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7月２９日午前１１時。ゲミ峠（標高２３１４m）の上の山の放牧地で夏を過ごしている羊飼い達は、羊の群れに合図を送る。すると、何千匹もの羊の群れは、湖めがけて一斉に山の斜面を駆けおりる。ベルナー・オーバーラントとヴァリス州を結ぶゲミ峠で開催される恒例羊飼い祭りは、昔は争乱に明け暮れる峠の南北両側の牧人達の調停の場でもあった。このコンテンツは 2001/07/25 10:44
羊飼い祭りは、２９日朝湖畔の教会ミサで始まる。羊レースの後は、ゲミ峠南側のロイカーバート代表と北側カンデルシュテーク代表の様々な競技会が開かれる。ゲミ峠周辺の住民達は、夏一番のイベントに、ケーブルカーで、あるいは徒歩で峠を登って来る。
ゲミ峠は、ベルナー・オーバーラントとヴァリス州を結ぶ古い南北縦貫アルプス峠の一つで、カンデルシュテークに端を発し切り立つ岩壁に目が回るような山道を通ってロイカーバートに出る。ゲーテは１７７９年に峠越えをし、その隔絶ぶりに言葉を失ったと記述している。また、モーパッサンが短編小説「宿屋」の着想を得たのも、この山容を目の当たりにしてだった。
中世末期まで、カンデルシュテークとロイカーバートの羊飼い達は、アルプスの放牧地の権利をめぐり戦に明け暮れていた。今日でも、ゲミ峠からは古代や中世の武器が出土する。
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