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ジュネーブ近郊のフランスとスイスにまたがる場所。6500人の科学者が集結して、究極の問いかけの答えを求めて、日夜研究に励んでいる。
舞台となっているのは欧州合同素粒子原子核研究機構（セルン；CERN）だ。この「叡智の場」をスイスインフォが取材した。
「我々は一体どこから来たのだろう」。セルンが答えようとしているのは、途方もない問いかけだ。
見た目ではありません
セルンの中を見たければ、予約さえすれば誰でも可能だ。近年、見学者が急増したため、この12月から新たに２つの施設を加えて全部で７つの施設の公開を始めた。
セルンの見学に心躍らせるのは理系の学生や物理愛好者だけではない。記者のように科学の知識などほとんど持ち合わせていない者でも、充分楽しめる見学ツアーとなっている。
しかし、初めてセルンに到着した記者はほんの少しがっかりした。世界最大の物理研究機関なのだから、もっと威風堂々たる建物を想像していたのだ。設立から50年以上も経って、セルンはくたびれた雰囲気が漂っていた。まあ、良く言って工場と大学の間、といったところか。見学者を案内するドミニク・ベルトラさんに正直に聞いてみた。「なぜもっと建物にお金をかけないのですか？」
答えは「全てのお金は科学研究費に使われてしまうから」ということだった。建物にお金はかけなくても、知識の探求のためだったら地下100�bに27�`�bの長さのハドロン衝突型大加速器（ＬＨＣ）を作ってしまう。もちろん世界最大だ。
光速で飛ばす
スイスよりも大国のイギリスやドイツなどでも、セルンほど大規模な研究機関を設立することができなかった。一カ国だけでは不可能だったので、19カ国でお金を出し合って作られたのがセルンというわけだ。
設立当初の目的は「物質はどんな構造をしていて、どうやってくっついているのか」という疑問を解くことだった。
この疑問を解くために必要となった道具の一つが、ＬＨＣだ。60億フラン（5547億円）もする。この中で粒子は光速の速さで両方向から飛ばされ、お互いを衝突させる仕組みになっている。粒子の大きさは蚊一匹の１兆分の１だ。
ＬＨＣには４つの探知機が付けられているため、粒子の動きが肉眼で見える。物理学者たちは、粒子の受けた衝撃の度合いを分析し、物質の新しい特性やエネルギー、空間や時間などについて研究している。
当然、この機械はとんでもなく巨大で、信じられないほど複雑にできている。４つのうち最も大きな探知機はアトラスと呼ばれるが、34カ国を数える科学者たちの手によって開発されたものだ。
このような最先端のテクノロジーにもかかわらず、これはトップ・シークレットではなく、一般に公開されている。ベルトラさんは「セルンにおける研究は公共の財産ですから」と説明する。毎年２万4000人の見学者が訪れる。
社会に役に立つ研究
科学者が真理の追究に没頭した場合、その結果が一般市民の日常生活にどのように役に立つか、というようなことは二の次になることが多い。
しかし、セルンで開発された粒子物理の研究成果は、癌治療を始めとする医療分野や産業のコンピュータ画像処理、測定や計量技術、新しい工業プロセスや素材の生産など、広く応用されている。
現在、インターネットなしの世界など想像できないが、ウェブ（World Wide Web, www）もセルンの二人の科学者によって開発された。今でも欧州や米国のインターネットの多くは、セルンのサーバーを通して世界につながっているのだ。
12月初めに、セルンが以前のものに加えて新しく一般公開に踏み切る施設は、高速度計算施設とＬＨＣについてのデータ保存局だ。
グリッドが世界を変える
セルンが現在取り組んでいるのは地球ネットワーク・テクノロジーだ。名づけて「グリッド」（配電網）。これが完成すれば、世界中にある何十万台のコンピュータがリンクされ、コンピュータ同士の巨大な情報共有につながる。これもＬＨＣの実験の成果だ。
セルンのホームページで見られるPCファーム（Farm）と呼ばれるものがグリッドに大きく貢献している。複数のコンピュータがネットワークで接続したPCファームで大量の情報が処理される。
普通のコンピュータでも、高性能なコンピュータでも関係なく、1500台のコンピュータが相互につながれ共通のデータベースに情報を蓄積する。この数は2007年までに5000に増加するはずだ。
しかし、これらが「我々はどこから来たのか」という究極の問いかけに答えてくれるとは、まだとても思えない。
swissinfo、クレア・オデア、遊佐弘美（ゆさひろみ）意訳
キーワード
セルンは世界最大の素粒子物理研究機関。公式名は欧州合同素粒子原子核研究機構。
1954年に欧州各国が共同で設立した。