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今年スイスが議長国を務める欧州安全保障協力機構（OSCE）。この機構は各地で活動を展開するが、最も多く人員を動員しているのがコソボなど西バルカン諸国だ。しかし、現在ウクライナへの対応に追われ、西バルカンでの支援の効率性を疑問視する声が上がっている。セルビアの首都ベオグラードとコソボの首都プリシュティナを訪れ、この点を探ってみた。
民族間の緊張状態が続くバルカン半島。ここに安定をもたらそうと立ち上げられたOSCEのコソボ・ミッション。だが、ベオグラードとプリシュティナの政治評論家やジャーナリストにOSCEの名前を出せば、その有用性や効果に懐疑的な反応が返ってくる可能性は高い。
一方、OSCEや各ＮＧＯの現地代表に、こうした批判を向けると当然ながら返ってくる答えは違う。
プリシュティナにある、どこかの事務所の廊下やディナーの席で、記者はOSCEのニックネームをいくつか耳にした。「欧州コーヒーサービス機構（Organizing for Serving Coffee in Europe/OSCE）」といった比較的罪のないものもあれば、もう少し不名誉なものもあった。
シンクタンクである欧州安定戦略（ESI）の上級アナリスト、ベザ・シャニーニ氏の意見ははっきりしている。
「なぜいまだにOSCEがコソボに６００人もの人間を配置する必要があるのか分からない。（昨年１１月に行われたコソボ初の地方選挙では主に北部のセルビア人地域で混乱が起こったが）、この選挙のために必要だったからという意見には反対だ。別の組織でも十分同じ支援が行えたはずだからだ」。シャニーニ氏は、若手専門家との非公式な討論会で、こう攻撃の火ぶたを切った。
シャニーニ氏によると、OSCEのコソボでの役割は非常に限定されている。選挙での支援を除いてはシンクタンク的なものに限られ、コソボの少数民族問題関連のさまざまな法律の実施状況の観察、政治プロセスへの助言などを行っているに過ぎない。
コソボを拠点に活動するシンクタンク「開発のための民主主義（Democracy for Development）」の設立者の一人、レオン・マラゾグ氏も、OSCEに対し批判的だ。彼は、前述の討論会での白熱する議論の最中、OSCEを「助けになっていない」、そして「９割は無益だ」と述べた。
OSCEの活動の中で最大規模のコソボ・ミッションに関し、「コソボ北部の選挙と法の支配に関するいくつかの有益な報告を除けば、OSCEはこれほど多くの人員をここに配置する理由を正当化できない」と付け加える。
さらに、昨年の投票の際に不正の疑いを暴いたNGOをOSCEは支持する代わりに、政治家の味方をしたと非難されたことにも触れた。
OSCEとスイス
５７カ国が加盟するOSCEは持ち回りの議長制をとり、今年はスイスが議長国を務める。２０１５年の議長国はセルビア。１９９６年以来、スイスがOSCEの議長国となるのは２度目になる。
議長はスイスのディディエ・ブルカルテール外相。任期中の優先課題の１つとして西バルカン地域の民族融和と協力が挙げられている。
OSCEは現在、１６の常駐フィールドオペレーションを行っている。コソボ・ミッションはその中でも最大規模で、２０１３年の人員数は６００人超、予算約２０００万ユーロ（約２７億６８００万円）だった。
スイスのペーター・ブルクハルト氏が代表を務めるOSCEのセルビア・ミッションは、上級職員によると、人員数１６６人、昨年度は通常予算７００万ユーロだった。インフォボックス終わり
認知度
地元のジャーナリストや欧米の特派員の間にもOSCEに対する懐疑的な声は多い。
バルカン調査報道ネットワーク（BIRN）のコソボ局長を務める有名なジャーナリスト、エタ・クサラ氏は、OSCEのミッションは「無能」だと切り捨てる。そして、今年スイスが議長を務めても状況は大きく改善しないだろうと考えている。
スイス国営放送（SRF）の南東欧特派員ヴァルター・ミュラー氏はそこまでは言わないが、この地域でのOSCEの活動の効率性と認知度には疑問を呈する。
「OSCEの代表が駐在していることで暴力の抑止になっている面はある。特にセルビア南部のプレシェヴォ渓谷ではそうだ。しかし、これだけの人員を配置してどうするつもりなのだろうかと時々思う」
OSCEは２０１３年に約２９００人のスタッフを雇用し、世界の１６カ所で展開するミッションとウィーン本部に配していた。予算は１億４４８０万ユーロ（約２００億３千万円）だった。
現場で
冷戦期に東西対話の場として設立されたこの世界最大の安全保障問題協力機関の使命は、人権擁護を推進し、法の支配と良い統治（グッドガバナンス）を含む民主主義社会の発展のための専門知識を提供することだ。そのため、コソボとセルビアの少数民族の保護はOSCE内の優先課題となっている。
