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赤十字国際委員会 は6月下旬、紛争地域で市民が戦闘に巻き込まれたり、間接的に被害を受けたりするケースが増えていると発表した。このコンテンツは 2009/07/08 15:25
今年は赤十字国際委員会 ( ICRC ) の創設の契機となったソルフェリーノの戦いからちょうど150年を数える。しかし、今日の紛争の環境は当時とはまったく異なる。ソルフェリーノでは、20万人の兵士のうち4万人が死亡したが、市民の犠牲者はわずか1人しか報告されていない。
一般市民の苦難、拡大
報告書によれば、紛争地域では難民になったり、家族と引き離されたり、基本的な設備にアクセスできないなど、一般市民の苦難が拡大している。
「今回の報告書の新しい点は、戦争の犠牲者と実際に行われている暴力行為の全体像をより良く理解できたことだ」
と国際赤十字の運営局長ピエール・ クレーエンビュール氏 は総括する。
調査は8カ国4000人を対象に行われた。
「アフガニスタンやリベリアなど、戦争が10年間も続いている国では国際赤十字の目が離せない緊急状況が続いている」
とクレーヘンビュール氏は言う。これら2つの国では、回答者の96％が戦争の被害を強く感じている。
最初に頼りにするのは隣人や村人
「今日の戦争の特徴は、民間兵、テロリストなどさまざまな戦争の首謀者の中に市民が巻き込まれることだ。その結果、被害者も多様で、さまざまな地域に分散しがちだ」
とクレーヘンビュール氏は分析する。例えば、戦争の中心地から何百キロメートルも離れたところの人が戦争の被害を受けたりする。
ハイチ、レバノン、アフガニスタンの3カ国では、ほとんどすべての人が戦争の被害を受けたと回答しており、家を離れざるを得なかった、家族と別れた、経済的な生活苦に見舞われたなどを訴えている。
「家を離れざるを得なかったと聞くと、少なくとも家財の一部を持ち出すのに数分間はあっただろうと想像するが、実際にはそうではなくなってきている」
とクレーヘンビュール氏。
また、例えばコンゴでは、最初の逃避は安全を求める旅のほんのスタート地点に立ったに過ぎないことがほとんどだ。数日後に難民はまた次の移動を強いられ、クレーエンビュール氏の言う「移動のサイクル」が永遠に繰り返される。
一方、人々が助けを求めるとき、最初に頼りにするのは、救助組織ではなく隣人や村人だったりする。そのため、赤十字国際委員会 が援助活動で視野に入れなければならないのは、こうした地域社会の助け合いの力だとクレーヘンビュール氏は強調する。
フィードバックに重点
また、赤十字国際委員会の広報局長、シャルロット・リンドセイ氏は、
「なるべく多くの人と話し、彼らの言うことに耳を傾けることで、彼らの視点から捉えられた状況が分かってくる。そうすることで、本当の救援活動ができる」
と言う。
クレーヘンビュール氏も、
「戦争の被害者から、われわれの救援活動の質について直接フィードバックを受けることが非常に大切だ」
と語る。例えば助産婦のサービスなど、戦争の被害者の生活を直接脅かすような分野でのサービスが、本当の援助になるという。
「もし、われわれの援助に満足していなければ、その不満に耳を傾けるべきだ。もし医療サービスが十分でないと言われれば、それをきちんと聞くべきた」
赤十字国際委員会は今回の調査報告書を世界80カ国に送り、救援方法の向上に役立てる予定だ。
「これは、援助に対するわれわれの認識や概念を、もっとフィードバックに重点を置くことで、変化させ、豊かにするためのガイドブックだ」
と高く評価する。
ジャステイン・ヘネ、ジュネーブにて、swissinfo.ch
( 英語からの翻訳、里信邦子)
赤十字国際委員会 ( ICRC ) の調査報告
ICRCの依頼で調査会社「イプソス ( Ipsos ) 」が行った調査では、以下8カ国の4000人にインタビューが行われた。アフガニスタン、コロンビア、リベリア、レバノン、ハイチ、コンゴ共和国、グルジア、フィリピン。
調査された人の44%が、戦争に巻き込まれた経験を持つと答えた。特にリベリアでは98%にも上った。
66%の人が、直接の被害者ではないにしても、戦争当事者に敵意を感じると答えている。
30%の人が、親族のうちの誰かが殺されている。リベリアではその割合が69%に上り、アフガニスタンでは45%に上った。
調査は今年の2月から4月にかけて行われ、対象年齢は18歳以上。この調査が含む誤差は5%と見なされている。
また、調査は直接会って話を聞く方法が取られた。レバノンだけは例外として電話で行われた。
回答者が戦闘者か否かは問われなかった。
JTI基準に準拠