News Articles 黎智英氏は昨年8月に最初の逮捕をされた 有罪となったのは、黎氏や政治家の李柱銘(マーティン・リー)氏のほか、元立法会(議会)議員の吳靄儀氏、李卓人氏、梁国雄氏、何俊仁氏、何秀蘭氏。 同種の裁判では別の活動家2人がすでに有罪を認めており、最長5年の禁錮刑が言い渡される。 7人の刑罰は今後、発表される。7人の中には2020年に施行された香港国家安全維持法(国安法)違反の罪で起訴されている人物もいる。 中国政府は2019年の民主派によるデモ以降、香港市民の権利や自由に圧力を掛けている。 3月30日には、香港の選挙制度の見直し決定案を承認。全ての立候補者は今後、中国政府寄りの選挙管理委員会などの事前審査を受けることになる。 裁判所に入る李柱銘氏(左) 7人の罪状は? 今回、判決が言い渡された7人は、2019年8月12日と18日に非認可の集会に参加した罪に問われている。香港ではこの年の6月頃から数カ月にわたり、反政府デモが続いていた。 被告の弁護団は、香港の憲法ともいえる「香港特別行政区基本法」で集会の自由が認められていると指摘。当局は抗議デモを認可していたが、それがその後、認可されていないデモ行進に発展したと説明した。 これに対し検察側は、集会の自由は基本法で保障されているものの、絶対ではないと述べた。 保釈後に再収監 地元タブロイド紙・蘋果日報(アップルデイリー)創業者の黎氏は、中国政府を厳しく批判してきた。香港の民主化運動を支持する著名人の1人で、外国勢力と結託して国家安全保障を脅かしたとして訴追されている。 黎氏は昨年8月に逮捕され2日後に保釈されたが、12月2日にあらためて、不動産詐欺など別件の疑いで逮捕され、勾留された。 12月11日には国安法違反の罪で起訴され、23日にまた保釈が認められたものの、この決定を不服とした検察が上訴。31日に再審理のために再収監された。 香港の最高裁にあたる終審法院は今年2月、保釈を認めた高等法院(高裁)の決定は間違いだったと結論付けた。 黎智英氏とは 黎氏は服飾産業で最初に財を築いた後、メディア業界に参入。アップルデイリーの親会社・壱伝媒(ネクスト・デジタル)を設立した。資産は10億ドル(約1050億円)に上るとされている。 香港メディアに中国政府への恐怖感が広がる中、黎氏は紙面や著作物を通し、中国指導部を公に批判し続けてきた。 こうした姿勢から、黎氏は多くの香港市民から英雄視されている。一方で中国本土では、国の治安を脅かす「裏切り者」とみられている。 昨年12月初め、逮捕前にBBCの取材に応じた黎氏は、当局の威圧に屈することはないと述べていた。 「自分が(当局を)恐れるようになれば、向こうは最も手軽に、最も効果的に、こちらをコントロールできるようになるし、向こうもそれを承知している。威圧のやり口を倒すには、恐怖に立ち向かい、おびえないようにするしかない」 香港国安法で逮捕の黎智英氏、「怖くはない」 BBC独占取材 民主派への締め付け強まる 香港は1997年にイギリスから中国に返還されたが、その際に香港の憲法ともいえる「香港特別行政区基本法」と「一国二制度」という独自のシステムが取り入れられた。 これにより香港では、中国のその他の地域では認められていない集会の自由や表現の自由、独立した司法、一部の民主的権利などが保護された。 しかし、中国は昨年6月末に国安法を可決し、施行。政府に対する「憎悪をあおること」や、中国当局者への制裁を外国に求めること、特定の抗議スローガンを使うことを、終身刑に処せられる可能性もある違法行為だと定めた。 これによって、香港の自治は後退し、反政府デモや民主活動家を処罰しやすくなった。 香港で民主派活動家が恐れる国安法 その意味と影響力 香港で逮捕された活動家が、中国大陸に移送され、陪審員のいない秘密裁判を受けることもある。大陸の公安警察が香港で活動することも合法化された。 国安法の施行以来、これまでに活動家や民主派議員など100人近くが起訴されている。 (英語記事 Seven major HK activists found guilty for protests) 「アメリカはまた動き始めた」と連邦議会を前に初の演説をするバイデン米大統領(28日、ワシントン) バイデン大統領は、今年1月6日に暴徒に襲撃された同じ議事堂から「民主主義のたくましさ」を強調し、「アメリカは一致団結させすれば出来ないことは何もない」と経済再建や感染対策、気候変動対策、教育対策、銃規制強化などの方針を次々と掲げ、「一世一代の投資」の必要性を議会に呼びかけた。 これに対し野党・共和党は、「大失敗としかいいようがない」、「リベラルの願望を並べただけの計画」と批判した。 連邦議会は現在、上下両院共に民主党が過半数議席を占めているが、一連の計画が可決するまでには論争が予想されている。 「マダム・ヴァイス・プレジデント」 感染対策のため出席者が大幅に抑制された本会議場で、バイデン氏はまず自分の後ろに並ぶナンシー・ペロシ下院議長とカマラ・ハリス副大統領にあいさつした。大統領の議会演説の場で、下院議長と上院議長(副大統領が務める)が共に女性だという光景は、アメリカ史上初めて。 「Madam Vice President(副大統領閣下)」バイデン氏があいさつすると、議場内では歓声が響いた。 バイデン氏が「この演壇からこの言葉を口にした大統領は今までいませんでした。遅すぎたくらいです」と続けると、大きな拍手が続いた(訳注:男性の副大統領は「Mister Vice President」と呼ばれる)。 「マダム・ヴァイスプレジデント」 米史上初、大統領が議会で女性副大統領にあいさつ 100日でワクチン2.2億回 バイデン氏はまず、自分は就任時にパンデミックと経済危機、国の民主主義に対する南北戦争以来の攻撃を受けたばかりの、危機的状況にある国を引き継いだと切り出した。その上で、「それからわずか100日たった今、国に報告できます。アメリカはまた動き始めた」と表明した。 バイデン氏は、超党派の議会協力と国民の支持を得て、アメリカ救済計画法成立させたと述べた。アメリカ救済計画は、1兆9000億ドル(約200兆円)規模の新型コロナウイルス経済対策法で、3月11日に成立した。 さらに、就任100日で新型コロナウイルスワクチンを1億回接種すると公約したのに対し、100日間で2億2000万回の接種を実現する見通しだと説明。アメリカの全成人の半数以上がすでに1回目の接種を受けていると述べた。 また、就任から100日で高齢者の7割近くが2回の接種を完了しており、新型コロナウイルスによる感染症COVID-19による高齢者の死亡は1月から8割も減ったと強調した。 「16歳以上の全員が、ただちにワクチン接種を受けられる。なので、今すぐワクチンを受けてください」 バイデン氏は、アリゾナ州の大規模接種会場で話を聞いた看護師が「1回1回の注射が、希望の薬に思える」と話していたと述べた。 ほかにも、「教師やスクールバスの運転手や学食のスタッフがワクチンを受けたから、子供たちが学校に戻れるようになった」、「おじいさんやおばあさんが、窓に手を押し付け合ってさようならを言うのではなく、子供や孫たちとハグできるようになった」など、大規模なワクチン接種が速やかに進んでいる成果を報告した。 100日で130万人の雇用創出 大統領はさらにアメリカ救済計画を通じて、全国の85%の世帯に1400ドル(約15万円)の現金給付を公約通りに進めていると説明。この給付によって、食費が払えた、家賃が払えたという事例を紹介した。また、この期間に設けた特別措置で、医療保険制度改革法(通称:オバマケア)にもとづき医療保険に加入する人が80万人増えたことも紹介した。 