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スイスのインフラ整備計画には途方もない時間と労力がかかる。アルプス南北を縦断する高速道路A２と観光地のロカルノをつなぐ全長１３キロメートルの高速道路の実現には半世紀はかかる見込みだ。つまり１キロメートルにつき３年が費やされる計算だ。インフラ整備計画が遅々として進まない理由には、直接民主制がある。
本稿はスイスインフォの直接民主制の特集「#DearDemocracy（直接民主制へ向かう）」の記事です。この特集では外部の識者が様々な見解を述べますが、スイスインフォの見解とは必ずしも一致しません。インフォボックス終わり
日照時間の多いアルプス南部に位置するロカルノ他のサイトへは、スイス有数の観光地だ。この地域では延べ宿泊者数が毎年１００万人泊を超える。
スイス北部からロカルノに電車で向かう際は問題はないが、車だとかなりの辛抱が強いられることが度々ある。高速道路A2からロカルノまでは現在２０キロメートルだが、この区間ではよく渋滞が発生するのだ。
「ロカルノ周辺は、高速道路網他のサイトへとつながっていないスイス最後の大都市圏だ」と、ティチーノ州知事で建設・環境局を指揮するクラウディオ・ザリ氏は話す。A2とロカルノを結ぶ道路には４車線の区間があるが、途中で２車線に狭まる隘路（あいろ）がある。
スイスの模範例
この狭い地域で農業、環境保護、保養、乗用車・トラック交通、観光業、地元経済などの様々な利害が対立しているため、問題は特に複雑だ。このような利害対立はスイスのほぼ全域に存在する。それゆえ、この高速道路を巡る一件は、全ての要求をできるだけまとめようとするスイスを物語っているとも言える。あらゆる利害関係を考慮することが直接民主制の目指すところだ。ただこの制度には利点も多いが欠点もある。物事の進展が遅く、時にフラストレーションが溜まるほど遅いこともあるのだ。
ロカルノ周辺の自治体は数十年前から、A2への「出入口」であるベリンツォーナへとつながる高速道路の建設他のサイトへを要求している。
有望な建設計画がすでに１９９０年代に策定されていたが、ティチーノ州の有権者は２００７年の住民投票でこの計画を否決した。
一からのやり直し
なぜ否決になったのだろうか？計画ではベリンツォーナとロカルノの間に位置するマガディーノ平野の真ん中に道路を敷くことになっていたが、これに激しく反対したのは過激な環境保護派に限らなかった。
反対派は議会立法の賛否を問うレファレンダムを請求し、住民投票で否決に持ち込んだ。行政側や計画責任者はがく然とした。なぜなら住民投票での否決は彼らにとって一からのやり直しを意味したからだ。住民は週末に行われたたった１日の投票で、長年にわたって築き上げられた計画を白紙に戻したのだ。
計画責任者はこのような大失敗を２度と繰り返さないよう、この経験から教訓を得た。そして新たに道路建設を計画する際は住民参加を重視した。住民が計画の策定手続きに当初から参加できれば、道路建設の反対派が少なくなると考えたからだ。
住民参加の代償
ただ住民参加には代償も伴う。それは時間であり、忍耐でもある。２回目の計画策定手続きにおける主な流れは次の通りだ。
計画責任者は２００９～１０年、計画の実現性について調査。
ティチーノ州は１２年、道路建設の候補となる３路線についてベルンの連邦運輸省道路局に評価を申請。
連邦運輸省道路局は１５年、道路の大部分が山の側面に掘られたトンネルを通る路線を選定。
ティチーノ州は１６～１８年、この路線に基づく新道路建設計画を策定。
こうして０７年の住民投票から実に１０年以上が経過したが、高速道路建設はいまだ書類手続きの段階だ。
また一歩前進、されど終わりは見えず
建設計画に住民の声を反映させるため、今年の夏には住民への意見聴取が行われた。数回の住民説明会を通し、計画予定のトンネルの南口に位置する村クアルティーノが計画に賛成していることが明らかになった。一方、北口のサン・アントニーノにはいくつかの懸念があった。特に、道路建設予定地に農地も含まれることが問題視された。こうして南北を結び付けるはずのトンネルが、逆に南北の自治体に亀裂を生むことになった。
「住民の懸念を真摯に受け止め、計画を改定改訂し、出来るところは調整した」と技術者でプロジェクトコーディネーターのマティアス・ノイエンシュヴァンダー氏は言う。
その努力が功を奏し、サン・アントニーノは道路計画の改訂定版に肯定的な反応を示した。改訂定版は年末までにベルンの連邦運輸省道路局に送られる予定だ。少なくともこれでまた１歩前進したことになる。
必要なのは持久力
だが計画の策定手続きに終わりは見えない。この先にはまだ二つの難関が待ち構えているのだ。一つは一連の許可申請手続き、そしてさらに重要なのが資金繰りだ。
ティチーノ州は建設費用１４億５千万フラン（約１６２０億円）を捻出できる状況になく、２０２０年にこの道路建設計画の責任を引き継ぐ連邦が費用を出すことになっている。このそして引き継ぎによってもまた時間がかかることになる。スイス政府はまずこの連絡道路の優先順位を決定しなければならず、それが早くて２１年とされる。その後はティチーノ州当局や団体には拒否権と異議申し立て権が認められる。
計画では路線がトンネルを通ることになっているため、自然・環境保護団体は今のところ計画に好意的だ。よって、この点では計画が早く進みそうだ。
ただ、ここで言う「早く」とはどういう意味だろうか。トンネルの施工期間は８年から１０年の予定だ。この高速道路が初めて一般利用できるのは２０３５年以降で、専門家の予想では３８年とされる。
もう一度まとめてみよう。全長１３キロメートルの高速道路を建設するのに、ほぼ半世紀かかっているのだ。つまり１キロメートルにつき３年という計算だ。
少なくとも、州レベルで住民投票が行われることはもうないだろう。高速道路は連邦の管轄だからだ。そのため０７年の住民投票のように猛烈な反対が繰り返されることはない。道路建設にこれだけ時間がかかることについて、交通計画担当者のノイエンシュヴァンダー氏は考え深くこう話す。「大聖堂だって２、３年で建設されたわけではない」
インフラ整備計画とスイスの直接民主制
スイスでは、大規模なインフラ整備計画は昔から直接民主制と密接な関係にある。最近の例他のサイトへは、鉄道トンネルの「ゴッタルド・ベーストンネル」（２０１６年開通）と「レッチュベルク・ベーストンネル」（０７年開通）。さらに第２のゴッタルド道路トンネルも建設予定で、２７年末に開通が見込まれる。
計画段階で住民の意向が反映されるため、大抵のインフラ整備計画は有権者からの支持を受けている。
インフラ整備計画の策定手続きで指標となっているのが、鉄道国有化の是非を巡る１８９８年の国民投票だ。投票結果は賛成過半数で可決。これによりスイス連邦鉄道他のサイトへ設立の礎が築かれただけでなく、スイス政治に合議制が敷かれることになった。
住民は住民説明会や意見聴取を通し、早い段階から計画に参加できる。通常は住民からの懸念や批判を基に計画が改訂改定される。こうしたプロセスの結果、大抵のインフラ整備計画は住民投票で可決される。
しかし例外もある。１９９０年の国民投票では、スイス国内での原子力発電所の新規建設を１０年間禁止する案が可決された。
（独語からの翻訳・鹿島田芙美）