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スイスには大小さまざまな寄宿学校があり、世界中から生徒が集まっている。美しい自然の中でのびのびとスポーツを楽しむと同時に勉強に集中できる環境は、留学に最適の場所のようだ。
日本人生徒を受け入れている寄宿学校、ヴォー州のレザン・アメリカン・スクールと、フリブール州のアンスティチュ・ラ・グリュイエールを訪ねてみた。
なぜスイスに寄宿学校が？
スイスの寄宿学校の魅力は何だろうか？ 「スイス私立学校連盟 ( Swiss Federation Private Schools ) 」のアドバイザー、イザベル・モンタンドン氏は、豊かな自然環境、治安の良さ、教育の質の高さ、学習プログラムの多様性、さまざまな国からやって来た生徒との交流が得られることなどを挙げる。
同連盟が登録する寄宿学校は合計で約50校。中・高等教育を提供する寄宿学校は42校、うち21校がフランス語圏に集中している。そしてその半数以上がヴォー州にあり、私立学校に地元経済を頼っている村もある。
レマン湖の東、アルプスのスキーリゾート村レザン ( Leysin ) もその一つだ。清浄な空気が結核治療に良いとされ、1900年から1950年にかけてサナトリウムが多数建設された。ロシアの作曲家ストラヴィンスキー ( 1882～1971年 ) など、結核に感染した有名人がレザンでひっそりと療養した。
しかし1960年代から結核患者が減少し始めたため、レザン村は基幹産業の変換を迫られた。サナトリウムの再利用ができる観光・スキーリゾートの開発、そして寄宿学校の誘致が進められた。現在レザンにはレザン・アメリカン・スクール( Leysin American School in Switzerland / LAS ) やスイス公文学園高等部などの寄宿学校が五つあり、村の経済の約80%を担っている。
最高の環境
レマン湖の東に位置するエーグル ( Aigle ) 駅から登山電車で終着駅「ル・グランド・ホテル ( Le Grand Hotel ) 」に到着すると目の前にベル・エポック風の華麗な元ホテルが現れる。これがレザン・アメリカン・スクール ( LAS ) の校舎兼学生寮の一つだ。LASのキャンパスは、美しい山々と湖を一望できる高級ホテルやサナトリウムを改築した合計13棟の校舎と学生寮から成り立っている。
入学・留学生担当課の中嶋宏樹 ( 30歳 ) さんは、同校の魅力は、まず一年中野外スポーツが楽しめる自然環境にあると言う。乗馬やマウンテンバイク、テニスなど1週間に約6～8時間スポーツをする。冬は1月から3月の間、週2回午後にスキーやスノーボードの必修授業を行う。
また、中嶋さんはヨーロッパの中心で世界中の国からやって来た生徒と親しくなれることも魅力の一つだと強調する。LASでは、世界60カ国余からやって来た約360人の中・高校生が寝食を共にし、家族のように親しくなる。卒業後も同窓会などを通じて交流は続く。
成長のきっかけ
高校部には大学入学資格試験のインターナショナル・バカロレア ( IB ) のための準備プログラムと、アメリカの高校卒業資格を取得するためのプログラムがある。成績上位者10～15%は、ハーバード大学など世界トップレベルの大学へ進学する。
また、LASには母国語が英語でない生徒のために集中授業 ( ESL ) があり、現在在籍する日本人高校生17人は全員ESLコースから始めた。そのうち4人がIBプログラムを取っている。さらに、現在2人の中学2年生が春の講座を受講中だ。今後サマースクールに参加した後、9月の新学期に編入しESLコースで勉強を続ける予定になっている。
中嶋さん自身も1996年に15歳でLASへ入学し、ESLコースから始めた。同校では教師と生徒の距離が近く、教師は生徒の良いところを探して評価してくれると言う。
「来たばかりのころは、ほとんど英語が話せず授業についていくのが大変でした。しかし先生方が常に励まして努力を大いに認めてくれたので、勉強が楽しくなりました。本来無口な性格でしたが、積極性と社交性が身に付いたと思います」
LASを卒業した後にアメリカの大学と大学院へ進学した。卒業後は帰国し就職活動を始めたが、大学院での専攻が大学職員の職務とキャリア開発を学ぶ特殊な分野だったせいもあり、1年以上失意の日々が続いた。
しかし2010年の秋にLASから入学・留学生担当課の仕事のオファーを受け、今年の1月から勤務を開始した。
「やりがいがあり、責任感を持って仕事をしています。LASでの経験が自分を大きく変えるきっかけとなり、成長できました。もしLASに留学しなかったらアメリカで進学することもなかったでしょう。ずっと支えられ、今に至る基礎を作ってくれたと思っています」
と中嶋さんは話した。
徹底した少人数制
地元のスイス人も通う寄宿学校「アンスティチュ・ラ・グリュイエール ( Institut la Gruyère ) 」は、牧畜農家の伝統的な暮らしが息づくフリブール州の山里グリェイエール ( Gruyère ) にある。フリブール州で大学入学資格試験のプログラム「マチュリテ ( Maturité ) 」がある寄宿学校は同校だけだ。
2007年の夏に17歳でアンスティチュ・ラ・グリュイエールへ入学した葛西伶 ( かさい れい ) さんもまた、スイスの寄宿学校の魅力の一つは大自然の中で生活できることだと言う。夏には乗馬、ウインドサーフィンなど、冬には学校から車で15分の場所でスキーやスノーボードなどのアウトドアスポーツを楽しむ。週末にはグシュタード ( Gstaad ) などの高級スキーリゾート地へも足を延ばす。
