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女性ホルモンの一種であるオキシトシン。この匂いは人を「信用」させる作用があることがチューリヒの研究チームの実験で新たに証明された。このコンテンツは 2005/06/02 19:46
英科学誌ネイチャーに発表されたこの研究によると、今後、恐怖症や自閉性などの社会的な機能障害と関連した病気の解明に役立つかもしれない。
オキシトシンは脳内視床下部で生成され、脳下垂体黄後葉に運ばれて貯蓄され、刺激に応じて分泌される。脳のこの小さな部分では空腹、喉の渇きや体内の温度調節など生物学的な反射と関係している。また、恐怖や怒りといった感情と関連して本能的な闘争逃避反応も脳のこの部分で扱われる。
これまでに判っていること
人間と哺乳動物では、オキシトシンが分泌されると出産時の子宮の収縮を刺激し、乳汁産生を促す。これまでも、オキシトシンを鼻にスプレーして授乳を手助けするといったことも試されてきた。
出産中や出産後には脳脊髄中に高い濃度でオキシトシンの分泌がみられる。また、動物などで行った実験によると、このホルモンが「愛着」の生化学に関係していることが分かってきた。羊とネズミに行った実験では、母親はオキシトシンの量によって生まれたばかりの子供に対する面倒見が違ってくることが証明されている。
また、恋していると主張している人間にも、オキシトシンの分泌が高い。オキシトシンは男性、女性のオルガズムにも関係している。男性の場合、オキシトシンが精液の運搬を容易にし、射精を助ける。なお、男女関係だけでなく、友情や家族愛といった人間関係においても役立っているという。また、社会や対人恐怖症などもオキシトシンを処方して効果が判明している。
人間への実験
そこで、科学者たちはオキシトシンが他人との感情の絆の基本である「信用」においてどのぐらい関係しているかを調べることにした。
チューリヒ大学のエルンスト・フェール教授率いる研究チームが178人の健康な男子学生を対象に投資家ゲームを行い、受託人への「信用」を測る実験をした。
この結果、オキシトシンの鼻スプレーを嗅がされた男子学生の45％が最高額のお金を投資し、最高の信用度を見せた。また、21％が少ない額を投資した。これに対し、偽薬を嗅がされた男子学生の21％が最高額を投資し、45％が少ない額を投資するという、正反対の結果がでた。全体的にはオキシトシンを嗅がされたグループのほうが17％も多く、投資する結果となった。
第2の実験では、オキシトシンが人間への信用ではなく、投機欲を高めるものでないことを確かめるため、受託人をコンピューターに置き換えた。すると、オキシトシングループも偽薬グループも小額を投資するという同じような行動をとった。つまり、これは人間に対する「信用」で投機欲などその他の欲求からではないという結果が出た。
悪用に注意…
フェール教授は「もちろん、この結果が悪用されるということも考えられます」と語る。政治家がオキシトシンスプレーを群集にばら撒き、票を得るなどといった危険性を挙げる科学者もいる。しかし、共同研究者のマルクス・ハインリッヒ氏によると「効果的なサイコセラピーとともにオキシトシンを処方すれば精神病的欠陥の治療に役立つだろう」と信じている。確かに、多くの研究者が今後、オキシトシンを自閉症など他人への信用が減少した症状を改善することに利用できると注目している。
swissinfo 外電、 屋山明乃（ややまあけの）まとめ
補足情報
＜オキシトシンとは？＞
‐オキシトシンとは脳下垂体後葉ホルモンの一つ。強い子宮収縮作用をもち、分娩時に大きな役割を果たす。脳内視床下部で生合成され、脳化垂体後葉に運ばれて貯留され、刺激に応じて分泌される。乳汁を放出するのに不可欠なホルモンでもある。（平凡社世界大百科事典より抜擢）
‐恋している人のオキシトシンの量は通常より多い。
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