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「スイスはUBSではない」と主張しながら連邦議会議員が、スイス・アメリカ商工会議所の代表を伴い2月末、ワシントンを訪問した。
将来、スイスとアメリカの関係を「前UBSと後UBS」と時代区分する日が来るかもしれない。それほどUBS銀行のスキャンダルはスイスとアメリカの関係に一石を投じた。
アメリカの圧力に驚いている
連邦議会の議員団がアメリカ訪問を予定したのは、UBSとアメリカ政府の対立が始まる１カ月ほど前だった。しかし、スイス議員団は現状を説明する使命を感じ、ワシントンポストの編集長との議論にも応じ「アメリカにおけるスイスは、チョコレート以上」とアピールした。
「スイスがチョコレートだけではないように、UBSスキャンダルだけで語られるわけではない」
アメリカ訪問中の記者会見で、スイス・アメリカ商工会議所会頭のマルティン・ナヴィル氏は強調した。
「ほかにも重要な要素がある。例えば、スイスとアメリカとの経済関係を大事にするといったことだ」
ルクレチア・マイヤー・シャッツ議員は、訪問中アメリカの議員との会談で、富裕層に対しUBSが顧客のために脱税できるような役割を果たしているという問題が取り上げられたと、核心に触れ
「アメリカの議員に対し、これほど強い政治的な圧力がかかっていることにわれわれが驚いていることを説明した。また、UBSはリーマン・ブラザーズと同じようなもので、例えばUBSに何かがあった場合、アメリカにも大きな影響が出るだろうとも説明した」
と具体的に会談の内容に触れた。
ブラックリスト
UBSの最高経営責任者 ( CEO ) が交代したことについてナヴィル氏は控えめに
「今後、良くなるのかどうかという判断は難しい。オスヴァルト・グリューベル氏は、UBSという船の舵を取るのに最も適した専門家である」
と語った。
議員団はアメリカで、スイスが脱税天国だというイメージを払拭する努力もした。オバマ大統領は上院議員だった時代にスイスを脱税天国のブラックリストに載せることに熱心であり、アメリカではスイスが脱税天国であるという見方が強い。
ミネソタ州出身の米民主党上院議員アミー・クロバッハー氏はスイスドイツ語圏テレビのニュース番組「ツェーン・フォ・ツェーン( 10 vor 10 ) 」で、
「いくつかの問題がある。当然のことながらわたしたちは、アメリカに住む人はアメリカで納税することを望んでいる。そのようになるために、わたしたちも努力しなければならない。しかし、スイスはわれわれにとって友好国であるということをほかの議員には忘れないでもらいたいと思っている」
と語っている。
マイヤー・シャッツ氏は
「スイスは陸の孤島ではない。国際的な銀行システムの中にいる。アメリカが導入したブラックリストに載せられないよう、政府もリストからスイスをはずしてもらうよう交渉する必要がある」
と強調した。また、ブリンナー議員も「スイスに住んでいる人全員が、スイスは脱税天国ではないと知っている」と付け加えた。
UBS事件がスイスに暗い影を落としたことは事実だが、世界の金融危機、グアンタナモ収容所閉鎖問題、テロ対策など多くのほかのテーマについてもアメリカ側と話し合いが持てたという。
swissinfo、マリー・クリスティン・ボンソン ワシントンにて 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 訳