して一般の家電量販店にあるような普通のコンピュータではなかったりします。少なくともノートパソコンやタブレットなどだと、無理です(少なくとも西暦2020年の人類の科学力ではそうです)。デスクトップパソコンで何とか可能であり、そのデスクトップの中でも高性能・高価格なパソコンが必要であり、処理には時間も掛かります。 意外かもしれませんが、流体シミュレーションにおいては、ゲームソフトよりも実は一部のアニメ映画のほうが、設備のコンピュータのハード性能的には高性能なのです。
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"なお、アニメ映画とかだと作品によっては流体シミュレーションをしてリアルな透明感ある波や水しぶきなどを描いている場合もありますが、その場合に使っているコンピュータは、スパコン的な高性能なコンピュータであり、決して一般の家電量販店にあるような普通のコンピュータではなかったりします。少なくともノートパソコンやタブレットなどだと、無理です(少なくとも西暦2020年の人類の科学力ではそうです)。デスクトップパソコンで何とか可能であり、そのデスクトップの中でも高性能・高価格なパソコンが必要であり、処理には時間も掛かります。", "title": "風景画の水彩画" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "意外かもしれませんが、流体シミュレーションにおいては、ゲームソフトよりも実は一部のアニメ映画のほうが、設備のコンピュータのハード性能的には高性能なのです。", "title": "風景画の水彩画" } ]
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== 風景画の水彩画 == === 下書き === 風景画では細かい部分まで描くことも多いので、下書きを鉛筆でうすくするのが普通です。 下書きなしで一発で絵の具の色を塗るなんて、プロ画家ですら無理です。市販の水彩風景画の技法書を見ても、鉛筆で下書きをしています<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、</ref>。 鉛筆の濃さは、技法書によると B~2B がおすすめらしいです<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P11</ref>。。 鉛筆が必要ということは消しゴムも当然ながら必要です<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P11</ref>。 普通の消しゴムと、練りゴムの2つを用意しておくと良いでしょう<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P11</ref>。(石膏デッサンなどで用いる消しゴムと同タイプで十分でしょう。) なお、下書きの線は、書き終わったら消しゴムで薄くします<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P14</ref>。 ==== その他の画材 ==== 学校で買い与えられる画材(絵の具セット)のほかにも、色々な画材をプロは使っています。 :刷毛(はけ)、マスキングテープ、スポンジ、歯ブラシ(スパッタリングで使う)、・・・などなど。 「マスキングテープ」とは、粘着力の弱い紙テープの茶色いテープ(なお不透明)です。塗りたくない部分の上に、塗りたくない部分を隠すように貼ります。その上から絵の具のついた筆で塗ることで、テープで覆われた部分を塗らずに保護できる、という道具です。 マスキングテープを買う場合は、画材屋・文房具屋で売ってるタイプのものを買ってください。 ただし、美術室に備品としてマスキングテープが置いてある場合もよくあります<ref>山崎正明『中学校美術 指導スキル大全』、明治図書、2022年5月初版第1刷刊、P100</ref>。ただし、教師がマスキングテープを使わしてくれるかどうか知りません。 美術室の備品のマスキングテープを使った場合、使い終わったら、もとあった場所に返しましょう。 この「マスキング」という概念は、美術以外でも製造業などでも使うので、覚えてください。 :たとえば建築リフォームなどで家にペンキを塗りなおすときも、透明・半透明のビニールシートを張ることで(「養生」(ようじょう)と言う)、マスキングのような処理をしています。ペンキ塗装用のものは「養生シート」、「養生テープ」などと呼んでいます。もちろん、材質は、画材用のとは大きく違います。 コンピュータによるデジタル絵の発達した現代、プロ絵描きの仕事では絵の具を使う仕事は少なくなってしまいましたが、しかマスキングの概念はデジタル絵でも使う可能性がありますので、ぜひ用語を覚えてください。たとえば画像ソフトのフォトショップにも「マスク」「マスキング」などの用語があり、意味も似たような意味で、マスクした部分を塗らないように保護する的な意味です。 なお、マスキングテープは別に水彩画だけに限らず、ポスターカラーなどにも使えます。なので、風景画に限らずポスターなどのデザイン画にもマスキングテープは使えます。 さて、美術の水彩画の話に戻ります。 歯ブラシを生徒が使いまくると美術室が汚れかねないので、授業では禁止されるかもしれません。エプロンも必要になってしまうかもしれませんし。 いちおう、美術室にも刷毛やマスキングテープ、スポンジなどは数個は備品として置いてあるでしょうが、しかし授業中の生徒全員が借してしまうほどの量は無いので、授業では基本的には借りれないかもしれません。 普通科高校レベルの美術なら、いちいち最初から刷毛などを買う必要は無いでしょう。もし必要になりそうだったら、そのときに買えばいいだけです。 そのため、あらかじめ地元の画材屋などを探しておくと良いでしょう。店舗名が画材屋でなく文房具屋の場合もあります。もし大きめの文房具屋があれば、その店が画材屋を兼ねている場合もあります。 マスキングテープは、小型で持ち運びやすいタイプのものが売ってるので、事前に購入して絵の具セットに入れておくのも手かもしれません。 === 高校では描けないだろうもの === ==== 木の葉1枚1枚は無理 ==== 自然物などの風景は、完全に実写そのままには、描けません。森林や、川、などです。 だから教科書会社がwebサイトなどで例示に示す風景作品は、もしかしたら京都あたりの街並みの風景などかもしれません。観光地の街並みとか。 森林や街路樹などの風景の場合、たとえば、春・夏の木々の葉っぱを、1枚1枚、書こうとしても無理です。プロの風景画家ですら1枚1枚の葉は無理です。(秋の落ち葉は後述。) 実際、風景画の技法書を見ても、けっして1枚1枚は葉を描いていません<ref>小林啓子『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、</ref>。 観客の視点から見て、何枚かの葉の密集している塊を、色の塊で表現しているだけです。言葉で説明するのは難しいので、絵の仕事に進みたい人は、実際にその分野のプロの作品を見るのが早いでしょう。 なお,マツなど針葉樹は、ふつうの絵筆では書くのが無理です。ドライ ブラシなどを使うことになり<ref>小林啓子『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P28</ref>、とても高度な技法です。高校生はあきらめたほうが良いかもしれません(授業時間内に終わらない可能性が大) マツ、シラカバ、その他針葉樹、これは難しいでしょう。普通の絵筆をつかって描きやすいのは広葉樹っぽい木でしょう。 デジタル絵の場合、もしかしたらそういう針葉樹っぽいブラシ機能のあるソフトウェアもあるかもしれません。しかし、おそらくデジタルでも、針葉樹の葉を1本1本ずつ描くのは無理でしょう。専用のブラシを使うことになるでしょうか。 そもそも、決して写真そのままのように描かなくても、「美術」の「美」のように、観客が見て美しければ良いのです。風景画の場合、風景によっては、写真のように描くのは無理です。 そもそも写真ぽい画像が必要なら、写真そのものを撮影すれば済みます。 なにか写真っぽくない加工を加えるからこそ、絵なわけです。 観客ごとにセンスが違うでしょうが、まあ、美術作品に金を払う人の鑑賞センスを納得させられれば大丈夫でしょう。 そもそも学校の授業で描く場合、授業時間内に描かないといけないので(放課後に残って描くにも限度がある)、決して写真のようには、あまり細かい葉までは描けません。 秋の落ち葉の密集した地面も、全部を描くのは無理なので、手前~半分くらいまでは描くことになるでしょうか。<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P55</ref>。 もっとも、学校では、落ち葉の難しさを見越して、秋には風景画の課題を出さないかもしれません。(石膏デッサンやデザインなどの課題にするかもしれません。) 秋は葉はすぐに落ちてしまい、木の色も形も変わるのが早いので、(写真撮影でもしない限りは)描くのは大変です。 {{コラム|画用紙の白色の活用| 水彩画の場合、白色を表現したい場合、なるべく画用紙の白色をそのまま使うのも、手のひとつです。プロですら、木の裏は、画用紙の背景の白色をそのまま使うこともあります<ref>小林啓子『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P22</ref>。 決して、色を塗らない部分があるのは、手抜きでもなければ、未完成でもないのです。 もっとも、プロ作品の木の描写で、青空を背景に、木々の葉が見える構図を描いているプロ作品もありますが<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P106</ref>、しかし高校生レベルできれいに青空の前の木の上部を描くには、なかなか時間が掛かってしまい難しい構図だと思います。 もしデジタル絵だったらレイヤー機能などのあるソフトならば青空レイヤーの上に木レイヤーとかの合成処理も短時間でパパッと可能かもしれませんが、しかし手書きの水彩画ではレイヤー処理は無理です。 学校美術のように時間の問題がある場合、画風に、ある程度の不自由の妥協せざるを得ない部分もあるでしょう。 木の裏とは別に、木の上空の離れたほうに青空を描くとしても、しかし空のうちの低空の木に近いほうは白色をそのまま使うなどして、妥協せざるを得ないかもしれません(なお、空気遠近法などの表現なども兼ねるので、妥協して低空部分を白くしても問題ない)。低空の部分に色をつけるにしても、低空部はだいぶ色が薄くなり、素人目には無色に近くなります<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P94</ref>。 なお、紅葉などの葉の色の異なる木と木の色は、少しくらいは混ざっても問題ありません。プロの作品もそうです<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P94</ref>。そもそも水彩画は、そのような色の混ざり具合を楽しむためのものです。 木以外のものがある場合でも同じです。 手前の色の物体と、背景の色が違う場合、手前の色の輪郭線をわずかに色を濃くするなどのテクニックもありますす<ref>小林啓子 著『いちばんていねいな自然の風景の水彩レッスン』、日本文芸社、2016年5月31日 第1刷発行、P56</ref>。 }} ==== 川とか池とかの流体・液体 ==== 川とか池とかは、授業で描くことは無いでしょう。 ふつうの学校では、学内に川が無いのと、学外でスケッチするにしても安全上の問題があります。(ただし金持ちの私立高校だと、噴水とかあるかもしれませんが。) もし、こういう液体モノを描くとしたら「流れるものの絵はとても難しい」のだと一般に美術では知られているのを念頭においてください。難しいです。 ネットで出典が見つからなかったので、その出典の書籍を出しますが、昭和の数学者・数学教育者の遠山啓(とおやま ひらく)という有名な人の教育書の著作集に、たまたま美術の話題があって、遠山が子供時代に川か海かの絵に苦戦した経験談があって、同時代の数学者の矢野健太郎が「川とか海とかは描くのが難しいんですよ」的なことを遠山に伝えたという話が遠山の教育書に載っています。 昭和だけだと出典不足なので平成の1990年代の出典を出すと、アニメ映画版の新世紀エヴァンゲリオン旧劇(1997年版)のパンフレットや当時のインタビュー記事などでも、液体の作画の難しさを話しています(映画中に液体の作画がある。ネタバレ防止のため詳細は伏せる)。 さて、水彩画では、水しぶきとかは、色は基本的には白です(影などを薄い青でつける場合もある)。 もしかしたら実際の水しぶきとは少し違うかもしれません。もしかしたら実際の水しぶきは、もっと透明も混ざってたりするのかもしれませんが、しかし労力的(ほか予算など)にそこまで透明で描くのは無理です。 なお、数十時間を描けて描く水彩画のプロですら水しぶきを不透明にしているのですから、ましてやアニメ産業とかの水しぶきはなおさら不透明の白い塊(かたまり)です。 なお、ゲーム産業も基本的には、そういう感じです。ゲーム機では精密な流体シミュレーションとかは出来ません。流体シミュレーションには大型コンピュータ(いわゆる「スパコン」的なもの)などが必要になるので、小型化の要求されるゲーム機では波しぶきとかのシミュレーションは難しいのです(ゲーム機では子供でも持てるサイズですので)。 だから、ゲームソフトの波とか波しぶきとか、じつはデジタルペンなどによる手書きによるパターンアニメだったりします<ref>蛭田健司『ゲームクリエイターの仕事 イマドキのゲーム制作現場を大解剖』、翔泳社、2016年4月14日 初版 第1刷 発行、P108</ref>。 なお、アニメ映画とかだと作品によっては流体シミュレーションをしてリアルな透明感ある波や水しぶきなどを描いている場合もありますが、その場合に使っているコンピュータは、スパコン的な高性能なコンピュータであり、決して一般の家電量販店にあるような普通のコンピュータではなかったりします。少なくともノートパソコンやタブレットなどだと、無理です(少なくとも西暦2020年の人類の科学力ではそうです)。デスクトップパソコンで何とか可能であり、そのデスクトップの中でも高性能・高価格なパソコンが必要であり、処理には時間も掛かります。 意外かもしれませんが、流体シミュレーションにおいては、ゲームソフトよりも実は一部のアニメ映画のほうが、設備のコンピュータのハード性能的には高性能なのです。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1ふうけいか}} [[カテゴリ:高校美術|ふうけいか]]
2024-02-12T01:41:59Z
2024-03-19T14:20:05Z
[ "テンプレート:コラム" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%BE%8E%E8%A1%93I/%E9%A2%A8%E6%99%AF%E7%94%BB
39,109
高等学校美術I/人物デッサン画
人物デッサンの描き方の一例を示します。 ふつう、人物デッサン画では、黒以外の色は塗りません。 人物デッサン画は「写実画」とは異なります。 そもそも教育目的が、人物デッサン画の授業と、写実画の授業では、違います。 デッサンの基本的な目的は、自分がいかに先入観でものを観察していたりして。 、ものを正確に見れてないか、などの見落としを実感するために行うものでもあります。 なので基本的には、デッサンでは、なるべく写実的に、実物そっくりに描くのが安全でしょう。 ただし、実際には、立体感を分かりやすくしたりするため等の理由で、少しだけアレンジを加えることもあります。 デッサンは、絵の修正を通して、自分の勘違いを修正する行為でもありますので、基本的には消しゴムも使います。 デッサン画の目的は、立体感および光と影の位置関係について、上述のように先入観と現実とのちがいの把握が、一般的な目的です。特に石膏(せっこう)デッサンなどで用いる石膏像は、立体感に専念しやすいように白色だけを使った像になっているほどであり、また、鼻の穴などの細部については美術の石膏像では省略された造形になっているほどです。 一方、絵の具などを用いる写実画の目的は、色彩の表現力などが目的です。 シャープペンシルだと、(画風にも寄りますが)影を塗れないので、エンピツを用意してください。また、シャープペンシルだと画用紙を痛めやすく、消しゴムで線を消しても、ヘコミが残るなどして、危険です。 消しゴムは、ハイライトをつける場合にも使います。 美術で使う消しゴムは、角が黒くなってきたら、ハサミなどで黒くなった部分を切ります。 ※ 参考文献ではカッターナイフで消しゴムを切っている。ただ、高校生には少し危険だと思い、本wikiでは「ハサミ」にアレンジした。消しゴムを切れれば何でもいい。 さて学校で「練り消しゴム」を買わされる場合、おそらくカッターなど刃物を使わせたくないので、「校内の美術では練り消しを使え」という意味でしょうか。 なお、呼び方は「練り消しゴム」でも「練り消し」でも、どちらでも良い。 教科書会社の光村書店のサイトでは「練りゴム」と呼んでいました。 生徒側は用意する必要は無いですが、 が必要です。美術室に置いてあります。それを使えば十分です。 生徒側がそろえるものとしては、できれば、さらに があれば、さらに便利です。 全部そろえるのは大変だし、持ち運びも不便だし、カネもかかるので、5教科用の鉛筆のほかの鉛筆としては、濃い鉛筆2本、うすい鉛筆2本、くらいの4~6本くらいもあれば、高校レベルとしては十分でしょう。 ある本では、「4Hから6Bまでの間で、濃さの異なる4~5本を用意する」とあります。 本格的にやるなら(授業レベルでは不要でしょうが)、筆箱を、普通の鉛筆の筆箱とは別にも用意したほうが良いかもしれません。 仕上げなどは、強い筆圧で書くのではなく、濃い鉛筆で書くようにしたほうが安全です。 強い筆圧で書いてしまうと、紙を痛めやすくなります。 影をこする場合に、ティッシュや、綿棒またはガーゼなどを使います。価格がいちばん安いのがティッシュでしょうか。ただし、高校の授業レベルでは、ゴミ防止などの理由で、ティッシュ・綿棒。ガーゼなどの使用が禁止されるかもしれません。ガーゼは薬局などで購入した一般のもので大丈夫です。 なお、自分の指でこすっても大丈夫です。 こすらなくても問題ありません。ただし、教員などの提出された画用紙の持ち運びなどの際、勝手にこすれると思います。 鉛筆デッサンでは、筆圧はかならず、弱く書かないといけません。 なぜなら、もし強い筆圧で書いてしまうと、画用紙をヘコませてしまうので、消しゴムで消しても、影などを塗る際にヘコみのせいで、ヘコミの部分だけ影がつかなくなってしまいます。特にシャープペンシルを使うと筆圧が強くなりやすいので、シャープペンシルは使わないのが安全です。 教科書会社の動画でも、鉛筆で書いています。なお、鉛筆をナナメに寝かすような角度で書いています。このほうが広い範囲を弱い力で安定的に描けるので、デッサンでは、よく使われる持ち方です。 デッサンの完成品では目立たない線ですが、じつは、デッサンの描き始めの段階で、プロの美術家でも、線画のようなもので人体のシルエットのようなもの(「アタリ」という)を描いています。 アタリを取らない流儀もありますが(いきなり影を塗り始める方法もあったりする)、しかし美大受験デッサン(3時間ていど)や高校の授業時間内などの短時間で書く場合、アタリが必要になるでしょう。本ページ・本セクションでは、アタリを取る流儀で説明します。多くのデッサン入門書でも、アタリを取る流儀で説明しています。 アタリは、決して頭の中だけで構図を決めたままで終わりにするのではなく、実際に鉛筆でアタリの線を紙の上で書いて確認することまでが、「アタリ」です。 構図が紙からハミ出ないかなどの確認や、構図のとおりのポーズで本当にかっこいいかの確認なので、細かなデコボコは無視して、大まかなシルエットを描きます。 指などは、(時間の節約のためか、)決して1本1本は、描けません。野球グローブや料理ミトンのように、指全体の大まかなシルエットを取るようになるでしょうか。 ただし、手足の長さや、胴体の長さや、首の長さや頭の長さは、なるべく正確にとる必要があります。 同様、手足の太さ、胴体の太さ、首の太さ、頭の太さも、正確にとる必要があります。 作品づくりの作業のほとんどを、(エンピツで)塗り、修正、塗りなおし などに配分すると、いいようです。 なお、ここでいう「塗り」は、黒エンピツで影などをつけることです。 先に全身のバランスを押さえてから、あとで細部を作っていきます。 人物デッサン画を描く場合、シャープペンシルは使わないようにするのが常識です。なぜならシャープペンシルを使うと、画用紙がヘコんでしまいます。 デッサン画を描く時、普通はグラファイト鉛筆(ごく普通の鉛筆です)を使います。 高校レベルのデッサンでは、消しゴムを使って何度も修正して消すので、普通の鉛筆で書かなければいけないでしょう。(一発書きは、決して教育目的ではありません。もし一発書き・短時間での描写が目的なら「クロッキー」などの別の用語で呼びます。) まず、アタリを取ります。 アタリとは、うすく、輪郭のシルエットのようなものを描くことです。 美術デッサンのアタリでは、薄く描くため、鉛筆を寝かして描くのが普通です。 鉛筆を寝かせることで線がやや太くなりますが、美術デッサンとしては問題ありません。(ただし、マンガやアニメのアタリとしては不適。マンガ・アニメは本ページの範囲外なので、説明は深入りしない。) 美術デッサンの場合、アタリの段階では、あまり顔の目・鼻・口に深入りしません。 シルエットが大まかにとれていれば十分です。 服のシワは、アタリの段階では取らなくて大丈夫です。よほど大きなシワや、目立つカゲでない限り、アタリの段階では不要です。 上半身シャツや下半身ズボンの境目など、目立つなら、アタリでも描いても大丈夫でしょう。 アタリの段階では、服のシワなどは無視したので、 次に、本当にシワなどを書き込んでも問題ない程度には正確にアタリが取れているかの確認もこめて、 目立つシワや、目立つ大きな影などを、描いてみます 。 ほか、手の指も、アタリの段階では省略したので、この段階では、 指も実際に見える指をすべてシルエットを書いてみて、問題ないことを確認します。 アタリとその後のこの調整の段階で、写真のように完全に正確に描くのは、プロでも無理です。プロですら、つじつま合わせをします。ポーズやプロポーションなどの大きな流れが崩れてさえいけなれば、とりあえずは、つじつま合わせとしては、良いのです。 ある程度、全身のアタリを取ったり調整をしたら、次に、影になる部位をうすめに黒く塗りにいく。 本当に影を塗っても問題ないかを確認する必要もあるため、実際に影を塗ってみて、確認するしかない。 ただし、あとから修正するので、うすく塗っていく。 このカゲを描くさいに使うエンピツはもちろん、普通の黒エンピツでなければならない。 決して、色鉛筆用の特殊な黒エンピツを使ってはならない。 影を描くさい、鉛筆の先端部をすこし寝かして紙にコスつけることで、うすく広く、影をつけられるので、このテクニックを使って影をつけていくのが良い。(シャープペンシルだと、これが不可能。無理やりシャープペンシルでやると、芯が折れる。) また、なるべく始めは、全身の各部位にある影部をバランスよく、黒く塗っていく。 もし、影をもっと濃くしたい場合は、けっして強く描くのではなく、濃い鉛筆に持ち替えます。 とにかく、実際に影部を黒く塗ってみて、もし違和感を感じた部分は、消しゴムで修正していきましょう。 影の大きさや位置を調整したり、場合によってはアタリで引いた線を引きなおします。 違和感を感じにくくなるまで、修正を繰り返します。 黒い服、制服の鉛筆デッサン。→黒いものに影つけするのが難しい。 白いシャツの鉛筆デッサン。→紙も白いから、どう描くか混乱する。 対策案手順 「うすく」と書いた理由は、黒色のズボンを、やや うすめ の灰色で描く場合、それと合わせるため、Yシャツの白色の輪郭や影の色を、調節する必要があるからですね。 21世紀のネット普及以降の時代では、モデルになる生徒の側のプライバシーの都合のため、服を来た同級生をモデルにしたデッサンはしないかもしれません。なぜなら、ネットなどに同級生をモデルにした絵が転載されてしまうと、簡単には消せなくなってしまいます(消すには裁判などの手間が掛かる)。なお、デッサン画に限らず水彩などの写実画でも同様、人物を描く場合には権利問題はあります。 プライバシーや肖像権などの問題です。 就職活動や推薦入試などで学外の人に見せることになる場合もあるので、もし同級生などをモデルにしたデッサンだと、肖像権などの問題が発生するからです。 このように21世紀の現代では、モデルの生徒のプライバシーや肖像権なども考える必要があります。こういう権利的な問題を予防するため、現代の高校デッサンの授業では、代わりに美術用の石膏像の胸像のデッサンをすることになるかもしれません。いわゆる「石膏デッサン」です。 普通の高校では、いちいちモデル役の大人なんて雇いませんし、財政難の日本の公立高校では雇えません。 石膏デッサンだと、写実的な顔は石膏像では書けません。そもそも細部を省略しているのが石膏像です(立体感を把握するのが目的なので、細部の凹凸(おうとつ)は省略している)。 なお、石膏デッサンの目的は、立体感の把握もあるので、デッサンの際には、描くだけでなく、加えて、時々いろんな角度で石膏像を観察しましょう。 なので、デッサンの単元とは別の授業で、写実的な顔を練習することになるかもしれません。たとえば別の単元で、芸能人・俳優などの写真を使って、模写をすることになるかもしれません。当然ですが、芸能人・俳優などは高校に呼べませんので、写真を模写するしかありません。 さらに小中学校の美術や図工などで同級生の顔の似顔絵を描かされたでしょうから、その経験も上乗せすることになるでしょう。 最終的に人物デッサンをする場合、石膏デッサンで身に着けた立体感の上に、写真模写で身に着けた表現力と、その他の美術の経験を載せることになるでしょうか。 高校美術の一般的な石膏像は、肩・首元から上くらいしか、ありません。それ以下は、石膏像では練習できません。必要なら、ご自身で工夫して、写真などで肩から下は練習してください。 あるいは、自分の顔のデッサンなら、自由に公開しても、他人に見せても(たとえば推薦入試などの自己アピールで見せたり)、権利的には自己責任なので問題ありません。ただし、もし問題が起きても自分で対処する必要ありますが。推薦入試や就職活動などの非公表の自己アピール以外の場所では、自分の顔のデッサンなどは決してネットなどでは公開しないのが安全です。 なお、模写で「個性が失われるのでは?」という不安がよくありますが、しかし、模写をしても個性は大丈夫です。模写をしても個性は失われないと欧米のデッサン技法書などでも述べられています。そもそも、欧米のデッサン技法書でも「まったく独創的なものなどありません。人のすることはすべて、組み合わさりながら新しいものを次々につくっていくのです」と言われています。 また、もし自分の作品にそれほど奇抜さや斬新さが無くとも、それはそれで使い道によっては、才能の一種です。なぜなら「普通」な作品とは、世の中で一番数が多い層に向けてモノを作っていることになるからです。 もうひとつ、既存のジャンルや定番の表現手法を知らずに(あるいはそれらを無視して)全くの独自の発想で作品を作っても、観客にとっては作り手との共通認識が不足することになるので、そのため観客がその作品を理解できなくなってしまい、そのため単に奇異な絵としか観客の目には見えない作品になってしまう、という結果になりがちです。 わざとそういった理解困難な作品を書きたいなら別にそうすればよいでしょうが、しかし多くの絵描きの目指す方向性は違うだろうと思います。 自分初の独自性・個性は、多すぎてもダメなのです(なぜなら相手に伝わらなくなるので)。いっぽう、独自性・個性が少なすぎても、アートや作家としては問題でしょうが(ジャンルにも寄る。下請け仕事で絵を書く場合なら、少な目でも良い場合も多い)。ジャンルや仕事の種類などに合わせて、うまく、作品内における独自性・個性の分量を調整しましょう。 なお、俳優・有名人などの写真を模写で描いた場合でも、決して販売してはいけません。なぜなら、モデルの肖像権のほか、さらにカメラマンの著作権があるからです。 「絵を販売しよう」という高校生は少ないと思いますが、法律の勉強も兼ねて、念のため、解説します。 まず、検定教科書にある偉人の写真ですら、20世紀後半まで生きた偉人については著作権が2020年になっても残っている場合も多いので、注意する必要があります。 もっとも、販売しないなら、学習用に模写して、学内や関係者などにだけ公開する程度なら、さすがに大丈夫だと思います。日本の著作権法にも、例外規定として、学校教育などの教育目的では模倣が法的に許されているし、海外でもアメリカでは「フェアユース」などの概念もあります。 しかし、有料で販売してしまうと、そういう例外規定を逸脱していて脱法的、あるいは単に違法な悪事として見なされ、損害賠償などを要求されかねません。 とにかく、法律がよく分からなけば、他人の写真などの模写については、権利者の許可が無い限りは、販売しなければ良いだけです。 人物画に限らず、たとえば過去の名画などの模写などをする授業もあるかもしれませんが、その場合も基本的には、手本にした作品の著作権がまだ切れていないものは、販売は禁止です。 また、模写した作品を公開する場合は、手本にした作品・作家の名前をきちんと紹介しましょう。引用のルールと同じようなものです。 もっとも、授業で模写をする場合は、美術教師から、手本にした作品名・作家名を明記するように指導されるでしょうから、教員の指示に従って明記すれば大丈夫でしょう。 このように、2020年以降の現代では、模写などの著作権や、デッサンモデルのプライバシーや肖像権などの権利問題にも、配慮して絵を描いたりする必要があります。 なお、中世や近代などの印刷技術が未熟だった時代は、ヨーロッパ各国で画学生が模写を販売していた時代もあります。中世・近代の当時はカラープリンタどころかカラー写真そのものが無かったので、模写の仕事に需要があったからです。 ですが、カラー写真の普及した20世紀後半以降・21世紀および今後の21世紀以降では事情が違います。もし現代で仕事などで模写が許可される場合は、「模写」と言う呼び名ではないかもしれず、たとえば「複製」依頼などと呼ばれるかもしれません。 ともかく、21世紀の現代では、学生レベルでは模写は販売しないのが安全です。 デッサン画ではないですが、無料の公開であっても、マンガ絵・アニメ絵や小説などの挿し絵については、物語のネタバレなどになる危険もあるので、模写を公開するには、そういうのにも配慮が必要です。なので、どうしてもマンガ絵や小説挿し絵の模写を公開したい場合、なるべく序盤のほうだけ公開にするのが安全です。 実写映画などのワンシーンの模写も同様、序盤だけにするのが安全です。 また、基本的に他人の作品の模写なので、販売は禁止です。 学校教育での創作活動では、基本的に二次創作は禁止です。権利問題など、いろいろな事情があります。 例外的に二次創作の認められる作品もあるかもしれませんが、少なくとも、著作権の切れてない作品については、二次創作は学校では基本的に禁止だと思ったほうが安全でしょう。 原作者やその企業などが公式に許可していない限り、著作権の切れてない作品については、二次創作をしないのが学校でのルール・マナーです。 原作者が公式に許可している場合でも、ライセンス条件など公式サイトにあるので、ライセンス条件をきちんと読んで理解して、その上で二次創作をしましょう。 中学校で、多くの読者は、スケッチとは別の単元で、鉛筆と消しゴムだけで、写実的に見たものを書く単元があったと思います。体育館履きなどを書いたり、筆箱などを書いたり、あるいは利き腕でないほうの手を書いたり、・・・そういった単元です。 中学教育では、あの単元が、初歩的な鉛筆デッサンとして扱われています。 というか、中学でも「デッサン」という単語を使い、そういう絵を描けと課題を出しています。 ただし、中学の段階では、あまり細かいテクニックは教えていないと思いますが。 もちろん、中学でのデッサンの目的も、形をとらえる能力の向上が目的です。 主に人体で、体を左右に分ける垂直の仮想の線を正中線(せいちゅうせん)と言います。人間や生物を描くときは、この正中線を意識したり、実際に線で描いてみると、自分が描いている絵についての理解や意識が深まっていくと思います。
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{ "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "本当に影を塗っても問題ないかを確認する必要もあるため、実際に影を塗ってみて、確認するしかない。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "ただし、あとから修正するので、うすく塗っていく。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "このカゲを描くさいに使うエンピツはもちろん、普通の黒エンピツでなければならない。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "決して、色鉛筆用の特殊な黒エンピツを使ってはならない。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "影を描くさい、鉛筆の先端部をすこし寝かして紙にコスつけることで、うすく広く、影をつけられるので、このテクニックを使って影をつけていくのが良い。(シャープペンシルだと、これが不可能。無理やりシャープペンシルでやると、芯が折れる。)", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "また、なるべく始めは、全身の各部位にある影部をバランスよく、黒く塗っていく。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "もし、影をもっと濃くしたい場合は、けっして強く描くのではなく、濃い鉛筆に持ち替えます。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "とにかく、実際に影部を黒く塗ってみて、もし違和感を感じた部分は、消しゴムで修正していきましょう。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "影の大きさや位置を調整したり、場合によってはアタリで引いた線を引きなおします。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "違和感を感じにくくなるまで、修正を繰り返します。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "黒い服、制服の鉛筆デッサン。→黒いものに影つけするのが難しい。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "白いシャツの鉛筆デッサン。→紙も白いから、どう描くか混乱する。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "対策案手順", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "「うすく」と書いた理由は、黒色のズボンを、やや うすめ の灰色で描く場合、それと合わせるため、Yシャツの白色の輪郭や影の色を、調節する必要があるからですね。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "21世紀のネット普及以降の時代では、モデルになる生徒の側のプライバシーの都合のため、服を来た同級生をモデルにしたデッサンはしないかもしれません。なぜなら、ネットなどに同級生をモデルにした絵が転載されてしまうと、簡単には消せなくなってしまいます(消すには裁判などの手間が掛かる)。なお、デッサン画に限らず水彩などの写実画でも同様、人物を描く場合には権利問題はあります。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "プライバシーや肖像権などの問題です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "就職活動や推薦入試などで学外の人に見せることになる場合もあるので、もし同級生などをモデルにしたデッサンだと、肖像権などの問題が発生するからです。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "このように21世紀の現代では、モデルの生徒のプライバシーや肖像権なども考える必要があります。こういう権利的な問題を予防するため、現代の高校デッサンの授業では、代わりに美術用の石膏像の胸像のデッサンをすることになるかもしれません。いわゆる「石膏デッサン」です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "普通の高校では、いちいちモデル役の大人なんて雇いませんし、財政難の日本の公立高校では雇えません。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "石膏デッサンだと、写実的な顔は石膏像では書けません。そもそも細部を省略しているのが石膏像です(立体感を把握するのが目的なので、細部の凹凸(おうとつ)は省略している)。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "なお、石膏デッサンの目的は、立体感の把握もあるので、デッサンの際には、描くだけでなく、加えて、時々いろんな角度で石膏像を観察しましょう。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "なので、デッサンの単元とは別の授業で、写実的な顔を練習することになるかもしれません。たとえば別の単元で、芸能人・俳優などの写真を使って、模写をすることになるかもしれません。当然ですが、芸能人・俳優などは高校に呼べませんので、写真を模写するしかありません。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "さらに小中学校の美術や図工などで同級生の顔の似顔絵を描かされたでしょうから、その経験も上乗せすることになるでしょう。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "最終的に人物デッサンをする場合、石膏デッサンで身に着けた立体感の上に、写真模写で身に着けた表現力と、その他の美術の経験を載せることになるでしょうか。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "高校美術の一般的な石膏像は、肩・首元から上くらいしか、ありません。それ以下は、石膏像では練習できません。必要なら、ご自身で工夫して、写真などで肩から下は練習してください。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "あるいは、自分の顔のデッサンなら、自由に公開しても、他人に見せても(たとえば推薦入試などの自己アピールで見せたり)、権利的には自己責任なので問題ありません。ただし、もし問題が起きても自分で対処する必要ありますが。推薦入試や就職活動などの非公表の自己アピール以外の場所では、自分の顔のデッサンなどは決してネットなどでは公開しないのが安全です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "なお、模写で「個性が失われるのでは?」という不安がよくありますが、しかし、模写をしても個性は大丈夫です。模写をしても個性は失われないと欧米のデッサン技法書などでも述べられています。そもそも、欧米のデッサン技法書でも「まったく独創的なものなどありません。人のすることはすべて、組み合わさりながら新しいものを次々につくっていくのです」と言われています。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "また、もし自分の作品にそれほど奇抜さや斬新さが無くとも、それはそれで使い道によっては、才能の一種です。なぜなら「普通」な作品とは、世の中で一番数が多い層に向けてモノを作っていることになるからです。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "もうひとつ、既存のジャンルや定番の表現手法を知らずに(あるいはそれらを無視して)全くの独自の発想で作品を作っても、観客にとっては作り手との共通認識が不足することになるので、そのため観客がその作品を理解できなくなってしまい、そのため単に奇異な絵としか観客の目には見えない作品になってしまう、という結果になりがちです。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "わざとそういった理解困難な作品を書きたいなら別にそうすればよいでしょうが、しかし多くの絵描きの目指す方向性は違うだろうと思います。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "自分初の独自性・個性は、多すぎてもダメなのです(なぜなら相手に伝わらなくなるので)。いっぽう、独自性・個性が少なすぎても、アートや作家としては問題でしょうが(ジャンルにも寄る。下請け仕事で絵を書く場合なら、少な目でも良い場合も多い)。ジャンルや仕事の種類などに合わせて、うまく、作品内における独自性・個性の分量を調整しましょう。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "なお、俳優・有名人などの写真を模写で描いた場合でも、決して販売してはいけません。なぜなら、モデルの肖像権のほか、さらにカメラマンの著作権があるからです。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "「絵を販売しよう」という高校生は少ないと思いますが、法律の勉強も兼ねて、念のため、解説します。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "まず、検定教科書にある偉人の写真ですら、20世紀後半まで生きた偉人については著作権が2020年になっても残っている場合も多いので、注意する必要があります。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "もっとも、販売しないなら、学習用に模写して、学内や関係者などにだけ公開する程度なら、さすがに大丈夫だと思います。日本の著作権法にも、例外規定として、学校教育などの教育目的では模倣が法的に許されているし、海外でもアメリカでは「フェアユース」などの概念もあります。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "しかし、有料で販売してしまうと、そういう例外規定を逸脱していて脱法的、あるいは単に違法な悪事として見なされ、損害賠償などを要求されかねません。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "とにかく、法律がよく分からなけば、他人の写真などの模写については、権利者の許可が無い限りは、販売しなければ良いだけです。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "人物画に限らず、たとえば過去の名画などの模写などをする授業もあるかもしれませんが、その場合も基本的には、手本にした作品の著作権がまだ切れていないものは、販売は禁止です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "また、模写した作品を公開する場合は、手本にした作品・作家の名前をきちんと紹介しましょう。引用のルールと同じようなものです。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "もっとも、授業で模写をする場合は、美術教師から、手本にした作品名・作家名を明記するように指導されるでしょうから、教員の指示に従って明記すれば大丈夫でしょう。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "このように、2020年以降の現代では、模写などの著作権や、デッサンモデルのプライバシーや肖像権などの権利問題にも、配慮して絵を描いたりする必要があります。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "なお、中世や近代などの印刷技術が未熟だった時代は、ヨーロッパ各国で画学生が模写を販売していた時代もあります。中世・近代の当時はカラープリンタどころかカラー写真そのものが無かったので、模写の仕事に需要があったからです。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "ですが、カラー写真の普及した20世紀後半以降・21世紀および今後の21世紀以降では事情が違います。もし現代で仕事などで模写が許可される場合は、「模写」と言う呼び名ではないかもしれず、たとえば「複製」依頼などと呼ばれるかもしれません。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "ともかく、21世紀の現代では、学生レベルでは模写は販売しないのが安全です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "デッサン画ではないですが、無料の公開であっても、マンガ絵・アニメ絵や小説などの挿し絵については、物語のネタバレなどになる危険もあるので、模写を公開するには、そういうのにも配慮が必要です。なので、どうしてもマンガ絵や小説挿し絵の模写を公開したい場合、なるべく序盤のほうだけ公開にするのが安全です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "実写映画などのワンシーンの模写も同様、序盤だけにするのが安全です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "また、基本的に他人の作品の模写なので、販売は禁止です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "学校教育での創作活動では、基本的に二次創作は禁止です。権利問題など、いろいろな事情があります。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "例外的に二次創作の認められる作品もあるかもしれませんが、少なくとも、著作権の切れてない作品については、二次創作は学校では基本的に禁止だと思ったほうが安全でしょう。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "原作者やその企業などが公式に許可していない限り、著作権の切れてない作品については、二次創作をしないのが学校でのルール・マナーです。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "原作者が公式に許可している場合でも、ライセンス条件など公式サイトにあるので、ライセンス条件をきちんと読んで理解して、その上で二次創作をしましょう。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "中学校で、多くの読者は、スケッチとは別の単元で、鉛筆と消しゴムだけで、写実的に見たものを書く単元があったと思います。体育館履きなどを書いたり、筆箱などを書いたり、あるいは利き腕でないほうの手を書いたり、・・・そういった単元です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "中学教育では、あの単元が、初歩的な鉛筆デッサンとして扱われています。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "というか、中学でも「デッサン」という単語を使い、そういう絵を描けと課題を出しています。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "ただし、中学の段階では、あまり細かいテクニックは教えていないと思いますが。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "もちろん、中学でのデッサンの目的も、形をとらえる能力の向上が目的です。", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "", "title": "人物デッサン画" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "主に人体で、体を左右に分ける垂直の仮想の線を正中線(せいちゅうせん)と言います。人間や生物を描くときは、この正中線を意識したり、実際に線で描いてみると、自分が描いている絵についての理解や意識が深まっていくと思います。", "title": "正中線" } ]
null
== 人物デッサン画 == 人物デッサンの描き方の一例を示します。 :※ 美術2の範囲内です。教科書会社のwebサイトで確認できます。(ただし、高校によっては、美術2があっても鉛筆デッサンを扱いません。たとえば埼玉県の県立トップ高校の浦和(うらわ)高校では、人物デッサンは3年生の選択科目「美術III」に回されています<ref>[https://urawa-h.spec.ed.jp/%E5%85%A8%E6%97%A5%E5%88%B6/%E5%AD%A6%E7%BF%92%E6%B4%BB%E5%8B%95/%E6%95%99%E7%A7%91%E3%83%BB%E7%A7%91%E7%9B%AE%E3%81%AE%E6%8C%87%E5%B0%8E 『教科・科目の指導 - 埼玉県立浦和高等学校』]</ref>。) :※ 教科書本体では技法までは説明していないのですが、しかし教科書会社が公開している動画などで技法を説明します。内容はふつうの市販のデッサン技法書にあるようなことの概要です。 :※ 高校レベルなので、本ページで紹介する人物デッサンとは、(学生服などの)服を来た人の(エンピツなどでの)写実画のことです。 :ふつう、黒などの単色の線で、物の形を表し、陰影をつけることを「デッサン」と言います<ref>下濱晶子『10歳からの「美術の歴史」』、株式会社メイツユニバーサルコンテンツ、2020年11月30日 第1版 第1刷発行、P.125</ref>。 :なお、美大などでは裸体の写実画のことを「人体デッサン」と言ったりします<ref>スージー・ホッジ『美術ってなあに? ”なぜ?”から始まるアートの世界』、2017年9月30日 初版発行、河出書房、P24</ref>。人間の体のつくりが人体の表面にどう表れるかを学ぶのが目的なので、裸体を観察しながら描く必要があるからです。 :当然ですが、本ページでは、裸体の写実画は紹介しません。普通の高校の美術でも、裸体は扱いません。 ふつう、人物デッサン画では、黒以外の色は塗りません。 人物デッサン画は「写実画」とは異なります。 そもそも教育目的が、人物デッサン画の授業と、写実画の授業では、違います。 デッサンの基本的な目的は、自分がいかに先入観でものを観察していたりして<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P12 ※ 寝そべって逆さまになった顔のクロッキー</ref>。 、ものを正確に見れてないか、などの見落としを実感するために行うものでもあります<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、巻頭『はじめに』</ref>。 なので基本的には、デッサンでは、なるべく写実的に、実物そっくりに描くのが安全でしょう。 ただし、実際には、立体感を分かりやすくしたりするため等の理由で、少しだけアレンジを加えることもあります。 デッサンは、絵の修正を通して、自分の勘違いを修正する行為でもありますので、基本的には消しゴムも使います<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P17 ※ 『修正』の書き手をえがいたイラストでは、消しゴムを使っている</ref><ref>アトリエ・ハイデ編『デッサンの基本』、ナツメ社、2009年7月7日 初版 発行、P3</ref>。 デッサン画の目的は、立体感および光と影の位置関係について、上述のように先入観と現実とのちがいの把握が、一般的な目的です。特に石膏(せっこう)デッサンなどで用いる石膏像は、立体感に専念しやすいように白色だけを使った像になっているほどであり、また、鼻の穴などの細部については美術の石膏像では省略された造形になっているほどです。 一方、絵の具などを用いる写実画の目的は、色彩の表現力などが目的です。 ;必要な道具(最低限の場合) * 普通の2B<ref>アトリエ・ハイデ編『デッサンの基本』、ナツメ社、2009年7月7日 初版 発行、P61 ※ 卵のデッサンの輪郭線で2B使用</ref>くらいの黒エンピツ * 消しゴム(普通ので構いません<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P8</ref><ref>アトリエ・ハイデ編『デッサンの基本』、ナツメ社、2009年7月7日 初版 発行、P9</ref>) * 画用紙またはスケッチブック(これに描きます。説明は省略) シャープペンシルだと、(画風にも寄りますが)影を塗れないので、エンピツを用意してください。また、シャープペンシルだと画用紙を痛めやすく、消しゴムで線を消しても、ヘコミが残るなどして、危険です。 消しゴムは、ハイライトをつける場合にも使います<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P58 </ref>。 美術で使う消しゴムは、角が黒くなってきたら、ハサミなどで黒くなった部分を切ります<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P59 </ref>。 ※ 参考文献ではカッターナイフで消しゴムを切っている。ただ、高校生には少し危険だと思い、本wikiでは「ハサミ」にアレンジした。消しゴムを切れれば何でもいい。 :※ なお、カッターやハサミをどうしても使う場合、多くの中学・高校で、美術室で事前に用意してあると思います<ref>山崎正明『中学校美術 指導スキル大全』、明治図書、2022年5月初版第1刷刊、P101</ref>。なお、特に出典は無いのですが、社会常識として、多くの職場で、刃物を日常的に使う職場の場合、事前に職場で刃物を用意していることが多くあります。通勤のさいに刃物を持ち歩くと警察沙汰になることが多くあるので、なるべく常識として会社側が備品として仕事で使う刃物を用意しているのです。 :※ 備品のカッターやハサミを美術室から借りた場合、使い終わったら、もとあった場所に返却しましょう<ref>山崎正明『中学校美術 指導スキル大全』、明治図書、2022年5月初版第1刷刊、P101</ref>。これは美術以外の分野でも社会常識で、会社などで備品を借りる時でも常識です。 さて学校で「練り消しゴム」を買わされる場合、おそらくカッターなど刃物を使わせたくないので、「校内の美術では練り消しを使え」という意味でしょうか。 なお、呼び方は「練り消しゴム」でも「練り消し」でも<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P8</ref>、どちらでも良い。 教科書会社の光村書店のサイトでは「練りゴム」と呼んでいました。 生徒側は用意する必要は無いですが、 * 画用紙を置くナナメ台(なお「イーゼル」という) が必要です。美術室に置いてあります。それを使えば十分です。 生徒側がそろえるものとしては、できれば、さらに * 濃い鉛筆 3B~6Bなど * 薄い鉛筆 HまたはHBまたは2Hや3hなどのHなんとか など があれば、さらに便利です。 :※ 教科書会社の動画では、そこまで説明していない。おそらく、あまり費用の負担をさせたくないのだろう。 全部そろえるのは大変だし、持ち運びも不便だし、カネもかかるので、5教科用の鉛筆のほかの鉛筆としては、濃い鉛筆2本、うすい鉛筆2本、くらいの4~6本くらいもあれば、高校レベルとしては十分でしょう。 ある本では、「4Hから6Bまでの間で、濃さの異なる4~5本を用意する」とあります<ref>『鉛筆デッサンの基本』、遊友出版、2004年8月20日 発行、P14</ref>。 本格的にやるなら(授業レベルでは不要でしょうが)、筆箱を、普通の鉛筆の筆箱とは別にも用意したほうが良いかもしれません。 仕上げなどは、強い筆圧で書くのではなく、濃い鉛筆で書くようにしたほうが安全です。 強い筆圧で書いてしまうと、紙を痛めやすくなります。 * (許可があれば)ティッシュなど 影をこする場合に、ティッシュ<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P8</ref>や、綿棒またはガーゼなどを使います。価格がいちばん安いのがティッシュでしょうか。ただし、高校の授業レベルでは、ゴミ防止などの理由で、ティッシュ・綿棒。ガーゼなどの使用が禁止されるかもしれません。ガーゼは薬局などで購入した一般のもので大丈夫です<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P33 </ref>。 なお、自分の指でこすっても大丈夫です<ref>バート・ドットソン 著『デッサンの55の秘訣』、田辺晴美 訳、マール社、2018年2月20日 第2刷 発行、P66</ref>。 こすらなくても問題ありません。ただし、教員などの提出された画用紙の持ち運びなどの際、勝手にこすれると思います。 === 筆圧 === 鉛筆デッサンでは、筆圧はかならず、弱く書かないといけません。 なぜなら、もし強い筆圧で書いてしまうと、画用紙をヘコませてしまうので、消しゴムで消しても、影などを塗る際にヘコみのせいで、ヘコミの部分だけ影がつかなくなってしまいます。特にシャープペンシルを使うと筆圧が強くなりやすいので、シャープペンシルは使わないのが安全です。 教科書会社の動画でも、鉛筆で書いています。なお、鉛筆をナナメに寝かすような角度で書いています。このほうが広い範囲を弱い力で安定的に描けるので、デッサンでは、よく使われる持ち方です。 === 作業の流れ === デッサンの完成品では目立たない線ですが、じつは、デッサンの描き始めの段階で、プロの美術家でも、線画のようなもので人体のシルエットのようなもの(「アタリ」という)を描いています<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92</ref><ref>アトリエ・ハイデ編『デッサンの基本』、ナツメ社、2009年7月7日 初版 発行、P130</ref>。 :※ なお、教科書会社のサイトでは「アタリ」という用語は用いていません。 アタリを取らない流儀もありますが(いきなり影を塗り始める方法もあったりする)、しかし美大受験デッサン(3時間ていど)や高校の授業時間内などの短時間で書く場合、アタリが必要になるでしょう。本ページ・本セクションでは、アタリを取る流儀で説明します。多くのデッサン入門書でも、アタリを取る流儀で説明しています。 アタリは、決して頭の中だけで構図を決めたままで終わりにするのではなく、実際に鉛筆でアタリの線を紙の上で書いて確認することまでが、「アタリ」です<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92</ref>。 構図が紙からハミ出ないかなどの確認や、構図のとおりのポーズで本当にかっこいいかの確認なので、細かなデコボコは無視して、大まかなシルエットを描きます。 指などは、(時間の節約のためか、)決して1本1本は、描けません<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92 ※ 文章では説明してないが、掲載の絵を見ると、アタリでは指の1本1本は描いていない</ref>。野球グローブや料理ミトンのように、指全体の大まかなシルエットを取るようになるでしょうか。 ただし、手足の長さや、胴体の長さや、首の長さや頭の長さは、なるべく正確にとる必要があります。 同様、手足の太さ、胴体の太さ、首の太さ、頭の太さも、正確にとる必要があります。 作品づくりの作業のほとんどを、(エンピツで)塗り、修正、塗りなおし などに配分すると、いいようです。 なお、ここでいう「塗り」は、黒エンピツで影などをつけることです。 :※ 説明の都合上「塗る」と書きましたが、しかしサンズイ(部首の「シ」)がありますが、しかしデッサンでは水彩絵の具は使いません。水彩も油彩も、とにかく絵の具も塗料も、デッサンでは使いません。基本は黒色エンピツです。色エンピツも使いません。 :※ 鉛筆デッサンの専門書でも、影つけのことを「塗る」と表現しています<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P37</ref>。 先に全身のバランスを押さえてから、あとで細部を作っていきます。 ==== 人物画のアタリ ==== 人物デッサン画を描く場合、シャープペンシルは使わないようにするのが常識です。なぜならシャープペンシルを使うと、画用紙がヘコんでしまいます。 デッサン画を描く時、普通はグラファイト鉛筆(ごく普通の鉛筆です)を使います。 高校レベルのデッサンでは、消しゴムを使って何度も修正して消すので、普通の鉛筆で書かなければいけないでしょう。(一発書きは、決して教育目的ではありません。もし一発書き・短時間での描写が目的なら「クロッキー」などの別の用語で呼びます。) まず、アタリを取ります。 アタリとは、うすく、輪郭のシルエットのようなものを描くことです。 美術デッサンのアタリでは、薄く描くため、鉛筆を寝かして描くのが普通です<ref>アトリエ・ハイデ編『デッサンの基本』、ナツメ社、2009年7月7日 初版 発行、P130</ref><ref>『シリーズ芸美 石膏デッサンの基礎』、アトリエ出版社、1997年9月20日初版発行、P55</ref>。 鉛筆を寝かせることで線がやや太くなりますが、美術デッサンとしては問題ありません。(ただし、マンガやアニメのアタリとしては不適。マンガ・アニメは本ページの範囲外なので、説明は深入りしない。) 美術デッサンの場合、アタリの段階では、あまり顔の目・鼻・口に深入りしません<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92</ref><ref>アトリエ・ハイデ編『デッサンの基本』、ナツメ社、2009年7月7日 初版 発行、P130</ref>。 