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「PRISM(プリズム)」とは、アメリカの諜報機関「米国家安全保障局(NSA)」によって2007年から運用されている極秘のインターネット監視プログラムである。別称、US-984XN。特定の人物(テロリストなど)ではなく、一般人を含む全ての人を無差別的に監視する大量監視(Mass surveillance)プログラムであり、2013年に内部告発されるまでは、諜報機関などの一部の人間しか存在を知らない極秘のプログラムだった。
「PRISM(プリズム)」は、様々な「メタデータ」を収集しているとされる。「メタデータ」とは例えば、「送信者︰A」が「受信者︰B」に「IPアドレス︰x.x.x.x」から「日時︰yyyy年mm月dd日hh時mm分ss秒」に電子メールを送信した、という様なもの。
これは、封筒入りの手紙で例えると、封筒の外側から見える情報のことで、形式が決まっているため、電子的に大量監視しやすいという特徴があり、また同時に「宛先の書いていない手紙は送れない」のと同様、メタデータをすべて暗号化することは困難であり、「メタデータ」は暗号化しにくいため収集しやすいという問題もある。
また、告発された文書には「TOP SECRET」の表記があり、この文書が、「SECRET」などよりも機密性の高い「TOP SECRET(最高機密)」の文書であることを示している。
(内部告発された極秘文書の1ページ、各企業がPRISMに参加した日付を示している)
“[...]Microsoftは、2007年9月からPRISMに参加。これに続く形で2008年からYahoo!、2009年からGoogle・Facebook・PalTalk、2010年からYouTube、2011年からSkype・AOL、2012年からはAppleも加わっています。”
出典： Google・Apple・Yahoo!などのサーバにある個人情報を直接のぞき見できる極秘システム「PRISM」とは？ (Gigazine、2013年6月7日)
この大量監視プログラム「PRISM(プリズム)」は、Google、Facebook、Apple、Microsoftなど、複数の米大手IT企業の利用者の情報を収集し、監視している。また、Dropboxも監視対象の企業に加わる予定だった(出典)。
2013年に、内部告発者で、元NSA、CIA職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)により極秘文書が内部告発されたことで「PRISM」の存在が明らかとなった。この時、スノーデンによって内部告発された機密文書には、「PRISM」以外の監視プログラムに関するものもあり、これらの文書は通称「スノーデン文書」、内部告発自体のことは通称「スノーデン事件」や「スノーデンリーク」と呼ばれることもある。
“愛国者法215条が 法的根拠とされました”
出典： 2014年、TEDでのスノーデンによる発言の翻訳
「PRISM」は、米国愛国者法第215条が法的根拠とされていた。米国愛国者法は9.11(アメリカ同時多発テロ事件)の後約45日で成立した法律であり、”テロとの戦い”のために各機関に非常に強い権限を与えるものだった。(同法は2015年6月1日に失効)
“テロリスト”を監視しようとして作ったプログラムが実際に監視していたのは、自国の国民を含む世界中の市民だったのだ。しかも、そのことを世界中の市民は2013年まで知らされてすらいなかった。
確かに、”テロリスト”を捕まえようとするのは、”良いこと”かも知れないが、結果として監視されていたのは「市民」だった。しかも、”テロリスト”は、この極秘プログラムが監視しているようなサービスを利用していないとの情報もあり、これでは本当にただ「市民」を監視するだけのプログラムになる(出典)。(それにそもそも、”テロリスト”や”テロ”という単語自体、多分に政治利用されてきたところがある)
“プライバシーが これほど例外なく 本能的に求められるのには 理由があります [...] その理由とは 監視され 人に見られている かもしれない状況下では 私達の行動は 劇的に変化してしまうからです 誰かに見られている感じがすると 私達がとりうる行動は 著しく制限されてしまいます これは人間の本質に関わる事実で 社会科学 文学 宗教など あらゆる分野で 受け入れられていると 言ってもいいでしょう 数十の心理学上の研究でも 証明されています 監視されるかも知れないと わかっている場合 — 人間は大幅に 迎合的で従順な行動を 取りがちなのです”
出典： 2014年、TEDでのグレン・グリーンウォルドによる発言の翻訳
「PRISM」の非常に大きな問題点は、市民のプライバシーが侵害されることにある。プライバシーは非常に重要な権利だ。特に、民主主義を維持し、人が自由に考え、行動する際には、プライバシーが保護される必要がある。なぜなら、私たち人間は、監視され、プライバシーが保護されていないと感じると、非常に行動を萎縮してしまうからだ。市民のプライバシーが保護されないということは、「表現の自由」、「言論の自由」などの様々な「自由」が強く制限され、「民主主義」という国の根幹すら揺るがしかねないということになる。プライバシーは保護する必要があるのだ。
「PRISM(プリズム)」が今どうなっているかはわからない。ただ、おそらく今も運用されていると考えるべきだろう。また、同様のまたは似たようなプログラムを他の国家や諜報機関が運用している可能性は否定できないし、将来的にこれと同等かそれ以上の監視プログラムが作成されるリスクもある。これらの市民の権利を広範に侵害するプログラムによる大量監視を可能な限り防ぎ、プライバシーを確保するためにできることはたくさんある。
