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タイ・ピルと呼ばれる覚醒剤が昨年来スイスで出回っている。全国の警察は２年前から近隣諸国および製造元であるタイ警察との共同作戦を展開した結果、１００人以上の密売人を逮捕しタイ・ピル４５０、０００錠を押収したと、１４日発表した。
タイ・ピルは「エクスタシー」と同様メタンフェタミン系覚醒剤だが、エクスタシーより安価で作用の継続時間が長く最高8時間もつ。一度使用すると依存症になるリスクが極めて高く、身体的・心理的な破壊度の強い大変危険な薬物だ。服用直後は快感を感じるが、その後は暴力的に変貌する。快感を持続させるため、量をどんどん増やし中毒になる。安価ゆえに、持ち金の少ない若者が気軽に手を出してしまう。
スイスの１６州警察と連邦警察、連邦税関管理局およびドイツ、オーストリア、リヒテンシュタイン、タイの警察は、１９９９年からタイ・ピル撲滅共同作戦を展開してきた。１４日ベルンで記者会見した連邦警察は、動物のぬいぐるみ、衣類、食品、楽器、化粧品、洗剤などタイ・ピル運びに利用される物とその隠し方を実演して見せた。
警察によると、麻薬密売組織はスイスをタイ・ピルのテスト市場として、また近隣諸国への中継ポイントとして利用している。スイスの大規模なアジア人コミュニティー、欧州の中央に位置する地理的条件、面積が小さいため各国境までの距離が短いことなどの整った条件が、密売組織にとってスイスを理想のテスト市場としているという。２年間の国際共同作戦、「コードネームWY」（タイ・ピルに刷り込まれているイニシャルWYから名付けられた）の結果、警察は麻薬密売人１０２人を逮捕した。逮捕者のうち２０人はスイス人で、ほとんどはアジア人だ。連邦警察のディーター・シュトゥッシ氏は「麻薬犯罪組織を撲滅できてはいないが、タイ・ピルの価格が急騰していることから主要ルートを破壊したことは確かだ。以前１錠１５スイスフランから２０スイスフランだったのが、３倍にはね上がっている。」と言う。
現在のところタイ・ピルは東南アジアでのみ製造されている。中国人がメタンフェタミンなど原料を供給し、タイ人が輸送ルートを手配し、ベトナム人の運び屋によって世界へ運ばれるとシュトゥッシ氏はいう。スイスへは、主にチューリッヒ空港から運び込まれる。タイ・ピルの服用方法は、葉巻き、吸引、注射、経口など。９７年だけで、米国では約５００人がメタンフェタミン濫用で死亡した。