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福島第一原発事故から４年を迎えたことを機に、チューリヒの非営利文化施設ローテ・ファブリークはこの事故をテーマにした映画祭「半減期」を１１、１２、１６日に開催した。上映後のディスカッションでは、原発事故で生じた日本社会の亀裂などについて、スイスの専門家らが話し合った。
この映画祭は「原発事故後の日本社会を見つめる長期的なプロジェクトだ」と、企画者のベアトリス・イェッギさんは語る。「どれだけ長くこの事故は人々の記憶に残るのだろうか？今後も人々はこの事故について語り続けるのだろうか？この映画祭を通し、政治的に中立な立場からこうした問いへの答えを探したかった」
今年は１１、１２日にチューリヒで、１６日にベルンで行われ、ドキュメンタリー映画２本が上映されたほか、東京経済大学の徐京植（ソ・キョンシク）教授による講演やスイスの専門家らによるディスカッションなどがあった。
怒りとは違う感情
まず、司会者のイェッギさんがパネリストたちに聞いたのは、被災者は事故を起こした東京電力や原発を推進してきた政府に対して「怒り」を感じているのかどうかだった。ディスカッションの前に上映された映画「波のむこう～浪江町の邦子おばさん～他のサイトへ」（１３年）では、浪江町で冠婚葬祭ホールとベーカリーを経営していた主人公の朝田邦子さんが、東京電力への感情を「怒りとは違う感情」と表現していたからだ。
事故後被災地を取材したボース記者は、この感情は「日本人が日本語で被災者と話さなければ分からないものなのかもしれない」と前置きしたうえで、当時の取材では被災者は全般的に悲しんでいる様子だったが、怒りを抱えているようには見えなかったと話す。
ワーグナーさんは「被災者の中には原発でいい思いをしてきた人もいるため、皆が一様に怒りを見せることはない」としながら、日本には言いたいことがあっても黙る文化があることも指摘する。
キアヴァッチ教授も同様に「特に東北には控え目な人たちが多く、映画の主人公は地元のエリートで、原発事故に責任を感じているのだろう」と分析する。
また、「被災地では家屋を代々受け継ぐ家庭が多く、男性優位な価値観が伝統として根強い」（キアヴァッチ教授）ため、男性は放射線量が高くても家を離れようとしない一方で、特に子供のいる女性はその土地を離れようとし、家族がバラバラになるという社会的な亀裂が起きているという。
原発は「最後の希望」
確かに、前出の映画で主人公が話していたように、原発立地自治体の住民には事故発生以前は原発を歓迎する人も多かった。「経済力がなく、人の流出も多かった過疎地では、原発は地元住民たちにとって最後の希望だった。その例が浪江町だ」（キアヴァッチ教授）
国はあえて社会的・経済的に脆弱だった自治体に多額の財政支援を提供し、原発を魅力的なものとして売り込んだと、キアヴァッチ教授はみる。「政府と電力会社の関係は密接。高度経済成長は日本が強い中央集権国家だったから達成できた。そのため全面的に原発を推進することもできた」
しかし、政府は経済界だけでなくメディアにも影響を及ぼしているため、原発を否定するような報道はあまり目立たなかったという。「東京新聞のように反原発的な内容の記事を報道してきたメディアもある。だが、メディアは政府が認可する記者クラブに入っていないと政府からの情報が入手できないため、特にメディア大手は控え目な報道をしている」（キアヴァッチ教授）
作業員は「実験用のウサギ」
国は現在、被災者が帰還できるよう特定地域で除染作業を行っている。しかし、ボース記者はこのままでは被災地の復興は難しいとみる。「除染作業をしても人々が戻る見込みのない地域でも作業が行われている。これでは単に建設会社が儲かるだけだ」
また、原発作業員にも言及し、「健康面で配慮があったチェルノブイリに比べ、福島の作業員たちは被ばく線量がきちんと計測されておらず、まるで『実験用のウサギ』のようだ」と批判する。
国が検討している汚染水対策のための凍土壁工事については、ボース記者は「人手不足という点から言っても、無意味」とも言い切った。
原発への関心
「日本人の半数以上が原発に反対しているのに、なぜ原発を推進してきた自民党が原発事故後に圧勝したのか？」。イェッギさんの質問に、キアヴァッチ教授は大政党に有利な小選挙区制、そして自民党の戦略が理由だと答える。
「自民党は原発事故以前に比べ得票数を増やしたわけではない。だが安倍晋三氏の唱える『アベノミクス』は世間に受けた。有権者の多くにとって原発問題の優先順位は下がったのだ」
原発への関心が国民の間で薄れていく一方、内閣府他のサイトへによると１４年４月時点でもなお避難指示区域から避難した人は約８万人おり、福島県全体では約１３万１千人が避難生活を送っている。
放射能汚染は特に被災者にとっては今も深刻な問題だが、「もう汚染について話すのはうんざりしているし、それに抵抗してもしょうがない」と被災地の知人の多くが語っていると、ワーグナーさんは述べる。
「スイスでも原発への関心が減りつつある」とイェッギさんは言う。だが、来年は福島原発事故から５年という節目の年となり、事故に対する世間の関心がまた高まるとの期待から、来年もこの映画祭を続ける予定にしている。
swissinfo.ch