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スイスは食料や医薬品などの非常用物資を大量に備蓄している。珍しいのは、その役割が民間企業に課せられている点だ。もともと戦争や災害時を想定して備蓄していたが、最近ではそれも変わりつつある。この仕組みはどのようにしてできたのだろうか。
計画が可決されれば、現在備蓄されている生・焙煎済みコーヒー豆計1万6500トンが市販に回される。
非常用の備蓄物資って？
石けん、ねじ、潤滑剤、ココア、さらにはタバコまでー。スイスは以前、ありとあらゆる物資を備蓄していた。しかし、政府の方針は脅威に適応するため時代とともに変化。備蓄物資について定めた国の経済供給法他のサイトへ（NESA）で、最近の2016年改正法では、砂糖、油脂、穀物などの主食、エネルギー源（ガソリン・重油）、医薬品（抗生物質・ワクチン）に焦点を当てる。これらはすべて、非常時に3〜6カ月間の需要を満たす量でなければならない。
備蓄の管理は誰がしている？
スイスの備蓄システムが国外で大きな関心を集めたのは、主な管理責任は国ではなく民間にあるという特殊性が理由だろう。例えば、ガソリンの輸入者は、一部を非常用に備蓄するよう法律で義務付けられている。これは備蓄の1カ所集中を防ぐためだ。
民間に備蓄義務を課す代わりに、国は食料備蓄監督機関Reservesuisse他のサイトへ（本部・ベルン）の基金から、運営費として財源を拠出する。最も規模の小さい備蓄にかかる運営コストは住民1人当たり年間14フラン（約1540円）だ。
最初に非常用備蓄が必要になったのはいつ？
海に接しておらず、資源の多くを輸入に頼る小国スイスは、はるか中世時代から、非常時の食料供給を確保するため対策を講じてきた。それが連邦憲法に明記されたのは第一次世界大戦のときだ。
第一次世界大戦中、スイスは準備不足がたたり、国内で混乱が生じた。このため国は、食料供給部局を作り、体制を整えた。
第二次世界大戦中はこれがある程度功を奏した。空き土地を活用して食料生産を増やす計画（1940年導入）など、あらゆる経済的手段を使った。1955年には、民間に非常時の備蓄を義務付ける連邦法が制定された。
2019年、これらの備蓄は何のために存在している？
欧州において戦争の脅威はほぼなくなった。現在の想定は、市場の混乱、ビジネス拠点としての安定性の維持にシフトしている。コスト上の理由から、企業は在庫を減らす傾向にある。しかし、原産国で技術、物流、作物不調などの問題が生じれば、スイスの食料備蓄が脅かされかねない。
例えば昨年秋、スイスを流れるライン川がほぼ干上がり、商用船舶の通行が困難になったため、鉱油、肥料、動物飼料の備蓄を始める必要が生じた。2017年には世界的な抗生物質不足により、スイスは備蓄品を利用している。
市民も関わっている？
スイスは災害時に備え、各家庭に7日分の飲み物や食べ物を備蓄するよう呼び掛けている。ラジオ、ろうそく、マッチ、トイレットペーパーなどの日用品も含まれる。
しかし、昨年政府が実施した調査によると、スイスの人口の3分の1が十分な非常用物資を蓄えていなかった。スイス人が食料不足を恐れていないことも調査で分かった。
非常用物資を備蓄する理由について、スイス人は災害に備えてというよりも、単に店で安売りしていたからまとめ買いした、予期せぬ来客に備えるため、あるいは毎日買い物に行きたくないから、という理由だった。
（英語からの翻訳・宇田薫）