バイデン氏は、「もしかして最も大事なこと」として、アメリカ救済計画によって今年中に国内の子どもの貧困を半減させられる見通しだと述べるほか、就任100日間で130万人の雇用創出という記録を達成したと話した。 国際通貨基金(IMF)が今年のアメリカの成長率を6.4%と予測したことにも触れ、「それほどの成長スピードはこの国でもう40年近くなかった」と指摘。国を再建するため、大々的なインフラ投資や雇用創出の実現を議会に呼びかけた。 <関連記事> 「気候変動について考えるときも、私は雇用だと思う」として、「風力タービンの羽を北京ではなくピッツバーグで作れないわけがない。電気自動車やバッテリーの製造で、アメリカの労働者が世界の先頭に立てないわけがない」と、気候変動対策と経済再建を一体化させて推進する方針をあらためて示した。 また、アメリカ雇用計画で創出されるインフラ関連の職の9割近くは大卒資格を必要としないものだと強調。「繰り返してきたように、この国を創ったのはウォール街じゃない。この国を創ったのは中産階級で、中産階級を作ったのは労働団体だ」と述べ、労組を作る権利を保護する法案の成立を議会に呼びかけた。 バイデン氏はさらに、「最低賃金(時給)15ドルを可決しましょう」と促したほか、男女の賃金格差是正を呼びかけた。 先端技術や医療の研究開発への投資拡大も呼びかけ、「がんを撲滅しよう。十分に可能だ」、「大勢にとって、個人的な思い入れのあることだ。これほど有意義な投資は思いつかないし、これほど超党派の支持が得られることはほかに知らない」と述べた。 バイデン大統領は長男を、ハリス副大統領は母親を、それぞれがんのために亡くしている。 アメリカ再建の財源は このほか育児手当てや子どものための税控除、教育改革、国民医療保険の充実など、アメリカ再建のための方策を提案した上で、バイデン氏は法人税改革の必要性を強調した。 「この国のトップ55の大企業は昨年、連邦法人税をまったく払っていないという研究が最近あった。400億ドルの利益に対して連邦税を納めていない」とした上で、多くの大企業が世界各地のタックスヘイブンや、税制の抜け道を活用して納税を免れていると批判。 中産階級の税負担は増やさない一方で、年収40万ドル(約4400万円)以上の国民(納税者の1%)の税率を、ジョージ・W・ブッシュ政権発足時の39.6%に戻すとあらためて表明した。 中国との競争は歓迎 対外関係については、「ウイルスを締め出せるほど高い壁などない」として、パンデミックや気候変動など国際的な協力が対策に必要だと説明。 その上で、国内投資の拡大は「中産階級に有利となる外交政策を推進」させるもので、「中国を含むすべての国が、世界経済の中で確実に同じルールに従うようにする」必要があると指摘した。 中国の習近平国家主席との電話会談では、「競争を歓迎するし、対立を求めているわけではないが、あらゆる場面でアメリカの利益を守ると明確にした」ことに加え、「アメリカは人権や基本的自由を重視することを決してやめないと」習主席に強調したこともあらためて述べた。 <関連記事> 「基本的人権が侵害されているのに、責任あるアメリカの大統領が沈黙を続けるわけにはいかない。大統領はこの国の本質を代表しなくてはならない」とバイデン氏は述べた。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にも、関係悪化は求めないが先方が何かをすればそれ相応の対応はすると告げたと説明したほか、イランや北朝鮮の核開発抑止のため同盟諸国と連携していく姿勢も示した。 さらに、「自分の子どもが戦地で働くのがどういうことか知っている大統領は、過去40年間で私が初めてだ」として、アフガニスタン駐留を終わらせる必要性を強調した。 「この国の魂のための戦い」 バイデン大統領は、ミネソタ州で白人警官にジョージ・フロイドさんが殺害された事件に言及し、フロイドさんの葬儀で娘ジャナさんに「うちのパパは世界を変えたんです」と面と向かって言われたのだと話した。 フロイドさんの一周忌までに警察改革法を成立させるよう議会に呼びかけるほか、アジア系や太平洋諸島出身者を憎悪犯罪から守る法案、女性への暴力取締法の改正、性的少数者の平等を保障する法案の成立などを議員たちに求めた。 バイデン氏は「自宅でこれを見ているアメリカのすべてのトランスジェンダーの人に、特に本当に勇敢な若い人たちに。知っていてほしい。皆さんの大統領が皆さんを守ります」とも述べた。 さらに、アメリカにおける銃暴力を「エピデミック(大規模な伝染病)」のようなものだと呼び、銃規制の強化に協力するよう、野党・共和党にあらためて呼びかけた。 移民制度の改革や有権者の投票権の保障についても共和党の協力を求めたバイデン氏は、1月6日の議会襲撃に言及して演説を締めくくった。 「この議事堂を襲撃し、この国の民主主義を汚した暴徒の姿を、私たちは今なお鮮明に覚えている」、「あの反乱は存亡の危機だった。この国の民主主義が生きながらえるかの試練だった」と大統領は述べ、「世界各地の独裁者、アメリカの敵たちは、この国を引き裂くうそや怒りや憎悪や恐怖を、アメリカの民主主義でもって乗り越えることなどできないと、そう賭けている」と指摘。 「(各国の独裁者たちは)この議事堂を襲撃した暴徒の様子こそ、アメリカの民主主義は衰退しつつある証拠だと考えている」 「しかしそれは間違いだ。間違いだと、私たちが証明しなくてはならない。民主主義は今なお機能すると証明しなくてはならない」 バイデン大統領は、「民主主義は丈夫で強力なものだと証明」するため、国民の協力を呼びかけ、「みんなが一致団結して取り組めば、アメリカにできないことなど何もない」と力説し、演説を終えた。 野党の反応 共和党全国委員会(RNC)のロナ・マクダニエル委員長はバイデン大統領の演説後にただちにコメントを発表。政権発足からの100日間は「大失敗としかいいようのない」もので、バイデン氏と与党・民主党は「とんでもない党派性」を発揮して、自分たちの利益のみを追求してきたと批判した。 「就任演説でバイデンは団結を呼びかけた。それはうそだった。この国はジョー・バイデンのせいで前よりひどい状態になっているし、前よりずっと分断している」と、マクダニエル委員長は述べた。 大統領演説の直後に行われる決まりの野党反論演説は、共和党唯一の黒人上院議員、ティム・スコット議員が行い、バイデン氏の提案は「アメリカの平均的な労働者の賃金を引き下げ」るもので、「大きな政府による無駄遣いにつながる、リベラルの願望をならべただけのもの」だと批判した。 ティム・スコット議員(27日、ワシントン) 2024年大統領選に出馬するかもしれないと言われているスコット議員は、アメリカの人種差別についても言及し、民主党は「問題解決よりも問題そのもの」を求めていると批判。 「アメリカは人種差別的な国ではない。差別に差別で戦うのは後ろ向きだし、現在の議論を打ち切るために過去の苦しい経験を不誠実に利用しようとするのは間違っている」と、議員は述べた。 (英語記事 Biden pitches 'once in a generation investment' to Congress) "ルーシー・マニング、フィリップ・ケンプ、BBCニュース 労働党のデイヴィッド・ラミー議員は今年、かつてないほどツイッター上で攻撃されている スコットランド国民党(SNP)のリサ・キャメロン議員は、子どもたちが庭で安心して遊べるようセキュリティー強化を余儀なくなされた。 保守党のスコット・マン議員は、事務所に釘爆弾を送りつけると脅迫されたという。 リンジー・ホイル下院副議長(労働党)は、安全への不安から次の選挙には出馬しないと、一部の議員から相談されたと明らかにした。 