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今年の夏は比較的穏やかな気温であるにもかかわらず、スイスの氷河は融け続けている。氷河に魅せられた2人の写真家の記録写真がアルプスで起きている変化を物語る。
スイスでは今年、「7月特有の夏の暑さが大きな話題になることはなかった」。また、最高気温が30度以上になる真夏日の日数が、昨年7月と比べて「かなり少なかった」。
スイス気象台が発表した7月の月報は、スイス住民が感じていたことを裏付ける内容だ。7月末の数日を別にすれば、今年の夏はこれまでのところ、過去2年のような記録的な猛暑ではない。
高齢者、病人、妊婦といった高リスクの人々には朗報だ。また、アルプスの氷河の健康状態を観察しようと山で夏を過ごす人々にとってもしかり。
スイス氷河モニタリングネットワーク（GLAMOS外部リンク）のマティアス・フース代表はその1人だ。6つの氷河で実施した中間測定によると、極端に暑かった近年と比べて今年の状態は良いと指摘する。
しかし、「氷河の総量の純減が観察されたという意味では、2020年も氷河にとっては厳しい年になるかもしれない」。過去2年と比較すると、今夏の気温は低かったものの、氷河を太陽光から守る雪の層が冬の終わりにそれほど分厚くなかったとフース代表は明らかにする。
写真に現れる変化
1850年から現在までに、アルプスの氷河の体積は約6割減少した。ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン・ニュルンベルク校外部リンクが学術誌「ネイチャー・コミュニケーション」で発表した研究結果によると、氷河の消失量が最も多かったのはスイスアルプスだ。
「スイスにはアルプス最大の氷河があるだけではなく、氷河が融ける度合いも最大だ」と研究結果の共同執筆者で同大学地理学科のクリスティアン・ゾンマーさんは説明した。アルプス最大の表面積を誇るヴァレー州のアレッチ氷河を例に取ると、最下流部が年に5メートル以上後退する。
しかし、アルプスで何が起きているか、氷河の後退が景観やアルプスの全生態系をどのように変えてきたかを理解するには、数字だけでは足りない。だからこそ数年ごとに撮影された氷河の写真には高い価値がある。例えば、ダニエラ・オバリさんとシモン・オバリさんが十数年前からウェブサイトGletscherVergleiche.ch外部リンクに掲載してきた写真は、スイスにある数多くの氷河の変化を裏付ける資料だ。
（仏語からの翻訳・江藤真理）
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氷河の南端にあたる同州のリーダーアルプの村からゴンドラリフトで上がると、モースフルー展望台（２３３３メートル）に着く。展望台に立つと、アレッチ氷河の息をのむ美しさが眼前に広がる。グレーと白色が織り交ざった氷の河が、雄大なアルプスの山あいを縫うように流れる。
年配の日本人夫婦の観光客がベンチに座り、弁当を広げて景観を楽しんでいた。男性は「ここに来るのはこの１７年間で３回目になるが、来るたびに氷河の様子が少しずつ変わっている。以前より河の幅が狭くなったし、氷の厚さもずいぶん減った。それでもやはり美しいけれど」と話す。
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