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スイス最大の銀行UBSの状況はまだ厳しい。4月15日に開かれた年次株主総会前の発表では、2009年第1四半期の業績は20億フラン ( 約1700億円 ) 近くの赤字となる見込みだ。
これにより自己資本比率はおよそ10%となり、UBSは2010年までに35億から40億フラン ( 約3000億から3400億円 ) を節減する計画だ。
8700人の人員削減
また、UBSはこれに加えて合計8700人の人員削減に踏み切る。UBS広報担当のクリストフ・マイヤー氏によると、削減はスイス国内でも行われ、2500人がその対象になるという。採用抑制などによる自然減のほか、1200人から1500人の解雇も免れないようだ。
マイヤー氏は、
「まず一般経費を節約し、予算をカットした。加えて、ディレクタークラスに対する賃金付帯費用が金融業界の平均を上回る場合はそれをカットした」
と強調する。
新たに最高経営責任者 ( CEO ) に就任したオズヴァルト・グリューベル氏はコミュニケの中で
「UBSの業績にはまだ不満足。危機はまだ克服していない」
と述べた。今期、ウェルスマネジメント&スイスバンキング部門では、実質およそ230億フラン ( 約2兆円 ) が流出している。
アメリカで脱税を自認
一方アメリカでは、UBSの脱税捜査で顧客の1人が初めて脱税を認めた。米実業家のロバート・モラン氏は4月15日、マイアミの法廷で、アメリカ政府の目を逃れてUBSの口座に300万ドル ( 約2億9000万円 ) を預けていたことを認めた。当局の発表によると、モラン氏は嘘の納税申告を行っていたという。
UBSは今年2月、アメリカの顧客に対する脱税ほう助を認めた。罰金7億8000万ドル ( 約767億円 ) を受け入れた上、アメリカの捜査当局に対してアメリカの顧客の情報を一気に開示するという、これまでの伝統だった銀行守秘義務を破る一歩だった。
15日にチューリヒで開かれたUBSの年次株主総会では、ペーター・クーラー氏に代わって元連邦大臣のカスパー・フィリガー氏が取締役会長に選出された。クーラー氏は昨年2008年の年次総会で取締役会長に推薦され、UBSの建て直しを試みたが、結局1年で退陣することとなった。フィリガー氏は金融業界での経験はないものの、連邦大臣時代には財務省を取り仕切り、政策的な手腕と新風を持ち込むだろうという意見もある。
swissinfo、外電