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NilanE

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ParallelFiction-Ja_En-100k

like 53

俺は森のなかで息をひそめの大樹をじっと見つめていた。 しばらくそうしていると突然土が盛り上がり、大樹が動き出す。 それは木の姿をした魔物――ウォーキングウッドだ。 木に擬態して、近づいてきた生き物をムチのようにしなる枝で絞め殺し、養分にしてしまう魔物である。 「俺はここだ!」 俺の声に反応し、ウォーキングウッドがうぞうぞと根っこを動かして襲いかかってくる。 俺は手を刀の形にすると、横薙ぎに振るった。 すぱぁぁぁぁん!! ウォーキングウッドが真になった。 いまのは師匠に教わった風魔法《 普通は魔法杖がないと魔法を使うことができないが、俺の師匠は普通の魔法使いではない。 年以上前に魔王を倒し、勇者と讃えられた大魔法使い――モーリス・アークヴァルドなのだ。 そんな師匠なら身体ひとつで魔法を使えても不思議じゃないし、師匠の一番弟子である俺に同じことができてもおかしくはない。 つっても、俺は自分のことをすごいだなんて思ったことはないけどな。 俺がすごいんじゃなくて、師匠の教え方がすごいのだ。 まあ教え方っていっても、直接教わったわけではなく、見よう見まねで風刀を使えるようになったんだが。 だけどそれは、裏を返せば『師匠は直接教えていないのに、俺に風刀を使わせてみせた』と言い換えることもできる。 要するに、師匠はすごいひとなのだ。 森のなかで行き倒れになっているところを師匠に拾われて早五年――。 一〇歳になった俺は、今日もこうして修行をしてるってわけだ。 俺はウォーキングウッドの亡骸に近づき、ふたつになった丸太を両脇に抱えると、家路につく。 しばらく森を歩いていると、拓けた場所に出た。 剥き出しになった土の上に、小さな木造の家がぽつんと建っている。 俺と師匠の家だ。 この森に家を建てて暮らしているのは、俺と師匠だけだ。 この森は『魔の森』と呼ばれ、魔物の生息地になっているのだ。そのため、普通のひとは住むどころか近づこうとすらしないのである。 ウォーキングウッドを庭に置き、俺は家に入った。 「おお、早かったのぅ」 安楽椅子に腰かけ、パイプをくゆらせているのは俺の師匠――モーリスじいちゃんだ。 帽子をかぶり、白い髭と白髪を生やし、立派な魔法杖を手にしている。 見てわかるとおり、モーリスじいちゃんは大魔法使いだ。 「言われた通り、ウォーキングウッドを狩ってきたよ」 「怪我はないか?」 俺は吹き出してしまった。 「怪我なんてするわけないよ。だって、相手はウォーキングウッドだよ? あんなの師匠直伝の風刀で一撃さ」 「そ、そうか。風刀を使いこなせるようになったか。いやぁ、ほんと、なんていうか......すごいな」 気まずそうに目をそらす師匠。 「師匠の教え方がすごく上手なだけさ。おかげで、ただの手刀と同じ感覚で風刀を使うことができてるよ」 本来、魔法を使うには魔法杖でルーンを描かなければならない。 身体一つで魔法を使うなんて、普通はありえないことなのだ。 「俺、もっともっと魔法を使えるようになりたい。師匠みたいな立派な魔法使いになりたいんだ!」 「う、うむ。で、では修行の続きじゃ。ウォーキングウッドを細かく切って薪にせよ。半分は家の裏に保管して、残りは町に売りにいくぞい」 ウォーキングウッドは一般的な木に比べると燃焼性がよく、火も長持ちする。高級木材なのだ。 町のひと――といっても買うのは金持ちばかりだが――は簡単に手に入るウォーキングウッド製の薪を高値で買ってくれるのである。 森に入ればいくらでも手に入るってのに、もったいないことをするもんだなぁ。

I whispered in the woods, staring at a tree. After doing so for a while, the soil suddenly rises and the great tree moves out. It's a tree-like monster - walking wood. It is a demon that simulates itself in a tree and strangles and nourishes approaching creatures with branches that become like munchies. "I'm here! He reacts to my voice, and walking wood hits me with his roots moving. When I put my hand in the shape of a knife, I waved it to the sideburn. Shh!! The walking wood went straight into two. This is Wind Blade (Kamaitachi), the wind magic taught by the master. Normally I can't use magic without a magic wand, but my master is no ordinary wizard. It is Maurice Archvaldo, the great wizard who defeated the Demon King more than fifty years ago and was glorified as a brave man. It's no surprise that such a master can use magic with one body, and it's not strange that he can do the same to me, the master's most apprentice. Even so, I've never thought of myself as amazing. I'm not amazing, I'm amazing at how I teach my master. Well, I didn't teach it directly, but I could use a wind knife based on appearance. But if you give it back, you can say, 'My master didn't teach me directly, but he made me use the wind knife.' In short, the master is a great one. My master picked me up five years early where I was going down in the woods -. This is how I train today when I'm ten years old. I approach the wreckage of the walking wood and hold the two Marutai beside