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ジュネーブ大劇場（グラン・テアトル・ドゥ・ジュネーブ）の2019〜20年シーズンは、フィリップ・グラスとロバート・ウィルソンのオペラ「浜辺のアインシュタイン」で幕を開ける。40年以上にわたって演出家たちに挑戦を挑んできた記念碑的な作品だ。
しかし、スイスのイタリア語圏のルガーノに拠点を置く劇団、コンパーニャ・フィンジ・パスカ（Compagnia Finzi Pasca）他のサイトへは、大きなイベントに怖気付くことはない。3度のオリンピック式典、そして数十演目のショーやオペラを手がけてきたコンパーニャは今回、音楽と視覚の饗宴で観客を楽しませてくれる。ただし、4時間に及ぶめくるめく幻惑体験への心構えが必要だ。
「浜辺のアインシュタイン」には物語の筋はなく、原子物理学、数学、音楽、そして観客が自由に感じ取るものが緩やかに繋がって進行する。アメリカの舞台演出家・劇作家のロバート・ウィルソンは自らこう語っている。「何も理解する必要はない。その世界にただ没入すればいい」
舞台技術者たちが小道具や舞台装置を準備する間、パスカ氏は一息入れる。そして「アインシュタイン」という作品の持つ力とは、数々のイメージの構成によって、観客を積極的に考えさせ、反応させる点だと考えていると説明してくれた。またこのオペラ作品は、パスカ氏自身がコンパーニャの主要メンバーとともに行う創作プロセスにも通じるところがあると話す。
「私たちは、プロジェクトに取りかかる時はいつも、まずブレインストーミングをして扱いたいテーマを探し、アイディアを繋げてイメージを作っていく」
唯一映像に残っているウィルソンの公演を観ると、パスカ氏はウィルソンのオリジナル版とは全く違った舞台を作り上げたという印象を受ける。
パスカ氏はこの点に完全に同意するわけではない。「劇中の台詞はすべて忠実だし、基本的なコンセプトも変わっていない。しかしどの演出家も、作品に隠された別の視点を見つけ出して息を吹き込もうとするものだ」
グラスのハート
ロバート・ウィルソン演出のオリジナル版はあるが、演出家や音楽監督だけでなく演者たちもインスピレーション源としてしばしば挙げるのはフィリップ・グラスの楽譜だ。
音楽監督のティトゥス・エンゲル氏は、グラスの楽譜では、舞台上の演者のリズムに合わせて演奏家が独自に速さを決める自由が与えられていることを指摘する。自由と言えば観客も自由で、好きな時に劇場に入ったり出て行ったりすることができる。
また「浜辺のアインシュタイン」は、作曲家グラスにとって重要な出世作となった。それまでグラスは生計を立てるため、そして創作活動の自由と独立性を守るために、配管工とタクシー運転手として働いていた。
グラスのオペラ3部作をなす「浜辺のアインシュタイン」と続く2作品（マハトマ・ガンジーの生涯をテーマとした「サチャグラハ」と一神教を初めて導入した古代エジプトの王を扱った「アクナーテン」）を観ることができたのは、恵まれた少数の観客だけだった。評判は最初から高かったものの、一般の観客がこれらの作品を観られるようになったのは、グラスの特徴的なサウンドが映画によって増幅されてからのことだった。
ゴッドフリー・レジオ監督の視覚オペラ作品『コヤニスカッツィ』（1982年）と『ポワカッツィ』（1988年）の映画音楽を手がけたことをきっかけに、フィリップ・グラスの音楽はニューヨークのいわゆる「ミニマル・ミュージック」（グラスはこの名称を嫌っていた）の前衛グループを離れ、すぐにより広範な聴衆に受け入れられるようになった。
パスカ氏がグラスの音楽に出会ったのはその頃だった。「それ以来ずっと、グラスの作品はすべて聴いている」という。
この影響はパスカ氏が以前、1983年にルガーノで設立されたアンサンブル、テアトロ・スニールとともに手がけていたいくつかのショーに明らかに見て取れる。スニールのコンセプトは設立当初から、演劇、ダンス、曲芸、道化、サーカスが混じり合い、緻密に計算された照明と音楽で夢の情景のような物語を紡いでいくというものであり、これは今日までカンパーニャ・フィンジ・パスカの導きの糸となっている。
カンパーニャは「スイスの『シルク・ドゥ・ソレイユ』」としても知られ、シルク・ドゥ・ソレイユ他のサイトへの2つの演目も担当した。
多国籍のアンサンブル
カンパニーは確固たる基盤をルガーノに置きつつも、常に国際的であり続けてきた。現在の「浜辺のアインシュタイン」には、演奏家と合唱団を含め、18カ国から集まった60人以上の演者と1頭の馬が出演する。
クリストファー・ノウルズによる台本は英語だが、舞台裏ではフランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語が飛び交う。
しかし「浜辺のアインシュタイン」の言語は純粋に美的な言語だ。このオペラの新公演は、批評家ティム・ペイジによる1992年の言葉を証明している。「『アインシュタイン』は自ら革新的な例となって、その初演以降、音楽劇に大変革をもたらした。この舞台が変革への『許可を与えた』といってもいい」。
オペラの決まり事をことごとく破り、独自の路線、形式、言語を打ち出してから43年経つ今も、「アインシュタイン」はそれ自身が生み出した革新の数々にすっかり慣れてしまっている観客すらも戸惑わせる力を秘めている。
絶対的な革新性
「浜辺のアインシュタイン」は現代のオペラに大きな変革をもたらした。休憩なしで280分以上に及ぶこのオペラの初演は1976年のアヴィニョン（フランス）で、それ以降の再現は1984年、1992年、2012年と、回数が非常に少ない。2012 年公演は長期にわたり、パリで2014年に行われた舞台はフランス国営放送によって生放送され、本作品の初の映像記録となった。
「アインシュタイン」ではこの他に原作とは演出を大きく変えた公演が3回試みられている。1989年にドイツのオペラ監督アヒム・フライヤー氏がシュトゥットガルト州立歌劇場で独自のバージョンを上演したが失敗に終わった（批評家たちから「極めて抽象的」という批判を浴びた）。2001年にはベルリンで、オペラとさまざまなアーティストによるインスタレーション作品を組み合わせた「オペラ・インスタレーション」の形で再び上演された。観客は上演中、舞台装置や舞台を歩き回ることができた。これは観客が好きな時に劇場を出入りできるというオリジナル版のコンセプトの発展形だった。最近では2017年、やはりドイツ人のカイ・フォーゲス監督がドルトムント歌劇場で独自のバージョンを上演。グラスもウィルソンも関わらない初の試みとなった。これは批評家からかなりの高評価を受けた。インフォボックス終わり
（英語からの翻訳・西田英恵）