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スイスで10日、国民投票を無効とする初の最高裁判決が出た。国内各紙は最高裁判決を支持したが、パンドラの箱にたとえ「危険な先例を作ることになる」と危惧する声も挙がった。
ジュネーブの日刊紙トリビューン・ド・ジュネーブは「ほかに選択肢があったというのだろうか」とし、最高裁判決を支持。「このイニシアチブ（国民発議）を無効にしなければ、いかなる事例も無効判決は出なくなる。政府が過ちを犯したのは非常に明白であり、（投票）結果は僅差だった。少しでも違う判決が出ていたら、スキャンダルになっていただろう」
最高裁が国民投票の無効と判断したのは、スイスの直接民主制の歴史上初めて。イニシアチブは、法律婚の夫婦に課せられる税金が、事実婚よりも重くなる不均衡（通称：結婚罰）の是正を求めるもので、キリスト教民主党が提起した。ところが政府は国民投票に際し、誤った情報に基づいた統計を提供。イニシアチブは2016年2月の国民投票で50．8％の僅差で否決された。
政府は昨年、誤った情報を提供した事実を認めた。当初、税制上の不利益をこうむっていたのは8万組いるとしていたが、その後45万4千組だったと訂正した。
同紙は「民主主義は勝った。だが同時に割に合わない勝利ともいえる」と報じた。 「この先例を設けることによって、司法はパンドラの箱を開けた。次に何が出てくるかは、誰にもわからない」
同紙は、この議論が二つの根本的な問題を提起したと指摘する。一つは、権威に対する市民の信頼、そして社会が容認しうるミスの範囲だ。 「直接民主制では、国民は常時、あらゆるたぐいの問題について投票を求められる。そのためには賛成、反対（フェイクニュースも含め）両方の議論が必要になる。法的に正しい数字も必要だ。（虚偽の情報を流したことが）見破られてしまった以上、政府があえてもう一回同じことをするだろうか？」
「顔を平手打ち」
ドイツ語圏の日刊紙NZZは、連邦裁判決は政府にとって「顔に平手打ち」以上のインパクトだった報じた。
「情報に関する政府の方針に向けられた重要な警告だ。将来出てくる数字はより一層の注意が払われ、不確実な点があればすぐに更新されるだろう」とした。
政府への批判は確かに適切だが「政治に関わる人々の多くは鏡を見てみるべきだ。わざと国民をミスリードする。これは投票キャンペーンでどこの政党もロビイストもやっていることだ」とくぎを刺した。
ドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーとブントは「最高裁がこれほどまでの誤情報の提供を（違法性はないと）甘んじて受け入れていたら、民主主義の損害になっただろう」と報じ、無効判決を支持した。
「連邦政府はこれで、2008年の法人税改正法案の国民投票にも黄信号がともったことになる。投票文書に記載された数字が、あとで全く無効のものだとわかったからだ」
法人税改正法案の国民投票は、のちに結果の無効を求める訴訟に発展したが、最高裁は「投票のやり直しは法的な安全性を損なう」として棄却した。
フランス語圏の日刊紙ル・タンは、最高裁の判決は二重の効果があると報じた。
同紙は「一方では、結婚に対する税制上の不平等を廃止することが不可欠だ。他方、国民に正しい情報が提供されなければならない。 今回の無効判決は歴史的であり、政府に与えた影響は深刻だ。この判決によって、政府および関係機関は、議会と有権者に提供する数字に十分な注意を払わなければならなくなる」と述べた。
同紙は「これは民主主義にとって良いことだ」としている。
（英語からの翻訳・宇田薫）, swissinfo.ch