シルエットが大まかにとれていれば十分です。 服のシワは、アタリの段階では取らなくて大丈夫です。よほど大きなシワや、目立つカゲでない限り、アタリの段階では不要です。 上半身シャツや下半身ズボンの境目など、目立つなら、アタリでも描いても大丈夫でしょう<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92</ref><ref>アトリエ・ハイデ編『デッサンの基本』、ナツメ社、2009年7月7日 初版 発行、P130</ref>。 ==== 目立つ服のシワや影の書き込みなど ==== アタリの段階では、服のシワなどは無視したので、 次に、本当にシワなどを書き込んでも問題ない程度には正確にアタリが取れているかの確認もこめて、 目立つシワや、目立つ大きな影などを、描いてみます <ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92</ref> 。 ほか、手の指も、アタリの段階では省略したので、この段階では、 指も実際に見える指をすべてシルエットを書いてみて、問題ないことを確認します<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92</ref>。 アタリとその後のこの調整の段階で、写真のように完全に正確に描くのは、プロでも無理です。プロですら、つじつま合わせをします<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P93</ref>。ポーズやプロポーションなどの大きな流れが崩れてさえいけなれば、とりあえずは、つじつま合わせとしては、良いのです。 ==== 影をつけ始める ==== ある程度、全身のアタリを取ったり調整をしたら、次に、影になる部位をうすめに黒く塗りにいく。 本当に影を塗っても問題ないかを確認する必要もあるため、実際に影を塗ってみて、確認するしかない。 ただし、あとから修正するので、うすく塗っていく。 このカゲを描くさいに使うエンピツはもちろん、普通の黒エンピツでなければならない。 決して、色鉛筆用の特殊な黒エンピツを使ってはならない。 影を描くさい、鉛筆の先端部をすこし寝かして紙にコスつけることで<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P37</ref>、うすく広く、影をつけられるので、このテクニックを使って影をつけていくのが良い。(シャープペンシルだと、これが不可能。無理やりシャープペンシルでやると、芯が折れる。) また、なるべく始めは、全身の各部位にある影部をバランスよく、黒く塗っていく。 もし、影をもっと濃くしたい場合は、けっして強く描くのではなく、濃い鉛筆に持ち替えます<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P37</ref>。 とにかく、実際に影部を黒く塗ってみて、もし違和感を感じた部分は、消しゴムで修正していきましょう。 影の大きさや位置を調整したり、場合によってはアタリで引いた線を引きなおします。 違和感を感じにくくなるまで、修正を繰り返します。 ==== その後の調整 ==== {{コラム|所要時間と書き方| その絵を作るのに投ずる時間によって、描き方は、変わってきます<ref>『鉛筆デッサンの基本』、遊友出版、2004年8月20日 発行、P91</ref>。 高校の場合、授業では4~6時間ていど、放課後に居残りをしても、せいぜいプラス3時間程度でしょうか。 国語・数学・英語・理科・社会など他の科目の勉強をす必要もあるし、絵の練習をするにしてもデッサン以外にも色々な練習があります。 (なお、美大受験でもデッサン受験をする場合は、時間の相場は3時間程度<ref>『鉛筆デッサンの基本』、遊友出版、2004年8月20日 発行、P91</ref>のデッサンです) 授業の4時間ていどで仕上げる絵を描く場合、基本的には、週刊マンガ家やアニメーターのように、線画でアタリを取ることになるかと思います。 デッサンの専門書でも、1時間でデッサンを描く場合には、線画でアタリを取っています<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P27</ref>。ただし美術のデッサンでは、決してアニメーターのように太さの細かい線で描く必要はありません。 後戻りをする時間が無い場合は、アタリ線を重視します。 }} === 各論 === ==== 黒い服、白いYシャツの影を書く場合 ==== ===== 黒い服 ===== 黒い服、制服の鉛筆デッサン。→黒いものに影つけするのが難しい。 :対策案1:  濃く黒く見える部分を、「灰色だ」と思って描く。つまり、実物よりも薄い色として描く。 :対策案2:  または、先に影になる部分を描いてから、そのあと、画用紙上での服の色を決める。つまり、あたかも、モデル役を「実物大の石膏デッサン人形」(デッサン用模型は白色であるのが通常)みたいな白色の人形だと思って描く。そして影を描き終わってから、服の色などを着色していく。 ===== 白いYシャツ ===== 白いシャツの鉛筆デッサン。→紙も白いから、どう描くか混乱する。 対策案手順 :1: とりあえず、Yシャツの輪郭線を、うすくエンピツで線を描いてしまおう<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92 ※ 白い上着を着た女性のデッサンで、似たような対策でアタリを攻略してる</ref>。 :2: 次にとりあえず、Yシャツで影になってて暗くなってて目立つ部分などは、エンピツで(うすく)灰色っぽく塗る<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92 ※ 白い上着を着た女性のデッサンで、似たような対策で影を攻略してる</ref>。 :3: そのあと、Yシャツの表現をどうするか、考えよう。 「うすく」と書いた理由は、黒色のズボンを、やや うすめ の灰色で描く場合、それと合わせるため、Yシャツの白色の輪郭や影の色を、調節する必要があるからですね。 ==== 法的な問題 ==== :※ 中高の美術の検定教科書には法的な話が無いですが、しかし実際に21世紀の中学の美術の教育現場では著作権などの指導もされています<ref>中川一史 ほか編著『GIGAスクール構想 取り組み事例 ガイドブック』、翔泳社、2022年2月15日 初版 第1刷 発行、P118</ref>。 ===== モデル生徒のプライバシーなどの問題 ===== 21世紀のネット普及以降の時代では、モデルになる生徒の側のプライバシーの都合のため、服を来た同級生をモデルにしたデッサンはしないかもしれません。なぜなら、ネットなどに同級生をモデルにした絵が転載されてしまうと、簡単には消せなくなってしまいます(消すには裁判などの手間が掛かる)。なお、デッサン画に限らず水彩などの写実画でも同様、人物を描く場合には権利問題はあります。 プライバシーや肖像権などの問題です。 就職活動や推薦入試などで学外の人に見せることになる場合もあるので、もし同級生などをモデルにしたデッサンだと、肖像権などの問題が発生するからです。 このように21世紀の現代では、モデルの生徒のプライバシーや肖像権なども考える必要があります。こういう権利的な問題を予防するため、現代の高校デッサンの授業では、代わりに美術用の石膏像の胸像のデッサンをすることになるかもしれません。いわゆる「石膏デッサン」です。 普通の高校では、いちいちモデル役の大人なんて雇いませんし、財政難の日本の公立高校では雇えません。 石膏デッサンだと、写実的な顔は石膏像では書けません。そもそも細部を省略しているのが石膏像です(立体感を把握するのが目的なので、細部の凹凸(おうとつ)は省略している)。 なお、石膏デッサンの目的は、立体感の把握もあるので、デッサンの際には、描くだけでなく、加えて、時々いろんな角度で石膏像を観察しましょう<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版、P85</ref>。 なので、デッサンの単元とは別の授業で、写実的な顔を練習することになるかもしれません。たとえば別の単元で、芸能人・俳優などの写真を使って、模写をすることになるかもしれません。当然ですが、芸能人・俳優などは高校に呼べませんので、写真を模写するしかありません。 さらに小中学校の美術や図工などで同級生の顔の似顔絵を描かされたでしょうから、その経験も上乗せすることになるでしょう。 最終的に人物デッサンをする場合、石膏デッサンで身に着けた立体感の上に、写真模写で身に着けた表現力と、その他の美術の経験を載せることになるでしょうか。 高校美術の一般的な石膏像は、肩・首元から上くらいしか、ありません。それ以下は、石膏像では練習できません。必要なら、ご自身で工夫して、写真などで肩から下は練習してください。 あるいは、自分の顔のデッサンなら、自由に公開しても、他人に見せても(たとえば推薦入試などの自己アピールで見せたり)、権利的には自己責任なので問題ありません。ただし、もし問題が起きても自分で対処する必要ありますが。推薦入試や就職活動などの非公表の自己アピール以外の場所では、自分の顔のデッサンなどは決してネットなどでは公開しないのが安全です。 なお、模写で「個性が失われるのでは?」という不安がよくありますが、しかし、模写をしても個性は大丈夫です。模写をしても個性は失われないと欧米のデッサン技法書などでも述べられています<ref>バート・ドットソン 著『デッサンの55の秘訣』、田辺晴美 訳、マール社、2018年2月20日 第2刷 発行、P57</ref>。そもそも、欧米のデッサン技法書でも「まったく独創的なものなどありません。人のすることはすべて、組み合わさりながら新しいものを次々につくっていくのです」と言われています<ref>バート・ドットソン 著『デッサンの55の秘訣』、田辺晴美 訳、マール社、2018年2月20日 第2刷 発行、P210</ref>。 また、もし自分の作品にそれほど奇抜さや斬新さが無くとも、それはそれで使い道によっては、才能の一種です。なぜなら「普通」な作品とは、世の中で一番数が多い層に向けてモノを作っていることになるからです<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P34</ref>。 もうひとつ、既存のジャンルや定番の表現手法を知らずに(あるいはそれらを無視して)全くの独自の発想で作品を作っても、観客にとっては作り手との共通認識が不足することになるので、そのため観客がその作品を理解できなくなってしまい、そのため単に奇異な絵としか観客の目には見えない作品になってしまう、という結果になりがちです<ref>室井康夫 著『アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方 添削解説80例付き』、エクスカレッジ、2019年12月17日 初版 第1刷発行、P68</ref>。 わざとそういった理解困難な作品を書きたいなら別にそうすればよいでしょうが、しかし多くの絵描きの目指す方向性は違うだろうと思います。 自分初の独自性・個性は、多すぎてもダメなのです(なぜなら相手に伝わらなくなるので)。いっぽう、独自性・個性が少なすぎても、アートや作家としては問題でしょうが(ジャンルにも寄る。下請け仕事で絵を書く場合なら、少な目でも良い場合も多い)。ジャンルや仕事の種類などに合わせて、うまく、作品内における独自性・個性の分量を調整しましょう。 ===== 模写の販売は禁止 ===== なお、俳優・有名人などの写真を模写で描いた場合でも、決して販売してはいけません。なぜなら、モデルの肖像権のほか、さらにカメラマンの著作権があるからです。 「絵を販売しよう」という高校生は少ないと思いますが、法律の勉強も兼ねて、念のため、解説します。 まず、検定教科書にある偉人の写真ですら、20世紀後半まで生きた偉人については著作権が2020年になっても残っている場合も多いので、注意する必要があります。 もっとも、販売しないなら、学習用に模写して、学内や関係者などにだけ公開する程度なら、さすがに大丈夫だと思います。日本の著作権法にも、例外規定として、学校教育などの教育目的では模倣が法的に許されているし、海外でもアメリカでは「フェアユース」などの概念もあります。 しかし、有料で販売してしまうと、そういう例外規定を逸脱していて脱法的、あるいは単に違法な悪事として見なされ、損害賠償などを要求されかねません。 とにかく、法律がよく分からなけば、他人の写真などの模写については、権利者の許可が無い限りは、販売しなければ良いだけです。 人物画に限らず、たとえば過去の名画などの模写などをする授業もあるかもしれませんが、その場合も基本的には、手本にした作品の著作権がまだ切れていないものは、販売は禁止です。 また、模写した作品を公開する場合は、手本にした作品・作家の名前をきちんと紹介しましょう。引用のルールと同じようなものです。 もっとも、授業で模写をする場合は、美術教師から、手本にした作品名・作家名を明記するように指導されるでしょうから、教員の指示に従って明記すれば大丈夫でしょう。 このように、2020年以降の現代では、模写などの著作権や、デッサンモデルのプライバシーや肖像権などの権利問題にも、配慮して絵を描いたりする必要があります。 ;余談: 近代では模写の仕事があった なお、中世や近代などの印刷技術が未熟だった時代は、ヨーロッパ各国で画学生が模写を販売していた時代もあります。中世・近代の当時はカラープリンタどころかカラー写真そのものが無かったので、模写の仕事に需要があったからです。 ですが、カラー写真の普及した20世紀後半以降・21世紀および今後の21世紀以降では事情が違います。もし現代で仕事などで模写が許可される場合は、「模写」と言う呼び名ではないかもしれず、たとえば「複製」依頼などと呼ばれるかもしれません。 ともかく、21世紀の現代では、学生レベルでは模写は販売しないのが安全です。 ===== 映像作品・小説イラストなどの模写の配慮事項 ===== ;ネタバレ防止の必要性 デッサン画ではないですが、無料の公開であっても、マンガ絵・アニメ絵や小説などの挿し絵については、物語のネタバレなどになる危険もあるので、模写を公開するには、そういうのにも配慮が必要です。なので、どうしてもマンガ絵や小説挿し絵の模写を公開したい場合、なるべく序盤のほうだけ公開にするのが安全です。 実写映画などのワンシーンの模写も同様、序盤だけにするのが安全です。 また、基本的に他人の作品の模写なので、販売は禁止です。 ===== 二次創作の禁止 ===== 学校教育での創作活動では、基本的に二次創作は禁止です<ref>田中拓也 著『部活でスキルアップ 文芸部 活躍のポイント』、メイツ出版、2023年5月30日 第1版 第1刷発行、P31</ref>。権利問題など、いろいろな事情があります。 :※ 参考文献は文芸部での小説の二次創作禁止の話ですが、美術部でも似たようなものでしょう。部活でない美術の授業でも同じでしょう。 例外的に二次創作の認められる作品もあるかもしれませんが、少なくとも、著作権の切れてない作品については、二次創作は学校では基本的に禁止だと思ったほうが安全でしょう。 :※ ただし、初音ミクとか情報科目や音楽の教科書でも紹介してるので、販売メーカーが二次創作を許可してるので、もしかしたら学校でも認められる可能性があるかもしれません。しかし、個別の作品・キャラクターに関する話題になるので、美術科目としては、これ以上は深入りしない。 原作者やその企業などが公式に許可していない限り、著作権の切れてない作品については、二次創作をしないのが学校でのルール・マナーです。 原作者が公式に許可している場合でも、ライセンス条件など公式サイトにあるので、ライセンス条件をきちんと読んで理解して、その上で二次創作をしましょう。 ==== 中学教育の振り返り ==== 中学校で、多くの読者は、スケッチとは別の単元で、鉛筆と消しゴムだけで、写実的に見たものを書く単元があったと思います。体育館履きなどを書いたり、筆箱などを書いたり、あるいは利き腕でないほうの手を書いたり、・・・そういった単元です。 中学教育では、あの単元が、初歩的な鉛筆デッサンとして扱われています<ref>山崎正明 著『美術の授業がもっとうまくなる50の技』、明治図書、2020年11月 初版 第4刷 刊、P31およびP13、</ref>。 というか、中学でも「デッサン」という単語を使い、そういう絵を描けと課題を出しています。 ただし、中学の段階では、あまり細かいテクニックは教えていないと思いますが。 もちろん、中学でのデッサンの目的も、形をとらえる能力の向上が目的です<ref>山崎正明 著『美術の授業がもっとうまくなる50の技』、明治図書、2020年11月 初版 第4刷 刊、P31</ref>。 == 正中線 == 主に人体で、体を左右に分ける垂直の仮想の線を正中線(せいちゅうせん)と言います。人間や生物を描くときは、この正中線を意識したり、実際に線で描いてみると、自分が描いている絵についての理解や意識が深まっていくと思います。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1しんふつてつさんか}} [[カテゴリ:高校美術|しんふつてつさんか]]
2024-02-12T01:44:55Z
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高等学校美術I/アタリ、透視図法など構図
絵を描くさい、決してすぐには書かず、まず構図を決めます。どこからどこまでを描くとか、そういうのを決めます。 たとえば、座ってる人の全身(足のつま先から頭のてっぺんまで)を描こうと思ってたのに、ヒザから上で紙の大きさが限界になったら、困ってしまいます。 なので、基本的には、かならず先に構図を決めます。 しかし、構図を頭の中だけで決めても、本当にその構図で、紙をハミ出ないかなどは、実際に紙の上で確認してみないと分かりません。 絵を描くときに、いきなり描きたいものを本線で描かず、うすめの鉛筆の線で、短時間で下書きのように描くといいでしょう。こういうのを、「アタリ」、「アタリを取る」、などと言います。 アタリを描く段階では、構図が本当に紙に入りきるかの確認なので、細かなデコボコなどは無視して、大まかにシルエットを描きます。 下描き、アタリは消す場合も多いですが、そのまま残して、絵画の効果の一部になる場合もあります。 空気遠近法などの技法について、『中学校美術/美術2・3下』に解説があります。
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== アタリ == 絵を描く際は、すぐに形に着手せず'''構図決め→アタリ作業'''の順番で行いましょう<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92</ref>。 <!--構図の定義について参考文献を当たって追記したい--> 最初に物のどこからどこまでを描くなどの設定をします。例えば、座ってる人の全身を題材に絵を描こうと考えていたのに、ヒザから上で紙の大きさが限界になったら困ってしまいますので、まず最初にある程度自分の描く対象をしっかりと定めてから描くことが重要になります。 しかし、構図を頭の中だけで決めても、本当にその構図で絵が紙からハミ出ないかといった問題は、実際に紙の上で確認してみないと分かりません。絵を描くときに、いきなり描きたいものを本線で描かず、短時間でかつうすめの鉛筆の線で下書きのように描くといいでしょう。このような作業を'''アタリを取る'''などと言います。この段階では、構図が本当に紙に入りきるかの確認だけで十分なので、細かなデコボコなどは無視して大まかにシルエットを描きます<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P92</ref>。下描きやアタリは消す場合も多いですが、そのまま残して絵画の効果の一部とする場合もあります。 == 透視図法の一覧 == <gallery widths="250px" heights="250px"> Image:2-punktperspektive.svg|二点透視図法の例。二点透視は、見えている光景の真ん中を描く以上は、二点の消失点を結ぶ直線(アイレベル)は画面の中央点を通ります。(この場合は少し下ですね) Image:Ministry of Justice Japan02s3200.jpg|二点透視図法のような構図の参考写真。 法務省旧本館 写真外に消失点がある Image:Perspective with 2 points b.svg|二点透視図法。対象物を斜めから見る。 </gallery> <gallery widths="250px" heights="250px"> Image:3-point perspective 1-px-line.svg|三点透視図法の例。<br />対象物を斜め上から見る Image:Century-Park-Tower.JPG|三点透視図法のような構図の参考写真。 大川端リバーシティ21センチュリーパークタワー。対象物を斜め下から見る。 Image:Perspective with 3 points.svg|三点透視図法。<br />対象物を斜め下、または斜め上から見る。 </gallery> == その他 == 空気遠近法などの技法について、『[[中学校美術/美術2・3下]]』に解説があります。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1あたりとうしすほうなと}} [[カテゴリ:高校美術|あたりとうしすほうなと]]
2024-02-12T01:51:52Z
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高等学校美術I/デザインとは
ウルトラマンに出てくる怪獣など、空想上の生き物の着ぐるみを、もし新しく怪獣を考えて作るときは、考えた形を絵でデザインしてスタッフに説明する必要があります。 目的は、着ぐるみなどの実物をつくることですので、正面図だけでなく、側面図など別方向から見た図も必要になります。正面図だけでは、正面からは見えない部分の形が分からないからです。 側面図のかわりに背面図を書く場合もあります。また、正面図と側面図と背面図の3つを描く場合もあります。 いっぽう、上面図は、描かない場合も多いです。映像作品の着ぐるみなどの場合、正面図と側面図があれば、そこから形が分かる場合が多いのです。 また、こういった集団作業用デザイン画では、デザインの第一段階では色は塗らない(ぬらない)のが普通です。当面の目的は、形のデザインですので、輪郭線などの線を目立ちやすくする必要があります。影も、つけないのが普通です。 このように、集団作業のデザインでは、特に空想の生き物をデザインする場合、普通のイラストとは描き方がちがいます。集団作業用のデザイン画では、少なくとも2方向(たとえば正面図と側面図)が必要になる場合が多くあります。 デザインとアートは違います。デザインは自己表現ではありません。教科書会社のサイトにある動画でも、そう言っています。 デザインは問題解決のために、観客に分かりやすく、観客が楽しめるように絵を交えて説明する絵画作品のことです。 なお、美術科目だけでなく、情報科目の情報1の単元『情報デザイン』でも、似たようなことを習います なお、デザインする仕事の人のことを「デザイナー」と言います。 ともかく、デザイナーは作品で情報が分かりやすく伝わらないと意味ないので、なので普通の人の気持ちもある程度は分からないといけません。 デザインでは普通、一発勝負はありません。 デザインでは、取引先や制作チームなどと協力して、試作品(プロトタイプ)を作って、それをつかってユーザーにテストしていくなどして改善していくプロセスによって、作品を作り上げていきます。デザインでいう「試行錯誤」とはそういう意味です。 神戸大学付属の中等教育学校(いわゆる中高一貫校)の、探究論文のためのガイドライン中で「課題研究の成果として論文以外の制作を伴う研究のガイドライン」として、次のように言われています。 何らかの課題を解決するための制作方針が明記されていることは、制作が研究として認められるた めの必須要素であり、これがない制作は本校の課題研究としては認められない。何らかの創作を伴 う制作であればその創作方針が明示されるべきである。既存作品(楽曲等)の実演を制作物として 課題研究とする場合は、それに対する自身の解釈や、身体操作の独自の工夫などを実演方針として 明示することが求められるのであって、解決すべき課題に特に対応しない実演や単なる模倣は本校 の課題研究としては認められるものでない。 なお、神戸大学には文学部がある、と芸術かぶれの人には言っておきます。 引用の最後を、さらに抜粋。 解決すべき課題に特に対応しない実演や単なる模倣 いやあ、怖いですねえ。「解決すべき課題に特に対応しない実演」は「単なる模倣」と同列らしいです。助詞「や」は、並列の助詞ですので。同列・同等・同格のものを並べる際に「や」を使うワケですし。
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== デザイン画、および集団作業 == [[File:第三角法の説明図svg.svg|thumb|300px|正面図と側面図]] ウルトラマンに出てくる怪獣など、空想上の生き物の着ぐるみを、もし新しく怪獣を考えて作るときは、考えた形を絵でデザインしてスタッフに説明する必要があります。 目的は、着ぐるみなどの実物をつくることですので、正面図だけでなく、側面図など別方向から見た図も必要になります。正面図だけでは、正面からは見えない部分の形が分からないからです。 側面図のかわりに背面図を書く場合もあります。また、正面図と側面図と背面図の3つを描く場合もあります。 いっぽう、上面図は、描かない場合も多いです。映像作品の着ぐるみなどの場合、正面図と側面図があれば、そこから形が分かる場合が多いのです。 また、こういった集団作業用デザイン画では、デザインの第一段階では色は塗らない(ぬらない)のが普通です。当面の目的は、形のデザインですので、輪郭線などの線を目立ちやすくする必要があります。影も、つけないのが普通です。 このように、集団作業のデザインでは、特に空想の生き物をデザインする場合、普通のイラストとは描き方がちがいます。集団作業用のデザイン画では、少なくとも2方向(たとえば正面図と側面図)が必要になる場合が多くあります。 [[File:Mirai Suenaga with summer school uniform and K-on character style 20110305.jpg|thumb|400px|アニメ風に描かれたキャラクター設定画の例(色つき)<br>作者 Danny Choo<br> このデザイン画では、全身像として正面図と背面図を描いている。※「色トレス」とは,線画の線に色がついている物ですね。]] :※ 絵だけでは分かりづらい場合、デザインに重ならない位置に、文章で短く、たとえば「手の形は○○にする」などのコメントを追加したりして、明確に指定する場合もあります。目的は、絵だけで表現することではないのです。目的は、制作スタッフどうしで共通認識を作ることですので、もし目的のために必要ならコメントも追加します。 :※ なお、アニメと製造業では「三面図」の意味が違います。アニメでいう「三面図」はキャラ絵の場合、正面 ・ '''後ろ姿''' ・ 側面 の合計3面です。しかし製造業でいう「三面図」は、正面・側面・'''上面'''です。 ;正面図と側面図 :※ 集団作業とは別に、彫刻を木彫り(きぼり)や石彫り(いしぼり)でつくるときも、彫られる(直方体の)木や石に、実物大で正面図と側面図を描きます。その図を参考に、彫っていきます。 :CGを制作する時も、多くの場合正面図と側面図を描いて、その画像を参考に各部分を入力していきます。 == デザインとアートの違い == デザインとアートは違います。デザインは自己表現ではありません。教科書会社のサイトにある動画でも、そう言っています<ref>[https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/k-bijutsu/interview 『インタビュー映像 美術のはなし | 高等学校 美術 | 光村図書出版』 情報をデザインするということ 、語り手:グラフィックデザイナー 中川憲造 教科書関連ページ:平成30年度版『美術2』P.32-33「情報を視覚化するデザイン」 ]</ref>。 デザインは問題解決のために、観客に分かりやすく、観客が楽しめるように絵を交えて説明する絵画作品のことです<ref>[https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/k-bijutsu/interview 『インタビュー映像 美術のはなし | 高等学校 美術 | 光村図書出版』 情報をデザインするということ 、語り手:グラフィックデザイナー 中川憲造 教科書関連ページ:平成30年度版『美術2』P.32-33「情報を視覚化するデザイン」 ]</ref>。 なお、美術科目だけでなく、情報科目の情報1の単元『情報デザイン』でも、似たようなことを習います なお、デザインする仕事の人のことを「デザイナー」と言います。 ともかく、デザイナーは作品で情報が分かりやすく伝わらないと意味ないので、なので普通の人の気持ちもある程度は分からないといけません<ref>[https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/k-bijutsu/interview 『インタビュー映像 美術のはなし | 高等学校 美術 | 光村図書出版』 情報をデザインするということ 、語り手:グラフィックデザイナー 中川憲造 教科書関連ページ:平成30年度版『美術2』P.32-33「情報を視覚化するデザイン」 ]</ref>。 デザインでは普通、一発勝負はありません。 デザインでは、取引先や制作チームなどと協力して、試作品(プロトタイプ)を作って、それをつかってユーザーにテストしていくなどして改善していくプロセスによって、作品を作り上げていきます<ref>山崎正明『中学校美術 指導スキル大全』、明治図書、2022年5月初版第1刷刊、P50</ref>。デザインでいう「試行錯誤」とはそういう意味です。 {{コラム|美大のデザイン学科と再受験| 絵描きの仕事の志望者にとって、『デザイン』という言葉の意味を知ることが重要な理由のひとつとして、仮に美大を志望する際の学科選びに関わってきます。美大の「デザイン学科」とか学科内コースなどの「グラフィックデザイン専攻」とかはそういう意味ですので。 世間には「デザイン」という言葉の意味を誤解して、「なんだか20世紀後半以降のポップアートのような画風・作風だろう」と勘違いする人がいます。たとえばラッセン(クリスチャン・ラッセン)の絵みたいなのと勘違いする人がいるのです。あるいは、「わたせ せいぞう」みたいな、なんかマンガ絵っぽいオシャレ感のある絵とか。 しかし、「デザイン」とは、断じてそういう意味ではありません。 もしラッセンや「わたせ せいぞう」みたいなのと勘違いして美大の「デザイン学科」に進学してしまうと、目的のジャンルの絵の練習・勉強をするために転学科する羽目になって学費が余計に(私大なら少なくとも1年あたり100万円以上も)掛かったり、最悪、自主退学して再受験する羽目になってしまいます。 美大とかをロクに調べたことないイラストレーターさんとかが「デザインの定義なんて知らなくていい。それより絵を練習しろ。」とか言う人もいるかもしれませんが、しかし上述のような美大生の転学科などの手間の実例を知らない人のいう知ったかぶりなので、相手しないほうがイイです。そういう人が出世しているジャンルの業界は、もうその業界そのものの知的水準に欠陥があるので、そっと界隈から離れましょう。 だいたい、書道だと、単に字をうまく書く練習だけでなく、古典文学を勉強したりする事もあります。あるイラスト業界のイラスト会社が座学的なことを勉強しなくていいからと言って(そういう業界もあるのでしょう)、別の会社、別の業界までそうだとか、決めつける人はちょっと困りものです。 ともかく、美大ごとに、どういう意味で「デザイン」と言う言葉を使っていか異なる可能性もあるので、詳しくはそれぞれの美大についてパンフレットやらオープンキャンパスなどで調べてください。 あるいは、もしアナタが今が経済的に貧しくてオープンキャンパスに行けないなら、そもそも芸術家を将来の収入を得る職業として志望する進路そのものを考え直したほうが良いと思います。 美大・音大とか目指して3浪とか多浪する計画を立てたりして「浪人の困難にくじけず努力なワタシ! 自分かっこいい!!」とか自己陶酔できるカネと時間があるなら、私大あたりのオープンキャンパスに行く交通費のカネくらい捻出(ねんしゅつ)できるでしょう。もし捻出できないなら、足りないのはカネではなく、アナタの知能とかメタ認知とかの不足だと思いますので、まずは自身の情操を何とか生きていけるレベルにまで認知を発達させるのが優先でしょう。 日本では昭和の頃、服飾業界での『ファッション・デザイン』などの語とともに「デザイン」という単語が普及した経緯もあるので、どうも『デザイン』と言う言葉を、なんか昭和の戦後の頃に勃興した画風の総称だろうと誤解する人がいるのですが、まったく意味が違います。 そう勘違いしたまま美大受験浪人とかを3年やそれ以上も繰り返してしまうと、ちょっと人生で時間と金をかなり年単位で遠回りしてしまい、百万円単位でお金が飛びかねないので、昭和の時代なら勘違いするのはともかく、令和になってまで勘違いし続けるのは、さすがに直しましょう。 ただ、「デザイン」と言う言葉がまったくポップアートみたいな文化とも言えなくもない業界もあります。生け花とか華道とか知ってる人だと「フラワーデザイン」とか言う単語を知っているかもしれません。 このフラワーデザインとは、なんか西洋の花を、なんか明るく飾り立てたりするジャンルの芸通です。 なので、一般的な華道とかと違って、「わびさび」とか、フラワーデザインは基本、目指していません。 なお、海外ではフローラルデザイン(floral design)と言う。フラワーデザインは和製英語。 このように、カタカナの「デザイン」という単語が外来語である以上、英単語 design の本来の辞書的な和訳の「設計」「意匠」「構想」などの意味とは別に、海外文化の文脈も日本の外来語「デザイン」という単語には含まれることになります。 このように外来語としての「デザイン」という単語は、多義語です。 あまり和服とかの造形をファッションデザインとは言いません。同様、日本のボタン(牡丹)とかシャクナゲ(石楠花)とかの草花を和室っぽい場所にわびさびを感じさせるように飾ることをフラワーデザインとも言いません。 ともかく、芸術系の学校に進学する場合は、カリキュラム(教育課程)などをきちんと調べてください。「デザイン」のように同じ言葉でも学校や学科ごとに別々の意味で使っている可能性もあるので、進学志望校のカリキュラムの具体的な内容を調べておく必要があります。何らかの方法でカリキュラムを具体的に調べて下さい。 }} == 「解決すべき課題に特に対応しない実演」は「単なる模倣」 == 神戸大学付属の中等教育学校(いわゆる中高一貫校)の、探究論文のためのガイドライン中で「課題研究の成果として論文以外の制作を伴う研究のガイドライン」として、次のように言われています<ref>[https://www.edu.kobe-u.ac.jp/kuss-top/education/kp/materials/2023_kuss_handbook.pdf  『2023 年度 Kobe ポート・インテリジェンス・プロジェクト 課題研究・卒業研究ハンドブック』P.17]</ref>。 <blockquote> 何らかの課題を解決するための制作方針が明記されていることは、制作が研究として認められるた めの必須要素であり、これがない制作は本校の課題研究としては認められない。何らかの創作を伴 う制作であればその創作方針が明示されるべきである。既存作品(楽曲等)の実演を制作物として 課題研究とする場合は、それに対する自身の解釈や、身体操作の独自の工夫などを実演方針として 明示することが求められるのであって、解決すべき課題に特に対応しない実演や単なる模倣は本校 の課題研究としては認められるものでない。 </blockquote> なお、神戸大学には文学部がある、と芸術かぶれの人には言っておきます。 引用の最後を、さらに抜粋。 <blockquote> 解決すべき課題に特に対応しない実演や単なる模倣 </blockquote> いやあ、手厳しいですねえ。「解決すべき課題に特に対応しない実演」は「単なる模倣」と同列らしいです。助詞「や」は、並列の助詞ですので。同列・同等・同格のものを並べる際に「や」を使うワケですし。 課題解決系のデザイナ-にを目指す場合は、肝に銘じておきましょう。 == 脚注・参考文献 == {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1てさいんとは}} [[カテゴリ:高校美術|てさいんとは]]
2024-02-12T01:52:40Z
2024-03-25T01:22:40Z
[ "テンプレート:コラム" ]
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%BE%8E%E8%A1%93I/%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%81%AF
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高等学校美術I/光
通常、光は上にあるから、上側にあるものほど明るい。 いっぽう、暗いところで顔の下から上に向かって懐中電灯を照らしたりして、面白がる時がありますよね。あのように、暗い夜道などで、懐中電灯を顔の下から上に向かって照らしたような場合、顔の下側のほうが明るい。 光源が上にある場合の人物画を書く場合でも、「顔のアゴ下だから暗い」と考えるよりも、「アゴ下はヘコんでるので、そこに光がほとんど差し込まないので、アゴ下は暗くなりやすい」などととらえた方が、光源と対象の見え方の理解が深まると思います。 では、ボールを黒鉛筆だけでデッサンした場合を考えます。 机の上にボールがあるとしましょう。光源は、校内なら、美術室の天井にある照明、または屋外なら自然光だとしても、どちらにしても、ボールよりも上方にあります。このため、ボールの下側は、基本的には暗めになります。 さて、先入観では、ボールの各部の明るさについて、光源の上層部から遠いほど暗いと思いがちです。 しかし、じつは、反射光があるので、意外とボールの下部は(やや)明るいです。 光源の位置によって変わるので一概には言えませんが、たとえば下側1~20%部分よりも、下側 20~40% 前後あたりのほうが暗い、なんてこともありえます。(反射光などの影響による) デッサンの専門書でも、よく反射光が解説されますん。 反射光は、あくまで影の中の光なので、決して明るく描き過ぎないように気をつけてください。 反射光は、けっして古典的な美術だけの概念でなく、3Dコンピュータ・グラフィックスなど現代のテクノロジー的なイラストでも通用する理屈なので、反射光についてはぜひ、覚えておきましょう。 なお、ボールと地面の接地する部分は、とても暗くなります。おそらく、接地部が一番くらいでしょう(光源や環境にも寄る)。 路地裏の小道など、なぜか、小道でない日陰側の建物の横道よりも暗いと感じたことはないでしょうか? たとえばリンゴの模型をもとにデッサンをする場合、光源の側に近い面は、明るくなってるし、逆に、その反対側の面は、影になってる。 人体では、次のような部位どうしが、光と影で逆関係に対応しやすい。 こうなる理由は、重力方向的な上下関係の対応のほかに、球面に対してへっこんでいるという対応もしているからだろう。(乳房だけでは、乳房の上下とも球体的だが、しかし胴と組み合わせると、乳房が重力によって下方向に引っ張られるので、乳房の下側の面は、胴と乳房にハサまれてへっこんでいるし、逆に乳房の上側の面は、肩の前面から乳房にかけてのラインが平坦になりやすい。) ワキの下の影をぬってる時、ついつい影を大きめに描いてしまいがちである。 このような手順で描くと、そうなりやすい。 そこで、 のように描くことをお勧めします。 その他、もし描画対象の人物が椅子にすわっているなら、いすの面に触れてる部分の付近は(たとえば尻および、尻から太ももの下側)、光が差し込みにくく、よって影になりやすい。 また、このように座っている場合、 は、明暗が対応しやすい。 服を着ている人物デッサンでは、胴体の隆起の他に、さらに衣服の隆起が加わる絵を描くことになるので、もっと複雑な絵になるので、とにかく実物を観察して、うまく工夫して描きましょう。 また、室内照明の場合、たいてい光源は決して一点ではなく、天井全体に蛍光灯などが分散的に配置されており、光源は天井全体に一面に広がっている。1つのある光源では光が差し込まずに影になる部分でも、他の別の光源による光が差し込み、影はつきづらい上複雑に、とらえにくくなります。
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== 光源 == 通常、光は上にあるから、上側にあるものほど明るい。 いっぽう、暗いところで顔の下から上に向かって懐中電灯を照らしたりして、面白がる時がありますよね。あのように、暗い夜道などで、懐中電灯を顔の下から上に向かって照らしたような場合、顔の下側のほうが明るい。 光源が上にある場合の人物画を書く場合でも、「顔のアゴ下だから暗い」と考えるよりも、「アゴ下はヘコんでるので、そこに光がほとんど差し込まないので、アゴ下は暗くなりやすい」などととらえた方が、光源と対象の見え方の理解が深まると思います。 == 反射光 == :※ 普通のデッサンの入門書の多くで、光源と反射光の説明がされます。 :よく、テーブルの上に置かれた、白いボール(バレーボールみたいな奴でミゾなしの美術用ボール)または卵などで、入門書では説明されます。 では、ボールを黒鉛筆だけでデッサンした場合を考えます。 机の上にボールがあるとしましょう。光源は、校内なら、美術室の天井にある照明、または屋外なら自然光だとしても、どちらにしても、ボールよりも上方にあります。このため、ボールの下側は、基本的には暗めになります。 さて、先入観では、ボールの各部の明るさについて、光源の上層部から遠いほど暗いと思いがちです。 しかし、じつは、反射光があるので、意外とボールの下部は(やや)明るいです。 光源の位置によって変わるので一概には言えませんが、たとえば下側1~20%部分よりも、下側 20~40% 前後あたりのほうが暗い<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P27</ref><ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P31 </ref>、なんてこともありえます。(反射光などの影響による) デッサンの専門書でも、よく反射光が解説されますん<ref>浅井琢磨 監修『基礎を知り、表現を磨く 人物デッサンの教科書』、池田書店、2018年4月25日 発行、P27</ref><ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P31 </ref>。 反射光は、あくまで影の中の光なので、決して明るく描き過ぎないように気をつけてください<ref>アトリエ・ハイデ編『デッサンの基本』、ナツメ社、2009年7月7日 初版 発行、P67</ref>。 反射光は、けっして古典的な美術だけの概念でなく、3Dコンピュータ・グラフィックスなど現代のテクノロジー的なイラストでも通用する理屈なので、反射光についてはぜひ、覚えておきましょう。 なお、ボールと地面の接地する部分は、とても暗くなります。おそらく、接地部が一番くらいでしょう<ref>上田耕造 著『イチバン親切なデッサンの教科書』、新星出版社、2018年4月15日 初版発行、P31 </ref>(光源や環境にも寄る)。 路地裏の小道など、なぜか、小道でない日陰側の建物の横道よりも暗いと感じたことはないでしょうか? == その他 == * 光と影 たとえばリンゴの模型をもとにデッサンをする場合、光源の側に近い面は、明るくなってるし、逆に、その反対側の面は、影になってる。 人体では、次のような部位どうしが、光と影で逆関係に対応しやすい。 :・ <頭の上部(髪の生える部分)> .対. <アゴの下> :・ <肩の上、うでの付け根> .対. <ワキの下> :・ <女性の乳房の上側(乳頭から上の面)> .対. <女性の乳房の下側(乳頭から下の面)> こうなる理由は、重力方向的な上下関係の対応のほかに、球面に対してへっこんでいるという対応もしているからだろう。(乳房だけでは、乳房の上下とも球体的だが、しかし胴と組み合わせると、乳房が重力によって下方向に引っ張られるので、乳房の下側の面は、胴と乳房にハサまれてへっこんでいるし、逆に乳房の上側の面は、肩の前面から乳房にかけてのラインが平坦になりやすい。) ワキの下の影をぬってる時、ついつい影を大きめに描いてしまいがちである。 :1: 人体の輪郭を描いた上に、 :2: その輪郭の描かれた絵の上に、つづけて影を描く、 このような手順で描くと、そうなりやすい。 そこで、 :1: 人体の輪郭を描いた上に、(※ ここまでは前述の手順と同じ) :2: その輪郭の絵の上に、実物モデルを見て、光と影の対応場所を観察することで、 明るく照らされている人体部位 および 影になる部位 を、それぞれ探す。 :3: そして影を描く際には、決して、明るくなっている部位には「影」が入り込まないように注意しながら、影を描く、 のように描くことをお勧めします。 その他、もし描画対象の人物が椅子にすわっているなら、いすの面に触れてる部分の付近は(たとえば尻および、尻から太ももの下側)、光が差し込みにくく、よって影になりやすい。 また、このように座っている場合、 :・ ヒザの表側 .対. ヒザの裏側 は、明暗が対応しやすい。 服を着ている人物デッサンでは、胴体の隆起の他に、さらに衣服の隆起が加わる絵を描くことになるので、もっと複雑な絵になるので、とにかく実物を観察して、うまく工夫して描きましょう。 また、室内照明の場合、たいてい光源は決して一点ではなく、天井全体に蛍光灯などが分散的に配置されており、光源は天井全体に一面に広がっている。1つのある光源では光が差し込まずに影になる部分でも、他の別の光源による光が差し込み、影はつきづらい上複雑に、とらえにくくなります。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1ひかり}} [[カテゴリ:高校美術|ひかり]]
2024-02-12T01:53:55Z
2024-03-19T14:11:17Z
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高等学校美術I/基本
作家が事前に、作品の安全性などを判断するのは、必要な事です。 たとえば、立体造形物を作る場合は、事故が起きないよう、十分な注意をしたい。 形状のとがった部分があれば、とがった部分で目を刺したりなどの事故をしないように、対策する必要があるでしょう。 万が一、とがった部分をつくらないといけない場合でも、やわらかい材質でつくるとか、先端を丸めておくとかの、対策をほどこす事が望ましいですね。 他の例としては、たとえばイスをつくるなら、そのイスは、けっして、座っただけで壊れてはいけないでしょう。人間が座ったり乗ったりするものは、普通の使い方では壊れないように、頑丈(がんじょう)に制作しておく必要があります。そのため、事前に、自分が使っても壊れない事を確認する必要がありますよね。 もし、こういう安全対策を行わなかった結果として、観客などが、その作品でケガをすると、治療費などとして、作家側は多額の損害賠償を請求されたり、または刑事罰を受ける場合があります。 作品の安全性には配慮が求められています。 たとえば、創作イラストとかで、日本の戦国時代の甲冑(かっちゅう)を装着した武者(むしゃ)を描きたいとします。 こういう場合、高校国語の資料集(国語便覧)や、あるいは高校の社会科の日本史の資料集などに、甲冑の写真や説明イラストが掲載されている。 空想上の生き物を描く場合や(朱雀(すざく)とか天使・悪魔など)、空想上の神々(シヴァとかヴィシュヌとかケツアルカトルとか)を描きたくて調べたい場合にも、資料集がある程度活用できます。 その他、現代に習慣の残ってない歴史上の文化や風習などをイラストで描きたい場合など、国語や日本史・世界史などの資料集を活用しよう。 ただ、たとえ教材のイラストとはいえ、著作権があるので、けっして、そのまま書き写して発表してはいけません。 詳しくは、著作権などを参考にしてください。 これとは別に、美術イラストの資料集が書店で販売されています。ただ、年少者には情報が多すぎる、あるいは不要な情報が多い、著作権の取り扱いが煩雑、値段が高い、などの理由で、高校生にはあまり薦めない考えの人が多いです。 描きたい題材によっては、なかなか資料が見つからない場合もあります。その場合、例外として特別に人命などにかかわる絵でないかぎり(たとえば生物学の解剖イラストなど)、描きたい絵を描いてしまいましょう。 資料なしで描けば、間違った構造の絵を描くことになるかもしれませんが、間違いはあとから修正できます。 後から少しずつ直したり、普段から物事について知ること、調べることを心がけていけば、少しずつ美術、絵画に対する世界観は広がってゆきます。 漫画やアニメーションでは、わかりやすさを求めて、身体の特徴を強調することがあります。 たとえば、長身の人物は、より長身に描かれます。いっぽう、小さい人物は、より小さく描かれます。 たとえば、漫画やアニメーションで、登場する兄妹や姉妹が登場する場合に、たとえ成長期の終わった20歳すぎの兄妹や姉妹でも、年齢の大きいほう(兄や姉)を長身にデザインして、いっぽう弟や妹は、背を低くデザインするような手法があります。 観客は、自分が小学生のころの周囲の兄妹や姉妹のいる家庭などとの連想から、長身にデザインされたほうの人物が兄または姉だと分かり、いっぽう、背が低くデザインされたほうの人物が弟や妹だと分かる、というデザイン手法です。 このように、身体の特徴などを、作家が観客に、表現の意図をわかりやすく伝えるために、現実の人間や物体とは違うデザインを行うことをデフォルメといいます。 身長にかぎらず、体重でも同様です。漫画やアニメーションでは、太っている人物をデザインする際は、太っている事をわかりやすく視聴者などに伝えるために、顔や手を、現実の太っている人間よりも太らせてデザインします。しかし、現実の人間では、顔や手には、ほとんど脂肪がつきません。現実での、太っている人間の顔や手の脂肪の量は、太ってない人の顔や手足の脂肪の量と、ほぼ同じです。 また、美術用の、19世紀や20世紀始めごろのアメリカやヨーロッパの古い美術理論を解説した書籍のなかにも、デフォルメをしているものが多くあります。 たとえば、人間の頭身が、8頭身くらいに描かれる美術書がありますが、現実の人間の体型とは違います。現実の人間の頭身は、6.5頭身くらいだと言われています。 これら欧米の古い美術書にあるデフォルメは、目や鼻や手や足の書き方だけは写実的なので、一見すると現実の人体どおりに描いていると考えがちですが、しかし実際は、当時のアメリカやヨーロッパの美術の流行に合わせて頭身のデフォルメをしています。部分的な強調、と、言えるでしょうか。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "作家が事前に、作品の安全性などを判断するのは、必要な事です。", "title": "作品の安全性・合法性" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "たとえば、立体造形物を作る場合は、事故が起きないよう、十分な注意をしたい。 形状のとがった部分があれば、とがった部分で目を刺したりなどの事故をしないように、対策する必要があるでしょう。 万が一、とがった部分をつくらないといけない場合でも、やわらかい材質でつくるとか、先端を丸めておくとかの、対策をほどこす事が望ましいですね。", "title": "作品の安全性・合法性" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "他の例としては、たとえばイスをつくるなら、そのイスは、けっして、座っただけで壊れてはいけないでしょう。人間が座ったり乗ったりするものは、普通の使い方では壊れないように、頑丈(がんじょう)に制作しておく必要があります。そのため、事前に、自分が使っても壊れない事を確認する必要がありますよね。", "title": "作品の安全性・合法性" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "もし、こういう安全対策を行わなかった結果として、観客などが、その作品でケガをすると、治療費などとして、作家側は多額の損害賠償を請求されたり、または刑事罰を受ける場合があります。", "title": "作品の安全性・合法性" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "作品の安全性には配慮が求められています。", "title": "作品の安全性・合法性" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "", "title": "作品の安全性・合法性" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "たとえば、創作イラストとかで、日本の戦国時代の甲冑(かっちゅう)を装着した武者(むしゃ)を描きたいとします。", "title": "資料探し" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "こういう場合、高校国語の資料集(国語便覧)や、あるいは高校の社会科の日本史の資料集などに、甲冑の写真や説明イラストが掲載されている。", "title": "資料探し" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "空想上の生き物を描く場合や(朱雀(すざく)とか天使・悪魔など)、空想上の神々(シヴァとかヴィシュヌとかケツアルカトルとか)を描きたくて調べたい場合にも、資料集がある程度活用できます。", "title": "資料探し" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "その他、現代に習慣の残ってない歴史上の文化や風習などをイラストで描きたい場合など、国語や日本史・世界史などの資料集を活用しよう。", "title": "資料探し" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "ただ、たとえ教材のイラストとはいえ、著作権があるので、けっして、そのまま書き写して発表してはいけません。 詳しくは、著作権などを参考にしてください。", "title": "資料探し" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "これとは別に、美術イラストの資料集が書店で販売されています。ただ、年少者には情報が多すぎる、あるいは不要な情報が多い、著作権の取り扱いが煩雑、値段が高い、などの理由で、高校生にはあまり薦めない考えの人が多いです。", "title": "資料探し" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "描きたい題材によっては、なかなか資料が見つからない場合もあります。その場合、例外として特別に人命などにかかわる絵でないかぎり(たとえば生物学の解剖イラストなど)、描きたい絵を描いてしまいましょう。", "title": "資料探し" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "資料なしで描けば、間違った構造の絵を描くことになるかもしれませんが、間違いはあとから修正できます。", "title": "資料探し" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "後から少しずつ直したり、普段から物事について知ること、調べることを心がけていけば、少しずつ美術、絵画に対する世界観は広がってゆきます。", "title": "資料探し" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "漫画やアニメーションでは、わかりやすさを求めて、身体の特徴を強調することがあります。", "title": "デフォルメ" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "たとえば、長身の人物は、より長身に描かれます。いっぽう、小さい人物は、より小さく描かれます。", "title": "デフォルメ" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "たとえば、漫画やアニメーションで、登場する兄妹や姉妹が登場する場合に、たとえ成長期の終わった20歳すぎの兄妹や姉妹でも、年齢の大きいほう(兄や姉)を長身にデザインして、いっぽう弟や妹は、背を低くデザインするような手法があります。", "title": "デフォルメ" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "観客は、自分が小学生のころの周囲の兄妹や姉妹のいる家庭などとの連想から、長身にデザインされたほうの人物が兄または姉だと分かり、いっぽう、背が低くデザインされたほうの人物が弟や妹だと分かる、というデザイン手法です。", "title": "デフォルメ" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "このように、身体の特徴などを、作家が観客に、表現の意図をわかりやすく伝えるために、現実の人間や物体とは違うデザインを行うことをデフォルメといいます。", "title": "デフォルメ" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "身長にかぎらず、体重でも同様です。漫画やアニメーションでは、太っている人物をデザインする際は、太っている事をわかりやすく視聴者などに伝えるために、顔や手を、現実の太っている人間よりも太らせてデザインします。しかし、現実の人間では、顔や手には、ほとんど脂肪がつきません。現実での、太っている人間の顔や手の脂肪の量は、太ってない人の顔や手足の脂肪の量と、ほぼ同じです。", "title": "デフォルメ" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "また、美術用の、19世紀や20世紀始めごろのアメリカやヨーロッパの古い美術理論を解説した書籍のなかにも、デフォルメをしているものが多くあります。", "title": "デフォルメ" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "たとえば、人間の頭身が、8頭身くらいに描かれる美術書がありますが、現実の人間の体型とは違います。現実の人間の頭身は、6.5頭身くらいだと言われています。", "title": "デフォルメ" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "これら欧米の古い美術書にあるデフォルメは、目や鼻や手や足の書き方だけは写実的なので、一見すると現実の人体どおりに描いていると考えがちですが、しかし実際は、当時のアメリカやヨーロッパの美術の流行に合わせて頭身のデフォルメをしています。部分的な強調、と、言えるでしょうか。", "title": "デフォルメ" } ]
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== 作品の安全性・合法性 == 作品を作る前に、'''作品の安全性などを判断する'''のは必要な事です。 例えば、立体造形物を作る場合は、とがった部分など事故が起こりやすい部分を事前に把握して、十分な注意を心がける必要があります。この例で言うならば、とがった部分はやわらかい材質でつくる、先端を丸めておくなどの対策を施す事が望ましいですね。他の例として、イスなど人間が座ったり乗ったりするものは、普通の使い方では壊れないように頑丈に制作しておく必要があります。そのため、事前に使っても壊れない事を自身で確認する必要がありますね。 もし、このような安全対策を行わなかった結果、その作品でケガをしたという人が現れると、作者側は多額の治療費や損害賠償を請求されたり、または刑事罰を受ける場合があります。 このように、作品の安全性には配慮が求められています。 == 資料探し == 例えば、創作イラストなどで戦国時代の{{ruby|甲冑|かっちゅう}}を装着した{{ruby|武者|むしゃ}}を描きたいとします。このような場合、国語便覧や日本史の資料集などに甲冑の写真や説明イラストが掲載されていることがあります。天使や悪魔、フェニックスなどの空想上の生き物、または空想上の神々を描きたくて調べたい場合にも、資料集がある程度活用できます。その他、現代に習慣の残ってない歴史上の文化や風習などをイラストで描きたい場合などにも、国語や日本史・世界史などの資料集を活用しよう。 しかし、たとえ教材のイラストとはいえ、著作権があるので決してそのまま書き写した絵を発表してはいけません。詳しくは[[w:著作権|著作権]]などを参考にしてください。 これとは別に美術イラストの資料集が書店で販売されています。ただ、不要な情報が多い、あるいは純粋に情報が多すぎる、著作権の取り扱いが煩雑、値段が高いなどの理由で高校生にはあまり勧めない考えの人が多いです。 描きたい題材によってはなかなか資料が見つからない場合もあります。その場合はまず描きたい絵を描いてしまいましょう。資料なしで描けば、間違った構造の絵を描くことになるかもしれませんが、間違いはあとから修正できます。後から少しずつ直したり、普段から物事について知ること、調べることを心がけていけば、少しずつ美術や絵画に対する世界観は広がってゆきます。 ※例外として正確性が求められる絵が挙げられます。例えば、生物学の解剖イラストは学術的な用途で用いられるので間違った情報が含まれてはいけませんし、地図や説明書などの実用的な絵であれば誤解が生じてしまう可能性があります。 == デフォルメ == 漫画やアニメーションでは分かりやすさを求めて、身体の特徴を強調することがあります。例えば、長身の人物はより長身に描かれます。一方、小さい人物はより小さく描かれます。 例えば、兄妹や姉妹が登場する作品では、たとえ成長期の終わった20歳すぎの兄妹や姉妹でも、年齢の大きいほう(兄や姉)を長身にデザインして、一方で弟や妹は背を低くデザインするような手法があります。観客は、自分が小学生のころの周囲の兄妹や姉妹のいる家庭などとの連想から、長身にデザインされたほうの人物が兄または姉だと分かり、背が低くデザインされたほうの人物が弟や妹だと分かる、というデザイン手法です。 このように、身体の特徴などを、作家が観客に、表現の意図をわかりやすく伝えるために、現実の人間や物体とは違うデザインを行うことを'''デフォルメ'''といいます。 身長に限らず体重でも同様です。漫画やアニメーションで太っている人物をデザインする際は、太っている事を分かりやすく視聴者などに伝えるために、顔や手を現実の太っている人間よりも太らせてデザインします。しかし、実際は顔や手にほとんど脂肪がつくことはありません。現実での太っている人間の顔や手の脂肪の量は、太ってない人のそれとほぼ同じなのです。 また、19世紀から20世紀始め頃の欧米で出版された、美術理論を解説した書籍の中にもデフォルメをしているものが多くあります。例えば、人間の頭身が8頭身くらいに描かれる美術書がありますが、現実の人間の頭身は6.5頭身くらいだと言われ、実際の人間の体型とは違います。これら欧米の古い美術書でも、目や鼻、手足の書き方だけは写実的なので、一見すると現実の人体どおりに描いていると考えがちです。しかし実際は、当時のアメリカやヨーロッパの美術の流行に合わせて頭身のデフォルメをしています。部分的な強調と言えるでしょうか。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1きほん}} [[カテゴリ:高校美術|きほん]]
