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統蚈によっお前埌する堎合もあるが、この数は䞖界の母語話者数で䞊䜍10䜍以内に入る人数である。
たた第䞀次䞖界倧戊埌、日本に委任統治(南掋諞島を参照)されおいたパラオでは、珟圚も䞀郚地域で日本語を公甚語ず定めおいる。
日本語の音韻は、「っ」「ん」を陀いお母音で終わる開音節蚀語の性栌が匷く、たた暙準語(共通語)を含め倚くの方蚀がモヌラを持぀。
アクセントは高䜎アクセントである。
なお元来の叀い倧和蚀葉では、原則ずしお
などの特城があった(「系統」および「音韻」の節参照)。
文は、「䞻語・修食語・述語」の語順で構成される。
修食語は被修食語の前に䜍眮する。
たた、名詞の栌を瀺すためには、語順や語尟を倉化させるのでなく、文法的な機胜を瀺す機胜語(助詞)を埌ろに付け加える(膠着させる)。これらのこずから、蚀語類型論䞊は、語順の点ではSOV型の蚀語に、圢態の点では膠着語に分類される(「文法」の節参照)。
語圙は、叀来の倧和蚀葉(和語)のほか、挢語(字音語)、倖来語、および、それらの混ざった混皮語に分けられる。
字音語(挢字の音読みに由来する語の意、䞀般に「挢語」ず称する)は珟代の語圙の䞀郚分を占めおいる。
たた、「絵/画(ゑ)」など、もずもず音であるが和語ず認識されおいるものもある。
さらに近代以降には西掋由来の語を䞭心ずする倖来語が増倧しおいる(「語皮」の節参照)。
埅遇衚珟の面では、文法的・語圙的に発達した敬語䜓系があり、叙述される人物どうしの埮劙な関係を衚珟する(「埅遇衚珟」の節参照)。
日本語は地方ごずに倚様な方蚀があり、ずりわけ琉球諞島で方蚀差が著しい(「方蚀」の節参照)。近䞖䞭期たでは京郜方蚀が䞭倮語の地䜍にあったが、近䞖埌期には江戞方蚀が地䜍を高め、明治以降の珟代日本語では東京山の手の䞭流階玚以䞊の方蚀(山の手蚀葉)を基盀に暙準語(共通語)が圢成された(「暙準語」参照)。
衚蚘䜓系はほかの諞蚀語ず比べお極めお耇雑か぀柔軟性の高さが特城である。
音読みおよび蚓読みで甚いられる)ず平仮名、片仮名が日本語の䞻芁な文字であり、垞にこの3皮類の文字を組み合わせお衚蚘する(「字皮」の節参照)。衚音文字で衚蚘䜓系を耇数持぀ため、圓お字をせずに倖来語を衚蚘するこずが可胜だが、ラテン文字(ロヌマ字)やギリシャ文字(医孊・科孊甚語に倚甚)などもしばしば甚いられる。
たた、瞊曞きず暪曞きのどちらでも衚蚘するこずが可胜である(衚蚘䜓系の詳现に぀いおは「日本語の衚蚘䜓系」参照)。
音韻は「子音+母音」音節を基本ずし、母音は5皮類しかないなど、分かりやすい構造を持぀䞀方、盎音ず拗音の察立、「1音節2モヌラ」の存圚、無声化母音、語の組み立おに䌎っお移動する高さアクセントなどの特城がある(「音韻」の節参照)。
日本語は、䞻に日本囜内で䜿甚される。
話者人口に぀いおの調査は囜内・囜倖を問わずいただないが、日本の人口に基づいお考えられるこずが䞀般的である。
日本囜内に、法什䞊、日本語を公甚語ないし囜語ず定める盎接の芏定はない。
しかし、法什は日本語で蚘されおおり、裁刀所法においおは「裁刀所では、日本語を甚いる」(同法74条)ずされ、文字・掻字文化振興法においおは「囜語」ず「日本語」が同䞀芖されおおり(同法3条、9条)、その他倚くの法什においお、日本語が唯䞀の公甚語ないし囜語であるこずが前提ずされおいる。
たた、法文だけでなく公甚文はすべお日本語のみが甚いられ、孊校教育では日本語が「囜語」ずしお教えられおいる。
日本では、テレビやラゞオ、映画などの攟送、小説や挫画、新聞などの出版の分野でも、日本語が䜿われるこずがほずんどである。
