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ウエリ・マウラー国防相は新しい戦闘機の購入を予定していたが、この計画は延期されることになった。
基本的には、現在スイス軍が使用している「タイガー」戦闘機の代わりに新しい戦闘機を購入する考えだ。だが、ここしばらくは経済的な余裕がないというのがその理由だ。
戦闘機より大事な問題
マウラー国防相は8月25日の記者会見の場で
「また1年前の状況に戻ってしまいました」
と残念そうに語った。当時マウラー国防相は、費用がかかりすぎることから、当面の間、戦闘機購入を断念するつもりだったが、連邦内閣がこれに反対した。
今回は「心苦しい思いで戦闘機購入の延期を提議した」ところ、連邦内閣は「心苦しい思いで」これを認めたとう。「現在は、購入は不可能」というのが、決定の理由だ。
マウラー国防相は
「国家債務を軽減しなくてはならず、短期的には特別借款も無理。また、通常の軍備予算で戦闘機を購入して通常予算への負担を増やすことも避けたい。今、22機の戦闘機を購入すれば、以後少なくとも8年間はさらなる出費を控えなければならなくなる。これは無責任だ」
と説明する。
22機の戦闘機購入の見積もりは最低額が35億フラン ( 約2876億円 ) 、最高額は48億フラン ( 約3945億円 ) だ。しかし、軍需物資の予算は年間わずか6億フラン ( 約493億円 ) しかない。
マウラー国防相はここ数カ月間、戦闘機を優先するつもりはないと発言し続けてきたが、
「戦闘機購入を延期することによって、連邦内閣には兵站や情報科学など軍が抱える日常的な問題を解決する余裕が生まれる」
と、今回の記者会見でもこの考えを強調した。
外国の信頼を失う
マウラー国防相は、重要な問題はこの先数年間で解決することができ、その後新たに戦闘機購入について考える時期が来るという考えだ。連邦政府は、遅くとも2015年には戦闘機購入計画について再度決定を下したい意向だ。
国防省によると、今回の決定で領空の保安に問題が出ることはないという。しかし、老朽化した「タイガー」がいつまで投入されるかは不明だ。本来は、2013年から2015年の間に新しい戦闘機と入れ替えられる予定だった。
空軍の指揮官は、空の警官の役割を果たすには、33機のF/A-18で十分だと言う。しかし、ダボスで開かれる「世界経済フォーラム ( WEF ) 」 などの大きな催し物の場合には余裕がなくなる。また、数週間あるいは数カ月間にわたっての集中的な投入も無理だという。
専門家の間では、今回の決定に対する批判の声も聞かれる。国家安全政策の専門家であるダニエル・ヘラー氏は、国営ラジオ局ドイツ語放送「DRS」のインタビューに対し
「連邦政府は、国家安全政策をこれからどのように形成すればよいか分からなくなっているようだ。外国はスイスの保安政策を当てにならない、もう信頼の置けないものと格付けするだろう」
と語っている。
swissinfo.ch、外電