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スッと伸びた手から、雪を頂く美しい山々の絵はがきが日本の赤いポストの中に落ちる。ここは標高３４５４メートルのユングフラウヨッホ駅。この赤い郵便ポストは、スイスと日本の協力関係・信頼・友好のあかしだ。
今、日本ではほとんど見かけなくなった円筒状の赤い郵便ポスト、通称「丸ポスト」が日本からスイスに贈られたのは１９９３年。ユングフラウヨッホ駅のホームから売店などが並ぶホールに入るとすぐ右手に設置されている。設置当時はここを訪れる観光客の４分の１が日本人だったという。
一方、日本にもスイスの四角く黄色い郵便ポストが贈られた。こちらは、標高２３０５メートルと日本で一番高い場所にある富士山五合目簡易郵便局に展示されている。
今年はユングフラウヨッホ山頂郵便局と富士山五合目簡易郵便局の姉妹締結２０周年に当たる。これを記念し、雲一つない快晴のユングフラウヨッホ山頂で１６日、式典が催された。式には、スイス郵便（Post CH AG）のアンドレアス・シュレプファー副会長、日本郵便の稲村公望（こうぼう）常任顧問、在スイス日本国大使館の前田隆平・特命全権大使、また国際郵便を結んでいる万国郵便連合（UPU）のパスカル・クリヴァ局次長や宮地章夫オペレーション技術部長らが参列。国際色豊かな大勢の観光客に囲まれた、にぎやかな式典となった。
ユングフラウヨッホ山頂郵便局
１９１２年開局。
標高３４５４ｍで、ヨーロッパで最も高い場所にある郵便局。
運営はユングフラウ鉄道（Jungfraubahn）に委任されている。
１９９３年に富士山五合目簡易郵便局と姉妹提携。
山頂の投函（とうかん）数の詳細は把握されていないが、スタッフは年間１５０万から２００万通と推測。
ユングフラウ～アレッチ～ビエッチホルン地域は２００１年にユネスコ世界遺産に登録された。インフォボックス終わり
ユネスコ世界遺産と民営化
祝辞を述べたシュレプファー氏、稲村氏、前田氏はそれぞれ、スイスと日本の国交樹立１５０周年を来年に控え、この２０周年を祝えたことを歓迎した。また、富士山もユングフラウもユネスコ世界遺産に登録されているという共通点を挙げ、二つの郵便局が特別な環境に置かれていることをアピールした。
シュレプファー氏はさらに、日本郵便がすでに２００７年に民営化を果たし、スイス郵便もつい先月、民営化されたことに触れ、今後相互に学べることがあると期待する。
また稲村氏は「現在でもEメールが届かない場所がある。私たちは国の隅々、世界の隅々まで郵便を届けたい。このポストはそのシンボルだ」と力強く話した。
短くまとめた３人のスピーチが終わると、郵便ポストの後ろの壁に貼られた、２０周年を記念するプレートが公開された。このプレートにはドイツ語と日本語で、両郵便局が２０年来の姉妹関係にあることが記されている。
眠っていたパートナーシップ
この姉妹関係は、そもそもなぜ結ばれることになったのだろうか。ベルンの日本大使館には、スイスや日本の各紙が当時報道した記事の切り抜きが保管されている。その中の日本の報道によると、富士山五合目簡易郵便局は１９９２年の開局時から、世界の特徴ある郵便局との友好関係を目指していた。そこで、ヨーロッパで最も高い場所にあるユングフラウヨッホ山頂郵便局に提携を申し入れたという。
４年前まで食品大手ネスレに在籍していたシュレプファー氏は、当時の事情は全く知らないという。しかし、このポストの交換が現在の友好関係のきっかけを作ったと喜ぶ。「パートナーシップはこの山頂だけにあるのではない。時間とともに、この協力関係から信頼が生まれ、友好が深まった」
しかし実は、提携後、活発な活動はほとんどなかった。１０周年記念も特に祝われていない。そこで在スイス日本大使館が２０周年記念式典を両者に提案。「国交樹立１５０周年や富士山のユネスコ世界遺産登録など、タイミングもよかった」と前田氏は言う。
こうして眠っていたパートナーシップが呼び起こされた。スイス郵便のシュレプファー氏は次のように語る。「今回のセレモニーは単なる式典ではなく、心を伴うものであり、それを（式典という形で）表せたことはとても大切だった」
富士山五合目簡易郵便局
１９９１年開局。
標高２３０５ｍで、日本で最も高い場所にある郵便局。
中国の泰山とも姉妹関係を結んでいる。
２０１２年の投函（とうかん）数は２０万通。今後も増加すると見込まれている。
富士山は今年６月にユネスコ世界遺産に登録された。インフォボックス終わり
増える絵はがき
スイスの２０年前の報道によると、ユングフラウヨッホで投函（とうかん）される手紙やはがきは年間２２万通。多いときは１日３千通にも上った。この頃の訪問者数は年間５０万人程度だ。
２０１２年はユングフラウ鉄道全線開通１００周年という記念の年で、客足が大きく伸びた。世界中から約８３万人がユングフラウヨッホを訪れ、うち３分の２はアジアからだった。
郵便局の窓口にもなっている案内窓口のスタッフに聞いてみたところ、現在の投函数の平均は１日３千から４千通で、夏のハイシーズンには５千通まで増える。年間では少なく見積もっても１５０万から２００万通になるという。
デジタル化が進み、はがきや手紙の量は世界的に減っている。Eメールが世界中を駆け巡る現在でも、ヨーロッパの最高地点から故郷に送る絵はがきの魅力は衰えていないようだ。
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