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世界保健機関(WHO)はジュネーブで２８日、福島第１原発事故によって引き起こされる「健康リスク」の報告書を発表した。これは「将来がんになる人が何人かといった評価ではなく、がんになるリスクがどれほど高まるかを示したものだ」とWHOの公衆衛生・環境局のマリア・ネイラ局長は語った。だが一方、こうした報告書の透明度を問題にするメディアもあった。
甲状腺がん、１歳の女児の「リスク」は約７０％増加
「福島第１原発事故の影響をグローバルに査定した初めての報告書だ。事故が引き起こす潜在的な健康リスク（主にがん）を示すことで、関係政府、特に日本に今後もモニタリングを福島で続けていくよう勧告したい。また、リスクの過小評価による危険性を避けたいとも考えた」とネイラ局長は話した。
評価は、一般の人は年齢別（１歳、１０歳、２０歳）と男女別に、原発の作業員は年齢別（２０歳、４０歳、６０歳）に分けて行われた。「長崎・広島、チェルノブイリなどからの知見を元に作られた計算モデル」に、２０１１年９月までの外部被曝量と想定できる内部被曝量をインプットして出された数字が、今回の報告書の基礎となっている。
報告書によると、福島県以外（県内でも数カ所含まれる）の一般の人々は、「放射線量がかなり低いため放射能による典型的な健康被害はありえない。がんになるリスクもかなり低い」
一方、福島県内の線量が非常に高かった二つの地域（事故後の１年間が１２～２５ミリシーベルト）では、１歳の男児が将来白血病にかかるリスクは、被曝しなかった人の生涯のリスクより約７％高い。乳がんにおいては、１歳の女児が将来かかるリスクは被曝しなかった人の生涯のリスクより約６％高い。大腸がんなどの固形がん全体では、同様に１歳の女児が将来かかるリスクは約４％高い。
ところが、甲状腺がんでは１歳の女児が将来かかるリスクは約７０％高いという数字が発表された。（この７０％とは、被曝しない場合の甲状腺がんの発生率０．７７％が被曝により１．２９％に上昇することを示す。また、女児に限っているのは男児が甲状腺がんにかからないということではなく、女児のほうがかかりやすいという理由で例にしている。これはほかのがんでも同じ）。
計算モデル
ところで、記者団からは「福島県の何人が調査の対象になったか、何人がどの程度の被曝を受けたのか。数字を挙げて欲しい」といった質問が出された。
これに対しネイラ局長からは「人数はきちんと把握されていない。そもそも人数はわれわれの査定方法に関係しない。あくまで、２０１１年９月段階の線量データから推測される内部・外部被曝量を計算モデルに入れてリスクを提示しただけだ」との答えが返ってきた。
ではこの計算モデルはどうやってできたのだろうか？「計算モデルは過去の原発事故から得られた知見を元に、WHOが選んだ世界の専門家が福島のケースを取り入れ修正し作った。現段階では一番信頼性が高いものだ」とWHOの食糧安全・人獣共通感染症局のアンジェリカ・トリッチャー局長は断言する。
IAEAからの圧力はない
今回記者団からは、「過去、チェルノブイリ原発事故に対するWHOの査定評価がかなり低かったのは、IAEA（国際原子力機関）とWHOが結んだ協定によりIAEAから圧力があったからだ。今回の報告書は大丈夫か」といった質問が２件出た。
それに対しネイラ局長は「今回の査定では、一切IAEAからの圧力を受けていない」と答えた。
また、「この報告書はあくまで２０１１年９月までのデータを元にしたもの。今後、低線量被曝による影響のデータを集積するなかで、原発事故の新たな健康リスク評価が高まる可能性はある」と慎重にコメントし、「精神疾患も深刻な問題だ。この分野でのモニタリングも必要とされている」と話した。
swissinfo.ch