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4月15日夕方、グラウビュンデン州に棲んでいた「問題児」のクマJJ3が銃殺された。JJ3は人を恐れることを知らず、山から下りてきては村のゴミ箱やコンテナを荒らし回っていた。このコンテンツは 2008/04/16 10:25
このままではいつか人に危害を加える恐れがあるとし、関係当局は2歳になったJJ3の銃殺に踏み切った。
再教育の効き目なし
これまでJJ3には数カ月間にわたる「再教育」が試みられていた。ゴミをあさりにくるJJ3をゴム弾や爆竹などで威嚇し、人家に近づかせないようにしようとしたが、効き目はなかった。連邦環境省環境局 ( BAFU/OFEV ) 狩猟・野生動物・森林生物多様性課のラインハルト・シュニドリヒ課長は、
「クマは学習能力や適応能力が非常に高い。しかし、幼い頃に間違った行動を覚えてしまうと、人間に対する恐れを失い、共存は不可能になる」
と今回の銃殺について説明した。
JJ3は冬眠から目覚めた後も、レンツァハイデ ( Lenzerhide ) からアルブラタール ( Albulatal ) 、サヴォニン ( Savognin ) にかけて、村のゴミ箱やコンテナを荒らし続けた。グラウビュンデン州のシュテファン・エングラー参事官長は、
「JJ3はずうずうしくなるばかり。このまま放置しておいて、人に危害を加えるようなことになってはならない」
と語った。
シュニドリヒ氏によると、基本的に野生の動物が銃殺されることはない。これは最 終手段で、人間の安全が脅かされるときにのみ適用される。スイスには野生のヤマネコやオオカミも再び棲み始めており、人間との共存は比較的うまくいっているという。これらの野生動物が狙うのは放牧されているヒツジなどの動物だが、家畜の群れを人の手で守りきれなくなったときにはヤマネコやオオカミに対しても銃殺が考慮される。
昨日のJJ3の銃殺に対しては、スイスやイタリアの環境保護団体および動物愛護団体から、
「威嚇対策をもっと続けるべきだった。JJ3が人間に対して攻撃的な態度を見せたことは1度もなかった」
と批判が続出している。WWFは告訴を考慮中だ。また、イタリアの動物愛護団体「イタリア・+アニマリスト協会 ( Associazione Animalisti Italiani ) 」は今回の銃殺を「不当で犯罪的なクマ殺害」だと非難し、スイス製品やスイス旅行のボイコットを呼びかけている。
一方、連邦や州の責任者は、
「JJ3の行動を変える対策はもう出尽くした。また、野生動物として生まれ育ったクマを檻の中に閉じ込めることもできない」
と弁明する。
グラウビュンデン州からほど近いイタリアのトレンティーノ ( Trentino ) アルプスには、以前からわずかな数ながら野生のブラウンベアが棲んでいた。1999年から2002年の間にスロベニアから10頭のクマが移住させられると生息数が増加し、2005年に初めてスイスへ移動してきた。
JJ3の家族は「問題の多い」一家として知られている。母親のユルカはイタリアの檻の中におり、兄のブルーノも2006年夏にドイツのバイエルン地方で銃殺された。JJ3は剥製となって、グラウビュンデン州の自然博物館に展示される予定だ。現在グラウビュンデン州にはもう1匹のクマ、3歳になるオスMJ4が棲んでいる。
swissinfo、外電