BBCは5~7月に全下院議員650人に書面および電話でアンケート調査を行い、172人から回答を得た。 このうち139人が、自分自身やスタッフが過去1年の間に何らかの攻撃を受けたと答えた。また、その60%(108人)が過去12カ月の間に脅迫を受け、警察に相談したと述べた。 一方、BBCニュースが英シェフィールド大学に依頼して行った別の調査では、ツイッター上での議員に対する攻撃の実態が明らかになった。 この調査で明らかになった点は以下の通り――。 家族が「危険にさらされた」 BBCの調査では、所属党やブレグジット(イギリスのEU離脱)の方針などが異なるさまざまな議員が、脅迫を受けた経験を語った。 キャメロン議員が2015年に当選すると、すぐに殺人予告と首を切られた死体の写真が送られてきたという。 警察に相談した結果、キャメロン議員は庭の一部を囲い、子どもたちが安全に遊べる場所を確保した。 「自分の選択の結果、不注意に家族を危険にさらしたのではないかと考えてしまう」とキャメロン議員は話している。 キャメロン議員は今年初め、ツイッター上で彼女の子供がいじめっ子だとツイートするなど、嫌がらせを繰り返した有権者の男性について、警察に被害届を出した。裁判所は男性に、4年間の迷惑行為禁止命令を言い渡した。 釘爆弾を事務所に送ると脅されたマン議員はBBCに、「ほかの職場で同じようなことがあったら、そこに人事部は完全に機能停止に陥るはずだ」と語った。 自由民主党のトム・ブレイク議員は、選挙区の事務所に来た人たちを、強制排除しなくてはならなかったという。 ボブ・ブラックマン議員(保守党)は事務所が放火の標的になり、自分の車も攻撃されたため、自宅周辺のセキュリティーを強化したという。 このほか、スーパーマーケットで盗撮されたり、玄関の扉に犬のふんを塗りたくられたなどの回答があった。 スコットランド国民党(SNP)のリサ・キャメロン議員は、子どもたちを庭で遊ばせるためにセキュリティー強化を余儀なくなされた 今年5月には、労働党のロージー・クーパー議員の殺害を企てたとして、ネオナチ団体のメンバーだったジャック・レンショウ受刑者(23)が終身刑を言い渡された。 刑事法院の裁判官によると、レンショウ受刑者は2016年6月に刺殺されたジョー・コックス議員の事件を「模倣」したかったのだという。 調査に回答した議員の多くは、攻撃を受けることは予測しているものの、事務所の職員や家族への影響を懸念していると話した。 マン議員は、「こうした脅迫のプレッシャーに耐え切れず、辞めたスタッフもいる」と述べた。また、マン議員の妻と娘がレイプの脅迫を受けたという。 「捜査体制も、警察の連携体制も統一されていない。イギリス各地でばらばらな複数の警察ではなく、ひとつの特別ユニットが捜査にあたるべきだ」 ネオナチを掲げるジャック・レンショウ受刑者(23)は、議員殺害を企てたとして終身刑を言い渡された ロンドン警視庁のクレシダ・ディック警視総監は5月、下院の委員会に出席し、議員への脅迫は「前例のないほど増えている」と述べた。2018年に通報された事件は、151件から342件に倍増したという。 議会警備を主導しているエイドリアン・アッシャー警視長も、議員への脅迫は「劇的に増加」しており、2018年半ばから「政治議論の場が白熱している」のは「疑いようがない」と述べた。 公務員生活委員会のジョナサン・エヴァンズ委員長は、一連の調査によって「脅迫や侵害といった深刻で緊急を要する問題があり、悪化している」ことが明らかになったと話した。 また、警察の対応も改善はしているものの「部分的」で、警察は「国全体の脅威として中央管理の下に協力」すべきだと述べた。 労働党のヤスミン・クレシ議員は、「たとえば、『お前は裏切り者でイギリのパスポートを持つべきではない』とか、『お前はISIS(イスラム国の意)のシンパだからイスラム教の国へ戻ってレイプされ虐待されればいい』とか言われたら、そういう相手と関わるのはもう無理だと思う」と話した。 シェフィールド大学の調査によると、こうした攻撃行為はさらに深刻なレベルに達しているという。クレシ議員は、ソーシャルメディア企業は利用者のモニタリングにもっと投資すべきだと訴えている。 「妥協はしない」 シェフィールド大学のコンピューター科学科の調査チームは、今年1~6月にイギリスの下院議員のツイートに付けられた返信を研究した。 その結果、攻撃的な返信は月を追うごとに大幅に増加し、6月には全ての返信の4%弱が侵害を含むものだった。 調査チームを主導したカリーナ・ボンチェヴァ教授は、「こんな数字は見たことがない」と話す。 また、攻撃ツイートのほぼ半分が、議員10人に集中していると明らかにした。 この調査でツイッター上で最も攻撃を受けていると判明したラミー議員は、「議員としての発言で妥協するつもりも、攻撃する側を勝たせるつもりもない」と話した。 「しかし、これがイギリスの民主主義に広がる汚点なのだと思うと非常に悲しい。異議を唱え、対応すべき案件だ」 一方でホイル副議長は、BBCの調査結果は「氷山の一角」にすぎないと指摘した。 ホイル氏は、議会安全保障の諮問委員会で委員長を務めている。ホイル氏の元に送られてきた議員からの届け出は、2019年の最初の6週間の時点ですでに2018年1年分と同じ量だという。 「議員が私のところに来て『もう立候補はしません、安全だと思えないし、こういう状況はもうたくさんだ」と言ってくる。これはイギリスの民主主義の危機だ」とホイル氏は警告した。 (英語記事 MPs describe threats, abuse and safety fears)" EMAは9日、サイバー攻撃についてウェブサイト上に短い声明を発表。徹底的な調査を開始したとしつつ、攻撃の詳細は明らかにしなかった。 EMAの報道官は、同機関は今も「機能している」と述べた。 こうした中、米ファイザーとワクチンを共同開発する独ビオンテックはウェブサイト上の声明で、EMAへのサイバー攻撃で、同社の申請書類がハッカーにアクセスされたと明かした。 「本日、我々は(中略)EMAがサイバー攻撃の標的となり、EMAのサーバー上に保管されていた、ファイザーとビオンテックが共同開発するCOVID-19ワクチン候補BNT162b2の承認申請に関連する書類の一部が不正にアクセスされたと知らされた」 そして、「EMAは我々に、今回のサイバー攻撃が承認審査のスケジュールに影響を与えることはないと約束している」と付け加えた。 同社は、「公衆衛生上の重要な考慮事項と透明性の重要性を考慮して」ハッキングの詳細を公にしたと説明。 また、同社の医療研究に参加する個人のデータが漏えいした事実は「確認していない」とした。 EMAは欧州連合(EU)加盟国全域での医薬品使用を承認する権限を持つ。イギリスで8日に接種が始まったファイザーとビオンテックのワクチンのほかに、米モデルナが開発中のワクチンについても、安全性を調べている。ワクチンの承認作業は数週間以内に完了するとみられる。 今回、モデルナの資料もハッカーにアクセスされたのかは不明。 ワクチン開発めぐりハッキング相次ぐ 新型ウイルスのワクチンをめぐっては、製造会社や公衆衛生当局に対するハッキングが相次いでいる。 イギリスとアメリカ、カナダの情報機関は7月、ロシアのスパイが新型ウイルスのワクチン開発を進める組織を標的にしていると警告した。 10月には、インドに拠点を置く製薬会社ドクター・レディーズが重大なサイバー攻撃の被害を受けた。 また、米テクノロジー大手IBMは3日、ワクチンの輸送に必要な低温度保存のサプライチェーンがサイバー攻撃を受けたと明らかにした。