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クリスマスを迎える4週間ほど前から、スイスの街角はすでにクリスマスツリーで埋め尽くされている。その年により飾りに流行はあが、クリスマス・イヴに家庭で飾られるツリーは伝統にのっとったものを準備するスイス人が多いようだ。
チューリヒ市の森林監督官のツリー、そしてバーゼルの「ミスター・クリスマス」のツリーは、一体どのように飾り付けられるのか。
なお、この画面下の「フォトギャレリー」では、スイスの街角で見かけたクリスマスの飾りをご覧いただけます。
クリスマスはキリストの誕生を祝う宗教行事であるが、キリスト教が誕生する以前の非キリスト教文化の「不滅の太陽」の誕生を祝う習慣を引き継いでもいる。また、クリスマスツリーも中世後半、常緑樹やその枝を単に飾ることから始まった。18世紀後半から19世紀初頭になると、木に飾りを吊り下げるようになった（「スイス事典」Schweizer Lexikon出版）。
百貨店などによる年末商戦に煽られたくないと、プレゼントの交換はしないと決めた家庭が増える中でも、居間にはクリスマスツリーは欠かせないと思う市民は多いようである。
チューリヒの森から伐採されるツリーは特別
チューリヒ西部にある市所有の森には、12ヘクタールに12万本のクリスマスツリー用のドイツトウヒ（エゾマツの一種）やノルドマン松などが栽培されている一角がある。ここでは、森林管理官のヴィリ・シュペーリ氏ほか11人の労働者および30匹の羊がクリスマスツリーを育てている。羊は若木の周りに生える草を食べてくれる役目を果たす。
クリスマスシーズン前には、チューリヒ市内の主要な広場に飾られるツリーの伐採が始まる。市内の教会、病院、老人ホームなどに飾られるツリーもこの森で育った木だ。シーズンになると刈ってきたばかりのツリーが森小屋の前で即売となる。一シーズンで4,000本は売れるという。18日には市民に実際に森に入ってもらって、自分の気に入った木を選び伐採してもらう「ツリー狩り」が企画されている。
この森で栽培されるツリーは森林管理協会（FSC/forest Stewardship Council）の認証を受けており、同協会の指定する規定に従い、環境を配慮した方法で森林を管理維持している。このような理由から市営のツリーは市民の共感を得ており、街のスーパーマーケットなどで売られるものよりたとえ割高でも、人気があると同氏は自負している。
「ミスター・クリスマス」の館
スイス北部、ドイツとフランスに国境を接するバーゼル市の旧市街地にある「クリスマスハウス」。ヴァンナーの「ヴァイナハツハウス」として慕われているこの店は年がら年中、クリスマス。店主のヨハン・ヴァンナー氏さえ、一体いくつあるのか分からないほどの、クリスマスツリーの飾りが狭い間口からは想像できないほど奥深い店内に、所狭しと置かれている。シーズンオフには日本人をはじめ海外からの観光客が訪れ、クリスマスが近くなる頃には、地元バーゼル市民がツリーに飾るガラス球などを買い求めに来るという。
この店が扱うガラス球はすべてヨーロッパ製。一つ一つ職人が溶けたガラスを息で吹いて膨らませたもので、多少ゆがんでいるのが特徴だ。完璧でない球だからこそ、「反射する光に味が出てくる」ヴァンナー氏は空気でも掴むように軽いガラス球を手に取って照明に当てて見せた。
クリスマスツリーのガラス球の基本色は赤、緑、青、シルバー、ゴールド。これに加え今年の色は赤でもピンクがかったプラム色と黒なそうだ。「黒いガラス球はウルトラ級。買う人はデザインのセンスがあると思うね」
スイス人の究極のツリーとは
バチカン広場の中心に飾られる大きなツリーの飾り付けをしたこともあるヴァンナー氏の居間に置かれるツリーの飾りは、子供の頃から集めたガラス球で普段は「宝箱」に大切にしまってある。ガラス球を壊さないように慎重にツリーにぶら下げ、植物性のステアリン油でできた小さいろうそくを木にバランスよく配置する。飾り終えたらボルドーワインを飲みながら葉巻をくゆらせ、バロック音楽を聴いていると段々「木が自分に語りかけてくれるようになり、ワインを飲むほどにその声は大きくなる」のだそうだ。
ヴァンナー氏はクリスマス2週間前の夜にツリーを飾り付ける。彼にとって飾りつけは、木を愛でる儀式だ。一年の中で最も忙しいクリスマス・イヴに急いで飾るなど、もってのほかだという。
前出のヴィリ・シュペーリ森林管理官のツリーは、ドイツトウヒで、25平方メートルの居間に1.7mの高さの木を飾る。北米から来たノルドマン松は枝ぶりも立派で日持ちが良いが、スイスの家庭ではスイス原産のドイツトウヒが一番似合っているという。ガラス球は一色で青。それに青か白のろうそくを飾る。ツリー用に売っている鐘の形をしたチョコレートも忘れない。庭に生えているモミの木は豆電球で飾るという。
二人に共通することは、森の香りがする生の木を飾ること。「より美しいのは造花なのか生の花なのか、美的センスの問題」とシュペーリ氏は語る。
スイス国際放送 佐藤夕美 （さとうゆうみ）
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