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まだ市場に出ていないが、アイディアがユニークで有望なプロジェクトを持つスイスの発明家を援助するスイス・テクノロジー賞 ( Swiss Technology Award ) の授賞式が3月1日、ベルンで開催された。
最優秀賞を受賞したのは、世界最小の部品組み立てロボットを開発したCSEM社だった。同賞は今年で20周年を迎える。来年からは、他にも複数ある同等の賞と統合し、スイス・エコノミー賞 ( Swiss Economy Award ) として生まれ変わる。
1987年スイスの一部の州が地方の中小企業を援助する目的から始めたスイス・テクノロジー賞はその後、連邦経済省経済管轄局 ( seco ) や環境エネルギー省エネルギー局 ( BFE/OFEN )、銀行など民間企業のスポンサーを得、20年間のうちに大きく成長した。これまでに、およそ1600件のプロジェクトが参加し364件が受賞した。受賞者はハノーバー・メッセなど国際メッセ参加への支援を受ける。
アリからロボットまで
最優秀賞を受賞したのは、事務用のデスクの広さで十分な「マイクロファクトリー」を提唱し、世界最小の部品組み立てロボットを開発したCSEM社だった。3年の開発期間を経ての受賞を喜ぶセバスティアン・ペルノー社長によると「ターゲットは時計や携帯電話メーカーにとどまらず、広い。ハノーバー・メッセでは多くの有望顧客に会えるので、期待は大きい」と語った。
準優勝は2つのプロジェクトで、1社はサッカーゲームをコンピューターグラフィックで多角度から観察できるシステムを開発したリベロビジョン社 ( LivberoVision AG )。サッカーゲームを放映するテレビ局にこのシステムを使ってもらい、視聴者にはゴールやペナルティーの瞬間を、テレビカメラの捉える角度と違った角度からも見られるようにする。もう1社は、物質の表面をナノスケールで計測する機械を安価で提供する製品を開発したナノサーフ社 ( Nanosurf AG ) だった。
このほか入賞したのは17のプロジェクト。雪崩遭難者を早期発見する機器、マイクロセンサーによる血圧測定器、家庭でもできる人工透析の機器など今回は医療機器関連が目立った。また、アリの習性を利用し、最短距離のルートを探し出すアントオプティマ社 ( AntOptima SA ) のユニークなアイディアもあった。
成功への道のりは長い
スポンサーの1人である民間企業アルストン社のトニー・カイザー発電技術部部長は「素晴らしいアイディアは中小企業から生まれる。しかし資金は大企業に潤沢で、商品化するには両者が必要だ。こうした賞のスポンサーになることは大企業にとっても有意義な投資だ」と言う。
青年企業家を熱心に支援し続けているスイスの財界人ブランコ・ヴァイス氏は「世の中にお金はたくさんある。しかし、天から降ってくるわけではない。受賞者はこれで多額の資金を得ることができるだろうが、そうしたケーキを食べて満足していては成功しない」と厳しい。ハングリー精神がある方が成功すると語った。
swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) ベルンにて