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スイス初のエチケット手引書の著者によると、スイス人は全員中流階級だそうだ。とはいえ、全く均一なわけではない。主に、派手で外の世界を向いている「グローバル階級」と、それ以外に分けることができる。
『Der Schweizer Knigge（スイス・エチケットマニュアル）』の著者、クリストフ・シュトカーさんは「スイスには階級差はほとんど存在しない」と話す。
「『スイス人A』と『スイス人B』があると言う人もいる。『スイス人A』はグローバル規模で考え、行動する企業や個人。この中には、大きな多国籍企業で働き、スイスを活動基盤と考える多くの外国人も含まれる。こういった人々はステータスを非常に重視し、車や宝石を買い、富を誇示する」
「豊かなスイスの旧家は財産を見せびらかすことはしない。スイス人についてよくいわれることだが、大富豪であってもそういう風には見せない。もちろんダイヤモンドを買う人もいるが、大きさではなく透明度を大切にする。量より質なのだ」
シュトカーさんの本は今年発売され、ドイツ語版のみ入手可能だ。さまざまな状況で恥をかかないための手引書で、読み物としても楽しめる。取り上げられる例は、就職の際の面接に何を着ていくべきか、ディナーパーティの主催あるいは出席の際のエチケット、レストランでカキのような厄介な物を食べる際のマナー、チップの渡し方、そしてソーシャルメディアでの振る舞い方にまで及ぶ。
各章の終わりには、していいことやいけないこと（例えば、客にスリッパを履くよう強要してはいけない）のリストがあり、ビジネスの場での振る舞い方についての囲み記事もある。また、男性が女性のためにドアを開けるべきか、誰かがくしゃみをした時に「お大事に」と声をかけるのは下品なことかといった、賛否の分かれる問題も扱われている。
社会のジレンマ
男性は女性のためにドアを開けるべきか？クリストフ・シュトカーさんによると、スイスはフランス式よりもドイツ式のマナーの影響が大きいので、「カップルがレストランのような馴染みのない場所に入る時には、男性が先に入って安全を確認する。昔は宿屋で頻繁にけんかがあったからだ」。
一方フランスでは、レストランは安心できる場所と考えられており、女性が先に入る。「確かに、ビジネスの世界ではこのような騎士道的な振る舞いは冷ややかな目で見られる。あからさまに敵意に満ちた反応をする女性も多い。こういった女性たちは対等な扱いを求めるからだ」
では、誰かがくしゃみをした時に「お大事に！」（「Gesundheit!」「Santé!」）と言うのはどうだろう？イギリスでは「Bless you!」と言うのは下品だと考える人もいるが、スイスでも同じだろうか。
「スイスでは親しみを表そうとして言う人が多い。スイス人は、『お大事に！』や『食事を楽しんで！』と声をかけるのは友好的だと考える。とはいえ、乾杯となると特に厄介だ。テーブルを囲む人が１５人もいた場合、誰かがグラスを合わせて乾杯することに決めると、全員が立ち上がって一人一人と乾杯しなければならない。これは非常に面倒だ。しかしそれも全て、調和を大切にするところから来ている。あなたも仲間の一人だ、私たちは同じ国の人間で、同じような考え方をする、というわけだ」
「『お大事に！』に関しては、個人的には、体の機能に対してはコメントすべきではないと思う。例えば、誰かがおならをした時に誰も何も言わないように。しかし、路面電車の車内で小さな坊やが思い切りくしゃみをしたなら、私だって多分何か声をかけるだろう」インフォボックス終わり
貴族の不在
ローザンヌ・ホテルスクールを卒業後コピーライターとなったシュトカーさん（５３歳）は、自分の本がスイスでこの種の本として初めて出版されたものだと知って「仰天した」そうだ。一方、ドイツ、イギリス、アメリカの書店では、エチケットの手引書が棚いっぱいに並んでいる。
「スイス人は行儀が良いから手引書なんていらなかったんだろう」と言いつつ、この種の本がスイス市場にほとんどないことにはいろいろな理由があると付け加える。
一つには、大銀行のような国際的企業やスイスの大きなホスピタリティ産業では、社内でエチケット講習が行われることが多く、研修の一部としてマナーを学ぶためだという。
また、スイスに貴族がいないことも理由に挙げる。「突き詰めれば、礼儀作法は宮廷から生まれたものだ。スイスには王室が存在したことがない。きちんとした人間であれば、こんな本がなくても暮らしていく上で困ることはない」
