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スイスの国会議員は一般的に、労働時間の約６割を政治に、残り４割を各自の職業に費やす。そして、「職業政治家」というレッテルを貼られることを嫌う。それは、常に「現実の世界」とのつながりを保ちたいからだ。
カリン・ケラー・ズッター議員が国会議事堂で壁にもたれながら記者と話をしている。５０歳のザンクト・ガレン出身のこの議員ほど、「職業政治家」というイメージがふさわしい人はいないだろう。
市や州議会で、また地元政党の代表や７名の連邦内閣閣僚候補として、さらに全州議会（上院）議員として２０年にわたって政治活動をしているが、自分を「職業政治家」だとは思わないという。
「以前、政府にいたときは政治が私の職業だった。フルタイムの仕事だったし、一つの部署の責任者でもあったから」とケラー・ズッター氏は説明する。だが現在は、上院で６０％の仕事をし、残りの時間を使って企業の取締役会の役員をしている。
２０１３年の最優秀政治家に選ばれたトマス・ミンダー議員もまた、自分を職業政治家だとは考えていない。自然化粧品会社の経営者であるミンダー氏は、２００６年に企業の経営陣が受け取る法外な高額報酬に反対するイニシアチブを立ち上げた。２０１３年にはこの「高額報酬制度反対イニシアチブ」が国民投票によって可決され、そのニュースは世界各国で大きく報じられた。そして、それまで「全く政治活動をしたことのなかった」ミンダー氏は上院議員に選出された。
昨年、一般市民によって最優秀政治家に選ばれた際にミンダー氏は、職業政治家でもない自分が、政治という分野で賞を受けるという皮肉に言及した。「私はまず第一に起業家だ。その次に無所属の上院議員だ」
副業
ケラー・ズッター氏やミンダー氏が職業政治家というステータスに抵抗するのも不思議ではないかもしれない。スイスには地方・州・連邦レベルで、専業ではないという意味での「副業としての政治」という長い伝統がある。上院の全州議会議員４６名と下院の国民議会議員２００名は、年に４回３週間、国会に出席するため首都ベルンに集まる。また年間を通じてさまざまな委員会の会議に出席したりもする。理論上は、その時間外に議員のほとんどが議会の外で別の仕事を持っている。
例えばルッツイ・スタム議員は弁護士だ。彼は１９９１年下院議員に選出され、法廷の事務弁護士の仕事を辞めた。今は、出身地であるアールガウ州のスイス国民党を代表して上院で尽力している。「この国の政治システムは、（政治に携わる者に）かなりの柔軟性を持たせることができる」と話す。
スタム氏は自分を「ほぼ職業政治家」だと言う。だが、夕方や週末、そして国会が開催されていないときは、「１００％クライアントのために働く」。「私は週に４０時間以上も働いているが、フルタイムの政治活動をしていないことは確かだ」
ここ数年で国会議員の扱う仕事は、その量も複雑さも増大したため、果たしてパートタイムで議会の仕事ができるのかどうかについては、これまでにも度々疑問視されてきた。
２０１４年にドイツ語圏の日曜紙シュヴァイツ・アム・ゾンタークの２人のジャーナリストが行った調査によると、回答した９９人の政治家が国会活動に費やす時間は平均で週に２９時間。これは、全労働時間の７割にあたる。また、国会議員の約３分の１は、政治家の仕事以外に別の職業を持っていないと述べている。
４年前には、チューリヒ大学の研究員サラ・ビューティコーファーさんがスイス国会の「プロ化」について調査し、国会議員が政治活動に費やす時間についても調べた。その結果、政治活動に費やす時間が全労働時間の３分の１未満の政治家を「副業政治家」、３分の２以上を「職業政治家」、その中間を「セミプロフェッショナルの政治家」と分類した。
政治家自身はスイスに副業政治家が存在するという「神話」に貢献していると思っていても、実際にはすでに「副業政治家」は存在しないとビューティコーファーさんは結論付けている。