me, I go home. Walking in the woods for a while, I went out to a place I had pioneered. A small wooden house is built on peeled dirt. It's me and my master's house. Me and my master are the only ones living in this forest building a house. This forest is called the Devil's Forest, and it is home to demons. For this reason, a normal person does not even try to get close to the place where he lives. I put the walking wood in the garden and I walked into the house. "Oh, that was fast." It's my master - Grandpa Maurice - sitting in an euthanasia chair and slacking the pipe. He wears a triangular hat, grows a white beard and gray hair, and holds a splendid magic wand. As you can see, Grandpa Maurice is a great wizard. "I've been hunting walking wood, as I was told." "Are you hurt? I blew it out. "I'm not going to get hurt. 'Cause they're walking wood, right? That's a blow with a direct wind knife from the master." "Oh well. Can I use the wind knife now? Hey, really, I don't know... wow" A master who turns a blind eye at first. "I'm just so good at teaching my master. Thanks to you, you can use a wind knife with the same feel as a hand knife." Originally, you have to draw runes with a magic wand to use magic. Using magic with one body is usually impossible. "I want to be able to use more magic. I want to be a good wizard like my master! "Ugh, um. So, let's continue our training. Cut the walking wood into fine pieces and turn it into firewood. Keep half of it behind the house and sell the rest to the town." Walking wood is more combustible than common trees, and fire lasts longer. It's luxury wood. One of the towns - even though all they buy is rich - buys easy to get walkwood firewood for a high price. It would be a waste to get as much as you want in the woods.

アッシュが世界樹へと旅立って3日目の朝。 吹きすさぶ風の音に目を覚ましたリッテラは、不安そうに荒野の様子を眺めていた。 「今日も風が強いねぇ。こりゃ悪いことが起きる前兆かもしれないよ」 アッシュが旅立った日の夕方頃から、強風が吹き始めたのだ。その勢力は衰えることなく、砂塵を舞い上げ続けている。 「こんなに風が強いんじゃ、ノワールちゃんが怖がっちまうねぇ」 退化薬の効果は切れたが、催眠魔法の効果は続いている。3歳児ではなくなったが、この砂嵐を目にすれば不安がってしまうかもしれない。 「ふん。お前はなにを言っているのだ? 怖がるどころか、喜ぶに決まっているのだ」 廃材置き場の整理をしていたリングラントが、全身泥だらけで歩み寄ってくる。 「どうして喜ぶんだい?」 「これがアッシュのしわざだからだ。つまりこの風は、ノワールにとっては吉報なのだ。あいつが無事だというな」 「こ、これがアッシュちゃんのしわざだって? あの魔力で、どうやって風を起こしてるってんだい?」 あのフィリップ・ヴァルミリオンでさえ、この規模の風を3日間起こし続けるのは不可能だろう。わずかな魔力しか持たないアッシュに風を起こし続けることなどできるわけがない。 あるいは世界樹にたどりついただけで、圧倒的な魔力を手に入れたのだろうか。 だとしたらリッテラの実験は大成功なのだが―― 「アッシュは深呼吸をしているのだ」 意味がわからなかった。 「これが深呼吸って、どんな肺活量してるんだい!?」 「なにを驚いている。あいつは存在そのものがデタラメなのだ。このくらいできてもおかしくなかろう」 「いや、おかしいよ!? あんた、アッシュちゃんをなんだと思ってんだい!?」 「世界最強の生命体だ。ゆえに、これくらいできて当然のことなのだ。そして深呼吸をしているということは、世界樹にたどりついたということなのだ!」 あいつならたどりつけて当然だがな、とリングラントは嬉しそうに言う。 リングラントは冗談が大嫌いだ。この強風がアッシュの深呼吸だと本気で信じているのだろう。 だとすると人間離れしているにもほどがある。 「ていうかあんた、アッシュちゃんを倒すのが目標なんだろう? どうしてそんなに嬉しそうなんだい?」 正直、リッテラはアッシュの負ける姿がまったくイメージできなかった。 なにを作っても粉々にされる未来しか見えないのだ。 「目標は達成が困難であればあるほど面白いのだ。......お前の考えは違うのか?」 「あんたと同じだよ。アッシュちゃんの強さを目の当たりにして、やる気が上がったくらいさね」 「そうか。お前が腑抜けたことを言えば研究所を乗っ取ろうと思っていたのだが、残念だ」 残念と言いつつも、リングラントは嬉しそうだ。身近に競争相手がいたほうが、負けず嫌いなリングラントはやる気が出るのだろう。 リッテラとて、リングラントと同じ気持ちだ。 だからこそ、弟を研究所に住まわせることにしたのである。 「して、リッテラよ。朝食はまだか?」 もっとも、居候とは思えない態度の大きさにはイラッとするが。 