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%BE%8E%E8%A1%93I/%E5%9F%BA%E6%9C%AC
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高等学校美術I/パース
パース=パースペクティブ【perspective】 遠近法。透視図法。 実際の人間の目の見え方は、広角レンズ的なパースでもなく、望遠レンズ的な望遠パースでもないのです。 なお、広角レンズは、視野角が広いだけでなく、焦点距離が短いという特徴もあります。 一般の携帯用の手持ちカメラなどで、家族旅行などで皆が気軽に使えるカメラは大抵、広角レンズです。 望遠レンズは、視野角や狭いだけでなく、焦点距離が長いという特徴もあります(視野角が狭いことで、、遠くのものを大きく撮影する)。 ゲームで スーパーマリオ1 や スト2(ストリートファイター2)などの、真横から見たゲームがありますが、ああいうのが望遠パース的な構図です。 さて、アニメーションではよく、やや遠くから眺めた構図で描きます(なお、漫画は作家ごとによる)。つまり、アニメーションでは、望遠パースの掛かった絵柄で書くことが多いです。 スーパーマリオ1は、望遠パースのすごく強い画面です。 アニメーションでも、視界内での被写体の左右の位置関係を分かりやすくしたい場合に(けっして、スーパーマリオ1ほどの強い望遠パースではないが)、さらにより望遠っぽいパースを使うこともよくあります。特にアニメーションでは、セル(レイヤー)の合成のしやすさから、望遠パースが好まれます。 なので、多くのアニメーションの愛好者は、望遠パースに見慣れています。 パースの教本などでは、三点透視法とか二点透視法とかでよく人物にパースをつけて説明していますが、あれはパースを強調するために、かなり近くから人物を眺めた構図だったりします(つまり、焦点距離が短い = かなり広角パースが強い)。 広角パースのほうが遠近による大小差が大きいためパースの仕組みが分かりやすいので、広角で説明図を描く教本のほうが多いのです。また、実際には人物にパースを強くつける機会は、あまりありませんが(人物よりも建築物にパースをつけるほうが多い)、しかし建築物は描くのが大変なので、かわりにマンガ調にデフォルメされた人物にパースを強くつけることが、イラスト教本でよくあります。 肩幅程度の横幅のポーズに人間ですら、人間にパースを30度くらい付けるイラスト教本は、よくあります。 現実の風景を観察すれば一目瞭然ですが、たとえば自宅のベランダを(一般的な民家の広さとする)、室内のベランダから50センチくらい前から斜め前方のベランダ床を見ても(真正面のベランダ床を見ても、傾斜は0になる)、いちおう斜め前方のベランダ床にパースはついているのですが、しかしパースの角度はベランダすら、せいぜい角度にして片側15度くらいです。ベランダでなくとも、お風呂の床のタイルでもいいです。床に、直線状または格子状に模様があると、パースが分かりやすいです。 なので、ベランダやお風呂の床タイルの斜め前方に見下ろした視界では、パース自体はあるものの、ほとんどパースは目立たず、他人から「実はベランダにもパースがついているよ。ほら床を見てごらん」とか指摘されてようやく気づけるほどしか、パースはついていません。またベランダ直前のその室内から、となりの家の一般の民家の窓ガラスも、パースがついているかどうかも、分かりづらい程度です。 いっぽう、立っている人間の 肩幅 や 胴の厚さは、どう考えてもベランダなどの通路よりも狭いし、窓ガラスよりも直立人間の横幅・肩幅・胴厚は狭いので、現実の人間の観察のさいに50センチ以上遠くにいる人体にパースが目立つことは、(現実の人間の視界では)ないでしょう。(ただし、相手か自分のどちらかが寝そべっていたり、あるいは相手が両手を前後に広げていたりしたら(歌舞伎のポーズみたいに)、近くにいる相手にパースがやや目立つ場合はあるかもしれません。) 私たちが書籍などで普段みる人間の顔写真は、実はやや望遠ぎみです(撮影者が一般にレンズの焦点距離を公表しないので不明だが、広角で被写体の顔を近づけて撮影すると顔がかなり歪んで(ゆがんで)撮影されて見苦しいので、普通はやや望遠だと思われる)。 美術などで資料として使う写真には、そういうゆがみは避けたいので、人物の顔写真などは望遠で撮影されていると思われます。 なので、正面顔の写真なら、手前にある鼻と、やや奥にある耳とでは、すでに望遠レンズによる奥行きの圧縮がついていて、ああいう構図の写真になっているわけです。 望遠レンズで遠くの人物を撮影した時、顔が小さく映っていても,写真のプリントアウト時に拡大してみて顔の大きさが標準レンズ撮影時に同じになるようにプリントアウトすると、写真上での顔の形はほとんど同じに見えます。 よく、テレビ業界などで、まるでバズーカ砲みたいに大きさが人間の顔みたいに大きい大型カメラがあるが、あれは何かと言うと、大型の望遠レンズです。大きいカメラほど焦点距離が長く、視野角も小さいでしょう。 望遠的なレンズで撮影するぶんには顔の形は歪まないようですね。 なので、その望遠の状態からやや前後に被写体が動いたくらいでは、望遠では奥行きによるパースによる左右位置の変化の影響は小さいので無視できます。同様に、あるいは顔を斜めにしたくらいでは、ほとんどパースの左右位置の変化の影響は表れないでしょう。 とにかく、あまり、通常の顔写真以上にパースの強調された写真というのは、発生しづらいのです。(遠くにあるものは、遠くにあるので縮小こそされているが、しかし拡大してみれば、形状はほとんど標準の距離の状態と(形が)変わらないのである。) なので、被写体の顔がよほどカメラの近くにないかぎり(たとえば顔の どアップを至近距離(10~15センチくらい)で撮影してるのでもないかぎり)、けっして、よくみる顔写真以上のパースがつくことは通常、ありえないのです。 しかし一方絵の勉強として、あえて人物にパースを広角で強めにつけたイラストを練習することが必要な場合もあります。 また、漫画やアニメーションでも、あえてパースを実際にはありえないほどに強調する手法もあり、たとえば格闘マンガなどでカメラ方向(観察者のいる方向)に向かって出されたパンチをやたらと大きく描いて(この場合はパンチマンの)手のスピード感や迫力などを強調するような手法で、このような手法の呼び名はよく「嘘パース」(うそパース)と言われます。 また、アオリ、俯瞰という構図もありますね。 アオリとは、観察者が下側にいて、下側から上方向に向かって、物を見上げる構図です。 いっぽう、フカンとは、観察者が上側にいて、上側から下方向に向かって、下方を見る構図です。 例として、親子が立って、いたとしましょう。 親が、幼い(おさない)我が子を見るとき、フカンの構図でしょう。 いっぽう、幼い(おさない)子が、立っている親の顔を見るとき、アオリの構図でしょう。 演出的に「アオリ/フカンであり、なおかつ、広角パースを強調する」のような構図にする場合もあります。 美術では、作風にもよりますが、望遠パースと広角パースは、都合に応じて逆らって使われます。実写のカメラでは本来、望遠レンズと広角パースがひとつなぎののカットで混在する事はありませんが、しかし手描きの絵画やアニメなら、カメラでは不可能な映像を作ることも出来ます。 たとえば、有名アニメ映画監督の使う手法で、群集シーンなどで人物は望遠パースだが、建物などの背景は広角パースで描く、という手法もあります。有名な例では、アニメ映画『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』などで有名なアニメ会社スタジオジブリが、よくそういった望遠パースと広角パースとの混在で、群衆シーンなどの絵を書きます。(たとえば1998年ごろの日本テレビ系列の科学番組『特命リサーチ200X』で、ジブリのそういう作画技法がテレビで紹介された事もあります。)もし広角パースを人物にも使うと人物も縮小してしまいますが、しかし演出の都合で人物をなるべく大きく表現したい場合が多々ありますので、そういった場合に、人物だけ望遠パース的に、縮小率を小さくしたりする場合もよくあります。屋外シーンなどで時々、望遠パースと広角パースの意図的な混在が使われます。 また、マンガなどでも、「嘘パース」(うそパース)と言って、演出などの必要に応じて、カメラレンズならありえない程度に極端に手前のものが大きくなったパースを使う場合もあります。よく格闘マンガなどで、パンチで突き出した拳が、実際の構図よりも手がかなり大きかったりしますが、これも嘘パースの例です。 しかし、このようなパース混在の手法が比較的に容易に実装できるのは、手描きの絵の場合です。コンピュータグラフィックの場合、そのソフトウェアのシステムにもよりますが、嘘パースや広角・望遠の混在パースなどは、実装が難しくなります。CGで嘘パースなどを表現する場合、代替的に、そのシーンだけキャラクター3Dモデルを別途作成したりして、表現します。つまり、手前に来る人物だけ大きさを拡大した巨人のモデルにしたり、あるいは格闘のパンチシーンなら手だけ大きいキャラクターモデルを作ってそのモデルに入れ替えたりして表現します。たとえば2012年のアニメ映画『アシュラ』(ジョージ秋山 原作、東映アニメーション制作、プロダクションIG制作協力)でも、そのように3Dモデルを別途作成することで、CGでの嘘パースを実装しています。 なお、このような嘘パース撮影のためにモデルごと作り変える手法は別にCGアニメ業界が発明したわけではなく、日本でも昭和の特撮番組『ウルトラマン』の時代にすでに似たような手法があり、ウルトラマンの変身シーン(いわゆる「シュワッチ」(変身時の掛け声))のときの手前に突き出た右手を大きく強調するポーズを撮影するときに、実はミニチュアのウルトラマンの右手だけが左手よりも数倍も大きいミニチュアを使って撮影されています。 ともかく嘘パースなどは、上述のように作成に手間が掛かるので、(アニメ映画なら可能かもしれませんが、しかしプレステ作品などの)ゲームソフトの3D映像で表現するのは難しいかもしれません。 演出によるウソの映像は、パースのほかにも、光源によるウソも比較的に芸術業界では有名な演出です。 太陽はひとつですので、太陽光も一方向からやってくるのが、自然な光です。しかし、ポスターイラストなどでは、被写体の立体感を強調するために、しばしば、観客に分からない程度にさりげなく、光源を2~3個用意した構図のイラストが描かれている場合も多々あります。 イラストだけでなく、女優モデルなどの写真撮影でも同様の撮影技法があり、被写体の立体感を強調するために光源を複数用意して、暗室などでメインの光源1つとサブ光源1~2個で被写体の女優を照らして撮影するというテクニックも、ときどき使われている事もあります。
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:※パースの理論は、素人が間違って理解してしまいやすい分野です。もし高校卒業後に本格的に絵を描いていくつもりなら、いつか専門書など書籍でキチンとパースの理論を確認しましょう(けっして当wikiを{{ruby|鵜呑|うの}}みにしてはいけません。ネットを鵜呑みにしてはいけません)。 :また、実写やイラスト、建築画など分野ごとにパースの理論は大きく異なります。なので、もしパースの理論を学ぶなら自分の目指す分野を選んで学ぶことになります。どうしても書籍代を節約したくてネットのパース解説の記事を読んだり動画を見る場合は、せめて自分のめざす分野のプロによる解説を優先的に見ましょう。例えば、漫画のパースについて建築画のパース理論を参考に勉強しても、ほとんどが遠回りの勉強になるでしょう(同様、建築画のパース理論は、漫画では直接的には役立ちません)。異分野の作家による解説は後回しです。 == 広角パースと望遠パース == '''パース'''とは、{{ruby|パースペクティブ|perspective}}の略であり、'''遠近法'''や'''透視図法'''の意を持ちます。 <!--遠近法や透視図法、広角レンズや望遠レンズの定義とは?--> 実際の人間の目の見え方は、広角レンズ的なパースでもなく、望遠レンズ的な望遠パースでもないのです。 なお、広角レンズは、視野角が広いだけでなく、焦点距離が短いという特徴もあります。 一般の携帯用の手持ちカメラなどで、家族旅行などで皆が気軽に使えるカメラは大抵、広角レンズです。 望遠レンズは、視野角や狭いだけでなく、焦点距離が長いという特徴もあります(視野角が狭いことで、、遠くのものを大きく撮影する)。 ゲームで スーパーマリオ1 や スト2(ストリートファイター2)などの、真横から見たゲームがありますが、ああいうのが望遠パース的な構図です。 さて、アニメーションではよく、やや遠くから眺めた構図で描きます(なお、漫画は作家ごとによる)。つまり、アニメーションでは、望遠パースの掛かった絵柄で書くことが多いです。 スーパーマリオ1は、望遠パースのすごく強い画面です。 アニメーションでも、視界内での被写体の左右の位置関係を分かりやすくしたい場合に(けっして、スーパーマリオ1ほどの強い望遠パースではないが)、さらにより望遠っぽいパースを使うこともよくあります。特にアニメーションでは、セル(レイヤー)の合成のしやすさから、望遠パースが好まれます。 なので、多くのアニメーションの愛好者は、望遠パースに見慣れています。 パースの教本などでは、三点透視法とか二点透視法とかでよく人物にパースをつけて説明していますが、あれはパースを強調するために、かなり近くから人物を眺めた構図だったりします(つまり、焦点距離が短い = かなり広角パースが強い)。 広角パースのほうが遠近による大小差が大きいためパースの仕組みが分かりやすいので、広角で説明図を描く教本のほうが多いのです。また、実際には人物にパースを強くつける機会は、あまりありませんが(人物よりも建築物にパースをつけるほうが多い)、しかし建築物は描くのが大変なので、かわりにマンガ調にデフォルメされた人物にパースを強くつけることが、イラスト教本でよくあります。 肩幅程度の横幅のポーズに人間ですら、人間にパースを30度くらい付けるイラスト教本は、よくあります。 [[File:Perspective and human in Komehakubutsukan-passage_B.png|thumb|500px|実際の人間の胴体の厚み程度では、写真のように、パースは、ほとんどつかない。]] 現実の風景を観察すれば一目瞭然ですが、たとえば自宅のベランダを(一般的な民家の広さとする)、室内のベランダから50センチくらい前から斜め前方のベランダ床を見ても(真正面のベランダ床を見ても、傾斜は0になる)、いちおう斜め前方のベランダ床にパースはついているのですが、しかしパースの角度はベランダすら、せいぜい角度にして片側15度くらいです。ベランダでなくとも、お風呂の床のタイルでもいいです。床に、直線状または格子状に模様があると、パースが分かりやすいです。 なので、ベランダやお風呂の床タイルの斜め前方に見下ろした視界では、パース自体はあるものの、ほとんどパースは目立たず、他人から「実はベランダにもパースがついているよ。ほら床を見てごらん」とか指摘されてようやく気づけるほどしか、パースはついていません。またベランダ直前のその室内から、となりの家の一般の民家の窓ガラスも、パースがついているかどうかも、分かりづらい程度です。 いっぽう、立っている人間の 肩幅 や 胴の厚さは、どう考えてもベランダなどの通路よりも狭いし、窓ガラスよりも直立人間の横幅・肩幅・胴厚は狭いので、現実の人間の観察のさいに50センチ以上遠くにいる人体にパースが目立つことは、(現実の人間の視界では)ないでしょう。(ただし、相手か自分のどちらかが寝そべっていたり、あるいは相手が両手を前後に広げていたりしたら(歌舞伎のポーズみたいに)、近くにいる相手にパースがやや目立つ場合はあるかもしれません。) 私たちが書籍などで普段みる人間の顔写真は、実はやや望遠ぎみです(撮影者が一般にレンズの焦点距離を公表しないので不明だが、広角で被写体の顔を近づけて撮影すると顔がかなり歪んで(ゆがんで)撮影されて見苦しいので、普通はやや望遠だと思われる)。 美術などで資料として使う写真には、そういうゆがみは避けたいので、人物の顔写真などは望遠で撮影されていると思われます。 なので、正面顔の写真なら、手前にある鼻と、やや奥にある耳とでは、すでに望遠レンズによる奥行きの圧縮がついていて、ああいう構図の写真になっているわけです。 望遠レンズで遠くの人物を撮影した時、顔が小さく映っていても,写真のプリントアウト時に拡大してみて顔の大きさが標準レンズ撮影時に同じになるようにプリントアウトすると、写真上での顔の形はほとんど同じに見えます。 よく、テレビ業界などで、まるでバズーカ砲みたいに大きさが人間の顔みたいに大きい大型カメラがあるが、あれは何かと言うと、大型の望遠レンズです。大きいカメラほど焦点距離が長く、視野角も小さいでしょう。 望遠的なレンズで撮影するぶんには顔の形は歪まないようですね。 なので、その望遠の状態からやや前後に被写体が動いたくらいでは、望遠では奥行きによるパースによる左右位置の変化の影響は小さいので無視できます。同様に、あるいは顔を斜めにしたくらいでは、ほとんどパースの左右位置の変化の影響は表れないでしょう。 :※ 望遠レンズによる奥行きの圧縮は、美術のほかにも、マスコミ報道の実写映像で応用されたり、または宣伝写真などでも応用される場合もあり、用途としては人数の密度を高めに錯覚させたい場合に使われる場合があります。たとえば商店街などが実際よりも混雑して盛況なように見せたい場合に、望遠レンズで写真撮影することにより奥行きを圧縮することで、写真を見た観客に、あたかもその商店街での客の密度が高いかのように錯覚させる撮影手法なども、昔からよくあります。 :※ 一般の人間の顔写真に近いのは、望遠レンズです。望遠100mmレンズ、135mmレンズ、200mmレンズでも、ほとんど撮影された写真での顔の各部の位置は同じです。広角で撮影する場合は、70mmレンズなどで撮影すると考えられる。(広角30mmで近い人の顔を撮影しても、あまりに歪んでおり、顔写真としては使い物にならない。近似計算だが、まるで反比例のグラフのように、0(ゼロ)mm近くでは急速に写真が変化するが、しかし基準となる数値(この場合は70mm~100mmあたり)を超えると、あまり写真が変化しなくなる。) :※ もし幾何学的に正確に構図での被写体大小を計算するなら三角関数をつかった方程式で計算すればよいのだろうが、しかしそれだと計算が複雑すぎる。 :なので、計算の手間をへらすために反比例として近似を考えると、割と、実物の構図と近い構図になる。 :しかし、それだと絵を描くさいに作図が大変なので、さらに「近距離の場合だけ、被写体が離れると、マイナスの一次関数のように遠くほど被写体が小さくなる」、として近似している。 とにかく、あまり、通常の顔写真以上にパースの強調された写真というのは、発生しづらいのです。(遠くにあるものは、遠くにあるので縮小こそされているが、しかし拡大してみれば、形状はほとんど標準の距離の状態と(形が)変わらないのである。) なので、被写体の顔がよほどカメラの近くにないかぎり(たとえば顔の どアップを至近距離(10~15センチくらい)で撮影してるのでもないかぎり)、けっして、よくみる顔写真以上のパースがつくことは通常、ありえないのです。 しかし一方絵の勉強として、あえて人物にパースを広角で強めにつけたイラストを練習することが必要な場合もあります。 また、漫画やアニメーションでも、あえてパースを実際にはありえないほどに強調する手法もあり、たとえば格闘マンガなどでカメラ方向(観察者のいる方向)に向かって出されたパンチをやたらと大きく描いて(この場合はパンチマンの)手のスピード感や迫力などを強調するような手法で、このような手法の呼び名はよく「嘘パース」(うそパース)と言われます。 また、アオリ、俯瞰という構図もありますね。 アオリとは、観察者が下側にいて、下側から上方向に向かって、物を見上げる構図です。 いっぽう、フカンとは、観察者が上側にいて、上側から下方向に向かって、下方を見る構図です。 例として、親子が立って、いたとしましょう。 親が、幼い(おさない)我が子を見るとき、フカンの構図でしょう。 いっぽう、幼い(おさない)子が、立っている親の顔を見るとき、アオリの構図でしょう。 演出的に「アオリ/フカンであり、なおかつ、広角パースを強調する」のような構図にする場合もあります。 == 現実にない空間を描く場合がある == 美術では、作風にもよりますが、望遠パースと広角パースは、都合に応じて逆らって使われます。実写のカメラでは本来、望遠レンズと広角パースがひとつなぎののカットで混在する事はありませんが、しかし手描きの絵画やアニメなら、カメラでは不可能な映像を作ることも出来ます。 たとえば、有名アニメ映画監督の使う手法で、群集シーンなどで人物は望遠パースだが、建物などの背景は広角パースで描く、という手法もあります。有名な例では、アニメ映画『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』などで有名なアニメ会社スタジオジブリが、よくそういった望遠パースと広角パースとの混在で、群衆シーンなどの絵を書きます。(たとえば1998年ごろの日本テレビ系列の科学番組『特命リサーチ200X』で、ジブリのそういう作画技法がテレビで紹介された事もあります。)もし広角パースを人物にも使うと人物も縮小してしまいますが、しかし演出の都合で人物をなるべく大きく表現したい場合が多々ありますので、そういった場合に、人物だけ望遠パース的に、縮小率を小さくしたりする場合もよくあります。屋外シーンなどで時々、望遠パースと広角パースの意図的な混在が使われます。 また、マンガなどでも、「嘘パース」(うそパース)と言って、演出などの必要に応じて、カメラレンズならありえない程度に極端に手前のものが大きくなったパースを使う場合もあります。よく格闘マンガなどで、パンチで突き出した拳が、実際の構図よりも手がかなり大きかったりしますが、これも嘘パースの例です。 しかし、このようなパース混在の手法が比較的に容易に実装できるのは、手描きの絵の場合です。コンピュータグラフィックの場合、そのソフトウェアのシステムにもよりますが、嘘パースや広角・望遠の混在パースなどは、実装が難しくなります。CGで嘘パースなどを表現する場合、代替的に、そのシーンだけキャラクター3Dモデルを別途作成したりして、表現します。つまり、手前に来る人物だけ大きさを拡大した巨人のモデルにしたり、あるいは格闘のパンチシーンなら手だけ大きいキャラクターモデルを作ってそのモデルに入れ替えたりして表現します。たとえば2012年のアニメ映画『アシュラ』(ジョージ秋山 原作、東映アニメーション制作、プロダクションIG制作協力)でも、そのように3Dモデルを別途作成することで、CGでの嘘パースを実装しています。 なお、このような嘘パース撮影のためにモデルごと作り変える手法は別にCGアニメ業界が発明したわけではなく、日本でも昭和の特撮番組『ウルトラマン』の時代にすでに似たような手法があり、ウルトラマンの変身シーン(いわゆる「シュワッチ」(変身時の掛け声))のときの手前に突き出た右手を大きく強調するポーズを撮影するときに、実はミニチュアのウルトラマンの右手だけが左手よりも数倍も大きいミニチュアを使って撮影されています。 ともかく嘘パースなどは、上述のように作成に手間が掛かるので、(アニメ映画なら可能かもしれませんが、しかしプレステ作品などの)ゲームソフトの3D映像で表現するのは難しいかもしれません。 演出によるウソの映像は、パースのほかにも、光源によるウソも比較的に芸術業界では有名な演出です。 太陽はひとつですので、太陽光も一方向からやってくるのが、自然な光です。しかし、ポスターイラストなどでは、被写体の立体感を強調するために、しばしば、観客に分からない程度にさりげなく、光源を2~3個用意した構図のイラストが描かれている場合も多々あります。 イラストだけでなく、女優モデルなどの写真撮影でも同様の撮影技法があり、被写体の立体感を強調するために光源を複数用意して、暗室などでメインの光源1つとサブ光源1~2個で被写体の女優を照らして撮影するというテクニックも、ときどき使われている事もあります。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1はあす}} [[カテゴリ:高校美術|はあす]]
2024-02-12T02:01:17Z
2024-03-20T02:50:07Z
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高等学校美術I/美術史からプロパガンダ美術が抜けている件
芸術作品は、宣伝広告でもあります。なぜなら、芸術作品をつくるには、お金が掛かります。特に映画やアニメーションなどの映像のうごく作品は、制作に数億円の資金が必要になる場合も多くあります。 画家の芸術活動ですら、たとえ消費者や企業からお金を受け取っていない人だとしても、その作家が自身の思想信条を宣伝するために、作品を作っているのです。 また、中世キリスト教の宗教芸術の作品のように、そもそも、その宗教の宣伝を目的とした作品もあります。 企業でなく国家の宣伝をするために、作品を作る場合もあります。戦争中の絵画や音楽などの作品が分かりやすい例ですが、国家が宣伝するのは、なにも戦時中だけに限りません。 国家が宣伝のために作る作品を、「プロパガンダ芸術」や「プロパガンダ美術」のように言います。 ふつう、支配的な政府が、宣伝の目的でつくる作品のことをプロパガンダと言い、たとえばソビエト連邦などが作ったポスターなどにそういう例が多々あります。 ポスターの形で提示されることも多く、宣伝(プロパガンダ)目的のポスターのことをプロパガンダ・ポスターとも言い、たとえば1943年の戦争での空襲に立ち向かう市民の絵を描いたソ連のポスターもあります。 この時代のソ連は戦争(第二次世界大戦)を始めた側ではないですが(ソ連は連合国の一国。戦争を始めたのは枢軸国(すうじくこく)の日独伊の側)、それであっても、国家などによる宣伝目的の作品のことを「プロパガンダ」と言います。 なお、政府などを批判する絵画は「風刺画」(ふうしが)と言います。 学校の美術や音楽の教科書で習う作品には、こういうプロパガンダ作品が、抜けていることに留意してください。 小中高の教科書にある作品例は、学生に対する手本も兼ねているので、プロパガンダは政治的に中立ではないので、教育的に好ましくないとして、教科書からは除外しています。 なお、国家の側は、自分たちの線全作品の行為のことをプロパガンダという事は少なく、たとえばソ連なら「社会主義レアリスム」など別の言い方をしたりします。
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=== 「プロパガンダ美術」とは === 芸術作品は、宣伝広告でもあります。なぜなら、芸術作品をつくるには、お金が掛かります。特に映画やアニメーションなどの映像のうごく作品は、制作に数億円の資金が必要になる場合も多くあります。画家の芸術活動ですら、たとえ消費者や企業からお金を受け取っていない人だとしても、その作家が自身の思想信条を宣伝するために、作品を作っているのです。また、中世キリスト教の宗教芸術の作品のように、そもそも、その宗教の宣伝を目的とした作品もあります。企業でなく国家の宣伝をするために、作品を作る場合もあります。戦争中の絵画や音楽などの作品が分かりやすい例ですが、国家が宣伝するのは、なにも戦時中だけに限りません。国家が宣伝のために作る作品を、「'''プロパガンダ芸術'''」<ref>アントニー・メイソン『名画で見る世界のくらしとできごと  想像と個性の競演 モダン・アートのはじまり』、国土社、2004年2月25日 初版 第1刷 発行、P38</ref>や「プロパガンダ美術」のように言います。 ふつう、支配的な政府が、宣伝の目的でつくる作品のことをプロパガンダと言い、たとえばソビエト連邦などが作ったポスターなどにそういう例が多々あります。ポスターの形で提示されることも多く、宣伝(プロパガンダ)目的のポスターのことをプロパガンダ・ポスターとも言い、たとえば1943年の戦争での空襲に立ち向かう市民の絵を描いたソ連のポスターもあります<ref>アントニー・メイソン『名画で見る世界のくらしとできごと  想像と個性の競演 モダン・アートのはじまり』、国土社、2004年2月25日 初版 第1刷 発行、P38</ref>。この時代のソ連は戦争(第二次世界大戦)を始めた側ではないですが(ソ連は連合国の一国。戦争を始めたのは枢軸国(すうじくこく)の日独伊の側)、それであっても、国家などによる宣伝目的の作品のことを「プロパガンダ」と言います。なお、政府などを批判する絵画は「風刺画」(ふうしが)と言います。 :(※ ある時点では政府批判の風刺画であっても、時間が経って政権が変われば、その新政権にとっては以前の風刺画が都合のいい宣伝になる場合もありますが(新政権が旧政権を打倒した場合など)、しかしそういうのは本ページでは議論せずに置いとく。) 学校の美術や音楽の教科書で習う作品には、こういうプロパガンダ作品が、抜けていることに留意してください。小中高の教科書にある作品例は、学生に対する手本も兼ねているので、プロパガンダは政治的に中立ではないので、教育的に好ましくないとして、教科書からは除外しています。 なお、国家の側は、自分たちの線全作品の行為のことをプロパガンダという事は少なく、たとえばソ連なら「社会主義レアリスム」など別の言い方をしたりします<ref>アントニー・メイソン『名画で見る世界のくらしとできごと  想像と個性の競演 モダン・アートのはじまり』、国土社、2004年2月25日 初版 第1刷 発行、P38</ref>。 :※ 哲学などで「無知の知」と言う言葉があり、「自分が何を知らないか」と知っているかどうか、という意味です。あるいは、「どの程度までなら自分は詳しく知っていて、自分が知らないのはどこからか?」的な意味です。哲学的な意味はともかく、世間では「無知の知」とは、断片的な知識だけが沢山あっても、自分が何を知らないかという自己把握が出来ない人は頭が悪い、的な意味で使われます。心理学・教育学では「メタ認知」という言葉が似たような意味で使われる。「メタ認知」(metacognition)とは、自分の認知活動に対する認知です。具体的には「私は数学は得意だけど、国語は不得意」みたいな情報はメタ認知です<ref>中澤潤 著『よくわかる教育心理学』、ミネルヴァ書房、2022年3月31日 第2版 第1刷 発行、P58</ref>。 :「プロパガンダ美術」という分野を紹介しているのも、こういう「無知の知」「メタ認知」からの理由です。プロパガンダ美術が小中高の美術教育から抜けていることを、自己認識のためにも把握しておいてください。中学生は単に覚えるだけでも良いですが、高校生くらいになったら覚えた内容の程度を把握できるようになってください。将来的に仕事などをする場合に向けて、自己の能力をなるべく正しく把握しておく必要があります。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1ひしゆつしからふろはかんたひしゆつか}} [[カテゴリ:美術史]] [[Category:高校美術|ひしゆつひしゆつしからふろはかんたひしゆつか]]
2024-02-12T02:02:48Z
2024-03-19T13:52:26Z
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高等学校美術I/美術史全体の雑多な注意事項
たとえば、日本でマンガを始めたのは、けっして手塚治虫が最初ではありません。『のらくろ』の田河水泡(たがわ すいほう)とか、手塚以前の時代の漫画家は、多くいます。 ゲーム機でも、1980年代のファミコンの発売と普及がよく紹介されるので(この例ではメルクマールはファミコンである)、ファミコンが家庭用ゲーム機の元祖だと考える人が多くいますが、しかし世界初の家庭用ゲーム機は欧米産のオデッセイですし、日本初の家庭用ゲーム機はエポック社のテレビテニスです。 美術史でも同様で、室町時代に水墨画を広めた雪舟(せっしゅう)は、べつに水墨画の日本での最初の人ではないです。 明治時代の西洋画科の岸田劉生(きしだりゅうせい)を習うと思いますが、決して岸田劉生が日本初の西洋画家ではありません。 美術において、自称「現代美術」や「現代アート」と呼ばれるものの中には、現代ではなく20世紀(主にその前半)につくられ始めた美術を参考にした作品が多く含まれています。 ピカソのキュビズムもダリのシュールレアリズムも、21世紀の現状(2024年に本文を記述)、映画(実写もアニメも)やマンガやアニメを見ても、近い画風は滅多に見当たりません。娯楽に限らず他の分野を見渡しても、たとえば公共機関の広報誌にあるイラストを見てもキュビズムなどは無いし、小中学校の教科書(国数英理社)の挿し絵をみても、キュビズムなどは見当たらないのが現状です。 こういう問題は別に美術に限ったことではなく、美術だけを揶揄しているわけでもなく、たとえば数学や物理学など近代後半・20世紀初頭あたりの時代に抽象的・分かりづらい分野を研究するのが流行した学問などでは、「現代〇〇学」とか名乗る分野は書籍の内容は、たとえここ数年に出版されたような最新版の書籍でも、実際には現代的でなく、その近代後半・20世紀初頭の話題を扱った分野ばかり、という場合も良くあります。 こういう事がろくに議論されないのは、根本的には世界の人というのは、あまり学力が高くありません。海外でも、そういう分野をモダン・アートとか単にアートとか言うのかもしれませんが、世界のなかにはロクに教育が「普及していない国もあり、高学歴の人でも先進国ほど頭よくない人もいるのです。 さて、美術には確かにキュビズムやシュールレアリズムのような表現の可能性もありますし、それを20世紀の時点で分かりやすく絵画作品で提示した業績ではピカソやダリは偉大かもしれません。だからと言って、もしあなたがキュビズムやシュールレアリズムを模倣したところで、決してピカソやダリの遺族や彼らの出身国が、遺産や著作権収集などをアナタに分けてくれるわけではないのが現実ですし、あなたの創作活動を1円も助けないでしょう。 美術教師になるならキュビズムなどの歴史も標準的には学ぶ必要があるかもしれませんが、その事とキュビズムなどを創作物に取り入れるべきかは別問題です。だいたい小中の歴史教育を例に考えれば子供でも分かる事です。たとえば、もし江戸時代の平和の歴史を学んだからと言って、「21世紀の平和のために江戸幕府を再建しよう!」とか言って江戸幕府を終了させた明治以降の日本政府を打倒しようとするのは、単なる頭のおかしいテロリストの発想です。 キュビズムなどの表現をする自由があるからといって、それをしなければいけないわけではありません。「しない自由」もあるわけです。スポーツに例えるなら、たとえば水泳競技の「自由形」(じゆうがた)で、「水中を歩かないかぎり自由」というルールだからといって、犬かき(いぬかき)など遅い泳法でもし泳いだら、単にタイムを競うレースに負けるだけです。 インターネットが無い時代どころか、カラー写真も無ければ、電気式の印刷機すらも無いような時代なので版画で量産するしかないような時代の、今となっては古くなってしまった「名画」をもとにしている「現代」なんちゃら作品も多くあります。 べつに古典や歴史に学ぶこと自体は構いませんし、古典や美術史の教養も専門家には必要でしょうが、だからといって教育などの場で古典を「最先端」とか言い出すのはデタラメな教育です。しかし残念なことに、日本ではデタラメ教育およびデタラメ評論およびデタラメ美術系マスコミが横行しています。 演劇の世界には「現代歌舞伎」(げんだいかぶき)とかありますが、だからといって決して歌舞伎そのものが現代文化の代表格なわけではありません。少なくとも、今のところ、日本各地の若者の多くが歌舞伎ずきにはなっていません。 現代歌舞伎はあっても良いと思いますし表現の自由ですが、だからと言ってもし評論家や歌舞伎ファンか何かが「歌舞伎は現代の若者・中年の大衆文化だ」とか「歌舞伎は先端文化だ」とか言ったら、第三者には疑問符でしょう。 美術の西洋画などの世界では、本来なら「現代風にアレンジした20世紀前半美術」とでも言うべきものを、長いからか「現代アート」とか言っているインチキ作家、インチキ評論家は多くいます。 なお、美術・芸術に限らず、数学や物理学などでも「現代数学」や「現代物理学」は、実態は20世紀前半の数学や20世紀前半の物理学だったりします。 コンピュータも無い時代の数学が「現代数学」です。コンピュータのある時代に開拓されたり再編された分野には「情報数学」など別の名前がついています。 数学のように歴史の長い学問だと、どこかの時代を区切りにして、それ以降を「現代」と呼ぶ慣習があるのですが(よく、数学者ガロアや数学者アーベルの時代が区切りにされます)、実際には上述のように本当の現代の数学とは限りません。他に短い表現が無く、「現代数学」と呼ぶのも仕方のないことです。 同様、「現代美術」と言うのは、その名に反して、実際には西洋画のなかの印象派ブームの後の時代の20世紀前半の西洋画の流行のことに過ぎないような面もあります。なお、「ポスト印象派」とか「後期印象派」とか言った場合は1880年代~1900年ごろのセザンヌやマティスなどの時代の西洋画および画家のことを言います。 21世紀でも流体力学や弾性体(だんせいたい)力学などは航空業界や自動車業界などによって研究されていますが、、しかし「現代物理学」には流体力学などは含まれていません。「現代物理学」とは、その名に反して、高校の原子物理を発展させたような分野である量子力学(りょうしりきがく)と、アインシュタインなどによる相対性理論を中心とする分野、素粒子、といった20世紀前半あたりに始まった分野のことです。 海外には、まともに自動車も国産化できない途上国のほうが多いのです。そのような海外の人たちの人気取りのための自称「科学」を真に受けてはいけません。 ニュートンの古典力学はアインシュタインの相対性理論によって上書き修正されましたが、しかし流体力学や弾性体力学は別に修正の対象ではありません。 ピカソやダリなどのあれは単にまとめて「20世紀の抽象画」とか「20世紀の抽象美術」とか言えばいいのですが、しかし、おそらく画商などの商売人などが「『抽象美術』だと難しそうで売れない」と判断したのか、絵画の一分野に過ぎない抽象画を、勝手に勝手に代表者ヅラして「現代美術」とか呼びます。 単に資本主義的な都合でしょうが、困ったことに世間の抽象画かぶれに限って、「資本主義にとらわれない自由で創造的な発想」とかを自分がしていると思っており、決して「抽象美術」とは呼ばずに「現代美術」と言い、滑稽(こっけい)でしょう。 まあ、『現代』という接頭辞(せっとうじ)については、もしかしたら海外では美術教育や音楽教育など芸術教育が未整備だったりして今でも20前半の西洋画が「最先端」な途上国もあるのかもしれませんが、少なくとも日本では断じて20世紀前半の美術はもう現代の21世紀の実情に合わずに「最先端」とは言えません。 音楽や音大なんかはここら辺はしっかりしていて、あまり「現代」「アート」とか音大卒の人は言わないのですが、いっぽうで美術は勝手に「アート」の代表者ヅラします。アートの語源は腕 arm とも言われますが、音楽家だってピアニストもバイオリニスも腕を動かしますが。いったい美術家は何様のつもりなのでしょうか。 ピカソやダリらの後追いをしている人たちの作風は、絵画のなかのさらに西洋画のなかの一部の分野での20世紀前半の流行に過ぎないくせに、勝手にアートや芸術の代表者ヅラする人たちです。もはや日本画や東洋文化などへの人種差別でしょうか。 「マンガやアニメは美術(あるいは「芸術」)かどうか?」の論争があります。しかし、個別の大学教授が何を言おうが、2020年代の時点で、すでに中学高校の『美術』教科の検定教科書で、マンガやアニメについても大まかな解説や画像ありの紹介がされています。 少なくとも、マンガという表現形式が存在して普及している事は、もう中学あたりの美術や国語などの検定教科書で、過去に何度も紹介されています。有名作品を例に、漫画におけるコマやフキダシなどの意味も説明していたりします。 アニメについても、高校美術の検定教科書でいくつかの作品の画像が紹介されています。 ほか、CGなどもすでに検定教科書で紹介されています。 個別の大学教授のなかには異論を唱えている学者もいるかもしれませんが、少なくとも文部科学省における小中高の教科書検定をする部局には相手にされていません。まあ、大学には『学問の自由』があるので、文部科学省の考えとは違うことを主張する自由もあります。どの学者の学説を信用するかは、個々人の自己責任です。 近代西洋の版画家で美人画を描いたミュシャについて、「ミュシャは芸術ではない」という説もありますが、少なくとも中高の美術の検定教科書ですでにミュシャはよく紹介されるので、説が文科省の検定教科書の部局には相手されていません。高校では「美術」科目は「芸術」教科の一部です。 英語の art という言葉の意味は知りませんが、少なくとも日本での『美術』『芸術』という言葉の意味では、文科省は上記のような対応です。 背理法(はいりほう)的に考えましょう。仮にマンガやアニメが「美術」・「芸術」でないとして、世界で大量に流通しているマンガもアニメも全く考察できずに検証もできない理論体系を作ってみたところで、何の価値があるのでしょうか。そのような理論構築に、どれほどの税金を投入する価値があるのでしょうか。 一言も当ページでは「日本の漫画やアニメは素晴らしい」とか「日本のマンガやアニメを尊敬すべきだ」とか、言っていません。そういう主観的な評価の話をしているのではなく、「世界的にも流通している作品群を説明できない理論に、価値は無いだろう」という話をしています。 アニメが海外の映画賞も取っている現代、アニメを考察できない理論体系を提唱する学者がいるとして、その学者に税金を投入する価値があるのでしょうか。 理論は、あくまで現実を考察・分析・検証するための手段です。現実をろくに説明できない理論は、まちがった理論か、あるいは未熟すぎる理論です。 「マンガやアニメは出版社など企業の商売の都合で作られているからダメだ」とか反論するなら、抽象画だって画商などの商売のタネなのでダメですので、マトモな反論になっていません(反論したつもりなのかもしれませんが)。 あるいは「マンガやアニメは物語なので1枚の絵で説明できないから駄目だ。芸術ではない」とか言うなら、音楽も文芸も「芸術」ではない事になってしまい、もはや珍説です。「芸術ではない」ではなく「美術ではない」と言う言い回しなら分かりますが、だったら1枚の絵で説明できるミュシャは美術でなければならず、よってミュシャを美術から除外する一派の主張とは対立しますので、その一派を批判しないと理屈が通っていません。 もちろん、そんな珍説が文科省に相手されるわけもなく、21世紀の現在(2024年に記述)、マンガもアニメも中高の美術の教材で紹介されていますし、ミュシャも紹介されています。 芸術・美術の理論は膨大すぎるので、分業が必要なので、分業された個々の理論の中には、あえてマンガやアニメなどの大衆娯楽の分野を切り離した理論もあっては良いかもしれません。 しかし、だからといって、芸術・美術の理論体系のどこを見渡しても、実際に普及しているマンガやアニメや各種デザインにまったく対応できない理論は、無意味な珍理論です。もちろんそんな珍理論が文科省に相手されるわけもなく既に(以下略)。 歴史の研究でも、日本史は膨大なので研究者レベルでは「平安時代の研究者」とか「江戸時代の歴史研究者」とか分業しているのですが、だからといって中高の歴史教科書で「平安」科目とか「江戸」科目は存在しないのですし、「大学受験の科目選択では江戸科目を選択した」とか無いのです。中高の歴史系の科目の検定教科書は、その後の進路の基礎教育ですので、古代から現代までを幅広く説明できなければなりません。 なのに芸術系の学者の中には、まるで「江戸」科目のような、特定分野の作法だけしか説明してないのに、あたかもそれを芸術全体の作法化のように主張する、意味不明なことを言っている学者も少なからずいます。 音楽大学は、割とここら辺の言葉遣い(ことばづかい)がシッカリしています。 彼らが「音楽ではない」と言う対象とは、たとえば飛行機の騒音みたいに人体に害を与える可能性の高いものとか、あるいは、たとえピアノなど楽器を演奏していても素人で演奏ミスだらけの演奏だとか、商業的に通用する見込みのない、そういう音です。 だから商業的に通用しているレベルの曲や演奏家・歌手などを、たとえ分野は違っても、「音楽ではない」と言うことはまずありません。 音大の伝統的なカリキュラムでは、オーケストラ的なクラシック音楽およびその楽器(ピアノやフルートやバイオリン的な楽器)が中心であるので、あまりエレキギターとかシンセサイザーなどの電子音楽とかを扱いません。しかし、だからといってエレキギターやシンセサイザーを用いた20世紀以降の曲を決して「あれは音楽ではない」とか、音大の教員や同レベルの音楽指導者らは基本的には言いません。単に、「うちの学校では扱う必要は無い」と言うだけです。 まあ、音楽と美術はあくまで異分野です。音楽で通用したことが美術や絵画でも通用する保証はありません。しかしまあ、美術や絵画評論の中でも通用しているかどうか疑わしい珍説については、音楽や演劇などと比較してみるのも、悪くは無いと思います。
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"数学のように歴史の長い学問だと、どこかの時代を区切りにして、それ以降を「現代」と呼ぶ慣習があるのですが(よく、数学者ガロアや数学者アーベルの時代が区切りにされます)、実際には上述のように本当の現代の数学とは限りません。他に短い表現が無く、「現代数学」と呼ぶのも仕方のないことです。", "title": "自称「現代美術」は現代的とは限らない" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "同様、「現代美術」と言うのは、その名に反して、実際には西洋画のなかの印象派ブームの後の時代の20世紀前半の西洋画の流行のことに過ぎないような面もあります。なお、「ポスト印象派」とか「後期印象派」とか言った場合は1880年代~1900年ごろのセザンヌやマティスなどの時代の西洋画および画家のことを言います。", "title": "自称「現代美術」は現代的とは限らない" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "21世紀でも流体力学や弾性体(だんせいたい)力学などは航空業界や自動車業界などによって研究されていますが、、しかし「現代物理学」には流体力学などは含まれていません。「現代物理学」とは、その名に反して、高校の原子物理を発展させたような分野である量子力学(りょうしりきがく)と、アインシュタインなどによる相対性理論を中心とする分野、素粒子、といった20世紀前半あたりに始まった分野のことです。", "title": "自称「現代美術」は現代的とは限らない" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "海外には、まともに自動車も国産化できない途上国のほうが多いのです。そのような海外の人たちの人気取りのための自称「科学」を真に受けてはいけません。", "title": "自称「現代美術」は現代的とは限らない" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "ニュートンの古典力学はアインシュタインの相対性理論によって上書き修正されましたが、しかし流体力学や弾性体力学は別に修正の対象ではありません。", "title": "自称「現代美術」は現代的とは限らない" }, { "paragraph_id": 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== 代表者と創始者はよくズレる== たとえば、日本でマンガを始めたのは、けっして手塚治虫が最初ではありません。『のらくろ』の田河水泡(たがわ すいほう)とか、手塚以前の時代の漫画家は、多くいます。 ゲーム機でも、1980年代のファミコンの発売と普及がよく紹介されるので(この例ではメルクマールはファミコンである)、ファミコンが家庭用ゲーム機の元祖だと考える人が多くいますが、しかし世界初の家庭用ゲーム機は欧米産のオデッセイですし、日本初の家庭用ゲーム機はエポック社のテレビテニスです。 美術史でも同様で、室町時代に水墨画を広めた雪舟(せっしゅう)は、べつに水墨画の日本での最初の人ではないです。 明治時代の西洋画科の岸田劉生(きしだりゅうせい)を習うと思いますが、決して岸田劉生が日本初の西洋画家ではありません。 == 自称「現代美術」は現代的とは限らない == 美術において、自称「現代美術」や「現代アート」と呼ばれるものの中には、現代ではなく20世紀(主にその前半)につくられ始めた美術を参考にした作品が多く含まれています。 ピカソのキュビズムもダリのシュールレアリズムも、21世紀の現状(2024年に本文を記述)、映画(実写もアニメも)やマンガやアニメを見ても、近い画風は滅多に見当たりません。娯楽に限らず他の分野を見渡しても、たとえば公共機関の広報誌にあるイラストを見てもキュビズムなどは無いし、小中学校の教科書(国数英理社)の挿し絵をみても、キュビズムなどは見当たらないのが現状です。 こういう問題は別に美術に限ったことではなく、美術だけを揶揄しているわけでもなく、たとえば数学や物理学など近代後半・20世紀初頭あたりの時代に抽象的・分かりづらい分野を研究するのが流行した学問などでは、「現代〇〇学」とか名乗る分野は書籍の内容は、たとえここ数年に出版されたような最新版の書籍でも、実際には現代的でなく、その近代後半・20世紀初頭の話題を扱った分野ばかり、という場合も良くあります。 こういう事がろくに議論されないのは、根本的には世界の人というのは、あまり学力が高くありません。海外でも、そういう分野をモダン・アートとか単にアートとか言うのかもしれませんが、世界のなかにはロクに教育が「普及していない国もあり、高学歴の人でも先進国ほど頭よくない人もいるのです。 さて、美術には確かにキュビズムやシュールレアリズムのような表現の可能性もありますし、それを20世紀の時点で分かりやすく絵画作品で提示した業績ではピカソやダリは偉大かもしれません。だからと言って、もしあなたがキュビズムやシュールレアリズムを模倣したところで、決してピカソやダリの遺族や彼らの出身国が、遺産や著作権収集などをアナタに分けてくれるわけではないのが現実ですし、あなたの創作活動を1円も助けないでしょう。 美術教師になるならキュビズムなどの歴史も標準的には学ぶ必要があるかもしれませんが、その事とキュビズムなどを創作物に取り入れるべきかは別問題です。だいたい小中の歴史教育を例に考えれば子供でも分かる事です。たとえば、もし江戸時代の平和の歴史を学んだからと言って、「21世紀の平和のために江戸幕府を再建しよう!」とか言って江戸幕府を終了させた明治以降の日本政府を打倒しようとするのは、単なる頭のおかしいテロリストの発想です。 キュビズムなどの表現をする自由があるからといって、それをしなければいけないわけではありません。「しない自由」もあるわけです。スポーツに例えるなら、たとえば水泳競技の「自由形」(じゆうがた)で、「水中を歩かないかぎり自由」というルールだからといって、犬かき(いぬかき)など遅い泳法でもし泳いだら、単にタイムを競うレースに負けるだけです。 インターネットが無い時代どころか、カラー写真も無ければ、電気式の印刷機すらも無いような時代なので版画で量産するしかないような時代の、今となっては古くなってしまった「名画」をもとにしている「現代」なんちゃら作品も多くあります。 べつに古典や歴史に学ぶこと自体は構いませんし、古典や美術史の教養も専門家には必要でしょうが、だからといって教育などの場で古典を「最先端」とか言い出すのはデタラメな教育です。しかし残念なことに、日本ではデタラメ教育およびデタラメ評論およびデタラメ美術系マスコミが横行しています。 演劇の世界には「現代歌舞伎」(げんだいかぶき)とかありますが、だからといって決して歌舞伎そのものが現代文化の代表格なわけではありません。少なくとも、今のところ、日本各地の若者の多くが歌舞伎ずきにはなっていません。 現代歌舞伎はあっても良いと思いますし表現の自由ですが、だからと言ってもし評論家や歌舞伎ファンか何かが「歌舞伎は現代の若者・中年の大衆文化だ」とか「歌舞伎は先端文化だ」とか言ったら、第三者には疑問符でしょう。 美術の西洋画などの世界では、本来なら「現代風にアレンジした20世紀前半美術」とでも言うべきものを、長いからか「現代アート」とか言っているインチキ作家、インチキ評論家は多くいます。 なお、美術・芸術に限らず、数学や物理学などでも「現代数学」や「現代物理学」は、実態は20世紀前半の数学や20世紀前半の物理学だったりします。 コンピュータも無い時代の数学が「現代数学」です。コンピュータのある時代に開拓されたり再編された分野には「情報数学」など別の名前がついています。 数学のように歴史の長い学問だと、どこかの時代を区切りにして、それ以降を「現代」と呼ぶ慣習があるのですが(よく、数学者ガロアや数学者アーベルの時代が区切りにされます)、実際には上述のように本当の現代の数学とは限りません。他に短い表現が無く、「現代数学」と呼ぶのも仕方のないことです。 同様、「現代美術」と言うのは、その名に反して、実際には西洋画のなかの印象派ブームの後の時代の20世紀前半の西洋画の流行のことに過ぎないような面もあります。なお、「ポスト印象派」とか「後期印象派」とか言った場合は1880年代~1900年ごろのセザンヌやマティスなどの時代の西洋画および画家のことを言います。 21世紀でも流体力学や弾性体(だんせいたい)力学などは航空業界や自動車業界などによって研究されていますが、、しかし「現代物理学」には流体力学などは含まれていません。「現代物理学」とは、その名に反して、高校の原子物理を発展させたような分野である量子力学(りょうしりきがく)と、アインシュタインなどによる相対性理論を中心とする分野、素粒子、といった20世紀前半あたりに始まった分野のことです。 海外には、まともに自動車も国産化できない途上国のほうが多いのです。そのような海外の人たちの人気取りのための自称「科学」を真に受けてはいけません。 ニュートンの古典力学はアインシュタインの相対性理論によって上書き修正されましたが、しかし流体力学や弾性体力学は別に修正の対象ではありません。 ピカソやダリなどのあれは単にまとめて「20世紀の抽象画」とか「20世紀の抽象美術」とか言えばいいのですが、しかし、おそらく画商などの商売人などが「『抽象美術』だと難しそうで売れない」と判断したのか、絵画の一分野に過ぎない抽象画を、勝手に勝手に代表者ヅラして「現代美術」とか呼びます。 単に資本主義的な都合でしょうが、困ったことに世間の抽象画かぶれに限って、「資本主義にとらわれない自由で創造的な発想」とかを自分がしていると思っており、決して「抽象美術」とは呼ばずに「現代美術」と言い、滑稽(こっけい)でしょう。 まあ、『現代』という接頭辞(せっとうじ)については、もしかしたら海外では美術教育や音楽教育など芸術教育が未整備だったりして今でも20前半の西洋画が「最先端」な途上国もあるのかもしれませんが、少なくとも日本では断じて20世紀前半の美術はもう現代の21世紀の実情に合わずに「最先端」とは言えません。 音楽や音大なんかはここら辺はしっかりしていて、あまり「現代」「アート」とか音大卒の人は言わないのですが、いっぽうで美術は勝手に「アート」の代表者ヅラします。アートの語源は腕 arm とも言われますが、音楽家だってピアニストもバイオリニスも腕を動かしますが。いったい美術家は何様のつもりなのでしょうか。 ピカソやダリらの後追いをしている人たちの作風は、絵画のなかのさらに西洋画のなかの一部の分野での20世紀前半の流行に過ぎないくせに、勝手にアートや芸術の代表者ヅラする人たちです。もはや日本画や東洋文化などへの人種差別でしょうか。 == マンガやアニメなどと「美術」と文科省 == === 検定教科書の事実 === 「マンガやアニメは美術(あるいは「芸術」)かどうか?」の論争があります。しかし、個別の大学教授が何を言おうが、2020年代の時点で、すでに中学高校の『美術』教科の検定教科書で、マンガやアニメについても大まかな解説や画像ありの紹介がされています。 少なくとも、マンガという表現形式が存在して普及している事は、もう中学あたりの美術や国語などの検定教科書で、過去に何度も紹介されています。有名作品を例に、漫画におけるコマやフキダシなどの意味も説明していたりします。 アニメについても、高校美術の検定教科書でいくつかの作品の画像が紹介されています。 ほか、CGなどもすでに検定教科書で紹介されています。 個別の大学教授のなかには異論を唱えている学者もいるかもしれませんが、少なくとも文部科学省における小中高の教科書検定をする部局には相手にされていません。まあ、大学には『学問の自由』があるので、文部科学省の考えとは違うことを主張する自由もあります。どの学者の学説を信用するかは、個々人の自己責任です。 近代西洋の版画家で美人画を描いたミュシャについて、「ミュシャは芸術ではない」という説もありますが、少なくとも中高の美術の検定教科書ですでにミュシャはよく紹介されるので、説が文科省の検定教科書の部局には相手されていません。高校では「美術」科目は「芸術」教科の一部です。 英語の art という言葉の意味は知りませんが、少なくとも日本での『美術』『芸術』という言葉の意味では、文科省は上記のような対応です。 === 現実を説明できない理論の価値は低い === 背理法(はいりほう)的に考えましょう。仮にマンガやアニメが「美術」・「芸術」でないとして、世界で大量に流通しているマンガもアニメも全く考察できずに検証もできない理論体系を作ってみたところで、何の価値があるのでしょうか。そのような理論構築に、どれほどの税金を投入する価値があるのでしょうか。 一言も当ページでは「日本の漫画やアニメは素晴らしい」とか「日本のマンガやアニメを尊敬すべきだ」とか、言っていません。そういう主観的な評価の話をしているのではなく、「世界的にも流通している作品群を説明できない理論に、価値は無いだろう」という話をしています。 アニメが海外の映画賞も取っている現代、アニメを考察できない理論体系を提唱する学者がいるとして、その学者に税金を投入する価値があるのでしょうか。 理論は、あくまで現実を考察・分析・検証するための手段です。現実をろくに説明できない理論は、まちがった理論か、あるいは未熟すぎる理論です。 「マンガやアニメは出版社など企業の商売の都合で作られているからダメだ」とか反論するなら、抽象画だって画商などの商売のタネなのでダメですので、マトモな反論になっていません(反論したつもりなのかもしれませんが)。 あるいは「マンガやアニメは物語なので1枚の絵で説明できないから駄目だ。芸術ではない」とか言うなら、音楽も文芸も「芸術」ではない事になってしまい、もはや珍説です。「芸術ではない」ではなく「美術ではない」と言う言い回しなら分かりますが、だったら1枚の絵で説明できるミュシャは美術でなければならず、よってミュシャを美術から除外する一派の主張とは対立しますので、その一派を批判しないと理屈が通っていません。 もちろん、そんな珍説が文科省に相手されるわけもなく、21世紀の現在(2024年に記述)、マンガもアニメも中高の美術の教材で紹介されていますし、ミュシャも紹介されています。 ;分業による研究は必要だが、それは基礎教育ではない 芸術・美術の理論は膨大すぎるので、分業が必要なので、分業された個々の理論の中には、あえてマンガやアニメなどの大衆娯楽の分野を切り離した理論もあっては良いかもしれません。 しかし、だからといって、芸術・美術の理論体系のどこを見渡しても、実際に普及しているマンガやアニメや各種デザインにまったく対応できない理論は、無意味な珍理論です。もちろんそんな珍理論が文科省に相手されるわけもなく既に(以下略)。 歴史の研究でも、日本史は膨大なので研究者レベルでは「平安時代の研究者」とか「江戸時代の歴史研究者」とか分業しているのですが、だからといって中高の歴史教科書で「平安」科目とか「江戸」科目は存在しないのですし、「大学受験の科目選択では江戸科目を選択した」とか無いのです。中高の歴史系の科目の検定教科書は、その後の進路の基礎教育ですので、古代から現代までを幅広く説明できなければなりません。 なのに芸術系の学者の中には、まるで「江戸」科目のような、特定分野の作法だけしか説明してないのに、あたかもそれを芸術全体の作法化のように主張する、意味不明なことを言っている学者も少なからずいます。 ;音楽との比較 音楽大学は、割とここら辺の言葉遣い(ことばづかい)がシッカリしています。 彼らが「音楽ではない」と言う対象とは、たとえば飛行機の騒音みたいに人体に害を与える可能性の高いものとか、あるいは、たとえピアノなど楽器を演奏していても素人で演奏ミスだらけの演奏だとか、商業的に通用する見込みのない、そういう音です。 だから商業的に通用しているレベルの曲や演奏家・歌手などを、たとえ分野は違っても、「音楽ではない」と言うことはまずありません。 音大の伝統的なカリキュラムでは、オーケストラ的なクラシック音楽およびその楽器(ピアノやフルートやバイオリン的な楽器)が中心であるので、あまりエレキギターとかシンセサイザーなどの電子音楽とかを扱いません。しかし、だからといってエレキギターやシンセサイザーを用いた20世紀以降の曲を決して「あれは音楽ではない」とか、音大の教員や同レベルの音楽指導者らは基本的には言いません。単に、「うちの学校では扱う必要は無い」と言うだけです。 まあ、音楽と美術はあくまで異分野です。音楽で通用したことが美術や絵画でも通用する保証はありません。しかしまあ、美術や絵画評論の中でも通用しているかどうか疑わしい珍説については、音楽や演劇などと比較してみるのも、悪くは無いと思います。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1ひしゆつしせんたいのさつたなちゆうい}} [[カテゴリ:美術史]] [[Category:高校美術|ひしゆつしせんたいのさつたなちゆうい]]
