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世界最長の鉄道トンネルを列車が時速２００キロで駆け抜けるようになって１年。だが、同トンネルの建設を含むアルプス縦断鉄道計画が国民投票で承認されたのは、２５年も前の今日、１９９２年９月２７日だった。そこからトンネル掘削をスタートさせるまでには、直接民主制を誇るスイスらしく長い年月がかかった。
ヨーロッパの中央に位置するスイスは、大陸の南北をつなぐ交通の要所となってきた。だが国土の約６割を占めるのは、標高４千メートル級の山を含むアルプスの山塊。人とモノは、遠い昔には足で、馬で、駅馬車で、そして最近では車やトラックで峠を越えてきた。もっと厄介だったのは鉄道だ。急な勾配では列車が空転し、歯車式は小型列車しか運べない。
ではトンネルを掘るしかない。そうして１９世紀にできた最初のゴッタルド鉄道トンネルは、「世紀の工事現場」と呼ばれた。山塊の１千メートル下を通る全長１５キロのトンネルの入口は標高１１００メートルにある。そのため列車は、急な勾配をできるだけ緩やかにしたループ線を含む、険しい路線を通って入口まで上らなければならなかった。そのようなことから、交通量の増大と技術の発達に伴い、平地に入口を持つ新しいトンネルを作ろうと考えるのは当然のことだった。
五つのルート
山塊の基底を通るゴッタルドベーストンネルの第１計画が出されたのは１９６１年。その９年後、政府の委員会が計画概要を承認した。だがここはスイス、連邦制と直接民主制の国だ。スイス政府は、当時のフランスのように単に公共工事計画を発表して着工すればいいわけではなかった。フランスの高速列車TGVの鉄道敷設を進めるTGV計画では、７４年に政府が承認、その７年後には高架橋１７カ所、橋７８０カ所（トンネルは無し）、全長３８９キロが今日の約２０億ユーロをかけて完成された。
だがスイスでは、フランスのように簡単にことが運ばない。アルプス縦断鉄道計画ではまず、各地方を納得させるために、五つの新鉄道ルート他のサイトへが検討された。例えば、ローザンヌに住む人にとっては、隣のヴァレー州ではなく遠いスイス東部のグラウビュンデン州にトンネルができてもあまり利益にはならない。その逆も然りだ。８８年に計画を受け取った政府は、２年後に決定を出した。採用されたのはヴァレー州のレッチュベルクルートと、スイス中央部のゴッタルドルートの二つだった。
その結果、フランス語圏と中央地域は満足し、敗者となった東部地域にはゴッタルド線へのアクセスの改善が約束された。
エコロジストとトラック運転手
政府にとってアルプス縦断鉄道は、旅行者だけではなく、貨物を積んだトラックやトレーラーをそのまま専用の貨車に載せて目的地まで輸送するピギーバック輸送などが可能で、さらにヨーロッパの輸送網に適合していなければならなかった。政府は９１年に計画を承認した。
だが政府の決定に対して３団体がレファレンダム提起を試みた。騒音を懸念して地下にトンネル入口を作るよう求める、北側入口周辺のウーリ州住民の一部と、建設費が膨張し将来ガソリン税が値上げされるのではないかと危惧した輸送業者などだ。
また、緑の党も費用の膨張を恐れて反対した。前ローザンヌ市長を務めたエコロジストのダニエル・ブレラ下院議員他のサイトへは、「どう見ても財源が不確かだった。スイス連邦鉄道や政府が、二つの大型トンネルを救うために多くの小さな駅を廃止する可能性は大きかった」と当時を振り返る。緑の党は必要な署名数を９６人上回る５万９６人の署名を集めてレファレンダムを成立させた。だが９２年９月２７日に行われた国民投票では、賛成６３．６％で政府の決定が支持された。
波及効果
費用に関しては、反対派の主張は正しかった。当初１５０億フラン（約１兆７２７０億円）と見積もられていたアルプス縦断鉄道建設費は、現時点で２４０億フランに上る。だが、９２年９月の国民投票結果は、ブレラ氏でさえ予測できなかった波及効果をもたらした。「レファレンダムが提起され、鉄道トンネルへの市民の関心が高まり、その有用性が明確になった。これがトラック輸送を鉄道輸送に切り替えることを求めた２年後の『アルペン・イニシアチブ』が可決される助けとなったことは確かだろう」（ブレラ氏）
貨物の鉄道輸送が広く支持されるようになり、政府は９０年代末にトラック通行税の導入他のサイトへに踏み切った。輸送業者などが反対し、９８年９月２７日の国民投票にかけられたが、賛成５７％で承認された。今ではヨーロッパ各国がスイスに追随している。
トラック通行税が導入された結果、アルプスを通過するトラックの数は、記録的数字となった２０００年の１４０万台から１４年には１００万台を切るまでに減少。それでも、アルペン・イニシアチブが目指し、憲法に明記された年間目標の６５万台までは程遠い。
まだ時間がかかる
スイスのアルプス縦断鉄道計画は、全てが完了したわけではない。レッチュベルクベーストンネルには２本の単線トンネルが建設されるが、その片方は現在３分の１が使用され、残りの３分の２はまだ掘削が終わっていない。そして、チェネリベーストンネル（１５キロメートル、ベリンツォーナ－ルガーノ間）が完成するまでは、ゴッタルドベーストンネルを通った列車が、アルプス縦断鉄道計画で約束された所要時間の短縮を実現することはできない。
更なる工事費の増加と、より早く、より環境にやさしくアルプスを通過する方法をめぐって、これからも議論が交わされそうだ。
（仏語からの翻訳・由比かおり）