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1月19日、スイスと日本は自由貿易を中心とした包括的な協定、経済連携協定の交渉を開始することで合意した。両国とも交渉をする限り、なるべく早く合意に至りたいとの意向だ。
スイスでは、2000年頃から関税の撤廃に限らず、包括的な経済連携協定を他国と結ぶようになっている。相手国により協定の内容はそれぞれ異なるが、スイスは日本との交渉でどのような点を重視しているのだろうか。
ドーハ開発アジェンダ ( DDA ) は昨年7月に中断に追い込まれたが、世界貿易機関 ( WTO )ではスイスや日本、韓国、ノルウェーなど10カ国の食料輸入国グループがG10を結成し、協力し合っている。このような密接な関係にある両国が、経済連携協定交渉の開始決定への合意に至ったのも自然の成り行きといえよう。
工業品目の関税撤廃
今回、両国が交渉しようとしているのは、物品・サービスの貿易、投資、政府調達、知的財産権、人の移動などのほか、観光、科学技術における協力面も交渉の項目として挙げられている。
両国にとって農業部門についても互いの利害に大きな差はなく、そのほか大半の分野での交渉に大きな問題は浮上しないと見られている。スイスにとって農業分野でのセンシティブ品目とは、一部の精肉、一部の穀物、一部の飼料、一部の果物・野菜など。スイス側の交渉を仕切る経済省経済管轄局 ( seco ) のクリスティアン・エッター大使は一方「チーズ、チョコレート、ブイヨン、ビスケットなどの加工農産品は、自由化を検討する準備がスイスにはある」と語った。
いずれにせよ「条約は長期的なもの。どの分野に重きを置くということはない。工業国の多くがそうであるように、工業品目については幅広く、徐々にではあるが完全な自由化が目的だ」と語る。
一方、2月20日に経団連がそのサイトで発表した文書「日・スイス経済連携協定の早期締結を求める」では、日本からスイスへの輸出の7割強が有税であり、輸出総額に占める割合の高い乗用車、二輪車、テレビ、ビデオなどの関税撤廃により、現在EU製品と比較した場合劣位にある日本製品の輸出拡大が期待され、サービス産業としては、コンピュータ、電気通信、音響映像サービスの自由化が重要だとしている。
人の移動
今回両国が交渉する項目の中にある人の移動については、今後とも専門家や経営担当者などに限るという条件であり、条約締結によって大きな変化はないと見られる。「完全な自由化を両国は望んでいないだろう」とエッター大使。ただし「この条約で、専門家の定義や滞在許可の期間などを明確に定めることが大切だ」と言う。
日本はスイスにとって、EU、アメリカに次いで重要な貿易パートナー。1月には経済管轄局のダニエル・ゲルバー総局長は日本との条約締結に「非常に関心がある」と語り、スイスの熱意を表明した。交渉開始準備を指揮し、今後の交渉に当たるエッター大使は、交渉は1年以内で終結するという予想をあえてすると言う。
swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )
キーワード
＜スイスと自由貿易協定を結んでいる国と地域 (EFTAを通したものも含む )＞
イスラエル、ヨルダン、レバノン、モロッコ、パレスチナ自治政府、チュニジア、トルコ、EU、フェロー諸島、クロアチア、マケドニア、チリ。
＜スイスと協力条約を結んでいる国と地域＞
アルジェリア、エジプト、アルバニア、セルビア、ウクライナ、湾岸諸国 ( バーレーン、カタール、クウェート、オマーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦 ) 、コロンビア、メルコスール諸国 ( アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ ) 、ペルー。