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スイスのバーゼルで13～16日、世界最大のアートフェア「アートバーゼル（Art Basel）」が開催される。12日のヴェルニサージュ（特別招待）では、展示会、イベント、パーティー が目白押しだ。しかし、誰もが喜んでいるわけではない。バーゼルのアートシーンは、この巨大イベントを複雑な思いで見ている。アートバーゼルで集められるのはアートよりも金だ、と話すアーティストやギャラリストが増えている。
アートバーゼル他のサイトへは1970年、3人のギャラリストによる実験的な取り組みとして始まった。最初の20年間は、フェアに飛び入りで参加した活動家やパフォーマーたちに来場者が驚かされるということがまだあった。その後、90年代までに、選ばれたギャラリストや財力のある主要なコレクターが集まる場として、確固たる地位を築き上げる。その一方で、より小規模で新しいギャラリーは一団となって、展示会場の周辺にLISTE他のサイトへやVOLTA他のサイトへといったセカンド・アートフェアを創設した。それから20年を経た今、これらのセカンド・アートフェアもバーゼルアートの一部になった。
「アートバーゼルの運営方針は何かに寄生することだ」。バーゼル市立美術館他のサイトへのプログラムを担当するキュレーター、ダニエル・クルヤコビッチさんはそう指摘する。アートバーゼルの運営者は「既存の取り組みにしがみつき、アートバーゼルを芸術的構想という１つの有機体とみなす幻想を作り上げている。しかし、実際はそうではない」。
アートバーゼルは多くの特別プログラムを取り入れてきた。新進の若手芸術家を対象とした「Statements」や美術出版者のための「Edition」、巨大なインスタレーションやライブパフォーマンスを展示する「Unlimited」などの単独プロジェクトだ。
しかし、パリのルーブル美術館がこれまで以上に遠く離れた国のベンチャー企業に美術館としてのブランドを貸し出したように、アートバーゼルも他の美術館と似たようなブランド戦略を取り始めるだろうと、べーゲルさんは予想する。アートバーゼルは02年、米国でアートバーゼル・マイアミを、13年には、アジア市場の拡大に合わせてアートバーゼル香港を開催した。
アートバーゼルを席巻する「金の力」
誰もが認める巨大な美術品のマーケット、アートバーゼルが12日に幕を開ける。6日という短い期間で見込まれる来場者数は約10万人。2万7500平方メートルもの広大な出展スペースを埋めるのは、世界中から選ばれた約300のギャラリーだ。出展ギャラリーの選抜は厳しく、ブースの確保には潤沢な資金が必要他のサイトへとなる。サイズやメッセ・バーゼル展示場内の場所にもよるが、金額は2万フラン（約216万円）～11万2千フランに上る。
前出のクルヤコビッチさんはアートバーゼルが一部の内部関係者だけを優遇する排他的クラブになっていることに触れ、「アートバーゼルはダボスの世界経済フォーラムにますます似てきている」と指摘する。4千人を超えるアーティストの作品が展示されるが、ごく一部のアーティストしか来場しないのも当然だ（アーティストの多くは既に亡くなっているのはもちろんのこと、アートバーゼルはアーティスト同士が交流する場ではない）。
グイド・ヌスバウムさんは、バーゼルのアートシーンで最も尊敬されるアーティストの1人だ。アートに関するマスコミの報道は概ね、アートバーゼルがここ数十年牽引してきた商業化に追随しており、アートの価格や投資的側面が前面に出るようになったと話す。
さらに悪いことに、とヌスバウムさんは続ける。アートバーゼルのエコシステムは、アートに対する幅広い理解を単なる商品に変えてしまった。金銭的価値が何より優先され、中身は二の次だ。展示会を市場経済とそれによる略奪とうぬぼれを映す鏡に変えてしまった――。「量を重視するアートバーゼルのやり方にはへどが出そうになる」と顔をしかめ、「この圧倒的な量がアートに対する一定の無感覚を引き起こしている」と強調した。
