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スイス人の大半が、このままでは破綻すると見込まれる老齢年金基金を救うため、退職年齢を引き上げたり、支払い金額を増額することに反対しているだけではなく、受給額が減ることも受け入れられないという。
こうした結果を発表したのは、スイスの政治問題を扱う中立機関「スイスの理性 ( Vernunft Schweiz ) 」の調査部門。昨年10月中旬から12月初旬まで行った定期調査で、今回は2万600人のインターネットユーザーが答えた。
スイスの理性の調査部門「スイスの展望 ( Perspektive Schweiz/ Perspective Suisse ) 」が、インターネットを通してスイス国民の意識調査したのは今回で3回目。後援者にはドリス・ロイタルド経済相や国会議員の名前が連なる。今回は年金問題、環境、企業のモラルが中心テーマだった。
自己犠牲は避けたい
スイスも他の先進国同様、国民の老齢化に伴い、老齢年金 ( AHV/AVS ) 破綻の問題を抱える。解決法としていくつかの提案があるが、今回の調査で85%もの人が受け入れられないと答えたのが年金受給額の削減だった。増税案や退職年齢を現在の65歳から67歳に引き上げる案にも3分の２が否定回答だった。
スイスの税制は州ごとに異なる。年間所得30万フラン ( 約2900万円 ) 以上の納税者を優遇するため、州間では「競争」があるが、高所得者に対しては税制度を全国的に統一する案が支持されていることも分かった。また、過半数が、健康で医療機関への依存が少ない人は健康保険の掛け金を2割安くするという、「自己責任的」案に賛成だったという。
スイス人は環境問題には敏感で、アンケートに答えた人の過半数が再生可能なエネルギーを利用することを支持するものの、原子力発電からの完全撤退は47%の支持にとどまった。原子力発電を全面停止すると、エネルギーを外国に依存しなければならなくなると、議会でも最近になって取り上げられたテーマだ。
企業のモラルが問われる
民間企業の社会への責任も問われている。72%が20人の従業員につき1人は職業教育を受ける若者を雇うべきであると答えた。また、3分の2の回答者が、従業員500人以上の企業は、託児施設を備えるべきであるとも答えた。
禁煙の傾向は強まり、駅構内、職場、公共教育施設、飲食店での禁煙が支持されたほか、タバコの価格引き上げも3分の2の回答者の支持を得た。一方、麻薬については否定的で、大麻消費の合法化は36%の支持にとどまった。
スイスの展望によると調査結果には3%程度の誤差があるというが、インターネットを通して行われるため、回答者が無作為に選択されるわけではなく、年齢や性別、社会的地位などの偏りが否めないため、結果の信頼度を疑う声もある。
swissinfo、外電 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )