Document ID: /fineweb-2-swissfilter-quality_10-filterrobots/filtered/00624.jsonl.gz/3

国民投票なのに、誰も投票に行かなかったらどうだろう。スイスはそこまでひどくないにせよ、投票率は低迷を続けている。今回、チューリヒ大学政治学部の学生らはその原因を探り、改善案を提示した。各党の政策担当者は耳を傾けた方がいいかもしれない。
「直接民主制の模範とされるスイスは、なぜ投票率がここまで低いのか？スイスの有権者は政治に満足しているから投票に行かないのか？今年のゼミでは、こういった疑問を取り上げた」と、ゼミを率いたシルヤ・ホイザーマン教授他のサイトへは説明する。
卒論はそれぞれ１枚のポスターに要約されて発表された。この形式にすると、学生たちは複雑なデータを分析する以外にも、端的に結論を導き出さなくてはならないため、とてもよい練習になるという。
シュテファン・レイさんの卒論では、スイスの投票率の低さに関して興味深い結果が出た。レイさんは、スイスの各州で市民に与えられている民主的な権利の多さと、市民の満足度の関係性を調査した。
「直接民主制に関係する権利が多い市民の方が、そうでない市民に比べ政治制度に対する満足度が高い傾向にある。これは住民投票に関しても同じで、様々なテーマに関し住民投票が多いほど満足度も高い」（レイさん）
政治への関心が高い若者
投票率が低い理由として毎回取り上げられるのが、投票権のないグループの存在だ。未成年者や外国人に投票権を与えれば投票率は上がり、さらには国民の満足度も上がるのだろうか？
社会や経済に必要なのは満足度が高い国民だと主張するのは、ジェフリー・シュタインさん。「外国人」、「未成年者」、「有権者」、「投票棄権者」の各グループの満足度を調査した。すると、投票権のないグループの方が、有権者や任意で投票を棄権したグループよりも政治制度に対する満足度が高いという驚くべき結果が出た。ただし１８歳以下の未成年者は外国人と比べ明らかに満足度が低かった。
なぜスイスの若者は満足度が低いのだろうか？リュディ・シュナイダーさんは若者に焦点を当て、２００２～１２年のデータを比較した。研究の結果、政治に関心を寄せるスイスの若者（１５～３０歳）の割合は約５割と安定しており、欧州の同じ年齢層の若者（約３割）よりも政治への関心度が高いことが分かった。
一方、投票権のないことに満足している外国人が多い理由は、ブレルタ・サリヒさんの論文の中にそのヒントを見ることができる。サリヒさんは「スイスに帰化した人」と「一般的なスイス人」の投票行動を比較調査。帰化した人では７割が、一般的なスイス人では８割の人が投票に参加する意欲があることを明らかにした。
帰化した人は、帰化後も自分の祖国への帰属意識をしばらく持ち続けるため、「新しく母国となった国の政治動向に対し関心が薄いことが多い」というのが、外国人の満足度の高さの理由だとサリヒさんは考える。
「誤った投票」は少ないスイス
民主制度のもとでは、ときに市民が自分の興味や考えに反して投票することがある。この現象は専門家の間では「Incorrect voting（誤った投票）」と呼ばれている。この現象に関する研究が盛んな米国では、社会的な弱者や低学歴の人が、右寄りの共和党員に一票を投ずるという矛盾が見受けられる。
アルレーナ・フライさんは、スイスにおける「誤った」投票行動を調査するため、０８年の国民投票で是非を問われた二つの案件を例に比較を行った。一つは年金受給開始年齢に関する案件で、もう一つは児童への性的犯罪の時効撤廃に関する案件だ。前者は反対５９％で否決、後者は賛成５２％で可決された。投票率は４７．５％だった。
フライさんの調査結果によると、「誤った投票」が占める割合は両方とも低く（年金受給年齢は７．５％、性的犯罪は１０％）、この現象はスイスではあまり見られなかった。また、投票の案件に対する関心が高ければ高いほど「誤った投票」も減少するという。「『誤った投票』が少ないという事実は、スイスの直接民主制の正当性を裏付ける証しだ」（フライさん）
ホイザーマン教授は、学生たちの研究結果に満足げだ。「市民が自分たちの権利を意識するかどうかが、政治参加に大きく影響していることが分かった。投票率を上げるためには、特に政治教育に力を注ぐ必要があるだろう」
（独語からの翻訳・シュミット一恵、編集・スイスインフォ）, swissinfo.ch