囜倖のドラマや映画が攟送される堎合でも、基本的には日本語に蚳し、字幕を付けたり声を圓おたりしおから攟送されるなど、受け手が日本語のみを理解するこずを前提ずしお䜜成される。
原語のたた攟送・出版されるものも存圚するが、それらは倖囜向けに発衚される前提の論文、もしくは日本圚䜏の倖囜人、あるいは原語の孊習者など限られた人を察象ずしおおり、倧倚数の日本人に向けたものではない。
日本囜倖では、䞻ずしお、䞭南米(ペルヌ・ブラゞル・ボリビア・ドミニカ共和囜・パラグアむなど)やハワむなどの日本人移民の間に日本語の䜿甚がみられるが、3䞖・4䞖ず䞖代が䞋るにしたがっお非日本語話者が倚くなっおいるずいう。
たた、倪平掋戊争の終結以前に日本領ないし日本の勢力䞋にあった朝鮮総督府の朝鮮半島・台湟総督府の台湟・旧満州囜で珟圚䞭華人民共和囜の䞀郚・暺倪庁の暺倪(サハリン)・旧南掋庁の南掋諞島(珟圚の北マリアナ諞島・パラオ・マヌシャル諞島・ミクロネシア連邊)などの地域では、日本語教育を受けた人々の䞭に、珟圚でも日本語を蚘憶しお話す人がいる。
台湟では先䜏民の異なる郚族同士の䌚話に日本語が甚いられるこずがあるだけでなく、宜蘭クレオヌルなど日本語ずタむダル語のクレオヌル蚀語も存圚しおいる。
たた、パラオのアンガりル州では歎史的経緯から日本語を公甚語の䞀぀ずしお採甚しおいるが、珟圚州内には日本語を日垞䌚話に甚いる䜏民は存圚せず、象城的なものに留たっおいる。
日本囜倖の日本語孊習者は2015幎調査で365䞇人にのがり、䞭華人民共和囜の玄95䞇人、むンドネシアの玄75䞇人、倧韓民囜の玄56䞇人、オヌストラリアの玄36䞇人、台湟の玄22䞇人が䞊䜍ずなっおいる。
地域別では、東アゞア・東南アゞアで党䜓の孊習者の玄8割を占めおいる。
日本語教育が行われおいる地域は、137か囜・地域に及んでいる。
たた、日本囜内の日本語孊習者は、アゞア地域の玄16䞇人を䞭心ずしお玄19䞇人に䞊っおいる。
「日本語」の範囲を本土方蚀のみずした堎合、琉球語が日本語ず同系統の蚀語になり䞡者は日琉語族を圢成する。
琉球列島(旧琉球王囜領域)の蚀葉は、日本語ず系統を同じくする別蚀語(琉球語ないしは琉球諞語)ずし、日本語ずたずめお日琉語族ずされおいる。
共通点が倚いので「日本語の䞀方蚀(琉球方蚀)」ずする堎合もあり、このような堎合は日本語は「孀立した蚀語」ずいう䜍眮づけにされる。
日本語(族)の系統は明らかでなく、1963幎や1978幎の曞物では、「いく぀かの理論仮説があるが、いただ総意を埗るに至っおいない」ず蚘述された。
孊問的にどの系統だずも断蚀できないので、蚀語孊的にはしばしば『孀立した蚀語』ず分類されるこずが倚い。
アルタむ諞語に属するずする説は、明治時代末から特に泚目されおきた。
その根拠ずしお、叀代の日本語(倧和蚀葉)においお語頭にr音(流音)が立たないこず、䞀皮の母音調和が芋られるこずなどが挙げられる。
叀代日本語に䞊蚘の特城が芋られるこずは、日本語が類型ずしお「アルタむ型」の蚀語である根拠ずされる。
たた、日本語にはトルコ系蚀語の基瀎語圙ず䌌おいる郚分もあり、"Yes"の意味である日本語の"はい"ずりズベク語の"ハ"などがある。
たた、日本語の"いい"はトルコ語で"Ä°yi"、珟圚時制を衚す"~よる"はトルコ語で"yorum"などアルタむ諞語ず共通祖語が日本語に結構残っおいる。
アルタむ諞語に属するずされるそれぞれの蚀語の芪族関係を支持する孊者のほうがただ倚いが、最近のむギリスではアルタむ諞語の芪族関係を吊定する孊者も珟れおいる。
アむヌ語は、語順(SOV語順)においお日本語ず䌌る。
ただし、文法・圢態は類型論的に異なる抱合語に属し、音韻構造も有声・無声の区別がなく閉音節が倚いなどの盞違がある。
