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地震、津波、原発事故と危機状態が続いている日本。しかし、各地で入学式は始まる。この機会にスイスインフォはスイスの教育を特集する。今回は多国籍企業や国際機関が多数集まるジュネーブ州の私立学校を覗いてみた。
180カ国以上からやって来た人々が住むジュネーブ州の外国人比率は約38%。私立学校も、異なる言語的背景を持つ「国際人」のニーズに合わせ多様だ。
最高6カ国語
スイスの公用語は、ドイツ、フランス、イタリア、ロマンシュ語と四つもある。全人口の3分の2、そしてスイスの全26州のうち17州がドイツ語を使用しているため、フランス語圏でもドイツ語の学習が義務付けられている。ジュネーブ市の公立小学校では9歳からドイツ語を学び始める。
公立中学校と高校でも、ドイツ語のほかに英語とラテン語を学ぶ。中学2年生以降はラテン語の授業は選択制になるが、フランス語、ドイツ語、英語、ラテン語、そして親の母語と合計5カ国語も学んでいる生徒もいる。さらに、今年の9月から中学校ではスイスドイツ語の学習も義務となるため、なんと合計6カ国語を学ぶ子どもも出現することになる。
一方私立学校に関しては、英・米国系のインターナショナルスクールとスイス人が設立した私立学校の二つに大きく分けられる。語学面からみた両者の違いは、第1に主要言語が英語かフランス語かという点だ。
第2はドイツ語の扱いだ。スイス人が多い私立学校には、仏・独と仏・英のバイリンガルコースがある。しかしインターナショナルスクールには、仏・独のバイリンガルコースはない。
第3に両者のラテン語の扱いも異なる。私立校では公立学校と同様にラテン語を学べるところも多い。しかしインターナショナルスクールではラテン語を教えていない。主要言語の英語のほかに学習が義務付けられているのはフランス語だ。そしてドイツ語、スペイン語、イタリア語、中国語の中からもう1カ国語選択できる。
ところで日本と違ってスイスに住む子どもたちは何カ国語も学ばなければならないが、そのように多くの言葉を一度に学習して混乱しないのだろうか？ 仏・独語のバイリンガルで、過去30年間二つの言語を教えてきたドロテ・ノゲラ・ガイゲーさんは、
「ジュネーブに住む子どもたちにとってフランス語は母語。ドイツ語と英語は重要な言語なので学ばなければなりません。そしてラテン語の学習は、仏、独、英語の学習に大いに役立ちます。特にフランス語はラテン語から派生した言語なので重要です。これらすべての言語は ( インド・ヨーロッパ語属という ) 一つの大きなグループに属するため、大きな混乱は起きないはず」
と説明する。
バイリンガル教育
ジュネーブ市とその近郊の街ニオン ( Nyon ) にあるバイリンガル教育の小・中・高一貫校「エコール・モゼール ( Ecole Moser ) 」では、小学校3年生からフランス語のみで授業を行う仏語セクションと仏・独のバイリンガルセクションがあり、生徒はそのどちらかを選択する。
小学校のバイリンガルコースでは、フランス語とドイツ語の語学の授業以外に、それら2カ国語を使って図画工作、音楽などほかの教科を教えている。ニオン分校の校長ピエール・クエノ氏によると、外国語の習得は、その言語を 語学以外の教科の学習時に「実際に使用し続ける」ことによって効果的に習得できる。
同校の中・高校部には、仏語セクションに加えて仏・独と仏・英のバイリンガルセクションがある。これら二つのバイリンガルセクションでは、数学、歴史、哲学などの教科を2カ国語で教えている。同校はベルリンにも分校があり、生徒は交換留学プログラムを通して中学校から本格的にドイツ語に磨きをかける。
一方ジュネーブ市内には、ルドルフ・シュタイナー学校など特殊教育を行っている学校もある。同校は、1人の教師が同じ生徒を6～8年間担任するシステムや、一つの教科を一定期間集中して長時間学ぶエポック授業、そして、歌、踊り、詩を融合させた「オイリュトミー」など特殊芸術教育でも有名だ。
シュタイナー学校では、エコール・モゼールのようなバイリンガル教育は行っていないが、小学1年生から英語とドイツ語の授業があり、主に詩の暗唱を行う。現在7歳の一人娘をシュタイナー教育で育てるためにヨーロッパに移住したという佐々木文代さんは、外国語の授業以外でも子どもたちがそれらの言語に触れる機会が多く、歌や踊りを通して外国語の音に慣れることを重視していると説明する。
「『必ず理解し話せるようにする』というよりは、言葉の楽しさや、音、響きなどを感じるような授業。娘は家でも英語やドイツ語の鼻歌を楽しそうに口ずさんでいます」
世界に向けて飛び立つ
中学校や高校の選択は、将来どの国の大学へ進学するのかをある程度明確にし、長期的にはどの国、どの地域で働くのか、そして最終的にどこに落ち着くのかなどの点も考慮して決定されることが多い。
