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1993年ナイジェリアで無血クーデターにより政権を握り、独裁政治を敷いたアバチャ前議長。独裁者が賄賂などで不正に得たとされる資金は一部、スイスの銀行に預けられている。1998年に議長が急死して以来、資金は凍結された。ナイジェリア政府の要請にもかかわらず、資金が返済される時期の見通しは立っていない。このコンテンツは 2003/11/24 15:39
ナイジェリアの蔵相はスイスを訪問し、アバチャ元議長の資金の返却を再度要請した。資金は、社会、医療、教育の予算に充てる計画も提示された。
ナチスの資金からはじまりフィリピンのマルコス資金など独裁者の隠し資金が政治の安定しているスイスの銀行に預けられる。当人が死でも、国家への返却はない。そもそも、そのような資金の存在さえ知られない。そんな時代は終わった。犯罪に関わると見なされる資金は、凍結はされる。しかし、返却はいまでも受取人の正当性の問題、法律上の問題などを解決した上、さらに手続きにも時間が費やされる。
このほどスイスを訪問したナイジェリアの財務大臣に対し政府は、スイスの銀行に預けられたナイジェリアの前アバチャ議長の資金、6億4千万ドル（およそ7百億円）は、
「ナイジェリア政府に早く返却できるよう、前向きに検討している」
との考えを示した。
政治的交渉は済んでいる
ナイジェリアのオコンジョ・イヴェアラ財相はこのほどスイスを訪問し、アバチャ元議長が私服を肥やすため不正に取得しスイスに隠し持っていた資金は、現在のナイジェリア国家にとって必要であると訴えた。連邦法務省のハインリッヒ･コーラー法務局長は、「アバチャ資金」の返却は法務局にとっても最大関心事項であると応え、
「返却自体はすでに政治的な交渉は過ぎ、法律上の問題を解決するのみである」
と現状を説明した。
43億ドル（およそ4千730億円）といわれる独裁者が不当に取得した資金のうち、スイスの金融機関が預かった「アバチャ資金」の総額は5億6百万ドルから6億4百万ドル。日本円にして、616億円から704億円に上る。
現在、ジュネーブ州裁判所により凍結されているが、ナイジェリアに返却退れるのは早くとも来年になるとコーラー法務局長は予想している。法務局のファルコ・ガリ広報担当によると、アバチャ資金が「犯罪に絡む資金」と証明されるためには数ヶ月必要。その後、アバチャ元議長の家族がスイス最高裁判所に受取人と正当性を訴えた場合には、長期の裁判になり、即刻の返済は難しくなることを示唆した。
正当な資金の受取人は誰なのか
イヴェアラ財相の説明によると、「アバチャ資金」は社会、健康、教育の国家予算に充てられる計画である。さらに同相は、直接援助を必要とする貧困層に注入されることを明言した。
スイス国家は人道的な立場から、「スイスの道徳が問われている」と感じ、返済を早めるよう努力すると表明している以上、賄賂やマネーロンダリングなどに利用されることなく人道的活用のために助言する役割を担うなど、返済後のケアーも今後の課題となろう。
スイス国際放送 佐藤夕美 （さとうゆうみ）
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