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注目された世界一高額の法定最低賃金導入のイニシアチブ（国民発議）は否決された。法定最低賃金は、格差社会や債務赤字に悩む欧州諸国が最近政策に取り入れているもの。しかし、スイスは７６．３％もの圧倒的多数でこれに反対した。一方、性的虐待者を教育現場などから追放するイニシアチブは、６３．５％の賛成で可決。家庭医促進を目的とした憲法改正案も予想通り９割に近い８８％の賛成で可決された。
スイス労働組合連合（SGB/USS）が立ち上げたイニシアチブ「公正な賃金を守るために（最低賃金イニシアチブ）」は、賃金格差の拡大、ワーキングプアの広がりなどを背景に、貧困を減らし不当に低い賃金をなくすことを求めたものだ。具体的には、時給２２フラン（約２５００円）、１カ月の給料に換算して約４千フラン（約４５万円）を最低賃金にするよう求め、また最低賃金を平均賃金や物価の変動に合わせることも含まれていた。
スイスには月給約４千フラン以下の労働者は約３３万人存在し、１０人に１人が低賃金労働者にあたる。
スイスでは伝統的に、労働協約に基づき賃金を労使間の団体・個別交渉で決めてきた。この労働協約の中に最低賃金を導入している場合も多い。よって法定最低賃金導入は初めての出来事になるはずだった。
政府と連邦議会は、このイニシアチブに初めから反対していた。理由は、時給２２フランは世界でも高額な給料であり、これ以下の給料の仕事が失われる危険性があること。つまり失業者にとっては雇用を見つけることがさらに困難になること。また薄給の労働者には、減税や多種の社会保障などで十分に対応しており、薄給でも仕事が保障され、こうした社会保障が補う形の方が法定最低賃金導入より、効果が高いと主張した。
しかし、スイス労働組合連合側は、労働を公正に評価し、（社会保障に頼るのではなく）、誰もが自分の給料で生活できるべきだ」と主張。また、「高額の法定最低賃金が導入されれば、企業の国外移転や自動処理化が進み、結果的に低技能労働者の職が失われる」という雇用者連合の主張に対しては、「これは単なる脅しだ。低賃金労働者の大多数は、美容院、クリーニング屋、ホテル、飲食店など国内経済に従事している。こうした職種の国外移転はありえない」とも主張した。
またある経済学研究者は、財政赤字に陥った政府に残された道は二つあると指摘。「一つは増税。だがこれは絶対に大衆受けしない。二つ目は、生活保護に関わる公共支出を削減するため、低賃金労働者を救済することだ」と主張していた。
性的虐待者を遠ざけるイニシアチブ、可決
性的虐待者を教育現場などから追放するイニシアチブは、「子どもや障がい者に性的虐待をして有罪判決を受けた人（男女を問わず）は、子どもや障がい者と関わる職業およびボランティア活動に就くことを生涯禁止する」とうたったものだ。
サッカークラブで未成年者に性的虐待をしたコーチ、障がい者に長年にわたり性的虐待をしたケアワーカー、または聖職者による性的虐待など、スイスではこうした問題がここ７、８年明るみに出て、議論が高まっていた。また再犯者が出るたびに、「なぜ性的虐待者が再び子どもと関わる仕事に就いていたのか？」という疑問が噴出した。また、特にこの種の虐待は生涯にわたり被害者を苦しめるという認識も広がった。
こうした社会状況の中で、イニシアチブは子どもの安全を守る親たちの団体によって立ち上げられ成立した。
しかし、「内容が厳しく、量刑が重すぎる」という批判もあった。政府（連邦議会下院を除く）は、次のような理由をあげイニチアチブに反対を表明した。まず、イニシアチブが性的虐待のみに焦点を当てているため、精神的虐待や子どもの殺人などの犯罪が含まれていないこと。また性的虐待は、家庭内や親族内で起こることが多い事実を考慮していないこと。そのために改正した刑法は、性的虐待者の教育現場への復帰にブレーキをかけると同時に、上記の内容にも十分対応するものだと主張していた。
改正刑法は、性的虐待を行った犯罪者の教育現場復帰の禁止期間は基本的に１０年間で、その後状況に鑑み５年ごとの延長が行われる。また家庭内などの性的虐待者も犯罪者とみなされるというもの。
しかし、連邦議会の下院はイニチアチブに賛成していた。
今後、この改正刑法はまずは施行されるが（連邦議会で承認されたため）、イニシアチブが可決された今、刑法が再び検討され、補充されると関係者はみている。
奨励される家庭医も可決
第３の案件「家庭医の促進を目的とした憲法改正案」は、予想通り可決された。この改正案は、「国と州は、家庭医を基本的医療の根幹をなすものと考え、これを奨励する。また、基本的医療の専門家育成と専門家を取り巻く環境・条件の整備に関する法律を作成する」とうたっている。
スイスでは、高齢化が進み多様な慢性疾患が増加。こうした状況にはまさに家庭医が一番必要とされるのに、現実には減少の一途をたどり、医学生のわずか一割しか家庭医を目指さないという現実があった。それは家庭医の給料が低いなど、この職業に魅力がないからであり、政府が奨励しないせいだとスイスの家庭医たちは訴え、イニシアチブを立ち上げた。
今回の憲法改正案は、政府が作った同イニシアチブへの対案だ。この対案には、家庭医だけではなく、慢性疾患を治すセラピストの育成や賃金なども考量されているため、より包括的。そのため、イニシアチブ提案側さえ、これを取り下げていた。
これが可決されることを期待して、投票前にある家庭医は「慢性疾患を適切な方法で治していくには総合的なアプローチをやるしかない。したがって条文が可決されれば、スイスは重要な第一歩を踏み出すことになる」と話していた。
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