そしてスイスインフォに対しては、「スイスでフルタイムで政治活動に専念する政治家の数は増え続けている」と語った。
やる気と離職率
多くの分野では、アマチュアとプロの違いは報酬の額による。国会に関するデータベース「キュリア・ヴィスタ（Curia Vista）」によると、下院議員の２０１３年の年間報酬額は平均１３万８千フラン（約１５６０万円）、上院議員では平均１５万６千フランだった。
ビューティコーファーさんは、過去１０年間で下院議員の金銭的報酬が大幅に増加したことにより、政治活動をフルタイムの仕事にするようになった議員も増えたという。
実際、下院議員が議員の職を離れる率は比較的低い。前回行われた２０１１年の選挙の後に辞職したのは２４６名中２４名（９．７％）。さらに１０人のみが４年の任期が終わる２０１５年には職を離れる予定だ。
職業政治家になるのは悪いことか？
「（職業政治家になることを）悪いとは言わないが、フルタイムの政治家でないことによる利点もある」と答えるのは、緑の党のバスチアン・ジロ議員。ジロ議員は博士号を取得した後に、連邦工科大学チューリヒ校で研究者として働いている。「私の場合、政治と科学をうまく両立できている。フルタイムの政治家は他の政治家の意見に左右されがちだが、私は誰にも影響されずに自分自身の意見を持つことができる」
前出のケラー・ズッター氏も同意見で、「政治家が（議会以外で）働けるということは、スイスの政治システムの利点だと思う」と言う。「そうすることで政治家は実践的な経験をし、企業や現実的な問題に関して見識を持てる。政治家を専業にすれば、現実の世界が見えなくなり、感覚的なものになりかねない」
仕事のコツを学ぶ
州議会では、議員がその議員職を離れる率が高い。ベルン大学政治学研究所のアントイネッテ・フェー・ヴィドマーさんの行った２０１４年の調査では、１９９０～２０１２年で、議員の離職率は平均５割に上った。離職率が最も高かったのはジュネーブ州で６９％。最も低かったのはアッペンツェル・インナーローデン準州で２９％。こうした高い離職率の結果、新人議員に政治のやり方を教える必要性が訴えられた。実際２０１４年９月には、ベルン市議会の議員２人が新人議員に議会手続きに関する半日の研修を義務付ける提案書を提出した。また、他の議員を対象に定期的な政治教育を行うようにも求めている。提案者のミハエル・ダフィノフ議員とクート・ヒルスブルンナー議員によると、どの領域が市議会の権限下にあるのか、またイニシアチブを提出するための正しい手続きの仕方を全議員が理解していれば、議会での無駄な時間が大幅に省けるという。
新しい世代
英国では、２０１２年にデイリー・メール紙が「国会議員の７人に１人は実際に仕事をしたことがない」と報じている。同様にスイスでも「若くして政治活動を始め、若くして国会に足を踏み入れる、新しい世代の政治家が出てきている」と、チューリヒ大学の研究員サラ・ビューティコーファーさんは言う。「彼らの大半は政治以外の環境で仕事に就いた経験が少ない」
中道左派、スイス社会民主党のエヴィ・アレマン議員も、新しい世代の１人だ。現在３６歳のアルマン氏は国会でスイス社会民主党を代表しているが、２０歳という若さでベルン州議会に入り、スイスの歴史上最年少議員となった。
アレマン氏は「スイスでは若くして政治的な地位に選出されることは難しい。だが当時、政治の場で若者の声を代表する議員が不足していて、それが投票者に訴えかけたのだろう」と話す。
２００３年に国民議会議員に選出され、その年の最も若い議員として国会の開会式で慣例となっているウェルカムスピーチをした。「素晴らしい経験だった。国会議事堂に入って１時間後には、大勢の前でスピーチをするのだから」
弁護士の資格を持つアレマン氏は、政治が自分の職業だとキッパリと言う数少ない政治家の１人。「スイスでは『副業の国会議員』という考えが深く根付いているが、それは現実を反映していない」
（英語からの翻訳・由比かおり）, swissinfo.ch