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近い将来、スイスの空港に降り立った乗客は、到着ゲートをくぐる前に豊富な商品をそろえた免税店を楽しむことができるかもしれない。このコンテンツは 2006/09/26 15:25
政府は以前に、この「到着免税店」の法案を否決している。たった2年前の話だ。しかし、空港関係者などの熱烈なロビー活動が実って、またこの法案が取りあげられ、9月末にも結果が出る予定だ。
普通、免税店というものは出国手続きを済ませた乗客が、免税で買い物できるというものだ。しかし商売になるとなれば、到着した乗客にも買い物を楽しんでもらって何が悪い？という考えが出てきてもおかしくない。1度くらいの否決ではめげないのだ。
救いの神
「到着免税店」のアイデアはアエロスイスという団体が政治家に働きかけて法案提出につながった。アエロスイスは航空産業の傘下機関だが、スイス国際空港協会 ( SIAA ) にとっても救いの神のようだ。SIAAによると、年を追うごとに手荷物の制限は厳しくなっており、お土産を買って飛行機に乗ることが昔よりずっと難しくなっている。空港にとっては、大きな損失だ。
「到着免税店設立の目的は、収入と雇用の増加です。空港の収入が増えれば、厳重なセキュリティのコストをカバーするための空港税の値上げも、棚上げにできるかもしれません」とアエロスイスの会長、パウル・クールス氏は語る。
今回法案を提出した右派スイス国民党のハンス・カウフマン議員によると、到着免税店が実現すれば、チューリヒ、ジュネーブ、バーゼル、ベルン、ルガーノ、ザンクトガレンの空港で、全部で最高80人の雇用が生まれる。そして毎年2000万〜2300万フラン ( 約19億円〜22億円 ) の増収につながるというのだ。
手荷物の規制はますます厳しく
クールス氏は、8月に起きたロンドン・ヒースロー空港のテロ未遂事件を引き合いに出し、「この騒動のおかげで、一時的に全ての液体やジェルを手荷物で持ち込むことが不可能になりました」と語った。機内に液体爆弾を持ち込もうとした容疑者が逮捕された事件だ。
クールス氏によると、欧州連合 ( EU ) は今後の手荷物規制についてまだ明確なルールを作っていないが、液体やジェルの持ち込みに規制がかかる可能性は高い。
国際民間航空機関 ( ICAO ) は、機内持ち込み禁止の新しいリストを11月末までに作成すると発表している。爆弾の製造につながる恐れがあるため、液体やジェル、スプレーなどに使われるエアゾールなどが対象になるという。
また、アエロスイスは「離陸する前の乗客ではなく、地に降り立った後の乗客が免税店で物を買うのは、環境にも良い影響を与えます」と述べている。アエロスイスの推計によると、シャンペン1本の重さにつき1年で100リットルの灯油を使う。
「これは大変無駄な、エネルギーの浪費ですよ。環境問題に与える影響も、しっかり考えなくてはいけません」とクールス氏は語る。
ノルウェーでは大成功
前出のカウフマン議員は、「ノルウェーのオスロ空港は、2005年に到着免税店を導入しましたが、非常に成功を収めています」と語る。同議員によると、到着免税店のサービスはすでに19カ所の空港で実施されており、このうち11カ所は欧州にある。
SIAAは、到着免税店を支持するキャンペーンを張って、法律改正が今度こそ議会を通るよう、働きかけている。「私たちの最終目的は、乗客の皆様に快適に旅行していただくことです。到着の際に免税店に行くことができれば、面倒な荷物を持って飛行機に乗らなくてもよくなります」と語るのは、ジュネーブ空港の広報、フィリップ・ロイ氏だ。「しかも、空港にとっても更なる収入や雇用の創出につながりますし」
ロイ氏はノルウェーの成功例を見て、政府も考えを変えるのではないかと期待している。そうなればジュネーブ空港では20の新しい雇用が生まれるのだ。
一方、スイスインフォの取材に対し、連邦政府事務局や財務相はノーコメントを貫いている。
swissinfo、アダム・ボーモン 遊佐弘美 ( ゆさ ひろみ ) 意訳
補足情報
スイスでは、「到着免税店」の導入は、2004年に政府によって否決された。政府によると、これを認めると欧州の税関協定に違反するという。
しかし、空港関係者などは到着免税店は空港の増収や雇用増にもつながり、加えて環境にも優しいとして導入を待ち望んでいる。
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