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12月8日にバーゼル地方で起こった震度3.4の地震は、人為的に引き起こされたものだった。地震により街灯が倒れ、地面にひび割れなどができたものの、負傷者はなかった。
地熱を利用して発電し、電気、温水を家庭へ配給しようとするプロジェクトにより、今回の地震が起こったと判明した。バーゼル検察は、同プロジェクトに対し物的な被害と市民の心的ダメージを起こしたとして訴訟を起こすと発表した。
12月8日午後5時48分、スイス北部バーゼル地方で震度3.4の地震が起こった。スイスでは人が感じるような地震が起こることは珍しく、600〜700人の市民が心配し警察や消防署に電話をかけたという。
予想された地震
地震の原因は、地熱を利用し電気や温水を各家庭に配給しようとするプロジェクトだった。ゲオパワー社 ( Geopower AG ) によるこのプロジェクトは「ディープ・ヒート発掘 ( Deep Heat Mining )」といい、12月から試験が行われていた。石油の代替となるエネルギーを得るためボーリングを地下5キロメートルの深さまで行い、水を高圧で流し込み、200度の地熱に通すことで温水を得るというもの。
水を送り続けた際、わずかながら地震が起り続け、8日朝になって人が感じるほどの地震となったため、作業を中止したとゲオパワーは認めている。現在はプロジェクト全体が中止され、検察の捜査が始まっている。
期待されたプロジェクト
同プロジェクトには、当初の予算5300万フラン ( 約50億円 ) を大幅に上回り、最終経費は8000万フラン ( 約77億円 ) に上ると同社は見込んでいた。同計画に出資するバーゼルラント州は、増資にも参加する検討をしているところだったという。また、チューリヒ市も出資しており、現在、280万フラン ( 約2億7000万円 ) の更なる投資増資案が議会で審議されるところだったが、地震のため議会への提案は見送られた。
スイス電力会社協会などの分析によると、再生可能なエネルギーを利用することで期待がかけられていた同プロジェクトは、2050年には年間180億キロワットのエネルギーを造成する見込みであった。また、世界でも唯一の商業化を見込んだプロジェクトでもあった。
すでにバーゼル州検察は、ゲオパワーの責任者の捜査を始め、必要書類などを押収した。
swissinfo、外電、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )
キーワード
スイスでは年間300〜400件の地震が起こる。
多くの地震の規模は被害はない。最近被害があった地震は1991年にグラウビュンデン州で起こった地震。
バーゼル地方はスイスでも地震が多い地方でもある。1356年に起こった大地震ではバーゼルの街がほとんど壊滅した。
ディープ・ヒート発掘
2009年にバーゼルで、営利を目的とした地熱による発電を始めようとするプロジェクト。
地下5キロメートルの深さまで穴を掘り、冷水を高圧をかけて地下に送り、200度の地熱を利用する。熱水は地上に送り戻され、発電や配水に利用される。
年間2万メガワット時 ( mWh ) の電気と年間8万メガワット時 (mWh ) の温水が得られる見込だった。二酸化炭素を出さないので環境を汚染することなくエネルギーを得られると期待がかけられていた。
バーゼルのプロジェクトは、商業化を目指す世界唯一の計画でもあった。