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スイスでは、強制結婚（家長が子どもの結婚相手を一方的に決める結婚）という問題に対処するため、その場しのぎの新法が制定される見通しだ。強制結婚の実態は不透明ではあるものの、その背景には移民家族が社会から孤立しやすく、DV（家庭内暴力）が絶えないことがあると考えられている。
問題解決には、こうした移民をいかに社会に溶け込ませるかが重要だ。
フランスの人類学者クロード・レヴィ・ストラウス氏は、次のように説いた。「かつて婚姻締結は、決して個人で取り決められる事柄ではなかった。何世紀ものあいだ同じ地域や同じ種族の者同士で結婚する、いわゆる『内婚』は当たり前だった」
数十年ほど前まではヨーロッパにおいても、経済的、文化的そして政治的理由などから両親が若者に結婚を強いることがしばしばあった。今日、欧米諸国では強制結婚は法律上禁止されているものの、完全に消滅したとは言い切れない状況だ。
２００５年に欧州評議会(ＥＰ)が強制結婚に反対する決義を下して以来、イギリスを筆頭にさまざまな国で強制結婚に対する特別措置が取られるようになった。
欧州評議会と人道援助協会の圧力もあり、スイス連邦閣僚（スイス政府）も今年のはじめに新法案を提出。内容は、暴力によって強制的に執り行われた結婚は訴訟の対象になるというものだ。現行の法律では強制結婚は強制罪として最長３年の懲役に該当するが、この新法案では、被害者は代理人を通して訴状を提出することができ、懲役は最長５年となる。
不完全な研究データ
現在のところ、スイス国内の強制結婚の実情に関する正確なデータはなく 、研究の大半がまだ初期段階だ。女性保護団体シュルジール基金（Surgir）は２００６年、スイスでは強制結婚が１万７０００件あったとの調査報告を発表した。しかし、その調査方法が不明確だという指摘が多かったため、それ以来、強制結婚に関する研究に慎重な研究者は多い。
相談センターのツワングスハイラート・スイス（zwangsheirat.ch/強制結婚）には、強制結婚に関する相談が週に１〜４件寄せられている。夏休み期間中になると、その数は週平均９件に倍増する。強制結婚の被害者は大概、スイスに移住した外国人家族の第２、第３世代で、年齢にして１３〜２５才の若者だ。
ツワングスハイラート・スイスのアヌ・シヴァガネザンさんによると、これらの数字は氷山の一角に過ぎないという。シヴァガネザンさんは、２４才のスリランカ出身の女性で、スイス国籍取得者だ。２００５年からこの相談センターで働いており、現在チューリヒ大学で法律の勉強をしている。「我々の所には、家族の一方的な命令に反対しようと決意した人たちがやって来る。しかし、どれだけ多くの人が誰にも相談できずにいるのだろうか」と、シヴァガネザンさんは嘆く。
強制結婚の被害者はしばしば自由を求めて逃げようとする反面、家族の一員としての忠誠心や物理的、経済的復讐への恐怖心に悩まされるという。結婚のためにスイスの滞在許可証を取得した外国人の場合は特に、強制結婚の問題を明らかにすると自国へ送還されてしまう不安がある。
「強制結婚から逃れようと助けを求めにやって来るのは、殆どが女性だ。経済面や社会面において弱い立場にあるのが理由の一つだが、強制結婚の被害者は、女性に限ったことではない」と、シヴァガネザンさんは語る。「例えばアルバニア人コミュニティーにおいては、強制結婚に納得がいかず相談にやって来る人のうちの３割がスイスで生まれ育った若い男性だ」
なぜ親たちは可愛い我が子を強制的に結婚させようとするのだろうか？その理由をシヴァガネザンさんは次のように話す。「強制結婚には、特定の伝統や文化が関係しており、家父長制が社会に根付いていることも背景にあると考えられる。このように強制結婚の実情を少しずつ解明していかないと、どんどんこのテーマがタブー化され政治問題として取り上げられなくなってしまい、逆に、移民の受け入れを制限したいと願う人々の思う壷となってしまう」
強制結婚の背景には、宗教的要素はあまり関係しない。「ツワングスハイラート・スイスへ助けを求める犠牲者は、キリスト教信者やユダヤ教信者、それにアレヴィー派のクルド人またはトルコ人、タミル系インド人、イスラム教徒のアルバニア人やコソボ人などさまざまだ」
社会の一部にしか溶け込めない厳しさ
ヌーシャテル大学で人類学を研究するアン・ラヴァンシー教授は、ヴォー州において強制結婚をテーマに事例の分布を調べた。それによると、「強制結婚を特定の文化や宗教と関連付けることは不可能だ。その上、どの国においても強制結婚が社会的慣習の象徴だという結果は得られていない」
「移民家族がどのように社会に溶け込むのか調べるのは面白い」と、ラヴァンシー教授は言う。「社会からの孤立と経済状況もあり、異郷に住む移民家族は自国の古びた伝統を復活させようとする傾向がある。出身国とのきずなを断たないため、先祖代々の風習を守ろうとする」
