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家族経営企業の事業継承問題は、頭を抱える難題になっている。だが、その解決にはさまざまな方法がある。
スイスでは、全企業のうち８８％が家族経営で、そのほとんどが従業員２５０人未満の中堅中小企業だ。こうした企業の約２割が、毎年定年の年齢に達したオーナーの事業継承問題でもめる。
幾つかの企業は何世代にもわたり、家族のメンバーによって継承が行われている。こうしたタイプの企業には老舗のプライベートバンクが多く、例えばピクテ（Pictet）、オディエ（Odier）、ロンバルド（Lombard）などがその代表だ。ところが一方で、１世代かせいぜい２世代で終わる家族経営企業も多い。
「何世代にもわたる老舗が多いドイツやイタリアに比べ、スイスでは家族メンバーの手に渡る企業がますます減る傾向にある」と、マルセル・ヴィドリック氏は言う。ヴィドリック氏は企業の組織編制コンサルティングや合弁と買収（M&A）などを行う、プライスウォーターハウス・クーパー（PwC）で家族経営企業を専門に扱っている。
一つの理由は、比較的小さいスイス市場が中堅中小企業のサイズを限定してしまうからだ。「スイスでは、スムーズに次世代に経営を引き渡すのに必要な法的アドバイザーやタックスアドバイザーなどを、きちんと備えている企業が少ない。これは企業のサイズと関係する（小さい企業だとなかなかそこまでできないからだ）」と、ヴィドリック氏は解説する。
会社に対する影響を維持
しかし、だからといって家族経営企業がスイスで減少しているわけではない。むしろその数は安定している。それは新たに起業した会社の数が、消滅した会社の数とほぼ同じだからだ。企業信用調査会社のダン・アンド・ブラッド・ストリート（D&B）によれば、昨年約１万社の企業がスタートした。
また会社創設の家族は、たとえ会社のオーナーではなくなるとしても、株の大半を所有したり経営メンバーとして残ることで、会社に対する影響を維持できる。
ホフマン・ラ・ロシュ家は、医薬品大手ロシュ・ホールディングの株を管理し続けているし、エレベータ製造大手シンドラーエレベータのアルフレッド・シンドラー氏は取締役会の会長を務め、第４代目として会社に今も影響を与え続けている。
リンツ&シュプルングリーは１９８６年に２社が統合しスタートしたスイスチョコのブランドだ。しかし、４代目のルドルフ・R・シュプルングリー氏は、１９９４年まで最高経営責任者（ＣＥＯ）として経営を行い、最近息子のルドルフ・シュプルングリー氏が取締役会の一員となっている。
スイスの家族経営企業
ザンクトガレン大学のファミリービジネス研究所によれば、スイスの全企業のうち、８８％が家族経営企業だ。
同研究所は、スイスの家族経営企業が成功し、持続するには詳細な計画が必要だという。
計画のキーポイントは以下のようなもの。何世代もが受け継げる革新性に富む情熱。企業に対する強い愛着。ビジネスの多角性。家族資産の為の健全なマネジメント。
市場研究企業クレディア（Credia）によれば、スイスの個人が所有する企業の１５．７％が緊急の事業継承問題を抱えている。というのも、現在の経営者が定年を迎えつつあるからだ。
プライスウォーターハウス・クーパー（PwC）が２０１２年に行った調査では、家族経営企業の４３％が家族メンバーで経営を持続するのが困難だとしている。理由は、次世代が事業継承にあまり興味を示さないからだ。インフォボックス終わり
持続性を持つビジネスモデル
家族経営の強いきずなと伝統は、企業が不安定な時期に安定性を与えるものだと語るのは、ザンクトガレン大学のファミリービジネス研究所のフィリップ・シーガー氏だ。「家族経営企業は、高い持続性を持つビジネスモデルだ。家族経営企業は一般に資本金の貯蓄量が多く、それが敵対する企業への『盾』となり、経営が傾きかけた際にも従業員を解雇しなくて済む」
また、家族経営企業の蓄えのお蔭で、ローザンヌにある国際的な家族経営企業ネットワーク「インターナショナル・ファミリービジネス・ネットワーク（IFBN）」のような組織が生まれる。さらに事業継承問題を支援する「KMUネクスト」のような団体も誕生している。
しかし、事業継承問題こそ家族経営企業が共通に抱える最大の課題の一つだと、前出のヴィドリック氏はみている。「だが問題は、次のように実に『ソフト』なものなのだ。世代間で対話が行われなくなったり、家族メンバーが同じ『歌』を歌わなくなったり（同じ考えを持たなくなった）といったものだ」。そして、多くの企業に共通する複雑な家族関係が、家族経営企業を強くすることもあれば、弱くすることもあると付け加える。
１２０年は働く
スイスアーミーナイフの老舗ヴィクトリノックス（Victorinox）。ここは創設者のエルゼナー家がある基金に経営権を２０００年、譲り渡した。株をすべて引き渡したために家族の誰一人として、内輪もめで会社を不安定な状況に陥れることはない。
一方、スイスの最も古くから続く家族経営企業の一つで、ヴォー州のワイン醸造業者フォンジャラズ（Fonjallaz）の主人、パトリック・ホンジャラズ氏は、違う解決方法を選んでいる。１３代目にあたるホンジャラズ氏はもう定年の歳。しかし子どもたちが小さく、もし引き継ぐとしてもあと数年はかかる。
そこで、ドイツ語圏の日曜紙NZZ・アム・ゾンターク（NZZ am Sonntag）に、「哲学的熟考」の末こう語っている。「あと１２０年は働くつもり。まあ、こうした冗談はさておいても、今のところ仕事を辞めることは考えられない」
（英語からの翻訳・編集 里信邦子）, swissinfo.ch