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スキーリゾートなどで知られるスイス・ヴォー州の山村、レ・ディアブルレで流通している地域通貨「イズナウ」が好調だ。老朽化したゴンドラの建て替え費用を集めるため昨年１２月に期限付きで始まったが、地元経済の活性化に一役買っている。
現地を訪れた記者が店でコーヒーを飲んでいると、「イズナウの利益を守る基金他のサイトへ」のメンバー、ジャンマリー・シュラウビッツさんが「支払いは私が」と言ってくれた。同基金はイズナウを立ち上げた団体。シュラウビッツさんが手に持っていたのは、もちろん地域通貨の「イズナウ」だ。
イズナウは直径約４センチの硬貨。縁取りは灰色で、中央の金色の部分にはゴンドラの絵がかたどられている。裏面は村のシンボルである、フルートを吹く妖精の姿がある。イズナウは、村のすぐ上にあるスキーエリアの名前だ。
昨年１２月１日から今年４月３０日までの期限付きで、計５万枚が流通。１枚１０フラン（約１１００円）相当で、活動に賛同する地元の店舗やレストランで使える。
イズナウのゴンドラは１９５３年製。同基金は、集まった資金で８人乗りのケーブルカー３８基の新設などを計画している。スキーやハイキングなど年間を通してレジャーが楽しめるこの地域を広くPRする狙いもあるという。
地元住民や観光客がイズナウを使って地域で買い物をすれば、地元への投資になる。
協賛店の一つで、チーズ店を経営するルシアン・モレロさんは「イズナウは好調だ。客が１０フランのチーズに２０フラン札を出してきたら、うちはお釣りをイズナウか、１０フラン札のどちらがいいか聞くようにしている」という。ただ、「困るのは、イズナウをもらった人が別の場所で使ってくれないこと。レストランでも似たような状況だ。通貨は流通しないと意味がない」と話す。
村の人口は１４００人だが、冬になると国内はもとより英国、フランス、北欧からのスキー客で約１０倍の１万人に膨れ上がる。このためスキー客らを運ぶゴンドラの建て替えを巡っては激しい議論が続いてきた。
シュラウビッツさんは、ゴンドラの建て替えは村の将来にプラスになるという立場だ。イズナウのリゾートに関連する雇用は５０人分に上り、レ・ディアブルレのホテル、スキースクール収入の８割もリゾートのおかげだからだという。
シュラウビッツさんは「唯一、年間を通じて観光客を呼び込めるエリアなのに、その利点が奪われようとしていた」と憤る。
イズナウ地域の保護を訴える運動は約６年前、ヴォー州がスキー場への助成金を停止したことがきっかけだ。２０１１年、財政上の理由からイズナウエリアを大規模にわたって閉鎖する案が持ち上がったが、地元住民が反対し、１３年にはイズナウの再建プラン他のサイトへが州の都市計画に盛り込まれた。
しかし、レ・ディアブルレの観光協会とリフト運営会社を近隣地域他のサイトへと合併させ、ゴンドラの建て替え費用は運営会社が負担するとの条件が付された。
建て替えには計１３５０万フランが必要。基金は４月末までに、地域通貨で２５万フランの収益を見込む。１３５０万フランのうち、４００万フランは個人からの寄付や市債によるもので、地域通貨による収益はその市債返済に充てる。残り９５０万フランはゴンドラ運営会社が負担する。
シュラウビッツさんは、イズナウの保護運動をめぐっては紆余曲折あったものの、結果的に幅広い年齢層の地元住民、別荘オーナーらの意識改革ができたと喜ぶ。
シュラウビッツさんは「イズナウの活動に関わっていた人と、村の活性化に関心の薄かった若者たちを一つにまとめることができた。若者たちは自分の未来を守るためには自ら手を動かすことが必要だと学んでくれた。だから仕事以外でも地元経済に色々と貢献してくれている」と話す。
一方で、課題は残る。建て替えには州政府と議会の承認が必要になる。さらに、２０２０年にローザンヌで行われるユース五輪他のサイトへ（１４～１８歳対象の国際競技大会）に向け、レ・ディアブルレではイズナウとは別のスキーリフト計画が持ち上がっており、住民はこの計画の結果いかんでイズナウのゴンドラ建て替えが立ち消えになるのではないかと懸念している。
シュラウビッツさんは「もしイズナウがなくなったら終わりだ」と警戒する。「そんなことがあってはならない。うちのような村がスキー事業をないがしろにする決定を出したら、投資は呼び込めない。愚の骨頂だ」と訴えている。
（英語からの翻訳・宇田薫）