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スイスには、歴史を感じさせる小振りな城がたくさんある。中には、廃墟となってしまったものもあるが、昔の建物を上手に生かして、ホテルやレストランとして使っている城も多い。今日はその一つ、ブランディス城（Schloss Brandis）をご紹介しよう。このコンテンツは 2016/01/14 07:45
ブランディス城は、「アルプスの少女ハイジ」の舞台として、日本人観光客に大変人気のあるグラウビュンデン州マイエンフェルト（Maienfeld）にある。この一帯は、葡萄畑の広がる比較的温暖な地域で、ワインが特産だ。
ブランディス城とマイエンフェルトの歴史は、紀元一世紀、ローマ時代まで遡ることができる。現在のスイス東部はローマの支配下にあり、ラエティア（Raetia prima）という属州だった。その都は現在のクール（Chur）だったが、現在のチューリヒ（Zürich）や現在のブレゲンツ（Bregenz）との中継点としてブランディス城の砦が築かれた。現在の城の石垣には、当時のものが一部残っている。
その後、この地に縁のある様々な貴族の所有を経て、この城の名前の由来となるブランディス男爵家にこの城の支配が移ったのは1438年のことだった。
だが残念ながら、ブランディス家は不名誉な形でスイス史に名前を残すこととなった。1499年にシュヴァーベン戦争が始まると、城主ジーグムンド・フォン・ブランディスは、弟のファドゥーツ城主ルードヴィクと共に、スイス諸州同盟と敵対する神聖ローマ皇帝マクシミリアン一世側につき、停戦協定を破って攻撃を開始したからだ。
一度は、マイエンフェルトの支配はブランディス家のものとなったが、一週間後にスイス諸州同盟が城とマイエンフェルトを奪取した。このシュヴァーベン戦争の結果、スイス諸州は神聖ローマ帝国から実質的に独立し、後の永世中立国スイス誕生への重要なステップとなったから、スイスとグラウビュンデンの歴史にとってこの戦いの勝利はとても重要になると同時に、城主ジーグムンドは悪役として歴史に名を残すことになってしまった。彼は敗走したが捕らえられて、実弟であるクール大司教座聖堂首席司祭ヨハネス・フォン・ブランディスの元に幽閉されて生涯を終えている。
それから、この城は三州同盟（Die Drei Bünde、現在のグラウビュンデン州）に売却された。代官が治めていたが、改装費などは捻出されなかったため、暖房もない状態で長いこと人は住めなかった。
19世紀以降になってから、ブランディス城は個人に売却されて、再び改装された。1868年からレストランとして開業している。何度か所有が代わり、現在はヘルマン家の所有で、レストラン、宴会場の他に、15戸のアパートメントがあり、「お城の住人」となることも可能だそうである。
私たち夫婦は、日本の客人の希望で、昨年の9月にこのブランディス城で食事をした。お城のレストランで食事というと、ものすごく高いのではないかと心配していたが、庶民的とはいわないまでもスイスのレストランとしては普通か少し高いくらいの値段設定で、安心して入ることができた。
スタッフはとても気さくで、ワインのことなどの相談にも親切に応じてくれる。私は、スイスの普通の一皿だと量が多すぎて食べきれないことがあるので、少し少なめにしてほしいと頼んだら、快く応じてくれた。この地域で話されているドイツ語の他、イタリア語やフランス語、それに英語でも話が通じる。
お城で食事をしているリッチな雰囲気を楽しみたければ、騎士の間（Rittersaal）での食事がおすすめだ。とても広い部屋は石垣を上手に利用した壁、重厚な木の天井と家具、そして中世を思わせる明るいシャンデリアが素晴らしい。
一方、塔の居間（Turmstube）と呼ばれる小部屋は、もう少し田舎の雰囲気だ。昔ながらの薪オーブンや、城主が好んでしたであろう狩猟を思わせるアイベックスの頭部の飾りなどがある。壁には、この城が支配していた各市町村のワッペンが掲げられている。ワイワイとチーズフォンデュなどを楽しむなら、こちらの部屋がおすすめだ。
グラウビュンデンと、スイスの歴史の1ページに想いを馳せながら、ちょっとした非日常を楽しむことのできるブランディス城。ハイジゆかりの旅でマイエンフェルトに立ち寄った方は、お洒落をしてランチまたはディナーに立ち寄ってみてはいかがだろうか。
ソリーヴァ江口葵
プロフィール：ソリーヴァ江口葵
東京都出身。2001年よりグラウビュンデン州ドムレシュク谷のシルス村に在住。夫と二人暮らしで、職業はプログラマー。趣味は旅行と音楽鑑賞。自然が好きで、静かな田舎の村暮らしを楽しんでいます。End of insertion
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