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ポーランドとウクライナで６月８日から共同開催される欧州サッカーの祭典、ユーロ２０１２。違法な賭けや八百長スキャンダルが起きない可能性はどれほどあるだろうか？
スイスのヌーシャテルで先日開かれた会合で、欧州サッカー連盟（UEFA）とほかの国際スポーツ連盟の役員は、ユーロ２０１２はクリーンに行われると自信を持って話したが、一部の専門家からは現実を「見ていない」との声が上がっている。
ヨーロッパではサッカー試合の勝敗を予想する賭けが、３００から４００の合法な業者のもとで行われている。UEFAはそうした何百万ものサッカー試合の賭けを監視しており、いわゆる早期警報システムで通常の賭けのパターンとは異なる賭けを発見する。
毎年約３万１０００試合が監視され、そのうち１９００試合がUEFAのトーナメント試合だ。ほかは５３カ国の各サッカー連盟主催による１部リーグおよび２部リーグの試合となっている。過去２年間で約２５０試合に不規則な賭けのパターンが発見されているため、ユーロ２０１２で行われる全３１試合は厳しく監視されることになっている。
「もちろん、何が起きているかきちんと監視はするが、ユーロ２０１２で八百長が行われる可能性は高くない。約２億人の観客、つまり２億人の審判員がこの試合を見守るからだ。八百長は深刻な問題だが、９９．９９％の試合はクリーンだ。残りの０．０１％の試合では確かに不安はあるが、そればかりにこだわるべきではない」。UEFAのピエール・コルヌ法律顧問主任はヌーシャテルで開かれた八百長をめぐる円卓会議でこう話した。
国際刑事警察機構（Interpol）の見積もりによれば、世界中でスポーツ競技に賭けられる金額は年間３０００億～５０００億ドル（約２４兆～３９兆円）。インターネットや携帯電話など技術の向上で、世界中でありとあらゆるスポーツ競技に賭けが行われている。その一方で闇市場もアジアを中心に成長を続けており、不正試合が行われる可能性が強まっている。
楽観的なコルヌ氏とは対照的に、UEFAは不安をぬぐい切れないでいる。例えばUEFAのミシェル・プラティニ会長は最近、八百長は「試合を殺す」と危惧を露わにした。だが、八百長に詳しいデニス・オズワルド国際オリンピック委員会（IOC）理事はコルヌ氏に同意する。「あれだけ大勢の人が見る試合に何か起きるとは考えられない。自分が試合を仕組むとすれば、ユーロ２０１２は避けるだろう」
潜在的リスク
一方、「映画、マフィア、汚職（Sport, Mafia et Corruption）」というドキュメンタリー映画を制作し、１８カ月間八百長調査に当たったエルヴェ・マルティン・デルピエール監督によれば、ユーロ２０１２が八百長のターゲットにされる「存在的リスク」があるという。デルピエール監督は早期警報システムは合法なインターネットサイトしか対象にしていないことを指摘。コルヌ氏を「楽観的すぎる」と批判し、「残念ながら、早期警報システムでは世界中で行われる８割から９割の賭けが監視できていない。特にアジアは盲点になっている」と述べる。
今やギャンブラーや賭博仲介業者の選択肢は爆発的に増え、オンライン上には推定１万５０００もの賭博サイトが存在する。１試合の終了５分前に３００ものさまざまな賭けをすることが可能で、試合前半に行われるコーナーキックの数から、最初のゴールを決める選手まで、何でも賭けの対象となっている。
デルピエール監督はまた、八百長のターゲットになるのは小さな試合だけだと思うのは間違いだと指摘する。「早期警報システム株式会社（Early Warning System GmbH）やスポートレイダー（Sportrader）などヨーロッパで行われる賭けのほとんどを監視している企業の人に話を聞くと、皆UEFAチャンピオンズリーグやワールドカップの予選に八百長のリスクがあると話しており、（ユーロ２０１２に対して）かなり懐疑的だ」
前回のユーロ２００８でも疑惑がなかったわけではない。UEFAは現在、ユーロ２００８予選試合のノルウェー対マルタで不正が行われたとの証言を調査中だ。
未払い給料と不正
一方、八百長に詳しいジャーナリストのディクリーン・ヒル氏は慎重に成り行きを見守っている。ウクライナとポーランドにはブローカー役が存在する可能性は否定しないが、ブローカーが試合をうまく仕組めるか疑問だという。「ユーロ２０１２には１６チームしか参加していない。そのうち９チームに勝利が見込まれており、ダークホースもいる。だが重要なのは、この選手権に関係するサッカー連盟のほとんどが、選手の給料を支払っている点だ。まさにこの点が問題なのに、IOCも国際サッカー連盟（FIFA）もこれを取り上げようとはしない。各国のサッカー連盟の多くが選手を搾取しているのだ。例えばワールドカップに出場したチームの一部は給料の遅滞あるいは不払いのために、八百長の誘惑につられてしまうことがある」
