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大雪後の冷え込みで雪が凍りつき、スイス各地で歩行者の転倒事故が相次ぎ、緊急の除雪が望まれている。ところが冬の高級リゾート地ツェルマットでは反対に通りの雪を取り除かないでくれと言う。
ツェルマットでは今年初めて通りから雪を取り除くことにした。ツーリストが通りで転倒する事故が近年増えたせいだ。ところが取り除くやいなや、ツェルマットらしさがなくなるといった反対の声が高まっている。
白い雪の理想郷
「近年温暖化のせいで天候が変わりやすく、積もった雪が溶け始めた後に急に冷え込んで凍りつき、通りはスケート場のようになった。そのためスリップ事故によるけが人が増加し、昨年の夏ついに除雪を決定した」
とツェルマット ( Zermatt ) 観光局長、ダニエル・ルゲン氏は説明する。
だが、この初めての試みは思ってもみない多くの反対の声に出会った。
「なんと残念なことでしょう。大好きな、白い雪で覆われたロマンチックな理想郷ツェルマットの通りから雪がなくなるとは」
といったメールが今シーズンに入って、町のホームページに送られた。さらに、ぬかるみでどろどろになった通りに対する批判も多く寄せられ、雪を溶かすための塩で犬が足を痛める話までこれに加わった。
「確かに除雪は理想的な状況ではない。しかし少なくともスリップによるけが人は少なくなったし、車が入れないこの町に人や荷物を運ぶ電気自動車は、雪のでこぼこ道で苦労しなくてよくなった」
と地元のホテル協会長ピエール・アンドレ・パナティエール氏は言う。
しかし、多くの5つ星ホテルでは、ツーリストが汚れた靴で歩く高級カーペットをどうしたらいいのかと頭を悩ます。
「水を通りに流して掃除したいところだが、すぐ水が氷つきスケート場になってしまうだろう。非常に複雑な問題だ」
とパナティエール氏は付け加えた。
ゲレンデの管理と同じに
「確かに除雪を決定した時、住民やツーリストがどう感じるかをほとんど考慮していなかった」
と観光局長のルゲン氏は語り、今はツェルマットらしさがなくなるというツーリストたちの反応に100％賛成する。さらに、
「今年の冬は特別寒く、雪を溶かすための塩が雪に混じって凍ると、細かな汚れた砂のような状態になって、それが足について汚い上に危険だ。こうしたことも考慮していなかった」
と反省する。
ツェルマットは、リゾート用の通りに雪を残すことにしたグリンデルヴァルトや、景観のために除雪しないダボスの例に従うことになりそうだ。今回の試みはよい教訓になったと言うルゲン氏は、今ある通りの汚れを取り除く大型の電気ブラシを注文したところだ。通りは清掃され、次の降雪を待つことになるだろうという。
そして、
「通りの管理は、まるでスキーのゲレンデを管理する仕事のようになってきた。毎日天候を見ては今日はどうするか対策を立てなくてはならなくなったからだ」
と結論した。
swissinfo、サイモン・ブラッドリー 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳
スイスの大雪問題
大雪後の冷え込みで雪が凍りつき、スイス各地で歩行者の転倒事故が相次ぎ、特にフランス語圏では緊急の除雪が望まれている。
ヌーシャテル市では、細かい木片をまいて雪の凍結を防いだが、うまくいかず砂利をまくことになった。
チューリヒ市では、いまだに通りは凍りつき危険な状況が続いている。一方、ジュネーブ市、ローザンヌ市、バーゼル市、デレモン市、ルツェルン市などは、状況は比較的回復している。
しかし大雪は、町や村だけの問題ではない。ヌーシャテル州、ヴォー州では、標高600～1000メートルのジュラ山脈の森の中を歩くことは控えたほうがよいと警告している。木々に積もった雪や氷が落ちてくる危険性が高いためだ。