Document ID: /fineweb-2-swissfilter-quality_10-filterrobots/filtered/00531.jsonl.gz/26

エヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ司法相は10月28日、組織的な自殺ほう助を規定する二つの法案を発表した。一つは自殺ほう助の完全禁止。もう一つは自殺ほう助団体に法的制限を加えるもの。スイス政府が優先しているのは二つ目の案だ。
審議に二つの法案が送られたということは、倫理的に議論の余地が残るこの問題に関して、政府の意見が分かれているということだ。一致しているのは、もはや自殺ほう助の悪用と増加する自殺ツーリズムを阻止しないわけにはいかないという見方だ。
慢性疾患患者と精神疾患患者は除外
記者会見に臨んだヴィトマー・シュルンプフ司法相は
「最も尊重されなければならないのは個人が自分で決める自決という行為。それと同時に、自殺ほう助が商品化されることを防ぐことも大切だ」
と述べた。
連邦政府が優先する自殺ほう助規制案には、自殺ほう助団体の注意義務を刑法において明白にすることも盛り込まれている。例えば、自殺を望む人は自分の意思を自由に述べることができなければならず、決心をするまでに十分な考慮の時間を持たなければならない。その際、ほう助者は待機療法などのほかの方法も明示しなければならない。これらの規定によって、ほう助側が情に流されて行為に及ぶことを阻止しようというわけだ。
このときには医師も重要な役割を果たす。具体的には、自殺ほう助には独立した立場の2人の医師の鑑定が必要となる。これは、自殺希望者に判断力があること、そして当人が間もなく死に至る不治の病に侵されていること証明するためのものだ。よって、慢性疾患患者や精神疾患患者は除外されることになる。
投与される薬物は医師が処方し、さらに死に至るまでの処置は漏らさず書面に記録されなければならない。
もう一つの禁止案は、「自殺ほう助団体に携わる人は、もともと純粋に利他主義的な理由からほう助を行っているわけではなく、また自殺を望む人と十分深い関係を結ぶこともできない」という考え方が元になっている。
ヴィトマー・シュルンプフ司法相は
「禁止した場合には、自殺ほう助行為を完全に取り除くことができず、非合法の領域に押しやってしまう」
とみている。
スイスにおける組織的な自殺ほう助は年間およそ400件、うち132人が外国人だ。
コリン・ブフサー、 swissinfo.ch
( 独語からの翻訳 小山千早 )