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ParallelFiction-Ja_En-100k

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閑話 3人の勇者~マルベール王国入国~ レイセヘル王国を逃げ出して、森の中の道なき道を行き2週間が過ぎようとしていた。 左腕を失った莉緒も今では普通に動けるようになっている。 それどころか、莉緒には本当に助けられた。 「ストーンバレットッ!」 出くわしたオーク3匹を土魔法で葬った。 「オークだから売れるわね」 花音がそう言いながらオークに触れる。 触れられたオークはアイテムボックスに収納されていった。 「櫂斗、また魔法の威力が上がったんじゃないの?」 莉緒がそう声をかけてきた。 「ああ。自分でもそんな気はする。ステータスオープン」 自分のステータスを確認してみる。 【 名 前 】 カイト・サイトウ 【 年 齢 】 17 【 職 業 】 異世界からやって来た勇者 【 レベル 】 18 【 体 力 】 1235 【 魔 力 】 1195 【 攻撃力 】 1207 【 防御力 】 1174 【 俊敏性 】 1162 【 スキル 】 鑑定 アイテムボックス 聖剣術 火魔法 水魔法 土魔法 風魔法 光魔法 雷魔法 氷魔法 回復魔法 この間確認したときよりレベルが1つ上がっているな。 「レベル上がってる。18になったよ」 「すごいじゃん」 「ホント。この中では櫂斗が1番だね」 花音はレベル17でステータス値で1000を超えているのは魔力と攻撃力だった。 莉緒はレベル16でステータス値で1000を超えているのは魔力だけだ。 でも、俺たちがこの2週間でこれだけレベルを上げられたのも莉緒のおかげと言っても良かった。 「これだけレベル上げられたのも莉緒のおかげだよ」 そう言うと花音も同意する。 「莉緒のおかげでいろんな魔法ができるようになったもんね。それこそ教わってなかった氷魔法とか雷魔法もできるようになったし」 「そんなことないよ。私は思ってたことを言ってみただけで......」 莉緒が照れたようにそう言う。 でも本当に莉緒のおかげだ。 莉緒が魔法書を熱心に読んでいてくれたおかげだもんな。 俺と花音は本を読むまではしてなかったし。 たとえ読んでいても気付かなかったかもしんない。 俺も花音も教えられたものが当然だとしか思ってなかったからな。 莉緒が教えてくれなきゃそういうもんだとしか思わなかった。 俺は莉緒が「魔法に詠唱はいらないんだと思う」と言ったときのことを思い出していた。 俺たち3人でマルベール王国に向けて森の中を進んで5日目のことだった。 その頃には莉緒の様態も安定して、左腕はないものの普通に動けるまでに回復していた。 これも花音と莉緒自身の回復魔法のおかげだった。 森の中とあっていろんな魔物が出てきた。 魔物が売れることは分かっていたから、倒したらなるべくそれぞれのアイテムボックスに保管することにした。 マルベール王国に着いてからの大事な資金になるからな。 その日も出てきたゴブリンを風魔法で倒したところだった。 「見えない風の ゴブリンくらいならこのウィンドカッター1発で十分だった。 「ねぇ、私さ、魔法には興味があったから、魔法の本を読んでたの知ってるでしょ?」 莉緒がそんなことを言い出した。 「そう言えば莉緒は分厚い本よく読んでたわね」 「ああ。俺も魔法には興味あったけど、あの分厚い本は読む気おきなかったな」 「それでね、本を読んでるとき知ったんだけど、実は魔法の詠唱って国ごととか誰に教わったかで違ったりするのよ」 「え? そうなの?」 莉緒の話に驚く花音。 俺も驚いた。 魔法の詠唱ってのはこういうもんだと思ってたからな。 違う詠唱があるとは思いもしなかった。 「それでね、いろいろ本を読んで気付いたんだけど、詠唱っていうのは言葉に出して魔法のイメージを固めるためのものであって、イメージがしっかりできれば必ずしも必要なものじゃないんじゃないかなって思ったの。私たち日本人でしょ。それこそアニメとか映画とかいっぱい観てきたわけだし、イメージならこの世界の人よりしやすいのかなって」 なるほど、イメージか。 それはあり得る話かもしれないな。 それにアニメとか映画を観てきた俺たちならイメージしやすいってのも頷ける。 「それで、試しに練習してみたんだ。見ててね......」 そう言って、莉緒が緊張気味にフ~っと息を吐き出した。 そして......。 「ウィンドカッター!」 ザシュッ―――。 目の前にあった雑草が切れて空を舞った。 「ス、スゲェッ」 「莉緒、すごいッ」 俺と花音がそう言うと、莉緒が照れたようにはにかんだ。 「色々試してみたんだけど、何も言わないで魔法を発動すると、威力も弱くなるしタイミングが難しいの。だから頭の中で魔法のイメージをして魔法名を言って撃ってみたら上手くいったんだ。私でもできるようになったんだから、櫂斗と花音もできるようになると思う」 「よしっ、俺と花音は早速練習だ」 「ええ。あの厨二病みたいな詠唱をしないで済むのならいくらでも練習するわ」 「アハハハ、厨二病ってな。まぁ、確かにそうだけどさ」 「あの詠唱をみんな真剣な顔で言うんだもん、何度笑いそうになったかわからないんだからね」 「フフッ、花音ったら」 「莉緒はあたしたちが練習してるの見ててね。それで、こうした方がいいっていうのがあったら遠慮なく言ってね」 「そうそう、お願いな」 「うん、分かった」 それから俺と花音は丸1日練習を重ねて、莉緒と同じように魔法名を言うだけで魔法を撃てるようになったんだ。 詠唱をしないで魔法を撃てるようになったのは本当に良かった。 詠唱してるだけで、時間をとられるからな。 2、3秒だから大した時間じゃないと思うかもしれないけど、切羽詰まっているときはそれが命取りにもなる。 この森を進んでいてそれはすごく感じたからな。 魔物は待っちゃくれないし。 何も言わないで魔法を撃つこともやってみたけど、莉緒が言うように威力も弱まるし何よりタイミングが合わず動いている魔物に当てるのは難しかった。 莉緒の言うように魔法名を言って撃つのがベストだと感じた。 魔法名を言うだけで魔法を撃てるようになると、コツがつかめるようになった。 魔法はイメージっていうのなら、まだ習っていなかった魔法もできるんじゃないかって話になって、みんなで雷魔法とか氷魔法なんかも試してみた。 すると、思い通り魔法が発動した。 森を進みながらいろいろ試した結果、俺たち3人とも基本の火魔法・水魔法・風魔法・土魔法のほか氷魔法・雷魔法・回復魔法が出来るようになった。 特に莉緒は、左腕がないからもう剣とか槍とかは無理そうだからって言って、凄く一生懸命魔法の練習を重ねていた。 その甲斐もあって、莉緒はバフ・デバフの魔法に聖魔法まで習得した。 バフ・デバフの魔法なんて俺も花音も思いつかなかったけど、莉緒はゲームなんかではあるから出来るかなと思ってやってみたとのこと。 それで練習して出来るようになったんだから大したもんだと思う。 それにこの魔法はものすごくありがたいものだって俺も花音も実感している。 身体能力アップや防御力アップの魔法をかけてもらうと動きのキレが格段に違うし、逆に相手の魔物に身体能力低下とか防御力低下の魔法をかけてもらうと魔物の動きが鈍くなって倒しやすくなった。 いろいろ試してみた結果、効果は約10分程度と時間制限があるものの、この莉緒の魔法は俺たちにとって強い味方になった。 莉緒は聖魔法も習得したわけだけど、この魔法が発動すると莉緒の周辺が淡い光に包まれる。 聖魔法はアンデッド系の魔物に効果抜群らしいけど、この辺ではアンデッド系の魔物はいなかった。 でも、魔法が発動してるってことは効果もあると思うんだ。 アンデッド系の魔物が出た場合は莉緒にがんばってもらおうと思う。 「櫂斗っ、莉緒っ、あそこ見て! 森が途切れてるっ」 最初に気付いたのは花音だった。 俺たちは森が途切れている場所まで走った。 「道よ、道が見えるわっ! それに人も見える!」 森が途切れた先に道が見えた。 その道の向こうの畑に農作業をする農民が見える。 それを見て興奮した花音が飛び出そうとする。 「ちょっと待った!」 俺は花音を呼び止めた。 「何よ、櫂斗」 「着替えないとマズいだろ」 そう言うと、花音は自分の姿を確認した。 「そうだったっわね。これじゃさすがにね......」 俺たちはレイセヘル王国の騎士と同じプレートメイルを着込んでいた。 そのプレートメイルにはレイセヘル王国の紋章がしっかりと刻まれている。 それにその下に着込んでいた洋服も森を進んできたことで所々穴が開いているし大分汚れていた。 俺たちはあらかじめ用意していた着替えの服と革鎧に着替えた。 莉緒は花音から服を借りて着替えてもらった。 革鎧は何とか隙を見て街で購入して用意した。 花音も同じだ。 それから花音はローブも一緒に用意していたらしく、莉緒にはそのローブを着てもらった。 「よし、これで少しはまともになったな」 「このプレートメイルはどうするの?」 花音がそう聞いてくる。 売ればけっこうな金額になるだろうけど、レイセヘル王国の紋章も入ってるしこれはちょっと売れそうにないな。 「これはさすがに売るのはマズいよな」 「そうだね。けっこうな金額になりそうだけど、紋章も入ってるし、どこで手に入れたんだって話になりそう」 莉緒もそう思うか。 「もったいないけど、ここに埋めていこう」 土魔法で穴を掘り、最初はそこに今まで着ていた服を入れて焼いた。 その後にプレートメイルを放り込み土をかぶせた。 「それじゃ、行くぞ」 そう言うと、花音も莉緒も頷いた。 森を出て、まず最初に農民に声をかけた。 「すみませーん!」 「ん? なんじゃー?」 「ここはどこですか?」 「何だ、オメェら冒険者か?」 「はい、初めてこの国に来たんですけど、ちょっと道に迷ってしまって」 「何だ、ランクが低い冒険者かい。気を付けねばダメだぞ」 「まだ冒険者になりたてなもんで......」 「まぁええ。ここはなマルベール王国の国境の村でランペルツ村だ。その道を行った先に入り口が見えてくるだ。ギルドカードは持ってんだべ? それを見せれば入れるぞ」 「ありがとうございます」 俺たちは教えてもらった方向に向けて歩き出した。 「よしッ、よしよし。マルベール王国に入った」 「ええ。やったわね」 大声を出して喜びたいところだったけど、農作業している人たちに怪しまれると困るからそこは何とかこらえた。 俺たちはマルベール王国に無事来ることができた喜びを噛み締めた。

215 Gossip Three Brave Men - Marvel Kingdom Immigration I fled the Reisehel kingdom and went down a roadless path in the woods and two weeks were about to pass. Lio, who lost her left arm, is now able to move normally as well. On the contrary, Lio really helped me. "Stonebarretto!" I buried three orcs I came across with dirt magic. "It's an oak, so you can sell it." Touch the oak while the flower sounds say so. The touched oak was stored in the item box. "Do-do, didn't the magic power increase again? That's what Lio called me. "Oh. I feel that way myself. Status Open" I'll check my status. [Name Name] Kate Saitou [Age] 17 [Occupation] Brave men from different worlds Level 18 [Health] 1235 [Magic] 1195 [Attack] 1207. [Defense] 1174. [Agility] 1162 [Skills] Appraisal Item Box Holy Swordsmanship Fire Magic Water Magic Earth Magic Wind Magic Light Magic Thunder Magic Ice Magic Recovery Magic That's one level higher than when I checked. "I'm on a level. I'm 18." "Wow." "Really, you're number one in this." Flower sounds exceeding 1000 with status values at level 17 were magic and aggression. Lio is at level 16. The only thing that is over 1000 with a status value is magic. But I could also say that I owe it to Lio that we've gotten all this level in the last two weeks. "I owe it to Lio to get this level up." When I say that, I also agree with the flower noise. "You're able to do all sorts of magic thanks to Lio. That's not what I was taught. I can do ice magic and thunder magic." "That's not true. I was just trying to say what I thought..." That's what Lio says as illuminated. But I really owe it to Lio. I guess it's thanks to Lio's enthusiasm for reading the magic book. Me and Flower Sound didn't do it until I read the book. You may not have noticed it even if you were reading it. I only assumed that what I was taught was natural. I just thought that's what Lio had to tell me. I remember when Lio said, "I don't think you need chanting for magic." It was our fifth day in the woods for the Kingdom of Marvel. By then, Lio's condition had stabilized and he had recovered by the time he could move normally, although he had no left arm. This was also due to the flower sounds and Lio's own restorative magic. There were all sorts of demons in the woods. I knew the demons would sell, so I decided to keep them in their respective item boxes as much as possible once I defeated them. It will be an important fund once you get to the Marvel kingdom. I almost defeated the goblin that came out that day with wind magic. "You invisible blade of wind (if you do), tear your enemies apart. Windcutter!" One shot of this windcutter was enough for about a goblin. "Hey, it's me, I was interested in magic, so you know I was reading magic books, right? Lio said that. "If you say so, Lio's been reading a lot of thick books." "Oh. I was interested in magic, too, but you didn't care to read that thick book" "So, when I was reading a book, I found out that magic chants can be different from country to country or from who taught them." "Huh? Really? A surprising floral sound to Lio's story. I was surprised, too. I thought this was what magic chants were all about. I never thought there would be a different chant. "So, after reading a lot of books, I realized that chanting is meant to solidify magical images by putting them into words, and I thought that if the images were solid, it might not always be necessary. We Japanese, right? That's why I've seen so many cartoons and movies, and it's easier to imagine them than people in this world." I see, an image. That could be a story. Besides, I've watched cartoons and movies, and I can snort that it's easy for us to imagine. "So I tried and practiced. Look..." That said, Lio exhaled in a nervous way f ~ all the time. And...... "Windcutter! Zach -. The weed that was in front of me cut and danced in the sky. "Su, sgee" "Lio, wow" When Flowers and I said that, Li Oo flickered like he was lit. "I've tried everything, but when you activate magic without saying anything, it's weaker and harder to timing. So I made a magical image in my head and said my magic name and shot it and it worked. Now that I can do it, I think I can do it too." "All right, me and the flower sounds are quick practice." "Yeah. I'll practice as much as I can if I don't have to chant like that cook two sickness" "Ahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahaha Well, I sure am." "We all say that chant with a serious face, because you don't know how many times I almost laughed" "Huhuhu, if you hear flowers" "Lio sees us practicing. So don't hesitate to tell me if this is the case." "Yes, please." "Yeah, okay" Then me and Flower Sound went through a whole day of practice, and I could shoot magic just by saying the magic name just like Lio did. It was really good to be able to shoot magic without chanting. Just chanting, it'll take time. It's a couple of seconds, so you might not think it's a big time, but when you're stuck with chopped feathers, that's life too. I felt really good going through these woods. The demon won't wait for me. I tried shooting magic without saying anything, but as Lio said, it also weakened its power and most importantly, it was hard to hit a demon that wasn't in the right time and was moving. I felt it was best to say the magic name and shoot, as Lio said. When I could shoot magic just by saying my magic name, I could get the hang of it. If magic is an image, we talked about how we could do magic that we hadn't learned yet, and we all tried lightning magic and ice magic. Then the magic was activated as desired. After all the trials as we went through the woods, all three of us were able to do basic fire magic, water magic, wind magic, earth magic, as well as ice magic, thunder magic, and restorative magic. Especially Lio was practicing his magic very hard because he didn't have a left arm so he couldn't seem to do any more swords or spears. It was also worth it, and Lio even mastered Holy Magic in the magic of Buff Debuff. Neither I nor Flower Sound could think of Buff Debuff's magic, but Lio said he thought he could do it because it was a game or something. I think it's a big deal because I can practice with it now. And I really appreciate this magic, because I feel the sound of flowers. Getting the magic of improving physical ability and defense made the movement extraordinarily different, and conversely, getting the demon of the opponent to perform the magic of decreasing physical ability and defense made the demon movement dull and easier to defeat. After all I've tried, although the effect is about ten minutes and a time limit, this Reo magic has become a strong ally for us. Lio has also mastered the sacred magic, but when this magic is activated, the area around Lio is enveloped in a pale light. Sacred magic seems to work great for undead demons, but there were no undead demons around here. But I also think that magic is working. If an undead demon comes out, I think I'll have Lio hang in there. "Dou, Li Oo, look over there! The woods are broken." The first thing I noticed was the sound of flowers. We ran to a place where the woods were broken. "Road, I can see the way! And I can see people! I saw the road before the forest broke off. I see peasants working in fields across that road. I'm excited to see that. The flower sounds are about to pop. "Wait a minute! I stopped the sound of flowers. "What the hell, dude?" "You need to get dressed." With that said, the flower sounds confirmed their appearance. "You did. That's just it..." We wore the same plate mails as the knights of the Reisehel kingdom. Its plate mails are firmly engraved with the crest of the Kingdom of Lacehel. Besides, the clothes that were worn underneath it also went through the woods, so there were holes and they were mostly dirty. We changed into pre-prepared clothes and leather armor. Lio borrowed his clothes from the flower noise to get dressed. Leather armor managed to see the gaps and bought and prepared in the city. The same sound of flowers. Then the flower noise seemed to be prepared with the robe, and Lio had that robe on. "Okay, now you're a little decent" "What do you do with this plate mail? That's what the flower sounds like. It'd be a hell of a lot of money if I sold it, but it's got the Reisehel Kingdom crest in it, and this isn't going to sell a bit. "This is just not a good idea to sell" "Right. It's going to be a lot of money, but it's got a crest in it, and we're going to talk about where we got it." Does Lio think so? "It's a waste, but let's bury it here" I dug a hole with dirt magic, and at first I baked it with the clothes I had been coming there. Later he threw the plate mails in and covered the soil. Okay, let's go. With that said, both the flower noise and Lio nodded. Leaving the woods, he first spoke to the peasants. "I'm sorry! "Hmm? What? "Where am I? "What, Ome and the other adventurers? "Yes, I've never been to this country before, but I got a little lost." "What, you low-ranked adventurer? You have to be careful." "I'm still a freshman adventurer..." "Well, yeah. This is the village of Lamperts in the border village of the Kingdom of Marvel. You'll see the entrance before you go down that road. Do you have a guild card? Show me that and I'll let you in." "Thank you" We walked out in the direction we were taught. "Okay, okay, okay. I entered the kingdom of Marvel." "Yeah. You did it." I wanted to shout out and rejoice, but I managed there because I would be in trouble if the people working on it were suspicious. We chewed on the joy of being able to safely come to the kingdom of Marvel.

第四十話 半熟トロトロの親子丼とフェルおじちゃん うーん、何作るかな。 フェルが希望する異世界のご馳走は、フェルがまたハッスルしちゃうからもちろん却下。 魔力を使い過ぎてダルいから滋養にいいものがいいな。 滋養にいい食い物っていうとすぐ思いつくのは栄養満点の卵とか? 卵か、ここんところ食ってなかったからいいかも。 卵、卵、卵............。 短時間で出来るし、ロックバードの肉も残ってるからあれにしよう。 そうとなればネットスーパーで買い物だ。 卵とだし醤油を買って、みりんと砂糖はあったし、玉ねぎもあるな......あ、あと大事な米を買わないと。 まずは、玉ねぎを薄切りにして、ロックバードの肉を一口大に切る。 そして卵を割って軽く溶いておく。 あとは火にかける前のフライパンに水、だし醤油、みりん、砂糖で割り下を作ったあと、それを火にかける。 俺は面倒だからいつもだし醤油使っちゃう。 だし醤油めっちゃ便利だぜ。 割り下が沸騰したら玉ねぎとロックバードの肉を入れる。 玉ねぎとロックバードの肉に火が通ったら、溶いた卵を半分だけ入れて弱火で煮る。 卵が固まってきたら残りの溶いた卵を入れてすぐに火を止める。 後に入れた卵は余熱で火を通すくらいにすると、半熟トロトロの親子丼の出来上がりだ。 あとは炊きたての飯に載せて食うだけだ。 「フェ......」 フェルとスイを呼ぼうとしたら、傍でジッと待ってたよ。 「ほら」 フェルの前に特大親子丼を出してやる。 『うむ』 そう言うとガツガツ食い始めた。 スイには普通サイズの親子丼と卵の殻や玉ねぎの皮を出してやる。 『あるじー美味しいよ』 スイが念話で話してくる。 「そうかそうか、良かった」 スイを一撫でして俺も親子丼を食い始める。 うん、なかなか上手く出来たな。 『おかわりだ』 フェルさんや、食うのが早過ぎやしませんかね。 ってか生肉食ってきたんじゃないのかよ。 しょうがないなぁ。 俺はフェルにおかわりを作る。 スイもまだ食いたそうにしてたから、スイにもおかわりを。 まったくうちの従魔たちはよく食うね。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 食後の休憩のとき、そう言えばとフェルに話を切り出した。 「あ、そうそう、フェルに話しとこうと思ってたんだ。スイがな念話できるようになったんだ」 『知っている』 『あのね、フェルおじちゃんとはもう話したのー』 「ブッ......お、おじちゃん............」 フェ、フェルがおじちゃんとはね。 スイは怖いもんなしだな。 まぁ1000歳越えしてるんだから、本当はおじちゃんどころかおじいちゃんなんだろうけど。 『む、笑うな。それとスイ、我をおじちゃんなどと呼ぶなと言っておるだろう』 『えー何で?フェルおじちゃんはフェルおじちゃんでしょう?』 『だから呼ぶなと......』 「ブフッ、ま、まぁまぁいいじゃないか。スイはまだ生まれて14日なんだから。それから比べたらおじちゃんだろう?なぁ、フェルおじちゃん」 『ぐぬぬ、その名で呼ぶな。咬むぞ』 「ハハハ、悪い悪い」 『我がおじちゃんならお主だっておじちゃんだろうが』 「いやいやいや、俺はまだ27歳だぜ。おじちゃんじゃないよ」 『主はあるじなのー』 「ほら、スイもこう言ってるし」 『ぐぬぬぬ。スイ、いいか、我のことはフェルと呼ぶのだ。分かったな』 フェルがグルルと唸りながらスイに向かってそう言う。 『うーフェルおじちゃんはフェルおじちゃんだもん......』 スイはそう言ってブルブルブルブル細かく振動しはじめた。 「何やってんだよ、スイのこと泣かすなよな」 俺はスイを抱っこしてよしよしする。 『ウエーン、あるじー』 ブルブルブルブル震えるスイを慰める。 「ほら、泣くな泣くな。スイは強い子だもんな」 あーよしよし。 「それにしてもヤダねぇ。呼び名一つであんな唸りだすんだもんなぁ、フェルおじちゃんは心が狭いなぁ」 フェルに嫌味っぽくいってやるとぐぬぬと渋い顔をしてフンっとそっぽを向いた。 『我は心が狭くなどない。スイにだけはその呼び名を許そう』 あはは、フェルがスイに負けた。 「スイ、フェルおじちゃんって呼んでいいってさ」 そう言うとスイが嬉しそうにプルプル震えた。 『フェルおじちゃん、ありがとー』 プルプルプルプル嬉しそうに震えるスイ。 あー愛い愛い。 うちのスイたんはかわいいな~。

41 Episode 40: Parent-Child Bowl Of Semi-Ripe Trolls And Uncle Fell Um, I wonder what I'll make. Fell's desired treat for the other world is rejected, of course, because Fell will hustle again. I like something good for nourishment because I use too much magic and it's dally. When it comes to nourishing food, is it just nutritious eggs or something? Eggs, maybe because I didn't eat them here. Eggs, eggs, eggs.......... I can do it in a short time, and I still have Rockbird meat, so let's make that one. In that case, I'll be shopping in an online supermarket. I bought eggs and dashi soy sauce, and there was milin and sugar, and some onions... oh, and I need to buy some more important rice. First, thinly slice the onions and cut the Rockbird meat into bites. And break the egg and let it melt gently. And then I make a crack in the frying pan before I put it on fire with water, dashi soy sauce, mirin, and sugar, and then I light it on fire. I always use soy sauce because I'm a hassle. But soy sauce is very convenient. When the crack boils, add the onion and rockbird meat. Once the onion and rock bird meat have gone through the fire, add only half of the molten egg and simmer over low heat. Once the eggs have solidified, add the remaining melted eggs and stop the fire immediately. When the eggs you put in later are hot enough to put through the fire, you can make a bowl of semi-ripe trout parents and children. All you have to do is put it on freshly cooked rice and eat it. "Fe......" When I tried to call Fell and Suey, I was waiting for her by the side. "Here." I'll serve you an oversized bowl of parents and children before Fell. "Umm." When I said that, I started eating guts. I'll give Sui a bowl of normal-sized parents and children and egg shells and onion skin. It's delicious. Sui talks in a nutshell. "Right, right, good" I stroke a swim and I start eating a bowl of parents and children too. Yeah, you did pretty good. "It's a replacement." Wouldn't it be too soon to eat, Mr. Fell? I thought you were eating raw meat. I can't help it. I'll make a replacement for Fell. I still ate Sui too, so please replace Sui. My squire eats a lot. * * * * * During the post-meal break, I cut out a story to Fell to say so. "Oh, yeah, this is what I was going to tell Fell. Sue is ready to talk." "I Know" "You know, I already talked to Uncle Fell." "Buh... oh, uncle..." Fe, I didn't know Fel was your uncle. I'm not afraid of Sui. Well, I'm over a thousand years old, so I guess I'm really more of a grandfather than an uncle. 'Mm, don't laugh. And Sue, I'm telling you not to call me Uncle or anything.' "Why?" Uncle Fell must be Uncle Fell, right? 'So don't call me...' "Buffoo, stay, well, okay. Sui is only fourteen days old. And compared to that, it's your uncle, isn't it? Hey, Uncle Fell." 'Grunt, don't call me by that name. I'm gonna bite you.' "hahaha, bad bad" "If you were my uncle, you would be my uncle." "No, no, no, I'm only 27. I'm not your uncle." "The Lord is there." "See, that's what Suey says." "Plump." Sue, look, I'm calling you Fell. You got it. ' That's what Fell says to Sui as he roars at Guru. "Uncle Uffel is Uncle Fell......" That's what Sui said, blubber. Blubber began to vibrate fine. "What are you doing, don't make me cry about Sui" I'm gonna hold Suey. Okay, okay. "Wayne, Ruju" Bull, bull, bull. Comfort the trembling sui. "Look, don't cry. Don't cry. Sui is a strong girl." Uh, okay, okay. "And it sucks. You roar like that with one name, Uncle Fell has a narrow heart." When I gave Fell a disgusting look, he looked stuffy and sinister and turned to her softly. "I am not narrow of heart. Only Sui can forgive the name." Haha, Fell lost to Sui. "Sue, you can call me Uncle Fell." When I said that, Sui shook a pull with joy. "Thank you, Uncle Fell." Pull, pull, pull, shudder with joy. Ah, love, love. My Suitan is cute ~.

第四百九十二話 傍迷惑な意気投合 「ドラゴンを新たに従魔にしたって噂、マジだったんだな......」 俺たち一行を見て、ガウディーノさんが遠い目をしながらそんなことをつぶやいた。 そんなに現実逃避しなくてもいいと思うんだ。 「しかも......」 そこで言葉を止めたギディオンさんが前後左右を確認してから、小声で「 「ええ、まぁ」 そこまで察知していたか。 まぁ、皆さんAランク冒険者だしね。 情報には敏感か。 「まぁ、ムコーダさんじゃからな......」 なにそれ。 そんな理由で納得しないでよ、シーグヴァルドさん。 フェオドラさんまで無言のまま頷いているし。 「えーと、そうだ! フェルたちは皆さんのこと覚えてるだろ?」 その場を誤魔化すように、話を変えてみた。 『うむ。確か、ダンジョンで出会った人間どもであろう』 『そうそう。覚えてるぜ』 『ご飯も一緒に食べたー』 フェルとドラちゃんとスイは、“ 「それでですね、みなさんと出会った後に新しく従魔に迎えたのが、このゴン爺です」 微妙な空気の中、勢いで“アーク”の面々にゴン爺の紹介をする。 『儂は主殿以外はどうでもいいんじゃがのう』 「ちょっとゴン爺、そういうことは言わないの!」 ほらぁ、“アーク”の面々が口元ヒクつかせてるじゃんか。 最年長なんだから、もうちょっと空気を読んでよー。 さらに微妙な空気になっちゃったじゃないか。 どうすんだよ、これ。 「そ、そうだ、な、中で落ち着いて話しませんか?」 やっと思いついたのがこの言葉。 俺たちは、冒険者ギルドの中に併設されている食事処で話をすることになったのだった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 注文したぬるいエールを飲みながら、早速話し始める。 「で、ムコーダさんは何でこの街に?」 ガウディーノさんの問いに、かくかくしかじかと魔道コンロが壊れた経緯と、それを新調しにこの街へとやってきたことを話した。 もちろんルバノフ教総本山を潰したことは内緒だ。 「また、とんでもない所に行ってたんだな......」 「まぁ、ムコーダさんたちならありっちゅうことじゃろうて」 ガウディーノさんもギディオンさんもシーグヴァルドさんも、呆れたようにため息をついてから言うのやめてくれませんかね。 俺は断固拒否してたんだから。 「ムコーダさん、そういやブリクストのダンジョンも踏破したんだよな?」 ギディオンさんがそう言うと、ガウディーノさんとシーグヴァルドさんが「そうだ、その話もあったな」と頷いている。 「ええ。フェルたちの強い希望でブリクストのダンジョンへ」 みんな三度の飯と同じくらいにダンジョンが好きだからね。 皆さんからいただいた転移石が大活躍でしたよ。 ハハハ......。 苦笑いしながらみんなを見ると、ご機嫌でカニクリームコロッケをパクついていた。 俺たちがエールを注文したときに、フェルに念話で『我らにも何か出せ』と 虎の子で残しておいたってのに......。 ちなみにだが、フェオドラさんも俺たちの話そっちのけでご機嫌にカニクリームコロッケをパクついている。 フェルたちにカニクリームコロッケを出していたら、フェオドラさんが指をくわえてめっちゃ食いたそうに凝視してくるんだもん、無視できないじゃん。 ま、それはいいとして、俺たちのことよりもガウディーノさんたちのことだよ。 「皆さんこそ、どうしてこの街に?」 「俺たちは護衛だよ、護衛」 ガウディーノさんの話によると、俺たちと別れた後しばらくエイヴリングのダンジョンで探索を続けていたそうだ。 そこで、そこそこの成果もあげて、そろそろ他の街へ移ろうかと考えていたところに、顔見知りの商人からの依頼があり、この街までの護衛任務に就いたそうだ。 「しばらくこの街で活動するんですか?」 渋い顔で歯切れが悪いガウディーノさん。 「俺たちパーティーは水系の魔物とは相性が悪いんだよ」 ギディオンさんが代わりにそう答えた。 なるほどね。 この街での冒険者の活動の場と言えば、エレメイ川ってことになるもんな。 「苦戦するほどのこともないじゃろうが、それ以外にも、この街はあまり治安が良くないと聞くしのう」 そう言いながら、隣でご機嫌にカニクリームコロッケをパクつくフェオドラさんをチラリと見るシーグヴァルドさん。 あぁ~、その仕草だけで何となく想像ついた。 孫もいるフェオドラさんだけど、見た目だけはピッチピチの美人エルフだもんなぁ。 治安がよろしくない場所だと、それだけで面倒ごとに巻き込まれそうだ。 「ということは、違う街へ移動するってことですか?」 「そう考えてはいるんだけど、次にどこにするかがいまいち決まらなくてなー」 「王都やドランはどうかって話もでたんじゃが、儂らにとっちゃどうも新鮮味に欠けるっちゅうかのう」 「そうそう。もう何回も行ってるしな~」 ガウディーノさんもギディオンさんもシーグヴァルドさんも思案顔だ。 「そうだ! 参考に聞くが、ムコーダさんたちはこの後どうするんだ?」 思いついたようにギディオンさんがそう聞いてくる。 「俺たちもこの街での用は済ませたので、明後日くらいには家に戻ろうかなって考えています」 一番の目的だった魔道コンロも無事手に入れたし、明日パパッとお布施&寄付を済ませて、明後日にはカレーリナに向けて出発できたらいいかな。 んん? 3人とも不思議そうな顔してるけど、俺の答えおかしかった? 「「「家?」」」 不思議そうな顔をしている3人の声がハモる。 「ええ。皆さんと別れた後に、カレーリナの街で家を購入したんです」 「マ、マジか......」 「拠点持ちかよ......」 「うらやましい限りじゃのう......」 3人のうらやましげな視線にちょっぴり優越感。 冒険者で持ち家があるってのは、さすがに少ないか。 これも何だかんだ言いつつ稼いでくれるうちのみんなのおかげだね。 「そうだ、皆さんもカレーリナに来ませんか? 部屋が余ってるくらいなので、宿は家を使ってもらってかまわないですし。カレーリナは良い街ですよー」 “アーク”のような高ランク冒険者パーティーがいることは、その街の冒険者ギルドはもちろんのこと、街にとっても良いことなので勧誘してみる。 いつも世話になっているカレーリナの冒険者ギルドのギルドマスターへ、ほんのちょっとだけど恩返しにもなるしね。 「カレーリナか~。そういやいつも通り過ぎるだけで、落ち着いて街に滞在したことはないな」 「考えてみりゃあ確かに」 そんなことを言い合うガウディーノさんとギディオンさん。 「うむ。カレーリナの街、いいかもしれんな! そうしようぞ! ムコーダさんもいるしのう」 シーグヴァルドさんはもろ手を挙げて大賛成だ。 何故かフェオドラさんもコクコクと何度も頷いている。 というか、フェオドラさん一応話は聞いてたんだね。 「まったくお前らは欲望に忠実だな~」 「本当だぜ。シーグヴァルドはムコーダさんが美味い酒持ってるからだし、フェオドラはこれでムコーダさんの美味い飯にありつけると思ってるんだぜ」 「バレてるか。しかしのう、ムコーダさんに飲ませてもらった美味い酒はなかなか忘れられんぞ。あれは本当に美味かった」 そう言ってシーグヴァルドさんは腕を組んで目をつむり、酒の味を思い出しているようだ。 「美味しいご飯、最高!」 俺も聞いたことのないしっかりとした声でそう言うフェオドラさん。 ホント、欲望に忠実過ぎるこの二人に思わず苦笑いだ。 ま、酒と飯くらいなら、出してやるのもそれほど苦ではないけどね。 そんなことを“アーク”の面々と話していると......。 『おい、家に帰ると言っているようだが、我らは帰らんぞ』 「え? フェル、何言って......」 『主殿、そういうことじゃ。儂もフェルから聞いたのじゃがのう』 「そういうことじゃって、ゴン爺まで何言ってんの?」 『我らが今から向かうのは、ダンジョンだ』 「............は? いやいや、俺、聞いてないし」 この後の予定は、家に帰るものだと思ってたぞ。 「おいおいムコーダさん、どうなってんだ?」 話の流れに困惑している“アーク”の面々。 困惑しているのは俺も同じだ。 だってダンジョンに行くなんて聞いてないし。 『ヒャッホ~! 話では手付かずのダンジョンなんだよな。めっちゃ楽しみ~』 『ダンジョン、ダンジョン♪ ダンジョンはスイにおまかせ~♪』 ドラちゃんとスイも知っていたらしく、念話で聞こえてくる声がめちゃくちゃ楽しそうだ。 ......ん? ちょっと待て、手付かずのダンジョン? ...............。 「あーーーっ!」 『フハハ、思い出したか。この前の街で聞いた話だ。手付かずのダンジョンなどという面白い話、我が忘れるわけがなかろうが』 くっそー、思い出した! ブリクストの街でお布施&寄付巡りをしたときに、戦神ヴァハグン様の教会で聞いた話! 群雄割拠の小国群にある手付かずのダンジョン話だ。 『ここから近いのだろう? その小国群とやら』 二ヤリと笑みを浮かべたように鋭い歯を見せて、俺に詰め寄るフェル。 行く気満々じゃん、こいつ~。 ゴン爺も面白そうだと思っているのか全く反対してないし、ドラちゃんとスイに至ってはもう楽しみでしょうがないって感じだ。 「小国群のダンジョンか」 「しかも手付かずのダンジョン」 「お宝が眠ってそうじゃのう」 「美味しい食材があるかも」 “アーク”の面々は、俺とフェルたちとの会話で話の内容を理解したようだ。 いたのか(若干フェオドラさんだけ方向性がアレだけども)、“アーク”の面々も目を爛々と輝かせている。 『ふむ、お主らも分かるか』 偉そうに“アーク”の面々にそう聞くフェル。 「ええ。手付かずのダンジョンとは、非常に面白そうですね」 そう言うガウディーノさんに、ギディオンさんもシーグヴァルドさんもフェオドラさんも同意している。 『お主らも我らに付いてくるか?』 『此奴の知り合いだろう? それならばかまわん』 「それでしたら、是非ご一緒させてください」 『我も入ったことのないダンジョンだ。心して付いてこいよ』 「望むところです」 『フハハハハハ、楽しみだ』 「ハハハハハハ、本当に」 ちょっとちょっとちょっと、なに意気投合しちゃってるんだよ! というか、“アーク”の面々、即決ってどういうことだよー!

514 Episode 492: Annoying Intentions "Rumor has it you turned the dragon into a new obedient demon, you were serious..." We looked at the line and Mr. Gaudino crushed that with a distant eye. I don't think we have to escape so much reality. "Besides..." So I stopped the words, Mr. Gidion checked back and forth, left and right, and then whispered, "Ancient dragon (enchanted dragon), what is it? He asks me to confirm." "Yeah, well" Were you aware of that? Well, you're all A-rank adventurers. Are you sensitive to information? "Well, since you're Mr. Mkoda..." What's that? Don't be convinced for that reason, Mr. Gaudino. Even Mr. Feodora snorts silently. "Uh, yeah! The Fells remember you, don't they? I tried to change the story so as to mislead the occasion. "Uhm. Sure, it would be the humans we met in the dungeon" 'Yes, yes. I remember.' "I had dinner with you." Fell, Dora and Sui seem to remember the faces of the Ark. "So, after meeting you all, it was this old Gong who greeted me with a new obedience." In the subtle air, introduce Grandpa Gong to the face of "Ark" with momentum. "Non cares but the Lord." "Hey Grandpa Gong, that's not what I'm saying! Look, the "arc" face is cracking your mouth. You're the oldest, so read some more air. You've got even more subtle air. What's going on, this? "Oh, yeah, well, why don't we just calm down inside and talk? It's this word I finally came up with. We were supposed to have a conversation at a dining room set up in the Adventurer's Guild. * * * * * Drink the warm ale you ordered and start talking quickly. "So, what brings Mr. Mukoda to this city? To Mr. Gaudino's inquiry, he told him how the magic stove was broken and how he had come to this city to renew it. Of course, don't tell me that you crushed the Lubanov main mountain. "You've been to a hell of a place again..." "Well, Mr. Mukoda, there's a lot going on." Will Mr Gaudino, Mr Gidion and Mr Siegvaldo both stop saying it after sighing as if they were frightened? I refused. "Mr. Mkoda, no, you broke through Brixt's dungeon, too, didn't you? When Ms Gidion says so, Mr Gaudino and Mr Siegvaldo nod, "Yes, you had that story too". "Yep. Fells' strong hopes for a Brixt dungeon" Because everyone likes dungeons as much as three meals. The metastatic stones you guys gave me worked great. Hahahaha...... Seeing everyone laughing bitterly, he was in a good mood and puckered with crab cream croquettes. When we ordered ale, Fell asked us to "serve something, too," sometimes in the Adventurer's Guild, and we framed it for serving the least smelly crab cream croquette of the dishes we kept, without being able to serve anything that smelled too strong. I said I left it with the tiger child... By the way, Mr. Feodora's in the mood for a crab cream croquet just like our story. If you were serving crab cream croquettes to the Fells, Mr. Feodora would stare at you like he'd turned his finger and ate it so bad, you can't ignore it. Well, that's better than us, Mr. Gaudino. "You're the ones, why are you in this city? We're escorts, escorts. According to Mr. Gaudino's story, he continued his exploration in the Avling dungeon for a while after he broke up with us. So, with the results there as well, I was thinking it was time to move to another city, and a merchant I knew asked me to, and they took escort duties to this city. "Do you work in this city for a while? Mr. Gaudino with a sinister face and a bad tooth cut. "We party doesn't go well with water demons." That is what Mr Gidion replied instead. I see. When it comes to the place where adventurers operate in this city, it means the Elemei River. "Nothing like a struggle. Other than that, I hear the city isn't very safe." With that said, Mr. Siegvald sees Mr. Feodora flaking crab cream croquettes in a chilling mood next door. Oh, I kind of imagined that trick alone. I also have a grandson, Mr. Feodora, but he's just a beautiful elf with a pitch pitch. If it's a place of insecurity, that's the only thing that's going to get me into trouble. "Does that mean moving to a different city? "That's what I'm thinking, but I can't really decide where I'm going next." "We talked about Wang Du and Dolan, but they lack freshness." "Yes, yes. I've been there many times already." Mr. Gaudino, Mr. Gidion and Mr. Seegvaldo are both creative faces. "That's right! For your information, what are you going to do with Mr. Mukoda after this? That's what Mr. Gidion asks me, just like I thought. "We're done in this city, so I'm thinking about going home the day after tomorrow." I also got the magic stove that was my primary purpose safely, and I hope I can finish my papa's boutique & donation tomorrow and set off for Karelina the day after tomorrow. Hmm? They all look strange, but was my answer strange? "" "Home? Three voices with strange faces are hammered. "Yeah, I bought a house in the city of Carrerina after I broke up with you guys." "Ma, are you serious..." "Do you have a base..." "As long as I'm flattered..." A little superiority in the three flattering glances. Are adventurers and homeowners just few? I owe this to all of us who make money while you say it. "Yes, why don't you guys come to Carrerina? I have enough room, so I don't mind if the inn uses the house. Kaleilina is a good city." Having a high rank adventurer party like "Ark" is a good thing for the city as well as the adventurer guild in that city, so I'll solicit it. To the guild master of the Currie Lina Adventurers Guild, who always takes care of her, just a little bit, but also in return. "Curry Lina ~. No, I'm just passing by. I've never stayed in the city calmly." "Think about it. Oh, sure." Mr Gaudino and Mr Gidion, who say that to each other. "Mm-hmm. The city of Carrerina, that might be nice! Let's do that! Mr. Mukoda is here." Mr. Seegvald is very much in favor of raising his hand. For some reason, Mr. Feodora has also nodded over and over again. Or, Mr. Feodora, you've been listening to me for a while. "Damn you guys are true to desire ~" "It's true. Siegvaldo thinks that Mr. Mukoda has a good drink, and Feodora thinks that this will make it into Mr. Mukoda's delicious meal." "Do you find out? But it's hard to forget the delicious drinks that Mr. Mukoda gave me. That was really good." That being said, Mr. Seegvald seems to be arming up and glancing at him and remembering the taste of alcohol. "Delicious rice, great! Mr. Feodora says that in a solid voice I've never heard either. Really, I laughed bitterly at these two who are too faithful to their desires. Ma, if it's about booze and rice, it's not that bitter to serve. Talking about that with the "arc" face... "Hey, I think you're saying we're going home, but we're not going home." "Huh? Fell, what are you saying..." "Lord, that's not what I'm talking about. Fell told me." "That's not what you're talking about. What are you talking about to Grandpa Gong? "It's the dungeon we're headed to now." "............ what? No, no, I'm not listening to you." I thought you were going home after this. "Oh, come on, Mr. Mkoda, what's going on? The face of the "arc" confused by the flow of the story. I'm the same one who's confused. 'Cause I didn't hear you go to the dungeon. "Hyah ho! It's an untouched dungeon, isn't it? I'm so excited ~ ' "Dungeons, dungeons The dungeons are left to Sui ~" He also knew Dra and Sui, and the voices he hears in his reading sounds like so much fun. ...... hmm? Wait, an untouched dungeon? ............... "Ahhh! "Huhaha, do you remember? That's what I heard in the last dungeon. Interesting story about an untouched dungeon or something, I can't quite forget. ' Damn, I remember! What I heard in the church of the god of war, Lord Vahagn, when I toured the Bush & Donate in a dungeon in Brixt! It's an untouched dungeon story in a crowded group of small nations. "Is it close to here? that small group of nations and do it ' Show me your sharp teeth like you smiled at me, Fell, stuffing me. You're willing to go, this guy. I don't disagree at all that Grandpa Gong thinks it sounds interesting either, and I feel like I won't be looking forward to it any more when it comes to Dora and Sui. "A dungeon of small nations." "And an untouched dungeon" "The treasure is asleep." "There may be delicious ingredients" Ark's face seems to have understood the conversation between me and the Fells. Besides, whether the adventurer's soul was in pain (although only Mr. Feodora is slightly in the right direction), the "arc" faces are also making his eyes shimmer. "Hmm, you know what I mean?" Fell asks that to the face of the "arc" greatly. "Yeah. Untouched dungeon sounds very interesting." I agree with Mr Gaudino, Mr Gidion, Mr Siegvaldo and Mr Feodora, who have said that. "Will your lords follow us? "You know this guy, don't you? I don't care. ' "If that's the case, please let me come with you" 'It's a dungeon I've never been in either. Follow me.' "It's where I want it" "Fuhahahahahaha, I'm looking forward to it" "Hahahahahahaha, really" Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey! I mean, "arc" face, what do you mean, "instant"?

閑話 見ぃーちゃった、見ぃーちゃった はぁ、美味しいからと言って食べ過ぎたのじゃ。 異世界人の供えた菓子を3日で食べきってしまうとは、妾の一生の不覚じゃ。 異世界人め、早く妾に供えと祈りをささげんかのう。 これ以上遅いなら神託を下すことも考えねばならんな。 水鏡を覗きながら思うのはそんなことばかりじゃ。 むむっ、ようやくか。 異世界人が妾に供えと祈りをささげるようじゃ。 「風の女神ニンリル様、お供え物ですお納めください。神の加護をお与えくださり感謝します。これからもよろしくお願いいたします」 「おぉっ、待っておったぞ!これ以上遅くなるようだったら神託を下そうと思っておったとこじゃ」 な、なぬ?異世界人め、甘味ばっかり食ってると太るだと? 「わ、わわわ妾のような神が太るわけなかろう。い、いつでも妾は美しいのじゃ」 か、神が太るわけなかろう。 わ、わわ妾はいつでも美しいに決まっておろう。 と、当然じゃな。 “何ドモってるんですかね”じゃと? 「う、ううううるさいのじゃ。あのけーきとかぷりんとか言う甘味が美味しすぎて3日で食べつくしたとかはないのじゃっ」 あれは妾が悪いのではない。 けーきやぷりんが美味しすぎただけなのじゃ。 異世界人め“太るわけないとか美しいのじゃとか言ってるけど絶対怪しい”じゃと? “3日であの量食ったら確実に太るな”じゃと? 「ぐぬぬぬぬ、その話は終わりなのじゃ。そんなことよりもっ、今回はどのような甘味なのじゃ?」 今回はどのような甘味か、それが一番大事なのじゃ。 むむむむむっ、異世界人め、言うに事欠いてたかが甘味じゃと? 「たかが甘味じゃと? このたわけ者がッ! 甘味こそ至高なのじゃ」 甘味こそ至高、これは不変なのじゃっ。 異世界人が妾が思考をよんでいることに気付いたようじゃのう。 思考を読んでることがぷらいばしーとやらの侵害じゃと? 「フンッ、何がぷらいばしーの侵害じゃ。妾は神じゃ。神に対してぷらいばしーなどある訳なかろう。見ようと思えばお主の生活の一部始終を見ることもできるし、お主の考えていることも手に取るように分かるのじゃ。何せ妾は神じゃからな。すごいじゃろう。だから妾を敬うのじゃっ」 ふふんっ、妾は神じゃからのう。 偉いんじゃぞ。 ぬ?ざ、残念な女神様じゃと?妾がか? 「ぬぅぅぅぅっ、妾は残念なんかではないのじゃっ」 異世界人めがーーーーーッ。 「えーと、今回は和菓子にしてみました。私がいた国のお菓子です。ニンリル様がご所望された、あんぱんやどら焼きの中に入っていた黒くて甘い“あんこ”がたくさん使われているお菓子ですよ」 はっ?!な、何と、“あんこ”がたくさん使われているお菓子じゃと? あれは良い、“あんこ”は美味しいっ。 「あの“あんこ”の菓子かっ。あれはクドくないやさしい甘さがたまらんのじゃ」 “あんこ”のことを思い出すと涎が......。 はっ、いかんいかん。 風の女神とあろう者が。 「見ていただいたとおり、どら焼きもまた用意させていただきました」 何と、どら焼きもあるのか?! 異世界人、でかしたではないかっ。 それでは早速神界に転送なのじゃー。 「むほーっ、今回もたくさんあるのじゃ。お主、よくやったのじゃ」 おうおう、今回もたくさん......良いではないか、良いではないか。 「早速どら焼きをいただくのじゃ。もぐもぐ......むっはー相変わらずどら焼き美味しいのじゃーっ!」 久方ぶりの甘味じゃ。 美味しいのう、美味しいのう。 今回は食べ過ぎ注意じゃな。 妾も心得ておる。 だが、あと1つだけ......。 うん、これにするのじゃ。 “かすてら”とかいう四角くて上と下が黒くて中間は薄い黄色の菓子じゃな。 どれ一口、パクリ。 むはーッ、ふんわりしっとりでやさしい甘さがたまらんのじゃー。 これは良い、良いぞっ。 パクパクパクパク。 はっ、もうないのじゃ。 ちょっと食べ足りない気がするから......っていかん、ダメじゃ。 これでは前回の二の舞なのじゃ。 うううぅぅぅ、こ、ここは我慢、我慢なのじゃーーーーー。 甘味を我慢してうんうん唸っている風の女神ニンリル様をジーっと影から覗く女性の姿が......。 見ぃーちゃった、見ぃーちゃった。 あの子、最近こそこそしてると思ったら1人でこんなことしてたのねぇ。 1人だけ美味しいもの食べるなんてズルイわ~。 早速女神仲間に教えてあげましょーっと。

65 I Saw The Gossip. I Saw The Gossip. Ha, you ate too much just because it was delicious. A concubine's lifelong unconsciousness is that she eats up confectionery offered by other people in three days. Different worlds, why don't you offer a prayer to your concubine soon? If it's any slower, you'll have to think about putting down a trust. That's not all I think about while peering into the water mirror. Mmm, finally. It seems that other people offer prayers to their concubines. "Dear Nin Lil, Goddess of the Wind, it's an offering. Give it to me. Thank you very much for the blessing of God. Best regards," "Oh, I've been waiting! If it seems like it's going to be any slower, I've been thinking about dropping the trust." Hey, what? Different worlds, you think eating all the sweetness makes you fat? "Wow, wow. God like a concubine can't be fat. I mean, a concubine is always beautiful." Or, there is no way that God will gain weight. Whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa. The concubine is always beautiful. And, naturally. "What the hell is wrong with you?" "Ugh, it's loud. I don't think the sweet flavor, like Keiki or Plump, is too delicious to be eaten in three days." That's not a bad concubine. Keiya pudding was just too delicious. You're saying, "You can't be fat or beautiful, but you're definitely suspicious"? "If you eat that amount in three days, make sure you don't get fat." "Stuff, that's the end of the story. More than that, what kind of sweetness is it this time? That's what sweetness is all about this time. Mm-hmm. You're a different kind of person. You think it's sweet that you're missing something to say? "You think it's sweet? You bastard! Sweetness is supreme." Sweetness is the supreme, this is immutable. It seems that the other world has noticed that the concubine is thinking. You think reading thoughts is an infringement of flashbacks? "Humph, what is the infringement of Puebla? The concubine is not a god. There's no way there's a splash against God. If you want to see it, you can see the whole life of the Lord, and you know what the Lord thinks so you can take it. My concubine is not a god. Wow. That's why I honor my concubine." Phew, the concubine is a god. It's not great. You think she's a sorry goddess? You got a concubine? "Nooooooooooo, I'm not sorry about the concubine." Different worlds. Uh-huh. "Uh, this time I made it into Japanese sweets. It's a treat from the country I was in. It's a treat that uses a lot of black and sweet" mako "that was in the pan and rakuroyaki that Nin Lil wanted." Ha?! What, a treat with a lot of "manko"? That's good, "Aiko" is delicious. "That" cock "treat. That's not crude. I can't resist the gentle sweetness." When I think of "Anko", I salivate... Ha, how about that? The goddess of the wind and the wanderer. "As you have seen, we have prepared both bakes again" Oh, my God, do you have both bakes?! Different worlds, you didn't make a fool of yourself. Then it's a quick transfer to the divine realm. "Muho, there's a lot going on this time. Good job, Lord." Whoa, a lot this time too...... not good or not. "Let's get you some baking soon. Momogu... Momogu - Still delicious! It hasn't been sweet in a long time. Yummy, yummy. Don't be too careful this time. I also know my concubine. But just one more thing... Yeah, let's do this. "Even" is a square, black top and bottom, and a light yellow sweet in the middle. Which bite, Pacri. Mu Ha, I can't resist the fluffy, gentle sweetness. This is good, this is good. Pak, pak, pak. Ha, there isn't any more. I don't think I'm eating enough... so no. This is the last two dances. Ugh, this place is patient, it's patient. Patience the sweetness. Yeah, yeah. There's a woman peeking through the shadows jeezy at the roaring goddess of wind, Nin Lil... I can't see, I can't see. That kid, I thought he'd been doing this by himself lately. It's cheap to eat something delicious just for one person. Tell your fellow goddesses quickly - hey.

第二百十七話 噂話 「アドリアンさん、朝早くから申し訳ありませんでした」 「いえいえ、これも仕事ですからな。それではこれが代金です。お確かめください」 1、2、3......大金貨118枚と金貨5枚で全部で金貨1185枚分。 「それでは、私は早急にカレーリナへ向けて出発せねばなりませんので」 「お気をつけて。あ、ランベルトさんにもよろしくお伝えください」 朝早くから護衛の冒険者を引き連れて出向いてくれていたアドリアンさんたちがカレーリナへ向けて出発していった。 「ふぅ、終わったぜ。何とか間に合ってよかった」 昨日は、夜遅くまで1人で石鹸やらシャンプーやらの詰め替え作業だった。 石鹸はビニールやら外箱やらをとって箱に詰めて、リンスインシャンプーやシャンプーやらは壷に中身を入れていくだけの単純作業ではあるんだけどな。 それでも数が数だからさ、けっこう時間かかった。 だけど、前に詰め替え作業をやったときよりは効率的だったぞ、 それというのもリンスインシャンプーとシャンプーとトリートメントについては、なんと普通の詰め替えの6個分の超特大サイズの詰め替えがあったからな。 前はなかった気がするんだけど、今回見たらあったんだよ。 よく調べたわけじゃないけど、レベルが上がって地味に商品の数が増えたんじゃないかなって思ってる。 基本はスーパーだから、商品が増えるっていっても地味にこういう詰め替えの種類が増えるとかなんだろうね。 そういうのもあって大変ではあったけど、何とか徹夜まではしなくて済んだよ。 とは言うものの......。 「ふぁ~、眠い」 少し寝不足気味ではある。 濃い目のコーヒーでも飲んでシャキッとしないとな。 みんなに朝飯食わせたら、冒険者ギルドに行かなきゃならないしね。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ここ数日ですっかり顔を覚えられているのか、冒険者ギルドに入ると、すぐに2階のギルドマスターの部屋に案内された。 「ちょっと座って待っててくれるか、すぐ終わるから」 マルクスさんにそう言われて、座って待つ。 職員の人と麻袋を確認しているから、俺に支払う買取代金の最終確認をしているみたいだ。 それが終わって、マルクスさんが俺の向かいのイスに座った。 「すまんな、お前さんに支払う代金の確認してたもんでな、それでな......」 買取の詳細が書いてある紙だろうか、マルクスさんがそれを確認している。 「えーと、詳細を説明するぞ。ダンジョン産の品の方だが、オークの睾丸×31で金貨24枚と銀貨8枚、ミノタウロスの鉄斧×15で金貨30枚、オークキングの睾丸×1で金貨13枚、レッドオーガの魔石(中)×1で金貨80枚、ジャイアントキラーマンティスの鎌×38で金貨76枚、マーダーグリズリーの毛皮×21で金貨52枚と銀貨5枚、ジャイアントセンチピードの外殻×3で金貨246枚、キラーホーネットの毒針×286で金貨143枚、ミミックの宝箱(小)×1で金貨188枚。そんで合計が金貨853枚と銀貨3枚だ」 ダンジョン産の品だけでもけっこうな金額になったな。 の血なんだがな、1瓶金貨180枚で買取させてもらう。2瓶で金貨360枚だな。滅多に手に入らない一品だからな、かなり色つけさせてもらったぜ」 おおっ、1瓶金貨180枚か。 ドランで買取してもらったときより高いな。 「つうことで、両方あわせて〆て金貨1213枚と銀貨3枚だ。今回も大金貨で用意したぞ。確認してくれ」 はいはい、えーと、大金貨121枚と金貨3枚と銀貨3枚、大丈夫あるね。 俺は買取代金をアイテムボックスにしまった。 あ、商人ギルドのこと相談しないと。 「マルクスさん、ちょっとご相談があるんですが......」 マルクスさんに商人ギルドがダンジョン産の品を買取したいと言って来ている旨伝えた。 「それでですね、商人ギルドでは特に宝石類を手に入れたいようなんですが、私はその辺の価値には疎くて......」 ドランの商人ギルドであったことも話した。 「なるほどな。冒険者だとその辺は疎いわなぁ。というか、さすがはドランのウゴールだな。見識が高い」 「マルクスさんはウゴールさんを知ってるんですか?」 「まぁ、顔見知り程度にはな。それ有名な話だぞ、ドランのギルドは副ギルドマスターのウゴールがいるから保っているようなもんだってな」 そうなんだ、知らんかった。 でもドランのギルドがウゴールさんで保ってるってのは正しいね。 「あそこのギルドマスターは元Sランクの冒険者だが、自分の好きなことにはとことんこだわって仕事をするが変わり者だって聞くしな」 ............エルランドさん、残念な噂が広がってますよ。 まぁ、噂と言ってもほぼ正解なんですが。 面倒なことはウゴールさん任せだし、ドラゴンのこととなると暴走するしね。 「ドランのギルドマスターのエルランドさんですね。確かに変わった方でした......」 「知ってるのかって、そうか。この街の前はドランにいたんだもんな」 「ええ、ドラゴンが大好きな非常に変わった方でしたよ、ハハハ」 悪い人じゃないんだけど、あの尋常じゃないドラゴンLOVEなところは正直ドン引きだった。 ま、まぁここはエルランドさんの話はひとまず置いておいて。 「それでですね、できればここで宝石類の査定なんかをしてらっしゃる職員の方に一緒に商人ギルドへ行っていただければと思いまして。もちろん費用はお支払いしますので」 「ここのギルドで宝石類に一番詳しい職員といったら、あいつか。んじゃ紹介するから、付いてきてくれ」 マルクスさんの後に付いて行って紹介されたのが、40代半ばのふっくらしたギルドの中でも古株といった感じの女性職員のカルロッテさんだった。 「このカルロッテがこのギルドでは宝石類に一番詳しいな」 「何なんです? ギルドマスター」 マルクスさんがカルロッテさんに事情を説明した。 「まぁまぁ、おもしろそうじゃないですか。ここのギルドで宝石類の買取依頼なんてめったにないし、これは腕が鳴るわ~」 カルロッテさんもえらいノリ気だ。 「俺も後学のために立ち会わせてもらうぜ。いいか?」 「それは大丈夫ですけど、みなさんの予定はどうですか?」 マルクスさんとカルロッテさんの予定を聞くと、明日の昼過ぎならということで、明日の昼過ぎにみんなで商人ギルドに行くことになった。 「それじゃ、明日の昼過ぎにまた来ますんで」 「ああ、待ってるぞ」 「待ってますからね~、楽しみだわぁ」 マルクスさんとカルロッテさんに見送られて冒険者ギルドを後にした。

230 Chapter 217: Rumors "Sorry about earlier in the morning, Mr. Adrian" "No, this is my job, too. Then this is the price. Make sure." One, two, three... 118 large gold coins and five gold coins for a total of 1185 gold coins. "Well, I have to leave for Carrerina as soon as possible." "Take care. Oh, and say hello to Mr. Lamberto." The Adrians, who had taken the escort adventurer out early in the morning, set off for Carrerina. "Phew, it's over. Glad I managed to make it." Yesterday, it was a refill job for soap and shampoo by myself until late at night. Soap is a simple task to take vinyl and pack it in a box, and rinse in shampoo and shampoo in a box. Still, it took me a long time to count. But it was more efficient than when I did the refill before. That's because for rinse in shampoo, shampoo and treatment, what a super-sized refill there was for six regular refills. I don't think I had it before, but I saw it this time. I didn't do a lot of research, but I think the number of products has grown plainly due to higher levels. The basics are supermarket, so I guess there will be more types of refills like this in plain sight even when it comes to more products. It was hard for me to do that, but I didn't have to do it all night. That said...... "Huh, sleepy" I feel a little sleepless. I need to get some dark eye coffee and freshen up. If I let everyone have breakfast, I'd have to go to the Adventurer's Guild. * * * * * Are you completely remembered for your face in the last few days, when you entered the Adventurer Guild, you were immediately led to the Guildmaster's room upstairs. "Why don't you sit down for a minute and wait, 'cause I'll be right over" That's what Mr. Marx told me, sit down and wait. Looks like he's checking the hemp bag with an official, so he's definitively checking the purchase price he pays me for. When that was over, Mr. Marx sat in the chair across from me. "Sorry, I was checking the price you pay, so..." Could it be a piece of paper with details of the purchase, Mr. Marx confirms that? "Uh, I'll explain the details. Products from the dungeon, but 24 gold and 8 silver coins in Oak's testicles x 31, 30 gold coins in Minotaur's Iron Axe x 15, 13 gold coins in Oak King's testicles x 1, 80 gold coins in Red Auga's Demon Stone (medium) x 1, 76 gold coins in Giant Killer Mantis's Sickle x 38, 52 gold and 5 silver coins in Murder Grizzly's Fur x 21, 246 gold coins in Giant Centipede's Outer Shell x 3, 143 gold coins in Killer Hornet's Poison Needle x 286, and 188 gold in Mimic's Crate (small) x 1. That's 853 gold coins and three silver coins." The dungeon product alone is worth a lot of money. "The rest is ground dragon blood, but let me buy it for 180 gold coins a bottle. 360 gold coins for two bottles. It's a rarely available dish, so I got a lot of color on it." Whoa, 180 gold coins a bottle? That's more expensive than when you bought it on the drain. "Then, together, there are 1213 gold coins and three silver coins. I've got it in big gold this time. Check it out." Yes, yes, uh, 121 large gold coins, three gold coins and three silver coins, you're fine. I turned the purchase price into an item box. Oh, I need to talk to you about the Merchant Guild. "Mr. Marx, I need to talk to you for a second..." I told Mr. Marx that the Merchant Alliance wanted to buy products from the dungeon. "So, in the Merchant Guild, I seem to want to get jewelry in particular, but I'm oblivious to the value of the area..." I also told him that it was Doran's Merchant Guild. "I see. If you're an adventurer, you're neglecting that neighborhood. I mean, that's Dran's Ugol. High visibility." "Does Mr. Marx know Mr. Ugol? "Well, not to the degree of familiarity. That's a famous story, Doran's guild is like having a deputy guild master Ugol." That's right, I didn't know. But you're right that Doran's guild has it in Mr. Ugol. "The guild master over there is a former S-rank adventurer, but don't listen to me as a weirdo, working hard on what I like." There are unfortunate rumors spreading, Mr. Elland. Well, you're almost right to say rumors. I'll take care of the troubles, Mr. Ugol, and when it comes to the dragons, we'll run wild. "You're Elland, the Guildmaster of Drun, right? He did change..." "You know, right? I was in the drain before this city." "Yeah, I love dragons. He was very unusual, hahahaha" I'm not a bad person, but the thing about that unusual dragon LOVE was honestly a dong pull. Ma'am, well, leave Mr. Erland's story alone here for now. "So, I was hoping that if possible, officials who do gemstone assessments here would go to the Merchant Guild with me. Of course I'll pay for it." "When it comes to officials who are most familiar with jewelry here in the guild, that's him. I'll introduce you. Follow me." It was Carlotte, a female employee who felt like an ancient stock among the plump guilds of the mid-forties, who followed and was introduced after Mr. Marx. "This Carlotte is the most knowledgeable gemstone in this guild." "What is it? Alliance Master" Mr Marx briefed Mr Carlotte on the situation. "Well, isn't that funny? I rarely ask to buy jewellery here in my guild, and this will ring my arms ~" Mr. Carlotte is also irritable. "I'll have you present for the after-school, too. Ready?" "That's okay, but how are your plans? When asked about Mr. Marx and Mr. Carlotte's plans, if it was after noon tomorrow, we were all to go to the Merchant Guild after noon tomorrow. I'll be back after lunch tomorrow. "Oh, I'm waiting for you." "I'll be waiting for you - I'm looking forward to it. Wow" Mr. Marx and Mr. Carlotte dropped me off and left the Adventurer Guild behind.

第三百四十一話 ギルドマスターがやる気です 冒険者ギルドに入ると、すぐさま連絡が行ったのかギルドマスターが俺たちの前へと現れた。 「おう、来たか。んじゃ、2階へ」 「いや、それが......」 『おい、この後は狩りへ行くのだ。早く済ませろ』 『そうだぞ、狩りへ行くんだからな』 『狩りー』 「そういうわけなんで」 俺とギルドマスター、2人して当然だという顔をしているフェルとフェルの上で飛んでいるドラちゃんとフェルの上にちょこんと乗ったスイを見た。 ギルドマスターにはドラちゃんとスイの声は聞こえないものの、みんなが狩りに行きたいというのは伝わっているようだ。 「ハハッ、狩りか。それでうちもその恩恵に預かれるんだから早く済ませにゃならんな。よし、直接倉庫に行くぞ」 ギルドマスターと俺たちは連れ立って倉庫へと向かった。 「おう、ヨハン来たぜ」 そこで待ち受けていたのは当然ヨハンのおっさんだ。 「来たか、兄さん。オークジェネラルとリーダーの解体も終わって肉も用意できてるぜ」 俺は、オークジェネラルとオークリーダーの肉を受け取った。 ヨハンのおっさんは仕事が早くて助かるね。 とは言っても、ヨハンのおっさんはこの後もオークの解体だってボヤいてるけど。 俺が持ち込んだ一昨日から、他の解体担当の職員とともにオークの解体作業に勤しんでいるとのことだ。 オークはまだ手持ちの分がかなり残ってるからって、今回の分は上位種を除いて全部買い取ってもらっちゃったからねぇ。 大変かもしれないけどがんばってください。 「買取代金の内訳だが、オークは肉と睾丸で1匹金貨2枚に銀貨2枚だな。それが136匹で金貨299枚と銀貨2枚。オークリーダーとオークジェネラルは睾丸のみだが、今ちょうどオークの上位種の睾丸の需要が高まっていてな、少し高めの買取になってオークリーダーが金貨11枚でオークジェネラルが金貨12枚だ。〆て金貨322枚と銀貨2枚」 ヨハンのおっさんが作業台の上に麻袋を置いた。 「今回は大金貨で用意させてもらったぜ。中に大金貨32枚と金貨2枚と銀貨2枚入ってる。確認してくれよ」 中身を確認していく。 1、2、3............、うん間違いないね。 「大丈夫です」 「よし、次は討伐報酬だが、急な依頼だったこともあるからな、少し色を付けて金貨200枚だ。こっちも大金貨で用意しておいたから確認してくれ」 ギルドマスターから受け取った麻袋の中を確認すると大金貨20枚が入っていた。 「はい、間違いなく」 買取代金の入った麻袋と討伐報酬が入った麻袋をアイテムボックスにしまうと、見計らったようにヨハンのおっさんが声をかけてきた。 「よう兄さん、そんで珍しいもんは獲れたかい?」 「まぁ、少しは。......あ、買取してもらっても大丈夫ですか?」 この間の狩で、フェルたちが獲ってきたギガントミミックカメレオンとガルーダ。 あれどう見ても食えそうにないし、アイテムボックスの肥やしにしておくよりは売った方がいいな。 「ま、見てからだな。お前の持ってくるもんはいいもんではあるが、オルトロスだのキマイラだの そう言ったのはギルドマスターだ。 突拍子もないもんって言われてもねぇ。 フェルたちが獲ってきちゃうんだからしょうがないんですよ。 「そう言われると、出し難いんですけど、これもSランクなんで......」 「ったく、Sランクか。とりあえず出してみろ」 「えーっと、それじゃあ......」 倉庫の中の開いている場所に、アイテムボックスからギガントミミックカメレオンとガルーダを出した。 ..................。 「「ブーーーッ」」 ヨハンのおっさんとギルドマスターが噴いた。 「こ、こりゃギガントミミックカメレオンか?」 「こっちはガルーダっすね。俺、初めて実物見ましたよ。兄さんに会ってから、本でしか見たことのない魔物の実物をよく見るようになったわ。ハハハッ」 ヨハンのおっさん、そんな乾いた笑い声出さないでよ。 珍しいもん獲れたかって聞いてきたのヨハンのおっさんじゃないか。 ギルドマスターもそんな驚かないでよー。 最初にSランクだって言ったじゃん。 「それで、買取の方は......」 「うん、無理だな」 そうだと思ったよ。 「ま、もう少しすればギガントミミックカメレオンならなんとかいけるかもしれんが、何せこの間キマイラを買取したばっかりだからなぁ。残念ではあるが」 ギルドマスターの話では、そのキマイラの素材の代金が入ればなんとかなりそうだけど、今のところは無理のようだ。 このギガントミミックカメレオン、肉は食用には向かないがそれ以外の皮から内臓から舌や血まで素材になるとのこと。 しかも、普段は森の奥深くにいて擬態しているから見つけること自体が困難らしく、市場に出れば高値が付くことは間違いなしとのことで、買取できないことをギルドマスターも残念がっていた。 「ま、今回は見送りってことで。他に売る予定がなかったら、また声かけてくれや」 「はい」 ガルーダは、ギルドマスター曰く「これの買取をしてもらうんなら王都かダンジョン都市のギルドにでも行かないとな」とのこと。 これもしばらくはアイテムボックスで塩漬けだな。 「そうだ、ギルドマスターちょっといいですか?」 「何だ?」 「ええと、例の......」 俺がギルドマスターの頭を見ると、ピンときたようだ。 「おお、あれかっ」 「はい。ランベルト商会で売り出すことになりましたので。それで、実は......」 伯爵様の紹介がないと買えないことやギルドマスターだけは買えるように話をつけてあることなどを話した。 「はぁ、そうなったか。しかし、金貨50枚か。まぁ、この効果じゃその金額でも安いくらいか。こりゃ休みの日にがんばるしかないな」 「休みの日にがんばるって、何か副業でもされるんですか?」 「副業っつうか、まぁ冒険者稼業にちょっとばかし戻るってこったな」 ギルドマスターが言うには、冒険者を引退しても、特に高ランクの冒険者の籍はそのままにしていることも多く、急に金が必要になったときなどに魔物を狩って換金するなんてことも間々あることらしい。 「儂も元はAランクだからな」 ギルドマスターがそう言ってニヤリと笑った。 そういうことなら大丈夫でしょう。 がんばって稼いで【神薬 毛髪パワー】を買ってくださいね。 「それじゃ、これで。フェルたちがヤキモキしてるんで」 「おう、これから狩りだったな。気を付けて行けよ。ってお前らなら、大丈夫だろうがな」 冒険者ギルドから出ると、フェルとドラちゃんが『遅い』と文句を言ってくる。 「ごめんごめん」 『まったく、あれほど早くするのだぞと言ったのに。お前という奴は』 『フェルの言うとおりだぜ。スイなんて寝ちまってんじゃん』 ドラちゃんの言うとおり、スイはいつの間にか革鞄で寝ていた。 「ごめんって。でも、そんな言うほど時間経ってないだろ。まだ狩りの時間だって十分あるよ。早く行こ」 『フンッ、乗れ』 「ハイハイ」 俺を背に載せたフェルは早歩きで門へと進んでいった。

358 Episode 341: The Alliance Master Is Willing To Do It. Upon entering the Adventurer Alliance, the Alliance Master appeared before us. "Whoa, are you here? Okay, upstairs." "No, that's..." 'Hey, we're going hunting after this. Get it over with.' "Yeah, we're going hunting." "Hunting." "That's why." Me and Guildmaster, I saw a little swim on the fer with Dora flying on the fer with the face that it was natural for two of us. Although the Alliance Master doesn't hear Dra and Sui, it seems to convey that everyone wants to go hunting. "Ha ha, hunting. So we can keep the favor, so we have to get it over with. All right, let's go directly to the warehouse." The Alliance Master and we took off and headed to the warehouse. "Oh, Johan's here." It is naturally Johan's old man who waited there. "Are you here, brother? We're done dismantling Oak General and Leader, and we've got meat ready." I received oak general and oak leader meat. Johan's old man works fast and helps. That said, Johann's old man still sucks at dismantling the oak after this. Since yesterday, when I brought it in, I've been working on the demolition of the oak with other demolition officials. Because the oak still has quite a few minutes left in hand, so they bought all but the top species for this one, hey. It could be tough, but good luck. "Breakdown of the purchase price, but the oak is one with meat and testicles, two gold coins and two silver coins. That's 299 gold coins and two silver coins for 136. Oak readers and oak generals are only testes, but just now there is a growing demand for testes from the top species of oak, which is a slightly higher purchase, with oak readers having 11 gold coins and oak generals having 12 gold coins. 322 gold coins and 2 silver coins" Johan's old man put a hemp bag on the workbench. "This time I've got you ready in big gold coins. It contains 32 large gold coins, two gold coins and two silver coins. Check it out." I will check the contents. One, two, three..............., yeah for sure. "It's okay." "All right, next up is the crusade reward, but sometimes it was a sudden request, a little color, 200 gold coins. I've got it in big gold too, so check it out." I checked inside the hemp bag I received from Guildmaster and it contained twenty large gold coins. "Yes, definitely" Johan's old man called out, as expected, when he put a hemp bag in an item box with the purchase price and crusade rewards. "Hey brother, did you get anything unusual? "Well, a little.... Oh, is it okay if you buy it? In the meantime hunting, Giganto Mimic Chameleon and Garuda, which the Fells have captured. I don't care what that looks like, and I'd rather sell it than keep it fat in the item box. "I'll see you later. I don't know if it's a good idea to bring it to you, but I don't know if there's an Ortolos or Kimyra or Earth Dragon clap. I can't get my hands on a guild the size of ours, so I'm fine with it." It was the Alliance Master who said that. They don't even say there's no clapping. The Fells must have caught it. "When they say that, it's hard to get it out, but this is also S-rank..." "Damn, S-rank? Just let it out." "Um, well..." In an open place in the warehouse, Giganto Mimic Chameleon and Garuda were put out of the item box. .................. "" Boo-hoo "" Johann's old man and guild master sprayed. "This is Giganto Mimic Chameleon? "This one looks like a garuda. I've never seen anything real before. Since I met my brother, I've come to see the real things of demons that I've only seen in books. Ha-ha-ha." Johan's old man, don't make such a dry laugh. I asked him if he had been captured. Isn't that Johann's old man? Don't be such a surprise to the Alliance Master. You said you were S-ranked first. "So if you're buying..." "Yeah, you can't" I thought so. "Ma, I might be able to do something about Giganto Mimic Chameleon in a little while, because I just bought Kimaira in the meantime anyway. Unfortunately." Talk about the Alliance Master seems like he could handle it if he put in the price for that Kimaira material, but so far he can't. This gigantic mimic chameleon, meat is not suitable for consumption, but other than that, it becomes material from the skin to the gut to the tongue and blood. Moreover, it seems difficult to find it in itself because it is usually deep in the woods and fictional, and the guild master also regretted that if it were placed on the market, it would undoubtedly come with a high price, which he could not buy. "Ma, this time it means dropping me off. If you don't have any other plans to sell, call me back." "Yes." Garuda said the Guildmaster said, "If you're going to buy this, you have to go to the Guild of the King's Capital or the Dungeon City." This is salted in the item box for a while too. "Yes, Guildmaster, can I have a word? "What?" "Uh, example..." When I looked at the Alliance Master's head, it seemed like a pin. "Oh, that one." "Yes, because I'm going to sell it at the Lamberto Chamber of Commerce. So, actually..." We talked about things that cannot be bought without an introduction by the Count and that we are talking about so that only the Alliance Master can buy them. "Ha, did that happen? But fifty gold coins? Well, is this effect as cheap as that amount? I'm gonna have to hang in there on my day off." "Are you going to do some side work on your day off? "Side job or, well, you said you'd go back a little bit to running adventurers." Guildmasters say that even if you retire an adventurer, you often leave the books intact, especially for high-ranking adventurers, and there are times when you can hunt demons and redeem them, for example, when you suddenly need money. "I used to be an A-rank, too." That's what the Alliance Master said and grinned. If that's the case, you'll be fine. Good luck making money and buying [Divine Medicine Hair Power]. "Well, now. The Fells are freaking out." "Whoa, that was a hunt to come. Take care of yourself. You guys would be fine." Out of the Adventurer Guild, Fell and Dora complain about 'being slow'. "Sorry. Sorry." 'Damn, I told you you were going to make it so fast. The guy named you. 'Fell's right. I can't believe you fell asleep.' Dora was right, Sui slept in a leather bag at some point. "I'm sorry. But you haven't said that long enough. There's still plenty of time to hunt. Let's go." "Humph, get in." "Hi. Hi." Fell, with me on his back, walked early to the gate.

第百四十三話 マンティコア 今日も27階層の探索だ。 朝飯には作り置きしておいたロールキャベツを出してやったよ。 でも、フェルとスイがロールキャベツでは食い足りないとか言い出して、仕方が無いからオークジェネラルの味噌焼き丼を急遽作ったりもした。 それでとうとう作り置きしてた料理もなくなったぜ。 あとはもう炊いてある米しかないや。 ドラちゃんはまだいいとして大食らいのフェルとスイがいる割りには保った方かもな。 昼飯からは、また調理だよ。 飯を食い終わって少し休憩したあとに森の中を進んでいく。 フェルが言うには、夕方ごろには 26階層がSランクのヴァースキだったわけだから、それ以下ってことはないんだろうなぁ。 今回はどんな魔物が出てくるのやら......。 まぁ、何にしても俺は戦闘には参加しない方向で。 Sランクの魔物なんて相手にできるかってんだ。 確かに状態異常無効化やら完全防御はあるけどさ、あんな怪獣みたいな魔物に攻撃されてみ? 恐怖でショック死するわ。 『いるな。では、我から行くぞ』 あー魔物が出たみたいだね。 フェル、おなしゃっす。 あっという間にフェルがワイルドエイプの群れを倒したよ。 その後も、フェルとドラちゃんとスイで順番にエンカウントした魔物を倒していった。 俺はドロップ品の回収係としてがんばったよ、うん。 森の中を進んでいると、みんなの腹時計が空腹を訴えたことで飯タイムとなった。 「作り置きしておいたのがもうないから、今から飯作るからな。ちょっと待ってて」 手早くパッパと作れるものってことで......うん、スタミナ炒め丼にするか。 それにしても作り置きしてた料理もここまで保って良かったよ。 ここは27階層だから、他の冒険者を気にしなくていいのは助かった。 ということで気兼ねなくネットスーパーを使いますか。 ニンニクの芽と味付けの焼肉のタレ(焙煎ニンニク風味)と白ゴマを購入。 スタミナ炒めに使うなら焼肉のタレもニンニクの風味がしっかりしたものがおすすめだ。 それから魔道コンロをアイテムボックスから出してと。 肉はオークジェネラルにしようかブラッディホーンブルにしようか迷ったけど、ブラッディホーンブルにしてみた。 炒める肉は豚肉にしても牛肉にしても美味いぞ。 まずはブラッディホーンブルの肉を薄切りにして一口大に切ったら、焼肉のタレを少しかけて揉み込んでおく。 ニンニクの芽は4センチくらいの長さに切っておく。 熱したフライパンに油をひいて、ブラッディホーンブルの肉をサッと炒めていく。 肉の色が変わったら、ニンニクの芽を投入してさらに炒めていく。 ニンニクの芽が少ししんなりしてきたら、焼肉のタレを回しかけてタレを絡めながらサッと炒めたら出来上がりだ。 フェルとスイとドラちゃんの分は深めの皿に飯を盛ってその上にスタミナ炒めをたっぷり載せる。 その上に白ゴマをパラパラと振りかけて完成だ。 「出来たぞー」 みんなの前に皿を並べると、ガツガツ食っている。 『このタレが肉に絡んで美味いな。いくらでも食えそうだぞ』 フェル、いくらでも食えそうってほどほどにしてくれよ。 『かーっ、この甘辛いタレがたまらんな』 ドラちゃん、分かってるね。 焼き肉のタレって美味いんだよねぇ。 『このタレとお肉がすっごく合うねー。いっぱい食べれちゃうよー』 そうかそうか、スイも焼き肉のタレの美味さ分かってくれるか。 フェルとスイはいつものことだけど、ドラちゃんもおかわりだって。 って、あれ、ニンニク不味かったか? さらに食欲が増している気が......。 そう思いつつみんなのおかわりを作っていった。 みんなが食ってる間に俺も食っちゃおう。 ニンニク風味の甘辛い焼き肉のタレが飯によく合うね。 上にパラパラっと振りかけた白ゴマの香ばしさが良いアクセントになっている。 スタミナ炒め丼は簡単だしガッツリ食いたいときにはいいな。 うんうん、美味い美味い。 ちょっと多かったかなと思ったけどペロっといけたよ。 アイテムボックスに保管してたペットボトルのお茶を出してゴクゴクと飲んで一息ついていると、フェルとスイの声が。 ニンニク風味が食欲増進させたのか、その後もおかわりの連続だったよ。 炊いた米ももう一食分くらいいけるかと思ってたのに、すっかりなくなってしまった。 食後に少し休憩を挟んで、再び森を突き進んだ。 フェルとドラちゃんとスイが危なげなく魔物を倒し、ドロップ品を回収していった。 そしてとうとう......。 『あれがこの階の フェルがそう教えてくれて、木の陰から覗き見たそれ。 な、何だあれは............。 大きさはライオンよりも少し大きいくらいだろう。 体もライオンぽい感じで、尻尾はサソリの尾に似ていてピンっと上向きに反っている。 異様なのは頭部だ。 その魔物は年老いた人間の男の顔をしていた。 そして、耳の近くまで裂けた口はニヤァっと笑みを浮かべている。 ましいそのニヤけ顔に鳥肌が立つ。 その異様な魔物を鑑定してみると......。 【 マンティコア 】 マンティコアって、なんか聞いたことある。 確か人を食う伝説の生き物だったような......。 ま、まぁ、何でもいいけど、あれはダメだ。 あの顔はキモい、キモ過ぎる。 ましい顔は夢に出てきそうだよ。 「あれ、マンティコアだって......。フェル、大丈夫なんだよな?」 『大丈夫に決まっておろう。マンティコアとは前に戦ったことがある。ただあいつは そう言ってフェルがドラちゃんとスイに向き直った。 『ドラ、スイ、マンティコアは素早いうえに 『いつも通りってこったな。やってやるぜ』 『ねぇねぇ、こうかつってなーに?』 スイちゃんには難しかったか。 『ふーん、悪い魔物なんだね。スイ、がんばって倒すっ!』 気合十分、フェルとドラちゃんとスイはマンティコアに向かっていった。 ビュッ、ビュッ、ビュッ―――。 スイの酸弾が放たれたが、マンティコアはそれをヒョイっと避けた。 マンティコアの横っ腹に風穴が開いた。 マンティコアよ、お前の相手は1人じゃないんだぞ。 マンティコアが天を向いて叫び声をあげる。 ザシュッ―――。 フェルの右前足から追撃の うっ............。 マンティコアは細切れになって絶命した。 俺が言うのも何だけど、君たち容赦ないね。 マンティコアが消えたあと、ドロップ品を拾っていく。 大きな魔石と皮と毒針だった。 「さて、下に行こうか」 転移の魔法陣はすぐに見つかり、俺たちは28階層へと転移した。 「エーッ?! 28階層ってこんななの?」 俺たちが転移した先には沼地が広がっていた。

152 Episode 143: Manticore Exploring the 27th tier today. I made you some rolled cabbage for breakfast. But when Fel and Sui mentioned that they didn't eat enough rolled cabbage, I couldn't help but quickly make a bowl of oak general miso roasted. At last, the dish I left behind is gone. All we have to do is rice that's already cooked. Dora might as well have some fels and suis for the big meal. From lunch, we'll cook again. We go through the woods after we finish eating and take a short break. Looks like Fell gets to the Hierarchist (Boss) around the evening, though. It's not like the 26 hierarchy was s-ranked verski, so I guess it doesn't mean anything less. What demons come out this time...... Well, whatever it is, I'm not in the direction of joining the fight. I don't know if I can deal with S-rank demons. Sure, there's a full defense to deactivating a state anomaly, but how about being attacked by a monster like that? I'm going to die of fear. "Don't be here. Then let's go with me. ' Ah, looks like you got a demon. Fell, you say something. Fell quickly defeated the Wild Ape herd. Afterwards, Fell and Dora and I defeated the demons that counted in turn in Sui. I worked hard as a drop collector, yeah. Moving through the woods, everyone's belly clock sued him for hunger, making it dinner time. "I don't have anything left to make anymore, so I'm going to cook now. Wait a minute." I mean something that can be pampered quickly...... yeah, make it a stamina sauteed bowl? And it's good to have the dishes that I made and left behind. It was helpful not to have to worry about the other adventurers because this is the 27th tier. So do you feel free to use the online supermarket? Buy garlic sprouts and seasoned BBQ sauce (roasted garlic flavoured) and white sesame seeds. If you want to use it for stir-fried stamina, the BBQ sauce is also a good choice with a good garlic flavour. Then he told me to get the magic stove out of the item box. I wasn't sure whether to make the meat oak general or bloody horn bull, but I tried to make it bloody horn bull. Stir-fried meat is delicious, whether it's pork or beef. First, thinly slice the bloody hornblue meat and cut into large bites, then rub in a little sauce of BBQ. Cut the garlic sprouts to about 4 cm long. Oil the hot frying pan and saute the bloody hornblue meat sauteed sautely. When the color of the meat changes, add the garlic sprouts and saute further. If the garlic sprouts get a little soggy, you can do it if you saute them sauteed sauteed sauteed while spinning the BBQ sauce and tangling the sauce. For Fell, Sui and Dora, serve rice on a deep plate and put plenty of stamina stir-fry on top. It's done with white sesame seeds on top of it. "Here we go." Arrange the plates in front of everyone, they're eating guts. "This sauce is tangled in meat and delicious. I could eat as much as I want. ' Fell, make sure you can eat as much as you want. "Kah, I can't stop this sweet, spicy sauce" Dora, you know what I mean. BBQ sauce is delicious. "This sauce and meat go perfectly together. I can eat a lot." Right, well, can you tell how delicious the grilled meat sauce is, too? Fell and Sui always do, but Dora says she's changed too. Was that garlic bad? I feel even more appetite...... I thought so and made a replacement for everyone. Let's eat while everyone's eating. The garlic-flavored sweet spicy grilled meat sauce goes well with the rice. The fragrance of white sesame seeds sprinkled on top is a good accent. The stamina sauteed bowl is easy and good when you want to eat guts. Yeah, yeah, yummy, yummy. I thought it might have been a little too much, but it went a long way. The voices of Fell and Suey as they serve the tea from the pet bottle they kept in the item box and sip a sigh of cockroach. Did the garlic flavor boost your appetite? It's been a long time since then. I was wondering if I could have another meal of cooked rice, but it's completely gone. I pinched a short break after the meal and pushed through the woods again. Fell, Dora and Sui defeated the demon without danger and retrieved the drops. And at last...... "That's the Hierarchist on this floor." That's what Fell taught me, and that's what I peered through the shade of a tree. Hey, what is that...? It would be a little bigger than a lion. My body also feels like a lion, and my tail resembles the tail of a sasori and is pinned upward against it. It's the head that's unusual. The demon looked like an old human man. And his ripped mouth so close to his ear is grinning nigga. I have goosebumps on my nipple face. If you appraise that unusual demon... [Manticore] Manticore, I've heard of something. It sure seemed like a legendary creature that eats people...... Ma, well, whatever, but that's no good. That face is creepy, too creepy. That tough face is going to come out of my dreams. "That, even manticore...... Fell, you're gonna be okay, right? 'Let's make up our minds. Manticore and I have fought before. But he's cunning. Pretend to be weak and close to you with a poison needle on your tail. You have to be careful around it. " That's how Fell turned to Sui with Dora. "Dra, Sui, and Manticore are cunning after being quick. Preemptive strike." "You always did. I'll do it. ' "Hey, you know what? Was it difficult for Sui? 'Hmm, you're a bad demon. Sui, good luck knocking it down! In a good mood, Fell, Dora and Sui headed to Manticore. Buh, buh, buh -. Sui's acid bullet was unleashed, but Manticore avoided it hysterically. There was a wind hole on the flank of the manticore. Manticore, your opponent is not alone. Manticore turns to heaven and shouts. Zach -. A chase claw slash was launched from Fell's right forefoot. Ugh................... Manticore was sliced into thin pieces and desperate. I don't know what I'm talking about, but you guys are relentless. After the manticore disappears, I pick up the drops. It was a big demon stone, skin and poison needle. "Well, let's go downstairs" The magic formation of the transfer was quickly found, and we moved to the 28th tier. "Eh?! Is this what the 28th hierarchy is? The swamps were spreading ahead of us when we moved.

第三百七十話 真っ赤な竜巻 デミウルゴス様に行ってみろと言われた山(フェルに聞いたらベリト山というらしい)の目前まで来ていた。 そのベリト山の裾野に広がる深い森。 『この辺りからブラックバブーンの縄張りだ。気を引き締めていけよ』 『スイがやっつけちゃうもんねー!』 「お、俺は大丈夫なんだろうか......。不安しかないんだけど」 『まったくお主は弱腰でいかんな。お主には完全防御のスキルがあるのだから、そんなに不安がる必要はないだろう』 「そうは言うけどさ、フェルたちの話を聞いたら不安にもなるさ。数が多いとか石投げてくるとか追い掛け回されたとかさ。確かに完全防御のスキルはあるけど、数で襲われたらめっちゃ怖いぞ」 『ま、そうはならねぇよ。俺たちがいるんだからさ。な、フェル』 『うむ。まとめて彼奴らを始末してくれるわ』 『スイがあるじのこと守るから大丈夫だよー!』 みんな自信満々だな。 まぁ、みんなの実力は知ってるけど、何故か嫌な予感がビンビンにするのはなんでだろうね......。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「うおっ、うぉぉぉぉぉぉぉっ!」 俺たち一行は只今絶賛追いかけられ中です。 ブラックバブーン、マジ半端ないです。 ブラックバブーンの縄張りだという森に足を踏み入れた途端に、それは現れた。 2メートル近くはありそうな黒毛のヒヒの魔物だ。 原生林のような森の太い木の枝に、地上に、どこからやってきたのか気が付けば無数のブラックバブーンがいて、俺たちの周りをぐるりと囲っていた。 しかもだ、それが叫び声をあげながら歯をむき出しにして威嚇してくるもんだから、正直俺なんてチビりそうになったぜ。 だけど、フェルとドラちゃんとスイはブラックバブーンの存在に気付いていたみたいで落ち着いたもんだった。 フェルなんて『やっとおでましか』なんて言って、有無を言わさずいきなり前足を大きく振り下ろして その一撃で生えていた木ごと相当数のブラックバブーンが細切れになった。 それでブラックバブーンの包囲網に穴が開いて、そこから俺たちは逃走。 そして今に至るんだけど、当然俺はいつものようにフェルの背に乗っていたわけで......。 木々の間を猛スピードで駆け抜けるフェルに必死につかまりながら、俺はたまらず叫び声をあげていた。 仲間をやられたブラックバブーンは、奇声を上げながら俺たちを追いかけてきている。 しかも、フェルとドラちゃんが話していたように猛烈に石を投げまくりながらだ。 フェルの結界のおかげで石は防げてはいるが、ガンガンゴンゴンと石が当たる音がひっきりなしにしている。 『フェ、フェルッ、この逃走劇はまだ続くのかっ?』 『ドラとスイがどれだけ追っ手を減らせるかだな。ある程度減らしたところで反転攻勢だ』 ドラちゃんは、その翼を生かして森の上空から氷魔法をぶっ放してブラックバブーンの数を減らしていた。 そしてスイは、猛スピードで駆けるフェルの背に乗る俺の肩や背中の上を器用に縦横無尽に動きながら機関銃のように酸弾を連射していた。 『ハッ、どれだけ減らせるかだって? もう半分近くまで減ってるぞ! だけどまだまだだ! こいつらには誰を相手にしてるのかってのを嫌ってほど思い知らせてやるぜ!』 『スイだってもっともーっとヤルんだからー!』 『フハハッ、ドラもスイもその意気だ! この先に空き地がある。そこで一気に残りを叩くぞ!』 『いやいやいやっ、別にそんな全部相手にしなくていいからっ。とにかく追っ手を撒ければいいだろっ』 もうっ、何でうちのトリオはこんな好戦的なんだよーっ。 あっ、戦神であるヴァハグン様の加護のせいか? 確かヴァハグン様がそんなようなこと言ってた気がする。 いや、でもスイにはヴァハグン様の加護はないはずだけど......。 『よし、速度を上げるぞ!』 『はっ? ちょ、ちょっと待てっ!』 グンとさらにフェルの駆けるスピードが上がる。 無数のなんともいえない騒々しい鳴き声が耳に入る。 『お、おい、フェル、この先の空き地で一気に叩くとか言ってたけど、こんな深い森の中に空き地なんてあるのかっ?』 『ある』 『ほ、本当にか?』 『まったく心配性だな。お主は黙って見てろ』 そうは言うけど......。 さらにグンとスピードが増す。 『よし、着いたぞ』 そう言ってフェルが足を止めたそこは、深い森の中にあって木の1本も生えていない不自然なほどにだだっ広い空き地だった。 広さはおおよそサッカーコート2面分。 その空き地の半ばほどまで進んだ所で、ブラックバブーンの群れが雪崩れ込んできた。 「ヴォッ、ヴッ、ヴォーッ」 ブラックバブーンたちの威嚇する声が辺りに響き渡ると、空き地の近くの木に止まっていた鳥たちが一斉に飛び去っていく。 『ホゥ、大分数を減らしたではないか』 『まぁな』 いつの間にかフェルの隣へと舞い降りたドラちゃんがそう答える。 『スイ、がんばったー!』 スイもいつの間にか俺の肩から降りて、ポンポン飛び跳ねている。 『よし、最後の仕上げは我がやるとしよう』 フェルがそう言うと同時に、対峙していたブラックバブーンの群れの中心に竜巻が発生した。 そして......。 「うわぁ............」 つかまるものもなく次々とその竜巻に巻き上げられていくブラックバブーンたち。 フェルの風魔法だろう竜巻がただの竜巻であるはずもなく、いたるところで風の刃が吹き荒れていた。 その竜巻はさながら巨大なミキサーで、容赦なくブラックバブーンを粉々にしていった。 『こりゃあまたエグイ魔法使ったな、フェル』 『フン、此奴らは多過ぎる。これで数の調整もとれただろう』 『わぁ~、赤いのがグルグル回ってるよー! あるじー、見て見てー』 「ウップ......、見てるよ、スイ。......血で真っ赤に染まった竜巻............」 俺たちの目の前では、血飛沫をあげながら赤い竜巻がグルグルと回っていた。 『もうそろそろいいだろう』 フェルのその声とともに竜巻が止んだ。 それと同時にドチャッとブラックバブーンの細切れになった肉片が地面にバラ撒かれる。 「............」 『よし、進むぞ』 『おう』 『もう終わりー?』 「いやいやいや、ちょっと待て」 『何だ? ブラックバブーンの肉はマズいからどうにもならんぞ。魔石もないし、毛並みもそれほどいいわけではないから貴重なものではないはずだ』 「いや、そういう意味じゃなくって。まぁ、少しは素材のこともあるけどさ。これだけの惨状なのに、何ともなくさ、なんていうかこうもっと気持ち的に」 『何を言っているのかさっぱりわからん。だいたい強者である我らに向かってきた時点で彼奴らの命運は決まった。それだけのことだ。だいたいダンジョンでやっていたこととそれほど変わらんだろうが』 「言われるとそうかもしれないけど......」 ドロップ品が残るダンジョンと違って、この見た目はリアルというかさ。 『そういうこった。奴らの屍も他の魔物の餌になるか、地に還るだろうよ』 フェルもドラちゃんもこの惨状を当然のことのように受け止めている。 結局のとこ、この世界は弱肉強食ってことだよな。 フェルとドラちゃんとスイという強者が俺の味方で本当に良かったよ。 それにしても、真っ赤な竜巻、夢に見そうだ......。 「ところでさ、フェルはこんな深い森の中にこれだけ広い空き地があるの良く知ってたよな」 『む、まぁな。前に此奴らとやりあったときにちょっとな』 「え? ちょっとなって......」 目の前の空き地をグルリと見まわす。 「エェェェ......」 フェル、お前いったい何やらかしたの?

389 Episode 370: A Bright Red Tornado It had come to the present time of the mountain where Master Demiurgos told me to try it (if Fer asked me, it would be Mount Berito). A deep forest stretching over the hemline of its Mount Berito. "It's Black Baboon territory from around here. Keep your head down. ' "Sui is going to kill me! "Oh, am I okay... I'm just anxious." 'At all, your lord is not going to be weak. You won't have to be so anxious, mainly because you have complete defensive skills' "That's what I'm saying, but when I hear about the Fells, I get nervous. There's a lot of them, they're throwing stones at me, they chased me around. Sure, I have full defensive skills, but I'd be so scared if they attacked me in numbers." 'Ma, that won't happen. It's because we're here. Hey, Fell.' "Uhm. They'll get rid of them all together." "I'll be fine because Sui will protect you! You're all confident. Well, I know what everyone's capable of, but I wonder why a bad feeling makes it bin for some reason... * * * * * "Whoa, whoa, whoa! We're in an admirable chase right now. Black baboon, seriously, I'm halfway there. As soon as I stepped into the woods that it was Black Baboon territory, it appeared. Nearly two meters is a likely black-haired Hihi demon. There were countless black baboons on the thick tree branches of the forest like the native forest, on the ground, if you noticed where they came from, surrounding us all around. Besides, that's what makes me squeeze my teeth out and intimidate you while you scream, so to be honest, what a little bit of a chick I am. But Fell, Dora, and Sui seemed to have noticed the presence of Black Baboon and settled down. Fell said, "Are you finally here?" and suddenly he shook his forefoot down wide with or without it, eating a nail slash. A significant number of black baboons were finely chopped for each tree growing in that blow. So there's a hole in the black baboon siege net, and from there we escape. And to this day, naturally I was on Fell's back as usual... I couldn't help but scream as I grabbed desperately by Fell rushing through the trees at a fierce speed. Blackbaboon, who's been hit by a buddy, is coming after us with an odd voice. Plus, as Fell and Dora were talking, they were throwing stones at each other violently. Thanks to Fell's junction, the stone is prevented, but the sound of the gung gong and the stone hitting it is hiatus. "Fe, ferru, is this escape play still going on? "That's how much Dora and Suey reduce their chasers. It's an inverted offense somewhat reduced. ' Dra was making use of her wings to unleash ice magic from above the forest to reduce the number of black baboons. And Sui was firing acid bullets like a machine gun as he moved cleverly endlessly over my shoulder and back riding Fell's back running at a fierce speed. "Ha, how much less? We're down to almost half the time! But not yet! I'm gonna remind these guys so much that they don't like who they're dealing with! 'Cause even Sui is the most fucked! "Huhaha, both Dora and Sui are willing to do that! There's a vacant lot ahead. I'll slap the rest there at once! 'No, no, no, no. It's nothing. You don't have to deal with it all. Anyway, you should just sprinkle the chaser.' Ugh, why is our trio so belligerent? Oh, because of the protection of Lord Vahagn, the god of war? I do think Master Vahagn said something like that. No, but Sui shouldn't have the protection of Master Vahagn... 'All right, we're going to speed up! 'Huh? Hey, wait a minute! Gun and Fell's run speed increases even more. A myriad of indescribable noisy squeals go into my ears. 'Oh, hey, Fell, he said he'd slap you all at once in the open land ahead, but what's with all this open space in these deep woods? "Yes." "Ho, are you sure? 'That's totally worrying. Keep your eyes shut, Lord. " That's what I say...... More gung and speed. "Okay, here we are." That's what Fell stopped to do. It was an unnaturally wide open lot in the deep woods that didn't grow a single tree. The size is roughly for two sides of the football court. A swarm of black baboons came into an avalanche about halfway through that vacant land. "Vo, vo, vo" As the intimidating voices of the Black Baboons echo around, the birds that had stopped in the trees near the vacant land fly away in unison. "Ho, Didn't You Lose Your Majority" "Well." That's what Dora answers when she landed next to Fell at some point. "Sui, good luck -! Sui is also getting off my shoulder at some point and jumping pompous. "All right, let's just say I do the final finish" At the same time Fell said so, a tornado broke out in the heart of a herd of black baboons that were confronting him. And...... "Wow..............." Black baboons winding up in one tornado after another with nothing to grab. It would be Fell's wind magic. The tornado couldn't be just a tornado, and the wind blade was blowing everywhere. The tornado was still a huge mixer, shattering the black baboon relentlessly. "Oh, my God. You used Eggy magic again, Fell." 'Hung, there are too many of these guys. This would have adjusted the number. " "Wow, the red one is glued around. Yikes! Ruji, look, look. ' "Woop......, I'm watching you, Sui. ... a tornado stained bright red with blood......" In front of us, a red tornado was glued around as we gave him a blood splash. "It's time." The tornado stopped with Fell's voice. At the same time, finely chopped pieces of docha and black baboon are scattered on the ground. ............ "Okay, let's move on." "Ooh." Are you done? "No, no, no, wait a minute" 'What is it? Black baboon meat is a mess, so there's nothing you can do. It's not supposed to be valuable because there's no demon stone, and the hairline isn't that great.' "No, that's not what I meant. Well, there's a little bit of material. It's all so miserable, but I don't know what to do. I feel more like it." 'I have no idea what you're talking about. Their fate was determined at a time when they came towards us, more or less powerful. That's all. I guess it's more or less the same thing I was doing in the dungeon.' "I may be when you say it..." Unlike the dungeons where the drops remain, this looks real. 'That's what happened. Their corpses will feed other demons, or they will return to the earth.' Both Fell and Dora take this tragedy for granted. At the end of the day, this world is a weak predator, right? Fell, Dora and a strong man named Sui were really good on my side. Nevertheless, a bright red tornado, is going to dream...... "By the way, Fell knew there was so much open space in these deep woods." 'Mm, well. A little bit when I had sex with these guys before. " "Huh? Little bit..." Look around at the vacant land in front of you gleefully. "Yee..." Fell, what the hell did you do?

第四百九十九話 勇者様に憧れて ゴン爺から差し出された巨大魚が消えてドロップ品に変わっていった。 驚いて鑑定するの忘れてたわ。 まぁ、いいけど。 ドロップ品はというと......。 「巨大な白身と、魔石、それと宝箱が出たか。あっさりとゴン爺に仕留められちゃったけど、意外と高ランクの魔物だったのか?」 そんなことをひとりつぶやいた後に鑑定。 まずは巨大白身を。 【 エンペラードラードの白身 】 あっさりしつつ旨みもあり、熱を加えると身が引き締まりホクホクの食感になり非常に美味。 「この白身、熱を加えるとホクホクして非常に美味いってさ」 『ほう。して、どのようにして食うのだ?』 「鍋とかに良さそうだな」 『鍋か。いいな』 そう言いながらジュルリと涎をすするフェル。 『鍋いいな。あれ、美味いんだよなぁ~』 『スイ、お鍋好きー!』 ドラちゃんもスイも、鍋モードになっている。 『鍋、とな?』 あ、ゴン爺はまだ鍋は食ったことなかったっけ。 「鍋料理はな、いろんな具材を煮ながら食う料理だぞ」 『煮ながらのう......』 鍋料理の想像がつかない様子のゴン爺。 『最後の〆がまた美味いんだぜ~』 『美味しいんだよね~』 最後の〆が美味いと力説するドラちゃんとスイだが、ゴン爺は『最後の〆とはなんじゃ?』とこれまたわからない様子。 こればっかりは食ってみないとね。 ま、そのうち鍋は食わせてやるよ。 俺としてはそう思っていたのだが、そこで黙っていないのがうちの食いしん坊たちだった。 『よし、次の飯は鍋だな』 『賛成!』 『さんせ~い』 「いやいや、昼飯は作り置きでパパッと済ませる予定だったんだけど」 『なにがパパッとだ。美味い食材があるのだから、当然食うべきだろうが』 いや、なにが当然なんだよ。 別にすぐじゃなくてもいいじゃん。 『そこまで言われると、儂もその鍋というの食ってみたいのう。主殿よ』 ほらぁ、フェルもドラちゃんもスイも鍋のこと言うから、ゴン爺も鍋モードになっちゃったじゃんか。 「私も、それ、食べたい!」 俺の後ろからそう主張したのは......。 「フェオドラさん......」 キラキラした目で自分も食いたいって主張しまくってるフェオドラさん。 フェルとゴン爺はバッチリ声出していたから伝わっちゃってるよ。 「おい、フェオドラっ、図々しいだろうが!」 ガウディーノさんがそう言うが、当の本人は聞いちゃいない。 「ていうか、ムコーダさんは鑑定スキル持ち? 話の内容からすると、それっぽいよな」 ギクッ......。 唐突にそう言ったギディオンさんに、俺は引き攣った顔を向ける。 「アイテムボックス、しかも相当デカいの持ってるし......。もしかして、ムコーダさんって勇者様?」 核心を突かれて、冷や汗がじんわりと額に滲む。 勇者ではないけど、あっちの世界から来たことは事実だから焦ってしまう。 「これ、ギディオン! 人様のスキルを詮索するでない!」 「そうだぞ。それは仁義に反する」 シーグヴァルドさんとガウディーノさんが渋い顔でギディオンさんに注意した。 「分かってるよ。だけどよ、勇者様かもしれないと思ったら気になるんだよ。............俺の憧れだしよ」 ギディオンさんが、最後にボソッと言った一言に反応するシーグヴァルドさんとガウディーノさん。 「ブフォッ、なんじゃ、お主、勇者に憧れておったのか?」 「笑うことねーだろ。小さいころに読んでもらった絵本の物語がずっと頭に残ってんだよ! それがあったから俺は冒険者になったんだし。冒険者なんて職業になるヤローには多かれ少なかれ、そういうとこあるだろうが」 「フハハ。否定はしないが、お前も案外かわいいところがあったんだな」 シーグヴァルドさんとガウディーノさんにいじられて、顔を真っ赤にしているギディオンさん。 フゥゥ、俺が勇者云々っていうのはなんとか曖昧になったのか。 しかし、そうじゃないかって思いはどっかで燻ぶってるんだろうなぁ。 『おい、昼飯までにはまだ時間がある。狩りを続けるぞ』 そのフェルの一声で、俺たちは再び巨大になったスイに乗って湿地帯を進んだのだった。 ちなみにエンペラードラードの宝箱の中身だが、俺の手のひら大の黄金の鱗が5枚と小粒のエメラルドとルビーが入っていたよ。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「フェオドラ!」 ガウディーノさんからの指示に、フェオドラさんは流れるように矢を射る。 ”の面々が今相手にしているのは、ブルーヘッドオッターという頭頂部に青い毛が生えているのが特徴のCランクのカワウソっぽい魔物だ。 俺が知っているカワウソよりも、だいぶデカくて凶暴そうな風貌をしているけどね。 「ギャオォォォッ」 ブルーヘッドオッターはフェオドラさんの矢が目に命中して叫び声をあげた。 「シーグヴァルド!」 「ほいきた! どりゃあっ!」 ガゴンッ―――。 ブルーヘッドオッターの頭にシーグヴァルドさん自慢のウォーハンマーの一撃が入る。 「ギディオン、行くぞ!」 「あいよ!」 最後は、首にガウディーノさんのバスタードソードの斬撃が、腹にギディオンさんの槍の突きが入り、ブルーヘッドオッターは絶命し、毛皮をドロップした。 思わず拍手する俺。 これだよ、これ! これぞ冒険者。 『なにを喜んでおる。あんな雑魚を倒してどうなるというのだ?』 不満そうな顔でそう言うフェル。 「そう言うなって。あの魔物の毛皮は撥水性があってけっこういい値がつくらしいんだから」 巨大スイに乗り進む途中、ブルーヘッドオッターを発見したガウディーノさんに是非にと請われて停まった。 ブルーヘッドオッターの毛皮は撥水性が高く需要は高いのだが、それほど出回らないのもあってけっこういい値で買い取りしてもらえるのだそうだ。 しかも、Aランクパーティーの“アーク”の面々にとっては危なげなく狩れるいい獲物で、できれば多く狩りたいとのことだった。 ということで、“アーク”の面々は巨大スイから降りて、ブルーヘッドオッター狩りに勤しんでいるというわけだ。 一応フェルとスイにも「狩るか?」って聞いたんだけど、フェルが『あんな雑魚いらぬ。肉も不味いしな』と言うと、スイも『美味しくないならいいやー』となってしまった。 うちの狩りの基準は、美味いか美味くないかだもんねぇ。 そういうわけで、俺とフェルは巨大スイの上に留まっている。 スイはうたた寝しているし、フェルも興味なさげに目を瞑っているけど、俺だけは興味津々で“アーク”の面々の戦い方を見せてもらっていたよ。 連携して戦う様は、まるで映画を観ているようで興奮したね~。 ああいう戦い方も憧れはするものの、実際に俺がああいうことができるかというと......。 「まぁ、無理だわなぁ」 自分がヘタレだって自覚あるしな。 やっぱ俺は、強い仲間と一緒くらいがちょうど良いな。 安心安全が一番だよ。 そう思いながら、脇にいたフェルを見ていると......。 『何だ?』 「いや、俺はフェルたちが仲間で良かったなって思ってさ」 『な、なんだ唐突に』 「いやさ、なんだかんだ言いつつも、お前たちみんなが強いから、こういうとこにいてもある程度余裕でいられるのかなって思ってさ」 まぁ、フェルたちと出会ってなかったらそもそもダンジョンになんて来てないけどね。 『ふむ、よく分かっているではないか。感謝するがいい』 「ハハハ。はいはい、感謝してますよ」 『む』 「ん?」 『ゴン爺とドラが帰ってきたようだ』 フェルが見ている方を見ると、黒い点が。 偵察と称してドラゴン組のゴン爺とドラちゃんは別行動をとっていたのだが、戻ってきたようだ。 「おい、あれ、ゴン爺なんか持ってないか?」 近付いてくるゴン爺だが、前脚で何か細長いものを掴んでいるようなんだけど。 『もうそろそろ昼飯だろうから帰ってきたぜ~』 一足先に俺たちの元に到着したドラちゃん。 「なぁ、ゴン爺何を持ってるんだ?」 『ああ、あれな。お前への土産だってよ』 「土産?」 そう思いながら首を傾げていると......。 「ゲッ」 降り立ったゴン爺の足元には、丸太並みの太さの緑色のヘビがウネウネと動いていた。 『まぁまぁの獲物がいたのでな、主殿への土産にと思い持って帰ってきたのじゃ』 ............。 持って帰ってきたって、これ、どうすりゃいいってのよ。 顔を引き攣らせながら緑色のヘビを鑑定してみる。 【 ハンターグリーンアナコンダ 】 Aランクの魔物。その体の色を生かし、草木に紛れ獲物に忍び寄り獰猛に食らいつく。皮はその美しい色合いから好事家の間で珍重されている。肉はあっさりした味わいで美味。 「に、肉は美味いみたいだな」 『ほう、そうなのか。なら、早く仕留めろ』 美味い肉と聞いて、フェルが仕留めろと言ってくる。 「仕留めろって、俺がか?」 『ゴン爺もそのために生かして持って帰ってきたのだろう』 『うむ。主殿のレベル上げにもいいかと思ってのう』 いらぬ世話だけど、せっかく持って来てくれたのにそうも言えないし......。 「お、お土産なら、ドロップ品で良かったんだけどなぁ。ドラちゃんにマジックバッグも渡してあったんだし」 『ん? こっちにもけっこう入ってるぞ』 ドラちゃんが首にかけていたマジックバッグを持ちながらそう言った。 ぐぬっ、それならこのヘビもドロップ品として持って帰ってくればよかったのに。 『ほれ、早くしろ』 仕方なしにアイテムボックスからミスリルの槍を取り出した。 そして......。 『主殿、そんなに怖がらずとも頭は押さえておるから大丈夫じゃ。ほれ、脳天から一息にブスッと』 「あ、ああ」 ええい、俺も男だっ、やるぞ! そう思いつつも腰が引けたまま「ていやっ!」と脳天に一突き。 ハンターグリーンアナコンダが動きを止めた。 そして、ハンターグリーンアナコンダが消えた後には、肉と緑色の皮が残されていた。 無事に仕留めることができて、ホッとしていると......。 「ムコーダさん............」 いつの間にかブルーヘッドオッター狩りから戻って来ていた“アーク”の面々が、微妙な顔をして俺を見ていた。 「ムコーダさん、それじゃあ強くなれんぞい......」 シーグヴァルドさんの言葉にウンウンと頷くガウディーノさんとギディオンさん。 そしていつもは飄々としているフェオドラさんまで頷いていた。 え? え? どっから見ていたんですか? というか、いつもこんなことしてるわけじゃないですからねー!

522 Episode 499: Admire The Brave. The giant fish offered by Grandpa Gong disappeared and turned into a drop. I forgot to appraise you by surprise. Well, fine. Drops are....... "Huge white and demonic stones, and treasure chests out? I was lightly tailored by Grandpa Gong, but he was a surprisingly high ranking demon? Appraisal after crushing one such thing. Give me a giant white body first. [Emperor Dorad's White Body] It also has a light and flavorful taste, and when the heat is applied, the texture becomes tight and dusty and very delicious. "This white body, when fever is added, is dusty and delicious." "Wow. So, how do you eat it? "Sounds good for a pot or something" "Hot pot. Nice. ' That's what I say, Juluri and Amber Fell. 'Hot pot is good. That's delicious.' "Sui, Hot Pot Lover -! Both Dora and Sui are in pot mode. Hot pot, huh? Oh, didn't Grandpa Gong ever eat pot yet? "Hot pot dishes are dishes that you eat while boiling all sorts of ingredients." "While boiling......" Grandpa Gong, who can't imagine a pot dish. "The last one is delicious again." "It's delicious." Dora-chan and Sui argue that the last one is delicious, but Grandpa Gong says, "What's the last one? 'And this again I don't know how. I need to try all this. One of these days, I'll feed you the pot. That's what I thought as far as I'm concerned, but it was our eaters who didn't shut up there. "All right, next meal's in the pot." "Agreed!" "Sausage - I" "No, no, I was going to make lunch and get it done." "What are you talking about?" There are delicious ingredients, so naturally you should eat them. ' No, what's natural? It doesn't have to be soon. "When I was told that, I would like to try the pan. Lord." Look, because Fell, Dora, and Sui are all talking about pot, Grandpa Gong is in pot mode, right? "Me too, that, I want to eat! That's what you claimed from behind me... "Mr. Feodora..." He's claiming he wants to eat himself with his sparkling eyes, Mr. Feodora. Fell and Grandpa Gong are passing it on because they were making perfect noises. "Hey, Feodora, I know it'll be brilliant! That's what Mr. Gaudino says, but he didn't listen to me. "I mean, does Mr. Mkoda have appraisal skills? From what I've heard, it sounds like it." Gikku...... To Mr. Gidion, who said that abruptly, I turn to a distracted face. "Item box, and I have a pretty big one... Could it be that Mr. Mkoda is a brave man? With his core poked, the cold sweat twitches and seeps into his forehead. I'm not a brave man, but I'm in a hurry because it's true that I'm from the world over there. "This, Gidion! Don't pry into people's skills! "That's right. It's against benevolence." Mr Seegvaldo and Mr Gaudino cautioned Mr Gidion with a sinister face. "I know. But I'm curious if you think you might be a brave man. I admire you." Mr Gidion, Mr Siegvaldo and Mr Gaudino react to the last word he said Boso. "Bufo, what, Lord, have you admired the brave? "You don't laugh. I've always had the story of a picture book that you read when you were little! That made me an adventurer. An adventurer is a profession. Yarrow has more or less such a thing." "Huhaha. I won't deny it, but you had something cute to tell me too" Mr. Seegvaldo and Mr. Gaudino are messing with me, and Mr. Gidion is turning his face bright red. Huh, did you manage to obscure me as a brave man? But I guess I'm smoking the thought of not being. 'Hey, we still have time by lunch. We'll keep hunting.' With that Fell voice, we rode the giant Swiss again to the wetlands. By the way, the contents of the Emperor Draught chest contained five large golden scales of my palm and a small grain of emerald and ruby. * * * * * "Feodora!" To the instruction given by Mr. Gaudino, Mr. Feodora shoots an arrow as it flows. The face of "Ark" is now being dealt with by a C-ranked, kawauso-like demon featuring blue hair growing on the top of his head called Bluehead Otter. It looks a lot bigger and more ferocious than the cowards I know, though. "Gaohhhh" Bluehead Otter shouted as Mr. Feodora's arrow hit his eyes. "Seagvald!" "I'm going! How dare you!" Gagong -. A blow of Mr. Seegvald's proud Warhammer enters the head of the bluehead otter. "Gidion, let's go! "Aye! At the end of the day, Mr. Gaudino's bastard sword slaughter on his neck entered Mr. Gidion's spear poke in his belly, bluehead otter desperate and dropped his fur. Unexpectedly applauding me. This is it, this! This is it, adventurer. "What are you happy about? What's gonna happen when you take down those mutts? That's what Fell says with his disgruntled face. "Don't say that. That demon fur seems to be water-repellent and of good value." On the way to the giant sui, Mr. Gaudino, who discovered the bluehead otter, definitely asked me to stop. The bluehead otter fur is highly water repellent and in high demand, but some of them don't come out so well that they can buy it at such a good value. Moreover, it was a good prey that could be hunted at risk for the "arc" face of the A-rank party, and he wanted to hunt more if he could. So the "arc" faces get off the giant sui and work bluehead otter hunting. Even Fell and Suey said, "Do you want to hunt? I heard that Fell said," I don't want that mutton fish. When I said the meat was also unsavory, Sui also became 'unsavory and nasty'. Our hunting standard is whether it tastes good or not. That's why me and Fell are staying on a giant swim. Suey's asleep, and Fell's not interested, but I was the only one intrigued to see how Arc fought face-to-face. It's like watching a movie to fight in tandem. Though I admire the way you fight, can I actually... "Well, I can't." I'm aware that I'm a jerk. I knew I'd be just as good with my strong buddies. Safe and secure is best. With that in mind, looking at Fell who was beside him...... "What?" "No, I'm glad the Fells were one of us." "Hey, what's so abrupt?" "No, I don't know, because you're all so strong, I thought I'd be able to afford some room even in these places." Well, if I hadn't met the Fells, I wouldn't have come to the dungeon in the first place. 'Hmm, don't you understand very well. Thank you. " "Hahaha. Yes, I appreciate it." "Mm." "Hmm?" "Looks like Grandpa Gong and Dora are back." When Fell looks at you, there's a black dot. The dragon group Grandpa Gong and Dra, calling it reconnaissance, were acting differently, but they seem to be back. "Hey, uh, don't you have anything for Grandpa Gong? Grandpa Gong approaching, but he seems to be grabbing something elongated with his front leg. "I'm home because I think it's time for lunch." You arrived at us one foot away, Dora. "Hey, Grandpa Gong, what have you got? 'Oh, that one. A souvenir for you. " "Souvenirs?" I lean my neck while I think so...... "Gee." At Grandpa Gong's feet as he stepped down, a green snake of round-tailored thickness was moving with Uneune. "Well, I had some prey, so I thought I'd bring it back as a souvenir to the Lord." ............ What am I supposed to do with this when I bring it back? Try to appraise the green snake as it draws your face. [Hunter Green Anaconda] A-rank demons. Leveraging the color of its body, it sneaks up on its prey in the grass and devours it violently. The skin is unusual among the favourites due to its beautiful colour. The meat tastes light and delicious. "And the meat looks delicious." 'Well, is that so? Then finish it quickly.' I hear it's delicious meat, and Fell tells me to tailor it. "Do you want me to stop you? "I guess Grandpa Gong brought it back alive for that too" "Uhm. I was wondering if I could raise the Lord's level." I don't want to take care of you, but you brought it here because of me, and I can't even say so... "Oh, if it's a souvenir, I wish it was a drop. I also gave Dora a magic bag." "Hmm? They're in here, too." That's what Dra said while holding the magic bag she was wearing around her neck. Grrr, then I wish you would have taken this snake home as a drop item too. "Look, hurry up" I had no choice but to remove Mithril's spear from the item box. And...... "Lord, you don't have to be so scared to keep your head down, so don't worry. See, busty breath from the brain weather ' "Oh, oh." Yeah, I'm a man too, let's do it! Even though I thought so, my hips kept pulling. "Oh, my God!" and thrust into the brain. Hunter Green Anaconda stopped the move. And after Hunter Green Anaconda disappeared, the meat and green skin were left behind. I was able to finish safely and was relieved...... "Mr. Mkoda.................." Soon the face of "Ark", who was back from the bluehead otter hunt, looked at me with a subtle look on his face. "Mr. Mukoda, then be strong..." Mr. Gaudino and Mr. Gidion nodding to Mr. Seegvaldo's words. And he usually even snorted at Mr. Feodora, who was floating. Huh? Huh? Were you watching something? Or I don't do this all the time, so hey!

第五百三話 スッポン鍋、再び 巨大スイに乗り、湿地帯を移動すること一週間。 ”の面々に請われて停まったり、フェルとスイの運動不足解消のために適当な魔物と戦ったりしつつも、俺たち一行は順調に進んでいた。 ちなみにだが、“アーク”の面々はインコみたいな鮮やかな色の鳥を中心に狩っていた。 普通のインコの倍はありそうなこの鮮やかな鳥たちは、その鮮やかな色合いから、はく製にされたり、羽根はドレスや髪飾り、扇子などの装飾品として加工され、富裕層には絶大な人気があるのだそうだ。 しかしながら、この鳥、生息域が限られているうえに、そこは高ランク冒険者しか辿り着けない場所であるため、出回る数が極端に少ないという。 そういうことで、もちろん高値で買い取り対象となるわけだ。 弓使いのフェオドラさんが大活躍で、青や赤、緑色のインコもどきを6羽ほど仕留めていた。 もちろんここはダンジョンなので、ドロップ品になるが、インコもどきのドロップ品は全て羽根で、これでも十分価値があるとのことで“アーク”の面々もホクホク顔だった。 俺も、これはと思いドラちゃんとスイに頼んで10羽分ほどのドロップ品の羽根を確保してある。 家で待っているみんなへのお土産にちょうどいいかなと思ってさ。 羽根ペンとかに加工してもらったあとに渡してもいいし。 フェルとスイは、ブラックアナコンダ(エイヴリングのダンジョンにもいたやつだな)やエアレーとかいう巨大な茶色い牛の魔物を狩っていた。 どっちも肉が美味いっていうのが狩る基準だったのが、らしいっちゃらしいけど。 特にエアレーは肉が美味いらしく、水辺にいた群れを見つけると積極的に狩っていたよ。 おかげでまたまた大量の牛肉をゲットした。 ダンジョンのいいところは、ドロップ品として解体せずに肉の塊を得られることだよね。 偵察隊のゴン爺とドラちゃんは、目についた目ぼしい魔物をちょこちょこ狩っていたよう。 ドラちゃんにマジックバッグを預けていたから、その中にけっこういろいろ入っていたよ。 皮だの牙だのの他、いろんな肉がね。 中にビッグバイトタートルの肉があったのには、ちょっとびっくりしたけど。 ドラちゃんがエイヴリングのダンジョンで食ったのを覚えていて、沼地にいたのを見つけて狩ったそうだ。 この肉にはフェルもスイも反応して、その沼地に遠征して、みんなでせっせとビッグバイトタートル狩りに勤しんだりもした。 沼地にいたビッグバイトタートルを狩り尽くす勢いで嬉々として狩っていく食いしん坊カルテットに、“アーク”の面々はちょっと引き気味だった。 俺が「あれ、めっちゃ美味いんですよ」と言ったら、ギョッとした顔をして今度は体ごと引かれたけど。 あの食いしん坊エルフのフェオドラさんにまでさ。 解せぬ。 スッポン鍋、超美味いのに。 とりあえず、ビッグバイトタートルとその上位種のジャイアントバイトタートルの肉が手に入ったので俺も食いしん坊カルテットも大満足。 しかし、このデカいスッポンたちは本来はこんな風に沼地とかで生息しているんだろうかと思うと、エイヴリングのダンジョンでは水のない石壁ダンジョンの中をうろついていたのが不思議でならなかった。 まぁ、不思議もなにもダンジョンだからってことなんだろうけどね。 そんなこんなで、湿地帯の道なき道を進み、ようやくフェルとゴン爺から『そろそろだ』と告げられた。 いよいよボスと遭遇するわけだ。 ボス戦を控え、俺たち一行はしっかり休息を取ることにした。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 早めだが、俺は夕飯の準備を始めていた。 『別にそのまま行っても良かったのだがな』 その俺に向かって、フェルがちょっぴり不満そうにそう言った。 「フェルはそう言うけど、いろいろ準備ってものがあるんだよ」 主に俺の心の準備だけど。 ダンジョンって、どんなボスが出てくるか毎回ビクビクなんだよ。 「それに、今回は俺たちだけじゃないんだから念には念を入れておいたほうがいいだろう」 『フン、我らがいて手こずるわけがなかろう。一瞬で終わるわ』 「確かにフェルの言う通りかもしれないけどさ、それならそれで別に急がなくてもいいじゃん」 『ここは手応えがなかったから、早く次に進みたいのだがな......』 「じゃ、フェルはこれ食わなくていいのか?」 『いいわけないだろうっ。それとこれとは別に決まっている!』 「じゃあ文句言わないの」 まだフェルが『飯の話と一緒にする奴があるか』とかブツブツ文句を言っているが、聞こえないふりだ。 『なぁー、まだかー?』 「まだかかるよ」 一方、夕飯が待ちきれなくてソワソワしているのはドラちゃんとスイだ。 『早くできないかなぁ~』 「エイヴリングのダンジョンのドロップ品でたくさんあったと思ったけど、みんなで食ったら数回で在庫がなくなっちゃったからなぁ。今回手に入ってホント良かったよ、ビッグバイトタートルの肉」 そう、俺が夕飯にと作っているのはスッポン鍋だ。 エイヴリングで大量に得たはずのビッグバイトタートルの肉だったが、大食漢揃いの食いしん坊たちの前では長くは保たなかった。 というわけで、久々のスッポン鍋となる。 ボス戦の前だし、精がつくスッポン鍋はぴったりのメニューだろ。 『フハハ、フェルとスイが大食いだからなぁ』 「何言ってるの、ドラちゃんだってけっこう食うでしょうよ」 『バレたか』 フェルやスイほどじゃないけど、その小さい体のどこに入るのってくらい食ってるからね。 「しかし、ドラちゃんは良く見つけたよな~」 『フフン、前に食って美味かったの覚えてたからな! 沼から顔出してるの見つけて、絶対アイツだと思ったんだよ』 「お手柄だよ」 『ドラちゃん、おてがら~』 『まぁな!』 俺とスイからお手柄と言われて、ちょっと嬉しそうなドラちゃんだ。 『ふむ。あの亀はそんなに美味いのかのう? 見た目はまったく美味そうに見えなかったのじゃが』 盛り上がる俺とドラちゃんとスイを横に、そう言いながら疑うような目で調理風景を見ているのはゴン爺だ。 俺が出すものはいつも美味い美味い言いながら食うゴン爺だが、さすがに実物を見た後だと『本当か?』と思っているようだ。 確かに、あれを見ちゃうとねぇ。 でも......。 「ゴン爺って、確か鑑定持ってたよな? してみたか?」 そうコソッとささやいてみる。 『いや。まさか......』 そうボソリつぶやきながらも鑑定してみたのだろう。 ゴン爺は、その強面の爬虫類っぽい縦長の瞳孔の目を見開いて驚いている。 『これは! いやはや恐れ入ったわい。この見てくれで美味いなどとは誰も思わんぞい......』 確かにねぇ。 最初にスッポンを食った人って、マジで勇者だよ。 『我は鑑定で美味と出てたから食ってみたことがあったが、そのままではそれほどでもなかった。此奴が料理すると美味くなるのだ』 『なるほど。さすがだのう、主殿』 「いやぁ」 改めてそんなこと言われると照れるじゃん。 一方、そんな俺たちを遠巻きに見ていた“アーク”の面々。 「お、おい、マジでビッグバイトタートルを食うみたいだぞ」 「ムコーダさんの飯は美味いが、あれを食うのはな......」 「儂、大抵のものは食うが、さすがにゲテモノ食いは勘弁じゃぞ」 「私も......」 引き攣った顔でコソコソとそんなことを話し合っているが......。 「全部聞こえてますからね。ったく、そんなことばっかり言ってると、食わせてやらないからな」 食わず嫌いは損するからね、ホント。 そうこうするうちにスッポン鍋が出来上がった。 「うーん、美味そう」 『お鍋~!』 『よし、食うぞ!』 『楽しみじゃのう~』 今か今かと出来上がるのを待っていた食いしん坊カルテットは、すでに準備万端の様子。 「まったく今よそってやるから待ってなさいって」 深めの大皿によそい、みんなへ配る。 『うむ。相変わらず美味いぞ!』 『そうそう、コレコレ! この味! 美味いんだよなー』 『美味しーねー!』 スッポン鍋の味を知っているフェルとドラちゃんとスイは大喜びだ。 『ムムゥ。確かにこれは美味いのう! 見た目だけで判断するのは間違いということか』 スッポン鍋を食いながら唸るのはゴン爺だ。 そういうこと。 見た目だけじゃわからないってことだね。 まぁ、確かに俺も鑑定で美味いってあっても昆虫とかは勘弁だけど。 そして、こちらにもスッポン鍋を。 「今晩の夕飯のスッポン鍋です。どうぞー」 “アーク”の面々は湯気が立ち上るスッポン鍋を、引き攣った顔で凝視しながらゴクリと唾を飲み込んだ。 それ、美味そうのゴクリじゃないよね。 「鍋、というと、この間ご馳走になったのと同じだな......」 ガウディーノさんがそうつぶやく。 「ええ。これはあれと同じくらい、いや、人によってはこっちの方が美味いって言うかもしれないくらいの鍋ですよ。それにですね、味もさることながら、滋養強壮効果もあるうえコラーゲンっていう肌にいい成分がたくさん入っているので、食った翌日は肌プルンプルンです」 そう言うとキラリと目を光らせたのは、フェオドラさんだった。 「肌、プルンプルン......」 スッポン鍋をジーッと見つめながらフェオドラさんがつぶやいた。 美形なエルフさんでも、そこはやっぱり気になるんですね。 一応お孫さんまでいる年齢みたいですから、お肌の曲がり角ということなのかな? 「ええ。プルンプルンです」 俺がそう言うと、カッと目を見開いたフェオドラさんがスッポン鍋を自分の取り皿によそった。 そして、意を決したようにスッポン(ビッグバイトタートル)の肉にかぶりついた。 ............。 「お、おい、どうなんだ?」 ガウディーノさん、ギディオンさん、シーグヴァルドさんが前のめりになってフェオドラさんの感想を待っている。 「みんなは食べなくていい。私が食べる」 そう言うと、取り皿に取った分を一瞬で食い終え、無言のままさらにおかわりをよそった。 いつものフェオドラさんだねぇ。 スッポン鍋、美味いでしょ。 「おいおいおい、私が食べるって感想になってねぇじゃねぇか! ってか、いきなり勢いよく食い始めるって、美味いってことなんだろ!」 黙々とスッポン鍋を食うフェオドラさんに、目の前の鍋が美味いものだと察知したギディオンさんが吠える。 「こうしちゃおれんっ。儂も食うぞ!」 シーグヴァルドさんもスッポン鍋を食うべく取り皿によそう。 「おい、フェオドラは食い過ぎだぞ。もうちょっと遠慮しろ」 「そ、そうだぞ! 俺らも食うんだからな!」 本当に一人で食べ切る勢いのフェオドラさんに、たまらず注意するガウディーノさんとギディオンさん。 そして......。 「こ、これが本当にビッグバイトタートルの肉なのか......」 「う、うめぇ!!!」 「あの見てくれからは想像もできん美味さじゃ......」 フハハハハハハ、だから美味いんだって何度も言ったでしょ。 『おい、おかわりだ!』 『儂もお願いするぞ』 『俺も!』 『スイも~』 「はいよー、今行く」 呆然とするガウディーノさんとギディオンさんとシーグヴァルドさんを残し、食いしん坊カルテットからのおかわりの要請に応えるべく立ち上がった俺だった。

526 Episode Five Hundred And Three: Soup Hot Pot, Again A week of riding a giant swim and moving around the wetlands. Along the way, we were asked to stop at the face of "Ark" and fight the proper demons to eliminate Fell and Sui's lack of exercise, but our line was going well. By the way, the "arc" faces were hunted around brightly colored birds like cunts. These vibrant birds, which are likely to be twice as common as regular cunts, are made from their bright colours, and their wings are processed as ornaments such as dresses, hair decorations and fans, making them extremely popular for the wealthy. However, while this bird, habitat, is limited, it is said that the number of outings is extremely low because it is a place that can only be reached by high-ranking adventurers. That makes them eligible for purchase at a high price, of course. Bowman Feodora was very active, finishing about six blue, red, and green cocksuckers. Of course, it is a dungeon here, so it will be a drop item, but all the drops from the cunt are blades, and the "arc" face was also a hockey face because it is still well worth it. Me, too, asked Dora and Sui to secure about ten dropped blades. I was wondering if it would be just the right souvenir for everyone waiting at home. You can give it to me after I have it processed into a blade pen or something. Fell and Suey were hunting giant brown cow demons like Black Anaconda (the one who was also in the Avling dungeon, you know) and Aerey. It seems that both meat is delicious was the standard for hunting. Especially since Aerey seems to have delicious meat, she was actively hunting when she found herds by the water. Thanks to this I got a ton of beef again. The good thing about the dungeon is that you get chunks of meat without dismantling them as drops, right? The scouts, Grandpa Gong and Dora, seemed to be hunting a little blind demons in their eyes. I kept my magic bag with Dra, so I had a lot of stuff in it. Other than skin and fangs, there's all kinds of meat. I was a little surprised there was some big byte turtle meat inside. She remembers Dora eating in the Aveling dungeon and found herself in the swamp and hunted. Both Fel and Sui reacted to this meat and expedited to its swamps, where we all worked for the Big Bite Turtle hunt at best. The "arc" faces were a bit of a pull to the eater cartel, which hunted as a delight with the momentum to hunt down the big-byte turtle that was in the swamp. When I said, "Oh, that's so delicious," I looked so grumpy, and now I'm drawn to my body. Until that foodie elf, Mr. Feodora. I can't solve it. A spoon pan, even though it's super delicious. In the meantime, I'm very satisfied with both the Big Bite Turtle and its top species of Giant Bite Turtle meat. But it came as no surprise that in Avling's dungeons, these big spoons were wandering through waterless stone wall dungeons, wondering if they were supposed to live in swamps or something like this. Well, I guess that means it's because it's a dungeon, no wonder. That's how I went down the roadless path in the wetlands, and Fell and Grandpa Gong finally told me 'it's time'. We're finally gonna run into the boss. We decided to hold off the boss battle and get a good rest on our line. * * * * * Early, but I was starting to get ready for dinner. "I wish I could have stayed put." That's what Fell said to me, looking a little unhappy. "That's what Fell says, but there's a lot to prepare for." Pretty much my heart, though. A dungeon is what freaks me out every time what kind of boss comes out. "Besides, we're not the only ones this time, so you'd better keep it in mind." "Hung, there's no way I'm going to do this with us. It'll all be over in a flash. ' "Well, maybe Fell's right, but then you don't have to rush it." 'I didn't get any help here, so I'd like to move on soon...' "So Fell doesn't have to eat this? 'You can't go. Ugh. And it's decided apart from this! "Then you won't complain." Fell is still complaining about the bumps in 'Is there someone to go with the rice story' or something, but I pretend I can't hear him. "Hey, haven't you? "It's still gonna take." On the other hand, it's Dra and Sui who can't wait for dinner and are soggy. "I wonder if I can do it soon." "I thought it was a lot of drops from Aveling's dungeon, but I don't know because I ran out of stock on a few occasions when we all ate it. Really good to get it this time, Big Bite Turtle Meat" Yeah, it's a spoon pan I'm making for dinner. It was a big byte turtle meat that I should have gotten in bulk at Aveling, but it didn't last long in front of the big bunch of eaters. That's why it's a long time ago spoon pan. It's before the boss battle, and a soft-boiled spoon pan is the perfect menu. "Fuhaha, because Fel and Sui are eating so much" "What are you talking about? Even Dora will eat like this." "Did you find out?" Not as good as Fell or Suey, but you eat as much as you eat where that little body goes. "But Dora found it well." "Huhun, I remember eating it before and it was delicious! I found him coming out of the swamp, and I thought he was definitely him. ' "It's a trick." "Dora, stay." "Well! Me and Sui told me how to handle you, and I look a little happy with you, Dra. "Hmm. Is that turtle that good? It didn't look delicious at all." It is Grandpa Gong who looks at the cooking landscape with his doubtful eyes as he says so, with me and Dora beside him, who thrives. What I serve is always Grandpa Gong eating while saying it's delicious, but just after seeing the real thing, he says, 'Is that true?' He seems to think. Sure, I should see that one. But... "Grandpa Gong did have an appraisal, didn't he? Have you tried? Yeah, I'll whisper it to you. 'No. No way...' Yeah, I guess I tried to appraise him even though he was a bossy twinkle. Grandpa Gong is surprised to see the eyes of that strong, reptile-like longitudinal pupil. "This is! No, I'm afraid so. Nobody thinks it's delicious... ' Sure. The first person to eat a spoon is seriously brave. "I tried it because it was delicious in the appraisal, but it wasn't as good as it was. When this guy cooks, it tastes good." "I see. That's right, Lord." "Hey." You can light up when you say that again. Meanwhile, those "arc" faces that were watching us faraway. "Oh, hey, seriously, it's like eating a Big Bite Turtle." "Mr. Mukoda's rice is delicious, but he eats that one..." "Noh, I eat most of the food, but I don't want to eat anything." "Me too..." I'm discussing that with Kosokoso with a cramped face...... "I hear everything. Damn, if you keep saying that, I won't feed you." I hate eating too much, really. In doing so, I could make a spoon pan. "Hmm, looks delicious" "Hot pot!" 'All right, I'll eat it! "Looking forward to it." The eater cartel, waiting to be able to do it now or now, looks ready already. "Totally. I'm gonna let you go now, so wait." Hand it out to everyone, like a deep plate. 'Uhm. They're still delicious! 'Yes, yes, here it is! This flavour! It's delicious. "Yummy! Fell, Dora and Sui are thrilled to know what a spoon pan tastes like. "Mummy. This is delicious indeed! Are you saying that judging by appearance alone is a mistake? ' It is Grandpa Gong who roars while eating a spoon pan. That sort of thing. So you don't know just what it looks like. Well, I certainly don't mind insects or anything, even if they taste good in appraisals. And a spoon pan here, too. "It's a spoon pan for dinner this evening. Go ahead -" The face of the "arc" swallowed the gokuri and spit as the hot air stood up spoon pan stared at him with a cramped face. That doesn't look delicious, does it? "Pot, that's the same as a treat we had during this time..." Mr. Gaudino snaps like that. "Yeah. This is as good as that, no, it's as good a pot as some people might say this one tastes better. Besides, it also has a nourishing effect, and it contains a lot of good ingredients for the skin called collagen, so the next day after eating it, it's skin plumper." When I said that, it was Mr. Feodora who glanced at me with chillari. "Skin, Prune Prune..." Mr. Feodora snapped as he stared jeezily at the spoon pan. Even a beautifully shaped elf still bothers you there. Looks like you're even old enough to have a grandson for once, so does that mean a bend in your skin? "Yeah, it's Plumpln." When I said that, Mr. Feodora opened his eyes and turned the spoon pan to his dish. And I bumped into the meat of a spoon (Big Bite Turtle) like I had decided to. ............ "Oh, man, what do you think? Mr Gaudino, Mr Gidion and Mr Siegvaldo are at the forefront and awaiting Mr Feodora's thoughts. "Everyone doesn't have to eat. I'll eat." With that said, I finished eating what I had taken to the dish in an instant, and silently turned back even more. That's the usual Mr. Feodora. A spoon pan, it's delicious. "Whoa, whoa, you're not feeling like I'm going to eat! I mean, all of a sudden, you start eating momentum, which means it's delicious! Gidion barks at Feodora, who quietly eats a spoon pan, when she senses that the pan in front of her is delicious. "This is how it's done. I'll eat you too! Mr. Seegvald should eat a spoon pan and take it from the dish. "Hey, Feodora's eating too much. Forgive me a little longer." "Oh, yeah! We're eating too! I can't stop paying attention to Mr. Gaudino and Mr. Gidion for the momentum that really runs out on their own. And...... "Ko, is this really Big Bite Turtle meat..." "Ugh, yum!!! "From the looks of it, it's as delicious as you can imagine..." Fuhahahahahahahaha, so I told you many times it's not delicious. "Hey, it's your turn! "Don't ask for it, too." "Me too! "Sui too ~" "Yes, I'm going now" I was the one who left Mr. Gaudino, Mr. Gidion and Mr. Siegvaldo in a grumpy mood and stood up to respond to a replacement request from the Eater Cartel.

第三十二話 ベビースライムのスイ いつの間にか従魔契約を結んでいたスライム。 名前はスイと呼ぶことにした。 センスないとかのツッコミは一切受け付けないぜ。 スイの今のステータスはこうだ。 【 名 前 】 スイ 【 年 齢 】 6日 【 種 族 】 ベビースライム 【 レベル 】 8 【 体 力 】 24 【 魔 力 】 21 【 攻撃力 】 18 【 防御力 】 20 【 俊敏性 】 21 【 スキル 】 ----- なんかレベルがめっちゃ上がってるんだよ。 多分異世界のゴミを食った影響だと思うんだけど......。 ネットスーパーで買った物を使ってどうこうっていうのはないから(例えば布団を使って寝たら体力が上がったとか魔力が上がったとかね)、異世界のものを体内に取り込むことで何らかの影響があるんだと思う。 ちなみにあの時間制で体力とか魔力とかがプラスになるやつはスイには発揮されてない。 俺が考えるに、スイは元々が弱っちかったから全体的なレベルが上がったんじゃないかと思ってる。 で、ある程度レベルがあるやつは時間制で体力とか魔力とかプラスになるとかさ。 それじゃなきゃ、食材かそうじゃないかの違いでレベルが上がるのかだよな。 だけど、それ検証すんのけっこう難しい。 だってさ、ゴミを食うのなんてスライムくらいだろ。 スライムを見かけたら試してみたいんだけど、スライムを全然見かけないんだよ。 フェルに聞いてみたら、上位種じゃない限りはスライムは弱いから基本隠れるか逃げるかだからあまり見かけないんだとさ。 まぁスイがレベルアップするのは悪いことじゃないからいいんだけど。 スイはマジでありがたい存在だし。 ゴミは食ってくれるし、食器類もきれいにしてくれるんだぜ。 最初は皿まで消化しちゃったけど、皿は食わないで汚れだけって言ったら、ちゃんと汚れだけ落としてくれる。 スイのおかげでフライパンにこびりついた汚れもへっちゃらだぜ。 今までは食器類を洗うのにネットスーパーの洗剤を使ってたんだけど、あれだと泡を洗い流すのにけっこう水を使うからな。 近くに川とかの水場があればいいんだけど、そうじゃないときはけっこう大変だったんだ。 それがスイのおかげで水も少量で済んでいる。 異世界のゴミも喜んで食ってくれるし、スイはマジでいい子や。 そのスイの定位置は、すっかり忘れられた存在になっていたレイセヘル王国の王都の服屋でもらった(スーツを売った店だ)布製の肩掛け鞄の中だ。 この場所が気に入ったのか大人しくしている。 そして俺はフェルの背の上。 ただいま森の中を絶賛爆走中だ。 それでも、前に比べたらスピードを落としてくれてるからいいんだけど。 「フェルー、日も落ちてきたし、今日はこの辺で野営にしないか?」 フェルに声をかけると、フェルがスピードを落とし止まった。 『肉がいい』 はいはい。 フェルにたっぷり肉を出してやり、俺は野菜もとりつつ、スイは異世界のゴミで夕食を済ませた。 夕食後ではあるが、何故か無性に甘い物が食いたくなった。 時々無性に甘いものが食いたくなるときがあるんだよな。 ネットスーパーで物色すると、美味そうなものがあった。 「どら焼き美味そう」 そう呟くと、フェルがのそりと立ち上がってこっちに来た。 『美味そうとは何だ? 一人で食うなど許さんぞ』 へいへい、ってフェル甘い物大丈夫......愚問でしたな。 菓子パンあんだけ食ってるんだから甘い物ダメなわきゃないな。 スイもプルプル震えて食いたそうだ。 俺とスイは1個ずつでいいだろ、フェルは5個くらいはペロッといくな。 どら焼き7個と和菓子を食うならお茶も欲しいなとティーバッグ式の緑茶も購入。 どら焼きを袋から出して皿に並べてフェルに出してやる。 スイにはどら焼きを袋から出してどら焼きと袋を目の前に並べてやる。 俺はお湯を沸かしてまずはお茶の用意だな。 「どら焼きうめぇな。ズーッ、お茶もうめぇ。やっぱ和菓子には緑茶だな」 『おおっ、この周りの皮と中の黒いのが合っている。美味いぞこれは』 思ったとおり、フェルはどら焼きをペロッとたいらげた。 スイも興奮したようにプルプルプルプル震えていたから美味かったんだろう。 ちゃんと袋も(俺とフェルの分のどら焼きの袋もな)食ってた。 うーむ、寝る前の甘い物は罪悪感があるがこの上なく美味いな。

33 Episode Xxxii: The Sui Of Baby Slime Slime, who at some point had an obedience contract. I decided to call my name Sui. I don't accept any scratches like no taste. Here's Sui's current status. [Name] Sui [Age] 6 days [Race] Baby Slime Level 8 [Health] 24 [Magic] 21 [Attack] 18 [Defense] 20. [Agility] 21 [Skills] ----- Something's so level. Probably the effect of eating trash from different worlds...... Because there is no such thing as using a product bought in an online supermarket (for example, when I slept with a futon, my strength improved or my magic improved), I think it has some effect by taking things from different worlds into my body. By the way, the ones with positive health and magic powers in that time system are not being used by Sui. To my mind, Sui was originally weak, so I think he got to an overall level. So, the ones with some level are positive for physical strength, magic, etc., on a time basis. Otherwise, I guess the difference between ingredients or not will increase the level. But it's hard to verify. 'Cause you're about as slimy as eating garbage. If I see a slime, I'd like to give it a try, but I don't see a slime at all. I asked Fell if he'd hide or run because the slime is weak unless it's a superior species, which is why I don't see much. Well, I hope it's not a bad thing for Sui to level up. Sui is a hard man to believe. They eat garbage, and they clean dishes. I even digested the dishes at first, but if I told you not to eat the dishes but just dirt, it would only remove dirt properly. Thanks to Sui, the dirt stuck in the frying pan. Until now, I've been using an online supermarket detergent to wash dishes, but that one uses cool water to wash away the bubbles. I wish there was a river or some kind of water field nearby, but it was so hard when it wasn't. Thanks to Sui, a small amount of water is needed. He'll be happy to eat trash from other worlds, and Sui is seriously a good kid. The location of the Sui is in a fabric shoulder bag (the store that sold the suit) that I received from the clothes store of the King's Capital of the Kingdom of Lacehel, which had become a completely forgotten existence. You liked this place. I'm putting it up to you. And I'm on Fell's back. I'm in a blast through the woods right now. Still, I hope you're slowing me down compared to before. "Ferru, the sun's falling, and why don't we camp around here today? Speaking to Fell, Fell stopped slowing down. "I like meat." Yes, sir. I served Fell plenty of meat, and while I took vegetables, Sui finished dinner with garbage from other worlds. After dinner, but for some reason I wanted something sexually sweet. Sometimes you want something sexually sweet. When I looked in the online supermarket, there was something that looked delicious. "Dorayaki looks delicious" When I squealed like that, Fell stood up and came over. What do you mean it looks delicious? I won't let you eat alone. " Heck, that's Fell sweet stuff okay...... that was a stupid question. I only eat sweet bread, so sweet things must be bad. She also ate Sui with a purple tremor. Me and Suey can do one at a time, Fell. Don't pelo about five. I also bought teabag-style green tea that I would also like tea if I were to eat seven Japanese sweets. I'll get the roast out of the bag, line it up on a plate, and put it out on the fer. I'll put the bake out of the bag in Sui and arrange the bake and the bag in front of you. I'll boil some water and make some tea first. "You're no good at baking. Zuch, tea is good too. I thought it was green tea for Japanese sweets." 'Whoa, the skin around here and the black inside fit. This is delicious.' As I thought, Fell annoyed me with the roasted meat. I guess it was delicious because Sui was shaking like she was excited too. I was eating a proper bag (either for me or Fell). Hmmm, the sweet stuff before bed is guilty but so delicious.

第四百四十七話 イケオジな副ギルドマスターに真顔でとんでもないことを聞かれた ギルドマスターのトリスタンさんがいきなりぶっ倒れてオロオロしていると、筋肉ムッキムッキだけど暑苦しさがない無精ヒゲを蓄えたダンディなイケオジが俺の下へとやってきた。 「お前がムコーダか。俺はここのギルドの副ギルドマスターのバルトロメオってんだ。よろしくな。お前のことはトリスタンからいろいろと聞いていたが......。それにしてもお前、とんでもないもんを連れて来てくれたもんだなぁ。おかげで免疫のないトリスタンがぶっ倒れちまったじゃねぇか」 そう言った後、近くにいたギルド職員の方を向いて指示を出す。 「おいお前ら、トリスタンを2階に連れて行って寝かせとけ」 バルトロメオさんのその指示によって、トリスタンさんは2名のギルド職員によって回収されていった。 「そんじゃオメー達ムコーダ一行は俺に付いてこい」 そう言われて俺たち一行は、バルトロメオさんの後に続いた。 そうして連れてこられたのは、他の冒険者ギルドではお馴染みとなっている倉庫だ。 フェルだけならまだしも、ゴン爺が加わったからねぇ。 ま、ある程度の広さがあるところでゆっくりと話ができる場所となるとここが選ばれるのも納得だ。 しかし、どこの倉庫も同じようなもんだね。 だだっ広くて、買い取ったものが所狭しと並んでいた。 先に人払いをしていたのか、倉庫にいるのはバルトロメオさんと俺たち一行だけだ。 「で、何でそんなもん連れて来た? っていうのはバルトロメオさんにはバレちゃってるか。 まぁ、副ギルドマスターになったような人だし、身体つきからしても元は高ランクの冒険者だったんだろうから当然か。 というか、何でって言われてもさ、さっきから俺は何度も言ってるよね。 「ええと、何度も言ってますけど、従魔になったからですけど......。それから、おっしゃるとおり 「そう言われても......」 俺は本当のことしか言ってないんだけど。 『おい、そう主殿を責めるな。儂が主殿の従魔になったのは事実なのだからな。それにだ、伝説の云々と言うならば、このフェンリルのフェルとて同じだろうが』 ゴン爺が声に出してしゃべると、バルトロメオさんが一瞬驚いたように目を見開いたけど「 そして、今度はフェルの方に顔を向けて「ということはフェンリルもか」とつぶやいた。 『もちろん我も人語を話すことができるぞ。そして、間違いなく此奴の従魔だ。冒険者ギルドにもちゃんと登録してある』 「ったく、それからしておかしいんだよ。伝説の魔獣フェンリルが人の従魔になったってんで、この国の冒険者ギルドの上層部じゃえらい騒ぎだったんだからな。しかも、国の方じゃ何とかしてうちの国に引き入れることはできないかって言ってくるしよ」 バルトロメオさんの話では、エルマン王国内でもそういう話があったらしい。 でも、レオンハルト王国の王様から書簡が来たらしく、要約すると“フェンリルに無理強いして国が無くなってもいいならやってみれば”的なことが書いてあったらしい。 レオンハルト王国の方針としては、どうせフェンリルに対抗しても勝てるはずもないのだから自由にやってもらって、なるべくうちの国に居てもらうっていう方向だから、それについては邪魔しないようにって意味合いのことも書いてあったそう。 それに加えて、フェンリルと敵対するようなことになってもうちの国は知らんからってことも書いてあったみたいだ。 「その書簡で上層部も国の方も冷静になってな。そりゃあそうだよな、フェンリルを敵に回して勝てるはずもないし、下手すりゃあ国自体が無くなっちまうことも十分にあり得るんだから」 そして、ここエルマン王国でもレオンハルト王国に倣って俺たち一行に関しては自由にしてもらうっていう方針になったそうだ。 「ようやくそう決まって落ち着いたってのに、お前はよ~」 「いや、あの、すみません」 フェルもそうだけど、別に俺はゴン爺に従魔になってくれなんて一言も言ってないんだけどさ。 「そしてこれだけは聞いておかなきゃならんことだが......。お前、この大陸に覇を唱えるつもりなのか?」 真顔でそんなことを聞いてくるバルトロメオさんにギョッとした。 「へ? 何言ってるんですかっ! 止めてくださいよっ、そんなことするわけないでしょ!」 今じゃカレーリナの街に家があるし、その家でのんびりしたり、時々こうして旅に出てこの世界をいろいろと見て回ったり、そして何より美味いものが食えれば俺は満足だ。 覇を唱えるなんて滅相もない。 そういうことを切々と語った。 「分かった分かった。......まぁ、お前が本気になれば防ぐ手立てはないんだけどな。フェンリルと 「バルトロメオさ~ん」 何でそういうこと言うのさ。 さっきから覇を唱えるなんてするわけないって何度も何度も言ってるのにー。 『そう此奴をいじめるな。我も今まで通りお主らが手を出してこぬなら、何の文句もないしこちらから何かをすることもないわ。......ただし、此奴に危害を加えるようなことがあればその限りではないがな』 『儂も同じだ。主殿から言われてもいないのに、お主らに手をかけることなどないわ。まぁ儂も主殿に危害を加えられたらさすがに黙ってはいないがな』 「グゥッ......」 フェルとゴン爺にプレッシャーをかけられて呻くバルトロメオさん。 辛そうなバルトロメオさんを見て、さすがに止めた。 「フゥ......。扱いも完璧とはな。分かった、信じよう。しかし、頼むぞ。本当の本当に頼むからな」 そうバルトロメオさんに懇願されるように言われ、俺は苦笑いだ。 『むぅ、スイもいるのにー』 『だよなぁ。さすがにフェルとゴン爺と並ぶとは言わないけど、俺とスイだってけっこう強いってのにな』 フェルとゴン爺ばかりが話題に出て、ちょっぴり面白くないドラちゃんとスイ。 『ドラちゃん、スイ、それは俺が一番分かってるから』 念話でそう言って、俺に肩車されていたドラちゃんの背中と抱っこしていたスイをポンポンと叩いた。 その後、バルトロメオさんにギルドカードを渡して、ゴン爺の従魔登録も何とか無事に済ませた。 そして......。 「これだけの従魔を従えてるんだから当然ここのダンジョンも踏破したんだろう? ある意味そうなんだろうけど、正確には違うかな。 ここブリクストのダンジョンを踏破したこと、そして最下層のボスはブラックドラゴンで、ゴン爺はたまたまというか、ぶっちゃけ寝るためにダンジョンへと侵入していたことをバルトロメオさんに話した。 「こんなどえらいものに侵入されて気が付かなかったとはなぁ......」 「えーと、ダンジョンに入ったのは200年近く前の話らしいので」 その後、41階層から最下層までのことを聞きたいということだったので、だだっ広い荒野のことや砂漠地帯のこと、そして極寒の銀世界のことを話した。 本当ならトリスタンさんに話した40階層までのことも聞きたかったそうだけど、ちょうどそのころは救援要請のあった冒険者のためにダンジョンへと潜っている最中だったそうだ。 何でもバルトロメオさんとトリスタンさんとでは明確に仕事の範囲が分かれていて、ここのギルドの運営に関することやドロップ品やらの売買に関することはトリスタンさんが、そして冒険者への依頼や冒険者への指導など直接冒険者に関することについてはバルトロメオさんが担当しているのだという。 バルトロメオさん曰く「俺には運営とかそういう面倒くせぇ事務仕事は無理だからありがたい話だぜ」とのこと。 それぞれが得意分野を担当することで、このブリクストの冒険者ギルドは非常にうまく回っているそうだ。 それはいいとして、41階層から最下層である47階層までのことを説明し終えると、バルトロメオさんはガックリと項垂れてため息をついた。 「普通の冒険者にゃあ踏破なんて無理だろ、こりゃあよ......」 「あのー、俺が普通じゃないみたいな言い方なのが気になるんですが」 「オメーが普通なわけないだろうが! フェンリルと えっと、すんません。 「ハァ......。魔物は強くてもまともにやり合わず回避すりゃあ何とかなるだろうが、広さはどうにもならねぇ。現実問題、命綱の水や食い物がどれだけ必要になることやら。典型的な5人パーティーで、その中に運良くアイテムボックス持ちがいたとしても、それだけじゃあ到底間に合わん。一つの階層を進むだけでいくつのマジックバッグが必要になるのかねぇ。踏破を考えるとなりゃあ、いくつあっても足りないぞ。それを揃えるだけで途方もない金が必要になる」 まぁそう言われると、確かにね。 「ったく頭の痛い話ばっかりだな」 腕を組んでしかめっ面のバルトロメオさん。 ここブリクストのダンジョンは難関ダンジョンと知られているだけに比較的高ランクの冒険者が集まっている。 その中には本気で踏破を狙っている冒険者もそれなりにいて、その連中にこの情報が知れ渡れば踏破は無理だと判断してここから引き上げて他の街へと移動するだろうことが予想される。 バルトロメオさんとしてはそのことを懸念していた。 「本気で踏破狙ってるようなヤツはよ、冒険者としてイキのいい脂の乗った連中なわけよ。俺らとしても、そういう連中にごっそり去られるってのは困るわけよ。とは言っても、情報を秘匿するわけにもいかないしな。この情報については、上と協議してしかるべき時に発表することにするわ。お前もそれまでは聞かれてもはぐらかしておいてくれよ」 「はい、それくらいでしたら」 それから、ゴン爺が従魔登録されたギルドカードを受け取ってようやく解放された。 とは言っても、また明後日にはここに来ることになるけどね。 ドロップ品やらの買取りのことやらを話したら、バルトロメオさんがそういうことはトリスタンさんの方が専門だからってことになってさ。 明日には復活するだろうからって話だったけど、前回と比べてドロップ品の品数は少ないものの一応は確認しておきたいし、明後日こちらに伺うように話をつけた。 その間にバルトロメオさんがトリスタンさんにもいろいろと説明しておいてくれるってことだった。 「それじゃあ次は商人ギルドだな」 今晩泊まれる家を確保しないとね。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 商人ギルドまでの道のりを再び「俺の従魔ですから! 大丈夫ですから!」と声を張り上げて練り歩いた。 着いた先の商人ギルドでも当然のように一騒動あったけど、冒険者ギルドのギルドカードを見せながら「俺の従魔ですから」と説明してなんとか押し通した。 豪胆な商人からは「鱗の1枚でも何とか取引できないだろうか」なんて言葉がチラッと聞こえたりして、ゴン爺を目の前にしてそんなことが口にできるなんてずいぶんと肝が据わってるなぁなんて感心させられたりもした。 そんなこんなあって、何とか商人ギルドの職員の人に全員で泊まれる家を借りたい旨を伝えて探してもらったところ、この間借りていた屋敷よりさらに広い18LDKのお屋敷に空きがあるということで、即決。 職員の方の説明によると1つ1つの部屋も広いので俺たち一行にはうってつけとのことだ。 1週間の家賃が金貨160枚というから、こちらもどうやら家賃が高すぎて借り手が現れなかった物件のようだ。 それでも俺たちにとっては泊まれる物件が見つかっただけでもありがたい。 くれぐれも中は傷つけないようにと何度も念押しされたけどね。 代金を支払い鍵を預かって、早速借り受けた屋敷へと向かった。 ごつい面子の増えた俺たち一行の案内役を商人ギルドの職員に頼むのは酷だろうと思って、場所だけ聞いて俺たちだけで来てみたはいいけど......。 「ここで間違いないよな?」 これもう城じゃね? と言いたいほど豪華でデカい屋敷を前にして、思わずポカンと口を開けて見上げてしまう俺。 『うむ。なかなか良いではないか』 見るからに豪華そうなお屋敷に満足そうなフェル。 『おおー、この前より豪華で広そうな家じゃねぇか』 ドラちゃんもなんだか嬉しそう。 『お庭も前より広ーい!』 スイも鞄から飛び降りて、芝生の生えた広い庭でポンポン飛び跳ねてはしゃいでいる。 『ほ~、人間の感性も悪くはないな。儂好みの館だ』 ゴン爺もフェルと同じく満足気にしている。 中に入ると、さらに豪華さが際立った。 広々としたエントランスに、豪華なシャンデリア、そして細工の施された螺旋階段。 「何だか豪華すぎて落ちつかないな」 そう思うのは俺だけのようで、フェルとドラちゃんとスイとゴン爺はさっさとこれまただだっ広いリビングに移動して既にくつろいでいる。 それに苦笑いしながら「それじゃあ俺はキッチンで夕飯の準備にとりかかるからな」とみんなに一声かけた。 『おおっ、いよいよ美味いと噂のから揚げじゃな! 大いに期待しているぞ!』 ゴン爺のテンションの上がった声を聞きながらキッチンへと移動した。 「うっひゃー、ここも広いねぇ」 魔道コンロに至っては四つ口どころか六つ口もある。 「さてと、ゴン爺にはえらい期待されてるし、しっかりとから揚げを仕込んでいきますかね」 味はいつものとおりに醤油ベースと塩ベースのものだ。 やっぱりスタンダードなこの2つが飽きがこなくて一番美味いと思うんだよね。 俺は気合を入れて、コカトリスの肉を中心に大量にから揚げを仕込んでいった。

467 Episode 447: The Ikeozi Deputy Alliance Master Asked Me Something Outrageous In The Face As Alliance Master Tristan suddenly collapsed and was horny, a dandy Ikeozi came under me accumulating an inert beard that was a muscle muck but not hot and bitter. "Are you Mkoda? I'm Bartolomeo, the guild's deputy guild master here. Nice to meet you. I've heard a lot about you from Tristan... And you, you brought me something hell. Thanks to you, the unimmunized Tristan fell down." After saying that, turn to the guild clerk who was nearby and give instructions. "Hey you guys, take Tristan upstairs and put him to sleep" At Mr. Bartolomeo's direction, Mr. Tristan was recovered by two guild officials. Omei and Mukoda, follow me on the line. That's what they told us. We followed Mr. Bartolomeo. That's how they brought us to a warehouse that is familiar to other Adventurers Guilds. If it's just Fell, it's still there, because Grandpa Gong has joined us. I am also convinced that this place will be chosen as a place where we can talk slowly where there is a certain amount of space. But every warehouse is the same. It was so wide that what I bought was lined up so narrowly. You were paying people first, and only Mr. Bartolomeo and we are in the warehouse. "So, why did you bring me that? What is an ancient dragon? It's supposed to be huge enough to look up." Has Bartolomeo found out that Grandpa Gong is an ancient dragon? Well, he's like becoming a deputy guild master, and I guess he was a highly-ranked adventurer from a physical standpoint, so naturally. I don't care what they say, I've been saying it a lot since just now. "Uh, I've said it many times, because I became an obedient... Then, as you said, the ancient dragon (enchanted dragon) is inherently super huge. Even when I met him in the dungeon, he was amazingly big. But when it comes to following me, it's the same size that makes it inconvenient. I hear that's what you can do, yes." "Even if they say so..." I'm only telling the truth. 'Hey, yes, don't blame the Lord. It is true that Noun became the obedient demon of the Lord. Besides, if it's legendary, it'll be the same as this Fenrill Fell.' When Grandpa Gong spoke to his voice, Mr. Bartolomeo opened his eyes to his surprise for a moment, but for some reason he was convinced that "it was true that the ancient dragon (enchanted dragon) spoke human language". And now he turned to Fell and snapped, "Does that mean even Fenrill?" 'Of course I can speak human language, too. And it's definitely this guy's obedience. I'm also properly registered to the Adventurer Guild' "Damn, then it's weird. The legendary warcraft, Fenrill, became the obedient demon of men, so it was a scene in the upper echelons of the Adventurer Alliance in this country. Besides, they're going to ask me if I can get into our country somehow." In Mr. Bartolomeo's story, that's what happened within the kingdom of Ellman. But he got a letter from the king of the kingdom of Leonhardt, and in summary, it said something "if you can force Fenrill to do it and the country is gone, you can do it". The policy of the Kingdom of Leonhardt also said something about the implications of not disturbing Fenrir because it is in the direction of having him do it freely and stay in our country as much as possible because he can't even beat it anyway. Besides, it also said that my country didn't even know if it was hostile to Fenrir. "Be cool with that letter, both for the upper management and for the country. Well, you know, there's no way you can turn Fenrill against your enemies and win, and if you're bad enough, the country itself can be gone." And here in the kingdom of Ellman, it's become a policy to imitate the kingdom of Leonhardt and let it go when it comes to our line. "You've finally settled down." "No, you know, I'm sorry" Same goes for Fell, but nothing. I didn't say a word to Grandpa Gong to be his obedient. "And that's all I have to ask... You, are you going to conquer this continent? I was gnawed at Mr. Bartolomeo for asking me that in the face. "Heh? What are you talking about? Awesome! Stop it. Okay, you can't do that! Now I have a house in the city of Curry Lina, and I'd be content if I could relax in that house, if I could take a trip like this sometimes and look around this world a lot, and most importantly, eat something delicious. There is no annihilation in chanting a championship. That's what I talked about. "All right, all right.... Well, there's no way to prevent it if you mean it. No country can compete against Fenrir and the Ancient Dragon. Ahhh." "Bartolomeo." Why do you say that? I've said over and over again that there's no way I'm going to win. 'Yes, don't bully this guy. If you don't get your hands on me the way I've always done, there's nothing to complain about, and there's nothing to do from here.... but not if it does harm to this guy.' 'Same goes for Non. Even though the Lord has not told me, I will not lay hands on you. Well, if Noon did harm to the Lord, he wouldn't just shut up. " "Guh......" Mr. Bartolomeo groans under pressure from Fell and Grandpa Gong. I saw the spicy Mr. Bartolomeo and just stopped. "Huh...... I didn't know it was perfect. Okay, let's believe it. But, please. Really, really, really." Yes, Mr. Bartolomeo told me to beg, and I laughed bitterly. "Well, there's Sui." 'That's right. I'm not saying I'll be right alongside Fell and Grandpa Gong, but even me and Sui are so strong.' All Fell and Grandpa Gong are on the subject, a little uninteresting Dora and Sui. "Dora, Sue, that's because I know best." That's what I said in my reading, and I pounded on Dra's back, who was being shouldered by me, and Sui, who was holding him. I then handed Mr. Bartolomeo my guild card and managed to get Grandpa Gong's exorcism registered safely. And...... "You can follow all this obedience, so naturally you broke through the dungeon here, too, right? Are you saying that the Ancient Dragon was the boss of the bottom line? I guess so in a way, but not exactly. I told Mr. Bartolomeo that I had broken into the dungeon here in Brixt, and that the boss at the bottom was a black dragon, and Grandpa Gong happened to be breaking into the dungeon to blah blah blah blah sleep. "I don't know I didn't realize you had been hacked into by something so obvious..." "Uh, I went into the dungeon because it sounds like it was almost 200 years ago" He then talked about the wider wilderness, the desert zone, and the extremely cold silver world because he wanted to hear about it from the 41 tiers to the bottom. If it's true, he also wanted to ask Mr. Tristan about up to 40 levels, but he was just in the middle of diving into the dungeon for an adventurer who had a rescue request. The scope of work is clearly divided between Mr. Bartolomeo and Mr. Tristan, and Mr. Tristan is in charge of running the guild here and buying and selling drops, and Mr. Bartolomeo is in charge of asking adventurers and mentoring adventurers and other direct adventurers. Mr. Bartolomeo said, "I don't have the trouble of running a business or anything like that. I can't do clerical work, so I appreciate it." They say each of them is in charge of their specialty, making this Brixte Adventurer's Guild go around very well. That's all right, when I finished explaining things from the 41 tier to the 47 tier, which is the lowest tier, Mr. Bartolomeo sighed gaggedly. "Normal adventurer. You can't tread, this is awesome..." "Uh, I'm curious to say that I'm not normal." "There's no way Omei is normal! Follow Fenrir and the Ancient Dragon. If I tell you it's normal, you'll be grabbed by other adventurers." Uh, excuse me. "Ha...... The demons are strong, but they don't deal with each other properly. If you avoid them, you'll figure it out, but the breadth can't be helped. Reality issues, how much water and food the lifeline will need. Even if it's a typical five-person party and you were lucky enough to have an item box in it, that's all. Then you won't make it to the end. I wonder how many magic bags you'll need just to go through one hierarchy. If you think about treading, oh, there's not enough of them. Just put it together and you're gonna need a lot of money." Well, when they say that, sure. "That's all I'm talking about." Mr. Bartolomeo with arms on his face. Dungeons here in Brixt are a relatively high ranking group of adventurers just known as difficult dungeons. There are quite a few adventurers among them who are serious about trespassing, and it is expected that if these people knew this information, they would decide that trespassing would not be possible and pull it up from here and travel to other cities. As for Mr Bartolomeo, I was concerned about that. "He's the kind of guy who's serious about breaking and breaking, and as an adventurer, he's the guy with the good fat on him. Even us, it's hard to let those people leave us alone. That said, you can't keep information secret. We'll announce this information when we need to discuss it with you. Until then, you can leave me alone even if you ask." "Yes, if that's about it" Then, after Grandpa Gong received the Alliance Card registered to the Obedient Demon, he was finally released. That said, I'll be here again the day after tomorrow. When I told him about the drop shopping, it meant that Mr. Bartolomeo was more specialized in that kind of thing than Mr. Tristan. We talked about it because it will be back tomorrow, but I want to make sure that the number of items dropped is small compared to the last one, and I talked to her the day after tomorrow. In the meantime, I meant that Mr. Bartolomeo would explain a lot to Mr. Tristan as well. "Then the Merchant Guild is next." We need to secure a house where we can stay tonight. * * * * * The journey to the Merchant Guild is once again: "Because it is my obedience! 'Cause it's okay!," he stretched out his voice and strode. Even the merchant guild ahead of us arrived had a commotion, as a matter of course, but I managed to push it through by showing the Adventurer guild guild card and explaining, "Because it's my obedience". The words from the audacious merchant, "Can't you manage to trade even one of the scales" could sound chilling, and it could impress me that my liver is sitting on a lot to be able to say that in front of Grandpa Gong. That being the case, I managed to tell the Merchant Guild officials that I wanted to rent a house for all of them to stay in, and they searched for it, and in the meantime, there's a vacancy in an 18LDK mansion that's even wider than the mansion I rented, so instantly. According to the staff member's explanation, one room at a time is also large, so we are comfortable in one line. Since the weekly rent is said to be 160 gold coins, this one is also apparently a property that was too expensive for the borrower to show up. Still, for us, it's just nice to find a place to stay. I've been pushed over and over again not to hurt you inside. I paid the price, kept the keys, and quickly headed to the rented mansion. I thought it would be cruel to ask Merchant Guild officials to guide us in a row with more face, so I could just ask where it is and come alone with us... "It's definitely here, isn't it? This isn't a castle anymore, is it? Me in front of a mansion as luxurious and big as I'd like to say, and I accidentally open my mouth and look up to Pocan. "Uhm. Isn't that pretty good" Fell seems satisfied with the mansion, which looks luxurious to see. "Oh, it looks more luxurious and spacious than before." Dora seems kind of happy, too. "Your garden is bigger than before! Sui also jumps out of his bag and jumps off a pom in a large lawn-growing garden. "Ho, human sensibility isn't bad either. It's a museum of choice." Grandpa Gong is as satisfied as Fell is. Once inside, the luxury stood out even more. Spacious entrance, luxurious chandeliers and finely crafted spiral stairs. "It's kind of too luxurious to settle down." Seems like I'm the only one who thinks so, and Fell, Dora, Sui and Grandpa Gong just moved into this again into a big living room and are already relaxed. "Then I'll be in the kitchen getting ready for dinner," he called out, laughing bitterly. "Whoa, finally, it's not fried because it's delicious and rumours! I'm counting on it! I moved to the kitchen listening to Grandpa Gong's tense voice. "Ugh, this place is huge too" There are six mouths instead of four leading up to the Magic Stove. "Well, Grandpa Gong expects a lot of you, and will you make sure you fry them?" The taste is based on soy sauce and salt as usual. I knew these two, which are standard, were the best I could ever get tired of. I was in the mood and planted a large amount of fried chicken, mainly caucasian meat.

声をかけてニンリル様の教会に入ると、グレイヘアの優しそうな初老の司祭様が出てきた。 「はい、なにかご用ですかな?」 にこやかにそう言う司祭様だったが、俺の後ろに控えたフェルとゴン爺を見て若干顔が引きつっていた。 俺は「まぁ、そうなるわな」と思いつつ、自分は冒険者のムコーダという者で今は王都にある各教会にお布施&寄付巡り中なのだとかいつまんで話した。 俺の話を聞いた司祭様の顔が引きつった顔から一転して「本当にありがたいお話です!」とニッコニコ。 「ええと、こちらは孤児院も併設されているのですか?」 「はい。ここは王都ですので、各地から孤児がやってくることもあり、ここも満杯ではあるのですが。子どもは宝です。出来得る限りは受け入れをしようと思っております」 ふ~む、信者数の少ないニンリル様の教会の孤児院さえも満杯とは。 王都ということで、最後の砦みたいな感じになっているのかもな。 親たちも王都の孤児院ならばなんとか入れてもらえるってさ。 そんな風に考えていたら、グンと頭頂部を押された。 『おい』 「......フェルさんや、頭に手を置くのはやめてもらえますか」 『つい今しがた、ニンリル様の神託が降った』 おい、無視かよ。 フェルよ『悪かった』の一言くらいあったっていいだろが。 『ニンリル様の神託~? フェル、そんなの受けたのか?』 パタパタ飛びながら疑わしげな目でフェルを見るドラちゃん。 『む、我はニンリル様の眷属なのだぞ。神託くらい受ける』 『ほ~、女神からの神託とは。お主だけに来るというのは、やはり眷属だからなんじゃろうのう。で、どんな神託を受けたのじゃ?』 女神からの神託と聞いて興味が湧いた様子のゴン爺。 ちなみにスイはゴン爺の背中で寝落ちしている。 ニンリル様の神託だなんてロクなもんじゃない気がするんだけど......。 『そこの小童の目を治してやるようにとのことだ』 そう言いながら司祭様の足元を鼻で指した。 目を向けると、司祭様の後ろに隠れるように、長く白い司祭服にしがみつく小さな女の子がいた。 大人し過ぎて、この子がいたのに今の今まで気が付かなかった。 ドラちゃんとゴン爺も、『女神って一人間を治せなんて神託するんか?』『いや、儂もわからんが......』などと言って小さな女の子を見て困惑している。 「目を治してやるようにって......」 その女の子の目をよく見ると、両目とも白く濁っていた。 「司祭様、この子の目は......」 俺がそう聞くと、ハッと我に返る司祭様。 「はい。この子の村が魔物に襲われて、その時に。両親もその時に亡くなったそうで」 司祭様の話によると、この子はアナベラちゃんと言って、5歳になったばかりだそうだ。 話にあった通り、村が魔物に襲われて壊滅状態に。 両親もその時に亡くなって、アナベラちゃんはなんとか生き残った村人に連れられて、3か月前に王都までやってきたそうだ。 しかし、村人も慣れない王都で生活していかなければならず、目の見えないアナベラちゃんまではさすがに養っていくことはできない。 それで、ここの孤児院に預けられたそうだ。 この世界、それこそ魔物に襲われたり流行り病やらで親を亡くしたりする子どもは多い。 だけど、それに加えて5歳で両目とも見えなくなるっていうのは酷過ぎやしないか。 痛ましい思いでアナベラちゃんを見る俺。 『だから、お主の出番だと言っているだろう』 沈痛な面持ちの俺の頭頂部にまたもやドンと重しが。 「フェル~、またお前......」 そう言って後ろに居たフェルを睨んでいると......。 「あ、あのっ、あなた様は、風の女神ニンリル様の眷属であるフェンリル様でしょうか?」 司祭様がおそるおそるフェルを見ながらそう声をかけた。 あ~、声に出してしゃべっているから気付いちゃったか。 そう言ってなんだか偉そうに頷くフェル。 おいおい、なに偉そうにしてんだよ。 『ニンリル様からの神託で、その小童の目を治すようにとのことだ』 「ニ、ニンリル様からの神託......」 『我はニンリル様の眷属だからな。時々神託を賜るのだ』 フェルがそう言って自慢するように胸を張る。 今回は意外にもまともな神託だったけど、俺のとこに来るのは『甘味が~』とかたいがいロクでもないことなんですけどねぇ。 そこんところ、どうなんですかね~ニンリル様。 『う、うるさいのじゃ! そんなことよりさっさとその子どもの目を治すのじゃ! お主が持っている、ほれ、スライムが作ったエリクサーならバッチリじゃ!』 やっぱりしっかり覗いているんですね~。 『覗いているのではないっ! 下界の様子を見ているだけじゃ! それより早く治すのじゃ!』 あー、はいはい。 エリクサーですね。 スイに作ってもらったスイ特製エリクサーも【神薬 毛髪パワー】の作製やらで残りも少ないんだけど。 まぁ、この子のためだもんね。 リヴァイアサンでもエリクサーの材料になるらしいから、いざとなれば今回手に入ったリヴァイアサンの血と肝がたっぷりあるしね。 やらない善よりやる偽善。 出し惜しみはしないよ。 アイテムボックスからスイ特製エリクサーの入った小瓶を取り出した。 そして、跪いてアナベラちゃんの視線の高さに。 俺が目の前で名前を呼んでも、その視線は遠くを見ているようで、全く目が見えていないようだった。 「俺は冒険者のムコーダっていうんだ。ちょうど君の目を治すお薬を持っていてね、それを知った風の女神様から君の目を治すようにってお願いされたんだ」 「......かぜの、めがみ、さま?」 小さな小さな幼い声。 司祭様が「アナベラがここに来て初めてしゃべった......」と驚いている。 ショックでずっとしゃべっていなかったのか......。 そりゃあ両親も居なくなって、自分の目も見えなくなってじゃな。 でも、その過酷な運命もここまでだ。 両親は生き返らせないけれど、アナベラちゃんの目は治せるんだから。 「そうだよ。君の目を治すようにってね」 「......また、見えるように、なるの?」 「ああ。お薬を飲めば、また見えるようになるさ」 俺がそう言うと、司祭様が悲しそうな顔で声をかけてきた。 「ムコーダ様、この子の目は上級ポーションでも治る見込みがないらしいのです......」 ああ、司祭様は俺が持っているのが上級ポーションに見えたのか。 「ああ、これは上級ポーションじゃないんで大丈夫ですよ」 「え?」 『此奴が持っているのはエリクサーだ。心配いらん』 フェルがそう言うと、司祭様はポカン顔。 『なんじゃ、主殿、エリクサーなぞ持っておったのか?』 『あー、ゴン爺はまだ知らなかったか。スイがポーションを作れるんだぜ。材料によって“えりくさー”ってのも作れんだよ』 ドラちゃんがしたり顔の念話でゴン爺に説明している。 『ほ~、スイはすごいんだのう』 「フッフッフ。前にヒーリングマッシュルームの群生地帯を見つけてな、それをスイが食ってたらさ、ポーションを作れるようになったんだよ。すごいよな、スイ。さすが特殊個体のスライム」 追加の念話で説明しながら、まるで自分のことのように自慢する俺。 スイは強いだけじゃないのさ~。 『おい、そんなことはいいから、早くそれを小童に飲ませろ』 フェルに急かすようにそう声をかけられてハッとした。 「ゴホン。それじゃあアナベラちゃん、これを飲んでくれるかな?」 アナベラちゃんの小さな手にエリクサーの小瓶を持たせた。 「これを飲めば、お目々、なおるの?」 不安そうにそう聞いてくるアナベラちゃんに「そうだよ」と返事してやると、意を決したようにアナベラちゃんがエリクサーを口にした。 小さな喉からコクリコクリと音がする。 小瓶の中身を全部飲み終えると、アナベラちゃんの体が一瞬白く光った。 「アナベラちゃん、どうだい?」 そう声をかけると、アナベラちゃんの目が今度はしっかりと俺を捉えた。 「見える! おじちゃんの顔が見えるよ!」 ............おじちゃん。 グハァッ。 アナベラちゃん、そこはお兄ちゃんって呼んでよ......。 『ゴホン。妾の子らよ、聞こえるか?』 そうニンリル様の声が聞こえると、ハッと我に返る司祭様。 「も、もしや、風の女神ニンリル様?!」 途端に跪いて祈るように手を組む司祭様。 『妾の子らよ、よく聞くのじゃ。お主たちの働き、天から見ておったぞ。それ故、今回は、たまたま妾の眷属たるフェンリルが近くにいたため慈悲をかけることにした』 「ありがたきお言葉っ」 『そこの冒険者ムコーダも妾に縁があるものじゃ。ムコーダが“エリクサー”を所持していることが知られればどうなるかわかるな?』 「はっ。絶対に口外しないと誓います!」 『今回のことは、妾の慈悲じゃ。ゆめゆめ忘れるでないぞ』 『では、妾の子らよ、これからも天から見守っておるのじゃ』 五体投地でひれ伏す司祭様。 『そして、あとはお主!』 お、俺? 『そうじゃ。この声はお主にしか聞こえておらん。お主、月に一度の供え物はどうしたのじゃ?』 「あ......」 ヤベ。 いろいろあってすっかり忘れてた。 と言っても、過ぎたのは1日か2日でしょ。 『そうだと言っても過ぎてしまっているのじゃ! これは由々しき問題じゃぞ! すぐに供え物をするのじゃ!!』 『まったく! お主のことだから、きっと忘れているのだと思い、こうして神託をしてやっているのじゃぞ! だいたい妾の大事な大事な甘味を忘れるとは、大罪じゃぞ!』 ......ん? こうして神託をしてやっているって、もしかして、俺への催促の神託がメインだった? 『ぐ......。わ、妾の子らへの神託も、ちゃ、ちゃんと考えていたわ! し、信徒を増やさねばならんからのう』 えー、なんか、後付けのような気がするなぁ。 『う、うるさいのじゃ! し、信者数UPを目指しているのは本当のことなのじゃ! とにかくじゃ、早く供え物をよこすのじゃぞ! そうでないと、他の神々からの神託も来るぞ!』 はいはい、分かりました~。 確かに他の神様たちからも催促が来そうだな。 今晩にでも、ご希望を聞きますか。 遅れたことに文句言われそうだけど。 まぁ、お供えをちょい足しすれば大丈夫でしょ。 デミウルゴス様には週一のお供えをしていたけど、デミウルゴス様自体『出来るときでいいぞい』っていうスタンスだから、いろいろあったのもあって先週先々週とお供えしてなかったんだよなぁ。 だから、今回は多めにいろいろ考えとこう。 そんなことを考えながら、そろそろお布施&寄付を置いてお暇しようかななんて思っていると......。 ありゃりゃ、未だ司祭様が呆然として夢見心地のご様子。 とりあえず司祭様に白金貨8枚が入った麻袋を握らせて扉を閉めた。 扉を閉めるときにアナベラちゃんが「おじちゃん、ありがとう」って手を振ってくれたよ。 俺はおじちゃんじゃない(自分ではそう思ってるぞ。ってかそうだよなっ)んだけどな......。 「帰ろうか」 『そうじゃのう。腹も減ったし』 『ホントだぜ。で、今日の夕飯はなんだ?』 「うーん、特に決めてないけど、何が良い?」 『『『肉!』』』 「ハハ、そう言うと思った」 『ん~......、お肉~っ?!』 ゴン爺の背中で寝ていたスイが飛び起きた。 「スイ、起きたか。帰ったら夕飯だぞ~」 『お肉~』 「ハハ、お肉食おうな」 そう話しながら今日の夕飯は何にしようかと悩む俺だった。

As she entered Ninlil-sama's church, the gentle priestess of gray hair came out. Yes, can I help you? It was a priestess who said so, but when he saw Fel and Grandpa Gong behind me, his face was slightly caught. I thought, "Well, that will be a trap," and I told him that I was an adventurer named Mkoda and that I was now on a sacrifice and donation tour to the churches in the capital. The priest who heard me turned around and said, "Thank you!" Nikoniko. Um, is there an orphanage here? "Yes, because this is the capital of the kingdom, orphans may come from all over the country, and this place is also full." Children are treasures. I'm willing to accommodate as much as I can. " Hmm, even the orphanage in Ninlil's church, which has a small number of believers, is full. Maybe it's the King's City, and it feels like the last stronghold. Parents can get into an orphanage in King's Landing. Thinking like that, Gun and the top of my head were pushed. Hey "... can you stop putting your hands on Fel's head?" Just now, Ninlyl-sama's gift came down. Hey, ignore it. I'm sorry, Fel. I wish I had said something about "sorry." Master Ninlyl's gift ~? Fel, did you receive such a gift? Dora-chan looks at Fel with suspicious eyes as she flies. Mmm, I'm a family member of Ninlil-sama. I'll take it as a divine trust. " Huh ~, the divine trust from the goddess. I wonder what it is to come only to the Lord because he is still a family member. So, what kind of divine trust did you accept? Grandpa Gong became interested when he heard that it was a gift from the goddess. By the way, Swe is sleeping on Grandpa Gong's back. "I don't think it's Rook that Ninlil-sama gave me such a divine gift..." "He wants to heal the little boy's eyes." While saying that, he pointed at the priest's feet with his nose. I looked up and saw a little girl clinging to her long white priestly clothes, hiding behind the priest. I was too grown up to realize that I had this child until now. Dora-chan and Grandpa Gong, "Goddess, do you trust me to cure one human? '' No, I don't know... '' I'm confused when I see a little girl. "I'll heal your eyes..." When I looked closely at the girl's eyes, they were both white and cloudy. "Priest, this child's eyes..." When I hear that, Haha, the priest returns to me. "Yes, when this child's village was attacked by a monster." My parents died at that time, too. " According to the priest, this child is called Anabella-chan and has just turned five. As I told you, the village was devastated by monsters. Their parents died at that time, and Anabelle was brought to the capital three months ago by the villagers who managed to survive. However, the villagers must also live in the king's city, which is unfamiliar, and even the blind Anabella can't feed them. So they put him in an orphanage here. In this world, there are many children who have lost their parents to monsters and epidemics. However, in addition to that, it is too harsh to be blinded by both eyes at the age of five. I look at Anabella with pain. That's why you're telling me it's your turn. The weight of my head, which has a sinister face, is again on the top of my head. "Fel, you again..." Saying that, I was staring at Fel behind me... "Ahh, well, are you Fenrir, the family member of the wind goddess Ninrir?" The priest called out as he looked at Fel. Ahh, did you notice that because you're speaking out loud? That said, Fel nodded with some majesty. Come on, what are you doing? It was a gift from Master Ninlil to heal the little boy's eyes. "D, a gift from Ninlil-sama..." I'm a family member of Ninlil-sama. Sometimes I give you a sacred trust. " Fel said that and stretched his chest like he was proud. This time, it was an unexpectedly decent consignment, but it wasn't "sweet ~" or wanting to come to me. How about that? ~ Ninlyl-sama. W-Well, don't be so loud! Let's heal the child's eyes quickly! The elixir that your lord has, come on, is perfect for the slime! After all, you're peeking firmly ~. I'm not peeking! I'm just watching the lower world! Let's cure it sooner than that! Uh, yes, yes. It's an elixir, isn't it? There weren't many Sweet Elixirs left for Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Swe Well, it's for her sake. Even Leviathan seems to be an ingredient in Elixirs, so there's plenty of Leviathan's blood and liver that I had to get this time. Hypocrisy is better than not doing good. I won't spare you. I took out a vial containing a Sweet Elixir from the Item Box. Then, kneel down to the height of Anabella-chan's gaze. Even when I called my name in front of me, my gaze seemed to look far away and I couldn't see at all. "I'm called Adventurer Mukoda." I just had a medicine to heal your eyes, and when I learned about it, the wind goddess asked me to heal your eyes. " "...... The cold, Megumi-sama?" Little tiny little voice. The priest was surprised, "Anabella came here and spoke for the first time..." "You haven't been talking in shock..." Well, my parents are gone and I can't see myself. But that harsh fate has come to an end. I can't bring my parents back to life, but I can heal Anabella's eyes. "Yes, I'm trying to heal your eyes." "... you're going to be able to see again?" "Yeah, if you take your medicine, you'll see it again." When I said that, the priest called out with a sad face. "Mukoda-sama, it seems that this child's eyes are not likely to heal even with advanced potions..." Oh, did the priest look like the advanced potions I have? Ah, this isn't an advanced potion, so it's okay. Huh? This guy has an elixir. Don't worry about it. " When Fel said that, the priest's face turned red. Why, Lord, did you have an elixir? "Ah, didn't Grandpa Gong know yet?" Sweetheart can make potions. "Erikusa" can also be made from ingredients. " Dora-chan explained to Grandpa Gong with a face and just in case. Oh, the swirls are amazing! "Fufufu, I found a cluster of healing mushrooms before, and if I ate them, I could make potions." That's amazing, Sweetie. As expected, the slime of a special individual. " I brag as if I were myself, while explaining it in an extra way. The watermelon isn't just strong. "Hey, don't do that, just let the little one drink it." I was in a hurry to be called by Fel. "Gohong. Now, Anabella-chan, can you drink this?" I let Anabella hold an elixir vial in her little hand. "Drink this, and your eyes will heal?" Anabella replied to Anabella who asked anxiously, saying, "Yes, I am." Anabella said the elixir like she wanted to. There is a rustling sound coming from the small throat. When I finished drinking all the contents of the vial, Anabella's body glowed white for a moment. Anabella-chan, how's it going? When I called out, Anabella's eyes grabbed me firmly this time. "I see! I see Uncle's face!" ...... Uncle. Haha. "Anabella, call me Oniichan..." "Gohon, concubines, can you hear me?" Yes, when I heard Ninril's voice, the priest returned to me. Perhaps, Ninril the Wind Goddess?! The priest put his hands together to pray on his knees. "My concubines, listen carefully." I saw the work of the lords from heaven. This time, it happened that Fenrir, the concubine's family member, was nearby, so I decided to show mercy. " Thank you for your words. The adventurer Mukoda is also related to the concubine. Do you know what would happen if Mucoda were to have possession of the Elixir? " "Haha, I swear I won't say anything!" "This time, it was my concubine's mercy. Don't forget the nightmare." Then, my concubines, keep watch from heaven. The priest falls down on the ground. And the rest is yours! Oh, me? "That's right. This voice can only be heard by the Lord. Lord, what happened to the monthly offerings?" "Ah....." Jesus. I completely forgot about a lot of things. That said, it's only been a day or two. It's too late to say that! This is a serious problem! Make an offering right away!! Damn it! I think you must have forgotten about the Lord, so I'm entrusting you with this! It's a big sin to forget the important sweetness of a concubine! ... hn? Is it possible that the main thing you're doing is to remind me? {Gu...... Wow, I've been thinking about the trust I've placed in my concubines! And we must increase the number of believers. " Well, it feels like a posteriori. W-Well, don't be so loud! And it's true that we're aiming to increase the number of believers! Anyway, give us your offerings! Otherwise, a gift from the other gods will come! Yes, yes, I understand ~. I'm sure the other gods are coming to remind us. Will you listen to my wishes this evening? They're going to complain about the delay. Well, if you add a little extra, you'll be fine. I supplied Demiurgos once a week, but since Demiurgos itself had a stance of "nice when you can", there were a lot of things, so I didn't supplied it for weeks last week. So, let's think a lot more this time. With that in mind, I thought it was time to leave my sacrifice and donation behind... Even so, the priest was still dumbfounded and dreaming. In the meantime, I let the priest hold a sack containing eight platinum coins and closed the door. When I closed the door, Anabella waved, "Thank you, Uncle." I'm not your uncle (I think so myself). is that so?), but... Let's go home. That's right, I'm hungry too. Really. So, what's for dinner today? "Hmm, I haven't decided, but what's good about it?" Meat! "Haha, that's what I thought." "Nh......, meat?!" Sweetheart jumped up from sleeping on Grandpa Gong's back. "Sweetie, are you awake? When you get home, it's dinner time ~ Meat ~ "Haha, don't eat meat." While talking like that, I was worried about what to do with dinner today.

第五百九十話 それ料理用に買ったワインなんだけど...... ヨルゲンさん、ヴェルデさん、ラドミールさんに真剣な顔で「酒を持っていないか?」などと聞かれて思わず「ハァ?」と答えてしまった。 「いや、そのな、自分たちでも酒は造っているのだが......」 「この島に自生している果実で造った酒なのだが酒精が弱過ぎて、酒とは呼べぬ代物でな。それこそ味は甘い果実水のようなもので......」 「妻たちは気に入っているのだがな......」 ああ~、アルコール度数が弱すぎて酒として満足出来ないってことね。 甘い果実水みたいっていうのなら女性は好きだろうけど。 「街で飲んだエールが恋しい......」 「果実酒も街の物の方が遥かに美味かった......」 「街で飲んだ甘いハチミツ酒でさえ酒精はもっとあったのに......」 ハチミツ酒、ミードって甘くてまろやかな味わいだけど、アルコール度数はけっこう高いみたいだからねぇ。 まぁ、それはいいとして、この世界の酒と言えど、素人が造るよりは専門家が造った酒の方が美味いってのは当然の話か。 いろいろと話を聞いてみると、ドワーフほどではないにしろハイエルフたちも割と酒は好きな方で、森に住んでいたころも酒だけはわざわざ街で調達していたらしい。 この島にくるに当たって、酒も相当仕入れて持ってきたらしいけど、何百年も島に住んでいるわけだから、当然それが残っているわけもなく......。 要は酒に飢えているわけだ。 絶世の美青年と言っても過言ではないお三方が、俺を縋るような目で見つめている。 女性だったら目をハートにして喜ぶ場面なんだろうけど、俺にされてもねぇ。 心の中で「誰得だよ」と思いながら、料理用にと買っておいた赤ワインと白ワインを出してやった。 途端に「おお~」とキラキラした目で喜ぶお三方。 対価だとなんだかわからない魔物の皮を渡されそうになったけど、押し留めて「これから頼むことになる解体をがんばってください」と言った。 めちゃくちゃ喜んでくれているところあれだけど、それ、料理用のだからどっちもめっちゃ安~いワインなんだよね......。 この島の魔物の皮だからそれなりに価値がありそうだし、それをこの安いワインの対価にもらうなんてことしたら、こっちが罪悪感にかられるわ。 お三方はなんだか感動した顔で俺を見てるけども。 いや、だから、それ日本円にするとウン百円の安~いワインだから、そんな感動しないでほしいんだって。 「ゴホン。それじゃあ、ほどほどにしてくださいよ」 「ああ、ありがとうな!」 「ありがとう!」 「恩に着る!」 俺からワインを受け取ったお三方はホクホク顔で去っていった。 それを疲れた顔で見送った俺はというと......。 「さてと、俺も寝るか~」 フェルの腹を枕に横になる俺だった。 眠りに落ちる直前に「美味いーーーっ」という泣き声交じりの叫びが聞こえた気がしたけど、多分気のせいだろう。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 翌朝、早朝から元気いっぱいのフェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイから起こされて、早々に朝飯を強請られた。 狩りだ!』と朝からヤル気満々だ。 だからってこんなに朝早くから起きなくてもいいのにね。 欠伸をしつつ朝飯の準備に取り掛かる。 みんなが『早く早く』とせっつくので、まずはアイテムボックスにある作り置きを確認。 幸いなことに、ダンジョン牛とダンジョン豚の合いびき肉で作ったそぼろが残っていた。 豆板醤でピリ辛味に仕上げたそぼろだ。 作り方は超簡単。 鍋に油をひいてみじん切りにしたニンニクを香りが立つまで炒めて、ダンジョン牛とダンジョン豚の合いびき肉を入れて炒めて肉に火が通ってきたら、醤油、酒、砂糖、豆板醤を入れて汁気がなくなるまで炒めたら出来上がり。 そぼろは簡単だからと、ちょっと時間の空いた時に作って、作り置きとして常備するようにしておいたけど正解だったな。 このピリ辛のそぼろを使って、朝飯はピリ辛そぼろ丼にしよう。 これまたアイテムボックスに保存しておいた土鍋の炊き立てご飯を器によそってピリ辛そぼろを敷き詰めたら温泉タマゴをのっけてゴマをパラリ。 そぼろならば朝でもそうクドくはないかと、俺も同じメニューでいただくことに。 ちなみにだけど、俺が自分の分を用意している間に、フェルたちは2回ほどおかわりをしており、今日も問題なく絶好調の様子。 ということで俺もパクリ。 温玉を潰してピリ辛のそぼろに絡ませるとまろやかな味になって非常に美味しい。 これならば朝飯でもイケるなぁなどと思いながらピリ辛そぼろ丼を味わっていると、ハイエルフのみなさんが次々と起き出してきた。 「おはようございます」 挨拶をすると、まだ眠そうな顔で「おはよう」と返してくるみなさん。 昨日の酒の影響かなと思ったけど、奥様方も眠そうにしているから、ハイエルフのみなさんは朝が苦手なのかもしれないな。 しかし、ガツガツとそぼろ丼を食すうちの食いしん坊カルテットと、俺の手元にあるそぼろ丼を目にすると......。 パチリと目が開いて、6人が6人ともそぼろ丼を凝視している。 それこそ穴が開きそうなほどに熱心に。 ............めっちゃ食い難いんですけど。 しょうがないからハイエルフのみなさんにも同じものを出してやったら、みなさんめっちゃ嬉しそうな顔してる。 みなさん「悪いなぁ」って言ってるけど、今にも涎垂らしそうな顔して見られたらこっちがいたたまれないっつうの。 めっちゃ美味そうにモリモリ食ってるから悪い気はしないけどさ。 俺が一口二口食っている間にどんどん減っていくそぼろ丼。 『おい、おかわりだ』 『主殿、儂も頼むぞい』 『俺も!』 食いしん坊カルテットから声が掛かりおかわりをよそっていると......。 空になった丼ぶりを手に期待を込めてこちらを見ているハイエルフたちと目が合った。 あ~、はいはい。 アナタたちもおかわりね。 空になった丼ぶりを受け取っておかわりをよそって渡してやると、嬉しそうにまたそぼろ丼をパクつくハイエルフのみなさん。 エルフに負けず劣らずハイエルフも食いしん坊ってことなのかな。 まぁ、ここのみなさんは今までの食生活の反動もあるのかもしれないけどね。 そんなこんなで朝飯を食い終わると、フェルたちがギラついた目に。 『よし、行くぞ!』 フェルなんて今にも走り出しそうになっている。 「ちょっと待ってよ。少しは食休みを」 『そんなものはいらん』 そう言ったフェルにいつものようにポイッと背中に乗せられた。 『よっしゃ! 俺が仕留めてやるぜ!』 『スイがビュッてやって倒すもんねー!』 「いや、だからなっ、少し休んでからっ」 俺の抵抗空しく、ハイエルフの村から飛び出すフェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ。 フェルに乗せられた俺も当然それと一緒というわけで。 「朝のコーヒーくらいゆっくり飲ませてくれよぉぉぉーっ」 俺の叫びも空しく、どんどんとハイエルフの村から離れていく。 そして、「いってらっしゃ~い」と後ろからハイエルフのみなさんたちの見送りの言葉が響いてくるのだった。

615 Episode 590 The Wine I Bought For Cooking..... Jorgen, Verte and Radmir looked serious and said, "Do you have any alcohol?" and they said, "Huh?" I answered. "No, that's right, we're making our own alcohol..." "The alcoholic beverages made from the fruits native to this island are too weak to be called alcohol." That's why the taste is like sweet fruit and water..... " "My wives love it, though..." Ahh, the alcohol level is too low to be satisfied with alcohol. If it's like sweet fruit water, I think women would like it. "I miss the ale I drank in the city..." "The fruit wine was much more delicious in the city..." "Even the sweet honey liquor I drank in the city had more alcohol..." Honey liquor and mead have a sweet and mellow taste, but the alcohol content seems to be quite high. Well, that's fine, speaking of the sake of this world, is it natural that a sake made by an expert tastes better than a sake made by an amateur? When I asked him a lot of questions, he said that even though he was not as dwarf, the high elves liked alcohol. Even when he lived in the forest, he bought alcohol on purpose in the city. When she came to this island, she also seemed to have brought some sake with her, but since she has lived on the island for hundreds of years, there's no way it's still there... The point is, I'm hungry for alcohol. It's no exaggeration to say that you're an exceptional young beauty. The three of you are staring at me like you're looking at me. If you're a woman, you'd be happy to have your eyes in your heart, but you wouldn't mind me doing it. I thought to myself, "Who's worth it?", and I brought out the red and white wine I had bought for cooking. The three of you will be delighted with your glittering eyes. I was about to be given the skin of a monster for a price, but I pressed it and said, "Please do your best to dismantle what I'm going to ask of you." It's a very happy place, but it's for cooking, so they're both really cheap wines... The skin of the monster on this island seems to be worth it, and I would feel guilty if I were to get it for this cheap wine. The three of you are looking at me with some emotion. No, that's why I don't want you to be so impressed because it's a cheap wine that costs 100 yen if you put it in Japanese yen. Gohon, then, please be quiet. Oh, thank you! Thank you! I owe you one! The three of you who had received the wine from me left with a stubborn face. "I saw it off with a tired face..." Well then, let's go to bed ~ It was me lying on my pillow with Fel's stomach. Just before I fell asleep, I felt like I heard the combined screams of "yum yum yum yum yum", but I think it was probably because of my imagination. ***** The next morning, Fel, Grandpa Gong, Dora-chan, and Sui, who were full of energy, woke me up early and asked me for breakfast. Everyone As soon as we eat dinner, we will hunt the Green Dragon! 'And I've been furious since morning. That's why you don't have to get up so early in the morning. Work on preparing breakfast while stretching. Everyone says, "Hurry up, hurry up," so first check the items in the item box. Fortunately, there was still a bowl of dungeon beef and dungeon pig meat. It is a soy sauce finished with bean paste and spicy sauce. It's super easy to make. Stir-fry the oil in the pan and the chopped garlic until the aroma rises, then add the dungeon beef and dungeon pork yellow meat to saute. When the meat is cooked through, add the soy sauce, sake, sugar, and bean paste soy sauce, and saute until the juice is gone. It was easy, so I made it when I had a little free time, so I kept it as a setup, but it was correct. Use this spicy bowl to make a spicy bowl for breakfast. Also, if you put the earthenware cooked rice stored in the item box into the bowl and lay down the spicy eggplant, you can put the eggplant on the hot spring and paraphernalia sesame seeds. In the morning, I would like to have the same menu. By the way, while I was preparing my own meal, Fel and I had a change of hands about twice, and we are in excellent shape today without any problems. So I'm in shock, too. Crushing the warm eggs and entangling them in the spicy pickles gives it a mellow taste and is very delicious. When I tasted the spicy rice bowl while thinking that this would make me cum at breakfast, all the high elves came up one after another. Good morning. When I say hello, everyone returns "Good morning" with a still sleepy face. I thought it might be the effect of yesterday's liquor, but my wife seems to be sleepy, so maybe the high elves don't like it in the morning. However, when I saw the foodie Carte who ate the rice bowls and the rice bowls I had... All six of them are staring at the bowl with their eyes open. That's why I'm so enthusiastic about making a hole. ...... it's really hard to eat. I can't help it, so if I give the same thing to the high elves, they'll all look so happy. Everyone says, "I'm sorry," but if I'm seen with a salivating face, I'll be drowning. I don't feel bad because I'm eating it so deliciously. Rice bowls that are slowly decreasing while I take two bites at a time. Hey, here's your change. Lord, please take care of me. Me too! When the cannibal Cartes called and asked for a change... My eyes met the high elves who were looking at the empty bowl with anticipation. Ah, yes, yes. You and your friends are on the run. Receive the empty bowl and give it to the high elves who will gladly put on the bowl again. I guess High Elves were just as good at eating as Elves. Well, maybe everyone here has a reaction to their eating habits. When they finished eating breakfast like this, Fel and the others were glared at. All right, let's go! Fel is about to run. "Wait a minute." Take a little break from work. " I don't need anything like that. As usual, Fel put me on my back like that. Come on! I'll take care of it! Sweetie is going to beat you! No, that's why I'm resting for a while My resistance is empty, and Fel, Grandpa Gong, Dora-chan, and Sweetie jump out of the village of High Elves. That's why I'm with Fel. Let me drink as much coffee as I can in the morning My screams are empty, and I'm moving away from the village of the High Elves. Then, the words of farewell from the high elves echoed from behind, "Come on, come on!"

第百九十五話 海の後はダンジョンへ 昨日のうちに焼き物もいろいろ買えたし、今日はどうしようかな。 朝飯を食い終わり、今日はどうしようかと考えていると......。 『よし、ダンジョンに行くぞ』 フェルがすっくと立ち上がってそう言った。 「は? いきなり何言ってんの?」 昨日ダンジョンの話聞いたからって、即行くぞはないんでないの。 『昨日ダンジョンの話を聞いたからな。昨日のあの小童たちの話では、ここから歩いて10日程度のところにダンジョンがあるというではないか。我なら10日もかからんですぐ行けるぞ』 いやいやいや、行けるぞじゃないから。 確かに昨日アントンたちから聞いた話によると、ネイホフの街から南に行くとエイヴリングというダンジョン都市があるらしいけどさ。 それとこれとは別だから。 そもそもフェルが海行くつったから海の街ベルレアンを目指して旅してるんだぜ。 「ダンジョンって、海はどうすんだよ? フェルがクラーケンやらシーサーペントが美味いんだって言って海行くぞって言ったんじゃないか」 『うむ、そうなんだがな、海かダンジョンかと言われると、我はダンジョンに行きたいぞ』 えー、何言っちゃってんだよー。 海行きたいって言ってたのにさぁ。 それに、こっちにも予定ってもんがあるんだぞ。 「ダメダメそんなの。海って言ったんだから、当初の予定通りにベルレアンに向かうぞ。俺だって海の食材しこたま仕入れようと思ってるんだから」 海鮮BBQもしたいしさ。 『ぬ、海の食材か......。そう言われると、それも捨てがたいな』 そうそう、食いしん坊が美味いもの逃しちゃダメでしょ。 海の幸を食い倒さないと。 『よし、それならば海に行った後にダンジョンだな。うむ、そうするぞ』 いやだから、そうするぞじゃなくて。 ダンジョンには行かないよ。 行かないったら行かない、今度は本当に行かないぞ。 ドランでだって行かないって言ったのに、結局いく羽目になったんだから。 「もうダンジョンはいいだろ。この間ドランのダンジョン潜ったんだからいいじゃないか。結局踏破までしちゃったんだしさ。もう十分だよ」 『何を言っているのだ? レベルを上げるならダンジョンが1番いいのだぞ、何よりいい運動になる。一石二鳥ではないか』 「何が一石二鳥だよ、行かないからね」 『フンッ、そう言うのはお主だけだと思うがな。......おい、ドラ、スイ、お主たちダンジョンに行きたくはないか?』 え、そこでドラちゃんとスイに振っちゃうわけ? それズルいぞ。 『ダンジョンだって? もちろん行きたいぞ!』 『スイもダンジョン行きたーい!』 『うむ。そうだろうそうだろう。フフン、おい、ドラもスイもこう申しているぞ』 クッ......何そのドヤ顔。 ドラちゃんとスイを味方に付けるとは卑怯だぞ。 「いやいや、行かないからね」 『えー、ダンジョン行こうぜ。前の街のダンジョンめちゃくちゃ面白かったじゃねぇか。俺また行きたいぞ』 ドラちゃん、ダンジョン面白いとか言わないの。 ダンジョンに潜る冒険者さんたちは命かけてるんだから。 『スイもまたダンジョン行きたいなぁ。そしてね、ビュッビュッてしていっぱい倒すのー!』 スイがポンポン飛び跳ねながらそう言う。 ぐぬぬ......フェルめぇ、ドラちゃんとスイを完全に味方につけやがった。 『あるじー、お願い。スイね、またダンジョン行きたいのー』 スイたん......。 俺、陥落。 そんな風にお願いされたらダメって言えないじゃんかー。 「はぁ~、分かったよ。ダンジョン行こう」 スイたんのお願いには勝てなかったよ。 『フハハハハハ、そうかそうか』 『おおっ、ダンジョンに行けるのかっ。やったぜ!』 『ダンジョン、ダンジョン、ヤッター!』 フェルもドラちゃんもスイも大喜びだ。 『新たな人の街のダンジョンか、実に楽しみだぞ』 『ああ。今度はどんな魔物が出てくるのかね? まぁ、俺たちの敵じゃないだろうけどな! 楽しみだな!』 『スイも楽しみ~。ビュッビュッってしていーっぱい倒すんだー!』 もうみんなダンジョンに行く気満々だよ。 でもね、すぐには行かないからな。 「あー、みんな、すぐにじゃないからな。当初の予定通りこの街の後に海の街ベルレアンに行って、その後だからね」 俺がそう言うと、フェルが『それならすぐに海に向かうぞ』とか言い出した。 そんなのもちろん却下だ。 「あのな、この家1週間借りてるの。途中で出ちゃうのもったいないだろ。出発は明後日だよ」 1週間借りてるんだから、きっちり期間内は借りるぞ。 こんな豪邸なんてなかなか住めないんだから。 それにここの風呂もまだ堪能したいしね。 それにしても、これで今日の予定が決まったぜ。 何しようかって思ってたけど、明後日また旅に出ることは決定事項だから、やっぱりここは料理の作り置きを作る作業に専念だろ。 その後、俺はキッチンに篭り旅の間に食う作り置きの料理を作っていった。 定番のから揚げにとんかつ、チキンカツ、メンチカツの揚げ物類をはじめにハンバーグやら味噌漬け、野菜炒めやら肉そぼろやら他にもいろいろと作り1日が過ぎていった。 途中、腹減ったというフェルたちの乱入はあったものの、今日1日で旅の間の飯はばっちり用意ができた。 しかしながら肉の在庫が大分減ってきた。 ブラッディホーンブルの肉もワイバーンの肉も当初の4分の1くらいになっている。 ベルレアンに行くまでは十分に間に合うだろうけど、この分だとベルレアンでは海鮮と肉を大量確保しないといけないな。

207 Lesson 195: After The Sea, Go To The Dungeon. I could buy a lot of baked goods while I was there yesterday, and I don't know what to do today. After breakfast and thinking about what to do today...... "All right, we're going to the dungeon." Fell stood up completely and said so. "What? What are you talking about all of a sudden? I heard about the dungeon yesterday, so I'm not going anytime soon. "I heard about the dungeon yesterday. Yesterday's story about those kids is that there's a dungeon about ten days walk from here. I'll be there in less than ten days." No, no, no, no, because we can't go. I did hear from Antons yesterday that there's a dungeon city called Aveling going south of the city of Neyhof. Because apart from that and this. Fell went to sea in the first place, so he's traveling for the city of Bellain. "What about the dungeon? What about the sea? I thought Fell said Kraken said Cesar pent was delicious and we were going to the sea." "Um, yeah, but when they say sea or dungeon, I want to go to the dungeon." Uh, what are you talking about? You said you wanted to go to the sea. Come on. Besides, I have plans here. "No, no, no. Is that it? I said the ocean, so we're headed to Bellain as originally planned. I'm thinking of purchasing some sea ingredients." Seafood BBQ If it's a sauce. "No, sea ingredients... When they say that, it's hard to throw it away, too. ' Yeah, well, you can't let the eater miss something delicious. We need to devour the sea blessings. 'Okay, then it's a dungeon after you go to sea. Yeah, we will.' No, so I'm not gonna do that. I'm not going to the dungeon. Don't go. I'm not going, I'm really not going this time. I said I wouldn't even go in the drain, but I ended up with wings. "No more dungeons are good. Dolan's dungeon dived in the meantime, okay? I even broke it in the end. I've had enough." 'What are you talking about? Dungeons are the best way to get to the next level, most importantly. Two birds a stone. " "What's one stone and two birds? I'm not going." "Humph, I think you're the only one who says that.... Hey, Dora, Suey, don't you guys want to go to the dungeon? Oh, so you're swinging it to Suey with Dora? That's cheating. "A dungeon? Of course I want to go! "Sui also went to the dungeon - hey! 'Mm-hmm. I guess so. I guess so. Huhun, hey, that's what Dra and Sui are saying.' Ku...... what that doya face. It's cowardly to have Dora and Sui on your side. "No, no, I'm not going." "Uh, dungeons. Let's go. The dungeon in the previous city was so funny. I want to go again." Dora, you don't say dungeons are funny or anything. The adventurers diving in the dungeon are dying. "I'd love to go to the dungeon again, too, Sui. And, buzz and knock it down! That's what Sui says as he jumps the pom pom. Grrr...... Ferme, I totally got Dora and Sui on my side. "Ryuji, please. I want to go to the dungeon again." Suitan...... Me, down. Can't you say no if you ask me to do it that way? "Huh, I get it. Dungeon, let's go." I couldn't beat Suitan's favor. "Huhahahahahahaha, yeah or no" 'Whoa, I can go to the dungeon. Way to go! "Dungeons, dungeons, yatters! Fell, Dora and Sui are thrilled. "I'm really excited about the new people's city dungeons." "Oh. What demons are coming out this time? Well, it won't be our enemy! Looking forward to it! "I'm looking forward to Sui too. I'm buzzing around - knock him out! Everyone's already willing to go to the dungeon. But, you know, I'm not going anytime soon. "Uh, guys, not right away. After this city, as originally planned, we'll go to Bellain, the city of the sea, and then we'll see." When I said that, Fell said, 'Then we'll be heading straight to the ocean' or something. Of course I reject that. "You know, I've been renting this house for a week. It's a waste to get out on the way. We're leaving the day after tomorrow." I owe you a week, so I'll borrow it within exactly the time frame. I can hardly live in a mansion like this. Besides, I still enjoyed the bath here. Still, now we have an appointment for today. I was thinking about doing something, but going on a journey again the day after tomorrow is a decision, so I figured this place would be dedicated to the task of making cooking stoves. After that, I went to the kitchen to cook cooking dishes to eat during my journey. From the classic dish to the fried dish, including chicken cutlets and deep-fried menthi cutlets, the hamburger was pickled in miso, the vegetables were stir-fried and the meat was broiled, and many other things were made a day later. Although there was an intrusion by the Fells that they were hungry along the way, the meals during the journey were all ready in one day today. However, the stock of meat has decreased considerably. Both Bloody Horn Bull meat and Wyburn meat are about a quarter of the original. We'll be there in time enough to get to Bellain, but for this minute, we'll have to get tons of seafood and meat in Bellain.

