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むかしむかし、エメンタールで貧しい牛飼いの青年が裕福な大農家の娘に恋をしていた。娘も青年を好いていたが、娘の父親は貧しい牛飼いは自分の娘にはふさわしくないと考えていた。
伝説：恋するエメンタールの青年
さて、これから語られるような展開がなければ、この物語はここで終っていたであろう…
恋する青年は「どうしたら彼女と結ばれることができるだろうか」山にある自分の牛小屋に戻り考えた。娘の父親に自分が彼女にふさわしい男であることを証明したい一心で幾日も幾日も考えた。しかし、いい考えは浮ばなかった。
ある晩のこと、山に凄まじい嵐が吹き荒れた。青年が夕飯の準備を整えたその時、誰かが玄関を激しく叩く音がした。青年はその時になって夕べのお祈りをまだしていなかったことに気づき、お祈りを忘れたことによる天の罰ではないかと恐れた。青年は、恐ろしさに震えながらそっとドアを開けると、外には稲妻が光り、ドアの前には醜い山の幽霊が立っていた。幽霊はあっという間に青年の家に入り、テーブルの上にあった夕飯をぶちまけると、またすぐに外に出て行った。幽霊は、去り際に青年の手に１枚のメモを押し付けた。
青年はほっとして手に持っているメモを見ると、メモには奇妙なことに、牛乳をたくさん使う何かの調理法が記されていた。青年は何のことかさっぱりわからなかったが、材料は手元にあったし、好奇心からメモに記されたように調理してみることにした。
次の日、青年は牛乳を使って山の幽霊から渡されたメモの通りに調理してみた。まず牛乳を火にかけた大きな鍋に入れてかき混ぜ、他の材料を加えた。青年はメモに書かれた調理法を正確に守り丁寧に調理した。すると、牛乳が徐々に固まり、最後には大きな丸い塊が出来上がった。青年は自分が作ったこの見慣れない大きな丸い塊が一体何なのか見当がつかなかった。
青年はこのチーズを背中に担いで裕福な大農家に向かった。大農家の主人はこの見たこともない大きくて奇妙なものに興味を示した。そして一口食べてみて確信したのだ「この青年こそ一家の稼ぎ頭になる」と。青年は娘との結婚を許され、２人は末永く一緒に暮らした。
今、世界中のチーズ愛好家達がチーズを楽しめるのは彼らの愛のおかげなのだ。