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企業の極秘情報を横流しするスパイ活動がスイスで増えている。
増加する背景には、冷戦構造の崩壊で、スパイ活動のターゲットが政治・軍事関連の機密情報から企業秘密にまで広がっているという事情がある。
スイス当局は国内の、特に電力会社の原子炉を造るプラントメーカーや、バイオテクノロジーの研究を扱う製薬会社などに情報管理の徹底を呼びかけている。こうした技術の流出は大量破壊兵器の開発を誘発しかねず、企業の危機管理が問われそうだ。
産業スパイ事情
最近明るみに出たスパイ事件では、パキスタンの「核開発の父」アブドル・カディール・カーン博士が挙げられる。同博士は98年にパキスタン初の核実験を成功させた立役者として知られるが、その核技術をイランやリビア、北朝鮮にも流出させた。売り渡した技術は同博士が働いていたオランダのウラン濃縮関連企業の機密情報だったと指摘されている。
スイス連邦警察局のユルク・ビューラー部長は「一番の脅威は、こうした大量破壊兵器をつくる国家からのスパイだ」と話す。
同局の調べによると、92年から01年までの10年間でスイスを舞台にした外国国籍を持つスパイの摘発は31件。ビューラー部長は、スパイが科学者や交換留学生の形で企業や政府機関に入りこみ機密情報を入手するケースが目立つ、と指摘する。
一方、企業も独自の対策をとり、企業秘密の流出防止に努めている。
製薬大手ノバルティスは、ライバル社のロシュ、セローノと共同で、スパイ対処法のガイドラインを作成した。具体的には、研究室への出入りを規制し、研究試料（サンプル）の無断持ち出しを禁じる——というのが柱だ。バイオ兵器作成のリスクを低減するのが狙いとしている。
スイス国際放送 カタリン・フケット 安達聡子（あだちさとこ）意訳
補足情報
連邦警察局によると、92年から01年までの10年間でスイスを舞台にした外国国籍を持つスパイの摘発は31件。
ただ、産業スパイの犠牲者となった企業が当局の捜査に進んで協力するのは稀という。企業の評判が下がり、株価が下落する恐れがあるためだ。