「いま作るから、あんたは身体の汚れを落として――」 『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』 突然ゴーレムの雄叫びが響き、リッテラはため息をついた。 「やれやれ。うちの居候は怠け者すぎるけど、うちの用心棒は働き者すぎるね」 いつもは研究所に近づく魔物を撃退してくれるが、最近は人間の訪問者が増えてきた。落ち着いて実験するためにも、ゴーレムを引っ越しさせたほうがいいかもしれない。 などと考えつつ外に出ると、ゴーレムのそばに青い甲冑を纏った人物が佇んでいた。 「ゴーレム! そいつは人間だよ! あんたは土のなかにもぐって――」 『オレ様がニンゲンだと!?』 青騎士が振り向いてくる。 全身から放たれる禍々しいオーラに、リッテラは立ちすくんでしまった。 「あ、あんた......人間じゃないのかい?」 青き帝王 》様も下等種族呼ばわりするとは! 許せん! オレ様を侮辱した罪、死をもって償ってもらうぞ!!』 歩み寄ってくる青騎士に、リッテラは慌てて 「な、なんなんだい、その......なんとかってのは!?」 「あんたは魔物なのかい!?」 『魔王だ!』 「魔王なのかい!?」 『そうだ!』 「バカな、そんなのありえないよ!」 『なにがありえぬのだ!』 「魔王はアッシュちゃんが倒したはずだよ!」 》が葬られたとは聞いていたが、《 「あの子、そんなに葬ったのかい!?」 リッテラは度肝を抜かれた。 》とかいう魔王だけではないらしい。 『勘違いするなよ、ニンゲン! オレ様はほかの魔王とは次元が違う! なぜならあやつら王の数あわせに過ぎぬのだからなァ!!』 騒ぎを聞きつけ、リングラントが駆け寄ってくる。 「なにのこのこ出てきてるんだい! あたしが時間を稼ぐから、あんたはノワールちゃんを連れて逃げな!」 「なにを言っているのだ! お前ごときに逃げる時間が稼げるものか!」 「なぁに、あたしには頼もしい用心棒がついてるからね!」 「そ、そうか! ゴーレムに戦わせるのだな!?」 「その通りさね! さあ、ゴーレム! 真の力を解放するときが来たよ! 思いっきり暴れてやんな!」 スパァァン!!!! ゴーレムが細切れになった。 自慢のゴーレムが瞬時に破壊され、リッテラは正気を失いそうになる。 どうにか意識を保ちつつ青騎士を見ると、半透明の大剣を握っていた。 てっきり魔法を使ってくると思っていたが、青騎士は剣士なのだろうか。 だとすると、生き残る術はある! 「いますぐノワールちゃんを連れてきな!」 「ノワールは病み上がりなのだぞ!? 戦力にならん!」 「戦うんじゃない! 逃げるんだよ! あたしの系統を忘れたのかい!?」 「そ、そうか! 空を飛ぶのだな!?」 「その通りさね!」 リッテラは風系統の魔法使いだ。魔力はさほど高くないが、飛行魔法くらいは使える。 強風に煽られ岩にぶつかる危険があるが、魔王と戦うよりは遙かに安全だ。 「わかったらさっさと連れてきな! アッシュちゃんが休憩する前に逃げるんだよ!」 アッシュの深呼吸と協力して砂塵を巻き上げれば、目眩ましにはなるはずだ。そうやって時間を稼ぎ、空へ逃げるのだ。 相手が魔法使いなら通用しないが、魔王は剣士――。間合いさえ詰められなければ逃げ切ることができるのだ! そう思っていたのだが―― 「な!?」 「どうなっておるのだ!?」 リッテラとリングラントのうちに半透明の檻に閉じこめられた。 「こ、これはお前のしわざか!?」 「あんた、剣士じゃなかったのかい!?」 『否! オレ様は水の支配者! ゆえに、あらゆる水を意のままに操ることができるのだ!!』 水を操るということは、半透明の剣と檻は水で作られたというわけか。ゴーレムを切り裂くほどだし、強化することもできるのだろう。だとすると自力で檻を壊すのは無理である。 それは理解できたが、しかし不可解なことがある。 「水なんてどこにあるんだい!?」 青騎士が水を操ることはわかったが、肝心の水が見当たらないのだ。 『愚かなニンゲンめ。水なら貴様の目の前にあるではないか』 「ま、まさか――まさか水蒸気を使ったのかい!?」 『いかにも! たとえ目に見えずとも、水である以上はオレ様の武器になるのだ!』 水蒸気まで操れるのだとすると、魔王の攻撃範囲は広すぎる。 空に逃げたところで意味はなく、間合いを取っても意味がない。 なぜなら人間の身体は、半分以上が水でできているのだから。体内に爆弾を仕込まれているようなものなのだ。 『ようやくオレ様の偉大さを理解したようだな。そう、オレ様がその気になれば貴様らを殺すことなど造作もないのだ!』 だが、と青騎士は愉快そうに嗤う。 》に任せるのだ! 貴様らは《氷の帝王》を愛しているようなのでな。愛する者に殺されるニンゲンの顔ほど見ていて愉快なものはないのだ!』 「ノワールちゃんが人殺しなんかするもんかね!」 『まだオレ様の力を理解しておらぬようだな! オレ様はあらゆる水を支配できる! そしてニンゲンよ、貴様らの身体はほとんどが水でできておるのだ!』 リッテラはハッとする。 青騎士は水を支配することができ、人間の身体はほとんどが水でできている――身体のほとんどは青騎士に支配されているのだ。 つまり―― 『オレ様はニンゲンの身体を意のままに操ることができるのだ!』 だとすると青騎士の前では強さなど無意味。むしろ強ければ強いほど、青騎士にとっては好都合なのだ。 なぜならそれが人間である以上、青騎士の支配下に置かれ――忠実な手下になるのだから。 「な、なんて怖ろしい魔法なんだい......」 》が得意としていた洗脳魔法と違って防ぐことはできず、さらに解くことすらできないのだ。 なぜなら青騎士の支配下から逃れるには、体内の水分量が半分以下になるまで脱水しなければならないのだから。 そうなれば、待っているのは死である。 これまでに多くの魔王が現れたようだが――世界最強の武闘家を支配下に置ける《青き帝王》こそが、世界最強の魔王だったのだ! リッテラとリングラントの絶望する様を見て、青騎士は愉快そうに甲冑を揺らした。 『フハハハハハ! ようやく理解したか! そう、オレ様こそが世界最強の魔王――否、世界最強の生命体なのだ!!』 「貴方は最強じゃないわ」 と、騒ぎに目を覚ましたのか、ノワールが歩み寄ってくる。 『貴様! 《氷の帝王》! いまなんと言った!?』 これまでに多くの修羅場をくぐって来たのだろう。圧倒的な殺気を放つ青騎士に、ノワールは平然とした顔で告げる。 「貴方は最強ではないわ。だって、アッシュのほうが強いもの。貴方なんか、アッシュが触っただけで粉々だわ」 『オレ様がニンゲン風情に粉々にされるだと!? 面白い! ならば貴様の妄想、粉々に打ち砕いてくれるわ!』 青騎士はマントを翻した。 『アッシュとかいうニンゲンを葬り、その首を持ち帰ってくれるッ! 恐怖と苦痛に歪んだ生首を目にすれば、オレ様が最強だと認めざるを得まい!』 「そんなことできるはずないわ。だって、アッシュは世界一硬いもの」 『ならば自害を命じるまでだ! いかに強かろうとニンゲンである以上、オレ様の操り人形なのだからな!』 「初耳だわ」 重要なところは聞こえていなかったようだ。 『生首を見て貴様がどういう顔をするか楽しみだ! フハハハハ――』 不気味な笑い声を響かせ、青騎士は姿を消したのだった。