第五百五十五話 ついにリヴァイアサンの肉を手に入れた! エルランドさんからまさかの説教をかまされた翌日、1日かけても残っていた皮を剥ぐ作業が終わらず更にその翌日に持ち越し。 期待していたリヴァイアサンの肉は再びお預けとなってしまい、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイの機嫌も急降下。 特にフェルは不機嫌さが顔に出てずっと仏頂面でさ。 宥めるために「フェルの食いたいもの作ってやるから」って言ったら、返ってきた答えが『から揚げ』。 フェルだけじゃなくみんな好きだし、作ってやるかと夕飯にはから揚げを作ってやったんだ。 でもさ、みんなリヴァイアサンを食えない不満をぶつけるように食うわ食うわ。 揚げたそばから無くなっていくんだから。 から揚げ用に仕込んでいた肉も無くなって、急遽ダンジョン豚とダンジョン牛でとんかつと牛かつを揚げる羽目になったし。 めちゃくちゃ疲れた。 さらにその翌日に、やっと皮を剥ぐ作業が終わって、全体から見たらほんの一部だけど身の部分から骨が外されてようやく待ちに待った肉となった。 その作業も早くリヴァイアサンの肉が食いたいという、うちのみんなの強い希望により(というかフェルとゴン爺が半ば脅してた)なんとか叶ったわけだけども。 そうして解体作業開始から4日目にして、俺たちはついにリヴァイアサンの肉をほんの少しゲットしたのだった。 だけどさ......。 いや、こうなることは予想していたけど、フェルもゴン爺もドラちゃんもスイもみんなリヴァイアサンの肉を食うことで頭がいっぱい。 リヴァイアサンの肉を手にした瞬間から、みんな『すぐ帰ろう』の大合唱でさ。 エルランドさんやヨハンのおっさんに挨拶してからなんて思ってたのに、やきもきしたフェルに襟首咥えられてポイっと背中に乗せられた。 スイはいつの間にか準備OKとばかりに定位置のバッグに入ってるし、ゴン爺とドラちゃんは『先に行ってるぞ』と王都上空を飛んで一足先に帰っちゃうし。 そうしたら、なんの憂いもないとばかりにフェルは王都の中を爆走。 フェルに「止まれ」って言っても止まりゃあしない。 必死に「もっとゆっくり! じゃないとリヴァイアサンは無しだからな!!」って怒鳴ってようやく速度を落としやがった。 それでもブチブチ文句言いながら早歩きして王都で借りている一軒家へと到着。 玄関のドアを開けたら、休む暇もなくみんなにキッチンへと追い立てられた俺だった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「ったく、少しぐらいは休ませろっつうの」 文句を言いながらも、なにを作ろうかと考えを巡らす俺。 「調理に時間をかけると、みんな騒ぎ出しそうだしなぁ。なにより、俺もパパッと簡単に済ませたいし......」 フェルとゴン爺曰く、この間食ったアイスドラゴンに似ているって話だったけども......。 アイテムボックスから取り出したリヴァイアサンの肉は見た感じアイスドラゴンの肉と同様に白っぽい魚に似た肉質だ。 触った感じはこちらの方がいくらかムチッとした感じがするな。 「まぁ、なにはともあれ味見してみてからだな」 切り分けた少量のリヴァイアサンの肉に塩胡椒を振って焼いてみた。 焼けた感じもアイスドラゴンの肉に似ているな。 味もタラっぽいのか? そう思いながら、リヴァイアサンの肉を口にした。 「うわっ! これは......」 ホクホクホロホロと崩れる身質は、アイスドラゴンの肉に似ている。 だけど、口いっぱいに広がるうま味が段違いだ。 表現するのが難しいけれど、美味い白身魚を全部合わせて5割増しにした感じだとでも言えばいいのか、とにかく美味い。 「これなら塩胡椒を振って焼いただけでも十分に美味いけど、なんとなくもったいない感じなんだよなぁ。この肉だったらいろんなソースと相性良さそうだし。ムニエルにして、定番だけどバター醤油ソースでいくか。あとレモンバターソース。............あ! それなら、この間ネットスーパーで見つけたやつをかけても美味いかも!」 ネットスーパーでちょっと前に見つけた新商品。 ケチャップがなくなりそうだったから、買い足しておこうと思って見ていたら、なにやら初めて見る商品が目についた。 ケチャップで有名なメーカーから出てるトマトを使ったソースで、“そのまま料理にかけるだけでメニューが美味しく鮮やかに!”っていうキャッチコピーで、今度使ってみようって思ってたんだよね。 3種類あっていろんな料理に使えそうだし、トマトソースを作るのが面倒な時にはかなり便利そう。 なにより俺の直感が「これは絶対美味い」って訴えかけてるんだぜ~。 というか、ケチャップとかトマト缶とかはここのメーカーの買っときゃ間違いないって信頼感があるしな。 「よし、メニューは決まり。リヴァイアサンの肉はシンプルにムニエルでいただこう」 足りない材料をネットスーパーで購入してと。 あとは件のケチャップで有名なメーカーから出てるトマトソースをポチリ。 「よし、準備OK。まずは......」 リヴァイアサンの肉に軽く塩胡椒を振って、満遍なく小麦粉をまぶしたら余分な粉は落としておく。 熱したフライパンに有塩バターを入れて溶かしたら、リヴァイアサンの肉を入れる。 あとは両面がカリッとするまで焼いていく。 焼けたリヴァイアサンの肉を取り出して、そのフライパンを使ってソース作りだ。 「こっちのフライパンは、バター醤油ソース。んで、こっちはレモンバターソース」 バター醤油ソースは、追加で有塩バターを溶かして、醤油を入れて全体がなじんだら出来上がり。 レモンバターソースは、同じく追加で有塩バターを溶かして、レモン汁と塩を入れたら、粗びき黒胡椒を。 「挽きたての黒胡椒はやっぱり香りが良いね」 うちで使う黒胡椒はミル付きの容器に入った黒胡椒だ。 こういうのが手に入るのはネットスーパー様々だよね。 これでこちらも全体がなじんだら出来上がりだ。 あとは、トマトソースをかけるムニエル。 こちらは、トマトソースを邪魔しないようにあっさりと仕上げたいのでオリーブオイルで焼いていく。 リヴァイアサンの肉が両面カリッと焼けたら......。 「よし、出来上がり!」 俺のその声が聞こえたのか、ダダダッとフェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイがキッチンに雪崩れ込んできた。 『出来たか! よし、食うぞ!』 『ようやくリヴァイアサンが食えるのう!』 『待ってました!』 『りばいあさんのお肉食べるー!』 「そっち持っていくから、戻った戻った」 まったく期待し過ぎだっての。 いそいそとリビングに戻っていくみんなに苦笑いの俺だった。 そして......。 みんなの前に並べられたリヴァイアサンのムニエルの載った皿。 「今日はシンプルにムニエルにしてみた。これがバター醤油ソースで、こっちがレモンバターソース。んで、こっちのなんにもかかってないムニエルには......」 ドドンと取り出した例の3種のトマトソース。 一つが、あらごしトマトに玉ねぎを加えたさっぱりとした味わいのオーソドックスなトマトソース。 もう一つが、ニンニクがたっぷり入ったニンニク風味豊かなトマトソース。 最後が、スペイン発祥だというトマトや赤いパプリカがベースのピリ辛風味ソースでブラバスソースと言うソースだ。 それをなにもかかっていないリヴァイアサンのムニエルにかけて......。 「あ、スイは、このブラバスソースっていうのはちょっと辛いから止めておいた方がいいかもな」 ちょっと味見してみたら、けっこうピリリとした辛味があってどちらかというと大人向けのソースだ。 『えー、食べてみたい~』 「じゃあ、ちょっとだけな。試してみて食えるようだったら、たっぷりかけてあげるから」 そして、5種類のソースのムニエルが揃うと、待ってましたとばかりにパクつく食いしん坊カルテット。 『うむ。やはりリヴァイアサンの肉は美味いな!』 『そうそう。この味じゃわい。だが、やはり主殿が料理してくれている分さらに美味くなっているのう』 『うっま! これ、うっま!』 『りばいあさんのお肉、おいし~!』 待ちに待ったリヴァイアサンの肉だ。 食いしん坊カルテットの喜びもひとしおだ。 みんな一巡目をペロリと平らげて、すぐにおかわり。 やはりスイにはブラバスソースはちょっぴり辛かったようで、他の4種をおかわり。 そんじゃあ俺もいただきますか。 やはりここは気になっていた3種のトマトソースで。 まずはオーソドックスなトマトソースから。 ちょい酸味があって、さっぱり食えるな。 次はニンニク風味豊かなトマトソース。 おお~、これも美味い。 個人的にはこれ大好きなヤツだ。 で、次がピリ辛なブラバスソース。 パンチが利いててこれも美味い。 ピリリとした辛さはやっぱり大人向けだな。 これも美味い。 どれも美味いわ。 あ~、なんかパンが食いたくなってくるな。 ということで、テレーザ特製田舎パンをアイテムボックスから取り出した。 トマトソースをちょいとつけてパクリ。 パンを味わったら、次はリヴァイアサンのムニエルを。 あー、ヤバ。 無限にいけそう。 そんなことを思いつつムニエルとパンを交互にパクついていると......。 『おい、これとこれをおかわりだ!』 フェルがご所望なのはニンニク風味のトマトソースとピリ辛なブラバスソースのムニエルだ。 あー、フェルが好きそうな味だわ。 『儂もこれとこれのおかわりを頼むぞい』 ゴン爺は定番のバター醤油ソースとニンニク風味のトマトソースのムニエル。 やっぱ定番は外さないもんなぁ。 『俺もおかわり! これとこれな!』 ドラちゃんはさっぱりした味わいのレモンバターソースとピリ辛なブラバスソースのムニエル。 レモンの風味を生かしたレモンバターソースもいいよな。 だからこそピリ辛な濃い目の味のソースでも味わいたくなるのも分かる気がするわ。 『スイもおかわりー! んとね、全部ー!』 ハハハ、スイはピリ辛なブラバスソース以外全部か。 相変わらずの食いっぷりだね。 みんなにおかわりを出してやったのだが、数分も経たないうちに......。 『『『『おかわり!』』』』 「早っ」 待ちに待ったリヴァイアサンだからなのか、みんなの食うペースが早いこと早いこと。 『まだまだ食うぞ。リヴァイアサンの肉はたっぷり用意してあるのだろうな?』 リヴァイアサンのムニエルを食いペロリと口を舐めながらフェルがそう言う。 『儂も食うぞ』 『俺も! リヴァイアサンの肉なんて初めてだかんな。しっかり味わわねぇとな』 『スイももっともーっと食べるよ~』 「......追加で焼いてくるわ」 まだまだ食う気満々の食いしん坊カルテットに顔が引きつる俺だった。

579 Episode 555 We Finally Have The Leviathan Flesh! The day after Ms. Erland gave her the unexpected sermon, she carried it over to the next day without finishing the work of peeling off the skin that had remained after a day. The Leviathan meat I was hoping for was once again taken care of, and Fel, Grandpa Gong, Dora-chan, and Sweetheart's mood dropped sharply. Especially Fel's grumpiness appeared on his face and he was always on the top of the Buddha. When I said, "I'll make what Fel wants to eat," I replied, "Fry it." Everyone loves it, not just Fel, and I made fried fish for dinner. But I'm going to eat them like they don't want to eat Leviathan. It disappears from the fried soba noodles. Since then, the meat that had been prepared for deep frying has also disappeared, and the dungeon pork and dungeon beef have quickly become the feathers of frying the tonkatsu and beef cutlet. I'm so tired. Furthermore, the next day, the work of peeling off the skin was finally completed, and from the whole point of view, only a small part of the bone was removed from the body part, and finally it became the meat that I waited for. We all had a strong desire to eat Leviathan's flesh sooner, so we managed to do that (or maybe Fel and Grandpa Gong threatened us halfway). So, four days after the demolition work began, we finally got a little bit of Leviathan meat. "But..." No, I was expecting this, but Fel, Grandpa Gong, Dora-chan, and Sui were all filled with Leviathan flesh. From the moment I got Leviathan's flesh, everyone choruses in 'Let's Go Home Now'. Since I greeted Mr. Erland and Johan's old man, I thought that Fel, who was moody, had his collar on his back and put him on his back. At some point, Sweetheart was just ready to go, and it was in a bag in a fixed position, and Grandpa Gong and Dora-chan flew over the King's City, saying, "I'm going first." Then, without any grief, Fel burst through the king's city. Saying "stop" to Fel doesn't stop me. Desperately "Slower! Or no Leviathan!!I yelled and finally slowed down. Even so, while complaining, he walked early and arrived at the house rented in the capital city. When I opened the front door, I was pushed into the kitchen by everyone without a break. * * * * * Shit, just let me rest for a while. While complaining, I thought about what to make. "If I take the time to cook, everyone is going to make a fuss."Best of all, I want to make it easier than ever..... " According to Fel and Grandpa Gong, it resembled the Ice Dragon they ate last time... The Leviathan flesh that was removed from the item box was similar in texture to a white fish to the flesh of an ice dragon. It feels a little more ticklish when you touch it. Well, whatever it is, let's taste it. I tried to cook it by shaking salt and pepper on a small amount of Leviathan meat. It felt like the flesh of an ice dragon. Does it taste like clams? With that thought, he took Leviathan's flesh into his mouth. "Wow! This is..." Horrified and crumbling, it resembles the flesh of an ice dragon. However, the umami spreading all over the mouth is out of step. It is difficult to express, but it is good to say that all the delicious white fish is increased by 50%. It is delicious anyway. "This is good enough just by shaking and baking salt and pepper, but it's somehow a waste."This meat seems to go well with all kinds of sauces.It's a classic butter soy sauce for Muniel.And the lemon butter sauce....... Ah! Then it might be delicious to use the one I found in the online supermarket the other day! " A new product that I found a while ago in an online supermarket. I thought I would buy more ketchup because I was about to run out, and when I looked at it, I noticed that it was the first time I saw a product. I was thinking of using the tomato sauce from a well-known ketchup maker next time with a catch copy that says, "Just put it on the dish and the menu will be delicious and vibrant!" There are three kinds of meals that can be used in a variety of dishes, and it seems quite convenient when it is troublesome to make tomato sauce. Above all, my intuition is complaining that "this is absolutely delicious" ~. Well, there is a feeling of trust that ketchup and tomato cans are definitely bought by the manufacturer here. "Alright, the menu is decided." Leviathan's meat is simply Muniel. " I want to buy the missing ingredients at the online supermarket. Another thing is to pour the tomato sauce from the famous manufacturer with ketchup. "Okay, ready. Let's start..." Gently shake the salt and pepper over the meat of the leviathan, then add the flour and remove the excess flour. Melt the salted butter in a hot frying pan and add the meat of the leviathan. After that, cook until both sides are crispy. We take out the baked meat of Leviathan and use it to make sauces. "This frying pan is made with butter and soy sauce.This is the lemon butter sauce. " In the butter soy sauce, melt the salted butter additionally, add the soy sauce, and the whole can be mixed. In the lemon butter sauce, also dissolve the salted butter, add the lemon juice and salt, and add the coarsely sourced black pepper. Freshly ground black pepper smells good after all. The black pepper I use is black pepper in a container with a mill. There are various kinds of online supermarkets where you can get these kinds of products. Now the whole thing is ready when you get used to it. Then there's Meunier, who sprinkles tomato sauce. I want to finish this lightly without disturbing the tomato sauce, so I'll bake it in olive oil. "When the meat of Leviathan is crispy on both sides..." Alright, it's done! Did you hear my voice? Fel, Grandpa Gong, Dora-chan, and Sweetheart crashed into the kitchen. You did it! Alright, let's eat! Finally, you can eat the Leviathan! I've been waiting for you! I'm going to eat Riba-san's meat! "I'll take it with me. I'm back. I'm back." She said she was expecting too much. I was the one who bitterly laughed at everyone who was hurrying back to the living room. And...... A plate of Leviathan Meuniere lined up in front of everyone. "I tried to make it simple for Muniel today.This is the butter soy sauce, and this is the lemon butter sauce.".... Muniel doesn't have anything on her side....." The three tomato sauces that were taken out with the donkey. One is an orthodox tomato sauce with a refreshing flavour with onions added to the aromatic tomatoes. The other is a garlic-flavored tomato sauce with plenty of garlic. Finally, the sauce is based on tomatoes and red paprika that originated in Spain and is called bravas. I called Muniel of Leviathan who hadn't taken anything from it... " Ah, Sweetheart, this bravasaucelet is a bit tough, so maybe you should stop it. When I tasted it, it had a pretty tingly spicy taste, and it was more like an adult sauce. Um, I'd like to try it ~ "Well, just a little." If you can try it and eat it, I'll sprinkle you with plenty of it. " Meanwhile, five different sauces of meuniere are waiting for you, and the cannibal Carte. Hmm. Leviathan's meat is still delicious! That's right. This taste is amazing.But after all, it's even more delicious when the Lord is cooking for me. " Ugh! This, ugh! Riba-san's meat is delicious ~! The Leviathan meat I've been waiting for. The delight of the cannibal carte blanche. Everyone's eyes flattened with perfume, and it's ready to be replaced. After all, the bravas were a little bit spicy for the Sweet Sweet Sauce, so I replaced them with four other kinds. Then do you want me too? Again, this is the three kinds of tomato sauce that I was curious about. Start with an orthodox tomato sauce. It has a bit of acidity and you can eat it refreshingly. Next up is garlic-flavored tomato sauce. Oh, this is also delicious. Personally, I love this guy. And next is the spicy bravas sauce. The punch is effective and this is also delicious. The tingling spiciness is for adults after all. This is also delicious. They're all delicious. Ahh, don't make me want to eat bread. Therefore, Teresa's special rural bread was taken out of the item box. Paccheri with a little tomato sauce. Once you've tasted the bread, next up is Leviathan's Meuniere. Oh, no. It seems to be infinite. With that in mind, I alternately puckered Muniel and bread... Hey, take this and this! Fel wants garlic-flavored tomato sauce and spicy brass sauce Muniel. Ah, I like the taste of Fel. I'm going to ask you to replace this one with the other one. Grandpa Gong is a classic butter soy sauce and garlic-flavored tomato sauce meuniere. After all, I won't take off the classic. Me too! This and this! Dora-chan is a refreshing lemon butter sauce and spicy bravas sauce Muniel. Lemon butter sauce with lemon flavor is also good. I think that's why I want to taste it with a rich sauce with a spicy taste. Sweetheart! Nnnh, all of it!} Hahaha, all but a spicy bravasauce. You're still eating a lot, aren't you? I gave everyone a change, but in less than a few minutes... " Reward! "Hurry up." I guess it's because it's Leviathan I've been waiting for, but everyone eats fast. I still have a lot to eat. Do you think I have plenty of Leviathan meat? Fel said that while eating Leviathan's Meuniere and licking his mouth. I'm going to eat it too. Me too! I wonder if I've never had Leviathan's meat before.I have to taste it firmly. " I'm going to eat Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sweet Sw "...... I'm going to bake an extra one" It was me who was still attracted to the eating Cartesian Cartesian.

第四百五十四話 こんな日は美味いもんでも食わないとやってらんないよ あー今日は朝からムカつく奴らの訪問があって散々だったよ。 訳の分からない屁理屈こねて金を巻き上げようなんて、どう考えたって宗教者じゃなくってヤクザ者だよな。 ホント思い出しただけでもムカムカするよ。 あいつらのことを冒険者ギルドへ報告しに行って、その後は神様たちへのリクエストに基づいていろいろと用意していたんだけど、その最中もムカッ腹だった。 こんな日は美味いもんでも食わないとやってらんないよ。 ということで、封印していたあれを作ることにした。 好きだけど手間がかかるということで止めていたミルフィーユカツ。 肉を重ねるのにどうしてもね。 その分手間がかかるわけよ。 だけど、あれは美味い。 チーズとか梅しそとかを挟むとさらに美味い。 幸か不幸か“孤独の料理人”なんていう称号が付いちゃったしさ。 この称号は一人でする調理作業がスムーズかつ高速化されるなんて補正があるから最適でしょ、ハハ。 それはいいとして、ミルフィーユカツを作っていこう。 今回作るのは肉を重ねただけのノーマルバージョンと間にチーズを挟んだチーズINのミルフィーユカツの2種類だ。 本当ならチーズINと梅しそを作りたいところだけど、肉至上主義のフェルがいるからねぇ。 それを考慮してノーマルバージョンとチーズINにした。 チーズはスイが大好きだし、俺もミルフィーユカツならチーズINが一番好きだからね。 まずは、ネットスーパーで肉以外の材料を調達だ。 とは言っても、買うのはとろけるチーズとバッター液用の卵とパン粉くらいのもんだけど。 材料が揃ったら早速作業開始だ。 まずは、オーク肉の薄切りを並べて軽く塩胡椒を振る。 あとはオーク肉の薄切りを10枚重ねてノーマルバージョン。 ある程度厚みがある方が美味いからね。 チーズINの方はオーク肉ととろけるチーズを交互に重ねて、オーク肉は7枚で。 俺の場合、とろけるチーズはスライスタイプをいつも使う。 こっちの方が重ねやすいからね。 それから小麦粉と卵と水をダマが残らないようにバッター液を作ってくぐらせたら、パン粉をおしつけながらしっかりつけていく。 ミルフィーユカツの場合、バッター液の方が衣がしっかりついて崩れにくい気がするから俺はいつもバッター液を使っているな。 あとは170度くらいの温度の油で揚げていく。 最初のうちは衣が固まるまでいじらないのがみそだね。 衣が固まったら交互にひっくり返しながらきつね色になるまでじっくり揚げていけば出来上がりだ。 黙々と肉を重ねては揚げてを繰り返す。 そして、大量のミルフィーユカツが出来上がっていった。 「フ~、よし、こんなもんかな」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 『く~、これも美味いのう!』 とんかつソースのかかったノーマルバージョンのミルフィーユカツを一口でパクリと頬張り唸るゴン爺。 『うむ、まぁまぁだな』 ゴン爺と同じく一口でパクリといったフェルが偉そうにそう言うが、尻尾が盛大に揺れているからきっと美味いのだろう。 『サクッとジューシーでこのソースとも相性抜群だな!』 だよねぇ。 やっぱりドラちゃんは分かってるよ。 ソースと言えばここの。 当然とんかつソースもね。 昔ながらの味がやっぱり最強だよ。 『とろっとした白いのが入っているのすっごく美味し~』 左右に大きく揺れながら嬉しそうにそう言うスイ。 スイはチーズ好きだもんなぁ。 肉とチーズの組み合わせは無敵だと思う。 ハァ、口の中に涎が......。 って、俺も早く食おうっと。 チーズINミルフィーユカツにかぶりつく俺。 「ク~、美味い! とろけるチーズがたまらんな」 次に白飯をパクリ。 白飯との相性も抜群でおかずとしても優秀だ。 そして口直しにキャベツの千切り。 俺の分だけキャベツの千切りを添えてある。 これをとんかつソースで食うのがまたいいんだよ。 カ~、美味いねぇ。 っと、揚げ物に欠かせない飲み物がまだだった。 俺はアイテムボックスから冷え冷えのいつものプレミアムなビールを取り出した。 プシュッ、ゴクゴクゴク―――。 「ハァ~、最高」 やっぱり揚げ物にはビールだよね。 ホント、美味いわ。 作って良かった。 『おい、おかわりだ! 肉だけので頼むぞ』 『スイはねー、とろっとした白いのが入った方でおかわり~』 へいへい。 フェルがノーマルバージョンのミルフィーユカツで、ゴン爺とドラちゃんがノーマルとチーズIN、スイがチーズINね。 「はいよ」 それぞれに希望のおかわりを出してやると、嬉々としてガッツキ始める。 まぁ、みんなも美味そうに食ってるし、ちょっと手間のかかる料理も“孤独の料理人”の称号があればそんなに苦もない。 正直、こんな称号いるかって思ったけど、これはこれで俺にとっては良い称号なのかもしれないな。 「しかし、ミルフィーユカツ美味いねぇ。昼間あった嫌なことも、この美味さの前にはどうでもよくなってくるわ」 みんなも夢中で頬張っているのを見てると、嬉しくなってくるね。 俺、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは、美味い夕飯ミルフィーユカツを心行くまで楽しんだ。 『主殿、今日の夕飯も美味かったぞ。大満足だ』 「ハハハ、それは良かった」 飯を食っただけでご機嫌なゴン爺に、今更だけど 『うむ、今日のは悪くなかったな』 「悪くなかったってのは、美味かったってことだろ?」 『まぁ、そうとも言う』 まったくフェルはひねくれた言い方するんだから。 素直に美味かったら美味かったって言えばいいのに。 まぁ、尻尾の振り加減で美味いって思ってるのは丸分かりだからいいけどさ。 『なぁなぁ、今日こそはデザートあってもよくね? 俺の歯もホレこのとおりちゃんと生えたしさ。いい加減プリン食いたいぞ』 ドラちゃんからデザートの言葉とともに口を大きく開けて鋭く生えた歯のアピールが。 実を言うと、2週間くらい前にドラちゃんの歯がポロっと抜けたんだ。 もうびっくりしちゃってさ。 最近甘いものを食い過ぎたのが原因かもって思って(1日2個の約束だったけど、多くなる時もけっこうあったからなぁ)、ちょっとみんなに控えさせていたんだ。 スイはめちゃめちゃ悲しんだけど、そこは心を鬼にしてね。 ドラちゃんは『ただの生え変わりだ』って言ってたけど......。 やっぱり食ってるのが異世界の甘味だから、いろいろと心配しちゃうわけだよ。 そんなわけで甘いデザートは控えてもらっていたんだけど、さすがに甘味が恋しくなってきているようだ。 『甘いの! スイもケーキ食べたぁーい!』 甘味大好きなスイもケーキが恋しくてたまらないようだ。 フェルは肉至上主義だから、それほどでもなさそうだけど、あれば絶対に食うよな。 うーん、ま、甘味断ちしてから2週間経つし(甘いものを完全にダメっていうのもかわいそうだから時々ジュースはだしてたけどね)、ドラちゃんの歯も俺が心配していた虫歯ってわけでもなさそうだしな。 それに、今日はルバノフ教の奴らを追い払うのにみんなの力も借りたから、ご褒美っていう意味合いも含めてデザート解禁といきますか。 「分かった分かった。デザート解禁だ」 『よっしゃ!』 『わーい! ヤッター!』 ドラちゃんとスイが大はしゃぎしている。 「3個までね。で、明日はデザートお休みで、明後日は2個。それからは1日おきにね」 そう言ったらドラちゃんとスイはブーブー言っていたけど、食えないよりはマシかとなんとか納得してくれた。 「はーい、それじゃあ何がいい?」 『ハイハイハイッ、俺は当然プリン!』 『スイはケーキー! 甘~いちょこれーとのがいいなぁ』 『我はいつものだな』 ドラちゃんはやっぱりプリンで、スイは大好きなチョコレートのケーキか。 しれっとリクエストしてるフェルはいつものイチゴショートだな。 『主殿、そのデザートとやらは何なのだ? 皆が騒いでいるところを見ると、食い物だということは分かるのじゃが』 あー、ゴン爺はまだ食ったことなかったっけ。 「デザートっていうのは、まぁ、食後に食う甘いものってことかな」 『甘いもの? 主殿に飲ませてもらったサイダーとかコーラのことか?』 「うーん、それとは違うかな。あれは飲み物だから。えっと、ケーキって言って......。見て食ってもらった方が早いな。今回は俺が選んじゃっていいかな?」 『うむ、構わんぞ。主殿の出す食い物に間違いはなさそうだからのう』 ということで、ゴン爺の分は俺が選ぶことに。 俺は、久しぶりにネットスーパーのテナント、不三家のページを開いた。 とりあえず、フェルとドラちゃんとスイの分をカートへ。 フェルには国産イチゴを使ったプレミアムショートケーキを3個。 ドラちゃんにはプリンサンデーのイチゴとバナナ、それからカスタードプリンを。 スイにはチョコクリームたっぷりのチョコレートケーキとチョコレートシフォンケーキ、それからバナナ風味のクリームを挟んだチョコバナナケーキを。 そして、俺がゴン爺に選んだのは、ショートケーキと言えばこれでしょうというイチゴショート、限定品の甘夏のタルト、そしてそしてゴン爺のイメージでこれ好きそうなんじゃという独断と偏見で選んだ緑色が鮮やかな抹茶のケーキだ。 精算した後、みんなに出してやると、フェルとドラちゃんとスイは久々のデザートとあってすぐさまかぶりついた。 「ゴン爺も食ってみなよ。不味くはないと思うよ」 『では......。ほぅ、甘いがそれだけではないな。果実の瑞々しい甘さもある』 イチゴショートをパクリと一口で食い、そんな感想を言うゴン爺。 『こちらのオレンジのは......。ぬぅ、これは果実の瑞々しい甘酸っぱさがより鮮烈じゃぞ』 甘夏のタルトは甘夏がたっぷり載ってたもんね。 『最後はこの緑が鮮やかなものだな。......ムムム、これは、苦味と甘味。相対する味なのに、なぜかまとまっている。鼻を抜けるなんとも爽やかな香りもいいのう。これは美味い!』 「ゴン爺は抹茶のケーキが気に入った?」 『これは抹茶というのか。うむ、気に入った』 「それじゃあ次のデザートは抹茶尽くしだね」 『フハハ、それはいいのう』 みんながデザートを楽しむ間、俺は俺で自分で淹れた甘めのカフェオレを楽しんだ。 そんなこんなで、すっかり今日あった嫌なことは忘れていた俺だった。

474 Episode 454: It'S A Delicious Day, But I'M Not Gonna Do It Until I Eat It. Uh, I've had some annoying visits this morning and they were scattered. You're not a religious person, you're a yakuza. I'm really annoyed that I just remembered. I went to report those guys to the Adventurers Guild, and then I had a lot to prepare based on my request to the gods, and I was mucky in the middle of it. It's a delicious day, but I won't try it unless I eat it. So I decided to make that one I had sealed. I liked it, but it meant it would take a lot of work. I was stopping Milfie Yukatsu. I can't help but overlap the meat. It's going to take a lot of work. But that's delicious. It tastes even better when you pinch cheese or plum shiso. Happiness or unhappiness. I got the title "Lonely Cook." This title is ideal because there is a correction for making cooking work smoother and faster by itself, haha. That's fine, let's make some millefeuille cutlets. This time there are two kinds of cheese IN millefeuille cutlets that are just layered with meat and sandwiched with cheese between them. If it's true, I'd love to make cheese IN and plum shrimp, but I have a meat supremacy fer, so hey. Normal version and cheese IN were made with that in mind. Because cheese loves sui, and I like cheese IN the most if I'm a Milfieu cutlet, too. Firstly, procure non-meat ingredients in the online supermarket. That said, all I buy is about melted cheese, eggs for batter liquid and bread flour. When the ingredients are ready, start work quickly. First, gently shake the salt and pepper with thin slices of oak meat side by side. And then I layered ten thin slices of oak meat for a normal version. Because it tastes better if it's thicker. For cheese IN, alternate layers of oak meat and melted cheese, with seven pieces of oak meat. In my case, I always use sliced cheese. Because it's easier to lay it over here. Then when I let the flour, eggs and water make batter liquid so that there is no dama left, I stick it firmly with the bread flour on. In the case of Millefeuille cutlets, I always use batter fluid because I feel that the batter fluid is tighter and less likely to collapse. And then fry in oil at a temperature of about 170 degrees. At first, you don't mess around until your clothes harden. Once the clothes have hardened, you can do it if you flip them alternately and fry them until they are tightly colored. Silently overlap the meat and repeat the fried meat. And then a ton of Milfieu cutlets could be done. "F ~, okay, I guess this is it" * * * * * "Ku, this is delicious too! Uncle Gong roars with a sip of tonka and sauced normal version of Milfieu cutlets. "Um, sort of." Fell, like Grandpa Gong, says that in a sip like Pacri looks great, but it must be delicious because his tail is swaying enormously. "That's crisp and juicy and goes perfectly with this sauce! That's right. I knew Dora knew it. Speaking of sauces, here. Naturally and sauce, too. The old-fashioned flavour is still the strongest. "It's so delicious to have a white one in it." Sui says that happily with a big shake to the left and right. Sui likes cheese. I think the combination of meat and cheese is invincible. Ha, there's a saliva in my mouth...... Let's eat soon, too. Me hitting the cheese IN Millefeuille cutlet. "K ~, yummy! I can't stop melting cheese." Next, pack the white rice. Excellent with white rice. And chopped cabbage for a mouthful. It comes with chopped cabbage just for me. Eating this with the sauce is good again. Ka ~, it's delicious. All the while, I still had a drink that was essential for fried food. I took the usual, cold, premium beer out of the item box. Pushhh, gokugokugoku -. "Ha ha, great" I knew it was beer for fried food. Really, it's delicious. Good to make. "Hey, it's your turn! Just meat, please. ' "Sui no, it's the one with the white one in it." Heck. Fell is the normal version of Millefeuille cutlet, Grandpa Gong and Dora are the normal and cheese IN, and Sui is the cheese IN. "Yes, sir." When I give each one a change of hope, he starts gutting with joy. Well, they all look delicious, and a little laborious cooking wouldn't be that bitter if it had the title of "Lonely Cook". Honestly, I thought you had a title like this, but maybe this is a good one for me. "But Millefeuille cutlets are delicious. I don't care what happens during the day before this delicacy." It makes me happy to see you're all crazy and cheeky. Me, Fell, Grandpa Gong, Dra, and Sui enjoyed the delicious dinner until we went to the heart of Millefeuille Cutlet. 'Lord, dinner was delicious this evening, too. Very satisfied. " "Hahaha, that was good" I laughed bitterly at Grandpa Gong, who was in the mood just for dinner, and now wondered if the ancient dragon (Enchanted Dragon) was okay with this. "Um, that wasn't a bad day's." "It wasn't bad, which means it was delicious, right? "Well, say yes" At all, Fell says it in a twisted way. I wish I had honestly told you it would have been delicious. Well, I'm glad you think it tastes good with the tail shake. 'Hey, can I have dessert today? My teeth grew right here, too. Come on, I want some pudding. " A tooth appeal grew sharply with her mouth wide open along with dessert words from Dora. Truth be told, Dora's teeth fell out polo about two weeks ago. I'm already surprised. I thought maybe it was because I ate too much sweet stuff recently (it was a promise of two a day, but because it was cool when it got a lot), and I was making everyone refrain for a bit. Sui was so sad, but you ghost your heart out there. Dora said 'it's just a rebirth'...... I knew it was the sweetness of different worlds that I was eating, so I was worried about a lot of things. That's why I was getting a refrain from sweet desserts, but I just seem to be missing the sweetness. It's sweet! Sui had some cake, too! I can't wait to miss the cake, too, Sui, who loves sweetness. Fell is meat supremacist, so he doesn't seem that good, but if he does, he'll definitely eat it. Um, Ma, it's been two weeks since I turned off the sweetness (I feel sorry for you that you can't totally do the sweet stuff, so I used to wear juice sometimes), and Dora's teeth don't seem to be the cavities I was worried about either. Besides, today I took everyone's help to get rid of the Lubanov guys, so would you like to lift the dessert ban, including what it means to reward them? "All right, all right. Dessert ban lifted." "Come on!" "Wow! Yatter! Dora and Sui are shaking up a lot. "Up to three. So, I'm off for dessert tomorrow, and two the day after tomorrow. Then every other day." When I said that, Dora and Sui said boo-boo, but they managed to convince me that it was better than not eating. "Yes, then what do you want? "Hi, hey, I'm naturally a pudding! "Sui is cakey! Sweet ~ Hey, I like this with you. ' "I'm the usual." Dora is a pudding after all, and Sui is my favorite chocolate cake? I'm making a lot of requests. Fell's the usual strawberry short. Lord, what are those desserts and what are they? When you look at the noise, you know it's food. " Uh, didn't Grandpa Gong ever eat yet? "Dessert means, well, sweet things to eat after dinner" "Sweet stuff? You mean the cider or the coke the Lord gave me to drink? "Um, I guess not like that. Because that's a drink. Eh, say cake... It's quicker for you to have a look and eat. Can I choose this time? 'Um, I don't mind. Because there seems to be no mistake in the food served by the Lord. " So it's up to me to choose for Grandpa Gong. For the first time in a long time, I opened the pages of Kisama, the tenant of an online supermarket. In the meantime, take Fell, Dora and Suey's share to the cart. Fell has three premium shortcakes made with domestic strawberries. Dra has a pudding sunday strawberry and banana, then a custard pudding. Sui has chocolate cake and chocolate chiffon cake full of chocolate cream, then chocolate banana cake with banana-flavored cream. And what I chose for Grandpa Gong was a bright matcha cake with strawberry shorts, limited edition sweet summer tarts, and an arbitrary and biased green color that I think I would like this in the image of Grandpa Gong. After I settled it, I sent it out to everyone, and Fell, Dora and Sui quickly covered it with a long dessert. "Try Grandpa Gong, too. I don't think it tastes bad." 'Then...... Ho, that's sweet, but that's not all. There is also the luminous sweetness of the fruit' Grandpa Gong eats strawberry shorts in a sip with pacli and says such thoughts. 'This orange one... Nooo, this is more fruity sweetness and sourness. " The sweet summer tart had plenty of sweet summer on it. 'At the end of the day, this green is something bright.... Mmmm, this is, bitter and sweet. Even though it has a relative flavour, it somehow comes together. What a refreshing scent to get through your nose. This is delicious! "Did Grandpa Gong like the matcha cake? "Is this matcha? Um, I like it ' Then the next dessert will be full of matcha tea. "Fuhaha, that would be nice" While everyone enjoyed dessert, I enjoyed my own brewed sweet cafe ole. That's how I totally forgot the bad things that happened today. It was me.

第二十五話 ラウテルの街到着 ラウテルの街に入るのは大変だった。 フェルがいるからっていうより、街に入る人で長蛇の列ができていたからだ。 並んだら並んだで悲鳴を上げられるし。 「従魔だから大丈夫です」って周りに説明するのが大変だった。 門に近づいたら近づいたでやっぱりというか、門にいたフルプレートの鎧を着た兵士に槍を突き付けられて止められた。 「止まれいッ」 「フェル、止まってくれ」 フェルが止まると、兵士が槍を構えながら近づいてきた。 「従魔か?」 「はい。私の従魔です。冒険者ギルドのギルドカードを確認してください」 俺は兵士にギルドカードを提示した。 「たしかに従魔とあるな。それはグレートウルフか?」 「はい」 「よくAランクの魔物を従魔などにできたな」 「はい。運が良かったのだと思います」 「従魔契約を結んでいる上でお前を乗せているくらいだから大丈夫だとは思うが、もし、何かあれば従魔の主であるお前が罰せられることになる。街に被害が出た場合、その程度によっては死罪や奴隷落ちになる場合もあるからな。従魔の扱いには十分注意するように」 ふぅ~、釘は刺されたけど割とすんなり入れたな。 でも、死罪に奴隷落ちって............何それ怖い。 ってか、やっぱり奴隷いるんだね。 異世界に人権はないね、異世界怖い。 まずは宿の確保かな。 あ、門の兵士に聞いた方が早いか。 従魔と一緒でも泊まれる宿を兵士に聞いてみると、門を入ってまっすぐ行き3つ目の角を曲がってすぐのところにある「エルミラの宿」がおすすめとのことだった。 兵士に教えてもらった宿に向かう。 ラウテルの街は王都に次ぐ街だからさすがに人が多いな。 数は多くないが、ケモミミに尻尾のある獣人もちらほら見かけた。 そのほとんどが首輪をしていたから、もしかしたら奴隷なのかもしれない。 俺とフェルが歩いていると一瞬ギョっとされるものの騒がれはしなかった。 「従魔か......」とボソっとつぶやいているのが聞こえたから、これくらいの街になると従魔を連れた冒険者もけっこう出入りしているのかもしれないな。 エルミラの宿に着くと、従魔込みで宿泊料金は銀貨8枚だった。 フェルには獣舎で待機してもらい、俺は宿で聞いた本屋に向かった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 本屋に入ると、中は古めかしい本で埋め尽くされていた。 店内をうろうろしながら地図らしきものがないか確認したがそれらしきものはなかった。 その代わり面白そうな本を見つけた。 『誰にでもわかる魔法の入門書』というものだった。 これ、欲しいかも。 火魔法 本は高価だって聞いたけど、いくらくらいするんだろう? 「すみません、この本いくらですか?」 店主がチラっとこちらを見て「金貨7枚だ」と言った。 うっわ、高っ。 金貨7枚もするのかよ、これはなしだな。 この街には図書館もあるって言ってたし、そっちで魔法関係の本を見よう。 目的の地図だけは高くてもあったら買わないと。 地図がないか聞いてみると、店主に「地図なんぞ一介の本屋に置いてあるわけがないだろう」と一蹴されてしまった。 地図を持っているのは王城か軍部のお偉いさんくらいのものだそうだ。 あーそうか、地図は軍事機密の部類になるのか。 そら手に入らないわな。 宿屋に戻る途中、地図をどうするか考えてみた。 別に詳しい地図が欲しい訳じゃないんだよな。 この国はこの辺りにあって、北にはこの国があって南にはこの国があってという感じに大雑把なこの世界の地図が分かればいいんだ。 それぞれの国の情勢は、冒険者が集まってそうな酒場に行けば冒険者からいろいろ聞けるだろう。 あ、冒険者からこの国はこの国と隣接してるーとか聞けるかも。 冒険者っていう職業柄いろんな国に行ってるようだからな。 そうなると......図書館で古い地図とかないかな? 古い地図でもいいから、この大陸の大雑把な形を把握して、そこに冒険者から聞いた話を基に国を書き込んでいけば、ある程度の地図ができるような気がする。 よし、それでいこう。 明日は図書館に行って古い地図を探してみることにしよう。 あ、魔法関係の本もちょっと見てみたいな。

26 Episode 25: Arrival In The City Of Lautel It was hard to get into the city of Lautel. Not because of Fell, but because he was a man entering the city and had a long line of snakes. Once you're in line, you can line up and scream. "I'm okay because I'm an obedient demon," he had a hard time explaining around. When I approached the gate, I approached it. After all, I was stopped by a soldier in full plate armor who was at the gate. "Stop." "Fell, please stop" When Fell stopped, the soldier approached him with a spear. "Are you a submissive? "Yes. It's my obedience. Check out the Adventurer Alliance guild cards" I presented my guild card to the soldier. "You're definitely an obedient demon. Is that Great Wolf? "Yes." "You've often turned A-rank demons into obedient demons." "Yes, I think we were lucky." "I know it's okay because I'm putting you on top of having an obedience pact, but if anything, you, the Lord of the obedience, will be punished. If there is damage to the city, it can be death or slavery, depending on the extent of the damage. Be very careful how you treat your submissive demons." Phew, the nail was stabbed, but you put it in pretty good for the price. But slaves fall for death............... what's that scary about? I mean, I knew you had slaves. There's no human rights in the other world, I'm afraid of the other. I guess I'll secure the inn first. Oh, is it quicker to ask the soldiers at the gate? When I asked the soldier about the inn where he could stay even with his submissive demon, he said he would recommend the "Elmira Inn" just a short while after walking straight into the gate and turning the third corner. I head to the inn where the soldiers taught me. That's just a lot of people because the city of Lautel is second only to the king's capital. Not many, but I also saw a monster with a tail in Chemomimi. Most of them wore collars, so maybe they're slaves. It didn't make any noise though when me and Fell walked it would make me jerk off for a moment. "You're an obedient demon..." I heard him snapping at Boso, so maybe this is how adventurers with obedient demons come in and out in this city. When we arrived at the Elmira Inn, the price of the stay was eight silver coins, with obedience. Fell asked me to wait at the beast house, and I headed to the bookstore I heard about at the inn. * * * * * When I walked into the bookstore, the inside was filled with old books. I wandered around the store to see if there was anything that looked like a map, but nothing came of it. Instead I found a book that looked interesting. It was called "An Introduction to Magic for Everyone to Know". I might want this. Fire magic alone (fireball) can now be managed, but other magic can also lead to more means of protecting oneself. I heard books are expensive, but how much do they cost? "Excuse me, how much is this book? "It's seven gold coins," the shopkeeper said, looking at this one in a chill. Ugh, high. You want seven gold coins, you don't have any of this. He said there's also a library in this city, and we'll see magic books over there. I need to buy maps for my purposes only if they are expensive. When I asked the shopkeeper if he had a map, he kicked me in the ass saying, "There's no way I have a map in a bookstore." They say that the one with the map belongs to the royal castle or the great man in the army. Uh, well, does the map fall into the category of military secrecy? You won't get it. On my way back to the inn, I thought about what to do with the map. You don't want a detailed map. This country is around here, and there's this country to the north, and there's this country to the south. I just need to know a lot of maps of this world. The situation in each country will be heard a lot from adventurers if they get together and go to a liquor store like that. Oh, I can probably hear from adventurers that this country is adjacent to this country - or something. Seems like you're going to a lot of countries with a career as an adventurer. Then... don't you have an old map or something in the library? I don't care if it's an old map, I feel like I can do some mapping if I grasp the great clutter of this continent and write the country based on what the adventurers have heard there. All right, let's do that. Tomorrow we'll go to the library and try to find an old map. Oh, I'd also like to take a look at some magic books.

第四百七十四話 ゴン爺の秘密と困ったお告げ デミウルゴス様へのお供えは、いつも通り。 メインは日本酒、あとはおつまみだろ、それから従者さんがお気に入りだという梅酒だ。 日本酒は高知、長野、山形、山口、新潟の有名酒蔵の大吟醸一升瓶飲み比べ5本セット。 一升瓶5本はちょっと多いかもとは思ったけど、チビチビやってくだせい。 それからおつまみは、いつものプレミアムな缶つま各種と今回は美味そうなホッケとキンメの干物があったのでそれも入れておいた。 干物って白飯とも合うけど、日本酒の肴にもバッチリだからね~。 梅酒は、北陸特産の高級品種の梅を使った梅酒のセットだ。 デミウルゴス様も梅酒は割と好きみたいで、最近は食前酒として愛飲してるそうなので、他にも芋焼酎仕込みの梅酒とブランデー仕込みの梅酒も一緒に。 「どうぞお受け取りください」 ドンとテーブルの上に置いた段ボール箱が消えていく。 『いつもすまんの~。感謝するぞい』 「いえいえ」 『今日は彼奴らもじゃったようだのう。姦しい声が儂のところまで聞こえてきているわい』 「はい、月一の約束ですので」 『迷惑かけてすまんのう』 「大丈夫ですよ。ちょっとだけうるさいなとは思うものの、皆さまには加護をもらったりでお世話になってますしね」 『ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。異世界のものが実際に手に入るのじゃ。神であっても興奮するわい。じゃが、迷惑かけるのはいかん。あまり迷惑かけるような者がいるようなら儂に言うんじゃぞ。その者にはよ~く言い聞かせるゆえ』 その『よ~く言い聞かせる』っていうのが意味深でちょっと怖いぞ。 でも、この間のデミウルゴス様のお仕置きが効いているようで、今のところ迷惑というほどのことはないし。 前みたいにワーワー騒いで勝手に個人的に神託してくるってこともないしね。 それはいいとして、加護って言葉でなんとなく思い出したことをデミウルゴス様に聞いてみた。 「そういえば、ちょっと気になってたんですけど、ゴン爺って加護がないんですね。フェンリルと双璧をなす 『そのことか。そもそもじゃが、フェンリルとて、すべての個体に加護がついているわけではないのじゃぞ。たまたまお主の従魔にはニンリルの加護が付いているのじゃ。過去には確かアグニやルカの加護付きの者もおったはずじゃしのう』 「へぇ~、そうなんですね」 じゃが、この世界を生み出したときにちょっとした目的があって儂が創ったんじゃ。じゃがのう試行錯誤というか、もうちょっとこうした方がいいか、いやここはこうした方がなどと考えながら創っていったら楽しくなってしもうてのう。できた個体が全て予想していたよりも強くなってしもうたのじゃ』 デミウルゴス様はついうっかりって感じで話してるけど、突っ込みどころ満載だよ。 が生まれたとはさ。 『それでな、そこにさらに加護を付けると強くなり過ぎるので加護はつけなかったのじゃ』 神様が強くなり過ぎるって言うくらいなんだから、加護は付けなくて正解だったんだろうね。 それに匹敵するフェルも相当なものだけど。 『お主の従魔のあのフェンリルは別格じゃ。種としての強さで言うなら うおっ、考え読まれた。 も~、考え読まないでくださいよ。 『すまんすまん。お主のいた世界で言うところの“ぷらいばしー”というやつじゃな』 そうですよ。 強いのは当然分かっているけど、フェンリル歴代最強とか言われても、肉肉言ってる食いしん坊な姿しか思い浮かばないな。 というか、話を戻すけど、デミウルゴス様の話では、世界を生み出したときに 『うむ、そうじゃぞ。ちなみに寿命は2万年近くあるかのう』 うう、また読まれた。 ......ゴン爺、全然若かった。 ジジ臭いから、ゴン爺なんてつけちゃったよ。 ゴン爺が定着しちゃってるから、今更変えられないけどさ。 は、2000年も生きれば知識をためて爺や婆のようになるもんじゃ。ふぉっふぉっふぉっ』 も~、また~。 『すまんて。まぁ、今じゃったら問題なかろう? それこそ若いお主が悶々として、女人とあれやこれやしているところを想像しているところを読まれるよりの~』 「ちょっ、デミウルゴス様! そんなことしたら、それこそプライバシーの大侵害ですからね!」 『ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、例え話じゃて』 何がふぉっふぉっふぉっだよ~。 べ、べ、別に女性とどうこうっての想像してるわけじゃないけどさ。 俺にもプライバシーってものがあるんですから。 『大丈夫、大丈夫。分かっておる』 何が大丈夫なんだか。 ハァ~。 でも、ゴン爺は「ゴン爺」って名前でセーフってことだな。 「あの、デミウルゴス様の言葉で、ちょっと気になった点があるのですが、お聞きしてよろしいですか?」 『うむ。お主には世話になっとるから、何でも答えてやるぞい』 何でもって軽いよ、デミウルゴス様。 「ええと、さっきちょっとした目的があって 『ありていに言えば、抑止力と保険じゃな』 「抑止力と保険?」 『そうじゃ。ああいう強いのがいるだけで、愚かな行為をけん制することができるじゃろ』 まぁ、確かに。 『それにのう、神が地上にあまり手出しできないのはお主も知っておろう?』 「はい、そう聞いています」 『もちろん世界の始まりは我ら神々が種を蒔くのじゃがのう、それからはただ見守るだけじゃ。その世界を一喜一憂しながら見守り続けるのじゃ。だがのう、悲しいことじゃが悲惨極まりない世界になってしまうこともやはりあるのじゃ。そうなった場合の保険も兼ねておるというわけじゃ』 「ん? そうなった場合の保険って......」 のステータスを見たじゃろう。その中に【 究極魔法 】古竜の魂というのがあったんじゃが、覚えておるか?』 「究極魔法、古竜の魂......。確かに見たような気が......」 ..................は? サラッと言いなさったけど、ハァァァァァッ?! 世界を、終わらせる? 世界の終わり? 「ハァァァァァァァァッ?!」 いやいやいや、逆を言うとデミウルゴス様が許可すれば世界が終わるってことじゃないかぁぁぁっ。 『まぁの。儂、こう見えてこの世界の創造神じゃし』 「またサラッとそういうこと言ってーーーっ」 『ふぉっふぉっふぉっ、大丈夫じゃって。この世界にはまだまだ希望が満ちているわい』 「え~、デミウルゴス様はそう言いますけど、ルバノフ神聖王国とか酷いみたいですよ」 あの国はガッチガチの人族至上主義の宗教国家だっていうし、属国扱いのルバノフ教を国教としてる国もそんな感じみたいだしさ。 ちょっと前に会ったルバノフ教の人たちのあの態度を見たら、推して知るべしだよね。 『まあのう。愚か者はどんな世界にも涌いてくるものじゃ。じゃが、大丈夫じゃ。お主が何とかしてくれよう。期待しておるぞ』 「え? 期待って、なんで俺に振るんですか? デミウルゴス様、無茶ぶりはやめてくださいよ」 『大丈夫、大丈夫。今すぐでなくてよいわい。暇なときにでもちょろっと行ってとっちめてきてくれれば、あの愚か者どもも大人しくなろうて』 「いやいやいや、だからなんで俺に振るんですか。ちょろっと行ってとっちめてきてって、そんなことよりもデミウルゴス様が神託でもなんでも授けた方が効き目あるでしょ」 『ただの詐欺師でエセ宗教者の彼奴らが、神である儂の言葉に真剣に耳を傾けるものか。彼奴らなど力で捻じ伏せるくらいがちょうどいいわい』 「力で捻じ伏せるって言われても......」 どう力で捻じ伏せるんだよ。 チョロいチョロいって軽いんだから、も~。 だいたい何で俺なんだよ。 こういうのこそ、勇者がやるもんじゃないの? 俺、巻き込まれた異世界人なんだからね。 『ま、そういうことじゃから頼んだぞい。達成の暁には良いことが待っているかものう~。さらばじゃ~』 その言葉を最後に、デミウルゴス様からの通信は途絶えた。 「も~、何だって言うんだよ~。今回は無茶ぶりが過ぎるでしょうが。......でも、良いことが待ってるって、何が?」 壊滅的な恋愛運を上げてくれる? いやいやいや、惑わされちゃダメだ。 これは期待し過ぎて、ひどいオチになるパターンや。 ............ちょっとは、期待しても大丈夫なのか? 「良いことって何なんですか、デミウルゴス様~」 答えの分からない、悶々とした気分のままベッドに潜り込んだ俺だった。

495 Episode 474: Grandpa Gong'S Secret And Troubled Announcement As always, the offering to Master Demiurgos. The main thing is sake, then snacks, and then plum wine that your squire is a favorite. The sake is a set of five bottles compared to the Daiginjo Lifting Bottle from the famous breweries of Kochi, Nagano, Yamagata, Yamaguchi and Niigata. I thought five helicopters might be a little too much, but you can do the little one. Then the knob was kept in because there was the usual premium can of various kinds and this time there seemed to be delicious dried hockey and kimmel. Dry food goes well with white rice, but it's perfect for sake dishes. Plum wine is a set of plum wine made from luxury varieties of plums specialty from Hokuriku. Master Demiurgos likes plum wine for what it is, and he's been drinking it as an aperitif lately, so he also has other plum wines made with yam shochu and brandy shochu. "Please accept" Don and the cardboard box I put on the table disappear. "I'm always sorry. Thank you." "No." "Looks like they screwed up today, too. I'm hearing fornicating voices." "Yes, because it's a promise for the first of the month" "Sorry I bothered you" "It's okay. I know it's just a little noisy, but you're all being looked after with protection." "Whoa, whoa, whoa. You can actually get things from different worlds. Excited even by God. But you can't bother me. If anyone seems too annoying, don't tell Nong. I'll tell him." I'm a little scared of the meaning of the word 'wow'. But Master Demiurgos' treatment seems to be working in the meantime, and so far, it's nothing like annoyance. There's no such thing as warrior noise like before and I personally entrust it to you on my own. Nevertheless, I asked Master Demiurgos what he somehow remembered in the word "protection". "Speaking of which, I was just wondering if Grandpa Gong has any protection. I was wondering what it was because it was an ancient dragon with a fenril." 'You mean that? In the first place, Fenrill and not all individuals have protection. It just so happens that your Lord's obedience comes with the protection of Nin Lil. In the past, there must have been Agni and Luca. " "Heh, you're right" "And the ancient dragon, when it created this world, had a little purpose, and he made it. Then I mean trial and error, or should I do some more of this? No, it would be fun if I made this place while thinking about it being better, etc. All the individuals who were able to do it are stronger than they expected." Master Demiurgos talks about it by accident, but it's full of penetration. I didn't know an ancient dragon (Enchanted Dragon) was born that light. "So, if you add more protection to it, it gets too strong, so you didn't apply protection." So much so that God says you're too strong. So I guess you were right not to apply protection. Fell, which is comparable to that, is also considerable though. "That Fenrir of your Lord's obedience is something else. In terms of strength as a species, the ancient dragon (Enchanted Dragon) is definitely strong, but that Fenril is equally matched with the ancient dragon (Enchanted Dragon) with the strength of the individual and the protection of the ninril. I guess you could say it's the strongest thing in history. It's a big deal. ' Whoa, thought read. Don't even think about reading it. 'Excuse me. Excuse me. It's not what the Lord used to call a "splash." That's right. Naturally I know it's strong, but even if they say it's the strongest thing in Fenrill history, all I can think of is a meat-talking eater. So, back to Demiurgos, when we created the world, did the ancient dragon mean that the ancient dragon was the oldest creature in the world? 'Um, yeah. By the way, is life expectancy nearly 20,000 years?' Ugh, they read it again. ... Grandpa Gong, he was totally young. Because of the smell of jiji, I put on Grandpa Gong. Grandpa Gong is settled, so I can't change it now. "Let's not have a problem. Ancient dragons will be like grandfathers and women for knowledge if they live 2000 years. Whoo-hoo. ' Also ~, again ~. "I'm sorry. Well, let's not have a problem now, shall we? That's better than reading where the young lord imagines himself as bored, with a woman." "Hey, Master Demiurgos! If you do that, that's the big invasion of privacy! "Whoa, whoa, whoa. By analogy." What the heck? Beh, beh, I'm not imagining anything like this with a woman. I have privacy, too. 'It's okay, it's okay. I know.' What's all right? Huh. But you mean Grandpa Gong is safe under the name "Grandpa Gong". "Um, in the words of Master Demiurgos, I was just wondering, are you sure you wanted to ask? "Uhm. I'll answer anything because I'll take care of you, Lord." It's light, Master Demiurgos. "Uh, I was just talking about having a little purpose and making an ancient dragon (enchanted dragon), what purpose is that? "If you like, it's not deterrent and insurance." "Deterrence and insurance? 'Bye. Oh, just because you're so strong, you can suppress stupid behavior.' Well, sure. "Besides, do you also know that God can't do much on earth? "Yes, that's what I hear" "Of course, the world begins when our gods sow, and from then on, we just watch. Keep watching the world with joy. But sad things can still make a world of misery. It doesn't mean you have insurance when it happens. ' "Hmm? Insurance in case it does..." "Lord, I've seen the status of the Ancient Dragon. There was a [ultimate magic] ancient dragon soul in it, remember? "Ultimate magic, the soul of the ancient dragon...... I do feel like I've seen it..." ........................... what? I said sarah, haaaa?! End the world? The end of the world? "Ha-ha-ha?! No, no, no, on the contrary, I don't suppose Master Demiurgos would allow it to end the world. "Well. This is not the god of creation in this world." "Sarah, say that again. Eh." "Whoa, whoa, whoa, whoa, whoa. There's still hope in this world." "Eh, Master Demiurgos says so, but it sounds like the Holy Kingdom of Lubanov or something." That's what it looks like when you say that the country is a religious state of Gatchhich ethnic supremacy, and the country that treats Rubanovism as a national religion. If you see that attitude of the Lubanov people you met a while ago, you can guess, right? "Sort of. Fools don't come to any world. But you'll be fine. Your Lord will do something about it. I hope so. ' "Huh? Why are you shaking your expectations on me? Dear Demiurgos, please don't be impotent." 'It's okay, it's okay. It doesn't have to be now. If you could just go and hang out in your spare time, those fools would grow up.' "No, no, no, so why are you swinging at me? It would be more effective for Demiurgos to give you anything you want, even if you go away for a moment." "What are they, merely con artists and Ese religious, who listen seriously to the Word of Non, God? They're just as good as twisting down with force." "Even if they tell me to twist it down with force..." How can you twist it down? Chocolate chocolate and light, too. Why me more or less? Isn't this what brave men do? I'm a different kind of man involved. "That's what I asked for. Good things may be waiting for you at the dawn of achievement ~. Goodbye ~ ' Finally, the communication from Master Demiurgos was interrupted. "Also, what are you saying? It will be too lame this time though.... but what do you mean, good things are waiting? Will you have some devastating romantic luck? No, no, no, you can't be confused. This is too much to expect, patterns that make me a terrible cock or. ............... hey, is it okay to expect? "What is a good thing, Master Demiurgos?" I don't know the answer, it was me diving into bed feeling stuffy.

第四百二十話 親子でなくても美味しいんです&ムコーダのレベルアップ 「しっかし、ホントよく効くなぁ」 夕飯を作ろうかと思うものの、蚊取り線香のあまりの効き目に目を見張る。 効果絶大で、次々と飛来してくるヴァンパイアモスキートを一網打尽にしていた。 「ドロップ品さっき拾ったばっかりなんだけど、もう大量に落ちてるし......」 『あるじー、拾ってくるー?』 「スイ、ありがとな。でも大丈夫だよ、そのままで。さっきので大分拾ったからね」 ちなみにヴァンパイアモスキートのドロップ品は、羽とかストロー状になっている口とか小瓶に入っている液体(鑑定してみたら麻痺毒だって)だ。 そもそもがDランクの魔物だからそんなに価値があるものでもなさそうだし、さっきスイに手伝ってもらって拾った分でもけっこうな量になっているから十分だ。 そういうことで、ここは無視して夕飯を作っていこう。 どうせそのうちダンジョンに吸収されちゃうだろうしね。 「さて、気を取り直して夕飯作ろ。肉を使うにしても、みんなはギガントミノタウロスの肉がいいんだろ?」 ギガントミノタウロスの美味さにすっかりハマってしまっているフェルとドラちゃんとスイ。 肉好きトリオはここのところ飯の度にギガントミノタウロスの肉をご所望なのだ。 『うむ。あの肉がいいな』 『美味いもんな』 『スイもあのお肉がいいなぁ』 「うーむ、俺としては親子丼が久々に食いたい気分だったんだけど、ギガントミノタウロスの肉かぁ。......あ、ギガントミノタウロスの肉を使って他人丼にしてもいいか。よし、そうしよう」 『何でもいいから早く作れ。腹が減った』 『同じくー。早く飯にしてくれよ』 『スイもお腹減ったー』 フェルとドラちゃんの腹の虫が盛大に鳴いているし、スイはちょっと萎んでいた。 ギガントミノタウロスが大量発生していた38階層ではみんなハッスルしてたもんなぁ。 そりゃあ腹も減るわ。 「そんなに時間のかかる料理でもないから、ちょっとだけ待ってて」 パパッと卵等足りない材料をネットスーパーで購入したら、早速他人丼の調理開始だ。 とは言っても超簡単だし、作り方は親子丼とほぼ一緒。 ただ俺としては他人丼の方が若干甘めの方が美味い気がするので、ちょっとだけ甘味を強くしているけどな。 「タマネギを薄切りにして、ギガントミノタウロスの肉を薄切りにして一口大にするだろ......って、フェル、そう横に座ってられると邪魔なんだけど」 余程腹が減って待ちきれないのか、俺の横にはお座りして涎を垂らしそうな勢いでギガントミノタウロスの肉をガン見しているフェルがいた。 それに釣られてかフェルの首の辺りにしがみついたドラちゃんも肉をガン見してるし、スイもフェルの頭の上に陣取って肉をガン見している。 みんなの行動にちょっとクスリとしながら「すぐに出来るからもう少し後ろで待ってて」と声を掛けると、渋々ながら俺の横を離れていくフェルとドラちゃんとスイ。 それでも振り向きざまに『肉はたっぷりだぞ。たっぷり』と念を押してくるフェルと『俺も!』『スイも!』と同意するドラちゃんとスイ。 「はいはい。分かってるよ」 俺は、苦笑しながらそう返してギガントミノタウロスの肉を切っていった。 「よしと、タマネギとギガントミノタウロスの肉はこれでいいな」 タマネギとギガントミノタウロスの肉を切り終わったら卵を割って軽く溶いておく。 肉が多いから卵も多めにだ。 あとはフライパンに水とだし醤油、みりん、砂糖を入れて火にかけて、煮立ってきたところでタマネギとギガントミノタウロスの肉を投入。 アクを取りつつタマネギとギガントミノタウロスの肉に火が通ったところで、溶いた卵を半分だけ入れて弱火に。 卵が固まってきたところで残りの半分を入れて半熟状態になれば出来上がりだ。 作り置きしてアイテムボックスにしまっておいた炊き立てホカホカの白米をよそってたっぷりトロトロ半熟卵の他人丼の具を載せたら彩に三つ葉を中央へ。 「よし、他人丼の出来上がりだ」 『うむ、すぐよこせ』 「ったく、待っててって言ってるのに、すぐ後ろから覗きながら待ってるんだから......」 いったん後ろに下がったのに、フェルというかドラちゃんもスイもだけど、結局じりじりと前に出て来て俺のすぐ真後ろまで来てるんだもんな。 『遅いのが悪いんだぜ』 「いやいや、そんな時間かかってないだろうが」 『あるじ、ご飯ー』 「ああもう、ほら。特盛り他人丼だ」 フェル、ドラちゃん、スイの前に置くと、ガツガツと頬張り始める。 『なかなか美味いではないか。この前のこの肉に生の卵を絡めて食ったのも美味かったが、火を入れた卵と一緒に食うのもまた違った味わいで悪くないぞ』 『うんうん、フワフワの卵と肉それからこの甘じょっぱい味が抜群に合うな』 『これお米と一緒に食べるととーっても美味しいよー!』 卵とじ、甘じょっぱい味、このコンボで白米に合わないはずないし。 というか卵でとじて丼にすると大抵のものが美味しく食える気がするぞ。 前日に作って残った野菜炒めなんかも美味いし、冷蔵庫の野菜とか肉とか少しだけ残った余りものなんかは今回の要領で甘じょっぱく煮て卵でとじてやれば余りものとは思えない美味さになる。 あとは、天ぷらとかの揚げ物の残りなんかで作ればちょっぴり豪華な丼が楽しめるし。 卵でとじる丼ものは偉大だな。 フェルたちに続いて俺も他人丼を口いっぱいに頬張った。 「うん、今日の他人丼も文句なく美味い」 『その他人丼というのがこの料理の名前なのか?』 『随分と変わった名前の料理なのだな、これは』 「前に親子丼っていうのを作ったことがあるんだけどな、その時は確かロックバードの肉と俺のスキルで取り寄せた異世界の卵で作ったから厳密には親子丼ではないんだけど......。そうだな、分かりやすくこっち風でいうと、コカトリスの肉とコカトリスの卵でこんな風に作ると親子丼、それ以外の肉を使えば他人丼ってわけだ」 『コカトリスの肉とその卵、親と子で親子丼。親と子から外れれば他人丼というわけか。面白いな』 『親子丼と他人丼か、上手いこと付けたな。ハハッ』 『あるじー、それじゃあ他のお肉でもできるのー?』 「ああ、出来るぞスイ。ダンジョン牛やダンジョン豚、それにブラッディホーンブルとかオークでも美味いと思うぞ」 『でかした、スイ。よし、おかわりはそれらの肉で作れ』 『お、いいな。食べ比べだな』 「ハァ? またそういう面倒なことを言い出すんだから......」 『時間のかかる料理ではないと言っていただろう。違う肉で作るくらい造作もないではないか』 フェルの言いたいことも分かるけどね、作るとなれば準備があるんだっての。 タマネギとギガントミノタウロスの肉については、おかわりの分も予想してある程度切ってあるから大丈夫だけど、それ以外の肉を使うとなれば改めて切らなきゃならんわけよ。 まぁ、でも......。 「確かダンジョン牛とダンジョン豚は薄切りしてあるものがアイテムボックスに入ってるから、その2つだけね」 『むぅ、しょうがない』 しょうがないとか言うなっての。 それからダンジョン牛とダンジョン豚の肉を使って他人丼を作った。 やれこっちも美味いあっちも美味いとあれこれと批評しながらガツガツ食う肉好きトリオ。 結局どれが美味いんだと聞くと......。 『どれも美味い』 『みんな美味しかったー』 結局お前ら腹減ってたもんだからどれも美味いってなってんじゃんよー。 そんなら用意したギガントミノタウロスの肉で作る他人丼だけで良かっただろうが。 まぁ、みんな満足そうな顔してるからいいけどさ。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 朝食を終えて、フェルたちはフルーツ牛乳を、俺はコーヒーを飲みながら食休みをしていた。 フェルの結界の外は、蚊取り線香のおかげであれだけ寄ってきていたヴァンパイアモスキートもヨロヨロして今にも落ちそうな弱った2、3匹がふよりふよりと飛んでいるだけだった。 蚊取り線香様々、ホント有能過ぎだね。 ネットスーパーで買った殺虫剤がこれだけ効くなら、蟲系の魔物にはたいがい効くかもな。 他にもハエやらムカデ、クモ、ハチに効く殺虫剤があったはずだから、この際購入してアイテムボックスに入れておいておいてもいいな。 なにせここはダンジョンの中の森だ。 蟲系の魔物もけっこうな数出てくるだろうからな。 ドランの同じような森のフィールドダンジョンでも獣系、鳥系、蟲系の魔物がわんさか出てきたし。 とりあえず用意だけはしておくか。 俺は、ネットスーパーでいくつかの種類の殺虫剤を購入してアイテムボックスに放り込んだ。 その作業が終わり、残りのコーヒーをゴクリと飲み干していると、フェルがこちらをジーっと見つめていた。 「何だ?」 『お主、大分レベルアップしたな』 「え、ホントか? ステータス」 フェルの言葉にすぐに自分のステータスを確認してみる。 【 名 前 】 ムコーダ(ツヨシ・ムコウダ) 【 年 齢 】 27 【 種 族 】 一応人 【 職 業 】 巻き込まれた異世界人 冒険者 料理人 【 レベル 】 85 【 体 力 】 492 【 魔 力 】 483 【 攻撃力 】 476 【 防御力 】 464 【 俊敏性 】 382 【 スキル 】 鑑定 アイテムボックス 火魔法 土魔法 従魔 完全防御 獲得経験値倍化 《契約魔獣》 フェンリル ヒュージスライム ピクシードラゴン 【固有スキル】 ネットスーパー(+1) 《テナント》 不三家 リカーショップタナカ 【 加 護 】 風の女神ニンリルの加護(小) 火の女神アグニの加護(小) 土の女神キシャールの加護(小) 創造神デミウルゴスの加護(小) 「ファッ?!」 レベル85、だと? 確か前に確認したときにはレベルが78だったから、いっきに7も上がった。 これ、蚊取り線香で倒した分の経験値も入ってるっぽい。 ヴァンパイアモスキートはDランクの魔物だけど、殺虫剤と蚊取り線香で倒したのを考えるならかなりの数になってるはずだ。 それが積もり積もってこれか。 それに神様たちから“獲得経験値倍化”なんてスキルももらってるから、効果倍増だもんな。 しかし、85か......。 レベル80を超えたということで、固有スキルのネットスーパーの脇に+1の表示が。 あのイベントがやってくる。 地上に戻ったとき、厄介なことになりそうな気がする。 テナント......、うっ、頭が............。

440 Episode Four Hundred Twenty: It Doesn'T Have To Be A Parent Or A Child To Taste Good &Amp; Level Up Your Muchoda "Steady, it really works." Though I think I'll make dinner, I'll keep an eye out for the less effective mosquito repellent incense. It worked tremendously and had a full screen of vampire mosquitoes flying in one after the other. "I just picked up the drop, but it's already falling in bulk..." "Ryuji, I'll get it -? "Thank you, Sue. But it's okay, stay put. I picked it up a lot earlier." By the way, the Vampire Mosquito drops are fluids in vials like wings, strawy mouths, etc. (I appraised them and they said they were paralyzed poison). It doesn't seem like it's worth that much because it's a D-rank demon in the first place, and it's enough because it's a cool amount for Sui to help me pick it up just now. That's it, let's ignore it here and make dinner. You'll be absorbed by the dungeons one of these days anyway. "Well, get your mind back on it and make dinner. Whether you want to use meat or not, everyone wants Giganto Minotaur meat, right? Fell and Dora and Sui are totally hooked on the deliciousness of Giganto Minotaur. The meat lover trio wants Giganto minotaur meat every meal here. "Uhm. I like that meat." "Delicious." "I'd love that meat too, Sui." "Hmm, as far as I'm concerned, I've been wanting a bowl of Parent-Child Bowls for a long time, but Giganto Minotaur's meat.... Oh, can I use Giganto Minotaur meat for someone else's bowl? All right, let's do that." 'Whatever you want, make it quick. I'm hungry.' "Likewise. Come on, let's eat." "I'm hungry, too." Fell and Dora's belly bugs are buzzing, and Sui was shriveling a little. We were all hustling in the 38 tiers where Giganto Minotaur was experiencing a massive outbreak. Then I'll be hungry. "It's not even that time consuming cooking, just wait a minute" Once you have purchased the missing ingredients from an online supermarket, such as daddy and eggs, you should start cooking other people's bowls quickly. That said, it's super easy, and the way it's made is pretty much with a bowl of parents and kids. However, as far as I'm concerned, the other bowls taste a little sweeter, so I'm only making them a little sweeter. "You're going to slice the onions thinly, slice the meat of Giganto Minotaur into thin slices and make it a bite bigger... 'Cause, Fell, yeah, I'm in the way when you can sit next to me" You're too hungry to wait, beside me was Fell sitting down and watching Giganto Minotaur's meat gunning for momentum that seemed to drool. Dora, who either got caught by it or stuck around Fell's neck, is also looking at the meat, and Sui is arrayed over Fell's head to look at the meat. "Wait a little longer behind me because I can do it right away," he said, a little queasy about everyone's behavior, reluctantly leaving my side, Fell and Dora and Sui. Still, I couldn't turn around and say, 'You've got plenty of meat. Plenty,' says Fell, pushing just in case. 'Me too!' "Sui too! 'Agree with Dora and Sui. "Yes, sir. I know, I know." I smiled and cut Giganto Minotaur's meat. "Ok, this is good for onion and giganto minotaur meat" When you have finished cutting the onion and giganto minotaur meat, break the egg and let it melt gently. There is a lot of meat, so there are more eggs. And then add water and dashi soy sauce, mirin and sugar to the frying pan over the fire, and add onion and gigantic minotaur meat where it has been boiled. Where the fire went through the onion and giganto minotaur meat while taking the ac, add only half of the melted egg to the low heat. You can do it if you add the other half where the eggs have been solidified and they are semi-ripe. When you add the utensils of a bowl of other people's bowls of plenty of trout semi-ripe eggs, based on the white rice from the cooked hokahoka that you left in the item box, put the three leaves in the color to the center. "All right, we can make a bowl of other people" "Uhm, give it to me right away" "Damn, I'm waiting for you and I'm telling you, I'm waiting for you with a peek right behind me..." Once you're back there, it's Fell or Dora or Sui, but in the end, you're just coming out front and right behind me. "It's bad it's late." "No, no, I wouldn't have taken that long." "Sauce, Rice" "Oh already, look. It's a special bowl of other people." Place it in front of Fell, Dora, and Sui and it starts to gush and cheek. 'Isn't it quite delicious? It was delicious to eat with raw eggs tangled in this meat before, but eating with eggs with fire isn't bad again with a different flavor.' "Yeah, yeah, fluffy eggs and meat, and then don't let this sweet and tender flavor go together perfectly" "This is delicious to eat with rice!" Eggs, sweet and tender flavor, this combo shouldn't be suitable for white rice. Or a bowl with eggs, and I think most of it will taste good. The leftover vegetable stir-fry made the day before is also delicious, and the leftover vegetables in the fridge, meat and just a little bit of leftover stuff will taste like nothing else if you boil them sweet and stir-fried with eggs in this procedure. And then you can enjoy a little extravagant bowl if you make it with the rest of the tempura and other fried foods. A bowl of eggs is great. Following the Fells, I cheeked up a bowl of other people's bowls all over my mouth. "Yeah, today's bowl of others tastes delicious without complaining" Is that the name of this dish? "That's a dish with a very different name, isn't it?" "I've made a bowl called Parent-Child Bowl before, but it's not technically Parent-Child Bowl because I did make it out of Rockbird meat and eggs from different worlds I picked up with my skills... Well, it's easy to understand. If you make it like this with cocatrice meat and cocatrice eggs, it's a bowl for parents and children, and if you use other meat, it's a bowl for others." "Cocatrice meat and its eggs, a bowl of parents and children. Do you mean a bowl of other people if it comes off the parents and children? That's funny. ' "Parent-child bowl and others bowl, you've done well. Ha ha. ' "If so, can you do other meats?" "Oh, you can do it, Sue. Dungeon cows, dungeon pigs, and bloody hornblues and oak." "Yay, sui. All right, make it with those meats instead. ' 'Oh, good. It's a comparison.' "Huh? That's the kind of hassle I'm going to mention again..." 'I would have said it wasn't a time-consuming dish. Don't you make enough meat to make it? I know what Fell's trying to say, but if he's going to make it, he's going to be ready. As for the onion and giganto minotaur meat, it is ok because it is cut to some extent in anticipation of the change, but if I were to use any other meat, I would have to cut it again. Well, but... "Sure, dungeon beef and dungeon pork are thinly sliced in an item box, so that's just two of them." "Mmm, I can't help it" Don't tell me you can't help it. Then I made a bowl of others using dungeon beef and dungeon pork meat. Do it. It's delicious here and there. A trio of meat lovers who eat guts while criticizing this and that. When I hear which one is tasty after all...... "They're all delicious" "Everybody was delicious -" After all, you guys were hungry, so they're all delicious. Though it would have been nice to have just a bowl of others made with prepared Giganto Minotaur meat. Well, I hope you all look satisfied. * * * * * After breakfast, Fells had fruit milk, and I was off for coffee. Outside Fell's junction, the vampire mosquito skirt, which was all that was stopping by thanks to mosquito strike incense, was also yowling and only flew pretentiously a couple of weak ones that were still going to fall. Various mosquito cutter incense, really too competent. If the insecticide I bought at the online supermarket works this well, it might work well for worm-based demons. There must have been other insecticides that worked on flies, spiders and bees, so I can buy them at this time and leave them in the item box. Anyway, this is a forest in a dungeon. There 'll be a lot of bug-based demons out there. Beast, bird, and worm demons have emerged in similar forest field dungeons in Doran. Shall I just prepare it for now? I bought some kinds of insecticides in the online supermarket and threw them in the item box. As the work was done and I was gobbling up the rest of the coffee, Fell stared at this one jeezy. "What?" "Lord, you've leveled up a lot." "Oh, really? Status" I'll check my status immediately on Fell's words. [Name] Mukoda (Tsyoshi Mukouda) [Age] 27 [Race] One-Person [Occupation] Involved interracial adventurer cook Level 85 [Health] 492 [Magic] 483. [Attack] 476. [Defense] 464. [Agility] 382 [Skills] Appraisal Item Box Fire Magic Soil Magic Demon Full Defense Gain EXP Multiplication Contract Warcraft Fenrill Hughes Lime Pixie Dragon [Unique Skills] Net Supermarket (+1) Tenant Mitsuya Riker Shop Tanaka [Guardianship] Guardianship of Nin Lil, Goddess of Wind (Small) Guardianship of Agni, Goddess of Fire (Small) Protection of Kishal, goddess of earth (small) Protection of Demiurgos, god of creation (small) "Fuh?! Level 85? When I did check earlier, the level was 78, so I finally went up 7 as well. This also seems to contain experience points for defeating them with mosquito extraction incense. Vampire Mosquito is a D-rank demon, but he's got to be quite a few, considering he defeated him with insecticides and mosquito repellent incense. Is that the pile and this? Plus, the gods have given me the skills to "multiply my gained experience," so I'm doubling my effectiveness. But 85... Beyond level 80, there is an indication of +1 beside the net supermarket for unique skills. That event is coming. When I get back on the ground, I feel like I'm going to be in trouble. Tenant............, Ugh, my head................................................................................................................................................................................................................................................................................................

第四十七話 フェルVsグリフォン 『もうすぐグリフォンの縄張りに入るぞ』 フェルの言葉にドキッとする。 いよいよグリフォンの縄張りか。 入りたくねぇーなー。 「結界しっかり張っておいてくれよ」 『承知している。心配するな』 そうは言っても心配なんだよ。 何せグリフォンだからな。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 俺たちはグリフォンの縄張りの中にいた。 今のところグリフォンの姿は見ていない。 このまま姿を見ないままグリフォンの縄張りを通り抜けられたらいいんだけどね。 グリフォンの縄張りに入って3日目。 ついにグリフォンが姿を現した。 バサバサッと大きな翼を広げ俺たちの前に一匹のグリフォンが着地した。 俺はというと、驚きすぎて声が出せなかった。 目の当たりにしたグリフォンに正直チビリそうだ。 グリフォンはとにかくデカかった。 鷲の上半身とライオンの下半身をしたグリフォンは、フェルより一回り大きい。 そのデカいグリフォンがいきなり伏せて頭を下げた。 『フェンリルサマ、オネガイ、アリマス』 「しゃ、しゃべったッ?!」 人語を話す魔物はフェルくらいだと思ってたから驚いた。 スイは念話ができるけど、それだって俺と従魔契約を結んでいるからだろうし、フェルと念話できるのもフェルがスイと同じように俺の従魔だからだろう。 グリフォンもしゃべれるんだ......。 『グリフォンだから人語を話すわけではないぞ。このグリフォンは特別知能が高いのだろう』 「あ、そうなんだ」 『人語をよどみなく話せるのは我と なるほど。 『フェンリルサマ、イウトオリ、ヒトノコトバ、ハナセル、オレダケ』 じゃあ、人語を話すグリフォンはこのグリフォンだけなんだな。 『ムレノオサ、ナルタメ、シレン、オレト、タタカッテ、クダサイ』 んん? グリフォンの群れの長となる試練としてフェルと戦いたいってことか? 『ツヨイ、フェンリルサマ、タタカウ、ミンナ、オレ、ミトメル』 強いフェンリルと戦うことで群れのみんなに長として認められるってこと? へー、なかなか根性あるじゃねぇか、このグリフォン。 『よかろう。相手になってやる。だが、我は手加減はできんぞ』 俺とスイは避難だ。 フェルの背から降りるとき、耳元で「殺すなよ」とは言ったけど、ピクッとしただけで返事はなかった。 手加減はできんとか言ってるし、あのグリフォン大丈夫かな? いざと言うときはアレを使おう。 スイ特製上級ポーションだ。 でも、ペットボトル1本分しかないんだよな。 あの大きさのグリフォンでこれだけで足りるか心配だ。 『スイ、上級ポーション作ってもらえるかな?』 俺は念のために、ペットボトル1本分追加でスイ特製上級ポーションを作ってもらうことにした。 フェルとグリフォンが対峙する。 『では、行くぞ』 フェルのその声が合図となり、グリフォンが大きな翼を広げ上空に飛んだ。 そして、上空にいるグリフォンから無数の黒い矢のようなものが発射された。 フェルはそれを踊るようにかわしていく。 グリフォンから発射された矢をよく見ると、それは羽だった。 相当硬いのか、転がっていたバレーボール大の石も粉々に砕けている。 「おおっ、すげぇ......」 今度はフェルが上空にいるグリフォンに向かって魔法を撃つ。 あれは風魔法か? 上空のグリフォンの周りに小さい竜巻が発生している。 グリフォンが竜巻に巻き込まれて錐揉み状態に......。 しかも竜巻には刃が仕込まれているようで(魔法自体がウィンドカッターの上位版て感じなのだと思う)竜巻がグリフォンの血で真っ赤に染まっていく。 あのグリフォン、ヤバいんじゃないのか? 「お、おい、フェルやり過ぎだっ」 『フンッ』 竜巻が収束して、グリフォンがドサっと地面に落下した。 俺はすぐさまグリフォンに近づいてスイ特製上級ポーションを振りかけた。 『手加減はできんと言ったはずだ』 そりゃそうだけど、限度ってもんがあるだろうが。 何あの竜巻、あんなエグイ魔法撃つなよな。 『ンン......』 グリフォンが目を覚ました。 「おい、大丈夫か?」 『アア......キズガ............』 「ポーションを振りかけたから傷は大丈夫だと思うけど、痛いところはないか?」 『ヒトノ、クスリ......タカイ』 「ああ、それなら心配しなくて大丈夫だ。それより、大丈夫か?」 グリフォンの体は真っ白だった翼も含め全身が痛々しいくらいに血で真っ赤に染まっていた。 『ダイジョウブ、スマナイ』 ふー、良かった。 スイ特製上級ポーションがばっちり効いたみたいだな。 ペットボトル2本分使い切った甲斐があるぜ。 『ナニモ、デキズニ、マケタ......』 そう言ってグリフォンがガックリ項垂れた。 グリフォンもフェルに敵うとは思ってなかったみたいだけど、手も足も出ないで負けるとは思っていなかったんだろう。 何と言ってもボスキャラ級のグリフォンだし。 この世界でも強いと言われる魔物のはずだ。 それを魔法一つで完膚なきまでに負かすフェルって......本当に規格外だよなぁ。 ん?あれ? フェルを見ていて気付いた。 「何も出来なかったってことはないぞ。ほら、あれを見ろ」 俺はフェルの前足の肩に近い部分を指した。 フェルの白銀の毛にうっすらと赤い血が滲んでいた。 「グリフォンの最初の一手で受けた傷だろう。伝説の魔獣フェンリルにちょこっとだけど傷を負わせたんだよ。そうなんだろ、フェル?」 『ぐぬぬぬ、悔しいがそうだ』 フェルの言葉を聞いてグリフォンがガバッと頭を上げた。 『オ、オレガ、フェンリルサマ二............ピーヒョロロロロロロッ』 グリフォンがいきなり空に向かって鳴声を上げた。 上空を見上げると数十にもなるグリフォンがこちらに向かって飛んできている。 「う、うわぁっ、な、なんだッ?!」 1匹でも相当な威圧感のあるグリフォンが数十いる様は圧巻だ。 というかめちゃくちゃ怖い。 グリフォンの集団は、フェルと戦ったグリフォンの後ろに着地した。 そして頭を垂れた。 『オレ、オサ、ミトメラレタ』 おおっ、そうかそうか良かったな。 『フェルサマ、アリガト、ゴザイマシタ』 うんうん、こういうのいいね。 『ニンゲン、コレ、ヤル』 グリフォンが自分の羽を何枚か毟って俺によこした。 ポーションで傷を治したお礼かな。 グリフォンの羽だなんて高額アイテムっぽいな。 ありがたくいただきます。 『アト、ニンゲン、オマエハ、ツギココトオッテモ、タベナイ』 ......うん、嬉しいような怖いような。 食べないってことは、グリフォンって人食いなんだな。 そんなん聞いて、二度とこんなとこ通るわけないだろ! 「フェル、さっさと行こうか」 『そうだな』 スイを鞄に戻し、フェルに跨った。 こんなところはさっさとおさらばだ。 ったく人騒がせなグリフォンだぜ。

50 Episode 47: Fell Vs Griffon "We'll be in Griffon territory soon." I'm thrilled with Fell's words. Griffon's territory at last. I don't want to go in there. "Stay tight, stay tight." 'I understand. Don't worry.' That being said, I'm worried. Anyway, it's Griffon. * * * * * We were in Griffon territory. So far I haven't seen Griffon. Hopefully we can get through Griffon's territory without seeing him like this. Day three into the territory of Griffon. Griffon finally showed up. A griffon landed in front of us, spreading its big wings. I was too surprised to speak up. I honestly think I'm going to be chipped by the griffon I saw. Griffon was big anyway. Griffon, with the eagle's upper body and the lion's lower body, is one turn larger than Fell's. That big griffon suddenly lay down and bowed his head. "Fenrirsama, Onegai, Alimus" "Shh, you talked?! I was surprised because I thought the human-speaking demon was about Fell. Sui can talk, but I guess that's because she has an obedience pact with me, and she can talk to Fel because Fel is my obedience just like Sui. Griffon can talk too... 'You don't speak human language because you're a griffon. I guess this griffon is very intelligent.' "Oh, yeah." "The only people who can speak Mandarin are me and the ancient dragon." I see. "Fenrirsama, Iutori, Human Nokotoba, Hanacel, Oredake" So this Griffon is the only Griffon who speaks humanities. "Mulenoosa, Narutame, Cilen, Oleto, Tatakatte, Kudasai" Hmm? You mean you want to fight Fell as a test to be the head of a herd of Griffons? "Tsuyoi, Fenrirsama, Tatakau, Minna, Me, Mitmel" You're saying that fighting a strong Fenrir will allow everyone in the herd to recognize you as head? Heh, that's pretty gutsy, huh, Griffon? "Fine. I'll be your opponent. But I can't help it." Me and Sui are evacuated. When I got off Fell's back, I said, "Don't kill me," in my ear, but I just picked up and didn't hear back. I'm saying I can't give you a break, and is that Griffon okay? Let's use an array when we say we have a problem. Swiss specialty advanced potion. But you only have one pet bottle for me. I'm worried this is enough for a griffon that size. "Sui, can you make an advanced potion? As a precaution, I decided to have a special Swiss advanced potion made for an extra bottle of pet. Fell and Griffon confront each other. "Okay, let's go." Fell's voice signaled, and Griffon spread his big wings and flew over it. And countless black arrow-like things were fired from the griffon above. Fell moves to dance it. If you look closely at the arrow fired from the griffon, it was a feather. Is it pretty hard, or the big volleyball stone that was rolling is also shattered. "Whoa, that's awesome..." Now shoot the magic toward Griffon, where Fell is over. Is that wind magic? There's a small tornado going around the griffon over there. Griffon is caught in a tornado and in a conical state...... Besides, the tornado seems to have a blade planted (I think the magic itself feels in the upper version of the windcutter) and the tornado stains bright red with griffon blood. Wouldn't that griffon suck? "Oh, hey, Fell, it's too much" "Humph." The tornado converged and Griffon fell to the ground in Dosa. I immediately approached Griffon and sprinkled a Swiss specialty advanced potion. "I thought you said you couldn't do anything wrong." That's true, but there will be limits. That tornado, don't shoot that eggy magic. "Nng......" Griffon woke up. "Hey, you okay? "Aaah... Kizga............" "I think the wound is fine because I sprayed the potion, but is there anything painful about it? "Hitno, Kusuri...... Takai" "Oh, then you don't have to worry about it. More than that, are you okay? Griffon's body was bright white. His whole body, including wings, was stained bright red with blood so painfully. "Dijoub, Smanai" Phew, good. Looks like Swiss specialty advanced potion worked perfectly. It's worth running out of two bottles of pet. "Nanimo, Dekizni, Maketa......" That's what made Griffon so gagged. Looks like Griffon wasn't thinking of fighting Fell either, but I guess he wasn't thinking of losing without his hands or legs. Whatever you say, it's a boss character griffon. It's supposed to be a demon that's said to be strong in this world too. Fell beating that by one magic and no skin... it's really out of standard. Hmm? That? I was watching Fell and noticed. "It doesn't mean I couldn't do anything. Look, look at that one." I pointed closer to Fell's forefoot shoulder. There was red blood seeping through Fell's silver hair. "It would be a wound I received with Griffon's first hand. The legendary Warcraft Fenrill hurt me a little bit. Isn't that right, Fell? "Plumpy, regrettable, but yes" Griffon raised Gabba's head when he heard Fell. "O, Orega, Fenrirsama II........................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................... Griffon suddenly rang out into the sky. Looking up into the sky, there are dozens of griffons flying this way. "Ugh, wow, what?! Even a few dozen griffons are quite intimidating. Or I'm so scared. A group of griffons landed behind a griffon who fought Fell. And I drooled my head. "Me, Osa, Mitomeraletta" Whoa, right, right. Good for you. "Fersama, Aligato, Gozaimashita" Yeah, yeah, like this. "Ningen, here, yall" Griffon gave me some wings. I guess thanks for healing the wound with potion. Griffon feathers. What an expensive item. Thank you. "Ato, Ningen, Omaeja, Tugikokotto Ottemo, Tabenai" ... Yeah, like happy scared. Not eating means you're a cannibal Griffon. Listen to me like that, you can't go through like this again! "Fell, let's go." "Right." I put Sui back in his bag and crossed Fell. Let's just say goodbye to this place. You're such a lousy griffon.

第百六十七話 ウゴールさんへのお礼の品 みんなの食事が終わっても、俺にはまだやることがある。 米を炊いて、作り置きしておきたい肉そぼろを作っておかないと。 米を炊いてる隣のコンロを使って肉そぼろを作る。 鍋に油を入れて熱したら、オークのひき肉を入れて火がとおってポロポロになるまで炒めていく。 そこに醤油、みりん、酒、砂糖、おろし生姜(チューブ入りのでOK)を入れて汁気がなくなるまで炒めれば出来上がりだ。 あとは冷まして適当な容器に入れて保存しておく。 これは超簡単なうえに、ちょっとしたおかずに便利だから作り置きしておくと便利だぞ。 挽き肉なら合い挽きでも牛でも鶏でもいけるし。 俺も給料日前なんかには散々お世話になったものだ。 ふ~、今日はこんなもんでいいか。 ............あっ、ウゴールさん。 今日はウゴールさんにものすごく世話になったんだった。 ウゴールさんがいなかったら、宝石類も低い値段で買取が成立してたはずだもんな。 俺自身フェルたちのおかげで金に困ってないし、宝石の知識はあまりないから、ウゴールさんが何も言われなければ提示された買取金額でそんなもんかってきっとすんなりOKしてた。 おそらくエルランドさんが一緒だったとしても(あの人はドラゴン以外のことはダメっぽいし)同じだったと思うんだよね。 商人ギルドに対してなんとも思わないのかって言われれば、そりゃ少しは思うところもあるさ。 けどさ、商人ギルドの方にしてみれば出来るだけ安くいい品を集めたいって思うのは当然だろうし、その目的から言ったら、最初の低い値段の提示もあながち間違いとは言えないよな。 商人ギルドもべらぼうに安く買い叩こうとしてたわけでもないように思うし。 ただ、知識があればいろいろと違ってくるってのは痛感したね。 ウゴールさんみたいに知っていれば反論できるしさ。 ただそういう知識は今すぐ身に付くもんでもないし、正当な値段で買取してもらうなら、これからの買取は冒険者ギルドだけにすべきだろうなとは思ってる。 まぁ、それはさておき、今日はウゴールさんにお世話になったんだから何かお礼をって考えてる。 やっぱりちょっとしたお礼って言ったら、パッと思いつくのって菓子類なんだよなぁ。 ウゴールさん妻子持ちだってチラッと聞いたし、それだと家族みんなでつまめる菓子類は尚更喜ばれそうだと思う。 だからって、不三家のケーキとか贈答用菓子を渡すわけにはいかないし......。 そうなると手作りってことになるけど、料理はけっこうしてる俺でもさすがに菓子はあんまり作ったことないんだよなぁ。 いろいろ考えていると、ミートローフに使ったパウンドケーキの型が目に入った。 「あっ、そういやパウンドケーキならかろうじて作ったことあるな」 フフフ、俺の飲食店でのバイト歴を舐めてもらっちゃ困るぜ。 学生時代に喫茶店のバイトやってたんだけどな、その店はすごく美味いコーヒーを出すことで割と有名だったんだ。 そこで人気のケーキセットがパウンドケーキかシフォンケーキかレアチーズケーキのどれかと美味いコーヒーだったんだよ。 このケーキセットは女性客だけじゃなくおっさん連中にも人気のセットだったんだぜ。 俺もけっこう好きだったな。 コーヒーと手作りの素朴なケーキがまた合うんだよ。 ま、そこでのバイトでひと通りケーキは作ったから、パウンドケーキかシフォンケーキかレアチーズケーキは一応作れる。 大分前のことだけど作り方は覚えてるぞ。 ちょうどパウンドケーキの型もあるし、いっちょパウンドケーキを作ってみるか。 気になるのは材料がすべて 出来上がったときに鑑定してみてヤバいようだったら渡すの止めればいいし、とりあえず作ってみることにする。 用意するのは無塩バターと砂糖、薄力粉に卵、それからベーキングパウダーとバニラエッセンスだ。 卵はあるから、それ以外の材料をネットスーパーで購入していく。 一緒に泡だて器とゴムベラも購入したぜ。 店ではハンドミキサー使ってたけど、ここでは使えないからな。 パウンドケーキの材料の基本は、小麦粉とバターと卵と砂糖。 それを同じ重さで混ぜ合わせて作るのが基本だ。 そこは簡単だったから覚えてるんだよね。 店では口当たりがふんわりするからっていうんで、基本の材料にベーキングパウダーも加えてたな。 あとは香りづけにバニラエッセンスも少し入れてた。 店のパウンドケーキを忠実に再現しようと思う。 まずは下準備。 無塩バターと卵は常温に戻しておいて、薄力粉とベーキングパウダーは合わせてふるっておき、パウンドケーキの型にはクッキングシートを敷いておく。 下準備が終わったら、ボウルに常温に戻した無塩バターを入れて白っぽいクリーム状になるまで泡だて器でひたすら混ぜていく。 次は白っぽくなったバターに砂糖を混ぜてふわっとした状態になるまでよく混ぜる。 そこに常温に戻した溶き卵を少しずつ加えては混ぜてを繰り返して卵を混ぜ合わせていったら、ここでバニラエッセンスを少々加える。 一度に卵を加えると分離してえらいことになるから注意だぞ。 そこにふるった粉を入れて、ゴムベラでさっくりと手早く混ぜ合わせていく。 粉っぽさがなくなれば大丈夫だ。 出来上がった生地をパウンドケーキの型に流し入れて、中央にくぼみを入れてから型をトントンと落として中の空気を抜いておく。 それを170度くらいに余熱しておいたオーブンで40分から45分焼いていく。 10分くらい焼いた時点で、包丁で中央に切れ込みを入れる。 そうすると焼き上がったときに中央に割れめができるから見た目が綺麗になるぞ。 魔道コンロだから様子を見ながら焼いていって、焼けたころにちょっと竹串を刺してみて確認した。 「うん、大丈夫そうだな」 焼けたら型から出して粗熱をとり、ラップをして保存しておく。 ウゴールさんに渡すときにラップを外して皿に載せて、そうだなフタつきのバスケットでも買ってそれに入れて渡せばいいか。 一応世話になったってことでエルランドさんの分も作ってみた。 ウゴールさんみたいに嫁や子供がいれば甘い物は喜ばれそうだけど、エルランドさんは嫁に逃げられて独り身だから、エルランドさん自身が甘い物好きかどうかわからんけど、とりあえずね。 あ、そうだ鑑定鑑定。 【 パウンドケーキ 】 異世界の食材で作られたパウンドケーキ。魔力を5分間およそ1%向上させる。 5分間およそ1%か。 これくらいならたいして変わらないから大丈夫だろう。 さて、明日は買取代金を受け取りに冒険者ギルドへ行かなきゃいけないから、その時に渡すことにしよう。 その途中にあった雑貨屋にフタつきのバスケットが売ってたからそれ買えばいいし。

176 Episode 167: A Thank You To Mr. Ugor Even after everyone's meal, I still have something to do. I need to cook the rice and make the meat broth I want to make and set aside. I'm cooking rice. I use the stove next door to make meat broth. When it is heated with oil in the pan, add the oak hiccups and saute until the fire has subsided and it is polluted. If you add soy sauce, mirin, liquor, sugar, and grated ginger (OK because it comes in a tube) and fry until you're out of juice, you can do it. The rest shall be stored in a cold, suitable container. It's super easy and convenient to make and set aside. Ground beef can be ground, beef or chicken. I took care of something before payday, too. Huh, can I do this today? ......... Ah, Mr. Ugor. Mr. Ugol took great care of me today. If it weren't for Mr. Ugor, the jewellery would have been purchased at a lower price. I'm not having any trouble with the gold because of the Fells myself, and I don't have much knowledge of the gems, so I'm sure Mr. Ugor would have been very ok with that at the purchase price offered if he hadn't said anything. You probably think even if Mr. Elland was with you (that guy doesn't seem like he can do anything other than dragons) it was the same. If you ask me what I don't think about the Merchant Alliance, that's a little bit of a thought. However, if you are a Merchant Alliance, you will naturally want to collect the best products as cheaply as possible, and for that purpose, the first low price offer cannot be said to be a mistake. I don't think he was trying to buy a merchant guild for cheap. However, it was painful to say that knowledge would make a lot of difference. I can argue with you if I know you like Mr. Ugol. I just don't get that kind of knowledge right now, and if you're going to buy it for a legitimate price, I'm thinking that the only future purchase should be the Adventurer Guild. Well, aside from that, I'm thinking of something to thank you for taking care of Mr. Ugol today. I knew when I said a little thank you, it was a treat to come up with a pap. Mr. Ugor, I heard you were chilling to have a wife and kids, and I think the sweets that the whole family would be more than happy to pinch. So I can't give you Kisan's cake or any gift treats... Then it means handmade, but the food's cool. Even I've just never made a lot of confectionery. After much thought, the mould of pound cake I used for meatloaf caught my eye. "Oh, no, you've barely made a pound cake before." Humph, you're gonna have to lick my part-time history at the restaurant. I worked part-time at a coffee shop when I was a student, and the shop was famous for serving great coffee. So the most popular cake set was either pound cake or chiffon cake or rare cheesecake and it was delicious coffee. This cake set was not only popular with female customers, but also with the old folks. I liked you so much, too. Coffee and handmade rustic cakes go together again. I made the whole cake on the part-time job there, so I can make pound cake or chiffon cake or rare cheesecake once and for all. It was a long time ago, but I remember how to make it. There's just a pound cake mould, and why don't you just make a pound cake? The only thing that bothers me is that all the ingredients will belong to online supermarkets (different worlds), so my status will increase due to that, but I don't think it would mean that dramatic because of the way I've been using the ingredients from online supermarkets. You can try to appraise it when you can and if you want to suck it, you can stop giving it to me, and I'll just try to make it. It's unsalted butter and sugar, thin powdered eggs, then baking powder and vanilla essence. Because I have eggs, I will buy other ingredients online supermarket. I bought a foam and rubber bella together. I used a hand mixer at the store, but I can't use it here. The basic ingredients for pound cakes are flour, butter, eggs and sugar. It's basically made by mixing it together in the same weight. You remember that because it was easy there, right? The store also added baking powder to the basic ingredients because the palate flutters. And then there was a little vanilla essence in the fragrance. I'm going to faithfully recreate the pound cake in the store. Start with the bottom prep. Keep unsalted butter and eggs back to room temperature, sift together the thin powder and baking powder, and lay a cooking sheet on the pound cake mould. When the bottom preparation is complete, add unsalted butter returned to room temperature in a bowl and mix even in a foam bowl until it is white creamy. Next mix sugar in whitened butter until fluffy. Add the melted eggs back to room temperature one by one, mix them and mix the eggs together again, then add a little vanilla essence here. Pay attention because adding eggs at once will make it difficult to separate them. Add the sifted powder there and quickly mix together the sawdust with the rubber bella. As long as it loses its powderiness, it'll be fine. Pour the fabric you can into the pound cake mould, put an indentation in the center, and then drop the mould into a ton to drain the air inside. Bake that in the oven with extra heat at about 170 degrees for 40 to 45 minutes. At the time of baking for about ten minutes, cut into the center with a knife. Then you'll look prettier because you can crack it in the center when it's cooked up. It's a demonic stove, so I baked it to see how it was going, and I stabbed a little bamboo skewer where it was baked to confirm it. "Yeah, you look fine" When cooked, remove from the mold, take a coarse heat, wrap and store. When I give it to Mr. Ugol, I take the wrap off and put it on a plate, and yes, I do. Can I buy a basket with a lid and put it in it and give it to him? I also tried to make Mr. Erland's share because he said he had been taken care of for once. Sweet things are going to please me if I have a wife or child like Mr. Ugol, but Mr. Elland is single because his wife ran away and I don't know if Mr. Elland likes sweet things himself, but for now. Oh, yeah. Appraisal appraisal. [Pound cake] Pound cake made of ingredients from different worlds. Improve magic by roughly 1% for 5 minutes. Approximately 1% for five minutes? As much as this, it won't change much, so it will be fine. Well, I have to go to the Adventurers Guild tomorrow to pick up the purchase price, so I'll give it to you then. I sold a basket with a lid to the grocery store along the way, so you can buy it.

第八十七話 ワイバーン襲来 2 受付の前のフロアに人垣ができていた。 ギルドマスターのその声に人垣が割れる。 人垣の中心には血まみれの男が横になっていた。 確か、ワイバーンって毒があるやつは尻尾に毒針があるんだよな? 男は、その尻尾の毒針で腹を刺されたらしく、腹の傷から血がドクドク流れている。 しかも、傷の周辺が紫色に変色していた。 ギルドマスターが俺の渡したスイ特製上級ポーションを、男の腹の傷に振りかけた。 スイ特製上級ポーションを振りかけた男の腹の傷はみるみるうちふさがって紫色に変色してた部分も普通の肌色に戻っていく。 「な、何だこれはっ......傷がふさがると同時に毒までも............」 そう言って、ギルドマスターが何か言いたげに俺の方を見た。 い、いやさ、こっち見ないでほしいんだけど。 俺はギルドマスターと目を合わせないようにして知らぬ存ぜぬを押し通した。 冒険者がたくさんいるこんな場所で説明なんかできんでしょ。 「ま、まぁ、こいつはもう大丈夫そうだ。救護室に運び込んで寝かせておけ」 ギルドマスターがギルドの職員に指示を出して立ち上がり、大声で呼びかけた。 「おいっ、お前らも知ってのとおり、ワイバーンの群れが出たっ。Cランク以上の冒険者には拒否権なしで出てもらうぞ。これはこのギルドからの緊急クエストだ!」 ギルドマスターの言葉にフロアにいた冒険者たちがザワついた。 「静かにしろっ! ワイバーンと聞いて尻込みするのも分かる。だがな、お主らが行かねば、ワイバーンがこの街を襲うのも時間の問題だ! 冒険者というのは、こういう時のためにいるもんだ。お主たちは冒険者だろう。冒険者として、一致団結してこの街を救うのだッ!」 「「「「「「応ッ」」」」」」 うわぁ、盛り上がってんなぁ。 って、あれ? Cランク以上は拒否権なしって言ってなかったか? ......俺、Cランクじゃねーかッ!!! 『人間どもよ、待て』 今まで静かにしていたフェルがそう言った。 騒々しい冒険者ギルド内にフェルの声が不思議と響き渡る。 一瞬でシーンとなる。 「フェンリルだ......」「あれ、グレートウルフじゃなかったのかよ?」等とささやく声がかすかに聞こえた。 『我がそのワイバーンの群れを始末してきてやろう』 は?何勝手に言ってんの? 「ちょ、フェル何言ってんだよ?」 『ぬ、いいではないか。ちょうどいい運動になる。それにワイバーンの肉は美味いと言っただろう』 「いやいや、そうじゃなくてな」 『おい、そこの人間、ワイバーンを始末したらそれは全部我らのものとなるのだろうな?』 フェルがギルドマスターを見て、そう問いただす。 「も、もちろんだ。討伐したワイバーンは討伐者のものとなる。それに、討伐してくれれば報酬も出すぞ」 『よし、それならば早速行くぞ。久方ぶりに思いっきり暴れるか』 ってか思いっきり暴れるってダメに決まってんだろ。 「思いっきり暴れるって、止めてくれよな。ワイバーンじゃなくお前のせいで街がどうにかなりそうだよ。本当に止めてくれよ。ほどほどにだからなっ」 『ぬ......』 『あるじー戦うのー? スイも戦うよー!』 スイまで鞄から体を出して、そう念話で伝えてくる。 俺たちを黙ってみていた冒険者たちの間から「ん、あれ、スライムか?」「スライムを従魔にしてるなんてな」等とささやく声が聞こえる。 『馬鹿者どもが。スイはスライムだがお主たちが束になってかかっても敵わんわ』 フェルがそう言うと、再び場がシーンとする。 スイを庇うのはいいとしてさ、これ、もう完全にフェルがフェンリルだってバレバレじゃねぇか。 はぁ~、今まで核心にふれずに何とか誤魔化してたってのに。 まぁ、国からお墨付きをいただいているこの国でだから良かったと言うべきなのか......? 「フェル様、あなた様の力でこの街をお救いください」 そう言って、ギルドマスターが頭を下げた。 『うむ。あい分かった』 フェルはそう言って頷いた。 「ムコーダさんもよろしくお願いします」 え?ギルドマスター、そこで俺に振るの? 「分かってる奴は分かってたと思うが、改めて言う。フェル様やムコーダさんに変なちょっかい出すなよ。それは、この国の意向でもあるんだからな。変なちょっかい出した奴はこの国にいられなくなるからな。その場合、冒険者ギルドは助けんぞ」 え、えー、ギルドマスターもここでそれ言う? 『おい、乗れ』 「え?」 『ワイバーンを始末しに行くのだ』 「いやいやいや、お前1人で行って来いよ。俺はここで待ってるからさ」 『馬鹿者。運動した後は腹が減るではないか。お主がいねば食えんだろう』 な、何それ、飯のためにワイバーンがいる危険地帯に俺に一緒に行けっていうのか? 「ムコーダさん、この街の危機なんです。よろしくお願いしますよ」 ギ、ギルドマスター、俺を犠牲にするつもりですか? 『早くしろっ』 フェルが焦れて俺に体当たりしてくる。 俺が倒れたのがちょうどフェルの背中だった。 『しっかり掴まらんと、振り落とされるからな』 「くそっ、何でこうなるんだよ」 仕方なくフェルにしがみつく。 「助かった......」 「ああ。ワイバーンの群れだぞ。ここにいるCランク以上が行ったとしても、半分は死んでいただろうな」 ............そ、そんなに危険なわけね、ワイバーンて。 その声の後、フェルが西の草原に向かって走り出す。 何でこうなるんだよーーーーーッ!!!

93 Episode 87: Wyburn Attack 2 There was a hedge on the floor in front of the reception. A hedge cracks at that voice of the Alliance Master. There was a bloody man lying in the center of the mansion. Sure, the one with the poison named Wyburn has a poison needle in his tail, right? The man, apparently, was stabbed in the stomach with a poison needle on that tail, and blood is pounding from his abdominal wound. Moreover, the area around the wound was discoloured to purple. The Alliance Master gave me a special Swiss advanced potion that I sprinkled on a man's belly wound. The wounds on the belly of the man who sprayed the Swiss special advanced potion were blocked and discolored to purple while returning to normal skin tone. "Hey, what is this... even poison at the same time as the wound is blocked..." That's what I said, and the Alliance Master looked at me whenever he said something. Yes, no, I don't want you to look at me. I kept my eyes out of sight with the Alliance Master and pushed through the unknown. You can't explain it in a place like this with lots of adventurers. "As it were, well, this guy seems to be okay now. Bring him into the emergency room and let him sleep." The Alliance Master stood up giving instructions to the Alliance's officials and called them out loud. "Whoa, as you all know, there's a flock of Wyburns out there. Adventurers above C-rank will be asked to leave without a veto. This is an urgent quest from this guild! The adventurers who were on the floor in the words of the Alliance Master were zaved. "Be quiet! I also know how to butt in when I hear Wyburn. But if you don't go, it's only a matter of time before Wyburn strikes this city! Adventurers are for times like this. The lords will be adventurers. As adventurers, unite to save this city! "" "" "" Respond "" "" Wow, that's exciting. What, that? Didn't you say you had no right to veto more than C-rank? ... Me, isn't it C-rank!!! "Humans, wait" That's what Fell, who has been quiet until now, said. Fell's voice echoes strangely within the noisy Adventurer Guild. It becomes a scene in an instant. "It's Fenrir..." "That wasn't Great Wolf, was it? I heard a faint voice whispering," etc. "I will destroy my flock of Wyburns." What? What are you talking about? "Hey, Fell, what are you talking about? 'No, don't you mind? It will be just the right exercise. And I told you Wyburn's meat was delicious.' "No, no, I'm not." "Hey, man, if we finish Wyburn there, I guess it'll all be ours, huh? Fell sees the Alliance Master and asks him that. "Also, of course. The crusaded Wyburn will belong to the crusaders. And if you crusade me, I'll pay you back." 'All right, then we'll go fast. It's been a long time since I've been out of my mind. " You can't decide to be as violent as you want. "You can stop being so violent. The city is going to work out because of you, not Wyburn. I really need you to stop. So much so." "No..." Do you want to fight? Sui will fight! I get my body out of my bag until I get to Sui, and that's what I'm going to tell you. From among the adventurers who've been trying to shut us up: "Um, is that slime?" "I can't believe you're turning Slime into an obedient demon," I hear you whispering. "The fools. Sui is a slime, but even if your lords bundle up, they won't fight." When Fell says so, the scene becomes scene again. It's a good idea to shelter Sui, but I think Fel found out that Fenrir is already completely out. Ha, I've managed to mislead you without being at the core before. Well, should I say it was good because it's in this country that you're getting ink from...? "Save this city with your power, Master Fell" That said, the Alliance Master bowed his head. "Uhm. Aye, okay." That's what Fell said and nodded. "Nice to meet you too, Mr. Mkoda" Huh? Guildmaster, are you swinging at me there? "I think the guy I know knew, but I say it again. Don't give Mr. Fell or Mr. Mkoda a weird little bite. That's what this country wants, too. Weird little guy won't be able to stay in this country. In that case, the Adventurer Alliance won't help you." Uh, uh, does the Alliance Master say that here, too? "Hey, get in." "Huh?" "Go and finish Wyburn." "No, no, no, you go alone. I'll wait here." "Fool. Aren't you hungry after exercising? If you had the Lord, you'd eat." What, you can come with me to the danger zone where Wyburn is for dinner? "Mr. Mukoda, it's a crisis in this city. Nice to meet you." Gi, Guildmaster, are you going to sacrifice me? "Hurry up." Fell's in a hurry and he's hitting me. It was just Fell's back that I fell. "Hold on tight or they'll shake you off." "Damn, why is this happening?" I have no choice but to stick to Fell. "Thanks..." "Oh. It's a bunch of Wyburns. Half of them would have been dead, even if they'd gone more than C-rank here." ............... Well, that's so dangerous, Wyburn. After that voice, Fell runs out toward the western meadow. Why is this happening - whoa!!!

第三百三十四話 ちょっとした意趣返し フェルたちが回収したオークは、オークジェネラル×4にオークリーダー×12、オーク×136だった。 それを双子と俺で倒したんだから、けっこうというかかなりがんばったよな。 でも、オークに切り傷が多くて、フェルには『肉が台無しではないか』とかボヤかれたけど。 そんなん知るかってんだ。 あの状況で、いちいち肉のこと気にしてられるわけないだろうが。 双子も俺も無我夢中で得物を振り回すので精一杯だっての。 オークの回収も終わって帰ろうとしたところ、双子と俺の惨状が。 3人ともオークの返り血で血塗れだった。 このまま街に入るのはちょっとな......。 というか、ここまで血塗れだと絶対に門で止められるわ。 いっそのことここで風呂にでも入っていこうかと思ったけど、アイテムボックスに替えの服がある俺はいいとしても、双子は持ち合わせていない。 俺の服を貸そうにも、2人とも筋肉ムキムキだからサイズが合わなくて着られそうにないし......。 あっ、そうだ! 「スイ、分裂体を出して、俺たちの浴びたこの血をキレイにしてもらうってことできるかな?」 『できるよ~。ちょっと待ってね』 スイがブルブル震えだした。 そして、スイから分裂体が生まれる。 1人に3匹の分裂体が飛びついた。 双子はスライムが飛びついてきて驚いていたけど「スイの能力だから大丈夫」と言って落ち着かせた。 分裂体が返り血を吸ってキレイにしていくのを目の当たりにして納得したようだ。 「このままの姿だと街に入れないかもしれないからな」 「ムコーダさんの言うとおり、ここまで血塗れだとなぁ......」 「ああ。少なくとも何があったって詳しく聞かれることになるよな」 スイの分裂体のおかげで血塗れの体もある程度キレイになったところで......。 「帰ろうか」 すでに大分時間も過ぎて、フェルたちの狩りをしている時間なんてなかった。 狩りについては後日また来るということで、フェルとドラちゃんとスイには納得してもらった。 行きと同じく俺はフェルに、双子はスイに分乗して帰路についた。 あの双子が帰りでは一言もしゃべらなかった。 よほど疲れているんだろうなぁ。 双子のことも考えて、一旦家へと戻り双子を置いてから冒険者ギルドに向かった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 冒険者ギルドに入ると、職員の人がすぐにギルドマスターを呼びに行ってくれた。 「おお、帰ってきたな」 「はい、何とか」 「何かえらい疲れてるみたいだな」 「そこは、聞かないでください......」 普通ならトラウマもんのひどい目に遭ったんで。 「何かよくわからんが、オークの集落の殲滅は上手くいったんだろうな?」 「それは大丈夫ですよ。けっこうな数のオークがいるんですけど買取お願いしてもいいですか?」 ギルドマスターと俺は場所を倉庫へと移した。 「おう、ヨハン。買取だ」 「おお、兄さんか。今回は何だ?」 「オークだ。オークの集落殲滅の依頼を出したからな」 「あ~、東の森にできたってやつですね。じゃ、兄さん、出してくれるか」 アイテムボックスからオークを次々と取り出した。 「ん? いつもと違って傷が多いな」 ヨハンのおっさん、そこは突っ込んじゃダメなところだよ。 オークはネイホフの街で確保した分がまだまだ残っているから、オークジェネラルとオークリーダーの肉だけ戻してもらって、それ以外はすべて買取にしてもらった。 ギルドマスターは需要のあるオーク肉を大量に買取できたもんだからホクホク顔だ。 「じゃ、明後日には用意しておくからな」 「はい。それじゃ明後日また来ます」 俺が疲れていることもあって、俺たちは足早に冒険者ギルドを後にした。 そして家に着くと―――。 『おい、腹が減ったぞ』 『俺もだ』 『スイもお腹減ったー』 オークの殲滅に時間がかかったのもあって、今日は結局昼抜きだったもんなぁ。 かくいう俺も腹ペコペコだよ。 しかし、疲れて飯作るの面倒だ。 こういうときは......。 作り置きの飯を準備しておいて良かった~。 何にしようかな~、よし、これに決めた。 焼き鳥丼にしよう。 炊いた飯を丼によそって、千切りキャベツを載せて、その上にたっぷりと甘辛い焼き鳥のタレの絡まったロックバードの焼き鳥を載せて出来上がりだ。 「はい、出来たよ」 フェルとドラちゃんとスイに出してやる。 『おっしゃ、美味そ~』 『わーい』 ドラちゃんとスイはすぐに飛び付いた。 フェルはというと......。 『おい』 「何?」 『なぜ我の分だけ野菜が多いんだ?』 「......いや、普通だけど」 『いや、多いだろう』 「何? 嫌なら食わなくていいんだけど」 『ぐぬぬぬぬ』 フハハハ。 フェルの分だけ千切りキャベツをドラちゃんとスイの2倍にしたった。 訓練と称して、俺までオークの集落に突っ込ませたんだから、これくらいの意趣返しはしてもいいだろう。 さて、俺も焼き鳥丼食おうっと。 うんうん、この甘辛い焼き鳥のタレが絡まった肉がたまらんな。 千切りキャベツがあることでサッパリといける。 そのうちフェルも諦めたのか、渋々という感じで焼き鳥丼を食い始めた。 フェルさんや、それで終わりじゃないよ。 千切りキャベツはたっぷりあるんだ。 おかわり分もキャベツ2倍でいくからね。 普段野菜食ってないし、ちょうどいい機会だからいっぱい食うといいよ。 ククク。

351 Episode 334: A Little Interest Return The oaks recovered by the Fells were 12 oak readers and 136 oaks on 4 oak generals. You knocked that down with the twins and me, so you worked pretty hard on it. But there were a lot of cuts to the oak, and Fell got bogged down with 'Isn't the meat ruined' or something. I don't know. In that situation, there's no way I can care less about meat. The twins and I are so self-absorbed that we can swing our scores. I was about to go home after I recovered the oak, and the twins and I were in a miserable situation. All three were bloodstained with Oak's return blood. Getting into the city like this is a bit...... Or you can definitely stop it at the gate if it's bloody so far. I thought I'd take a bath here, but there's a change of clothes in the item box. I don't mind, but I don't have twins with me. Trying to lend me my clothes, we're both muscle muckies, so I can't seem to wear them because they're not the right size... Oh, yeah! "Sui, can you get the splinter out and get this blood we bathed clean? "I can do it. Wait a minute." Sui shook up a blurb. And a splinter arises from Sui. Three splinters jumped per person. The twins were surprised the slime jumped on them, but calmed them down by saying, "It's all right because it's Swi's ability". Seems convinced to see the splinter breathe blood back and make it beautiful. "You might not be able to get into the city if you keep looking like this." "Mkoda is right, I think it's bloody so far..." "Oh. At least they'll hear more about what happened." Thanks to Sui's splinter, his blood-coated body has also gotten somewhat pretty...... "Shall we go home" Much of the time had already passed, and there was no time to hunt for the Fells. As for the hunt, I will come back later, which convinced Fel, Dora and Sui. As well as going, I told Fell that the twins were on their way home from Sui. Those twins didn't say a word on their way home. I wonder how tired you are. I also thought about the twins, and once I went home and put the twins down, I headed to the Adventurer's Guild. * * * * * Upon entering the Adventurer Guild, an official immediately went to get me an Alliance Master. "Oh, you're home" "Yes, somehow" "You look tired." "There, don't ask..." Normally, I've had a terrible time with trauma. "I'm not sure what it is, but I guess the annihilation of the Oak settlement worked out well, huh? "That's okay. I have a good number of oaks. Can I ask you to buy them? Guildmaster and I moved the place to the warehouse. "Ooh, Johann. Buy it." "Oh, you're my brother. What is it this time? "It's an oak. I sent you a request to destroy the orc settlement." "Ah, you said it was made into an eastern forest. So, brother, will you let me out?" The oak was removed one after the other from the item box. "Hmm? That's a lot of scratches, unlike usual." Johan's old man, you can't go in there. Oak still has what he secured in the city of Nayhoff, so he only had the Oak General and Oak Leader meat put back in and everything else he bought. The Alliance Master was able to buy a large quantity of oak meat in demand, so it's a hockey face. I'll have it ready the day after tomorrow. "Yes, I'll come back the day after tomorrow." Sometimes I'm tired, and we left the Adventurer Alliance early. And when I get home... "Hey, I'm hungry." "Me too." "I'm hungry, too." It took some time to annihilate the oak, and I guess I ended up out of the noon today. I'm hungry, too. But tired and troublesome to cook. At times like this...... It's good to have the rice ready to make and store ~. I don't know what to do ~, okay, I've decided on this. Let's make it a yakitori bowl. You can have the cooked rice in a bowl, chopped cabbage on top of it, and roasted chicken with a tangled rockbird of sweet, spicy roasted chicken sauce. "Yes, I did." I'm putting Fell and Dora out to swim. "You said it was delicious." "Wow." Dora and Sui jumped right up. Fell said...... "Hey." "What?" "Why do you have so many vegetables just for me? "... no, it's normal" "No, it'll be a lot" "What? If you don't like it, you don't have to eat it." "Grungy" Fuhahahaha. I only chopped cabbage for Fell twice as much as Dra and Sui. You called it training, and you even let me go into an oak settlement, so you can give me this much fun back. Well, I'll have a yakitori bowl, too. Yeah, yeah, I can't resist the meat with this sweet spicy grilled chicken sauce involved. Having chopped cabbage makes it sappy. In time, Fell gave up, too, and started eating a bowl of grilled chicken with the feeling of reluctance. Mr. Fell, that's not the end of it. I have plenty of chopped cabbage. The change will cost twice as much as the cabbage. I don't usually eat vegetables, and it's just the right opportunity, so you should eat a lot. Kukukuk.

ガシャンッ、ガッシャン。 「よしっ。追加でもういっちょ」 バリンッ。 3本目も命中した。 「私が行きますっ」 エルランドさんがそう言って素早く近付くと、愛剣でデカゴキの頭を切り落とした。 セーフエリアから出てボス部屋を目指す俺たちは、どこからともなく湧き出してくるデカゴキどもを相手にしながら進んでいた。 俺が懸念していたとおり、フェルたちの攻撃をかいくぐってデカゴキが俺とエルランドさんの下へもやって来た。 俺は用意していたウォッカをアイテムボックスから取り出して投げつけた。 最初の頃は焦りもあって何度か外してしまった。 それでも何度も投げるうちに慣れてきて当てられるようになってきた。 だけど、ウォッカ1本ぶち当てたくらいじゃデカゴキは動きを止めなかった。 3本から4本ぶち当ててようやく動きが鈍ってくるんだ。 日本のゴキと同じく異世界のゴキもしぶといところは一緒だった。 ウォッカをぶち当てて動きが鈍ったデカゴキにファイヤーボールを放ったんだけど、ものすごい勢いで燃えてヤバかった。 デカゴキがよく燃えてざまぁみろと思ったけど、あまりに火の勢いがすごいもんだからこっちの身も危険ということで、ウォッカの後の火魔法は封印したよ。 それで俺とエルランドさんは話し合って、共闘してデカゴキを潰す作戦にでたんだ。 ネットスーパーで仕入れたウォッカと冷凍殺虫スプレーを使って俺がデカゴキの動きを鈍らせて、そこをエルランドさんが一刀両断する。 最前線はフェルとドラちゃんとスイに任せているから、その攻撃をかいくぐってこちらに来るデカゴキは少ないとは言え、この化け物相手に俺たちの作戦はなかなか上手くいっていると思う。 俺とエルランドさんの共闘で既に10匹近いデカゴキを葬っていた。 「ムコーダさんっ、次が来ましたよ!」 「はいっ」 ウォッカを大分消費したことから、俺はデカゴキに向かって冷凍殺虫スプレーのトリガーを引いた。 黒い体に白い霜がついていく。 異世界産の効果が出ているのか、使っているこちらにまで冷気が届いてくる。 急激に体の温度が下がったせいか、デカゴキの動きが少しずつ鈍っていく。 すかさず追加で冷凍殺虫スプレーのトリガーを引いた。 よし、だいぶデカゴキの動きが鈍ってきた。 「エルランドさんっ」 「はい、行きます!」 エルランドさんが愛剣を振るった。 黒光りしたデカい体が真っ二つに割れた。 デカゴキが消えた後には胸部の外殻が残っていた。 俺はそれを軍手をはめた手で拾い上げアイテムボックスに放り込んだ。 最初は触るのが嫌でたまらなかったけど、ここまでくると慣れだね。 フェルたちがデカゴキを倒した後に残った大量のドロップ品も拾い上げポイポイッと次々にアイテムボックスに入れていった。 ここで躊躇していても進まないのが分かっているからな。 とにかくこの階を早く突破するのが先決だ。 俺たちはデカゴキ共を駆逐しながら進んでいった。 そして......。 『あそこが最後の部屋だ』 「ようやくか」 フェルたちがいたおかげでセーフエリアを出てからそれほど時間は経っていないが、俺にとってはようやくという感じだ。 ここが終わればやっとデカゴキを見なくて済むんだからな。 『さっさと片付けて下の階に向かうぞ』 『スイもがんばるよー』 フェルもドラちゃんもスイも相変わらずヤル気満々だ。 俺としてはありがたいことだけど。 最後のボス部屋は、いままでより更に多いデカゴキがいるんだろうな......。 うんざりしながらチラッとボス部屋を覗いてみた。 そして、絶句した。 デカゴキも大量にいたが、そのデカゴキより更に大きい超デカゴキがいやがった。 「な、なんじゃありゃ......」 俺が呆然とつぶやくと、エルランドさんもボス部屋を覗き込んだ。 「あぁー、あれが出てしまいましたか。あれはギガントコックローチです。見てのとおりジャイアントコックローチよりも大きい上に獰猛なんです。出てきても2、3匹のはずなんですが、これも特殊個体が多い周期の影響なんですかねぇ......」 エルランドさんの言うギガントコックローチこと超デカゴキは2、3匹どころの話ではなかった。 「あれ、10匹近くいますね......」 「ええ。なぜかいますねぇ。あ、あの山になっているのは卵ですかね?」 そうなのだ。 エルランドさんの言うとおり、卵もあった。 しかも、大量にだ。 焦げ茶色の50センチくらいのカプセル型の卵(確か あの中に30個前後の卵が入っているっていう話だ。 うう、気持ち悪い。 というか、何であんなに卵があるんだよ。 この階のデカゴキは卵でも増えるって聞いてたけど、卵あり過ぎだろ。 あれが全部孵化すると思ったら鳥肌が......。 「あれだけ卵があると、ドロップ品も期待できますね」 「え? 卵にもドロップ品あるんですか?」 「本で読んだのですが、ジャイアントコックローチの卵のドロップ品は金らしいですよ」 うぉぉ、何であんなバッチイもんから金がドロップされるんだよ? ダンジョンはホントわからんな。 ドロップ品目当てっていうわけじゃないけど、あの卵は放置しておいたらあかん。 あれが全部孵化したら、この階のデカゴキはどんだけ増えるんだって話だよ。 念入りに消滅させなきゃいけないぞ、あれは。 「フェル、ドラちゃん、スイ。あそこにあるあの焦げ茶色の卵、あれは念入りに潰すんだ」 『卵か。あれがすべて孵ったら、このダンジョンから外に魔物があふれ出すかもしれんな』 「え? そんなことあるのか?」 魔物があふれ出すって、それってマジでヤバいだろ。 「スタンピードですね......。ここ最近は起きていませんが、確かにこの状況だとフェル様の言うとおりスタンピードが起こり得るかもしれませんね」 エルランドさんから話を聞くと、スタンピードというのは、魔物が増えすぎてダンジョンの外に魔物があふれ出してくる現象のことのようだった。 今は冒険者もダンジョンに積極的に潜るようになり間引きもできていることから、100年近くそういうことは起こっていないとのことだった。 街の近くにあるダンジョンがそんなことになったら............恐ろしくて想像するのも嫌だぜ。 「しかし、偶然とはいえ、今の時期にムコーダさんたち一行がこのダンジョンに潜ったのは良かったですね。フェル様やドラちゃん、スイちゃんなら確実にこの卵も潰せますから」 そう言うと、フェルはドラちゃんとスイを引き連れてボス部屋に突入していった。 すがすがしいほどの蹂躙劇だ。 もっとやれ、ゴキはすべて抹殺じゃー。 気持ち悪いほど大量にいたデカゴキも、10匹近くいた獰猛だという超デカゴキもフェルたちにかかれば10分も経たずに全滅した。 そして最後は......。 大量に山積みになったデカゴキの卵は、ドラちゃんの火魔法で焼かれ、スイの酸に溶かされて、念入りに処理された。 卵が消えた後には、直径2センチくらいの丸く平べったい形をした金の塊が大量に落ちていた。 「何だか、ドロップ品を拾い集める方が時間がかかりそうですね」 エルランドさんがボス部屋を見回してそう言った。 「ええ。確実に時間かかりますよ、これ」 ボス部屋はデカゴキ共のドロップ品が大量に散らばっていた。 それでも、持ち帰れるのに持って帰らないという選択肢はなく、俺とエルランドさんはドロップ品をせっせと拾い集めていった。 フェルたちも見かねて手伝ってくれたおかげで思ったよりも早く終わったよ。 「それじゃ、行きますか」 『うむ』 「ええ。次は18階層、アンデッド階層ですよ。ムコーダさん、例のモノ、またお願いしますね」 ゴキ階層を抜けたと思ったら、次はアンデッド階層だよ。 でも、あれがあるから大丈夫だろう。 またみんなにペタンと押してやるぜ。

Gashan, Gashan. "Alright, I'll be back in an extra minute." Barrin. I also hit the third one. "I'll go." When Mr. Elland said so and quickly approached him, he cut off his big cockroach head with his love sword. We headed out of the safe area for the boss room, and we were moving on against the big cockroaches springing out of nowhere. As I was concerned, the Fells attacked me and Mr. Elland. I took the vodka I had prepared out of the item box and threw it. In the beginning I was in a hurry and took it off a few times. Still, I'm getting used to being able to guess over and over again. But Big Cocksucker didn't stop moving as much as he hit one vodka. I hit four from three bottles and the motion is finally getting dull. Cockroaches from other worlds, like Japanese cockroaches, were often with each other. I hit a vodka and released a fireball to a dull moving big cockroach, but it burned and sucked with tremendous momentum. I thought the big cockroach didn't burn well, but the fire momentum was so great that it was dangerous, so I sealed the fire magic after the vodka. So me and Mr. Elland discussed it, and we fought together to crush the big cockroach. I use the vodka and frozen insecticide spray I bought from the online supermarket to blunt my big cockroach movement, and Mr. Erland breaks it off. I think our operation is going pretty well on this monstrous opponent, not to mention the few big cockroaches that come this way in response to that attack, because the front line is left to Fell and Dora and Sui. Me and Mr. Elland had already buried nearly ten decagogues in a joint fight. "Mr. Mkoda, here we are! "Yes." Having consumed a lot of vodka, I pulled the trigger on the frozen insecticide spray toward the big cockroach. White frost follows on the black body. Whether it is effective from different worlds or the cold air comes to this one I am using. Because of the sudden drop in body temperature, the decadent movement slows down slightly. I immediately pulled the trigger on the additional frozen insecticide spray. All right, I'm getting a lot dull on the big cockroach moves. "Mr. Elland." "Yes, I'm going! Mr. Elland waved the sword of love. A big, black body cracked in two. After the decathlon disappeared, the outer shell of the chest remained. I threw it into the pickup item box with my military hand on it. I couldn't wait to touch it at first, but you're used to it when you get here. The massive amount of drops left after the Fells defeated the decathlon also picked them up and put them in the item box one after the other. Because I know that even if you hesitate here, you won't move on. Anyway, breaking through this floor fast is a prerequisite. We drove our way through the big cockroaches. And...... "That's the last room." "Finally." It hasn't been that long since Fells left the safe area, but it feels like it's finally happening to me. You don't have to finally look at the big cockroach when you're done here. "Clean up and head downstairs." "Good luck to Sui." Fell, Dora and Sui are still willing to fuck each other. As far as I'm concerned, I appreciate it. I guess the last boss room has more big cockroaches than ever...... Tired of peeking into the boss room. And I was out of line. There was also a large number of big cockroaches, but a super big cockroach even bigger than that one was obnoxious. "Hey, what the..." When I snapped, Mr. Elland peered into the boss's room, too. "Oh, did that come out? That's a Gigantocock roach. As you can see, it's bigger than Giant Cock Roach. It's fierce on top. Even if it comes out, it should be two or three, but is this also the effect of cycles with a lot of special individuals..." What Mr. Elland said about Gigantocock roaches. The super big cock wasn't about a couple of them. "That, you have nearly ten..." "Yeah. Why there is. Oh, is that the egg that's in that mountain? Yes, it is. Mr Erland was right, there were eggs too. Plus, it's massive. A scorched brown 50 cm or so capsule-shaped egg (definitely called an egg sheath) was piled with mountains. I'm talking about having around thirty eggs in there. Ugh, disgusting. I mean, why are there so many eggs? I heard there are more big cockroaches on this floor, even eggs, but you have too many eggs. I have goosebumps if I think that all hatches...... "With all those eggs, you can expect drops too" "Huh? Do eggs have drops too? "I read in the book that Giant Cock Roach egg drops seem to be gold." Wow, why is money dropped from such a batch? You really don't know the dungeon. I don't mean to hit the drop item, but if I leave that egg alone, I won't. I'm talking about how much more big cockroaches there will be on this floor if it all hatches. You have to make it disappear with care, that one. "Fell, Dora, Sui. That burnt brown egg over there, it's gonna crush in your head." "Eggs. If it all hatches, there might be demons outside from this dungeon." "Huh? Is that happening? That demons flood out, that's seriously bad. "That's stampede...... It hasn't happened here lately, but maybe Stampede could happen, as Fell said, in this situation." When I heard from Mr. Elland, Stampede seemed to mean the phenomenon of too many demons flooding out of the dungeons. That hasn't happened in nearly a hundred years because adventurers are now actively diving into the dungeons and are able to make compromises. If that happens to a dungeon near the city...... I hate to imagine it because it's horrible. "But, although by chance, it's good that the line of Mr. Mucoders dived into this dungeon at this time of year. Because Master Fell, Dora, and Sui can surely crush this egg." With that said, Fell took Dora and Sui into the boss room. It's such a ravaging play. Do more, get rid of all the cockroaches. The big cockroaches that were disgusting and massive, the super big cockroaches that were nearly ten, were wiped out in less than ten minutes if it took the Fells. And at the end...... Massive piles of decago eggs were cooked by Dra's fire magic, dissolved in the acid of a swine and treated with care. After the eggs disappeared, massive chunks of gold had fallen in the shape they wanted to flatten round about two centimeters in diameter. "Somehow, it's going to take longer to pick up the drops." Mr. Elland looked around the boss room and said so. "Yeah. It's definitely going to take some time, this" The boss room was heavily littered with big cockroach drops. Still, there was no option to take it back but not take it home, and me and Mr. Elland picked up the drop at best. Thanks to Fell and the others for watching and helping, it was over sooner than I thought. "Do you want to go now?" "Umm." "Yeah. Next is eighteen tiers, the undead tier. Mr. Mkoda, the example thing, please again." If you think you've made it through the cockroach hierarchy, the next step is the undead hierarchy. But I have that one, so it'll be fine. I'm gonna push Petan on everybody again.

第百二十二話 戦神と鍛冶神の加護 朝飯を食い終わってから、フェルとスイとドラちゃんに昨夜のことを話した。 「というわけで、フェルとドラちゃんには戦神ヴァハグン様の加護が付いて、スイには鍛冶神ヘファイストス様の加護が付いたんだよ」 まぁぶっちゃけ押し付けたようなもんなんだけどさ。 だって、俺が持っててもねぇ。 加護(小)でもめっちゃ役に立ってるから今ので十分なんだよね。 これ以上あっても使いこなせない気がするし。 戦神の加護もらっても、俺、戦いなんてしたくないしさ。 そりゃ命の心配がありゃ戦うけど、そういう荒事は基本フェルにまかせときゃ何とかなるしね。 更にはスイもドラちゃんもいるし。 そういうことだから、俺以外に戦神の加護を授けてもらった方が更なる戦力アップに繋がるしね。 鍛冶神の加護だって、俺、鍛冶なんかしたことないしさ。 そんな器用な方でもないしね。 あの時は咄嗟にスイの名前が出たけど、案外何でもこなすスイに授けてもらったのは正解だったかもと思ってたりする。 ドラちゃんは加護のことを聞いて、めっちゃ喜んでる。 喜び過ぎてアクロバット飛行してるよ。 フェルも戦神の加護と聞いて満更でもないようだ。 『鍛冶神様の加護ー? 水の女神様から加護をもらったときはお水の魔法ができるようになったけど、今度は何ができるようになったのかなぁ?』 スイも新しく何ができるようになったのか興味津々のようだ。 「とりあえず、みんなを鑑定して加護の確認するぞ」 まずはフェルからだ。 【 名 前 】 フェル 【 年 齢 】 1014 【 種 族 】 フェンリル 【 レベル 】 910 【 体 力 】 9877 【 魔 力 】 9523 【 攻撃力 】 9106 【 防御力 】 9807 【 俊敏性 】 9726 【 スキル 】 風魔法 火魔法 水魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法 神聖魔法 結界魔法 爪斬撃 身体強化 物理攻撃耐性 魔法攻撃耐性 魔力消費軽減 鑑定 戦闘強化 【 加 護 】 風の女神ニンリルの加護 戦神ヴァハグンの加護 ヴァハグン様の加護付いてるね。 スキルに戦闘強化って物騒なスキルも新しくあるよ。 ......あれ、微妙に上がってる? 「なぁフェル、レベル上がってないか?」 『気付いたか。レベルとは上になればなるほど上がりにくくなるのだがな。ここ何年かは上がる気配すらなかったのだが、お主と従魔契約を結んでから4つもレベルが上がったぞ。美味い飯が食えるうえにこの効果だ。お主と従魔契約を結んだのは間違いではなかったのう』 レベルが上がってるのを確認してフェルも上機嫌だ。 それにしても、このステータス値はすごいよなぁ。 絶対敵わないじゃねぇか。 フェルが味方で本当に良かったぜ。 次はドラちゃんのステータスか。 【 名 前 】 ドラちゃん 【 年 齢 】 116 【 種 族 】 ピクシードラゴン 【 レベル 】 126 【 体 力 】 895 【 魔 力 】 2879 【 攻撃力 】 2652 【 防御力 】 865 【 俊敏性 】 3269 【 スキル 】 火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 氷魔法 雷魔法 回復魔法 砲撃 戦闘強化 【 加 護 】 戦神ヴァハグンの加護 ドラちゃんにもヴァハグン様の加護付いてるね。 フェルと同じく戦闘強化って言う物騒なスキルもある。 改めて見るとドラちゃんも強いよね。 見た目がちっさいからそんな風に見えないけどさ。 ヴァハグン様の加護が付いて更に強くなりそうだね。 次がスイか。 何かスイはまた強くなってそうな気がするんだよねー。 【 名 前 】 スイ 【 年 齢 】 2か月 【 種 族 】 ビッグスライム 【 レベル 】 16 【 体 力 】 989 【 魔 力 】 980 【 攻撃力 】 964 【 防御力 】 973 【 俊敏性 】 985 【 スキル 】 酸弾 回復薬生成 増殖 水魔法 鍛冶 【 加 護 】 水の女神ルサールカの加護 鍛冶神ヘファイストスの加護 ヘファイストス様の加護が付いてるね。 スキルも新しく鍛冶ってのがある。 鍛冶ってそのまんまだな。 そりゃ鍛冶神だから鍛冶ができるんだろうけど、スイの場合はどうやるんだろ? 「スイ、ヘファイストス様の加護が付いて鍛冶ってスキルが新しくできたんだけど、何ができそう?」 『んーっと、ちょっと待ってね。えーっと、えーっと、鉄とかでいろんなものが作れるようになったみたいだよ』 鉄とかでいろんなものを作れるようになったねぇ、鍛冶なんだからそりゃそうだわな。 「そうか。それで、どうやって作るんだ?」 『えーっとね、鉄とかをね、スイのお腹の中でこちょこちょっていじるとできるんだよ』 お腹の中でこちょこちょねぇ......鉄のインゴットとか鉄鉱石なんかの類をスイが取り込んで作るってことか? 試してみないとどんな風かってのがいまいちわからんな。 でも、鉄のインゴットなんてもんはないしなぁ。 鉄鉱石もないし............あっ、あれがあったんだ。 ミスリルリザードを討伐しに行ったときに拾ってきたミスリル鉱石。 アイテムボックスからミスリル鉱石を取り出した。 「スイ、これで何か作れるかな?」 『うん、作れると思うよー』 「そうか、じゃあ、えーと、これでいいか......」 ベルトの鞘に挿してあったナイフを取り出した。 「こんな感じのナイフをこの石で作ってみてくれるかな?」 『うん、いいよー。だけど、ちょっとだけ時間がかかるかもしれないの』 スイが『じゃあ作るね』とミスリル鉱石を取り込んでいく。 10分経過。 ちょっとだけ時間がかかるとは言ってたけど、大丈夫かな? 『ぬ、まだダンジョンに行かぬのか?』 『そうだよ、早く行こうぜー。戦神の加護がどれほどのもんか早く確かめたいんだからさぁ』 「ちょっと待てよ。今、スイに鍛冶神の加護で生まれた鍛冶スキルを試してもらってるんだからさ」 『ぬぅぅ、仕方がないのう』 フェルもドラちゃんも渋々ながらも待ってくれるようだ。 「スイ、大丈夫か? 無理しなくていいんだぞ」 『ううん、大丈夫。あるじー、もうちょっとで出来るから待っててね』 「ああ、待ってるよ。焦らなくていいからね」 『うん、分かったよー』 だそうだ。戦神の加護の効果は分かってるんだよ。 「そうそう、戦神の加護の効果はな、戦闘時のステータス値が5割増しになるらしいぞ」 『そうなのか? すっげー俺更に強くなっちゃうのかよー。戦神の加護、やっぱ俺にピッタリだなッ!』 5割ブーストと聞いてドラちゃんがかなり喜んでいる。 『ほぅ、なかなかいいではないか。これからダンジョンに潜るのに最適な加護だな』 フェルはそう言ってニヤリと笑った。 実際に笑ったわけじゃないけど、なんか雰囲気が不敵にニヤって笑った感じなんだよニヤってさ。 なんかヤバイ感じ。 フェルに戦神の加護付けたの間違いだったかな。 だって元々超強いのに更に5割ブーストって............あぁ、よくよく考えると狩られる魔物の方がかわいそうかも。 なんかフェルはヤル気満々だし、あんまり暴れすぎないでくれよ、ホント......。 そんなことを話しながら更に待つこと10分。 『出来たー!』 『うん、出来たよー。これー』 そう言ってスイが差し出した触手の先には青白く光るナイフ。 それを受け取って鑑定してみた。 【ミスリルのナイフ+】 良く出来たミスリルのナイフ。 ミスリルのナイフで間違いないな。 しかも良く出来たってあるぞ。 これはプラスがついてるからか? まぁ、何にしてもすごい。 こんなにいいナイフ作れちゃうんだもんな。 うちのスイちゃんはホントすごいよ。 『あるじー、どお? スイの作ったナイフ』 「すっごく良く出来てるよ。ありがとうな。こんなのも作れちゃうなんて、スイは本当にすごいなぁ」 『ホント? スイ、すごい?』 『うふふふ、スイ、すごいって。嬉しいなー』 スイが嬉しそうにポンポン飛び跳ねている。 あぁ~、スイたんかわええ。 スイは俺の癒しだよ。 『ぬ、出来たのならダンジョンに行くぞ』 『そうだぜ。ダンジョンだよ、ダンジョン』 へいへい。

131 Episode 122: Protecting The God Of War And The Blacksmith God After breakfast, I told Fell, Suey and Dora about last night. "So Fel and Dora were accompanied by the protection of the god of war, Lord Vahagn, and Sui by the protection of the blacksmith, Lord Hephaestus" Well, it's like I pushed it. 'Cause I don't even have it. Even protection (small) is so useful that it's enough now, right? I don't think I can use it any more. I don't want to fight with God of War. I'll fight for my life, but I have to let basic Fell do something about it. Plus there's Sui and Dora. That's what I'm talking about, so it would be better if you gave me the protection of the god of war instead of me. I've never done a blacksmith before, even with the help of a blacksmith. I'm not even that clever. At that time, the name of Sui appeared aggressively, but I thought that Sui might have been right to give it to me to do anything out of the ordinary. Dora is so happy to hear about the protection. I'm overjoyed and flying acrobats. Nor does Fell seem to be fully satisfied when he hears of the patronage of the god of war. "Forge God's Protection"? When I got protection from the goddess of water, I could do the magic of water, but now I wonder what I could do? Sui also seems curious to see what he can do new. "In the meantime, we'll identify everyone and confirm protection." Let's start with Fell. [First Name] Fell [Age] 1014 [Race] Fenrill Level 910 [Health] 9877 [Magic] 9523 [Attack] 9106 [Defense] 9807 [Agility] 9726 [Skills] Wind Magic Fire Magic Water Magic Soil Magic Ice Magic Thunder Magic Holy Magic Junction Magic Claw Slash Body Enhancement Physical Attack Resistance Magic Attack Resistance Magic Consumption Reduction Appraisal Combat Enhancement [Guardianship] Guardianship of Ninrir, goddess of wind Guardianship of Vahagn It comes with Master Vahagn's protection. Strengthened combat skills are also new to noisy skills. ... Is that up subtly? "Hey, Fell, aren't you on a level? "Have you noticed? The higher the level, the harder it will be to get up. There hasn't even been any sign of a rise in the last few years, but four levels have gone up since you signed your exorcism pact with the Lord. This is good for eating delicious food. It wasn't a mistake to make an obedience pact with your Lord. ' Make sure the level's up. Fell's in a good mood, too. Still, this status value is amazing. You're definitely not an enemy, are you? I'm so glad Fell's on my side. Is Dora's status next? [Name] Dora. [Age] 116 [Race] Pixie Dragon [Level] 126 [Health] 895 [Magic] 2879 [Attack] 2652. [Defense] 865. [Agility] 3269 [Skills] Fire Magic Water Magic Wind Magic Soil Magic Ice Magic Thunder Magic Recovery Magic Artillery Combat Enhancement [Guardianship] Guardianship of the god of war Vahagn Dora also has the protection of Master Vahagn. I also have some noisy skills that I call enhanced combat, just like Fell. Again, Dora's strong, isn't she? It doesn't look like that because it looks tiny. It's going to be even stronger with the protection of Master Vahagn. Is that the next one? Something makes Sui feel stronger again, doesn't it? [Name] Sui [Age] 2 months [Race] Big Slime Level 16 [Health] 989 [Magic] 980. [Attack] 964. [Defense] 973. [Agility] 985 [Skills] Acid Bullet Recovery Drug Generation Growth Water Magic Blacksmith [Guardianship] Guardianship of the Water Goddess Luther Luca Guardianship of the Forge God Hephaestus It comes with Lord Hephaestus' protection. Skills are also new to blacksmithing. Blacksmiths are what they are. That's a blacksmith god, so I guess you can blacksmith, but in the case of Sui, how do you do it? "Sui, blacksmithing is a new skill with the protection of Master Hephaestus, but what do you think you can do? 'Mm-hmm, wait a minute. Um, uh, it looks like we can make a lot of things out of iron or something.' I can make a lot of things out of iron and stuff. Hey, it's a blacksmith, so you're right. "Right. So, how do you make it? "Er, iron or something, you can do it by messing with it in Sui's stomach." Hey in my stomach... you mean Sui takes in iron ingots and iron ore and makes stuff like that? I don't know what it's like without trying. But there's no such thing as iron ingots. There's no iron ore, and... oh, there was that one. Mithril Ore I picked up when I went to crusade Mithril Lizard. Mithrilled ore was removed from the item box. "Sui, can we make something out of this? "Yeah, I think I can make it." "Well, then, uh, this is it..." I took out the knife that had been inserted in the sheath of my belt. "Would you try making a knife like this out of this stone? "Yeah, okay. But it might just take a little while. ' Sui takes in "Then you make it" and Mithril Ore. Ten minutes have passed. He said it would only take a minute, but are you okay? "No, you're not going to the dungeon yet? 'That's right, let's go. We need to know how much God of War blesses us. Come on.' "Wait a minute. Now I'm asking Sui to test her blacksmith skills, born with the blessing of a blacksmith." "Noooo, I can't help it" Fell and Dora seem reluctantly to wait for me. "Sui, are you okay? You don't have to." 'Yeah, I'm fine. Ryuji, you can do it in a little while, so wait.' "Oh, I'll wait. You don't have to rush." "Yeah, all right." That's why. I know the effect of God of War protection. "Yes, the effect of God of War protection is a 50% increase in stats in battle." 'Really? Wow - am I going to get stronger? God of War blessing, you're perfect for me after all! Dora is pretty happy to hear about the 50% boost. 'Ho, isn't that pretty good? It's the perfect protection to dive into the dungeon.' That's what Fell said and laughed niggly. I didn't actually laugh, but it felt like the atmosphere was invincible. Something sucks. I guess it was a mistake to add the god of war to Fell. 'Cause even though it was originally super strong, it's an even 50% boost...... oh, well thought out, maybe the monster that gets hunted is more pathetic. Something tells me Fell is jealous, and don't get too violent, really... Ten more minutes to wait while we talk about that. I can do it! "Yeah, it's done. This. ' A blue-white glowing knife at the tip of the tentacle offered by Sui when he said so. I took that and appraised it. [Knife of Mithrill +] A well made Mithril knife. I'm pretty sure it's a Mithrill knife. And you've done a great job. Is this because it's a plus? Well, whatever it is, it's amazing. You can make such a good knife. My Sui is really amazing. "Rugi, duo? Sui's Knife Made ' "You're doing really well. Thanks. It's really amazing how you can make one of these." "Really? Sui, amazing? 'Ugh, sui, he said it was amazing. Glad to hear it. " Sui is happily jumping pompous. Oh, sweetheart. Yeah. Sui is my healing. "No, if it's done, we're going to the dungeon." 'That's right. It's a dungeon, dungeon. Heck.

第三百五十話 がんばる少年少女 肉ダンジョン1階―――。 「何とものどかな風景だなぁ」 肉ダンジョンの1階は草原が広がっていた。 とは言っても、聞いた話によると肉ダンジョンは階層によって出てくる魔物が違うだけで全部の階層がそんな感じらしいけど。 今はフェルに乗って移動中だ。 1階には2階へ向かう転移魔法陣が4箇所あって、その1番遠い魔法陣へと向かっているところだ。 というのも、入口から近い魔法陣は下へ向かう冒険者たちで行列ができているという話を事前に聞いたからだ。 行列に並ぶくらいなら、ダンジョンの中の見学もかねて遠くても空いている魔法陣へ向かおうということになった。 フェルに乗せてもらえば、そんなに時間のかかる話でもないしね。 ここ1階に出てくるのは、ホワイトシープとビッグラビット。 ホワイトシープからは腸か肉がドロップされて、ビッグラビットからは肉か毛皮がドロップされるそうだ。 ビッグラビットの毛皮はここではいわゆる“はずれ”らしいけどな。 そこかしこでホワイトシープの群れが草を食み、ビッグラビットがピョンピョン跳んでいた。 「まんま羊と兎だな。普通のよりかはデカいけど」 ホワイトシープは普通の羊の1.5倍、ビッグラビットに至っては普通の兎の2倍くらいの大きさはありそうだ。 この階にいるホワイトシープとビッグラビットは、近づき過ぎたりちょっかいを出さなければ襲ってくることはないという話だった。 それなら動物と変わりないと思いがちだが、やはりそこは魔物、近づき過ぎたりちょっかいを出すと猛然と向かってくるそうだ。 そうは言っても普通の冒険者は、この階ではほとんど活動しない。 儲けが少ないうえに、肝心の肉もホワイトシープの肉はクセがありビッグラビットの肉は硬く、どちらもそれほど美味い肉とは言えないからだ。 冒険者の代わりにこの階で活動しているのは、孤児院の鼻たれ小僧たちだ。 中には少数だが少女も交じって、大立ち回りをしていた。 見ていると、ホワイトシープならば、端にいる1頭を気付かれないように少しずつ少しずつ群れから離れさせて孤立させたのち、あとは全員でタコ殴りにして仕留めていた。 群れを相手にするわけにはいかないし、なかなか上手いやり方だと思う。 少年少女の手にある武器はこん棒のみだっていうのに、勇ましいものだ。 そんな少年少女を脇目に転移魔法陣へと進んでいると、悲鳴が聞こえてきた。 「キャーッ!!!」 「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」 「スサナッ! ヘラルドッ!」 尻もちをついた少女とその少女を立たせようとする少年に突進するホワイトシープと、それを見ていることしかできない仲間の少年たち。 「ドラちゃん、お願いっ!」 一番機動性の高いドラちゃんに頼むと、渋々といった感じではあったがすぐさま飛んで行ってくれた。 そして、氷魔法を放つ。 「ンメェ......」 今まで見たものより大分小さな尖った氷の柱がホワイトシープの頭に直撃して、少年少女の手前でバタンと横に倒れる。 「おーい、大丈夫か?」 フェルの背から「よっこらせ」と降りて、少年少女たちに声をかけると、びっくりした顔のまま目をこちらに向けてきた。 「うわぁぁぁっ、で、デカい狼っ、と、ちっちゃいドラゴン!」 いち早く我に返った少年の1人がそう叫んだ。 「あ、この狼とドラゴンは俺の従魔だから気にするな」 「へ? 従魔って、おっちゃんテイマーなのか?」 お、おっちゃん............? お、俺は決しておじさんではないぞ、まだ20代なんだからなっ。 「そういうことだ。それとな、俺はおっちゃんじゃない。まだ20代だ。お兄さんと呼びなさい」 「何でい、おっちゃんはおっちゃんだろ?」 「少年、違うぞ。20代はまだまだ若いんだ。お兄さんだ、分かったな」 フェルとドラちゃん、そこで笑ってない。 「あ、仲間助けてくれてありがとな、兄ちゃん!」 俺をおっさん呼ばわりしたリーダーらしき少年がそう言うと、立ち直った少年少女たちから「ありがとう!」という言葉が続いた。 ホワイトシープの体当たりで死ぬことはないけど、やられると跳ね飛ばされて打撲で2、3日は動けなくなるらしい。 当たり所が悪ければ骨折なんてこともあるらしく、助けた少年少女からは本当に助かったとお礼を言われた。 「君らも大変だなぁ」 「俺たち、いつもはけっこう上手くやってるんだぜ。今日はスサナがヘマやっちまったけど」 そう言ってリーダーの少年がスサナと呼ばれた少女を見やる。 「エヘヘ、躓いちゃった」 「ヘラルドも惚れた女助けるならもっと早く動けよな」 リーダーの少年にそう言われたヘラルド少年は「なっ」と絶句しながら顔を真っ赤にしていた。 若いっていいなぁ。 「兄ちゃん、はい。ドロップ品の肉だぞ」 リーダーの少年がさきほどのホワイトシープのドロップ品の肉を渡してきた。 「いや、いらない。俺たちの狙いは、もっと下層の肉だからな。君たちが持ってっていいぞ」 「え、いいのか?」 「ああ」 そう言うと少年少女たちから歓声が上がった。 「これで手ぶらは免れたな」 「うん。みんな楽しみにしてるからなぁ」 話を聞くと、ここで獲れた肉が食卓に上るそうだ。 孤児院の子どもたちは、毎日ここで獲れた肉を食うのを心待ちにしているようだ。 「大変だけど、俺たちのところは他の街の孤児院よりずいぶんマシだって聞いてるしな」 ま、そうだろうねぇ。 毎日肉を食えるってだけで、多分恵まれている方なんだと思う。 「でも、肉は孤児院でも食事になるけど、院長先生が他のものは売って自分のものにしていいって言ってくれてるし、やりがいもあるよな」 「ああ。お金貯めて、冒険者になるときに武器買うんだ!」 なるほど。 肉は孤児院の食事として消費されて、それ以外のドロップ品は子どもたちの自由にか。 ここの孤児院の院長先生は良心的みたいだね。 「それにしても、兄ちゃんの従魔は強いなぁ」 リーダーの少年がドラちゃんを見てそう言った。 「そのデカい狼も強そうだし」 自分よりも何倍もデカいフェルを見上げる少年。 「まぁね」 うん、主人の俺より確実に強いからね。 「テイマーって初めて見たけど、やっぱり強いんだな。俺でもなれるかな?」 「バーカ。テイマーってのは適性もあって、なかなかなれるもんじゃないんだぞ」 「そ、そんなのやってみないと分かんないだろ!」 「あー、はいはいケンカしないの」 「シッ、みんな、あれ」 急に眼付きの鋭くなったリーダーの少年が「あれ」と指を差した。 そこにいたのは普通の鶏よりも一回り大きいブロイラーぽい鶏だった。 「ワイルドチキンだっ」 「うひょー、俺たち運がいいな!」 小声でそう言いあう少年たち。 「見つからないように囲むぞ」 「「「「うん」」」」 慣れたように静かに包囲網を狭めてワイルドチキンと呼ばれた鶏を囲んでいく少年少女たち。 そして......。 「今だっ!」 ガサガサッ。 リーダーの少年の掛け声とともに飛び出す少年少女。 「ヤァッ!」 ドカッ、バキッ、バコッ、ボコッ、バコンッ―――。 反撃する間もなく、少年少女によってたかってこん棒でタコ殴りにされるワイルドチキン。 「コケェェェッ......」 一声鳴いたあとに絶命。 ワイルドチキンには災難だろうけど、しょうがないね。 ダンジョンだし。 「おっしゃ! 肉だ肉が出た!」 「ここはホワイトシープとビッグラビットが出るって聞いてたけど、それだけじゃないんだな」 「兄ちゃん、このワイルドチキンは2階層の魔物だぞ。ときたま、はぐれがこうして1階にも出てくるんだ。癖がなくて美味いんだぞ!」 少年少女たちが、今日はご馳走だと騒いでいた。 孤児院に持って帰ったところで、みんなで分ければ口に入るのは僅かばかりなのに、健気だねぇ。 よし、俺も少しは手助けするか。 さっきから気になっていた手に持ったこん棒。 「なぁ、君らの武器ってそのこん棒だけなのか?」 「そうだぞ。武器を買う金なんてないしね。薪に使うやつから硬くて丈夫そうなのを選んで使ってるんだ。それでも折れることはあるから、一応予備のも何本か持ってきてる」 元は薪用のかよ......。 「それ、もうちょっとマシなのにしてやるから、貸してくれないか?」 「ん? いいけど、マシなのって何かしてくれんのか?」 「ああ。もう少し硬くて握りやすくしてやるよ。と言っても、するのは俺じゃないんだけどな......。スイ、ちょっと起きてくれるか」 肩から掛けた革鞄を少しゆすってそう声をかけた。 ゆっくりとスイが鞄から出てきた。 「俺の従魔のスライムのスイだ」 少年少女に紹介する。 「スイはいろいろと出来てな......。スイ、このこん棒をこんな感じで握りやすくして水分を抜いて固くできるか?」 手持ちの紙にバットを書いてこんな感じでとお願いした。 『うん、それなら簡単だよー。やってみるねー』 リーダーの少年から預かったこん棒をスイに渡した。 『あるじー、できたよー』 1分とかからずに、木製のバットが出来上がった。 「おー、スイありがとな」 試しに振ってみたけど、いい感じだ。 さすがはスイ。 「ほい、これ。硬くなって、持ちやすくなったから、こん棒よりはマシになってると思うぞ」 「おお~」 リーダーの少年に渡すと、すぐさまブンブンと試しに振り回している。 「こりゃいいな! 持ちやすくなってるから、思いっきり振れるぞ! 兄ちゃん、ありがとう!」 リーダーの少年の言葉を聞いて、他の少年少女が「俺のも!」「私のも!」とワラワラと集まってくる。 「あー、みんな落ちついて。ちゃんとみんなの分やってやるから、順番にだ順番に」 スイに頼んで少年少女の分も順次バットにしていった。 「おおーっ、すげぇ! 振りやすいぜ!」 「ホントだ! これなら力いっぱい振り回せる!」 「いつも落としそうになってたけど、これなら私でもいける!」 「これなら力いっぱいぶっ叩けるな!」 少年少女たちが嬉しそうにバットを振り回している。 「これで少しは効率よく狩りができるだろう。がんばれよ!」 「「「「「ありがとう、兄ちゃん!」」」」」 俺たちは少年少女たちに見送られながら、再び転移魔法陣へと向かった。

368 Episode 350: Good Luck, Boys And Girls. First floor of the meat dungeon -. What an idyllic landscape. The first floor of the meat dungeon was covered with meadows. That said, according to what I've heard, meat dungeons just have different demons coming out depending on the hierarchy. That's what all hierarchies look like. I'm on the fer now on the move. On the ground floor there are four transitional magic formations headed upstairs, and they are headed for their farthest magic formations. Because I heard beforehand that the magic formations close to the entrance are queued with adventurers heading downstairs. As long as I was in line, I decided to take a tour of the dungeon and head to the magic team, which is available even far away. If you let me ride Fell, it's not even that time consuming. Coming out here on the first floor are White Sheep and Big Rabbit. They say the intestine or meat drops from the white sheep and the meat or fur drops from the big rabbit. Big Rabbit's fur seems to be so-called "detachment" here. A flock of white sheeps ate grass there, and Big Rabbit was jumping at Piong Piong. "You're a sheep and a rabbit. Bigger than normal, though." White sheep are likely to be 1.5 times bigger than regular sheep and about twice as big as regular ravioli to the Big Rabbit. The White Sheep and Big Rabbit on this floor were talking about never coming at us unless we got too close or a little bit out. Then I tend to think it's no different than an animal, but it's still a demon there, and if you get too close or a little bit, they're coming at you suddenly. Having said that, ordinary adventurers rarely operate on this floor. Because after making less money, the meat at the heart and the meat at the white sheep is crusty and the meat at the big rabbit is hard, neither of which is so good meat. In place of the adventurers are the nosy lads from the orphanage operating on this floor. There were a few of them, but the girl also interacted, standing around a lot. Looking at it, Whitesheep would have isolated one head on the edge one by one from the herd so that they wouldn't be noticed, and then they'd all be octopus beating and stopping. I can't deal with a herd, and I think it's a pretty good way to do it. The only weapon in the hands of boys and girls is this stick, but it's a brave one. As I was moving such a boy and girl aside into the Transfer Magic Formation, I heard screams. "Cah!!! "Ugh, wow!!! "Susana! Herald! White sheep thrusting into a girl with a butt and a boy trying to get that girl to stand up and fellow boys who can only watch it. "Dra, wish me! Asked the most maneuverable dra, it didn't feel like reluctance, but she flew away immediately. And unleash ice magic. "Nme......" A pointed pillar of ice, much smaller than anything I've ever seen, hits the white sheep straight in the head and falls beside Batan in front of the boy and girl. "Hey, you okay? "Give me a break," he descended from Fell's back, and when he spoke to the boys and girls, he turned his eyes to this one with a startled face. "Wow, so, big wolf, and little dragon! That's what one of the boys who returned to me as soon as possible shouted. "Oh, don't worry, this wolf and the dragon are my obedience" "Heh? Are you an obedient, old Tamer? Oh, Grandma...............? Oh, I'm never your uncle, because I'm only in my twenties. "That's the thing. Besides, I'm not your old man. I'm only in my twenties. Call me your brother." "Why, Grandma's a grandpa, right? "Boy, no, I'm still young in my twenties. It's your brother, you got it." Fell and Dora, I'm not laughing there. "Oh, buddy, thanks for the help, brother! When the leader-like boy who called me an old man said so, the boys and girls who got back on their feet said, "Thanks!" The word continued. He won't die around the body of a white sheep, but when he gets hit, he gets jumped and can't move for a couple of days with a bruise. He said that if the hit was bad, there would be a fracture, and the boy and girl who helped him thanked him for really helping him. "You guys are in trouble, too." "We're always doing so well. Susana screwed up today." That's what I say. A leader boy sees a girl called Susana. "ehehehehehehehehehehehehehehehehehehehehehehehehehehehehe" "Herald's in love, too. If you want to help, move faster." That's what the leader's boy told me. The Herald boy was turning bright red in his face with an outrageous phrase "become". I hope you're young. "Brother, yes. It's a drop of meat." The leader's boy gave me as much white sheep dropped meat as he did earlier. "No, I don't want it. We're aiming for meat in the lower layers. You can have it." "Uh, okay? "Oh." That said, the boys and girls cheered. "Now you're spared your hand." "Yeah. We're all looking forward to it." When I heard the story, they said the meat caught here would be on the table. The children in the orphanage seem eager to eat the meat caught here every day. "It's tough, but I hear our place is a lot better than any other city orphanage." Ma, I guess so. I think he's just blessed to be able to eat meat every day. "But the meat will be eaten in the orphanage, but the dean has told me to sell the other stuff and make it his own, and it'll be rewarding." "Oh. Save your money and buy weapons when you become an adventurer! I see. Is meat consumed as an orphanage meal and other drops free for children? The director of the orphanage here sounds conscientious. "Nevertheless, your brother's obedience is strong" That's what the leader's boy said when he saw Dra. "That big wolf looks strong too." A boy who looks up to Fell, who is many times bigger than himself. "Well." Yeah, 'cause you're definitely stronger than my husband. "I've never seen Tamer before, but he's still strong. Can I even be you? "Idiot. Tamer's not exactly the right guy to be." "Oh, you wouldn't know if you didn't try that! "Uh, yes, yes, I don't fight." "Shh, guys, that" Suddenly a sharp, eyed leader boy pointed his finger at "that". What was there was a broiler-like chicken a turn bigger than a regular chicken. "It's a wild chicken" "Uh-huh, we're in luck! Boys whispering that. "We'll surround them so they don't find us." "" "Yeah" " Boys and girls quietly narrow the siege net as they are used to and surround chickens called wild chickens. And...... "Now! Ghasty. Boys and girls jumping out with the leader's boy hanging. "Yah!" Dokah, Bakih, Bakoh, Bokoh, Bakong -. Shortly after I fight back, a wild chicken gets octopus beaten with this stick that I want by a boy and a girl. "Coquette..." Desperate after a single beep. It would be a disaster for wild chicken, but you can't help it. It's a dungeon. "Say it! It's meat. The meat's out! "I heard there's gonna be White Sheep and Big Rabbit out here, but that's not all." "Brother, this wild chicken is a two-tier demon. Sometimes, the detachment even comes out on the ground floor like this. There's no habit and it's delicious! The boys and girls were making a scene today that it was a treat. I just took it back to the orphanage, and it's healthy, even though it's only a few in my mouth if we all share it. All right, can I help you out a little, too? I've been wondering about this stick in my hand for a while now. "Hey, is your weapon just that stick? "That's right. I don't have any money to buy weapons. I chose it to be hard and durable from the one I use for firewood. Still, it breaks, so I brought a few spare ones." Originally for firewood...... "That's a little better, but I'm gonna do it, so can you lend it to me? "Hmm? Fine, but better yet, you're gonna do something for me? "Oh. I'll make it a little harder and easier to grip. Even so, I'm not the one who does... Sue, will you wake up for a second?" She called out a little loudly about the leather bag she had hung from her shoulder. Slowly Sui came out of his bag. "It's my subordinate slime sui." Introduce to boys and girls. "Sui has done a lot of things... Sui, can you make this stick so easy to grip and drain and stiff like this? I wrote a bat on the paper in my hand and asked it to look like this. 'Yeah, that would be easy. I'll try.' I gave Sui this stick I kept from the leader's boy. "Rugged, done." Less than a minute later, I could do a wooden bat. "Oh, thank God." I tried to shake it, but it looks good. That's sui. "Hey, this. I think it's better than this one because it's harder and easier to hold." "Ooh." When I give it to the leader's boy, he immediately swings around to try it out with a boom. "This is good! It's easier to hold, so you can shake it all you want! Thanks, brother! When I heard what the leader's boy said, the other boys and girls said, "Mine too!" "Mine too!," he gathers with Walla Walla. "Uh, everybody calm down. I'll do it for everyone, in order." I asked Sui to bat the boys' and girls' minutes in turn. "Ooh, wow! Easy to swing! "Really! I can swing a lot of power with this! "I was always about to drop it, but I can do this! "Don't beat me full of power with this! The boys and girls are happily waving their bats. "This will allow us to hunt a little more efficiently. Good luck!" "" "" "" Thank you, brother! We headed back to the Transition Magic Formation while the boys and girls dropped us off.

第四十九話 フェル・スイ連合Vs盗賊 フェルが速度を上げた。 木々の間から青い空が見える。 「よしっ、抜けたーッ」 森を抜けてだだっ広い草原に出た。 1か月半の旅路の末にようやく森を抜けた。 「はぁ、やっと森ともおさらばだなぁ」 草原、気持ち良いぜ。 ......って、ここどこだろ? どっか道ないかな。 「フェルはこの辺通ったことあるんだろ?」 「この辺に人の道ってないかな?」 『人の道か? 確かここから少し行ったところにあったはずだ』 「じゃ、そこに向かってくれるか」 『何故だ?』 「フェルの話からいくと、ここはレオンハルト王国だとは思うんだけど、ちゃんと人に確認しといた方がいいと思うんだよな。それに、もうそろそろ肉もなくなるから街にも行きたいんだよ」 『肉がなくなるだと? それは一大事ではないか。人の道だな。すぐに向かう』 あ、やっぱフェルにとっては肉がなくなるのは一大事なんだね。 フェルの言うとおり人の道にはすぐにたどり着いた。 あとはこの道を進みながら人に会えればいいんだけど......。 フェルの背に乗せてもらいながら道を進んでいると、遠くに馬車が見えた。 「あ、人だ......」 なんか人の声が途切れ途切れに聞こえる。 これだけ離れているのに聞こえるってことは相当大きな声を出しているようだ。 『あの馬車、盗賊に襲われているな』 へ? と、盗賊ッ?! 「フェ、フェルッ、助けてやってくれっ。今日の晩御飯豪華にするからッ!」 咄嗟にそう口にしていた。 とにかく助けないとってことしか頭に浮かばなかった。 『その言葉、忘れるでないぞッ』 そう言うとフェルが馬車に向かって速度を上げた。 馬車はもう目の前だった。 護衛だろう冒険者たちが、柄の悪そうないかにも盗賊といった風体の男たちと戦っていた。 盗賊の方が数が多く冒険者たちが押されているようだ。 『耳を塞いでいろ』 フェルの言うとおり耳を塞いだ。 『アォーーーーーン』 耳を塞いでいてもビクッと体が硬直するようなフェルの遠吠え。 まともに聞いた盗賊と冒険者は体を硬直させて動きを止めた。 スイが鞄から這い出してきた。 『あるじー、どうしたの?』 「悪いヤツらがいたからフェルおじちゃんが懲らしめてるんだ」 『え、そうなの? スイもやるー』 「そうか? じゃあ、あそことあそことあそこの男の人の武器持ってる方の腕に酸弾を当ててくれるか? 酸弾は小さくていいからな。武器を持てないようにしてほしいんだ」 ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ。 「ギャァァァァッ」 「グォーーーーッ」 「ギィヤァァァッ」 スイの酸弾に腕を貫かれた盗賊たちの叫び声が上がる。 なんかスイの酸弾が進化してる。 ただ水鉄砲みたいに撃つだけじゃなくって、酸液を高速で噴射してさながら酸液のビームのようだ。 『盗賊ども、そこから一歩でも動いたら食い殺すぞ。分かったのなら武器を投げ捨てろ』 スイに攻撃されなかった盗賊も、歯をむき出しにしたフェルを見て顔を青くする。 そして、武器を投げ捨てた。 だが、盗賊の中で一番図体の大きい男だけフェルに従わず斧を振りかぶった。 「いきなり横から出てきてふざけたこと抜かしてんじゃねぇよッ!」 狙われたのは俺だった。 咄嗟に腕を交差して頭をかばう。 ザシュッ。 ビュッ。 いつまで経っても来ない攻撃に目を開けると、俺を襲ってきた斧男が吐きたくなるようなグロい姿で息絶えていた。 ............ウェップ。 マジで吐きそう。 フェルの爪斬撃でバラバラになったうえにスイの酸弾食らって......。 どんな姿か想像つくだろう。 盗賊なんて犯罪行為をしたんだから自業自得なんだけど、こんな死に方は絶対したくないね。 斧男の死に様を見て完全に戦意を喪失した盗賊たちは素直にお縄についた。 盗賊たちに縄をかけたのは復活した冒険者たちだった。 比較的早く助けに入ったことで深手を負っている冒険者はいなかった。 盗賊たちを縛り上げたあと、冒険者の男と馬車にいた商人が声をかけて来た。 「私はレオンハルト王国北西の街カレーリナで商人をしておりますランベルトと申します。あなた様のおかげで人も荷も無事です。助けていただき本当にありがとうございます」 そう言って深々と頭を下げたのは40代半ばの恰幅の良いおっさんだ。 「俺はこの商隊の護衛を請け負う冒険者パーティー“ そう言って頭を下げたのは180センチ以上の身長に筋肉質ないかにも冒険者といった風体の30前後の赤茶髪の男だ。 「いえいえ、偶然近くを通ったもので......。私はムコーダと申します」 「して、そちらはあなた様の従魔ですか?」 恐々といった感じでランベルトさんがフェルとスイを見てそう聞いてくる。 「はい。私の従魔です。皆さんには危害は加えませんので大丈夫です」 俺がそう言うと、ランベルトさんがホッとしたような顔をした。 フェルを見ながらそう呟いたのはラーシュさんだ。 噂って、もうそんなに広がってるのか? 「風の噂で、フェンリルを従魔にした冒険者がいるって聞いたんだ。誰かのほら話だと思って気にしてなかったんだが......」 まぁ普通はそう思うよな。 でも、事実なんです。 ここまで噂が広がってるってことは、バレるのも時間の問題か。 ラーシュさんは、フェルを見てすぐに分かったみたいだし。 やっぱ一番の心配はフェルのことで、フェルがいることでまたちょっかい出されないかなってことなんだよなぁ。 レオンハルト王国は差別のない比較的自由な国と聞いているし、チラっと聞いた話だと高ランク冒険者などは積極的に国に受け入れていると聞いたから、そこら辺は期待したい。 フェルは伝説の魔獣でめちゃくちゃ強いからね。 それを理解してレオンハルト王国や同盟国のエルマン王国内では自由にっていうのが理想だ。 そうなってくれるといいけど。 今更どうにもならないし、まぁなるようになるしかないんだけど。 フェルがいるから何があっても多分何とかなりそうな気がする。 そう思わないとやってらんねぇよ。 「ところで、皆さんはどちらまで?」 必殺はぐらかしだ。 俺の口からはフェルがフェンリルだって言わないぜ。 「私たちはカレーリナに戻る途中なのです」 一仕事終えてランベルトさんの本拠地に戻るところか。 俺たちも街に行きたいところだったし、ここは便乗できないかな? 『フェル、スイ、ここは目的地だったレオンハルト王国みたいだし、俺たちもそのカレーリナの街へ行ってみないか?』 『肉の調達だな。我はいいぞ』 『スイもいいよー』 フェルもスイもOKみたいだ。 「ランベルトさん、あの実は私たちレオンハルト王国に来たばかりで、ここら辺の地理に疎いのです。できれば、カレーリナの街へご一緒させてもらえないでしょうか?」 俺がそう言うと、ランベルトさんは笑顔で承諾してくれた。 「皆さんがいらっしゃるなら心強い。こちらこそお願いいたします」 こうして俺たちはカレーリナの街を目指して出発した。

52 Episode 49: Fer Sui United Vs Bandit Fell increased his speed. I see a blue sky from among the trees. "Okay, I'm out." Through the woods I went out into a vast meadow. After a month and a half of travel, I finally made it through the woods. "Ha, finally farewell to the woods" Meadows, it feels good. ... where are we? I wonder if there's a way out. "Fell's been around here before, hasn't he? "How about people's paths around here? "Is that the way of people? It must have been a little bit from here." "Well, will you head there?" "Why? "From Fell's story, I know this is the Kingdom of Leonhardt, but you think you should check with people properly. Besides, it's about time we ran out of meat, so I want to go to the city." "We're out of meat? Isn't that important? That's the way of people. I'll be on my way. ' Oh, I knew it was important for Fell to run out of meat. Fell was right. We quickly reached the path of men. All you have to do is meet people as you go down this road... As I was going down the road with Fell on his back, I saw a carriage in the distance. "Ah, people..." Something sounds like people's voices are interrupting. Sounds pretty loud that it sounds so far apart. "That carriage, you're being attacked by bandits" To? And, bandits?! "Fe, ferru, help me. I'm gonna make dinner extravagant tonight. He said so in an aggressive manner. Anyway, I'm not gonna help. All I could think about was the very thing. Don't forget that word. That said, Fell increased his speed toward the carriage. The carriage was already in front of me. The adventurers, who would be escorts, were fighting men of such a style as bandits, who seemed to have a bad pattern. Looks like more bandits are being pushed by the adventurers. Keep your ears shut. Fell was right. I blocked my ear. "Awwwwww." Fell howls that make your body stiff even with your ears blocked. The bandits and adventurers, who heard it properly, stiffened their bodies and stopped moving. Sui crawled out of his bag. "What's the matter, Tsuruji? "Uncle Fell's punishing me because there were bad guys." "Oh, really? I'll do it too. ' "Really? So, can you put an acid bullet in the arms of the guy with the weapon over there and over there and over there? The acid bullet should be small. I want you to stay unarmed." Buh, buh, buh, buh, buh. "Gahhhhh" "Gooooooo" "Gee yah yah" The screams of the bandits pierced by Sui's acid bullets rise. Something is evolving with the acid bullets of Sui. It doesn't just shoot like a water cannon, it sprays acid liquid at high speeds and it looks like a beam of acid liquid. 'Bandits, if you move a step from there, I'll eat you to death. If you understand, throw down your weapon. " The bandit, who was not attacked by Sui, also blues his face when he sees Fell, who stripped his teeth out. And I threw down my weapon. But only the man with the biggest figure of the bandits did not follow Fell and waved an axe. "You didn't come out of the side all of a sudden and skip the joke! I was the one who was targeted. Cross your arms and cover your head. Zach. Buh. When I opened my eyes to an attack that would never come, I was out of breath looking gruesome like the axe man who attacked me wanted to throw up. ........................ Wep. Seriously, I think I'm gonna throw up. Eat Suey's acid bullets before they fall apart with Fell's claw slaughter...... You can imagine what it looks like. You deserve it because you've committed such a criminal act as a bandit, but you never want to die this way. The bandits, who had completely lost their will after seeing the Axe Man die, honestly followed the ropes. It was the resurrected adventurers who roped the bandits. No adventurer was taking a deep toll for coming in to help relatively quickly. After tying up the bandits, a man of adventure and a merchant in a carriage came calling. "My name is Lamberto and I am a merchant in the city of Carrerina, northwest of the Kingdom of Leonhardt. Thanks to you, people and loads are safe. Thank you so much for your help." That's what I said and deeply bowed my head to is a good old man in his mid-forties. "I'm Larsh, the leader of the adventurer party Phoenix, who's contracted to escort this merchant squad. Thanks for the assistant knife." That said, I bowed my head to a red-brown-haired man of around thirty in the wind, such as an adventurer, even though he was not muscular to a height of more than 180 cm. "No, by chance it came through close... My name is Mkoda." "And that's your obedience? Mr Lamberto looks at Fell and Sui and asks him that, in a sense of fear and so on. "Yes. It's my obedience. I won't hurt you, so I'm fine." When I said that, Mr. Lamberto looked horrible. It was Mr. Larsh who squeaked like that while watching Fell. Rumor has it spread so much already? "Rumor of the wind has it that some adventurers have turned Fenrill into an obedient demon. I didn't care because I thought it was someone else's story..." Well, you usually think so. But it's a fact. Is it only a matter of time before you find out that rumors are spreading so far? Looks like Mr. Larsh figured it out as soon as he saw Fell. After all, my biggest worry is about Fell, and I wonder if Fell's presence will make me get a little bit out of it again. I hear that the Kingdom of Leonhardt is a relatively free country without discrimination, and I heard that high-ranking adventurers and others are actively embracing the country, so I'd expect it around there. Because Fell is a legendary warcraft and he's so strong. Ideally, you should be free within the kingdom of Leonhardt and the Allied kingdom of Ellman. I hope so. I can't do anything about it now, and I hope so. I feel like I might be able to figure it out no matter what happens because I have Fell. If you don't think so, you won't have to. "By the way, how far are you guys? It's a special trick. I'm not saying Fell's a fenrill from my mouth. "We're on our way back to Carolina." You're about to return to Mr. Lamberto's home base after work. We just wanted to go to the city, too, and I was wondering if we could hitch a ride here? "Fell, Suey, this was a destination. It's like the kingdom of Leonhardt, and why don't we go to that city of Karelina? 'You're sourcing meat. I'm good. " "Suey's good, too." Fell and Suey are like ok. "Mr. Lambert, that fact is that we have just come to the Kingdom of Leonhardt, and we are oblivious to the geography around here. If possible, would you mind letting me come with you to the city of Carrerina? When I said that, Mr. Lamberto smiled and agreed. "If you're all here, I'm comfortable. Please welcome us." Thus we set out for the city of Carrerina.

第五百六十六話 やわらか~い 冒険者ギルドから帰ると、早速食いしん坊カルテットから、冒険者ギルドから引き取ってきた“スーパーサウルス”の肉を食いたいとの要望が。 特にフェルとゴン爺が『この肉で夕飯だ!』と息巻いていたのだが、それをなんとか宥めすかした。 その代わりに『それならガッツリ肉が食いたい』という希望にそって、ギガントミノタウロスとダンジョン牛でしこたまステーキを焼くハメにはなったんだけど。 でも、しょうがないんだよ。 だってさ、“スーパーサウルス”の肉って触った時点で硬いって分かる肉なんだもの。 さすがにフェルとゴン爺でさえも『硬い』と言わしめる肉だわ。 まぁ、みんなならば、このまま焼いてステーキにしても食えるとは思うよ。 でもさ、どうせ食うなら絶対に美味い方がいいよな。 そんなわけで、夕飯が終わってからの空いた時間、俺はキッチンに籠っているというわけだ。 目の前の作業台の上に載った“スーパーサウルス”の肉塊。 「うーん、なにはともあれ、とりあえずはそのままで味見してみるか」 そう思い少しだけ切り取って焼いてみたのだが......。 「うわっ、マジで硬いな」 なんというのか、食感だけならゴムを噛んでいるかのようだ。 塩胡椒を振って焼いたスーパーサウルスの肉の味はそれほど悪くはないのに、とにかく硬い。 「ウグッ......。何回噛んでも噛み千切れない」 終いには噛み切るのを諦めて、ペッと吐き出した。 「あ~硬かった......。フェルやゴン爺が硬いって言うのは伊達じゃないね」 俺では噛み切るのもままならないわ。 「しかし、こんな硬い肉どうすりゃいいのか......」 アメリカ産やオーストラリア産の牛肉に似たスーパーサウルスの赤身の肉塊を前に思案する俺。 「ええと、確か、塩麹に漬けると肉が柔らかくなるんだよな」 今までも塩麹は使ったことはあるが、主な目的としては、下味をつけることと旨味が増すからという理由だったからなぁ。 正直どこまで柔らかくなるかはわからないけど、とりあえず塩麹に漬けるっていうのはアリだな。 「ふむ。よし、一晩塩麹に漬けてみるか」 そう思い立ち、ネットスーパーを開いた。 そして、塩麹をポチリ。 何回か使ったことがあるパウチ入りのヤツだ。 スーパーサウルスの肉は、そのままだと大き過ぎるから適当な大きさの塊に切り分けて、フォークでブスブスと穴を開ける。 そうしたらその肉をビニール袋に入れて、塩麹を入れたらモミモミモミ。 あとは魔道冷蔵庫の中で寝かせる。 「どうか柔らかくなりますように」 そう祈りながら魔道冷蔵庫の扉を閉めた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 今朝も食いしん坊カルテットからは『あの肉は?』と急かされるように強請られたけれど、「今、柔らかくなるようにしているところだから」と作り置きしていたダンジョン牛の肉で作った牛丼を朝飯に。 みんな牛丼は嫌いじゃないから『なるべく早く食いたいぞ』とは言われたものの騒ぎはしなかったよ。 牛丼、美味いもんね。 ついつい俺も朝からいただいちゃったよ。 そんなことはさておき、朝飯の後は、塩麹に漬けこんでいたスーパーサウルスの肉をチェック。 ビニール袋の上から肉塊を触ってみる。 「触った感じは大分柔らかくなっているようだけど......」 その辺りはやはり食ってみないことにはね。 ということで、塩麹をある程度落としたら、薄く切り分けて焼いてみた。 塩麹に漬けこんでいたから塩味は十分だろうということで、黒胡椒を振っただけだ。 食べてみると......。 「うん、大分柔らかくなってるな。俺でも十分噛み切れる」 でも、もうちょい柔らかいともっとうまいかもしれないな。 「あと肉を柔らかくするって言ったらタマネギだよな。そうなるともうアレしか思いつかんわ。すりおろしタマネギに漬け込むシャリアピンステーキ!」 昼飯はスーパーサウルスのシャリアピンステーキといきますか。 漬け込み時間も考慮して、さっそく作業にとりかかる。 まずは、アルバン印の極旨タマネギをすりおろし&みじん切りに。 使う肉が大量だから、こちらも大量にね。 普通なら大変なところなんだろうけど、俺には“孤独の料理人”という称号があるからね。 欲しくなかった称号だけど、こと料理に関してはとてつもない威力を発揮してくれるんだよね......。 そんなわけで、サクッと大量のタマネギのすりおろし&みじん切りを終えたら、次は肉の準備だ。 スーパーサウルスの肉をビニール袋から取り出して、塩麹をこそぎ落とす。 そして、ある程度の厚みに切ったら、肉たたきで叩く。 俺としては8ミリくらいの厚さがベスト。 見える筋はちょい強めに叩いて柔らかく。 あとは包丁で細かい格子状の切り込みを裏表に入れていく。 肉にすりおろしたタマネギを全体に馴染ませてみじん切りも載せてバットに置いたら、ラップをして魔道冷蔵庫で2時間寝かせる。 2時間後―――。 「うん、さらに柔らかくなってる感じ」 魔道冷蔵庫からスーパーサウルスの肉を取り出したら、馴染ませていたタマネギをこそげ取りキッチンペーパーで余分な水分を軽く拭きとってから塩胡椒を振る。 先に塩麹に漬け込んでいたから塩は少な目で。 熱したフライパンに油をひいて、肉の両面にイイ感じの焼き目が付くまで焼いていく。 そうしたら肉を取り出して、同じフライパンにバターを溶かしてこそげ落としたすりおろし&みじん切りのタマネギを投入。 タマネギが透明になるまで炒めたら、赤ワイン、醤油、砂糖を加えて一煮立ちさせたらソースの出来上がりだ。 皿に載せた肉に、ソースをかけたら......。 「シャリアピンステーキの出来上がりだ。発祥の某ホテルでは醤油は使ってないようだから、和風シャリアピンステーキかな?」 ま、美味けりゃなんでもOKなんだけどね。 ということで、恒例の味見をば。 「うんま!」 肉がめっちゃ柔らかくなってる~。 最初の噛み切れないほどのあの硬さからは想像できない柔らかさ。 「やっぱ塩麹とタマネギ、ダブルで漬け込んだのが良かったんだろうな」 そして......。 「この味、白飯と一緒にかっ込みたくなるわぁ~」 ということで、保存していた炊き立てのご飯もスタンバイ。 「さぁて、みんなどんな反応するかな」 『『『『おかわり!』』』』 昼飯に出したスーパーサウルスの和風シャリアピンステーキだが、フェルもゴン爺もドラちゃんもスイも、みんなモリモリ食っている。 『あの硬い肉がここまで柔らかくなるとはな』 『本当だのう。驚きじゃ』 『元のを食ったことがないからあれだけど、めっちゃ柔らかくて美味い肉じゃんこれ』 『美味し~い!』 フッフッフ、そうだろうそうだろう。 「ドラちゃん、これはな元は俺だと噛み切れないくらい硬い肉だったんだぞ」 『へ~、そんな風には思えないけどなぁ』 「塩麹に漬け込んで、タマネギに漬け込んで、そうやって柔らかくしたの。ま、これでこの硬いスーパーサウルスの肉も美味い肉としていただけるってわけだな。せっかくの肉が無駄にならなくて良かったよ」 『フム。ということは、いつでもこの肉を味わえるというわけだな』 『柔らかくなって一層美味くなったこの肉をのう。良いことじゃ』 『確かにこの肉はまた食いたくなるよな』 『スイもこのお肉好き~』 「え?」 いや、ここまで柔らかくするには時間かかるんだよ。 塩麹に漬けこんでタマネギに漬け込んでってしなきゃなんないしさ。 そう思うも、食いしん坊カルテットは『この肉はまた食いたいな』と盛り上がっている。 ............。 こりゃ墓穴を掘ったかな。

590 Episode 566: Soft When I returned from the Adventurer's Guild, I quickly got a request from the foodie Cartes to eat the "Super Saurus" meat that I had taken from the Adventurer's Guild. In particular, Fel and Grandpa Gong said, "This meat is for dinner!"I was breathing, but I managed to forgive it. Instead, in response to the desire to "eat meat", Gigantominotaur and Dungeon Beef were framed for steak. But I can't help it. Because the meat of "Super Saurus" is hard when you touch it. As expected, even Fel and Grandpa Gong were "hard" meat. Well, I'm sure everyone can still eat the steak by baking it like this. But it's definitely better if you eat it anyway. That's why I'm hanging out in the kitchen in my spare time after dinner. "Super Saurus" meat chunks on the workbench in front of me. Hmmm, whatever it is, let's try it as it is for now. "I thought so, but I just cut out a little bit and baked it..." "Wow, that's really hard." Somehow, if it's just the texture, it's like chewing on rubber. The salt and pepper shaken and baked Super Saurus meat doesn't taste so bad, but it's hard anyway. "Ugh...... I can't chew a thousand times." At the end of the day, I gave up slicing and spit it out. "Ahh, it was hard..." It's not Date that Fel and Grandpa Gong are hard. " I don't like cutting things. "But what should I do with this hard meat..." I'm going to work on a supersaur lean meat chunk that resembles American or Australian beef. Um, surely, if you pickle it in a salted oyster, the meat will soften. I have used salted oysters before, but the main purpose was to add a subtle flavor and increase the taste. To be honest, I don't know how much tender it will be, but for the time being, it's an ant that can be pickled in a salted oyster. "Hmm. All right, let's try dipping it in salted mackerel overnight." With that in mind, I opened an online supermarket. And then the salted mackerel. It's a pouch that I've used a few times. As it is, the meat of Super Saurus is cut into chunks that are too large to fit, and the fork is used to make a hole in the scum. Then, put the meat in a plastic bag and add the salt coconut. I put him to sleep in the magic refrigerator. "May you be soft." While praying, she closed the door of the magic refrigerator. ***** This morning, a cannibal, Cartes, said, "What about that meat?'I was urged to hurry, but "I'm trying to be soft right now," and I made a beef bowl made of dungeon beef for breakfast. People don't hate beef rice bowls, so I didn't make a fuss even though they said, "I want to eat as soon as possible." Beef rice bowls are delicious. I also got it in the morning. Aside from that, after breakfast, check out the meat of Super Saurus, which was steeped in salt mackerel. Try touching a piece of meat from the top of a plastic bag. "It seems like it's getting a lot softer when you touch it..." After all, we shouldn't eat around here. Therefore, I dropped some of the salt, then cut it into thin strips and baked it. Because it was soaked in salt mackerel, it would be salty enough, so I just shook the black pepper. "I tried it..." "Yeah, it's getting a lot softer."I can chew it up enough. " But maybe it would be better if it was softer. "If you want to soften the meat, it's onions."That's all I can think of.Sharia Pin Steak Marinated in Grated Onion! " Would you like to go with Super Saurus Sharia Pin steak for lunch? Let's start the work by taking into account the pickling time. First, grate and mince the very delicious onions marked with an album. We use a lot of meat, so we use a lot of meat. Normally, it would be tough, but I have the title "Lonely Chef". It's a title I didn't want, but it's incredibly powerful when it comes to cooking... That's why when you've finished grating and mincing the crispy onions, the next step is to prepare the meat. Remove the meat from the Super Saurus from the plastic bag and sneak out the salted eel. Then, when you have cut it to a certain thickness, beat it with a meat torch. For me, a thickness of about 8mm is the best. The muscles you can see are slightly stronger and softer. Then use a knife to insert the fine lattice cut into the back cover. Place the onion grated in the meat on the bat, tame it and mince it, then wrap it up and let it sleep in the magic fridge for 2 hours. Two hours later... "Yeah, it feels even softer." After removing the meat from the super sausage from the magic refrigerator, scoop the onion that had been tamed, gently wipe off the excess moisture with kitchen paper, and then shake the salt and pepper. The salt was soaked in salted mackerel first, so the salt was less. Grill the meat in a hot frying pan until it has a nice baking eye on both sides. Then take out the meat, melt the butter in the same frying pan and add the grated and chopped onions. Stir-fry the onion until clear, add the red wine, soy sauce, and sugar, and bring to a simmer to make a sauce. When you put the sauce on the meat on the plate... "The Sharia Pin steak is ready." It seems that the soy sauce is not used in the hotel where it originated, so is it Japanese-style Sharia Pin steak? " Well, anything that tastes good is okay. So, if you want to taste the usual. Yeah! The meat is getting so tender ~. Unimaginable softness from the hardness of the first one. After all, it would have been nice to marinate the salt mackerel and onion with a double And...... This taste makes me want to snuggle it up with white rice ~ Therefore, the cooked rice that was saved is also on standby. "Come on, how does everyone react?" Reward! The Japanese-style Sharia Pin steak served at lunch, but Fel, Grandpa Gong, Dora-chan, and Sweet Sweet Sweet Squid are all eating it. I never thought that hard meat would be so soft. It's true. It's not a surprise. It's because I've never eaten the original, but it's really tender and delicious meat. It's delicious! Fufufu, that's right, that's right. Dora-chan, this was hard meat that I couldn't chew up. Heh ~, I don't think so. "I marinated it in a salt mackerel, then in an onion, and then softened it.Well, this hard Super Saurus meat can also be used as a delicious meat.I'm glad I didn't waste my meat after all. " Hmm. That means you can always taste this meat. "I'll eat this meat that has become softer and more delicious." It's a good thing. " I'm sure this meat will make you want to eat again. Sweetheart likes this meat too ~ Huh? No, it takes time to soften this much. You have to marinate it in salted eel and marinate it in onion. Even so, the cannibal Carte is excited to say, "I want to eat this meat again." ............ I think I dug a grave.

第五百五十七話 いいか、解体は肉が手に入ったら終わりじゃないんだ 『よし、今日は狩りに行くぞ』 『いいのう。ここのところずっとリヴァイアサンの解体に付き合っていたから、ここらで体を動かすのも悪くないわい』 『俺も賛成!』 『狩りー!』 「ちょちょちょちょっ、君たちなにを言ってんの?」 朝飯を食い終わってホッと一息ついていたところに、なにを言い出すかと思えばいきなり狩りへ行くなんて。 「リヴァイアサンの解体はまだ途中なんだぞ」 俺がそう言うと、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイの食いしん坊カルテットはどこ吹く風だ。 『いや、終わったも同然だろう』 『うむ。重要なリヴァイアサンの肉は確保できたからのう』 『そうそう。それだよな。肉が一番大事だからな』 『お肉ー!』 「お前らなぁ......」 そりゃあお前らにとったら肉が一番大事なのは分かるよ。 肉肉肉の肉至上主義だもん。 ここ2日で、身から骨を外す作業も終わって、確かにリヴァイアサンの肉の回収は終わったよ。 俺のアイテムボックスにこれでもかってくらい大量に詰め込まれているんだから。 けどさ、それで終わりじゃないだろうが。 「いいか、解体は肉が手に入ったら終わりじゃないんだ。まだ頭部の解体は終わってないだろ」 『む、頭などどうでもいい。どうせ食える部分なんてないんだから』 フェルがそう言うと、『そうだ』とでも言うようにゴン爺もドラちゃんもスイもウンウンと頷いている。 「そんなこと言うなって。それにだ、どっちにしろまだ時間はかかると思うぞ」 『なぬ?!』 『まだ時間がかかるとは......。来週あたりには家に帰れるかと思っていたのだがのう。そろそろ風呂が恋しいわい』 『確かになぁ。俺やスイはここの風呂でも平気だけど、ゴン爺には狭すぎて入れないもんな』 『でも、お家のお風呂の方がおっきくて気持ちーよ』 ちょっと、風呂って、ゴン爺そこなの? そりゃあフェルとゴン爺のために自宅の風呂を拡張工事したようなものだから、そう言ってくれて嬉しい気持ちもあるけどさぁ。 だけど、リヴァイアサンだよ。 風呂とリヴァイアサンを天秤にかけたら、どう考えたってリヴァイアサンの方が大事だろうが。 肉が確保できたからあとはどうでもいいと思っていそう、というか確実に思っているであろう食いしん坊カルテットをちょっと呆れつつ見やる。 「ハァ、まったくお前たちは......。あのな、まだ解体も終わってないし、王都の冒険者ギルドの買い取りについても全然決まってないんだぞ。まだまだ時間がかかるだろうが」 王都の冒険者ギルドだって、肉以外の部位を全部買い取ってくれるわけじゃないんだぞ。 資金的な関係があるから、全部はムリだって感じのことは既に言われているんだから。 そうなれば当然残った素材は引き取らなきゃならないし、買い取り分の精算だってあるし、そういう細々したことがあるんだよ。 解体が終われば「ハイそれでお終い」ってわけにはいかないっての。 「ほら、今日からは解体も冒険者ギルドでやることになっているんだから。行くよ、みんな」 胴体の解体を終えて、今日からは頭部の解体へと入る。 巨大ではあるけれど頭部であれば、冒険者ギルドの倉庫でも解体可能ということで、今日からはそちらに解体場所が変更になったんだ。 『ぐぬぬ、そんなことは彼奴らに任せておけばいいではないか』 「確かに解体とか買い取るものを決めるとかあっち側でやってもらうことの方が多いけど、物は持って行かなきゃならないだろ」 リヴァイアサンの巨大な頭部はこっちで預かっているんだから。 「ほら、行くよ」 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 王都の冒険者ギルドに到着すると、すぐに倉庫に案内された。 そして、そこで待ち受けていたのは......。 「ムコーダさん! それに、ドラちゃん、ゴン爺様!!」 満面の笑みとキラキラというかギラギラした目をして、脱兎のごとく俺たちの前に躍り出るエルランドさん。 そんなエルランドさんに顔を引き攣らせながら「あの、フェルとスイもいますんで」と付け加える俺。 それをエルランドさんは「ああ、そうでしたね」とサラッと流す。 この人、なんかだんだんとひどくなってね? あれかな? ドラゴン好きだったけど、実際にドラゴンを見られたのも、俺と出会ってからだろうからどんどん箍が外れていっている感じなのかな。 それにしても最近は自重しなさすぎだとは思うんだけど。 エルランドさんを見ながらそんなことを考えていると......。 「ドラちゃんっ、ゴン爺様っ、会いたかったですー!」 なにを思ったのか、そう叫びながらドラちゃんとゴン爺に突進するエルランドさん、もとい変態。 慌てて変態の前に手を広げて通せんぼするように仁王立ちした俺。 「ム、ムコーダさん?! なぜ邪魔するんですか!」 「なぜって、当たり前でしょ! カレーリナでのことを忘れたんですか!」 こちとらしっかりと覚えているからね! リメンバーカレーリナ! 「くっ、それはそれ、今回は今回です!」 なんじゃそれは。 「王都に来てからずっと会えなかったんですよ! 空の警備に当たられているとかで、なぜかずっとずーっと会えなかったんですから! こんなに近くに居るというのに!」 変態が「このもどかしさ、辛さ、分かりますか?!」とかなんとか力説しているが......。 それ、アナタに会いたくない一心からドラちゃんもゴン爺も早々に空へと飛び立っただけだからね。 「いや、それドラちゃんもゴン爺もエルランドさんに会いたくないってことだから。分かれよ」 ボソリと呟く俺。 カレーリナであんなことがあったんだから、会いたくないって分かるでしょうよ。 普通はさ。 というか......。 「そもそもがダメでしょ。なんで抱き着こうとしているんですか?」 そう。 このエルフ、最初から抱き着く気満々で腕を広げて突進してきてるんだよ。 「ちょっとくらいいいじゃないですか!」 ちょっとくらいってねぇ......。 「ドラちゃんとゴン爺、めっちゃ嫌がっていますから!」 そう言いながら振り返ると、予想通りにものすごく嫌そうな顔をして俺の言葉に高速で何度も頷いているドラちゃんとゴン爺が。 「そ、そんなぁぁぁ! 私はこんなにもドラちゃんとゴン爺様を愛しているというのにぃぃぃ!」 「愛してるって、キモイわ」 思わずホンネが声に。 「キモイって、ひどいですよムコーダさぁぁぁん!」 四つん這いになって叫びながら項垂れるエルランドさんは、さらにキモイうえに残念だった。 それは誰が見ても同じだったらしく、周りの職員さんたちもドン引きしているしみんな関わり合いたくなさそうにそそくさと引き上げていっている。 俺たち一行とエルランドさんが取り残された中、どうしたものかと思っていると......。 エルランドさんをゲシゲシと蹴り上げるお人が。 「ちょっと目を離したすきに、アンタはなにをやっているんだい! 仕事しな!」 「え、ちょっ、モイラ様っ。ドラちゃんとゴン爺様とまだ触れ合ってないんですっ。ちょっ、引っ張らないで! ドラちゃん、ゴン爺様ーーーっ」 やってきたモイラ様に一喝されて、引き摺られていくエルランドさん。 コッソリとモイラ様を拝む俺だった。 それから、戻ってきた職員にリヴァイアサンの頭をどの辺に出せばいいのかを聞き、指定された場所にアイテムボックスから取り出して置くと、ドラちゃんとゴン爺の強い希望でみんなでそっとその場を後にしたのだった。

581 Lesson 557 Remember, Dismantling Isn'T Over When You Have The Meat. All right, let's go hunting today. It's fine. I've been working on dismantling Leviathan all this time, so it's not too bad to move around here. I agree! Hunt! "Cha-cha-cha-cha, what are you guys talking about?" When I finished eating breakfast and took a good breath, I thought I would say something, and I suddenly went hunting. Leviathan is still in the process of being dismantled. When I say that, Fel, Grandpa Gong, Dora-chan, and Sweet Cannibal Carte are the wind that blows. No, it's as if it's over. Hmm. We've secured the vital Leviathan meat. That's right. That's right.Because meat is the most important thing. " Meat! "You guys..." Well, I know that meat is the most important thing for you guys. Meat, meat supremacy. In the last two days, we've finished removing bones from our bodies, and we've definitely finished collecting Leviathan's meat. There's so much stuff in my inventory. Well, that's not the end of it. "Listen, dismantling isn't over when you get the meat."You haven't finished dismantling your head yet. " "Mh, I don't care about the head.I don't have any part to eat anyway. " When Fel said that, Grandpa Gong, Dora-chan, and Sweetheart nodded, as if to say, "Yes." "Don't say that." And anyway, I think it's going to take a while. " Nuuu?! "I didn't think it would take long..."I was wondering if I could go home next week or so.It's time to miss the bath. " Of course. I'm fine with the baths here, but they're too small for Grandpa Gong. But the bath in my house feels bigger. Hey, is that Grandpa Gong's bath? Well, it's like expanding the bath at home for Fel and Grandpa Gong, so I'm glad you said that. But it's Leviathan. I wonder what Leviathan would have thought if he had put the bath and the Leviathan on the scale. Now that the meat is secured, I don't care what happens. I look at the cannibal Cartes with a little awe. "Ha, you guys are..." You know, we haven't finished dismantling it, and we haven't made any decisions about buying out the Adventurer's Guild in King's Landing.It's still going to take a while. " Even the Adventurer's Guild in King's Landing doesn't buy all the parts except the meat. Because it has a financial relationship, it has already been said that everything feels impossible. If that happens, I will naturally have to take back the remaining materials, and there will be a liquidation of the buyout, and I have done a lot of things like that. When the dismantling is done, you can't say, "Hi, that's it." "Look, from today on, dismantling is going to be done by the Adventurer's Guild." Let's go, guys. " I finished dismantling my torso, and today I'm going to dismantle my head. Although it was huge, it could be dismantled in the Adventurer's Guild's warehouse with its head, so the location of the dismantling was changed from today. Nonsense, shouldn't we leave that to him and the others? It's true that many people decide to dismantle or buy things, but you have to take things with you. Leviathan's giant head is in our custody. "Come on, let's go." ***** As soon as I arrived at the Adventurer's Guild in the King's City, I was guided to the warehouse. And that's where I was waiting... " Mukoda-san! Besides, Dora-chan, Grandpa Gong!! Elland-san jumped up to us like a pullout with a smile on his face and glittering eyes. While twisting her face, Erland added, "Well, there's Fel and Sweet, too." "Oh, that's right," snapped Erland. This person is getting worse and worse. Is that it? I liked dragons, but it seems like the hoop has been coming off more and more since I met the dragon. But lately, I don't think I've weighed myself too much. "When I look at Mr. Erland and think about it..." "Dora-chan, Grandpa Gong, I missed you!" What did you think, Elland-san, who screamed like that and rushed toward Grandpa Dora, was also a pervert. I rushed to spread my hand before the pervert and stood like a king. "Mu, Mukoda-san?! Why are you interrupting me?!" "Why, of course!" Did you forget about Carrerina? " I remember it very well! Curry Limber Lina! "Ugh, that's it, this time!" That's nothing. "I haven't seen you since I came to King's Landing!"I didn't see you for a long time, either because I was hit by an empty guard!Even though you're so close! " The pervert said, "Do you know how frustrating and spicy this is?!"or something like that..." That's because Dora-chan and Grandpa Gong flew into the sky early because they didn't want to see you. No, that means Dora-chan and Grandpa Gong don't want to see Erland. Split up. I muttered to myself. You know I don't want to see you because something like that happened in Karelina. Normally. I mean... " "You can't do this in the first place, can you? Why are you trying to hug me?" That's right. This elf is spreading its arms and rushing with a cuddle from the beginning. It's a little good! "It's just a little bit..." "I really hate Dora-chan and Grandpa Gong!" Looking back while saying that, Grandpa Dora and Grandpa Gong nodded to my words fast and repeatedly, looking extremely disgusted as expected. "Oh, noo! I love Grandpa Dora so much!" "I love you, you're creepy." Unexpectedly, Honne shouted. "You're creepy, you're a terrible mukoda!" It was a shame that Erland, who was screaming on all fours, was even more freaked out. It seems that everyone looked at it the same, and the surrounding staff members are also donating, and everyone seems unwilling to get involved, so they are pulling up. "I wonder what happened to the rest of us and Erland left behind..." There is a man who kicks up Mr. Erland with a gesture. "What are you doing?" Don't do any work! " "Eh, hey, Moira-sama."Dora-chan and Grandpa Gong haven't touched each other yet.Hey, don't pull! Dora-chan, Grandpa Gong... Elland is being dragged by the arriving Moira-sama. It was me who worshiped Kossoli and Moira-sama. Then, when I asked the returning staff where to put Leviathan's head, I took it out of the locker and put it in the designated place, and Dora and Grandpa Gong's strong wish was to leave the scene.

