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スイスの兵士が外出や帰宅の際に軍服を着用する習慣はいつまで続くのだろうか。ヨーロッパの軍隊では長い間常識になっていることが、スイスではまだ「タブー破り」と見なされている。
ドイツ国防軍ではいつから外出・帰宅時の兵士の私服着用を許可しているのかという質問に対し、ベルリンの連邦国防省参謀本部のスポークスマン、ミヒャエル・シュトルンク中佐は、かなり以前から実施しているが「正確な年数は分からない」と返答に詰まった。
ドイツ国防軍の場合
以前ドイツでは、兵士の居住地や未婚・既婚などの区別に応じてさまざまな服装規定を定めた時期があったという。ただ、ドイツ軍の考えはスイス軍とは違い、外出時の私服着用は規定として認められている。逆にスイスでは私服着用はタブー破りとされる。
「1997年以来、基本的に改定されない限り、外出時に汚れていないきれいな戦闘服を着用することが許可されている」
と、もうすぐ12年目に入るドイツ軍の服装規定に目を通したシュトルンク中佐は言う。つまり、多くの兵士が軍服を着ているように、軍服の着用は許可されているが、義務ではないということだ。例外は出張、裁判所への出廷、通院の際などで、兵士は「外出用の軍服」を着なければならない。別の言葉で言うなら、軍服着用義務は軍に属する者として人前に出る場合に限られている。
このドイツ軍の規定は、勤務地近くに住む国防軍メンバーはわざわざ兵舎で私服に着替える必要はないという考え方による。また、国土の広いドイツでは、一部のドイツ人兵士はスイス人兵士よりも相当長い距離を移動することがあり、こうした兵士にとっては私服で移動できることは好ましい。
異なるスイスの事情
しかし、スイスでは事情が異なる。先日、オイゲン・ホフマイスター師団長が「ゾンターク ( Sonntag ) 」紙上で、今後、スイス軍兵士は私服で外出すべきだという提言をし、物議を醸した。スイス将校組合のハンス・シャッツマン会長はラジオ局「DRS」の放送でホフマイスター少将の意見に反対を表明した。また、下士官連盟のロルフ・ホンベルガー会長は、軍服姿の兵士は「尊敬と賞賛の対象であるはずだ」とゾンターク紙上で考えを述べた。
しかし、実際には多くの兵士が尊敬すべき振る舞いをしていない。このことは兵舎がある地域住民から寄せられる苦情の数々が証明している。
「酒を飲んだり・・・、一部ではマリファナやコカインもやっている」
という住民のコメントをゾンターク紙は掲載している。軍服は兵士に匿名性を感じさせ、また、昔と違い、最近の兵士は裕福になったという。
これに対し、国民党 ( SVP/UDC ) のブルーノ・ツッピガー氏は逆のことを懸念している。国民議会 ( 下院 ) の安全委員会長でもあるツッピガー氏は
「私服だと兵士であることが分からなくなり、兵士たちの態度はますます悪くなるだろう」
と、無料新聞「20 ミヌーテン ( 20 Minuten ) 」紙に対し語り、さらにスイス軍の性格を訴えた。
「兵士は24時間常に軍務に就いている。兵士はこれを示してしかるべきだ」
しかし、ツッピガー氏は規律の問題を無視してはいない。解決策として、規律違反は厳しく罰し、外出禁止を言い渡したり罰としての労働を課すという。
見た目が大切
軍服着用の際は、公衆の面前に現れる兵士の姿が常に重要なポイントになると、ドイツ軍のシュトルンク中佐は言う。
「ドイツでは、兵士が兵舎から軍服を着て出る時、ドイツ国防軍の名を背負っているという自覚を持つように教育される」
ドイツ国防軍の評価は兵士たちのふさわしい行動や態度にも左右されるという。
「もちろん、兵士には戦闘服を着て帰宅する義務はなく、私服を許可されている」
もっとも、兵士が軍服を着ていれば兵士であることは一目瞭然だ。そのため、兵士は「勤務時間以外は特に兵士としての責任感ある態度と振る舞いが期待される」とシュトルンク中佐は言う。
保険と軍服着用
スイス軍の保険は従来、軍服を着用している者に対して適用されることになっている。例えば、自家用車を使用しての帰宅途中でも軍服の着用が必要になる。確かにこのスイスの規定には長所はあるが、これが唯一の道ではない。
「ドイツでは軍服の着用が保険適用の条件にはなっていない。通勤途中の事故はあるが、勤務地から居住地までの道のりは保険法でカバーされている。ただし、軍服は着ている必要はない」
とシュトルンク中佐は言う。
もし私服を着た兵士がグループになって帰宅し何か問題を起こした場合、誰が兵士をチェックできるのか、私服の兵士を監視すること自体可能なのかという疑問も保険の問題にかかわってくる。
「週末や移動日は非常に多くのドイツ国防軍のメンバーが移動する。このような時は駅に兵士をチェックするパトロール隊が出動する」
と、憲兵隊についてシュトルンク中佐は説明する。スイス同様、この憲兵隊は兵士の規律に目を光らせている。まずは「軍服を着ている兵士」が対象になるが
「私服姿の人物が軍のメンバーであることが分かれば、憲兵隊は問題行為に対し介入することができる」
とシュトルンク中佐は付け加えた。
swissinfo、アレクサンダー・キュンツレ 中村友紀 ( なかむら ゆき ) 訳
タブー破り？
先日、スイス軍の上級将校オイゲン・ホフマイスター少将は、新兵や軍人は外出時に軍服を着用する必要はないという提案をし、これまでの軍の伝統の廃止を呼びかけた。
「わたしの考えでは、軍のメンバーが私服で外出すればかなりの問題を避けることができる」
というホフマイスター少将のコメントが「ゾンターク ( Sonntag ) 」紙上に掲載された。
昨今の兵士の評判が悪いことを少将は指摘した。
そこで、兵士であることが分からないようにすることが得策だという。