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6月に入り初夏を感じる日も増えてきた。日も長くなり夜10時頃まで明るいので、我が家では外で遅い夕食を食べる回数が増えてくる。外ともいっても自宅のテラスに出してあるテーブルと椅子で食べるだけだが、これが室内で食べるのとは違い何ともいえない開放感があるのだ。
日本にいた頃は、食事は基本的にいつも室内でしていた。しかし、冬が長いスイスに来てからは少しでも長く太陽の光を楽しみたい一心で、春夏は屋外で食べる回数が自然に増えていった。大抵のレストランも天気の良い日は店の前にテーブルや椅子を並べ、人々は好んで外に座る。薄暗い店内で食事をしているのはせいぜい御老人ぐらいのものである。スイスに来た当初は、外で食事をする光景が、いかにもヨーロッパ的だなと感じたものだ。
最近、ご近所からどこからともなく漂ってくるのがバーベキューのいい匂いである。スイス人の夏のバーベキューの頻度は、週１回が25％、週2～3回が21％、つまり約半数の人が毎週バーベキューをしていることになる(数値はコープ新聞の統計による)。そして、ほとんどの家庭がバーベキュー用のコンロを持っており、自宅のバルコニーやテラスでよくソーセージやマリネされた肉や魚を焼いて食べる。一週間当たりの一人の肉類の消費量は何と１Kgにもなるそうだ。
特に“焼きソーセージ”がポピュラーで、代表格はセルベラ（Cervelat）とブラートヴルスト（Bratwurst）だ。両方とも牛・豚肉が主原料だが、セルベラはスイスのナショナルソーセージとも呼ばれていて、赤みがかったピンク色をしている。生でも食べられるため、多くのレストランには定番メニューとして「セルベラとチーズのサラダ」（Wurst Kaese Salat）があり、夫の大好物のひとつ。ブラートヴルストは細長くて白っぽいのが特徴で、仔牛肉（Kalbfleisch）が入っている。
年間に生産されるセルベラの数は一億六千万本。一人平均一年に21本ものセルベラを食べていることになる。街中や駅周辺には焼きソーセージのスタンドがあり、丸パンが１つ付いて６フラン程度（約５００円）で買え、これだけでかなりお腹一杯になるので、ランチがわりに食べている人をよく見かける。チューリヒ州ではマスタードをつけて食べるのが定番だが、ザンクトガレン州ではマスタードをつけずに食べるのが普通で、ピリ辛のタマネギソースをつけて食べることも多い。スイスは、ソーセージの食べ方ひとつとっても地域により違いがあるから面白い。
2006年、セルベラに使われているブラジル産の牛の腸皮が、狂牛病の関係で輸入禁止になった。「ナショナルソーセージの危機」と一時大きな話題になったが、その後アルゼンチン産のもので代用し何とか危機を切り抜けた。輸入禁止当初「もうすぐセルベラが食べられなくなるかもしれない」と沢山買いだめしているスイス人の姿を見かけた時は少々驚いたが、それも国民食として100年以上愛され続けてきた一つの証と言えるだろう。
ちなみにセルベラの語源はラテン語のcerebellum (脳味噌)だそうだ。19世紀のレシピには脳味噌も原材料に含まれていたそうだが、現在はもちろん含まれていないのでどうぞご安心を。それでは、エン・グエッテ！（＝スイスドイツ語で“いただきます”）
森竹コットナウ由佳
プロフィール：森竹コットナウ由佳
2004年9月よりチューリッヒ州に在住。静岡市出身の元高校英語教師。スイス人の夫と黒猫と共にエグリザウで暮らしている。チューリッヒの言語学校で日本語教師として働くかたわら、自宅を本拠に日本語学校（JPU Zürich) を運営し個人指導にあたる。趣味は旅行、ガーデニング、温泉、フィットネス。好物は赤ワインと柿の種せんべいで、スイスに来てからは家庭菜園で野菜作りに精をだしている。長所は明朗快活で前向きな点。短所はうっかりものでミスが多いこと。現在の夢は北欧をキャンピングカーで周遊することである。インフォボックス終わり