第四百二十一話 ちょっぴりブラックなムコーダ 『やけに蟲の魔物が多いな』 背中に俺を、頭にはスイを乗せたフェルに並走するように飛ぶドラちゃんが念話でそうつぶやいた。 『森だからじゃないの?』 ダンジョンの中の森ということもあっていつもよりは抑え気味のスピードで走るフェルの背中の上から俺はそう念話で返した。 『それにしても多過ぎねぇか? フェル、どう思う?』 『うむ、確かにな。もしかしたら、そういう森なのかもしれぬぞ』 『蟲の森か......。嫌な森だな。って、そういやダンジョンコアってのがあるんだっけ。要はダンジョンの中はそのダンジョンコアの思うがままってことか?』 『そういうことだ』 『あれ? でもさ、前にフェルに森の中に出来たばっかりの若いダンジョンだって無理矢理連れて行かれたことあるじゃん。あの時は、魔素が濃い場所にダンジョンは自然にできるって言ってたような気が......』 『ああ、それはな......』 フェルの話によると、ダンジョン自体はいろんな条件はあるものの魔素が濃い場所に自然にできるってことで間違いないんだけど、出来たあとにある程度ダンジョンが成長したところでダンジョンコアが生まれるのだそうだ。 そのダンジョンコアが生まれるまで成長するってのが相当長い年月かかるみたいだけどね。 そうしてダンジョンコアが生まれたあとのダンジョンは、ダンジョンコアの意向によって、どんな階層になるのかやどんな魔物が湧くのかが決められてゆっくりと成長を続けていくのだそうだ。 もちろん長生きのフェルにしたってさすがにダンジョンコアと交信したことなどないから、伝え聞いた知識ではあると言っていたけどね。 まぁとにかくだ、そういう話だからダンジョンコアがこの階層を蟲系の魔物ばかり配置しているっていうのも有り得る話ではあるということだ。 『また魔物だー! エイッ!』 ビュッ―――。 大量の蟲の魔物に歓喜していたのは戦闘大好きなスイだった。 今も名前は知らないがデカいアブの魔物に酸弾を撃ち込んで撃墜させていた。 『鬱陶しくはあるが、スイに任せておけば大丈夫であろう』 フェルが自分の頭の上に陣取るスイを見上げてそう言った。 『うんっ。スイがぜーんぶやっつけるよー!』 フンスと荒い鼻息が聞こえそうな勢いでそう宣言するスイ。 『フェルの言うとおり大丈夫みたいだな。ハハッ』 『スイ......』 ダンジョンに入るたびに戦闘スライム(?)化していくスイに何とも言えない気持ちになる俺だった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 次から次へと出てくる蟲系の魔物をスイがバッタバッタと倒しながら俺たち一行は森の中を進んで行った。 高ランクの魔物のドロップ品については回収も忘れない。 そこは身軽なドラちゃんにお任せだ。 俺が預けたマジックバッグを首に掛けてそこへ飛びながら回収したドロップ品を入れていく。 今もスイが倒したジャイアントセンチピードのドロップ品の殻と魔石を回収したところだった。 『しかしホント蟲ばっかりだよな。森なのに獣系の魔物は全然出ない』 『蟲以外も出ただろ。ヌメヌメしてるキモいのがよ』 『そうか。数は少ないけどポイズンスネイルだのジャイアントスラッグだのもいたか』 ドラちゃんが言うヌメヌメしてキモいのってのは、中型犬くらいの大きさの毒持ちのカタツムリの魔物と全長が2メートルくらいありそうな超デカいナメクジの魔物やらだ。 『他にも上から降ってきたヤツがいただろう』 『おいー、思い出させるなよドラちゃぁぁぁん』 上から降ってきたヤツ......。 あれはトラウマものの魔物だった。 その名もビッグフォレストリーチ。 体長20センチくらいのヒルの魔物だ。 最低のFランクの魔物で雑魚もいいとこだけど、精神的には1番堪える魔物だったよ......。 ビッグフォレストリーチは木の枝にいたんだろうな。 体長20センチの黒っぽいヒルがウネウネしながら頭上からボトボト雨みたいに大量に降って来たんだ。 そりゃあもう全身鳥肌もんの超絶気色悪い光景だった......。 フェルの結界のおかげで直接吸い付かれるなんてことはなかったから良かったけど、そんなことになってたら絶対に気絶してたぞ俺は。 そんでもって一生もののトラウマになってたはずだ。 とにかくだ、思い出すだけでもゾワッときて気持ち悪くなる悪夢のような光景だったよあれは。 『ううっ、思い出したら気持ち悪くなってきた......』 『自分で言ってなんだけど、すまん、俺もだ』 あの悪夢のような光景は、ドラちゃんにも精神的ダメージを与えていたようだ。 ドラちゃんとそんなやり取りをしていると、ふいにフェルの足が止まった。 『フェル、止まってくれたのはありがたいけど大丈夫だぞ』 『ああ。気持ち悪くなったけど、止まってもらうほどじゃない』 俺とドラちゃんがそう言うと、フェルがフンと鼻で笑う。 『お前たちのために止まったのではないわ。あれを見てみろ』 フェルが鼻先で指す方を見ると、この森にはいないと思っていた獣系の魔物がいた。 『あれはレッドボアか?』 レッドボアが体長50センチくらいのアリの魔物の集団に囲まれて追い込まれていた。 『あれがいるとはな。どうりで蟲しかいないはずだ』 『だよなぁ。あれがいるんじゃいないはずだわ』 レッドボアを囲むこの世界基準でいくと小さめと言えるアリの魔物を見て、フェルとドラちゃんが訳知り顔でそう言った。 『あのアリ、鑑定では“フォレストアーミーアント”って出たけど、あれがいると何か問題なのか?』 『まあな......』 フェルとドラちゃんの話では、フォレストアーミーアントは集団戦の得意な肉食の魔物で、自分たちよりも大きい魔物や格上の魔物だろうがエサとみなして集団で襲うのだという。 強力な顎を使っての噛み付いての攻撃がメインで、言ってみれば攻撃方法はそれだけしかないから個の強さはそれほどでもない魔物だが、とにかく数が多く集団で襲ってくる。 仲間が死のうがおかまいなしで数の力で力押しという戦い方。 『数がいるからな。あのように集団で次々と襲ってエサにしてしまうのだ』 フェルの目線の先にはレッドボアに次々と噛み付くフォレストアーミーアントたちが。 数の暴力ってやつか。 レッドボアは必死にフォレストアーミーアントたちを引き離そうと「プギィィィッ」と盛大に叫び声をあげ暴れている。 『フェルの言うようにそんなんだからこいつ等の巣ができた森じゃあ獣系の魔物の姿が消えるんだぜ。ちなみにだけど、もちろん人間のお前も捕食対象だからな』 ドラちゃん、そんなの一々言われなくても察しはついてるよ。 そうこうしているうちにレッドボアがアリの集団攻撃にどうすることもできずに力尽きた。 肉と皮がドロップされると、フォレストアーミーアントたちは皮には目もくれずに鋭い口で手早く肉を小分けにするとそれぞれが抱えて運んでいった。 『あるじー、スイがやっつけるー?』 スイがそう言うと、フェルが『手を出すな、スイっ』と強い調子でピシャリと言った。 『ちょっと、フェル』 めるようにフェルを見た後、ショボンとしてしまったスイを胸に抱いた。 『むぅ、すまんとは思うが理由があるのだ』 フェルが言うには、フォレストアーミーアントに下手に手を出すと後が大変なんだとか。 仲間がやられたのを察知したフォレストアーミーアントは次々と群がって襲ってくるらしい。 もちろんフェルがフォレストアーミーアントごときにどうということはないのだが、弱い魔物のクセにとにかく数が半端じゃないくらいに多くてとにかく鬱陶しい思いをするハメになるらしく、関わるのも嫌な魔物の1つなのだと顔を顰めている。 ドラちゃんも『あいつ等に手を出すなら巣を殲滅する気でやらないと面倒なだけだぞ』という意見だ。 巣を殲滅か。 それ、やれるかも。 確かネットスーパーにあったあれでイケるはず......。 『おい、殲滅する手がありそうだ。とりあえずあいつ等の後を追うぞ』 俺たち一行は、見つからないよう一定の距離を置きつつ肉を手にしたフォレストアーミーアントを追跡した。 ほどなくして巣を発見。 大きな岩陰の下にパッカリと開いた穴に次々と入っていくフォレストアーミーアント。 『あそこが巣穴のようだな。して、殲滅する手があると言っていたがどうするつもりなのだ?』 巣穴を窺いながらフェルがそう聞いてくる。 俺としてはよくぞ聞いてくれましたって感じだ。 『ちょっと待ってて』 そう念話で伝え、俺はネットスーパーを開いて殺虫剤のメニューを開いた。 『フフフフフ、やっぱりあったな。アリにも効くやつが』 俺は見つけた物をすぐさま購入した。 『なんか悪い顔してんな、お前。何があったってんだよ?』 『ちょっとドラちゃん悪い顔って失礼だね』 とは言ってもちょっぴりブラックなところが出ちゃってるか? 何せフォレストアーミーアントにとってはとんだ災難になるだろうからね。 すぐに届いた段ボールを開けながら、俺はニンマリと笑ってそう言ったのだった。

441 Episode Four Hundred Twenty-One: A Little Black Mkoda "You've got a lot of bug demons in your yakitori." Dra, who flies me on her back and Suey on her head, snapped like that in a conversation. "Isn't it because it's a forest? Sometimes the woods in the dungeon are more subdued than usual, and from the top of Fell's back running at a temper speed, that's what I gave back. 'And isn't that too much? What do you think, Fell? 'Um, sure. Maybe that's the woods.' 'A forest of worms... That's a shitty forest. So there's a dungeon core. The point is, in the dungeon, the dungeon core thinks it is, right? "That's what I'm talking about." "Is that it? But you've been forced to take a young dungeon that Fell just made in the woods before. At that time, I felt like he said that dungeons can be done naturally in places where the magic vegetables are thick... ' "Oh, that's..." According to Fell's story, the dungeons themselves are naturally capable of having a certain amount of magic vegetables in a dark place, but after the dungeons have grown somewhat, the dungeon cores are created. Sounds like it's going to take quite a while for that dungeon core to grow. That's how the dungeon core comes into being. The dungeon core intent slowly determines what hierarchy it will be and what demons will gush. Of course, he said he had never spoken to Dungeon Core about making it a long-lived Fell, so he said it was the knowledge I had told him. Well, anyway, that's the story, so it's also a possible story that Dungeon Core places all this hierarchy of bug-based demons. "Another demon!" Aye! ' Buh -. It was Battle Lover Sui who was happy with the massive bug demons. I still don't know his name, but he was shooting acid bullets into the big Abu demons and letting them shoot him down. "Depressing, but leave it to Sui, you'll be fine" That's what Fell said when he looked up at Suey forming over his head. 'Ugh. Sui's gonna kill you! Sui declares so with the momentum that he is likely to hear a hunce and a rough nose. 'Looks like Fell's right. Ha ha.' "Sui......" Whenever I enter a dungeon, I fight slime (?) It was me who made me feel indescribable to Sui as she transformed. * * * * * We proceeded through the woods as Sui defeated the next bug-based demon. I won't forget to collect high ranking demon drops. I'll leave that to the light Dora. I hang the magic bag I left in my neck and put in the drops I collected while flying there. I still just recovered the shell and demon stone from the Giant Centipede drop that Sui defeated. 'But it's just real bugs, isn't it? Even though it's a forest, there's no beast demons at all. " 'You've got nothing but bugs. It's creepy. " 'Right. I don't know how many, but some of them were giant slugs with poison snails. What Dora calls a nuisance and creepy is a super big Namekuji demon about the size of a medium-sized dog with a poisonous snail demon that seems to be about two meters long. "There would have been someone else coming down from above." "Hey, don't remind me, Dora." He came down from the top...... That was a traumatic demon. Its name is Big Forest Reach. It's a Hill demon about 20 centimeters long. It's the lowest f-rank demon and a good place for miscellaneous fish, but mentally it was the most enjoyable demon... I guess Big Forest Reach was in a tree branch. A 20-cm-long, black-like hill came down like a bottomed rain from overhead, unnecessarily. Well that was already a super chilling sight for all the goosebumps...... I'm glad you never got sucked directly because of Fell's junction, but if that was happening, I would've definitely passed out. It must have been a lifetime of trauma. Anyway, it was a nightmarish sight that just reminded me of it and made me feel soooo sick. 'Ugh, I'm starting to feel sick when I remember...' "I don't know what to say myself, but I'm sorry, so am I." That nightmarish sight seemed to have caused mental damage to Dra as well. Dora and I had such an exchange, Fell's leg stopped on the pretend. "Fell, I appreciate you stopping, but you're gonna be fine." 'Oh. I feel sick, but not enough to get you to stop' When me and Dora say that, Fell laughs with her nose. 'I didn't stop for you guys. Look at that one.' When Fell looked at those pointing at him at the tip of his nose, there was a beastly demon who thought he wasn't in this forest. "Is that a red bore? A red bore was being driven around by a group of ant demons about 50 cm long. 'I didn't know you had that. There must be only bugs on the street. " 'That's right. It's not supposed to be there. " Seeing an ant demon that could be described as smaller by this world standard surrounding the Red Bore, Fell and Dora said so with a translated face. "That ant, the appraisal said" Forest Army Ant, "is there something wrong with having that one? 'Fair enough......' Fell and Dora's story says Forest Army Ant is a carnivorous demon who specializes in mass warfare and strikes in a group of people considering it a bait, although it would be a demon or a statue demon bigger than ourselves. The main attack is with a bite with a powerful jaw, and if you ask me, that's the only way to attack it, so the strength of the individual is not so much a demon, but it strikes a large number of people anyway. The battle of force pushing with the force of numbers, whether one's companion dies or not. 'Cause there's a number. That's how they attack and feed one group after another.' At the end of Fell's gaze are Forest Army Ants biting the Red Bore one after the other. Numbers of violence. Redbore is screaming and rumbling "puggyyyyyyyyy" desperately to keep the Forest Army Ants apart. 'Like Fell said, that's why we have these nests in the woods. Then the beast demons disappear. By the way, of course you're a predator.' Dora, you don't have to tell me one of those things. I'm guessing. While doing so, Redbore did everything he could to respond to Ali's mass attack. When the meat and skin were dropped, each of the Forest Army Ants carried the meat in his arms as he quickly subdivided it with a sharp mouth without even looking at the skin. Sui is going to kill you? When Suey said that, Fell said pissy in a strong way, 'Don't get your hands on me, suck'. "Hey, Fell." After watching Fell to embarrass her strong tone, she held Sui in her chest, who had become a shovon. "Well, I'm sorry, but there's a reason." Fell says it's hard after when you get your hands on Forest Army Ant badly? Forrest Army Ant, who sensed his people had been hit, apparently attacked in one crowd after another. Of course, there's nothing about Fell when he's at Forest Army Ant, but he looks at the weak demon scum. He's going to be so many that he's not half as depressed anyway, and he's one of those demons he doesn't like to get involved with. Dora also said, 'If you're going to get your hands on those guys, it's just gonna be a hassle if you don't want to destroy the nest.' Destroy the nest. Maybe we can do that. Sure it was in the internet supermarket. That should make you look good...... 'Hey, there's going to be an exterminating hand. We'll go after them for now. " We tracked the Forest Army Ant with meat in our hands while keeping a certain distance from being found. Lose as much and discover the nest. Forest Army Ants one after another into a puckering hole beneath a large rock shade. 'That looks like a nest hole over there. He said he had a hand to wipe out, but what are you going to do? That's what Fell asks as he peeks into the nest hole. Well, as far as I'm concerned. I feel like you asked. "Wait a minute." Yes, I told him about it, and I opened an online supermarket and opened a menu of insecticides. "Huh, huh, I knew it. The one that works for ants." I bought what I found right away. 'You look like something bad, you. What's going on? "Hey, Dora, that's rude of you to look bad." That said, is there a little bit of black out there? It would be a disaster for Forest Army Ant anyway. That's what I said with a smile as I opened the cardboard that arrived right away.

第四百六十三話 野生のベヒモス 今日はみんな朝から元気いっぱいだ。 なにせ待ちに待った狩りに向かうことになっているからね。 みんないつもよりもたっぷりと朝食を摂って準備万端。 俺はいつもと同じくあっさりした朝食を摂らせてもらったけどね。 さてこれから狩りに出発というところで、ゴン爺からの提案が。 『考えたのだがな、狩場にするならなかなかに面白い場所を知っているのじゃが、そこに行かないか?』 「面白い場所?」 『うむ。深い森なのだが、その中に一部地面が天高く飛び出た場所があるのじゃ。その飛び出た部分の頂上にはさらに森が広がっていてな。その森には、なかなか面白い魔物が多いんじゃ』 一部が天高く飛び出た場所? 「え、それって普通に山じゃないの?」 『違う。山ではないのじゃ。うーむ、説明が難しい............。おお、そうそう、主殿が飯を並べる台があるじゃろう』 飯を並べる台? 「......もしかして、テーブルのこと?」 『そう呼ぶのかわからんが、おそらくそうなのじゃろう。その“テーブル”とやらに似た形に地面が飛び出して、あんな風に上の部分は平らになっておるんじゃ。その平らな部分が森になっているというわけじゃ』 テーブル状に隆起した岩......。 いつかネイチャー系のテレビ番組で見たテーブルマウンテンが頭に浮かぶ。 ゴン爺の言うその森って、そのネイチャー系のテレビ番組で特集してたギアナ高地みたいなところなのかな? てか、ギアナ高地みたいなところなら却下だよ。 秘境って言われてるような所なんだぞ。 この異世界のギアナ高地に似た場所なんてことになったら、きっと人がほぼ足を踏み入れない場所に違いない。 俺もいろいろとフェルたちに連れ回されたから分かる。 そういうことだから......。 「却下」 『な、何故じゃ?! そこでしか獲れない魔物などもいて面白いんじゃぞ!』 「いやいや、そこさ、どこにあるか知らないけど、天高く飛び出た場所っていうからにはゴン爺に乗って行くってことになるんだろ?」 『うむ。それが一番手っ取り早いからのう』 「それがダメ。この前、ブリクストの街からゴン爺に乗って帰ってくる時だって騒ぎになったじゃん」 ゴン爺が超巨大な姿になって飛ぶんだから、そういう時は前もって根回しが必要ってことなんだよ。 たかが狩りに行く程度で、冒険者ギルドに根回しをお願いするのも大変だろうが。 「そういうことだから、その話は却下。近場でいいじゃん近場で」 カレーリナの街の外だって森だらけだよ。 基本的にこの世界は都市部以外は手つかずの自然だらけなんだし。 なにせ重機なんてないから人力が基本だからね、そんなに開発されてないし。 『ゴン爺、ちょっといいか? お主が言っておる場所は、もしかして、真ん中辺りに湖がないか?』 今まで静かだったフェルがゴン爺に声をかけた。 『おお、あるある。真ん中に澄んだ水の湖があるのじゃ』 『やはりか! 我も大分前だが行ったことがあるぞ! 確かにゴン爺の言うとおり、面白い場所だ。あそこには確かべ......』 不自然に言葉を止めるフェル。 「べの後はなんだよ?」 『な、なんでもないぞ』 ......怪しい。 『ゴン爺、ちょっとこっちに』 『いいからちょっとこっちに来い』 『何を偉そうにしておる』 『まったく用があるならお主が来ればいいじゃろうが』 文句を言いながらもフェルの方へ向かうゴン爺。 そして、顔を突き合わせてコソコソと話し始める。 『......こには......もす.........な』 『そう.........れに..................ふだん.........かかれない............しゅ...............』 『......の我ら......あそ............みない...』 『うむ..................が......みず......の......なも........................』 『.........のさか..................やつに......させ...............うま.........のでは.........?』 何を話しているんだ? ってか、何顔を見合わせて頷いているんだ? 『よし、ゴン爺の言う場所に狩りに向かうぞ』 振り向いたフェルがそう言った。 「は? 俺とゴン爺との会話きいてなかったの? 却下だって言ったじゃないか」 『大丈夫だ。ゴン爺に乗って行けばそれほど時間はかからん』 「いやいや、だからそれがダメなんだってば。ゴン爺の超巨大な姿は大騒ぎになるんだってば」 『それならば、元の大きさにならずにほどほどの大きさにとどめておけばよいだけだろう』 ほどほどの大きさって? 『ゴン爺、当然できるのだろう?』 『当たり前じゃ。ほどほどの大きさというと普通のドラゴンくらいの大きさでいいか?』 『うむ。それだけあれば我ら皆乗れるだろう』 いやいやいや、普通のドラゴンくらいの大きさって何言ってるのかな? 君たち言っていることがおかしいから。 普通のドラゴンが出ても近隣の街が大騒ぎになるからね。 『よし、そうと決まれば......っと、ここでは出来ないのだったな。街の外でないと。そうと決まればさっさと行くぞ』 「いやいや、行かないからね。却下だって言ってるでしょ。狩りは近場で。いいな!」 『四の五のうるさいぞ。とにかくさっさと乗れ』 フェルが急かしてくるから、渋々フェルの背中によじ登る。 『おいスイ。ゴン爺の言う場所に行くらしいぞ。フェルも面白いって言ってるし、こりゃあ楽しみだな!』 『うんっ! スイも楽しみ~』 「ドラちゃんもスイもなんだかゴン爺の言う場所に行く気になっているけど、行かないからねっ」 『おい、飛ばすから口を閉じろ』 フェルから警告されて仕方なく口を閉じた。 それから俺たち一行は、カレーリナの街の門をくぐり外へとやって来た。 『よし、街からも離れたし、ここでいいだろう。ゴン爺、よろしく頼むぞ』 『うむ』 「ちょっとちょっと、だからダメだって!」 止めるのも聞かずにゴン爺が大きくなった。 『いいぞ。乗るのじゃ』 ドラちゃんとスイはウキウキでゴン爺の背中に乗っている。 「ドラちゃんもスイも素直に乗らないの! だからダメだって言ってるでしょ! 行かないよ! だいたいゴン爺に乗って行かなきゃいけない場所なんて、今日中には帰ってこれないってことだろ?」 『まぁ、儂に乗って行けば遠いことはないが、日帰りは無理じゃろうな。そうなると狩りをする時間が無くなるしのう』 「ほらぁ。家のみんなには狩りに行くって言ってあるだけで、泊りがけになるなんて言ってないんだからね。心配するだろ」 『彼奴らなら問題なかろう』 「問題なかろうってね、そうやって簡単に言うなよフェル。問題大アリだからね!」 『ええい、うるさいぞ! さっさと乗れ!』 業を煮やしたフェルが俺の襟首を噛んでポイッとゴン爺の背中に放り投げた。 「ちょっ、何する! うわぁっ」 素早くフェルがゴン爺の背中に乗ると『出発だ』と声を上げた。 フェルの言葉に応じてゴン爺が舞い上がる。 こういう時ばっかりスムーズに連携するのはズルいぞ! 「了解じゃなくって、ダメだってば! 降りてよゴン爺!」 『おい、しゃべっていていいのか? 儂本来の大きさじゃない分安定性も落ちているから落ちやすくなっておるんじゃが』 「......は?」 『しっかりつかまっておれということじゃ』 思わずゴン爺の首にしがみついた。 『よし、準備はいいな。それでは出発じゃ』 「だからダメって何回も言ってるのにぃぃぃぃっ」 俺、フェル、ドラちゃん、スイを乗せたゴン爺は大空へと舞い上がり、悠々と空を進んで行ったのだった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 『おい、着いたぞ』 ゴン爺の首にしがみ付いて目を瞑っていた俺の頭をフェルが小突く。 「小突くなよ~」 俺は不貞腐れながらゴン爺から降りた。 朝早くにカレーリナを出てきたはずが、太陽は既に真上に昇っている。 「ったく、あれほどダメって言ったってのに聞きやしないんだから......」 文句を言いながら周りを見回して、あまりの光景にあんぐり口を開ける。 「樹齢何年の木だよ......」 遠目から見ても大木と分かる木々が鬱蒼と茂っていた。 『うわぁ~、大きい木がいっぱいだよ、あるじー』 『雰囲気のある森じゃねぇか。こりゃあ獲物も期待できそうだな!』 スイとドラちゃんは無邪気にはしゃいでいるけども。 「ここがゴン爺が言ってた場所か?」 『うむ。頂上の森の真ん中辺りじゃな。ここは昔、儂が獲物を追って暴れた名残じゃな』 どうりで森の真ん中だっていうのに、広い空き地なわけだよ。 というか、想像以上に秘境なんだけど......。 森なんて生易しい言い方じゃなく、ここってジャングルだよね。 まるで再現CGとかである恐竜ひしめくジュラ紀のジャングルみたいなんだけど。 ギィギィとかグアァァァッとか絶え間なく聞こえてくる何かの鳴き声も相まって、余計にそう思えて仕方がない。 ......今更だけど、絶対にヤバイ場所だよね。 そんなことを考えながら顔を引き攣らせていると、そんなことはお構いなしの一行が騒ぎ始める。 『おい、そんなことはいい。さっさと狩りに行くぞ』 『お主はせっかちじゃなぁ。まあ、いい。行くとするか』 『おう! 行こうぜ! 腕が鳴るぜ~』 『スイ、いっぱい倒して一番になるんだー』 『おーい、聞き捨てならねぇぞスイ。俺が一番に決まってんだろ』 『スイが一番だも~ん』 『おっし、それじゃ競走だ!』 フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイはすっかり狩りモードで今にも飛び出していきそうだ。 「ちょっとちょっと! 俺はどうすんのさ?」 『ん? いつものようにここで我らの夕飯の用意でもしていればよかろう』 「いやいやいや、こんなところに一人で置いていかれるとか怖すぎでしょ!」 『結界も張っていくから大丈夫だろう』 「また簡単にフェルはそういうこと言う~。こんなとこに一人でいるなんて嫌だぞ」 こんなとこじゃ落ちついて夕飯作りなんてできないっての。 『おいフェル、お主の結界でベヒモスからの攻撃は大丈夫なのか?』 空耳かな? 「ゴン爺、何の攻撃だって?」 『ん? ベヒモスじゃ』 『ゴン爺、そのことは内緒だと言ったではないか』 フスンと鼻息を吐きながら呆れたようにフェルがそう言った。 『ああ、そうじゃった! でもまぁ、もう狩場に着いているしいいじゃろうて』 「あれがここにいるってこと?」 『うむ。前に我がここに来たときはいたぞ』 『儂が来たときにもいたのう』 「野生ってこと?」 『そういうことになるな』 『なぁなぁ、聞いたかスイ。野生のベヒモスだってよ! ク~、あいつとまた遣り合えるとは! めっちゃ楽しみだぜ!』 『べひもす~?』 『そうだ。ほらドランって街のダンジョンの一番下の階にいたボスだよ』 『あー、思い出したー! ビュッビュッてしてもなかなか効かなかった固いやつだー』 『そうそう、それがいるらしいぞ』 『うわぁ~楽しみだね~』 ドラちゃんとスイの会話は聞いているだけならほのぼのだけど、内容は物騒極まりないからね。 というか......。

484 Episode 463: Wild Behemoth We're all full of energy this morning. Anyway, we're supposed to head for the hunt we've been waiting for. Everyone has plenty more breakfast than usual and is ready. I was given a light breakfast, as usual. Well, I'm going to go hunting, and I have a suggestion from Grandpa Gong. 'I thought, if you're going to be a hunting ground, you know a pretty interesting place, but why don't you go there? "An interesting place? "Uhm. It's a deep forest, but there's a part of it where the ground jumped out of the sky. There are more woods at the top of that jump. There are a lot of interesting demons in that forest. ' Where some of them jumped out of heaven? "Oh, isn't that usually a mountain? No, it's not a mountain. Hmmm, hard to explain...................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................... Oh, yes, there will be a table where the Lord will arrange the rice. ' A table for arranging rice? "... Could it be about the table? 'I don't know if that's what you call it, but it probably is. The ground pops up in a similar shape to the table, and the top part is flattened like that. It doesn't mean the flat part is in the woods.' table-shaped raised rock...... One day the table mountain I saw on a Nature-based TV show comes to mind. Is that forest, as Grandpa Gong called it, like the Guiana Highlands that he featured on that natural-based TV show? Well, if it's like the Guiana Highlands, it's dismissed. It's like they say it's a secret place. What a place similar to this otherworldly Guiana Highlands, it must be a place where people barely step in. I know because the Fells took me around a lot, too. Because that's what I'm talking about... "Rejected" "Why not?" It's funny how some demons can only be captured there! "No, no, there it is, I don't know where it is, but the place that jumped out of heaven high means you're going on Grandpa Gong, right? "Uhm. Because that's the quickest way" "That's no good. Even when you came back from the city of Brixte on the Gong, you made a scene." Grandpa Gong flies when he looks super huge, so that means he needs to root up front. It will be hard to ask the Adventurer Guild to root for you to the extent that you go hunting. "That's the thing, so the story is dismissed. Close. Close." Even outside the city of Curry Lina is full of woods. Basically, this world is full of unspoiled nature except in urban areas. There's no heavy machinery, so manpower is fundamental, so it's not so developed. "Grandpa Gong, do you have a minute? Where the Lord says, could there be a lake around the middle? Fell, who had been quiet until now, spoke to Grandpa Gong. 'Oh, there is. There's a clear water lake in the middle. " "Again! I've been there a lot, too! Sure, Grandpa Gong is right, it's an interesting place. Be sure there...... ' Unnaturally stopping words Fell. "What's after Beh? "Hey, it's nothing." ... suspicious. "Grandpa Gong, come here for a second" Come here for a second. "What do you make great?" "If you need me at all, I wish your lord would come." Grandpa Gong headed towards Fell even as he complained. And then he starts poking at each other and talking to Kosokoso. "... here... if... na" "Yes... to whom........................................................................................................................................................." "... of us... oh... no..." "Umm.............................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................. "... of... let him... let him... um... well... then...? What are you talking about? I mean, how many faces are you nodding at? "All right, we're going hunting where Grandpa Gong says we are." That's what Fell, who turned around, said. Didn't you have a conversation with me and Grandpa Gong? You said no. " 'I'm fine. If you take Grandpa Gong, it won't take long.' "No, no, that's why I said no. Grandpa Gong's super gigantic figure is gonna make a fuss." 'Then you'll just have to keep it big enough without being the original size' About the size of it? "Grandpa Gong, can you do it naturally? "Of course not. It's about the size of a regular dragon, okay? "Uhm. That'll get us all on board." No, no, no, no, no, no, no. What are you talking about, like, a normal dragon size? Because there's something wrong with what you're saying. Even if a normal dragon comes out, the neighboring city will make a fuss. 'Okay, if that's what you decide... you couldn't do it here. It has to be outside the city. If that's what you decide, you're on your way. " "No, no, I'm not going. I'm telling you it's rejected. Hunting is nearby. Nice!" "Four-five. Shut up. Anyway, get on it. ' Fell hurries, so reluctantly climbs Fell's back. "Hey Sui. They're going where Grandpa Gong says they are. Fell says it's funny too, and this is so exciting! "Ugh! Looking forward to Sui too ~ ' "Dora and Sui are kind of willing to go where Grandpa Gong says they are, but hey, I'm not going" "Hey, shut the fuck up about flying" Fell warned me and I had no choice but to shut my mouth. Then one of our lines came out through the city gates of Carrerina. 'All right, I got away from the city, and it'll be fine here. Grandpa Gong, do me a favor. "Umm." "Hey, hey, so no! Grandpa Gong grew up without even asking to stop him. 'That's good. Get in. " Drachan and Sui are on Grandpa Gong's back with a candle. "Neither Dora nor Sui will get on honestly! That's why I'm telling you no! I'm not going! By and large, you mean you won't be back by the end of the day where you have to take Grandpa Gong, right? 'Well, if you take the Non, it's not far, but you can't take a day trip. Then we won't have much time to hunt. " "Look. You just told everyone in the house you were going hunting, and you didn't say you were going to stay. You'll worry about it." "If it's them, it's not a problem." "Try not to have a problem, that's how easy it is to say, Fell. It's a big problem! 'Yeah, shut up! Get on it!' Fell, who boiled the business, bit my collar and threw it pointy on Grandpa Gong's back. "Hey, do what! Wow." 'It's time to go,' Fell said quickly as he rode on Grandpa Gong's back. Grandpa Gong rises according to Fell's words. It's cheating to work smoothly all the time at times like this! "If you don't understand, you can't! Come on down, Grandpa Gong! 'Hey, can I talk to you? It's not the original size. It's also less stable, so it's easier to fall. " "... what? "Hold on tight, I mean." I accidentally cling to Grandpa Gong's neck. 'All right, you're ready. Then let's go. " "So I've said no so many times, no, no, no, no, no." Me, Fel, Dora, and Grandpa Gong, who carried Sui, rose to the sky and proceeded slowly to the sky. * * * * * "Hey, we're here." Fell pokes me in the head as I meditated on Grandpa Gong's neck. "Don't poke me." I descended from Grandpa Gong in infidelity. He should have left Carrerina early in the morning, but the sun is already rising directly above him. "Damn, I wouldn't listen to you say it's not as good as that..." I look around complaining and open my mouth gently to too many sights. "How old are the trees..." From a distance, the trees were depressed and lush. "Wow, it's full of big trees, Ruju." 'It's an atmospheric forest, isn't it? That sounds like you can expect some prey too! Sui and Dora are innocent though. "Is this where Grandpa Gong said it was? 'Mm-hmm. Not around the middle of the top forest. This is not the remnants of a long time ago when Non followed his prey. " It's the middle of the woods, but it's a big open lot. Or it's more secretive than I imagined... Forest is not an easy way to say, it's a jungle here, isn't it? It's like a jungle in a dinosaur hissing Jurassic that's a reproduction CG or something. I can't help but think that it sounds like Giggy and Guahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh ... now, but it's definitely a bad place, isn't it? If you're cramping your face with that in mind, a line that doesn't mind starts making noise about that. 'Hey, that's good. Let's go hunting. " 'The Lord is not to blame. Well, fine. Let's go. " 'Whoa! Let's go! My arms are ringing.' "Sui, take them down full and be the best -" 'Hey, don't listen to me, Sue. I'm the best you can do. " "Sui is the best." 'Whoa, that's a race! Fell, Grandpa Gong, Dra, and Sui are going to pop up in hunting mode completely. "Hey, hey! What am I supposed to do? "Hmm? As usual, we could have prepared our dinner here." "No, no, no, you're too scared to be left here alone or something! "I'll keep my ties up, so you'll be fine." "It's easy for Fell to say that again. I don't like being alone here." I can't cook dinner in this place. "Hey Fell, is the attack from Behemoth okay in your Lord's kingdom? Is that an empty ear? "Grandpa Gong, what attack? "Hmm? Behemoth." "I thought you told me not to tell you about that, Grandpa Gong." That's what Fell said as he was stunned as he exhaled his nose with Husn. 'Oh, yeah! But, well, I've already arrived at the hunting ground, and it's okay.' "You mean that one's here? "Uhm. I was here when you came here before." "I was there when Non came." "You mean wild? "Don't be like that." 'Hey, did you hear that, Sue? It's a wild behemoth! Ku ~, I didn't know I could hang out with him again! I'm so excited! "Bestrings ~?" 'That's right. Look, Dolan was the boss on the bottom floor of the city dungeon.' "Uh, I remember -! A stiff one that didn't really work. ' "Yeah, yeah, they have it." "Wow - Looking forward to it." If you're just listening to the conversation between Dora and Sui, it's pretty much because the content is extremely noisy. Or...

第七十三話 変なフラグ立てんなよ 「一仕事終わったし、とりあえず飯にするか」 『うむ、それがいい。ちょうど腹が減ってきたところだった』 『ごはんー』 そう思ったんだけど......。 ブラッディホーンブルは片付いたけど、血の池はそのままだったね。 鉄臭い匂いが辺りに充満している。 「あー、ここではちょっと食う気がしないな」 『血の匂いがきついか。これだけきついと他の魔物がよってくるかもしれんしな』 「えっ? それはマズイ。さっさと逃げるぞ」 『まぁ、待て。スイ、ここの血を綺麗にできるか?』 『んー、この赤いのなくせばいいの?』 『そうだ』 『できるよー。ちょっと待ってて』 フェルの言葉を受けて、スイがブルブル震えだした。 増殖のスキルだな。 スイがデカくなってビッグスライムになると、すぐに小さいスライムに分裂していく。 『みんなー、あの赤いの全部吸い取っちゃってー』 スイの指示にしたがって小さいスライムたちが血の池に向かっていく。 そしてブラッディホーンブルの血を吸い始めた。 瞬く間に血の池はなくなり、踏み荒らされた草地と赤く染まったたくさんの小さいスライムが残る。 『スイ、よくやった』 『うふふ、フェルおじちゃんに褒められちゃったー』 『スライムは雑食だからな、いけると思ったのだ』 ......何かもう、スイは何でもありだな。 「スイ、あの小さいスライムはそのままでも大丈夫なのか?」 『うん、多分真っ暗になるころにはいなくなっちゃうよ』 分裂体には寿命があるみたいだから、夜には消えるのか。 あーはいはい。 じゃ飯にしますか。 「はい、これ。かつサンドとチキンカツサンドだ」 かつサンドとチキンカツサンドが山盛り載った皿をフェルとスイの前に出してやった。 揚げてあったとんかつとチキンカツを使って昨日の夜のうちに準備しておいたんだ。 スイは辛いのはダメそうな気がしたから、からし抜きで作ってみた。 パンにバターを塗って千切キャベツを載せてマヨネーズを気持ち多めにかける。 その上にとんかつを載せて、とんかつソースをたっぷりかけてバターを塗ったパンで挟み込む。 そして半分に切って出来上がりだ。 チキンカツサンドも同様に。 『『おかわり』』 かつサンドとチキンカツサンドが山盛り載った皿を再びフェルとスイの前に出してやる。 ふふふ、作っておいたからすぐに出せるんだぜ。 今までは旅の途中だったりで作っておく暇がなかったけど、この街にいる間にいろいろと作り置きしておくといいな。 肉もたっぷり手に入ったところだし、暇をみていろいろ作っておくことにしよう。 かつサンドにかぶり付く。 うんまいねぇ。 このシチュエーションもいいね。 ブラッディホーンブルのあれがなきゃ、楽しいピクニック気分なんだけど。 いかんいかん、あれを思い出したら飯が食えなくなる。 頭をまっさらにして、かつサンドをガブリ。 あー、かつサンド美味い。 キャベツとマヨとかつとソースが混然一体となって、ク~美味い。 実を言うと俺の分にはからしが塗ってあるから、からしのピリッとした辛さがアクセントだ。 青空の下で食うのも最高だね。 チキンカツサンドもいいね。 あー、ビール飲みたい。 『我にも頼むぞ』 「ああ、コーラか。炭酸飲料が飲みたいなら......ちょっと待っててな」 俺はネットスーパーでサイダーと自分の分の缶コーヒーを購入した。 かつサンドってことでビールが飲みたいところだが、昼間なので自重したよ。 二人のためにサイダーを皿に並々と注いでやった。 『あれ? この間のと違うねー』 「これはサイダーって言ってな、この間のとは違うけど、これもシュワシュワして美味しいぞ」 スイがゴクゴク飲み始めた。 『うんっ、あるじの言うとおりこれも美味しー』 『うむ。これも舌の上で弾けて美味いぞ。ゲェップ......』 「ブフッ」 フェルのヤツ盛大にゲップしてるな。 「アハハ、炭酸飲んだからだよ。炭酸は美味いけどゲップが出るのがね」 俺たち三人は青空の下そよ風の吹く草原の中での食事を楽しんだ。 「さーて、そろそろ帰ろうか」 食事後の多めの休憩時間の後、フェルにそう声をかける。 スイは鞄の中でお昼寝中だ。 『うむ、そうだな。しかし、昨日のミスリルリザードといい今日のブラッディホーンブルといい、準備運動にもならんな』 ミスリルリザードとブラッディホーンブル相手にそんなことを言えるのってフェルだけだと思うぞ。 『もっと骨のある相手はいないのか?』 「もっと骨のある相手ってどんなのだよ?」 『そうさな、ドラゴンなら少しは運動になるな。ドラゴンが無理ならば、せめてワイバーンの群れくらいいればいいのだがな』 ............や、止めてくれ。 変なフラグ立てんなよ。 ってか、まさか、ドラゴンなんてないよな? ワイバーンの群れとか言うのも止めてくれよ。 「ド、ドラゴンとかワイバーンとか、へ、変なこと言うなよ」 『変なことではないぞ。ドラゴンもワイバーンも時たま人の街に出ることもあるのだぞ』 「やめれ。お前が言うと来そうで怖いよ」 『フンッ。来たところで我が返り討ちにしてくれるわ』 いやさ、返り討ちにしてくれるわじゃなくてさ、ドラゴンとかシャレにならんし。 『お主は知らぬのかもしれんがな、ワイバーンの肉もドラゴンの肉も美味いのだ。特にドラゴンは美味いのだぞ』 そんなん知らねぇよ。 こちとらワイバーンもドラゴンも食ったことあるわけないだろうが。 『海に行った後には、ドラゴン狩りに行くのもいいな。うむ、そうしよう』 いやいやいや、そうしようじゃなくってさ。 勝手に行き先決めないでくれる? 『ほら、乗れ。帰るぞ』 はぁ~、フェルは本当にゴーイングマイウェイだな。 海に行くのはいいけど、俺は絶対にドラゴン狩りになんて行かないからなーーーっ。

79 Episode 73: Don'T Flag Me Weird "I'm done with my job, and you want to make dinner for now" 'Um, that's good. I was just getting hungry.' "Dinner." That's what I thought...... Bloody Hornbull's cleared up, but you left the blood pond intact. The smell of iron is everywhere. "Uh, you don't feel like eating here for a bit" "Do you smell blood tight? If this is so tough, other demons might come along." "What? That's not good. Let's get out of here." 'Well, wait. Sui, can you clean up the blood here? "Hmm, should I lose this red one? "That's right." "I can." Wait a minute. ' In response to Fell's words, Sui shook a blurb. That's a growing skill. As soon as Sui gets big and big slime, he splits into smaller slimes. "Guys, I sucked all that red stuff out." The little slimes follow Sui's instructions to the blood pond. And I started sucking Bloody Hornbull's blood. In an instant, the blood pond disappears, leaving a trampled meadow and lots of tiny slimes stained red. "Sui, well done" "Ugh, Uncle Fell praised me -" "Slime is an omnivore, I thought I could." ... something already, sui is anything. "Sui, is that little slime okay as it is? "Yeah, maybe he'll be gone when it gets dark." Seems the schizophrenic has a lifespan, so does it disappear at night? Uh, yes, yes. Would you like to make it dinner? "Yes, this. And sandwiches and chicken cutlet sandwiches." And the sandwich and the chicken cutlet sandwich put the plates on the pile in front of Fel and Sui. I used fried kazu and chicken cutlets to prepare them during last night. I felt like Sui couldn't be spicy, so I made it from scratch. Apply butter to the bread and add chiseled cabbage to make the mayonnaise feel more. Place the tonka on top of it and pinch it in a buttered bread with plenty of tonka sauce. And you can cut it in half. Chicken cutlet sandwiches as well. "" Replacement "" And the sandwich and the chicken cutlet sandwich will put the plates on the pile in front of Fell and Sui again. Hehe, I made it so I can get it out right away. I haven't had time to make it up until now because I'm on a journey, but I hope I make it up a lot while I'm in this city. I just got plenty of meat, and I'll see if I can spare some time to make a lot of it. and wear it on the sandwich. Yeah, it's good. This situation is good, too. I'd feel like a fun picnic without that one from Bloody Horn Bull. Why don't you, when I remember that one, I won't be able to eat. Gabriel your head and sandwiches. Ah, and the sandwich is delicious. Cabbage, mayo, and sauce are blended together, and K ~ delicious. To tell you the truth, my share is covered with tears, which accents the tingling spiciness of the tea. Eating under the blue sky is great, too. Chicken cutlet sandwiches are good too. Uh, I want a beer. "Do me a favor too." "Oh, Coke. If you want a carbonated drink... wait a minute." I bought cider and my own can of coffee at an online supermarket. And I would like to have a beer because of the sandwich, but it's daytime, so I weighed myself down. I did it by pouring cider side by side on a plate for both of us. "Is that it? It's not like this one." "This is a cider, not like the other days, but this is also shrewd and delicious." Sui started drinking cockroaches. "Yeah, you're right. This is delicious, too." 'Mm-hmm. You can play this on your tongue too and it's delicious. Gep......' "Buffoo." You're getting big on Fell's guy. "Ahaha, I drank carbonated drinks. The carbonated drinks are delicious, but the gep comes out." The three of us enjoyed a meal in the breezy meadows beneath the blue sky. "Come on, it's time to go home" That's what I say to Fell after more breaks after meals. Sui is taking a nap in her bag. 'Um, right. But it's called yesterday's Miss Lil Lizard, it's called today's Bloody Horn Bull, and it's not even gonna be a prep movement.' I think Fell's the only one who can say that to Mithrill Lizard and Bloody Horn Bull opponents. "Don't you have someone with more bones? "What kind of person has more bones? 'Well, don't be a bit of an exercise if you're a dragon. If the dragon can't do it, I hope it's at least about a flock of Wyburns.' ............... or stop me. Don't flag me weird. No way, there's no dragon, is there? Stop talking about the Wyburn herd. "D, Dragon, Wyburn, heh, don't be weird." 'It's not weird. Sometimes dragons and Wyburn go out to people's cities. " "Stop. I'm scared you're gonna come." "Humph. You'll pay me back where you came from." No, they'll pay you back, not dragons or anything. "The Lord may not know, but the meat of Wyburn and the meat of the dragon are delicious. Especially dragons." I don't know that. I'm sure you've never eaten a Wyburn or a dragon before. 'After you go to the sea, it's good to go hunting dragons. Um, let's do that.' No, no, no, no, no, no. Don't do that. Will you not decide where to go on your own? 'Look, get in. We're going home.' Huh, Fell's really goin 'my way. It's good to go to sea, but I'm never going to go dragon hunting. Uh-huh.

閑話 とある冒険者の回想 「はぁ......」 「溜息なんてついて、どうしたんだ?ヴィンセント」 「いやさ、美味い飯がまた食いたいなと思って」 「うんうん。あたいもそう思う。またムコーダさんのご飯食べたいよ」 「リタもそう思うだろ。やっぱあの飯は美味すぎた」 しみじみとそう言うヴィンセントに他のメンバーたちも頷いていた。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 冒険者ギルドで紹介されたその男は、この辺では見ない平たい顔立ちの男だった。 中肉中背で強さとは縁遠そうな男が旅路の護衛を依頼するのも納得がいった。 男はムコーダと名乗った。 ムコーダさんは隣国へ行きたいのだと言い、俺たちとしてもキナ臭くなってきたこの国を早く出るべきだと話し合っていたところだったから金貨8枚と俺たちが受ける依頼としては報酬が安かったが受けることにした。 隣国への道程は比較的安全だったこともあるが、食事が依頼主持ちだったことも依頼を受ける決め手になった。 案外と食事というものは馬鹿にできない。 メンバー5人分となると金もかかるのだ。 普通旅路での食事は干し肉や硬いパンが主で、美味くはないが食べねば冒険者としての力も出せない。 てっきりムコーダさんが用意する食事も干し肉と硬いパンかと思いきや、そんなものとは一線を画す美味さだった。 ムコーダさんが用意する食事は大きな街の有名店で食べる食事に引けを取らないくらいに美味かった。 ムコーダさんの故郷の製法で作られたという柔らかいパン、そして程よい塩気のあるハムや肉汁たっぷりの腸詰、温かい具だくさんのスープ等......旅路とは思えないほどの豪華さと美味さだった。 俺たちはこの依頼を受けて正解だったと喜んだ。 当然だ。 街にいるより美味い飯が食えたのだからな。 旅路で出て来た魔物もゴブリンやグレイウルフの雑魚共で、レッドボアが出て来たがそれも俺たちにしてみれば然程困る相手ではなかった。 普通旅路で魔物を狩った場合、皮や牙など高額のものを優先的に持ち帰ることになり、肉などは傷むこともあって食べられる分だけ食べて後は捨てていくのが常だった。 だが、ムコーダさんがアイテムボックス持ちだったことで肉も持ち帰ることができた。 そのレッドボアの肉を使ってムコーダさんの故郷の味付けをした料理というのが、これまた絶品だった。 俺が今まで食べた食い物の中で一番だと言っても過言ではない美味さだった。 それが元であんなことが起こるとは思いもしなかったがな。 ムコーダさんの料理の美味そうな匂いに釣られて、伝説の魔獣フェンリルが姿を現したんだ。 伝説の魔獣であり誰も姿を見たことなどありはしなかったが、俺たちは一瞬見ただけでフェンリルだと覚った。 そしてこの絶対的強者に逆らってはいけないと覚った。 あのときは本当に焦った。 生きた心地がしなかった。 冒険者になってあれほど切羽詰まった思いをしたのは初めてだった。 何せ相手は伝説の魔獣フェンリルなのだからな。 一国さえも滅ぼしたと言われる、およそ人では到底どうすることも敵わない相手を目の前にしていたのだから。 しかし、フェンリルは俺たちに一切攻撃してこなかった。 ムコーダさんの料理を見て『我にも食わせろ』と言ったのだ。 フェンリルに俺たちが敵うはずもないから、ムコーダさんにフェンリルの言うとおりにするよう伝えた。 そして、ムコーダさんの作った料理を食うと、フェンリルはあり得ないことを言い出した。 『お主と契約してやろう』とな。 最初は聞き間違いかと思った。 伝説の魔獣フェンリルが人間の従魔になるなど聞いたこともなかった。 その前に目撃された例もおよそ300年程前にあるだけなのだ。 長寿種のエルフを除いて、今生きている人の間でフェンリルを見たのは俺たちが初めてだろう。 その見ることさえ叶わないフェンリルと従魔契約を結ぶのだ。 しかも、フェンリルの方から乞われて。 そのフェンリルに否という返事はあり得ず、ムコーダさんは伝説の魔獣フェンリルと従魔契約を結んだ。 そしてムコーダさんは伝説の魔獣フェンリルに「フェル」という名を与えた。 俺たちは奇しくも歴史的瞬間に出くわしたのだ。 ただ、その従魔契約を結んだ理由がな......。 「「「「「まさか伝説の魔獣が食い物に釣られて従魔契約を結ぶとは......」」」」」 ムコーダさんはその辺に呆れたというか拍子抜けしてフェル様とは普通に接していたが、俺たちはさすがにそこまで楽観視はできなかった。 ムコーダさんはよく分かっていなかったが、フェンリルほどの強者を従魔にしたとなると、貴族はもちろん各国も黙ってはいない。 強者を自分たちの下に囲い込もうと動き出すに決まっているのだ。 その危惧を述べたフェル様の答えが『手を出すならば、滅べばいいのだ』だ。 背中に冷や汗が伝ったぜ。 フェル様ならばその言葉通りのことができるからだ。 俺はその言葉を聞いて貴族や国が馬鹿なことをしでかさないことだけを祈っていた。 ムコーダさんはそんなことは気にせずに、よく食べるフェル様に向かって「肉が食いたいなら自分で獲って来い」などと言うしな。 それを聞いたときは俺たちもあんぐり口を開けて呆けたぜ。 伝説の魔獣であるフェンリルに自分で獲って来いなどと言えるムコーダさんを尊敬したね。 食い物に釣られただけじゃなく、案外フェル様はその辺のことも分かってムコーダさんと従魔契約を結んだのかもしれないと俺は思っている。 貴族や国など自分を利用することしか考えない輩とはフェル様は絶対に従魔契約など結ばないだろう。 ムコーダさんはフェル様を利用しようとなんてこれっぽちも思ってないようだったしな。 というか利用するなんて選択肢は全くなかったのだろう。 ムコーダさんにとって目下の問題はフェル様の食べる量だったからな。ハハハ。 そしてムコーダさんに「肉が食いたいなら自分で獲って来い」と言われてフェル様が獲ってきた獲物がロックバードだ。 そりゃ驚いたね。 ロックバードと言えばBランクの魔物だ。 』が全力で戦って勝てるかどうかってくらいの魔物だ。 以前ロックバードを俺たちで狩ったときはみんな満身創痍のうえヴィンセントに至っては右足の骨を折ってしまった。 そんな大物を、解体しただけでムコーダさんは肉以外の素材を俺たちにくれた。 解体とレッドボアの肉の代金だと言っていたが、もらい過ぎだ。 だが、ムコーダさんは受け取ってくれの一点張りで、もらい過ぎではあるが頂くことにした。 あのロックバードを短時間で簡単に獲ってくるとは、俺たちはフェンリルの伝説の数々が事実であることをまざまざと見せつけられた。 そう言えばあのロックバードを焼いたのは美味かったな。 あの甘辛くてしょっぱいソースが絶品だった。 いかんいかん、ムコーダさんの料理を思い出すと涎があふれてくる。 フェーネン王国に入国するときも大変だったな。 さすがに砦でもフェル様が伝説の魔獣フェンリルだと察知していたようで、警備兵が勢揃いして待ち構えていた。 ムコーダさんとフェル様が従魔契約を結んでいることが分かってもらえたから何とか無事に入国できたがな。 まぁどちらにしろフェル様が本気を出せば砦の警備兵たちなどひとたまりもないし、国としても危なくなる。 従魔契約を結んでムコーダさんの言うことは聞くということが分かっているのだし、そこで争ってやぶ蛇になるくらいならすんなり入国させることを選ぶだろう。 ファリエールの街に入ってすぐに貴族の使者が絡んできたが、フェル様に一蹴されていたな。 これからもムコーダさんにはいろいろとあると思うが、すべてフェル様が撥ね除けるだろう。 こうして考えるとあの二人(一人と一匹)はいいコンビなのかもしれないな。 「あ~ムコーダさんどっかで食べ物屋でもやってくんねぇかな」 かつて出会った二人に思いを馳せていると、ヴィンセントがそんなことを言い出した。 「あーそれあたいもそう思う。そしたらすぐにでも食べに行くのに」 食欲旺盛なリタも同調する。 「食にそれほどこだわりのない私もそう思いますわ」 フランカまでもがそんなことを言う。 「確かにな」 無口なラモンも。 だが、それよりも............ 「またあの二人に会えるといいな」 俺のその言葉にメンバーみんな頷いていた。 まったく強そうには見えない平たい顔をした料理上手な男と伝説の魔獣で飯に釣られて従魔契約を結んだフェル様。 そんな二人に再び会うことを俺たちは願う。

21 Gossip A Recap Of An Adventurer "Ha..." "What's wrong with sighing? Vincent." "No, I thought I'd like another delicious meal." "Yeah, yeah. I think so, too. I'd love to have Mr. Mukoda's dinner again." "Rita would think so, too. I knew that rice was too delicious." Other members were snorting at Vincent, who said so with smudge. * * * * * The man, introduced in the Adventurer's Guild, was a flat-faced man you wouldn't see around here. It was also convincing for a man with a middle meat back who seemed distant from strength to request an escort for the journey. The man named himself Mkoda. Mr. Mukoda said he wanted to go to the neighbouring country, and since we were just discussing that we should leave this country as soon as possible, which is starting to stink of kina, he decided to take it, although the reward was low for the eight pieces of gold and the request we would receive. Sometimes the journey to the neighbouring country was relatively safe, but the fact that the meal was under the patronage of the client was also a deciding factor in accepting the request. I can't fool around with something called a guide and a meal. Five members cost money. Dried meat and hard bread dominate meals on regular travel routes, and they are not delicious, but if you eat them, you can't help yourself as an adventurer. I thought that the meal prepared by Mr. Mukoda was also dried meat and hard bread, and it was delicious to draw a line from such a thing. The meal prepared by Mr. Mukoda was so delicious that he wouldn't take a pull on the meal to be eaten at a famous store in the big city. Soft bread made from Mr. Mukoda's hometown method, with good salty ham and gravy-filled bowels, warm utensils such as Kusan's soup... it was so luxurious and delicious that I didn't think it was a journey. We were glad we got this request right. Naturally. I had a better meal than I had in the city. The demons that came out on the road were also goblins and greywolf miscellaneous fish, and the redboards came out, but if we tried that, we wouldn't have had much trouble with them. If we hunted demons on a normal journey, we would take back expensive things such as skins and fangs as a priority, meat and the like could be damaged and it was common to eat as much as we could eat and then throw them away later. But Mr. Mkoda was able to bring back the meat, too, because he was carrying an item box. This was another excellent dish that used that red bore meat to season Mr. Mukoda's hometown. It was not an exaggeration to say that it was the best food I had ever eaten. I never thought that would happen. The legendary warcraft Fenrir showed up after being caught by the delicious smell of Mr. Mukoda's cooking. He was a legendary warcraft and no one had ever seen him before, but we just saw him for a second and realized he was Fenrill. And I realized I shouldn't defy this absolutely strong man. I was really in a hurry then. I didn't feel alive. I've never felt so chopped up when I was an adventurer. Anyway, the legendary Warcraft Fenrir is the opponent. They said they destroyed even one country, because they had in front of them an opponent who was almost invincible in what people would do. But Fenrill didn't attack us at all. I saw Mr. Mukoda's cooking and said, "Eat it for me, too." I told Fenrill to do what Fenrill said because we couldn't possibly be the enemy. And when I ate Mr. Mukoda's cooking, Fenrill mentioned that it couldn't be. "Let's make a pact with the Lord." At first I thought I heard it wrong. I had never even heard of the legendary warcraft Fenrill becoming a human submissive. It's only about 300 years old. Except for the elves of long-lived species, we would be the first to see Fenrill among those now living. Make an obsession with Fenrir, who won't even see it. Besides, Fenrir begged me. There can be no response to that Fenrill saying no, and Mr. Mkoda made an exorcism pact with the legendary warcraft Fenrill. And Mr. Mkoda gave the legendary warcraft Fenrir the name "Fell". We came across an oddly historic moment. There's just a reason I signed that exorcism pact... "" "" "" I didn't know the legendary Warcraft would be caught in food and enter into an obedience pact... "" " Mr. Mkoda was flabbergasted by the neighborhood and dealt with Master Fell normally, but we just couldn't be that optimistic. Mr. Mkoda was not well aware, but when it comes to subjugating a man as powerful as Fenrill, the nobility, of course, has not kept the nations silent. We are determined to move to surround the mighty beneath us. Fell's answer, stating that fear, is' If you want to get your hands on it, you just have to perish '. I got a cold sweat on my back. Because Master Fell can do the right thing. I only prayed that nobility and country wouldn't come up with anything stupid when I heard that word. Don't worry about that, Mr. Mkoda, and tell Mr. Fell, who eats a lot, "If you want some meat, come get it yourself", etc. When we heard that, we opened our mouths and moaned. You respected Mr. Mukoda, who could tell Fenrill, the legendary warcraft, to get it himself. In addition to being caught in the food, I believe that Mr. Fell may have signed an exorcism contract with Mr. Mkoda because he knew about the area. Lady Fell will never enter into an exorcism pact with anyone who only thinks about using himself, such as a nobleman or a country. Mr. Mukoda didn't even seem to think about using Master Fell. Or I guess I had no choice at all to use it. For Mr. Mkoda, the problem at hand was Fell's amount of food. Hahaha. And Mr. Mukoda told me, "If you want some meat, come get it yourself," and the prey that Master Fell has acquired is Rockbird. That's surprising. When it comes to Rockbird, it's a B-rank demon. It's as demonic as whether we can fight and win Iron Will. When we used to hunt Rockbird, we were all full of creativity, and then Vincent broke his right leg bone. Mr. Mukoda gave us non-meat ingredients just to dismantle such a big man. He said it was for the demolition and the red bore meat, but I overgot it. However, Mr. Mukoda decided to take it, although it was too much. We were shown a lot of Fenrill's legends are true when it came to getting that Rockbird easily in a short time. That said, it was delicious that you baked that rock bird. That sweet, spicy, soggy sauce was excellent. Why don't you, when I think of Mr. Mukoda's cooking, I'm overflowing with covetousness. That was tough when you entered the kingdom of Fanen. Exactly, even in the fort, Master Fell seemed to perceive him to be the legendary warcraft Fenrill, and the guards were in full force and waiting. We managed to get into the country safely because we found out that Mr. Mkoda and Mr. Fell had an obedience contract. Well, either way, if Master Fell is serious, there's no such thing as fort guards, and it's going to be dangerous as a country. I know that I'll make an exorcism pact and listen to Mr. Mukoda, and I would choose to let him enter the country sooner or later than I would argue there and become a snake. Soon after entering the city of Fariere, a noble messenger was involved, but Master Fell was kicking his ass. I think Mr. Mukoda will have a lot going on, but Master Fell will be able to dial it all out. Maybe those two (one and one) are a good combination when you think about it like this. "Ah, Mr. Mukoda, I wonder if you're coming to the grocery store somewhere." Vincent mentioned that when he was putting his thoughts to the two people he once met. "Uh, I think so, too. Then we'll go eat soon." The appetizing Rita also tunes in. "I don't think so too much about food." Even Franca says that. "Sure." And the silent Ramon. But more than that... "I hope to see those two again" All the members were snorting at my words. Master Fell signed an exorcism pact with a flat-faced cook who doesn't look strong at all, caught in the rice with a legendary warcraft. We hope to see both of them again.

第二十九話 魚を獲ったどー あれからフラフラと宿に戻って寝たよ。 まさかボッタクリに遭うとは思わなかったぜ。 フェルのこともあったから街を避けてたし、冒険者ギルドにも商人ギルドにも顔出してなかった俺が悪いんだけどさ。 冒険者っていうと、前に護衛依頼をしたアイアン・ウィルの印象が強くて騙すとかそういうことをするってこと想像すらしなかった。 この世界は王家とか貴族とか上流階級の奴等が権力を使って好き勝手してる印象が強かったけど、考えてみりゃ商人や冒険者にだって良い奴もいれば悪い奴もいるだろう。 前の世界にだって良い奴もいれば悪い奴もいたんだから当然なんだよな。 とにかくあれだな、この街から出よう。 そしてさっさとエルマン王国かレオンハルト王国に行こう。 入手方法はあれだけども、目的の地図も手に入ったわけだしさ。 うん、それがいい。 フェルと一緒に朝食をとった後、そそくさと街を去る準備をする。 『もういいのか?』 俺たちはラウテルの街を出るとてくてくと道なりに進んでいた。 「フェル、この後なんだけどな、エルマン王国かレオンハルト王国に行こうと思うんだ」 『国の名前を言われてもわからん。どっちの方角なのだ?』 「エルマン王国もレオンハルト王国も東の方だ。東の海に面している国だよ」 『おお、東の海か。あそこにはシーサーペントやらクラーケンがいるな。あれはあれでなかなか美味いのだ』 シーサーペントって海に棲む竜っぽいのだし、クラーケンって超巨大なイカだよな。 どっちもボスキャラ級だと思うんだが。 いやいやいや、聞かなかったことにしよう、うん。 というか、フェルは魚介類も大丈夫だったんだな。 『もちろん肉が一番好きだが、たまには魚も食うぞ』 そうなんだ。 考えてみたら、菓子パンも美味いって言って食うぐらいだから何でも食うか。 『ふむ、魚の話をしていたら食いたくなった。森を突っ切って行った方が東への近道にもなるし、その途中に湖もある。おい、行くぞ』 え、それ決定なの? 「お、おい、森の中突っ切って行くって大丈夫なのか?ほら、魔物とか、ヤバいのいそうじゃん」 『フン、我を誰だと思っている? そのような心配は無用だ』 でもさ、フェルは強いからいいかもしんないけど、俺はそうはいかない訳よ。 『弱小なお主には常に結界を張っておくから、そう心配するな』 弱小て......。 いや、そうなんだけどさ、事実なんだけど、はっきり言われると俺でもヘコむぞ。 『早く我の背に乗れ』 へいへい。 俺がフェルの背に乗ると『行くぞ』と言って森の中に駆けて行く。 「は、速い、速い、速いッ! もっとゆっくりぃぃぃぃぃぃっ」 飛ぶように駆けるフェルの背中にしがみつきながら叫んだ。 『振り落とされないようにしっかりつかまっておれ。湖まではこの速さで行くぞっ』 食欲の勝利。 クソっ、ここで食いしん坊キャラ炸裂かよっ。 「ギャァァァァーーーーッ」 「アーーー............アー......ァー......」 俺の叫びが森の中にこだました。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ フェルが無茶したおかげですぐに湖に着いた。 ハァ、ハァ、ハァ、死ぬかと思った。 森の中をあのスピードで駆け抜けていくんだぜ、思い出しただけでも......ブルブル。 必死にフェルにしがみついてるのがやっとだった。 大の字に寝転んで安定した地面ってなんて安心できるんだろうとしみじみ思っていると真上にフェルの顔が。 『おい、魚を食うぞ』 ............フェルさんや、少しは休ませくださいよ。 まったくフェルの食欲はとどまることを知らずですな。 でも、魚を食うって、どうやって獲るんだよ? 釣り竿もないし、まさかお前湖の中入って獲ってくるつもりなのか? 『魚を獲るときはこれが一番効くのだ』 フェルがそう言うと......。 バリバリバリバリィィィッ。 湖面に電撃が走った。 すると、プッカーっと魚が次々と浮かんできた。 すぐに湖面は浮かんできた魚でいっぱいになった。 雷魔法なんだろうけど、こんなにいっぱいの魚どうすんだよ? 『風魔法で岸まで寄せるから、好きなのを獲れ』 「好きなの獲れって、これって全部死んでるのか?」 『電撃を食らわせて仮死状態にしているだけだから、そのうち生き返る』 魚さんえらい災難だったな。 では、獲っていきますか。 お、何か紫色の魚がいっぱいいるな。 鑑定してみるとバイオレットトラウトと出た。 30センチくらいの大きさだから塩焼きがいいかもしれんな。 アイテムボックスの中にバイオレットトラウトを入れていく。 さすがに湖面に浮いたのを全部持っていく気はしないが、多めに獲って行っても後で食えるしいいだろう。 俺も最近は肉ばかりだったから魚食べたいし、アイテムボックスに入れておいていつでも魚が食べられるっていうのは悪くない。 お、結構デカいけどこれは何だ? 80センチくらいある銀色の魚で鑑定してみるとキングトラウトと出た。 これくらいの大きさだったら俺でも何とか三枚におろせそうだな。 これも多めに獲っておこう。 おい、ありゃ何だ? バイオレットトラウトとキングトラウトの中に3メートルくらいありそうな巨大な魚が浮いていた。 『おお、あれはレイクシャークではないか。珍しいな』 聞いてみると、長生きしてるフェルでも見かけることが少ない鮫らしい。 肉は食うのには適さないらしいが。 まぁ、肉は食えなくてもあれだけ大きな魔物だし、フェルでも珍しいって言うくらいの魔物なんだから買取はしてくれるだろう。 とりあえずアイテムボックスにしまっておくことにする。 『これも獲っておいてくれ。舌先にピリッときて美味いのだ』 フェルがそう言って風魔法で俺の目の前の水際まで魚を寄せてきた。 うわっ、なんじゃこれは。 ショッキングピンクに青のストライプ模様の50センチくらいの大きさの魚だった。 なんかいかにも毒持ってそうなヤバい色合いなんだが......。 とりあえず鑑定してみて判明した名前はポイズンレイクフィッシュ。 ダメじゃん。 ってか、これ明らかに毒持ちなんだけど、フェル食って大丈夫だったのか? 「フェル、この魚食ったんだよな?」 『ああ、何度か食ったことがあるぞ。舌先にピリッとして美味かった』 「その舌先にピリッとしてっての毒だと思うぞ。この魚、ポイズンレイクフィッシュっていうみたいだ。フェルは食う前に鑑定しないのか?」 『食う前に鑑定などそんな面倒なことはしない。神の加護がある我には毒など効かぬからな』 あー神の加護ね。 あらゆる状態異常無効化だっけ、いいよな~。 羨ましいぜ。 「神の加護があるフェルには効かないかもしれないけど、俺には毒だからな。こんなのは持ってかないぞ。それにわざわざこんな毒のある魚食わなくたってちゃんとした飯作ってやってるだろうが」 『む、それはそうだがこれはこれで......』 「毒がある魚なんて、他の食材と一緒に入れておけないの。今獲ったバイオレットトラウトとキングトラウトで美味い飯作ってやるから我慢しろ」 『むむむ、仕方がない』

30 Lesson 29: Got The Fish I went back to bed with Fluffy after that. I didn't think you'd be botched. I was avoiding the city because of Fell, and I'm sorry I didn't show up for the Adventurer's Guild or the Merchant's Guild. When it comes to adventurers, I never even imagined that Iron Will, who requested an escort before, would make a strong impression and cheat or anything like that. I had a strong impression that this world was free for royalty, nobility and the upper classes to use their power, but if you think about it, some of them would be good for merchants and adventurers, some bad. Some of them were good and some were bad in the previous world, so it's natural. Anyway, that's it, let's get out of this city. And let's just go to the kingdom of Ellman or Leonhardt. That's the way to get it, but you got the map you wanted. Yeah, that's good. After breakfast with Fell, prepare to leave the city with the sleaze. 'Is that enough? We were on the road when we left Lautel's city. "Fell, after this, I'm going to go to the kingdom of Ellman or Leonhardt" 'I don't know if they say the name of the country. Which way is it? "The kingdoms of Ellman and Leonhardt are to the east. It's a country facing the east ocean." "Oh, the east sea? There's Cesar Pent and Kraken over there. That's pretty good." Cesar Pent is like a dragon living in the ocean, and Kraken is a super giant squid. I think they're both boss characters. No, no, no, let's just say we didn't ask, yeah. I mean, Fell was fine with the seafood, too. "Of course I like meat the best, but sometimes I eat fish too" Yes, it is. When I think about it, I say that the sweet bread is delicious, so I eat anything. 'Hmm, I wanted to eat it when I was talking about fish. Going through the woods would be a shortcut to the east, and there's a lake along the way. Hey, let's go.' Oh, is that a decision? "Oh, hey, is it okay to go poking around in the woods? Look, demons, they suck." "Hung, who do you think I am? Don't worry about that." But Fell may be strong, but I'm not. "Don't worry about that, because I will always keep my boundaries in line with the weak Lord" Weak...... No, I am, and it's true, but to be clear, even I'm hectic. Get on my back. Heck. When I get on Fell's back, I say 'Let's go' and I run into the woods. "is fast, fast, fast! Slower, no, no, no, no, no." I screamed as I cling to Fell's back running like a flying. 'Hold on tight so they don't shake you down. We're going to the lake at this speed. " Appetite triumph. Damn, the eater character burst here. "Gahhhhhh" "Argh....................................................................." My scream stuck in the woods. * * * * * We got to the lake right away thanks to Fell's impotence. Ha, ha, ha, ha, I thought I was going to die. Running through the woods at that speed, I just remembered...... blurb. I was finally desperately clinging to Fell. There's Fell's face directly above me, smugly wondering what a relief it is to fall asleep on a large letter and have a stable ground. "Hey, we're gonna eat fish." Mr. Fell, give me a break. You don't know that Fell's appetite stays at all. But eating fish, how do you get it? There's no fishing rod, and you're not gonna come inside the lake and get it? "This works best when you get fish." When Fell says so...... BallyBallyBallyBallyWicked. An electric shock ran on the lake. Then Pukka - the fish came up one after the other. Soon the lake was filled with floating fish. I know it's thunder magic, but what's with all these fish? "Wind magic brings you to shore, so get whatever you want." "What do you like about acquiring, is this all dead? "I'm just letting you eat electric shock and put you in a state of temporary death, so I'll be back in time" Mr. Fish, that was a disaster. So, do you want to get it? Oh, you're full of some purple fish. When I appraised him, he went out with Violet Trout. It's about 30 centimeters in size, so maybe a salt grill would be nice. Place the violet trout inside the item box. I don't feel like taking all the floats that just floated on the lake, but I can get more and eat later. I want to eat fish because I've been all meat lately, too, and it's not a bad idea to keep them in the item box so I can always eat fish. Oh, it's pretty big, but what is this? I appraised it with a silver fish about 80 cm and it came out with a king trout. If it was about this size, I'd probably manage to put it down to three. Let's get more of this too. Hey, what the hell is that? There was a huge fish floating about three meters inside the violet trout and king trout. 'Oh, isn't that Lake Shark? That's unusual.' Ask me, it seems that even a long-lived Fell rarely sees a squirrel. It seems that meat is not suitable for eating. Well, meat is all that big demon even if you can't eat it, and even Fell is demonic enough to say it's rare, so he'll buy it. I decide to leave it in the item box for now. 'Get this, too. It tastes delicious with a tingle on the tip of your tongue. " That's what Fell said and wind magic brought the fish up to the waterfront in front of me. Wow, what the hell is this? It was a fish about 50 cm in size with a blue stripe pattern on the shocking pink. It's such a lousy shade that it looks poisonous... In the meantime, the name I found after trying to appraise is Poison Lakefish. You can't. You mean, this is obviously poisonous, but you were okay eating Fell? "Fell, you ate this fish, didn't you? 'Oh, I've had it a couple of times. It was tingly delicious at the tip of my tongue' "I think it's poison with a tingle on the tip of that tongue. This fish is called Poison Lakefish. Wouldn't Fell be appraised before he ate? 'I don't do appraisals and other such hassles before eating. God bless me. It doesn't work for me. " Ah, God bless you. All conditions abnormal deactivation is good ~. I envy you. "There's God's blessing. It may not work for Fell, but it's poisonous for me. I don't have one of these. Besides, I'm sure he's cooking a decent meal without bothering to eat such poisonous fish." 'Mm, that's right, but this is it...' "I can't keep poisonous fish with other ingredients. I'll make you some delicious rice with the violet trout and king trout I just got, so bear with me." "Mmm, I can't help it"

第八十六話 ワイバーン襲来 1 試験的に販売する分の30個ずつを卸しにランベルトさんの店へ向かう。 店に入ってすぐにマリーさんがやって来た。 「ムコーダ様、お待ちしておりましたっ」 おう、マリーさん気合入ってるね。 「とりあえず30個ずつということで用意しました。どこに出しますか?」 「それでは、こちらでお願いできますか?」 ランベルトさんのお店の一角に真新しい棚ができていた。 もう売り場ができてるんだね。 「主人にお願いして早速売り場を設けましたの。昨日のうちに私の友人たちにも宣伝しておきましたので、早速買いにいらっしゃる方もいると思いますわ」 も、もう宣伝もしたんだね。 とりあえず棚に商品を出していくと、マリーさんが見栄えよく並べていく。 「うん、これでよろしいですわね」 棚に並べた商品を見て、マリーさんがそう言った。 「ムコーダ様、ではこちらへどうぞ」 マリーさんの後について奥の応接間へ。 中にはランベルトさんが待っていた。 「ムコーダ様、早速の納入ありがとうございました。こちらがお代の金貨84枚です。それからこちらが瓶の実費ですね。お確かめください」 ブラックサーペントの皮のときのように、金貨10枚を1列に重ねてある。 「確かに受け取りました」 サンドスネークの財布に入れたいところだけど、この間受け取ったブラックサーペントの代金がまだけっこう入っているんだよね。 しかたないから、石鹸用に買って余ってた麻袋の中に金貨を入れた。 用件も終わり、ランベルトさんが店先で見送ってくれたのだが、何と既にご婦人のお客が来ていてマリーさんがせっせと対応している。 これには俺もランベルトさんも驚いた。 「ご婦人方の情報網も侮れませんな」 「はい」 マリーさんが友達に宣伝したって言ってたけど、まさか並べてすぐにお客が来るとは思わなかったぜ。 「マリーさんにもよろしくお伝えください。何かあれば、宿の方に伝言入れていただければすぐに参りますので」 そう言ってランベルトさんの店を後にした。 通りを歩きながら余った時間をどうしようかと思う。 「このあとどうすっかな。何も予定ないしなぁ」 『ぬ、それなら狩りに行こうではないか』 隣にいたフェルが狩りに行こうと言い出す。 「えー、あんまり気は進まないんだけどな。まぁ、暇は暇だし、変なところ連れて行かないんだったらいいけど」 『変なところとは、何だ?』 「そりゃゴブリンの集落とかさ」 ゴブリンの集落にいきなり連れて行かれたりと、ゴブリンにはあんまりいい思い出がないぜ。 『ゴブリンのような雑魚を恐れている方がどうかしているな』 「うるさいな。フェルのせいでトラウマなんだよ」 『フンッ、お主が腑抜けなのがいかんのだ』 「腑抜けってね......まぁ否定できないのが辛いとこなんだけどさ。とにかくだ、狩りにいくのはいいけど、安全第一だからな」 『フスンッ、分かった分かった』 鼻で笑うなや。 安全は大事なんだからな。 「あ、それなら冒険者ギルド行って受けられる依頼ないか見てから行こう」 俺たちは冒険者ギルドに向かった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 冒険者ギルドに入ると、すぐに職員に声をかけられた。 「ムコーダ様ですね。ギルドマスターにムコーダ様がこちらに来られたらギルドマスターの部屋に案内するよう言われてますので付いてきてください」 職員の後に付いてギルドマスターの部屋に向かう。 「マスター、ムコーダ様です」 「おう、入れ」 部屋に入ると、ギルドマスターが机に向かい書類に何か書き込んでいる。 「すぐに終わるから、座って待っててくれ」 椅子に座り待っていると、すぐに書類仕事を終えてギルドマスターが向かいに座る。 「ブラッディホーンブルの方もすぐにやってくれたみたいだな。恩に着る」 「いえ、ブラッディホーンブルの肉が食いたいっていうフェルの希望でしたから」 そう言いながら、寝そべっているフェルをチラっと見る。 「そうか。それでも、こちらとしてはありがたい。それでだな、ラングリッジ伯爵様との話し合いがようやく終わった。非常に感謝しておられたぞ。何せミスリル鉱山だからな。でだ、伯爵様は会って是非とも感謝の意を伝えたいと言われたのだがな、あまり目立ちたくないというのが本人の意向だと伝えた。だが、それでもと言われたのだがな、“王宮から連絡が来てるはずだが、例のフェンリル連れだ”と言ったら、伯爵様も相当驚かれていた。まぁ、それで諦めてくれたがな。だが、深く感謝されていたぞ」 ということは、ラングリッジ伯爵様がどうこうしてくるってことはないわけだね。 あー、良かった。 「報酬だが、ラングリッジ伯爵様もがんばってくれたぞ。ミスリルリザードの討伐、ミスリル鉱山の発見、ミスリルリザードの買取、諸々含めて金貨5800枚だ」 .................. ............ ...... ゴ、ゴ、ゴセンハッピャクマイ? あれ、おかしいな。 金貨5800枚って聞こえたんだけど、俺、耳が悪くなったのか? 「あの、金貨、5800枚、って言いました?」 「ああ。金貨5800枚だ」 ............金貨、5800枚。 5800枚、5800枚、5800枚......。 「驚くのも無理もないが、お主のしたことはそれだけの価値があるということだ」 お主のしたことっていうか、フェルがしたことなんだけども。 「かなりの量になるから、大金貨での支払いになるぞ。大金貨で580枚だ」 ドンッ、ドンッと麻袋が置かれる。 中を覗いてみると、大金貨なのだろう大きな金貨が詰まっていた。 金貨が500円玉くらいの大きさなのだが、大金貨はその名のとおり金貨の1.5倍くらいの大きさがあってけっこうデカい。 何ていうか、俺の手柄じゃないからあれだけど、もらっときます。 風呂欲しいし。 金貨の入った麻袋をアイテムボックスにしまっていく。 最後の1つをしまいおわったとき、ドンドンッと乱暴にギルドマスターの部屋のドアが叩かれた。 「ギルドマスターッ、大変ですッ!ワ、ワイバーンの群れが出ましたッ!!」 焦った職員のその言葉にギルドマスターが職員を部屋に招きいれる。 「ワイバーンの群れとはどういうことだっ」 ギルドマスターの声や顔から、かなりヤバいことがうかがえる。 「に、西の草原が解禁になって、6人組の初級冒険者のパーティーが行っていたんです。そこへいきなりワイバーンが現れたらしくて......。初級冒険者たちは何とか命辛々逃げてきたんですが、うち2人が重傷です。1人は命に別状ありませんが、もう1人が傷もひどいうえにワイバーンの毒にやられて......」 「はぐれワイバーンの目撃情報はあったが、あれは偵察だったのかっ。ブラッディホーンブル狙いでやって来たのに、既にブラッディホーンブルの群れは討伐されていなかった。それで、そこにいた冒険者が狙われたってわけか!畜生ッ!!」 え、あれ? ブラッディホーンブル、討伐しない方が良かった? でも、もう討伐済みだしそんなこと言ったってどうしようもないか。 ってか、こっちのワイバーンって毒ありのタイプだったんだ......。 「毒消しポーションはどうしたッ?」 「そ、それがあいにく在庫を切らしてまして」 「チッ。それなら上級ポーションは?上級ポーションなら毒は消せないが、毒消しポーションを手に入れるまでの時間稼ぎにはなるだろう」 「そ、それが......中級ポーションなら大分在庫に余裕がありまして、それで何とかしのいでいる状態です」 「何でこういうときに限って毒消しポーションも上級ポーションも切らしてるんだッ!」 「す、すいませんッ」 「とにかく中級ポーションでしのぎ切るんだっ」 ポーションか............あっ! 「あ、あの、俺、上級ポーション持ってます」 スイ特製上級ポーションの入った瓶を取り出した。 ペットボトルに入れてたのを、瓶に入れ替えてて良かったぜ。 雑貨屋で瓶見つけて少し前に入れ替えしてたんだよね。 ついでにスイに中級と下級のポーションも作ってもらって、それも瓶にいれて上級5本、中級と下級が10本ずつ用意してある。 「個人で上級を所有しているとはさすがだな。すまない、もらうぞ。代金は後で間違いなく支払う」 そう言ってギルドマスターがスイ特製上級ポーションの瓶を持って駆け出した。 ギルド職員もそれに続く。 ここにいてもしょうがないし、俺もそれに続いた。

92 Episode 86: Wyburn Attack 1 Head to Mr. Lamberto's store to wholesale thirty pieces for sale on an experimental basis. Marie arrived as soon as she entered the store. "Dear Mkoda, I've been waiting for you" Oh, Marie, you're in a good mood. "In the meantime, I've got thirty at a time. Where do you want it out? "So can you do me a favor here? There was a brand new shelf in the corner of Mr. Lamberto's shop. You already have a sales office. "I asked my husband to set up a sales office quickly. I also advertised it to my friends yesterday, so I'm sure some of you will be buying it soon." Or, you've already advertised. In the meantime, when I put the product on the shelf, Marie lines it up nicely. "Yeah, that's good to hear" I saw the products arranged on the shelves and Marie said so. "Dear Mkoda, please come this way" Go to the back reception about Mr. Marie. Inside, Mr. Lamberto was waiting. "Dear Mcoder, thank you for your prompt delivery. This is your eighty-four gold coins. Then this is the actual cost of the bottle, right? Make sure." Ten pieces of gold are stacked in a single row, as in the case of the black salpent skin. "I did receive it" I just want to put it in my sandsnake purse, but there's still a lot of money in there for the black serpent I received in the meantime. However, I bought it for soap and put gold coins in the extra hemp bag. I have finished my business and Mr. Lamberto dropped me off at the store, but what is it that the lady's customer has already arrived and Marie is responding because of it? Both I and Mr. Lambert were surprised by this. I can't even insult your ladies' network. "Yes." Marie said she advertised it to a friend, but I didn't expect a customer in line any time soon. "Please also say hello to Marie. If you need anything, please let the innkeeper know and I'll be right back." That's what I said. I left Mr. Lamberto's shop behind. I wonder what I'll do with the rest of my time walking down the street. "I don't know what to do after this. I don't have any plans." "No, then why don't we go hunting" Fell, who was next door, tells me to go hunting. "Uh, I don't really care. Well, I'm free, and I hope I don't take you somewhere weird." "What's weird? That's a goblin settlement or something. Goblins don't have very good memories of being suddenly taken to a goblin settlement. "What's wrong with you being afraid of goblin-like mutton fish?" "Shut up. I'm traumatized by Fell." "Humph, I can't believe your Lord is truthful." "You know, it's hard not to deny... Anyway, it's good to go hunting, but safety comes first." "Husung, okay, okay." Don't laugh with your nose. Safety is important. "Oh, then Adventurer's Guild. Go and see if you can take it. Ask me, then let's go." We headed to the Adventurer Alliance. * * * * * As soon as he entered the Adventurer Alliance, an official spoke to him. "Master Mukoda, right? The Alliance Master has asked me to show you to the Alliance Master's room when Master Mukoda comes here." Follow the staff to the Alliance Master's room. Master, this is Master Mukoda. "Ooh, come in." When I enter the room, the Alliance Master heads to the desk and writes something on the paperwork. "I'll be done in a minute, sit down and wait for me" As I sit and wait in my chair, I immediately finish my paperwork and the Alliance Master sits across the street. "Looks like Bloody Horn Bull did it right away, too. Grateful." "No, because it was Fell's hope that he wanted Bloody Horn Bull meat." With that said, I see Fell lying asleep chilling. "Right. Still, thank you as for this one. That's it, my discussion with Count Langridge is finally over. Thank you very much. It's a Mithril mine anyway. So, the Count told me that he wanted to express his gratitude when he met him, but that it was his intention not to stand out very much. But I was told," The royal palace must have contacted me, but Fenrir in the example, "and the Count was quite surprised. Well, that gave me up. But thank you very much." So there's no way Count Langridge is going to do this. Uh, good. "The reward, but the Earl of Langridge did his best. It's 5800 gold coins, including the crusade of Mithril Lizards, the discovery of Mithril Mines, the purchase of Mithril Lizards." .................. ............ ...... GO, GO, GOSEN Happy Kumai? That's crazy. I heard 5800 pieces of gold, and I, uh, got a bad ear? "Um, gold coins, 5800 sheets, did you say? "Oh. It's 5800 gold coins." ......... gold coins, 5800 sheets. 5800, 5800, 5800...... "No surprise or imposition, but what the Lord has done is worth it" I mean, what the Lord did, or what Fell did. "It's going to be quite a lot, so we're going to pay for it in big gold coins. It's 580 gold coins." Don't, don't. The hemp bag is placed. Looking inside, I guess it was a big gold coin. It was packed with big gold coins. The gold coin is about 500 yen, but the big gold coin is about 1.5 times the size of the gold coin, as its name suggests, and it's quite big. I don't know, because it's not my handle. That's it, but I'll get it. I want a bath. I turn a hemp bag with gold coins into an item box. When I lost the last one, the door of the Alliance Master's room was slammed abusively. "Guild masters, oh my god! Wah, the Wyburn herd is out!! The Alliance Master invites the staff to the room in the words of a hurried official. "What does a flock of Wyburns mean?" From the voice and face of the Alliance Master, it can be quite nasty. "To, the western meadow was lifted and a party of six junior adventurers was going on. It seems that Wyburn suddenly appeared there... The junior adventurers have managed to escape with life and spiciness, but two of them are seriously injured. One is not separated by life, but the other was hit by Wyburn poison while the wound was terrible..." "There was a sighting of Haguru Wyburn, but that was a reconnaissance. I came for Bloody Horn Bull, but the bloody horn bull herd had not already been crusaded. So you're saying the adventurer there was targeted! Damn it!! Oh, that? Bloody Hornbull, shouldn't you have crusaded? But I've already crusaded and there's nothing I can do to say that. I mean, Wyburn over here was the poisonous type... "What happened to the poisoning potion? "Well, that's unfortunately out of stock." "Chip. Then what's the advanced potion? Advanced potions won't make the poison go away, but they'll buy you time to get the poison removal potion." "Well, if that's... an intermediate potion, there's a lot of room in the inventory, and that's how I manage it." "Why are you cutting the poison removal potion and the advanced potion only at times like this! "Shh, sorry." "Anyway, we're gonna have to sneeze it out in intermediate potion." Potion........................ Ah! "Oh, you know, I have an advanced potion" A bottle containing Swiss specialty advanced potion was removed. I'm glad I replaced it with a bottle. I found a bottle at the grocery store and replaced it a while ago, didn't I? Then Sui also made intermediate and lower potions, which are also available in bottles with five advanced and ten intermediate and lower grades. "I didn't know you owned advanced personally. I'm sorry, I'll take it. I'll definitely pay for it later." That's what the Alliance Master ran out with a bottle of Swiss specialty advanced potion. Alliance officials follow suit. I can't help being here, and I followed it.

第十一話 混戦乱戦 「諸君らに姫から直々のお言葉がある! 静聴して魂魄に刻み込めっ! そしてそれを誇りとして、その命尽きるまで戦い抜けいっ!!」 『――うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!』 爛々と輝く目がボクの一挙一動を見逃すまいと、食い入るように見つめ、ほとんど圧力と化した注目が集まる。 うわ~、なんか胃が痛くなってきたよ。 姫御自ら兵たちを叱咤激励していただければ望外の幸せにございます、という 「えーと、ただいまご紹介に預かりましたインペリアル・クリムゾンのギルマス――じゃなかった、国主の緋雪です。さきほど偵察の報告で右手の森の中に伏兵が150名ほどいるのが確認できたので、手の空いている方はこちらの対応をお願いします。 本陣のほうの守りとかはぜんぜん考えなくていいので、皆さん適当に前進して敵を倒してください。あと、ヒマな人は念のために魔術を使える魔物の護衛についてくれると助かります。この一戦で勝てなくてもこちらでなんとでもなりますので、皆さんは死なない程度にがんばってください。まあ死んでも、この戦場にいる限り私がなんとかしますけど。 そんなわけで、皆さん今日は人間の軍隊相手に一泡吹かせてやりましょう!」 軍団に向けて、天涯が大音響で咆哮をあげた。 「理解したか諸君っ! 我らが後に控えている限り、栄光あるインペリアル・クリムゾンに敗北はあり得ぬ! 後ろを振り向くなっ、我らに後退の文字はないっ、恐れるな、前進あるのみ! その先にある勝利を掴むまで、死ぬことは許さぬ! 姫がその背中を見守る限り、力及ばずして倒れるなかれ! 力尽くさずして挫けるなかれ! 命燃え尽きるまで戦い抜け!! ――そう姫はおっしゃられたのだ!!!」 『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!!』 『インペリアル・クリムゾン万歳――――ッ!!!』 『緋雪様に勝利を!!!』 『我らが命は緋雪様のために――――ッ!!!』 一同は拳を突き上げ、爆発的な絶叫と言うか喊声をあげた。 そんなことぁ言ってねーんだけど・・・つーか、伏兵とか護衛とかスコーンと抜けてるんだけど、大丈夫なのかねぇ。 あー、ほらもう何も考えないで、勢いで一斉に手近な敵に向かって突っ走ってるし。 ほらほら森の中から弓矢飛んできてる。ああ、もう犠牲者でてるよ。だから言ったのに! 「・・・しかたない。天涯、いつものアレやりにちょっと 「私めもご一緒しなくてよろしいので?」 「君がいちゃ新兵の経験値稼ぎにならないよ。見たところ脅威になりそうなレベルの攻撃はなさそうだし、問題ないさ」 まあ黙って突っ立って攻撃魔法とか受けて、タコ殴りにされたらさすがに死ぬとは思うけど。 「わかりました。とはいえくれぐれもお気をつけください」 恭しく前脚でそっとボクを地面に下ろした天涯が、その場でかしこまる。 、君もサポート頼むよ」 「仰せのままに、姫様」 戦闘服姿の命都がボクの傍らに飛んできて、一礼をした。 とはいえ1回のスキルで使うMPは変わらないので、どうしたって戦場ではガス欠になるんだよねぇ。 なのでMPポーションとか他で調節するしかない。 そんなわけでもう一つ秘密兵器を使うことにした。 が光の粒と化して、ボクの胸元に飛び込んできた。 その結果、現在のボクのステータスは、装備の底上げを含めて、 名前: HP: 1,428,000(+1,350,000) MP:13,796,000(+13,700,500) 特にMPの増加分が多いのは零璃の能力に負うところが大きい。さらに嬉しいのはスキル使用時にMPの消費量が半分になることと、MPの自然増加率が30%増加するってところだね。 そんなわけで、零璃は戦闘能力にさほど優れているわけじゃないけど(まあ現在はボクに比べりゃぶっちぎりで強いけどさぁ)、聖女モードのボクにはなくてはならない存在だったりするんだ。 ちなみにこの状態のボクのことを、周りは『聖女の皮をかぶった死神』とか『ホトケの聖女』とか呼んでいたらしい。前半はわかりやすいけど、後半の意味は『行く先々にホトケの山を築く聖女』という意味らしい。失礼だねまったく。 「さあ、行くよ命都! 零璃!」 「すいません、俺も前線に出てもいいでしょうかね?」 「・・・まあいいけどさ、なんでまた?」 「いやぁ、どうやら諸侯連合軍は見たところ、市民義勇兵を捨て駒にしようとしてるみたいでして」 「まあ当然だろうね、義勇兵なんて数は多くても所詮は素人の集団だしね。壁にするくらいしか使い道がないからねぇ。非道とは思うけど、効率的な運用なのは確かだね」 まあアーラ市の攻防戦でも、ボクも似たような作戦を考えたしねぇ。 「――まさか助けたい、なんて言うんじゃないだろうね?」 答えによってはこの場で消し飛ばす――という意欲満々で、天涯と命都が身構えた。 まあそんなことしなくても、眷属の生殺与奪はボクの胸一つなんだけどね。 てゆーか、ここで天涯がサンダーブレスとか吐いたら、余波だけでもえらいダメージを喰らいそうなのでやめてもらいたい。 「いやいや、そこまで積極的に関わろうってんじゃありません。ただ何も知らずに王子の敵討って名目で集まった義勇兵を、貴族どもが後ろから撃ってるのが気に食わないんで、ちょいと連中にお灸を据えてやりたいんです」 どーにもなあなあな感じの答えだねぇ。 結局助けたいって言ってるようなもんだけどさ。 ボクは彼の真意を探ろうと仮面越しにその目を見た・・・けどよくわからなかった。 天涯と命都が、どうします?という風に目でお伺いを立ててきた。 「まあ...好きにすればいいさ。とは言えこちらも君が居ようが居まいが攻撃するので、せいぜい ボクの言葉に天涯と命都が構えを解いた。 「ありがたき幸せ、では、ちょっと行ってきます」 そう言ってボクが与えた長剣――上級ボスドロップの『オーガストローク』を肩に担いで、悠々と戦場へと向かう稀人。 「――よろしいのですか、姫。どうもあ奴は信用できぬところがございますが」 龍形態のまま顔を寄せてきて、小声で進言する天涯の鼻面をボクはぽんぽん叩いた。 「裏切られるならそれまでのこと、それもまた一興」 まあ裏切るとしても直接ボクを裏切って反逆するとかはないだろうね。 「――はっ、姫の深慮遠謀に対しいらぬ心配でした」 「そうでもないさ。助かるよ」 「なんと! ・・・身に余るお言葉でございます」 はずいぶんと広いからね、大急ぎで回らないとね。遅れたら置いていくよ、命都」 「一命をかけましても姫のお傍について参ります」 一礼した命都が姿勢を戻すのに併せて、ボクは早足で歩き出した。 「さーて、久々のゾンビアタックと行ってみようか!」

34 Episode 11: Mixed Warfare Brawl "I have a direct word for you all from the princess! Still listen and engrave it in your soul! And take pride in it and fight it out until its life runs out!!" '- Whoa, whoa, whoa!!!! As soon as my shimmering eyes miss my every move, they stare at me as I eat in, drawing attention that almost turns me into pressure. Wow, I'm getting a stomachache. If the princess exhorts the soldiers herself, she will be unwanted happiness, which is the form requested by Heavenly (Tendai). Come on. "Uh, I just left it for you to introduce Gilmouth of Imperial Crimson - it wasn't, it's Scarlet Snow of the Nation Lord. Earlier, scouting reports confirmed there were about 150 ambushes in the forest on your right, so if you're free, please respond here. You don't have to think at all about protecting the main force or anything, so please all move forward appropriately and defeat your enemies. And it would be helpful if hippos would follow me to the guard of demons who can use magic just in case. You don't have to win this fight. You can do anything here, so good luck to the extent that you're not dying. Well, even if I die, as long as I'm on this battlefield, I'll manage. That's why you guys let your human army opponents blow a bubble today! For a moment, that? The heavens roared with loud acoustics toward an army of demons (monsters) with faces that "Understand, gentlemen! Unless we later refrain, there can be no defeat to the glorious Imperial Crimson! Turn around, we don't have any backward letters. No, don't be afraid, there's only forward movement! Until we grab the victory that lies ahead, we will not allow ourselves to die! As long as the princess watches over her back, she can't help but fall! I can't help but frustrate you! Fight it out until your life burns out!! - Yes the princess said!!!" 'Whoa, whoa, whoa, whoa!!!!' "Long live Imperial Crimson - Huh!!! "Win Scarlet Snow!!! "Our lives are for Scarlet Snow - ugh!!! Together, they thrust up their fists and shouted what they called an explosive scream. I didn't say that, but... you know, I'm out of sconces with ambushes and escorts, and I don't know if it's okay. Uh, see, don't think about it anymore, you're rushing towards a nearby enemy at the same time with momentum. Look, look, there's a bow and arrow flying through the woods. Oh, he's already a victim. That's why I told you! "... it's the only way. I'm going to the battlefield for a little while for my usual routine, so if you're in charge, please." "Are you sure you don't want to come with me? "If you were here, you wouldn't earn recruits' experience. From what I've seen, there doesn't seem to be a level of attack that could be a threat, and there's no problem." Well, I think I'd just die if I stood in silence and took offensive magic or something, and they made me an octopus punch. "Okay. Be careful though." My forelegs lowered me gently to the ground. - Life Capital, I need your support. "As you say, princess." The life capital in battle clothes flew beside me and gave me a thank you. Nevertheless, the MP I use in one skill is not the same, so what's wrong with it? I'm running out of gas on the battlefield. So I just have to adjust the MP potion or something else. That's why I decided to use another secret weapon. At the same time, Zero Glass (not much) turned into a grain of light and jumped into my chest. As a result, my current status, including gear bottom up, Name: Scarlet Snow (Hiyuki) HP: 1,428,000 (+1,350,000) MP: 13,796,000 (+13,700,500) Especially where the high increase in MP is due to Zero Glass's ability. Even more delightful is the fact that MP consumption is halved when skills are used and the natural rate of MP increase is increased by 30%. That's why Zero Li is not as good at combat skills (well, he's more powerful than me right now, but come on), but he can be something I have to be in Virgin Mode. By the way, they called me "Death in the Skin of the Virgin" and "The Virgin of Hotke" around. The first half is easy to understand, but the second half seems to mean 'the Virgin who builds a mountain of hotkees before she goes'. That's rude. Not at all. "Come on, I'm coming, life capital! Zero glass!" "Excuse me, can I be on the front line, too? "... okay, but why again? "Hey, apparently, from what I've seen, the Allied Coalition of the Horses are trying to dump the Civil Prostitutes and pawn them." "Well, of course, a large number of prostitutes is an amateur group. Because I only have enough use for it to make it a wall. I know it's outrageous, but I'm sure it's an efficient operation." Well, even in the Ara City offensive, I thought of a similar operation. "- I don't think you want to help, what do you say? With the willingness to erase it on this occasion, depending on the answer - the heavenly and life capital stood up. Well, you don't have to do that, but taking a family member's life is one of my breasts. So if Heavenly Spit Thunderbraces or something here, I want you to stop because the aftermath alone is going to take a lot of damage. "No, no, I'm not trying to get that actively involved. I just don't care that the nobles are shooting at me from behind, and I want to moxify them." That's the answer to all of them. It's like he wants to help after all. I looked into his eyes over the mask trying to find his true intentions... but I wasn't sure. Heaven and Life, what do you do? I've asked you with my eyes in the wind. "Well... you can do whatever you want. Nevertheless, even if you are here, you will be attacked by your residence, so at best be careful with Friendship attacks (Friendships). In your case, your abilities are halved during the day." Heavenly and Life Capital have solved my words. "Thank you. Happy, then, I'll go for a moment" With that said, the long sword I gave him - a rare man on his shoulder with the 'Augustroke' of an advanced boss drop, heading slowly to the battlefield. "- Are you sure, Princess? Hi. There's something I don't trust about him." He looked at me as if I were a dragon form, and I slapped him on the nose of the heavenly sky that prophesied in a whisper. "Until then, if you're going to betray me, that's another joy" Well, even if you betray me, you don't expect me to betray you directly. "- Ha, I was unnecessarily worried about the princess's far-fetched expedition." "Not really. It'll help." "Oh, my God!... it's an extra word for you" "Well, the battlefield is a lot bigger next time, so we have to hurry around. If you're late, I'll leave you, life capital." "I will come to the side of the princess even if I risk my life." I walked out early as the thankful Capital of Life returned to my posture. "Sa, let's go with the long time Zombie Attack!

第七話 海賊決闘 『海賊戦法』別名、移乗攻撃や 海賊戦法と呼ばれる由縁は、海賊の襲撃目的は要するに、敵の撃沈ではなく略奪や敵艦船の鹵獲であるため、もっぱらこの攻撃方法が主流となっていたことからそう呼ばれたのであるが、実際には大砲の発達する近代近くまで、正規軍の主要な攻撃手段であったので、一概に海賊の専売特許というわけでもなかったりする(そもそも海兵隊というのが、そのための部隊であったので)。 とは言え通常であれば、艦船同士の接舷を経て、戦闘人員の移動を行うところを、ももんがいは単騎でもって一足飛びにそれを執り行おうとしていた。 「――よっと」 を口に咥えて、何の道具も使わずに騎獣の鞍を足場にジャンプ。さらに船の外板の継ぎ目を足場に空中で二段階ジャンプを加えて、グラウィオール帝国の誇る大型魔導帆船ベルーガ号の喫水線の遥か上、フォアセイル上部に達しようかと言う大ジャンプを慣行する。 「おらおら! 邪魔だぁ!!」 水面からまるでロケットのように飛び上がってきた敵の姿に、唖然とする海兵たちの只中に、雄叫びと共に踊り込むももんがい。 虚を突かれた海兵たちだが、そこは痩せても枯れても帝国海軍。即座に抜剣をして、ももんがいを取り囲んで押し込もうとする。 だが勢いに乗ったももんがいは、目にも止まらぬ身のこなしで、手当たり次第にその包囲陣を突き破る。無論、海兵達も無抵抗でこれに応じていたわけでもないが、なにしろ相手は混戦の中、海面からの跳躍で楽々とこちらの旗艦へと突入してくる出鱈目な身体能力を持っている上、「面倒だ!“疾風怒濤”」腕の一振りで暴風を起こし、甲板上の海兵たちを薙ぎ倒すという規格外の怪物である。 「精霊使いか!?」 騒ぎを聞きつけ駆けつけた後続の兵士や魔術師が目を剥く。 慌てて距離を置いて、弓矢や魔術による攻撃で足を止めようとするが、 ももんがいの突入で完全に機能不全に陥った旗艦を援護しようと、他の艦が救助に向かおうとするが、大穴の開いた戦列に海賊船団が入り込み、ものの見事に敵味方が入り混じる大混戦となった。こうなると連携も何もあったものではない。やむなく数で勝る海賊船団に対して、個々に対応せざるを得なくなり、他方に手を貸す余裕がなくなってしまった。 一方、実に楽しげに思う存分暴れていたももんがいだが、気が付けば甲板上に居た海兵をあらかた排除し終えたのに気が付いて、なんとなく物足りなさそうな顔で周囲を見渡した。 「なんでえ、もう終わりか。司令官格は......さすがにいねーか、ブルって隠れてやがるか。しゃあねえなぁ、こっちから行ってやるか」 面倒臭そうに独りごちながら、すっかり人気のなくなった甲板を悠々と歩きながら、船内に続く扉のところまでいくと、無造作に扉を開いた。 にっこり、と扉の向こうには12~13歳位と思われる、ショートラインの黒と薔薇をあしらったドレスを纏った、長い黒髪の少女が微笑んでいた。 御伽噺に出てくるお姫様か、物語の女神がそのまま現実に現れたような、愛らしさと神秘性を併せ持った美少女である。 夜の闇と星々の輝きを溶かし込んだかのような細く長い髪と、愛らしくも妖しい輝きを秘めた真紅の瞳。優しさと儚さとが同居したその容姿は、恐ろしいほど可憐で精巧な芸術品のようで、あまりにも浮世離れしているため、見ていて落ち着かない気分に陥るほどであった。 バタン!と勢い良く開けたばかりの扉を閉め、見なかったことにしてその場で回れ右するももんがい。 次の瞬間、扉が内側から蹴り開けられ、蝶番ごと吹っ飛んだ扉とともに、巻き込まれたももんがいの体も宙を飛ぶ。 「うわあああっ!?!」 甲板上で2~3度バウンドしながら、どうにか 扉の方はクルクルと回転しながら海へと落ちていった。 「――人の顔を見て、いきなり帰るなんて失礼じゃないかな」 笑顔はそのままに、扉を蹴り飛ばした姿勢から一歩、足を外に踏み出す緋雪。 その背後には命都と七夕がそれぞれ完全武装(七夕の場合は普段の露出過多の恰好に加えて、両手にタルワールと呼ばれる刀身が大きく反った片刃剣を握っているだけだが)で控えている。 さらにその後方で――危ないので待機しているようにと緋雪が注意したのだが、強引に付いて来た――クリストフが、軽く目を見開いて、装いも雰囲気も一変した緋雪を見ていた。 甲板へと出る直前、ちらりと彼に微笑を送る緋雪。 「はしたないところをお見せして失礼、クリストフ君。とは言え、これから 言い放つと、返事も聞かずに緋雪は飛び出していった。 命都と七夕も同時にダッシュする。 ◆◇◆◇ 「ちょっと待てえ?! なんでお前がここにいるんだ?」 「ちっ――!?」 咄嗟に身体を投げ出すようにして、甲板を転がって避けるももんがいさん。 代わりに......というわけじゃないけど、ボクの斬撃は勢い余って、一瞬前まで彼が居た場所――フォアマストとか呼ばれる船首に近い に向かって、七夕が跳躍しつつ空中で踊るように二刀を乱舞させ、一瞬にしてそれを細い丸太へと変える。 いまの一撃は完全に捕らえたと思ったんだけど、常時船が揺れているのと、本気で踏み込んだら一発で床を踏み抜きそうな懸念があったので、無意識のうちに余分な動きが混じってしまったらしい。逆にももんがいさんの方は、船上の動きに迷いがなく無駄がない。 「ま、その分は手数で補えばいいか。いくよ命都、七夕。手足の5~6本吹き飛ばしても構わないから、ももんがいさんの動きを止めるよ」 「はい、姫様」 「お任せください、姫様」 「ちょっと待て、ちょっと待て!」 「なに、降参?」 だったら話は早いんだけどねー。 「卑怯だろう! こっちは一人で、武器も出来合いの鋼鉄製、おまけに従魔合身もしてないんだぞ!」 「......いや、それ、君がプレーヤースキル使いまくって どの口が言うんだって感じだねぇ。 「だからこっちもハンディつけたじゃねえか! 相手がプレーヤーならプレーヤーの装備と準備して相手してる!」 「だから? 準備するまで待てとか、戦場でぬるま湯みたいなこと言い出すんじゃないだろうねぇ」 むっと一瞬黙り込んだところを見ると、どうやら本気の図星だったらしい。 阿呆かな、この人。ぶっちゃけ個人的に話したことはほとんどなかったけど、こんな香ばしい性格だったとは知らなかったよ。 「だったらここは正々堂々、お互い男と男の意地を賭けて『 「は? オトコ......?」 「おう!」 「......あの。お前、男だったよな?」 急に不安になったような顔で確認してくるももんがいさん。 「――あっ」 忘れてた。何ヶ月も24時間おにゃのこをやってたんで、最近はすっかり忘れてたけど、そーいやそーだったわ。それにしても、緋雪に転生だかしてからこっち、まともにオトコ扱いされたのって初めてかも。ちょっと感動。 「はいはい、オトコと男の意地ね。それで、その『 なんとなく新鮮な気持ちになったので、大いなる博愛の心でもって、ももんがいさんの言うことに耳を貸すことにした。 ももんがいさんが両手を叩いて喝采を叫んだ。 』のやり方だけど、お互いに左手首を革紐で繋いだ状態で、右手に持ったナイフだけで闘うという野蛮この上ないものだった。 「まあ、お互いにナイフじゃそうそう死ぬことはないだろうから、先に3撃入れた方が勝ちってことにしようぜ」 からナイフを2本と革紐を取り出し、ナイフの一本を投げてよこした。 「――なあ?!」 間一髪、手にしたナイフで捌かれた。やっぱボクの投擲スキルは低いから、この程度の威力しか出せないか......。 「なにしやがる、手前!? 決闘を反故にするつもりか?!」 「――いや、そもそも承諾したつもりはないんだけど?」 なんで圧倒的に有利な状況で、わざわざそんな阿呆なことしなきゃいけないのさ? 「卑怯だぞ! 手前には男の誇りはないのか!!」 「もうないよ」 あったらミニスカート穿いて、こんなところで立ち回りしてられるかっての。 手にしたナイフで防御しようとするももんがいさんだけど、そんなもんでボクの『 上段からの一撃でバッサリ――と、決まりかけたその瞬間、猛烈な勢いで接近してきた赤い帆の大型魔導帆船が、こちらに向けて体当たりを敢行してきた。 接近に気付いたベルーガ号が舵を切り、直撃コースを外れようとする。 まさにその瞬間、ももんがいさんを斬りつけようとしたボクの体勢が崩れ、その一瞬の隙を見逃さず、体当たりしてきたももんがいさんの背中に、『 「「姫様!?」」 命都と七夕の悲鳴を聞きながら、そのまま揃って船縁を飛び出し、ももんがいさんともつれ合うようにして、海の中へと落下する。 落ちる瞬間、誰かが水に飛び込んだような気がしたけれど、ほぼ金槌のボクは成す術もなく、必死に手足をバタつかせるだけで精一杯だった。

125 Episode Seven Pirate Duel Also known as "pirate warfare", also known as transfer or grounding attacks, this refers, in short, to the naval tactics of transferring combatants to enemy ships with bridges and hooked outlines to wage white soldier warfare. The origins of what is called pirate warfare methods are, in short, the pillaging and capture of enemy ships rather than the sinking of enemies, so they were called because this method of attack was still prevailing, but it is not generally the exclusive patent of pirates, as it was in fact the main means of attack of the regular army until near the developing modern era of artillery (since it was the Marine Corps in the first place that was the force for this purpose). That said, if it were normal, thigh cancer was trying to execute it in a single flight where the fighters would travel after the ships were grounded with each other. "-Okay." Jump the saddle of the horseman to the scaffold without using any tools with a single-handed long sword (hanger) in your mouth. Plus add a two-step jump in the air to the scaffold with the joints of the ship's outer plate to practice a large jump that says let's reach the top of the foresail, far above the drainage line of the Grand Magic Sailboat Beluga of the Gravior Empire. "Whoa! Out of the way!!" Dancing in the midst of the fierce Marines as if they were rockets jumping from the surface of the water with a roar. Marines poked at the void, but there is an imperial navy, lean or withered. Immediately pull out the sword and try to surround and push in the thigh cancer. But in the momentum, he breaks through the siege with allowances and gradually with an unstoppable appearance. Neither were the Marines responding to this irresistibly, but in the midst of the conflagration, the opponents have the cod physical ability to easily enter this flagship with a leap from the sea surface, and are "troublesome!" a monster out of the standard to storm with a wave of arms and overthrow the Marines on the deck. "Spiritualist!?" Subsequent soldiers and magicians peel their eyes when they hear the noise and rush. Distancing hastily, he tried to stop his legs with bows and arrows and sorcery attacks, but he was wiped out with a one-handed long sword (hanger), beaten out with tough hands and feet, ravaged with spiritual sorcery, and the proud Marines of the Gravior Empire collapsed in an instant. In an attempt to cover a flagship that was completely dysfunctional due to a thigh cancer break-in, other ships attempted to head to the rescue, but a pirate fleet entered the battlefield with a large hole, resulting in a brilliant mix-up of enemy allies. Collaboration and nothing happened when this happened. I had to deal with the pirate fleet individually, which I had to beat in numbers, and I could no longer afford to lend a hand to the other. On the other hand, I was really amused and completely furious with thigh cancer, but when I realized I had finished exposing the Marine who was on the deck, I noticed that I looked around with a face that seemed somewhat lacking. "Why, it's over now. The commanding officer... is he just here, or is Bull hiding? Shall we go from here?" Alone looking troublesome, walking slowly through the completely unpopular deck, to the door leading onboard, he opened the door unconstructively. The giggle, and beyond the door, a long-haired girl smiled, wrapped around a dress with a short line of black and roses, supposedly between the ages of 12-13. She is a beautiful girl with a combination of adorability and mystery, like the princess who appears in the Miga or the goddess of the story appeared in reality as it were. Crimson eyes with thin, long hair and an adorable but demonic glow as if it had blended in the darkness of the night and the brilliance of the stars. Its appearance, where kindness and compassion lived together, seemed a terribly poor and exquisite work of art, so remote that it felt restless watching it. Batang! and closed the door that had just been opened with momentum, and decided not to see it. Turn around on the spot. Righting is also a cancer. At the next moment, the door is kicked open from the inside, and with every hinge blown up the door, the body of the entangled monkey also flies through the universe. "Wow!?! While bouncing 2-3 degrees on the deck, I have something to grab onto the sail pillar (mast) and regain my position. The door fell to the sea as it spinned with a circle. "- Wouldn't it be rude to look people in the face and suddenly go home" Keep your smile on, Scarlet Snow stepping out of the position where you kicked the door. Behind it, the Life Capital and the New Year's Eve are each fully armed (although in the case of the New Year's Eve, in addition to their usual overexposed aptitudes, they just hold a single-edged sword with a tremendously opposite body called the Talwar on both hands). Further behind - Scarlet Snow cautioned me to wait because it was dangerous, but it followed me forcefully - Christoph looked at Scarlet Snow, who opened his eyes lightly and changed his appearance and atmosphere. Scarlet Snow sends him a smile right before he goes out to the deck. "Excuse me, Christopher, if I may show you something. That said, from now on, I (I) will turn to Shura, so if you don't want to be disillusioned any more, I suggest you don't move off the spot." Speaking out, Scarlet Snow popped out without even hearing back. The Life Capital and the New Year's Eve dash at the same time. * * * * "Wait a minute?! Why are you here? "Shit -!?" Try to throw your body out of your lap and roll down the deck to avoid it. Instead...... I didn't mean to, but my slaughter gained momentum, and until a moment ago I broke off where he was - a sail column (mast) close to the bow called Foremast or something. Towards the sail pillar (mast), which is falling as-is, he rambles two swords to dance in the air as the Seventh Eve leaps, instantly turning it into a thin marutai. I thought I'd captured the current blow completely, but I had concerns that the ship was constantly shaking and that if I really stepped in, I was going to step through the floor with one shot, so he unconsciously mixed up extra movements. Conversely, if you are Mr. Cancer, there is no stray and wasteful movement on board. "Can I make it up to you by hand? I'm coming, Life Capital, Seventh Eve. I don't mind blowing up five or six of my hands and feet, so I'll stop moving." "Yes, Princess" "Leave it to me, princess" "Wait a minute, wait a minute! "What, surrender? Then it's quick to talk. "You must be cowardly! I'm alone, and I'm not wearing a weapon or a matching steel, besides an exorcism! "... No, I think you used your player skills all over the world (me TUEEE) and the Marines thought the same thing? It feels like every mouth says it. "That's why you handled this one, too! If the opponent is a player, he's gearing up and preparing for the player! "So? Don't wait till you're ready or say something like warm water on the battlefield," Seeing him quietly for a moment, he was apparently a real star. Idiot, this guy. Blah, blah, blah, blah. I hardly ever talked to you personally, but I didn't know you had such a fragrant personality. "Then we'll be square here, betting on the will of each other's men and men to decide the battle in The Pirate Duel! "What? Otoko...? "Whoa!" "... Um. You were a man, weren't you? I'm going to check it with a face that suddenly makes me feel anxious. "- Ah." I forgot. I've been doing this 24 hours a day for months, and I've completely forgotten about it lately, but no, no, no, no. Nevertheless, it's probably the first time I've been properly treated as an otoko over here since I was reincarnated into Scarlet Snow. Kind of touching. "Yes, yes, the will of the Otoko and the man. So, what do you mean," Pirates Duel "? I felt somewhat fresh, so with a great fraternal heart, I decided to lend my ear to what Mormon had to say. Monoga clapped her hands and shouted for a drink. So, the Pirate Duel way he explained it, but with their left wrists tied to each other, it was barbaric to fight with just a knife in their right hand. "Well, we're not gonna die like that with each other's knives, so let's just say we win by putting three shots in first" As I said, I took two knives and a leather string out of the storage space (inventory), threw one of the knives and gave it to me. "- Hey?!" I got stung with a knife in my hand. After all, my throwing skills are low, so can I only give this degree of power... "What the fuck, in front of you!? Are you going to rebel the duel?!" "- No, I didn't mean to agree to it in the first place? Why do you have to go out of your way to do such an idiot thing in an overwhelmingly advantageous situation? "You're cowardly! Aren't you proud of a man in front of you!!" "I don't have any more." He said he could wear a mini skirt and stand around like this. I'd rather try to defend myself with a knife in my hand, but that doesn't prevent my 'Sinner of the Rose (Jill de Lee)'. Bassari with a blow from the top - and at that moment when it was about to be decided, a large demon-guided sailboat of red sails approaching with fierce momentum has dared to hit me this way. The Beluga, noticed approaching, cuts the rudder and tries to take the direct hit course off. Precisely at that moment, Bo's posture broke down when he tried to slaughter Momo, didn't miss that moment gap, and slapped "Sinner of the Rose (Jill de Lee)" into the back of the Momo he had been hitting, but just slashed the meat on his back into a single letter because it was from an impossible posture. "" Princess!? Listening to the screams of the Life Capital and the Seventh Eve, he flies out of the fringe as he is, making sure to connect with Mormon, and falls into the sea. At the moment of the fall, I felt like someone had jumped into the water, but I almost had no skill to make it up, and I was just desperate to bump my hands and feet.

幕間 勇者無用 「はいチェンジ」 姫巫女だというどこか冷たい雰囲気のある薄い金髪の少女が、碧眼でジョーイを一瞥した後、まばたきする間もなく一言吐き捨てた。 「ご苦労様でした。お帰りはこちらです」 約束されていた流れ作業のように、中年の巫女頭が即座に出口を指す。 翌朝、宿の主人に勇者教の神殿に行く場所を聞いて、早々に4人で街を散策しながら――目立つ目立つ。朝の買い物の時間帯のせいか、そこそこ人数がいたけれど全員が狸の群れに紛れ込んだレッサーパンダを見るような微妙な目で見るので、辟易して――早々に神殿に辿り着き(まぁ、見るべき観光地もなかったわけだけど)、胡散臭そうにこっちを警戒する受け付けに今回の招待状を渡し、お茶一つ出されないまま2時間近く立ちっ放しで待たされた挙句、出てきたのは先ほどのすげない一言だった。 「......え?!」 「そっか、じゃあ帰ろう」 「予想通り無駄足でしたね」 「まあ、あたしはこれも経験だと思えば」 やれやれ終わった終わった解散~っ。という感じで、ゾロゾロと出口へ向かう、ボク、 と、足音が3人分しかないのに気が付いて、振り返った。 「どうしたのジョーイ。いつまでもそこにいると邪魔だよ」 なぜか呆然と突っ立っているジョーイに声を掛ける。 姫巫女と巫女頭がウンウン頷いて同意して、見習いらしい巫女たちがワザとらしくジョーイの周りを掃除し始めた。 「いやいや! おかしいだろうっ。俺が神託を受けた勇者ってことで、わざわざアミティアからこんな僻地のド田舎神殿まで来たのに、そのわけわかんねぇ神様に確認もしないで、門前払いとかあり得ないだろう!」 必死に食い下がるジョーイだけど、相変わらず空気の読めていない無神経発言の連発で、墓穴を掘り。様子を見ていた一部『いいのかなぁ?』と疑問・同情があった、何人かの良心的な神殿関係者の目から、見事にそうした感情を拭い去ることに成功していた。 「いや、どっちかというと君が『勇者』とか、どーかんがえても間違いだと思うし」 「そうですね『勇者(笑)』なら、まだ理解できますが」 「あ、いえ、あたしにとっては師匠は勇者ですよ!」 「まあ、身の程を弁えない態度は『勇者』と言えるかも知れませんが、たまには鏡を見てご自分を客観視されたほうがよろしいかと思います。これは本当に親切心から助言ですけど」 「無茶を言うなぁ、それができるくらいなら、『勇者』なんて甘い言葉に釣られてホイホイここまで来たりしないよ」 「百歩譲ってもこの場で『お呼びでない』『ただしイケメンに限る』と面と向かって言われた時点で、さっさと踵を返すのが賢明でしょうに」 「そ、それは確かに師匠は見た目はアレですけど、飽きの来ない味のあるタイプだと思いますよ」 「お前ら、どっちの味方なんだ!?」 ボクたちの率直な意見に対して、ジョーイが理不尽な怒りを爆発させた。 ぎゃーぎゃー喚いているジョーイを面倒臭そうに見ていた姫巫女だけど、疲れたような顔でため息をついた。 「......まあ、確かに神託を蔑ろにするのも問題でしょう。無駄だとは思いますが、『剣の試し』を受けさせますので、終わったらさっさとお帰りくださいね」 そう言って神殿の奥へ続く扉を指し示した。 神殿の奥の院――ご神体様を奉るその場所は、この規模の土着宗教にしてはかなり豪壮な造りで、あっちこちに美術品やら宝物やらが飾られていた。 姫巫女(名前はエレノアというらしい)に先導されて、奥に進むけどジョーイは周囲の宝物が気になるらしく、勝手にフラフラと寄り道しては物珍しげに近寄って見ていた。巫女頭さんも自慢の品々らしく、誇らしげに説明を加えている。 「この壷はいまから500年前に稀代の陶工が我が宗派の教えに感銘を受け絵付けを行った国宝級の逸品で......勝手に触らないでくださいませ! ひっくり返さないで! それと、その隣の皿は聖王国から下賜された、これまた国宝級――ですから片手で持たないで! ひっくり返すなと! そこのタペストリーは遥か南方のいまは滅んだ国の......ああああっ、なんで横糸引っ張って!? 違います! ほつれているわけでは――ぎゃあああ、古代遺跡の魔導器を分解するなんて!?! やめて! 絶叫して泡を吹いている巫女頭の女性を置いて、げんなりした顔のジョーイが戻ってきた。 「なんかいちいち煩いから、先に行こうぜ」 背後の騒ぎをまったく意に介さない、いつもの平常運転で先を促す。 そんなジョーイを見て、戦慄の表情でだらだらと冷や汗を流すエレノアさん。 どうやら彼女にもようやく彼の恐ろしさが理解できたらしい。 ボクも取り合えずジョーイをウチの城に連れて行くのは、絶対やめとこうと決意した瞬間だった。 どんよりと背中に後悔と哀愁を乗せたエレノアさんに案内されて、神殿の最奥らしい扉を開けると、そこには、どうみても『邪神』という感じの触手の生えた羊の石像と、その胸に刺さった一本の古ぼけた剣が、祭壇の上に飾ってあった。 「これこそが我が教団の「これ引っこ抜けばいいんだろう?」」 声のトーンを変え、芝居が掛かった仕草で説明を開始しようとした彼女をガン無視して、両手に唾をかけて剣を握るジョーイ。 片脚を床に、もう片脚を石像に押し当てて、「せーの!」とやろうとしたところで、後ろからエレノアさんに蹴り倒された。 「ご神体に土足を掛けるなあ!!」 蹴り飛ばされたジョーイが床の上から抗議する。 「いてーな! なにするんだ!?」 「それはこっちの台詞だわ! ご神体をなんだと思ってるのよ、このタコッ!」 まあ、姫巫女として怒るのは当然かとも思うけど、いきなり蹴り入れたり同レベルで罵声を浴びせたりと、第一印象と違ってけっこうこの人も駄目駄目なのかも知れないねぇ。 「というか、単純な疑問なのですけれど『ご神体』というのはその剣の方で、石像ではないのでは?」 真珠の疑問の声に、一瞬なぜか『しまった!』という顔をして、視線を浮かせたエレノアさん。 「えーと、その......勿論、勇者の剣がご神体ですが、この勇者が退治した邪神の像から引き抜くことが『剣の試し』ですので、これもワンセットでご神体と考えているのです」 なんとなく後付け設定みたいに付け加える。 「じゃあ、やっぱ俺は間違ってないじゃねーか」 懲りずに立ち上がって剣のところへ行こうとするジョーイを、必死に阻止する。 「ただ単に引っ張れば良いと言うものではありません。勇者と巫女が互いに手と手を合わせ、心を通い合わせてこそ、儀式として成り立ち、剣を引き抜くことが可能となるのです!」 「んじゃ、二人掛りで引っ張るのか。早速やろうぜ」 軽く言ってエレノアさんの手を取って、剣の所に行くジョーイ。 諦めたのか盛大にため息をついて、先に剣の柄に手を掛けたジョーイの手の上に自分の手を乗せようとする。 「なんか、ウエディングケーキを切る新郎新婦みたいな恰好ですね」 フィオレの率直な感想に、ボクも同意する。 「そうだね。2人の初めての愛の共同作業って感じだねぇ」 ピクリと直前でエレノアさんの手が止まった。 「どーした?」 ジョーイの問いを無視して、ギリギリと錆びた歯車のような感じで、首を巡らせる彼女。 その目がなぜかボクを捕らえた。 「貴女......見たところ聖職者のようですけれど、私の代わりに『剣の試し』をお願いできないかしら?」 「はあ? なんで?」 「考えてみれば、この儀式では勇者と巫女とが『互いに心を通わせる』ことが前提条件ですけれど、どう考えても私には無理だと思うので、お仲間の貴女の方がよろしいかと思いますの」 いや、まあ、確かに彼女とジョーイでは、コーラとメントスくらい合わなさそうだけどさ、だからって大切な儀式を部外者に丸投げしていいのかな。 「......まあ、いいけどさ。でもいいわけ、余所の神官がご神体に触ったりして?」 「この際大目に見ましょう。それに初代巫女ももともとは単なる村娘でした......だったそうですから」 最初から失敗するのを見越して、投げ遣りに答えるエレノアさん。 「なんでもいいから、さっさとやろうぜー」 ジョーイがのほほーんと催促する。 「――ま。それで双方の気が済むのだったら構わないけどさ」 「誰でもいいのでしたら私もお手伝いいたしますが」 「せ、せっかくなので、あたしも参加します」 ふと気が付けば、真珠とフィオレも参加しての共同作業となった。 なんだろう、このカオスは......? 「じゃあいくぞーっ、1、2、3! そぉれっ! ――おっ。動いた!」 じりじりと抜ける感触にジョーイが歓声をあげ、エレノアさんが「うそ?!」と愕然とする。 まあ4人がかりで、うち2人が人外だからねぇ。実質、ボクと真珠の2人掛りで、力任せに引っ張ってるんだけどさ。 「もうちょっとだ。ぬ、ぬ、ぬ............抜けたぁ!!」 抜けた少年が間抜けな歓声を上げ、抜けた『勇者の剣』を高々と差し上げてガッツポーズを取った。 歓んでるのはいいんだけどさ。いま鑑定で見たらその剣、『呪われた剣:耐久度0』って表示されてるんだけど......? と、剣が抜けた瞬間、凝然と目を見開いていたエレノアさんの肩が震えだした。 「.........ついに.........」 歓喜とも嘲笑ともつかぬ表情を浮かべたエレノアさんの口から、妙にかすれた......別人のような声が漏れてきた。 はて? 「ついに我の封印が解けたぞ! 礼を言うぞ人間どもよ!」 狂ったかのような哄笑とともに、エレノアさんの口から発せられる、ひび割れた男とも女ともつかない声が奥の院全体に響き渡り。なんか展開についていけずにポカーンとするボクたちを、置いてけぼりにしていた。 「どういたしまして。じゃあ、これで俺は勇者ってことで、いいのかな?」 ジョーイだけがマイペースに相手をしている。 そんなジョーイをムシケラを見るような目で見据えるエレノアさん。 「くっくっくっ。そうだな、確かに貴様は勇者だな。あの『神』に斃されて800年、精神のみを巫女に代々憑依させてこの日を夢見ていたが、それを叶えてくれた貴様には礼をせねばな」 「いや、別に礼とかいらねーけど」 「そういうな。すでに我が新しい肉体は再生している。そこに我の魂を融合させれば、完全に復活できるであろう。貴様らには礼として、最初の獲物となる栄誉を与えてやろう。――来いっ。我が肉体よ!!」 なんかフルスロットの連続に、完全に傍観者と化しているボクらの目の前でエレノアさん――というか、本人の弁によれば憑依している邪神らしい――が、空中に素早く印を切ると、床に複雑な魔法陣が浮かんだ。 「――っ!! 召喚の魔法陣です!」 やがて魔法陣全体が光だし、そこから小山のような黒い獣の巨体が浮き上がってきた。 もともとここにあった石像にそっくりな、全身を真っ黒な毛に覆われた 満足げに己の新たな肉体を召喚したエレノアさんの顎が、かく――んと落ちた。 「......死んでるじゃねーか」 「死んでるねぇ」 「死体ですね」 「.........」 の怪物は、見事に首が切断され、何か他の魔物にでも食べられたのか胴体の一部に、食べ残しの痕がついていた。 「な、な、な、なんだとぉ!?」 目を剥いたエレノアさんが、ふらふらと化物の死体に取りすがって、叩いたり撫でたりしたけど、どーみても死後2~3日経っている死体は、ピクリとも動かなかった。 「まあ、取り合えず......なんか変なの取り憑いてるみたいなので、浄化してみようか」 はっと振り返ったエレノアさんに向かって、ボクは全力の死霊浄化スキルを撃ち込んだ。 こうして、勇者の剣を巡る一連の騒動は収束した。 勇者の伝説もどこまでが本当で、どこまでが創作だったのかはわからないけど、なにはともあれ無事にエレノアさんも正気に戻り、今回の騒動のお礼として(というか、邪神を崇めていた邪教と糾弾されるのを恐れた口止めの意味から)転送ポイントの設置に尽力してくれることを約束してくれた。 なにはともあれ、実益は得られたので問題はないといったところだろう。 「でも、結局、勇者の剣でパワーアップとかはなかったなあ......」 「人間地道に修行するのが一番だということだね」 帰り道、シレントには転移魔法陣がないということで、隣国まで国境線を越えて歩くことになった。その途上で、目論見が外れたジョーイががっくりと肩を落としていた。 「まあでも、邪神の復活を阻止できたんですから、まったくの骨折り損というわけではないですよ師匠」 「阻止って、別に俺がなんかしたわけじゃないし......魔物同士の縄張り争いかなんかで死んでたんだろう、アレ」 「そーいえばそうだねぇ。そう考えると、あの近辺には邪神より強力な魔物がいるということになるかな。大丈夫かな」 そう懸念を口に出した瞬間、なぜか先頭を歩いていた真珠が、木の根にでも引っ掛かったのか姿勢を崩した。 「大丈夫?」 「だ、大丈夫であります姫様。ま...まあ先のことなどわからないので、心配してもしかたありません。忘れましょう。そうしましょう。きっともう居なくなりました!」 「まあ、確かに他国の問題だからねぇ。そうそう、ジョーイ。強くなりたいようなら、知り合いに何人かコーチできる人材がいるんで紹介できるけど?」 「ん~~。そうだなぁ、一度紹介してもらおうかな」 「わかった。じゃあ国に帰ったら、話を通しておくよ。剣士だから

123 No Tabernacle Brave "Yes Change" A thin blonde girl with some cold vibe that she was a princess witch threw up a word shortly after blinking after glancing at Joey with a blue eye. "Thank you. Welcome home." A middle-aged witch-head points to an immediate exit, as promised flow work. The next morning, I asked the master of the Inn where we were going to the temple of Bravery, and as the four of us strolled through the city early - it stands out. Because of the time of morning shopping, I see it with subtle eyes like watching a lesser panda where there were a number of people but they all got into a swarm of raccoons, so I pioneered it - I arrived at the temple early (well, I didn't even have a tourist destination to see), handed this invitation to the reception to alert me to the smell of fright, and the quote that was waited for almost two hours standing aside without being served one cup of tea, and what came out was an incredible one. "...... eh?!" "Oh, well, then let's go home" "You were wasting your legs, as expected." "Well, if I think this is also an experience," Oh, man. It's over. It's over. Dismissed. It feels like, Zorozolo and I head to the exit, me, Pearl (not) and Fiore. And I noticed that there were only three footsteps for me, and I looked back. "What's wrong, Joey? If you stay there forever, you'll be in the way." Speak up to Joey, who for some reason stands stunned. The princess witch and the witch head unnodded and agreed, and the apprentice-like witches began to sweep around Joey like a waza. "No, no! That's crazy. Ugh. I mean the brave man I was commissioned to, I came all the way from Amitia to such a secluded de country temple, and I don't know why. Don't even check with God, there can't be a gate advance or anything! Desperately eating down, Joey, but as usual, with a series of unreadable, insensitive remarks about the air, digging a grave. Some of the things I was watching: 'Is that okay?' And there were doubts and sympathies, from the eyes of several conscientious temple officials, who had succeeded in wiping away those emotions brilliantly. "No, I think it's a mistake whether you're a" brave man "or whatever." "Well, 'brave man', I can still understand that." "Oh, no, for me, my master is a brave man! "Well, you might say 'brave man' for an attitude you can't speak for as long as you can, but sometimes I think it's better to look in the mirror and be objective about yourself. This is really kind advice, though." "If you can do that, you won't get caught in the sweet language of 'brave man' and come this far, whee." "It would be wise to just give back your heels when you are told on this occasion that even if you give up a hundred steps, you are not calling, but only handsome." "Well, that's true, my master looks arrogant, but I think he's the kind of guy who never gets tired of flavoring." "Which side are you guys on?!?" Joey exploded irrational anger at our frank opinions. Geez - a princess who looked at Joey calling like she was stinking, but she sighed with a tired face. "... Well, it would certainly be a problem to scorn the trust. I know it's no use, but I'll let you take the 'Sword Trial', so please just go home when you're done." That's what I said, pointing to the door that leads to the back of the temple. The temple's back yard - its place serving the goddess - was quite magnificent for an indigenous religion of this scale, decorated with artwork and treasures all over it. Led by a princess witch (whose name seems to be Eleanor), she goes back but Joey seems to be concerned about the treasures around her, and stopping by on her own flirtatious, she looked rarely closer. The witch-head also seems to be proud of his products and proudly adds explanations. "This is a national treasure delicacy that was inspired and painted 500 years ago by the teachings of our sect by rare ceramics... don't touch it on your own! Don't flip it! And the plate next to it was given to me by the Holy King, this is another national treasure class - so don't hold it with one hand! He told me not to flip! The tapestry there is from a country that is now doomed far south...... ahhh, why pull the horizontal thread!? No! It's not like I'm flaking it - yahhhh, I can't believe I broke down the ancient ruins of the demon conductor!?! Stop! Swing the ancient weapon" Enchanted Weapon "class spear - what do you mean it's broken!! Don't drop that treasure ball (orb) from the Dragon's... Don't break it!!!" I put down a witch-headed woman screaming and blowing bubbles, and Joey with a laid-back face came back. "It's so annoying, let's go first" Encourage ahead with your usual normal driving, not passing the noise behind you at all. Seeing Joey like that, Mr. Eleanor sweats sloppily with a look of war. Apparently, she finally understood his horror, too. Taking Joey to our castle without me fitting in was the moment I was absolutely determined to stop. More and more guided by Mr. Eleanor, who put regret and sorrow on his back, he opened the deepest door of the temple, where the stone statue of a tentacled sheep, no matter what, felt like 'evil god', and an old sword stabbed in his chest, were decorated on the altar. "This is my church." Should I pull this off? Joey spits on both hands and holds the sword, ignoring her for changing the tone of her voice and trying to start explaining with the trick the play hung. One leg on the floor, another leg on the stone statue, and he said, "Let's go!" I was about to, and Mr. Eleanor kicked me down from behind. "Put your earthfoot on your divine body!! Joey, kicked away, protests from the floor. "Stay! What are you doing!?" "That's our dialogue! What do you think your body is, you taco! Well, I suppose it's natural to be angry as a princess witch, but unlike my first impression of suddenly kicking in and yelling at me on the same level, maybe this guy can't do it either. "I mean, it's a simple question, but isn't 'the god' the one with the sword, not the stone statue? To the pearl's questioning voice, for a moment. For some reason: 'Shit!' With the face, I glanced at Mr. Eleanor. "Er, the... Of course, the sword of the brave is your divine body, but this is also considered your divine body in a single set, because it is the 'Test of the Sword' that this brave man pulls out of the exorcised statue of the Evil God." Add it somehow as if it were a posterior setting. "Well, I guess I'm not wrong." Desperately stopping Joey from getting up and going to the sword without punishment. "It's not just to say you should pull. It is only through the hands and hearts of brave men and witches that it is possible to be formed as rituals and pull out swords! "So you're pulling it for two? Let's get this over with." Put it mildly. Take Mr. Eleanor's hand and go to the sword, Joey. You give up. Sigh grandly, trying to put your own hand on Joey's hand, who first hung his hand on the pattern of the sword. "Something like a bride and groom cutting a wedding cake." I agree with Fiore's frankness. "Right. It feels like they're working together on their first love." Mr. Eleanor's hand stopped just before Pickle. "What did you do? Ignoring Joey's question, she feels like a critical, rusty gear, making her go around her neck. That eye captured me somehow. "Your Ladyship... Seems like a clergyman from what I've seen, but could you please 'try the sword' on my behalf? "Huh? Why? "Come to think of it, in this ritual, the brave and the witch are prerequisites for 'letting each other through their hearts', but I don't care what you think, I don't think I can do it, so I wonder if your fellow lady would be better off." No, well, sure, in her and Joey, it doesn't seem to fit as well as Coke and Mentos, so I guess I can throw an important ritual round the outsider. "... well, fine. But let's just say the clergy in the room touched your body? "Let's take a big look at this. And the first witch was originally just a village daughter..." Mr. Eleanor answers the throw in anticipation of failing from the start. "Whatever. Let's just do it." Joey urges the ho. "- I don't mind if we both feel better." "Anyone can help, I can help." "Because of that, I'll join you." When I realized it, Pearl and Fiore also participated in the joint work. What is it, this chaos...? "Let's go, then. - One, two, three! Holy shit! - Whoa. It moved!" Joey cheered at the feeling of twitching and falling out, and Eleanor said, "Liar?!" and stunned. Well, it's about four people, and two of them are out-of-the-box. Actually, it's for two, me and Pearl, and I'm pulling it at my fingertips. "Almost there. No, no, no... I'm out!! A loose boy cheered dumbfoundly, giving high up the loose 'Sword of the Brave' for a gutsy pose. I hope you're happy. I saw it in the appraisal now and it says "Cursed Sword: Endurance 0"...? And the moment the sword fell out, Mr. Eleanor's shoulder trembled as he stared out of his eyes. "...... at last......" From Eleanor's mouth, with a look that was neither joyous nor ridiculous, a strange blur... a voice leaked like another. Ha? "Finally, my seal is unsealed! Thank you, humans! A voice echoes across the back yard that does not speak to a cracked man or woman, emanating from Mr. Eleanor's mouth, along with a laugh as if he were crazy. He left us as pokers without keeping up with the expansion. "You're welcome. So now I'm a brave man, okay? Only Joey is dealing with Mypace. Mr. Eleanor looks at Joey like he sees Musikella like that. "Knock it off. Yeah, you're a brave man, for sure. I dreamed of this day after 800 years of being killed by that 'god', only the spirit was possessed by the witch for generations, but thank you for making it happen." "No, I don't want to thank you." "You know what? My new flesh has already regenerated. If you merge my soul there, you will be fully resurrected. As a token of your gratitude, I give you the honor of being your first prey. - Come and go. My flesh!!" Something about a full slot streak, Mr. Eleanor in front of us, who are completely bystanders - or, according to his valve, the evil god he possesses - came across a complex magic formation on the floor when he quickly cut the mark in the air. "- Eh!! It's the magic formation of the summons! Eventually the entire magic formation was light, and from there a giant black beast like Oyama emerged. Similar to the original stone statue here, it resembles a fake black sheep (Melanie Ariez) covered in bright black hair, but it was summoned to say that the "evil god" grew tentacles from his back due to its different size - its reborn flesh... Eleanor's jaw, which satisfactorily summoned her new flesh, fell. "... you must be dead" "You're dead." "It's a corpse." ......... The fake black sheep (Melanie Ariez) monster had a splendid decapitation of his neck, and was eaten by some other demon or was part of his torso marked with leftovers. "Hey, hey, what the fuck!? Mr. Eleanor, who peeled off his eyes, took it to the fluttering carcass, and slapped and stroked it, but the carcass, which was two to three days after his death, did not even move with Pickle. "Well, I can't get it together... it seems so weird that I'm possessed, so let's purify it." turned to Mr. Eleanor, who looked back all the time, and I shot in my full Necromancer purification skills. Thus, a series of disturbances over the sword of the brave converged. I don't know how far the legend of the brave was true, and how far it was creative, but whatever it was, Mr. Eleanor safely returned to sanity and promised me that he would dedicate himself (or herself, from the meaning of a pause fearing to be disputed with the cult that had worshipped the evil gods) to the installation of a transfer point as a thank you for this disturbance. Whatever it is, there will be no problems because the benefits have been achieved. "But in the end, there was no power up with the sword of the brave..." "It's best to train in a human tunnel." On the way home, Cilento had no transitional magic formation, which meant he was to walk across the border to his neighbor. Along the way, Joey, whose prospects were off, was dropping his shoulders disappointingly. "Well, I was able to stop the evil god from resurrecting, so it's not like I broke a bone at all, Master." "Stopping isn't what I did... and the demons must have died fighting over their territory, are they?" "Speaking of which, you are. I wonder if that would mean that there are more powerful demons in that neighborhood than evil gods. I wonder if you're all right." The moment I put my concern to my mouth, somehow the pearl who was leading broke my attitude about whether I even hooked up to the roots of the trees. "Are you okay?" "It's okay, Princess. As... well, I don't know what's ahead, so I just had to worry. Let's forget it. Let's do that. I'm sure he's gone! "Well, it's certainly a matter for another country. Yeah, yeah, Joey. If you want to be strong, can I introduce you to someone I know who can coach you? "Mm-hmm. Right, let me introduce you once" "Okay. Then when I get back to the country, I'll talk through it. I'm a swordsman, so I wonder if it's a rare person..."

第十四話 策謀袖裏 クレス=ケンスルーナ連邦の首都ファーブラーは、連邦の政治・文化の中心として、ケンスルーナ国のほぼ中心部に位置していた。 ファーブラーがケンスルーナ国にあるのは、連邦の中核をなす双璧の片割れ、クレス王国がもともと遊牧民族である獣人族でほぼ100%構成されているため、基本的に定住した街をもたないことと(数百人程度の規模の町は点在する)、政治、外交などに興味を示さない獣人の気質が大きかったことに、大きな要因がある。 それに対して、ケンスルーナ国は、人間、獣人、亜人に対して平等を謳った そのため、本来ケンスルーナ国単体であれば、中規模国家程度の人口及び国力しかないのにも関わらず、クレス=ケンスルーナ連邦の首都という格式と権威付けのためだけに、無駄としか思えない巨大な都市と政治中枢を造り出していた。 その首都ファーブラーに存在する連邦主席官邸。 建前上は連邦の代表者の公邸に過ぎないそこだが、実質的には宮殿であり、連邦の真の中枢であった。 現在の連邦主席バルデムは、ケンスルーナ国とも関係の深いユース大公国の国主であり、見た目はお世辞にもハンサムとは言えず、また中年太りしてきた体型は勇猛さとも無縁ではあるものの、どこか子供のような愛嬌があり、会う人に好人物との印象を与える――そんな人間族の男であった。 1時間に及ぶクレス王国代表議員との会談が、結局のところ物別れに終わったばかりの彼は、相手のいなくなった応接セットの肘掛椅子に腰を下ろしたまま、淹れ直してもらったばかりのお茶を飲んで、喉の渇きを潤した。 それから気を取り直して、秘書に別室にいる客を呼ぶように伝え、ついでに前の客が残していったお茶を片付け、新しい――より上等な――茶を用意するようにも付け加える。 待つほどのこともなく、煌びやかな鎧を身に赤い裏地のマントをつけた(ただし国名など所属がわかるようなものは一切ない)金髪の美丈夫が姿を現す。 こちらは予想通りだが、その隣に立つ頭からすっぽりとローブをかぶった小柄な人物の存在に、バルデムは密かに眉をひそめた。 ――子供? 体格からいって後はエルフか......いや、まさかな。 鎧の男の素性を考え、それはあり得ないと内心首を振る。 そんなバルデムの疑問に斟酌することなく、鎧の男はさっさと、いましがたまでクレス王国代表議員が座っていたソファーに腰を下ろした。フードの人物も当然のような顔でその隣に座るが、そのどこか柔らかな仕草にバルデムの視線がわずかに細くなった。 ――女か。 「会談の結果はどうでしたか?――と、聞くまでもないでしょうね、その様子では。所詮はケダモノ、目の前の獲物に襲い掛かる以外、なにもできない連中ですからね。国の大局を見るなどできるはずもありませんよ」 鎧の男がにこやかに、いましがたまでここにいた獣人族をあざ笑う。 「......確かにな。奴ら何を言っても『獣王の意に従う』だ。まったく話にならん」 忌々しげに吐き捨てるバルデム。 彼自身を指して、野心家だとか、連邦の理念を忘れた変節漢などと陰口を叩く向きもあるが、彼から見てみれば、神だの神獣だのという胡散臭いものを祀り上げ、そこで思考停止したり、何もしない口実に使う連中は唾棄すべき弱者であった。 現実主義者である彼は、どのような小さな決断でも常に自分で選び、実行してきた。 無論のこと、そこには常に迷いと痛みがあったが、その迷いを叩き伏せ、痛みに耐えて、自分自身の選んだ選択に恥じることない、また悔いない生き方をしてきた。 そんな彼から見れば、今回のことにしても他力本願に『獣王』に従うなどと繰り返す、獣人族の連中は実に甘いとしか言えなかった。 ――そもそも奴らは上に立つ者に必要な資質がわかっていない。......正しい力と技、心が揃ってこそ『王』だと!? 馬鹿馬鹿しい! 真実、清廉な人間など無能なものだ。指導者は善良に見えさえすればいいのであって、実体などどうでもいい。ただ結果さえ出せばいいというのに。 とは言え、連邦内での獣人族の影響力と戦闘力は脅威以外のなにものではない、現在は共同歩調をとってはいるものの、現在、彼が密かに目論んでいる帝国への逆侵攻作戦――帝国に奪われたかつての領土の奪還を強行すれば、文字通り国が二つに分かれるだろう。 そうなっては本末転倒。彼としてもそれは避けたい事態だ。 それを考えると目前の男が全ての鍵を握っていると言える。 「――本当に、イーオンは今回の件に横槍を入れないのだな?」 バルデムの確認に飄々と答える――イーオン聖王国の密使を名乗り、実際に大教皇のサインと印が押された密書を携えていた――男。 「無論です。我が国は常に中立ですから、一方的にどちらかに肩入れすることはありませんよ。戦が長引いてグダグダにならないところ......そうですね、あなた方がかつての領土を解放した時点で、仲介の名乗りを上げるようにします。ただし、条件としては開放した国家は、国教としてイーオン聖教を信奉すること、獣人、亜人の定住を認めないことが、最低限必要になりますがね」 あまりにも美味い話には裏がある。人間の善意など一片も信じていないバルデムは、底光りする目で男を見た。 「これは話が早い。現在の連邦内の問題、これを可及的速やかに解決していただきたいのですよ」 朗らかな言葉の裏に隠された意味――つまり武力行使をして鎮圧しろ――を理解して、バルデムはあからさまに顔をしかめた。 「連邦が分裂しないためにさっさと実績を作って、主権を完全に掌握しようって時に、先に泥沼の内部抗争に持って行ってどうする。それこそ本末転倒だろうが」 反対するバルデムの目を、男が覗き込んだ。 「もともと頭が二つあるのが問題なのでは? 一つしかなければ胴体はどこに行くか選びようがないでしょう。実質、連邦はあなた方が主権を握っているようなものですし、肝心の胴体が真っ二つにならないうちに手を打とうとしたのはあなたでしょう」 「それは、そうだが......」 「ならば打つ手は早ければ、早いほど良いのでは?」 躊躇うバルデムに、男の助言が悪魔のささやきとなって届く――が、 「いや、やはり駄目だ。連中はこれを見越してか、 現実主義者である彼の克己心がこれに打ち勝った。 「なるほど、確かにその通りですね」 身を乗り出していたイーオンの密使を名乗る男は、ソファーに再び背を預けると――にやりと、悪戯をしかける子供のような笑みを浮かべた。 「ですが、その問題もすでに片付いている、と言えば?」 「なに......?」 バルデムの不審の声に答えるように、いままで黙って二人の会話を聞いていた第三の人物が、かぶっていたフードを背中に下ろした。 「――ばっ......ばかな!?」 その下にあったのは予想通り女――というより、緋色と漆黒に彩られた少女のものであった。 年は12~13歳といったところか、絹糸のような長い黒髪を結わずに背中に流し、宝石のような緋色の瞳をし、完璧なバランスで目鼻立ちの整った、総毛立つほど美しい少女であった。 それもただ面立ちが美しいだけではなく、女神と見まごうほどの気品と神秘性を備えた絶世の美姫である。 だが、バルデムが驚愕したのは少女の美貌に対してではなく、その特徴的な容姿が報告書にあった一人の人物と完全に符号していたからである。すなわち、 その様子に、男は悪戯の成功した子供の顔で笑みを浮かべる。 「表面では剣を交えるポーズをしていても、水面下では握手をしている、などというこは往々にしてあるものでしょう? 神の教義も大切ですが、パンと水がなければ人間生きていけませんからね」 なるほど。その考え方はバルデムにとって、非常に納得のできるものだった。 ちらりと緋雪の方に視線を向けると、彼女も軽く肩をすくめて同意した。 「まあねえ、私たちとしては協力するにしても勝ち目のある方に協力したいからね」 思ったよりも低い、成人女性のような声で応える緋雪。 「すると、クレス王国に肩入れする気はない、ということですかな陛下」 「いまのところないよ。取りあえず獣王を決める試合の方は面白そうだから見学に行ってるけど、それだけで他意はないね」 「......なるほど」 「どうですか? 問題はないかと思いますが」 にこやかに話をまとめた男の言葉が、最終的な決断の後押しをした。 応接室を退室した大小二つの影が、主席官邸の廊下を歩いていた。 大きいほうの煌びやかな鎧をまとった男が、傍らを歩く小柄な少女に話しかけた。 「ヒヤヒヤしましたよ。どうにか『物まねカード』の時間内に終わって助かりましたけど」 「まあ、無事に済んだんだからいいんじゃないのぉ。――それよか、どう、緋雪ちゃんに似てた似てた? なんかいつもは、もっと丁寧に喋ってた気もするんだけど?」 先ほどまでと違い、ずいぶんと砕けた調子で、右手をうなじのあたりに当て、 「いや、仲間内で話すときはそんな感じでしたよ。...喋った内容も、本人が言いそうなことですしね」 「そかそか。じゃあ成功かな」 にやにや笑って頷く。 そんな彼女の姿かたちに、若干複雑な表情を浮かべて問いかける男。 「そういえば、どうでした、緋雪さんの様子は? 変わりありませんでしたか。俺はこの間会えなかったもんで・・・」 「ん~~っ、どうかな? あたしも遠目から『物まねカード』に姿を覚えこませただけだから、あんまし傍で見たわけじゃないけど。......う~~ん、思ってたよりも可愛かったかな。思いっきり女子に溶け込んでたわ」 あれは反則だわね、と続ける少女。 「はあ......。そうなんですか」 「ん?――あんま、意外そうでもないけど、前からそうだったわけ、もしかして?」 「いや、もともとあんまり性別とか感じない人で、そんなところも含めて魅力だな...って へえ、と首を傾げた少女は、次の瞬間、にやりと淫靡な笑いを浮かべた。 「だったらこの体で抱かれてあげよか?」 そんな相手の顔を、一転して冷ややかな表情で見据える男。 「そういう対象に見たことはありませんし、その姿で緋雪さんを侮辱するような発言は、やめてもらいたいですね」 底冷えのする口調に、少女は悪びれた風もなく肩をすくめた。 「そりゃ、すまんかったね。――ボスは喜んで抱いてくれたんだけどね」 ――もっとも、終わった後で、つまらなそうに舌打ちしてたけどさ。 続く言葉は彼女の自尊心にかけて口には出さなかったが、その言葉に、男の顔が歪み、何かに耐えるように両手が強く握られた。 「――くしょん!」 なぜか猛烈な悪寒がして、突発的にくしゃみが出たボクを、隣のアスミナが心配そうに見た。 「いや、なんかいま急に鼻の奥がムズ痒くなっただけで、収まったから大丈夫」 場所は昨日と同じ予選会場『魔狼の餌場』。かぶり付きで見ているボクらの前で、いよいよ2回戦第一試合、レヴァンVS熊人族の『巨岩』エウゲンの試合が始まろうとしていた。 「さて、相手は700kgの巨漢だって話だけど、どういう試合展開をするんだろうねぇ」 様は、普通に1000kgを超える魔物でも、素手で倒してますから!」 自信満々でアスミナが答える。 なるほど、体重差はあまり関係ないのか――てゆーか、普通にゲーム内のMobとか、あの大きさならどれも1 で、昨日と同じく審判役の合図で、双方の代表者が試合会場の中央に進んだけど―― 「......なにあの熊?」 思わず自分の口から呆けた声が漏れる。 「いや、それもあるけど、あれって......」 それはまさに『巨岩』の名に相応しい巨大な男だった。 アスミナの言うとおり見た目は完全に直立した熊そのもので、頭の先から足の先まで硬くて脂ぎった獣毛に覆われている。 ぴんと立った耳に、鋭い眼光、巨大な口にはずらりと並んだ牙が覗き、ごつい両手に生えた爪は鋼鉄でも引き裂きそうな凶悪さだった。 ただし獣人らしく、空手着に似た白い厚手で袖なしの胴衣を着て、革のベルトで前を閉め、下も同じ色・素材のズボンを履いているところが知性を感じさせるが、正面から向き合ったプレッシャーはどう見ても野獣のそれだろう。 そしてなにより特徴的なのは、その体毛の色で、全身の毛は白いのに、耳と目の周り、両手、両足は真っ黒という―― 「パンダじゃないかいっ!!」 思わずボクは絶叫していた。 「はあ......? でも、熊ですよね?」 ボクの勢いに当惑した様子で、首を捻るアスミナ。 ――え、なに、もしかして驚くほうが変で、アレが常識なの!? 「そりゃそうだけどさぁ! でも、1回戦といい、獣人族って全員ネタに走らないと生きていけないの!?」 ボクの素直な感想に、アスミナがますます困惑の表情で首を捻った。

56 Lesson 14: Conspiracy Sleeve Farbler, the capital of the Confederation of Cres-Kensruna, was located almost in the heart of the Kensruna country as the political and cultural centre of the Confederation. Furbler's presence in the Kensruna country is due to the bi-perfect one-way crack at the core of the Federation, the fact that the Kingdom of Cress was originally made up of almost 100% of the nomadic ethnic Beasts, so it basically did not have a settled city and (towns about hundreds of people are dotted) the great temperament of the Beasts, who showed no interest in politics, diplomacy, etc. In contrast, the State of Kensruna had developed active internal affairs and diplomacy, incorporating similar forms of politics in other countries, since it was a human country (,,,,) with equality vis-a-vis human beings, beasts and subpeople. For this reason, if it were originally the Kensruna State alone, it would have created a huge city and political centre that, even though it had only a population and national power of about the size of a medium-sized state, it would only seem futile for the sake of its format and authority: the capital of the Confederation of Cres-Kensruna. Federal presidential residence present in its capital, Farbler. Before it was built, it was just the official residence of a representative of the Federation. There, but it was essentially a palace and a true centre of the Federation. Bardem, the current president of the Federation, is the head of the Grand Duchy of Youth, who also has a deep relationship with the Kensruna country, who can't be flattered or handsome in appearance, and although his middle-aged body shape is unrelated to bravery, he has a childish affection somewhere and gives the impression of a favorite figure to those he meets - he was such a man of the human race. An hour-long meeting with a representative of the Kingdom of Cress ended up just as a farewell, he moistened his thirst with a cup of tea that he had just had re-brewed as he lowered his back to the elbow chair of his missing reception set. Then I'll get my mind back on it, tell my secretary to call a guest who's in a separate room, and then I'll also add that he cleans up the tea the previous guest left behind and prepares a new - better - tea. Without waiting, a beautiful blonde shows up wearing a brilliant armor with a red-lined cape (but nothing like a country name or anything to tell her affiliation). This one is as expected, but Baldem secretly frowned upon the presence of a small figure softly robed from his head standing next to him. - Kid? You're an elf after your physique... no, I don't think so. Think of the armored man's qualities, and shake his inner head that it can't be. Without taking such a baldem question into consideration, the armored man just lowered his back on the couch where the representative of the Kingdom of Cress sat until he was there. The hood figure also sits next to it with a natural face, but Baldem's gaze slightly narrowed on some of its soft tricks. - A woman. "How was the outcome of the talks? - And you won't even have to ask, in that way. They're the ones who can't do anything, except attack the prey in front of them. You can't even look at the big picture of the country." The armored man grins at the beast tribe that was here until he was there. "... sure. Whatever they say, 'obey the will of the Beast King'. Not at all." Baldem throwing up abominably. Referring to Himself, he was also apt to slap his pussy with the ambitious, or the mutant who had forgotten the philosophy of the Federation, but from his point of view, the people who worshipped the frigid thing of being a divine beast of God, where they stopped thinking or used it on the pretext of doing nothing, were the weak ones to spit on. Being a realist, he has always chosen and executed himself in any small decision. Regardless, there has always been stray and pain there, but I have beaten that stray down, endured the pain, and lived in a way that I am not ashamed or sorry for my own choices. From his perspective, all I could say was that the people of the Beastmen were really sweet, repeating that even in this case, they would follow the 'Beast King' to other purposes and so on. - In the first place, they don't know what qualities those who stand on top need.... that the right powers and moves, with all your heart, are the 'kings'!? Ridiculous! Truth, innocent people and other incompetent things. Teachers just have to look good, I don't care about entities or anything. I just wish I could get results. Having said that, although the influence and combat power of the Beastman tribe within the Federation is nothing but a threat, it is now in a common pace, the country would literally be divided into two parts if he were to impose a counter-invasion operation on the empire, which he is now secretly exploring - the recapture of the territory that was once taken by the empire. Then the main fall. Even with him, that's something we want to avoid. Given that, I can say that the current man holds all the keys. "- Really, Aeon doesn't put a cross spear in this case, does he? Answer the confirmation of the Baldem with a float - he named the envoy of the Eon Holy King and actually carried a secret book with the Archpope's signature and stamp on it - man. "Whatever. My country is always neutral, so I won't put my shoulders on either side. Where the battle is prolonged and does not become Gudagda...... well, I will try to raise the name of the intermediary when you have liberated your former territory. However, it will be necessary, as a minimum, for an open state to practise Aeon sacred religion as a state religion, and not to recognize the settlement of beasts and subhuman beings." Too delicious a story has its back. Not a single piece of faith, such as human goodness, Baldem saw the man with his bottom light eyes. "This is a quick story. We want you to solve your current problems in the Federation, and we want you to solve them as quickly as you can." Understanding what was hidden behind the languid words - that is, use force to suppress them - Valdem blushed openly. "Sometimes we try to make a quick track record so the Federation doesn't split up and fully grasp sovereignty, we take it to the muddy internal protests first and then what? That would be the end of the line." A man peered into the opposing Baldem's eyes. "Isn't it originally a question of having two heads? If there's only one thing, the torso won't have a choice where to go. In essence, the Federation is like you are sovereign, and you must have been the one who tried to strike your hand while the core torso was not in two." "That's right..." "Then the sooner the hitter, the better? To the hesitant Baldem, the advice of a man arrives as a whisper of the devil - but "No, I still can't. They are either anticipating this or joining hands with the Crimson Imperial Empire. You can't even see the crimson empire's Imperial Crimson if you put a bad hand on it and eat it back." His ego, a realist, beat this. "I see, you're absolutely right" The man named Eon's messenger, who was embarking on himself, put his back on the couch again - and smiled like a kid playing a prank. "But the problem is already cleared up, too, if you say so? "What...? A third person, who had so far listened to the two conversations in silence, lowered the hood he had worn on his back, as he replied to the suspicious voice of Valdem. "-Buck...... silly!?" Underneath it was a woman, as expected - more of a girl colored in scarlet and pitch black. The year was like 12-13 years old, or a girl so beautiful that she flushed her back without tied long black hair like silk thread, had jeweled scarlet eyes, and stood out with perfect balance, nose and nose. It is also not just beautiful to stand by, but a worldly beautiful princess with so much elegance and mystery that she sees herself as a goddess. But Baldem was not stunned by the beauty of the girl, because her characteristic appearance completely coded with one person who was in the report. Namely, he said it was Scarlet Snow, the Lord of the Crimson Imperial Empire. To that appearance, the man smiles in the face of a successful child in a prank. "On the surface, even if you're in a sword-changing pose, but you're shaking hands under the water, and so on, that's what happens all the time, right? God's doctrine is also important, but we can't live without bread and water." I see. The idea was very convincing for Valdem. Turning her gaze slightly towards Scarlet Snow, she also shrugged her shoulders gently and agreed. "Well, as far as we're concerned, I'd like to work with someone who's a winner." Scarlet Snow responding with a voice like an adult woman, lower than I thought. "Then you are not willing to put your shoulders in the Kingdom of Cress, Your Majesty," "Not at the moment. I'm going on a tour because the game to decide the Beast King seems more interesting, but that's all." "... I see" "What do you say? I don't know if there's a problem." The words of the man who summed up the conversation gave the final impetus to the decision. Two shadows, large and small, exiting the reception room, were walking down the hallway of the President's residence. A man with the bigger one's brilliant armor spoke to a little girl walking beside him. "I got a hiatus. Somehow, it was helpful to finish within the time of the" Story Card. " "Well, I wish I was safe. - So, what, did you look like Scarlet Snow? I mean, you know, I always feel like I was talking more politely, right? Unlike earlier, in much shattered shape, the girl puts her right hand around the nod and makes a family. "No, that's what it was like when we talked within our people. ... what he said is something he's going to say." "Is that it? Then I guess it's a success." Smile slightly and nod. A man who asks her with a slightly more complicated look on her face like that. "Speaking of which, how was it, Mr. Scarlet Snow? Has it changed? I haven't seen him in a while." "Hmm, what do you think? I didn't see it beside you because I just remembered it from afar.... ugh, I guess it was cuter than I thought. She blended in with women as much as she wanted." That's an anomaly, the girl who goes on. "Ha...... Really?" "Hmm? - Really, not surprisingly, but it has been so for a long time, maybe? "No, I was originally a person who didn't feel much of a gender or anything, and that's fascinating, including that... because I have a record of talking to some of my buddies (Gilmen) about that, so I guess that's an ant," Heh, and the girl who tilted her neck, the next moment, she grinned sluttily. "Then why don't they hold you with this body? A man who looks at the face of such an opponent with a flippant, chilling look. "I've never seen it that way, and I'd like you to stop making insulting remarks about Mr. Scarlet Snow with that look" In a bottom-cold tone, the girl shrugged her shoulders without a bad wind. "Well, I'm sorry. - The boss was happy to hold me." - Anyway, after it was over, I was tongue-in-cheek like a bore. The words that followed did not come out to her mouth due to her self-esteem, but to the words, the man's face was distorted and his hands held strong to withstand something. "- Shit! For some reason I had a fierce chill, and suddenly I sneezed, and my neighbor Asmina looked worried. "No, I just got a sudden itch in the back of my nose right now, and it fits, so I'm fine" The location is the same qualifying venue as yesterday: The Devil Wolf's Bait Yard. In front of us watching with wear, we were finally about to start the first game of WW2, the Levan VS Bears' game of 'Giant Rock' Eugene. "Well, I'm talking about the opponent being a 700kg giant, but I wonder what kind of game we're gonna roll out." "It's all right, Brother Levan (who is here) is usually defeated by bare hands, even by demons over 1000kg! Asmina answers confidently. I see, does the weight difference really matter - so normally the in-game MOB or whatever, if that size, they're all over 1T (tons). If you ask me, isn't it the natural world not to be handy to that extent? So, as well as yesterday, on the referee's signal, representatives from both sides moved to the center of the game venue, but... "... what's that bear? A whispering voice leaks through my mouth unexpectedly. "No, there's that too, but that..." That was exactly the giant man who deserved the name of 'giant rock'. Asmina is right. It looks like a completely upright bear itself, covered in hard, greasy beast hair from the tip of its head to the tip of its feet. On his standing ear, his sharp eyes, his huge mouth peeked with sloppy fangs, and his claws growing on each hand were vicious enough to tear even steel apart. However, he looks like an animal man, wearing a thick, sleeveless white torso similar to karate clothing, closing his front with a leather belt and feeling intelligent where he wears trousers of the same color and material underneath, but that of the beast no matter how he looks at the pressure facing him from the front. And what's more distinctive is the color of its body hair, which is white all over its body, but around its ears and eyes, its hands, and its feet are black. "Isn't that a panda!!" I was screaming unexpectedly. "Ha...? But it's a bear, isn't it? Asmina twisting her neck, bewildered by my momentum. - What, maybe it's weirder to be surprised, you're common sense!? "That's right, but come on! But it's called World War 1, and all the Beastmen have to run to the story to live!?" Asmina twisted her neck with an increasingly puzzling look at my honest feelings.

う巨大な浮遊島、空中庭園。 真紅帝国 「いつものことか。――オブジェクトは本来破壊不能なはずなんだけど、データじゃない三次元物質である以上、絶対はないにしても脆過ぎない?」 「城の素材は全面的に特殊加工を施した 「姫のお膝元を騒がせる慮外者ども不忠臣者どもが! まったくもって度し難いにもほどがございます! 連中につきましては、私めがその場でまとめて制裁を施しておきましたが――」 ちょっとまて! 城が吹き飛んだ最終的な原因は 阿呆らしい。でも豚骨醤油ラーメンとか鶏ダシ醤油ラーメンとかあるんなら食べてみたいねぇ――と思いつつ、他の事案もほぼ以下同文の内容をうだうだと続けている天涯の解説を聞き流しながら、ボクはため息混じりに嘆き節を口に出していた。 「なんでそう、些細な口論から毎度毎度の破壊活動に至るのかなぁ......。暴力はいけないって、いつも言ってるよねぇ?! 円卓の魔将にしたって、昔と違っていまでは世界を支配する立場なんだからさぁ、人類の規範とまでは言わないけれど、もうちょっと我慢を覚えてもいいんじゃないのかなぁぁぁ!?」 一番堪え性のないお前が言うな! 百年経っても全然変わらないじゃないか!! と、怒鳴りつけたいのを我慢して、傍らに佇むメイド服を着た銀髪、六翼の熾天使――命都に視線を巡らす。 ボクの意を酌んだ命都が一礼をして所感を口に出した。 「やはり手持ち無沙汰なのではないでしょうか?」 「左様でございますな。地上の塵芥どもも、我が身の卑小さを自覚してか、ここ二二に飛び出して、止める間もなく瞬時に帝国の五分の一くらいを壊滅させた事件だよねぇ!?」 返す刀で危うく帝都を一掃しようとしたところで、慌てて現場へ直行したボクとオリアーナ――とっくに仙化しているので、若い姿のまま老化は抑えられているはずだけど、なんでわざわざ老婆の見かけにしてるんだろうね? 年を取ると丸くなるどころか年々偏屈になるという典型だよね――とが、どうにか激高していた天涯を落ち着かせて収束させたんだけど、さすがにあんなことがあれば他の国もビビッて、そりゃ大人しくなるわ。 「――ふっ。姫のご意志を体して即応したまででございます」 悪びれることなくいけしゃあしゃあと開き直――いや、誠心誠意本気で言ってのける天涯。 いやいやいや、ボクら一ミリだって理解し合ってないから!! そんなボクらの胸中を察しているのかいないのか、命都が小考しながら続ける。 「地上には迂闊に介入できない。かといって戦う敵もいない。そうなると仲間内で覇を競うしかないわけですが、いままではお互いに実力が伯仲していたために無意識に自制をしていたのですが――」 ここで軽く嘆息が入った。 の新たな住人として認められた、新顔の魔物やら何やらが増えていますので、古参の住人としては『ちょっと揉んでやるか』という対抗心が無きにしも非ずで、ちょっとした火種でそれが暴発するのではないでしょうか、姫様」 「ふん。所詮は下賎な土着の魔物ども。前々からあ奴らは、姫に対する敬意と忠節が欠けている......と憂慮しておりました。これを契機にまとめて滅ぼしますか?」 しれっと言い切る天涯。あー、これ魔将の筆頭が新顔の魔物をあからさまに下に見ているのが原因で、古参の魔物と つーか、これまでの話を総合して一言で表せば――。 『全員ストレスが溜まっている』 これに尽きるわけだねぇ。 思わず玉座のひじ掛けに右肘を突いて、頬に手をやって投げやりにそう呟いたボクのボヤキに、 「「――おおっ!!!」」 天涯と命都が目から鱗みたいな表情で、ポンと手を叩いた。 「え? いや......ちょっ......!?」 瓢箪から駒の展開に目を白黒させるボクをマッハで置いてきぼりにして、天涯と命都が本気百五十%で話し合いを始めるのだった。

A giant floating island, a sky garden, that will shake away from the ground. It is also an inviolable and impenetrable sanctuary home to the Red Empire Imperial Crimson. "Is it the usual?" -- -- The object should be inherently indestructible, but since it is a three-dimensional substance that is not data, is it too fragile even if it is absolutely not? "The castle material is made entirely of specially processed scarlet gold (Hyirokane), but at present it is impossible to increase its strength any further, so there is no need to worry because the magical user who assists in the castle's automatic repair function and the Elder dwarf craftsmen and building beams with repairable technology are fully operational like the gear of a water wheel on a roughly 24-hour basis... no!--If it breaks down, we will heal it with the hands of the capital of life (Mikoto) and immediately return to the scene. " "Unexpectors and disloyalists who disturb the princess's knees!Totally challenging!As for these people, I put sanctions in place on the spot - " Wait! The ultimate cause of the blowing up of the castle is not the world (you)!?! Definitely!! It sounds stupid. But if you have pork bone soy sauce ramen or chicken dashi soy sauce ramen, I would like to try it. While listening to the commentary of the heavenly world that continues to describe the contents of the following identical text in other cases, I was sighing and mumbling. "I wonder why it goes from trivial arguments to destruction every time...I always say that you shouldn't be violent, right?! Because I am now in a position to rule the world, unlike in the old days, I won't say it's a human norm, but I hope you can learn to endure it a little more!? " Don't you dare say that!It won't change at all after 100 years!! And, patiently yelling at her, she turned her gaze toward the city of life, a silver-haired, six-winged angel dressed in maiden clothes. The Capital of Life thanked me for my thoughts. "I wonder if it's still out of hand." "It's the left side." The wastelands on earth are aware of the lowliness of our bodies, or they have been skirmishing with each other for the past 70 years or so. " When I tried to wipe out the Imperial Capital dangerously with the sword I returned, I rushed straight to the scene with Oriana - it has already become fairytale, so the aging should be suppressed as a young figure, but why bother seeing an old woman?As we get older, we're typically biased year by year, but we've managed to calm down and converge the heightened weather, but if something like that happens, other countries will get scared and grow up. "--fu, I've adapted to the princess's wishes." It's a lifetime of sincere, sincere and sincere opening-up. No, we don't even understand a millimeter!! Whether or not you're watching our breasts, Life Metropolis keeps on taking a quiz. "There is no way to intervene on earth.There are no enemies to fight for.Then we had to compete for hegemony within our allies, but until now, we had unconsciously restrained ourselves because we had strength against each other. " Here came a light sigh. "Happiness or misfortune? There are more and more new monsters being recognized as new residents of the Red Empire Imperial Crimson, so as residents of the ancient ginseng, I don't think it will erupt with a little spark, Princess." "Hmm. After all, they're lowlife native monsters.They had been worried for a long time that they lacked respect and loyalty for the princess...Do you want to take this opportunity to destroy it? " Perhaps the end of the world. Ah, because the head of the demon general is looking at the new monster openly downwards, there is a monster of ancient carrots and a hedgehog (hedgehog). Well, if you put together the previous story in one word... Everyone is stressed. You're going to run out of this. Unexpectedly pointing his right elbow at the throne's hook, he threw his hand at his cheeks and muttered to my voyaki. "-Oh!!!" The world and the capital of life clapped their hands with a scaly expression from their eyes. "Eh? No... hey...!?" Mach left me alone in the black and white of the pawn from the candy, and the Tianyi and Life Capitals began to discuss it with 150% seriousness.

第八話 獣王後継 「......失礼の段、まことに申し訳ありませんでした」 地面に直接獣毛が敷いてあるだけの床は、座るとお尻がごつごつ痛いので、手頃な木箱を椅子代わりにしたボクに対して、狭い が白と赤を基調としているのに対して、こちらは白と青で、あとワンポイントで頭に青いバンダナをしているところが違いといえば違いだろう。 これに併せて、アスミナも一緒に頭を下げた。 「ヒユキ様、常識知らずで粗忽な まあ、気持ちはわかるよ。ボクも危うく同じツッコミ入れるところだったからねぇ。 「うぐぐぐぐ・・・」とレヴァンは喉の奥で呻き、歯軋りしつつアスミナを横目で睨んだ。「・・・元はといえば覗きに誘ったお前が原因じゃねーか。さっきはマジで死に掛けて、お花畑の向こうで手招きする、死んだ親父たちが見えたぞ」 いや、死に掛けたというか・・・手加減抜きで 「お前が変態行為をしなきゃ、あんな真似もせんわ!」 小声で毒づくレヴァン。 「――まあその辺りは身内の話だからどーでもいいんだけどさ」 というか関わりになりたくない。 なので別の角度から――来る前から気になっていた質問をレヴァンに投げかけてみた。 「基本的な質問なんだけど、なんで君こんな山奥に暮らしてるの?」 から身を守るためですっ」 きっぱりとした答えが返ってきた。 めるアスミナの態度に、さすがに堪忍袋の緒が切れたのか、人目もはばからずに怒鳴りつけるレヴァン。 「冗談ではない! 里に居た時は勝手に俺の食器を処分して夫婦茶碗にするわ、必ず布団に枕を二組用意するわ、24時間、 の邪気のない戯れじゃない」 「邪気も下心もありありだろうが!!」 なんか会話がまたもやループしてきたねぇ。 「・・・いや、私が聞きたいのはそういう個人的な理由ではなく、この国の現在の情勢に対する君の立場としての問題なんだけど?」 韜晦してるのか、あえて話題の核心から目を背けようとしているのかは知らないけれど、ここ――『獣王の後継者』としての彼のスタンス――を聞かないことには話にならない。 数日前の獣王との対話を思い出しながら、ボクはずばり直線で訊いてみた。 『クレス=ケンスルーナ連邦の中核をなすクレス王国が連邦を脱退し、インペリアル・クリムゾンの傘下に収まる』 は「だからどうした、世界は姫様のモノだ」と言わんばかりの表情で軽く受け止め、ボクは――首を捻った。 「――なんで?」 「どうしてと言われもな。・・・身も蓋もない言い方をすれば、それしかクレス王国が生き延びる道がないから、と答えるしかないな」 なるほど、わからん。 「クレス=ケンスルーナ連邦って大陸最大国家なんじゃないの? その中核をなすクレス王国がなんで崖っぷちみたいな言い方をするわけ?」 おじいちゃん、ボケたか? 「ところがその大陸最大が張子の虎もいいところでな。実態はクレス王国とケンスルーナ国を中核とした寄せ集め集団に過ぎん」 「ちなみにクレスは王国を名乗っていますが、明確な国王というものは存在しません。幾つもの獣人種族が部族単位で国を構成し、なにか重要時には主要な部族長が集まり舵取りを行います」 コラード国王がすかさず注釈を加えてくれた。 「じゃあ『獣王』ってのは?」 「単なるお飾りの称号にしか過ぎんな」 「とんでもありません! 『獣王』は獣人族最強の戦士に贈られる称号であり、基本的に強者に従う獣人族にとってはまさに『王』。その威光はクレス王国のみならず、獣人族が支配する周辺国にも及ぶ絶大なものです。仮に獣王老師の音頭の元、クレス王国が連邦を脱退するとなれば、周辺国の少なくとも10カ国は同調するでしょう」 その言葉を特に否定もせず、獣王はふと気になった・・・という風情でボクに訊いてきた。 「もともと『獣王』は喪失世紀以前に存在したという、神にも等しい伝説上の獣人に敬意を表して定めた称号なのだが。――そういえば、あのタワケ者も『獣王』を名乗っていたようだが、お嬢さんはあ奴と顔なじみなのだろう? なにか知っているかな?」 口調は軽いけど、こちらの反応を逐一確認するような鋭い眼光に、ボクは軽く肩をすくめて答えた。 「さあ? まあ伝説は伝説なんだし、いままで通り伝説上の初代『獣王』に敬意を表しておけばいいんじゃないの」 しばしボクの言葉を吟味するような感じで、黙ってこちらを見ていた獣王だけど、ふっ――と雰囲気を和らげて鼻を鳴らした。 「・・・違いない。まあ、過去の伝説はそれで良いとして、現在のクレス=ケンスルーナ連邦なのだが――」 ここで一旦、言葉を止めた獣王は再び爆弾発言をした。 「近いうちに滅びるな。グラウィオール帝国に敗れて」 「どっ――どういうことですか?!」 息を呑むコラード国王。 「どうもこうも言葉通りだな。現在の連邦の頭――主席のバルデムとか言ったかな。こ奴が帝国に奪われた、かつての連邦領を取り戻すために逆侵攻を計画している」 「そっ――そんなことを!?」 「元々帝国に奪われた国はケンスルーナに属する陣営だったからな。ここらで一世一代の博打をして、歴史書にでも名前を載せるつもりか、或いは一代名誉職の主席の座を磐石にして、名実共に連邦の最高権力者に居座るつもりか。・・・まあ、俗人の考えは推し量れんよ」 「なっ――なんてことを!!」 コラード国王の叫びを効果音替わりに聞き流し、驚愕の声にもいろいろバリエーションがあるなぁと思いつつ、ボクは獣王に気になった点を確認した。 「なんか負けるのが前提みたいだけど、勝てる可能性はないの?」 きっぱり断言する獣王。 一つが、そもそもこの逆侵攻のシナリオ自体が帝国の誘いなのは明白でな、バルデムは電撃作戦と称しているようだが、帝国は既に準備万端整え、手ぐすね引いて待っておるわ。 そして二つ目が、帝国とイーオン聖王国との密約だ。イーオンはもともと我ら獣人とは不倶戴天の敵、単純に帝国への後方支援に徹するか、最悪二面作戦で2国と戦うことになる。 最後の三つ目だが、これは簡単、我らクレス王国を始めとする周辺国がこの戦争に反対して、参加を見合わせるからだ」 「国の半分が反対してるんだかから、戦争なんてしなきゃいいのに」 こう言ったら大きく頷いて同意する獣王。 「まったくもってそのとおり。ところが、現在のクレス=ケンスルーナ連邦議会では人間の考えた『多数決』というやり方か? あれがまかり通るようになっていてな。もともと人口が少なく、政治にも無関心なクレス王国関係国の発言力はあってないようなものでな」 再度、それにフォローを入れるコラード国王。 「ちなみにクレス=ケンスルーナ連邦の代表者である主席は、各国代表者から選抜される一代限りの名誉職なのですが、ここ4代ばかりはケンスルーナの関係国からしか任命されていません」 「そういうことだ。人間族のやり方にウンザリして作られた連邦が、人間のやり方を真似して悦にふけるとは......」 「ふーん、ちなみにクレス王国では、意見が分かれた場合にどうやって決めるの?」 「そんなもん、族長同士の話し合いで決めるに決まっておるだろう」 「話がまとまらなかった場合は?」 「まとまるまで話をするぞ。たとえ何日、何週間かかっても」 ああ、それじゃあ確かに議会制とは馴染まないのも当然だねぇ。 「お嬢さんの国では違うのか?」 「我が国の意思は姫の一存に全て決定されるに決まっている!」 天涯が唸るように答えた。あとは殴り合いで決めるね。 「ほう。それもわかりやすいのぉ」 「そんな国の傘下に収まるのに問題はないの? 言っとくけどそれって私に絶対の忠誠を誓うことを意味するんだけど? まあ君臨すれども統治せずで基本不干渉だけどさ」 できればこれ以上、ボクの重荷を増やして欲しくないんだけどねぇ・・・。 これやったら大陸の5分の1くらい支配することになるんでない? 着々と世界征服が進行してる気がするよ。 そうしたボクの懸念を無視してあっさり頷く獣王。そう言った後で、「だが――」と続けた。 「現在の儂は隠居の身なのでな、表立って動くつもりはない」 「じゃあ誰が音頭を取るわけ?」 ここで初めて獣王は、にやりと肉食獣めいた笑みを浮かべて言った。 「そんなもの、次代の獣王――儂の後継者に決まっておろう」

47 Lesson 8: Successor To The Beast King "... I am truly sorry for your disrespect" The floor, where only beast hair lay directly on the ground, hurt my buttocks every time I sat down, so Levan, a young Lion (N. Gerb) sitting in the lower seat near the entrance to the narrow tent (tent), sat deeply down against me with an affordable wooden crate instead of a chair, with a somewhat smug face. However, while my sister-in-law (Asmina) is based on white and red, this one is white and blue, which is different when it comes to having a blue bandana on her head at one point. In conjunction with this, Asmina bowed her head with him. "Dear Hiyuki, I am truly sorry for being an unknown and crude brother-in-law" Well, I know how you feel. Because I almost got the same scratch in. "Ugggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggg..." "... Speaking of the original, I invited you for a peek. Isn't that what caused it? Seriously, I just saw my dead fathers hanging on death and calling you across the flower garden." No, I said I hung up on death... because of the beating and kicking of Akaho (nagging) and Jingyao (sticking around) (even though I stopped the clouds in the sky) and everything else just fine), I completely resuscitated (lizalection) that I was 100% dead and floating like a dirt and left-hand guard (Aquatic Body) in a hot spring. "If you had to act like a pervert, I wouldn't even do that! Levan poisoning in a whisper. "Well, I don't care if it's personal." Or I don't want to get involved. So from a different angle - I threw Levan a question I've been wondering about before I came. "The basic question is, why are you living in such a mountain back there? "To protect myself from my crazy sister-in-law." I got a clear answer back. Levan yells at Asmina's attitude, which is embarrassing and embarrassing, even though she's just lost her mind. "I'm not kidding! When I was in there, I'd dispose of my dishes and make it a couple tea bowls, I'd make sure I had two sets of pillows in the futon, I'd keep an eye on the Spiritual Beast (firmly) for 24 hours and just talk to the rest of the women on the side of the road and they'd fly attack spells! Gisis was happy that I was gone and you finally started training properly during the day!!" "None of this is the innocent play of my adorable sister-in-law." "Although there will be evil and lowliness!! Something's been looping through the conversation again. "... no, that's not the kind of personal reason I want to hear, it's a matter of your position on the current situation in this country? I don't know if you're oblivious or if you dare try to turn away from the core of the topic, but I'm not going to talk about not listening to you here - his stance as the 'successor to the Beast King'. Remembering my conversation with the Beast King a few days ago, I always asked in a straight line. "The Kingdom of Cres, the core of the Cres-Kensruna Confederation, leaves the Confederation and falls under the umbrella of Imperial Crimson" King Collard peeled his eyes at the words of the Beast King, who had made a farewell and bomb statement, and the rare man (barely) once again had a funny Niyaniya laugh, and Heaven took it lightly with the look of just saying, "So what's wrong, the world is a princess thing," and I - twisted my neck. "- Why? "I don't know why. If you put it the way you don't have a body or a lid, that's the only way the Kingdom of Cress can survive." I see, I don't know. "Isn't the Kres-Kensruna Federation the largest nation on the continent? Why would the Kress kingdom, at its core, say something like a cliff? Grandpa, are you out of your mind? "But the biggest thing on the continent is Tenzi's tiger. The reality is nothing more than a bunch of gatherings with the Kingdom of Cres and the Kensruna at their core." "By the way, Cress names his kingdom, but there is no such thing as a clear king. Several beast races make up the country on a tribal basis, and when it matters, key tribal leaders gather to steer." King Collard quickly added an annotation to it. "So what's 'Beast King'? "It's just a decorative title." "Not at all!" The Beast King "is a title given to the strongest warrior of the Beast People, and is just" The King "for the Beast People who basically follow the strong. Its glory extends immensely not only to the Kingdom of Cress, but also to the surrounding countries ruled by the Beastmen. If the kingdom of Cress were to leave the Union at the head of the Beast King Old Master, at least 10 of the surrounding countries would be in tune." Without denying the words in particular, the Beast King asked me in a way that I was concerned... "Originally, the title" Beast King "was established in honor of the legendary Beast Man, who also equals God, that existed before the Loss Century. - Speaking of which, it seems that Tawake also named 'Beast King', but is your daughter familiar with him? Do you know anything about it? The tone was mild, but I shrugged my shoulders slightly in response to a sharp glance that would confirm this reaction. "Come on? Well, the legend is a legend, and as always, you just have to honor the legendary first 'Beast King'." Often it felt like inquisiting my words, I was the king of beasts watching this one in silence, but heh - and soothed the atmosphere and sounded my nose. "... must be. Well, the legend of the past is that it's the current Kres-Kensruna federation." Here, once again, the Beast King, who stopped the words, made a bomb statement. "Don't perish soon. Defeat the Gravior Empire." "Which - what do you mean?!" Breathtaking King Collard. "Thank you. You're right. I wonder if you said the current head of the Federation - the president's valdem or something. This guy's been taken by the Empire, and he's planning a reverse invasion to reclaim his former Federation territory." "Damn - do that!?" "The country that was originally taken by the Empire was a faction belonging to Kensruna. Are you going to play a generation of martial arts here and put your name on the history books, or are you going to rock the throne of a generation honorary chairman and sit in the supreme power of the Federation with fame? Well, I can't speculate." "Become - oh my god!!" Listening to King Collard's cry in exchange for sound effects, and wondering if there were many variations in his stunned voice, I confirmed what bothered me about the Beast King. "Sounds like a premise to lose something, but there's no chance you can win? I assure you, Beast King. For one thing, it is obvious that this counter-invasion scenario is itself an invitation to the Empire in the first place, as Baldem seems to call it Operation Electric Shock, but the Empire is already ready, and we'll just pull back and wait. And the second is the covenant between the Empire and the Holy Kingdom of Aeon. Aeon was originally an enemy in heaven who was not a beast with us, simply thoroughly backward support for the Empire, or he would fight two nations in Operation Two-Sided Worst. The last three, but this is easy, because our neighbouring countries, beginning with the Kingdom of Cress, oppose this war and join each other. " "I wish I didn't have to go to war because half the country is against it" If I say this, I nod loudly and agree with the Beast King. "Absolutely right. But in the current Kres-Kensruna Federal Assembly, the way humans think of 'majority voting'? That's how it gets through. Originally, it seemed like a small population and politically indifferent country of the Kingdom of Cres had no voice." King Collard to follow it up again. "By the way, the President, the representative of the Confederation of Cres-Kensruna, is a one-generation honorary post to be selected from the national representatives, but only the last four generations have been appointed by the countries concerned in Kensruna" "That's the thing. I didn't know a federation made of uncaring for the way humans do things would be pleasing to imitate the way humans do things..." "Hmm, by the way, in the Kingdom of Cress, how do you decide if your opinions are divided? "You know what, it's up to the chiefs to decide in their discussions with each other" "What if the story didn't come together? "We'll talk until we get it together. No matter how many days or weeks it takes." Yeah, well, then it's certainly not familiar with the parliamentary system either. "Not in your daughter's country? "Our country's will is all set to be determined by the coexistence of the princess! Heavenly replied roaring. The rest is decided by the beating. "Well, that's easy to understand, too." "Don't you have a problem fitting under the umbrella of a country like that? I'm telling you, does that mean swearing absolute loyalty to me? Well, you don't rule, you don't interfere." I don't want you to increase my load any more, if you can... If we do this, we're going to rule about a fifth of the continent, right? I think world conquest is progressing. The Beast King snorts lightly, ignoring my concerns. After I said that, I continued, "But -". "I'm not going to stand up and move because I'm in hiding right now." "Then who's going to take the audio head? Here, for the first time, the king of beasts said with a grin of flesh-eating beasts. "Such a thing, the next king of beasts - let's be the successor of Non."

幕間 薔薇乃棘 アミティア共和国の首都アーラ。その後背にそびえる白龍山脈の麓にある高原で、大小二つの影が踊るように攻防を繰り返していた。 片や濃紺のローブを着た身長2mを越える 片や薔薇のコサージュをあしらった黒のドレスを着た12~13歳の少女。漆黒の髪に緋色の瞳、白い肌はまるで芸術品のような美しさであり、ただ立っているだけでも華やかな輝きを放って周囲の視線をひき付けずにはいられないだろう、恐ろしいまでの美貌の少女であった。 その少女が片手に薔薇の花を装飾とした細身の長剣を持ち、老獅子へと立ち向かっている。 傍目には無謀な対決としか思えない。身長差で60cm、体重に至っては3分の1にしか満たない少女が、百戦錬磨と思える獅子と対峙しているのである。 一瞬にして散らされる――そう誰もが思うところであろう。 だが、その予測に反していまのところほぼ互角――いや、見た目には少女の方が一方的に押しているようにすら思えた。 ◆◇◆◇ 「......こっちはほぼフル装備で、 ちょっと隙があると、軸足やら手首やらを掴まれ、一瞬にして投げ飛ばされる。 一瞬たりと油断できない獣王の戦いっぷり。 この試合を始めてから何回目になるかわからない投げを食らって、空中で姿勢を制御して地面に足をつけると同時に、踏み込みで距離を置いたボクは、自分でもうんざりした口調で話しかけた。 こんなことなら気楽に、 『そういえば、私は意識がなかったんで見てないんだけど、どうやって兄丸さんをあそこまで追い詰めたわけ?』 『あ、いいね。じゃあやってみよう』 なんて調子で試合するんじゃなかったよ(で、なるべく人目のつかない、お互いに手加減なしで戦えるここにしたんだけど)。 「それはこっちの台詞だな。まるで四方八方から襲ってくる やれやれという感じで肩をすくめる獣王。 「まあその辺りは相性だろうねぇ。兄丸さんも接近戦メインだったから噛み合ったんだろうし、あとは経験の差と慢心、未知のスキルに対応できなかった応用力の足りなさが敗因ってところかな?」 いままでの獣王との試合の流れから、ボクなりに兄丸さんが敗れた要因を推測してみた。 それに対して獣王は察しの良い生徒の回答を聞いた教師のような顔で微笑した。 「これだけでそこまで理解するとは、たいしたものだ。――どうだお嬢さん、この試合が終わったら正式に儂の弟子にならんか? いや、儂の方から頭を下げてお願いする立場か」 「ん~~っ、正直、私は強くなりたいとか、そーいうのは、あんまし興味ないんだけど......」 強さなんて相対的なものだし、いちいち上を見たらきりがないし、現状この世界で生きていく分には十分過ぎる能力もあるしねぇ。 その内心が顔に出たのか、獣王は出来のよい生徒に満足した顔で頷いた。 「そうだな。強さを遮二無二求めるのは強さを持たない弱者であり、真の強者はそうした渇望からは無縁なところに存在する。お嬢さんの選択は正しい......とはいえ、目の前に荒削りの宝石があるのは、どうにも我慢ができんところだな」 ふむ――まあ確かにらぽっくさんも敵に回ったみたいだし、多少はアレに対抗できるくらいの努力は必要かも知れないね。 のありそうな(いや、ジョーイはないか?)面々の顔が浮かんだ。 「んじゃ、クレス王国の件が片付いたら、私の個人的な師匠ではなくてインペリアル・クリムゾンの武術指南役ってことでどうかな? 何人か他に教えて欲しい相手もいるし」 「よかろう、その条件で。ああ、クレス王国の件は成功しようが失敗しようが、すでに儂の手を離れた話だからな。どちらにせよその役は受けるぞ。せいぜい給料を弾んでもらうか」 「宮殿だろうが、ハーレムだろうが、金銀財宝だろうが好きなだけあげるよ」 でそんなものは邪魔なだけだな。まあ、せいぜい三食美味い飯と美味い酒があればあれば十分だわい」 その言葉に、動物園の檻の中で寝転がってるライオンが連想された。 「......そんなんで牙や爪は錆び付かない?」 「そんな柔には鍛えておらん」 「じゃあそのあたり本当かどうか、そろそろ奥の手も含めて見せてもらおうかな・・・」 ボクの挑発を受けて立つ、という顔で獰猛な笑みを浮かべた獣王が、初めて自分から動いた。 跳び込んでの中段突き。 早いことは早いけど対処できない速さじゃない――というか、 余裕を持って躱したところで――いきなりカクン、とコマ落としのように拳の軌道が変わり、退避したその場所に待っていたかのように伸びた突きが、ボクのわき腹に当たり、 「――覇っ!」 さらにそこから未知の衝撃が体を突き抜け、一撃でボクの体を数m吹き飛ばした。 ゴロゴロと草叢を転がり、どうにか立ち上がったけど――ダメージが抜け切らない――足が震える。 慌ててステータスウィンドウを見ると、いまだにじりじりと と言うことはさっきの攻撃も含めて、これが獣王の奥の手ってことか。 「――どうかな、剄を使った攻撃を受けての感想は?」 「面白いねぇ。やっぱり積み重ねられた技術ってのは侮れないわ」 うん。学ぶだけの価値はありそうだね。 「他にも応用はいくらでもあるぞ。もう少々後学のため受けてみたらどうかな」 「えーっ、痛いのは嫌だねぇ。それに――」 「・・・一発受けて、大体の原理と対処方法はわかったよ」 ボクの言葉の真贋を判断しかねてか、獣王は軽く目を細めた。 「ほう、どうやるのかね?」 「――ふむ」 その輪の中に一歩踏み出そうとした獣王の爪先を掠めて、薔薇の蔦が生き物のように跳ねる。 「ああ、それ棘には毒があるから気をつけたほうがいいよ」 ボクの警告に渋い顔をする獣王。 「まさか距離を置けば問題ないとでも思ったのかね?」 ボクは答えない――いや、いまは答えられないと言うべきだろう。 失望したような顔で軽く肩をすくめる――フリをすると同時に、鉄釘に似た投擲武器を一瞬にして5本バラバラの軌道で投げつける獣王。 だけど、一瞬視界が閉ざされた間隙を縫って、密度が薄くなった正面から獣王が踊り込んできた。 それを迎え撃とうと、無数の蔦が鞭の嵐と化して襲いかかる。だが獣王のフェイントを取り混ぜた動きに対処しきれず、全て空を切った。 「終わりだな」 獣王の右拳がボクの鳩尾を貫いた――いや、正確には薄皮一枚を触った瞬間、 「――なに!」 獣王は息を呑んだ。自分が打ち抜いたはずのボクの体が、一瞬で消え、直線状に伸び切った自分の腕の上に立っているのを見て。 だが、それが届くよりわずかに早く、後退しながらボクを払い落とした獣王が、「しゅっ!」という気合と共に、突きを放つ。 素早く躱したボクの移動先へと、再びコマ落としのように動いた拳が――何もない空間に踊り、「!?」一瞬の驚愕の隙を突いて、ほとんど地面に着くほど水平に両足を広げた姿勢で、それを躱したボクはそこから両足首のバネのみを使い、下からすくい上げるような一撃でもって獣王の胴体を薙ぐ。 ギリギリ胸元のローブを真一文字に裂かれた獣王が、ボクから距離を置いて、感嘆のため息をついた。 「ハッタリかとも思ったが、確かに儂の技に対応しておる。どうやった?」 「んー・・・まあけっこう力技なんだけどね」 ボクは痛む頭に眉をしかめながら種明かしをした。 「『並列思考』だよ」 「ほう、お嬢さんのお仲間だったとかいう九刀流の騎士が使うというそれかね?」 「真似事だけどね。以前にらぽっくさんにコツを教わって練習したんだけど、私じゃ使うまでに数秒間、準備に時間がかかるのと、使っても数分がやっとってところなんだよね」 なので、あんまし実戦向きじゃないんだけど、今回は使わないと対処できないのがわかったからねぇ。 「――で、さっきの『剄を使った攻撃』っての。あれって要するにインパクトの瞬間ではなくて、超密着した間合いからやたら『重い』攻撃を打ち込んでくる技だよね?」 ばれたか、という顔でにやりと笑う獣王。 「なのでわずかにラグがあるから、そのラグを利用して反撃したわけ。あとあのカクカク動く攻撃は、こっちの動きを先読みして、無駄を省いた最小限の動きで対応しているみたいだったから、本来の動きとは別方向に動いてみたんだ」 そう言うと、今度こそ獣王は破顔した。 「いや、どうかなぁ・・・? らぽっくさんみたいな本当の生まれつきの天才と違って、私の場合は努力してもこの程度なんだし」 単に器用貧乏なだけの気がするんだけどね。 「ふん、天才なんぞ面白みも教え甲斐もないわ。......それよりもどうするね、まだ続けるかな?」 「いや、やめとくよ。これやると頭がパンクしそうになるからねぇ。続きはクレス王国から戻ってからにするよ」 それからふと気になって、獣王に訊いてみた。 「その『後継者』ってのも、同じくらい強いの?」 その質問に、「ふむ」と厳つい顔の額の辺りの皺を深める獣王。 「将来性はあるのだがな。いまの段階では普通に戦っても、お嬢さん相手だと・・・まあ、2分保つかどうか、というところかな」 「ふ~~ん。まあ、判断に迷うようなら手合わせしても良いかもね。3分保ったら一応認めるとか」 冗談で言った言葉に、獣王が重々しく頷いた。 「うむ。確かにその程度の腑抜けでは、儂も後継者に認めるわけにはいかんな。存分に痛めつけてくれてかまわん」 ありゃ、獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすを地で行くんだねぇ。 「まあ、なるべく平和的にお話し合いで終わればいいんだけどねぇ」 とは言え、相手は弱肉強食の獣人族。どう考えても話し合いとか難しいんだろうなぁ、と思って肩をすくめた。

48 Tabernacle Roses Are Thorns. Ara, capital of the Amitian Republic. On the plateau at the foot of the White Dragon Mountains lying behind it, the attack was repeated as two shadows, large and small, danced. The beast man of a lion with a magnificent flesh, more than 2 m tall, wearing a single or dark blue robe. The snowy whitened hair, mustaches, and a number of wrinkles engraved into his harsh face made him feel the annual wheel, but without any impression of decay, he had turned it into an accent that would add more weight. A 12-13 year old girl wearing a black dress with one or rose costumes. Scarlet eyes in pitch-black hair, white skin was a beauty as if it were a work of art, a girl of beauty until horrible, who would have to shine a gorgeous glow and glimpse her surroundings just standing. The girl holds a slender long sword decorated with rose flowers in one hand and stands up to the old lion. I just think of it as a reckless confrontation beside me. A girl of 60 cm in height difference and less than a third in weight is confronted by a lion who seems to be a hundred warriors. Scattered in an instant - yes it will be where everyone thinks it is. But almost mutually so far contrary to that prediction - no, it even seemed like the girl was pushing it unilaterally. * * * * "... This one is almost fully equipped and even has auxiliary magic (buffs). I wasn't licking you, but you've just overwhelmed your brother Maru." When there is a slight gap, the shaft foot is grabbed by the wrist and thrown away in an instant. Full of battles of the Beast King who can't be alarmed for a moment. Eating a throw that I don't know how many times since I started this game, controlling my posture in the air and putting my foot on the ground, while at the same time distancing myself with stepping in, Bok spoke in a fed up tone. If this is the case, take it easy, 'Speaking of which, I was unconscious and I haven't seen it, how did you get your brother Maru so far? 'Ah, nice. Then let's do it.' How well we didn't play the game (so, we made it here as invisible as possible, where we could fight each other without any help). "That's a dialogue over here. It's like fighting a crossbow coming from all directions. Besides, the lady weighs too much, and the throw of Non almost kills her power. Besides, I barely cut the focus, so there's no gap. You're stronger than that Tawake." Beast king shrugging his shoulders like a man. "Well it would be compatible around there. I guess my brother Maru also meshed because he was a melee main, and then the difference in experience, his chronic mind, and his inability to cope with unknown skills are the reasons for his defeat? From the course of the match with the Beast King so far, I have guessed the factors that led to my brother Maru's defeat. In contrast, the Beast King smiled with a teacher-like face who heard well-perceived student responses. "It's a lot to understand that much with just this. - What do you say, young lady, when this game is over, you'll officially be a disciple of Non? No, you're in a position to ask me to bow my head." "Hmm, honestly, I don't really care if I want to be strong..." Strength is a relative thing, and if you look up one way or the other, you have too much ability to live in this world as it stands. Whether its insides appeared on his face, the Beast King nodded with a satisfied face to a well-made student. "Right. It is the weak who have no strength who seek uniquely strength, and the true strong exist out of such thirst where they are unbridled. Your daughter made the right choice... but you can't bear to have rough shredded gems in front of you." Hmm - Well, it looks like Rapoku-san has turned to his enemies, too, and maybe he needs some effort enough to counter me. At the same time, there are still going to be stretch bills (no, isn't there a Joey?) The face of the face floated. "So, when the matter of the Kingdom of Cress is cleared up, does that mean you're not my personal master, but an Imperial Crimson martial arts guide? There are a few other people I want you to tell me about." "Come on, on that condition. Yeah, I don't care if you succeed or fail in the case of the Kingdom of Cress, but you've already left the hand of Noah. Either way, I'll take the part. Do you want me to play the paycheck at best?" "Palace, but Harlem, but gold and silver treasure, but I'll give you whatever you want." "At this age, such a thing just gets in the way. Well, at best three meals of delicious rice and good liquor would suffice." The word was associated with a lion sleeping in a zoo cage. "... so fangs and nails don't rust? "I'm not working out that soft." "Then it's time for me to show you if it's true around there, including my wife's hand..." For the first time, the Beast King moved from himself with a fierce grin on his face that he stood at my provocation. Jump in and poke in the middle. It's early, but not fast enough to deal with - or it looks pretty slow in the eyes of the bloodsucking princess (me). I could afford it - suddenly the cum, and the fist track changed like a coma drop, and a poke stretched out as if waiting for me in that place where I retreated, hit my stomach, "- Heh heh! More unknown shocks thrust through my body from there, blowing my body a few meters with one blow. I rolled through the gobbles and grass bushes, and I managed to get up, but - the damage can't get through - my legs tremble. When I look at the status window in a hurry, the twist and HP (hit point) are still shredded. There are no status abnormalities, so they don't use poison or anything... but then this is piercing continuous damage? Does that mean this is the hand of the Beast King, including an earlier attack? "- I wonder, how do you feel about being attacked using a "That's funny. I knew stacked technology wouldn't be insulting." Yeah. Sounds like it's worth learning. "There are as many other applications as there are. Why don't you take it for a little later in school?" "Eh, I don't like it hurting. And..." "... I took one shot and figured out the general principles and how to deal with them." Failing to judge the truth of my words, the Beast King narrowed his eyes lightly. "Well, how do you do it? - Hmm. A rose's claw bounces like a creature, plundering the toe of the Beast King, who tried to take a step in that circle. "Oh, you better be careful because those thorns are poisonous," Beast King with a reluctant face to my warnings. "You didn't think it would be a problem to keep your distance? I don't answer - no, I should say I can't answer now. I shrug my shoulders lightly with a disappointed face - a beast king who pretends to while instantly throwing a throwing weapon resembling an iron nail in five pieces of orbit. But for a moment I sewed in a gap where my vision was closed, and the Beast King danced in from the front where it diminished in density. In an attempt to intercept it, countless swarms strike as a whip storm. But I couldn't deal with the motion mixed with the Beast King's feint, and it all cut off the sky. "You're done." The right fist of the Beast King pierced my dovetail - no, exactly the moment I touched a thin piece of skin, "- What!" The Beast King breathed. Watch my body, which I should have struck out of, disappear in a flash and stand on my arm stretched out in a straight line. But only slightly sooner than it arrived, the king of beasts, who backed away and paid me off, said, "Shh!" with the temper, releasing a thrust. Quickly, my fist moved like a comma drop again to my destination - dancing to a space of nothing, "!?" Poking a moment of stunning gap, he spread his legs horizontally enough to almost reach the ground, and from there I used only the spring of both ankles, and with a blow that crept up from the bottom, he swallowed the torso of the Beast King. The king of the beast, whose robe on his critical chest was torn in one letter, distanced himself from me and sighed with admiration. "I thought it might be haphazard, but it does correspond to the knockout moves. How'd you do that? "Um... it's kind of a force move." I made a seed with a frown on my aching head. "Parallel thinking." "Well, that's what a nine-knife knight would do if he was one of your daughters? "It's a serious matter. I used to teach Lapokusan the trick and practice it, but it takes me a few seconds to get ready before I use it, and a few minutes after I use it." So I'm not good for real life, because I found out I can't deal with it without using it this time. "- So, earlier," Attack Using ". That's not, in short, a moment of impact, but a move that would punch in a 'heavy' attack if you did it from a super tight time, right? The king of beasts laughs in his face. "So there are only a few rugs, so I used that rug to fight back. And that cocky, moving attack seemed to be responding with minimal motion that saved us waste, so we tried to move in a different direction from the original motion." With that said, it was now time for the Beast King to break his face. "No, I don't know...? Unlike a real born genius like Rapunzel, in my case, it's this much of an effort." I just feel cleverly poor. "Well, genius isn't funny or worthy of teaching.... What more do we do than that, do we still go on? "No, I'll stop. Because if I do this, my head is going to flake. Hey. I'll be back from the kingdom of Cress." Then I was curious and asked the Beast King. "Is that 'successor' just as strong? To that question, "Hmm," the Beast King deepens the wrinkles around his stern face forehead. "I have a future. At this stage, even if you fight normally, lady, if you're dealing with someone... well, I wonder if you'll keep it for two minutes." "Huh. Well, if you want to get lost in judgment, maybe you can make it up to me. If I keep it for three minutes, I'll admit it." The Beast King snorted heavily at the words he joked about. "Mm-hmm. Surely at that level of seriousness, you can't even admit Nong to his successor. I don't care if you hurt me enough." Well, the lion's going to throw my son into the valley of Thousand Seekers on the ground. "Well, I hope we end up discussing it as peacefully as possible," That said, the opponent is the Beastman clan of the weak predators. I shrugged my shoulder thinking it would be difficult to discuss it or something.

