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暴力を伴わなくとも、相手からの同意がない性行為を「強制性交」と定める国が増えている。こうした流れを受け、スイスでも刑法改定の機運が高まっている。このコンテンツは 2021/01/20 08:30
- Deutsch Internationaler Trend: Ungewollter Sex ist Vergewaltigung
- Español Tendencia internacional: el sexo no consentido es violación
- Português Tendência internacional: sexo não consentido é estupro
- 中文 未经同意的性行为属于强奸
- عربي توجّه دولي متزايد نحو اعتبار المُعاشرة الجنسية بالإكراه اغتصاباً
- Français Lorsque dire «non» au sexe ne suffit pas
- Pусский Правовые аспекты изнасилования: Швейцария и мировые тренды
- English How a new definition of rape could impact Swiss law
- Italiano Quando dire "no" al sesso non basta
男は元交際相手の女性に対し、本人の意思に反して性行した。男には強制性交罪が問われたが、無罪となった。スイスの裁判所は、女性は抵抗できる状態にあったと判断した。
スイスを含む多くの国は、暴力、脅迫または精神的圧力で強要された性行のみを強制性交としている。同様の規定がある国のごく一部を挙げるとすれば、中国、ロシア、フランス、スペインなどがある。
同意なき性交を罰則化
しかしスペインでは状況が変わりつつある。スペインは、女性に対する暴力の防止と撲滅を目的としたイスタンブール条約に刑法を適合させる方針だ。欧州評議会で採択され、2018年4月にスイスで発効他のサイトへしたイスタンブール条約は同意なき性交の罰則化に主眼を置く。
スペインで議論が勃発したのはある事件がきっかけだった。それは男の集団が1人の若い女性に暴行を加えた事件で、暴行の様子を撮影した動画がメッセージアプリ「ワッツアップ」で拡散された。男たちはその犯行を公に見せびらかしたにもかかわらず、比較的軽い処罰を受けるだけで済んだ。被害者が身体的な抵抗をみせなかったため、この暴行は強制性交とは認定されなかった。
同意なき性交を強制性交とすることの是非を巡り、スペイン、デンマーク、オランダ、フィンランドでは議論が続く。だがスウェーデン、英国、アイルランド、ドイツ、ギリシャ、ベルギー、ルクセンブルク、アイスランド、オーストリア、オーストラリア、南アフリカ、キプロスではすでに犯罪として認められている。
「スペインのように事件を機に議論が巻き起こることは多い」と、独フライブルクのマックスプランク研究所でポスドク（博士研究員）を務め、性犯罪法で博士論文を執筆したノラ・シャイデッガー氏は指摘する。「これは元々フェミニズムの議論であり、スイスではすでに1980年代に激しい論争が巻き起こった。その後は下火になったが、イスタンブール条約や#MeToo運動を機に再燃した」
NGOはスイスにも同様の規定を要求
スイスでは現在、刑法改正が議論されている。アムネスティ・インターナショナルや女性ストライキ団体などのNGOは、法改正の際に性的同意の概念を導入するよう求める。
欧州評議会のマリヤ・ペイチノヴィッチ・ブリッチ事務総長も強制性交の定義を見直すよう加盟国に呼びかけている。連邦司法省は現在、スイスで改革が必要かどうかを見極めている。
当初、連邦政府は法改正の必要性はないとした。スイスでは相手からの「ノー」を無視した性行為が処罰されないわけではない。告訴があれば、その行為を「性的嫌がらせ」とみなし、罰金を科すことができる。
新たな犯罪を提言
だが同意なき性交の処罰はあまりにも軽く、犯罪の成立要件もあいまいだとシャイデッガー氏は指摘する。そのため同氏は博士論文の中で、同意のない性行為を広く犯罪とする「性的侵害罪」の創設を提言している。この提言は1人の連邦議会議員から支持されており、実現する可能性がある。
だが新たな犯罪を設ける利点とは何だろうか？他の国は強制性交罪の成立要件を拡大しただけだ。
「強制性交という概念には感情が込められている。強制性交は最も凶悪な犯罪の1つとされる」とシャイデッガー氏は語る。「この事実が変わらない限り、暴行・脅迫を伴う強制性交を最も重大な犯罪行為としておくことには意義がある」。暴行・脅迫による性交は確かに重罪だ。だが性の自己決定権への侵害も同様に重罪だと同氏は考える。
ベルン大学のマルティーノ・モナ教授（刑法）によると、暴行・脅迫要件が重視されてきた理由には歴史的な背景がある。「19世紀、レイプ被害者は婚外性交渉の罪で起訴される恐れがあった。そのため『暴行・脅迫』は女性にとって不同意だったことを示す証拠となった」。だが現在の社会的状況は当時とは異なるため、その要件はもはや意味をなさないという。また刑法がいまだ昔の道徳観やセクシュアリティを基準としていることで混乱が生じていると同氏は指摘する。
えん罪の恐れ
連邦議会では「同意」概念の導入に対して2つの懸念から異議が上がっている。1つ目は、加害者とされた人が同意があったことを事後に証明しなければならない点だ。立証責任の逆転となり、法治国家では望ましくないとされる。
2つ目は、被害者が「同意していなかった」と主張するだけでよいのであれば、えん罪が促される可能性がある点だ。えん罪や強制性交のでっちあげなどの事件に関しては、スイスに信頼のおける統計はないものの、実際にそうした事件は起きている。
はたして同意なき性行を強制性交と見なす国でえん罪の件数は増加しただろうか？例えば英国では不同意の性器の挿入は強制性交とされる。被害者が身体的に抵抗したかどうかよりも、性行為が不同意だったことの方が強制性交の成立要件として重視される。
オックスフォード大学のジョナサン・ヘリング法学教授は「英国ではえん罪は問題になっておらず、研究調査によればえん罪はまれなケースとされる」と説明する。一方で、被害者の同意がなかったことを立証することは難しく、強制性交を認めた判決はいまだ少ないという。「問題は、陪審員がいまだに『レイプ神話』を信じていることだ。例えば被害者が泥酔していた、またはクラブに行った場合、被害者は性交渉に同意していたものと考えられてしまう」
シャイデッガー氏も「立証問題は今後も残る」として、被害者に誤った希望を与えてはならないと述べる。「暴力の痕跡が目に見える性行為に比べ、不同意の証明ははるかに難しい」
（独語からの翻訳・鹿島田芙美）