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「世界貿易機関の多角的通商交渉、ドーハ・ラウンドの最終合意は早くて2009年末だろう」と、スイスの主席交渉官ルツィウス・ワセシャ大使が語った。このコンテンツは 2008/05/10 15:26
問題の農業交渉では、秋までに大きな進展があるという。
「昨年9月以来、交渉グループの各国主席交渉官のテキストをもとに交渉を進め、わずかながら進展があった。しかし、個々の問題でコンセンサスを得るには予想以上の時間がかかった」とワセシャ大使は説明した。世界151カ国のメンバーが6年半かけ交渉を続けているドーハ・ラウンドだが、農業と鉱工業品のモダリティ案 ( 補助金の削減などに関し、具体的な数字がない提案 ) に関しては、秋までに合意に至る可能性が高いという。
閣僚会議も7月に延長？
モダリティ案で合意した後、各国は関税率や国内補助金など、その国独自の課題のリストを作成し、その後それらの検討に半年から1年かかるとワセシャ大使は予測する。一方、高いレベルでの合意を行う閣僚会議も7月に持ち越される可能性が高いという。5月中では間に合わなく、6月はサッカーの「EURO 2008」でセキュリティに問題があるからだ。
ただ1つ確かなことは、ドーハ・ラウンドの最終合意は、
「早くて2009年末ということ。現在、合意への道を30～50%進んだ」
と、ワセシャ大使は判断している。
ところで、農産品の輸出補助金のようにすでに合意された事項もある。これは2005年にすでに合意され、遅くとも2013年から実施されるという。また農業の国内補助金に関して、スイスはかなりの譲歩をしているという。
農業のモダリティ案は、今後かなりの展開をみせるとワセシャ大使は見ている。「欧州連合 ( EU ) は、農業の自由化にさらに努力するであろう。しかし全体合意を望むならアメリカ、ブラジル、インドや他の国も、特に鉱工業品の市場開放にもっと努力すべきだ」
と語った。
スイスの懸念
現在EUは、農業問題での譲歩で意見が割れている。もともと農業保護の立場を取るEUは、スイスや日本を含むグループ10 ( G-10 ) をかばう、ついたてのような役を果たしてきた。
しかしもし、EUが農業市場の自由化で先に進みすぎると、農産物の輸入国であるG-10の国々は、このＥＵという、ついたてを失い、危険にさらされる可能性があるとスイスの主席交渉官は懸念を隠さない。
「中、小規模の国の抵抗力を過小評価しないことが肝要だ。大国はしばしば、大国間で合意に至れば、ほかの中、小国はついてくると考えているようだが、そう簡単なことではない」
食糧危機とドーハ・ラウンド
現在の食糧危機に際し、南の国の農産品を北の国の市場により迅速に、効率よく運ぶようにするため、農業だけ別に合意するという案も生まれつつある。
しかし、ワセシャ大使は、
「ドーハ・ラウンドが合意されれば、国内の農産物の市場開放が促進され、また法的な根拠に基づいた安全性は、長期的な視野で物事を解決することができる。従って農業を別にして合意するというのは、長い目でみれば食糧危機の解決にはならない。とにかくスイスは賛成しない」
と言う。
ワセシャ大使は、輸出補助金の排除と国内補助金の削減を行えば、途上国での農業は安定すると考える。従って自由化は有益だという立場を取っている。
ところで食糧危機は、農産品の自由化を最も支持してきた、インド、ブラジル、アルゼンチンなどの国々を、農業保護の方向へと向かわせ、自国の食糧安全確保の観点から、輸出抑制に乗り出させている。
こうした現状を踏まえ、スイスは日本と共同で食糧輸出規制の規律強化案を4月30日、世界貿易機関 ( WTO ) に提出した。
swissinfo、ピエール・フランソワ・ブッソン 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳
G-10
ドーハ・ラウンドで、スイスはグループの議長役を務めている。メンバーは以下の国々。スイス、日本、韓国、台湾、イスラエル、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、モーリシャス共和国 (10カ国でスタートしたためこの名があるが、現在は9カ国 ) 。
農産物輸入国であるこれら10カ国は、エコロジー、社会経済面、農産物生産における文化的、社会的アイデンティティー問題などを考慮に入れながら段階的に農産物の自由化が行われることを支持している。
スイスはまた、サービス貿易の自由化と鉱工業品の関税削減を強く支持している。
JTI基準に準拠