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今年最後の国民投票は、東ヨーロッパ諸国との協力政策についてと、これまで州ごとにまちまちだった児童手当の統一について問われる。
スイスの東ヨーロッパ諸国援助はこれまでも行われてきたが、これを拡大するという政府の提案にレフェレンダムが起こったため国民投票となった。児童手当についても政府が国全体で統一する提案をしたところ、反対意見が起こりレフェレンダムとなったため国民に審議が委ねられることになった。
今回の国民投票のようにスイスでは、児童手当といった家庭のことから外交問題まで、あらゆる事項が直接民主主義によって審議される。また、児童手当統一問題は、スイスの連邦制が国全体で統一した規則を作ることが、簡単にはできないことを表すものだ。投票日前の国民の意見交換も活発に行われている。
東ヨーロッパ援助
スイスはこれまでも、東ヨーロッパ諸国の民主化と経済発展のための援助協力をしてきた。今回政府が提案したのは、援助の拡大で、新EU加盟国、10カ国の経済、社会格差の是正を目的としている。この計画は10年間で10億フラン ( 約950億円 ) の予算で行われるというもの。
政府は9月末から、ミシュリン・カルミ・レ外相、ドリス・ロイタルト経済相、ルドルフ・メルツ財務相の3人が力を合わせ、政府案はスイスと東ヨーロッパ諸国の両方のためになるとアピールしている。カルミ・レ外相は、これらの諸国の所得はEU平均の半分にしか至らず、こうした格差を是正することでヨーロッパ全体がより安全で安定すると訴えている。さらに、政府案を否定することは、1990年代から始まったスイスの東ヨーロッパ援助を否定するに等しく、EUとの関係も悪くなり「スイスは損をする」と言う。
政府案に反対するのはスイス国民党 ( SVP/UDC )で、「( 政府案は ) 際限なき支払い」というキャッチフレーズを掲げる。マウラー党首は「新EU加盟国、10カ国に10億フランの援助をすることには反対ではない。しかし、10億フランに止め、今後の援助資金については、国民投票を必須とするべきだ」と言う。他の政党は政府案に賛成している。
児童手当の統一
政府案では、16歳以下の児童には月額で一律最低200フラン ( 約1万8800円 ) 、学校に通う16〜25歳までの子供には最低250フラン ( 約2万3500円 ) を支給するというもの。また、これまで児童手当の支給は労働者の児童に限られていたが、すべての児童を対象とするというものだ。政府案は最低額を定めたものであり、州の判断で、これ以上の支給も可能だ。
支払いが、企業の負担でなされるのはこれまで通りのため、年間の企業の負担が現在の40億フラン ( 約3800億円 ) より1割増大するのはよくないと訴える反対グループがレフェレンダムを起こした。反対する政党は国民党と急進民主党( FDP/PRD ) だ。2党はこれまで児童手当は州に采配が委ねられていたので、統一することは州の権限を侵すものだという理由も掲げている。都市と地方では、支給される金額もおのずと異なるはずだということだ。
国民党のウーリ・マウラー党首自ら、各家庭に電話を掛け、この２つの議題について反対理由を訴えている。国民党は今回の政府案反対運動に、6万フラン( 約570万円 ) の予算を設けるほどの熱心さだ。
swissinfo、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )
キーワード
＜東ヨーロッパ援助支給金額＞ ( １億単位で四捨五入)
ポーランド4億8900万フラン、ハンガリー1億3100万フラン、チェコ1億1000万フラン、リトアニア7100万フラン、スロバキア670万フラン、エストニア4000万フラン、スロベニア2200万フラン、キプロス600万フラン、マルタ300万フラン。
残りおよそ200万フランは予備費として、その他の優先的援助計画に使う。