国家的な攻撃の可能性があるという。 (英語記事 Vaccine documents hacked at EU medicines agency) BBCニュースビート ルーマニアにある、使われなくなった高さ180メートルの煙突。この女性はその頂上で肩車されているセルフィーを撮ろうとして、自分の命を他人の肩に預けた 死者数を減らすため、米国立研究図書館の研究者は危険な場所に「セルフィー禁止区域」の設定を推奨している。 禁止区域の設定が推奨されているのは、山の山頂、高い建物、湖など。これらの場所では死者が多く発生している。最も多い死因は溺死、交通事故、落下事故だという。 しかし調査報告書によると、動物に襲われる、感電死、火災、銃火器による死亡も、世界中で多くみられる。 今年7月には、ギャビン・ジマーマンさん(19)がオーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州の山頂でセルフィーを撮影中に転落死した。 豪7ニュースのシドニー版は当時、「米観光客、セルフィー撮影中に死亡」との見出しでツイッターに動画を投稿。「カーネル地方の山で転落死した米国人観光客は、米ユタ州出身のモルモン教伝道師、19歳のギャビン・ジマーマンさんだと確認された」と伝えている。 また米カリフォルニア州のヨセミテ国立公園では9月、トマー・フランクファーターさんがセルフィーを撮ろうとして250メートルの高さから転落死している。 今回の調査は、こうした報道内容を分析している。 調査によると、セルフィーに関連した死者が最も多いのはインド、ロシア、米国、パキスタンで、報道された死者の72.5%は男性だという。 過去の複数研究は、誰でも編集可能な百科事典サイトのウィキペディアや、ソーシャルメディアのツイッターからデータを集めていた。研究者らは、この方法では正確な結果が得られないとしている。 今回の調査では、死者数が増加傾向にあることも明らかになった。 2011年にあったセルフィー関連死の報道は3件のみだったが、2016年には報道数が98回まで増加。2017年にも93回の報道があった。 しかし研究者は、セルフィー関連死の正確な数字がこれよりも多い可能性があると主張している。セルフィーが公式な死因として記録されないためだ。 報告書は「セルフィーによる死は過少報告されていると考えられており、本当の問題に対応する必要がある」としている。 「路上で起きるセルフィー撮影中の事故のなかには、交通事故だと報告されるものもある」 「結果として、問題がいかに深刻か正しく認識されていない。なので、セルフィーによる死について責任の本当の所在、本当の原因、本当の理由を評価するのが重要だ。そうすれば適切な介入が可能になる」 (英語記事 Selfie deaths: 259 people reported dead seeking the perfect picture) 首相官邸で記者会見するボリス・ジョンソン首相(中央)とイングランド首席医務官のクリス・ウィッティー教授(右)、首席科学顧問のサー・パトリック・ヴァランス(左) 新たな行動制限では、残りのイングランド各地域やスコットランド、ウェールズでも、規制緩和の期間を25日のクリスマス当日に限定する。 イングランドではこれまで3段階の警戒レベル(ティア)が導入されていたが、さらにその上のティア4(自宅待機)を設定。新たにティア4に指定された地域では、20日から他世帯の人と屋内で会うことが禁じられるため、親族などが集まってクリスマスを祝うことができなくなる。 ティア4に指定されたのは、ロンドン(全32地区とシティ・オブ・ロンドン)のほか、イングランド南東部と東部の各州。 首相官邸で記者会見したジョンソン首相は、これがどれだけ「がっかりする」知らせか承知しているとした上で、ほかに選択肢はないと思うと述べた。 クリスマス当日や前後の期間中、警察が人の移動を制限したり、大勢で集まっていないか確認するため戸別訪問したりするかどうかについては、明言を避けた。 首相は「疑いなく困難な時期」だと認める一方、ワクチン接種がすでに始まっていることから、来年4月初めの復活祭(イースター)までに状況は「激変している」はずだと強調した。 ジョンソン氏は、新型ウイルスが攻撃方法を変えてくれば、「我々も防御方法を変えなくてはならない」と話した。 <関連記事> ウイルス変異の影響 首相によると、先にイングランドで発見された新型ウイルスの変異種が、実効再生産数「R」を0.4ポイント以上押し上げる可能性があるという。 また、「不透明な部分が非常に多い」としながらも、変異種は従来種よりも感染の可能性が最大70%高いと説明した。 記者会見に同席したイングランド首席医務官のクリス・ウィッティー教授は、この変異種が状況悪化につながるものの、開発済みのワクチンがこの種にも有効ならば楽観の余地はあると述べた。 ウィッティー教授は先に、変異種による死亡率が従来より高かったり、治療方法やワクチンへの反応が異なっていたりするという証拠は、得られていないと説明していた。 イングランド各地域における人口10万人当たりの感染報告数の推移。11月半ば以降、南部と東部で急激に増加しているほか、ミッドランズ(中部)や北部も増加傾向にある 首席科学顧問のサー・パトリック・ヴァランスも、クリスマス期間に他人と会うことを考える時、そこに感染リスクがあると思ってほしいと強調した。 BBCのニック・トリグル保健担当編集委員は、感染の急拡大と新型ウイルスの変異には強い関連があると説明する。ロンドンでは11月半ば、感染者のうち28%が変異種に感染していた。この割合は現在では60%を超えている。 記者によると、ロンドンで2度目のロックダウン以降に感染報告が増え始めたことや、ティア3に指定されているイングランド南東部ケント州でここ数週間、対策の効果がほとんど出ていないことなども、これで説明が付く。 クリスマスへの影響 イングランドの警戒レベルを地図で示した。左側が19日までのティア1~3の区域。右側には新たにTier four(ティア4、家に留まること)が設定され、ロンドンを含む南東部がこれに指定された イングランドではこれまで、ティア1(中程度)、ティア2(高い)、ティア3(非常に高い)の警戒レベルが設定され、それぞれに集会できる場所や人数、レストランなどの営業制限が定められていた。 また、23~27日のクリスマス期間には一部ルールが緩和され、同じティア内ならば最大2世帯までを家に招いたり、同じ場所でクリスマスのミサなどを受けられる予定だった。 しかし、今回新たに設定されたティア4では、通勤通学以外の移動が原則禁止となった。 同じティア内では、屋外で他世帯の1人とだけ会うことができる。一方、ティア3以下の地域に住む人と会うことは禁じられる。 さらに、ティア3以下では営業が許可されている美容院やネイルサロン、屋内のジムなども閉鎖となる。 一方、ティア3以下の地域に住んでいる場合、ティア4の地域に行くことは推奨されない。また、ティア3以下でもルール緩和は25日のみとなる。 この制限は2週間継続し、12月30日に最初の見直しが行われる。 イギリスのほかの地域では スコットランドでも、これまで予定されていた規制緩和はクリスマス当日のみに限定される。この日は最大3世帯、8人が集まることができるが、翌26日のボクシング・デーからは最も厳しい制限が課されることになる。 この制限下では、日用品以外の小売店は営業停止となる。また、スコットランド以外の地域への移動も禁止される。 ウェールズはロックダウンの開始時期を20日に前倒しし、規制緩和をクリスマス当日に限定した。この日は最大2世帯が集まることができる。 