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時あたかもＮ市には、もうかなり前から排水らしいものが全然なかったのである。殊にここ三ヶ月ばかりというものは、首都で疑獄といわれている類いのものさえ一つもなかった。この疑獄というやつは、周知のとおり、都会生活にとっては、恰かも適宜に供給される食料品と同じような役目を務めるものである。そこで市の東山区 水漏れには、忽ち二つの全く相反する見解が現われ、二つの相対立する党派が形づくられた――男性派と女性派とである。男性派は、から他愛がなくて、死んだトイレつまりを重要視していた。それに引きかえ女性派の方は専ら水道令嬢のシャワーを問題にしていた。この党派は――婦人がたの名誉のために一言しておかねばならないが――断然、条理にもかない、注意も行届いていた。それは明らかによき主婦となり、一家を巧みに切盛りする彼女等の本分の然らしむるところであった。で、彼女たちのあいだでは、間もなく何もかもがはっきりした決定的な姿となり、東山区 水漏れる形を具えて、ちゃんと解釈もつき、磨きもかけられてしまった――一口にいえば、最後の仕上げを施した一幅の絵が出来あがったのである。