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スイスの自殺ほう助団体ディグニタスは、自殺ほう助の合法化を世界中で推進しようと、さまざまな国で政治と法律の両面から働きかけを行っている。この「布教」活動の大義名分は、「国民の意志が政治・宗教のリーダーらに尊重されていない国がある」というもの。その言い分には確かに根拠があるようだ。
自殺ほう助が合法化されているスイスには、「ほう助サービス」を提供する団体が複数存在する。世界的には自殺ほう助を禁じている国が多数を占めるため、国外から多くの人々がこのサービスを求めてスイスにやってくる。
国際的な「死の権利」運動と連携しているスイスの団体の一部はこうした現状をよしとせず、自殺ほう助の合法化を国外に広げる活動を始めた。その急先鋒が「ディグニタス – 尊厳を持って生き、尊厳を持って死ぬ他のサイトへ」という自殺ほう助団体だ。同団体は、こうした活動の目的他のサイトへを「自らを不要にすること」だとする。自国でほう助を受けられれば重病人の身でわざわざスイスまで移動する必要はなくなる。自らを「世界を戦場とする戦闘組織」と位置付けるディグニタスは、個人の死に際し自殺ほう助を含めた選択の自由と自己決定権があらゆる国で保証されるまで戦う考えだ。
試訴と政治的主張
「死の権利」運動と連携しているスイスの団体は、他国で具体的にどういった活動を行っているのか。エターナルスピリット財団代表エリカ・プライシヒさんの場合、国外のシンポジウムやトークショー、テレビ番組への出演や欧州裁判所における講演会などが挙げられる。
一方、ディグニタスの活動はさらに踏み込んだものだ。
試訴（テストケース）：取材に対しディグニタスは、「提訴や訴訟支援などを行っている」と回答。裁判の舞台は欧州人権裁判所やドイツ憲法裁判所などだ。
政治家や法律家、委員会メンバーら向けの説明会を開催：２００５年、英国の委員会メンバー他のサイトへがスイスの自殺ほう助に関する情報を得るためディグニタス本部を見学した。台湾、オーストラリアからも法律家や委員会メンバー、政治家らがスイスのシステムについて説明を受けるためにディグニタスを訪れた。
国際的ネットワーク：ディグニタスはその活動において「死の権利」運動の枠組みを超え、世界のさまざまな組織と連携している。
ロビー団体の設立：０５年、ドイツからの呼びかけに応じてディグニタスが協力するという形で、ハノーバーに「ディグニタス – 尊厳を持って生き、尊厳を持って死ぬ（ドイツ支部）」という名の独立組織が発足した。現時点では、これ以外の新支部立ち上げ計画はない。「必要性がない」ためだ（ディグニタス）。通常は地元の熱心な活動家らが発起人となり、ディグニタスがこれを細やかに補佐するという形を取る。
PR活動：ディグニタスは１５年、自殺ほう助禁止に動くドイツ政界を非難するポスターキャンペーン他のサイトへをベルリンの地下鉄構内および車両内で展開、物議を醸した。
他国での批判
スイスの組織が他国の、しかも倫理的に極めてセンシティブな案件に干渉することについてそれらの国々はどう受け止めているのか。現地のメディアはまだおとなしいようだが、これはロビー活動が順調な場合によくあること。ベルリンのポスターキャンペーンを別にすると、ディグニタスの活動は、世間の注目を避けて行われるのが普通である。また、自殺ほう助の反対陣営がディグニタスの活動に憤慨しているのも筋書き通りといえよう。カナダ安楽死防止連盟他のサイトへのアレックス・シェイデンバーグ代表は、スイスインフォの取材に答え「政府が自殺ほう助合法化の是非を検討するにあたって自殺ほう助ロビーの報告書を真に受けるのは無責任極まりない」と述べた。同連盟は１５年、カナダにおける自殺ほう助合法化に反対したがかなわず、ディグニタスの進める路線に軍配が上がった。
ドイツ司教会議のマティアス・コップ広報担当もスイスインフォの取材に対し、「いわゆる自殺ほう助団体による国境を超えた大掛かりな政治的活動は、内容的に非常に問題ありだと言わざるを得ない」と述べた。ディグニタスのポスターキャンペーンもむなしく、ドイツの立法機関は組織的自殺ほう助を禁止する決定を下した。「ドイツでは歴史的事情もあり、人間の生の尊厳に対し特に敏感にならざるを得ないのかもしれない」とコップ氏は推測、この結果を歓迎するとしている。
布教か支援か
ディグニタスはこうした活動を通じてスイス人の価値観を世界に広めようとしているのかという問いに対し、「当組織の活動方針は、議会審議や裁判、公の議論など、すでに起こっている、あるいは起こりつつある動きに加わっていく、というものだ」と説明する。
つまり、ディグニタスは、その国に自殺ほう助合法化を求める世論が認められる場合にのみ介入する。「布教」ではなく、自殺ほう助を制限したり禁止したりしようとする政治・宗教・医学分野のエリートたちに対し、国民の「弁護士」として動くという姿勢だ。
エターナルスピリット財団代表のエリカ・プライシヒさんも、自殺ほう助という手段も認めてほしいと世論が願う一方で、政治・宗教界の指導層がその禁止に固執する国があると見ている。スイスインフォに対しプライシヒさんは、「我々の活動を阻止しようとするのは常に政治家、特に宗教的グループだ。彼らは国民の願いを尊重していない」と語った。
「最期」を自分で決めたい市民
ディグニタスやエターナルスピリットの見解に一理あることは、意識調査の結果他のサイトへからも明らかだ。ある調査他のサイトへによると、欧州諸国の多くと米国民の多数他のサイトへが自殺ほう助禁止に反対している。一方、ドイツの緩和医療関係者の５６％は組織的自殺ほう助禁止を支持他のサイトへしているという調査結果もあった。ドイツでは２０１５年、国民の多数が反対という調査結果にも関わらず、制限法案が議会で可決された。
このように、市民側と特定分野の関係者および政治家側とでは、意識にずれがあるのは確かなようだ。したがって「自殺ほう助を制限しようとする法律は十分に民主主義的と言えるのか」というディグニタスの問いかけも妥当といえる。
スイスでも国民投票や意識調査の結果から、国民の圧倒的多数が自殺ほう助禁止に反対であることが分かっている。直接民主制のおかげでこのようなリベラルな姿勢が直接法律に反映されるという点で、スイスは他の国と一線を画す。２０１１年、チューリヒ州住民が圧倒的多数で自殺ほう助禁止を否決したのを受け、連邦政府も組織的自殺ほう助を連邦レベルで規制しようという意図を放棄した。
実を結びつつある努力
スイスの「死の権利」関連組織による国外活動は、徐々に身を結びつつある。ディグニタスは「我々が関わったさまざまな国で事態が好ましい方向に進んでいる」という。１５年にカナダで自殺ほう助禁止が裁判所の判決により廃止されたこと、ディグニタスが自殺に必要な手段の入手許可を求めてドイツで起こした裁判で１７年、連邦行政裁判所がそれを認める判決を下したことなどがその一例だ。また、豪ビクトリア州議会は１７年末、安楽死を合法化する決定を下した。
ディグニタスの使命はまだ終わっていない。「クオリティ・オブ・ライフの向上や自殺企図予防のために、真の選択の自由と自己決定の権利を実現するにはさらなる努力が必要だ」（ディグニタス）
（独語からの翻訳・フュレマン直美）