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ヨーロッパ大陸にまたがるアルプスに押し寄せる観光客の数は、年に1億人を超すといわれる。野生植物・動物に与えるダメージは大きく、し尿による水質汚染やゴミ問題は年々深刻化している。国境を越えてアルプスを保護しようとする動きが欧州で進むなか、スイスは独自路線を模索している。このコンテンツは 2004/06/22 15:13
スイス上院は１４日、アルプスの自然保護を目指す国際的枠組み合意である「アルパイン・コンベンション」の環境規制プログラムを批准する決議案を否決した。
山岳地帯の保全に積極的に取り組むスイスの環境規制の基準は欧州でもかなり高い。国内規制より比較的緩いとされる今回の国際環境プログラムの批准をスイスが拒むのは、自決権が失われることを懸念する同国特有の独立性に原因があるようだ。
規制とのバランス
アルパイン・コンベンションは、アルプス地域の環境保全を目的とした国際条約で、91年にスイス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリアなど欧州7カ国・地域が基本的に合意した。後に、スロベニアとモナコも参加する。
同条約には、山岳地帯における交通利用の規制や土壌保全など、９つのルールからなる環境規制プログラムがある。ドイツ、オーストリア、スロベニア、リヒテンシュタインの4カ国は同プログラムを批准しているが、スイスは、イタリア、フランス、モナコと同様、批准していない。
スイスを除く国で批准がなかなか進まないのは、国内の環境対策がアルパイン・コンベンションに定められた国際規定よりも厳格でないためと見られている。これらの国の環境対策強化はまだ時間がかかる見通しだ。
自決権の確保
一方、スイスが批准しない理由は別にある。
連邦議会の環境委員会は今年4月、アルパイン・コンベンションの規制プログラムのうち、3つを批准し、残り6つを保留にする考えを議会に提示した。保留にする理由として、「国土の60％近くが山岳地帯のため、同プログラムの内容をさらに審議する必要がある」と同委員会は説明している。
しかし、アルプス保全委員会（CIPRA）のレト・ソレ—さんは「今回の環境規制プログラムはスイスの規制より緩やかな内容ばかり。何を審議する必要があるのか」と首をかしげる。「国際環境規制プログラムを批准する国が増えてこそ、規制強化につながるはずだ」と訴える。
環境委員会のメンバーを務めるカルロ・シュミット上院議員（キリスト教民主党）は、国内法とアルパイン・コンベンションの環境規制プログラムの基準に相違がある場合、後者に優先権がある、と指摘する。批准すれば、スイスの自決権まで失われてしまうというのではないかとの懸念が強い。
「批准すれば国内連邦法を新たに作るわけだが、国民が将来、環境に関する法律を修正したいと思ってもそれができなくなってしまうということだ」と同議員は話している。
スイス国際放送 マルジオ・ペスシア 安達聡子（あだちさとこ）意訳
補足情報
アルパイン・コンベンションとは
ヨーロッパアルプス地域の環境保全を目的とした国際条約。
1991年にスイス、フランス、ドイツ、イタリアなどの7カ国・地域が基本合意。
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