ギャラリストのクルップさんは、アートバーゼルの商業的拡大はアート界の趨勢（すうせい）だと見ている。「世界中のアートシーンが拡大している」「例えば、バーゼル、チューリヒ、ローザンヌの美術館を見れば、どの美術館にも新館がある。どこに行き着くことになるのか私には皆目見当もつかない」とクルップさんは話す。
それでも、人脈作りの機会に恵まれているという点でバーゼルは最高の場所だ。特に、ユリア・シュタイナーさんのような若手アーティストにとってはそうだ。
ベルン出身のシュタイナーさんは7年前、バーゼルに引っ越してきた。しかし、シュタイナーさんがバーゼルに来た主な理由はアートバーゼルではない。町のゆったりとした雰囲気、比較的手の届きやすい不動産価格、フランスにもドイツにも隣接する地理的条件、バーゼル市やバーゼル・シュタット準州、アートクレジット（Kunstkredit他のサイトへ）のような地元機関が提供する資金調達の機会の多さを理由として挙げる。チューリヒと比べて資金調達の競争率がだいぶ低いとも話す。シュタイナーさんのリストの最後に来るのがアートバーゼルだ。
とはいえ、シュタイナーさんは間接的にアートバーゼルの恩恵を被っている。スイスの保険会社が所有するヘルヴェティア・アートホール他のサイトへに、シュタイナーさんは自身のインスタレーションを設置し終えたところだ。ヘルヴェティアは今週、アートバーゼルに合わせてアートフォーラムを開催する予定だ。
変化するアートバーゼルとバーゼル市との関係
アートバーゼルが世界のアートフェアの先頭に立つことが出来たのは、バーゼルという活気あふれるアートハブを拠点にしたからだ。
「アートバーゼルの拡大は、バーゼルのアートシーンには何らの影響もない」とギャラリストのクルップさんは話す。「バーゼルにギャラリーを持っているからと言って、展示ブースの獲得に有利なわけではない」
メッセ・バーゼルに展示ブースを持つクルップさんのギャラリーは会場から半ブロックしか離れていないが、クルップさんは手放しで地元の町を褒める。
「バーゼルには素晴らしい美術館やコレクションがあり、安定した政治システムと通貨、整備されたインフラがある」が、「それでもまだ村だ」とクルップさんは強調する。
公的には、この「村」には世界で最も権威のある美術館のいくつかが集まる。拡大路線にあるバイエラー財団他のサイトへ、バーゼル市立美術館とその別館である現代美術館他のサイトへ、ティンゲリー美術館他のサイトへ、クンストハレ他のサイトへ、ヴィトラ・デザイン博物館他のサイトへ、スペイン人キュレーターのチュス・マルチネスさんが主導するアート・インスティテュートの展示スペースTANK他のサイトへ、古代博物館、エレクトロニック・アート館他のサイトへ。しかし、これらはほんの一部に過ぎない。
アートバーゼルは最近まで、規制にあまり縛られることなく、多くの公的機関と提携し、公共スペースを自由に使ってショーを開催できた。しかし、アートバーゼルが「開かれたアートフェア」という本来の姿や町のイベントという位置づけと距離を置くようになるにつれて、バーゼルの公的機関はアートバーゼルとの関係を見直さざるを得なくなった。
その結果、公的機関は対応を変え始めた。「もはや無償で協力することはできない」。バーゼル市立美術館とアートバーゼルとの提携に関する交渉も担当するクルヤコビッチさんはそう話す。「何らかの見返りが必要だ」
「我々の会議に芸術的な面は少しも無い。純粋なビジネスだ。ビジネスがアートバーゼルの母国語であり、我々がアートバーゼルと話す際に使う言語だ。そして、ビジネスとして割り切ることで双方とも上手く行っている」（クルヤコビッチさん）
（英語からの翻訳・江藤真理）