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2月21日、連邦政府はこのままでいくと2020年にはスイス国内でエネルギー不足になるため、原子力発電所の改築もしくは新規建設を検討すると発表した。これに対して国民から大きな反響が巻き起こっている。
政府は将来起こりうる電力不足に対し、省エネ、再生可能なエネルギーの効率的な利用促進、大型発電所の建設の3本柱を提案した。
モリッツ・ロイエンベルガーエネルギー相はしかし、国民に是非を問うことを考えると新しい原発が2020年に操業を開始することはないと語った。
電力会社早速の反応
一方、電力会社の反応は素早かった。2月25日付けの日曜新聞ゾンタークスツァイトゥングによると、電力会社アテル ( Atel ) の ジョバンニ・レオナルディ社長は「内閣の新規原発決定案は、われわれに対する発注とみなす」と語り、2008年までに新しい原発の建設計画を提出する意向だ。これが提出されると、2011年にはその是非が国民投票で問われることも可能だ。
国民が承認すれば、2017年から2022年までには操業できるという。建設費は50億フランから60億フラン ( 約4900〜5900億円 )。建設場所は現在原発のあるスイスドイツ語圏が予定されている。地元の住民もこれを支持する姿勢にあると2月26日付ドイツ語圏日刊紙ターゲスアンツァイガーは報道している。
国民は新エネルギーに非積極的
エネルギー問題については近年、国民投票で何度も問われてきた。2000年には「核なし電気イニシアチブ」と「原発の建設モラトリアム延期提案」の是非が国民投票で問われた。前者は原発を段階的に停止することを提案したもので、後者は10年間の原発建設停止の延長を要求したイニシアチブである。また、2003年には「ソーラー・サンチーム・イニシアチブ」の是非が問われた。向こう25年間、再生不可能なエネルギーに新しく課税し、それで得た税収を再生可能なエネルギー開発に使うという提案であった。3案ともすべて否決されている。
ロイエンベルガー大臣は、政府の提案する3本の柱を効率よく活用し、たとえば再生可能なエネルギー利用として環境を配慮しながら水力発電の拡大をしても、2020年にはスイスは電力不足に陥ると指摘し、新しい原発の建設が必要だと訴えている。政府はまた、化石燃料の使用を2035年までに現在の30%から50%縮小し、エネルギー効率を毎年1%上昇するという目標も掲げているが、これを達成するためには、さらなる原発が必要ともいう。
swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )
キーワード
スイスの原発依存率は38%、冬季はおよそ45%。ヨーロッパの平均33%。
＜ヨーロッパにある原発の数＞
スイス5基、フランス59基、イギリス21基、ドイツ17基。
＜原発のない国＞
オーストリア、エストニア、ラトビア、ポーランド、マルタ、キプロス、ルクセンブルク、アイルランド、デンマーク、ギリシャ。