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スイスで２７日に行われた国民投票で、２０２９年に脱原発するよう求めるイニシアチブが投票者の５４．２％の反対と州の過半数の反対で否決された。これでスイスは、政府が９月に決定した「エネルギー戦略２０５０」に従い、新規原発建設は凍結するものの、原発の運転期間に制限を設けずにいずれは脱原発するという「段階的脱原発」の道を選んだ。しかし一方で、賛成も４５．８％と高い数字を記録。緑の党は、「原発が引き起こす過酷事故に対する懸念が広がった証拠」と見ている。
否決された緑の党提案のイニシアチブは、「新しい原発の建設を禁止し、既存の原発の運転期間を４５年に限定。原発に取って代わるのは再生可能エネルギーと節電・省エネだ」と謳っていた。
これに反対する政府と連邦議会は、イニシアチブが可決されれば来年１７年に３基、２９年に５基すべてが運転を停止し、それでは電力供給量の約４割を占める原発に取って代わる再生可能エネルギーによる発電は追いつかず、外国から電力を輸入しなくてはならない。しかも、それにはドイツやフランスからの石炭火力発電所や原発で発電される電力が混ざる、と批判した。
また、電力の輸入が増えれば送電線の整備にコストがかかり、早期の運転停止は廃炉用に積みたてた基金に不足を引き起こしかねないとした。さらに右派・国民党は、原発産業での失業者の増加も強調し、活発な反対キャンペーンを繰り広げた。
結局、こうした政府の懸念や国民党の意見に、主にドイツ語圏の州民が賛同した。
賛成派は多少落胆
一方、脱原発に賛成したのは、ジュネーブやヴォー、ジュラやヌーシャテル州など、フランス語圏の州民が多かった。そんな中、ドイツ語圏で例外的に賛成したのが、バーゼル・シュタット準州とバーゼル・ラント準州だった。
これには、理由がある。イニシアチブ提案の中心的人物で緑の党のロベール・クラメール下院議員によれば、ジュネーブ州とバーゼル・シュタット準州は、かつて州民投票で原発に反対し、それが州の憲法に反映されており、来年から１００％再エネ電力を供給し始めるからだ。
投票結果が出た後インタビューに応じたジュネーブ州・緑の党のデルフィン・クロッペンシュタイン広報担当は、結果に多少落胆しながらも、今後の方向性について「来年から再エネ１００％の電力を供給していくこれら二つの州をモデルにして、他の州が分散型のエネルギー転換を行ってくれるよう期待している。直接民主制で、州の独立性が保障されているスイスだからこそできる方法だ」と述べた。
また、賛成が４５．８％と高い数字を記録したことに対し、原発が引き起こし得る過酷事故に対する懸念が広がった証拠だと見る。実際、九州ほどの面積しかないスイスにある５基の原発は、すべて都市に近い。ミューレベルク原発は首都ベルンからわずか１６キロメートル、ベツナウ第一原発はチューリヒ市から２２キロメートルの距離だ。
「もし過酷事故が起これば、人口８００万人のスイスで１００万人が避難を強いられる。また放射能汚染もほぼ国内全土に広がるだろう」と、クロッペンシュタインさんは強調した。
なお、今回の投票率は４５％と、平均より少し高い数字を記録した。