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２０年ほど前に、文房具の伊東屋で見つけた招き猫は、重さからして、土でできていないことはわかりましたが、紙塑かなと思ったりしていました。
今見れば、のんびりした顔つきからバリの猫ではないかしらと想像もつくのですが、当時はバリの猫を見たことがなかったし、何とも思いませんでした。
たいていのバリの猫が、どこかしらに木であることを見せていますが、この猫たちは底まで厚く塗り固めてあって、つるつるで、見当もつきませんでした。
ところが、おととしの地震で、一体の塗料がはがれ、下地が見えてきました。
下地が見えてもよくわからないのですが、木彫りのようです。、やっぱりバリのものでしょう。
底に日本のシールが貼ってありますから、当時はまだ日本人が、
「手をあげた猫をつくってくれ」
と、それまで猫をつくっていなかったバリの職人さんたちに、特別に注文していたものなのでしょう。
それからたった数年後の１９９０年代末には、バリの町には招き猫など、日本人受けする猫たちが溢れていました。
毛並みを表すために、筆で細かくギザギザを入れてあります。
自分で書いてみると、滑らかな線にしたいところはギザギザし、ギザギザさせたいところはぺったり線がくっつくなど、なかなかうまくいきませんが、手慣れたものです。