「強制結婚について討論することにより、それに関わるほかの問題にも目が向けられることになる。例えば、社会の成り行き、移民家族が孤立状態にあることによる保健衛生面の不安、生活環境の悪化による家族内の暴力の危険性などの問題を見直す第一歩になるかもしれない」とラヴァンシー氏。
「異郷の地に移住した人々は、しばしば不安定な境遇にさらされる。例えば、滞在許可証を更新する必要があること、就職が困難なこと、そして社会的に降格者扱いされることなどさまざまだ。移民を取り巻く社会的な問題が起こるメカニズムについて、移民に対する考え方を踏まえた上、よく考える必要があると思われる」
戦略でなく人権問題として
スイスで強制結婚が政治的問題として議論されるようになったのは、中道右派の急進民主党（FDP/PLR）のトリックス・へバーライン元州議会議員が２００６年、議会に動議を提出したことがきっかけだ。それ以来数々の州がこの問題を取り上げ、連邦移民問題委員会（EKM/CFM）も動き、強制結婚の防止策や被害者救済計画が立てられた。一つの例として、ジュネーブ州では、地域社会の移民と福祉・教育関係に携わる専門家を対象に、強制結婚の問題をテーマとした講習会を開くなどしている。
「強制結婚問題に取り組む前に、そもそも強制結婚とは何かを理解する必要がある」と、ラヴァンシー 教授とシヴァガネザンさんは声をそろえて言う。
問題解決の障害となるのは大半、強制結婚自体の定義付けがはっきりされていないことがある。更に、たとえ暴力で結婚させられた疑いがあったとしても、実際は合意の上だったかもしれないなど、繊細でどちらにも振り分けられない曖昧な状況が多く、被害者と結婚相手のどちらの言い分が正しいか判断しがたい場合もある。「若い女性が、その場で結婚を受け入れる意思を示したか否かなど誰にもわからない。しかし、若者を強制結婚から守ろうとしても、もしかしたらその若者の出身国では内婚が古き伝統の慣習として認められているかもしれない。その伝統を否定せずに若者を守るのは、我々の社会では無理がある」
ラヴァンシー教授の研究結果では、専門家たちにとっても強制結婚をほかのタイプの暴力行為（夫婦間のことか否か）と区別するのが困難だということが分かった。
「新しい法律は強制結婚問題に対する重要な一歩となるが、施行されるまでは、強制結婚というテーマそのものが政治的に利用されないようにしなければならない。政治であまりにも頻繁に取り上げられてしまうと、この問題が陳腐なものになってしまうか、古くから定着した伝統に結び付けられてしまうからだ。強制結婚の問題は、スイスに住む外国人を追い出すための新戦略としてではなく、人権問題として取り組まなければならない」とシヴァガネザンさんは強調する。
連邦議会は今年１０月、強制結婚のテーマを改めて取り上げると同時に、難民や外国人に関する法律の見直しをする予定。また、中道派のキリスト教民主党（CVP/PDC）のアロイス・グミュール氏が提出した「強制結婚を外国人犯罪追放の 事由とする」法案についても審議が行われることになっている。この法案は、強制結婚の被害者の保護以上の効果をもたらすと期待されている。
強制結婚を取り締まる法律
スイス政府は２０１１年２月２３日、強制結婚を規制する草案を採択。この法案は現在、連邦議会で審議中だ。
検討される措置は以下の通り：
- 強制結婚はスイス刑法に基づき法律違反と見なされる｡
- 他人を暴力や脅迫で強制的に結婚させた場合、最長５年の禁固刑もしくは罰金が科せられる｡
- 配偶者のどちらかの自由を侵害するような婚姻が成立した場合、それを無効とする｡
- スイス国外において未成年の婚姻が成立した場合、スイスの法律は適用されない｡
（出典：連邦司法警察省/EJPD/DFJP）
未成年の結婚
ほとんどの国において婚姻締結の最低年齢は１８才と定められている。しかし、国際連合（ＵＮ）は、向こう１０年の間に１億人以上の少女が結婚を強いられるだろうと推定。
過去３０年間において、強制結婚の数は著しく減ったが、田舎や貧しい地域ではいまだに慣習として根付いている。
バングラデシュ、モザンビーク、ニジェール、マリでは、半数以上の少女が１８才になる前に強制的に結婚させられる。これらの国は貧困に悩まされ、７５％以上の人々が１日２ドル（約１６０円）未満で生活をしなければならない。
国際女性研究センター（ＩCＲＷ）の研究によると、児童結婚と特定の宗教との関連性は無いことがわかった。
ユニセフ（UNICEF）は、女児を子供に持つ両親が強制結婚に踏み切る理由を三つ挙げた。
- 家庭において子供の存在が大きな経済的負担となっている｡
- 性的虐待の危険から子供を守るための手段として｡
- 望ましくない妊娠が原因で将来の結婚に傷がつくことを避けるため｡
（出典：国際連合、国際女性研究センター）
（伊語からの翻訳、リッソーネ光子）, swissinfo.ch