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１９８６年４月２６日、世界を震撼させたチェルノブイリ原発事故。事故後も運転を続けて来た３号機が、１２月１５日完全停止される。が、約１５年経った今も、欧州は事故の後遺症の中にある。
１９８６年４月２６日、世界を震撼させたチェルノブイリ原発事故。事故後も運転を続けて来た３号機が、１２月１５日完全停止される。が、約１５年経った今も、欧州は事故の後遺症の中にある。
原子炉が爆発した８６年４月２６日夜、広島と長崎に投下された原爆の１００倍以上の放射能が大気中に放出され、全欧州を覆った。「人類史上最悪の事件を我々は決して忘れる事はできない。」と国連チェルノブイリ・プログラムのデュサン・ズプカさんは言う。事故当時、国際機関は迅速な対応をした。が、スプカさんは「国連は毎日地球のどこかで新たに発生する大災害に対処しなければならなず、チェルノブイリだけに集中していられない。が、チェルノブイリの惨劇は終わったわけではなく、我々は援助を続けて行かなければならない。」と言う。
６０ちかくあったチェルノブイリ地方への国連援助計画のうち、財政上最優先と認められたものは９つだけだった。が、被害の本当の恐ろしさは今ようやく明らかになってきているところで、住民の健康、環境から経済、社会構造まで、生活のあらゆる領域に及んでいると、ズプカさんは言う。
スイス当局もズプカさんと同様、チェルノブイリ周辺地方への長期支援の欠如を懸念している。社団法人スイス開発のハンス＝ペーター・マーグ旧ソ連部長は、「チェルノブイリ事故のようなケースでは、長期に及ぶ深刻な汚染があるが、その影響に関する知識やデータがほとんどない。」と語る。同法人は、原発の安全性の改善、汚染地域の住民の健康管理など、ウクライナで多くのチェルノブイリ関連のプロジェクトを支援している。「毎年１０００人ほどの汚染地域の子供を対象に、セラピー・キャンプを運営している。子供達をきれいな環境に連れて行き、必要な場合には治療を施す。また、最も汚染のひどい地域の子供達と母親達を２〜３週間サナトリウムに入れることもある。」
チェルノブイリ周辺地域では甲状腺ガンや白血病がすでに多発しているが、人体への影響の本当の状況はあと２０年経たなければわからないだろうと科学者らは見ている。バーゼルのフリードリヒ・ミーシャー研究所の研究者らは、原発周辺の立ち入り禁止区域で恐ろしい発見をした。交換研究員のイゴール・コヴァルチュクさんが、この区域の植物の遺伝子調査をしたところ、遺伝子の変異体が予想以上に多かった。「小さな野草から調査を始め、小麦、大麦、カラス麦など大切な穀物の調査をしたところ、変異体の数は我々が予想した６倍以上もあった。」チェルノブイリの悲くも残酷な副産物の１つは、このように科学者らが長期にわたる放射能汚染の影響を示すデータを入手できたことだ。「ラボではチェルノブイリと同じような状況を作り出すことは不可能だ。被爆時間は短いし、被爆量も比較にならない程少ない。不幸なことだが、我々はチェルノブイリから学んでいるのだ。」とコヴァルチュクさんは語る。
コヴァルチュクさんは、チェルノブイリ周辺住民の人体の遺伝子変異は取りあえず心配ないと見ている。「立ち入り禁止区域には誰も住んでいないので、植物から得たデータと同じことが周辺住民の人体にも起きているとは思わない。事はそんなに単純ではない。が、この地域は今後何千年も立ち入り禁止にしておかなければならない。」と説明した。
が、ウクライナの大部分、またベラルースやロシアの何百万もの人々を苦しめるチェルノブイリ原発事故の後遺症は、健康問題だけではない。この地域は、かつてソ連邦の穀倉地帯として知られていた。が、今では、この地域の産物を輸出することはできない。買い手がないのだ。先述の国連のズプカさんは、「失業と経済破綻はチェルノブイリ事故の長期的影響の１つで、だからこそ我々はこの地域を見捨てるわけにはいかないのだ。」と語る。
１２月１５日のチェルノブイリ原発完全閉鎖は、新たな被害を生むことになる。閉鎖される第３原子炉は、ウクライナの電力の５％を供給してきた。極寒の冬に向かい、電力不足が予測される。また、数千人の職員がすでに多いウクライナの失業者名簿に加わることになる。