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「外国人犯罪者の国外追放強化イニシアチブ」で多くの有権者を動員した投票が終わり、スイスでは今、ある問いかけが浮上している。投票キャンペーンが繰り広げられている時期以外にも、活発な民主主義に欠かせない公的議論を促進するにはどうすればよいのか。ブルーノ・カウフマン氏が見つけた答えは、首都ベルンの真ん中にある元刑務所の厚い壁の向こう側にあった。以下は、カウフマン氏のオピニオンである。
１３世紀に建てられた建物の狭いらせん階段を上っていくと、１メートルもある厚い壁の向こうに、民主インフォメーションセンターが現れる。ここはずっと以前、防御塔であり、その後、刑務所（スイスドイツ語で『ケーフィク（檻）』ということから『ケーフィクトゥルム』と呼ばれる）として使われていた場所だ。ここではさまざまな催し物や展示会も行われている。
連邦議事堂のすぐそばという１等地にあるこの建物は、連邦政府の所有。そこを市民に開放しているところがここの「売り」で、連邦議会の事務などを受け持つ連邦議事サービス部がいわば管理人だ。
適用されている原則は単純かつ共和制。「予約の早い順に催事場を使ってもらう。外務大臣であろうがパン屋であろうが、スイス人であろうがオーストラリアからの訪問客であろうが、全く関係なし。しかも無料だ」と説明するのは、ミハエル・フリッチェさん。
もう１人の代表者アンドレアス・シルターさんと小さなチームを組み、１９９９年から政治フォーラムを率いている。ここで開かれる催し物は、年間４００件以上。「政治に関わることで何かをやるのなら、ここはまさにぴったりの場所だ」とシルターさんは言う。「大きな連盟の記者会見から、小さなイニシアチブ委員会の立ち上げ会や、イスラエル大使館の代表との近東政策討論会まで何なりと」
そして、ここでは規制よりも信頼に重きを置く。催し物が終わったあと、開催者に塔の戸締まりを任せることもたびたびだ。激論になりそうなテーマも実際、しょっちゅう扱われているが、安全面で問題が起こったことは一度もなく、新聞にでかでかと書き立てられたこともない。
わずかな節約で多くを失う
連邦の会計係が、年間１００万フラン（約１億１５００万円）にも満たない小額の節約対象にケーフィクトゥルムを選んだ理由は、ひょっとしたらまさにこの寡黙な成功にあるのかもしれない。閉鎖の予定は６月初旬。閉鎖の発表と重なる時期に、連邦政府は２千台以上の軍用車両の改善費として５億フランを超える支出を決めた。
民主主義の一歩後退を意味するセンターの閉鎖は、まさしく大きな過ちといえよう。２月２８日の「外国人犯罪者の国外追放強化イニシアチブ」で広範囲の市民階層を大きく動員するのに一役買ったのは、まさにこのような民主的な対話だったのだから。
「民主主義に陶酔」した時流の消滅
６３．１％という、およそ四半世紀ぶりの高投票率を記録した１６年２月２８日の余波は、今なお残る。ほとんどの人がどこかで見聞きした公的議論。国内外で大きな注目を浴びた投票結果。白熱の議論を重ねたイニシアチブにスイスの有権者が明らかなノーを突きつけたあとは、勝利した方も敗北した方も、スイスの直接民主制の長所や分別をほめたたえた。
イニシアチブやレファレンダムは直接民主主義が有する国民の権利であり、スイスのそれは世界的に見ても十分に拡充されている。しかし、現代の民主主義を育む本来の培地がこれだけにとどまらないことは、あまりにも早く見落とされる。例えば、賢い決定につながる建設的な公的議論もその一つだ。そしてこれには、憲法で保証されている共同決定権と並んで、国民参加のためのインフラが欠かせない。
このようなインフラは、協会やゲストハウスといった形で今もなお多くの地方自治体に残っている。しかし、人口密集地や連邦レベルでは、もはや当たり前の存在ではなくなった。そしてもう一つ、資力のある有力者ばかりが他を圧倒するのではない、建設的な論争文化の重要な培地としてのマスコミも忘れてはならない。
ここ数年間の急激な技術的・社会的な発展で明らかになったことがある。現代の民主主義が積み上げてきた大切な成果を今後も発展させていくためには、２５年ごとに高投票率を記録し、議論が沸騰する国民投票だけでは不十分だということだ。またほかにも、参加する権利、法治国家、そして開放的な文化や寛容が必要とされる。
投票と投票の間の比較的静かな期間には、例えば「外国人犯罪者の国外追放強化イニシアチブ」の投票前に非常に活発になったような民間パワーだけでなく、公共体にもやるべきことがたくさんある。直接民主主義が保証する国民の権利がそうであるように、スイスは「国民のための連邦議会サービス部」ともいえる国民参加のためのインフラでも世界のトップクラスに属しているが、そのことをスイスは常に意識しているわけではない。作られてからまだ４０年ほどにしかならないのに、すでに神話化している唯一無二の投票解説書や、段階的な電子投票導入もそのインフラの一つだ。そしてまた、８００年のうちに、いくさ用のとりでから政治のインクルージョン（包括、統合の意）の舞台へと変貌を遂げた、この古い防御塔も。
韓国にまで届く灯光
中国の記者グループであれ、ドイツの議会議員団であれ、韓国の法学者団体であれ、この地の民主主義をより良く知るためにスイスを訪問する人々は、必ず政治フォーラム「ケーフィクトゥルム」に立ち寄る。過去１６年間にこの元刑務所を訪れ、市民に活用されているインフラの理念や活動に得心した団体は数百に上る。
その結果、世界中にこの政治フォーラムのコピーが現れた。規模はさまざまだが、最も目を引くのは何と言っても韓国の首都ソウルにある６階建ての「シチズンズホール」。実現のきっかけは、２００８年の専門家団体のベルン訪問だった。
また、ハワイのホノルルにある州議会議事堂の「パブリック・アクセスルーム」でも、政治活動を行う市民は頼もしい支援を受けられる。
「ケーフィクトゥルム」を模範とした空間はヨーロッパでも作られた。例えばスペインのバスク地方の町サン・セバスティアンでは、ベルンと同じように、フランコ独裁政権下で刑務所に使われていた建物が市民参加のためのセンターに機能替えされた。以前、政治的な主張をした人々が拷問されていた場所で、今は市職員９人からなるチームが市民の権利を行使するための助言を行っている。
（独語からの翻訳・小山千早 編集・スイスインフォ）