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２００８年に盗まれたセザンヌの絵画が発見された。これを受け、スイス美術館協会の会長ジアンナ・ミナ氏が、厳格な警備体制と一般公開に適した環境作りとのバランスについて語った。
ミナ氏は、２００８年２月に起きた「ヨーロッパ史上最大の美術品盗難事件」を契機に生じたスイス美術界の変化と、美術館の職員が直面している厳しい選択について語った。
４月１２日、セルビアとスイスの警察は、２００８年に強奪されたセザンヌの油彩画「赤いチョッキを着た少年（The Boy in the Red Vest）」を発見したと発表した。容疑者４人は、作品の取引の準備中に逮捕された。
この、推定価格が約１億フラン（約８８億４０００万円）のセザンヌの作品は、２００８年にチューリヒのビュールレ美術館（Foundation E. G. Bührle Collection）から、クロード・モネ、ビンセント・ヴァン・ゴッホ、エドガー・ドガの絵画とともに強奪された。現在、スイス人専門家の手により本物であることが確認されている。
専門家が指摘したように、犯人はスイスの美術館の緩やかな警備を利用して作品を奪い去ったものの、絵画の価値や世界的に知られた作品を売却することの難しさに対する知識は持ち合わせていなかった。
swissinfo.ch ： ２００８年以降、美術館やアートギャラリーでは何が変わったのでしょうか。
ミナ ： 第一に、このような強奪が起こり得ることを理解した。つまり、美術館は、美術館と呼ばれているだけでは安全ではないということ、そして大切な収蔵品のために何らかの手を打たなければならないということが分かった。
しかし他方では、美術館を要塞のような場所にしてはならないという点について考えた。美術館は、人々が訪れる活気のある場所だ。我々の任務の一つは、美術品の保管、修復、適切な展示と保護だけでなく、美術館を一般人にとって来館しやすい身近な場所にすることだ。
厳格な警備体制と来館者が鑑賞しやすい環境のちょうど良いバランスを見つけるのは非常に難しい。警備を１００％完全にしようとすれば、一般公開はできなくなる。そして一般公開をすれば盗難のリスクを負うことになる。４年前の２００８年は、来館者が１５人ほど鑑賞していたときに、３人の男が美術館スタッフをピストルで脅すという衝撃的な方法で絵画が奪われた。
その後、館長と学芸員で警備の見直しを行った結果、玄関ホールから入ったすぐの部屋には美術品を展示すべきではないということに気付いた。しかし、絶対に安全な環境は作れない。だからと言って、美術品が要塞のようなところに陳列されてはならない。美術品はあくまで鑑賞されるものだということも確かだ。
swissinfo.ch ： 警備の水準と鑑賞に適した環境のバランスでは、警備のほうが重要視されるようになったのでしょうか。
ミナ ： 大作を多数所蔵する大きな美術館は、もちろん多数の警備員としっかりした防犯設備を備えている。一般人が作品に近づいて鑑賞できる中規模の美術館も、おそらく見直すべき点をすべて洗い出し、警備体制を改善したことは間違いない。
しかしこれは予算の問題でもある。警備体制向上のために予算を増やせば、作品の保管、展示会、出版などの予算を減らすことになる。これもまた選択を迫られている非常に難しい問題だ。
swissinfo.ch ： 美術館は個人の家よりも安全なのでしょうか。
ミナ ： 答えるのは難しいが、そうだと思う。保険会社は美術品の価値にあった警備水準を要求するため、美術館の方が安全と言える。美術館には防犯設備がある上、日中は警備員がいる。危険なのは、地方の小さな美術館だ。しかしこの前の盗難はチューリヒの美術館で起きた。泥棒は恐らく大作を所蔵している所へ行く。
swissinfo.ch ： ほかの国よりも、スイスの美術館やアートギャラリーの方が標的にされやすいのでしょうか？
ミナ ： 恐らくスイスは、人口比で世界一美術館が多い国だ。スイスには、一般公開されている素晴らしいプライベートコレクションが多数ある。絵画泥棒は、名作がスイスにあると知っている。しかし私たちは、盗難など起こらない、チューリヒでは絶対に起こらないだろうと、何十年も危険な環境を放置していた。私たちは２００８年の強奪事件で目が覚め、泥棒は、スイスには名作を所有する美術館が多数存在する絶好の場所であることに気付いた。
swissinfo.ch ： 盗まれても、その大半は戻ってくるのですか？
ミナ ： インターポール（国際刑事警察機構）の捜査が向上したおかげで、近年は喜ばしい結果が出ている。また、インターネットも役立っている。美術品の販売があるときは、盗難品かどうか照合するためのリストが出回る。
こうした連携によって、盗難にあった有名な作品が見つかることがある。盗難品のリストに載っているような有名な作品を誰が買うだろう？しかし今もって、考古学のように怪しい分野もある。発掘物の収集を行っている個人コレクターは世界中に存在する。
盗まれた作品のすべてが戻ってくるわけではないが、以前より成果は出ている。
ビュールレ・コレクション（BÜHRLE COLLECTION）
ドイツ人実業家であったエミール・ゲオルグ・ビュールレ（Emil Georg Bührle）が収集したコレクション。ヨーロッパ美術の重要な位置を占める。１９２０年にスイス国籍を取得したビュールレは、武器製造会社の経営者として財を成した。
コレクションの中心は、フランス印象派および後期印象派の作品。また、ナビ派、キュビズム、１９００年以降のフランス前衛美術の代表的な作品も収蔵している。
ビュールレの絵画コレクションは、１６００年代のオランダ絵画、１６～１８世紀のイタリア絵画など、古い時代の作品が加わり完成した。
ビュールレは、１９３０年代から美術品の収集を始め、１９５０年にその活動は最盛期となった。コレクションの大半は、１９５１～５６年に収集された絵画と彫刻。１９６０年にビュールレの家族が財団を創設し、主要な絵画と彫刻約２００点を納めた。現在はチューリヒ美術館の別館として、一般公開している。end of infobox
スイスで起きた絵画盗難事件
１９８０年代末期に、武装した３人の男がチューリヒのアートギャラリーからルネッサンス時代の絵画２１点を強奪した。この事件は、FBIの捜査官がベルギー人２人を捕え、作品を取り戻した１９８９年になって初めて公表された。それらの作品の推定価格は約６７５万フラン（約６億円）。
１９９４年、ピカソの絵画７点がチューリヒのボラク・ギャラリーから盗まれた。合計推定価格約は４４００万フラン（約３９億円）。それらの絵画は、２０００年に取り戻され、イタリア人の男２人が懲役刑の判決を受けた。
２００３年、スイスの裁判所は、ヨーロッパで６年間にわたって美術品の窃盗を働いたフランス人の男ステファン・ブライトヴィーザーに懲役４年の刑を下した。スイスでは、合計１００万フラン相当（約８９００万円）の絵画６９点を盗んだ容疑で有罪判決が言い渡された。盗まれた作品の一部は母親が破棄している。
２００８年６月、シュヴィーツ州プフェフィコン（Pfäffikon）のゼーダム文化センター美術館（Seedamm culture centre）で開催中の展覧会から、ピカソの絵画２点、「馬の頭（Tête de cheval １９６２年）」と「グラスと水差し（Verre et pichet １９４４年）」が盗まれた。両作品ともドイツのハノーバーのシュプレンゲル美術館から貸し出されたもので、合計数百万フラン（約数億円）の価値があるといわれていた。end of infobox
（英語からの翻訳、笠原浩美), swissinfo.ch