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２５年前に起きたトゥーン貯蓄貸付銀行（SLT）の破綻劇。口座からの払い戻しを求め通帳を手に並ぶ人々の姿は世界中で報道され、結果的には多くの預金者が資産の大部分を失った。今もこういった銀行危機が再燃する可能性はあるのだろうか？
１９９１年１０月、スイス金融当局がベルナー・オーバーラントの地方銀、トゥーン貯蓄貸付銀行（SLT）の営業停止を決定すると、当事者たちの間には大きな衝撃が広がった。その１人でSLTに口座を持っていたクルト・ペーター・シュヴァイツァーさんは、連邦議会議事堂の門衛だった。そのため、同問題について議事堂内で連邦銀行委員会（EBK/CFB）が会見を開いた時には、出席者であるSLT幹部を自ら丁重に迎え入れなければならなかった。「人生における最悪な瞬間だった。必死で自制心を働かせた」と、シュヴァイツァーさんは述べた（ビデオ参照）。
SLTの破綻を招いた原因は、不動産ローン審査の甘さだ。８０年代から続いていた不動産バブルが崩壊すると、SLTはひとたまりもなかった。
今と当時を取り巻く状況は、いくつかの点で似ている。銀行危機が再び起こるか否か。それは主に、次に挙げる五つの要因にかかっている。
１．ビジネスモデル
小口客を業務の対象とした銀行「リテールバンク」は、主に預金口座で集めた資金を別の客に融資することで経営を成り立たせている。預金金利を貸付金利よりも低く設定し、その利ざやを稼ぐ方式だ。こうした銀行が不動産危機のあおりを正面から受けないようにするためには、株取引や富裕者層向け資産管理業務などを導入し、経営を多角化することが有効だ。２０年前にはまだ収益の７２％を利ざやから上げていたスイスのリテールバンクだが、現在その割合は３分の２で、経営多角化が進んでいることが分かる。
２．金利の動向
超低金利時代の今、住宅ローンの２年固定金利は平均で約１％という水準にある。しかし小口の貯蓄口座にはマイナス金利を導入できないため、銀行は利ざやの減少に甘んじなければならない。だが、最も大きなリスクは金利の急激な上昇だ。貸付期間は平均して貯蓄口座の解約期限よりも長い。そのため、急激な金利上昇が起こると銀行が短期間で大損失を被る恐れがある。当然スイス国立銀行（中央銀行）もこれを考慮して金利の急上昇を抑える方針だが、そのために取り得る手段には限りがある。
３．不動産価格
SLT破綻前、不動産市場はブームに沸いていた。１９８７年の株価大暴落後、投資家は不動産に多額の投資をしたため、不動産価格が吊り上がったのだ。これは、金利の低さや株価の停滞から、不動産以外の投資対象となるものが見つからないという今日の状況に通じるものがある。
大手銀UBSが定期的に行っている不動産バブルリスクの市場分析から、８０年代末の水準に接近していることが分かる（チャート参照）。
４．自己資本比率規制
金融当局は銀行に対し、万が一に備え十分な自己資本率を保つ義務を課している。自己資本率の決定には多くの要素が絡んでおり、その算出方法は複雑だ。過去、金融当局の指導が今に比べると緩やかだったという事情もあるが、事実、SLTはこれに違反していた。
この２５年前に起こった不動産バブル崩壊や００年代終わりの金融危機を反省材料として、スイス当局は自己資本率の引き上げや監督強化に取り組んできた。銀行サイドでも、融資基準など内部ルールの確立に、より力を入れている。
５．預金保険
０５年以降、スイスでは、銀行が破綻した場合「預金保険」によって１０万フラン（約１０６０万円）までの預金が保証されることになった。しかし、SLT破綻は同制度導入前に起こったため、当時の預金者はその恩恵に預かることができなかった。この制度自体は、銀行破綻リスクに対する直接的な保証ではない。しかし、預金者に安心感を与え、パニックから全残高を一気に引き出そうとする行動を阻止するという意味で、間接的効果はあるかもしれない。
まとめ
現在の低金利と不動産価格の高騰は確かに懸念材料だ。しかし、過去の危機から得た教訓をもとに、スイスの銀行界は経営モデルを多角化し、監督当局は自己資本率のアップを進めてきた。銀行危機を１００パーセント防ぐのは不可能だ。しかし、今のスイスにおいては再燃のリスクは極めて低いと言えるだろう。
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（独語からの翻訳・フュレマン直美 編集・スイスインフォ）, swissinfo.ch