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国の言語が四つもあり、文化も地域ごとに異なるスイスで、新しい国歌を制定する動きが進んでいる。民間団体が現在、国歌を公募するコンクールを開いており、先月末に候補曲６曲が選定された。国民全員が斉唱でき、誇りを持てる国歌とは？
スイス人は長い間、国歌に対してどっちつかずな態度をとってきた。現在の国歌を好きだと言うスイス人は多いが、国歌の全４節を歌えないと言う人はさらに多い。はじめの１節でさえままならない人もいるほどだ。
「他の国々で人々が国歌を暗唱し、喜びと情熱を持って斉唱している」姿を見れば、スイスの国歌に問題があることに気付くと、スイス公益協会他のサイトへのショーン・ダニエル・ゲルバー会長は話す。
同協会はそこで、新たな国歌の導入を目指してコンテストを企画。新しい曲を募集することにした。応募要件は、１）歌詞が国の言語のどれか一つであること、２）歌詞の内容に連邦憲法前文の価値観が反映されていること、３）現在の国歌のメロディーが感じられるものであること、の３点だ。
選考プロセス
刺激を受けた多くの人が新しい国歌の作曲に取り組み、２０１４年１月１日から６月３０日の期間に総勢２０６件の応募があった。内訳はドイツ語が１２０件、フランス語が６９件、ロマンシュ語が１０件、イタリア語が７件。応募曲は四つの言語地域から選ばれた３０人の審査員によって評価され、第一次審査で選ばれた６曲の歌詞は、他の言語に訳された。
ゲルバー会長は先月末に行われた第一次審査結果発表の場で、自由、民主制、中立性、平和、団結、世界に対して開かれていること、そして未来の世代への責任という、国としての基本的な価値観が国歌に取り入れられていることが、選考において大切だったと発言した。
ドイツ語の歌詞をフランス語に翻訳したオディル・ネルファンさんは「これまでに手がけた翻訳の中で、最も難しかった」と言う。「歌詞の翻訳だけでなく、メロディーのことも考えなければならなかった。また、斉唱のしやすさにも気を使わなければならなかった。本当に難しい翻訳作業だった」
「斉唱しやすいか」という点は、新国歌候補を選ぶ際の重要なポイントの一つだった。合唱団だけでなく、一般市民が建国記念日やスポーツイベント、また軍や政府の行事で斉唱できなければならないからだ。
応募曲は「フリージャズからミュージカル風のものまであり、とてもクリエイティブだった」と審査員の一人で作家兼、ミュージシャンのラファエル・ウアヴァイダーさんは言う。「しかし議論すればするほど、新しい曲は国歌としてふさわしいものであるべきだと我々は感じた。応募の中には素晴らしい出来のフォークミュージックもたくさんあったが、普遍的であるとは言い切れなかった」
国民の声
スイスでは、公式に国歌が制定されるまでに随分と時間が掛かっている。歌詞のオリジナル言語がドイツ語の賛歌が、１９８１年にスイスの公式な国歌として採用されるまでに費やした年月は１４０年。１８９４年から１９５３年の間には、この賛歌を国歌として制定しようという動きがあったものの、国歌は国が定めるものではなく、国民の意志に基づくものだとして政府は要請を却下していた。
そのためスイス公益協会は今回、まず国民の意見を聞くことを優先した。スイス青少年合唱団が六つの候補曲をスイスの四つの言語で歌い、その２４のビデオをサイト他のサイトへにアップした。３月３０日から５月１５日までのオンライン投票期間中に視聴できる。
候補曲のうちの３曲は、現国歌と同じメロディーが引き継がれており、２曲は少し変更されている。残る１曲は完全に新しい楽曲だ。たとえば候補曲Eのイタリア語バーションはこんな具合だ。
５月の終わりには最終候補の３曲が発表され、６月から９月に掛けて再び投票が実施される。そして９月１２日にテレビ放送されるスイス・フォークミュージック・フェスティバルで、最も人気が高かった楽曲と、その作曲者が発表される。
政府に新しい国歌の提案をする前に、同協会は来年からサポートの獲得に尽力する。どの機関が新しい国歌の採用の是非を決めるのか、または国民投票でその是非が問われるかは、まだ不明だ。
「ここ数カ月、新しい国歌を求めていない人たちからの反対の声が尽きなかった」と同協会ディレクターのルーカス・ニーダーベルガー氏は話す。「しかしこの素晴らしい候補曲をひとたび聴けば、気が変わる人たちはたくさん出てくるだろう」
（英語からの翻訳・編集 大野瑠衣子）