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ユーゴスラビア紛争中に起きた大量の殺戮で犠牲になった人達の遺骨の身元確認が急がれている。国際失踪者委員会（ＩＣＭＰ）はスイスを訪問し、旧ユーゴスラビア出身の遺族のＤＮＡからこうした強制失踪者の身元確認をする作業を行っている。
ＩＣＭＰは1996年のＧ-７サミットで、ユーゴスラビア紛争で失踪した人達のゆくえを追及する目的で創立された国際機関である。また、ＤＮＡから遺骨の身元を確認する技術はスイスが開発した。
「今回の私達の使命は、紛争中に強制失踪した人の遺族の血液を2、3滴採集することだ」と語るのは、国際失踪者委員会（ＩＣＭＰ）の医師、ムスタファ・チスニック氏。ＤＮＡ鑑定のためのＩＣＭＰによる採血活動は今回で2度目だ。前回は、オーストリア、ドイツ、スウェーデンを回り、4,500人から採血した。対象となったのは、紛争中に失踪した人達の父親、母親、兄弟、子供など1親等や2親等の人達である。1991年から2001年まで続いたユーゴスラビア紛争で失踪し殺戮されたと判断される人の数は2万人から3万人と見られている。こうした強制失踪者のほとんどはボスニア人だが、セルビア人やアルバニア系コソボ人なども含まれる。
複雑な鑑定方法
今回はスイスのほか、デンマーク、オランダ、スロベニアなども回る予定だ。スイスでの採血は、旧ユーゴスラビアからの難民のうち1,500人の犠牲者の遺族が対象になる見込み。ＩＣＭＰがスイスで活動を行っている間に、犠牲者の遺族が申し出てくることも期待される。
遺族の血液を採集しＤＮＡ鑑定により遺骨と比較する技術は、ローザンヌ大学のトーマス・クロムペヒャー教授らが開発した。クロムペヒャー教授の説明によると、対象となるのが遺骨のため、ＤＮＡ鑑定は特別で複雑な技術を要し、普通のＤＮＡ鑑定よりコストもかかるという。
ユーゴスラビア紛争の傷跡
ＩＣＭＰの活動にはスイスをはじめ、ＥＵ諸国や民間企業が援助をしている。スイスの場合は金銭的な援助ではなく、ＤＮＡ鑑定に必要な設備の提供や遺骨発掘の際の人的な援助だ。また、遺族や被害者に対する過去の辛い経験を克服するプロジェクトにも参加するなど、ユーゴスラビア紛争後のさまざまな「平和活動」を行っている。
ウルス・ブライター在ボスニア・ヘルツェゴビナ大使は「知ろうとしても長い間不明だった失踪者のゆくえを家族が知ることは、非常に重要なことだ」と語り、ＩＣＭＰの活動を評価している。
スイス国際放送 佐藤夕美 意訳
補足情報
スイスに住む旧ユーゴスラビア人は37万人。
ユーゴスラビア紛争の犠牲者は35万人。
難民の総数は350万人。