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スイスでは大学生向けの奨学金制度は州によって異なる。それが教育の「機会の平等」を妨げていると主張する学生が、制度の統一を求めるイニシアチブ（国民発議）を提起した。６月１４日にその是非を問う国民投票が行われる。
スヴェン、ニコラ、ジョエルの３人にはいくつか共通点がある。ベルン大学で学んでいるということと、ここ数カ月の間、イニシアチブを成立させるための署名活動を行っていたことだ。
３人の家庭の生活レベルはほぼ同じだ。しかし両親はそれぞれ違う州に住んでいるため、この３人に支給される奨学金の額には明らかな違いがある。
奨学金事業は現在、州が主体となって行っているが、給付額は学生が通う大学の立地州ではなく、両親が住む州をもとに決定される。これを改正すべきだとして、スイス学生組合はイニシアチブを提起。必要な署名数１０万人分を優に超す１１万５千人分以上の署名を当局に提出した。イニシアチブの内容は主に、高等教育における奨学金給付の判断基準をスイス全土で統一すること、そして奨学金の額を学生が「最低限の生活の質」を確保できる額にすることだ。
国が義務を負うべき
この提案ではさらに、国が奨学金に出資する割合の増加も求めている。国の奨学金負担率は、１９９９年の４０％から２０１０年には８％まで縮小した。提案どおりに奨学金制度が統一されたとしても「（給付額の）水準を引き下げる」ことがあってはならないと、同組合幹部のロミーナ・ロリーバさんは強調する。
下がったのは国の負担率だけではない。奨学金を受給する学生の数も、過去１０年間で大幅に減少した。１９８０年には学生の１６％が奨学金を受給していたが、２００９年は９％に踏みとどまっている。
高学歴で優れた労働力を求める声
ロリーバさんによれば現在、およそ学生の８０％が副業に頼らざるを得ない状態だという。しかし学業との両立は色々な面において難しく、副業の収入だけでは学費をまかないきれなかったり、アパートの家賃を払えなかったりする場合がよくある。
また欧州とスイスの大学教育制度を統一化するボローニャ制度が導入され、カリキュラムの組み方に余裕がなくなったことも、学業と副業との両立を難しくさせているという。
スイス学術アカデミーのマークス・チュルヒャー事務局長は、「主な資源が人的資源のスイスでは、教育への投資は非常に得策だ」と述べ、スイスは人口変動に伴い、これから２０年の間に労働力不足に陥ると予測する。「技術変革により、高学歴で優れた労働力への需要は供給を大幅に上回るだろう」
そのため「頼れる奨学金制度」を「入学時から可能にする」ことで、学生が安心して学業に励めるとチュルヒャー氏は話す。
州も統一に向けて取り組みを開始
実のところ、このような奨学金制度の（国内）統一化を目指すイニシアチブは、学生組合の３度目の挑戦となる。７２年に提出された１度目のイニシアチブでは、学費は両親の居住地を基準としなくてもよいとするよう求めたが、のちに取り下げられた。９３年の２度目のイニシアチブでは、署名数が足りず失敗に終わった。他にも同様の試みがたびたび繰り返されたが、いずれも州の反対にあい、失敗に終わっている。
今回のイニシアチブは、複数の州が現在進めている奨学金制度統一化プランとかぶる部分がある。同プランの目標は州の間で奨学金の規定を統一する協定を取り決めることだ。これまでにバーゼル・シュタット準州、ベルン州、ヌーシャテル州、フリブール州、ヴォー州、ティチーノ州、グラウビュンデン州、トゥールガウ州が同協定に同意。この協定が施行されるには、あと二つの州からの同意が必要だが、バーゼル・シュタット準州の教育課によれば、必要数に届く日は近いという。
しかしこの協定は、今回のイニシアチブよりも内容が限られている。奨学金制度はこのまま州が主導権を握るべきとし、また今回のイニシアチブが求める最低限の生活が保障できるような給付額の設定は予定されていない。
違い
連邦制度を敷くスイスでは州ごとに異なった規定があるのは特にめずらしいことではないが、奨学金制度に関してはその違いが特に大きい。
奨学金の支出額は人口一人当たり、シャフハウゼン州で１７フラン（約２２００円）、ジュラ州では９３フラン。チューリヒ州、バーゼル・シュタット準州は２３フランで、スイス中央部の州は６１フラン。
年間給付額も州ごとに大きく異なる。給付額が最も高いのはチューリヒ州の平均７５００フラン。最も低いのはヌーシャテル州の平均３千フラン。
スイス学生組合
スイス学生組合は総合大学や単科大学などの学生の声を代表する全国組織。１９２０年６月１９日にチューリヒで発足した。
同組合は学生の生活面や経済面における関心を国内外で代表し、高等教育において重要な教育機関全てや組織、委員会などと協力して活動。政治的に中立で、特に男女平等の推進に力を入れている。
またエラスムス学生ネットワーク（ESN）など、専門的な地方の学生組織も同組合に加盟している。
（出典：スイス学生組合）
（独語からの翻訳・編集 大野瑠衣子）, swissinfo.ch