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ドイツ環境省が、スイスにあるベツナウ原子力発電所の稼働停止を要求している。50年前に稼働開始した古いベツナウ原発が、ドイツとスイスの次なる争いの種になるのだろうか。
ドイツ環境省は今月11日他のサイトへ、スイスにベツナウ原発の稼働停止を求める書簡（同月10日付）を送ったと発表した。送ったのは、同省のリタ・シュヴァルツェリュール・ズッター政務次官（ドイツ社会民主党、SPD）だ。ドイツ南部バーデン地方出身の同氏は、スイス連邦環境相のシモネッタ・ソマルーガ氏に宛てた書簡でベツナウだけでなく、スイスで稼働中の原発を停止するよう要求した。
書簡は「スイスが原子力発電所の長期的方針を決定する際には、近隣諸国の住民も関与させることが不可欠」とした。原発事故が発生すれば、ドイツ国民にも大きな被害が及ぶ。だからエネルギー戦略はスイス単独で決めるべきではないーという意味だ。
こうしてドイツとスイスのいざこざの争点がまた一つ増えた。スイスにとって、難航するEU（欧州連合）との二国間枠組み条約交渉において、隣国ドイツの助けは必要だ。交渉は現在、暗礁に乗り上げているからだ。
ドイツ人の欧州委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエン氏が交渉にどう臨んでくるのかは判然としない。だから争いの種を増やすことは、今のスイスにとってとても具合が悪いのだ。
航空機の騒音、貨物輸送、原子力発電所
チューリヒ空港発着の航空機の騒音をめぐるドイツとの合意は、決着に至っていない。ドイツ側に長年の懸念があり、棚上げされたままだ。
新しいアルプス縦断鉄道（NEAT/NLFA）のライン渓谷線の拡張もまた、ドイツ側が及び腰で、スイスはこれにひどく不満を覚えている。NEATは、ロッテルダムとジェノヴァ間の貨物輸送を鉄道に切り替えることを目的としたプロジェクトだが、バーデンでの拡張が遅れ、それが進行を妨げている。
スイスの原発の長期的戦略に対するドイツの批判、それが持つ潜在的なリスクについては、何も新しい話ではない。そうした批判や懸念は原発に近いドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州、さらに国境地域から来ている。これらの地域では、スイスの原発の安全性について長い間、懸念していたからだ。
国境近くの選挙区
しかし、中央の環境省がスイスに稼働停止を明確に要請したという事実は、両国の紛争の火種に油を注ぐ。それは、書簡を描いた本人の意図も、深く関わっている。
リタ・シュヴァルツェリュール・ズッター氏の選挙区は、バーデン地方の国境付近だ。すでに2年前、SPD・連邦政府代表として稼働停止を求めただけでなく、バーデン・ヴュルテンベルク州のフランツ・ウンターシュテラー環境相（緑の党）もスイス側に国境近くの原子炉を稼働停止するよう要請した。
ベツナウに加え、ドイツ国境のすぐ近くにゲスゲン、ライプシュタット原発がある。シュヴァルツェリュール・ズッター氏は、スイスがいま放射性廃棄物の処分場を探していることも懸念している。候補3カ所のうち1カ所が、自身の選挙区のすぐそばにあるからだ。同氏は書簡で、スイス連邦エネルギー局の情報は不十分だと批判した。
ドイツ政府は長期稼働を批判
ドイツ連邦環境省の報道官はスイスインフォの取材に「原則として、国家はそれぞれ、自国のエネルギーミックスを主権的に決定する当然の義務を負う」との見解を示した。しかし、世界最古の原発がドイツ人の懸案事項になっているため「国民の不安、そしてそうした人々の保護を真摯に受け止める」として書簡を送ったという。
ドイツ連邦環境省のほか、フランスなども過去に原子炉の稼働停止をスイス側に求めた。しかし、ベツナウ原発の早期稼働停止を担当大臣のソマルーガ氏に直接訴えるという今回の手段は極めてまれだという。
ベツナウ原子力発電所
ドイツ国境近くにあるベツナウ原子力発電所は、世界最古の原発の1つで、スイスで最初に稼働した原子炉だ。
1号機は50年前に稼働。3年間の圧力容器検査を経て、2018年に再稼働した。2号機は1971年に稼働。両原子炉の運転ライセンスは無期限。所有、運営は電力会社アクスポが行っている。インフォボックス終わり
スイスが古いベツナウ原発を今後10年稼働させる意向に関し、ドイツ環境省は特に反発している。原発の運転ライセンスは無制限で、計60年間の稼働が可能だ。ドイツ政府は、これほどの長期間の稼働はリスク面を考慮し「極めて重大」とする。
ドイツ連邦議会は福島原発事故を受け2011年夏、原発の段階的廃止を決定。国内原子炉の稼働年数も32年に限る「脱原子力法」を施行させた。ドイツは2022年末を最後にすべての原発が稼働停止する。ドイツ環境省によると、世界の原発の標準稼働期間は約40年で、スイスはそれより20年も長い。
書簡から「要求は受け止めた」
スイス連邦エネルギー局（BfE）は、こうしたドイツ側の批判に対し、スイスインフォの取材に回答した。環境・運輸・エネルギー・通信省のメディア・政策部門の責任者マリアンヌ・ゼント氏は「書簡の内容は受け止めた」と述べた。
同氏は国内の原発が「原子力エネルギー法に基づき、安全性が保証される限り稼働は続ける」、その点は明確だと述べた。その方針は、スイスの有権者が決めたということも強調した。
実際、2016年の国民投票で、脱原発イニシアチブ（国民発議）が過半数の反対で否決されている。2017年5月の国民投票で可決された「エネルギー戦略2050」では、原子力発電所の新規建設こそ禁止したものの、既存の原発の稼働停止時期は明記していない。これが何を意味するか。スイスは隣人の意思で国が動くのではない。あくまでも最後の決定権は国内の有権者が持っている。
（独語からの翻訳・宇田薫）