Document ID: /fineweb-2-swissfilter-quality_10-filterrobots/filtered/00683.jsonl.gz/46

スイス代表部国連軍縮大使ユルク・シュトロイリ氏は3月29日、クラスター爆弾禁止の新条約作りに向けての「オスロ宣言」にスイスが積極的に関わったと語った。
一方、NGO「ハンディキャップ・インターナショナル ( Handicap International ) 」のスイス支部事務局長ポール・ベルムロン氏はクラスター爆弾の脅威を語り、新条約作りに向けメディアなども含めた国際社会の積極的支援を訴えた。
2001年以来スイスは特定通常兵器使用禁止制限条約 ( CCW ) 会議などの場で、クラスター爆弾に関する世界的な基準作りを提唱してきた。その政治的姿勢は変わらず、昨年11月CCWの締約国会議で「クラスター爆弾の製造、使用禁止規制」を求める26カ国の共同宣言にも加わった。その後、今年3月23日の「オスロ宣言」も他の45カ国と共同で採択し、スイスは宣言の最終草稿作りにも積極的な参加を行ったという。
クラスター爆弾の脅威
「クラスター爆弾の犠牲者の98％が民間人で、そのうち27％が子どもなのです。さらに数十億個の爆弾がおよそ70カ国の兵器庫に保管されています。」とベルムロン氏。
手にすっぽり入る形など210種もあるクラスター子爆弾が、何百とミサイルや爆弾の中に詰め込まれる。後者が空中で炸裂すると、子爆弾は広い範囲に渡って、方向も定まらず拡散する。そのため民間人が集中する場所で炸裂すると一般市民、子どもが犠牲者となる。
さらに、炸裂しないまま何年間も地上に転がっている子爆弾も多く、戦闘後何年たってもそれに触れると炸裂し、いわば地雷に似た被害にあう子どもたちが後を絶たないという。このため、人道的観点から世界的に批判が起こっていた。
近年では、イラク、コソボ、アフガニスタンで多く使用されてきたが、昨年のヒズボラに対するイスラエル軍の乱用が議論に拍車をかけた。国連の推定によれば、イスラエルはレバノン南部に400万個の子爆弾を落とし、その40％が不発弾として残っているという。
「オスロ宣言」後のスイス
スイスは「オスロ宣言」以降予定されている、スイスのモントルー ( Montreux ) での専門家会議、5月ペルーのリマでの「国際クラスター爆弾会議」などにも、クラスター爆弾が何らかの形で禁止される方向を支持しながら積極的に参加するという。
「アメリカ、中国、ロシアなどの主要国に門戸を閉ざさず働きかけることが大切です」とスイス外務省人権人道法課長ダニエル・クリンゲル氏はいう。
ただしスイスは20万個のクラスター爆弾を保有する国でもある。ノルウェーとオーストリアがクラスター爆弾の製造、輸出入の一時停止のモラトリアムを決定した今、「2カ国の決定がテーブルの上に提出されました。スイスはそれを受けてどう政治決定を行うか、これからの問題です」とクリンゲル氏。
一方、ベルムロン氏は「5月のリマ会議で政府はスイスのモラトリアムを提示する可能性が大いにあります。明日戦争をする必要のないスイスにとって爆弾の製造、輸出の一時停止を行うことは可能です。さらに今モラトリアムを提示することは、スイスの国際的イメージにとっても大切なことです」と言う。
また6月には連邦議会の下院でクラスター爆弾の禁止イニシアチブが話し合われるという。ところで仮に2008年にクラスター爆弾の禁止条約が成立した場合、スイスは他の国際条約の場合と同様、政府が署名し、批准は連邦議会が賛同した上で決定される。
swissinfo、 里信邦子 ( さとのぶ くにこ )