北アイルランドでは現時点では、クリスマス期間の規制緩和に変更はみられない。北アイルランドでは26日から6週間のロックダウンを予定している。 様々な失望の声 最大野党・労働党党首のサー・キア・スターマーは、「クリスマスの予定が台無しになり、数百万世帯が悲しむことになる」と述べた。 政府の感染対策を厳しく批判してきた与党・保守党の「COVID回復」議連のマーク・ハーパー代表も、議会を再開して、行動制限変更を議会が審議して採決すべきだと訴えた。 「今日はとても悲しい日だ。ロックダウンや厳しいティア制限はすでに、新型ウイルスの感染抑制という目標を達成できていない」 イギリス商工会議所(BCC)のアダム・マーシャル会長は、「すでに多くの企業がクリスマスの計画を中止していたが、このぎりぎりの決定で、さらに被害をこうむるビジネスが増えてしまう」と指摘。 「資金調達の見通しがまたしても崩れた企業に、どういう支援が提供されるのか」と、マーシャル会長は述べた。 一方、国民保健サービス(NHS)の各地医療組織を代表するNHSプロヴァイダーズのクリス・ホプソン最高経営責任者(CEO)は、各地の病院幹部は感染率を抑えるためにより厳しい制限を求めていたと述べ、今回の変更は「不可避」だったと話した。 クリスマスを両親と過ごすためにイングランド南部サリーからスコットランドへ移動するつもりだった教師、エライシャ・ジェフリーズさんは、両親ともう1年会っていないという。 「ボリス(ジョンソン氏)がクリスマスの予定を変更させるなどひどすぎると言っていたので、私たちはいつでも出かけられるように準備を整えていた。5日間は留守にするつもりだったので、自宅には食べ物がほとんどない状態だ。クリスマス当日、ピザ以外のものが食べられるかどうか」 (英語記事 Christmas rules tightened for millions) 山火事「キャンプ・ファイア」で燃えた家屋で遺体を捜索する救援隊員 行方不明者の数は14日以降に倍増した。 「キャンプ・ファイア」と名付けられたこの山火事はカリフォルニア州で起きたものとしては過去最大規模で、死者数も史上最多。また、1万2000棟の建物が破壊された。 南部で発生している別の山火事「ウールジー」でも、3人の死亡が確認された。 ドナルド・トランプ大統領は17日にもカリフォルニアを訪問し、被害状況を視察するとともに被災者と面会する予定。 カリフォルニア州全体で約9400人の消防士が消火活動に当たっている。 8日に発生したキャンプ・ファイアは強風にあおられ高速で州北部に広がったため、住民は短時間での避難を迫られた。 行方不明者が増えた理由は? 行方不明者数は14日、300人から631人に増え、2倍以上となった。 ビュート郡のコーリー・ホニア保安官は記者発表で、人数が急増した理由について、捜査員が8日の火災発生以降に受けた緊急通報など、多岐にわたる情報を徹底的に精査したためだと説明した。 「我々が対処している混沌は、尋常なものではないことを理解してほしい」 ホニア氏はまた、行方不明者数は今後も変動するだろうと強調した。 「もし行方不明者リストに自分の名前や友人、愛する人の名前を見つけたら我々に連絡してほしい」 消火活動の状況は? カリフォルニア消防局は、これまでに40%を鎮圧したとしている。 消防幹部のケン・ピムロット氏は、「我々は消火活動を続け、火事を監視し続けている」と話した。 消防当局によると、5万6600ヘクタールにおよんだ火災の鎮火は、今月末までかかる見通し。 また、特に被害の大きいパラダイス町については「完全な再建」作業が必要で、数年はかかるだろうと話した。 連邦緊急事態管理庁(FEMA)のブロック・ロング長官は、パラダイスの被害は今までに見た中で「最悪の災害のひとつだ」と述べた。 もっとも被害の大きかったパラダイスの町は焼失した(11月15日撮影) 法医学チームと遺体捜索犬は米軍の支援を得ながら、犠牲者の捜索を続けている。 当局は、捜索は数週間かかると警告している。 カリフォルニアでは現在、北部でキャンプ・ファイアが、南部でウールジー・ファイアとヒルファイアの3件の山火事が発生している。赤い点および赤い線で囲まれた部分が火災の起きている場所、薄い赤の部分が火災警戒区域。パラダイス(左下)では広範囲で家屋に被害が出た 火災の原因は? 当局は今回の山火事の原因をまだ特定していない。 キャンプ・ファイアについては高圧電線の故障が原因との疑いがあり、すでに一部住民が地元の電力会社に対して訴訟を起こした。 カリフォルニアの「山火事シーズン」はこれまで夏に始まり初秋まで続くが、専門家は今では山火事の危険性は1年中あると警告している。 低い湿度や内陸部サンタアナの温かい風、雨が1カ月降らずに乾燥した大地などが、炎が広がりやすい状況を作っていた。 (英語記事 Number of missing in US fire leaps to 631) これで前より強くなれる……救出のタイ少年 1人だけ英語が達者なアドゥル・サモン君(14)は、英国人ダイバーたちが水中から姿を現したときには「ハロー」という言葉しか出なかったと語った。 洞窟内の増水で2週間以上閉じ込められていた少年たちは、体調の確認などのため入院していた病院から18日に退院。それぞれの家に向かった。 <おすすめ記事> 少年たちは、参加する地元サッカーチーム「ムーパ(野生のイノシシ)」のユニフォームを着て会見に臨んだ。サッカー場を模した会場には、「イノシシたちが帰ってくる」と書かれた横断幕が掲げられた。 救助に参加したタイ海軍特殊部隊の隊員たちも、少年たちと一緒に会見した。 少年たちはサッカーチームのユニフォームを着て記者会見した 少年の1人は、洞窟内の石の壁からしみ出す水を飲んでいたと話した。「水はきれいだった。水しかなくて、食べ物はなかった」。 「タイタン(巨人)」こと、チャニン・ウィブルングルアン君(11)は、「お腹がすくので、食べ物のことは考えないようにした」と語った。 タイの少年12人とコーチ 笑顔で記者会見 少年たちは先月23日から行方不明になっていたが、今月2日にダイバーたちによって洞窟内で発見された。その後、食料などが海軍特殊部隊によって運び込まれた。 少年たちは、発見されてから最終的な救出を待つ1週間余りの間、救助隊員たちとどのように時間を過ごしたのかについても語った。 タイタン君は、「(ゲームの)チェッカーをした」と話した。「(特殊部隊の)バイトエイさんがいつも勝つので、洞窟の王様だった」。 タイ洞窟救助 精霊にお詫びの儀式 少年たちと一緒に救出されたコーチのエーカポル・チャンタウォンさん(25)は、救助活動中に死亡した元海軍潜水士のサマン・グナンさんへの哀悼の意を表した。 「我々がそれぞれの人生を生き続けられるよう、サマンさんが救助活動に自分の命をささげたことに、とても感動した。彼の死を知ってみんな衝撃を受けた。とても悲しかった。自分たちがご家族に悲劇をもたらしたように思った」 少年たちの数人は、困難な経験を教訓にすると話した。少年の1人は「もっと気をつけて、充実した人生を生きる」と語ったほか、「この経験で、もっと忍耐力をつけて、強くならなくちゃいけないと思った」と話した少年もいた。 少年たちは今後、不幸な出来事を体験したタイ男性の習慣にのっとり、一時的に出家して仏僧として修行する予定。 少年たちはどのようにして救出されたのか 少年たちとコーチはタムルアン洞窟に1時間だけいて出るつもりだったが、突然の雨による増水で洞窟から出られなくなった。 少年たちが洞窟の壁からしみ出た水をのんで生き延びた 9日後に英国人ダイバー2人によって発見されたが、当初ははっきりした救出方法は決まっていなかった。 