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身の回りのことが自分でできなくなった親の世話は、難しい場合もある。グローバル化の現代、外国に暮らす子どもたちにとって高齢の親の介護問題は、地理的、感情的な距離が広がるにつれ一層難しくなっている。
「この２年間、２カ月半ごとに米国に戻っている」と話すスイス在住のキャロル・マキューアンさんは、定期的に高齢の両親に会いに行っている。
世界中の何百万人もの人々にとって、外国と自国を行ったり来たりすることは珍しいことではなくなりつつある。国境をまたいだ移動の件数は、１９９０〜２０００年には年間２００万件だったが、２０００〜１０年の１０年間には年間４６０万件まで増えた。
国連と経済協力開発機構（OECD）の共同研究他のサイトへによると、昨年、「国際移民」（出生国以外の国に１年以上在留している人）の数は約２億３２００万人だった。
マキューアンさんの例は典型的だ。マキューアンさんはニューヨーク市から南に車で１時間のところで育ち、今はスイスの首都ベルンに住んでいる。姉が１人米国にいる。両親は４５年間自宅で暮らしていた。しかし、母親がアルツハイマー病を発症し、また気象災害にも見舞われたため、両親が日常生活を続けるのが難しくなった。
ハリケーン・サンディは「ひどいハリケーンだった。両親の地域はかなりの損害を受け、１カ月間電気のない生活を強いられた」。姉は２度、ノースカロライナ州から車で９時間かけて生活必需品を届けに来た。
１カ月後、ハリケーンに続いて激しい吹雪が襲った。「父は木が倒れるたびに私に電話をかけてきた。午前２時でも」とマキューアンさんは言う。
難しい家族関係
年をとっていく親の世話をどうするかで、家庭でもめたり議論になったりすることは多いと、北西スイス応用科学大学社会事業学部のトーマス・ガイゼン教授（社会学）は話す。
ガイゼン教授によると、どうするか決めた後でも、話し合いや情報のやりとりを続ける必要がある。家族が遠く離れて暮らしている場合、感情的ないさかいは「よくあること」だからだ。
地理的に遠いだけでなく、気持ち的に遠い場合もある。
ハインツ・ケップラーさん（仮名）は、ベルン育ちの４人きょうだいの長男だ。弟の１人はタイ在住、もう１人は米国に「４０年ほど前から住んでいる。最後に会ったのは８０年代後半だった」。
「うちは非常に問題の多い家族だ」と７３歳のケップラーさんは言う。「みな仲が悪い」
母親はアパートで一人暮らしをしていたが、９３歳のとき自動車にはねられた。ケップラーさんと妹は比較的近くに暮らしていたので、母親の介護ができた。「だが、『かわいい』弟たちは何の努力もしなかった。指一本動かそうとしなかった」
家族での話し合いは論外だ。「お互い口も利かない」
日々の連絡を
「多くの場合、身内の誰か１人が（親の）近くにいて、世話を一手に引き受ける。ほかのきょうだいはあまり親のそばにいない。親との連絡は毎日ではなく、日常の一部にはなっていない」
現代では技術のおかげで、遠くの人と関係を保つのは昔より簡単になっているとガイゼン教授は言うが、「相手の顔が見えるスカイプでさえ、親しい人と日常的に顔を合わせることで得られる一体感、つまり『いっしょにいるという感覚』にはかなわない。直接会うのは大きな違いを生む」ことが研究でわかっている。
しかし、直接会うためには犠牲が伴うことも多い。
マキューアンさんが米国の弱った両親の世話をしていた同じ時期に、ドイツ人の夫は、妻を失ったばかりの父親に会いに３週間ごとにミュンヘンへ行っていた。
「この数カ月はまるで互いに鬼ごっこをしているかのようで、夫が帰ってきたら私が出ていくという感じだった」
移動の増加
世界の人々の意見を調査する米ピュー研究所のグローバル・アティチューズ・プロジェクト他のサイトへでは、１９９０〜２０１３年までに他国から自国に入ってきた移民、他国へ出ていった移民の出身地と目的地を国ごとに示したインタラクティブ・マップを作成している。
それによると、スイス人の約１割が外国に住んでいる。
「世界中を移動する人がこれほど増えれば、もちろん家族関係を維持するのは大変難しくなる。介護の取り決めが絡む場合は特にそうだ」とガイゼン教授。
「一人っ子」現象
きょうだいと仲の悪い人もいるが、きょうだいがいない人もいる。「一人っ子」は、現在約１４億人の人口を抱える中国独特の問題となっている。中国政府は１９７９年、人口増加の速度を緩めようと「一人っ子政策」を導入した。今、その政策の下に生まれた子どもたちには、年老いた両親の世話の負担を分かち合えるきょうだいがいない。
スイスと中国の二重国籍をもつカルメン・グレトラーさんは例外だ。中国南部、香港に近い広州で３人姉妹の末っ子として生まれた。
しかし、３人のうち中国に住んでいるのは１人のみ。グレトラーさんは１６年前からジュネーブ在住で、もう１人の姉は米国に住んでいる。中国にいる姉は多忙だ。「ビジネスウーマンだから」
母親が３年前にがんの診断を受けたとき、グレトラーさんは自分が助けなければと感じた。「上司に電話して、ベルンにビザを取りに行き、すぐに実家に帰った。負担を分かち合いたかった。（姉に）すべて任せることはできないとわかっていたから」
電話して！法律で決まっているんだから
中国の子どもたちが親の世話をする義務を負うのは病気の場合に限らない。中国政府は２０１３年７月、成人した子どもが親を定期的に訪ねたり電話したりすることを義務づける法律を定めた。親は自分の面倒を見ない子どもを訴えることすらできる。
しかしグレトラーさんは、この法律も中国が昔ほど家族中心の国でなくなった事実を変えることはできないと言う。「寂しい高齢者が増えている。今、中国ではそれが深刻な問題になっている。昔は、２世代、３世代、時には４世代もの大家族が一つ屋根の下で暮らしていた。しかしそれは５０年前の話だ。今はもうそんなことはない」
マキューアンさんにとっては、米国を定期的に訪ねるのは身体的、経済的にだけでなく、感情的にも厳しかった。夏に父親が亡くなり、病気で苦しんでいる母親に対して一層責任を感じるようになった。
「私が何もかもしてあげることはできない。こんなに遠くに住んでいるのだから。それとどう折り合いをつければいいのだろうか？」
人口高齢化
連邦統計局の推定では、２０１０年にはスイスの人口の１７％が６５歳以上だったが、２０６０年までに２８％となる。スイスは世界有数の長寿国であるため、定年退職した後も９０歳を超えた親の世話をする人が増える見込み。インフォボックス終わり
（英語からの翻訳・西田英恵 編集・スイスインフォ）, swissinfo.ch