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分野がまったく異なるスイスの2つの企業が好成績を挙げ、世界同時不況の中でかすかな希望の火をともす。
この2社は、ルツェルン州に本拠地を置くエレベーター製造会社「シンドラー ( Shindler ) 」とジュネーブ州にあるフレーバー、香料製造会社「ジボダン ( Givaudan ) 」。両社とも低迷する市場の中でチャレンジを続けてきた。アナリストたちによると「両社はうまく不景気の嵐を免れる場所に位置している」という。
サービス業務は景気変動に影響されない
シンドラーは2007年度の純利益5億7100万フラン ( 約457億円 ) に対し、2008年度は記録的な6億3400万フラン ( 約500億円 ) を計上した。同社は日本で2006年、エレベーター故障事故で死者を出し、日本市場から事実上締め出されたにもかかわらず、好調な成長を続けてきた。
その理由の1つは、金融・経済危機前にすでに多くの注文を受けていたからだと「フォントーベル銀行 ( Bank Vontobel ) 」のアナリスト、セルジュ・ロツァー氏は語り、さらに
「シンドラーの利益の5、6割はサービス業務からきており、これは景気変動にさほど影響されない上、高いマージンを生み出すものだ。また同社はさらに高く上昇するエレベーターの開発などで質の向上を図り、サービス業務でもスタッフの能力を高めるようなプログラムを導入した」
と分析した。
実は2008年度の第4四半期は注文が11%減少し、今後の純利益にも影響を及ぼすはずだが、ロツァー氏は
「高いマージンを生み出すように努力していくだろうし、今まで行なってきたさまざまな改善策の組み合わせで今後も不況に打ちのめされることはないだろう」
と見る
食品やある種のコスメティック商品も不況に強い
一方のジボダンは、2007年比18％の成長で2008年度に1億1100万フラン( 約89億円 ) の純利益を上げた。景気後退で香水などの高級品の購買力が低下するため、香料生産を行う同社は危うい立場に立たされていた上、2007年に28億フラン ( 約2240億円 ) で買収したイギリスの「インペリアル・ケミカル・インダストリーズ社 ( ICI ) 」の「クエスト ( Quest ) 」部門の融合にも経費がかかっていたにもかかわらず、今回の好成績となった。
理由は、景気変動の波を一番最後に被る食品部門のフレーバーを開発したからであり、またある種のコスメティック商品は不況に関係なく安定しているからだ。
「いくら不景気だといっても、シャンプーやデオドラントは必需品だ。人々は安いものを選ぶだろうが、買い続けることは間違いない」
とチューリヒ州銀行のアナリスト、ダニエル・ビュルキ氏は解説した。
swissinfo、マシュー・アレン 里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 訳
2008年度の2社の利益
2008 年度シンドラー社の純利益 : 6億3400万フラン ( 約500億円 ) / 2007年度は5億7100万フラン ( 約457億円 )
2008 年度シンドラー社の税引き前金収支前経常利益 : 8億8900万フラ ン ( 約710億円 )
2008 年のジボダン社の純利益 : 1億1100万フラン ( 約89億円 )
2008 年のジボダン社の営業利益 : 3 億7900万フラン ( 約304億円 )