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「軍隊は旗を正しく取り扱うべき」。スイス軍はこのたび、軍隊史上初めて旗に関する一般的な規程を定めた。このコンテンツは 2008/03/11 15:26
大隊や部隊で使用される識別標識の旗はシンボルとして高い価値を持つ。これらの旗は敬意を持って扱うべきものだ。
木枯らしが木々の間をヒューヒューと吹き渡る。寒く、霧に覆われた軍事再訓練の朝。直立不動の兵士たち。その前方左から、旗を掲げた准士官が足を高く上げながら歩いて来る。ブラスバンドが行進曲を演奏し始めた。軍が旗を掲げるときに必ず演奏される行進曲だ。今、旗の引渡しが行われようとしている。
大切なシンボル
「軍隊では旗の扱い方をないがしろにすることはできません。旗は数多くの催し物で常に使用されますから」
と話すのは、軍広報担当官のフェリックス・エンドリヒ氏だ。以前に比べるとベテラン幹部が少なくなっており、長い時間をかけて培われてきた旗の扱い方に関する知識や経験は徐々に「除隊」させられているという。
これからも、全員が旗というシンボルに対して同じように正しく、同じように敬意を持って接していけるようにと、旗に関する規程がこのたび初めて作られることになった。
「旗は古くから存在し、どの民族にとっても意味深いシンボルです。その昔、戦闘の際兵士は、自分たちの旗を目印に動いていました。旗手は自分が掲げる旗を最後まで守り抜いた、とても重要な人物。旗が失われれば、たいてい戦いにも敗れるのですからね」
とエンドリヒ氏。
すべてを網羅
80ページに及ぶ規程の第1部「部隊」では、軍旗や各領域で使用されている小旗の正しい取り扱い方が取り上げられている。それによると、識別標識 ( スイス国旗の十字の中に部隊の印がついた旗 ) を掲げるのは上部階級の下士官のみだ。
さて、それでは軍旗衛兵はいったいどのように行動すべきなのだろうか。同規程書では、分列行進、軍の式典、辞令交付、昇進、葬儀での旗の使い方、あるいは前出の旗の引き渡しの詳細などについて記されている。
旗の引き渡しに関しては、ほぼ2ページにわたる説明がある。
「旗手は識別標識を掲げて進発。約6メートル前へ － 90度回れ右 － 行進継続 － 大隊/部隊の位置で回れ左 － 気をつけ ( 識別標識は下に下ろさない ) － 隊長の識別標識への敬礼を待つ － 90度回れ右 － 前へ進め」
という具合だ。このような旗の引き渡しに国歌演奏はもちろん欠かせない。
スイス国旗の歴史
部外者にとっては、規則よりも州旗や国旗の歴史を読む方が面白い。紋章研究家には物足りないだろうが、一般市民は十分楽しめる。
歴史の章には、スイスの国旗掲揚の仕方も詳しく書かれている。旗が2枚のときは簡単だ。国旗は向かって左側に、州旗は右側に掲げる。これに地方自治体の旗が加わると、左側には州旗、右側に地方自治体の旗、そして真ん中に国旗を掲げる。
それでは、すべての州旗を掲揚するときはどうするのだろうか。こちらも問題はなし。州の面積や税収入の順番に掲げるわけではなく、まず国旗、それから「由緒ある」州のチューリヒ、ベルン、ルツェルン、最後には新しい州のヌーシャテル、ジュネーブ、ジュラがくる。
原初3州と呼ばれるウーリ、シュヴィーツ、ニトヴァルデンの州旗はルツェルンの後に掲げられる。その訳は1847年の分離戦争にあるようだ。当時、これらの原初3州は敗者側についていたため、連邦成立時にバッシングを受けたと見える。
実用的なスイスの国旗
外国の賓客を歓待するときはたいてい軍隊式が採用される。そのため、外国の国旗の扱い方に関しても統一化が図られなければならない。規程書では、オーストリア国旗を例に取っている。この旗は逆さまに掲揚してしまう恐れがなきにしもあらずだ。だが、万が一そんなことが起こったら、スイスとオーストリアの共催で開催されるサッカー欧州選手権「EURO2008」はとんでもないことになる。
それに引き換え、オーストリアでスイスの国旗掲揚が問題になることは、まずないはず。スイス国旗を考案した偉大なるアンリ・デュフール将軍 ( 1787～1875年 ) の精神がここにしっかりと表れている。スイス国旗は上下も左右も対称になっている。オーストリアの人々がどんなふうに掲揚しようが、スイスの国旗を間違って掲げることは絶対にないのだ。
swissinfo、ウルス・マウラー 小山千早 ( こやま ちはや ) 訳
規程
軍は、旗に関する規程「旗、小旗、識別標識の取り扱い方」を初めて制定。
この規程は指針かつ教本であり、特に軍幕僚の旗手が活用する。
発行者は連邦国防・国民保護・スポーツ省 ( VBS/DDPS ) 。
現在はドイツ語のみで、2008年にフランス語版が発行される予定。
この規程は連邦建造物物資調達局 ( BBL/OFCL ) で入手可能。価格は12フラン ( 約1200円 ) 。
スイス国旗
スイスの国旗は軍隊の識別標識から生まれた。
「スイス連邦の紋章は赤地に白の十字とする。十字はまっすぐに伸びた、同じ長さの4つの腕からなり、腕の長さはその幅の6分の1分だけ長いものとする ( 幅が6センチメートルなら長さは7センチメートル ) 」
スイス連邦内閣が上記のように決定したのは1889年になってから。
正方形の国旗を持つのは、世界でスイスとバチカン王国の2カ国のみ。
スイスはまた、紋章と国旗がまったく同じというただ1つの国家でもある。
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