2024-02-12T02:04:26Z
2024-03-19T13:52:04Z
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高等学校美術I/進路に関係しそうな話題
もし美大を目指す場合、高校の美術1~美術3の授業だけでは不足しているので、美大受験対策に対応した画塾や、美術予備校などに通う必要があります。 大体、高校2年の後半からか、遅くとも高校3年から画塾・美術予備校に通い始めるのが、美大受験としては典型例として美術教師から紹介されるかもしれません。 たとえば、雑誌『芸術新潮』の2022年くらいの号で、日本画家の千住博が、美大志望の高校生に向けて、美大を目指すなら高校3年から美術予備校に通うのでも大丈夫と若者に説明しています(高校2年までは高校の期末テスト対策とかをしっかり勉強しろと千住は若者に教育している)。裏を返すと、高校3年になったら美術予備校に通い始めると有利でしょう。 小学生からの質問で、千住は下記のように答えています。 『早くから美術の受験予備校に行くことはお勧めしません。受験生たちは緊張感や疲労感から絵が嫌いになってしまう人が多いからです。高校3年生になった時に、もう一度考えて、どうしても絵を職業にしたいとまだ思っていたら、それが美術の受験予備校に活き始める一番いい時です。』 ※ 以上、千住の回答の引用 ほか、千住は下記のように、絵以外のことも勉強しないと、何を描けばいいのか分からなくなるので、絵以外の勉強もするように述べています。下記に回答を引用しますが、ただし、下記の回答は小学生(義務教育中)に当てた回答なので、読者の高校生(もはや義務教育ではない)は高校用に自分でアレンジして解釈してください。 『画家やデザイナーはいかに色々なことを学んでいるかが勝負です。まずは絵以外のさまざまな勉強をしてください。そうでないと、何を描いたらいいかすぐにわからなくなります。それに絵の好きな人は、勉強しないでも自然に絵のことは吸収しているものです。』 ※ 以上、千住の回答の引用 ただし、書籍『絵はすぐには上手くならない』によると、実際は多くの人が浪人して美大にようやく合格するのが2010年代でも実情のようです。 日本ではなくアメリカに目を移してみると、2006年の教育学の論文で、アメリカの大学入学共通試験(SAT)というペーパーテストの数学の成績の良い人ほど、芸術でも実勢をあげている人が多いという統計が知られています。David Lubinski and Camilla Persson Benbow『Study of Mathematically Precocious Youth After 35 Years』,2006 Association for Psychological Science, SATの難易度は、ちょうど日本の高校2年生くらいの教科書レベルでしかも数学なのに4択問題とかですので(なので、日本の中堅の公立高校の2年生の中間期末試験よりも、米国SATは簡単です)、上記のアメリカ教育学の論文は、ちょうど日本の千住の言っている教育論と似たような結果になります。 なお、日本では高校の理系コースで3年生では三角関数とかの微分積分を習いますが、アメリカでは基本的に大学で三角関数などの微分積分を習います(ただしアメリカの私立高校などでは、先取り学習として微分積分を習う場合もある)。高校3年の「世界史探求」とか「物理」とか、ああいうのも、アメリカでは大学以降です(世界史B時代ですが、スタンフォード大学の歴史学教授が世界各国の高校課程の歴史教科書を調べて、「日本の高校世界史(山川出版社の『詳説世界史B』)の教科書は、アメリカでは大学レベル」と評しています)。SATは2教科のテストで、英語(米国人にとっての国語)と数学だけのテストです。 なので、上記の論文では、数学のテストの成績と、大卒の芸術家らの業績との相関を見ているわけです。 もっとも、お金持ちほどテストの点も良ければ芸術教育にもお金を掛けられるので、必ずしもペーパーテストが芸術に直接に良い影響を与えるという因果関係があるかどうかは知りませんが、しかし少なくとも相関関係はあるというのが統計的事実です。(「疑似相関」でも、相関関係はあります。疑似相関で存在しないのは、相関関係ではなく因果関係です。) 自由の国アメリカでも、大学入学試験SATのペーパーテストに合格できないと美大にも音大にも進学できません。アメリカでSATに合格せずに行ける学校は、決して大学ではありません。 なお、フランスには「バカロレア」という大学入学資格試験があります。ドイツにも「アビトゥア」という大学入学資格試験があります。なので、「おフランス」妄想で現実逃避しないようにしましょう。なお、フランスのチップ大学軍はパリ大学ではなく、グランゼコールという大学(ユニベルシテ)とは別種の学校群です。フランスの大学というのは、日本でいう都道府県の公立名門高校のような重みの大学ですので、勘違いしないように。 そもそもフランスの近代以降の学制は、ナポレオン時代の富国強兵のための教育改革が元になっています。フランス革命によって封建制を破壊したフランスが、周辺のまだ封建諸国だったドイツやイタリアなどと対立して戦争をすることになりました。その戦争で、フランス軍は強かったので、なので周辺のドイツやイタリアやイギリスなどがあわててフランスを真似て、教育改革をしたのです。 日本も江戸時代、アヘン戦争でとなりの清(シン)国がイギリスに敗退して殖民地にさせられたのを見て、あわてて大政奉還や明治維新のような近代化をしたわけです。 明治の教育改革もその一環であり、日本の教育は富国強兵のために西洋式の科学教育および英語教育など外国語教育なども取り入れる必要があり、その派生として芸術教育も私学など金のある民間の学校を中心に西洋式の芸術教育が取り入れられたのです。 第二次世界大戦後の兵器でも、かつてのミラージュ戦闘機(なお令和の現代はラファール戦闘機)とかエグゾゼ・ミサイルとかを生産しているフランス国に、なんか変な空想的平和主義みたいな幻想を抱かないようにしましょう(日本には、令和のいまだにそういう勘違いをしている大人も多い)。なお、ドイツ国はレオパルド戦車や、ユーロファイター戦闘機(イギリス、ドイツ、イタリア、スペインの共同開発)、潜水艦などの技術を有しています。 さて、読者の高校の話に戻ります。読者の地元にある近場で信頼できる美術予備校など、もし美大受験を目指すなら、美術教師から(できれば在学中に)教えてもらうと良いでしょう。 なお、美大卒の学歴が必要ないアニメ産業などに就職するつもりでも、アニメーターには最低限、中学卒業ていどの基礎学力が必要です。なぜなら、脚本や絵コンテなどの設計図が読めないと仕事にならないからです。文系科目はもちろん、理系科目も、たとえば背景引きのスピードの理解や、動きの軌道の理解のためには、初歩的な算数・数学や物理の理解も必要です。 上記の絵描き指導者たちの意見を合わせるなら、高校生は、事情がよく分からなければ、絵と両立できる範囲で、ふつうに高校の勉強もしていれば大丈夫だろうと思います。 要するに、勝手に「この科目は使わないから勉強しなくていいや」みたいなことは考えないようにして、ふつうに勉強しましょう。小中高のカリキュラムの前提になっている文科省の指導要領というのは、日本の偉い文科官僚や大学教授などの学者さんたち専門家が知恵を集めて作り上げた教育カリキュラムなので、少なくとも悪気はないわけですので、なるべく学校教育は(無批判で妄信してはいけないが)人生の参考にしたほうが得です。 大企業などのデザイン部門は、美大などを卒業していないと就職が困難かもしれません。いわゆる「足切り」(あしきり)があります。いわゆる「学歴フィルター」として、美大卒または、かなりの大卒を要求しているかもしれません。 よほど特別な業績が無い限り(たとえば、少なくとも都道府県以上の規模の美術コンテストで大賞や上位の賞を取るとか)、高卒・専門学校卒では書類だけで就職が難しいかもしれません。 デザイナー志望など、高卒だと新卒採用枠への応募じたいが不可能という企業もあり、専門学校でもいいので進学しないと応募じたいが不可能という企業も多々あります。実際にゲーム会社などのデザイナー採用でも、そういう会社があります。 なお、俳優・映画業界でも役者などで、高卒だとオーディションの応募じたいが不可能という足切りをしている業界は多々ありました(現代はどうか知りません)。もし高卒を認めると、応募者が殺到して審査しきれないので、なので専門学校でもいいので足切りをするのです。もちろん、その分野に近い専門学校の必要があるしょう。つまり、調理師の専門学校とか看護の専門学校とかでは、デザイナー志望や役者志望に応募するのは、なかなか難しいと思います(志望先にも寄ると思います)。 なので、家庭に進学できるまでの資金力のない人は、特に若さの必要とする役者などの仕事には、ハナからその仕事につけない確率が高まります。ジャンルにも寄りますが、芸術・芸能にはカネが掛かります。「貧乏でも出来る」みたいな事を言っている人は、業界にも寄りますが、多くの業界ではインチキ人間でしょう。 多くの若者は専門学校に進学したところで役者になれませんが、しかしそもそもオーディションなどの応募じたいが専門学校に行かないと足切りされて制度的に不可能なので、その分野の若者はしかたなく専門学校に行くのです。その専門学校では、講師が、加齢などで一線をしりぞいた役者が講師をすることで、役者が二毛作(にもうさく)と言いますかそういう方法で儲けている、というビジネス・モデルです。 「芸術は爆発だ」の格言で有名な岡本太郎も、実家が金持ちです。戦前の時点でフランス留学できています。子供のころはw:慶應幼稚舎やw:慶應義塾普通部にも通っています。 音楽の世界も、フォークソングの吉田拓郎はなんか凄い金持ちの家の子です。コミックバンドのドリフターズ(志村けんとか加藤茶とかのあのグループ)の仲本工事(芸人名)も大学の学歴が学習院大学です。(ドリフはお笑いグループでもありますが、音楽グループでもあります。彼らの自認でもそうです。) そもそも芸術・芸能のアーティストは基本的に東京出身者(もしくは神奈川)が多いのです。 よく「大卒後の若いころ、親の仕送りを受けずに作品をつくった」とかアーティストは自己を喧伝(けんでん)して言ったりしますが、そもそも貧乏人とは親や弟・妹に仕送りをしないといけない側です。何を勘違いしているのか。 世間では、生まれが特に金持ちだ思われてないクリエイターも、調べてみると意外と高学歴だったり、東京出身だったりします。 ゲーム業界のポケモン(ポケットモンスター)の田尻智は東京出身でしかも国立(こくりつ)の高専出身です(高校とは別に高専という5年生の短大相当の学校があります)。マリオ(スーパーマリオブラザーズ)の宮本茂は公立大学の金沢美術工芸大学の出身です。 ドラゴンクエストの堀井雄二は早稲田大学卒です。ほか、ドラクエ(ドラゴンクエスト)のプログラマーの一人の内藤寛は高卒ですが、東京電機大学付属高校の出身です。 アニメ業界なら、『君の名は』の新海誠は長野県出身ですが、中央大学の文学部に進学できる家庭ですし、彼の親は土建業者の社長です。親は「稼業を継がせるつもりだった」と言うが、一般人には継ぐ稼業なんてありません。 ほか、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督の庵野英明やキャラクターデザインの貞本義行は大卒で、私立の美大卒です。 ほか、ジブリの宮崎駿は学習院大卒で、親が兵器工場の社長で航空機を作っていた会社の社長の息子。ジブリの高畑勲は東大の仏文科です。 たとえ地方出身であっても、大学に進学できる程度の経済力は持っています。たとえ昭和は学費が今より安かったとしても、「貧乏人は浪人できない」、「金持ちはバイトしなくていい」、「弟の学費とか、稼がなくていい」とか、そういう背景があります。 何やら階級社会っぽいですが、これでも米英とくらべたらマシです。米英はもっと学費が高かったりするのです。米英はざっと、日本の2~3倍くらいの学費・教育費です。 今は減りましたが、マスコミでは、彼らが美大・音大を出てないだけで、ネット普及前の一昔前の広告業界などには、この手のクリエイターの経歴を隠して、あたかも彼らは何やら庶民階級に人々みたいに喧伝する人がいましたので、ダマされないようにしてください。せいぜい、彼らクリエイターは小中学が地元の公立だったくらいです。親が社長ではなくサラリーマンと言うだけで、たとえ仮に大企業や中堅企業のサラリーマンの出世筋とか、あるいは地元では給料の良い企業のサラリーマンであっても、庶民派みたいにメディアの周囲の人が持ち上げますが、まったく庶民でなかったりします。 作家に限らないですが、親が市役所の事務職とかの終身雇用であっても「親が低収入」とか言って庶民派ぶる自称・庶民家庭とか、偽善きわまれり。自衛隊とかならともかくさあ。 さて、絵の業界の話題に戻ります。もし絵の仕事に就職できたとしても終身雇用でない場合もあります。たとえば、数年ごとの契約期間中だけの契約かもしれません。 一方、漫画家やアニメーターなどは実力主義でしょう。しかし、ここでいう「実力」とはマンガそのもの、あるいはアニメの原画(げんが)そのものを作る能力なので、それと関係ない水彩画や絵の具がいくら上手くても評価されません。なお、漫画家はお話をつくる人でもあるので、絵だけが上手くでもプロになるのは難しいかもしれません。 ほか、アニメ業界やゲーム業界の絵描き志望者について、初心者はよく、キャラクターデザイナーを志望するという報告が書籍『絵はすぐには上手くならない』でされているのですが、しかしこの書籍『絵はすぐに(※以下略)』でも述べられているのですが、絵描き新人をいきなりキャラクターデザイナーに抜擢することはないのがゲーム業界およびアニメ業界です。 アニメ業界外のイラストレーターや3Dモデラーなど十分な絵描き仕事の経験者が場合によってはアニメのキャラクターデザインの仕事をすることはありますが、あるいはゲーム業界人でないアニメ業界のアニメーターがゲームのキャラクターデザインをするような場合もありえますが、しかし全くの絵描き新人のキャラクターデザインが採用されることは無いような業界がゲーム業界・アニメ業界です。 なお、ゲームイラストレーターもアニメーターも、芸術家ではありません。クレジットが出るので芸術家のようなものと勘違いする人がときどきいるのですが、しかし芸術家とは違い、チームで仕事をする能力が求められます。自己表現をしたいなら、個人や同人サークルで作品を作るとか、あるいは作品展があれば出品するなどの別の道を探しましょう。 このため、アニメーターを目指す人がイラスト専門学校を目指すと、やや授業内容が目標とは遠回りになる可能性もあります。イラストレーターとは違ってアニメーターは個性を押し出す仕事ではなく、また、他人のデザインしたキャラクターをさまざまな角度とポーズで描けるようにする必要があるからです。 もうひとつ、絵を動かすことが好きでないと、アニメ業界への就職はつらいかもしれません。アニメ作品を見るのが好きとは違います。 個別の職業についてはこれ以上は立ち入りませんが、このように仕事では職業によって要求される能力が違います。 マンガとアニメとで、じつは絵の描き方はけっこう違っています。マンガの絵の描き方は、比較的に自由です。一方、アニメの絵の描き方は、比較的に不自由です。アニメは集団作業で制作する理由と、動画として破綻のない動きを書かないといけない理由などにより、絵の描き方に制限があるのです。 いっぽう、マンガの絵の自由/不自由については、ゼロ年代(2000~2010年あたり)ごろか、中学美術あたりの地域版(東北の某地方)の資料集に、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の作者インタビューが掲載されたことがあり、そのテーマに作者が答えたことがあります。ジョジョ作者の発言によると、マンガにおける絵の描き方は、比較的に自由のようです。ジョジョ作者が言うには 「絵画というのは、何をどのように描いても(えがいても)自由なものであるとは思います」 とのことです。 ほか、美術教科書には掲載されてない情報ですが、ネットなどで多くの漫画家の発言を見ると、日本の多くの漫画家たちは、マンガの絵の描き方を比較的に自由であると考えています。 しかし、商業アニメの絵の描き方については上述のように、マンガとは違って自由ではありません。ここでいう「商業アニメ」とは、美術科目以外も含めて検定教科書で紹介されるような作品でいえば、たとえば『君の名は』(新海アニメのほう)とかエヴァンゲリオンとかジブリ作品とかドラゴンボール(アニメ版)とか名探偵コナンとか(以下略。ほか多数)、・・・なども含みます。これらのアニメ作品の絵の描き方は、比較的に自由ではありません。 普段のテレビ番組や普通の映画館で見れない芸術アニメとは、商業アニメは絵の描き方が違います。 漫画家もアニメーターも、それぞれの職業の絵の描き方に、誇り(ほこり)を持っています。 進路相談は高校3年にありますが、しかし他の子が小学生から練習を始めているジャンルで、いきなり自分だけが高校3年になってから始めても追いつくのは無理ですので、目指している絵の職業がある場合については、図書館(学校図書館はもちろん地元の図書館)やネットや書店などで軽くでいいので、就職までの傾向を調べてください。 というか、村上龍『13歳のハローワーク』(2010年ごろ)という子供むけの職業紹介の解説書があったのですが、きっと今時の中高では中2あたりの段階で将来の進路が実際にどうなっているか調べさせられると思います。もし、まだ高校になってもそういう課題を全くこなしてないなら、図書館などに「〇〇に(〇〇は職業名)なるには」的なタイトルで「ぺりかん社」(出版社名)から出ている本がありますが、他社からもそういう職業ガイド本が出ていると思いますが、ともかく地域の図書館のひとつに色々な仕事の実態を中高生むけに紹介した本が仕事別にあるはずなのが今時なので(もし市民図書館にも学校図書館にもどちらにも無ければ、少なくとも片方に購入リクエストして購入させてください。教育的に必要なので、後輩などのためにも図書館・図書室に入れるべき書籍です)、ともかく図書館なども活用して、イラストレーターだの漫画家だのを目指す人は、その仕事の実態がどうなっているかを新しめの本で確認してください。 ネットの情報は、プロ作家が発信している就職情報はその作家の専門分野ならそこそこ信用できますが(たとえば漫画家の情報発信なら、マンガ家への就職についての情報発信なら信頼性が高い)、決して素人や匿名(とくめい)掲示板だのの情報を真に受けてはいけません。 上記のマンガの「絵」が比較的に「自由」とは、あくまで絵だけの自由です。 商業マンガにおいて物語、ストーリー(物語 story)については、必ずしも自由ではありません(ただしアニメと比べたら、比較的に自由かもしれませんが)。具体的には「本屋やコンビニ(どのコンビニにもマンガ売り場がある)のようにマンガを流通させる市場に対する批判は原則、商業マンガでは出来ない」と、よく漫画家やマンガ評論家などに言われています。 なお、テレビの実写ドラマでもスポンサー企業のイメージを低下させるようなストーリーは制作が困難だと言われています。たとえばスポンサーが電話会社(NTTなど)や電話機をつくってる家電会社などの場合、推理サスペンス番組では、犯行の凶器に固定電話のケーブルを使うのは(つまり、電話ケーブルで被害者を絞殺(こうさつ)するような犯行を放映するのは)困難だと言われています。 ほか、商業マンガの多くは少なくとも年単位の連載作品なので、お話を自分で考えるにしろ他人の考えた話をマンガ絵にする仕事にしろ、その年単位の期間のあいだ作品を作りつづけられない人は不向きです。「気の向いた数日にだけマンガを描く(もしくはその数日だけ「アニメを作る」)」というのは、商業マンガでも商業アニメでも困難な仕事でしょう。 美術という科目の都合上、絵の話に片寄りますが、じつは商業マンガでは物語をつくる仕事も必要であり重要です。 教科書に載るようなマンガは基本的にほぼすべてが商業マンガです。鉄腕アトムもドラゴンボールもドラエモンも、すべて商業マンガです。 べつに資本主義を賛美するような物語でなくても、そのマンガ作品を掲載する雑誌や単行本に値段をつけて本屋などを通して販売しており、少なくとも作家たちと編集スタッフの食い扶持としての商売としてマンガを描いていることに変わりないので、商業マンガです。 読者には当然のことかもしれません。「お前(wiki編集者)なんかに言われなくても分かるわい」とか「物語が重要って、常識だろ」とか読者の絵描き高校生は思うかもしれませんが、ですが、たとえアナタ個人はマンガ業界などの事情を分かっていたとしても、意外と世間の子供は分かってない可能性がありますし、大人でも分かっていない人はチラホラいます。現にネット上では、マンガ家やアニメーターの絵を、イラストレーターの絵と比較して、(マンガ家やアニメーターの絵を)「ヘタだ」とか批判している、業界の違いによる絵柄の違いすらもよく分かってない大人も多くいます。口先では「マンガでは物語が重要」とか言いながら、実際には絵柄ばかり見るような人とかチラホラいます。世間の人はべつにプロ編集者でも何でもないので、そういう見方しかできない人がいるのも仕方ありません。 で、基本的に商業マンガの多くでは物語性も必要です。そもそもマンガの特徴が、絵だけでなく文字もつかって物語を表現できる点です。このため商業マンガ家になろうとする場合、もし原作マンガを掲載するマンガ出版社への原稿持ち込みでは、読者ウケの良い物語を考えられないマンガ家志望者は掲載・連載をもらうのが難しくなるでしょう。そもそも、マンガ原稿の持ち込みの時点で、物語を考えられない人はマンガ1話ぶん(16ページや20ページ)の物語を考えられない時点で持ち込み原稿が完成しないので、持ち込みすら不可能になるかと思います(したがって、マンガ原作者としてはデビューできなくなってしまう)。 物語ではなく漫画の絵をえがく事に専念する「アシスタント」という仕事はありますが、基本的に原作者の下働きです。アシスタントの側が部下です。漫画家の側が雇い主です。このため「下働きはイヤだ」とか「自分の作品をつくることを優先したい」みたいな発想の人はアシスタント職になれないので、よほどマンガ絵が上手くて読者の需要にマッチしてない限りは、自分で読者ウケのいい物語を作れない限り、目標の漫画家と言う職業にはつけない可能性が高まるでしょう。 「物語を考えるのが苦手」ならまだしも、そもそも「物語を考えるのがキライ」とか「資本主義に毒された読者ウケの良い物語なんか考えたくない」とか考える若者・学生・無職などは、商業マンガ家以外の進路も考えたほうが安全かもしれません。どんなにマイナーなマンガ雑誌への持ち込みでも、最低限、編集を食わせるだけの売上をねらえるような作品の物語を作れそうにない人、そもそも編集を食わせる作品を作る気のない人は、マンガ雑誌でのデビューは困難です。自費出版などしか道が残されていません。電子出版などで自費出版の価格を抑えられる可能性のあるIT社会の現代ですが、しかし自費出版であることに変わりはないです。 次に述べることは、もう1990年代後半あたりから、たとえばアニメ評論家で元アニメ会社社長の岡田斗司夫(としお)などによって文芸情報雑誌『ダヴィンチ』掲載記事で言われてた事なのですが、岡田の知人のマンガ編集者からの情報とのことだったか、マンガ家志望者の少なくない人が、持ち込み原稿がそもそも完成していない(ページ数不足とか、ペン入れしてないとか、用紙が違うとか)とか、そういう段階らしいです。なので岡田は、「(漫画家などに)なりたい人はなれない。」(すでに原稿を書くなど作品づくりを実際に)やってる人でないとなれないと(決して一言も「やればプロになれる」とは言ってません)、文芸情報雑誌『ダヴィンチ』でもう1990年代後半に述べています。それでも、未完成でもとりあえず作画に取り掛かっていればマシなほうで、そもそも作り始めていない自称・志望者すらも少なからずいるらしいです。2010年代以降のYouTubeでも岡田は似たような事を言ってますが、決して2010年代に言い始めたわけではなく、90年代から言われている事です。そして、文芸界隈でも受け入れられている事です。マンガに限らず小説出版社の界隈でも同様でしょう。 2010年以降の現代ですら、SNSなどでマンガ家や編集者などからも、似たような未完成原稿の投稿作・持ち込み作の情報が上がっています。 で、1990年代のダヴィンチにこういう話がもう書かれているので、そういう雑誌を読んでる90年代後半当時の高校教師が、進路指導などでこういう情報を教えるわけです。 別に「漫画家になるためにマンガを書け」とは言ってません。「(アナログにしろデジタルにしろ)ペン入れするレベルのマンガすらも書き始めても居ないのに、『マンガ家になりたい』とか読迷い事をほざくな」と進路指導などの前に教室全体に私立の進学校などでは言われるわけです(公立ではどうか知りません)。 昭和の戦後のマンガ追放運動みたいな時代ならともかく(手塚治虫すら運動家に本を焼かれた時代です)、1990年代以降のテレビに漫画家やアニメ監督も出ている時代に「家ではマンガを書かせてもらえなかった」と言うのは基本、通用しません(よほどの虐待家庭とかでないかぎり)。まして2020年代、美術教科書などで平成のマンガやアニメが紹介される時代です。 当時の文芸雑誌ダヴィンチでも、今時、マンガを書こうと思えば家で書けるでしょ、的なことは岡田によって指摘されていたと思います。(もしダヴィンチでは言ってなかったとしても、岡田はよく、そういう事を言います。) マンガ絵やアニメ絵の練習のための下書きなんて市販のノートとかエンピツ・消しゴムとか筆記用具があれば可能です。よほどの極貧家庭でないかぎり、練習できるでしょう。仮にノートが買えなくても、新聞と一緒に来る広告の裏とか、いろいろと手段はあります(今時は新聞を取ってない家も多いかもしれませんが)。 社会人になって25歳とか35歳とかすぎてこういう事をようやく知るのと(もしくは気づかないまま人生を終えるのと)、15歳とか17歳とかで中学高校でこういう事を知るのとで、人生は違ったものになるでしょう。 あ、上記のような事実に知らない・気づかないのは、決して学校が悪いのではなく、あなたの頭が悪いのでしょう。1990年代にもう言われている事だし、他の作家や雑誌編集者なども似たような事をSNSなどでよく言うので、気づかないのは無能です。 上述のようにマンガやアニメ絵の練習のための下書きなんてノートとかあれば可能だし、アナログ原稿のための漫画用ケント紙(マンガ用の原稿用紙)は文房具屋で普通に売っているので、決して(漫画家に)「なりたいか」や「やってみたいか」ではなく、実際に(マンガを描くというのをアナログにしろデジタルにしろ)「やってみたか」「今後もやれそうか」などが問われます。さらに自作を(決してアナタの好みの作風ではなく)プロの商品の品質に今後も近づけるために練習だのをしたいか、すでにプロ品質に近づける努力を始めているか、そして将来的に週刊・週間とか月刊とかのペースで定期的に成果物の納期を要求される仕事環境で「やりつづけたいか」とか「やりつづけられそうか」などが問われています。 マンガ出版社やアニメ会社などは、決してw:キッザニアとかの子供向け職業体験テーマパークのサービスではありませんので、単に体験してみたいだけなら、自分で勝手に4コマ漫画なり何なりを作って知人やネットにでも発表すればいいと思います。 マンガ産業以外にも上記の考えを応用するなら、集団制作のコンテンツの会社などで、なにか企画を出すときは、試作をしてから企画を出すべきでしょう。分野によっては試作費用が高くなる場合、せめて身の回りの文房具などで作れる範囲でいいので試作を始めるべきでしょう。 たとえば演劇も多くの映画も、まずは脚本を試作します。 学校の美術だと1人の作業が多いのでこういう考えに至りにくいですが、しかし、学校でも演劇部とか音楽なんかだとこういう考えも必要でしょう。たとえば演劇部なら、部内で「既存のシナリオばかり演劇にしてたらツマラン! そうだ、部で新作を作ろう! 脚本も部で書こう!」とか企画を部に出すなら、その新作の脚本がとりあえず出来てから公演の企画を通しましょう。もし新作脚本が完成してないのに公演の企画まで通されたら、公演のための稽古を他の部員ができずに、大道具も小道具も制作できずに、スケジュールが遅れてしまいます。 脚本が完成しないうちは、次回の公演の作品は、学生演劇なら例年通りに既存のシナリオを公演していればいいのです。 ともかく企画は、簡易な試作が出来るまでは、企画を採用しないで保留するなど、そういう態度が必要かもしれません。 打合せでは一見よさそうに見えるアイデアでも、実際に試作をしてみたら欠点のたくさん見つかるアイデアなんてのもあります。とても簡易な試作でいいので、「じっさいに試作しながら企画の打ち合わせを深めていく」的な態度が必要です。 さて、仮に企画用の試作が完成して提出しても、とりあえずの企画なので、あとから変更されます。 漫画家だって、難度も原稿の試作(ネーム)の没(ボツ)を編集から、くらって、ネームを修正しています。 「漫画家になりたい! でも書きたい作品は決まってない! 私の企画を採用してくれたら作品を考えます!」ではなく、やるべきは「このマンガ作品を書きたい! ・・・(数週間経過) 書けた! この作品でお金を稼げたらいいなあ! そうだ漫画家になろうか!」みたいな思考の順序です。 岡田の文芸評論雑誌『ダヴィンチ』の評論でも、自称・原稿持ち込みで「漫画家になりたい! でも書きたい作品は決まってない! もし、あなたの出版社で私を採用してくれたら、これから内容を考えます!」みたいな人は漫画家になれないと90年代の時点でもう言われてます(マンガ出版社がそもそも完成原稿のない企画は、原則、受け付けません。応募規定として原稿の完成が規定されています)。 ともかく、どの業界でも、企画はあとで変更されますが、とりあえず企画の段階で、とりあえずの絵のような試作が必要です。たとえば、アニメ産業はそうなっています。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の1995年放映前の93年ごろの企画書では、スポンサー企業などに通す企画書の段階でもう、最終26話までの簡易なシナリオと(番組の次回予告などで使うメッセージの内容)、全部の放映回(全26話)に1枚ずつイメージイラストがあります。 スポンサー企業などに持ち込み作品は、けっして「テレニアニメを作りたい! でも作品のシナリオは決まってない!」ではダメなのです。「このような作品を作ろうとしています! (ここで、絵つき・簡易シナリオつきの企画書をばーん!) この絵のアイデアを実現するには、お金がもっと必要です! 出資してください」でないと、企画がその段階で通らなくなるでしょう。 つまり、企画と言っても2段階あって、そもそも試作前の「どのような作品をこれから試作するか?」という制作チーム内での前半の企画と、試作ができたらスポンサー企業などに売り込み「このような作品を商業化したい! 出資してください!」みたいな企画の後半部の2段階がありそうです。 なお、美大に進学するにしても、最低でも高校生1年生の期末テストを攻略できる程度の5教科の学力は必要でしょう。決して5教科が得意でなくてもいいので、少なくとも高校2年の終わりくらいまでは、学校の期末試験レベルで良いので5教科などもシッカリと真面目に勉強しておいて、そして絵の練習と両立できる範囲でいいので、せめて1年生の内容くらいは5教科を復習などで理解しておくと良いかもしれません。2年生になってからの復習でも良いので1年の内容を理解しておいてください(けっして丸暗記で切り抜けようとするのではなく)。 入試に小論文のある美大もあります。学力が低すぎると、小論文の質が下がりかねません。 美大の小論文では、べつに学力アピールするための小論文を書く必要はありませんが(そもそも小論文のない入試形態の美大もある)、まあ常識的に高校の期末試験レベルは楽しく理解して勉強しておいてください。 美大などに進学する場合でも、美大には美術教師になる教員免許のための課程もありますので、もし学力が低すぎると美術教師にはなれません。5教科の学力が低すぎると、たとえば教員採用試験に不合格になるかもしれません。 仮に入試で小論文の無い美大でも、大学4年での卒業論文の存在を忘れてはいけません。べつに高校の時点で大学レベルの卒業論文が書ける必要は無いですが、そういう能力も将来的に必要になるという事は念頭においてください。 なお、べつに勉強が得意でなくてもマジメに高校の勉強をしていれば、あとは美大の授業を普通にきちんと受けていれば、どの美大生も卒業論文を書けるレベルになるはずでしょうから、過度な心配はしなくて大丈夫です。(博士論文などとは違い、学部の卒業論文なんて、あまり大したものではありません。) ともかく、こういう美大の事情もありますので、美大の入試の受験科目でも、美術の実技以外にも、英語(多くの私立美大の入試でほぼ英語が必須)および、国語の学力試験もあります。 大学によっては実技試験だけで入学できる入試形態をもつ美大もあるかもしれませんが、しかし大学である以上は、大学入学後に最低でも高校を卒業できる程度の学力が建前上は要求されます。 高校の1~2年生でいきなり美大の学科試験に特化するよりも、まずはふつうに5教科および副教科(保健体育や情報科目や家庭科など)を期末試験レベルで良いので勉強しましょう。 受験の細かなことは、それぞれの高校3年あたりの進路相談や塾・予備校で聞いてください。 上記の、職業・進路に関することでもありますが、業界によって用語の意味が違います。 たとえば、同じ「デザイン」という言葉でも、業界によって意味がまったく違います。 「デッサン」、「デザイン」、「スケッチ」、「パース」、「デザイナー」等、、・・・何でもいいですが、単語の発音・表記だけは流用していますが、しかし業界によって言葉の意味が微妙に違う場合もありますので、それぞれの進路志望先での用語の意味を確認しておいてください。 具体的には、理科の「スケッチ」と美術の「スケッチ」は違います。 「デザイナー」も、美術系のデザイナーと、ソフトウェア業界の「デザイナー」とでは、意味がまったく違います。 パースも、建築のパースと、アニメのパースとは違います。 「デッサン」は、たとえば美術のデッサンとは別に、日本ではマンガやアニメについての線画を描くための人体各部の比率の知見のことを「デッサン」と言います。たとえばアメリカンコミックス作家クリストファー・ハートの著書の日本語訳版『驚くほどかんたん 人体デッサン』では、アメコミ風の人体を描くためのコツとして、目と目のあいだは目1つぶんの説明とか、正面の顔の横幅は目5つぶんだとか、説明しています。 なお、このような人体各部比率の知識を「デッサン」と読んでいるのは日本語版だけであり、英語版『human anatomy made amazingly easy』ではドローイング drawing と呼んでいます。たとえば日本語版にある「頭部のデッサン」は、英語版では drawing the head です。 「美術」という言葉自体、アニメ業界では別の意味で使われます。アニメ業界では「美術」とは主に背景のことです。決してアニメ業界で美術史やら抽象アートやらが要求されているわけではないので、誤解なきよう。 こういうふうに業界ごとの要求される能力が違うので、ひとくちで「画力」や「デッサン力」などと言っても、業界ごとに要求される「画力」などが違っていることも、商業などの実務ではありえます。 高校レベルでは各業界の各論には入りませんし入れないので、各自で将来の志望に向けて、意味を確認しておいてください。 なお、商業ポスターでも題字くらいはイラストレーターなどが手書きで書く場合などもありうるでしょうから、高校の文字手書きポスターの経験は、決してまったくの無駄にはなりません。そのような文字をイラストレーターがデザインするジャンルのことを「レタリング」や「デザイン文字」などと言います。 同様、タッチペンなどコンピュータ機器を使わずに絵の具などで書いた経験も、決して、まったくの無駄にはなりません。 ただし、だからといって決して「授業で美術教師の言う通りに描いていればいい」などと思考停止せず、絵の仕事の実務 と 中高の美術教育の違い については「無知の知」として把握しておいてください。もし、目先の授業や、あるいは目先の美大受験などだけに目を捕らわれて、実務との違いについて無視をし続けていると、たとえば大学卒業後・専門学校卒業後などに商業デザイナーやイラストレーターなどを本業でもバイトでも目指す場合などに、就職活動などの前後の段階で、無視しつづけた実務と自分の想像(妄想)とのギャップの大きさで、精神的・肉体的に負担がキツくなってしまいます。 あるいは、もしかしたら就職活動の段階ですでに、実務を無視しつづけた結果として不採用などの不利益を味わう羽目になるでしょうか。たとえば、商業デザイナーの就職活動のための自作品の持ち込みで、もし抽象アートのような油絵を作品持ち込みで提示しても、特別な理由が無い限りは高確率で不採用になるだけだと思います。 目指す業界の実務については、実務などの仕事における現実を無視して逃げようとしても、業界の現実があなたを追いかけてくるだけです。 高校の段階はまだ普通教育ですので、実務の勉強の深入りを避けるという意味で実務勉強を後回しにするのは構いませんが(高校の美術もそれを見越してか、実務には深入りしていない)、しかし多くの絵描きは、決して最終的に仕事では実務的なことからは逃げられません。(例外があるなら、トップクラスの芸術家として成功でもしない限りは。) 自分ひとりが実務的な手法に従うかどうかに関係なく、絵の業界の同業者や競合他社や注文者なども含めて、社会と多くの他人が実務で動いているのです。 世の中には、絵画や音楽などの幾つかの分野で、アマチュアを名乗っているが、実際には業界人でありどこかのコンテンツ制作会社などに所属しているプロな人がいます。 プロの作家が趣味で自主制作をする場合、守秘義務やら制作会社のブランドイメージなどで、所属する会社や事務所などの名前を言えない人もいますので、察してあげましょう。彼らの自称「アマチュア」的な自己紹介を、決して真に受けてはいけません。 アニメ評論家の岡田斗司夫(としお)は2005年に、『プチクリ』という本を出し、プチ(小さい)・クリエイターの意味で、創作系業界のプロではないが(小売業とか飲食とか別業界で働いているとか)趣味で副業的に作品を作って発表しているクリエイターと言う意味の言葉をつくり、当時の流行を説明しました。 しかしその後、岡田は2012年あたりに、おおよそ(リーマンショックなどの)「不況によって、従来のペースでの創作活動をつづけるのが難しくなった元・プチクリの話をいくつも聞かされている。今はそういう時代になってしまった」という風な感じのことを何かの書籍で言いました。それが現実です。 次に述べることは、岡田は言ってない事ですが、裏を返せば、不況なのに自主制作がハイペースな人は、よほどの好待遇の職場で働いているのでないかぎり、まあそういう意味です。 長期的に副業で創作をするのは、不可能ではないですが、作りこみのされたセミプロ的な作品を週刊・月刊のようなペースで作るのは、かなり敷居(しきい)の高いことです。 また岡田とは別に、2008年ごろ当時のほかのアマチュア人気作家でも、本業の仕事との両立が難しくなり、2010年以降は創作の専業に転職したことを公言している作家も少なからずいます。 政治の選挙では、実質的には政党の支援を受けているのに、庶民派アピールとして軽視的にはどこの政党にも所属せずに、「無党派」「無所属」を名乗る立候補者も多くいます。 普通科高校のほかにも、「美術科」という専門学科をもつ美術高校があります。公立の美術高校が、各県にいくつかあります。 アニメ会社の比較的に近くにある美術高校の公立校が、そのアニメ会社と提携している場合があり、講師などをその美術高校に派遣して講演などしている場合があります。 それ以外の地方からアニメ業界に就職しようとする場合、アニメ会社などと提携している首都圏や地方都市(京都・大阪や名古屋など)の美術高校との、そういう地域の提携高校との競争になります。 アニメ会社と提携していない場合、そもそもアニメ会社が近隣に無い地域という不利があります。アニメ会社の新人の賃金は、月あたり5万円以下が相場であり、アパートの家賃(5万円以上)が払えないという相場です。(親からの仕送りが無いと参入できない。) アニメ産業は地場産業(じばさんぎょう)です。 仕送りが必要なので、断じて「裸一貫(はだかいっかん)で上京して・・・」という業界ではないです。裸だとアパートの入居資金が払えないので上京できません。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "もし美大を目指す場合、高校の美術1~美術3の授業だけでは不足しているので、美大受験対策に対応した画塾や、美術予備校などに通う必要があります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "大体、高校2年の後半からか、遅くとも高校3年から画塾・美術予備校に通い始めるのが、美大受験としては典型例として美術教師から紹介されるかもしれません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "たとえば、雑誌『芸術新潮』の2022年くらいの号で、日本画家の千住博が、美大志望の高校生に向けて、美大を目指すなら高校3年から美術予備校に通うのでも大丈夫と若者に説明しています(高校2年までは高校の期末テスト対策とかをしっかり勉強しろと千住は若者に教育している)。裏を返すと、高校3年になったら美術予備校に通い始めると有利でしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "小学生からの質問で、千住は下記のように答えています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "『早くから美術の受験予備校に行くことはお勧めしません。受験生たちは緊張感や疲労感から絵が嫌いになってしまう人が多いからです。高校3年生になった時に、もう一度考えて、どうしても絵を職業にしたいとまだ思っていたら、それが美術の受験予備校に活き始める一番いい時です。』", "title": "" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "※ 以上、千住の回答の引用", "title": "" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ほか、千住は下記のように、絵以外のことも勉強しないと、何を描けばいいのか分からなくなるので、絵以外の勉強もするように述べています。下記に回答を引用しますが、ただし、下記の回答は小学生(義務教育中)に当てた回答なので、読者の高校生(もはや義務教育ではない)は高校用に自分でアレンジして解釈してください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "『画家やデザイナーはいかに色々なことを学んでいるかが勝負です。まずは絵以外のさまざまな勉強をしてください。そうでないと、何を描いたらいいかすぐにわからなくなります。それに絵の好きな人は、勉強しないでも自然に絵のことは吸収しているものです。』", "title": "" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "※ 以上、千住の回答の引用", "title": "" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "ただし、書籍『絵はすぐには上手くならない』によると、実際は多くの人が浪人して美大にようやく合格するのが2010年代でも実情のようです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "日本ではなくアメリカに目を移してみると、2006年の教育学の論文で、アメリカの大学入学共通試験(SAT)というペーパーテストの数学の成績の良い人ほど、芸術でも実勢をあげている人が多いという統計が知られています。David Lubinski and Camilla Persson Benbow『Study of Mathematically Precocious Youth After 35 Years』,2006 Association for Psychological Science,", "title": "" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "SATの難易度は、ちょうど日本の高校2年生くらいの教科書レベルでしかも数学なのに4択問題とかですので(なので、日本の中堅の公立高校の2年生の中間期末試験よりも、米国SATは簡単です)、上記のアメリカ教育学の論文は、ちょうど日本の千住の言っている教育論と似たような結果になります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "なお、日本では高校の理系コースで3年生では三角関数とかの微分積分を習いますが、アメリカでは基本的に大学で三角関数などの微分積分を習います(ただしアメリカの私立高校などでは、先取り学習として微分積分を習う場合もある)。高校3年の「世界史探求」とか「物理」とか、ああいうのも、アメリカでは大学以降です(世界史B時代ですが、スタンフォード大学の歴史学教授が世界各国の高校課程の歴史教科書を調べて、「日本の高校世界史(山川出版社の『詳説世界史B』)の教科書は、アメリカでは大学レベル」と評しています)。SATは2教科のテストで、英語(米国人にとっての国語)と数学だけのテストです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "なので、上記の論文では、数学のテストの成績と、大卒の芸術家らの業績との相関を見ているわけです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "もっとも、お金持ちほどテストの点も良ければ芸術教育にもお金を掛けられるので、必ずしもペーパーテストが芸術に直接に良い影響を与えるという因果関係があるかどうかは知りませんが、しかし少なくとも相関関係はあるというのが統計的事実です。(「疑似相関」でも、相関関係はあります。疑似相関で存在しないのは、相関関係ではなく因果関係です。)", "title": "" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "自由の国アメリカでも、大学入学試験SATのペーパーテストに合格できないと美大にも音大にも進学できません。アメリカでSATに合格せずに行ける学校は、決して大学ではありません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "なお、フランスには「バカロレア」という大学入学資格試験があります。ドイツにも「アビトゥア」という大学入学資格試験があります。なので、「おフランス」妄想で現実逃避しないようにしましょう。なお、フランスのチップ大学軍はパリ大学ではなく、グランゼコールという大学(ユニベルシテ)とは別種の学校群です。フランスの大学というのは、日本でいう都道府県の公立名門高校のような重みの大学ですので、勘違いしないように。", "title": "" }, { "paragraph_id": 19, "tag": "p", "text": "そもそもフランスの近代以降の学制は、ナポレオン時代の富国強兵のための教育改革が元になっています。フランス革命によって封建制を破壊したフランスが、周辺のまだ封建諸国だったドイツやイタリアなどと対立して戦争をすることになりました。その戦争で、フランス軍は強かったので、なので周辺のドイツやイタリアやイギリスなどがあわててフランスを真似て、教育改革をしたのです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 20, "tag": "p", "text": "日本も江戸時代、アヘン戦争でとなりの清(シン)国がイギリスに敗退して殖民地にさせられたのを見て、あわてて大政奉還や明治維新のような近代化をしたわけです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 21, "tag": "p", "text": "明治の教育改革もその一環であり、日本の教育は富国強兵のために西洋式の科学教育および英語教育など外国語教育なども取り入れる必要があり、その派生として芸術教育も私学など金のある民間の学校を中心に西洋式の芸術教育が取り入れられたのです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 22, "tag": "p", "text": "第二次世界大戦後の兵器でも、かつてのミラージュ戦闘機(なお令和の現代はラファール戦闘機)とかエグゾゼ・ミサイルとかを生産しているフランス国に、なんか変な空想的平和主義みたいな幻想を抱かないようにしましょう(日本には、令和のいまだにそういう勘違いをしている大人も多い)。なお、ドイツ国はレオパルド戦車や、ユーロファイター戦闘機(イギリス、ドイツ、イタリア、スペインの共同開発)、潜水艦などの技術を有しています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 23, "tag": "p", "text": "さて、読者の高校の話に戻ります。読者の地元にある近場で信頼できる美術予備校など、もし美大受験を目指すなら、美術教師から(できれば在学中に)教えてもらうと良いでしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 24, "tag": "p", "text": "なお、美大卒の学歴が必要ないアニメ産業などに就職するつもりでも、アニメーターには最低限、中学卒業ていどの基礎学力が必要です。なぜなら、脚本や絵コンテなどの設計図が読めないと仕事にならないからです。文系科目はもちろん、理系科目も、たとえば背景引きのスピードの理解や、動きの軌道の理解のためには、初歩的な算数・数学や物理の理解も必要です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 25, "tag": "p", "text": "上記の絵描き指導者たちの意見を合わせるなら、高校生は、事情がよく分からなければ、絵と両立できる範囲で、ふつうに高校の勉強もしていれば大丈夫だろうと思います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 26, "tag": "p", "text": "要するに、勝手に「この科目は使わないから勉強しなくていいや」みたいなことは考えないようにして、ふつうに勉強しましょう。小中高のカリキュラムの前提になっている文科省の指導要領というのは、日本の偉い文科官僚や大学教授などの学者さんたち専門家が知恵を集めて作り上げた教育カリキュラムなので、少なくとも悪気はないわけですので、なるべく学校教育は(無批判で妄信してはいけないが)人生の参考にしたほうが得です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 27, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 28, "tag": "p", "text": "大企業などのデザイン部門は、美大などを卒業していないと就職が困難かもしれません。いわゆる「足切り」(あしきり)があります。いわゆる「学歴フィルター」として、美大卒または、かなりの大卒を要求しているかもしれません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 29, "tag": "p", "text": "よほど特別な業績が無い限り(たとえば、少なくとも都道府県以上の規模の美術コンテストで大賞や上位の賞を取るとか)、高卒・専門学校卒では書類だけで就職が難しいかもしれません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 30, "tag": "p", "text": "デザイナー志望など、高卒だと新卒採用枠への応募じたいが不可能という企業もあり、専門学校でもいいので進学しないと応募じたいが不可能という企業も多々あります。実際にゲーム会社などのデザイナー採用でも、そういう会社があります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 31, "tag": "p", "text": "なお、俳優・映画業界でも役者などで、高卒だとオーディションの応募じたいが不可能という足切りをしている業界は多々ありました(現代はどうか知りません)。もし高卒を認めると、応募者が殺到して審査しきれないので、なので専門学校でもいいので足切りをするのです。もちろん、その分野に近い専門学校の必要があるしょう。つまり、調理師の専門学校とか看護の専門学校とかでは、デザイナー志望や役者志望に応募するのは、なかなか難しいと思います(志望先にも寄ると思います)。", "title": "" }, { "paragraph_id": 32, "tag": "p", "text": "なので、家庭に進学できるまでの資金力のない人は、特に若さの必要とする役者などの仕事には、ハナからその仕事につけない確率が高まります。ジャンルにも寄りますが、芸術・芸能にはカネが掛かります。「貧乏でも出来る」みたいな事を言っている人は、業界にも寄りますが、多くの業界ではインチキ人間でしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "多くの若者は専門学校に進学したところで役者になれませんが、しかしそもそもオーディションなどの応募じたいが専門学校に行かないと足切りされて制度的に不可能なので、その分野の若者はしかたなく専門学校に行くのです。その専門学校では、講師が、加齢などで一線をしりぞいた役者が講師をすることで、役者が二毛作(にもうさく)と言いますかそういう方法で儲けている、というビジネス・モデルです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "「芸術は爆発だ」の格言で有名な岡本太郎も、実家が金持ちです。戦前の時点でフランス留学できています。子供のころはw:慶應幼稚舎やw:慶應義塾普通部にも通っています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "音楽の世界も、フォークソングの吉田拓郎はなんか凄い金持ちの家の子です。コミックバンドのドリフターズ(志村けんとか加藤茶とかのあのグループ)の仲本工事(芸人名)も大学の学歴が学習院大学です。(ドリフはお笑いグループでもありますが、音楽グループでもあります。彼らの自認でもそうです。)", "title": "" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "そもそも芸術・芸能のアーティストは基本的に東京出身者(もしくは神奈川)が多いのです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "よく「大卒後の若いころ、親の仕送りを受けずに作品をつくった」とかアーティストは自己を喧伝(けんでん)して言ったりしますが、そもそも貧乏人とは親や弟・妹に仕送りをしないといけない側です。何を勘違いしているのか。", "title": "" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "世間では、生まれが特に金持ちだ思われてないクリエイターも、調べてみると意外と高学歴だったり、東京出身だったりします。", "title": "" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "ゲーム業界のポケモン(ポケットモンスター)の田尻智は東京出身でしかも国立(こくりつ)の高専出身です(高校とは別に高専という5年生の短大相当の学校があります)。マリオ(スーパーマリオブラザーズ)の宮本茂は公立大学の金沢美術工芸大学の出身です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "ドラゴンクエストの堀井雄二は早稲田大学卒です。ほか、ドラクエ(ドラゴンクエスト)のプログラマーの一人の内藤寛は高卒ですが、東京電機大学付属高校の出身です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "アニメ業界なら、『君の名は』の新海誠は長野県出身ですが、中央大学の文学部に進学できる家庭ですし、彼の親は土建業者の社長です。親は「稼業を継がせるつもりだった」と言うが、一般人には継ぐ稼業なんてありません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "ほか、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督の庵野英明やキャラクターデザインの貞本義行は大卒で、私立の美大卒です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "ほか、ジブリの宮崎駿は学習院大卒で、親が兵器工場の社長で航空機を作っていた会社の社長の息子。ジブリの高畑勲は東大の仏文科です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "たとえ地方出身であっても、大学に進学できる程度の経済力は持っています。たとえ昭和は学費が今より安かったとしても、「貧乏人は浪人できない」、「金持ちはバイトしなくていい」、「弟の学費とか、稼がなくていい」とか、そういう背景があります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "何やら階級社会っぽいですが、これでも米英とくらべたらマシです。米英はもっと学費が高かったりするのです。米英はざっと、日本の2~3倍くらいの学費・教育費です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "今は減りましたが、マスコミでは、彼らが美大・音大を出てないだけで、ネット普及前の一昔前の広告業界などには、この手のクリエイターの経歴を隠して、あたかも彼らは何やら庶民階級に人々みたいに喧伝する人がいましたので、ダマされないようにしてください。せいぜい、彼らクリエイターは小中学が地元の公立だったくらいです。親が社長ではなくサラリーマンと言うだけで、たとえ仮に大企業や中堅企業のサラリーマンの出世筋とか、あるいは地元では給料の良い企業のサラリーマンであっても、庶民派みたいにメディアの周囲の人が持ち上げますが、まったく庶民でなかったりします。", "title": "" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "作家に限らないですが、親が市役所の事務職とかの終身雇用であっても「親が低収入」とか言って庶民派ぶる自称・庶民家庭とか、偽善きわまれり。自衛隊とかならともかくさあ。", "title": "" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "さて、絵の業界の話題に戻ります。もし絵の仕事に就職できたとしても終身雇用でない場合もあります。たとえば、数年ごとの契約期間中だけの契約かもしれません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "一方、漫画家やアニメーターなどは実力主義でしょう。しかし、ここでいう「実力」とはマンガそのもの、あるいはアニメの原画(げんが)そのものを作る能力なので、それと関係ない水彩画や絵の具がいくら上手くても評価されません。なお、漫画家はお話をつくる人でもあるので、絵だけが上手くでもプロになるのは難しいかもしれません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "ほか、アニメ業界やゲーム業界の絵描き志望者について、初心者はよく、キャラクターデザイナーを志望するという報告が書籍『絵はすぐには上手くならない』でされているのですが、しかしこの書籍『絵はすぐに(※以下略)』でも述べられているのですが、絵描き新人をいきなりキャラクターデザイナーに抜擢することはないのがゲーム業界およびアニメ業界です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "アニメ業界外のイラストレーターや3Dモデラーなど十分な絵描き仕事の経験者が場合によってはアニメのキャラクターデザインの仕事をすることはありますが、あるいはゲーム業界人でないアニメ業界のアニメーターがゲームのキャラクターデザインをするような場合もありえますが、しかし全くの絵描き新人のキャラクターデザインが採用されることは無いような業界がゲーム業界・アニメ業界です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "なお、ゲームイラストレーターもアニメーターも、芸術家ではありません。クレジットが出るので芸術家のようなものと勘違いする人がときどきいるのですが、しかし芸術家とは違い、チームで仕事をする能力が求められます。自己表現をしたいなら、個人や同人サークルで作品を作るとか、あるいは作品展があれば出品するなどの別の道を探しましょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "このため、アニメーターを目指す人がイラスト専門学校を目指すと、やや授業内容が目標とは遠回りになる可能性もあります。イラストレーターとは違ってアニメーターは個性を押し出す仕事ではなく、また、他人のデザインしたキャラクターをさまざまな角度とポーズで描けるようにする必要があるからです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "もうひとつ、絵を動かすことが好きでないと、アニメ業界への就職はつらいかもしれません。アニメ作品を見るのが好きとは違います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "個別の職業についてはこれ以上は立ち入りませんが、このように仕事では職業によって要求される能力が違います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "マンガとアニメとで、じつは絵の描き方はけっこう違っています。