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先日、新聞の中に、スイスの閣僚に求められる語学能力はどれほどかという記事を見つけた。スイスには国語が4つあり（ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語）、スイス人はみな、母語のほかに最低もうひとつ別の国語を義務教育で学ぶ。でも、一般的にドイツ語を母語とする人はフランス語が苦手だし、フランス語を母語とする人はドイツ語が苦手だ。
この間退任した経済相は、ここ数年、会議中に居眠りしたり、演説やインタビューもなんだか詰まり気味だったりして、見ている方がハラハラするくらい衰退してしまった感があったが、障害者の日かなにかにフランス語で行ったテレビスピーチのミスをマスコミに指摘されたことがある。ちょっと発音を間違えて、意味が大きく違ってしまう単語になってしまったのだ。
財務相も英語の冠詞をよく間違えるらしい。英語はあまり得意ではないようだ。
一方、1年前に外相に就任したイタリア語圏出身の大臣は、イタリア語のほかにドイツ語、フランス語、英語を自在に操るという。イタリア語ができるとフランス語を習うのはやさしいというし、フランス語ができれば英語も習いやすい。それに、イタリア語圏にはドイツ語圏の人もたくさん訪れたり住んでいたりするので、ドイツ語ができる人は少なくない。うらやましい環境だけれど、やっぱり努力なしにはこうはなれないのかも。
新しく就任した二人の女性大臣の1人は、会議通訳の資格所有者なので、おそらく母語のドイツ語のほかに英語とフランス語が流暢なはず。もう1人もドイツ語とフランス語のバイリンガル。新聞は、女性の方が語学に優れていると書いていた。退任した女性運輸相も、母語のドイツ語のほかに英語やフランス語でも問題なく交渉できた。残っている女性司法相はコンサートピアノ奏者の資格を持っている人だが、閣僚入りしてから難なく言語能力を高めたらしい。
記事の最後には、語学能力が閣僚選出を左右することはない。通訳を付ければ済むことなのだから、と締めくくっていたけれど、ほかの国にとってはそれがごく当たり前のことで、政治家にこんなに語学能力を求める国はあまりないのではないだろうか。多言語、多文化が入り混じるスイスならではの話だ。