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スイスでは何万人もの患者が、体の不調や痛みの改善に大麻を使用している。その大半は、違法に行っているのである。治療用大麻の分野ではスイスを代表する専門家の一人、ロドルフ・ブレナイゼン氏は、この状況がどう考えても異常だと言う。「禁断の植物」の復活を唱えるブレナイゼン氏に話を聞いた。
スイスは薬物の医療的使用の分野で、パイオニア的な国とされる。25年前にヘロインの医療的使用の条件として「４原則」を提唱・導入し、他国がそれに続いた。
ブレナイゼン氏はカンナビノイド医学ワーキンググループ（SACM）他のサイトへの会長であり、国連の麻薬研究所で顧問を務めた経歴もある。大麻の医療使用は実現しなかったものの、アプローチは進歩的なものだったとブレナイゼン氏は考える。
スイスインフォ：そもそも、大麻とはどのようなものだとお考えでしょうか。禁止すべきドラッグですか、それとも合法化すべき薬品ですか。
ブレナイゼン：大麻とは、治療という観点から見ると、実に多くの可能性を秘めた植物です。娯楽目的のドラッグと医療用大麻は、はっきり区別しなければなりません。スイスではもうとっくに合法化されてしかるべきだと思いますね。
スイスインフォ：大麻で効果が得られるのは、どういった病気や症状なのでしょうか。
ブレナイゼン：多発性硬化症（MS）やけいれんによる筋肉痛、また偏頭痛のような慢性的な痛みを緩和することができます。実験の結果、大麻の中でも特にCBD（編注：大麻の有効成分のひとつであるカンナビジオール）が、がん細胞との戦いに貢献することが明らかになりました。さらに、てんかんによるけいれんを減らす作用もあります。
スイスインフォ：副作用はないのでしょうか。
ブレナイゼン：たいていは喉の渇き、心拍数のわずかな上昇、軽いめまいなど、日常生活に影響がない程度の軽いものです。内臓の損傷は、今のところ報告されていません。むしろアスピリンの副作用のほうがより深刻ではないでしょうか。もちろん、大麻の投与量やTHC （テトラヒドロカンナビノール。多幸感を覚えるなどの作用がある精神活性物質）の含有率によっては、明らかに向精神作用がありますが。
大麻は奇跡的な治療法ではないし、モルヒネの代替品でもありません。
スイスインフォ：というと、なにやら奇跡的な薬に思えますが……。
ブレナイゼン：多くの患者がそう思っていますが、そう簡単な話でもないのです。奇跡的な治療法ではないし、モルヒネの代替品でもありません。我々は大麻が着せられた汚名と戦うと同時に、祭り上げられるのも防がなければなりません。
有害な作用から目をそらすことなく、効能について語られるべきです。例えば最近ベルリンで行われたSACM主催の国際会議でも、大麻常習者に見られる激しい嘔吐について取り上げていました。これまでは完全に見落とされていた症状です。また思春期に大麻を大量摂取すると、脳の発達が妨げられることも指摘されています。
スイスインフォ：しかしジョイント（大麻の巻きたばこ）は、医療行為に適した形とはいえませんよね……。
ブレナイゼン：有効成分を体内に取り込むのに最適な形はどういったものか、我々は何年も前から考えてきました。ジョイントは確かに薬理学上最適とはいえないのですが、自己治療を実践する人たちの間では使用がすでに当たり前になっています。
THC の80％～90％が肝臓で破壊されるので、錠剤として摂取するのも最適とはいえません。なので例えば口腔粘膜や鼻、皮膚などを通してなど、ほかの摂取方法を考えなければなりません。
ただし、問題は別にあります。
スイスインフォ：といいますと？
ブレナイゼン：大麻に関する情報の多くは、ごく限られた人数に対して行った研究や、または患者に直接施された研究の結果です。100人、200人が対象といった、大規模な臨床実験が不足しているのです。
スイスインフォ：大麻は何千年も前からあって、かつ社会に知れ渡っている植物ですよね。なのに、まだ研究が進んでいないのはなぜですか？
ブレナイゼン：臨床実験には、莫大な費用がかかります。例えばサティヴェックス（経口スプレー。スイスで唯一承認された大麻医薬品）には、１億ユーロ（約125億円）も投資されたんですよ。大麻に着せられた汚名のせいで、大手製薬会社はイメージダウンを恐れていますが、そんなことは馬鹿げています。大麻が特許を取得できないという事実もまた大きいのです。とはいえ、大麻ビジネスはすでに存在していますし、薬品市場に参入する競争も激しくなってきています。