The morning of the third day Ash traveled to the World Tree. Waking up to the sound of the wind blowing, Rittera looked anxiously at the wilderness. "The wind is still strong today. This could be a precursor to something bad happening." Strong winds began to blow around the evening the day Ash traveled. Its forces continue to rise in dust, without diminishing. "It's so windy, Noir's gonna be scared." The effects of degenerative drugs have expired, but the effects of hypnotic magic continue. I'm no longer a three-year-old, but I might be anxious to see this sandstorm. "Hmm. What are you talking about? I'm not scared, I'm happy." Ringrant, who was organizing the waste material storage yard, walks over with mud all over his body. "How can you be happy? "Because this is what Ash did. I mean, this wind is good news for Noir. Don't tell me he's safe." "This is what Ash did? How do you know you're winding with that magic? Even that Philip Valmilion would be impossible to keep winds of this magnitude awake for three days. There's no way I can keep winding Ash, who has only a tiny amount of magic. Or did you just reach the world tree and get the overwhelming magic? If that's the case, Rittera's experiment was a huge success. "Ash is taking a deep breath." I didn't know what that meant. "What kind of lung vitality is this?!? "What are you surprised about? He's bullshit about existence itself. It doesn't matter how much you can do." "No, that's crazy!? What do you think you are, Ash? "It's the most powerful life form in the world. Therefore, it is only natural that this much can be done. And taking a deep breath means you've reached the world tree! Ringrant says he's happy to follow. Ringrant hates jokes. You seriously believe this strong wind is Ash's deep breath. Then there's more to being human apart. "I mean, you, your goal is to defeat Ash, right? Why do you seem so happy? Honestly, Rittera couldn't imagine Ash losing at all. Whatever you make, all you see is a shattered future. "The harder it is to achieve the goal, the more interesting it is.... your thinking differently? "I'm just like you. You're so motivated to see Ash's strength." "Right. I was hoping to take over the lab if I told you what you did wrong, but unfortunately." I'm sorry to hear that, but Ringrant seems happy. I guess it would be more motivating to have a competitor close to you, Ringrant, who hates losing. Rittera and I feel the same way about Ringrant. That's why I decided to let my brother live in the lab. "Do, it's Rittera. You haven't had breakfast yet? Most of all, I'm frustrated by the size of the attitude that doesn't seem to be living there. "I'm going to make it now, and you're going to get rid of your body dirt..." "GOOOOOOOOO!! Suddenly the roar of the golem sounded, and Rittera sighed. "Oh my God. Our residence is too lazy, but our caution stick is too lazy." It usually repels demons approaching the institute, but more human visitors have recently. You might want to move the Golem in order to settle down and experiment. When I went outside thinking, for example, there was a figure standing beside the golem with a blue armor. "Golem! He's human! You're in the dirt." "You