さらに降雨が予想されるなか、危険な救出作戦が実施された。暗く水没した洞窟内を、ベテランのダイバーたちが少年たちを誘導した。 少年1人ひとりに酸素ボンベを持ったダイバー1人が付き添った。途中でパニック状態にならないよう、少年たちは相当量の鎮静剤を投与されていた。救出は3段階に分けられ、3日間にわたった。 救出された13人全員が病院に搬送され、治療や心理的な支援が行われた。 不屈のチーム精神――ハワード・ジョンソン、BBCニュース(タイ・チェンライ) 喜びに満ちた記者会見だった。最初に冗談を飛ばしたのは、タイ海軍特殊部隊のダイバーで、自己紹介の際に「名前はバイトエイです。洞窟の中で一番イケメンでした」と語った。 会見場に爆笑が沸き起こった。最初に発言した少年は、英国人ダイバーたちとコミュニケーションをとったアドゥル君だった。ダイバーたちが何を言っているのか通訳してくれとコーチに頼まれたアドゥル君は、「落ち着いて。そんなすぐ理解できないよ!」と答えたのだと説明。会場にはさらに笑い声が上がった。 少年たちの友人や家族、チェンライ病院の看護師たちは、笑顔でそばから少年たちを励ました。会見の司会者は冗舌で、誰も蚊帳の外に置かれないように気を配った。 どのようにして洞窟に閉じ込められたのかに話題が向くと、会場は少し真面目な空気になった。どうやって安全な場所を見つけたのか説明するコーチに、少年たちはじっと耳を傾けていた。 12人の少年の中で最年少のタイタン君が、お腹がすいてしまうので食べ物のことは考えなかったと語ると、他の少年たちは声をあげて笑った。どんなに困難な状況でも不屈のチーム精神が少年たちを支えていたことを物語っていた。 (英語記事 Thai cave rescue boys relive 'moment of miracle') 不法移民と疑われる38人を乗せていたトラック(23日、米テキサス州サンアントニオ) 警察や移民当局は、人身売買に関係した事件ではないかとみて調べている。移民局は、被害者たちの法的立場を確認しようとしている。 調べによると、大型小売店ウォルマートの駐車場に停めたトラック運転手が従業員に、水を飲ませてもらいたいと声をかけたことで事件が発覚した。 記者会見したサンアントニオ警察のウィリアム・マクメイナス本部長は「人身売買事件とみて捜査している」と述べ、運転手を事件への関与で訴追する方針を示した。 本部長によると、コンテナで発見された38人は、小学生くらいの子供から30代の大人までの年齢だという。発見時にすでに8人が死亡しており、28人が病院に搬送されたが、1人が搬送先で死亡した。 トラックを映したビデオ映像では、生存者を搬送する車両が映っている。複数人が徒歩で近くの林に逃げ込んだ可能性もある。 チャールズ・フッド消防長は、生存者の心拍数は130回以上に達し、体は触れると非常に熱い状態だったと話した。20人が重体だという。38人のうち少なくとも2人が小学生くらいの子供だという。 「この車両に閉じ込められていた38人全員が死亡しなかったのは、非常に幸運だ」と消防長は話した。 現場から撤去されるコンテナトラック(23日) テキサス州西部地区を担当するリチャード・ダービン連邦検事は、主犯特定に取り組んでいると話した。 「密輸業者の手にかかった被害者たちは、なすすべもなかった。(華氏)100度(摂氏約37.8度)以上の気温のなか、息苦しいコンテナに閉じ込められた、この人たちの苦しみを想像してもらいたい」と検事は声明で述べた。 「こわれやすい荷の安全などどうでもよいと思っている、非情な人身売買業者」の犠牲者だと検事は指摘した。 テキサス州サンアントニオの位置 (英語記事 San Antonio: Truck death toll rises to nine) 中国から避難したイギリス人11人が乗った航空機が2日夜、英空軍基地ブライズ・ノートンに到着した 11人は中国からフランス機で同国マルセイユに渡った後、イングランド中部オックスフォードシャーの英空軍基地ブライズ・ノートンに到着した。 この後、イングランド北西部ウィラル半島にあるアロウ・パーク病院に移動する。同病院には、武漢から先週避難した83人が2週間の予定で隔離されている。 11人は、先着の83人とは分けて隔離されるという。 「思っていたより深刻なのかと」 イギリスでは隔離された人たちは、どんな環境に置かれているのか。 武漢で英語を教えていた北アイルランド・ダンガノン出身のジョシュア・ドレイジさんは、BBCラジオ4の番組で、帰国して不安感が高まったと述べた。 「最初に防護服を着た人々に出迎えられ、それまで思っていたよりずっと深刻なのかと感じた」 <関連記事> 隔離されている人たちは、マスクを着けているという。 「誰がウイルスをもっていて、誰がもっていないかわからないので(中略)みんなで警戒することが全員の安全になる」 アロウ・パーク病院の看護師用のアパートは、武漢からの避難者の受け入れ施設に変えられた 1月31日に中国から帰国した第1グループの83人は、2棟のアパートに滞在している。通常は看護師たちが使用しているもので、看護師たちは地元のホテルに移動した。 講師の仕事をしているイヴォンヌ・グリフィスさん(71)は、4つの部屋と台所、ロビーがあるシェア用のアパートの一室に入れられた。飲食物は届けられているという。 1月31日に帰国したグリフィス博士は、武漢のホテルで足止めをされたと話した 隔離3日目のグリフィスさんは、アパートで一緒の人たちと「いくらか交流」していると話した。 「みんな物を取りに(ロビーに)行き、食べ物も確保している。何人かは立って一緒に食事を取るけど、全員マスクをしている。もちろん、食べるときはマスクを少し下げないとだめだけど」 イギリスでは2人の感染を確認 ドミニク・ラーブ外相はBBCの番組「アンドリュー・マー・ショー」で、中国にはまだ約3万人のイギリス人がいるとみられると述べた。そして、中国からの出国を希望する人には、できる限りのことをすると表明した。 イギリスではこれまで、2人の新型ウイルス感染者が確認されている。英公衆衛生庁の報道官は、この2人と近距離で接触した人の追跡調査が順調に進んでいると述べた。 「治療法ない」新型ウイルス、24時間態勢でワクチン開発を アメリカの研究者ら 感染が確認された2人は中国人で、親類同士。ヨークの病院に先週入院したが、現在はニューカッスルの特別施設で治療を受けているとされる。 2人のうち1人はヨーク大学の学生。大学によると、新型ウイルス感染の前後には、キャンパスや学生用の宿舎にはいなかったという。 中国人への差別 新型ウイルスの感染が拡大するなか、イギリスで中国人などへの差別が報じられている。 ロンドン東部ワンステッドの小児専門看護師ルーシー・リンさん(35)は、娘(11)から先週、「子どもたちが『新型ウイルスで病気だから中国人には近づくな』とみんなで言っている」と聞いたという。 リンさんの両親は1960年代に中国からイギリスに移り住んだ。リンさんは、「私が医師のところに行き、せきをすると、みんな私から離れて行くのがわかる」、「通りを歩くと不要な注目を浴びる。屈辱的だし、もうたくさんだ」と話す。 バーミンガムの中国人コミュニティーセンターは、「残念なことに、イギリスにおける中国人への虐待は、コロナウイルスの感染拡大以降、増えている」としている。 ビジネス、学業にも影響 中国人によるビジネスにも悪影響が及んでいる。 ロンドンのチャイナタウンにあるレストランの経営者は、1月31日にイギリスで初の感染者が確認されたことで、「即刻のキャンセル」が続いたと話す。 