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スイス西部のヴォー州ローザンヌで発見された広範囲のダイオキシン類汚染は多くの人々に驚きを与え、健康上の影響や浄化にかかるコスト、その問題の程度についての懸念を高めた。アルプスの小国家スイスは素晴らしい大自然の美しさでその名を馳せているのかもしれないが、数千カ所に及ぶ土地がダイオキシン類以外にも多様な有害物質で汚染され、今なお浄化を必要としている。このコンテンツは 2021/11/17 07:00
ローザンヌ市当局は先月、市内中心部の土壌の大部分がダイオキシン類に汚染されていると発表した。原因は2005〜09年に閉鎖された古い廃棄物焼却プラント。浄化作業にかかる膨大なコストと健康上の影響に注目が集まっている。
地元当局はパニックの必要はないと説明する。ダイオキシン類は発がん性があるとされるが、問題となるのは毎日多量に吸収した場合に限られる。市の飲料水には影響がないという。しかし依然として、このローザンヌの汚染問題は地元だけでなくその他の地域の人々の懸念を高めている。
ダイオキシン類
世界保健機構（WHO）によれば、ダイオキシン類は、残留性有機汚染物質（POPs）として知られる危険化学物質のグループに属する環境汚染物質。ダイオキシン類は世界の至るところの環境中で見つかっている。何十年もの間分解されることなく食物連鎖に入り込み、そこに蓄積されてきたと考えられている。人への暴露は、その90%以上が食物を通じたもので、主に食肉・乳製品、魚介類からの摂取だという。
ダイオキシン類は主に、製造プロセスの不要な副産物として生成する。例えば製錬工程や紙パルプの塩素漂白プロセス、除草剤や農薬の製造過程で生じる。非制御の廃棄物焼却炉（固形廃棄物や医療系廃棄物）が多くの場合、不完全燃焼を起こしダイオキシン類発生の最悪の原因となっているとWHOは指摘する。End of insertion
ローザンヌ大学のナタリー・シェーブル教授（生態毒性学）はswissinfo.chに対し「1990年代に、焼却炉からの煙を（フィルター等で適切に）処理することでダイオキシン類のレベルが著しく減少した。我々はこれで問題は解決されたと考えていた。だが、それ以前の30〜40年間に渡り長期的に蓄積されていた汚染を見落としていた」と語る。
同様のダイオキシン類問題は、スイス国内の焼却プラントのある他の地域でも起こりうるだろうとの見方に専門家も同意する。
国内26州の多くは焼却施設を保有し、いくつかの州のものは他州と比べてかなり古い。ジュネーブ州、フリブール州、ヴァレー州は、各州保有の焼却プラント周辺のダイオキシン類について以前に調査済み。その他の少数の地域――ヴォー州、ヌーシャテル州、ザンクト・ガレン州、ベルン州、グラールス州、グラウビュンデン州、チューリヒ市――は現在調査中だ。他にも対応する州や自治体は増えるかもしれない。連邦政府は環境保護法の改正案を公開し他のサイトへ、その中で将来的に公共施設の調査と浄化を義務化する方針を示した。さらに、州が常に監視しなければならない重大汚染物質リストにダイオキシン類も加えられる可能性がある。
シェーブル氏は「スイスは1950年代以降、深刻な環境汚染をもたらすことになった非常に重要な産業史を刻んだ。この種の驚きがこれで終わったとは思わない」と言う。
有害な「負の遺産」
ローザンヌの土壌汚染の発覚は、長い歳月をかけて汚染が蓄積されてきた有害な「負の遺産」の問題に着目するきっかけとなった。スイスはその清潔さと大自然の美しさで名高い国だ。しかし、人口密度の低いこの国でも産業公害は何も新しいことではない。
連邦環境省環境局（BAFU）が作成するリスト他のサイトへによれば、スイスには3万8千カ所近くの汚染地区が存在する（下図参照）。このうち約4千カ所は重大な浄化を必要とする。1500カ所超は既に浄化済み。汚染地区の大半は古い埋立地（40％）と工業地帯（50％）で、残りは軍の射撃場（10％）と事故現場（1％）だ。総面積は225平方キロメートルに上る。主な負の遺産他のサイトへのいくつかはスイスの化学産業と関連する地区だ。
