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鉄道用トンネルとしては世界最長の全長５７キロを誇るゴッタルドベーストンネル（ゴッタルド基底トンネル）の開通まであと１年。アルプス山脈の地下深くに建設されたこのトンネルに世界中のメディアが高い関心を寄せている。スイスインフォはさまざまな国の記者たちに取材し、同トンネルへの印象を聞いた。
「長い坑道を通ってゴッタルドベーストンネルにたどり着いたときの様子を覚えている。昇降機の高さはエンパイアステートビルより高かった」と感想を話すのは、ナショナルジオグラフィックに記事を寄稿した米国人写真記者のロフ・スミスさん。
彼はEメールでこうつづっている。「山のあれほど深い地中に自分がいるなんて信じられなかった。地上から数千メートルも下にあり（編集部注：トンネル最深部は２３００メートル）、５７キロもの長い穴がアルプスを貫くとは」。特にスミスさんを驚かせたのは、技術者や作業員の精密さだ。「彼らは山の地下にあれほど長い穴を掘り、しかも反対側から掘った穴とつなげた際、その誤差はたったの数ミリだった」
２０１４年に建設現場を訪れたイタリアの科学技術系雑誌フォーカスの記者、ヴィト・タルタメラさんは特にトンネル内部での水管理に感心した。「関係者たちの頭を悩ませていたのは、掘進中に水が漏れてくる可能性があったことだ。だが水は大事な資源でもあった」。トンネルを掘ったことで出てくる温水は将来的にトンネル北口の魚の養殖場や暖房設備に利用される予定だ。「そうすればこのトンネルの価値がさらに上がる」とタルタメラさんは確信している。
数百人もの記者たち
トンネル工事を手がけるアルプトランジット社広報担当のアンブロス・ツグラッゲンさんは、「ゴッタルドベーストンネルへの（外国メディアからの）関心は相当高かった」と話す。BBC、CNN、ナショナルジオグラフィック、ディスカバリーチャンネルなどの国際的なテレビ放送局や、日本やエクアドルの放送局各社……。取材に訪れた報道機関は限りないほど多く、これまでに外国から工事現場を訪れた記者は数百人に及ぶ。ツグラッゲンさんによれば、メディアの関心がもっとも高かったのはトンネルが貫通した２０１０年だった。
アルプトランジットの予想通り、報道陣の多くはスイスの隣国ドイツやイタリアからやってきた。「ドイツではこの大事業の規模に関心が持たれた。ドイツでもシュツットガルト２１（独南部シュツットガルト駅を頭端式ホームから通過式ホームに改装する事業）や、ベルリン空港の建設工事などの大事業を抱えているからだ」（ツグラッゲンさん）。特に南ドイツでは交通の利便性への関心が高いという。
一方イタリアでは、スイスとの国境沿いにあるロンバルディア州でゴッタルドベーストンネルへの注目度が高かったと、タルタメラさんは言う。「観光や仕事上の理由からだ。（トンネルが完成すれば）例えばチューリヒへ向かう電車の所要時間が相当短縮されるので、（この事業は）大きく注目された」
だが実際に利用できるまではもう少し辛抱が必要だ。開通予定は１年後の１６年６月２日で、時刻表が組まれて乗客が利用できるのはさらに半年後の同年１２月だからだ。また、アルプス縦断鉄道計画ではゴッタルドベーストンネルに加え、そこからさらに南にいったチェネリベーストンネルの工事も含まれている。同トンネルが完成する２０２０年になってようやくイタリアからスイスまでの乗車時間が現在より約４５分短くなる。例えばミラノからチューリヒまでの乗車時間は３時間になる見込みだ。
工事は計画通りに
ゴッタルドベーストンネルはアルプス縦断鉄道計画の主要部分だ。同計画にはゴッタルドルート（ゴッタルド・チェネリベーストンネル）とレッチュベルクルート（レッチュベルクベーストンネル）の２ルートがあり、後者は０７年に開通している。ゴッタルドルートが完成すれば、南北欧州における鉄道輸送の利便性が一段と高まるとされる。ゴッタルドベーストンネルはこれまで掘進作業だけで１５年以上がかかっており、費用は１２０億フラン（約１．６兆円）に及ぶ。
