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「ガザの戦争は意味がなく、絶望的な結果をもたらすだけだ」とイスラエルに住むスイス・ユダヤ人の社会学者エルネスト・ゴールドベルガー氏は語った。
パレスチナ側の公式発表によると、現在パレスチナ人の死者は、12月27日以来758人で、そのうち子どもが257 人、女性が60人含まれる。しかし、ゴールドベルガー氏によれば一般のイスラエル人のほとんどが戦争に無関心だという。
swissinfo ： イスラエルの国民はガザ攻撃を支持しているとメディアは報道していますが、それは本当ですか。
ゴールドベルガー ： 残念ながら本当です。国民は雄弁に語り行動する政治的リーダーを好みます。先月27日に空爆が開始されて以来、エフド・バラク国防相が党首を務める労働党の支持率が急激に高まっています。
swissinfo ： ということは、戦争は2月10日に予定されている総選挙のための1つの要因になっているということですか。
ゴールドベルガー ： まさにその通りです。総選挙が戦争の1つの最終目的です。しかしほかにも要因はあります。イスラエル政府は敵に教訓を与え、パレスチナ解放機構 ( PLO ) がガザで力を盛り返すことを望んでいます。
さらに、2006年の第2次レバノン戦争の埋め合わせをしたい、またイスラエル軍の戦争抑止力を誇示したいとも考えています。
swissinfo ： テルアビブに住んでいらっしゃいますが、市民の戦争に対する反応はどうですか？
ゴールドベルガー ： 実に心を揺さぶる質問です。人々は信じられないくらい無関心なのです。戦争はテレビのニュースで知識として知るだけのもの、それ以上ではないのです。ほとんどの人が気に留めていない風で、それは見ていて辛いものです。
株式市場でさえ、戦争が始って以来株価が10％以上も上昇しました。戦争が重要だと見なされていない証拠です。
swissinfo ： 学校が爆撃されて子どもが殺されたり、ガザの人々の苦しみが映像として流されても反応はないのですか。
ゴールドベルガー ： 政府は第2次レバノン戦争で教訓を学び、かなりの情報コントロールを行なっています。こうした映像は単にイスラエルのテレビでは見られないようになっています。また外国人記者はガザに入ることができず、非常に厳格な軍部による検閲が行なわれています。
CNNやインターネット上でこうした映像が見られるとしても、一般の人はそれをあえて見たがらない。政府の公式報道だけを見て「われわれはイスラエルを守るために戦っているに過ぎない。そのために敵に立ち向かうしか残された方法はない」というメディアで繰り返される言葉を信じ、気持ちを落ち着かせているのです。
swissinfo ： イスラム原理主義組織ハマスもガザからイスラエルへロケット弾攻撃を続けていますが、イスラエル側はどうやって市民を保護しているのですか。
ゴールドベルガー ： ハマスの攻撃は非難されるべき行為です。市民に対する無差別攻撃は決して正当化できるものではありません。ハマスは将来のパレスチナ国家を視野に入れ、イスラエルに対する政治的リーダーシップを取るのが主目的です。
ハマス、イスラエル双方ともに市民に対する配慮はありません。6カ月間の停戦がありましたが、昨年12月19日に決裂しました。イスラエルはガザの包囲を解かず、ハマスとの対話を行なおうともしませんでした。
swissinfo ： ガザに深く根を下ろしたハマスを排除できるとイスラエルは本当に思っているのでしょうか。
ゴールドベルガー ： ほとんどの人がそうは思っていないでしょう。それにハマスを完全に排除することが目的ではなく、単に彼らに教訓を与え、組織を解体させたいだけです。
しかしまた、ハマスを完全に解体させることはできないだろうし、たとえできてもハマスの精神は生き続け、戦いを続けるための新しい方法を見つけるでしょう。歴史がそれを証明しています。
swissinfo ： 今回の戦争は極端な方向性を生み出し、ハマスがもっと支持を得るようになるのではないでしょうか。
ゴールドベルガー ： 確かにそうです。ハマスは人気がなく、パレスチナ人でさえ支持しなくなっていた。というのもハマスは専制主義的なところがあり、あらゆる対立者を排除してきたからです。しかし、この戦争はハマスの立場を有利にしました。人々は今までハマスが同胞にしてきたことを忘れさせました。
swissinfo ： 現在のところ、中東問題の解決策はないようにみえますが、今後どうなるのでしょうか。
ゴールドベルガー ： 非常に強い外部からの圧力、とりわけアメリカからの圧力がなければ、この戦争を終わらせることはできないと思います。従って新米大統領に期待しています。また同時に早く欧州連合 ( EU ) が立ち上がって圧力をかけることも期待されています。
swissinfo ： ここ数日の戦闘を見て、どういう感想を持ちますか。
ゴールドベルガー ： この紛争は気の狂った、暴力が出口を持たず堂々巡りしている戦争です。救いのない、絶望的な気分に襲われます。また先進国が再び暴力で問題を解決するということを見せつけられた戦争です。
イスラエルでは、人口の2割を占めるイスラエル内のアラブ人が日々親戚が殺されるのを目の当たりにしているという、最悪の状況にあります。またイスラエルも国際社会での評判が悪くなるでしょう。
swissinfo ： あなたはイスラエルに住む非典型的なスイス系ユダヤ人ですか。
ゴールドベルガー ： 100％非典型的なユダヤ人というわけではありません。平和運動は死滅していません。同じ視点を持つ友人たちと運動を続けています。しかし確かにわれわれは少数派です。
swissinfo、聞き手 ガビ・オクセンバイン 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳
エルネスト・ゴールドベルガー氏略歴
1931年、バーゼルに生まれる。経済学と社会学を専攻。
1991年、イスラエルに移住。
2004年、著書『イスラエルの魂 ― 夢、現実、希望の間にいる民族 ( Die Seele Israels – Ein Volk zwischen Traum, Wirklichkeit und Hoffnung ) 』がドイツ語圏の日刊紙「ノイエ・ツルヒャー・ツァイトゥング( NZZ ) 」から出版された。
現在、テルアビブに妻と双子の娘、イエメン出身のイスラエル人と住む。