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東京電力福島第一原発事故から６年。スイスは２０１７年５月２１日、原子力に拠らない未来をかけて国民投票を実施する。当の日本は逆に、停止していた原子炉の再稼動に動き出している。この逆転現象の背景にあるのが直接民主制だ。
だが原子力の平和利用は核だけでなく現代社会を分裂させる。日本でもスイスでも、最初の原子力発電所の設立計画が動き出した１９５０年代、数百万人が危険な技術に反対してデモ行進をした。
地震、津波、過酷事故
転機となったのは２０１１年３月１１日、日本に過去最大級の津波が押し寄せ、甚大な被害をもたらしたことだ。海底で発生した地震は巨大な津波となり、１万５千人以上の命を奪い約４０万棟の建物を破壊した。首都・東京から北に３５０キロメートル、海岸沿いに位置する福島第一原発で炉心溶融が起こった。福島周辺では何千人も亡くなり、数十万人が放射能の影響を受けた。１９８６年のチェルノブイリ原発事故以来最悪の事故は、地球の裏側の国々にも大きな波紋を呼んだ。その一つがスイスだった。
過酷事故のわずか３日後、スイスで当時環境・エネルギー相だったドリス・ロイトハルト氏（２０１７年の大統領）は、０８年に提出された新しい原子力発電所３基の建設申請を凍結。さらに数週間後、連邦議会はいわゆるエネルギー転換策に着手した。同転換策の核心となる「エネルギー戦略２０５０」は、５０年までに段階的な脱原発を目指す。その延長線上で、スイスは２０１７年５月２１日に国民投票を実施する。
日本の現状は正反対だ。震災前、４８基の原子炉が稼働していた。その後数年、１億３千万人の人口を抱え、工業に根差しながらも日本は原子力発電なしでしのいできた。だが自民党の安倍晋三政権は今、スイスとは反対方向に舵を切ろうとしている。世論調査では圧倒的多数の国民が原子力に反対であるにもかかわらず、政府は今後数年で原子力発電を全体の２割超に引き上げる方針だ。
エネルギー政策においてスイスと日本が真逆の方向に向かうのは、二国において民主制のあり方が大きく異なることが大きな理由の一つだ。
スイスと日本の主な違い
１．共和制vs君主制：近代スイスにおいて王政が敷かれたことはないが、日本では第二次世界大戦まで「現人神（あらひとがみ）」として天皇が権力を握っていた。
２．連邦vs中央集権：スイスの政治システムは連邦、州、自治体の３層に権限が配分されている。日本は集権的で、首相に強い権力がある。
３．伸長vs制限：長い歴史の中で強権政治がなかったことから、スイスは憲法裁判所を置いていない。日本では２０世紀のファシズムの経験から、民主主義が厳しく制限されている。
４．多様vs均質：文化的に均質な日本と異なり、スイスは政治的な意思に基づき複数の言語、文化、宗教で成り立っている。
５．直接民主制vs代表委任：スイスでは主要テーマについて有権者が最高執行機関としての役割を果たす。日本では選ばれたエリートが最終的な決定権を握っている。
６．特徴的な「原子力民主主義」vsエネルギー問題における国民の沈黙：スイスのエネルギー転換を問う５月２１日の国民投票は、エネルギー政策をめぐる国民の決断としては７９年以降で１５回目となる。この間、日本でそうした国民投票が実施されたことはない。
７．拘束力vs助言：地域レベルでは日本でも直接民主制が採られる面もある。ただしその結論は助言的な意味しかなく、スイスのように最終決定としての性格はない。
要するにスイス国民は日本国民に比べ、国のエネルギー政策をコントロールできる機会をはるかに多く持ち、また築き上げられた直接民主制のおかげで、原子力政策におけるスイス国民の意見は、日本のそれよりも格段に強い影響力がある。
日本で高まる圧力
だが安倍政権下でのエネルギー政策も、政治や市民社会から民主主義強化への圧力を受けている。
野党は、そうした圧力は９０年代から原子力・安全保障問題をめぐる住民投票に表れていたと指摘する。もっとも国レベルではなく地域レベル、助言的な性格しか持たない投票だが、例えば９６年夏に行われた新潟県西蒲原郡巻町（現新潟市西蒲区）の新たな原子炉建設をめぐる投票では、建設反対の民意が明確に示された。またその翌年には、沖縄県民が第二次大戦後に設けられた米軍基地の廃止に賛成の意を示している。
こうした住民投票の経験は、多くの人が国民の権利強化に力を尽くそうという着想に繋がった。そして近い将来、安倍首相率いる自民党が一大改革への口火を切る可能性がある。今年施行から７０周年を迎えた日本国憲法の改正だ。そのような改定においては、日本から１万キロメートル離れたスイスで１９４８年以来日常となっている「拘束力のある国民投票」の導入を検討すべきだろう。
（独語からの翻訳・ムートゥ朋子）