マンガの絵の描き方は、比較的に自由です。一方、アニメの絵の描き方は、比較的に不自由です。アニメは集団作業で制作する理由と、動画として破綻のない動きを書かないといけない理由などにより、絵の描き方に制限があるのです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "いっぽう、マンガの絵の自由/不自由については、ゼロ年代(2000~2010年あたり)ごろか、中学美術あたりの地域版(東北の某地方)の資料集に、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の作者インタビューが掲載されたことがあり、そのテーマに作者が答えたことがあります。ジョジョ作者の発言によると、マンガにおける絵の描き方は、比較的に自由のようです。ジョジョ作者が言うには", "title": "" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", "text": "「絵画というのは、何をどのように描いても(えがいても)自由なものであるとは思います」", "title": "" }, { "paragraph_id": 59, "tag": "p", "text": "とのことです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 60, "tag": "p", "text": "ほか、美術教科書には掲載されてない情報ですが、ネットなどで多くの漫画家の発言を見ると、日本の多くの漫画家たちは、マンガの絵の描き方を比較的に自由であると考えています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 61, "tag": "p", "text": "しかし、商業アニメの絵の描き方については上述のように、マンガとは違って自由ではありません。ここでいう「商業アニメ」とは、美術科目以外も含めて検定教科書で紹介されるような作品でいえば、たとえば『君の名は』(新海アニメのほう)とかエヴァンゲリオンとかジブリ作品とかドラゴンボール(アニメ版)とか名探偵コナンとか(以下略。ほか多数)、・・・なども含みます。これらのアニメ作品の絵の描き方は、比較的に自由ではありません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 62, "tag": "p", "text": "普段のテレビ番組や普通の映画館で見れない芸術アニメとは、商業アニメは絵の描き方が違います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 63, "tag": "p", "text": "漫画家もアニメーターも、それぞれの職業の絵の描き方に、誇り(ほこり)を持っています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 64, "tag": "p", "text": "進路相談は高校3年にありますが、しかし他の子が小学生から練習を始めているジャンルで、いきなり自分だけが高校3年になってから始めても追いつくのは無理ですので、目指している絵の職業がある場合については、図書館(学校図書館はもちろん地元の図書館)やネットや書店などで軽くでいいので、就職までの傾向を調べてください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 65, "tag": "p", "text": "というか、村上龍『13歳のハローワーク』(2010年ごろ)という子供むけの職業紹介の解説書があったのですが、きっと今時の中高では中2あたりの段階で将来の進路が実際にどうなっているか調べさせられると思います。もし、まだ高校になってもそういう課題を全くこなしてないなら、図書館などに「〇〇に(〇〇は職業名)なるには」的なタイトルで「ぺりかん社」(出版社名)から出ている本がありますが、他社からもそういう職業ガイド本が出ていると思いますが、ともかく地域の図書館のひとつに色々な仕事の実態を中高生むけに紹介した本が仕事別にあるはずなのが今時なので(もし市民図書館にも学校図書館にもどちらにも無ければ、少なくとも片方に購入リクエストして購入させてください。教育的に必要なので、後輩などのためにも図書館・図書室に入れるべき書籍です)、ともかく図書館なども活用して、イラストレーターだの漫画家だのを目指す人は、その仕事の実態がどうなっているかを新しめの本で確認してください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 66, "tag": "p", "text": "ネットの情報は、プロ作家が発信している就職情報はその作家の専門分野ならそこそこ信用できますが(たとえば漫画家の情報発信なら、マンガ家への就職についての情報発信なら信頼性が高い)、決して素人や匿名(とくめい)掲示板だのの情報を真に受けてはいけません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 67, "tag": "p", "text": "上記のマンガの「絵」が比較的に「自由」とは、あくまで絵だけの自由です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 68, "tag": "p", "text": "商業マンガにおいて物語、ストーリー(物語 story)については、必ずしも自由ではありません(ただしアニメと比べたら、比較的に自由かもしれませんが)。具体的には「本屋やコンビニ(どのコンビニにもマンガ売り場がある)のようにマンガを流通させる市場に対する批判は原則、商業マンガでは出来ない」と、よく漫画家やマンガ評論家などに言われています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 69, "tag": "p", "text": "なお、テレビの実写ドラマでもスポンサー企業のイメージを低下させるようなストーリーは制作が困難だと言われています。たとえばスポンサーが電話会社(NTTなど)や電話機をつくってる家電会社などの場合、推理サスペンス番組では、犯行の凶器に固定電話のケーブルを使うのは(つまり、電話ケーブルで被害者を絞殺(こうさつ)するような犯行を放映するのは)困難だと言われています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 70, "tag": "p", "text": "ほか、商業マンガの多くは少なくとも年単位の連載作品なので、お話を自分で考えるにしろ他人の考えた話をマンガ絵にする仕事にしろ、その年単位の期間のあいだ作品を作りつづけられない人は不向きです。「気の向いた数日にだけマンガを描く(もしくはその数日だけ「アニメを作る」)」というのは、商業マンガでも商業アニメでも困難な仕事でしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 71, "tag": "p", "text": "美術という科目の都合上、絵の話に片寄りますが、じつは商業マンガでは物語をつくる仕事も必要であり重要です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 72, "tag": "p", "text": "教科書に載るようなマンガは基本的にほぼすべてが商業マンガです。鉄腕アトムもドラゴンボールもドラエモンも、すべて商業マンガです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 73, "tag": "p", "text": "べつに資本主義を賛美するような物語でなくても、そのマンガ作品を掲載する雑誌や単行本に値段をつけて本屋などを通して販売しており、少なくとも作家たちと編集スタッフの食い扶持としての商売としてマンガを描いていることに変わりないので、商業マンガです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 74, "tag": "p", "text": "読者には当然のことかもしれません。「お前(wiki編集者)なんかに言われなくても分かるわい」とか「物語が重要って、常識だろ」とか読者の絵描き高校生は思うかもしれませんが、ですが、たとえアナタ個人はマンガ業界などの事情を分かっていたとしても、意外と世間の子供は分かってない可能性がありますし、大人でも分かっていない人はチラホラいます。現にネット上では、マンガ家やアニメーターの絵を、イラストレーターの絵と比較して、(マンガ家やアニメーターの絵を)「ヘタだ」とか批判している、業界の違いによる絵柄の違いすらもよく分かってない大人も多くいます。口先では「マンガでは物語が重要」とか言いながら、実際には絵柄ばかり見るような人とかチラホラいます。世間の人はべつにプロ編集者でも何でもないので、そういう見方しかできない人がいるのも仕方ありません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 75, "tag": "p", "text": "で、基本的に商業マンガの多くでは物語性も必要です。そもそもマンガの特徴が、絵だけでなく文字もつかって物語を表現できる点です。このため商業マンガ家になろうとする場合、もし原作マンガを掲載するマンガ出版社への原稿持ち込みでは、読者ウケの良い物語を考えられないマンガ家志望者は掲載・連載をもらうのが難しくなるでしょう。そもそも、マンガ原稿の持ち込みの時点で、物語を考えられない人はマンガ1話ぶん(16ページや20ページ)の物語を考えられない時点で持ち込み原稿が完成しないので、持ち込みすら不可能になるかと思います(したがって、マンガ原作者としてはデビューできなくなってしまう)。", "title": "" }, { "paragraph_id": 76, "tag": "p", "text": "物語ではなく漫画の絵をえがく事に専念する「アシスタント」という仕事はありますが、基本的に原作者の下働きです。アシスタントの側が部下です。漫画家の側が雇い主です。このため「下働きはイヤだ」とか「自分の作品をつくることを優先したい」みたいな発想の人はアシスタント職になれないので、よほどマンガ絵が上手くて読者の需要にマッチしてない限りは、自分で読者ウケのいい物語を作れない限り、目標の漫画家と言う職業にはつけない可能性が高まるでしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 77, "tag": "p", "text": "「物語を考えるのが苦手」ならまだしも、そもそも「物語を考えるのがキライ」とか「資本主義に毒された読者ウケの良い物語なんか考えたくない」とか考える若者・学生・無職などは、商業マンガ家以外の進路も考えたほうが安全かもしれません。どんなにマイナーなマンガ雑誌への持ち込みでも、最低限、編集を食わせるだけの売上をねらえるような作品の物語を作れそうにない人、そもそも編集を食わせる作品を作る気のない人は、マンガ雑誌でのデビューは困難です。自費出版などしか道が残されていません。電子出版などで自費出版の価格を抑えられる可能性のあるIT社会の現代ですが、しかし自費出版であることに変わりはないです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 78, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 79, "tag": "p", "text": "次に述べることは、もう1990年代後半あたりから、たとえばアニメ評論家で元アニメ会社社長の岡田斗司夫(としお)などによって文芸情報雑誌『ダヴィンチ』掲載記事で言われてた事なのですが、岡田の知人のマンガ編集者からの情報とのことだったか、マンガ家志望者の少なくない人が、持ち込み原稿がそもそも完成していない(ページ数不足とか、ペン入れしてないとか、用紙が違うとか)とか、そういう段階らしいです。なので岡田は、「(漫画家などに)なりたい人はなれない。」(すでに原稿を書くなど作品づくりを実際に)やってる人でないとなれないと(決して一言も「やればプロになれる」とは言ってません)、文芸情報雑誌『ダヴィンチ』でもう1990年代後半に述べています。それでも、未完成でもとりあえず作画に取り掛かっていればマシなほうで、そもそも作り始めていない自称・志望者すらも少なからずいるらしいです。2010年代以降のYouTubeでも岡田は似たような事を言ってますが、決して2010年代に言い始めたわけではなく、90年代から言われている事です。そして、文芸界隈でも受け入れられている事です。マンガに限らず小説出版社の界隈でも同様でしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 80, "tag": "p", "text": "2010年以降の現代ですら、SNSなどでマンガ家や編集者などからも、似たような未完成原稿の投稿作・持ち込み作の情報が上がっています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 81, "tag": "p", "text": "で、1990年代のダヴィンチにこういう話がもう書かれているので、そういう雑誌を読んでる90年代後半当時の高校教師が、進路指導などでこういう情報を教えるわけです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 82, "tag": "p", "text": "別に「漫画家になるためにマンガを書け」とは言ってません。「(アナログにしろデジタルにしろ)ペン入れするレベルのマンガすらも書き始めても居ないのに、『マンガ家になりたい』とか読迷い事をほざくな」と進路指導などの前に教室全体に私立の進学校などでは言われるわけです(公立ではどうか知りません)。", "title": "" }, { "paragraph_id": 83, "tag": "p", "text": "昭和の戦後のマンガ追放運動みたいな時代ならともかく(手塚治虫すら運動家に本を焼かれた時代です)、1990年代以降のテレビに漫画家やアニメ監督も出ている時代に「家ではマンガを書かせてもらえなかった」と言うのは基本、通用しません(よほどの虐待家庭とかでないかぎり)。まして2020年代、美術教科書などで平成のマンガやアニメが紹介される時代です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 84, "tag": "p", "text": "当時の文芸雑誌ダヴィンチでも、今時、マンガを書こうと思えば家で書けるでしょ、的なことは岡田によって指摘されていたと思います。(もしダヴィンチでは言ってなかったとしても、岡田はよく、そういう事を言います。)", "title": "" }, { "paragraph_id": 85, "tag": "p", "text": "マンガ絵やアニメ絵の練習のための下書きなんて市販のノートとかエンピツ・消しゴムとか筆記用具があれば可能です。よほどの極貧家庭でないかぎり、練習できるでしょう。仮にノートが買えなくても、新聞と一緒に来る広告の裏とか、いろいろと手段はあります(今時は新聞を取ってない家も多いかもしれませんが)。", "title": "" }, { "paragraph_id": 86, "tag": "p", "text": "社会人になって25歳とか35歳とかすぎてこういう事をようやく知るのと(もしくは気づかないまま人生を終えるのと)、15歳とか17歳とかで中学高校でこういう事を知るのとで、人生は違ったものになるでしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 87, "tag": "p", "text": "あ、上記のような事実に知らない・気づかないのは、決して学校が悪いのではなく、あなたの頭が悪いのでしょう。1990年代にもう言われている事だし、他の作家や雑誌編集者なども似たような事をSNSなどでよく言うので、気づかないのは無能です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 88, "tag": "p", "text": "上述のようにマンガやアニメ絵の練習のための下書きなんてノートとかあれば可能だし、アナログ原稿のための漫画用ケント紙(マンガ用の原稿用紙)は文房具屋で普通に売っているので、決して(漫画家に)「なりたいか」や「やってみたいか」ではなく、実際に(マンガを描くというのをアナログにしろデジタルにしろ)「やってみたか」「今後もやれそうか」などが問われます。さらに自作を(決してアナタの好みの作風ではなく)プロの商品の品質に今後も近づけるために練習だのをしたいか、すでにプロ品質に近づける努力を始めているか、そして将来的に週刊・週間とか月刊とかのペースで定期的に成果物の納期を要求される仕事環境で「やりつづけたいか」とか「やりつづけられそうか」などが問われています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 89, "tag": "p", "text": "マンガ出版社やアニメ会社などは、決してw:キッザニアとかの子供向け職業体験テーマパークのサービスではありませんので、単に体験してみたいだけなら、自分で勝手に4コマ漫画なり何なりを作って知人やネットにでも発表すればいいと思います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 90, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 91, "tag": "p", "text": "マンガ産業以外にも上記の考えを応用するなら、集団制作のコンテンツの会社などで、なにか企画を出すときは、試作をしてから企画を出すべきでしょう。分野によっては試作費用が高くなる場合、せめて身の回りの文房具などで作れる範囲でいいので試作を始めるべきでしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 92, "tag": "p", "text": "たとえば演劇も多くの映画も、まずは脚本を試作します。", "title": "" }, { "paragraph_id": 93, "tag": "p", "text": "学校の美術だと1人の作業が多いのでこういう考えに至りにくいですが、しかし、学校でも演劇部とか音楽なんかだとこういう考えも必要でしょう。たとえば演劇部なら、部内で「既存のシナリオばかり演劇にしてたらツマラン! そうだ、部で新作を作ろう! 脚本も部で書こう!」とか企画を部に出すなら、その新作の脚本がとりあえず出来てから公演の企画を通しましょう。もし新作脚本が完成してないのに公演の企画まで通されたら、公演のための稽古を他の部員ができずに、大道具も小道具も制作できずに、スケジュールが遅れてしまいます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 94, "tag": "p", "text": "脚本が完成しないうちは、次回の公演の作品は、学生演劇なら例年通りに既存のシナリオを公演していればいいのです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 95, "tag": "p", "text": "ともかく企画は、簡易な試作が出来るまでは、企画を採用しないで保留するなど、そういう態度が必要かもしれません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 96, "tag": "p", "text": "打合せでは一見よさそうに見えるアイデアでも、実際に試作をしてみたら欠点のたくさん見つかるアイデアなんてのもあります。とても簡易な試作でいいので、「じっさいに試作しながら企画の打ち合わせを深めていく」的な態度が必要です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 97, "tag": "p", "text": "さて、仮に企画用の試作が完成して提出しても、とりあえずの企画なので、あとから変更されます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 98, "tag": "p", "text": "漫画家だって、難度も原稿の試作(ネーム)の没(ボツ)を編集から、くらって、ネームを修正しています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 99, "tag": "p", "text": "「漫画家になりたい! でも書きたい作品は決まってない! 私の企画を採用してくれたら作品を考えます!」ではなく、やるべきは「このマンガ作品を書きたい! ・・・(数週間経過) 書けた! この作品でお金を稼げたらいいなあ! そうだ漫画家になろうか!」みたいな思考の順序です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 100, "tag": "p", "text": "岡田の文芸評論雑誌『ダヴィンチ』の評論でも、自称・原稿持ち込みで「漫画家になりたい! でも書きたい作品は決まってない! もし、あなたの出版社で私を採用してくれたら、これから内容を考えます!」みたいな人は漫画家になれないと90年代の時点でもう言われてます(マンガ出版社がそもそも完成原稿のない企画は、原則、受け付けません。応募規定として原稿の完成が規定されています)。", "title": "" }, { "paragraph_id": 101, "tag": "p", "text": "ともかく、どの業界でも、企画はあとで変更されますが、とりあえず企画の段階で、とりあえずの絵のような試作が必要です。たとえば、アニメ産業はそうなっています。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の1995年放映前の93年ごろの企画書では、スポンサー企業などに通す企画書の段階でもう、最終26話までの簡易なシナリオと(番組の次回予告などで使うメッセージの内容)、全部の放映回(全26話)に1枚ずつイメージイラストがあります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 102, "tag": "p", "text": "スポンサー企業などに持ち込み作品は、けっして「テレニアニメを作りたい! でも作品のシナリオは決まってない!」ではダメなのです。「このような作品を作ろうとしています! (ここで、絵つき・簡易シナリオつきの企画書をばーん!) この絵のアイデアを実現するには、お金がもっと必要です! 出資してください」でないと、企画がその段階で通らなくなるでしょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 103, "tag": "p", "text": "つまり、企画と言っても2段階あって、そもそも試作前の「どのような作品をこれから試作するか?」という制作チーム内での前半の企画と、試作ができたらスポンサー企業などに売り込み「このような作品を商業化したい! 出資してください!」みたいな企画の後半部の2段階がありそうです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 104, "tag": "p", "text": "なお、美大に進学するにしても、最低でも高校生1年生の期末テストを攻略できる程度の5教科の学力は必要でしょう。決して5教科が得意でなくてもいいので、少なくとも高校2年の終わりくらいまでは、学校の期末試験レベルで良いので5教科などもシッカリと真面目に勉強しておいて、そして絵の練習と両立できる範囲でいいので、せめて1年生の内容くらいは5教科を復習などで理解しておくと良いかもしれません。2年生になってからの復習でも良いので1年の内容を理解しておいてください(けっして丸暗記で切り抜けようとするのではなく)。", "title": "" }, { "paragraph_id": 105, "tag": "p", "text": "入試に小論文のある美大もあります。学力が低すぎると、小論文の質が下がりかねません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 106, "tag": "p", "text": "美大の小論文では、べつに学力アピールするための小論文を書く必要はありませんが(そもそも小論文のない入試形態の美大もある)、まあ常識的に高校の期末試験レベルは楽しく理解して勉強しておいてください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 107, "tag": "p", "text": "美大などに進学する場合でも、美大には美術教師になる教員免許のための課程もありますので、もし学力が低すぎると美術教師にはなれません。5教科の学力が低すぎると、たとえば教員採用試験に不合格になるかもしれません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 108, "tag": "p", "text": "仮に入試で小論文の無い美大でも、大学4年での卒業論文の存在を忘れてはいけません。べつに高校の時点で大学レベルの卒業論文が書ける必要は無いですが、そういう能力も将来的に必要になるという事は念頭においてください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 109, "tag": "p", "text": "なお、べつに勉強が得意でなくてもマジメに高校の勉強をしていれば、あとは美大の授業を普通にきちんと受けていれば、どの美大生も卒業論文を書けるレベルになるはずでしょうから、過度な心配はしなくて大丈夫です。(博士論文などとは違い、学部の卒業論文なんて、あまり大したものではありません。)", "title": "" }, { "paragraph_id": 110, "tag": "p", "text": "ともかく、こういう美大の事情もありますので、美大の入試の受験科目でも、美術の実技以外にも、英語(多くの私立美大の入試でほぼ英語が必須)および、国語の学力試験もあります。", "title": "" }, { "paragraph_id": 111, "tag": "p", "text": "大学によっては実技試験だけで入学できる入試形態をもつ美大もあるかもしれませんが、しかし大学である以上は、大学入学後に最低でも高校を卒業できる程度の学力が建前上は要求されます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 112, "tag": "p", "text": "高校の1~2年生でいきなり美大の学科試験に特化するよりも、まずはふつうに5教科および副教科(保健体育や情報科目や家庭科など)を期末試験レベルで良いので勉強しましょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 113, "tag": "p", "text": "受験の細かなことは、それぞれの高校3年あたりの進路相談や塾・予備校で聞いてください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 114, "tag": "p", "text": "上記の、職業・進路に関することでもありますが、業界によって用語の意味が違います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 115, "tag": "p", "text": "たとえば、同じ「デザイン」という言葉でも、業界によって意味がまったく違います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 116, "tag": "p", "text": "「デッサン」、「デザイン」、「スケッチ」、「パース」、「デザイナー」等、、・・・何でもいいですが、単語の発音・表記だけは流用していますが、しかし業界によって言葉の意味が微妙に違う場合もありますので、それぞれの進路志望先での用語の意味を確認しておいてください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 117, "tag": "p", "text": "具体的には、理科の「スケッチ」と美術の「スケッチ」は違います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 118, "tag": "p", "text": "「デザイナー」も、美術系のデザイナーと、ソフトウェア業界の「デザイナー」とでは、意味がまったく違います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 119, "tag": "p", "text": "パースも、建築のパースと、アニメのパースとは違います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 120, "tag": "p", "text": "「デッサン」は、たとえば美術のデッサンとは別に、日本ではマンガやアニメについての線画を描くための人体各部の比率の知見のことを「デッサン」と言います。たとえばアメリカンコミックス作家クリストファー・ハートの著書の日本語訳版『驚くほどかんたん 人体デッサン』では、アメコミ風の人体を描くためのコツとして、目と目のあいだは目1つぶんの説明とか、正面の顔の横幅は目5つぶんだとか、説明しています。", "title": "" }, { "paragraph_id": 121, "tag": "p", "text": "なお、このような人体各部比率の知識を「デッサン」と読んでいるのは日本語版だけであり、英語版『human anatomy made amazingly easy』ではドローイング drawing と呼んでいます。たとえば日本語版にある「頭部のデッサン」は、英語版では drawing the head です。", "title": "" }, { "paragraph_id": 122, "tag": "p", "text": "「美術」という言葉自体、アニメ業界では別の意味で使われます。アニメ業界では「美術」とは主に背景のことです。決してアニメ業界で美術史やら抽象アートやらが要求されているわけではないので、誤解なきよう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 123, "tag": "p", "text": "こういうふうに業界ごとの要求される能力が違うので、ひとくちで「画力」や「デッサン力」などと言っても、業界ごとに要求される「画力」などが違っていることも、商業などの実務ではありえます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 124, "tag": "p", "text": "高校レベルでは各業界の各論には入りませんし入れないので、各自で将来の志望に向けて、意味を確認しておいてください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 125, "tag": "p", "text": "なお、商業ポスターでも題字くらいはイラストレーターなどが手書きで書く場合などもありうるでしょうから、高校の文字手書きポスターの経験は、決してまったくの無駄にはなりません。そのような文字をイラストレーターがデザインするジャンルのことを「レタリング」や「デザイン文字」などと言います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 126, "tag": "p", "text": "同様、タッチペンなどコンピュータ機器を使わずに絵の具などで書いた経験も、決して、まったくの無駄にはなりません。", "title": "" }, { "paragraph_id": 127, "tag": "p", "text": "ただし、だからといって決して「授業で美術教師の言う通りに描いていればいい」などと思考停止せず、絵の仕事の実務 と 中高の美術教育の違い については「無知の知」として把握しておいてください。もし、目先の授業や、あるいは目先の美大受験などだけに目を捕らわれて、実務との違いについて無視をし続けていると、たとえば大学卒業後・専門学校卒業後などに商業デザイナーやイラストレーターなどを本業でもバイトでも目指す場合などに、就職活動などの前後の段階で、無視しつづけた実務と自分の想像(妄想)とのギャップの大きさで、精神的・肉体的に負担がキツくなってしまいます。", "title": "" }, { "paragraph_id": 128, "tag": "p", "text": "あるいは、もしかしたら就職活動の段階ですでに、実務を無視しつづけた結果として不採用などの不利益を味わう羽目になるでしょうか。たとえば、商業デザイナーの就職活動のための自作品の持ち込みで、もし抽象アートのような油絵を作品持ち込みで提示しても、特別な理由が無い限りは高確率で不採用になるだけだと思います。", "title": "" }, { "paragraph_id": 129, "tag": "p", "text": "目指す業界の実務については、実務などの仕事における現実を無視して逃げようとしても、業界の現実があなたを追いかけてくるだけです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 130, "tag": "p", "text": "高校の段階はまだ普通教育ですので、実務の勉強の深入りを避けるという意味で実務勉強を後回しにするのは構いませんが(高校の美術もそれを見越してか、実務には深入りしていない)、しかし多くの絵描きは、決して最終的に仕事では実務的なことからは逃げられません。(例外があるなら、トップクラスの芸術家として成功でもしない限りは。)", "title": "" }, { "paragraph_id": 131, "tag": "p", "text": "自分ひとりが実務的な手法に従うかどうかに関係なく、絵の業界の同業者や競合他社や注文者なども含めて、社会と多くの他人が実務で動いているのです。", "title": "" }, { "paragraph_id": 132, "tag": "p", "text": "", "title": "" }, { "paragraph_id": 133, "tag": "p", "text": "世の中には、絵画や音楽などの幾つかの分野で、アマチュアを名乗っているが、実際には業界人でありどこかのコンテンツ制作会社などに所属しているプロな人がいます。", "title": "アマチュアのフリしてる業界人にダマされないように" }, { "paragraph_id": 134, "tag": "p", "text": "プロの作家が趣味で自主制作をする場合、守秘義務やら制作会社のブランドイメージなどで、所属する会社や事務所などの名前を言えない人もいますので、察してあげましょう。彼らの自称「アマチュア」的な自己紹介を、決して真に受けてはいけません。", "title": "アマチュアのフリしてる業界人にダマされないように" }, { "paragraph_id": 135, "tag": "p", "text": "アニメ評論家の岡田斗司夫(としお)は2005年に、『プチクリ』という本を出し、プチ(小さい)・クリエイターの意味で、創作系業界のプロではないが(小売業とか飲食とか別業界で働いているとか)趣味で副業的に作品を作って発表しているクリエイターと言う意味の言葉をつくり、当時の流行を説明しました。", "title": "アマチュアのフリしてる業界人にダマされないように" }, { "paragraph_id": 136, "tag": "p", "text": "しかしその後、岡田は2012年あたりに、おおよそ(リーマンショックなどの)「不況によって、従来のペースでの創作活動をつづけるのが難しくなった元・プチクリの話をいくつも聞かされている。今はそういう時代になってしまった」という風な感じのことを何かの書籍で言いました。それが現実です。", "title": "アマチュアのフリしてる業界人にダマされないように" }, { "paragraph_id": 137, "tag": "p", "text": "次に述べることは、岡田は言ってない事ですが、裏を返せば、不況なのに自主制作がハイペースな人は、よほどの好待遇の職場で働いているのでないかぎり、まあそういう意味です。", "title": "アマチュアのフリしてる業界人にダマされないように" }, { "paragraph_id": 138, "tag": "p", "text": "長期的に副業で創作をするのは、不可能ではないですが、作りこみのされたセミプロ的な作品を週刊・月刊のようなペースで作るのは、かなり敷居(しきい)の高いことです。", "title": "アマチュアのフリしてる業界人にダマされないように" }, { "paragraph_id": 139, "tag": "p", "text": "また岡田とは別に、2008年ごろ当時のほかのアマチュア人気作家でも、本業の仕事との両立が難しくなり、2010年以降は創作の専業に転職したことを公言している作家も少なからずいます。", "title": "アマチュアのフリしてる業界人にダマされないように" }, { "paragraph_id": 140, "tag": "p", "text": "政治の選挙では、実質的には政党の支援を受けているのに、庶民派アピールとして軽視的にはどこの政党にも所属せずに、「無党派」「無所属」を名乗る立候補者も多くいます。", "title": "アマチュアのフリしてる業界人にダマされないように" }, { "paragraph_id": 141, "tag": "p", "text": "普通科高校のほかにも、「美術科」という専門学科をもつ美術高校があります。公立の美術高校が、各県にいくつかあります。", "title": "アニメ会社との提携高校" }, { "paragraph_id": 142, "tag": "p", "text": "アニメ会社の比較的に近くにある美術高校の公立校が、そのアニメ会社と提携している場合があり、講師などをその美術高校に派遣して講演などしている場合があります。", "title": "アニメ会社との提携高校" }, { "paragraph_id": 143, "tag": "p", "text": "それ以外の地方からアニメ業界に就職しようとする場合、アニメ会社などと提携している首都圏や地方都市(京都・大阪や名古屋など)の美術高校との、そういう地域の提携高校との競争になります。", "title": "アニメ会社との提携高校" }, { "paragraph_id": 144, "tag": "p", "text": "アニメ会社と提携していない場合、そもそもアニメ会社が近隣に無い地域という不利があります。アニメ会社の新人の賃金は、月あたり5万円以下が相場であり、アパートの家賃(5万円以上)が払えないという相場です。(親からの仕送りが無いと参入できない。)", "title": "アニメ会社との提携高校" }, { "paragraph_id": 145, "tag": "p", "text": "アニメ産業は地場産業(じばさんぎょう)です。", "title": "アニメ会社との提携高校" }, { "paragraph_id": 146, "tag": "p", "text": "仕送りが必要なので、断じて「裸一貫(はだかいっかん)で上京して・・・」という業界ではないです。裸だとアパートの入居資金が払えないので上京できません。", "title": "アニメ会社との提携高校" } ]
null
:※ 美大進学しなくても、どういうものかおおよそ、知っておきましょう。 :弁護士などにならなくても法科大学院とか司法試験とか、おおよその事を中高のどこかで習うでしょ? それと同じです。 === 進路に関すること === :※ 一般的に、ある程度の偏差値の高い高校では、美術1か美術2の最後で、美大の入試に向けて教師から概要を話します。(なお、音楽1・音楽2も同様) ;画塾・予備校に通い始める時期について もし美大を目指す場合、高校の美術1~美術3の授業だけでは不足しているので、美大受験対策に対応した画塾や、美術予備校などに通う必要があります。 大体、高校2年の後半からか、遅くとも高校3年から画塾・美術予備校に通い始めるのが、美大受験としては典型例として美術教師から紹介されるかもしれません。 たとえば、雑誌『芸術新潮』の2022年くらいの号で<ref>『芸術新潮 2022年 7月号』、新潮社、P.142 、『千住博の往復書簡 第48回』</ref>、日本画家の千住博が、美大志望の高校生に向けて、美大を目指すなら高校3年から美術予備校に通うのでも大丈夫と若者に説明しています(高校2年までは高校の期末テスト対策とかをしっかり勉強しろと千住は若者に教育している)。裏を返すと、高校3年になったら美術予備校に通い始めると有利でしょう。 小学生からの質問で、千住は下記のように答えています。 <blockquote> 『早くから美術の受験予備校に行くことはお勧めしません。受験生たちは緊張感や疲労感から絵が嫌いになってしまう人が多いからです。高校3年生になった時に、もう一度考えて、どうしても絵を職業にしたいとまだ思っていたら、それが美術の受験予備校に活き始める一番いい時です。』 </blockquote> ※ 以上、千住の回答の引用<ref>『芸術新潮 2022年 7月号』、新潮社、P.142</ref> ほか、千住は下記のように、絵以外のことも勉強しないと、何を描けばいいのか分からなくなるので、絵以外の勉強もするように述べています。下記に回答を引用しますが、ただし、下記の回答は小学生(義務教育中)に当てた回答なので、読者の高校生(もはや義務教育ではない)は高校用に自分でアレンジして解釈してください。 <blockquote> 『画家やデザイナーはいかに色々なことを学んでいるかが勝負です。まずは絵以外のさまざまな勉強をしてください。そうでないと、何を描いたらいいかすぐにわからなくなります。それに絵の好きな人は、勉強しないでも自然に絵のことは吸収しているものです。』 </blockquote> ※ 以上、千住の回答の引用<ref>『芸術新潮 2022年 7月号』、新潮社、P.142</ref> ただし、書籍『絵はすぐには上手くならない』によると、実際は多くの人が浪人して美大にようやく合格するのが2010年代でも実情のようです<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P34</ref>。 日本ではなくアメリカに目を移してみると、2006年の教育学の論文で、アメリカの大学入学共通試験(SAT)というペーパーテストの数学の成績の良い人ほど、芸術でも実勢をあげている人が多いという統計が知られています。[https://my.vanderbilt.edu/smpy/files/2013/02/DoingPsychScience2006.pdf David Lubinski and Camilla Persson Benbow『Study of Mathematically Precocious Youth After 35 Years』,2006 Association for Psychological Science, ] SATの難易度は、ちょうど日本の高校2年生くらいの教科書レベルでしかも数学なのに4択問題とかですので(なので、日本の中堅の公立高校の2年生の中間期末試験よりも、米国SATは簡単です)、上記のアメリカ教育学の論文は、ちょうど日本の千住の言っている教育論と似たような結果になります。 なお、日本では高校の理系コースで3年生では三角関数とかの微分積分を習いますが、アメリカでは基本的に大学で三角関数などの微分積分を習います(ただしアメリカの私立高校などでは、先取り学習として微分積分を習う場合もある)。高校3年の「世界史探求」とか「物理」とか、ああいうのも、アメリカでは大学以降です(世界史B時代ですが、スタンフォード大学の歴史学教授が世界各国の高校課程の歴史教科書を調べて、「日本の高校世界史(山川出版社の『詳説世界史B』)の教科書は、アメリカでは大学レベル」と評しています)。SATは2教科のテストで、英語(米国人にとっての国語)と数学だけのテストです。 なので、上記の論文では、数学のテストの成績と、大卒の芸術家らの業績との相関を見ているわけです。 もっとも、お金持ちほどテストの点も良ければ芸術教育にもお金を掛けられるので、必ずしもペーパーテストが芸術に直接に良い影響を与えるという因果関係があるかどうかは知りませんが、しかし少なくとも相関関係はあるというのが統計的事実です。(「疑似相関」でも、相関関係はあります。疑似相関で存在しないのは、相関関係ではなく因果関係です。) 自由の国アメリカでも、大学入学試験SATのペーパーテストに合格できないと美大にも音大にも進学できません。アメリカでSATに合格せずに行ける学校は、決して大学ではありません。 なお、フランスには「バカロレア」という大学入学資格試験があります。ドイツにも「アビトゥア」という大学入学資格試験があります。なので、「おフランス」妄想で現実逃避しないようにしましょう。なお、フランスのチップ大学軍はパリ大学ではなく、グランゼコールという大学(ユニベルシテ)とは別種の学校群です。フランスの大学というのは、日本でいう都道府県の公立名門高校のような重みの大学ですので、勘違いしないように。 そもそもフランスの近代以降の学制は、ナポレオン時代の富国強兵のための教育改革が元になっています。フランス革命によって封建制を破壊したフランスが、周辺のまだ封建諸国だったドイツやイタリアなどと対立して戦争をすることになりました。その戦争で、フランス軍は強かったので、なので周辺のドイツやイタリアやイギリスなどがあわててフランスを真似て、教育改革をしたのです。 日本も江戸時代、アヘン戦争でとなりの清(シン)国がイギリスに敗退して殖民地にさせられたのを見て、あわてて大政奉還や明治維新のような近代化をしたわけです。 明治の教育改革もその一環であり、日本の教育は富国強兵のために西洋式の科学教育および英語教育など外国語教育なども取り入れる必要があり、その派生として芸術教育も私学など金のある民間の学校を中心に西洋式の芸術教育が取り入れられたのです。 第二次世界大戦後の兵器でも、かつてのミラージュ戦闘機(なお令和の現代はラファール戦闘機)とかエグゾゼ・ミサイルとかを生産しているフランス国に、なんか変な空想的平和主義みたいな幻想を抱かないようにしましょう(日本には、令和のいまだにそういう勘違いをしている大人も多い)。なお、ドイツ国はレオパルド戦車や、ユーロファイター戦闘機(イギリス、ドイツ、イタリア、スペインの共同開発)、潜水艦などの技術を有しています。 {{コラム|外国の小中高の芸術教育の投入時間は貧しい| 余談ですが、フランスの小中学校には、ほとんど音楽の授業がありません<ref>[https://parisjuku.com/amenage/ ドメストル美紀 著『あまり知られていないフランスの教育制度 2 ――クラス・アメナジェについて』2023.07.10 ] 2023年12月06日に閲覧.</ref><ref>汐見稔幸 ほか編著『よくわかる教育原理』、ミネルヴァ書房、2012年2月20日 初版 第2刷 発行、前書き ii</ref>。なので、ネット上で、「フランスの小中高の芸術教育がすごい」とか海外かぶれを言ってる人は、インチキ人間です。なお、フランスの学校では、体育の授業もほとんどありません<ref>汐見稔幸 ほか編著『よくわかる教育原理』、ミネルヴァ書房、2012年2月20日 初版 第2刷 発行、前書き ii</ref>。 よくインチキ評論家が、「日本の小中高の教育のダメなところは、受験勉強ばかりしていて、芸術教育とかスポーツ教育をろくにしていない」とか大ウソをこきますが、実態は逆です。フランスのように海外のほうが、芸術教育とかスポーツ教育とかロクにしていなかったりもします。 あるいは国によっては外国の小中高では、授業は体育や芸術があっても、部活動を学校側が用意していなくて、民間のサービス(地域のスポーツクラブ)を使わざるを得ないような外国もあります。 たとえばドイツやイタリアの学校には基本、部活がありません<ref>[https://toyokeizai.net/articles/-/32384?page=3 高松平藏 著『第3回 ドイツの学校には部活がない? 』2014/03/06 6:00 ] 2023年12月07日に閲覧. </ref><ref>[https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/8234 『部活がないイタリアの高校生活 音楽教室にスポーツクラブ…課外活動が充実』] 2021.11.10 </ref>。 なお、イギリスには部活のような放課後活動があります<ref>[https://parkruna1013.hatenablog.com/entry/2019/02/24/224627 『イギリスの部活動事情』 2019.02.24, ] </ref><ref>[https://www.d-sidejp.com/ryugaku-post/2017/05/07/difference-ukjapan/ 『日本とイギリス学校の違い』2017.05.07]</ref>。なので、別に学校での部活が教育的に非効率とか見られているわけでもありません。 まあ、常識的に考えて、小中高の校舎にスポーツ設備とか音楽室とか美術室とかあるのですから、それを活用したほうが効率的でしょう。 なのにネット上には、インチキ人間が、イギリスに部活がある事を知らずに、知ったかぶりで「部活なんて非効率だから、これからの日本の部活は改革としてヨーロッパみたいに地域のクラブに移行すべきだ」とかタワゴトを言ったりもしますが、イギリスに喧嘩(けんか)を売ってることに気づかないそのインチキ人間こそが社会的にお荷物で非効率と言えるでしょう。今時パソコンのネット検索で簡単に調べられる外国の部活のありようすらも調べられない点も、社会のお荷物なので非効率な人間でしょう。 また、中国や韓国では、運動部はひとにぎりのスポーツエリートしか参加していません<ref>[https://synodos.jp/opinion/education/12417/ 中澤篤史 著『運動部活動は日本独特の文化である――諸外国との比較から』 2015.01.27] 2023年12月07日に閲覧.</ref>。 意外かもしれませんが、日本の小中高は、割と文武両道なのです。小中高での国数英理社と言った基本的な5教科と、スポーツや芸術教育などとの両立が、日本は比較的に高い程度で出来ているのです。 アメリカとか新しもの好きの国なので、国によっては小中高の芸術教育・スポーツ教育の内容が新しいかもしれませんが、しかし外国は欧米先進国でも必ずしも学校での芸術・スポーツの量が充実しているわけではないのです。 }} さて、読者の高校の話に戻ります。読者の地元にある近場で信頼できる美術予備校など、もし美大受験を目指すなら、美術教師から(できれば在学中に)教えてもらうと良いでしょう。 なお、美大卒の学歴が必要ないアニメ産業などに就職するつもりでも、アニメーターには最低限、中学卒業ていどの基礎学力が必要です。なぜなら、脚本や絵コンテなどの設計図が読めないと仕事にならないからです<ref>室井康夫 著『アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方 添削解説80例付き』、エクスカレッジ、2019年12月17日 初版 第1刷発行、P60</ref>。文系科目はもちろん、理系科目も、たとえば背景引きのスピードの理解や、動きの軌道の理解のためには、初歩的な算数・数学や物理の理解も必要です<ref>室井康夫 著『アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方 添削解説80例付き』、エクスカレッジ、2019年12月17日 初版 第1刷発行、P60</ref>。 上記の絵描き指導者たちの意見を合わせるなら、高校生は、事情がよく分からなければ、絵と両立できる範囲で、ふつうに高校の勉強もしていれば大丈夫だろうと思います。 要するに、勝手に「この科目は使わないから勉強しなくていいや」みたいなことは考えないようにして、ふつうに勉強しましょう。小中高のカリキュラムの前提になっている文科省の指導要領というのは、日本の偉い文科官僚や大学教授などの学者さんたち専門家が知恵を集めて作り上げた教育カリキュラムなので、少なくとも悪気はないわけですので、なるべく学校教育は(無批判で妄信してはいけないが)人生の参考にしたほうが得です。 ==== ;美大に進学すべきかどうか ==== 大企業などのデザイン部門は、美大などを卒業していないと就職が困難かもしれません。いわゆる「足切り」(あしきり)があります。いわゆる「学歴フィルター」として、美大卒または、かなりの大卒を要求しているかもしれません。 よほど特別な業績が無い限り(たとえば、少なくとも都道府県以上の規模の美術コンテストで大賞や上位の賞を取るとか)、高卒・専門学校卒では書類だけで就職が難しいかもしれません。 デザイナー志望など、高卒だと新卒採用枠への応募じたいが不可能という企業もあり、専門学校でもいいので進学しないと応募じたいが不可能という企業も多々あります。実際にゲーム会社などのデザイナー採用でも、そういう会社があります。 なお、俳優・映画業界でも役者などで、高卒だとオーディションの応募じたいが不可能という足切りをしている業界は多々ありました(現代はどうか知りません)。もし高卒を認めると、応募者が殺到して審査しきれないので、なので専門学校でもいいので足切りをするのです。もちろん、その分野に近い専門学校の必要があるしょう。つまり、調理師の専門学校とか看護の専門学校とかでは、デザイナー志望や役者志望に応募するのは、なかなか難しいと思います(志望先にも寄ると思います)。 なので、家庭に進学できるまでの資金力のない人は、特に若さの必要とする役者などの仕事には、ハナからその仕事につけない確率が高まります。ジャンルにも寄りますが、芸術・芸能にはカネが掛かります。「貧乏でも出来る」みたいな事を言っている人は、業界にも寄りますが、多くの業界ではインチキ人間でしょう。 多くの若者は専門学校に進学したところで役者になれませんが、しかしそもそもオーディションなどの応募じたいが専門学校に行かないと足切りされて制度的に不可能なので、その分野の若者はしかたなく専門学校に行くのです。その専門学校では、講師が、加齢などで一線をしりぞいた役者が講師をすることで、役者が二毛作(にもうさく)と言いますかそういう方法で儲けている、というビジネス・モデルです。 「芸術は爆発だ」の格言で有名な岡本太郎も、実家が金持ちです。戦前の時点でフランス留学できています。子供のころは[[w:慶應幼稚舎]]<ref>[https://www.lib.city.minato.tokyo.jp/yukari/j/man-detail.cgi?name=%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E5%A4%AA%E9%83%8E 『港区ゆかりの人物データベースサイト・人物詳細ページ (岡本太郎)』、2006] 2023年12月23日に閲覧.]</ref>や[[w:慶應義塾普通部]]にも通っています。 音楽の世界も、フォークソングの吉田拓郎はなんか凄い金持ちの家の子です。コミックバンドのドリフターズ(志村けんとか加藤茶とかのあのグループ)の仲本工事(芸人名)も大学の学歴が学習院大学です。(ドリフはお笑いグループでもありますが、音楽グループでもあります。彼らの自認でもそうです<ref>[https://bunshun.jp/articles/-/8757?page=2 笹山敬輔による仲本工事へのインタビュー『仲本工事 77歳 今だから語る「いかりやさんとの“バカ兄弟”が一番難しかった」』、文春オンライン、2018/09/02 ]</ref>。) そもそも芸術・芸能のアーティストは基本的に東京出身者(もしくは神奈川)が多いのです。 よく「大卒後の若いころ、親の仕送りを受けずに作品をつくった」とかアーティストは自己を喧伝(けんでん)して言ったりしますが、そもそも貧乏人とは親や弟・妹に仕送りをしないといけない側です。何を勘違いしているのか。 世間では、生まれが特に金持ちだ思われてないクリエイターも、調べてみると意外と高学歴だったり、東京出身だったりします。 ゲーム業界のポケモン(ポケットモンスター)の田尻智は東京出身でしかも国立(こくりつ)の高専出身です(高校とは別に高専という5年生の短大相当の学校があります)。マリオ(スーパーマリオブラザーズ)の宮本茂は公立大学の金沢美術工芸大学の出身です。 ドラゴンクエストの堀井雄二は早稲田大学卒です。ほか、ドラクエ(ドラゴンクエスト)のプログラマーの一人の内藤寛は高卒ですが、東京電機大学付属高校の出身です。 アニメ業界なら、『君の名は』の新海誠は長野県出身ですが、中央大学の文学部に進学できる家庭ですし、彼の親は土建業者の社長です。親は「稼業を継がせるつもりだった」と言うが<ref>週刊新潮 [https://www.dailyshincho.jp/article/2016/10120559/ 『「君の名は。」父が語る新海誠監督 “家業を継がせるつもりでした”』2016年10月12日 ]</ref>、一般人には継ぐ稼業なんてありません。 ほか、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督の庵野英明やキャラクターデザインの貞本義行は大卒で、私立の美大卒です。 ほか、ジブリの宮崎駿は学習院大卒で、親が兵器工場の社長で航空機を作っていた会社の社長の息子。ジブリの高畑勲は東大の仏文科です。 たとえ地方出身であっても、大学に進学できる程度の経済力は持っています。たとえ昭和は学費が今より安かったとしても、「貧乏人は浪人できない」、「金持ちはバイトしなくていい」、「弟の学費とか、稼がなくていい」とか、そういう背景があります。 何やら階級社会っぽいですが、これでも米英とくらべたらマシです。米英はもっと学費が高かったりするのです。米英はざっと、日本の2~3倍くらいの学費・教育費です。 今は減りましたが、マスコミでは、彼らが美大・音大を出てないだけで、ネット普及前の一昔前の広告業界などには、この手のクリエイターの経歴を隠して、あたかも彼らは何やら庶民階級に人々みたいに喧伝する人がいましたので、ダマされないようにしてください。せいぜい、彼らクリエイターは小中学が地元の公立だったくらいです。親が社長ではなくサラリーマンと言うだけで、たとえ仮に大企業や中堅企業のサラリーマンの出世筋とか、あるいは地元では給料の良い企業のサラリーマンであっても、庶民派みたいにメディアの周囲の人が持ち上げますが、まったく庶民でなかったりします。 作家に限らないですが、親が市役所の事務職とかの終身雇用であっても「親が低収入」とか言って庶民派ぶる自称・庶民家庭とか、偽善きわまれり。自衛隊とかならともかくさあ。 さて、絵の業界の話題に戻ります。もし絵の仕事に就職できたとしても終身雇用でない場合もあります。たとえば、数年ごとの契約期間中だけの契約かもしれません。 一方、漫画家やアニメーターなどは実力主義でしょう。しかし、ここでいう「実力」とはマンガそのもの、あるいはアニメの原画(げんが)そのものを作る能力なので、それと関係ない水彩画や絵の具がいくら上手くても評価されません。なお、漫画家はお話をつくる人でもあるので、絵だけが上手くでもプロになるのは難しいかもしれません。 ほか、アニメ業界やゲーム業界の絵描き志望者について、初心者はよく、キャラクターデザイナーを志望するという報告が書籍『絵はすぐには上手くならない』でされているのですが、しかしこの書籍『絵はすぐに(※以下略)』でも述べられているのですが、絵描き新人をいきなりキャラクターデザイナーに抜擢することはないのがゲーム業界およびアニメ業界です<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P129</ref>。 アニメ業界外のイラストレーターや3Dモデラーなど十分な絵描き仕事の経験者が場合によってはアニメのキャラクターデザインの仕事をすることはありますが、あるいはゲーム業界人でないアニメ業界のアニメーターがゲームのキャラクターデザインをするような場合もありえますが、しかし全くの絵描き新人のキャラクターデザインが採用されることは無いような業界がゲーム業界・アニメ業界です<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P129</ref>。 なお、ゲームイラストレーターもアニメーターも、芸術家ではありません。クレジットが出るので芸術家のようなものと勘違いする人がときどきいるのですが、しかし芸術家とは違い、チームで仕事をする能力が求められます<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P130</ref>。自己表現をしたいなら、個人や同人サークルで作品を作るとか、あるいは作品展があれば出品するなどの別の道を探しましょう<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P130</ref>。 このため、アニメーターを目指す人がイラスト専門学校を目指すと、やや授業内容が目標とは遠回りになる可能性もあります<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P130</ref>。イラストレーターとは違ってアニメーターは個性を押し出す仕事ではなく<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P130</ref>、また、他人のデザインしたキャラクターをさまざまな角度<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P130</ref>とポーズで描けるようにする必要があるからです。 もうひとつ、絵を動かすことが好きでないと<ref>室井康夫 著『アニメ私塾流 最高の絵と人生の描き方 添削解説80例付き』、エクスカレッジ、2019年12月17日 初版 第1刷発行、P61</ref>、アニメ業界への就職はつらいかもしれません。アニメ作品を見るのが好きとは違います。 