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１７年という長い月日をかけて完成した世界最長の鉄道トンネル「ゴッタルドベーストンネル（ゴッタルド基底トンネル）」が本日６月１日、ついに開通式を迎える。トンネルの開通を記念してお届けするこのマルチメディアを駆使した記事では、スイスのアイデンティティーの象徴ともいえるゴッタルドの、重要かつ比類無い側面とその特徴をまとめた。
トレムロ山、ウルサリ山、エルヴェリニュス山、サンクティ・グッタルディ山。今日サン・ゴッタルドと呼ばれる山はかつて、さまざまな名で呼ばれていた。そして、このアルプスの巨大な山塊にまつわる歴史やその重要性と展望もまた数世紀の間にさまざまに変化してきた。ちなみに、厳密に言えば、ゴッタルドは山ではなく山塊だ。「サン・ゴッタルド」という名の山は存在しない。
１．神話としてのゴッタルド
１２９１年に原始３州が同盟を宣誓した舞台となり、またハプスブルク家への抵抗の地ともなったゴッタルドは、特別なオーラを放っている。マッターホルンを始めとするいかなる有名なスイスの山々も、ゴッタルドのように象徴的な価値を持つものはない。ゴッタルドはスイス連邦の起源、アルプスの中心、人々の交通の要、ヨーロッパを流れる大河の生まれた場所、南北文化の交差点、そしてスイスという国の独立と統一、アイデンティティーの象徴なのだ。
ヌーシャテル大学で中世史を教えるジャン・ダニエル・モレロ教授はスイスインフォの過去記事で、ゴッタルドがこのように多様な重要性を持つことについて、「１３世紀にゴッタルド峠の商業的な重要性が高まったこと、ハプスブルク家に対する地元の抵抗が同時期に起きたことが理由の一つだ」と解説している。一方、作家のペーター・フォン・マット氏は、ゴッタルドは「スイスの自己賛美」を実現する「スイスのシナイ山（モーゼが神から十戒を授かったとされる山）」のようなものだともいう。
だが、フォン・マット氏が言うように、ゴッタルドに関して語られてきたことの全てが、事実だったというわけではない。ゴッタルドは長い間、アルプスの最高峰だと信じられていたが、それが打ち破られたのは１８世紀に入ってからだったと歴史家のラルフ・アッシュヴァンデンさんは話している。
２．スイスの要塞としてのゴッタルド
第２次世界大戦中の１９４０年７月。ナチス・ドイツが欧州で侵攻を進める中、中立国スイスはゴッタルドを中心に「貝のように」閉じこもり、身構えた。軍の最高司令官となったギザン将軍は、アルプス地域、特にゴッタルドの要塞を中心とした防衛計画「国家要塞」を採用してスイスを守った。
その国家要塞計画では、ゴッタルドの山塊を掘り、坑道、トンネル、小要塞、そして掩蔽豪（えんぺいごう）が築かれていった。第１次世界大戦中すでに建設が始まっていたゴッタルドの要塞は重要な軍事地点となったが、現在でもそれは変わらない。サッソ・サン・ゴッタルド博物館長のダミアン・ツィングさんが、ほんの数年前まではスイス軍により機密とされていた要塞の中を案内してくれた。
（スイスインフォのロングフォーム（大型記事）では、この他にも写真や動画などをご覧いただけます。）
３．世界最長の鉄道トンネル「ゴッタルドベーストンネル」
ゴッタルドのトンネルが記録を達成するのは、実はこれが初めてではない。１８８２年、初の鉄道トンネルとなる長さ１５キロのゴッタルド鉄道トンネルが開通し、１９０６年にシンプロン・トンネルができるまでは世界最長を誇っていた。また、１９８０年に開通したゴッタルド道路トンネル（全長１６．９キロ）も開通同時は世界最長だった。その後ノルウェーのラルダール・トンネル（２４．５キロ）に記録を塗り替えられた。
そして今回開通するゴッタルドベーストンネルは、さらに記録を更新する。山塊をくりぬいて作られたトンネルの長さは、５７キロと１０４メートル。この記録は、今後数年間は破られそうにない。現在建設中のトリノ・リヨン間のベーストンネルでさえ、ゴッタルドベーストンネルより数メートル短いと見られている。
