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通貨フランの高騰が続いたここ数年、スイス企業は雇用を失ったり研究開発投資の余裕がなくなったりと苦しい時期を過ごしていた。だが長期的に見れば、スイスの輸出主導型経済は通貨高を受け止める体力を養ってきたといえる。
これは連邦経済省経済管轄局が委託した５つの調査を総合して導かれた結論だ。２０１５年にスイス国立銀行（スイス中央銀行）がフラン相場の対ユーロ上限を撤廃した「スイスフラン・ショック」からおよそ３年。フラン急騰はスイスからの輸出品価格を１割押し上げ、２０１５年の経済成長率は前年の１．８％から０．６％に減速した。
調査によると、フラン高の影響は長期的なものと短期的なもので大きく異なる。連邦工科大学チューリヒ校と同校景気調査機関の調査から、短期的にはスイスの輸出主導型経済にとって打撃となったことがわかった。
フラン相場の上限撤廃を受けて、その後２年間で平均的な規模の企業における雇用が４％減った。輸出企業に限らず、内需型産業でも同程度の失業者が出た。
調査によると、輸出企業はフラン高を受けて研究開発投資向けの予算を削った。１０％のフラン上昇につき平均１７％削減した。中小企業は投資計画を中止または延期し、大企業は投資先を海外に振り向けた。
ただ景気調査機関は、中長期の影響は必ずしも明白ではないとする。
真剣な取り組み
他の３調査はスイス産業がフラン高に対してあらゆる防衛策を講じてきたと結論づけた。バーゼル大学の経済学者が行った調査は、スイス経済が危機に対し「驚異的に」立ち向かい、１９９０年から２０１５年の輸出規模に対する影響は小さかったとする。
１５年のフラン・ショックや、これに先立つ１１年のフラン急騰を通して、スイス輸出企業は通貨高への耐性を強化したという。
チューリヒ大学の応用科学部による調査は、産業界が変化を受け入れ、競争力を保ったことで何よりも製品の質を維持できたと指摘する。調査によると、フランの１０％上昇は品質を１～２％向上させた。
品質向上は機械や時計産業など、研究開発に多額をつぎ込んでいる分野で顕著だ。製薬業はスイスの経済のけん引役だが、例外的な存在となった。短期的なフラン高にはほとんど反応しなかった。
BAKバーゼル研究所の調査も、スイスの輸出企業が極めて適応力が高いことを示した。報告書は「スイスの輸出企業は他国よりも耐性が高い」と分析。「ただ一方、サービス業の通貨変動に対する耐性は低い」とも指摘した。
スイスの失業率はおしなべて低く安定しているが、フラン・ショックの後はわずかに上昇し、１５年の平均は３．２％、１６年は３．３％だった。だが１７年９月は３．０％に改善した。
スイス中銀はスイスの１７年の成長率を１％未満と予測している。連邦経済省経済管轄局は１７年の予測を０．９％に引き下げた。１８年は２％に改善すると予想する。
和らぐフラン高圧力
足元でフランの対ユーロ相場は緩やかな下落が続き、先月には一時１ユーロ＝１．１７フラン台と年初に比べ８．６％低い水準になった。米欧が大規模緩和策の出口に転じるなか、フラン高への圧力は和らいでいる。それでもスイス中銀はフランを「過大評価されている」としており、通貨高への警戒心を緩めていない。
（英語からの翻訳・ムートゥ朋子）