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「世界は過剰武装され、平和のための財源は不足している」と潘基文（パンギムン）氏は国連事務総長時代に訴えた。新型コロナが世界的に大流行する今の時代にこそぴったりの指摘だ。しかし、今は平和のための財源不足に加えて、公衆衛生のための財源も不足している。
人々は心を痛めた。新型コロナウィルスのパンデミック（世界的大流行）による犠牲者の数に。当然だ。その数は半年で50万人に達するだろう。実は、この数は、武器を用いた暴力行為による年間平均死亡者数に等しい。その8万人近くが紛争地域で亡くなり、残りはいわゆる平和な国で、殺人、自殺、銃器による事故が原因で亡くなっている。
「社会保障や公衆衛生のためというよりは、むしろ人々を死に追いやるようなカネの無駄遣いを前にして、市民社会、議会、科学者、メディアは立ち上がるべきだ」End of insertion
武器を入手しやすいがために頻発する乱射事件を受けて米国に広がった抗議の波も、さらに最近では、人種差別的な警官による暴力に対する抗議の波も驚くことではない。米国では毎年、3万7千人以上が銃弾に倒れている。先進国の大半と比べて10倍の多さだ。
50万人。これは、北大西洋条約機構（NATO）5カ国に米国が配備している150個の核爆弾のうち、たった1個の爆発が数分のうちに引き起こしうる死傷者数と同じ数だ。150個の核爆弾の1つ1つが広島に投下された原子爆弾の24倍に相当する破壊力を持つ。しかし、当然のことながら、これらは核保有国9カ国が持つ約1万3千個の核兵器のごく一部でしかない。これらの核兵器には、第2次世界大戦で使用された全火力の2千倍以上もの威力がある。トライデント（潜水艦発射型戦略核ミサイル）1発だけでも、広島の原爆5千個分の威力がある。
さらに、人々は心を痛めた。パンデミックの最中に、世界保健機関（WHO）に対する米国の拠出金を停止し、ついでWHOから脱退するとしたトランプ米大統領の理解しがたい決定に。WHOの年間予算48億4千万ドル（約521億6千万円）に占める米国の貢献は、義務的拠出金（分担金）と任意拠出金とを合わせて5億ドルに上っていた。トランプ大統領の決定と前後して、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所（SIPRI）が、調査の結果、昨年の世界の軍事費は1兆9170億ドルという記録的水準に達したと発表した。ざっと計算して、WHOの予算は世界のたった1日分の軍事支出にも満たない！
アイゼンハワー元米大統領が1961年の退任演説で警戒を呼び掛けた「軍産複合体」は、かつてないほど好調だったというわけだ。パンデミックによって明らかになったWHOの財源不足を取り繕うために、予算支出が再検討されることを予想し、懸念しながらも、軍産複合体は新たな公的資金を手に入れる努力を惜しまなかった。米国では、連邦議会で採択された2兆ドル超のコロナ危機への経済対策で、民間航空機・軍用機メーカーのボーイングが600億ドルの支援を取りつけた。銃器産業はロックダウン（都市封鎖）の最中に、首尾よく「必要不可欠なサービス」として認められ、購入者の武器庫を一層充実させた。
軍産複合体のロビー団体が強力なフランスでは、ロビー団体が一番の盟友である政府を説得する必要などなかった。2008年の金融危機に際し、サルコジ仏大統領（当時）が行ったように、国防省は6億ユーロ（約672億7千万円）相当の軍用機の発注を前倒しした。フランスは財政赤字の状態なだけに、将来の世代につけが回ってくるのは目に見えている。
衝撃的な数字にどう対処すべきか？
社会保障や公衆衛生のためというよりは、むしろ人々を死に追いやるようなカネの無駄遣いを前にして、市民社会、議会、科学者、メディアは立ち上がるべきだ。ほとんどの国が被る新型コロナによる景気後退は、国家予算と人間の安全保障のための多国間協力とのバランスを取り戻す歴史的な機会となるだろう。軍事費が1％増えれば、公衆衛生のための支出が概して0.6～1％減るという調査結果がある。この傾向を逆転させなければならない。
既存の国際条約と組み合わせて、NGOが主導する数々の「融資させない運動」はすでに、クラスター爆弾の製造をほとんど停止させることに成功した。また、金融機関が温暖化対策として化石燃料に関する投資を引き揚げたように、数多くの銀行・年金基金大手が核兵器製造に関する投資を引き揚げた。核兵器禁止条約が将来発効すれば、この動きは拡大するだろう。同条約には、核兵器の開発及び製造への協力を禁止する条文があるからだ。また、英国のロンドン大学東洋アフリカ研究学院（SOAS）は、武器の製造・輸出を凍結し、製造・輸出コストを公衆衛生や開発援助に使うよう求める運動を行っている。ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇もこの運動を支持する。
これらの運動は、軍備管理や軍縮に関する二国間協定や多国間協定を順守させ、維持させる圧力でもある。02年以来、米国が打ち壊そうとしてきた協定―弾道弾迎撃ミサイル（ABM）制限条約、イラン核合意、中距離核戦力（INF）全廃条約、武器貿易条約、領空開放（オープンスカイズ）条約、来年2月に期限を迎える新戦略兵器削減条約（新START）―のことだ。トランプ米大統領には（1992年以来行っていなかった核爆発を伴う）核実験を再開する恐れもある。
これら協定の他にも、核保有国について、核兵器の使用に踏み切るハードルを下げるような原則の変更や、破滅に向かって突き進む軍拡競争に世界を巻き込もうとするような危険な変化があれば、我々は告発しなければならない。