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在外スイス人の年金受給額を削減しようとする提案が、波紋を呼んでいる。９月に行われる国民投票に先立ち、公的年金制度改革に関する議論が繰り広げられている。
スイスの老齢年金制度は厳しい状況に置かれている。年金受給者の数は増え続ける一方、保険料を納める人は少なく、重大な赤字のリスクがあるからだ。そのような中で、在外スイス人の年金を削減する案が、スイスの主要政党の一つである中道右派の急進民主党のペトラ・ゲッシ党首によって提案された。
その提案では、イタリア、スペイン、ポルトガルなどの出身で、スイスで長年働き定年を迎えた後に母国に戻った約３６万人の外国人労働者だけではなく、在外スイス人も年金削減の対象となっている。
ドイツ語圏大衆紙ブリックには「海外に住む老齢年金受給者はスイスでは価値を生み出さない。彼らはスイスで税金を払うことも、お金を使うこともないからだ」というゲッシ氏の言葉が掲載された。また、ゲッシ氏は、「我々は彼らに高額の功労金を与えているが、次世代がそのツケを払わされることになる」とも述べている。９月２４日の国民投票に先立ち、老齢年金制度改革の論争が進行中であり、ゲッシ氏のコメントは、そのキャンペーンの一環として言及されている。
ゲッシ氏と急進民主党員の過半数は、３月に議会で承認された年金制度に関する憲法改正案に反対の意見を表明している。
この改革案には、将来の年金受給者へ月７０フラン（約８０００円）の年金増額が含まれている。（それとともに、女性の退職年齢を１年引き上げ、男性に合わせた６５歳としている。）
国内と国外の年金格差
７０フランというのは高額に感じられないかもしれないが、国外に住む年金受給者の多くにとっては大きな違いがある。 スイス国外に住む年金受給者は現在、月額４５０～４９０フランを受給している。公的なデータによると、在外スイス人への年金支払いは、年金支払額の１３％ほどを占めるという。
だがゲッシ氏の提案は、怒りの反応を引き起こした。
スイスの労働組合ユニヤ（Unia）のヴァニア・アレバ代表は、ゲッシ氏の発言は恥ずべきもので、全く矛盾していると批判した。「今日のスイスを築くのを手助けするイタリア人やスペイン人が（またもや）犠牲者になる」とアレバ氏はブリック紙に語った。
またベルン州の日刊紙ブントと日刊紙ターゲス・アンツァイガーに同時掲載された報告書では、ゲッシ氏が少額の年金受給者を標的にしているとして非難された。その報告書からは、皮肉にも、彼女の政党が会社のトップ役員の高すぎる給料を問題にすることを常に拒否してきたことも分かる。
生活費
この議論が今後数週間にわたってどのように展開されるかはともかくとして、在外スイス人とその年金は、今や年金制度改革に関する議論の一部となっている。在外スイス人は年金受給者の４．７％を占めるが、その年金受給額は平均して月に１１５１フランで、 これはスイス国外に住みながらスイスから年金を受け取る外国人の受給額（平均４９１フラン）の２倍以上だ。
ほとんどの年金が、近隣のフランスに在住する在外スイス人２万５０００人とイタリアに在住する９５００人に支払われている。また、タイには約２３００人の受給者がいる。節約の可能性があると見て、中道右派、それから右派の政治家は、受給者の住む国の生活費の水準に年金額を適応させるよう求めている。彼らの提案は、確かに毎月数千フラン程度の支払いを節約するのに役立つかもしれないが、それにも増して多くの政治的問題を引き起こす可能性が高い。
（英語からの翻訳・上原亜紀子）, swissinfo.ch