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マーケットのグローバル化、構造の変化、そして納税者の目。スイスの農家は針のむしろの上にいるようなものだ。政府からの直接援助金は、国の規格に合格した農家にのみ支払われる。世界貿易機関（ＷＴＯ）の要求に沿った農業政策が必要とされる。
農家は、これまでより厳しい審査を通らなければならないという試練を負うが、政府との信頼関係が生まれる利点もあるという意見もある。農家のコントロールに実際立ち合ってみた。
ダニエル・フリューリ氏はすべてをチェックする。ゾロトゥルン州で農業を営みながら、有機食品を保証する（ＢＩＯ）ラベルを発行する民間組織でも働いている。このほか、法律で定められとおりに家畜を飼育したり農作物が生産されているかをコントロールするのも彼の仕事の一つだ。彼の傍らでチェックの仕方を見た。
牛が堂々としているかが判断基準
ヴィース夫妻が営む農家が検査の対象となった。乳牛の頭数、病気の有無、病気に投与される薬について。冬に牛小屋から牛を出す回数。夏に牧草地に牛を放す時間など多方面にわたってフリューリ氏は矢継ぎ早に質問する。
質問が終わると、実際に牛を牧草地に放してみる。牛小屋から牧草地へ堂々と歩き、やがて自分の場所を見つけて草を食む牛たちを見て、フリューリ氏は「合格」の判を押す。ヴィース家の牛たちは、生活に満足している「幸せな牛」と証明されたのだ。飛び跳ねるように牧草地に走っていくような牛は、小屋からあまり外に出してもらっていない牛だと判断される。
10点以上だと援助カット
フリューリ氏はチェックしてひっかかった項目の点数を数える。10点以上になると政府から支払われる直接援助がカットされることもある。環境に配慮した農業をしているという証明が得らるか得られないかで、直接援助の金額が上下するように法律で定められている。
牧草地に立ってフリューリ氏は質問を続ける。「牧草に撒く栄養剤はなんですか」「害虫対策はどうしていますか。量はどのくらいですか」といった農薬のことのほか、牧草地に土砂崩れの跡があるかということも調べてゆく。
最後にヴィース氏の事務所へ立ち寄り、フリューリ氏の印象とヴィース氏の営業日誌を見比べてみる。記録されている農薬の量とヴィース氏が答えた量が食い違っているということがあれば、説明を求められることになるが、ヴィース氏の場合、幸いにも疑問となる点はなかった。
意味のあることとないこと
今年になってチェックされたのは3度目。1回目は動物保護の観点と栄養剤の使い方に重点を置いたチェックだった。2回目は有機農法基準に従っているかをチェックされた。そして3回目は、食品管理官により乳を搾るための施設の衛生がチェックされた。
チェックは厳しいが、ヴィース氏はこうしたチェックを実は歓迎している。政府の直接援助は垂れ流しではいけないと思っているからだ。「チェックの記録を元に、たとえば病気しがちな牛を処分する目安にしたりできる」また「悪質な農家に対して処罰が下されることも、われわれにとっては良いことだ」と語る。
一方で、たとえば乳絞りの衛生管理では、小屋の清掃に使う洗剤の量がグラム単位で決められているのは「無駄な規則」とみる。細かいことまで決められているためすべてを頭では覚えられない。規制に関する書類を壁に貼っているヴィース氏。貼られた紙の長さは並べると２メートルにもなる。
適切なコントロールへの模索
ヴィース氏にとってコントロールの日は、普通の仕事に支障をきたすほどで、大きな負担を強いられる。「州がどのくらいの頻度でコントロールするかを、連邦政府に決めてほしい」と語る。項目も必要最低限で十分だと主張する。連邦農業局のクリストフ・ベブナー副局長は「コントロールが負担となっているという声には耳を傾けている。農業政策の改革によりコントロールの見直しもされつつある」と語る。
ＥＵ規制に準じ、食品安全に対する要求度が高くなってきたため、チェック点の見直し、納税者と消費者に対する情報開示などが見直される点として挙げられている。「規則はおおよそ守られているが、コントロールは必要」とベブナー氏は主張する。
現在、5万7000軒の農家が政府の直接援助を受けているが、5600件の違法が見つかっている。違法のために直接援助がカットされ、政府にとってみると500万フラン（約4億4000万円）の節約になっている。一方、農家にとってみると政府からの直接援助は生きる糧として必要不可欠。必死になって規則を守るしか道はない。
swissinfo、レナート・ケンツィ 佐藤夕美（さとうゆうみ）意訳
キーワード
農家の監視は連邦政府の責任だが、実際の運用は州の担当局が執り行う。
政府は農家の独立性を尊重。
有機農法で違法があれば、直接援助金はカットされる場合もある。
有機農法(BIO)であることを保証するラベルは民間組織により発行される。