幕間 階層突破 アミティア共和国の首都アーラ近郊。 通称『姫君の落とし穴』と呼ばれる70層からなる巨大な 「くそっ、ゴチャゴチャ集まりやがって!」 苛立ってはいるが取り乱してはいない。 次々に襲い掛かるスケルトン・ドッグを的確に処理していく少年。 彼の腕と言うよりも剣の力と言うべきだろう。 通常、魔剣を持てるようなものは騎士か貴族かよほどの金持ちか、或いは腕利きの冒険者だけであるが、少年の身なりは一般的な冒険者の標準的な革鎧に、要所要所を金属板で補強した防具で守っているだけの、至ってシンプルな格好である。 この年齢の冒険者にしてはまずまず上等な部類ではあるが、それでもその手にした魔剣はいかにも分不相応である。 やがて、周囲にいたスケルトン・ドッグを一掃したところで、少年は手の甲で顔の汗を拭い、周囲を見回しため息をついた。 「......やっぱ襲撃のドサクサでハグレたか。ま、フィオレの奴はジョンソンさんたちのチームと一緒だったから、大丈夫とは思うけど......」 でも心配しているだろうな――と思うと同時に、荷物も食料もあちらのチームの 「あれ? なにやってるの、ジョーイ。こんなところで?」 そんなところへ、聞き慣れた銀の鈴を鳴らすような声がかけられた。 よりも夢中な様子で、緋雪が取り出したサンドウィッチを次々に腹に収めるジョーイを、呆れと感心が入り混じった表情で眺めながら、収納バックから取り出した容器にポットのお茶を注いで渡す。 「そんなにガッツクと喉に詰まらせるよ。――はい、紅茶。熱いから火傷しないでね」 味わってるんだか流し込んでるんだかわからない勢いで、山ほど積んだサンドウィッチとシュークリームをパクパク口に運ぶジョーイ。 「まあどっちもHPの微回復効果があるからねぇ。......ところでなんで 「.........で? 続きは?」 「――? いや、それだけだけど......」 全然長くもない上に要領を得ない話にげんなりしながら、緋雪は自分なりに話をまとめてみた。 で、まずは20階のボスを斃して転移魔法陣を使えるようにして、今後さらに下の階に挑むための橋頭堡にしようと考えた。20階まで順調に降りたところで、ボス部屋を見つける前に運悪くスケルトン・ドッグの大規模な群れに襲われた。そこで光の魔剣を持って一番戦力的に有効な君が『俺が後を引き受けるから、お前らは下がれ!』とかハッスルして、気が付いたら置いてけぼり食らってた――ってとこかな?」 「......見てたのか?」 「見なくてもわかるよ。まったく......勇気と無謀は違うんだよ? そんな生き方してたらそのうち死――ああ、もう経験してるんだっけ。じゃあもう直らないね......」 不治の病の患者を診る目でジョーイを見て、ため息をつく緋雪。 ジョーイの方は気が付いた風もなく、最後のサンドウィッチを食べ終わると、「ごちそうさん。美味かった!」すっかり丸くなったお腹をさすった。 「お粗末様。......ああ、口の周りにクリームとか付いているね」 普通戦場では腹八分目くらいにしておくもんじゃないかなぁ、とか思いながら緋雪はレースのハンカチで、手のかかる弟でも相手にしているつもりで甲斐甲斐しくジョーイの口の周りを拭いた。 「お、おい!?...やめろよ。こんな高そうなハンカチで......」 「構わないよ。ハンカチなんて汚れるものだからね」 ハンカチの香水の匂いと、女の子の甘い香り、手を伸ばせば抱き締められる距離にあるしなやかな姿態に、ドギマギして赤くなった顔を誤魔化すために、あちこち視線をさ迷わせたジョーイの目が、すぐそこの林の先に見える重厚な石造りの扉を見つけた。 「あれっ。――もしかして20階のボスの部屋か!?」 その視線を追って緋雪も姿勢を戻して、そちらを向く。 「ん? ああ、そうだよ。ここのボス部屋だよ。危ないから近づかないでね」 「へえ......」 立ち上がってふらふらとその方向へ歩き始めるジョーイ。 ガシッ!とその肩が後ろから掴まれた。 「君は何を聞いてるの? ソロじゃ危ないから近づくなっていま注意したばかりでしょう!」 「いや、せっかくなんで近くで見てみたくて。それにあれだ...えーと...俺ってチーム本隊とはぐれたろ? だったらチームと合流するためには目立つところにいないとマズイんじゃね? んで、ここらで一番目立つとこってあそこだろう。あ、そーだ、だいたい俺らの目的もあそこなんだし。だったら、あそこで待ってた方がいいんじゃね?」 単純に好奇心から行きたいだけで、思い付きを口に出しているだけのジョーイの言い訳だが、確かに合理的に考えてそれが最善の方法なのも確かである。 まあ緋雪が一緒に付いて引き返せば安全だが、そこまで冒険者の仕事に干渉するつもりもないし、そもそも立場的には そう判断した緋雪はしぶしぶ了承した。 「......確かにね。でも絶対に門の中には入らないように」 「大丈夫だって。俺を信じろよ」 新しいオモチャを貰った子供みたいな顔に、一抹どころではない不安を感じながら緋雪は、弾む足取りのジョーイを追って歩き出した。 「へえ、ここがボス部屋へ通じる門か。案外小さいんだな」 壁際にある階段を登った先。2.5メートルほどの高さの門――と言っても扉はない完全な開け放しのそれ――を、もの珍しげに眺めながらジョーイが感想を口にする。 「まあ砂塵の迷宮に比べればね。下の方へ行くとどんどん大掛かりになるんだけどね。――ってどこに行くつもり!?」 階段を登り始めたジョーイを慌てて止めようとする緋雪だが、当人はいたって平然とした顔で、 「いや、せっかくだから中も見てみようぜ」 門の先、石造りの通路になっている先を指差す。 「だから、君の実力だと魔剣があっても、ソロだと難しいから入るなって言ってるだろう!」 一気にジョーイを追い抜いて、階段の上で通せんぼするように腕組みする緋雪。 「んなこと言っても外をウロウロしてるのも危ないだろう。......だいたい俺より先にチームの連中が来てるかも知れないし、確認しとかないとマズイだろう?」 反論できないと見えて黙り込んだ緋雪の傍らを、ジョーイは軽い足取りで通り過ぎた。 「......むぅ。ちょっとだけだからね」 「だいじょうーぶだって。入り口だけだから。ちょっと入るだけで、絶対奥にはいかねーから」 な娘さんにつけ込む、女ったらしの悪い男のような台詞だが、本人は至って能天気なモノで、これっぽっちも悪意も計算もない。 その天然に騙された緋雪は、しぶしぶ折れた形で腕組みをほどいてジョーイの後を付いてきた。 まこと世間知らずの箱入りそのものの無用心さに、仮にこの場にお節介な第三者がいれば、懇々とその軽はずみさを 石造りの回廊はところどころ魔法のカンテラが灯っているので、さほど視界は悪くはないが、それでも光の届かない陰のところは存在する。 不意打ちを警戒しながら、ジョーイはふと思い出して緋雪に尋ねた。 「なあ、前に使ったあの明かりの魔法は使えないのか?」 「使えるけど......心細いようなら、そろそろ引き返したら? けっこう奥まで来たけど、誰もいないみたいだしね」 心配してくれているのはわかるが、まるで子ども扱いされている気がして、半ば意地になったジョーイはそれ以上はお願いしないでズンズンと先に進んだ。 「ここがボスのいる場所か」 幸い途中にモンスターはいなかったようで、問題なく最奥まで進んだところでちょっとしたホールと、突き当たりに観音開きの石の扉。それと休憩所を兼ねているのだろう、ホールの手前に小部屋の並ぶ区画があった。 「そうだよ。ここを開けたらボスとご対面だ。あいつ相手だと、君の装備だとひとたまりもないからね」 「ああわかってるよ。確かボスはゴーレムだっけか?」 「メタルゴーレムだね。砂塵の迷宮にいた奴と基本的には同じだけど、大きさで2回り大きい上に、鋼鉄製だから普通の剣とかは通じないよ。斃すとすれば重量級の打撃武器でダメージを与えるか、強力な雷撃系の魔法で動きをとめて、弱点を攻撃するしかないだろうね。――じゃあ、もういいだろう。戻ろう」 ああ、わかった――と言い掛けたジョーイの返事が、不意に遮られた。 「おっと、そうはいかねえな」 「手前には、この先に行ってもらおうか」 「動くなよ。この女の命が惜しかったらな」 いつの間に背後に忍び寄っていたのか、人相の悪い3人組の男達が手に手に刃物を持って、緋雪を取り囲んでいた。 「――お友達?」 状況がわかってるんだかわかってないんだか、首筋やら心臓の上やら脇腹やらに剣先を当てられた状態で、呑気に小首を傾げる緋雪。 一方、どこかで見覚えのある連中に、訝しげに眉を寄せたジョーイだが、その中の一人の顔を見て閃くものがあった。 「お前ら......シュミット!! チーム『赤巾旅団』の!」 「覚えていたのか、小僧。ここで張ってた甲斐があったぜ」 仮にも冒険者だったほんの少し前と違って、その荒んだ身なりと顔つきはどう見ても盗賊のそれである。 「......張ってたってことは、狙いは俺か? だったらヒユキは関係ないだろう、その手をどけろよ!」 「バカか手前、自分の立場がわかってねえな。命令できる立場だと思ってるのか?」 いて、ヒタヒタと緋雪の首筋に当てた剣をこれ見よがしに動かすシュミット。 現在、自分達が陥っている危機的状況を改めて見せ付けられ、口惜しげに呻き声をもらすジョーイ。 そんなジョーイの姿に溜飲を下げたのだろう。シュミットは聞かれてもいないことをペラペラ喋りだした。 「こちとら手前らのせいでギルドを追い出され、せっかく上げたランクもなにもかもパアだ。いつか恨みを晴らすつもりでいたが、都合よく 「いやいや、兄貴。あっちの女魔術師よりこっちの方がとんでもない上玉ですぜ」 「まっ、胸は残念だけどな」 一瞬、緋雪の額に青筋が浮かんだのを、真正面から見ていたジョーイの目は捉えた。 ......うん。あいつの前では胸の話はしないようにしよう。 それとも、ちっちゃい胸の方が好きだと言えばいいかな? 阿呆なことを考えて悩む――見た目には人質を取られて煩悶する――様子に、どことなく白けた口調で、緋雪が口を開いた。 「......えーと、私としてはこれどーすればいいのかな?」 はっと我に返ったジョーイが悲痛な叫びを上げる。 「悪いっ。俺の責任だ。きっと助ける! だから今はじっとしていてくれ!」 「はん。相変わらず威勢だけはいいな。まあその前に手前がくたばるのが先だと思うがな。――後ろの扉を開けろ。ボスのゴーレムの相手をしてもらおうじゃねえか。確かボスを斃すと宝箱がでてくるそうだからな。せいぜい健闘するこったな」 間接的に、ジョーイがボスになぶり殺されるのを高みの見物をして溜飲を下げるか、万一斃せそうだったり、相応のダメージ与えられたら後ろからジョーイを殺して宝箱を横取りという肚だろう。 唇を噛み締めたジョーイは言われるまま、背後の扉に手をかける。 扉は見た目の重厚さからは想像もつかないほど軽く開いた。 開け放しにした(この階と30階のボス部屋は退却可能。40階以降は扉が閉じて勝負が付くまで逃げるのは不可となる)扉の先、演劇場ほどの広さの石造りの部屋の中央に蹲っていたメタルゴーレムが、近づいてくるジョーイに反応して、意外なほどスムーズな動作でむくりと立ち上がった。 ゴーレムというよりも黒鉄製の球体関節人形のようなそれの頭部がジョーイを捉える。 眼も鼻も口もない頭部の中央に、握り拳大の赤い石がはめ込まれていて、それが天井から煌々と降り注ぐ光を反射して、異質な輝きを放っていた。 部屋の中央に進みながら腰の魔剣を抜いたジョーイは、自分の目線よりも体半分高い位置にあるその赤い石を見ながら、思わず唸った。 「――こいつがメタルゴーレムか。弱点があるって言ってたけど......どこにあるんだ?」 「「「「見ればわかるだろう(でしょう)!!」」」」 入り口から中の様子を眺めていた4人が思わずズッコケて、同時にツッコミを入れた。 「頭のところだよ! 赤い石! それが弱点!」 なおも首を捻るジョーイに緋雪がダイレクトに答えを伝える。 「......ねーちゃん、あんな男と付き合って疲れないか?」 なぜかしみじみと同情するシュミット。 「......確かに。今後の付き合いを辞めたくなってきたねぇ」 緋雪もこめかみの辺りを押さえて同意した。 その時、気合の声と共に走り出したジョーイが、メタルゴーレムの足元目掛けて剣を振り下ろした。 ガキン!と金床と金槌を打ち合わせたような音がして、斬りつけた部分がわずかに傷を負った。 痛みを感じないゴーレムは、無造作に右手を振り下ろす。 の一撃が床に穴を開け、壁にひび割れを作るが、それを間一髪躱しまくるジョーイ。その時々に剣を振るうが、勿論彼の腕では有効な攻撃を与えられる力がない。 埒が明かないと見てか、緋雪の胸元にわずかに弾力でめり込む感じで剣先を強めに押し付けた。 「なにトロトロやってやがる! さっさと始末しねえか!」 ため息をつく緋雪。いま着ているドレスは『 咄嗟に周りの連中を振り払って前に出ようとした緋雪だが、ふらふらしながらも立ち上がったジョーイの様子にほっと安堵のため息をついた。 勝手に動こうとした緋雪に向かって剣を突き出す三人組を、底冷えのする瞳で振り返る。 その眼が赤々と輝いていた。 「君らこそ邪魔だよ。少し黙っていてくれないかな」 その途端、棒を呑んだかのようにその場に直立不動するシュミットたち。 。悪いけど、そいつら適当な肉食モンスターがいる辺りに捨ててきてくれる?」 その声に応えて、緋雪の足元の影が蠢き長身の暗黒騎士へと変じた。 跪いた暗黒騎士は一礼して、無造作に連中を片手で一まとめに掴んで、そのままズルズルと外へと引っ張って行った。 それから急いで加勢しようとしたところで、ジョーイの持つ魔剣の光が増しているのに気が付いた。 ――スキルに目覚めかけている? だったら......! 「ジョーイ! 剣を構えて、全身の力を刀身から搾り出す気で振り抜いて!!」 「おうっ!」 言われるまま、何も考えずにジョーイは全身全霊で魔剣を振り下ろした。 刹那、魔剣の光が一段と強烈になり、そこから光の斬撃が飛び、迫り来るメタルゴーレムの頭部――弱点の赤い石に当たって、見事にそれを砕いた。 反動で引っくり返ったジョーイがどうにか頭だけ上げたところ、メタルゴーレムは壊れた人形のようにその場でバラバラになると、どこからともなくファンファーレが鳴り、ゴーレムのいた床下から“いかにも”という宝箱がせり出してきた。 「......誰かな、こんなの考えたの。緊張感が台無しだよ」 ぶつぶつ言いながら倒れたジョーイのところへ寄って、治癒をする緋雪。 「さ、サンキュー。――あれ? 連中は??」 「ああ、君が勝ったんで恐れをなして逃げて行ったよ。――具体的には地獄に」 「ん? どこだって?」 「なんでもないよ。それよりせっかくだから宝箱を開けてみたら?」 言われて気が付いた顔で、立ち上がって体に異常がないのを確認して宝箱に近づくジョーイ。 「さあ? このあたりはランダムだからね」 けっこうワクワクしながら開けてみると、金属製の上半身鎧が入っていた。 「おっ、防具か! これ欲しかったんだ」 緋雪から見れば単なる鉄鎧でハズレっぽいけど、まあ本人が喜んでるからいいか。という感想だった。 早速いま着ている革鎧を外して装備しているジョーイを微笑ましく眺めていたところで、不意にその足元の影が蠢いた。 「......ああ、ご苦労様。ふんふん、肉食蜘蛛の巣へね。......ああ、なるほど、それはきっと本隊だね」 傍から見ていれば、ぶつぶつ独り言を言っているような緋雪を怪訝そうに見るジョーイ。 「どうかしたか?」 「いや、どうやら君のチームがこの入り口に近づいている気配がしてるんだけど、どうするの? ここのボスは15分で再生するけど。戻ってもう一度チームでボスと戦うにしても、先に奥の転移魔法陣に登録しておいたほうが便利なんじゃないかな」 「そっか。じゃあ登録してから戻るよ。お前はどうするんだ?」 新しくした鎧の重さや動かしやすさを確認しながら、いまさらながら、なんで緋雪がここにいるんだろうと思いながら尋ねるジョーイ。 「私はこの後下へ降りる用事があるからね。ここで別行動するよ」 軽く肩をすくめる緋雪。 「そっか、気をつけろよ」 「それは私の台詞だよ」 そう言いながら揃って奥の通路へと進む二人。 突き当たりの小部屋にあった転移魔法陣の中央の 「それじゃ、俺はボスがまた湧かないうちに戻るから!」 「ああ、気をつけてね」 まあ、魔剣も使えるようになったことだし大丈夫だろうと思いながら、早速背を向けてこの場から走り出そうとするジョーイに手を振る緋雪。 「じゃあな!」 こちらも手を振り返して、足取りも軽くジョーイはいま来た道を戻って行った。 「――ジョーイもだんだん一人前になってきたねぇ。さて、こっちのアレはどこまで成長したかな?」 目的の相手の進化を期待しながら、緋雪も散歩するような足取りで

85 Tabernacle Hierarchy Breakthrough near Ara, capital of the Amitian Republic. 20 tiers of a huge underground labyrinth (dungeon) consisting of 70 layers commonly known as "The Princess's Pitfalls". "Damn, you mess around! It's frustrating but not disturbing. A boy who handles skeleton dogs accurately that are attacked one after the other. I should say the power of the sword rather than his arm. Normally, the only thing that can hold a demon sword is a knight or a nobleman. Rich enough, or an arm-written adventurer, but the boy's identity is simply a simple outfit that protects the standard leather armor of a common adventurer with protective equipment reinforced with metal plates to his essentials. For an adventurer of this age, it is first and foremost a superior category, but nevertheless the Devil's Sword in his hand is irrelevant. Eventually, as he swept away the skeleton dog that was around him, the boy wiped his face sweat with the back of his hand and sighed looking around. "... did you haggle with the assault dosa after all? Ma, Fiore's guy was with the Johnsons team, so I'm sure he'll be fine..." But you'll be worried - at the same time, I think I left my luggage and food with the baggage carrier (porter) of the team over there, and I'm currently at an unknown admirable loss. I'm starting to feel just as dark thinking about going ahead. "That? What are you doing, Joey? In here? To such a place, a voice rang the silver bell to which I was accustomed. Looking more obsessed than a hungry little ghost (goblin), he watches Joey tuck in one sandwich after another taken out by Scarlet Snow with a mixed look of awkwardness and emotion, pouring pot of tea into the container removed from the storage back and giving it away. "I'll stuck you in your throat with so much guts. - Yes, tea. Don't burn me because I'm hot." Joey carries a pile of sandwiches and shoe cream into his puckered mouth with momentum I don't know if he's tasting it or pouring it in. "Well, because they both have a slight healing effect on HP.... By the way, why are you in an underground labyrinth? "... so? What's next?" "-? No, that's all..." Scarlet Snow put the story together herself, letting it down to a story that didn't get the guidelines on top of not being long at all. So, I first thought I'd shoot the boss on the 20th floor so he could use the transfer magic formation and make it a bridge headrest to try the lower floor further in the future, where he got off well until the 20th floor and was unluckily attacked by a massive flock of skeleton dogs before finding a boss room. So with the Devil's Sword of Light, you're the most warriorly effective one to say, 'I'll take on the aftermath, you guys back off!' Or hustled, and when I realized it, I left it and ate it - something like that? "... were you watching? "You don't have to look. Not at all... courage and recklessness are different, huh? If I lived that way, then I'd die - oh, you've already been through it. Then you can't fix it anymore..." Scarlet Snow sighs, looking at Joey with his eyes at an incurable patient. Joey's didn't have the wind he noticed, and when he finished his last sandwich, he said, "A treat. It was delicious!" I rubbed my fully rounded stomach. "Oh dear.... oh, you have cream around your mouth or something" I don't know if I'd keep it about the eighth minute of my belly on a normal battlefield, or something like that, Scarlet Snow was a race handkerchief, and I wiped around Joey's mouth in a worthy way with the intention of even dealing with my handy brother. "Oh hey!?... don't do it. With such a tall handkerchief..." "I don't mind. Handkerchiefs are filthy." To the smell of handkerchief perfume and the sweet scent of the girl, her supple posture at a distance that she could hold if she reached out, Joey's eyes, lost sight everywhere to mislead her doggy, reddened face, found a heavy stone door visible right at the end of the woods there. "That. - Could it be the boss's room on the 20th floor?!?" Follow that gaze. Scarlet Snow also returns to his posture and turns to you. "Hmm? Oh, yeah. This is the boss's room. Stay away from me because it's dangerous." "Heh..." Joey gets up and starts fluttering and walking in that direction. Gassi! and his shoulder grabbed from behind. "What are you listening to? You just took care to stay away from me because I'm not in danger of solo! "No, why do you want to see it nearby because of it? And that's... uh... I'm off the team team, right? Then you'd have to be in a prominent spot to rendezvous with the team, wouldn't you? Hmm, the most prominent thing here would be over there. Oh, yeah, that's more or less what we're here for. Then why don't you just wait over there? It's simply Joey's excuse for wanting to go out of curiosity and just having thoughts in his mouth, but it's also certain that it's the best way to think rationally. Well, it would be safe if Scarlet Snow came with me and turned back, but I'm not going to interfere with the adventurer's work that far, and it's like being the boss behind an underground labyrinth (dungeon) in the first place, so it's a funny story if you think about treating adventurers as if you know them. Scarlet Snow, who decided so, probably agreed. "... sure. But never go inside the gate." "'Cause it's okay. Trust me." Scarlet Snow walked out after Joey, a bouncing foothold, feeling a not-so-slight anxiety on her face like a child who had received a new toy. "Hey, is this the gate that leads to the boss room? You're a little out there." At the end of climbing a staircase at the wall, Joey mouths his thoughts with a rare view of a gate about 2.5 meters high - a completely open one with no doors to say. "Well compared to the labyrinth of dust. Going downstairs is gonna cost me more and more. - Where are you going?!? Scarlet Snow rushes to stop Joey, who began to climb the stairs, but with a flat face when he was there, "No, because of that, let's take a look inside." At the end of the gate, point to the end of the stone aisle. "So even if I have a demon sword that says it's your strength, I'm telling you not to go in there because it's hard to solo! Scarlet Snow walks past Joey at once and arms him up the stairs. "Whatever you say, it would be dangerous to be rolling outside.... maybe the guys on the team are here before me, and it would be bad if you didn't check it out? Joey passed by a light foothold, beside Scarlet Snow, who seemed silent when he could not argue. "... mmm. Just a little bit." "Daijbu. Because it's just the entrance. Just get in there for a second, and you'll never get in the back." It's like a conversation with your beginner daughter, a woman, a bad man, but the person is an extremely weather capable thing, and there is no such thing as this, no malice or calculation. Its naturally deceived scarlet snow followed Joey by loosening his arms in a shabby, broken form. There was no such person as happiness or unhappiness, although if there were a third party in the world who cared less about the inadvertence of the boxed itself, it would almost embarrass (but) the courtesy and its lightness. The stone corridor, by the way, is lit by magical canteras, so the sight is not so bad, but still there is a shade out of the light. Vigilant of the unintended blow, Joey asked Scarlet Snow, remembering. "Hey, can't you use that light magic you used before? "I can use it... but if you seem to be careful, why don't you turn around? I've come all the way back here, but nobody seems to be here." I know you're worried about me, but I feel like I'm being treated like a child, and Joey, half-witted, went ahead with Zunzun without asking me to do any more. "Is this where the boss is?" Luckily there didn't seem to be any monsters along the way, a little hall where we went to the deepest without any problems and a stone door with a kannon opening at the poke. I guess it goes hand in hand with the rest stop, there was a compartment lined up in front of the hall. "That's right. Open up here and meet the boss. If it's your gear, there's not a single one." "Yeah, I know. Are you sure the boss is a golem? "You're a metal golem. It's basically the same as the guy in the dust labyrinth, but on top of being two times bigger in size, it's made of steel, so it doesn't go through a normal sword or anything. If I were to kill him, I'd have to deal damage with a heavyweight strike weapon, or make a move with the magic of a powerful lightning strike system and attack my weaknesses. - Then that'll be enough. Let's go back." Oh, okay - Joey's reply was inadvertently blocked. "Whoa, I don't think so." "In front of you, I want you to go ahead" "Don't move. I wish I could spare this woman's life." When was it sneaking behind my back, three poorly resembled men with blades in their hands, surrounded by scarlet snow? "- Friends? You don't know what's going on, Scarlet Snow leaning down on swallows with his sword tip flanked by his neck and heart. Meanwhile, some familiar guy somewhere, Joey, frowned in surprise, but saw the face of one of them and there was something flashing. "You guys...... Schmidt!! of the team Red Scarf Brigade! "You remembered, kid. It was worth the effort." Unlike just a short while ago, when he was an adventurer, that rough figure and look is that of a bandit, no matter what. "... What you were up to, was it me? Then Hyuki won't have anything to do with it, get that hand out of my way! "Stupid or not, you don't know where you stand. You think I'm in a position to give orders? That's right, Schmidt. He moves his sword against the neck of Hitahita and Scarlet Snow. Joey is shown the critical situation we are currently in again and gets a groan out of our mouths. I guess I lowered my drink to the look of Joey like that. Schmidt perplexed that he hadn't even been asked. "I was kicked out of the Alliance because of the others in front of me, and whatever rank I raised because of it, it's Paa. I was going to clear my grudges one day, but I heard you'd conveniently enter the underground labyrinth (dungeon). I've been watching you for so long. It's convenient to break up with the team and be alone with the woman. I hid in the small room while they were snuggling and watched for a chance. The place is the place, no one will suspect you even if you're dead in front of us here.... Well, I'm sorry I wasn't with the other woman." "No, no, brother. This is a hell of a lot better than the sorceress over there." "Oh, I'm sorry about your chest." For a moment, Joey's eyes caught the blue muscle floating on Scarlet Snow's forehead, looking directly in the front. ...... yeah. Let's not talk about breasts in front of him. Or should I say I prefer tiny breasts? Scarlet Snow opened her mouth, in a somewhat white tone, troubled by the idea of being dumb - bored by the appearance of being taken hostage. "... er, which one of these should I do as far as I'm concerned? Joey, who returned to me all the time, shouts a sad cry. "Evil. It's on me. I'm sure I'll help! So just stay still now! "Hang on. As always, just the momentum is good. Well, I think it's time for you to get screwed before then. - Open the back door. Let's get the boss's golem opponent. They say if you kill the boss, the chest will come. Good fight at best." Indirectly, it would be a stomach to take a high look at Joey getting killed by his boss and lower his drinks, or, in case he seemed to kill him, kill Joey from behind and plunder the crate if the corresponding damage was done. Joey, who bit his lip off, puts his hand on the door behind his back, as he is told. The door opened more lightly than I could imagine from the thickness of its appearance. At the end of the door, which was left open (this floor and the boss room on the 30th floor are retractable; after the 40th floor it will not be possible to escape until the door is closed and the battle is mounted), a metal golem, squatted in the middle of a stone room about the size of a theatre, rose in response to the approaching Joey, in an unexpectedly smooth motion. It's more like a black iron sphere joint doll than a golem. Its head captures Joey. In the middle of his head, which had no eyes, no nose, no mouth, was fitted with a red stone of clenching fists, which reflected the brilliant downpour of light from the ceiling, emitting a heterogeneous glow. Joey, pulling out his hipster demon sword as he advanced to the center of the room, accidentally roared as he saw that red stone half way above his own gaze. "- Is this the metal golem? He said he had a weakness... where is it? "" "" You'll see (you will)!! Four people who were watching from the entrance accidentally zucked and at the same time put in a scratch. "It's in my head! Red stone! That's the weakness! Scarlet Snow tells Joey, who twists his neck, the answer directly. "... hey, aren't you tired of hanging out with a guy like that? Schmidt with smudges and sympathy for some reason. "... Indeed. I'm dying to quit my future relationship." Scarlet Snow also agreed by holding back around the temples. At that time, Joey, who ran out with the voice of temper, waved down his sword at the foot of the metal golem. Kickin '! and the sound of a golden floor and a hammer meeting caused a slight scratch on the slashed area. The painless golem waves his right hand down unconstitutionally. A blow from his swinging arm puts a hole in the floor and creates a crack in the wall, but Joey puts a haircut through it. Sometimes he waves his sword, but of course in his arms he does not have the power to be given an effective attack. Seeing that it was not revealing, he pressed his sword tip hard with a slight elasticity into Scarlet Snow's chest. "What a troll! Let's get this over with! Sigh scarlet snow. The dress I'm wearing right now is not as good as "The Rose of War," Ann of Guyastein, "but it's clean LV99 equipment. There's no way I can scratch one of these Namakuras. Scarlet snow tried to get forward by shaking off the people around him, but he sighed relieved at how Joey stood up as he fluttered. I look back with my bottom cold eyes at the threesomes sticking out their swords towards Scarlet Snow, who tried to move on their own. The eyes glowed red. "You're the ones who get in the way. I was wondering if you could keep your mouth shut for a moment." As soon as that happens, Schmidts immobilize upright on the spot as if they swallowed a stick. "- Moo-yao. I'm sorry, but will you dump them around where they have the right carnivorous monsters? In response to his voice, the shadow at Scarlet Snow's feet turned into a long, dark knight. The kneeling dark knight thanked him and grabbed them all together with one hand unconstitutionally, pulling them straight out with cheats. Then in a hurry to try to join us, I noticed Joey's increasing light of the Devil's Sword. - You're waking up to your skills? If so......! "Joey! Put up your sword and swing it out with the willingness to squeeze your whole body out of your body!! "Oops! As they say, without thinking, Joey waved down the Devil's Sword with his whole body. In a moment, the light of the Devil's Sword became intense for a time, from which the slaughter of light flew, hitting the head of the impending metal golem - the red stone of weakness, crushing it brilliantly. When Joey, who pulled back in recoil, managed to raise his head only, the metal golem fell apart on the spot like a broken doll, a fanfare rang from nowhere and a chest of "whatever" came out from under the floor where the golem was. "... someone, this is what I thought. You ruined my nervousness." Stopped by Joey, who collapsed with a bump, to cure Scarlet Snow. "Sa, Thankyou. - Is that it? What about them?? "Oh, you won, so I ran away with no fear. - To hell, specifically." "Hmm? Where? "It's nothing. Because of that, why don't you open the chest? With a face I noticed when I was told, Joey gets up and makes sure there's no abnormality in her body and approaches the crate. "Come on? It's random around here." I was so excited to open it, it contained metal upper body armor. "Whoa, that's protective gear! I wanted this." From Scarlet Snow's point of view, it's just iron armor and hassle, but, well, he's happy in person, okay? That was the feeling. I was smiling at Joey, who was quickly removing the leather armor he was wearing and equipping him, and the shadow at his feet inadvertently dawned. "... Oh, thank you. Hmm, to the nest of carnivorous spiders.... Oh, I see, that must be the main team" If you look from the side, Joey looks suspiciously at Scarlet Snow like he's bumping into himself. "What's wrong? "No, apparently there are signs that your team is approaching this entrance, what are we going to do? The boss here plays in 15 minutes though. I guess it would be more convenient to go back and fight the boss again on the team and sign up for the metamagic team in the back first." "Oh well. Then I'll sign up and then I'll be back. What are you gonna do? Joey asks while checking the weight and ease of movement of the new armor, wondering why Scarlet Snow is here. "I have business going down after this. I'll do something else here." Scarlet snow gently shrugging her shoulders. "Oh, well, be careful." "That's my dialogue." With that said, the two of us go all the way to the back aisle. With his hands on the central crystal (crystal) of the Transition Magic Formation, which was in the poking chamber, Scarlet Snow hung his feet on the stairs descending to the next floor, confirming Joey, who had registered his magic. "Then I'll be back before the boss springs up again! "Oh, be careful" Well, Scarlet Snow waves at Joey trying to turn her back quickly and run out of this scene, thinking that the Devil's Sword is now available and will be fine. "Bye! This one waved back, and Joey gently went back the way he had just come. "- Joey's getting more and more alone, too. Well, how far has this array grown? In anticipation of the evolution of the intended opponent, Scarlet Snow also went down the underground labyrinth (dungeon) in footsteps like a walk.

第三話 獅子咆哮 痛みが全身を支配していた。全身に裂傷ができて、ボロボロになった 視界の端に炎とは違う赤が見えていた。だが、それがどうした――! あの男がさっきまで自分の隣で笑っていた女の子を打ちのめして、下種な笑みを浮かべて連れて行こうとしている。 許せるわけないだろうっ!! 自分を見下した目で、ごちゃごちゃ言ってるあいつを倒してヒユキを取り戻す! それだけを考えて振り下ろした剣よりも先に、あいつの拳が目前に迫る。 周りの惨状を見るまでもない、この一撃を受けたら自分の首から上なんて だけど絶対に目は閉じない、最後の瞬間まで、たとえこの命が尽きてもあいつに一太刀浴びせてやる! だが、ジョーイの決意も虚しく、手にした緋雪の剣『 ――だめだったか。ごめんよヒユキ。 覚悟を決めながらも、決然と瞳を開くジョーイの視界の中で、刹那、あいつの体がボロキレみたいに宙を舞った。 剣を振り下ろした姿勢のまま唖然とするジョーイ。 いつの間にか自分の前に、壁のような男の背中が立っているのに気が付いた。 ......誰だ? かすむ目を必死に瞬いて、その背中の主を見る。 その男――というより老人と言うべきだろう――濃紺のローブを羽織った、身長2mを越える白髪、白髭の厳しい顔をした、獅子としか表現し得ない獣人は、剣呑な光をたたえた視線で兄丸を見据えたまま、いつの間に取り返したのか、緋雪の小さな体をそっとジョーイに渡した。 「・・・意地を通し、剣を捨て、女を取ったか少年。――男だな」 老人の厳しい顔に、初めて好意的な笑みが浮かんだ。 「誰だ、手前?! ふざけた真似してくれるじゃねえか!」 瓦礫を跳ね飛ばしながら起き上がった 再び表情を変え、冷然とその顔を見返す老人。 「――こちらは人間の屑というところか」 「・・・んだと、手前。誰に向かって言ってるのかわかってるのか?」 「知りたくもないし知る必要もないな」 その一瞬で距離をつめた老人の拳が兄丸の顔面に飛ぶ。 「はん、こんな遅い攻撃――がああああっ!?!」 余裕を持ってかわした兄丸のかわしたその位置に、まるで映画のコマ落としのように、カクンと一瞬にして移動した老人の拳が炸裂する。 顔面を捉えられ、地面にバウンドした兄丸だが、あり余る体力と耐久力にものをいわせて、その場から立ち上がり老人から距離を置いた。 ダッシュしての拳の連打『 「なに!?」 目標を見失った拳が虚しく振るわれる。その瞬間、いつの間にそこへ移動していたのか、死角になる側面に移動していた老人の足が、兄丸の軸足を払い、無防備になったそのこめかみへ渾身の肘が打ち込まれた。 轟音とともに、半ば地面にめり込む形で叩きつけられる兄丸。 「ガ・・・ハ・・・!」 なんとか立ち上がったが、脳震盪で足がぐらつく。 「馬鹿な、俺の方が数値的にも圧倒的な筈・・・それが、こんなジジイに」 追い討ちをかけることなく、老人は淡々と言葉を繋いだ。 「フム...先ほどの戦いも見ていたが、お主、力は強いが、強さには程遠いな」 「なんだと......!?」 「お主の戦い方は圧倒的な力で相手を押し潰すやり方だ。いままでそれが通用してきたのは、恐らく自分に都合の良い状況で戦ってきたか、常に弱者をいたぶってきたかのどちらかだろう。より強い相手と命がけで戦った経験がないため、自分より強者と対峙した時にどう戦えばいいのかわからず、ゆえに戦い方に創意工夫がない。違うか?」 磁力すら感じるその視線に、わずかに気圧されるものを感じながら、兄丸は口の中に溜まった血と唾を地面に吐いた。 「――手前がその強者だって言うのか? 何者だ?」 「さて、名は捨てた。ただ人は儂を『獣王』と呼ぶな」 その名乗りに、緋雪を抱えたまま状況を見ていたジョーイの喉が、ヒッと軽く鳴った。 ――獣王って、世界に5人しかいないSSランクの?! 兄丸の眉がぴんと跳ねた。 「ああン?! 獣王だぁ? そりゃ俺のこったぜ!」 「違うな、貴様如きチンピラが王を僭称するなど片腹痛いわ」 ようやく体調が戻ってきたらしい、兄丸が改めて構えをとった。 「だったら手前をぶち殺して、どっちが本物か教えてやるぜ!」 首都アーラ近郊の大草原を、猛烈な勢いで土煙をあげながら疾走する一団があった。 「どういうことだ?! 姫と連絡がつかぬとは!?」 邪魔するものは人間だろうと魔物だろうと神だろうと蹂躙する勢いで、先頭を走る龍人形態となった 「不明です。周囲を固めていた見張りの者どもが、ほぼ無抵抗で倒されております」 「無抵抗だと?! 馬鹿な、今回送り込んだのは確かに戦闘よりも諜報に優れた者ばかりだが、彼らも我が国の精鋭、この国の人間如きに無抵抗で倒されるなど......」 唸るような天涯の言葉に、斑鳩はしばし考え込み、自身でも半信半疑という口調で言い添えた。 「確かにこの国の人間には不可能でしょう。――ですが 超越者 とは言え可能性として決してゼロではない。それどころか、以前に遺失硬貨と喪失世紀について緋雪と話し合った際に、そんなことも話題に出したはずだ。 ――もっと本腰を上げて調べておけば。いや、姫の反対を押し切ってでも私も現場にいれば! なぜと後悔しても始まらないが、奥歯を噛み締め思わずにはいられなかった。 そもそもこんなまだるっこしく地を駆けるより、さっさと飛んで行きたいところだが、アミティアとの協定の中で事前連絡なしに、飛行して主要な街の近辺に降りることが制限されている以上、無理を通せば姫の顔に泥を塗ることになる。 じりじりと焼けるような憔悴を押し殺して、天涯は駆ける足に力を込めた。 どちらにせよこのペースなら、1分もしないでアーラに到着するだろう、その後は―― 「急げ、諸君! 姫の身の安全を確認、確保するのだ! 邪魔する者は容赦するな! 邪魔になるものは破壊しろ! たとえアーラ全てを破壊し、皆殺しにしても構わん!!」 100%本気の鼓舞に、一団が怒涛の雄叫びをあげる。 なぜかその姿に懐かしいものを覚えながらも、 「邪魔だ! どけぃ!!」 天涯が咆哮を放つが、男はピクリともその場から動かなかった。 「どけ――っ!!」 「がはあ――?!」 辛うじて息はしているが、このまま放置すれば確実に死亡する。 マンティコアはかなりの上級モンスターで、なおかつ今回同行した個体は3回の転生経験がある、いわば七禍星獣にも準ずる強さをもった者であったはず。 それをこうまで容易く倒すとは・・・! 思わず立ち止まった一同の間に戦慄が走る。 「ほう。たいしたもんだ、あの攻撃で即死しないとは」 その顔を見て、殺気立っていた一団に冷や水が浴びせかけられた。 と言っても顔色が変わったのは、インペリアル・クリムゾンのある程度の上位階級の者ばかりだったが。 その男をもっともよく知る天涯が、大きく目を見開いて確認した。 「......ラポック様」 金髪の20台半ばと思えるその青年は、軽く鼻を鳴らしてそれに応えた。 「そういうこった。どうやら自己進化したらしいが、味方識別コードはまだ生きてるみたいだな」 「なあ、あいつ誰なんだ?」 のソフィアが、天涯同様に息を呑んで青年を凝視している斑鳩の袖を引っ張った。 それでいくらか我に返ったのだろう、斑鳩は困惑もあらわな顔で口を開いた。 「あの方は姫様同様に天上人であらせられる 「? よくわからんけど、邪魔するみたいなので倒していかないのか?」 「それはできん!」断固とした口調で首を振る斑鳩。「あの方は姫様の副官、我がインペリアル・クリムゾンの全国民にとって姫に次ぐお立場の方、刃を向けるなどできようはずがない」 その声が耳に届いていたのだろう、らぽっくが肩をすくめて頷いた。 「ラポック様。現在、姫の身にただならぬ事態が迫っている可能性がございます。そこをどいていただけませんでしょうか?」 「悪いな、俺も緋雪さんには世話になったし、できれば味方したいんだけどな。お前たちを足止めしろって命令なんだ」 「――命令とは? あなた様は姫の副官、しかし姫は一度たりとあなた様に命令はしたことはなかったはず。誰の命令なのですか?」 どこか自嘲する口調でそう答えるらぽっく。 一方、本国の連中が手出しできないなら自分たちが・・・と身構えたソフィア以下の面々だが、それに気付いた斑鳩が素早く制止した。 「よせ、無駄に死ぬだけだ」 「相手は一人だ。やってみなきゃわかんねぇじゃないか?」 その言葉に唖然とする一同。 斑鳩の真の姿と力は前回の戦争で全員が目の当たりにしている。あれを一人で倒すだと!? 「――そいつはちょっと楽しめそうだ」 その時、一人の男がふらりと一団から抜け出て、らぽっくに歩み寄って行った。 「・・・誰だ?」 怪訝そうに眉をひそめるらぽっくに向かい、その男―― 「ふん、眷属か。緋雪さんの廉価版ごときが、緋雪さんより強い俺に勝てるつもりか?」 言いつつ腰の剣を抜くらぽっく。 「まあやってみないとなぁ」 「稀人――」 止めようとするつもりかと、稀人は天涯にちらりと視線を投げかけた。 「ラポック様の剣は姫の『 らぽっくの命に逆らうわけにはいかないが、緋雪の安否を確認しに行かないわけにはいかない。 それゆえ、現状、出来うる限りギリギリの決断だったのだろう。 苦悩の色がありありと覗える天涯に向け、にやりと笑った稀人は親指を立てた。

41 Episode Three: The Lion Roars Pain dominated the whole body. You have lacerations all over your body and a wet feeling spreads under worn light leather armor (light leather armor). At the edge of my vision I could see a different red than a flame. But what happened to it -! I'm trying to beat the girl that that guy was laughing next to me until just now and take her with a inferior grin. You can't forgive me. Ugh!! With my eyes looking down at myself, I'm gonna take down that guy who's saying the mess and get Hiyuki back! His fist approaches the present before the sword waved down thinking about it alone. I don't even have to see the misery around me, if I take this blow, I can play it like a pomegranate (pomegranate) from my neck. But I'll never close my eyes, until the last moment, even if this life runs out, I'll let him have a machete! But Joey's determination was also vain, and the scarlet snow sword in his hand, The Sin of the Rose (Man Jill de Leye), cut the sky. - Was it no good? I'm sorry, Hiyuki. While I was ready, in Joey's sight, which opens his eyes resolutely, for a moment, his body danced through the universe like a bolt. Joey flashes as he waves his sword down. Soon before myself, I noticed a man's back standing like a wall. ... who? I blink desperately at the blurred eye and see the Lord on his back. The man - rather than an old man - weaved a dark blue robe, with gray hair over 2 m tall, a grim face with a white beard, the beast man, who could only be described as a lion, gave Joey the little body of scarlet snow softly, looking at his brother round with a swordswallowed light gaze, when he took it back. "... through the will, abandoned the sword, took the woman, boy. - You're a man." For the first time, a favorable grin appeared on the old man's harsh face. "Who, in front of you?! You're kidding me. You're imitating me! A brother circle (too much) rose as he jumped the rubble, stripping his fangs out in angry, burning phases. An old man who changes his expression again and looks back at his face in cold blood. "- Is this a human scrap?" "... and in front. You know who you're talking to? "I don't want to know, I don't need to know." An old man's fist, distanced in that moment, flies to the face of his brother's circle. "Ha, such a slow attack - ahhh!?! An old man's fist bursts instantly moving with Kakun, as if it were a comma drop in the movie, in that position of his brother Maru, who frightened at his leisure. He was caught in the face, his brother round bouncing on the ground, but with extra strength and endurance, he rose from the spot and distanced himself from the old man. A series of fist fights "Banishing" with a dash wields all over the old man's body, but the old man's figure, which should have been delivered to his sight, disappears all the time. "What!? A fist that has lost sight of its goal is waved vainly. At that moment, when was he moving there, the old man's foot, which was moving to the side that would be the blind spot, paid off the axial foot of his brother's circle, and his elbow pounded into his temple, which had become defenseless. Along with the roar, Brother Maru is beaten in a way that plunges him halfway into the ground. "Ga... ha...!" I managed to get up, but the concussion made my legs feel rough. "Stupid, I'm more numerically overwhelming... that's what makes me so jizzy" Without chasing him, the old man connected his words pale. "Hum... I watched the battle earlier, Lord, but you are far from strong" "What the...!?" "The way the Lord fights is the way he crushes his opponents with overwhelming force. What has worked so far has probably been either fighting in circumstances that are convenient to me or always hitting on the weak. I don't know how to fight a stronger opponent when confronted with someone stronger than me because I don't have the experience to fight for my life, and therefore I have no creativity in how to fight. Didn't I?" Feeling something slightly barometric in its gaze that even felt magnetic force, Brother Maru threw up the blood and spit accumulated in his mouth on the ground. "- You're telling me you're the strong guy in front of you? Who is it?" "Well, I threw away my name. Just don't call Noon the Beast King." To the name, Joey's throat, watching the situation while holding scarlet snow, hissed lightly. - Beast King is SS ranked with only 5 people in the world?! Brother Maru's eyebrows jumped perfectly. "Oh n?! The Beast King, huh? Oh, my God! "No, it hurts one stomach when your dick calls you the king." He's finally back in shape, my brother Maru took the stand again. "Then I'll smash you in the front and tell you which one's real! There was a group of people walking through the prairie near the capital, Ara, with a fierce impetus to soil and smoke. "What do you mean?! I didn't know you couldn't get in touch with the princess!? With the impetus to ravage whether human or demonic or divine, Tenni (Tenni), who became the leading dragon man form, asked the young man with white hair, Spotted Dove (but not exactly the body of it (Yog-Sotose)), who also accompanied him in an obvious manner. "Unknown. Those on the lookout who were solidifying their surroundings have been defeated almost irresistibly." "You say it's irresistible?! Stupid, this time I sent in all those who are certainly better at intelligence than combat, but they are also defeated irresistibly by the elite of our country, like humans in this country, etc..." To roaring heavenly words, the speckled dove often contemplated and accompanied himself in the tone of half-heartedness. "Certainly would be impossible for humans in this country. - But if it's a transcendental move, or" "Transcendental (player)?! That's what..." That said, it is never zero as a possibility. On the contrary, I should have put that up for discussion with Scarlet Snow before about the lost coins and the lost centuries. - If you raise your back more and find out. No, push off the princess's opposition. But if I'm in the field, too! No matter why I regretted it, it wouldn't start, but I couldn't help but bite my back teeth off. I'd rather just fly away than run this still sneaky ground in the first place, but without prior contact within the agreement with Amitia, if I can't get through it, I'll be putting mud on the princess's face than being restricted from flying down to the vicinity of major cities. Pushing and killing the stirring and burning, Heavenly Lifetime put his strength into his running feet. Either way, at this pace, you'll arrive in Ara in less than a minute, and then... "Hurry, gentlemen! Make sure the princess is safe! Don't forgive those who disturb you! Destroy anything that gets in your way! I don't care if you destroy everything Ara and kill them all!! To 100% earnest inspiration, a group raises the roar of fury. While somehow remembering what I miss about that look, "Out of the way! Get out of the way!! The heavens roar, but the man did not move off the spot either with Picri. "Out of the way - whoa!!" "Ha-ha -?!" I breathe hard, but if I leave it like this, I will surely die. Manticore is quite an advanced monster, and yet the individual who accompanied him this time should have had three reincarnation experiences, so to speak, the equivalent strength of the Seven Hazards Star Beast. I didn't expect to defeat that so easily! A battle runs between us that stops by accident. "Huh. It's a big deal, I didn't know you wouldn't die instantly from that attack" When I saw that face, the chilled water was bathed by a group that was killing me. Even so, the complexion was changed only by some upper class of Imperial Crimson. Heaven, who knew the man best, opened his eyes wide and confirmed. "... Lady Rapok" The young man, who seemed to be half a dozen blondes, responded by sounding his nose gently. "That's what happened. Apparently it's self-evolved, but the alliance identification code is still alive." "Hey, who is that guy? Sophia, the Great Ghost Princess (Auga Princess), who knows nothing about the situation, pulled the sleeve of a speckled pigeon staring at the youth as breathlessly as she did in heaven. So I guess he returned some of it to me, the speckled pigeon opened his mouth with a puzzled and revealing face. "He's a transcendental (player) Rapok who can be revealed as much as a princess." "? I don't know, but you're not going to knock him out because he seems to get in the way? "I can't do that!" Spotted pigeons shaking their heads in a resolute tone. "That one can't be the Princess's deputy, the one who stands second to the Princess for all the people of my Imperial Crimson, the one who points the blade, etc." I guess the voice was in my ear, Lapoku shrugged his shoulders and nodded. "Master Rapok. Currently, it is possible that a nasty situation is imminent for the princess. Would you mind stepping aside there? "Sorry, I took care of Mr. Scarlet Snow, too, and I'd like to be on your side if I could. I'm ordering you to stop." "- What is an order? You were the princess's deputy, but the princess had never given you an order. Whose orders are they? Sounds like you would answer that in some self-derisive tone. Meanwhile, if the folks in the country can't help themselves, it's less than Sophia's, but the speckled pigeon who noticed it stopped them quickly. "Come on, we're just gonna die for nothing" "The other person is alone. Don't you have to try? Together with the words. The true appearance and power of the Spotted Dove has been witnessed by everyone in the last war. Take that one down by yourself!? - I think he's having a little fun. At that time, a man slipped out of the flock and walked over to Lapo. "... who? He turned to Lapo, who frowned suspiciously, and the man - a rare man (barely) - laid his sword. "Hmm, family? You think Scarlet Snow can beat me stronger than Scarlet Snow? Pull out your hips sword while you say it. "Well, I'll have to try." "Rare people -" I thought you were going to try to stop me, and the rare man threw a glimpse at me all the time. "Master Rapok's sword is a sword that surpasses the Princess's" Sinner of the Rose (Jill de Leye) ". Your Auga Stroke won't last long. Be careful." You can't go against Rapok's life, but you can't go check on Scarlet Snow's cheapness. Therefore, as it stands, it must have been a critical decision as far as possible. Towards a lifetime where the colour of distress was commonplace, the rare man who grinned gave his thumbs up.

自宅の玄関を開けると、いつも通り温かな明かりと空気、食欲を掻き立てる夕食の匂い、そしてなによりも光り輝くような妻の微笑が俺を出迎えてくれた。 「おかえりなさい、あなた。今日は早かったのね」 動きやすいように長い髪を後ろで縛っていたヒユキが、手馴れた仕草で俺の手荷物を受け取りながら、上機嫌にそう言う。 「ああ、西の山に黒竜が住み着いたっていうんで討伐依頼がかかったんだけど、巣穴に行く前に相手の方が山裾へ降りてきたんで、余計な手間がかからなかったよ」 あとは一発だったしな。と付け加える。 「それで予定より早かったのね。それにしても一人で黒竜を斃すなんて、さすがはアミティア一......いえ、大陸でも三本の指に入る冒険者ね。私も鼻が高いわ」 「はははっ。でも、有名になったせいであっちこちの国から依頼がくるからなあ。お前を残して留守にするのは正直嫌なんだけどな」 「仕方ないわ。そんな風に頑張っているあなたが好きで、私は一緒になったんですもの」 朗らかに微笑む 出会った頃のどこかふてぶてしくて気紛れな猫のような雰囲気がなくなり、いまではすっかりと打ち解けて穏やかで家庭的な女性となっている。 絶世の美人で家事一切が万能。そのうえ家庭的で常に夫である自分を立ててくれるまさに理想の妻だ。 そして、いまでは大陸に三人しかいないという その稼ぎで王都の一等地に一軒家も持てたし、温かな家庭を手にすることもできた。 広い庭にはペットも飼えたし――「にょわあああああッ」庭から件のペット・フンババの鳴き声が聞こえる――一生安泰な財産も手に入った。 まさに成功者。まさに薔薇色の人生である。 「~~~~~~~~っ」 俺は世界一の果報者だ。 とてつもない幸福を改めて噛み締めるそんな自分に向かって、ちょっとだけ悪戯っぽく笑ったヒユキが訊ねてきた。 「それで、ご飯にする? お風呂にする? それとも......タ・ワ・シ?」 「ん。じゃあタワシから」 幸せ一杯の頭で何も考えずに適当に答える。 「――ジョーイ。ボケにボケで返されると、対応に憂慮するんだけどねぇ」 とろとろに蕩けた表情から一転、真顔になったヒユキがヤレヤレと視線を外して、これ見よがしのため息をついた。 あれ? なんか微妙に違和感が......。 ◆◇◆◇ 最近テケテケ歩くようになった 「姫陛下、ちょっとご相談が」 「神帝様、個人的なことで恐縮ですけれど、内密のお話がございますのでぜひこちらへ」 「ヒ、ヒユキ様。ヒユキ様だけが頼りなんですぅ」 で、挨拶もそこそこに切り出されたのが――。 「は? ジョーイが変になった? ――いやそんなのいつものことじゃない?」 なにをいまさら、という視線を投げると、ガルテ副ギルド総長が渋い顔でため息をついた。 「そりゃそうなんですけどね。姫陛下が思ってらっしゃる意味とは、多分ちょっと違ってますぜ」 歯に衣着せぬ物言いは変わらないけれど、この一年で随分と白髪が増えた頭を掻くガルテ副ギルド総長。 ......なんとなくアレだね。この全身から醸し出される管理職の悲哀というか、イジメてくださいオーラは、出会った頃のコラード国王(現在一児の父親で、かなりの馬鹿親)を う~~む。やっぱり人間偉くなるとシガラミとかで心労とか増えるものなのだろう。 と憐憫の目でみたら、じろりと不機嫌な目で返された。 「なんスか、その生温かいような小馬鹿にしたような眼差しは?」 「いや、偉い人は大変なんだろうな~と思ってさ。同情するよ」 ちなみに副ギルド総長という役職は、アミティア国内の冒険者ギルドを統一して作ったもので、彼の事は本来はギルド総長に据える予定だったけれど、本人が断固として辞退したのでナンバーIIにして、ナンバーIは直属部隊長と兼任でクロエ(アミティア国王妃で、実質旦那より偉い影の国王と呼ばれている)にお願いしている。 「そう思うんでしたら、さっさとこんな面倒な役職は解任してもらいたいところなんですな。つーか、偉いとかなんとか言うんでしたら、姫陛下こそ大変な立場だと思うんですけど。大陸を統一した皇帝......いや、神帝サマでしたっけか? すべてを統括する天上人ということで、迂闊にフラフラ出歩ける立場ではないと思うのですけど、そのあたりの自覚とかおありで?」 「――うっ......!」 「ま、まあ私の事はいいんだよ。問題はジョーイだよ、ジョーイ。どこがどう変なわけ?」 慌てて話題を変えるものの、天涯もガルテ副ギルド総長もミーアさんも、もう一言二言ツッコミを入れたそうな顔でボクの顔を見返してきた。 アウェーだ。なんか完全にアウェーにいる。 世界征服してその頂点に立っている筈なのに、思いっきり世間と身内がアウェーだった! 「あ、はい。それなんですか」 ナイス、フィオレ! 「三日ほど前に師匠が依頼を受けて、一人で闇の森に出かけたのですけれど」 「――ちなみに依頼内容は『アズロの実を所定の容器一杯に採集してくる』というものです」 素早くミーアさんがフォローしてくれる。 「アズロの実?」 「最近、闇の森で発見された果物で、 あとで試食してみよう。 「食べるとなにか幸せな気分になれるとか、生のまま砕いて何種類かの香辛料と一緒に使うと、なぜか病み付きになってまた食べたくなるとか」 「それ麻薬だよッ! すぐに取り締まらないと!」 「あ、大丈夫です。その店は店主が試食のし過ぎで『俺は神だ! クァーッカッカカカカカ!』とか錯乱して騒いで潰れましたので」 いや、そもそも食べるのを禁止しようよ。 「それを採りに行った師匠が翌日になっても戻らなかったので、あたしも仲間と捜索に行こうかとしていたのですけど......」 「仲間?」 「あ、はい。二月くらい前からパーティを組む仲間がふたりできまして」 「へえ、ジョーイのお守りでは大変じゃないの? 今度挨拶したいねー」 そう言うと、なぜか半笑いを浮かべたまま硬直するフィオレ。 「えええ......と......その......」 「......勘弁してください姫陛下。 救いを求めるような視線を受けて、げんなりした顔で取り成すガルテ副ギルド総長。 そう言われちゃ引き下がるしかないけど、なんかハブられているみたいで面白くないねえ。 「えーと、それで、皆と打ち合わせしているところへ、師匠を乗せた 「けど?」 「......なんというか、もう見るからに師匠が変になってました」 頭を抱えて言葉を探すフィオレの様子を見かねて、ミーアさんが助け舟を出してきた。 「言葉で説明するよりも実際に見てもらったほうが早いと思います。ジョーイ君はギルドに併設された施療院にいますので」 この冒険者ギルド総本部はちょっとした城くらいの敷地があり、中には練習場とか厩舎とか魔術実験棟とか、犯罪者収容所など多岐に渡った施設が併設されている。 施療院もそのひとつで、基本冒険者ギルドの会員で会費を払っている者であればかなりの優遇措置がとられし、割と最前線で戦う冒険者が相手なので技術も高い。 そこに入院しているのならかなり高度な医療・治癒術が用いられたと思うんだけれど......ひょっとして洒落抜きで重篤なのかな、ジョーイ。 にわかに心配になったボクは、ミーアさんに促されるまま席を立ち、足早にその後に続いて歩き出した。

When I opened the front door of my home, the warm lights and air as usual, the smell of an appetite-stirring dinner and, above all, the glowing wife's smile greeted me. "Welcome back, you. You were early today." Hiyuki, who had long hair tied behind her for easy movement, says so in an upbeat mood as she receives my baggage with a tame trick. "Yeah, the Black Dragon settled in the western mountains, so I requested a crusade, but before I went to the nest hole, the other guy came down to the hem of the mountain, so it didn't take too long." And then there was one shot. I add. "So you were earlier than planned. And I can't believe you shot a black dragon on your own, that's Amitia One... No, you're an adventurer in three fingers even on the continent. My nose is high, too." "Ha ha. But I'm getting requests from other countries because I'm famous. I honestly don't want to leave you behind." "I have no choice. I like you when you work hard like that, and I'm with you." Hiyuki (wife) smiling loudly. Somewhere around the time we met, there was no longer a puffy, carefree cat-like atmosphere, and now she is a calm, homely woman who has completely broken it down. She's an immortal beauty, and everything about her chores is universal. And then you're the perfect wife to make yourself a family and a husband all the time. And I became a super (EX) class adventurer that there are now only three people on the continent. With that earning, I could have had one house in the first class of the Wang capital, and I could have a warm family in my hands. I could have had pets in the large garden - and I could hear Pet Humbaba squeaking from the garden - and I got a cheap fortune for life. Exactly a successful person. It is just a rosy life. "~ ~ ~ ~ ~ ~" I'm the best fruit reporter in the world. Hiyuki asked, laughing just a little pranky at herself chewing on her tremendous happiness again. "So, do you want to make dinner? Want to take a bath? Or...... ta wa si? "Mm-hmm. From Tawashi, then" Answer appropriately without thinking with a head full of happiness. "- Joey. When I get bogged down and returned to me, I'm worried about the response." Flipping from a fluttering expression by the way, Hiyuki, who turned to his true face, took off his gaze with jealousy, and sighed this sigh of sight. Is that it? Something subtly uncomfortable... * * * * I recently left the Teketeke Walking Purple Garden (Shio) in the Life Capital (Miko) and took a few Tendai (Tendai) and Seven Hazards Star Beasts, and in my spare time for inspection, I appeared in the Guild General Headquarters of the Amitian Republic, where I was suddenly waiting for Deputy Guild Director of Garte, secretary Meer, D-rank Adventurer and Wizard (Wizard) Fiore to abduct me to a separate room with or without... I was also guided. "Your Highness, I need to talk to you for a second." "God Emperor, I'm afraid it's personal, but I have a secret story to tell you, so come here." "Hi, Master Hiyuki. Master Hiyuki is the only one I can count on." So, the greeting was cut out there too -. "What? Has Joey gone weird? - No. Isn't that usual? As he threw his gaze at what, Deputy Guild General Garte sighed with a sinister face. "That's right. It's probably a little different from what Her Majesty thinks it means." Deputy Guild Director Garte scratches his head with much more gray hair this past year, although he doesn't change what he says about not wearing on his teeth. ... That's kind of an alley. The sadness of a managerial position brewing from this whole body, or jerk off. Aura is a withering condition that makes King Collard (currently the father of one child and a pretty stupid parent) a (howl) when we met. Uh-huh. I guess it's something that increases your hard work with cigarami or something when you're human great. And when I looked in the eyes of mercy, I was returned with a slightly grumpy eye. "What kind of look did you make of that raw, warm little fool? "No, a great man must be in trouble - I thought. I sympathize." Incidentally, the position of Deputy Guild Director was created by unifying the Adventurer's Guild within Amitia, and although his business was originally planned to rest with the Guild Director, he was resolutely resigned, so he made it number II, and number I asks Chloe (Queen Amitia, known as the Shadow King, who is actually better than her husband) in concurrence with the direct troop leader. "If that's what you think, you just want me to have this troublesome position dismissed. If you say anything about being great, I think Her Majesty is in a tough position. Emperor who united the continent...... no, was it god emperor sama? I don't think you're in a position to walk around in the middle of nowhere because you're a heavenly man who oversees everything, but you're aware of what's going on around you? "- Ugh...! "Well, it's fine with me. The problem is Joey, Joey. What's so weird about that? Though I rush to change the subject, both Heavenly and Deputy Guild Director Garte and Mr. Meer have looked back at me with a face that seems to have put another word or two into it. Away. Something's totally Away. You should be conquering the world and standing at its top, but the world and your body were AWAY as much as you wanted! "Ah, yes. Is that it?" Nice, Fiore! "My master asked me about three days ago to go out to the Dark Forest alone," "- By the way, the request is," I'm going to collect the azuro fruit in a prescribed container. " Mr. Meer follows me quickly. "Azlo fruit? "It is a fruit recently discovered in the Dark Forest, similar in shape and size to pineapple (pineapple), but the skin feels similar to coconut fruit. You can't eat it as it is, but when you bake it, it's hawky and delicious. Although the ratings will be split because the fragrance is a bit dull." Let's try it later. "Something makes me feel happy when I eat it, or when I crush it raw and use it with some different spices, somehow I get sick and want to eat it again" "That's drugs! We need to get it under control now! "Oh, it's okay. The store owner overdid the tasting and said, 'I'm a god! Quack, quack, quack, quack, quack, quack, quack, quack, quack, quack, quack! No, let's ban you from eating in the first place. "I went to pick that up. My master didn't come back the next day, so I was about to go search with my buddies..." "Friends?" "Ah, yes. I've had two friends partying for about two months now." "Hey, isn't it tough with Joey's amulet? I want to say hello next time." With that said, for some reason Fiore stiffens with a half laugh. "Yeah... and... the..." "... spare me, Your Highness. Even when I met the deputy guild chief, I was nervous, and one of them was in Temparis, and one of them was dead, so when I became your majesty, my heart stopped spilling." Deputy Guild General Galte takes it up with a laid back face, with a gaze that seeks salvation. If you say so, I'll just have to back off, but it doesn't seem like it's being hubbed down or funny. "Um, so now that I'm in a meeting with everyone, there's a riding bird (Emu) with his master back." "But?" "... I don't know, my master was getting weird because I'd already seen it" Seeing Fiore holding her head and looking for words, Mr. Meer came out with a help boat. "I think it's actually quicker for you to see it than to explain it in words. Joey, you're in an infirmary co-located with your guild." This Adventurer Guild headquarters has a little castle or so grounds, with a wide variety of facilities inside, including a practice area, a stables and a magic experiment building, as well as a criminal camp. The treatment center is one of them, and if you are a member of the Basic Adventurers Guild and you are paying your dues, you will be given considerable incentives, and you are highly skilled because you are the adventurer who fights for you on the front line. I think a pretty advanced medical and curative technique was used if you're in the hospital there...... I wonder if it's a little out of style and serious, Joey. Worried, I took my seat, prompted by Mr. Meer, and walked out early afterwards.

第二十一話 超越者達 やや広げた両足で床に立ち、両手を弓形にして胸を張る――いわゆる「リラックス」と呼ばれるボディビルポーズの基本的な姿勢から、 「ラットスプレッド!」 ムキムキ、ゾワゾワした筋肉っぽい塊が蠢く。 「サイドチェスト!」 「サイドトライセプス!」 姿勢はそのままに、両手を後ろ手にして、上腕三頭筋をさらに大きくさせる。 「モストマスキュラー!!」 正面を向いて、両拳を合わせてぐっと力を込め、僧帽筋やら腕やら肩やらの筋肉を強調し、力強さをアピールする。 「ダブルバイセップスっ!!」 広げた両手を頭の高さに上げ力瘤を作り、逆三角形のシルエットを強調する。全身の筋肉を見せびらかす、一番有名なポーズだ。 「美しい!! この完成された肉体美! まさに美の巨人! 緋雪ちゃんも感動のあまり声も出ないようですね!」 恍惚としたしまさんの声が、ワンワンと通路一杯に響き渡っているけど、確かに言葉にもならない。 あまりの阿呆らしさとしょうもなさに。 それは他の全員も同じだったようで、命都はこめかみの辺りを押さえて目を逸らせ、空穂は扇で口元を隠して「悪趣味じゃのぉ」と露骨に顔をしかめ、刻耀は無言のまま――なのはいつも通り、天涯は苦々しげに、『姫、御目が汚れますので、あのような汚物は直視なさらぬ方がよろしいかと』そう苦言を呈した。 実体としてこの場に立ち会っていたら、おそらく有無を言わさず「汚物は消毒だ――っ!!」とばかりブレスを吐いていたところだろう。 さらにその場で、「オリバーポーズ!」とか悦に入って取っているしまさんに、恐る恐る尋ねた。 「あの、しまさんってそーいう趣味なの......?」 ......というか、中の人のしまさんが首だけぐるりと半回転して、こっちを向いた。キモっ! 「そーいうとは、どーいう趣味ですか?」 「......だから、筋肉もりも「そのとーり!!」」 力一杯肯定された。 「可愛いは正義! だが、筋肉はジャスティス!!」 同じだ同じ。 「可愛くて筋肉満載はまさに桃源郷! マッチョ×マッチョ=アーッ! これぞ乙女のロマンどす!」 ......腐ってやがる。イロイロな意味で。 「と言うことで、この姿になった私は無敵・最強! 覚悟はいいですか、緋雪ちゃん?」 いや確かにボディは無敵とかかも知れないけどさ、剥き出しの頭を狙ったら一発なんじゃないの? 従魔合身解いたわけだし。HPは素の状態に戻ってるってことだよねぇ......しまさん阿呆じゃないかと思ってたけど、具体的に阿呆だったとは思わなかったわ。 「――じゃあこっちも行くよ。皆狙いはわかってるね?」 「勿論でございます姫様」 「まあ、外しようはないところですの」 全員の視線が、胴体の上のしまさんの首に集まる。 さすがにここで急所を見失う馬鹿はいないわな。......普通いないよねぇ。 「GO――!!」 別に示し合わせていたわけじゃないけど、ボクの合図を受けて、全員が弾かれたように四方へと散る。 「はああああっ!!」 まず露払いを買って出たのは空穂だった。 大きく跳躍した彼女目掛けて 「陰陽八葉大極波」 空穂の九本の尻尾から、地・水・火・風・雷・木・震・影・無の全力攻撃が、 ガガガガガガガガガガ――――ン!!! 斥力・絶対零度・超高熱・風撃・雷撃・腐食毒・衝撃波・次元刃・物理攻撃――これでもか、という具合に必殺技を使いまくる。 おそらく100レベルのダンジョンボスクラスなら、どれか一撃でもHPの半分は削り取るだろう。そんな攻撃が連続して9連撃。 『内部に逃げ込みましたな』 ボク同様、インパクトの瞬間に、一瞬早く かなりのダメージを与えたかに見えたけれど、ぐっと全身に力を込めるポーズをとると、欠けていた肉体がたちまち修復され、元通り......というか首から上は、ふざけた絵文字みたいな顔が、しまさんに替わって生えていた。 「ふむ。命をカードに込めて、身体のどこかに隠している魔女のように、どこかにいる本体を斃さないと無駄のようですの」 自分の攻撃の結果を見て、眉をしかめる空穂。 「つまりバラバラに分解してもぐら叩きをするか、一気に全部消滅させないと無理ってことだね」 と同じだけど、あれよりも遥かにHPが高いこいつを一撃で仕留めるのは、まず無理だろう。だいたいアレに比べて的が小さいだけに、焦点を当てて広範囲魔法とか撃ち込んでも、楽々と逃げられるのがオチ。ならば、現状のままチマチマHPを削るしかないんだけど......。 「ならば――っ!」 空中に舞い上がった命都の六翼が光り輝いた。 「ホーリー・フェザー・シャワー」 羽根のようなエフェクトとともに、文字通り光撃の矢が、雨あられと HPを削るよりもどこかに潜んでいる、しまさんの本体を燻り出すか、運が良ければマグレ当たりを期待したんだろうけれど、両腕を全面に立てて防御体勢を取った、相手の表面を僅かに削り取る結果にしかならなかった。 『あの姿勢を取るということは、心臓部か背面に本体が潜んでいるのか?』 その天涯の分析が聞こえたわけでもないだろうけど、ほとんど同時に影移動で敵の背後に回った刻耀が、 ――やったか?! と、期待したのとは裏腹に、関節を無視した――ま、元々骨なんてないんだろうけど――動きで、 「さすがはしまさん。そんなわかりやすいところに弱点を置いておくわけないか......」 これは本気で時間が掛かるかも知れないな。 そう懸念したところで、いままで、どちらかといえば防御に専念していた、しまさんが操るところの 「どういうことだ? いまさら何を考えている?」 順調に相手の の表面に命中すると、濛々たる煙幕を噴出し、その視線を遮った。 続けざまに煙幕弾を連射し、その視線をすっぽり隠して、魔眼の効果を遮断する。 「ま。多少こちらの視界も不良になるが、この程度誤差の範囲内だろう」 「ぐおおおっ?!」 あらゆる光術を無効にする森螺もこれには堪らず、不定形をした真珠を全身に纏いつかせた形で、揃って数百メートルも弾き飛ばされた。 とは言えお互いに深刻なダメージというわけでもない。 「......重いぞ、真珠! どれだけ喰った?!」 「レディに失礼ねぇ!」 どこから声を出しているのかは不明だが、そこからずるりと身を離す真珠。 と、邪魔者を分離させることに成功した しまさんの台詞にとてつもなく嫌な予感を覚えたボクだったけど、さりとて具体的にどうするという妙案もなく、再度命都たちに命じて攻撃態勢を取らせようとしたところで、 が右手を前方に向けて垂直に立てた。 マズイ、根本的に『光』系統の属性魔術に不利なのは吸血姫のボクも同じこと。また、通常なら盾役になる刻耀も同じ『闇』系統で苦手にしている。 どれほど威力の攻撃なのかは不明だけど、直撃を受けたらボクはもとより、四凶天王クラスでも危ないかも知れない。 「全員、射線上から逃げて!」 慌てて散開するボクら。 幸い超々々弩級 ――おかしい。なんでこっちを狙わないの?! なぜか表情が変わらないはずの が狙う先、そこにあるのは玉座の間。 もしかして、最初からこれを破壊するのが目的じゃ?! 気が付いた時にはすでに遅く、 誰にも止められない威力・タイミングで放たれた攻撃魔法が、玉座の間を直撃する――寸前、膨大な光術に匹敵する巨大な炎の渦巻がこれを迎え撃った。 「ファイアー・ブレイク・インパクト!!」 その場にいた全員の驚愕の声が重なった。 なすすべなく玉座の間を粉砕するかに見えた超々々弩級 「こんちゃ、緋雪さん久しぶり~!」 年齢は15~16歳くらいだろう。身長155センチ、菫色のショートカットの髪をした女の子が、気楽な口調で挨拶してくる。 その隣には、銀色の鎧に裏地が赤い白マントを下げた、金髪の20歳半ばと思われる剣士がつきしたがっている。 この場にいる誰もがよく知っている。本来ならばこの場にいておかしくない。だけど、居る筈のない二人だった。 「ラポック様......」 「......タメゴロー様」 空穂が唸るように後に続く。 らぽっくさん、タメゴローさん。どちらもギルドメンバーであり、さらにサブマスターとして、ほとんど毎日顔を合わせていた気心の知れた仲間であり、そしてボク同様、運営から贈られた二つ名を持つ『爵位保持者』である(ちなみに、らぽっくさんが【

111 Lesson 21: The Transcendents Standing on the floor with his slightly widened legs, his hands arched and his chest stretched - from the basic posture of a bodybuilding pose known as "relaxation," the Abandoned Giant (Yotun) turned his fists into a pose that hit him on the flank. "Rat spread!" Mucky, soggy, muscle-like lumps. "Side chest!" "Side Triceps!" Keep your posture, hands behind your back, and make your triceps even bigger. "Mostmascular!!" Face the front, with both fists together and much more strength, the monk hat muscle does the arm does the shoulder does the muscles, appealing to the strength. "Double Biceps!!" Raise the spread hands to the height of your head to create a force tumor, highlighting the reverse triangular silhouette. It's the most famous pose, showing off all the muscles in your body. "Beautiful!! This finished physical beauty! Exactly a giant of beauty! Scarlet Snow doesn't seem to have much of an inspiring voice either! The trance Shima's voice echoes all over the aisle with One One One, but it's certainly speechless. For so much awkwardness and sogginess. That seemed to be the same for everyone else, and the Life Capital held the periphery of the temple and turned away, and Akaho blatantly looked at him with a fan to hide his mouth and say, "That's a bad hobby," and Engraved Yao remained silent - as usual, Tianli bitterly complained, "Princess, your eyes will be dirty, so it's better not to look at such filth directly". If you were present on this occasion as an entity, you would probably not say whether or not "The filth is disinfectant - Eh!!" I would have just thrown up my braces. More on the spot, "Oliver Pose!" Or so I asked Shima, who was taking it with joy, terrified. "Um, is Shima such a hobby...? Now he's backwards and he's posing as an abandoned giant (Yotun)... or Shima, the person inside, turned half a spin around his neck and turned this way. Creepy! "What kind of hobby is that? "...... so is the muscle thigh." THAT TORRI!! Full force was affirmed. "Cute is justice! But the muscles are Justine!! Same. Same. "Pretty and muscle-laden is just Peach Origin! Macho x Macho = aah! This is my maiden's romance! ... rotten. in an ironic sense. "So that makes me invincible and powerful when I look like this! Are you ready, Scarlet Snow? No, sure, Bodie might be invincible or something, but if you're after the stripping head, isn't that one shot? I solved the exorcism. I mean HP is back in vegan condition hey... I thought Shima-san might be an idiot, but I didn't think he was specifically an idiot. "- Then I'll go this way, too. We all know what we're after, don't we? "Of course, Princess." "Well, I can't take it off." Everyone's gaze gathers around Shima's neck on the torso. Exactly. There's no fool here to lose sight of the steeple.... It's not normal. "GO -!!" I wasn't suggesting otherwise, but I took my cue and scattered them all in all directions like they were bounced. "Ahhhh!!" The first person who bought the exposure and left was Akaho. She made a big jump and the abandoned giant (Yotun) unleashed a left and right punch, but she couldn't catch a flickering empty hoe like a falling leaf in the wind, and easily dived into her inner nostalgia. "Yin Yang Yao Ya Ya Da Polar Wave" From the nine tails of the Horn, an all-powerful attack of earth, water, fire, wind, thunder, tree, earthquake, shadow, and nowhere was unleashed on the chest of the Abandoned Titan (Yotun), on the neck of Shima, his drawn face. Gaggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggggg!!!! I use special attacks all the time for repellence, absolute zero degrees, ultra-high heat, wind shock, thunderbolt, corrosion poison, shockwave, dimensional blade, physical attack - even this. Probably a 100-level dungeon boss class would shred half of HP with any one blow. Nine such attacks in a row. "You escaped inside." Like me, in the moment of impact, I must have seen Shima-san's body sink into the body of an abandoned giant (Yotun) a moment earlier. Heavenly groaned like it didn't even seem funny. It looked like it did a lot of damage, but when I posed to put a lot of effort into my whole body, the missing flesh was instantly repaired, and from the neck to the top, a face like a joke emoticon was growing in place of Shima. "Hmm. It seems useless to put your life on a card and shoot the body somewhere, like a witch hiding it somewhere in her body." Look at the outcome of your attack, Akuho frowning. "Which means you can't do it without breaking it down into pieces and beating it all out at once." Basically, it's the same as the abandoned dragon Nidheck, but it wouldn't be possible to tailor this guy with far higher HP in one blow than that one. Even if you focus and shoot in extensive magic or something, which is generally just less targeted than the array, it's the och you can easily get away with. Then I'll just have to scrape my Chimatima HP as it stands...... "If so -! Six wings of the Life Capital rose in the air glowed. "Holly Feather Shower" Along with wing-like effects, literally light shooting arrows are poured all over the body of the Rain and Abandoned Giant (Yotun). Lurking somewhere more than shredding HP, smoking out Shima's body, or if she was lucky, I would have expected to hit the Maghre, but it only resulted in a slight shredding of the opponent's surface, with both arms fully up and in a defensive posture. 'Does taking that posture mean that the body is lurking in the heart or back? I know you didn't even hear that lifelong analysis, but almost simultaneously, the engraving glow that turned behind the enemy on shadow travel broke through its heart part all at once from behind the abandoned giant (Yotun). - Did you do it?! And, backwards of what I expected, I ignored the joints - I guess there was no bone in them originally - and in the motion, the abandoned giant (Yotun) punched the engraving flare in the back, as if to shake it off even with a noisy one. "That's Shima. Why don't you leave your weaknesses in such a plain place..." This could take some serious time. So concerned, the atmosphere of the abandoned giant (Yotun) where Shima-san manipulated, who had so far been more or less devoted to defense, changed unexpectedly. "What do you mean? What the hell are you thinking? I feel a good response that has sharpened my opponent's vitality (HP) and inflicted quite a bit of pain. When it hit the surface of the Abandoned Dragon (Nidheck), it erupted a scattered smokescreen, blocking its gaze. Continue firing smokescreen bullets, completely hiding their gaze and blocking the effects of the demonic eye. "This vision will be somewhat poor, but it will be within this margin of error." "Guuuuuuu?! Neither did Mori Spiral, which nullifies all optical techniques, in the form of an indeterminate pearl wrapped around his whole body, were all bounced off for hundreds of meters. That doesn't mean there's serious damage to each other. "... it's heavy, pearl! How much did you eat?!" "You're rude to the lady! It's unclear where he's speaking from, but the pearl who lets himself loose from it. And the Abandoned Dragon (Nidheck), which succeeded in separating the disturbers, began to roll around on the spot. I had a very bad feeling about Shima-san's dialogue, but I didn't really have a specific idea what to do, so I ordered the Life Capitals to take an offensive stance again, and the Abandoned Titan (Yotun) set his right hand vertically forward. Its right hand began to glow from the shoulder. Mazui, fundamentally it is the same thing with me, the bloodsucking princess, who is unfavourable to the attribute magic of the 'light' system. Also, I don't like Mo Yao, who would normally be a shield player, in the same 'dark' system. It's unclear how powerful the attack is, but if I get a direct hit, I might be more dangerous in the Four Fist Kings class. "Everybody, run off the ray! We scatter in a hurry. Fortunately, the super crossbow-class Holy Light bullet (Holly Wright) and apparently took a long time to charge, while keeping a good distance - but the Abandoned Giant (Yotun) kept that posture, and didn't even try to look at me who escaped, giving him his right hand up front. - That's weird. Why aren't you after us?! For some reason, the face of the abandoned giant (Yotun), whose expression should not have changed, made me laugh, and I looked back reflexively. The Abandoned Giant (Yotun) is after him, and there it is in the Throne Room. Could this be the purpose of destroying it from the start?! By the time I realized it was already late, and at the same time that the right hand of the abandoned giant (Yotun) evaporated, the polar holy light bullet (Holly Wright), which even felt pressure, went straight between the thrones as it smashed through the hallway window. Attack magic unleashed at a power and timing no one can stop strikes directly between the thrones - on the brink, a giant whirlpool of flames comparable to the immense art of light intercepted this. "Fire Break Impact!! The staggering voices of everyone who was there overlapped. Although it was a super crossbow-class holy light bullet (Holly Wright) that seemed to crush the throne room without a trace, the optics themselves are close to weakest as a phylogeny. Perhaps the amount of energy overwhelmed the fiery whirlpool Fire Break Impact. But according to the clear rule of "fire > light" as an attribute, as a result of the clash of two massive sorceries, both sorceries disappeared on the spot against extinction. "Koncha, Mr. Scarlet Snow, long time no see!" I would be about 15-16 years old. A girl, 155 cm tall and with short cut hair in colour, greets her in an easygoing tone. Next to it, there is a swordsman, supposedly mid 20-year-old with blonde hair, whose lining lowers the red white cape on silver armor. Everyone in this room knows very well. It's not strange to be here. But they couldn't have been there. "Dear Rapok..." "... Dear Tamegoro" It follows like an empty ho roars. Rapunzel, Mr. Tamegoro. Both are guild members, plus as sub-masters, minded companions who were face-to-face almost every day, and, like me, 'title holders' with two names given by the operation (by the way, Lapokusan is [single-altar kung fu] and Tamegoro is [fire-fighting (because of you)]).

キャラクター紹介 【 単純なHP/MPではさほど強力ではないが、1VS1ならかなり上位のモンスターとも対等に戦える。 スピードとコントロール重視の非力・紙装甲剣士(剣聖)及び蘇生可能スキルを持つこの世界唯一の聖女でもある。 では回復職がかなり不遇なマゾ職であり、聖職者はVIT(生命力)がガックリ下がるうえ、治癒の実績による経験値でしかスキルレベル上がらず、回復はともかく蘇生を行えるにはその上で『聖者・聖女』までスキルカンストしないと不可能なため途中で挫折するのが普通。そもそも蘇生は街の聖堂へ行って一定の寄進(中級者なら余裕の金額)をすればデスペナルティなしで可能で、5%のデスペナルティを覚悟すればセーブポイントでの復活も可能(Lv20以下はデスペナなし)。また、どうしても切羽詰った時は課金アイテムの蘇生薬(1個500円)を購入できたのでさほど需要がなかった。 性格は『自分のものを奪う』相手には容赦しないが、『家族』と認めた相手にはけっこう手放しの庇護を与える。このあたりは生前の生い立ちから来る周囲が敵ばかり家族に飢えていたアンバランスさによるものと思われる。口が悪くて毒舌家だが、そこらへんも理論武装して身を守る棘のようなもの。本来はかなり甘くて弱い性格である。 外見は黒髪、緋瞳、白い肌の10代前半の美少女。ちなみに設定年齢は13歳で、143cm、34kg、BWH=74・50・76だったが、最近なぜか微妙に成長している。精神的な部分が関与していると思われるが不明。 なお、プレーヤーとその他の従魔の違いは、戦闘能力の切り替えが可能か否かによる。従魔が常に全開フリーザ状態なのに比べ、プレーヤーは日常生活を送る上では見た目どおりの腕力しかだせないが(なので緋雪も普通はフィオレと腕相撲してどっこいくらい)、任意に切り替えが可能でありその際には通常の肉体がそのまま強化された形になる。だいたい平均して腕力で15~16倍、平均速度は時速200km程度。 緋雪は腕力は平均以下だが、脚力が飛び抜けて高く瞬間的には音速を超える。 HPは文字通り生命力だが「どれだけ死ににくいか」であり、肉体強度とは関係がないので痛みはそのままダイレクトに感じる。そのため、どれだけ痛みに耐えられるかの最後は根性勝負になる。心が折れると肉体強度も急速に落ちる。 余談だが従魔との合身時には当初、緋雪が予想していた全能力のブーストはなく、基本能力や肉体強度は変わらず、HPとMP、それに従魔の持つ属性耐性だけ上乗せされる結果であった。このためプレーヤーにとってはお得だが、従魔にとってはデメリット(憑依主が死ぬと従魔も死ぬ)ばかりの従魔合身だが、当然、 黄金龍 四凶天王の筆頭で実質的に また実力でも全従魔中最強である。 本体は全長220メートルのドラゴンだが、通常はタキシード姿の美青年(外見20歳ほど)として緋雪の傍にいる。人間形態→龍人形態→龍形態と変身することで、戦闘力も各段に向上する。 得意技は全身から降り注がせる雷撃であり、かつてはプレーヤー数百人を屠った実績がある。 必殺技は三千兆 四凶天王のNo2で、3対6翼の羽を持つ唯一の天使で、通常はメイド服を着て緋雪の傍らに侍る銀髪の美少女(外見17~18歳)。 天涯が不在な際には代わりに取り仕切る。また緋雪の近衛ともいうべき親衛隊の総隊長でもある。 治癒能力に関しては死者の蘇生ができないことを除けば、聖女である緋雪と同程度の能力を持っている(MPの高さから言えば遥かに上)。 従魔としてはほとんど最初期から緋雪の傍にいるため、人望としては天涯よりも上であり、天涯が同僚で唯一頭が上がらない人物でもある。 基本は武闘派ばかりの 四凶天王の一人で女性。本体は(尻尾は別にして)全長50メートルを越える九尾の狐であるが、通常は金髪で巫女服を着た婀娜な美女(外見23~24歳)。 神獣であり、他の魔獣や聖獣、霊獣などの頭領でもある。 武器を兼用している鉄扇で口元を隠すのを癖としている。 闇以外の全属性攻撃と耐性を持っているため、闇属性以外のすべての敵に対して優位に立つことができるオールラウンダー。 9本の尻尾はそれぞれ「光」「地」「雷」「風」「水」「火」「木」「月」「幻」の力を持っている。ある意味らぽっくの天敵。 性格は享楽的かつ攻撃的で、緋雪はけっこう苦手。 四凶天王の一人で男性。常に全身鎧の漆黒の鎧冑と長槍、戦闘時には大盾を装備する。 城内にいる死霊騎士や首なし騎士など不死族で作る騎士団の団長でもある。 闇属性の騎士でありそのため光以外の全属性に対して優位に立つ。このため肉弾正面戦闘では四凶天王最強でもある。 特に防御能力は天下一品であり、ゲーム時代は主に緋雪の盾役として活躍した。 特殊能力として影移動があり、影があるところであれば一瞬で移動できる。 性格は寡黙であり(喋れないわけではない)、常に緋雪の剣であることを心がけている。 ちなみに四凶天王は緋雪がゲーム時代にもっとも多く信頼して使った従魔なため、その後も国内において重臣という立場になった。 十三魔将軍の筆頭。実力的には天涯に次ぐNo2。 中心部に巨大な単眼を持ち、身体の各所から触手を生やした全長70mを越える光り輝く多面結晶体。通常は位相空間にいて分身のウムル・アト=タウィル(ベールを被った白髪黒人の美青年)を使って会話などを行う。 十三魔将軍は各々がLv110以上で、限界値がLv99であるプレーヤーよりも上のものばかりで構成されている。ちなみに斑鳩はLv150。 十三魔将軍は各々が第一軍から第十二軍までの文字通り将軍であり、これらは空中庭園を時計のように12分割した防衛空域を受け持ち配備されている。斑鳩は全軍指令であり直営の部下は各軍に均等に割り振られている。 得意技は各種ビーム攻撃。必殺技は敵を空間ごと破壊する 天涯を密かにライバル視しているが、普段は紳士的に接している。 かつてらぽっくに単体で敗れたが、それ以前に100回近く彼を倒しているので、勝率1%のマグレ負けに等しい。 :アザゼル 十三魔将軍のNo2で実力的にも斑鳩に匹敵するLv145。 外見は漆黒の七首の蛇とも見える巨大な暗黒銀河のような回転する闇で、諜報部隊の隊長でもある。 攻撃方法は重力破砕波やダーク・マターを吐き出す暗黒ブレス。 名前だけでまだ未登場。 十三魔将軍の一人で、頭に宝冠を被った巨大な三面六臂の白猿(大きさは伸縮自在)。 3つの顔はそれぞれ時間加速・時間停止・時間後退(ほんの数秒だが)の能力を持つ。風属性で速度と風術は天下一品。また再生能力も高く、頭を砕かれようが半身を吹っ飛ばされようがHPがある限り即座に再生し、またHPの自動回復スキルも持っている。 触手と翼を持った単眼の怪物『見つめる者』『観察者』の異名を持つ。 一般的な魔法の他、邪眼を用い、石化や睡眠、精神支配などを行う。 また『分身体』を作り多方面の情報を収集する他、『分身体』自身を爆弾として使う。 なお七禍星獣は一般MOBの中にランダムで存在する 能力的にはフィールドボスをも凌ぐ面があるが、基礎能力の面で十三魔将軍にはやはり及ばない。 別名ナンバーズとも呼ばれ、本来はNo1~No9まで名前に数字が振られていたが、No1とNo2は七禍星獣への入団を拒んだため、No3の周参から始まる。 七禍星獣の担当区域は空中庭園外縁部から先になるため、事実上の国境警備隊であり、最前線の実行部隊となる。 全長(尻尾を含めない)13mの巨大な虎(ちなみに虎が翼を持つというのは、「鬼に金棒」と同じ意味)。風術を得意として、空気を足場にアクロバッティブな動きを行う。 得意技は、手足の爪にまとい付かせた No9。 見た目は3眼の僧侶。戦闘能力では七禍星獣の中でもかなり低いが、本来は支援要員である。 髑髏と背骨でできたような杖(飢魂杖)を持ち、アンデッドをその場で無限召喚できる。 No1となる予定だったが、辞退したため現在は一兵卒である。 外見は2.5mの直立した黒犬で、全身から1mを越える湾曲した剣が生えている(戦闘時は最大4mまで伸ばすことが可能)。 戦闘方法は、四足で高速で移動して全身の剣で敵を切り刻む。 緋雪がゲーム時に最初に従魔にし名前をつけた(名称変更はゲーム内でネーム首輪を購入しないと不可能)通常のMob。初心者用のペット進化薬で2段階目までは進化成功したが、3段階目で2連続失敗した。 本人はそのことを恥じているが、もっとも古参で初心者だった緋雪を守っていたことが誇りでもある。 No2となる予定だったが、辞退したため現在は一兵卒である。 外見は3mのサボテンで、髪の毛の代わりに蔦が生えている。 戦闘時は大地に根を張り、養分や水、魔力を吸い上げて、巨大化する(場所によって大きさは10~40mと変化する)。体内で植物性の毒を生成して、口から霧状に吐いたり、地下から根を槍のように尖らせて刺し貫きそこから毒を注いだり、さらに毒針を飛ばしたりする。 緋雪が2番目に従魔にした通常のMob。壱岐同様、2段階目までは進化に成功したが、3段階目で失敗した。 七禍星獣のNo0。 外見はトーガをまとった、全身が赤い氷の彫像のような少女。 HPが少なく、攻撃能力に乏しいため七禍星獣の番号外になってはいるが、立場的には同等である。 徹底的に緋雪のサポートのみに特化しているため、普段は表に出ることは滅多にない(緋雪以外の命令は例え天涯であろうと無視する)。 感情の起伏が平坦だが、緋雪に対する一途さではある意味最強(同じ従魔であっても仲間意識は一切ない)。 得意技はオーク召喚で、ほぼ無尽蔵にオーク兵を召喚できる。 ちなみに商店街の店主はフィールドボスクラスがゴロゴロしているとのこと。 ちょくちょく緋雪も顔を出してラーメンを食べたり相談事をしたりしている。熱血漢。 緋雪が自分の血を与えた眷属。親になる緋雪が神祖であったため、通常の吸血鬼よりもかなり高位の能力を持ち、太陽の下でも人間だった当事程度の力は出せる。 ちなみに緋雪は一見完全に太陽を克服しているようだが、陽光下ではHP・MPの回復が遅れ、能力値にもマイナス補正がかかっている。 元はアミティア王国の第三王子アシル・クロード・アミティアであり、Sランク冒険者でもあった剣豪。 得意技は肉体強化で、当事のレベルはおよそ56くらい(この世界の人間の上限値は獣王のLv70と見られる)。現在は限界突破してLv76くらいになっている。 命都の直営部隊。構成は様々な種族であるが、現在登場しているのは、

86 Character Introduction [Crimson Imperial Crimson, Crimson Empire] Not so powerful with simple HP/MP, but 1VS1 allows you to fight fairly equally with the top monsters. She is also the only Virgin in this world with speed and control-oriented weak, paper-armed swordsman (Kensei) and resuscitable skills. * Originally, in "E. H. O." and "Eternal Horizon Online," recovery is a fairly unfavourable mazo position, and the clergy is usually frustrated along the way because VIT (vitality) is gagged down, and the skill level only rises due to experience with healing achievements, and recovery is not possible until "Saints and Virgins" on top of that to be able to perform resuscitation. In the first place resuscitation is possible without a death penalty if you go to the city's cathedral and make a certain stop (intermediate people can afford it), and resuscitation at a savepoint if you are prepared for a 5% death penalty (no despena for LV20 and below). Also, when the feathers were really stuffed, I was able to purchase resuscitation medicine for billing items (500 yen per piece), so there was not much demand. Character does not condone the person who 'takes his or her own', but gives the person who admits to being 'family' such forsaken asylum. Around here it seems to be due to the imbalance that came from his lifetime of being surrounded by enemies & hungry for his family. He has a bad mouth and a poisonous tongue, but he's also like a thorn who defends himself with theory armed. It is inherently quite sweet and weak in character. Pretty early teenage girl with dark hair, scarlet eyes and white skin on the outside. Incidentally, the set age was 13, 143 cm, 34 kg, BWH = 74, 50, 76, but has grown subtly lately for some reason. The mental part seems to be involved but unknown. Note that the difference between players and other submissive demons depends on whether or not it is possible to switch battle abilities. Compared to the fact that the submissive is always in a full-open freeza state, the player can only have as much arm strength as he looks in living his daily life (so Scarlet Snow is usually arm wrestled with Fiore as well), but it is optionally switchable and in doing so, the normal flesh becomes a fortified form as it is. On average, it is about 15-16 times faster with an arm force and an average speed of about 200 km/h. Scarlet Snow has less than average arm strength, but his leg strength jumps through and is high and instantaneously above sound speed. HP is literally life force but "how hard it is to die" and the pain stays direct because it has nothing to do with physical strength. For this reason, the end of how much pain you can withstand becomes a gut battle. When my heart breaks, my physical strength also drops rapidly. For the record, when fitting with the submissive, there was initially no boost to all abilities expected by Scarlet Snow, and the basic abilities and physical strength remained the same, which was the result of being multiplied by only HP and MP, plus the attribute resistance of the submissive. For this reason it is a bargain for the player, but for the submissive, it is a fit for the submissive, which is all about disadvantages (when the possessor dies, so does the submissive), but naturally all the submissive demons of the Crimson Empire, Imperial Crimson, are ready to die happy for Scarlet Snow. * Tenba: Golden Dragon (Naga Raja) He is essentially the prime minister of Imperial Crimson, the Crimson of the Crimson Empire. He is also the strongest of all the submissive demons in strength. The main body is a 220m long dragon, but usually beside Scarlet Snow as a beautiful young man in a tuxedo (about 20 years old on the outside). The human form - dragon man form - dragon form and transformation also improves the combat power to each stage. The skill is a thunderstorm that lets you pour from all over your body and has a proven track record of slaughtering hundreds of players once. The Special Attack is over three gigabit electron (electron bolts) electromagnetic beam, collapsed discharge roar Ragna Sprite Brace and many more. The only angel with three to six wing feathers, numbered 2 by the Four Wesen Heavenly King, a beautiful silver-haired girl (aged 17-18 on the outside) who usually wears maid clothes and serves beside scarlet snow. In the absence of Heavenly Life, divide instead. He is also the commander-in-chief of the SS, who should also be known as the Scarlet Snow Kingsguard. Except for the inability to resuscitate the dead when it comes to their healing abilities, they have the same ability as Scarlet Snow, the Virgin (far up from MP height). As an obedient demon, I have been beside Scarlet Snow for almost the first time, so as a people, I am above Heaven, and Heaven is the only person who is a colleague and has no head up. The basics are quite common sense people in Imperial Crimson, a crimson empire full of militants. One of the Four Weapon Heavenly Kings and a woman. The main body is a nine-tailed fox (apart from the tail) that exceeds 50 metres in length, but is usually a blonde, witch-clothed beauty (looking 23-24 years old). He is a divine beast and head of other warcraft, holy beasts, spiritual beasts, etc. I make it a habit to hide my mouth with an iron fan that uses a combination of weapons. With all Attacks and Resistance except Darkness, All-Rounder is able to gain an advantage over all enemies except Darkness Attributes. Each of the nine tails has "light," "ground," "thunder," "wind," "water," "fire," "tree," "moon," and "phantom" powers. In a way, a natural enemy of Lapu. Character is enjoyable and aggressive, I don't like scarlet snow that much. He is one of the four fierce kings and a man. Always equip yourself with a pitch-black armor and a long spear of all-body armor, and a large shield during battle. He is also the leader of Knights made of immortals such as Necromancer Knights and Knights Without Neck in the Castle. He is a knight of dark attributes and thus takes advantage over all attributes other than light. For this reason, he is also the strongest of the Four Weapon Heavenly Kings in the Front Battle of Flesh Bullets. Especially his defensive ability was heavenly, and during the game years he served primarily as a shield for Scarlet Snow. As a special ability, there is shadow movement, where there is shadow, it can be moved in an instant. My personality is oligarchy (not that I can't speak) and I am always committed to being a Scarlet Snow Sword. Incidentally, the Four Wesen Heavenly King is the most trusted obedient demon used by Scarlet Snow in the game era, and has since become a heavy minister in the country. The head of General Thirteen Demons. Strength is second only to heaven No. 2. Glowing multi-faceted crystals with huge monocular eyes in the centre and over 70 m in length that have produced tentacles from all parts of the body. Usually they are in phase space and use a split Umr At-Tawill (a beautiful young man with white hair wearing a veil) to have conversations, etc. General Thirteen demons are each Lv110 or higher and consist of only those above the player whose limit value is Lv99. By the way, the speckled pigeon is LV150. General Thirteen Demons are each literally generals from the First Army to the Twelfth Army, and these receive and are deployed defensive airspace that divides the aerial gardens into twelve parts like clocks. Spotted pigeons are an all-arms directive and direct reports are evenly assigned to each army. The best moves are all kinds of beam attacks. Special Attacks are dimensional tomography that destroys enemies from space to space, such as Dimension Slash and other warped space barriers. I secretly view heaven as a rival, but I usually treat him gently. And Telapo lost alone, but since he has defeated him nearly 100 times before that, he is equal to a Maghre loss with a 1% chance of winning. * Clouds (even without): Azazel LV 145 comparable in strength to Spotted Pigeons in No. 2 of the Thirteenth Demon General. The exterior is spinning darkness like a giant dark galaxy, also visible as a seven-necked snake in pitch black, and is also the captain of an intelligence unit. The method of attack is a dark brace that spits out gravity crushing waves and dark matters. The name alone hasn't appeared yet. One of the thirteenth demon generals, a giant triple-sided six-armed white monkey with a treasure crown on his head (the size is elastic). Each of the three faces has the ability to time accelerate, time stop, and time retreat (though only a few seconds). Speed and wind technique are the best in the world with wind attributes. He also has high playback ability, plays instantly as long as he has HP, whether he gets his head smashed or blown off, and also has HP automatic recovery skills. Has the aliases of the single-eyed monster 'Stare' and 'Observer' with tentacles and wings. In addition to common magic, evil eyes are used to petrify, sleep, and spiritual domination. In addition to creating Minutes Body and gathering information on many aspects, Minutes Body uses itself as a bomb. Note that the Seven Hazards Star Beast is a special (rare) individual randomly present in the general MOB. There are aspects that competently outnumber field bosses, but still do not extend to General Thirteen Demons in terms of basic abilities. Also known as Numbers, numbers were originally waved on names from No. 1 to No. 9, but No. 1 and No. 2 refused to join the Seven Hazards Star Beast, thus starting with the circumferential ginseng of No. 3. Since the area in charge of the Seven Hazards Star Beast is ahead of the outer edge of the aerial garden, it is the de facto border guard and becomes the front-line executive force. A huge 13m tiger of full length (not including tail) (by the way, a tiger having wings means the same thing as "gold bars on ghosts"). Perform acrobatic movements with air in the scaffold, specializing in wind surgery. My specialties include wind blades (wind cutters) and tornado blades (tornado cutters) that fit into my fingernails, bullet tiger roars (howling) of ultra-high density compressed air released from my mouth, and wind defensive wall ultrasonic airflow (jet stream). My specials are air bursts (air bursts) that tap compressed air. Seven Hazards Star Beast No. 9. Looks like a 3-eyed monk. It is quite low among the Seven Hazards Star Beasts in combat capability, but it is inherently a support personnel. It has a sceptre (hungry soul sceptre) like a sceptre and spine, and can summon the undead indefinitely on the spot. It was originally planned to become the Nine Hazards Star Beast (Kukashiju) No. 1, but since it declined, it is now a soldier. The exterior is a 2.5 m upright black dog with a curved sword growing over 1 m from the entire body (it is possible to stretch up to 4 m during combat). The battle method involves traveling at high speeds with four legs and chopping enemies with swords all over your body. Scarlet Snow was the first obedient and named during the game (name change is impossible without purchasing a name collar in the game) Normal MOB. Evolutionary success was achieved up to the second stage with a beginner pet evolutionary drug, but failed for the second time in a row in the third stage. Although he is ashamed of it, he is also proud to have protected Scarlet Snow, who was the most ancient and beginner. It was originally planned to become the Nine Hazards Star Beast (Kukashiju) No. 2, but since it declined, it is now a soldier. The exterior is a 3m cactus, and instead of the hair, it grows a pimple. In battle, root on the earth, suck up nutrients, water, and magic, and become huge (varying in size from 10 to 40 m depending on location). Produce a vegetable poison in your body to throw up misty from your mouth, stick and pierce your roots like spears from the basement and pour poison from it, or even fly a poison needle. Normal MOB made by Scarlet Snow the second obedient demon. Like Qi, he succeeded in evolution up to the second stage, but failed in the third. No. 0 of the Seven Hazards Star Beast. The exterior put Toga together, a girl with a red ice statue all over her body. It is out of the number of the Seven Hazards Star Beast due to its low HP and lack of attack capability, but is comparable in position. Because they are thoroughly specialized only in scarlet snow support, they are rarely usually on the table (ignore orders other than scarlet snow, even if they are heavenly). Emotional ups and downs are flat, but one way to Scarlet Snow is in a sense the strongest (even the same submissive has no sense of companionship). My specialty is Orc Summoning, and I can summon Orc soldiers almost inexhaustibly. By the way, the shopkeeper in the mall said the field boss class was gobbling. A little scarlet snow also shows up and eats ramen and consults. Hot blooded man. The family that Scarlet Snow gave her own blood. Because Scarlet Snow, who becomes a parent, was a divine ancestor, he has a considerably higher ability than a normal vampire, and can give strength to the extent that he was a human being even in the sun. Scarlet Snow, by the way, seems to be completely overcoming the sun at first glance, but in the sun the recovery of HP and MP has been delayed, with negative corrections on talent. He was formerly the third prince of the kingdom of Amitia, Asil Claude Amitia, and a swordsman of S-rank adventurers. My specialty is physical enhancement, and the level of involved is roughly 56 or so (the human cap value in this world is seen as the LV70 of the Beast King). Currently it is about LV76 after pushing the limit. Direct management unit in Life Capital. Although the composition is varied, the four seasonal sisters "Tsubaki", "Enoki", "Hiragi" and "Hiragi" of the Angel of Kwon (Principality) are now available.

「......このあたりでよかろう。なにかあれば我が盾となるゆえ。七夕、汝は存分に姫様の勅命を果たすが良い」 「万一の怪我などがあれば、わたくしが癒しましょう。ご武運をお祈りしていますわ」 交互に声を掛ける同輩に微笑を返して、七夕はゆっくりと前進しながら 短い腰衣をまとっただけで、豊満な胸を誇るように惜しげもなく、さらけ出した美女。その魅惑的な全身には、額飾り、髪飾り、耳飾り、首飾り、胸飾り、指輪、腕輪、足輪などがふんだんに飾り立てられ、それらすべて金細工の装飾が施され、歩くたびにシャラーン、シャラーンと振るえ、鈴のような涼しげな音がこだましていた。 やがて全身でリズムをとり、七夕はその場で舞を踊り始めた。装飾品を打ち鳴らし、ステップを踏みながら、手足の先、視線、髪の先までもすべて淀みない流れのような、柔らかでかつ力強い動きで、肢体すべてをゆるやかにくねらせる。 まさに神舞。霊妙かつ幻想的な音と動きは、見る者の魂まで引き込まずにはいられない、天上の踊りであった。 周囲を警戒するため、この辺りまで先行していた聖王国と帝国の歩哨たちも、いつしか状況を忘れて見入っていた。いや、ろくな知性がないはずの 溶けた絵の具で構成されたような周囲の光景を眺めながら、五運が思わず......という風に感嘆のため息を漏らした。 「ですが完璧でもありません。さすがにあの巨体すべてを結界に閉じ込めるのは不可能でしょう。先頭部分を幻惑させても、それ以外の部分が正気であれば、ほどなく力ずくで突破されるのは必至。注意してください」 「ふん。そのために他の者が配置されているのだろう。仮にも円卓の魔将、この程度の雑事がこなせぬようなら、さっさと引退するべきだな」 「ふん。図体ばかりでかいウスノロ相手というのは、いささか面白みがないが......まあ、他に能がない分、せめて大きさでなんとかしようという肚か」 目の前で蠢く とは言え、そういう彼自身も身長50mの巨人――巨神である。 彫りの深い端正といっても良い顔立ちに分厚い胸板、鍛え上げられた腹筋、巨岩のような両足。ただし下半身には蛇のような尻尾が生えとぐろを巻き、両腕はメインの逞しい2本を別にして、太さも長さもまちまちな副腕が計98本の合計100本ある――嵐の怪物テューポーン。それが彼の真の姿であった。 「――さて。どうやら七夕も始めたようだ。姫様もご覧になってらっしゃる、こちらも無様な真似はできんか」 そう一人ごちながら、おもむろにすべての腕を広げる牙門。 「――かああああああああああああああああっ!!」 咆哮とともにすべての掌の上に牙の生えた口が開いた。一見すると無数の蛇のようである。 それらが一斉に周囲の空気を吸い込み始めた。 凄まじい勢いで吸い込まれる風に、土砂が舞い上がり、岩が削れて粉々になり、 程なく、充分な空気を溜め込んだ牙門の腕の口が、今度は先ほどの勢いの数倍の威力で、轟々と風を吹き出し始めた。 さらに両腕を振り回し、トドメとばかり、尻尾を基点に全身を回転させる。 いつしか彼を暴風の中心として、凄まじい勢いの砂嵐が しかし、牙門の回転は留まることを知らず、暴風は竜巻と化して、天に届かんばかりの砂色の柱と化した。 「行くぞっ」 牙門の巨体が自らの生み出した大竜巻に飲み込まれて浮き上がる。 凄まじい回転エネルギーで加速しながら、一気に竜巻の最上部まで達した牙門は、真下に見える 「――ふむ。少し外したか? 一撃で両断するつもりだったのが」 着地の衝撃で作られたクレーターから、のっそりと這い出した牙門が、攻撃の成果を見て、若干不満そうに呟いた。 「おいおいおいおい! 面白いことやってるじゃないか、牙門! てか、お前の役目って、足止めだったんじゃないのかよ、おい?」 そこへ愉しげな口調で、上空で待機していた十三魔将軍 《ハヌマーン》 同じ風属性ということで、牙門が作る《暴風結界》を維持するサポート役のはずだったのだが、彼の行動を見て、押さえが利かなくなって降りてきたらしい。 「ふん、《暴風結界》で足止めしろとは命令されたが、別に斃して悪いとも言われておるまい。言われたことを言われたままに行うだけでは、忠臣とは言えまい。それに第一、面白みがない」 詭弁とも言える牙門の説明に、呵呵大笑する白夜。 「その通りだな! いや~~っ、お前、固い奴かと思ってたら、意外とおもしれーわ! そーだよな。さっさと斃しちまえばいいんだもんな! よしっ、やるか!!」 白夜も勇躍飛翔すると、風に乗って超高速で飛び回りながら、三面六臂のそれぞれの腕に、 「ふん。肝心の《暴風結界》の維持を疎かにするなよ」 その背中に声を掛けつつ、再びその場に竜巻を作り出す牙門。 は怒りの唸りと共に、ついに全身に魔眼を開くが――、 まさに目にも止まらない動きに加え、瞬間的な時間の跳躍・停止・逆行まで使用する白夜を捉えきれるわけもない。 さらにそこへ再び、超加速で撃ち出された牙門の蹴りが炸裂する――かと思われた瞬間、 の直撃を受けた牙門は、手足の先に痺れを感じて、背中にある《アルマミス》を狙った蹴りが、大きく狙いを外して背中の一部を削るに留まった。 轟音と共に大地へ不時着した牙門へ、追撃の 「ぐううううっ。接近し過ぎたか......」 麻痺効果で身動きが取れない牙門は、じりじりと削れて行くHPを感じて歯噛みした。 見れば白夜も、ほとんど無秩序な の仕事か。助けられたな」 ほっと息を吐いた牙門は、安堵と自虐がない交ぜになった口調で呟いた。 戦場の上空。 陸奥の背中の上、吹けば飛ぶような赤い着物を着た黒髪の小さな――10歳くらいの女の子が、無表情な顔で小さく頷いた。 その手の中には、4×4マスの小さな鏡でできたキューブが存在する。 「1枚が2枚、2枚が4枚、4枚が16枚、16枚が256枚、256枚が65,536枚、65,536枚が......」 ぶつぶつと言葉を発しながら、手の中のキューブを組み合わせる。そのたびに少女の周囲に四角い鏡が現れ、次々と周囲の空間を埋め尽くしていった。 「鏡は魔を映し、真実を暴き、魔を退ける......《 》八朔。 「さすがだねぇ」 鏡が一斉に空中を移動して、あるものは牙門を守る形で、あるものは白夜をフォローする位置へ、そして残りは 「――っ! なにをしておる、八朔!? 攻撃しろなどという指示はだしておらんぞ!」 周参の怒号に、八朔はぷいと顔を逸らした。 だから自分も攻撃するというのか!? 唖然とする周参を取り成すように、陸奥が眠たげな口調で言い添えた。 「まぁ、僕らなんだかんだ言って、全員、負けず嫌いの武闘派だからねぇ......」 「......まったく。どいつもこいつも“足止め”という意味を履き違えているな」 そこからさらに離れた上空を浮遊していた直径70mを越える光り輝く多面結晶体。十三魔将軍の筆頭《ヨグ=ソトース》 まあ、最初に調子に乗ったのは牙門と白夜の奴だからな、私の監督不行き届きと言われればそれまでだが。 取りあえずこの件が終わったら、あの二人には厳重注意を行うことにして、斑鳩はその巨大な単眼を《暴風結界》に覆われた いかなる分厚い雲や土砂に覆われていても、空間自体を感知できる彼にとっては、この程度の障害などないも同然である。 素早く全身を走査して、焦点を狙うべく急所――敵の居城たる《アルマミス》――へと向ける。 「高エネルギー反応あり。このエネルギー量は間違いなくプレーヤーだな。これ見よがしに城を乗せているので、或いは囮かと思ったがどうやらご在宅だったらしい。ふざけた相手と憤慨すべきか、肝が据わっていると賞賛すべきか、少々判断に迷うところだな」 おそらく昔は戦ったこともある筈だが、ソロで立ち向かってきたらぽっくや、自分の攻撃をことごとく避けて攻撃を加えてきた緋雪と違って、今回の相手は生憎と彼の記憶にはなかった。 「......つまりは記憶に残らぬほど小物だったというわけだな」 本来なら戦いに先駆けて名乗りを上げるのが彼の流儀で、今回のような不意打ち・闇討ちの類いは、好みから外れている。 ――まあ、その程度の相手なら好みだなんだ言うほどもあるまい。 そう折り合いをつけて、斑鳩は全身の魔力を をこの一点に集中した場合、確実にマントル層まで貫通するな。下手をすれば中心核と地軸にも深刻なダメージを与え、地上の住人が全滅する恐れもあるが......まあ、いい。所詮は塵・芥のようなもの、我の知ったことではない」 「まてっ。斑鳩、姫からの指示が来た。そのまま少し待てとのことだ」 と、機先を制して、傍を併走していた周参の分身体から、待ったが掛かった。 周参が斑鳩の質問に答える前に、天涯に乗った緋雪が、大慌てで降下してきた。 「――ちょっ、ちょっと待ったーっ!!!」 「これは、姫様。このような場で陛下の玉顔を拝し奉り、この斑鳩、無上の慶び」 「いやいや、挨拶はいいから。とりあえず、マントル層破壊とかそれなし! なるべく他に被害がでないように、希望としては地味に、限りなく目立たないように、世間に知られず控えめに、ひっそりと何気なく殲滅してくれればいいから!」 緋雪のかなり無茶な要求に、「ふむ」と全身の触手をくねらせて考え込んだ斑鳩は、なんでもない事の様にあっさりととんでもない提案を口に出した。 「消滅......って、できるの?」 最大火力を誇る天涯と、それに及ばないながらも破壊力だけなら 慇懃ながら、ところどころ皮肉る言葉尻に、天涯がギリギリと奥歯を噛み締めた。 「成功率97%。当方の計算でも斑鳩殿の攻撃で、 斑鳩の指示に、ぶ然と答えて天涯がその場を離脱する。 改めて《暴風結界》越しに 的にしてください、と言わんばかりの態度に、一瞬ながら不審を抱いた斑鳩だが、すでにエネルギーは臨界すれすれまで収束している。 なにか相手が手を打つ前に破壊すれば良いまでのこと。 そう判断した斑鳩は、全魔力を精密に測定した

"... let's go around here. If anything, it will be my shield. On the seventh Eve, you will fulfill the princess's life in full." "In the unlikely event of injury, I will heal. I wish you good luck." Return a smile to your alternating voicing peers and narrow the distance from the Abandoned Dragon (Nidheck) as you slowly advance. The foothold was lightly already in the realm of tranced oblivion. A beauty who just put together her short waistcoat, spared no effort to boast her busty breasts, and exposed herself. Its seductive whole body was fully decorated with forehead decorations, hair decorations, ear decorations, necklaces, chest decorations, rings, bracelets, foot rings, etc., all of which were adorned with goldsmith decorations, shaking as sharks, sharks and chilled sounds like bells every time he walked. Eventually, he rhythmed all over his body and began dancing on the spot in the Seventh Eve. Ring the ornament, taking steps, loosely twisting all the limbs in a soft and powerful motion, like a stream that doesn't precipitate everything from the tip of your hands and feet, to your gaze, to the tip of your hair. Exactly divine dance. Spiritual and fantastic sounds and movements were heavenly dances that could not help but draw to the soul of the beholder. To guard the perimeter, the walking posts of the Holy King and Empire, which had preceded us all the way around here, were also always oblivious to the situation. No, even Abandoned Dragon (Nidheck), who should not have a lot of intelligence, seemed to stay on the spot and be blinded by her dance. Looking at the surrounding sight like it consisted of melted paint, Wu Luck leaked an exclamation sigh into the wind of...... "But it's not even perfect. Exactly. It would be impossible to trap all those giants in the junction. Even if you delude the leading part, if the other part is sane, it is imperative that it be broken through with less effort. Be careful." "Hmm. I guess the others are placed for that. Assuming the demon general of the round table can't do so much chores, he should retire." "Hmm. A Usnoro opponent with all the graphics is no fun at all... well, for something else I can't do, at least with size." Looking at the flank of the abandoned dragon (Nidheck) in front of him, the thirteenth demon general/tooth gate (Gaemon) sounded his nose "Phew". That said, he himself is a giant 50 m tall - a giant god. Thick chest plate, forged abs, and giant rock-like legs on a face that is good enough to be carved deep ends. However, the lower body has snake-like tails wrapped around it, and apart from the two main successful arms, there are a total of 98 pairs of sidearms of varying thickness and length - Storm Monster Tupaun. That was who he really was. "- Well. Apparently, we've even started the New Year's Eve. You've seen the princess, can't you imitate her like this?" Yes, while you're alone, a fang gate that broadens all arms, to a large extent. "- Kaaaaaaaaaaaaaaaa!! A toothed mouth opened over all palms with a growl. At first glance it is like countless snakes. They began to breathe ambient air simultaneously. In the wind sucked in by tremendous momentum, the earth sand rose, the rocks shredded and shattered, even the giant Abandoned Dragon (Nidheck) came sucked in and stretched out as a cheat. Before long, the mouth of the arm of the tooth gate, which had accumulated enough air, now began to gush with a few times more power than earlier momentum. Swing your arms further, just toddle, and rotate your entire body with your tail at the base. When he was the center of the storm, a sandstorm of great momentum completely overshadowed all the giants of the Abandoned Dragon (Nidheck). But the rotation of the tooth gate did not know that it would stay, and the storm turned into a tornado, into a sandy pillar that would only reach heaven. "Let's go." The giant of the tooth gate rises swallowed by its own created great tornado. Accelerating with tremendous spinning energy, the tooth gate, which reached the top of the tornado at once, unleashed a supercrossbow-class kick as it set its aim in the centre of the abandoned dragon (Nidheck) visible directly below, drawing a spiral with bullet-like momentum. "- Hmm. Did you take it off a little? I was going to make both ends meet with one blow." Slightly crawling out of the crater made of the impact of the landing, the tooth gate shrugged slightly dissatisfied when he saw the outcome of the attack. "Whoa, whoa! You're doing something funny, Tooth Gate! Well, wasn't your role a stepping stone, hey? In a delightful tone there came the white night of the thirteenth demon general, Haman, who was waiting over the sky. The same wind attribute meant that he was supposed to be a supporter of maintaining the "storm junction" that the Tooth Gate makes, but seeing his behavior, he came down with no longer holding back. "Hmm, I was ordered to hold back in The Storm Conclave, but they've also told me I'm sorry to shoot you. Just do what you're told, don't be a loyal minister. And first of all, it's not funny." Ha, ha, laughing white night at the description of the dental gate, which can also be called a manipulation. "You're right! No, you, I thought you were a stiff guy, that's surprisingly funny! That's right. You just have to shoot him! All right, let's do it!! In the daytime and night, as he flew around at super high speeds on the wind, he took out the Vajra, Trident, Vajra, Vajra, Vajra, Vajra, Vajra, Vajra, Vajra sword, Rimball, and Kamako vajra (and Kamako) from nowhere. "Hmm. Don't neglect to maintain the key" storm junction " A tooth gate that once again creates a tornado on the spot while calling out on its back. The Abandoned Dragon (Nidheck) finally opens his demonic eyes all over his body with a roar of anger, In addition to precisely unstoppable movements, there is no way you can capture the day and night to use until the instantaneous jump, stop, and retrograde of time. Furthermore, once again, the kick of the tooth gate, shot out at super acceleration, bursts - from the entire body of the abandoned dragon (Nidheck), a purple heat line (beam) was randomly fired in all directions. The tooth gate, which was hit directly by several hotlines (beams), felt paralyzed at the tip of his hands and feet, and a kick aimed at the "Almamis" on his back, largely missed his aim and stayed to sharpen a portion of his back. With the roar, a hot line (beam) of pursuit strikes the tooth gate that is untimely to the earth. "Grrr. Are you too close..." The paralytic effect prevented the dental portal from moving, and the teeth were bitten by feeling the twitching and shredding HP. Seen in the day and night, it escapes the indiscriminate shooting of almost disorderly hotlines (beams), so it looks like the best. "..." Mirrored Boundaries ". You work for Yasuo? You saved me." The exhaled tooth gate murmured in an alternating tone with no relief and no self-infliction. Over the battlefield. On the back of the back of the land, a little brunette in a red kimono that would fly if blown - a girl about 10 years old nodded small with a faceless face. In that hand exists a cube made of a small mirror of 4x4 squares. "One is two, two is four, four is 16, 16 is 256, 256 is 65,536, 65,536 is..." Combine the cubes in your hands with the bumps and the words. Each time a square mirror appeared around the girl, filling the surrounding space one after the other. "The mirror reflects the demon, reveals the truth, and leaves the demon..." Mirrored Realm (Miller Labyrinth) " - Expand. "That's great." Mirrors traveled through the air simultaneously, some in the form of protecting the dental gates, some in the position of following the day and night, and the rest scattered all over the body of the abandoned dragon Nidheck, perfectly reflecting paralyzed rays (paralysed beams). "- What are you doing, Yasuo!? I didn't instruct you to attack! To Zhou Jin's anger, Yasuo missed his face. Is that why you attack yourself too!? The back of the land was accompanied by a sleepy tone so as to take in the lucid circumference. "Well, we're kind of saying, all because we're loser-loathing militants..." "... at all. He's always misworn the word" stalled. " A glowing multi-faceted crystal over 70 m in diameter that was floating further away from it. The head of the 13th Demon General, Yog-Sotos, the speckled dove (but), pronounced an unsatisfactory roar. Well, the first guy on track was the Tooth Gate and the White Night guy, until then, if you say my supervision is poor. Once the matter was over for now, I decided to pay strict attention to those two, and the Spotted Dove turned its enormous monocular eye to the Abandoned Dragon (Nidheck) covered in The Storm Junction. No matter what thick clouds or dust cover, for him to be able to sense the space itself, there is no such thing as this degree of obstacle. Quickly scan your entire body toward the sharp spot for focus - the Armamis, the enemy's castle. "There is a high energy response. This amount of energy is definitely a player. I thought it might be because I have a castle on my watch, but apparently you were at home. You're about to get a little lost in judging whether you should be outraged with someone you're kidding or admiring your liver sitting around." You've probably fought in the past, but unlike Scarlet Snow, who has avoided all his attacks and made attacks when he came up against them with solos, this time his opponent was not in his memory with raw hatred. "... So you were so small that you couldn't remember." Originally, it is his fashion to raise his name ahead of the battle, and the kind of surprise/darkness like this one is out of preference. - Well, I prefer someone to that extent. I don't know what to say. With that fold on, the speckled dove began to concentrate on the magic of his whole body because of the dimensional tomography Dimension Slash. "We are trying to destroy Almamis with all our might, but if we concentrate Dimension Tomography" Dimension Slash "on this point, don't pierce it to the mantle layer for sure. If you do poorly, it will also cause serious damage to the central nucleus and the earth axis, threatening to wipe out all the inhabitants of the earth... well, fine. It's like dust and mustard, not what I know." "Holy shit. Spotted pigeons, instructions from the princess came. Just wait a minute." And I took control of the front desk and waited but hung from the body of the circumferential ginseng that was walking with me. Before Zhou Jin answered the question of the speckled dove, the scarlet snow on the heaven's end descended in a great panic. "- Hey, wait a minute -!!!" "This, princess. Serving His Majesty's Ball Face in such a setting, this speckled dove, the celebration of the Above" "No, no, I don't mind greeting you. In the meantime, mantle layer destruction or nothing! Because as little other harm as possible, hopefully plain, unlimited conspicuousness, unknown to the public, modest, secretly and casually annihilated! The speckled pigeon, who thought of Scarlet Snow's rather unscrupulous demands by twisting his tentacles all over his body, put forward an absurd suggestion as if it were nothing. "Extinction... can you? Scarlet Snow naturally raises doubts about the Heavenly Life, which boasts the greatest firepower, and the Spotted Pigeon, who says that if it doesn't extend to it but is only destructive, it will lightly annihilate the opponent who couldn't be killed, whether in Imperial Crimson, the Crimson of the Crimson Empire, or in a two-sided attack of clouds (even without) entering three fingers. With a grunt, by the way, his sarcastic verbal buttocks, heavenly bite his back teeth tight. "97% success rate. Our calculations also suggest that the attack of the Spotted Dove will wipe out the Abandoned Dragon (Nidheck)." The heavenly life leaves the scene in response to the instructions of the speckled dove. Once again when I checked the Abandoned Dragon (Nidheck) over the Storm Junction, I saw it stopping the movement as I had given up. Be it targeted, a speckled dove with suspicion for a moment, but the energy has already converged to a critical slump. Until you destroy something before your opponent hits you. The pigeon who decided so beat the whole body of the abandoned dragon (Nidheck), whose total magic power was precisely measured.

第十四話 同床異夢 大陸の東方に位置する最大国家グラウィオール帝国。 その帝都アルゼンタムの中心に位置する皇帝の御座所たる宮殿。正門前にある広場から窺い見える、その歴史ある壮麗なたたずまいに息を呑む田舎からのおのぼりさんたち。 そんな一団から離れたところで、雑談をしているらしき3人の男女がいた。 一人は、白いレースの日傘を差した、ウエストをギャザーで絞った黒の膝丈スカートのドレスに、赤を基調とした宝石と生きた薔薇のようなコサージュが映える見事な装束の、明らかに貴人らしき十代前半と見られる黒髪の美姫。 一人は、ボタンを一切使わない独特の赤と白の民族衣装をまとい、栗色の髪をしたいかにも活発そうな十代半ばと思える獣人族の少女。 一人は、黒髪に紺色のだぼっとした服を着て前掛けを下げ、帽子を被った商人らしき青年。こちらは見目鮮やかな女性陣と違い、年齢に関しては20歳と言われても30歳を越していると言われても納得できるような、とにかく茫洋とした雰囲気で存在感の希薄な人物であった。 ◆◇◆◇ さて、前日の思いがけない再会から一夜明けた本日。 「今日は遅いんで、明日にしましょ」 という影郎さんの提案で、昨日はいったん別れたんだけど......同じ街中に影郎さんがいるのがわかったのでホテルなどは泊まらずに、安全の為、 で、一夜明け約束の時間に戻ってきたのだけど、宮殿への進入ルートとして最初に連れて来られたのが下水道で、こちらは諸般の都合により断固拒否したため、次に連れて来られたのがこの宮殿正門前だった。 「......ヒユキ様、この人どー考えても信用できないんですけど、本当に雇うんですか?」 「......信用も信頼もしてないけど、ビジネスが絡むと賃金分の働きはきっちりする人だからねぇ」 「......後ろから刺されませんか?」 「......その懸念は高いけど、ビジネス中は多分やらないと思うよ。ただ精神的に後からバッサリやられるとは思う」 「......裏切るの前提ですか?」 「......いやぁ、そもそも裏切る以前に敵のままだから」 「......どーいう人なんですか?」 「......基本的にペテン師だね。節操の無さと逃げ足の速さは天下一品なので、騙されたと気が付いた時には手の届かないところにいるという。要するに煮ても焼いても食べられない悪党だよ」 「......本当に雇うんですか?」 気が付くと、昨日からアスミナと会話がループしていたりする。 「いや~、そこまで警戒せんでも、ホンマ給料分の忠誠は誓いますよ」 もちろん聞こえよがしに話してるんだけど、彼の鉄面皮は変わらずで、気楽にパタパタ手を振っていた。 「......ウソっぽいんですけど」 「......ウソだろうねぇ」 とは言え、放置しておいたら絶対に姿を隠してボクらを監視するだろう。 正直、暗殺者に四六時中ストーカー行為をされるのは精神的にキツイ。なら、まだしも目の届く範囲内に居てもらったほうがストレスも少ないというのが、今回妥協した理由の一つだったりする。 まあ、円卓メンバーは身代わりに魔導人形を使うことを提案してきたんだけど、同行するアスミナの安全の為には戦闘能力の無い人形では不安だし、レヴァンの時みたいにいざと言う時に対処しきれないと思う。あと、これは個人的な感傷だけど、アスミナとは友人だと思っているので、人形越しではなくきちんと生身で手伝ってあげたいって気持ちが大きい。 そんなわけで危険は覚悟のうえ――それと絶対に何らかの裏があるだろうけど、逆を言えばその目的を達成するにはボクらを利用するのが得と判断して接触してきたんだろうから、ある程度は利害が一致するってことで――周囲に親衛隊を配置したりして、最大限の警戒をしながら協力してもらうことにした。 ちなみに報酬は、「あの獅子族の坊ちゃんの安否確認と、お嬢さんが万一、皇帝派と接触した場合の会話の中身を聞かせてもらうってことでどうでっか? 情報は一番の財産ですから」ということで決まった。 あと『皇帝派』とか『宰相派』とか知らなかったので、 「なにそれ?」 と訊いたら、引っくり返られた。 「知らんで宰相に喧嘩売ったんですか!?」 驚愕したらしい影郎さんに、この国の情勢を聞かされたけど、今更だし、だからどうしたという感じだねぇ。 で、報酬については、美味しい話過ぎてかなーり怪しい条件だと思って、疑いの目で見たら、 「......でなければ、うちのボスが欲しがってるので、お嬢さんがいま穿いてる下着で手を打ちますが」 とか気色の悪いこと言い出したので、即座に前の条件でOKした。 「――というか、黒幕が私の下着欲しがるとか、影郎さん絶対ウソついてるよね?」 「嫌ですな~。自分がお嬢さんにウソついたことなんてありませんわ~」 そこがすでにウソだね。 「いや、でも、もしも...もしも、それが本当なら影郎さんたちのボスも変態ってことになるんじゃないの?」 「......いや、自分からはなんとも」 そう言葉を濁して乾いた笑いを放つ影郎さん。......をい、まさか?! この危険な話題から離れるためか、それともいいかげん埒が明かないと判断したのか、影郎さんは、ひょいとボクの前には右手を、アスミナの前には左手を差し出してきた。 「......なんの真似?」 動脈でも切れという意味かな? えーと、日傘をしまって代わりに『 「お嬢さん、なんか物騒なこと考えてません?」 「気のせいだよ」 「......ま、いいですけど。手を握って貰えますか。忍び込むのにあたって『 当然、影郎さんはこのスキルをMAXまであげているんだけど、実際に現実として目の前で使われるとその凄さが良くわかる。目の前にいたのが一瞬で目に映らなくなったのは勿論、気配も体温も呼吸の音すら感じなくなるんだから。確かに、これなら宮殿の中に忍び込むなんて簡単だろうけど......。 「凄いけど、どう考えても覗きに使うしかない技ですね」 「まあコレが覗き魔の変質者なのは確かだね」 アスミナが眉をしかめ、ボクも即座に同意した。 「――なんかさっきから自分、フルボッコですなぁ......」 さすがの厚顔な影郎さんも、若干笑顔が引きつり気味だった。 「で、手を握るとあたしたちも透明になるんですか?」 ゲーム時代では、パーティメンバーに登録して5マス以内なら『 「そういうことで、手を繋いでもらえますか」 再度促されて、ボクとアスミナは顔を見合わせた。 「......この人の手を握るんですか、ヒユキ様」 「......でも握らないとGの大群に突っ込まないといけないし」 「......究極の選択だよねぇ」 「あれぇ!? なんか自分と手を繋ぐの 今回ばかりは素でショックを受けた顔をする影郎さん。 その後、アスミナと話し合った結果、「どっちも同じくらい嫌だけど、下水道よりはマシ」ということで、影郎さんと手を繋ぐことになった。 見た目は両手に花状態だけど、上機嫌なのは影郎さんだけで、ボクもアスミナも『うえっ』という顔をしていた。 その言葉を合図に、ボクの体は、すうっと透明になっていく。 自分の体なので確認し辛いけど、少なくとも目に見える範囲はすべて見えなくなっていた。 「ヒユキ様、ちゃんとあたしも消えてますか?」 なにもないところからアスミナの心配そうな声が聞こえてきた。 「大丈夫、全部消えてるよ。......だけど、お互いに姿が見えないと不便だね」 』するとお互いに視認できなくなりますので、気をつけてください。万一手を放したらその場で術は消え、再度全員姿を現して掛け直さんといけないもんで、ちょいとリスクがあります。それと声も聞こえなくなりますけど、そのあたりに触った音とかは聞こえますんで、余計なところに触らなんようお願いします」 ふむ、結構制限があるもんなんだねぇ。 確かに姿が見えなくなるのは利点だけど、お互いの姿が見えない以上、誰がどんな失敗をするかわからないのでリスクも多い。けど......。 「姿が見えないって、影郎さんからも私たちの姿は確認できないの?」 握った掌越しに頭を下げる感じがした。 「そっかー、見えないのか............ほれっ」 『ぶふぁ――――っ!!!』 その瞬間、影郎さんがおもいっきり息を吹き出す気配がした。 「......やっぱ、そっちからは見えてるじゃない」 「え?! なにがあったんですか......??」 見えていないアスミナの戸惑った声が聞こえるけど、まあ話すようなことでもないので無言を通す。 「げほ...げほほ......お、お嬢さん。いまは女の子なんですから、慎みもってくださいよ。いきなりなんちゅう破廉恥な......」 「実験だよ実験。君の言うことは信用できないんでね。実際、ウソだったし」 まあ、多少は牽制になったかな。 「まったく......確かに、正直なとこ自分からはお二人とも半透明で見えますけどね。細部はやっぱよく見えないんで、ホントに余計なことはせんでくださいよ」 「わかったわかった、さっさと行こう」 「そうですね、早くこの手も放したいですから」 ボクとアスミナに促されて、ため息をつきながら影郎さんは歩き出した。 ちょっと歩いたところで、思い出したように、 「――それにしても、あんなちっちゃい布でよくケツ入りますなぁ」 と呟かれたので、当てずっぽうで拳を振ったら、「あたっ!?」顎に当たった手応えがあり、フレンドリーファイアで『

78 Episode Xiv: Tonal Dreams The largest nation, the Grawior Empire, located in the eastern part of the continent. The emperor's sitting palace in the heart of its imperial capital, Argentina. Risers from the historic and spectacular countryside can see from the square in front of the main entrance. There were three men and women who seemed to be chatting away from such a group. One is a brunette princess who is clearly seen as a noble early teenager, in a black knee-length skirt dress with a gathered waist, with a white lace umbrella, a stunning outfit that shows red based gems and living rose-like costumes. One is an animal tribe girl who seems to be in the mid teens, dressed in a unique red and white ethnic costume without any buttons and also active in wanting to have chestnut hair. One is a merchant-like young man wearing dark hair and blushing clothes, lowering his forehead and wearing a hat. Unlike the brightly visible women, this one was anyway a rare figure of presence in a hazy atmosphere, convincing when it comes to age when it comes to being said to be 20 or over 30. * * * * Well, today, the night after the unexpected reunion the day before. "It's late. Let's do it tomorrow." At Shadow Lang's suggestion, we broke up yesterday... I found out that Shadow Lang was in the same city, so I didn't stay at the hotel or anything. For safety reasons, I rode on the back of the Tendai (Tendai refused to put anyone but me on my back, so I called Zao Wan (Kura) and asked Asmina to ride there) and moved over to the waiting air garden to rest at the castle. So, I came back at the promised time at dawn of the night, but the first thing I was brought in as a route into the palace was the sewer, and this one was the next thing I was brought in front of the main entrance to this palace because I firmly refused for all conveniences. "... Dear Hiyuki, I don't trust this guy to think about it, do you really hire him? "... I don't trust you or trust you, but when a business gets involved, you're the one who works the wages right." "... won't you get stabbed from behind? "... that concern is high, but I probably won't do it while in business. I just don't think they'll mentally get busted later." "... is that a prerequisite for betrayal? "... hey, because we remain enemies before we betray you in the first place" "... who are you? "... you're basically a petitioner. The lack of moderation and the speed of escape is unique, so he said he was out of reach when he realized he had been tricked. In short, you're a scoundrel who can't eat boiled or baked." "... are you sure you want to hire me? When I notice, conversations have been looping with Asmina since yesterday. "No, I can't be so vigilant, but I swear to God I'm loyal to my homma paycheck." Of course, I'm talking to what I hear, but his iron skin was unchanged and he was waving his patsy hands with ease. "... it sounds like a lie" "... that would be a lie" That said, if I left him alone, he would definitely hide himself and monitor us. Honestly, it's mentally tight to be stalked by an assassin at four or six. Then one of the reasons I compromised this time is that it is less stressful to have you still within sight. Well, the roundtable members have suggested using a demon guide doll instead, but I'm anxious for the safety of the accompanying Asmina to be a fightless doll, and I don't think I can handle it when I say I have to, like when I was Levan. Also, this is a personal sentiment, but I think Asmina and I are friends, so I have a huge desire to help you out properly in life, not over the doll. That's why I'm prepared for the danger - and there will definitely be some kind of backing to it, but conversely, I've come into contact with you judging that it would be gainful to use us to accomplish that end, so to a certain extent, the interests coincide - and I've decided to place SS around me and get them to work together with the utmost vigilance. Incidentally, the reward is, "How is it that you're going to let me know the reassurance of that lion boy and the contents of the conversation if your daughter comes into contact with the emperor? Because information is the best asset". And I didn't know about 'emperors' or 'prime ministers'. "What's that? When I asked, I was pulled back. "You didn't know and you fought and sold it to the Chancellor!?" Mr. Shadow Lang, who seems stunned, asked me about the situation in this country, but now, and so it feels like what's going on. So, as for the reward, I thought it was too delicious a story or suspicious terms, and I looked at it with suspicion, "... or I'll hit you with the underwear your daughter is wearing right now because our boss wants it" I said something disgusting like that, so I immediately made it ok under the previous conditions. "- Or the mastermind wants my underwear, Mr. Shadowloon. You're absolutely lying, aren't you? "I don't like it. I've never lied to my daughter before." You're already lying there. "No, but if... if that's true, doesn't that mean Mr. Shadowloon's boss is a pervert, too? "... no, nothing from me" Mr. Shadow Lang gives off a cloudy, dry laugh like that.... Yes, no way?! To get away from this dangerous topic, or did you decide that it was not obvious, Mr. Shadowloon gave me his right hand before me and his left hand before Asmina? "... imitation of what? Does that mean even the arteries are cut? Um, put the umbrella away and put out "Sinner of the Rose (Jill de Lee)" instead... "Ma'am, haven't you thought about anything noisy? "It's my fault." "... ma, fine. Can you hold my hand? I use" stealth "to sneak in." Naturally, Mr. Shadowloon even gives this skill up to MAX, but when it's actually used in front of him as a reality, I can see how awesome it is. Of course it stopped appearing in my eyes in an instant, because the signs, the temperature, I don't even feel the sound of breathing. Sure, this would be easy to sneak inside the palace... "Awesome, but no matter what you think, it's the only move you can use to peek" "Well, I'm pretty sure I'm the pervert of the Peeping Demon." Asmina frowned and I immediately agreed. "- Something just happened to me, it's full bocco..." Even the thick-faced Shadow Lang felt slightly drawn to his smile. "So, when you hold hands, do we become transparent, too? In game age, I could have shared the effects of Hidden (Stealth) within 5 squares of signing up for a party member, but this way, they've changed their settings to those shapes. "Can you hold hands with that?" Encouraged again, Me and Asmina looked at each other. "... are you holding this man's hand, Master Hiyuki" "... but if I don't grip it, I'm gonna have to go into a huge group of G's." "... it's the ultimate choice." "Oh my!? What's the level of trouble with the oilworm (cockroach) that connects me with my hand and being hung on my balance?! All this time, Mr. Shadow Lang looks shocked by the vegetables. Then after discussing it with Asmina, "I hate them both as much, but they're better than sewers," I decided to hold hands with Mr. Shadowloon. She looks like a flower in both hands, but the only person in a good mood was Shadowloon, and both me and Asmina looked like 'eh'. Using the word as a signal, my body becomes soothingly transparent. It's hard to check because it's my body, but at least all the visible ranges were invisible. "Dear Hyuki, am I properly gone too? I heard Asmina's worrying voice coming from nothing. "It's okay, it's all gone. ... but it's inconvenient if we can't see each other." "Yeah, be careful, 'stealth' will make us invisible to each other. If you let go of your hand, the surgery will disappear on the spot, and you'll have to show up all again and hang up again, and there's a slight risk. And I can't hear you, but I can hear you touching the area, so please touch something extra." Hmm, it's pretty restrictive. Sure, losing sight of each other is an advantage, but there's also a lot of risk because we don't know who makes any kind of mistake than we don't see each other. But... "Can't you even confirm what we look like from Mr. Shadowloon that you can't see us? I felt my head bowed over my gripping palm. "Oh well, can't you see......... here" "Buuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!!! At that moment, Mr. Shadowloon showed signs of breathing funny. "... I knew you'd see it from that side." "Huh?! What happened...?? I hear the bewildered voice of an unseen Asmina, but it's not even like talking, so I pass silence. "Saho... Saho... oh, my lady. I'm a girl now, so be careful. All of a sudden what a shame..." "It's an experiment, an experiment. I don't trust you. [M] In fact, it was a lie." Well, I guess I got some restraint. "Totally...... sure, to be honest, you both look translucent from yourself. I don't really see the details, so don't do anything extra." "Okay, okay, let's just go" "Well, I'd like to let go of this hand soon." Encouraged by me and Asmina, Mr. Shadowloon walked out with a sigh. I just walked, as I recall, "- Still, I get my ass in a lot with such a tiny cloth" And I was squealed, so when I waved my fist at it as it should, I had a response that hit my "warm!?" jaw, and Friendly Fire solved 'Hidden (Stealth)', but I decided not to worry about it because the hoarding dropped somewhat.

幕間 環堵雑話 女は謎だ。と言うか別な生物だと思えと、既婚者の先輩冒険者にも言われたけど、本当に謎だ。 特にこいつは謎がドレス着て歩いているようなもんだよな、と緋雪の無防備な寝顔を見ながらジョーイはしみじみ実感した。 上等のドレス――と言ってもいつものズルズルした奴じゃなくて、動きやすいミニスカートだけど、それでもふんだんに使われてるレースや宝石からして、とんでもない価値だってのはわかる。たぶん買ったら凄い値段がするんだろう――しかし、それが皺になるのも気にしないで、勝手に人のベッドでぐーすか横になってるってのはどーいう了見なんだろう? 仮にも男の部屋なんだけどな。こいつ俺のこと男として見てないのか......見てないだろうな。 と、戻ってきたジョーイの気配に気が付いたのだろう、緋雪がぱちりと瞼を開いた。 「......やあ、お帰りジョーイ。勝手にお邪魔させてもらったよ。――いつの間にか寝てたみたいだけど」 ふぁと口元に手をあて、可愛らしく欠伸しながら、挨拶をする緋雪。 「お前なぁ......寝るなら普通に自分の家で寝ろよ」 「いやぁ...城だとなかなか落ち着かなくてねぇ。だいたい寝室もほぼ日替わりだし、ベッドもキングサイズどころか中央にたどり着く前に挫けそうなくらい大きいし。――このくらいの狭い部屋の狭いベッドのほうが気分的に落ち着けるんだよねぇ」 かと言って、さすがに古式ゆかしく棺桶で寝るのは勘弁だけどね、と一人ごちる。 「狭くて悪かったな」 「いやいや、なんでも大きければ良いってものじゃないよ。だけど確かに......これは、私も迂闊だったかも知れないね」 言いながら、ほとんど付け根付近までずり上がっていたスカートを直す緋雪。 反射的にその細くて真っ白い素足に視線が釘付けになるジョーイ。 「お...おう......!」 なんだ、意外とこいつも恥じらいとかあるんだな。 「こんなとこミーアさんか、フィオレに見られたら、君があらぬ誤解を受けたところだからねぇ」 「お...おう......?」 ん? なんか違うような気がする。 「そーいえばさ、あの二人ってどこで暮らしてるんだい? ミーアさんはともかく、フィオレは弟子なんだからってっきり同室か隣部屋かと思ってたんだけど違うみたいだね」 「だから弟子じゃねえって言うの......ミーアさんは3年前からガルテ先生のところに下宿してるって言ってた。あとフィオレは中央市街に自宅があるって言ってたな」 「へえ、お嬢様なんだねぇ」 軽く目を瞠る緋雪を見て、お前が言うなと呟きつつ続けるジョーイ。 「なんか魔術師の名門とか言ってたな。親は両方とも国家一級魔術師とか、兄弟も全員国家資格持ってるとか」 「ますます大したものだねぇ。それがなんで、冒険者なんてヤクザな商売をしてるんだい?」 「ヤクザで悪かったな。......えーと、確か国家魔術師の一番下の試験に落ちて、ああ、なんかヒッキは問題なかったんだけど、ジツギで駄目だしされたとかで、ジツギを磨くためって言ってたな」 初めて出会って自己紹介をした1ヶ月ほど前の護衛依頼を思い出しながら、ジョーイは答えた。 確かあの時は数人のソロの冒険者と、1組のチームが共同で依頼を受けたんだっけ......。 「きゃう――!?」 小さな悲鳴をあげて『魔術師』と自己紹介していた女の子が、ポイズンドッグに突き飛ばされ、尻餅をついたのが見えた。 なんで後衛の魔術師を誰も守ってないんだ!? ちらりと今回の冒険者たちのまとめ役を買って出た、チーム『赤巾旅団』リーダーを見たが、自分の仲間だけで固まってポイズンドッグの対応をするのに手一杯で、全体への配慮や指示などとうていできる様子ではなかった。 手にした杖にすがって必死に立ち上がった少女だが、ポイズンドッグの爪や牙には麻痺毒がある。 おそらく突き飛ばされた時に、爪がかすったのだろう、明らかに足元がふらついていた。 恐怖に震えながらも呪文を唱えようとする少女へ向かって、ポイズンドッグが踊りかかる。 「ひっ...!」 思わず呪文を中断して、ぎゅっと目を閉じる少女。 「おいっ、転がれ!」 駆け寄りながらのジョーイの叫びに、少女は咄嗟に身を捻って、落ち葉や腐葉土の堆積した地面に倒れ込んだ。 間一髪、一瞬前まで少女の首があった辺りで、ポイズンドッグの牙が空振りした。 その隙に、走る勢いをそのままにジョーイは剣を振り振り下ろして、少女を狙っていたポイズンドッグの頭を叩き切った。 「すごい......」 呆然とする少女の背後に、もう一匹ポイズンドッグが突進してくるが、気が付いている様子はない。 「おいっ、もう一匹くるぞ! 立て!」 慌てて立ち上がった彼女が、杖を構えて呪文を唱えようとする。 「馬鹿っ、死ぬ気か!? 俺の後ろに来い!」 駆け足で彼女が自分の後ろに隠れたのを確認して、「よしっ」と頷いたジョーイは剣を構えた。 「俺が前衛で戦うから、お前は適当にサポート頼む!」 「わ、わかりました」 こくこくと少女が頷くが、正直あまり期待しないで、ジョーイは迫り来るポイズンドッグに向かって、大きく踏み込みながら剣を薙ぎ払った。 「ぎゃん!」 脇腹を切られて距離を置くポイズンドッグ。そこへ背後から赤ん坊の拳くらいの火の玉が投げつけられた。 咄嗟に躱したポイズンドッグの前脚の一本を斬り飛ばすジョーイ。次の呪文を唱えようとしている少女に向かって、同時に指示を飛ばす。 「火だと火事になる! 他の魔法に変えろ!」 「は、はいっ」 はっとした顔で呪文を中断する少女。その一瞬の隙を突いて、残った3本足で跳躍してきたポイズンドッグの牙を剣で押さえ、捻りを入れて突き飛ばしたところへ、人差し指くらいの氷柱が矢のように飛んで刺さった。 ダメージ自体はそれほどではないようだが、不意打ちに怯んだところを、返す刀で鋭い剣の一撃をその胴に叩き込んだ。 それで、二匹目のポイズンドッグも息絶えた。 その後30分ほどで、どうにかポイズンドッグの群れを撃退することができた一同は、負傷者の確認や護衛対象の商人や荷物に被害がなかったか確認するため、小休止をとることになった。 「すごい、すごいです。あっという間に5匹もポイズンドッグを倒すなんて!」 戦闘終了後、少女が歓声をあげてジョーイに抱きついてきた。 その拍子に、汗混じりの少女の甘い体臭と、豊かな胸の膨らみが革鎧越しにでもはっきりと感じ取れた。 「お、おいっ」 慌てて体を引き離すと、少女も我に返ったようで、たちまち顔を赤くして小さくなった。 「......ご、ごめんなさい」 「いや、いいんだけどさ。ああ、さっきは援護サンキュー。助かったぜ」 そう言うと、なぜか少女は驚いたような顔でジョーイの顔を見た。 「あの......役に立ったんですか、あたしの魔法で......?」 信じられないという口調に小首を傾げながら、ジョーイは思ったままに答えた。 「ああ、ずいぶんと戦闘が楽だったぞ。やっぱり魔術師が後ろにいると、安心感が違うよな」 そう言った途端、大きく目を見開き......なぜか、泣きそうな顔で目を潤ませた。 「お、おい。俺、なんか変なこと言ったのか?!」 『――君もつくづく情緒がないひとだねぇ』以前、緋雪に言われた台詞がありありと甦った。 「...違うんです。......嬉しくて」 はあ?なんのこっちゃ、と聞き返そうとしたところで、横合いから野卑な声がかかった。 「おいおい、駄目じゃないか坊主、女の子を泣かせちゃ」 「そうそう、女は可愛がるもんだぜ」 「ひひひひひっ」 見るとチーム『赤巾旅団』のリーダー、シュミットが取り巻き2人を連れて近づいてくるところだった。 「シュミット...さん」 戦闘中はろくに指示も出さないで、今頃のこのこと、よくもまあ恥ずかしげもなく。 そう思いながら呼びかけたジョーイを無視して、シュミットは少女に呼びかけた。 「よう、お嬢ちゃん。ソロは辛いだろう、なんなら俺たちのチームに入らないか? そのほうが便利だぜ」 「そうだぜ、新人は優しく教えてやるからなぁ」 「手取り足取り、な」 その視線が少女の豊かな乳房に注がれていた。 怯えてぷるぷる震える少女の前に、ジョーイが進み出た。 「ん? なんだ坊主、文句があるのか?!」 凄むシュミットだが、ジョーイは気圧された風もなく、真っ直ぐその目を睨み返した。 「シュミット...さん。その前に彼女に謝るのが先だろう。さっきアンタがきちんと指示を出さなかったから、危うくポイズンドッグにやられるところだったんだ」 「あん?! 小僧がいっぱしの口を利くな! 俺は俺でやることがあったんだ!」 「へえ、リーダーが指示も出さないでやることってなんだい? 仲間と固まって震えることかい?」 ふと、あいつだったらこう言うんだろうな、と緋雪の顔を思い出し――結果、浮かんだ思い出し笑いが――相手から見れば嘲笑するような顔つきに見えた。 怒声をあげて剣を抜く三人組の沸点の低さに内心呆れながら、ジョーイは腰の魔剣を抜いた。 「おい、魔法で援護できるか?」 シュミットたちから目を離さないままのジョーイの指示に従い、背中越しに少女が杖を構えて呪文を唱える声が聞こえてきた。 やや怯んだ態度を見せながらも、 「けっ、こっちは3人だぜ。半人前が2人でなにができる!」 虚勢を張るシュミット。 だが――。 「二人だけじゃないぜ。周りを見てみろよ」 言われて周囲を見ると、今回ソロで参加して、ポイズンドッグの襲撃に際しても何の指示も受けずに、各個で戦わざるを得なかった冒険者たちが、恨みの篭った目でシュミットたちを取り囲んでいた。 さすがに不利を悟ったのだろう。 「けっ、餓鬼相手にしても仕方がねえ。行くぞお前ら。――小僧、ギルドへに報告の時は覚えておけよ」 小物臭い捨て台詞を吐きながら、シュミットたちはそそくさとその場から退散した。 ほっと肩の力を抜いたジョーイたちに向かって、周りの冒険者たちが、 「言わせとけ。俺たちが証人だ、あいつ等こそペナルティを与えてやるさ」 「心配すんな、任せておけ」 「嬢ちゃんをしっかり守れよ!」 口々に労いの言葉をかけてくれた。 「どうもすいません」 「...あ、ありがとうございます」 慌てて頭を下げるジョーイと少女。 やがてひとしきり囃し立てられた後、二人きりになったところで、少女がなにか決心した顔でジョーイの顔を真っ直ぐ見上げた。 「あ、あの、あたしフィオレっていいます」 「ああ、そういえば自己紹介してなかったな、俺はジョーイだ」 「ジョ、ジョーイさん......ですか。あの......あたしを弟子にしてください」 そういって深々と頭を下げるフィオレ。 「は......はああ???」 いきなりのことに困惑するジョーイの目を、必死な面持ちで見つめるフィオレ。 「ご迷惑なのはわかってます、でも、あたしはもう誰かの足手まといや、負担になるわけにはいかないんです。ですから」 少女はその場で膝をつき、両手を地面に置いて、頭を下げた。 土下座である。 「どうか、あたしを弟子にしてください」 なんと答えていいかわからず、ジョーイは救いを求めるように頭の上を見たが、そこには快晴の空が広がっているだけだった。 「まあ、あいつも実家じゃミソッカス扱いらしいから、いろいろと切羽詰ってたんだろうな」 「なるほどねぇ、それで冒険者修行で腕を磨くということか。見かけによらず意外と行動力があるんだねぇ」 「まあなあ。なんか危なっかしくて見てらんないから、取りあえず師匠とかはなしで、組んでるんだけど......」 「ふぅん、君も相変わらずだねぇ」 喜んでいるような呆れたような緋雪の口調に、なんとなくほっとするものを覚えながらも、ジョーイはぶっきらぼうに「悪かったな」と返した。 「それにしても、そのチーム『巾着軍団』だっけ? そっちから嫌がらせとかはなかったのかい?」 「『赤巾旅団』な。まあその後不正とかなんとかいろいろ発覚して、ギルドを追放になったからよくわかんねーけど」 「ふむ。そういう下種な連中はしつこいからね、充分気をつけたほうが良いよ」 と言っても、ジョーイにその手の気遣いは無理そうだから、後でガルテギルド長にでも話しておこう、と思いながら緋雪は話を締めくくった。 「――さて、すっかり時間も遅くなったし、そろそろ帰らせてもらうよ」 ベッドから降りて靴を履く緋雪。 「......なにしに来たんだ、お前?」 「昼寝と雑談だろう? ああ、そうそう、この間のダンジョンのお宝は本当に私が預かってもよかったのかい? 別に4人で山分けで問題なかったんだけど?」 「そーいうわけにはいかないだろう。スフィンクスはお前に『やる』って言ってたんだし、あの獣人族の姐さんも『あたしゃお姫様の護衛で来たんでね。受け取る権利はないよ』っていうし、お荷物だった俺らが受け取るわけにはいかないだろう」 「そんなに堅く考えなくてもいいと思うけどねえ。まあ、気が変わったら言ってくれればいいさ」 軽く肩をすくめて、緋雪はドアを押し開けた。 「それじゃあ、また」 「おう、またな」 ヒラヒラと後ろ手に挨拶して出て行く緋雪を見送った、ジョーイは『狭い』と言われた部屋が、急に広くなったような気がして、ため息をついた。 まったく、ヒユキもフィオレもミーアさんも謎だよなぁ。

73 Tabernacle Ring Blockage Chatter A woman is a mystery. I mean, think of it as another creature, and a married senior adventurer told me, but it's a real mystery. Especially since this guy is like a mystery walking in a dress, and Joey felt stingy as she looked at Scarlet Snow's defenseless sleeping face. A superior dress - not the usual cheating guy, but an easy to move miniskirt, but still, I know it's a hell of a value from the laces and gems that are plenty used. Maybe if I bought it, it would have an awesome price - but don't worry about it wrinkling, what kind of observation is it that you're lying around in people's beds on your own? Suppose it's a man's room. You haven't seen this guy as a man about me... you haven't. And, you must have noticed signs of Joey back, Scarlet Snow opened his eyelids properly. "... Hey, welcome home, Joey. I'm sorry to bother you. - Sounds like he was asleep sometime." Huh, Scarlet Snow greeting her with her hands on her mouth, cutely outstretched. "You... if you're going to sleep, sleep in your own house normally" "Hey... it's hard to calm down if it's a castle. Mostly the bedrooms are almost daily, and the beds are about as big as they seem to frustrate before they reach the center instead of the king size. - A small bed in a room as small as this will calm you down." I said, "That's just old fashioned. I don't mind sleeping in a coffin." "I'm sorry it was so narrow" "No, no, it's not like everything should be big. But it's true... I think I might have been a bit of a bummer." Saying, Scarlet Snow fixes a skirt that was almost slipping up to near the base. Joey whose gaze nails on its thin, bright white bare feet reflexively. "Ooh... ooh...! Oh, my God, surprisingly, there's shame in this guy, too. "Mr. Meer, if Fiore sees you like this, you just got misunderstood." "Ohh... Ohh...? Hmm? I feel like something different. "Speaking of which, where do those two live? Anyway, I thought Fiore was in the same room or next door because he was a disciple." "That's why I say he's not a disciple... Mr. Meer has been staying at Dr. Garte's for three years now. And Fiore said he had a home in Central City." "Oh, she's a lady." Joey keeps whining when he sees the scarlet snow that lightly blinds his eyes and tells you not to. "You said something about a mage's fame. You think both parents are first-class magicians and all their brothers are nationally qualified?" "It's getting bigger and bigger. Why are adventurers in such a crappy business? "Sorry about the yakuza.... Er, I did fall for the bottom exam of a national magician, and, oh, I didn't have a problem with hiccups, but they didn't do it with jitsugi, you said to polish the jitsugi." Joey replied, recalling a request for an escort about a month before we first met and introduced ourselves. Surely a few solo adventurers and a group of teams received a joint request then... "Damn -!?" I saw a little scream and a girl who was introducing herself as a 'magician', being thrust by a poison dog and wearing an ass cake. Why isn't anyone protecting the rear guard magician!? I saw the leader of the team "Red Scarf Brigade", who had bought the wrap-up role of the adventurers, but it was not a great way to consolidate and respond to poisoned dogs with his own people alone, and to take care of the whole thing and give instructions. A girl who rose desperately on the cane in her hand, but the nails and fangs of a poison dog have paralysis poison. Probably when I was thrust, my nails were scratched, my feet were obviously fluttering. Poison dogs dance toward a girl who trembles in fear but tries to cast a spell. "Hih...! The girl who unintentionally interrupts the spell and closes her eyes all the time. "Whoa, roll! To Joey's cry as she rushed over, the girl twisted herself aggressively and fell into the deposited ground of fallen leaves and rotten soil. Poison dog fangs swung empty around the area where there was a girl's neck until a moment ago. In that gap, keeping the running momentum intact, Joey waved down his sword and slapped off the head of the poison dog that was after the girl. "Wow......" Behind the stunned girl, another poison dog protrudes, but he doesn't look aware of it. "Whoa, here comes another one! Stand up!" She stands up in a hurry, putting up a cane and trying to cast a spell. "Idiot, are you going to die!? Come behind me! "Okay," Nodded Joey, making sure she hid behind herself on the run. "I'll fight in the avant-garde, you get the right support! "Wow, I get it" The girl snorts, but honestly don't expect too much, and Joey shoots off his sword as he treads heavily toward the impending Poison Dog. "Ghan!" Poison dogs with their flanks cut and distanced. A fireball about a baby's fist was thrown from behind there. Joey slashes off one of Poison Dog's front legs. Skip the instructions to the girl about to cast the next spell at the same time. "Fire will set you on fire! Turn it into some other magic! "Ha, ha." The girl interrupts the spell with a stiff face. Poking at that momentary gap, he held Poison Dog's fangs with his sword as he jumped with the remaining three legs, twisted them in and thrust them, and an icicle about his index finger flew like an arrow and stabbed him. The damage itself does not seem so much, but I knocked a sharp sword blow into its torso with a knife to return where I was unintentionally frightened. So, the second poison dog was also out of breath. In the next half an hour or so, we managed to repel a flock of poisoned dogs, together with which we were to take a small pause in order to confirm the injured and to see if there had been any damage to the merchants and luggage to be escorted. "Wow, it's amazing. I can't believe you beat five poison dogs in no time! After the fight, the girl cheered and hugged Joey. On the clap, the sweet body odor of the sweaty girl and the swelling of her abundant breasts were clearly felt over leather armor. "Oh, come on." When I pulled my body apart in a hurry, the girl seemed to have returned to me, and I immediately turned my face red and small. "... oh, sorry" "No, I don't mind. Oh, that was a cover Thanksgiving earlier. Thank God." With that said, for some reason, the girl looked at Joey's face with a surprised look. "Um... did it help, with my magic...? Joey replied as he thought, tilting his little neck to the tone that it was incredible. "Oh, it's been a lot easier to fight. I knew with a magician behind me, you'd feel different." As soon as I said that, I opened my eyes wide...... somehow, I moistened my eyes with a crying face. "Oh, man. Did I say something weird?!" "- You're one of those people who doesn't have the mood to make it," the dialogue that Scarlet Snow told me before came back to life. "... it's not.... happy." Huh? Oh, my God, I was just about to ask back, and there was a humble voice from across. "Come on, kid, let the girl cry." "Yeah, well, women are adorable." "Hihihihihihihihi" When I saw it, Schmidt, the leader of the team Red Scarf Brigade, was about to bring the two surrounding men closer. "Schmidt..." Don't give me too many instructions during the battle, and don't be shy about this by now. Ignoring Joey, who called out with that in mind, Schmidt called on the girl. "Hey, little lady. Solo will be hard, why don't you join our team? That's more convenient." "Yes, newcomers will teach you kindly." "Hands-on, man." The gaze was poured into the girl's abundant breasts. Joey advanced before the frightened and puffy trembling girl. "Hmm? What kid, you got a complaint?!" Awesome Schmidt, but Joey looked straight back into his eyes without the barometric wind. "Schmidt... You'll have to apologize to her first before then. I almost got hit by a poisoned dog because you didn't give me proper instructions earlier." "Amen?! Don't let the kid talk full! I had something to do with me! "What do you mean, the leader doesn't even give instructions? Are you shivering with your buddies? Well, I guess if it was him, I'd say this, and I remember Scarlet Snow's face - resulting in a floating memorable laugh - that looked like a mockery from their point of view. Joey pulled out his hipster demon sword as he was heartbroken by the low boiling point of the threesome pulling out his sword in anger. "Hey, can you cover with magic? Following Joey's instructions, who kept his eyes open from the Schmidts, a girl was heard casting a spell with a cane over her back. While showing a slightly frightened attitude, "Damn, there's three of us. Half a serving is enough for two! Schmidt putting up a vanity. But... "It's not just the two of us. Look around you." When I was told and looked around, the adventurers who had to fight individually, participating in this solo and not receiving any instructions during the Poison Dog raid, surrounded the Schmidts with resentful eyes. I guess you just realized the disadvantage. "Damn, I can't help dealing with hungry ghosts. Let's go, you guys. - Kid, remember to report to the Alliance." Spitting a small-smelling discarding dialogue, Schmidt and his creeps dispersed from the spot. towards the Joeys, who relieved themselves of their shoulders, and the adventurers around them, "Let me tell you something. We're the witnesses. They're the ones who'll punish you." Don't worry, I'll take care of it. "Keep your lady safe! He put words of labor on my mouth. "Sorry about that." "... Oh, thank you" Joey and the girl head down in a hurry. Eventually, after being stood alone, we were alone, and the girl looked straight up at Joey's face with some determined face. "Oh, you know, I'm called Fiore" "Oh, speaking of which, you didn't introduce yourself, I'm Joey" "Joe, is Mr. Joey...? Um... make me a disciple." That's how I bow my head deeply, Fiore. "Ha... ha???? Fiore stares into Joey's eyes, bewildered by the sudden, with a desperate face. "I know it's annoying, but I can't be someone else's leg wrapper or a burden anymore. So." The girl knelt on the spot, put her hands on the ground and bowed her head. It is a dungeon. "Please, make me a disciple" Not knowing what to answer, Joey looked over her head as she sought salvation, but there was just a clear sky spread out there. "Well, he seems to treat Misocchus at home too, so I guess he was stuffed with a lot of feathers" "I see, so you mean brush your arms with adventurer training? You're acting unexpectedly, no matter what you see." "Well. I don't want to see it because it's dangerous, so I'm organizing it without a master or something..." "Phew, you're the same." Joey blurted back, "I'm sorry," even though he remembered something somewhat relieved by the delightful, frivolous tone of scarlet snow. "Still, is that the team 'Wipes Legion'? Didn't you harass her from there? "It's the Red Scarf Brigade. Well, then I discovered a lot of irregularities, and I banished my guild, so I don't know." "Hmm. Those inferior guys are persistent, so you better be very careful." Having said that, Scarlet Snow closed the conversation thinking that Joey might not be able to take care of that hand, so I'll tell Chief Galte Guild later. "- Well, it's totally late, and it's time for me to let you go." Scarlet snow getting out of bed and wearing shoes. "... what are you doing here, you? "Nap and chat, right? Oh, yeah, are you sure I could have kept the dungeon treasure in the meantime? Nothing. The four of us had no problem splitting the mountains? "That's not how it works. Sphinx said 'I'll do it' to you, and that beast tribe lady said, 'You're here with the princess's escort. You don't have a right to it,' and we can't take it when it's your luggage." "I don't think you have to think so hard about it. Hey. Well, you can tell me if you change your mind." Slightly shrugged his shoulder, Scarlet Snow pushed the door open. "See you then" "Oh, see you later." I dropped off Scarlet Snow, who greeted Hirahira and her back hand and left, and Joey sighed, feeling like the room had suddenly gotten bigger when she was told it was' small '. Damn, Hiyuki, Fiore and Meer are mysteries.

第八話 海賊憂愁 海面がもの凄い勢いで遠くなる。 必死に手足をバタつかせるけど、まるっきり効果なく身体に 思えば水が嫌いになったのは、あの変態従兄のイジメが原因だったっけなぁ。 てゆーか、そもそも伯父の家では水着を買ってもらえなかったから、小中学校の水泳はずっと見学でプールに入ったこともなかったし......で、そんなことしてたら、「あいつ本当は女なんじゃないのか?」とか変な噂が立って、学校でもいじられ対象になって嫌な思いをしたし。 ......う~~む、やっぱり、水場は鬼門だったのか......も......。 と、意識が途切れる寸前に、誰かがボクの身体をギュっと抱き締めて、そのまますごい勢いで海面目掛けて浮上していく気がした。 「――ぶはっ!! 大丈夫ですか、緋雪様!?」 明るい日差しと頬に当たる風の感触、そしてなにより切迫したクリストフ君の叫びで、一気に意識が覚醒する。 溜まっていた水を吐き出して、涙目で軽くうなずく。 しばらく咳をして、ようやく呼吸が楽になったところで、自分の恰好――『 「ありがとうございます、クリストフ君。お陰で助かりました」 で、そのまま超至近距離で、お礼を言う。どうやらさっき、ももんがいさんと海へ落ちた直後、誰かが追いかけて飛び込んだのは気のせいではなかったらしい。 「どういたしまして。お役に立てたようでなによりです」 クリストフ君が邪気のない笑みを浮かべた。 むうう、なんてゆーか......ボクなんかの作り笑いとは違って、こういう天然の笑みは反則だねぇ。普通の女の子だったらフラグ立ちまくりじゃないだろうか? 「姫様! ご無事ですか!?」 そこへ背中から三対六翼の羽根を広げた 「ああ、うん、大丈夫。クリストフ君のお陰で......」 そう口に出したところで、ふと、思い出した。こういうときの為に 『久遠! ちょっと、なんで黙ってるわけ!?』 『......まさか、また寝てるんじゃないだろうね?!』 『くーおーんーっ!!!』 『......海ですか。気持ちがいいですなあ、海は』 こんなことなら他の水棲従魔と合身しとけばよかった。いや、普段どおりの 「ああ、アレなら――」 クリストフ君が答えるよりも早く、その当人の叫び声が離れたところから聞こえてきた。 「これで勝ったと思うなよ――――――――っっっ!!」 見れば、角の生えたトドみたいな海獣に跨ったももんがいさんが、悔しげな顔で負け犬っぽい捨て台詞を残して、自分の船へと戻っていくところだった。 「......素であんなこと臆面もなく口に出せる人もいるんだねぇ」 感心している間に、ももんがいさんは自分の船へと辿り着いて、大慌てで船内へと逃げ込んでいった。一瞬、バニーガールが出迎えたような気がしたけど、多分気のせいだろうね。 「旦那様、お帰りなさいませ」 どこの風俗だとツッコミを入れたくなるような挨拶と恰好をした、いつもの兎人族の少女が出迎えるが、ももんがいはそんな彼女を無視して、血相を変えて船室へと飛び込んで行った。 「? どうされました旦那様――って、背中がばっさり斬られてますけど。珍しいですね」 追い駆けてきた少女が、ももんがいの背中に走った一条の刀傷を見て軽く目を瞠った。 「ご主人様にこれほどの深手を負わせるような、凄腕の敵がいたんですか?」 「ああ。とんでもない奴が紛れ込んでやがった! 別名『漆黒の ゲーム時代、密かに流布されていた(本人の知らない)緋雪の形容詞を口に出して、ぶるりと身震いしながら恐怖と絶望とに染まった顔で振り返るももんがい。 「兎に角、奴が出てきた以上は、三十六計逃げるが勝ちだ! お前らはさっさとこの海域から逃げろ! 俺はすぐに『 「――? 破棄するんですか? 帝国艦隊を叩き潰して行くんですよね?」 「ああそうだ! たとえ艦隊ごと沈めたところで、奴が死ぬわけがない! あの化物がっ!!」 むっ、着替えて身体も拭いた筈だけど、やはり北の海は冷たかったのか、不意にクシャミが出た。 まあ風邪なんて引くことはないだろうし、引いたら引いたで自分で治せばいいので、どうでもいいんだけど。 「大丈夫ですか、緋雪様?」 同じく着替えて――と言っても士官学校の制服の代えはなかったので、下士官用の制服を借りている――クリストフ君が心配そうに、ボクの顔を覗き込んできた。 ちなみに現在はベルーガ号の甲板に戻って、負傷者の手当てをしている(ただし死者の蘇生は行っていない。それができると世に知られればこの世界のパワーバランスを崩す恐れがあるので、公表はしないことにしている)。 そのお陰というわけでもないだろうけど、帝国軍の方はじりじりと戦況を押し返しているようで、艦隊も 要するに足をとめて周囲の有象無象を全て排除するつもりらしい。事実、目に見える範囲でも、次々と海賊船団の大型船や小型艇が海の藻屑と消えて行っている。 「ええ、ちょっとクシャミが出ただけで、特に身体に不都合はないですよ」 そう言うとクリストフ君は、見るからにほっとした顔で胸を撫で下ろした。それにしても、彼には本当にいろいろとお世話になったねぇ。 「クリストフ君には、なにかお礼をしたいのですが、私にできることがあればなんなりとおっしゃってください」 まあ相手は大国の大公の一子。大概の我儘は通せる身分だとは思うけど、いちおうこちらの方が出来ることの 「お礼......ですか」 虚を突かれたような顔で瞳を何度かまばたきするクリストフ君。 「そんなものは――あっ。 ......。......あの、では厚かましいお願いですが、く、くち」 最初は遠慮しようとして、すぐになにか思いついたようで、ボクの顔を見てなぜか頬を染めて、もごもごと何か言い掛けた――その時、 「なんだあれは!?」 回復した海兵の一人が、前方の海域を指差して驚愕の声をあげた。 反射的にそちらの方を向くと、海面がまるで火山の噴火のようにぶくぶくと激しく泡立ち、続いてなにか巨大で黒い影が下から見えたかと思った瞬間、海面を突き破って鋭角の塔のようなものが垂直に浮上してきた。 その形状を目にしたボクの口から、自然とその単語が零れ落ちた。 とも操作は基本コントロールルームに座って、目の前に表示されるタッチスクリーンで移動・外観内装変更などを行う仕様であり、基本操作はどれも一緒で余分なモノは一切ない。 ついでに付け加えるのなら、基本的にGHには武装は取り付けられないので、外観がどうであれ丸腰であり、 とは言え全長390メートルの巨体はその質量そのものが充分な兵器であり、この世界の木造船などまさに木の葉のように蹂躙するであろう。 「目標は敵旗艦だ、さっさと斃してバックレるぞ!」 自分自身と周囲に控える部下――タ○ノコ的なノリで掛け声を返す半魚人、河童、船幽霊などの従魔――を鼓舞しながら、最大速度で敵味方入り乱れる戦場へと乱入しようとする『 モニター越しでも相手方の激しい動揺が伝わってくるようだが、逃げられるわけがない。 だが、勝利を確信したももんがいの顔――いや、身体が――いや、『 』を確認した久遠が、頭上を見上げて確認すると、蒼穹を割って降りてきた黄金色のドラゴン――天涯が不満そうな唸りを発した。 「無論だ。この私が仕損じることなどありはしない。それよりも、ご老人こそ少々仕掛けるのが遅かったようだが」 人知を超えた一連の出来事に唖然として、戦闘の手が収まった――と言うか、水中から久遠が『 「どうも申し訳ありません。身内の恥をこのような場で晒してしまい、お恥ずかしい限りです」 狐に抓まれたような顔をしていたエストラダ提督だけど、ボクの言葉で正気に返ったらしい、相変わらず空中から小言を放っている天涯と、海面でのらりくらい躱している久遠、さらにその背中に焦げて落ちている『 「ええ、無事に鹵獲できて幸いです」 まあ、これからあっちに乗り移って完全に制圧して、 言葉に出来ないという感じで、緩く首を横に振るエストラダ提督。 「それでは、私はあの船に用事があるので、申し訳ありませんがここでお暇させていただきます」 そう提督に別れの挨拶をしたところで、クリストフ君が何か言いたげな顔をしているのに気が付いた。 「そういえば、クリストフ君には先ほどのお礼の件をまだ聞いていませんでしたね。ちょっといまは取り込む予定ですので、申し訳ありませんが後日、改めてお伺いしてお話を聞くということでよろしいでしょうか?」 「あ、はい! ぜひお待ちしています!」 ぱっと顔を輝かせて何度も頷くクリストフ君。 そんな息子の顔を見て、なぜかニヤニヤ笑いを浮かべながらエストラダ提督が一言言い添えてきた。 「私も妻もお待ちしていますので、いつでもおいでください。心から歓迎いたします。陛下」 「はあ? ありがとうございます」 よくわからないまま一礼をして、ボクは七夕が変じた大白鳥に乗って、その場を後にした。 隣には命都が追随して飛行している。 「さて、これでなんとかなればいいんだけど」 独りごちながら、延々と不毛な口論をしている天涯たちの下へと向かうのだった。

126 Episode 8 Pirate Grief The sea level moves away with tremendous momentum. I desperately flutter my hands and feet, but as if it had a hammer on my body without any effect, I get dragged deeper and deeper into the sea floor. I wish that perverted cousin's fig had caused me to hate water when I thought about it. I mean, you couldn't buy me a swimsuit at my uncle's house in the first place, so swimming in elementary and secondary school has never been in the pool with a tour... so if I did that, I'd say, "Isn't he really a woman?" and other weird rumors arose, and I felt bad about being bullied in school. ... Uh-huh, after all, was the water field a gateway... too... And, on the verge of an interruption of consciousness, I felt someone hugging my body and surfacing with great momentum as it was. "- Buha!! Are you okay, Scarlet Snow!?" With the bright sunshine and the feeling of the wind hitting your cheeks, and more importantly your screaming, Christoph, your consciousness awakens at once. Spit out the accumulated water and nod gently with tears. After coughing for a while, I finally found it easier to breathe, and I realized that I fit in - keeping "Sinner of the Rose (Jill de Lee)" (something I didn't drop a lot of), unconsciously spinning my hands around your neck to take it away - and I couldn't fit in and put "Sinner of the Rose (Jill de Lee)" in storage space (inventory). "Thank you, Mr. Christoph. Thanks for your help." So, stay super close, thank you. Apparently, it wasn't my fault that someone jumped in after Mormon and I fell into the ocean. "You're welcome. Looks like it helped. More importantly." Christophe smiled unharmed. [M] Um, I don't know... Unlike my kind of making laugh, these natural laughs are against the rules. If you were a normal girl, wouldn't you be flagging me all over? "Princess! Are you safe?!?" From there came the life capital (Miko) with its three to six wing wings spread out from its back, and the New Year's Eve (once), which produced swan feathers. "Oh, yeah, I'm fine. Thanks to you Christoph..." Yeah, I just put it in my mouth, and, uh, I remember. I thought you and Kuyuan fit in together for a time like this. What are you doing?! "Kuyuan! Hey, why are you shutting up!?" '... I guess you're sleeping again?!' "Kuuuuuuuuuuu!!! '... is it the sea? It feels good.' If this is the case, I should have fitted in with the other aquatic submarines. No, I didn't have a problem with anyone in the usual heavenly life (Tendo) or the Four Wesen Heavenly King... I just vehemently regretted it and asked Christoph another thing that bothered me. "Oh, if it's me..." Quicker than you answer, Christoph, I heard the shout of that person coming from away. "Don't think I won this - - whoa!!" Seeing it, the thing across the beast like a horned todo almost returned to his ship, leaving behind a loser-like throwaway dialogue with a repentant face. "... some people are vegetarian enough to talk like that without being timid." While impressed, Mormon arrived on his ship and fled aboard in a great hurry. For a moment, I felt like Bunny Girl had greeted me, but maybe it was my fault. "Welcome home, sir" The usual Hagi girl greeted me with a greeting and a fitting that made me want to put in a scratch when it was sex, but thigh cancer ignored her like that and changed her blood and jumped into the cabin. "? What's the matter, sir - though my back is just slashed. That's unusual." The girl who came running after me glanced lightly at her when she saw a knife wound on her thigh cancer back. "Did you have such an awesome enemy that you put such a deep burden on your husband? "Oh, my God, he's in the middle of something! Also known as The Final War of the One in Black (One Man Halmagedon), The Trap in the Skin of an Angel, The Princess of the Final Weapon (Liesal Princess) and many more! I don't know a few words to describe him, he's a horrible opponent! In the age of the game, he mouthed the (unknown to him) Scarlet Snow adjective that was secretly circulated, and looked back with a face stained with fear and despair as he blurted and trembled. "Horn on the rabbit, more than he came out, he escapes thirty-six, but wins! You guys just get out of this waters! I will immediately transfer to the White Whale, remove the concern of the patrons only after the beginning and end of the Imperial Navy, and for now... meet me at the end of Cape Ruth." "-? Are you going to destroy it? You're going to crush the Imperial Fleet, aren't you? "Oh yeah! Even if every fleet sinks, there's no way he's gonna die! That scum!!" Mmm, I changed and wiped my body, but the northern sea was still cold, and I accidentally got kushami. Well, I wouldn't have caught a cold, and if I did, I pulled it. You can fix it yourself, so I don't care. "Are you okay, Scarlet Snow? Get dressed as well - there was no substitute for a uniform for the cadet school, so I'm borrowing a uniform for the corporal - Christoph, you seem worried, peeking into my face. Now, by the way, we're back on the deck of the Beluga, taking care of the wounded (but not resuscitating the dead. I have decided not to publish it because it threatens to upset the balance of power in this world if the world knows it can do so). I don't know if that's the case, but the Imperial Army seems to be pushing back on the battlefield, and the fleet also changed its fleet form (formation), lowering the flagship Beluga to take an all-round defense (all-range guard) stance. In short, they're going to put their feet together and eliminate all the surrounding elephants. In fact, even visibly, one large and small ship after another of the pirate fleet is disappearing with the algae chips of the sea. "Yeah, I just got a little kushami, no particular physical inconvenience." With that said, Christoph, you stroked your chest down with a relieved face to see. Still, he really took care of a lot of things. "Christopher, I'd like to thank you for something, but please tell me what I can do." Well, he's a son of the Grand Duke of a great country. I think I can get through, but I think there are a lot of things that this one can do, so I asked him. "Thank you..." Christopher, you blink your eyes a few times with a face that looks like you've been poked in the void. "That kind of thing - ah. ................ Um, then it's a thick favor, ku, ku " At first I tried to shy away, and immediately something seemed to occur to me, and I looked at my face and somehow dyed my cheeks and hung up saying something about a corn - at that time, "What is that?!?" One of the recovered Marines raised a startling voice pointing to the waters ahead. Turning to you reflexively, the moment the sea level bubbled hard as if it were a volcanic eruption, followed by some huge, black shadow that I wondered if I could see from below, something like a sharp corner tower burst through the sea level and surfaced vertically. Nature and its words fell out of my mouth with its shape in my eyes. Incidentally, each guild home (GH) has a specification to sit in the basic control room and make movement, exterior interior changes, etc. on the touchscreen displayed in front of it, and all of the basic operations are together without any extra stuff. Then I would add, basically, that the GH cannot be armed, so whatever its appearance, it was a round waist, and the rotating angle (drill) attached to the bow portion of the White Whale (Kaiteio) was also like a barber's sign, which could not dive to the ground just once rotated. That said, a giant 390 metres long would be a sufficient weapon in its very mass and ravage exactly like the leaves of a tree, such as a wooden ship in this world. "The target is the enemy flagship, let's just shoot him and buckle him! Inspiring himself and his subordinates who refrain from surrounding him - half-fishers, river children, ship ghosts and other subordinates who return the call with a tao-nook knoll - the White Whale (Kaiteaio) tries to break into a battlefield where enemy allies are disturbed at maximum speed. There seems to be a severe upset of the other party coming through the monitor, but there's no way you can get away with it. But the face of those who were convinced of victory - no, the body - no, the whole "White Whale (Kaiteio)" - was thrust up with fierce momentum from the bottom the next moment, rising as high as a leaf of a tree in the wind. Kurumen, who confirmed the "White Whale (Kaiteaio)" on his back, looked up over his head and confirmed, the golden dragon that came down breaking the ether - the heavenly roar that seemed dissatisfied. "Whatever. I won't do anything to hurt you. The old man seemed a little slower than that." Surprised by a series of events beyond popular knowledge, the hand of battle subsided - or drank from the water by a high wave generated by the impact of Kuyuan's jump on the 'White Whale (Kaiteio)', the pirate ship sank for the most part, so naturally the naval battle ended with the victory of the Imperial Fleet - on the deck of the Magic Sailboat Beluga, Bok bowed his head towards Admiral Estrada, who came out surprised by the noise. "I'm so sorry. You expose your shame to such a place, as long as you're ashamed of yourself." Admiral Estrada, who looked like a fox, but she returned sane in my words, alternating fingers with Heavenly Life, which is still releasing a novel from the air, and Long Far Away, which is lazy at sea, and the "White Whale (Kaiteio)", which is burning and falling on its back. "Yeah, I'm glad we made it." Well, we're not going to succeed in getting over there and taking complete control and not subduing the transfer gates (teleporters). Admiral Estrada shakes her neck sideways loosely, feeling incapable of words. "Now, I have business on that ship, so I'm sorry, but I'll be here to spare you" Yes, I just said goodbye to the Admiral, and I noticed that Christophe looked like you said something. "Speaking of which, Christophe, you hadn't heard about your earlier thank-you. I'm sorry to take you in for a moment, but can I ask you again at a later date and ask you to talk to me? "Oh, yes! I'll be waiting for you! Christopher, you make your face shine and snort again and again. When I saw the face of such a son, for some reason Admiral Estrada came with a word with a niyanya laugh. "Me and my wife will be waiting for you, so hey anytime. I welcome you wholeheartedly. Sire." "Huh? Thank you" I didn't know much, so I rode the big swan, which changed the New Year's Eve, and left the place behind. Next door is the Life Capital following and flying. "Well, I hope this works out" Alone, he headed beneath the Heavenly Fathers, who were arguing in a prolonged barren manner.

番外編 冒険者は新婚を夢みる7 「いや~、助かった助かったっ。感謝感激だぜ~!」 ミーアさんとフィオレが協力して、部屋のあちこちに転がっていた骨の もとい人骨は、現在元気一杯にエッチラオッチラ陽気に部屋の中を動き回っている。 それを呆然と眺めていたボクたちだったけど、ふとその動きと軽薄な物腰に 問われた人骨は頭に手を当てて、思いっきり疑問符を浮かべまくる。 「俺の名前ってジョーイって言うのかな? かなかなかなかなか?」 うわ~っ、なんかムカつく! 「それを聞いているんだよ!?」 「と、言われても生前の記憶とかないし。何しろ脳味噌がないからなあ......」 中身がすっからかんの頭をポンポン叩いて、何が楽しいのかケラケラ笑う人骨。 「......言われてみればこのノリはジョーイ君のような」 「でも、あたしもさすがに師匠の骨まで判別はできないですよ~。名前とか書いてないんですか?」 悩ましい表情で考え込むミーアさんと、おろおろと骨と断定するボクとを見比べるフィオレ。 だが、確認しようにも夢の中のせいか、生憎とステータスの類いは一切見えないし、また身元を証明するようなものも身にまとってはいない。 「――けど間違いないね。この骨はジョーイもしくはそのキーパーソンとなる分身だね。でなけりゃ、こんなに不自然なものが都合よく現れるはずないからねぇ」 「そっか、俺はジョーイか~」 と、えらくあっさりと納得している骨ジョーイ。 それを前に、ボクは縛られて転がったまま嘆息をする。 「は~~~っ......なんか徒労感が半端ないんだけどぉ」 「これがホントの“ムダ骨”っ。なーんちって!」 「「ヒユキ様、その例えはいけませんっ!!」」 ボクのあけすけな感想を耳にしたミーアさんとフィオレが、なぜか血相を変えて止めに入った。 「......どうかした?」 「いえ――」 「なぜか『その話題は止めろ』とか『電子書籍版2018年2月16日から配信開始』と何者かの意思が介在したような......変ですね?」 小首を傾げるフィオレと、『とりあえずそれは横に置いておいて』と、 「この骨がジョーイ君かどうかは確認のしようもないので、まずは現状の把握とこの場からの脱出を優先すべきでしょうね」 その上で打開策を打ち出す。やっぱり隣に常識人がいると安定感が違うね。実家のような安心感――というか 「とはいえヒユキ様が縛られたままでは......」 困った顔でフィオレが相変わらずミノムシ状態で床に転がっているボクの隣に屈み込んだ。 「ん? その縄を解けばいいのか?」 そこへヒョコヒョコやってきたのは骨ジョーイである。 「うん。趣味で縛られているもんだとばかり思っていた」 「んなわきゃあるか~~い!!」 やっぱりコイツはジョーイだよ。ジョーイ以外の何者でもないよ! 「――ふむ。ですが確かに彼がジョーイ君だとすれば、夢の中での干渉の力も強いはず。もしかすればヒユキ様の 「よゆーよゆーっ。その代わり――」 いつも通りの根拠のない――骨の髄からこんな奴だったんだねぇ――自信でもって言い切る骨ジョーイ。そーいや、関係ないけど四凶天王の と、陽気にガッツポーズを取る骨の虚ろな眼窩が、なぜかボクの胸元へと降りてきた。 「その代わり、オッパイ揉ませろ!」 「オッパイ揉ませろっ!!」 「「「はああああああああああああああっ!!??」」」 何を言い出すんだこの骨は!? 「なーんかこう、そうすれば大事なことが思い出されるよーな気がする。だから揉ませろ!」 「「「............」」」 悪びれることなく堂々と言い放つ骨ジョーイを前にドン引きするボクら。 「......ま、まあ。ジョーイ君も青春真っ盛りの男の子だからねぇ......けど、縛られている相手にこれは......」 「師匠ぉ......あたしは情けないですよー。師匠がそんな人間だったなんてぇー」 ミーアさんはさすがに荒くれ揃いの冒険者を相手にしていただけあって一定の理解を示しているものの、フィオレは心底失望した表情で泣いていた。 「つーか、別に私の胸じゃなくてもいいだろう?! ミーアさんのほうが圧倒的にボリュームもあるし、フィオレもあれで結構な隠れ巨乳だよ!!」 両手の骨をワキワキさせながらにじり寄ってくる骨ジョーイの脅威を前に、縛られたままお尻で這いずる形で逃げるボク。 けれど何しろ着ているものがウエディングドレス。そうそう機敏に身動きが取れずに、ジリジリと彼我の距離は縮まるばかりであった。 「いえいえ、私なんてもうオバさんですから。若くて成長途中の胸の方がいいのよね、ジョーイ君?」 「ぐすっ――あたしなんてどーせ単なる弟子の女モドキだと思われているのが関の山ですから」 どうぞどうぞと、会計の支払いで譲り合いをするサラリーマンのように、他のふたりを売ろうかと思ったら、華麗にカウンターを食らってしまった。

158 Outside The Adventurer Dreams Of A Newlywed 7 "No, thank God. Thank God. Thank you!" Meer and Fiore worked together to collect bone parts (parts) that were rolling all over the room, just about for one adult boy. The human bones assembled in this way are currently cheerfully moving around the room. It was me watching it, but I almost unconsciously leaked a frigid groan from my mouth, remembering the motion and the faint hips of my eyes (Dejab). The questioned human bone puts his hand on his head and brings up as many question marks as he wishes. "Are you saying my name is Joey? or quite? Wow, that's annoying! "That's what I'm asking!?" "And I don't have lifetime memories, even if they say so. I don't have any brain miso..." Kerakera laughing human bone with the contents pumping and pounding her sober head and what fun it is. "... if you ask me, this Nori is like you, Joey" "But I just can't tell up to my master's bones either ~. Doesn't it say his name or something? Fiore compares herself to Meer, who thinks with a troubled look, and me, who decides with grate and bone. But I don't see any resentment or status because of my dreams, and I don't have anything to prove my identity. "- But no doubt about it. This bone is gonna be Joey or his key person. Otherwise, something so unnatural wouldn't show up conveniently." "Oh, I'm Joey." And, bone Joey, who is generally lightly convinced. Before that, I sigh tied and rolled. "Ha-ha-ha... I just don't feel like I'm half-working." "This is the real waste bone." Nah, shit! "" Dear Hiyuki, don't make that analogy!! " Meer and Fiore, who overheard my uncomfortable thoughts, somehow changed their blood phase and went into a stop. "... what's wrong? "No -" "For some reason, it seemed like some kind of willingness intervened with" Stop That Topic "or" eBook Edition Begins Delivering February 16, 2018 "... weird, huh? Fiore leaning down her little neck and 'leave that aside for now' and Meer decides it wasn't a gesture (gesture). "I can't even confirm if this bone is you, Joey, so I guess we should first give priority to understanding the status quo and getting out of here." Strike out a crackdown on it. I knew there was a different sense of stability when there was a common sense person next door. I feel at home at ease - or the Crimson Empire. "Nevertheless, Master Hyuki remains tied..." With a troubled face, Fiore succumbed next to me rolling on the floor in the same minnow state. "Hmm? Should I untie that rope? And it was Joey the bone that came there. "Yeah. I just thought they were tied up with hobbies" "Do you have any!!" I knew he was Joey. Nothing but Joey! "- Hmm. But if he is indeed you, Joey, the power of interference in dreams should also be strong. Maybe I can untie Hiyuki." "Yo, yo, yo. Instead -" The usual baseless - he was like this from the bone marrow - bone Joey, who confidently speaks it out. No, it doesn't matter, but there was so much noise when I did it that I didn't think it was the Necromancer. Nah, I remember looking at these bones. and the vain orbits of bones cheerfully gut-posing somehow descended into my chest. "Instead, let me rub it! "Oops let him rub it!!" "" "Ahhhhhhhhhhhhhhhhh!!??" " What are you talking about, you bone!? "Nanka, I feel like that reminds me of something important. So let him rub it! ............ We dont pull forward bone Joey who says grandiose without evil. "... still, well. Joey, because you're a boy with a lot of youth, too. Hey... but this is for the guy you're tied to..." "Master... I'm sorry. I can't believe my master was such a person." Although Mr. Meer was just dealing with a rough line of adventurers and showed a certain understanding, Fiore was crying with a heartfelt disappointed look. "WOW, it doesn't have to be my breasts?! Mrs Meer is more overwhelmingly voluptuous, and Fiore is quite a hidden boob with those!!" I escape in the form of crawling with my butt tied up before the threat of bone Joey leaning over excitedly on the bones of my hands. But somehow the wedding dress is what you're wearing. Yes, the distance between Jirijiri and me only narrowed without being able to move with agility. "No, because I'm already Mr. Oba. You'd rather have a young, growing breast, wouldn't you, Mr. Joey? "Gusu - I'm supposed to be just a disciple lady. It's the mountain of Seoul." Go ahead, and I thought I'd sell the other two, like a salarier making concessions with accounting payments, and I ate the counter magnificently.

第二十一話 聖都混迷 ジョニーの先導で聖都の中心部へと向かうボクだったけど、塔に近づくにつれて妙に空気がざわついている気がして首を捻った。 ちらりと見れば、ジョニーも怪訝な表情で『蒼き神の塔』の方角――もうすでに塔の土台くらいしか視界に入らないけど――を見て、目を細めている。 「なんだ......? なんか雰囲気がおかしいな」 その瞬間、爆発音のような音と振動が、塔に隣接する通りの向こうから響いてきた。空気や歩道を伝って身体がビリビリと揺れる。 「――じ、地震か?!」 「じゃないね。事故か爆発か......なんらかのトラブルが原因だろうね」 2本ほど通りを隔てた向こう側から立ち上る黒い煙と、微かな悲鳴にボクは即座に腰のリボン型拡張ポシェットから、愛剣『 「ちょっと見てくるよ。危ないと思うので、君はここで待ってた方がいいと思うけどね」 「――えっ?! いや、待てよ。危ないんだったら俺も行くぜ!」 「ご随意に。先に行くんで、勝手について来ればいいさ」 返事は待たずに、ボクはその場から騒ぎの現場目指してダッシュした。 当然、一瞬でジョニーは置いてきぼりを食らう。 舗装されている道路なんだし、一気にトップスピードに乗りたいところだけれど、すでに通りという通りは大騒ぎになっていて、悲鳴と逃げ惑う人波で揉みくちゃになっていた。 「――仕方ない」 道沿いに行くのは諦めて、ショートカットをすることにし、その場から三角跳びの要領で、高層建築の壁や街路樹、さらに空中回廊の手すりなどを利用して、三次元的な移動方法へと移行する。 幸いと言うべきか、逃げ惑う人々は他を見る余裕はないみたいで、余計な騒ぎや邪魔をされることなく、目的地へとたどり着くことができた。 騒ぎの中心部――そこはほとんど『蒼き神の塔』のお膝的といった場所だった。 聖職者や教徒、巡礼者向けの商店が立ち並ぶ通りのそこかしこに、明らかに人間と異なる異形の人影が蠢いている。 「化物だーっ!」 「この――ッ!!」 5階建てくらいの高さの建物から落下しながら、見た感じ一番脅威度が高そうな 「お助けください、お助けください!」 逃げるのはまだしもましな部類で、腰を抜かしたのか、現実から逃避しているのか、そうブツブツ唱えながら蹲っている人々が大半だった。しかも、服装を見るにどうやら大半が聖職者臭い。 「祈る前に行動して!」 そう叫んでも、行動に移る様子はなく、見ている間にもどんどんと喰われ、斬られ、嬲られて行く。 目前に明確な生命の危機が迫っているというのに、戦うことも逃げることもしないで、ただただ「お助けください」と、蒼神にすがるだけというのは......なんて言うか、情けないを通り越して、抑え切れない殺意の波動すら湧いてくる不甲斐なさだ。 こいつら命をなんだと思ってるんだろうねぇ。 どんな平和な国に生まれ生活していても、人間誰しも明日の来ない可能性はあるし、いつか死ぬって意味じゃ命は等価だろう。そこには子供も老人も金持ちも貧乏人も差はない。 そりゃ環境に応じて、生きられるだけのリソースに差はあるだろうけど、生きるか死ぬかのボーダーラインなんてのは案外簡単にそこらに転がっているものだし、その選択が迫られた状況で、あっさりと自分の命を他人任せにできるなんて狂ってるとしか思えない。 「皆の者、抵抗してはいかん! これらの異形の者は全て『蒼き神の塔』より現れた。すなわち蒼神様の思し召しである。抵抗せずに受け入れるのじゃ!!」 と、いかにも高位聖職者らしい老人が、やたら大きな声で周囲を煽動し始めた。 「あ、阿呆ですか?! 死にたいの!?」 思わずツッコミを入れるけど、老人は傲岸な態度で堂々と言い放った。 「それが蒼神様のご意思であれば、従うのみである! 蒼神様を信じる全ての者達よ、さすれば天上楽土は約束されたも同じであるぞ!」 その叫びを耳にした逃げ遅れの人々はもとより、どうやら話が伝播したか、他でも同じような世迷言を主張している馬鹿がいるのかは知らないけれど、一度逃げた人々が続々とこちらへと戻ってきて、その場に蹲り祈りの姿勢になった。 当然、格好のエサを前にしたモンスターたちは、なんら躊躇なくそうした“敬虔な信徒”たちをその手に掛ける。 「アホらしい、バカらしい、やってらんねー、コンチクショー」 「緋雪!......はあ、はあ、やっと追いついた。はあ、足はやいな......」 荒い呼吸を繰り返しながら、そこへジョニーが人の群れを縫うようにしてやって来た。 「あら、逃げればよかったのに。それとも他の信者同様に、ここで自殺するつもりできたの?」 「――なんだそりゃ? つーか、この化物ってなんなんだ?」 周囲の惨状――雲霞のように続々と塔から溢れ出てくるモンスターと、粛々とその場に留まって餌食にされている信者たち――を見渡し、目を白黒させるジョニー。 って――蒼神様が、煉獄に封じたって聖典にある化物のことか?!」 「ほほう。そういう扱いなんだ。――うん。多分それで間違いないと思うよ」 「ど、どうすればいいんだ......?」 の流れに逆らって、塔の中に入るのは自殺行為だろう。 「......蒼神様の塔に入れればいいんだな?」 難しい顔で考え込むジョニー。 「いや、入ってもどーなるものでもない可能性が高いけど」 正直な感想を口に出した。 「それでも可能性があるなら、俺に心当たりがある。付いて来い!」 自信有りげに頷いて、踵を返すジョニー。 「.........。――ま、しゃあないか」 やむなくボクもこの惨劇の現場を後にすることにした。 みかん箱みたいな粗雑な作りの屋根付きゴンドラが、ゆっくりと『蒼き神の塔』目掛けて進んでいた。 「こちらスネーク、性欲をもてあます」 「欲求不満か?」 洒落に真顔で聞き返されて、ボクはとりあえずため息をついた。 「......単なるお約束なので気にしないで」 『なにを』『どう』協力してくれるのか、ツッコミは入れないことにして、ボクは遥か下、地上の様子を申し訳程度に付いているガラスの入った丸穴から見下ろした。 距離がありすぎて流石に個別に確認はできないけれど、かなり大型の魔物も出現したみたいで、聖都のそこかしこを右往左往しているみたいだ。 「......これってもう少し早く移動できないの?」 「無茶言うな。この専用リフトは、とっくに使わなくなって廃棄されたものだ。前に何でも屋の仕事で、偶然動かす機会があったから使えるのは知ってたけど、実際に動かしたのは俺だって初めてだし」 「――ちょっと待った! まさか途中でワイヤーが切れたりしないだろうね?!」 この距離から落ちたら流石に死ぬよ! 「......落ちないことを祈るしかないな」 ボクの問い掛けに、困った顔で肩をすくめるジョニー。 そんなこんなで、もの凄く心臓に悪いゴンドラでの空中散歩もどうにか終了。 関係ないけど、あの空飛ぶ翅の付いた機械での移動はできなかったのか聞いたところ、「免許持ってない」「そもそも塔の周辺は飛行禁止」と制約があるので無理とのこと。 「いや、無免許でも見よう見まねで動かすくらいはできるけど......オーニソプターを探してくるから、やってみるか?」 「こんなクリティカルな状況で、そんな危ない橋渡るわけないでしょう!」 と言うことで、こっちの移動手段を採ったんだけど、こっちはこっちで文字通りの『危ない橋』だったりする。 それでも小一時間かけて、どうにか無事に到着した場所は、塔の最上階から20~30階下の場所だった。 「ここからは階段しかないけど大丈夫か?」 主に精神的な疲れから、げんなりしているボクの様子を見て、ジョニーが心配そうに聞いてくる。 「大丈夫、体力的には問題ないから、さっさと行こう。――上がればいいわけ?」 ため息をついて、ボクは塔の中心にあるもの――螺旋階段を見上げた。 この螺旋階段を中心にして、放射状に小部屋が区切られているみたいだけど、まったくと言っていいほど人気はなかった。 「ああ。蒼神様にお会いするには、最上階の神殿にある祭壇に向かえばいいって聞いている」 「――ふん。なんとかと煙は高いところを好むって言うからねぇ」 ジョニーが頷くのを確認して、ボクは螺旋階段に足を掛けた。なにか言いたげな顔でジョニーが付いてきた。 大方、蒼神の奴はワイングラス片手に毎夜、地上を見下ろして「くくく、愚民どもが」とかやって悦に耽っているんだろう。 螺旋階段を上りきると、そこは広い空間になっていた。 天井が高く、飾り付けられた石の柱が等間隔に並び、磨き抜かれた石畳の青い床は鏡のようで、見下ろせば髪の毛の先まで映って――って!? バッ!とスカートを押さえるのと同時に振り返ると、もの凄い勢いでジョニーが明後日の方を向いた。 「見てない! 俺はなんにも見てない! ずっと前を見ていただけだ――未来永劫!」 ダラダラと脂汗を流しながら言い切る彼の目は、きっちり床と平行になっていた。 なかなか賢明な態度に、こちらとしても矛を収めざるを得なかった。 さて、視線を転じて見れば、一段高くなったところに祭壇らしきものがあった。そこからうっすらと白い霧のようなモノが流れ、床の上を這い円形の神殿に点々と配置されている、丸いマンホールの蓋のようなものの中へと吸い込まれていっていた。 ボクにとっては、どちらも見覚えのあるシロモノだ。 「お、おい。どうなんだ、これ止められるのか?!」 祭壇から際限なく湧き出す虚霧を見て、不安げな様子で周囲を見回すジョニー。いつの間に準備したのか、小剣と鉈の中間くらいの長さの剣を握っていた。 「さて、ね。単純に祭壇をぶっ壊せばいいのかなぁ。それやって、逆に一気に虚霧が噴出したら、ここの世界も終わりそうだけど......まあ、現状でもほとんど全滅っぽいので、一か八かやってみようか?」 「気楽に言うなよ! なんとかならないのか?!」 「なんとかと言われてもねえ......肝心の蒼神がねぇ」 ボクはガランと人気のない祭壇を一瞥してから、ジョニーを振り返った。 「ところで、その剣は鋼鉄製なのかな?」 「ん? ああ、護身用に一応持ってきたんだけど、それがどうかしたか?」 「いや、どうかしたかというか。これからどうかするんだけど――ね!」 「はァ――なに......が?!」 刹那、不意を打って叩き込んだボクの横斬り――距離が詰まっていたので、左手を刀身に添えて圧力を増した技――が、ジョニーの短剣に阻まれて、彼の身体を弾き飛ばすだけに止まった。 「――なっ?! 何の真似だよ緋雪!?!」 ジョニーはどうにか転倒だけは避けた姿勢で、驚愕の表情を浮かべている。 「何の......って、いい加減、お芝居は辞めたいんだけどさ」 「何言ってるんだ......おかしくなったのか?!」 「おかしいのは君の方だと思うよ、ジョニー――いや、 「はあ?? なにがどうすれば、俺が蒼神様になるんだ?!」 「なかなか迫真の演技だけど、本気の私の攻撃を防げる腕があるのがおかしいし――まあ、攻撃を受けちゃったら『破壊不能』属性がバレるので、咄嗟に防御したんだろうけど......そもそも、たかが鉄剣でこの『 困惑した表情のジョニーが、下を向いて黙りこくった。 まだ猿芝居を続けるつもりかな――と思ったんだけど、顔を上げたジョニーの表情は、これまでの人の良さそうな少年のものから、顔形こそ変わらないものの、老獪な大人のものに変わっていた。 「まさかバレているとはな。いつからわかっていた?」 同じ声でありながら、底冷えのする響きを伴った問い掛けが、その口から流れた。 「割と最初からかな。この世界、良く出来てるけど明らかに変だったからねぇ」 に対して、こちらは最大限の警戒をしながら、思い出したところを口に出す。 「綺麗過ぎるんだよ。例えば最初に出たところの草原だけどさ。普通、ああいう場所に居たら、蝿や蚊、虻なんかがもの凄い勢いでたかるものだよ。 それと君を含めて街の人間にも、ほとんど体臭や垢の臭いがなかっただろう。――あり得ないんだよ、毎日お風呂に入って石鹸と化学洗剤で、身体や衣類を洗いでもしない限りはね」 実際にあちらの世界で街へ行って、一番閉口したのが臭いだね。 殺菌については魔法の『洗浄』があるので大丈夫とは言え、お風呂に入らないから汚れて臭いのはどうにもならない。それと香辛料は高価なので、料理には主に 「要するに、君はこの上から眺めた地上世界しか知らないから、そうしたケアレスミスをするんだよ。ちょっとは市井の人間に混じれば、違うものも見えただろうし、間違うこともなかったろうにね。――ああ、確信したのは君が私を『緋雪』と呼んだ時かな、私は君に自己紹介してなかったからねぇ」 慨嘆混じりのボクの答えに、どうにも掴みどころのない笑みを浮かべて、 「ふーん。やっぱり、ジョーイをモデルにしたわけだ」 「まあ、そういうことだ。スキミングの結果、お前が一番気を許している相手だと判断したんだが」 「スキミングねえ。やっぱり、あの霧の魔物とか、クマが分析器だったわけかな?」 「さて、それはどうかな......」 の姿が一瞬、ノイズのような歪みに覆われ、次の瞬間、その場に立っていたのは、上半身金属鎧に腰に魔法剣を下げた冒険者――ジョーイとまったく同じ姿と装備に替わっていた。 「とっくの昔に入れ替わって......いや、ひょっとすると初めて会った時から、俺は はその笑顔のまま、祭壇に向かって一気に走り込んだ。 「まっ――!」 即座に追い駆けようとしたところへ、見覚えのある光の魔法剣が正面から飛んできた。 後から考えれば躱せば良かったんだけど、感情的になっていたんだろう。ボクはそれを即座に叩き落した。 の姿は虚霧の中へと消えていくところだった。 「追って来い、緋雪! この先で俺は待っているぞ。お前がどんな選択をして、どんな姿で現れるのか楽しみにしている!」 勢いに任せて、ボクもその後を追う。 虚霧に近づくにつれて、再び青い防御膜が周囲を覆い、それを確認してボクは祭壇の奥へと飛び込んだ。

141 Lesson 21: St. Duke'S Mixed I was headed to the heart of the Holy Capital with Johnny's lead, but as I approached the tower, I felt the air strangely bothered me and twisted my neck. If you look at it properly, Johnny also looks at the direction of the 'Tower of the Pale God' with a strange look - though it's only about the base of the tower already in sight - and narrows his eyes. "What...? Something's wrong with the vibe." At that moment, sounds and vibrations like explosions echoed from across the street adjacent to the tower. The body sways in a tingle by passing on air and sidewalks. "- An earthquake?!" "You're not. An accident or an explosion... some kind of trouble, I guess." Black smoke rising from the other side separating about two streets and a slight scream promptly equipped me with a love sword, "Sinner of the Rose (Jill de Leye)" and back gear, "Lucky Luck of the Rose" La Vi Ann Rose ", out of a ribbon-shaped expansion pochette on my hip. "I'm going to take a look. I think it's dangerous, so I think you should wait here." "- What?! No, wait. If it's dangerous, I'm coming too! "Feel free. Just go ahead and come on your own." Without waiting for a response, I dashed from the scene towards the scene of the noise. Naturally, in an instant, Johnny eats the leftovers. It's a paved road, and I just want to get on top speed all at once, but the street called Street was already fussy, rubbing it with screaming and escaping crowd waves. "- I can't help it." Give up going along the road, decide to make a shortcut, and move from the spot to a three-dimensional way of getting around, using skyscraper walls, street trees, and even air corridor railings in a triangular jump. Luckily, it seems that people fleeing can't afford to see anything else, and they were able to reach their destination without any extra noise or disturbance. The center of the noise - it was almost a place like the 'Tower of the Pale God' kneeling. There are distinctly different shadows of human beings in the streets lined with shops for priests, priests and pilgrims. "It's a monster! "This - heh!!" Falling out of a building about five stories tall, he slashes the most threatening single-eyed giant (Cyclops) he has ever seen and greets "Holly Disruption" from almost zero distance. "Help me, help me! Running away was still a category, with the majority of people squatting with bumps, yes, whether they had lost their hips or were fleeing reality. Besides, apparently the majority of them smell like priests to see their outfits. "Act before you pray! Yelling so, there is no way to move on to action, and he goes on and on eating, slaughtering, and being slaughtered while he watches. When you say that there is a clear danger of life at hand, don't fight or run, just "help" and you just cling to the Ethereal God... I don't know what to say, it's impudent to go through pity and even get an irrepressible fluctuation of killing intentions. I wonder what these guys think of their lives. No matter what peaceful country you are born into and live in, there is a chance that no human being will come tomorrow, and life will be equivalent in the sense that one day you will die. There is no difference there between children, old people, rich and poor. That depends on the environment, there will be a difference in the resources you can live with, but living or dying borderline is something that's rolling there easily, and I just think it's crazy that you can let someone else take care of your life lightly in a situation where that choice is imminent. "Everyone, do not resist! All these aliens emerged from the" Tower of the Pale God ". In other words, it is the servant of the God of Heaven. Accept without resistance!!" And the old man, who seemed to be a high priest, when he did it, began to incite his surroundings out loud. "Oh, are you an idiot?! Do you want to die!?" I accidentally put in a scratch, but the old man said grandiose with an arrogant attitude. "If that is the will of the Ethereal God, it is only obedience! All those who believe in the Ethereal God, if they do, Heavenly Paradise will be the same as promised! The people who were running late who heard that cry originally didn't know if the story apparently propagated or if there were any other idiots claiming the same worldly myth, but the people who ran away once came back to us one after another, in a squatting prayer attitude on the spot. Naturally, the monsters in front of the outfit feed, without any hesitation, hang those "devout followers" in their hands. "You look like an asshole, you look like an idiot, you can't do it, Conch Show" "Scarlet Snow!... Ha, ha, finally caught up. Ha ha ha ha ha ha..." He came there as Johnny sewed a crowd of people, repeatedly breathing rough. "Oh, I wish I had run away. Or, like any other believer, could you have intended to commit suicide here? "- What the hell? What is this thing? Johnny looks over at the tragedy around him - the monsters that continue to overflow from the tower like clouds and xia and the faithful who are solemnly staying on the spot and being fed - and blacks and whites his eyes. "A demon (monster) - a monster in the Bible that God sealed in purgatory?!" "Ho. That's how I treat you. - Yeah. Maybe that's for sure." "Duh, what am I supposed to do...? No matter what you think, it would be suicide to go inside the tower against the flow of this demon (monster). "... you just have to put it in the tower of the Ao God, don't you? Johnny thinking with a difficult face. "No, there's a good chance it won't be any of them coming in." I put my honest thoughts in my mouth. "If it's still possible, I know it. Follow me! Nodding confidently, Johnny returns his heels. ......... - I don't know. " Soon I decided to leave the scene of this tragedy behind. A coarsely made roofed gondola like a minkan box was slowly progressing towards the 'Tower of the Pale God'. "This is Snake. I have lust." "Are you insatiable? I sighed for now when I was asked back in a straight face by the sprinkles. "... never mind because it's just a promise" "What" and "how" I decided not to let the scratch in to help me, and I looked far down and down through a round hole with glass attached to my apologies for what was happening on the ground. Though there are too many distances to individually confirm on the boulder, it looks like a fairly large demon has also emerged, and it looks like it's going right and left over there in the Holy Capital. "... Can't we move this a little faster? "Don't be impotent. This dedicated lift has been discontinued from use for some time. I knew I could use anything because I had a chance to move it by accident before, but I've never actually moved it before." "- Wait a minute! Wouldn't the wire cut off on the way?!" If you fall from this distance, you'll die in a boulder! "... we'll just have to hope it doesn't fall" To my inquiry, Johnny shrugs his shoulder with a troubled face. That also ends the aerial walk in Gondola, which is very bad for the heart, somehow. Doesn't matter, but when I asked him if he couldn't travel on that flying winged machine, he said he couldn't because he had "no license" and "no flight around the tower in the first place" constraints. "No, let's see if it's unlicensed. I can do enough to move it looking...... I'm gonna go find an ornithopter, you want to try it? "In such a critical situation, there will be no such dangerous bridge! So I picked a way to get around this one, but this one can be a literal 'dangerous bridge' over here. Still, after a small hour, the place where we managed to arrive safely was 20-30 floors down from the top floor of the tower. "There's only a staircase from here, but are you okay? Mainly out of mental tiredness, Johnny looks worried to see how I'm feeling down there. "It's okay, I don't have a physical problem, so let's just go. - Why don't we go up? Sighing, I looked up at what was at the center of the tower - the spiral staircase. It looked like a radially separated little room around this spiral staircase, but it wasn't popular enough to say at all. "Oh. I hear that to meet the Ethereal God, we should head to the altar in the temple on the top floor" "- Hmm. 'Cause he says he likes high places somehow and smoke." Confirming Johnny nodded, I hung my foot on the spiral staircase. Johnny followed me with something to say. Daimyo, the Ethereal God guy has a glass of wine in one hand. Every night, he looks down on the earth and does "Kuku, the fools" and I guess he's delighted. Upon ascending the spiral staircase, it had become a vast space. High ceilings, decorated stone columns arranged at equal intervals, polished cobblestone blue floors look like mirrors, and if you look down you can see them up to the tip of your hair -!? Ba! and looking back at the same time as holding down the skirt, Johnny turned to the day after tomorrow with tremendous momentum. "I haven't seen it! I didn't see anything! I was just looking at it a long time ago - the future forever! His eyes were exactly parallel to the floor as he ran out of dazzle and sweat. In a rather wise manner, even this one had to bear the spear. Now, turning his gaze, there was something like an altar a step higher. From there, things were flowing like white mist, crawling over the floor and being sucked into something like a round manhole lid, positioned dotted in a circular temple. To me, they're both familiar silo things. "Oh, man. What do you think, can you stop this?!" Johnny looks around in an uneasy way watching the infinite amount of fog gushing out of the altar. When did he prepare, he held a sword about the middle length between a small sword and a bamboo. "Well. I wonder if I should simply smash the altar. If you do that, on the other hand, if a daft fog erupts all at once, the world here is going to end... well, it seems almost wiped out even as things stand, so why don't we do one or eight? "Don't take it easy on me! Can't you handle it?!" "I don't care what they say... there's no Ethereal God at heart" I glanced at Galan and the unpopular altar before looking back at Johnny. "By the way, is that sword made of steel? "Hmm? Yeah, I brought it for protection once, what's wrong with that? "No, what's wrong? What are we going to do? - Right! "Ha - what...... but?!" For a moment, Bok's lateral slaughter, which struck him by accident - a move that increased the pressure with his left hand attached to his body because the distance was clogged - stopped at Johnny's dagger and just bounced off his body. "- Become?! What imitation, Scarlet Snow!?!" Johnny manages to avoid only falling and has a stunned look on his face. "Oh, come on, I want to quit the play." "What are you talking about... are you going crazy?!" "I think it's you who's weird, Johnny - no, Mr. Ethereal God." "Huh??? What can I do to make me a pale god?!" "It's quite an imminent act, but it's weird that there's an arm that can prevent me from attacking for real - well, if I get attacked, I'll find out the 'indestructible' attribute, so I must have defended myself with an aggressive... but in the first place, it's impossible to prevent this' Rose Sinner (Jill de Leye) 'with an iron sword." Johnny, with a puzzled look, turned down and shut up. I thought I was still going to go on playing monkey - but the look on Johnny's face, who looked up, had changed from that of a boy who seemed like a good man to that of an old adult, although it was the face that didn't change. "I didn't know you'd find out. How long have you known? An inquiry, with the same voice but with a bottom-cold sound, flowed out of its mouth. "I guess from the beginning. It's a good world, but it was obviously weird." With a spare look, this one mouths what he remembers, with utmost vigilance, against the Dagger-lowered Ethereal God (Johnny). "It's too beautiful. For example, the meadow where we first left off. Normally, when you're in a place like that, there's a lot of momentum for mosquitoes and mosquitoes. And people in the city, including you, would hardly have smelled of body odors or dirt. -It's impossible, unless you take a bath every day and wash your body and clothes with soap and chemical detergent. " You actually smell like going to the city in that world and shutting up the most. There is a magical 'wash' about sterilization, so I can say it's okay, but I can't help but get dirty and smelly because I don't take a bath. And because spices are expensive, garlic (garlic) is used mainly in cooking, so everyone has a bad breath. And if you wash into a toddler, you use human or animal ooh for bleach, so your clothes stink! "In short, you only know the terrestrial world you've seen from above, so you make those careless mistakes. A little mixed up with Shirai's people, you would have seen something different, and you couldn't have made a mistake. - Yeah, I'm pretty sure it was when you called me Scarlet Snow, because I didn't introduce myself to you." With an incredibly grinning grin on my answers, Ethereal God (Johnny) spread his hands wide. "Hmm. After all, I modeled Joey." "Well, that's the thing. As a result of the skimming, I decided you were the one who was most forgiving." "Skimming. After all, is that fog demon, or was the bear an analyzer? "Well, I don't know about that..." For a moment, the appearance of Johnny the Ethereal God, covered in noisy distortion, and the next moment, standing on the spot was the adventurer who lowered his magic sword on his hips to upper body metal armor - replacing Joey with the exact same figure and gear. "I switched to a long time ago... no, since I first met you, I might have been here by your side (Joey) - hey, Hiyuki" With that smile on his face, Joey ran all the way to the altar. "Ma-!" A magical sword of recognizable light flew from the front as he immediately tried to chase him. I should have thought about it later, but I guess I was getting emotional. I knocked it off instantly. At the end of the laugh, the figure of the Ethereal God disappeared completely into the fog. "Follow me, Scarlet Snow! I'll be waiting for you. I look forward to seeing what choices you make and what you look like! Leave the momentum to me, and I'll follow. As we approached the fog, the blue defensive film covered the perimeter again, confirming it, and I jumped into the back of the altar.