ゴッタルドベーストンネルに関する記録的な数字は、その長さだけではない。その他にも、多くの驚異的な数字が打ち出されている。
４．安全性を重視したゴッタルドベーストンネル
スイス連邦鉄道は、ゴッタルドベーストンネルが旅客・貨物輸送の両方において、全ての面で安全を保証できると確信している。２本の単線トンネルで構成されているベーストンネル内では衝突事故の危険性は無く、火災発生や有毒ガス、車軸の加熱や積荷のずれなどを素早く感知する検知システムも設置されている。また、不備のある車両はトンネルに進入する前に停止される。
平行に走る２本のトンネルの間には、３２５メートルごとに横断路が設置されており、緊急の場合乗客はそこを通って安全地帯まで避難することができる。電車が非常用アラームを始動させた際には、車両はセドルンかファイドにある二つの避難地点のいずれかの避難駅まで自動的に送られる。
山塊の奥深くを通るトンネルの内部構造を見れば、安全確保のためにどれほど複雑なシステムが採用されているかが分かる。
５．ヨーロッパの南北を近づけるゴッタルドベーストンネル
ミラノがチューリヒの郊外になる？この新しいゴッタルドベーストンネルが開通し、さらにスイス南部のチェネリ山を通るチェネリトンネルが完成すれば、チューリヒとミラノはさらに近くなり、所要時間は現在の４時間から３時間足らずに短縮される。
さらに言えば、ゴッタルドベーストンネルはアルプスを縦断する主要交通路であり、ヨーロッパ鉄道の中でも最も重要な回廊となる。
だが、トンネルが完成し、北海と地中海の間の貨物輸送を可能にしたのは、スイス国内での工事だけによるものではない。スイスと国境をなすイタリアや、ドイツなどの近隣国でも、ゴッタルドベーストンネルに合わせて路線が拡大された。
６．作業員と技術者たちの功績
今世紀最大の建設現場、鉄道建築家の傑作、スイスがヨーロッパにもたらした宝石。ゴッタルドベーストンネルは、あらゆる最上級のものを結集して作られた。だが、何といっても、大半が外国人労働者だった数百人の掘削作業員や技術者たちが、昼夜を問わず１７年もの長い間、気温４０度近くにもなる過酷な環境の中で作業を続けてきた努力の結晶だと言わざるを得ないだろう。作業は決して楽なものではなく、９人の死者も出た。スイスインフォのカメラマン、トーマス・ケルンは２００９年、地中深くで汗とプレッシャーの中で仕事をする作業員たちを取材した。
７．先行き不明な現ゴッタルド鉄道
ここでは、新しいトンネルではなく現在運行中のゴッタルド山岳鉄道の話をしよう。新しい鉄道トンネルが予定通り今年の１２月に全面的に運用を開始すれば、現在ゲシェネン（ウーリ州）とアイロロ（ティチーノ州）を結んでいる路線の将来は危うくなる。現鉄道の長距離輸送使用は２０１７年末に停止される予定だが、その後は鉄道を現在のまま残すか、それとも一部または全線を地元の使用に限定するかが決定される。
だが歴史家のキリアン・エルサッサーさんは、現鉄道がユネスコ世界遺産の候補になれば、廃線を免れる可能性があるという。スイス政府からの特別な支持を得てはいないものの、最近このユネスコ案に再び注目が集まっている。スイスの文化遺産保護団体「パトリモワン・スイス」は、現ゴッタルド鉄道は世界遺産候補として「まもなくユネスコに申請される」と話している。
８．ゴッタルド峠を徒歩で歩いて再発見
「２０分」。ゴッタルドベーストンネルの北の始発駅エルストフェルトから南のボディオ（ティチーノ州）までアルプスを縦断するのにかかる時間だ。言い換えれば、電車で地中を通りながら、ゴッタルド峠にまつわる歴史と神話、伝説に全く気づくことなく通り過ぎてしまう２０分でもある。
各人の興味、個人的な見方や経験などは違っても、ゴッタルド峠に対して無関心でいられる人はいないだろう。ゴッタルド峠は、スイスのドイツ語圏とイタリア語圏を隔てる壁のようなものであり、それは、文化、ライフスタイル、特に天候の面において、北と南の対比が激しいと記者には思える。
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（仏語からの翻訳＆編集・由比かおり）, swissinfo.ch