think I'm Ningen!? The Blue Knight turns around. Rittera stood stifled by the disastrous aura emanating from her whole body. "Oh, you... aren't you human? I never thought I'd call this "Blue Emperor" an inferior race again! I can't forgive you! You will pay for insulting me, with death!! To the blue knight walking by, Rittera hurries up to set up a magic wand (Withers Rod). "Hey, what, the... what the heck!? The Blue Emperor! "Are you a monster!? "The Demon King! 'That's right! "Stupid, that's impossible! "What is impossible! "The Demon King must have been defeated by Ash! "Ho! I heard" Black Emperor (Black Road) "was buried, but" White Emperor (White Road) "and" Red Emperor (Red Road) "were also erased! "Did you bury her so much?!? Rittera was drained of her liver. Apparently Ash wasn't the only demon king to defeat such as Rainbow Emperor (Rainbow Road). 'Don't get me wrong, Ningen! I'm not the same dimension as the other demon kings! Because they are nothing but the number of Four Heavenly Kings!! "He said he was the Demon King!? I hear noise, and Ringrant rushes over. "What are you doing out here? I'll buy you some time, so don't take Noir and run! "What are you talking about! Something that will buy you time to escape! "Hey, because I have a reliable caution stick! "Oh well! Let the Golem fight!? "You're right! Come on, Golem! The time has come to unleash true power! Don't get all worked up about it! Spavan!!!! The golem was finely chopped. The bragging golem is instantly destroyed and Rittera is about to lose her sanity. When I saw the Blue Knight while maintaining consciousness somehow, I held a translucent sword. I thought I was going to use magic exactly, but is the Blue Knight a swordsman? Then there is the art of survival! "Bring Noir now! "Noir is sick!? It won't be a force! "Don't fight! Get out of here! Have you forgotten my lineage? "Oh well! You fly in the air!? "You're right! Rittera is a wizard of the wind system. The magic is not as high, but it can be used as much as flying magic. We risk being stirred up by strong winds and hit by rocks, but it's far safer than fighting the Demon King. "Bring him here if you know what I mean! You have to run before Ash takes a break! If you work with Ash's deep breath to roll up the dust, you should be dazzled. That's how you buy time and escape to the sky. If the opponent is a wizard, it doesn't work, but the Demon King is a swordsman. If you can't even make it, you can escape! That's what I thought. "Nah!? "What's going on!? Littera and Ringrant were trapped in a translucent cage in an instant. "Ko, is this your idea!? "You weren't a swordsman!? 'No! I am the ruler of water! So you can manipulate all kinds of water as you please!! Does manipulating water mean that translucent swords and cages were made of water? Enough to rip the golem apart, and I guess we can enhance it. Then it is impossible to destroy the cage on its own. I could understand that, but there is something puzzling about it. "Where's the water!? Turns out the Blue Knight manipulates the water, but we don't see the key water. "You stupid ningen. If