第二十二話 緋蒼之夢 すぐ近くの通りで耳を劈くような急ブレーキの音と、ガラガラと重いものが落ちる音。そして足元を揺らす震動とが断続的に伝わってきた。 「事故だ!」「トラックが」「荷台から鉄骨が崩れて歩道に」「危ねえ、間一髪だったぜ」「誰も居なかったのか?!」 どうやらトラックが事故を起こして、荷台に積んであった荷物が散乱したらしい。 携帯でどこかへ連絡する人、写真に撮ろうとする人、単純に現場を見に行く人など、野次馬が大勢でボクの進行方向へと向かって行く。 特に興味がなかったボクは、ため息をついてその場から踵を返して、少し遠回りになるけれど迂回することにして、いま来た道を戻った。 朝から降っている雪道に難渋しながら、ボクは時計を確認して待ち合わせの場所へと急いだ。 木製の扉を開くと、軽やかな鈴の音とともに豊潤なコーヒーの匂いが漂ってきた。 冷えた外気が入らないように、急いで店の中に入ると、ボクは閉じたビニール傘を洒落た傘立てに仕舞って、ほっと一息ついた。 身を切られるような外界とは違い、充分な暖房を利かせた店内は、暖色系の照明と柔らかな木目調の内装と相まって、体の芯まで温かくなるような居心地の良い空間を演出している。 前回は夜で、なおかつ1階は素通りし、2階の大部屋を使ったので気が付かなかったのだけれど、どうやらこの店の1階は昼間は喫茶店として営業しているらしい。それもかなり本格的な喫茶店のようで、年季の入ったカウンターの奥には、水出し珈琲のウォータードリッパーが並んで、ポタポタと時を刻むかのように透明感のある音を立てながらコーヒーが滴り落ちていた。 「いらっしゃいませ。一名様ですか?」 そのドリッパーを背後にして、コーヒーカップを磨いていた初老の男性が声を掛けてきた。 痩身に白いシャツ、蝶ネクタイに黒ベストでビシッと決めた、今や絶滅した『純喫茶店のマスター』という風貌の男性だけど、その格好があざとくないのは、昨日今日の付け焼刃ではなく、きちんと趣味や信条として長年着こなしてきた本物のもつ風格によるものだろう。 「えーと...待ち合わせなんですけど......」 きょろきょろと店内を見回す。 カウンターも含めて20人くらいで一杯になりそうな小さな店なので、入り口に立てば一目で店内のすべてを見渡すことはできるんだけれど、見た感じ相手の特徴的な巨体は見当たらなかった。 まだ来てないのかな? 仕方ないので、どこか適当な席について連絡しようかと思ったところで、背の高い観賞植物に遮られて、ちょっと見えにくくなっている奥のテーブル席から声が掛かった。 「あっ。緋雪さん、こっちこっち。こっちだよ!」 『緋雪』呼ばわりにちょっと焦ったボクは、下を向いて早足でその席へと向かった。 「ちょっと、デーブ......じゃない、北村さん。あんまりヒユ」 抗議しかけた声が相手の顔を見た途端に止まった。と言うか、相手のあまりの変貌振りに全身が硬直した。 ほんの1年前に逢った彼―― それが、この1年あまりでどんなダイエットを敢行したものか、かつての(横に広がった)巨体はどこへやら、どう見ても目方が半分程に減っていたのだ! 以前の肥え......もとい、福福しい印象が強いだけに、ひょっとして標準よりも細いんじゃないの?という、いまの姿は衝撃的だった。 「ど、どうしたの、この姿は?! 肉は...肉はどこにいったの!? なんで今日は着ぐるみ脱いでるわけ!?!」 ムッ○が毛皮を脱いだら、それはもう○ックじゃない!という感じで、我ながら理不尽な混乱状態のまま、彼に詰め寄った。 「いゃあ、実はいまの仕事が激務でして、気が付いたらこんな風になってました」 こればかりは変わらない人懐っこい笑みを浮かべて、北村さんは頭を掻いた。 「緋雪さんは相変わらず......と言うか、ますます可愛らしくなりましたね」 ほっとけ! の中を延々と伸びる光る道を前に、ボクはため息をついた。 「......また、これかい」 いま自分の顔を――一応、なんとなく好意を抱いているとわかる――クリストフ君や そんな思いっきりのしかめっ面のまま、ボクは祭壇の奥に続いていた回廊を、重い足取りで歩き始めた。 さて、今度はなにを用意してるんだろうねぇ......と、ウンザリしながら歩いていたところ、体感で30分もしない内に早くも変化が見られた。 「――また扉ァ?」 道の真ん中に木製の扉が立っていた。 ただし、いままで1本だった道が、二股に分岐していて、片方は黒い扉が、もう片方には赤い扉が掛かっている。 「なんだろうね、片方が天国への扉で、片方が地獄とかかな? 心理学とかでありそうだねぇ」 分かれ道の前で考え込む。 こういうのって定石としては、他に抜け道とか第三の道とか『冴えたやり方』があるのが常なんだけど......それってないのかな? と思って調べてみても、それらしいヒントは見つからなかった。 考えても駄目なら力押しで――と、攻撃魔法を放ったが、まるで幻のように攻撃がすり抜けてしまう。 どうやらどちらかを選択しないと駄目のようだ。 「仕方ない、じゃあせっかくだからこの赤の扉を選ぶよ」 と、虚空に呼びかけ――その実、フェイントを掛けて、素早く黒い扉を開けた。 取りあえず上着とマフラーを外して、向かい合わせの席についたところで、紺のワンピースに白いエプロンを掛けた、これまた“いかにも”なウェイトレスがやってきて、注文を聞かれたので、無難にブレンドを注文した。 温かいおしぼりで手を拭きながら、ボクは改めて頬骨の浮き出た 「仕事でって。それって......大丈夫なの?」 真っ黒な企業じゃないの?と言いたいけど、さすがに不躾かと思って言葉を濁す。 さんが苦笑して、とりなすように続けた。 「ああ、まあ......いちおうマトモなベンチャー企業ですよ。『テクノス・クラウン』ですから」 「『テクノス・クラウン』って――エタホリの運営をしている、あのっ?!」 「ええ。もともとゲーム関係で、個人的にお付き合いもありましたし......去年の今頃、バイトで とは言え、その説明でボクとしても納得できるものがあった。 「ああ、それでギルマスを辞めたわけなんだね」 「はい。さすがに運営の人間が表舞台に立つのもどうかと思いまして」 そこへ注文していたコーヒーが運ばれてきた。 「何にしてもおめでたいことだね。......でも、あまり無理しないでね」 「ありがとうございます。まあ、いままでが親に迷惑をかけていたので、多少なりとも親孝行になるかと思えば、この程度どうということはありませんよ」 「そういうものかな......?」 親孝行とかそういう機会がなかったボクとしては、実感としてピンとこないけど、間接的に『無理をしている』と認めた彼の様子に、危うさを感じた......とは言え、これ以上踏み込むほど親しい間柄でもないので、無言のままコーヒーを口に運んだ。 「それと、この機会に俺の恩人でもある緋雪さんに御礼を言っておきたくて、無理を言って誘ったんです」 「恩人?」 覚えがないボクは首を捻った。 「ええ。1年前の俺は本当に駄目な奴でした。就職に失敗したことでヒキコモリ、人生に挫折したつもりになって、ゲームに逃避して......」 自嘲を込めた笑みを浮かべる 「そんな事情を隠して参加した1年前のオフ会でしたけど、緋雪さんは気が付いてたんですよね?『なんか無理してるみたいだけど、我慢しないほうがいいよ』って、酔って具合が悪いのに俺のことを心配してくれて」 ......あったけ、そんなこと? あの時の事は、かなり記憶が曖昧だからあんまし覚えていないんだよねぇ。トイレで吐いた時に付いて来てくれた 「その時に同じようなことを言ったら『別にいいんじゃないの。辛いこと苦しいことは誰にでもあるけど、比較できるものではないからねぇ。いまこの瞬間の痛みは誰にも理解できないことだから、逃避して時間を掛けて癒すのは間違ってないと思うよ』って言ってくれて、それから『物事は考え方次第だからね。ゲームが得意なら思い切って、それを生かせる仕事にチャレンジしてみればいいんじゃないの。やるだけはただだよ』その一言が切っ掛けになって、俺はいまの仕事に就けたんです」 「うわーっ、ボクそんな偉そうなこと言ったわけ?!」 酔っていたとは言え、なんて青臭くて無責任なこと言って煽ったんだろうね。当時のボクがいたら正座させて、説教したいところだ。 「だから緋雪さんは、俺の恩人ですね」 さんだけど、ボクの方としては黒歴史を抉られた気持ちで前を見られない。 照れ隠しで誤魔化すために、残ったコーヒーを一息に飲み干した。 「やあ、雪もやんだようですね」 その後、お互いのゲーム内での雑談や、ボクのバイト先での出来事、運営の裏話とか取り止めもなく雑談をして、2杯もコーヒーをお代わりしたところで、陽も傾いてきたので帰ることにした。 涼やかな鈴の音を背中で聞いて、揃って外に出ると空は夕日に染まり、降り積もった雪が緋色に輝いていた。 「これが本当の緋雪ですね」 眩しげに目を細めてそんな駄洒落を言った 「え、なんですか......?」 「いや、考えたら就職祝いをなにも用意できないからね。こんなもので悪いんだけど、編んだばかりで今日初めて下ろしたマフラーだし、良かったらあげるよ」 「............。い、いいんですか?! で、でも、俺がもらったら緋雪さんの分が――」 「大丈夫。まだ毛糸はあるし、前に編んだ奴も残ってるからね」 基本、貧乏なボクは気に入った柄のセーターやマフラーを買うお金がないので、100均の毛糸で編むのが普通だったりする。 「あ、ありがとうございます。一生大事にします!」 「いや、別にそこまで大袈裟なものでもないから......」 と言うか、男が編んだ手編みのマフラー貰ってそんな嬉しいものなのかな? しばし、並んで歩きながらにこにこ笑っていた 「そうじゃなくて、生活とか仕事です」 いきなりヘビーな話題だねぇ。 「......ん~、正直そこまでは考えてないかな。取りあえず、大検の合格を目指して頑張るだけだねぇ」 その答えに、しばし沈黙していた 「もし、もし良ければ、俺と同じく『テクノス・クラウン』で働いてみませんか? なんならバイトでも良いです、緋雪さんなら有名人ですから俺が口を聞けば、確実に働けると思います」 『テクノス・クラウン』ねえ......。ボクの場合は、できれば趣味と仕事は分けて考えたいんだけど。 その想いが顔に出たのだろう、握られた手に力が込められた。 情熱的な――なんとなく愛の告白でもされているような、妙な錯覚を覚える――申し出は、確かに魅力のある提案だけど、即答するにはちょっと難しい問題だった。 「......少し性急過ぎて考えがまとまらないので、もうしばらく考えさせてくれないかな?」 困惑を含んだボクの返事に、 「そ...そうですね......すみません。こんな大事なことを勢いに任せて......」 「すみません。自分でもなんでか急に......さっきまで、あんまり幸せだったので、本当はこれは夢じゃないか。緋雪さんは本当はここに居なくて、相変わらずヒキコモっている俺の頭がいよいよおかしくなって、現実の俺は精神病院にでもいて、幻覚と会話してるんじゃないかって、不安になったもので......」 切ないような、遠い目をしてそんなことを言う 「胡蝶の夢ですねぇ。蝶になったのが夢か、これが蝶の見ている夢か......まあ、せいぜい幸せな方を現実だと思ったらいいんじゃないですか」 「......そうかも知れませんね。夢――俺にとってはさっき言ったのが、夢ですけど。緋雪さんにとっての夢ってなんですか?」 真剣な目で問い掛けられ、ボクはしばし考え込んだ。 「夢......ボクにとっての」 ふと、目の前に一片の雪が舞い降りた。 「......多分、そんなたくさんのものは必要ないと思います」 降り積もった雪に覆われ、銀世界と夕日に彩られた街から視線を上げ、風に飛ばされてきた小さな雪の結晶を見て、ボクは答えた。 「ボクが夢見る薔薇色の未来は――」

142 Lesson 22: Scarlet Dreams The sound of a steep brake splitting your ears in the street just around the corner and the sound of rags and heavy things falling off. And the tremors that shake my feet came intermittently. "An accident!" "The truck," "The steel collapsed from the carrier onto the sidewalk," "Dangerously, I had one hair in a while," "No one was there?!" Apparently, the truck had an accident and the baggage that was loaded on the carrier was scattered. There are a lot of wild horses headed my way, including people who contact me somewhere on their phones, people who try to take pictures, and people who simply go to see the scene. I was not particularly interested, and I sighed and turned my heel back from the spot and decided to detour, albeit a little farther, back the way I had just come. I checked the clock and hurried to the rendezvous point, reluctantly on the snowy road that was descending in the morning. When I opened the wooden door, I smelled rich coffee along with a light bell sound. As he hurried into the store to keep the cold outside air out, I caught a sigh of relief after serving up an umbrella stand sprinkled with a closed plastic umbrella. Unlike the outside world, where you will be cut off, the store offers a cozy space to warm up to the core of your body, combined with warm colored lighting and soft wooden interiors. Last time it was night, and yet the ground floor was bare and I didn't notice because I used a large room upstairs, but apparently the first floor of this store is open as a coffee shop during the day. It also seemed like a pretty authentic coffee shop, and behind the counter with the season, the water drippers of the watered coffee dripped down, making a transparent noise as if to mark the time with potatoes. "Welcome. Are you alone? With that dripper behind his back, an old man who was polishing his coffee cup called out. A skinny white shirt, a butterfly tie, a black vest and bishy decision, a man with the appearance of "Master of Pure Coffee Shops," now extinct, but whose outfit is not bruised would be due to the authentic offal style he has worn for many years as a hobby and creed, rather than yesterday's burnt blade. "Um... I'm meeting you..." I look around the store for a moment. It's a small store that's going to be filled with about 20 people, including the counter, so I can see everything in the store at a glance if I stand at the entrance, but I didn't see the characteristic giant of the person I saw. Haven't you come yet? I had no choice, so I thought I'd contact you about the right seats somewhere, and my voice hung from the back table seat, which was a little hard to see, blocked by tall ornamental plants. "Ah. Mr. Scarlet Snow, over here. Over here! I was in a bit of a hurry to call "Scarlet Snow," and I turned downstairs and headed to that seat on my early feet. "Hey, Dave... it's not, Mr. Kitamura. Not really Hiyu." The protesting voice stopped as soon as she saw the other person's face. Or his whole body stiffened by his opponent's too much gesture of transformation. He met just a year ago - the former guild master and founder of "E. H. O." and "Eternal Horizon Online" largest guild, "The Metabolic Knights" - and the character name "Daebuta", Hideki Kitamura - was in the shape of a Dora O-Mon that exceeded 0.1 tons with the character name intact. That's what kind of diet you've braved in less than a year, where the giant once (spread out on the side) was, no matter how you look at it, halved in sight! Previous fattening...... hey, isn't it just a little thinner than standard just because of the strong impression of happiness? The way things are, it was shocking. "Duh, what's wrong with this look?! Where did the meat go?!? Why are you taking off your clothes today?!" If Mu 'O takes off his fur, it's not O 'c anymore! It felt like, while I was unreasonably confused, I stuffed him. "Well, actually, my job was intense, and when I realized it, it was like this." Mr. Kitamura scratched his head with a nostalgic grin that didn't change all this. "Scarlet Snow, as always... or you've become more and more adorable" Leave me alone! I sighed before the glowing path that stretched through the thin mist. "... this again" I see my face right now - once I know I'm somewhat fond of it - Christoph, if you or a rare person (barely) saw me, I'd be looking a little terrible with a hundred years of love that seems to cool off once and for all (although the Nine Seals (figs) may seem irrelevant because they are a libido priority). With such a thoughtful rare face, I began walking along the corridor that led to the back of the altar, in heavy footsteps. Well, now I wonder what you're preparing... and I was walking unanswered and I saw an early change within less than half an hour of feeling. "- Another door? A wooden door stood in the middle of the road. However, until now, there is one road branching out into two strands, one with a black door and the other with a red door hanging. "I don't know, one is the door to heaven, and one is hell or something? Sounds like psychology." Think in front of the divide. As for stones like this, there are usually other ways to get out, a third way, or a 'way to do it'... isn't that it? I thought I'd look into it, but I couldn't find any hints like that. If you can't even think about it, push it - and unleashed the attack magic, but the attack slips through as if it were an illusion. Apparently, I have to choose between them. "I don't have a choice. Then I'll choose this red door." and called into the void - the fruit, hung with a feint, quickly opened the black door. In the meantime, I removed my jacket and muffler, and I took the opposite seat, and a white apron hung on the blue piece, this "however" waitress came again, and they asked me to order it, so I ordered the blend without difficulty. Wiping my hands with a warm squeeze, I saw Kitamura's face again with her cheekbones raised. "At work. Is that... are you okay? Isn't that a black company? I'd like to say, but I just think it's impudent and clouds the words. With that in mind, Kitamura (Daebuta) laughed bitterly and continued to take it for granted. "Oh well... it's a mattomo venture." Technos Crown. " "'Technos Crown' - I run an etaholic, you know?!" "Yep. Originally in a gaming relationship, we had a personal relationship... I joined the company on a part-time basis this time last year (haha) and became a full-time employee about 3 months ago" That said, there was something that even I was comfortable with in that explanation. "Oh, so you quit Gilmouth." "Yes. I was just wondering if the people in operation would be on the surface stage." The coffee I had ordered there was brought. "Whatever. Congratulations.... but don't push it too hard" "Thank you. Well, since I've been bothering my parents so far, I don't know how much I'd be filial." "Is that what it is...? As for me, who didn't have the opportunity to be filial or anything like that, I didn't pin it as a real feeling, but I felt endangered by how he indirectly admitted he was' imposing '... That said, I didn't even have enough intimacy to step in any more, so I carried the coffee silently into my mouth. "And I wanted to take this opportunity to thank Scarlet Snow, who is also my benefactor, and I asked her out because I couldn't." "Benefactor?" I don't remember. I twisted my neck. "Yeah. A year ago I was a real loser. Hikikomori for failing to get a job, I meant to frustrate my life, escape the game..." Mr. Kitamura (Daebuta) smiled with ridicule, but there was some brightness that came out of it. "It was an off-duty meeting a year ago I attended hiding that circumstance, but Mr. Scarlet Snow noticed, didn't he? 'I don't think I can do something, but you better not be patient,' he said, worrying about me even though I'm drunk and sick." ... There it is, that kind of thing? I don't remember that time because I have a pretty vague memory. I also think he was chatting with Kitamura (Daebuta) who followed me when I threw up in the bathroom to distract him. "When I said the same thing at that time, I said, 'It's okay. It's hard, it's painful for everyone, but it's not something you can compare. Now that the pain in this moment is something no one understands, I don't think it's wrong to escape and take the time to heal, and then say,' Things depend on how you think. If you're good at games, you just have to try and make it work. I'm just gonna do it, 'cause one word got cut off, and I got my job now." "Wow, did I say such a great thing?!" What a blue, irresponsible thing to say and incite, even though you were drunk. If I were there at the time, I'd sit down and preach. "So Mr. Scarlet Snow is my benefactor." Mr. Kitamura (Daebuta), but as far as I'm concerned, I can't look forward with the feeling that he's made a decision about black history. I sipped out the rest of the coffee in one breath to delude myself in the shade. "Hey, looks like you stopped snowing, too." Then we chatted about each other's in-game chatter, what happened to me on my part-time job, the back story of the operation and without stopping, and I decided to go home because I had replaced two cups of coffee and the yang was also leaning. Hearing the sound of a cool bell on his back, when he was aligned and out, the sky stained the sunset, and the snow that had fallen shined scarlet. "This is the real Scarlet Snow." On the neck of Kitamura (Daebuta), who narrowed his eyes to glare and said such a waste, I hung the woolen muffler I had with my back stretched. "What...? "No, because I can't prepare anything for a job celebration when I think about it. I'm sorry about this stuff, but I just knitted it and it's my first muffler down today, and I'll give it to you if you like." ............ Yes, okay?! But if I get it, Mr. Scarlet Snow's share - " "I'm fine. I still have the yarn, and I still have the guy who knitted it before." Basically, I don't have the money to buy a sweater or muffler with the pattern I like, so knitting with 100 yarns is normal. "Oh, thank you. I'll take care of it for the rest of my life! "No, it's not that big of a deal..." I mean, is it such a pleasure to have a hand-knitted muffler knitted by a man? Often, Kitamura (Daebuta) laughed as she walked side by side, but when she accidentally came true, she overtook her step and stopped and looked down at me (in relation to her height) with a look like she could rush to something. "It's not, it's life and work." That's suddenly a heavy topic. "... um, honestly, I don't think you're thinking that far. In the meantime, we're just trying to pass the grand inspection." In response, Kitamura (Daebuta), who had been silent for a long time, took my hand with determined eyes. "If so, why don't you work at Technos Crown, just like me? You can work part-time, Mr. Scarlet Snow is a celebrity, so if I hear your mouth, I'm sure you can work." "Technos Crown" Hey...... In my case, I'd like to think about my hobby and work separately, if possible. I guess the thought came to my face, with strength in my gripped hand. Passionate - somewhat like being confessed to love, I remember a strange illusion - the offer was certainly a fascinating suggestion, but it was a bit of a difficult issue to answer instantly. "... I'm a little too rushed to think together, so would you let me think about it for a while longer? In response to my confusion, Mr. Kitamura (Daebuta) let go of the hand he was holding with the face he had awakened from his dream. "Well... right... sorry. Leave such an important thing to momentum..." "Excuse me. Even myself. Suddenly... Until just now, I was so happy, isn't this really a dream? Mr. Scarlet Snow isn't really here, he's still hiccups, my head is finally crazy, and the reality is that I'm also in a mental hospital, and I'm worried that he's talking to hallucinations..." Kitamura (Daebuta), who says that with an uncut, distant eye. "It's a walnut dream. Is it a dream to be a butterfly or is this the dream the butterfly is dreaming of... well, why not think of the happier as reality at best" "... I guess so. Dream - For me, I just said, it's a dream. What's a dream for Scarlet Snow? He asked with serious eyes, and I often thought about it. "Dreams... for me" Two, a piece of snow fell in front of me. "... maybe we don't need that many things" Covered by falling snow, I raised my gaze from the silver world and the city colored by the sunset, and when I saw the little snow crystals that had been flown by the wind, I answered. "The rosy future I dream of..."

第十二話 天星地花 「......まったく。どいつもこいつも馬鹿ばっかりだ」 で自国へ戻ったのを確認して、十二単からいつものフリルとレース、そして薔薇のコサージュで彩られた黒いドレスに着替えたボクは、和室の縁側に座って素足をぶらぶらさせながら、誰に言うともなく胸の内に渦巻くモヤモヤを口に出した。 「責任だか義務だか知らないけど、自分が死んだらお終いじゃないか。自己犠牲なんて本気で反吐が出るよ。命をなんだと思ってるんだい。そんなに軽いものじゃないだろう」 わけがわからないよ。 は間違いなく、彼の本拠地――影郎さんによれば『蒼の塔』という建造物がこの大陸の中心部にあるらしい――そこなんだから、今回の騒ぎの元凶は十中八九、彼の仕業だろう。 わざわざボクに“通行証”を渡して招待しておいて、いきなり世界を滅ぼし始めるとか......まあ、ぶっちゃけこちらからわざわざ罠満載だろう、敵の本拠地に乗り込むつもりもなかったけどさ。ひょっとして人質のつもりなのかな。『さっさと来ないとこの世界の生きとし生けるもの全てを滅ぼす』っていう。 そんなことしたって無駄なのに。 ここが駄目ならまた別な先を探して流離うだけさ。 「まあ人間ちゅうのは弱い生き物ですからなぁ。それを補うために集団になって社会を形成する。でもってその社会を維持するために、法律だの倫理だのの制限やら犠牲を必要とするのもやむなしってことでしょうなあ」 隣で切ったスイカを口にしつつ、庭に向かって種を飛ばしながら――背後に控えている天涯の額に青筋が浮いているけど、まったく気にした風もなく――影郎さんが、同意してるんだか宥めてるんだか世間話しているんだか不明な、気楽な口調で相槌を打った。 「ふん。不完全な生き物だ。自己保存という本来の意味が形骸化しているではないか。まこと姫の仰られる通り、愚か者の極みであるな人間という生き物は」 影郎さんに文句を言うのは取りあえず後回しにしたらしい。天涯が心底ウンザリした顔で吐き捨てた。 まあ基本魔物っていうのは個体でほぼ自立している生物だからねぇ。死ぬも生きるも自己責任って割り切れる強さを持っているので、人間社会の複雑・曖昧さは歪に思えるんだろうね。 「まあ、だからこそ面白いって考え方もありますけどね」 お盆の上に乗ったスイカ全部に塩をかけながら、気楽にコメントする影郎さん。 「まあそうなんだけどね。それにしたって、私の知り合いがほとんど全員地上に残って、見知らぬ他人を助けるとか、なんか本末転倒なんだよねぇ」 はっきり言っちゃえば、ボクとしては見知らぬ他人が1億死ぬより、知ってる友人1人が助かるならその方を選ぶ。だけど人間は家族とか友人関係とかがあるので、そうした分を換算して、なお多めに見積もって10万人って指定したんだけど、肝心要のオリアーナやコラード君、獣王が、やれ責任だやれ義務だ......といった形のない幻想に縛られて、身動きが取れなくなっている現状がどうにも釈然としない。 「所詮、連中は姫の御慈悲を払い除け、滅びを選んだ愚か者。姫がお心を悩ませる価値等ございません。それに、人間などせいぜい100年生きるのが精一杯な弱き生き物でございます。多少、寿命が早まったと思えばよろしいのでは?」 「まあ、人生長いか短いかじゃなくて、どんだけ満足したかですからな」 相変わらずスイカを食べながら、気楽な口調で人生を語る影郎さん。 「......そういう意味では、全員満足してるってことなのかなぁ。相互理解って難しいね」 根本的に人間関係に疎い人生送ってたので、よくわからん。 ため息をついて、取りあえず気分転換にボクもスイカを取って、一口食べた。 「!? ――ぶはぁ!! しょっぱい! なにこれ?!」 「なにって塩かけたんですけど? こうすると甘味が増すんですわ。お嬢さんご存じないんで?」 「知らないよ! 塩味しかしないじゃない! なんで甘いものに塩とかかけるわけ?!」 「なんでと言われてもこの方が美味いからですわ。お嬢さんだって昼に生ハムにメロン乗せて食べてたじゃないですか?」 「あれは生ハム主体だからいいの!」 「......相互理解っちゅのは難しいですな」 ここ数日、冒険者ギルド本部3階にあるギルド長室に泊り込みで、ほぼ不眠不休の業務を執り行っていたギルド長ガルテが、執務机の上に置かれた香茶に気付いて一旦手を休めると、ちらりとそれを置いた白い手の先――秘書の猫人族ミーアの顔を見上げた。 「やはり避難する気はないのかミーア。いい加減蒸し返すようだが、あと3~4日で『 普段どおりの強面の顔に、さすがに張り付いたような疲れを色濃く滲ませながら、ガルテが力なく翻意を促す。 「いまさらですよギルド長。だいたい姫陛下のところへは、もともと結構な数の獣人族や亜人、魔物が避難済みらしいですし、いくら個人的に顔見知りだって言っても、私はギルドランクもない単なる事務屋に過ぎませんからね。例外を設けては示しがつきません」 「だがなぁ......」 続けて説得しようとしたガルテだが、なぜかミーアがくすくすと思い出し笑いしているのを見て、太い眉を寄せた。 「ああ、すみません。昨日、ジョーイ君も同じようなことを言っていたのを思い出したので、他人のことはいえないなあと、自嘲していただけです」 「いえ、彼と相方のフィオレさんもギルドランクは足りませんけれど、姫陛下のところへ特例で避難できると、内密に受けていた言付けを話したのですが――」 本来、退避できる冒険者はBランク以上の若手もしくは、それに準じる実績のある者となっており、現在Cランク冒険者のジョーイとDランク冒険者にして国家4級魔術師のフィオレは対象からは外れている。 「彼ったら『そんなインチキで逃げ出すわけにはいかないぜ!』と一考だにせず、要請を蹴りまして」 あの小僧らしいな、とガルテは苦笑いした。 そんな彼の顔を見て悪戯っぽい笑みと共に続けるミーア。 「それともうひとつ『この街を案内するっていうヒユキとの約束まだ果たしてないから、俺はこの街を守ります!』って言って剣を掴んで、そのまま飛び出して行っちゃいました。フィオレさんもそのまま追い駆けて行ったので、避難する気はないでしょうね」 話の内容と、お手上げという顔で両手を天井に向けるミーアの表情に、ガルテはついに吹き出した。そのまま久々に腹の底から笑い声を上げる。 「まったく、あの小僧ときたら、駆け出しの頃から変わってないな。とうとう馬鹿は直らないでそのままか! 仕方のない奴だ・・・まったく。だが、まあああいう馬鹿が一人くらいいないと面白くないからな」 冒険者は兵隊じゃない、生き延びるのが第一だ、と最初に言い含めたのはいつだったか。事実、機を見るに敏な冒険者達は、そのほとんどが大陸からの避難について、粛々と従っているというのに、あの馬鹿は世界を飲み込もうという災厄相手に剣一本でどう立ち向かうつもりだ? 「まったくですね。付き合わされるフィオレさんには同情します」 さばさばした様子で肩をすくめるミーアの態度に、複雑な心中のまま次の言葉を探るガルテ。 「あぁその...なんだ。結局、フィオレは国家魔術師試験を通ったわけだが、相変わらずジョーイの奴と組んでいるようだが......いいのか?」 言葉足らずの問い掛けだが、ミーアは正確にその内容を察して苦笑した。 「ええ。やはり私にとってジョーイ君は手の掛かる弟みたいなものですから・・・それに、どうも将来性とか生活力に不安がありますからねえ。お付き合いするなら、経済力と包容力のある年上の相手を選びますよ」 「そ、そうか......」 安堵と失望とが半々の顔で頷きながら、香茶を口に運ぶガルテの傷だらけの顔を横目に見ながら、ミーアはあながち冗談とも言えない口調で付け加えた。 「ま、行き遅れたらギルド長にでももらっていただきますよ」 パチンとウインクされ、ガルテは思いっきりお茶を気管に入れて噎せた。 【クレス自由同盟国聖地『聖獣の丘』】 切り立った断崖絶壁の台地の上。隔絶された聖地の中心部にある広大な一枚岩。 いつの間に建てられたのかアステカ式のピラミッド―― 誰も彼も一癖も二癖もありそうな歴戦の古豪ばかりである。 若い者でも中年以上、年配になると獣王すら上回る長老・古老クラスがゴロゴロしている。とは言え全員 「ここにおられたのですか、獣王様」 慣れ親しんだ声と気配に振り返る獣王。 「ジシスか、久しいな」 錆を含んだ呼びかけ声に、ジシス―― 「ふふん。久方ぶりの実戦だ、腕は錆び付いていないだろうな?」 挑発するような獣王の言葉に、普段は温厚なジシスの目が鋭く光った。 「さて、自分ではいまだに若長にも負けるつもりはございませんが......と、そういえばお礼が遅くなりました。よくぞ若長とアスミナ様を止めてくださいました。重ねて御礼申し上げます」 「別にお主に礼を言われる筋合いはないぞ。儂にとっては馬鹿弟子と兄の孫娘だからな」 「わたしめにとりましてもお二方とも孫のようなものでございます。無事に生き延びられると知り、これほど嬉しいことはございません」 再度一礼してから、ジシスは背後を振り返り、集まった連中の顔ぶれを確認した。 「それにしても......これまた見事に、使い潰しても問題のない顔ぶればかり集めたものですのお」 古豪・歴戦の勇士といえば聞こえはいいが、実態は全員第一線を退いて久しい 「お陰で気兼ねなく戦えるというものだ」 まあ戦うといっても直接戦火を交えるのではなく、一人でも多くの獣人族を逃がすため、『 と、各部族の集団を割って、この顔ぶれに似つかわしくない若々しい長身の男が、獣王の元に進み出てきた。 「虎人族族長『豪腕』アケロン――だったかな」 名乗る前に言い当てられ一瞬、虚を突かれたアケロンだったが、すぐさま満足げな笑みを満面に浮かべた。 「獣王様が自分如き若輩者の名をご存知とは、光栄の至りです」 「ふむ。若輩者とわかっているなら、なぜここにいるのだ? さっさと姫陛下の元へ行ってもらいたいのだが」 「そのことです。ぜひ私の参加を認めていただきたく「断る」」 取り付く島もない返答に、さすがに怒りと不満の眼差しとなるアケロン。 「この戦は最初から負け戦だ。お主のような未来ある若者が参加するようなものではないな」 「......ですが、獣人族の族長として、このままなにもせずに尻尾を巻くなど屈辱以外のナニモノでもありません」 「別に黙って逃げろとは言っておらんさ。儂らが全滅した後の獣人族の存亡はお主等の双肩に掛かっておるんだからな。そっちの方がよほど大変な戦だぞ」 「――随分と身勝手なお話に聞こえますが」 挑戦的なアケロンの眼差しと糾弾の言葉を、獣王をはじめその場に集まっていた老戦士達が軽く笑って受け流す。 「当然だ。若い者に面倒事や厄介事を託して、とっとと先に死ぬのは儂ら老人の特権というものだ。輝かしい過去の栄光は我々のもの。益体もない未来はお主等若者のものだ」 身も蓋もない獣王の言葉に、周囲から同意の笑いが沸き起こる。 「そういうことで、ここは儂ら老人が最後に一花咲かせて、伝説の幕引きとするので、お主は邪魔ということだな。せいぜい頑張って、よりよい未来を築くことだ」 ややぶ然とした面持ちで、アケロンは一礼をしてその場で踵を返した。 「未来を頼んだぞ......」 獣王の呟きが聖地の風に乗って、遥かクレス自由同盟国全土へと溶けて流れて行った。

132 Lesson 12: Celestial Earth Flowers "... at all. He's always been an idiot." Confirming that everyone had returned to their country from the aerial garden at the transfer gate (teleporter), dressed from twelve to the usual frills and laces, and black dresses colored with rose costumes, Boku, sitting on the edge of the Japanese-style room and letting his barefoot hang out, whirled Moyamoya in his mouth inside his chest without telling anyone. "I don't know if it's a responsibility or a duty, but if I die, it's over. Self-sacrifice really makes me throw up. What do you think life is? Wouldn't be that light." I don't know why. More or less, what do you think of Aoshi (Daebuta)? The blast site (Grand Zero) of "The Fog" is definitely his home - according to Shadow Lang, the building called "The Tower of the Ethereal" is in the heart of this continent - so the culprit of this noise will be ten or eighty-nine, his work. You know, you bothered to give me a "pass" and invite me to start destroying the world all of a sudden... well, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah, blah. I wonder if you intend to be a hostage for a moment. "Come quickly or you will destroy everything that lives and lives in this world," he said. It's useless to do that. If this isn't a good place, we'll just look for another way to get displaced. "Well, humans are weak creatures. to form a society by becoming a group to make up for it. But in order to maintain that society, it's the law, it's ethical, and it's inevitable that it takes sacrifices." With the watermelon I cut next door in my mouth, flying seeds toward the garden - blue muscle floating on my heavenly forehead holding back behind me, but no wind at all I cared for - Mr. Shadowloon hammered in an easygoing tone, unsure if he was agreeing or forgiving or talking to the public. "Hmm. It's an incomplete creature. Doesn't the original meaning of self-preservation morph? As the princess says, a creature called a human being is the ultimate fool." He left it behind for now to complain to Mr. Shadowloon. Heavenly threw up with a heart-wrenching face. Well, a basic demon is an individual, almost independent creature. I guess the complexity and ambiguity of human society seem distorted because it has the divisible strength of self-responsibility to die and live. "Well, that's why some people think it's funny." Shadow Lang comments with ease, salting all the watermelons on top of the basin. "Well it is. Almost everyone I know stays on the ground and helps strangers or something." To be clear, as far as I'm concerned, I'd rather have one friend I know help than a stranger die 100 million. But human beings have family and friendships, so I converted those minutes, and I designated them to be 100,000 more, but Oriana, Collard, and the Beast King, who are at the heart, are responsible for doing it. It's my duty to do it... I can't interpret the status quo, which is tied to shapeless fantasies like that, and I can't move. "As it stands, they have paid off the mercy of the princess and chosen doom, fool. It's not worth the princess bothering you. Besides, humans and other weak creatures who live 100 years at most are the best. Somewhat, shouldn't you think your life expectancy has increased? "Well, life isn't long or short, it's how satisfied you are." As usual, Mr. Shadowloon talks about his life in an easygoing tone, eating watermelon. "... In that sense, I wonder if that means we're all satisfied. It's hard to understand each other." I lived a life that was fundamentally neglectful of relationships, so I don't know. Sighing, I took a watermelon to change my mood for now and took a bite. "!? - Buha!! Squeeze! What's this?!" "What did you salt? This will increase the sweetness. Ma'am, don't you know? "I don't know! It's only salty! Why are you sprinkling salt or something sweet?!" "Whatever you say, it's because it tastes better. Even the lady had a melon on her raw ham at noon, didn't she? "That's a raw ham subject, that's fine! "... it's hard to understand each other." Over the past few days, when Guild Chief Garte, who had been staying in the Guild Chief's office on the third floor of Adventurer's Guild headquarters and performing almost insomniac work, noticed incense tea placed on the desk and rested his hand, he looked up at the white hand tip where he had placed it - the face of the secretary's cat family Meer. "Are you still not willing to evacuate, Meer? It seems to steam back, but in three to four days, a dubious phenomenon like" fog "will strike this country... No, the world. As a place of refuge, His Majesty's lap has been assigned personnel, but when you are assigned priority, Collard... the King has recommended it." Garte encourages translations without strength, seeping just as intense fatigue into the face of the strong surface as usual. "No way, Guild Leader. Mostly to Her Majesty the princess seems to have originally evacuated quite a few beasts, subhumans and demons, and no matter how much I personally say I know my face, I'm just a clerk with no guild rank either. There are no exceptions." "But..." I went on to try to persuade Garte, but somehow I saw Meer giggling, remembering that she would dull, and I frowned thickly. "Oh, excuse me. Yesterday, Joey, I remembered you saying the same thing, so I was just mocking myself." "No, he and his counterpart, Mr. Fiore, don't have enough guild rank, but I told him that I was secretly told that I could evacuate him to His Majesty on an exceptional basis -" Originally, an evasive adventurer has become a young man of B rank or above or a proven equivalent, and Fiore, who is currently a C-rank adventurer and a D-rank adventurer and a National Class 4 sorcerer, is off target. "If he did, he'd say, 'You can't just run away with a tick like that!' And I didn't think about it, I kicked the request." Looks like that kid, Garte laughed bitterly. Meer who sees his face like that and continues with a pranky grin. "And one more thing: 'I will protect this city because I have not yet fulfilled my promise to Hiyuki to guide this city!' I said, 'I grabbed the sword, and I just popped out and left. Mr. Fiore ran straight after him, so he wouldn't want to evacuate." Garte finally blew out at the content of the story and at Meer's expression pointing her hands at the ceiling with the face of a lifting. I laugh from the bottom of my belly for a long time as it is. "Damn, if you were that kid, you haven't changed since you ran out. Finally, don't fix the fool. Keep it up! He has no choice... at all. But, well, it's not funny without about one idiot." When did you first include saying that adventurers are not soldiers, survival is paramount? In fact, the adventurers who are sensitive to seeing the opportunity say that most of them solemnly obey about evacuation from the continent, but how is that fool going to face the disastrous opponent of swallowing the world with a single sword? "Absolutely. I sympathize with you, Mr. Fiore." Garte explores the next word with a complex heart in Meer's attitude of shrugging her shoulders in a bulky manner. "Oh the... what. In the end, Fiore passed the National Mage Exam, but he still seems to be working with Joey's guy... okay? It was a wordless inquiry, but Meer laughed bitterly at the exact content of it. "Yeah. Again, to me, Joey, you're like a handy brother, so... and, hey, I'm worried about my future and my ability to live. If you're going out with someone, we'll choose someone older who's economical and inclusive." "Oh well..." As relief and disappointment snorted half-face, looking sideways at Garte's scratchy face carrying incense tea into his mouth, Meer added in a tone that he could not even say was a joke, though. "If you're late, you can have it from the guild leader." Winked with pattin, Garte choked his tea into his trachea as much as he could. [Cres Free Alliance Holy Land 'Holy Beast Hill'] Above the plateau of a cut cliff. A vast single rock in the heart of an isolated sanctuary. Behind the Asteka-style pyramid of when it was built - the labyrinth "Gate of the Holy Beast" (in fact, the Scarlet Snow Villa), built with the liver of the Crimson Empire, Imperial Crimson - the Beast King looked around with satisfaction at the faces of the representatives of each of the assembled tribes. They are all ancient warriors who seem to have no one, no one, no one, no one, no two habits. Even the younger ones are more than middle-aged, and the elder/ancient classes are gobbled up over even the Beast King when they are older. That said, it was all a thing, and every face came from the exhilaration that preceded the battle - like when a hungry beast, whimpering old and lacking fangs and nails, found its prey at that moment when it was hungry and finally just waiting for death - had a spectacular grin. "Were you here, Beast King?" Beast king looking back at familiar voices and signs. "Gisis, long time no see." Gisis - an old man who is an advisor to the Lion (n Gerb) tribe - offered a respectful salute to the rust-containing calling voice. "Huh. It's been a long time since we've been in action, your arms wouldn't be rusty, would they? Warm Gisis eyes usually shined sharply in the provocative Beast King's words. "Well, I'm not even going to lose to the young master myself yet...... and speaking of which, I'm late to thank you. Well done, young chief. Please stop Asmina. Thank you very much." "I don't have the courtesy of the Lord. He's a fool's apprentice and his brother's granddaughter." "You are both like grandchildren to me. I've never been happier to know you'll survive safely." After another thank you, Gisis looked back behind her and confirmed the rash on the faces of the gathered people. "Nevertheless... this is another stunning collection of facial rashes that I have no problem with using." It sounds good when it comes to archaic and belligerent warriors, but the reality is that they are all old (rotors) who have long since left the front line. "It means you can fight casually." In order to escape one or more Beast tribes, rather than fighting directly, we only run around the surrounding tribes to rescue evacuees, injured, lost, etc., in line with the invasion of "Idiot". And a young long man, who broke a group of tribes and was not likened to this facial rash, came into the presence of the king of beasts. "Tiger Clan Chiefs" Haughty Arms "Akelon - Was It" Before I was named, it was said that for a moment, Akelon was poked into the void, but I immediately had a satisfying grin on my face. "It is an honor for the Beast King to know the name of a young man like himself." "Hmm. If you know you're a young man, why are you here? I'd like you to come to Her Majesty's." "That's the thing. I would love for you to acknowledge my participation" no "" Akelon is just the look of anger and dissatisfaction in response to the lack of an island to attach. "This battle is a loss from the start. It's not like a future young man like you would join us." "... but as the chief of the Beastman clan, it's nothing but humiliation, such as wrapping your tail around it without doing anything like this" "I didn't tell you to shut up and run. The survival of the Beasts after their annihilation rests on the shoulders of your Lord. That's a tougher fight." - That sounds like a very selfish story. The old warriors, who had gathered on the spot, including the Beast King, laughed lightly and recieved the challenging Akelon's eyes and disputed words. "Naturally. It is the privilege of the old man to entrust troubles and troubles to the young and die first. The glory of the glorious past is ours. The future without benefits belongs to the young and the Lord." The laughter of consent boils from around to the words of the Beast King, who has no body or lid. "As such, this is the last place for the old men to blossom and be the curtain of the legend, so you mean the Lord is in the way. At best, work hard to build a better future." With a slightly bumpy face, Akelon gave a courtesy and turned his heel back on the spot. "I asked for the future..." The grunt of the Beast King rode the wind of the Holy Land, melting and flowing all over the Far Cress Free Allies.

番外編 冒険者は新婚を夢みる5 石畳で舗装された道路を馬車や牛車や 行き交う人々は普人と亜人が半々くらいで、昼間の都市部並みに人数と活気があった。 「......普通ですね」 「村と言うにはちょっと規模が大きいですけど、まあ、普通ではないでしょうか」 「見た感じ老若男女普通にいるねぇ」 ぱっと見、ごく普通の光景が門をくぐったところに広がっている。 「実はジョーイ君の夢の中というのは間違いで、寝ている間にどこか知らない場所に魔法で飛ばされたとかのオチじゃないですよね?」 あまりにもリアルでうららかな光景に、ミーアさんが周囲を見回しながら疑い深く呟く。 「そんなことはない......と思うけど、 まさかとは思うけど、このごに及んでなんちゃってオチで済ませるわけじゃないだろうね? 猜疑心に駆られたボクとミーアさんは、確認するために自然に頬をつまんでつねっていた。 「いたーっ......痛い? あれ? 痛いような痛くないような......あれ?」 いっせーのせーで、両方の頬っぺを抓られたフィオレが抗議をする。 その反応を確認したボクたちは頷き合って手を離した。 「やっぱり夢みたいだね」 「そうですね。本気で抉り取るつもりだったのですけど、この程度ですからね」 「なんで当然のようにあたしの頬で試すんですか!? 自分でやればいいでしょう!」 涙目のフィオレのことは当然のように無視して、ボクとミーアさんは村の中心部目指して歩みを進める。 「これからどうしますか、陛下?」 「まずは聞き込みかな。定石通りに酒場で情報収集ってところじゃない?」 「もしくは冒険者ギルドですね」 「だね」 「ちょっと! 放置しないでくださいよぉ!」 ありがちなカップと皿が描いてある看板の下に、『バカサのさかば』と書かれた金釘流の文字が踊っている。 「......最近は大陸の共通語に漢字も併記させているのに、まだ覚えていないみたいだねぇ、ジョーイは」 「まあ、いまのところ漢字は基本的に超帝国と各国の首脳部との公文書に使用しているだけですから」 「いちおう魔術学校では授業に取りいれています。あたしはまだまだ百字くらいしか覚えていませんけど」 カタカナとひらがなの看板を見上げながらため息をつくと、ミーアさんが、まあまあという感じに取り成して、フィオレが勤勉なところを見せた。 「一般まで浸透するまであと百年くらいかかりそうだねぇ」 ぼやきながら扉を開けると、ものすごーくありがちなカウンター付きの酒場があって、マスターらしい二メルトを越える熊の獣人が皿を磨いていた。 入ってきたボクら三人――いずれも結婚式場から直接乗り込んできたような花嫁姿のほとんど 豪胆なのか、プロに徹しているのか、夢の中だからなのかはわからないけど、説明するのも面倒なのでツッコミがないのは助かるところだ。 他には昼間からテーブルで酒を飲んで、カードゲームをしている冒険者風の男たちが数人いたけれど、さすがにこっちはあり得ないものを見たような顔でざわついている。 周囲の視線はガン無視して、ボクはカウンターの前まで行ってマスターに単刀直入に尋ねた。 「聞きたいことがあるんだけど、ジョーイ...」 「客じゃないなら帰ってもらおうか、お嬢ちゃん」 不愛想に言い切るマスター。 「ヒユキ様、こういう場合は注文をして“お客さん”にならないと、世間話とかできないんですよ」 フィオレに袖を引かれて囁かれた。 面倒臭いなぁと思いながらボクらはカウンターに三人揃って座った。 「ご注文は?」 「味噌汁」 「え、えーと、ミルクで」 「夢の中で食べて大丈夫かしら? とりあえずお水ね」 バラバラに注文を伝えるとマスターが露骨に嫌な顔をした。 「お嬢さん方、うちは酒場ですぜ」 つまりアルコールを注文しろといことだろう。 「じゃあ酒粕のあら汁」 「ブランデー入りのボンボン・ショコラください」 「アルコールを飛ばしたホットワイン」 嫌な客だな、をい――と露骨に口に出しながら、マスターが背中を向けてなにやら作り始める。 まさか本当にあるのか、味噌汁とかあら汁とか? と、興味津々待っていると、目の前にノンアルコールカクテルのシャーリーテンプルが置かれた。 「生憎ご要望の品がないんで、これでどうですか 紆余曲折あったけど、どうやらお客扱いされたみたいだ。 喜んでグラスを傾けているフィオレと、警戒しながら匂いをかいでいるミーアさんを横目に見ながら、ボクもグラスに口をつけた。 「カクテルなら、個人的には鮮血みたいに赤いブラッディ・マリーを飲みたいところなんだけど......まあ、いいや」 軽く肩を竦めるマスター。 「......それで、話は変わるんだけれど、このあたりで『ジョーイ・アランド』って冒険者を見たこととか、聞いたことはないかな、マスター?」 「俺のことはバカサって呼んでくれ。この店の主だ。――で、ジョーイ・アランドって......まさか、お嬢さん方知らないのか? あの冒険王、または〈グレート・ブレイバー〉のことだろう?」 「「「はぁ!? 『 なにそれ!? と、揃って飲んでいたシャーリーテンプルを吹き出しそうになった。 「うわ~~っ、いくら夢の中とはいえ、自分で自分の事を『冒険王』だとか『グレート・ブレイバー』とかないわ~」 思わずそう口に出すと、フィオレはちょっとむっとした顔で、 様とか言われているヒユキ様は......あうぅ、す、すみません! つい、その......他意はないんですっ」 「――いや、別に怒っちゃいないけどさ。私の場合は他称だからねぇ。自称しているジョーイと一緒にされるのもちょっとアレかなぁ」 「夢の中の人物が吹聴している場合も自称になるんでしょうか? 興味深いですね」 「――あんたらもしかして〈グレート・ブレイバー〉の知り合いなのか?」 マスターのバカサ氏が小首を傾げた。

156 Outside Adventurers Dream Of Newlyweds 5 Carriages, cattle cars, birds (emu) and half-horsemen (centaurs) come and go along the cobblestone-paved roads. The people going out were about half Pu and half sub, with numbers and vibrancy along the urban streets during the day. "... that's normal" "It's a little big to say village, but, well, isn't it normal" "It feels like I've seen you, young and old. You're normal." Look, a very normal sight is spreading through the gate. "Actually, Joey, it's a mistake to be in your dreams, not to have been magically flown somewhere you don't know while you were asleep, is it? Mr. Meer groans suspiciously as he looks around at the sights that are too real and raucous. "I don't think so... but there are places where the sprinklers of the Crimson Empire (of ours) can't be sprinkled..." I don't think so, but I don't know what I'm gonna do with you, do I? Me and Meer, driven by suspicion, were naturally pinching their cheeks to confirm. "There he is... Does it hurt? Is that it? Like it hurts. Like it doesn't... is that it? Fiore protests with both cheeks. Confirming the reaction, we nodded and let go of our hands. "I knew you wanted to dream." "Right. I really meant to make up my mind, but that's about it." "Why do you try it on my cheek like you deserve!? You can do it yourself! Ignoring the teary-eyed Fiore thing as a matter of course, Bok and Meer walk towards the center of the village. "What will you do now, Your Majesty? "I guess I'll listen in first. Isn't gathering information in a tavern on Ishiki Street? "Or an Adventurer's Guild." "Right." "Hey! Don't leave me alone! Under a sign with a common cup and dish painted, there is a gold nail stream letter dancing that says' Stupid Saba '. "... I've had Kanji added to the common language of the continent lately, but I still don't seem to remember it, Joey." "Well, so far, Kanji is basically just used for official documents between the super empire and the heads of state." "Today in magic school, they take it to class. I still only remember about a hundred words." Sighing as Katakana and Hiragana looked up at the sign, Mia showed Fiore how diligent she was, taking in the feeling of so-so. "It's going to take about a hundred more years to penetrate the public." When I opened the door with a blur, there was a hugely - often countered liquor store, where the Bear Beast Man over the masterly two melts was polishing the plate. I glanced at the three of them who came in - all almost inclined (raspberries) in bridesmaids like they had boarded directly from the wedding venue - and just raised my eyebrows silently, continuing to work as if nothing had happened. I don't know if it's audacious, professional, or because it's in my dreams, but it's also a hassle to explain, so it's helpful not to have a scratch. There have been a few other adventure-style guys who have been drinking at the table since daylight and playing card games, but they are just as obsessed with their faces as they have seen anything unlikely this way. Ignoring the cancer, I went to the front of the counter and asked the master to go straight in. "I need to ask you something, Joey..." "If you're not a guest, let me ask you to leave, young lady" Master who speaks out of love. "Dear Hiyuki, in this case, if you don't place an order and become a" customer, "you can't talk to the public." Fiore pulled my sleeve and whispered. We sat all three at the counter thinking it was a pain in the ass. "What can I get you? "Miso soup" "Uh, in milk" "Are you okay eating in your dreams? Water for now." The master looked blatantly disgusted when he told the order to pieces. Ladies, we're in a tavern. I mean, order some alcohol. Sake juice, then. "Bonbon Chocolate with Brandy" "Hot Wine Flying Alcohol" You're an unpleasant guest, yes - and the master turns his back and starts making something. Are you sure it's there, miso soup or alas juice? And, waiting intrigued, a non-alcoholic cocktail Shirley Temple was placed in front of him. "I don't have anything to ask for, so how about this customer (,,,)" There was an excessive bend, but apparently he was treated like a customer. I also put my mouth on the glass as I looked sideways at Fiore, who was gladly tilting the glass, and Mia, who was alert and smelling it. "If you're a cocktail, I'd personally like to drink Red Bloody Marie like blood...... well, no" Gently flatter your shoulders, Master. "... so, that's a different story, but have you ever heard of an adventurer around here called 'Joey Alland', Master? "Call me stupid about me. The owner of this store. - So, what's Joey Alland... no way, ladies don't know? You mean the King of Adventures, or The Great Braver? "" "Huh!?" The Great Brave "?!" What's that!? And I almost blew out the Shirley Temple I was drinking all together. "Wow, no matter how many dreams I have, I don't think I'm the King of Adventures or the Great Braver." When I accidentally put it in my mouth, Fiore looked a little annoyed, "If you're going to say that, Master Hiyuki, who is said to be the" Emperor of God "(Domunas) or something... Ugh, sorry! I don't know... I don't have any other intention." "- No, I'm not mad at you. Because it's another name in my case, hey. I was wondering if it would be a bit arrogant to be made with Joey, who calls himself" "Will you also call yourself if the person in your dreams is playing? Interesting." "- Could you possibly be acquainted with Great Braver? The master, Mr. Baccasa, tipped his neck.

第六話 巨頭会議 ミーアと名乗ったワーキャットの女性に案内されてギルド長室の扉をくぐったボクは、意外なほどシナリオ通りに動く事態の展開に、喜んでいいんだか、嘆いていいんだか複雑な心境だった。 もともとの経緯としては、一昨日の円卓会議の席上で、いまボクたちがいるこの世界が元の世界と違うと、 「・・・で、それが何か?」 思わずそう訊いちゃったよ。 だってこっちは事故で死んだと思ったら、やっていたゲーム世界のキャラクターになって生まれ変わりだか、復活だかしたわけだよ! しかも到底ゲームとは思えないリアルさで。 現状がもともと異世界にいるのと一緒なんだから、そこにまた異世界要素をプラスされても、正直、だからどーしたという感じで、うっかり失言しちゃったわけなんだ。 なので、あっ、マズイ! と思った通り、さすがに天涯たちも一瞬呆気に取られた様子で居たけれど・・・。 次の瞬間、なぜか満面の笑みを浮かべて、感じ入った様子でさらに頭を下げた。 「まさに、まさにその通り! 我々の居場所は三千世界の中で姫のお傍のみっ。そして我らの役割は、姫をお守りし、あらゆる外敵を倒すことのみでありました! ――申し訳ありませんでした姫っ、この私めとしたところがその程度の自明の理を忘れ、醜聞をお見せしました!」 『その通り!! 我らの血、肉、魂、魄は全て姫様のため! 全てを投げ打ち敵を倒そうぞ!!!』 再び唱和する魔将たち。 ま、またここに戻るのか・・・。 わかんねー世界なんだから、とりあえず侵略してみよーぜ。こっちの世界の人間とかも、食ってみればわかるだろう。 またこのノリだよ!! ここはなんとか軌道修正しておかないとマズイ、下手したらこの世界が滅びる。 嫌だよ、ボクの手で地球破壊爆弾のスイッチを押すのは! 「とはいえ、こちらの世界の文明も言語も元の世界のものと酷似しているとは興味深い」 「はっ、それについては現在も調査は行なっていますが、どうもはかばかしく参りません。具体的な成果を姫にお伝えできないことは慙愧の念に堪えませんが、正直、我々はこうしたことは不得意でして、特に人間どもの間に混じっての調査となると・・・」 その言葉に、はっとしたね。これだよこれ! これを利用しないなんて手はないよ。 「なるほど確かに。――となると、直接に私がこの世界の人間や魔物の力量を計るのも一興か」 「「「――なっ?!?」」」 ら身近に居た三人が、ボクの提案に絶句した。 何も言わないが、 「驚くことはあるまい。もともと私は人間の街で暮らしていたこともある。そして常に戦いにも先頭に立っていた、ならば私が直接行くのが妥当ではないか?」 そんでもって適当に時間を稼いでおこう。ギルド長とか国王とかそんなホイホイ会えるもんでもないだろうしさ。 ボクとしてもしばらくこのモンスターハウスから離れられて、ひゃっほーってなもんだし(まあ作ったのはボクだけどさ)。 「し、しかし・・・」 「まあ心配はいらぬ。冒険者ギルドの頭なり、国王なりの器量を計って次の手を打つだけで、無理をするつもりはないからな。......それとも、私の手腕が信じられないと?」 の最高権力者であるギルド長の部屋に至るわけなんだけど・・・。 『さすがは姫様! これほどやすやすと敵の懐に入るとは。この天涯、まこと賛嘆の念を禁じ得ません!』 の味方以外は敵。 敵は殲滅するか蹂躙するかの二者選択。 こーいう価値観は早めに矯正したいんだけど、考えてみればそもそも 『天涯、今回はあくまで相手の器量を見極める目的なので、軽はずみな言動や行動は控えるように』 それでも一応、やんわりと釘を刺しておく。 『――はっ。無論この私めの身命に賭けて、姫のお顔に泥を塗るような事態など起こり得ません!』 ・・・なーんか会話のキャッチボールができてない気がするんだけど、ボクの気のせいかなぁ。 普通に考えれば、ボクの さて、ギルド長の部屋は奥に執務机と書架が置かれて、手前に応接セットが置いてあるだけの、意外なほど清潔に片付いた部屋だった。 で、入ってすぐの扉の両側に1名ずつ2名のいかにも屈強そうな護衛が立ち、執務机の前には『いかにもギルド長』という感じの、顔に傷のある50歳くらいの筋肉隆々のおっちゃんと、35歳くらいの眼鏡をかけた線の細そうな秘書らしい男性が立っていた。 「ギルド長、お客様をお連れしました」 一礼したミーアさんに頷いて、細身の男性がにこやかに一歩前に出た。 続いて筋肉のおっちゃんが強面のまま。 「同じく副ギルド長のガルテだ」 ありゃ、こっちの方がギルド長だったのか。 そう思った内心が表情に出たのだろう。ガルテ副ギルド長が、ここで初めてにやりと笑った。 「よく間違われるんだがな。所詮はギルドもお役所仕事なんで、俺みたいな現場上がりは 「いやぁ、とんでもない。私みたいな頭でっかちの若造がギルドを運営できているのも、すべてガルテさんが睨みを利かせているお陰ですよ」 あっはっはっ、と気弱な笑みを浮かべるギルド長のコラード。 これが本心だったら立場的に同情というか同調するところなんだけど、ボク――というか、ステータスウィンドウは騙せない。 まあ取りあえず楽にしてください、という言葉でボクたちは応接セットに座った。 ボクの隣がカチンコチンに緊張しているジョーイで、白い大理石のテーブルを挟んだ対面にギルド長が、その隣に副ギルド長が座った。 「さて、急にお呼び立てしたのは他でもありません。今回、こちらの「ジョーイです」――ジョーイ君の依頼の件です」 ギルド長を素早くフォローするミーアさん。 「なにか不味かったですか?」 「なんでも今回依頼されたのは、西の荒地からアーラ市までの護衛と市内の案内を・・・何日くらいの予定でしょうか?」 その一瞬光った目を見つめ返して、軽く肩をすくめて答えた。 「まあ2~3日くらいかな」 「・・・ふむ。それに対する報酬が金貨10枚にオリハルコン貨が1枚ですか」 唸るようなガルテ副ギルド長の声に、隣のジョーイがびくっと震えた。 「小僧。お前のランクはまだFだろう? そのランクがいま言った依頼を受けた場合の報酬なんざ「平均で銀貨2枚、追加報酬分も合わせてもプラス銅貨80枚といったところでしょう」」 ミーアさんの補足に大きく頷くガルテ副ギルド長。 「わかってるのか小僧?! それを金貨10枚にオリハルコン貨だとぉ! 破格なんてもんじゃねえ、召使い込みで小さな領地くらい買える金額だ!」 「え......えええ......???」 事態がいまひとつピンと来ないのだろう、ただお偉いさんから頭ごなしに怒られているという現状に、青い顔をして脂汗を流すジョーイ。 コラードギルド長が静かに続けた。 「ギルドとしましてもね、こうした横紙破りは困るんですよ。悪しき前例ということにもなりますし、世間体というモノもあります。あそこのギルドの冒険者は、世間知らずのお嬢さんを騙して大金をせしめた。という悪評は必ず広がりますから。そうなるとジョーイ君自身のためにも良くないと思いますね。そうした評判は着いて回りますから恐らくギルドには居られないでしょう。またお金を狙って最悪、命を狙われることもあるでしょう」 「そんなわけで、ギルドとしては、ジョーイ君には前金をお嬢さんに返していただき、お嬢さんは適正価格でやり直す――ああ、その場合にはギルドを通しての指定依頼ということでギルドポイントをジョーイ君に与えますよ。そのような形にできないかとご相談したく、お呼び立てしたわけなのですが、いかがですか?」 「――か、返しますっ! 俺、そんなつもり全然なくて......ヒ、ヒユキ、ごめんな、俺は・・・」 泣きそうな顔で、慌ててポケットから出した硬貨を、テーブルの上に広げるジョーイ。 複雑な意匠が施されたきらびやかなそれを見据える、コラードギルド長、ガルテ副ギルド長の目に一瞬、剣呑な輝きが宿ったのをボクは見た。 「ジョーイ君は了承してくださいましたが、お嬢さんはいかがでしょう?」 外見上は、あくまで柔和な表情を崩さないコラードギルド長の提案に、ボクはふむ...と顎の下に拳を当て考え込む姿勢を示した。 「私としては一度約束して出したものを、はいそうですかと返されるのは、私の沽券に関わるのでお断りしたいのですが?」 男に二言はないという奴だね。まあ現在は廃業中だけど。 その言葉にジョーイは酸欠のフナみたいに口をパクパクさせて気死寸前になり、コラードギルド長、ガルテ副ギルド長の二人は、難しい顔で黙り込んだ。 「......そこをなんとかできませんか? 尊き身分の方々にとって、一度口にした約束を違えるのがどれほど重要なことであるかはわかりますが、前途ある若者の将来のためとなんとか筋を曲げていただきたいのです」 『まだ駆け引きの段階であるな。この程度で目くじらを立てていてはこちらの器量が疑われるぞ天涯』 「う~~ん、それ言われるとジョーイにはお世話になったしつらいなぁ。とは言え黙って受け取るのも・・・」 「それでしたら」 それまで黙って成り行きを聞いていたミーアさんが口を開いた。 「ジョーイ君はいままで正式な冒険者訓練や剣の指導を受けたことが無いので、今後ギルド指定の訓練所での訓練費を無料にする、ということにすればいかがでしょうか?」 「ん? どういうことだ?」 「ですので、お嬢様はただ報酬を戻されるのが嫌だというのでしたら、それをギルドの銀行でお預かりします。金額が金額なので利子も膨大でしょう。 ジョーイ君には通常の報酬を払う代わりに、一人前になるまでギルドの訓練所で訓練をできるよう取り計らい、その利子で訓練費を払う。 一人前――そうですね、Dランクになったところでお嬢様に元金をお返しする、という形でどうでしょう?」 「なるほど、悪くないね」 落としどころとしては悪くないね。このミーアさんかなり頭の回転が早いねえ、つくづく惜しいなぁ。 「こちらとしても問題ないですね。ジョーイ君の方はいかがですか?」 「も、もちろん願ったりです!」 「小僧、うちの訓練はハンパじゃないぞ! 覚悟しておけよっ」 大きく頷いたジョーイに、ガルテ副ギルド長がにやにや笑って言い放った。 「さて、どうやら報酬のお話し合いも無事に済んだようで肩の荷が下りました。――おっと、お嬢さんは今夜の宿を決めてらっしゃいますか?」 「いや、まだだけど」 「それはいけない。――ミーアさんお手数ですがお嬢さんの宿の手配をお願いします」 「――えっ!?」 「『えっ』てななんだ小僧。まさかこんなお嬢様を、お前の安宿へ案内するつもりだったわけじゃないだろうな?」 「え?! え、いや...その......」 まさにそのつもりだったらしいジョーイは、へどもどしながら下を向いた。 「馬鹿か手前!? こんなお嬢様をそんな危ないところに連れて行って護衛になると思ってるのか?! 根本からやり直さないと駄目だな。――まあいい、今日のところはこっちで宿は手配するから、お前は帰って明日の朝にでも依頼手続きをやり直せ!」 ガルテ副ギルド長の言葉に立ち上がったジョーイは、コラードギルド長、ガルテ副ギルド長の二人に頭を下げると、ボクに向かって別れの挨拶をした。 「じゃあなヒユキ、今日はごめんな。明日こそきっちり案内してやるからな」 「うん、楽しみにしてるよ」 もう一度頭を下げてジョーイが、ボクの宿の手配をするため出て行くミーアさんと一緒に部屋を出て行った。 二人の気配が完全になくなったところで、ガルテ副ギルド長が立ち上がって部屋の鍵を内側から閉めた。

11 Episode Six: The Giant Conference Guided by a warcat woman named Meer, I knocked over the door of the Alliance Chief's office, and was in a complicated mood to be happy or mournful about the unfolding of a situation that unexpectedly moved as per the scenario. As far as the original history is concerned, yesterday at the round table meeting, when this world, where we are now, is different from the original world, it starts from the mouth of Tianli (Tengai) and others. "... so, what's that? That's what I asked. 'Cause if I thought this one died in an accident, I'd be a reborn or resurrected character in the game world I was playing! Besides, it doesn't seem like a game at all. With realism. Because the status quo is originally with being in a different world, even if it adds another different world element there, honestly, that's why I accidentally lost my word. So, oh, shit! As I thought, the Heavenly Fathers were just as distracted for a moment... The next moment, for some reason, I had a full grin and lowered my head even further in the way I felt. "Exactly, exactly! Our place is beside the princess in the 3,000 worlds. And our role was only to protect the princess and defeat all external enemies! - I'm sorry, princess, but this whole thing with me forgot that much self-explanatory reason, and I showed you the scandal! "Exactly!! Our blood, flesh, soul and princess are all for the princess! Throw everything and defeat your enemies!!! ' The demon generals who will summon again. Ma, are you coming back here again... I don't know. It's the world, so let's just invade. People in the world over here or something, you can tell by eating it. It's this Nori again!! If we don't manage to fix the track here, it's bad, and if we suck, this world will perish. I don't like it, pushing the Earth Destruction Bomb switch with my hand! "Nevertheless, it is interesting to note that the civilizations and languages of this world are very similar to those of the original world" "Ha, we are still investigating about that, but I'm not going to be ridiculous. It is unfortunate not to be able to share the concrete results with the princess, but honestly, we are not good at these things, especially when it comes to a mixed investigation among humans..." You're annoyed by that word. This is it. This is it! I don't have a hand in not using this. "I see. Sure. - Are you glad that I directly measure the power of men and demons in this world?" "" "- Become?!?" " Three people close to Tianfu, Lifetime Capital (Miko and), and Akaho (Uchi) were stunned by my suggestion. I won't say anything, but Engrayo (like this) also silently looks at Bo's face and shows his opposite will. "I'm not surprised. Originally I used to live in a human city. And I was always at the forefront of the fight, so wouldn't it be reasonable for me to go directly? Buy yourself some time. I don't suppose I'll be able to see the guild chief or the king or anything like that. Even though I was away from this monster house for a while, it was hiccup (well, I'm the one who made it). "And yet..." "Well, don't worry. Just be the head of the Adventurer Alliance, gauge the weight of being a king and hit the next hand, and you're not going to be forced.... or that you can't believe my arm? That's why we're in the Guild Leader's room, which is currently the highest authority in Whee Hoi and essentially Ara City (this city)... "That's the princess! I didn't know it would be so easy to enter the enemy's nostalgia. I cannot but forbid this praise for heaven's sake! Enemy except on my side. Enemies choose between annihilating or ravaging. I want to correct these values early, but if you think about it, that's the existential significance of submissive demons (pets) in the first place, so maybe they're impotent enough to tell dogs to stop dogging. "Heavenly, this time only for the purpose of identifying the target's instrumentality, so refrain from taking offensive words or actions" Still, for once, gently stab the nail. '- Ha. No matter how much I bet my life on this, things can't happen like putting mud on the princess's face! ... Nah. I don't think I've got a catch ball for the conversation, but I don't know if it's my fault. Normally, if my subordinate (pet) runs out and goes wild, naturally, I think administrative responsibility means' weighing in 'because it comes to my owner, but does it sound like my paranoid paranoia that I'm saying' wipe out anyone I suspect 'administrative responsibility? Now, the guild leader's room was surprisingly clean with a desk and bookshelf in the back and just a reception set in front. So, on both sides of the door as soon as I walked in, two somewhat inflexible escorts stood, a muscularly bulging old man about 50 years old with a scratch on his face and a thin secretary with a line of glasses about 35 years old, in front of the desk. "Commander Guild, we've got a customer." A slender man snorted at Meer, who thanked him, and stepped forward with a smile. Then the muscle old man stays on the strong side. "It's Galte, deputy guild chief as well." Well, was this the guild leader better? That's what I thought. The inside must have come out of my expression. Deputy Guild Commander Garte laughed for the first time here. "I'm often mistaken. The guild also works in the bureau, so the deputy guild manager (over here) is the best in the field like me." "Hey, that's outrageous. The fact that a young man like me is able to run the guild is all thanks to Mr. Garte." Ha ha, and a collard of guild lengths with a weak grin. If this is what you mean, I'd be positionally sympathetic or in tune, but I - I mean, I can't fool the status window. Collard is a magician. Maybe if we fight, we'll overwhelm Deputy Guild Commander Galte. Well, take it easy for now, 'cause we sat on the reception set. Next to me was Joey, nervous about the cock dick, with a guild leader sitting next to him across from the white marble table. "Well, nothing else suddenly called you up. This is Joey. Joey, it's about your request. Quickly follow Alliance Leader, Mr. Meer. "Did something taste bad? "Anything. This time I was asked to escort you from the western wasteland to the city of Ara and guide you around the city... how many days are you planning on doing this? I stared back at the glowing eyes for a moment and answered with a gentle shrug of my shoulders. "Well, maybe two or three days." "... Hmm. Is there one Orihalcon coin in 10 gold coins rewarded for that?" Joey next door trembled in horror at the roaring voice of Deputy Guild Leader Garte. "Kid. Your rank is still F, isn't it? The reward for receiving a request that ranks right now is," On average, two pieces of silver coins, plus 80 pieces of copper coins for additional rewards, etc. " Deputy Guild Director Garte nodding loudly at Mr. Meer's supplement. "You know what I mean, kid?! Put that in 10 gold coins. Orihalcon coins! It's not breaking, it's about the amount you can buy for a small territory with a servant in it! "Yep... Yep...???? I guess things don't come one pin at a time, Joey looking blue and sweating at the current situation where you're just pissed off by your head by the great guy. Collard guild chief continued quietly. "Even if it's a guild, I'm having trouble with these cross paper tears. It's also going to be a bad precedent, and there's something called a public body. The guild adventurer over there tricked an unknown young lady into putting up a lot of money. Because the bad reviews will always spread. Then I don't think it's a good idea for you, Joey. You probably won't be able to stay in the guild because those reputations will get around to you. Sometimes it's bad for money and it's bad for your life." "So as for the guild, Joey, you will return your advance to your daughter, who will start over at a fair price - and in that case, Joey will be awarded guild points for the request to designate through the guild. I wanted to talk to you about whether you could take that form, and I called you in. How about that? "- Or I'll give it back! I didn't mean it at all... Hi, Hiyuki, I'm sorry, I..." With a crying face, Joey hastily spreads the coins out of his pocket, on the table. I saw a swordswallowing glow dwelling in the eyes of Collard Guild Leader and Galte Vice Guild Leader, who looked at it with a vivid, intricate design. "Joey, please accept, how about a young lady? On the outside, to the suggestion of the Collard Guild Length, which does not break the soft look, I showed a posture of punching my fist under my chin... "As far as I'm concerned, I'd like to decline to return what I promised to give out once, yes, really, because it involves my vouchers? You're the guy who doesn't have two words for a man. Well, it's out of business right now. To the words, Joey puckered his mouth like an acid-deprived huna and was on the verge of dying, and the two chiefs of the Collard Guild and the Garte Deputy Guild silenced themselves with a difficult face. "... can't you manage there? I know how important it is for honourable people to make a difference to the promises they have spoken about once, but I want you to manage to bend over for the future of a promising young man." 'You're still in the rush phase. Even with this amount of eyebrows, I doubt the amount of equipment we have. " "Uh-huh, Joey took care of me when you said that, and it's hard. Nevertheless, it is also to receive in silence..." "If that's the case" Until then, Mr. Meer opened his mouth, listening in silence to what had become of him. "Joey, you've never had formal adventurer training or sword instruction before, so why don't you say that in the future, you'll get free training at an Alliance designated training center? "Hmm? What do you mean? "So if the lady just doesn't like being rewarded back, I'll keep that at the guild's bank. Interest will also be enormous because the amount is the amount. Instead of paying you the usual rewards, Joey will try to train at the Alliance's training center until you are alone, and pay for the training at that interest. For one person - well, what about in the form of giving back the principal to the lady where she got the D-rank? "I see. Not bad." Not bad as a drop. This Meer guy spins his head pretty fast, I don't care to make it. "You don't have a problem with this one. Joey, how about you? "Also, of course I wish! "Kid, our training isn't hammering! Prepare yourselves." To Joey, who nodded loudly, Deputy Guild Director Garte said with a slight laugh. "Well, apparently, we've got a load of shoulders to discuss the rewards safely, too. - Whoa, has your daughter decided to stay tonight? "No, not yet," "That shouldn't be. - Mr. Meer, I'm sorry to bother you, but I need you to arrange for your daughter's inn." "- What!?" "What the hell, kid? I didn't mean to lead such a lady to your lodging, did I? "Huh?! Huh, no... the..." That's exactly what they were going to do. Joey looked down, whimpering. "Are you stupid or in front of me!? You think you're gonna take a lady like this to such a dangerous place to be an escort?! We have to start over from the ground up. - Fair enough, I'll arrange the inn over here for today, so you go home and start the request process again tomorrow morning! Rising to the words of Deputy Guild Commander Garte, Joey bowed his head to two of the Collard Guild Commanders, Deputy Guild Commanders Garte, and said goodbye to me. "Bye Hiyuki, I'm sorry about today. Tomorrow I'll show you exactly." "Yeah, I'm looking forward to it." I bowed my head again and Joey left the room with Meer, who was leaving to make arrangements for my inn. Where the two signs were completely gone, Deputy Guild Director Garte stood up and closed the key to the room from the inside.

第十五話 炎乃女帝 暴風に吹き飛ばされる藁小屋のように、太い柱と石壁、そして恒常的な魔法障壁まで張ってあった離宮が一撃の下に吹き飛ばされた。 咄嗟に覆い被さった父皇帝によって、床に這い蹲った形で難を逃れたオリアーナ皇女が、恐る恐る顔を上げると自分達を守るように、8本の剣が空中に浮かんで壁になっているのが見えた。 「大丈夫かい、我が愛娘よ」 「はい、お父様のお陰で」 「我と言うよりも彼らのお陰であろうな」 この期に及んでもなお柔らかな笑みを崩さず、『 青年の影になった部分から放射状に床板が残る他は、300年以上の歴史のあった離宮が影も形も無いほど無残に破壊されている。 青年とこの剣が守ってくれなかったら、いまの一撃で痛みすら感じることなく死んでいたことだろう。 「やれやれ......せっかくの秀作だったのだが、消し飛んでしまったな」 そう呟きながら立ち上がった父に手を借りて、同じく立ち上がるオリアーナ。 一瞬、何のことかと思ったが、すぐにあの描きかけの絵だと思いついて、複雑な表情になる。 「絵の心配より命の心配をした方が良いと思いますよぉ?」 呆れたように言うのは、魔法使いらしい少女であった。室内でなおかつ皇帝陛下の目前と言うことで、手に持っていたツバ広のトンガリ帽子を被る。 だが、その目は前方――虚霧の方を向いたまま片時も離さない。 青年も、そして自分を抱き寄せる父も、その方向を向いていた。 途端、先ほど少女が叫んだ言葉を思い出して、愕然としながらその視線の先を追う。 いつの間にそこにいたのか、虚霧を背後に黒い影が佇んでいた。姿の見えないまま攻撃を仕掛けてきた“敵”なのは間違いないだろう。 黒いローブ付きのマントを目深に被り、手袋をした長身の人影に見える。素顔はまったく見えないので断言はできないけれど、シルエットは人型のようだ。 ただし、いつどこから現れたのか、まるで気配が感じられなかった。こうして間近に接していても生身の人間を相手にしている気がまったくしなかった。本当に実体としてそこに存在しているのかどうか――そう疑いたくなるほど躍動感に乏しい相手だった。 「......ほう。これはこれは。『神』というものが、まさか 怪訝そうな視線が飄々とした皇帝の端正な容貌に突き刺さるが、本人にはそれ以上話すつもりはないらしい、同病相哀れむ目で黒マントを見据えるだけだった。 「......小賢しい。俺を理解したつもりか皇帝よ。その愚かしさと増長の報いを受けるがよい」 フードの奥から陰陰滅滅たる声が流れてきた。 その視線が皇帝から、自身の配下だという騎士と魔法使いに向く。 「らぽっく、タメゴロー、即座に皇女を始末せよ。これに従わなければ背信と見なす」 ピクリとオリアーナを抱くヴァルファングVII世の手が震えた。 「ふん。皇帝よ、貴様は自分が死ぬことには拘泥していないだろうが、娘の命に対しては許容できまい? 愚かだな、俺が中途半端なら貴様は出来損ないだ。愛だ情などというくだらん精神錯乱に耽溺するとは」 あからさまな嘲笑に対しても怒ることなく、ますます哀憐の眼差しを深くする皇帝。 「なるほど、それほど愛や情を信じていたのか」 「たわけたことを!」 皇帝の透明な眼差しを前にして、蒼神はフードの下、苛立ちを隠せない口調で吐き捨てた。 そんな彼の様子を目の当たりにして、オリアーナは卒然と理解した。彼に具体的な何があったのかはわからない。けれどきっと彼は裏切られ続けてきたのだろう。だから否定したいのだろう、『愛』『情』『信頼』という人の持つ優しさを。 ――けれど、それは虚しい一人芝居にしか過ぎない。なぜなら否定したいと思うこと自体が、それを信じている証拠なのだから。 「あんたさあ、なんだかんだご大層なこと言ってるけど、聞いてるよ。緋雪さんのこと、『俺の嫁』だとか『伴侶』だとか、ストーカーよか気持ちの悪いこと言ってるって。あたしとしては犬の糞よか気持ち悪いけど、それって愛情と違うの?」 蒼神に『タメゴロー』と呼ばれた魔法使いの少女が、一気呵成に食って掛かった。 「――ふん、緋雪か」 思いがけなく話題に出てきた友人の名前に、目を瞬かせるオリアーナ。 「......確かにな。俺は緋雪を愛している。どんな女よりもなぁ」 その瞬間、置物のように生命の息吹が伝わってこなかった蒼神が全身から、凄まじいばかりの生気が迸った。 「そうともっ! 緋雪をこの俺の手で鷲掴みにして嬲り尽くし、全身全霊で屈服させる・・・! そして、犯し!! 壊す!! 想像するだけで、なんという愉悦っ! そうだ、忘れていたぞ、この感情――これはエクスタシーだ!!!」 「!! あんた......あんたって、マジ最悪だ――――っ! ざけんな! 緋雪さんも皇女様も、あたしが守るっ!!!」 「いかん! タメゴローっ!!」 らぽっくの静止の声も無視して、一直線に立ち向かうタメゴロー。 「――ふン」 その姿を鼻で嗤って、ローブの下から水晶球――赤々と内部で炎が揺れている――を左手で取り出した。 「動くなっっ!!」 と、いつの間に集まっていたのか、自分達を取り囲むようにして近衛騎士達がずらりと完全武装で整列していた。 まあこれだけの騒ぎである。王宮内にいまだ残っていた騎士達が異変を察知して、この場に急行してくるのは当然と言えば当然である。 「皇帝陛下、皇女殿下、この場から直ちに避難してください! 曲者ども。貴様らは武装を解除して、その場から動くな!」 飛んできた騎士達に守られながら、皇帝は2人を指して警戒を解くように促した。 「ああ、彼らは我の個人的な知人だ。心配はいらない。それよりも、あちらの賊を全力で排除したまえ」 気軽な調子で近衛騎士を蒼神に 「――はっ。勅命承りました!」 「......お父様、幾らなんでも無茶です。彼らではむざむざ犬死するようなものです」 父皇帝に肩を抱かれながら、彼らの身を案じてこっそりと囁きかけるオリアーナ。 だが、時間稼ぎ程度はできるだろう。ならば職務を全うした事で無駄死にではないさ」 さらりと受け流され、なんともいえない表情になる娘を好ましげに見つめ、皇帝は相変わらず剣と杖とを蒼神に向かって構えたまま、臨戦態勢を解いていないらぽっくとタメゴローの2人に呼びかけた。 「彼らが時間を稼ぐので、その間にオリアーナを薔薇の姫君の 張り詰めた表情で端的に答えるタメゴロー。 「奴が握っている命珠を潰されたら、それで俺たちの命も一巻の終わりだ。申し訳ないが、この状態では皇女を連れて逃げる余裕はない」 らぽっくも余裕のない表情で、それに付け加える。 「成るほど。それは確かに難しい状況であるな。とは言え、あの者が現在手にしている命珠とやらは1つだけ、ならば可能な限り時間稼ぎをするので、2個目を潰す間に娘を連れて逃避することは不可能かな?」 つまりオリアーナを助けるために、タメゴローと近衛騎士達をこの場で見殺しにして、さらにらぽっくも使い潰すと言っているのだ。 あまりにも非情な提案に、オリアーナとらぽっくが絶句するが、逆にタメゴローと近衛騎士達はにやりと獲物を見つけた猛獣の笑みを浮かべた。 「オッケー! いいじゃない。どっちにせよ一泡吹かせるつもりだったんだから、皇女様を守ることもできて一石二鳥じゃない」 「我ら近衛騎士団、すべては帝国と皇家の為に身命を捧げた者。姫様の御身をお守りするためとあれば、無上の喜びにございます」 穏やかな皇帝の声に押されて、『はっ!!』騎士団が一斉に黒ローブの蒼神へと殺到した。 さらに人間レベルとしては“ 「......浪花節か。くだらんな」 左手にタメゴローの命珠を握ったまま、右手をローブの下に這わせ、ズルリと無造作に取り出したのは、あり得ないサイズの一振りの剣であった。 黄金色に輝く握りと刀身までのサイズはざっと2メートル。さらにその刀身を芯にして最大で幅1メートル、全長3メートルあまりの水晶のような材質の透明な第二の刃が取り囲んでいる。 「いかん! 離れろ!!」 必死の静止も虚しく、蒼神の持つ巨剣のひと薙ぎで精鋭の近衛騎士達が、まるでゴミクズのように粉砕された。さらにその余波で王宮のガラスがことごとく破裂し、歴史と伝統に彩られた建築の一部も、無残な瓦礫と化した。 』と9剣、さらにタメゴローのファイアーシールドで威力を減衰させたが、それでも完全に防ぎきれずに4人が大きく跳ね飛ばされる。 「なんだ、その剣は......? 公式には見たことも聞いたこともないぞ?!」 特にダメージが大きかったのが前衛で壁になっていたらぽっくであった。大きく亀裂の入った『 「あいつの得体の知れなさにいちいち驚いてちゃ、やってらんないわよ! どっちみちやるしかないんだから!」 混乱するらぽっくを尻目に、勢いよく飛び出したタメゴローの周囲に燃え盛る火の玉が無数に浮かんでいた。 「『プロミネンス・バースト』か、確かに威力は火炎系魔術でも随一だが、発動までに時間が掛かるのが難点だな」 無感動に評する蒼神は、左手に握った命珠に軽く力を込めた。 「――ぐっ...!」 大きく一条のひび割れが走るのに併せて、胸を押さえたタメゴローだが、闘志はそのままに新たな魔術を完成させる。 その瞬間、プロミネンス・バーストの炎が到達するのとほぼ同時に、蒼神の身体をすっぽりと覆う形で竜巻が巻き起こり、極温に熱せられた火柱と化した。 「さらに、フレア・バスター!」 続いて炎のドームがそれを覆い、完全に外界から密閉された空間とする。 「へへん。どーよ! あたしを炎だけの火炎馬鹿と思ったか! まさかこれが来るとは思ってなかったでしょう? あんたにどれだけのヒットポイントがあるんだかわからないけど、生物である以上、酸素を呼吸しなきゃ生きていけない......少なくとも意識は保てない。なら、一瞬で内部の酸素を燃やし尽くすこれを喰らって無事で済む訳が――」 得意げなタメゴローの台詞に覆い被さるようにして、多少なりと感情のこもった声が火柱の中から響いてきた。 同時に何かをパリパリと握り潰す音が続き、蒼白な顔色になったタメゴローが、片手で胸を押さえてその場に両膝を付いて前屈みに倒れ込んだ。 「......だから...あたしの名前は・・・『タメゴロー』じゃなく...て『

135 Episode Xv: Flames Are Empress Like a straw hut blown by a storm, a thick column, stone walls, and a detached palace stretched up to a constant magic barrier were blown under a blow. Eight swords were seen floating in the air and walled so that Empress Oriana, who had escaped the ordeal in the form of a crawl on the floor, would defend herself as she raised her fearful face. "Are you okay, my dear daughter?" "Yes, thanks to your father" "I guess I owe it to them more than I say." Even this period did not break the soft grin, and the emperor pointed in the direction of "fog". Other floorboards remain radially from the shadowed part of the youth, so unbroken that the outhouse, which is more than 300 years old, has no shadow or shape. If the youth and this sword hadn't protected me, I would have died without even feeling the pain from the current blow. "Oh man...... it was an excellent work because of it, but you disappeared" I hold my hand to my father, who stood up with such a grunt, and I stand up as well, Oriana. For a moment, I wondered what you were talking about, but soon I thought it was that drawing, and it gives me a complicated look. "I think it's better to worry about your life than worry about your painting, huh? It was the wizard-like girl who said it in disgust. Indoors and by referring to the present of His Majesty the Emperor, he wears the Tuba Hiroshi Tongari hat he had in his hand. But that eye is forward - I won't let it go for an hour with the fog pointing toward me. Both the youth and the father holding himself were pointing in that direction. As soon as I remember the words the girl screamed earlier, I follow ahead of that gaze with dismay. When I was there, there was a black shadow behind the fog. I'm pretty sure he's the "enemy" that's been attacking me without my sight. He wears a cape with a black robe deep in his eyes and looks like a long, gloved figure. I can't say for sure because I can't see the face at all, but the silhouette looks human. However, I could not feel any sign of when or where it appeared from. I didn't feel at all like I was dealing with a biological human being even when I was so close to him. Whether it really existed there as an entity or not - it was someone so lacking in dynamism that I wanted to suspect so. "... well. This is this. How ironic that something called 'God' is my kind (,,,,). No, can we even say that we are still halfway there (,,,,) and vice versa" The suspicious gaze pierces the fragile appearance of the floating emperor, but he doesn't intend to speak any more to himself, he just looked at the black cape with the pathetic eyes of his fellow minister. "... clever. You're going to understand me, Emperor. Be rewarded for their stupidity and their growth." A gloomy voice came from behind the hood. From the emperor the gaze turns to the knight and the wizard that it is his own subordination. "Lappy, tamegorough, kill the Empress immediately. If we do not follow this, we regard it as treachery." The hands of Valfang XVII, holding Picri and Oriana, trembled. "Hmm. Emperor, you would not be bound by your death, but are unacceptable to your daughter's life? You're a fool, if I'm halfway there, you can't. Love, love and all that crap. I didn't know you'd be drowning in mental confusion." The emperor deepens his increasingly pitiful glance without even being angry at the obvious mockery. "I see you believed so much in love and love" "Do what you did! In front of the emperor's transparent eyes, the Ethereal God threw up under his hood in a tone that could not hide his frustration. Seeing how he was like that, Oriana understood in a blatant manner. I don't know what exactly happened to him. But I'm sure he has continued to be betrayed. So you want to deny, the kindness that people have: 'love', 'love', 'trust'. - But that's just a vain solo play. Because what you want to deny is in itself proof that you believe in it. "You. Come on, I'm saying something big, but I'm listening. Scarlet Snow, he said it was" my daughter-in-law "or" companion "or something disgusting about being a stalker. As far as I'm concerned, it's dog shit. It's disgusting, but isn't that love? A wizard girl, called 'Tamegoro' by the Ethereal God, ate and hung once and for all. "- Hmm, scarlet snow?" Oriana blinks at the name of a friend who unexpectedly came up on the subject. "... sure. I love Scarlet Snow. More than any woman." At that moment, the Ethereal God, whose breath of life was not transmitted like a figurine, burst from all over his body, full of tremendous vibes. "With that! Make Scarlet Snow an eagle with this my hand and crush it, giving in with all your spirits...! And offend!! break it!! just imagine, what a joy! Yes, I forgot, this emotion - this is ecstasy!!!" "!! You... you really suck - Eh! Damn! Scarlet Snow and the Empress, I will protect them!!!" "How about it! Tamegoro!!" Tamegoro stands in a straight line, ignoring Rapok's still voice as well. "-Fun." With his nose, he removed the crystal sphere from under the robe - flames swinging inside red - with his left hand. "Don't move!! And when was the gathering, the Kingsguard knights were sloppily fully armed and aligned to surround themselves. Well, this is all the fuss. It is only natural to say that the knights who were still in the royal palace perceive the anomaly and rush to this occasion. "Your Majesty the Emperor, Your Highness the Empress, evacuate this place immediately! Benders, disarm yourselves and do not move from the spot! Protected by the flying knights, the emperor urged them to de-alert by pointing to the two. "Oh, they're my personal acquaintances. Don't worry about it. More than that, get rid of those thieves." Make the Kingsguard Knight a pale god in a casual state. "- Ha. I accept your fate! "... Father, everything is impotent. It's like killing a dog." Oriana sneaks around and whispers about them, with her father emperor holding her shoulder. "Exactly (ui ju sui), but you'll be able to buy some time. If I did my job, I wouldn't die in vain." He looked favourably at his daughter, who would be greedily flushed and an indescribable expression, and the emperor called on two Tamegoro, Lapo and Tamegoro, who had not solved the battle posture, as usual, with his sword and wand erected against the Ethereal God. "I wonder if they can evacuate Oriana to the seat of the Princess of Roses in the meantime, as they buy time" Tamegolo answers terminally with a stuck look. "If he crushes the bead of life he's holding, that's the end of our life. I'm sorry, but we can't afford to take the Empress away in this state." With a look that I can't afford, I add to that. "I see. That is certainly a difficult situation. That said, there's only one life bead and one other thing that he currently has in his hand, so he'll buy as much time as possible, so I guess it's impossible to take my daughter and escape while he crushes the second one? In other words, to help Oriana, Tamegoro and the Kingsguard knights are being killed on this occasion and used to crush even more. To the overly ruthless suggestion, Oriana Torapo complained, but on the contrary, Tamegoro and the Kingsguard knights grinned at the beast who had finally found their prey. "Ok! That's good. Either way, I was going to blow a bubble, so I could protect the Empress, not two birds a stone." "Our Kingsguard Knights, all those who gave their lives for the Empire and the Royal Family. To protect the princess, I am delighted." Pushed by the voice of a gentle emperor, he said, 'Ha!!' The Knights arrived simultaneously to the Ethereal God of the Black Robe. On a human level, the "Master (Adept)" court magicians cover it with magic. "... Waste Festival? Bullshit." With Tamegoro's life bead in his left hand, he crawled his right hand under the robe and took it out uncluttered was an unlikely size sword. The size to the golden grip and sashimi is always 2 meters. A clear second blade of crystal-like material is surrounded by a maximum width of 1 metre and a total length of less than 3 metres, with its core. "Please! Get away from me!!" The desperate stillness was also vain, and the elite Kingsguard knights were crushed as if they were garbage scum with one of the giant swords of the Ethereal God. Moreover, in the aftermath, all the glass of the royal palace burst, and some of the architecture, coloured by history and tradition, also became unbroken debris. Aggressively lappy 'Invincible (Aigis)' and 9 swords, plus Tamegoro's Fire Shield attenuated the power, but still four jumped heavily unprotected. "What, that sword...? I've never officially seen it or heard of it?!" It would have been puffy if it had been walled in the avant-garde, which was particularly damaging. I peel my eyes when I see "Invincible (Aigis)" with a big crack. "I'm not going to do it if I'm surprised at how good he is! 'Cause we're gonna have to do it either way! Countless fireballs were floating around the momentously popping tamegorough with confusing lappucks on his ass. "'Prominence Burst', or indeed, power is the best in flame-based magic, but it's hard to take time to activate it." Untouched, the Ethereal God gently put his strength into the bead of life he held in his left hand. "- Gu...! Tamegolo holding his chest in conjunction with a large strip of crack running, but the fighting spirit completes a new sorcery as it is. At that moment, almost simultaneously with the arrival of the flames of Prominence Burst, a tornado wrapped around the body of the Ethereal God in a way that covered it softly, turning it into a pyramid heated by extreme temperatures. "Plus, Flair Buster! Then the dome of flames covers it, making it a completely enclosed space from the outside world. "Hehe. How dare you think I'm just a flaming idiot! You didn't think this was coming, did you? I don't know how many hit points you have, but I have to breathe oxygen to live beyond being an organism... at least I can't stay conscious. Then we burn down the oxygen inside in an instant, and you can eat it and be safe." A somewhat emotional voice echoed from within the firepillar, trying to be covered in a good tamegorough dialogue. At the same time, the sound of crushing something to Paris continued, and a pale complexion of tamegorough fell forward bending on both knees on the spot holding his chest with one hand. "... so... my name is... not" Tamegoro "... but" Moon/Goro Hachi (Mei/A lot) "..."

最終話 夢薔薇色 森閑とした空間に、しばし、びりびりと乱暴に布を破り捨てる音がして、それが収まると「ふっ」と満足げな男の吐息がこぼれた。 余人を介さない閉鎖された神殿。 この世界の創世神にして、この神殿の主である青い髪の青年――蒼神は、己の身体の下で小さく震える乙女――緋雪の姿を見下ろし、喜悦の表情を浮かべた。 柔肌に引っ掛かるようにして残っていた、全ての衣装と装飾品を投げ捨てられ、一糸纏わぬ姿にされた彼女は、まるで生まれたての小鹿のように震え、それでも必死に束縛から逃れようとしている。だが、体格、体重、腕力。全てが大人と幼稚園児ほども差がある相手から逃れられるわけがない。 薔薇のコサージュが床に散乱する中、ほっそりと白くて瑞々しい細腕と、褐色の肌に筋肉が浮き出た自分の腕が絡みつく対比に、青年は征服感と加虐心を満足させながら、手にした長剣――『 緋雪の口からはもう悲鳴は出ず、ぐったりと仰向けに横たわるだけの人形と化した。 虚ろに見開かれた瞳に映っているのは、白々とした光を放つ石の天井と、その一箇所に突き刺さったままの愛剣『 「そう、それでいい」 満面の笑みで囁きながら、蒼神は改めて緋雪の華奢な肢体を間近で眺め、余すところなく視線を行き来させる。 完成された成人女性の官能的な体つきとは違うが、まさにこれから花開く寸前の大輪の蕾を連想させる、未完成ゆえの儚さと、凛と張り詰めた処女雪の静寂がここにはあった。 片手ですっぽりと覆える小振りの乳房はいまだ固めながら、形良く新雪の如き白い山肌に散る桜色の頂の、なんと可憐なことか。片手で握っただけで折れそうな細くくびれた腰つきと、丸みを帯びた腰に至るなまめかしさ。ひっそりと咲く花弁の奥に湛えられた蜜は、どれほどの芳醇な芳香を放つのだろうか。 狂躁状態だった蒼神が、ごくりと唾を飲み込んだ。 「元男性でゲームデータを元に作られた肉体というバックボーンを知ってはいても、魅せられるものですね。まあ、もともとデーブータという男自体が、生身の貴方に恋慕し邪な気持ちを持ってましたからね。女性と化した以上、誰はばかることなく想いを遂げられるというものです」 僅かに興奮で荒い息になりながら、蒼神は緋雪の下肢に手を伸ばした。 愛撫と言うには荒々しい手つきで蹂躙され、緋雪の柳眉が苦しげに歪められる。 そのまま無理やり事に及ぼうとした――瞬間、蒼神は微震のような僅かな揺れを感じて、不快げに顔を上げた。 「......なんだ? 虚数空間に設置されたこの場に影響を及ぼす攻撃だと?」 パチリと指を鳴らすと、天井が全面スクリーンのように変化して、いままさに渾身の力で 「ふん。ゴミどもが主同様、往生際が悪い」 鼻を鳴らしてその必死の様子を嘲笑う。 「マグレで閉鎖空間を揺らす程度はできるだろうが、虚霧を散らすには到底足りん。虚しいあがき......いや、見上げた忠誠と言うべきかな? なあ緋ゆ――くっ?!」 その自信に満ちた態度が、思いがけない衝撃で中断される。 背中に突き立ったそれ――僅かな衝撃によって天井から落ちてきた、緋雪の『 刹那、一連の出来事を受けて瞬間的に生気を取り戻した緋雪は、身体を捻った蒼神の背中に向けて、指の折れた手を伸ばした。 「ぐっ――貴様っ!」 慣れ親しんだ愛剣の柄を握ると同時に、蒼神に蹴りを入れて半ば這うようにして距離を取る。 1回の回復量は全ヒットポイントの1割強であるものの、クールタイムの短いヒールを連発して、折れた体中の骨を繋ぐ。 から、輝く黄金の長剣を取り出して哄笑を放ちながら、無造作に緋雪との距離を詰める蒼神。 ようやく回復した緋雪は立ち上がると、踵を返して 「ははははっ。尻を振りまくって、誘ってるのか?」 瞬間、蒼神の姿が消えた――瞬間移動にも等しい、 「まずはその足癖の悪い足だな!」 風を切る音がして、ぎらり、とした閃光が足元を掬う。 ぎりぎり一歩速く、床に両手をつけた前転の形でそれを躱した緋雪は、近くにあった柱を足場にして、弾丸のような速度で蒼神目掛け空中を直進しながら突きを放った。 だが、プレーヤーの持つ武器などでは自分にダメージを与えられるわけもない。余裕の表情でその場に立ち、真正面から受け止めようとした蒼神の目が、緋雪の手にした武器を見て愕然と見開かれた。 である。それは間違いない。確かにプレーヤーメイドの武器としては最高レベルに達している剣ではあるが、GM特権として『Indestructible(破壊不能)』属性を帯びている自分の身体に通用するわけがない。 だがしかし、いま緋雪が手にしている ハッと気が付いて見れば、傍らにはデーブータの遺体が転がり落ちている。 無闇に逃げていたわけではない。緋雪は最初からここを目指していたのだ。そして、言うまでもなく 「――この、クソアマーッ!!」 この距離と体勢では 二つの影が交差し、キーン!と澄んだ音と、ザシュッ!という鈍い音が同時に奏でられた。 肩甲骨の当たりから斜め一文字に切り裂かれた緋雪の小さな身体が、デーブータの遺体の上に、血と 血の気を失い――それでも満足げに微笑んでいる緋雪の顔を見て、蒼神は憎憎しげに独りごちた。 その視線が、自分の鳩尾辺りに刺さったままの 「確定された未来がなければ俺が負けていたかも知れないな」 ため息をついた口から、鮮血がこぼれ落ちる。 「やはりお前の存在はイレギュラーだ。......いや、やはり腑抜けたデーブータの代わりに『 半分熱に浮かされたように呟きながら、倒れたままの緋雪の元に歩みを進める蒼神。デーブータ、緋雪、蒼神3者から流れ出る血潮が交じり合い床を斑に染める。 ふと、足元で何かを踏んだ手応えを感じて見てみると、砕けたデーブータの命珠の破片だった。 血で赤黒く染まったそれを一瞥して、そのまま歩みを進めようとする蒼神。だが、その瞬間、散らばった命珠の破片が、赤と青の輝きを同時に放ち――やがて混じり合い、紫色の光を発しながら、一斉に倒れ伏す緋雪の、その下腹部――子宮の辺りへと飛び込むと、緋雪の身体全体が眩い紫色の光を放った。 「なっ、なんだ、これはっ?!?」 あまりの光量に思わず足を止め、両手で目をガードする蒼神。 「......道は作りましたぞ、御子様。姫様をお願いいたします......」 ようやく光が収まり蒼神は瞼を開いた。 変化がないはずなのに、どこか色褪せて見える周囲の光景に鼻白みながら、視線を戻したその目が驚愕に見開かれた。 「貴様、何者だ?! どこから入ってきた!?」 そこにいたのは15~16歳と思える背の高い少年であった。髪の色は黒に、一房だけ前髪に色違いの銀髪が混じっている。瞳の色は右が緋色で左が青色の 「ここに入れるのは俺か緋雪のみ! それ以外の因子はフィルタリングされて拒絶される筈。どうやって入った?! いや、緋雪はどこへ消えた?」 見れば、本来その少年のいた位置に居た筈の緋雪とデーブータの遺体、その両方の姿が消えていた。 自分の胸を指しながら、少年は背中に背負った鞘から、黄金に輝く長剣を抜いた。 ただ立っているだけでも、自分を圧倒するエネルギーを少年に感じて、対峙する蒼神の額に汗が浮かんだ。 「貴様は言ったな。この場はフィルタリングされ、自分と彼女の因子以外は侵入できない、と。なら逆を言えばその因子を併せ持つ存在ならば、この場にあってもおかしくはないということ。......まだわからないのか、愚かな俺の半身の暗黒面よ」 静かに語られるその言葉に、怪訝な表情を浮かべた蒼神ではあったが、やがてその表情に理解の色が浮かんできた。 「......まさか。まさかお前は俺と緋雪の......?」 喘ぐように問い掛ける。 「馬鹿な! 矛盾している。なぜ未来に存在するお前がここにいる?!」 狂乱ともいうべき蒼神の取り乱し様をつぶさに観察しながら、少年はどこか誇らしげに答える。 「母の愛が俺を産んでくれた。養父母たちの慈しみが、たくさんの人々の思いやりが俺を育ててくれた。そして、今を生きる全ての存在が道を切り拓いてくれた。――この場は時空間から隔離されたディラックの海に浮かぶ特異点なのだろう? そして未来が確定しているならば、時間の前後関係は関係なく、俺という因果律の結果が存在することになんの矛盾もない」 「それが......それが仮に事実だとして、貴様が俺に剣を向ける理由はなんだ?! いや、無駄だ、親殺しのパラドックスによって、貴様が俺を殺すことはできん!」 話している間に正気を取り戻したのか、蒼神が勝ち誇った口調でそう言い切って、同じように少年に向け剣を向ける。 「いいや。すでに俺という存在が観測され確定している以上、直線的因果律を解脱し、円環状のさながらウロボロスの蛇として因果律に俺の存在が組み込まれている。故にこの場でお前を斃したところで、自分の存在を抹消することはない」 少年の揺るぎのない言葉に、再び蒼神の顔に恐怖が宿った。 「馬鹿な! そんなことをして何の意味がある?! 仮に貴様が俺を斃した場合、創造神としての権能は無限ループの因果律に内包され、有名無実となるぞ!? いわば神不在に等しい! 世界を滅ぼすつもりか!?」 「滅ぼすんじゃない。世界の権利を世界に帰すだけだ。それが母の願い。薔薇色の未来は誰かが作るんじゃない、自分たちで茨を切り拓きながら作るんだ」 「この脆弱な世界にそんな力はない!」 だが迎え撃つ少年の踏み込みと剣閃は、それを遥かに上回った。 「......人の力を信じられない。それが父達よ、あなた方の限界だ。人間は強く逞しい。そして世界は広い。どこでだって生きていける」 その言葉が聞こえていたのかいないのか。一瞬の交差の後、存在核の全てを破壊された蒼神の姿が、素粒子レベルで破壊され拡散した。後には 同時にこの部屋――いや、空間自体が地震の様な、猛烈な震動に包まれる。 「奴が死んだことで亜空間が不安定になったか」 呟く少年の身体にもノイズのような歪みが走った。 「どうやら俺がこの時間軸に居られるのも僅かなようだ。とは言え今現在なら『 その少年の姿は随分と薄れ、いまにも消えそうな電灯のように存在が希薄になってきていた。 再度、広げた両手の間に、30センチほどの紫色の柔らかな光の塊が発生した。 「これをどうするのかは母さん、貴女に任せます。ですが、貴女が俺を信じてくれたように、俺も貴女を信じています。――ありがとう母さん、俺を産んでくれて」 その感謝の声を最後に、少年の姿は消え、入れ替わるように緋雪が――この部屋に入ってきた時と変わらぬ姿と衣装を纏った姿で――現れ、目を閉じたまま、ゆっくりと崩壊して行く蒼神の神殿とともに、真っ白な空間へと落ちて行った。 緩やかに胸の前で組み合わされた両腕の中には、少年が最後に生み出した紫色の光と、黄金色に輝く長剣『 が夥しい数の分身体とリンクしながら、冷静に答えた。 虚霧の表面に真紅の輝きが斑点のように現れ、見る間にその面積を拡大していく。 「赤――これは、もしや姫陛下がなにかされているのでは?!」 急上昇で上空に待機した 「......だとしたら、どちらが勝ったんだ」 同じく上空に逃れていたレヴァンが、奥歯を噛み締めながら誰にともなく問い掛ける。 『............』 無論、誰も応える者もいない。 やがて全員が見守る中、虚霧全体へと広がった赤い光が一瞬、強い輝きを放ったかと思うと、あっけなくシャボン玉が割れる感じで、虚霧が消え去った。 「――姫っ! 姫はご無事か?!」 はっと我に返った天涯が、血相を変えて周囲を見回す。 虚霧が消えた大陸中央部、そこは見渡す限りの鬱蒼とした大森林と化していた。地平線の彼方まで続く緑の樹海と、広大な大河、群れ集う鳥や獣達。 かつての文明の痕跡すらない、手付かずの自然を前に呆然としていた一同だが、天涯の叫びで正気を取り戻すと、次々と地上へと飛び降りて緋雪の捜査を始めた。 「姫様、見つけた」 「ご無事でございます!」 探査系の能力の持ち主である、 その言葉に緊張していた場の空気が緩み、続いて、その意味するところ――緋雪が勝利を収めたこと――を理解した彼らが、一斉に喝采と勝利の雄叫びを上げた。 『うおおおおおおおおおおおおおっ――――っ!!!! 姫様万歳っ!!』 『勝利は常に姫様とともに!!!』 『姫様! 我らが姫様!! 我らが光!!!』 その勢いの凄まじさに、周囲数十キロ圏内の魔物や動物たちは、一斉に逃げ出し一時騒乱状態になった。仮に近くに人里があれば、おそらく 地鳴りのような聞き覚えのある騒音に、ボクはまどろみから無理やり意識を覚醒させられた。 ――眠い。疲れた。今日くらいゆっくり眠らせてよ......。 なんとなく横になっている場所が、ベッドではなくもっと固いような気がしたけれど、眠気が先に立って自堕落に、ごろりと姿勢を変えて横になる。 その拍子に何かがお腹の上から落ちて、もぞもぞと動き回り、顔の方へと近づいて来たかと思うと、ぷにぷに頬を軽く触ったり、つんつん髪の毛を引っ張ったりして、ちょっと鬱陶しいかなぁ......と思ったところで、 唇に甘い感触を感じて、ボクは慌てて目を見開いた。 「なっ――誰っ?!」 見れば、まだ生後4~5ヶ月くらいに思える赤ん坊が、慌てふためくボクの顔を不思議そうに見ていた。 「......って、本当に誰?」 勿論、赤ん坊が答えるわけもない。けどなぜかニコニコ笑いながら、這い寄ってくるので反射的に抱き上げた。 どうやら男の子のようだ。まだ赤ん坊だっていうのに、将来が楽しみな整った顔立ちをしている。黒髪に前髪のところに一部銀髪が混じっている。特徴的なのは瞳の色で、右が緋色で左が青色の 「なんか中二病満載な特徴の子だねぇ。親はどこかなぁ」 途方に暮れるボクの困惑など知ったことじゃないとばかり、その子はなぜか安心しきった顔でこっくりこっくり船を漕ぎ出した。 思わず振り仰いだ空は晴れて、どこまでも澄んだ青が広がっていた。 改めて周囲を見回してみれば、ジャングルの中にぽっかりと円形に空いた更地――まるで、何かの建物があったのが消え去ったかのよう――のど真ん中の地面に座り込んでいる。 はっとして自分の恰好を確認してみたけれど、虚霧に乗り込む前の装備と変化がない。虚霧も消えていて、まるで夢のようだけれど、夢じゃない証拠にボクの傍らには、2メートルほどの黄金の剣『 「結局、どーなったのかなぁ?」 最期は、蒼神相手に相討ち狙いで剣を振るった覚えがあるけれど、その先は記憶にない。虚霧が消えているってことは、撃退できたってことなんだろうけれど、そうであるなら『創造神』となっている筈。けど、そんな実感はまるでない。わけのわからない状況に、ボクは首を捻った。 やがて、ボクを呼ぶ大勢の声が天空や四方八方から聞こえてきた。 どうやら空中庭園の皆もこの場に集まっているらしい。 最悪、また別世界にでも来たんじゃないかと心配していたけれど、どうやらそういうこともないようで、ボクは安心して赤ん坊をあやしながら立ち上がった。 それから、もう一度青空を眺めて目を細めた。 「今日もいい天気らしいねぇ」 取りあえず変わらぬ今日があるだけで幸せだと、自然と微笑が浮かんでいた。

149 Final Story Dream Rose In the mori idyllic space, there was often the sound of tearing the cloth apart in a frivolity, and when it subsided, the exhalation of a "fuzzy" and satisfied man spilled. A closed temple without going through the others. To the Genesis God of this world, the Lord of this temple, the young man with blue hair - the Ethereal God, a maiden trembling small beneath her body - looked down at the appearance of scarlet snow and gave a look of joy. Being thrown away all her costumes and ornaments and left untouched by her soft skin, she trembles like a newborn deer and still desperately tries to escape the bondage. But physique, weight, arm strength. There's no way that everything escapes someone who makes as much difference as adults and kindergartners. As the rose costume scattered on the floor, the young man satisfied himself with a sense of conquest and abusiveness, in contrast to the entanglement of a sly white, bright thin arm and his own arm with muscles surfacing on his brown skin, while the long sword in his hand - the "True Divine Sword" Versus Amadeus "- was put into a storage space (inventory), breaking the girl's finger again with an unwrought trick. There was no more screaming from Scarlet Snow's mouth, turning it into just a doll lying on its back. In the vain open eyes is the stone ceiling emitting white light and the glow of the sword of love "Sinner of the Rose (Jill de Leye)", which remains pierced in one place. "Yes, that's fine" Whispering with a full grin, the Ethereal God once again looks up at the luxurious limbs of Scarlet Snow, causing his gaze to come and go beyond. Unlike the sensual fitness of a finished adult woman, here was the silence of incomplete hence and the virgin snow stretched out by Rin, reminiscent of the buds of the great wheel on the verge of flowering. How pathetic of a cherry blossom top scattered over a shapely, fresh, snowy white mountain skin while still stiffening a small shaken breast that can be covered softly with one hand. Thin, creased hips that seem to break just by gripping them with one hand and smoothness leading to rounded hips. How aromatic is the nectar held in the back of a secluded blooming petal? A pale god who was in a state of mania swallowed his sarcasm. "Even if you know a backbone called flesh made from game data in an ex-male, it's fascinating. Well, originally, a man named Daebuta himself had a crush on you. It's more than just being a woman. It's about being able to live up to your thoughts without having to hurt anyone." With a slightly excited and rough breath, the Ethereal God reached for the lower limbs of Scarlet Snow. To say caress is ravaged with rough hands, scarlet snow willow eyebrows distorted into bitterness. I tried to force him to do so as it was - for a moment, Ethereal God looked up uncomfortably, feeling a slight shake like a slight earthquake. "... what? You think it's an attack that affects this place set up in a void space? When Patchouli rang his fingers, the ceiling changed like a full screen to reflect the servants and collaborators of the Crimson Empire Imperial Crimson, who were now attacking the fog with precise force. "Hmm. Like the Lord, the garbage is bad at birth" Ring your nose and mock how desperate it is. "You'll be able to rock the enclosed space in the Maghre to the extent, but it's not enough in the end to scatter the mist. Vain raise...... no, should I say the loyalty I looked up to? Hey Scarlet Yu - Ku?!" That confident attitude is interrupted by an unexpected shock. When I saw it standing on my back - Scarlet Snow's "Sinner of the Rose (Jill de Leye)" - which fell from the ceiling by a slight impact, the irritation of the Ethereal God reached its peak. In a moment, Scarlet Snow, instantly rejuvenated after a series of events, reached for the back of the twisted Ethereal God, with a broken finger. "Gu - you! Grab a familiar love sword pattern and at the same time put a kick in the Ethereal God to make it half crawl and take the distance. Although the amount of healing per hit is just over 10% of all hit points, a series of short cool-time heels connect the bones in the broken body. From the storage space (inventory), the Ethereal God unconstructively packs the distance from Scarlet Snow as he takes out the glowing golden long sword and releases a laugh. When Scarlet Snow finally recovered, he turned his heel back and ran out naked looking at the place (,,,). "Ha ha. You're waving your ass around, asking me out? Moments, the appearance of the Ethereal God disappeared - equal to instantaneous travel, H S M (High Speed Mode). "First of all, you have that bad foot habit! The sound of the wind cutting, and the glittering, flashing flashes crept over my feet. Scarlet Snow, one step faster and flaunting it in the form of a forward rotation with both hands on the floor, scaffolded a pillar that was nearby, releasing a thrust as it went straight into the aerial sky with a bullet-like velocity. But there's no way you can do damage to yourself with a player's weapon or anything. The eyes of the Ethereal God, who stood on the spot with an extra look on his face and tried to take it directly from the front, opened with dismay when he saw the weapon in Scarlet Snow's hand. Scarlet Snow is holding a rose sinner (Jill de Leye). That's for sure. Sure, it's a sword that has reached its highest level as a player-made weapon, but there's no way it works for my body that carries the 'Indestructible' attribute as a GM privilege. But the rose sinner (Jill de Leye) that Scarlet Snow is now holding is dressed like a giant crystal mass over his original body. Needless to say, it was originally sheathed on this body, the true divine sword, Versus Amadeus, and was the masterpiece of the Divine Sword (Amadeus). If you notice hah, the body of Daebuta is rolling down beside you. I wasn't running away without darkness. Scarlet Snow wanted to be here from the beginning. And needless to say, the Divine Power Sword (Amadeus) can be slashed and ripped, whether it's GM's flesh or not! "- This, FUCKING AMAR!!" Even H S M (High Speed Mode) is difficult to avoid at this distance and position. If you expose yourself poorly to defenselessness, you will be fatally wounded. So instantly judging, Aoshi chose to intercept with the true divine sword Versus Amadeus. Two shadows intersect, Keane! and a clear sound and zash! The dull sound was played at the same time. A small body of scarlet snow, torn from the shoulder blade to a diagonal letter, collapsed on the body of Daebuta with a divine sword (Amadeus) broken apart for each blood and rose sinner (Jill de Lee). I lost my blood - and still saw the face of Scarlet Snow smiling satisfactorily, and the Ethereal God was alone in hatred. Its gaze shifts to the amputated tip of the divine sword (Amadeus) that remains stabbed around its dovetail. "Without a definitive future, I might have lost." From his sighing mouth, blood spills. "After all, your presence is irregular.... No, I guess it's still the cauldron prepared by the Book of Formation, Safel Yeziller, instead of the heartless Daebuta. An update file to upgrade an existing system, perhaps that's your role." The Ethereal God proceeded to walk under the scarlet snow, which remained fallen, whining like it was floating in half a fever. Dayboota, Scarlet Snow, and the bloody tide flowing out of the three Ethereal Gods cross to stain the floor with spots. Secondly, when I felt the response of stepping on something at my feet, it was a fragment of the crushed Daebuta's life bead. A glimpse of it dyed red and black with blood, Ethereal God trying to keep walking. But at that moment, the scattered fragments of life beads simultaneously emitted a red and blue glow - eventually mixed together, emitting a purple light, while simultaneously falling and lying Scarlet Snow's, its lower abdomen - jumped into the vicinity of the womb, and the entire body of Scarlet Snow emitted a dazzling purple light. "Become, what is this?!? The Ethereal God stops his leg accidentally by too much light and guards his eyes with both hands. "... I've made my way, my son. Princess, please..." Finally the light subsided and the Ethereal God opened his lid. There shouldn't have been any change, but its eyes, gazing back, opened in amazement as it snorted at the surrounding sight that looked faded somewhere. "Who are you?! Where did you come from?!" It was a tall boy who seemed 15-16 years old who was there. The colour of the hair is black, and only one room has mixed silver hair of different colours in the forehead. The color of the eyes is scarlet on the right and blue gold and silver demon eyes (heterochromia) on the left, wrapped around the forged flesh and coated costumes like black military uniforms. The face is an unforgettable beauty at first glance, but now some grumpy glimpse of glance had ruined everything. "Only me or Scarlet Snow can get in here! Other factors should be filtered and rejected. How did you get in?! No, where did Scarlet Snow disappear? Seeing, the scarlet snow and the body of Daebuta, both of which were supposed to have been in the boy's position, had disappeared. Pointing to his own chest, the boy pulled out a long sword shining in gold from the sheath he carried on his back. Just standing, I felt the energy overwhelming me on the boy, and a sweat floated on the forehead of the confronting Ethereal God. "You said it. This place is filtered, and you can't intrude except yourself and her factors, he said. Then to put it the other way around, if there is a combination of those factors, it is not strange to be here.... you don't know yet, you stupid, dark side of my body." He was a pale god with a suspicious look on that word spoken quietly, but eventually the colour of understanding came to his expression. "... No way. Are you kidding me and Scarlet Snow...? Ask to gasp. "Stupid! Conflicting. Why are you here that exists in the future?! The boy proudly answers somewhere while crushing observing the disturbance of the Ethereal God, which should also be called frenzy. "My mother's love gave birth to me. The mercy of my adoptive parents brought me up by the compassion of so many people. And all the beings who lived in the present cleared the way for me. - Is this place a singularity floating in a sea of dillacs isolated from space-time? And if the future is definitive, it doesn't matter whether it's before or after time, there's no contradiction whatsoever in the fact that the consequences of my karma exist." "That's... what makes you point your sword at me, assuming that's true?! No, it's no use, you can't kill me by a paradox of parent-killers! Did you regain your sanity while you were talking, say that out of the tone that Aether God won, and point your sword at the boy in the same way. "No. More than the presence of me has already been observed and confirmed, my presence is incorporated in karma as a circular circular yet uroborous serpent, breaking the linear causal rhythm. I will not erase my existence where I have killed you." Fear again dwelt in the face of the Ethereal God in the boy's unshakeable words. "Stupid! What's the point of doing that?! Assuming you shoot me, your power as a Creator God will be indwelling in the causal rhythm of the infinite loop and you will be famously innocent!? So to speak, it's equal to the absence of God! Are you going to destroy the world!?" "Don't destroy it. Just give the world its rights back. That's my mother's wish. Someone doesn't make a rosy future, we make it ourselves." "There is no such power in this fragile world! But the intercepting boy's steps and sword flashes far surpassed it. "... I can't believe the power of people. That's your limit, Fathers. Humans are strong. And the world is wide. I can live anywhere." Did you hear the words or not? After a moment of intersection, the figure of the Ethereal God, who destroyed all of the nuclei of existence, was destroyed and diffused at the elemental particle level. Later, only the true divine sword, Versus Amadeus, just stood like a tomb marker. At the same time, this room - no, the space itself is surrounded by a fierce tremor, like an earthquake. "Did his death destabilize subspace?" Noise-like distortions also ran on the whining boy's body. "Apparently, I'm only a few people on this timeline. That said, now you can access the Book of Formation, Safer Yeziller, and use your powers as a Creator God. One last thing...... no, I need to keep all two 'miracles' going" The boy's figure had faded from time to time, and his presence was becoming as thin as a lamp that was about to go out now. Again, between the spread hands, a soft lump of light of about 30 cm purple occurred. "I'll leave it to you, Mother, to see what I can do with this. But as you believed in me, I believe in you, too. - Thank you, Mom, for giving birth to me." In closing that voice of gratitude, the boy's figure disappeared, and the scarlet snow - as it were when he entered this room and wrapped his costume around it - appeared, and fell into a bland space with his eyes closed and the temple of the Ethereal God slowly collapsing and going. In both arms, loosely combined in front of his chest, was held the last purple light produced by the boy and the golden long sword, the True Divine Weiwei Sword, Versus Amadeus. [Golden Dragon (Nagaraja)] Zhou Jin (Susa) replied calmly to the inquiry of "Tenkake", a group of leaders, while linking him to his body for a good number of minutes. A bright red glow appears like a spot on the surface of the idle mist, expanding its area during viewing. "Red - isn't this what Her Majesty the Princess is doing?!" From the back of Zuowang (Kurumi), who was waiting over the sky in a steep ascent, the Empress Oriana, who was observing the situation one by one, uttered an imagination that floated in her mouth. "... If so, who won?" Levan, who was also fleeing over the sky, asks nobody as he bites his back teeth off. ............ No matter, no one responds. Eventually, as everyone watched, the red light spread across the fog for a moment, and I wondered if it had emitted a strong glow, and the fog disappeared, feeling that the chavon balls would break. "- Princess! Is the princess safe?!" Heaven returns to me all the time, I change my blood phase and look around. The central part of the continent, where the fog disappeared, had turned into a great forest of depression as far as it could see. Green sea of trees that leads to the other side of the horizon, vast rivers, swarms of birds and beasts. With no trace of a former civilization even, with untouched nature in front of him, but when he regained his sanity with a scream of heaven, he jumped to earth one after the other and began his investigation of scarlet snow. "Princess, I found it" "You're safe! Yasuo (Hosumi), Zhou Jin and Shiori (Shiori), the owners of the exploratory system's abilities, cheered at the same time. The air of the place that was nervous about the words loosened, followed by their simultaneous roar of praise and victory when they understood what it meant - that Scarlet Snow had triumphed. 'Whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa!!!! Long live the Princess!! "Victory is always with the princess!!! "Princess! Our princess!! Our light!!! To the awesomeness of the momentum, demons and animals within the surrounding tens of kilometres fled simultaneously to a state of temporary disturbance. Assuming there were people nearby, they probably wouldn't have gotten caught up in a 'rampage' (stampede). I was forced to awaken my consciousness by the sounding noise of the ground. - Sleepy. Tired. Slow it down today... Somehow I felt like the place where I lay down was harder, not the bed, but drowsiness stood first and self-depraved, shifting my posture and laying down. Something fell from the top of my stomach on that clap, moving around with thighs and wondering if it was a little depressing to touch my cheeks lightly on the puffs or pull my stuck hair... Feeling sweet on my lips, I panicked and opened my eyes. "Become - who?!" If you look, the baby, still about 4-5 months old, looked at me in a panic and wonder. "... who really? Of course, there's no way a baby can answer that. But for some reason Nico laughed, crawling over, so I held him up reflexively. Apparently, he's a boy. Even though he's still a baby, he looks like he's all for fun in the future. I have some silver hair mixed with my brunette at the front of my hair. Characteristic was the color of the eyes, with scarlet on the right and blue golden and silver demonic eyes (heterochromia) on the left. "He's some kind of hallmark kid full of two diseases. I wonder where my parents are." He snuck out of the boat with a reassuring face for some reason, just because he didn't know about my confusion. The sky I shook unexpectedly was clear and clear blue spread everywhere. If you look around again, you're sitting on the ground in the middle of nowhere in the jungle with a pompous circular vacant further ground - as if some building had vanished. I have checked my fitness as a, but there is no gear and change before getting into the mist. The fog has also disappeared, as if it were a dream, but beside me is proof that it is not a dream, about 2 meters of the golden sword "True Divine Power Sword" Versus Amadeus "is rolling. "After all, which one did it turn out to be? At the end of the day, I remember waving my sword for the sake of discussing with my pale god opponent, but I can't remember beyond that. The fact that the fog has disappeared must mean that it could be repelled, but if it is, it must be the 'God of Creation'. But that doesn't feel like it. I twisted my neck in an unclear situation. Eventually, I heard a lot of voices calling me from the sky and all directions. Apparently, everyone in the air garden is gathered here as well. Worst of all, I was worried I might have come to another world, but apparently that wasn't the case either, and I stood up reassured to give up the baby. Then I looked at the blue sky again and narrowed my eyes. "Looks like it's a beautiful day." Nature and a smile were floating when I was just happy to have a day that was still the same.

の暴風のような剛の動きに対して、体さばきとフェイントを織り交ぜた柔の動きで対応する獣王。 目まぐるしく位置を変え、手足が交差し、再び距離を取る。 互いに一瞬の停滞もない、氷の上で演舞でも踊っているかのようなその動きに、ジョーイが我知らず感嘆の声をあげた。 と、その声で気が付いたのか、或いは兄丸の放った『 「ヒユキ! 気が付いたのか!? 痛いところとか、苦しいところとかないか?」 まだ意識がしっかりしないのか、喜色もあらわに呼びかけるジョーイを、ぼんやりと見つめていた緋雪だが、 はっとした顔で顔色を変え、次の瞬間、何かの発作のように一度だけ大きく背を仰け反らせた後、何かに耐えかねるような様子で体を丸めた。その拍子に長い黒髪が流れ、あらわになった真っ白い背中が小刻みに震える。 「ど、どうしたんだ?! 痛いのか!?」 おろおろと心配そうに呼びかけるジョーイの耳が、緋雪の小さく途切れ途切れで――だが、切迫した焦りと必死さを伴った 「............に...逃げ......押さえられない......ジョーイ、すぐに...ボクから逃げ............」 髪に隠れ、下を向いていたためジョーイの目には入らなかったが、緋雪の瞳が爛々と赤みを増し、その口元からは2本の長い牙がぞろりと姿を覗かせていた。 最後の気力を振り絞って、 右手を掴まれた、と思った瞬間天地が逆転して、回転しながら地面に叩きつけられる。目の奥に火花が飛び散り意識が乱れながらも、本能的にはっと飛びのいたのと同時に、自分の頭のあった位置が震脚で踏み抜かれる。 地面をハンマーで殴りつけたかのような衝撃と瓦礫が飛び散り――その中に紛れて投擲された鉄釘のような暗器が、無防備な兄丸の左目に突き刺さった。 「があああああああああああああっ!!!」 左目を押さえて絶叫する兄丸の様子を淡々と見据え、 「――ほう。丈夫なものだな。脳まで貫通するかと思ったが」 獣王はゆっくりと歩みを進めた。 その足元を兄丸の拳士系スキル『 力任せに暗器を引っこ抜いた兄丸は、閉じた左目からだらだらと血を流し、また残った右目に狂気の相を浮かべ、凄惨な面持ちで獣王を睨み据えた。 「ジジイ!! 殺す殺す殺す! 本当の本気で殺すっ!!」 「本気とやらがあるなら出し惜しみせず、さっさと使えば良いものを」 小馬鹿にするような獣王に応えて、口を開きかけた兄丸の隻眼が丸くなり、ふと――獣王の背中越しに流れた。 一瞬、痛みも怒りも忘れて驚愕の色を浮かべるその目と、背中のほうから聞こえる、「じゅる――!」という粘質な何かを 緋雪が立っていた。 薄汚れボロボロになった姿でうつむき加減に、しかし自分の足でしっかりと立っている。 表情は長い黒髪に隠れて見えない。だがその口元には、蒼白を通り越して紙のように白くなったジョーイの首筋がしっかりと咥えられていた。 生きているのか死んでいるのか、人形のように四肢を投げ出しピクリとも動かないジョーイの様子に、獣王の表情が厳しさを増した。 「くそっ、ジジイに時間をかけすぎた。吸血姫の狂化・・・いや、剣士系スキルの 吸血姫の狂化――一定期間血液を摂取しないか、自身の生命に関わる事態に直面した際に発動する種族特性。理性が消え、全能力のリミッターが外れ、自己防衛本能の塊となり、見境なく周囲の者に襲いかかる。 「両方同時に発動した状態なんざ聞いたこともねえが・・・」 そして兄丸が記録している限り、緋雪が狂化、狂乱したことはなかったはずだ(そこまでHPを削られたことがないか、紙装甲で即死してるかのどちらかのため)。 「......どっちにしろ、止まらねえか」 その時、獣王が兄丸を無視して緋雪の方へと走り出した。 「よさんか!」 止めに入る獣王へ向かって、口に咥えたジョーイを顎と首の力だけで無造作に放り投げる緋雪。 砲弾のように飛んできた少年の体を、 「――ぐっ!」 体全体で抱き止めた獣王の巨体が衝撃を殺しきれず、地面に溝を掘りつつその場から1mほど後退した。 同時に、ドン!!と地面を揺るがすような踏み込みとともに、緋雪が跳んだ。その部分の土が爆ぜて土柱があがる。 きょろきょろと辺りを見回す兄丸。周囲を見回しても緋雪の姿は見えない。どこに――その瞬間、猛烈な殺気を感じて頭上を見上げる。 ――いた! 倒壊しかかった民家の壁面に両手両足の指を食い込ませて、蜘蛛のように止まっていた。 兄丸が息を呑んだ瞬間、壁面が爆ぜて再度緋雪の姿が消えた。 違う、気が付いた時には兄丸の頭の真上にいた。ズタズタに裂けたスカートがひるがえる。そこから伸ばされた右足の踵が迫る。 咄嗟に両手を交差させた十字受けで受ける兄丸。信じられない速度だが、それにギリギリとはいえ反応できる兄丸も、さすがは そう確信した兄丸の思考が次の瞬間猛烈な衝撃とともに途絶え、気が付いた時には前のめりになる姿勢で、顔面から地面に叩きつけられていた。 口の中にある土と泥、そして折れた牙と歯とを吐き出す。 兄丸は隻眼を巡らせ、投げ出された自分の両手を見る。手甲『干将』には歪み一つない。ならなぜ自分は倒れているんだ? 起き上がろうとしたところで、両手がピクリとも動かないことに気が付いた。そこで初めて自分が倒れた理由に気が付いた。両手の筋肉が残らず破裂して、さらに内側から皮膚を食い破って砕けた骨が覗いている。 確かに手甲『干将』は緋雪の攻撃を受け止めた。だが、受け止めた自分の肉体の方が、その衝撃を受け止められず両腕の骨、筋肉、関節を砕かれたのだ。 つまり単純に力負けしたということだ。 愕然とする兄丸の脳裏に、先ほど獣王を名乗る老人と交わした会話が甦った。 『お主の戦い方は圧倒的な力で相手を押し潰すやり方だ』 『より強い相手と命がけで戦った経験がないため、自分より強者と対峙した時にどう戦えばいいのかわからず、ゆえに戦い方に創意工夫がない』 ああ、その通りだ。自分にはその戦い方しかなかった。いや、正確には 兄丸の髪の毛が無造作に掴まれ、風船のように持ち上げられた。 目の前にあるのは爛々と朱色に輝く緋雪の瞳と、真っ白な牙。 喰いにきたつもりが逆に喰われるのか。まったく皮肉が効いている。 まあいいさ、このクソッタレな生が、アイツ以外の手で終わらせられるなら――急速に消えていく意識の底で、兄丸は奇妙な安らぎと充足感を覚えながら残った片目を閉じた。 ぞっとするほど冷たい体に気功による治療を施しているが、所詮は焼け石に水。根本的な生命力が不足しているのだ。 かといって手持ちの丸薬や薬草程度では役に立たないだろう。なにか方法はないか。 藁にもすがる思いで辺りを見回した獣王の目の端に、先ほどまであの少女が立っていた辺りに転がる一つのガラスに似た瓶が映った。 もしや薬か? 両手でジョーイを抱えたままその場所まで移動し、素早く拾った瓶の蓋を開け臭いを嗅ぐ。 瓶にも特になにも書いていない。薄黄色い液体は毒とも薬ともとれるが、錬金術師が作る 「......どちらにせよこのままでは確実に死ぬ。ならば一か八か使うしかないか」 覚悟を決めた獣王は、手にした瓶を一息で呷り、意識のないジョーイに口移しで飲ませた。 結果は――劇的な程効果があり、真っ白だったジョーイの肌にたちまち赤みが差し、体温、脈拍、呼吸とも通常と変わらないレベルに快癒し、死相が浮いていた顔も、ただ午睡をしているだけと言われても問題ない穏やかさになった。 はっと顔を上げてみれば、さきほどまで争そっていた ぽい、と飲んだジュースの空き缶を捨てるように、完全に息の根が絶えた兄丸を投げ捨てた緋雪は、微妙に焦点の合っていない瞳で獣王を見た。 ――来るか!? ジョーイをその場に横にして身構えた獣王だが、緋雪の方は先ほどまでの狂騒状態がウソのような凪いだ雰囲気で、その場にじっとしていた――が、次の瞬間操り人形の糸が切れたように、意識を失いくたりとその場に崩れ落ちた。 どうやら戦いは避けられたらしい。そう判断して肩の力を抜いた獣王。 同時に、おっとり刀で駆けつけてきた警備兵たちの気配を感じて、やれやれとため息をついた。 イーオン聖王国聖都ファクシミレ。 中心部『蒼き神の塔』最上階で、報告書を読んでいた青い髪に青銅色の鱗状の肌を持った男は、パリンッと硬い音をたてて壁際に並んでいた水晶球のひとつ――中心部に黒と金の斑が入っていたそれ――が砕けたのを一瞥して、つまらなそうに鼻を鳴らした。 「死んだか。昔から口だけで役に立たん男だったが」 それから報告書の続きに目を通した。

The Beast King responds to the stormy movement of his brother Maru with a soft movement woven with body judgment and feint. Brilliantly repositioned, hands and feet crossed and distance again. Joey exclaimed unknowingly at that move, which seemed to be dancing and dancing on ice, without a moment's stagnation with each other. And Scarlet Snow, who was unconscious in a way covered by Joey, nodded and slowly opened his eyes, "Mmm..." whether he noticed with that voice, or whether the state (status) anomaly of his brother Maru's unleashed "Sin Jin (Stan Brow)" had expired. "Hiyuki! Did you notice that!? Anything painful or painful? Scarlet snow stared blurry at Joey, who still doesn't have a firm consciousness and calls out joyful colors, changed his complexion with a stiff face, and at the next moment, he turned his body around in such a way that he couldn't stand something after only turning his back wide like a seizure of some kind. Long dark hair flowed through the clap, revealed bright white back trembling into small pieces. "Duh, what's wrong?! Does it hurt!?" Joey's ears, which call out gratuitously and worryingly, caught a whisper (sayingly) accompanied by a small interruption of scarlet snow - but a sense of impatience and desperation. "... to... escape... I can't hold you back... Joey, immediately... escape me..." He hid in his hair and didn't get into Joey's eyes because he was looking down, but Scarlet Snow's eyes suddenly increased redness and two long fangs peered loosely from his mouth. When I squeezed my last energy and removed one potion from the storage space (storage), Scarlet Snow's consciousness was stained with crimson red. I was grabbed by my right hand, and the moment I thought, heaven and earth would reverse and beat me to the ground as I rotated. While sparks scattered in the back of my eyes disturbed my consciousness, I instinctively flew all the way through, at the same time the position where my head was stepped through with a seismic leg. The shock and debris splashed as if he had hammered the ground - a dark vessel, like an iron nail, dispersed and thrown in it, pierced the left eye of an unprotected brother circle. "but ahhhhhhhhhh!!!" pale view of his brother Maru holding his left eye and screaming, "- Wow. That's a sturdy thing. I thought it would penetrate my brain." The Beast King took his steps slowly. At his feet, Brother Maru's fistician skill, "Chisel (Bash)", strikes, but he slowly turns away. The brother Maru, who pulled out the dark vessel at the mercy of his strength, bled sloppily from his closed left eye, and floated a phase of madness in his remaining right eye, staring down at the Beast King with a miserable face. "Jizzy!! I'll kill you, I'll kill you! I'll kill you for real!!" "If you're serious, don't spare it, just use it." In response to the king of beasts who made a small fool of him, the eyes of the sibling circle that nearly opened his mouth became round, and fuh- flowed over the back of the king of beasts. For a moment, the Beast King glanced at you with alarm at its eyes, which floated with astonishing colors, forgetting pain and anger, and the ominous sound of sipping (soaking) something viscous called "Juru -!" heard from behind his back. Scarlet snow stood. She looks thin and dirty and worn out to add and subtract to her nagging, but she stands firm on her feet. The expression doesn't look hidden in long dark hair. But Joey's neck, which was white as paper through the pale, was firmly entrapped in his mouth. Whether he was alive or dead, the expression of the Beast King increased in severity to Joey's appearance of throwing out limbs like a doll and not even moving Pickle. "Damn, I spent too much time on jizzy. Blood sucking princess fanaticism... no, swordsman skills frenzy (parser) too. - Chi, I can't read through the status! The fanaticism of a blood-sucking princess - a pedigree characteristic that activates when you don't consume blood for a period of time or face life-threatening situations of your own. Reason disappears, a limiter of all abilities comes off, becomes a mass of self-defense instincts, and strikes those around him without sight. "They're both activated at the same time. I've never even heard of..." And as far as my brother Maru records, Scarlet Snow should have never gone mad, frenzied (either because he's never had his HP cut that far, or because he's dying instantly with paper armor). "... Either way, don't stop" At that time, the Beast King ignored his brother Maru and ran out to Scarlet Snow. "Ok! Scarlet snow throws Joey unconstitutionally with only the power of his jaw and neck against the king of beasts who enters a halt. the body of a boy who flew in like a shell, "- Gu!" The giant of the Beast King, who had stopped him throughout his body, could not kill the impact, retreating about 1 m from the spot as he dug a ditch into the ground. At the same time, Scarlet Snow jumped along with Don!! and a rocking step on the ground. The dirt in that part explodes and the dirt column rises. Brother Maru looking around for a moment. I can't see Scarlet Snow looking around. Where - at that moment, I feel fierce killing and look up over my head. - There he is! He was stopping like a spider, eating his two-handed, two-legged fingers into the walls of a nearly collapsed private house. The moment my brother Maru breathed, the wall blew up and Scarlet Snow disappeared again. No, I was directly above my brother Maru's head when I realized it. A torn skirt flickers in the bumps. The right heel stretched from there looms. Brother Maru, who receives at the cross with his hands crossed at the end of the day. Incredible speed, but also my brother Maru who can react, albeit critical, is just the TOP ranker for "E. H. O" and "Eternal Horizon Online". The thought of his brother Maru, so convinced, was interrupted with a fierce shock at the next moment, and when he realized it, he was being slapped from the face to the ground with a frowning attitude. Spit out the soil and mud in your mouth, and the broken fangs and teeth. Brother Maru circles the ship's eyes and sees his own hands thrown out. There is no distortion in the armor 'Dry General'. Then why are you down? As I tried to get up, I noticed that my hands wouldn't even move with Pickle. That's where I first realized why I fell. There is no muscle left in both hands, ruptured, and a broken bone peeking further down from the inside eating the skin. Indeed, the armor 'Dry General' took the attack of Scarlet Snow. But my flesh, which I received, was more devastated by the shock and crushed the bones, muscles, and joints of my arms. I mean, I simply lost my strength. Behind the brains of his stunned brother Maru, a conversation he had earlier had with an old man named Beast King. "The way the Lord fights is the way he crushes his opponent with overwhelming force." "I don't know how to fight a stronger opponent when confronted with someone stronger than me because I don't have the experience to fight for my life, hence I don't have any creativity in how to fight" Yeah, you're right. I only had that way of fighting. No, that's exactly all I know (,,,,,,). I was forced to live that way. This is the result. But I don't have a choice. I... My brother's round hair was grabbed unconstitutionally and lifted like a balloon. What's right in front of you are stingy, peachy scarlet snow eyes and bright white fangs. Will they eat it the other way around? Totally ironic. Well, fine, if this damn raw can be ended by a hand other than him - at the bottom of his rapidly disappearing consciousness, Brother Maru closed his remaining eye with a strange sense of peace and fulfilment. The calming body is treated with Qigong, but the intrusion is water on the burning stone. It lacks fundamental vitality. Wouldn't be useful in terms of pills or herbs in hand. Is there any way? On the edge of the eye of the Beast King, who also looked around with the thought of straw, a bottle similar to the one rolling around the area where the girl stood until earlier. What if it's drugs? Move to that place holding Joey with both hands and quickly open the lid of the bottle you picked up and smell the smell. It doesn't say anything in the bottle. The light yellow liquid can be both poison and medicine, but I feel it resembles a spirit medicine (potion) made by an alchemist. "... Either way, I will surely die as I am. Then I'll have to use one or eight." Prepared, the Beast King sighed the bottle in his hand and gave it to unconscious Joey to drink by mouth. The result was - dramatically effective, redness appeared on Joey's skin, which was bright white, soothing to levels no different from normal in body temperature, pulse, and breathing, and a calm face where the Death Minister was floating, even if she was told she was just sleeping. If I looked up, my brother Maru (man), who had fought until just now, was completely knocked down, and by the scarlet snow (girl), who had fangs in his throat, he was just about sucked up to the last drop of blood. Scarlet Snow, who threw down his brother's circle, which had completely lost his breath, like throwing away an empty can of juice he drank, saw the Beast King with his subtly unfocused eyes. - Are you coming? A beast king who laid Joey aside on the spot, but Scarlet Snow's earlier frenzied atmosphere was bogus, and he stood still on the spot - but collapsed on the spot unconscious or unconscious, as the thread of the puppet had been cut at the next moment. Apparently, the fight was avoided. The Beast King who judged so and pulled out his shoulder strength. At the same time, I sighed, feeling the signs of the guards rushing with a decoy knife. Aeon Sacred King Sacred Capital Facsimile. On the top floor of the central "Tower of the Pale God," the man with the bronze scaly skin on the blue hair he was reading the report gave a glimpse of one of the crystal spheres - which had black and gold spots in the centre - lining the walls with a freshly parched, hard sound, and snorted boringly. "Dead? It's been a long time since my mouth was the only thing that helped." Then I glanced at the continuation of the report.

第十七話 姫君決意 ほとんど180度......どころか、体感では270度くらい視界を占める真っ白な 「見た感じ、単なる雲か綿の塊みたいなんだけどねぇ」 普通に付き抜けて行けそうな感じもするんだけど、普通の霧とは違ってその領域から先は一寸たりとも見通すことができなかった。まあ現在の視力は普通の人間並なせいかも知れないけど。 ふと気付くと虚霧が随分と手前まで迫ってきていた。 にでもかけているような手応えを感じて、すぐさま剣を引き抜くと、先端部分がカットされたかのように消え去っていた。 「おぉ怖っ」 「――でも、敢えて突っ込んでみる」 真っ白い壁を付き抜けた途端、その身体が細かい光の粒に取り囲まれ、間もなく異変が生じた。 身体が、衣装が 溶けているのではなく、なんていうのだろうか......まるで一本の糸で編まれたセーターを解いていくかのように、衣装や髪の毛が端から分解され、糸状に伸びて虚空へと消えていく。 たちまち衣装が消え去り、露出した身体の末端から同じように糸状にほつれ、内部骨格も同じ運命をたどってトロけていき、ここでボクの意識も途切れた。 「――何秒持ったの、周参」 コントロール球から手を放して、隣に控えるでっかい目玉のモンスター、 「突入から0.021秒で魔導人形No2との接続が断たれました」 淡々とした周参の返答に首を捻る。 「......体感では10秒くらい持った気がしたけどねぇ?」 「内部と外部では時間の経過が異なるために、外界からの観測結果と乖離するのも当然かと。ちなみに私自身の分身体を突入させたところ、計7031回の試行の結果、最長時間が6.796秒で、最短が0秒でした。条件を変えても結果に共通性が見当たらぬことから、まったくのランダムのようですな」 「それって、たとえ膨大なヒットポイントを持っていようが、何重にも 「左様にございます。これを突破するには既知の物質・攻撃・魔術を用いた方法では、現時点で不可能と言えるでしょう」 改めて伝えられた絶望的な事実に、思わず腕組みする。 「つまり、未知の物質か、未知の技術か、未知の魔法がなければ無理ってことだねぇ」 無理ゲーだね。詰んだ――と両手を上げたいところだけれど、一つ心当たりがあったボクは、 「未知の物質に、未知の術式が埋め込まれているため、未知の作用が予想されます」 一瞥した周参が、身も蓋もない分析結果を算定してくれる。 「ただし術法的には『防御』と『解放』に似ていますな。以前に姫様がこの世界の防御結界を無効化する稚拙な ああ、当時のアミティアの王都カルディアに潜入する時に、コラード君からもらったものだね。なんだかんだで懐かしいな。 「効果としてはあれに似ていますな」 「つまり、これを持っていけば虚霧に入れるってこと?」 「可能性は高いと思われます」 「周参っ。貴様、姫を危険に晒すつもりか?!」 満面に怒気を漲らせる天涯。 「無論、畏れ多くもそのような考えなど微塵もございません。ですが、姫様がお望みとあらば私はそれにお応えするのみにございます」 「なにを馬鹿なことを! 姫がそのような愚かな決断をなされるなど――」 「姫......?」 空中庭園北西部――虚空紅玉城の正門からみて裏手にある自然区域。世界樹の森を抜けた更に先に、『 もともと死者を弔うという概念がない魔物にとっては不必要な場所であったが、1年近く前に緋雪の肝煎りで作られ、ほとんど利用者もなかったが、地上との交流を経て、ぽつぽつと墓標が目立つようになってきた。 ふと、真新しい墓標に薔薇の花束が献花されているのに気付いて、 『ヴァルファング・アドルファス・カール・グラウィオール』 名前の他は生没年が書いてあるだけの簡素な墓標は、とうてい世界最大国家の皇帝の陵墓とは思えないが、製作者の性癖を考えればなるほどと頷ける。彼女にとっては皇帝だろうが 苦笑して墓に向かって一礼をすると、稀人はやや足早に目的地に向かった。 なんとなく予想していた通り、その見晴らしの良い丘の上に立つ墓標の前に、黒い喪服を着た緋雪が蹲っていた。ヘッドドレスのリボンや薔薇のコサージュまで黒で統一したドレス姿の緋雪は、生来の長い黒髪と白い肌との対比もあって、ぞっとするほど妖艶でこの世のものとも思えぬほど美しく、普段から見慣れているはずの稀人であっても、迂闊に近づくことを躊躇うような、近寄りがたい気品と淡雪のような儚さを漂わせていた。 「......たまに思うんだよ」 稀人が後ろに来ているのは当然わかっているだろう。緋雪は献花した目前の墓標に向かって語りかけるように、正面を向いたまま話し始めた。 「あの時にアシル王子と手を取り合っていれば。彼女の誘いに従って別荘に同席していれば。いや、いっそ好奇心から舞踏会の招待に乗らなかったら......なにかが違っていたら、アンジェリカは死なずに済んだんじゃないか。そして、君を甦らせたのは、贖罪でも哀れみでもなく、ただただ中途半端だったそんな自分を恨んで欲しかったからじゃないかなってね」 立ち上がって振り返り、背後に立つ稀人の目を見る。 無言のまま仮面を外した稀人――アシル・クロード――は、困ったように苦笑した。 「誰かを恨まなければいけないとしたら、まずは愚かだった自分自身でしょうね。姫様には感謝しています。俺と妹の魂、なによりアミティアを救ってくださって」 前に進み出た彼に道を譲る形で脇に避けた緋雪の前を通って、稀人は手にしていた花束の一つを妹――アンジェリカ・イリスと書かれた(共和国になった国に対するけじめの為、あえて『アミティア』の姓は刻まなかった)――の墓前に捧げた。 それから視線を転じて、妹の墓に隠れるようにして建つ、もう一つの墓標にも、緋雪の手になる花束が供えられているのを確認して、秀麗な顔を綻ばせた。 無言のまま、『ジャンカルロ・エリージョ・ベルトーニ』と刻まれたそちらの墓にも献花する。 しばし黙祷を捧げ、それから困ったように緋雪を振り返る。 「考えてみればここは天上ですし、祈るべき神も敵らしいですし、どこに何を祈ればいいんでしょうね?」 緋雪のごく真っ当な意見に、「それもそうですね」と頷いた稀人が、再度両方の墓前に祈りを捧げた。 一通り気持ちの整理をつけたところで、稀人は立ち上がった。 「......いまさらですが、ここに二人の埋葬を許可してくださいまして、ありがとうございます。......そういえば、グラウィオールの皇帝陛下の墓標も立てられたのですね」 「まあね。勝手なことをと怒られるかとも思ったけど、オリアーナには感謝されたよ。まあ、あれから3日だからね。本人は健気に動き回っているけど、なかなかね...痛々しくてかける言葉がないねぇ」 「俺の時には結構キツイ事言われた気もしますけど......」 「ああ、私は女尊男卑だからね」 「ま、俺なんてあのバイタリティーには脱帽しますよ。彼女がいま何をやってると思います? 虚霧が解消した後の国作りの骨子を描いて活動中ですよ」 「あらまぁ......彼女らしいって言えばらしいねぇ。気宇壮大というか」 他人事みたいに能天気に笑う緋雪を、なぜか同情の眼差しで見つめる稀人。 「一応話を聞いたところ、目標は世界統一国家で、国名は『 「――なにそれっ?!?」 本人の預かり知らない間に、とんでもない御輿に乗せられかけていることを知らされ、緋雪の声が裏返った。 「ちなみに鈴蘭の皇女様は超帝国旗下の帝国の女帝に就任、俺は超帝国の侯爵あたりにならないかと打診されています」 「......打診って、誰から?」 頭を抱えて非常に嫌な予感を覚えながら、恐る恐る尋ねる緋雪。 「あちこちからですね。昨日は 天涯 「ああ、言っちゃ不味かったでしょうかね。円卓会議ではほとんど満場一致で同意がなされたそうなので、おそらく姫様を内緒にしていて、ビックリさせるつもりだったんじゃないでしょうか?」 「ビックリしたしたよ!! 危うくショック死するところだったよ!」 顔を真っ赤にして怒る緋雪様も可愛いな、と呑気な感想を思いながら稀人は何気ない風を装って付け加えた。 「まあそんなわけで、我が国は挙国一致で新たな国作りの為に邁進していますので、姫様にはなにがなんでも無事にお帰り願わないと、倒れるのは屋台骨どころではないので、お願いいたします」 軽い口調に隠された切実な想いを感じ取って、気勢を削がれた緋雪が、困ったような顔で背の高い稀人の顔を見上げた。 「......まったく、そんなに私は顔に出やすいのかな」 甘い表情で甘い言葉を囁く稀人を半眼で見据える緋雪。 「そーいえば、初対面でいきなりプロポーズした誰かさんだけど、随分と女の子を泣かせてるって、私の耳にも届いているんだけどねぇ」 という奴でして、ご婦人方からの熱意をすげなく袖にするわけにもいかないので、俺としても苦慮しているところですよ」 目を泳がせた稀人の説得力皆無の言い訳に、さらに眼差しを氷点下以下まで凍らせた緋雪がため息をついた。 「はあ~~っ......考えてみれば、こんなのが、唯一まともに告白してくれた相手なんだからねぇ。説得力に欠けるわ」 やっぱり今からでも女の子相手にした方がいいかなぁ...とか、呟く緋雪。 一方、稀人はその態度から、いまだ緋雪には特定の意中の相手が居ないことを察して、密かに闘志を燃やした。 ――無事に姫様が戻ってきたら、今度こそ本気で愛を伝えよう! 「ああ、そうそう。一応伝えておくけど、万一の場合に備えて、空中庭園のコントロール権を一時的に影郎さんが使えるようにしておいたので、私の帰りが遅くなった時には、彼をフォローするのをお願いするね」 思い出したように付け加えられた依頼の中身の重要さに、稀人は眉をしかめた。 「影郎って言うと、あの姫様とは別口の吸血鬼ですよね。いいんですか、ラポック殿やタメゴロー殿でなくて?」 ほんの数時間前に、同属――それも同じ親を持つ眷族――として甦った2人のプレーヤーの方が、この場合適任に思えたのだが、緋雪は困った顔で頬を掻いた。 「まあ、そうなんだけどね。いざという場合を考えた場合、彼ほど臨機応変に対応できる人はいないからねぇ。第一、なにがあっても死にそうにないし」 苦笑する緋雪だが、そこには影郎に対するある意味全幅の信頼が垣間見えて、稀人は密かに嫉妬と危機感を覚えた。 まったくノーマークだった男だが、緋雪の中での存在感を考えれば、自分達は周回遅れである気さえする。 ふと、妹の叱咤激励する声が聞こえた気がして、稀人は反射的に背後の墓標を振り返った。 無論、そこには花で飾られた墓石があるだけである。 怪訝な緋雪の言葉に、そのままゆるゆると頭を振る稀人。 「そうかい。なんか私はいま、アンジェリカの『しっかりして!』って声が聞こえた気がしたよ」 驚いて振り返った稀人は、ゆっくりと・・・満足げに頷いた。 「ええ。俺にも聞こえました」 「そう。――なら、しっかり頑張るしかないね」 「そうですね」 微笑み合いながら、緋雪と稀人は迷いのない足取りで

137 Episode Xvii: Princess Determined Almost 180 degrees...... on the contrary, in my physical sense, I stop walking about 10 meters in front of me, feeling just what is distracting, before the bright white mist (kim) that occupies my vision about 270 degrees. "I feel like I've seen it, it's just like a cloud or a chunk of cotton." Normally, I feel like I can go through it, but unlike normal fog, I couldn't even see an inch ahead of it from that area. Well, maybe my current vision is due to normal human confusion. When I realized, the fog was looming in front of me for a long time. The observation of the circumferential ginseng (soot) suggests that due to the expansion of the area, the rate of expansion has slowed slightly, but from a human level, it is a sufficient threat, this is. Feeling the response that was being applied to the grinder lightly, when I pulled the sword out immediately, the tip part had disappeared as if it had been cut. "Oh, scared." "-But I dare you to go in" As soon as it came through the bright white wall, its body was surrounded by fine grains of light, and soon the anomaly arose. My body's costume dissolves. It's not melting, what is it... costumes and hair break down from the edges, stretching filamentously and disappearing into the void, as if untying a sweater knitted with a single thread. Occasionally, the costume disappeared, flaking just as filamentously from the end of the exposed body, and the internal skeleton followed the same fate to troll, where my consciousness was also interrupted. - How many seconds did you have, Zhou Jin? I let go of my hand from the control ball and confirmed it with Zhou Jin [Observer (Gazer)], the monster with the big eyeballs to refrain next door, the Seven Hazards Star Beast (Shikikaseju) No. 3. "0.021 seconds after the entry, the connection with the Magic Doll No. 2 was disconnected" Twist your neck in response to a pale circumferential ginseng. "... I felt like I had about 10 seconds in my body, didn't I? "Due to the different passages of time internally and externally, it is also natural to diverge from observations from the outside world. By the way, I let my body in for my own minute, and the result of a total of 7031 attempts was a maximum of 6.796 seconds, with a minimum of 0 seconds. It seems totally random because even if we change the terms, we don't see commonality in the results." "Does that mean it's useless to hang multiple auxiliary magic (buffs), even if you have a huge hit point? "It's on the left. In a way that uses known substances, attacks, and witchcraft to break through this, we can say it's impossible at the moment." Arm yourself unintentionally to the desperate facts communicated again. "I mean, you can't do it without unknown matter, unknown technology, unknown magic." I can't do that. I packed it - and I just wanted to put my hands up, but I had one idea. I took the "passbook" from the storage space (inventory), which was given to Aoshi. "Unknown action is expected because unknown surgical formulas are embedded in unknown substances" At a glance, Zhou Jin calculates the results of the analysis without body or lid. "But technically, it's similar to 'defense' and 'liberation'. Previously, the princess had a naive magic object that nullified the defensive bonds of this world." Oh, that's what you gave me, Collard, when you infiltrated Cardia, king of Amitia at the time. I miss you so much. "It's similar to that one as an effect." "I mean, if you take this, you can put it in the mist? "It seems likely" "Zhou Shan. Are you going to put the princess in danger?! A lifetime of anger to the full. "No matter, there is no fine dust such as awe or such thoughts. But if the princess wishes, I will only respond to it." "What a fool! such as a princess making such a foolish decision -" "Princess...? Northwest of the aerial garden - the natural area behind it from the main entrance of Vacant Red Jade Castle. Further up through the woods of the world trees, there was a section called 'Cemetery'. Originally an unnecessary place for demons with no concept of mourning the dead, it was made nearly a year ago with Scarlet Snow livers, with few users, but after interaction with the earth, the bumps and grave goals have become more prominent. After noticing a bouquet of roses being donated to the brand new tomb marker, the rare man (barely) stopped to his feet. "Valfang Adolphas Karl Grawior" Other than the name, a simple tomb mark with raw fallen years just written on it doesn't seem like, at best, the mausoleum of the emperor of the largest nation in the world, but the more I can think of the sexuality of the producer, the more I can nod. For her, an emperor or a little ghost (goblin), but I guess it's the same life. When he smiled bitterly and thanked him for his grave, the rare man headed to his destination somewhat early. As I somehow expected, scarlet snow in black mourning was squatting in front of a grave sign standing on that scenic hill. Scarlet snow in a uniform dress in black, up to the ribbon of a headdress and the costume of a rose, also contrasted with long native black hair and white skin, so glossy and unbelievably beautiful that even rare people who were supposed to be familiar with it from time to time had a close-knit elegance and light snowy hunch that they hesitated to approach the detour. "... Sometimes I think" You naturally know that rare people are coming behind you. Scarlet Snow began to speak with his front facing, as he spoke toward the current tomb marker he had donated. "If only I had my hands together with Prince Achill then. If you are present at the villa as per her invitation. No, if I hadn't gotten on the invitation to the ball out of curiosity... if something was different, Angelica wouldn't have had to die. And I guess I brought you back to life because I wanted you to resent yourself for not redemption or pity, but for being halfway there." Stand up and look back, and look into the eyes of the rare man standing behind you. The rare man who removed his mask silently - Asil Claude - grinned bitterly as troubled. "If I had to resent someone, I would have been stupid myself first. I am grateful to the princess. Save me and my sister's soul, more importantly Amitia." Through the scarlet snow, which he avoided aside in the form of giving way to him who advanced forward, the rare man dedicated one of the bouquets he had in his hands to the tomb of his sister - written Angelica Illis (who dared not inscribe the last name of "Amitia" because of her bullying against a country that became a republic). Then he turned his gaze and made sure that another grave mark, built to hide in his sister's grave, also offered a bouquet of flowers that would be the hands of Scarlet Snow, and broke his brilliant face. Remaining silent, I will also give flowers to your grave inscribed 'Giancarlo Eligio Bertoni'. I often pray silently, and then look back at Scarlet Snow like I was in trouble. "Come to think of it, this is heaven, and God to pray for seems to be the enemy, and where should I pray for what? To the very legitimate opinion of Scarlet Snow, a rare man nodded, "That too," once again prayed before both graves. I just got my feelings sorted out the whole way, and the rare man stood up. "... no way, thank you for allowing the two of us to be buried here.... Speaking of which, the tomb marks of His Majesty the Emperor of Grawior were also erected" "Sort of. I thought you'd be mad at me for being so unsolicited, but Oriana thanked me. Well, it's three days since then. He's moving around fine, but he's not... he's painful and he doesn't have words to say." "I think they said something pretty tight when I..." "Oh, I'm a respectable man." "I'll take my hat off for that vitality. What do you think she's doing right now? We're working on a skeleton for the country after the fog clears up." "Oh well... I guess I should say it sounds like her. Air magnificent." Scarlet Snow, who laughs at the weather like any other HR, for some reason stares with a sympathetic eye. "I heard the first story, the goal is a united nation of the world, whose name is" Crimson Super Empire Extra Imperial Crimson "and who will receive" Scarlet Snow God Emperor "as permanent absolute lord" "- What's that?!? Without knowing the person's custody, he was informed that he was about to be put on a hell of a ride, and Scarlet Snow's voice turned back. "By the way, the Empress of Suzuran has been appointed Empress of the Empire under the Super Empire flag, and I have been questioned if I could be around the Marquis of the Super Empire." "... Who's the interview coming from? Scarlet snow asking terribly, with a very unpleasant feeling in his head. "You're from all over. We had a conversation yesterday from Tennoi, so this is going to be the way it is." "Heavenly Heaven... Didn't you hear?!" "Oh, would it have tasted bad to say it? They almost unanimously agreed at the roundtable meeting, so they probably kept the princess to themselves and were going to surprise her? "I was surprised!! I almost died of shock! Scarlet Snow, who turns her face bright red and angry, is also cute, she added, dressed as a casual breeze with a swallowing sentiment. "Well, that's why my country is moving towards a new nation by unanimity, so if you don't wish the princess a safe return of everything, it's not where the stalls fall, so please" Feeling the true thoughts hidden in a light tone, Scarlet Snow, whose temper was shredded, looked up at the tall rare man's face with a troubled face. "... at all, am I that easy on my face" Scarlet Snow looks half-eyed at a rare man whispering sweet words with a sweet look. "Speaking of which, it's someone I suddenly proposed to in my first meeting, but it's been getting to my ears that I've been making girls cry for a long time," "No, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no. I'm just worried Scarlet Snow sighed as he froze his eyes further below freezing point on the excuse that none of the rare men who swam his eyes were convincing. "Ahhh... think about it, because this is the only decent person you've ever confessed to. It's not convincing." I figured I should still deal with girls now... or squeaking scarlet snow. Meanwhile, from that attitude, the rare man secretly burned his fighting spirit, perceiving that Scarlet Snow still had no specific intended opponent. - If the princess returns safely, now is the time to truly tell her love! You can't beat assholes hungry "Joey", direct ghosts (Nine Seals) or pompous (Christoph)!! "Oh, yeah, yeah. I'll tell you what, in case you're late, I've temporarily kept Shadowloon in control of the air garden so I'll ask you to follow him when I get home late." Rare people frowned at the importance of the contents of the request, which was added as I recall. "When you say Shadow Lang, you're a vampire who's separate from that princess, aren't you? Are you sure it's not Lord Rapoch or Lord Tamegoro? Only a few hours ago, the two players who came back to life as the same genus - a family member with the same parent - seemed more apt in this case, but Scarlet Snow scratched his cheek with a troubled face. "Well, I am. Because if you think about it, no one can handle it as ad hoc as he does. First of all, whatever happens, I'm not dying." A bitter scarlet snow, but there was a glimpse of full confidence in Shadow Lang in a way, and the rare man secretly felt jealous and critical. A man who was completely unmarked, but given their presence in Scarlet Snow, we even feel we are lagging around. Huh, I thought I heard my sister exhorting, and the rare man reflected back on the tomb marker behind her. Regardless, there is only a tombstone decorated with flowers. A rare man who shakes his head loose as it is to the words of a suspicious scarlet snow. "Right. Something tells me I'm Angelica's" Hang on! I thought I heard a voice. " The rare man, looking back in surprise, nodded slowly... satisfactorily. "Yeah, I heard that, too." "Yes. - Then we'll have to work hard." "Right." Smiling at each other, Scarlet Snow and the Rare followed the cemetery (Cemetary) in an unmistakable foothold.

第十一話 蝸牛侵攻 「......まーた妙なこと考えたね、しまさん」 大地の精を残さず吸い尽くしながら、パーレンこと、しまさんの駆る空前絶後の巨獣―― 遠からず帝国の国境を突破するだろう。 それと、コレ自体の姿かたちは最後に見た時と変わっていないけど、その背中の上に余計な付属物が付いていた。 形としては土鍋......いや、どちらかといえばモロッコのタジン鍋に近いかな? 基底部分が浅くて黒いし、その上にモスク風の末広がりで上に向かって尖った城が蓋みたいに乗っている。 しまさんの本拠地《 ちなみに城には派手なネオンサインやノボリ、アドバルーンが随所に上がっていたりする。 『ファッショントレンドを強制提案します』『春物一掃フェア開催中』『らくらくぬくぬくフェア』『期間中【1/1~∞】レジにて値下げ300%』『なんといまならポイント350万倍』『夏物処分の大安売り』『年に一度のこのチャンスにぜひお立ち寄りください』『極北でも使えるあったか不死鳥羽毛布団』『新作秋物入荷しました』『ほっこりスタイル』『本日、日月火水木金土曜日祭開催中』『話題の冬物が俺参上』『冷やし中華始めました』『プレーヤーの方はいまならなんと9~10割引』『靴下、下着詰め放題実施中』『早く来ないと行っちゃうよ』 見れば、サクラだろう吸血鬼たちが、玄関の前にずらりと列を作っている。 「――天涯」 ボクは騎乗している天涯に落ち着いた声を掛けた。 雲の下に見えるしまさんのお城を指差して指示した。 「ちょっと品揃えを見てくるので、下に降りてもらえるかな」 「は――はあ?」 「いや、しまさんの趣味がイマイチなのはわかるんだけどさ。ひょっとしてなんか掘出し物があるかも。......ああっ! 国産コタツ布団が上下組で3,000円だって! すぐに降りて! 売れちゃう!!」 「あ......いやいや、姫。どう考えても国産でその値段はないでしょう。罠です。正気にお戻りください」 「だからそれを確認しようと......ってなんで引き返すわけ!? ちょっと見てくるだけだから!」 「......この天涯、姫のご命令とあらば、たとえ地獄の底だろうとお付き合いする所存ですが、あの胡散臭い店だけはお連れするわけには参りません」 断固とした天涯が一際大きく翼をはためかせ、一気にその場から離脱した。 ◆◇◆◇ 「......恐ろしい罠だった」 危うく虎口を脱して冷静になったボクは、しみじみと嘆声を漏らした。 「バーゲンセールと長蛇の列。人間心理の裏の裏まで読み抜いた正に孔明の罠。これに引っ掛からない主婦や日本人などいないという、二重三重の姦計......さすがはしまさん。おそろしい子......」 周囲に集まっていた面々――円卓メンバーや親衛隊、隠密部隊やクレスの獣人部隊が、微妙な表情で首を捻っている。......うーむ、やはりこの罠の真の恐ろしさを理解してもらうことはできないのだろう。 スーパーで閉店前の値引き品を買ったり、バーゲンセールで限定の卵パックやトイレットペーパーを買うのに奔走していた前世の記憶が久々に――最近はなんとなく昔から 「あの、ヒユキ様。その『バーゲン』とか『長蛇の列』とかって、そんな危険なものなんですか?」 巫女として参加していたアスミナが、恐る恐るという感じで右手を上げた。 「そうだねぇ......君で言えば、いかにも怪しげな部屋の中に、手足を拘束されたレヴァンがいて、その周りにガチホモの筋肉質の男達が固めて、いまにもパンツ下ろそうとしている現場に居合わせて、罠を警戒してその場に踏みとどまるくらいの精神力を要するところだね」 「なっ......!!」 アスミナが事の重大さを理解して絶句し、隣で聞いていたレヴァンが「げっ」想像して吐きそうな顔をした。 「なんて恐ろしい罠! そ、そんな状況耐えられる訳が......よく、よく耐えられました。ヒユキ様! 心の底から尊敬します!!」 共感を得られたらしいアスミナが、ボクの手を取って滂沱と涙を流した。 「わかってくれたの!?」 「わかります! わかりますとも! わからいでか! なんて卑劣で悪辣なのでしょう、そのパーレンとやら! 許すまじっ」 妙なテンションになっているアスミナを押し退けるようにして、レヴァンが前に出てきた。 「さあ? あんまり深い考えとかないかも。ほら、男の子って合体変形する巨大ロボとか、他より強くて立派なカブトムシとか喜んで集めるでしょう。あのノリじゃないかなぁ」 「はあ? イマイチ良くわかりませんけど、要するに趣味ってことでしょうか......?」 「まあねえ。どっちかというと悪趣味の方だけど。あと城の方は、明らかに私を意識した煽り文句だったので、多分、私に来いっていう意思表示なんでろうねぇ」 私の見解にレヴァンが眉をひそめる。 「完全に罠じゃないですか。乗り込むつもりですか?」 ボクは思いっきり首を横に振った。 「男の誘いに乗ってホイホイ付いていくなんて、金輪際やる気はないよ! 予定通り外から攻撃するのに専念するので、皆もそのつもりで!」 「......なんかあったんですか?」 怪訝な様子で聞き返すレヴァンに、思わず「ははははは」と虚ろな笑いで返す。 「余計な質問は不要だ。貴様らは姫のお言葉に粛々と従っていればいいだけのこと」 傍らに侍る天涯が断固とした口調で、居丈高に切り捨てた。 「申し訳ありません。差し出がましい口をききました」 謝罪するレヴァンを冷たい視線で一瞥する天涯。 やめたげてよぉ、それって単なる八つ当たりなんだから。 あの時は本当に大変だった。取りあえずあの 塵も残さず消し飛ばそうとする天涯と、平然と同意するオリアーナ。 いや、ボクとしても気持ち的には同じだったけどさ。影郎さんとの約束もあったので、その後、場所を変えて、原型を留める程度に殺しては復活させ殺しては復活させを繰り返して、なんか最後のほうでは の身柄は非公式に聖王国側へ引渡し。 オリアーナは一連の証拠資料とかばっちり記録して、今後、公式・非公式に聖王国を追い詰めるネタにすると息巻いていた。 被害にあったボクを心配して終始沈鬱な表情だったけど、大嫌いな まあ、そういう政治のことは彼女に任せて、こちらは現場で混成軍の指揮を執ることになった。 幸いオリアーナの尽力で、皇帝の勅命という形でグラウィオール帝国軍の指揮権を一時的に預かることができることになったので、こちらとしても指揮権を一本化できるので非常に助かるところ。――聖王国軍? 知らん。 「兎に角、現在の進行速度から考えて、 レヴァンや獣人部隊の主だった幹部たちが重々しく頷いた。 「本国の本隊は明日、日の出とともに攻撃を開始します。いちおうどーでもいいことだけど、聖王国の聖騎士も同時刻に反対側から攻撃をすることになってる。ま、別に連携は考えなくていいので......なんだったら巻き込むつもりで全力で攻撃してね!」 『うおおおおおおっ!』『承知いたしました、姫っ!』『必ずや姫のご期待に応えて見せます!!』『貴様らっ、声が小さい!!』『うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』『姫様に勝利を!』『姫様っ! 姫様ーっ!!』『恐れるものは何もない! 敵は自分の油断だけだ! 忘れるな!!』『うおおおおおっ!!』『 たちまち飛び交う怒号・絶叫・雄叫び・鬨の声。 無聊をかこって今回の出兵に参加した 数こそ聖王国の10万に遥かに及ばないが、その個々の身体能力と質量は圧倒的で、空気はおろか地面が震えて立っていられない程だった。 素早く龍形態に戻った天涯の掌が差し出されて、ボクは反射的にその上に乗った。 恭しく立ち上がった天涯が、胸元にボクを捧げたまま、轟雷のような鼓舞の声をあげる。 「姫のお言葉を聞こえたか諸君! 姫に敵対する愚か者の悶え苦しむ声を聞こうではないか! それこそ我らにとっては僥倖の音。今こそ目障りなる害虫どもを突き崩し、完膚なきまでに叩き伏せよと姫様も願っておられる。己が愛した姫様をお守る事が出来るのは、共に戦う汝ら一人一人に他ならぬ。断固たる意思を持つ者こそ、己が命を投げ出す事の出来る者こそ勝利を手にすることが叶うのだ。私は世界の為、世の為などという大義を求めず、己が守りたい者の為に戦う事のみを求めよう! いざ行くべしっ。いかな難攻不落の要害だろうと敵を粉砕し、ことごとく死地に送り、その威に接した者共には末代まで震えをきたすほどの畏怖を与えて永遠なる安寧を姫様に捧げるべし!!」 再びもの凄い絶叫と熱い視線が集中する。 というか......クレスの獣人部隊が一緒になって狂乱に巻き込まれているのはまだわかるんだけど、なんでグラウィオール帝国軍兵士まで一緒になって騒いでいる。 なんかもうアイドルコンサートのようなノリに近い。 見れば挨拶した帝国の司令官や将校まで一緒になって、ウチの従魔たちと一緒になって絶叫していた。老いも若きも一緒になって目を血走らせて、狂騒状態になっていた。 取りあえず、ボクは引き攣った顔で手を振るしかなかった。

99 Episode 11: Snail Invasion "... you've thought about something strange, Shima." Pearlen, Shima-san's unprecedented giant beast - the Abandoned Dragon (Nidheck) - was slowly heading north as he perished, sucking away without leaving the earth's essence behind. It will not go far enough to break through the borders of the Empire. And the figure of Colle herself wasn't different from the last time I saw it, but it had an extra accessory on its back. As for the shape, earthen pot...... no, is it closer to the Moroccan Tagin pot in one way or another? The base part is shallow and black, and on top of it rides a castle pointy toward the top with a mosque-style spread like a lid. Shima-san's home, ARUMAMIS, a giant castle that was formerly a giant commercial establishment, rode an abandoned dragon (Nidheck) like a snail. By the way, the castle can have flashy neon signs, novoli, and adobaloons up everywhere. "I would force you to suggest fashion trends," "during the spring sweep fair," "about a muddy fair," "during [1/1 - ] 300% price reduction at the register," "now 3.5 million times the point," "big sale of summer disposal," "stop by this annual opportunity," "immortal duvet that could have been used in the far north," "new autumn arrived," "dusty style," "today, Sunday, Thursday, Thursday, Saturday festival," "winter in question is on me," "chilled chilled chinese started," "what a 9-10 discount for players if you don't want to," "socks, underwear all you can do," "come early. If you look, the vampires, who would be Sakura, are making a sloppy line in front of the front door. "- Heaven." I hung a calm voice in the lifetime I was riding. I pointed to Shima's castle, which I can see under the clouds, and instructed her. "I'm going to take a look at the assortment, so I was wondering if you could come downstairs" "Ha-ha? "No, I know Shima's hobby is bad. Maybe there's some excavation.... ahhh! Domestic cottage futon is 3,000 yen in the upper and lower groups! Get down here right now! I'll sell it!!" "Ah... no, no, princess. Whatever you think, it's domestically made and there won't be that price. It's a trap. Please go back to your sanity." "So I'm just trying to make sure... what the hell are you turning back!? Because I'm just going to check it out! "... this lifetime, with the orders of the princess, we are in possession of dating even if it would be the bottom of hell, but that frigid shop is not the only place to take you" The resolute heaven flashed its wings wide at once, leaving the scene at once. * * * * "... it was a terrible trap" I took off my tiger mouth at risk and calmed down, and I leaked a smudge and a groan. "Bargain sale and long line of snakes. A truly perfumed trap that I read through to the back of the human psyche. Double triple fornication that there are no housewives, Japanese, etc. who don't get hooked on this...... that's Shima. That's a terrible girl..." Faces that were gathering around - round-table members, SS, covert troops and Kress's Beastman troops twisting their necks with subtle expressions.... Hmmm, I guess I still can't get you to understand the true horror of this trap. I remember a long time ago when I was running to buy a pre-closing discount at a supermarket or an exclusive egg pack or toilet paper at a bargain sale - I've been in Scarlet Snow (this way) for somehow a long time lately, and I'm under the illusion that girls were doing it - and they said I was running wild and this one was about to be jeopardized. "Um, Master Hyuki. Is that 'bargain' or 'long line of snakes' such a dangerous thing? Asmina, who had participated as a witch, raised her right hand feeling terrified. "Well... in your suspicious room, there's Levan with his hands and feet restrained around him, and he needs enough mental strength to stay alert and on the spot while the muscular men of the beetle stiffen up and fit into the scene where he's still trying to put his pants down." "Become...!!" Asmina stopped to understand the seriousness of the matter, and Levan, who was listening next door, looked like she was going to throw up in the imagination. "What a horrible trap! Well, the situation is bearable... well, well tolerated. Dear Hiyuki! I respect you from the bottom of my heart!! Asmina, who seems to have gained empathy, took my hand and wept. "You figured it out!? "I understand! I can see that! Wow, come on! How despicable and disgusting, its paren and do it! Forgive me. Shit." Levan came forward so that he could push Asmina away, which is a strange tension. "Come on? Maybe not very deep thoughts or anything. See, boys will be happy to collect giant robots that combine to deform, or stronger and more splendid beetles than others. I wonder if it's that Nori." "Huh? Im not sure, in short do you mean a hobby......? "Well. It's kind of a bad taste, though. And the castle was obviously a conscious seditious complaint, so maybe it's a sign of intent to come to me." Levan frowns at my view. "Isn't that a complete trap? Are you going to get in? I shook my head sideways as much as I could. "I don't have the golden wheel motivation to follow you on a man's invitation! We'll focus on attacking from the outside as planned, so we're all gonna do it! "... is something wrong? Unexpectedly "hahaha" returns to Levan, who listens back in a strange way, with a vain laugh. "No need for extra questions. All you have to do is follow the words of the princess solemnly." In a resolute tone, the heavenly samurai beside him cut him off in abundance. "I'm sorry. I've got a mouthful to offer." Heaven takes a cold glance at Levan, who apologizes. Stop it, it's just an eight hit. It was really hard then. Regarding that archpope (idiot) for the moment, I pushed him through with an explanation that he "suddenly got naked and pressed for a relationship, so I knocked him out in the opposite direction", but both Heavenly Life and Oriana were so angry that I was more attracted to the victim. Heavenly life trying to erase it without leaving any dust and plainly agreeing with Oriana. No, it felt the same to me. I also had an appointment with Mr. Shadowloon, so then I changed the place, killed to the point where I retained the prototype, revived it and killed it, and revived it repeatedly, and at the end of the day, the archpope (idiot) woke up to some weird sexuality, and they all got sick of it and stopped it... The identity of the Archpope (idiot) is then informally extradited to the side of the Holy King. Oriana was bursting with a series of evidentiary materials and breathing that in future, she would officially and informally hunt down the Holy King's kingdom. You've always had a depressing look at me worrying about the damage, but you held a hand that allowed you to attack the archpope (idiot) you hated, and that's what you welcomed in your heart. Well, I left that kind of political thing to her, and this one was to take command of the mixed army on the field. Fortunately, with Oriana's dedication, we were able to temporarily retain command of the Grawior Imperial Army in the form of the Emperor's life, so even this one is very helpful because we can single out command. - Holy King's Army? I don't know. "Based on the horn on the rabbit and the current rate of progress, it is assumed that the abandoned dragon (Nidheck) will cross the border in five days. Since there are still refugee camps around here, and it is estimated that there are villages nearby that have not yet been evacuated, the Beast Troops are to hit their evacuation guide" Levan and the executives who were the lords of the Beast Troops snorted heavily. "The home squad will launch an attack tomorrow as the sun rises. Either way, the Holy Knight of the Holy Kingdom is supposed to attack from the other side at the same time. Ma, you don't have to think about collaborating... so if it's anything you're going to get involved in, attack me with all your might! "Whoa, whoa, whoa! '' I understand, princess! '' I will necessarily show you what the princess expects!! '' You guys, your voices are small!! '' Whoa, whoa, whoa!!! Victory to the princess! '" Princess! Princess -!!' "Nothing to be afraid of! The enemy is only his own alarm! Don't forget!! '' Whoa, whoa!! '" Abandoned Dragon (Nidheck) What are you doing!! Occasionally flying anger, screaming, roaring, and whining. Approximately 6,000 soldiers from Imperial Crimson, a crimson empire that bored me to participate in this troop outpost, were making me scream with an all-out voice. The number was not far enough to reach 100,000 in the Holy Kingdom, but its individual physical abilities and mass were overwhelming, so much so that the air could barely stand with the ground trembling. I quickly returned to the dragon form, and the heavenly palm was offered, and I rode on it reflexively. Heaven, who stood up respectfully, gave me a thunderous voice of inspiration as I bowed to my chest. "Did you hear the princess, gentlemen! Let's hear the stuffy, bitter voices of fools hostile to the princess! That's the sound of survival for us. Now is the time to break down the blind pests, and the princess also hopes to beat them down before they are completely skinless. It is none other than each and every one of you who fight together who can protect the princess that you loved. Those who are resolute are the ones who can throw their lives away, and those who can win are the ones who can. I do not seek the cause of the world, the cause of the world, but only to fight for those whom I want to protect! I have to go. Crush your enemies that it may be the crux of a difficult attack, send them all to their dead places, and those who come into contact with their authority, do not offer the princess eternal peace by giving them enough fear to cause trembling to the last generation!!" Once again, a tremendous scream and a hot gaze concentrate. I mean... I still know Cress' Beast Troops are in a frenzy together, but why are they even making a scene with the Grawior Imperial Army soldiers? Something's already close to Nori like an idle concert. When I saw it, I was even with the commanders and officers of the empire who greeted me, and with our submissive demons I was screaming. Old and young were together, their eyes running blood, and they were in a frenzy. In the meantime, I had to wave with a cramped face.

第十三話 薔薇迷宮 【虚霧発生から88時間後】 案内役の天使や獣人、人型魔物の指示に従って、不安げな表情をした人々が、ぞろぞろと指定された避難場所へと案内されていく。 グラウィオール帝国に設置された を見詰めていたクリストフ君の唇が、不意にほころんだ。 「エルマー! ルーカス!」 荷物を引き摺って――と言っても大部分は、見た目の容積以上に物品が入って重量が変わらない、 「クリストフ!」 「無事だったのか!」 お互いの無事を確認して、肩の力が抜けたのかお互いに肩を叩いたり、その場で小突き合ったりと、小犬みたいにはしゃぐ3人。 ひとしきり交流を温め合ったところで、クリストフ君がおずおずと切り出した。 「どうなんだ、帝都の様子は?」 途端に表情を引き締める2人。 「商人達もこの機会に乗じて、商品の買い占めや、暴利での販売をしているそうで、聞いたところでは白パンが1個銀貨1枚半だそうですよ。ざっといままでの50倍ですね」 「そうか......」 予想していたこととは言っても、人間のそういう浅ましい部分を身近な人間から知らされ、衝撃を受けているらしいクリストフ君。 』の影響か。市民にはどの程度周知されているんだ?」 「公式見解ではイーオンで行われた魔術実験が暴走して、有害な雲が大陸全土に広まっている......という形になっているな」 クリストフ君が『エルマー』と呼んだ金髪で知的な印象の少年が、ため息混じりに答えた。 「実際は『有害』どころではないんでしょうけど......」 同じく『ルーカス』と呼ばれた赤毛のちょっと軽薄そうな少年が続ける。 「しかたがない、真実を知らせればどれだけの騒ぎになることか。......実際、皇帝陛下を始め皇族の皆様が帝都に残っていらっしゃるお陰で、民衆は『さほど大事ではないのでは』という希望的観測にすがってどうにかギリギリの平和を保っている状況だからな」 「貴族連中はとっとと極東方面へ逃げたったいうのに......まったく、嘆かわしいですよ」 和気藹々......というには少しだけ張り詰めた雰囲気のある3人の学生の様子を、ちょっと離れて見ていたボクは、やがて人波が途切れた頃を見計らって、命都とあと2人ばかりメイド(どちらも人型従魔。お出迎えはなるべく人間に近い姿の連中が担当することになっている)を引き連れて、さりげなく顔を出した。 「こんにちは、クリストフ君のご学友ですね? はじめまして。ご無事でなによりです」 両手でスカートの裾をつまみ、 「あ――は、はいっ。はじめましてレディ」 「はじめまして、ご丁寧な挨拶痛み入ります」 急に話しかけられて面食らったようだけれど、二人とも貴族の子弟らしく慣れた様子で返礼してくれた。 それからなぜかギリギリと壊れたブリキの人形みたいに、揃って妙に血色の良いクリストフ君のにこやかな顔を見て、またボクの方を向いた。 「......失礼。少々クリストフと個人的な話があるので、少しばかり席を外します」 エルマー君が丁寧に一礼する。 「――? あ、はい。荷物が邪魔になるようでしたら、こちらでお預かりしていますけれど?」 そう提案すると、「お願いします」と二人とも背後のメイド服姿の3人をチラリ見て、手荷物をその場に置いた。 で、事の成り行きに対応しきれずほけっとしていたクリストフ君の手を、両方で掴んでそのまま宇宙人でも連行するように、近くにあった 「――どういうことだ?!」 「あの美少女ですよ! なんですか親しげに『クリストフ君』とか。どこのお姫様で、どんな関係なんですか?!」 押し殺して話しているみたいだけれど、この程度の距離なら余裕で筒抜けになる。 「......ああ、なるほど。つまりそういうことか『クリストフ君』」 「なるほど。言わなくても、その顔でわかったぞ『クリストフ君』。......しかし、まあ、これが平時でなかったのが不幸中の幸いか」 「だなぁ、じゃなければファン倶楽部の御令嬢方が発狂したろうになあ......」 「いや、結構貴族の御令嬢方も避難している筈だし、これは今後ひと波乱――どころではなく荒れるぞ」 「世界の滅びよりも、そっちのほうが一大事かもしれないなぁ」 深刻な様子で揃って乾いた笑い声をあげるエルマー君とルーカス君だったけど、不意に笑いを止めると顔を見合わせ、「「はあ~~~っ」」と力ないため息をついた。 面白い友達だねぇ。学友って等しくこういうものなんだろうか? 空中庭園は実のところ内部が複数層に別れていて、その中に様々な環境――灼熱の溶岩地帯や吐く息も凍る極寒地帯、淡水湖や海と見まごう広さの塩湖である基底湖――の地区が存在して、生息の異なる魔物たちの 正確な延べ床面積は不明だけど、多分トータルで文字通り小さな国くらいの面積はあると思う。 ちなみに目に付く第一層は基本的に居城である虚空紅玉城を中心として、背後に世界樹の広大な森が広がり、正面には城下町......というか商店街が軒を連ね、その他には先ほど使った そんなわけで、最大国家であるグラウィオール帝国の皇族であるクリストフ君も、本人が望むと望まないとに関わらず、いつの間にか取り纏め役のような立場になり、あの後も多忙な日々を過ごしていたようで、落ち着いて話ができるようになったのは3日後。 いよいよ帝都アルゼンタムに『 ハイエルフや植物系モンスターの庭師が毎日手入れをしている広大な庭には、落ち葉一つ、枯れた花一輪すらない、年中さまざまな種類の薔薇が咲き誇る、ボクのお気に入りの庭の一つ。 ちなみにもう一つのお気に入りは、延々と桜並木が続く『桜円環』だけど、こちらは春のみのお楽しみになる。 太い柱で四方を囲まれただけの吹き曝しの 薔薇の生垣がぐるりと取り囲んで壁の代わりになっているその場所で、簡単な昼食をともにしたクリストフ君は、スプーンとフォークを置くと、満足げにナプキンで口元を拭った。 「ご馳走様。美味しかったです」 「お粗末様です。お口にあったようでなによりです」 そう答えると、目を丸くして――次いで狼狽えた様子で、綺麗に空になった皿とボクの顔とを交互に見比べた。 「あの......もしかして、これって姫陛下のお手製ですか......?」 「ええ。全部ではありませんけど、私が作ったのはボロネーゼとカルボナーラ、ぺペロンチーノのパスタ3種類とシーザーサラダ、チキンの赤ワイン煮込み、白身魚のバルサミコソース、トルティージャ、デザートのパンナコッタってところですね」 とりあえずイタリアンで統一してみました。 引き続き唖然としているクリストフ君。 「......おかしいですか、私が料理を作るのが?」 「あ、いえ、おかしいというか......まさか緋雪様御自ら台所に立たれるとは、ちょっと予想もしてなかったものですから」 「趣味みたいなものです。貴族のお姫様らしくなくて申し訳ありませんけど」 苦笑いすると、クリストフ君は慌てて首を横に振った。 クリストフ君の横顔に隠しきれない望郷の念が浮かぶ。 「......心配ですか、ご家族のことが?」 聞いた後で、馬鹿なことを口にしたと反省したけれど、クリストフ君はほろ苦い笑みを浮かべただけで、特に明言はしないで、背後――薔薇垣に隠れて見えない出口の方を振り返った。 「ここは良いところですね。家の中に入れば暑さ寒さも調節できるし、水も明かりも使い放題、食べ物も美味ばかり、見たことのない娯楽も沢山あって」 年齢に似合わない、大人びた表情でため息をつく。 「でも、集まれば皆、故郷の話ばかりです。忘れようとしたって忘れられない。きっと僕らが年老いて死ぬ瞬間まで、故郷のことを忘れることはないでしょうね」 「......こんなことを言うと不謹慎ですが。クリストフ君が少し羨ましいです」 クリストフ君が不思議そうな顔で首を捻った。 「私には懐かしく思える故郷も、温かな家庭の思い出もありませんから。......きっと私の本質は空っぽなんでしょうね」 そんなボクを困ったように見詰めたクリストフ君。 「それは、ちょっと違うと思いますよ、緋雪様」 「思い出は思い出として大事ですけど、別にそれが唯一無二ってわけじゃないと思います。寄る辺がなければ自分で作ればいいですし、温かい家族だって......その」 なぜか意を決した顔で、ボクの顔を覗き込んできた。 「緋雪様なら絶対に作れますっ。空っぽなんてとんでもないです。こんなに魅力的な方なんですから、きっと素晴らしい家庭を築けます! な、なんでしたらその役目を僕が――」 「姫様! ご歓談中のところ失礼いたします」 人手が足りないからということで駆り出されたんだけど、2メートルの巨体と王冠のような5本の角、服の上からでもわかる荒縄のような筋肉に、背中に背負った2本の巨斧と――美人ではあるけれど、どうみてもメイドというより百戦錬磨の人食い鬼です。本当にありがとうございました。 なんか熱っぽい瞳で話しかけていたクリストフ君も、さすがに毒気を抜かれた......というよりも、腰の引けた様子で黙りこくるけれど、琥珀は気にした様子もなく、ボクの方だけ見て早口で用件を口に出した。 「グラウィオール帝国の首都アルゼンタムが虚霧に飲み込まれました。ただちに 「なんだって?!」 「――おいっ、ちょっと待て、なんでお前がここにいるんだ?!」 「それどころではないだろう、アルゼンタムのことだぞ」 「エルマー! お前まで覗きか!?」 「いや、一応俺は止めたんだが。さっきの場所へは妙な目の細い男に案内されてな......だが、まあ細かいことは気にするな。それよりも事態を確認するのが先だろう」 全員の視線がなぜかボクに集まった。 無言で頷くルーカス君とエルマー君。釈然としない顔で友人二人を横目で睨みながら、クリストフ君も一拍遅れて頷いた。 ボクたちが辿り着いた時には、 雷が引き起こしたオゾン臭と、焦げ臭い臭いに眉をしかめながら、瞳をこらす――その目が、無意識のうちに大きく見開かれた。 人間、魔物、亜人の区別なく、その場にいた全員が即座に武器を抜いて戦闘態勢を取る。 焼け焦げた白銀の鎧を身に纏った、金髪の20歳半ばと思われる剣士がそこにいた。 先ほどの異常な転移による影響なのか、身体のあちこちから焦げたような煙が立ち上っている。 元は純白だったマントがボロボロになり、身体の前に覆い被さっていた。 やがてマント自体が自重に耐え切れなくなり崩れ落ちた。 それに併せて白いものが青年の抱えた両手からこぼれ落ちた。息を呑む。 それは腕だった。少女のものと思しい、白くて華奢な手だった。 「らぽっくさん......?」 ボクは意を決して――慌てて周りが止めるのも無視して――彼に近寄って行った。 無言で蹲るらぽっくさんの腕の中を確認する。 「――――っ!?」 らぽっくさんが両手で2人の少女を抱えていた。 1人は白銀の長い髪をした白いドレスの小柄な少女。 もう1人はそれよりも3~4歳年上のワンピースを着た、菫色のショートカットの髪をした少女。 どちらも良く知っている顔だった。 「オリアーナ......タメゴローさん......」 閉じられた瞼にも、力なく投げ出された手足にも生気は欠片もない。 と、らぽっくさんがノロノロとボクを見上げた。 「皇女様の方は無理な転移の衝撃で心臓が止まったので、緋雪さんがすぐに手当てすれば助かる。だが、タメゴローの方は......」 呟いたらぽっくさんの身体が、力なくその場に崩れ落ちた。

133 Lesson 13: The Rose Labyrinth [88 hours after the occurrence of the fog] Following the instructions of the guide angels, beasts, and man-made demons, people with anxious expressions are directed to various designated evacuation areas. A transfer gate (teleporter) set up in the Gravior Empire emitted light and newly evacuated people came out of the transfer gate (teleporter) with their baggage and powerless footsteps. Christophe, your lips flashed unexpectedly as he stared at the metastasis gate (teleporter). "Elmer! Lucas! Pull over your luggage - and the majority of it seems to be in storage backs that contain more items and no weight change than the apparent volume, a magic item - but with curiosity eyes, I was peering around, Christoph, turning this way like two dark blonde and red-haired boys in the same school uniform as you were bounced off, and I smiled. "Christoph!" "You're safe! 3 shagging like puppies to make sure they're safe with each other and slap each other on the shoulders or poke each other on the spot if they've lost their shoulder strength. I warmed up a little bit of AC, and Christophe cut it out as a snack. "What do you think, how's the Imperial Capital? Two people tightening their expressions as soon as possible. "The merchants are also taking this opportunity to buy up products and sell them for profit, and from what I've heard, one and a half pieces of white bread is a piece of silver coin. That's 50 times what you've been up to." "Right..." Having said what I expected, I hear you're informed and shocked by such shallow parts of humans by people close to you, Mr. Christoph. "Is it the effect of" fog "? How well is it known to the citizens? "In the official view, the magic experiments carried out in EON have been rampant, and harmful clouds are spreading throughout the continent..." Christoph, the blonde, intelligently impressed boy you called 'Elmer', replied with a sigh of relief. "I guess it's not actually 'harmful'..." The red-haired, slightly light-haired boy, also known as' Lucas', continues. "There is no other way, how much noise would it be if you let the truth know? In fact, thanks to the Emperor and the royal family remaining in the Imperial Capital, the people have managed to maintain a critical peace based on the hopeful observation that it is not so important." "The aristocrats have fled to the Far East... and it's lamentable." Watching three students with an atmosphere that was just a little tense when it came to soothing...... I was looking a little away, expecting eventual interruption of the people's waves, and only two more maids (both human squire. The people who look as close to humans as possible are supposed to be in charge of the greeting) and took him in for a subtle look. "Hello, Christoph, you're your alumni, aren't you? Nice to meet you. You're safe." Pinch the hem of the skirt with both hands and give a toast (Cartesy). "Ah-ha, yes. Nice to meet you, lady." "Nice to meet you. Kind regards. Painful." They suddenly seemed to talk and eat, but they both returned the favor in a way they were accustomed to like noble children. Then for some reason, like a crisp, broken brisket doll, I looked at your sneery face, all aligned and oddly bloody, Christoph, and turned to me again. "... excuse me. I need to talk to Christoph personally for a little while, so I'm just gonna take my seat off." Elmer is polite. [M] "-? Oh, yes. If your luggage seems to get in the way, I'm keeping it here, though? Suggesting so, "Please," they both looked at the three maid clothes behind them chillily and put their baggage on the spot. So, Christophe, who was so relieved that he couldn't cope with what happened, grabs both hands and takes them straight to the shadow of the nearby pillar of the Transition Gate (teleporter). "- What do you mean?!" "It's that beautiful girl! What do you mean," Christopher "? What princess and what relationship is it?!" Looks like he's pushing to kill and talking, but at this distance, he can afford to lose it. "... oh, I see. I mean, you know," Christopher, you. " "I see. You don't have to tell me, I figured it out on that face, 'Mr. Christoph'.... but, well, are you lucky this wasn't normal" "Well, otherwise the lady from the fan club would have gone mad..." "No, quite a few noble ladies have evacuated, and this is going to be a turbulence, not a rough one." "It might be more important that way than the doom of the world" Elmer and Lucas, all aligned and dry laughing in a serious way. It was you, but when you accidentally stopped laughing, you looked at each other and sighed powerlessly, "Ha-ha-ha". You're an interesting friend. Is this what alumni are equally like? The aerial gardens are, in fact, divided into multiple layers, in which there are various environments - scorching lava zones, extremely cold zones where exhaling breath also freezes, and basal lakes, which are salt lakes of all sizes seen as freshwater lakes and oceans - forming settlements (colonies) of demons of different habitats. The exact total floor area is unknown, but I think it's probably about the size of a total, literally small country. Incidentally, the first layer that comes to my attention is basically Vacant Red Jade Castle, which is my castle. Behind me, a vast forest of world trees spreads, and in front of me there is a castle town... or the shopping district connects houses, among other important facilities, such as the transfer gate (teleporter) landing site I used earlier. That's why Christophe, the royal family of the Grawior Empire, the largest nation, also seemed to be in a position to be an aggregator at some point, even if he didn't want it when he wanted it, and he had a busy day after that, three days later, he was able to talk calmly. Finally, it was noon on the day when the report of the imminent fog arrived in the Imperial capital of Argentina. One of my favorite gardens is the vast garden maintained daily by gardeners of high elves and botanical monsters with one fallen leaf, not even a circle of dead flowers, different kinds of roses blooming all year round. Another favorite, by the way, is the Cherry Circle, which continues with cherry trees, but this one will only be enjoyed in the spring. Shi 'a (Azumaya) of blow just surrounded by thick columns on all sides. Christoph with a brief lunch at that place where the rose hedge is surrounded and replaced by a wall, when you put the spoon and fork down, you wiped your mouth with a satisfactory napkin. "Dear treat, it was delicious" "Dear Mr. Bad. It looks like it was in your mouth." When I answered that, I rounded my eyes - and then looked wolfy, alternating between a dish that was beautifully emptied and my face. "Um... Could this be handmade by Her Majesty the Princess...? "Yeah, not all of them, but I made three types of Bolognese and carbonara, pepperoncino pasta and caesar salad, stewed chicken red wine, white fish balsamic sauce, tortillas, and dessert panna cotta." In the meantime, I tried to unify it in Italy. Mr. Christoph, who continues to flaunt himself. "... is it strange that I cook? "Oh, no, that's strange... because I didn't expect Scarlet Snow to stand in the kitchen himself." "It's like a hobby. I'm sorry I didn't sound like a noble princess." When he laughed bitterly, Christoph shook his head beside him in a panic. Christoph, I can't hide on your side. I have a sense of hope. "... are you worried, about your family? After I heard it, I reflected that I had spoken silly things, but Christoph, you just had a bitter grin, don't make any particular explicit remarks, and look back behind you - at the invisible exit hidden in the Rose Wall. "This is a good place. If you put it in the house, you can adjust the heat and cold, you can use all the water and the lights, the food is delicious, and there's a lot of entertainment you've never seen." Sigh with an adult look, not suitable for your age. "But if we get together, we're all talking about our hometown. I can't forget that I tried to forget. I'm sure we'll never forget our hometown until the moment we're old and dead." "... I'm careless to say this though. Christoph, I'm a little jealous of you." Christoph twisted his neck with a strange look on your face. "Because I don't have any memories of a hometown or a warm home that I can miss.... I'm sure my essence is empty" Mr. Christoph, who looked at me like I was in trouble. "I don't think so, Mr. Scarlet Snow." "Memories are important as memories, but I don't think that's the only one. If you don't have a stopover, you can make your own, even a warm family... the" He peered into my face with a determined face for some reason. "Scarlet Snow would definitely make it. There's no such thing as empty. You're such an attractive person, you're sure to have a great home! Whatever it is, I'll do the part." "Princess! If you'll excuse me while I talk to you." I was driven out because I wasn't manned enough, two metres of giant and five horns like a crown, two giant axes on my back to muscles like wilderness rope that I could tell from above my clothes and - although I'm a beauty, I'm more of a hundred warfare smelling cannibal than a maid, no matter what. Thank you so much. Christophe, who was talking with some kind of hot eyes, was just out of venom... rather than shut up with his hips pulled, but Amber didn't look like he cared, he just looked at me and put the matter in his mouth with a quick mouth. "Argentina, the capital of the Grawior Empire, has been swallowed up by a fog. Immediately scheduled to close the transfer gate (teleporter), but an unexplained luminescence has occurred and is currently under investigation." "What?!" "- Whoa, wait, why are you here?!" "I don't think so. I'm talking about Argentina." "Elmer! Is that a peek to you!?" "No, for once I stopped. The strange, thin-eyed man showed me to the place earlier... but don't worry about the details. We'll see what happens before we do." Everyone's gaze somehow gathered on me. Silently nodding Lucas, you and Elmer. Christoph nodded a beat late as well, staring sideways at two friends with an unmistakable face. By the time we arrived, the metastasis gate (teleporter) was on the verge of subsiding. Eyes peeling, frowning at the ozone odor caused by thunder and the burning smell - its eyes unconsciously wide open. Everyone who was on the spot, without distinction between humans, demons or subhumans, immediately pulls out their weapons and takes a combat stance. There was a swordsman there, supposedly mid 20-year-old with blonde hair, wearing burnt silver armor. One knee in the center of the transfer gate (teleporter). Whether it is the effect of an earlier abnormal metastasis, smoke has risen like burnt from all over the body. The cloak, which was formerly pure white, wore out and was covered in front of the body. Eventually, the cloak itself became unbearable to its own weight and collapsed. Along with that, something white spilled out of both hands held by the youth. Breathtaking. That was an arm. I think it belonged to the girl, it was a white, luxurious hand. "Lapo a lot......? I never - in a hurry - ignored the fact that I was stopping around - walked up to him. Confirm in the arms of Lapokusan, who squatts silently. "- Huh!? Rapo Kusan had two girls with both hands. One is a little girl in a white dress with long silver hair. The other is a girl with short cut hair in a colour, wearing a piece 3-4 years older than that. They were both faces I knew well. "Oriana... Mr. Tamegoro..." There are no shards of life on the closed lid, on the hands and feet thrown out without force. And Rapo Kusan looked up at Noronoro and me. "The Empress's heart stopped due to the shock of an impossible metastasis, so it would be helpful if Scarlet Snow handled it right away. But if you're Tamegoro..." When I whined, Pokusa's body collapsed on the spot without power.

番外編 冒険者は新婚を夢みる3 天涯の「ついカッとなってやった、後悔はしていない。むしろ物足りない」的な衝動で砕け散ったベットの残骸を手分けして片付けた後、動かせる家具や荷物をどかせて空いたスペースにマットを敷いて、その上に昏睡というか熟睡状態のジョーイ(寄生チューリップ付き)を適当に転がした。 「周りがこんだけ大騒ぎしているのに、当人がのほほーんと寝ているだけっていうのは、不可抗力だとわかってはいてもムカつくもんだねぇ」 そんなボクの愚痴をあざ笑うかのように、ジョーイの頭の上の妖草チューリップが、『ケケケケケケッ!』と身をくねらせた。 ああ、引っこ抜きたい! この際、ジョーイの脳味噌がトコロテンになっても構わないんで、もう一度力任せに引っこ抜いてみたい。もともと容量の小さいジョーイのオツムならさほど変わらないかもしれないし! 「うううううっ......師匠、なんて不憫な姿に」 そんなジョーイの姿にヘイト値を貯めまくっているボクとは対照的に、フィオレは肩を落として悄然とジョーイの前髪を手櫛で整えたり、パジャマの皺を延ばしたりと甲斐甲斐しく動き回っている。 そういえば、ジョーイがこの状態になってから数日経過しているそうだけど、こうして血色も良くて割と元気そうなのはフィオレが、上から流動食を食べさせたり(口移しではなく、普通に食べ物をスプーンで口元へ持っていくと、無意識のうちに意地汚く食べるとのこと)、あとオムツで下の世話までしているお陰だとか。 文字通りの世話女房だねぇ。余すところなくすべてを赤裸々にフィオレに見られていたと知った時のジョーイの反応がいまから楽しみだ。 「とは言え、さすがに流動食だけでは体力と健康が維持できませんので、専用の霊薬を併用して現状維持に努めています」 ミーアさんがついでとばかり補足してくれる。 ああ、なるほど。現代地球なら生命維持装置とか点滴とかが必要な処置をポーションで担っているわけだね。 「へーっ、ポーションってそういう使い方もあるんだね。てっきり冒険者御用達だけかと......いや、むしろこっちの方が本来の使い方かな?」 「ええ、そうですね。ですが問題もあって......いちおう冒険者割引は適用されていますが、いまジョーイ君に使われているのは本来は上位冒険者がダンジョンに挑む際に、保険として二~三本購入するほど高額なものです。ですから、それを連日使用しているジョーイ君の貯金はすでに底を突いて借金生活に突入しているわけで......」 薬ひとつで生命維持ができるんだから、そう考えるとこの世界の医学も捨てたものじゃないけど、効果に見合った代金は掛かるのは現代医療と一緒か。世知辛いねぇ。 「......いや、まあ、足りないお金は私が立て替えておくけどさ。てか、以前預けた虹貨がまだ残ってなかったっけ?」 いろいろあってコロッと忘れてたけど、あれって当初はジョーイに報酬として渡したものなんだから、こーいう時にこそ使うもんじゃないかな。 「いいんですかい?」 躊躇しながらも、どこかほっとした態度で確認するガルテ副ギルド総長に向かって、ボクは「いーのいーの、どうせ使わないお金だから」と気軽にパタパタ手を振って答えた。 「......ここで緋雪様のお金に手をつけると、また師匠との繋がりが増して、今度こそ師匠がとられることに......」 その隣でフィオレが複雑な表情でブツブツと呟いていた。 いや、別にとらないけどさ。 「とりあえず対処療法は当面それで何とかするとして、根本的に原因を取り除かないと、どちらにしてもジリ貧だよね?」 最後を締めくくるようにそう発言したボクの言葉と視線とに促されて、集まった全員の視線が腹ばいになった白い 「「「「「う~~む......」」」」」 途端、めいめいが眉間に皺を寄せたり、腕組みしたりして慨嘆した。 「――で、その為には外からでなくて内側。つまり同じ夢を見て、夢の中で元凶を倒せばいいってわけ?」 「はい~、そ~なりますねえ~。で~も、他人の精神の中に入って~干渉するわけですから、当~然っ、この夢を見せている元凶が~なんらかの形で妨害しますし~、また~、夢を見ている当人も~、異物の精神への侵入には~、心を閉ざしてガードするなり~、排除しようと無意識に働くとぉ~思われま~す」 解説しながら、ボクらの顔ぶれを一瞥した。 で、最終的にボク、フィオレ、ミーアさんの三人の顔を見て、大きく頷いた。 「僕が見たところ~、この少年が~、心を開いて無防備に夢に入れるのは~、この中では姫とそっちの魔法使いのお嬢ちゃんと、猫の娘さんだけですね~」 「......なんちゅうか、見事に若い娘ばかりじゃのォ」 「がはははっ、まあ男だからな。察してやれ」 呆れたように首を横に振る双樹と、口元から牙を剥き出しにしてバカ笑いをする壱岐。 「手前ッ、ジョーイ! さんざん目をかけてやった恩を忘れて、俺を拒絶するたあどういう了見だ!?」 天涯とかが除外されるのは良くわかるけれど、古くからの知り合いで冒険者養成所の教官でもあったはずが、見事にハブにされたガルテ副ギルド総長が、憤懣やるかたないという風情でジョーイの肩を力任せに揺すっていた。 「姫を小僧の夢の中とはいえ、こちらの目の届かない場所にお連れするなど看過できることではないぞ。――夢の中に元凶がいるということであれば、お前が消し飛ばせば済むことではないのか?」 明らかに気乗りしない口調で、天涯が横たわるジョーイと陸奥を見比べながら端的に尋ねた。 「まあ......通常なら~どうとでもなるんですけど~、なんというか~この妖草が少年の精神に根を張っている感じで、がんじがらめの状態なんですよー。だからぁ、無理に外そうとすると~、妖草も抵抗するから......僕と妖草と少年の精神が争う形になって~、そうなるとまず間違いなく、真っ先に一番抵抗力の弱い少年の精神が壊れるというか、消滅しますねー......一か八かやってみます?」 「よし、やれ! 私が許す」 「許さないよ! やめれっ!!」 即座に首肯する天涯と、言われるままに行動しようとした陸奥をボクが慌てて止める。 「なんでもかんでも力ずくでどーにかしようとするのは良くないよ! とにかく、やれることはすべて試してから、最後に力ずくということにしないと!」 「「「やっぱり、最後は力ずくなんだ!?」」」 きちんとモノの道理と因果を言い含めるボクの背後で、ガルテ副ギルド総長、ミーアさん、フィオレがなぜか戦慄したような声で唱和した。 そんなわけでジョーイを中心に右手側にボク、左手側にフィオレ、陸奥を挟んで背中合わせになる格好でミーアさんが横になった。 ちなみにパジャマ姿のジョーイ以外は普通に普段着のまま。 別に昼寝を楽しむわけじゃないからねぇ。 「――で、このまま眠ればジョーイの夢の中に入れるわけ?」 「そうです~。夢の中では時間感覚とか関係ないので、ある程度ばらばらに眠りに付いても、同じところに同じタイミングで入れますけど、さすがに何時間も違うとはぐれる可能性があるので~、なるべく全員同じようなタイミングで眠ってください~」 「いや、そんな、こんな時間にこんな状態で即座に眠りに付くとか、あや取りと射撃が特技の小学生でもなけりゃ無理だと思うよ」 いちおうカーテンは閉めて薄暗くしているとは言え、まだ午前中で、しかも衆人環視の中で眠るとか、どんな羞恥プレイだって感じだよねぇ。 と、傍らに控えていた天涯が、いつもの仏頂面だけど微妙に嬉々とした雰囲気で一歩前に出ると、 「それでは、僭越ながら私めが心地よい眠りを誘う子守唄など――」 そう提案しつつ、どこからともなくマイクを取り出した。 最大の脅威にして、最凶のイベントと呼ばれる『天涯リサイタル』――を知らないガルテ副ギルド総長たちが面食らった顔を見合わせる。 咄嗟に両耳に手を当てるよりも早く、天涯の自慢の喉(!?!)を聞かされ、瞬時にボクらの意識は根元からばっさりと刈り取られたのだった。 ついでに付け加えると部屋の中にいた全員も後を追うように倒れ、さらにはこの日、調子に乗って四時間ほどぶっ続けで続けられた『天涯リサイタル』によって、首都アーラの都市機能はほぼ麻痺したとのこと。

154 Outside Adventurers Dream Of Newlyweds 3 Heavenly "I followed you, I have no regrets. Instead, after partitioning and cleaning up the wreckage of a broken and scattered cot with a lack of" impulse, I let some moving furniture and luggage lay the mat in an empty space and rolled Joey (with parasitic tulips) on top of it appropriately, either in a coma or in a slumber. "It's annoying even if you know it's force majeure, even though it's all around you and you're making a fuss, but we're just sleeping with the cheeks of" As if to laugh at my stupidity like that, Joey's demon grass tulip over his head is like, 'KEEP, KEEP, KEEP!' and twisted himself. Oh, I want to pull through! At this time, I don't mind Joey's brain miso turning into tocorotene, so I'd like to try to pull it out again. Originally a Joey otum with a smaller capacity might not be so different! "Ugh... Master, what a pitiful look" In contrast to me, who is accumulating a hated value for such a Joey figure, Fiore moves around worthwhile dropping her shoulders and quietly grooming Joey's forehead with her hands or extending her pyjama wrinkles. Speaking of which, it's been a few days since Joey got into this state, but you think it's because of Fiore, who looks so bloody good and healthy, who feeds her liquid food from the top (not by mouth transfer, but by spooning her food normally to the mouth, she eats it unconsciously and meanly), and even takes care of her bottom with diapers? You're a literal caregiver. I'm still looking forward to Joey's reaction when I found out that Fiore was watching everything redundantly. "That said, we strive to maintain the status quo with the use of a combination of special psychotropic medicines, as just a liquid diet does not sustain our strength and health" Mr. Meer keeps supplementing me. Oh, I see. Modern Earth needs life-supporting devices and infusions. "Heh, that's how you use potion. I thought it was just for the adventurers... No, I guess this is the way it's supposed to be used? "Yeah, right. But there is also a problem...... Today Adventurer discounts are applied, but what is being used by you Joey is inherently expensive enough for top adventurers to buy two or three bottles as insurance when challenging a dungeon. So, Joey, who uses it day in and day out, your savings are already going to the bottom and into debt life..." I can sustain my life with one medicine, so thinking about it doesn't mean I threw away medicine in this world, but is it with modern medicine that the cost commensurate with its effectiveness is multiplied? It's intelligent. "... no, well, I'll replace the missing money. You mean, you didn't have any rainbow coins left you had previously deposited? I forgot a lot about Colo, but I initially gave that to Joey as a reward, so I guess it's time to use it. "Are you sure? With hesitation, I easily waved back to Deputy Guild General Garte, who would confirm somewhere with relief, and replied, "Yes, because it's money I won't spend anyway." "... when I get my hands on Scarlet Snow's money here, I get more connections with my master again, and now it's time for my master to be taken..." Next to it Fiore was squeaking with a complicated look. No, I'm not taking anything. "For now, coping therapy is for the moment. So if we don't get rid of the cause fundamentally, it's jilli poor either way, right? Encouraged by my words and gaze, who said so to close the end, the gaze of everyone gathered turned belly-up white (buku) - pillow the side of the Seven Hazards Star Beast Number Six Lu Ao (diaper) and look down at Joey snoring. "" "" "Uh-huh..." "" As soon as I did, the dizziness creased between my eyebrows and I groaned with arms. "- So, for that matter, not from the outside, but from the inside. So you want me to have the same dream and defeat the culprit in my dream? "Yes, it will be." But it will interfere in the spirit of others, so when, naturally, the culprit who is showing this dream interferes in some way, and also the person dreaming, to enter the spirit of foreign objects, to close and guard the mind, to work unconsciously to eliminate it, it seems. " He glanced at our faces as he explained. So, eventually, I saw the three faces of me, Fiore, and Meer, and I nodded loudly. "From what I've seen, this boy - the only one who opens his heart and dreams defenselessly - is the princess and the wizard's daughter over there and the cat's daughter in this." "... what a brilliant young daughter-in-law" "Ha ha, well, you're a man. Guess what." Twin trees swinging their necks sideways as if they were frightened, and a giggle of silliness with their fangs peeled out of their mouths. "Ahead, Joey! Forget what you did with your eyes, you turned me down. What do you see?" It's good to know that Heavenly Life and such are excluded, but I've known him for a long time and should have been an Adventurer Training Institute instructor, but Deputy Guild Director Galte, who was beautifully hubbed, was shaking Joey's shoulder with strength in a flair of indignation. "Even though it's in the kid's dreams, it's not something you can look at like taking the princess out of our sight. - If it means you have the culprit in your dreams, isn't that what you have to get rid of? In a tone that I obviously don't feel comfortable with, I asked briefly, comparing Joey, whose heavenly life lies, to the back of the land. "Well... normally - it doesn't matter - but somehow - it feels like this demonic grass is rooted in the boy's spirit, and it's a state of embarrassment. So if you try to force it off - because you resist demon grass too... the spirit of me, demon grass and the boy takes the form of a dispute - then you definitely break or extinguish the spirit of the weakest resistant boy first... do you want to try one or eight? "All right, do it! I forgive." "I won't forgive you! Stop!!" I rush to stop the immediate overwhelming heaven and the back of the land where I tried to act as I was told. "Whatever it is, it's not a good idea to try and do whatever it takes! Anyway, I need to try everything I can and then decide to do the last thing I can! "" "After all, don't force yourself at the end!? Behind my back, which properly mentions the logic and cause of things, Deputy Guild General Garte, Mr. Meer, and Fiore summoned with a voice that somehow fought. That's why Mr. Meer lay down dressed to be back to back with me on the right hand side, Fiore on the left hand side, and across the back of land around Joey. Except for Joey, who looks like a pyjama, by the way, usually stays in her regular clothes. Because I'm not enjoying my nap. "- So, if you sleep like this, you're gonna put it in Joey's dream? "Yes ~. It has nothing to do with the sense of time or anything in your dreams, so even if it comes to sleep somewhat variantly, I'll put it in the same place at the same time, but it could just come off if it's different for hours ~ so sleep as much as possible at the same time for everyone ~" "No, I don't think you can do that unless you're an elementary school student with a stunt to take and shoot at, like, an instant fall asleep at this hour." Though I can tell you that the curtains are closed and dimmed, it's only in the morning, and it feels like any kind of shame play, like sleeping in a crowd circle. and when the heavenly life I had refrained from beside stepped forward in the usual Buddha top surface but subtly delightful atmosphere, "Now, lullabies that make me feel comfortable sleeping, etc. -" While I suggested that, I took the microphone out of nowhere. To Bok's scream, make the situation - the biggest threat of the Crimson Empire Imperial Crimson, and the "Heavenly Recital", known as the most heinous event - look at the faces that Deputy Guild General Galte has met without knowing. Faster than putting your hands on both ears in an aggressive fashion, the throat of heaven's pride (!?!), and instantly our consciousness was just pruned from the roots. Then I added that everyone who was in the room also fell to follow, and even on this day, the urban function of the capital, Ara, was almost paralysed by the 'Celestial Recital', which lasted about four hours on track.

