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スイス国立銀行（スイス中銀）は２０１６年の仮決算で２４０億フラン（約２兆７千億円）の黒字になったと発表した。２３３億フランの赤字となった前年からは振り子が大きく振れた。
大きな黒字となったのは、典型的な安全通貨であるスイスフランの上昇を抑えるための外貨資産が主な要因だ。昨年は他通貨、特に米ドルが上昇したため、スイス中銀の持ち高が膨らんだ。
スイス中銀は主に、ユーロやドルを買ってフランの高騰を抑えており、１０日の公表文で、外貨資産による収益は１９０億フラン以上にのぼったと明らかにした。
UBS銀行の最高投資責任者（CIO）アレサンドロ・ビー氏によると、平均して年間１５０億フランの黒字が見込まれるスイス中銀にとって、例外となる年だという。
同氏は「この好決算は、ドナルド・トランプ氏が米次期大統領に選出された後の株高とドル高を反映している」とスイスインフォに語った。昨年、スイス中銀はアマゾンやフェイスブックなど米国の優良株を買い増していた。
振れる決算
２０１５年から１６年への大きな差は、スイス中銀が１５年１月１５日、突如対ユーロ相場の上限を撤廃したのが主因だ。フラン相場は急騰して他の外貨が下落したため、スイス中銀の資産を毀損した。１６年は外国為替市場が落ち着きを取り戻し、損失が消えた。
スイス中銀の決算が前年から劇的に変化するのは初めてのことではない。例えば１３年は９１億フランの赤字だったが、翌年は３８３億フランの黒字となった。損益は銀行の債務返済能力には影響しない。
確定値を盛り込んだ１６年の詳細な決算は３月６日に公表されるが、ビー氏は独自にいくつかの試算を行った。
それによれば、スイス中銀の資産の約８割が債券で、８０億フランの利子収益を生んだもようだ。他の２０億フランは株式の配当とみられる。その他の外貨資産に伴う収益は好転した為替市場や株高がもたらした。変動的な収益源と言える。
また、スイス中銀の公表文によると、３９億フランは金資産から発生したという。
ビー氏は「スイス中銀の狙いはフラン相場の安定で、収益を生むことではない」と説明する。「市場に影響を与えるのを望まない、受け身な投資家だ」
州に流れるお金
スイス中銀は、配当引当金の１９億フランを差し引いた最終利益は２１億フランになると述べた。これにより配当金は１株当たり１５フランとなる。収益にともなう政府やスイスの全２６州への納付金は１５億フランに達する。
１６年１１月、スイス中銀は今後発生しうる連邦や州への納付金不足を補うため、利益配分の計算式を変更することを決めた。過去、１３年には金相場の暴落により納付金がゼロになった経験がある。
フラン防衛のためのスイス中銀の独立した政策決定は、左右両派の政治家からの批判の的となっている。左派や貿易関連団体はスイス中銀がフラン高を十分に抑制できておらず、輸出企業や観光産業を苦しめていると非難。加えて労働組合はマイナス金利が年金基金を圧迫すると主張している。
右派は年間のGDP（国内総生産）を凌ぐほどに膨らんだ外貨準備が、将来の大規模な損失につながると案じており、こうした懸念はスイス中銀に政策変更を迫る国民投票にもつながっている。
米著名経済学者のケネス・レゴフ氏は経済紙ハンデルス・ツァイトゥングの先週のインタビューで、スイス中銀を擁護しつつ、このままフランへの上昇圧力が続けば、やがて政策手段は尽きるだろうとコメントしている。
（独語からの翻訳・ムートゥ朋子）, swissinfo.ch