it's water, it's in front of you." "No way - did you use water vapor?!? "Whatever! Even if it's invisible, it's more than water. It's my weapon!" Assuming you can manipulate even water vapor, the Demon King's range of attack is too wide. It doesn't make sense where you fled to the sky, and it doesn't make sense to take an intermission. Because the human body is more than half made of water. It's like having a bomb planted in your body. "I see you finally understand how great I am. Yes, I wouldn't kill you if I wanted to! But the Blue Knight looks happy. "I will not kill you! It's up to Noir to kill you - the Ice Emperor! Because you seem to love The Ice Emperor. Nothing is more pleasant to watch than the face of Ningen, who is killed by his beloved! "Noir is going to kill someone! "You don't seem to understand my powers yet! I can rule all kinds of water! And, Ningen, most of your bodies are made of water! Littera shall be hacked. The Blue Knight can rule the water, and the human body is mostly made of water - most of the body is ruled by the Blue Knight. I mean... "I can manipulate Ningen's body as I please! Then strength and other meaninglessness in front of the Blue Knight. Rather, the stronger you are, the more convenient it is for the Blue Knight. Because more than it is human, it is placed under the control of the Blue Knight - it becomes a loyal subordinate. "Hey, what a scary magic..." Unlike the brainwashing magic that once shook the world, the Dark Emperor (Dark Lord) was good at, it can't be prevented and can't even be solved. Because to escape the control of the Blue Knight, you have to dehydrate until the amount of moisture in your body is less than half. Then what awaits is death. Many demon kings have appeared before - the Blue Emperor, who can bring the world's most powerful militants under his control, was the most powerful demon king in the world! Watching Rittera and Ringrant despair, the Blue Knight shook his armor with delight. "Huhahahahahaha! You finally understand! Yes, I am the most powerful demon king in the world - no, the most powerful life form in the world!! "You're not the strongest." And, did you wake up to the noise, Noir walks over? "You! The Ice Emperor!" What did you just say!? I guess I've come through a lot of training grounds before. Noir tells the overwhelming killer blue knight with a flat face. "You're not the strongest. Because Ash is the stronger one. You're shattered just because Ash touched you." "I'm shattered by the Ningen flair!? Funny! Then your delusions, they'll smash you to pieces! The Blue Knight flipped his cape. "He buries a ningen named Ash and brings back his neck! I have to admit that I am the strongest if I see my neck distorted by fear and pain! "You can't possibly do that. Because Ash is the hardest thing in the world" 'Until then I order myself to be harmed! I'm more of a puppet than a ningen, no matter how strong I am! It's my first ear. I didn't seem to hear anything important. "I look forward to seeing your face when I see your neck! Huhahahahaha - ' The Blue Knight disappeared with a creepy laugh.