「すべては立証されなければならない」という医療業界の古い原則を、いったん忘れたほうがいいかと思うんですよ。その上で、患者の声に耳を傾けるべきです。
スイスインフォ：スイスには、慢性的な痛みや重い病気に苦しんで、大麻による治療を選択した患者がすでに数多く存在します。これはどういうことでしょうか？
ブレナイゼン：運がよければ、ホームドクターに大麻治療についての知識があり、道徳上の理由で使用に反対したりしないわけです。ただし医師は連邦内務省保健局に特別な許可を申請する必要があり、手続きには3～4週間もかかる場合があります。
問題は、実際にこうしているのはごく一部の患者にすぎないということです。一連の手続きが面倒なんですね。なのでほとんどの場合、自己治療を選択することになるのです。つまり自宅で大麻を栽培したり、路上で違法に入手したりですね。実際そうなんですよ。
スイスインフォ：薬物対策において、スイスはパイオニア的存在だと国際的に認められていますよね。ヘロインは、しっかりした監視の下で流通しています。医療目的の大麻も、同じようにできないのは何故でしょうか？
ブレナイゼン：90年代、薬物中毒問題は目に余るものでした。ベルンの連邦議事堂付近やチューリッヒの中心部でドラッグが売られていたのです。政治的にも国民の間にも、なんとかしなければという重いプレッシャーがありました。
それに対し、大麻にはそういったプレッシャーがありません。スイスの路上で、フラフラになった大麻中毒者を見かけることもなく、医療使用を求める患者からのプレッシャーもそれほど重くはないのです。とにかく、それは時間の問題でしょう。政界の大半も国民も、医療目的の大麻使用には賛成なので。
スイスインフォ：チューリヒの薬剤師協会は、娯楽目的の大麻まで薬局で販売しようという考えです。これについては、どうお考えですか？
ブレナイゼン：治療目的の大麻は、薬局での販売を復活させ、有資格者の手によって取り扱われるべきです。花をまるごと販売する必要はありません。同じ個体でさえ成分が違ったりするので。ほかの薬と同様に、大麻も品質の高いものでなければなりません。いわゆるカンナビスライト（THC含有量が１％未満のため、合法で販売される大麻商品）のように、キオスクや麻薬販売店で取り扱ってはならないのです。
それに対して娯楽目的の大麻は、年齢制限、品質管理などがしっかりなされた会員制のクラブの中で流通させるべきものです。
法律はどうなっているの？
THC含有量が１％以上の大麻の栽培、消費および売買はスイスでは禁止されている（EUでは0.2％）。2011年に施行された改正麻薬法他のサイトへでは、監視下における大麻の医療目的での使用を規定している。このため、連邦内務省保健局にあらかじめ許可を申請する必要がある。
しかし、この一連の手続きが治療開始を遅らせることになる。スイス政府はそれを「治療へのアクセスに対する障害」だとして、必要な患者には大麻使用への手続きを簡素化する方針を打ち出した他のサイトへ。改正法のたたき台がこの夏までに発表される予定。
連邦内務省保健局の推計によると、スイスでは医療目的で大麻を使用している人は6万6千人～11万千人だという。このうち、許可を得た上で使用しているのは数千人のみ。インフォボックス終わり
スイスインフォ：医療目的での大麻使用を合法化している国はいくつもありますが、スイスがお手本にしたい国はどこでしょうか？
ブレナイゼン：アメリカは２１歳になれば、どんな用途にもかかわらず入手可能なのですが、それをスイスが真似することはできませんね。ドイツは処方箋があれば薬局で購入できるというシステムなのですが、いいアイデアではないでしょうか。スイスでも３年以内にそうなると思いますよ。
大麻は、スイス国内で栽培するのが理想的です。国境を超える際の輸送問題を避ける意味でも、そうしたほうがいいと思います。研究を促進し、調整していくには、オランダに既にあるような大麻の研究所といったものを創設するのがいいでしょう。
麻薬部門の責任者だった、国連時代の同僚に言われたんです。スイスはヘロイン対策でパイオニア的存在だったが、今後もパイオニアであり続けるべきだ、と。この言葉に、励まされましたね。
（伊語からの翻訳・平川郁世）