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太平洋赤道付近から南米沖合にかけて発生する「エルニーニョ現象」は、遠く離れた欧州に寒冬をもたらす——。
スイス連邦工科大学チューリヒ校の研究員らがエルニーニョ現象と欧州の気候との関係を突き止め、英科学誌ネイチャーに発表した。
エルニーニョ現象は、太平洋赤道域から南米ペルー沖にかけて海面水温が平年より上昇する現象。南米では洪水、東南アジアでは干ばつなどの異常気象を引き起こすが、欧州地域への影響は分かっていなかった。気候変動の解明に一役買いそうだ。
エルニーニョ現象
エルニーニョ現象が発生する原因は完全には分かっていないものの、赤道付近の太平洋上空を吹く貿易風と関係していると見られている。
通常、赤道付近の太平洋の水温は強い日差しを浴びるため年間を通じて高い。この太平洋上空を東から西へ吹く貿易風が、南米沖合の暖かい海水と上空の湿った空気をアジアの方へと押し流し、インドネシアを始めとする東南アジアに雨を降らせる。
一方、暖かい海水と湿った空気を持ち去られた南米沖合では、温度の低い海水が海面に上がってきて、海面温度が下がる仕組みだ。
だが、何らかの要因で貿易風が弱まると、暖かい海水が逆に東の方に広がっていく。このため、太平洋赤道域の中央部から南米ペルー沿岸にかけて海面水温が上昇してしまう。これがエルニーニョ現象だ。これにより、雨を降らせる積乱雲が西へ移動せず、東南アジアでは干ばつや森林火災などの異常気象が起こる。
欧州への影響
スイス連邦工科大学チューリヒ校の研究グループは、1940〜1942年と長期にわたって発生したエルニーニョ現象に着目。南米とアジアが異常気象に見舞われた期間だ。
研究グループ主任のシュテファン・ブレン二マン教授によると、スイス中部に位置するユングフラウヨッホ山（標高3,454メートル）が20世紀で最低気温を記録。同時期の太平洋北部と欧州地域では厳冬、北米アラスカでは20世紀で過去最高の暖冬だったことが分かった。
1942年以降の気象情報も照らし合わせたところ、同様の結果は1969〜1970年、1997〜1998年にも見られることを発見。各時期ともエルニーニョ現象が発生した時期と一致している。
ブレン二マン教授は「エルニーニョが発生すると、太平洋北上辺りの低気圧が強まる。こうした気圧配置が変わる関係でロシアからの寒風が欧州にまで達し、欧州地域に寒冬をもたらすことになる」と話している。
スイス国際放送、地元紙NZZ 安達聡子（あだちさとこ）意訳
補足情報
エルニーニョ現象とは：
太平洋赤道域の中央部から南米ペルー沿岸にかけて海面水温が平年に比べ高くなる現象。
スペイン語で「神の子（キリスト）」を意味する。
エルニーニョ現象が発生すると、太平洋全域の海面水温分布が変化して気圧配置に影響を及ぼし、世界各地で異常気象を引き起こす。