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国内難民の人権に関する国連のエキスパートが、南オセチア自治州の南部に広がる緩衝地帯で現在も続く暴力行為を告発した。このコンテンツは 2008/10/09 15:25
4日間のグルジア視察から帰国したばかりの、スイスの法学教授ヴァルター・ケリン氏は、国内難民の帰還については「かろうじて楽観視しているものの、緩衝地帯で続く民兵の暴力と略奪は容認できない」と述べた。
フランスのニコラ・サルコジ大統領の仲介によって成立した合意内容に従い、10月8日にロシア軍は、グルジアからの分離独立を要求する南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の周辺に広がる基地と検問所の撤収を完了した。8月の軍事衝突でグルジア軍が退却して以来、ロシア部隊の駐留が続いていた。
10月3日 にスイス連邦外務省 ( EDA/DFAE ) は、スイスがグルジアに対するロシアの外交的利益代表を務めることを発表している。
swissinfo ： このたび南オセチア南部の緩衝地帯へ視察に行かれ、グルジアの諸大臣、国連代表者そして国内難民と話し合われましたが、いかがでしたか？
ケリン ： 異なる問題と要求を抱える3種類の難民グループが存在します。南オセチア自治州と、アブハジア自治共和国北部のコドリ渓谷から新たに避難してきた人々が約2万5000人から3万人います。それらの難民が近い将来帰還することはおそらくないでしょう。グルジア政府は彼らのために新しい住宅の建設を始めました。
緩衝地帯からの難民は、自宅が破壊、略奪されているかどうかにもよりますが、ロシア軍が撤退したら冬になる前か春には帰還できるはずです。また1990年代初期のアブハジア紛争以来15、6年の間ずっと国内難民である人々が約22万人おり、その多くがいまだに難民キャンプに住んでいます。
私は、グルジア政府が過去の失敗を繰り返さないようにし、また新たに難民となった人々に対し長期的視野に立った解決策を実行していることを高く評価しています。難民の中で可能な人々には帰還を、そうでない人々には新しい環境に融合するよう支援しています。しかし、1990年代初期に難民となった人々が普通の生活を開始できるようサポートしなくてはならないという課題が残っています。
swissinfo：緊急人道援助は必要でしょうか？
ケリン ： 必要ありません。初期の段階ではいくつか問題がありましたが、総体的には国際社会とグルジア政府は非常にうまく対処してきました。
難民が難民キャンプに住んでいることは、理想的な状況とは言えませんが、ほかの状況と比較して、緊急を要する人道的なニーズはおおむねかなえられたと感じています。難民は健康の問題も無く、全員が食料などを受け取ることができました。
現在の課題は、彼らが冬を乗り切れるようにすることです。それらの避難所のいくつかに冬支度をするための投資が必要です。私が話した国内難民は、自分たちが受け取っている援助について不満を述べることはありませんでした。彼らの主要な関心は、将来どうなるのかということです。
swissinfo ： ヨーロッパに移動する難民も出てくるでしょうか？
ケリン ： グルジア政府がそれらの国内難民を無事に故郷に帰還させるか、きちんと新しい環境に適応させられたら、そうしたことは起きないでしょう。
swissinfo ： 停戦以来グルジアとアブハジア自治共和国の境界線の周辺で武力衝突が何回かありました。状況は沈静化に向かうでしょうか？ それとも報復の繰り返しとなるのでしょうか？
ケリン ： 難しい質問です。状況は非常に不安定ですが、ロシア部隊撤収の発表、そしてEU停戦監視団の到着はよい兆候です。しかし状況が急に変わることもあり得ます。衝突が起きている緩衝地帯の安定を保つために真剣な努力をしなければなりません。
swissinfo ： 平和解決に向けての最大の課題は何でしょう？
ケリン ： 停戦協定が結ばれ、現在軍事活動を行う権利はありません。この意味で停戦は非常に効果的です。しかし、現在緩衝地帯で起きていることは、地元の人々に対する侵略と略奪です。それらは正規の軍隊ではなく、犯罪者や民兵が行なっている可能性があります。これは容認できない、ただちに阻止しなければならないことです。従って課題は、平和の回復というよりも、法と秩序を回復することです。治安回復は難民の帰還を促すための必須条件です。
紛争の平和解決に関しては、長期にわたる政治的なプロセスが必要です。結果について述べるのは時期尚早でしょう。
トーマス・ステファンズ swissinfo、笠原浩美 ( かさはら ひろみ ) 訳
南オセチア紛争
コーカサスに位置する南オセチア自治州は、ソビエト連邦時代にグルジア領となった。親ロシアの同自治州は、1990年代にグルジアからの分離独立を宣言したが、国際的な承認は得られなかった。
同自治州の支配権を回復するために、グルジアは8月7日にロケット弾、砲弾、空爆による重装備で侵攻を開始した。
南オセチア人の大半にパスポートを発行したロシアは、その報復として、グルジア軍に対して砲弾による圧倒的な砲撃と空爆を行った。
今年の8月12日に暫定的な停戦協定が結ばれたが、即時停戦には至らなかった。
軍事衝突後、ロシアは南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立を承認した。
ヴァルター・ケリン
ヴァルター・ケリン氏はベルン大学の憲法および国際公法の教授。2003年にスイス政府から人権委員会の改革に関する研究を依頼され、同氏の論文は新評議会の基礎を形作った。
1991年から1992年の間、イラク占領下のクウェートにおける人権についての国連の特別報告者に就任。
2003年から国連人権委員会のメンバーを務める。
2004年、当時国連事務総長だったコフィ・アナン氏の国内難民の人権に関する特別代理人に任命される。
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