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この夏ノルウェーで起きた連続テロ事件。このような惨劇を防ぐために国が出来ることは限られていると、スイスの司法精神医学者フランク・ウルバニオク氏は語る。このコンテンツは 2011/08/06 15:00
チューリヒ州司法省の精神医学心理学課で課長を務めるウルバニオク氏はさらに、暴力犯罪者に関する諸説の神話性を暴露する。
極右思想を持つノルウェー人アンネシュ・ブレイビク容疑者（３２）は７月２２日、首都オスロの官庁街で自動車を爆破し、これによって８人が死亡。ブレイビク容疑者はその後与党・労働党恒例の青少年キャンプが行われていた郊外の島に渡り、６９人を銃殺した。犠牲者のほとんどが１０代の若者だった。
スイスインフォ ： 暴行の前科がない３２歳の青年が７７人を冷然と殺害しました。犯行後に自殺をすることもなく、テロ容疑に対し無罪を主張しています。このことについてどう考えますか。
ウルバニオク ： 犯罪の手法を分析すると、今回の場合は非常に重要な二つの要素が目につく。まず容疑者が自殺をしていないこと、それに今が戦争状態だと頑なに信じている点だ。
なぜ彼が自殺しなかったのかには２通りの見解がある。一つは精神病の一種、つまり重度の精神障害を患っている可能性だ。人は妄想により自分がしていることが正しいと信じ込むことがある。だが今回彼が緻密に計画を練り、冷淡に犯行を実行したことを考えると精神病の可能性はかなり低い。むしろ強い信念を持つ者による犯行と見る方が確実だろう。
ここで気を付けておきたいのは、精神病疾患と暴力を振るうことを一緒にしないことだ。たとえ暴力行為を起こしやすいような性格的要因があったとしても、それは精神医学上の疾患とは限らない。
スイスインフォ ： ブレイビク容疑者の弁護士は、彼を精神異常者と見ています。しかし警察長はそうでないと主張しています。この点はどう考えますか。
ウルバニオク ： 私も彼が精神異常者だとは思わない。もちろん弁護士はそう言うだろう。だがブレイビク容疑者に責任能力があることを証明する有力な証拠がある。犯行計画は長期に渡り、しかも緻密に練られていたこと、そして犯行が冷酷に行われたことだ。
スイスインフォ ： 犯行は突発的ではありませんでしたね。緊張した様子もなく、淡々と人を狙って撃っていました。
ウルバニオク ： その通り。そんなことができるのは精神が困難な状況にも対応できる状態にあるからだ。ブレイビク容疑者は何が起きているのかを認識し、次の行動を決断し、状況を把握しなければならなかった。これは彼が重度の精神病患者ではないことを強く物語っている。
スイスインフォ ： どのような心身状態において、あれだけ多くの人を、しかも１人ずつ殺害できるのでしょうか。
ウルバニオク ： 一般的に殺人犯は過去にも暴力を振るっている。性格パターンや特徴が偏っている人は、行動を通じて自分を表現しようとするからだ。だが今回の容疑者の過去を見るとマニフェスト、つまり長年に渡って構想された彼の理論が犯行に影響を及ぼしたことが明らかになった。
しかし通常は理論だけでなく、暴力行為を犯した過去があるものだ。
スイスインフォ ： どんな環境で育ったのかが重要だとよく耳にします。ブレイビク容疑者の両親は彼が１歳の時に離婚しました。しかし離婚した親を持つ人は大勢いますし、そのような人が精神異常者になるとは限りません。
ウルバニオク ： 幼少時代が犯罪行為に影響するというのはあり得ない話だ。これまでの研究を見てみると、暴行したり性犯罪を犯した人の約３分の１が複雑な家庭環境で育っているが、同様の環境下で育っても犯罪を起こさない人は大勢いる。反対に、犯罪者の３分の２は普通の家庭で育っている。
確かに人は育った環境に影響されるが、重要なのは性格だ。もし重大事件の原因が不幸な幼少期にあるのなら、今回のような大量殺人が毎日起きているはずだ。
