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スイスは世界で最も厳しい動物保護法を設けている国の一つだ。動物の福祉を守るためさらに規制を強化する案が、繰り返し国民投票にかけられている。専門家はそれでもまだ欠陥があると話す。
法律に貫かれている基本理念は、農家や肉屋、飼い主、科学者を含め誰であっても「動物を不適切に痛みや苦痛、危害、恐怖にさらす」ことは許されないということだ。またスイスの動物保護法他のサイトへは「動物を扱うときは、動物の尊厳、つまり生来の価値を尊重しなければならない」と定める。
スイスの動物愛護団体「Tier im Recht（権利ある動物）他のサイトへ」のカテリーナ・ストイコヴァさんは「憲法レベルで動物の尊厳を定めているのは世界でもスイスだけ。リヒテンシュタインや韓国など一部の国では、法律レベルで動物の尊厳を守っている」と話す。
この規定により、スイスの動物は虐待や外見・能力の改造から守られている。つまりアルコールを飲ませたり、毛皮や羽毛を染めたり、クローンを作ったり、毛のないスフィンクスに品種改良したりすることはできない。犬の断尾や断耳も禁止されている。去勢や除角には麻酔を使わなければならない。ちなみにスイスでは2018年、牛の除角が動物の福祉に反するとして、除角しない農家に補助金を支給する案が国民投票にかけられたが、反対票54.7％で否決された。
国際NGOが算出する世界動物保護指数他のサイトへでみると、スイスは確かに「先進国」の一つだ。
スイスを動物保護先進国に押し上げている政策は他に何があるのか？欠陥はないのか？
家畜
スイスの畜産ガイドラインは、種ごとに詳かい規定がある。たとえば家畜小屋は、牛1頭当たり最低2平方メートルのスペースを確保しなければならない。家畜数にも上限があり、子牛は最大300頭、豚は1500頭、雌鶏は1万8千羽と決まっている。EU諸国にはそうした制限はない。
動物愛護団体の統括組織「スイス動物保護（Swiss Animal Protection他のサイトへ）」のユリカ・フィッツィさんは「EUの動物福祉法の主な欠点の1つは、採卵鶏、豚、子牛、鶏の飼育についてしか拘束力のある規則がないこと。馬や牛、七面鳥、ヤギ、羊は全く保護されず、飼育に関する詳しく具体的なルールはない」と説明する。
食肉処理場への輸送にも規制がある。EU内では動物を最大24時間輸送できるが、スイスは車中8時間、路上6時間が上限だ。
動物のと殺についても非常に細かい指針が定められている。だがスイス食品安全獣医局が最近発表した報告書で、一部の食肉処理場が輸送ルール遵守していないことが判明した。哺乳類を意識があるまま殺すことは違法なため、スイスでイスラム教のハラールに従って血抜きをする肉屋は、喉を切る前に動物を気絶させる。だがユダヤ教のコーシャに従って血抜きした肉が輸入された事件をきっかけに、フォアグラやカエルの足など残酷な方法で生産された動物製品をスイスで販売するのを禁止するべきかどうか、議論が起こっている。
スイスは2018年、動物保護法を改正してロブスターとカニなど甲殻類の輸送方法と殺害方法を規定した。意識のあるロブスターを熱湯に投げ込むのは違法、との風変りなルールは国外にも広く報じられた。19年には、卵産業では価値がないとみなされている雄のヒヨコを生きたまま裁断することを禁止する改正案が連邦議会で可決された。
フィッツィさんは「スイスの農場にいる動物は他の国に比べたらずっと良い」と語る。厳しい規制や、有機農場が多く存在することが背景にある。「自主的に法律の定めよりを上回るスペースで家畜を放牧している農家がスイスよりも多い国はほかにない。それでも広告のように飼育されていない家畜小屋はある。多くの人は、スイスでは1平方メートル未満の面積で寝床なしに豚を肥育することが合法であることにも気づいていない。
スイスでは近い将来、工場式農業を禁止する案が国民投票にかけられる見通しだ。
猫、犬、その他のペット
スイスは、すべての犬にマイクロチップを埋め込み中央データベースへの登録が義務付けられている欧州唯一の国だ。飼い主に課される説明責任は、犬の販売を規制する法律に定められている。
「犬の違法取引を抑制するには、犬の販売や関するすべての紙媒体・インターネット広告で、販売者の名前と住所、動物の出身国および血統の詳細を明記させる必要がある」（フィッツィさん）
モルモットやウサギ、インコのような社会性のある動物は、2匹・羽以上で飼うことがスイスの法律で義務付けられている。1匹で飼われる猫は「毎日人と接したり他の猫が目に入るようにしなければならない」。猫を飼う人の多くは、猫が家を自由に出入りできるように猫用窓をつけている。アパートの外には「猫はしご」もスイスのあちこちでみられる。
実験動物
スイスの法律では、動物実験は代替手段がない場合にのみ許可される。
動物保護法は「関心が高く実験が許容できると証明された場合にのみ、州当局は動物実験を許可できる」と定める。①代替手段がないか②使う動物の数を減らせないか③より人道的な実験方法にできないか――を確認することも必要だ。
スイスで18年に実験に使われた動物は50万匹以上。前年から約5％減った。実験動物の9割はマウスで、ラットやウサギ、魚、犬、猫、霊長類も使われる。22年にも動物・人体実験の禁止を問う国民投票が行われる見込みだ。
「できるだけ良く早い手段で代替し、実験動物を減らすために行動を起こす必要がある。実験動物は飼育環境もよくない」（フィッツィさん）
野生動物に関しては、オオカミやクマ、アイベックスの狩猟規制を緩和する狩猟法改正を求め、複数の動物福祉団体と自然保護団体が国民発議を提起。必要な署名数が集まり、いずれ国民投票にかけられる。
動物福祉ルールが「国際比較で非常に進歩的」であっても、スイスにはまだやるべきことがたくさんあるとストイコヴァさんは主張する。「多くのルールは動物虐待に当たらないギリギリの線で禁止しており、最低限の保護しか保証していない。多くの場合、それぞれの動物に適した飼い方を保証するには程遠い。今の動物福祉ルールを執行するための機関が大幅に不足している。我々は法執行機関に働きかけてこの点に対する問題意識を高めている」
動物愛護団体Tier im Rechtは昨年、2018年の動物虐待事件は1760件と、前年より56件増えたと発表した。
（英語からの翻訳・ムートゥ朋子）