3歳児になって10日が過ぎた日の放課後。 学院の広場にて、俺はエファに稽古をつけていた。 「よしっ、最後に今日のおさらいだ。エファ、今日教えたことをやってみてくれ」 稽古を始めて1時間くらいしか経ってないけど、最近は日が暮れるのが早くなってきた。 暗いなかで稽古をすればエファが怪我してしまうかもしれないため、早めに切り上げることにしたのだ。 「こうして、こうして、こうっすね!?」 エファは右パンチ、左パンチ、ハイキックをして、すてんと転ぶ。 最後はしりもちをついてしまったけど、最初に比べれば遙かに改善されている。 あの頃のエファは、屈伸しながら正拳突きしてたもんなぁ......。 「ちゃんと成長してるな。偉いぞ」 「ほんとっすか!? やったぁ!」 エファは嬉しそうにぴょんぴょん跳びはねる。 弟子の成長を見るのは、自分のことのように嬉しかった。 で、俺は成長していない。 こうしてお姫様みたいな格好をしてるってのに、 を使うしかないんだけど......まあ、あまり期待しないほうがいいかもな。 羞恥心を克服する以外の方法で、精神的成長を促そう。 「それでは師匠、また明日もよろしくお願いするっす!」 「あぁ、悪い。明日はちょっと用事があるんだ」 「どこかにお出かけするんすか?」 「まあな。ほら、明日は休みだろ? 午前中は買い物して、午後は師匠の家に行こうと思ってるんだ」 明日は師匠の誕生日なのだ。 ここから『魔の森』までは1000km以上離れてるけど、師匠の誕生日を祝うためなら、たとえ世界の裏側だろうと駆けつけてみせる。 「お邪魔でなければ、わたしも買い物にお付き合いしたいっす。そろそろ妹たちのお土産を買っておきたいっすからね」 「んじゃ、明日はふたりで買い物だな。集合時間は――」 そうして明日の予定を立てたあと、俺は図書館へと向かった。 図書館に到着すると、ノワールさんが机に教科書を広げていた。 「遅いわ」 「ごめんごめん。ちょっとエファと話してたんだ」 俺はノワールさんのとなりに腰かける。 「私は賢くなりたいわ。アッシュだけが頼りなのよ」 ノワールさんは切実そうに語る。 ここ最近、俺はノワールさんに勉強を教えてやっていた。 というのも、昇級試験まで残り3ヶ月を切っているのだ。 次の昇級試験の結果によって、3年生のクラスが決まる。 ノワールさんはどうしても上級クラスを維持したいらしく、筆記試験でいい点数を取るために、俺に勉強を教えてほしいと頼んできたのだ。 ノワールさんいわく、目標は30点である。 「今日の勉強を始める前に、まずは昨日の復習だ。ノワールさん、昨日教えたルーンを描いてみてよ」 「やってみるわ」 ノワールさんは意気込み、ノートにルーンを10個描いた。 「できたわ」 「おおっ、早いな。どれどれ......」 「どうかしら?」 じっと見つめてくるノワールさんに、俺は首を振った。 「全部不正解なんだけど......」 「残念だわ。正解が気になるわ」 「ああ、うん。正解はこうだよ」 俺はノートに正しいルーンを描いていく。 「......違いがわからないわ」 「そうか? ほら、このルーンとか全然違うだろ」 ノワールさんは正しいルーンと間違ったルーンを見比べたあと、こくりとうなずいた。 「全然違うわ。......自信なくすわ」 「だいじょうぶ。まだ3ヶ月あるしなんとかなるよっ」 「やっぱりアッシュは頼りになるわ。......だけど、ちょっと疲れたわ」 「まだ5分も経ってないんだけど......」 とはいえ、ノワールさんが疲れたと言うのなら休んだほうがいいだろう。 頭が働かない状態で勉強したって、時間の無駄だしな。 「そういえば、ノワールさんって前世の記憶とか持ってたりする?」 休憩がてら、俺はたずねた。 コロンさんいわく、魔力斑が浮かばなかったひとには前世の記憶があるらしいのだ。 コロンさんの持論が正しければ、ノワールさんにも前世の記憶があるはずである。 「そんな記憶はないわ」 「そっか......」 前世の記憶は成長するにつれて薄れていく。 コロンさんの持論が正しければ、ノワールさんは前世の記憶を忘れてしまったんだろう。 「変な質問して悪かったな」 「構わないわ。だって、その質問をされたの目だもの」 ノワールさんの言葉に、俺は首をかしげた。 「二度目? もしかして、一度目はコロンさんだったりする?」 コロンさんは前世の記憶を持ってるひとに2回会ったと言っていた。 そのうちの1人が、ノワールさんだったのかもしれない。 「違うわ。リングラントよ」 リングラントさんは世界最強の魔法使いを生み出すために、いろいろな研究をしていたらしい。 その過程で、コロンさんと同じ持論にたどりついたのかもしれない。 「リングラントさんも俺と同じ質問をしてたのか?」 ノワールさんは、こくりとうなずく。 「『前世の記憶は残っているか?』と聞かれたわ」 「残っているか......?」 それは俺の質問と似ているようで、まったく異なるものだった。 残っているかって、まるで記憶を消したみたいな言い方じゃないか。 「疲れが取れたわ」 ノワールさんはペンを握り、きりっとした顔で俺を見つめる。 リングラントさんの質問も気になるけど......いろいろ考えるのは、また今度にするか。 いまはノワールさんの教師役に専念しよう。 「じゃあ、さっそく復習だ。さっき間違えたルーンを全部描いてくれ」 「わかったわ。..................できたわ」 ......全部間違っていた。 ノワールさんに30点を取らせるのは、思っていた以上に難しそうである。

After school the day ten days have passed since I was a three-year-old. In the college square, I was doing an audition on Efa. "All right, last but not least, today's day. Effa, try what I taught you today." It's only been about an hour since I started arching, but lately the sun has been setting faster. We decided to cut it up early because if we auditioned in the dark, Efa might get hurt. "This is how you do it!? Efa punches right, punches left, hikes, and falls softly. At the end of the day, I got a lump, but it's a far improvement compared to the first. Back then, Effa had a positive fist poke while flexing...... "You're growing up right. That's great." "Really?!? Yay! Efa jumps happily. It was as delightful as it was to see my apprentice grow. Meanwhile, I'm not growing up. This is how you dress like a princess, but you don't get magic spots (Stiegel). I'll just have to use the final weapon (pants) when this happens... well, maybe I shouldn't expect much. Encourage spiritual growth in ways other than overcoming shame. "See you tomorrow, Master! "Oh, bad. I have some business tomorrow." "Are you going somewhere? "Sort of. Look, you're off tomorrow, right? I'm thinking of shopping in the morning and going to my master's house in the afternoon." Tomorrow is the master's