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チューリヒのクンストハウスでスイスの偉大な彫刻家の展覧会が始まった。
同展はジャコメッティの特徴とされる「細長い彫刻」に至る以前に焦点を当てている。それは、形の上からはキュービズムに、主題においてはシュールレアリストに近づいた時代だった。
この展覧会「アルベルト・ジャコメッティーアバンギャルドの夜明けー」はジャコメッティの研究者が企画したもので、既にイタリアのヴェネト、モリアーノで公開された。今回、チューリヒのクンストハウス ( Kunsthaus ) ではさらに新しい作品が加わった増補版といえる。
早年から
最初にジャコメッティの青春時代の水彩画など、彼が育った背景から始まる。青年時代の肖像画、絵画、彫刻などスタンパで過ごした早期の作品から熟年期までの流れが分かる。
この、年を追った遍歴によってジャコメッティがどのように形 ( シルエット ) をねじり、徹底的に単純化し、浄化していったかが見て取れる。戦後のジャコメッティのトレードマークとなるひょろ長い人物像は実は、これら様々な実験の紆余曲折を経ての到達点だったのだ。
力強い線
ジャコメッティは非常に写実的にモデルを描いた。モデルはいつも両親や兄弟など身近な人を選んだ。モデルの現実的な顔からだんだん離れていく。目、鼻や口など特徴的な部分を取り去っていく。最後には平らで四角い塊に行き付くのだが、不思議と表現力は消えないばかりか増していく。
こうして、徐々に余計な物がはがされた彫刻が、シューレアリスト的な謎めいた題になった。『危険にさらされた花 ( Fleur en danger ) 』、『目に先端 ( Pointe à l’œil ) 』、目が無くなった『 眺める頭 ( Tête qui regarde ) 』などだ。
彫刻の定義を変える
しかし、ジャコメッティの最も抽象化された作品からも人間の形が消えることはない。それは、抽象的な作品を集めた部屋の『横たわるカップル ( Couple couché ) 』、『横たわって夢見る女 ( Femme couchée qui rêve ) 』、「トルソ ( Torse ) 」などにうかかがえる。
他の部屋にはブランクーシなど同時代の彫刻家が展示され、ジャコメッティがいかにアバンギャルド ( 前衛的 ) だったかが実感できる。ジャコメッティは初期の完成された自らの作品を否定するほどまでに、追究を推し進めた。
ジャコメッティの人生は多作の時期と迷いのために制作が中断した時期とに分かれた。しかし、実りの多い時期に生まれた数々の傑作は20世紀を前にして、「彫刻とは何か」という問いを覆すほどの素晴らしい作品となった。
swissinfo、ローランス・ショーヴィ、 屋山 明乃 ( ややま あけの ) 意訳
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「アルベルト・ジャコメッティ−アバン・ギャルドの夜明け」はチューリヒのクンストハウス美術館( Kunsthaus )で 5月16日から8月26日まで開催。開館時間は火〜木曜日は10〜21時まで。金〜日曜日は10〜17時まで。月曜休館。インフォボックス終わり
アルベルト・ジャコメッティ
アルベルト・ジャコメッティはスイス印象派画家、ジョヴァンニ・ジャコメッティの息子として、1901年、グラゥビュンデン州スタンパ村の近く、ボルゴノーヴォ ( Borgonovo ) に生まれる。
ジュネーブの美術学校で学んだ後、1922年からパリに引越し、アンドレ・ブルトン率いるシュールレアリスムのグループに属する。
1934年、肖像画を描いたことでシュールレアリスムから追放される。このため、パリで展覧会を開く前にニューヨークのギャラリーを通して展示する。
1962年にベニスのビエンナーレで彫刻部門でグランプリを受賞する。1965年にはフランス文化省からナショナル・グラン・プリを受賞。