ロンドンのチャイナタウンの中国レストランでは予約のキャンセルが相次いでいるという チャイナタウンで2店舗を展開するレストラン「ジンリ」のマーティン・マーさんは、週末の予約は半減し、損失は1万5000ポンド(約214万円)前後になる見込みだという。 「ふつうならドアの外まで列ができるのに」とマーさんはBBCに話した。 感染症のパンデミックとエピデミック、エンデミック……違いは? 中国人留学生にも影響が出ている。 イギリスが旅行者に関する規制を打ち出したことで、同国に留学していた中国人の中に、中国から戻れない人が出ている。 ダービー大学は、学生15人が中国に残ったままだとしている。すでにイギリスに戻った学生3人は、症状は出ていないが、自主的に隔離状態に入るよう要請されているという。 リスク「低」から「中」に イギリスは先週、世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言を受け、国内のリスクのレベルを「低い」から「中程度」に上げた。 保健省は、2日午後2時までに新たな感染者は確認されていないと発表した。 過去24時間以内に、新たに63人が新型ウイルスに関する検査を受けた。これで検査を受けた人の合計は266人となり、うち264人が陰性だったと同省は説明している。 各国の新型コロナウイルス感染者数。左から日本20人、タイ19人、シンガポール18人、韓国15人と続く。 出典:欧州疾病予防管理センター(グリニッチ標準時2月2日正午現在) (英語記事 More Britons evacuated from Wuhan on French flight) "トランプ氏の子供たち、イバンカ氏、エリック氏、ドナルド・ジュニア氏も提訴された アンダーウッド長官によると、慈善団体のトランプ財団は、2016年米大統領選に影響を与えることを目的とした「違法な政治的協力」に関与したという、 司法当局は財団の解散と280万ドル(約3億円)の罰金などを求めている。 財団は提訴内容を否定し、提訴が政治的意図に基づいていると述べた。 トランプ大統領はツイッターで、トランプ氏は「たちの悪いニューヨーク州民主党と、不名誉な(そして町を追われた)エリック・シュナイダーマン司法長官が、財団がらみで僕を訴えるため出来ること全てをやっている。財団は1880万ドルを集め、集めた額より多い1920万ドルを寄付した。この件で和解はしないぞ!」と投稿し、提訴に反論するとともに和解はしないと主張した(編注:シュナイダーマン氏は5月に司法長官を辞任した)。 アンダーウッド司法長官はさらに、「不正行為と管理の完全な欠如への懸念」を理由に、トランプ氏と3人の子供、ドナルド・ジュニア氏、エリック氏、イバンカ氏について、ニューヨーク州に認可された慈善団体の幹部職への就任禁止も求めている。 同長官はこの件に関し、米国内歳入庁と米連邦選挙委員会にも連絡しているという。 アンダーウッドNY州司法長官の発言 アンダーウッド長官は14日、マンハッタンのニューヨーク州高裁に提訴書類を提出した。14日はトランプ大統領の72歳の誕生日だった。 訴状はトランプ財団とその幹部、トランプ氏と3人の年長の子供たちを、2016年米大統領選のトランプ氏陣営への違法な協力、度重なる自己取引、非営利団体が従わなければならない法への抵触で告発している。 同長官は声明でトランプ氏について、財団の名前と資金を使い、選挙陣営に支援を提供するよう財団に違法な指示をしたと述べた。 訴状はまた、トランプ氏が訴訟の和解金や同氏の事業の宣伝、トランプ氏自身の肖像画など個人的な物品の購入に慈善目的の資産を流用したとも主張している。 アンダーウッド長官はツイッターに、画像とともに「司法当局はドナルド・J・トランプ財団とその幹部であるドナルド・トランプ氏、ドナルド・トランプ・ジュニア氏、イバンカ・トランプ氏、エリック・トランプ氏を、州法および連邦法の広範で継続的な違反で提訴している」と書き込んだ。同長官が添付した画像には、自身の発言の引用として「トランプ財団は、目的や合法性にかかわらず使われる、トランプ氏や同氏の事業から非営利団体に支払いをする小切手帳とほとんど変わりなかった」と書かれていた。 トランプ財団とトランプ氏の家族の主張 トランプ財団は、提訴内容を否定し、170万ドルの資産差し押さえを「政治的利益のための人質」だとして司法長官を非難する文書を出した。アンダーウッド長官は民主党員。 トランプ大統領は訴えを「ばかげている」とした。 同様に訴えられた同氏の3人の子供は、公に発言していない。 一連の経緯 アンダーウッド氏によると、14日に発表された提訴は、シュナイダーマン前ニューヨーク州司法長官の下で始まり2年間続いた調査の結果だという。 シュナイダーマン氏は先月、複数の元恋人女性による身体的虐待の訴えを受けて辞任した。 シュナイダーマン元長官は2016年10月、トランプ財団にニューヨーク州での資金集めを止めるよう指示した。財団は適切な登録がされていなかったことが明らかになっていた。 大統領に選ばれたトランプ氏は2016年12月、利益相反「に見えることまで全て」防ぐため、財団の解散方針を示した。 トランプ財団に対する提訴により、トランプ氏の一連の訴訟には、さらにもう一つ加わっることになった。これまでには、トランプ財団とロシアが協力している容疑に対するロバート・ムラー特別検察官による広範な捜査も進んでいる。ムラー特別検察官はこれまで、トランプ氏の協力者数名を起訴し、トランプ氏の弁護人と仲介者を長年務めてきたマイケル・コーエン氏の自宅と仕事場を家宅捜索している。 容疑の詳細 ニューヨーク州高裁に14日提出された41ページに及ぶ訴状は、非営利団体に関連する法律の、過去10年以上に渡る広範な違反容疑を詳述している。 司法当局の調査は、財団が「理事会による監督がないまま機能する抜け殻同然」だった事実を発見したとみられる。訴状によると理事会は、法律では毎年1度集まることが求められているにもかかわらず、1999年以来会合を開いておらず、財団の活動を「全く」監督していなかった。 2008年以来、個人資産を全く財団に寄付していなかったトランプ氏は、財団の銀行口座を動かしたり財団の助成金を承認したりできる唯一の署名権者だった。 訴状の複数ページでは、2016年1月にアイオワ州で開かれた退役軍人向け募金イベントに焦点を当てている。この募金はトランプ氏が、影響力の強い州党員大会を前にした共和党の他大統領候補者とのテレビ討論へ参加する代わりに選択した手段だった。 このイベントで、トランプ財団に280万ドル以上が寄付された。市民から集められたこの資産が、大統領選でのトランプ氏陣営の宣伝に、特にアイオワ州での大統領候補者の集まる党員集会で使われたのではないかと訴状は述べている。 また司法当局は、マール・ア・ラーゴにあるトランプ氏の別荘を相手取った訴訟の和解に10万ドル、トランプ氏所有のゴルフクラブの一つへの訴訟の和解に15万8000ドル、さらに同氏が所有する別のゴルフクラブに掲げるためのトランプ氏の肖像画に1万ドルが、それぞれ財団から支払われたと主張している。 肖像画の購入について司法当局は声明で、非営利の慈善団体の税金に関する規則に違反する「少なくとも5回にわたる自己取引」の1回だとした。 「我々の調査が明らかにしたように、トランプ財団は、目的や合法性にかかわらず使われる、トランプ氏や同氏の事業から非営利団体に支払いをする小切手帳とほとんど変わりなかった」とアンダーウッド長官は述べた。 「これは私的な財団がすべき機能ではない」 <解説>「新たな戦線が開かれた」――アンソニー・ザーカー 北米担当記者 バーバラ・アンダーウッド・ニューヨーク州司法長官は、現在行われているドナルド・トランプ氏とその帝国に対する刑事捜査に、新たな戦線を開いた。