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スイスでは来年2010年1月1日から、ウマ、ニワトリ、ミツバチなど、趣味で飼育する場合の多い動物もすべて連邦農業局 に登録されるようになる。
理由は病気の発生源と感染経路などを把握し、予防に役立てるためだ。狂牛病でウシの登録は完備したスイスだが、近年消滅が続くミツバチの登録は行われていなかった。特にスイスの養蜂は、ほぼ100% が趣味で行われているため登録制が歓迎されている。
25個のコロニーの突然の消滅
「養蜂を10年間もやっている隣の友人のところで、昨年25個のコロニーが突然空っぽになった。ミツバチは細菌感染などの病気で巣の中で死ぬことがあるが、彼のところでは死骸は一つもなく、突然影も形もなく消えた」
と語るのはジュネーブの養蜂家、テランス・プシエール氏だ。ミツバチが方向性を失ってしまったと考える隣人は、携帯電話サービスのアンテナから出る電磁波などの影響ではないかと考える。
だがプシエール氏は、ミツバチの消滅は野生の花の多様性がなくなったことなどに関係し、農家が農薬や化学肥料を使いすぎたせいだと個人的には思っている。
20個のコロニーを所有するプシエール氏も本業は劇場の舞台装置制作で養蜂は趣味。そのため病気の情報を入手したり、ネットワークを広げるため連邦農業局 ( BLW/ OFDA ) の登録制度は非常に重要だと考えている。
18万個のコロニー
実際スイスには、現在1万7000人から1万8000人の養蜂家がいるが、イタリア語圏の半分プロの養蜂家数人を除いては、全員がアマチュアだ。スイスにはプロでやっていくのに十分な量の花がないからだという。
この養蜂家たちが少なくて5個、多くて50個、平均10個のコロニーを持っているため、約17万個から18万個のコロニーがスイスに存在する計算になる。
「コロノーの数は把握しているが、どこに位置しているかが分かっていない。位置と養蜂家の名前を登録することは、今後、病気の発生地と感染経路を把握するために、政府にとって非常に大切なことになる。また、何らかの協会に属している人はいいが、そうでない人は完全に孤立している」
と連邦農業局の研究機関アグロスコープ ( agroscope ) に属する「スイスミツバチ研究センター ( The Swiss Bee Research Centre ) 」」のペーター・ガルマン氏は話す。
現実には、各州の農業課がデータを集め、政府の連邦農業局にあるセンターに統合される。
ミツバチ、バロアダニ、細菌の相関関係
最近フランスのモンペリエで、スイスミツバチ研究センター が属する、科学者と養蜂家から成る世界的な組織「コロス・ネットワーク ( The Coloss Network ) 」の会合が行われた。
この席で発表された最新の研究では、ミツバチとミツバチに付くバロアダニ ( Varroa mite ) とウイルス、ないしは、ミツバチとバロアダニと細菌の相関関係がミツバチの消滅を引き起こしているのではないかと推測している。つまり、細菌やウイルスがバロアダニなどを媒体とし、より強力なものに変化しているのではないかというものだ。
「というのも、20年から25年前までは、1000匹のバロアダニがコロニーにいてもミツバチはこのダニと共存し、消滅することはなかった。しかし今は2000匹のバロアダニがいるとコロニーは壊滅するといわれている」
と、ガルマン氏は説明する。
近年のミツバチの消滅は人間にとっても危機なのだろうかとの質問に、
「もちろん人間にとっての大打撃だ。人間の食べる食料の3割が花粉の受粉が行われることで生産される。そのうちの8割がミツバチの行う受粉だ。従ってミツバチの消滅は人間の危機だ」
との返事が返ってきた。
里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 、swissinfo.ch
農家や個人が飼う動物の登録
ウマ、ニワトリ、ミツバチ、魚などが、趣味で飼う人も含め、2010年1月1日から連邦農業局 ( BLW/ OFDA ) への登録が義務付けられる。
1年目は場所と飼育者の登録で、2年目からは、ウマなどは詳細に1頭ずつの登録になる。ブタの登録は2011年から始まる。
各州の農業課がデータを集め、政府の連邦農業局にあるセンターに統合される。養蜂家の場合は、データを集めることもアマチュアの養蜂家が協力して行われる。
養蜂家などのデータは、連邦農業局の研究機関アグロスコープ ( agroscope ) に属する「スイスミツバチ研究センター ( The Swiss Bee Research Centre ) 」にも提供され、細菌の感染経路などに関して、近隣のヨーロッパ諸国と情報交換が行われる。