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ドイツではすでに初の女性首相が誕生。アメリカやフランスでも女性が政治のトップに立とうと立候補している。スイスの女性が参政権を得たのは、1971年になってから。1984年には連邦閣僚に女性が始めて選出された。
これまで4人の女性が入閣し、輪番制で就任する大統領には1999年社会民主党( SP/PS ) 出身のルート・ドライフス氏が就任。今年はミシェリン・カルミ・レ外相が大統領を兼任している。
スイスも今年は総選挙の年に当たる。女性が参政権を得てから30年で女性の大統領まで輩出したスイスだが、政界への女性の浸透率はまだ男性の半分に満たない。また、女性は国民投票などでは、革新的な政策を男性よりも強く支持していることがこのほど行われた調査で明らかになった。
地方政治における女性
外電によると、人口10万人以上の都市に限って見ると、女性の地方議会の議員の割合は2006年末で37%だった。1980年にはおよそ2割だった。人口1万人以下の地方でも現在、女性が占める割合は12%。いずれも女性議員は急増した。
1980年には6%だった人口10万人以上の都市における女性の行政担当大臣の割合が、1994年には3割まで伸び、その後も同じレベルを保っているという。人口1万人以下の小都市でも5%から25%まで飛躍した。また、7人で占める連邦閣僚も現在は2人が女性である。
女性の意見は進歩的
スイスの大手リサーチ機関「ジー・エフ・エス ( gfs )」 が、2004年から2006年までの国民投票の結果を分析したところによると、男性も女性も同じ割合で投票に行くことが分かった。政治の関心度には性差はないが、支持の内容には違いがあるという。
女性は環境保護、公共サービスの充実などに関心が高く、社会的に弱い立場にある人を擁護しようとするという。例えば、扶養家族手当て、国立銀行の利益を老齢年金へといった提案には、男性と比較すると賛成を投じ、環境問題にかかわる、2本目のゴッタルドトンネル建設や原子力発電所建設案などには反対する傾向にある。
直接民主制を活用していない
この調査で気になるのは、政治に対する信頼度。男女合わせての統計で、およそ60%が政治に関心があると答える中、46%の国民が政府に対して不信を抱いていると答えている。過去4年間、国民の政治不信度は常に4割以上で、5割を超えた年もあった。
もっとも、スイスは直接民主主義制なので、政府への不信は投票で修正されるチャンスもあるのだが、過去6年間に問われた55の国民投票項目で、投票率が過半数に達したのは14項目に止まり、30%に満たない項目さえあった。政治に参加する機会を放棄する国民も多い。
swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )
キーワード
スイスの人口の54%が女性
連邦国民議会の女性議員割合 26%
連邦全州議会の女性議員の割合 23.9%
州議会の女性議員の割合 24.9%
都市部議会の女性議員の割合 30%
上場企業の女性役員の割合 9%
女性閣僚の歴史
女性参政権は1971年になってからとスイスの政界への女性の参加は比較的遅い。
その後も、アッペンツェル・インナーローデン州では州政治への女性参加が認められず、欧州裁判所が女性の政治参加を強制的に決定した。
1984年、エリザベート・コップ氏が女性初の閣僚に就任。しかし、閣僚の立場を利用し、ビジネスマンの夫の利益になる情報を漏らしたため1989年に失脚した。その後、1993年、ルート・ドライフス氏 ( 2002年まで ) 、1999年、ルート・メツラー氏 ( 2003年まで ) 、2002年、ミシェリン・カルミ・レ氏 ( 現職 ) 、2006年、ドリス・ロイタルド氏 ( 現職 ) と続く。
メツラー氏は35歳で入閣した最年少の閣僚だったが、再選選挙で対抗馬のクリストフ・ブロッハー現司法相に敗れ、閣僚の座を追われた。自らの意思で辞任したのはドライフス氏のみ。