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サン・ベルナール修道院からセント・バーナード救助犬が売却されるというニュースは、当スイスインフォでも昨年１０月１５日に報道した。こうした報道に国内の多くの人々が反応し、このほど、犬を買い入れ世話をするという団体が現れた。
さらに、ジュネーブの銀行家からの寄付の申し出もあり、マルティニ市にはセント・バーナード博物館の建設も計画され２００６年には開館の予定だ。
冬山で遭難した人を助けるので有名になったセント・バーナード犬。首輪には小さな酒樽を下げているのが特徴。救助された遭難者が身体を温めるために飲むラム酒が入っているという。飼い主は、グラン・サン・ベルナール峠にあるサン・ベルナール修道院。１１世紀頃から、修道士が犬と一緒に遭難者を救助してきた。しかし、昨年１０月中旬、修道院は修道士の老齢化と修道院の縮小に伴い、セント・バーナード犬を飼育することが負担となり、犬を売却したいと発表していた。
「バリー基金」の設立で飼育を続ける
修道院がセント・バーナード犬を手放すというニュースに、修道院の救助犬を維持しようという人たちが集まり基金を作る計画が立てられた。これにマルティニ市や美術館で有名なジャナダ基金などが加わり、救助犬として一躍セント・バーナードの名前を有名にした犬の名前を取って「バリー基金」が創設された。基金の活動は、スイス・セント・バーナード犬協会の助言を受けることにし、今年から正式に発足した。
バリー基金は修道院から救助犬を買い受け、夏季にはサン・ベルナール修道院で、冬季はマルティニ市に開設する予定の飼育所で犬を飼う。施設の運営は市の補助と寄付金で賄うという。
博物館の創設も計画
バリー基金とは別に、「ベルナール&カロリン・ド・ヴァットヴィル夫妻基金」も作られた。この基金はマルティニ市にセント・バーナード犬の博物館の創設を計画している。博物館は、同市が提供する７００平方メートルの敷地にセント・バーナード犬をその歴史を中心に多方面から紹介するというもので、２００６年春には開館の予定だ。バーナードをフランス語で発音するとベルナールというが、犬と同じ名前をもつ基金の創立者のベルナール・ド・ヴァットヴィル氏はジュネーブの元銀行家で、５００万フラン（約４億５，０００万円）を寄付し、「歴史的に意味のある犬のために行動を起こしたい」と語った。
修道院は歓迎
サン・ベルナール修道院のブノア・ヴィヨ修道長は、犬の買い手が見つかり、博物館の建設も予定されていることに安堵している。犬の売却には、セント・バーナード犬の飼育と毎年夏にはグラン・サン・ベルナール峠に犬を連れてくることが条件となっていた。峠のセント・バーナード犬はいまや救助犬としてより、夏季には年間数万人の観光客を呼ぶ観光名物でもあるからだ。
swissinfo 外電 意訳 佐藤夕美 （さとうゆうみ）
補足情報
セント・バーナード犬は１６６０年から１６７０年にかけてグラン・サン・ベルナール峠のサン・ベルナール修道院で飼われるようになった。
当時は修道院の番犬で、現在より小型だった。
首に下げている酒瓶は１９世紀になってから。
１８１５年、イギリス人が同修道院からオスとメスの犬を一頭ずつ購入し本国へ持ち帰った。
１８６２年に開催されたバーミングハムの犬の品評会で正式に、セント・バーナード犬と呼ばれるようになる。
それ以前は「マスティフス」とか「バリー犬」と呼ばれていた。
キーワード
サン・ベルナール修道院にはセント・バーナード犬を見に年間およそ６万人の観光客が訪れる。
救助犬として有名になったのは１９世紀初頭になってから。
バリーと呼ばれるセント・バーナード犬が遭難者およそ４０人を救ったことが救助犬を有名にした。
スイスでは年間およそ１００頭のセント・バーナード犬が繁殖される。