スイスOSCE特別委員会の支援プロジェクトの中には、ブヤノヴァツという町の中学・高校で開かれる４カ月の講習がある。アルバニア語を話す生徒たちにセルビア語学習を促すことが目的だ。ここはセルビア南部で最も貧しい地域の一つで、語学力が十分でないと人種間の分離が強化されてしまうためだ。
また、同地域での異民族混合地域警察サービス開発も、OSCE自慢のプログラムだ。
地元の警察官とOSCE職員によると、セルビア人、アルバニア人、ロマから成る民族混合パトロールサービスにより、国からの信頼を勝ち得ることができたという。
セルビアのスロボダン・ミロシェビッチ元大統領への抵抗運動の中心人物だった有力政治活動家ソニア・リヒット氏は、NGOとOSCEの協力を称賛する。
「OSCEは小さな衝突において大きな役割を果たす。例えばセルビア政府に、警察の能力強化、人間の安全保障、ジェンダー問題に取り組む必要性を納得させた」
リヒット氏は、ロマの若者のためにOSCEが支援したあるプロジェクトを振り返り、こう言う。「このプロジェクトは若者に希望を与えた。しかし残念ながら、一般の人はあまり注目しなかった」
評判は良好
OSCEのベオグラード・ミッションの代表を務めるスイスのペーター・ブルクハルト氏は、OSCEがあまり知られていないという批判に対してはすぐさま反論する。
「バルカンでは、OSCEがどんな組織か説明する必要はないほどだ。評判は極めて良好だ」
また、セルビア南部とサンジャク地域では、OSCEが駐在していること自体が紛争解決に役立ったと話す。
司法制度改革、メディア分野の専門知識の提供、民主化プロセスの監視、腐敗との戦いなどを含むミッションの活動についてベオグラード事務所で行われた説明会で、OSCE側はブルクハルト氏と１０人の上級職員が出席し、その数はスイスのジャーナリストの人数を明らかに上回っていた。
メディア関連ミッションの代表ゴルナダ・ヤンコヴィッチ氏は、「良い法律の作成を外部に対して分かりやすく説明するのは難しいことだ」と話し、私たちは結局人目につかないところで活動しているのだと弁明し、OSCEの認知度が低い理由を説明した。
混乱？
OSCEのコソボ・ミッションで広報を担当するニコラ・ガオン氏は、裏方に徹するタイプではなさそうだ。雄弁で、所属組織への批判はもちろんのこと、どんな小さなことも見逃さない。
ジャーナリストの調査報道ネットワークのプリシュティナ事務所訪問の際も、政治評論家たちとの討論会の席でも、ガオン氏はいつ、どのように誤解を正せばよいかを心得ている。
時には援軍が来ることもある。例えば、バルカン政策研究グループのアナリスト、ナイム・ラシティ氏はこう発言した。「OSCEが対立するグループ間に対話を構築することを素晴らしいことだと思っている。国連にはこの点をもう期待できないからだ」
ところが、ラシティ氏が今後OSCEは監視役としてさらに強力な役割を担うと思うと発言すると、ガオン氏はそれに反対しOSCEの「組織的な開発」と非行政的態度の重要性を指摘した。
「OSCEは被害者で、加盟国間の意見の相違のせいで板挟みになっている。ロシアとセルビアはミッションの規模は縮小せず、任務も拡大する必要はないと主張している」とラシティ氏はさらに反論した。
（以上のような混乱極みない議論を聞くにつけ）バルカンにおけるOSCEの在り方が正しいのか否か意見を決めかねている人は、コソボでこんな非礼なニックネームも聞いたので安心してほしい。それは、OSCE、即ち「欧州混乱拡散機関（Organization for Spreading Confusion in Europe/ OSCE）」というものだった…。
OSCEとコソボ選挙
コソボでは６月８日に総選挙が行われる。
本来なら１１月の予定だったが、コソボの軍隊創設などさまざまな問題に関して議会がこう着状態にあり、その打開のために早められた。
OSCEは北部の自治体４カ所で選挙プロセスを支援し、地元の選挙委員会に助言し、投票所への技術支援、選挙資材の輸送を行う。
OSCEの広報担当官ニコラ・ガオン氏によると、６月８日には１２０人のスタッフが現場で活動する。
セルビアから分離し２００８年に独立を宣言したコソボは、民族間の緊張が高く貧困に悩まされている。選挙がこの国に安定をもたらすことが期待されている。
昨年１１月に行われたコソボ初の地方選挙では、主に北部のセルビア人地域で混乱が起きた。
OSCEは投票を監視するため選挙監視員を派遣。特に分断された町ミトロビツァなどで反対派が投票所を破壊するなど、多くの事件が発生した。インフォボックス終わり
（英語からの翻訳 西田英恵、編集 スイスインフォ）, swissinfo.ch