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ネスレは先月、パーム油のサプライチェーンを監視するために使っている衛星通信技術を報道陣に先行公開した。森林伐採をめぐる透明性を向上させようと取り組んでいるが、消費者の目が届くようになるまでにはまだ時間がかかりそうだ。
4月29日、仏トゥールーズ。衛星技術「スターリング」の説明会が行われたのは厳重に警備されたエアバス社の敷地内だった。スターリングは同社とネスレが共同で開発した衛星監視システムだ。ネスレは2020年までに森林破壊を差し引きゼロにするコンシューマー・グッズ・フォーラム宣言他のサイトへに賛同している。
エアバスの担当者はインドネシアの森林とパーム油農園の衛星画像を拡大し、スターリングで何ができるのかを披露した。エアバス社製の衛星はわずか1.5メートルの小さな物体も映し出すことができ、パーム油プランテーションと森林を区別するのも容易だ。アルゴリズムがパームやしを黄色、ゴムなど他の作物をあずき色に塗り分けてくれる。
最近森林が伐採された地域は赤色で示される。ネスレに製品を供給する世界1257カ所の製油所から半径50キロ圏内で森林が伐採されるとプッシュ通知が送られる。通知を受けたネスレはサプライヤーに連絡し、森林伐採はネスレ製品の生産が原因ではないことを証明させる仕組みだ。
ネスレの責任調達部のベンジャミン・ウェア部長は「当社のサプライヤーの約6割が既に当社から電話を受けた」と話す。
衛星がとらえた森林伐採を説明できない場合、サプライヤーはネスレの取引先リストから一時的に外される可能性がある。これまでに、ネスレのパーム油の総需要の5％を占めるサプライヤー10社がブラックリストに挙がった。
ネスレのマッヂ・バタート事業部長は「衛星画像と現場の声、証明によって、当社製品の77％で森林伐採ゼロを達成した」
サプライヤーにとっては、ネスレからの監視が強まったことになる。
「我々が現場で行っていることを補完するシステムだ。ネスレはどこで森林が伐採されているかを我々に伝え、我々の持つトレーサビリティで誰に責任があるかを議論する」。ネスレにパーム油を供給するゴールデン・アグリ・リソーシズのヤン・スワルガンダ氏はスイスインフォにこう話した。
スワルガンダ氏は、同社がプランテーションに供給するパーム油の62％は供給先を追跡できると話す。
「我々が懸念しているのは、森林伐採が見つかった場合に取引を即時停止される点だ。両者とも排除は解決にならないとわかっていると思う」（スワルガンダ氏）
公共の目
ネスレは先月末、スターリングの集めたデータに基づいてパーム油のサプライチェーンにおける森林破壊に関する情報などを閲覧できる「トランスパレンシー・ダッシュボード他のサイトへ」を自社サイトで公開した。ダッシュボードはネスレがアクセスできるパーム油の販売権に関する膨大な量のデータのごく一部に過ぎない。同社はスターリングで映した画像の一部を、最終的に消費者が利用できるようにすることを計画。現時点では、エアバスとの契約にはネスレ社の単独使用のみが盛り込まれている。
「システム自体は情報共有のために設計されている。衛星画像などエアバスの保有する情報と、ネスレなど顧客の保有するもので撮影・共有範囲について合意が必要な情報を提供する」。エアバス・インテリジェンス事業部のフランソワ・ロンバール部長はスイスインフォにこう語った。
だが消費者は、パーム油関連の森林伐採が発覚した場合もネスレが衛星写真をきちんと提供すると信用していいものだろうか？
「後から嘘と発覚するようなリスクを冒してネスレに何の得があるだろうか。目的は信頼を得ることであり、信頼を失うことではない」。スターリングにも参画したコンサルタント会社・アースウォームのバスティアン・サシェ氏はスイスインフォの取材にこう強調した。
サシェ氏は、事案によってはネスレがいくつかのNGOにスターリングへのアクセスを認めるかもしれないとみる。長期的には消費者が画像に直接アクセスすることを目指すが、実現には克服すべきハードルが多い。
厄介な小規模農家
スターリングの画像はプランテーションの政府割り当て・私有を区別する境界線も示し、森林伐採の原因を絞り込みやすい。だがネスレのパーム油サプライチェーンの2割を占める小規模農家を示す境界線は表示されない。
小規模農家による森林伐採を突き止めるには、ネスレはパーム油の出元を知っているサプライヤーや製油所に頼らなければならない。だが判明するケースはまれで、2020年までに森林伐採を差し引きゼロにするネスレの目標達成に対するもう一つのハードルとなっている。衛星が森林伐採をとらえた時に否認権を主張するサプライヤーに罰を与えることで、ネスレはパーム油の出元をより正確に知ることができると期待する。一方で、小規模農家に対する厳重な取り締まりも世間体が悪い。
「バイヤーとしてのネスレは、自給自足で生活する小規模農家ではなく、森林減少率の高い大規模農地に重点を置いている」（ウェア氏）
（英語からの翻訳・ムートゥ朋子）