第二十話 経過観察 ゆったりと流れる雲の様に、浮遊大陸とも呼べる規模の巨大な人工の島が、地上の高々度上空を移動している。 を削り出したかのような、光り輝く眩くも壮大な城――おそらく惑星上にあったとしても宇宙から確認できる規模だろう――を中心として、背後には巨木が生い茂る森が、正面には数多の建造物が立ち並び、整然とした城下町を形成している(とはいえ、城の規模に比べると笑えるほどチャチなものだが)。 惑星の自転を無視して、ゆっくりと進むその巨大な島から、やや距離を置く形で、2人の人間を乗せた怪物――その姿は見えず、ただ緑色の眼だけが光る――『グリーンアイドモンスター』が姿を隠し、息を殺して無言のまま追尾していた。 手綱を握る形でその上に跨っているのは、煌びやかな銀の鎧を着込み、腰に一振りの そしてもう一人、紫色を主体にとろころどころリボンで飾り付けられた、アフターヌーン・ドレスとキャミソール・ドレスを組み合わせたようなワンピースを着た15~16歳と思える、金色の宝杖を持った菫色の髪をした少女が、その後ろに座っていた。 「......タメゴロー、緋雪さんの方はどんな様子だ?」 ちらりと背後を振り返っての青年の問い掛けに、少女は眉の辺りに皺を寄せて答える。 「ちょっと待ってて、なんか城の規模がバカみたいにでかくなってる上に、あっちこっちに蜘蛛の巣みたいな仕掛けがあって、あたしの使い魔がなかなか目的地に辿り着けなくてさ。――あと、あたしの名は『タメゴロー』じゃなくて『 どこかネコを思わせる少女の抗議を、軽く肩をすくめて受け流す青年。 「いまさらだな。だいたい『タメゴロー』の方が憶えやすいし、言いやすい。 『メイさん』『ゴローさん』が組み合わさって『メイゴローさん』、そしていつの間にか『タメゴロー』にあだ名が定着した経緯を思い出して、青年の口元に笑いが浮かんだ。 恨みがましく、ここにいない緋雪に不満をこぼしていた少女の目が、不意に鋭くなった。 弾んだ声の少女とは反対に青年は硬い表情を崩さずに、再度島の上で暴れる化物と島全体を透かし見た。 「だったらいいんだが。――どうも気になるな。いま緋雪さんたち、城のどのあたりにいるんだ?」 「ん? ......ん~~と、『玉座の間』って言ってるね。ゲーム時代風に言うなら『コントロール・ルーム』だね」 「コントロール・ルームだと?!」 青年の表情が厳しさを増した。 その様子に少女の方は怪訝な表情で問い返す。 「なんか問題でもあるの? 緋雪さんがいる以上、空中庭園のコントロールを奪えるわけもないし、そもそも第三者に譲渡できるもんではないでしょ」 「......確かにな。考えたくもないが、緋雪さんに万が一のことがあったしても、所有権はサブマス......俺か、お前のところに来るだけだしな」 かつて兄丸――ギルド『兄貴と愉快な仲間たち』――のギルドホーム【移動要塞『 「――ま。あの蛇男が生み出したわけじゃない、イレギュラーな存在の緋雪さんとその所有物にまで、同じ法則が働くかどうかわからないけどね。第一、あたしらも......」 自嘲する彼女を窘める青年。 「本物だとか偽物だとか、アイツが言うことをいちいち真に受けるな。確かに俺たちはかつてのソノモノではないかも知れない。だが、こうして生きて、自由意志を持っているのは確かなんだ。だったら誰かの物真似ではない、いまの自分の意思で自分らしく生きるべきだろう」 青年の熱い気迫が篭った言葉に、唖然と目を見張ってから......かすかに笑みを浮かべる少女。 「変わったね、らぽー。前はなんか自暴自棄な様子だったのに」 「......そうか?」 「そうだよ。あんな蛇男に唯々諾々と従うなんて、どんだけ腑抜けたんだと思ってたけど、いまのらぽーは、【 ちなみに彼女自身は、普段『蛇男』と呼ぶところの彼の元にいるのを嫌って、積極的に大陸中を飛び回っている。 青年は苦笑いを浮かべて、どこか遠い目をした。 「影郎さんのことは聞いてるだろう?」 「あ......ああ、うん......」 「影郎さんがアイツに逆らって死ぬ時に言ってたんだ。『死に際は自分で選ばせてもらう』って。勝手に作られて、いいように利用されるだけの命だと思っていたけど、最後は自分の意思を貫いた。それに比べて、俺はなにをやってるんだ......そう思えて情けなかった」 この眼で見た友人の男気と、自分の不甲斐なさを想い、唇を噛み締める青年。 「影さんもなに考えてるのかわからない人だったけどさ、最後まで頑張ったのは、やっぱり緋雪さんの為だったんじゃないかな。影さん、なんとなく緋雪さんのこと本気で好きだったような気がするよ。あ、likeじゃなくてloveの方ね」 「......あのな。緋雪さん中身は男だぞ。――ま、いまじゃ限りなく女子だけど」 ふと以前出会った時――と言ってもほとんど問答無用の戦闘で、ろくに口も聞いていないが――の緋雪の物腰を思い出して、苦笑いしながら苦言を呈する。 「まあ、あくまであたしの勘だからねえ。......でも、緋雪さんが好きなのは、いまでも変わらないよ、あたしも」 あっけらかんと言い放った少女の言葉に、「そうだな」と青年も同意した。 「だから、アイツの命令とかではなく、絶対に守ってみせる。――見ていてくれ、影郎さん」 抜けるような青空の向こう。いまは亡き友を想って、青年は強く拳を握り締めた。 よ、観ていてくれ。俺はやる。たとえこの命燃え尽きるとも! 「おっちゃん、この弓ぜんぜん景品に当たらんけど、なんかおかしいんと違う?」 い子供が、一向に当たらない玩具の弓矢と、的当ての景品を見比べて口を尖らせる。 「はっはっはっ、お坊ちゃん、弓のせいにしちゃいかんよ~。ちゃんとさっきは特賞を当てた子もいるんだから」 胡散臭い笑い声を上げながら、「わーい、当てたじょー」と若干棒読み臭い演技...もとい、喜びようで(どう考えても物理的に台の上から落とすのは無理だろう)自分の背丈ほどもあるヌイグルミを抱えて、周囲に見せびらかしている それを見て、もう一度挑戦すべく残ったお小遣いを、10本の矢に換える子供。 一方、隣の板の上で素焼きの粘土型に粘土を詰めて、出来た型の複製品に極彩色の粉色を塗っていた子供の一人が、出来上がった型を見せに来た。 「おっちゃん、この型はなんぼになるの?」 「どれどれ......う~~ん、ここんところにひび割れがあるから1,500点というところかな。ちょっとこの型は難しいかもしれんな~。どや、こっちの大きい型の方が、作り易いんと違うか? いままでの点数と交換で、オマケして70銅貨にまけとくで」 その頃、北部域にある小国シレントの田舎町で、どこの誰かは知らないけれど、黒髪細目でやたら影の薄い怪しげな商人が、子供相手にインチキ商売をやって、小銭を巻き上げていた。 「ごめん、なんか話が横道に逸れたけど。それで、なんでシマムラの奴はコントロール・ルームなんて狙ってるんだろうね?」 「俺としてはなんらかの方法でコントロールを奪うつもりなのかと思ったんだが......」 「そんな様子はないかな。ずっと戦ってるだけだし」 使い魔を通して見た光景を実況しながら首を傾げる少女。 「ふむ。それも妙な話だな。目的地がコントロール・ルームなら、とっくになんらかのリアクションをするべきだろうに」 ――時間稼ぎをしている? ふと、青年の頭にその可能性が浮かんだ。 ――だが、なんの為に? どこからか増援でも来るのか? そう思って地上を見下ろして見るが、それらしい異常はない。そもそも移動している空中庭園は、とっくにユース大公国領を通過して、グラウィオール帝国奥深くまで侵入している。 この光景を見て、青年の中でバラバラに解けていたピースの欠片が組み合わさり、一つの絵が描かれた。 「ど、どうしたの、らぽー?」 「奴の狙いがわかった。急いで緋雪さんに知らせないとマズイ!」 「知らせるって......いや、なんか、いまあっちも取り込み中みたいなんだけど?」 なぜか半笑いの表情で、使い魔が見た光景を伝える少女。 「ふっふっふ、ついに私をこの姿にしてしまいましたね」 巨大な廊下に仁王立ちの姿勢で、しまさんがドヤ顔でこちらを見下ろして、そんな風に嘯いてみせた。 「うわぁ......」 見上げるボクの顔は相当引き攣っていたと思う。 ここまでは、けっこう順調に相手のHPを削れていた。 こちらを狙いを定めて放たれた魔法はすべて回避( 言いつつ、その場で筋肉を誇示したポージングを行う。 はっきり言ってキモかった。

110 Lesson Twenty: Follow-Up Like a loose-flowing cloud, an enormous artificial island of scale, also known as a floating continent, is traveling high above the earth. On its surface, around a glowing dazzling and magnificent castle - perhaps on a scale that can be ascertained from space even if it were on a planet - as if it had scraped out red balls (ruby), behind it a forest of giant trees, with numerous buildings lined up in the front, forming a neat castle town (though laughably chaotic compared to the size of the castle). Ignoring the rotation of the planet, from that huge island, which progresses slowly, in the form of a slight distance, a monster with two humans on board - whose appearance is invisible and only green eyes glow - the 'Green Ide Monster' hid his figure, killing his breath and tracking him silently. Across it in the form of a handkerchief is a beautiful blonde young man with brilliant silver armor and seemingly half a dozen large swords (Great Swords) lowered on his hips. Its cool eyes now captured a giant monster like a parasite roaming over the island with a harsh look. And there was another girl, aged 15-16, with golden treasure canes, who seemed to be wearing a piece like an afternoon dress combined with a camisole dress, adorned with ribbons, mainly purple, sitting behind it. "... Tamegoro, what's Mr. Scarlet Snow like? The girl answers the inquiry of the young man looking back on her back with a wrinkle around her brow. "Wait a minute, the size of the castle is getting bigger like an idiot, and there's a spider's nest trick over there, and my demon can hardly get to his destination. - And my name isn't" Tamegoro, "it's" Mizuki Goro Hachi "! How many times do I have to remember!?" A young man who gently shrugs his shoulders and receives protests from a girl who reminds him of a cat somewhere. "I don't think so. More or less, 'Tamegolo' is easier to remember and say. Even Scarlet Snow, who called all his companions (members)" O O O ", called them" Mr. Mayroha "only in the beginning, didn't he? A laugh came to the young man's mouth, recalling how "May" and "Goro" combined to "Maygoro," and at some point his nickname settled on "Tamegoro". There was resentment, and the girl's eyes, who was spilling dissatisfaction with the scarlet snow not here, were accidentally sharpened. Contrary to the girl with the bounced voice, the young man did not break his hard expression and once again saw watermarks through the rampant monster on the island and the whole island. "I hope so. - Don't worry about it. What part of the castle are you in now, Mr. Scarlet Snow? "Hmm?... Mm-hmm. And you're saying 'Throne Room'. If you say it in a game-age way, it's" Control Room. " "Control room?!" The look on the face of the youth increased in severity. The girl asks back with a strange look at the look. "Is there something wrong with that? There's no better way to take control of an air garden than with Mr. Scarlet Snow, and you can't transfer it to a third party in the first place." "... sure. I don't even want to think about it, but in case something happens to Mr. Scarlet Snow, ownership is submus... it's just me or you." The youth nodded lightly, recalling that the ownership of the guild home [Moving Fortress "Hundred Foot (Instead)"] of the Brother Maru - guild "Brothers and Pleasant Companions" - had automatically moved to the Sound Maru, a sub-mass, after the death of the Brother Maru, a Gilmouth. "-Ma. It wasn't created by that snake man, even to Scarlet Snow and his possessions of an irregular being, I don't know if the same laws will work. First, we too..." Young man embarrassing her to mock herself. "Don't take what he says either seriously, like it's real or fake. Sure, we may not be what we once were. But this is how I live, and I'm sure I have free will. Then you should live like yourself at your own will, not imitate someone else." A girl with a faint grin after staring at the young man's enthusiastic words. "You've changed, Rapu. I used to look like I was giving up on myself." "... do you? "That's right. I wondered how much I lost my heart in following such a snake man's promises, but it seems that Nowadays Lapo is a [single-stage warrior]. - Is something wrong? By the way, she herself is actively flying around the continent, hating being at his disposal where she usually calls herself the 'Snake Man'. The young man laughed bitterly and looked away somewhere. "You've heard about Mr. Shadowloon, haven't you? "Ah... oh yeah..." "Mr. Shadowloon said it when he died against him." Let me choose for myself when I die, "he said. I thought it was just life made on its own and used as good, but at the end of the day I pierced my will. Compared to that, what am I doing... sorry to hear that" A young man who thinks of the manhood of a friend seen with this eye and his impertinence and bites his lips off. "Shadow was someone who didn't know what he was thinking, but I figured it was for Scarlet Snow who worked hard to the end. Shadow, I feel like I really liked Scarlet Snow somehow. Oh, you're not like, you're in love." "... you know. Mr. Scarlet Snow has a man in it. - She's not just a girl now." When we met before - even though it was a battle with little question, and I haven't even heard much of it - I laugh bitterly and complain, recalling Scarlet Snow's waist. "Well, it's just my idea, hey.... but I like Scarlet Snow just the same now, me too" "Right," the youth also agreed with the girl's words, who said it was obvious. "So I'll definitely try to keep it, not his orders or anything. - Watch me, Mr. Shadowloon." Beyond the blue sky like it falls out. Now thinking of his late friend, the young man clenched his fist hard. - Watch it, my best friend. I'll do it. Even if this life burns out! "Grandma, this bow totally hits the prize, but isn't it something wrong? A child who stinks of the countryside has a bow and arrow of toys that never hit him, and a prize that matches his target. "Ha ha, boy, you can't blame the bow ~. Some kids just won special prizes" With a frigid laugh, "Wow, I guessed it" and a slightly bar-reading stinky act... and a lord in the open air who seems to rejoice (no matter what you think, you won't be able to physically drop it off the top of the table) and fingers a child (Sakura) who is showing off around, holding a nuigurumi that is as long as his back length. A child who sees it and switches the pennies left to try again, into 10 arrows. Meanwhile, one of the children, who had stuffed the barbecued clay mould on the next plate and painted the replica of the mould made with extremely colored pink, came to show the mould he could. "Grandma, what is this mould going to be? "Which... Uh-huh, there's a crack here, so I guess it's 1,500 points. It might be a little hard to make. Isn't it easier to make a bigger one over here? Exchange your scores for the current score and put them together in 70 copper coins." Around that time, in the rural town of Cilento, a small country in the northern realm, a suspicious merchant who didn't know where, but did it with dark hair finesse and a thin shadow, was doing an inch business with his child and winding up the change. "Sorry, something went off the sidelines. So, why is Shimamura after the control room? "As far as I'm concerned, I thought you were going to take control in some way..." "I wonder if that's how it goes. I'm just fighting all the time." Girl tilting her neck as she lived the sight she saw through the demon of use. "Hmm. That's a strange story, too. If the destination is the control room, we should take some kind of action." - Are you buying time? Second, that possibility came to the mind of the youth. - But for what? Are you coming from anywhere with reinforcements? I look down at the ground thinking so, but there's no abnormality like that. The moving aerial gardens have crossed the Grand Duchy of Youth in the first place, breaking into the depths of the Grawior Empire. Seeing this sight, pieces of pieces that had been torn apart in the youth combined to paint one picture. "Duh, what's wrong, Rapu? "I see what he's after. Hurry up and let Mr. Scarlet Snow know. It's bad! "I'm gonna let you know... no, it's like I'm taking it in there right now? For some reason, with a semi-laughter look, the girl conveys the sight the user demon sees. "Pfft, you finally made me look like this" In a royal position in a huge hallway, Shima looked down at this one with a Doya face and let it twitch like that. "Wow..." I think my face, looking up, was quite a drag. Up to this point, they were scraping their HP so well. Evasive of all the magic unleashed by targeting this one ("E. H. O." and "Eternal Horizon Online" are not targeted rock style, close to shooting games like FPS and TPS, hitting judgment is employed), have them walled in engraving (like this) for wide-area magic, or respond with empty ho (uvula) counter magic. While saying, do muscle boasting posing on the spot. Clearly, it was creepy.

第五話 自縄自縛 『自分は魔法使いとして半端な出来損ないだ』 そういって膝を抱えてうつむいたフィオレ。 そういやギルド内にもこんなタイプのメンバーがいたなぁ。 そのメンバーの場合は好んで生産職を選択してたんだけど、やっぱり生産職って戦闘では足手まといってイメージがあるみたいで、臨時パーティ募集とかに応募しても、けんもほろほろに断られて、中には悪し様に言われることもあったらしい。 けど実際のところは、生産職って意外と硬い(生命力を示すVITが高く)し、腕力だってある(同じくSTRも高い)ので、普通に戦う分には戦闘職と遜色はないと思うんだけどね。ただ、強力なスキルがないから殲滅力に欠けるって一点だけで、戦闘では不遇職に追いやられているけど。 「どうして生産職ってだけでこんなこと言われなきゃならないんだろう...」 と、よく落ち込んでたものなんだけど、本人は楽しい人だったし、ボク自身が非力・紙装甲剣士だったので、二人でよく数時間かけてダンジョン攻略とかやって、楽しかったものだけどねぇ(らぽっくさん一人なら20分で攻略できるダンジョンを2人で2時間半とかね)。 ボクとしてはいちいち他人と比較していてもしかたないと思うし、もっと自分を認めたほうが良いと思うんだけど、口で言っても多分納得はできないんだよねぇ、こういうのって。 そう言ってあげたいけど、そもそもボクと比較して落ち込んでるみたいなんだから、下手な慰めはかえって逆効果になりそうだし・・・。 そのあたりを察したのだろう。クロエが口を開いた。 「ねえ、お嬢ちゃん。あたしゃ魔法はからっきしだけど、あんた少なくとも水と火、それに攻撃魔術まで使えるんだろう?」 「......風と土をあわせた四大元素魔術と、古代語魔術も少しだけ使えます」 だからどうしたという口調で、膝に顔をうずめたままフィオレがぼそぼそと答える。 ひゅう、とクロエが軽く口笛を吹いた。 「その若さでたいしたもんだ。あたしが知ってる魔術師なんざ、1種類か2種類の魔法しか使えなかったのにねえ」 「......でも使えるだけです、実戦では役に立ちません。強力な1種類の魔術が使えるほうがよほど優れています」 「そうかねえ。――ねえ、姫さん。あんた使える魔術は何種類だい?」 「神聖魔術1種類だけだよ」 「――だってさ。それだけの種類の魔法を覚えたんだ、たいした努力と才能じゃないか。もっと自分の努力を誇るべきじゃないかい?」 「実戦でこそ魔術師は認められます。......誰にも認められない才能なんて無意味です」 「それでも、認められたいから努力したんだろう、お嬢ちゃん?」 図星なんだろう。黙り込むフィオレ。 「魔術だって使い方次第だと思うけどねえ。――武術だって地味で愚直な努力の積み重ねでしか強くはなれないんだし。あたしに言わせれば才能だの限界だの言うのは、死ぬ間際にやるだけやって、それでもダメだった時に言うべき言葉だと思うだけどね」 そう言ってこれで話はお終いだとばかりに立ち上がるクロエ。 一方、ボクは話の間ずっと空気だったジョーイを肘でつついた。 「――な、なんだ?!」なぜ顔を赤らめる? ......いや、なんだじゃなくてお仲間としてフォローすべきところだろう? と小声で囁くと、ジョーイは難しい顔で腕組みした。 「いや、なんか話してる内容がよくわからないんだけど」 相変わらず脳ミソがトコロテンだねぇ。 「俺は魔法なんて使えないからな。フィオレは凄くて、大助かりだから、なんで悩んでるのかわかんねー」 あっけらかんとした物言いに、クロエが吹き出し、フィオレも顔を上げて唖然とした顔をした。 何を言われたのかいまだに理解できない、そんな表情だった。 さんざん悩んで、励まされて、それでも納得できないでいたのに、こんな馬鹿馬鹿しいくらい真っ正直に「凄い」「大助かりだ」と手放しで賞賛されて、にわかには信じられないのかも知れない。 けれど。だからこそ、ボクは苦笑して言った。 「――ほら、ね。努力にはちゃんと成果がついてきてるだろう?」 フィオレは泣き笑いのような――だけど嬉しそうな笑みを浮かべて、こっくりと頷いた。 一時の休憩を終えて、持ち直したフィオレともども9階へ降りた。 で、この9階だけど、床や小部屋が砂に覆われていた、これまでの階層から一転して、石造りの重厚な造りの迷路へと変貌したので、後衛のボクとフィオレとでマッピングしながら慎重に進むことにした。 ちなみにボクのスキル『 んで、途中にでてくる石造りのゴーレムはクロエが如意棒で粉砕。 砂で出来たサンド・ゴーレムは、ジョーイも手伝って、ザクザク削って本体の核を探して、これを破壊するという形で倒す――こんな感じで、意外なほど順調に進むことができた。 それと、ここで役に立ったのがフィオレの魔法で、ゴーレムは土系統の魔法で一瞬でも足止め。 サンド・ゴーレムはもっと単純に、水の塊をぶつけて粘性を高めることで、本来であれば物理攻撃が効きにくい体を破壊するのに非常に有効だった。 やっぱり使い方だね。 フィオレもここでの経験でずいぶんと自信を取り戻したみたいだし。 ところが、ここらへんが罠だったみたいで、1時間くらい経過したところで、石の壁や床がガコンガコンと轟音を立てて、まるで積み木を並べ替えるようにして変形をして、気が付いたら入り口のところ。 そして迷路もさっきと全然違う形へと変貌していた。 「......つまり、時間制限つきってことね」 取りあえず相談のうえ、ここのダンジョンはタイムアタックを優先することにして、途中の罠やモンスターはひたすら無視して、出口を探すことにした。 「この中で一番速度と反射神経が良いのは私だと思うので、私が先頭に立つから遅れないでね」 まあ本気で走ったら一瞬で全員を置いてけぼりにしちゃうので、充分に手加減はするけどさ。 そんな感じで、右手の壁に沿う感じで進むことにして、分岐とかで迷いながらも、どうにかトータルで約2時間ほどで9階を突破することに成功した。 そしてボス部屋の10階。 ここは上の階に比べてずいぶんと小さな(と言っても300メートル四方くらいはあるのでかなりの大きさだけど)フロアで、なおかつ全体が一部屋になっていた。 古代エジプトの神殿みたいな柱が立ち並ぶ先、巨大な台座の上にそれに見合った大きさのスフィンクス――ライオンの身体に人間の女性の顔、鷲の翼を持つ怪物――が寝そべっていた。 その台座の向こうに通路が見えるので、おそらくその先に転移魔法陣があるのだろう。 スフィンクスはボクらに気が付くと、気だるそうに顔を上げた。 「ほう、また侵入者か。まったく、最近は眠るヒマもないな」 意外と穏やかな口調で一人ごちつつ、彼女(?)は続けた。 「では、招かざる侵入者たちよ。汝らに問おう。この質問に答えられれば、我の後ろを通って早々と戻るがよい。ただし、答えを間違えれば我の食餌となってもらう」 おや、このパターンってアレ......かな? 「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か?」 思わず顔を見合わせるボクたち。 『......これって、アレだよねぇ』 『......アレだね』 『......有名なアレですね』 なるほどねぇ、ボスが『スフィンクス』ってわかっていれば、戦闘を回避して先に進めるってわけか。 道理で情報が少ないわけだわ。10階にまで来られれば、ほぼ問題なく転移魔法陣を使えるわけだからね。 取りあえず転移魔法陣さえ使えればいいので、無駄な戦闘は回避することでお互いにアイコンタクトで同意し、頷き合うボクら。 そのまま、なんとなく目で促されたので、代表をしてボクが答えることにした。 「答えは、にん「お化け?」」 一瞬早く、首を捻りながら馬鹿な答えをしたジョーイに、スフィンクスも含めたこの場にいる全員の、信じられないものを見るような視線が集中した。 「――間違えたな人間! 汝らは全員、我のエサだ!!」 一転して、怒りの形相も猛々しく立ち上がったスフィンクスが翼を広げ、四肢に力を込めて襲いかかる体勢をとった。 「あれ? 間違えたか...」 ポリポリと頭を掻くジョーイに向かって、 「し......師匠の、馬鹿ーっ!!」 フィオレの本気罵倒の声がフロアに響き渡り――それを合図にスフィンクスが咆哮をあげ、台座のを蹴って上から飛び掛ってきたのだった。

68 Episode Five: Self-Determination "I'm half bad as a wizard." That's how I laid down with my knees, Fiore. No, there were members of this type in the guild, too. In the case of that member, I preferred to choose a production job. After all, the production job seems to have an image when it comes to fighting, and even if I applied for a temporary party call or something, Kanboro refused me, and some of them were told to be bad. But the truth is, production jobs are surprisingly stiff (high VIT indicating vitality), and they have arm power (also high STR), so I don't think there's anything worse than a combat job for fighting normally. It's just one thing to lack annihilation because you don't have powerful skills, though you're being driven into misadventure in battle. "I wonder why people have to say this just because it's a production job..." And I used to be depressed, but I was a fun person myself, and I was a powerless, paper-armed swordsman myself, so we spent a lot of hours together doing dungeon strategies and stuff, and it was fun (like two and a half hours for two dungeons who could attack in 20 minutes if Rapo was alone). As far as I'm concerned, I think I could only compare myself to others, and I think I'd better admit myself more, but I'm probably not convinced by what I say, you know? I'd say so, but you seem depressed compared to me in the first place, so bad consolation is going to be counterproductive... I guess I guessed around there. Chloe opened her mouth. "Hey, lady. I know it's magic, but at least you can use water and fire, and even attack magic, right? "... you can also use only a little of the four elements of witchcraft combined with wind and earth and ancient language witchcraft" So in the tone of what's going on, Fiore answers blurry with her face nodded to her knee. Hiu, and Chloe whistled lightly. "It's a lot at that young age. What kind of magician do I know who could only use one or two kinds of magic?" "... but it's just usable, it doesn't help in action. It's better to use one powerful type of magic." "I don't know. - Hey, princess. How many sorceries can you use? "Only one kind of sacred magic." "-Because. That's all I learned about magic of sorts, isn't it a lot of effort and talent? Shouldn't you be more proud of your efforts? "It is in action that magicians are admitted. ... it's pointless to have talent that no one can recognize." "Still, I guess you tried because you wanted to be recognized, young lady? I guess it's a picture star. Fiore to silence. "I think even magic depends on how you use it. Hey. - Even martial arts can only be strong with a pile of plain and foolish efforts. If I tell you, talent is the limit, and I think that's what you should say when you just do it when you die and you still can't." That's it, Chloe. That's it. I just stand up saying I'm done talking. Meanwhile, I elbowed Joey, who had always been air during the conversation. "- Hey, what?!" Why blush? ... No, it's not what it is, it's where I should follow you as a buddy, right? and whispered in a whisper, Joey armed herself with a difficult face. "No, I'm not sure what you're talking about." As usual, the brain miso is tocorotene. "I can't use magic. Fiore is so helpful, I don't know why he's bothering me." Chloe blew out to the obvious, and Fiore looked up and flashed. I still don't understand what they said, that look on my face. I was worried, encouraged, and still unconvinced, but I'm probably not sure I can believe it when I let go of my praise for being so ridiculously honest and "awesome" and "so helpful". though. That's why I said bitterly. "- Look, right. You're getting good results on your efforts, aren't you? Fiore grinned like a cry - but with a happy grin, she snorted. After a brief break, all the Fiore who brought it back down to the ninth floor. So, on this ninth floor, but the floors and small rooms were covered in sand, which turned from previous hierarchies into a heavily built maze of stone, so I decided to proceed with caution while mapping with me and Fiore in the rear guard. By the way, my skill "Mapping (Auto Mapping)" automatically draws a map of where I walked into my head for a normal dungeon, but with these maze type dungeons, it had specifications that would take a limiter, and that survived coming to this world.... something that you can't use in a totally weird place. Mm, the stone golem that comes along the way is milled by Chloe with the stick of his will. Sand Golem, made of sand, also helps Joey, scrapes the crust and searches for the core of the body, knocking it down in the form of destroying this - something like this, which was able to go surprisingly well. And it was Fiore's magic that came in handy here, and the Golem stopped even for a moment with the magic of earthlineage. Sand Golem was more simply very effective in destroying bodies whose physical attacks would otherwise be less effective by bumping up chunks of water to increase viscosity. I knew it was a way to use it. Fiore seems to have regained a lot of confidence in my experience here, too. But it looks like this one was a trap, and after about an hour, the stone walls and floors made a roar with Gacon Gacon, deforming it as if they rearranged the building blocks, at the entrance when they noticed. And the maze had just morphed into a completely different form. "... I mean, time is limited." After consultation in the meantime, the dungeon here decided to prioritize time attacking, ignoring even the traps and monsters along the way, and looking for an exit. "I think I'm the one with the best speed and reflex nerves in this, so don't delay me because I'll be at the forefront" Well, if I really run, I'll leave them all alone in a flash, so I'll give them enough credit. In that way, he decided to proceed along the wall of his right hand and managed to break through the ninth floor in about two hours in total, even though he was lost in a branch or something. And the 10th floor of the boss room. This place was a lot smaller than the upstairs (though it's pretty big because it's about 300 meters square), and yet the whole thing was in one room. A pillar like an ancient Egyptian temple lined up, a sphinx the size that matched it on a huge pedestal - a human woman's face on the body of a lion, a monster with eagle wings - lay asleep. I see a passage across that pedestal, so there's probably a transfer magic formation ahead of it. Sphinx looked up as he noticed us. "Well, another intruder? No, I haven't been sleeping lately." While one of you in a surprisingly gentle tone, she (?) continued. "Then, the uninvited intruders. I will ask you. If you can answer this question, you can go through behind me and return early. But if I get the wrong answer, I'll have it as my food." Oh, is this pattern arr...? "Four legs in the morning, two in the day, three at night. What is this? Unexpectedly look at each other. '... this is me, isn't it' "... that's it" "... you're a famous arr" I see, if the boss knew 'Sphinx', you mean to dodge the fight and move on? That's why we don't have much information. If we can get to the 10th floor, we can use the Transition Magic Team with almost no problem. As long as we can use the Transfer Magic Formation for now, wasted battles agree with each other in eye contact by avoiding them, and we snort at each other. As it was, I was somewhat prompted by my eyes, so I decided to represent myself and I would answer. "The answer is," Haunted? Early for a moment, Joey, who gave a stupid answer with a twist on his neck, focused his gaze on seeing the incredible things of everyone on this scene, including Sphinx. "- You made a mistake, human! You are all my bait!!" Turning around, Sphinx, who also rose violently in angry shape, spread his wings and took a position where he attacked with force on his limbs. "Is that it? Wrong..." toward Joey scratching his head with Polypoli, "Shh... Master's, stupid!!" Fiore's genuine curse echoed on the floor - it was Sphinx roaring at the signal, kicking the pedestal's and jumping from above.

ともう3日も連絡が取れないんだよ!」 「......はあ、そうですか」 この世の終わりのような表情をしている緋雪を前に、侯爵なんぞという地位を与えられ、『禁断廃園』と呼ばれる大陸中央に位置する広大な私有地の管理人を任されている かく言う稀人自身もここ五十年ほどは、本国よりもこちらで過ごしている時間が多い。まあ、理由としては割りと緋雪が顔を出す機会が多く、今日のように余人を交えずに会話ができるからとか、気に入った人間や住人が住む街が近くになるからとか、たまにふらりと大陸の各地に足を延ばせるからとか......様々な理由はあるが。 それはともかく、ここのところしばらく......と言っても数ヶ月ほどだが、顔を出さなかった緋雪がやって来て最初にこぼしたのが、最大の恋敵に関する愚痴である。 稀人でなくても白けた反応になろうというものだ。 ちなみに永久の命を持つ本国の魔物たちは、年数による時間の経過にはけっこう無頓着である。そのあたりは限られた寿命で生き急ぐ人間とは感性が違うのだろう。 「......なにが可笑しいのかな、君は? 人が真剣な悩みを抱えているというのに」 ふと気が付くと、緋雪がジト目で睨んでいた。 「あ、いえ。違いますよ、ちょっと他の事を考えていただけで、別に姫の悩みを蔑ろにしていたわけでは――」 「上の空の時点で、充分に蔑ろにしていたような気はするけどねぇ。どうせ女の子のことでも考えていたんだろう。例の雑貨屋のアレに遊び感覚で手を出したら、いくら君でも赦さないからね」 「そんなことはしませんよ。第一、俺の本命は永久に姫様ただお一人ですから」 「説得力のない言葉だねぇ。まあ、兎に角、アレともう一人の娘は私にとって紫苑同様、私の子供のようなモノなので手を出さないこと、じゃないと酷い目にあわせるよ。いいね?」 「はいはい。わかってますよ――って言うか、酷い目って具体的にはどんなことですか?」 特に考えていなかったらしい。 「.........」 考え込んだ緋雪は、しばし呻吟していたが。 「......えーと創作話が好きな の広報担当官のバンシーで、別名『ザ・プロパガンダー』或いは『芯まで腐った女』と呼ばれ恐れられている存在である。 なぜ味方にまで恐れられているかと言うと、趣味が漫画を描く事で、大好物が「男同士の禁断の友情を描くもの」と公言してはばからないからである。 それを今回は解禁するという。 「ちょ――っ、ちょっとそれ洒落になりませんよ! やめてください!!!」 本気で嫌がったのがわかったのだろう。 「わかればいいんだよ、わかれば」 案外あっさりと引いてくれたのに、心底安堵して稀人は心からため息をついた。 「その話はやめましょう。それで、王子の件でしたか? たかだか三日くらい連絡がないくらいで、それほど心配することはないと思いますけれどねえ」 まして潜在能力だけなら、この世界の支配者である目の前の少女を遥かに上回る能力の持ち主である。心配するだけ損だと思うのだが。 「......そりゃ、私だってちょっとは過保護かなぁ、とは思うけれど。今回、紫苑が向かった先が、いまだ謎の多い『未確認大陸』だよ。何があるか確認のしようがないじゃない」 拗ねた様な焦った様な顔で俯く緋雪の愛らしい姿に、猛烈な庇護欲を駆られた稀人が、思わず抱き締めようと両手を広げかけたところで、 お目付け役として同行していた、いつものメイド服姿の 「......そ、そうですね。確かに心配ですね。確かあの大陸には得体の知れない結界が張られているんでしたっけか?」 「うん、そうなんだ。目には見えないけどドーム上の結界があって、能力が高いものほど顕著に効く......具体的に言うと、能力が制限されて弱体化する上、無理に魔力を放つと反動がくる。それも能力に比例するので、高レベルの者ほど弱体化したり、自爆する可能性が高い」 「厄介な結界ですね。円卓の皆様の力でもどうにもならないんですか?」 水を向けられたと思ったのか、命都が一歩前に出てきた。 「難しいですね。外側から術自体を中和したり、力技で解除するのは施術者でなければ無理でしょう。――まあ、大陸ごと消し飛ばせといわれれば可能でしょうけれど」 緋雪も苦笑いで続ける。 「さすがにそれは最後の手段にしたいからねぇ」 それでも最後の最後になったら、やる気なんですね、と思った稀人だったが、ここでツッコミを入れると、自分を比較的常識人と疑いもなく信じているらしい緋雪の機嫌を損ねそうな気がしたので、適当に思いついた質問に切り替えた。 「施術者ですか......蒼神の置き土産でしょうかね?」 「可能性は高いと思うけど、なんとも言えないねぇ。それにしては微妙にスケールが小さい気がするし」 「さあ? なんか帝都で冒険者と知り合いになったらしいんだけれど、その冒険者がどうも 「それで未確認大陸ですか。そういえば奴の最後の消息もあそこでぷっつり切れてましたね」 「知ったのは随分と後になってからだけどね」 まあ、当時は慣れない子育てで悪戦苦闘していたので、それどころではなかったのは家臣のものであれば知らない者はいない事実である。 「奴らしいというか......そうすると、王子は単独で それなら戦力的にかなり安心かな、と稀人は胸を撫で下ろした。 「まあ、心配されるお気持ちもわかりますが、たかだか三日ですし、あの二人ならケロリとして戻ってきますよ」 「......だったらいいんだけど。問題は最後の連絡の言葉が妙でねぇ」 「『見つけた! 見つけましたよ、彼を!』という興奮した声を最後に、念話も使い魔も 深刻な事態を前に驚くより先に、稀人は顔色を変えた。 「ちょっ――ちょっと待った! 『見つけた』って、まさか奴を見つけたわけじゃないですよね!?」 「そこまではわからないけれど、あの興奮の様子は尋常じゃなかったね」 「いや、だって......あれから百年以上ですよ!? 仙化しているオリアーナ女帝はともかく、普通の人間が生きているわけがないでしょう?! ましてや未開の大陸で!」 興奮する......というよりも混乱して、自分に言い聞かせるように喋る稀人を前に、緋雪も困惑した様子で首を捻った。 ジョーイですからねえ。可能性はゼロでない気がします」 「「う~~む......」」 揃って腕組みをして眉根を寄せる。 そんな二人の苦悩とは無関係な世界で、命都は穏やかな笑みを浮かべているのであった。 大陸はある意味、今日も平和である――。

"I haven't heard from Ziyuan in three days! "... oh, is that right" Before Scarlet Snow, who has the expression of the end of the world, the rare man (barely), who is given the status of Marquis and entrusted with the stewardship of a vast private property located in the centre of the continent called the 'Forbidden Abandoned Park', struck the right gavel. The rare people themselves have spent more time here than in their home countries over the last fifty years or so. Well, the reason is that cracks and scarlet snow have a lot of opportunities to show their faces, because we can have conversations without exchanging extras like we do today, or because the city that people and residents like will live in will be nearby, or because we can occasionally stretch our legs around the continent fumbling...... for various reasons. Anyway, for a while here...... a few months or so but the first time Scarlet Snow came and spilled that it didn't show its face is stupidity about its biggest lover. You don't have to be a rare person to have a white reaction. By the way, the demons of the country with permanent life are so indifferent to the passage of time due to age. I guess the sensibilities around it are different from those of humans who live and rush for a limited lifespan. "... what's so funny, you? People have serious problems." When I realized, Scarlet Snow was staring at me with Zito's eyes. "Oh, no. No, I was just thinking about something else. I didn't mean to scorn the princess's troubles." "As of the sky above, I feel like I've been scorning you enough, but hey. I guess I was thinking about the girl anyway. If you get your hands on a grocery store like this with a sense of play, you won't forgive me." "I won't do that. First of all, my destiny is forever princess, because I'm just one of you." "That's an unconvincing word. Well, the horn on the rabbit, the alley and my other daughter are like purple gardens to me, so don't get your hands on them because they're like my kids, or I'll catch a terrible eye. Like?" "Yes, sir. I know. - I mean, what exactly does a terrible eye mean? He didn't particularly think about it. ......... Scarlet snow, thinking of it, groaned often. "... in response to the whistle blowing (groaning) interview, which I like to talk about creatively, I'll make a book about you and distribute it at the next summer's event." By the way, whistling is Banshee, a public relations officer for Imperial Crimson in the Crimson Empire, also known as The Propagander or The Woman Rotten to the Core, and feared. Why are you even afraid of your allies, because your hobby is to draw comics, and your favorite thing is to publicly proclaim "what depicts forbidden friendships between men". He said he would lift the ban this time. "Hey - hey, that won't go out of style! Please stop!!! I guess I found out you really hated me. "You just have to know, if you know what I mean" Outreach Even though he pulled it off lightly, the rare man sighed heartily with heartfelt relief. "Let's not talk about that. So, was it about the prince? I just haven't heard from him in about three days, and I don't think he'll be so worried." If only the potential, he is the owner of the ability to far surpass the girl in front of him, the ruler of this world. I think it's a loss just to worry. "... well, I wonder if I'm a little overprotective, too. This time, Purple Garden headed for the mysterious' Unconfirmed Continent '. We can't wait to see what's in there." A rare man, driven by a fierce desire for asylum, looked adorable of scarlet snow leaning down with his obstinately hurried face, where he unwittingly spread his hands in an attempt to cuddle. The usual made-up angel (Seraphim), who accompanied him as a patron, subtly controlled it. "... right. Sure, you're worried. Was it true that that continent was stretched with inexperienced ties? "Yeah, it is. It's invisible, but there's a bond on the dome, and the more capable it works the more pronounced it is... Specifically, if you force magic to release it, the more limited and weakened your abilities, the recoil will come. It's also proportional to ability, so the higher the level, the more likely it is to weaken or self-destruct" "That's a nasty junction. Can't it be helped by the power of everyone at the round table? You thought they pointed the water at you, the life capital came out a step ago. "It's hard. It would not be possible to neutralize the procedure itself from the outside or disarm it with force moves unless the practitioner. - Well, it would be possible if you told me to erase every continent." Scarlet Snow also continues with a bitter laugh. "Exactly, because I want it to be a last resort." Still, at the end of the day, you were motivated, which I thought was a rare person, but when I put a scratch in here, I switched to the question that I appropriately came up with because I felt like I was going to undermine Scarlet Snow's mood, which seems to believe me relatively unquestionably as a commonsense person. "Are you a practitioner... are you a souvenir of the Aoshi God? "I think it's likely, but I can't say anything. And I feel subtly small scale." "Come on? I heard you got to know an adventurer in Imperial Capital, but that adventurer sounds like a descendant of that (...) Joey. When he talked about Joey as he was asked, he seemed interested in something and followed his footsteps..." "So is it an unidentified continent? Speaking of which, you ran out of last word on him over there." "Not long after I found out, though." Well, I was struggling badly with unfamiliar parenting at the time, so it is a fact that no one would know if it belonged to a minister who wasn't. "Sounds like him... then the prince is alone on an unidentified continent (over there)? Then the rare man stroked his chest down, feeling rather relieved in combat. "Well, I know what it's like to be worried, but it's just three days, and those two will come back as a cherry." "... I hope so. Problem is, the last word I heard was strange." "'I found it! I found him, I found him! Finally, the excited voice said," I can't even get the Devil's Eye bypass. " Before surprise before serious matters, the rare man changed his complexion. "Hey - wait a minute! 'Found' didn't mean you found him, did you?!?" "I don't know that much, but that excitement wasn't normal." "No, because... it's been over a hundred years since then!? Regardless of the immortalized Empress Oriana, there's no way a normal human being would be alive?! Not to mention on an undeveloped continent! More confused than excited... Scarlet Snow also twisted her neck in a bewildered manner before a rare person who spoke to tell herself. "... Indeed. That (,) is Joey, so hey. I don't think it's a zero possibility." "" Uh-huh... " Align, arm and frown root. In a world unrelated to those two miseries, the capital of life had a calm grin. The continent is, in a way, still peaceful today -.

第十六話 剣王無慙 「うおおおおおっ!! 蒼神、貴様よくも!!!」 血反吐を吐くような絶叫を放つらぽっくだが、その両手はまるで別人が操っているかのように正確無比に動き回り、次々とその手に持つ剣に必殺の光を纏わせる。 一連の動きを淀みなく繰り返した彼は、最後に両手でしっかりと愛剣にして、 「――メテオ・バニッシャー!!」 自身のHP・MPの半分を犠牲にする代わりに、相手の防御・HPに関わらず3分の1の確率で それが蒼神目掛けて炸裂した!! この技のこれまで成功した最高は、かつて ――斃した!! 相手の命脈を断ち切った確かな手応えを感じ、らぽっくの顔に笑みが広がる。 だが―― 「無駄だ」 どこか気だるい声と共に、薄い膜のようになった火柱を断ち割って、巨大な刀身が横薙ぎに繰り出されてきた。 「くっ――!」 反射的に『絶』他9剣を盾にしたらぽっくの身体が、氷を砕くような音と共に軽々と弾き飛ばされ、同時に粉砕された9剣の刀身がボタン雪のように周囲に降り注ぐ。 がらがらと壊れた宮殿まで飛ばされたらぽっくの身体の上に、崩れた瓦礫が折り重なる。 「......くそ......」 折れた愛剣『絶』を杖代わりにして、瓦礫を払い落としながらよろよろと立ち上がるらぽっくだが、先ほどのスキルの反動とカウンターを受けて、そのヒットポイントは 「なんなんだ、その剣は......?」 かすむ目でほとんどダメージらしいダメージを負っていない(ローブに穴が開いている程度)蒼神と、『絶』を含む9剣を一撃で粉砕した剣とを見比べる。 「......完全にゲームバランスを崩してるじゃないか。そんなチートな武器が、本当にゲーム内に存在していたのか?」 驚愕よりも当惑の顔で唸る。そのらぽっくの問い掛けに、蒼神は軽く肩をすくめた。 「当然、お前達は知らんだろう。本来が その言葉に、固まるらぽっく。 「GMだと?! まさか、お前――!?!」 「......どうでもいいことだ」 彼の狼狽を無視して、ローブの下から先ほど握り潰したものと同じ命珠――ただしこちらは内部に白銀色の炎が揺れている――を取り出し、足元へ転がした。 「時間稼ぎにもならなかったな」 無感動に呟いてコロコロと転がる命珠目掛けて、 「――くっ。すまんタメゴロー......」 文字通り刀折れ矢尽きた状態のらぽっくが、倒れ伏した彼女の死体を見て奥歯を噛み締めた。 「なんの真似だ皇帝?」 らぽっく、オリアーナともにその場から一歩も動けないで居た、死屍累々たる屠殺場のような戦場の只中に、まるで散歩中のような悠然たる足取りで進み出た皇帝ヴァルファングVII世が、転がっていたらぽっくの命珠を、ヒョイと抱え上げた。 「......無駄なこと。この距離であれば、貴様如き命珠諸共塵一つ残さず消し飛ばせる」 だが、明確な死を前にしても彼の表情は微塵も揺るがない。 それは豪胆だからではない、彼にとって生も死も等価値であるが故に、生を望まず、また自ら死に至る事もない、だから何の気負いもなくその場に立っていることができるのだった。 「お......」 その背中に必死に呼びかけようとするオリアーナだったが、それは声にならない嗚咽となった。聡い彼女には、もう全てが手遅れなのが理解できた――できてしまった。 「くだらんくだらん。実に無価値で不完全だ、お前等は」 そんな彼に向かって朗らかに――いっそ勝利者のような笑みを浮かべ――皇帝が告げる。 「貴様っ――――貴様ァァァ!!」 怨嗟に満ちた叫びがフードの奥から漏れる。激情に任せてその剣を振り抜きたい思いと、それをすることで彼の思惑通りに事をなす手助けをするという理性の狭間に立って、剣先がブルブルと震えた。 「――では、頼んだぞ」 その僅かばかりの躊躇いの瞬間に、皇帝は手にした命珠を、らぽっくの方へと放り投げた。 その後の一連の出来事は、オリアーナにとってまるで音のない夢を見ているようだった。 僅かに舌打ちした蒼神が巨大な剣を振るい。 振り返った父皇帝が微笑み。 幻のようにその姿が消え去り。 満身創痍のらぽっくの胸から赤い髪をした天使が飛び出し。 空中にあった命珠を素早く掴んで両手で携え。 翼を力の限り振り一直線にその場から離れる。 たちまち小さくなるその背中に向かって蒼神が剣を振るった。 見えない刃が残っていた王宮の屋根を吹き飛ばす。 避けようとした天使の背中が柘榴にように裂け片羽根が千切れ飛ぶ。 そのまましっかりと身体で命珠を抱いたまま天使が落ちた。 その後を確認する暇もなく、呆然と立っていたオリアーナと傍らの地面に横たわっていたタメゴローの死体とを無理やり抱えると同時に、らぽっくが蒼神に背を向けて駆け出した。 気が付いた蒼神が追撃しようとしたところで、 「――むっ」 地面を割って折れた9剣が同時に襲い掛かってきた。 土煙がもうもうと立ち上り視界を塞ぐ。 「小細工を」 間を置かずに残った9剣の柄の部分を全て破壊したところで、らぽっく達の姿が完全に見えなくなっているのに確認して、蒼神は不快そうに鼻を鳴らした。 それからフードの下、首を巡らせ命珠が落ちたあたりを眺め、独りごちる。 「手応えはあった。なら程なく を再び懐へ仕舞うと、そのままその場で踵を返した。 その身体が青い光の膜に包まれると、 自分で口に出した言葉に、微かに背中を震わせる蒼神。 「“賭け”か。久しく使わなかった言葉だな」 その背中が ◆◇◆◇ 城の客室に寝せられたらぽっくさんが語る内容に、全員が ちなみに門は無差別に使えない様に、前もって登録してある何人かが起動呪文を唱える必要がある。 「そういえば皇女様は......?」 「無事だよ。いまは親族がついて別室で休ませているよ」 「そうですか。親族がいたんですか。よかった......」 肩の荷が下りた表情でため息をつくらぽっくさん。それから、はっとした顔でボクに向かって頭を下げた。 「すみません、ご迷惑をかけて。本来なら緋雪さんに顔向けできる立場ではないですけど」 「気にしないで良いよ。しまさんの時にはこっちもお世話になったしね」 「そうそう、昔のことは水に流すっちゅうことで。番頭さんも反省してますから」 ひょいと顔を出した影郎さんが、他人事みたいにボクの肩を気安くぽんぽん叩きながら言う。 『お前が言うな!』と、ツッコミを入れたいところだけれど、その前にらぽっくさんが、影郎さんの顔を見て幽霊でも見た表情になった。 「――なっ...なんでお前が生きてるんだ?!」 「いや~っ、反応が初々しくていいですなぁ。やっぱりこうでないと」 してやったりの表情を浮かべる影郎さん。きっとこれがやりたいがために、ずっと出番を待ってたんだろうねぇ。 「まあ話せば長いんですけど、実はお嬢さんがお二人に渡した薬...吸血鬼化に必要な神祖の血を、あん時に自分も服用してまして、そんなわけで現在吸血鬼ですけど、元気に生きてます」 「.........」 続く言葉が見つからないという風に絶句したらぽっくさんだけど、じわじわと喜色が浮かんできた。 「じゃあ、同じく命珠を壊されたタメゴローも復活するんですね?」 「いまのところ唯一の成功例だけど、他に実例がないからねぇ。通常の眷属化でも100パーセント成功するわけでもないから、安請け合いは言えないね」 「わかってます。ですが、成功する可能性があるのを知っただけでも救われました」 「まあ結果が出るまでに3日3晩くらいは掛かると思うよ」 ボクの言葉になぜか暗い顔をするらぽっくさん。 「3日ですか。では、その時俺は確認できませんね」 「なんでさ?」 「俺の命珠は、多分まだ帝都に転がっている筈ですからね。程なく虚霧に飲み込まれるでしょう」 「ほほう。なら番頭さんも自分の仲間になるわけですな。無事に眷属化したあかつきには、取って置きの血を一升瓶丸ごとプレゼントしますで。ほとんど手をつけてませんからな」 その中身に身に覚えのある天涯が、あらぬ方向へと視線を逸らす。 楓 のことでも緋雪さんに謝らないといけませんね。すみません、俺の力足らずで」 「いいえ、ラポック様。妹は最後の最後まで主の為に働けて幸せだったと思います。どうかお顔を上げてください」 と、その時に同時に捕獲して引き続きボクの従魔をやっている、姉に当たる天使の 長い髪をポニーテールにしている以外、外見上楓と見分けが付かない彼女の顔をじっと見て、らぽっくさんは無言のまま頭を下げた。 「......それとお願いなのですが」 頭を上げたらぽっくさんが再びボクの方を向いた。 「多分、あと何時間かで俺の命珠は壊れると思います。それで、もし...もしも俺が居ない間に、タメゴローが復活できなかったら、俺のこともそのまま眠らせてください。お願いします」 らぽっくさんの言葉に影郎さんが口を尖らす。 「なんや、イケズですなぁ番頭さん。お嬢さんの為に頑張ろうって気概はないんでっか?」 「......すまないとは思います。ですが、逆の立場ならタメゴローも同じ事を言ったと思いますから」 揺るぎのないその瞳に、こちらとしては「はい」と言うしかなかった。 「まあ仕方ないですな。その時には、自分がしっかりとトドメ刺しますんで、安心して往生してください」 「......気のせいか随分と嬉しそうに見えるが」 嘯きながら、らぽっくさんの枕元に次々と武器を並べていく影郎さん。 「取りあえず吸血鬼化も含めて後の処理は自分がしますので、お嬢さんは皇女様の見舞いでも行った方がいいんと違いますか?」 影郎さんの好意――だよね?知人を手に掛けたりする汚れ仕事を率先してやろうという気遣いだよね?――に甘えることにして、ボクは一度オリアーナの様子を見に行くことにした。 クリストフ君が傍についている筈だけど、女の子同士(?)傍に居た方が心強いだろう。 「番頭さん。首刎ねるのと、心臓ぶち抜くのとどっちが好みですか?」 「お前、本当は本気で楽しんでるだろう?!」 部屋を出る時に聞こえた遣り取りに懐かしさを覚えながら、ボクは天涯たちを伴って廊下に出た。 それから一面ガラス(に似た強度の高い謎物質)越しに、常に闇に覆われている空中庭園の空を見上げた。 この空の向こう。大地の上では蒼神が世界を無に帰そうとしている。 そしてその狙いはやはりボクらしい。 彼の言うことがどこまで本当で本気なのかはわからないけれど、確実にボクを誘っているのは確かだろう。 「負けっぱなしってのも悔しいかな......」 「――は? なにか?」 自然とこぼれた呟きを聞きとがめた天涯に、なんでもないと答えてボクはオリアーナの休む客室目指して歩みを進めた。

136 Episode Xvi: Sword King No "WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!! Rapunzel emits a scream that exhales blood reflexes, but those hands move around in an unparalleled manner, as if someone else were manipulating them, wrapping a special light around the sword in their hands one after the other. Repeating a series of moves without precipitation, he finally firmly made it into a love sword with both hands, the strongest during "E. H. O." and "Eternal Horizon Online" - only dropping extremely from the Level 120 Massive Combat (Reid) class monster. With all the numbers he succeeded in strengthening the Demon Sword over the player-made weapon eight more times - clenching the Great Sword (Great Sword), the Miracle Sword, and keeping the remaining eight swords afloat around him, he was slashed with all his might by the Ethereal God, standing at the center of the rapidly weakening flame - the remnants of Tamegoro's creation. "- Meteo Banisher!! Instead of sacrificing half of your HP/MP, your opponent's Defense/HP has a one-third chance of dealing a fatal injury (Critical Hit). Original skill that can only be used by Rapoku, which was originally made possible by dealing with a single skill of only one sword, "Deep Righteous Juggernaut", at the same time as 9 swords. That burst in the face of the Ethereal God!! The highest success of this move to date is the only major record of seven consecutive criticals, once made when he killed the massive combat (Reid) class monster Yog-Sotos. But whether the dead Tamegolo took his side, or his own temper had taken over, the moves he had just unleashed at this moment had felt a critical response that exceeded that record as well. - I shot him!! He feels a definite response that has severed his opponent's life, and a grin spreads on his lappy face. But... "No use." Somewhere with a whimsical voice, he broke the firepillar, which had become like a thin membrane, and a giant sashimi rolled out into the horizontal girdle. "Come on -!" Reflectively 'stunned' and 9 other swords as shields, a puffy body is gently bounced off with the sound of crushing ice, and at the same time a crushed 9 sword body pours around like a button snow. When they fly up to the rugged palace, the crumbling debris folds over their puffy bodies. "... damn..." Using the broken sword of love 'stunning' instead of a cane, he stood up loosely while paying off the rubble, but with the recoil and counter of his earlier skills, that hit point was entering a dangerous area (red zone). "What is that sword...? Compare Aoshi, who has barely taken any damaging damage with blurred eyes (to the extent that there is a hole in his robe), with a sword that crushed nine swords in one blow, including "extinction". "... you're totally out of game balance. Did such a cheesy weapon really exist in the game? roaring with a more bewildered face than stunned. To those lappy inquiries, the Ethereal God gently shrugged his shoulders. "Naturally, you don't know. It's a weapon for the Game Master (GM)." To that word, it hardens and pounds. "GM?! No way, you -!?!" "... it doesn't matter" Ignoring his wolf, he took out the same beads of life he had just crushed from under the robe - but this one had a silver flame swinging inside - and rolled them to his feet. "You didn't even buy time." Untouched groaning and rolling beads of life, he turns to the sword tip of the divine sword (Amadeus). "- Knock. Sorry Tamegoro..." Literally with a broken knife and an arrow exhausted, he looked at her body, falling and lying down, and bit his back teeth. "What imitation, Emperor? Lappy, unable to move a single step from the spot with Oriana, the emperor Valfang XVII, who entered in the midst of a battlefield like a slaughterhouse full of corpses, at a gentle foothold as if walking, lifted the pompous bead of life, with a leopard, if it were rolling. "... wasted. At this distance, you can erase the beads of your life without leaving any dust behind." But even before his unequivocal death, his expression does not waver with fine dust. It is not because it is audacious, for him life and death are of equal value, but therefore he does not want life, nor will he die himself, so he can stand on the spot without any feelings. "Oh..." It was Oriana trying desperately to call on its back, but it became a whimper without a voice. Satirical to her, I could understand that it was all too late - I could. "Crap, crap. It's really worthless and incomplete, you guys." Running at him like that - smiling like a winner at me - the emperor tells me. "YOU - YOU ARE!! A grudging scream leaks from the back of the hood. The tip of the sword shook with a blurb, standing between the desire to leave it to the passion to wield out the sword and the rationality of helping him do what he thought he would do by doing it. - Well, I asked for it. In that slight moment of hesitation, the emperor threw the bead of life in his hand towards Lappuch. The series of events that followed seemed like a sound free dream for Oriana. A slightly tongued Ethereal God waves a giant sword. My father, the emperor, who looked back, smiled. Its appearance disappears like an illusion. A red-haired angel pops out of his full-bodied, creative, lazy chest. Grab the bead of life that was in the air quickly and carry it with both hands. Swing your wings as far as you can away from the spot in a straight line. The Ethereal God waved his sword toward its back, which would soon become smaller. Blow up the roof of the royal palace where the invisible blade was left. The angel's back, which he tried to avoid, rips like a grenade. One blade flies a thousand slices. The angel fell holding the bead of life with his body firmly as it was. There was no time to check afterwards, forcing Oriana, who stood stunned, to hold Tamegoro's body lying on the ground beside him, while Lapoku turned his back on the Ethereal God and ran out. I noticed that the Ethereal God had just tried to chase me, "- Mmm." Nine swords broken by breaking the ground struck at the same time. Soil smoke will soon rise and block sight. "Little worker." I had just destroyed all the 9 sword patterned parts left without putting them between, and even though I was completely blind to the Lapoku and the others, Aoshi sounded his nose uncomfortably. Then under the hood, circle your neck and look around where the life beads fell, and be alone. "I had a response. Then it will soon be swallowed by a fog. At best, we can inject you into Scarlet Snow." When Amadeus returned to his nose, he turned his heel back on the spot. When his body was wrapped in a blue membrane of light, a fog broke up into two parts, like a white path. Ethereal god slightly shivering his back at the words he put in his own mouth. "" Bet "? That's a word I haven't used in a long time." His back disappeared into the fog. * * * * If I could sleep in the castle room, everyone would listen to what Pokkusan said without coughing. By the way, some people who have registered in advance need to cast an activation spell so that the gates cannot be used indiscriminately. "Speaking of which, the Empress...? "I'm fine. I have relatives to rest in separate rooms now." "Really? Did you have any relatives? Good......" A lot of sighing with a shoulder load down look. Then he lowered his head toward me with a stiff face. "Sorry for the inconvenience. I'm not in a position to face Mr. Scarlet Snow." "Don't worry about it. Thank you for your help when Shima was here." "Yeah, well, back in the day, by flushing it all over the water. The warden is also reflecting." Shadowloon, who has just turned up, says as he slaps Bo's shoulder casually like any other HR. "Don't you say that! 'And although I'd like to put in a scratch, Lapokusa before that, I saw Shadow Lang's face and it turned out to be a look even a ghost saw. "- So... why are you alive?! "No, I hope the reaction is initial. I knew it had to be like this." Mr. Shadowloon with the look on his face. I'm sure this is what I want to do, but I've been waiting for you to turn up. "Well, it's a long story, actually, the medicine that your daughter gave you both... she was taking herself the blood of the divine ancestors needed to vampire, and that's why she's currently a vampire, but she's alive and well" ......... When I was stuck in the wind that I couldn't find the words to follow, I pounded, but the twitching and joy came to me. "So Tamegoro, who was also destroyed by the bead of life, will be resurrected, right? "It's the only success story so far, but I don't have any other examples, so hey. I can't tell you how cheap I am because I'm not going to succeed in being a regular family member or 100 percent." "I know. But it saved me just knowing it could be successful." "Well, I think it'll take about three days and three nights for the results to come out." Lots of lappy faces in my words for some reason. "Is it 3 days? Then I won't be able to confirm." "Why? "My life beads are probably still rolling in the Imperial City. You'll soon be swallowed by the fog." "Ho. Then Mr. Warden will be one of his own. Once you have been safely placed in your family, you will receive a full bottle of blood. I barely got my hands on it." A heaven remembered in its contents shifts his gaze in an unexpected direction. Maple is the angel of Lapokushan's submissive demon. Originally, I was a rare individual and succeeded in capturing two at the same time. At the time, I had a history of giving one away to Lapokushan because it was a cultivation of other submissive demons or something. "Speaking of maple, I have to apologize to Mr. Scarlet Snow. I'm sorry, I'm running out of power." "No, Master Rapok. I think my sister was happy to work for the Lord until the end. Please raise your face." and the angel's (mojo), which hits my sister, who captures at the same time and continues to do my obedience, moved forward. Staring at her face, which was indistinguishable from maple on the outside, except for her long hair being ponytailed, Rapokusa bowed her head silently. "... and please" When I lifted my head, Pokusa turned to me again. "Maybe in a few hours my life beads will break. So, if... if Tamegoro can't come back to life while I'm gone, just let me sleep. Please." Shadowloon pointing his mouth at Lapokusan's words. "Oh, my God, you're a good-looking man, Mr. Warden. Don't you have the temper to work hard for your daughter? "... I don't think I'm sorry. But on the contrary, I think Tamegoro said the same thing." To those unwavering eyes, as for this one, I had to say yes. "Well, you have no choice. At that time, you'll stab yourself in the face, so don't worry." "... you look so happy because of your mind." Shivering, Mr. Shadowloon lines up his weapons one after the other on Lapokusan's pillow. "In the meantime, I'll handle it later, including vampirization. So isn't it better for your daughter to go even in the presence of the Empress? Shadow Lang's favor. - Right? It's my concern to take the lead on the dirty work of hanging acquaintances, isn't it? - I decided to sweeten them up and I decided to go check on Oriana once. Christophe, you should be by your side, but the girls are with each other (?) It would be more comfortable to be by your side. "Mr. Keeper. Do you prefer a neck rub or a heartbeat? "You're really gonna be having fun?!" I went out into the hallway with the Heavenly Fathers, remembering the nostalgia I heard when I left the room. Then over one side of glass (a mysterious substance of similar intensity to), he looked up at the sky in the air garden, always covered in darkness. Beyond this sky. On the earth, the Ethereal God is about to return the world to nothing. And the aim still seems to be me. I don't know how true and serious what he says, but I'm sure he's inviting me. "I also regret not losing..." "- What? What? Hearing a natural and spilled whine, Bob walked toward Oriana's resting room, answering nothing.

第十四話 真紅帝国 聞きなれた足音が部屋の前で止まり、一呼吸置いて部屋の扉が開いた。 その人物――逆光になって詳細は見えない影だが、ひと目見ただけで、カルロにはそれが待ち望んでいた相手だとわかり、椅子に腰掛けたまま淡く微笑んだ。 「――おかえりなさいませ殿下。間に合わないかと思っておりました」 「悪いな、ここに来るまで誰彼かまわず襲ってくる馬鹿が多くてな」 懐かしい、それでいてつい先ほどまで聞いていた気がする声に、カルロはそれだけで泣きたくなる気持ちで胸が一杯になり、続く言葉が出なくなってしまった。 「それにしてもお前、全然驚いていないな。他の連中は幽霊でも――まあ、あながち間違いじゃないが――見たような面をしてたもんだが」 そう言われてカルロはより笑みを深めた。 「......外の様子はどうですか?」 「ん? ああ、略奪は一段落して現在は生き残りの王族や貴族、関係者の公開処刑中ってところか、そのうち火をつける馬鹿も出てくるだろうから、 他人事のように言いながらも一抹の寂しさが伝わってくるその声音に、カルロは目を細めた。 「それは良かった・・・いや、やはり残念ですね」 「なんだそりゃ? どっちなんだ?」 「・・・残念なのは、私と殿下との思い出の場所がなくなってしまうこと――」 その一瞬、お互いの胸に去来したのは、幼き日からの思い出の数々だった。 全てが輝いていた。 全てが宝物だった。 全てがもう届かない日々――。 「お互いじゃありませんよ、私は殿下に付き合わされた結果ですから。いま考えるとバレたら殿下はともかく、私は口封じに殺されていたところでしたね」 若干非難するように言うと、相手は決まり悪げに頬の辺りを掻いた。 そんな変わらぬ癖に、カルロは頬を緩めた。 「悪かったな、でもまあ、今回はそのお陰で簡単に王宮内に入れたし、途中でオヤジたちと鉢合わせすることもできたし、結果的には良かったんじゃないか?」 「そんなのは本当に偶然の産物ですよ。毎回その行き当たりばったりな行動のお陰で、私がどれだけ苦労したことか。――それはそうとして、陛下は処断なされたのですか?」 「いや、アニキは逃げようとしたんで斬ったが、オヤジの方は泣き喚いて命乞いするんで、姫も呆れて現在順番待ちの処刑の列に突っ込むことにした。......しかしなんだな、あれが倒すべきこの国の象徴で現実かと思うと、俺がやってきた政治活動とかなんとか、本当に馬鹿みたいな話に思えるよなぁ」 ガキの頃は絶対不変の存在に思えたもんだがなぁ、と続けてぼやく。 「やっとわかったんですか? まったく、貴方はいつも行動してからじゃないと気が付かないんですから......」 そんな憎まれ口に、影はうんざりした調子で、がりがりと髪を掻いた。 「――お前なぁ・・・聞いたところでは、姫には罪を償って処罰されたいとかなんとか、しおらしいこと言ってたらしいのに、当の本人を前にしてまた小言か?」 「そのつもりでいたのですが、本人を前にするとどうにも止まりませんね。......まあこれが最後ですから、軽く聞き流してください」 その言葉の意味を理解したのだろう、戸口に立ったまま影は口を閉じた。 「――そうそう、私が驚いていない理由と、良かったと言った理由ですが」 話しながらカルロはせり上がってきたものを必死に飲み下し、懐から1枚のメモを取り出した。 「......実は王家の脱出路を使ったのは私も同類でして。殿下のことは言えませんね。そしてまことに不敬ながら、王家の墓所の副葬品目当てに暴徒どもがなだれ込む危険がありましたので、先にアンジェリカ様のご遺体をこちらの場所に移しておきました。後ほど殿下の手で改めて埋葬なさってください。――それともヒユキ陛下の手で、殿下と同じようにこの世に戻られるのでしょうか?」 そうであれば逢ってみたい、という淡い期待を込めた問いかけに、影は軽く頭を振った。 「いや、時間が経ちすぎていて姫の力でも難しいとのことだ。それに姫にもその気はないそうだ」 そう答えた影の脳裏に、緋雪と交わした言葉が甦った。 『これは死者の冒涜だよ。まあ、非業の死を遂げたとか、不慮の事故とかなら私も考えないではないけどさ、自殺した人間を甦らせるなんて非道だよ。地獄に戻すなんて可哀想じゃないか。だから、彼女には普通に生まれ変わって欲しいねぇ。――生まれ変わりなら私も少しは信じられるから』 「――そうですか、アンジェリカ様にも一言お詫びしたかったのですが、まあそれはあちらですることになりそうですね・・・」 「話は戻りますが、それでアンジェリカ様のご遺体を移送する際に、殿下の棺を確認したところご遺体が消えていたことと、それらしいことを匂わせるヒユキ陛下のご発言があったこと、このことから......まあ希望的観測という奴でしょうかね」 「......それでこの始末か。お前も存外馬鹿だったんだなぁ」 そう言いながら一歩部屋の中へ踏み出す影。 途端に濃密な、部屋一杯に充満していた血の臭いが、影の全身に絡み付いてきた。 「まあ主が馬鹿でしたので、いつの間にか馬鹿がうつったんでしょうね」 そう軽口を叩きながらも、顔一杯に死相を漂わせたカルロの手からメモを受け取り、 「お前は剣の腕は凡才なんだから、無理する必要なんざなかったんだ」 それから部屋の外の廊下に転がっていた暴徒の死体を思い出す。 恐らくこの部屋――自身の私室であったここに略奪目的で押し入ろうとした連中を、カルロが一人で体を張って押し留めた結果なのだろう。 「そうは参りません、私はアシル・クロード殿下の侍従ですので」 「侍従か?」 「......いえ、ヒユキ陛下にも言われました。悪友という奴ですね」 嬉しそうに微笑む。 破顔したアシル・クロードは、腰に下げていた 「――そろそろ限界だな。とどめは要るかい?」 透徹した表情で頭を下げるカルロに向かい、幾分寂しげな表情で剣を構えるアシル・クロード。 「なにか言い残した事はないか?」 「......申し訳ありませんでした、殿下!!」 魂全てを振り絞っての慟哭に、アシル・クロードは微笑で返した。 「――気にするな。俺とお前の仲だろう」 「はい。ありがとうございます」 刹那、闇の中一条の光が瞬いた。 「はい、あげる」 満面の笑みを浮かべて差し出した小箱を、恐ろしい爆弾でも見るような目で凝視するコラードギルド長。 「国璽だってさ。さっき元国王がプレゼントしてくれたんだけど、私はいらないのであげるよ」 途端、目を剥いて大慌てで両手を振りながら後ずさりするコラードギルド長。 「い、いりません! そんなもの受け取ったら後戻りできないじゃないですか!」 いや、もう後戻りできないと思うよ。 「――おぬし、姫が下賜されたものを受け取らないと言うのかえ・・・?」 が、妙に静かな口調で確認をした。 だけどよく見ると目が獣のものになって、扇で隠した口元からは牙が覗いている。 併せて周囲を取り囲んでいた円卓メンバーや、魔軍の皆さんが殺気だった様子でコラードギルド長を凝視した。 だらだらと脂汗を流しながら苦悩しているギルド長に向かって、ボクは軽く肩をすくめた。 「いや、別に君がいらないならこんなものは棄てるよ。あったほうが現国家の正統後継国家って感じで周辺国にアピールできるってだけのものだからさ。ただそうなるとこの国ってインペリアル・クリムゾン直轄の植民地になるからねぇ、周辺国との軋轢もあるだろうし」 「あの、この国が姫様のものになればニンゲン好きに食ってもいいのか?」 「無論であろう。食い放題の殺し放題、遊び放題であるな」 「じゃ、じゃあ真っ先にこの間食えなかったニンゲンの巣のアーラ食ってもいいのか?」 「アーラでも他国でも好きにすれば良いわ。人間なぞいくらでもおるし、増えるからのう」 の答えに『うおおおおおおっ!!!』と俄然テンションが上がる魔軍の皆さん。 ・・・なんかもう他国を侵略することも規定事項みたいですね。 「......ほら。君のせいで世界の危機だよ」 「わ、私のせいですか?!」 いきなり全責任を押し付けられ、素っ頓狂な声をあげるコラードギルド長だけど、同情はできない。素直に「はい」と言っておけば問題なかったんだけよ。 魔物の管理責任? 知らん。 「まあそんなわけで、できればお互い平和的に話し合いで解決したいんだけどさ」 悄然と肩を落とすコラードギルド長の前に、再度国璽の入った小箱を差し出した。 「貴女方の言う『平和』って言葉は、相手を恐怖と暴力とで押さえつけた状態を指すんですか? 海賊同士や民族紛争の手打ちでももうちょっと平和的だと思うんですけどねぇ」 「その辺りは見解の相違だねぇ。まあ『人生を簡単にするものは暴力以外にある筈がない。』って言うし、手っ取り早いのは確かだけどね」 そんなボクの言葉を聞いてるんだか聞いていないんだか知らないけど、コラードギルド長は深い深ーいため息をついて、目の前に差し出された小箱を受け取った。 インペリアル・クリムゾンとアミティア王国との戦争はわずか半日で終了した。 同日、王都カルディアで反乱が勃発、王族、貴族の主だった者が処刑され、事実上アミティア王国は崩壊するも、戦勝国であるインペリアル・クリムゾンの後押しを受けた自由都市アーラと、これに素早く賛同した国内冒険者ギルド及び商業ギルドが反乱の鎮圧に奔走。 3日後には国内に平和を取り戻した。 程なく空位の国王に元自由都市アーラの冒険者ギルド長、コラード・ジョクラトル・アドルナートが暫定国王として就任。国名をアミティア共和国と改める。 これは将来的に国王制を改め共和国制にするための布石と説明される(コラード国王自身は、近しい者に「インペリアル・クリムゾン国主に対する意趣返し」と説明していたとも言われる)。 同月、インペリアル・クリムゾンとの相互不可侵条約を締結するも、条約の内容から半ばインペリアル・クリムゾンの間接統治による植民地化と見る向きが多数であった。 とは言え混乱は1月余りで収束し、大陸西部域の台所として、他国に対する影響も最小限に抑えられたことから、コラード国王に対する評価も高く、ひとまずは平和が訪れたのだった。 とはいえこの年は『インペリアル・クリムゾン』の名が大陸の歴史書に初めて記された記念すべき年となったのだった。 イーオン聖王国聖都ファクシミレ。 街自体が神殿である都市の中心部に、『蒼き神の塔』と呼ばれる材質不明の天を突くほど巨大な塔があった。 高位聖職者はおろか大教皇でさえ許可がなければ入れないその塔の最上階。 開いた窓から入ってきた、カラスほどの大きさで極彩色の羽を持つ鳥が、「アホー、アホー」と鳴きながら止まり木に止まった。 その声に顔を上げた人物――聖教の人間がこの場にいれば目を疑ったろう、青い髪に青銅色の鱗状の肌を持った異形の男――が、豪奢な椅子から立ち上がると鳥の傍まで歩いて行った。 「戻ったか。どれ、なにを見てきたか教えてもらうぞ」 言いつつ鳥に手を伸ばし、一瞬でその首をひねって殺し、大きく開いた口で丸呑みした。 その姿勢のまま、しばらくじっと目を閉じていたが、やがてその口から押し殺した笑い声が漏れ始めた。 「......くくくくくくっ、『インペリアル・クリムゾン』って聞いたからまさかと思ったが、本当に緋雪ちゃんじゃないか。まさかいまさらこっちで会えるとはなぁ」 それからギラリと欲望に輝く視線を、頭上に向けた。 「本当に楽しみだぜ、その花を手折るその時が。その時は念入りに愛でてやるぜ。くくくくくっ......」 男の笑い声が誰もいない最上階の部屋の中をこだました。

37 Lesson 14: The Crimson Empire The unheard footsteps stopped in front of the room, put one breath down and the door of the room opened. The person - a shadow that turned backlit and didn't see the details, but at one glance Carlo knew that was the person he had been waiting for, smiling pale as he sat back in his chair. "- Welcome back, Your Highness. I was wondering if I could make it." "I'm sorry, there's a lot of idiots coming after him until we get here." I miss it, and then Carlo filled his chest with a desire to cry just that, to a voice I felt I'd heard until earlier, and I couldn't get the words to go on. "And you, you're not surprised at all. The rest of them were ghosts, but -- well, it's not a mistake -- they looked like they saw it." Carlo grinned deeper when he was told that. "... how's it going out there? "Hmm? Yeah, the looting is a paragraph away. I guess the royal palace (here) is over now because it's where surviving royalty, nobility, and officials are publicly executed, or some idiot who will light the fire one of these days" Carlo narrowed his eyes to that voice that conveyed a hint of loneliness while saying it like any other HR. "That's good... no, I'm still sorry" "What the hell? Which one is it? "... unfortunately, there will be no more places for memories between me and Your Highness -" At that moment, we came to each other's breasts with many memories from our childhood. Everything was shining. Everything was a treasure. Days when everything won't arrive anymore... "It's not each other, because I'm the result of being attached to His Highness. If I'd found out now, Your Highness would have killed me with a sealed mouth." When told to blame slightly, the opponent scratched around his cheek in a bad way. With such an unchanging habit, Carlo loosened his cheeks. "I'm sorry, but, well, that made it easy for me to get into the royal palace this time, and I could bowl with the jerks along the way, and it turned out good, didn't it? "That's really a coincidence. How hard I struggled because of the action I took just about every time I went there. - That so, Your Majesty was cut off? "No, Aniki tried to escape, so he slaughtered him, but if he was a jerk, he would cry and beg for his life, and the princess also decided to go into the line of executions currently awaiting order.... but what the heck, I wonder if that's reality with the symbol of this country to defeat, it sounds like some kind of really stupid story about the political activity I've been doing." When I was a kid, I seemed to be absolutely immutable, but I went on to blur. "Did you finally figure it out? At all, you don't realize it's not until you've always acted..." To such hatred, the shadow was in a fed up state and scratched his hair with grudge. "- I don't know about you... from what I've heard, he said something nasty about wanting the princess to be punished for her sins, but another novel in front of the person of the day? "I was going to, but if you put yourself in front of me, you wouldn't stop. ... well this is the last time, listen carefully" You understood the meaning of the word, the shadow shut its mouth as it stood at the door. "- Yes, that's why I'm not surprised and why I said it was good," As he spoke, Carlo drank desperately of what had come up and took one note out of his nostalgia. "... In fact, I was the same person who used the Royal Escape Road. You can't say anything about Your Highness. And with all due disrespect, I moved Angelica's body to this location first, as the mobs were in danger of slipping into for the royal cemetery's by-features. Bury again later at His Highness's hands. - Or will you be returned to the world at the hands of His Majesty Hiyuki, just like His Highness? If so, the shadow shook his head lightly in response to a pale expectation to see him. "No, I mean it's too much time and even the power of the princess is difficult. And the princess doesn't care." In the back of the shadow brain that answered so, the words exchanged with Scarlet Snow came to life. 'This is blasphemy of the dead. Well, if you've had an unemployed death or an accidental accident, I wouldn't even think about it, but it's outrageous to revive a suicidal person. Wouldn't it be pathetic to send you back to hell? So I want her to be reborn normally. -' Cause if you're reborn, I can believe you a little. ' "- Really, I wanted to say a word of apology to Master Angelica, but well that's going to be done over there..." "So when I transferred Angelica's body, I checked her coffin, and there was a statement from Her Majesty that her body had disappeared, and that she smelled something like it, so... is he a hopeful observation?" "... so this is the end? You were an out-of-the-box fool, too." A shadow that steps into the room with that said. The smell of blood, dense as it was, filled the whole room, became tangled all over the shadow. "Well, the Lord was the fool, so I guess at some point the fool got to it" While slapping him so lightly, Asil Claude, who received a note from Carlo's hand, drifting a dead minister all over his face, and removed the mask of the rare (barely) man, leaked a sigh to the appearance of his opponent, who had no power to stand up with his whole body slashed. "You're so talented, you don't have to." Then I remember the body of the mob that was rolling down the hallway outside the room. Perhaps this room - the result of Carlo holding up his body by himself - is the people who tried to break in here for looting purposes, which was his own private room. "I will not come, because I am the servant of His Highness Asil Claude." "Are you a squire? "... No, His Majesty also told me. You're a bad friend." Smile happily. The broken face, Asil Claude, pulled out a long sword (Augustroke) that was lowering to her waist. "- It's time for the limit. Do you need some help? Asil Claude turns to Carlo, who bows his head with a clear expression and holds his sword with a somewhat lonely look. "Have you ever left anything out? "... sorry, Your Highness!!" Asil Claude smiled back at the cry of shaking all her soul. "- Never mind. It'll be me and you." "Yes, thank you" In a moment, a light flashed in the darkness. "Yes, I'll give you" A collard guild leader stares at a small box offered with a full smile, even a horrible bomb. "It's a national seal. The former king just gave me a present, but I don't need me, so I'll give it to you." As soon as possible, the collard guild leader backwards with his eyes peeled and his hands waved in great haste. "Yes, I don't want to! You can't go back when you receive something like that! No, I don't think I can go back. "- Are you saying that you will not accept what the princess has given you...? A strangely quiet tone confirmed what was happening. But when I look closely, my eyes become the beast's, and my fangs peek from the mouth I hid with a fan. Together, he gazed at the Collard Guild Leader in the way that the round table members who were surrounding him and all of the Demon Army were murderous. I shrugged my shoulders gently toward the guild length, distressed as I grew sloppy and sweaty. "No, I'll throw this stuff away if I don't need you. Because it feels more like an authentic successor to the current state, so it can appeal to the surrounding countries. But then this country will be a colony under Imperial Crimson." "Um, if this country is going to belong to the princess, can I eat as much as I like Ningen? "It would be irrespective. Kill all you can eat, play all you want." "So can I eat Ara from Ningen's nest, which I couldn't eat for the first time? "You can do whatever you want with Ara or in another country. There will be as many humans as there are, and there will be more." "Whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa, whoa." ... Sounds like it's a matter of policy to invade another country already. "... here. Because of you, it's a world crisis." "Wow, is it my fault?!" All of a sudden, he's a collard guild chief who's pushed for full responsibility and gives a barbaric voice, but I can't sympathize. If I'd just said yes, I wouldn't have had a problem. Responsibility for the management of demons? I don't know. "Well, that's why I'd like to discuss it peacefully with each other, if possible." Before the collard guild chief, who quietly dropped his shoulder, he again offered a small box with a national seal. "Does your term 'peace' refer to the state in which you held your opponent back with fear and violence? I think it's a little more peaceful to fight pirates and ethnic conflicts." "It's a disagreement around there. Well, 'there can't be anything that makes life easier but violence.' And I'm sure it's quick." I don't know if you're listening to me like that, but the Collard Guild Commander took a deep deep breath and received the small box offered in front of him. The war between Imperial Crimson and the kingdom of Amitia ended in just half a day. On the same day, rebellion broke out in the king's capital, Cardia, and those who were the lords of royalty and nobility were executed, virtually the kingdom of Amitia collapsed, but the free city of Ara, backed by Imperial Crimson, the victorious nation, and the guilds of domestic adventurers and commercial guilds who quickly endorsed it, ran to suppress the rebellion. Three days later, peace was restored to the country. Collard Jokratol Adornato, former Adventurer Guild Director of the free city of Ara, soon became king of the vacancy as interim king. The name of the country shall be renamed the Republic of Amitia. This will be described in the future as a fabric to revamp the kingship into a republican system (it is also said that King Collard himself had explained to those close to him "a return of interest to the Emperor Imperial Crimson"). In the same month, the signing of the Mutual Inviolability Pact with Imperial Crimson was also oriented in large numbers to see it as colonisation by indirect rule of Imperial Crimson in the middle of the way from the content of the Pact. That said, the confusion converged in around January and, as a kitchen in the western part of the continent, the impact on other countries was minimized, so was the appreciation of King Collard, and for one thing peace came. Nevertheless, this year marked the first monumental year that the name Imperial Crimson was written in the history books of the continent. Aeon Sacred King Sacred Capital Facsimile. In the heart of the city, where the city itself is a temple, there was a tower so enormous that it penetrated a heaven of unknown material called the 'Tower of the Pale God'. High priests can't go in without permission, not even the Archpope. Top floor of that tower. A bird, about the size of a crow and with polar-colored feathers, coming in through an open window, stopped at the tree as it rang "Ahoy, Ahoy". The person who raised his face to the voice - a saintly man who would have doubted his eyes if he were on this occasion, a different man with bronze scaly skin in blue hair - walked up to the side of the bird when he rose from his lavish chair. "Are you back? Tell me which one you've been looking at." He reached out to the bird as he said, twisted its neck in an instant and killed it, swallowing it whole with a wide open mouth. With that posture, I kept my eyes closed for a while, but eventually the laughter that pushed me to death out of its mouth began to leak. "... Kukukukuku, I thought it was because I heard" Imperial Crimson, "but isn't it really Scarlet Snow? I didn't expect to see you this way." Then he turned his glimmering gaze on Guillari and desire, overhead. "I'm really excited, when I'm going to hand fold those flowers. I'll love you then. Kukukukukukukuku......" The man's laughter stuck inside the top floor room where no one was.

第一話 円卓会議 その日、常闇に包まれた虚空紅玉城は100年ぶりに沸き立っていた。 ――帰って来たのだっ。我ら臣民が敬愛する神に等しい至上の主が! ――還って来たのだっ。我らの血肉魂魄を捧げるあの尊き永遠の美姫が!! ――戻ってきたのだっ。我らが魔の王国『インペリアル・クリムゾン』に再び栄光と戦いの日々が!!! ◆◇◆◇ ボクはいろいろと後悔していた。 ・・・なんでこんな趣味に走っちゃたんだろう。 まあもともとの切っ掛けは吸血姫としての固有スキル『 で、古代機械文明の名残という『廃棄庭園』のMOBがたまにドロップする『空中庭園』の設計図の破片36枚をいつの間にか全部集めて復元していて。 そこからさらに必要な材料――それこそカンスト組が10人くらいで行かないと途中で全滅するという『次元迷宮』のボスやMOB、宝箱や鉱物から数%の確率でしかドロップしない激レアな材料20種類を集めることになり――それが1種類に付き50個とかいうマゾ仕様だよ! 自分の為ということで、この辺りでボクも参加して材料を集めて、それを世界各地に点在する機械職人や錬金術師、仙人のところに持って行き、そこでおつかいクエストをさせられたりして、やっと材料を加工してもらい、たまに加工に失敗してまた材料を取りに行ったりと・・・ええ、ボクも途中から楽しんでたしムキになってたのは否定しませんよ。 で、やっとこすっとこ空中庭園が完成したのが4ヵ月後だよ! 自慢じゃないけど、ボクがいたギルド『三毛猫の足音』は全員三次転生カンスト済で、特別称号である『爵位』を持っていたのも5人もいるというサーバ内でも知らないものが居ないくらいの高レベル。 だってのに、それが4ヶ月! ・・・まあ皆良い暇つぶしになったってギルメンは喜んでたし、転移魔方陣から浮き上がった島に転移した時は正直ボクも感無量だったよ。 隣でギルメンが「バルス!」「バルスッ!」ってバルス砲を連発してたのと、気がついたら運営から『空中庭園』最初の保持者ということで、『 さらにその後調子に乗ったギルメンによって島は暗黒の城塞都市へと変貌し――そういういうのが好きな職人が好き勝手に魔改造したからねえ。 ボクとしては島に専用倉庫を置けて、お陰で倉庫枠がトータルで2,000個近くになったということで他の事は割りとどーでも良かったし、その上、島や城内のあちこちに捕獲した うん、タイムマシンがあったら当時のボクに文句を言いたい。 こうなるとわかってたら絶対に高レベルモンスターやダンジョンボス級モンスターは集めなかったのに――――っ!!! 玉座――課金家具アイテムの『覇王の玉座』という黄金と宝石で飾り立てられた派手なそれ――に腰を下ろしたまま、冷や汗を流しっ放しで、目の前にずらりと並んで跪拝するモンスター軍団を眺めながら、ボクは内心絶叫していた。 と、ちょんちょんと二の腕の辺りに合図を送られ、見ると ああ、なんか喋れってことだね。 ・・・どーしよ。なんか偉そうに演説したほうが良いのかな? でもボクそんな語彙ないし、てゆーか、さっさと切り上げて頭から布団かぶって寝たい。 いいや、もう適当で・・・ 「――皆の者、大儀である!!」 あれ? 日本語の使い方間違ってないかな??? 『はは――――――――っ!!!!』 一斉に頭を下げるモンスターたち。中には勢いを付けすぎて床に頭をぶつけて床にヒビを入れてるのまでいる。 ・・・この建物って破壊不能アイテムのはずだったんだけど、アレって後で修理できるのかなぁ。 どうでもいいことを思ってたが、天涯がそんなモンスターたちを見渡し、満足そうに口を開いた。 「姫のご尊顔を拝す栄誉を与えるっ。皆の者、面を上げよっ!」 途端にこれまた一糸乱れることなく、ばっと顔を上げるモンスターたち。 うわわわわわわわわわっ。こ、怖~~~~~っ!!! いや、確かに全員見覚えはあるんだ。ボクが捕獲して 面影はあるし思い入れもあるんだけど、なんてーの......熊のヌイグルミと正面から対峙したグリズリーの違い? ゲームのモニター越しだと HP:6,255,000 MP:7,780,000 「.........」 これでも雑魚の方で、残りはほとんどBOSS級のモンスターばかりだよ。 どーやら円卓ってそうしたレベルの なんかもうボクなんて居なくても全然問題ないんじゃないの・・・? そう思うんだけど、なんか知らないけど皆でボクをガン見して、「おおお、姫様だ」「本当にお戻りになられたのだな」「お変わりなく麗しい」「なんという眼福」「再びお目にかかることができるとは」感無量という感じで、中には実際に泣き出している奴らまでいる。 と、玉座の左側に立っていた暗黒騎士の 「御主ら栄えある円卓の魔将であろうに、まるで子供にようにだらしのない。姫様の御前であるぞよ、少しはシャンとせぬか」 その言葉にまたその場に緊張感が増した。 ・・・いやいや、けっこう場がほっこりしてて、ボク的には少しは緊張がほぐれ掛けてたんですけど! 「それでは諸君、栄えある円卓の玉座に我らが至高の主上がお戻りになられた。これをもって長き雌伏の時を終え、地上にある全ての愚民どもに我らが王国『インペリアル・クリムゾン』の威光と栄誉を再び知らしめようぞ!!」 天涯の激に全員が唱和し、その衝撃で玉座から転げ落ちかけたボクは咄嗟に肘掛に手をかけ、反動で床の上に降りた。 その途端、全員のものすご――――――――い期待に満ちた視線が集中した。 ・・・こ、これはつまり、なにかパフォーマンスしないとトンデモナイことになるという意味だよね。 このままなかったことにして、退場とかできないだろう・・・ねえ。 あー、もういいや、適当に天涯の尻馬に乗っておこう。 「――立てっ、皆の者よ! 私と共に進み、勝利し、勝鬨を上げんがために!!」 一瞬の間をおいて、跪いていたモンスターたちは一斉に立ち上げり、 「――――――――」 ・・・はっと気が付いた。なんか数秒間、立って目を開けたまま気絶してたっぽい。 正気に戻ったボクは当然、腰を抜かしてストンと玉座に腰を落としたのだった。

5 First Story Round Table Meeting On that day, the void Red Jade Castle, surrounded by everlasting darkness, had boiled for the first time in 100 years. - I'm home. The supreme Lord, equal to God our subjects adore! - He came back. That honorable eternal princess who dedicates our flesh and soul!! - I'm back. There are glory and battle days again in our demonic kingdom Imperial Crimson!!! * * * * I regretted a lot. ... why did you run into such a hobby? Well, the original cut was the inherent skill as a blood-sucking princess, "Devil's Eye" - which can eliminate the willingness to attack by using it on a subject regardless of the MOB player (the success rate fluctuates due to the difference in level from the subject) - but it also turns out to affect the probability of MOB catching, so get on with it and complete the captureable MOB in the game. So, at some point, I've collected and restored all 36 fragments of the blueprints of the "Aerial Gardens" that the MOB of "Abandoned Gardens" occasionally drops: remnants of ancient mechanical civilization. From there, you'll need even more ingredients - that's what you're going to collect from the bosses, MOBs, crates and minerals of the "Dimensional Labyrinth" that says if the Kanst group doesn't get there in about 10 people, you'll only have a few percent chance to drop 20 extremely rare ingredients - that's the Mazo spec of 50 of a kind! So for my own sake, I also joined around here to collect ingredients, and I took them to mechanics, alchemists, and immortals dotted around the world, and they made me make a grasping quest there, and I finally got the ingredients processed, and occasionally I failed to process them, and I went to get the ingredients again... yes, I didn't deny that I enjoyed them along the way. So, it's four months after the completion of the Aerial Garden! I'm not proud of it, but the guild I was in, "The Footsteps of the Three-Haired Cat," is all tertiary reincarnation kansted, so high that no one on the server even knows that I had a special title, "The Title," or five. Because that's four months! Gilmen was delighted that we all had a good time, and honestly, when we moved from the Metastatic Square to the raised island, I didn't feel much. Next door, Gilmen said, "Balls!" "Balsu!" I had a series of balus cannons, and when I realized it was the first holder of "The Air Garden" from the operation, and I was given the embarrassing title of "Miss Tian is graceful," held the title, and flushed in the world chat was "What is this public rape?!" and I was alle... Plus then the island was transformed into a dark fortified city by Gilmen in good shape - because craftsmen who like that kind of magically modified it on their own. As far as I'm concerned, I put a dedicated warehouse on the island, and thanks to the fact that the warehouse frame totalled nearly 2,000, anything else was fine. Besides, I was able to display 100 obedient demons (pets) captured on the island and all over the castle, so I gathered and exhibited even more rare obedient demons (pets), so I was called "Demon King Castle" and "Monster Land" by some of my people, but they were through at the time. Yeah, I'd like to complain to me then if I had a time machine. I would never have collected high level or dungeon boss monsters if I knew this was going to happen - Yikes!!! The throne - a flashy it adorned with gold and jewels called "The Throne of the King" of Billing Furniture Items - kept my hips down, letting go of the cold sweat, and watching a legion of monsters kneeling sloppily in front of me, I was screaming inside. And he sent a signal around his arms, and when he saw it, Tianli (Tengai) was looking slightly at him. Oh, you mean talk about something. I don't know. Should I make some great speeches? But I don't have that vocabulary, and, well, I just want to cut it up and put a futon on my head and go to sleep. No, it's already appropriate. "- Everyone, it is dauntless!!" Is that it? Am I using Japanese the wrong way??? "Ha-ha-ha!!!!" Monsters bowing their heads simultaneously. There's even too much momentum inside, hitting his head on the floor and hitting him with a crack in the floor. ... This building was supposed to be an indestructible item, but I was wondering if I could fix it later. I didn't care, but Heavenly looked over at those monsters and opened his mouth satisfactorily. "Give me the honor of worshipping the princess's face. Everybody up! As soon as possible, the monsters look up without this messing up again. Wow, wow, wow. This, scary ~ ~!!! No, I do recognize them all. Because it's a monster I captured and turned into an obedient demon (pet). It's shadowy and thoughtful, but what... the difference between a grizzly confronted by a bear nuigurmi from the front? They were cute after Scarlet Snow (me) when they went over the monitor of the game, all of which are powerful to scream and faint when they meet on the night lane. HP: 6,255,000 MP: 7,780,000 ......... This is still a miscellaneous fish, and the rest are mostly BOSS-grade monsters. Sounds like a roundtable is the result of such a level of obedience (pet), or a bunch of people who have cut it off. You don't have to worry about me anymore, do you? I think so, but I don't know what it is, but we all look at me with cancer, and it feels like, "Oh, it's the princess," "You're really back," "It's unchangeable," "What an eye blessing," "I didn't know I could see you again," and there's even some of them actually crying out. And the Dark Knight standing on the left side of the throne made a stone bump of the spear that was in your hand! And he dropped it on the floor, and furthermore, a nine-tailed demon fox standing next to it, frowned, pointing to the same with a fan in his hand. "Whether your lords are the demon generals of a flourishing round table, they are as sloppy as children. It's in front of the princess, don't be a little shy." The words made me nervous on the spot again. ... No, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no "Ladies and gentlemen, on the throne of the flourishing round table, our Supreme Lord has returned. With this, let's finish the long female days and let all the fools on earth know once again the glory and honor of our kingdom Imperial Crimson!!" All chanted in the fierceness of heaven, and with that shock I fell from the throne, and I lay my hand on my elbow aggressively, and descended on the floor in recoil. In the meantime, everyone's enormous- - - I concentrated my gaze full of expectations. ... Ko, this means that if you don't perform something, you're going to be Tondemonai, right? I decided it didn't stay like this, and I wouldn't be able to exit or anything... hey. Uh, that's enough. No, let's just properly ride a lifelong ass horse. "- Stand up, you all! Go ahead with me, win, and raise the winner!! After a moment, the monsters who were kneeling set up in unison, ---------------- ... I noticed much more. He stood there for a few seconds and passed out with his eyes open. Naturally, I lost my hips and fell to Stone and the throne when I returned to sanity.

幕間 忠臣貞女 虚空紅玉城内に数多ある酒場の一角で、全長3mを越える 「――まったく、あのトカゲの若造めが、姫のご寵愛を良いことにどこまでも図のぼせやがって!」 「・・・まあ止むを得ないだろう。もともと彼奴はそれだけの力を持ち、姫を始め神人や魔王など天上人らが150人がかりで仕留めたその実力は折り紙つきだ。そこに惚れ込んで姫が彼奴を臣下に加えるのにどれだけの財を使ったか、知らぬお主ではなかろう」 「だからと言って奴が第一の忠臣面をするのがおかしいと言うのだ!」 ここに 緋雪 がいれば、ゲーム内と彼らの認識する時間の差に頭を抱えるところだろうが、どうやら彼らの中の共通認識では300年間一緒にいたことになっているらしい。 「しかしなあ、彼奴の忠義ぶりは 「貴様、いったいどっちの味方なんじゃ!」 「いや、味方とかなく・・・というか、お主酔ってないか?」 「この程度で酔うほど落ちぶれてないぞ! それよりお前こそ呑んでいるのか?! さっきから見ていると水ばかりじゃないのか!?」 「仕方なかろう儂は植物系の毒や薬は効かないんじゃ。酒なんぞで酔うわけなかろう」 そこへ両手にジョッキを3個抱えた 「むっ、これは四凶天王、命都様」 慌てて立ち上がろうとする二人を押し留め、命都は持っていたジョッキをテーブルの上に置いた。 「よしてください二人とも。肩書きは変わりましたが、もともと我ら3名は同期のようなもの。いままでどおり遠慮なく喋ってください。 ――それに第一、もともとお二人が辞退せねば、 殿がよく嘆いていますよ、三から始まるのはどうにもしまらないと」 「むう...そうは言ってもな。ただ古くからいるだけという理由で選ばれても」 渋い顔をする二人に持って来たジョッキを渡す命都。 「ほう、これは乳酒か! ありがたい」 そういってジョッキの中身をあおるように呑んだ。 「・・・またそれですか。別に進化したからと言っても、使える能力が多少増える程度ですから、要は戦い方次第だと――」 「止そうその話は何度も蒸し返した。俺たちは俺たちの信念でいまの立場に満足しているんだ」 「そうじゃな。時にいま姫様は地上でどうされておる?」 「なんでもこの世界にも冒険者がいるようで、そのうち一人と接触したので、この世界の冒険者の実力がどの程度あるのか、調べるために冒険者ギルドへ行ってみるそうです」 「そうじゃの、思い出すわい。初めて姫に拾われた時、姫様も冒険者をしておったのぉ」 「そうですね、それからしばらくは私たち3名で姫をお守りして・・・」 それぞれが当事の思い出をしみじみと思い出していた。 「そういえば・・・」ふと思い出した命都が続けた。「姫様がお二方にお会いしたがっていましたよ」 「「な...なにぃ?!」」 同時に席を立ち命都に詰め寄る両名。 「ひ、姫様が俺たちに会いたがっていただとぉ?!」 「ほ、本当か? 忘れておらんかったのか?!」 その問いに力強く頷く。 「もちろんです。七禍星獣を紹介した際に『なぜ壱岐と双樹はいないのか?』とお尋ねになられたので、お話したところ・・・」 無骨な男二人が滂沱の涙を流す。 「『お二人とも以前と変わりなくおります』と答えたところ、大変お喜びになり是非逢いたいと」 もはや言葉にならずに泣き崩れる二人。 「『さらに死に物狂いで研鑽を積み、ここにいる円卓の魔将にも負けない実力を身につけてございます』と続けたところ、目を潤ませ『あの二人までが・・・!』と大変感じ入ったご様子でした」 と、不意に泣き止んだ二名は、お互いに眼を見合わせると、憑き物が落ちた顔でしっかりと頷き合った。 「命都、代金はここに置いていく。すまんが精算を頼む」 「――? なにか急用ですか二人とも」 「決まっておろう! 姫にお会いするまでにさらにこの身を鍛えおかねば気が済まぬ」 「うむ、我らの忠信が決して誰にも負けぬことを姫にお目にかけねば!」 そういってきびきびと酒場から出て行く二人を見送り、命都は一人ジョッキを口にして満足げな微笑を浮かべるのだった。 後日、極限まで鍛え抜かれた壱岐と双樹の二名に再会した緋雪が、嬉しい(?)悲鳴をあげたのは言うまでもないことであった。

9 Sadako Tabernacle In the corner of one of the many taverns in the Vacant Red Ball Castle, against the Green Leaf Man (Greenman) (a giant cactus at first glance, with a chisel growing instead of his hair), this one was also wound with an upright Demon Sword Dog (Sword Dock) (with a curved sword growing over 1m from his forehead and back) with a back length exceeding 2m. "- Damn it, that lizard youngster has pictured the princess's favor everywhere! "... well it will have to stop. Originally, he possessed all that power, and his strength, starting with the princess and ending with 150 heavenly men such as the Divine Man and the Demon King, was origami. I don't know how much money the princess spent adding him to her ministry in love there." "That's why it's weird for him to have a first loyalty! "Oh, whoa, whoa..." "Hih, princess. I didn't know you could care less." If there was scarlet snow (hiyuki) here, they would have their heads on the difference between the time in the game and what they perceive, but apparently the common perception in them is that they were supposed to be together for 300 years. "But I can't complain about his loyalty..." "Which side are you on?" "No, with no allies or anything... or are you drunk? "You haven't fallen so drunk to this extent! Are you swallowing more than that?! Isn't it just water from what I saw earlier?!?" "I don't know what else to do. Plant-based poisons and medicines don't work. You can't get drunk with alcohol." There came an angel (Seraphim) with three jocks in both hands - the capital of life. "Oh, this is the Four Wesen Heavenly King, Lord of Life" He held back the two of them trying to get up in a hurry, and the Life Capital put the jock he had on the table. "All right, both of you. The title has changed, but originally the three of us were like in sync. Please do not hesitate to speak as you have done so far. - Besides, if the two of you resign, the Seven Hazards Star Beast (Shikikashiju) will have everything from one temple to the Nine Hades... Lord Zhou Jin (Susa) mourns a lot, I can't help but start with three. " "Hmm... even so. Even if it's chosen just because you've been around for a long time." Life capital to give the jock I brought to the two of you with a sinister face. "Wow, is this milk wine! Thankful." That's how I swallowed the contents of the jock. "... is that it again? Even though it has evolved somewhat, the point is that it depends on how you fight." "Let's stop. The story has steamed back many times. We're happy with where we stand with our faith." "Right. What's the princess doing on the ground now and then? "Everything seems to have an adventurer in this world, and I made contact with one of them, so they're going to the Adventurer Guild to find out how strong the adventurers in this world are" "Well, that reminds me. When the princess first picked me up, the princess was an adventurer." "Right, and then the three of us will protect the princess for a while..." Each of them had smudged memories of the parties. "Speaking of which..." Fu remembered. Life Capital continued. "The princess wanted to see you both." "" hey... what not?! " Both names stand at the same time and cram into the capital of life. "Oh, you think the princess wanted to see us?!" "Ho, is that true? Haven't you forgotten?!" I nod forcefully at the question. "Of course it is. When I introduced the Seven Hazards Star Beast, I said, 'Why aren't there any twin trees with Taki?' And you asked, so I talked to you..." Two boneless men weep in tears. "'You're both the same as before,' he replied, 'and I'm delighted to meet you." Two people crying down without words anymore. "'We have drilled with even more madness in death, and gained unbeatable strength over the demon generals of the round table here,' he continued, moisturizing his eyes and 'even those two...!' And you were very impressed." And the two, who inadvertently stopped crying, snorted firmly at each other with their possessions falling faces as they looked at each other. "Life capital, I leave the money here. Excuse me, I need an actuary." "What's the rush, both of you?" "Let it be decided! I can't wait to see the princess again." "Um, we need to see to the princess that our loyalty will never beat anyone! That's how he dropped off the two of them leaving the tavern with a stiffness, and Life Capital smiled satisfied with one jock in his mouth. Later, Scarlet Snow reunited with two people, Jiqi and Twin Trees, who were forged to the extreme, happy (?) It goes without saying that I screamed.

第十話 予選前日 さて、なんだかんだあってあれから2週間後、アスミナに貸しておいた連絡用の使い魔が、ボクの見学許可を伝える族長会の決定と、『獣王決定戦』の詳細について書いた手紙を携えて戻ってきた。 「――ほう。腰の重い族長どもにしてみれば異例の速さですな」 と言うのは、このたび正式にインペリアル・クリムゾンの初代武術指南役を襲名した獣王の言葉。 「当然であろう。姫の言葉は天の意、万難を排して優先されるべきもの。これ以上ウダウダと待たせるようであれば、妾が直接乗り込んで国ごと焼き滅ぼしていたところじゃったぞ。そも獣の眷属たるもの、群れを守るために即断即決で動かずしてなんとする。――これ獣王よ、この堕落、この体たらくの責任はお主にもあるのじゃぞ?」 いつもの巫女姿でボクの隣に立っていた 「誠にもって汗顔の至りにございます、神獣・空穂様」 深々と頭を下げる獣王。 「まあ集団に対して、一概にだれがどうこう言ってもしかたないし、それよりも問題の『獣王決定戦』の方なんだけど......えーと、アスミナの手紙によると、『前略、お元気ですかヒユキ様。獣王襲名のため里に戻った で、内容を大まかに要約すると―― 戦いは今日から20~24日後、クレス王国の聖地『聖獣の丘』で行われる。 参加するのは各部族から選ばれた16名のつわもの達。 これに先立ち8名ずつ2組に分かれて予選会が、20日後から3日かけて『聖獣の丘』 双方を勝ち上がってきた勝者の決定戦が翌日『聖獣の丘』で行われ、勝者が『獣王』となる。 戦いにはあらゆる武器、防具の使用が許可される。 ただし、弓矢、魔法などといった己の肉体を直接行使しないものは反則とする。 また『獣王』に相応しくないと思われる戦い、行為があった際は即座に失格とする。 勝敗は相手が戦闘不能と判断されるか、負けを認めた場合に決定する。 勝敗決定後はいかなる抗議も受け付けない。 また、対戦では双方の生死は問わず、お互いに遺恨を残さないこととする。 だいたいこんな感じだった。 「ガチで殺し合いするんだねぇ」 ボクの感想に獣王は軽く肩をすくめた。 「まあそれくらいでないとお互いに納得せんからな」 歯に衣着せぬ物言いに同席していた 族だと、アスミナがかなりの使い手だが――その能力で治せるが、四肢の欠損等はどうしようもない。その場合に棄権するかどうかは本人の判断になるのだが、まあ普通はそのまま戦いを継続して死ぬな」 不毛な民族だねぇ。逃げるが勝ちって考え方はないんだろうねぇ。 ちなみに獣王本人はこういう大会とか経ずに、その強さと高潔な精神を認められ『獣王』の称号を冠せられるようになったらしい。 なら、こんな大会意味ないんじゃね? これで勝っても単に乱暴者が『獣王』になるだけなんだから――と訊いたら、今回の大会はあくまで『次代の獣王』その候補を選定するもので、正式な『獣王』ではないとのこと。 現獣王及び各族長が、その強さ及び精神を見定めて、問題ないと認めて初めて正式な『獣王』になれる、というものだけど。それでも今回のクレス王国の件は一任するということで、『国の行く末<獣王の称号』という関係らしい。いい加減なものだねぇ。 「あと参加者名簿も添付されているけど、師匠の目から見てどうかな、レヴァンは勝てそうかい?」 ボクは獣王の方へ参加者名簿を差し出した。 この世界の獣人は基本3種類だった 「勝負は水物ですからな。蓋を開けてみるまでなんとも言えませんな」 言いつつ目を細め、 「ふむ、主だったところだと、虎人族の族長アケロン。確か部族間紛争では負けなしで、『豪腕』の異名を持つ男だったかな。これは手強い。馬鹿弟子の勝率は4割行くかどうか・・・。 次に豹人族の勇者ダビド。槍の名手で、槍一本で地竜を葬ったとか。これも油断すれば負けますな。 熊人族の『巨岩』エウゲン。3mを越える巨体と700kgの体重はそれだけで武器。正面から戦うのは無謀だが、はて、あの馬鹿がからめ手を使えるか。 あとは、蛇人族の傭兵キリル。ただでさえ強靭な外殻と柔軟な動き、そして毒牙で恐れられる民族の蛇人族にあって、さらに傭兵としての実戦も豊富ときては、はてさてどうなることか」 なんか不安材料を楽しそうに語る獣王。 「――それってレヴァン、けっこうピンチっぽく聞こえるんだけど?」 「実際かなり分は悪いな。――とは言え、初めから勝てるとわかっている勝負をしてもしかたあるまい?」 そーか? ボクは勝てる勝負しかやりたくないけど? つーか、命をチップに博打とかするのは阿呆にしか思えないけどねぇ。 首を捻ったボクの表情から大体察したのだろう、 『まったく、これだから女は......。所詮、男の浪漫をわからんのだなぁ』 という風な眼差しで、「ふっ――」と軽く鼻で笑って、再び参加者名簿に目を落とされた。 ・・・なんかすげー悔しいんですけど。 「あとめぼしい相手は.........うん?」 珍しく困惑の色もあらわにする獣王。 「どうかした?」 「兎人族だと? 冒険者クロエ・・・聞いたこともないが、女か?」 「珍しいの?」 「兎人族が参加すること自体普通ならあり得んのに、まして女となると前代未聞だな」 どうなっとるんだ......と小声で呟きながら首を捻る。 どうやら獣人族の感覚的には、横綱審査の対象に女性の力士が入っていた、というぐらい驚天動地の出来事らしい。 で普通に、ウサミミ女子キャラの剣士とかいたので、特に珍しいとは思えなかったけど......って。 「・・・まさか、プレーヤー?」 途端、室内の注目がボクに集まった。 の可能性があるのでございましょうか?」 眉をひそめた空穂の質問にボクも首を捻った。 「名前は聞いたことないかな......少なくとも爵位持ちには居なかったけど、可能性はあるかなぁ。本来あり得ない種族のあり得ない性別の代表者が出てるってことは、よほどずば抜けた実力をもってるってことだろうからねぇ」 プレーヤーなら十分可能だね。 てっきりこうした直接的な手段は行使しないかと思ったけど、さっきの獣王の話しぶりからすれば、優勝さえすれば取りあえずはクレス王国の舵取りは可能になるわけだから、どこの馬の骨かわからない、そのクロエだっけか? が優勝しても問題ないってことだよね。 まあ他には本命は別に居て、手強そうな相手をプレーヤーが倒しておいて、最後に出来レースで本命に勝たせるとか。 或いはボクが見学に訪れるのが判明して、わざと目立つポジションにそれを配置して、こちらの注意を向けさせて、なにか仕掛けてくるか。 ・・・いまの段階では、どうにも判断がつかないね。 「どちらにせよ一筋縄ではいきそうにないねぇ。レヴァン君大丈夫なのかな?」 まあ駄目なら駄目でわりとどうでもいいんだけど。 「やあやあ、調子はどうだい二人とも? 予選会はこっちの組に決まったんだねぇ」 密かに訪れた 「あ、ヒユキ様お久しぶりでーす! わたしは元気ですよ!!」 いつもの格好で、いつもの快活さでボクの両手を取って、ぶんぶん振り回すアスミナ。 後ろでジシスさんがアワアワいってるけど、当然のように聞いちゃ居ない。 の隅のほうでレヴァンが黄昏ていた。 「......なにあれ?」 「えーと、ですね。今日、予選の組み合わせが決まり、 ほうほう、いきなり本命とぶつかったわけだね。 「それを聞いてやる気がなくなり、ああしてやさぐれているわけです」 「――いや、別に種族や性別は関係なく、強い人は強いよ?」 仮に相手がプレーヤーだとしたら種族や性別とか関係ないし。 「そう説得したのですけど、どうにもやる気が起きないようで・・・」 ほとほと手を焼いた、という風なアスミナ。 むっ、なぜか胸の辺りがむかむかするものがあるねぇ。 『姫、あのタワケ者に 『うん、そうだね』 ――あ、いやいや、この場合は女子の立場じゃなくて、見た目とか先入観で決めて掛かる相手が気に食わないという意味なので、悪しからず。 「ほう、ずいぶんな自信だな」 と、ボクが口を開くよりも先に、 「――大伯父様!!」 「――師匠っ!?」 「――獣王様!」 慌てて立ち上がって礼をする三人。 いつもの濃紺のローブをまとった獣王は、いつもの自然体でそれを流し、じろりと 「ちょうど良い。儂が居ない間にどれほど腕を上げたか確認の意味も込めて、お前、緋雪陛下に少々揉んでもらえ」 「はあ――?!」 一方、アスミナの方は薄々ボクの力量を感じ取っていたんだろう。まだ気が付かないのか、この 「陛下を相手に3分もったら合格。それ以下だったお前は破門だ。この大会に出ることもまかりならん。――よいな? 陛下もよろしいでしょうか?」 「いいよ~」 頷くボクと、まだ意味がつかめず目を白黒させているレヴァン。 こういう天狗の鼻をへし折るのが楽しいんだよねぇ。

50 Episode X Preliminary Day Now, two weeks after what happened, a contact demon loaned to Asmina came back with a Chieftain's decision to give me permission to visit and a letter he wrote about the details of the "Beast King's Decision Battle". "- Wow. That's an unusual speed if you try the hipster chiefs." That is the word of the Beast King, who this time officially attacked the role of Imperial Crimson's first martial arts guide. "It would be natural. The princess's words are heavenly intentions, those that should be prioritized by releasing all distress. If I had kept Udauda waiting any longer, my concubine would have boarded directly and burned down every country. What if I don't move instantly to protect the beast's family, the herd? - This beast king, this decadence, this bodily responsibility is on you too, isn't it? The usual witch stood next to me, Hikaru, turning a chilling gaze at the Beast King as she covered her mouth with her favorite fan. "Sincerely, I sweat all over my face, Dear God Beast and Ho" Deeply bowing head, Beast King. "Well, I don't care who says this to the group at all, and I'm more of a 'Beast King's Decision' in question than that... er, according to Asmina's letter, 'Foreword, how are you, Master Hiyuki? My brother-in-law, who went back inside for the Beast King assault name, screams with pleasure every day that he is with me.'... Can I preface that?" So, to summarise the content in general... The battle will take place 20-24 days from today in the Holy Land of the Kingdom of Cres, 'The Hill of the Holy Beast'. There are 16 people selected from each tribe to participate. This is preceded by a qualifying meeting divided into two groups of eight people each, which will take 20 to 3 days to execute on both the "Devil Wolf Feedback" and "Ground Dragon Sleeping Bed", east and west at the foot (foot) of "Holy Beast Hill". The decisive battle of the winner, who has won both sides, will take place the following day in the "Hill of the Holy Beast", where the winner will be the "Beast King". All weapons and protective equipment are allowed to be used in battle. However, anything that does not directly exercise one's own flesh, such as bows and arrows, magic, etc., shall be a violation. It shall also be immediately disqualified when there is a battle or act that does not appear to be worthy of the 'Beast King'. Wins and losses are determined if the opponent is judged to be non-combatant or admits to losing. I will not accept any protests after a winning or losing decision. There shall also be no remorse for each other in the match, regardless of the life or death of both parties. It was more or less like this. "We're gonna kill each other with bees." The Beast King shrugged his shoulders lightly at my sentiments. "Well, we can't convince each other that's not the case." Although Heavenly (Tendai), who was present in the teeth to say something naked, looked like he had swallowed up the disapproval complaint for the title of my "Martial Arts Guide" held by him. "Don't be. Well, to some extent a witch healer - the Lion (n Gerb) tribe, Asmina is quite the user - can be cured by her abilities, but there's nothing I can do about the limb defects, etc. It's up to him to decide if he's going to abstain in that case, but, well, normally, don't keep fighting and dying." It's a barren people. Running away, but I guess I don't have the idea of winning. By the way, it seems that the Beast King himself has been recognized for his strength and noble spirit and has been crowned the title of 'Beast King' without going through these competitions or anything. Then it doesn't make sense to have a tournament like this, does it? Even if we win this, it's simply because the abusive will become the 'Beast King' - and I asked him, this tournament is only about selecting the 'Next Beast King' candidate, not the official 'Beast King'. Although the present Beast King and each chief can determine their strength and spirit and become the first official "Beast King" after acknowledging that there is no problem. Still, this case of the Kingdom of Cress is to be relieved of, which seems to have something to do with the "end of the country < title of the Beast King". That's a nasty thing. "Also attached is a roster of participants, but from the eyes of my master, is Levan going to win? I gave the list of participants to the Beast King. Unlike "E. H. O." and "Eternal Horizon Online," there were three basic types of beasts in this world, and you can't predict what kind of abilities they have. "The battle is water. I can't tell you until I open the lid." The Beast King narrows his eyes as he says and runs his gaze to the roster he received from me via the Life Capital (Miko and). "Hmm, where it was the Lord, Akelon, the chief of the Tiger tribe. I'm sure he was an unbeaten man in an intercommunal dispute, with an alias for 'Aurora Arm'. This is tough. Whether the idiot apprentice has a 40% chance of winning... Next up is the Leopard brave Davido. You're a famous spear man, and you buried a ground dragon with one spear? You lose this too if you stay alert. The 'boulder' Eugene of the Bears, a giant over 3m and weighing 700kg is the only weapon in it. It's reckless to fight from the front, but, well, can that fool use a glimmer? And then there's Cyril, a serpent mercenary. Even the tough outer shell, the flexible movement, and the snake clan of people feared by poisonous fangs, and the abundance of actual battles as mercenaries, now what happens " Beast King who seems to enjoy talking about some anxiety material. "- That sounds so pinchy, Levan? "Quite a few minutes, actually. - That said, there was only one battle I knew I could win from the beginning? Is that it? I only want to win fights I can win. You know, it just seems like an idiot to beat his life to the chip or something. I guess you largely guessed from the look on my face with the twisted neck, 'Damn, this is why women... I don't know what you're talking about. " With a windy look, he laughed lightly with his nose, "Huh -" and was dropped again on the attendee roster. ... something awesome - I regret it. "Who else is so dizzy...... yeah? The Beast King reveals rare and confusing colors as well. "What's wrong? "You think you're a rabbit? Adventurer Chloe... I've never even heard of you, is that a woman? "Is it unusual? "It can't be normal for the Rabbits to participate, but it's unprecedented to be a woman." What happens... twisting his neck whispering. Apparently, the sensation of the Beast Clan is that there was a female Mighty Man in the subject of horizontal scrutiny, so surprising an event. As far as I'm concerned, I didn't think it was particularly rare because I usually worked with a swordsman of a rabbit female character in "E. H. O" and "Eternal Horizon Online"... "... no way, player? As soon as I was there, my indoor attention came to me. "Is it possible that the Chloe, the transcendent (player)? I twisted my neck when I asked the frowning question. "I don't know if you've heard the name... at least I wasn't in the throne, but I wonder if it's possible. There's an unlikely gender representative of an unlikely race out there, which means he's got a lot of skills." A player would be enough. I thought I might not exercise these direct means, but from what the Beast King said earlier, as long as I win, I can steer the Kingdom of Cress for now, so I don't know where the horsebone is, is that Chloe? means you don't have a problem winning, do you? Well, there's nothing else about fate, and the player keeps the opponent looking tough and lets him win the fate in the last race he can do? Or if it turns out that I'm going to visit, put it in a prominent position and let me direct my attention to something? At this stage, I can't judge you. "Either way, it's not going to be a glimmer. Mr. Levan, are you okay? Well, I don't care if you can't. "Hey, how's it going, both of you? Preliminary meeting's set for this group." There was a familiar face at the end of the tent (tent), which was secretly visited, and was guided by Mr. Gisis. "Ah, Master Hiyuki, it's been a long time! I'm fine!!" Asmina in her usual outfit, taking my hands off with her usual pleasure, probably swinging. Mr. Zissis is waaaaaaaaaaaaaa in the back, but you shouldn't have asked. Levan was at dusk in the corner of the tent before he threw his gaze like it was hard to say here. "... what is that? "Uh, right. Today, the qualifying combination was decided, and my brother-in-law's opponent was decided, but in the first match of the first round, the opponent became a female warrior of the Xi..." Well, all of a sudden you bumped into fate. "I'm unmotivated to hear that, and, oh, let alone wander off." "-No, it doesn't matter what race or gender, strong people are strong, right? Assuming the opponent is a player, it doesn't have anything to do with race or gender. "That's what convinced me, I don't seem very motivated..." A windy aspina that burned her hands. Mmm, for some reason, there's something upsetting around your chest. "Princess, I wonder how strong a woman (stomach) is in that tawake, should I re-stick to her? "Yeah, you are." - Oh, no, no, in this case, it's not a woman's position, it's just evil, because it means she doesn't care who decides to hang on because of her appearance or preconceived notions. "Well, that's a lot of confidence." And before I opened my mouth, I pushed up the cloth at the entrance to the tent, and a familiar giant came in grandiose. "- Big Uncle!!" "-Master!?" "- The Beast King! The three of you who stand up in a hurry and thank you. And the king of beasts, gathered together his usual robe of dark blue, flushed it with his usual nature, and beheld the face of his disciple (Levan). "Just fine. Make sure you, Your Majesty Scarlet Snow, rub your arms up while you're gone." "Huh -?!" On the other hand, Asmina must have felt my power. You still don't realize, this brother-in-law! I held my forehead in the face and turned to heaven. "Pass if you have 3 minutes against your Majesty. It was less than that. You're broke. It doesn't take long to get into this tournament. - All right? May Your Majesty, too? "Fine." Me snorting and Levan still making my eyes black and white without grasping the point. I enjoy breaking Tengu's nose like this.

第一話 魔神封印 旧ケンスルーナ国の首都ファーブラーにあるホテルの貴賓室。 グラウィオール帝国宰相にして、つい先日まで帝国の実権をほぼほしいままにしていたウォーレンは、目の前で大きなクシャミをした青年を、神経質そうな目で睨んだ。 「なんだ貴様、この大事な時に緊張感のない」 「へえ、申し訳ありません。どこぞで美人さんが自分の噂をしてるようで、モテる男は辛いですなぁ」 青年の軽口に、ちっと舌打ちした彼の面相は驚くほど変わっていた。 以前はたわわだったアッシュブロンドの髪が見事に禿げ上がり、尊大ながらも冷徹であった眼光が、落ち着きのない切羽詰ったものに塗りつぶされてていた。 わずか半月ほどの間に20歳も年をとったかのような精彩のない顔色のまま、トントンと大理石のテーブルを叩いた。 「つまり、我々がどのような戦術や策謀、或いはなりふり構わぬ――たとえ破滅覚悟の戦略を用いたところで、現存の帝国の戦力ではあの小娘......いや、 口調こそ淡々としたものだが、怒りを押し殺したウォーレンの問い掛けに、青年――影郎はごく自然に応じる。 「へい。その通りです。そもそもお嬢さんは吸血姫の神祖、まあ神様みたいなもんです。その上周りを取り囲んでいる連中が1体で1軍にも匹敵する文字通りの化物ですから。人間がどう足掻いたところで蟷螂の斧ってもんですわ」 あくまで他人事というスタンスの影郎を怒鳴りつけかけ......どうにか奥歯を噛んで押さえつけたウォーレンは、動物の唸り声のような声で詰問した。 「だが、我々には敵を大きく上回る人員と国力、そして各国に対するパイプがある。古来より、戦闘において個々の力が見劣りしていても、全体的な物量や補給が安定している側が勝利するのは鉄則であろう。ならば、こうした利点を生かして、 の国主は純粋な戦力としては確かに圧倒的ではあるが、精神的には極めて脆いように儂には思える。現に貴様がこうしてのうのうと儂の前に生き恥を晒しているのが良い証拠ではないか。明確に敵対した者に対して、友人と言うだけでの甘い対応。愚かしいにもほどがある」 影郎は無言のまま片眉を上げて、嫌悪感もあらわに吐き捨てるウォーレンを見た。 「そもそもが家族や友人であれこの世に絶対の『味方』などあり得ん。まして自分以外のすべての人間は潜在的には、状況に応じて常に『敵』と変化する可能性を内包している。つまり本来、自分以外が『敵』と認識すべき関係であるのに対し、信頼や好意などという曖昧な基準で『味方』と認めようとするなど甘えであり、未熟も良いところだ。ならば味方のいなくなった精神的な痛手は、あの小娘の大幅な戦力低下へと繋がるのではないのか?」 「いやいや、そりゃ逆ですわ。そんなことをすればお嬢さんの逆鱗に触れます」 パタパタと顔の前で片手を振る影郎。 「確かにお嬢さんは精神的に未熟な部分があります。客観的に見て必要のない味方を味方と思い込むところがありますけど、逆に言えばそういう味方を残らず殲滅した場合には、一切の躊躇なく総力戦を挑んできます。あの連中はお嬢さんを縛る足枷なんですわ」 「なるほど、人質は生かしておかねば人質足りえんか......」 ウォーレンは眉を寄せた。 ごくあっさりと影郎は頷いた。 「ぐぬぅぅぅぅぅっ!」 口惜しげに唸るウォーレン。 「ならば貴様の手であの小娘を暗殺すれば......」 皆まで言わないうちに間髪入れずに影郎が腕で×印を作った。 「プレーヤー相手に暗殺なんぞ、よほどのレベル差がなければ、一発当ててお終いですわ。従魔合身してるお嬢さんを一撃で斃すなんて、無茶ぶりもいいとこですな。まして毒なんぞ即座に解毒されますし。だいたい、お嬢さんを殺されたら洒落抜きで、残された 「つまり、現状儂にできることは、せいぜい自己満足の嫌がらせ程度の妥協を引き出すのが限度ということか」 心底口惜しげにウォーレンは吐き捨てた。 身も蓋もない調子で軽く肩をすくめる影郎。 内心忸怩たるものはあるであろうが、さすがにみっともなくわめき立てることなく、頭を切り替えたらしいウォーレンは、改めて影郎の無個性な顔を見た。 「――そちらについては改めて対応を決めることにする。......それで、別件で調査させていた例の『ケンスルーナの秘宝』とやら、手がかりは掴めたのか貴様。まさかこちらも」 「ああ、大丈夫ですよ。封印されてる場所も、封印の解き方もばっちりですわ。依頼通り口封じをした後、死霊交信で霊魂に確認しましたので拷問するより確実ですわ」 そう言って影郎は机の上にケンスルーナの地図を広げ、その一箇所を指差した。 「この場所にその秘宝とやらが祀られてるそうで」 「......かなり辺境だな」 ウォーレンの眉間の皺がさらに深くなった。 「なんとも言えんな。ケンスルーナの現大公――バルデムの甥だったか?――これが身代金代わりに寄越した『鍵』と情報だが、肝心の中身が不明では骨折り損になる可能性も高いか」 「金の為に身内も売るんですから、世知辛い世の中ですなぁ」 しみじみとした...と言うにはわざとらしい、影郎の慨嘆にウォーレンが鼻を鳴らす。 「だから自分以外はすべて敵だというのだ。......まったく。そのあたりの適切な判断がつかない小娘が、超越した力を持っているなど実に愚かしいことだ」 そう忌々しげに独りごちながら、懐から取り出した掌ほどの銀色の十字架を、先ほど影郎が指した地点へと置く。 「『絶大な力を持つ魔神。その力は神に匹敵し、すべての望みを叶える』か。馬鹿馬鹿しいお伽噺にしか思えんが、大公家に密かに伝えられ、直系親族のみがその在所を知るとなると、なんらかの――それこそクレスの転移魔法装置のようなものか、最低でも 過度の期待は最初から放棄した顔で、ウォーレンは十字架の正面を指先で叩いた。 「いいや、それが結構ガセでもないようでして」 にやりと笑う影郎の顔を、射抜くような目で睨みつけるウォーレン。 「――貴様、なにか掴んだのか?」 それには答えず、にやにや笑う影郎に軽く舌打ちをして、いったん席を立ったウォーレンが重そうな皮袋を持って戻ってきた。 「追加報酬だ。これで貴様が掴んだ情報を儂に寄越せ」 ドン!と目の前に置かれた皮袋の中身――帝国金貨を1枚1枚確認して、納得のいった顔で素早く懐に収めた影郎は、替わりに香水の瓶のような、赤い液体の入った透明の瓶をウォーレンの前に置いた。 「まいどあり~っ。で、こっちが例の封印場所......土着の神さんの神殿になってたんですが、そこで密かに信者に配られている『 神の血 胡散臭そうに瓶を眺めるウォーレン。 「まず結論から言いますと、『ケンスルーナの秘宝』ってのは魔導具や魔剣の類いではなくて、かつて世界を支配しようとした魔神そのもののを指すようですわ」 「魔神......また、神か」 神祖たる緋雪を連想して、ウォーレンは苦い薬を飲んだような顔になった。 「あくまで言い伝えですから。で、この魔神が別の神さんと争そって負けて、封印されたのがその神殿だそうで。......ああ、言い伝えではクレス方面の荒野はこの時の戦いが原因でできたとか」 それこそ与太話という風に、ふんと鼻を鳴らすウォーレン。 「で、その魔神が封印されているっていう石棺があるんですけど、ここの溝からごくごく微量ですが、いまでも魔神の血が滴り落ちてまして、そいつを神殿の連中が『 「なるほど。これがその現物か。――その能書き以外になにか霊験あらたかな薬効でもあるのか?」 「.........」 にしては珍しく躊躇うような素振りで、黙り込んだ後、しぶしぶという感じで口を開いた。 「飲むとあらゆる病気に効果があるそうです」 思わずという風に両手でその瓶を手に取るウォーレン。 「ただし、服用量を間違えると死ぬ危険性が高いそうです。それに効いてもしばらくは体がだるくなり特に日中は暗いところにいないと落ち着かなくなるとか......」 一転して汚らわしげに瓶をテーブルへと戻す。 「ある意味猛毒でしょうね」 その影郎の口調に、ふと引っ掛かるものがあり、ウォーレンは重ねて詰問した。 「貴様、なにか他にも知っているのではないのか?」 「勿体つけずに明瞭に話せ」 「“その血を体内に入れると活性化する”“日中は暗闇を好む”“資格のないものがみだりに摂取すると死亡する”とある種族が眷属を生み出す際に発生する副作用にそっくりなんですわ」 「......まさか」 そこまでヒントを出されればウォーレンにも心当たりがあるのだろう、驚愕と嫌悪で複雑な表情になった。 「ええ、吸血鬼ですな」 あっさりと影郎がその名を口に出した。

87 Number One, The Demon Seal. The hotel's VIP room in Farbler, the capital of the former Kensruna country. Warren, who had been the prime minister of the Grawior Empire and remained almost hopeful of the real power of the Empire until the other day, glanced at the young man with a big scuffle in front of him with a nervous eye. "What, you're not nervous at this important time" "Oh, I'm sorry. Looks like a beauty is rumouring about herself over here, and a hot guy is hard." To the young man's light mouth, his face, slightly tongued, had changed surprisingly. Ash Blonde's hair, previously deflected, balked brilliantly, and her magnificent but cold eyes were anointed with restless, chopped feathers. In just about half a month he slapped a ton of tonnes and a marble table, still in a glorious complexion as if he was 20 years old. "I mean, whatever tactics, plots, or mundanes we use - even when we use a ruin ready strategy, that little girl in the power of the existing empire... No, you decide that it's impossible to defeat the Crimson Imperial Empire, right? The tone is pale, but the young man - Shadow Lang - responds very naturally to Warren's inquiry, who pushed his anger to death. "Heh. Exactly. In the first place, your daughter is like God, the divine ancestor of a blood-sucking princess. Because the people surrounding it are literal monsters comparable to one army at a time. Where humans scratched their feet, they called it a roach axe." Warren, who only yelled at the shadow dude with the stance of other HR...... managed to bite his back teeth and hold them down, asked in a roaring voice of animals. "But we have a pipe against men and nations that greatly outweigh our enemies, and against nations. From time immemorial, even if individual forces are inferior in combat, it will be the iron rule that wins when the overall quantity and replenishment are stable. So are there some strategies to harness these advantages to painfully inful the Crimson of the Crimson Empire? "I see the Lord of the Crimson Empire Imperial Crimson is certainly overwhelming as a pure force of war, but it seems extremely brittle in spirit. Isn't it good evidence that you are currently exposed to shame in this way? A sweet response to those who are clearly hostile, just to say friends. Foolishly enough." Shadow Lang raised a single eyebrow silently and saw Warren throwing up his disgust obviously as well. "There can be absolute 'allies' in this world, whether they are family or friends in the first place. Not to mention that every human being but himself potentially encloses the possibility of constant change with 'enemies' depending on the circumstances. In other words, it is inherently a relationship that should be perceived as' enemy 'by none other than yourself, whereas it is sweet and immature, such as trying to admit to being' ally 'by vague criteria of trust, favor, etc., is a good place. So the spiritual pain of losing an ally leads to that little girl's massive loss of power? "No, no, that's the other way around. If you do that, I'll touch your daughter's scales." Shadow Man waving one hand in front of his face with a patter. "Certainly your daughter has a mentally immature part. Objectively, there are places to assume unnecessary allies as allies, but conversely, if you leave no such allies behind and destroy them, you will challenge the total force without any hesitation. They're the shackles that bind your daughter." "Well, if we don't keep the hostages alive, we'll have enough hostages..." Warren frowned. Shadow Lang nodded very lightly. "Guuuuuuu!" Mouthless roaring Warren. "Then if I assassinate that little girl with your hands..." Shadow Lang made an x-mark with his arm without putting his hair in it before he even told everyone. "If the player doesn't have enough level difference to assassinate you, you're finished with one shot. It's a good place to kill a lady who fits the exorcism in one blow. It's poisonous. It'll detoxify you instantly. By and large, if they kill your daughter, it will be a sprinkling, and the remnants of the remaining Crimson Empire, Imperial Crimson, will destroy this world until it is completely skinless." "In other words, what can be done in the current situation is at best to draw a compromise on the degree of harassment of self-satisfaction" At all costs, Warren threw up. Shadow Lang gently shrugs his shoulders in a condition that has no body or lid. There would be something inside, but Warren, who had just switched his head without a slight twitch, saw Shadow Lang's individualistic face again. "- I shall decide once again to deal with that one. ... So, did you have a clue as to the example of" Kensruna's Treasure "that we were investigating separately? No way." "Oh, I'm fine. It's all sealed up and how to unseal it. After sealing my mouth as requested, I checked with my soul in Necromancer communication, so it's more certain than torture." That being said, Shadow Lang spread a map of Kensruna on his desk, pointing to one of those places. They say the treasure and the treasure of this place are sacrificed. "... that's quite the border" The wrinkles between Warren's brows deepened further. "I can't say anything. The current Grand Duke of Kensruna - was he Bardem's nephew? - This is the 'key' and information that came in place of the ransom, but is it also likely that the key contents will break bones if unknown" "I'm selling my body for money, so it's a world of wisdom." Warren snorts at Shadow Lang's indignation, which seems deliberate to say that he is smudged... "That's why all but myself are enemies.... Not at all. It's really stupid that a little girl who can't make the right decisions around here has transcendental powers." So abominably alone, he places a silver cross about the palm removed from his nostrils at the point to which Shadow Lang pointed earlier. "'A demon god of immense power. Its power is comparable to that of God, and it fulfils all hope'? It just sounds silly, but when it's secretly communicated to the Grand Duke and only his immediate relatives find out where it is, some sort of - that's like Cress's transfer magic device, or at least because the ancient weapon Enchanted Weapon is likely to be asleep. At this time, I would like to have even one card that I can use..." Excessive expectations were the face he abandoned from the beginning, and Warren slapped the front of the cross with his fingertips. "No, that doesn't seem quite right." Warren stares at Shadowloon's face with his shooting eyes. - Did you grab anything? I didn't answer that, slightly tongue-in-cheek at the laughing Shadow Man, and once Warren took his seat, he came back with a leather bag that looked heavy. "It's an extra reward. Now give me the information you've got." Don! and the contents of the leather bag placed in front of him - Shadow Lang quickly nostalgic with a convincing face, checking every piece of Imperial Gold coin, instead placed a bottle of transparency in front of Warren with a red liquid, like a bottle of perfume. "Maido ~ eh. So, this is where the example is sealed... it was the temple of the native god, where the blood of God is secretly distributed to the faithful." "The Blood of God (Echo)"? What's that? Warren looks at the bottle like it smells frigid. "To conclude, 'Kensruna's treasure' is not like a magic guide or a magic sword, it seems to refer to the demon god himself, who once tried to rule the world." "Demon god...... again, god" In association with the divine ancestral Scarlet Snow, Warren looked like she had taken bitter pills. "Because it's only a legend. So, this demon god competed with another god and lost, and he said it was that temple that was sealed.... Oh, the legend says the wilderness on Cress was caused by the battle at this time" That's the way Yotai talks, Warren sniffing. "So, there's a sarcophagus where the demon god is sealed, and it's a very small amount from the ditch here, but even now, the demon god's blood is dripping down, and the people in the temple say, 'God's blood (Echo)' and sell it to the believers for an extrajudicial price." "I see. Is this the real thing? - Is there anything other than that novelty? Is it an obvious drug effect? ......... It was a rare and hesitant gesture for Shadow Lang (this man), and after being silent, he opened his mouth with a feeling of shabu-shabu. "They say drinking helps with all kinds of diseases" Warren takes that bottle with both hands by accident. "However, they say you are in high danger of dying if you take the wrong dose. Even if it works, my body gets weak for a while, especially if I'm not in the dark during the day, I get restless..." Turn and soil the bottle back to the table. "It must be poisonous in a way." In the tone of the shadow lang, there was something hooked up, and Warren asked overlapping questions. "Don't you know anything else? "Speak clearly without wearing it." "When you put that blood in your body, it activates." "During the day, you prefer the dark." "If you ingest something that doesn't qualify, it dies." "... No way" I guess Warren would have an idea too if they tipped him that far, he got a stunned, disgusted and complicated look. Yeah, you're a vampire. Shadow Lang spoke the name lightly.

第十九話 獅子対虎 クレス王国の聖地『聖獣の丘』はその部分以外が、スッパリとナイフで削り取られたかのような垂直の崖で隔離された台地だった。 形としては元の世界にあったテーブルマウンテンに近いかな? あれをもっと容赦なく――ぶっちゃけ、テーブルの上のホールケーキみたいに――切り取った感じで、台地の上は周囲の荒野とは打って変わって、緑が生い茂る自然豊かなジャングルみたいになっている。 なんか見た目、デコレーションケーキみたいな場所だね。あと、関係ないけど、死ぬ前にいっぺんホールケーキ丸ごと食べたかったなぁ、10号くらいあるやつ。 で、その中心部付近に白くて真っ平らの100m四方ばかりの岩があり、ここで神事とか奉納の舞とか、闘いとかが行われるそうで、今回の『獣王決定戦』の舞台ともなっていた。 ちなみに、本来なら昨日はレヴァンVSキリルの予選最終戦の予定だったんだけど、(あの後、助け出した本物の)キリルが試合前に不戦敗を宣言して、あっさりとレヴァンの決勝進出が決まった。 「......なんかやりました?」 と、レヴァンにすごーく不審そうに見られたけど、勿論ボクはなーんにもやってない...というか、助けたくらいなので、力一杯否定しておいたけどね。 「大丈夫、後ろ暗いことはなにもしてないから!」 と、サムズアップ。 「ちなみに、後ろ暗くないことは、何かしたんでしょうか?」 と聞いてきたのはアスミナ。 「えーと......」 なんて言って誤魔化そうかな。 大会で不正をやろうとしていたプレーヤーがいて、その陰謀を暴こうとしたら、なんか昔の知り合いらしくて、一方的にストーカーばりの恨みをぶつけられて、襲ってきたので逆にボコボコにしたら自爆して、結果的にそれの引き金になったのが昔のギルドのメンバーで、いまはなんか敵対勢力の一員となっていたみたいで捕まえる前に逃げられたんだ。――これを簡潔に言えば。 「顔も覚えていないような知り合いに襲われて、危なかったんだけどなんとか切り抜けて、そこでばったり昔、とても親しくしていた男に会って、詳しい話をしようとしたら逃げられた」 あれ? なんか違うような気もするね。と言うか、アスミナの目が爛々と輝いてるんですけど? 「さ、三角関係のもつれですね! さすがはヒユキ様です。そのあたりもっと詳しくお話しましょう!」 うん、これは完全に入力すべきコマンドを間違えたね。 その後、やいのやいのと大きな...というか壮大なお世話のお節介を焼こうとする――まあ、恋する少女の同類を作りたいんだろうけど、この娘の場合は半分病気なので一緒にされたくはないなぁ――アスミナを適当にいなして、虚空紅玉城に戻ったところ、なぜか影郎さんが敵に回った情報が知れ渡っていて(いや、あの現場にいたのはボクと影郎さんと空穂しか居なかったんだから、消去法で犯人はわかってるけどさ!)、全員が腫れ物でも触るような感じで接して来るんだよね。 いやいや、お嬢様と奉公人の秘められた恋とか、影郎さんが妄想した設定だからね! 全然、そーいう関係はなかったんだからね! と、口を酸っぱくして言ってみても、『わかってますわかってます、姫のつらい気持ちは』と全然わかってない、優しい笑顔の返事が返って来るし。 いや、ボクも普通にMMORPGをプレイするなら『なりきる』こと自体はとても正しい態度だとは思うよ。 だけど、それを現実に持ってくるというのは......ああ、でも、彼らにとってはそれが『現実』なわけだったんだし、ややこしいというか、変なところで現実化の弊害がでてるというか。 う~~む......ある意味、らぽっくさん以上の難敵になったかも知れないね、影郎さんは。 そんなわけで、本日はいよいよ獣王を決定する決勝戦。 予選会場『魔狼の餌場』からは、獅子族の次期族長にして、現獣王の弟子であるレヴァンが。 もう一方の『地竜の寝床』からは、下馬評通りの強さでもって、虎人族族長である『豪腕』アケロンが勝ち上がってきた。 神聖な戦いということで、アスミナをはじめ何十人かの各部族から選ばれた巫女が聖獣に捧げる舞を踊り、その幻想的な踊りに観客も釘付けになっていたところで、 『――おや、姫様。いま上空で待機していた 従魔合身中の空穂が、かなり投げ遣りな口調で口を開いた。 『それが......?』 お弁当はないんだから、別に現地調達でパクパク食べればいいと思うけど......って。 『――まさか人間じゃないよね?』 即座に否定の言葉が返ってきて、ほっと一安心した。 『なら別に好きにすれば?』 『あい。どうやらこの地の主の聖獣らしいですが、餌は餌ですからのぅ』 付け加えられたその意味を理解したボクは、周囲が石舞台に注目している中、慌てて頭上を仰ぎ見た。 『わわわわわっ! まずいよ。いくらなんでも聖獣を食べちゃ! リリースリリース! ポイして、ポイ!』 嫌そうな顔をする蔵肆。 『足の一本くらいなら、どうかと尋ねておりますが?』 『......んーっ、どうなんだろう。聖獣なんだしまた生えてくるかな? ちょっと確認してみて』 すると聖獣が思いっきり首を横に振った。嫌みたいだねぇ。 『嫌がっておるようですな。――これ、この地の主よ。我らが姫様に忠誠を誓うのであれば、このまま放しても良いぞ』 空穂の提案(というか脅迫だね)に、ブンブンと首を縦に振る聖獣。 『――そういうことである。蔵肆よ、そ奴もただ今より姫様の臣、食餌とすることはまかりならん。放してたもれ』 そう言われて、しぶしぶ聖獣を元の場所へ戻す蔵肆。 危ない危ない、オヤツ感覚で聖地の要がうちの バレたらえらい事になってたなぁ、と密かに胸をなで下ろしたところで、いつの間にか巫女舞も終わっていたらしく、アスミナが獣人族の巫女の格好と化粧のまま戻ってきた。 「どうでした、ヒユキ様。わたしたちの踊りは?!」 「...き、綺麗だったよ、とても」 密かにドタバタしていて、途中から見てないけどさ。 「ありがとうございます! 聖獣様にも喜んでご覧いただけたら幸いなんですけど」 「ソ、ソーダネ」 聖獣はその時、死ぬか生きるかで、それどころじゃありませんでした。とは言えないよねぇ。あとドサクサ紛れにボクの子分になったとか。 つくり笑顔のまま、背中に冷や汗を流し、ボクは頷いた。 長い式典が終わり、いよいよ決勝戦が始まろうとしていた。 レヴァンは自分の前に立つ長身の男、虎人族族長である『豪腕』アケロンを見やった。 男に対してこういうのは語弊があるが、実に『 無駄のない筋肉に手首、足首、心臓、肩、腰を守る必要最低限の防具をつけただけで仁王立ちしている、その姿には気負いはないが、黙って立っているだけでも凄まじい威圧感を放っている。 年の頃は25歳前後というところか、金髪の非常に男臭い顔立ちには常に不敵な笑みが浮かんでいる。難点を挙げるなら、その目の光が非常に剣呑で、そこに魅力を感じるものと、危険さを感じるものとに分かれるということだろう。 審判役の注意事項が終わったところで、不意にアケロンが話しかけてきた。 の後ろ盾...いや、属国になることでクレス王国の連邦からの脱退を計画されているとか」 この場合の『老師』は現獣王を指す。 「ああ。その通りだ。正直、ケンスルーナと共同歩調をとる意味はないからな。――虎人族は反対かな?」 「半分はな。過度の干渉を行う連邦からの脱退は妥当だろう。だが、その代わりに 断固とした口調で首を横に振るアケロン。 その言葉に固唾を呑んで石舞台の上を注目していた観客がざわめき、ちらちらと様子を窺う視線が、貴賓席(さすがに聖地ということで、別棟の天幕が張られてた)の豪奢な椅子に座る、 ちらりと自分の妹がいる方向、その隣に居る頭からフードを被った小柄な人物に視線を送り、レヴァンは答えた。 その視線に気付いたのだろう。「ん?」という顔で小首を傾げる緋雪の無邪気な姿に、知らず微笑が浮かんでいた。 「連邦を創設した当初の力なき時代ならば、その選択肢もあったろうが、もはや他者の保護は必要なかろう。自力で自由を勝ち取り、真実獣人族による、獣人族のための国を築き上げる番ではないのか?」 アケロンの言葉には自分の部族のみならず、獣人族全体を思いやる感情が込められていて、知らず頷きそうになるが、レヴァンの中にはそれを容認できない感情があった。 「駄目だ。戦う者の後ろには弱い者もいる、彼ら彼女らへも戦えというのか? 弱い者を切り捨てる考え方ではすぐに行き詰る。そうした者たちを守る後ろ盾は必要なんだ。それに世界には獣人族以外の様々な人たちがいる、お前の考え方は獣人族を差別する聖教の鏡写しにしか思えない」 髪と同じ金色の瞳でじっとレヴァンを見つめ、その言葉を吟味していたアケロンだが、残念そうに首を振った。 「お互いに自分の正しさは譲れないか。獅子族のレヴァンよ。決着をつけよう」 「ああ、受けてたとう。虎人族族長アケロン」 開始の合図を待たずに、左右に跳躍して分かれた二人が、互いに低く構えを取って睨み合う。 その途端、清涼な空気に包まれていた聖地の空気が、熱気と重苦しい緊張感に満ちたものへと変貌を遂げた。 遅ればせながら、審判役が開始の合図をし、同時に二人が仕掛けた。 互いにその姿がブレたかと思うほどの踏み込みから、一気にトップスピードに乗ったアケロンの蹴りがレヴァンの顔面を捉える。それを片手でガードしつつ、レヴァンはもう片手でカウンターの突きを放った。 腹部に真っ直ぐな拳の一撃を受けた大柄な男の体が、後方へはね跳んだ――かに見えたが、アケロンは両手を床につけて回転する。 滑らかな動作で立ち上がったアケロンにはダメージの様子はなかった。 心底嬉しそうな口調で言って、コキッ、コキッと左右の肩の関節を鳴らすアケロン。 レヴァンは卒然と理解した、この男は自分の打撃力を理解するためにわざと受けたのだと。 ざわり、と背中に戦慄が走ると共に、心臓の鼓動が大きく鳴った。アケロンの強さが、レヴァンの中に眠る何かを呼び覚ました。 その変化を感じ取ったのだろう、アケロンの笑みが太くなった。 「さて、挨拶は終わりだ。続きを始めようか」 そう言って構えを取るアケロンと同じような笑みを浮かべたレヴァンが、構えを取って再び対峙した。 決勝戦は始まったばかりである。

62 Lesson 19: Lion Vs. Tiger Apart from that part of the Holy Land of the Kingdom of Cres, 'Holy Beast Hill', was a plateau isolated by a vertical cliff as if it had been shredded with a spur and a knife. Is it close to Table Mountain, which was in the original world in shape? More relentless with that one - blah, like a hole cake on a table - it feels cut off, and on the ledge it's like a natural jungle that hits and changes from the surrounding wilderness, with lush greenery. Looks like a decorative cake place. And, it doesn't matter, but I wanted to eat the whole hall cake before I died, the one with the number 10 or so. So, near its center, there was a white, flat 100m square full of rocks, and here they said there would be divinity, a dance of devotion, and a struggle, which was also the stage for this "Beast King Decision Battle". By the way, I would have planned the final qualifying match for Levan VS Cyril yesterday, but (after that, the real one I helped out) Cyril declared himself undefeated before the game, and Levan's final was lightly decided. "... did you do something? And Levan seemed suspicious, but of course I didn't... or as much as I helped, so I denied it to the best of my ability. "It's okay, 'cause I didn't do anything dark back there! And, thumbs up. "By the way, what's not dark back there, did you do something? Asmina is what I've been hearing. "Er..." What a delusion to say. There was a player trying to do something wrong in the tournament, and when I tried to expose that conspiracy, it seemed like some old acquaintance, and he hit me with a stalking grudge on the one hand, and because he attacked me, I bumped it the other way around, and then he blew himself up, and it turned out to be a member of the old guild that triggered it, and now it looks like he was part of some hostile force, so he got away before he caught me. - Put this briefly. "I was attacked by someone I didn't even remember my face, and it was dangerous, but I managed to cut through, and I met a guy there a long time ago who was very close, and I tried to tell him more about it, and he got away with it" Is that it? I think it's different. I mean, Asmina's eyes are shivering? "It's a triangle! That's Lady Hyuki. Let's talk in more detail around there! Yeah, you totally typed the wrong command on this. Then I try to bake a spectacular favor mediation between the nasty and the big... well, you want to make a kind of girl in love, but in this girl's case I'm half sick, so I don't want her to be with me - I went back to Vacancy Red Jade Castle without Asmina properly, and for some reason Shadowloon had information turned to his enemies (no, I was only at that scene with Bok and Shadowloon, so I know who did it with the erase method!), they all come in contact with each other like they touch even the swelling, right? No, no, because it's a secret love between a lady and a servant, a setting that Mr. Shadowloon fantasized about! At all, it had nothing to do with that! And even if I sour my mouth and say, 'I know, I know, I have no idea how hard the princess feels,' a gentle smile reply will come back. No, I think that playing MMORPG normally is a very correct attitude in itself. But bringing it to reality... oh, but for them, that's what 'reality' was, and it's confusing, or weird, the harm of realisation. Uh-huh... in a way, you might have become more difficult than Lapo, Mr. Shadowloon. That's why today is the final game to finally decide the Beast King. From the qualifying venue "The Devil Wolf's Feeding Grounds," Levan, now disciple of the Beast King, became the next chief of the Lion Clan. From the other "Ground Dragon Sleeping Bed," with the strength of Lower Horse Review Street, "Akeron, the Tiger Clan Chief, has won. The sacred battle meant that a witch chosen from several dozen tribes, including Asmina, danced a dance dedicated to the Holy Beast, where the audience was also nailed to that fantastic dance. "- Oh, princess. Zao Wan, who was now waiting over the sky, seems to have captured a good prey of life by saying that he was hungry, but he asked if he could eat it. ' Akiho in his submissive body opened his mouth in a rather throwing tone. 'Is that...? I don't have lunch, so I think I should have a puckered meal locally sourced... - You're not human, are you? I was relieved that the word of denial returned immediately. 'Then why don't you just like it? "Aye. Apparently the Holy Beast of the Lord of this land, because bait is bait." Understanding the added meaning, Bok looked over his head in a hurry as his surroundings focused on the stone stage. "Wow, wow! Not good. Eat as much Holy Beast as you want! Release Release! Poi, Poi! Zuowang with a disgusting face. 'If it's about one of your legs, I'm asking you if it is? '... eh, what do you think? He's a holy beast, and will he grow again? Just check it out.' Then the Holy Beast shook his head sideways as much as he wanted. Looks like you don't like it. 'You don't seem to like it. - This, Lord of the land. If you swear allegiance to our princess, you can let her go.' A holy beast shaking its head vertically with a bumble to the suggestion of an empty hoe (or blackmail, you say). '- That's the thing. Zao Wang, he can't feed the princess now. If I'd let you go. " That's what they say, Shabu. A treasure that returns the Holy Beast to its original place. It's dangerous, it feels like the sanctuary needs to fit in our stomach. He secretly lowered his chest when he found out, and at some point the witch dance was over, and Asmina came back dressed as a witch of the Beast clan and with makeup. "How was it, Master Hyuki? What about our dancing?!" "... ki, it was beautiful, very" I've been secretly flirting, and I haven't seen it since I was on my way. "Thank you! I hope the Holy Beast is happy to see it." "So, Saudane" The Holy Beast was then, dying or living, not at all. I can't say, can I? And you think you've become my child because of the crunchiness? With a smile on his face, he sweated cold on his back, and I nodded. After a long ceremony, the finals were finally about to begin. Levan looked at the 'Haughty Arms' Akelon, a long-sleeved man standing before himself, a Tiger clan chief. There are stories about this kind of guy, but he's really someone with "Hua (Ha)". I am benevolent just with the minimum necessary protective gear to protect my wrists, ankles, heart, shoulders and hips on my muscles without waste, I have no feelings for its appearance, but I am releasing a tremendous sense of intimidation just standing silently. Around the age of 25, there is always an invincible grin on the very manly face of blonde hair. If I were to mention the difficulty, it would mean that the light in those eyes is very swordswallowed, divided between what I find attractive there and what I find dangerous. At the end of the referee's precautions, Akelon accidentally spoke. "From what I hear, the old master is behind the Crimson of the Crimson Empire... No, you think he's planning to leave the Commonwealth of the Kingdom of Cress by becoming a nation" 'Old Master' in this case refers to the present Beast King. "Oh. Exactly. Honestly, there's no point in taking a joint pace with Kensruna. - Do the Tigers disagree? "Half of it. An exit from the Union with disproportionate interference would be reasonable. But instead, you can become the running dog of the Imperial Crimson of the Crimson Empire." Akelon shakes his neck sideways in a resolute tone. The audience, who was admiring the words and watching them on the stone stage, blurted, and a glimpse of what was happening was directed at the Lord of the Crimson Empire Imperial Crimson, sitting in a lavish chair in the VIP seat (which meant just the sanctuary, with a separate building tent on it), but the person was just sitting tattooed (because he was a change of face, somehow) without changing his expression. He glanced from the direction where his sister was, from the head next to him, to the little man in the hood, and Levan replied. I guess I noticed that gaze. There was a smile unknowingly on the innocent appearance of scarlet snow tilting her little neck with the "Hmm?" face. "If we were in the powerless era when we founded the Federation, we would have had that option, but we would no longer need the protection of others. Isn't it your turn to win your freedom on your own and build a nation for the Beast tribe, by the Truth Beast tribe? Akelon's words contained feelings of compassion not only for his tribe, but for the entire Beastman tribe, which he seemed to nod unknowingly, but there were feelings in Revan that he could not tolerate. "No. Behind those who fight, there are weak ones, you tell them to fight them too? In the mindset of trumpeting the weak, we quickly get stuck. We need a back shield to protect those people. Besides, there are all kinds of people in the world but the Beasts, your way of thinking only seems to be a mirror copy of the sacrament that discriminates against the Beasts." Akelon stared at Levan still with the same golden eyes as his hair and was barking the words, but unfortunately he shook his head. "Can't we give each other our own correctness? It's Levan the Lion. Let's settle it." "Oh, I was trying to take it. Tiger Clan Chief Akelon" Without waiting for the signal to start, the two dividing left and right jump and stare at each other low. Along the way, the air of the sanctuary, which was surrounded by sober air, transformed into something full of enthusiasm and severe tension. Later, the referee signaled the start and at the same time the two set it up. A kick of Akelon on top speed at once captures Levan's face from a step in which he wonders if that appearance of each other has been blurred. While guarding it with one hand, Levan let go of the counter poke with the other. A large man's body, struck with a straight fist in his abdomen, jumped backwards - or so he looked - but Akelon rotated with his hands on the floor. Akelon, who rose in smooth motion, had no appearance of damage. In a tone that sounds heartfelt delightful, Akelon squeaks cocky, left and right shoulder joints. Levan understood, that this man took it deliberately to understand his striking power. The heartbeat rang loudly as a warrior ran on his back. The strength of Akelon awakened something to sleep in Levan. I guess I felt that change, Acheron's grin thickened. "Well, my greetings are over. Shall we begin?" Levan, with the same grin as Akelon, who said so and took the stand, took the stand and confronted him again. The finals have just begun.

番外編 昇級試験 傘の直径が五メルトほどもある巨大なエチゼンクラゲに似た陸生の それを躱し、時には切り飛ばしながら、本体へ向かってじりじりと距離を縮めるボクとジョーイ。 見た目通り、コイツの弱点は高熱なので、ジョーイの炎の魔剣で切り裂けば、その時点で勝ちは見えたようなものである。 意外と素早い動きに物理攻撃に対する耐久度、触手を伸ばせば五十メルトの距離から忍び寄ってくる隠密性、さらに触手の先から流れる毒液と電撃という合わせ技を持っているために脅威度が高く、時にはBランクの魔獣でさえも捕食する『エンペラー・エレキ・マッシュ』だけれど、『炎に弱い』という明確な弱点が知れ渡っているために、冒険者ギルドの魔獣ランク付けではC級に位置している。 とはいえそれはあくまで炎で攻撃する手段を持っていた場合に限った話で、なにも準備をしないで、炎を使える魔術師もおらず、なおかつ水場で(大抵、水場に潜んでいる)コイツと遭遇したら、並の冒険者では逃げ出すこともできずにたちまち餌食にされてしまうだろう。 実際、すでに二組の冒険者グループが全滅したところで、Bランクのレンジャーが狩場にある水場に、コイツが巣食っているのを発見して、アーラにある冒険者ギルド本部に報告をして、緊急依頼として何組かのC級以上の冒険者を指名して、周辺を立ち入り禁止にして投入したわけなんだけど、運がいいのか悪いのか、そこそこ離れた森の中で ある程度知性と魔力を感知できる能力があれば、ボクに襲い掛かろうなんて思わないのだけれど、とりあえず〝食えそうなものがいるので反射的に捕まえたら餌だった”という感覚で、続く触手がボクとジョーイに向かって放たれたので、見学だけのつもりがなし崩し的にボクまで戦闘に参加することになったのだった。 「よ、っと......ほい」 この世界で二番目に強力な剣である、ボクの愛剣『 やがて手を伸ばせば本体に到達する――という位置まで迫ったところで、 「これでトドメだ! てやーーーっ!!!」 「あ、ちょ......早い!」 血気に燃えたジョーイが炎の魔剣を上段に振り上げて、一気に勝負を決めようとした。 刹那、『エンペラー・エレキ・マッシュ』の残った触手の先端が青白い光を放った――と思った瞬間、苦し紛れに放たれた電撃が、狙い済ませたかのように......いや、まあ、金属製の剣を振り上げていたら当然の結果として、避雷針の役目を果たした剣の先端に電撃が集中して、ものの見事にジョーイの全身を高圧電流が流れ、 「あばばばば......ばば......れれれろれろ......」 白目を剥いて痙攣したジョーイが、剣を振り上げた格好のまま丸太のように仰向けに倒れた。 「ちょっ、ジョーイ。大丈......あ、死んでる」 焦げ臭い臭いを放っているジョーイの元へ駆け寄って脈と呼吸を確認してみたけれど、きっかりと感電死していた。 その後、「う~~、なんか体がピリピリ痺れるし、変なところ火傷している」というジョーイに、 「自業自得だよ。そのあたりは勉強だと思って我慢して戦うんだね」 それ以上の治癒はしないことを宣言して、目の前にいる『エンペラー・エレキ・マッシュ』に向かって背中を押した(というか、蹴りを入れた)。 「命を助けてもらった上で、吝嗇とか甘えるな!」 ブツブツ言いながらも手持ちのヒールポーションをがぶ飲みしながら、さすがに学習したのか、剣を下段に構えて、触手を避けながら逆袈裟の要領で『エンペラー・エレキ・マッシュ』本体を切り裂くジョーイ。 炎の魔剣で斬られた場所はケロイド上になって再生をしない。その部分を中心にさらに切り進めて、小一時間ほどかけて、ジョーイは『エンペラー・エレキ・マッシュ』の中心核を切り裂いて、討伐の ◆ ◇ ◆ 一巡週後――。 アミティア共和国の首都アーラにある『大陸冒険者ギルド本部』。総長室のソファに座って歓待を受けているボクがいた。 「お忙しいところご足労頂いて申し訳ございません、姫陛下」 ガルテ初代総長が厳つい頭を下げた。 であった頃に比べて白髪が増えて頭部が後退したかな......と思ったので、そのまま口にしたところ、 「......誰のせいで苦労する羽目になったかと......」 なんか聞こえよがしにブツブツを文句を言われたけど、偉くなったんだから有名税みたいなもんだよ、有名税。 ボクも最近は迂闊にアーラ近郊を歩けないので、なるべく僻地を『謎の美少女聖女スカーレット・スノウ』と名乗って、聖女装備『 死ぬほど仕事が忙しいので、気晴らしにトンズラしているわけではない。決して。 「ああ、なんか評判になってますな。北部のほうでは現地の土着信仰と融合させて、名前も『聖女教団』とか名乗る宗教も生まれたとか」 「あー、あれね。もともとは鄙びた田舎国家シレント国の首都リビティウムの土着カルト教で、なおかついかがわしい邪神を奉じていたのを、『過去を払拭するためにもぜひ姫様のお力添えとお名前を!』と、巫女姫のエレノアに土下座して頼まれてさぁ、まあ以前にジョーイともども迷惑をかけたわけだから、それくらいしょうがないか、と仏心を出して了承したんだけど、マズかったかなぁ?」 「いや、まあ、それに関しては俺も一枚噛んでいるので(※もともとガルテが副ギルト長だった時に依頼を出した経緯がある)、とやかくは言いませんけれど、大丈夫ですかね。もともとイーオン聖王国のすぐ隣で邪神を信奉するくらい思い込みが強い連中なわけですから、思いっきり暴走しそうでちと心配ですな」 「だ、大丈夫じゃないかな。念のためにいまのシレント国からは離れたところに、教会だか神殿だか作るように言い含めておいたし」 なるべく不便な山の中の廃墟を選んで与えておいたけど、 「聖女様の思し召しとあらば!」 「もともと私たちは山岳地帯で教えを広めていたので、絶好の地形です!」 なんか逆にテンションが上がっていたような気がする。 「それはともかく」嫌なことは棚上げすることにして、ボクは今日ここに呼ばれた理由を尋ねた。「今日はこの間のジョーイの討伐に関する報奨金や素材を売った代金を貰いにきたんだけど、なんで私だけ別に連れてこられたわけ?」 「ああ、そのことなのですが」 表情を変えてガルテ総長が、周りに誰もいないのに声を潜めた。 「マズいことになっているんですよ」 「なにが?」 「今回、『エンペラー・エレキ・マッシュ』をジョーイが 「へー?」 それがどうしたわけ? と、視線で問えば、ガルテ総長は深々とため息をついて、説明を続ける。 「B級で一流と言われる冒険者ですが、C級といえばそれに準じる実力の主です。比較対象としては適切ではないですが、単純な戦闘力なら騎士見習い程度の実力がなければなりません」 対人戦や戦争のスペシャリストである兵士と、魔物相手になんでもありで『命大事に』がモットーの冒険者では、求められる性質がまったく違うので単純な比較はできないらしいけど。 「そのための目安としての実績に応じたギルドポイントですが、現在のジョーイが単独でD級上位、フィオレがD級下位で、ジョーイが普段組んでいるグループが全体としてE級中位につけています」 「へー、で、それのどこに問題が?」 「あの年齢としてはかなりの高ランクと言えるでしょう。ま、フィオレは魔術師ですから平均的かやや低いくらいの評価ですが、剣士であるジョーイがそのランクというのは実のところかなりの快挙です」 「ははは、当人を前にしたらにわかには信じられないよねぇ」 思わずボクが失笑を漏らすと、ガルテ総長が大真面目な顔で「それです!」と頷いた。 「昔からジョーイを知ってる者や、ある程度事情を知っている者から不満の声があがっているんです。『あいつにそんな実力はない』『姫様の恋人だから下駄を履かせてもらっている』『俺が同じ境遇なら、とっくにA級に上がっている』などという意見ですな。実際、報告書を見せてもらいましたが、『エンペラー・エレキ・マッシュ』を斃したといっても、真っ先に不注意で死んでて、姫様のお陰で蘇生してますよね? その時点で失敗しているわけで、インチキじゃないのかと言われたら、俺も擁護できかねますなぁ」 それを言われると言葉に詰まるなぁ。 というか、誰が恋人だ、誰が!!? 変人ならともかく、どこのどいつが吹聴しているんだ!?! 「ギルド職員からも批判的な意見が多いですな。そもそもすこぶる評価が低いですし」 「低いわけ? 私が知っている限り、仕事は分け隔てなくやっているし、素行不良ってわけでもないだろう?」 のグループとしての評価は上々なのですが、ヤツ単独になると一気に下がる形で......ご存知のように現在の冒険者ギルドでは、依頼を受けた冒険者もしくはグループは、事前に予定表と計画書を作成してギルドで承認しないと受理できないことになっています。――まあ、もともと姫陛下の発案なので、文字通り『聖女の耳に聖典』ですが」 最近流行ってきた慣用句を持ち出して苦笑いをするガルテ総長。 いや、実のところボクはあの聖女教団の持って回った分厚い聖典とやらを、碌に読んだことないんだよね~。せいぜいカップ麺の重しに使うくらいで。 なお、ボクが考えた事前予定表と計画書は、要するに登山をする人間が、前もってルートや人数、予定日数、食料、装備などを記載しておいて、その予定を過ぎても戻ってこない(もしくは予定の場所で確認できなかった)場合は事件、事故などがあったと見做して、すぐに救助活動を行えるようにする制度を明確にしたものである。 これによってこれまでの無計画な冒険者の帰還率が格段に上昇したらしい。 「グループで活動する場合には、フィリアあたりが書いているのでしょうな。事細かに計画を立てて、余裕を持った日数と装備を持って行くのですが、やっこさんひとりだと、計画書も最低限、装備もギリギリ......おまけに、思い付きで当初の予定にないルートを通って、予定にない魔物と鉢合わせというケースがちょくちょくありまして。どうしてそうなったのか、結果報告を出させても『なんとなく』とか『偶然』とかいう、フワフワした言い訳に終始しておりまして、ギルド員の頭の血管が切れそうな感じで」 「あ~~~......」 なんとなくわかった。 ジョーイはそういう星の下に生まれたとしか思えない間の悪さを、動物的直感と実力に関係ない悪運とで、どうにかしている人間だからねぇ。 『なぜ・どうして・そうなったか』を説明するお役所仕事とは、水と油だろう。過程をすっ飛ばして結論に至っているわけだから。 「そういうわけでして、いま奴をC級に上げるわけにはいかない。とはいえ、曲がりなりにも実績があるのに上げないとなると、これはこれで問題がある。まあ、そんなわけで俺としても板挟みなわけですよ」 「ふーん、でも、そういうことなら、書類上はOKだけど感情的に他の冒険者やギルド職員が納得できない。ってことは納得できる実績があればいいわけだよね?」 「まあ、そうですな」 「なら、次の依頼には私は協力しないので、ジョーイひとりでできるというところを見せれば問題ないわけじゃない?」 「ふむ......落としどころとしては、やはりそのあたりでしょうか。しかし、大丈夫でしょうかね......?」 明らかに疑ってかかっているガルテ総長。 いや、ジョーイは君にとっても剣の弟子でしょう? 信じないでどうするんだい。 「相手との相性もあるけど、まあ 魔剣の力もあるしね。 「なるほど、わかりました。ですが、くれぐれも姫陛下はご自制くださいますよう」 「大丈夫だよ、そうそう死ぬような――」 と、言いかけたところで急にギルドの外が騒がしくなった。 『暴れ牛だーっ!』 『子供が撥ねられそうになったぞ!』 『冒険者が割って入って跳ね飛ばされた!!』 『ありゃ、ジョーイじゃねえか?! ジョーイ・アランドだ!』 『し、死んでる!!?』 思わず顔を見合わせるボクとガルテ総長。 しばし間を置いて、 「......まあ、人助けをしたようですしな」 そういう結論になったので、ボクはミーアさんが慌ただしくボクを呼びに走って来る足音を聞きながら、そそくさと席を立った。

161 Outside Promotion Exam Emperor Elektra Mash (similar to a jellyfish but a kind of mushroom), a terrestrial demon (monster) resembling a giant Ethizen jellyfish with an umbrella diameter of about five melts, waves its whip-like tentacles vertically and horizontally. Me and Joey twitching and shrinking distance toward the main body while flapping it and sometimes cutting it off. As it seems, Koitz's weakness is high fever, so if he cleaves with Joey's fiery demon sword, the win is like he saw it at that point. It is highly threatening because of its endurance against physical attacks on unexpected and quick movements, its concealment sneaking from a distance of fifty melts if it reaches out its tentacles, plus its combined moves of venom and electric shock flowing from the tip of its tentacles, sometimes' Emperor Elektra Mash 'that preys on even B-rank Warcraft, but it is situated in Class C in the Adventurer Guild's Warcraft rankings because the clear weakness of' Vulnerability to Fire 'is known. That's only a story if you had the means to attack with flames, though, and don't get ready for anything, there are no magicians who can use flames, and yet if you encounter a guy (mostly lurking in a water field) on a water field, he'll be immediately fed without being able to escape on the side of the adventurer. In fact, where two groups of adventurers had already been wiped out, I discovered that the B-ranked rangers were nesting in a water field on a hunting ground, reported to the Adventurer Guild headquarters in Ara, nominated several groups of more than C-level adventurers as an emergency request, and put them in with the perimeter off-limits, but with any luck or bad luck, I slaughtered a herd of Forest Wolves (Forest Wolves) (Class D in three to four herds) in the woods away from there, and in front of Bok, who had been busy about my spare time, suddenly appeared and began to prey on my appetite with a flock of forest wolves (Forest Wolves). If I had some ability to sense intelligence and magic, I wouldn't want to attack me, but in the meantime, I felt like, "If I caught it reflexively because I had something to eat, it would have been bait." The tentacles that followed were released toward me and Joey, so I decided to join the fight until I broke down with the intention of just visiting. "Hey... ho" Using my love sword, "Sinner of the Rose (Jill de Leye)," the second most powerful sword in this world, I decided to focus on winning the tentacles with the black long glove "Rosy Steel" Iserne Jungfrau "with rose embellishments (though I still decided to expect Joey's hard work because of this, just playing it lightly would wipe out the tip of the tentacles). Eventually, if you reach out, you'll reach the body - just approaching the position where "Now it's todome! Ahhh!!!" "Oh, hey... quick! Joey, burned in blood, swung the fiery demon sword up the upper stage, trying to decide the battle at once. In a moment, the tip of the remaining tentacles of "Emperor Electric Mash" emitted a blue and white light - the moment I thought - as if the electric shock emitted in distress had not been targeted... No, well, as a natural consequence if I were waving up a metal sword, the electric shock concentrated on the tip of the sword that served as a lightning rod, and the high voltage current flowed through Joey's entire body brilliantly of things, "Ababa... Ababa... be..." Joey, stripped of her white eyes and spasmodic, fell on her back like Marutai while dressed with her sword lifted. "Hey, Joey. Big Length...... Ah, he's dead" I ran over to Joey, who was emitting a scorching odor, to check his pulse and breath, but he was dying of electric shock. And then Joey said, "Uh-oh, my body's tingly paralyzed, and weirdly, I'm burned," "You deserve it. You think you're studying around here, and you fight patiently." Declaring that he would not heal any more, he pushed his back toward the 'Emperor Electric Mash' in front of him (or put a kick in it). "After you've saved my life, don't be stingy or sweet! Joey rips the 'Emperor Electric Mash' body apart with his sword in the bottom, avoiding tentacles, just as he drinks his handheld heel potion, whilst saying bumps. The place slashed with the fiery demon sword does not regenerate on the keloid. Moving further around the area, it took Joey about an hour to slit the core of the Emperor Electric Mash to obtain a magical stone that shined in coral color, a testament to his crusade. * * * A week later... "The Alliance Headquarters of Continental Adventurers" in Ara, the capital of the Amitian Republic. There was me sitting on the couch in the Director's office and receiving a welcome. "I apologize for your time, Your Highness" The first general director of Garte bowed his tight head. I wondered if my head retracted with more gray hair compared to when it was... so I kept it in my mouth. "... I wonder whose fault I've had a hard time feathering..." They complained about bumps when I heard something, but it's like famous taxes because they got great, famous taxes. Since I can't walk near Ara in the middle of nowhere these days either, I have been wandering as far away as possible with my Virgin Gear, "The Secret of the Rose (Blue Velvet)," named "The Mysterious Girl Saint Scarlett Snow". I'm not tongue-in-cheek with distractions because I'm so busy working to death. Never. "Oh, you've got some kind of reputation. In the north, they merged with local indigenous beliefs, and gave birth to names, 'Virgin Churches' and other religions to name." "Uh, that one. Originally in the native cult of Livitium, the capital of the despicable rural state of Cilento, he was subjected to an even more adorable evil god," Be sure to give me the princess's help and her name to dispel the past! 'And Eleanor, the witch princess, asked me to sit down in the ground. Come on, well, I've bothered all of you with Joey before, so I admitted with a Buddha's heart that I couldn't help it, was it bad? "No, well, I'm chewing one on that too (* I have a history of making requests when Garte was originally deputy gilt manager), so I'm not going to tell you anyway, are you okay? They were originally so presumptuous that they believed in evil gods right next to the kingdom of Aeon, so I'm worried that they're going to run wild as they please." "Well, I guess it's okay. Just in case, I told you to build a church or a temple away from the country of Cilento." I chose the ruins in the mountains as inconvenient as possible to give them away, "With the Virgin's contemplation! "Originally we spread our teachings in mountainous areas, so it's a great terrain! I feel like there was some kind of tension the other way around. "Anyway," I decided to shelf anything I didn't like, and Bob asked me why I was called here today. "I came here today to get paid for selling bounty money and materials about Joey's crusade during this time, why was I the only one brought here apart? "Oh, that's the thing" Changing his expression, General Garte lurked his voice even though there was no one around him. "It's a mess." "What? "When Joey dies of Emperor Elektra Mash this time, the Alliance Points will have to reach the rule and nominate Joey for C" "Heh?" What's wrong with that? And, with his gaze, General Garte sighs deeply and continues his explanation. "I am an adventurer who is said to be top notch in class B, but when it comes to class C, I am the Lord of equivalent strength. It's not appropriate for comparison, but if you're a simple fighter, you have to have the strength of a knight apprentice." Though I can't seem to make a simple comparison between a soldier who is a specialist in interpersonal fights and wars and an adventurer who is anything to the demon opponent and whose 'life matters' is a motto, because the nature required is completely different. "It's a guild point according to its track record as a guide for this, but the current group Joey singles out for the top D, Fiore for the bottom D, and Joey usually puts on the middle E as a whole" "Heh, so, where's the problem with that? "As for that age, I'd say it's a pretty high rank. Fiore is an average or slightly underrated magician, but Joey, the swordsman, is quite a feat in fact." "Ha, you won't believe it if you put us in front of you." When I accidentally leaked my laughter, General Garte said in a very serious face, "That's it!" He nodded. "I've heard dissatisfaction from people who have known Joey for a long time, or to some extent know the circumstances." He doesn't have that strength, "" I'm letting him wear waste because he's the princess's lover, "" If I'm in the same situation, I'm way up to A "and so on. In fact, I showed you the report, even though you shot 'Emperor Elektra Mash', you're dying carelessly first and resuscitated thanks to the princess, aren't you? If you're failing at that point, and you ask me if I'm not a chicken, I can't defend you, either." I'm stuck with words when they say that. Or who is the lover, who is!!? If you're a freak, anyway, where and which one is blowing it!?! "You have a lot of critical opinions from guild officials as well. It's very underrated in the first place." "Is it low? As far as I know, you're doing your job indefinitely, and you're not having bad behavior, are you? "It's not underrated in that sense. Ratings as a group of bastards (Joey) are good, but in a way that drops all at once when he's alone... As you know, in the current Adventurer Guild, a requested adventurer or group is not supposed to be accepted unless he prepares a calendar and plan and approves it in the Guild. - Well, it was originally proposed by Her Majesty the Princess, so it's literally 'Scripture in the Virgin's ear'." General Garte laughs bitterly at bringing up the idioms that have been popular lately. No, as a matter of fact, I've never read the thick scriptures and doings that the Virgin Church has taken around - enough to weigh cup noodles at best. It should be noted that the pre-schedule and plan document that I thought of, in short, clarified the system that allows people who climb mountains to carry out rescue operations immediately by stating in advance the route, number of people, scheduled days, food, equipment, etc., and seeing that there have been incidents, accidents, etc., if they have not returned after that appointment (or have not been able to confirm at the planned location). Apparently this has led to an exceptional increase in the rate of return of unplanned adventurers so far. "If you work in a group, I guess it's written around Filia. I plan meticulously and take the extra days and gear, but when I'm alone, the plan is minimal, and the gear is critical... besides, there was a slight case of an unplanned demon and bowl through a thoughtful and unplanned route. I don't know how that happened, but even if I let the results report out, it was beginning to be a fuzzy excuse, like 'somehow' or 'coincidence', and it felt like the blood vessels in the guilder's head were going to cut off." "Ahhh..." I kind of figured it out. Joey only thinks he was born under a star like that because he's someone who's doing something with bad luck that has nothing to do with animal intuition and strength. A bureau job that explains "why... why... did that happen" would be water and oil. Because we are soaking up the process and coming to a conclusion. "That's why we can't just raise him to level C. Nevertheless, this is problematic when you have a track record of bending but not raising it. Well, that's why you're on the board with me." "Hmm, but if that's the case, the paperwork is OK but emotionally unconvincing to other adventurers and guild officials. That means we just have to have a convincing track record, right? "Well, yeah." "Then I won't cooperate with your next request, so if you show Joey that you can do it alone, it's not a problem? "Hmm... as for the drop, is it still around there? But will it be okay......? Obviously suspicious, General Garte. No, Joey's a sword apprentice to you, too, isn't he? Don't believe me. What are you going to do? "It goes well with the opponent, but I think a one-on-one (Tyman) Nandemoor would be able to do something with a C-level demon opponent." You have the power of the Devil's Sword. "I see, I get it. But may His Majesty restrain the princess." "It's okay, yeah, it's like dying -" And from what I was about to say, suddenly there was noise outside the guild. "It's a rampage cow!" 'The kid's about to be dialed! "Adventurer broke in and jumped!!" "Wouldn't that be Joey?! It's Joey Alland! "And he's dead!!?" Me and General Garte, who look at each other unexpectedly. Between time and time, "... well, it looks like you've helped people." That's what I came to the conclusion, so I took a seat with the sleaze as I listened to Mr. Meer rush to the footsteps he was running to call me.

第十三話 鈴蘭乃毒 さて、時計の針を少しだけ戻してみよう。 宰相派に対抗する為、 の方針は理解しました。ですが、考えてみればいまわたしがお話している相手は、『クレス自由同盟国の盟主』。そして、問題の『転移装置』が存在するのも、クレスの首都近郊でしたね。つまり自由貿易交渉の締結先はクレスという認識でよろしいのですよね?」 「......それは、確かに」 もともとが緋雪との御前会議(笑)の議題で、苦し紛れに「ビンボなんとかしてください」と懇願したのが事の発端であり、その結果としてクレスが今後世界貿易の中枢もしくは中継となるよう、下賜されたのが今回の『転移装置』である。 そのため貿易交渉もあくまでクレスによる、クレスのために、クレス名義で行う予定であった。 また『転移装置』本体についても、 「あの装置は煮ようが焼こうがフォークダンス踊ろうが、好きに使ってかまわないよ」 と、緋雪からは無条件の裁量――別名、丸投げともいう――をもらっている以上、実際にどうしようが彼女の性格からいって文句は言わないだろう。 「大規模転移魔法による物流速度の飛躍的向上、いえ、物流だけではありませんわ、それが実現することで民間においても情報認知や意思決定の即応性が求められますから、生産・販売過程での時間的な圧縮をも可能にすることになることでしょう。結果的に全体規模での経済性の大幅な向上に繋がるというわけですわね。......そこまで織り込み済みとすれば――まあ、計算ずくでしょうね――姫陛下は、ただのお人形さんではないということで、ますます興味がわいてきましたわ」 言いつつ『ちびちび緋雪ちゃん』人形を撫でる鈴蘭の皇女。 その目と口元笑っているが、楽しげと言うよりも好敵手を見つけたギャンブラーのように挑戦的なものであった。 レヴァンの方は途中から彼女がなにを言ってるのか理解不能になったので、適当に相槌を打つだけである。 そう結論付けると、オリアーナは『ちびちび緋雪ちゃん』人形をレヴァンの枕元に戻して、再びその目を真っ直ぐレヴァンに向けた。 「ですので別に意趣返しというわけではありませんが、わたしからの提案です。『皇帝派』としましては、クレス自由同盟国との自由貿易協定の締結に賛成いたします。使用目的はあくまで貿易の為、ですがそこに有事の際の相互防衛の条文を追加したく思います」 なにやら穏やかならざる言葉にレヴァンは眉をひそめた。 「相互防衛ってどういうことですか?」 「言葉通りです。宰相派はもともとイーオンを後ろ盾としてケンスルーナへの軍事侵攻を強行し、結果的に成功させ、帝国内での地位を磐石といたしました。このままの勢いでは早晩、皇帝など有名無実......いえ、退位させて自分に都合の良い御輿を据えるか、或いは父の時と同じように、わたしを皇帝に据えて摂政を務め、黒子に徹するほうが実利はあるかも知れませんわね。 それに残念ながらわたしは女ですので、自らの親族――馬鹿息子も何人かいるようですので、そのあたりを夫をあてがって実権を剥奪し、生まれた孫を新たな御輿に据えるといったところでしょうか。まあ、そうなれば個人的にも国としても非常に面白くない状況になることは想像に難くありませんわ」 「......そりゃ、まあ、好きでもない相手と結婚するのは嫌だとは思いますね」 首を捻りながらのレヴァン言葉に、好意と憧憬を込めた眼差しを送るオリアーナ皇女。 「――あら。ずいぶんとロマンティストでいらっしゃるのですね。獣人族の方々は皆様そうなのでしょうか? それと誤解のないように言って置きますが、皇族、王族の婚姻について個人の感情はそう大きな要因ではなく、わたしはそれ自体が嫌だと言っているわけではありません」 「好きでもない相手と結婚するのが問題ないんですか?」 渋い顔をするレヴァン。 確かに人間族の貴族や王族というのは政略結婚が主だと聞いてはいるが、情愛のない結婚についてはやはりあまり良い感情が持てない。 緋雪も、「女性をモノとして扱う前時代的な風習だねぇ」と嫌な顔をしていたものだが......。 「そうですね。確かにわたしどもも人間である以上、幸福を求めるのは当然の欲求だとは思います。ですが、それはあくまで国家の安泰があればこそです。国民は自らの生活を庇護し、将来的な安寧と繁栄をもたらすと思えばこそ、わたしどもを敬い、自らの働いた血税を捧げてくださるのですから、その期待に応えることこそが皇族、王族の務めでありましょう。婚姻は国の繁栄をもたらす手段の一つですから、個人の欲求を優先するなど国民に対する裏切りですわ」 これまた......随分と現実的なお姫様だなぁ、というのがレヴァンの感想だった。見た目はいかにもたおやかなお姫様なのに、考え方がとことん合理的で、なおかつ明確な理念をもって一切の妥協がない。女性にこういう表現をするのはなんだが――実に割り切った男らしい性格である。 姫陛下もかなりこのお姫様に近いけど、身内には甘いところがあるし、どこか可愛らしく柔らかな隙があるので、女性的な魅力ではあちらの方が遥かに上だな。......などと、 「そこで話が先に戻るのですが、宰相派にこれ以上の専横を許すのは危険すぎます。彼の考える改革の支持基盤がイーオン聖王国というところに問題があるのです。彼の国は他国へ対しては中立を公言していますが、我々の使う共通語や暦なども元をただせば聖教のもの。実質的に世界を支配しているといっても過言ではありません。宰相は彼らの影響を過小評価しているようですが、彼らと手を組むことはミイラ取りがミイラになる可能性が非常に高いと思います」 「なるほど」 彼女の迫力にほとんど呑まれる形で、レヴァンは頷いた。 「大昔ならいざ知らず、好むと好まざるとに関わらず多民族と交流をもってこそ国の繁栄は成り立つでしょう。宰相の考える改革はこの国の腐った部分――いわば患部を切除するというものですが、そんな乱暴なやり方では一時的な効果しか発揮できないどころか、『手術は成功しても患者は死んだ』状態になる可能性が高いかと思われます。必要なのは外部からの新しい血と、手術に耐えられるだけの体力づくりでしょう。そのために必要なのが、クレス自由同盟国との相互防衛協定になります」 「言ってしまえば、転移装置を使った非常時――名目は災害時など緊急避難措置として、軍の派遣を必要と認め、要請があった際に両国間で融通し合うというものです」 さらりと言われた言葉の重大さに、レヴァンはベッドに倒れこみそうになった。 をそちらの内戦に巻き込むつもりですか?」 彼女には命を助けてもらった恩もあるし、個人的には協力するにやぶさかではないが、国同士となればことが大きすぎる。 思わず恨みがましい目で見てしまうが、オリアーナは顔色一つ変えることなく、レヴァンの言葉に頷いた。一方、傍付の侍女は目の前で語られる、ある意味国を左右する話に顔色が蒼白になっていた。 「身も蓋もない言い方を言ってしまえばそうなります。ですが、あなた方にも充分にメリットはある話かと思いますわ。第一に自由貿易が全世界規模で行えるようになること。第二にわたしどもに協力することで、帝国からイーオン聖王国の影響力を薄れさせ、間接的にお国への軍事侵攻を抑えることになる点。第三に獣人族の世界的な地位向上。......いかがでしょうか?」 「なんだかんだ理屈をつけて、軍事同盟を結ぼうとしているように思えますね。はっきり言って、オレの権限を越えています。一度 ここまでやり手の皇女様相手に政治の素人の自分では手に余る。 そう判断してレヴァンは返答を保留することにした。 それに対して、やや芝居がかった仕草で心外そうに口元に手を当てるオリアーナ。 「――あら。姫陛下は貴方にその程度の権限も与えないような狭量な方でいらっしゃいますの?」 明らかな挑発に、レヴァンはため息をついた。 「......姫陛下がこの場で、お国の現状を聞いてオレが協力すると言えば、『じゃあ後腐れないように、すっぱりと宰相派を消してくるよ』と、さらりと言って実行するでしょうね」 そんな恐ろしく荒っぽいことを聞かされても、オリアーナは平然とした顔で言葉を返した。 を牛耳るなど本来であれば、臣下の分を越えたあるまじきこと。とはいえ、元をただせば国の行く末を案じてのことですので、一概に断罪するわけにも参りません。また、先ほども申し上げた通り、宰相派は国内のあらゆる派閥に関与しております。これを処断すれば国内に混乱が生じましょう」 ため息をつくオリアーナを見て、大国ともなるといろいろややこしいんだなぁ、と能天気に同情する一応は大国の代表者であるレヴァン。 「それと、相互防衛協定といっても実際に軍事行動を起こすつもりはありません。こういっては失礼ですが、内乱など起こればクレス=ケンスルーナ連邦の愚を繰り返すことになりかねません。あくまで抑止力としての機能を期待しているに過ぎませんので、その間に地盤固めと宰相派の切り崩しを行うつもりです」 にっこりと笑うオリアーナは自信ありげだが、まさにその国内を二分する内戦を経験したレヴァンとしては懐疑的にならざるを得ない。 「そう上手く行きますかね。これまでずっと劣勢だったんでしょう?」 「確かに状況は厳しいですが、まったく勝算がないわけではございません。なるほどウォーレン宰相は智謀・経験に優れた方ですが、その為か他者に対する感情が非常に希薄な人物なのです。自分ができることが他人ができないことが理解できないのでしょう。自分は自分、他人は他人と違いを認めずに同じことを要求して、それが達成できないために他者を厭います。彼の周囲に居るのは実利と恐怖で縛られた者たちだけで、そこには愛情や忠誠は一切ございません」 オリアーナは軽く嘆息した。 「そこが彼のアキレス腱となるでしょう。それに比較して、父たる今上帝は抜きん出た器量こそございませんが、おおらかなで人当たりの良い性格で、なにより他者の才能を認めるのに一切の躊躇がございません。そもそも、成人前の一人娘であるわたしが、 「――それと、いままで皇帝派が劣勢だったのは、わたしが に口出しできなかったからですわ。ですが、これからは違います。おめおめと宰相如きに負けるつもりはございません」 当然と言う口調で断言する白皙の美貌を唖然と見返すレヴァン。 聞き様によっては非常に失礼な発言にも関わらず、オリアーナは楽しげにくすくすと微笑んだ。 「ご存知ですか。鈴蘭というのは毒草なのですよ? 特に花と根には毒が強いんですから」 轟々と音を立てて、縦横5メートル以上ある排水管から、アルゼンタムの生活排水が水路に流れ込んでいた。 下水と言うことで覚悟していたほどの臭いも少なく、ほっと安堵のため息をつきながら、ボクは周りを警戒しているらしい影郎さんに聞いてみた。 「ええ、間違いありません。途中の分岐からいまは使っていない宮殿の副管に繋がる水路がありまして、古過ぎて宮殿でも管理してないんで、知ってる人間も数人くらいしかいないんと違いますかな」 「なんでそんな場所を知ってるんですか?」 アスミナの当然の疑問にも、「まあ、そこは蛇の道はナントカで」と適当に躱す。 「――まっ、いいけどさ。下水だと定番の未知の生物とかいないだろうね?」 都市伝説の白い爬虫類とか、この世界では普通にいそうで怖いんですけど。 「だいじょうぶですよ。いっぺん確認しましたけど、居るのはネズミにコウモリくらいで」 『......まあ、それなら問題ないか』 という顔で、アスミナとアイコンタクトを取る。

77 Lesson 13: Suzuran Is Poison. Okay, let's just put the clock needle back a little bit. To counter the Chancellor's faction, Empress Oriana, who had been rejected by Levan as spurious about the necessity of military cooperation with Imperial Crimson of the Crimson Empire, looked up after much reflection. There's a pranky grin there. "I understand the policies of the Crimson Empire Imperial Crimson. But if you think about it, the person I'm talking to right now is The Alliance Leader of the Free Alliance of Cres. And it was also near the capital of Cress that the 'transfer device' in question existed. I mean, free trade negotiations can be concluded with the recognition of Cres, right? "... it is, indeed" Originally on the agenda of the previous meeting with Scarlet Snow (laughter), it was the beginning of the matter that I begged bitterly to "do something about Bimbo", and as a result, it was this "transfer device" that was given to Kress to become the hub or relay of world trade in the future. Therefore, trade negotiations were also planned only by and for Kress in the name of Kress. Also for the "Transfer Device" body, "Whether it's boiled or cooked or forked dancing, you can use it if you like." And I wouldn't actually complain about what I'd do out of her personality than I'm getting unconditional discretion from Scarlet Snow - also known as a round throw. "A dramatic increase in logistics speed due to massive transfer magic, no, it's not just logistics, because it will also require information cognition and readiness to make decisions in the private sector, so it will also allow for temporal compression in the production and sales process. So this leads to a significant improvement in the economy on an overall scale.... if it was so woven - well, it would be a calculation - Her Majesty became more and more interested in the fact that she wasn't just a doll." The Princess of Suzuran strokes the 'Chibi Scarlet Snow' doll as she says it. Its eyes and mouth laughing but it was as challenging as a gambler who found a good enemy rather than fun. Levan's just hammering him appropriately because he couldn't understand what she was saying from the middle of nowhere. To conclude so, Oriana put the 'Chibi Scarlet Snow' doll back on Levan's pillow and turned its eyes straight on Levan again. "So I'm not saying it's a return of interest, but it's a suggestion from me. For the sake of 'emperors', I am in favour of the conclusion of a free trade agreement with the Free Alliance of Cres. For trade purposes only, but I'd like to add a mutual defense text when things happen." Levan frowned at what had to be calm. "What do you mean by mutual defense? "You're right. The Chancellors originally forced a military invasion of Kensruna using Aeon as a back shield, which resulted in success and rocked their place within the Empire. Sooner or later in this momentum, the Emperor and other famous innocents... No, it might be more profitable to let him leave and set up a convenience for himself, or, as he did when he was a father, to hold me as the Emperor and serve as Regent and be thorough with the Black Son. And unfortunately, I am a woman, so it seems that I have some relatives of my own - some idiot sons, too, so that I may lift up my husband around it and disenfranchise him, and put my birth grandchildren in a new place? Well, it's not hard to imagine being in a very uninteresting situation, either personally or as a country. " "... well, I don't think you'd like to marry someone you don't even like" Princess Oriana sends a favorable and aspiring glance at Levan's words as she twists her neck. "- Oh. You've been a romantic a long time. Are all of you from the Beasts so? I'll put it down without misunderstanding, but personal feelings about royal, royal marriage are not such a big factor, and I'm not saying I don't like it in itself" "You don't have a problem marrying someone you don't even like? Levan with a sinister face. I do hear that political marriage is the predominant thing about the aristocracy and royalty of the human race, but I still don't have very good feelings about marriage without love. Scarlet Snow also looked disgusted when he said, "It's an anachronistic custom before you treat women as things"... "Right. I do believe it is a natural desire to seek happiness more than we are human beings. But that's only if we have the state's Antai. It is up to the royal family, the royal family, to meet its expectations, because the people will shelter their own lives and honor us and dedicate their own working blood taxes if they think they will bring future peace and prosperity. Marriage is one of the means of bringing prosperity to the country, so it's betrayal of the people, like prioritizing personal desires." Again... it was Levan's feeling that she was a very realistic princess. Even though she looks like a sweet princess, the way she thinks is reasonable, yet she has no compromise whatsoever with a clear philosophy. I don't know about expressing this to women - it's a truly split masculine personality. Her Majesty's pretty close to this princess, too, but there's something sweet about her, and there's a cute, soft gap somewhere, so that's way above her in her feminine charm.... and Levan continued to think that Scarlet Snow (really) would be greatly shocked if he heard it. "So I'll get back to it, but it's too dangerous to allow the Chancellor to be any more arbitrary. There is a problem where, in his view, the basis of support for reform is the Eon Holy Kingdom. His country publicly proclaims neutrality vis-a-vis other countries, but also ecclesiastical, if based on the common language and calendar we use. It is no exaggeration to say that we are essentially in control of the world. The Chancellor seems to underestimate their impact, but I think working with them is very likely to make mummification" "I see." In a form almost swallowed by her power, Levan nodded. "Once upon a time, the prosperity of the country would be made possible only if we did not have to know and interacted with multi-ethnic people, whether we preferred it or not. In the Prime Minister's view, the reform is about removing the rotten parts of this country - so to speak - but instead of being able to have only a temporary effect in such a violent manner, it seems likely that 'the surgery is successful, but the patient is dead'. What you will need is new blood from the outside and building as much strength as you can withstand surgery. What we need for this is a mutual defence agreement with the Free Allies of Cres." "If I say so, in an emergency using a transfer device - nominally, as an emergency evacuation measure, such as in a disaster, we find it necessary to send troops and accommodate each other when requested." The seriousness of the sayings made Levan nearly fall into bed. "... are you going to involve the Freedom Allies (us) in your civil war? She also has the grace of having her life saved, and although I personally am not vulgar to cooperate, it would be too great if the country were to be one another. I had an accidental grudge. I look at it with my eyes, but Oriana nodded at Levan's words without changing one complexion. Meanwhile, the sideline samurai was pale in her talk of shaping the country in a way, told in front of her. "That's what happens if you say it the way you don't have a body or a lid. But I think it would be beneficial for both of you. The first is that free trade can take place on a global scale. Secondly, by cooperating with us, we will diminish the influence of the Aeon Holy Kingdom from the Empire and indirectly reduce military aggression against your country. Thirdly, the improvement of the global status of the Beast Nation.... How about that? "Sounds like you're trying to reason with me and forge a military alliance. Clearly, it's beyond my authority. I'd like to consult with the Imperial Crimson nation of the Crimson Empire." To this point, the Empress is in the hands of the political amateur himself. Having so decided, Levan decided to withhold his response. In contrast, Oriana puts her hand on her mouth with a slightly playful trick. "- Oh. Is your majesty narrow enough not to give you that degree of authority? To the obvious provocation, Levan sighed. "... when His Majesty asks about the current state of your country and says that I will cooperate, 'Then I will wipe out the Chancellor's sect completely so that it does not rot behind me', you will say farewell and execute it." Even when asked such horrible and rough things, Oriana returned the words with a flat face. "That's just troublesome. If it is inherent to disobey the Emperor's will, and to bull and ear politics (every word), then a certain seriousness beyond the subordinate portion. Nevertheless, since it is based on the original and guided by the fate of the country, it does not come as a general plea of not guilty. Also, as I said earlier, the prime minister is involved in all factions in the country. If we cut this off, there will be chaos in the country." Seeing Sigh Oriana, it's a lot to do when she's also a big country, and Levan, a representative of a big country, sympathizes with Neng Weather at first. "And we're not actually going to take military action when it comes to mutual defence agreements. It's rude to say this, but civil unrest and all this could lead to a repeat of the Fools of the Kres-Kensruna Federation. I'm only hoping to act as a deterrent, so in the meantime, I'm going to do ground consolidation and a prime minister's chop." The grinning Oriana is confident, but I have to be skeptical as Levan, who experienced exactly the civil war that bisects that country. "Will it go so well? It's always been a disadvantage, hasn't it? "Sure, the situation is tough, but it's not like we don't have a chance at all. I see Chancellor Warren is an excellent intellectual and experienced person, but for this reason, his feelings for others are very rare. You don't understand what you can do is what others can't do. I loathe others because I, others, demand the same without acknowledging the difference with others and it cannot be accomplished. The only people around him are those bound by profit and fear, and there is no love or loyalty there." Oriana sighed lightly. "That will be his Achilles tendon. Compared to that, Father, now God is not the only one who has pulled out the instrumentality, but with a probable and well-deserved personality and, more importantly, no hesitation whatsoever in acknowledging the talents of others. In the first place, it is only with the trust of my father that I, my only daughter before adulthood, can speak out to politics (that is, every word). Aren't those points considered to be the qualities of kings? The point is, humans are the way to use them. Because all you have to do is put together a minister who is good at each side." "... somehow I thought you were a princess who didn't poison or drug the princess until now, but it was a hell of a mistake" "- And until now, the emperors have been disadvantaged because I have not been able to speak to the government (every word). But not from now on. I'm not going to lose to you like the Chancellor." Levan flashly recounts the beauty of white, which he affirms in a naturally spoken tone. Despite very rude remarks from some of the listeners, Oriana smiled as she shrugged for fun. "Did you know? Suzuran is poisonous grass, right? Especially because flowers and roots are poisonous." There was a roaring noise, from a drain that was more than 5 metres long and horizontal, and Argentina's domestic drainage was flowing into the waterway. With less odor than I was prepared to say sewage, and a sigh of relief, I asked Shadowloon, who seems to be on guard around me. "Yeah, definitely. There's an aqueduct that leads from a branch along the way to a secondary tube in a palace that we don't use right now, and it's too old to manage in a palace, so I guess there's only a few people who know it." "How do you know such a place? Asmina's natural questioning also aptly suggests, "Well, there's a snake path in Nantka". "- Ma'am, fine. If it was sewage, there wouldn't be a classic unknown creature or something, would there? I'm afraid I'm going to be normal in this world, like the white reptiles of urban legend. "It's a good idea. I checked, but the rats have bats." "... well, is that okay?" Make eye contact with Asmina with the face that

の魔法や種族には、火・水・地・風・闇・光・無の7つの『属性』が付加されていた(あと、どうやらこれはこの世界でも準拠されているらしい)。 そして、これらはお互いに相克関係にあり、 『地>水>火>風>地』 『闇>四属性>光>闇』 『全属性≧無』 という感じで、優位にある属性の武器・魔法どちらでも物理&魔法攻撃力に圧倒的なプラス補正がかかる(逆だとマイナス補正がひどい)ので、これらを把握して戦闘を行うのがセオリー且つ有効なのは言うまでもない。 ま、面倒臭い人は無属性を鍛えておけば、どの属性にも及ばないにしても圧倒的に不利ということもないので、オールマイティに使用できるのでお勧めだけどね。 ちなみにボクの場合は、種族が『闇』で職業が『光』、使用している武器は闇属性ベースに四属性を付加。防具は無属性って感じで、どの属性にも対応できるけど、逆に言えば中途半端。 対するしまさんは、種族が『闇』で職業も『闇』、武器も装備も『無』ということで、吸血鬼としてはかなり基本に忠実だけど、『光』に対しては当然不利な立場なわけ。 そして、こちらは知り合い全員から『種族詐欺』とも呼ばれた、光魔法系統最高峰の『聖女』をコンプリートしている......つまり、正面からのぶつかり合いなら、確実に力技で『闇』のしまさんを圧倒できる――筈だったんだけど。 「な......っ!?」 お互いのダメージ量を確認するため、『鑑定』でしまさんに焦点を当て、ステータスを観たボクの口から、知らず驚愕のうめきが漏れていた。 「なにその滅茶苦茶なステータスは?!」 種族:吸血鬼(神祖) 自乗自爆 HP:378,902,700/379,002,630 MP:411,991,128/420,003,547 ちなみに現在、天涯と従魔合身中のボクのステータスがこれだよ。 種族:吸血姫(神祖) 名前:緋雪ひゆき 天嬢典雅 HP:61,304,120/61,309,800 MP:51,992,500/53,841,500 HPでおよそ6倍。MPだと8倍近い差があるじゃない!! と? でも、さっき表で暴れてるのは見たし、せいぜいこの3分の1程度のステータスだったはず......?」 混乱するボクに向かって、契約書に判子を押させることに成功した詐欺師みたいな笑みを浮かべる、しまさん。 が1匹しかいないとは言ってないね。――だいたい変だと思わなかったのかな、私が6人しか聖堂騎士を手駒に連れてきていなかったのを。残りの6,000人はどこへ行ったのでしょうか?」 「まさか、いまそこに!?」 6,000人を材料としていまーす。いやいや、さすがは大陸最強騎士。吸血鬼化でステータスを底上げしたら、平均でHP5~6万、MP6~7万台行くんだもんなぁ。たいへん美味しゅうございました」 そう言って、わざとらしく一礼するしまさん。 まずい。この差は洒落にならない。いまの一撃でのボクのダメージが5,000くらい。対して相手のダメージは、見た感じ20,000~25,000ってところだろう。確かに属性的にボクの光魔法の方がダメージがかなり高いけど、最大に見積もっても......15,000発以上当てればHPを削り切れない計算だ。 そしてなにより、奥の手として温存してある、影郎さんから渡された『封印の十字架』――実験の結果、MPが相手を上回らないと完全封印ができないのがわかっている――これが現状では使えないということだ。 対応を疎かにしたら、後背を衝かれる恐れが高い。現状のまま、削れるだけ削って! 弱いほうを先に斃すのはセオリーだよ』 天涯の進言に内心首を横に振る。 『大丈夫。数値の高さに目が眩んで判断を誤りかけたけど、考えてみればHP差10倍程度どうってことはないよ』 だったらやり方はいつもと同じ。 が連結を解いて、鞭のようにしなりながら刻耀を拘束しようと襲い掛かるけれど、それを前方に突き立てた暗黒槍を回転させ――スキル『サイクロン・インパクト』――一撃で、バラバラに砕いてしまった。 そのまま、顔を引き攣らせるしまさんへ、余勢を駆ってスキルを叩き付ける。 「のわっ!?」 ギリギリ躱したしまさんだけど、先読みしていた刻耀の ガン!というおよそ人体を叩いたとは思えない破砕音とともに、しまさんの身体が再度壁を粉砕して廊下へと、押し戻され、そのままタイヤのように転がった。 「あいたたた......さすがにアウェー、なかなか手強い......」 髪や身体についた埃を掃いながら、しまさんが起き上がった。 とは言え、まだまだパーセント程度のダメージしか与えていないし、余裕綽綽といった感じだ。 ボクを守る形で盾を構えた刻耀の脇を掻い潜る形で、ボクは『 「ダークソウルイーター」 指定した対象を中心に『闇』属性の魔法攻撃を行う範囲攻撃。さらに攻撃時にはHP・MPを吸収する効果がある。なるほど、両方を狙ったか。 だけどそれがこちらに届く前に、ボクの身体に「光」属性のレジスト系スキル(物理、魔法攻撃力、防御力上昇、HP、MP常時増加効果)の 防御結界に阻まれ、大半の威力を殺された魔法攻撃がHPを削るも、即座にゴッドブレスの効果で回復。 HP、MPともほとんど無傷の状態で、ボクは剣線を躱そうとしたしまさんの正中線のど真ん中へ、剣聖技『絶唱鳴翼刃』を叩き込んだ。 「はあああああ――――――っ!!」 眩いオーラを放つ剣先が鈍い手応えとともに人体を貫通し、さらに内部に震動波を放出する。 ガガガァン!という炸裂音が轟き、全身から沸騰した血液を流しながら、しまさんが遥か後方へと跳ね飛ばされた。 「.........」 無言のまま、しまさんの次の行動を警戒して、『 かなりのダメージを与えた感触はあったけれど、転がるしませんのHPを見る限り、勝敗を決するほどの量ではない。 「......参った参った...緋雪ちゃんも強いわ。これでも から、直接指定した装備を交換するゲーム時代からあった仕様で、ボクも基本的に戦闘時は、この早着替えを良く使っている。 「随分と余裕ですこと」 「どうせまた汚れるので無駄なことであろうに」 『空穂、貴様全体の指揮はどうした?』 不機嫌そうな天涯の声に、軽く笑みを浮かべた空穂が、余裕の表情で返す。 相手にできんからのぅ。手が空いたところでちょうど良いであろう? 適材適所というものであるな」 喋りながら、いつの間にかボクを中心に正三角形を組む形で、刻耀が前に立ち、後方に命都と空穂が付いた。 攻撃に出られないことに苛立ってだろう、天涯も従魔合身を解いて、前線に出ることを要望してきた――けど、いま素に戻ったら洒落抜きでボク死ぬと思いますけど? 「天涯、お主はそのまま姫様をお守りせい。だいたい、城内でお主の図体では邪魔でしかたがないわい。四凶天王の筆頭らしく、鷹揚に構えておけばよいことじゃ」 そんな天涯を空穂が窘めた。 「そうですね。相手は闇属性、ならば私と刻耀殿が戦力として有効でしょう。天涯様はその場で姫様をお守りするのが、この場合適切かと存じます」 命都からも宥められ、『.........』しぶしぶ納得する天涯。 「さて、なにはともあれ四凶天王揃い踏みである。覚悟は良いか、そこなウツケよ。降参するならいまのうちじゃぞ?」

Well, I tend to be a nettle, but the magic and race of "E. H. O" and "Eternal Horizon Online" were supplemented by seven "attributes": fire, water, land, wind, darkness, light, and nothing (and apparently this is also compliant in this world). And these are in a reciprocal relationship with each other, "Land > Water > Fire > Wind > Land" "Darkness > Four Attributes > Light > Darkness" "All Attributes >= None" It feels like an overwhelming positive correction is applied to physical & magical attack power for both weapons and magic of an advantage attribute (vice versa, negative correction is terrible), so it goes without saying that it is Theory and effective to grasp these and carry out the fight. It is recommended that troublesome people work out no attributes and not extend to any attributes but are not overwhelmingly disadvantaged, so they can be used for all-mighty purposes. By the way, in my case, the race is' dark 'and the occupation is' light ', and the weapon used adds four attributes to the dark attribute base. The protective gear feels unattributed and can accommodate any attribute, but on the contrary, it's halfway there. Shima, who opposes, is quite faithful to the basics as a vampire because his race is' dark ', his profession is' dark 'and his weapons and equipment are' nil ', but naturally he is at a disadvantage against' light '. And this one completes "The Virgin," the highest peak of the light magic system, also known by everyone I know as "Race Fraud"... I mean, if we bumped from the front, we could definitely overwhelm Shima in "Darkness" with force moves - I should have. "Huh......!?" In order to confirm the amount of damage to each other, I focused on Shima in "Appraisal," and from my mouth watching the status, there was an unknowingly stunned groan leaking. "What is its disastrous status?!" Race: Vampire (Divine Ancestors) Title: Self-destructive suicide bombing HP: 378,902,700/379,002,630 MP: 411,991,128/420,003,547 By the way, this is my current status in Heavenly Life and Obedience. Race: Blood Sucking Princess (Divine Ancestors) Name: Scarlet Snow Hiyuki Title: Heavenly Lady Elegant HP: 61,304,120/61,309,800 MP: 51,992,500/53,841,500 Approximately six times more with HP. MP makes nearly eight times the difference!! "Submissive fit?! - With Abandoned Dragon (Nidheck)? But I saw you rambling on the table earlier, and it should have been about this third of the status at best...? Turning to me in confusion, I smile like a con man who has succeeded in pushing his verdict on the contract, Shima. "You didn't say there was only one Abandoned Dragon (Nidheck). - I guess you didn't think it was more or less weird that I only brought six diocesan knights to the pawn. Where did the remaining 6,000 go? "No way, right there!? "Correct ~ Eh. The Abandoned Dragon (Nidheck) 2, of which I am currently a member, uses 6,000 Cathedral Crusaders from the Cathedral Crusaders as material. No, no, that's the strongest knight on the continent. If I bottomed up my status with vampirization, I'd go 50,000 to 60,000 HP and 60,000 to 70,000 MP on average. It was delicious." That's what I'm going to say. Bad. This difference won't go out of style. My damage from the current blow is about 5,000. In contrast, the target's damage would be between 20,000 and 25,000. Sure, my light magic is pretty much more damaging in attributes, but even with the maximum estimate...... if you hit more than 15,000 rounds, it's a calculation that won't cut your HP. And more importantly, the "Sealed Cross" given to me by Mr. Shadowloon, which is kept as his wife's hand - the experiment shows that a full seal cannot be made if the MP does not exceed its opponent - which means that it cannot be used as it stands. 'You can't do that. If you neglect to respond to abandoned dragons (Nidheck), you are likely to be hit in the back. As it stands, scrape as much as you can! It's Theory who kills the weaker first. " Shake your inner head sideways at the prophecy of heaven. "It's okay. I was dazzled by the high number and misjudged, but if you think about it, there's nothing like 10 times the HP difference." Then the method is the same as usual. He just felt a sense of crisis, Shima's snake-bellied sword (Gallian Sword) unjointed, attacking him to restrain the engraving flare while becoming like a whip, but spinning a dark spear that protruded it forward - skill 'Cyclone Impact' - a blow that smashed him to pieces. As it is, to Shima, who attracts her face, she drives the excess to slap her skills. "Whoa!? Shima-san is critical, but the big shield (Pavis), who had been prefetching, bounces off his body. Gun! Shima's body crushed the wall again into the hallway, pushed back and rolled like a tire as it was, along with a crushing sound that I didn't think had roughly slapped the human body. "Awesome... just Awesome, pretty tough..." Shima got up while sweeping the dust on her hair and body. That said, I've only done about percent damage yet, and it feels like I can afford it. In the form of scratching the side of the raging shield in a way that protects me, I set up "The Sinner of the Rose (Jill de Leye)" to pack a distance at once to Shima, who ran out of weapons. "Dark Soul Eater" Range attack that performs a magic attack of the 'Dark' attribute around the specified target. It also absorbs HP and MP when attacking. I see, did you aim for both? But before it arrived here, Bob's body was multiplied with auxiliary magic (buffs) of Resist-based skills (Physics, Magic Attack, Defense Up, HP, MP Constant Incremental Effect) of the "Light" attribute, which in turn stretched the All Attribute Defense boundary against Shiman-san's attack. Immediately heal with the effect of Godbrace, even if the magic attack, which was inhibited by the defensive junction and killed most of its power, sharpens HP. Both HP and MP were almost intact, and I knocked Kensei's technique, "The Singing Wing Blade," into the middle of Shima-san's midline, where he tried to snipe the sword line. "Ahhhhhhhhhhhhhh!! A blade tip emitting a dazzling aura penetrates the human body with a dull response, releasing further vibrating waves inside. The bursting sound of Gagagang! made Shima jump far rearward as she poured boiling blood from all over her body. ......... Remaining silent, be vigilant in Shima's next action and set up "The Sinner of the Rose (Jill de Leye)". As far as HP, which felt pretty damaging but doesn't roll, it's not enough to decide winning or losing. "... here we go... Scarlet Snow is strong too. This is still PV Battle # 2 of" E. H. O. "and" Eternal Horizon Online. " Specifications from the storage space (inventory) date back to the Game Age where we exchanged directly specified equipment, and I also basically use this early change of clothes well in combat. "It's a lot to spare" "It would be useless because it would get dirty again anyway" "Akaho, what happened to your overall command? An empty hoe with a slight grin returns with an extra look on his grumpy, seemingly lifelong voice. "I left it to the pigeons. This time, he can't deal with an abandoned dragon (Nidheck). Would it be just right where my hands are free? It's the right material." Speaking, at some point, in the form of a square triangle around me, Engraved Yao stood in front, with Life Capital and Ho on the rear. You'd be pissed that you can't go on the offense, heavenly unravel your submissive fit, and demand to be on the front line - but now that you're back in the vegetables, I think I'm gonna die out of the sprinkles? "For heaven's sake, the Lord protects the princess as she is. For the most part, the Lord's figure in the castle was the only way out of the way. It seems to be the head of the Four Homicidal Heavenly Kings. We should keep it at Eagle Deep." Aaho embarrassed himself with such a lifetime. "Right. The opponent will have Dark Attributes, then me and Lord Seiyao will be effective as a force of war. I know it would be appropriate in this case to protect the princess on the spot." Forgiveness also comes from the capital of life, and '.........' is perhaps a convincing heavenly life. "Now, whatever it is, it is a trample of the Four Wesen Kings. Ready or not, that's where it is. If you want to surrender, why don't you do it now?

