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スイスの伝統的格闘技「シュヴィンゲン」の全国大会が8月20日から3日間、フラウエンフェルトで開催され、ベルン州出身のキリアン・ヴェンガー選手 ( 20歳 ) が8戦全勝で「シュヴィンゲン王」のタイトルを手にした。
「連邦シュヴィンゲン・アルプス祭」は3年に1度のスイス最大のスポーツイベント。主催者の予想を上回る25万人が訪れた。
王者の貫録を示せ！
今回の全国大会1カ月前にブリューニクやシュヴェークアルプなどで行われた地方大会で、強豪選手が全員敗北したこともあり、全国大会での「シュヴィンゲン王」の予想は難しいという評判だった。
しかし、試合第1日目の8月21日で、ベルン州出身のヴェンガー選手( 身長190cm、体重101 kg ) は、3冠王のユルク・アブデルハルデン選手も負かし、4試合とも堅実に勝利を奪った。翌日も3試合を勝ち取り、最終試合の第8試合目に臨むことになった。
ヴェンガー選手の優勝はすでに決まっていた。しかし評議委員会は、最終試合に勝たなければ「シュヴィンゲン王」のタイトルは約束できないと、王者の貫録を示すことを要求した。この背景には、同じくベルン州出身のクリスティアン・シュトゥッキ選手が、ヴェンガー選手の強敵を負かしたことで、ヴェンガー選手のランクが有利になったことがある。こうして、3年に１度しかない全国大会は、最終戦まで選手も観客も緊張する展開となった。
相手はシュヴィーツ州出身のベテラン、マルティン・グラブ選手 ( 31歳、身長 194 cm、体重117 kg ) 。審判の「よし、始め」の号令の下、持ち時間16分間で試合が始まった。
冷静に8連勝
ヴェンガー選手はグラブ選手の攻撃を待つ構えで、4分目、9分目、12分目で相手を押し倒すが、グラブ選手の両肩をおがくずの敷かれたリングに押さえ付けることができない。引き分けになった場合でも評議員会の判断で「シュヴィンゲン王」のタイトルの授与はお預けになるかもしれないという緊張感がアリーナを包む。
残り3分で、グラブ選手が足元から崩れ落ちるように倒れたところを、ヴェンガー選手の肩が相手の上半身をしっかり上から押しつけ、「土」が付いた。
「この2日間、AからZまで完璧だった。『シュヴィンゲン王』にならなければというプレッシャーはあったが、チーム、同僚、天候、組み合わせすべてが出そろった。グラブ選手は攻撃型なので、相手が仕掛けてくるまで待つ、守りで行こうと思っていた。勝ったのは運だ」
とヴェンガー選手は試合後に語った。287人の選手が参加し全員が8試合をこなした。その組み合わせは、選手の成績と性格を吟味し、評議委員会が試合ごとに決めていく。
「シュヴィンゲン王」が決まった瞬間、同僚たちが駆け寄る中、相手のグラブ選手と握手し、背中に着いたおがくずを払うことも忘れないヴェンガー選手は、控え目で言葉少ない選手と評価されている。8連勝して王者となったのは30年以来の快挙。スイスのシュヴィンゲン史の記録に残ることになる。晩夏の日曜日、陽が陰る頃、ヴェンガー選手には伝統に従い、カシの葉で作られた王冠と雄牛「アルノルト」が贈られた。
swissinfo.ch、佐藤夕美
連邦シュヴィンゲン・アルプス祭
3年に一度開催される。今年は8月20日から22日まで、フラウエンフェルト
( Frauenfeld ) で行われた。次回はブルクドルフ ( ベルン州 ) で8月30日から9月1日まで開催される予定。
五つの協会から、予選で選ばれた者が参加する。今年は計287人が参加。そのうち27人がフランス語圏から、また6人が外国から参加した。
今回の大会の予算はおよそ2000万フラン ( 約16億円 ) で、スイスで行われるスポーツ大会としては最大規模。同大会のために建設される競技場には約4万7500人の観客が入場できる。
今年のランキング
キリアン・ヴェンガー 79.00ポイント
ユルク・アブデルハルデン 77.00ポイント ( 3冠王 )
クリスティアン・シュトゥッキ 76.50ポイント
アンディ・イムホフ 76.50ポイント
トマス・センパッハ 76.25ポイント
マルティン・グラブ 76.00ポイント
以下省略