個別の職業についてはこれ以上は立ち入りませんが、このように仕事では職業によって要求される能力が違います。 マンガとアニメとで、じつは絵の描き方はけっこう違っています。マンガの絵の描き方は、比較的に自由です。一方、アニメの絵の描き方は、比較的に不自由です。アニメは集団作業で制作する理由と、動画として破綻のない動きを書かないといけない理由などにより、絵の描き方に制限があるのです。 いっぽう、マンガの絵の自由/不自由については、ゼロ年代(2000~2010年あたり)ごろか、中学美術あたりの地域版(東北の某地方<!-- 宮城あたりらしい -->)の資料集に、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の作者インタビューが掲載されたことがあり、そのテーマに作者が答えたことがあります。ジョジョ作者の発言によると、マンガにおける絵の描き方は、比較的に自由のようです。ジョジョ作者が言うには <blockquote> 「絵画というのは、何をどのように描いても(えがいても)自由なものであるとは思います」 </blockquote> とのことです。 ほか、美術教科書には掲載されてない情報ですが、ネットなどで多くの漫画家の発言を見ると、日本の多くの漫画家たちは、マンガの絵の描き方を比較的に自由であると考えています。 しかし、商業アニメの絵の描き方については上述のように、マンガとは違って自由ではありません。ここでいう「商業アニメ」とは、美術科目以外も含めて検定教科書で紹介されるような作品でいえば、たとえば『君の名は』(新海アニメのほう)とかエヴァンゲリオンとかジブリ作品とかドラゴンボール(アニメ版)とか名探偵コナンとか(以下略。ほか多数)、・・・なども含みます。これらのアニメ作品の絵の描き方は、比較的に自由ではありません。 普段のテレビ番組や普通の映画館で見れない芸術アニメとは、商業アニメは絵の描き方が違います。 漫画家もアニメーターも、それぞれの職業の絵の描き方に、誇り(ほこり)を持っています。 :※ 編集者への注意: 1990年代の過去、今よりも美大卒がアニメーター就職・漫画家就職などに有利だと思われていた時代がありました(アニメ評論家の岡田斗司夫(元・東大講師でもある)の書籍などに証拠あり)。岡田の当時の予想とは、現実は違うという意味です。 :※ もっと言うと、どのジャンルでも通用する「基礎画力」なんて、もしかしたら存在しないかもしれません。なので、よく分からないうちは、あまり絵のジャンルを絞らずに、いろんなジャンルを練習しておくのが安全でしょう。 進路相談は高校3年にありますが、しかし他の子が小学生から練習を始めているジャンルで、いきなり自分だけが高校3年になってから始めても追いつくのは無理ですので、目指している絵の職業がある場合については、図書館(学校図書館はもちろん地元の図書館)やネットや書店などで軽くでいいので、就職までの傾向を調べてください。 というか、村上龍『13歳のハローワーク』(2010年ごろ)という子供むけの職業紹介の解説書があったのですが、きっと今時の中高では中2あたりの段階で将来の進路が実際にどうなっているか調べさせられると思います。もし、まだ高校になってもそういう課題を全くこなしてないなら、図書館などに「〇〇に(〇〇は職業名)なるには」的なタイトルで「ぺりかん社」(出版社名)から出ている本がありますが、他社からもそういう職業ガイド本が出ていると思いますが、ともかく地域の図書館のひとつに色々な仕事の実態を中高生むけに紹介した本が仕事別にあるはずなのが今時なので(もし市民図書館にも学校図書館にもどちらにも無ければ、少なくとも片方に購入リクエストして購入させてください。教育的に必要なので、後輩などのためにも図書館・図書室に入れるべき書籍です)、ともかく図書館なども活用して、イラストレーターだの漫画家だのを目指す人は、その仕事の実態がどうなっているかを新しめの本で確認してください。 ネットの情報は、プロ作家が発信している就職情報はその作家の専門分野ならそこそこ信用できますが(たとえば漫画家の情報発信なら、マンガ家への就職についての情報発信なら信頼性が高い)、決して素人や匿名(とくめい)掲示板だのの情報を真に受けてはいけません。 ==== 絵の自由とストーリーの自由とを混同しないように ==== 上記のマンガの「絵」が比較的に「自由」とは、あくまで絵だけの自由です。 商業マンガにおいて物語、ストーリー(物語 story)については、必ずしも自由ではありません(ただしアニメと比べたら、比較的に自由かもしれませんが)。具体的には「本屋やコンビニ(どのコンビニにもマンガ売り場がある)のようにマンガを流通させる市場に対する批判は原則、商業マンガでは出来ない」と、よく漫画家やマンガ評論家などに言われています。 なお、テレビの実写ドラマでもスポンサー企業のイメージを低下させるようなストーリーは制作が困難だと言われています。たとえばスポンサーが電話会社(NTTなど)や電話機をつくってる家電会社などの場合、推理サスペンス番組では、犯行の凶器に固定電話のケーブルを使うのは(つまり、電話ケーブルで被害者を絞殺(こうさつ)するような犯行を放映するのは)困難だと言われています。 ほか、商業マンガの多くは少なくとも年単位の連載作品なので、お話を自分で考えるにしろ他人の考えた話をマンガ絵にする仕事にしろ、その年単位の期間のあいだ作品を作りつづけられない人は不向きです。「気の向いた数日にだけマンガを描く(もしくはその数日だけ「アニメを作る」)」というのは、商業マンガでも商業アニメでも困難な仕事でしょう。 :※ 漫画やアニメに限らず、イラストレーターや画家などで生計を立てようとする場合でも、半年以上の年単位で作品づくりに専念する必要があります。土日だけに作品作りをするようなペースだと、背景なしのキャラ絵1枚で5000円~2万円くらいの相場なので、土日だけの製作だとよくて絵による収入は年収で十数万円のていどなので、生計を立てられません。(もし地方から上京して借家アパートを借りた場合、家賃だけでも最低でも月4万円以上です。よって家賃だけで年間48万円以上になるので、土日の製作だけでは食っていけません。) :なかば趣味で土日だけに作品づくりしてコヅカイ稼ぎや作品発表をしているアマチュア作家もいますが、その人には月曜~金曜には絵とは無関係の別の仕事があり、別の仕事でメインの収入を得ています。 美術という科目の都合上、絵の話に片寄りますが、じつは商業マンガでは物語をつくる仕事も必要であり重要です。 教科書に載るようなマンガは基本的にほぼすべてが商業マンガです。鉄腕アトムもドラゴンボールもドラエモンも、すべて商業マンガです。 べつに資本主義を賛美するような物語でなくても、そのマンガ作品を掲載する雑誌や単行本に値段をつけて本屋などを通して販売しており、少なくとも作家たちと編集スタッフの食い扶持としての商売としてマンガを描いていることに変わりないので、商業マンガです。 読者には当然のことかもしれません。「お前(wiki編集者)なんかに言われなくても分かるわい」とか「物語が重要って、常識だろ」とか読者の絵描き高校生は思うかもしれませんが、ですが、たとえアナタ個人はマンガ業界などの事情を分かっていたとしても、意外と世間の子供は分かってない可能性がありますし、大人でも分かっていない人はチラホラいます。現にネット上では、マンガ家やアニメーターの絵を、イラストレーターの絵と比較して、(マンガ家やアニメーターの絵を)「ヘタだ」とか批判している、業界の違いによる絵柄の違いすらもよく分かってない大人も多くいます。口先では「マンガでは物語が重要」とか言いながら、実際には絵柄ばかり見るような人とかチラホラいます。世間の人はべつにプロ編集者でも何でもないので、そういう見方しかできない人がいるのも仕方ありません。 で、基本的に商業マンガの多くでは物語性も必要です。そもそもマンガの特徴が、絵だけでなく文字もつかって物語を表現できる点です。このため商業マンガ家になろうとする場合、もし原作マンガを掲載するマンガ出版社への原稿持ち込みでは、読者ウケの良い物語を考えられないマンガ家志望者は掲載・連載をもらうのが難しくなるでしょう。そもそも、マンガ原稿の持ち込みの時点で、物語を考えられない人はマンガ1話ぶん(16ページや20ページ)の物語を考えられない時点で持ち込み原稿が完成しないので、持ち込みすら不可能になるかと思います(したがって、マンガ原作者としてはデビューできなくなってしまう)。 物語ではなく漫画の絵をえがく事に専念する「アシスタント」という仕事はありますが、基本的に原作者の下働きです。アシスタントの側が部下です。漫画家の側が雇い主です。このため「下働きはイヤだ」とか「自分の作品をつくることを優先したい」みたいな発想の人はアシスタント職になれないので、よほどマンガ絵が上手くて読者の需要にマッチしてない限りは、自分で読者ウケのいい物語を作れない限り、目標の漫画家と言う職業にはつけない可能性が高まるでしょう。 「物語を考えるのが苦手」ならまだしも、そもそも「物語を考えるのがキライ」とか「資本主義に毒された読者ウケの良い物語なんか考えたくない」とか考える若者・学生・無職などは、商業マンガ家以外の進路も考えたほうが安全かもしれません。どんなにマイナーなマンガ雑誌への持ち込みでも、最低限、編集を食わせるだけの売上をねらえるような作品の物語を作れそうにない人、そもそも編集を食わせる作品を作る気のない人は、マンガ雑誌でのデビューは困難です。自費出版などしか道が残されていません。電子出版などで自費出版の価格を抑えられる可能性のあるIT社会の現代ですが、しかし自費出版であることに変わりはないです。 ;「なりたいか」ではなく、プロ目標で創作を「やりつづけてきたか」「今後もやりつづけられそうか」 次に述べることは、もう1990年代後半あたりから、たとえばアニメ評論家で元アニメ会社社長の岡田斗司夫(としお)などによって文芸情報雑誌『ダヴィンチ』掲載記事で言われてた事なのですが、岡田の知人のマンガ編集者からの情報とのことだったか、マンガ家志望者の少なくない人が、持ち込み原稿がそもそも完成していない(ページ数不足とか、ペン入れしてないとか、用紙が違うとか)とか、そういう段階らしいです。なので岡田は、「(漫画家などに)なりたい人はなれない。」(すでに原稿を書くなど作品づくりを実際に)やってる人でないとなれないと(決して一言も「やればプロになれる」とは言ってません)、文芸情報雑誌『ダヴィンチ』でもう1990年代後半に述べています。それでも、未完成でもとりあえず作画に取り掛かっていればマシなほうで、そもそも作り始めていない自称・志望者すらも少なからずいるらしいです。2010年代以降のYouTubeでも岡田は似たような事を言ってますが、決して2010年代に言い始めたわけではなく、90年代から言われている事です。そして、文芸界隈でも受け入れられている事です。マンガに限らず小説出版社の界隈でも同様でしょう。 2010年以降の現代ですら、SNSなどでマンガ家や編集者などからも、似たような未完成原稿の投稿作・持ち込み作の情報が上がっています。 で、1990年代のダヴィンチにこういう話がもう書かれているので、そういう雑誌を読んでる90年代後半当時の高校教師が、進路指導などでこういう情報を教えるわけです。 別に「漫画家になるためにマンガを書け」とは言ってません。「(アナログにしろデジタルにしろ)ペン入れするレベルのマンガすらも書き始めても居ないのに、『マンガ家になりたい』とか読迷い事をほざくな」と進路指導などの前に教室全体に私立の進学校などでは言われるわけです(公立ではどうか知りません)。 昭和の戦後のマンガ追放運動みたいな時代ならともかく(手塚治虫すら運動家に本を焼かれた時代です)、1990年代以降のテレビに漫画家やアニメ監督も出ている時代に「家ではマンガを書かせてもらえなかった」と言うのは基本、通用しません(よほどの虐待家庭とかでないかぎり)。まして2020年代、美術教科書などで平成のマンガやアニメが紹介される時代です。 当時の文芸雑誌ダヴィンチでも、今時、マンガを書こうと思えば家で書けるでしょ、的なことは岡田によって指摘されていたと思います。(もしダヴィンチでは言ってなかったとしても、岡田はよく、そういう事を言います。) マンガ絵やアニメ絵の練習のための下書きなんて市販のノートとかエンピツ・消しゴムとか筆記用具があれば可能です。よほどの極貧家庭でないかぎり、練習できるでしょう。仮にノートが買えなくても、新聞と一緒に来る広告の裏とか、いろいろと手段はあります(今時は新聞を取ってない家も多いかもしれませんが)。 社会人になって25歳とか35歳とかすぎてこういう事をようやく知るのと(もしくは気づかないまま人生を終えるのと)、15歳とか17歳とかで中学高校でこういう事を知るのとで、人生は違ったものになるでしょう。 あ、上記のような事実に知らない・気づかないのは、決して学校が悪いのではなく、あなたの頭が悪いのでしょう。1990年代にもう言われている事だし、他の作家や雑誌編集者なども似たような事をSNSなどでよく言うので、気づかないのは無能です。 上述のようにマンガやアニメ絵の練習のための下書きなんてノートとかあれば可能だし、アナログ原稿のための漫画用ケント紙(マンガ用の原稿用紙)は文房具屋で普通に売っているので、決して(漫画家に)「なりたいか」や「やってみたいか」ではなく、実際に(マンガを描くというのをアナログにしろデジタルにしろ)「やってみたか」「今後もやれそうか」などが問われます。さらに自作を(決してアナタの好みの作風ではなく)プロの商品の品質に今後も近づけるために練習だのをしたいか、すでにプロ品質に近づける努力を始めているか、そして将来的に週刊・週間とか月刊とかのペースで定期的に成果物の納期を要求される仕事環境で「やりつづけたいか」とか「やりつづけられそうか」などが問われています。 マンガ出版社やアニメ会社などは、決して[[w:キッザニア]]とかの子供向け職業体験テーマパークのサービスではありませんので、単に体験してみたいだけなら、自分で勝手に4コマ漫画なり何なりを作って知人やネットにでも発表すればいいと思います。 ;企画は部分的に試作してから出す マンガ産業以外にも上記の考えを応用するなら、集団制作のコンテンツの会社などで、なにか企画を出すときは、試作をしてから企画を出すべきでしょう。分野によっては試作費用が高くなる場合、せめて身の回りの文房具などで作れる範囲でいいので試作を始めるべきでしょう。 たとえば演劇も多くの映画も、まずは脚本を試作します。 学校の美術だと1人の作業が多いのでこういう考えに至りにくいですが、しかし、学校でも演劇部とか音楽なんかだとこういう考えも必要でしょう。たとえば演劇部なら、部内で「既存のシナリオばかり演劇にしてたらツマラン! そうだ、部で新作を作ろう! 脚本も部で書こう!」とか企画を部に出すなら、その新作の脚本がとりあえず出来てから公演の企画を通しましょう。もし新作脚本が完成してないのに公演の企画まで通されたら、公演のための稽古を他の部員ができずに、大道具も小道具も制作できずに、スケジュールが遅れてしまいます。 脚本が完成しないうちは、次回の公演の作品は、学生演劇なら例年通りに既存のシナリオを公演していればいいのです。 ともかく企画は、簡易な試作が出来るまでは、企画を採用しないで保留するなど、そういう態度が必要かもしれません。 打合せでは一見よさそうに見えるアイデアでも、実際に試作をしてみたら欠点のたくさん見つかるアイデアなんてのもあります。とても簡易な試作でいいので、「じっさいに試作しながら企画の打ち合わせを深めていく」的な態度が必要です。 さて、仮に企画用の試作が完成して提出しても、とりあえずの企画なので、あとから変更されます。 漫画家だって、難度も原稿の試作(ネーム)の没(ボツ)を編集から、くらって、ネームを修正しています。 「漫画家になりたい! でも書きたい作品は決まってない! 私の企画を採用してくれたら作品を考えます!」ではなく、やるべきは「このマンガ作品を書きたい! ・・・(数週間経過) 書けた! この作品でお金を稼げたらいいなあ! そうだ漫画家になろうか!」みたいな思考の順序です。 岡田の文芸評論雑誌『ダヴィンチ』の評論でも、自称・原稿持ち込みで「漫画家になりたい! でも書きたい作品は決まってない! もし、あなたの出版社で私を採用してくれたら、これから内容を考えます!」みたいな人は漫画家になれないと90年代の時点でもう言われてます(マンガ出版社がそもそも完成原稿のない企画は、原則、受け付けません。応募規定として原稿の完成が規定されています)。 ともかく、どの業界でも、企画はあとで変更されますが、とりあえず企画の段階で、とりあえずの絵のような試作が必要です。たとえば、アニメ産業はそうなっています。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の1995年放映前の93年ごろの企画書では、スポンサー企業などに通す企画書の段階でもう、最終26話までの簡易なシナリオと(番組の次回予告などで使うメッセージの内容)、全部の放映回(全26話)に1枚ずつイメージイラストがあります。 スポンサー企業などに持ち込み作品は、けっして「テレニアニメを作りたい! でも作品のシナリオは決まってない!」ではダメなのです。「このような作品を作ろうとしています! (ここで、絵つき・簡易シナリオつきの企画書をばーん!) この絵のアイデアを実現するには、お金がもっと必要です! 出資してください」でないと、企画がその段階で通らなくなるでしょう。 つまり、企画と言っても2段階あって、そもそも試作前の「どのような作品をこれから試作するか?」という制作チーム内での前半の企画と、試作ができたらスポンサー企業などに売り込み「このような作品を商業化したい! 出資してください!」みたいな企画の後半部の2段階がありそうです。 === 美大入試の学力試験に向けて === なお、美大に進学するにしても、最低でも高校生1年生の期末テストを攻略できる程度の5教科の学力は必要でしょう。決して5教科が得意でなくてもいいので、少なくとも高校2年の終わりくらいまでは、学校の期末試験レベルで良いので5教科などもシッカリと真面目に勉強しておいて、そして絵の練習と両立できる範囲でいいので、せめて1年生の内容くらいは5教科を復習などで理解しておくと良いかもしれません。2年生になってからの復習でも良いので1年の内容を理解しておいてください(けっして丸暗記で切り抜けようとするのではなく)。 入試に小論文のある美大もあります。学力が低すぎると、小論文の質が下がりかねません。 美大の小論文では、べつに学力アピールするための小論文を書く必要はありませんが(そもそも小論文のない入試形態の美大もある)、まあ常識的に高校の期末試験レベルは楽しく理解して勉強しておいてください。 美大などに進学する場合でも、美大には美術教師になる教員免許のための課程もありますので、もし学力が低すぎると美術教師にはなれません。5教科の学力が低すぎると、たとえば教員採用試験に不合格になるかもしれません。 仮に入試で小論文の無い美大でも、大学4年での卒業論文の存在を忘れてはいけません。べつに高校の時点で大学レベルの卒業論文が書ける必要は無いですが、そういう能力も将来的に必要になるという事は念頭においてください。 なお、べつに勉強が得意でなくてもマジメに高校の勉強をしていれば、あとは美大の授業を普通にきちんと受けていれば、どの美大生も卒業論文を書けるレベルになるはずでしょうから、過度な心配はしなくて大丈夫です。(博士論文などとは違い、学部の卒業論文なんて、あまり大したものではありません。) ともかく、こういう美大の事情もありますので、美大の入試の受験科目でも、美術の実技以外にも、英語(多くの私立美大の入試でほぼ英語が必須)および、国語の学力試験もあります。 大学によっては実技試験だけで入学できる入試形態をもつ美大もあるかもしれませんが、しかし大学である以上は、大学入学後に最低でも高校を卒業できる程度の学力が建前上は要求されます。 高校の1~2年生でいきなり美大の学科試験に特化するよりも、まずはふつうに5教科および副教科(保健体育や情報科目や家庭科など)を期末試験レベルで良いので勉強しましょう。 受験の細かなことは、それぞれの高校3年あたりの進路相談や塾・予備校で聞いてください。 === ジャンルと用語 === 上記の、職業・進路に関することでもありますが、業界によって用語の意味が違います。 たとえば、同じ「デザイン」という言葉でも、業界によって意味がまったく違います。 「デッサン」、「デザイン」、「スケッチ」、「パース」、「デザイナー」等、、・・・何でもいいですが、単語の発音・表記だけは流用していますが、しかし業界によって言葉の意味が微妙に違う場合もありますので、それぞれの進路志望先での用語の意味を確認しておいてください。 具体的には、理科の「スケッチ」と美術の「スケッチ」は違います。 「デザイナー」も、美術系のデザイナーと、ソフトウェア業界の「デザイナー」とでは、意味がまったく違います。 パースも、建築のパースと、アニメのパースとは違います。 「デッサン」は、たとえば美術のデッサンとは別に、日本ではマンガやアニメについての線画を描くための人体各部の比率の知見のことを「デッサン」と言います。たとえばアメリカンコミックス作家クリストファー・ハートの著書の日本語訳版『驚くほどかんたん 人体デッサン』では、アメコミ風の人体を描くためのコツとして、目と目のあいだは目1つぶんの説明とか、正面の顔の横幅は目5つぶんだとか、説明しています<ref>クリストファー・ハート 著『驚くほどかんたん 人体デッサン』、グラフィック社、2008年5月25日 初版 第1刷 発行、P8、</ref>。 なお、このような人体各部比率の知識を「デッサン」と読んでいるのは日本語版だけであり、英語版『human anatomy made amazingly easy』ではドローイング drawing と呼んでいます。たとえば日本語版にある「頭部のデッサン」は、英語版では drawing the head です。 「美術」という言葉自体、アニメ業界では別の意味で使われます。アニメ業界では「美術」とは主に背景のことです<ref>成富ミヲリ『絵はすぐには上手くならない』、彩流社、2015年11月10日 初版 第二刷発行、P45</ref>。決してアニメ業界で美術史やら抽象アートやらが要求されているわけではないので、誤解なきよう。 こういうふうに業界ごとの要求される能力が違うので、ひとくちで「画力」や「デッサン力」などと言っても、業界ごとに要求される「画力」などが違っていることも、商業などの実務ではありえます。 高校レベルでは各業界の各論には入りませんし入れないので、各自で将来の志望に向けて、意味を確認しておいてください。 ==== 実務を無視し続けると、就活でツラくなる ==== なお、商業ポスターでも題字くらいはイラストレーターなどが手書きで書く場合などもありうるでしょうから、高校の文字手書きポスターの経験は、決してまったくの無駄にはなりません。そのような文字をイラストレーターがデザインするジャンルのことを「レタリング」や「デザイン文字」などと言います。 同様、タッチペンなどコンピュータ機器を使わずに絵の具などで書いた経験も、決して、まったくの無駄にはなりません。 ただし、だからといって決して「授業で美術教師の言う通りに描いていればいい」などと思考停止せず、絵の仕事の実務 と 中高の美術教育の違い については「無知の知」として把握しておいてください。もし、目先の授業や、あるいは目先の美大受験などだけに目を捕らわれて、実務との違いについて無視をし続けていると、たとえば大学卒業後・専門学校卒業後などに商業デザイナーやイラストレーターなどを本業でもバイトでも目指す場合などに、就職活動などの前後の段階で、無視しつづけた実務と自分の想像(妄想)とのギャップの大きさで、精神的・肉体的に負担がキツくなってしまいます。 あるいは、もしかしたら就職活動の段階ですでに、実務を無視しつづけた結果として不採用などの不利益を味わう羽目になるでしょうか。たとえば、商業デザイナーの就職活動のための自作品の持ち込みで、もし抽象アートのような油絵を作品持ち込みで提示しても、特別な理由が無い限りは高確率で不採用になるだけだと思います。 目指す業界の実務については、実務などの仕事における現実を無視して逃げようとしても、業界の現実があなたを追いかけてくるだけです。 高校の段階はまだ普通教育ですので、実務の勉強の深入りを避けるという意味で実務勉強を後回しにするのは構いませんが(高校の美術もそれを見越してか、実務には深入りしていない)、しかし多くの絵描きは、決して最終的に仕事では実務的なことからは逃げられません。(例外があるなら、トップクラスの芸術家として成功でもしない限りは。) 自分ひとりが実務的な手法に従うかどうかに関係なく、絵の業界の同業者や競合他社や注文者なども含めて、社会と多くの他人が実務で動いているのです。 == アマチュアのフリしてる業界人にダマされないように == 世の中には、絵画や音楽などの幾つかの分野で、アマチュアを名乗っているが、実際には業界人でありどこかのコンテンツ制作会社などに所属しているプロな人がいます。 プロの作家が趣味で自主制作をする場合、守秘義務やら制作会社のブランドイメージなどで、所属する会社や事務所などの名前を言えない人もいますので、察してあげましょう。彼らの自称「アマチュア」的な自己紹介を、決して真に受けてはいけません。 アニメ評論家の岡田斗司夫(としお)は2005年に、『プチクリ』という本を出し、プチ(小さい)・クリエイターの意味で、創作系業界のプロではないが(小売業とか飲食とか別業界で働いているとか)趣味で副業的に作品を作って発表しているクリエイターと言う意味の言葉をつくり、当時の流行を説明しました。 しかしその後、岡田は2012年あたりに、おおよそ(リーマンショックなどの)「不況によって、従来のペースでの創作活動をつづけるのが難しくなった元・プチクリの話をいくつも聞かされている。今はそういう時代になってしまった」という風な感じのことを何かの書籍で言いました。それが現実です。 次に述べることは、岡田は言ってない事ですが、裏を返せば、不況なのに自主制作がハイペースな人は、よほどの好待遇の職場で働いているのでないかぎり、まあそういう意味です。 長期的に副業で創作をするのは、不可能ではないですが、作りこみのされたセミプロ的な作品を週刊・月刊のようなペースで作るのは、かなり敷居(しきい)の高いことです。 また岡田とは別に、2008年ごろ当時のほかのアマチュア人気作家でも、本業の仕事との両立が難しくなり、2010年以降は創作の専業に転職したことを公言している作家も少なからずいます。 政治の選挙では、実質的には政党の支援を受けているのに、庶民派アピールとして軽視的にはどこの政党にも所属せずに、「無党派」「無所属」を名乗る立候補者も多くいます。 == アニメ会社との提携高校 == 普通科高校のほかにも、「美術科」という専門学科をもつ美術高校があります。公立の美術高校が、各県にいくつかあります。 アニメ会社の比較的に近くにある美術高校の公立校が、そのアニメ会社と提携している場合があり、講師などをその美術高校に派遣して講演などしている場合があります。 それ以外の地方からアニメ業界に就職しようとする場合、アニメ会社などと提携している首都圏や地方都市(京都・大阪や名古屋など)の美術高校との、そういう地域の提携高校との競争になります。 アニメ会社と提携していない場合、そもそもアニメ会社が近隣に無い地域という不利があります。アニメ会社の新人の賃金は、月あたり5万円以下が相場であり、アパートの家賃(5万円以上)が払えないという相場です。(親からの仕送りが無いと参入できない。) '''アニメ産業は地場産業'''(じばさんぎょう)です。 仕送りが必要なので、断じて「裸一貫(はだかいっかん)で上京して・・・」という業界ではないです。裸だとアパートの入居資金が払えないので上京できません。 == 脚注・参考文献 == {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1しんろにかんけいしそうなわたい}} [[Category:高校美術|しんろにかんけいしそうなわたい]]
2024-02-12T02:18:48Z
2024-03-25T12:39:10Z
[ "テンプレート:コラム" ]
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高等学校美術I/高校美術教育そのものについて
「自分は何を知っているか」だけでなく、「自分は何を知らないか?」という苦手分野の把握とか「どの程度知っていて、どの程度知らないのか」という習熟の程度の把握などの事を知るのも仕事などの集団作業では重要なことです。 こういうのを「無知の知」とか、あるいは心理学用語や教育学用語で「メタ認知」とも言います。 こういう「無知の知」のため、高校美術の欠点も把握しておきましょう。 高校の美術に関しては、下記のような内容が実務と比べると不足しているかもしれません。 ダンスとか演劇とか、日本では小中高の芸術教育に基本的に含まれないが、海外ではニュージーランドなど、ダンスや演劇を芸術教育として扱う国もある。ご参考に。 なお、ダンスは日本では体育で中学校カリキュラムにて扱っている。 日本では高校の芸術教育は音楽、美術、書道そして工芸からの選択となっているが、外国では音楽、美術、演劇という科目構成になっている国も多い。 日本の芸術教育は、国際的には、少し例外的なようである。 なお、日本の高等学校でも、「芸術総合」高校と名付けられている高校には、美術・音楽の専門科目だけでなく(美術IIではなく専門科目「ビジュアルデザイン」とか。音楽IIではなく専門科目「ソルフェージュ」とか)、演劇(「舞台表現」ともいう場合がある)の専門科目も存在している。 演劇の専門科目名は学校によって異なっているので、当ページでは説明を省略。 指導要領では、「演劇」の学科は定められていない。そのためか、演劇科の検定教科書というのは無い。 すでに公立高校に演劇の高校があるので、いちいちニュージランドを手本に「日本の高校教育にも演劇教育を輸入せねば!」とか模索する必要は無い。 小学校の図工や、中学・高校の美術の授業は、設備などの関係もあってか、コンピュータはあまり使いません。 例外として芸術系の高校でない限り、CG(コンピュータ・グラフィックス)の実習は、あまり習わないと思います(2次元絵・3次元絵とも)。なぜなら普通の中学・高校では、美術室などに専用コンピュータを用意できません。情報科目用のコンピュータ室はどこの高校にもあるでしょうが、しかし普通の高校のコンピュータ室では絵を描けるようにはなっていません。(たとえば一般的にコンピュータ室では、消しゴムや絵の具や液体などは厳禁のはずです。) タッチペンやペンタブレットなどのデバイスが多くの高校では用意できません。一般的な高校ではコンピュータ室も美術室も、タッチペンなどは全く用意していないだろうと思います。 なお、美術高校や芸術高校と言われる専門学科のある高校では、すでにペンタブレットを導入しています(しかも液晶ペンタブだったりする)。 設備の都合などで中学高校の美術ではコンピュータを使いませんが、しかし現代の商業イラストレーションの仕事の少なくない割合で(つまり、そこそこ多めの割合で)、コンピュータおよびタッチペン(またはペンタブレット)を使って制作されている作品も多々あることは念頭に入れておいてください。 ほか、美術の実習などでポスターなどを作る場合、高校側の設備の都合で、文字なども手書きで描いたりすることも多々ありますが、しかし校内に提示されている各種の学外制作のポスターの文字を観察すれば分かるように、商業ではポスターの文字は基本的にはコンピュータ用の書体を使います。 文字が変形している場合でも、すでに専用ソフトウェア(Adobe illustrator や inkscape など)に、ベクター形式のフォント文字を変形させて描画する機能があったりして、決していた絵描きがいちいちフォントを自作しているわけではありません。フォントも、無料のものから有料のものまで多くのものが存在しているので、いちいちフォントを作る機会は仕事ではあまり無いでしょう。 ほか、一見すると手描きのように見える題字でも、実はすでにデジタルフォントとして販売または配布されているものもあり、商業ポスターなどでは多く使われています。 ほか、ポスターが画像データの場合や、あるいは印刷する場合は問題ないのですが、webサイトでフォントを表示する場合、閲覧者側のコンピュータにインストールされていないフォントは表示されずに、別のフォントに置き換わったりします。 こういう事にも気を付ける必要があります。 ポスター中のフォントについては、ポスターごと画像(PNG画像など)にしてしまうのも手です。 題字デザインなどでよくあるミスのひとつとして、影の付けすぎがあります。 影をつけすぎると、読みづらくなります。私たちが文字を読むときは、文字の黒い部分だけでなく白い部分(または背景色の部分)も含めて、セットのイメージで覚えています。なので、その背景の部分に影が入り込むと、分かりづらくなるのです。 なお、美術としてイラストレーターが文字などを描くことを「レタリング」と言い、中学高校の美術教育でもレタリングとして分類されています。 世の中には、目に障害があって、色の区別ができない人がいて、そのような病気のことを色弱や色盲などと言います。 種類もあるのですが、たとえば赤と緑の区別ができないタイプや、それとは別に赤と黒との区別ができないタイプもあります。色弱・色盲には、P型とかD型とかのタイプがあります。 医学的な話を省略したいので、このような問題にどう対処すればいいのかというと、基本的には、色だけで情報を教えるのを避けるのが良いです。 色はヒント程度にしておいて、色を見なくても、文字でも情報が分かるようにするとか。 なお、赤と緑の区別がつかないといっても、明るさを変えることで、たとえば暗い赤と明るい緑とすれば、区別つきます。(明るい赤と暗い緑でも区別が可能) 「明度」(めいど)を知ってれば、明度に差をつけることで、色弱の対策になります。 スマホアプリなどで、色弱・色盲者にどう見えるかをシミュレーションして確認できるアプリもあります。 Adobe の Photoshop でも、すでにそういう色弱シミュレーション機能があります。 その他、デザインの常識として、余白があります。 ポスターに文字を描くときは、ちゃんと紙の外周部に余白(「マージン」ともいう)をつくる必要があります。 余白が無いと、文字が読みづらいです。余白の部分に画像が来てもいいですが、しかし文字は余白にはおかないようにしましょう。 本wikiの本ページでは美術1では中学の復習までしませんが、たとえば美術1で色相環を復習しています。 高校での色相環の内容は、中学美術とほぼ同じです。 水彩画や版画なども、すでに中学で習っているでしょうが、高校でも美術1の教科書などで、また習います。 高校で新しく習う可能性あるのは、もし美術3まで履修できるなら、高校3年生あたりで、もし油絵またはアクリル絵具でしょうか。いちおう、教科書会社のwebサイトでも油彩画の技法なども紹介しています。 しかし、ほとんどの普通科高校では、そもそも美術3までは「美術」科目が存在せす(美術1で終わりか、美術2で終わりの学校が多い)、普通科高校では、なかなか油絵・油彩画などを扱わないと思います。 2020年以降の現代、学科に美術科のある高校でないと、美術3の履修は、なかなか難しいと思います。 いちおう、美術1の検定教科書でも、目次を見れば、油絵の具や、アクリル絵の具、日本画の絵の具も紹介しています。しかし、普通の高校普通科の多くでは、油絵およびアクリル絵、日本画の実習は、まず行いません。 なお、普通科高校では、美術教科書の内容すべては、実習できません。大幅に時間不足です。美術1や美術2でもそうです。 「彫刻」とか美術1の目次にありますが、まず、やりません。やるとしたら、紙粘土などをつかった塑像(そぞう)でしょうか。 逆に、美術の検定教科書にはない七宝焼きとかでブローチとかの初歩的な工芸品を、もしかしたら美術2あたりで作るかもしれません。そういう高校もチラホラ聞きます。公表されてる学校だと、日大の付属高校がそう。芸術コースのない普通科高校でも、美術部用に購入でもされた七宝焼きの窯(かま)を普通科美術の授業にも流用したりなど。 「工芸」科目で使う七宝焼き窯を流用してるだけでは・・・と思うかもしれないが、しかし実は「工芸」科目を開設していない高校も多い。多くの高校が、中学でも習う美術・音楽・書道 の3つまでしか開設していなかったりするのが現実。だから美術高校または工業高校でないのに「工芸」の科目がある高校は、じつは設備のいい高校なのである。 もし七宝焼きを実習するとしたら、学年は美術2~美術3だろうか。なぜなら、本来なら美術科目ではなく工芸科目の内容なので(しかし実際は20世紀の昔から、七宝焼きが高校美術でも容認されているが)、選択必修の美術1で七宝焼きをやるのは、やや難しいかもしれないからである。 教科書会社の光村書店のサイトで、美術2の目次に「シルクスクリーン」とか「銅版画」とかあったが、まあ、多くの高校では、この実習は無理だろう。シルクスクリーンなどの実習の話をまず聞かない。 私立高校のサイトとか見ると、CG教育でAdobe(アドビ)のフォトショップとかイラストレーター(※ソフト名)とかその他のアドビソフトを使ってたりする。ほか、私学のICT機器の導入のアピール動画とか見ても、フォトショップとかアドビソフトが定番である。Adobeのソフトのセットは、まとめてでも販売されてて、Adobe Creative Suite (「CC」と略)とか Adobe creative suite (「CS」と略)とかで販売されているが、かなり高い。(学割や学校一括購入による値引きが効いているとはいえ、高値だろう。)Adobe CS をもし個人で買うと年間7万円以上とか、かなり高い。 公立の普通科高校に(および、農業高校や工業高校などの、美術高校以外の専門高校には)、そんなソフトのカネはないかもしれないので、公立だとそういうのは実習できないかも。 ※ 美術に限った話ではないですが、上述のITスキルの説明のついでに本ページで説明します。 生成AIについては、検定教科書には書かれていませんが、文科省が授業などへのAI活用を容認しています。 ただし、著作権などには注意してください。 なお、AIとは「人工知能」のことです。(※ 読者は「言わなくても分かるわい」と思うかもしれないが、じつは中学では2023年時点では「AI」の単語を習わない可能性があるので、念のため「AI」の意味を説明した。) 文科省によるAI利用のガイドラインのPDFでは、「透明性に関する懸念」として表しています。 現状、生成AIには権利問題などがあるため、作品の本体には組み込まないほうが安全かもしれません。アイデア出しなど、作品の前段階で非公開の段階でのみ限定的に使うとか。(ゲーム企業などはそうしています(つまり、作品本体には組み込まず、書類などにのみ生成AIによる生成イラストを使っている事例がある。) ) 不適切な活用例として、文科省は、 という悪例を上げています、 ほか、生成AIに対する生成の命令に、個人情報やプライバシーに関する情報などを入力してしまうと、AI・サーバーが個人情報を学習して覚えてしまうので、第三者が生成命令をしたときに個人情報が漏洩してしまう可能性があります。 文科省のPDFでも、その懸念を出しています。生成AIに個人情報などを入力してはいけません。 よく分からなければ、無理して生成AIを使う必要もありません。文科省は意訳「注意すれば、AIを使ってもいいよ」という感じのことを言ってるのにすぎず、決して「使え」なんて文科省は言っていません。
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"色はヒント程度にしておいて、色を見なくても、文字でも情報が分かるようにするとか。", "title": "高校美術で習わないかもしれないこと" }, { "paragraph_id": 33, "tag": "p", "text": "なお、赤と緑の区別がつかないといっても、明るさを変えることで、たとえば暗い赤と明るい緑とすれば、区別つきます。(明るい赤と暗い緑でも区別が可能)", "title": "高校美術で習わないかもしれないこと" }, { "paragraph_id": 34, "tag": "p", "text": "「明度」(めいど)を知ってれば、明度に差をつけることで、色弱の対策になります。", "title": "高校美術で習わないかもしれないこと" }, { "paragraph_id": 35, "tag": "p", "text": "スマホアプリなどで、色弱・色盲者にどう見えるかをシミュレーションして確認できるアプリもあります。", "title": "高校美術で習わないかもしれないこと" }, { "paragraph_id": 36, "tag": "p", "text": "Adobe の Photoshop でも、すでにそういう色弱シミュレーション機能があります。", "title": "高校美術で習わないかもしれないこと" }, { "paragraph_id": 37, "tag": "p", "text": "その他、デザインの常識として、余白があります。", "title": "高校美術で習わないかもしれないこと" }, { "paragraph_id": 38, "tag": "p", "text": "ポスターに文字を描くときは、ちゃんと紙の外周部に余白(「マージン」ともいう)をつくる必要があります。", "title": "高校美術で習わないかもしれないこと" }, { "paragraph_id": 39, "tag": "p", "text": "余白が無いと、文字が読みづらいです。余白の部分に画像が来てもいいですが、しかし文字は余白にはおかないようにしましょう。", "title": "高校美術で習わないかもしれないこと" }, { "paragraph_id": 40, "tag": "p", "text": "本wikiの本ページでは美術1では中学の復習までしませんが、たとえば美術1で色相環を復習しています。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 41, "tag": "p", "text": "高校での色相環の内容は、中学美術とほぼ同じです。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 42, "tag": "p", "text": "水彩画や版画なども、すでに中学で習っているでしょうが、高校でも美術1の教科書などで、また習います。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 43, "tag": "p", "text": "高校で新しく習う可能性あるのは、もし美術3まで履修できるなら、高校3年生あたりで、もし油絵またはアクリル絵具でしょうか。いちおう、教科書会社のwebサイトでも油彩画の技法なども紹介しています。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 44, "tag": "p", "text": "しかし、ほとんどの普通科高校では、そもそも美術3までは「美術」科目が存在せす(美術1で終わりか、美術2で終わりの学校が多い)、普通科高校では、なかなか油絵・油彩画などを扱わないと思います。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 45, "tag": "p", "text": "2020年以降の現代、学科に美術科のある高校でないと、美術3の履修は、なかなか難しいと思います。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 46, "tag": "p", "text": "いちおう、美術1の検定教科書でも、目次を見れば、油絵の具や、アクリル絵の具、日本画の絵の具も紹介しています。しかし、普通の高校普通科の多くでは、油絵およびアクリル絵、日本画の実習は、まず行いません。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 47, "tag": "p", "text": "なお、普通科高校では、美術教科書の内容すべては、実習できません。大幅に時間不足です。美術1や美術2でもそうです。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 48, "tag": "p", "text": "「彫刻」とか美術1の目次にありますが、まず、やりません。やるとしたら、紙粘土などをつかった塑像(そぞう)でしょうか。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 49, "tag": "p", "text": "逆に、美術の検定教科書にはない七宝焼きとかでブローチとかの初歩的な工芸品を、もしかしたら美術2あたりで作るかもしれません。そういう高校もチラホラ聞きます。公表されてる学校だと、日大の付属高校がそう。芸術コースのない普通科高校でも、美術部用に購入でもされた七宝焼きの窯(かま)を普通科美術の授業にも流用したりなど。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 50, "tag": "p", "text": "「工芸」科目で使う七宝焼き窯を流用してるだけでは・・・と思うかもしれないが、しかし実は「工芸」科目を開設していない高校も多い。多くの高校が、中学でも習う美術・音楽・書道 の3つまでしか開設していなかったりするのが現実。だから美術高校または工業高校でないのに「工芸」の科目がある高校は、じつは設備のいい高校なのである。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 51, "tag": "p", "text": "もし七宝焼きを実習するとしたら、学年は美術2~美術3だろうか。なぜなら、本来なら美術科目ではなく工芸科目の内容なので(しかし実際は20世紀の昔から、七宝焼きが高校美術でも容認されているが)、選択必修の美術1で七宝焼きをやるのは、やや難しいかもしれないからである。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 52, "tag": "p", "text": "教科書会社の光村書店のサイトで、美術2の目次に「シルクスクリーン」とか「銅版画」とかあったが、まあ、多くの高校では、この実習は無理だろう。シルクスクリーンなどの実習の話をまず聞かない。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 53, "tag": "p", "text": "私立高校のサイトとか見ると、CG教育でAdobe(アドビ)のフォトショップとかイラストレーター(※ソフト名)とかその他のアドビソフトを使ってたりする。ほか、私学のICT機器の導入のアピール動画とか見ても、フォトショップとかアドビソフトが定番である。Adobeのソフトのセットは、まとめてでも販売されてて、Adobe Creative Suite (「CC」と略)とか Adobe creative suite (「CS」と略)とかで販売されているが、かなり高い。(学割や学校一括購入による値引きが効いているとはいえ、高値だろう。)Adobe CS をもし個人で買うと年間7万円以上とか、かなり高い。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 54, "tag": "p", "text": "公立の普通科高校に(および、農業高校や工業高校などの、美術高校以外の専門高校には)、そんなソフトのカネはないかもしれないので、公立だとそういうのは実習できないかも。", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 55, "tag": "p", "text": "", "title": "中学で習った事も高校範囲です" }, { "paragraph_id": 56, "tag": "p", "text": "※ 美術に限った話ではないですが、上述のITスキルの説明のついでに本ページで説明します。", "title": "生成AIについて" }, { "paragraph_id": 57, "tag": "p", "text": "生成AIについては、検定教科書には書かれていませんが、文科省が授業などへのAI活用を容認しています。", "title": "生成AIについて" }, { "paragraph_id": 58, "tag": "p", 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== 高校美術で習わないかもしれないこと == === 基本 === 「自分は何を知っているか」だけでなく、「自分は何を知らないか?」という苦手分野の把握とか「どの程度知っていて、どの程度知らないのか」という習熟の程度の把握などの事を知るのも仕事などの集団作業では重要なことです。 こういうのを「無知の知」とか、あるいは心理学用語や教育学用語で「メタ認知」とも言います。 こういう「無知の知」のため、高校美術の欠点も把握しておきましょう。 高校の美術に関しては、下記のような内容が実務と比べると不足しているかもしれません。 === そのほか === ダンスとか演劇とか、日本では小中高の芸術教育に基本的に含まれないが、海外ではニュージーランドなど、ダンスや演劇を芸術教育として扱う国もある<ref>田中耕治 編『よくわかる教育課程 第2版』、ミネルヴァ書房、2018年2月28日 第2版 第1刷 発行、P.168 </ref>。ご参考に。 なお、ダンスは日本では体育で中学校カリキュラムにて扱っている。 日本では高校の芸術教育は音楽、美術、書道そして工芸からの選択となっているが、外国では音楽、美術、演劇という科目構成になっている国も多い<ref>[https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/479175.html 平田オリザ 著『「演劇を生かした教育」』 2023年02月07日 (火) ] 2023年12月03日に閲覧. </ref>。 日本の芸術教育は、国際的には、少し例外的なようである。 ;演劇の公立高校もある なお、日本の高等学校でも、「芸術総合」高校と名付けられている高校には、美術・音楽の専門科目だけでなく(美術IIではなく専門科目「ビジュアルデザイン」とか。音楽IIではなく専門科目「ソルフェージュ」とか)、演劇(「舞台表現」ともいう場合がある)の専門科目も存在している。 演劇の専門科目名は学校によって異なっているので、当ページでは説明を省略。 指導要領では、「演劇」の学科は定められていない。そのためか、演劇科の検定教科書というのは無い。 すでに公立高校に演劇の高校があるので、いちいちニュージランドを手本に「日本の高校教育にも演劇教育を輸入せねば!」とか模索する必要は無い。 === CG実習の授業の有無について、ほか === ==== 高校の実情 ==== 小学校の図工や、中学・高校の美術の授業は、設備などの関係もあってか、コンピュータはあまり使いません。 例外として芸術系の高校でない限り、CG(コンピュータ・グラフィックス)の実習は、あまり習わないと思います(2次元絵・3次元絵とも)。なぜなら普通の中学・高校では、美術室などに専用コンピュータを用意できません。情報科目用のコンピュータ室はどこの高校にもあるでしょうが、しかし普通の高校のコンピュータ室では絵を描けるようにはなっていません。(たとえば一般的にコンピュータ室では、消しゴムや絵の具や液体などは厳禁のはずです。) [[File:Wacom Pen-tablet.jpg|thumb|ペンタブレット]] タッチペンやペンタブレットなどのデバイスが多くの高校では用意できません。一般的な高校ではコンピュータ室も美術室も、タッチペンなどは全く用意していないだろうと思います。 なお、美術高校や芸術高校と言われる専門学科のある高校では、すでにペンタブレットを導入しています(しかも'''液晶ペンタブ'''だったりする)。 設備の都合などで中学高校の美術ではコンピュータを使いませんが、しかし現代の商業イラストレーションの仕事の少なくない割合で(つまり、そこそこ多めの割合で)、コンピュータおよびタッチペン(またはペンタブレット)を使って制作されている作品も多々あることは念頭に入れておいてください。 ほか、美術の実習などでポスターなどを作る場合、高校側の設備の都合で、文字なども手書きで描いたりすることも多々ありますが、しかし校内に提示されている各種の学外制作のポスターの文字を観察すれば分かるように、商業ではポスターの文字は基本的にはコンピュータ用の書体を使います。 文字が変形している場合でも、すでに専用ソフトウェア(Adobe illustrator や inkscape など)に、ベクター形式のフォント文字を変形させて描画する機能があったりして、決していた絵描きがいちいちフォントを自作しているわけではありません。フォントも、無料のものから有料のものまで多くのものが存在しているので、いちいちフォントを作る機会は仕事ではあまり無いでしょう。 ほか、一見すると手描きのように見える題字でも、実はすでにデジタルフォントとして販売または配布されているものもあり、商業ポスターなどでは多く使われています<ref>平本久美子 著『失敗しないデザイン』翔泳社、2020年7月15日 初版 第1刷発行、P53 や P144</ref>。 ほか、ポスターが画像データの場合や、あるいは印刷する場合は問題ないのですが、webサイトでフォントを表示する場合、閲覧者側のコンピュータにインストールされていないフォントは表示されずに、別のフォントに置き換わったりします<ref>瀧上園枝 著『やさしいデザインの教科書 改訂版』、エムディエヌコーポレーション、2018年4月21日 初版 第1刷発行、P77</ref>。 こういう事にも気を付ける必要があります。 ポスター中のフォントについては、ポスターごと画像(PNG画像など)にしてしまうのも手です。 題字デザインなどでよくあるミスのひとつとして、影の付けすぎがあります。 影をつけすぎると、読みづらくなります。私たちが文字を読むときは、文字の黒い部分だけでなく白い部分(または背景色の部分)も含めて、セットのイメージで覚えています。なので、その背景の部分に影が入り込むと、分かりづらくなるのです。 なお、美術としてイラストレーターが文字などを描くことを「レタリング」と言い、中学高校の美術教育でもレタリングとして分類されています<ref>山崎正明 著『美術の授業がもっとうまくなる50の技』、明治図書、2020年11月 初版 第4刷 刊、P26、</ref>。 ;配色 世の中には、目に障害があって、色の区別ができない人がいて、そのような病気のことを色弱や色盲などと言います。 種類もあるのですが、たとえば赤と緑の区別ができないタイプや、それとは別に赤と黒との区別ができないタイプもあります。色弱・色盲には、P型とかD型とかのタイプがあります<ref>間嶋 沙知 著『見えにくい、読みにくい「困った!」を解決するデザイン』、マイナビ、2022年11月30日 初版 第1刷 発行、P40</ref>。 医学的な話を省略したいので、このような問題にどう対処すればいいのかというと、基本的には、色だけで情報を教えるのを避けるのが良いです。 色はヒント程度にしておいて、色を見なくても、文字でも情報が分かるようにするとか。 なお、赤と緑の区別がつかないといっても、明るさを変えることで、たとえば暗い赤と明るい緑とすれば、区別つきます。(明るい赤と暗い緑でも区別が可能) 「明度」(めいど)を知ってれば、明度に差をつけることで、色弱の対策になります<ref>間嶋 沙知 著『見えにくい、読みにくい「困った!」を解決するデザイン』、マイナビ、2022年11月30日 初版 第1刷 発行、P55</ref>。 スマホアプリなどで、色弱・色盲者にどう見えるかをシミュレーションして確認できるアプリもあります<ref>間嶋 沙知 著『見えにくい、読みにくい「困った!」を解決するデザイン』、マイナビ、2022年11月30日 初版 第1刷 発行、P41</ref>。 Adobe の Photoshop でも、すでにそういう色弱シミュレーション機能があります。 その他、デザインの常識として、余白があります。 ポスターに文字を描くときは、ちゃんと紙の外周部に余白(「マージン」<ref>坂本伸二 著『デザイン入門教科書』、SBクリエイティブ、2015年7月30日 初版 第2刷 発行、P22</ref>ともいう)をつくる必要があります<ref>平本久美子 著『失敗しないデザイン』翔泳社、2020年7月15日 初版 第1刷発行、P148</ref><ref>坂本伸二 著『デザイン入門教科書』、SBクリエイティブ、2015年7月30日 初版 第2刷 発行、P22</ref>。 余白が無いと、文字が読みづらいです。余白の部分に画像が来てもいいですが、しかし文字は余白にはおかないようにしましょう。 == 中学で習った事も高校範囲です == 本wikiの本ページでは美術1では中学の復習までしませんが、たとえば美術1で色相環を復習しています<ref>[https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/k-bijutsu/04bi/point3 ポイント3 充実の巻末資料 | 令和4年度版 美術1 | 高等学校 美術 | 光村図書出版]</ref>。 高校での色相環の内容は、中学美術とほぼ同じです。 水彩画や版画なども、すでに中学で習っているでしょうが、高校でも美術1の教科書などで、また習います<ref>[https://www.nichibun-g.co.jp/textbooks/k-bi/2022_bi01_1/textbook/ 教科書|高校生の美術1|高等学校 美術/工芸|日本文教出版] 2023年9月22日に確認. </ref><ref>[ https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/k-bijutsu/04bi/07 目次 | 令和4年度版 美術1 | 高等学校 美術 | 光村図書出版 ] 2023年9月22日に確認.</ref>。 高校で新しく習う可能性あるのは、もし美術3まで履修できるなら、高校3年生あたりで、もし油絵またはアクリル絵具でしょうか。いちおう、教科書会社のwebサイトでも油彩画の技法なども紹介しています。 しかし、ほとんどの普通科高校では、そもそも美術3までは「美術」科目が存在せす(美術1で終わりか、美術2で終わりの学校が多い)、普通科高校では、なかなか油絵・油彩画などを扱わないと思います。 2020年以降の現代、学科に美術科のある高校でないと、美術3の履修は、なかなか難しいと思います。 :※ かつて1990年代、日本にまだ美術学科の高校が少ない時代があって、そういう時代だと普通科高校でも美術3や音楽3など履修できる自由度の高い高校も多かった時代もあったが、しかし2020年代以降の現代の普通科高校ではそういう履修は難しくなってしまった。 いちおう、美術1の検定教科書でも、目次を見れば、油絵の具や、アクリル絵の具、日本画の絵の具も紹介しています<ref>[https://www.nichibun-g.co.jp/textbooks/k-bi/2022_bi01_1/textbook/ 教科書|高校生の美術1|高等学校 美術/工芸|日本文教出版] 2023年9月22日に確認. </ref><ref>[ https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/k-bijutsu/04bi/07 目次 | 令和4年度版 美術1 | 高等学校 美術 | 光村図書出版 ] 2023年9月22日に確認.</ref>。しかし、普通の高校普通科の多くでは、油絵およびアクリル絵、日本画の実習は、まず行いません。 なお、普通科高校では、美術教科書の内容すべては、実習できません。大幅に時間不足です。美術1や美術2でもそうです。 「彫刻」とか美術1の目次にありますが、まず、やりません。やるとしたら、紙粘土などをつかった塑像(そぞう)でしょうか。 逆に、美術の検定教科書にはない七宝焼きとかでブローチとかの初歩的な工芸品を、もしかしたら美術2あたりで作るかもしれません。そういう高校もチラホラ聞きます。公表されてる学校だと、日大の付属高校がそう<ref>[https://www.inter-edu.com/blog/visit/school-visit/?p=6677 【日本大学高等学校・中学校】美術科の学び | eduスタッフ訪問記]</ref>。芸術コースのない普通科高校でも、美術部用に購入でもされた七宝焼きの窯(かま)を普通科美術の授業にも流用したりなど。 「工芸」科目で使う七宝焼き窯を流用してるだけでは・・・と思うかもしれないが、しかし実は「工芸」科目を開設していない高校も多い。多くの高校が、中学でも習う美術・音楽・書道 の3つまでしか開設していなかったりするのが現実。だから美術高校または工業高校でないのに「工芸」の科目がある高校は、じつは設備のいい高校なのである。 もし七宝焼きを実習するとしたら、学年は美術2~美術3だろうか。なぜなら、本来なら美術科目ではなく工芸科目の内容なので(しかし実際は20世紀の昔から、七宝焼きが高校美術でも容認されているが)、選択必修の美術1で七宝焼きをやるのは、やや難しいかもしれないからである。 教科書会社の光村書店のサイトで、美術2の目次に「シルクスクリーン」とか「銅版画」とかあったが<ref>[https://www.mitsumura-tosho.co.jp/kyokasho/k-bijutsu/30bi/mokuji 目次 | 現行版 美術2 | 高等学校 美術 | 光村図書出版 ] 2023年9月22日に確認/</ref>、まあ、多くの高校では、この実習は無理だろう。シルクスクリーンなどの実習の話をまず聞かない。 私立高校のサイトとか見ると、CG教育でAdobe(アドビ)のフォトショップとかイラストレーター(※ソフト名)とかその他のアドビソフトを使ってたりする。ほか、私学のICT機器の導入のアピール動画とか見ても、フォトショップとかアドビソフトが定番である。Adobeのソフトのセットは、まとめてでも販売されてて、Adobe Creative Suite (「CC」と略)とか Adobe creative suite (「CS」と略)とかで販売されているが、かなり高い。(学割や学校一括購入による値引きが効いているとはいえ、高値だろう。)Adobe CS をもし個人で買うと年間7万円以上とか、かなり高い。 公立の普通科高校に(および、農業高校や工業高校などの、美術高校以外の専門高校には)、そんなソフトのカネはないかもしれないので、公立だとそういうのは実習できないかも。 {{コラム|ソフトウェアの定額サービス化の傾向| むかし、ソフトウェアは1度買えば、壊れないかぎりは、ずっと使い続けることができる販売の形態が主流でした。 しかし近年、ネットサービスなどの多くは、利用期間の長さに応じてお金を払う定額制になっています。月額料金など、期間限定でまとめて料金を払う仕組みであり、これを「サブスクリプション」と言います<ref>[https://www.teikokushoin.co.jp/files/product1/06%E9%AB%98%20%E5%86%85%E5%AE%B9%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E8%B3%87%E6%96%99/06%E5%85%AC%E5%85%B1_%E5%86%85%E5%AE%B9%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E8%B3%87%E6%96%99.pdf 帝国書院『05新公共総合特色書.indd - 06公共_内容解説資料.pdf』 ]</ref>。 ::※ 高校の帝国書院の教科書では、ネットフリックスの写真が、サブスクのコラムで写っています。 Adobe の CC や CS の年額支払いもサブスクリプションです。 }} == 生成AIについて == ※ 美術に限った話ではないですが、上述のITスキルの説明のついでに本ページで説明します。 生成AIについては、検定教科書には書かれていませんが、文科省が授業などへのAI活用を容認しています。<ref>[https://www.mext.go.jp/a_menu/other/mext_02412.html 生成AIの利用について:文部科学省 ]</ref> ただし、著作権などには注意してください。 なお、AIとは「人工知能」のことです。(※ 読者は「言わなくても分かるわい」と思うかもしれないが、じつは中学では2023年時点では「AI」の単語を習わない可能性があるので、念のため「AI」の意味を説明した。) 文科省によるAI利用のガイドラインのPDFでは、「透明性に関する懸念」として表しています。<ref>[https://www.mext.go.jp/content/20230710-mxt_shuukyo02-000030823_003.pdf ⽂部科学省 初等中等教育局『初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン』、令和5年7⽉4⽇]</ref> 現状、生成AIには権利問題などがあるため、作品の本体には組み込まないほうが安全かもしれません。アイデア出しなど、作品の前段階で非公開の段階でのみ限定的に使うとか。(ゲーム企業などはそうしています(つまり、作品本体には組み込まず、書類などにのみ生成AIによる生成イラストを使っている事例がある。) ) 不適切な活用例として、文科省は、 『各種コンクールの作品やレポート・⼩論⽂などについて、⽣成AIによる⽣成物をそのまま⾃⼰の成果物として応募・提出すること(コンクールへの応募を推奨する場合は応募要項等を踏まえた十分な指導が必要)』 という悪例を上げています<ref>[https://www.mext.go.jp/content/20230710-mxt_shuukyo02-000030823_003.pdf ⽂部科学省 初等中等教育局『初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン』、令和5年7⽉4⽇]</ref>、 ほか、生成AIに対する生成の命令に、個人情報やプライバシーに関する情報などを入力してしまうと、AI・サーバーが個人情報を学習して覚えてしまうので、第三者が生成命令をしたときに個人情報が漏洩してしまう可能性があります。 文科省のPDFでも、その懸念を出しています。生成AIに個人情報などを入力してはいけません。 よく分からなければ、無理して生成AIを使う必要もありません。文科省は意訳「注意すれば、AIを使ってもいいよ」という感じのことを言ってるのにすぎず、決して「使え」なんて文科省は言っていません。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1こうこうひしゆつきよういくそのもの}} [[カテゴリ:高校美術|こうこうひしゆつきよういくそのもの]]
