Document ID: /fineweb-2-swissfilter-quality_10-filterrobots/filtered/00666.jsonl.gz/31

消えゆくスイスの氷河、2022年は「壊滅的」
スイスの氷河の体積は今年6％以上消失し、過去最大の融解を記録した。一方で、いくつかのメリットもあったという。
- Deutsch 2022 war ein "katastrophales" Jahr für die Schweizer Gletscher
- Español 2022 fue un año "catastrófico" para los glaciares suizos
- 中文 2022：瑞士冰川的“灾难年”
- Français 2022 a été une année «catastrophique» pour les glaciers suisses
- عربي تقلّص الأنهار الجليدية السويسرية: عام 2022 كان "كارثيًا"
- English For Swiss glaciers, 2022 was a ‘disastrous’ year
- Italiano Il 2022 è stato un anno "catastrofico" per i ghiacciai svizzeri (原文)
連邦工科大学チューリヒ校（ETHZ）の氷河学者ダニエル・ファリノッティ氏は、「2022年は、スイスの氷河にとって最悪の年として歴史に刻まれるだろう」とswissinfo.chに語る。
測定を行ったのはスイスの氷河モニタリングネットワーク（GLAMOS）だ。運営委員会のメンバーを務める同氏は、「これほどの損失は過去になかった」と強調する。
今年、氷河はおよそ3立方キロメートルの氷を失った。スイス自然科学アカデミー（SCNAT）が先月28日に発表した声明他のサイトへによると、これは全体積の6％以上に相当する。
氷河の体積が2％減少した年は、これまで「極めて酷い」年と定義されていた。だが今年の融解率は過去最悪だった03年をはるかに超え、SCNATは22年を「壊滅的」に分類した。
エンガディン地方とヴァリス州南部では、この夏、標高3000メートルの地点で厚さ4〜6メートルの氷層が消滅した。過去数十年の平均は約1メートルだった。
特に小規模の氷河の損失が大きい。ザンクトガレン州のピゾル氷河、グラウビュンデン州コルヴァッチのヴァドレット氷河、ウーリ州のシュヴァルツバッハフィルンは「事実上、消滅した」とSCNATはGLAMOSの測定結果を基に記している。
氷河の質量変化は、2回の測定から算出する。1回目は4月に行われ、どれだけの雪が氷を覆っているか（積雪）を調査。2回目は、熱の影響による氷河の融解や蒸発（アブレーション）を測定するため、9月に計測する。
少ない積雪、サハラ砂漠の砂塵、猛暑
今年、氷河が大きく後退した理由は主に3つ。まず、冬から春にかけての積雪が少なかったこと。2つ目は、3月～5月に飛散したサハラ砂漠の砂が氷や雪に沈着し、反射率（アルベド）を低下させたこと。3つ目は、夏の異例の猛暑で、標高がかなり高い場所でも気温が記録的に上昇したことだ。
1864年の観測開始以来、2022年の夏はスイスで2番目に暑い夏となった。7月25日には気温ゼロ度の等温線が標高5184メートルまで上昇。メテオスイス（スイス気象庁）によると、これまでの最高値は1995年7月20日に測定された5117メートルだった。
GLMAOSのディレクターを務めるETHの氷河学者マティアス・フース氏は、ドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツアィガーに対し、氷河は今年6月、わずか1週間で3億トン以上の雪と氷を失ったと述べた。これは「5秒に1回、オリンピックで使われるプールを満杯にできる」量だという。
ヴォー州とヴァレー州の間に位置する標高2800mのツァンフルロン峠では、猛暑と地球温暖化の影響が特に顕著だ。細い帯でつながれていた2つの氷舌が解けて離れ、数千年以来、初めて岩肌が出現した。
雪解け水は「恵みの雨」
氷河の後退により景観が変化し、アルプスの一部の斜面は不安定になっている。しかし氷河の融解にはプラス面もある。
例えば、今年少なかった降水量を雪解け水が補い、水力発電に使われる貯水池の一部を満たした。水力発電所はスイスの発電量の6割以上を占める重要なエネルギー源だ。
ベルン大学の水文学教授ベッティーナ・シェーフリ氏はswissinfo.chの取材に対し、「昨冬は雪が少なく、雪解け水が不足していた。だがこの夏、貯水池の集水域にある氷河が大量の水を供給した」と述べた。
今年起こった変化は、乾燥・温暖な年の水収支やエネルギー供給にとって氷河がいかに重要かを示している、とSCNATは指摘する。7月と8月の氷解量だけで、スイスアルプスの全ての貯水池をゼロから満たせるほどの水を供給できたという。
エネルギー不足が懸念されるこの冬、スイスの水力発電所にとって雪解け水はまさに「恵みの雨だ」（フース氏）。
ドイツ語からの翻訳：シュミット一恵
※文中の30億トンは誤りです。2022 年 11 月 14 日に数値を3億トンに修正しました。
JTI基準に準拠
現在この記事にコメントを残すことはできませんが、swissinfo.ch記者との議論の場はこちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、<email-pii> までご連絡ください。