プロサッカー選手を代表する国際プロサッカー選手会（FIFPro）は今年２月、東欧を中心に活躍する３４００人の選手を対象にしたアンケート調査報告書を公表した。それによると、１２％の選手が八百長をするよう誘われたことがあり、２３．６％の選手が、自身がプレーするリーグで不正を把握していると回答。同報告書は、未払い給料と不正は明らかに関係していると結論づけた。
アジアの賭博ブローカー
ヒル氏によると、現在６０カ国で八百長の実態に関する調査が行われており、調査の対象となる試合にはシンガポールやマレーシアなどアジア出身の賭博ブローカー２、３０人が関わっているとみられる。こうした賭博ブローカーらは、ドイツ、フィンランド、イタリアなどで犯罪グループと協定を結んでいるという。すでに１０００人のスポーツ関連の役員と選手が逮捕されており、１００人が起訴されていると、ヒル氏は話す。
八百長騒動が収束を見せないイタリアでは過去１年間、５０人もの容疑者が逮捕された。イタリア北部のクレモナ（Cremona）の検察当局の調べでは、八百長スキャンダルには２２チームと３３試合が関連しているという。
イタリアのマリオ・モンティ首相は先週、国内で開かれるサッカー試合は今後２、３年、中止すべきとの提案を示した。この提案に対し、イタリア代表監督のセザール・プランデリ氏は、自分のチームが今年のトーナメントから辞退しても構わないと述べている。
国際的なスポーツ連盟の多くは、スポーツでの不正には容赦しないと表明しており、内部告発用ホットラインを設けたり、不正防止プログラムを実施するなど、多くの対策を講じている。しかし、政府からの支援や法制度の整備がなければ、八百長事件の増加を抑えることは難しいと訴える。
「今のところ、八百長問題は各国が優先して取り組む問題とはなっていない。そのスケールの大きさや、関係する金額の多さ、調査が複雑なことを考えれば、八百長問題はドーピング問題よりも解決するのが難しく、長期にわたって取り組まなければならない問題だ」。IOCのクリストフ・ドゥ・ケッパー事務総長はヌーシャテルの円卓会議でそう語った。
ユーロ２０１２が抱えるほかの心配
ポーランドとウクライナは、サッカー競技場で人種差別やフーリガンによる暴力行為があったと報じたイギリスのメディアを批判。各国の選手やファンに、ユーロ２０１２開催中の安全性を保証した。
事の発端は、イギリスの国営放送BBC１のパノラマ（Panorama）という告発系番組で、ユーロ２０１２開催地で起きたサッカー関連の暴力行為が放送されたことにさかのぼる。番組ではウクライナの試合開催予定地の町のひとつカルキフ（Kharkiv）で、サッカーファンがナチス式の敬礼を真似たり、黒人選手に対し猿の鳴き声をまねしてなじったり、反ユダヤ主義を叫んだり、アジア出身学生を襲う様子が放送された。
黒人で元イングランド代表のソル・キャンベル氏は英国のファンに対し、人種差別や暴力行為の危険性があるため、ユーロ２０１２の開催地にはいかないよう警告。これを受け、イングランド代表の黒人選手の２家族は開催地への渡航を中止すると発表した。また英国外務省は、アジア人やアフロカリビアンを祖先に持つ人や、少数派宗教の信者は、ウクライナへの渡航時には「特に注意」するよう呼びかけている。
ウクライナはまた、ユリア・ティモシェンコ前首相の抑留をきっかけに、欧州連合（EU）から「ウクライナの民主主義を傷つけている」との批判を浴びている。EUの政治家の一部は、ユーロ２０１２をボイコットする可能性を示唆し、ウクライナに圧力をかけている。インフォボックス終わり
スイスの関与
スイスも最近の八百長騒動とまったく無縁というわけではない。スイスやドイツなどのEU諸国で数十回行われた八百長試合に関わっていたとして２００９年、５人のスイス人サッカー選手が罰金および執行猶予の判決を受けた。このスキャンダルにはクロアチア・ドイツ犯罪グループが関連しているとされる。
また、チューリヒ州の日刊紙ターゲス・アンツァイガー（Tages Anzeiger）が先週報じたところによれば、現在進行中のイタリアのスキャンダルと関連した八百長試合がスイスの２部リーグで４試合行われたのではないかと、スイス・サッカー協会が疑っているという。インフォボックス終わり
（英語からの翻訳、鹿島田芙美）, swissinfo.ch