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欧州連合（EU）が事実上サマータイム（夏時間）の廃止を決めた。その根拠としたのはEU市民の８４％が反対したというパブリックコメント（意見公募）結果だ。EUは急に市民参加を重視するようになったのだろうか？答えは否だ。パブコメ参加者数は域内市民のたった１％に過ぎず、回答者の３分の２がドイツからの参加だった。それにもかかわらずEUはパブコメ結果を「民意」と捉える。夏時間に関しては、スイスでも国民主権が完璧に機能しているとは言い難い。
スイスインフォの直接民主制の特集「#DearDemocracy（直接民主制へ向かう）」の記事です。この特集では外部の識者が様々な見解を述べますが、スイスインフォの見解とは必ずしも一致しません。インフォボックス終わり
毎年のことだが、スイスでは１０月最後の日曜日に夏時間から冬時間に切り替えられる。今年は２８日がそれにあたる。だがこの制度はもうじき廃止されるかもしれない。EUの執行機関である欧州委が夏時間の廃止を提案したからだ。欧州議会と加盟国が承認すれば、１９年を最後にサマータイムは廃止される。
スイスは１９７８年の国民投票で夏時間導入に関する法律を否決した。しかしそれからたった３年後には夏時間が導入されることになった。
その背景には、EUの母体である当時の欧州経済共同体（EEC）がその間に夏時間を導入し、スイスが「時間の孤島」になったことで、経済的に高いコストが発生したことがある。そこで連邦議会は欧州諸国と時間を合わせるため、急いで法律を可決した。この法律にもレファレンダムが請求されたが、５万人分の必要署名数が集まらず、レファレンダムは成立しなかった。
夏時間を巡る議論で分かるのは、連邦レベルでは国民投票結果がそのまま効力を発揮するわけではないということだ。国際的なつながりの重要性は増しており、国民投票結果の影響を測る際はそれを考慮に入れなければならない。
スイス政府はすでに、EUが夏時間を廃止すればスイスはそれに追随したいと発表している。
「人々がそれを望んでいる。我々はそれを実行する」とジャン・クロード・ユンケル欧州委員長は８月末に明言した。欧州委は夏時間の廃止の是非について、全ての域内市民を対象にインターネット上でパブリックコメントを実施。４６０万人が参加し、８割以上が廃止に賛成するという明白な結果が出た。
最後は２０１９年春
欧州委はその後、２０１９年春の時間の切り替えを最後とする旨の法案を欧州議会と欧州理事会に提出した。
「賛成であれば、『続行する』と言うだろう。もし反対であれば、『引き続き行う』と言うだろう」 ジャン・クロード・ユンケル欧州委員長、２００５年引用終了
ユンケル欧州委員長の発言には目を見張るものがある。なぜなら、欧州委は普段、域内市民の意見を重視していないような態度を取っているからだ。０５年にフランスで欧州憲法条約の批准の是非を問う国民投票が行われたが、ユンケル氏は投票実施前にこう言ったとされる。「賛成であれば、『続行する』と言うだろう。もし反対であれば、『引き続き行う』と言うだろう」
フランスの市民は国民投票でノーを突き付け、オランダも否決した。しかしユンケル氏が予告していたように、欧州憲法の基本部分は加盟国で国民投票を実施する必要のない新条約に移された（アイルランドを除く）。こうしてEU幹部は市民の意向を巧みに排除したのだった。
欧州市民イニシアチブ（ECI）という制度を使えば、１００万人のEU市民の署名で欧州委に立法を提案できる。しかし署名者にも４億人の域内市民にも、提案が委員会でどう扱われるかについて何の発言権もない。国境を越えた参政権に法的拘束力を持たせる案や、EUレベルで住民投票を導入する案はEUの指導者たちが強く反対している。
アラカルトの市民参加
そのため、ユンケル氏などのEU政治家が今回、政策を決めるうえで拘束力のないパブリックコメントを実施したことが不思議に思える。このような対応が取られた理由には、夏時間はテーマとしては感情的な議論を呼ぶが、政治的課題としては最優先事項ではないことがあるかもしれない。対照的なのは、英国のEU離脱（ブレグジット）、移民政策、計画中のユーロ圏共通予算などの政治的課題だ。いずれにせよ、EU政治家の中に夏時間制度を支持する人はもういない。
つまり、欧州委は戦略的にリスクのない「アラカルトの市民参加」を実践しているということだ。市民がメニューから選べるのはその影響が見通せる「日常的な」課題に限られ、市民参加は義務的なものではない。
今回のようなパブリックコメントでは、欧州委が市民参加を認める案件と認めない案件を恣意的に選んでいる点が浮き彫りとなった。さらに問題なのが、欧州委が市民の声を基準に政策決定するとしながらも、パブリックコメントの結果が域内市民全体の声を代表していない点だ。
「最も統計的に意味のない統計」
これはまだ控えめに述べているに過ぎない（右囲み枠参照）。ユンケル氏が夏時間についてのアンケートに関して「人々がそれを望んでいる」と発言したが、実際には域内市民の１％強にあたる４６０万人がアンケートに参加し、そのうち約４００万人が夏時間の廃止に賛成しただけだった。
「今月最も統計的に意味のない統計」
欧州委がインターネット上で行ったアンケート結果が、どれほどEU市民全体の意見を代表したものかについて、二人のドイツ人統計学専門家が懐疑的な立場を示した。ドルトムント技術大学のヴァルター・クレーマー教授とベルリンのマックスプランク研究所教育研究科のゲルト・ギゲレンツァー教授は、パブリックコメントの結果は「今月最も統計的に意味を持たない統計」と称した。
そのため、パブリックコメントの結果が域内市民の意見を代表しているかどうかは怪しい。回答者の３分の２は、EU総人口の２割未満を占めるドイツからの参加だった。またパブリックコメントはインターネット上で行われたため、インターネットを頻繁に利用する住民集団による参加が目立った。
特に夏時間に反対する人々の参加は、賛成派に比べかなり多かったとされる。夏時間に肯定的な人々にとって、パブリックコメントに参加する意義がさほどなかったからだ。
まさにこの点が、拘束力を持たない市民参加の弱みと言える。こうした制度に参加するのは、特にそのテーマに強い関心を持ち、圧力をかけたいと思う人々だ。
欧州委がパブリックコメントの結果をこれほど重視する理由は、制度的な立場にあるのかもしれない。ドイツの有力紙ツァイトのスイス版編集長を務めるマティアス・ダウム氏は最近、代表民主制では直接民主制に比べて国民の意向を知る機会が少ないため、政治家が国民の意見を重視したがるとの見解を述べた。
一方スイスでは、連邦議会で提案された法案は、議会通過後に有権者の信を問わねばならない。連邦議会議員たちはそれをよく理解している。スイスの政治家は立法過程で国民の意見を聞く必要はないし、サイレント・マジョリティー（物言わぬ多数派）の意見を推し量る必要もない。
直接的な責任を負わない欧州委
欧州委のような委員会のメンバーは間接的に選ばれるため、市民から直接的な責任を問われることはない。しかし委員会は「民意」を視野に入れている。市民の意向に沿って行動すれば、ある程度の正当性が得られると考えるからだ。だが拘束力のある住民投票の導入は支持できない。そのためアンケートを取って市民の意向を探るしか選択肢がない。欧州委が定期的に実施するユーロバロメーターがその例だ。
（独語からの翻訳・鹿島田芙美）