、二人の間には10歩ほどの距離が開いていたが、お互いに一瞬で間合いを詰められる距離である。 身動ぎもせずに、剣と 「......いっとくけど、僕のステータスはあの方のお陰で、いまのお前とほぼ同じになっている。条件は互角、つまり、地力で劣るお前には勝ち目がないってことだよ」 不意に口を開いた音丸の挑発に、訝しげな目で相手のステータスを確認した緋雪の目が、軽く瞠られた。 その言葉通り、音丸のステータスは現在、神獣である白面金毛九尾の狐・ ?! あれは確かティム不能のイベント・ボスだったはず...!?」 いや、仮に何らかの裏技で従魔にできたとしても、通常であれば――根性で限界突破した 事実、先ほど音丸が呼び出した移動要塞から出てきた従魔たちは、それ相応のステータスしか持っていなかった。だとすれば、この異常なステータスの原因は――。 「『あの方』って言ったけど。それって、らぽっくさんが言っていた『この世界の神様』と同一人物なわけ?」 「そうさっ。あの方こそ神! 全ての始まりさ」 「......そのあたりを詳しく教えてもらいたいんだけど?」 「はン! 僕を倒せたらなんでも喋ってやるよ。まあ、そんなこと天地が引っくり返ってもありっこないけど――ね!」 その嘲笑とともに音丸が地を蹴り、同時に緋雪も前に出た。 ガキン!と、ほぼ中間地点で剣と刀が激突し、互いの斬撃が火花を散らす。 「ふん!」 力と力のぶつかり合いで趨勢を傾けたのは、やはりというか体重とSTR(筋力)に勝る音丸であった。 突き飛ばされた緋雪を追撃する音丸の双刀が螺旋を描く――刀スキル・旋風刀に、さらに刀自体が持つ雷撃が付加された。 剣圧は竜巻となり、体の浮いていた緋雪に襲いかかる。 緋雪のスカートがはためき、その小柄な体が宙に浮く。さらに四方から鎌首をもたげたスパークが迫る。 気合とともに空中で回転しながら、『 束縛から解放された緋雪が足をつける前に、カタパルトから発射された砲弾のように、音丸が一直線に突進する。 剣士系基本スキル・ 勢いのままに繰り出される直線的な攻撃に対して、横薙ぎの剣閃で迎撃する緋雪。 着地の衝撃に上乗せして、静止した状態から全身の筋肉を急加速させる動き――獣王から学んだ剄の動きを取り入れたそれが、緋雪本来の爆発力によって、凄まじい螺旋力へと変換された。 足元の地面が爆発する。 剣と刀、2回目の激突。 だが、今度は剣が力負けしない、速度で相手を遥かに上回った結果である。 その弱気を自ら糊塗すべく、再度スキルを発動させようとする音丸の鳩尾に、鍔迫り合いの体勢から、緋雪の蹴りが飛んだ。 蹴られた勢いはそのままに、吐き気をこらえて慌てて距離を置き、追撃に備える音丸。だが予想に反して、緋雪は『 「......やっぱり同じだねぇ」 「あン? なにがだ?」 「君の攻撃パターンだよ。兄丸さんと同じだね。基本的にスキルの連発で、通常の攻撃はその中継ぎか、スキルが間に合わない場合に力技で行うかのどちらかだねぇ」 「それがどうした! ちんたら斬ってたらいつまで立っても相手のHPを削れないだろう!」 その言葉に緋雪は首を傾げた。 「それは痛みも何もないゲーム内のことじゃない? 現実の世界では通用しないと思うよ。急所を打たれれば痛みがあり、視界を塞がれれば距離感が狂う。実際、それで兄丸さんも負けてるしね。まあ、相手に合わせてスキルを連発した私が負けたのは自業自得だけど、基礎も応用もできてないそのやり方は、早い段階で破綻すると思うよ」 「馬鹿言うな、そんなのは力のない負け犬のいい訳だ! 絶対的な力の差があれば、そんなものは関係ない」 「そうかい。じゃあ私はいまからスキルを使わないで、君を倒して見せるよ。次で雌雄を決しようじゃないか」 「できるもんならやってみろ、このハッタリ野郎!」 雄叫びと共に縦横に振るわれる音丸の二刀――刀スキル・連続斬りを、緋雪は後退しながら躱し、いなし、弾き飛ばす。 「はン! 逃げるだけが!? この男女!」 牙を剥いて罵声を浴びせる音丸の態度にも、特に動じた様子もなく隙――スキルの終了直後の硬直を狙う緋雪の意図を察して、スキルが終わる直前に足をとめた音丸。 最短距離で自分の喉元を狙ってくる緋雪の剣を外すには、一瞬の硬直が致命的な遅延となって響いている。いまからでは躱すのは不可能。 音丸は咄嗟にその刺突を外そうと、剣を打ち払うべく右手の 刀スキル奥義・打壊。 自らの武器を相手の武器にぶつけた瞬間、相手の武器を払い除けるか、破壊する技。 その代わり自分の武器にもそれ相応の負担をかける。 だが、緋雪の持つ武器はサーバ内でも知らないものがいない、ほぼ最高級の長剣を奇跡の10回連続強化に成功した神剣ともいうべき『 勝利を確信した音丸は、口角を吊り上げ、緋雪のその白い肌の鎖骨目掛けて、左手を振った。 「......なーんちゃって」 体勢を崩しかけていたかに見えた緋雪は、すぐさま姿勢を正すと、迫り来る白刃目掛けて無手の両手を差し伸べた。 のような音がして、音丸の刀身が止められた。 剣聖技『白刃取り』。 かつて兄丸が使い、緋雪が敗れた原因になった技である。 「――て、てめーっ、スキルは使わないって...!?」 音丸の抗議をにっこり笑って返す緋雪。 「うん、ごめんね。あれ、ウ・ソ。――で、こんな小細工もしてみました」 その姿勢のまま、ぐいと刀身を捻る。と、その拍子に音丸の目に、緋雪の左手装備『 「やっぱり、君ら基礎も応用もできてないと思うよ」 苦しむ音丸の首筋に、奪い取った 「......どうやらあっちも勝負は決まったようだねぇ」 遥か彼方で炎上崩壊する移動要塞『 だからゲームと現実の感覚は違うというのに......。 「じゃあ、雌雄も決したわけだし...まあ、いちおういまは私も女なわけなんだから、雌で私の勝ちだねぇ。そんなわけで、約束どおり、君に そんなボクの質問に、恨みがましい視線で答える音丸。 「誰が、手前みたいな......卑怯者に教えるか...」 てか、卑怯者って・・・移動要塞に1,000匹以上のモンスター軍団を用意して、なおかつこちらの増援が来ないよう、デュエルスペースとやらの特殊空間に閉じ込め、さらにティム不可能のボスモンスターまで繰り出してきた相手には言われたくないなぁ。 まあ、そう言っても無駄だろうね。この手の輩は、自分の意に沿わないことは、全部相手のせいなんだろうからねぇ。 「まあ、話したくないというなら、話したくなるよう、こちらとしてはがんばるだけだよ」 うん、これでHPがイエローへ突入かな。 でも、こうしてみると、やっぱいくらHPが増えても所詮は生身の人間。打たれ弱いね。ボクも気をつけないといけないねぇ。 で、痛みでのた打ち回ろうとする、音丸を右足で押さえ込む。 「生憎と拷問とか心得がないんでね。取りあえず、喋るまで全身滅多刺しにして、リアル黒○でもやることにするよ。――ああ、死んでも生き返らせて続きをするので、ご心配なく」 痛みも忘れて目を剥く音丸に、有無を言わせず1本目の剣を突き立てる。 「ぐあああああああああああっ!!」 感心しながら2本目を手に取る。 「......ところで、このデュエルスペースっていつになったら開放されるの? やっぱり相手を殺さないとダメなのかな?」 「や、やめろ! 負けだ、僕の負けだ。なんでも話す!」 刹那、音丸の『Give up』の声を合図に、デュエルスペースが開放され、独特の閉塞感がなくなった。 「――なーるほど、こういう仕組みなわけね」 要するに、どちらかが負けを宣告すれば終了する仕組みってことだね。 だったら、とっとと『わたしまけましたわ』とでも言って空間を解いて、 いまさらだけどそう思いつつ、ボクは音丸に2本目の剣を向けた。 「んで、黒幕の正体って?」 「そ、それは...」 『姫、お気をつけて!』 空穂の警告の声に、はっと飛び退いたのと同時に、飛来したスローイン・ダガーが音丸の喉に突き刺さった。 が暴走しておるようです。離れてくだされ、姫』 空穂がそう言った瞬間、絶叫と共に音丸の胸から飛び出した さん?」 確認の問いかけに、少しだけ嬉しそうな顔で頷く影郎さん――かつての 「はい、お久しぶりです。お嬢さん。またこうしてお会いできるのは涙が出るほど嬉しいんですけど、いまの自分は他の旦那さんのところで使われる身、愛しいお嬢さんとひと時の逢瀬を楽しむこともできません......」 最後は哀しげに顔を振る影郎さん。 つーか、ギルドでやってた『お嬢様と奉公人の秘められた恋』ごっこの設定、まだひっぱてるのか......。 「他の旦那ってことは、さっきの音丸と同じ雇い主ってこと?」 ふむ、見かけはこんなでも筋を通すところはきっちり通すのは相変わらずだねぇ。 「そういえば、クロエ・・・獣人の兎人族のおねーさんが、如意棒を流しの武器商人から買ったって言ってたそうだけど」 「ああ。あのごっつい姐さんですか、確かに自分が売りました」 ふむ、間接的に同類だって認めたようなもんだね。 「――とりあえず、旧交を温めるためにも、いろいろ話を聞きたいんだけど?」 「すんません、すぐ帰るように旦那さんからきつく言われてるもので。本当に、すみませんお嬢さん」 心底申し訳なさそうに謝る影郎さんの姿が、ゆっくりと背後の景色に溶けて行った。 影郎さんの十八番の『完全隠蔽』だ。 引き止める間もなく、完全にその姿を消した。 意気揚々と戻ってくる

Scarlet snow (hiyuki) and sound circles (stomach), between them there were about 10 steps open, but the distance they could pack each other in an instant. Without even moving, the two of them confront each other with a sword and a three-moon knife (simulator) - normally, it should be like a balloon with tingling and straining air swelling to its limit - such tension was without fine dust. "... but my status is pretty much the same as yours right now, thanks to that one. Conditions are mutually benign, which means you have no chance of winning." Scarlet Snow's eyes, who accidentally opened her mouth to the provocation of the sound circle, checked her opponent's status with surprise eyes, were gently smitten. As the saying goes, the status of the sound circle is now about the same as that of the white golden-haired nine-tailed fox/khaoho (Uzuho), a divine beast, and himself in the submissive body - although it beats in MP, HP outweighs his opponent - and yet it was the item "submissive fit: divine annihilation wolf (Fenrill)" that stunned Scarlet Snow. "Divine Wolf (Fenrill)?! That must have been Tim Inability Event Boss...!?" No, even if you could be an obedient with some kind of backstabbing, normally - you wouldn't have to know if you're a resident of Imperial Crimson, a crimson empire that has broken its limits with guts - you can't have a status that deviates from the level of a player who is the owner. In fact, the submissive demons who came out of the moving fortress just called by the sound circle only had the corresponding status. For example, the cause of this unusual status is -. "I said 'that one'. Is that the same person Lapokusan used to say," God of this world "? "That's right. That's God! The beginning of it all." "... would you like me to tell you more about that area? "Ha n! If you can take me down, I'll tell you anything. Well, even if heaven and earth pull back like that, it won't come back - right! Sound circles kicked the ground with that mockery, and at the same time Scarlet Snow came forward. Gakin! and swords and swords clash at almost the middle point, each other's slaughter scatters a spark. "Hmm!" It was still the sound circles that beat the weight and STR (muscle strength) that inclined the trend due to the collision of forces and forces. Sound round double-knife chasing pounded scarlet snow draws a spiral - to the knife skill and whirlwind knife, plus a thunderbolt held by the knife itself. Sword pressure becomes a tornado and hits the scarlet snow that was floating in your body. Scarlet snow skirt flickers and its tiny body floats in the air. More sparks looming with sickles from all sides. While spinning in the air with temper, the slaughter of Scarlet Snow, flashing 'Sinner of the Rose (Jill de Leye)', partitioned the tornado with a blanket of thunderbolts. Before Scarlet Snow, released from bondage, puts on his feet, the sound circle thrusts in a straight line, like a shell fired from a catapult. Swordsman Basic Skills/Spikes (Slash). Scarlet Snow intercepts with a sword flash of horizontal giraffes against a linear attack carried out with momentum. Upon the impact of the landing, the movement rapidly accelerates the muscles of the whole body from a stationary state - incorporating the movement of the Xu learned from the Beast King, which was transformed into a tremendous spiral force by the original explosive force of Scarlet Snow. The ground at your feet explodes. Swords and knives, second clash. But now the sword can't beat you, it's the result of far outpacing your opponent at speed. Scarlet Snow's kick flew from his impending position to the dovetail of the sound circle trying to activate his skills again in order to confuse his weakness himself. Keep the kicked momentum, nausea, hastily distance, and sound circles to prepare for pursuit. But contrary to his expectations, Scarlet Snow came up with a "uh-huh" attitude with "Sinner of the Rose (Jill de Leye)" on his shoulder. "... I knew it was the same" "Ahn? What is it? "It's your attack pattern. You're just like your brother Maru. It's basically a series of skills, and a normal attack can either be relayed or done with force moves if the skills don't make it." "What's wrong with that! If you did, you wouldn't be able to scrape the HP off your opponent for as long as you stand! Scarlet Snow tilted her neck at the words. "Isn't that an in-game thing with no pain or anything? I don't think it works in the real world. If you get hit by a steeple, you have pain, and if you get your sight blocked, your sense of distance goes crazy. In fact, that's why your brother Maru is losing, too. Well, with a string of skills to match my opponent, I deserve to lose, but I don't have the foundation, I don't have the application, and I think the way I do that will break down early on." "Don't be silly, that's a good reason for a powerless loser! If there's an absolute difference in power, that doesn't matter" "Right. Then I won't use my skills now, I'll take you down and show you. Let's decide on a female next time." "If you can, do it, you hateful bastard! Scarlet snow retreats and flies two swords of sound circles swinging vertically and horizontally with the roar - knife skills and serial slashing. "Ha n! Just run away!? You men and women! There is no gap in the attitude of the sound circle that makes you strip your fangs and curse, nor does it appear to have moved in particular - a sound circle that puts your foot together just before the skill ends, guessing Scarlet Snow's intentions for stiffness just after the skill ends. To remove the sword of scarlet snow that comes at my throat at at the shortest distance, a moment of stiffness is resounding as a deadly delay. It is impossible to do so now. Sound Maru altered the orbit of the right-hand Mitsuki knife (simulator) in an effort to remove the spike in an aggressive fashion. Knife Skills Depth/Destruction. The moment you hit your own weapon against the opponent's weapon, the move to get rid of or destroy the opponent's weapon. Put a corresponding burden on your weapon instead as well. But Scarlet Snow's weapon is unknown on the server, and almost the finest long sword should be known as the "Sinner of the Rose (Jill de Leye)," which has succeeded in reinforcing the miracle 10 times in a row. By comparison, the Mitsukishi knife (Simitar) you have falls considerably short of being the same LV99 weapon. The sound circle, convinced of the victory, hoisted the corner of his mouth and waved his left hand on the clavicle of that white skin of Scarlet Snow. "... Nah" Scarlet Snow, who seemed to be about to collapse, quickly corrected his posture and reached out with his hands open with an approaching white blade. Bread! and the sound of dry applause (with wrinkles) stopped the sound circle. Kensei moves "White Blade Removal". Once used by his brother Maru, it is a move that caused Scarlet Snow's defeat. "- So, hey, you said you wouldn't use your skills...!?" Scarlet Snow giggles back the protest of the sound circle. "Yeah, I'm sorry. That, uh-so. - So, I also tried these small craftsmen." Stay in that position and twist your torso. And, on the clap, in the eyes of the sound circle, I saw the rose tip, decorated on the surface of Scarlet Snow's left-handed equipment, "Iserne Jungfrau", open, stretching towards my back. "After all, I don't think you guys have the foundation or the application." It was a scarlet snow that shoved a snatched Mitsukishi knife (spotter) at the neck of a suffering sound circle and expressed a feeling of smudge. "... apparently we've decided on a battle over there too" Back in sight from the end of Baifu, a moving fortress that collapsed in flames on the far side, I again pressed the Mitsuki knife (spotter) against a sound circle that raised a distressing voice. So you say the game and the feeling of reality are different...... "Well, the female has decided... well, now I'm a woman too, so she's my winner. So, as promised, I'm going to have to ask you to tell me who you are and who you planted the Wolf of God (Fenrill)." There was resentment in my question. I answered with a gaze. "Who, like in front... teaches cowards..." Well, cowards... I don't want to be told by someone who has prepared an army of more than 1,000 monsters for the moving fortress and has locked them in a special space between Duel Space and Dot, and rolled out even more Tim Impossible boss monsters to keep this reinforcement from coming. Well, I guess it's no use saying that. The raw one in this hand, I guess it's all their fault for not following their will. "Well, if you don't want to talk, just hang in there so we can talk." Yeah, I guess this puts HP in the yellow. But if you try this, no matter how much more HP you get, it's a living human being. You're vulnerable. I have to be careful, too. So, I try to hit around in pain, push the sound circle in with my right foot. "You don't know anything about hate and torture. In the meantime, I'm going to make it a rare stab all over my body until I talk to you, and I'm going to do it in Real Black O. - Oh, don't worry, I'll keep you alive even if you die." Forget the pain, and stick the first sword in the sound circle that peels your eyes, without saying whether or not you have it. "Gwwwwwwwwww!!" Take the second one with admiration. "... By the way, when will this Duel space be open? I knew I had to kill the other guy? "No, don't! Lost, my loss. I'll tell you everything! In a moment, signaling the sound circle's 'GIVE UP' voice, Duel space was opened up, eliminating the unique sense of obstruction. - So this is how it works. In short, you mean how it would end if one of them declared a loss. Then I should have just said, "I missed you," and deconstructed the space, and called Heavenly Heaven to make me bump. I don't know, but I thought so, and I pointed my second sword at the sound circle. "What, the identity of the mastermind? "Oh, that's..." "Be careful, princess! To the voice of Aaho's warning, he jumped all the way out, while the flying slow-in dagger pierced the throat of the sound circle. 'You shouldn't. Looks like the Wolf of God (Fenrill) is on the loose. You'll leave me, princess.' The moment Ho said so, the deity wolf (Fenrir) jumped out of the chest of the sound circle with a scream was engulfed in flames, and all the sound circles were instantly burned out. "... Shadow Lang? For the confirmation inquiry, Mr. Shadow Lang nodded with a slightly happier face - he was a former companion (Gilmen), a legendary supermerchant with two names, [Wandering to the Death (Meow)], who was also afraid of his appearance as a vegan and non-existent, and of the awesomeness of his assassination technique, which he pursued to the extreme. "Yes, it's been a while. Ma'am, I'm so glad to see you again like this, but I can't even enjoy being used by other husbands right now, my dear lady, for a moment..." At the end of the day, Mr. Shadow Lang waves his face pitifully. Either that or the "Secret Love of the Lady and the Servant" little setup I was doing in the guild, are you still hitting... "By other husbands, you mean the same employer as Sound Maru just now? Hmm, it looks like this. But it's still the same to get through exactly where it goes through the muscles. "Speaking of which, Chloe... a beastly lady from the Orcs said she bought the Ruyi stick from a flushing arms dealer." "Oh, you're the one who did sell it." Hmm, you admitted indirectly that you were one of a kind. "- In the meantime, I'd like to hear a lot about you to warm up your old relationship? "I'm sorry, my husband told me to go home right away. Really, I'm sorry, lady." The figure of Shadowloon, who apologizes with sincere sorrow, slowly melted into the view behind him. This is Mr. Shadowloon's eighteenth "complete cover-up". Shortly after I stopped, I completely disappeared. I sighed at the feeling of clues coming out of my hands with Sulri as I watched the life capitals (Miko and Miko) return in a spirit, almost available.

は視界のほぼ全てを占有し、こぼれたジュースがテーブルクロスに染み渡るように、僅かに残った大地をじわじわと侵食していた。 「――ふむ?」 取りあえず魔導人形を使った時と同じように、歩いて虚霧へと向かう。もちろん今度は生身だけど。 で、同じく10メートルほど手前で立ち止まり、ボクは左手を前に伸ばしながら呼びかけた。 手首のスナップだけでそれを虚霧へと向かって振るう。 ただの霧を相手にしているかのように、なんの手応えなく吸い込まれた――それを素早く手元に引き戻したが、僅かに手応えが軽くなった気がして見ると、案の定、霧に突入した部分が綺麗に削ぎ落とされていた。 「やっぱり、Lv99装備でもほぼ瞬殺だね。本当に大丈夫なのかな......?」 不安半分...どころか九分九厘の心持で首を捻りながら、蒼神が寄越した『通行証』を掲げて、虚霧へともう何歩か近づいてみた。 「と、とととと。――みんな、大丈夫?!」 慌てて何歩か後退すると、光の膜がシャボン玉みたいに消えた。 「大丈夫です。いきなり弾き飛ばされた衝撃に戸惑っただけです」 はともかく、従魔合身も無効ですか。これは厳しいですな」 影郎さんも珍しく渋い顔だ。 「やはり駄目でしたか。どうやらどのような手段を用いようとも、姫様以外はフィルタリングされるようですな」 蜘蛛女神 】 「姫様に付けた“糸”の方はいかがですかな?」 「防御膜の展開と同時に全て消滅いたしました」 申し訳なさそうに頭を下げる始織。 「――結局、私以外はお呼びじゃないってわけね」 あからさま過ぎる罠だねぇ。 「やはり反対です! このような姑息かつ悪辣な仕掛けを施す 「そうだなあ。ただでさえアイツは緋雪さんに異常な執着を見せてたんだ、文字通り鴨葱も良いところだ。止めておいたほうがいい」 「そーよ! アイツがどんだけ変態で異常でキモいか教えてあげたでしょう! 女の子になってから日が浅いからピンと来ないかも知れないけど、身体と心に刻まれた傷はそりゃもう一生拭い去れない痛みなのよ!」 「逃げましょう、お嬢さん。世界の果てまでも。なに、自分の稼ぎでお嬢さん一人くらいは食わせていけます」 この結果を受けて、天涯、らぽっくさん、タメゴローさん、影郎さんが口々に蒼神との直接対決を思いとどまるよう進言し、詰め寄ってきた。 あと、影郎さんがどさくさ紛れに手と手を取り合って、そのまま駆け落ちしようとしたけど、 「てめーっ、この野郎、オレたち非公認ファンクラブの前で抜け駆けしようなんざ、いい度胸だ!」 「死ね、このボケっ!!」 「おおおおぅ! なんかドサクサ紛れに関係ない奴まで参加してるんと違いますか?!」 「まあ、私としても率先して係わり合いになりたい相手ではないんだけどさ」 というか、知らずに済んでいれば、どれほど心穏やかであったことか......。 「相手の方から喧嘩を売ってくるんだからね。やり返さないわけにはいかないでしょう」 「ですが、状況を鑑みるにいささか不利かと......」 まあ、客観的に考えて有利な要素がなーんにもないからねえ。 なにしろ相手は一切の攻撃を受け付けない上に、GMの持つ最強武器まで持っていて、なおかつこちらは身一つで 「まあ結果がどうなるかはわからないけど、だからといって目を閉じて、家に閉じこもっているってのも業腹だしね。一発位ぶん殴らないと気がすまないからさ。それに第一、空中庭園にいれば安全なんて保証もないしね」 軽く肩をすくめて付け加える。 多分、蒼神が本気になれば、空中庭園も危ないんじゃないかな。今のところは生殺しで、じわじわボクを追い立てている段階だけど。この世界が 「変わらないですねえ、姫様。俺の時もそれでやりあったんでしたっけ」 「そーいうこと。いちいち先のことを気にして、何もしないのは私の流儀に反するからね。間違っているかも知れないし、後悔するかも知れないけれどね。でも、やっぱり逃げ回るのは嫌だからね。だから自分らしく行くことにしたのさ」 結局は我儘だとわかっている。こういえば皆、納得はできないまでも止めることができないことも承知だ。だから、 「――ごめんね」 そう言うしかなかった。 「......お嬢さん、それは掛ける言葉が違いますわ」 いつの間に復活したのか、影郎さんがけろりとした顔で人差し指を振った。それからその指で、周囲を取り囲む、ボクを心配して見送りに来てくれた面々を指差した。 四凶天王。 十三魔将軍。 斑鳩 【アザゼル】 白夜 五雲 【麒麟の麒(雄)・麟(雌)】 近くには眷属の稀人や、まだ本調子でないらぽっくさん、タメゴローさんも掛け付けてくれている。 そして、危険なのでここへは来てないけど、最期まで心配していたクリストフ君とオリアーナ皇女、レヴァンとアスミナ。 まだ各地で戦っているであろう、コラード国王夫妻やジョーイ、獣王たち。 さらに、ここまで命のバトンを繋いで亡くなった多くの人達。 全員が優しい目をしていた。まるで我が子を見つめる父や母、兄や姉のような慈しみのこもった瞳で、微笑んでボクを見ていた。 ......ああ、そうだね。結局、ボクはいつの間にか彼らが傍に居て過ごすこの時間が、掛け替えのない宝物になっていたんだね。 素直にそれを認めた時に、胸の奥にストンと気持ちが落ちてきて、謝罪じゃない。言うべき言葉が自然と口からこぼれていた。 「ありがとう。皆のお陰で、皆に守られて、私は“私”としてここに生きてこられたと思う。だから、今度は私が皆を守る番だよ。本当にありがとう。私は、みんなの事を本当に大好きだよっ!」 彼ら全員を抱擁できないのが本当に残念に思いながら、ボクは両手を精一杯に広げ、その場に居た全員に、心からの笑みを送る。最後に腰を折って一礼をして、間近に迫っていた虚霧へと向き直った。 「それじゃあ、行って来るよ。後のことはお願いね、影郎さん」 「はいはい、お嬢さん。なるべく早く帰ってきてくださいな」 傍らに立ていた影郎さんが、おどけた様子で、そんなボクを気軽に送り出してくれた。 「そうだね。相手の都合もあるからなんとも言えないけど。――なるべく、ご期待に沿えるよう頑張るよ」 』を先に取り出しておく。中で出せませんでした......じゃあ洒落にならないからねぇ。 まあ、話に聞いた限りでは、らぽっくさんの『 さらにもう一歩近づくと、まるで見えない手で紗幕を開くかのように、虚霧が押し退けられ白くて細い道ができた。 特に身体に変化がないのを確認して、半透明の膜越しに背後を振り返り、安全をアピールするために片手を上げ、さらにもう一歩、もう一歩と歩みを進めてみた。 緋雪の姿が完全に虚霧の中へと消えるのに併せて、その進行上に発生していた道も消えた。 その場に集まった全員が、その後姿が消えたあたりを注視したまま、身動ぎ一つせずにその場に留まっていた。 「......どうする気じゃ、天涯。この後は?」 大きなため息をついた口元を扇で隠した空穂が、その場に根を生やしたかのようにじっと佇む天涯を横目に見た。 「無論、姫がお帰りなるまでこの場で待つのみだ」 「待つといっても、虚霧は相変わらず拡大しているので、場所を移動する必要がありますね」 梃子でも動きそうにない天涯に、命都が柔らかく言い募る。 「私はここに残る。お前達は避難しろ」 聞く耳を持たない天涯の様子に、空穂がため息をついた。 「......やれやれ、まるで駄々っ子じゃな。そんなことをしても何もならぬぞ。しゃんとせぬか。姫様のご不在の間、空中庭園を守るのはお主の役割であろうが!」 「わかっている......わかってはいる......だが、なんだ、この無力感は......」 空穂の叱責を受けて、普段であればいきり立つ彼が、力なく俯いた。 これには口に出した空穂も命都も驚いたようで、顔を見合わせ......次いで掛ける言葉が見つからず、同じく無言になった。 しばし、沈黙が支配したその場に、不意に朗々としたテノールの美声が響いた。 「姫様は我々に守られていたと言ったが、それは間違いだったということだ。この1年近く、そして暗黒の100年、さらにそれ以前の戦いの日々も、我々はいつでも守られていたのだ。姫様のあの手があれば、我らは恐れるものはなかった。どんな危険な道でも、どんな暗闇でも、あの手が我らを導いてくれたからだ。だから天涯よ。皆よ、恥じることはない。ただ今は少しだけ自分の足で歩いて、今度はこちらからあの手を見つければ良いのだから」 はっと胸を突かれた面持ちで、天涯たち四凶天王3人の視線が、美声の主――四凶天王の刻耀を見詰めた。 「......そうか。そうであったな。自分を見失うところであった、礼を言うぞ、刻耀」 礼を言って右手を差し出す天涯。その手が、パンと音を立てて刻耀の右手と打ち合わされた。 「今後は交代制で姫の帰還をお待ちするために、このポイントを維持したまま虚霧の監視を執り行う。取りあえず今日のところは四凶天王からは刻耀、十三魔将軍は真珠と那智、七禍星獣は周参を残して、全員、空中庭園へ帰還せよ。戻り次第、今後の予定を決定するために円卓会議を開催する。なお、現地の指揮は周参に一任する。――以上、なにか質問等はあるか?」 その言葉に誰も反応しなかった。と言うか、その場にいた全員の視線がただ一点――刻耀に向けられていた。 この瞬間、四凶天王以外、驚愕の表情を浮かべた全員の脳裏に浮かんだ感想はただ一つ。

As usual, the idle fog occupied almost all of his sight, twitching and eroding the slightly remaining earth as spilled juice stained the tablecloth. "- Hmm?" Walk to the fog, just like you did when you used the magic doll for now. Of course I'm biological this time. So, he also stopped in front about 10 meters, and Bok called as he extended his left hand forward. Just a snap of your wrist wields it toward the fog. As if I was dealing with just a fog, I was sucked in without any help - I quickly pulled it back on hand, but when I felt the response slightly lighter, I could tell, the area that had entered the fog had been scraped off beautifully. "After all, even the LV99 gear is almost instantaneous. Are you sure you're okay...? Anxiety Half... Instead, twisting his neck with a nine-ninth-centimeter heart, he put up a 'pass' sent by the Ethereal God and tried to get a few more steps closer to the fog. "And and. - Guys, are you okay?!" A few steps back in a hurry, the membrane of light disappeared like a chavon ball. "It's okay. I was just confused by the sudden impact of being bounced off." "- Even so, regardless of your hiding (stealth), is your exorcism invalid? This is tough." Shadow Lang has a rare and sinister face as well. "Was it still no good? Apparently, whatever means you use will be filtered, except for the princess." Shiori [Spider Goddess (Cockyoung Ti)] Nachi [Javawok] "How about the" yarn "I put on the princess? "We've wiped out everything at the same time as the defensive membrane unfolded." A starting weave that lowers its head looking sorry. "- In the end, you haven't called but me." That's too obvious a trap. "Again, I disagree! It is unacceptable for a princess to go to a place where such a soothing and nasty trick can wait!!" "Right. But even he was showing Mr. Scarlet Snow an unusual obsession, literally a good spot for duck onions. You better stop it." "Oh dear! I would have told you how perverse, abnormal and creepy he is! I may not be able to pin it because the sun is shallow when I'm a girl, but the wounds engraved on my body and heart are a pain I can't wipe off for the rest of my life! "Let's get out of here, lady. Even the end of the world. What, you can feed one of your daughters with your own money" In the wake of this result, Tianli, Lapo Tong, Tamegoro and Shadowloon have spoken out and stuffed themselves with a direct confrontation with the Ethereal God. After that, Mr. Shadowloon grappled with his hand and tried to run off as he was, but he was also surrounded by a group of rare people (barely), Jiuzhen (kuku), Kai Jin (molested), and Amber (Kohaku) together, and was octopus beaten. "Heh heh, you bastard, you're such a runaway in front of an unauthorized fan club, you're so brave! "Die, you mess!!" "Ooh, ooh! Unlike even the guy who doesn't have anything to do with the crunchiness?!" "Well, I'm not the one who wants to take the initiative and get involved." Or how calm my heart would have been if I hadn't known... "You're selling fights from the other guy. You can't just not do it back." "However, I was wondering if it would be advantageous to look at the situation..." Well, think objectively, because there are no favorable elements. Anyway, the opponent does not accept any attacks, but even has the strongest weapon in GM, and this is a single opponent in enemy territory (Away). Blah, blah, blah, blah. Kindergarten kid blindfolded and punched one shot, probably about or more unscrupulous than telling you to take down a boxing heavyweight champion. "Well, I don't know what the outcome will be, but that's also why I'm in business of closing my eyes and locking myself in the house. I'm sorry I had to hit you about a shot. And first of all, if you're in the air garden, there's no guarantee of safety." Add by gently shrugging your shoulders. Perhaps if the Ethereal God meant it, the aerial gardens would also be dangerous. So far, he's killed himself, and he's twitching at me. The next time this world is covered in fog, I feel like I have a high budget to come directly on board. "It's no different, Princess. Was that what you did when I was there?" "That's the thing. It's against my way of doing nothing to care which way ahead. Though I may be wrong, and I may regret it. But I still don't like running around. That's why I decided to go like myself." In the end, I know I'm exhausted. Speaking of which, we all know that we cannot stop until we are not convinced. So, - I'm sorry. That's what I had to say. "... ma'am, that's a different word to hang" When he was resurrected, Mr. Shadowloon waved his index finger with a bare face. Then with that finger, he pointed to the face surrounding me, worried about me and came to drop me off. Four Homicides King. General Thirteen Demons. Spotted Pigeon [Yog-Sotose] Clouds (even without) [Azazel] White Night [Hanuman] Zao Wan [Winged Tiger] Wuyun [Kirin's Kiki (male)/Lin (female)] Nearby, he also hangs up with rare members of his family, lots of raspberries and Mr. Tamegoro, who are not yet in good shape. And I haven't come here because it's dangerous, but I was worried about you to the end, Christoph, and the Empress Oriana, Levan and Asmina. You will still be fighting everywhere, King Collard and his wife, Joey and the Beast Kings. Plus, many people who have died so far connecting batons of life. Everyone had tender eyes. He smiled and looked at me with merciful eyes like a father, mother, brother or sister staring at my child. ... Oh, yeah. At the end of the day, this time they spent beside me became a treasure they couldn't change. When I honestly admitted it, Ston and I felt down in the back of my chest, not an apology. Words to say were spilling out of my mouth naturally. "Thank you. Thanks to all of you, I think everyone protected me and I lived here as" I ". So now it's my turn to protect everyone. Thank you so much. I really love everyone! I'm really sorry I can't hold them all, but I spread my hands to the fullest and sent a heartfelt grin to everyone who was there. At the end of the day he broke his hips and thanked him and turned back to the impending fog. "Then I'll come. After that, please, Mr. Shadowloon." "Yes, ma'am. Come back as soon as you can." Shadow Lang, who stood beside me, easily sent me out like that, looking out of his way. "Right. I can't say anything because it's convenient for them. - I'll try to keep up with your expectations." Answer that, and shrug your shoulders gently. Just in case, take 'Sinner of the Rose (Jill de Leye)' out of the storage space (inventory) first. I couldn't get it out in there...... then because it won't be stylish. Well, from what I've heard, he didn't even compete in Lapokusan's "Absolute," so there's no way this kid could win worse than that, because it's better than not even a roach axe. First of all, this kid is also a partner who suffered together, so sentimental, but we fought together until the end of the day (by the way, the other gear has already been changed to showdown serious gear). Yet another step closer, as if to open the screen with an invisible hand, the fog was pushed away, creating a white and narrow path. I looked back over the translucent membrane, raising one hand to appeal to safety, making sure there was no particular change in my body, and proceeded with yet another, another step and a step. As Scarlet Snow disappeared completely into the fog, so did the paths that were occurring in its progress. Everyone gathered on the spot remained on the spot without moving one by one, keeping an eye on the area where his figure had since disappeared. "... what are you going to do, Heavenly? And after this? I looked sideways at Heavenly Ho, who fan-held his big sighed mouth, sitting still as if he had grown roots on the spot. "Whatever, just wait here until the princess returns." "Even when it comes to waiting, you need to move the place because the fog is still expanding" Life capital softly proclaims in the heavenly lifetime, when even Tsukiko is unlikely to move. "I'll stay here. Evacuate you." Akaho sighed at the look of Heaven without ears to listen to. "... for Christ's sake, you're not a waste of time. Doing that won't do anything. Can't you get it right? Although it would be the Lord's role to protect the aerial gardens during the Princess's absence! "I know... I know... but what, this feeling of helplessness..." After the reprimand of Ho, he leaned down powerlessly, usually suddenly. It seemed surprising to me that both Akaho and Life Capital put out their mouths for this, and looked at each other...... then I couldn't find the words to hang them, and became silent as well. Often, on the spot dominated by silence, the beauty of a surprisingly good tenor echoed. "The princess said she was protected by us, but that meant it was a mistake. Nearly a year, and a hundred years of darkness, and days of battle before that, we were always protected. With that hand of the princess, we had nothing to fear. Because that hand led us on any dangerous path, in any darkness. That's why it's heavenly. Everyone, you have nothing to be ashamed of. Now you just have to walk on your own feet a little bit, and now you just have to find that hand here." With a face with his chest poked all the time, the gaze of the three Four Wesen Ten Kings gazed at the engraving of the Lord of Beauty - the Four Wesen Ten Kings. "... well. That's right. I almost lost myself, thank you, Incarnation." A lifetime of thanking and offering your right hand. The hand made a noise with the bread and was met with the right hand of Engraved Shining. "In the future, we will continue to monitor the fog while maintaining this point in order to await the return of the princess on a rotational basis. For now, from the Four Wesen Heavenly Kings, Engraved Yao, the Thirteenth Demon General Pearl and Nachi, and the Seven Hazards Star Beast, leave Zhou Jin, and return all to the Garden of the Air. Upon return, a round-table meeting will be held to determine future plans. It should be noted that the local command is at the disposal of Zhou Jin. - Do you have any questions? No one responded to that word. I mean, there was just one point in everyone's gaze that was on the spot - it was directed at Mo Yao. At this moment, there is only one thought that came to mind in the brain of everyone with a stunned look, except the Four Wesen King.

第四話 黒子散華 神の御名の下、たとえ力及ばず倒れることがあろうと、その信仰は不動であり、その魂は不滅である。 そう固く信じていた ――なんだこれは?! 地平線を埋め尽くさんばかりの吸血鬼どもの群れ。 真昼であるはずの時間帯を闇色に染める暗雲と聳え立つ漆黒の城。 吸血鬼どもの先頭に立って向かってくる巨大な魔物の集団。 ――なんだなんだ、なんなんだ俺が見ているのは?! そしてまるで天を食い尽くさんばかりに大口を開けた、言語を絶する......巨大という言葉すら生ぬるい腐った竜のような不浄な怪物! 「はははははっ、いかがですか? 50万人からの成り損ないから作り上げた私の傑作『 と化した人々――吸血鬼にもなれず死者でもない彼らが、溶け合いながら涙を流し、パクパクと声にならない苦痛と怨嗟を叫び、手を伸ばして救いを求めていた。 地獄。陳腐な表現ではあるが地獄としか言いようのない光景であった。 を仕留めた立場が逆になった形で、楔形で突貫を敢行した5,000名の大陸最強騎士団もいつしかその勢いを減ぜられ、身動きがとれなくなったところで徐々にその数を減らされていった。 死ぬのならまだ良い。天国の門は彼等のものであるのだから。 だが、ああ......化物どもの先頭に立って、喜悦の表情を浮かべ、人間にはあり得ない尖った牙を剥き出しにしているのは、さっきまで隣に居た同僚ではないのか?! 「全員、これより敵首魁に向け突貫する! 一人でもよいっ、奴の首をあげろ! 振り返るな! ――突貫っ!!」 ベルナルドが残った手勢をまとめて玉砕覚悟の前進を仕掛けるのを眼下に望みながら、 「おおっ。ド根性だね」 パーレンは嗤いながら、足元の顔の一つ――かつてグラウィオール帝国宰相の肩書きを持っていた男の悲嘆に暮れた顔――を片脚で蹴り飛ばした。 「よし、行け。 「おやおや。これは腹の中で選り分けるのが面倒そうだね」 軽くシルクハットの位置を直しながら、パーレンはそう呟いた。 そこへランダムな軌道を描きながら、らぽっくの8剣が迫る。 「――そう来るのは予想通り!」 その合図を受けて、地平線を埋め尽くさんばかりだった吸血鬼の群れが、一斉に自分の首筋に尖った爪をあて、一気に動脈を切った。 吹き出る血潮が噴水のように大地を赤く染める。 その一箇所。一見なにもないように見えた空間がぐにゃりと曲がって、一人は煌びやかな銀の鎧を着込んだ金髪の美丈夫に。もう一人はこれといって特徴のない黒髪の青年へと変じた。 「しもた! これでも当たり判定が来るんか!?」 黒髪の青年が舌打ちしたところへ、間髪入れずに闇色の稲妻が飛んできた。 咄嗟にらぽっくが盾を構えてこれを受けるが、その頭上から――あまりにも巨大すぎて遠近感が狂っていたが、ほんの一伸びで距離を縮めた 「やばい!」 技も何もない圧倒的な質量の塊の前には、らぽっくの剣技も意味をなさない。 「逃げるで!」 咄嗟に影郎がらぽっくの肩に手をやった瞬間、 音にならない轟音が大気を切り裂き、近くに居た者を埃のように空中へと吹き飛ばし、離れていたものも軒並み衝撃波で地面に叩き付けられた。 この衝撃は凄まじく、地震となって遠く国境付近まで振るわせたという。 「ふむ。逃がしたかな......? しょぼーん」 の上でパーレンが首を捻り、「まあいいか」と即座に気を取り直した。 「先に腹の中に入った連中で腹を満たすことにしよう。あの隊長はなかなか美味そうだったし......」 そう独りごちる彼の体が、ずぶずぶと泥に沈むように 大聖堂に隣接する――否、これを中心に大聖堂が造られ神殿が形作られた『蒼き神の塔』の最上階。 四方に開いた窓から微風すら入らない、そこだけ別世界のようなホール状の部屋の中心で、豪奢な椅子に座ったまま、報告を聞いていた青い髪に青銅色の鱗状の肌を持った異形の男が、眉間に皺を刻んだ。 「......全滅だと?」 「ええ、ものの見事に。――ちゅうか、無理ゲーですわ、あんなの」 けた身支度で、影郎が大仰に肩をすくめた。 その隣にぶ然とした顔で、らぽっくが立っている。 「貴様っ。おめおめと! そもそもなんの為にお前らをつけたと思っている! 一度ならず二度も失敗するとは......そもそもアレの封印を解けなどと、誰が指示した!?」 と口に出した影郎の頬が派手な音を立てた。 数歩タタラを踏んだ影郎がバランスを崩して石の床に倒れた。 その口元から、鮮血が一条こぼれる。 「どこまで無能だ?! 封印しておいたということはそれだけ危険だということだろうが! 事実アレは好き勝手に暴れ回っている。この結果の責任を貴様が取れるのか!?」 「別に、邪魔ならシマさんの命珠をぶっ壊せば済むことじゃないですか? てっきりなんかパフォーマンスの意味があって、自分ら派遣されたのかと思ってましたけど違いますの?」 口元を手の甲で拭いながら、ちらりと壁際に並べられた色とりどりの水晶球のようなものに視線を走らせる影郎。 8つあるうちの2個はすでに割れ、1個には始めから色がない。 「それができるくらいならとっくにやっている! 奴は最初に生み出したプロトタイプ、貴様らのような 男は怒りを押し殺した表情で、影郎を見下ろす。 自分達を完全にモノ扱いしている男の言動に、密かにらぽっくが奥歯を噛み締めた。 「んじゃやっぱ、責任は旦那さんにあるんと違いますか? 失敗したのも放置したのも旦那さんですから、製造者責任と管理責任ともに旦那さんですわ」 あっけらかんと言う影郎の襟元を掴んで、無理やり立たせる青い男。 「貴様、言うに事欠いて......誰に口を聞いているつもりだ。このできそこないが! 誰のお陰でこの世に生を受け、力と居場所を与えてもらったと思っている! その恩を忘れたか?!」 「恩なんぞもらった覚えはありませんな」 醒めた目で一蹴して、軽く男の手を振り払う影郎。 「なんかここに居るのも飽きましたわ。お暇をいただきます」 「は......? なにを言ってる貴様?」 「辞めさせてもらうと言ってるんですけど? なんか毎回理不尽にゴチャゴチャ言われますし、仕事といえば誰を殺せとか、どこそこを破壊してこいとか、そんなんばかりでウンザリですわ。――そういうことで、抜けさせていただきます。んじゃ」 低頭して、影郎は背を向けた。 「貴様っ、どこまでもふざけたことを......! ――見ろっ」 刹那、伸ばした男の掌の上に壁際にあった水晶球のひとつ――内部に薄闇がわだかまったものが、一瞬にして移動してきた。 酷薄な笑みを浮かべて男が足を踏み出す。 「貴様の命珠だ。これに少しばかり力を加えればそれでお終いだ。裏切り者には死――いや、失敗作は破壊しなければならんな。貴様が言い出したことだ。わかっているだろう? 貴様らの居場所は三千世界のどこにもないことを」 影郎の足が止まった。 「自分の思うとおりにならないと脅迫か。......まったく、こんなのが最大ギルドのマスターだったちゅーんだから、つくづく自分はお嬢さんのところでよかったわ」 しみじみ述懐する影郎に、嘲笑を浴びせる。 「語るじゃないか......まるで自分が当事の当人のようにな。緋雪と馴れ合って情が湧いたか? それとも錯覚でもしたか? 馬鹿馬鹿しい! 貴様らはかつてのプレーヤーの幻影に過ぎん。魂のない木偶人形が人間にでもなったつもりか? ここを出て行って緋雪のところにでも転がり込むつもりかも知れんが、貴様の正体を知れば、さっさと掌を返すだろうさ」 「......どーですかね。お嬢さんは薄々感づいていた気がしますけど。その上でしっかり情もかけてくださった。あんたお嬢さんのこと知ってる風でぜんぜん知らないんと違います?」 刹那、男の顔から一切の表情がなくなった。怒りの感情が振り切れて逆に平坦になったのだろう。 ミシッと水晶球にひび割れが走った。 「ぐっ......確かにあんたが、自分を生み出したかも知れん......けど、死に際は自分で選ばせてもらうで......!」 苦しげに胸元を押さえながら、影郎は手近な窓へと走り、自ら床を蹴って外へと飛び出した。 その体が弧を描き塔から落下する。 「......こんなことで無駄に命珠を消費するとはな。まったく、どいつもこいつも使えん」 小さな波紋が広がり、やがて浮き上がってきた影郎の背に侮蔑を投げ掛けると、男は窓際から背を翻した。 「早急に次の手を打たねばならん! 大教皇を下に呼び出しておけ!」 命令されたらぽっくは、水流に押されてゆっくりと遠ざかっている影郎の遺体から視線を剥がすと、弾かれたようにその場を後にした。

90 Episode Four: Kuroko Scatter In the name of God, even if he may fall without strength, his faith is immovable, and his soul is immortal. As head of the Knights of Cathedral Crusaders, a diocesan crusader who believed so firmly, he was Bernardo Gloria Casas, certified "Saint (Saint)" and closest to God, but fear and despair were about to reign at the beginning of his heart. - What the hell is this?! A bunch of vampires just filling the horizon. Dark clouds and standing pitch-black castles dye the time it should be midday. A huge bunch of demons coming at the head of the vampires. - What the hell, what am I looking at?! And he opened his mouth as if he were just eating up heaven, cutting off the language... an unclean monster like a raw rotten dragon even the word HUGE! "Ha ha, how about that? My masterpiece, Abandoned Dragon (Nidheck), I created because I can't afford to lose from 500,000 people! I'm good at sewing and knitting, so I kind of took advantage of the stunt to make it." People transformed into parts (parts) of Abandoned Dragons (Nidheck) - who were neither vampires nor dead - were crying in tears as they melted, shouting pains and resentments that were not voices, reaching out and seeking salvation. Hell. It was a cliche but only a sight of hell. As if yesterday's monster (Glendale) had been held in a reversed position, the 5,000 most powerful knights of the continent, who braved their penetration in wedges, were only ever diminished in their momentum, and gradually reduced in their number where they could no longer move. If you're going to die, it's still good. For the gates of heaven belong to them. But oh...... isn't it your colleague who was next door until just now, standing at the head of the monsters, putting on a look of joy and stripping out pointy fangs that are unlikely to be human?! "All of you, we're going to pierce the enemy leader more than this! One of you. Come on, give him his head! Don't look back! - Penetrate!! Hoping under his eyes that Bernardo would put together the remaining gestures and set the ball ready to crush forward, "Whoa. You got guts." Paren kicked one of the faces at his feet - the grief-stricken face of a man who once held the title of Chancellor of the Grawior Empire - with one leg. "All right, go. Nidheck! It's a test run." "Ooh, ooh. This is gonna be a lot of trouble picking it out in your stomach." That's what Pearlen groaned as she gently fixed the silk hat position. Eight swords of Rapok loom as they draw a random orbit there. "- That's what I expected! Upon that signal, a bunch of vampires, who had just filled the horizon, simultaneously clawed pointy nails to their neck muscles and cut arteries at once. Blood tides that blow up dye the earth red like fountains. One of those places. The space seemed seemingly unmistakable and crooked, making one blonde sturdy in brilliant silver armor. The other turned into an uncharacteristic brunette youth by this. "Yes! Will this still make a difference?" A dark lightning bolt flew to where the dark-haired young man struck his tongue without letting his hair in. Lapoku stands up as a shield and receives this, but from the top of his head - it was too huge and the distance was insane, but the abandoned dragon (Nidheck), which shrunk its distance by just a stretch, came covered with its weight. "Oh no!" Before the overwhelming mass chunks with no moves or anything, Rapok's sword moves make no sense either. "Run away! The moment I laid my hand on Shadow Lang's pompous shoulder, the Abandoned Dragon (Nidheck) clashed against the earth. A noiseless roar tore the atmosphere apart, blowing those who were nearby into the air like dust, and those who were away were also slammed to the ground with house-lined shockwaves. This shock was tremendous, he said, causing the earthquake to wield far and near the border. "Hmm. Did I let you get away...? Sopo." Pearlen twisted her neck over the abandoned dragon (Nidheck) in a light-hearted manner and immediately regained her mind, "Okay." "Let's fill our bellies with the people who went into our bellies first. That captain looked pretty delicious..." So alone his body was sucked into the abandoned dragon (Nidheck) as it sank into the mud after a long time. Adjacent to the cathedral - no, the top floor of the 'Tower of the Pale God', around which the cathedral was built and the temple shaped. A different man with bronze scaly skin on blue hair who was listening to the report, sitting in a luxurious chair, carved a wrinkle between his brows in the center of a hallowed room just like the other world, not even a breeze coming in through an open window on all sides. "... that it's annihilated? "Yeah, brilliantly of things. - Chiuka, I can't be gay, you know." Shadow Lang shrugged his shoulder at all heights with a hint of coal. With a bumpy face next to it, Lapoque stands. "You. Congratulations! I think I followed you guys for what you were doing in the first place! I didn't expect to fail once or twice... who instructed you to unseal me in the first place!?" and the shadow man's cheek in his mouth made a flashy noise. Shadowloon, who took a few steps of Tatara, fell to the stone floor out of balance. From its mouth, a strip of blood spills. "How incompetent?! I suppose that's how dangerous it is to keep it sealed! Fact is I'm rambling around as I please. Can you take responsibility for this result!? "Nothing, if you're in the way, isn't that what you have to do to smash Mr. Shima's life bead? I thought it meant something to you performances exactly, and you were sent yourself, but you're not? A shadow man who runs his gaze at something like a tiny crystal sphere arranged between the walls while wiping his mouth with the back of his hand. Two of the eight are already cracked, and one has no color from the beginning. "If I can do that, I'm doing it! The first prototype he ever created, a failure that didn't plant a safety device like yours (breaker). But an individual with a clear ego that exceeds what was originally assumed, so I sealed it for something." The man looks down at Shadow Lang with the look of his anger pushing him to death. Lapoku secretly bit his back teeth into the words and deeds of a man handling himself completely. "After all, isn't the blame on your husband? It's my husband who failed or left me, so I'm your husband, both in terms of manufacturer and management responsibilities." A blue man who grabs the collar of a shadow man who says it's obvious and forces him to stand. "You're missing something to say... who are you going to listen to? I can't do this! Whom do you think gave the world life and strength and place! Have you forgotten that?!" "I don't remember getting any favors." Shadow Lang shook off gently, kicking it with his awakened eyes. "I'm tired of being here. I'll have some free time." "Is...? What are you talking about? "I'm telling you to let me quit? I get irrationally messed up every time, and when it comes to work, who to kill, where to destroy it, that's all I'm gonna say. - That's what I'm going to pull out." Bye. " Lowering his head, Shadowloon turned his back. "You've got to be kidding me everywhere...! - Look." For a moment, one of the crystal spheres that was on the wall over the palm of the stretched man - something with dim darkness obsessed inside, moved in an instant. A man steps out with a gruesome grin. "It's your life bead. Add a little strength to this and you're done. Death to the traitor - no, you have to destroy the failures. That's what you said. You know that, don't you? That your place is nowhere in the Three Thousand Worlds." Shadow Lang's leg stopped. "Are you threatening me if I don't do what I want?... Damn, these are the masters of the biggest guilds, so I'm glad I made them for my daughter." Make a mockery of Shadow Man, who stings and describes himself. "Talk about it... as if you were the one in charge. Did you get used to scarlet snow? Or even an illusion? This is ridiculous! You are nothing but a phantom of a former player. You think a soulless puppet has become a human being? I know I'm going to get out of here and roll into Scarlet Snow, but if I find out who you are, I'll give you your hands back." "... which is it? Though I think the lady was feeling thin. You also put a good deal of emotion on it. You know your daughter. Unlike you don't know anything about it at all in the wind? For a moment, I lost all expression from the man's face. I guess my anger emotions have shaken out and flattened the other way around. A crack ran on the Missy crystal sphere. "Gu... I did, but I may have created myself... but when I die, let me choose for myself...! Holding his chest in bitterness, Shadow Lang ran to a nearby window, kicking himself on the floor and jumping out. Its body arcs and falls from the tower. "... I didn't expect you to waste your life beads on this. I can't use this guy at all." The man flipped his back out the window as a small ripple spread and eventually threw a scorn at Shadow Lang's back, which had risen. "We have to hit the next hand ASAP! Keep the Archpope downstairs! When ordered, Poku peeled his gaze off Shadowloon's body, which was pushed away slowly by the water stream, leaving the spot behind as it had been bounced.

第五話 仮面競演 「重ね重ね申し訳ありません」 再度頭を下げるアシル王子に、 「もう過ぎたことですので、王子も席に戻ってください。――というか、男が軽々しく頭を下げるべきではありませんよ」 やんわりと苦言を呈する。あんましペコペコするのは見ていて嫌なモノだよ。 「まったくですね。上に立つものの がイヤミを言うけど、ほんの2~3日前にボクもコラードギルド長に頭を下げてるんだよねぇ。 ――やばい。ばれたら死ぬわ、・・・コラードギルド長がね! ボクは命都からそっと目を逸らした。 が効いたのだろう、カルロ卿がよろよろと立ち上がり、その場で膝をついて頭を下げた。 「ご無礼をいたしました。――申し訳ありません、殿下」 「気にするな、それより陛下に感謝することだな」 そう言って肩を貸して、お互いに立ち上げるアシル王子たち。 「ずいぶんと仲がおよろしいのですね?」 「実は乳兄弟でして、お互いに生まれた時から同じ産湯を浸かって・・・という奴です。俺が無茶をする分、いつも迷惑をかけています」 無邪気な子供のような顔で笑うアシル王子。 逆にカルロ卿は、いたたまれないという風に顔を伏せた。 ふむ、これが男の友情パワーというものかな? 友達いなかったからよくわからないけど。 改めてアシル王子が席に着き、その後ろにカルロ卿が立った。 アンジェリカが振り返って、そんな彼を心配そうに見るが、大丈夫ですという風に軽く首を振る。 「ところで、話の途中になっていましたが、ヒユキ姫が王都へ攻め入るのを、しばらく待っていただきたいのです」 そのアシル王子の言葉に、ボクは「ふむ」と考え込む 「まあ、公式での通知や最後通牒というわけではないので、現段階では即開戦――というつもりはありませんが、なぜとお聞きしてもよろしいでしょうか?」 「――風向きが変わるからです」 アシル王子がそういって王国の現在の情勢を、説明してくれた。 アミティア王国は王国を名乗ってはいるものの絶対王政ではなくて、あくまで有力貴族を中心とした貴族院議会が国政を牛耳っていること。 現国王はけして愚昧ではないが、英明とも言えず実質、議会の傀儡であること。 そうした現状に不満を持っていた王権復古派やアシル王子を支持する一部貴族や軍人、有力者などが密かに貴族院議員を打倒すべく準備を行なっているとのこと。 ただし、圧倒的多数派の貴族院議員に対して、王子の派閥はあまりにも非力なため、あと何年か準備期間を置くつもりで居た。 「そんなところへ降って湧いたアーラ市の騒ぎと、圧倒的な力を見せた魔王国インペリアル・クリムゾンの存在です。貴族の横暴に苦しむ民衆のみならず、これまで中立を保っていた貴族や有力者の中からも、そちらと手を結ぶべきだ。停滞した国に新風を吹き込むべしという動きが出てきまして、そうした声を受けて我々の活動も急激に活発になっているところなのですよ」 なるほどねえ。つまりボクらははからずしもこの国にとっての黒船になったわけだね。 とかしても、単純に頭が変わるだけで現状は変化ないような気もするけど、この王子の器量ならかなりマシになるかも知れないねぇ。 だけどそんなボクの質問に、アシル王子は意外なことに首を振った。 「いえ、我々の活動は確かに現在国政を牛耳っている腐った貴族どもの打破ですが、必ずしも血を流すことを望んではおりません」 「ヒユキ姫は『民主主義』という理念をご存知でしょうか?」 キラキラとした目で、大切な宝物を見せるように話すアシル王子。 だけど、逆にボクの全身は一瞬にしてすうっと冷めていった。 「王族などと言うものはいままで通り飾り――いえ、無くても構わない。血統だけで民衆を支配する貴族ではなく、民衆が自分で考え、国を運営できる基礎作り、それを現在草の根で行なっています。そして、すでに種は撒き終わりました、あとは芽吹かせ育てること、それが俺の成すべき事であり、この国をより良くするため目指すところです」 力強く語るアシル王子だけれど、ボクは途中から半分聞いていなかった。 ただ心の中で思った。 アシル王子、ボクは君の言う理想の先の現実を知っているよ。 それは確かにいまの貴族制よりはマシかもしれない。 でもねえ、やっぱり君は王族なんだね。 どんなに崇高な目標を掲げても、人は腐るし、救えずに死んでいく人間はいるんだよ。 「なのでこちらからお願いしたいのは、時間をいただきたい。その間にまずは貴族院に対抗する衆議院議会を設立し、国政から徐々に貴族院の力を排除していくつもりです。現在の情勢であれば民衆の支持は確実に得られるはずですので、その後、我々と正式に国交を結んでいただきたい、というところですね」 「......まあ待つのは良いのですけれど、実際にそれは本当に近日中にできますの? その間に正式に我が国へ、同じ内容の書面が送られてきた場合には、私も我が国の国民を押さえるつもりはありませんが」 正確には押さえられない、だけどね。 「できますよ。そのために俺と仲間たちが努力してきたんですから。まあ万一つまづいて、そちらの国と戦争になった場合には、俺は仲間とアンジェリカを連れてとっととそちらの国にでも亡命しますから、その後、ヒユキ姫が 正直、言うほど簡単だとは思えないんだけど、アシル王子は不敵に笑った。 ボクは腰のポシェットから、一振りの剣を出してテーブルの上に置いた。 手にとっても? と目で訴えるアシル王子へ頷く。 「・・・ふむ、良い剣ですね。魔力を感じるので魔剣のようですが?」 「『風の剣』といって、風属性の力があるので通常の剣より軽く、素早く扱える――まあ、それだけの剣ですが、先ほど私の侍女が折った剣の代わりとして差し上げます」 「――なっ!」 カルロ卿が目をむいた。 アシル王子も驚いたようだが、すぐに嬉しそうな顔で折れた剣の代わりに腰に差した。 「こいつはありがたいですね。お守り代わりに拝領いたしますよ。ヒユキ姫との薔薇色の結婚生活のためにも、これは何が何でも貴族連中に負けるわけには行きませんね」 「結婚とかは考えなくていいので! というか、今回アシル王子の招待に応じたのも、噂のSランク冒険者の実力を見てみたかっただけなんですけどねぇ」 「いやぁ、それはちょっとご勘弁願いたいですね。本気で戦ったらどうにも勝てそうにもありません。まあ純粋な剣技だけの勝負なら、面白そうですけど」 「ふぅん。じゃあやってみる?」 「そうしたいのは山々ですが、いまは時期が悪いので、この件がひと段落ついてからにしませんか?」 この王子様、実質的には武人なんだろうね。本気で残念そうな顔で首を振った。 「・・・やれやれ、しかたないですねぇ」 そういわれちゃ、毒気も抜かれたし、ここはいったん退散するとしようか。 そう思って立ち上がりかけたところ、アシル王子に止められた。 「実はこの件が片付くまで、アンジェリカには王家の別荘のある王都近郊のフルビア湖へ、保養の名目で避難してもらうことになっていますので、ヒユキ姫も暇があればぜひお立ち寄りください」 ふーん。つまり万一失敗した時のための布石ってところか。 アンジェリカは、そのあたりまったく斟酌することなく、無垢な笑顔でボクの両手を握ってブンブン振り回すのだった。 取りあえず適当に頷いておく。 「フルビア湖はとても水が綺麗で、その上近くに温泉が湧き出しているので、別荘にも温泉がありますの! おねえさまぜひご一緒に温泉につかりましょうっ」 温泉・・・一緒のお風呂・・・。 頷いたことを凄く後悔した。 「では、帰りの馬車を用意させましょう。――カルロ頼む」 用の仮面をつけて部屋から出て行った。 それを見てボクは、ふと疑問に思ったことを訊いてみた。 会場で接触してくるかと思ってたのですけれど?」 その言葉になぜか渋い顔をするアシル王子. 「最初はそのつもりだったのですが。なんですかヒユキ姫、あの変なマスクは? あんな目立つ格好をしていたら話しかけられるものではありませんよ」 なんでこんなに評判悪いんだろうね、このマスク。 「大変です、殿下! 賊徒が建物に入り込んだと言って、憲兵が建物の周りを取り囲み、参加者の身元確認を行なっております!」 そこへカルロ卿が息せき切って戻ってきた。 思わず顔を見合わせるボクとアシル王子。 どちらも『賊徒』扱いされる身に覚えがあるからねぇ。 「・・・どうやらこちらの動きを読まれたようですね」 ため息をついて王子は立ち上がった。 剣の柄を叩きながら、白い仮面をかぶるアシル王子。 「そうですか、では、私もパートナーとして踊らせていただきます。――命都、アンジェリカを頼むよ」 なんかやたら評判の悪い仮面をつけ、腰のポシェットから生命力を強化する『水の剣+2』を抜いて――『 同じく仮面をかぶった命都がアンジェリカをかばう姿勢で立たせながら、先ほどつけていた仮面をかぶらせた。 「――さて、踊るとしますか姫」 「お手柔らかに王子」 廊下に出たボクたちは本当にこれからダンスを踊るようにお互いに礼を交し合った。

26 Lesson 5 Masquerade "I'm sorry for overlapping" to Prince Achill, who bows his head again, "It's past now, so please return the prince to his seat. - Or a man shouldn't bow his head lightly." Easily complaining. I hate watching you pepper. "Absolutely. They ask about the lightness of what stands above them." The princess (of which) just said no, and the life capital (Miko and I) say no, but just a couple of days ago, I was bowing my head to the Collard Guild Manager, too. - Shit. If I get busted, I'm gonna die,... with a collard guild chief! I slipped away from the capital. The healing (heel) must have worked, Sir Carlo stood up and bowed his head on his knees on the spot. "I apologize for your disrespect. - I'm sorry, Your Highness." "Never mind, thank your majesty more than that." That's what I said, lend me your shoulders, and we'll start each other up, Princes Achille. "You're getting along a lot, aren't you? "Actually, we're dairy brothers, and he's the one who's been soaking up the same water production since we were born to each other... It's always bothering me when I'm impotent." Prince Achill laughs with an innocent childlike face. On the contrary, Sir Carlo lay his face down in the wind that he couldn't resist. Hmm, is this what a man's friendship power is? I don't know because I didn't have any friends. Once again Prince Asil took his seat, behind which Sir Carlo stood. Angelica looks back and looks worried about him like that, but shakes her head gently in the wind that it's okay. "By the way, I was in the middle of a conversation, and I'd like you to wait a while for Princess Hyuki to attack the King's capital." I twisted my neck in response to Prince Ashir's words, thinking "Hmm." "Well, it's not an official notification or ultimatum, so at this stage, we're not going to start an immediate war - but why should I ask you? "Because the wind changes direction." That's how Prince Asil explained the current situation in the kingdom. That the kingdom of Amitia is not the absolute kingdom of what it names the kingdom, but that the House of Lords Council, which focuses only on leading aristocrats, bulls the government of the nation. The present king is not foolish, but he cannot be said to be wise. In substance, he is a puppet of Parliament. That some aristocrats, military personnel, leading figures, etc. who were dissatisfied with such a status quo in support of the Royal Villagers and Prince Asil are secretly preparing to defeat the House of Lords. However, the prince's faction was so powerless against the overwhelming majority of the House of Lords that he intended to have a few more years of preparation. "It is the noise of the city of Ara that gushed down to such a place and the presence of Imperial Crimson, the demonic kingdom that showed overwhelming power. Not only a people suffering from the tyranny of the nobles, but also from the nobles and powerful who have been neutral until now, should join hands with you. There's been a move not to breathe fresh wind into a stagnant country, and with those voices, our activities are rapidly becoming more active." I see. I mean, we're not supposed to be black ships for this country. Well, normally, even a force bee (coup) or something, I don't think the status quo will change simply because it changes my mind, but this prince's instrumentality could make it pretty good. But to my question, Prince Asil shook his head unexpectedly. "No, our activity is certainly a breakdown of the rotten aristocrats who are currently cowering national politics, but we do not necessarily want to shed blood" "Does Princess Hyuki know the philosophy of 'democracy'? With sparkling eyes, Prince Achill speaks to show his precious treasure. But on the contrary, my whole body cooled off in an instant. "Anything that says royalty, etc. is decorated as always - no, it doesn't matter if it's not there. It is not a nobleman who dominates the people by descent alone, but by laying the foundations on which the people can think for themselves and run the country, which is currently done at grassroots. And the seeds have already been scattered, and all I have to do is sprout and grow them, and that's what I'm going to do, and I'm going to make this country a better place." Prince Asil, who speaks powerfully, but I hadn't heard half of it from the middle of nowhere. I just thought in my heart. Prince Asil, I know the reality ahead of your ideals. That could certainly be better than the current aristocracy. But hey, I knew you were royal. No matter how noble a goal you set, people rot, and people die without saving them. "So I'd like to ask you to give me some time. In the meantime, we intend to first establish a House of Representatives against the House of Lords, gradually eliminating the power of the House of Lords from national politics. In the current situation, the popular support should be assured, so we would like you to formally bond with us afterwards." "... well it's good to wait, but can you actually do that in the near future? In the meantime, I'm not going to hold off on my country's citizens if they send me a letter with the same details." I can't exactly hold you back, though. "You can. That's what my people and I have been trying to do. Well, in the unlikely event that we go to war with your country, I'll take my people and Angelica and take them to your country, so it's not like I know what Princess Hyuki will do with the House of Lords." Honestly, I don't think it's as easy as it sounds, but Prince Asil laughed invincibly. I put a sword out of my hip pochette and put it on the table. Even for your hands? and nod to Prince Asil, who complains with his eyes. "... Hmm, that's a good sword. Sounds like a demon sword because I feel magic? "When I say 'sword of the wind', it is lighter and quicker to handle than a normal sword because of the power of the wind attribute - well, that's all the sword, but I'll give it as a replacement for the sword my samurai broke earlier" "- Come on!" Sir Carlo turned away. Prince Achille also seemed surprised, but quickly put him on his hip instead of a broken sword with a happy face. "I appreciate this guy. I'll take your amulet instead. Even for a rosy marriage to Princess Hyuki, this is not going to lose anything to the nobles." "Because you don't have to think about marriage or anything! I mean, this time I responded to Prince Asil's invitation, and I just wanted to see what a rumored S-rank adventurer is capable of." "Hey, I'd like to give you a break about that. If you fight for real, you're not going to win. Well, if it's just a game of pure swordsmanship, it sounds interesting." "Huh. So you want to try? "It's the mountains that want to do that, but now is a bad time, so why don't we do this after one paragraph? I guess this prince is practically a samurai. I shook my head with a genuinely sorry face. "... man, it's the only way" If they say so, they've drained the poison, and we'll disperse here once? That's what I thought I was about to stand up for, and Prince Asil stopped me. "In fact, until this matter is cleared up, Angelica is to be evacuated to Lake Fulvia, near the King's Capital, where there is a royal villa, in the name of maintenance, so please stop by if Princess Hyuki has time too" Hmm. I mean, what's a fabric stone for in case you fail? Angelica, without any discretion around it, shook my hands with an innocent smile and shook a boom. Nod appropriately for now. "Lake Fulvia has very beautiful water and there are hot springs springing up near it, so there are hot springs in the villa too! Hey, Sama, why don't you join us for a hot spring?" Hot springs... baths together... I deeply regretted the snort. "Now let's have a carriage home. - Carlo, please." Sir Carlo left the room wearing a mask for the masquerade. When I saw it, I asked what I doubted. "Speaking of which, I thought I'd come in contact at the Masquerade venue? Prince Achill, who somehow makes a sinister face at that word. "I was going to do that at first. What is it, Princess Hiyuki, that weird mask? It's not something you can talk about if you're dressed like that." I wonder why you have such a bad reputation, this mask. "My God, Your Highness! We say the thieves have entered the building and the gendarmerie is surrounding the building and ID checking the participants! There Sir Carlo returned out of breath. Me and Prince Achill face each other unexpectedly. Because they both remember themselves being treated like 'thieves'. "... apparently they read this move" Sighing, the prince stood up. Prince Achill wears a white mask, tapping on the pattern of the sword. "Really, then, let me dance as a partner too. - Life capital, Angelica, please." If I did something, I would put on a reputable mask and pull out the "Sword of Water +2" that strengthens my vitality from my hip pochette - "Sinner of the Rose (Jill de Leye)" is just a good place to stand out and overkill, so I made this a handful - and I followed up later. He wore the mask he was wearing earlier while the life capital, also wearing a mask, allowed Angelica to stand in a covered position. - Well, suppose we dance, Princess? "Softly, Prince." Out in the hallway, we really thanked each other to dance from now on.

幕間 勇者不現 大陸北部域にある小国シレント。 その首都リビティウム......に続く、踏み均されただけの土の道を、冒険者らしい4人の男女が歩いていた。 一行の先頭を歩くのは16~17歳と見える、革鎧の下にワンピースを着て、 その後ろに続くのは、背丈よりも長い三日月型の飾りの付いた長杖を突いた、小柄な黒髪の神官らしい法衣を纏った12~13歳ほどの輝くばかりの美少女。 若干遅れ気味で、重い足を引き摺っているのは、上半身に が草を食んでいる――フリをして実は肉食魔物なので、この4人組を血に飢えた目で虎視眈々と狙っていたりする――が、先頭を歩く乳白色の髪をした少女に、見透かされた目でじろりと射すくめられると、慌てて尻尾を向け『あっしはもとから草食動物ですぜ』という顔で、ワザとらしく草を食べるフリを続けていた。 「風光明媚な場所だねぇ」 モノは言いようだなぁ、と思いながら少年は、先を行く二人に声を掛けた。 「悪い、少しペースを落としてくれねーか。フィオレがバテてきてるみたいだし、そろそろ休憩とった方がいいだろうから」 「だ、大丈夫ですよ、師匠......このくらい平気です」 最後尾を歩いていた魔法使いらしい少女が、手にした布で汗を拭いながら答える。 そう強がりを言ってはいても、限界に近いのは誰の目にも明らかだった。 「――あらら。ごめんね、気が付かなかったよ。じゃあ、そこの木陰でいったん休もう。――あそこまで我慢できる?」 立ち止まった黒髪の少女が、50メートルほど先にあった落葉樹を指す。 「は、はい。すみません......」 「いいのいいの、気にしないで。フィオレは荷物も重くて大変だろうから」 「......? いえ、ヒユキ様に貸していただいた『収納バック』のお陰で、ずいぶんと楽ですけど......」 背中に背負った手提げかばんほどのリュックを、軽く揺すって大丈夫をアピールする魔法使いの少女。 その拍子にチュニックを下から押し上げる豊かな膨らみが、大きくたわみ上下する。 「――あー、うん。まあ......取りあえず、『収納バック』に入らない荷物のことなんだけどさ。あと、それは貸したんじゃなくて、二人にあげたつもりなので自由に持っててかまわないよ。『砂塵の迷宮』のお礼代わりだとでも思ってくれれば」 あっさり言われた言葉に、同じ色違いのバッグを背負っていた少年ともども、大慌てで辞退しようとする二人だったが、「まあいいじゃない、冒険者をやるんなら今後も必須だろうし」頑として受け入れない少女の態度に、しぶしぶ――嬉しさ半分――受け入れるのだった。 首都と言ってもおおよそ500×500メートルくらいのサイズの都市で、人口も3000人程度。ランドマークになるものもない、寂れた田舎街という風情だった。ちなみに国内には他に1000人規模の小都市が2~3個点在するだけというので、たぶん総人口でも1万人行くかどうかくらいだろう。 半鎖国状態を取るイーオン聖王国に隣接するため交易もほとんどなく、半農半牧畜で成り立っている正直、現在の貿易目的の転移魔法の出現ポイントとしては、あまり意味はない......良く言えば なにしろ隣が謎多いイーオン聖王国。大陸最古とも言われる宗教国家なので、『喪失世紀』についての記録も相当数具体的な形で保存されているのではないか、というのがグラウィオール帝国の実質的指導者オリアーナ皇女(通称『鈴蘭の皇女』)の見解だったりする。 なのでこの世界と で、そこへ振って湧いたのが今回の『勇者選定の儀式』。 なんでもこの国の宗教は表向きイーオン聖教になってはいるけれど、それとは別に土着の『勇者信仰』があるらしい。 「まったく別な宗派の行事を当たり前のように行っているそうです。おかしな話ですよ」 「そんなもんなの?」 もかなり形骸化しているとはいえ、いちおうイーオン聖教の系譜ですし。......まあ、最近は姫陛下を神格化する向きもありますけど」 「うえーっ、そんなもんあるの? 不健康だねぇ。そーいうのは私が死んだ後にでもやってよ」 「......陛下が死ぬとかちょっと想像もつきませんけど。まあ、そんなわけで勇者を召喚した『巫女』という役職が代々継承されているそうで、現在でも政治的文化的発言力を持っているそうなんです」 どうにも理解しがたいという顔で説明をするコラード国王だけど、こちらは正月に神社にお参りして、バレンタインデーにチョコ渡して、クリスマスにケーキ食べて、大晦日にお寺に行く、宗教に関しては節操なしの元日本人。複数の宗教がチャンポンになってても、そーいうもんかと納得できるんだけどねぇ。 「――で、その巫女様が、御告げで初代勇者が使った『伝説の剣』、その後継者にとジョーイを指名した、と」 その部分がどーにも納得できないんだけど。 「正確にはジョーイ君が『初代勇者の生まれ変わり』と御告げがあったそうです」 「ほー......」としか言えないわ。 「......それが本当だとしたら、どんな勇者だったんでしょうねー」 「......そうだねー」 思わず二人揃って遠い目をしてしまった。 「もう夕方だし、今日のところは宿をとって、明日、神殿だかに行ってみようと思うんだ」 ジョーイの提案に、フィオレは諸手を上げて賛成をして、緋雪も頷いた。 「そうだね。私もたまには一般の宿とか泊まってみたいし、うん、そんなホテルとか、いちいち城に戻るとか面倒だしね! 宿に泊まろう」 なぜか誰かに言い聞かせるように強く推す。 「私は姫様の護衛役ですので、姫様に従います」 「んじゃ、宿屋を探そう。えーと......」 表通りを歩きながらキョロキョロ探すジョーイの目に、石造りの堅固で立派な建物がどっしり建っているのが映った。 庇の下から屋号にちなんだ宿屋独特の看板――この店は羊をモチーフにしたもの――が掛かっているのを確認して、ジョーイは扉を開けた。 入ってすぐのところが、暖炉と粗末なテーブルと椅子が置いてあるだけの酒場になる。 閑散と人気のないカウンターに向かって、ジョーイがしばらく宿の人間を呼び続けていると、やっとカウンターの奥から因業そうな親爺が顔を覗かせた。 「4人なんだけど、泊まれるかな?」 この段階ですでにげんなりしている緋雪とフィオレのお嬢様コンビとは対照的に、ジョーイの方は別段気を悪くした風もなく、親爺相手に交渉を始めた。 「―――」 4人をじろじろ値踏みしていた親爺だが、いかにも育ちの良さそうな(金のありそうな)緋雪とフィオレを見て、ぶっきらぼうに頷いた。 「大き目の部屋がひとつ空いている。一人一泊銀貨5枚、4人なら20枚、晩飯付なら30枚だな」 ちなみに銀貨1枚がだいたい1,500円くらいなので、銀貨30枚で4万5千円ということだ。 「4人一部屋で銀貨30枚!? もうちょっとなんとかならないか? せめて男女別の部屋にするとか」 「気に入らなきゃ他の宿を探しな」 取り付く島もない物言いに、どうする?という顔で振り向くジョーイ。 「あ、あたしは師匠と一緒の部屋でも大丈夫ですよ。だいたい外で仕事をする時は交替で火の番をして、寝たりするから変わらないですし、し、師匠のことは信じてますから」 「私も気にしないよ。二人きりで同じ部屋で寝起きしても、手出ししないヘタレ......もとい、自制心の実績があるからねぇ」 「ま、何かしてきたら 捥ぎるってなにを......? と戦々恐々としつつ、ジョーイは諦めて言い値で料金を支払った。 下男に案内されて2階の4人部屋――と言ってもベットは2つしかない、どう見ても2人部屋で、後から下男が床の上に薄いマットレスを2枚敷いた――に案内された4人は、相談の上、荷物はこの場に置かないことにして、常時『収納バック』を持ち運ぶことにした。 「それにしても、あれだけ高いお金を払って、こんな木賃宿みたいな部屋ですか。アーラなら高級宿屋に1人1部屋お風呂付で泊まれる値段ですよ」 「へえ、そんなものなの?」 なにげに普通の宿屋(というか 「ボッタクリも良いところですね。外国人だと思って足元見てるんでしょう」 一方、自分の分の寝床――薄いマットレス――を女性陣からなるべく離れた壁際に移動させながら、ジョーイは慣れた調子で肩をすくめた。 「まあ、田舎の方にいくとこういうことはよくあるからなぁ。大方、良い部屋は後からくる貴族とかの上客に割り当てるんだろう」 「ふうん。なら金貨や宝石であの親爺の横っ面を張り倒しておけば良かったのかな?」 「......それはそれで他の客との諍いの元になるので、あんまりやらない方がいい。それに俺達がそれをやると悪い前例になって、ボッタクリの良い口実になるしな」 頭を振って緋雪の意見に反対するジョーイ。 ふと、言った後で、周りが妙に静かになっているのに気が付いて、頭を上げた。 感心したような瞳が6個、ジョーイを見ていた。 「師匠、さすがです! そこまで考えてるなんて......勉強になります!」 「脳味噌の代わりにジャムでも詰まってるかと思いましたけど、意外と考えてるんですね。評価をマイナス600から500に変えておきましょう」 「あのジョーイが......初対面の時は、世間知らずで、アーパー扱いされたジョーイが、なんかまともになってる。“男子三日会わざれば割礼して見よ”って言うけど、本当なんだねぇ」 べた褒めだが、なぜか本人は不満顔である。 「お前ら俺のことなんか馬鹿にしてないか......あと、ヒユキ、それ『刮目』な刮目!」 宿に到着したのが4時過ぎ頃、特に観光地もなく、日も暮れてきたということで、部屋の中で今後の予定を話し合うこと5時間余り。夜の9時過ぎに、やっと夕食となった。 混み合った1階の酒場の隅にあったテーブルの椅子に、腰を下ろした緋雪が頬杖をついてため息を漏らした。 「なんだって、こんなに時間が掛かるんだろうねぇ」 緋雪にとっては普通の食事は嗜好品扱いで、主食は別なのだが、それでも人間時代の慣習から三度の食事はとっているため、異国の食事と言うことで楽しみにしていたのだが、ここまで時間が遅くなると流石に愚痴も言いたくなる。 「多分だけど、一度の支度で全員の分を用意するために、客が全員揃うのを見計らってるんじゃないかな」 ジョーイに言われてみれば、狭い酒場の中には、兵隊や騎兵、商人、御者......このあたりは客とわかるのだが、他にも明らかに農民や職人、商売女など近隣の住人も混じっていた。 感心したようにも、呆れたようにも取れる表情で相槌を打つ緋雪。 ちなみに基本テーブルは8人掛けなのだが、明らかに浮いた4人と同席する勇者は居ず、じろじろと珍獣を見るような目で眺めているだけだった。 フィオレは落ち着かない様子でいたが、ジョーイは慣れているので軽く受け流し、緋雪も他人から見られるのが仕事みたいなものなのでスルー、真珠はそもそも周りの人間をエサくらいにしか思ってないので無関心といったところだった。 やがて運ばれてきた食事――固いパンに、水っぽくて酸っぱい 2時間以上掛けて(食事が単品で出てくるので時間が掛かる)、罰ゲームのような食事が終わり、三々五々と部屋に戻った緋雪たちは、ベッドに腰を下ろし(ちなみに2つあるベッドは緋雪とフィオレが使用して、ジョーイと真珠は床に眠ることにした)、口直しに持参のお菓子とジュースを口に運びながら、ほっとため息をついた。 「......それにしても思っていたより、排他的だねぇ。ちゃんと正式な国からの招待状もあるのに」 「まあ、コレが勇者の生まれ変わりとか言われても、誰も信じないと思いますけど」 ふくれっ面でマシュマロを食べるジョーイを横目に、辛辣な感想を口に出す真珠。 「まあ、市井の意識はわかったけど、肝心の上の方はどうなのかな」 「下がこうでは、上も推して知るべきかと」 「そうだねぇ」 これはイロイロ駄目かも知れないと、半ば見限る緋雪であった。 「......まあ、別にイーオン聖王国の情報がなくても、現状困ることもないと思うし、今後も係わり合いにならなければいいんだけどさ」 を、さらに奇怪にしたような姿の人の背丈の3倍ほどもある石像に、一振りの長剣が刺さっていた。 いまにも動き出しそうな石像の胸元に刺さった剣は、長い年月に晒され、ボロボロに風化してはいても、不思議と静謐な存在感と鋼の輝きを失ってはいなかった。 その剣の前に立つ15~16歳と思える乙女がひとり。 で剣の柄を握って、誰かと話をするかのように囁いた。 「ええ、やっと来るのね、あなたが待ち望んだ勇者が。それが来た時こそ、あなたが再び自由を得る時......もうすぐよ、待っていて」

115 The Tabernacle Brave Is Gone. Cilento, a small country in the northern part of the continent. Four adventurous men and women were walking along the dirt path just trampled on, following its capital, Livitium.... Walking at the beginning of the line is a beautiful girl who looks a little more attentive, wearing a piece under leather armor, with a fine sword (Rapier) down her waist and milky white hair. Followed by a beautiful girl, just about 12-13 years of age, wrapped around a small brunette clerical coat, poking a three-day moon-shaped decorated longscepter longer than her back length. Slightly lagging and pulling heavy legs is a boy about 15-16 years of age with a long sword down his hips, equipped with metal armor (plate armor) on his upper body. If you look around you, in a basin surrounded by mountains, the pasture is planted to the extent that you're sorry, and in the first place a fake black sheep (Melanie Ariez) is eating grass - pretending to be actually a carnivorous demon, so you can target these four people with bloodthirsty eyes at the tiger's eye - but when the girl with the milky white hair who walks at the head is snubbed with a visible eye, she hastily turned her tail and continued to pretend to eat grass like a wasp in the face of 'I'm a herbivore from the beginning'. "It's a scenic place." Thinking that things seemed to say, the boy called out to the two who were going ahead. "Sorry, will you slow down a bit? Because it looks like Fiore's getting butterflies, and it's time to take a break." "Yes, I'm fine, Master... I'm fine with this much" A wizard-like girl who was walking at the rear answers as she wipes her sweat with a cloth in her hand. It was obvious to anyone's eyes that they were close to the limit, even if they said so strongly. "- Oh. I'm sorry, I didn't realize. Then let's rest in the shade there once and for all. - Can you stand that far? A stopped brunette girl points to a deciduous tree that was about 50 meters away. "Yes. Excuse me......" "It's okay, never mind. 'Cause Fiore's gonna be tough with heavy luggage." ...... No, it's a lot easier thanks to "Storage Back" loaned to Master Hyuki... " A wizard girl with a handbag backpack on her back that shakes gently to appeal to all right. The rich swelling that pushes the tunic up from the bottom on its clap deflects up and down greatly. "- Uh, yeah. Well... for now, I'm talking about luggage that doesn't fit in the 'storage back'. And I didn't lend you that, I meant to give it to you two, so you're free to have it. If you think it's a substitute for" The Labyrinth of Dust "." To the lightly said words, the two boys who were carrying bags of the same different colors were in a great hurry to try to resign, but to the attitude of the girl who wouldn't try to accept, "That's okay, if you're going to be an adventurer, you're going to have to do it again in the future", I guess - half the joy - to accept. Even when it comes to the capital, it is a city approximately 500 x 500 metres in size, with a population of about 3,000. There was nothing to be a landmark about, it was a lonely country town. By the way, there are just a couple of other small cities dotted with 1,000 people in the country, so maybe even the total population will go 10,000. There are few deals to be made adjacent to the Eon Holy Kingdom, which takes on a semi-clad state, and it is made up of semi-farmoured semi-pastoralists. Honestly, as for the current point of appearance of metamagic for trading purposes, it doesn't make much sense...... well put, it is idle (idyllic). In a way that has no body or lid, it is remote, but as far as I'm concerned, I had a reason to definitely hold onto this land. Anyway, the Eon Holy kingdom with many mysteries next door. Since it is also said to be the oldest religious state on the continent, it may be the view of Empress Oriana (commonly known as the "Princess of Suzuran"), the substantive leader of the Gravior Empire, that records about the "Century of Loss" are also preserved in a considerable number of concrete forms. So in order to find out how this world relates to "E. H. O." and "Eternal Horizon Online," we have to somehow hit the Aeon dossier, but somehow the other person is a religious state of human supremacy. So, it was this "ceremony for the selection of the brave" that shook and sprung up there. Anything. Religion in this country has become ostensibly eonic ecclesiastical, but apart from that, there seems to be an indigenous' valiant faith '. "They're doing a whole different sectarian thing as a matter of course. It's funny." "Is that what it is? "There's no normal. Although Amitia (of which) is also quite morphed, it is also the genealogy of the Eon Episcopal Church.... Well, lately, I'm also inclined to deify Her Majesty the Princess." "What, you have that? That's unhealthy. Do that even after I'm dead." "... I can't imagine a bit that His Majesty will die. Well, that's why he's inherited the position of 'witch' who summoned the brave man, and he still has a political and cultural voice." King Collard, who explains in the face how difficult it is to understand, but this is a former Japanese who comes to the shrine on New Year's Eve, gives him chocolate for Valentine's Day, eats cake for Christmas, goes to the temple on New Year's Eve, and has no moderation when it comes to religion. Even if multiple religions become champions, I'm convinced that's the case. "- So the witch named Joey as his successor, the 'Legendary Sword' used by the first brave men at his behest." I'm not convinced by any of that. "To be precise, Joey, I hear you've been told," The rebirth of the first brave man. " All I can say is "ho..." "... If that's true, what kind of brave man were you?" "... right" We both accidentally looked away. "It's evening, and I'm going to take an inn for today and see if it's a temple tomorrow." Fiore raised her hands in favor of Joey's suggestion, and Scarlet Snow nodded as well. "Right. Sometimes I want to try staying in a general inn or something, and yeah, it's such a hassle to go back to a hotel or something like that! Stay in the Inn" Strongly push to tell someone why. "I am the princess's escort, so I will obey the princess" "Well, let's find a place to stay. Er..." Joey's eyes searching for Kyorokyoro as he walked down the front street saw a sturdy, splendid building built of stone. Joey opened the door, making sure that the unique sign of the inn, named after the roommate from under the shelter - this shop was sheep inspired - was hung. Shortly after entering, it becomes just a tavern with a fireplace, a crude table and chairs. Towards the idle and unpopular counter, when Joey kept calling the inn people for a while, his grandfather, who seemed to be working from behind the counter, finally peeked into his face. "It's four of us, can we stay? In contrast to the Scarlet Snow and Fiore's Lady Combination, which has already laid low at this stage, Joey started negotiating with his grandfather without a wind that made him feel otherwise uncomfortable. ------ He was a grandfather who was barely worthy of the four of them, but he looked at Scarlet Snow and Fiore, who seemed to grow up well (seemingly gold), and nodded blindly. "One large room is empty. 5 silver coins per person per night, 20 for 4 people, 30 for dinner." By the way, one piece of silver coin is about 1,500 yen, so that means 45,000 yen for 30 pieces of silver coin. "30 silver coins in each room for four!? Can you handle some more? At least make it a separate room for men and women." "If you don't like it, look for another inn." What are we gonna do about it? There's no island to install it. Joey turns around with a face that "Oh, I'm fine in my room with my master. Mostly when I work outside, it doesn't change because I alternate and go to bed, and I believe in my master." "I don't care either. Even if you two wake up in the same room alone, you won't be able to help... because you have a proven track record of self-control." "If you do something, it's too much." What are you...? and in the horror of the war, Joey gave up and paid the price in words. The four men, who were guided upstairs by a lower man - and said that there were only two bets, no matter how they looked at it, the lower man later laid two thin mattresses on the floor - decided, after consultation, not to put their luggage on this spot and to carry the 'storage back' at all times. "Still, is it a room like this for rent with all that expensive money? Ara can afford to stay in a luxury room with a bath per person." "Oh, is that it? What is it? Scarlet snow, the first time I've stayed in a regular inn (or inn (apple)), asked Fiore, who is unusually puffy and outraged. "Bottacli is a good place too. You think you're a foreigner and you're watching your feet." Meanwhile, Joey shrugged her shoulders in the familiar condition as she moved her share of the sleeping floor - a thin mattress - to the wall as far away from the women as possible. "Well, it's common for me to go to the country. I guess a good room will be assigned to the next nobleman or something." "Yeah. Then should I have stuck that grandfather's side down with gold coins and gems? "... it's better not to do too much because that will be the source of the grudge with the other guests. And when we do that, it's a bad precedent, and it's a good excuse to bother." Shake your head and disagree with Scarlet Snow's opinion, Joey. Huh, after I said it, I noticed it was strangely quiet around me, and I raised my head. Six eyes like I was impressed, I was looking at Joey. "Master, that's just great! I can't believe you're thinking that far...... you'll learn! "I thought you were stuck in jam instead of brain miso, but you're thinking surprisingly. Change your rating from minus 600 to 500." "When that Joey... when we first met, Joey, who was unknown to the public and treated like an arper, is getting something decent." Man, if you don't see him for three days, circumcise him. "But it's true." It's a compliment, but for some reason, he is a dissatisfied face. "You guys are not making fun of me... and, Hyuki, that's a 'scratch' scratch! Around four o'clock after we arrived at the inn, there were no particular tourist destinations and the sun was setting, so we had more than five hours to discuss our future plans in the room. After nine o'clock at night, it was finally dinner. Scarlet snow with her hips down leaked a sigh on her cheek cane in the chair at the table, which was in the corner of the crowded first floor tavern. "What, it's gonna take so long" For Scarlet Snow, a normal meal is a preference, apart from the staple foods, but I still take three meals from the customs of the human age, so I was looking forward to referring to it as an exotic meal, but I also want to say stupidity to boulders when it gets so late. "Maybe, but I'm predicting we'll have all the guests in order to get everyone's share in one run." If Joey tells you, inside the narrow liquor store, soldiers, cavalry, merchants, lords... I can tell that around here, there were obviously other residents of the neighborhood mixed with peasants, craftsmen, merchants, etc. Scarlet snow hammering with a look that can be taken as impressed or as frightened. The basic table, by the way, seats eight people, but obviously there were no brave men present with the four floats, just staring at them with a cursory eye at the rare beast. Fiore looked restless, but Joey was used to it, so she flushed it lightly, and Scarlet Snow was like a job to be seen by others, so through, Pearl was indifferent in the first place because she only thought of the people around her as bait. Eventually, the meal that was carried - the hard bread, the watery, sour wine (wine), the soup of the meat that was inexperienced, the porridge, and the last broiled meat - was used to (Joey), indifferent (Pearl), giving up (Fiore), reopening (Scarlet Snow) and cheeky silently. Hanging for more than two hours (which takes time as the meal comes out individually), the Scarlet Snow men, who finished a punitive game-like meal and returned to the room in trinity, sighed relieved as they lowered their hips on the bed (the bed with two, by the way, was used by Scarlet Snow and Fiore, and Joey and Pearl decided to sleep on the floor) and carried the sweets and juice they brought to their mouths to remouth. "... and it's more exclusive than I thought. Even though I have a proper invitation from the official country." "Well, I don't think anyone would believe me if they told me this was the rebirth of a brave man or something" A pearl with spicy thoughts in her mouth with Joey eating marshmallows on the side with a fudge. "Well, I know Ichii's consciousness, but I don't know about the one at the heart" "Here's the bottom, I thought I should know by pushing the top as well" "That's right." This may be ironic, but it was scarlet snow half the time. "... well, I don't think we have to have any information about the Eon Holy Kingdom, nor do we have any trouble with the status quo, and I hope we don't get involved in this in the future." A wave of a long sword had stabbed a stone statue about three times the length of the back of a man who looked even stranger than a fake black sheep (Melane Ariez), which could only be described as an 'evil god'. The sword that stabbed the chest of the stone statue, which was likely to move now, had not lost its wonder, quiet presence and steel glow, even though it had been exposed for many years and weathered in tears. One maiden who seems to be 15-16 standing in front of that sword. He grabbed the pattern of his sword with his white arm and whispered as if talking to someone. "Yeah, you're finally coming, the brave man you've been waiting for. It is only when it comes that you will be free again... soon, wait"

第九話 決戦間際 インペリアル・クリムゾンとアミティア王国との争いは、当初アミティア王国上層部が想定していた、非難合戦、継続した交渉、水面下での折衝、事務方による協議、双方の妥協点への収束などというものをすべてすっ飛ばして、王都に隣接するアクィラ高原での総力戦という形になった――というか、ならざるを得なかった。 これもひとえにアミティア王国からの宣戦布告――アミティアの公式発表によれば、インペリアル・クリムゾンの第三王子アシル・クロード・アミティアの暗殺による、実質的な宣戦布告に対する抗議――に対して、 「そんなに戦争したきゃ受けて立つよ。そっちの準備が整うまで待つから、死にたい奴だけかかってきな」 というインペリアル・クリムゾン国主の返答により――実際には間に立った自由都市アーラの冒険者ギルド長コラードによる、婉曲かつ修飾に富んだ内容での書簡となったが――交渉なしの即開戦となった。 あまりにも国際常識を無視した対応に、アミティア王国側も困惑を隠せなかったが、程なくして王都に隣接するアクィラ高原へ、万規模の その内訳としては、司令官に貴族院議員でもあるジョヴァンニ・アントニオ伯。 国の直轄軍が約5500名。 諸侯連合軍による騎兵が約3500名。 これに歩兵部隊として歩兵及び弓兵が約10000名。 傭兵及び冒険者の混成軍が約2500名。 義勇兵が約12000名。 さらに虎の子の魔術師部隊が150名。 イーオン神殿から派遣された聖職者が約70名。 そして国の切り札とも言える 合計して3万を遥かに超える、近年では未曾有の規模の大軍団と化した。 彼らの共通した合言葉は一つ。 『アシル・クロード王子を殺害せし魔物に天誅を!』 ◆◇◆◇ 「・・・ということで連中、アシル王子の弔い合戦らしんだけどねぇ。どう思う 時折、歓声や負けたらしい者のうめき声や地団太(本当に地面が地震みたいに揺れるんで止めてもらいたいんだけどさぁ)の音。 「いまのは遅出しじゃろう!」という怒鳴り声。 「オレ、いまからパーを出すぜ!」などという駆け引きの声などが聞こえて来るし。 ボクは隣へ控える、紅い 「王子が聞いたら泣いて喜ぶでしょうね」 肩をすくめて気楽に答える騎士――一見するとただの人間のように見えるけど、肌の色が人間にはあり得ないほど青白い。ボクの眷属たる 「特にどうということは。なにしろいまの俺は姫様の剣に過ぎませんからね」 「――気安いぞ。口の聞き方に注意しろ は恭しく頭を下げた。 「申し訳ございません、四凶天王筆頭・ 慇懃な態度だけど、仮面に隠されて内心がうかがい知れない、そんな稀人の内心を推し量るように目を細める天涯。 ボクは再度確認してみた。 「本当にこれでいいのかい? 君が望むならいつでも妹さんと同じ場所に戻してあげられるんだけどねぇ」 には妹なんていませんでしたよ。どうやら俺は同じところには行けそうにないので、それなら敬愛する姫様のお傍にいるのが望外の幸せってもんですよ」 「――当然だな。口に出す程のこともない自明の理だ。稀人、貴様まだまだ姫に対する畏敬の念に足りぬと見える」 鼻を鳴らした天涯だけど、ある程度は稀人に対する警戒を緩めたのだろう。若干、態度が柔らかくなった。 申し訳ございません、と再度頭を下げた稀人だが、顔を上げたところでボクのほうを向いて、なにか思い出したのか、えへらぁと思いっきり口元を緩めた。 「実際俺にとっちゃここが極楽みたいなもんで、いやぁー・・・まさか出陣の儀式であんな役得があったとは」 そう言って、まだ湿り気を帯びている前髪を触る。 「うわーっ、うわーっ!!」 てか、誰だよあれが儀式だって言い出したのは――――っ!?! 人が戦闘に備えてお風呂に入っているところに(ボクの専用浴場はゲーム中だと1分間つかると30分間の支援効果があったけど、現在は分体位で効果が30分間延長されるようになったみたいでMAXで48分入っていれば24時間持続する。ただし24時間以上は延びないみたいだね)、どかどかと当然のような顔で円卓メンバー全員入ってきて湯につかるのは?! 命都 まあ、それだけだったらまだ我慢できたよ! ものすごーく拡大解釈でペットとお風呂に入っている感覚だからね。 だけど今回は稀人も一緒ってのはどーいうこったい?! 「......目に焼きついております。湯に染まり桜色になった肌と、さらに桜色の蕾みといまだ無垢な――」 「うわーんっ!!」 てか状態がさらに深く病んだ病状へと悪化してるみたいだし、いろいろ間違ったかも知れないねぇ。 と、それまで空気だったコラードギルド長が、恐る恐るという感じで手を上げた。 「喋ってもよろしいでしょうか?」 天涯がちらりとこちらを向いて伺いを立てたので、軽く頷いて見せた。 「よかろう。直奏を許可する」 はあ、もったいなき幸せでございます、とか言いながらも腑に落ちない顔つきで首を捻るコラードギルド長。 「......なんで私が その問いかけにボクは腕組みした。 「難しい問題だねぇ。人間はなぜ生まれここにいるのか、その答えは各自が出すしかないんじゃないかな」 「いえ、そういう哲学的な問題ではなく、アーラ市のギルド長室にいた私が、なぜここに拉致されてきたのかとお聞きしたいのですが・・・」 ボクは思わず首を捻って拉致してきた当人――天涯の方を向いた。 「理由を言わなかったの?」 「無論述べました。『姫がお呼びだ、すぐに参上せよ』と」 うん、それ理由になってないね。 「いや、急で悪いんだけど、君にはちょっとこの国の王になってもらおうと思ってさぁ」 「はあ...........................はいぃぃぃぃぃぃいっっっ?!?!」 意味を理解した途端に仰け反るギルド長。うーん、いつもながらいいリアクションとるなぁ。これだけでも得がたい人材だね。 「いや、ほら私らって人間の統治とか政治とか興味ないじゃない? だからチャチャっとこの茶番を終わらせた後で、現在の頭をすげ替えるので、代わりに誰か人間に統治してもらおうと思ってさ。で、人の上に立つ経験もあり、バランス感覚にも優れたコラードギルド長にぜひ――」 「できるわけないでしょう!!!」 顔一杯を口にした感じで絶叫するコラードギルド長。 「いや、大丈夫だよ。いまの国の上層部なんて、ブラフでも私に喧嘩を吹っかけてくるような馬鹿者集団だよ? 欲ボケで目先が曇ってんだか、特権意識が高すぎて見下すだけで全体が見えないんだか知らないけど、それに比べりゃ君は100万倍はマシだからね」 「......あまり褒められている気がしませんが、やはり無理ですよ。私に国政のことなどわかりませんし」 ため息をつきながら頭を横に振るコラードギルド長。 「国政っていっても内政と外政でしょう? 外政の方は私らが睨みを効かせるので、他国からの侵略はさせないし――まあ仮にしてきたらツブすだけだし、内政のほうは事務方を残しておけばどーにか回せるんじゃないの? 人間の管理については、基本こちらからは口出ししないから君は好き勝手できるし、なにより文字通り一国一城の主になるなんて男子の本懐だろう? それにうちからもこの稀人をつけるから、かなり役に立つと思うよ」 「......ま、ま...まさか......アシルでん......!?」 「人違いだろう。俺は姫様の忠実な下僕の ポンポンと肩を叩かれ、魂が抜けたような顔で立ち尽くすコラードギルド長。 「だから言ったろう、茶番だってさ」 ボクが肩をすくめたところで敵軍に動きがあった。 敵陣から飛び立つ10数騎の 同時にこちらでも壮絶なじゃんけん合戦に終止符が打たれたらしい。 「――よっしゃああっ! 勝ったで! ワイが先陣や!!」 全長10m余りの翼を持った虎―― ・・・どーでもいいけど、あの肉球の前脚でどうやってじゃんけんしたんだろう? あー、なんか言わないとマズイのか。どーしたもんかな、ボクって基本的に人間関係希薄だったから、使える語彙が少ないんだよねー。 ・・・まあいいか、ゲームで 「皆の者、立ち塞がる敵を殲滅せよ!」 『ははあ――――――っ!!!』 その瞬間、周囲に緊張と殺気とが充満する。 てか、つい『殲滅』とか言っちゃったけど、いまさら取り消しは聞かないよねぇ。 こいつらにシャレは利かないので、多分一兵残らず本気で殲滅するよねぇ・・・ま、まあいいか、兵隊さんはそれが仕事なんだし。 とりあえず勢いあまって、王都までふっ飛ばさないようにだけは気をつけよう。

31 Episode Ix During The Showdown The dispute between Imperial Crimson and the kingdom of Amitia took the form of a total force battle in the Aquila plateau adjacent to the King's capital, initially assumed by the upper levels of the kingdom of Amitia - or had to - by soaking up everything: a blame battle, continued negotiations, a compromise under the water, consultations by the clerical side, convergence to a compromise between the two sides. This is also, for one thing, in response to the declaration of war from the Kingdom of Amitia - a protest against a substantial declaration of war, according to the official announcement of Amitia, caused by the assassination of Asil Claude Amitia, Prince III of Imperial Crimson. "If you want to fight so much, I'll take it and stand. Wait till you're ready, so just call the guy who wants to die." The response of the Imperial Crimson lord that - in fact, it became a letter in euphemistic and modifiable content, by the Adventurer Guild Chief Collard of the Free City of Ara, who stood between them - became an immediate battle without negotiation. In a response that ignored too much international common sense, the Kingdom of Amitia could not hide its confusion either, but quickly went to the Aquila Plateau, adjacent to the king's capital, where a clearly dominated group of 10,000 demons (monsters) appeared as if they had sprung up from heaven, realizing that there was no rush or exaggeration in the words of the Imperial Crimson lord, and in order to break this, it quickly gathered the forces that could be moved within the country - during which time, as the words of 'Wait until you are ready', the Imperial Crimson side waited without committing any invasion, pillage, etc. - to form an army several times the size of its enemies. The breakdown includes Uncle Giovanni Antonio, who is also a member of the House of Lords to the Commander. Approximately 5500 troops are under the direct control of the country. There are about 3,500 cavalry troops by the Allied Coalition of the Horses. There are about 10,000 infantry and archers in the infantry unit. There are about 2,500 mixed armies of mercenaries and adventurers. Approximately 12,000 prostitutes. Plus 150 Tiger Child Mage Squads. Approximately 70 priests were seconded by the Temple of Aeon. And 13 dragon cavalry rides through the Fei Long (Wyburn), arguably the country's trump card. Altogether, it was transformed into an unprecedented large army in recent years, well over 30,000. There is one word they have in common. "Let me kill Prince Asil Claude and give the demons their heavens! * * * * "... so the guys, it sounds like Prince Asil's condolences match, hey. What do you think, Rare Man?" From time to time, the groaning of those who seem to have cheered or lost and the sound of the community (I'd really like to have it stopped because the ground rocks like an earthquake). "We're going to be late! yelling." "I'll get the par out now! I hear rushing voices like," etc. I refrained from going next door, wearing red full-body armor (plate armor) - but not wearing a red mask covering the top of my face - and asked the blonde knight, close to red. "If the prince hears, he'll be glad to cry." A knight who shrugs his shoulders and answers with ease - at first glance he looks like just a human being, but the color of his skin is unlikely to be blue-white for a human being. My family's bloodsucking knight (Dracula) - a rare man. "What do you mean, in particular? I'm nothing but a princess's sword." "- You're cheap. Watch your mouth, Rare Man. You're only a newcomer, even if you're a princess's family! The rare man bowed his head respectfully to the caution of the irritated Heavenly Life. "I'm sorry, Dear Four Wesen Heavenly King, It's an obscure attitude, but hidden in a mask, my heart can't be distracted, a heavenly narrowing of my eyes to speculate on the inside of such a rare man. I checked again. "Are you sure this is okay? I can always put you back in the same place as your sister if you want." "I didn't have a sister in the afterlife. Apparently, I'm not going to be able to go to the same place, so it would be unwanted happiness to be beside my beloved princess." "- Naturally. It's self-explanatory. Rare man, you still seem to lack awe for the princess." It's a nasal lifetime, but to some extent it must have loosened its guard against rare people. My attitude softened slightly. I'm sorry, he's a rare man who bowed his head again, but when he raised his face, he turned to me and loosened his mouth as if he remembered something, eh? "Actually, it seems like this is the easiest place for me, and hey... I didn't know you had that role in the outing ritual." That's what I say, touching my still damp forehead. "Wow, wow!! Well, who is it? I said that's the ritual - Eh!?! Where people are bathing in preparation for battle (my private bath had a 30 minute supportive effect after taking a minute that I was in the game, but now it looks like the effect has been extended for 30 minutes in minute position and would last 24 hours if I had 48 minutes in MAX. Sounds like it won't last longer than 24 hours though), but who comes in and grabs all the round table members in the water with some natural face?! I'm also fine with taking off life capital (Miko) and Akaho (Uchi). Well, if that's all I had, I could still stand it! Because it feels like you're taking a bath with your pet in a hugely enlarged interpretation. But this time, what do you want with a rare person?! "... I'm burning it in my eyes. Skin stained with water and cherry blossom color, plus cherry blossom buds and still innocent -" "Wow!!" Looks like my condition is getting worse to an even more deeply ill medical condition, and I might have made a lot of mistakes. And, until then, the chief of the Collard Guild, who was the air, raised his hand feeling terrified. "May I speak? Heaven turned to me and asked, so I nodded gently to show it. "Fine. Allow Direct" Oh, I'm so happy, the collard guild leader twisting his neck with a face that doesn't fall on his face even though he says so. "... why am I on the battlefield (here)? I put my arms around the inquiry. "That's a tough problem. I don't know why humans were born here, but I guess they have to answer that." "No, not that kind of philosophical issue, but I'd like to ask you why I've been abducted here when I was in the guild chief's office in the city of Ara..." I accidentally twisted my neck and abducted the person - I turned to Heavenly. "You didn't tell me why? "Whatever I said." The princess wants you, come up immediately. " Yeah, that's not why. "No, I'm suddenly sorry, but I need you to be king of this country for a bit. Come on." "Ha................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................. Alliance leader who leans back as soon as he understands what it means. Um, I always take good reactions. That's the only talent I can get. "No, look, we're not interested in human governance or politics, are we? So, Cha-cha, after I finish this farce, I'm going to replace my current head, so I'm going to ask someone else to rule over me instead. So, I also have experience standing above people, and I would love to be a collard guild leader with an excellent sense of balance -" "You can't do it!!! Collard guild leader screaming with a mouthful of faces. "No, I'm fine. What a bunch of idiots in the upper echelons of the country, even bluffs, are going to blow a fight at me? I don't know if you're greedy and cloudy, or if you're too privileged to see the whole thing just looking down, but compared to that, you're a million times better." "... I don't feel very complimented, but I still can't. I don't know anything about government." Collard guild length shaking his head sideways with a sigh. "Home affairs and foreign affairs, right? We don't let foreign affairs invade us from other countries because we stare at them - well, if it comes down to it, we just twitch, and if we leave our way of affairs behind, we can turn it around one way or the other? As for human management, basically you can do whatever you want because you don't speak from here, and more importantly, you're literally the real man of a castle, aren't you? Plus, I'm gonna get this rare guy from us, so I think it's gonna be pretty useful. " "... ma... no way... asilden...!?" "It would be different. I am a rare man of the princess's loyal servants. Well, that's why it's my pleasure, Your Majesty." A collard guild leader who gets pounded on the shoulder and stands up with a face that looks like his soul has fallen out. I told you, it's a farce. Where I shrugged my shoulders, there was movement in the enemy army. A dozen horsemen flying from enemy lines. - Is that the rumored dragon cavalry? At the same time, this one seems to have had an end to the spectacular Grandpa match. "- Come on, ahhh! You win! Wye ahead!!" A tiger with wings more than 10 m in length - the king of the Seven Hazards Star Beast (Shikikashi Ju) - Zuowang (Kuru) was delighted with the small leap. ... Whatever, but how do you play with the front leg of that meatball? Uh, do I have to say something? I don't know, I was basically a thin relationship, so I don't have a lot of vocabulary to use. ... okay, if you say it in the same nori as the defo hanging that commands the obedient demon (pet) in the game. "All of you, destroy the enemies that stand in your way! "Ha-ha-ha!!!" At that moment, the surroundings are filled with tension and killing. I mean, I said "annihilated," but I'm not gonna ask you to revoke it. I'm not good with these guys, so maybe I'll seriously annihilate them without a single soldier left... okay, soldier, that's what I do. Let's just be careful not to jump all the way to Wangdu with too much momentum for now.

第十六話 忘他利己 蛇人族の天幕の奥、集中の邪魔になるから絶対に入るなと厳命されたその一角に、二人の男が向き合っていた。 頭の天辺から足先まで鱗に覆われ、動き易い革鎧を着て、両方の腰に2本の そして、向かい合っている――というか、両手足に枷を付けられ地面に転がされている――のは、同じ蛇人族の男。...いや、他種族の者には区別はつかないだろうが、蛇人族の者が見れば目を疑っただろう。なぜなら、転がされているのもまた、間違いなくキリルその人であったのだから。 まったく同じ姿をした男が二人、片方は立ち上がって侮蔑の視線を見下ろし、もう片方が地面の上から憎憎しげな視線で見上げるという、本来ならあり得ない構図ではあるが、幸か不幸かこの場には当事者たるこの2名しかいなかった。 「馬鹿だねお前も。最初から僕に協力していれば、そんな目に合わずに獣王になれたってものを」 立ち上がっているキリルの口から、まだ少年のような声が漏れた。 「ふざけるな! 替玉で優勝だと?! 貴様、戦士の誇りを侮辱しているのか!!」 転がされている方から、こちらは30歳前後と思われる外見相応の声が、血を吐くような口調で叩きつけられた。 「はン。理解できないねぇ。自分の手を汚さないで安全な場所から結果だけ手に入れられるんだ。僕ならスキップして喜ぶけどねえ」 「......貴様には戦士の心がわからん。誇りを捨てるくらいなら俺は死を選ぶ」 その慟哭を鼻で笑う少年の声をしたキリル。 「まったくこれだから原始人は。......まあ、死ぬのは勝手だけど、大会が終わるまでは嫌でも付き合ってもらわないと。――おっと、『スタン・ブロウ』」 「ぐっ」 自分の毒牙を自分自身に突きたてようとしたキリルの動きを察知して、一瞬早く繰り出されたスキルが、その意識を刈り取る。 素早く猿轡を噛ませて、舌打ちしたもう一人のキリルの姿が、不意に水にぼやける絵画のように不鮮明になり、瞬きの間にそこにいるのはキリルに比べ頭一つ背が低く、線も細い、水色の髪をした狼人族の少年に変わっていた。 少年の方も自分の変化に気付いてため息をついた。 「効果切れか。一度記憶させても使えるのは24時間以内、変身できるのは30分だけ。『物まねカード』のこの縛りさえなければ、こんな蛇さっさと殺しておいたのに」 ぶつぶつ言いながら、どこからともなく取り出した金属製のカード。その鏡のように磨き上げられた表面に、転がっている本物のキリルの姿を映し込むこと30秒あまり、チーンと完了の音がして、少年は面倒臭そうにそれをまたしまい込んだ。 さて、取りあえず明日の予選決勝までは、誰もここには来ないように言ってはあるけど、万一があるとまずいからな、この馬鹿――本物のキリル――を、その辺の箱にでも閉まっておくか。 そう考えて周囲を見回した少年の視線が、乱雑に積み上げられた荷物の上にちょこんと座っている人形のそれと正面からぶつかり、ぎょっとした顔で なんでこんなものがここに!? と、唖然とする少年の前で、あろうことかその人形は人間のようなスムーズな動作で動き出し、腕組みすると、その口から銀の鈴のような声を出した。 「......なるほどねぇ、『物まねカード』という手があったんだね。確かそれって 「――お前、緋雪か? なんだいその姿は?」 猛獣の唸りのような問いかけに、ひょいとオーバーに肩をすくめて(等身が小さいのでいちいちジェスチャーを大きくしないと伝わらない。また、なにげにその仕草が可愛らしい)答える緋雪人形。 「うちの技師がお遊びで作った、魔導人形No3『ちびちび緋雪ちゃん』というものらしいね。なかなか便利だよ、こうして諜報にも使えるしね」 ちなみにこの『ちびちび緋雪ちゃん』は一部に熱狂的なファンがいるらしく、製作途中で数体が何者かに盗まれ紛失したとか、それと同時期に 「くそっ、相変わらずふざけた野郎だな」 憎憎しげに吐き捨てる少年に対して、首を捻るちびちび緋雪ちゃん。 「まあ、もとが野郎なのは確かだけどさ。......ところで、『相変わらず』とか言われて申し訳ないんだけどさ、そもそも、君、だれ? 見たことあるような気もするけど?」 その台詞に、少年の顔が怒りと屈辱で赤くなった。 「僕を忘れただって!? お前なんかより、ずっと早く爵位を受けた、この僕を!!」 「爵位持ちねえ。えーと...うちのギルドの他の4人は除外して、あとは......」 指折り数えだすのだが、どーしても思い出せないという雰囲気で、少年の顔を見てコテンと首を横にした。 「――せめて所属ギルドだけでも教えてもらえないかな?」 「ふざけるな!! さんざん兄貴と一緒に顔を合わせていたろう! 馬鹿にしてるのか、お前!?」 怒りの咆哮と共に、一瞬の抜き打ち――刀スキル『居合い』――で、ちびちび緋雪ちゃんをバラバラにする少年。 それでもまだ怒りが収まらない、という風に転がってきた胴体を蹴飛ばすと、その拍子に人形のポケットから地図がこぼれ落ちた。 「ここで待ってるってことか。ふざけやがって......」 待つほどなく、その場所――以前、レヴァンと闘った人気のない荒野――に、キリルに化けていたプレーヤーの少年は現れた。 「ここに居たのか、ネカマ野郎!」 でも、普通に性別は名乗ってたし、別段姫プレイをしたこともないけど?」 そのくせ、なんでか男女問わず『緋雪ちゃん』とか『姫様』とか呼ばれたんだよねぇ。オフ会でさえそうだったし。解せぬ。 「男の癖に女キャラ使ってるのは、全員ネカマに決まってるだろう!」 うわーっ、暴論だねぇ。ボクの知る限りほとんどの男性が女性キャラのアカウント持ってたし、女性の男キャラ使用率もかなり高かったけど、それ言ったらネトゲやってるほぼ全員が、ネカマ・ネナベってことになるよ。 「......まあ、なんでもいいけどさ」馬鹿と議論をするだけ無駄なので、ボクはとっとと本題に入ることにした。「君の目的と背後関係について教えてもらえるかな? えーと...... だ! お情けで爵位を貰ったお前と違って、僕は兄貴同様に実力で爵位を貰ったんだ。つまり、お前とは格が違うんだよ、格が!」 その叫びとともに、少年の大きく振りかぶられた右手の 刀スキル『ライトニング・ソード』――深々と地面に突き刺さった刀身から、乾いた雷鳴が轟き、そこから青白い紫電が、四方八方にほとばしった。 ボクの方へ来た電撃は、躱すほどのこともなく、一瞬で影の中から現れた をゾロゾロ連れて、やっぱりネカマ野郎は一人じゃ怖くて戦えないってところか」 「それは君のことだろう? いまの電撃で思い出したよ。雷系の魔剣を使う双剣士【 ――名前を聞いても、そうだっけ?という印象しかないけど――の様子に、ボクは妙な引っ掛かりを覚えて内心首を捻った。 怒るってのは、内心認める部分があるからこそ、そこを指摘されて、その気持ちを否定するために行う行為だと思うんだけど、普通ここまで感情を剥き出しにするかなぁ? いや、それが行われた直後ならまだわかるよ。 だけどボクより先に爵位を受けたっていうなら、このくらいの悪口雑言は日常茶飯事だったと思うんだけど、怒りってそんな持続するもんだろうか? 違うっていうなら確かに否定はするよ。さっき『ネカマ』って言われた自分みたいに。けど時間の経過と共に怒りの感情ってのは、普通は磨耗していくと思うんだけどねぇ。 なーんか違和感があるんだよね。あの兄丸さんみたいに。 まるで、『こう言われたら、こう返すのが当然だ』って形で演技してるみたいに感じられて。 「――まあ、詳しくは捕まえた後で尋問することにするよ。おとなしくしていれば痛い目には合わないけど、無駄な抵抗をするかい?」 いずれも実力はボス級のモンスターに取り囲まれたプレーヤーが一人。 普通に考えれば絶望的な状況に、音丸が下を向いて、そのまま肩を震わせ............爆笑をした。 「おめでたいな。こんなんで僕を罠に嵌めたつもりかい。さっきなんで僕が『ライトニング・ソード』を打ったのか、全然気が付いていないんだから!」 「これは、地面の下......?」 「姫、北東方面です。お気をつけください」 斑鳩の警告の声と同時に、彼方の砂漠地帯が突然爆発したかのように、数百――ことによると数キロメートルの範囲で、火山の爆発のように砂煙を吹き上げ、そこから巨大な何かが這い出してきた。 「あれは......兄丸さんのギルド・ホーム・移動要塞『 小型――と言っても1つの区画が100メートルを超える――ブロックで構成されたそれに各々移動用の脚が取り付けられた、全長で数キロメートルあるであろうその特徴的な姿に、さすがに唖然とする。 あれもあそこまで馬鹿でかくなかったと思うんだけど、実体化するとあそこまで非常識な大きさになるんだねぇ。 収納スペース 「これで決まりだ! ――デュエルスペース・オープン!」 そのキーワードとともに手にした結晶が砕け散り、同時に周囲の空気が変わった気がした。 「はははははっ、対人戦をしたことがない腰抜けのお前は知らないだろう。これでこの周辺は別空間になった! プレーヤーのうちどちらかの勝敗がつくまでは誰にも解く事はできない。つまり、お前には増援は来ないってことだ! だけど僕には」 パチンと指を弾いて合図をすると、移動要塞『 を道具としか見ていない発言に、ボクと他の仲間たちが顔を合わせて、やれやれという顔で両掌の上にあげ、ヒョイと一斉に肩をすくめる。 これでお互いに意思疎通が図れた。 「じゃあ取りあえず、あの僕ちゃんは私が相手をするということで」 「それでは、私たちはあの下郎どもを征伐して参ります」 移動要塞1基+モンスター1,000匹対9名。普通に考えればあり得ない戦力差だけど、全然彼らには気負いはなかった。というか、戦を前に足取りが弾んでいた。 「......なに考えてるんだ、お前のところの

59 Chapter 16: Forget Himself Behind the Serpents' tent, two men were facing each other in that corner of the rigorous order never to enter because it would stand in the way of concentration. One man, covered in scales from the top of his head to the toe, wearing easy-to-move leather armor and wearing two three-moon knives (spotters) on both hips, is Mercenary Cyril, who has just finished the second qualifying match. And they're facing each other - or shackled on both hands and feet and rolled to the ground - are the same Snake Nation men.... No, there would be no distinction between those of other races, but those of the Serpents would have doubted their eyes if they had seen them. Because being rolled was also definitely Cyril the person. There were only these two parties on this occasion, happy or unhappy, although it is an unlikely construct that two men looked exactly the same, one standing up and looking down at the gaze of contempt and the other looking up with a hateful gaze from above the ground. "You're an idiot. You too. If you'd helped me from the beginning, you'd have been king of beasts without such eyes." A voice still leaked like a boy from Cyril's mouth as she stood up. "Don't be ridiculous! Are you insulting the pride of a warrior?!" From those who were being rolled, this one appearance-worthy voice, which seemed to be around the age of 30, was slapped in a bloody tone. "Ha n. I don't understand. Don't get your hands dirty. You can only get results from a safe place. I'd be happy to skip, but hey." "... you don't know the heart of a warrior. As proud as you are, I choose death." Cyril laughed that cry with her nose at the boy's voice. "This is absolutely it, so the primitive.... Well, I'm on my own to die, but I need you to hang out with me until the tournament is over. - Whoa," Stan Brow. " "Gu." A skill rolled out momentarily, sensing Cyril's movements as she tried to freshly poke her poison fangs at herself, prunes its consciousness. Quickly biting the monkeys, the figure of the other Cyril, who had struck his tongue, had become unclear like a painting that could be accidentally blurred into water, and being there during the blink had turned into a werewolf boy with thin lines, one shorter head than Cyril. The boy also sighed when he noticed his change. "Does it expire? All you can use once you make it remember is within 24 hours and only 30 minutes to transform. I would have just killed a snake like this if I hadn't had this tie of" The Story Card. " Metallic cards removed from nowhere, saying bumps. 30 seconds to reflect the rolling real Cyrillic on that mirror-polished surface. Less, the sound of cheen and completion made the boy reek of it again. Well, for now, until tomorrow's qualifying finals, I'm not telling anyone to come here, but in case there is, it's not a good idea to keep this idiot - the real Cyrillic - closed in the box around there, too. The boy's gaze as he thought about it and looked around bumped into it from the front of the doll sitting right on the messy pile of luggage, with a slight face. Why is this stuff here!? And, in front of the stunning boy, what it might be, the doll moved out in a smooth motion like a human, and when he armed himself, he sounded like a silver bell from his mouth. "... I see, you had a hand called 'The Stuff Card'. Surely that was the prize for billing in the early days of" E. H. O. "and" Eternal Horizon Online "? I didn't play by then, so I didn't remember because I didn't get a chance to do it directly." "- You, Scarlet Snow? What's that look like? To the roaring inquiry of the beast, I shrugged my shoulders over (I can't tell if I don't turn up the gesture one way or the other because I'm small in equal measure. Also, what's so cute about the trick) Answer Scarlet Snow doll. "Sounds like our technician made it out of play," Chibi Scarlet Snow "by Magic Guide Doll No. 3. It's quite convenient. It can also be used for intelligence." Incidentally, this "Chibi Scarlet Snow" seems to have some fanatical fans, and several of them were stolen and lost by someone in the process of production, and at the same time a few others became reluctant to let guests into their rooms (as soon as this one was cleared up, it was scheduled to be inspected by Life Capital (Mikoto) and SS). "Damn, you're still a jerk" Chibi Scarlet Snow twisting her neck against a boy who throws up in hate. "Well, I'm pretty sure he's a bastard.... By the way, I'm sorry they said 'as usual' or something, but in the first place, you, who? I feel like I've seen it before, too? To that dialogue, the boy's face turned red with anger and humiliation. "You forgot me!? I got the title much sooner than you, this me!!" "I don't hold the title. Um... exclude the other four in our guild, and then..." I counted the fingerfolds, but in the atmosphere that I couldn't remember any of them, I looked at the boy's face and lay down my cotton and neck. "- Can you at least tell me just what guild you belong to? "Don't be ridiculous!! I would have been face-to-face with your brother Sanzan! Are you making fun of me, you!?" With the roar of anger, in a flash of plucking - the knife skill 'Living Together' - the boy tears Chibi Scarlet Snow apart. Kicking the torso rolling in the wind that I still couldn't get my anger to subside, the map spilled out of the doll's pocket on the clap. "You mean you're waiting here. Just kidding..." Without waiting, the player boy who had turned into Cyril appeared in the place - an unpopular wilderness that had previously fought against Levan. "You were here, you nekama bastard! "Nekama Hey.... I'm" E. H. O, "" Eternal Horizon Online, "but I usually named my gender, and I've never played Princess otherwise? Fuck that, they called me "Scarlet Snow" or "Princess" for some reason, man or woman. Even the off-duty party did. I can't solve it. "It would all be up to Necama to use female characters in a man's habits! Wow, that's an outrage. As far as I know, most men had accounts of female characters, and female male character usage was pretty high, but when I say that, almost everyone who does nettles will mean Nekama Nenabe. "... well, whatever," I decided to get right to the point because it was useless to just argue with the idiot. "Can you tell me about your purpose and the relationship behind it? Um... I can't remember the name of your brother Maru, the goldfish hun." "Sound pills! Unlike you, who graciously received the title, I received the title with the same strength as my brother. I mean, I'm not like you, I'm like you! Along with the cry, the boy's heavily shaken right-handed three-moon knife (spotter) turned to the ground directly below him and was shaken off. Knife Skill "Lightning Sword" - A dry thunderbolt struck from a deep, ground-piercing body, from which blue-white purple electricity flashed in all directions. The electric shock that came to me was not enough, and in an instant, the engraving appeared out of the shadows and guarded me with a great shield (Pavis). At the same time, lurking in the shadows of rocks everywhere, in the life capital of the Angel (Seraph) (Miko) and his direct report, four of my SS men, the Kwon Angel (Principality), flapped their wings and stepped down behind me. "Hang on, take Zorozolo with you, I knew the Nekama bastard was too scared to fight alone." "That must be about you, right? I just remembered it in the electric shock. Twin Swordsmen using Thunder System Demon Swords [Unbreakable Thunderboy]. Weren't those the two names officially recognized for" Goldfish Hung "placed in the TOP Ranker thanks to Brother Maru's Leveling? Sounds like a rough pill - even if you hear the name, right? I only have the impression that - I twisted my inner neck remembering the odd hook. I think anger is an act you do to be pointed out there and deny that feeling because there's a part of you that you admit inside, but do you normally strip your emotions so far? No, you still know that right after it's done. But if you said you got the title before me, I think all this bad gossip was a routine tea meal, but would anger last like that? If not, I'll certainly deny it. Like I was just told 'Nekama'. But I think anger emotions usually wear out over time. Nah, it's uncomfortable, right? Like that brother Maru. It feels as if he's acting in the form of 'If you say so, it's natural to give it back'. "- Well, I'll decide to interrogate you after I catch you for more information. If you stay quiet, it won't hurt your eyes, but do you want to waste your resistance? All with one player surrounded by boss monsters of strength. Normally, to a desperate situation, the sound circle turned downwards and shook my shoulder as it was...... I had a blast. "Congratulations. Are you going to put me in a trap like this? I didn't realize why I hit the Lightning Sword earlier! "This, under the ground...? "Princess, it's the northeast side. Be careful." At the same time as the voice of the warnings of the speckled doves, as if the desert zone on the other side had suddenly exploded, hundreds - according to which, in the range of a few kilometers, the smoke had blown up like a volcanic explosion, from which something huge had crawled out. "Is that... Brother Maru's guild, home, and moving fortress, Hundred Foot?" Even though it is small - one compartment exceeds 100 meters - it is just as flattering in its characteristic appearance, which would be several kilometers long, each fitted with a leg for movement, made up of blocks. I don't think that was that stupid either, but when it materializes, it's going to be that big of an insanity. I guess I took it out of the storage space (inventory), there was a purple crystal in the hands of the sound circle. "That's it! - Duel Space Open!" The crystals in my hand along with that keyword were scattered, and at the same time I felt the ambient air had changed. "Ha ha, you wouldn't know a hipster who's never played a people-to-person match. Now this neighborhood is a different space! No one can solve it until one of the players wins or loses. Which means no reinforcements are coming for you! But not to me." Playing the pussy and finger to signal, the side of the moving fortress' Hundred Foot (Rather) 'opened, from which the zorro and the submissive (pet) flooded out. The boss class is cool too. Me and my other companions face each other and give it over their palms with a face saying that they only see the submissive demon (pet) as a tool, shrugging their shoulders at the same time as the leopard. This allowed us to communicate with each other. "Well, for now, that means I'm dealing with you." "Then we will come to conquer those bastards." 1 moving fortress + 1,000 monsters vs. 9 people. It's an unlikely difference in power if you normally think about it, but I had no feelings for them at all. Or the footsteps were playing before the battle. "... what are you thinking, your obedience (pet) is stupid?

第六話 転移装置 スフィンクスとの戦闘開始から20分後――。 「し、死ぬかと思った......」 虫の息で体を横たえたスフィンクスの隣で、荒い息を吐くジョーイを、全員が『死ねば良かったのに』という冷めた目でみていた。 このスフィンクス、物理耐性はさほどではなかったけど、翼と獣の四肢を使って縦横上下の立体を自在に移動する上に、幻影で分身を作ったり、砂嵐で姿を隠したりと、とにかくトリッキーな動きで非常に厄介な相手だった。 そのため今回ばかりはボクも積極的に戦闘に参加――と言っても そういいながら、スフィンクスにとどめを刺すべく、如意棒を振り上げるクロエ。 スフィンクスは観念したのか、無機質な目で自分に死をもたらす、その先端を眺めていた。 「......待ってもらえるかな、クロエさん」 咄嗟に右手を上げて制したボクは、怪訝な顔をするクロエの前にでて、スフィンクスに問いかけた。 「スフィンクス。この地の主よ。私は君の英明なる命を惜しむ。故に問おう、このままその命の無に散らすか、それとも私の元でさらなる高みを目指すか否か」 「......なんだと? なにを言っている。そも汝は何者か?」 前に一度見たことのあるジョーイは、へえという顔で。 ボクの正体を知っているクロエは、ほほうともの珍しそうな顔で。 フィオレは完全に理解不能のなようで、ほええと目を剥いていた。 まあ、こっちは後で説明することにして、 従魔合身中の天涯と、影移動で待機中だった刻耀とを呼び出す。 タキシード姿の天涯が合身を解いて現れ、すかさずボクの右手側で一礼し、同時に現れた暗黒騎士、刻耀が左手側で恭しく騎士の礼をとった。 虫の息でも魔物としての格の違いはわかるのだろう、息を呑むスフィンクスに向け、ボクは『 唖然とするスフィンクスに向けて、問いかける。 「――返答はいかに?」 瞑目して、しばらく考え込んでいたスフィンクスだが、ゆっくりと気力を振り絞って立ち上がった。 警戒の姿勢を見せるクロエの気配を背後に感じたけど、スフィンクスの目に敵意がないのを見て、天涯も刻耀も身動きしない。 「恭順しましょう。我が主よ」 そう頭を下げるスフィンクスに内心、ほっと胸を撫で下ろした。 よかったよかった。会話できる相手を無駄に殺生したくなかったからねぇ。 数日後、再度『御前会議』の名目で招聘された、コラード国王とレヴァンは、先日とはまた違う緋雪の私室に通され、出されたお茶を飲みながら一部始終を聞き終え、『はあ』と気のない相槌を打った。 「......それで、その後、転移魔法陣でお戻りになられたんですか?」 コラード国王の確認を込めた質問に、本日は薄いピンクのトレーンのドレスを着た緋雪は「いや」と首を振った。 ――ああ、話に出てきたスフィンクスね。名前がないっていうから付けたんだけど――の治療をして、あと私の正体を知ってパニックになったフィオレを、クロエさんと二人で宥めて...」 さぞかし肝を潰したろうに・・・と、知らない冒険者の卵の心中を想って、しみじみと同情するコラード国王。 「ジョーイ君もその場にいたんなら、彼が説明するのが早かったんじゃないですか?」 「はっはっはっ。いやだなぁ、コラード国王。ジョーイに的確で気の利いた説明ができると思うかい」 ちょっと考えて、カマドウマよりも役に立たないと判断したコラード国王は、無言で首を振った。 「ああ、それとクロエさんだけど、個人的に彼女を慕ってる仲間がかなりいるそうなんだけど、このご時勢でなかなか大変みたいでね。まとめて引き抜いて、諜報・工作部隊みたいのを作って指揮をお願いしようかと思ってるんだけど、問題ないかな?」 「問題は権限や各地の拠点ですね。なにしろ皇帝の直轄部隊ですから。事務方と協議が必要ですね」 レヴァンは快諾し、コラード国王は早速、組織の骨組みや運営について頭を悩ませ始めた。 「まあ、そのあたりはお任せするよ。――で、いざ帰ろうとしたところで、輝夜から待ったがかかってね」 「ははぁ......」 レヴァンはピンとこないようだったが、元冒険者ギルド長だったコラード国王は目星がついた顔で笑みを浮かべた。 「ご褒美の財宝ですか」 レヴァンも気が付いたのが、あっと声をあげた。 「そういうこと。輝夜が自分の座っていた台座を押すと、底がずれて隣の部屋に行く通路が開いてね」 なんか妙に部屋が狭いと思ったら、隠し部屋があったんだよね、と続ける緋雪。 「で、輝夜に案内されて行った先にあったのが...転移装置」 「転移魔法陣ですか? 財宝ではなくて?」 「いや、いちおう財宝もあったよ。ほとんどが金細工とか金の像とか壷とかで、それほどたいした量でもなかったけど」 『きっと一般人が見たらとんでもない量だったんだろうな』 と心中密かに想像する二人。 「問題は転移装置の方でね。ああ、コラード国王、転移『魔法陣』じゃなくて、転移『装置』なんで、間違えないでね」 「......? どう違うんですか」 「魔法陣の場合は、あくまで連動した二つの魔法陣の間でしか移動ができないけど、装置の方は相手に装置がなくても一方的に移動させることができる。ちなみに一度に送れるのは直径20メートルの円の中にあるものなら人、物を問わない。ただし移動ポイントはある程度限定されていて、いまのところ大陸各地の13箇所ってところだね」 その言葉のもつ意味を理解したコラード国王の顔色が変わった。 「そ...そんなもの悪用したら、えらいことじゃないですか!?」 「そうだね。その気になれば他国に部隊ごと移動させることも可能だしね。――でも、まあ平和利用以外に使うつもりはないよ?」 「平和利用......ですか?」 「そう。これってある意味流通革命だよね? これを使えば商人が長距離の旅を時間をかけ、危険と隣り合わせの苦労しなくても済むようになるんだから」 その言葉に目からウロコが落ちたような顔になるコラード国王。 確かに、現在の転移移動は、転移魔法陣から転移魔法陣間に人間一人を送ることしかできないため、場所と持てる荷物の量にも限りがある。だが、これがもっと大量にしかも荷物ごと送れるようになるとなれば、多少高い費用を払ったとしても商人としては充分な利益が見込めるだろう。 「そうなれば、装置のあるウィリデ――ひいてはクレス自由同盟国自体が、貿易の中継地として有効性を認められるんじゃないかな?」 ごくりと唾を飲み込んでコラード国王も頷いた。 レヴァンもだんだんと理解が追いついてきたのか、高揚した顔で身を乗り出して食いついてきた。 「しかし、他国がそれを危険視しないでしょうか?」 「そのあたりは今後の交渉次第だろうね。だからレヴァン――がんばってね」 急に責任問題を振られて素っ頓狂な声をあげるレヴァン。 「いや、だって君、今度帝国の宰相と交渉するんでしょう? だったらその席でこの話もしないと......だいたい装置の移動先5箇所は帝国領内だしねぇ」 そう言いながら、簡単に大陸の地図に転移装置の移動先を書いてものを見せる緋雪。 「......なるほど。帝国が5箇所、西部域に3箇所、聖王国にはないのは都合が良いといえば良いか。後あるのはほとんどが中小国家ですから、帝国と我が方で協定を結べば、ほとんどが右倣えするでしょうね。――これは、責任重大ですねレヴァン代表」 命都経由で受け取った地図を見ながら、どことなく楽しげに話すコラード国王。 「いやいや、他人事だと思って気楽に言わないでくださいよ、二人とも! オレにそんな交渉なんてできるわけないでしょう!?」 「大丈夫、なにしろ次期獣王だし!」 「ええ、貴方ならきっと達成できると確信してます!」 まあ、どーせ事務方がどーにかするだろうと思って、思いっきりプレッシャーをかけまくる二人。 それを本気にして頭を抱えるレヴァン。

69 Lesson Six: Transfer Devices Twenty minutes after the start of the battle with Sphinx... "And I thought I was going to die..." Next to Sphinx, who laid down his body with a bug breath, he looked at Joey, who exhaled roughly, with the cold eyes of 'I wish I had died' everyone. This Sphinx, not as physically resistant as a scab, was anyway a very nasty opponent in a tricky move to freely move vertically, horizontally, and horizontally up and down 3D using wings and beast limbs, making a split with phantoms or hiding himself in a sandstorm. For that reason, I actively participated in the battle this time - even though it was due to the beneficence of my exorcism with Heavenly Life (Tenkai), I kept letting some extra HP say things and take the tage, and I was thorough with the wall role - so first, Chloe shot through one of the wings with the stick of her will, knocked it off to the floor, and just then Joey stopped moving by slashing one of her legs, putting Fiore's flames on her face and taking her sight, and we all continued to attack and tailor her. That's right, Chloe shakes up the stick to stab Sphinx in the stomach. Sphinx looked at the tip of it, whether he had noticed it or brought death to himself with inorganic eyes. "... could you wait, Mr. Chloe" I raised my right hand and took control, in front of Chloe, who looked surprised, and asked Sphinx. "Sphinx. Lord of the land. I spare your wise life. [M] So let me ask you, do you want to keep sprinkling your life, or do you want to go further with me?" "... what? What are you talking about? Who the hell are you? I saw Joey once before, with a face called Heh. Chloe, who knows who I am, has a cheeky, albeit unusual face. Fiore seemed completely incomprehensible, and, uh, peeled his eyes off. Well, this one decides to explain later. Calling the heavenly life in the body of the submissive demon and the engraving yaw that was waiting for him in the shadow movement. The heavenly life in tuxedo appeared unfinished, and at the same time he praised me on my right hand side, while the Dark Knight, Engraved Shining, appeared on my left hand side, respectfully thanked the knight. I guess even a bug breath can tell the difference in character as a demon, pointing to the breathtaking Sphinx, I protruded the "Sinner of the Rose (Jill de Leye)" self. Towards the flashing Sphinx, ask. "- How's the response? I meditated, Sphinx I had been thinking about for a while, but slowly squeezed my strength and stood up. I felt the signs of Chloe behind me showing an alert posture, but seeing that there was no hostility in Sphinx's eyes, neither heaven nor Engraving would move. "Let's be respectful. My Lord." Yes, I lowered my head. I stroked my heart down on Sphinx, relaxed my chest. Good. Good. Because I didn't want to waste my life killing someone I could talk to. Hey. A few days later, again invited in the name of the 'meeting before you', King Collard and Levan were passed into a different Scarlet Snow private room the other day, finishing hearing the whole thing over a cup of tea served, and hammering carelessly with 'ha'. "... so, after that, you returned in the Transition Magic Formation? Scarlet Snow shook her head "No" today in a thin pink lane dress to a question with King Collard's confirmation. "Take Hui Night for now. - Oh, that's Sphinx we talked about. I gave it to you because I didn't have a name - and then you and Chloe forgive me for knowing who I am and panicking..." King Collard with smudges and sympathy, thinking of the heart of the eggs of an unknown adventurer, trying to crush the sawdust liver. "Joey, if you were on the spot, wasn't he quick to explain? "Ha, ha. No, King Collard. Do you think Joey can explain it accurately and thoughtfully?" Thinking for a moment, King Collard shook his head silently, deciding he was no more useful than Kamadouma. "Oh, and it's Mr. Chloe, but I've got quite a few people who personally admire her. They do, but it looks like you're having a tough time at this point. I'm thinking of pulling it together, creating something like an intelligence/task force and asking you to command it, okay? "The problem is authority and bases everywhere, isn't it? Anyway, it's the emperor's unit. We need to talk to the clerk." Levan was comfortable and King Collard quickly began to haunt his mind about the structure and operation of the organization. "Well, I'll take care of that area. - So, I was just about to go home, and I waited since Fai night, but it took me a while." "Ha ha..." Levan didn't seem to pin, but King Collard, a former Adventurer Guild leader, grinned with a starred face. "Is it a reward treasure" Levan also noticed that he raised his voice more. "That sort of thing. When Fai Night presses the pedestal where he was sitting, the bottom shifts and the aisle opens to the next room." If you think the room is strangely small, there was a hidden room, and Scarlet Snow continues. "So, it was... the transfer device that led me to Fai Night." "Are you a metastatic magic team? Not treasure? "No, there was treasure. Most of them were goldsmiths, golden statues, etc., but not so much." "I'm sure it would have been a hell of an amount if ordinary people had seen it" and the two of you secretly imagine in your heart. "The problem is with the transfer device. Oh, King Collard, it's not the transfer 'magic formation', it's the transfer 'device', so don't get me wrong." ...... How is it different? " "In the case of magic formations, you can only move between two linked magic formations, but the device can unilaterally move the other without the device. By the way, if all you can send at once is what's in a circle 20 meters in diameter, people, whatever it is. However, the travel points are limited to a certain extent, and so far there are 13 locations across the continent." King Collard's complexion changed when he understood the meaning of the word. "Wouldn't it be embarrassing if... you abused something like that!?" "Right. If that's what you want, it's possible to move troops to other countries. - But, well, I'm not gonna use it for anything other than peaceful use, am I? "Peaceful use......? "Yes. This is a distribution revolution in a way, isn't it? This will allow the merchant to take a long journey and not have to struggle with danger and neighbourhood." King Collard will look like a urchin fell out of his eyes at that word. Indeed, the current transfer movement can only send one human from the transfer magic formation to the transfer magic formation, so there is also a limited amount of place and luggage that can be held. However, if this were to be able to send more bulk and per package, it would be possible to expect a full profit as a merchant even if he paid a somewhat higher price. "In that case, Willide with the device - and hence the Free Alliance of Cres itself - would be allowed to be effective as a relay point for trade? King Collard also nodded as he swallowed his sawdust and spit. Levan has also been eating herself up with an exalted face to see if her understanding is catching up. "But wouldn't other countries risk it? "I guess it depends on future negotiations around there. So, Levan, good luck." Levan gives a barbaric voice when suddenly she shakes the responsibility issue. "No, 'cause, you know, next time you're negotiating with the Prime Minister of the Empire, right? If we don't talk about this in that seat... we'll probably have five locations in Imperial territory to move the device to." With that said, Scarlet Snow easily shows things by writing the destination of the transfer device on the map of the continent. "... I see. Is it convenient to say that there are five empires, three in the western realm and none in the Holy King? Most of the rest are small and medium-sized countries, so if we make an agreement with the Empire, most of them will mimic it to the right. - This is a serious responsibility, Representative Levan." King Collard speaks with some pleasure as he looks at the map he receives via the Capital of Life. "No, no, don't take it personally to think you're other HR, both of you! There's no way I can negotiate like that!?" "It's okay, I'm the next Beast King! "Yeah, I'm sure you can accomplish it! Well, the two of us put as much pressure on each other as we wanted, wondering which way the office would put it. Take that seriously and hold your head, Levan.

幕間 豚骨大王 ラーメン屋『豚骨大王』は虚空紅玉城の城下町――もともとはNPCが運営する様々な種類の自動露天を設置できるエリア(上限は50軒までだったが、現在は当然のように規模が拡大し、さらにモンスターが運営する店を含め2000軒を超えている)――の一角に位置する、知る人ぞ知る隠れた名店である。 カウンター席しかない狭い店の前には常に長い行列が並び、店の外までとんこつスープ独特の強烈な匂いが立ち込め、来店する客の期待を否が応でも高めていた。 これだけ繁盛している店なのだから、もっと大きな店舗に移ればいいと思うのだが、店主であるオークキングは頑固一徹なまでに自らの手作りにこだわり、自分が一日に作れるスープの量から、この規模の店が限界と言って、そうした誘いには決して首を縦に振らなかった。 そんなある日、ちょうど寸胴鍋の向こう側のカウンターに座った小柄な客が、待ちわびた様子でとんこつラーメンを注文し、その声を耳にした店主は、ふと、どこかで聞いたことのある気がして内心首をかしげた。 見たところは、身長140cmほどで、エルフかホビット並みの体格で、頭の上から足の先まですっぽりと黒いローブをかぶっている。 鼻から上を隠す赤い鬼面の仮面を付けているため、人相はわからないが――この程度の怪しげな格好をした住人など、 初めて見る客だと思うのだが、なぜかどこかで逢ったことがあるような気もする。 どうにも喉の奥に人の骨でも挟まった気がして、落ち着かなく思いながらもそこは馴れた作業で、素早く調理を終え、目の前ということもありカウンター越しに、その客の前に注文のラーメンを置いた。 「――へい、とんこつラーメン普通盛り、お待ちっ」 「うわぁ、すごい! これで普通盛りなんだ!?」 目の前に置かれたタライほどもあるドンブリ――身長4m近い店主にしてみればほんの小皿だが――を見て、目を白黒させているその客に向かい、エプロンで手を拭いながら店主はなにげない風に話しかけた。 「嬢ちゃんはうちの店は初めてかい? だったらその半分以下の小盛りもあったんだがなぁ」 ずいっと目の前に身を乗り出してきた巨体と、どーみてもイボイノシシな凶悪な面構えに、その小柄な客は、あたふたと丸椅子の上から転げ落ちそうになったが、椅子自体が大きいこともあり(2~3mの客とか普通なので)、どうにか体勢と気持ちを立て直したらしく、コクコクと頷いた。 「――う、うん。この辺の道で美味しいとんこつラーメンのお店を聞いたら、ここを教えてもらったんだ。お店の前に行列があったからすぐにわかったよ」 呼び名のほうもどうやら『嬢ちゃん』で正解だったらしい、割り箸をとって「いただきまーす」と言いながら口に運ぶその様子に好感を抱き、店主は相好を崩した。 「ほう、そいつは運が良かった。うちはこの通り裏通りにあるからな、知ってる奴はよほどの通か常連だろうな」 「そうなんだ。でもがんばって食べられるだけ食べてみるよ。――っ!? すごいっ! 美味しいよこれっ! こんな美味しいとんこつラーメン初めて食べたよ!!」 一口食べての絶賛に、店主はさらに笑みを深くした。 「そうだろう! うちのスープはそこいらにない特別製だからなっ」 そう胸を張ったところで、少女の前にお冷が置いてないことに気が付いて、店主は一転して怒気もあらわに、店員のハイ・オークを怒鳴りつけた。 「馬鹿野郎っ! お客さんにお冷を出してねーじゃねーか! ちんたらしてるとスープの ――ぶふぁっ! 途端、レンゲでスープを飲んでいた少女が咳き込んだ。 「ん? ――ああ、んなわきゃねーだろう。いちいち店員をスープにしてたら、従業員なんざ寄り着かねえさ」 「そ、そーだよね。びっくりしたぁ」 ほっと安堵のため息をついて再度スープを口に運ぶ。 「・・・まあ、もっとも俺は、魔力で普通のオークなら無制限に召喚することができるけどよォ」 再度、少女が咳き込んだ。 大丈夫かこいつ、という目で見る。 「ああ、いや、ごめん。そーだよね、とんこつラーメンに豚骨以外使ってるわけないよね」 うんうん頷きながら、ちょうど店員が持ってきたお冷を口に運んで、気持ちを落ち着け食事を再開する少女。 「当たり前だろうがまったく。材料なんざどの店もたいして変わらん。要は料理人の腕だな、腕」 「だから、ねーから! お前も落ち着きの無い奴だな、そんなんじゃこれから先やって行けねーぞ。緋雪様がご復活されて、これからまた戦が待ってるってのに」 「・・・そ、そうなの? なんかそれって確定事項なわけ?」 「当たり前だろーがっ。緋雪様のいらっしゃるところ常に血で血を洗う戦いありだ! ――ん? ひょっとしてお前、緋雪様にお会いしたことがないのか?」 「あー、うん、直接会ったことはない、かなぁ・・・」 「かぁ! どうりでなあ。俺は今でも覚えてるぜ、俺はもともとチンケな森を支配していたお山の大将だったんだが、あの日、完膚なきまでに緋雪様に敗れ去り服従を誓った」 「ああ。そういえばウィスの森のフィールドボスだったっけ」 「なんだ知ってるのか? それからは緋雪様とともに世界各地を渡り歩き、各地の猛者どもと戦い、この拳が乾いたためしなんざなかったぜ」 「う~~ん、やっぱ原因は自業自得か......でも、それがなんでいま、とんこつラーメン店の店主をしてるの? そのくらい強くて元フィールドボスなら十三魔将軍に入るくらいできそうだけど?」 「魔将軍? ――はんっ、あんなもん目立ちたがり屋の名誉職だろうが。だったら、そんなヒマがあればとんこつスープの 「ご、ごろごろ・・・4人に1人・・・そ、そーだよね、フィールドボスもコンプリートしたし。でも、なんで皆、こんな張り切ってLv99まで上げてるんだろう・・・」 「んなもん緋雪様のために決まってるだろーが! 嬢ちゃんもがんばって緋雪様の力になれよ!」 「――う、うん、まあ...がんばって緋雪サマの身の安全くらい守れるようにするよ」 話しているうちにいつの間にかドンブリは空になっていた。 「ごちそうさまっ。食べられないかと思ったけど、美味しくてするする食べられたよ。――代金はいくら?」 「おう、とんこつラーメン普通盛りで大銅貨8枚だ」 「ひい...ふう......じゃあ、ちょうど8枚あるからここに置いておくよ」 「毎度有り! ――嬢ちゃんまた来いよ」 「うん。そうさせてもらうよ。それじゃあまたね そう挨拶して出て行く少女。 聞き流しかけた店主――だが、最後のその言葉に知らず全身に痺れが走った。 尊きあのお方が付けてくれた彼の誇りであり全て。 決してあのお方以外には呼ばせまいと封印していたそれが、あの日と同じ声で、あの日と同じ口調で、この耳に届いたのだ。 すでに雑踏の中に消えて行ったその後姿を目で探しながら、 「マスター注文お願いします!」 その店員の声でふと我に返った彼は、カウンターの上に置かれた銅貨を宝物のように握り締め、 ひとつ大きく頷くと、常に無い上機嫌な様子で、麺を茹で、スープをかき回すのだった。

14 Tabernacle Pork Bone King Ramen Shop "Pork Bone Great" is a hidden famous store known to all who know, located in the corner of the castle town of Vacant Red Jade Castle - an area where various types of automated open-air can be installed, originally operated by NPC (capped at up to 50, but now naturally expanding in size and more than 2,000, including stores operated by monsters). There was always a long queue in front of a small store with only a counter seat, and a unique and intense smell of tonkotsu soup could be found outside the store, raising the expectations of visiting customers even if they did not. I wish I could move to a bigger store because this is the only one thriving, but Oak King, the owner, was stubborn enough to stick to his own handmade, and because of the amount of soup he could make in a day, the store of this size said it was the limit, and he never shook his head vertically on those invitations. One day, a small customer just sitting at the counter on the other side of the torso pan ordered tungkotsu ramen looking awaited, and the shopkeeper, hearing the voice, hummed his inner neck, feeling that he had heard it somewhere. From what I've seen, he's about 140cm tall, has an elf- or hobbit-like physique, and wears a neat black robe from top of his head to toe of his leg. I don't know the face because I wear a red mask that hides the top from my nose - but there are enough people in Imperial Crimson in this country to sweep and throw away, such as residents dressed in this degree of suspiciousness - a child, a woman, or both, due to the quality of their voices. I think it's the first time I've seen it, but somehow I feel like I've met it somewhere. I felt like I was caught in the back of my throat in a person's bones, and while I was restless, it was a tame task, I finished cooking quickly, and sometimes over the counter, I placed the ramen of the order in front of the customer. "- Hey, Tonkotsu Ramen Ordinary Platter, Wait" "Wow, wow! Now it's a regular dish!?" The more Tarai placed in front of him, the more Dombri - just a small plate if you try to be a shopkeeper close to 4 m tall - turned to the customer, who was making his eyes black and white, and the shopkeeper spoke in an invincible breeze as he wiped his hands with an apron. "Has the lady never seen our shop before? Then there were less than half of them." The giant, who had been riding himself out in front of him for a long time, and the vicious facade of a boar at any rate, the little guest, who almost fell off the top of a mundane and round chair, but sometimes the chair itself was huge (because it was normal for 2-3m guests or something), somehow regained his posture and feelings, and snorted cocky. "- Yeah. When I heard about the delicious Tonkotsu ramen shop on the road around here, they told me where it was. There was a queue in front of the store, so I knew right away." The caller was also apparently correct in "Lady," he liked the way he took the chopsticks and carried them to his mouth while saying, "Here you go," and the shopkeeper broke up his friendship. "Well, he was lucky. We're on the back streets of this street, so I'm guessing the guy you know is a regular or something." "It is. But I'll try to eat as hard as I can. - Whoa!? Wow! This is delicious! I've never had such delicious tonkotsu ramen!!" The shopkeeper grinned even deeper at the admiration of a bite. "You bet! Our soup isn't there because it's specially made." That's right, when I strained my chest, and realizing that there was no cold in front of the girl, the shopkeeper turned around and revealed his anger, yelling at the clerk's high oak. "You idiot! I don't think you're serving cold air to customers! I'll make soup stock (dashi) when I'm cooking!!" - Buh-huh! As soon as I was there, the girl who was drinking soup at Renge coughed up. "Hmm? - Oh, I guess I have to. Either way, if I had soup the clerk, I wouldn't have come near the employees." "Oh, that's right. Surprised." Sigh relieved and carry the soup into your mouth again. "... well, most of all, I can summon unlimited numbers of ordinary orcs with magic." Again, the girl coughed up. See if you're okay with this guy. "Oh, no, I'm sorry. That's right, I'm not using anything other than pork bones for tonkotsu ramen." Yeah, yeah, nodding, just carrying the cold brought to my mouth by the clerk, the girl who calms down and restarts her meal. "Naturally, but not at all. The ingredients are the same in every store. The point is, you're a cook's arm, my arm." "So, hey! You're a restless guy, too, and you can't go ahead with that. Scarlet Snow is back, and we're waiting for another battle." "... Oh, really? Is that a certainty? "You bet. - Shit. Where Scarlet Snow is, there is always a battle to wash blood with blood! - Hmm? Hey, you, you've never seen Scarlet Snow before? "Uh, yeah, I've never met him in person, I wonder..." "Kah! It's a crock. I still remember, I was originally the general of the mountain who ruled the chinky forest, but that day, by the time I had no skin left, Scarlet Snow had sworn defeat and obedience." "Oh. Speaking of which, I was a field boss in the Woods of Wis" "What do you know? Then he crossed the world with Scarlet Snow, and fought all the fierce men, and this fist dried up." "Uh-huh, I guess I deserve the cause... but why are you a Tonkotsu Ramen store owner now? If he's that strong and ex-field boss, he seems to be able to make it into the General of the Thirteenth Devil? "General Demon? - Hang on, you're such a prominent honorary position. Then it would be better to take the ash juice from the tonkotsu soup if you had such a hippo. Plus, he's got a lot of strength in this neighborhood's shopping mall, like one in four, right? "Oh, my goodness... one in four... well, that's right, the field boss completes it too. But why is everyone so uptight and up to LV99..." "It's decided for Scarlet Snow! Good luck lady and help Scarlet Snow! "- Ugh, yeah, well... good luck keeping Sama Scarlet Snow safe." At some point while we were talking, Dombri was empty. "It's a mess. I was wondering if I could eat it, but it was delicious and soothing. - How much is it? "Ooh, Tonkotsu ramen, regular platter, eight big copper coins." "Hii... uhh... well, I'll leave it here because I have exactly 8 pieces" "Every time! - Lady, come back." "Yeah. I'll let you do that. I'll see you later, Kai." That's the girl who greets you and leaves. The storekeeper I almost overheard - but I didn't know the last word of it and my whole body ran paralyzed. His pride and everything that the honorable lady attached to him. It was sealed that I would never call anyone but you, and it reached this ear in the same voice as that day, in the same tone as that day. Kai Jin (the molester) solidified like a statue as he looked for himself after he had already disappeared into the mess. "Master order please! And he returned to me with the voice of the clerk, and clenched the bronze coin placed upon the counter like a treasure, One big nod was boiling the noodles and stirring the soup in a mood that was not always there.

は成鳥なら足の長さだけでも1.7mを越え、羽毛に覆われた頭の先端までなら軽く3mを越える巨大な鳥だ。 飛ぶことができない代わりに走る速度は速く、また悪食なのでその辺の雑草でも平気で食べる。 値段も馬や ただしその分欠点も多く、まず第一に馬どころかロバほども荷物が背負えない。 また、あまりオツムが利口ではないので複雑な命令をこなせない。 とどめに、妙に気が荒いので、馴れた相手以外にはなかなか懐かない。 ?! チョコボみたいで可愛いねー」 止める間もなく満面の笑みを浮かべ、小走りに近寄っていった緋雪の無防備な様子に、ジョーイは泡を食った。 「ま、まて! そいつはけっこう気性が荒くて――」 警告の叫びが終わるより先に、案の定、警戒した 「・・・え? え? なんで・・・?」 混乱するジョーイを尻目に、緋雪は 「うわぁ~っ、可愛いね~この子。こんなのがいるんだねぇ。5~6匹もって帰りたいね」 ま、まあいいか、大事にならなかったことだし・・・。 ほっと安堵のため息とともにそう納得したジョーイは、木に繋いであった手綱を外して、 「よーしよし、よく怪我させなかった、良い子だ」 「じゃあヒユキ、俺の後ろへ乗ってくれ。もともと一人乗り用の鞍だから狭いけど、お前ちっこいから大丈夫だろう」 「ちっこいは余計だよ」 わずかに頬を膨らませながら、緋雪がジョーイの後ろに両足を揃えたお姫様乗りで座った。 ・・・そ、そっかスカートだもんな。 そうした仕草に内心ドギマギしながら注意する。 「落ちないようにしっかり俺の腰に手を回しておいたほうが良さそうだな」 「う、うん・・・」 言われたとおり緋雪の細い体が、ジョーイの背中にピッタリ密着した。 途端に、女の子独特の甘い花のような、砂糖のような、それ以外の素敵な何かの匂いと、夜の風のような不思議な匂いとがして、そして双つの柔らかな――想像していたよりもくっきりと感触のわかる弾力が背中に当たり、ジョーイは全身が熱くなり、同時に男としての衝動が爆発しそうになって、慌てて頭を振った。 「「や、やばい――!」」 思わず呟いた声がなぜか唱和した。 「うん? なんか言ったか?」 振り返ると、一瞬ちらりとジョーイの首筋の辺りを見た緋雪が、恥ずかしげに顔を伏せた。 「な、なんでもないよ。――やっぱりどこかで食事をしないとまずいかなと思ってね」 「なんだ...腹減ってるなら乾し肉くらいなら持ってるぞ? それかアーラの街へ着いたら屋台でも食堂でもいくらでもあるし。我慢できるか?」 「い、いや、大丈夫だよ。一応、非常食はあるみたいだし・・・でも、できれば安易に手を付けたくないんだ。まだ加減がわからないから」 「ああ、そういうことか。確かにいま食いきっちまったら本当の非常時に困るもんな。じゃあ我慢して街で美味いもの食おうぜ!」 「そーだね、我慢するよ」 善は急げとばかり、手綱を引いて立たせようとしたが、なぜか言うことを聞かず、一瞬、 は緋雪の方へ伺いを立てるような視線を送り、緋雪もそれを受けて軽く頷くと、そこで初めて ◆◇◆◇ 自由都市アーラは街道が交差する要所として栄え、また近くには 当然、冒険者ギルドもそれに応じた規模であり、石造り3階建ての建物はこの街にあっても群を抜いて高く、大通りを歩けば嫌でも目に付く威容を誇っていた。 登録冒険者数2万人以上、下は見習いのGランクから、上は単独で竜すら狩れるAランクまで。 誰も彼も、癖の強い荒くれ者・変人・性格破綻者まで数多く見慣れてきたそんなギルド職員だが、この日の夕暮れ、Fランクのひよっこに連れられてきた闖入者ほど、場違いで、そして目を引く相手はいなかった。 「ねえねえ、ジョーイ君、あれってどこのお姫様よ?! どうやって ギルドの安物のソファーに座って足をぶらぶらさせながら、興味深げに周囲の様子を眺めている気の遠くなるほどの美貌の少女。 しかもその御召し物が、これまた見たこともないほどの手間隙と、湯水の如き金額をかけたものと、素人目でもわかる逸品ときている。 どうみても、お忍びで街へ出ているどこぞの国の王女様といった風情である。 普段であれば荒々しい熱気がひしめくギルド1階の受付・支払い窓口も、この日ばかりは職員、居合わせた冒険者ともども息を飲んで、少女の一挙一動を見守っていた。 そんな中、その元凶を連れて来た当人であるジョーイの顔見知りである、窓口の女性職員――今年20歳になる猫人族のミーア――が、カウンターから身を乗り出さんばかりの態度でジョーイに詰め寄った。 普段であれば、年上で、美人と言ってもいいミーアに話しかけられただけで、顔を赤らめ、キョロキョロと落ち着かない態度で、早口で依頼の受付や報告をするジョーイだが(ミーアもそんな青少年の初々しい態度を意識してからかっていた節があるが)、今回は触れ合わんばかりに顔を近づけられても、白けたような顔をしたまま、少年はため息をついた。 「・・・そんなわけないだろう、あれは単なる依頼主で護衛と案内をしてるんだ。で、本人がなんかギルドが見たいって言うから連れて来たけど、まずかったかいミーアさん?」 普段とは落差のあるジョーイのすげない態度に軽くショックを受け、再度、視線を少女にやって、内心大いに納得しつつも、そこは複雑な乙女の心境で答えるミーア。 相手が冷静になったと見て、ジョーイは依頼の話を切り出した。 「ああ、あれね」頭を切り替えて仕事モードに戻ったミーアが頷いた。「5日の予定なのでまだ2日あるわ。なに、まだ見つけられないの?」 「いや、一応見つけて戦ったんだけどさ、一匹じゃなくて二匹いたんだ。多分あれはツガイだな。危うくやられそうになったんで準備し直そうと思って」 「ふーん、ツガイだったの。じゃあ一度依頼主に確認して報酬の引き上げと、期間の延長を依頼してみるわ」 「そっか、助かる・・・」 「でもジョーイ君、はっきり言ってウォードックくらい1匹が2匹でも、一人前の冒険者ならたいして変わらないものよ。――やっぱりまだ討伐依頼は早いんじゃないの? もしくはどこかのグループに入れてもらうか」 ほっと息を吐くジョーイに向かって、弟のやんちゃを咎める姉のような口調で助言する。 「・・・だって、俺みたいなFランクの成り立てが入ったところで、荷物持ちが良いところだろう?」 「荷物持ちも経験を積む上では大事なんだけどね」 なおも言い聞かせるミーアだが、ジョーイはいまひとつ納得できないようだ。 それは確かに世の中には最初から一人で目覚しい功績をあげた冒険者や、若くして名をはせた者もいる。だが、そうした人々は本当に一握りの『天才』と呼ばれる人種だ。 それに比べ、この目の前の少年の技量はどう見ても並み。 地道な努力を積み重ねることで一人前になるしかない。 けして長くはないギルド勤めながら、そうした若者たちを多く見てきたミーアは、暗澹たる気分でため息をついた。 「――それよか、ミーアさん。これって使えるのかな?」 と、暗くなりかけた雰囲気を変えるためか、ジョーイが気楽な口調でポケットから硬貨をじゃらじゃらとカウンターの上に並べた。 「・・・見たことのない意匠の硬貨ね」 そのうちの金貨の1枚を取って手の上で重さを確認してみる。 ずっしりとした重さは紛い物ではない・・・どころか、金に銀を混ぜ合わせて造られている大陸共通ペイン金貨よりも重い感じがする。 (――もしかして純金製?!) さらにもう1枚、金貨よりも2回り大きい、最初銀貨かと思ったそれを手に取ったミーアは、燭台の光を反射して虹色に光るその光沢に危うく叫び声を上げそうになり、慌てて息を呑んだ。 (こ、これって......ま、まさかオリハルコン――?!) 震えそうになる手を押さえつけて硬貨を元に戻し、素早くカウンターの後ろに居た職員に伝言を頼んだミーアは、半ば答えを確信しながらジョーイに尋ねた。 「ねえ、ジョーイ君。このお金はどこで手に入れたの?」 「ああ、あいつが今回の依頼の報酬だって寄越したんだけど」 ジョーイはいつになく真剣な眼差しのミーアの剣幕に気後れしつつ、依頼ボードに張ってある各種依頼のメモ書きを愉しげに見ている少女を指差した。 その当人は部屋の そこへ、先ほど伝言を頼んだ職員が血相を変えて戻ってくると、ミーアになにか耳打ちした。 「ジョーイ君、悪いんだけど、いろいろ事情を聴きたいので、彼女と一緒にギルド長の部屋に来てもらえるかしら?」 その言葉に、さすがに少年もただ事ではないと思ったのだろう、見る見る顔色を青くしていった。 「ど、どういうことだ? これって盗品かなんかだったのか?」 「そういうことではないわ。ただあまりにも理解しがたいので事情が知りたいの」 「.........」 逡巡するジョーイに替わって、いつの間にかカウンターのところへ来ていた少女が答える。 「私なら構わないけど? それに私からも確認したいことがあるので、ギルド長に逢えるなら、 「そう、よかったわ。ギルド長の部屋は3階にあるので案内します。こちらへどうぞ――」 そう言って先に立って階段に向かうミーアの後に続きながら、また肩口の辺りをパタパタ掃うヒユキ。 「なあ、さっきからやってるけど、そんな埃っぽいかここ?」 後に続くジョーイの質問に、緋雪はどこか挑戦的とも言える笑顔を浮かべて、なにかはぐらかすように答えた。 「いやぁ、さっきから蜘蛛の糸が気になってねえ。・・・まあ硬貨の件がなくてもそろそろお呼びが掛かるとは思ってたけどさ」

Mounted birds (Emu) are huge birds that exceed 1.7 m in foot length alone for adults and 3 m lightly for even the tip of a feather-covered head. I run fast instead of being able to fly, and eat fine with the weeds around it because it's another bad diet. The price is also much cheaper than horses and walking dragons (land drags), and it can be considered a leg that must be used for poor adventurers like Joey. However, there are many shortcomings for that matter, and first and foremost, the luggage cannot be carried as much as the horse but also the loba. Also, I can't give complicated orders because I'm not very smart with otum. Besides, I don't really miss anyone but the one I'm familiar with because I'm strangely rough. "Heh, that's the riding bird (emu)?! It's like chocobo and it's cute" Joey ate the bubble at the indefensible appearance of scarlet snow, which quickly stopped and came close to a small run. "Hold on! He's got such a rough temper." Before the end of the warning cry, the discerning, alert riding bird (Emu) broke one leg and tried to kick the little body of the girl - the sight of Scarlet Snow and the riding bird (Emu) matched. "... Huh? Huh? Why...? confusing Joey on his ass, Scarlet Snow touched or stroked the feathers of a riding bird (Emu) while "Wow, you're adorable - this kid. There's this one. I'd like to take five or six of them home." As it were, okay, it didn't matter... So convinced with a sigh of relief, Joey took off the reins that were connected to the tree and "Okay, okay, I didn't hurt you often, good boy" "Then get behind me, Hiyuki. Originally it's a solo saddle, so it's narrow, but you're gonna be fine." "I don't need this one." Scarlet Snow sat on a princess ride with her legs aligned behind Joey as she slightly swelled her cheeks. ... Oh, my God, it's a skirt. Pay attention to those tricks as you make an inner mess. "You'd better keep your hands around my hips so I don't fall." "Ugh, yeah..." As I was told, Scarlet Snow's thin body snuggled perfectly against Joey's back. As soon as possible, the girl's unique sweet flowery, sugary, otherwise nice smell of something and strange smell of the wind at night, and the two soft - more clearly felt elasticity hit her back than she had imagined - Joey shook her head in a panic as her whole body got hot and at the same time her urge as a man was about to explode. "" Ya, no -! " An accidentally murmured voice somehow summed up. "Yeah? Did I say something? Looking back, Scarlet Snow, who for a moment glanced around Joey's neck, lowered his face shyly. "Hey, it's nothing. - I thought it might be a bad idea if we didn't eat somewhere." "What... if you're hungry, if you're about dry meat, you've got it? Or as many in the stalls and cafeterias as you want when you get to Ara's city. Can you stand it? "Yes, no, I'm fine. For once, there seems to be an emergency meal... but I don't want to get my hands on it cheaply if I can. Because I don't know how to add or subtract it yet." "Oh, you mean that. If you do eat up now, you'll have real emergency problems. Then be patient and have some delicious food in the city! "Well, I'll be patient." Good kept hurrying, trying to pull the reins and make them stand, but for some reason he did not listen, and for a moment, the riding bird (Emu) sent a gaze to ask for Scarlet Snow, and Scarlet Snow snorted slightly under it, so for the first time, the riding bird (Emu) stood up according to Joey's instructions. Joey leaks a bump dissatisfaction at the look of it, and Scarlet Snow laughs and strokes the feathers of the riding bird Emu. * * * * The free city of Ara has long been a mecca of merchants, craftsmen and young people visiting from the countryside with the will of the blue clouds to raise a flag, as it flourishes as a stronghold where streets intersect and the ancient ruins (dungeons) and great tree seas stretch nearby, as well as being able to follow behind the White Dragon Mountains where quality rare metals can be harvested. Naturally, the Adventurer's Guild was on a commensurate scale, and the stone three-story building was expensive, even in this city, out of groups, and boasted an eye-catching beauty even if you didn't want to walk down the boulevard. Over 20,000 registered adventurers, from the G-rank of apprentice below to the A-rank where you can even hunt dragons alone above. No one and he are such guild officials who have become accustomed to seeing a number of even highly habitual roughnecks, freaks, and character breakers, but there was no more misplaced and eye-catching opponent than the intruder brought to the F-rank chick this evening. "Hey, Joey, where's that princess?! How did you get her kidnapped! Or are you running off!?" A distracted, beautiful girl sitting on the cheap couch of her guild and letting her legs hang out, looking at her surroundings with interest. Moreover, the meal is so clever that I have never seen it before, and the amount of hot water is spent on it, and the delicacies that even amateurs can see. Whatever you think, it's like the princess of this country who's out of town with patience. The reception and payment desk on the first floor of the guild, which usually has rough enthusiasm, was also watching every move of the girl, taking a breath with the staff and the accompanying adventurers all this day. In the meantime, Joey's facial acquaintance, the person who brought the culprit - Meer, a cat tribe who turns 20 this year - stuffed Joey with an attitude that just doesn't get herself off the counter. Usually, he was older, just talked to Meer, who could say she was beautiful, blushed, and with a chilling and restless attitude, Joey accepting and reporting requests quickly (although there are verses that Meer was also making fun of for being aware of such a teenager's initial attitude), but this time the boy sighed, even if he was kept close to his face just untouched, with a white face. "... that's not true, that's just a client giving escorts and guidance. So, I brought him here because he said he wanted to see some kind of guild, but was it a bad idea, Mr. Meer? I'm lightly shocked by Joey's awesome attitude, which is unusually disparate, and again, I do my gaze to the girl, and while I'm very convinced inside, there's Meer answering in a complicated maiden's mood. Seeing that the other person had calmed down, Joey cut out the story of the request. "Oh, that's it," Meer nodded as she switched her head and returned to work mode. "I have two days left because I'm scheduled for the 5th. What, you still can't find it? "No, I found it and fought it once, and I had two, not one. Maybe that's twisted. I almost got hit, so I thought I'd get ready." "Hmm, I was a twat. Then I'll check with the client and ask for an increase in the reward and an extension of the period." "Oh, my God, that helps..." "But Joey, just to be clear, even if one or two are Wardocks, a single adventurer will always be the same. - I knew it wasn't too early to ask for a crusade? Or get me in some group." Advise Joey, who exhales in relief, in a tone like a sister blaming her brother for his maniac. "... 'Cause it's a good place to hold your baggage where you've got F-rank formations like me in it, right? "Luggage ownership is also important in gaining experience." I'll tell you what, Meer, but Joey doesn't seem to be convinced of one thing. It is true that there are some adventurers in the world who have made remarkable achievements from the outset alone, and others who have given their names young. But those people are really a handful of races called 'geniuses'. In contrast, the skill of the boy in front of you is no matter how you look at it. We just have to be alone by piling up authentic efforts. Meer sighed in a dark mood, having seen many of those young men while working for a guild that was not long. "- Right, Mr. Meer. Can you use this? And, to change the atmosphere that was about to get dark, Joey lined the coins out of his pockets in an easygoing tone on the counter whimpering. "... a coin of a design I've never seen before." I'll take one of those gold coins and check the weight on my hand. The firm weight is not disputed... on the contrary, it feels heavier than the common continental pane gold coins, which are made by mixing silver with gold. (- possibly made of pure gold?!) Yet another one, two times bigger than the gold coin, I thought it was the silver coin at first. Having taken it, Meer nearly screamed dangerously at its glow, which reflected the light of the candlestick and glowed into the rainbow color, and hurriedly breathed. (Ko, what is this... no way Orihalcon -?!) Meer asked Joey, half sure of the answer, holding down his hand that was about to tremble and putting the coin back together and asking the official who was behind the counter for a quick message. "Hey, Mr. Joey. Where did you get this money? "Oh, he paid me for this request." Joey pointed to the girl who was delightfully watching the note writing of the various requests on the requisition board as she awoke at Meer's sword screen with a serious glance at no time. Does that person even care about the dust (dust) in the room, occasionally patting around the shoulders and knees? There, when the official who had just asked for a message came back with a change of blood phase, he struck Meer in the ear. "Joey, I'm sorry, but I want to hear a lot about the situation, so could you come with her to the guild leader's room? To that word, you just didn't think the boy was a mess either, blued the complexion you see. "Duh, what do you mean? Was this stolen or something? "That's not what I meant. I just want to know what happened because it's too hard to understand." ......... The girl who had come to the counter at some point, replacing Joey, who tours, answers. "I wouldn't mind? Besides, I want to confirm something from you, so if you meet the guild leader, it's good luck." "Yes, that's good. The guild leader's room is on the third floor, so I'll show you. This way, please." That's what I said. I'll stand first and follow Meer to the stairs, while I pat her around the shoulder again. Hiyuki. "Hey, I've been doing this for a while, but is it that dusty here? To Joey's question that followed, Scarlet Snow replied with a smile that could be described as somewhere challenging to make something snarl. "Hey, I wasn't worried about the spider yarn earlier. I thought it was time for you to call me even if you didn't have any coins."

番外編 冒険者は新婚を夢みる8 結局のところ逃げ切れるわけもなく、思いっきり揉まれたボクは―― 「ぎゃ――ぎゃははははははははっ!! 脇をくすぐるな~~っ!」 「あれ? こっちか?」 「ひゃははははははははっ、腹、腹だよ、ひははははははっ!」 「むう......ここか!?」 「背中だ、こん畜生っ! わざとやってんじゃないのか?!」 衆人監視の下、全身をくすぐられて悶絶するという江戸時代の遊女に対する刑罰のような羞恥プレイの洗礼を受けていた。 笑い過ぎてぜいぜいと荒い呼吸をするしかないボクを見下ろして、骨ジョーイが途方に暮れたような表情で(あくまで雰囲気として)、 「......胸の感覚がない」 『まさぐれどまさぐれど我が手にオッパイの感覚は猶なし。ぢっと手を見る』 なぜか一句読む骨。 「オッパイなくて悪かったな~~っ! だから他のふたりを触れって言ったんだよ!」 別にAAだからって悔しくないし~。 最初に動きやすいようにわざわざキャラクリエイトで微乳にしたわけだし~っ。 少しは成長しないかな~、とか思ってイソフラボン豊富な豆腐や納豆を毎日食べているわけじゃないし~~!! だいたい巨乳の女なんて頭がパーそうに見えるし~......つーことで、巨乳は敵だ! いま決めた、そう決めた! 絶対に決めた!! 「......なにかトバッチリが全世界の胸の大きな女性に向っているような」 「......ご自分の立場をご理解いただけているのかしら? 夢から覚めたら忘れてくれていることを願うしかないわね」 ボクの怨嗟の声を聞いて、自分たちだけ高みの見物を決め込んでいたフィオレ(E)が冷や汗を流し、ミーアさん(D)がやれやれと首を横に振って『処置なし』という顔をする。 「“その者、ピンクの爆乳を揺らし、カラクリのメイドとともに暗黒の森へと降り立つだろう”」 なぜか前後の脈絡もなく唐突に骨ジョーイが厳かにそんなことを口に出した。 「――なにそれ?」 「いや、なんだろう......? 不意にそんな言葉が浮かんだ」 自分でも意味不明らしい。首を三六〇度回転させる骨ジョーイ。ま、こいつが意味不明なのはいまに始まったことじゃないけどさ。 ● およそ百五十年後――。 「――へっ。顔はまあ互角としても、オッパイの大きさはこちらの圧勝ですね。つまり総合的な魅力も圧勝ということで、ざまあみろ貧乳聖女っ。お前の時代は終わっ――ごびゃああああっ!」 出合い頭の無礼に対して、直後頭上に待機していた ――ドンガラガッシャ―――――――ンッ!!!!! 再度、放たれた先ほどに倍する追撃を受けて、衝撃で吹っ飛んでいった――それでも壊れた様子もない。丈夫なもんである。 「ふははははっ、笑止。このワタシのボディは特殊合金製! 電磁波や熱線の類いは一切効果がないことを知らないとは――」 「......ドイツ製のロボット刑事みたいね~」 その吹っ飛んでいった行く先を眺めながら、やたらコアな感想を口に出す 緋雪よりも遥かに長身で信じられないほどのナイスバディの少女が、土下座の姿勢をしているものだから、長いピンクブロンドが作る紗幕のような髪のカーテン越しにも、ゆさゆさ揺らる巨大な――洒落抜きで西瓜ふたつ分くらいある――オッパイが嫌でも目に入ってくる。 いろいろの意味でこの娘は度外れているなぁ。と、およそ百五十年ぶりに出合い頭にぶん殴られた衝撃で呆然とする緋雪の脳裏に、ふとかつて聞かされた予言の言葉が蘇った......とか蘇らなかったとか。 「いや、感覚がないのはこの手が骨のせいだと思うんだけど」 そう言い訳してるけど、その割には非常にスムーズに手慣れた手付きでボクの縄をあっという間に解いた。 それから右手で左手の骨を手首から外して、カタカタ動かして確認している骨ジョーイ。 「......その割には器用に動かしているみたいに見えるけどねぇ」 やっと自由になれたボクは立ち上がって軽く体を動かし――ミーアさんとフィオレが、気を利かせて手でボクの体に着いた汚れを払ってくれる――特に違和感がないのを確認しながら、そうツッコミを入れてみた。 「見える部分は意図的に操作できるって感じかな~」 どこで見てるのかは知らないけれど、空洞になっている眼窩を前に向けたまま、背中側に外した左手を置いて見えなくすると、途端に蜘蛛みたいに動いていた左手の動きが止まった。 「――な?」 それでさっき骨が散らばっていた時に自分で組み立てられなかったわけか。 「そういえば、さっきこの場所を『砂鯨の腹の中』って言っていたけど、どーいう意味?」 他のふたりも気になっていたのか、小さく頷いて骨ジョーイの返答を促す。 「そのままの意味だよ。この辺りには『砂鯨』っていう山みたいな大きな魔物がいて、目の前にあるものをなんでも食っちまうんだ。だからこの辺りの村や町の刑罰は、罪人を砂鯨に食わせるのが普通なんだ」 どんな普通だ!? と、ツッコミを入れたいところだけれど、夢の中の理不尽を憤ってもしかたがない。 「脱出方法はないの?」 「あるはずだ。こいつは体内が一種のダンジョンになってるから、どこかに脱出のための 「ほー......」 意外ときちんとした設定に、ボク、ミーアさん、フィオレとも三者三様に安堵の表情を浮かべる。 腹をぶち破って脱出とかでなくてまずは良かった。 「ただ」だが、続く骨ジョーイの言葉で淡い希望が急速に消える。「生き物だからな。半月に一回、消化されて溶かされる。俺みたいに」 ケタケタと自分の体を指さして笑う骨ジョーイ。 「ちょっ――」顔を引きつらせるフィオレ。 「いつなんですか!?」切羽詰まった表情で骨に詰め寄るミーアさん。 「いつ消化が始まるの?!」拾った《 「ん~~?」 骨ジョーイは慌てた風もなく、腕組みをして考え込んでいたが、 「多分、七日から九日後くらいじゃないかな~。夜になると少し薄暗くなるんだけど、だいたいのその間隔で」 天井(胃壁?)の発光しているヒカリゴケの群生みたいなのを指さしてそう言った。 「師匠の話が本当なら、最短でも七日以内に脱出しないと、あたしらも骨ですかぁ!?」 戦慄するフィオレだけど、甘いっ、見通しが甘すぎる!! ジョーイに一定の信頼を寄せていて、なおかつ根が素直なお嬢様であるフィオレと違って、ある程度の修羅場を潜り抜け、ジョーイという人間の特性をよく知るボクとミーアさんはそこまで楽観的になれない。 お互いにアイコンタクトを取って、同じ懸念を抱いていることを確認し合う。 「実際はジョーイ君の勘違いで五日と見るべきでしょうね?」 「いや、余裕を持って三日が妥当じゃない?」 頷き合うボクとミーアさん。 「なんか俺馬鹿にされてないか~?」 「えーと......(いつものことですけど)」 ポリポリと頬の辺りを掻きながら同意を求める骨ジョーイに対して、フィオレは困ったような顔で眉をハの字にして言葉を濁す。 ボクの手から浮いた光の塊りが通路を照らす。 「足元が不安定そうですねー」 でこぼこもそうだけど、ウエディングドレスとヒールという場違いな格好でダンジョンを探索することに不安があるのだろう。 フィオレが覚束ない足取りで、前衛を務めるボクと骨ジョーイの後について歩きながらこぼす。 「それ以前に、私は実戦経験のない素人も同然ですから、何かあれば遠慮なく切り捨てて行ってください」 最後尾のミーアさんが当然と言う口調でそんなことを言って来る。 「そういうわけにはいかないさ。たとえこの身が砕け散っても女性は護る! それが男の生きざまってもんさ」 カッコイイことを言う骨だけど、武器として両手に持っているのが自分の肋骨の時点で、もうすでにバラバラになる寸前のようにも思える。 「とりあえずジョーイが知っている私の魔術は使えるみたいなので、治癒術も大丈夫だとは思うけど、死者の蘇生が可能かどうか......試してみるにはリスクが大きすぎるので、全員気を付けるように」 注意しながら先頭を歩くボク。 自然とこの陣形になったのだった。 勿論、ミーアさんを見捨てるつもりはないので、敵を見つけたら そんなことを思っていたら、早速通路の奥からぴょんぴょん跳ねてくる子供くらいの大きさのキノコ(いかにも毒を持ってそうな赤に紫の水玉模様)が、 『ケケケケケケっ!!』 と奇声をあげなら襲い掛かってきた。その短い手には先端がタケノコでできた竹槍が握られている。 「馬鹿な、キノコタケノコ戦争が遂に終結っ!?! この先生きのこることができるのか!」 「「「なにそれ!?」」」 思いがけない結果に愕然と立ち竦むボク(タケノコ派)。

159 Outside The Adventurer Dreams Of A Newlywed 8 After all, I couldn't get away with it, and I was rubbed all I wanted. "Gha-ha, ha, ha!! Don't tickle your side ~ ~! "Is that it? This way? "Hihahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahahaha! "Hmmm... here!?" "Back, motherfucker! Wouldn't that be nice?!" Under popular scrutiny, he was baptized for his punitive shameful play against Edo-era playwomen who were tickled and smothered all over his body. I laughed too hard. I had to breathe rough. I looked down at me, with a look like Joey Bone was on his way (only as an atmosphere), "... no chest feeling" "There is no sense of opium in my hands." Look at your hands. " Bones that somehow read a sentence. "I'm sorry I didn't have to pee ~ ~! That's why I said touch the other two! I don't regret it because it's AA. I purposefully milked it with character creation to make it easier to move at first ~ Eh. I don't know if it will grow a little - I don't eat isoflavone-rich tofu and natto every day thinking about it -!! More or less, a woman with big tits looks like a par... and boobs are enemies! I've made up my mind, I've made up my mind! Definitely decided!! "... something like Tobacchi is for a big woman in the breasts of the whole world" "... do you understand your position? When you wake up from your dreams, you just have to hope you're forgetting." Hearing my grudge, Fiore (E), who had determined only their own sight of height, sweats cold, and Mia (D) shakes her neck sideways to make a face of 'no treatment'. "" The man, shaking his pink tits, will descend into the dark woods with the maid of Karakuri. "" For some reason, bone Joey suddenly said that strictly in his mouth without any anterior or posterior pulse. "- What's that? "No, what...? Those words came to me by accident." He doesn't make sense to himself. Bone Joey rotates his neck 360 degrees. Well, it didn't start right now that this guy doesn't make sense. * About a hundred and fifty years later... "- Heh. The face is reasonably mutual, but the size of the opium is this prevailing. In other words, the overall attraction is also overwhelming, so the Lactating Virgin. Your time is over - granny! In response to the disrespect of the encounter, Sole (...), who was directly struck by a thunderbolt of anger from Heaven (Tengai), who was waiting overhead shortly afterwards, burns black as if in a cont, but maligns. - Dongalagasha - - Ng!!!!! Again, after a doubling chase earlier released, he blew it off with a shock - and still doesn't look broken. It's sturdy. "Ha ha, stop laughing. This eagle body is made of special alloy! I didn't know electromagnetic waves and heat lines were ineffective." "... sounds like a German robot detective." She mouths her core thoughts when she does it, looking at where that blew away (...). Far longer and more incredible than Scarlet Snow, Nice Buddy girl is the one with the groundhog posture, so even over the curtains of her yarn-like hair made by long pink blondes, there's a huge sway of itchy - about two watermelon minutes out of style - I don't like the opium, but it comes into my eyes. In many ways, this girl is out of line. And, for the first time in roughly one hundred and fifty years, the words of the prophecy that were once heard came back to life behind Scarlet Snow's brain, rugged by the shock that hit him in the head... or something? "No, I don't think it's because of the bones in this hand that I don't feel" That's an excuse, but for that, I quickly unraveled my rope with a very smooth, familiar handle. Then with his right hand, he removes the left hand bone from his wrist, and Joey the bone he's checking by moving the snail. "... it looks like you're working cleverly for it, but hey" I'm finally free. Bob gets up and moves his body lightly - Mr. Meer and Fiore pay off the dirt that got to my body with their hands, distracting me - while making sure I'm not particularly uncomfortable, so I put in the scratch. "I think it feels like the visible part can be manipulated intentionally." I don't know where I'm looking, but with my hollow orbit pointing forward, I put my left hand off on my back and I couldn't see it, and the movement of my left hand, which was moving like a spider, stopped as soon as I could. "- What?" So you couldn't assemble yourself when your bones were scattered earlier? "Speaking of which, I was just referring to this place as' in the belly of a sand whale ', what do you mean? You were wondering about the other two, nodding small and encouraging Bone Joey to respond. "It means the way it is. There's a big, mountainous demon around here called 'The Sand Whale' who eats whatever's in front of him. So the punishment of villages and towns around here is normal to feed sinners to sand whales." What normal!? And although I'd love to put a scratch in it, I just had to be angry at the irrationality in my dreams. "Is there no way out? "There must be. This guy's got a kind of dungeon in his body, so there's got to be a transfer team (shift portal) somewhere to get out." "Ho..." Unexpectedly, in a proper setting, I, Meer and Fiore both have a relieved look on their faces. It was good not to bust my belly and escape or something first. "Just," but pale hopes disappear rapidly in the words of the following bone Joey. "It's a creature. Once every six months, it is digested and dissolved. Like me." Bones Joey laughs at pointing to his ass and his own body. "Hey -" Fiore making his face snap. "When is it!?" Meer stuffed to the bone with a chopped look. "When does digestion begin?!" I ask around the neck of the bone about the cutting-edge of the rose Sinner (Jill de Rey) I picked up. "Mm-hmm?" Bone Joey had no rushed wind and was arm-wrapping and thinking, "Maybe seven to nine days from now. It gets a little dim at night, more or less at that interval" Ceiling (stomach wall?) I said so pointing to something like a bunch of luminescent hikarigokes. "If the Master's story is true, if we don't get out of here in as little as seven days, are we bones too?!?" It's a warring fiore, but sweet, the outlook is too sweet!! Unlike Fiore, who has a certain trust in Joey and yet is an honest lady with roots, Bo and Meer, who dive through some training ground and are familiar with the human trait of Joey, can't be that optimistic. Make eye contact with each other to make sure they have the same concerns. "Actually, Joey, you should see it as five days because of your mistake, right? "No, isn't three days reasonable at your leisure? Me and Meer snorting at each other. "Am I being ridiculed?" "Er... (as usual)" Against Bone Joey, who asks for consent while scratching around his cheeks with Polypoli, Fiore clouds his words with a troubled face with a frown in the letter c. A lump of light floating from my hand illuminates the passage. "Your feet seem unstable." The same goes for the bumps, but I guess you're anxious to explore the dungeons in the wrong outfit: wedding dresses and heels. Fiore spills as she walks about me and after Bone Joey, who serves as an avant-garde, in an unbridled foothold. "Before that, I'm the same amateur with no real experience, so if you need anything, don't hesitate to cut it off and go" That's what Mr. Meer at the rear says in the tone he deserves. "That's not how it works. Even if this body is shattered and scattered, women will be protected! That's how men live." It's a cool thing to say bone, but as a weapon I have it in my hands at the point of my ribs, and it also seems like I'm already on the verge of falling apart. "Sounds like my magic Joey knows can be used for now, so I know healing is ok, but whether resuscitation of the dead is possible...... it's too risky to try, so be careful everyone" I walk ahead with caution. It was nature that formed this formation. Of course, I'm not going to abandon Mr. Meer, so if I find an enemy, I'm going to see the enemy's special Search-and-Destroy. If you were thinking about that, a mushroom about the size of a child (how poisonous and seemingly purple water balls on red) would quickly jump from the back of the aisle. "Knock, knock, knock!!" And if I gave him an odd voice, he attacked me. The short hand holds a bamboo spear with a tacky tip. "Stupid, the Mushroom Taken Mushroom War is finally over!?! Can you live on ahead! "" "What is it!?" " Me (the Takenokos) stunned by the unexpected results.

第七話 若獅子王 近くの山、とは言うもののそれは獣人族の脚力があってのことで、普通の人間の足では2~3時間かかっただろう。 夜の闇の中、そこを1時間もかからずに走り抜けたアスミナは、山の麓のところで一度立ち止まり振り返ってボクを見た。 「すごいですね、陛下。この距離を休みなしで走って息一つ乱さないなんて」 「まあこの程度ならどうということはないけど。......この臭いには閉口するねぇ。ああ、あと私のことは『緋雪』で構わないよ」 おそらくは火山ガスと硫黄の臭いなのだろう、夜間で特に空気がクリアなせいで鼻が曲がりそうな周囲の臭いに、ボクは取り出したハンカチで鼻と口を覆いながら答えた。 「じゃあヒユキ様って呼びますね。わたしのことも気軽にアスミナって呼んでください。なんならアスミンでも、アスポンでもいです!」 ......どーにもハイテンションな巫女さんだねぇ。基本ダウナー系なボクとしては一緒に居て気疲れするなぁ、このタイプは。 「あ、ここから登りになります。砂利道で危ないので歩いて行きますけど、すぐに着きますから大丈夫ですよ」 指差す方向には禿山しかないんだけど、本当に人が住んでるのかなぁ、相当変わり者なのかも知れないね、その『獣王の後継者』は。 「あと臭いの方は、これは慣れてもらうしかないですね。――あ、でもここで湧き出すお湯を浴びると肌がツルツルになるので重宝してるんですよ」 苦笑しながら、そう取り成すように付け加えるアスミナ。 ふむ、天然の火山性温泉が湧出してるってことか。 と、そう言った後で、アスミナがボクの顔――というか、露出している胸の辺りまで、下心満載の視線で、じっと見ているのに気が付いた。 「――な、なにかな......?」 なんとなく両手で胸の辺りを隠して、2~3歩下がる。 誰も居ない夜の月明かりの下、肉食獣系少女と二人きり、熱い視線と舌なめずりする口元......あれ、なにげにピンチ? 「いや~っ、ヒユキ様ってお肌が綺麗ですね。なにか秘訣でもあるんですか?」 ああ、そっちの下心ね・・・。 「いや、秘訣と言うか。基本的にあまり太陽の下を出歩かないようにしてるくらいかな」 耐性があるとはいえ、やっぱり太陽の下は本調子には及ばないし、けっこう肌荒れもするんだよね、これが(なので普段から日傘を使っている)。 「う~~ん、それは難しいですね。うちの部族の場合は、日中どうしても外で働かないといけませんから。他になにかありますか?」 「・・・あとは植物性の精油をつけるとか。――私の場合はローズだけど」 「ほうほう、それならなんとかなりそうですね。精油ならなんでもいいですか?」 目を輝かせて食いついてくるアスミナ。 あれ? なんかガールズトークになってないかい、これ? なにしにここに来たんだっけ? 「基本的にはなんでもいいけど、匂いに好みがあるからねぇ。あと、柑橘系のものはつけてすぐ陽に当たると刺激が強いとも言われてるけど。......あの、そろそろ出発しない?」 「――ああ、そうですね。行きましょう!」 ふんふん興味深げに聞いていたアスミナもようやく我に返ったようで、ボクの前に立って山道を登り始めた。 後について歩きながら、ほっとため息をついたところで、再び朗らかな声が掛かってきた。 「――で、精油の他になにかありますか?」 ま、まだ続くんかい、この話題!? なんでこんな話しながら山登りするんだろう、と疑問符いっぱい浮かべながら、ボクらは延々手作りの基礎化粧品の作り方とか、蜂蜜パックでの後始末の仕方とかお喋りしながら、この霊山とかいう禿山をてくてく登っていったのだった・・・。 あと、なんでボクにそんな知識があったかについては、半年以上女やると舞台裏でいろいろ苦労したというか、なんというか......まあ察してもらうしかないね。 さて、登り始めて40分あまり。 「それにしても、その次期族長の――」 様です、集落の者は『若長』と呼んでおります。ヒユキ様」 「そのレヴァン若長はなんだってこんな辺鄙な山奥に一人で住んでるの?」 ボクの質問にアスミナも、難しい顔つきで首を捻った。 ......なにげに辛辣だね。 「そーなんだ。でも意外だね、アスミナはずいぶんとレヴァン若長のことを好きみたいだから、もっと高評価なのかと思ってたんだけど」 そう言うと、アスミナは恋する少女特有のうっとりとした目で、その場に妄想上の ああ、レヴァン君、耐えられなくなって出て行ったんだね......。 だが、そこでアスミナは冷静な顔に戻って続けた。 「ですが、個人の嗜好と客観的に見た 再びへにゃとだらしない顔になるアスミナ。 ボクはまだ見ぬ獣王の後継者に密かに声援を送った。 あと、この子は本当に と、そこで我に返ったのか、アスミナは急にしょんぼりした。 「......最近はわたしがこうして会いに行っても、迷惑そうな顔をされる始末で――ひょっとして嫌われているんでしょうか?」 う~~む、判断に迷うところだね。でもまあ、女の子が落ち込んでたら、まずは慰めないとね。 「そんなこともないと思うよ。本当に嫌いなら、毎日届けてもらうお弁当も食べないと思うし、とっくにどこかに雲隠れしてると思うからね。それが1年も同じところに居るってことは、口では何と言っても 「なるほど、言われてみれば確かにそうですね」 ほっと安堵した顔で、アスミナは頷いた。無茶苦茶打たれ強いなこの子。 「それにしても、ヒユキ様はずいぶんと男性心理にお詳しいようですね。やはりご自分の経験から・・・?」 「まーね、男性心理は有無を言わさず長年味わったからねぇ」 実感を込めてしみじみ頷くと、アスミナがきゃーきゃーひゅーひゅーと、嬌声を上げ口笛を鳴らして囃し立てた。 ......いちいち俗っぽい巫女だねホント。 と、そんなきゃぴきゃぴした雰囲気から一転して、不意に立ち止まったアスミナは片手でボクを制して、もう片方の手の人差し指を自分の口元に当てた。 質問するよりも先に、アスミナは手近な石を拾って、砂利道の先――少し離れた場所に転がっていたY字型の小枝に向かって放り投げた。 ガシャン!! 盛大な音を立ててトラバサミの罠が口を閉じた。 「・・・やはり罠がありましたか。ここから先は慎重に進まないと危険です」 なにが起きたの?とか、なんで罠があるの?とか、なんで知ってたの?とか、いろいろ聞きたいけど咄嗟に声が出ず、トラバサミを指差した姿勢で硬直するボク。 一つ頷いたアスミナは説明を添えてくれた。 その後姿を見ながらボクは心の中で断固として思った。 ――違う! 断じて違う! これは素直な拒絶の気持ちのあらわれだ!! その後も、落とし穴とか、痩せた潅木の間から飛び出してくる丸太とか、落ちてくる岩とか、飛び出す竹槍とか......数々の罠をくぐり抜けて、ボクらはようやくレヴァン若長が一人暮らすという、小型の なんでこんな苦労してるんだろうと、苦労の元凶――アスミナ――の後をついて歩きながら、心の底から後悔してたんだけど、ようやくゴールが見えたところでほっとした。 が、アスミナはなぜか直接 へ向かわないの?」 「この時間、 なぜか微妙に鼻息荒く答えるアスミナ。 「なぜなら、いまは入浴時間。この下の温泉で入浴しているはずです。ちょうど絶好のポイントがあるので、十分堪能してから 声を押し殺したまま怒鳴るという器用な真似をしながら詰め寄るアスミナ。瞳孔が完全に開いていた。 「・・・スミマセン。興味シンシンデス」 思いっきり瞳孔が肉食獣と化していた。 わー、めんどくさー、恋する女めんどくさー。 そう思いながら、なんとか宥めつつ、揃って手掘りの温泉から7~8m離れた場所にある、絶好の(覗き)ポイントという、高さ1.5m、縦横3m四方の大岩のところまでやってきた。 ......結局、覗かないといけないのか。 「この上からの眺めが絶景です。......ヒユキ様お先にどうぞ」 一瞬考え込んで先方を譲ってくれたアスミナ。 とことんどうでもいいと思いつつ、片手を岩にかけてジャンプしてその上に足を乗せた途端――。 なにか薄い布を踏んだような感触がして、次の瞬間足首のところが輪になったロープで完全に絞められ、同時にびょーんと地面に横倒しになっていた潅木が元に戻る張力を利用して、一瞬で木に逆さ吊りになってしまった。 飛ばされる途中で、「やはり、新しい罠が仕掛けられてたわね」というアスミナの呟きが聞こえた気がしたけど、この時は訳がわからず、目を白黒させながらボクは必死にスカートを押さえるしかなかった。 と、その音で気が付いたのだろう、湯煙の中から褐色の肌にアスミナよりも濃い茶色い髪をした、15~16歳くらいの少年が、腰にタオルを巻いただけの格好で出てきた。 背はそこそこ高いけど、まだ成長途中らしく全体的な線が細い、ただ体はかなり鍛えているらしく贅肉の一片もない細マッチョ体型の彼は、ワイルドな面立ちに似合わない、面倒臭そうな顔でボクのほうを見た。 「また覗きにきたのか。お前いくら乳兄妹だからって言っても、ちっとは恥じらいを――」 その視線がボクと合う。 ボクはぶるんぶるん思いっきり頭を振った。

46 Episode 7: If The Lion King The nearby mountain, though, is the leg strength of the Beastman tribe, which would have taken 2-3 hours on a normal human foot. Running through the darkness of the night, less than an hour later, Asmina stopped and looked back at me once at the foot of the mountain. "Amazing, Your Majesty. I can't believe you ran this distance without a break and didn't disturb one breath." "Well, there's nothing like that.... I won't shut up about this smell. Oh, and I don't mind Scarlet Snow." Probably the smell of volcanic gas and sulphur, I replied as I covered my nose and mouth with a removed handkerchief to the surrounding smell where my nose was about to bend due to the air being particularly clear at night. "Then you call me Master Hiyuki. Feel free to call me Asmina about me too. Whatever it is, it's Asmin, it's Aspon! ... you're a high-tension witch to all of them. As a basic downer, I'm tired of being with you, this type. "Oh, we'll be climbing from here. It's dangerous on the gravel road, so I'll walk away, but I'll be there in a minute, so you'll be fine." There's only Bald Mountain in the direction of pointing fingers, but I wonder if people really live there, maybe they're quite strangers, whose "successor to the Beast King" is. "If you smell any more, I'll just have to get used to this. - Oh, but I treasure it because when I bathe in the hot water that gushes out here, my skin gets bumpy." With a bitter smile, Asmina adds to take it that way. Hmm, you mean natural volcanic hot springs are gushing out. And after I said that, I noticed Asmina staring at my face - or even around my exposed chest, with a downhearted gaze. "- What is it...? Somehow hide around your chest with both hands and take 2-3 steps back. Under the moonlight of a night where no one is, I'm alone with a carnivorous girl, with a hot gaze and a tongue-in-cheek mouth...... what is that, a pinch? "No, Master Hyuki has beautiful skin. Is that a secret? Oh, that's your bottom line... "No, do you mean the secret? Basically enough to keep me from walking out in the sun too much." Though it's resistant, it still doesn't extend to book condition in the sun, and it makes my skin rough so much, this is it (so I've been using the umbrella for a long time). "Uh-huh, that's hard. For my tribe, I really have to work outside during the day. Is there anything else? "... you think you'll put vegetable essential oils on the rest? - In my case, Rose." "Well, then you're going to figure it out. Anything for essential oils? Asmina brightens her eyes and eats them up. Isn't that some kind of girl talk, this? What are you doing here? "Basically anything is fine, but I have a taste for smells, so hey. And they also say that the citrus stuff is highly irritating when it hits the sun as soon as it is applied.... Um, time to leave? "- Oh, right. Let's go! Humph, it seems that Asmina, who was listening with interest, finally returned to me, and she stood in front of me and started climbing the mountain path. As I walked about later, I sighed relieved, and once again a loud voice hung. "- So, is there anything else besides essential oils? Ma, still going on, this topic!? I wonder why we climb mountains talking like this, floating around full of question marks, we climbed bald mountains like this spiritual mountain, chatting about how to make handmade basic cosmetics and how to end things with honey packs... And I don't know why I had that knowledge, but when I did women for over six months, I had a lot of difficulty behind the scenes... well, I just have to guess. Well, I started climbing for less than 40 minutes. "Nevertheless, of its next chief-" "Dear Brother Levan (who is here), the people of the settlement call it the 'Young Master'. Dear Hiyuki." "What is that young Levan living alone behind such a despicable mountain? Asmina twisted her neck with a difficult look on my face. ... What's so spicy about it? "That's it. But surprisingly, Asmina seems to like young Levan a lot, so I was wondering if he was more highly regarded." With that being said, Asmina spoke with the uniquely lukewarm eyes of the girl in love, feeling like she had a paranoid brother-in-law on the spot. Oh, Mr. Levan, you left because you couldn't stand it... But there Asmina went on back to her sober face. "Except for my personal preferences and the objectively viewed character of my brother-in-law. That's basically a human being who can't do anything but fight. - Well, personally, it's a cute place, including its usefulness, so I was adorable until I was stressed and bald in the morning." Asmina makes a nasty face again. I secretly cheered on the successor to the Beast King, whom I had yet to see. And does this kid really like his brother-in-law?! And so you returned it to me, and Asmina suddenly squeezed. "... lately, even if I go to see him like this, at the end of the day he looks annoying - does he hate me a little? Uh-huh, you're about to get lost in judgment. But, well, if the girl's depressed, we need to comfort her first. "I don't think so either. If you really don't like it, I don't think you'll even eat the lunch I get delivered to you every day, because I think you're hiding clouds somewhere all the time. Does that mean you've been in the same place for a year, whatever you say, proof you're waiting for Asmina to come? Well, I can't be honest with him. He's called Otokokoko." "I see, the more you ask me, that's true" With a relieved face, Asmina nodded. You're a tough kid to beat up. "Nevertheless, Master Hyuki seems to be a lot familiar with male psychology. Still from your own experience...? "You know, I've tasted male psychology for years with or without it." When I felt it and snorted, Asmina whispered and stood up. ... You're a real witch. And, turning away from the pimpy atmosphere I had to, Asmina accidentally stopped to control me with one hand and put the index finger of the other hand against my mouth. Before asking the question, Asmina picked up a nearby stone and threw it toward the Y-shaped twig, which was rolling a little further down the gravel road. Gashan!! A trap of trabasami shut his mouth after making a loud noise. "... was there still a trap? We have to proceed carefully from here." What happened? Like, why is there a trap? Like, how did you know? Like, I want to hear a lot about it, but I don't have an audacious voice, and I'm stiff in the position where I pointed to Travasami. Asmina, who nodded one, accompanied me with an explanation. Seeing him afterwards, I thought resolutely in my heart. - No! No! No! This is an honest revelation of rejection!! Even then, through the pits, the marutai jumping out of the lean trees, the falling rocks, the flying bamboo spears... Through the numerous traps, we finally came to the side of a small tent (tent) where young Levan lives alone. I wondered why I was having such a hard time, walking after the culprit of the struggle - Asmina - and regretting it from the bottom of my heart, but I was relieved where I finally saw the goal. but Asmina somehow strayed to the sidewalk here without heading directly to the tent. Aren't you headed to the tent? "My brother-in-law is not in the tent at this hour." Asmina answers subtly snort rough for some reason. "Because bathing time is now. You should be bathing in a hot spring down here. There are just some great points to make, so indulge yourself before you decide to head to the tent! Asmina stuffs with a clever imitation of yelling with her voice pressed to death. My pupils were completely open. "... smitten.InterestCincindez" My pupils were turning into carnivores as much as I wanted. Wow, Mendoza, the woman in love Mendoza. With that in mind, while I managed to forgive myself, I came all the way to the great (peeping) point, 1.5 m high and 3 m horizontal and vertical large rock, 7 to 8 m away from the hand-dug hot spring. ... In the end, do I have to peek? "The view from above is stunning.... Dear Hiyuki, please go ahead." Asmina conceded the other side by thinking for a moment. And while I don't care, as soon as I jumped one hand over a rock and put my foot on top of it... I felt like I had stepped on a thin cloth, and the next moment my ankle was completely strangled with a rope that had become a wheel, and at the same time, the shrubbery tree, which was lying on the ground, took advantage of the undoing tension, and in an instant it hung upside down against the tree. On the way to being flown, I thought I heard Asmina whining, "Again, you had a new trap set," but at this time I didn't know why, and I had to desperately hold onto my skirt as I black-and-white my eyes. And I guess I noticed with that sound, a boy, aged 15-16, with darker brown hair than Asmina on his brown skin from the smoke of hot water, came out dressed just with a towel wrapped around his waist. Tall there, but still growing and thin in the overall line, just a thin macho shape with a body that seems to be working out pretty well and not a piece of luxury, he looked at me better with a nasty face that didn't suit his wild face. "Have you come back for another peek? I don't care how many milk brothers and sisters you are, just be ashamed..." That gaze fits me. I shook my head as hard as I could.

