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現在、施設に入っている障害者が自宅に住むことを決めた場合、当人に手当を支給し、介護する人に自分でお金を支払えるようにした画期的なパイロット・プロジェクトが2006年１月から開始された。
本格的な導入の前に実験的に行われるこのパイロット・プロジェクトの期間は２年。対象者は子供を含めた400人だ。この結果を分析し、今後当人に支給する手当はどのくらいが適当か、などの具体的事項が決定される。
施設で過ごすより、自宅で介護の人を雇った方が気が楽だ、と思う障害者も多い。何よりも自分が主人でいられる。このプロジェクトに対して連邦政府が支出する費用は4300万フラン（約40億円）。2004年の例で見ると、自宅で生活する障害者にかかる費用の４割は連邦政府が賄っており、この額は12億フラン（約1100億円）だ。あとの６割は州や家族、自治体や保険会社が出している。
家族にも報酬が支払われる
プロジェクトの目的は、障害者が自分の意思で介護する人を選ぶことができ、そのための情報も自分で集められるよう、支援することだ。同時に、障害者施設で社会から隔離された生活が嫌になった人に、外で住む選択を与えられる。しかもこの結果、政府の支出も削減できるのだから一石二鳥だ。
障害者を介護して報酬をもらうのは家族のメンバーでも良い。新しいプロジェクトが実現すれば、パートタイムに出る代わりに家族の世話をすることもできるようになるわけだ。
このため、介護をするための特別な免許や資格は必要ない。また、どれほど報酬が支払われるかも決まっていない。このパイロット・プロジェクトではあくまで障害者の自己選択に任されている。
夢の島の住民のままでいいのか
このパイロット・プロジェクトを統括するカタリーナ・カンカ委員長はスイスインフォの取材に対し、「スイスは他の欧州諸国に比べ、自宅介護システムが大変遅れています」と語った。
スイスの障害者施設は高い水準のケアを誇り、資金も潤沢だ。これがスイスで自宅介護が進まない背景となったそうだ。
「施設を充実させるための資金は潤沢だったのですが、反対に障害者が社会の中で一緒に生きるための資金については考慮されていなかったのです。これが自分の部屋から一歩も出ない『夢の島の住民』を沢山生み出すことになってしまいました」
「また、施設が生み出す雇用が大きなビジネスになっていることも、スイスで自宅介護が進まなかった要因の一つです」。彼らはお客様が外に目を向けて、施設を出て行ってしまっては困るのだ。
普通の社会に戻れる幸せ
400人の対象者は全ての年齢層や障害の度合いから無作為に選ばれた。この中のある子供たちは施設に住まなくても普通に学校に行けることが判明した。
「今まではやむなく特別学校に行っていた子供たちも、実は世話をしてくれる人さえいれば普通の学校に通えるということがわかりました。このプロジェクトに参加した子供たちは自宅から普通に学校に通い、普通の生活を楽しむことができるようになります」
施設に数年間住んだ後、やっぱり社会に復帰したいと思う人がいるかもしれない。終身の施設に入ってしまった場合、この願いを叶えることは難しかった。また、家族の助けがないと自宅に戻れない人の場合は、「家族が仕事を上手にやりくりして、介護を買って出ることも可能になります」とカンカ委員長は言う。家族に報酬が支払われるからこそ、仕事を一時休んでもお金の心配はしなくても良いのだ。
膨らむ社会福祉費用
パイロット・プロジェクトでは、大体時給30フラン（約2750円）を見込んでおり、この計算では介護する人の年収は大体５万フラン（約460万円）になる。
このプロジェクト終了後には、100人ほどの障害者が施設を離れるだろうと見込まれている。これは政府にとって年間3000万フラン（約27億円）の節約になる。
しかし、政府の障害者に対する予算は現在、かなり危機的な状況だ。2004年は60億フラン（約5500億円）以上の赤字を計上した。
２年前、障害者向け予算の赤字を穴埋めするために政府は付加価値税を導入することを決定したが、国民投票で否決された。
ない袖はふれない。政府は、このプロジェクトをはじめとする社会福祉制度を実現させるため、歳出削減に汗を流している。
swissinfo、ファイヤル・ミルツァ 遊佐弘美（ゆさひろみ、意訳）
キーワード
このプロジェクト終了後には100人の障害者が施設を離れるだろうと見込まれている。
これは政府にとって年間3000万フラン（約27億円）の節約になる。
補足情報
-現在施設に住んでいる障害者のうち50％は終身契約で、そのうち25％は重度の障害である。
-自宅に戻るか、施設に残るかを決定するのは障害者自身である。
-特別なケアが必要な障害者が自宅に戻って介護を受ける場合、さらに特別手当が受けられる。