birthday. It's over a thousand kilometers away from here to The Devil's Forest, but if it's to celebrate the Master's birthday, let him rush to see if it's the back of the world. "If I'm not interrupting, I want to go shopping with you. I think it's time I bought some souvenirs for my sisters." "Well, you two are shopping tomorrow. The rendezvous time..." That's how I made plans for tomorrow, then I headed to the library. Upon arrival at the library, Mr. Noir was spreading textbooks to his desk. "It's late." "I'm sorry. I was just talking to Effa." I'll sit down with Mr. Noir. "I want to be smart. Ash is the only one I can count on." Mr. Noir speaks truthfully. I've been teaching Mr. Noir to study here lately. Because we have three months left until the promotion exam. The results of the next promotion exam determine the third grade class. Mr. Noir really wants to maintain an advanced class, and he's asked me to teach him to study in order to get a good score on the written exam. Mr. Noir, my goal is thirty points. "Before we start studying today, let's start with yesterday's review. Mr. Noir, paint the rune I taught you yesterday." "I'll try." Mr. Noir intentionally drew ten runes on his notebook. "I got it." "Whoa, that's fast. Which..." "What do you think? I shook my head at Mr. Noir staring at me. "It's all incorrect..." "I'm sorry to hear that. I'm worried about the right answer." "Oh, yeah. Here's the right answer." I'm going to draw the right rune on my notebook. "... I don't see the difference." "Really? Look, this rune is totally different or something." Mr. Noir nodded coldly after comparing the right and wrong runes. "Not at all.... I'll lose confidence." "Well, I've still got three months, and I can handle it." "I knew you could count on Ash.... but I'm a little tired." "It hasn't been five minutes..." Nevertheless, if Mr Noir is to say that he is tired, he should rest. You're wasting your time studying without your head working. "Speaking of which, does Mr. Noir have memories of previous lives or something? I had a break. Mr. Cologne, it seems that one person who didn't have magic spots has memories of a previous life. If Ms Cologne's argument is correct, Mr Noir should also have memories of his previous life. "I don't remember that." "Oh well..." Memories of previous life fade as they grow. If Mr. Cologne's theory is correct, I guess Mr. Noir has forgotten his memories of his previous life. "Sorry to ask you such a weird question." "I don't mind. 'Cause it's the second time they've asked me that question." To what Mr. Noir said, I snapped my neck. "Second time? Could it be Mr. Cologne for the first time? Mr. Cologne said he met one of them twice who had memories of his previous life. Maybe one of them was Mr. Noir. "No, I'm not. It's a ring rant." It seems that Mr. Ringrant was doing a lot of research to produce the world's most powerful wizard. In the process, I may have come to the same conclusion as Mr Cologne. "Was Mr. Ringrant asking the same question as me? Mr. Noir nods. "'Do you have any memories of your previous life? They asked me." "Is there any left...? That seemed similar to my question, something completely different. It's like you erased your memories. "I'm tired." Mr. Noir holds the pen and stares at me with a firm face. I'm also curious about Mr. Ringrant's question...... I'll think a lot about it another time. Let's focus on Mr. Noir's role as a teacher now. "Well, let's get back to it. Draw me all the wrong runes just now." "Okay. ..................... I can do it." ... it was all wrong. Making Mr. Noir score thirty points seems harder than he thought.