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癌は細胞集団が無秩序な増殖，浸潤，そして時に転移と言った特徴の一部，あるいは複数を持つものである．
これらの3つの悪性の (危険な)性質によって癌は，局所的で多くは浸潤したり転移しない良性 (危険性の低い)腫瘍と区別されている
多くの癌は腫瘤を形成するが，例えば白血病のように腫瘤を作らないものもある．
癌は細胞，つまり組織，人間の臓器を構成する物から発生する．
通常，細胞は身体が必要としたときに新しい細胞を作る．
細胞が年老いると，死に，そして新しい細胞が取って代わる．
時にこの自然のプロセスが異常をきたし，不必要な時に新しい細胞が生まれたり，不要になった細胞が死なずに生き残ったりする．
これが無秩序な増殖，である．
2つ目の特徴は浸潤で，これは腫瘍が無秩序に増えた結果として周辺の組織に入り込んでしまうことである．
これによって癌細胞はリンパ節 (最も多い)や血管内に入り込み全身を駆け巡る．そうすることで新たな癌が他の場所で生まれる．
この遠く離れた場所で腫瘍ができることが，癌細胞の3つ目の特徴の転移である．
癌細胞が全身に転移すると，その細胞はしばしばリンパ節で発見される．
しかし癌細胞は事実上全ての臓器に転移しえる．
癌細胞が転移しやすい場所は骨，肝臓，肺，脳である．
このように転移した結果生まれた新たな腫瘍は，最初に発生した部位の細胞と同じ特徴を持ち，同じ名前で呼ばれる．
例えば，もし癌細胞が脾臓から肺に転移した場合，肺では脾臓で見られる癌細胞と同じ細胞が見られる．
そのためこの肺の病変は転移性脾臓癌 (脾臓から転移した)と呼ばれ，肺癌とは呼ばれない．
いくつかのリスクファクターは下記のとおりである．
遺伝性： もし祖先に癌が発生した個体がいる場合，その犬自身も癌を発生するリスクが高い.
早期避妊： いくつかの研究では初回発情前の避妊とある種の癌の発生に関連があるとしている．しかし同時に，早期避妊は乳腺腫瘍のリスクを下げるとも言われている．そのため，癌発生のリスクは，他のメリットと共に天秤にかけないといけない．
栄養： 加工されたフード (ドライ，ウェット)が犬の様々な病気，特に癌を引き起こすと信じている人もいる． しかし科学的には実証されていない．
毒物による汚染や暴露 (たばこの煙，車の排気ガス，除草剤，殺虫剤など)： イギリスの研究によると，農薬で汚染された芝地にいる時間の長い犬では癌の発生率が高い．
年齢： 年齢は最も大きなリスクファクターである．リスクは加齢により上昇する．癌が発生した高齢犬の76％は，年齢以外にリスクファクターを持たない．
品種： 特定の品種は一部の癌において他の品種よりも若干発生リスクが高い (下記参照)
ジャーマンシェパード，ゴールデンレトリバー，ボクサー，グレートデン，イングリッシュセッター，その他一部の大型犬は，特にある種の血管肉腫になりやすい．ウィペット，ダルメシアン，ポインター，グレイハウンド，ピットブルなどの短毛種も同様の傾向がある．
これらの品種による差異の理由は分からないが，遺伝的な素因が指摘されている．
引用および詳細は下記
たとえ犬が上記のリスクファクターを持っていようがいまいが，私たちは可能な限り早期に癌を発見したい．
そのため，私たちはたとえ犬が若かったとしても，このことについて獣医師と可能な限り早くに相談をすべきである．
獣医師はリスクファクターを下げるために何らかの方法を提示してくれるかもしれない (体重や食事など)．
一般検査や，もし可能なら治療まで包括している良い保険に必ず入っておくべきである (第14章参照)．
癌と診断される犬は，残念なことに人同様に増加の一途をたどっている．実際，癌で亡くなる犬は多く，特に9歳以上では死因の上位である．
犬は，ネズミとの遺伝的相動性は67％であるが，人とは80％以上である．そのため，多くの犬の癌は顕微鏡学的に，あるいは分子学的に人の癌と同等である．治療への反応性も似ている．これは犬の癌研究には朗報と言える．
人の癌化に関わる遺伝子変異の多くは犬にも同様の変化を起こす．実際，顕微鏡で観察すると人の腫瘍とお犬の腫瘍を区別することは不可能である．
このような類似性は，二本足の，そして四本足の双方にとって有利である．癌治療において希望を持てる分野として，近年「比較腫瘍学」と呼ばれるものが現れた．比較腫瘍学の研究者は，ペットの自然発生癌と人の癌の類似性を研究することで，双方にとってより有効な治療法の手がかりを探っている．
今日，多くの犬が老齢まで良質な健康管理をされており，飼い主は犬の癌に対してより良い治療法を探すことに意欲的であると同時に，副作用を減らそうとしている．
これはすなわち，人で有効とされた新しい治療法はしばしば犬の癌に対しても同様の結果をもたらす可能性があると言える．もちろんその逆も然りである．治療中の生活の質に関する研究 (様々な副作用も含めて)は，癌のペットへの新しい治療法を模索していくという点において，飼い主にとっても利点がある．