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福島第一原発事故が発生してからやがて２年。元東芝の原子力プラント設計者、後藤政志さんはベルンで２６日に開かれたスイスの環境団体主催の記者会見で、「原発はいかなる対策を取ろうとも１００％の安全保証はない」と改めて強調した。
今回の会見は、福島原発事故がスイスで風化しないように、またスイスの原発の安全性にも示唆を与えたいと、グリーンピース・スイスが主催したものだ。
１９８９年から２００９年までの２０年間、東芝で格納容器の設計者だった後藤さんは会見で、なぜ福島第一原発で事故が発生したのか、そして事故発生から２年経過した現在がどんな様子なのかを技術的な観点から詳細に説明した。
福島原発事故は、２０１１年１２月に当時の野田首相が収束宣言を出している。しかし後藤さんは、福島原発事故は現在も続いており、危険な状態であると主張する。
「圧力容器の中で溶けた核燃料がどこにあるのか、どんな状態であるのかを分かる人は誰もいません。また、格納容器の下には放射能で汚染された水が大量にたまっており、それを入れておくためのタンクが足りなくなっています。事故から２年が経過しますが、冷却は今後も続けなくてはなりません。事故は継続しているのです」
事故はなぜ起こるのか
原発事故の原因となる三つの要素として、後藤さんは外部事象（地震や津波など）、内部事象（機器や配管の故障）、人為的ミスを挙げる。
東電の説明では、地震の発生でまず原発に電気が送られなくなり、原子炉の冷却が困難になった。その後に襲ってきた津波で原発のさまざまな機器などが故障したとされる。つまり外部事象と内部事象だけに限定をしている。
ところが、国会の原発事故調査委員会は人為的ミスを主な事故原因に特定した。また、地震ですでに配管が壊れたために原子炉が冷却できなくなった可能性も示唆。同調査委員会の見解に強く同意する後藤さんは、人為的ミスについて「原発事故は地震などの外部事象がなくとも起こり得るもので、実際、アメリカのスリーマイル島で起きた原発事故は内部事象と人為的ミスで起こった」と断言する。
結局、「福島の事故はこうした三つの要素が複雑に絡み合って起きたもの」だと結論し、次のように言う。「そもそも、原発は制御できないものです。ほかの発電設備と違い、原発の出力は急に上がる。それを抑えるための安全装置をいくつも重ねて多重防御するわけですが、この三つの要素が重なれば、多重防御は次々に突破されてしまい、コントロールが利かなくなります」
そのため、後藤さんは多重防御で維持する安全性に厳しい視線を向ける。日本で行われている安全対策は、防波堤を高くしたり外部電源を取り付けたりするなど外から働きかけるものであり、「原発の構造そのものが変わらないままで、安全について議論しても意味がない」と言う。
後藤政志氏
１９４９年東京生まれ。
１９７３年広島大学工学部船舶工学科卒。
１９８９年東芝に入社し、原子力プラント設計を担当。
２００９年東芝退社。
現在は芝浦工業大学や早稲田大学、國學院大学などで非常勤講師を務める。NPO法人APAST理事長。
危険性はゼロにはできない
福島原発の内部を熟知する後藤さんに対し、スイスのメディア関係者からはさまざまな質問が上がった。技術的な質問が集中した中、ある記者は「世界のどこかに、絶対に安全な原発を建設することは可能か」という問いを投げかけた。
それに対し、後藤さんは「いろいろな組み合わせを考えると不可能です。安全装置を付け足せば付け足すほど原発の安全性は増しますが、危険性はゼロにはできない」と慎重に答えた。
スイスの安全とは
折しもこの記者会見が行われた同日、スイスの連邦核安全監督局（ENSI/FSN）は、同ホームページに国内の原発の安全性に関するニュースリリースを発表している。同局は原発の安全や核廃棄物の保存・安全を監視している。
まず、「スイスの核燃料貯蔵施設では、１万年に１回の地震が起きたとしても、３日以内に水素爆発が起こる可能性はない」と述べ、各原発運営会社はその３日間で緊急事態対応策を実施し、機器の故障などに対処することができると報告した。
連邦核安全監督局のセバスティアン・フーバー広報局長は、「福島原発事故以降、スイスでは地震、洪水、水素などにおける原発の安全性を向上させてきた」と語る。実際、福島原発事故を受け、連邦核安全監督局は２０１１年からより厳しい安全対策を取るよう各運営会社に指示している。
では、スイスの原発は安全だと言いきれるのだろうか？「『安全』というのは、誰が定義するのかによって異なってくる。連邦核安全監督局は原発運営会社に安全性向上のための提案を行ったり、原発運営会社が自己申告する安全対策が適切に行われているかどうかを抜き打ちで検査したりしている。しかし、原発の安全性は各原発運営会社が最終的に責任を負う」との答えが返ってきている。
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