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5月8日、スイス全土の多くの州で州レベルの投票が行なわれた。チューリヒ州やバーゼル・シュタット準州は、幼稚園児に対する言語としてスイス方言の保護に方向転換する。このコンテンツは 2011/05/16 11:34
チューリヒ州ではまた、自殺ほう助の廃止や規制を求めるイニシアチブが却下された。
方言で言語体得の下地を
ここ数年間、スイスでは語学能力を底上げするために、標準ドイツ語を幼稚園から導入しようとする動きが目立っていたが、バーゼル・シュタットとチューリヒの両州の投票結果はこれに歯止めをかける形となった。
幼稚園児の54%近くを外国人が占めるバーゼル・シュタット州では、方言の保護を求めるイニシアチブに対し州政府が対案を提出。今回の投票で両方の案件が可決されたが、最終的に政府の対案が採用されることになった。これにより、幼稚園では標準ドイツ語と地元の方言を同等に学ぶ趣旨が条文化されることになった。
同州では、経済協力開発機構 ( OECD ) による国際学習到達度調査 ( PISA ) の結果が思わしくなかったことから、2009年以降少なくとも幼稚園の授業の半分が標準ドイツ語で行なわれるようになっていた。イニシアチブは方言のみの使用を訴えていた。
一方、チューリヒ州の幼稚園では今後、スイスの方言のみで会話が行なわれる。州レベルのイニシアチブ「幼稚園では方言を」に対する賛成票は53.9%だった。イニシアチブの目的の一つは、外国語を話す子どもたちの融和だ。また、4歳から6歳までの子どもが言語をきちんと体得するためにも、幼稚園では母語である方言を使うことが望ましいと主張。文化の一部である方言の保護のために働きかけた。
自殺ほう助に新たな規制なし
チューリヒ州ではまた、自殺ほう助を規制する二つのイニシアチブに対する投票も行なわれた。連邦レベルでの全面禁止を求める「自殺ほう助をストップ」は、賛成した有権者がわずか15.52%と大敗した。
スイス民主同盟 ( EDU/UDF ) が立ち上げたもう一つのイニシアチブ「チューリヒ州の自殺ツーリズム反対」も賛成票は21.59%にしかならなかった。同イニシアチブでは自殺ほう助を受けるための条件として、チューリヒ州に最低1年間住むことを義務付けようとした。
みなし課税論議
外国から富裕層を呼び込むために利用されるみなし課税は、スイスのほぼ全州で採用されている。トゥールガウ州では左派の呼びかけでこの廃止を求めるイニシアチブが成立し、先週末の投票に至った。しかし、27.4%という低い投票率の中、同イニシアチブは約2500票の僅差で却下され、州政府の対案が可決された。
これにより、みなし課税の廃止には至らなかったものの、同州に住む外国人富裕層に対する年間課税額は現行の1人当たり平均6万7000フラン ( 約608万円 ) 近くから最低15万フラン ( 約1362万円 ) と倍以上に引き上げられることになった。移行期間は3年間。チューリヒ州では2009年、みなし課税は州民投票によって廃止された。