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6月1日に行われる国民投票では、3つの案件が審議される。中でも、スイス国籍取得の承認方法の改正を求めるイニシアチブ「民主的帰化を」をめぐっては、投票前の討論が白熱している。
イニシアチブが発足した原因は、2003年に連邦裁判所が、2つの個別の国籍取得手続きをめぐり違憲判決を下したことにある。
このイニシアチブは右派政権党の国民党 ( SVP/UDC ) を中心に署名が集められたが、国民に審議を求めるために集まった有効署名数は必要数10万をわずかに38上回るだけで成立した。
異議申し立てを認めない
現在、スイスに帰化を希望する外国人は、その人が住む自治体と州、そして連邦の承認が必要だ。帰化承認の判断には、12年間以上スイスに住んでいることのほか、品行方正で、スイス社会に融合しているかが条件だ。帰化申請が拒否された場合、その申請者は異議申し立てができる。つまり、その理由を明示することを求める権利がある。
2000年、ルツェルン州の自治体では投票による帰化承認が行われているが、スイス隣国の外国人に限って帰化が許されたことが問題となり、2003年には連邦裁判所がこれを憲法違反と判決を下した。また、チューリヒ市で発足した帰化承認を州民投票にすることを求めたイニシアチブについて、最高裁判所が基本的に違憲であるとした。
今回、国民投票で問われるイニシアチブ「民主的帰化を」は、自治体がほかの機関に影響されず独立性を持って承認し、この決定は最終決定であり異議申し立てはできないよう帰化承認制度を改正するよう求めている。
政治的判断か、事務手続きか？
政府および連邦議会はこのイニシアチブに反対している。まず第1に、「法の下の平等」に反するというのが理由だ。また、自治体による帰化承認過程が差別的であったり、根拠に欠けるその場的な判断でなされるケースは現代の法治国家にそぐわない。帰化承認のプロセスには透明性が必要である。現在、具体的な帰化承認方法は各州の手に委ねられている。イニシアチブが承認されると全国的に承認方法が統一されるため、一部の州では現行制度の変更を強いられるといった理由を挙げている。
帰化申請は外国人の権利であり、拒否された場合は異議申し立てができるのが、法治国家であるという政府の主張に対し、帰化は外国人の権利ではない。スイスの歴史から見ても民主的プロセスを経た決定であり、選挙や投票と同じように理由説明をする必要はないとイニシアチブ発足側は反論する。
国民党員のルドルフ・ヨダー国民議会議員は
「帰化は政治的審理であり、事務的手続きではない。帰化した人はスイス人としての権利をもち、スイスの内政に影響をもたらす。先の最高裁の判決により、大勢の外国人が帰化するようになることは避けるべきだ」
と主張する。
このイニシアチブに反対する社会民主党 ( SP/PS ) のアンドレアス・グロス国民議会議員は
「国民が決めるのは、帰化の条件である。帰化申請の承認は明らかに事務手続きである。また、今後、帰化が急速に増加するということは非現実的」と反論する。
なお、イニシアチブの承認には、投票者の過半数とイニシアチブに賛成する票が過半数に至った州の数が12州以上となる必要がある。
swissinfo
キーワード
イニシアチブに反対する政党および機関
閣僚、国民議会、全州議会、キリスト教民主党 ( CVP/PDC ) 、急進民主党 ( FDP/PLD ) 、社会民主党 ( SP/PS ) 、緑の党 ( Grüne/ les Verts ) 。