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コソボ独立1カ月後の3月17日、「これが新しいパスポート」と誇らしげに披露しながら、コソボ共和国のダデイ・ジャルジ社会・労働副相は、「アメリカ、イギリス、フランスなど30カ国がすでに承認し、毎日その数が増えている」と語った。
6月に予定されている、世界銀行などを含む経済資金ドナター会合もうまくいくだろうと楽観的だ。
ジャルジ副相の今回のスイス訪問は、スイス政府のコソボ独立承認と、スイスに居る20万人のコソボ難民受け入れに感謝の意を表すことにあった。さらに社会・労働省副相として、外務省開発協力局 ( DEZA/DDC ) を訪問し、ジュネーブでは国際労働機構( ILO ) の代表との会合などを行った。ジャルジ福相は今後フランスを訪問する予定という。
すべての市民のための国家
「公用語はセルビア語とアルバニア語。政府、議会内ではこの2つの言語が使用され、記録用にはこれに英語が加わる」
とジャルジ副相は2つの民族の共存と国際性を強調した。
「宗教、人権においても、ヨーロッパの水準を採用し、少数民族を尊重する新国家を築きたい」
と述べ、数カ月後に制定される新憲法でも、「すべての市民のための国家」と謳( うた ) われるという。
現実的にも、
「首都プリシュティナ ( Pristina ) では、現在セルビア人とアルバニア人がうまく共存して住み、何の問題も無い。問題なのはセルビア共和国の政治姿勢だけだ。しかしセルビアも総選挙後には独立を承認すると期待している」
と語った。
コソボ北部ミトロビツァ ( Mitrovica ) のセルビア人居住区での抗議活動に関しては、
「一部の過激派が活動していることは承知している。今後とも対処していかざるを得ない」
と端的にコメントした。
スイスのコソボ難民
経済政策に関する質問では、
「全てが破壊され、水や鉱山など第1資源もセルビア政府の支配下にあり、セルビア政府が独立を承認しない限り難しい問題が残る。しかし、まず手をつけるのはエネルギー分野と農業分野だ」
と答えた。
今年の6月には世界銀行などを含む経済資金ドナターの会合が行われ、次いで外国からの投資による開発コーポレーションプロジェクトがスタートする。外国からの企業投資、外国企業の誘致、外国に開かれた市場、継続的発展などを柱に国の経済・産業発展を構想しているという。
失業者問題の解決や、スイスには20万人もいる、コソボ難民の帰還は、こうした計画が軌道に乗ってからの数年後になる。
「スイスにいる20万人のコソボ難民は、政治的理由での難民が多い。彼らは多少蓄えもあり、国が経済復興を成し遂げれば、ただちに戻ってくると思う。ただ今は過渡期で、コソバには働き口は無くスイスに残っているほうがよい」
とジャルジ社会・労働副相は説明した。
swissinfo、里信邦子 ( さとのぶ くにこ )
コソボ共和国
2008年2月17日にセルビア共和国からの独立を宣言した。
人口約200万人。9割がアルバニア人。
現在、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スイス、日本など30カ国が独立を承認している。国内に同様な独立国が誕生する可能性があるロシアや、中国などは承認しない姿勢をみせている。