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スイスのカトリック教会が6月1日、初めて性的虐待の犠牲者に関する詳細なデータを発表した。
その結果、司教会議の集会で発表された2010年1月から5月にかけての犠牲者の数は、2009年の15人を遥かに上回る104人だったことが判明した。
ブラックリストはないが連携を強化
会議の冒頭にノルベルト・ブルナー司教は
「司教たちは全員、この問題解決の最良の方法は、犠牲者が進んで申し出てくれることだと考えている。こうして初めて前進できる。また、政府機関との密接な協力関係も大切だ」
と述べた。
さらに司教会議は、スイス国内の6カ所のカトリック司教区内の連絡を深め、周知の性的虐待者が一つの司教区からほかの司教区に移らないよう監視すること、また外国のカトリック教会とも連絡を密にし、外国からスイスに性的虐待者が移住して来ないよう予防することを決めた。
しかし、カトリック教会関係者内の性的虐待者のいわゆる「ブラックリスト」は作成せず、情報の交換が最大の方法だという。
一方、2010年の犠牲者の数が2009年の15人を遥かに上回る104人となった理由を、性的虐待のパネルを開催したリーダーは、こうした事件に関しメディアが多く報道し、届け出る場所が確認できたことを挙げた。届け出られた104件のうち101件がドイツ語圏で起きてことに関しては、ドイツ語圏の方が報道量が多く、メディア関係からの圧力も大きかったからだと説明した。
15年、20年後の届け出
「わたしは100%満足していない。まだ数多くの犠牲者が届け出ていないと思うからだ」
とジョセフ・ボヌマン 司教は話す。届け出は、心の重荷をさらに増やすことではなく、むしろ軽くすることだと考えるからだ。
今年届け出られた104件の事件うち、9件だけが1990年から現在までに起こり、残りは1950年から1990年にかけて起こったものだった。
「恐らく最近の事件はすでに届け出が済んでいるからで、今年出てきたものは非常に古いものだ。またこれらは時がたっているので、告訴されることはないだろう」
とボヌマン氏は続ける。
だが、新しい届け出が少ないから性的虐待がピークを越えたと考えるのは甘く
「現在でも虐待は起こっていると思う。しかし、これらが届け出られるのは15年、20年後だろう。従って、毎年統計を取って行くしかない」
と司教者会議の会長、フェリックス・クミュール氏は話す。
また、統計こそ透明性を高める方法だと司教者たちは考えており
「透明性は少しずつ獲得されていくと思う。現在の目的は、教会のイメージを良くしていくことではなく、犠牲者を助けることだ」
とグムーは説明する。
カトリック信者減少
2カ月前、スイスの司教たちは教会内での性的虐待の規模を軽く見過ぎていたと認め、その後犠牲者に届け出を積極的に行うよう訴えた。また、教会関係者によるこうした虐待行為を「恥ずべきこと」であり「深く憂慮している」と表明した。
だが、先月チューリヒの調査機関「gfs リサーチ ( gfs research ) 」によれば、スイスのカトリック教会は、この性的虐待が一つの理由となり、信者が減っていると報告している。
調査によれば、カトリック信者でなくなった人のうち44% が過去5年間に教会から去っており、この傾向は昨年さらに強くなった。また、現在信者の11%が真剣に教会から去ることを考えているという。
この調査に対しクミュール氏は、
「性的虐待が教会から去って行く直接の原因ではない。多くの人が去ると決心する前に長く思考を重ねている。性的虐待は ( カトリックに ) 不満を抱えている人にとって最後の引き金になっているに過ぎない」
と答えている。
モーベン・マックリーン&エミリー・ライト、swissinfo.ch
( 英語からの翻訳、里信邦子 )
司教会議で発表された統計
2009年、スイスのカトリック司教管理地区で、性的虐待の犠牲者数は15人で、性的虐待をした聖職者は14人だったと報告された。
2010年では、1月から5月にかけ、性的虐待の申請犠牲者数は104人、性的虐待をした聖職者は72人に上った。
2010年に報告された件数のうち、9件は1990年から現在までに起こり、残りは1950年から1990年にかけ起こったケースだった。
今年報告された犠牲者104人のうち、11人が12歳以下で虐待を受けている。15人が12～16歳の女子で、61人が12～16歳の男子、12人が成人女性、5人が成人男性だった。
また、この犠牲者のケース104件のうち、101件がドイツ語圏で起きている。