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イスラム教のモスクに付随するミナレット ( 塔 ) を建てることに、モスク周辺の住民や当局の一部から偏見と根拠のない不安が噴出している。反対者は、イスラム教徒が計画する「組織的なイスラム化」がスイスで通ってしまうのではないかと心配している。このコンテンツは 2006/09/06 15:25
スイスでは建築規制が厳しく、建物の高さの制限のほか、現存する建物のちょっとした改造や増築にも申請が必要だ。
ミナレットはイスラム教のシンボルである。ヴァンゲン市 ( Wangen ) やランゲンタール市にあるイスラム協会のセンターから、センターの建物を今より数メートル高くしたいという申請があった。礼拝があることを知らせるための信徒への呼びかけ ( ムエッジン ) を行うには、現在の建物では小さすぎるというのが理由だ。近所迷惑になることを配慮し、スピーカーを付ける予定はないが、周囲の住民も政治家もミナレット建設には反対だ。
イスラムのシンボルに対する反対
ヴァンゲン市ではミナレット増築計画に反対する380人の署名が集まった。市の建築担当局も建築条例に反するという理由から許可できないという判断だったが、州は条例に沿ったものであると決断した。しかし、これで問題が解決したわけではない。
一方、ランゲンタール市では、国民党出身の地元の政治家がミナレット増築計画は「ロケットのような形をしていて、挑戦的なシンボルだ」と訴えた。｢ストップ・ミナレット｣というキャンペーンが起こり、すでに3500人が建築反対の署名をした。
このほか、ザンクトガレン州のヴィル市 ( Wil ) では、アルバニア系のイスラム教区がミナレットを付随するモスクの建設を計画している。これに対し州議会議員で国民党員のルカス・ライマン氏が、「ミナレット建設禁止」の動議を9月中に州議会に提出する予定だという。現地の風景の維持と保護がその理由として挙げられている。
ミナレットの意味
「ただのコンクリートの塔」がなぜこのような反発にあうのか。「スイス人にも、現実にあるイスラム教を認めたくないという心情があるからだ」と指摘するのは政治学教授のエルハム・クネヒト・マネア氏だ。「こうした不安を真剣に捉え、単に反イスラム主義者の不安と決め付けないことが大切」とも言う。
イスラム教やイスラム教徒は現在、マスコミによって暴力に関連する報道の中で否定的に取り上げられている。一方、「スイスにおける少数派のイスラム教徒が、イスラム教を実践したいと思う気持ちも分かるし、それは彼らの権利でもある」とイスラム教徒に理解を示しながら同氏は「ただ、ミナレットがすべての問題の中心なのかどうかは疑問だ。また、スイスにおいてミナレットが持つ意味も、( イスラム諸国とは ) 違うのではないか」とも言う。ランゲンタール市のモスクでは男女分かれて礼拝を行うので礼拝堂が2つあるが、1つの礼拝堂で一緒に祈ってもかまわないというのがクネヒト・マネア氏の意見だ。
同じような意見を持つのは、フォーラム「進歩的イスラム」の会長サイダ・ケラー・メッサリ氏。ミナレットの建築計画は、イスラム教が自らの姿を現すことでその存在を示し、このテーマについて幅広く討論することが目的だという。「ミナレットが正統的なイスラム教徒のシンボルにすぎないのなら、増築は必ずしも必要ではない」とケラー・メッサリ氏はノイエ・ツルヒャーツァイトゥングの日曜版に寄稿した。記事によると、ミナレットは礼拝の始まりを知らせるものではなく、正統的なイスラム教会は、その指導的権力のシンボルとして見ている。
まずは対話
「ミナレットをめぐる対立に至る過程が、問題の根源を示すものだ」とケラー・メッサリ氏は言う。ヴァンゲン市民はミナレット問題で、イスラム教徒との話し合いを一度も持っていないことを指摘している。一方、クネヒト・マネア氏もイスラム教徒とスイス人が定期的に話し合う機会を持ち、お互いを知ることで信頼関係を築き上げることが重要で｢まず、スイスに融合してそれからミナレットを建設するのが一番｣と言う。
現在のところ、ランゲンタール市の当局はイスラム教徒とミナレット反対者の仲介をする予定だが、ヴァンゲン市の当局はミナレットを認めないとかたくなで、裁判になるもようである。
swissinfo、レナト・クンツィ 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 意訳
補足情報
＜スイスのイスラム教徒＞
約35万人 人口の5％を占める。
コソボ、トルコ、中東、北アフリカが主な出身地。
モスクはジュネーブとチューリヒにそれぞれ１軒ある。
そのほかイスラム教・文化センターのような集会場所が各所にあるが、こうしたセンターでもミナレットの増築が希望されている。
ミナレットはキリスト教会の塔と同じく、神の存在を象徴するもの。
ベルンでは、異なった宗教の対話の場所になる、｢宗教の家｣の開設が予定されている。
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