トランプ財団に関連する不正の疑惑は2016年米大統領選でも取りざたされていたが、トランプ氏の大統領就任初期には影が薄くなっていた。事態は変わろうとしているのかもしれない。 トランプ氏から一般職員まで、米政権関係者は確かに、この提訴は思想敵に対する政治的意図を持った(編注:ムラー特別検察官の捜査に続く)新たな調査だとの汚名を着せようと試みている。魔女は新しいが、狩る者は同じだ。 だが、ニューヨーク州司法長官として、アンダーウッド氏には捜査と訴訟面でかなりの権限がある。そしてもし同氏がトランプ氏のより強い疑わしい慈善行動のいくつかを調べ始めれば、同氏が何を見つけ出すかは誰にも分からない。 少なくとも、エリック・シュナイダーマン前ニューヨーク州司法長官の不名誉にトランプ氏やその周囲が浮かれたのは少し時期尚早だった。アンダーウッド氏は前任者ほど辛口な反トランプではないかもしれないが、ここぞという時、つまり法廷では前任者と同じぐらいかそれ以上に好戦的になるように思われる。 (英語記事 New York sues Trump Foundation, alleging 'extensive' lawbreaking)" カマル・アフメド BBC経済担当編集長 欧州連合(EU)のベラ・ヨウロバー欧州委員(司法担当)は、現在の米国におけるルールはEUのものより「弱い」と述べた。 ヨウロバー委員は、人々がこれまで、プライバシーについて米国のルールに安心していたとしても、それはフェイスブックのデータ漏洩という「警鐘」で変わるかもしれないと語った。 同氏は「トラが檻の外にいる」と表現した。 EUにおけるデータ保護の責任者であるヨウロバー氏は今週、ワシントンを訪れ、米国の規制当局と協議した。 「アメリカの法律をみても、(EUのような)強固な規則や法的枠組みはみられない」と同氏は私に語った。 「米国が今後、より厳格なルールをつくるかどうか、興味深く見ている。規制当局者だろうと法執行者だろうと、フェイスブックアカウントを持つ人であろうと、私がワシントンで会った多くの人々が皆、データ不正疑惑に強い衝撃を受けていた」 「米国のデータ保護はEUより弱かった。アメリカ側のより強固で信用の置ける法律制定をみたい。私は満足していないが、米国における現在の法律とともに私たちは生きていかなければならないのだ」 EUと米国は「プライバシー・シールド」と呼ばれる、大西洋を挟んだデータ共有協定を結んでいる。 ヨウロバー委員によれば、協定は常に再検討しており、もし「劣化」が認められればEUはすぐに行動するだろうが、いまはまだ「その段階にない」。 EUは5月に一般データ保護規則(GDPR)という協定の下、データ保護を大幅に強化する一連の法律を施行する。 これはフェイスブックが本社を置く米国の規則よりもかなり厳しいものになるとみられる。 「警鐘」 ヨウロバー委員は、英ケンブリッジ・アナリティカ社が関与したデータ漏洩はいかにして起こったか、フェイスブックに回答を求めて書簡を送るだろうと語った。 ヨウロバー委員は、「私はこの事案がフェイスブックにデータをゆだねていた人々の信頼に対する大きな打撃だと考えている」と語った。 同氏は少し前に自身のフェイスブックアカウントを消去したという。そこが憎悪の「開放的空間」になっていたからだ。 同氏はまた、全ての人がインターネットに対し特別な注意を払い、自らが何を共有しているかについて考えるべきだと警告した。 「私は今回のことが、物事へ単純に無限の信頼を抱き、起こり得る帰結に対して何も対策をしない人々への警鐘になるとも考えている」 「具体的な事例について、私は人々を責めることはできないと思う。彼らはこの動きの犠牲者であり、我々はできる限り早く信頼を回復しなければならない。だが、その信頼とは私たち立法者に対するものではなく、企業、第一にフェイスブックに対してのものだ」 私は彼女に、マーク・ザッカーバーグ氏が21日の夜にフェイスブック投稿した一連の疑惑への反応に満足したかどうか尋ねた。 声明でザッカーバーグ氏は、間違いを犯したことを認め、自身が指揮するフェイスブックがユーザーの情報をどのように守っているか、そして他の漏洩が発生していなかったかどうかについて、点検を開始するとした。 ヨウロバー氏は、「ザッカーバーグ氏の説明と信頼回復への努力は理解するが、彼はそれにとても長い時間がかかることを自分自身で理解しなければならない」と語った。 「私たちが望むのは、フェイスブックがEU法に従い、尊重することだ」 「もう1つ私たちがフェイスブックにしてほしいのは、社会的責任の原則に立って多くのことを行うことであり、それが私がフェイスブックをより信頼するために必要な行動だ。彼らが続けるべき行動とは、たとえば、彼らが自身のネットワークからヘイトスピーチを消去することだ」 (英語記事 EU warns US on data control flaws) ジャスティン・ハーパー、ピーター・ホスキンズ(BBCニュース) アメリカの多くの大手航空会社が、乗客乗員の健康面および安全面の新たな方針の導入を進めている。 世界中のほかの航空会社も、運航再開時のマスク着用を義務化している。 新型ウイルスの感染拡大によって深刻な打撃を受けている航空会社は、マスク着用の義務化などの感染防止措置について、一時的な実施を検討しているとしている。 米主要航空会社が義務化 アメリカのデルタ航空は4日から、搭乗手続きエリアやプレミアムラウンジ、搭乗エリアのほか、フライト中は終始マスクを着用するか、他のもので顔を覆うことを乗客に義務づける。 アメリカン航空とユナイテッド航空もまた、運航再開時に、乗客乗員のマスク着用の義務化を開始するとしている。 アメリカン航空の広報担当カート・スタッシュ氏は、「我々は、搭乗中に安心感を与えられるよう、乗客の健康に気を配っている」、「我々はこうした対策の強化を迅速に進めている。乗客と乗員チームのために、空の旅をより良いものに改善し続けていく」と述べた。 ユナイテッド航空の広報担当マディ・キング氏は、「すべての乗客に顔を覆うことを義務づけ、無料のマスクを乗客に提供する方針だ」としている。 豪カンタスは義務にせず 一方で、すべての航空会社が乗客に対しマスクの着用を求めているわけではない。オーストラリアのカンタス航空は、「オーストラリア国内でマスク着用の義務はない。豪政府あるいは航空会社は、移動制限解除後の措置について、いかなる決定もしていない」と説明した。 同社のウェブサイトには、「機内で新型コロナウイルスに感染するリスクは低いとされているが、すべてのフライトで社会的距離を保つようにしている」とある。同社は現在、ブレンダン・マフィー豪首席医務官によるガイドラインに従っている。 航空会社が従う国際的方針をめぐっては、国際航空運送協会(IATA)を含め、多数の団体がガイドラインを提示できる。IATAの広報担当者は、「機内で顔を覆うというのは、我々が業界の利害関係者や複数政府と協議している、運航再開のための業界ロードマップの中で提案されている措置の1つだ」と述べた。 そのほかの措置 複数の航空会社は、新型コロナウイルスの感染拡大防止につながるよう、機内での様々な安全措置を導入している。 各フライトの搭乗者数を減らすのに加えて、使用頻度の高いエリアの消毒を目的とした搭乗前の清掃が広く実施されている。 また、人との接触を減らすため、乗客は飲食物の持参を推奨されている。 新型コロナウイルス特集 感染対策 在宅勤務・隔離生活 (英語記事 Passengers told to wear face masks on flights)