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本気で貧困を減らそうと思えば、汚職の撲滅が不可欠だ。国際的な舞台でこの難しい問題に悪戦苦闘するスイス外務省開発協力局 ( SDC ) に、現場での取り組みを聞いた。
また、法律家マーク・ピート氏は、国連の汚職対策条約を早急に批准するよう、政府に呼びかけた。
スイスの政治経済界は、世界の中でもっともクリーンなのだが、賄賂で潤った世界のふとどき者は、スイスの銀行を目指す。
貧困の最大の敵は汚職
ベルンで行われた汚職対策会議で、パネリストの開発協力局の副局長、レモ・ガウチ氏は、「汚職は、文化や状況によって、姿を変えてはびこっています」と語った。
途上国に対して実施される支援は、世界で毎年推定500億ドル ( 約6兆円 )。世界銀行によると、賄賂などの黒い闇に流れるお金は、この20倍だ。
「ロシアなどの新興経済国や、アフリカなどの途上国の国々が、非常に疑わしいということは公然の事実でした」とガウチ氏は語る。
開発協力局としても、汚職撲滅は優先課題だ。公共機関の改革を進めたり、法律のルールを徹底させようとしたり、内部会計によってどのようにお金が流れているかを分かりやすくしたり、というようなことを行ってきた。
ガウチ氏は言う。「汚職は途上国を駄目にします。途上国が、従来よりもっと貧しくなってしまうこともありえるのです」
汚職にまみれた国同士でこの問題について議論を行わせたのは、開発協力局が行った支援の中でも、かなり効果があった。この成功の背景には、政府だけでなく、NGOなどの民間団体が参加したことがあったようだ。ブルキナファソ、ネパール、パキスタンなどで特に顕著な成果が見られた。
また教育分野への支援と同時に、言論の自由を確保するためにメディアに力をつけさせることなども開発協力局の重要な戦略の一つだ。
ガウチ氏は「権力者が国から盗んだお金を、その国に返すという点で、スイスは汚職撲滅に向け、大きな役割を担っています」と続ける。例えば、開発協力局は多くのお金を支払って何人もの弁護士を雇い、マリやフィリピン、アンゴラなどの国から不正にスイスの銀行口座に預けられた資金を、潤滑にその国に返送するよう、手続きを取った。
また、ガウチ氏は開発協力局自身がクリーンさを保つことの重要性も強調した。局内で汚職撲滅のキャンペーンを張ったり、職員に対して特別な訓練を行うなどの努力のほか、開発協力局とコンタクトを取るすべての案件について汚職対策に関する文章を契約に含めている。
「実際に賄賂などのケースは非常に稀ですが、とにかく私たちの仕事においては、汚職対策を徹底させる必要があります」とガウチ氏は語る。
汚いお金はお返しします
バーゼル大学法学部教授であり、汚職対策の専門家でもあるマーク・ピート氏は、「スイスは汚職が少ないことで世界的に有名ですが、一方で世界の汚職企業のお金が集まってくる場所でもあります」とスイスのジレンマに触れた。
ピート氏は、開発協力局の汚職対策プロジェクトは正しいと評価したが、それでも限界はあるという。
「開発協力局の大きな強みは、国の政策に左右されないということです。自らの主義を曲げずに行動できますし、社会の信頼も得ています。けれども、開発協力局は大きな機関ではないため、国際支援の場では主要な役割を担えませんし、何といってもかなり複雑な環境の中での仕事ですから」
ピート氏によると、スイスは、違法な財産の返還を始めたパイオニアだそうだ。今でも汚職に対して厳しい姿勢で臨んでおり、資産返還の国際センターも設置している。
世界の汚職対策をリードするスイス
これまでの方向は良い線をいっているらしい。マネーロンダリング対策法案も可決されたし、法律が改正されて、主導的・受動的にかかわらず、賄賂に対し厳しくなった。
しかし、まだ十分ではない。ピート氏は、「スイスは2003年に署名した国連汚職対策条約を早く批准するべきです」と語る。特に次の12月には汚職対策の国際会議が開かれるので、ぜひその前に批准が実施されることが望まれる。
「国際的に議論が出た時や、外国政府と話す時に、スイスがこの条約を批准していれば話はより簡単になりますからね」とガウチ氏は語った。
ガウチ氏によると、外国政府を相手に汚職について語るのは、かなり神経を使う仕事だ。開発協力局の職員は時に、相手側から感情的な態度をぶつけられることがあるそうだ。
「なぜこの条約の批准に時間がかかるのか私には理解できません。けれども、私たちが他国から受けている信頼は、国際的な条約とは関係なく、何年もかけて培ってきた結果です」
swissinfo ウルス・ガイサー、 遊佐弘美（ ゆさ ひろみ ）
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トランスペアレンシー・インターナショナル ( TI ) の「汚職認識指数」によると、スイスは世界でも、最も汚職の少ない国の１つである。
しかし、TIによる2006年のレポートは、「スイスで最近発効された汚職防止法や、経済協力開発機構（ OECD ）の汚職防止条約などは、十分に犯罪検挙率に反映されていない」と批判している。
スイスは、2003年、国連汚職対策条約に署名した ( この条約に署名しているのは約140カ国 ) 。
批准には議会の承認が必要だが、スイス政府はまだ法案を議会に提出していない。