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年間４５１フラン（約５万２千円）の公共放送受信料を廃止するよう求めたイニシアチブ（国民発議）「ノー・ビラグ他のサイトへ」について、下院の国民議会は２５日、審議を行い、同イニシアチブを否決した。否決に賛成が１２２票、反対が４２票だった。受信料を約半額に下げる対案も否決され、受信料をめぐる問題は国民投票にゆだねられることになった。
スイス公共放送協会（SRG SSR）は日本のNHK（日本放送協会）に当たる公共放送局。収入の７５％をビラグ（Billag）と呼ばれる受信料が占める。
この受信料に対し、一部の国民が３年前、受信料の支払いを義務化するのは不当だとしてイニシアチブを提起。国民投票の実施に必要な数の署名を集めた。イニシアチブの発起人らは、どのテレビ局をどれだけ視聴したかに関係なく一律の金額を支払わなければならないため、国民のメディアを選択する自由を侵害していると訴えている。
保守派の国民党はこのイニシアチブの対案として、受信料を２００フランに減額する案を提示したが、賛成７０、反対１０８で否決された。
多様性と民主主義
上院の全州議会では１１日、国内の公共メディアの役割と将来をめぐり激しい議論が交わされたばかりだ。
国民党のロジャー・クッペル議員は、スイス公共放送協会を「規模、支配力、権力が大きすぎる」と批判。民間企業に打撃を与えたと指摘したほか「協会は自らのリミットを修正できない。だから議会と国民が代わりにやる」と述べた。
中道右派の急進民主党のクリスティアン・ヴァッサーファレン議員は、国民党の対案を支持。受信料があるため、国内のメディア業界の競争にさらされていないと批判した。受信料の引き下げと同様、同協会はとりわけ音源や映像のコンテンツを民間のメディアともっと共有するべきだとした。
他の全政党は、スイス公共放送協会が国内メディア業界において、文化、言語の多様性を支えているとして、受信料の廃止などには反対した。
緑の党のバルタザール・グレットゥリ議員は、スイス公共放送協会の財政が今回のイニシアチブの焦点だが、メディアの民主的な役割や「報道の自由」の問題も忘れてはならないと指摘。今回のイニシアチブは、更なるメディアの一極集中につながり、スイスの多様性に脅威をもたらすと主張した。
「質の高い公共サービスを議会が支持」
スイス公共放送協会のロジャー・ドゥ・ベック代表は、議会の否決を受け「活発なメディア、全国のすべての人に向けた質の高い公共サービスを、議会が必要としたしるしだ」とコメントした。
在外スイス人の支援団体「在外スイス人組織他のサイトへ」のレモ・ギシン代表は、声明で「今回のイニシアチブは、意見の多様性を阻害し、民主主義に多大な損害を与えかねない」として、議会の決定を歓迎した。
４カ国語で１７チャンネル
スイス公共放送協会の年間収入は１６億フラン。大半が４カ国語（ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語）で放送される１７のラジオ、テレビチャンネルの運営費に充てられている。収入の一部は公共放送の役目を担う民間ラジオ局、テレビ局にも充てられている。
スイス公共放送協会
スイス公共放送協会（SRG SSR）は４カ国語で放送される１７のラジオ、テレビチャンネルを運営。スイスインフォ（旧スイス国際放送）は同協会の国際部で、１０カ国語でスイスのニュースをオンライン配信している。
１９３１年、地域ラジオ局を一つに統括する目的で設立。フランス語圏で開始後、ドイツ語圏、イタリア語圏のラジオ局が加わった。ロマンシュ語のラジオ局は公用語に認定された後の３８年に加わった。
受信料の「ビラグ（Billag）」が全収入の７５％を占め、残りの２５％は広告収入。金額は１世帯につき年間４５１フラン（テレビの受信料が２８６フラン、ラジオが１６５フラン）。受信料はスイスの平均収入（６万１千１５２フラン）の０．７４％に相当する。テレビやラジオを所有している世帯は、使用媒体、視聴内容にかかわらず支払う義務がある。ビラグの名称は受信料徴収機関の社名から来ている。
２０１５年の国民投票では、特例を除き全員が受信料を払わなくてはいけないという受信料制度改正法案が、僅差で可決された。
（英語からの翻訳・宇田薫）, swissinfo.ch/sb