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今世紀の末には、アルプス氷河は消滅するだろという。この劇的な変化は単に風景が変わるだけでなく、他の重大な結果も引き起こす。このコンテンツは 2006/09/27 15:25
「スイスアルプス協会」主催の展覧会「温室の中の氷河」は、地球温暖化が引き起こす氷河消滅の危機とその他の影響を視覚的に提示している。
1850〜1975年の間に、アルプス氷河の体積は半分、表面積は3分の1消滅した。1975年以降、体積はさらに20~30％減り、2003年の猛暑のせいだけで、5~10%の体積が失われた。このまま、何の対策も行われないと、今世紀末にはアルプス氷河は消滅する。同展は氷河の写真を使ってこの危機を訴え、参観者が提供する写真も集めて、請願書にするという。
視覚化された氷河の変遷
「氷河が溶けて、後退していく現象は決して新しいことではありません。しかし、完全になくなるということは、初めての現象なのです」と「温室の中の氷河」展の企画者の一人、シルビア・ハンベルガー氏。同展は、過去100年間の氷河の変遷を、視覚的に理解してもらうことを主眼にし、100年前の氷河の写真と最近のそれを並列し、問題の重要性を提示している。
視覚的にインパクトが大きい一例は、フルカ峠の氷河の写真。1906年の写真では、ホテル・ベルヴェデーレは、見事に大きな氷河のすぐそばにあるのに対し、2003年のそれでは、ホテルの周辺はステップ地帯のように草で覆われている。この氷河は、100年前写真で撮影された下方部分を、ほとんど失ったのである。
同展では、氷河以外にも、温暖化による複雑な変化、がけ崩れ、洪水、乾燥など様々な現象を視覚的に展示している。
温室効果
温室効果による地級温暖化は、天然ガス、石油、石炭など、化石燃料が燃焼する際に排出される二酸化炭素ガスの増加が原因だというのが定説である。過去100年間に、0.6度温度が上昇したが、今世紀中には、1.4〜5.8度上昇するといわれている。
「大気中に今、排出される二酸化炭素ガスが、30年後の気候にインパクトを与えるのだということを認識する必要があります。ということは、30年後の気候は今の二酸化炭素ガス排出量によって、どう変化するのか予測がつかないということです」とハンベルガー氏。
どころで、アルプス氷河は他の地域の氷河より、2倍も温室効果の影響を受けやすいが、それでも、ヒマラヤ山脈、アンデス山脈の氷河も避けがたく影響を受け、溶解している。
氷河溶解の結果
アルプス氷河はスイスの表面積の3%を占め、その氷河の6%が絶えず、土、岩などの地層の下に水となって沈み、温度を0度か0度より少し下に保つ役割を果たしている。この水の量が増えると新たな水脈ができるという地質学上の問題が生じる。
グルーベン氷河の側のサース・バーレンや、ベーレックの側のグリンデルワルト氷河の下層などがその例である。もしそれが溢れ出たら、周辺や下方地域に多大な被害をもたらす。だが、それの予防対策には、費用がかかりすぎるという。「こうした現象を地球規模で考えると、つまり、グリーンランドの氷河、ヒマラヤの氷河などが溶けたら、海水面が上昇することは、容易に理解できます」と展覧会のもう一人の企画者、ボルフガング・ツェングル氏は言う。
「また、絶えず、こうした淡水が海水に混ざり続けると、海流にも影響を与え、ひいては地球の様々な地域に環境変化をもたらします」と続ける。
写真による請願書
どころで、同展は、参観者が昔撮った氷河の写真を提供して、展示に「参加」できる形をとっている。こうして集まった写真はスイス連邦政府や議会に訴える「視覚的な二酸化炭素ガス排出を減らす請願書」となる。
展示に協力したグリーンピースやスイスアルプスクラブ ( CAS ) は、政府関係者の意識を高め、「人々がいかにこの『氷の海』を愛し、切り離せない関係にあるか」を知ってもらいたいという。
swissinfo、エティエンヌ・シュトレーベル 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 意訳
キーワード
＜「温室の中の氷河」展＞
9月1日〜2007年3月25日まで
＜開館時間＞月曜日14〜17時半、火〜日曜日 10〜17時半
＜入場料＞大人9フラン ( 約800円 )、16歳以下2フラン ( 約180円 )
2003年夏の猛暑
2003年6月の猛暑は、1876年以来の記録。
岩石と岩石をつなぐ氷が溶けたせいで、マッターホルンから数立方メートルの岩石が多数崩れ落ちた。90人近い登山家がヘリコプターで救助された。
バレー州のグリューベン氷河では、毎年2万立方メートルの氷が溶けているが、2003年は6万立方メートルも溶けた。
猛暑でローヌ河の水の深さは、最低の72センチメートルになった。
3カ月後の9月は、今までにない9月の最高温度を記録。
他の新記録は2002〜2003年間に溶けた氷河の氷の量。その結果、ブルネック氷河は156.9メートル、トリフト氷河は152.1メートル、トゥルトマン氷河は126.9メートル後退した。
チューリヒ連邦工科大学 ( ETHZ ) の専門家は、2003年の猛暑を将来の極端な猛暑を先取りしたものだという。
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