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世界貿易機関（WTO・本部ジュネーブ）で貿易紛争を裁定する上級委員会が欠員。実質的に紛争処理機能が停止した。
最終審にあたる上級委員会の委員２人の任期が１０日に切れ、従来７人の委員が１人だけになった。上訴したり、最終的な裁決を下したりすることが出来なくなり、WTOの紛争処理制度が機能不全に陥った。
1995年に設立したWTOには、現在164カ国・地域が加盟。モノやサービスの自由貿易を促進し、WTOの「中核」と言われる紛争解決機関（DSB）では、加盟国の通商問題解決のため、上級委員会が最終審理を行ってきた。
ところが、米国は上級委員会の権限を問題視し、委員補充に反対。委員の選出には加盟国の全会一致が必要とされるが、米国が過去約２年間、委員選任を拒否したため、審理に必要な上級委員を選任できなかった。EU、中国、スイス、カナダ、韓国など11カ国は、この問題を見据え改革案他のサイトへを提案したりしてきたが、加盟国で意見が異なる。
米国は、中国による産業補助金問題で中国に有利な判決が出たことを不当とするなど、上級委員会のあり方を問題視していた。また、原則90日以内ですべき上級委員会の審理の長期化にも懸念を示していた。
スイスの通信社Keystone-SDAによると、上級委員会では現在、案件１３件を審理中。スイスは特定の製品に対する米国の関税引き上げに対し、１件申し立てをしているが、おそらく１年は審理されないと見込まれる。
スイス代表部WTO大使ディディエ・シャンボヴェ氏は１０日、「状況は深刻だ」と述べたが、「世界貿易システムの崩壊を意味するものではない」とみる。 WTOの紛争処理委員会での審理を含め、制度の他のメカニズムが引き続き利用可能であると言う。
WTO加盟国の貿易紛争を解決するための訴訟手続き。
貿易に関する紛争が生じた場合、まず当事国で協議を行う。60日以内に解決できなかった場合は、紛争処理小委員会（パネル）で審理する。その判断に不服がある場合、紛争国は最終審である上級委員会に上訴できる。最終判決には法的拘束力がある。
WTO発足以来、592件の紛争が提訴され、161件が上級委員会で審理・採択された。
上級委員会は７人で構成され、委員の任期は４年。最終審には最低３人の上級委員を必要とする。また、委員の選出には加盟国の全会一致が必要とされる。インフォボックス終わり