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ウィルソン・Aさん（仮名）はナイジェリア生まれ。スイスに帰化して20年近くスイスに暮らす。この地でも米国でジョージ・フロイドさんに向けられたような差別や警察の暴力を受けたことがある。
swissinfo.ch英語編集部の記者Jessica Davis Plüssに本人が語った。
この経験を話すときはどうしても感情的になってしまう。時々、もしかしたら自分が間違ったり、気にし過ぎていたり、過剰反応しているだけだと自分に言い聞かせます。ですが、社会の中に構造的な問題があるのを毎日目にします。
世界中で人々が街に出て抗議運動をするのは、こうした状態にうんざりして疲れているからです。ただ黙っているだけ、あるいは肌の色が理由で警察に呼び止められて道の脇に連行されても落ち着きを保とうとするのにうんざりし、疲れているからです。内心を語ることは、この孤独や、通りを歩くときに襲ってくる妄想から私を解き放ってくれます。
ジョージ・フロイドさんやエリック・ガーナーさんがどんな気持ちだったか分かります。私も同じ言葉を口にしたことがあります。「息をさせて」と。警察にトラム（路面電車）から降ろされ、私は心臓病があると伝えました。しかし彼らは息ができなくなるほど私の首を後ろから締めあげました。
当時の経緯
ウィルソンさんの説明によると、2009年10月19日の深夜零時過ぎ、彼と友人はトラムで警官らに呼び止められた。パーティーからチューリヒの自宅に帰るところだった。警官らは彼らに身分証の提示を求め、トラムを降りるように指示した。ウィルソンさんは警察に、心臓の手術をしたばかりなので触れないで欲しいと頼んだ。
その要求を無視し、警官らはウィルソンさんに触れた。警官がトウガラシスプレーを使用し、ウィルソンさんを地面にねじ伏せ、後ろから首を締めあげた。警官の1人が人種差別的な発言をし「アフリカに帰れ」と叫んだ、とウィルソンさんは振り返る。
警官は男性2人と女性1人のチームで、後に不正行為はなかったと主張。職務質問中に警官を攻撃した男性から身を守る必要があったと訴えた。人種差別を犯したことも否定した。
病院の報告によると、ウィルソンさんのような心臓病患者に対するこうした扱いは生命を脅かす危険がある。ウィルソンさんと彼の弁護士は、権力の乱用のほか、ウィルソンさんの生命と健康を危険にさらしたとして3人の警官を刑事告訴した。
訴訟は長期にわたった。州裁判所は棄却したが、連邦裁判所（最高裁）はこれを破棄。2016年に差し戻し審が予定されていた。
チューリヒ地方裁判所は18年4月、警官に無罪判決を下した。判決では証拠が不十分で、ウィルソンさんの主張の信頼性には疑問があると結論づけた。ウィルソンさんは控訴する方針だ。End of insertion
スイスにいると、良い人もたくさんいて素晴らしいこともあります。もちろん訳もなく嫌な言葉を吐かれる時もあります。聞き流すことはできますが、心は痛みます。時に私は自問します。「私はこの社会に本当になじんでいるのか？いつか受け入れられるのか？人の目を気にしてビクビクしないようになるのか？」と。
2001年ごろに初めてスイスに来た時、チューリヒには大勢の黒人がいました。しかし時と共に皆国を去ったり、田舎に引っ込んだりしました。攻撃的なチューリヒ警察に耐えられなくなったからです。
チューリヒのオンブズマンの最新報告書でも、肌の色の違う人々が経験している多くの困難を指摘しました。亡くなった方もいますが、ニュースにはなりません。人々はそれを報じることを恐れています。
警察の暴力の経験
私は警察を相手に2件の訴訟を起こそうとしました。ある事件では、警察が私をレストランの前の路上で職務質問し、白昼堂々私をドアに押し付けました。私の頭をガラス戸に押し付け、口をこじ開けました。私が麻薬の密売人だと思い込んだのです。
次の日、スイス・カナダ両国籍の妻と共にそのレストランに行き、目撃者がいないかどうか確かめました。レストランにいた1人が目撃し、自分が見た出来事に恐怖を感じたと話しました。
