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スパイ活動の従来のやり方は、インターネットなどの新しい捜査手段が登場したために影をひそめるようになった。しかし、人から聞き込みをする情報収集活動、いわゆる「ヒューミント（HUMINT）」は今も情報機関にとって重要な手段だ。それを証明する出来事が最近起きた。
今から数年前、米中央情報局（CIA）捜査官数人がジュネーブで、ある１人の銀行員を泥酔状態にさせ、そのうえで車を運転するよう説得した。そそのかされた銀行員は結局、警察に捕まってしまった。しかしその後、CIA捜査官らは銀行員を救出。これを機に、この銀行員はCIAの一員になることになった。
CIAのエドワード・スノーデン元職員はこの場面を目撃したと主張している。しかし、１９９１～９９年までスイス連邦情報機関の主任を務めたペーター・レグリ氏（６９）は懐疑的だ。「私が知る限り、スノーデン元職員は単なるIT技術者だ。情報機関で特別な教育を受けたこともないこの若者がそんな出来事を知っているとは、想像できない」
事の真偽はどうであれ、この事件ではっきりしたことがある。世界中の情報機関では、ヒューミントがいまだ諜報活動の中心的な役割を占めているということだ。
相手は何を企んでいるのか？
「規模の大小に関わらず、すべての情報機関はここ数年、ソーシャルネットワークや、グーグルなどの検索サイトを使ってリサーチしている。だが、ヒューミントは今も大事な手段だ」と、レグリ氏は強調する。
「捜査員が状況分析を行う際、まず最初に考えるのは、相手が何を企んでいるのかだ。それを知るには、もちろんEメールを盗み見たり、通話を盗聴したりすることはできる。しかし、相手が何を密かに計画しているのかを本当に理解するには、その人物に直接コンタクトする必要がある。そのために捜査員が存在する」
連邦情報機関のジモン・ヨーナー広報副主任によると、スイスは「ヨーロッパの中央に位置し、国連などの国際機関が集中している。また、金融中心地でもあり、エネルギーや商品取引が盛ん」という理由から、諜報活動には重要な国だという。
外国の情報機関が諜報活動の対象にしているのは人物だけに限らない。研究機関、大学、国際的な研究グループ、ハイテク企業以外にも、大量破壊兵器として使用可能な製品を製造している企業も対象に含まれる。さらに、スイスに移住した野党政治家の活動も監視している。
例えば２０１２年４月、チューリヒ州警察はハイテク機材を所持していた２人を逮捕した。逮捕されたのは、ライバルの政治家を密かに監視するためにスイスにやって来たグルジア内務省の職員だった。
情報の持ち主に近づく
情報機関はどうやって情報を握る人とコンタクトを取っているのだろうか。レグリ氏は言う。「まず、情報機関が関心事に役に立ちそうな人を見つける。スイスと米国で今起きている租税問題を例に挙げれば、米内国歳入庁（IRS）の今後の動きはぜひ知りたいところだ。そこで、スイスに対する米国の戦略を担っている人はどんな人物なのかを考えるのだ」
こうして人物を絞り込んだ後、捜査員はその人に近づいていく。だが、この作戦には数年かかることもある。また、可能な限りの予防線を張っておかなければならない。もし作戦が失敗したら、深刻な問題になってしまうからだ。
レグリ氏はスイスの例を説明する。「外国の情報機関は、スイスで外交官やジャーナリスト、企業の社員などと身分を偽って、政治経済における重要人物に近づく。博士課程の学生が貴重な情報を外国の情報機関のために収集できるのと同様、翻訳者や通訳も機密情報を入手できる」
情報の持ち主を見つけることは、LinkedIn（リンクトイン）などの新しいソーシャルネットワークの登場で簡単になった。例えば、スイスの企業に勤める専門家で、衛星技術分野で名を馳せるような人は、すぐに見つかる。
スノーデンCIA元職員事件
米中央情報局（CIA）のエドワード・スノーデン元職員は、CIAが膨大な量の情報を収集していたことを記録した「データゲート（Data-Gate）」に深く関わっているとされる。
スノーデン元職員は米国の外交代表として２００７年３月から２００９年２月まで、ジュネーブに勤務したことがあると話しており、これはスイス連邦外務省も認めている。
スノーデン元職員の供述によると、ジュネーブに滞在するあいだ、情報提供者としてある銀行員のスカウトに関与していた。CIA職員はその銀行員に酒を飲ませ、そのまま車を運転して家に帰るよう促した。その後、銀行員は警察の取り締まりを受けることになった。そこでCIA職員は銀行員に助けを出し、銀行員はCIAに協力することになった。
この証言を受け、連邦外務省はベルンの米大使館に説明を要求。スイスのウエリ・マウラー防衛相は、この事件に関わったCIA職員の身元が分かり次第、彼らを強制捜査すべきだと主張している。インフォボックス終わり
情報漏えいの代償
しかし、他人に情報を漏らすことには、場合によっては危険も付きまとう。「情報の持ち主が、法に触れたという理由で現地で非難されることもある。その場合、情報の引き渡しおよび捜査に協力することを条件に、情報機関がその人を助ける」とレグリ氏は言う。
また逆に、もしスイスで外国のスパイが発見されたら、当局は国外退去を命じ、スイスへの入国を禁止することができる。スパイが外交官だった場合は、「好ましくない人物（ペルソナ・ノン・グラータ）」に認定できる。
スイスでスパイが発見されるケースはどのくらいあるのだろうか。連邦外務省は「そのようなケースは非常にまれである」と説明するだけだ。こうした事件が公式に発表されるのは、当局が世間に問題提議をしたいときだと、連邦情報機関は主張する。
あまりにも受け身
連邦情報機関は自由に諜報活動ができるというわけではない。特に、電話の盗聴などには法的規制がかかる。そのため、外国のスパイ行為に十分に対抗できない可能性がある。また、スイスの金融市場は連邦情報機関の管轄下に置かれているわけではないため、外国から諜報される危険性が高い。
レグリ氏は、連邦情報機関主任に就任した１９９０年代初頭を想起する。「我々はすでに当時、政府に対し、『冷戦後、不均衡な脅威の時代が幕を開けた。我々は経済と金融市場をもっと守らなければならない』と訴えていた。しかし何も行われなかった。国の安全保障政策は楽観的な展望に基づいて策定された。重大な事態は決して起きないと考えられていたのだ」
そのため、スイスの諜報活動は受け身となり、状況が悪化した場合に問題に対処できなくなる恐れがあるという。
だが、政府が何もしていないわけではない。諜報活動に関する新法が現在、成立に向けて議論されている。成立すれば、連邦情報機関は電話通信の監視がしやすくなる。また、同機関の活動を金融分野にも拡大できるようになる。国民党のピエールフランソワ・ヴァイヨン下院議員は「今の連邦情報機関は、敵のスパイ活動に十分備えていない。そのために新法が必要だ」と、ドイツ語圏大衆紙ブリックに語っている。
レグリ氏も、「この新法でスイスは正しい方向に向かう」と言う。だが、十分なレベルではないと付け加える。「相手は槍を持っている。我々はアーミーナイフから銃剣に移行する感じだろう」
（独語からの翻訳・編集 鹿島田芙美）, swissinfo.ch