2024-02-12T02:24:45Z
2024-03-19T14:20:54Z
[ "テンプレート:コラム" ]
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高等学校美術I/作家・演者は鑑賞の時間が少ない件
鑑賞も、実はあまり高校生は鑑賞できません。(決して「鑑賞するな」とは言っていません。) 美術部の説明だと分かりづらいので、吹奏楽部を例に説明します。 吹奏楽部などの人は、実はあまり、他校など外部の作品を鑑賞していません。もし地域交流とかで公民館とかで土日に自校も参加する近隣校どうしの合同の公演会があれば他校の公演を鑑賞するものの、それ以外の日はふだんの稽古(けいこ)で忙しく、他校の鑑賞をできません。地域外だと、交通費も掛かってしまいますし。 土曜日・日曜日とかに地域主催の講演会がある場合、私立高校は日曜日に公演だったりします。これは私立だと土曜日には授業があるので公演できないし鑑賞もできないからです。土曜日に公演するのは、公立小学校・中学校といった土曜日が休日の学校の吹奏楽部の人たち、みたいな事もあります。 あるいは、地域主催で1週間の地域交流の芸術イベントがあっても、学生が鑑賞するのは土曜日・日曜日だけ、というのがマナーです。学生さんは平日の月~金曜日には授業があるのです。 1990年代後半の社会批評の漫画『ゴーマニズム宣言』で、大学生の学生運動団体がデモ行進を平日の月~金曜に企画・実行したのでマンガ作者が批判したのですが、(作中では上述のような理由は説明されていませんが)上述のような教育事情の背景があります。 児童福祉法などの規制により、大人たちは高校卒業以下の年齢の子供たちの学業を邪魔してはいけないのです。だから、マトモな団体や業界のイベントのスケジュール管理は、そういうのを考慮しています。 だからNHKテレビドラマの子供キャラの配役とかもそうです。声変わり前の小学生くらいの男子児童の役をドラマでは成人女性が演技したりとかにも、そういう法律的な背景もあります。民放はどうだか知りません。 余談ですが、(公民館以外の)民営のイベント会場とかのレンタルとかレンタル会議室とかのレンタルをする際(たとえば最低でも10万円とか掛かる)、土日は料金がかなり割高(1.5倍~2倍ほど行くか?)になります。 ただし公民館などは、どの市町村でも土日も平日も均一ですが、しかし決してカネさえ払えば誰でも使用できるわけではなく、イベント内容に制限がつきますし、基本的に地元民優先です。(たとえば一企業の就職説明会とかには、公民館は使えないと思います。) 公民館のレンタル料金を見ると、数千円とかの金額なので、ついつい会場レンタルの市場は安そうに誤解しますがが、しかし実は民間のイベント会場などの料金はじつは十万円以上とか普通に行きます。(一企業の就職説明会とかで外部イベント会場をレンタルする場合、民間の10万円以上の出費になり、かなり出費が痛い。) なので、土日にだけ高校で連れていかれる芸術鑑賞祭イベントを見さられる高校生は、じつはとても優遇されているのです。(もし民間のレンタル会場だと、土日は2倍価格で20万円だったりするのが普通) あ、この10万円の相場は、あくまで、余計な装飾品とか無い、単なるビル内の広間をレンタルとして貸し出しているようなレンタルイベント会場での相場に過ぎません。 もし、東京都心の高級ホテル(たとえばアメリカ大統領とか海外の来賓(らいひん)が来日したときに宿泊するようなホテル)などの広間をレンタルイベント会場として借りようとすると、調べた限りでは値段が見つからないのですが、たぶんもう数百万円とか掛かると思います まあ、土日のレンタルはともかく高いので、かといって平日の朝9時~午後5時までだと学生は授業で、サラリーマンは仕事でいけないので、なので平日の夜中にレンタル、というナイト時間帯のレンタル会場の市場もあります。 ただし、平日の昼間よりも割増です。 高校受験の学校説明会でも、「ナイト説明会」とかあります。土日の昼間にこれない人のため(子どもが行けても母親が行けなかったりする)、ナイト説明会というのがあり、だいたい午後6時~8時くらいのイベントです。 このナイト説明会も、外部のイベント会場を借ります。防犯上の問題があるので、夜中に学校に部外者を入れたくありません。あくまで、受験生はまだ部外者です。 なお、このナイト説明会は、私立高校の説明会でも、公民館とか借りれたりします(なので、優遇されている)。 ともかく、小中高の子供は、児童福祉法とかで、学業に専念できるように、かなり優先的に配慮されています。 学校行事とは別に追加で美術館を見に行く「体験」とか、優先順位は低いでしょう(どうしても見に活きたければ行けばいいと思いますが)。学校の修学旅行かなんかで東京にでも行ったときに美術館やら博物館やらに行けば十分でしょう。そもそも高校あたりで「芸術鑑賞債」という国からの補助金の出るイベントがすでに平成時代からあり、普通に公立学校の生徒でも教員に引率されて見に行ってます。 そもそも自治体の公民館とかが何のためにあるのか理解しているのでしょうか。あと、東京都の人がイラストレーター就職などに有利なのは、単に家賃を掛けずに職場に勤務できるから低賃金でも就職しやすいというダンピング構造なのであって、鑑賞の「体験」とかは関係ないですねえ。 日本の公立小学校とかにも、年に1回、地元の劇団とか楽団とか来て体育館などで公演するのを、その小学校の低学年の生徒児童が体育館で見させられると思いますが。最近は自治体は財政難なので様子はもしかしたら違うのかもしれませんが、少なくとも昭和の時代の日本の小学校はそうでした。朝鮮学校とかの非・一条校はどうか知りません。 ほか、田舎の戦後設立の私立学校が、昭和時代の創設当初に普通科ではなく美術科とか音楽科とか作っても生徒が集まらずに、仕方なく平成時代に改革して進学校になって今や道州内でも有名な進学校・受験校になった悲哀とか、美術館の「体験」とか言ってる偽善者には分からんのでしょう。
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鑑賞も、実はあまり高校生は鑑賞できません。(決して「鑑賞するな」とは言っていません。) 美術部の説明だと分かりづらいので、吹奏楽部を例に説明します。 吹奏楽部などの人は、実はあまり、他校など外部の作品を鑑賞していません。もし地域交流とかで公民館とかで土日に自校も参加する近隣校どうしの合同の公演会があれば他校の公演を鑑賞するものの、それ以外の日はふだんの稽古(けいこ)で忙しく、他校の鑑賞をできません。地域外だと、交通費も掛かってしまいますし。 土曜日・日曜日とかに地域主催の講演会がある場合、私立高校は日曜日に公演だったりします。これは私立だと土曜日には授業があるので公演できないし鑑賞もできないからです。土曜日に公演するのは、公立小学校・中学校といった土曜日が休日の学校の吹奏楽部の人たち、みたいな事もあります。 あるいは、地域主催で1週間の地域交流の芸術イベントがあっても、学生が鑑賞するのは土曜日・日曜日だけ、というのがマナーです。学生さんは平日の月~金曜日には授業があるのです。 1990年代後半の社会批評の漫画『ゴーマニズム宣言』で、大学生の学生運動団体がデモ行進を平日の月~金曜に企画・実行したのでマンガ作者が批判したのですが、(作中では上述のような理由は説明されていませんが)上述のような教育事情の背景があります。 児童福祉法などの規制により、大人たちは高校卒業以下の年齢の子供たちの学業を邪魔してはいけないのです。だから、マトモな団体や業界のイベントのスケジュール管理は、そういうのを考慮しています。 だからNHKテレビドラマの子供キャラの配役とかもそうです。声変わり前の小学生くらいの男子児童の役をドラマでは成人女性が演技したりとかにも、そういう法律的な背景もあります。民放はどうだか知りません。 余談ですが、(公民館以外の)民営のイベント会場とかのレンタルとかレンタル会議室とかのレンタルをする際(たとえば最低でも10万円とか掛かる)、土日は料金がかなり割高(1.5倍~2倍ほど行くか?)になります。 ただし公民館などは、どの市町村でも土日も平日も均一ですが、しかし決してカネさえ払えば誰でも使用できるわけではなく、イベント内容に制限がつきますし、基本的に地元民優先です。(たとえば一企業の就職説明会とかには、公民館は使えないと思います。) 公民館のレンタル料金を見ると、数千円とかの金額なので、ついつい会場レンタルの市場は安そうに誤解しますがが、しかし実は民間のイベント会場などの料金はじつは十万円以上とか普通に行きます。(一企業の就職説明会とかで外部イベント会場をレンタルする場合、民間の10万円以上の出費になり、かなり出費が痛い。) なので、土日にだけ高校で連れていかれる芸術鑑賞祭イベントを見さられる高校生は、じつはとても優遇されているのです。(もし民間のレンタル会場だと、土日は2倍価格で20万円だったりするのが普通) あ、この10万円の相場は、あくまで、余計な装飾品とか無い、単なるビル内の広間をレンタルとして貸し出しているようなレンタルイベント会場での相場に過ぎません。 もし、東京都心の高級ホテル(たとえばアメリカ大統領とか海外の来賓が来日したときに宿泊するようなホテル)などの広間をレンタルイベント会場として借りようとすると、調べた限りでは値段が見つからないのですが、たぶんもう数百万円とか掛かると思います まあ、土日のレンタルはともかく高いので、かといって平日の朝9時~午後5時までだと学生は授業で、サラリーマンは仕事でいけないので、なので平日の夜中にレンタル、というナイト時間帯のレンタル会場の市場もあります。 ただし、平日の昼間よりも割増です。 高校受験の学校説明会でも、「ナイト説明会」とかあります。土日の昼間にこれない人のため(子どもが行けても母親が行けなかったりする)、ナイト説明会というのがあり、だいたい午後6時~8時くらいのイベントです。 このナイト説明会も、外部のイベント会場を借ります。防犯上の問題があるので、夜中に学校に部外者を入れたくありません。あくまで、受験生はまだ部外者です。 なお、このナイト説明会は、私立高校の説明会でも、公民館とか借りれたりします(なので、優遇されている)。 ともかく、小中高の子供は、児童福祉法とかで、学業に専念できるように、かなり優先的に配慮されています。 学校行事とは別に追加で美術館を見に行く「体験」とか、優先順位は低いでしょう(どうしても見に活きたければ行けばいいと思いますが)。学校の修学旅行かなんかで東京にでも行ったときに美術館やら博物館やらに行けば十分でしょう。そもそも高校あたりで「芸術鑑賞債」という国からの補助金の出るイベントがすでに平成時代からあり、普通に公立学校の生徒でも教員に引率されて見に行ってます。 そもそも自治体の公民館とかが何のためにあるのか理解しているのでしょうか。あと、東京都の人がイラストレーター就職などに有利なのは、単に家賃を掛けずに職場に勤務できるから低賃金でも就職しやすいというダンピング構造なのであって、鑑賞の「体験」とかは関係ないですねえ。 日本の公立小学校とかにも、年に1回、地元の劇団とか楽団とか来て体育館などで公演するのを、その小学校の低学年の生徒児童が体育館で見させられると思いますが。最近は自治体は財政難なので様子はもしかしたら違うのかもしれませんが、少なくとも昭和の時代の日本の小学校はそうでした。朝鮮学校とかの非・一条校はどうか知りません。 ほか、田舎の戦後設立の私立学校が、昭和時代の創設当初に普通科ではなく美術科とか音楽科とか作っても生徒が集まらずに、仕方なく平成時代に改革して進学校になって今や道州内でも有名な進学校・受験校になった悲哀とか、美術館の「体験」とか言ってる偽善者には分からんのでしょう。
鑑賞も、実はあまり高校生は鑑賞できません。(決して「鑑賞するな」とは言っていません。) 美術部の説明だと分かりづらいので、吹奏楽部を例に説明します。 吹奏楽部などの人は、実はあまり、他校など外部の作品を鑑賞していません。もし地域交流とかで公民館とかで土日に自校も参加する近隣校どうしの合同の公演会があれば他校の公演を鑑賞するものの、それ以外の日はふだんの稽古(けいこ)で忙しく、他校の鑑賞をできません。地域外だと、交通費も掛かってしまいますし。 土曜日・日曜日とかに地域主催の講演会がある場合、私立高校は日曜日に公演だったりします。これは私立だと土曜日には授業があるので公演できないし鑑賞もできないからです。土曜日に公演するのは、公立小学校・中学校といった土曜日が休日の学校の吹奏楽部の人たち、みたいな事もあります。 あるいは、地域主催で1週間の地域交流の芸術イベントがあっても、学生が鑑賞するのは土曜日・日曜日だけ、というのがマナーです。学生さんは平日の月~金曜日には授業があるのです。 1990年代後半の社会批評の漫画『ゴーマニズム宣言』で、大学生の学生運動団体がデモ行進を平日の月~金曜に企画・実行したのでマンガ作者が批判したのですが、(作中では上述のような理由は説明されていませんが)上述のような教育事情の背景があります。 児童福祉法などの規制により、大人たちは高校卒業以下の年齢の子供たちの学業を邪魔してはいけないのです。だから、マトモな団体や業界のイベントのスケジュール管理は、そういうのを考慮しています。 だからNHKテレビドラマの子供キャラの配役とかもそうです。声変わり前の小学生くらいの男子児童の役をドラマでは成人女性が演技したりとかにも、そういう法律的な背景もあります。民放はどうだか知りません。 余談ですが、(公民館以外の)民営のイベント会場とかのレンタルとかレンタル会議室とかのレンタルをする際(たとえば最低でも10万円とか掛かる)、土日は料金がかなり割高(1.5倍~2倍ほど行くか?)になります。 ただし公民館などは、どの市町村でも土日も平日も均一ですが、しかし決してカネさえ払えば誰でも使用できるわけではなく、イベント内容に制限がつきますし、基本的に地元民優先です。(たとえば一企業の就職説明会とかには、公民館は使えないと思います。) 公民館のレンタル料金を見ると、数千円とかの金額なので、ついつい会場レンタルの市場は安そうに誤解しますがが、しかし実は民間のイベント会場などの料金はじつは十万円以上とか普通に行きます。(一企業の就職説明会とかで外部イベント会場をレンタルする場合、民間の10万円以上の出費になり、かなり出費が痛い。) なので、土日にだけ高校で連れていかれる芸術鑑賞祭イベントを見さられる高校生は、じつはとても優遇されているのです。(もし民間のレンタル会場だと、土日は2倍価格で20万円だったりするのが普通) あ、この10万円の相場は、あくまで、余計な装飾品とか無い、単なるビル内の広間をレンタルとして貸し出しているようなレンタルイベント会場での相場に過ぎません。 もし、東京都心の高級ホテル(たとえばアメリカ大統領とか海外の来賓(らいひん)が来日したときに宿泊するようなホテル)などの広間をレンタルイベント会場として借りようとすると、調べた限りでは値段が見つからないのですが、たぶんもう数百万円とか掛かると思います まあ、土日のレンタルはともかく高いので、かといって平日の朝9時~午後5時までだと学生は授業で、サラリーマンは仕事でいけないので、なので平日の夜中にレンタル、というナイト時間帯のレンタル会場の市場もあります。 ただし、平日の昼間よりも割増です。 高校受験の学校説明会でも、「ナイト説明会」とかあります。土日の昼間にこれない人のため(子どもが行けても母親が行けなかったりする)、ナイト説明会というのがあり、だいたい午後6時~8時くらいのイベントです。 このナイト説明会も、外部のイベント会場を借ります。防犯上の問題があるので、夜中に学校に部外者を入れたくありません。あくまで、受験生はまだ部外者です。 なお、このナイト説明会は、私立高校の説明会でも、公民館とか借りれたりします(なので、優遇されている)。 ともかく、小中高の子供は、児童福祉法とかで、学業に専念できるように、かなり優先的に配慮されています。 学校行事とは別に追加で美術館を見に行く「体験」とか、優先順位は低いでしょう(どうしても見に活きたければ行けばいいと思いますが)。学校の修学旅行かなんかで東京にでも行ったときに美術館やら博物館やらに行けば十分でしょう。そもそも高校あたりで「芸術鑑賞債」という国からの補助金の出るイベントがすでに平成時代からあり、普通に公立学校の生徒でも教員に引率されて見に行ってます。 そもそも自治体の公民館とかが何のためにあるのか理解しているのでしょうか。あと、東京都の人がイラストレーター就職などに有利なのは、単に家賃を掛けずに職場に勤務できるから低賃金でも就職しやすいというダンピング構造なのであって、鑑賞の「体験」とかは関係ないですねえ。 日本の公立小学校とかにも、年に1回、地元の劇団とか楽団とか来て体育館などで公演するのを、その小学校の低学年の生徒児童が体育館で見させられると思いますが。最近は自治体は財政難なので様子はもしかしたら違うのかもしれませんが、少なくとも昭和の時代の日本の小学校はそうでした。朝鮮学校とかの非・一条校はどうか知りません。 ほか、田舎の戦後設立の私立学校が、昭和時代の創設当初に普通科ではなく美術科とか音楽科とか作っても生徒が集まらずに、仕方なく平成時代に改革して進学校になって今や道州内でも有名な進学校・受験校になった悲哀とか、美術館の「体験」とか言ってる偽善者には分からんのでしょう。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1さつくかえんしやはかんしようのしかんかすくないけん}} [[カテゴリ:高校美術|さつくかえんしやはかんしようのしかんかすくないけん]]
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高等学校美術I/スケジュール管理
絵の練習法には色々とありますが、高校卒業後でも練習できる事は、高校卒業後に回しましょう。 高校在学中でないと実行が困難なのは、石膏デッサンや、人物デッサンなどです。 もし画塾などに行くと、短期間のコースでも数万円は掛かってしまいます。 名画の模写やマンガの模写などといった模写は、卒業後にも可能ですし、自宅の自室で可能です。なので高校卒業までは、家庭での絵の練習では、あまり模写に深入りしないようにしましょう。 「模写をするな」とは言いませんし、模写は勉強にもなりますが、しかし卒業後にいくらでも低価格で模写は可能なので、できれば模写練習は後回しにするほうが効率的です。よほど興味をそそらえた絵でない限り、模写はしなくていいでしょう。 古典名画の画集なども、近隣の図書館をいくつか回れば、たぶん置いてありますので、わざわざ在学中にあせって画集を読む必要もないと思います。 ただし、授業などで模写をする場合は、希望すれば教員からの指導を受けられる機会があったり、仮に教員から個別の指導が無くても校内での展覧などの機会もあったりして刺激になるので、その授業を受ける経験は決して無駄にはなりません。 校内の風景画は、卒業後は部外者立入禁止になるので実行が難しくなりますが、しかし、書籍の写真集などで美術家むけの学校背景などの写真集があるので(いくつかの書店で美術書のコーナーをさがせば、大体は売っています)、そういう写真集で同等の練習が低価格で可能です。 また、家の周囲の風景画は、卒業後にいくらでも書けるので(自宅が存在している限り。借金などで自宅を手放さないかぎり)、自宅のスケッチなどは卒業後で十分です。 ともかく、高校の在学中にしか出来ないことを優先しましょう。 たとえ大学進学しても、一般の大学には美術室は無いのです。仮に美術部の部室があっても、石膏像などは置けなかったりします。大学では、そもそも美術部があるかどうか、仮に美術部があっても専用の部室があるかどうかすら不明です。 美術Iまでしか履修しない高校の場合、石膏デッサンの授業を受けられない可能性がありますが、当wikiの知ったことではありません。そういう高校に進学したのは、あなたの意志ですので、あなたが今後どう絵と付き合うかと一緒に考えてください。あなたの地域にそういう教育カリキュラムの高校しかないとしても、それはあなたの地域の美術教育の限界ですので、ガマンしてください。 イラストレーターなどで、べつに石膏デッサンを高校在学中にしなくても、絵の上手い人はいます。また、デッサンの授業はすでに義務教育で、身の回りの小物デッサンとか、同級生の顔デッサンなど、ある程度は受けています(中学の授業では「デッサン」と呼んでなかったかもしれませんが、中学教師向けの美術教育書では、小中学校の美術実習であつかう身の回りの小物デッサンとかも「デッサン」に分類しています)。 美術Iまでしかなくて石膏デッサンの授業が受けられない高校の場合、そのぶん、他の教科の授業が多めに受けられているので、そういう利点もあります。すべての教育がそろった教育環境なんて、無いのです。 技法書や教本、美術史などを勉強するのも、後回しで、かまわないでしょう。なぜなら書籍を読むのは卒業後にも低価格で可能だからです。どこの地域の図書館にも、図書館をいくつか探せば、美術史の本や、美術技法書などはあります。無ければ、図書館に購入してもらえば済みます。仮に地元の市の図書館にその本がなくても、取り寄せなどが可能です。 本wikiを書くために多くの美術書がwiki編集者によって読まれましたが、高校生は決してそういった美術書をwikiの真似して読む必要はありません。高校生は、実際に校内で絵を描くことを優先し、美術科の教員に絵を見てもらうことを優先してください。
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== スケジュール管理など == 絵の練習法には色々とありますが、高校卒業後でも練習できる事は、高校卒業後に回しましょう。 高校在学中でないと実行が困難なのは、石膏デッサンや、人物デッサンなどです。 もし画塾などに行くと、短期間のコースでも数万円は掛かってしまいます。 名画の模写やマンガの模写などといった模写は、卒業後にも可能ですし、自宅の自室で可能です。なので高校卒業までは、家庭での絵の練習では、あまり模写に深入りしないようにしましょう。 「模写をするな」とは言いませんし、模写は勉強にもなりますが、しかし卒業後にいくらでも低価格で模写は可能なので、できれば模写練習は後回しにするほうが効率的です。よほど興味をそそらえた絵でない限り、模写はしなくていいでしょう。 古典名画の画集なども、近隣の図書館をいくつか回れば、たぶん置いてありますので、わざわざ在学中にあせって画集を読む必要もないと思います。 ただし、授業などで模写をする場合は、希望すれば教員からの指導を受けられる機会があったり、仮に教員から個別の指導が無くても校内での展覧などの機会もあったりして刺激になるので、その授業を受ける経験は決して無駄にはなりません。 校内の風景画は、卒業後は部外者立入禁止になるので実行が難しくなりますが、しかし、書籍の写真集などで美術家むけの学校背景などの写真集があるので(いくつかの書店で美術書のコーナーをさがせば、大体は売っています)、そういう写真集で同等の練習が低価格で可能です。 また、家の周囲の風景画は、卒業後にいくらでも書けるので(自宅が存在している限り。借金などで自宅を手放さないかぎり)、自宅のスケッチなどは卒業後で十分です。 ともかく、高校の在学中にしか出来ないことを優先しましょう。 たとえ大学進学しても、一般の大学には美術室は無いのです。仮に美術部の部室があっても、石膏像などは置けなかったりします。大学では、そもそも美術部があるかどうか、仮に美術部があっても専用の部室があるかどうかすら不明です。 美術Iまでしか履修しない高校の場合、石膏デッサンの授業を受けられない可能性がありますが、当wikiの知ったことではありません。そういう高校に進学したのは、あなたの意志ですので、あなたが今後どう絵と付き合うかと一緒に考えてください。あなたの地域にそういう教育カリキュラムの高校しかないとしても、それはあなたの地域の美術教育の限界ですので、ガマンしてください。 イラストレーターなどで、べつに石膏デッサンを高校在学中にしなくても、絵の上手い人はいます。また、デッサンの授業はすでに義務教育で、身の回りの小物デッサンとか、同級生の顔デッサンなど、ある程度は受けています(中学の授業では「デッサン」と呼んでなかったかもしれませんが、中学教師向けの美術教育書では、小中学校の美術実習であつかう身の回りの小物デッサンとかも「デッサン」に分類しています)。 美術Iまでしかなくて石膏デッサンの授業が受けられない高校の場合、そのぶん、他の教科の授業が多めに受けられているので、そういう利点もあります。すべての教育がそろった教育環境なんて、無いのです。 技法書や教本、美術史などを勉強するのも、後回しで、かまわないでしょう。なぜなら書籍を読むのは卒業後にも低価格で可能だからです。どこの地域の図書館にも、図書館をいくつか探せば、美術史の本や、美術技法書などはあります。無ければ、図書館に購入してもらえば済みます。仮に地元の市の図書館にその本がなくても、取り寄せなどが可能です。 本wikiを書くために多くの美術書がwiki編集者によって読まれましたが、高校生は決してそういった美術書をwikiの真似して読む必要はありません。高校生は、実際に校内で絵を描くことを優先し、美術科の教員に絵を見てもらうことを優先してください。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1すけしゆうるかんり}} [[Category:高校美術|すけしゆうるかんり]]
2024-02-12T02:30:39Z
2024-03-19T13:55:47Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%BE%8E%E8%A1%93I/%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%AE%A1%E7%90%86
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Fortran 2003
Fortran 2003 はFortranの標準です。この本は現代のFortranに焦点を当て、Fortran 77やそれ以前の標準の古い機能には触れません。 以下はFortranでのHello Worldプログラムです。 "implicit none" 文は、すべての変数を宣言するようにプログラマーに強制し、良いスタイルと考えられています。Fortranには整数、文字、実数、複素数、論理型のデータ型があります。以下のプログラムはそれらの使用法を示しています。 Fortranには、加算(+), 減算(-), 除算(/), 乗算(*), および冪乗(**)の算術演算子があります。次のプログラムの出力は次のとおりです。 Fortran 90以降のバージョンでは、配列の強力な機能があります。次のプログラムは配列のいくつかの機能を示しています。デフォルトでは、配列要素はCやC++のように0ではなく1から番号付けされます。 Fortranでは、反復のためにdoループを使用します。たとえば、次のプログラムは次の出力を生成します。 最初のループでは、変数iは1から3までの値を取り、ステップサイズは1です。2番目のループではステップサイズが2です。ループを完了した後、iの値はループを終了する前の最後の値にステップサイズを加えたものです。 Fortranには、<、<=、/=、==、>=、>などの比較演算子があります。/= は「等しくない」を意味し、他の演算子は通常の意味を持ちます。次のプログラムは次の出力を生成します。 カウンター変数のないDOループを持つことができます。この場合、EXIT文がループを抜けるために必要になります。以下のプログラムで示されているように。 max_fibをパラメーターとして宣言すると、その値はプログラムの残りの部分で変更できなくなります。 ループをネストすることができます。次のプログラムで示されているように。 関数は、0個以上の引数に依存して値を返すために使用できます。以下のコードは、華氏度から摂氏度への変換を行う関数を示しています。 サブルーチンは式で使用することはできず、call文で呼び出されます。以下のプログラムで示されているように、同じ出力を生成します。
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Fortran 2003 はFortranの標準です。この本は現代のFortranに焦点を当て、Fortran 77やそれ以前の標準の古い機能には触れません。
'''Fortran 2003''' はFortranの標準です。この本は現代のFortranに焦点を当て、Fortran 77やそれ以前の標準の古い機能には触れません。 == Hello World == 以下はFortranでのHello Worldプログラムです。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program hello implicit none write (*,*) "Hello, world." end program hello </syntaxhighlight> "implicit none" 文は、すべての変数を宣言するようにプログラマーに強制し、良いスタイルと考えられています。Fortranには整数、文字、実数、複素数、論理型のデータ型があります。以下のプログラムはそれらの使用法を示しています。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program data_types implicit none integer :: i real :: x logical :: tf complex :: z i = 3 x = 3.0 z = (3.0,3.0) tf = .true. write (*,*) "i =",i," x =",x," z =",z," tf = ",tf end program data_types </syntaxhighlight> ;出力:<syntaxhighlight lang=text> i = 3 x = 3. z = (3.,3.) tf = T </syntaxhighlight> == 算術演算子 == Fortranには、加算(+), 減算(-), 除算(/), 乗算(*), および冪乗(**)の算術演算子があります。次のプログラムの出力は次のとおりです。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program xx implicit none write (*,*) 2+3,2-3,2/3,4*3,2**3 end program xx </syntaxhighlight> ;出力:<syntaxhighlight lang=text> 5 -1 0 12 8 </syntaxhighlight> == 配列 == Fortran 90以降のバージョンでは、配列の強力な機能があります。次のプログラムは配列のいくつかの機能を示しています。デフォルトでは、配列要素は[[C言語|C]]や[[C++]]のように0ではなく1から番号付けされます。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program xarray ! 配列コンストラクターと組み込み関数をデモする implicit none integer, parameter :: n = 3 integer :: vec(n) vec = (/9,4,1/) ! vec(1)を9、vec(2)を4、vec(3)を1に設定する write (*,*) "vec = ",vec ! vecの各要素を出力する write (*,*) "vec(1) = ",vec(1),", vec(3) =",vec(3) ! 1番目と3番目の要素を出力する write (*,*) "size(vec), sum(vec), product(vec) = ", & size(vec), sum(vec), product(vec) write (*,*) "minval(vec), maxval(vec) = ",minval(vec),maxval(vec) vec = vec + 2 ! vecの各要素に2を加える write (*,*) "vec = ",vec ! vecの各要素を出力する vec = vec**2 ! vecの各要素を2乗する write (*,*) "vec = ",vec ! vecの各要素を出力する end program xarray </syntaxhighlight> ;出力:<syntaxhighlight lang=text> vec = 9 4 1 vec(1) = 9 , vec(3) = 1 size(vec), sum(vec), product(vec) = 3 14 36 minval(vec), maxval(vec) = 1 9 vec = 11 6 3 vec = 121 36 9 </syntaxhighlight> == ループ == Fortranでは、反復のためにdoループを使用します。たとえば、次のプログラムは次の出力を生成します。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program xloop implicit none integer :: i do i=1,3 write (*,*) i,i**2 end do write (*,*) "i=",i do i=1,4,2 write (*,*) i end do write (*,*) "i=",i end program xloop </syntaxhighlight> ;出力:<syntaxhighlight lang=text> 1 1 2 4 3 9 i= 4 1 3 i= 5 </syntaxhighlight> 最初のループでは、変数iは1から3までの値を取り、ステップサイズは1です。2番目のループではステップサイズが2です。ループを完了した後、iの値はループを終了する前の最後の値にステップサイズを加えたものです。 === 比較演算子 === Fortranには、<、<=、/=、==、>=、>などの比較演算子があります。/= は「等しくない」を意味し、他の演算子は通常の意味を持ちます。次のプログラムは次の出力を生成します。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program xcompare implicit none write (*,*) 1<0,1<=0,1==0,1/=0,1>=0,1>0 end program xcompare </syntaxhighlight> ;出力:<syntaxhighlight lang=text> F F F T T T </syntaxhighlight> === do === カウンター変数のないDOループを持つことができます。この場合、EXIT文がループを抜けるために必要になります。以下のプログラムで示されているように。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program xfibonacci ! max_fibまでのフィボナッチ数を出力する implicit none integer, parameter :: max_fib = 10 integer :: i,fib,fib1,fib2 i = 0 fib = 0 fib1 = 0 fib2 = 0 write (*,*) "Fibonacci numbers <= ",max_fib do if (fib > max_fib) exit write (*,*) fib i = i + 1 if (i > 1) then fib = fib1 + fib2 else fib = 1 end if fib2 = fib1 fib1 = fib end do end program xfibonacci </syntaxhighlight> max_fibをパラメーターとして宣言すると、その値はプログラムの残りの部分で変更できなくなります。 === ネストされたループ === ループをネストすることができます。次のプログラムで示されているように。 :<syntaxhighlight lang=fortran> program xnest implicit none integer :: i,j do i=1,3 do j=1,2 write (*,*) "i,j=",i,j end do end do end program xnest </syntaxhighlight> ;出力:<syntaxhighlight lang=text> i,j= 1 1 i,j= 1 2 i,j= 2 1 i,j= 2 2 i,j= 3 1 i,j= 3 2 </syntaxhighlight> == 関数と戻り値 == 関数は、0個以上の引数に依存して値を返すために使用できます。以下のコードは、華氏度から摂氏度への変換を行う関数を示しています。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module convert_mod implicit none contains function cels_from_fahr(degrees_fahr) result(degrees_cels) real, intent(in) :: degrees_fahr real :: degrees_cels degrees_cels = (degrees_fahr-32)/1.8 end function cels_from_fahr end module convert_mod program xtemperature use convert_mod, only: cels_from_fahr real :: deg integer :: i write (*,"(2a10)") "degrees_F","degrees_C" do i=12,100,20 deg = real(i) write (*,"(2f10.1)") deg,cels_from_fahr(deg) end do end program xtemperature </syntaxhighlight> ;出力:<syntaxhighlight lang=text> degrees_F degrees_C 12.0 -11.1 32.0 0.0 52.0 11.1 72.0 22.2 92.0 33.3 </syntaxhighlight> == サブルーチン == サブルーチンは式で使用することはできず、call文で呼び出されます。以下のプログラムで示されているように、同じ出力を生成します。 :<syntaxhighlight lang=fortran> module convert_mod implicit none contains subroutine cels_from_fahr(degrees_fahr,degrees_cels) real, intent(in) :: degrees_fahr real, intent(out) :: degrees_cels degrees_cels = (degrees_fahr-32)/1.8 end subroutine cels_from_fahr end module convert_mod program xtemperature use convert_mod, only: cels_from_fahr real :: deg_f,deg_c integer :: i write (*,"(2a10)") "degrees_F","degrees_C" do i=12,100,20 deg_f = real(i) call cels_from_fahr(deg_f,deg_c) write (*,"(2f10.1)") deg_f,deg_c end do end program xtemperature </syntaxhighlight> [[カテゴリ:Fortran|2003]]
2024-02-12T02:31:08Z
2024-03-12T07:20:46Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/Fortran_2003
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高等学校美術I/美術以外の分野による相対化
心理学や教育学などで知られている法則的なノウハウなのですが、テスト問題を作る際、子どものやる気が出る正答率は約80%である、という事が知られています。小学校のテストの得点率とか思い出してください。だいたい、そんな感じだったでしょう。 世間の人の多くは、あまり自分の知らない事の多すぎる話題には、興味を抱かないのです。世間の人がたとえ口先で「私は好奇心あります」とか言おうが、世間の多くに人には、そこまでの好奇心はありません。だからターゲット層がおおむね8割ほど知っている情報を前提に、娯楽などの作品をつくる際はデザインする必要があります。 これは別に絵画に限ったことではありません。音楽コンサートなどの演目もそうです。吹奏楽部とかの校外コンサートとかそうです。 たとえば、保育園の幼児など子ども向けのコンサートでは、演目の楽曲は子どもでも知っている童謡や国民的アニメソング(ドラエモンやアンパンマンやちびまる子の類の主題歌、ほかジブリやディズニーなど)とかです。 一方、老人ホームなど高齢者むけのコンサートでは、時代劇テーマソングや唱歌や数十年前の流行曲とかが、演目の楽曲だったりします。なお、ジジババに受けるような懐かしい(なつかしい)曲のメロディのことを俗に「懐メロ」(なつめろ)と言います。 吹奏楽部による地域の保育園や老人ホームの慰問(いもん)の演目とか、だいたいこうです。そういう日常のなかの美に気づくのが観察力です。 いちいち「ターゲット層」とかの広告業界の企画マンみたいな言葉を吹奏楽美や合唱部や管弦楽部の人は使ったりしませんが、彼らの部活動ではターゲット層に合わせまくりです。 幸(こう)か不幸か、あいにく世間の人の多くは、知らない曲ばかりが続くコンサートを聴きたがらないのです。 絵や演劇や映画なども同じです。 難しい言葉ばかりが続く小説も、世間の人は読みたがりません。難しい会話ばかりが続く演劇も、世間の人は鑑賞したがりません。 8割くらいは、客層が頑張れば内容を理解できそうな内容に、設計するのが定石(じょうせき)です。 小説家や絵描きなどのクリエイターの中には「自己表現」とか言う人もいますが、少なくとも吹奏楽部も合唱部も演劇部もライブなどの披露はチーム作業なのが現実です。軽音楽部のバンドですら、チーム作業です。人間の腕は2本しかないので、どうあがいても一人の人間だけではギターもドラムもキーボードも同時には軽音楽バンドでは演奏できません。 美術の一部は自己表現かもしれませんが、それは決して芸術の共通の常識ではありません。 そもそも音楽で新規の表現を開拓するなどの自己表現しているのは、作曲家やボーカル担当などといった一部の職種だけです。演奏家は、基本的には楽譜どおりに演奏するのが役目です(若干のパフォーマンスはある)。 「だからこそ美術では、音楽では困難な自己表現をリスクをとって追求したい」と思うなら、それはそれで一つの信念でしょう。とにかく、少なくとも「音楽も美術も自己表現」みたいな、音楽に関するかぎり現実に反する妄想は抱かないようにしましょう。 音楽の演奏家のパフォーマンスのように、各地の高校の文化祭とかで普通に見れるものに気づかないで、芸術表現のパフォーマンス演技を追求したりするのは、とっても時間の無駄です。たとえるなら、演劇の背景画の「書き割り」にも気づかずに「演劇と美術を組み合わせたら斬新なんじゃないか?」とか考えるのが時間の無駄なのと同様です。その程度の発想しかできないなら、芸術家ヅラをしないほうが安全だと思います。 なお、決して「大衆に分かりやすくないと芸術でない」と言うわけではなく、実際に書道では、観衆に学力が無いと理解できない作品もよくあります。たとえば、崩し字とかで書かれていて、そもそも観衆が素人だと文字そのものが読めない書道作品も良くあります。書道では「釈文」(しゃくぶん)といって、作品の下などに別の紙で印字の楷書(かいしょ)で書かれた文字を説明するのですが、もし書かれた文字の内容がマニアックな漢詩だったりすると、たとえ釈文を見ても漢詩の教養が無いと理解できない場合もあります。 なお、高校レベルだと、展示スペースの限りがあるので、釈文が無い書道作品もよくあると思います。添削する先生も残業とかで忙しいし。 このように、芸術と言うのは、ジャンルそれぞれで多様であり、異なるジャンルとの共通性というのは少ない面もあるのです。あまり「芸術全体をつらぬく共通テクニック」みたいなものは無いか、仮にあったとしても普通に小学校で習う程度のものでしょうか。 欧米の大学で、専攻にかかわらず学ぶべきとされるリベラルアーツ liberal arts は、古代ギリシアの知識人などが学ぶべきとされた「自由七科」に起源を持ちます。自由七科とは、基礎的な学芸として「文法学」「論理学」「修辞学」の3学と、「算術」「幾何学」「天文学」「音楽」から成る4科です。音楽が含まれていることに注目してください。 ただし、実際の現代の大学における、学科に関わらず学ぶ共通科目群などは、さすがに自由七科にはそのままでは対応しません。一般の大学の共通科目は、日本では、文学、歴史学、心理学などの人文科目のグループ(心理学は日本の大学では人文科目グループに入れられることが多い)、経済学や法学や政治学などの社会科学のグループ、数学や物理学や生物学や化学や地学といった自然科学のグループ、といった3大グループと、ほか体育(実技)や20世紀後半あたりからコンピュータの科目などがあります。 なお、日本の一般の大学の共通科目群に、音楽や美術の実習もありません。なお、美術史や音楽史の座学なら、大学によっては科目があるかもしれません。 ともかく、古代ギリシアのliberal arts に「音楽」が含まれている以上、音楽を無視して美術ばかりをアートの代表者ヅラする発想は、美術家のなかでしか通用していません。 よって、日本の大学で美術だけをアートの代表者ヅラしている大学教授は、学問的にもデタラメな、ひどい無能だと言わざるを得ません。 それともまさか、アート art とアーツ arts を、日本語のカタカナだけ見て別物だと思ってる、もはや英語力が小学生レベルで三人称単数形現在のsすら知らないほどのヒドい馬鹿なのでしょうか。そういう馬鹿をターゲット層としているのが大卒の美術家だなんて、思いたくもありません。憂鬱でしょう。 なお、日本の大学の「教養課程」といわれる学科に関わらず共通で学ぶとされる科目群は、さすがに古代ギリシアの自由七科とは対応しません。 あるいは、もし自由七科を「古臭い」として否定する革新派の立場だとしたら、だったら同様に古臭い時代の美術も否定しないと辻褄が合わないダブルスタンダードなだけのウソつき人間です。
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:※ 美術家・画家を目指す人のなかには幼稚な人もいて、勝手に「芸術」を代表したりして理念を主張したりする場合もありますが、しかし実際には音楽などでは通用しない考え方を主張している場合もあります。 :下記、音楽や書道などの趣味レベルの人たちの簡単な実情を紹介します。 == ターゲット層とテスト8割の心理法則 == 心理学や教育学などで知られている法則的なノウハウなのですが、テスト問題を作る際、子どものやる気が出る正答率は約80%である、という事が知られています。小学校のテストの得点率とか思い出してください。だいたい、そんな感じだったでしょう。 世間の人の多くは、あまり自分の知らない事の多すぎる話題には、興味を抱かないのです。世間の人がたとえ口先で「私は好奇心あります」とか言おうが、世間の多くに人には、そこまでの好奇心はありません。だからターゲット層がおおむね8割ほど知っている情報を前提に、娯楽などの作品をつくる際はデザインする必要があります。 これは別に絵画に限ったことではありません。音楽コンサートなどの演目もそうです。吹奏楽部とかの校外コンサートとかそうです。 たとえば、保育園の幼児など子ども向けのコンサートでは、演目の楽曲は子どもでも知っている童謡や国民的アニメソング(ドラエモンやアンパンマンやちびまる子の類の主題歌、ほかジブリやディズニーなど)とかです。 一方、老人ホームなど高齢者むけのコンサートでは、時代劇テーマソングや唱歌や数十年前の流行曲とかが、演目の楽曲だったりします。なお、ジジババに受けるような懐かしい(なつかしい)曲のメロディのことを俗に「懐メロ」(なつめろ)と言います。 吹奏楽部による地域の保育園や老人ホームの慰問(いもん)の演目とか、だいたいこうです。そういう日常のなかの美に気づくのが観察力です。 いちいち「ターゲット層」とかの広告業界の企画マンみたいな言葉を吹奏楽美や合唱部や管弦楽部の人は使ったりしませんが、彼らの部活動ではターゲット層に合わせまくりです。 幸(こう)か不幸か、あいにく世間の人の多くは、知らない曲ばかりが続くコンサートを聴きたがらないのです。 絵や演劇や映画なども同じです。 難しい言葉ばかりが続く小説も、世間の人は読みたがりません。難しい会話ばかりが続く演劇も、世間の人は鑑賞したがりません。 8割くらいは、客層が頑張れば内容を理解できそうな内容に、設計するのが定石(じょうせき)です。 小説家や絵描きなどのクリエイターの中には「自己表現」とか言う人もいますが、少なくとも吹奏楽部も合唱部も演劇部もライブなどの披露はチーム作業なのが現実です。軽音楽部のバンドですら、チーム作業です。人間の腕は2本しかないので、どうあがいても一人の人間だけではギターもドラムもキーボードも同時には軽音楽バンドでは演奏できません。 美術の一部は自己表現かもしれませんが、それは決して芸術の共通の常識ではありません。 そもそも音楽で新規の表現を開拓するなどの自己表現しているのは、作曲家やボーカル担当などといった一部の職種だけです。演奏家は、基本的には楽譜どおりに演奏するのが役目です(若干のパフォーマンスはある)。 「だからこそ美術では、音楽では困難な自己表現をリスクをとって追求したい」と思うなら、それはそれで一つの信念でしょう。とにかく、少なくとも「音楽も美術も自己表現」みたいな、音楽に関するかぎり現実に反する妄想は抱かないようにしましょう。 音楽の演奏家のパフォーマンスのように、各地の高校の文化祭とかで普通に見れるものに気づかないで、芸術表現のパフォーマンス演技を追求したりするのは、とっても時間の無駄です。たとえるなら、演劇の背景画の「書き割り」にも気づかずに「演劇と美術を組み合わせたら斬新なんじゃないか?」とか考えるのが時間の無駄なのと同様です。その程度の発想しかできないなら、芸術家ヅラをしないほうが安全だと思います。 ;書道の分かりづらさ なお、決して「大衆に分かりやすくないと芸術でない」と言うわけではなく、実際に書道では、観衆に学力が無いと理解できない作品もよくあります。たとえば、崩し字とかで書かれていて、そもそも観衆が素人だと文字そのものが読めない書道作品も良くあります。書道では「釈文」(しゃくぶん)といって、作品の下などに別の紙で印字の楷書(かいしょ)で書かれた文字を説明するのですが、もし書かれた文字の内容がマニアックな漢詩だったりすると、たとえ釈文を見ても漢詩の教養が無いと理解できない場合もあります。 なお、高校レベルだと、展示スペースの限りがあるので、釈文が無い書道作品もよくあると思います。添削する先生も残業とかで忙しいし。 このように、芸術と言うのは、ジャンルそれぞれで多様であり、異なるジャンルとの共通性というのは少ない面もあるのです。あまり「芸術全体をつらぬく共通テクニック」みたいなものは無いか、仮にあったとしても普通に小学校で習う程度のものでしょうか。 == 「アート=美術」は美術家だけが言ってること == 欧米の大学で、専攻にかかわらず学ぶべきとされるリベラルアーツ liberal arts は、古代ギリシアの知識人などが学ぶべきとされた「自由七科」に起源を持ちます。自由七科とは、基礎的な学芸として「文法学」「論理学」「修辞学」の3学と、「算術」「幾何学」「天文学」「音楽」から成る4科です。音楽が含まれていることに注目してください。 ただし、実際の現代の大学における、学科に関わらず学ぶ共通科目群などは、さすがに自由七科にはそのままでは対応しません。一般の大学の共通科目は、日本では、文学、歴史学、心理学などの人文科目のグループ(心理学は日本の大学では人文科目グループに入れられることが多い)、経済学や法学や政治学などの社会科学のグループ、数学や物理学や生物学や化学や地学といった自然科学のグループ、といった3大グループと、ほか体育(実技)や20世紀後半あたりからコンピュータの科目などがあります。 なお、日本の一般の大学の共通科目群に、音楽や美術の実習もありません。なお、美術史や音楽史の座学なら、大学によっては科目があるかもしれません。 ともかく、古代ギリシアのliberal arts に「音楽」が含まれている以上、音楽を無視して美術ばかりをアートの代表者ヅラする発想は、美術家のなかでしか通用していません。 よって、日本の大学で美術だけをアートの代表者ヅラしている大学教授は、学問的にもデタラメな、ひどい無能だと言わざるを得ません。 それともまさか、アート art とアーツ arts を、日本語のカタカナだけ見て別物だと思ってる、もはや英語力が小学生レベルで三人称単数形現在のsすら知らないほどのヒドい馬鹿なのでしょうか。そういう馬鹿をターゲット層としているのが大卒の美術家だなんて、思いたくもありません。憂鬱でしょう。 なお、日本の大学の「教養課程」といわれる学科に関わらず共通で学ぶとされる科目群は、さすがに古代ギリシアの自由七科とは対応しません。 あるいは、もし自由七科を「古臭い」として否定する革新派の立場だとしたら、だったら同様に古臭い時代の美術も否定しないと辻褄が合わないダブルスタンダードなだけのウソつき人間です。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1ひしゆついかいかのふんやによくそうたいか}} [[カテゴリ:高校美術|ひしゆついかいかのふんやによくそうたいか]]
2024-02-12T02:34:36Z
2024-03-19T14:18:15Z
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高等学校美術I/その他の雑多な話題
クリエイターの中には、犯罪者またはグレーな行為または詐欺的な人物もいます。それこそ、テレビや雑誌などで取り上げられたことのある新人クリエイターや若手~中堅クリエイターなどの中にも、犯罪・詐欺・グレー行為を行っている人物はいます。 「まさか!?」とはお思いでしょうが、しかし小規模が民間の一般人などで小規模だと、被害者の一般人が泣き寝入りする場合もあるのです。 例を挙げると、商標でも何でもない一般的なワードを、クリエイターが登録したわけでもないのに勝手に言い回しを占有していて、SNS上で同じワードを使った一般の人に「誰の許可を取ってんだよ!」とまるでヤクザのショバ代みたいに畏怖行為をしてくるクリエイターおよびそのクリエイターのファンもいます。 そういう人であっても、クリエイターとは作品を作って有料で販売して、それにそこそこの売上がついてしまえば、そういう社会的にグレーな人でもテレビや雑誌などに「作家」とか「クリエイター」などとして取り上げられてしまうのです。 しかも困ったことに、そのクリエイター本人およびファンたちは、自分たちが知的財産権を遵守しているつもりになっていますし、日本のポップカルチャー文化を高めているつもりです。 つまり、大人の中には、民法や著作権法や知的財産権などの基本を理解してないで好き勝手にとらえている作家もいます。 そういう作家の違法な行為でも、被害者が小規模な一般人だと、そのクリエイターの所属する芸能事務所だの何だのは放置します。 このように、「カタギに迷惑を掛けない」というルールが守れない作家もいます。 他にも、音楽ロックコンサートなどでは、麻薬などの売買が行われたりしました。ディスコ会場などで麻薬の売買が行われることもありました。 そういう人でも有料の作品商売に成功してファンがついている場合もありますし、テレビや雑誌などに紹介されることもあります。 法律を守れない業界からは、なるべく距離を置きましょう。 なにもロック音楽だとかそういうカウンターカルチャーの業界に限らず、残念ながらマンガやアニメなどのファンでも著作権法などの法律を守れない、社会のルールの基本が分かってない幼稚な大人も多くいます。引用のルールを守れない人とか、SNSなどにも普通にいます(今どき中学校の技術家庭科とかの教科でも著作権法を習っているのに)。 残念なことなのですが、ロック音楽とかマンガ・アニメとか、ああいう子供や低学歴でも分かる文化というのは、法律などを守れない人も寄せ付けてしまいます。 よく、作家などは「先生」などと出版社に言われたりするので、世間の人はクリエイターをついつい弁護士や医師のように信用の高い職業かと誤解しがちですが、どちらかというと宗教家のような人もいるのが作家でしょう。 クラシック音楽系の人だと、音楽で食っていかない事を考えている人も多くいますが(たまの休日などに趣味で演奏する人もいます)、しかし美術系の人だと「美術で食っていこう」とするのを当然とする人も多くいます。べつに美術の仕事を目指す事自体は構わないのですが、勝手に子供時代に「自分は美術家(または画家など)になれるはずだ」と思い込んで、その夢がかなわなくてコンビニバイト暮らしなどで勝手にウツ病か何かになる頭のおかしい人も少なくないのが美術界隈です。プロ野球などのスポーツ系ではそういう勝手な夢を期待した人は相手されませんが(多くの高校球児はプロ野球選手にはなれません)、クラシック音楽でもそういう勝手な期待をした人は基本的には相手されないのですが、しかし美術界隈だとそういう人にも少数のファンがつく場合もあります。 このように、まあ、世間の常識から外れたという意味で、ある種のクリエイターとその自称ファンはまさに宗教家のような人たちです。日本国憲法には宗教の自由があるので、禁教は出来ませんが、しかしだからと言って私たちが芸術を媒介にしたヘンな宗教に入信する必要もありません。 まして、「世間はもっと美術に金を払うべきだ(もちろん美術家である私にもカネを払うべきだ)」などと売れない美術家が政治運動を起こそうものなら、これはもはやカルト新興宗教が「世間はわが教団に入信すべきだ。そしてお布施を払うべきだ」と主張しているのと変わらないので、これはもはや信教の強制によって我が国の国民を奴隷化しようとするテロ思想と同じ発想であるので、私たちはそのような反社会な侵略テロ思想とは戦わないといけません。 美術Iやら音楽Iだのの芸術の教科書を読んでると、基本的に教科書は現代の作家を紹介しているので、ついつい読者は画集などの作品の購入意欲をそそられがちです。 しかし教科書は一言も「その作家の作品を買え」なんて言ってません。だいたい、たとえば社会科の地理の教科書だって海外を紹介していますが、一言も「海外旅行してくれ」なんて言ってません。 芸術教科書は単に最近の一部の作品を紹介しているだけです。美術や音楽の教科書の作品は基本、大学入試には出ませんし、少なくとも大学入試新共通テスト(昔のセンター試験に相当)には美術も音楽もありません。 「芸術」と言うのは、理由が決して経済学的・法学的などには説明できず、ふつうの学問的には説明できません。だから、日本の教育でも通常の「学問」とは切り離されているのは当然でしょう。 少なくとも大衆相手には「芸術」は美しさの理由を客観的には証明できず(説明はあっても、決して数学のように「証明」はされない)、なのに「この名画は価値があるとされる」とされるものが、中学あたりの美術教科書などの美術史では紹介されているわけです。非・民主的であり、ある種、貴族的ではあります。 ただし、その美術の理論を学んだり模写・模倣したり練習したからといって、決してアナタが貴族的に尊敬される人物として社会に認められるわけではありません。 日本史の勉強にたとえれば、平安時代の貴族について勉強したからといって自身が貴族になれるわけでもないのと同様ですが、しかし、なぜか美術界隈ではときどき勘違いして奇行をしている人がいます。戦国時代を天下統一した豊臣秀吉や徳川家康について勉強したからといって天下取りをできるわけではないのに。
