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スイスでは今月、町工場に捨てられた新生児が見つかり大きな議論を呼んだ。女児の体は冷え切った状態で、通行人がたまたま発見した。スイスではこうした事態を防ぐため、「赤ちゃんポスト」が設置されている。
今月初め、大きなニュースがスイス中を駆け巡った。ベルン州にある町工場のゴミ捨て場で生まれたばかりの赤ちゃんを通行人が見つけたのだ。女児の体は冷え切り、命が危ぶまれる状態だった。まもなく警察に捜しあてられた母親は、子供がすぐに見つかるよう、意図的に人通りの多い場所を選んだと話した。
本来なら、こうした状況を回避するための解決策は用意されている。国内の複数の病院では、いわゆる「赤ちゃんポスト」を開設している。
「赤ちゃんポスト」とは？インフォボックス終わり
母親が新生児を危険にさらすことなく匿名で遺棄できる設備だ。病因が特定の場所に窓口のようなものを設置する。母親は窓を開け、温かいベッドに子供を置くことができる。数分後にアラームが鳴り、スタッフが赤ちゃんのもとに駆け付ける。
ポストの傍には母親宛ての手紙が置かれている。アドバイスや支援組織の連絡先リストが並ぶ。母親の考えが変わった場合、1年以内なら当局から子供を取り戻すことができる。
赤ちゃんポストに置かれた新生児は、法的には捨て子として扱われる。児童保護局が子供を保護し、養子縁組手続きを進める。
スイスに赤ちゃんポストはいくつある？インフォボックス終わり
スイスには今、アインジーデルンやダボス（グラールス州）、オルテン（ゾロトゥルン州）、ベルン、ツォリカーベルク（チューリヒ州）、ベリンツォーナ（ティチーノ州）、バーゼル、シオン（ヴァレー州）の8カ所にある。うち6カ所は病院とSAMCの共同事業として運営され、ツォリカーベルクはディアコニーヴェルク・ノイミュンスター財団他のサイトへが、ジッテンは州当局の委託で運営されている。
欧州では2000年、ドイツとオーストリアが先駆けて赤ちゃんポストを開設した。仕組みは中世にも広がっていたが、1世紀超の間にほぼ消えてしまった。今では世界中で様々な国が困り果てた母親への手段として手を差し伸べている。
赤ちゃんポストはよく利用されているのか？インフォボックス終わり
捨て子のための赤ちゃんポストに反対の声はないのか？インフォボックス終わり
国連の子供の権利委員会は、赤ちゃんポストの禁止を推奨する。子供が自分の出自を知る権利を侵害しているとの考えからだ。
スイス連邦議会でも、赤ちゃんポストの閉鎖を求める提案が何度か議論された。一部の議員は▽子供の権利を侵害する▽出生の届け出義務に違反する▽未成年や密入国者など弱い立場にある母親から子供の同意なしに連れ去られるリスクがある――といった理由からこの仕組みに反対している。
だが議員の大多数と連邦政府は赤ちゃんポストを禁止たくないと考えている。2016年の報告書他のサイトへで、連邦内閣は国内にあるさまざまな妊婦に対する支援策を検討した。その結果、全ての関係者（母親、子供、父親、当局）に適応する解決策はないという結論に至った。
焦点を当てるべきは、緊急事態にある妊婦と赤ちゃんの双方にとって最適な出発点を用意することだ。一義的には、困っている妊婦や母親に寄り添い、適切にアドバイスできる支援機関を幅広く整えることが必要になる。
一方、赤ちゃんポストを禁止すれば、困り果てた母親が子供を遺棄することにつながり、新生児は適時適切に必要な医療措置を受けられなくなる可能性がある。
政府の報告書は「これを防ぐためには、連邦内閣の考えでは赤ちゃんポストの持つ負の側面（出自を知る権利の侵害や出生届け出義務違反）も敢えて引き受ける必要がある」と結んだ。
赤ちゃんポストは本当に命を救うのか？インフォボックス終わり
SAMCによると、2011年の赤ちゃんポスト開設以来、新生児の遺体が発見されることは大幅に減った。メディア報道や警察発表を数えたところ、1996～2000年は7人の捨て子が遺体で発見されたが、2016～2020年は2人だった。
前述の政府報告書は、赤ちゃんポストの開設により事件が増えたという事実はないと明記した。政府は命を救える可能性のある赤ちゃんポストを維持するよう推奨し、法文化も禁止もしない方針だ。
母親の匿名性は守られるのか？インフォボックス終わり
新生児を赤ちゃんポストに置いた女性は、刑罰の対象にはならないため、警察に捜索されることもない、とSAMCは強調する。病因もポストの周りには監視カメラを設置しない。一方、SAMCは母親に名乗り出るよう呼びかけを地元紙に掲載する。
スイス民法典他のサイトへは養子縁組について、親の身元や居場所が分からない場合、親の同意は不要と定める。
スイスで母親が身元を知られないようにするには、新生児を遺棄するしか手段がない。18州にある病院では、母親の個人情報が戸籍当局・児童保護局にのみ渡される「内密出産」ができる。
子供の父親・家族には知らされず、それを公式に知らされるのは養父母だけとなる。子供が成人すると、生物学上の母親を特定する権利を得る。ただスイスで内密出産はまだあまり知られていない方法だ。
スイスで匿名の出産は禁じられている。子供の出自を知る権利や、国が出産を検知する権利を侵害するからだ。一方フランスやイタリア、ルクセンブルク、オーストリア、ロシア、スロバキアでは認められている。
国際DNAデータバンクの存在により、両親が永遠に身元を隠すことは難しくなっている。民間企業が提供するDNAテストで同じ遺伝子を持つ人物を探すことが可能だ。従兄弟や祖父母、叔父や腹違いの姉などを見つけ、そこから自分の出自へ遡ることもできる。
（独語からの翻訳・ムートゥ朋子）