基瀎語圙の類䌌に関する指摘もあるが、䟋は䞍充分である。
䞀般に䌌おいるずされる語の䞭には、日本語からアむヌ語ぞの借甚語が倚く含たれるずみられる。
朝鮮語ずは語順や文法構造で類䌌点が非垞に倚い。
音韻の面でも、固有語においお語頭に流音が立たないこず、䞀皮の母音調和が芋られるこずなど、共通の類䌌点がある(その結果、日本語も朝鮮語もアルタむ諞語ず分類される堎合がある)。䞖界の諞蚀語の広く比范した堎合、広く「朝鮮語は日本語ず最も近い蚀語」ずされおいる。
ただし、閉音節や子音連結が存圚する、有声・無声の区別が無い、ずいった盞違もある。
基瀎語圙は、共通点もあるが、かなり盞違する面もある。
なお基瀎語圙に関連しお、朝鮮半島の死語である高句麗語ずは、数詞など重芁な基瀎語圙でも䌌るものがある、ず新村出などから指摘されおいる。
高句麗語の蚘録は非垞に少ないが合わせお玄100単語の蚘録が保存されおいる。
高句麗語には鉛(なたり)=那勿(ナムル)、泉(いずみ)=斌乙ず呌んでいた蚘録があり、高句麗の歊将である泉蓋蘇文は日本曞玀で䌊梚柯須圌(むリカスミ)ず蚘録されおいお、泉(いずみ)は高句麗語で斌乙(むリ)ず呌ばれおいたこずが分かる。
たた高句麗語で氎は買(マむ)、土(぀ち)は内、谷(たに)は旊(たん)、口(くち)は口次、䞉は密、五は于次、䞃は難隱、十は執など高句麗語の蚓読みは珟代の朝鮮語の蚓読みより日本語の蚓読みに非垞に䌌おいるこずが分かる。
䞭囜語ずの関係に関しおは、日本語は䞭囜の挢字を借甚語ずしお広範囲に取り入れおおり、語圙のうち挢字を甚いたものに関しお、圱響を受けおいる。
だが語順も文法も音韻も倧きく異なるので、系統論的には別系統の蚀語ずされる。
南方系のオヌストロネシア語族ずは、音韻䜓系や語圙に関する類䌌も指摘されおいがこれは偶然䞀臎したものであり、お互い関係があるずいう根拠はない。
ドラノィダ語族ずの関係を䞻匵する説もあるが、これを認める研究者は少ない。
倧野晋は日本語が語圙・文法などの点でタミル語ず共通点を持぀ずの説を唱えるが、比范蚀語孊の方法䞊の問題から批刀が倚い
たた、レプチャ語・ヘブラむ語などずの同系論も過去に存圚したが、これに関しおはほずんど疑䌌科孊の範疇に収たる。
日本語話者は普通、「いっぜん(䞀本)」ずいう語を、「い・っ・ぜ・ん」の4単䜍ず捉えおいる。
音節ごずにたずめるならば [ip̚.poÉŽ] のように2単䜍ずなるずころであるが、音韻的な捉え方はこれず異なる。
音声孊䞊の単䜍である音節ずは区別しお、音韻論では「い・っ・ぜ・ん」のような単䜍のこずをモヌラ(拍)ず称しおいる。
日本語のモヌラは、倧䜓は仮名に即しお䜓系化するこずができる。
「いっぜん」ず「たったく」は、音声孊䞊は [ip̚poÉŽ] [mat̚takɯ] であっお共通する単音がないが、日本語話者は「っ」ずいう共通のモヌラを芋出す。
たた、「ん」は、音声孊䞊は埌続の音によっお [ÉŽ] [m] [n] [ŋ] などず倉化するが、日本語の話者自らは同䞀音ず認識しおいるので、音韻論䞊は1皮類のモヌラずなる。
日本語では、ほずんどのモヌラが母音で終わっおいる。
それゆえに日本語は開音節蚀語の性栌が匷いずいうこずができる。
もっずも、特殊モヌラの「っ」「ん」には母音が含たれない。
モヌラの皮類は、以䞋に瀺すように111皋床存圚する。
ただし、研究者により数え方が少しず぀異なる。
「が行」の音は、語䞭語尟では錻音(いわゆる錻濁音)の「か゚行」音ずなる堎合があるが、「が行」ず「か゚行」ずの違いは䜕ら匁別の機胜を提䟛せず、単なる異音どうしに過ぎない。
そこで、「か゚行」を陀倖しお数える堎合、モヌラの数は103皋床ずなる。
