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ロシュ（本社バーゼル）は、来年から発売予定の新しいエイズ治療薬T２０が需要過多で製造が追い付かず、現状では全ての患者に行き渡らないと警告している。
T２０は、エイズウィルスが細胞内に入るのを防ぐ画期的な治療薬だ。
ロシュとTrimeris Inc. （米）が共同開発したT２０は、「Fuzeon」の名称で２００３年第１四半期から市場に供給される予定だ。現行の治療薬に抵抗力ができてしまった何万人もの患者達にとって、最終兵器となると期待されている。が、ロシュは、生産力の限界から、このままでは来年の３月までに３０００人分を供給するのが限界だという。「短期的には、我々には現在の生産力を上回り需要にあわせる力はない。」という。
現在認可されている全１６種のエイズ治療薬は、エイズウィルスが細胞に入った後で、ウィルスを攻撃する。が、T２０は、エイズウィルスが細胞と結合するのを抑制する新しいタイプのエイズ治療薬だ。他のエイズ治療薬が錠剤のものが多いのに反し注射で摂取する。現在、米食品薬品局が審査中で、欧州でも早急な認可が見込まれる。ロシュが先月発表したデータによると、臨床ではT２０は治療が行き詰まった患者の血液中のウィルスを減少させた。また、注射に対する拒否反応で投薬を断念せざるを得なかった患者はわずか３％だった。
ロシュは、２００３年末までには２万５０００人分のT２０を供給したいととしている。また、今年９月下旬か１０月初旬頃に、世界各地のエイズ患者１２００人を対象に、無料でT２０の早期アクセス計画を実施する計画だ。ロシュとTrimerisはFuzeon（T２０）の価格については発表していないが、アナリスト等は現在使われている治療薬とほぼ同じの患者１人につき年間１万ドルから１万２０００ドルと推定している。年間売上高は、３億ドルから６億ドルと推定される。