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スイスは世界的な軍備競争の悪循環から離脱して、外国への武器調達をもうやめるべき。こんなイニシアチブが発足した。このコンテンツは 2007/10/03 15:29
イニシアチブ「軍需品輸出の禁止を」の署名が連邦官房に提出されたのは、9月21日の「世界平和の日」だった。
この日、「軍隊なきスイスのためのグループ ( GSoA/GSsA ) 」を中心としたイニシアチブの代表団は、わずか13カ月の間に10万9000人の署名を集めたと発表した。後援団体は、社会民主党 ( SP/PS ) や緑の党 ( Grüne/Les Verts ) 、複数の青年政党、労働組合、平和団体、女性団体など35を上回る。
脅かされる治安
緑の党のヨゼフ・ラング氏は、ツーク州国民議会議員であるとともに「軍隊なきスイスのためのグループ」の幹部でもある。彼は、スイス製軍需品の大部分は、イラクやアフガニスタンで繰り広げられている「対テロ戦」の関連諸国へと調達されていると言う。
この対テロ戦の本当の関心は原料資源の確保にあり、スイスの戦争成金はもはやこれまでのように武装紛争の犠牲者を踏みつけにして利益を求めてはならない、というのが彼の考え方だ。
武器の輸出はスイスの安全を脅かし、テロの危険性をスイスへと引き寄せる。そして、スイスの平和政策や人権政策、開発援助政策を危うくする。そのため、イニシアチブで武器の輸出を全面的に禁止しようというわけだ。
具体的には、地雷除去用の機器を除く軍需品の輸出、および通過輸送の禁止を要求。その中には軍需品の開発や製造、使用に役立つ技術も含まれる。
「迂回ビジネス」を阻止
技術も禁止の対象に取り上げる理由は、輸出禁止の迂回行動を防ぐためだ。スイスの軍需企業が建設計画を外国へ売ったり、ライセンスを与えて外国で生産したりすることを阻止したいとする。武器の製造のみに使用される機械、軍事シミュレーター、あるいは軍用のピラトゥス練習機がこれに当たる。
このイニシアチブが可決された場合、連邦政府は10年間、輸出禁止を受けたことで影響を受けるスイス国内の地域や企業を援助しなければならない。関連地域はベルナー・オーバーラント、エメン ( Emmen ) 、シュタンス ( Stans ) 、クロイツリンゲン ( Kreuzlingen ) など。そしてまた、軍需産業から民需生産への切り替えも促進されなければならない。
市民の大きな後ろ盾
社会民主党の国民議会議員アンドレ・ダゲ氏は、「署名運動の成功は、市民がこの発議を大きく支援していることの表れ」だと言う。「軍や軍備に対する政府の負担は開発援助と比較できないほど大きい。しかし、開発援助に投資すれば、間接的に国際安全を促進することになるのです」
「スイスの軍需産業を民需生産に強力に転換していくことには意義があり、雇用の面でも無理はないはず」とダグ氏は考える。
swissinfo、外電 小山千早 ( こやま ちはや )
補足情報
- 「軍隊なきスイスのためのグループ ( GSoA/GSsA ) 」が発起したイニシアチブは、狭義の軍需品を対象としている。これには武器および弾薬類の製造に必要な技術も含まれる。
- そのほか、シミュレーターや練習機、弾薬類を含めた小口径弾、中古品も対象となる。
- このイニシアチブは特に目新しいわけではない。1997年にも社会民主党 ( SP/PS ) が類似のイニシアチブを発起しているが、投票者の77.5%がこれを否決。
- 2006年、スイスは約4億フラン ( 約391億円 ) の武器や軍需品を輸出した。スイスの軍需産業にはおよそ1000人が携わっている。
イニシアチブの主旨
連邦政府は、軍縮および軍事制御を行う国際的な努力を支援し促進する。
以下の物資の輸出および通過輸送を禁止する。小型武器や軽武器、それらに必要な弾薬類などの軍需品。特に、軍需品の開発、製造、使用に欠かせない技術を含む無形財産および軍事物資。
また、軍需品およびその取引の斡旋も禁止する。
連邦政府は、軍需品輸出禁止を受けた地域や関連企業を10年間にわたって援助する。