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チューリヒの裁判所で５月２９日、フェイスブック上の中傷的な投稿に「いいね！」ボタンを押し、他のユーザーに情報を拡散したことで名誉毀損罪に問われていた男性に有罪判決が言い渡された。この有罪判決をめぐりスイスでは議論を呼んでいる。インターネットの法律専門家マティス・ケルン氏は、ネット上の問題に関する前例が少なく、複雑で判断が難しいと話す。
チューリヒの裁判所から有罪判決を言い渡されたのは４５歳のスイス人男性で、フェイスブック上に投稿されていた、動物愛護団体のエルヴィン・ケスラー会長を人種差別主義的かつ反ユダヤ主義的だと批判する内容に「いいね！」ボタンを押したことが、名誉毀損罪にあたるとされた。男性には４０００フラン（約４７万円）の罰金を科す判決が下され、同被告以外にも投稿にコメントを残したり、シェアをして不特定多数に情報を広めた被告らに有罪判決が言い渡された。
ジュネーブを拠点にする法律事務所ビルン・サットン・ボレン・ケルンのマティス・ケルン氏の説明によれば、スイスの刑法第１７３条他のサイトへでは、ある人の名誉を傷つけるような虚偽の内容について発言したり、他人によるこうした内容を広めたりすることが禁じられている。フランスやドイツなどの西欧諸国でも同様の法律があるほか、英国などでは文書・図面による名誉毀損罪（ライベル）と口頭による名誉毀損（スランダー）の間にはより明確な線引きをする傾向があるという。
ケルン氏にとって明らかなのは、今回のような投稿にコメントを残すことは嘘の内容の発言にあたり、またシェアをしたことは嘘を広めたと見なされるということだ。しかし、「いいね！」ボタンを押すことが法に触れるのかどうかについては、判断が難しいという。
「個人的にはある投稿に対し単に『いいね！』のボタンを押すことで、その内容を支持していると言い切ってしまうのは難しいと感じている」とケルン氏。また、投稿を「いいね！」することが、必然的にそれを広めることにつながるのかどうかは明らかではない、と付け加える。
フェイスブックのガイドラインでは、ユーザーがある投稿を「いいね！」すると、１）そのユーザーが投稿を「いいね！」したことを他のユーザーが見ることができ、２）「いいね！」をしたユーザーのタイムラインに「いいね！」したことが掲載され、３）投稿したユーザーに「いいね！」したことが知らされる、とされている。
ケルン氏は、最終的な判決内容が公になっていない状態では裁判所の意向を理解することは難しいとし、「今回の事案では、裁判所はおそらく全ての要素を考慮したのだろう。『いいね！』というボタンを押したことだけで名誉毀損罪が適用されたとは考えにくい」と話す。
一方でケルン氏は、上訴が明確になるまでは、ソーシャルメディアのユーザーは書き込みなど、フェイスブック上で「慎重に」行動したほうがいいと警告。近年、フェイスブック上のいわゆる「サイバー・モビング」が名誉毀損罪に問われる事案が増加傾向にあると指摘した。「フェイスブックのユーザーは、他のSNSのユーザーよりも悪質な傾向にあるようだ」（同氏）
（英語からの翻訳・大野瑠衣子）