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猟師のテル、りんご、石弓。広告会社にとってこれほど素晴らしいアイテムはほかにない。ウイリアム・テルは数多くの広告にインスピレーションを与えたことでも「英雄」となりうる人物である。
ウイリアム・テルのどのような性格が、広告塔として最適なのかを探る。
ジュネーブ大学の社会学者、ウリ・ヴィンディシュ教授は「テルを見、テルを聞き、テルに触ることがあらゆるところでできる」と言う。スイスでは、多くの人がテルの洋服を着、テルを飲んだり食べたりしているが、テルを好きな人もいれば嫌いな人もいると語る。インターネット検索エンジンのグーグルで、ドイツ語式の名前の表記でWilhelm Tellと検索すると、10万件以上のサイトが見つかる。フランス語式のGuillaume Tellで3万件、英語のWilliam Tellなら9万件だ。ちなみに日本語で「ウイリアム・テル」と検索すると7,530件で、いずれにせよ各方面でテルは有名人なのだ。
ウイリアム・テルの居酒屋からテルのソーセージまで
もちろん検索して出てきたサイトは様ざまである。歴史、文化面でのウイリアム・テルやスイス旅行記に登場するテルもある。コートダジュールにはギヨーム・テルというバーがある。他にもテルの名前をもつレストランは多いが、古いレストランにそれは集中していて、なぜそのような名前になったのかなど、今の客には関心はないようだ。
テルというメニューもある。ソーセージにアップルムースというのが定番らしい。携帯の着メロにロッシーニの戯曲のメロディーがダウンロードできたりもする。このようにウイリアム・テルはどこにも存在し1世紀も前から商品の宣伝や政治広告にも使われた。
共通の価値を持つウイリアム・テル
テルのこうした力に注目したヴィンディシュ教授は、「テルと日常」という本を著した。「ウイリアム・テルは実存しなかったと歴史学者達は言うが、わたしのテルは実在するテルだ。スイスの英雄はあらゆるところに息づいている。現実世界の『テル現象』を分析し1冊の本にまとめてみた」と語る。
テルがよく広告に使われる理由として同教授は、テルの英雄行為がはっきりとしたメッセージを持ち、しかも、すべての人に分かりやすい価値をうたったものだからという。
「自由と勇気、独裁者に抵抗し蜂起すること。こうした価値観はすべての人の心の中にあり、こうしたメッセージが多くの人の共感を呼ぶ。好き嫌いはあるにしても、みんなが知っているのがウイリアム・テルなのだ。
ウイリアム・テルの性格も多様
広告業界にとってテルは、貴重な存在だ。テルにまつわる事柄が、それぞれに意味を持っているからである。りんごと石弓はテルがいなくともテルを思い出させるアイテムである。石弓はスイスのハイクオリティーを保証するエンブレムとしても使われているが、これはテルがスイス人だからで、石弓がスイス独特の武器だからではない。
さらにテルは「質実剛健まじめ一点張りというわけではなく、マンガに出てきてわれわれを笑わすこともできる。つまり、いろいろな性格を彼に負わせることができるのが広告塔としてのメリットなのだ」とヴィンディシュ教授は分析している。
スイス国際放送 アレキサンドラ・リシャルド（佐藤夕美 （さとうゆうみ）意訳）
補足情報
ウイリアム・テル関連グッズ
ビール、スイスアーミーナイフ、チョコレート、靴、その他お土産品。
商品、政治キャンペーンなどにテルは使われてきた。
石弓はテルを直接想像させるアイテムで、スイスのハイクオリティーを証明するエンブレムとなっている。使用には許可が必要。