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現代の科学はナノテクノロジーの言葉なしには語れない。バイオテクノロジーなどと並んでいま、もっとも注目される化学の分野である。ナノテクノロジーではノーベル賞受賞者も輩出したスイスがナノテクノロジーの国際的なメッセをこのほど、初めて開催した。
9月9日から開催されている「ナノフェアー」には、地元スイスをはじめ、米国、ドイツ、ロシアなどの135の大学や関連機関そして民間企業が参加した。学術と企業の接点として位置付けられた今回のファー。日本からは、産業技術総合研究所と新エネルギー・産業技術総合開発機構の2団体の出展があったものの、企業の参加はなかった。
21世紀のキー・テクノロジーとも称されるナノテクノロジーは早くからスイスでも研究が進んでいる。チューリヒの郊外にある、IBMの研究所のグループが1981年、走査型トンネル電子顕微鏡（RTM）を作ったのが、スイスのナノテクの始まりである。この電子顕微鏡を通して１メートルの10億分の1の世界を覗けるようになり、原子の姿をとらえたり、原子を自由に動かしたりできるようになり、世界のナノテクノロジーの発展に貢献した。
同研究所が1989年、より進歩した電子顕微鏡RTM35で、キエセノンというランプに利用される希ガス元素の原子を並べ「IBM」と綴ったことは、ナノテクノロジーの歴史を語るうえで、常に例として上げられる「神話的」出来事である。
その後、同チームはノーベル賞も受賞し、スイスのナノテクノロジーはごく一部の専門家以外の一般の人たちにも注目されるようになった。
民官学の協力体制
ナノテクノロジーを「21世紀最大の戦略的技術分野」とみなした米国に各国が見習っているように、スイスでも1995年から連邦科学基金を中心にナノテクノロジー分野での開発研究を促進している。「トップ･ナノ21」というプロジェクトで2000年から今年までに国家予算6200万スイスフラン（およそ51億円）をかけ、21件の研究を支援している。
世界的に見ても、スイスは積極的に同分野に投資をしており、大学の研究所からのスピンオフの形で独立した優秀な技術を持っている企業が多いのが特徴。これまでスイスのナノテクノロジーを調査してきたジェトロ・チューリヒ事務所の岡本直之所長は、
「スイスは、民官学の協力体制がしっかりしている」
とスイス政府が研究所や民間企業に計画的に援助していることを評価し、日本も3者の連携プレーをより一層高める必要があると語った。
実益にはまだ遠い
ナノテクノロジー自体、現代科学の分野で学術的に厳密に定義さているわけではなく、生物学でも物理学でもナノの分野が存在する。あらゆるところにナノという言葉を使って人目を引こうという流行への便乗もあり、
「たとえば、トマトケチャップを構成する元素をナノテクノロジーに格上げしたようなもの」（9月7日付NZZアム・ゾンターク）
と揶揄される面がある。
「半導体の研究が行き着いたところにナノテクノロジーがあったという一面から、特に新しいものというわけでもない」（出展関係者）
という地味な面もあれば、夢物語的なところもある。
「原子が一定方向に動く性質を利用して、並べた原子の上に物を乗せ、エネルギーを使わず動かす」
といった、チューリヒ工科大学のアンドレア・Ｃ・シュテンマー教授の語る「常識破り」の技術や、人体の中でナノロボットが勝手に手術をするといったことが実用化されるのは遠い将来。現在、製品に活用されているのは、塗料、化粧品、パッケージ、布など限られている。
今回のナノフェアーの目的でもある、企業と学術の遭遇が即刻企業の利益には繋がらないのは、こうした現状があるから。250の企業や研究機関が参加すると見込まれていたにもかかわらず、ふたを開けると出展者数は135。日本からの企業の参加は1社もなかった。
「外国への出展にはお金が掛かる。すぐ利益をもたらさないことには、いまの企業は消極的」
と産業技術総合研究所の研究部門長である横山浩氏は語った。
スイス国際放送 佐藤夕美 （さとうゆうみ）
キーワード
ナノフェアー2003
9月9日-9月11日
9時から18時まで
ザンクトガレンで開催
企業が学術の最先端に接することを目的としたメッセ