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スイスでは２５日、国際法よりもスイスの憲法を優先するよう求める国内法優位イニシアチブ（国民発議）「外国の裁判官ではなくスイスの法律を」の是非が国民に問われる。イニシアチブの基にあるのは、スイス国民の下した決断が国際条約に阻まれて実現されないという事態をなくそうという考えだ。だが反対派は、イニチアチブが可決されれば、人権が危険にさらされかねないと主張する。
国内法優位イニシアチブは、右派・国民党（SVP/UDC）が提起した。国際法ではなく連邦憲法が国内法の根拠になる最高法規だと規定する条項を、憲法に盛り込むよう求めている。
スイス国民による決定は国際法に優先する、言葉を換えれば国際条約によってスイスの直接民主制が軽んじられてはならないという考えが根底にある。国民党は、政府、議会、連邦最高裁判所が国際法に配慮するあまり、国民投票の結果をおろそかにしているため、今回のイニシアチブを立ち上げたと主張している。
現状は？
スイスの現行法は、国際法と連邦憲法のどちらが優位にあるかを明確に規定していない。だが、学説や判例は国際法の優位性に基づいている。
連邦憲法の規定があいまいなため、裁判所には大きな解釈の余地がある。これまでにも国際法と国内法が競合し、最高裁がどの法が優先するかという判断を迫られた例もいくつかある。連邦憲法第１９０条は、国内法と国際法の両方が適用されると触れるにとどまっている。
連邦憲法の優位性は規定されていない。結果として、議会は不都合なイニシアチブが可決された場合は、実施までに時間をかけることで比較的容易にイニシアチブの効力を弱めることも可能になる。イニシアチブは憲法改正の提案はできるが、それを実施するための法律は立法府、つまり議会が策定する必要があるからだ。裁判所が適用するのは、このようにして「提案内容を薄めて」作られた法律であり、国民投票を介して導入された憲法の条項ではない。スイス国民の「自己決定権」を求める国民党が批判するのはこの点だ。
イニシアチブが求めるものは？
イニシアチブは、いかなる場合においても連邦憲法が国際法に優先することを求めている。ただし、拷問、奴隷制度の禁止などを定める国際法の強硬規範は例外とする。連邦憲法と国際法が相反する場合は、国際条約の条文を変更するか破棄する。また、裁判所はレファレンダムで国民投票にかけられた国際条約のみを適用することも求めている。
イニシアチブ発起人の主張は？
発起人である国民党は、現在危険な状態にあるスイスの直接民主制を、このイニシアチブによって守り、取り戻したい考えだ。２０１２年に最高裁が、国際法は連邦憲法に優先するという見解を出して以来、スイスが直接民主制という形で持つ「世界でも唯一無二の」自己決定権は効力を失ったと主張する。内閣と連邦議会は結果的に、人の移動の自由を定めた欧州連合（EU）との二国間協定や欧州人権条約に関連したイニシアチブが国民投票で可決されたにもかかわらず、提案通りに実現していない。
つまり国民党にとってこのイニシアチブは「直接民主制の肯定」を意味する。可決されれば、「大量移民反対イニシアチブ」や「外国人犯罪者を国外に追放するイニシアチブ」のように国民投票で可決された提案が、国際法にそぐわないという理由で実施を阻まれるという事態が起きなくなる。賛成派は今回の国民投票を、スイスが直接民主制を維持したいと望んでいるか否かの判断と位置づけている。
イニシアチブが可決された場合は？
イニシアチブの可決がもたらす影響については意見が分かれている。主な論点は次の通り。
- 国際条約の破棄：反対派は、イニシアチブが可決されれば約５千件の国際条約を見直さなければならず、連邦憲法に抵触している場合は再交渉または破棄する必要があると主張。経済に関する重要な約６００件の条約も見直しが迫られかねない。これに対し国民党は、国内経済に不可欠な条約のうち連邦憲法に反するものはないため、そのような条約が危険にさらされることはないと反論。
- 人権：反対派は、イニシアチブの可決は欧州人権条約の破棄につながり、その結果スイス人は仏・ストラスブールの欧州人権裁判所に申立てできなくなる恐れがあると主張。対する国民党は、欧州人権条約の破棄がイニシアチブの目的ではないが、仮に破棄しても問題はない、スイスは連邦憲法で人権を保障しており、ストラスブールの「外国の裁判官」は必要ない、と主張。
- 他国の不信感：反対派は、条約締結の相手国からの信用を失い、国のイメージに傷がつくと危惧。だが国民党は、スイスが条約に違反することはほとんどない上、重要な国際条約は常にレファレンダム（議会の決定に関する国民投票）を経て締結されているので、裁判所で効力を持ち続けると主張。
- 欧州連合（EU）との関係：反対派はEUとの二国間協定が破棄されるのではないかと危惧。一方で国民党は、これまでにも人の移動の自由を定めた協定と明らかに相反するイニシアチブを提起した経緯もあり、EUとの協定を是が非でも維持したい構えではない。
- 経済への影響：経済連合の「エコノミースイス」は、イニシアチブの可決はスイス経済の地位を脅かすと危惧。国民党は、直接民主制はスイスに安定した魅力的な経済を保証すると主張。
連邦内閣がイニシアチブに反対する理由は？
連邦内閣は、イニシアチブの可決は国際条約の維持を脅かすことから著しい法的不安定性をもたらし、スイス経済の地位を危うくするとして、国民にイニシアチブの否決を呼びかけている。
連邦議会の意見は？
国民議会（下院）で反対１２９票、賛成６８票、全州議会（上院）で反対３８票、賛成６票（上院、全州議会）で、両院ともイニチアチブに反対。主要政党のうちイニシアチブを支持しているのは国民党のみ。
各界からの反対
政府や議会、各政党だけではなく、民間の幅広い層が結束してイニチアチブに反対している。その理由は多種多様で、スイスの経済連合「エコノミースイス」はイニシアチブの可決は経済利益を真っ向から攻撃すると主張、大学教授らによるグループは法律の不安定化を指摘して反対。NGOは人権が脅かされる恐れがあること、進歩主義の政治団体「オペレーション・リベロ」は外交政策への好ましくない影響が出ることを懸念している。
今年８月にヴァレー（ヴァリス）州ヴィエージュで開かれた在外スイス人協会の会議では、代表者たちが満場一致でイニシアチブ反対の立場を採択した。国際協定に直接影響を受ける在外スイス人は、スイスと国際的なつながりを支持する傾向にある。
（仏語からの翻訳・由比かおり）