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2010年6月16日水曜日
タイの稲刈り鎌
以前、タイは鍛冶屋の発達しなかった国だと書いたことがありました。早くから、インドやビルマからの行商の鍛冶屋から、刃物を手に入れていたようでした。
そんなタイで、稲刈り鎌は、工場製の、細い、三日月のような形のものが、どこでも使われています。刃と柄の一体型で、これに、さらに木の柄をつけようと思えばつけられるのでしょうけれど、そのままで使われています。
日本には、稲刈り鎌とは形の違う、草刈り鎌が、地域地域で、特徴のある形をつくりながら発達しました。しかし、東南アジアでも、アフリカでも、いわゆる鎌の形をした草刈り鎌は、ほとんど見かけませんでした。
たいていは、長い刃に柄のついた、鉈のような形の刃物を、振り降ろしながら、草を刈ります。
タイでは、片刃ではなく、両刃になった刃物が長い柄についた道具で、左右に振ると、どちら方向にも切れるという、優れものもあります。効率はすこぶるいいのですが、私は、使いこなすことができませんでした。
この、草刈り鎌の形の違いは、どこから来たのでしょうか？
日本では、草を牛などの家畜にやるために、１本たりと粗末にできなかったということがあります。そのため、草を散らすのではなく、集める形の草刈り鎌が発達したのでしょうか。
そして、もっと土地に余裕があった東南アジアなどでは、牛など家畜は放し飼いにしますから、草を神経質に集めなくてもよかったのでしょうか。
これは、工場製の鎌が使われるようになる以前の、稲刈り鎌です。現代のものほど丸くありませんが、細い、カーブした刃を持っている鎌です。
北の山岳地帯に住む人々が、陸稲を刈るための鎌です。ちょっと小ぶりです。陸稲は穂刈りというほどではありませんが、茎を半分ほど残して刈り取ります。
日本では、わらは縄を綯い、かますや筵をつくるなど、農作業に欠かせない道具をつくるための重要な材料だったので、根元近くから刈り取りました。
しかし、タイやカンボジアでは、ヤシという、稲わらより丈夫な素材が手に入ることもあって、稲わらはほとんど牛など家畜の餌として使われてきました。
これは、稲刈り鎌ではありません。芥子を傷つけたり、広い刃の上で、芥子から出てくる液を練ったりする鎌です。
芥子からつくるアヘンは、もともとはその地域に住む人々の民間薬でしたが、お金儲けの道具にされたり、多用されたり、より健康に害のある混ぜ物をされたりして、今日の、忌むべき麻薬にと成り果てたものです。