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ウィリアム・テルの子孫たちは、ワインが大好き。国内で醸造されたワインのほとんどを飲み干した上、輸入ワインにも目がない。消費量、輸入量共に世界第8位という。人口750万人のスイスで1人あたり年間、41本のワインを飲んでいることになる。このコンテンツは 2008/07/27 15:26
スイス人はワイン好きなのだが、スイスワインの国外での知名度は低い。しかし、最近になって運送技術が向上したこともあり、スイスワイン業界の輸出への意欲も高まっている。2007年は、3500万本が輸出され前年の3割も増加した。主な輸出先はドイツ、アメリカ、日本だった。
古代ローマの伝統 ?
国内市場向けと輸出用の両方でスイスのワイン業界は、大きく飛躍しようとしている。生産量の3分の1は、非常に小規模な経営のワイン製造業者の手によるワインだが、彼らは過去30年間にわたり、忘れられた種のブドウを発掘したり、技術革新を図り続けた。その成果はすでに統計にも反映され、国際的にもスイスワインの良さが評価されている。
ケルト人だったのか古代ローマ人だったのか。スイスにワインをもたらした民族のことは、あまりよく分かっているわけではない。ヴァレー州 ( Valais/ Wallis ) にあるワイン博物館の協力を得てブドウとワインの歴史の調査を行ったアン・ドミニック・ツフェレー氏によると、スイスが古代ローマ帝国に征服される600年前から、ワインが知られていたというから、ワインをもたらしたのはケルト人である可能性は高い。
とは言え、これとは別にワイン醸造が盛んになったのは紀元3世紀になってから。それ以降1970年代まで、スイスのワイン産業は細々と続いた。特にスイスワインの98%が国内消費向けだということも、ワイン産業の発展につながらない一因だった。しかしここ30年間でスイスワインは、大きな利益をもたらす産業にのし上がった。
たとえばジュネーブ州は、以前と変わらず生産量はわずかだが、細心の注意を払うワイン作りの完璧主義者たちの手により、最強のライバルであるフランス、イタリア、スペインのワインとは距離を置く特徴のあるワインで注目されるようになった。
スイスワインは増産で輸出にも拍車
スイス人のワイン好きは年間消費量3億1000万本という統計が体現する。うち約2億本は輸入物で、その9割が欧州連合 ( EU ) 産だ。2007年の統計で見ると、イタリア産が約7500万本で輸入物ワインのおよそ35%を占める。次に来るのは約6000万本のフランス産でそのシェアは29%。ただし、単価が高いためフランスワインの売り上げはイタリア産を越して1位だ。スペイン産は約3800万本で輸入全体の18%を占め第3位だ。そのほかアメリカ産 ( 約800万本 ) 、 ポルトガル産 ( 約600万本 ) と続く。
ほとんどが国内で消費される「ハウス・ワイン」、つまり国内産は過去6年間にわたり3.5%ずつ増産し続け、勢いが良い。スイス全土で生産され、ブドウ畑の広さは1万2500ヘクタールとなる。特にヴォー、ヴァレー、ジュネーブの各州が主要産地。ヴォー州は特に白ワインに強く、その生産量は年間2800万本に上る。ヴァレー州の1700万本と合わせスイスの白ワインの4分の3がこの2つの州で生産されている。赤ワインの王者は3200万本生産するヴァレー州だ。これにヴォー州の1100万本、ジュネーブ州の800万本と続く。
輸出も順調に伸び、2007年は前年比で3割増となった。スイスワインは日本でも少しずつ知られるようになっている。大雨に見舞われたり気温が急に上がったりと変動が激しい今年のスイス。いまからブドウの出来栄えが気になる。
swissinfo、アンドレア・オルナレス 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 訳
キーワード
スイスのワイン
ブドウの種類はコルナラン、ガメー、ピノノアー、シラ、シャスラ、マスカット、ピノグリ、シルヴァーナなど約40種ある。
ワイン醸造者は約2万2000軒。世界1標高が高いワイン畑もある。
1人あたりの年間消費量国際比較
フランス56本
イタリア49本
スイス41本
スペイン39本
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