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体中に小さな鏡が縫い付けられている人形、女性の頭をした蛇など、その表現の多様さと異様さに圧倒される展覧会「ブードゥー（ Voudou ）、生きるための知恵展 」が開催されている。このコンテンツは 2008/01/23 15:25
ハイチの民間信仰ブードゥーに使われるオブジェを「ジュネーブ民族学史博物館 ( MEG ) 」は、独特な方法で展示している。訪問客はブードゥーの意味を問いかけかながら自分の人生観なども問いかけることになりそうだ。
同展に展示されている300点のオブジェは、1957年からハイチに住むスイス人女性マリアンヌ・レーマン氏の3000点に及ぶコレクッションの中から選ばれた。この世界初の大ブードゥー展を企画した、館長ジャック・ハイナール氏とフィリップ・マテ氏は、展示を導くテーマに19世紀のフランスの詩人ボードレールの詩「香水瓶」を選んだ。実はボードレールはブードゥーの「魔術」に通じていたといわれ、この詩の中で「香水の香りは閉じ込めている瓶をも通り抜けて外に漏れ出る」と謳( うた ) う。この香水の「精」こそ、ブードゥーの神性に似て、何重もの鎖や紐で閉じ込めても、壷から外ににじみ出てくる大いなる力なのだ。( ギャラリーも合わせてご覧ください )
バナナが売れない
ブードゥーは西アフリカから連れて来られた奴隷たちがもともと持っていた信仰と奴隷解放運動が結びついた民間信仰といわれる。アフリカの21の異なる民族に古くから伝わっていた、薬草や川や森などの神 ( 日本の八百万の神に近いもの ) が土着のインディアンの信仰やキリスト教とも結びつき合計401の神が、ハイチの人々の日常に関わっている。
「例えばバナナが売れなくて困っている人は、地域の力がありそうな司祭のところに出かけるのです。司祭はあくまで、商売を助ける神を呼び出す仲介者です」とマテ氏。
ハイチの人々は、今でも日常茶飯に、健康問題、愛情問題など、人生のあらゆることを司祭に伺いに行く。第4展示室に飾られた、司祭が司る祭壇には、コカコーラ、酒、人形、真珠の首飾り、絵葉書と、ありとあらゆる50点近いモノが雑然と並べられている。「雑然」と思うのはわれわれの感覚で、すべてのモノは、呼び出したい神の好みに従って置かれているという。
第3展示室のキラキラと色とりどりに輝くビーズで刺繍された多くの旗も、実は神を呼び出す手段。さまざまな神の姿を描きだす旗はきれいであればあるほど、神が喜んで降りてくるという。
以上は日常的に行われる「昼間のブードゥー」と呼ばれるもの。日々の困りごとの相談所に行くような明るさが漂う。これに対し「夜のブードゥー」と呼ばれるものは、民間裁判所のような役割を持つもので、集団の中の違反者や犯罪者などをやはり神の力を借りて罰するものだという。
ゾンビは薬草専門家のしわざ
今回1番異様な展示室は、第6展示室の「ビザンゴ ( Bisango ) 」という秘密結社が行っていた儀式用の人形たちの「群れ」だ。ビザンゴは抑圧された奴隷たちが集まって作った、解放運動が基になっているという。
映画で有名な、生きている死者「ゾンビ」に人を変えるようなことも行っていたという。
しかし、「ゾンビは生きながら魂を奪われた奴隷状態そのものだったのです」とマテ氏。
神やゾンビの存在を信じるかとの質問に、
「西欧合理主義の観点からは、ゾンビは薬草の毒性に精通している人が、ある量を他人に投与して仮死状態にする技術です」
と、多くの神がかり的現象には合理的説明が可能だという。
しかし、ブードゥーは民族学者としても「理解したと思ったらその途端、するりと手から抜け出るような」把握しにくい信仰。展覧会の観客も自分の感性で、その人のブードゥー体験を行い、ブードゥーを鏡のように使って自分の人生、宗教などを考えてもらえたらという。最後の展示室にはそのためか、ブードゥーの巨大な鏡が展示してある。
swissinfo、里信邦子 ( さとのぶ くにこ )
「ブードゥー、生きるための知恵展」
ジュネーブ民族学誌博物館 ( Musee d ‘Ethonographie de Geneve・MEG ) の 「ブードゥー、生きるための知恵展」は2008年8月31日まで。
住所、65 Bd Carl-Vogt, CH – 1211, Geneva
Tel、41 22 418 45 50
交通、1番のバスでEcole de Médecin 下車
映画、1月23～26日、ブードゥー関係の映画上映
マリアンヌ・レーマン氏のブードゥー・コレクション300点は、ジュネーブで展示された後4年かけてオランダ、ドイツ、スゥーデンを回り、ハイチに戻る。その後、3000点に及ぶ全コレクションを収納する博物館の設立が計画されている。
ブードゥーは非常に現実的かつ柔軟性のある信仰で、儀式用のオブジェにバービー人形や日用品を使ったりするところがある。そのお陰で生き延びてきたのだが、反対に収集しなければ失われる側面も持つ。
レーマン氏のコレクションはこの意味でも貴重で、彼女が収集しなければ無くなっていたものが多いという。また量においても世界で随一であるという。
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