第九話 虜囚之華 「ヒユキ陛下。非常に......わたくしとしても気が進まない、できれば聞かなかったことにして、話を握りつぶしておきたい......口に出すのもおぞましい、世界一どうでもいいお話なのですが......」 オリアーナが彼女にしては珍しい、苦悩と煩悶をありありと面に出した顔と口調とで、これまた珍しい長い前置きを口に出した。 どうにか会議が終わって、お互いの妥協点――こちらは、コラード国王の結婚の承認と、希望する聖職者及び治癒術者のアミティアへの復帰。クレスに対する干渉の放棄。あちらはグラウィオール帝国に対するウチの支援(ま、お互いに不干渉な黙認だけどね)――を見出したところで、取りあえず閉会となった。 で、用意された控え室へ戻ろうとしたところで、廊下でオリアーナに声を掛けられ、近くにあった小部屋へ案内され、「ご相談があります」と切り出されたところ。 「なにかな? 今度の騒動に関わること?」 「......あるといえばあるような。わたくし個人的には、おそらく関係ないと思うのですが」 なおも奥歯にモノが挟まったような言い回しで、明言を避けるオリアーナ。 ここまで本題を先送りにするってことは、あんまし良い話ではないんだろうねぇ。 数呼吸ほど迷ってから、彼女は意を決したようにボクの目を真っ直ぐに見詰めて言った。 「はっきり言いましょう。聖王国のウェルナー大教皇が、姫陛下との個人的な面談をご希望されていらっしゃいます」 「ウェルナー大教皇......?」 いたっけか、そんな人? 少なくとも会議中は一度も発言してないよね。 「――聖王国側の一番上座に座っていた、アホ面下げて姫陛下を凝視していた子供ですわ」 すかさずオリアーナの補足が入って思い出した。 ちなみに年齢でいえば彼女のほうが2~3歳下のはずなんだけどね。 「ああ。あのなんか気持ち悪い目でじっとこっちを見てたスケベそうな......」 「そうです。会議の最初から最後まで、姫陛下の わかったわかった。思い出した。なんでこんなアホっぽい色餓鬼がいるんだろうと思って、最初に見て後は無視していたんで、忘れかけていたけど。そーいや最初に紹介されたねぇ。 うんうん。どうりで彼女がここまで逡巡するわけだよ。 「つまり、前に話していた懸念が形になりそうだと」 懸念というのは以前にオリアーナが今の大教皇を指して言った言葉。 初対面でブス呼ばわりされて、延々聞かされた理想の女性像。 『豊かな髪はあふれこぼれ光を放つ黒髪で。 瞳は宝石のような紫か紅色。 肌は一片の穢れもない新雪の白。 唇はミルクに浮かんだ薔薇の花びら。 手足は早春の若木のようにほっそりしなやか。 涼やかな声は、風にそよぐ銀鈴のよう。』 これにどーやらボクがドストライクらしい。 なので。 ――あの、姫陛下。万一、聖王国の大教皇とお会いすることがあれば、充分に気をつけられた方がよろしいかと。 ――ま、まさかそんなことないでしょう。私は魔物の国の国主ですよ。聖教の大教皇が秋波かけるわけが。 ――アレはとんでもないウツケですから。 「......ナンパ?」 「おそらくは」 沈痛な表情――いっそ「ご愁傷様」と言いたげな顔だ――で、重々しく頷くオリアーナ。 「......非常口は?」 「あちらになりますので、ご案内させます」 お互いに何も言わずとも、さっさとトンズラすることで意見の一致をみた。 と洋服屋の封印方法をお伝えしたい』というものが、ございました」 そのなにげない言葉に、出口に向かい掛けたボクの足が、知らず止まっていた。 に洋服屋だって!?」 なんでその単語を知ってるんだろう。さすがに情報をすべて開示するつもりがなかったので、今日の会議でもあえてシマさんのことは伏せ、そのため『 が全滅したってのはブラフで、生き残りが情報を持ち帰っていたってこともあるかも知れないけど、シマさんは自分のこと『パーレン・アクサン・アポストロフィ・オーム』って名乗ってたんだから、間違っても『洋服屋』なんて暗喩がでてくるわけもないよねぇ。 「どうかされましたか?」 怪訝そうに尋ねるオリアーナに、深いため息とともにボクは答えた。 「......どうやら、大教皇に訊かなきゃならないことが、いろいろあるみたいだねぇ」 「......で、ここかい」 なんとなく馴染みになった小道を通ってついた先が、『 自動修復が済んだのだろう。前に壊した穴は綺麗に塞がっている。 「申し訳ございません。あちら側の要望する条件――人目につかないこと。双方魔術を使えない形で安全が確保されること。双方1対1でお話できて、第三者が入らないよう出入り口が1箇所であること。――これらを兼ね備える施設がここぐらいしかございませんでしたので......」 悄然と頭を下げるオリアーナ。 天涯が語気荒く反対の意を唱えた。 「あのアホの意向です。『極めて重要な件であり、たとえ家族・重臣であっても同席せず、余人を交えずにお話したい』とのことです。いまからでもお断りしますか?」 「当然であろう! 姫、このような胡散臭い話に乗る必要はございません。大教皇とやらがそれほど重要な情報を握っているなど、私めには信じられません。即、この話は断るべきです!」 あー、まあ、私も1対1とかすげー嫌だけど、いざとなればボコボコにすればいいことだし、ここって内からも外からも移動魔法は使えないからねぇ。 出入り口さえ押さえておけば、伏兵が魔術的移動もできないので、お互いに条件は五分と五分ってのは確かなんだよね。まあ、遠距離から大規模魔術撃ち込まれたらさすがに危ないけど、その為の護衛だからねぇ。 あとは出入り口のところで、天涯に待機してもらえば、ある程度は大丈夫だろう。 「......まあ、念のためにこちらの衛兵を1名、部屋の扉の前に衛兵待機させるのは了承させましたので、なにかあれば扉越しにすぐに声をかけてください」 心配そうなオリアーナと、なおも不満そうな天涯たちを連れて、念のために先に塔の中に入って、仕掛けや伏兵などいないか入念にチェックを行ったが、特に不審なところはなく、順々に階段を昇って全員で最上階へと到着した。 その最上階の特別隔離施設は、カーペットやカーテン、家具もすべて一新され、以前に来た時とはまったく違う部屋のようになっていた。 さすがに殺人とかあった部屋だからねぇ。ほとんど全部模様替えを行ったんだろう。 ま、もっともこの建物自体が牢獄なので、いままで何人の血が染み込んでるのかわかったものじゃないけどさ。 で、この部屋も、天涯や命都、親衛隊の面々で隅々まで確認をして、問題なしと結論がでたところで、塔の扉が開いて誰かが昇ってくる足音が聞こえてきた。 「いらしたようですわね」 嫌そうに顔をしかめるオリアーナ。 「意外と響くもんだねぇ。これなら部屋の中から声をかけても、すぐに外に聞こえるね」 「ええ、ですので何かあれば、すぐに声を掛けてください。――頼みましたよ」 再度、そう念を押して、傍らに立つ中背の鎧兜をまとった衛兵に声を掛けると、その衛兵は兜の下、くぐもった声で「はっ」と短く返事をして頭を下げた。 と、修道女らしきベールを被った女性を引き連れて、先ほどの会議で空気だったウェルナー大教皇が、人が変わったかのようなにこやかな表情で、部屋の中へと入ってきた。 「いやーっ。お待たせしました緋雪様。元老のジジイどもがなかなか折れてくれませんで、説得に時間がかかりました。さぞかし待ち遠しかったでしょう! いや、申し訳ない」 そういいながら勝手に人の手を取って手繰り寄せる。 こっちの手を触る手つきが、すげー気持ち悪いんですけど......。 てゆーか、こいつ本当に聖職者の最高位なの? なんか顔つきも軽薄そうだし、いかにも甘やかされた子供って感じで、同い年のジョーイと比べてもまったく覇気がないねぇ。 ボクはさり気なくその手を引き抜いて、いちおう作法どおり一礼した。 「初めまして大教皇様。なにやら内密なお話があるとか、お伺いしたのですが?」 いいからさっさと要件を話せ。 言外にそういう意味を込めてじっと睨んだんだけど、なんか逆に喜ばせたみたいで、えへらぁという気持ち悪い笑顔で返された。キモッ!! 「――なにか?」 「......失礼ですが」声を聴いた限りでは、かなり若い。まだ20歳くらいだろう。「姫陛下は、猊下の示された条件を 「ん? それは本当なのか、シスター・アンジェ?」 振り返ったウェルナー大教皇に向かって、大きく首肯する彼女。 「はい。間違いございません。わたしの《天眼》にははっきりと見えております。姫陛下に付随する3匹の魔物が」 いっそ憎憎しげと言いたげな目つきで、ボクの胸元や影、空中など順番に視線を飛ばす。 「......ふむ。緋雪様、これは本当のことでしょうか? このシスター・アンジェは聖教の中でも稀な《天眼》の持ち主。その目は隠された真実を暴き、余も全幅の信頼を寄せている者。余は会談の前に余人を交えずお互いに身一つでと申し入れた筈ですが、事実は余は誠意を込めて身ひとつで参りましたが、彼女の言うことが本当であれば、余は そう言いながら、『誠意』を示す証拠として、護身の為に帯に差していた短剣を鞘ごと抜いて、傍らに控えるシスター・アンジェに渡す。 受け取ったシスター・アンジェは、それを帝国側の衛兵――出入り口に控える予定になっている彼――に、「猊下が退室される際に、お返しください」と言って一時預けた。 「申し訳ございません。確かに私の周囲には人知れず護衛がついてございます」 合図を送ると、ボクの胸元から従魔合身中の 「......謀ったと誹りを受けても申し開きもございません。ご不快でありましたら、この場より退室いたします」 というか、なんかこいつ生理的に受け付けないタイプなので、質問とかどーでもいいので、さっさと帰りたいところが本音になっている。 「ふん。余も随分と軽く見られたものだ。本来ならばこのような無礼、看過しうるものではないが、これも蒼神の慈悲である。余は寛容であるからな。一度だけなら見逃そう。――シスター・アンジェ。曲者はこれで終いか?」 促されて、再度、彼女がベール越しに視線を寄越した。 「――はい、これですべてかと」 頷いた彼女の冷ややかな視線。 それにしても《天眼》ねぇ。そういえば初対面の時に、巫女であるアスミナも一目で合身や刻耀の存在に気が付いたみたいだし、あれと似たような能力なのかも知れないね。 「......よろしいのですか、姫。護衛をなくしても?」 天涯が小声で確認してくるけど、まあ大丈夫じゃないかな。 「見た感じ、人間にしては跳び抜けてMPが高いみたいだけど、それでも脅威になるレベルじゃないし、あっちも一人なら問題ないよ」 「.........」 それでも不満そうに、続く言葉を探す天涯。 「さて、仕切り直しになったが、これでどうやらお互いの誠意は示されたであろう。そろそろ膝を割っての会談と行こうではないか。その前に――お主ら、邪魔だから早く出て行った出て行った」 シッシッとばかり手を振るウェルナー大教皇。 犬みたいに追い払われて、全員むっとした顔をしたけれど、しぶしぶ言われるまま足を踏み出す。 「それでは、部屋の外にこの者を配置しておきます。それと、30分後にわたくしが確認に伺わせていただきますので、お二方ともご了承お願いいたします」 「その際には、私めも同行させていただきます」 扉を閉める際にオリアーナが一言注意を加え。天涯が断固とした口調で言い添えた。 ウェルナー大教皇は部屋の中から、億劫そうに返事をした。 「すまないね。頼んだよ、二人とも」 私は部屋の外まで全員を送り出して、出入り口に立つ衛兵に会釈をしてから、扉を閉めた。 「さて、ウェルナー大教皇............あれ?」 怪訝に思いながら、奥の寝室を覗いて見ると、天蓋つきのキングサイズのベッドの上にウェルナー大教皇がいた。首に十字架をぶら下げただけの全裸姿で。 「......な・ん・の・冗談ですか、それは!?」 「無論、男女の営みの準備じゃ。余は一目でそなたが気に入った。まさに余の為に用意されたような ベッドの上で、手招きをする大教皇。 うん。理解した。オリアーナがあんだけ嫌っていたのもわかる。 こいつ本当の馬鹿だ。 ボクの知っている馬鹿のランキングでも1位2位を争うレベルの馬鹿だわ。 「............」 心の底から虚しいため息をついたボクは、ベッドの上でワクテカしている 言っておくけど映画や小説と違って、ボクを含めたこの世界の吸血鬼には十字架は効果はなく、見てもただのバツ印にしか過ぎない。 思わず怪訝な表情を浮かべたボクに向かって、得意げに語る大教皇。 「これは我が神、蒼神より賜った神器『封印の十字架』である。効果は“吸血鬼の封印”。つまり、こういうことである――封縛!!」 その瞬間、大教皇のいう『神器』に目の前の少年の全魔力が流れ込むのを感じた。 その魔力を吸い込んで『神器』が光り輝いた......いや、違う、これは物理的な光じゃ...なく......精神に直...接......意...識が遠く......マ...ズ.........イ............。 意識が遠のく寸前、『神器』がバラバラに崩れ去るのを見たような気がした......。 「それでは、私と刻耀はこの場で待機する。命都、お前は親衛隊と一緒に周辺の警戒を怠るな。それと空穂は上空の出雲と合流、念のためにこの街の四方を固める形で、円卓メンバーを配置するよう伝えろ」 塔の入り口のところで、テキパキと仲間に指示を出す天涯に会釈をして、いったんその場から離れるオリアーナ皇女に続いて歩きながら、修道女――その恰好をした亜茶子は、ベールの下でほくそ笑んだ。 ――お生憎様。あんたらの大事な大事な緋雪ちゃんは、いまごろあの馬鹿大教皇のモノになってるわよ。それを知ったらどんな顔をするのかしらね。それにアイツもそう。確かに「緋雪の命は守れ」とは言われたけど、それ以外の指示は貰ってないんだから、これはあの馬鹿の暴走ってことよね。 に、いろいろと吹き込んだ甲斐があった。 『あの娘はいまだ乙女。ウェルナー様が最初の殿方となれば、おのずと心まで差し出すことでしょう』 『そもそも「吸血鬼に対する封印の神器」を手渡されたということが、すなわちこのために使うよう蒼神が思し召したのではないしょうか』 『あなた様の神力ならば、かならずや彼女を 正直、穴があるどころか、普通に考えればありえない説明だが、それを本気にする馬鹿さ加減はある意味、見ていて滑稽であった。 ふん、と密かに鼻を鳴らす亜茶子。 ――妻だの伴侶だの気持ち悪いこと言ってたけど、先にあの馬鹿のモノになったって知ったらどうするのかしらね。せいぜい絶望することね。 神様気取りのアイツに一泡吹かせられれば、彼女にとってそれは満足できる結果だったのだから。 ――まっ。緋雪ちゃんには悪いことしたけど、こっちはずっとアンタの身代わりでアイツの相手をさせられてたんだからね。八つ当たりとは思うけど、お互いに不幸だったってことよね。 ちなみにオリアーナ皇女は気が付いていないようだが、出入り口の衛兵は敬虔な聖教の信徒であり、前もってなにがあっても部屋の中へ踏み込まないよう連絡してある。 念の為に出口を離れる際に、簡単な聖教の ――あとはあのバカがヘマをしないように祈るくらいね。 そう思って、思わず日頃使い慣れた聖教の祈祷の形で祈りかけた亜茶子は、苦笑を浮かべた。

96 Chapter 9: The Prisoner'S Hua "Sire Hiyuki. Very... I don't feel comfortable even with me, if possible I decided not to listen and I want to hold onto the story... It's a different story to put in my mouth, it's the most irrelevant story in the world..." With a face and tone that plagued her with misery and annoyance, which was unusual for Oriana, she put another unusual long foreboding in her mouth. Somehow the meeting was over and we compromised on each other - this is King Collard's approval of his marriage and the return to Amitia of the clergy and healers he wishes. Waiver of interference against Cress. That was our support for the Gravior Empire (although we are mutually non-interferent acquiescence) - and the meeting was adjourned for now. So, I was about to go back to the prepared modem, where I was called out by Oriana in the hallway, led to a small room that was nearby, and cut out, "I need to talk to you". "What is it? Being involved in the next disturbance? "... when it comes to having one. Personally, I think it probably doesn't matter." Still rhetorical like a thing pinched in the back teeth, Oriana avoiding explicit remarks. I guess getting this far ahead of you isn't a good story for you. After being lost for about a few breaths, she looked me straight in the eye like she had decided to. "Let's get this straight. Archbishop Werner of the Holy King would like to have a personal meeting with His Majesty the Princess" "Archpope Werner......? Were you there, like that? You haven't spoken at least once during the meeting, have you? - He was sitting on the top seat of the Holy King's side, a child who looked down on his face and stared at His Majesty. I just remembered Oriana's supplement coming in. By the way, she's supposed to be 2-3 years younger when it comes to her age. "Oh. I was staring at you with those disgusting eyes. Looks sketchy..." "That's right. From the beginning to the end of the meeting, I saw Her Majesty's face, her breasts, her hips, that idiot who didn't say a word." All right, all right. I remembered. I wondered why there were such asshole-looking colored hungry ghosts, and I ignored them first and then, I forgot. No, you were introduced first. Yeah, yeah. That's why she's walking all the way here. "I mean, he said the concern he was talking about before was going to take shape" Concern is a word that Oriana previously said referring to the present Archpope. Ideal female portrait called skank in first person and overheard. "Rich hair is overflowing with dark hair that emits spilled light. Eyes are purple or red like gems. Skin is white with no dirt. Lips are rose petals floating in milk. Hands and feet are as snug and supple as young trees in early spring. The cool voice is like a silver bell that soars in the wind. I seem to have a dstrike on this. So. - Um, Your Highness. In case you ever meet with the Archpope of the Holy Kingdom, I was wondering if you should be very careful. - Oh, no way. I am the lord of the land of demons. The Archpope of the Episcopal Church waves in the fall. - Because I'm a hell of a bitch. "... Napa? "Probably." With a sinking look - a face that says "sorrowful," Oriana snorts heavily. "... what's the emergency exit? "I'll be there, I'll show you" We didn't have to say anything to each other, but we just saw a consensus by tonguing. "- Oh, and I want to tell you how to seal up an abandoned dragon (Nidheck) and a clotheshop in that note (crap)." My leg, which hung toward the exit, stopped unknowingly. "Clothes shop in Nidheck!?" I wonder how you know that word. Exactly because I didn't intend to disclose all the information, I dared to lay low about Shima at today's meeting, and for that reason I avoided the word 'Abandoned Dragon (Nidheck)' and went through it in 'Synthetic Beast (Chimera)'. Well, it's a bluff to say that the Cathedral Crusaders have been wiped out for a moment, and it may be that survival was bringing back information, but Mr. Shima named herself 'Paren Aksan Apostrophic Ohm', so there's no way there's a metaphor for 'clothes store' to come by mistake. "What have you done? I answered Oriana, asking in surprise, with a deep sigh. "... apparently, there are a lot of things I have to ask the Archpope." "... so, here it is" The tip that followed through the somewhat familiar trail was in front of the front entrance to the Tower of Sinners, Peckertle Turris. Auto repair must have been done. The hole I broke before is blocked beautifully. "I'm sorry. Required conditions on that side - to be invisible to people. Security shall be ensured in a way that neither party can use witchcraft. We must be able to talk one-on-one on both sides and have one entrance/exit to prevent third parties from entering. - There were only about this many facilities to combine these..." Keep your head down quietly, Oriana. Heavenly spoke roughly against it. "It's that asshole's intention. 'It is an extremely important matter, and I would like to speak without being present, even if it is a family/heavy minister, and without exchanging others'. Would you like to refuse now? "It would be natural! Princess, you don't have to ride such a frigid story. It is incredible to me that the Archpope and others hold such important information. Immediately, you should say no to this story! Uh, well, I'm awesome one-on-one, too - I hate it, but if you have to, you just have to bump it, and I can't use mobile magic from within or outside here, so hey. If we hold down the entrance and exit, the ambush can't even travel magically, so we're pretty sure the terms are five minutes and five minutes to each other. Well, it would be just as dangerous if you were shot in by massive sorcery from a distance, because you're an escort for that. And then at the entrance and exit, if you wait in heaven, you'll be fine to some extent. "... well, just in case, I admitted to keeping one of these guards standing by the door of the room, so if you need anything, please speak up right through the door" We took the worried Oriana and the still dissatisfied Heavenly Lifetime into the tower first just in case and carefully checked for tricks, ambushes, etc., but there was nothing particularly suspicious about it, and we gradually ascended the stairs and all arrived to the top floor. Its top-floor special isolation facility was also renovated with all the carpets, curtains and furniture, making it look like a completely different room than when we came before. Because it's just the room where there was murder or something. Almost all of them must have been re-modeled. Because this building itself is a prison, I don't know how much blood has been stained so far. So, this room, too, I checked every corner in the face of Heaven, Life Capital, and SS, and where there was no problem and conclusion, I could hear the footsteps of the tower door opening and someone coming up. "Looks like you're here." Oriana looks disgusted. "It sounds surprising. If you call from inside the room, you'll hear it right outside." "Yeah, so if you need anything, call me right away. - I asked for it." Again, pressing that precaution, when he spoke to the guard with his middle-backed armored helmet standing beside him, the guard lowered his head under his helmet, responding briefly with a cuddly voice, "Ha". and Pope Werner, who was air at an earlier meeting with a woman wearing a monastic veil, entered the room with a grinning look as if people had changed. "No. Thank you for waiting, Mr. Scarlet Snow. The elders jizzies couldn't quite break it, and it took me a while to convince them. You couldn't wait to rustle! No, I'm sorry." While that's good, I take people's hands at will and hand them over. The hand that touches my hand over here is awesome - it's disgusting... So, is this guy really the supreme priest? You look so light, and you feel like a spoiled child, and you have no hegemony whatsoever compared to Joey your age. I graciously pulled out my hand and gave it my best shot. [M] "Nice to meet you, Archpope. Did I ask you something about a confidential story? Just talk about the requirements. I stared at him with that meaning in addition, but he seemed to please me the other way around, and he returned it with a disgusting smile that he was ehrrrrrrrrrrrrr. Creepy!! "- Anything? "... excuse me," as far as listening to your voice, you're pretty young. He would still be about 20 years old. "Your Majesty has made the conditions shown below antiquated." "Hmm? Is that true, Sister Ange? Turning to Archpope Werner, who looks back, she gives a great deal of endorsement. "Yes. Definitely. It is clearly visible in my" Heavenly Eye ". Three demons accompanying Her Majesty." With my hateful eyes, I fly my gaze in order of chest, shadow, air, etc. "... Hmm. Dear Scarlet Snow, is this true? This Sister Ange is the owner of a rare" Heavenly Eye "among the ecclesiastical religions. His eyes reveal the hidden truth, and the rest are in full confidence. The rest did not exchange extras before the meeting and offered to be alone with each other, but the truth is that the rest came alone in good faith, but if what she said was true, the rest would have been conspired against." With that said, as evidence of 'sincerity', I pull out every dagger I had on my belt for protection and give it to Sister Ange, who refrains beside me. Sister Ange, who received it, temporarily deposited it with the Imperial Guard - him who is to be held back at the entrance and exit - saying, "Give it back to me when he is discharged from the room". "I'm sorry. Sure, there's an unknown escort around me." When I sent the signal, from my chest, there appeared an empty hoe in the body of an obedient demon, engraved from the shadows, but from the air there appeared one glass after the other (not much). "... there is no accusation or opening of conspiracy. If you are uncomfortable, you will be removed from the room." Or something. I'm the type of guy who doesn't physiologically accept this, so any questions or whatever, so what I just want to go home to is for real. "Hmm. The rest has been seen much lighter. Such disrespect is not inherently possible to see, but this is also the mercy of the Ethereal God. The rest is forgiving. If it's just one time, let's miss it. - Sister Ange. Is this the end of the bender? Encouraged, again, she glanced over the veil. "- Yes, I thought this was everything." Her chilling gaze nodded. And "Heavenly Eye" hey. Speaking of which, when we first met, it seems that Asmina, the witch, noticed at first sight the existence of fits and engravings, and maybe a similar ability. "... Are you sure, Princess? Can I lose my escort? Heavenly confirms it in a whisper, but I guess it's okay. "I feel like I've seen it, it seems like it jumps through and has high MP for humans, but it's still not a threat level, and if you're alone over there, it's fine." ......... Still unhappy, the heavenly search for words to follow. "Well, it's been rearranged, but this would have apparently shown mutual sincerity. Isn't it time to break your knees and go to talks? Before that - Lord, I left early because I was in your way. I left." Werner Archpope waves all the time sissy. I'm driven away like a dog, and they all look annoyed, but I step out of my feet to be told. "I will now place this person outside the room. And please accept my confirmation in 30 minutes." "In doing so, I will accompany you, too" Oriana adds a word of caution when closing the door. Heaven accompanied me in a resolute tone. Archpope Werner replied from inside the room, looking hundreds of millions. "I'm sorry. I asked you, both of you." I sent everyone out of the room to meet the guards standing at the entrance and exit before closing the door. "Well, Archpope Werner............ is that it? Surprisingly, looking into the back bedroom, there was Archpope Werner on a king size bed with a canopy. With a naked figure just hanging a cross around her neck. "... what... is that a joke, it!? "Prepare men and women for business. I liked the rest at a glance. Exactly the kind of girl (stomach) that was prepared for the rest of the day. Receive the Pope's remainder of the favor. Neither will it be so flattering. Take off what you're wearing. I can't seem to take much time. Not at all. She's a little girl." On the bed, the Archpope who makes invitations. Yeah. Understood. I also know Oriana hated that much. This guy is a real idiot. He's a fool at a level where he competes for first place and second place in the rankings of fools I know. ............ I sighed vainly from the bottom of my heart, and my footsteps approached roughly to make Archpope Werner (this idiot), who was excited on the bed, bumpy for now. I'll tell you what. Unlike movies and novels, the cross has no effect on vampires in this world, including me, and it's just a bump mark to watch. Turning to me with an unexpectedly surprising look, the Archpope speaks well. "This is the sealed cross, an artifact given by my God, the Ethereal God. The effect is" vampire sealing. "I mean, this is what it is - sealing!! At that moment, I felt the full magic of the boy in front of me pour into what the Archpope called the 'artifact'. I inhaled that magic and the 'artifact' glowed... no, no, this is not a physical light... but... straight to the spirit... direct... consciousness... distant... ma... z... y... y.... I felt like I saw the 'artifact' crumble apart on the verge of distant consciousness...... "Then me and Jingyao will wait on this occasion. Life Capital, don't fail to be on perimeter alert with the SS. And Aaho joins the clouds above, and tell him to place the round table members in a way that consolidates all sides of the city, just in case." At the entrance to the tower, the nun - whose attire, Atchako, giggled damned under the veil - gave a meeting at the heavenly end giving instructions to Tekipaki and his companions, walking after the Empress Oriana, once off the spot. - Dear Hate. Your precious Scarlet Snow is about to become that stupid Archpope thing. I wonder what you would look like if you found out about it. And so does he. Sure, they told me to "protect Scarlet Snow's life," but I didn't get any other instructions, so this means that idiot runs wild, right? It was worth a lot of blowing into that Archpope Werner (idiot), who was distraught at a glance at Scarlet Snow. "That girl is still a maiden. If Master Werner were to be the first of his lords, he would offer every moment to his heart." "Isn't it true that the" sealed artifact against vampires "was handed in the first place that the Ethereal God called it to use for this purpose?" "With your divine power, you can easily ambush her." Honestly, instead of having a hole, it's an explanation that's not possible if you normally think about it, but the silliness addition or subtraction that makes it serious was, in a way, hilarious to watch. Hmm, and a sub tea child sniffing secretly. - He said something disgusting about being his wife's partner, but I wonder what he would do if he found out he'd become that stupid thing first. Desperate at best. Because if God lets him blow a bubble, it would have been a satisfactory result for her. - Shit. Scarlet Snow did something bad to me, but this one's been letting me deal with him on your behalf for a long time. I know we hit eight, but you mean we were unhappy with each other. By the way, Princess Oriana doesn't seem to be aware, but the guards at the entrance and exit are devout ecclesiastical followers, who have been contacted not to step inside the room no matter what happens in advance. When I left the exit just in case, I tied a simple ecclesiastical hand mark (signature) and secretly returned the same hand mark (signature) and came over. - All you have to do is pray that idiot doesn't haunt you. With that in mind, the sub-tea child accidentally prayed in the form of daily used ecclesiastical prayer, smiling bitterly.

第十六話 情報交換 グラウィオール帝国の帝都アルゼンタム中央に位置する王宮。その広大な敷地の外れに『 皇族や貴人を収監するこの塔は、遥か神代の昔から存在すると言われ、一見して石造りと見られる外壁は無双の強度を誇り、単体でドラゴンを狩る近衛筆頭騎士の剣技をもってしてもかすり傷を負わせるのがやっとで、それすらも一晩経てば修復され、またこの内部ではあらゆる魔法が無効化されるという、ある意味これ自体が秘宝ともいえる遺失文明の精華であった。 この日、現在のところこの塔の唯一の囚人である男――元クレス=ケンスルーナ連邦主席バルデムは、通常の見回りや食事でもないこの時間に、塔の扉が開かれ何人かが階段を昇ってくる足音を聞いて、読んでいた本を机の上に置いた。 どこぞの貴族の私室といっても通用する、およそ監獄とは思えないこの最上階の部屋を見回し、いよいよ処刑の日が来たかと目を閉じた。 だが、足音は塔の途中で止まり、ガチャガチャと鍵を開ける音がして、続いて錆びた扉を開ける音と何か重いものを放り投げる音がして、今度は逆の手順で扉が閉められ鍵がかけられ、やがて足音が遠ざかっていった。 どうやら自分の他に誰かがこの塔に収監されたらしい。 それが何者なのか、多少の興味はあるが所詮はままならぬ身。知ったところでどうしようもない。 ――誰かは知らんが気の毒にな。 ふん、と軽く鼻を鳴らして、彼は再び手を伸ばし、読んでいた本の続きを探してページをめくりだした。ようやく中断していたページを探し当てた時には、新たな囚人のことは綺麗に頭から消えていた。 どうにもやりづらい相手だなぁ、というのがこのグラウィオール帝国の皇女様に対するボクの感想だった。 『スタン・ブロウ』で気絶させた 「聞けばこの者は宰相の手駒として、クレスの密使を襲撃した実行犯であるとか。そうであれば我が国の国内法に基づきこちらで処分を下すのが妥当と思えますが」 と、やたら論理的に法的根拠や正当性などを明示してきて、まずは口八丁とさり気ない は上手に思考を誘導されたことも気付かずに、アスミナのいつものヤキモチだと思っているみたいだけど......つくづくボクが言うのもなんだが、男って単純だねぇ。 一方ボクの方には引き渡した際の実益――皇帝派が実権を握った際の両国間の今後の関係改善と補償について――を立て板に水で話されたけど、まあ偉い人のその手の口約束は空手形と同義だからねぇ、正直どーでもいいんだけど。 ただし、現状ボクらが他国の宮殿へ不法侵入していることと、アスミナと二人で宰相をボコボコにした負い目があるので、そのあたりを有耶無耶にできるんなら、こちらとしては渡すカードが影郎さんの身柄一つというのは助かる――このお姫様の策が成功すれば御の字で、ダメモトなんだから失うものはほとんどない。 ただし問題もある。これが普通の暗殺者ならともかく、相手は影郎さん。 この通称『鈴蘭の皇女』様が考える、宰相がクレス同盟の密使を暗殺したとか、転移装置を破壊した黒幕だと自白させるのは難しい......いや、あること無いことペラペラ喋るのが目に見えている。だから渡しても無意味だと思うんだけど、後からクーリング・オフとか言われても責任負えないなぁ。 そう言ったところ、 う~~ん、まあ、ボクとしても若干、影郎さんを持て余していたのは確かだけど――じゃあ短絡的に殺してしまえ......というのも、せっかく掴んだ敵の尻尾を逃す形になるので惜しいし、正直 「へえ、プレーヤーを知っているの?」 撒き餌とはわかっているけど、聞き逃せない単語だけに、確認せずにはいられないところだった。 「皇族に伝わる伝承程度は。......いかがでしょう、お互いに情報交換と参りませんか?」 にっこりと虫も殺せないような微笑みの裏のしたたかさに内心舌を巻きながら、ボクも取りあえず表面上はニコニコと微笑み返した。 「そうですね。それが有意義な情報であれば...ですね」 暗に『ブラフやハッタリなら考慮しないよ』という意味合いを込めた笑みに、 「ええ、失望はさせないつもりです」 同種の笑みが返ってきた。 表面上は穏やかに微笑み合いながら、お互いに腹の探りあいをする――そんなボクらの様子を見て、レヴァンはトップ同士単純に話が通じたと思って安堵のため息をつき、アスミナは『面倒臭いことしてるわね』という顔でため息をついた。 ......まあ、そんなわけで。影郎さんの身柄は、手枷足枷付で一時的に彼女の預かりとすることになったのだった。 そんなわけで、場所を移して彼女の私室へ。 とは言っても面子は先ほど同様、あちらはオリアーナ皇女とその侍女で名前はリィーナの二人だけ。こちらはボクとレヴァン、アスミナ、あとペットのシンの三人+一匹だけだったけど。 「――私室ですので少々手狭で乱雑ですが、ご容赦くださいませ」 そう言って案内されたのは、20畳くらいのロココ調の部屋で、壁と天井は白塗りでそこに金色の植物文様装飾が施され、中央には白を基調とした応接セットが、壁には流麗なタッチの油絵が飾られ、壁際には 「良いお部屋ですね」 お世辞ではなく本心からそう口に出ていた。 ウチもこれくらい狭くて飾り気のない部屋なら落ち着くのにねぇ。 「ありがとうございます」 嬉しそうに笑う皇女に勧められるまま、中央のソファー――形式的にボクが一番上座で、次にオリアーナ皇女が上座に近いところに座り、次にレヴァン、アスミナという順番になる――に座ったところへ、リィーナが全員にお茶を注いだ。 「さて、まず最初に確認したいことがあるのですが、よろしいでしょうか薔薇の姫陛下?」 「その前に私からもよろしいですか、鈴蘭の皇女様」 まずはなにげなくお互いの呼称を確認してみた。しかし『薔薇の姫陛下』ねぇ......今後、浸透しないといいんだけど。この恥ずかしげな愛称が。 「皇女様は次期皇位第一位とはいえ、公式には政治的発言権はないはずですが、実際のところどの程度、国政に対して影響力があるのでしょうか?」 さっきから国を代表するような発言が目立つけど、彼女にはそれほどの権限はない筈なんだよね。 確かに普通に話していてもその頭の回転と腹黒...もとい、計算高さには目を見張るものがあるけれど、実権なき象徴と話をしても始まらない。 ボクの問いかけに、「もっともなご懸念ですわね」とオリアーナ皇女は苦笑した。 「姫陛下はこの絵をどう思われますか?」 彼女の愛称の元になった鈴蘭を手前に、高原と山々の景色を描いた柔らかなタッチの風景画だった。 正直、ボクは絵の良し悪しはわからないけど――ぶっちゃけ生前は、写真やデジタル技術が発達した世の中で、絵画は前世紀の遺物くらいに思ってたし――描き手の細やかな心情がわかる良い絵だと思った。 「よい絵ですね。鈴蘭......皇女様に対する細やかな心配りが感じられる絵だと思います」 そう言うと、皇女は嬉しそうに微笑んだ。 「ありがとうございます。わたしもお気に入りの一枚なのです」 それから一言、秘密を打ち明けるように付け加えた。「父の作品なのです」 これには驚いて全員その絵に視線が集中した。 「......これはまた。玄人はだしですね。てっきり高名な宮廷画家の作品かと思いました」 ボクの感想に、レヴァンもアスミナもうんうん頷く。 「ええ、娘の贔屓目かもしれませんが父にはこの方面の才能があると思います。後世の歴史書には『美術家皇帝』とでも記されるかも知れませんね」 愉しげにクスクス笑う彼女だけど、このまま彼女がつつがなく即位したら、どー考えても『女帝オリアーナの父』くらいにしか記載されないだろうなぁと思った。 それから、笑いを口元に留めたまま、歌うように続けた。 「父は元来、繊細かつ温和なご気性で、少々夢見がちなところもありますが、そうした点をひっくるめて、娘として個人的には好意を抱いております」 それから一転して、難しい顔になった。 「ですが皇帝として、また男性として見た場合まったく尊敬すべきところはございません。現在もほぼ離宮に篭って好きな絵画、美術の類いに没頭するばかりで、国政を預かる者としての自覚などなく......いえ、敢えて放棄しているのでしょう、目と耳を塞ぎ黙っていれば嵐が過ぎ去るものと、なんの根拠もなく思い込んでいる、どうしようもない愚物。それが今上帝のウソ偽りない姿です」 思わず顔を見合わせるボクたち。 どこまで本当かわからないけど、これが本当のことだとしたらこの国先行き危ないんじゃないの? まだしもあの宰相に実権握らせていたほうがマシな気がしてきたよ。 早まったかな......。 「そのようなわけで3年前に摂政が亡くなり、つつがなく今上帝が即位された後、去就を決めかねていた家臣のみならず、正統な皇家に対して支持していた者の中にも翻意されてしまった方々が多くいらっしゃいます」 なるほど、あの宰相もその一人というわけか。 「当事はわたしは10歳、頑是無き子供で なるほどねぇ。まあ『世間知らずの箱入り娘』の部分はツッコミどころがあったけど、現状、皇帝は開店休業状態で、この皇女様が実質的な大黒柱になっているわけだね。......まあわかるかな。この娘なら皇帝なんかよりよっぽど優秀だろうからねぇ。 「わかりました。では、貴女をグラウィオール帝国皇室の全権代理人として、以後認識することにいたします」 「ありがとうございます。陛下のご信頼には必ずお応えいたします」 皇女の水色の瞳が力強くボクの目を真っ直ぐ見つめた。 取りあえずこれでようやく交渉開始といったところかな。 「さて、それではさきほどの質問の続きなのですが。最重要課題として、ひとつ――ウィリデにある転移魔法装置が破壊されたというのは本当なのでしょうか?」 「本当だよ」 あっさりと頷いたボクの言葉に、レヴァンが息を呑む。 「......まあ、壊されたのは偽物だけど」 続く言葉に、息を詰めていたオリアーナ皇女が、ほっと息を吸って吐いた。 「やはりそうでしたか」 「――え?! どういうことですか、偽物っていつから?」 「最初からかな。あの装置はウチで急遽造ったハリボテみたいなものでね。だから最初に『あの装置は煮ようが焼こうが、好きに使ってかまわない』って言っておいたじゃない。『転移魔法装置』とは一言も言ってないよ」 「したたかですわね。ですが、お味方を騙されるのはいささかやりすぎでは?」 「それくらいでないと敵さんも騙されないからねぇ。......まあ、確かに悪趣味ではあったかな。すまなかったねレヴァン」 素直にレヴァンに頭を下げると、慌てた様子で両手を振った。 「お、オレなんかに頭を下げないでくださいよ! 陛下の深慮遠謀であればそれに従うのが役目なんですから」 『ふん。小童が多少は自分の分を知ったか』 従魔合身中の そんなボクたちの様子を好意的な目で見ていた皇女が、小首を傾げた。 「わざわざこれ見よがしに転移装置のハリボテを造って置いた意図など、教えていただけますか」 「一番はどこから情報が漏れるかの確認かな。さっきの影郎さんが、帝国方面に向かっていた足跡はたどれていたからね、こちらに情報を流せば黒幕がどう反応するのか見たくて」 「その黒幕というのは宰相のウォーレンですか?」 「違う。あれは良いように緩衝材に使われただけだろうね。ミスリードで帝国が関与したように見せかけるために。そうなると、怪しいのは......」 「――イーオン聖王国、ですね」 ボクは無言で頷いた。 「確かに彼の国は魔国である 考え深げなオリアーナ皇女の言葉に、ボクは首を捻った。 正直、あの国はほとんど鎖国体制をとっているので、他国に出回る情報が極端に少ない。なので判断材料がないんだよね。ここでどんな小さな手がかりでもあれば欲しいところだね。 「わたしは成人の儀を行うにあたり、一度彼の国の大教皇とお会いすることがありましたが」 ここで彼女にしては珍しく、明確に顔をしかめた。 「15歳の男子という年齢であればもう少し分別もあろうかと思われますが、あれほど阿呆――いえ、傍若無人で残念な頭の方が、陰謀や暗殺など立案・計画に直接関わることはありえないと断言できます」 よほどその大教皇との会談が不愉快だったのか、滔々と愚痴をこぼし始めた。 なんでも会った時の第一声が、 「類い稀な美姫と聞いていたのに、なんだ...大したことはないな!」 だったそうで。そりゃ、どんな女性でも怒るよ。 その後も聞きたくもないのに、理想の女性像を延々と語られたそうで(てか、それホントに聖職者の最高位なの?!)。 豊かな髪はあふれこぼれ光を放つ黒髪で。 瞳は宝石のような紫か紅色。 肌は一片の穢れもない新雪の白。 唇はミルクに浮かんだ薔薇の花びら。 手足は早春の若木のようにほっそりしなやか。 涼やかな声は、風にそよぐ銀鈴のよう。 そんなお伽噺みたいな女がいるか! と一喝したくなるのを堪えるのに苦労したそうだ。 「大変だったねぇ」 しみじみ同情したんだけど、ふと気が付くと、なぜか室内の全員の視線がこちらに向いていた。 「......なんかあたし、その条件にピッタリ合う方を知ってる気がするんですけど」 「......奇遇だな。オレもその理想がドレス着て歩いてるのを見てる気がする」 「......お伽噺にしかいないと思ってましたのに。本当に、世の中って広いのですね」 なぜか背中に嫌な汗が流れてきた。 「あの、姫陛下。万一、聖王国の大教皇とお会いすることがあれば、充分に気をつけられた方がよろしいかと」 本気で心配しているらしいオリアーナ皇女だけど......。 「......ま、まさかそんなことないでしょう。私は魔物の国の国主ですよ。聖教の大教皇が秋波かけるわけが」 「アレはとんでもないウツケですから」 盛大に眉をしかめて皇女は首を横に振った。 うわーっ......なんか係わり合いにならない方が良い気がしてきたよ、聖王国。 の円卓最強TOP3で国土ごと吹き飛ばしちゃおうかな――とか、真剣に思案する。 「まあ、仮定の話をしてもしかたありませんので、現在のお話をいたしましょう」 妙な雰囲気になった室内の空気を払拭させるためか、オリアーナ皇女が話を変え、ついでにお茶のおかわりを指示した。 「転移魔法装置が無事だったのは朗報ですわ。実はレヴァン様には先にお話してありましたが、今後の相互貿易協定について、こちらから提案したいことがございます」 そう前置きをして、彼女は新しく淹れ直されたお茶で口を湿らせ、その腹案と現在のグラウィオール帝国の現状を話し始めたのだった。 』中階にある、こちらはいかにも牢獄と言う風な殺風景な部屋の中で、手足を拘束されていた男がゆっくりと目を開いた。 それから周囲の様子と自分の状態を確認してため息をついた。 スキルを唱えて枷を外そうとするも、本来であれば五指の先に現れるはずの魔力の爪が現れない。 「やっぱ無理か。『魔法無効化施設』まだ残っているとはなぁ。だけど、まあ、ゲームと違って抜け道はあるってとこで。――出て来いや、鉄鼠」 男の呼びかけに応えて、その胸から鋼鉄色をしたハリネズミのようなモンスターが現れた。 「こいつのHPは15しかないからなぁ。お嬢さんも自分のHPの端数までは覚えておらんかったろうし、気付かんようやったな」 呟きつつ、そのモンスター――従魔『鉄鼠』の前に鉄で出来た手枷、足枷を差し出す。 「ほれ、食え。大好物やろ」 コリコリコリコリと、栗鼠が木を削るような小さな音が、狭い牢獄に響いた。

80 Episode Xvi Exchange Of Information The Royal Palace is located in the centre of Argentina, the imperial capital of the Grawior Empire. Outside its vast grounds was a heavily built spire, like a monastery called the 'Tower of Sinners' Peckertle Turris'. This tower, which houses the royal family and nobles, is said to have existed since far back in the Divine Age, and at first glance the outer walls, seen as stone building, boast an unrivalled strength, which is in a sense the essence of a lost civilization, which can in itself be considered a treasure, finally causing a scratch even with the sword moves of the Kingsguard lead knight who hunts the dragon alone, even if it is repaired after one night, and all magic is deactivated inside this. On this day, Baldem, the only prisoner of this tower so far - the former President of the Kres-Kensruna Confederation - placed the book he was reading on his desk when he heard the footsteps of the tower door opening and some coming up the stairs at this hour, which was not his usual sight or meal. I looked around this top-floor room, which I don't think is roughly a prison, which works even when it comes to this nobleman's private room, and closed my eyes to see if the day of execution had finally arrived. But the footsteps stopped halfway through the tower, the chatter and the sound of unlocking, followed by the rusty door opening and the sound of throwing something heavy, and now the reverse procedure closed and locked the door, and eventually the footsteps went away. Apparently, someone else besides myself was imprisoned in this tower. I'm somewhat interested in who it is, but I can't stop thinking about it. There's nothing I can do about it from what I found out. - I don't know who it is, but I'm sorry. Hmm, and he rang his nose gently, and he reached out again and turned the page looking for the rest of the book he was reading. When I finally looked for the page I was interrupting, the new prisoner thing had disappeared beautifully from my head. It was my feeling about the Empress of this Gravior Empire that she was a tough person to do. I suddenly came to talk to Levan about the treatment of Shadow Lang (Kaji), who passed out in "Stan Brow," "If you ask me, does this man, as the Hand Pawn of the Chancellor, think he is the executioner who raided the envoy of Cress? If that's the case, it seems reasonable to make a disposition here under our domestic law." And, when I did it, I had logically articulated the legal basis, legitimacy, etc., and first convinced Levan by putting in (if) a dictation and insignificant trick (skinship). Well, he seems to think he's Asmina's usual jerk without even realizing that he was well guided to think... what I would say about making it, but a man is simple. Meanwhile, Bok told me the real benefits of handing them over - about future relationship improvement and compensation between the two countries when the Emperors took real power - on the stand with water, but well, because the promise of that hand of a great man is synonymous with an empty bill. Hey, honestly, I don't care. However, since we are trespassing illegally into the palaces of other countries at this time, and because Asmina and I have the burden of bumping the Chancellor, it is helpful that Shadowloon has only one card to hand over - if this princess's measures succeed, she has very little to lose because she is a bad note. However, there is also a problem. Anyway, if this is a normal assassin, his opponent is Mr. Shadowloon. This commonly known as the "Princess of Suzuran" thinks that it is difficult for the Chancellor to make him confess that he assassinated a messenger of the Cres alliance or that it was the mastermind that destroyed the transfer device... No, I can see perplexing about something that has never happened. So I think it's pointless to give it to you, but I can't be held accountable for later on when they say cooling off or something. I just said that. Uh-huh, well, I'm pretty sure I had a little extra Mr. Shadowloon - then kill him short circuit... which is also a shame because it takes the form of missing the tail of the enemy I grabbed, and honestly I have feelings that I was one of them (Gilmen) in "E. H. O" and "Eternal Horizon Online" - but hey, I won't be able to keep the player in captivity for long. I wonder if depositing his figure with her would be like releasing a tiger into the field who caught him because of it. "Heh, you know the player? I know it's a sprinkler, but just a word I can't miss hearing, I just couldn't help but check. "What degree of inheritance is passed down to the royal family? How about... exchanging information with each other? As I wrapped my inner tongue around the sobriety behind a smile that I couldn't even kill, I smiled back at Nico on the surface for now. "Right. If that's meaningful information..." To a grin that implies darkly, 'If you're bluffing or hatching, I won't consider it'. "Yeah, I'm not gonna let you down" The same kind of laughter returned. Smiling calmly on the surface, we explore each other's bellies - and seeing how we were doing, Levan sighed in relief thinking that the top simply made sense to each other, and Asmina sighed in the face, 'You smell like trouble'. ... Well, that's why. Shadow Lang's figure was temporarily to be her keepsake with shackles and shackles. That's why I moved the place to her private room. That said, Fumiko is just like earlier, there's Empress Oriana and her maid, and only two names are Lyna. This was just me and Levan, Asmina, and three more pet sins + one though. "- It's a little small and messy because it's a private room, but please forgive me" That said, I was guided to a room of about 20 tatami rococo tones, where the walls and ceilings were painted white and decorated with golden botanical-like decorations, white-toned reception sets in the center, and streamlined touch oil paintings on the walls, with horizontal organizers (comodes) and wall mounting decorators (consoles) installed on the walls. "Nice room." It was not flattering, but sincerely in my mouth. If we're in a room this small and undecorated, we'll settle down. "Thank you" Leena poured tea on everyone as she sat on the central couch - formally I was the most seated, then Empress Oriana sat close to the upper seat, then Levan, Asmina - recommended by the happily laughing empress. "Well, first of all, may I confirm, Your Majesty the Princess of the Rose? "Would you mind coming from me before that, Princess of Suzuran?" First of all, I checked each other's names out of nowhere. But "Her Majesty the Princess of the Rose" hey...... hope it doesn't penetrate in the future. This shy nickname. "Although the Empress should officially have no political say in the next throne, to what extent, in fact, does she have influence over national politics? The kind of statement that represents the country stands out from earlier, but she shouldn't have that much authority, should she? Certainly its head spinning and belly black even if we are talking normally... and although there is something eye-catching about the calculated height, talking to a symbol without real power doesn't start. "That's your biggest concern," Princess Oriana grinned bitterly. "What does Her Majesty think of this painting? It was a soft touch landscape painting with views of the plateau and the mountains in front of Suzuran, where her nickname was based. Honestly, I don't know how good or bad a painting is - blah, blah, blah. In a world where photography and digital technology have developed, I thought painting was about the relic of the last century - and I thought it was a good painting that shows the painter's fine mood. "That's a good picture. Suzuran... I think it's a painting that feels a fine concern for the Empress" With that said, the Empress smiled happily. "Thank you. I'm one of my favorites." Then I added a word, to reveal a secret. "It's my father's work." I was surprised at this and everyone focused their gaze on the painting. "... this again. You're a bastard. I thought it was the work of a famous court painter." To my thoughts, both Levan and Asmina nod yeah. "Yeah, I think my father has a gift for this, though it may be my daughter's eyes. It might even be called" The Artist Emperor "in future history books." Pleasantly couscous laughing at her, but I thought if she stayed connected and reigned, it would only be described as' Father of Empress Oriana 'no matter what you think. Then he kept his laugh in his mouth and went on to sing. "My father has a delicate and mild temper, some of which I tend to dream of a little, but I personally like him as my daughter by flipping those dots" Then I turned around and made a difficult face. "But there's nothing at all to respect if you see it as an emperor and as a man again. I still almost exclusively immerse myself in my favorite paintings, art kind, without my consciousness as the depositary of national politics... No, I dare you to abandon them, what storms pass if I keep my eyes and ears shut and what I envision without any basis, fools I can't help. That's God's lie now." Unexpectedly look at each other. I don't know how far it's true, but if this is true, isn't it dangerous for this country to get ahead? I still feel it would be better to let that prime minister take power. Has it gotten sooner...... "That's why the Regent died three years ago, and connected with the fact that after God had now taken office, many of the ministers who had been unable to decide to leave, as well as those who stood by the Orthodox royal family, had become flirtatious" So that prime minister is one of them? "I was 10 years old, I was a hard-working child, and I didn't know anything about politics (or anything), but I am now representing most of the affairs of the state since I was 13 years old and an adult. Regardless, I am a worldless boxed daughter, so there are many things that don't even happen, but fortunately there are many people in the Spectrum who support me, and I am proud to say that I am essentially in a position to bring the Emperors together." I see. Well, the "Unknown Boxed Daughter" part was scratchy, but as it stands, the Emperor is closed, so this Empress is a substantial big black pillar.... Well, you know what I mean. This girl would be better than the Emperor. "Okay. We will now recognize you as the solemn agent of the Imperial family of Grawior." "Thank you. We will always respond to Your Majesty's trust." The Empress's watery eyes stared forcefully straight into my eyes. In the meantime, I think this is finally the beginning of negotiations or something. "Well, that's a continuation of the question just now. As a matter of utmost importance, is it true that one thing - the metamagic device in Willide - has been destroyed? "It's true." Levan breathes in my words, who nodded lightly. "... well, it's fake that it was broken" In the words that followed, the princess Oriana, who was stuffing her breath, breathed in relief and vomited. "Was it still so" "- Huh?! What do you mean, since when is it fake? "I guess from the beginning. That device is like a haribote that we built rapidly. So the first thing you said was," That device is boiled or cooked, but you can use it if you like. "I didn't say a word about a metamagic device." "You're so tenacious. But isn't it a little too much to fool your allies? "Because if that's not the case, your enemies won't fool you either.... Well, I guess it was definitely a bad taste. I'm sorry, Levan." Honestly bowing his head to Levan, he waved his hands in a panic. "Oh, don't bow your head to me! Your Majesty's conspiracy is to follow it." "Hmm. Did the kid know somewhat about his share?" Tensai (Tensai) in the midst of the exorcism leaked a cold laugh behind his chest. The princess tilted her neck as she looked favourably at us like that. "Can you tell me the intent of purposefully constructing and placing the haribote of the transfer device on this sight?" "I wonder where the most information leaks from. Mr. Shadowloon was following in his footsteps towards the Empire, so I wanted to see how the mastermind would react if I gave him information." "Is that the mastermind Warren the Chancellor? "No. I guess that was just used for buffering material as good. To make it look like the Empire was involved in a mislead. When that happens, it's suspicious..." - Holy kingdom of eon, right? I nodded silently. "Surely his country will have the Imperial Crimson, the crimson empire, the demonic kingdom, as its sight. But if the upper echelons are involved, we can't help but wonder a little." To the thoughtful words of Empress Oriana, I twisted my neck. Honestly, that country has almost a clandestine system, so there is extremely little information going out to other countries. So there's no judgment material, is there? You just want any little clue here. "I have met with the Archpope of his kingdom once as I perform the rite of adulthood," It was rare for her here and she clearly looked up. "At the age of a 15-year-old boy, I suppose there would be a little more discernment, but that's so awkward - no, I can assure you that a young, unattended and unfortunate head cannot be more directly involved in planning and planning such as conspiracy or assassination" How unpleasant that meeting with the Archpope was, he began to spill a taunt of stupidity. The first voice when we met on everything, "I heard you were such a rare princess, what... no big deal! He said it was. That makes any woman angry. Even though I don't want to hear about it afterwards, they extended the ideal female portrait (well, is that really the supreme priesthood?!). Rich hair is overflowing with dark hair that emits spilled light. Eyes are purple or red like gems. Skin is white with no dirt. Lips are rose petals floating in milk. Hands and feet are as snug and supple as young trees in early spring. The cool voice is like a silver bell that soars in the wind. There's a woman like that! and she had a hard time enjoying wanting to have a drink. "That was tough." I felt smudged sympathy, but when I realized, for some reason, everyone's gaze in the room was pointing this way. "... I think I know someone who fits that condition perfectly." "... that's an odd encounter. I feel like I'm walking in a dress." "... I thought you were only in Ogami. Really, the world is huge." For some reason, there was an unpleasant sweat on my back. "Um, Your Highness. In case you ever meet with the Archpope of the Holy Kingdom, I was wondering if you should be very careful." She's seriously worried about you, Princess Oriana... "... No way. I am the lord of the land of demons. The Archpope of the Episcopal Church will wave in the fall." 'Cause I'm a hell of a bitch.' The princess shook her neck to the side with a grand frown. Wow... I'm starting to feel better not to get involved with something, Holy King. First, let's blow up every country with TOP3, the strongest round table in Heavenly Life, Spotted Pigeons (but) and Clouds (even without them) - or seriously think about it. "Well, let me tell you the current story, because we could only talk hypothetically" In order to get rid of the indoor air that had become a strange atmosphere, the Empress Oriana changed her story and then instructed her to replace the tea. "It's good news that the transfer magic device was safe. As a matter of fact, I was talking to Mr. Levan earlier, and I would like to make a proposal for a future mutual trade agreement." That's right, she moistened her mouth with newly brewed tea and began to talk about her abdominal proposal and the current state of the Grawior Empire. A man with his hands and feet slowly opened his eyes in a murderous landscaped room called this one a prison, on the middle floor of the Tower of Sinners, Peckertle Turris. Then I checked my surroundings and my condition and sighed. Even though I try to shackle them by chanting my skills, the claws of magic that would have appeared at the tip of my five fingers would not have appeared if they were supposed to. "I knew you couldn't do it." Magic Deactivation Facility "I didn't know it still existed. But, well, unlike the game, there's a way out. - Come out, Iron Mouse." In response to a man's call, a halibut-like monster appeared from its chest in steel. "I don't know because this guy only has 15 HP. Your daughter wouldn't even remember her HP fraction, and you did it without realizing it." Whimpering, the monster - offers a shackle, a shackle made of iron, before the submissive 'Iron Mouse'. "Look, eat. Do what you love." The crunch and the tiny sound of a chestnut sharpening a tree echoed into a narrow prison.

幕間 男達之夜 【第二夜:ジョーイside】 ヒマがあったので夕方の4時頃、いつものように首都アーラの冒険者ギルドの本部へ行くと、珍しくガルテ先生――ギルド長だけど、こっちのほうが呼び慣れているので、たいていこう呼んでる――と、その秘書をやっているミーアさんが1階の受付の傍にいた。 もう一人、自分より1~2歳年下だと思える、金髪の冒険者らしい少年もいて、3人でなにか話し込んでいた。 邪魔しちゃ悪いかと思って、軽く頭を下げて通り過ぎようとしたところで、ガルテ先生に呼び止められた。 「おう、ちょうどいい。ジョーイ、お前さんにちょいと頼みがあるんだが」 「はあ・・・なんですか?」 こっちこいと手招きされたので行ってみる。 見慣れない少年はいかにも新人という感じで、傷ひとつない真新しい革鎧に高そうな長剣を腰に下げていた。 にこにこと妙に親しげな笑顔を向けてくる顔は、男とは思えないほど整っていて、全体の印象としては苦労知らずのお坊ちゃんが、遊びで冒険者始めてみましたって感じだった。 「実はこのへいか...いや、こいつは今日、冒険者登録したばかりの新人なんだが、いきなり討伐依頼を受けたいなんて言ってるんでな。悪いがお前さん、ちょっと手伝ってやっちゃくれないか?」 「はあ?!」思わず素っ頓狂な声が口から出た。「今日、登録したばかりでいきなり討伐依頼とか、なに考えてるんだお前!?」 思わず説教するような感じで、初対面の相手に怒鳴りつけてしまった。 「――まあ、そういう無茶はお前さんも他人のことはいえねぇが」 ニヤニヤしながらガルテ先生がまぜっかえしてるけど、聞こえないフリをして続けた。 「いいか、俺たちがやってるのは遊びじゃないんだぞ! 仕事なんだ。『できませんでした』じゃ済まないし、その上、討伐依頼なんて言ったら命に関わるんだぞ! 甘く見るなよ!」 その剣幕に驚いたように少年が目を丸くした。 「......驚いた。ずいぶん立派なことを言うんだねぇ」 声変わり前の女の子みたいな声だった。 「......いや、まったくなぁ」 「......この調子で自分のことも鏡で見てくれるといいんですけどね」 ガルテ先生とミーアさんもうんうん頷いている。 「茶化すな! あと二人とも、俺のことよりこいつのことですよ。なんで依頼を取り消さないんですか!?」 「いや、その......」 「すでに依頼を受けた後だから、取り消すとなると違約金を払わないといけないのよ。だけどそのお金がないっていうから困ってたの」 なぜか歯切れの悪いガルテ先生に代わって、ミーアさんが説明してくれた。 「ちっ......!」 一番駄目なパターンじゃないか! 「そんなわけでな、いきなり実績のない新人が借金できるわけもないし、悪いが骨を折っちゃくれねえか? その分のギルド・ポイントはお前さんの実績に加算するから」 なんとか頼む、と先生に頭を下げられちゃ断るわけにもいかない。 「しょうがねーな。その討伐対象と、討伐期間はいつまでなんですか?」 「アーラから南へ行ったところに台地に古い墓地郡があるでしょう? あそこにスケルトンが1体現れたっていうから、これをできれば今晩中にお願いしたいの」 「今晩中か・・・」 場所はわかるし、そう離れたところでもない(とは言っても 準備に時間がないのが痛いけど、日帰りできる場所なので手持ちの保存食とかでもなんとかなるだろう。 「――わかりました。でも、こういうことはこれっきりにしてくださいよ」 そう言うと二人ともホッとした顔を見合わせた。 どことなく妙な雰囲気に、俺が内心首を捻ってると、 「いやぁ、無理を言ってすまないね、ジョーイ」 その無理の原因が、悪びれた様子もなく頭を下げた。なんだこいつ、いきなり呼び捨てとか、馴れ馴れしい奴だな。 「しょうがない。新人を助けるのも先輩の役割だからな。ところでお前の名前はなんて言うんだ?」 「そりゃ勿論、ひゅ――ああ、いや、えーと...ヒューだよ」 「ヒューか・・・」 俺はふと、ちょっと前に一緒にいた、似たような名前をした女の子のことを思い出した。 思い出すと胸がぽかぽか温かくなって、同時に痛い思い出に耽っている間に、なんか3人集まって小声で話をしてたみたいだけど、断片的にしか聞こえなかったので無視した。 「......そのままですなぁ」 「......しょうがないだろう、咄嗟にでたんだから!」 「......というか、なんでこれで気が付かないんでしょうね?」 「「「ジョーイだから」」」 「ん? なんか呼んだ?」 ただ俺の後ろに座る時に、女の子みたいに両足を揃えて座ろうとしたのには参ったけど。 「ああ、すまないね。つい前の癖で...」 って言ってたけどどんな癖だ? そういえば妙に仕草や歩き方も可愛らしいというか、女みたいなところがあるし、こいつ変な趣味ないだろうな?――と思った通り言葉に出したら、「えっ......」と絶句して、もの凄い落ち込んでたから多分大丈夫なんだろう。 さっきこいつにも説教したろう。きちんと仕事をこなさないと。 で、1時間ばかり街道を下ったところにある台地に、今回の依頼の墓地が20基くらいにあり、こうした忘れられた墓地とかでは、たまにこうしてゴーストとかアンデッドとかが生まれることもあるので、Eランク、Fランクの新人が定期的に草刈とか管理の手伝いをしてるんだけど、今回は運悪くスケルトンが生まれてしまったらしい。 こういうのは神聖魔法の使える神官とかいれば一発なんだけど、なんかいまこの国は魔物の国の支配だとかなんとかで、ほとんどの神官が国外に退去してしまったそうだ。よくわからないけど。 まあ神聖魔法は別に神官でなくても使えるのが、最近はわかってきたので――だいたいあいつも、もの凄い神聖魔法使ってたしな――民間の使い手も増えてはきたけど、やはり絶対数が少ないのが現状だ。 なので最近は、こうしたアンデッド狩りの依頼も増えている。 「そういや、お前ど新人の癖によく、スケルトン退治とか受けるつもりになったな?」 目的に着いた時にはずいぶんと陽も傾いていたので、俺は急いで 「ああ、いちおうボクが持っているこの剣には、光の魔法がかかっているからね。スケルトン程度ならかすっただけでも一発だと思ってね」 そう言って鞘からズラした刀身から、白々とした光が夕闇の中へこぼれた。 「――魔剣か! すげえな!」 思わず羨望の目で見てしまう。俺の剣はついこの間、買い換えたと思ったら粉々にへし折られたので、いまは新人の頃使ってた安物の剣だっつーのに! いや、安物なのが恥ずかしいんじゃない。せっかくあいつが買ってくれた剣をむざむざ無駄にした俺が情けないんだ・・・。 「どうしたんだい、急にしょんぼりして? 悩みがあれば聞くくらいはするよ」 心配そうにそんなことを言うヒュー。 世間知らずのお坊ちゃんかと思ったら、意外に気が利くなこいつ......なんか、あいつみたいだ。 その後、キャンプ地も決めて、墓地にスケルトンが出てくるまでの間、手持ち無沙汰になった俺たちは、すっかり暗くなった台地で、焚き火を囲んでいろいろな話をした。 いや、ほとんどが俺が話して、ヒューが相槌を打つだけだったんだけど、なんか昔からお互いに知り合いだったみたいに気楽に話すことができた。 あいつのこと。守りたくても守れなかったこと。悔しくて情けなかったこと。 「......あいつ平気な顔をしてたけど、きっと俺のこと何も出来ない駄目な奴だと失望してたと思うんだ」 だから、普通だったら口に出さない弱音も出ていた。 だけどヒューの奴は、なんていうか...不思議な微笑を浮かべて言った。 「そんなことはないよ。君は最後まで逃げずに、全力で守ろうとしたんだろう? だったらその人も君を尊敬こそすれ、軽蔑するようなことはないと思うよ。それは絶対だよ」 そう言われて、なんか心の重荷がストンと落ちた気がした。 「......そうか? そう思うか」 「勿論だよ!」 力強く頷いた後で、なんか小声で「それにしても、意識のない間に胸揉まれてたのか...あっさり殺すんじゃなかったな...」ブツブツ言ってたけど、よく聞き取れなかった。 「そっか、よかった。ミーアさんからも似たようなこと言われたんだけど、お前にも言われてなんかスッキリしたな」 「へえ。そのミーアさんは何て言ったんだい?」 「いや、その後、あいつが見舞いに弁当を作ってもってきてくれたって話したら、『それは絶対好意を持ってるわっ。いいこと、10代前半の女の子がお弁当を作ってもってくるってことは、最大限の愛情表現なのよ! 「受け取ってもらえなかったらどうしよう」、「不味いって言われたらどうしよう」、「嫌な顔されたらどうしよう」という心の中の葛藤と不安を押し殺して、それでもなお相手に喜んでもらいたい、この気持ちに気付いてもらいたい、そう考え実践できる不屈の心を持った勇者だけが行われる神聖な儀式なの!! だから嫌われてるなんてないわ!』って言われたんだ、そんな弁当をパクパク食べて悪いことしたなぁ。......ってどうした、急に頭を抱えて?」 「――あの人は、なんでこう変なところで乙女を発揮するんだろ。自分でもうちょっと......あ、いやいや、なんでもないよ。てゆーか、それは考えすぎだよ! そこまで悲壮な覚悟完了でお弁当作る子なんていないよ。相手は普通にお弁当作ってくれただけだと思うよ。――うん、他意はないよ」 「? なんでお前が断言するんだ?」 その後、夜中過ぎに現れたスケルトンをあっさり倒して(ほとんどヒューの剣が触れたら崩れた)、俺たちは一晩キャンプ地で夜を過ごしてアーラへ帰った。 さらに翌日。依頼を受けようと窓口に行ったところで、ガルテ先生が呼んでいるとということで、俺はギルド長室へ案内された。 「よう、ジョーイ。昨日はご苦労だったな」 椅子に座ったガルテ先生に労われたけど、俺としては実際ほとんどヒューがスケルトンを倒したので、ついて行ったのは余計なお世話だったような気がしてしかたない。 「いや、ヒューもずいぶんと感謝してたぞ。それでだ――」 そう言って机の下から見覚えのある剣――ヒューの魔剣を出して、俺の前に置いた。 「ヒューから伝言だ。どうしても故郷へ帰らなけりゃいけない理由ができたので、冒険者は続けられないので、世話になったお前にこの剣を使って欲しい、てことだ」 急な話に俺は息が止まった。 「ど、どういうことですか?! 昨日の今日でもう辞めるって!」 「詳しい事情は知らんよ。別れが寂しくなるからと言って、もうやっこさんは街を出た。だからこいつはお前さんのものだ」 「そんな......受け取れません。俺、なんにもしてないのに......」 「そう言うな。ヒューは本当に喜んでたぞ。お前と一晩話せて楽しかったって。だけど一緒には居られないから、こいつを代わりに残すってな。――なあ、お前がこの剣を使ってやれば、ヒューも一緒に冒険者を続けられる気がしたんじゃなねえか? だからその気持ちを汲んでやれ」 そう言われてもう一度差し出された剣を、俺は両手で受け取った。 「わかりました。だけどこれは俺が預かるだけです。いつかヒューが戻ってきたら、きっと返します!」 頷く俺をなんでか複雑な顔で見つめるガルテ先生がいた。 ジョーイが退室した後。 「......いいんですかい、陛下。こんな猿芝居までして」 その声に応えて、別室へと続くドアが開いて中からいま話題になっていたヒューが顔を覗かせた。 「う~~む、なんで妙なところで頑固なんだろうねぇ。折れた剣のお詫びのつもりだったんだけど、普通に渡しても受け取らないと思ったから、ここまで迂遠な手段をとったのにねぇ」 「普通に陛下が笑って『あげる』と言えば問題なかったのでは?」 様子を見ていたミーアも疑問の声をあげるが、ないないとヒューは手を振った。 「あそこまで罪悪感を持ってるのに、当の本人からもらえるわけないでしょ」 それから自分自身の体を見下ろしため息をついた。 「――それにしても、この魔導人形やっぱり実用化は難しいみたいだねえ。ウチの国の技師が趣味で作ったんだけど、遠隔操作中は魔力を流しっ放しにしないといけないし、その間は本体が無防備になるし......」

53 Tabernacle Men'S Night [Night Two: Joey side] When I went to the headquarters of the Adventurer's Guild in the capital Ara, as usual, around 4: 00 in the evening because there was a hippo, it was rarely Dr. Garte - the guild leader, but I'm usually calling him this way because I'm more used to calling him this way - and Meer, who does that secretary, was by the receptionist on the first floor. There was another boy who looked like a blonde adventurer, who I think is 1-2 years younger than myself, and the three of us were talking about something. I thought I was sorry to interrupt, so I gently lowered my head and tried to pass by, and Dr. Garte called me off. "Ooh, just fine. Joey, I need a favor from you." "Ha... what is it? She asked me to come over, so I'll go. The unfamiliar boy felt like a newbie, with a long sword that seemed high on a brand new leather armor with no scratches on his back. The smile and the strangely intimate smile on his face were so neat that he didn't think he was a man, and the overall impression was that he didn't have a hard time, but he felt like he had tried to start an adventurer at play. "Actually, let's go to this... no, this guy's a newbie who just signed up for an adventurer today, and all of a sudden he's saying he wants to get a crusade request. I'm sorry, sir, but can I help you with something? "Ha?!" An unintentionally barbaric voice came out of my mouth. "I just signed up today and all of a sudden I'm asking for a crusade or something, what are you thinking!?" It felt like preaching by accident, yelling at the first person I met. "- Well, that kind of impotence doesn't mean anything to you or anyone else." Dr. Garte is flirting with me, but I kept pretending I couldn't hear him. "Look, it's not a game we're playing! It's my job. I'm sorry I couldn't do it, and if I say anything about a crusade request, it's life! Don't look sweet! The boy turned his eyes round as surprised by the sword screen. "... surprised. That's a lot of good stuff to say." She was like a girl before the voice change. "... no, not at all" "... I hope you look in the mirror about yourself at this rate as well" Dr. Garte and Mr. Meer are also nodding yeah. "Don't tear it up! We're both more about this guy than we are about me. Why don't you cancel the request!?" "No, the..." "After you've already received your request, you'll have to pay the penalty if you cancel it. But I didn't have the money, so I was in trouble." For some reason, on behalf of Dr. Garte, who is badly toothed, Mrs Meer explained. "Shit......! That's the worst pattern I've ever seen! "That's why all of a sudden, there's no way a newbie with no track record can be in debt, and I'm sorry, but can you break my bone? I'll add your guild points to your track record." I can't refuse if my teacher keeps my head down. "I can't help it. That crusade target and how long is the crusade period? "There's an old cemetery county on the platform just south of Ara, right? There's a skeleton over there, so I'd like to ask you to do this by the end of the evening." "By the end of the night..." I know where it is, and not so far away (that being said, if you have the feet of a riding bird (Emu)), Skeleton is a bit of a pain in the ass to deal with with with with with a sword, but he's not as handy as he sounds. It hurts that I don't have time to prepare, but it's a place where I can take a day trip, so I can handle a handheld preserved meal or something. "- Okay. But let's get this straight." When I said that, we both looked at each other in a horrible way. Something strange about me twisting my inner neck. "Hey, I'm sorry I couldn't, Joey" The cause of the impossibility lowered his head without looking bad. Oh, my God, you're such a tame guy to summon up all of a sudden. "I can't help it. Helping newcomers is also a senior role. What does your name say, by the way? "Well, of course, Hiu - oh, no, uh... it's Hugh" "Hugh..." I remember a girl with a similar name who was with me a while ago. My chest got pouty and warm when I remembered, and while I was at the same time in pain memories, it seemed like three people had gathered and talked in a whisper, but I only heard it fragmented, so I ignored it. "... as it were" "... you won't be able to help it, because I was so aggressive! "... or why don't you notice this? "" 'Cause it's Joey "" "Hmm? Did you call me something? It's just that when I sat behind me, I tried to sit with my legs together like a girl. "Oh, I'm sorry. In a previous habit..." He said, "What habit?" Speaking of which, strangely enough, the tricks and walking are adorable, or there's something like a woman, and this guy wouldn't have a weird taste? - And when I put it out in the passage I thought, "Eh..." and I was so depressed, maybe it's okay. Let's preach to this guy earlier. We need to do our job properly. So, there are about 20 cemeteries for this request on a platform that's only been down the street for an hour, and sometimes these forgotten cemeteries produce ghosts and undead like this, so E-rank, F-rank rookies regularly help mow and manage lawns, but this time, they're unluckily born skeletons. This kind of thing is one shot if you have a sacred magical usable cleric or something, but somehow this country is now the dominion of the demonic kingdom or something, and most clerics have left the country. I don't know. Well, sacred magic doesn't have to be a cleric to use it, because lately I've figured it out - more or less he used a tremendous amount of sacred magic - and more folk users, but it's still the case that the absolute numbers are low. So lately, there have also been more requests for these undead hunts. "No, you're so good at rookie habits, you're gonna get a skeleton exorcism or something, right? When I got there, the sun was leaning a lot, so I hurried to connect the bird riding (Emu) to the right place and asked Hugh, who was walking next to me, to pick a place where I might be able to camp. "Oh, this sword that I have today has the magic of light on it. Think of it as just a scratch of a skeleton." With that said, the white light spilled into the darkness out of the sheath. "- The Devil's Sword! Wow!" I unexpectedly look at it with envy. My sword was shattered when I thought I bought it again, so now it's the cheap sword I used when I was a rookie! No, I'm not ashamed it's cheap. I'm sorry I wasted the sword he bought me because of... "What's the matter, suddenly squirming? If I have a problem, I'll ask." Hugh says that worryingly. I thought you were a worldless little boy, don't be surprised. This guy... Something like him. Afterwards, we decided on a campsite as well, and between the time Skeleton came out of the cemetery, we were out of hand, on a completely darkened platform, surrounding the burning fire and talking a lot. No, mostly I talked, and all Hugh did was hammer, but we could easily talk like we've known each other for some time. About him. Something I couldn't protect even if I wanted to. Something I regretted and pitied. "... he looked fine, but I'm sure he was disappointed he couldn't do anything about me." So there was also a weak sound that I wouldn't put in my mouth if it were normal. But Hugh's guy, I don't know... said with a strange smile on his face. "That's not true. You didn't try to escape to the end, did you? Then I don't think that person would have anything to despise or respect you either. Absolutely." That's what they said, and I felt like some kind of heart load fell ston. "... do you? You think so?" "Of course! After nodding vigorously, he said something whispering, "Yet, you were getting a chest rub while you were unconscious... you shouldn't have killed him lightly..." bump, but I couldn't hear him very well. "Oh well, good. Mr. Meer told me something similar, but I'm so refreshed that you told me." "Heh. What did that Meer say? "No, and then I told him that he'd brought me lunch to visit, and he said, 'That's absolutely favorable. The good news is that a girl in her early teens is bringing her lunch, which is the utmost expression of affection!" What if they don't take it, "" What if they say it tastes bad, "" What if they don't like it? "I push the grid and anxiety in my heart to kill it, and I still want them to be happy, I want them to realize this feeling, it's a sacred ritual where only the brave with an indomitable heart who can think and practice so!! So I can't believe they hate me!' They said, 'I ate such a puckered lunch and did something wrong.... What's the matter, suddenly holding your head? "- Why does that guy show off his maiden in such a weird place? A little more on my own...... Oh, no, no, it's nothing. Well, that's too much to think about! There's no such thing as making lunch when you're ready to be so sad. I think they just normally made me lunch. - Yeah, I didn't mean to." "? Why do you swear? Then we lightly defeated the skeleton that showed up after midnight (almost collapsed when Hugh's sword touched it) and we spent the night at the campsite and headed back to Arla. Plus the next day. I went to the desk to get the request, and Dr. Garte called, so I was led to the Guild Chief's office. "Hey, Joey. You had a hard time yesterday." Dr. Garte in the chair labored me, but as far as I'm concerned, Hugh almost defeated Skeleton, so I just felt like it was an extra favor to follow him. "No, Hugh appreciated it a lot, too. So..." That's what I said, a familiar sword from under my desk - I put out Hugh's demon sword and put it in front of me. "It's a message from Hugh. I really need to go back to my hometown, so the adventurer can't go on, so I want you to use this sword to take care of him." Suddenly, I stopped breathing. "Duh, what do you mean?! He said he was quitting yesterday today! "I don't know the details. He already left the city because he was going to miss his breakup. So this guy belongs to you." "No... I can't accept it. I didn't do anything..." "Don't say that. Hugh was really happy. He said it was fun talking to you overnight. But I can't stay with you, so leave this guy in his place. - Hey, if you'd used this sword on him, I'd have thought Hugh could continue his adventurer with you, wouldn't I? So draw that feeling on him." I took the sword I was offered again when I was told so, with both hands. "Okay. But I'll just keep this. If Hugh comes back one day, I'll definitely give it back! There was a Dr. Garte staring at me with some complicated face who nodded. After Joey left the room. "... is that okay, Your Majesty? Even this monkey play." In response to that voice, Hugh peered into his face as the door leading to the separate room opened and was now under discussion from inside. "Uh-huh, why are you stubborn in strange places? I meant to apologize for the broken sword, but I thought I wouldn't take it if I gave it to you normally, so I took a far-fetched approach." "Normally wouldn't it have been a problem if His Majesty laughed and said 'I'll give it to you'? Meer, who was watching how things were going, also raised a voice of doubt, but without it Hugh waved. "You're so guilty, you can't get it from the person you are." Then I looked down at my own body and sighed. "- Still, this magic puppet seems to be hard to practical after all. A technician from our country made it with a hobby, but we have to let the magic flow away during remote operation, and in the meantime the main body will be defenseless..."

第十七話 神出鬼没 扉を特殊な鍵で開け、内部に入ると広々とした塔内は吹き抜けになっていて、壁に沿って螺旋階段が続いているだけだった。 なんでもこの塔『 また外壁に関しても、 「たとえ近衛騎士総長や隊長クラスが数十人がかりでもかすり傷程度しかつけられませんし、時間が来れば自動修復いたします」 と、オリアーナ皇女が誇らしげに言い切る強度とのこと。 なので、なんとなく壁を指差して訊いてみた。 「試してみても?」 「ええ、ご存分にどうぞ」 許可を貰ったので、もう一遍外に出て、 そのまま一気にトップスピードに乗って、スキルを放つ。 全てのMPを消費して敵に大ダメージを与える、ボクの持つ最大の攻撃力を持つ技――剣聖技『絶唱鳴翼刃』。 「はあああああ――――――っ!!」 勢いと共に眩いオーラを放つ剣先があっさりと分厚い塔の壁を貫通し、さらにそこから内部に震動波を放出――生物ならこれで全身の体液や細胞を破壊され瞬時に絶命するところだけど、無機物の壁ということで――そこを中心に放射状にひび割れが走り、ボロボロに粉砕された壁をそのまま突破して、瓦礫と粉塵を振り払い、吹き抜けになった塔の内部を一気に走破して、反対側の壁に内側からクレーターを作ったところでボクの突進は止まった。 「へえ、外よりも内側のほうが これらはゲーム中では本来は破壊不能だったんだけど、現在はボクでもがんばれば壊せるレベルまで劣化してる(まあ自動修復でほっとけばすぐに直るけど)。ちなみに円卓メンバークラスなら宴会の余興とかでも勢い余って壊したりするので、ウチの城は気が付くとちょくちょく大穴が開いてたりする(まあ城全体の面積がアホみたいに大きいので目立つほどではないけど)。 つまり、彼女が自信満々で言うほど安全じゃないってこと。 そんなわけで、唖然とする一同に向けて、感想を述べてみた。 「でも外からの攻撃には弱いね。戦闘職のカンスト級プレーヤーなら鍵なんて意味ないと思うよ。やっぱ、そっちの用事が終わったら、影郎さんの身柄に関しては、こちらで処断したほうがよさそうだねぇ」 はっと我に返った皇女は、複雑な顔で大穴の開いた壁面を眺め、不承不承頷いた。 さて、あの後、オリアーナ皇女が語る転移魔法装置を使用した相互貿易協定と、有事の際の相互防衛協定について話を聞かされたんだけど、 「いや、そもそもそれ貿易とは別個の話だよね?」 ドサクサ紛れに一緒くたにされてるけど、これって全然別の話だよねぇ。 そう指摘したところ、にっこり微笑えまれた。タヌキだね。 「ですが、その方が安全保障上も有意義なのでは?」 「交易そのものに対する安全保障じゃないよねぇ。先にそっちを協議しないと」 その後、なんだかんだと狐と狸の化かし合いで話し合った結果、それぞれ別個協議としてまずは相互貿易協定を結び、その結果をもって相互防衛協定を結ぶ――将来的にその予定であることは明文化する――ということで妥協した。 「まあ、こういうのは私が口出しすべきことじゃないと思うんだけどねぇ。当事者同士の問題であって」 ちらりとレヴァンを見ると、決まり悪げに頭を下げてアスミナに、「しっかりしてください、 試すようなオリアーナの問いかけだけど、答えは決まりきっている。 「んー......まあ、ご勝手にってところかな」 「つまり肯定されるということですか?」 「自己責任だね。こちらから口出ししない代わりに、手も貸さないってところ」 「ずいぶんと薄情ですこと」 これ見よがしに嘆息するオリアーナだけど、まあ対外的なポーズで彼女も同じ決断を下したろうね。 「いつまでもおんぶにだっこでは困るからね。自分の足で歩いてもらわないと」 軽く肩をすくめた。 その向こうではレヴァンがアスミナに頭を叩かれていた。 その後、オリアーナ皇女が知る喪失世紀の記録――というか神話を聞かせてもらい、なかなか興味深い時間を過ごした後、例の塔に一時監禁している さすがにこちらは衛兵が護衛しないとまずいということで、侍女のリィーナが呼びに行った。 どーでもいいけど、ボクらのこと衛兵になんて説明するんだろうね。 で、しばらくお茶の飲みながら雑談しているところへ、リィーナが二人の衛兵を連れて戻ってきた。 「遅かったですわね、リィーナ?」 説明に手間取ったのか、お茶を飲み終える頃に戻ってきたリィーナにオリアーナが声をかけると、無言のまま申し訳なさそうに頭を下げた。 そんな感じで、衛兵が先頭に立って、その後をオリアーナたちが歩き、その後を2~3歩遅れる形で、ボクたちは王宮の外れにある『 けっこう抜け道があるねぇ。 これは下手したら、影郎さんすでに逃げてるんじゃないだろうか? 彼なら胃の中に収納バックくらい仕込むビックリ人間だからねぇ。 ボクのやることを興味深そうに見ていた、オリアーナに向き直って、視線を螺旋階段の上に向けた。 「急ぎましょう。プレーヤー相手には正直この施設では不安です。収監した影郎さんが現在もこの場にいるか、かなり危ういと思います」 「わかりました」 硬い顔で頷いた彼女は、衛兵たちを急かせて螺旋階段を昇り始めた。 全員で息せき切って駆け上がっていった先、塔の中ほどにあるいかにもな牢屋の鍵を開けたそこにあったのは、何かに食いちぎられたような鋼鉄製の手枷足枷の残骸だけだった。 「そんな、どうやって!?」 「方法はわからないけど逃げたのは確か! でも、それほど時間は経っていないはずだから、急いで追いかければ......いや、ここまで登る途中で会わなかったのも変。この階段の上ってなにがあるの?」 「貴人など身分のあるものの特別隔離施設になっています。現在は――っ! バルデム・インドレニウス・ザレヴスキが最上階にいますっ」 その名を聞いて、レヴァンとアスミナの顔色が変わった。 「「バルデム主席!?」」 「――誰それ?」 どっかで聞いたことのある名前に首を捻ると、皇女が補足してくれた。 「元クレス=ケンスルーナ連邦の最高権力者で、ユース大公国の大公でもある人物です。先ごろのケンスルーナの敗戦の際に捕らえられ、帝都に搬送され蟄居......というか、宰相が各方面と身代金交渉をする間、押し付けられた形ですが」 「あんな男に払う金なんてビタ一文あるわけないですよ」 ぶ然とレヴァンが一刀両断した。 「ええ、実質的な連邦の後継国家であるクレス自由同盟国にはけんもほろろに断られたため、元の領土であるユース大公国と交渉中のようですが、金銭的に折り合いがつかないようで......」 まあ今回の戦争で帝国に占領された土地の荒廃はそうとうひどいらしいからね。元の王様の身柄引渡しのお金も、ない袖は振れないってところか。 それに実質的に敵だったレヴァンにしてみれば、払ういわれはないどころか、なんで帝国でとっとと始末しないんだってところなんだろうね。 「うだうだ考えても仕方がないので、取りあえず最上階まで行ってみましょう」 全員、頷いて再度螺旋階段を駆け上って行った。

81 Episode Seventeen: Divine Falls The door was opened with a special key, and when it entered the interior, the spacious tower was blown out, with only a spiral staircase following along the wall. Everything says that this tower, the Tower of Sinners, Peckertle Turris, has a constant added magical effect of powerful consumer witchcraft (Illays), both outside and inside, even if players can't use their skills internally and escape is impossible. Also with regard to the outer walls, "Even if the Kingsguard Knight Commander or Captain Class can only be scratched by dozens of people, we will repair it automatically when the time comes" and the strength that Empress Oriana proudly speaks of. So I somehow pointed to the wall and asked. "Can I try it? "Yes, please." I got permission, so I went outside again, took "Sinner of the Rose (Jill de Leye)" out of the storage space (inventory), and set it against the outer wall. Stay on top speed all at once and unleash your skills. A move that consumes all MPs and deals huge damage to enemies, my biggest offense - the Kensei move, "The Singing Wing Blade". "Ahhhhhhhhhhhhhh!! A sword tip that emits a dazzling aura along with the momentum penetrates the wall of a lightly thick tower, further emitting a tremor wave from it to the interior - an organism would now destroy all body fluids and cells and instantly perish, but the wall of inorganics means - a radial crack ran around it, breaking through the worn down wall intact, shaking off debris and dust, and running all at once through the interior of the blown tower, making a crater from the interior to the opposite wall, and my progression stopped. "Well, it sounds like the inner one has a better effect on consumer witchcraft than the outer one." These were inherently indestructible during the game, but right now they're degrading to a level that I can break if I hang in there (well, if I leave them alone with automatic repairs, they'll be fixed soon). By the way, if you're in a round-table member class, you can break the banquet afternoon or something, so our castle can have a bit of a big hole when you notice it (well, the entire castle is as big as an asshole, so it's not noticeable enough). I mean, it's not as safe as she says confidently. That's why I tried to share my thoughts toward a blatant togetherness. "But you're vulnerable to attacks from the outside. I don't think a Kanst player in combat would mean a key. After all, when you're done with your errands, it looks like you might want to cut them off here with respect to Mr. Shadowloon's stature." The Empress, who returned to me all the time, looked at the wall with a large hole with a complicated face and nodded with disapproval. Well, after that, I was asked about a mutual trade agreement using a transfer magic device, which Princess Oriana talks about, and a mutual defense agreement when things happen. "No, that's a separate story from trade in the first place, right? They're keeping us together in a crisp way, but this is a completely different story. That's what I pointed out, and he smiled. Tanuki. "But isn't that also more meaningful in terms of security? "It's not security against the deal itself, is it? We need to discuss that first." After that, as a result of some discussion in the forgery between the fox and the fox, they each reached a compromise by entering into a mutual trade agreement first as a separate consultation, with the result that they would enter into a mutual defence agreement - it is clear that they plan to do so in the future -. "Well, I don't think this is something I should talk about. between the parties." When I looked at Levan, I bowed my head to Asmina in a bad way and said, "Hold on, brother-in-law!" He was angry. It's an Oriana inquiry like trying, but the answer is clear. "Hmm... well, I guess you're on your own" "Do you mean to be affirmed? "It's your own fault. Instead of talking out of it, he said he wouldn't even lend a hand." "It's a lot of flirtatiousness" Oriana sighs at the sight of this, but she probably made the same decision in an external pose. "I'll always have trouble snuggling up on you. I need you to walk on your own feet." I shrugged my shoulders gently. Beyond that, Levan had been slapped in the head by Asmina. Afterwards, the Empress Oriana was given a myth about the record of the lost century she knew - and after a rather interesting time, she was to go see how Shadow Lang (Kaguro) was temporarily imprisoned in the example tower. Exactly. This is a bad idea if the guards don't escort you, so the samurai, Leena, went to get you. Whatever, but I don't know what to explain to the guards about us. So, to a chat over tea for a while, Lyna brought back two guards. "It was late, wasn't it, Leena? You took the time to explain, or when Oriana spoke to Lyna, who was back by the time she finished her tea, she bowed her head silently and seemed sorry. As such, the guards took the lead, and then the Orianas walked, and then in the form of a 2-3 step delay, we were brought back to the "Tower of Sinners", Peckertle Turris, outside the Royal Palace, for an exchange at the beginning. There's a way out of this. If you suck at this, Mr. Shadowloon, aren't you already on the run? Because he's a surprised person who plants about a storage back in his stomach. He looked intrigued at what I was going to do, turning to Oriana and pointing his gaze up the spiral staircase. "Let's hurry. I honestly am anxious about the player opponent in this facility. I think Mr. Shadowloon, who has been imprisoned, is still here, or is quite at stake." "Okay." She nodded with a hard face, hurrying the guards to begin ascending the spiral stairs. The only thing there was the remains of a steel shackle shackle that seemed to have been eaten away by something was before they all ran up out of breath and unlocked some sort of shackle as it was in the tower. "Oh no, how!?" "I don't know how, but I'm sure he escaped! But it shouldn't be that long ago, so if you hurry up and chase him... no, it's weird that I didn't see him on my way up here. What's up this staircase? "It has become a special quarantine facility for you and other things in your capacity. Now -! Baldem Indolenius Zarevski is on the top floor." Hearing the name changed the complexion of Levan and Asmina. "" President Baldem!? "- Who's that? When I twisted my neck to a name I'd heard somewhere, the Empress supplemented me. "He is a former supreme power figure in the Confederation of Cres-Kensruna and also a Grand Duke of the Grand Duchy of Youth. He was captured during the recent defeat of Kensruna, transported to the Imperial City, where he stayed... or was pushed while the Chancellor negotiated a ransom with each side." "There's no such thing as paying a man like that." Levan broke it off. "Yes, it seems to be in negotiations with the original territory, the Grand Duchy of Youth, because it was rejected by the Cres Free Allies, a successor state to a substantial federation, but it does not seem to be financially reconcilable..." Well, the devastation of the land occupied by the Empire in this war seems so terrible. You said you couldn't shake a sleeve without money for the original king's handover? Besides, it was essentially an enemy, Levan, and instead of paying for it, I wonder why he didn't end up in the empire. "I can't help thinking about it, so let's just get to the top floor." All of them nodded and ran up the spiral stairs again.

第二十六話 死中求活 蒼神の身体が窓の外――星すらない漆黒の亜空間へと投げ出され、そのまま自由落下するように軌道を離れて遠ざかって行った。 「――くっ!」 なおも抑え切れない吸血の衝動に意識が呑まれる寸前に、ボクは剥き出しの自分の右手に噛み付いた。 あとコンマ何秒放置すれば、完全に理性が吹き飛ぶ。 兎に角、喉の渇きを潤さなければ――処女の血?目の前にあるじゃない!――半ば本能的に、窮余の策として自分の動脈に噛み付いた......のだけれど、結果、一気に理性が吹き飛んだ! ――なんじゃこれは?! 「お......美味しいっ!! なにこれ、絶品なんてもんじゃないじゃない!」 あまりの美味に恍惚として、全身に震えが走った。 空腹のせいもあったけれど、これまで飲んだどんな さん、吸血鬼の眷属になったばかりのらぽっくさんや、タメゴローさんまでも、妙にギラギラと熱い視線を向けているなぁ――とか思う時があったけど、いま初めてわかった。あれは食欲を我慢している目だったんだねぇ。超納得。 取りあえず飲み干した瓶を床の上に放置。 「さて、取りあえずこの部屋を破壊すれば、もう蒼神も戻りようがないだろうから、さくっと壊しておかないと。――もっとも脱出口がないと、私も永久にこの場所に放置になるんだけどね」 攻撃が効かない蒼神相手の対応として咄嗟に思いついた策がこれ。斃すんじゃなくて、相手の自由を奪う方法。 この場だと亜空間に放り出すのが手っ取り早いと思ったんだけど、元々STR(腕力)値が低いボクとしては、一か八か大幅に全ステータスを増幅させる『狂化』を使うしかなかった。 とは言え完全に理性を無くしていたら、何も考えずに真正面からの立ち向かって行って、『 か、同じ亜空間なら空中庭園に連絡が付くなら、迎えに来てもらうところなんだけどさ」 独りごちた声に背後から返事があった。 「どこへ行こうというのかね?」 反射的に床を蹴ったけれど、半歩間に合わずに一直線に放たれた衝撃波によって、ボクの身体は独楽みたいに回転しながら壁に叩き付けられ、さらに追撃の一撃を受けて崩れた壁と一緒に、虚空に投げ出された。 ――落ち......っ!? 覚悟した真空の息苦しさも絶対零度の極限状態もなく、ふと気が付くと最初にこの部屋に入ってきた場所に立っていた。 「......へっ?!」 困惑するボクに向かって、5メートルほどの距離を挟んで対面に立っていた蒼神が、気だるげな眼差しを向けていた。 「この空間は閉鎖されている。例えるならディラックの海に発生した渦巻のようなものだ、囚われた木の葉がクルクルと留まるように、この場を維持している俺を斃さない限り逃れることはできない。それと外部からの進入も不可能だ。俺とお前以外の因子は、自動的にフィルタリングされるようになっているからな。......そうだな、機能的には音丸が使ったデュエルスペースと、まあ似たようなものだ」 音丸って誰だっけ......?と一瞬疑問に思ったけど、取りあえず気にしないことにして、自分にヒールを掛けつつ『 「――まあ、確かに...あの程度で終わるのは、ちょっと虫が良いかな、とは思ってたんだけどね」 とは言え参ったね。内からも外からも脱出不能で、手持ちの札だけで相手するには、かなりキツイねぇ。 「いい加減やせ我慢をするのはやめたらどうだ? 勝てもしない勝負を挑み、逃げ出したい恐怖に震えながら立ち向かう意味はないと思うがな」 「最初から言っているだろう、俺のオンナになれ。そうすればこの世界の半分をくれてやろう」 どこのラスボスだ!? というベタな提案をしてくる蒼神。これうっかりイエスと答えたら、いきなりレベル1に戻される罠じゃなかろうか? 「返答はどうだ?」 「勿論ノーに決まっているよ」 「ふん、まあ予想通りか。......一応、理由を聞いておこう。なぜだ?」 いや......半分、ゲーマーのノリで反射的に言っただけなんだけどさ。 「理由は二つあるよ」 取りあえず適当に前置きをして考える。 「一つは、そもそもこの世界は君のものではないからね。取っ掛かりはそうかも知れないけれど、今はここに生きる人々や命あるもののものだからね」 よし、第一のハードルクリア。さあ、どうする、考えろ 「二つ目......それは、私は君に腹を立てているからだよ。君は理不尽に踏みにじられる辛さ、苦しさを知っている、それなのにそれを他人にも強いている、そんな相手の言うことなんて絶対に聞けないからだよ!」 そう言って、蒼神を指差した。 まあこれも半分その場の思い付きだけど、本音なのは確かだね。 言うだけ言ってすっきりしたボクは、八方塞の状況だけど腹をくくって、もうひとつ――いや、やることを考えたら2つある――思い付いた、先ほどの『狂化』よりもよほどリスキーな、思い付きを実行することに決めた。 ――確かにこの世界が『エターナル・ホライゾン・オンライン』に準拠したものなら、元ゲームマスターだった蒼神には、システム上勝てることはできないだろう。けど、彼は知らないことがある。ゲームではなくリアルになったために、本来あり得ない変質を遂げたシステムがあることを。 「ご立派なことだ。なら当初の予定通り話し合い以外の方法を取ることにしよう。下手にダメージを与えると、『狂化』や『狂戦士化』する恐れがあるので、取りあえず手足を切り取って達磨にしてからだな」 剣同士を打ち合わないようにして、とにかく距離を置いて一撃離脱を繰り返す――ここまでは先ほどと同じだった。 「ふむ。姫君は追いかけっこがお好みか。なら」 瞬間、蒼神の姿がブレた。――いや、あまりの速度に目が追いつかずに残像だけを捕らえたのだ。 「え? なっ?!」 たった一歩でこちらとの距離を詰めた蒼神が、いきなり目の前に現れた。 「どうした、こんな程度か?」 反応もままならずに、閃光のような速度で突き出された蒼神の一撃を、左手の長手袋――盾装備『 薔薇なる鋼鉄 力負けしたボクの身体は空中で弾かれて後方へと飛ぶ。 それよりも先に突進の運動ベクトルを殺さず――すなわち、ボクの 頭上に振り上げた巨剣が、何の駆け引きもてらいもなく、一直線に降り抜かれた。 「くっ!」 空中で身を捻り、錐揉みする形で『 あ、危なかった~~っ。もうちょっとで、身体ごと真っ二つになるところだったじゃないの! 手足どころか、正中線狙いだったよいまのは! 殺す気!? と思って蒼神を睨み付けると、平然と嘯かれた。 「まあ、殺す気でないと戦闘力を奪えそうにないからな。それにしても、 どうやらいまの超速度はGMの専用スキルみたいなものらしい。どこまでチートなんだか。 舌打ちする間もなく、蒼神が距離を縮めてきた。 同時にこちらも床を蹴って、相手に詰め寄る。一瞬、蒼神の顔に意外そうな表情が浮かんだけれど、無言のままお互いの距離がほぼゼロの状態で、 相手の速度とリーチがこちらを上回る以上、距離を置いてのこれまで通りの戦いは逆に危険。ならば、懐に入って両方を封じるしかない。 そう判断して選択した超接近戦だったけれど、これまたどう考えても自分の方が一方的に不利な戦いだった。 なにしろ相手は攻撃のみに専念して、防御を捨て、身の安全を省みないで破壊することのみを考えて、容赦なく攻めれば良いのに対して、こちらは1撃でもクリーンヒットを受ければ即終了。ひたすら躱すしかない。 「どうしたどうした、攻めてこないのか? 無駄とわかって諦めたか?」 薄氷の上を踏むような緊張を強いられる膠着状態が何合続いただろうか。密着しての攻防はすでに5分を越え、その間に繰り出された攻撃は100を超えるだろう。 見た目一進一退に見える均衡だけれど、その間ずっと受身にならざるを得なかったボクの身体は、細かい傷が付き、補給したばかりの血潮を流しながら後退を強いられていた。 と、勢いに押されて下がった足が、思いがけず硬いものに当たって止まった。 いつの間にか壁際まで下がっていたらしい。逃げ場がない状態で無理に攻撃を躱そうとして膝が落ち、体勢が崩れ隙が生まれる。 が真っ直ぐに振り落とされる。この体勢からでは完全には躱し切れない――その自信に溢れた一撃だった。 刹那、ボクの手から『 の先端が届くよりも速く、蒼神の懐へと飛び込んだボクの掌打が、その心臓部分へと撃ち込まれると同時に、さらに全身のバネと関節を総動員して、ありったけの“剄”を放った。 「ふん、この程度何ほどの――なに?!」 インパクトの瞬間こそ仰け反ったものの、その後は蚊にでも刺された表情で、軽く一歩踏み出そうとした蒼神の足が、継続する剄のダメージの影響で、本人の意思を無視してガクリと落ちた。 勝機は今!この瞬間しかなかい! そのまま柄を握って振り回す。見た目と裏腹に羽毛のように軽い!――思った通りだ。GM用の装備ってレベル制限がないので、普通にボクでも使うことができる! ゲーム内では制限がかかっていて、多分プレーヤーでは使えなかった武器。だけれど、この世界ではその手の制限が撤廃され使えるんじゃないかと推測してたけれど――案の定だ。 思い起こせば、以前に兄丸さんに襲われた時に、ボクの専用装備としてゲーム内では他人が持つことができなかった筈の『 の巨大な刀身が蒼神の背中を貫き、右肺を貫通して、切っ先が床へと突き刺さっていた。 真上に飛ばされた剣を空中で掴んで、切っ先を下にして技も何もなく、手の力と勢いだけで下に落としたのだけれど、思った以上に上手くいったらしい。 絶対の防御を誇るGMの肉体も、同じく絶対の攻撃力を誇るGM専用武器には、アドバンテージにならなかったらしい。数瞬の間を置いて、蒼神の胸の傷から噴水のように血が流れた。 夥しい飛沫が、ボクが流した細かな流血の上を覆い隠す。 この時、緋雪も蒼神も気付かなかったが、二人の流した血の飛沫が、壁際に並んでいた命珠の一つ――唯一無傷透明で残っていたモノ――に付着してその一瞬、命珠は淡い光を放ったのだった。

146 Lesson 26: Living In Death The body of the Ethereal God was thrown out the window - into a pitch-black subspace without even a star, and went away from orbit so that it fell free as it were. "-Come on!" On the verge of being swallowed up by the impulse of uncontrollable bloodsucking, I bit myself in the right hand of the peel. Leaving the comma for how many more seconds, complete reason blows away. If I don't moisten my horns, my thirst... virgin blood? It's right in front of you! - Half-intuitively, I bit my artery as a measure of cramping... but as a result, reason blew up all at once! - So what's this?! "Ooh... yummy!! This is not fantastic! As a trance to so much delicacy, a tremor ran all over my body. Forget me and beat my tongue drums into a much more aromatic and concentrated tide of blood than any other blood (thing) I have ever drank, even though I was hungry. Yum yum yum, call the general!... Oh, but this is self-sufficiency in a way, or if I put it the way I looked after it, maybe it's close to masturbation, or so reason whispered, but I was selflessly obsessed and drank. Occasionally, rare people (barely) and Shadow Lang "Kake", even Lapokusa, who has just become a member of the vampire's family, and Tamegoro, have strangely pointed a hot gaze - and so on - but now I know for the first time. Those were my appetite enduring eyes, huh? Super convincing. Leave the bottle you drank on the floor for now. "Now, if we destroy this room for now, there will be no return of the Ethereal God, so we need to destroy it a lot. - Without the most exit, I'll be left here forever, too." This is the countermeasure that I came up with aggressively as a response to my Ethereal God opponent, whose attacks are ineffective. How to deprive someone of their freedom, not shoot them. On this occasion, I thought it would be quick to throw it out into subspace, but as for me, which originally had a low STR (arm strength) value, I had to use a "fanaticism" that amplified all stats by one or eight or significantly. That said, if I had completely lost my reason, I would have gone straight from the front without thinking and lost power to the 'Amadeus' opponent. Though I managed to go as I thought, as critical reason stopped on the verge of blowing away. "If the transfer gates (teleporters) or the same subspace will contact the air gardens, they'll pick you up." I got a response from behind to my lone voice. "Where are we going? By a shock wave that kicked the floor reflexively, but was emitted in a straight line in half a step, Bok's body was slammed against the wall as he rotated like a solo, along with a collapsed wall after a further blow of pursuit, thrown into the void. - Fall... Huh!? There was no breathlessness or absolute zero-degree extremes of the prepared vacuum, and I stood where I first came into this room when I realized. "... heh?!" Towards me confused, Ethereal God, who stood face to face about 5 meters away, had a carefree look. "This space is closed. It's like a whirlpool that occurred in the sea of Dirac, if you like, so that the leaves of a captive tree stay in a circle, you can't escape unless you kill me for keeping this place. And it's impossible to get in from the outside. Factors other than me and you are automatically filtered. ... well, functionally, it's similar to the Duel space used by the sound circles" Who is Sound Maru...? And for a moment I questioned it, but decided not to worry about it for now, putting up a 'Sinner of the Rose (Jill de Leye)' while hanging a heel on myself. "- Well, sure... I was wondering if it would end up being a little wormy," I can tell you that. It's inescapable from within and out, and to deal with just the bills in your hand, it's pretty tight. "Come on, cut it out. Why don't you stop being patient? I don't think there's any point in challenging a battle you can't even win, and confronting it with trembling fear you want to escape." "I told you from the beginning, be my onna. Then I'll give you half of this world." Which lass boss are you!? I'm going to give you a betty suggestion, Ethereal God. If I accidentally answered yes to this, wouldn't it be a trap that would suddenly bring me back to level 1? "How's the response? "Of course it's decided no." "Hmm, well, as expected.... Let me ask you why. Why?" No... I just said it reflexively with a gamer's knoll. "There are two reasons." Think ahead appropriately for now. "For one thing, this world doesn't belong to you in the first place. I don't know if this is the case, but right now it belongs to the people who live here and to the things that are alive." All right, first hurdle clear. Come on, think about it. Me! "Second... that's because I'm angry with you. You know the spiciness, the bitterness of being unreasonably trampled on, and yet you are also strong on others, because you can never listen to someone like that! That's what I said, I pointed to the Ethereal God. Well, this is half the time, but I'm pretty sure it's true. Just sayin ', I'm neat. I decided to carry out my thoughts, riskier than the earlier' fanaticism ', in a situation of octagonal plugs but belly-up, and one more thing - no, I have two things to think about doing. - If this world did conform to 'Eternal Horizon Online', you wouldn't be able to beat Aoshi, who was a former game master, on the system. But there's something he doesn't know. That there is a system that has undergone an unlikely perversion because it has become real, not a game. "It's a fine thing. Then we shall take other ways than to discuss it as originally planned. If you do damage poorly, you may become a 'fanatic' or 'mad warrior', so cut off your hands and feet for now and get to grinding." Try not to meet the swords with each other, and keep your distance anyway and repeat a blow away - until now it was the same as it was earlier. "Hmm. Does the princess prefer chasing? Then." Moment after moment, the figure of the Ethereal God blew. - No, I only captured the remnants without catching my eyes at too much speed. "Huh? Become?!" The Ethereal God, who stuffed his distance from this one in just one step, suddenly appeared in front of him. "What's up, to this extent? With no response, it was best to take the blow of the Ethereal God protruding at a flashing speed with a long-handed bag on his left - his shield gear, "Iserne Jungfrau", a rosy steel. Decorated rose blossoms and tweezers are torn to pieces and scattered. My defeated body is bounced in the air and flies backwards. Without killing the motion vector of the advance before that - i.e., doing my eighteenth (comeback) triangle jump - the Ethereal God, who has changed the direction of travel, chases me at an even more bullet-like rate. A giant sword swung up overhead, without any rush or rush, descended into a straight line. "Come on!" Twist yourself in the air and stand 'Sinner of the Rose (Jill de Leye)' on the floor in a conical form, hanging sudden braking. Oh, it was dangerous. Almost there, you almost had two bodies! Instead of his hands and feet, he was aiming for the midline. Are you going to kill me? When I thought to look at the Ethereal God, I was flattened. "Well, if you're not willing to kill me, you're not going to be able to take my fighting power. Nevertheless, using the Game Master (GM) dedicated High Speed Mode (HSM) can't be captured completely is a big deal to make." Apparently, the current superspeed is like GM's dedicated skills. How far is it cheat? Soon after tongue-beating, the Ethereal God has shrunk the distance. At the same time, this one kicks the floor and stuffs it against them. For a moment, an unexpected look appeared on the face of the Ethereal God, but silently waved the Divine Sword (Amadeus) sideways with a distance of almost zero from each other. At the same time, several flashes were created. More than the opponent's speed and reach outweighs this one, the battle as always at a distance is dangerous the other way around. Then we just have to get into nostalgia and seal both. It was a super melee fight I chose to do so, but this was a more unfavourable fight on my part again, no matter what I thought. Anyway, the opponent only needs to focus on the attack, throw away his defense, think only about destroying it without saving his safety, and strike relentlessly, whereas this one ends immediately if he gets a clean hit even with one hit. I just have to give it a whiff. "What's wrong, you're not attacking me? Did you give up knowing it was no use? How much adhesion would have lasted that would have forced tension to tread on thin ice? A close offense would already exceed five minutes, and an attack launched in the meantime would exceed 100. My body, which seemed equilibrium, but had to be passive all along, had fine scratches and forced me to retreat as I shed the tide of blood I had just replenished. And his leg, pushed down by momentum, stopped hitting something hard unexpectedly. Soon they were down to the wall. With no escape, the knee falls and a disintegration gap is created in an attempt to force the attack. The divine sword (Amadeus) in the hands of the Ethereal God is shaken straight off. From this position, I can't stop completely - it was a blow filled with that confidence. In a moment, 'Sinner of the Rose (Jill de Leye)' rolled down from my hand. At the same time, the bent knee-to-toe spring was mobilized in total pretense of collapse to create explosive propulsion to free it all at once. Faster than the tip of the divine sword (Amadeus) arrived, Bok's palm beat, which jumped into the palate of the Ethereal God, was shot into its heart area, while simultaneously mobilizing all the spring and joints of the body to release the original "". "Hmm, how much - what?!" Though it was the moment of impact that I turned my back on, then with the look of being stabbed by a mosquito as well, the foot of the Ethereal God, who tried to take a mild step, fell gaudy in disregard of his will, under the influence of the continued damage of the Xu. Winning is now! This is the only moment! Keep gripping the pattern and swinging. Light as feathers on the look and back! - Just what I thought. Gear for GM doesn't have a level limit, so you can normally even use it for me! A weapon that was restricted in the game and probably could not be used by the player. However, I was guessing that the restrictions on that hand could be removed and used in this world - for the record. When my brother Maru attacked me before, Joey grabbed the "Sinner of the Rose (Jill de Leye)" that others could not have in the game as my exclusive gear. After my brother Maru's death, I handed Levan the special gear "Kamen" and "Moye (Bukya)", which should have been locked as well, and he could normally be equipped, so the restrictions around it were gone... but apparently he was right (Bingo). The giant body of the Divine Sword (Amadeus) pierced the back of the Ethereal God, penetrated his right lung, and his cuttoe pierced the floor. He grabbed the sword flying directly up in the air, cut it down, no moves or anything, and dropped it just because of the power and momentum of his hand, but it worked out better than he thought. It seems that GM's flesh, which boasts absolute defense, was also not an advantage to GM-only weapons, which also boast absolute aggression. Leaving for a few moments, blood flowed like a fountain from the wounds on the chest of the Ethereal God. A buddy splash covers up the fine bloodshed I shed. Neither Scarlet Snow nor the Ethereal God noticed at this time, but for a moment when the splash of blood flowed between the two adhered to one of the beads of life that was lined up on the wall - the only thing that remained intact and transparent - the beads of life emitted a pale light.

第二十二話 呉越同舟 「なんとまあ......懐かしい顔の揃い踏みですね」 芽が出て茎が伸びて蕾が出来て......という植物の微速度撮影のような感じで、消失した腕を生え変わらせながら、しまさんが突然現れた一組の男女――らぽっくさんとタメゴローさんを順番に見た。 それから、突然の闖入者に唖然としているボクらの表情を見て、得心した風に頷いた。 「このタイミング、意表を突かれた緋雪ちゃんたちの顔......どうやら、お二人は緋雪ちゃんと違って、私の同類らしいですね~。つまりアイツに作られた同類、同輩、後継作ということで、ある意味兄弟ですかね~。なんなら 言うなり再生したばかりの右手の表面に棘のようなものが、びっしりと生えたかと思うと、らぽっくさんに向け、散弾のように射出された。 「剣?!」 良く見ればそれは十字架型をした剣――聖堂騎士が装備していた同一規格の長剣――だった。どうやら丸ごと取り込んだ聖堂騎士の武器を、一斉に投擲したらしい。 剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣、剣......膨大な数の剣が雪崩打って、視界を埋め尽くす。 剣というよりも、もはや巨大な質量――鋼の塊とも言うべきものが、慌てて壁際に避難したタメゴローさんを無視して、一人廊下の中央に立つらぽっくさんを押し包む。 「――ふっ!」 見る間にその全身に、剣の山が轟音と共に降り注ぎ、次々とらぽっくさんの全身を覆い隠し、なお積み重なり駄目押しに押し潰さんとばかりに降り注がれる。 「はははははっ! 見たか! そっちが九刀流なら、こっちはさしずめ万刀流だな! 剣の成れの果て――鋼の残骸を前に高笑いを浮かべるしまさん。躁状態なのはさっきまでと変わらないみたいだけど、これまでの余裕あっての笑いではなく、懸案が払拭された反動で、一時的にタガが外れたように見える。 思うにそれほど脅威に感じていたのだろう、らぽっくさんを。 要するに誰が彼に勝つかではなくて、どこまで粘れるか、それか良い勝負ができるか......って意味で。 そんな中でも、TOP3と呼ばれたのがしまさんと兄丸さんだった(No2というのは自称で、兄丸さんとどちらが上ともいえない。ランキングはちょくちょく変わってたので)から、おそらく(このシマムラさんにも)相当な苦手意識が刻まれていたのだろう。 で、その強敵を屠ったということで、現在は狂騒状態になっている......ってところなんだろうけど――。 「相変わらず派手なだけで、無駄の多い攻撃だな」 剣で出来たオブジェクトの中から、ため息混じりの感想が漏れたのと同時に、 しまさんが目を剥いて、声にならない悲鳴を漏らす。 「この数の剣は俺一人を狙うには明らかに多すぎる。直接俺の身体に触れそうだったのは、せいぜい200~300本だったぞ。他は全部無駄弾だ。無駄に数を多くしたせいで、個々のコントロールがまったくなっていない。躱すまでもない、ムラの多いだけの半端な攻撃だ」 言いつつ歩みを進めるらぽっくさんの左手には、大太刀『 「コントロールの甘い投擲武器などどうということはない。散漫な軌道の剣など簡単に迎撃できる。まだしも数を抑えての精密射撃やトリッキーな動き、或いは投擲と見せかけて魔術や直接暴力を織り交ぜても良い。だが、これは駄目だ。数が多すぎてお前自身攻撃を把握しきれて居ないんだろう? おまけに自分の視界まで遮るものだから、次のリアクションが取れない。無駄に数を増やしたのが仇になったな」 しまさんに向かって近づきながら、ちょっとした料理のコツでも解説するような口調で、種明かしをするらぽっくさんだけど、口で言うほど簡単な作業じゃないのは、曲がりなりにも剣聖であるボクと魔剣士であるしまさんには良くわかっている。 一斉に四方八方から高速で飛来する剣を瞬時に見定め、微動だにせず対応するなんて、少なくともボクにはできないし(ボクならとっとと距離を置いて躱す)、 と――。らぽっくさんの背後の空中に、『花』『鳥』『風』『夢』『幻』『泡』『影』と各々銘のある、形状も長さもバラバラな......だけどいずれ劣らぬ高レベルの刀剣が現れ、剣先をしまさんに向けた。 気押された様子で、無意識に一歩下がったしまさん(の いつの間にかその隣に駆け寄っていたタメゴローさんともども、ボクらの前まで歩いてきて止まった。 しまさんに向かっていた視線がこちらに流れる。 ――来るか。 臨戦態勢になるボクらを目にして、苦笑いを浮かべるらぽっくさん。一方、タメゴローさんは、 「おおおおおっ! これはまた、予想以上の美少女!! こりゃまた反則だわっ」 らぽっくさんはともかく、タメゴローさんに関しては判断に迷ったのだろう。命都たちも困惑した顔で、顔を見合わせながら手を出しかねている......という風情で、いちおう武器を構えた。 けど、タメゴローさんは一切お構いなく、がっちりボクの肩を抱いて頬ずりを繰り返す。 「うおおおおっ、柔らけーっ! なんだこの肌触りは! すべすべしっとりで、けしからん! おまけにこの匂いが堪らん!」 くんかくんかと鼻息荒く人の匂いを嗅ぎ回る、少女の姿をしたおっさんがここにいた。 その上、気が付いたら両方の胸の膨らみにタメゴローさんの両手が覆い被さっていた。慣れた手つきで、やんわりとモミモミ。 壊れ物を扱うようでいて、なおかつ楽器でも鳴らすように、繊細かつリズミカルな指のタッチに、腰が抜けそうになる。 「ふひーっ、ふひーっ、ここがええんか。ここかい。こちとらずっと少女やってるんだ、任せときなってば」 天涯、命都、空穂、刻耀――絶句。 はあっ......と、盛大なため息を漏らしたらぽっくさんが、持っていた大太刀『月』の峰で、ゴキン!と思いっきり暴走するタメゴローさんの頭を叩いた。 「うおっ! 頭が割れた――っ!!」 頭を抱えて床の上でじたばたするタメゴローさん。 「......なんなのいったい? 二人揃ってドツキ漫才やりにきたわけ?!」 着衣の乱れを直しながら、『 「今日は緋雪さんと戦いにきたわけじゃない。どっちかというと助っ人に来たつもりなんだけど――」 ボクの不信感丸出しの顔を見て苦笑いする。 「まあ、信じられないだろうな」 「いや、でも本当なんだって! アイツを野放しにできないから、蛇男の命令とかなしでも、できれば協力して封印して欲しいのよ、緋雪さん」 復帰したタメゴローさんも言葉を重ねる。 う~~ん。影郎さんと違って、この二人は裏表がなく、面倒見も良かったから副ギルド長をお願いしてたんだけど、ゲーム時代と違っていまは“黒幕”の手下になってるみたいだし――さっきのしまさんの言葉を訂正しなかったってことは、そういうことなんだろう――額面通り受け止められるかというと、微妙なところだねぇ。 本人たちに他意はなくても、良い様に使われている可能性は高そうだし。 躊躇するボクを横目に、再び二刀を握ったらぽっくさんが、しまさんに向かって歩みを進める。 「まあ、実際に行動で示したほうが早いか。ここは俺が抑えておくので、緋雪さんは急いでコントロール・ルームへ向かってくれ。空中庭園の進路を変えるんだ」 「進路......?」 言われた意味がわからず首を捻る。 「気が付いていないようだけど、空中庭園は現在、相当に大陸内陸部に接近している。おそらく、当初の 何気なく喋ってるけど、これ“黒幕”がファクシミレにいるって、暴露しているんじゃないの?! 「とは言え、他人のギルド・ホームを乗っ取ることはできない。けれど、コントロール・ルームを破壊すれば、自動修復されるまでの間は完全に無防備になる。その瞬間に空中庭園の真上で、でかいロケット花火を爆発させれば、コントロール不能の空中庭園は真っ逆さまに降下して、ファクシミレを丸ごと粉砕ってわけだ」 らぽっくさんの推理を裏付けるかのように、慌てた様子の命都が報告してきた。 「まずい――!」 一刻を争うと瞬時に判断して、ボクは全速力で玉座の間に戻ろうとした――その瞬間、 らぽっくさんの舌打ちの声。 同時に絨毯を割って姿を現した、肌色をした人間の胴体ほどもある大蛇のようなモノが20匹ほど、鎌首を持ち上げた。 取りあえず手近な大蛇を5~6匹まとめて切り刻んだけど、一歩遅れて残りの大蛇が、一斉に眩い 刹那、玉座の間が轟音と爆発に包まれたのだった。 ガラスというガラスが砕け散り、火柱を吹き上げた。それでも収まらずに、連鎖的に壁そのものが爆散して、辺りへ破片を撒き散らしつつ、部屋全体が自らが吐き出した粉塵に飲み込まれていく。 咄嗟に身を伏せたボクの前に、らぽっくさんの7剣が壁を作り、そして刻耀が飛んできて覆い被さってくれた。 爆発が収まったのを見計らって、顔を上げてみると、濛々たる白煙と粉塵が周囲を覆いつくしていた。 咳き込みながら、大穴の開いた壁から玉座の間を見てみたけれど、完全に破壊され、しばらくは使用できない状態と化していた。 「......おのれぇ!! ようも玉座を穢してくれたなぁ!!!」 憤怒に震える空穂がその場で四足になると、九尾の狐としての本性を現し始めた。 「おやおや、いいんですか、私を相手にする暇があるとも思えませんけど?」 そう、ここまでは前段階。最後のトドメが――。 空中庭園が引っくり返りそうな衝撃に、立っていたタメゴローさんが転がり、らぽっくさんは倒れこそしなかったものの、絶を杖代わりにして片膝をついた。 そして勝利を確信したしまさんが、 『命都! 空中庭園の現状は?!』 性急な天涯の問い掛けに、爆発の瞬間、空中に逃れていた命都が、沈鬱な表情で答えた。 のいた表層から、最下降、及び基底部分まで貫通破壊。現在、空中庭園は進路そのままに、イーオン聖王国首都ファクシミレを通過し、あと30分ほどでイーオン領を抜け大陸北部域に到達する予定です。また、破損箇所の修復までおそらく24時間は掛かるかと思われます」 「「「へ?」」」 期せずして、ボクとらぽっくさんとしまさんの声が唱和した。 「――あの......爆発の衝撃で降下してないの?」 刻耀に手を貸してもらって立ち上がりながら、身体についた埃を払いつつ、命都に確認した。 「多少、高度が下がりましたが現在は安定しております」 「なんで?」 「爆発のエネルギーをすべて逃がしましたので」 「なんじゃ、そりゃ!?」 狼狽するしまさんを、ちらりと冷たい目で睨む命都。 が爆発して空中庭園を落下させると、先に目的がわかれば対処のしようは幾らでもあります。できれば無傷でなんとかしたいところでしたが、今回は時間がなかったので少々強引な手を使わせていただきました」 「強引って......?」 「爆発に合わせて十三魔将軍が協力して、空中庭園を貫通する穴を開け、 あっさり言われたトンデモナイ手段に、プレーヤー一同唖然とする。 「空中庭園そのものが損なわれることを考えれば、この程度の被害は止むを得ないかと」 何か問題が?と重ねて聞かれて、思わず「あー、いいんじゃない」と答えていた。 「緋雪さんの従魔ってイロイロと規格外だねぇ」 パンパンと身体についた埃を払いながら、立ち上がったタメゴローさんにしみじみ言われる。 そーでしょう。こんなのが万単位でいるんだから、どんだけ毎日心痛が絶えないことか......。 「兎にも角にも、これで当初の計画はご破算、ということだな。シマムラ」 らぽっくさんが再び9剣の切っ先を、剥き出しのしまさんの首に向けた。 「じゃあ、あとはしまさんをチャチャっと斃すだけだねぇ」 ボクもその隣に立って剣を向ける。 「久々に3人でPTプレイと行きますか!」 嬉しげにタメゴローさんも、らぽっくさんを挟んで反対側に並んだ。 恨めしげにボクたちを一瞥すると、しまさんの生首が再び 自分の両脇に立つボクとタメゴローさんをチラリ見て、口元に微笑みを浮かべたらぽっくさんだけど、少しだけ哀しげに呟いた。 「ここに影郎さんが生きていれば、一緒に並んだのにな......」 後ろめたさから、思わずそっと視線を横に外したのは言うまでもない。

112 Episode Xxii: The Crossing Of The Boat "Oh my goodness... that's a nostalgic facial alignment trail" It felt like microvelocity shooting of a plant where sprouts appeared, stems stretched and buds formed..., and I saw in turn a pair of men and women - Lapokusan and Tamegoro - in which Shima suddenly appeared, growing and changing her disappeared arm. Then he saw the look on our faces flashing at the sudden intruder and nodded at the wind he was good at. "At this time, the face of Scarlet Snow and the others who were poked at the fingertips...... apparently, you two are different from Scarlet Snow and my kind ~. I mean, are you brothers in a way, my kind, my peers, my successors made to him ~. If you're in a flame (or whatever), please call me" brother ". So, the solo kung fu - just die! When I thought that a thorny thing had grown on the surface of my right hand, which I had just regenerated, I turned to Lapokusan and was ejected like a shotgun. "Sword?! On a good note, that was a crucifix shaped sword - a long sword of the same standard that the Cathedral Knight was equipped with. Apparently, he threw the whole cathedral knight's weapon in unison. sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword, sword... a vast number of swords strike an avalanche to fill your sight. Rather than a sword, no longer a huge mass - what should also be called a chunk of steel - pushes and wraps Lapokushan standing alone in the middle of the hallway, ignoring Tamegoro, who hastily evacuated on the wall. "- Huh!" In the course of seeing it, the mountain of swords pours down with the roar, covering and hiding the whole body of Torapo Kusan one after the other, still pouring down on the pile of waste. "Ha ha ha! You see that! If that's Nine Knives, this is Ten Thousand Knives! In" E. H. O. "and" Eternal Horizon Online, "I burned a lot of hands, but if this happens, it's my win. Nah, it's No. 1. You don't have time for this! The end of the sword - Mr. Shima laughs high in front of the steel wreckage. The manic state seems the same as it was just now, but instead of the laughter I could afford before, the recoil wiped out the suspense and the tag looks temporarily off. I guess you felt so threatened by it, Rapunzel. In short, not who beats him, but how far he can stick, that or a good fight... in the sense. Among them, Shima and Brother Maru were called TOP3 (No. 2 is self-proclaimed, and neither is Brother Maru. Because the rankings had changed a bit), and probably (to this Shimamura as well) a considerable sense of bad taste had been engraved. So, I guess the fact that we butchered that mighty enemy means we're in a frenzy right now... "You're just as flashy as ever, that's a lot of wasted attacks" Among the objects made of swords, the feeling of sighing was leaked, while the heap of swords collapsed with the sword's (Great Sword) sword's (Great Sword) sword's) sword, and no scratches appeared. Shima peels off her eyes and leaks a scream that doesn't make her voice heard. "This number of swords is obviously too many to target me alone. Two hundred to three hundred, at most, were going to touch my body directly. Everything else is a waste of ammo. Individual controls have not been made at all because of the number wasted. It's just a half-attack with a lot of unevenness." In the left hand of Lapokusan, who walked forward while saying, was also gripped by the machete "Moon (Tsuki)". "There is no such thing as a sweet throwing weapon of control. Easy interception such as a scattered orbital sword. Precision shooting, tricky movements, or throwing may still appear to interweave witchcraft or direct violence. But you can't do this. Too many to figure out your own attack, huh? Besides, it blocks my vision, so I can't take the next reaction. You've been avenged for wasting more time." While approaching Shima, in a tone that explains even a few cooking tricks, I'm a raspberry to seed, but I know well that it's not as easy a task as you say with your mouth, Boku, who is a bent sword saint, and Shima, a demon swordsman. At least I can't instantly identify swords flying at high speeds from all directions and respond without being slight (I would distance myself), and maybe not even the other TOP rankers in "E. H. O" and "Eternal Horizon Online". It crosses the limits of human perception and spatial grasp. That's a living cheat. Lapo, you are number 1. And... In the air behind Lapokusan, "Flowers," "Birds," "Winds," "Dreams," "Phantoms," "Foams," "Shadows" and each of their brands, shapes and lengths fell apart...... but sooner or later a high level sword appeared, pointing the tip of the sword at Shima. Shima (the abandoned giant (Yotun)) took an unconscious step back, looking pressed. Soon, Tamegoro, who was rushing up next to him, walked up to us and stopped. The gaze that was toward Shima flows over here. - You coming? Lots of bitter laughter in the eyes of us who will be in a state of war. Meanwhile, Mr. Tamegoro, "Whoa, whoa! This is also a more beautiful girl than I expected!! Again, this is against the rules." Regardless, Rapo Kusan must have gotten lost in judgment when it came to Mr. Tamegoro. The life capitals also set up a weapon in a confused face, with their hands almost turned to each other... But Mr. Tamegoro doesn't mind any of it, and he's disappointed to hold my shoulder and repeat his cheeks. "Whoa, whoa, soften up! What the hell is this touch! Slippery, moist, teasing! Besides, I can't smell this! There was an old man here who looked like a girl, sniffing rough noses and smelling people. On top of that, when I noticed, Mr. Tamegolo's hands were covered in both chest swellings. Familiar hand, gentle and mommy. He seems to handle the broken goods, and yet his hips are about to fall out on the delicate and rhythmic touch of his fingers, as even the instrument rings. "Hehe, hehe, isn't this the right place? Here. I've been doing this girl for a long time, if I can handle it." Heavenly Life, Life Capital, Akaho, Engraving - a cliche. Ha... and when I leaked my grand sigh, Pokusa, but at the peak of the great machete 'Moon' I had, Gokin! and slapped Mr. Tamegoro on the head as rampaging as he wished. "Whoa! My head is cracked - ugh!!" Mr. Tamegolo twitches on the floor with his head in his arms. "... what the hell? So we're both here to do the Dotsuki comic talent?!" While fixing the mess in his clothes, he questioned Lapokusan about the cutting-edge of "Sinner of the Rose (Jill de Leye)," for some reason stabbing "stunning" and "moon" on the floor and raising his hands to the feeling of surrender. "I'm not here to fight Mr. Scarlet Snow today. One way or another, I'm going to come to my help--" I laugh bitterly when I see my distrustful rounded face. "Well, you won't believe it" "No, but it's true! I can't let him go wild, so I'd like you to cooperate and seal it if you can, Mr. Scarlet Snow, without a snake man's order or anything." Mr. Tamegoro, who is back, also overlaps words. Uh-huh. Unlike Mr. Shadow Lang, these two were asking for a deputy guild chief because they didn't have a back table and took good care of them, but unlike in the game days, they seem to be under the "mastermind" - I guess that's what I meant by not correcting Shima's words earlier - if they can be taken as they stand at face value, it's a subtle place. Even if they have nothing to do with it, it seems likely that it is being used in a good way. With a hesitant bob on my side, I grabbed the two swords again and Pokku, but proceeded to walk toward Shima. "Well, is it actually faster to show it in action? I'll keep this place under control, so Mr. Scarlet Snow needs to hurry to the control room. Change the course of the air garden." "Pathway...? Twist your neck without knowing what it means to be told. "I don't seem to have noticed, but the aerial gardens are now fairly close to the hinterland of the continent. Probably kept them waiting over the sky according to the original abandoned dragon path." I'm casually talking, but aren't you exposing that this "mastermind" is on facsimile?! "That said, you can't take over someone else's guild home. However, if you destroy the control room, you will be completely defenseless until it is automatically restored. Just above the air garden at that moment, if you blow up the big rocket fireworks, the uncontrolled air garden will descend upside down and crush the facsimile." Life Capital has reported a hasty appearance, as if to support Lapokusan's reasoning. "Not good -!" Determined instantly to contend for a moment, I tried to return to the Throne Room at full speed - at that moment Shima inside the Abandoned Giant (Yotun) gave a mockery. Lapokusan's tongue-beating voice. At the same time, about 20 serpent-like objects, as many as the human torso with skin tone, appeared to break the carpet, lifted their sickles. Five or six nearby serpents were chopped together for now, but one step later, the rest of the serpent fired a dazzling holy light shell (Holly Wright) simultaneously between the thrones. For a moment, the throne room was engulfed by roaring noises and explosions. The glass called glass splattered and blew up the firepillar. Still, without fitting in, the walls themselves explode in chains, scattering fragments around them, while the entire room is swallowed up by the dust it itself exhales. Before I lay down, Lapokusan's seven swords made a wall, and Engraving flew in and covered me. Anticipating that the explosion had subsided, I looked up and the white smoke and dust covered my surroundings. Coughing up, I took a look at the throne room from the wall with the big hole, but it was completely destroyed and turned into an unusable condition for a while. "... all the time!! How dare you defile the throne!!! When the angrily trembling Akaho became four-legged on the spot, he began to manifest his nature as a nine-tailed fox. "Oh, no, don't you mind, I don't even think you have time to deal with me? Yes, this is the previous stage. The last todome... To the shock that the aerial garden was likely to pull back, Mr. Tamegoro, who stood, rolled over and, although Lapokusan did not fall, he took the stunning instead of the wand and knelt on one knee. And Shima, convinced of the victory, peeked into his face from around the left shoulder of the abandoned giant (Yotun), laughing like crazy with a joyful face. "Life capital! What is the current status of the air garden?! In a sudden inquiry of heaven, at the moment of the explosion, the capital of life, which was fleeing into the air, answered with a depressing look. "It's unprecedented damage. Penetration and destruction from the superficial layer where the waste dragon (Nidheck) was located, down to the lowest and to the base portion. Currently, the aerial garden will remain on its path, passing through the Aeon Holy King's capital Facsimile and in about half an hour it will pass through Aeon territory to reach the northern part of the continent. It will probably take 24 hours to repair the damaged area." "" "To? Unexpected, my voice echoed that of Torapo Kusan and Shima. "- Um... you didn't descend on the impact of the explosion? I checked with the Capital of Life, paying off the dust on my body as I stood up for a hand from Engrayo. "Slightly, altitude has dropped, but is now stable" "Why?" "I let all the energy of the explosion escape." "What the hell!?" The capital of life that glimpses a lukewarm Shima with a slightly cold eye. "When an abandoned dragon (Nidheck) explodes and falls through an aerial garden, there are many ways to deal with it if you know what the purpose is first. I almost wanted to do something about it if I could, but this time I didn't have time, so let me use my slightly more forceful hands." "Forcing...? "General Thirteen worked together to drill a hole through the aerial garden to escape the explosive power of the Abandoned Dragon (Nidheck)" Players are flabbergasted by the lightly said Tondemonai means. "I was wondering if this degree of damage would have to stop, given that the aerial garden itself would be damaged" Is there a problem? And he asked me overlapping, and I accidentally said, "Uh, it's not okay." "Mr. Scarlet Snow's obedience is ironic and out of standard." Pampered with bread and dust on his body, Mr. Tamegoro stands up and tells him to squeeze. I guess so. This is 10,000 units, so how much heartache is constant every day...... "On the rabbit and on the corner, now the original plan is broken, so... Shimamura." Lapokusan again pointed the tip of the nine swords at Shima's neck of the stripping. "Then all you have to do is chatter Shima to death." I also stand next to it and point my sword at it. "Will the three of us go with PT play in a while! Happily Mr. Tamegoro also lined up on the other side, pinching Lapokusan. When he glanced at us in resentment, Shima's head dived into the abandoned giant (Yotun) again. I looked at Bok and Tamegoro chilling standing beside me, smiling at my mouth, and I pounded, but I just groaned a little pity. "If Mr. Shadowloon were alive here, we would have lined up together..." Out of hindsight, it goes without saying that I accidentally took my gaze off to the side.

第十七話 歳月不待 向かい来る敵の飛行モンスター群と、地面を蠢く数キロにも渡る巨大な百足に似た移動要塞の威容を前に、 「うむ。これこそ戦いだ。せいぜい楽しませてもらおう」 それから凛とした声で名乗りを上げる。 「聞け、名もなき雑兵どもよ! 我が名は斑鳩、天上に魔光あまねく 刹那、斑鳩の全身から放たれた虹色の光線――赤外線、紫外線、可視光線、X線、高周波、電磁波、自由電子など、ありとあらゆる波長のレーザー――が、迫り来る敵モンスターを薙ぎ払う。 半分がそれで消滅したが、残り半分がそれを耐えて、逆に斑鳩に反撃してきた。 「ふむふむ。さすがに人間どもよりは歯ごたえがあるか」 正直、一撃一撃はさほど威力のある攻撃ではないが、なにしろこちらは全長70メートル以上と的がでかいので、まとめて攻撃を受けるとダメージも大きい。 バリアーでこれを遮断し、さらに重力線で叩き落とす。 第一群の敵があらかた消えたのと入れ替わりに、第二郡とそしてついに移動要塞『 巨大な斑鳩も、この要塞の前では巨木の前のボールも同じであるが、特に慌てた様子もなく、その場に留まる。 「できればもう少し遊びたかったが。でかいのが来たしな。――さらばだ」 刹那、斑鳩の触手の先端に闇が生まれ、それが周囲の光や空間、重力さえも歪め始めた。 次の瞬間、凝縮した闇が時空連続体すら破壊する爆発となり、辺り一体を綺麗さっぱり消滅させた。 挑んできた敵第二郡はもとより、有効範囲内にあった百足の前面もスッパリと削ぎ落とされたが、ブロック構造になっている移動要塞は、ダメージを受けた箇所を切り離して、やや寸詰まりになりながらも、再び鎌首をもたげ、ただし 「なかなかタフだな。とはいえ、そんな腰の抜けた攻撃では、私にダメージを与えることなど――むっ?!」 その瞬間、四方から迫ってきた光の渦が、斑鳩を飲み込もうとした。 その目が、自分の周りを取り囲むようにして五角形を描いている、自分自身に良く似た――というか、種類的には同じヨグ=ソトースなのだろう。ただし、こちらは大きさが20メートルほどと、通常版の従魔としてのサイズとレベルしかない、ダウングレード版である――敵を捕らえて、不機嫌そうに目が細まった。 「・・・同類か。理念もなく、道具として使われる哀れな者たちよ。すぐさまその労苦より解き放ってくれよう。......いや、綺麗事だな。貴様らを見ていると歪な鏡で映された自身を見ているようで、我慢がならんのだ。なによりも我が名は『斑鳩』。姫様より賜りしこの名にかけて、我は唯一無二であればよい。――消えろ、粗悪品ども!」 「ふーむ、久方ぶりの戦いで勘が狂ったか。まさか一撃で倒せなかったとはな。とはいえ、もう一発――」 その時、天空より飛来した4つの流星が敵ヨグ=ソトースの単眼に激突する、その直前に花が開くように四方へと散開――だが、勢いはそのままに投擲されたオリハルコン製の 聖槍 「これが『名』と『志』あるものと、ないものとの差である。我らは幸せ者だな。あのような暗君ではなく、姫様の元にいられるのだから」 と、しみじみ呟くうちにもう1匹のヨグ=ソトースも四季姉妹の波状攻撃によって、空中にいられなくなり大地へと降り立った。 その瞬間、残像すら残さない神速で踊りかかって行った 「うおおおっ! 俺は緋雪様の第一の臣下、壱岐だ! 最も最初に姫様から賜りしその名において、貴様ら下郎は、一歩たりとも姫様に近づくことは許さん。全員、俺が叩き切ってやる!」 慌てて攻撃しようとする敵モンスター群だが、混戦の中その速度に追いつけずに、また目の前に来た瞬間には細切れとなるほどの早業に、半ば同士討ちのような状況になってきた。 さらにそこへ、召喚したオーク兵100名ほどを引き連れて、 「おらおらっ! 俺の名は凱陣っ。畏れ多くも姫様よりその名を受けた、ラーメン屋『豚骨大王』店主でぇ! てめーら、ヒョーロク玉なんざ出汁にもならねえ、全員生ゴミにしてやるぜ!」 オーク兵と敵の生き残りとでさらに混戦がひどくなり、ふと気が付くと4メートルを越える凱陣より頭一つ大きい、ゴーレムが目の前に居て殴りかかってきた。 「......なんでぇ、このヘナチョコは」 効いた風もなく、両手の骨をぽきぽき鳴らすと、腰を落としてそのゴーレム目掛けて右ストレートを放った。 咄嗟に両手を上げて防御するゴーレムだが、その腕ごと一発でゴーレムをバラバラにする凱陣。 「手前らの拳には根性がねえんだよ、根性がっ!」 それから、じろりと周りを取り囲むモンスターたちを見回し、コキコキと肩の鳴らして右手を振り回す。 「言っとくが俺の拳には、俺の根性と姫様の愛が篭って2倍どころか100倍増しで硬いぞ。覚悟しろや」 「ふむふむ。若い連中は血気が盛んで結構なことよのぉ。どれ、ひとつ儂は取りこぼしの清掃と行こうか...」 そう呟き、その場で大地に根を下ろす。 たちまち大地の養分や水、魔力を吸い上げて、15メートルほどの大木のような姿に変じた。 「......荒野であるし、この程度が限界であるか。では、緋雪様の第二の家臣にして、双樹の名を賜りし者。その名を辱めぬよう参る」 そのまま大地を滑るように移動する、その足元から槍状になった根が四方八方、槍衾のように大地から飛び出し、正確に敵のモンスターのみを射抜き、さらに体内で生成した植物性の毒を流し込む。 モズの早贄のように体を突き刺されて息絶える者、辛うじて急所は外れたものの、毒を流し込まれて痙攣して息絶える者、慌てて距離を置いて双樹本体に攻撃しようとするものには、全身に生えた棘を矢のように飛ばし、さらに口から猛毒の息をあたり一面に霧の幕のように放射する。 一方的ともいえる殲滅速度を上空から眺めながら、やれやれ私の出番は残りの同類と、あのでかい要塞くらいか、と思った斑鳩のその目の前で、残り2匹の敵ヨグ=ソトースが、地面にリンゴを落としたように爆散した。 そこから涼しい顔で飛んできた 「大丈夫ですか、斑鳩殿。少々傷を負ったご様子ですが?」 「こんなものはかすり傷であるな。それに多少は手傷を負った方が、戦いの意気が上がるというもの」 「そうでしたか。では、余計な手当てでしたか?」 「いや、助かった。礼を言おう。それに第一、地上の方はああまで乱戦になると、我ではうかつに攻撃できんからな。もはや手出しもできぬだろう」 嬉々として動き回っている、壱岐、双樹、凱陣の様子を、若干羨ましげに見る斑鳩だが、ふと、気が付いて命都に尋ねた。 困ったような顔で、下に視線を投げる命都。 「刻耀殿の狙いに雑魚はありません。狙うは本陣のみです」 その意味するところを悟って、斑鳩が敵の本陣――巨大な移動要塞に視線を戻した瞬間、 ガンッ! という猛烈な突き上げが、移動要塞『百足』の中央部分で起こり、その衝撃に耐え切れずに『百足』の数ブロックが吹き飛ばされ、空中で爆発した。 「――始まったようですね」 見れば、左手に装備していた 「そのようですね」 微笑を浮かべて同意する命都。 「あとは姫様の首尾の方であるが......」

60 Episode Xvii: Years Gone By In front of a group of flying monsters of opposing enemies and the beauty of a moving fortress resembling a giant hundred feet stretching several kilometres across the ground, the speckled dove (however) distorted its giant monocular eye into the form of a laugh. "Uhm. This is the fight. Let's have some fun at best." Then he raises his name with a resounding voice. "Listen, you unnamed soldiers! My name is Spotted Pigeon, and I will be the Round Table Demon General of Imperial Crimson, an Imperial Crimson Empire of Demonic Light in Heaven, and I will be the one to bind the Thirteenth Demon General! Honorable and beautiful, by the life of my only Lord, Lord Scarlet Snow, I have come here to conquer you rebels!! If you are not afraid of that glory, come! For a moment, the rainbow rays emitted from the entire body of the speckled dove - the lasers of all wavelengths, such as infrared, ultraviolet, visible, X-rays, radio frequencies, electromagnetic waves and free electrons - sweep away the impending enemy monsters. Half of them have vanished with it, but the other half have endured it and fought back against the speckled pigeons on the contrary. "Hmm. Exactly. Is it more teethy than humans" Honestly, every blow is not a very powerful attack, but this one is more than 70 meters long and targeted, so when taken together, the damage is also huge. Block this with a barrier and knock it off with more gravity lines. In exchange for the first group of enemies vanishing in the first place, the second county and finally the moving fortress, Hundred Foot (instead), moved. Bring the sickle and come to the speckled dove at once. Both the giant speckled dove and the ball in front of the giant tree are the same in front of this fortress, but they stay on the spot without looking particularly hasty. "I would have liked to play some more if I could. Big ones are coming. - Goodbye." In a moment, darkness was created at the tip of the tentacles of the speckled dove, which began to distort the light, space and even gravity around them. At the next moment, condensed darkness became an explosion that would even destroy the space-time continuum, wiping out the nearby unity beautifully and refreshingly. The enemy's second county, which has been challenged, was also scraped off perfectly on the front of the hundred feet, which were within effective range, but the moving fortress, which has a block structure, has detached the damaged area and, while slightly blocked, has again resulted in a sickle, with the exception of the dimensional tomography Dimension Slash, which has shifted slightly in distance to shelling, long-range attacks caused by beams, lysate, etc. "That's pretty tough. Nevertheless, in such a hipster attack, doing damage to me, etc. - hmmm?!" At that moment, a swirl of light approaching from all sides tried to swallow the speckled dove. That eye draws a pentagon so that it surrounds itself, very similar to itself - or is it the same kind of yog-sotose? However, this one is a downgraded version, about 20 meters in size and only the size and level as a regular version of the submissive - caught the enemy and his eyes narrowed in disgust. "... the same kind? Poor people who have no philosophy and are used as tools. Immediately release me from the labor.... No, that's beautiful. When I look at you, I see myself in a distorted mirror, and I can't stand it. Above all, my name is' Spotted Dove '. Given this name by the princess, I wish I were unique. - Go away, you crude bastards! "Hum, haven't you lost your mind in a long battle? I didn't know you couldn't take it down with one blow. Nevertheless, another shot -" At that time, four meteors flying from the sky clashed into the single eye of the enemy Yog-Sototh, spreading in all directions as flowers opened just before it - but the momentum was thrown intact, the Holy Spear (Spear) made by Orihalcon, penetrating through the middle of the enemy Yog-Sototh's body, opening up plenty of kinematic energy. A speckled dove grinning bitterly at the appearance of his dispersed kind and the four angels who immediately prepare another holy spear (spear) to go toward the rest of the enemy. "This is the difference between what is' name 'and what is' aspirational 'and what is not. We're happy people. Because I can stay with the princess, not with you like that." And as he squeaked, another Yog-Sototh also stepped down to the earth, unable to stay in the air due to the undulating attacks of his four seasonal sisters. At that moment, he went dancing at a divine speed that did not even leave any remnants behind, but struck the giant in two. "Whoa, whoa! I'm Scarlet Snow's number one subordinate! In the first name given to you by the princess, you are not allowed to approach the princess. I'll knock you all out! A bunch of enemy monsters trying to attack in a hurry, but without catching up to that speed in the midst of the conflagration, and so early that the moment we came in front of us, we were in a situation where half of us were fighting each other. Furthermore, the Kai Clan (the molester) descends into an avalanche with about 100 summoned oak soldiers. "Whoa, whoa! My name is Kaiju. Many of them were named after the princess, the owner of the ramen shop" The Great Pork Bone "! Heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh heh The conflagration was even worse between the orc soldiers and the survival of the enemy, and when I noticed the fuzz, one head was bigger than the Kai regiment over 4 meters, with the golem in front of me and beating me up. "... why, this henna chocolate" Without the wind that worked, pounding the bones of his hands, he dropped his hips and let go of that golem hanging and right straight. A golem that defends itself with its hands up in the dust, but with one shot in each of its arms, the Kai formation tears the golem apart. "You don't have guts in your fists, you guts! Then he looks around at the monsters that surround him, squeaking his shoulders and waving his right hand around. "I'm telling you, my fists are hard with my guts and the love of the princess doubled, but 100 times more. Be prepared." "Hmm. The young guys are pretty bloodthirsty. Which, let's go clean the retrieval..." So groan, and root down on the earth on the spot. It happened to suck up the earth's nutrients, water, and magic powers and turned it into a tree-like figure of about 15 meters. "... is it wilderness, and is this extent the limit? Then make him the second minister of Scarlet Snow, and give him the name of the Twin Trees. Don't be ashamed of his name." The spear-shaped roots fly out of the earth in all directions from its foot, as if they were twisted, traveling as they were slipping through the earth, shooting precisely through only enemy monsters, and pouring further into the vegetable poison produced in the body. To those whose bodies are pierced and breathless like Moz's early sacrifice, to those who, although the steep point was painfully taken off, are poured in poison and cramped and breathless, and to those who rush to distance themselves and try to attack the twin tree body, fly the thorns that grow all over their bodies like arrows, and radiate yet another poisonous breath from their mouths like a fog curtain on one side per side. Looking over the unilaterally annihilating velocity from above, for Christ's sake. My turn was in front of that spotted pigeon who thought the rest of my kind and maybe that big fortress, and the two remaining enemies, Yog-Sotos, blew up like they dropped apples on the ground. From there, the life capital (Miko) flies with a cool face, healing (heels) the speckled dove. "Are you all right, Lord Spotted Dove? You look a little wounded. "This stuff is a scratch. And some injuries are more motivated to fight." "Was I? So, was it an extra allowance? "No, thank God. Let me thank you. And first of all, when the people on the ground are in turmoil, we attack. I won't be able to help you anymore." A speckled dove who sees with a little envy what was happiness moving around, the twin trees and the Kai regiment, but, heh, he noticed and asked the Life Capital. With a troubled face, the life capital throws its gaze downstairs. "There are no miscellaneous fish in the aim of Lord Seiyao. We're only after the main unit." Understanding what it means, the moment the Spotted Pigeon returns his gaze to the enemy's main formation - the giant moving fortress, A fierce thrust of Gunn! occurred in the central part of the moving fortress' Hundred Foot ', where several blocks of' Hundred Foot 'were blown up and exploded in the air without withstanding its impact. - Looks like it's happening. When you look at it, the engraving flare that stood in the position of pushing up the large shield (Pavis) that was equipped on his left hand set up a large dark spear (Lance) in his right hand and headed straight for the rear of the split "Hundred Foot", this time advancing in the form of a vertical tear. "Sounds like it." Life Capital that smiles and agrees. "The rest is at the end of the princess..."

第二十八話 暴虐之神 「状況はいかがですか?」 いつでも退避できるよう(とはいえ、どんな不測の事態が起きるか不明な以上、あくまで気休めにしかならないのだが)、全長10メートルを越える翼のある虎――七禍星獣No4、 本来は全員、空中庭園で待機しているべきところだが、本日、天涯達が大挙して地上へ出撃したという知らせを聞いて、居ても立ってもいられずに無理を言って付いて来たのだった。 と、白い獏――瑞獣である ちなみに彼女の場合は、緋雪と陸奥以外の誰に対してもこんな調子である。 「これは......?」 様々な角度で虚霧の前や上空に控える魔将たち。さらに避難指示をしている獣王たち獣人族。避難民の救助や支援をしているジョーイたち冒険者。限界ギリギリまで人々を乗せて大陸を離れる帝国海軍魔導帆船――「ベルーガ号!」クリストフが短く歓声を挙げた――などの様子が、あたかも窓越しに覗いているような鮮明さで、次々とオリアーナたちの目前に表示された。 「ほむぅ。虚霧の拡大は姫様が突入してから、ピタリと止まっているんだな。あれから3日経ってるけど、小康状態のままだから、避難もかなり進んでいるようだね」 眠たげな口調で陸奥が解説する。 「姫陛下が......姫陛下はご無事なのでしょうか?」 「いまのところ確認はとれてないけど、均衡状態になっているってことは、大丈夫じゃないかってのが、 「......そう、ですか。きっと姫陛下があそこで戦ってらっしゃるのですね。......きっと勝利をして、この未曾有の事態を収束させてくだるでしょう。――とはいえ、黙ってここで見ているだけというのも歯がゆく思われます。もっと他に出来ることがあるのではないかと......」 同感とばかり強く頷くレヴァンたち。 って、いまのところ動いてないけど、実は嵐の前の静けさってゆーかさ、バネみたいに力溜めていて、いきなり、ポン!と弾けるとかの前兆だったりしないかな? なーんてね。てへぺろ☆」 と、並んで飛んでいた見た目は花の女神としか形容できない、白いトーガを着た、ほんわかした雰囲気の美女が、やたら軽い笑顔と口調で、空気を読まない発言をする。 その場にいた全員が聞かなかったフリをして、八朔の作り出したライブ映像へと視線を戻す。 様。こうして雌雄一対の麒麟様のお背中に乗せていただけるなんて、これはもうお互いに比翼の鳥、連理の枝と認められたようなものだと思うんですけど?」 一方、アスミナはアスミナで相変わらず、ブレない発言でここだけ異次元空間を構築していた。 「天涯様たちが虚霧の上空に集合されていらっしゃるようですが、なにが始まりますの?」 「おおぅ、なんかスルーされて、自然な流れで展開を変えられた!?」 気を利かせたのか、天涯をはじめ四凶天王全員と十三魔将軍、空中要塞とでも呼ぶべき超重装備の親衛隊長 分の1程度の確率で、内部まで影響を及ぼせる可能性がある、といった程らしいねぇ。それもどんな結果がでるか不明らしいし」 とは言え、緋雪が消えて3日。座視できず何かしらの行動を起こさずにはいられないという彼らの気持ちは、痛いほど良くわかった。 「刺激した結果、ポンッ!とトドメを刺しちゃったりして~」 ほんの冗談のつもりで言ってるのだろう、泉水の合いの手に嫌~な顔を見合わせる、その場の他の面子。 「まあ、その可能性も無きにしも非ずであるな。念の為、攻撃が始まった際には、各々方は空中庭園まで退避されるがよろしかろう」 警戒するボクを宥めるように、デーブータさんの中から出てきた真の『蒼神』を名乗る青年が、にこやかに微笑みながら、口を開いた。 「ああ、はじめましてとご挨拶しましたけれど、俺はずっとこいつの中に居て情報を共有してましたので、まったくの別人というわけではありませんよ。そもそもこの場は緋雪さんと俺以外の因子は入れないようフィルタリングされてますので、外部から進入したわけではありません。もともと内包されていたものです」 おわかりですか?と首を傾げる蒼神。 「この男は実に下らん人間でしてね」 それから胸元で分断されたデーブータさんの遺骸を顎で指した。 「社会が成熟し、この世界の人間が一定の文化・文明を持ち、明瞭な自我に目覚めるようになり、原始的な宗教における崇拝の対象から――一方的に畏れ敬われた対象から、神学における体系化された神と見なされ、教義に縛られ、不完全ながらも対話による交渉相手と看做され、頻繁に人間と対峙するようになると、すっかり引き篭もりになりましてね......まあ、もともと底の浅い下らん人間でしたから、メッキが剥がれるのを危惧したのと、被造物であるこの世界の人間が、創造主である自分より高尚な思想を持つようになったことを認められないコンプレックもあったのでしょう。 その結果、生み出したのが自分の変わりに面倒事に対応する、自分の理想とする自分の『蒼神』ですよ。学生時代や社会に出て思いませんでしたか、『自分の代わりに学校や職場に行ってくれるコピーロボットがいればいいな』って? あれですよ。――まったく。救いようがない」 思い出して肩を振るわせる蒼神。 「その辺りはまったくの同感だけどさ。その作られた筈の君が、どういうわけで主客逆転しているわけ?」 ボクの質問に、蒼神がよくぞ聞いてくれましたとばかり微笑む。まったくなんとも思っていなくても、無意識に胸が高鳴る微笑みだった。 「もともと彼とは記憶の共有ができる仕様になっていたのですが、いつしか“俺”という自我が確立するに従い、彼と無意識領域で主導権争いが起こりまして。――ご存知ですか。解離性同一性障害の場合、主観的体験を全て包括した主人格と、部分的に切り離された交代人格があることを? 本来であれば後発で人工的に生み出された俺が、元々の人格に対して優位に立つことは、まずあり得ないのですが......この馬鹿の精神的なモロさといったら。いや、本当にあっという間に逆転することができましたよ。本当に笑うしかない愚かさですね」 軽く肩をすくめる蒼神だけれど、その話を聞いてボクは首を捻った。 「主人格と交代人格の立場が逆転したのはわかったけど、『創世神』としての権能を与えられたのは、元々のデーブータさんだったわけじゃないの? 彼が居なくなったのに、どうしてこの場が維持されているわけ?」 そこで不意に笑みの形をそれまでの人畜無害なものから、獲物を前にした猛獣のそれに変えた。 「それともう一つ。緋雪さんが俺に勝って、無事にここから出られるなんて未来はあり得ないんですよ。その辻褄あわせの為に、俺という存在が顕在化した......いや、ひょっとするとこの日の為に、俺が配置されていたのかも知れませんね。鶏が先か卵が先か――まあ、パラドックスですけど、さっさと歴史を修正させていただきます」 その瞬間、ぞく、と悪寒がして、ボクは反射的に身を屈めた。空気どころか光すら分断する勢いで、いつの間に手にしていたのか、『 神威剣 いつの間にか背後を取られていた!――身体を捻ってその場から距離を置こうとする。その瞬間を狙って、横腹を思い切り蹴り上げられた。呼吸が止まると同時に、肋骨の何本かが圧し折れる音を聴いた。 成す術なく空中に身体が浮き、喜悦を放つ蒼神の顔が見えた。 同時に顔を殴られ、首が捻じ切れそうになる。ツンとした鉄の匂いが鼻の奥に広がり、目を見開いているのに、目前の光景がチカチカとフラッシュに包まれわからない。 気が付けば冷たい石畳の床の上に仰向けに倒れていた。先ほどのHP・MP 知らない間に、ポタポタと涙が流れていた。 そこへ裸足の足が近づいてくる。ボクは勘だけで見当をつけて、相手の顔目掛けホーリーライトを放った。 瞬間、蒼神の姿が消えて、まったくの逆方向から蹴り飛ばされた。床の上を2転3転して、うつ伏せになる。 デーブータさんが使っていた時には、あくまで直線的な動きで凌駕しているに過ぎず、瞬間的な反応や曲線的な動きには対応できなかったのだが、この蒼神は完全にその能力を使いこなしていた。 「手癖が悪いな。悪い子にはお仕置きが必要だな」 蒼神の声が聞こえたかと思うと、右肩のあたりを片脚で押さえられ、右腕を掴まれた――と思った瞬間、そのまま一気に背中向けで捩じ上げられた。ボキッ、と嫌な音がして、骨が折れたのがはっきりとわかった。 「――っっっ!!」 声にならない悲鳴が口から漏れ、とめどなく涙が流れる。 意識が遠くなる寸前に、また蹴り飛ばされ、仰向けにさせられた。左手でなんとか起き上がろうとしたけれど、頭を殴られ、胸の中心を踏みつけられ息が止まった。 どこか粘着質な響きのあるその言葉に、本能的にゾクリと全身に震えが走り、必死にその拘束から逃れようとしたが、 「なかなか往生際が悪い。いや、これはこれで躾け甲斐があるというものかな。――とは言え、まだ立場がわかっていないらしいな」 嘲笑を放ちながら、蒼神はボクの左手を取ると、無造作に人差し指を捻り折った。 「あああーっ!」 腕の骨を折られた時よりも、さらに凄まじい痛みに、全身が痙攣を起こした。 続いて中指も折られ、痛みの凄まじさに意識がふっと遠くなった。 「こんなものか」 ひゅうひゅうと口元から漏れる自分の呼吸の音だけが、やけに耳につく。 スカートの下から冷たいものが胸元まで差し込まれた。それが抜き身の 「ああああ......」 自分の身になにが起きようとしているのか。理解した途端、自分の口から出たとは思えない、弱弱しい子供みたいな悲鳴が、他に誰も居ない室内に響いた。 虚霧の天頂付近に浮遊しながら、数多の分身体を配置していた七禍星獣No3にして筆頭たる【 一見、単なる雲か霧にしか見えない虚霧であるが、これが閉鎖された虚数空間であるのは判明している。 あらゆる攻撃を受け付けないこの虚霧だが、発生した以上、基点となる場所は存在する筈。そしてその場所が唯一の だが、常に虚霧の表面は変動していて、それに併せて基点自体も移動している。ゆえに砂漠に落ちた針を探すのに等しい作業だが、3日3晩の観測によりある程度の法則性――と言ってもほとんど山勘に等しいが――を見出した周参は、その場所を特定し最大限の攻撃を加えるべく、魔将のほとんど全員をこの場へと招集していた。 まあその際に鳴り物入りで魔将たちが集結したため、一部関係ない連中も参加して、総数10000名余りの大所帯になってしまったが......取りあえず、手が多いに越したことはないだろう。 その瞬間、周参本体と分身体の視線が、大地を覆い尽くす虚霧の一点へと集中した。 「見つけたぞ! ここだっ!」 刹那、周参の単眼から赤い光線が延び、基点たる虚霧のその部分に当たった。攻撃力はまったくない、合図の為だけの光線である。 殿っ!!」 「承知!」 打てば響く調子で、虚霧の上を浮遊していた半人半魚――いわゆる人魚に似ているが、大きさと気品、何より優美な鎧と顔には白い仮面を被った姿は優美さよりも、猛々しさを感じる――が、空中を泳ぐように移動して、周参が示した場所に向け、手にした 「喰らうがよい、大極無限演舞!!」 「うおーっ! 日輪落しーっ!!」 「獅子聖光瀑咆!!」 離れていても大地が震え、閃光が乱舞するその光景の凄まじさに、鏡越しとは言え、さすがに肉眼では直視できなくなり、オリアーナたちは目を逸らせた。 しょんぼりして下を向いた彼女は、自分を乗せている陸奥の様子がおかしいのに気付いて、首を捻った。 「......どなたかな......夢経由で、僕に話しかけてくるのは......懐かしいような...知らないような......」 宙に浮かんだまま、睡魔と戦う形で夢うつつで誰かと話し続ける陸奥。 「姫様が危ない......? それでは......どうすれば......」 異常を察して近寄ってきた蔵肆を眠たげに見て、陸奥は力なく答えた。 「......僕はこれから眠りに入らないといけない。夢は現在・過去・未来に囚われない......姫様を助けるには......夢を経由するしか......ない。だから、僕を...もっと攻撃の近くに......運んで......」 そう言うと完全に眠りに落ちて、そのまま地面に崩れ落ちそうになるところを、蔵肆は慌てて前脚と口で咥えた。 「連れて行けって言われても、お客さんもいることだしなぁ」 ちらりと背中のオリアーナとクリストフを見る。 「わたしたちのことはお気になさらないでください! 姫陛下の危機とあらば、即刻向かうべきです!」 「そうです。それで何かあろうとも、緋雪様を救えるなら本望です!」 二人の言葉に、レヴァンとアスミナも同調する。 「役に立たなくたって応援くらいはします! 兎に角、急いだ方がいい――そんな気がします!」 4人の熱意と巫女であるアスミナの言葉。何よりも緋雪の危機と聞いて、じっとしていられるものではない。 「わかりました。なにがあろうと、わたくしたちが命の限りお守りいたします」 決意を込めた五雲の言葉に、オリアーナたちは力強く頷いた。

148 Lesson 28: The God Of Atrocities "How's the situation? To be able to evade at any time (though it is only a restful thing, beyond the uncertainty as to what unforeseen circumstances may occur), the winged tiger - Seven Hazards Star Beast No. 4, Empress Oriana, who remains on the back of the Zao Wan (Kura), asked the demon generals of the escort, who refrain from leaving and right, with a caring expression in front of the idle fog (kiku) swallowing 70% of the continent. They should all be waiting in the air garden, but today, when they heard the news that Heavenly Fathers had sent them out to earth, they said they couldn't stay or stand and followed them. and Shirazawa (Hakutaku), a white beast, a 10-year-old brunette girl wearing a red kimono on the back of the Seven Hazards Star Beast No. 6 and Lu Ao (Mutsu) as well - Yasuo (Hozumi), the Seven Hazards Star Beast No. 8's [cloud mirror (yeah)], moved the cube of mirrors in her shy hands with a chatter. In her case, by the way, it is at this rate for everyone but Scarlet Snow and Land and Away. "Is this...? Demon generals refrain from fogging in front of or over the sky at various angles. Beast kings giving further evacuation instructions Beast people. Joey's adventurers rescuing and supporting refugees. Empire Navy Demon Sailboat Leaving the Continent with People Up to the Limit Critical - "The Beluga!" Christoph briefly cheered - and so on, appeared one after the other in the current of the Orianas, with the same clarity that he was peering through the window. "Ho ho. The expansion of the fog has stopped perfectly since the princess entered. It's been three days since then, but the evacuation seems to be progressing considerably, as it remains in a state of well-being." Lu Xiao explains in a sleepy tone. "Her Majesty the Princess... is Her Majesty safe? "I haven't been able to confirm it so far, but the fact that it's in equilibrium means it's okay is the analysis of Zhou Jin (Susa)." "... is that right? I'm sure Her Majesty will be fighting over there.... will surely win and converge this unprecedented situation. - Nevertheless, it also seems tedious to just watch here in silence. I was wondering if there was anything else I could do..." I agree and all the strong nodding Levans. "... Hey, by the way, come on. The fog hasn't moved so far, but it's actually quiet before the storm, builds up like a spring, and all of a sudden, Pong! And maybe it's a precursor to being able to play? Nah. Hepelo " And the look that was flying alongside me can only be described as a flower goddess, a beauty in a white toga, a truly understood atmosphere, makes a statement that doesn't read the air, with a light smile and tone when she does. Pretend everyone who was on the spot didn't listen and return their gaze to Yasuo's created live footage. "That's right, my brother-in-law Levan." I can't believe you can put me on the back of a pair of female Kirin-sama like this was already recognized as a bird of the wings, a branch of the league with each other? On the other hand, Asmina, as always in Asmina, was only building a cross-dimensional space here with unbraced remarks. "It seems that the Heavenly Fathers are assembled over the fog, but what begins? "Oooh, something went through and they changed the expansion with the natural flow!?" A mirror was sent in front of all four fierce kings, including Heavenly Heaven, and General Thirteen Demons, and the super-heavy-armed SS leader Sakaki and other powerful men who were supposed to be called Aerial Fortress, in the middle of the fog - around the point where the "Tower of the Pale God", which can also be considered the culprit, was directly beneath. "I don't know, the degree of rest... that's about a chance that it could affect the inside. They don't know what the consequences are." That said, Scarlet Snow disappeared for 3 days. Their feeling of not being able to sit back and not having to take any action was painfully well understood. "As a result of the stimulus, Pom! And stabbed me in the face." I guess you're just kidding me, seeing disgusting faces in the hands of the fountain water, other faces on the spot. "Well, there's no chance of that either. Just in case, when the attack starts, each of you will be evacuated to the air garden." A young man named the true 'Ethereal God' who came out of Mr. Daebuta smiled and opened his mouth to forgive me for being vigilant. "Oh, it's nice to meet you, but I've been in this guy all my life sharing information, so it's not like I'm someone else at all. In the first place, Scarlet Snow and I are filtered to avoid any factors other than me, so we didn't enter from the outside. It was originally enclosed." Do you understand? and the Ethereal God tilting his neck. "This man is truly a man." Then I pointed to Mr. Daebuta's remains, which were severed by the chest, with my jaw. "When society matures and the human person in this world wakes up to a certain culture and civilization, to a clear self, from the object of worship in primitive religions - from a subject unilaterally awed and revered - to being seen as a systematized God in theology, bound to doctrine, imperfect but nursed as a negotiating partner through dialogue, and frequently confronted with man, it pulled me completely...... well, he was originally a shallow person at the bottom, so he feared the plating would peel off, as well as a complex in which he could not acknowledge that the human being in this world, the creature, came to have a nobler idea than himself, the Creator. As a result, it is my ideal "Ethereal God" that creates trouble for my change. Didn't you think as a student or in society, 'I wish I had a copy robot who would go to school or work on my own behalf'? That's it. - Not at all. I can't save you. " A Ethereal God who reminds me and makes me shake my shoulder. "I totally agree around here. How are you supposed to be the one who inverted it? To my question, I smile all the time that the Ethereal God often asked me. Even if I had no idea, it was a unconsciously heartbeating smile. "It was originally a specification that I could share my memories with him, but as soon as the ego" I "was established, there was a lead fight with him in the unconscious realm. - Did you know? In the case of dissociative identity disorder, that there is a master personality that encompasses all the subjective experiences and a partially detached alternate personality? It's impossible for me, artificially created at a later stage if I were meant to be, to have an advantage over my original personality... when it comes to the mental moronage of this idiot. No, you could have reversed it really quickly. You're really a fool to laugh at. " I shrugged my shoulders gently, but when I heard the story, I twisted my neck. "I know the position of master and alternate personality has been reversed, but wasn't it the original Mr. Daebuta who was empowered to be 'God of Genesis'? How can this place be maintained when he's gone? So he inadvertently changed the shape of his grin from the human and animal harmless until then to that of the beast that preceded his prey. "And one more thing. There is no future for Mr. Scarlet Snow to beat me and get out of here safely. The presence of me became apparent for the sake of the combination... No, maybe I was positioned for this day. Chicken first or egg first - well, it's a paradox, but let me just fix history." At that moment, I got chills, and I bowed myself reflexively. Instead of the air, the momentum to even divide the light, when was it in hand, the "Divine Sword (Amadeus)" - it would have taken off its crystal-like, transparent 3 x 1 metre body and turned it into a long sword of blades shining in about 2 metres of gold - but it was sick to the horizontal giraffe. "By the way, this guy is the True Divine Sword, Versus Amadeus. It's the way it was when I took the sheath off." Soon they took my back! - I twist my body and try to distance myself from the spot. Aimed at the moment, he kicked up his flank thoughtfully. At the same time as he stopped breathing, he heard the sound of several of his ribs crushing and breaking. My body floated in the air without the art of becoming, and I could see the face of the Ethereal God releasing joy. At the same time, I get hit in the face and my neck is about to be twisted off. The smell of twinkly iron spreads behind his nose, his eyes open, but he doesn't know the current sight is wrapped in chickens and flashes. He was falling on his back on a cold cobbled floor if he noticed. Thanks to my earlier HP/MP Auto Recovery (Regenerate) skills, I am twitching and recovering, but the pain and shock are hard to stop. Before I knew it, there were potatoes and tears. Barefoot feet approaching there. I just figured it out and let go of my opponent's face hanging holly lights. Moment after moment, the figure of the Ethereal God disappeared and was kicked out of the exact opposite direction. Turn 2 to 3 on the floor and get depressed. When Mr. Daebuta was using it, he was only overriding it in a linear motion, unable to cope with instantaneous reactions and curved movements, but this Ethereal God was completely using his abilities. "That's a bad habit. Bad boys need punishment." When I thought I heard the voice of the Ethereal God, I was held around my right shoulder with one leg, and grabbed my right arm - the moment I thought, I was pulled straight up to my back. Boki, I heard an unpleasant noise and clearly found my bones broken. "- Ew!!" A voiceless scream leaks out of my mouth, tears streaming through my eyes. On the verge of becoming distant in consciousness, he was kicked again and made to lean back. I managed to get up with my left hand, but he hit me in the head, stepped on the center of my chest and stopped breathing. To that word, which sounded somewhere sticky, a tremor instinctively ran across Zokri and his whole body, desperately trying to escape that restraint, "It's pretty bad forever. No, I guess this means it's worth it. - That said, he hasn't figured out his position yet." Releasing a mockery, the Ethereal God twisted his index finger unconstitutionally as he took my left hand. "Ahhh! My whole body cramped into even more awesome pain than when I was broken my arm bone. The automatic recovery (regeneration) skills should work, but the pain won't go away for long to see if the damage inflicted continuously is too great. My middle finger was then also broken and my consciousness became much farther away from the awesomeness of the pain. "Something like this?" Only the sound of my breath leaking out of my mouth slowly hits my ear. Cold stuff plugged into my chest from under my skirt. Shortly after realizing that was Versus Amadeus, the truly divine sword of the stripper, "Anne of Guyastein," every underwear was cut at once, and the last remaining shorts were also stripped unconstitutionally. "Ohhhhh......" What is about to happen to me? As soon as I understood it, I didn't think I'd come out of my mouth, a scream like a weak child sounded indoors where no one else was. [Observer (Gazer)] Zhou Jin (Susa), who had placed his body in position for numerous minutes while floating near the top of the fog, was forced to concentrate unprecedented in order to find the place, observing the flow of the shattering fog. At first glance, it is an idle fog that can only be seen as a cloud or fog, but it has been found that this is a closed void space. This fog does not accept all attacks, but there must be a base point beyond what has occurred. And it is determined that the location is likely to be the only weakness (Weekpoint). However, the surface of the mist is constantly fluctuating, and the base point itself moves in conjunction with it. Thus the task is equal to finding a needle that fell into the desert, but found a degree of legality due to three days and three nights of observation - albeit almost equal to mountain surveys - Zhou Jin had summoned almost all of the Warlords to the occasion in order to identify the location and carry out the maximum attack. Well, the demon generals assembled in the ringtone at that time, so some unrelated people joined in, making it a big zone with more than 10,000 people in total... but for the time being, I wouldn't have crossed it with a lot of hands. At that moment, the gaze of the circumferential ginseng body and the minute body concentrated on one point of the fog that covered the earth. "I found it! Right here!" In a moment, a red ray extended from the single eye of the circumferential ginseng, hitting that part of the dotted fog at the base. There is no attack power at all, only light for signals. "Lord Kira!!" "Understood!" In a resounding condition if struck, the half-man and a half fish that were floating over the fog - akin to the so-called mermaid, but more elegant in size and elegance, above all the graceful armor and the appearance of a white mask on his face - felt more fierce than elegance - moved to swim in the air, pointing at the place indicated by Zhoujin, and threw the trident (Trident) in his hand. "Eat well, great infinite dance!!" "Ugh! Sun Wheel Drop!!" "Lion Holy Light Falls Roar!!" Even as we were away, the earth trembled and the flashes of light distracted us from the awesomeness of its sight, not to mention beyond the mirror, just beyond the naked eye, and Oriana and the others turned away. Sleeping down, she twisted her neck, noticing something strange about the back of the land carrying herself. "... someone... via a dream, talking to me... like I miss... like I don't know..." Dreaming and talking to someone in a way that fights sleepers, while still floating in the universe, Land Back. "The princess is in danger...? So... how do I..." When he saw the anomaly and saw the nearest Zao Wang asleep, Lu Ao answered without strength. "... I have to go to sleep now. Dreams are not imprisoned by the present, the past, the future... the only way to help the princess... is via dreams... So take me... closer to the attack..." Zuowang panicked with his front leg and mouth where he was going to fall completely asleep and fall straight to the ground when he said so. "I don't care if they tell me to take you, I have customers." See Oriana and Christoph on his back. "Don't worry about us! With the crisis of Her Majesty the Princess, we should head right for it! "That's right. So whatever it is, if you can save Scarlet Snow, it's what you want! To the two words, Levan and Asmina also synchronize. "It's useless and I'll be there for you! Horns on the rabbit, you better hurry - I feel that! Four enthusiasm and the words of Asmina, a witch. Above all, I hear it's a scarlet snow crisis, and it's not something I can stand still on. "Okay. Whatever it is, we will protect you for as long as we live." The Orianas nodded forcefully at the words of the Five Clouds with determination.

第七話 閃剣巧剣 頭上から振り下ろされた一撃を、色違いで同じ形をした剣で受け止める。 受けた剣を持つ腕が重い感触に痺れ、体全体がきしむ思いがした。 だけどもともとの総合的なステータスポイントに大きな差がある以上、到底ボクには追いつけない。 単純に正面からの力比べならば、どうしたってその壁が技量以上の差を持って圧し掛かってくる。 だから、お互いの武器が互角である以上、剣と剣とのぶつかり合いでは、どうしたってボクはアシル王子を圧倒できる。それがボクの認識だった。 だけどそれができない。一撃を受けて様子見――と甘く見ていたのは確かだけれど、数値に表される単純なエンジン性能とは異なる、王子のもつ剣の技量がその差を埋めている。 それは、いまこの瞬間にも、受け止めた剣にさらに加えられる圧力によって、気を抜けば地面に膝を付きそうになっている自分の状態からも明らかだった。 ――まずい! この体勢はマズイ。距離を置いて、ボク本来のヒット&アウェイの戦法にきりかえなきゃ。 瞬間的に判断したボクは、スカートを翻して蹴りを放った。 不意を打ったつもりだけれど、アシル王子は予期していたかのように片脚を上げてこれをガード。 お互いの足が交差した瞬間にようやく力の均衡が崩れて、ボクは反動で後方へと跳んだ。 「可愛らしい下着ですね。――個人的には伝統を外され、ちょっと残念ですが」 「ご期待に添えなくて残念でしたね~。このとおり足癖も悪いものでね」 余裕のつもりか追撃もしないでその場に立って、本当に残念そうに、ヤレヤレと首を横に振るアシル王子。 ちなみにこの手のドレスを着る場合、貴婦人は下着をつけないのが通例なんだけど、さすがにボクはノーパンで歩き回るほど現代人を止めていない。 なので、今回はドレスのインナーらしく、スリーインワン(ブラジャー、ウェストニッパー、ガーターベルトが一体になった下着)を装備している。 「いやいや、足癖が悪いのはお互い様で――」 その瞬間、アシル王子が足元の地面を蹴り、ボクの目前に爆発したように砕かれた大地が迫る。 咄嗟に左手側にステップを踏んでかわした――その方向から気配が! と、感じたのはさらにフェイントで、四方から押し包むような殺気が迫り、判断に迷ったボクはその場で基本スキルの 本体は――――――――真後ろ。 いつの間にどうやって廻り込んだんだい?! 疑問の答えを導き出す前に追い討ちが迫る。 空中から地面に着地するその前に、アシル王子の姿が現前に迫り、斬撃が襲いかかる。 それを迎え撃つべくボクも無理な体勢から剣を繰り出し、刃と刃が絡み合い、鮮烈な火花が散った。 その勢いを利用して距離を取る。 後手に回ったらマズイとは思うんだけど、さらに迫り来る刃を受け止め、弾き、かわしながら一方的に後退するしかなかった。 ・・・なんなんだろうね、こう......こちらの本領を発揮できない土俵に持ち込まれて、じわじわと袋小路に追い詰められていくような、このいやらしい戦い方は。 対戦ゲームってやったことないけど、あれの『待ち』ってこんな感じなのかねぇ。 面白くないねえ。 1発と思ったけど、2~3発殴るのを追加しないと気がすまないね。 脚力差を生かして一気に距離を置く、と同時に猛烈な踏み込みで逆にこちらから王子に迫る。 袈裟懸けの一撃――避けられた。 手首で返しての剣士系基本スキル『燕返し』――これも上体のみ後ろに反らせて避けられた。 さらに空中で軌道変更をしての剣士系基本スキル『横一閃』――孤を描くように振られた剣で弾かれる。 「――ええぃ、いいかげん観念して、殴らせないかい!」 「・・・いやいや、こんなもん受けたら死にますよ。そっちこそ少しは手加減してくださいよ」 「十分手加減してるよ!」 なにしろこっちは基本性能だけで、 ボクのプライドはもうメタメタだよ。 「なんか手加減するのもアホらしくなってきた。ちょっと本気を出すよ」 「それは怖いですねぇ」 目を細めて身震いする真似をするアシル王子だけれど、その瞳はさすがに笑っていなかった。 「まあ死んでも30分以内なら蘇生できると思うから、痛いのは最初だけだ――よッ!」 剣士系の基本スキル『 剣と剣とがぶつかり合い、ボクの突きがいなされる――けど、これは織り込み済み。その勢いを利用して王子の背後にあった岩を蹴って三角跳び。 上から王子に向かって放つボクの本気、剣聖技『七天降刃』! まやかしや残像ではない、実体のある分裂した7つの剣先が、かわせないタイミングで同時に王子の全身を襲う。 咄嗟にもっとも手薄な左手方向へ逃げることで、そのうち3つまではかわすことに成功したみたいだけど、残り4つはかわせない。 そう判断したアシル王子は――ボクが言うことじゃないけど――どんな反射神経をしてるんだい?! 1本の剣で2刀を同時に受け止め、もう1本を強化した左手の拳で弾き、最後の1本――ボクが握った本体に対しては、自分から体ごと飛び込んでくる形で、剣の鍔元のもっとも威力が弱いところを左肩で受けた! 軽く肩が斬られて血がにじんだけど、所詮はその程度。 とは言え、こちらからみれば目の前に首が差し出されたのと一緒。 半ば反射的に切っ先を返して、その首を薙ごうと剣を繰り出し、アシル王子の剣がガードしようとするが――遅い! 完全に捕らえたと思った瞬間、王子の剣が手元でくにゃりと曲がったような動きをして、逆にボクの手首が浅く斬られていた。 さらに変化した鎌首が追いすがり、かわせないと悟った瞬間、ボクは全速力でバックステップをかけた。 勢いで、つま先が接触した地面に二条の溝を掘りながら、その場から一気に20mほど離れる。 そんなボクに向かって、呆れたような声をかけるアシル王子。 「まったく・・・なんでもアリですね。とんでもないなぁ」 「それはこっちの台詞だよ。なんだい今のは?」 「まあ、俺の奥の手のひとつの『 する必要もなく、夜間の吸血姫の身体能力ですでに塞がり、傷跡ひとつない手首を見ながら、ボクは憮然とため息をついた。 「・・・まったく、これだから対人戦は嫌なんだよ、どんな意表を突いてくるかわからないからねぇ」 「まあ非力な人間が勝つための小細工ですからね。卑怯と言いますか?」 「言わないよ。もともとこっちの基礎能力が卑怯なんだからね」 それにしても、ここまでスペックに差があっても技で無効化してくるなんて、ずいぶんと甘く見てたよ。もちろん完全装備で、 実際、この王子様も言っちゃ悪いけど中レベル国家のお山の大将なんだから。 そう思えばずいぶんと収穫があったねぇ。 さて、続きを......と思ったところで、上空から接近してくる馴れた気配と、遥か遠く闇の彼方からこちらに近づいてくる複数の馬車が奏でる騒音とが、ボクの耳に聞こえてきた。 「――姫様、お待たせして申し訳ございません」 案の定、上空から降りてきたのは3対6翼の翼をあらわにした熾天使の 初めて見るその姿にアシル王子は目を丸くしていたけど、こちらは無視して命都に向き直った。 「ごくろう。追っ手は始末したのか?」 「はい、あの場にいた者はすべて排除いたしました。ただ、さきほど上空から確認しましたところ、別口の追っ手らしき集団がこちらに接近しつつあります。姫様のご命令があればこちらも対処いたしますが?」 このへんの律儀なところは命都ならではだね。 他の連中なら、『ついでに潰しとけ』ってお手軽に 「・・・追っ手ですか」 戦う意思はないという具合に、剣を鞘に収めたアシル王子が難しい顔をする。 「そうみたいだねぇ。まったくせっかく興が乗ってきたところだというのに無粋だね」 ボクも剣先を地面に向けて、だらりと下ろした。 「はん。まだまだ奥の手を隠しておいてよく言うよ。だいたいまだ切れてないんなら、もうちょっと続きができるってことだろう? さっきの傷のお返しもしたいし」 そう言って切っ先を向けたけど、アシル王子は肩の傷を指して、 「それを言ったらこちらも一太刀浴びてますしね、今日のところは引き分けということにして、続きはお約束どおり後日ということにしませんか?」 やる気が無いという風に肩をすくめた。 これは完全にやる気がないね。 「・・・仕方ないねえ、続きは君が勝った後にしよう。――でもやる前から貴族たちに勝つつもりでいるけど、浮かれてると足元をすくわれるよ? せいぜい注意することだね」 「ええ、気をつけますよ。ではその条件でよろしいので?」 「いいよ。じっくり高みの見物とさせていただくよ」 「そうですか。俺もそれまで腕を磨いておきますよ」 そう朗らかに笑っていたアシル王子だが、ふと思い出したという風に真顔で訊いてきた。 「姫の『ヒユキ』というお名前は代々続く通り名のようなものなのでしょうか?」 「いや、私だけの名前だねぇ。まあ響きが同じ名ならあるかも知れないけど」 重複した名前は弾かれるから、サーバにも一人だけだけど、読み方を同じにする漢字なんて幾らでもあるから唯一ってわけでもないだろうけどさ。 「そうですか。――実は以前、父に教えてもらった喪失世紀の記載に同じ名があったもので、偶然の一致か、それともなにか関係があるのかと思っただけでして」 『喪失世紀』――思いがけなく出てきた単語に、驚いたボクは無意識にアシル王子に詰め寄っていた。 「・・・それは、どういうことだい? 私の名があるって??」 その勢いにちょっと気圧され、困惑した表情で眉根を寄せる王子。 「いや、アミティア王家に残されているのは本当に断片的なお伽噺のようなものばかりで、失われた時代には人々は神に迫る力を持っていたとか、死や飢えというものが存在しなかったとか、巨大な城が宙に浮かんでいたとか」 うん、その城はいまも元気に浮かんでいるよ。 「そうした超越者たちを束ねる存在があり、そのうちの一人の名前が『ヒユキ』といったとか、その程度ですね」 ふ~~む、まだまだ判断材料に乏しくて何ともいえないねぇ。 とは言え、直接か間接的にかこの世界が 「『喪失世紀』についてもう少し詳しい記載・記録はないのかな?」 「難しいと思いますよ。話した父も子供に聞かせるお伽噺程度の口調でしたから。ただ、より詳しい資料が残された国があるとしたら、おそらくはそれはイーオン聖王国でしょうね」 「――イーオンか、確かがちがちの人間至上主義の狂信国家だったけかな?」 「ええ、しかも信者でない他国人に対しても排他的ですので、ここで確認するのは至難の技でしょうね」 ふむ・・・と腕組みしたボクの耳に、いよいよ追っ手の馬車が迫ってくる音が聞こえてきた。 「まあ考えるのは後にしよう。私と命都はここで追っ手を食い止めておくので、君たちは先に行きたまえ」 「ヒユキ姫たちはどうされるので?」 アシル王子の質問にボクはひらひらと片手を振った。 「聞きたいことも聞けたので、ここで追っ手を始末してお別れだ。――ああ、アンジェリカにはよろしく伝えておいてくれ。まあ、暇ができたら顔ぐらい出すってね」 「・・・そうですか。では、しばしのお別れですね。再会の日までお健やかで」 そう挨拶して、またもボクの手を取り口付けするアシル王子。 ま、また反応できなかったよ・・・。 命都の目が、『やっぱり 「再会というか、再戦の日までなんだけどねぇ」 言いつつ、ボクは王子の肩に手をやって 「おっと、これは、まことにありがたき幸せ。――では、また!」 そう言って颯爽とその場を後にするアシル王子。 アンジェリカとカルロ卿に二言三言喋りかけ、大急ぎで遠ざかっていく――アンジェリカは何度も心配そうにこっちを振り返っていたけどね――馬車を見ながら、ボクはわずかに寂寞を覚えていた。 「さて、いくか命都」 「承知しました姫様」 聖杖を構えた命都がその後に続く。 まあいろいろあったけど、楽しい兄妹だったねぇ。 兄貴のほうの青臭い理想がどこまで達成できるのかはわからないけど、まあ成功するよう願うくらいはするさ。

29 Episode Seven: The Flashing Sword Take a blow waved down from your head with a sword in the same shape in different colors. My arm with the sword I received was paralyzed by a heavy feeling, and I felt my whole body burn. But I can't keep up with more than the big difference in my original overall status points. Simply compared to the force from the front, the wall is pressed with more than the skill difference. So I can overwhelm Prince Ashir if we bump into each other's swords and swords than each other's weapons are. That was my perception. But I can't do that. The skill of the Prince's sword fills the difference, unlike the simple engine performance represented by the numbers, although I'm sure I was looking sweetly at it after a blow. That was evident both now at this moment and from my condition, where I was about to kneel on the ground if I distracted myself by the pressure further exerted on the sword I received. - Not good! This posture is not good. I need to keep my distance and make it my original hit and away method of warfare. Determined instantly, I flipped my skirt and let go of the kick. I meant to strike a surprise, but Prince Asil guarded this with one leg up as if he had expected. The moment each other's legs crossed, the balance of forces finally broke, and I bounced backwards in recoil. "That's cute underwear. - Personally, I'm sorry to hear about the tradition." "I'm sorry I didn't live up to your expectations. You're right, it's a bad habit." Don't even try to afford it or chase it. Stand on the spot, really sorry, Prince Achille shaking his neck with Yareyare. By the way, if you're wearing this hand dress, it's customary for you ladies not to wear underwear, but I just haven't stopped a modern man enough to walk around with a no-pan. So this time it looks like the inner part of the dress and is equipped with a three-in-one (underwear with integrated bra, waist nipper and garter belt). "No, no, we're the ones with bad footprints." At that moment, Prince Ashir kicks the ground at his feet, and the earth is approaching as shattered as it exploded into my present. I stepped toward the left hand side and stepped toward it - there were signs from that direction! And what I felt was even more feint, impending killing like push wrapping from all sides, and I lost my judgment, jumping (jumping) in basic skills on the spot, spinning two to three times in the air forward, away from the spot. The main body is - - - directly behind. When and how did you get around?! The chase is imminent before we can derive an answer to the question. Before landing on the ground from the air, the figure of Prince Ashir looms ahead and the slaughter strikes. To intercept it, I also rolled my sword out of an impossible position, the blade and blade intertwined, and a vibrant spark scattered. Use the momentum to take a distance. I don't think it would be a good idea if I turned to the back hand, but I just had to take an even more impending blade, play it, and retract unilaterally while scratching it. ... I don't know what it is, like this... this nasty way of fighting, like being brought to the mound where you can't show this one's lead and hunted down in a twitchy trail. I've never played a game against you, but is that 'wait' like this? That's not funny. I thought it was one shot, but I'm sorry I had to add a couple of hits. Take advantage of the difference in leg strength to distance yourself at once, and at the same time with fierce steps. On the contrary, approach the Prince from here. A hanging blow - avoided. Swordsman basic skill 'Swallow Return' returned by wrist - this was also avoided only by the upper body against the back. Plus the swordsman basic skill of changing orbit in the air, "Flashing Horizontally" - played with a sword waved to portray loneliness. "- Yeah, no, I don't care what you think, let me hit you! "... no, no, you'll die if you take this. Please give me a break." "I've done enough! Anyway, we only use basic performance, we don't use additional magic (buffs), we don't use any priestly attack magic, we use the same sword or slightly inferior silo stuff, and the skills we use are the basic skills of the player and the basic skills of the swordsman system. My pride is already metaphorical. "I'm starting to look like an asshole to do something about it. I'm gonna be a little serious." "That's scary." Prince Achill, who imitates his eyes narrowing and trembling, but his eyes were just not laughing. "Well, if he dies, within 30 minutes, I think he can resuscitate, so it's only the first thing that hurts - heh! Swordsman Basic Skill: Spike (Slash)! The sword and the sword collide, and my thrust is made - but this is woven. Use that momentum to kick and triangulate the rock that was behind the prince. My sincerity releasing from the top toward the prince, Sword Sage moves "Seven Heavens Blade Down"! Seven tangible, divisive sword tips, not deceptive or remnants, strike the prince's entire body at the same time at an irreplaceable time. Running in the leanest left-handed direction on the tower seems to have succeeded in deflecting up to three of them, but not the remaining four. That's what Prince Achill decided - not what I'm saying - but what kind of reflex nerve are you on?! I took two swords simultaneously with one sword, bounced with the fist of my left hand that strengthened the other, and the last one - against the body I gripped, I received with my left shoulder the weakest part of the sword's original in the form of a jump from body to body! The shoulder was lightly slashed and the blood stained, but to that extent. That said, if you look at it from here, it's with the neck being offered in front of you. Half-reflexively he returns his cut, rolls out his sword to claw his neck, and Prince Asil's sword tries to guard him - but it's slow! The moment I thought I had captured him completely, the prince's sword made a properly curved motion at hand, and on the contrary, my wrist was shallow and slashed. At a moment when the sickle, which had changed further, chased him and realized that he would not engage him, I backstepped at full speed. Momentum, about 20 m away from the spot at once, digging two trenches on the ground where the toe came into contact. To me like that, Prince Achill speaks like a shudder. "You're an ant at all... everything. That's outrageous." "That's our dialogue. What's that? "Well, that's a move from one of my wife's hands," Namino Kasumi. "Normally, I'd have cut the tendon on their wrist." Without needing to heal (heel), I sighed softly as I looked at the wrist, already blocked by the physical ability of the nighttime blood-sucking princess, with no scar. "... at all, this is why I don't like interpersonal fights, because I don't know what kind of intentions you're going to poke at me." "Well, it's a small worker for a powerless person to win. Do you call it cowardice? "I won't tell you. Originally, our basic abilities were cowardly." Still, I've been watching it a lot sweeter to see you deactivate it with moves even if there's a difference in specs so far. Of course, if it's fully equipped and you can use additional magic (buffs) all you want, it's hardly a problem level, but on the contrary, the same conditions - if there's a comparable equipment in this world to 'The Sinner of the Rose (Jill de Leye)' (I'm afraid I'm in the class of the Three Powerful Countries) - then there's someone there to defeat me, too, right? In fact, I hate to say this prince, but he's a mountain general in a middle-level country. That sounded like a lot of harvest. Well, I just thought I'd continue, and I could hear the tame signs approaching from above and the noise played by multiple carriages approaching this way from far beyond the darkness. "- Princess, I'm sorry to keep you waiting." It was the Angel's life capital (Miko) that revealed the wings of three to six wings that came down from above. Prince Achille had his eyes round that first look, but this one ignored and turned back to the life capital. "Very much. Did you kill the chaser? "Yes, we have eliminated all those who were there. However, I just checked from above that a separate, chase-like group is approaching here. If I had the princess's orders, I would deal with this, too? The discipline of this place is unique to the capital of life. If you're the other guys, it's easy to kill "then crush" and then you'll report it afterwards. "... are you a chaser" Prince Asil, with his sword in his sheath, makes a difficult face at the fact that he is unwilling to fight. "Looks like it. It's so rude to say that Xingxing has just come on board." I also turned my sword tip to the ground and lowered it sloppily. "Hang on. I still keep my hands hidden. I'll say it often. If we haven't cut it yet, it means we can go on a little bit, right? I'd like to repay you for the wound." That's what I said and pointed the cut, but Prince Asil pointed at the shoulder wound, "If I said that, I'd be showering a knife here, and for today, you decided it was a draw, and then later, as you promised? I shrugged my shoulder in the unmotivated wind. This is totally unmotivating. "... there's no choice. Hey, let's do this after you win. - But I'm going to beat the nobles before I do, but if I float, they'll shrink my feet, right? At best, be careful." "Yeah, I'll be careful. Well, on that condition, I suppose? "Fine. Let me take a closer look at you." "Really? I'll brush my arms until then." Prince Ashir laughed so loudly, but he asked me truly in the wind that he remembered. "Is the princess's name 'Hyuki' like a street name that lasts from generation to generation? "No, it's just my name. Well, if it sounds the same, maybe it does." Duplicate names are played, so there's only one person on the server, but it's probably not the only one because there are so many kanji characters that read the same way. "Really? - Actually, it used to have the same name in the description of the centuries of loss my father taught me, just wondering if it was a coincidence or something." "Century of Loss" - To a word that came out unexpectedly, I was surprised that I was unconsciously stuffed by Prince Asil. "... what does that mean? My name??" A prince a little pressured by the momentum and frowned upon with a bewildered look. "No, all that's left of the Amitian royal family is like a truly fragmented gaga, and in the lost times, people had the power to approach God, or there was no such thing as death or famine, or a giant castle floating in the universe" Yeah, the castle is still floating fine. "There are beings that bind these transcendents, and the name of one of them is" Hyuki, "to that extent." Heh heh, I'm still lacking in judgment material and I can't help it. That said, I'm pretty sure the world is directly or indirectly involved in "E. H. O" and "Eternal Horizon Online" or something. "I wonder if there is a slightly more detailed description/record of the 'Loss Century'? "I think it's hard. Because it was a tone of tone that my father, who spoke to me, also made my children listen. However, if there were a country left with more detailed materials, it would probably be the Eon Holy King." "- Eon or was it certainly a fanatical state of human supremacy? "Yeah, and it's exclusive to other people who aren't believers, so it must be a tricky move to confirm here." Hmm... and I finally heard the chaser's carriage approaching in my arms. "Well, we'll think about it later. Me and the Capital of Life will stop the chasers here, so you guys go ahead." "What are the princesses going to do? I waved one hand flickering at Prince Asil's question. "I could also ask you what you wanted to hear, so I'm going to end the chaser here and say goodbye. - Oh, tell Angelica I said hi. Well, when you're free, I'll show you my face." "... is that right? So that's a lot of goodbyes. Healthy till reunion day." So say hello, Prince Asil, who once again takes my hand. Ma, I couldn't react again... Life Capital's eyes say, "Do you want to kill me? 'But I say,' Uh, keep it depressing with the chaser for now, 'he answers with a gaze. "Reunion, or until the day of the rematch." As I said, I healed (heeled) by doing my hand on the prince's shoulder. "Oops, this is truly thankful happiness. - See you later! Prince Ashir, who says so and refreshes himself and after the occasion. Speaking two or three words to Angelica and Sir Carlo, I rushed away - Angelica looked back at me worryingly many times - and as I looked at the carriage, I remembered being slightly lonely. "Well, let's go, life capital" "Yes, Princess." The capital of life with the sceptre follows. Well, a lot happened, but he was a fun sibling. I don't know how far my brother's blue-smelling ideals can go, but I hope they succeed.

の拳が轟音と共に振り下ろされ、弾力と硬度を併せ持つ、所有者のボクも知らない謎物質でできた廊下に穴を開ける。 拳の先は十字剣で強化しているけど、所詮は元が脆弱な人体の集合体。当然、こんな勢いで殴りつければ、負荷に耐え切れずに一撃で剣は折れ、 「にょええええ! 血が!! 変な汁が!? 目玉が、脳味噌が、臓物がーっ!!」 「ぎゃああっ。汁が付いた! 臭ぇ~っ! 緋雪さん浄化して浄化!」 廊下一杯に飛び散る腐肉と汚物、血液体液謎液の飛沫に、タメゴローさんともども悲鳴を上げながら、あたふた回避する。はっきり言って直接的な攻撃よりも、こっちの被害を躱すほうが余程厄介だった。 だと思って好き勝手やってくれるねぇ!」 命都と二人でドレスに付いた汚れを浄化したボクは、怒りを込めて全力疾走。撃ち下ろしのパンチを軽く躱し、そのままギアを上げて壁を駆け上がって、天井まで昇ったところで跳躍した。 剣聖技『七天降刃』。分裂した七連突きを、意図して一箇所に集中させ傷を押し広げる。 すれ違い様、その傷口へ聖女系上級スキル『ホーリー・ディスクラプション』――浄化の光で対象に物理・光ダメージを与える。残存MP/最大MPに比例して威力が変動。またダメージ量は、対象との距離に比例して減少するけど、ほぼ密着したこの距離なら100パーセント徹る――を当てる。 光の多重魔法陣が発生し、それが渦を巻いて 「さすがは緋雪さん、機動力と俊敏性、それに合わせて回復能力ってのは完全なバランスブレイカーだよなあ~」 あれぇ?! なんかチートのヒトにチート扱いされてるような......気のせいだよね? の表面から、融合していた元聖堂騎士(現吸血鬼)達が剥がれ落ち、剣と盾とを構えた。その数、約100騎余り。 同時に、剥がれ落ちた 呟いたらぽっくさんが9剣を構えたけれど、その背中にタメゴローさんの気迫の籠もった叫びが追いすがる。 「雑魚は任せて、らぽー!」 その声を合図に、後ろも見ないで軸線上から、横にステップを踏んだらぽっくさんのギリギリ脇を、緋色の炎の球が飛んで行った。 「フレア・バスター!」 慌てて盾で防御する元聖堂騎士達。その集団の中心部に命中したところで、炎の球が一気に膨張して、すっぽりと全員を覆うドームとなり、渦巻く炎が一瞬にして元聖堂騎士達を消炭に変えた。 さすがはすべてのステータスを火炎系魔術の威力向上に費やしている【 はレベル差に応じて成功率が変動するので、100パーセント成功するものではないが、どうやら今回は成功したらしい。 「そして考えなしだ。そこにいると教えてくれているようなものだろう?」 らぽっくさんの目が、 同時にボクも走り出した。重装備のらぽっくさんでは、あの位置まで手を伸ばすのは不可能。ならば、ここはボクがやるのが適任。 剣聖技『天覇凰臨剣』――剣を構えたまま横回転を繰り返し、竜巻状の風の刃とともに 一撃で斬り落とすまではいかなかったけれど、即座に7剣がその場に殺到して、一気に左足を斬り離した。 切り離された左足が小型の 「往生際が悪いぞっ」 追いすがるらぽっくさんの握る右手の だけど、らぽっくさんの場合はこれだけじゃない。スキルが放たれるコンマ0.5秒以内に、次の剣に持ち替える。さらに次の剣へ......常人なら1回成功させるだけでも至難の業ともいえるタイミングで、次々と剣を入れ替え、ついには9剣すべてが白光を放って空中へ飛び......そして、その両手に握られていた。 システムの抜け穴を使った、らぽっくさんだけのオリジナルスキル。数々の 「メテオ・バニッシャー!」 白々とした光の尾を伴って、9本の刃が 「シマムラは?!」 マントで爆風から身を守りながら、後方へ下がったらぽっくさんの叫びに、慌てて周囲を見回すけど、それらしい姿はない。 まさかいまので一緒に吹っ飛ばしたわけじゃないよね?! 困惑した顔を見合わせるボクたちの頭上、廊下に下がっている巨大シャンデリアの辺りから、ガラスが割れるような音がした。 はっと見上げてみれば、シャンデリアの上に身を隠していた、しまさんが軽く呻きながら落下してきた。その足の甲には、なぜか短いナイフが刺さっている。 「――いまだ! 緋雪さん、急いで封印を!」 疑問は疑問として、切羽詰ったらぽっくさんの指示に従って、半ば反射的にボクは ある程度(具体的には最低でも3メートル)距離が近くないと、これは効果を発揮しない。 勿論、らぽっくさんが即座に9剣を飛ばせばこの場でしまさんを斃すことはできるだろう。だけどそれじゃあセーブロードでなにも変わらない。 「――封縛!」 先日の阿呆大教皇の仕草を思い出し、『封印の十字架』にボクのいまある全魔力を注ぎ込んだ。 刹那、しまさんの全身が光に包まれ、その中で苦笑いしている気配がした。 それと同時に、視界の端で廊下の柱の影に引っ込む人の姿が見えた気がした。 ――影郎さん? 本日2回目となるMPすっからかんの状態で、がっくりと膝を折ったボクの目の前に、完全に意識を手放したしまさんが人形のように転がっていた。 なんか全部終わった気でいたけど、妙に周囲が騒がしいので、見れば完全にコントロールを失った

The fists of the Abandoned Giant (Yotun) are swung down with the roar, creating a hole in the hallway made of mysterious substances that the owner does not even know about, combined with elasticity and hardness. The tip of the fist is fortified with a cross sword, but the interpretation is a collection of formerly fragile human bodies. Naturally, if you hit him with such momentum, the sword will break in one blow without withstanding the load, and the fists of the Abandoned Giant (Yotun) will burst like water balloons. "Yes! Blood!! Weird juice!? My eyeballs, my brain miso, my organs!! "Ahhh. It's juiced! Ouch! Mr. Scarlet Snow, purify and purify! Both Mr. Tamegoro and Mr. Tamegoro scream and evade the splash of rot and filth and blood fluid mysterious fluid scattered throughout the hallway. Clearly, it was more troublesome to do this damage than a direct attack. "Konnya!... you can do whatever you want because you think it's a human house! Life Capital and I purified the dirt on our dress, and I went all out of anger. He gently slammed the punch of the shooting down, kept his gear up and ran up the wall, jumping up to the ceiling. Kensei moves "Seven Days Blade Down". Focus the split seven-series piercing in one place with the intent to push and spread the wound. Dear Mistake, to that wound, the advanced Virgin skill 'Holy Discruption' - deals physical and light damage to the subject with the light of purification. The power fluctuates in proportion to the residual MP/maximum MP. In addition, the amount of damage is reduced proportionally to the distance from the target, but this distance, which is close to the target, is 100 percent complete - hit. Multiple magic formations of light occurred, which swept the vortex into the wounds of the abandoned giant (Yotun) and exploded all at once. "That's right, Mr. Scarlet Snow, mobility and agility, and the ability to recover accordingly, is a complete balance breaker." That?! Something like being treated like a cheat by a cheat human...... it's your fault, isn't it? And from the surface of the shuddering abandoned giant (Yotun), the merging former cathedral knights (now vampires) peeled off and laid their swords and shields. That number, about 100 more rides. At the same time, on the skin of the stripped Abandoned Giant (Yotun), the same shield as that equipped by the Cathedral Knights was amazingly scaly. If you whine, Pokusa put up nine swords, but Mr. Tamegoro's temperamental caged scream chases you on that back. "I'll take care of the miscellaneous fish, Rapo! With that voice signaled, don't even look behind me. From the axis, when I took the steps to the side, a ball of scarlet flames flew by Pokusa's critical side. "Flair Buster!" Former cathedral knights who rush to defend themselves with shields. Where it hit the center of that population, the sphere of flames swelled all at once, becoming a dome that covered everyone softly, and the swirling flames instantly turned the former Cathedral knights into charcoal digesters. That's what I spend all my stats on improving the power of flame-based witchcraft [One Fire (because of what I did)]. No other player would be able to shoot a high-level vampire family member in one blow (until I got these two names from the operation, by the way, "Arson Witch," "Fire Fool," and so on). Countermagic (anti-magic) fluctuates in success rates depending on the level difference, so it's not 100 percent successful, but apparently it did this time. "And no thought. It's like you're telling me you're there, isn't it? Lapokusan's eyes capture the area around the left tibia of the abandoned giant (Yotun). At the same time, I ran out. It is impossible to reach that position with heavily equipped Lapokusan. Then it's my job to do it here. Kensei moves "Heavenly Heavenly Phoenix Coming Sword" - repeats the lateral rotation with the sword in place, slashing and tearing the left foot base of the abandoned giant (Yotun) with the tornado wind blade. Not until I slashed him off with one blow, but instantly seven swords killed him on the spot, slashing his left leg apart at once. A severed left foot turns into a small abandoned dragon (Nidheck) and tries to escape from the scene. "Bad old days." The big sword (Great Sword) of Pokkusan's right hand in pursuit, "Absolute", emits white light. But this is not the only case of Rapunzel. Switch to the next sword within 0.5 seconds of the comma when the skill is unleashed. Further to the next sword... at a time when a normal person could only succeed once and be considered a difficult undertaking, one sword after the other, and finally all nine swords flew into the air with white light... and were held in their hands. The original skills of Rapokun alone, using system loopholes. I've slaughtered a number of large-scale combat (Reid) monsters, also known as... "Meteo Banisher!" With a white tail of light, nine blades pierce the entire body of an abandoned dragon (Nidheck). "What about Shimamura?!" Protecting himself from the blast with his cape, he rushes around to the screams of Pokemon when he falls back, but he doesn't look like it. No way, so we didn't blow it up together now, did we?! There was a sound of glass breaking from over my heads, around a giant chandelier down the hallway, matching my puzzled faces. looked up all the time, he was hiding himself over the chandelier, Shima falling down with a gentle groan. On the back of that leg, for some reason, a short knife is stabbed. "- Not yet! Mr. Scarlet Snow, hurry and seal it! The question was, once the feathers were stuffed, I followed Pokusan's instructions and half reflexively I ran toward Shima as I retrieved the "Sealed Cross" that had gone into the storage space (inventory). If the distance is not somewhat (specifically at least 3 meters) close, this will not work. Of course, if Rapu-kun immediately flies nine swords, he will be able to kill Shima on this occasion. But that doesn't change anything with Save & Load. "- Seal it! Reminds me of the other day's trick of the Archpope of Azhu, who infused the 'Sealed Cross' with all my current magic. In a moment, Shima's whole body was wrapped in light, and there were signs that she was laughing bitterly in it. At the same time, I felt like I could see someone pulling into the shadow of a corridor pillar at the edge of my sight. - Mr. Shadow Lang? In the state of MP teasing for the second time today, Shima, who completely let go of consciousness, was rolling like a doll in front of Bok, who broke his knee disappointingly. I thought it was all over, but the surroundings were strangely noisy, so I could see that the end of the abandoned giant (Yotun), who had completely lost control, and the LaPo Kusans were still fighting.