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リオデジャネイロ五輪がいよいよ５日に開幕する。だが、現地は長引く経済不況や政局不安の真っただ中にあり、国民的な盛り上がりに欠けている。そんなブラジル国民の冷めたムードとは対照的に、リオ在住のスイス人やトレーニングなどで現地入りしているスイス人選手の間では、この地での五輪開催に肯定的な意見が目立つ。
国際オリンピック委員会（IOC）を創設し「近代オリンピックの父」と呼ばれたピエール・ド・クーベルタン氏は、近代五輪に平和と平等の願いを込めた。しかし、開幕式を間近に控えたリオはそんな理想とは程遠い、どんよりとしたムードが漂う。
原因は過去１００年で最悪と言われる経済危機で、約２年半前からブラジル経済は急速に悪化。さらに伝染病の問題もある。ジカウイルス感染症（ジカ熱）、デング熱、チクングニア熱といった「三大伝染病」の被害がリオデジャネイロ州に拡大。頼みの綱の保健医療システムもほぼ破たんしている。
五輪に向けたインフラ整備も批判にさらされた。象徴的だったのが、４月２１日に起きた海岸線を走る高架式自転車専用道路の崩落事故だ。この道路は今年１月に開通したばかりだったが、高波の衝撃で道路の一部が崩落し２人が死亡。付近で五輪の自転車競技が開かれる予定だったため、この一大イベント自体の安全性に疑問符が付いた。
問題が「切り札」に
リオの事情に詳しいチューリヒ大学の主任研究員クリストファー・ガフニー氏は「リオでは、様々な問題を抱えた社会の姿を目の当たりにするだろう。だが五輪は成功する。リオ州政府は五輪期間中、学校、店、市役所、銀行を閉めるなど都市機能を一時的に停止することになるが、それでも観光客は町がきちんと機能している印象を抱くだろう」と分析する。
ガフニー氏は米テキサス州出身。リオに６年間住み、リオにある大学で講師を務めていた。リオ五輪はもはや政治、経済問題にとどまらず「ブラジルで五輪を盛り上げようという文化が普及していない。五輪スポーツの促進を目指す政策もない」と同氏は解説する。
２００９年１０月２日のIOC総会でリオが東京、マドリード、シカゴを破り開催地に選ばれた時の国内情勢は全く違っていた。国民の政府支持率は８０％に上り、経済は好調で雇用も安定していた。
五輪開催地の座を射止めたことは、リオにとって願ってもないことだった。リオ在住のスイス人ジャーナリスト、ルエディ・ロイトルト氏は「当時のリオは『首都になれなかった都市』だった。経済の中心地はサンパウロに、政治機能はブラジリアに持っていかれ、リオはまるで、（市に存在意義を与える）新たな希望を待ち焦がれる眠り姫のようだった」と分析する。
リオのエドゥアルド・パエス市長にとってIOCの決定は驚くことではなかった。パエス市長はスイスインフォのインタビューに「我々の切り札は、都市の『質』ではなく、内在する『問題』にこそあった。五輪が、開催都市に何らかの変化をもたらしてくれる存在であるならば、リオが選ばれたのは当然といえる。東京やマドリード、シカゴは完成された都市であり、必要なものはもう揃っているからだ」と答えた。
財政状況についても肯定的で「苦労して革新的なモデルを打ち立て、多くの資本と募金を集めた。簡素だが競技場もある」と話す。
肯定的な意見
トレーニングのため、すでに現地入りしているスポーツ選手からも肯定的な意見が聞かれた。リオ西部のデオドロ地区で４月下旬に開催された射撃の競技大会に出場したスイス代表のシモン・バイエラー選手（３３）は「大会は非常に近代的で良く整備されており、他の国際大会と何ら変わらなかった」と振り返った。同大会は五輪のテスト大会を兼ねたもの。テスト大会は今回を含め計４４回行われた。
バイエラー選手はスモールボアライフルが専門。「空港に到着した際、当局が（競技で使う）銃器の数をしっかりチェックしていた。競技場では銃器は厳重に保管され、許可なしでの立ち入りはできなかった」と安全管理体制に太鼓判を押す。
１０日間の大会期間中、軍のエリア内にある競技場の入り口は武装した兵士と戦車２台による警備体制が敷かれた。同大会には８８カ国の選手約６６０人が出場した。
同大会終了に際し、国際スポーツ射撃連盟は運営面の改善点は最小限にとどまるとし、競技場にも合格点を付けた。スイス代表のアニク・マルゲ選手（３４）も大会運営には満足しており、特段の外部要因が生じない限り五輪は成功するとみている。
「運営はとてもスムーズだった。（五輪が開かれる）８月も成功を収めると思う。一方で交通渋滞は問題だ。ある時は５０分で来られる道が２時間かかることもある」（マルゲ選手）
五輪開催のモデルケースに
リオ五輪が五輪開催のモデルケースとして歴史に刻まれると分析する識者もいる。
スイスの駐リオデジャネイロ総領事代理クリストフ・ヴォーテ氏は「今日の五輪開催の意義は、不要なハコモノを作ることより都市計画の中身に重きが置かれている。その点でリオは非常に良い事例だ。競技に使われるスポーツ施設の３分の２は整備済みで、すでに運営されている。このため過去の開催都市よりも五輪への投資を抑えることができた。リオが長い間なしえなかった都市の変遷をこの五輪計画がもたらした。そこに大きな意義があった」と指摘する。
開催都市の期待は大きい。五輪、パラリンピックで約８０万人の観光客を見込む。大会には２０６カ国の選手１万５千人、審判３２００人が参加するほか、約３万人に上る取材記者がリオを訪れるとみている。
リオが様々な問題を抱えているにも関わらず、現地に住む多くのスイス国民は、リオが五輪開催に最も適した都市だと信じてやまない。１９９８年からリオに住むスイス人芸術家ヴァルター・リートヴェーク氏は「リオは活気にあふれた都市だ。裕福な人もそうでない人もここに来る。お金をたくさん使う人、そうでない人もこの街を満喫できる。おそらくリオは、様々な階層が混在する世界でも最大の『社会実験場』だ」と話している。
五輪のような大規模なスポーツ祭典は、問題を抱えている国に新しい風を吹き込むと考えますか？ご意見をお寄せください。
（独語からの翻訳・宇田薫 編集・スイスインフォ）