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2週間、ポルトガルで休養してきた。休養という言葉がぴったりの休暇だったかもしれない。たくさん寝て、たくさん食べて、たくさん飲んで…。こうやって書くことにもまだ少し罪悪感を感じるけれど、わたしたちはやっぱりわたしたちの生活を続けるしかない。
ポルトガルには物乞いをする人が多いと聞いていた。確かにリスボンの町のあちこちで、道路に座り込んで腕を差し出している男女を見かけた。中には体が不自由な人も多かった。でも、一番ショックだったのはアルガルヴェを車で移動中に遭遇した光景だった。
滞在していたルシュ（Luz）から最南西のサグレス （Sagres）へ行く途中、工事をしているところが数ヶ所あり、赤信号になると長々と車の行列ができた。そんな行列の右横を松葉杖をついて歩いている男 性がいた。松葉杖を抱えた左腕ががたがたと震えている。両足が極端に短く、その長さも違う。足は足首から垂直に出ておらず、歩く度に体を大きく揺らさなけ ればならない。歩くのがとても難儀そうだ。
そんな姿を見て、初めは「この人は、こんな体でこんなところを歩いていったいどこへ行こうというのだろう」と思った。でも、しばらくして彼が停車中の車に 物乞いをしようとしていることに気がついた。信号の一番手前で止まっている車まで歩いていって、それから後ろへ順番に一台づつ下がっていく。信号が変わる たびに、それを繰り返していたに違いない。でも、助手席の窓ガラスをノックしたりはしない。ただ、帽子か何かを差し出してしばらくそこにとどまっているだ けだ。
一番前の車は無視。2台目、私たちの前にいたドイツの車はコインをあげた。私たちも1ユーロ差し出した。何か出さずにはいられなかった。でも、いくらあげていいものか判断ができず、手に当たったコインを出した。窓ガラスを半分くらい開けて、彼の帽子の中に入れた。すると彼は顔を上げ、私の目をまっすぐ見て「オブリガード（ありがとう）」と一言、はっきり言った。とても美しい顔だった。年は私と同じくらいか、少し若いかくらいだろう。
私はその彼の澄んだ瞳に驚いた。重症の障害を抱え、おそらく国からの援助だけでは食べていけずに物乞いをしなければならない人が、こんなにまっすぐ人の目を見てお礼を言うということに心を動かされた。卑屈さはかけらもなかった。