Document ID: /fineweb-2-swissfilter-quality_10-filterrobots/filtered/00380.jsonl.gz/46

第43回ソロトゥルン映画祭では、公開前から話題に上っていたアニメ「マックスとその仲間たち ( 仮題 ) ( Max & Co. ) 」の受賞は残念ながらなかった。このコンテンツは 2008/02/01 15:26
制作費が3000万フラン ( 約30億円 ) 。スイス映画界にとって巨額の投資をしたプロデューサーのロベルト・ボナー氏は、今後スイスをアニメの発信地にしたいと意気込む。
キツネのマックスは怖いものなし。ハエ叩き工場の社長と戦い、革命を起こす。マックスはラテックスとシリコンで作られた「マックスとその仲間たち」の主人公だ。
30億円が破格
「俳優を雇う必要はありません。自分たちで作ってしまいますから」
とボナー氏。「マックスとその仲間たち」はソロトゥルン映画祭のオープニングで上映された。映画祭の開幕式には製作者の双子の兄弟サミュエル・ギィヨーム、フレデリック・ギィヨーム氏も姿を現した。
賞は逃したものの、ボナー氏たちによりスイスの映画界に一種の改革がもたらされたことには間違いない。スイス映画史上最高の3000万フランという制作費は、連邦文化局 ( BAK/OFC ) が出すスイス映画への年間補助金のほぼ2倍に相当する。また、これまでの制作費最高額の映画「ぼくの名前はオイゲン ( Mein Name ist Eugen ) 」の5倍だ。スイスの映画界では、3000万フランの資金を集めること自体、これまで夢と思われてきた。
慢性的に予算不足に悩むスイス映画界に突然現れた、不可能を可能にする人物がボナー氏だ。
「困難はありました。フランス、ベルギー、イギリスとの協力のおかげで達成できました」
国際的に見ると、制作費3000万フランは比較的安い。同等のものをイギリスで作ると2倍、アメリカで作ると3倍かかるという。
「資金をタイムリーに調達することが難しいことでした。お金はありますが、映画制作に適した投資構造を作る必要があります」
アニメの場合、撮影前に制作費の25%から30%の投資が必要だが、スイスには、必要な時に必要な資金が投資されるような仕組みがないという。
ミルクパック製造工場で
スイスフランス語圏ロモン ( Romont ) にある元ミルクパック工場がこのアニメの製作所だ。工場は2年前に閉鎖された。ここで、アニメに使われるフィギュアたちが命を与えられた。ギィヨーム兄弟の作るフィギュアが活躍する舞台は、製作所の屋根など実際の風景を舞台としている。
製作日数38週間、27のセット、ヨーロッパ各地から200人が集まり、あらゆる労を厭わず作られた。
「イギリスのアードマン・アニメーションズの「チキンラン (Chicken Run )」やティム･バートンの「コープス･ブライド ( Corps Bride )」が目標でした。これらのアニメの完成度にできる限り近づこうとしました。資金不足を理由に、失敗するとなどということはできません」
とボナー氏の理想は高い。
野望は高く
まだ街では公開されていないが、ボナー氏はすでに次の目標を掲げている。これまでもスイス国内で注目された映画に携わってきたが、スイスをアニメの中心地にしたいという。
「スイス人は厄介な問題に粘り強く取り組むことや、物作りが得意です。しかも仕事は精巧です。こうした性格はアニメに向いています」
とボナー氏。スイスの短編アニメの歴史も長い。才能のあるスイス人は多い。製作環境を整え、教育システムを作ることが肝心だ。
そのためには政治的な支援も欠かせない。
「どこで製作するかという問題は、文化への支援があるか、無いかによります。もしスイスにあるならば、スイスで製作します。無ければ他国で製作するということです」
ボナー氏の方針ははっきりしている。
「成功する映画だけを支援するという考え方は神話に過ぎません。もしそのようなことが可能なら、全員がお金持ちになるでしょう」
ボナー氏は2006年に大ヒットとなり日本やアメリカでも上映された「遅咲きの乙女たち ( Die Herbstzeitlose ) 」の例を挙げ
「連邦政府の援助以外、問題を解決するすべはありません」
と言う。
小さなキツネのマックスの責任は重い。2007年はスイス映画界は不振だったこともあり、「マックスとその仲間たち」への期待は高まる。連邦文化局のニコラ・ビドー氏も「このアニメは、スイス映画界の機関車」だと評価した。制作費が高いだけあり、成功が国内にとどまるだけでは不十分だ。ボナー氏はアメリカの配給会社との契約に望みを賭けている。
出費は出費。元に戻すことはできない。後悔は無いのか？
「いいえ、一瞬たりとも後悔したことはありません。サミュエルとフレデリック兄弟に投資する価値はありますから。これが最後の作品ではありません。長い歴史の始まりになればと思います」
swissinfo、コリン・ブクサー 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 訳
「マックスとその仲間たち ( Max & Co.)」
スイスの出費率42% ( 1250万フラン/ 12億5000万円 ) 。連邦文化局の映画1本に対する援助金は50万フランとされているが、このアニメは初めての試みであることから3倍にあたる150万フランが支払われた。フリブール/フリブルク州も大きく支援している。公共放送SRG SSR idée suisseが約1000万フラン出資したほか、企業や個人が投資した。スイス以外はフランス、イギリス、ベルギーからの出資となっている。
フィギュア製作は「コープス･ブライド」や「マーズ・アタック! (Mars Attacks!)」のイギリスの「マッキンノン&サンダーズ」が手がけた。フリブール/フリブルクの工学高等学校との協力でコンピュータソフト「アニモーション ( Animotion ) 」を開発。撮影時間を短縮することができた。20カ国での上映が決まっているが、スイスでは2月から上映の予定。
フランスのアンシー ( Annecy ) の国際アニメ祭で観客賞を受賞した。
この記事は、旧サイトから新サイトに自動的に転送されました。表示にエラーが生じた場合は、<email-pii>に連絡してください。何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願いします