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米国人顧客の脱税ほう助問題で、様々な難題を米当局から突き付けられている複数のスイスの銀行。「安全が脅かされているという不安感がいつも漂う」スイスの金融界の空気を一掃するため、政府は２９日、和解法案を発表した。しかし、スイスのメディアは批判の矛先を政府に向けている。
２９日にエヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ財務相が発表した政府の和解法案は、米国人の顧客情報と、その担当行員の情報の引き渡しを許可するもの。しかし、顧客の名前が分かるレベルの情報は渡さないとしている。
ヴィトマー・シュルンプフ財務相は、「脱税ほう助問題を解決したいと望むスイスの銀行は、この新しい法律によって疑惑のある過去に対してようやくピリオドを打つことができる」と話した。またスイスの金融界に漂う「安全が脅かされているという不安感」が一掃されるとみている。
この法案は緊急課題として、６月から直ちに連邦議会内で検討されることになっており、６月３日に政府関係者が連邦議会の全会派と会合する。その後、全州議会（上院）の経済委員会が法案について議論。その結果を受け１２日に上院で最終決定。１８日には国民議会（下院）で討議が行われ、その結果を両院で討議し２１日には最終結論が出る。
最大で１００億ドルの罰金
一方、この和解法案にはスイスの銀行が米国に罰金を支払うことも含まれ、その額は最大で１００億ドル（約１兆１００億円）に上るとされる。
しかし、数カ月に及ぶ議論にもかかわらず、政府と銀行間で、この罰金をいかに分担するかは決まっていない。
政府と米国を批判
こうした状況を受け、スイスの各新聞は３０日、「こうした解決策しか出せない政府」を批判。「ワシントンは望めばすべてを手に入れる」というフランス語圏の日刊紙ル・タンの表現は、ほぼすべてのメディアの立場を代表する。
同紙はさらに「この和解法案に簡単には賛成できない。なぜなら、いかなる保障も米国からは受け取っていないからだ。最終的にいくらの罰金を払わなければならないのか。過去の問題をどれ程ご破算にしてくれるのかなど、何も定かでない」と続ける。
ドイツ語圏の日刊紙NZZの論調はさらに手厳しく「ワシントンがゲームの規則を一方的に押し付けてきたものだ」と批判。「こうした例外的な法案は曲芸師の綱渡りになる」と注意を喚起する。
経済界寄りのNZZに対し、中道左派のドイツ語圏の日刊紙ターゲス・アンツァイガーは、躊躇（ちゅうちょ）なく「ワシントンはゆすりをかけてきた」という表現を使い、米国の一方的な圧力にスイスが屈しているとしている。
swissinfo.ch