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高齢者が暮らしやすい国ランキングで世界１位となったスイス。なぜこの国では人々が定年退職後も健やかに、安心して暮らしていけるとされるのか？その答えには、スイスが実践する「アクティブエイジング」への取り組みがあった。
健康長寿社会の実現を目指し、世界ではこれまでに多くの取り組みが行われてきた。しかしその反面、社会の高齢化も急速に進んでおり、現在、世界では毎秒２人が６０歳の誕生日を迎え、今日９億人といわれる６０歳以上の世界人口は２０５０年までに２１億人に達すると予想されている。スイスも例外ではなく、６０歳以上の人口は現時点で２３．６％。２０３０年には３０．６％にまで増える見込みだ。
１位にランクインしたスイス
そんな中、今年９月に発表された「グローバル・エイジウォッチ指数」２０１５年版で、高齢者が最も暮らしやすい国の１位にスイスが選ばれた。このランキングは高齢化社会に対する人々の意識を高めることを目的としたもので、調査を行ったのは高齢者のための国際人権団体ヘルプエイジ・インターナショナルだ。９６カ国に住む高齢者を取り巻く状況を１）収入、２）健康、３）教育・雇用、４）社会参加支援の４分野と１３の基準項目で評価。ヘルプエイジ・インターナショナルは調査後のレポートで、トップを獲得したスイスに関し「アクティブエイジングを促進する幅広い取り組みが行われている」と分析した。
アクティブエイジングの３本柱
世界保健機関（WHO）はアクティブエイジングの取り組みにおいて「安全、健康、社会参加」の３本柱を掲げている。
「安全」は安定した社会保障策の支援や高齢者の権利擁護。「健康」は身体面の健康対策だけではなく、メンタルヘルスのサポートと安価で平等な医療サービスの提供。そして「社会参加」は高齢者に対する生涯教育や学習機会の提供、また高齢者が行うボランティア活動や労働を通じた社会への参加を指す。
評価されたアクティブエイジングの取り組み
アクティブエイジングとは、定年退職後の人々が生活の質を落とすことなく、社会とのかかわりを持ち続けながら年を重ねていくことを指す。世界保健機関（WHO）はその３本柱に「安全、健康、社会参加」を提唱。スイスは今回のランキングにおいて、特にその３本柱に関連した分野で特に高い評価を得た。
まず「安全」だが、WHOは収入の安定をこの第一の柱に数えている。ランキングでは、スイスは６５歳以上の全ての人が年金を受け取れる社会保障制度が整っていることが高く評価された。ベルン大学エイジング研究所のヨナタン・ベネット所長は、「今後、社会の高齢化で現役世代の負担が増加するため、向こう２０年、３０年後の社会保障制度は大きな課題を抱えることになる」と不安を示すものの、「年金による所得保障は現在、非常に安定している」と語る。
第二の柱「健康」では、身体面と心理面の健康を保つ取り組みが重要視されているが、スイスは他の国と比べ、６０歳時の健康寿命や平均余命が長く、またスイスに暮らす５０歳以上の９６．５％が現役世代（３５～４９歳）と同じように自分の人生にも意義があると感じていることが分かった。
そして今回特に評価が高く、分野別ランキングで９６カ国中１位を獲得したのが第三の柱「社会参加」に関する分野だ。ここではスイスの高齢者の生涯学習やボランティア活動など、社会参加を積極的に支援する取り組みが認められた。また、高齢者の政治参加も重要なポイントになっていると、高齢者支援団体プロ・セネクトゥーテの研究員クルト・ザイファートさんは説明する。「直接民主制が根付いているスイスでは、高齢者が政治に参加する機会が多い。それもこうした高評価につながったのではないか」
高齢者を積極的に支援
それではスイスは実際、高齢者に対しどのような社会参加支援を行っているのだろうか？
まず、国はスイス全土の高齢者支援団体を対象に、年間７２００万フラン（約８８億円）もの助成金を出している。各団体はその助成金を元に、出来るだけ長い間、高齢者が自立して暮らせるよう看護や社会活動など多方面からのサポートを提供している。
また高齢者向けのプログラムを実施する民間団体は多く、例えばプロ・セネクトゥーテのベルン支部では、高齢者の「やりたい」を支援する受け皿として、ベルン州に住む６０歳以上の男女を対象に年間１万件のコースを提供している。開催期間は数日から半年などさまざまだ。
人気のコースはヨガや山登り、語学などで、「最近では遠くに住む孫と、iPhoneを使ってコミュニケーションを取るために情報コースを受講する人も増えている」と、教養・スポーツ部のレト・ツァウグ主事は最近の傾向について語る。
コースの参加費用を支払う経済力がない受講希望者に関しては、スイス老齢・遺族年金制度がそのサポートをし、費用の一部もしくは全額が補助されるという。「ベルン州に住む６０歳以上でコースに参加できない人は、誰一人としていない」（ツァウグ主事）
法律面に関していえば、住み慣れたところで暮らしていきたい高齢者にとっては、スイスの賃貸借法が大きな味方だ。同法では、一度結ばれた賃貸条件の変更が制限されているため、今まで支払ってきていた家賃が物価の上昇などで突然高くなるということはない。そのため、賃貸物件に住む６０歳から７４歳が１平方メートル当たりに支払う家賃はスイス全体の平均よりも８％低く、７４歳以上だと１３％低い。
十人十色の「実りある老後」
このような国や民間団体からのサポートが整いつつある環境の中で、ボランティアをしたり、高齢者を対象とした大学の講義を受講したりするなど、スイスでは十人十色の「実りある老後」が可能になりつつある。
しかし、「今後の課題は、２０年、３０年後に現役世代の負担が増加したとき、社会環境や制度をどのように整備していくかということだ」と前出のベネット所長は強調する。
「例えば介護という仕事は、これまでは家族の中でも特に女性が担っていた役割だ。しかし社会の高齢化が加速し、介護を担う現役世代が足りなくなった場合、元気な高齢者が介護を必要とする高齢者の世話をする状況も当たり前のよう出てくるかもしれない。そうなれば新しい制度が必要となるだろう」と話し、また「高齢者が効率よく社会参加できるようにすることも大切だ。ボランティア活動であれば、適材適所を考えることが必要だ。ただ暇な人をすいている場所に配置すればよいというわけではない」と付け加える。
「（少子高齢化の加速で）これまでは『当然』と考えられてきた社会のしくみは変化を必要としている。今後ますます、新たな取り組みについて考えていく必要がある」
swissinfo.ch