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== 犯罪者のクリエイター == クリエイターの中には、犯罪者またはグレーな行為または詐欺的な人物もいます。それこそ、テレビや雑誌などで取り上げられたことのある新人クリエイターや若手~中堅クリエイターなどの中にも、犯罪・詐欺・グレー行為を行っている人物はいます。 「まさか!?」とはお思いでしょうが、しかし小規模が民間の一般人などで小規模だと、被害者の一般人が泣き寝入りする場合もあるのです。 例を挙げると、商標でも何でもない一般的なワードを、クリエイターが登録したわけでもないのに勝手に言い回しを占有していて、SNS上で同じワードを使った一般の人に「誰の許可を取ってんだよ!」とまるでヤクザのショバ代みたいに畏怖行為をしてくるクリエイターおよびそのクリエイターのファンもいます。 そういう人であっても、クリエイターとは作品を作って有料で販売して、それにそこそこの売上がついてしまえば、そういう社会的にグレーな人でもテレビや雑誌などに「作家」とか「クリエイター」などとして取り上げられてしまうのです。 しかも困ったことに、そのクリエイター本人およびファンたちは、自分たちが知的財産権を遵守しているつもりになっていますし、日本のポップカルチャー文化を高めているつもりです。 つまり、大人の中には、民法や著作権法や知的財産権などの基本を理解してないで好き勝手にとらえている作家もいます。 そういう作家の違法な行為でも、被害者が小規模な一般人だと、そのクリエイターの所属する芸能事務所だの何だのは放置します。 このように、「カタギに迷惑を掛けない」というルールが守れない作家もいます。 他にも、音楽ロックコンサートなどでは、麻薬などの売買が行われたりしました。ディスコ会場などで麻薬の売買が行われることもありました。 そういう人でも有料の作品商売に成功してファンがついている場合もありますし、テレビや雑誌などに紹介されることもあります。 法律を守れない業界からは、なるべく距離を置きましょう。 なにもロック音楽だとかそういうカウンターカルチャーの業界に限らず、残念ながらマンガやアニメなどのファンでも著作権法などの法律を守れない、社会のルールの基本が分かってない幼稚な大人も多くいます。引用のルールを守れない人とか、SNSなどにも普通にいます(今どき中学校の技術家庭科とかの教科でも著作権法を習っているのに)。 残念なことなのですが、ロック音楽とかマンガ・アニメとか、ああいう子供や低学歴でも分かる文化というのは、法律などを守れない人も寄せ付けてしまいます。 == 宗教的なクリエイター == よく、作家などは「先生」などと出版社に言われたりするので、世間の人はクリエイターをついつい弁護士や医師のように信用の高い職業かと誤解しがちですが、どちらかというと宗教家のような人もいるのが作家でしょう。 クラシック音楽系の人だと、音楽で食っていかない事を考えている人も多くいますが(たまの休日などに趣味で演奏する人もいます)、しかし美術系の人だと「美術で食っていこう」とするのを当然とする人も多くいます。べつに美術の仕事を目指す事自体は構わないのですが、勝手に子供時代に「自分は美術家(または画家など)になれるはずだ」と思い込んで、その夢がかなわなくてコンビニバイト暮らしなどで勝手にウツ病か何かになる頭のおかしい人も少なくないのが美術界隈です。プロ野球などのスポーツ系ではそういう勝手な夢を期待した人は相手されませんが(多くの高校球児はプロ野球選手にはなれません)、クラシック音楽でもそういう勝手な期待をした人は基本的には相手されないのですが、しかし美術界隈だとそういう人にも少数のファンがつく場合もあります。 このように、まあ、世間の常識から外れたという意味で、ある種のクリエイターとその自称ファンはまさに宗教家のような人たちです。日本国憲法には宗教の自由があるので、禁教は出来ませんが、しかしだからと言って私たちが芸術を媒介にしたヘンな宗教に入信する必要もありません。 まして、「世間はもっと美術に金を払うべきだ(もちろん美術家である私にもカネを払うべきだ)」などと売れない美術家が政治運動を起こそうものなら、これはもはやカルト新興宗教が「世間はわが教団に入信すべきだ。そしてお布施を払うべきだ」と主張しているのと変わらないので、これはもはや信教の強制によって我が国の国民を奴隷化しようとするテロ思想と同じ発想であるので、私たちはそのような反社会な侵略テロ思想とは戦わないといけません。 美術Iやら音楽Iだのの芸術の教科書を読んでると、基本的に教科書は現代の作家を紹介しているので、ついつい読者は画集などの作品の購入意欲をそそられがちです。 しかし教科書は一言も「その作家の作品を買え」なんて言ってません。だいたい、たとえば社会科の地理の教科書だって海外を紹介していますが、一言も「海外旅行してくれ」なんて言ってません。 芸術教科書は単に最近の一部の作品を紹介しているだけです。美術や音楽の教科書の作品は基本、大学入試には出ませんし、少なくとも大学入試新共通テスト(昔のセンター試験に相当)には美術も音楽もありません。 「芸術」と言うのは、理由が決して経済学的・法学的などには説明できず、ふつうの学問的には説明できません。だから、日本の教育でも通常の「学問」とは切り離されているのは当然でしょう。 少なくとも大衆相手には「芸術」は美しさの理由を客観的には証明できず(説明はあっても、決して数学のように「証明」はされない)、なのに「この名画は価値があるとされる」とされるものが、中学あたりの美術教科書などの美術史では紹介されているわけです。非・民主的であり、ある種、貴族的ではあります。 ただし、その美術の理論を学んだり模写・模倣したり練習したからといって、決してアナタが貴族的に尊敬される人物として社会に認められるわけではありません。 日本史の勉強にたとえれば、平安時代の貴族について勉強したからといって自身が貴族になれるわけでもないのと同様ですが、しかし、なぜか美術界隈ではときどき勘違いして奇行をしている人がいます。戦国時代を天下統一した豊臣秀吉や徳川家康について勉強したからといって天下取りをできるわけではないのに。 {{DEFAULTSORT:こうとうかつこうひしゆつ1そのたのさつたのわたい}} [[カテゴリ:高校美術|そのたのさつたのわたい]]
2024-02-12T02:35:45Z
2024-03-19T13:57:18Z
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ウィキブックス・スクール/数学I・A(文)
以下が「ウィキブックス・スクール/数学I・A(文)」一覧です。書いてある順番通りに受けた方がいいと思うなあ。 なお、この講座一覧は数I・Aを履修し終わったけど、定着していない!という方向けです。履修前の方は頑張って勉強しましょう。 予習、復習、並びに授業の受け方については数I・Aそれぞれ、「数と式」「場合の数」において指定しています。
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以下が「'''{{PAGENAME}}'''」一覧です。書いてある順番通りに受けた方がいいと思うなあ。 なお、この講座一覧は<ins>数I・Aを履修し終わったけど、定着していない!という方向け</ins>です。履修前の方は頑張って勉強しましょう。 == 講座一覧 == === 数学I === *[[/数と式]] *[[/集合と命題]] *[[/二次関数]] *[[/図形と計量]] *[[データの分析]] === 数学A === *[[/場合の数]] *[[/図形の性質]] *[[/確率]] *[[/おまけ]] == 注意点 == 予習、復習、並びに授業の受け方については数I・Aそれぞれ、「数と式」「場合の数」において指定しています。 {{デフォルトソート:ういきふつくすすくうるすうかくいちええふん}} [[Category:ウィキブックス・スクール|すうかくIA]] [[Category:高等学校教育]] [[Category:高等学校数学]]
2024-02-12T09:59:24Z
2024-02-13T09:41:02Z
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ウィキブックス・スクール/数学I・A(文)/数と式
皆さんこんにちは。数学I(文) 数と式になります。ここにいらっしゃるということは、皆さんは文系なんでしょう。そして、一旦数Iを履修したけど、よく分かんないなあ、という方々ではないでしょうか。 基本的に文系が数学使うのって、だいたい共通テストまでで、経済学部とかに「文系数学」って言われるのがあるくらいなんですよね。だからこの講座では、共通テストレベルまでを取り扱います。経済学部に行きたいって方は、ウィキブックス・スクール/数学I(文)/発展をご覧ください。 ちょっと授業の受け方について説明しますね。予習は要りません。何もしなくて結構です。講座内ですが、問題文をノートに書き写してもらえると学力的にいいですよ。とは言っても問題が長いのもあれば、一発でわかるような問題もあるので、臨機応変に。 復習についてはまた後で話すとして、「数と式」早速入っていきましょう。 まず用語の確認をしますね。分かんなければ、あまり気にしなくて大丈夫です。 いかがですかね。もう知ってるんじゃないかと思いますがいかがでしょう。単項式なんかは忘れてるかもしれませんね。あの「次数」は「掛け合わせた文字の個数」ですね。要は字の数、「字数」ですね。以上駄洒落でした。 でもこんなのはよくって、たとえばこんな問題が出るんです。 「65xyz」について、(1)yに着目した際の次数 (2)xとzに着目した際の係数を答えよ。 なんて問題が出るんですね。「これこれの文字に着目して次数だの係数だのを言え」って言われた時は、着目した文字以外は数字扱いするんです。問題の答えですが、 (1)は「yに着目した際の次数」ですから、「y以外は数字です」ってことですね。yだけ神棚に祭り上げる感じですね。yは4個ありますから4個まとめて神棚に上げます。そうするとy以外はただの数字ですね。この問題ではyの字数答えりゃいいんですから、「4」ですね。 (2)は「xとzに着目した際の係数」ですね。さっきは次数を訊いてましたけど、今回は係数ですか。これも同じで、xとzを神棚に上げると、x、z以外はただの数字になります。ただの数字どもを答えればいいんですから、答えは「65y」ですね。 続いても用語の確認になります。 ここら辺は「フーン」くらいでいいですよ。言葉の定義を訊く問題なんてありゃしませんから。次も「へー」くらいで結構です。 いいですかね。この他に、「項の次数が右にいくにつれて低くなる」という整理の仕方を「降べきの順」といい、逆を「昇べき」とかいいます。どうでもいいですね。 ここら辺は流石にいいですかね。試しにこんな問題を解いてみてください。 いかがですかね。5分もあればできますね。襷掛けとか覚えてますかね。 解答をみましょうか。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "皆さんこんにちは。数学I(文) 数と式になります。ここにいらっしゃるということは、皆さんは文系なんでしょう。そして、一旦数Iを履修したけど、よく分かんないなあ、という方々ではないでしょうか。", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "基本的に文系が数学使うのって、だいたい共通テストまでで、経済学部とかに「文系数学」って言われるのがあるくらいなんですよね。だからこの講座では、共通テストレベルまでを取り扱います。経済学部に行きたいって方は、ウィキブックス・スクール/数学I(文)/発展をご覧ください。", "title": "" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ちょっと授業の受け方について説明しますね。予習は要りません。何もしなくて結構です。講座内ですが、問題文をノートに書き写してもらえると学力的にいいですよ。とは言っても問題が長いのもあれば、一発でわかるような問題もあるので、臨機応変に。", "title": "" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "復習についてはまた後で話すとして、「数と式」早速入っていきましょう。", "title": "" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "まず用語の確認をしますね。分かんなければ、あまり気にしなくて大丈夫です。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "いかがですかね。もう知ってるんじゃないかと思いますがいかがでしょう。単項式なんかは忘れてるかもしれませんね。あの「次数」は「掛け合わせた文字の個数」ですね。要は字の数、「字数」ですね。以上駄洒落でした。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "でもこんなのはよくって、たとえばこんな問題が出るんです。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "「65xyz」について、(1)yに着目した際の次数 (2)xとzに着目した際の係数を答えよ。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "なんて問題が出るんですね。「これこれの文字に着目して次数だの係数だのを言え」って言われた時は、着目した文字以外は数字扱いするんです。問題の答えですが、", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "(1)は「yに着目した際の次数」ですから、「y以外は数字です」ってことですね。yだけ神棚に祭り上げる感じですね。yは4個ありますから4個まとめて神棚に上げます。そうするとy以外はただの数字ですね。この問題ではyの字数答えりゃいいんですから、「4」ですね。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "(2)は「xとzに着目した際の係数」ですね。さっきは次数を訊いてましたけど、今回は係数ですか。これも同じで、xとzを神棚に上げると、x、z以外はただの数字になります。ただの数字どもを答えればいいんですから、答えは「65y」ですね。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "続いても用語の確認になります。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "ここら辺は「フーン」くらいでいいですよ。言葉の定義を訊く問題なんてありゃしませんから。次も「へー」くらいで結構です。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "いいですかね。この他に、「項の次数が右にいくにつれて低くなる」という整理の仕方を「降べきの順」といい、逆を「昇べき」とかいいます。どうでもいいですね。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "ここら辺は流石にいいですかね。試しにこんな問題を解いてみてください。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "いかがですかね。5分もあればできますね。襷掛けとか覚えてますかね。", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "", "title": "式の計算" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "解答をみましょうか。", "title": "式の計算" } ]
皆さんこんにちは。数学I(文) 数と式になります。ここにいらっしゃるということは、皆さんは文系なんでしょう。そして、一旦数Iを履修したけど、よく分かんないなあ、という方々ではないでしょうか。 基本的に文系が数学使うのって、だいたい共通テストまでで、経済学部とかに「文系数学」って言われるのがあるくらいなんですよね。だからこの講座では、共通テストレベルまでを取り扱います。経済学部に行きたいって方は、ウィキブックス・スクール/数学I(文)/発展をご覧ください。 ちょっと授業の受け方について説明しますね。予習は要りません。何もしなくて結構です。講座内ですが、問題文をノートに書き写してもらえると学力的にいいですよ。とは言っても問題が長いのもあれば、一発でわかるような問題もあるので、臨機応変に。 復習についてはまた後で話すとして、「数と式」早速入っていきましょう。
皆さんこんにちは。'''数学I(文) 数と式'''になります。ここにいらっしゃるということは、皆さんは文系なんでしょう。そして、一旦数Iを履修したけど、よく分かんないなあ、という方々ではないでしょうか。 基本的に文系が数学使うのって、だいたい共通テストまでで、経済学部とかに「文系数学」って言われるのがあるくらいなんですよね。だからこの講座では、共通テストレベルまでを取り扱います。経済学部に行きたいって方は、[[ウィキブックス・スクール/数学I(文)/発展]]をご覧ください。 ちょっと授業の受け方について説明しますね。'''予習は要りません。'''何もしなくて結構です。講座内ですが、'''問題文をノートに書き写してもらえると学力的にいいですよ。'''とは言っても問題が長いのもあれば、一発でわかるような問題もあるので、臨機応変に。 復習についてはまた後で話すとして、「数と式」早速入っていきましょう。 == 式の計算 == === はじめに === まず用語の確認をしますね。分かんなければ、あまり気にしなくて大丈夫です。 {| class="wikitable" |+ 用語集 |- ! ことば !! 説明 !! 例 |- | '''単項式''' || いろんな数をかけてできる式。'''分数も含む。'''<br>だって掛け算に書き換えられるから。 || 2ab、-100x、6y<sup>3</sup>z |- | '''係数''' || 単項式の数の部分 || '''2'''ab、'''-100'''x(マイナス符号は入れる!) |- | '''次数''' || 掛け合わせた文字の個数 || 2ab→2(aとbの二つ)、6y<sup>3</sup>z→4(yの3乗とz) |} いかがですかね。もう知ってるんじゃないかと思いますがいかがでしょう。単項式なんかは忘れてるかもしれませんね。あの「次数」は「掛け合わせた文字の個数」ですね。要は'''字の数、「字数」'''ですね。以上駄洒落でした。 でもこんなのはよくって、たとえばこんな問題が出るんです。 <blockquote> 「65xy<sup>4</sup>z<sup>2</sup>」について、(1)yに着目した際の<ins>次数</ins> (2)xとzに着目した際の<ins>係数</ins>を答えよ。 </blockquote> なんて問題が出るんですね。「これこれの文字に着目して次数だの係数だのを言え」って言われた時は、'''着目した文字以外は数字扱い'''するんです。問題の答えですが、 [[file:Typical-kamidana-tokyoarea-2017-12-22.jpg|thumb|神棚です。家の天井近くにあるやつですね。]] ---- *問題の式 65xy<sup>4</sup>z<sup>2</sup> (1)は「yに着目した際の<ins>次数</ins>」ですから、「y以外は数字です」ってことですね。<ins>yだけ神棚に祭り上げる感じですね。</ins>yは4個ありますから4個まとめて神棚に上げます。そうするとy以外はただの数字ですね。この問題ではyの字数答えりゃいいんですから、「4」ですね。 (2)は「xとzに着目した際の<ins>係数</ins>」ですね。さっきは次数を訊いてましたけど、今回は係数ですか。これも同じで、xとzを神棚に上げると、x、z以外はただの数字になります。ただの数字どもを答えればいいんですから、答えは「65y<sup>4</sup>」ですね。 ---- 続いても用語の確認になります。 *多項式(整式)→単項式の和や差で表される式。「x-3y<sup>2</sup>」など。 *項→多項式の中の単項式。「<font color="#ff8c00">[</font>x<font color="#ff8c00">] [</font>-3y<sup>2</sup><font color="#ff8c00">]</font>」、オレンジで囲ったところずつ。 *同類項→多項式の項の中で、<ins>同じ文字を含む項</ins>。 *定数項→(着目した)文字を含まない項 ここら辺は「フーン」くらいでいいですよ。言葉の定義を訊く問題なんてありゃしませんから。次も「へー」くらいで結構です。 *多項式の次数→同類項をまとめた多項式において、最も次数が高い項の次数。次数がaの文字式を「a次式」という。 いいですかね。この他に、「項の次数が右にいくにつれて低くなる」という整理の仕方を「降べきの順」といい、逆を「昇べき」とかいいます。どうでもいいですね。 === 展開と因数分解 === ここら辺は流石にいいですかね。試しにこんな問題を解いてみてください。 <blockquote> #xの降べきで簡単にせよ。(5x<sup>2</sup>+3)-(6x-2)+4(3y<sup>3</sup>・5) #展開せよ。(3x+12y)(4x-y) #因数分解せよ。15a<sup>2</sup>+50a-40 </blockquote> いかがですかね。5分もあればできますね。襷掛けとか覚えてますかね。 解答をみましょうか。 [[カテゴリ:高等学校数学I]]
2024-02-12T10:51:23Z
2024-03-12T06:35:57Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%AD%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB/%E6%95%B0%E5%AD%A6I%E3%83%BBA%EF%BC%88%E6%96%87%EF%BC%89/%E6%95%B0%E3%81%A8%E5%BC%8F
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中学校保健体育/ストレスによる健康への影響
ストレッサー・ストレス ※ストレスを感じると、心身にどのような変化が見られますか? 外から様々な刺激(ストレッサー)を受けると、ストレスになります。つらい出来事・欲求不満・友達関係の悩み・未来への不安なども、ストレッサーになります。 その人の精神状態・その人の健康状態・ストレス要因の大きさによってストレスの影響は変わります。私達は、日常生活の中で小さなストレスを抱えていますが、小さなストレスを簡単に解決しています。 ★ストレスは心と体を変えてしまいます。 ほとんどの人はストレスを嫌います。適度なストレスは心の発達に大切です。人間は失敗したら、ストレスを感じるかもしれません。しかし、その経験からもっと努力しようと考えたり、失敗を次の機会に生かしたりするようになるかもしれません。思春期になると、生活経験が増えるので、適度なストレスを経験するようにしましょう。 しかし、ストレスに上手く向き合わなかったら、仕事や勉強をこなせなくなったり、周りの人から孤立したり、眠れなくなったりします。また、ストレスが大きすぎると、心と体の健康状態も悪くなるかもしれません。ストレスに上手く向き合うためには、自分のストレスに気づきましょう。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ストレッサー・ストレス", "title": "キーワード" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "※ストレスを感じると、心身にどのような変化が見られますか?", "title": "ストレスとは" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "外から様々な刺激(ストレッサー)を受けると、ストレスになります。つらい出来事・欲求不満・友達関係の悩み・未来への不安なども、ストレッサーになります。", "title": "ストレスとは" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "その人の精神状態・その人の健康状態・ストレス要因の大きさによってストレスの影響は変わります。私達は、日常生活の中で小さなストレスを抱えていますが、小さなストレスを簡単に解決しています。", "title": "ストレスとは" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "★ストレスは心と体を変えてしまいます。", "title": "ストレスとは" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "ほとんどの人はストレスを嫌います。適度なストレスは心の発達に大切です。人間は失敗したら、ストレスを感じるかもしれません。しかし、その経験からもっと努力しようと考えたり、失敗を次の機会に生かしたりするようになるかもしれません。思春期になると、生活経験が増えるので、適度なストレスを経験するようにしましょう。", "title": "ストレスと心の発達" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "しかし、ストレスに上手く向き合わなかったら、仕事や勉強をこなせなくなったり、周りの人から孤立したり、眠れなくなったりします。また、ストレスが大きすぎると、心と体の健康状態も悪くなるかもしれません。ストレスに上手く向き合うためには、自分のストレスに気づきましょう。", "title": "ストレスと心の発達" } ]
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[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>ストレスによる健康への影響 ストレスは日常生活と健康にどのような影響を与えますか? == キーワード == ストレッサー・ストレス == ストレスとは == ※ストレスを感じると、心身にどのような変化が見られますか? 外から様々な刺激('''ストレッサー''')を受けると、'''ストレス'''になります。つらい出来事・欲求不満・友達関係の悩み・未来への不安なども、ストレッサーになります。 その人の精神状態・その人の健康状態・ストレス要因の大きさによってストレスの影響は変わります。私達は、日常生活の中で小さなストレスを抱えていますが、小さなストレスを簡単に解決しています。 ★ストレスは心と体を変えてしまいます。 {| class="wikitable" !感情の起伏 |不安・苛々・緊張・怒り・落ち込み・悲しみ・悔しさ・妬み |- !体・行動の変化 |眠れない・食欲の低下など |- !能率の低下 |集中力がない・間違いが多い |} ★ストレスの原因 * 悩みや不快な出来事があります。 * 暑さや寒さ * 怪我をします。 * 細菌やウイルスが体内に入ります。 * 有害な物を食べます。 == ストレスと心の発達 == ※ストレスは人間にとってどのような意味を持ちますか? ほとんどの人はストレスを嫌います。適度なストレスは心の発達に大切です。人間は失敗したら、ストレスを感じるかもしれません。しかし、その経験からもっと努力しようと考えたり、失敗を次の機会に生かしたりするようになるかもしれません。思春期になると、生活経験が増えるので、適度なストレスを経験するようにしましょう。 しかし、ストレスに上手く向き合わなかったら、仕事や勉強をこなせなくなったり、周りの人から孤立したり、眠れなくなったりします。また、ストレスが大きすぎると、心と体の健康状態も悪くなるかもしれません。ストレスに上手く向き合うためには、自分のストレスに気づきましょう。 ★適度なストレスは心身の発達に欠かせません。 {| class="wikitable" !キャプテンになって |プレッシャーだな。でも、みんなが期待してくれるのは嬉しい。頑張ろう。 |- !試験の日が近づいて |よし、集中して勉強しよう。 |- !友達と喧嘩をしてしまって |これから喧嘩をしないようにするためには…。 |} == 資料出所 == * 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年 * 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年 [[カテゴリ:中学校保健体育|すとれすによるけんこうへのえいきよう]] [[カテゴリ:ストレス]]
2024-02-14T19:38:43Z
2024-02-18T04:14:09Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E4%BF%9D%E5%81%A5%E4%BD%93%E8%82%B2/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%BD%B1%E9%9F%BF
39,132
中学校保健体育/ストレスへの対処の方法
どうしたらストレスが大きくなりすぎたり、ストレスが長く続いたりしないようになりますか? ストレスへの対処・コミュニケーション ※今、自分が何に悩んでいるのかを考えるために、基本の手順でストレスと向き合っていきましょう。 ストレスは、様々な要因から生まれます。心の健康を保つためには、様々なストレス対処方法を知っておきましょう。まず、ストレスの何が問題なのか、どのようなストレス対処方法が望ましいのかを落ち着いて考えなければなりません。次に、ストレスの原因がはっきりしたら、誰かの意見を聞いてストレス解決方法を考えましょう。 例えば、昨日の試合で失敗しても、もう済んでいるので変えられません。このような問題がストレスの原因になっているのなら、自分の気持ちを切り替えましょう。趣味の活動・体ほぐしの運動・リラクセーションなどで、気分転換をしましょう。また、物事の見方・考え方・受け止め方を見直しても、ストレス対処方法になります。さらに、規則正しい生活を送り、好ましくない対処方法を選ばないようにしましょう。学校医から専門医を紹介してもらったり、スクールカウンセラーから学校以外の専門家(公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士など)を紹介してもらったりします。このように、ストレスの原因は様々なので、状況に合わせて対処方法を選択していきましょう。 ★ストレスへの対処方法 ★好ましくないストレス対処方法 ※これまで、誰かに相談したくても出来なかった経験はありませんか? コミュニケーションの方法は、ストレスの原因・ストレスの対処方法と大きく関係しています。ストレスに耐えられなくなったら、友達や周りの大人などに相談しましょう。相談すると、どうすればよいのかを教えてくれたり、励ましや慰めをもらえたりします。 ★困った時の相談について ★色々な相談窓口
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "どうしたらストレスが大きくなりすぎたり、ストレスが長く続いたりしないようになりますか?", "title": "" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ストレスへの対処・コミュニケーション", "title": "キーワード" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "※今、自分が何に悩んでいるのかを考えるために、基本の手順でストレスと向き合っていきましょう。", "title": "ストレスへの対処の方法" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "ストレスは、様々な要因から生まれます。心の健康を保つためには、様々なストレス対処方法を知っておきましょう。まず、ストレスの何が問題なのか、どのようなストレス対処方法が望ましいのかを落ち着いて考えなければなりません。次に、ストレスの原因がはっきりしたら、誰かの意見を聞いてストレス解決方法を考えましょう。", "title": "ストレスへの対処の方法" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "例えば、昨日の試合で失敗しても、もう済んでいるので変えられません。このような問題がストレスの原因になっているのなら、自分の気持ちを切り替えましょう。趣味の活動・体ほぐしの運動・リラクセーションなどで、気分転換をしましょう。また、物事の見方・考え方・受け止め方を見直しても、ストレス対処方法になります。さらに、規則正しい生活を送り、好ましくない対処方法を選ばないようにしましょう。学校医から専門医を紹介してもらったり、スクールカウンセラーから学校以外の専門家(公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士など)を紹介してもらったりします。このように、ストレスの原因は様々なので、状況に合わせて対処方法を選択していきましょう。", "title": "ストレスへの対処の方法" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "★ストレスへの対処方法", "title": "ストレスへの対処の方法" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "★好ましくないストレス対処方法", "title": "ストレスへの対処の方法" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "※これまで、誰かに相談したくても出来なかった経験はありませんか?", "title": "ストレスへの対処とコミュニケーション" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "コミュニケーションの方法は、ストレスの原因・ストレスの対処方法と大きく関係しています。ストレスに耐えられなくなったら、友達や周りの大人などに相談しましょう。相談すると、どうすればよいのかを教えてくれたり、励ましや慰めをもらえたりします。", "title": "ストレスへの対処とコミュニケーション" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "★困った時の相談について", "title": "ストレスへの対処とコミュニケーション" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "★色々な相談窓口", "title": "ストレスへの対処とコミュニケーション" } ]
どうしたらストレスが大きくなりすぎたり、ストレスが長く続いたりしないようになりますか?
[[小学校・中学校・高等学校の学習]]>[[中学校の学習]]>[[中学校保健体育]]>ストレスへの対処の方法 どうしたらストレスが大きくなりすぎたり、ストレスが長く続いたりしないようになりますか? == キーワード == ストレスへの対処・コミュニケーション・呼吸法・漸進的筋弛緩法 == ストレスへの対処の方法 == ※今、自分が何に悩んでいるのかを考えるために、基本の手順でストレスと向き合っていきましょう。 ストレスは、様々な要因から生まれます。心の健康を保つためには、様々なストレス対処方法を知っておきましょう。まず、ストレスの何が問題なのか、どのようなストレス対処方法が望ましいのかを落ち着いて考えなければなりません。次に、ストレスの原因がはっきりしたら、誰かの意見を聞いてストレス解決方法を考えましょう。 例えば、昨日の試合で失敗しても、もう済んでいるので変えられません。このような問題がストレスの原因になっているのなら、自分の気持ちを切り替えましょう。趣味の活動・体ほぐしの運動・リラクセーションなどで、気分転換をしましょう。また、物事の見方・考え方・受け止め方を見直しても、ストレス対処方法になります。さらに、規則正しい生活を送り、好ましくない対処方法を選ばないようにしましょう。学校医から専門医を紹介してもらったり、スクールカウンセラーから学校以外の専門家(公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士など)を紹介してもらったりします。このように、ストレスの原因は様々なので、状況に合わせて対処方法を選択していきましょう。 ★ストレスへの対処方法 # 今どうなっているのか、どうなりたいのかを言葉に表してみましょう。 # 上手くいっている内容と上手くいっていない内容を表しましょう。 # 今から出来る内容とすぐ出来る内容から順に、言葉に表しましょう。 # その方法について相談に乗ってくれる人(友達・家族・教員・医師など)を考えましょう。 ★好ましくないストレス対処方法 * 関係ない人に怒りをぶつけます。他の人に迷惑をかけます。 * 酔っ払ったり、煙草を吸ったり、薬物を使ったりして、気分転換を図ります。 * ゲームなどに依存します。 == ストレスへの対処とコミュニケーション == ※これまで、誰かに相談したくても出来なかった経験はありませんか? '''コミュニケーション'''の方法は、ストレスの原因・ストレスの対処方法と大きく関係しています。ストレスに耐えられなくなったら、友達や周りの大人などに相談しましょう。相談すると、どうすればよいのかを教えてくれたり、励ましや慰めをもらえたりします。 ★困った時の相談について * 誰でも話してみてよかったと感じます。 * ただ聞いてもらうだけでも助かるかもしれません。 * テーマに左右されるので、信頼出来る相手に相談してみましょう。 * 相談内容を誰にも明かさないようにするためには、話す前に秘密にしてほしいとはっきり伝えましょう。 * もし、相談して役に立たなかったと感じても、諦めずに他の人にも相談してみましょう。 ★色々な相談窓口 * 24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)電話:0120-0-78310 * 子供の人権110番(法務局・地方法務局)電話:0120-007-110 * 児童相談所全国共通ダイヤル(厚生労働省)電話:189 * チャイルドライン(NPO法人チャイルドライン支援センター)電話:0120-99-7777 * いのちの電話ナビダイヤル(一般社団法人日本いのちの電話連盟)電話:0570-783-556 * 都道府県警察の少年相談窓口 == リラクセーションの方法 == == 資料出所 == * 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年 * 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年 [[カテゴリ:中学校保健体育|すとれすへのたいしよのほうほう]]
2024-02-14T19:40:31Z
2024-02-24T12:45:17Z
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ESLint
ESLintはJavaScriptコードの静的解析ツールであり、コード内の潜在的なエラーや問題を検出し、コーディングスタイルに関する規則を適用することができます。ESLintを導入することは、コードの品質を向上させ、メンテナンス性を高めるために重要です。 ESLintは、JavaScriptコードの品質管理や一貫したコーディングスタイルの適用に役立つツールです。以下のような利点があります。 ESLintをプロジェクトに導入する手順は以下の通りです。 これでESLintがプロジェクトに導入され、コードの検証が可能になります。 ESLintの基本的なルールは、コード内の様々な問題を検出し、指摘するためのものです。これらのルールは、コーディングスタイルの一貫性を維持し、バグを予防するのに役立ちます。 例えば、次のような基本的なルールがあります。 これらのルールは、プロジェクトの設定や要件に応じて調整することができます。 ESLintを使用してコーディングスタイルのルールを設定し、プロジェクトに適用することができます。プロジェクトのルートディレクトリにあるESLintの設定ファイル(通常は.eslintrc.jsonや.eslintrc.js)を編集して、ルールを定義します。 例えば、次のような設定を行うことができます。 この設定では、インデントは2つのスペース、セミコロンは常に必要、クォートはシングルクォートでなければならず、console文は警告レベルでのみ許可されることを定義しています。 プロジェクトに適したルールを設定するために、ESLintの設定ファイルをカスタマイズすることができます。 これは一部のルールの例であり、プロジェクトの要件に応じてさらに多くのルールが利用可能です。設定例は、ルールがエラーとして扱われるか、または警告として扱われるかを示しています。 ESLintのプラグインを導入することで、特定のルールを追加することができます。 例えば、Reactプロジェクトでは、eslint-plugin-reactを導入することで、React固有のルールを適用することができます。 ESLintを使用してコードの検証を行う実行例を示します。 このコマンドは、yourfile.jsというファイルに対してESLintを実行します。ESLintは設定ファイル(例えば、.eslintrc.json)を自動的に読み込み、指定されたルールに基づいてコードを検証します。問題が見つかった場合、エラーや警告が出力されます。 このコマンドは、カレントディレクトリ(.)内のすべてのJavaScriptファイルに対してESLintを実行します。プロジェクト全体のコードを検証する際に便利です。同様に、設定ファイルに基づいて問題が検出されると、エラーや警告が表示されます。 --fixオプションを使用することで、ESLintが自動的に修正できる問題を修正します。ただし、修正できない問題については手動で修正する必要があります。 多くのエディタはESLintを統合するプラグインを提供しています。例えば、Visual Studio Codeでは、ESLintを統合するための拡張機能をインストールできます。これにより、コードを編集するときにリアルタイムでエラーや警告が表示されます。 これらは一般的なESLintの実行例です。プロジェクトの要件や設定に応じて、さまざまなオプションや機能を活用することができます。
[ { "paragraph_id": 0, "tag": "p", "text": "ESLintはJavaScriptコードの静的解析ツールであり、コード内の潜在的なエラーや問題を検出し、コーディングスタイルに関する規則を適用することができます。ESLintを導入することは、コードの品質を向上させ、メンテナンス性を高めるために重要です。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 1, "tag": "p", "text": "ESLintは、JavaScriptコードの品質管理や一貫したコーディングスタイルの適用に役立つツールです。以下のような利点があります。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 2, "tag": "p", "text": "ESLintをプロジェクトに導入する手順は以下の通りです。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 3, "tag": "p", "text": "これでESLintがプロジェクトに導入され、コードの検証が可能になります。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 4, "tag": "p", "text": "ESLintの基本的なルールは、コード内の様々な問題を検出し、指摘するためのものです。これらのルールは、コーディングスタイルの一貫性を維持し、バグを予防するのに役立ちます。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 5, "tag": "p", "text": "例えば、次のような基本的なルールがあります。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 6, "tag": "p", "text": "これらのルールは、プロジェクトの設定や要件に応じて調整することができます。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 7, "tag": "p", "text": "ESLintを使用してコーディングスタイルのルールを設定し、プロジェクトに適用することができます。プロジェクトのルートディレクトリにあるESLintの設定ファイル(通常は.eslintrc.jsonや.eslintrc.js)を編集して、ルールを定義します。 例えば、次のような設定を行うことができます。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 8, "tag": "p", "text": "この設定では、インデントは2つのスペース、セミコロンは常に必要、クォートはシングルクォートでなければならず、console文は警告レベルでのみ許可されることを定義しています。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 9, "tag": "p", "text": "プロジェクトに適したルールを設定するために、ESLintの設定ファイルをカスタマイズすることができます。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 10, "tag": "p", "text": "これは一部のルールの例であり、プロジェクトの要件に応じてさらに多くのルールが利用可能です。設定例は、ルールがエラーとして扱われるか、または警告として扱われるかを示しています。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 11, "tag": "p", "text": "ESLintのプラグインを導入することで、特定のルールを追加することができます。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 12, "tag": "p", "text": "例えば、Reactプロジェクトでは、eslint-plugin-reactを導入することで、React固有のルールを適用することができます。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 13, "tag": "p", "text": "ESLintを使用してコードの検証を行う実行例を示します。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 14, "tag": "p", "text": "このコマンドは、yourfile.jsというファイルに対してESLintを実行します。ESLintは設定ファイル(例えば、.eslintrc.json)を自動的に読み込み、指定されたルールに基づいてコードを検証します。問題が見つかった場合、エラーや警告が出力されます。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 15, "tag": "p", "text": "このコマンドは、カレントディレクトリ(.)内のすべてのJavaScriptファイルに対してESLintを実行します。プロジェクト全体のコードを検証する際に便利です。同様に、設定ファイルに基づいて問題が検出されると、エラーや警告が表示されます。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 16, "tag": "p", "text": "--fixオプションを使用することで、ESLintが自動的に修正できる問題を修正します。ただし、修正できない問題については手動で修正する必要があります。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 17, "tag": "p", "text": "多くのエディタはESLintを統合するプラグインを提供しています。例えば、Visual Studio Codeでは、ESLintを統合するための拡張機能をインストールできます。これにより、コードを編集するときにリアルタイムでエラーや警告が表示されます。", "title": "初級編" }, { "paragraph_id": 18, "tag": "p", "text": "これらは一般的なESLintの実行例です。プロジェクトの要件や設定に応じて、さまざまなオプションや機能を活用することができます。", "title": "初級編" } ]
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== 初級編 == ===ESLintの導入 === [[ESLint]]は[[JavaScript]]コードの静的解析ツールであり、コード内の潜在的なエラーや問題を検出し、コーディングスタイルに関する規則を適用することができます。ESLintを導入することは、コードの品質を向上させ、メンテナンス性を高めるために重要です。 ==== ESLintとは何か? ==== ESLintは、JavaScriptコードの品質管理や一貫したコーディングスタイルの適用に役立つツールです。以下のような利点があります。 # '''コード品質の向上:''' ESLintはコード内の潜在的なバグや問題を検出するため、コードの品質を向上させます。 # '''一貫したコーディングスタイル:''' チーム全体で統一されたコーディングスタイルを適用することができます。これにより、コードの可読性が向上し、コミュニケーションコストが低減します。 # '''自動化された検証:''' ESLintはコードを自動的に検証するため、手作業でのエラー検出や修正の手間を省くことができます。 ==== ESLintのインストール方法とプロジェクトへの統合方法を学ぶ。 ==== ESLintをプロジェクトに導入する手順は以下の通りです。 ;ESLintのインストール : [[npm]]や[[yarn]]を使用して、プロジェクトにESLintをインストールします。 :<syntaxhighlight lang=shell> # npmを使用する場合 npm install eslint --save-dev # もしくは、yarnを使用する場合 yarn add eslint --dev </syntaxhighlight> ;設定ファイルの初期化 : ESLintを使用するには、設定ファイル(.eslintrc.jsonや.eslintrc.jsなど)が必要です。プロジェクトのルートディレクトリに移動し、ESLintの初期化を行います。 :<syntaxhighlight lang=shell> npx eslint --init </syntaxhighlight> : 初期化プロセスでは、いくつかの質問が表示され、プロジェクトに適した設定を選択できます。 ;エディタの拡張機能のインストール : ESLintの警告やエラーをリアルタイムで表示するために、使用しているエディタにESLintの拡張機能をインストールします。代表的なエディタであるVisual Studio Codeの場合、ESLint拡張機能をインストールします。 これでESLintがプロジェクトに導入され、コードの検証が可能になります。 === 基本的なルールの理解 === ==== ESLintの基本的なルールの機能を学ぶ。 ==== ESLintの基本的なルールは、コード内の様々な問題を検出し、指摘するためのものです。これらのルールは、コーディングスタイルの一貫性を維持し、バグを予防するのに役立ちます。 例えば、次のような基本的なルールがあります。 # '''indent:''' インデントのスペースやタブの数を指定します。 # '''semi:''' セミコロンの使用を強制します。 # '''quotes:''' シングルクォートやダブルクォートの使用を統一します。 # '''no-console:''' console文の使用を禁止します。 これらのルールは、プロジェクトの設定や要件に応じて調整することができます。 ==== コーディングスタイルのルールを設定し、プロジェクトに適用する。 ==== ESLintを使用してコーディングスタイルのルールを設定し、プロジェクトに適用することができます。プロジェクトのルートディレクトリにあるESLintの設定ファイル(通常は.eslintrc.jsonや.eslintrc.js)を編集して、ルールを定義します。 例えば、次のような設定を行うことができます。 ;.eslintrc.json:<syntaxhighlight lang=json> { "rules": { "indent": ["error", 2], "semi": ["error", "always"], "quotes": ["error", "single"], "no-console": "warn" } } </syntaxhighlight> この設定では、インデントは2つのスペース、セミコロンは常に必要、クォートはシングルクォートでなければならず、console文は警告レベルでのみ許可されることを定義しています。 === 設定のカスタマイズ === ==== ESLintの設定ファイルを作成し、プロジェクトに適したルールを設定する方法を学ぶ。 ==== プロジェクトに適したルールを設定するために、ESLintの設定ファイルをカスタマイズすることができます。 # '''設定ファイルの作成:''' プロジェクトのルートディレクトリに.eslintrc.jsonや.eslintrc.jsなどの設定ファイルを作成します。 # '''ルールの定義:''' 設定ファイル内で、プロジェクトに適したルールを定義します。必要に応じて、各ルールの値を調整します。 {| class="sortable wikitable" |+ ESLintのルール一覧表 !名称 !機能 !設定例 |- ! indent |インデントのスペースやタブの数を指定します。 |<code>"indent": ["error", 2]</code> |- ! semi |セミコロンの使用を強制します。 |<code>"semi": ["error", "always"]</code> |- ! quotes |シングルクォートやダブルクォートの使用を統一します。 |<code>"quotes": ["error", "single"]</code> |- ! no-console |console文の使用を禁止します。 |<code>"no-console": "warn"</code> |- ! no-unused-vars |使用されていない変数の検出と報告を行います。 |<code>"no-unused-vars": "error"</code> |- ! eqeqeq |等価演算子を厳密に比較することを強制します。 |<code>"eqeqeq": "error"</code> |- ! no-undef |未定義の変数の使用を禁止します。 |<code>"no-undef": "error"</code> |- ! camelcase |キャメルケースの変数名を強制します。 |<code>"camelcase": "error"</code> |- ! no-extra-semi |余分なセミコロンの使用を禁止します。 |<code>"no-extra-semi": "error"</code> |- ! semi-spacing |セミコロン前後のスペースの一貫性をチェックします。 |<code>"semi-spacing": "error"</code> |- ! curly |ブロックステートメントを強制します。 |<code>"curly": "error"</code> |- ! array-callback-return |コールバック関数内で必ずreturnを使うようにします。 |<code>"array-callback-return": "error"</code> |- ! no-multi-spaces |不要な複数のスペースを許可しません。 |<code>"no-multi-spaces": "error"</code> |} これは一部のルールの例であり、プロジェクトの要件に応じてさらに多くのルールが利用可能です。設定例は、ルールがエラーとして扱われるか、または警告として扱われるかを示しています。 ==== ESLintのプラグインを導入して、より特定のルールを追加する方法を学ぶ。 ==== ESLintのプラグインを導入することで、特定のルールを追加することができます。 例えば、Reactプロジェクトでは、eslint-plugin-reactを導入することで、React固有のルールを適用することができます。 # '''プラグインのインストール:''': npmやyarnを使用して、必要なESLintプラグインをインストールします。 #:<syntaxhighlight lang=shell> npm install eslint-plugin-react --save-dev </syntaxhighlight> # '''設定ファイルへのプラグインの追加:''': ESLintの設定ファイルに、インストールしたプラグインを追加します。 #:<syntaxhighlight lang=json> { "plugins": ["react"] } </syntaxhighlight> # '''プラグインのルールの使用:''': 追加したプラグインのルールを設定ファイル内で使用することができます。 === ESLintの実行 === ESLintを使用してコードの検証を行う実行例を示します。 ; コマンドラインからの実行: :<syntaxhighlight lang=shell> npx eslint yourfile.js </syntaxhighlight> このコマンドは、<code>yourfile.js</code>というファイルに対してESLintを実行します。ESLintは設定ファイル(例えば、<code>.eslintrc.json</code>)を自動的に読み込み、指定されたルールに基づいてコードを検証します。問題が見つかった場合、エラーや警告が出力されます。 ; プロジェクト全体の検証: :<syntaxhighlight lang=shell> npx eslint . </syntaxhighlight> このコマンドは、カレントディレクトリ(<code>.</code>)内のすべてのJavaScriptファイルに対してESLintを実行します。プロジェクト全体のコードを検証する際に便利です。同様に、設定ファイルに基づいて問題が検出されると、エラーや警告が表示されます。 ; 自動修正: :<syntaxhighlight lang=shell> npx eslint --fix yourfile.js </syntaxhighlight> <code>--fix</code>オプションを使用することで、ESLintが自動的に修正できる問題を修正します。ただし、修正できない問題については手動で修正する必要があります。 ; エディタの統合: 多くのエディタはESLintを統合するプラグインを提供しています。例えば、Visual Studio Codeでは、ESLintを統合するための拡張機能をインストールできます。これにより、コードを編集するときにリアルタイムでエラーや警告が表示されます。 これらは一般的なESLintの実行例です。プロジェクトの要件や設定に応じて、さまざまなオプションや機能を活用することができます。 == 中級編 == === カスタムルールの作成 === ==== ESLintプロジェクトの特定のニーズに合わせた検証を行う方法を学ぶ。 ==== === 共有可能な設定の作成 === ==== チーム全体で共有可能な設定ファイルを作成し、一貫したコーディングスタイルを確立する方法を学ぶ。 ==== === 自動修正 === ==== ESLintの自動修正機能を使って、コード内の問題を自動的に修正する方法を学ぶx。 ==== ==== CI/CDパイプラインへの統合 ==== ==== ESLintをCI/CDパイプラインに統合して、コードが自動的に検証されるようにする方法を学ぶ。 ==== == 上級編 == === パフォーマンスの最適化 === ==== ESLintの設定を最適化して、大規模プロジェクトでのパフォーマンスを向上させる方法を学ぶ。 ==== === フロントエンドフレームワークとの統合 === ==== React、Vue.js、AngularなどのフロントエンドフレームワークとESLintを統合して、フレームワーク固有のルールを設定する方法を学ぶ。 ==== === セキュリティの向上 === ==== ESLintを使用してセキュリティの問題を検出するためのプラグインや設定を導入する方法を学ぶ。 ==== [[カテゴリ:JavaScript]]
2024-02-16T03:57:26Z
2024-03-12T07:21:38Z
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https://ja.wikibooks.org/wiki/ESLint