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サンモリッツにあるオリンピックボブスレーコースは「氷上のF1モナコグランプリ」と呼ばれている。世界最古の歴史と伝統を誇るコースは世界で唯一、氷だけで作られたボブスレーコースでもある。このコンテンツは 2010/02/22 12:00
20年来ボブスレーコース建設に携わってきたチームの責任者、クリスチャン・ブランチェン氏がコース建設の様子を説明する。
100％氷のボブスレーコース
「サンモリッツは、ほかのボブスレーコースとは違う特徴があります。サンモリッツのコースはセレリーナ ( Celerina ) の谷まで地形に合わせて作られているため、ドライバーは自然の中を走ることができます。
サンモリッツのコースは、毎年冬になると最初から雪で新しく形作られ、その後水で凍結されます。一方、ほかの人工のコースはあらかじめコンクリートで建設されている場所にその都度、厚さ4センチメートルから6センチメートルの氷で覆って完成させます。
コース建設は11月の最終週から行われます。わたしたちは15人で編成された息がぴったりと合ったチームで、それぞれが決まった仕事を担当しています。
また、何十年間にもわたってほぼ同じメンバーで建設グループが結成されていることは特別なことです。メンバーはみんな例外なく南チロル地方のナチュール ( Nature ) 出身です。冬はここでボブスレーコースの建設とコースの維持のために仕事をし、夏の間は故郷で建築現場で働くか、森の監視人、もしくはアルプスで羊飼いとして仕事をしています」
加速するボブスレーのためにコース調整
「作業はまず、雪を集めることから始まります。雪がまだ充分にない場合は人工造雪機で雪を作ります。そして、ボブスレーコースの区間ごとに境界杭を打っていき、基礎構造を作ります。次の段階では、細かい整備を行います。それは、コースの湾曲部分を作ったり、コース傾斜の垂直部分に庇 ( ひさし ) のようなオーバーハングを作ったりします。最後に区間ごとに組み立てられたコースを繋げます。走行はクリスマス頃に開始されます。
「サニーコーナー ( Sunny corner )」 と「ホースシュー ( Horse Shoe ) 」という名のついたコーナーはとても急で、ドライバーにとって大変難しい部分ですが、わたしたち作り手にとって、急なコースを作ることはそう困難ではありません。一方で、ドライバーにとって操縦が楽な半径の大きな緩やかなカーブを作ることの方がわたしたちにとって手強いのです。
1996年には急なコーナーの一つ、ホースシュー は非常に危険と判断され、カーブの半径が15メートルから18メートルに拡げられました。ボブスレーの動力がとても強くなったので、ボブスレーのランナー ( そりの刃 ) がコースの氷に深く切り込むようになったのです。走行スピードも速くなったため、ゴール後の滑走路の長さも適当でなくなりました。今日ではゴール後に300メートルの滑走路があり、若干登り坂になっています」
上質のアイス
「わたしたちが作るコースの氷の質は、国際レベルにおいてひけをとっていません。サンモリッツのコースは人工アイススケートリンクと比較しても同等、もしくはそれ以上のレベルです。氷の質は以前よりも良くなりました。作業工具が改良されたおかげです。わたしたちはコースの氷を人工アイススケートリンクと同じ要領でかんなで削っていきます。
わたしはこのコースを建設する立場としてだけでなく、ボブスレーに乗る立場としてもよく知っています。旧式のボブスレーは操縦したことがありますが、新しいボブスレーには同乗するだけです。わたしはもともとスケルトンに乗っていたので、当然スケルトン用に作られたクレスタコース ( Crestabahn ) をより熟知しています。
このオリンピック規定コースでの滑走を見ると気持ちが高揚します。ドライバーはコーナーで遠心力、すなわち重力加速度にさらされるのです。当然、スピードも速くなります。現在の4人乗りのボブスレーのスピードはおよそ時速150キロに達します」
地球温暖化の影響はまだ受けず
「気候の変化は全ての人々が取り組んでいる問題ですが、わたしは特に気にかけています。わたしは30年以上クレスタコースとボブスレーコースを見てきました。冬の間は毎日です。
確かに気候の変化を感じています。とはいえわたしたちがいる場所は標高1800メートルに位置するため、実際にコースの存在が危ぶまれるまでにまだ時間がかかるでしょう。また、今日では人工造雪機を使って自由に雪を作ることができます。しかも人工雪は自然の雪よりも耐性があって溶けにくいのです。
冬のシーズンは3月の第1週で終了します。その後わたしたちは1、2日でコースを取り壊し、再び故郷に戻ります」
レナー・キュンチ 、swissinfo.ch
( 独語からの翻訳、白崎泰子 )
サンモリッツボブスレーコース
毎年基礎から新しく作られるため、コースの仕上がりに若干の違いが生じる。
オリンピック規定コースは、およそ15人で編成された建設チームが毎年5000㎥の雪と4000㎥の水を使用し、多くの労力をかけた末に建設される世界最大の雪の彫刻でもある。
コースは全長1722m、高低差は最大129 m、平均傾斜角度は8.1度。
現在ではボブスレーの走行速度が速くなったため、コースに変更はないが、コーナーの半径が大きくなるように作り直された。ボブスレーの最高速度は時速150km。
ソリ競技
オーバーエンガディン ( Oberengadin ) 地方にあるサンモリッツ－セレリーナ ( Celerina ) 間のオリンピックボブスレーコースは、100年間の歴史の中で1928年と1948年の2度にわたって冬季オリンピックの開催地に選抜された。世界選手権は22回 ( ボブスレー18回、スケルトン3回、リージュ1回 ) 開催。
2007年に4人乗りボブスレーのドライバー、イヴォ・ルエグが世界チャンピオンのタイトルを獲得したボブスレー世界選手権は、近年で最も印象に残る。
サンモリッツのボブスレーコースは、2人乗り、4人乗りのボブスレーとスケルトン、リージュの世界選手権の開催地として欠かせない要素。
サンモリッツは2012年に再びボブスレーとスケルトンの世界選手権の開催地になる。
氷のようにハードなスパルタコース
スイスはソリ大国だが、これは「ホームグラウンド」として馴染みのあるサンモリッツ－セレリーナ間にあるオリンピック協会認定のソリ競技コースが大きく貢献している。
毎冬、サンモリッツではボブスレー学校とスケルトン学校が開校される。
これらの学校から輩出され世界大会を勝ち抜いたソリ競技者：
( 男子 ) マーティン・アンネン、ダニエル・シュミット、マーティン・ガリカー、ウルス・ヘフティ、( 女子 ) サビーナ・ハフナー、マヤ・バーメルト
JTI基準に準拠