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昨年、恩師のミシェル・マイヨール氏ともにノーベル物理学賞を受賞したジュネーブ大学のディディエ・ケロー教授が、swissinfo.chの独占インタビューに応じ、思いがけない受賞への喜び、スイス人の仕事の流儀「スイスタッチ」、良い科学者の持つ資質について語った。
swissinfo.ch：ノーベル賞受賞の知らせに大変驚いたそうですね。昨年10月8日、その日に発表があるということさえケロー教授の頭にはありませんでした。しかし、系外惑星（太陽系の外にある恒星を周回する惑星）発見の重要性とこれまで何度もノーベル賞の候補に挙がったことを考えると、少しは期待があったのではないですか？
ディディエ・ケロー：両方の気持ちがありました。ノーベル賞の候補に挙がるということは、その発見は重要だということです。ですから、ノーベル賞のことが頭の片隅にも無かったというのは嘘になるでしょう。その一方で、たしか08年か10年頃から候補に挙がり始めたので、こう長くなると、うんざりするような気持ちがありました。ですから、候補に挙がるたびに、今年はいい年になると期待するのは止めようとしていたのです。受賞の知らせを受けた時の私の衝撃は想像がつくでしょう。
swissinfo.ch：同じく物理学賞を受賞した米プリンストン大学の名誉教授でカナダ系米国人のジェームズ・ピーブルス氏を、スイスメディアは事実上軽く流して、スイス人受賞者に焦点を当てました。偉大な発見の背景にはいつも国際共同研究があります。この愛国的な喜びには意味があるのでしょうか？
ケロー：科学が国際的であり、大規模な共同研究の成果であることは言うまでもありません。「私達が発見した」最初の系外惑星－ペガスス座51番星b－は、ELODIE高分解能分光器他のサイトへのおかげで識別することができました。ELODIEは（フランス南部のオート・プロヴァンス天文台にある）フランス製の機材で、主にフランスが出資して、フランス製の望遠鏡に設置したものです。
しかし、愛国心に絆されてスイス人が喜ぶのは自然なことです。（スイス人の）私がノーベル賞を受賞することで、発見がある意味ではスイスのものになりました。サッカーのワールドカップで自国の代表チームが勝つときと同じようなことです。勝利したのは選手らではなく国民です。とても人間らしい集団への帰属意識です。受賞への反響は夢のようでした。スイス中が喜びに沸き返りました。
「ノーベル賞の受賞は、サッカーのワールドカップで自国の代表チームが勝つようなものだ」
swissinfo.ch：老朽した分光器ELODIEに取って代わったHARPS他のサイトへとESPRESSOは世界で最も高性能の分光器で、スイスの製品ですね。スイスがこの分野で成功しているのは、時計や精密機器の伝統があるからでしょうか？
ケロー：HARPSは時計産業から生まれたものではありませんが、ジュネーブ大学天文学科には様々な企業出身の技術者がいて、時計メーカー出身の人もいます。たしかにスイスには、きちんとした仕事を効率よく行う文化があります。そこにスイス人らしさが出ます。外国で働くと、たとえば、比較的高い生産性と高い競争力を持つ英国ででさえ、スイス人は非常に生産性が高いことを実感するでしょう。スイスには「スイスタッチ」と呼ばれるある種の（伝統とイノベーション組み合わせる）ノウハウがあります。
swissinfo.ch：ノーベル賞受賞によってケロー教授とマイヨール名誉教授に世間の注目が集まりました。両氏だけではなく、その研究分野も脚光を浴びています。
ケロー：私達が取り組む系外惑星の分野では、私の研究はすでに非常に良く知られていました。しかし、私にとって完全に想定外だったのは、ノーベル賞が持つ広範な影響力です。受賞者は一夜にして、科学界の大使に押し上げられます。自分の研究分野も研究自体も優先され、人々はそれらを理解しようと努めます。あらゆる場面で同じようなことが起き、みんながその恩恵を受けます。
ノーベル賞にはまったく驚くべき影響力があります。賞の中の賞です。ノーベル賞を受賞すれば、それでおしまいです。それ以上の賞はありません。科学で悟りの境地に達し、（ギリシャ神話の神々が住むという）オリンポスの頂点に立つようなものです。と同時に、少し滑稽でもあります。事態を冷静に見ると、まったく行き過ぎだと思うでしょう。しかし、今のノーベル賞があるのは、賞の知名度の高さ、長い歴史、数多くの著名な受賞者ゆえです。
swissinfo.ch：ペガスス座51番星bの発見は、それまでの惑星形成理論を根底から覆すことになりました。恒星のすぐそばをたったの4日で公転するホットジュピター（熱い木星）のような天体は存在するはずがありませんでした。発見した時、目をこすらずにはいられなかったのではないですか？
ケロー：まさか惑星を発見することになるとは思いもよりませんでした。しかも、その時私が観た惑星は1つではありませんでした。発見当時ハワイにいたマイヨール博士は戻ってくると、データを見て私の分析を確認してくれました。しかし、確証無しにこの発見を発表することは絶対に出来ないと博士は言いました。
ですから、私達にとって発見には良いことも大変なこともありました。当然、ストレスも大きかったです。その一方で、博士論文を準備する人なら誰もが夢見ることですが、私は博士論文の審査に合格しました。博士号の取得によって、それまでの惑星形成理論は根底から崩れました。全く新しい方法と世界に類を見ない分析によって得られたデータがあったからです。
「科学者には直感があるという考えは、私には無意味に思えます。良い科学者に必要なのは、卓越した厳密さです」引用終了
それらのデータには別の解釈をする余地はまったくありませんでした。ですから、この発見に関して、私には何の直感もありませんでした。そこにあったのは、合理的な論証と経験に基づく批判的な見方だけです。それはまさに、私が学生たちに叩き込もうとしている姿勢です。科学者には直感があるという考えは、私には無意味に思えます。むしろ、良い科学者は直感が比較的乏しいと思います。その一方で、良い科学者は非常に厳密です。何かおかしいと感じることはあるでしょう。しかし、一般的に、良い科学者が直感に導かれることはありません。
本記事はロングインタビューの一部を抜粋しました。フルバージョンでは、宇宙物理学の現状、地球外生命体の探索という長旅の幕開けに関する話も出てきます。インタビューの全文はフランス語、ドイツ語、イタリア語でお読みいただけます。インフォボックス終わり
（仏語からの翻訳・江藤真理）