BAFUのクリスティアン・ウェルメ汚染地区部門長は、仏語圏のスイス公共放送（RTS）の最近のラジオ番組で以下のように語った。「過去20年間スイスは、国民の健康上または環境にとっての危険性が示された場合は、その全ての汚染地区に対して浄化作業を求める、現実的で効果的な法令化を実施してきた」。浄化作業は、地下水源に直接影響を及ぼす恐れのある地区を優先しているという。
BAFUは、スイスは汚染地区の浄化他のサイトへについて「大きな進歩」を遂げつつあり、近隣諸国と比べても優れている、と説明する。
シェーブル氏は「スイスの法令は近隣諸国と比べてかなり厳しい制約を課している」と、この点には同意しつつも、汚染地区の浄化は「とても、とても、ゆっくりと」進められている、と作業の遅さを指摘する。
NGO（非政府組織） 環境保護のための医師団（AeFU）他のサイトへのマーティン・フォルター理事は、もっと批判的だ。同氏は、連邦当局の対応は「現実的すぎる」傾向があり、より一層厳しくできるのではないかと感じている。ほとんどの汚染地区は深刻な作業を必要としないが、10数カ所程度は甚大な問題をもたらす、と同氏は指摘する。
同氏は「早急に浄化が必要な埋立地がある。例えば、ヴァレー州ガムゼンリエードやフリブール州ピラ、バーゼル・ラント準州ムッテンツのフェルドレーベン（1967年に閉鎖されたごみ集積所）などが挙げられる。さらに、バーゼルの化学企業が所有するトイフタール化学系廃棄物処理プラントがベルン州にある。ここは長期的な浄化作業が必要だ」と話す。
膨大な浄化コストを誰が負担するか
直面する課題が極めて困難なことはBAFUも認めるところだ。汚染された埋立地の浄化作業は、何が土壌内部に存在するかの正確な情報と、それらの有害物質がどう化学反応するかの知識がないままに行えば、危険を伴う可能性があるという。
さらに、2040年までに全ての汚染地区を浄化する目標を達成するには、膨大なコスト――推定50億フラン（約6150億円）他のサイトへ――がかかる上、より速やかに、かつ、より多くの人的・技術的資源が得られない限り無理だろう、とBAFUは説明する。
シェーブル氏は「何かアクションを起こさなければならないことに関しては、概ね誰もが賛同すると思う。しかし、費用の議論になった途端、問題は遥かに厄介になる」と言う。
スイスの法律では汚染者負担の原則が適用される。連邦政府は汚染地区の調査、監視、浄化の費用を補助する。また危険地区の浄化を迅速に実施できるよう、汚染を引き起こした責任者に課税する「環境汚染基金」も設立した。
しかし、歴史的な負の遺産の責任者は、すでに存在しないか支払い不能であることが多い。そのため多くの場合、浄化コストを納税者が負担しなければならない。その割合はおよそ40％で、現在関係機関への意見聴取手続きが進められている法改正案では、これを60％に引き上げる。民間企業が引き起こした公害のために納税者負担の増額を求めるのは、微妙さをはらむ問題だ。だが、スイスの公共部門（連邦政府、州、地方自治体）の年間支出額2200億フラン（約27兆600億円）と比べれば、20年間で50億フランは相対的に少ない額だと草案では説明されている。
シェーブル氏は言う。「ローザンヌのダイオキシン類問題から得られた最大の教訓は、汚染が発見されるのは、それが生じた時から30、40、50年、あるいはもっと長く60年の年月を経た後だということだ。まさに今、我々が環境中に――つまり大気や水系、土壌中に――何を投げ捨てるのかについて慎重になることが極めて重要だ。それが未来の問題となって返ってくることは、ほぼ確実なのだから」
今、環境中に放出される汚染物質――農薬、マイクロプラスチック、微小汚染物質（化学合成物質や天然化合物とその分解物。薬やトイレタリー、洗剤などの生活用品などからも放出される）、微小粒子状物質（PM2.5）、鉛などの重金属、炭化水素類（化学工場、ガソリンスタンド、自動車の排出ガスなどに含まれる、炭素と水素だけからなる化合物の総称。光化学スモッグの要因となる可能性がある）――が正しく管理されなければ、きっと将来、我々をさいなむ問題となって返ってくるだろうと、専門家は警告する。
（英語からの翻訳・佐藤寛子）
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