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ヴァレー州、フリブール州についでジュネーブ州でも、獰猛な犬の取り締まりに乗り出した。ほかの州でも検討中という。州ごとに法律を定めるのではなく、連邦法で明文化するべきだという意見もある。このコンテンツは 2006/09/01 15:26
犬と人間の関係は、古代から続いている。ではなぜ今、暴力的な犬が問題として取り上げられるのか。これは、現代社会の事情を反映する問題のようだ。
8月上旬、ジュネーブで17カ月の幼児が犬にかまれ重傷を負い、昨年はチューリヒで6歳の子どもが闘犬に殺された。犬が人間を襲った事件に対して、スイスではこれまでにない激憤が吹き上がった。
人間と犬のコンビとしての歴史
「闘犬をめぐる論争は予想されたこと」と語るのは、フランスの国立科学リサーチセンター ( Centre National de la Recherche Scientifique ) に勤めるスイス人の民俗学者のジャックリン・ミレー氏。「この世の最大の関心テーマであるかのように現在、人間と動物の関係が話題をさらっています」とミレー氏は言う。ジュネーブの民族博物館のジャック・ハイナルド館長も、闘犬による事故が度重なることに驚きはないという。「犬を正しいところに『お座り』させることをしない風潮があり、困った傾向だ」と嘆く。
闘犬と人間は古くからのコンビだ。「昔から都市では、闘犬が飼われ、競技としての闘犬が成り立っていました。19世紀に入り、動物愛護協会が創立される時代になると、闘犬が禁止されるようになりました。しかし、それまで人気のあった闘犬の禁止と同時に人間は、犬を大衆の労働力として育てるようになったのです」とミレー氏は説明する。闘犬の禁止により犬の飼い方も変化し、犬はペットとして人間の忠実 な友となった。
それがなぜ今、闘犬種が注目を浴びるのかという質問にミレー氏は「個人主義が支配する現代社会において、人間の友としての犬は、人間が社会生活を送るための助けになっているのです」と答える。凶暴な犬の飼い主はまず「この犬は自分のもの。凶暴にさせたければ凶暴にできるのだ。だって、この犬は自分のものなのだから」といった考え方をし、しかもその考えがまかり通るようになったとミレー氏は言う。つまり、飼い主が犬の繁殖、食事、活動を支配する代わりに、犬は飼い主の社会におけるステータスを上げる手伝をする。周りを怖がらせることだけで飼い主は、社会における自分の存在を確認できるのだという。
四輪駆動の高級車を運転するのと同じ
闘犬種がもてはやされるのは、これまでとは違った形での階級闘争が続いているからだとミレー氏は言う。昨年フランスのマスコミでも、若者の抗争が問題として取り上げられたパリ郊外で、一般市民が凶暴な犬「ピットブル」をつれて歩くのが流行しているという報道があった。ピットブルの飼い主の典型的性格についての学術的裏づけはないが、ミレー氏は「これは、暴力のステータスの表れです。例えて言えばランドクルーザーのような四輪駆動の高級車を運転するようなもの。こうした車を持ったり、ピットブルのような犬を連れて歩いて自分の力を誇示するのは、特権階級のみに許されたもの」という意見だ。
前出のハイナルド氏は、ピットブルに潜む暴力と闘犬種問題で起こった討論の激しさには驚くばかりだと言う。「激論はさらに、残忍さにつながるような『他人とはそりが合わない』といった感情を作り出す」とハイナルド氏は指摘する。時代が危機に瀕し、社会の変化が起こっているときには、まず暴力が頻繁に起こる。例としてパリ郊外の暴動がある。そして、その暴力が解決されぬままに社会に蔓延してしまうと「犬という伴侶で自己防御しようとする」と現在の現象をミレー氏は説明する。
swissinfo、フェデリック・ブルノン 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 意訳
補足情報
現行法と新法
ヴァレー州：2006年1月1日から「獰猛な犬」は飼育禁止となった。獰猛な犬は綱を引くこととくつわをつけることが義務付けられている。
フリブール州：7月から試験的に獰猛な犬を取り締まる法律を作成することが議会で認められた。獰猛な犬については、飼育法が定められ、飼育は認可が必要になる見込みだ。
ヴォー州：州上院でこの秋、獰猛な犬の取り締まりについて審議される予定。
ジュラ州：特別委員会が設置され、今年11月までに犬法の提案がされる予定。
ベルン州：官僚は強制的に、獰猛な犬への対処法を学ぶコースを受けさせられた。
チューリヒ州：特定種に対して認可制にするかが検討されている。
バーゼル・シュタット州：8種の犬については2001年から認可制となっている。また該当する犬の飼い主は、犬の飼育のコースを受けることが義務となっている。さらなる対策が検討されている。
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