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外国ベンチャーキャピタルによるスイス企業買収のラッシュが起こっている。彼らの目的は何か。
スイスを代表する企業が、ロシアとオーストリアの大手投資グループによる買収のターゲットになっている。スイスの長者番付にも載り、見積もり税しかチューリヒ州に支払っていないと非難された、ロシア人ヴィクトール・ヴェクセルベルク氏がこの買収の主役の1人だ。
チューリヒ州当局によると、昨年はロシアの企業10社がスイスに進出し、さらに20社が進出を検討中だという。これに伴って、ロシア人の移住も増加。1995年には4600人だったが、現在はおよそ9000人がスイスに住んでいる。また、ロシア人旅行者が昨年スイスで使ったお金は1億2000万フラン ( 約115億円 ) にも上る。
ロシア進出の手助け？
ヴェクセルベルク氏の個人資産はおよそ81億フラン ( 約7800億円 ) で、ロシアの長者番付では第5位。石油とアルミで財をなした。プーチン大統領とも顔見知りだ。現在はチューリヒに豪華なマンションを購入して住んでいる。
彼の会社レノヴァ・ホールディング ( Renova Holding ) 社は、ロシア経済を背景とするベンチャーキャピタルで、エリコン ( Oerlikon ) の株を13.8%取得している。今後も資本参加率を上げ続けるもようである。エリコンばかりではなく、今後もスイス企業をターゲットにする意向で、スイスの週刊誌ヴェルトヴォッヘ ( Weltwoche ) のインタビューでヴェクセルベルク氏は、スイス企業と連絡を取り合っていると明かした。「ロシア市場への進出を手助けするためにスイス企業と話をしている。われわれのスイス企業に対する『貢献』は資本参加で行う」というのだ。
産業の論理？
一方、オーストリアのヴィクトリー ( Victory ) 社は2年前、スイスのテクノロジーコンツェルン、ユナクシス ( Unaxis ) への資本参加率を上げ、引き続き、子会社OCエリコンとエリコンの株も大量に取得し、レノヴァと資本参加で競合している。昨年9月には機械製造のザウラー ( Saurer ) にも資本参加し、今年に入ってからは、情報産業のアスコム ( Ascom ) の株を20.1%取得した。レノヴァのヴェクセルベルク氏は、「自分の産業戦略」にどの企業を組み入れたいのかという具体的な話は避けながらもザウラーがターゲットであることを匂わせている。両者のターゲットが重なるのは偶然なのだろうか。
スイスメム ( Swissmem、スイス機械電機金属産業協会 ) の会長のヨハン・シュナイダー・アンマン氏には「投資家がスイス人かどうかは問題ではない。理路整然とした産業戦略があるかどうかが重要である」と言う。チューリヒ州銀行のアナリスト、アルミン・レヒベルガー氏は「現在ターゲットとなっているスイス企業の業務内容はほとんど重なるところがなく、一緒にしても、相乗効果はほとんどない。外国資本がスイスの大会社をターゲットとするのは気味が悪い」と語り、多額の現金を抱えるスイスの製造会社はベンチャーキャピタルにとって、大きな利潤を上げられることから、ターゲットになりやすいとも指摘する。
しかし、最近創立されたスイス・ロシア・フォーラムのベアトリス・ロンバルト氏は、スイスにとってロシア資本は歓迎されるべきものであると確信していると言う。「スイスは他のヨーロッパ諸国と同様、国内市場は飽和状態で、拡大のしようがない。だからこそロシア市場へのアクセスが必要だ。資本参加は両国の橋渡しの役目をすることになる。( エリコンの宇宙工学部門の子会社 ) エリコンスペースは 、その格好な例だ。スイスにとって、ロシアの専門家や大学との関係を持つことは重要だ」と語る。
swissinfo、マシュー・アレン、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 意訳