私たちは、自身のプライバシーを保護するために、行動することができる。
プライバシー保護のためにできること
暗号化する
暗号化は、プライバシーを保護する上で非常に効果的な技術的保証である。
例えば、ウェブサイトとの通信を暗号化する「HTTPS」を利用すれば、第三者が通信内容を盗聴することができなくなる。2013年の内部告発以降、HTTPSの普及率はどんどん高まり、今ではほとんどのウェブサイトはHTTPSによる暗号化に対応している。ブラウザ(Firefox、Chromiumなど)でウェブサイトを表示している際に、URLバーの左側に鍵アイコン「🔒」が表示されている場合は、そのウェブサイトとの通信が暗号化され、安全であることを示している。
他には、メッセージアプリや電子メールサービスなどの場合は「エンドツーエンド暗号化」を使用することで、メッセージの送信者と受信者以外誰もメッセージの内容を閲覧できないようになり、会話内容をネットワーク管理者やサービスを提供している企業などを含む第三者に閲覧・盗聴されることを防ぐことができる。エンドツーエンド暗号化に対応しているサービスとしては、メッセージアプリの「Signal(シグナル) (詳細)」や電子メールサービスの「ProtonMail(プロトンメール) (詳細)」などがある。
プライバシー重視のサービスを利用する
利用者のプライバシー保護を重視したサービスを利用することで、プライバシーを保護することができる。利用規約やプライバシーポリシーを読んだり、運営元の団体や団体の収入源、収集するデータの種類や暗号化されるデータの種類などを調査したり、各サービスの評判や信頼度を調べることが推奨される。こちらのページに私が個人的に推奨するサービスの一覧を示す。他、PrivacyToolsやPRISM Breakなどの参考になるサイトはいくつかある。
まずは検索エンジンを変えてみることをおすすめする。検索エンジンにあなたが入力する単語はあなたがその時考えていることを非常によく反映した情報であり、例えばあなたが「どこに行こうとしているか」、「何を買おうとしているか」がわかるとてもプライベートな情報だ。それらが、GoogleのようなPRISM監視対象企業に送られるのはプライバシー侵害以外の何物でもない。そうでなくとも、Googleは大量の個人情報を収集し、それを使って表示した広告で収益を上げている企業であり、あまりプライバシーを重視したビジネスモデルとはいえない。Yahoo!も検索単語をGoogleに送信しているため、さして変わらない。これらの代わりに、「DuckDuckGo(ダックダックゴー) (詳細)」や「Qwant (詳細)」のような、プライバシー重視の検索サービスに乗り換えることをおすすめする。
この他にも、ウェブブラウザは「Firefox(ファイヤーフォックス) (詳細)」、電子メールサービスは「ProtonMail(プロトンメール) (詳細)」や「Tutanota (詳細)」、メッセージアプリは「Signal(シグナル) (詳細)」などを利用することを個人的には推奨する。
むやみにプライベートな情報を入力しない
様々なサービスが様々な情報の入力を求めてくるが、それが必要な情報でないなら入力すべきではない。そこで入力した情報は何に使われるかわからないし、それらの情報はあとで漏洩するかもしれないからだ。
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名前の入力を求められた場合は、基本的にニックネームを入力すべきである。なぜなら、そこで入力した名前は、ユーザー名として第三者に表示される可能性もあるからだ。本名の入力が強制だが、本名を入力したくないか、入力の必要性を感じない場合は、一般的な名前(吉田、山田、太郎など)や、偽名を使うことを検討してもよいかもしれない。
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電話番号の入力を求められた場合は、省略可能な場合は入力しないべきである。なぜなら、電話番号は簡単には変更できず、ほぼ個人を特定可能な情報と言っていいからだ。電話番号の入力が強制で、かつ実際の電話番号を入力したくない場合は、「0000000000」のような明らかに存在しない電話番号やランダムに考えた電話番号、専用にレンタル等した電話番号の入力を試みてもよいかもしれない。ただし、本人確認などのために電話番号を使用するサービスもあり、その場合はあなたが利用している電話番号を入力しなくてはならないため、サービスの利用について再考し、必要性を感じるなら実際の電話番号を入力してもよいかもしれない。
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住所の入力を求められた場合は特に気をつける必要がある。何かを配達する訳でもないのに住所の入力を求められた場合は入力しない方がよい。住所の入力はしたくないが、どうしてもそのサービスを利用せざる終えず、住所の入力が強制の場合は、国会議事堂や東京タワーなど著名な建物の住所を入力するか、嘘の住所を入力することを検討してもよいかもしれない。
支払いや決済にも注意が必要である。支払いや決済に関する情報は非常に個人と結びつきやすいためだ。また、詐欺などでないかにも注意する必要がある。決済情報は気軽に入力してはいけない。
不要なアカウントは削除する
不要になったアカウントを放置していると、プライバシー上のリスクになる可能性がある。不要になったアカウントやサービスは、削除・退会しておくとよい。
関連情報
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