アメリカの大学を希望する場合は国際バカロレア ( IB ) 、イギリスの大学の場合は「GCE－Aレベル ( General Certificate of Education, Adavanced Level ) 」などの入学試験を受けなければならない。IBやGCEの受験準備プログラムを設けている高校は、ほとんどが英・米国系のインターナショナルスクールだ。
それらのインターナショナルスクールに通う子どもの親は、英語圏の国の出身者、そうでなくても英語を重要言語として考えている外国人やスイス人、多国籍企業や国際機関に勤務する人々が多い。ジュネーブ市とその近郊では「コレージュ・ドゥ・レマン ( Collège du Léman ) 」や「ジュネーブ・インターナショナル ( International School of Geneva ) 」に日本人の子弟も多数通っている。
フランスの大学へ入学するには、「フレンチ・バカロレア ( baccalauréat/FB ) 」の合格が必要だ。FBプログラムに特化した「リセ・プリヴェ・ロドルフ・トプフェール ( Lycée Privé Rodolphe Töpffer ) 」のジョゼフ・ガビオウ校長は、フランスの教育システムに則った学校は世界中にあるため、同じ教育システムでの学習の継続を希望する転勤族はFBプログラムのある学校を選ぶという。「アンスティチュト・アンターナショナル・ドゥ・ランシー ( Institute Internationale de Lancy ) 」にはIBプログラムとFBプログラムの両方がある。
一方、スイスの大学入学資格試験のマチュリテ ( Maturité ) に合格すると、スイスだけでなく全ヨーロッパ諸国の大学への入学資格が得られる。エコール・モゼールや、カトリック系の有名私立学校「アンスティチュト・フロリモン ( Institut Florimont ) 」も毎年100%近い合格率を達成している。これらの学校を選ぶ理由は、教育水準が高いこと、将来のネットワーク作りなどが主な動機のようだ。
国際都市ジュネーブは、世界各国から多様な文化、言語、社会的背景を持つ人々を受け入れると同時に、多言語の人材を作り出していく。子どもたちは多言語の習得によって幅広い知識と多角的な物の見方を身につけ、ダイナミックな人生を築く大きな可能性を持っている。
多言語
多言語・多文化の国スイスは、フランス、ドイツ、イタリアの中央に位置し、これらヨーロッパの重要な文化圏からの影響を受けてきた。スイスの四つの公用語の使用分布率は以下の通り。
ドイツ語 ( 約64% )：全人口の約3分の2がドイツ語を公用語とするドイツ語圏に暮らしており、スイスの全26州のうち17州がこれに属する。ドイツ語圏では、スイス特有のさまざまな方言 ( スイスドイツ語 ) が話されている。
フランス語 ( 約21% )：スイス西部のロマンディ地方の公用語はフランス語で、ジュネーブ、ヴォー、ヌーシャテル、ジュラの四つの州がこれに属する。ベルン、フリブール、ヴァレー/ヴァリスの三つの州では、フランス語とドイツ語の二つの言語が話されている。
イタリア語 ( 約6.5% )：イタリア語は、ティチーノ州とグラウビュンデン州の南側の谷で公用語として話されている。農村地域と一部の都市では、主に地元のロンバルディア方言が話されている。
ロマンシュ語 ( 約0.5% )：ロマンシュ語は、ラテン語に起源を持ち、グラウビュンデン州 ( 三つの言語が話されている州 ) の一部でのみ使用されている言語。グラウビュンデン州では、ドイツ語、イタリア語、ロマンシュ語の三つの言語が話されている。
スイス人の多くが複数の公用語や英語を話す。また、スイスに帰化した外国人がスイスにその他の言語を持ち込み、スイスの言語はますます多様化した。ドイツ語圏はドイツの文化、フランス語圏はフランスの文化と、それぞれの言語圏が隣国からの影響を受けている。言語圏ごとに独自のラジオやテレビ放送があり、多くの新聞も発行されている。
( 出典： 連邦外務省EDA/DFAE )
スイスの大学
スイスには10校の州立大学がある。バーゼル大学、ベルン大学、チューリヒ大学、ルツェルン大学、ザンクトガレン大学ではドイツ語、ジュネーブ大学、ローザンヌ大学、ヌーシャテル大学ではフランス語、ルガーノ大学ではイタリア語、フリブール大学ではドイツ語とフランス語で授業が行われている。
ほかに二つの連邦工科大学が、ローザンヌ ( フランス語圏 ) とチューリヒ ( ドイツ語圏 ) にある。
職業系大学とは、実技に重点が置かれ、職業と具体的につながる実質的な教育が行われている大学に相当するレベルを持つ学校である。また、スイス全国で15校ある教員養成学校も職業系大学に含まれる。
( 出典：スイスワールド )
swissinfo.ch