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人に被害を与えない限り、野生のクマのスイスへの「入国」を認めるという連邦政府の方針が7月25日、発表になった。このコンテンツは 2006/08/02 15:26
環境保護団体は政府の方針に賛成しているが、農家や山林関係者は人とクマが共生できるかどうか、懐疑的だ。
クマを受け入れる前提条件は人との共存だ。連邦環境・運輸・エネルギー・通信省の環境局は、可能だと断言している。
犬と汚臭ガスでクマを退治
環境局が公表したクマ受け入れ計画によると、クマはあまり人里に出てこない性格。クマの生息地では人への被害を予防するため、クマの頭数や子連れの雌グマのいる場所を把握するよう州に要請するという。昨年、国境を越えて野生グマがスイスまで侵入してきたことが、この計画を立てるきっかけとなった。
人の住む場所にも出没するようになれば、そのクマはもはや人を恐れないので危険だ。こうした「問題グマ」は麻酔を打って発信機を付けその行動を監視し、居住区に進入するようであれば、早めに脅して追い出すようにする。犬に脅させたり、汚臭ガスを使ったり、ゴム弾を撃ったりすると環境局の担当者ラインハルト・シュニドリク氏は具体策を挙げる。「人に近づくとロクなことはないが、自然の中では平和に暮らせるのだとクマに教えることが目的です」と言う。
被害は政府が負担する
しかし、本当に問題なのは、脅されても人の居住区でうろうろし、人に襲い掛かったり殺傷したりする「危険なクマ」だ。こうしたクマは殺さなければならない。「人が優先されます」とシュニドリク氏。射殺許可は、各州が出す。その前に環境局も参加する各州代表委員会で話し合いがもたれることになっている。みだりにクマを殺さないためだ。被害が起こった場合は、コストを連邦が8割、州が2割負担することになる。計画の予算は60万フラン ( 約5600万円 )。養蜂、ウサギ小屋などクマ特有の被害については、連邦政府が全額保証する。
反応はまちまち
森林を多く有するグラウビュンデン州は、クマとの共存計画に肯定的。放牧されている家畜がクマに襲われた場合の保証も全面的にして欲しいという。世界自然保護基金 ( WWF ) やプロ・ナトゥーラ ( Pro Natura ) など環境保護団体は、政府の計画に賛同している。一方、「山岳地方研究会」は、人とクマの共存は難しいだろうという考えだ。
swissinfo、外電 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ）
補足情報
- スイスで最後に野生のクマが認められたのは1923年で、場所はオーバーエンガディン地方だった。
- 最後に野生のクマが捕獲されたのは、1904年9月1日、ウンターエンガディン地方でのことだった。
- それ以後、野生のクマはスイスからいなくなったとされていた。しかし2005年、1頭の野生のクマがイタリアのアダメロ・ブレンタ国立公園 ( Adamello Brenta ) から国境を越えてスイスへ侵入し、見物人が多く集まる騒ぎとなった。
- このクマは ｢ JJ2 ｣ と呼ばれオーストリア、イタリア、スイスを行き来したが、最近になって死亡が確認された。
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