スイスインフォ ： 心配になりますね。ひょっとしたら私たちも何かの拍子で一線を越えてしまうかもしれません。私たちはみんな潜在的な殺人者なのでしょうか。
ウルバニオク ： それもまたあり得ない話だ！自分が殺人を犯す確率が９割か、それとも１００万分の１かでは天と地ほどの違いだ。すべてはどんな性格なのかによる。暴力的な性格の持ち主の場合、犯罪を犯す確率はかなり高い。だがそうした性格ではない人が犯罪を犯すとしたら、その人が置かれた状況がかなりの異常事態であると考えるのが筋だ。そのため人はみんな潜在的殺人者だというのは間違っている。
人が暴力を振るう理由に、人格によるものと状況によるものの２通りがある。たとえば、暴力とは無縁の性格を持った尼がいるとする。この尼は武器を手にしたこともなければ、けんかをしたこともないし、過激な内容のビラを配ったこともない。そんな尼が殺人を犯すとしたら、非常に独特で、しかもあり得ない状況を演出しなければならない。たとえば村の祭りで尼が麻薬の入った水を飲む。すると尼の精神状態はおかしくなり、世界はエイリアンに支配されていると錯覚を起こす。そして人を殺す。だがここで問題なのは人ではなく、状況だ。
スイスインフォ ： 今回のような事件を防ぐ方法はありますか。友人や家族、同僚は何に気をつければいいのですか。
ウルバニオク ： まず第一に、重大事件には常に前触れがある。常に、だ。そのため理論上ではその危険信号を見つけて犯罪を防ぐことが出来る。だが実際問題、そうした情報を入手できるだろうか。しかもそれを分析できる専門家などいるのだろうか。今回のように容疑者に前科がない場合は難しい。
スイスインフォ ： ブレイビク容疑者の隣人は、彼は大人しく、恋人はいなかったと話していますが、恋人のいない青年全員を監視するというのは無理な話ですね。
ウルバニオク ： もちろん無理だ。今回のような事件を企んでいる人間が、近所のパン屋や隣人に自分の計画を話すわけがない。ブレイビク容疑者は家で思想を膨らませ、執筆していた。彼は突然どこからともなく現れたわけではなく、長年ひっそりと計画を進めていたのだ。
下らないことや冷酷なことを書く人は大勢いるが、そのほとんどが人に危害を与えることはない。脅すだけだ。脅す人のほぼ全員は実際何もしないが、問題はそうした脅迫を行う人の中でも暴力的な性格を兼ね持つ５％の人たちが危険なのだ。しかしこの人たちを見つけるのは難しい。
フランク・ウルバニオク
１９６３年生まれ。１９８９年から１９９５年までドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州にあるランゲンフェルト（Langenfeld）精神科病院に勤務。１９９２年から精神科の相談医および心理セラピストを務める。
１９９２年から１９９５年にかけて、人格障害犯罪者の治療に特化したモデル病棟（ランゲンフェルダー・モデル）を設立。「犯罪志向（offence-oriented）」セラピーという言葉を生み出す。
１９９５年、チューリヒに移住。主治医としてチューリヒ州刑事局精神医学・心理学課に勤め、１９９７年課長に昇進。
心療内科医およびセラピー管理監督者として活躍する傍ら、裁判所指定の司法精神科医も務める。
２００４年のイニシアティブ（国民発議）で可決された性犯罪・暴力犯罪に関する規定の施行に向け、スイス連邦内閣が立ち上げた専門委員会のメンバーでもある。
犯罪志向セラピーの提唱者として、暴行や性犯罪者の治療を専門とする。
犯罪者の危険性評価における品質管理および記録の方法「FOTRES（Forensic Operationalized Therapy/Risk Evaluation-System）」を開発。現在５カ国で取り入れられている。End of insertion
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