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何故ある人は昏々と眠り、ある人は一睡もできないのか？ローザンヌ大学の研究グループがこのたび、初めて睡眠の遺伝子「レチノイン酸受容体β」（retinoic acid receptor beta）をつきとめた。
米科学誌サイエンスに発表された記事によると、この発見は今後の睡眠への理解に新しい光を当て、人の一生の睡眠を調整する鍵になるはずだ。
「睡眠は人の一生の3分の1をも占めるに関わらず、その構造は今だに謎に包まれている」とサイエンス（10月7日号）に掲載された記事は始まる。
「われわれの研究から分かったことはまず、睡眠の質は遺伝するということです」と研究に携わったローザンヌ大学総合ゲノミクスセンターのメヂィ・タフティ教授は説明する。同教授によるとこの研究は「質のよい睡眠」に関わる遺伝子を特定するとともに、睡眠の質にビタミンAが大きな役割を担っていることも分かった。
睡眠の質
δ（デルタ）波で知られる緩やかな振動数の脳波が現れるノンレム睡眠は身体が休まり、眠りが深く長い睡眠、つまり「質の良い睡眠」の指標である。途切れたり、休まらない睡眠が多い不眠症の人、老人や鬱状態にある人にはこのノンレム睡眠中のδ波が欠けていることがこれまでの研究で分かっている。
そこで、研究チームは睡眠中のネズミのδ波を何年もかけて分析したところ、δ波が多いネズミとそうでないネズミがいることが分かり、その中でもδ波が少ないネズミは異常な行動パターンを示した。「何匹かのネズミはδ波が欠けているために奇妙な睡眠をとっていることが分かりました。そして、遺伝子を比較したところ、その差はレチノイン酸受容体βをコードとする遺伝子だということが証明されました」とタフティ教授は説明する。
ビタミンAの役割
またこの遺伝子、レチノイン酸受容体βは人参や玉子の黄身などに含まれるビタミンAに反応することが分かった。このため、研究ではビタミンAが質の良い睡眠に直接影響を与えることも提示している。
しかし、同研究ではビタミンAの取りすぎが睡眠を妨げる結果をもたらすことは分かったものの、反対にビタミンAの欠如がどのように睡眠に影響を与えるかは解明されていない。「快眠のためのビタミンAの適量はまだ分かっていません」とタフティ教授は認める。
ビタミンAはこれまでも脳、特に視力や神経症の病気である精神分裂症、アルツハイマー症、パーキンソン病など影響を及ぼすことが分かっており、これらの病患者は睡眠中のδ波が欠如していた。
睡眠研究の一歩前進
ローザンヌ大学の研究チームはこの発見が今後、不眠症の解決の鍵になると期待している。タフティ教授は「まだ不眠症を治療できるかどうかを判定するには早すぎます。しかし、患者に異常があるかどうかを理解することができ、今後、睡眠の質を上げるのに役立つでしょう」と語る。
なお、研究者は「睡眠は遺伝だけから限定されるものでもなく、生活環境の影響が強いことも忘れてはならない」と慎重な態度をとっている。
眠れない夜を全て親のせいにすることはまだできないということだ。
swissinfo、 外電 屋山明乃（ややまあけの）
キーワード
脳波のパターンによって眠りの深さを指標とする睡眠状態の分類では急速眼球運動のあるレム睡眠（夢見睡眠）と成人では一夜の睡眠の80％を占めるノンレム睡眠（徐派睡眠）に分かれる。インフォボックス終わり