私は警察を相手に訴訟を起こしましたが、私の弁護士は6カ月後に取り下げました。今ならその理由が分かります。正義を求めるのに司法制度は当てにならない。ストレスが大きすぎます。それは私にとって予想外の経験でした。
とても怖い経験でした。その瞬間の記憶は消えることがありません。
もう1つの出来事は、メディアでも報道されたトラムでの出来事でした。警官に窒息させられました。それは彼ら（ジョージ・フロイドさんやエリック・ガーナーさん）が味わった瞬間を想像させます。警官は相手が諦めると考えています。私の首には、絞められた跡が残っていることを証明する病院の文書があります。
今日もここでこうしていることができてラッキーだと思っています。中にはそうではなかった人もいますから。
明るみに出ない事実
スイスは誰にも知られたくない。他の国で起こっていることを見せるのは簡単ですが。
スイスより米国の方が酷いということはできません。証拠がないからです。スイスではボディカメラも普及していません。警官の行動を監視する媒体もありません。米国では、少なくとも警官はボディカメラで監視されています。
事件をビデオで撮影することを恐れる人もいます。警官の行動を撮影した映像の削除を求められ、訴訟沙汰に発展しているケースもあるからです。
有色人種が携帯電話を取り出して警官の行動を記録しようとするときは、どういう結果が待ち受けているのかを覚悟しなければなりません。
スイスは小さく、国内の黒人が置かれている状況は他の国と全く同じというわけではありません。カナダの友人を訪ねた時、私は警察に職務質問されるかもしれないから、外出するときは身分証を必ず携帯する、と話しました。友人は、それは被害妄想だと言いました。その妄想はどこに行くときも私に付きまといます。警官が私に寄って来るとか私を探しているという妄想が決して離れないのです。
活動家になる
「反人種プロファイリング同盟」に加入しました。今立ち上がってノーを言わなければ、ずっと続くからです。私だけではありません。難民、イスラム教徒、ユダヤ人など、怯えて暮らす人が大勢います。ここでは司法のサポートに望めることはほぼないので、スイスで何が起こっているか、自分たちの手で国外に発信したいと思います。
差別を受けると暗闇や孤独に陥りやすいので、心理的なサポートも提供したいと思っています。声を上げられない人々のために声を上げていかなければなりません。肌の色の違う人は、スイスでいつもビクついていなければならないのです。
私には子供が2人いて、アメリカや英国、チューリヒの抗議デモや新世代の人々を見ると希望が湧きます。私は暴力には反対しますが、暴力は聞いてもらえない人々にとっての言語でもあります。無実の人々を傷つけることには同意しませんが、人々が苛立っているのは分かります。米国での意識の高まり、そしてそこで起こっていることが、いずれスイスにもやってくることを願っています。
スイス警察による残虐行為・乱用行為に関しては全国的な統計がなく、実態を把握するのは難しい。だが2017年の国連人権レビューは、スイスで2016年、警察の残虐行為に対する刑事告訴が29件あったと指摘している。
スイスは18年の国連人権理事会で、警察に対する訴えに対応し、有罪判決を受けた加害者を処罰する独立調査枠組みを設けることに合意した。
現在スイスでは、警官による残虐行為の疑いがもたれているある事件が注目を集めている。2018年2月、ローザンヌでナイジェリア人のマイク・ベン・ピーターさん（40）が薬物取引の疑いで逮捕された事件だ。ピーターさんは警官にうつぶせにされ身動きができなくなった。ピーターさんは意識不明で病院に運ばれ、その後死亡。司法解剖の結果、死因は心臓発作だった。
この事件でローザンヌの警官6人が起訴され、先週審問が開かれた。初公判に先立ち、7月と9月にも審問が予定されている。
*個人名は一部伏せました
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