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ロシア正教会では１月の「公現祭」の祭日に、氷点下の中、川や湖に飛び込む伝統行事のあることがスイスでもよく知られている。だが、冬に冷たい水に飛び込むのは、ロシア人だけではない。スイスでも毎年１２～３月にかけて寒中水泳を楽しむ人たちがいる。寒中水泳に魅了された人たちを取材した。
「私はシベリアのチタ生まれ。冬には零下５０度になるところだ。極寒の感覚は、子ども時代の思い出の一部」と語るのはアヌーシュカ・レイクムさん（３７）。
寒冷療法
寒冷療法は、低温を局部的または全身に適用してさまざまな疾患を治療する療法。極端な低温（零下１９５度）を用いて良性や悪性の病変部を壊死させる、凍結療法とは異なる。
寒冷効果により血液中のエンドルフィン（脳内で生成される神経伝達物質。鎮痛作用がある）が飽和状態になり、炎症を抑える効果をもたらす。そのほかの効用には、血液循環の改善、コラーゲン生成や皮膚の弾力性の促進、免疫システムの活性化などがある。インフォボックス終わり
ロシア出身のレイクムさんはスイスに住んで１４年になる。ベルンに来て間もないころ、ドイツ語教室の帰りにアーレ川のほとりを通りかかった。ベンチに座っていた人に「ここで泳げますか？」と尋ねると、「泳げるけど夏だけだよ」と返された。「だけど次にそこへ行ったときには、水着を着て川に飛び込んだ。まだまだ夏とは言えない日だったので、頭がおかしいんじゃないかという目で見る人や、やめるように言う人もいた」
「極端な冷たさ」が好きになったのは、ベルンに来てからではない。１７歳のとき肺炎にかかり、治療が思うように進まなかった。「体が抗生物質を受け付けず、病状が悪化するばかりだった」。そこで医者から提案されたのが寒冷療法だった。「それは靴と手袋、ニットキャップを身に着けて、数秒間ずつ零下５０度、７０度、９０度の冷凍室に入るという、単純な治療法だった」
今ではレイクムさんは、週に３～４回アーレ川で泳いでいる。川をよく知っているし、自分の体には自信があるので、万が一の場合に備えた同行者は必要ない。医者からは、水に入る時間は水温と同じ数の時間（分）にするように言われている。「当初はそれを知らなくて、水温５度の川で１２～１５分も泳いでいた」。レイクムさんにとって寒中水泳は、スポーツでも趣味でもない。「私にとっては健康に必要不可欠なもの。体を休めてリラックスできる最適な方法だ」
仲間と泳ぐ
スイスには、国内の寒中水泳愛好家を統括するクラブや協会は存在しない。レイクムさんが所属するベルンの「グフローリ（Gfrörli）」のように、地元の愛好家が集まった小さなクラブが点在するだけだ。「クラブのメンバーは、３年前にアーレ川のほとりで出会った人たち。当初は毎週金曜日に集まっていただけだが、今ではそれが週に２回になった」。泳いでいる間、レイクムさんの娘をクラブの誰かが預かってくれることもあるという。
スイスではクリスマスから新年にかけて、いくつかの寒中水泳イベントが開かれる。ジュネーブでは１９３４年から、チューリヒでは２０００年からクリスマスの寒中水泳大会が行われており、このようなイベントは市や州の後援を受けていることが多い。
だが、個人の情熱と努力の結果、開催されるイベントもある。トーマス・イェナチュさんは２０１４年と１５年に新年の水泳大会を企画した。「１４年の参加者は８人だったが、１５年は２３人に増えた」
寒中水泳のルール
体は水温が４～１５度の水を「冷たい」と感じる。表面に氷が張った川や湖の水温は０～４度。
寒中水泳の注意点
・水に入る前に準備運動をする
・初めての場合は、１分以上水中に留まらない。水の中では体をこわばらせない
・水からあがった後は、暖かい服を着る
・病気の人や飲酒した人は泳いではならないインフォボックス終わり
「国際寒中水泳連盟（International Ice Swimming Association）他のサイトへ」の存在を知ったイェナチュさんは、「連盟の規則では、経験を積んだ泳ぎ手は水温５度で１キロメートルを泳げないといけないらしい。私はそれを指標にし、昨年にそれをヴォーレン湖で達成した」と言う。
焦らずにゆっくりと
寒中水泳は何歳で始めてもいい。イェナチュさんは、３年前に４８歳で挑戦した。重要なのは、秋ごろから始めて体を徐々に冷水に慣らすことだという。
確かに寒中水泳が話題になることは多い。だが、私たちが耳にする情報、例えば寒中水泳をする人はほとんど病気にならないというのは本当だろうか？レイクムさんの場合は、一度も風邪をひかなくなったという。「だが寒中水泳が与える心理的な影響を評価するのは難しい。私は水からあがるとき、疲れが取れた感じがするし、力がみなぎった感じもする」
イェナチュさんもまた、冷水の効用を確信している。「定期的に寒中水泳をするようになってから、風邪にもインフルエンザにもかかったことがない。普段の体調も良くなった。山を持ち上げられるのではないかと思うくらい、自分が健康だと感じている」
だが一方で、冷水につかることが万人にとって良いわけではない。心疾患や神経系の慢性疾患がある人は冷水を避けなければならない。また健康な人であっても、事前に健康診断を受けることが望ましい。そのほかには、「心理的に準備ができていることや、正しい呼吸法、自分の体の感覚に集中することも重要だ。つまり、水温はそれほど重要ではないということだ」とイェナチュさんは言う。「水の中に入ったら、ゆっくりと深く呼吸することが大切だ。焦ったり、急いだりしてはいけない」
レイクムさんも、正しく呼吸することの必要性を強調する。「自分に自信を持ち、体の感覚に耳をすませ、リラックスすること。それがとても重要。そうすれば楽しみながら泳ぐことができる。体をガタガタ震わせたり、歯をガチガチ言わせたりするのはだめ」。では、アーレ川の水温が２０度を超える夏にはどうしているのだろう？レイクムさんは、「そのときは浴槽に冷水を張って、横になる」と笑って答えた。
（仏語からの翻訳・編集 由比かおり）, swissinfo.ch