「イギリスでは違う。女王陛下のお茶会に招待されたら、女王陛下への話しかけ方を知っていなければならない。しかし、スイスの大臣の隣に座って、シュナイダー・アマンさん（現経済相）などと呼びかけても失礼とも傲慢とも受け取られることはない。貴族が存在しなかったことで説明のつくことは多い」
社会の平等化
合意と調和で成り立っているこの国にエリート主義という概念はそぐわない。「スイス人は違いではなく、類似性を重視することを好む」とシュトカーさんは言う。
イギリスのパブリックスクール、フランスのグランゼコール、アメリカのアイビーリーグのようなエリート養成機関はスイスにはない。しかし状況は変わってきているとシュトカーさんも認める。
「昔は皆、子どもを公立の学校に入れていた。いろいろな人に出会えるようにという配慮からだ。しかしグローバル志向の人々は、中国語やらロシア語やらを学ぶ二カ国語教育の学校に子どもを入れたがる」
しかし学校もさることながら、昔からスイス社会の平等化に主に貢献してきたのは（少なくとも男性にとっては）徴兵制だった。
「階層が本当に混じり合う場が軍隊だった。士官学校に行くにも、必ず兵卒の訓練を経なければならない。つまり、誰もが一番下から始めなければならない。そこでは銀行家の息子と（例えば、ウエリ・マウラー現大統領のような）農家の息子が肩を並べている」
「私自身、それまで交わることがほとんどなかった人々に軍隊で出会った。良い経験だった。しかしそれも変わりつつある。以前は兵役免除を受けるのは非常に難しかったものだが、今では簡単になった」
アドルフ・クニッゲ男爵
アドルフ・クニッゲ男爵（１７５２〜１７９６）はドイツの貴族・作家。
主著書は１７８８年の「人間交際術（Über den Umgang mit Menschen）」。
この作品は啓蒙（けいもう）思想の影響を受けており、エチケットやテーブルマナーの手引というよりも、人間関係の基礎に関する社会的・哲学的論文という色が濃い。異なる階層との適切な接し方に重点が置かれている。
しかしドイツにおいては、「クニッゲ」という単語はマナーやエチケットの本を表す語として辞書にも載る言葉となった。インフォボックス終わり
言葉の壁
「イギリス人は、口を開けば必ず別のイギリス人に嫌われるか軽蔑される」と１００年前に言ったのは、アイルランド人の劇作家バーナード・ショーだった。これはスイスには当てはまらないようだ。
「確かにヴァレー／ヴァリス州出身者に対しては、訛りすぎていて何を言っているか分からないと笑うことはあるかもしれないし、ザンクト・ガレン出身者もすぐにそれと分かったりする。ザンクト・ガレン訛りはチューリヒの人間からはあまり美しいとは思われていない」とシュトカーさん。
しかし、パーティで会った人が裕福なスイスの旧家の出身者かどうかはすぐには分からないそうだ。「話し方からは判断できない」
また、スイスには出身階層独特の単語も存在しない。一方イギリスでは、上流階級は伝統的に「ナプキン（訳注 テーブルナプキンのこと）」、「ソファ」、「ルー（訳注 お手洗いのこと）」といった言葉を使い、中流階級は同じ物を指して「サーヴィエット」「セッティー」「トイレット」と言うといった違いがある。
「バーゼルやベルンでは、例えば『貴公もコーヒーをいかがですか？』（訳注 何百年も前に使われていた二人称代名詞が現在も使われている）といった古い言い回しを使う旧家もあるが、真の上流階級というものは存在しない」
「派手階級」
階級のない社会なら、上流気取りをする俗物も存在しないのだろうか？他の州からは「俗物だらけ」と悪名高いチューリヒ出身のシュトカーさんは笑う。
「イギリスのような意味での俗物はいない。ただ、持ち物でそれとなく示すことはある」
「高級車を買った場合にドイツなら、どれだけ馬力のあるエンジンの車か誰でも分かるように、８気筒とか１２気筒とかはっきりと表示されている。ところがスイスでは、他のどんな国にも増して、こういう表示は取り外される」
「スイスは極めて平等主義の国だ。実際には、毛皮を着た、富を見せびらかす超富裕層と、いわゆる普通の人の二種類にスイス人を分けることができる。その違いは金だけだ。しかしこれは新興富裕層であって、昔からの資産家はとても控えめだ。実のところ、資産家すら中流階級なのだ」
つまり全員が中流階級で、その度合いが違うだけ、ということらしい。
(英語からの翻訳 西田英恵), swissinfo.ch