Document ID: /fineweb-2-swissfilter-quality_10-filterrobots/filtered/00617.jsonl.gz/16

５月中旬から６月中旬にかけて、スイスの牛達は冬場を過ごした谷間の村落をあとにして、アルプスの山の上の放牧地へ移動する。移動中の群れにぶつかったドライバーは、行列の通過をひたすら待つ。群れを率いる酪農家は、夏場の約４ヵ月間アルプス山中でチーズ作りに追われる。このコンテンツは 2001/06/15 11:30
センネンヒュッテと呼ばれる酪農家（＝sennen）のアルプスの夏の小屋には、今は電気、水道がひかれトイレ、シャワーもある。牛小屋にも搾乳器その他、最新のチーズ製造器が整っている。が、１日１３時間／週７日の重労働は、先人達と変わらない。それでも、酪農家達はアルプスで過ごす夏を１年で最高の時と言う。
エメンタールの酪農家ベルンハルト・ファンクハウザーさんの家では、１５０年前の曾おじいさんの代から、毎年夏になると数十頭の牛を連れて３０km離れたロミスグメンの頂上近くの牧草地まで歩いて移動する。「山の上での解放感がたまらない。昔は山ではテレビがなかったから、毎晩子供達や見習いの若い衆達と一緒にトランプをしたり、歌ったり踊ったりして楽しんだものだ。」と思いでを語る。ファンクハウザーさん一家はひと夏で、約９０、０００リットルの牛乳から１個１６キロのチーズを５００ほど生産する他、バター、クリーム、カード（ぎ乳、チーズの原料）を作る。曾おじいさんの時代には、チーズ作りのための牛乳の加熱は直火にかけた。ベルンハルトさんの若い頃は、火はかまどに密閉され、熱を遠ざけるため牛乳を入れた薬缶を上から吊るした。それが今日ではスチームによる加熱システムを利用と設備は変わったが、製造メソッドは変わらない。朝、まず牛乳６００リットルを巨大な鍋で加熱し、バクテリアとレンネット（調整した子牛の第４胃の内膜。これで牛乳中のガゼインを凝固させる）を加えかき混ぜると、カードができる。様子を見ながら鍋からカードを取り出して薄い綿布につつみ、型にはめてプレスする。これを毎日、時には１日２回繰返す。
クリストフ・グロスジャンさんは友人二人と一緒にSennとしてヴァリス州の村の農協に雇われ、４ヵ月間アルプスで過ごした。「毎朝４時に起きて、３人のうち２人が放牧されている４０頭の牛を集める。９月になると４時はまだ暗く、いつも２、３頭が見つからなくて大変だった。７時までに乳搾りを終え、それから正午までチーズを作る。午後にはまた牛を集めて乳搾りだが、夜８時になっても終らないこともあった。牛１頭、チーズ１日分失っても大変な経済的打撃になる。仕事もつらく、いつもへとへとに疲れていた。でも、あれ以上すばらしい時を過ごしたことはないと言える。」と語る。
コンピューターグラフィック・デザイナーのジョルジオ・ヘスリさんは、夏は１３回グラウビュンデン州の山でSennとして過ごしたことがある。今、ヘスリさんは、夏の間酪農家の助けを必要とする農家と酪農家の連絡のためのウェブサイトを運営している。ヘスリさん夫妻は、アルプスでの夏の仕事を「自分自身が草、牛、乳、チーズと繰返されるサイクルの一部になることが、たまらない魅力」と言う。そして、何よりも筆舌に尽し難いアルプスの自然美と共にあることは、何ものにも変えられないと語った。
JTI基準に準拠