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第2次世界大戦中のスイスの中立性を問う「ベルジエ報告」の執筆者であり、調査を行った独立専門委員会を指揮した歴史家ジャン・フランソワ・ベルジエ教授が29日死去した。77歳だった。
5年の歳月をかけ作成された「ベルジエ報告」は、大戦中のスイス政府、経済界を批判する内容となり、発表当時多くの波紋を投げかけた。
戦争難民や亡命者に対する政策に問題
1990年半ば、スイスの銀行口座に預けられたホロコーストの犠牲者の預金返還を、アメリカのユダヤ人協会が要求したことを契機に、スイスに対する国際的批判が高まった。
これを受け連邦政府は、ベルジエ氏をリーダーとする「独立専門委員会 ( ICE ) 」を設置し、第2次世界大戦中のスイスの中立性の調査を依頼した。この委員会に世界中から集められた30人以上の専門家は、5年間の歳月をかけ、25の研究項目から成る1万1000ページの膨大な研究書を作成した。
その後ベルジエ氏はこの研究結果を600ページにまとめ「ベルジエ報告」として2002年に発表した。しかし内容は、大戦中スイスにはさまざまな点で中立性における責任が欠けており、特に戦争難民や亡命者に対する政策に問題があったと指摘したものだった。
このため、ベルジエ氏はスイス国内での批判に遭遇し、
「今までの人生で敵を作ったことはなかったが、あるグループから批判の的にされてしまったことは受け入れなければならない事実だ」
とインタビューで語っていた。
もともと、アルプス地方の歴史と、中世から現代における経済史の専門家で、数多くの執筆を行っていたが、この報告書で人生の後半に突如メディアでの有名人にもなってしまった。しかし、彼の名が「ベルジエ報告」と共に歴史に刻まれることは間違いない。
swissinfo.ch、外電