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トップマネージャーが高額な報酬を得ることに反対し、上限を付けることを要求した「高額報酬制度反対イニシアチブ」に対し、連邦国民会議は緩やかに規制する対応案を提示した。国民投票では、イニシアチブ案と対応案の二つから選択させる方向になった。このコンテンツは 2010/03/23 15:25
トップマネージャーが巨額報酬を得ていることについてスイスでは、数年前からこれを制限しようという動きがあった。
中小企業経営者の声
退陣の対価として支払われるゴールデンパラシュートに至っては理解する人はさらに少ない。世界的な金融危機が起こって以来、国民の怒りは高まる一方だ。特に大手銀行は巨額な赤字を出し、政府の援助を受けたにもかかわらず、引き続きマネージャーに巨額な賞与を支払っていることにショックを受けている。
この問題がスイス国内政治の最優先事項となっているのは、イニシアチブを起こしたトマス・ミンダー氏の功績が大きい。ミンダー氏は1898年創業の自然化粧品「トリボル ( Trybol ) 」の最高経営責任者 ( CEO ) で、典型的なスイスの同族会社を経営する。
イニシアチブはスイスの上場会社のマネージャーの報酬を制限することを憲法で定めるよう要求している。こうした制限を通し、株主の権利が約束されるとイニシアチブは主張している。国民議会 ( 下院 ) では、ミンダー氏のイニシアチブを左派、右派ともに支持し、大手企業の賞与制度を声高に支持する議員はいなかった。
各政党も大方が支持
ミンダー氏のイニシアチブへの対案は、政治的な意向が多く盛り込まれたものだ。特にキリスト教民主党 ( CVP/PDC ) や急進民主党 ( FDP/PLD ) といった経済界寄りの提案が盛り込まれ、この対応案で国民の同意を得ようとしている。社会民主党 ( SP/PS ) はより厳しい制限を提案のいくつかを撤回し、対応案を支持する方向転換を図った。そのほか、右派勢力は人民民主党 ( BDP/PBD )も含め、対応案を推薦し、イニシアチブを否決するよう国民に提示した。
ゾロトゥルン州のピルミン・ビショフ国民議会議員は「対応案でイニシアチブの主要目的は達成される」と言う。現実可能な案で、経済的にも負担可能な内容であり「新しい制度を作ることができた」と自負する。一方、国民党 ( SVP/UCD ) は、「全く水で薄められてしまった案」 ( トニ・ブルンナー党首 ) と対応案を保留とした。
対応案では、マネージャーは企業の長期的な利益に寄与した場合のみ、賞与が受けられると定めている。また、経営陣やマネージャーの成績が悪く、訴えられた場合は賞与を返上することを義務付けることを可能とした。また、ゴールデンパラシュートは禁止となる。
対応案はマネージャーの高額報酬制度を制限する効果があるとみられているが、左派は、これは前進の第一歩でしかなく、報酬に上限を設けない限り、巨額な報酬は減らないという意見だ。イニシアチブを発足したミンダー氏にとっても、対案は「軟弱。裏口が目一杯開いている」とイニシアチブを撤回するつもりはないという。
対応案が全州議会で承認されれば、国民投票は1年後に行われることになる。国民は、イニシアチブと対応案の両方に賛成することもできる。
swissinfo.ch
( 独語からの翻訳、佐藤夕美 )
「高額報酬制度反対イニシアチブ」
ドイツ語では「ぶったくり ( Abzocker ) イニシアチブ」という俗称で知られる。イニシアチブの概要は以下の通り。
会社役員およびマネージャーへの報酬は株主総会での承認が必要。会社役員と会長は１年ごとに再選される義務を負う。
退陣の際の補償、先を見越した報酬、自社売却の際の報酬を禁止する。
マネージャーの成功報酬規定は会社法に記載されなければならない。