ドイツの有力紙・南ドイツ新聞の記者クラウス・コッホさんは、トンネルが作られるスピードに驚いたという。大規模プロジェクトでは工事に遅れがでることはよくあるが、ゴッタルドベーストンネルでは計画よりも約１年も早く貫通した。
英紙テレグラフの取材でトンネル工事現場を１３年に訪れたフリージャーナリストのジェイムズ・ベディングさんは、計画の長期性とスイス人の計画性の高さに感心したという。「英国人が一番驚いたのは、これほどの長期計画が実現に移されたことだろう。英国ではよく交通問題で議論が分かれてしまう」。その例にベディングさんはユーロスターの路線を挙げる。ユーロスターはドーバー海峡トンネル（１９９４年開通）を通ってフランスと英国とを結ぶ高速鉄道だ。フランス側ではすでに９３年にパリからカレーまでの区間が完成していたが、英国側で路線がロンドンまで整備されたのは２００７年だった。
市民参加の重要性
ゴッタルドベーストンネルの工事が迅速に行われ、同時にアルプス縦断鉄道計画も着々と進められている理由には、スイス国民がこの計画を支持してきたことが大きいと、タルタメラさんは強調する。
「スイスではアルプス縦断鉄道計画を巡り１９９２年に国民投票が行われ、賛成６２％で可決された。工事の影響を受ける住民との話し合いも幾度も行われた。こうすることで、住民とのいさかいや反対運動を避けられる。イタリアでは伊トリノと仏リヨン間を結ぶ高速鉄道計画を巡り、暴力を含む反対運動があったことは記憶に新しい」
ロシアでも市民参加に大きな関心が寄せられていると、スイスインフォ・ロシア語編集部のイゴール・ペトロフ編集長は言う。「今のロシアでは（市民参加に関する）議論はとても熱い。ロシアの建設事業は国民の意思に反して進められることがあるからだ」
「国の誇り」が傷ついた日本
大規模プロジェクトを巡っては政治面に注目が集まることが多いが、例えば南米では技術面に関心が寄せられている。アルゼンチントンネル協会によると、南米ではチリからアルゼンチンまでアンデス山脈の地下を通る道路トンネルの建設計画を実現するため、ゴッタルドベーストンネルが一つのモデルとして考えられている。
技術面・安全面に関しては、スイスと同じく鉄道大国である日本でも関心が高い。日本の有力紙がゴッタルドベーストンネルについて報じた際はトンネルの安全面に焦点が当てられた。だが日本でさらに重要視されるのは「国の誇り」だと、スイスインフォ日本語編集部の里信邦子編集長は指摘する。同トンネルが開業すればそれまで世界一の長さを誇っていた青函トンネルがその座を明け渡すことになる。「日本人は自国の技術を誇りに思っており、ランキングを重視する。（青函トンネルは）１年後に世界一の座を奪われてしまうため、日本では失望の声も聞かれる」（里信編集長）
ただ、日本人には自国の技術力に誇りを持つだけの理由がある。日本で開発中のリニアモーターカーは世界最高速の時速６０３キロを記録した。これほどのスピードを実現することなど、今のスイスでは到底できないだろう。ゴッタルドベーストンネル内の許容最高速度は、時速２５０キロだ。
開通式典に１２００万フラン
ゴッタルドベーストンネルの開通式典は２０１６年６月２日から５日まで開かれる。スイス政府は自国の連邦議員や外国の閣僚、国際機関の代表などを含む１２００人を招待する予定。だが式典の大部分はスイス国民向けの内容になっている。
式典の総費用は約１２００万フラン（約１６億円）。同トンネルを運営するスイス連邦鉄道がスポンサーとして費用の一部を負担する予定。
（独語からの翻訳・編集 鹿島田芙美）, swissinfo.ch