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１００万分の１ミリ＝ナノの世界で物質を扱う研究が、２１世紀の技術に大変革をもたらすとされている。２０年前、走査型トンネル顕微鏡を開発したスイスは、ナノ科学の先駆者だった。このコンテンツは 2002/05/24 10:26
１９８１年IBMチューリッヒ研究所で走査型トンネル顕微鏡（scanning tunnelling microscope = STM）が開発され、個々の分子や原子が初めて視覚化された。物質の構造解析を可能にしたこの偉業により、開発にあたった研究者らはノーベル物理学賞を受賞した。
STM走査型トンネル顕微鏡の原理は他の顕微鏡と全く異なるものだ。物質と物質を近付けていった場合、一番近いところにあるお互いの物質の原子同士が、どこかでまず接触する。そのとき、この原子の外側にある電子は、電子のもつ波動の性質により、少しずつ相手の原子に浸み込んでいく。この現象を「トンネル効果」とよぶ。このトンネル効果の原理を用いたのがSTMだ。例えば結晶の表面に鋭利なタングステン針を１ナノメートル（１００万分の１ミリ）以内にまで近付けづけると、そのタングステンの先端の原子と結晶の原子が接触し、その外側の電子がトンネル効果で流れ、この電流でモニター画面のその位置に明るい点が現れる。針で結晶の表面を縦横に振り、動きを記録していけば、コンピューター画面上に結晶のイメージを描き出すことができる。このデバイスは今日でも新バージョンの開発が続けられている。
当時のチューリッヒIBM研究チームの１人、クリストフ・ゲルバー氏は「走査型トンネル顕微鏡はナノの世界を視覚化した。全ての科学者がアインシュタインのように目で見えない抽象的な事象を描き出せるわではない。STMによってこれまで観測のできなかったナノメートルの世界で何が起きるのか実際に目で見ることができるようになり、ナノの世界の研究に大きな進歩をもたらした。」と言う。STMの精密度と安定性を高めるのは、至難の技だった。環境から発生する振動妨害を根絶するため、研究チームは顕微鏡を超伝導鉛の皿に浮かぶ永久磁石の上に組み立てた。STMの開発により、研究者らは個々の分子や原子を観察できるようになったばかりか、それぞれの動きも観察できるようになった。物質の表面の原子構造を解析する能力は、半導体物理学、マイクロ電子工学における特定の応用物理学では極めて重要だ。化学でも、表面反応は触媒作用などのプロセスにおいて重要な役割を果たす。バーゼル大学バイオケミストリー研究所では、STMを用いて薄膜組織のさようを視覚化することに成功した。「人類は文字通り生命を見る事ができた。すばらしい業績の達成だ。STMの応用ではスイスは世界をリードしている。」とゲルバー氏はいう。
ゲルバー氏は「現在我々は世界のナノスケールの科学を包括する財団の創設に尽力している。私は『ナノテクノロジー』という単語を用いることにためらいを感じる。現在我々が研究していることは『ナノ科学』だ。ナノテクノロジーは過去１、２年の間に科学者や政治家らによって誇大宣伝され、過ったイメージを作りあげてしまったようだ。ナノ科学が世界に大変革を起すことは間違い無い。が、我々はまだそこまで到達していない。」と慎重に語った。
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