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ここ数年、ジュラの各市町村にある吹奏楽団は、次々と125年、150年周年を迎え、週末に大きなイベントを行っている。内容は様々で、国内外の音楽グループを招いてのコンサート、ロト（ビンゴゲームのようなもので豪華賞品付き）、大規模な食事会などである。
9月半ば、ポラントリュイの隣村クールジュネ（Courgenay）の吹奏楽団ランシエンヌ（Fanfare L’Ancienne）は、創設150年周年記念行事を3日間に渡って催した。初日は地元のロックバンドとラップグループのコンサート、二日目には主催者ランシエンヌとフリブールから招待された吹奏楽団のコンサートがあった。そして最終日、私は「音楽的グルメ散歩」（Balade gourmande musicale）と銘打った、村内を回って土地の名産物を食べ歩くイベントに参加した。
「グルメ散歩」は、ジュラ州では度々行われる行事である。フランスと国境を接しており、フランス大革命後、1792年から1815年までフランスの支配を経験しているという地理的・歴史的背景からか、食生活においても多かれ少なかれフランスの影響を受け、州民はなかなかの食い道楽である。
グルメ散歩は日曜日に開催された。あいにくの雨予報であったが、午前中は何とか曇り空にとどまってくれた。村内の教会で行われた150周年記念特別ミサ後、村内の公民館に集合し、午前11時頃からアペリティフをいただいた。
この会場では、クールジュネにあるもう一つの吹奏楽団で、「ポワン・ジャズ・バンド」（Point Jazz Band）という名のビッグバンドが演奏していた。
一つの村に二つの吹奏楽団が存在することは、アジョワ（Ajoie、ポラントリュイを中心とする行政地区の名）地方では珍しくない。非常に政治意識が高い地域で、一昔前、文化的諸活動すらも政治思想と結託していたという、暗い時代があった。この時、ランシエンヌと袂を分かった楽団がこの「ポワン・ジャズ・バンド」（現在の名称）である。現在ではどの市町村も穏健になり、支持政党が違うからといがみ合うこともなく、このように二つの楽団が協力してイベントを盛り上げている。
「ポワン・ジャズ・バンド」はスイス内外のジャズフェスティバルへの出演経験も豊富で、安定した演奏技術には定評がある。コンサートでは、誰もが耳にしたことがあるポピュラーなジャズ曲が多く、普段ジャズを聴かない人も理屈抜きで楽しめる内容で構成されていた。
ここまでは事前申し込み不要かつ無料参加できた。しかし「グルメ散歩」は予約必須で、参加費用は大人30スイスフラン（約3000円）、子供（16歳未満）は最低料金5フランで、15歳まで年の数だけ払う（例えば10歳なら10フラン）という粋な計らいだ。これにはデザートまでの5食と、1食に付き1杯ずつの飲み物代（2杯目からは別料金）が含まれる。散歩はグループ単位ではなく、個人で自由に出発して良い。それぞれ地図を渡され、道の分岐点ごとに楽団員が目印を付けてくれている。
ビッグバンドの演奏を堪能した後、まずは最初の会場であるその公民館で、トッチェ（Toché）と古い地方フランス語で呼ばれているケーキを食べてから散歩に出発した。この時貸してもらったワイングラスは「グルメ散歩参加資格」の証明代わりとなるので、ゴールまで持って歩かなければならない。アペリティフで出された数々のおつまみと第一行程のトッチェで既にお腹が膨れてしまっていたが、歩いているうちに食欲を取り戻し、ちょうどいい時間に小さな小屋に到着。珍しい種類のかぼちゃのスープをいただいた。
ここからの道のりが結構あった。村外れにある、クールジュネ村とサン・トゥルザ ンヌ（St-Ursanne）を繋ぐ鉄道のトンネル付近まで緩やかな上り坂を歩き、村を見下ろせるような位置にまで来た。見渡す限り野山しかない場所に来てみると妙に空腹を覚え始めた。下り坂が長く感じ、何か食べたい！と切実に望んだ頃にランシエンヌ楽団の練習場に到着。腹具合をよく考えてルートを作っていると感心した。
練習場は食堂風に模様替えされており、どこで集めてきたのか、それとも団員が制作したのか、アフリカの巨大装飾品が所狭しと壁を飾っていた。ここでは前菜のパテと生野菜の盛り合わせをいただいた。タイミング良く、食事中に雨が降っており、小雨になったところで次のメインディッシュ会場目指して出発した。
そこからは二番目に長いルート。平坦だが、何もない耕作地の脇をひたすら歩いていると、すぐにお腹がすいてきてしまった。林を抜けたところに、やっと「SALOON」の看板が。そこは警察音楽隊の練習場で、ウェスタン風の内部装飾が成されていた。食事はスパゲティ三種類（ペスト・ジェノヴェーゼ、ミートソース、ツナ入りソース）のうちどれか一つを選べた。皿にボリュームたっぷりに盛られたスパゲティで、再び満腹になった。
「SALOON」を出てからしばらく線路沿いに歩き、到着したのはクールジュネ駅前の、前述の「ポワン・ジャズ・バンド」の練習場兼コンサートホール。100年ぐらい前の建物だが、あばら家同然に放置されていたところを楽団が買い取り、改築したものだ。このホール内では2007年より毎年数々のコンサートが企画されている。キッチン施設も整っており、音楽以外のイベント開催も可能だ。申し込み・問い合わせはこのジャズバンドが運営するコンサート会場公式ホームページをご覧になっていただきたい。
ここではチーズの盛り合わせを食した。メインディッシュの後にチーズが出てくるメニュー構成は、いかにもフランス的である。パンとワインで美味しくいただき、今度こそもう一口も何も食べられない！という状態になってからスタート地でもあった公民館でゴール。ここではバニラまたはいちごアイスクリームとメレンゲ（卵白を泡立てて固めたお菓子）の盛り合わせを別腹に納め、グルメ散歩は無事終了となった。
この日のグルメ散歩の参加者は、主催者によれば、238名。7kmの行程中、行く先々で友人知人に数多く会い、立ち話に花が咲いた。特に高級料理が登場するわけではないが、適度な散歩を楽しみつつ土地の食材をいただき、楽団員やその家族の手作り料理をおもてなしの心と共に堪能できた。腹と心身が同時に満たされることこそ、究極の「グルメ」ではないかと感じ入る初秋の一日であった。
グルメ散歩に関する情報提供などでご協力いただいた、ランシエンヌのクラリネット奏者、フロランス・オフェーさんに厚く御礼申し上げます。
Je remercie chaleureusement une clarinettiste de la Fanfare l’Ancienne de Courgenay, Mademoiselle Florence Hofer, pour certaines informations concernant la balade gourmande.
マルキ明子
プロフィール：マルキ明子
大阪生まれ。イギリス語学留学を経て1993年よりスイス・ジュラ州ポラントリュイ市に在住。スイス人の夫と二人の娘の、四人家族。ポラントリュイガイド協会所属。2003年以降、「ラ・ヴィ・アン・ローズ」など、ジュラを舞台にした小説三作を発表し、執筆活動を始める。趣味は読書、音楽鑑賞。インフォボックス終わり