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バーゼルのバーゼル・シュタット州とバーゼル・ラント州では5月1日から、公共交通機関の車内で飲食した場合20フラン ( 約1700円 ) の罰金を課すようにした。
公共交通機関での飲食禁止は、数年前からすでに実施されてきた。しかし関係者は「禁止という穏やかな形式では何も前に進まない」として、スイスで初めての罰金制を導入した。問題は飲食の行為そのものより、むしろその後のごみのポイ捨てや座席につく染みなどの汚れだという
即座に払わなければ2倍の罰金
「第3列目の窓際にお座りの女性の方、ハンバーガーを食べ続けるなら、次の駅で下車するか清掃費20フランを今すぐ払ってください」
とバスや電車の運転手がマイクで放送すると、グッと喉が詰まり食欲も落ちることだろう。
即座に払わなければ2倍の値段に跳ね上がるというこの罰金制度の導入は、数年前からスタートした飲食禁止が、一向に効果が上がらなかったからだという。
「20フランの徴収はあくまで清掃費用。警察などの法的な罰金とは異なる。そもそもバーゼル公共交通 ( BVB ) に人を罰する権限はないからだ」
とBVBの広報担当、ダグマー・ジェニー氏は説明する。
ケルンなどドイツの数都市で始まった罰金制度をバーゼルは採用したわけだが、現在の所「穏やかな禁止政策」で満足している他州も、バーゼルのやり方を注意深く見守っている。
座席や床を汚さないことが基準
罰金制度導入に対する一般市民の反応は肯定的だ。「玉ネギ入りのケバブのにおいには耐えられなかった」、「電車から降りるまで、食べるのを待つことができないのは信じられない」といったコメントがメディアに送られたからだ。
しかし、飲食の完全禁止は少々やり過ぎなのでは？
「水を少し飲んだり、りんごをかじる程度なら容認する。問題は、飲食の行為そのものより、むしろ座席につく染みやごみのポイ捨て。少数の人による他人に迷惑をかける行動や車内を汚す行為を禁止したいのだ」
とジェニー氏は言う。
「ベタベタしたもの、汁などが垂れるものを食べている人や、パンくずを落とす人、ごみを投げ捨てていく人などを、車掌が摘発することもある」
とジェニー氏は続ける。
投げ捨てられた無料新聞が溢れる車内も問題だが、新聞は座席を汚すことはないので罰金の対象にならないという。要するに、BVBの飲食禁止は、座席や床などを汚すことを禁止の基準にしている。
罰金制度は本当に有効か
BVBの試みに限らず、スイス全国で「ごみの公共の場でのポイ捨て」は問題になっており、各州は独自の対策を立て、何らかの成果を上げてきた。一方、連邦環境局 ( BAFU/OFEV ) もさまざまな対策を検討中だ。
しかし、罰金制度を導入したのはバーゼルが初めて。バーゼル・シュタット州は教育問題でも、怠慢で学校と協力しない親に対し罰金制度を導入している。「あなたが努力すれば、それに報いる。もし努力しなければ罰する」という原則論に立ってのことだ。
「ごみの公共の場でのポイ捨て」問題に積極的に取り組む共同体組織「イゴラ ( Igora ) 」は、バーゼルの罰金制度導入に中立の立場を取る。
「罰金制度はうまく行く場合もあるが、いつもうまく行くとは限らない」
とイゴラの広報担当、ダニエル・フリッシュクネヒト氏は言う。要するに、現行犯をいかにうまく捕まえられるかということが、その対策がうまく行くかどうかの決め手だからだ。
ただ、フリッシュクネヒト氏は、「公共の場をきれいに保とう」というスローガンを市民に教育したり、キャンペーンを行ったりするやり方の方を個人的には選びたいという。
「もちろん、この方法は目的達成までに時間がかかるが」
と付け加えることも忘れなかった。
アリンヌ・ジゴン、swissinfo.ch
( 仏語からの翻訳、里信邦子 )
ごみのポイ捨て ( Littering )
公道にごみを捨てる行為は2000年頃から、公共の問題となり対策が議論され始めた。
ファーストフードの登場で、その包装紙や容器が、特に夏場は公共の場に溢れるようになり、清掃費が増加。スイスではポイ捨てされる無料新聞がそれに拍車をかけている。
連邦環境局 ( BAFU/OFEV ) の指導下で、ごみを出す食べ物に税金をかける、販売者に清掃費を負担させるなどの、容認できる範囲の対策が講じられてきた。
バーゼル大学の調査によれば、ごみの3割をこうした「ポイ捨て」が占める。
「ポイ捨て」ごみのうち、51.5%がファーストフードの包装紙や容器で、24 %を広告、新聞などが占めている。