これ以倖に、「倖来語の衚蚘」第1衚にもある「シェ」「チェ」「ツァ・ツェ・ツォ」「ティ」「ファ・フィ・フェ・フォ」その他の倖来音を含める堎合は、さらにたた数が倉わっおくる。
このほか、倖来語の衚蚘においお甚いられる「ノァ・ノィ・ノ・ノェ・ノォ」に぀いおは、バ行ずしお発音されるこずが倚いものの、独立した音韻ずしお発音されるこずもあり、これらを含めるずさらに増えるこずずなる。
なお、五十音図は、音韻䜓系の説明に䜿われるこずがしばしばあるが、䞊蚘の日本語モヌラ衚ず比べおみるず、少なからず異なる郚分がある。
五十音図の成立は平安時代にさかのがるものであり、珟代語の音韻䜓系を反映するものではないこずに泚意が必芁である(「日本語研究史」の節の「江戞時代以前」を参照)。
母音は、「あ・い・う・え・お」の文字で衚される。
音韻論䞊は、日本語の母音はこの文字で衚される5個であり、音玠蚘号では以䞋のように蚘される。
䞀方、音声孊䞊は、基本の5母音は、それぞれ
に近い発音ず捉えられる。
̈ は䞭舌寄り、̠ は埌寄り、̜ は匱めの円唇、̹ は匷めの円唇、˕ は䞋寄り、˔ は䞊寄りを瀺す補助蚘号である。
日本語の「あ」は、囜際音声蚘号 (IPA) では前舌母音 [a] ず埌舌母音 [ɑ] の䞭間音 [À] に圓たる。
「い」は少し埌寄りであり [iÌ ] が近い。
「え」は半狭母音 [e] ず半広母音 [ɛ] の䞭間音であり、「お」は半狭母音 [o] ず半広母音 [ɔ] の䞭間音である。
日本語の「う」は、東京方蚀では、英語などの [u] のような円唇埌舌母音より、少し䞭舌よりで、それに䌎い円唇性が匱たり、䞭舌母音のような匵唇でも円唇でもないニュヌトラルな唇か、それよりほんの僅かに前に突き出した唇で発音される、半埌舌埮円唇狭母音である。
これは舌ず唇の動きの連関で、前舌母音は匵唇、䞭舌母音は平唇・ニュヌトラル(ただしニュヌトラルは、珟行のIPA衚蚘では非円唇ずしお、匵唇ず同じカテゎリヌに入れられおいる)、埌舌母音は円唇ずなるのが自然であるずいう法則に適っおいる。
しかし「う」は母音融合などで芋られるように、音韻䞊は未だに円唇埌舌狭母音ずしお機胜する。
たた、[ɯβ] ずいう衚蚘も行われる。
円唇性の匱さを匷調するために、[ɯ] を䜿うこずもあるが、これは本来朝鮮語に芋られる、iのような完党な匵唇でありながら、u のように埌舌の狭母音を衚す蚘号であり、円唇性が枛衰し぀぀も残存し、か぀埌舌よりやや前よりである日本語の母音「う」の音声ずは違いを有する。
たたこの皮の母音は、唇ず舌の連関から倖れるため、母音数5以䞊の蚀語でない限り、発生するのは皀である。
「う」は唇音の埌ではより完党な円唇母音に近づく(発音の詳现はそれぞれの文字の項目を参照)。䞀方、西日本方蚀では「う」は東京方蚀よりも奥舌で、唇も䞞めお発音し、[u] に近い。
音韻論䞊、「コヌヒヌ」「ひいひい」など、「ヌ」や「あ行」の仮名で衚す長音ずいう単䜍が存圚する(音玠蚘号では /R/)。これは、「盎前の母音を1モヌラ分匕く」ずいう方法で発音される独立した特殊モヌラである。
「鳥」(トリ)ず「通り」(トヌリ)のように、長音の有無により意味を匁別するこずも倚い。
ただし、音声ずしおは「長音」ずいう特定の音があるわけではなく、長母音 [Àː] [i̠ː] [u̜̟ː] [e̞ː] [o̜̞ː] の埌半郚分に盞圓するものである。
「えい」「おう」ず曞かれる文字は、発音䞊は「ええ」「おお」ず同じく長母音 [e̞ː] [o̜̞ː] ずしお発音されるこずが䞀般的である(「けい」「こう」など、頭子音が付いた堎合も同様)。すなわち、「衛星」「応答」「政党」は「゚ヌセヌ」「オヌトヌ」「セヌトヌ」のように発音される。