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UBS銀行はトルコ南東部のイリス・ダム建設計画からの撤退を決めた。トルコ政府の計画は、チグリス川のイラク・シリア国境から約６０kmの地点にトルコ最大の水力発電所を建設するというものだが、内外の環境NGOなどから自然資源の適切な利用や国境を越える環境破壊防止の国際合意協定に反すると批判されている。このコンテンツは 2002/02/28 07:03
昨年１１月ダム建設を受注した英国のBalfour Beattyが撤退を発表したのに続き、５年間イリス・ダム計画の財政アドバイザーをつとめてきたUBSが撤退を決めた。クリストフ・マイアーUBSスポークスマンは、「ダム計画は様々な問題が生じて暗礁に乗り上げている。ダムを建設するのはどこなのか、プロジェクトに参加する企業はどこなのか未だにはっきりしておらず、プロジェクトを査定することすら困難だ。」とswissinfoに語った。
イリス・ダム建設のためには、アナトリア州南西部のおよそ３００平方メートルの土地が水没する。つまり、古代遺跡の町ハサンキーフなど９０以上の町や村が水没するため住民８０、０００人が強制移住させられるが、実はそのほとんどがクルド人居住地域で、１９８０年代半ば以来クルド武装勢力が自治権獲得のための内戦を続けている。また、この地にダムが建設されると、シリアとイラクへの水の流れが大幅に抑制され、自然資源の適切な利用のための国際合意協定に反することになる。さらに、公的に受け入れ可能な水没地域の住民の移住計画もなく、財政の保障も無い。
UBSの撤退について、建設計画に反対していたスイスのNGO、Bern Declarationは、「UBSはダム建設から手を引いたのは社会的・環境的な配慮からではなく、利益が得られないと判断したからだ」としながらも、歓迎の意を表明した。Bern Declarationのアンドレアス・ミスバッハ・スポークスマンは、「トルコの経済情勢と地元、地域、国際レベルでの反対を受け、投資家らはプロジェクトから退散してしまった。」と語った。一方、UBSは、「撤退決定を決めたのは、計画進行において不満足を感じていたからだ。が、ダムそのものは、国際規準にのっとった公正で実行可能なプロジェクトだ。」と立場を語った。