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スイスの地方裁判所が今月、一家４人を殺害した罪などに問われた男（３４）に、終身刑（無期懲役）および仮釈放の条件を満たしても引き続き刑務所に収容する判決を言い渡した。スイスの終身刑にも仮釈放があり、必ずしも死ぬまで刑務所で過ごすわけではない。ただスイス刑法には、凶悪犯罪を起こし再犯の可能性が高いなどと見なされた場合、受刑者の持つ仮釈放の権利を制限する特別措置がある。
米国の刑事裁判で、懲役２００年、３００年という有期刑判決を耳にしたことがあるだろう。罪の数に応じて量刑が加算されるため、重大な罪を複数重ねた場合、極めての長期の有期刑が言い渡されることがある（日本の有期刑上限は３０年）。この場合、犯行時の年齢が何歳であれ、実質的に死ぬまで刑務所に収監される。仮釈放のない終身刑とほぼ一緒だ。
スイスで終身刑が適用されるのは一般的に、殺人、大量殺人などの罪を犯した場合。だからといって死ぬまで刑務所に入るわけではない。１５年、短くて１０年で仮釈放が可能になる。
ルッパースヴィルの一家殺人事件
今月１６日、スイス北部のアールガウ州ルッパースヴィルで４人を殺害したなどとして、殺人罪などに問われた男（３４）に対し、アールガウ州の地方裁判所は終身刑と、仮釈放を制限する「通常の収監措置」に付す判決を言い渡した。判決などによると、元少年サッカー指導者の男は２０１５年１２月、アールガウ州ルッパースヴィルの民家に侵入、この家に住む女性（４８）の次男（１３）に性的暴行を加え、女性と次男、長男（１９）、長男の交際相手の女性（２１）の計４人ののどを切り裂くなどしてそれぞれ殺害した。
裁判では、犯行の残忍性や、被告人が精神障害を抱えていたことから「終身にわたる収監措置」が認められるかどうかが注目された。検察側は求刑で終身刑と、仮釈放を一切認めない「終身にわたる収監措置」を求めたが、２人の専門家のいずれも被告人の精神障害は「治療可能」と証言したため、地裁は検察側の訴えを退けた。
問題は、受刑者が仮釈放で社会復帰する権利を得たとき、全ての人に当てはまるわけではないが、再び罪を犯す人がいるという点だ。
代表的なのがエリッヒ・ハウエルト受刑者の事件だ。ハウエルト受刑者は１９８２年、チューリヒ州でジョギング中の女性（２６）を暴行、殺害し、翌年にはアールガウ州で７２歳の女性を殺害したほか、少なくとも１１件の強姦をはたらいた罪で同年、終身刑判決を受けた。服役中の９２年以降、素行に問題がないとして監視の付かない数日間の外出許可が与えられるようになり、始めは何の問題も起きなかったが、９３年の外出許可中、再び若い女性を暴行し殺害する事件を起こした。ハウエルト受刑者は現在、刑務所に収監されている。
国民は「死ぬまで刑務所に」を支持
１９９６年２月に起きた別の事件では、ある男が１３歳の少女を暴行、首を絞めた後、凍った小川の中に放置。少女は死んだふりをしてやり過ごしたため、一命を取り留めていたが、裁判では懲役１８年の判決が下された。男は９２年にも、別の少女を暴行する事件を起こしていたという。
９６年の被害者少女の親族らはその後、性犯罪などの凶悪事件を起こした犯罪者を死ぬまで刑務所にとどめるよう求めたイニシアチブ（国民発議）を提起。このイニシアチブは、性犯罪や重大な暴力事件を起こした被告人について再犯の可能性が極めて高く、治療の余地がないと認められる場合、刑期に関わらず無期限に収監するというもの。公共の安全を守るためというのが目的で、仮釈放も認めないという厳しい内容だった。
連邦政府、連邦議会と司法関係者は被告人の人権が軽視されるなどとして反対を表明したが、２００４年の国民投票で、有権者はこのイニシアチブを賛成多数で可決した。
第二次世界大戦後、欧州では多くの国々が法律上の理由からこのような制度を廃止したが、最近、再び導入する国が出てきている。
今日のスイスの刑法第６４条は、殺人や強姦、誘拐罪などに問われ有期・無期刑を宣告された被告人で、一定の条件を満たした場合に限り、刑期満了や仮釈放の時期を迎えても、裁判所が期限を定めずに刑務所に収容する措置を判決時に宣告できると定める。ただしこれはあくまでも行政上の措置で、刑罰ではない。
▼通常の収監措置
殺人、強姦、誘拐、放火などの罪に問われた被告人で▽人格上、再犯のおそれがある▽犯行の原因でもある被告人の慢性的な精神障害が通常の医療措置では効果がない―のいずれかに該当すると裁判所が判断した場合に宣告できる。刑務所か専門の施設に収監される。ただし１年ごとに見直しがあり、危険がないと認められれば直ちに出所できる。
▼終身にわたる収監措置
上記の罪名のほか大量殺人などの罪に問われたケースで、▽再犯の可能性が極めて高い▽治療による改善の可能性が皆無―などに該当すると裁判所が判断した場合に宣告できる。仮釈放は認められない。通常の収監措置と異なり定期的な見直しは行われず、当人を治療可能とする新たな科学的見解が出された場合に限る。なお、連邦最高裁の決定によると、２人の専門家が「治療不可」の見解を出さなければいけない。
連邦最高裁は「終身にわたる収監措置」を認めず
しかし実際に適用されているのは、この「通常の収監措置」だけ。現在、「終身にわたる収監措置」に置かれているのは、地裁の判決に控訴しなかった男性受刑者一人のみだ。そのほかはスイス連邦最高裁判所の上告審で、いずれも棄却されている。
「通常の」といっても、出所できるのは極めてまれだ。過去１４年で、出所が認められたのは年間平均で全体のわずか２％。凶悪事件を起こし、再犯の可能性があるとみなされた被告人は実質的に死ぬまで収監される。
（独語からの翻訳・宇田薫）