しかしアンスティチュ・ラ・グリュイエールの最大の特徴は、徹底した少人数制を採用していることだ。現在の全校生徒数はわずか74人と非常に少ない。そして高校4年生の葛西さんの学年は、合計8人の1クラスのみだ。外国人留学生のためのフランス語やドイツ語のクラスでは1対1の個人授業もある。
授業はフランス語で行われるため、外国人留学生はまずフランス語のクラスを取り、一定のレベルに達した後で中学部や高校部に編入する。高校部ではマチュリテ合格を目指すプログラムに従って勉強する。
葛西さんはフランス語がほとんど分からないまま入学したが、積極的にほかの生徒と行動を共にするよう努力した。友だちがフランス語を教えてくれたかいもあって4～5カ月後には学校生活にも慣れ、2008年に高校2年生のクラスへ編入した。
唯一の日本人
高校部では必修教科と選択科目の両方で合計13教科もあるため、毎日こつこつと勉強しなければマチュリテ合格は難しい。校長のアン・ブティ・レヴァ氏によると、生徒たちは幅広い知識を丁寧に学び、準備万端になってから受験するため毎年100%近い合格率を維持している。
平日の授業の後には3時間、そして日曜日にも自習時間が設けられている。
「この学校では一週間は日曜日から始まります。日曜日は授業がある月曜日から金曜日のための重要な準備の日です」
とブティ・レヴァ校長は説明する。
マチュリテの試験13科目は第1部と第2部に分けられ、春と夏に試験が行われる。葛西さんは昨年の夏に第1部を初めて受験して見事合格した。今年の夏に第2部を受験する予定だが、ブティ・レヴァ校長は合格の太鼓判を押す。しかし葛西さんは自習時間外にも勉強をしている。仏、英、独語の本や資料を読みこなすために辞書を何回も引かねばならず、毎日新しい単語に出会う。だが、高校時代に幅広い知識を得ることができるとスイス留学の利点を説明する。
葛西さんは留学前から、国際紛争や途上国の貧困問題に興味を持っていた。昨年末に一時帰国した折に原爆の被害者と出会い、心のケアを受けることもなく、今でも被爆したことを隠している人々が存在することを知り衝撃を受けた。それ以来、戦争や震災の被害者に対する精神面の医療を行う仕事に従事したいと考えている。
葛西さんはこれまでの留学生活を振り返り
「いい経験も、辛い経験もスイスの学校で唯一の日本人だったからこそ得られたもの。辛い時は『今スイスで自分がしていることは、日本では絶対に経験できないことだ』という考えが自分を支えていました。そしていつもスイスの友だちからのサポートがありました。将来さまざまな考えを持つ日本人以外の人々と関わっていく上で、現在の勉強と生活が役立つと思います」
と語っている。
レザン・アメリカン・スクール ( Leysin American School in Switzerland)
1960年、レマン湖の東に位置する有名スキーリゾート地の村レザン ( Leysin ) に創設される。英語で中・高校教育を施す全寮制の寄宿学校。現在、世界約60カ国から集まった生徒約360人が在籍、うち日本人は19人。
アメリカの高校卒業資格取得プログラム、インターナショナル・バカロレア ( IB ) 取得プログラムのほか、母語が英語以外の生徒のための英語の集中授業 ( ESL ) がある。
卒業後の進学先は、約7割が北米の大学、約15%がイギリスの大学、残り約15%が出身国の大学。約15～20%の生徒がハーバード大学やケンブリッジ大学など世界トップレベルの大学へ進む。
1クラスの生徒数は、課目によって異なるが5～24人 ( 平均13人) 。同校に届く教職応募者数は年間約3000人。
自然環境を生かして、夏は乗馬、テニスなど、冬はスキーやスノーボードなどが必修授業になっている。
年間授業・寄宿料 7万4500フラン ( 約700万円 ) 。成績優秀者には、年間経費が半額から全額免除される奨学金が支給される。インフォボックス終わり
アンスティチュ・ラ・グリュイエール ( Institute La Gruyère )
1949年フリブール州グリュイエール ( Gruyère ) に創設される。レマン湖の北東、ジュネーブの空港およびチューリヒ空港から電車で約2時間。グリュイエール駅から徒歩1分。グリュイエールは、牧畜農家が伝統的な生活を営む丘陵地帯ののどかな山里で、特産品のチーズが世界的に有名。
村の中心部の丘には、11〜16世紀の間に数々の伯爵が居城としてきた由緒ある古城と小さな城下町がある。
生徒は世界15カ国から集まった12～20歳の男女。現在の合計生徒数74人、うち寄宿生は50人。フランス語を母語とする生徒の比率は7割。
授業はフランス語で行われる。現在中学部に32人、高校部 ( スイスの大学の入学資格試験マチュリテ受験コース ) 35人、ビジネス・スクール・コース2人、外国人生徒のための英語とフランス語コース5人が在籍。
教師数15人、1クラス平均生徒数5人。
年間授業・寄宿料 ( 週末の寄宿料を除く) は学年、コースの種類によって異なるが、3万3000～4万2000フラン ( 約310万 ～400万円 ) 。インフォボックス終わり
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