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くいなちゃん2020年01月25日
「６さいからの数学」第7話では、物理学や経済学など幅広い分野で使われる「微分」について説明します！
第6話では、様々な関数が作る図形を軸と軸の平面上で表しました。 今回はそれらの図形における「接線の傾き」を求めます(図1-1)。
「接線の傾き」とは、図形に接した直線において「の増分の増分」を計算したものです。 例えば、上の図ではが増加したときにが増加していますので、接線の傾きは「」です。 直線の図形をと表すと、の値が傾きになります。
接線の傾きの身近な例としては、走行距離に対する速度があります。 時間をとし、車が走った距離をとしたときの図形を図1-2のように表すと、各における接線の傾きとは、それぞれの時間における速度を意味します。
このように接線の傾きとは、「走行距離」に対する「速度」だったり、「坂道の高さ」に対する「斜面の勾配」だったり、「バケツに水が溜まった量」に対する「水の流量」だったりする身近な値ですので、接線の傾きが計算できると多くの分野で役に立ちます。 このように、図形の各点における接線の傾きを求めることを、数学では「微分」といいます。
2例題
それではさっそく、接線の傾きを求めてみましょう(図2-1)。
この問題は、第5話で説明した「極限」を使うことで接線の傾きが求まります。 「のときの」と「のときの」を結んだ直線を考え、を「」のように限りなくに近づけることで求める方法です(図2-2)。
図が細かくてややこしいですが、要するにの曲線上にある2点を限りなく狭めていくことで、のときの接線の傾きを求めようというものです。 を限りなくに近づけることで、2点は限りなくに近づいていきます。
接線の傾きとは「の増分の増分」ですので、を限りなくに近づけたときの直線の傾きは「」となり、計算すると限りなく「」に近づくことが解ります。 従って、答えは「」です。
3微分
さて、ここまでの流れを任意の関数に一般化します。
やなどの任意の図形を「」と表したとき、各における接線の傾きは、「」の極限を計算することで求まります。
そして、すべてのxに対してが収束するとき、このを「」と書き、「をで微分する」といいます。 また、このを「導関数」といいます。
例えば、先ほどのをで微分すると、図3-1のようになります。
試しににを代入すると、となって、先ほどの結果と一致することが分かります。
ちなみに、「」は「」とも書けます。 この「」とは、「」における「」のようなもので、右に来るものをで微分する意味になります。 例えば、をで微分する場合「」と書けます。 もちろん、ではなくで微分する場合はとなります。
また「」は、の微小な変化量を「」としたときの、の微小な変化量を「」と考えて、「」という分数のように見なすこともできます。 実際「微分形式」という分野では「」と「」を分離してそれぞれ変数のように扱います。
「」は、微分する変数が明らかな場合は、簡略化して「」と書かれることがあります。
それでは主な関数を順番に微分していきましょう。
4.1xのa乗の微分
先ほどの微分を求めましたが、任意の実数に対し、の微分を求めることができます。
を微分すると、「」となります(図4-1)。
例えばを微分すると「」となります。
また、はなので、分数の微分ものように求まります。
同様に、はなので、平方根の微分ものように求まります。
4.2三角関数の微分
三角関数を微分すると、表4-1の通りです。
|関数||導関数|
微分すると、はに、はになります。
このあたりの関数は極限を計算するのが大変なため、多くの人は微分した結果を暗記しています。
4.3指数関数と対数関数の微分
指数関数と対数関数を微分すると、表4-2の通りです。
|関数||導関数|
若干複雑ですが、微分すると、はに、はになります。 ここで「」とは、「ネイピア数」と呼ばれ、と定義される無理数です。
特にのとき、より、導関数はシンプルな形になります(表4-3)。
|関数||導関数|
対数関数の底がのとき、この関数を「自然対数」といい、底を省略して書くことが多いです。 つまり、です。
4.4微分の線形性
次は「」のような、「」の形になっている関数の微分です。 は任意の実数で、は任意の関数です。
これを微分すると、図4-2となります。
つまり、定数部分はそのままにして、それぞれのを微分すれば良いことになります。
例えばを微分すると、「」「」「」の部分だけを微分して、となります。
4.5積の微分
次はのような、の形になっている関数の微分です。
これを微分すると、図4-3となります。
つまり、をそのままにを微分したものと、をそのままにを微分したものの和となります。
例えばを微分すると、となります。
4.6合成関数の微分
次はのような、の形になっている関数の微分です。
はそのままではで微分できる形になっていないため、をで微分したように、をで微分することを考えます。
を簡略化のためとおいて表すと、図4-4となります。
つまり、をで微分したものと、をで微分したものの積となります。
例えばを微分すると、とおいて、となります。
さて、微分の定義に「すべてのxに対してが収束するとき」とありましたが、言い換えると、が収束しなければ微分できないことになります。
微分できない例としては、「連続」でなかったり、十分なめらかでないものがあります(図5-1)。
図のように、微分できない点が少なければ、その点を除く区分に分割してからそれぞれの区分を微分する方法も採られます。
6高階微分
をで微分した「」を、さらにで微分することを、「階微分」といい「」と表します。 「」は、「」ということです。 例えば、のとき、で微分するとになりますが、さらにで微分するとになります。
例えば、走行距離を時間で微分すると速度になりましたが、速度を時間で微分すると加速度になります。 つまり、加速度を求めるには走行距離を階微分することになります。
そして、さらに微分を繰り返して合計回微分することを、「階微分」といい、「」と表します。
微分する変数が明らかな場合、はやと書かれたり、はと書かれたりします。
これまでの次元平面における微分を解説しましたが、次は次元の立体における微分を説明します。
立体の場合、図形の式はの関数となりますが、これを微分するにはつの方法があります。 軸や軸に沿った「接線の傾き」を求める方法と、曲面に対する「接平面の傾き」を求める方法です(図7-1)。
立体に対し、軸や軸に沿った接線の傾きを求めることを「偏微分」といい、曲面に対する接平面の傾きを求めることを「全微分」といいます。 また偏微分を特定の軸にこだわらず、任意の方向に対して行う場合「方向微分」といいます。
また、次元の立体に限らず、次元の立体に対して偏微分や全微分は行えます。
物理学では、水の流れも、物体の運動も、宇宙における重力の分布も、全部次元の立体として表現されますので、これらを扱うときに偏微分や全微分が応用されます。
「のときのを求めよ」のように、方程式に導関数が含まれたものを「微分方程式」といいます。
例えば、人口の増加や、放射性元素の崩壊や、熱の伝導について計算しようとすると、式に導関数が現れて微分方程式を解くことになります(図8-1)。
このを微分すると、となりますので、元の微分方程式と一致していることが分かります。
多くの微分方程式はそのまま解くことが困難なため、解ける形に変換してから解を求めたり、近似的に求めたりします。
今回は、接線の傾きを求める「微分」について説明しました。 次回は、図形の面積を求める「積分」について解説します！
©Kuina-chan