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スイスの各紙は、経済におけるスイス最大手UBS銀行の重要さを考えると同銀行に対する連邦支援は必須だったと報道した。このコンテンツは 2008/10/17 10:20
だが、銀行の失敗の肩代わりをするのは納税者だという批判も多く見られた。
利益の私有化と損失の社会化
例えばベルンの日刊紙「ベルナー・ツァイトゥング ( Berner Zeitung ) 」の社説は次のようなものだ。
「莫大な損失を出した金融アクロバットの破片の山は、これから納税者が片付けなければならなくなった。銀行は『仕方が無いじゃないか』と言わんばかりにリスクを国民資産に転嫁する」
ヌーシャテルの「レクスプレス ( L’Express ) 」紙と「ランパルシアル ( L’Impartial ) 」紙は、2万5000人の社員と7万社の中小企業への貸し付け、そして預金全体の2割の命運がUBSにかかっていると書く。
「この巨大な銀行が崩壊したら、控えめに見ても劇的な結末が待ち受けている」
そのためチューリヒの日刊紙「ターゲス・アンツァイガー ( Tages Anzeiger ) 」は、この救済策に680億フラン ( 約6兆600億円 ) という巨額の投資が行われるにもかかわらず、「費用対効果の関係は釣り合っている」と結論付けている。
しかし、ジュネーブの日刊紙「トリビューン・ド・ジュネーブ ( Tribune de Genève ) 」は、UBSがこの救済策によって強固になるのと引き換えに、国立銀行 ( スイス中銀/SNB ) を通じて何十億フランというリスクが国民に引き継がれたことに不満を示す。
「国民はまたもや、年間2400万フラン ( 約21億円 ) もの給与を懐に入れているマネージャーの度を越した過ちの後始末をしなければならなくなったのだ。連邦政府が選択したモデルは利益の私有化と損失の社会化の完璧な例といえよう」
景気計画を要求
「中小企業もこんなふうに商売したいところだろう。すべてを1枚のカードに賭け、失敗したらベルン政府へ急げばいいのだから」
と非難するのは大衆紙の「ブリック ( Blick ) 」だ。尻拭いは全員でするべきであり、
「国民は財布のひもをもっときつく締めなければならなくなった。昇給はまた遠のいたし、職ももう安全というわけではなくなった」
と連邦政府に景気計画の構築を求める。
一方、スイス南東地域の「ジュートオストシュヴァイツ ( Südostschweiz ) 」紙は国民の怒りをなだめる。
「大企業を援助し、その他大勢が放っておかれることに腹が立つ人は、このような状況で大企業を放っておいたらその他大勢もつぶされてしまうと考えるべきだ。国家は、国民経済全体に起こったこの言語に絶する失墜を止めるべく責任を自覚したのだ」
しかし、この対策で十分なのかと疑問視する社説もある。たとえば「NZZオンライン ( NZZ Online ) 」は「これで救えるか」という見出しを打った。「国際金融市場にスイス政府の意図がつぶされることも考えられる」し、日刊紙NZZが書くように「信用が無くなった今、どんなに大きな野望を抱いた計画を立てても効果なく終わる」かもしれない。
「UBSは総会でも、株主、社員、マスコミ、そして世間を丸め込んだ。連邦政府もまた、スイスはいわば富者の孤島だと思わせようとした」
とNZZは続ける。
これからは銀行の給与などに対する明らかなルールが必要だと説く新聞は複数ある。ターゲス・アンツァイガーは、業績に対する公正という面で見ると「給与には異様な歪みが生じている」と書く。
ベルナー・ツァイトゥングは
「国家は再び安定を取り戻すために大銀行の弱点を活用するべきだ」
と要求し、
「国が明らかな限度を設け、各社に十分な保証と透明性を呈示するよう求めるべきだ」
と具体化する。
またNZZは
「求められているのは、幅広い前線で再規制を行うというような過剰反応ではない。政治家が今必要としているのは、この過ちが繰り返されることを改革によって防ぐための冷静な頭だ」
と警告している。
swissinfo、外電