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山に登るものにとって、高山病は深刻な問題だ。まだ解明されていない高山病の原因を調査するため、スイスの研究者と登山家がヒマラヤに挑む。
遠征隊は３週間かけて中国側のヒマラヤの頂上付近まで登る。これにより、高度による酸素不足が、人間の体や脳にどのような影響を与えるか調査する。
遠征隊は２つに分かれて登頂する。 初めに出発したのは一般からボランティアで集められた登山家で構成するグループで、6月19日に出発、7日間かけて、中国とタジキスタンの国境にそびえるムスターグ・アタ（「氷の山々の父」の意）に登る。 第２陣は科学者などの専門家のグループで、 ６月22日に出発した。
３８匹のモルモットも一緒だ。5500ｍ、6300m、6900m、とそれぞれ違う高度のベースキャンプ（事故や酸素補給のため設置された山の途中にある中継基地）で、薄い酸素にどのように順応するか実験を受ける。
頂上は標高7500m以上で、これはスキーで行くしか道はない。 科学者や物理学者はチューリヒ大学やベルン大学、チューリヒ大学病院やアーラウ病院から派遣され、全部で４つの異なった実験を行う。非常に高い高度が脳の動きをどのように妨害するか、酸素の不足が呼吸や身体の動きにどのように影響するか、また山に登っている間、目はどのようなダメージを受けるか、どのような速さで高度な山に登った場合、高所肺浮腫や高所脳浮腫を起こすか、などについて調査する。
危険は最小限
これだけ高度な場所に登るにも拘らず、参加者が負う危険は最小限に抑えられている。「当然、ヒマラヤは非常に高い山ですが、危険は普通のスキーツアーと同じくらいです」と語るのはガイドのリーダーを務めるカリ・コブラーさんだ。
それでも誰かが高山病関係の病気に悩まされた場合には、スキーでちょっと降りてベースキャンプに戻ればよい。
最大の敵は高度ではなく地上との温度差かもしれない。ヒマラヤに登るために、遠征隊は摂氏45度のパキスタンの首都イスラマバードに入らなければならず、零下30度の山の上との温度差は75度にもなる。
ボランティアの登山家は、100人の希望者から選ばれた。「55歳以下で登山の経験がある人を募集しました」とコブラーさんと一緒に共同リーダーを務めるトビアス・メルツさんが説明する。まずこの基準から50人が選ばれ、それから体力的、技術的適性検査が行われた。最終的に選ばれた35人前後のボランティアは経費8000フラン（約70万円）を払って参加する。
「諸経費や研究コスト、実験機材などを合計すると、100万フラン（約8600万円）もかかります」とメルツさんは話す。
米国の大手薬品企業も含まれるスポンサーによって、いくらかの資金や機材が援助されるため負担は多少軽減される。しかし、研究にかかる費用のほとんどは国からの科学研究費によるものだ。
遠征隊には研究者12人とボランティア登山家のほか、パキスタンやネパール、中国の登山の専門家やコックも加わっている。「これだけ大掛かりな遠征隊が、これほど高い山に登って調査を行うのは初の試みです」とウリ・ヘフティ隊長は胸を張った。
swissinfo スコット・キャッパー、遊佐弘美（ゆさひろみ）意訳
補足情報
＜ムスターグ・アタ山＞
- 標高7546m、頂上は中国とタジキスタンの国境からわずか24km
- 近くにはパキスタンに続く高速道路が通っている。
- 高所肺浮腫や高所脳浮腫は生命の危険もある、高山病の中でも重篤な病気である。通常、標高2500mほどからかかる。