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今年２月に開催された第６２回ベルリン国際映画祭で、スイス映画「シスター（Sister）」（原題：L'Enfant d'en haut）が特別銀熊賞を受賞した。
スイスのアルプスを牧歌的には表現したくなかったという監督のウルスラ・メイヤー氏に、その理由を聞いてみた。
映画「シスター」は４月４日にフランス語圏スイスの映画館で上映開始が予定されている。この作品はメイヤー氏の長編２作目となる。メイヤー氏はフランス、ブザンソン（Besançon）に生まれ、スイスのジュネーブ近郊で育った監督兼女優だ。今回の作品では、１２歳の少年シモンの話を描写した。
ケイシー・モッテ・クラインさんが好演するシモンは、もの悲しい人々が暮らす、もの悲しい谷に無職の姉ルイーズ（レア・セイドゥ）と暮らしている。２人は生きていく手立てを自分たちで探さなければならない。
冬になると、山の上では着飾った人や金持ちがスキー場にどっと押し寄せる。そこに少年が出かけていくのはスキー板を盗むときだけだ。谷に降りると盗品を売って、姉と自分の生活費を稼ぐ。
主演のモッテ・クラインさんは２００８年、数々の賞を受賞したメイヤー監督作品「ホーム（Home）」にも出演し、名演技を見せた。メイヤー氏にとって初の作品となったこの映画は、２００９年スイス映画賞（Schweizer Filmpreis/ Prix du cinema suisse）の長編映画部門と脚本部門で最優秀賞に輝いている。
「ホーム」は２００８年ヨーロッパ映画賞（European Film Awards）、２００９年にはフランスのセザール賞３部門にノミネートされるという快挙を成し遂げ、さらに２０１０年米アカデミー賞の最優秀外国語映画賞部門にスイス代表として選出されるなど高い評価を得た。
そのため、今年のベルリン国際映画祭で成功を収めた「シスター」は今後、ノミネートだけでなく受賞が確実視されている。
swissinfo ： スイスの映画が国際的に注目されたのは、マルクス・イムホーフ監督の「Das Boot ist voll（船は満杯）」が１９８１年にアカデミー賞にノミネートされたのが最後です。銀熊賞に輝いた「シスター」はスイスの映画界を活気づけるものとなるでしょうか？
メイヤー ： 今回の受賞を機に、スイス映画がほかの作品と張り合うことが多くなるのではないだろうか。これまでは、コンクールに出品するのは若いスイス人監督ばかりに限られていた。私の場合、２００８年のカンヌ映画祭で「ホーム」が上映されたのをきっかけに映画監督としてのキャリアがスタートした。
私の受賞でほかのスイス人映画監督たちも脚光を浴びるかは分からない。だが、リオネル・バイアー、フレデリック・メルムー、ステファン・ブロンなどの若いスイス人映画監督は現在、外国で高く評価されている。
彼らはポルトガルで毎年４月に開催される自主映画コンクール「インディ・リスボア国際映画祭（IndieLisboa）」に昨年招待された。若いスイス人監督作品だけの枠「ア・バンド・アパート（A Band Apart）」が上演プログラムに設けられたためだ。
swissinfo ： ア・バンド・アパートと聞くと、１９６０年代初期に若いスイス人映画監督が結成した伝説の映画監督集団「グループ５（Groupe 5）」が思い出されます。結成時にはクロード・ゴレッタやアラン・タネール、ミシェル・ステーなどの有名なスイス人監督が関わりました。スイス映画の歴史に名をはせる巨匠についてどう考えますか？
メイヤー ： スイスの映画監督は数年前まで、スイス映画の伝統的な潮流から脱却しようとしていた。だが私はいつも昔の映画監督の作品に感心していたし、ジャン・リュック・ゴダール監督やダニエル・シュミット監督の作品も尊敬している。彼らとの違いを見せたいがために、ゴレッタ監督やタネール監督から影響を受けないようにするというのはどうかと思う。
自慢するわけではないが、「シスター」はアラン・タネール監督の「サラマンドル」とフレディ・M・ムーラー監督の「山の焚火（Höhenfeuer）」の中間に位置する作品だと思っている。どちらの映画も、社会の片隅で孤独に生きていく人たちを題材にしているからだ。
swissinfo ： あなたはベルリンで「シスター」を政治映画だと紹介していましたが、それはなぜですか？
メイヤー ： 映画の舞台はスイスだが、ここで表現したかったのはその美しさではなく、地形だ。谷の寂れた工業地帯で貧しい暮らしを送るシモンと姉。その一方で、富であふれかえる山頂のスキー場。この映画ではこうした貧富の差に揺れるスイスを表現した。
私は絵葉書のように美しい牧歌的なスイスには興味がない。スイスの美しさは谷底と山頂の高低差にあると思う。高い場所、低い場所と交互に場面を変えることによって、この映画に政治的色合いを加えた。
この色合いは、アルプスの牧歌的なイメージを称讃したいわゆる「故郷映画」よりも濃いと思う。故郷映画はスイスのドイツ語圏で今人気があるようだ。例えば、今年１月のソロトゥルン映画祭（Solothurn Film Festival）ではこうした風景映画が多く出品されていた。
swissinfo ： 「ホーム」はヨーロッパの中で孤立しているスイスを比喩的に表現しているように見えます。また、「シスター」では世界的に美しい風景が舞台なのに、臭いにおいが立ち込めるトイレの場面が多く登場します。あなたはわざと牧歌的なスイスのイメージを壊そうとしているのですか？
メイヤー ： そんなつもりは毛頭ない。強いて言えば、私とスイスとの関係がほかの人と比べて多少変わっているだけだ。私はジュネーブに近いフランスの町フェルネーヴォルテール（Ferney-Voltaire）で育ったため、ジュネーブは実際の故郷ではないものの、いつも「私の町」だった。
父はスイスのドイツ語圏出身。そのため、スイスの映画を長年鑑賞してきたし、ある程度自分の中に吸収してきた。私は今ベルギーのブリュッセルに住んでいるが、これはスイスからの逃避かもしれない。スイスにはしょっちゅう帰るが、映画製作にはスイスと適度な距離を置きたい。
たぶんこの距離のおかげで、私はスイスを変わった視点から見られるのだろう。高峰の連なりを見れば神の存在をより近くに感じるものだが、私が描写するアルプスの山は大勢の外国人が集まるワイルドな観光地だ。視点を変えることで、言葉や世界に対する理解が変化してくるものだ。「シスター」では私とスイスとの関係を表現した。
swissinfo ： 次のプロジェクトにはどういうものを考えていますか？
メイヤー ： アイデアはあるが、まだ秘密にしておく。アイデアが育って膨らんでいるあいだは、生活を楽しんで、幸せの瞬間を満喫する。これが私にとって大きなご褒美なのだ。
映画「シスター（Sister）」
原題：L'Enfant d'en haut
スイス/フランス共同製作
主演：ケイシー・モッテ・クライン、レア・セイドゥ
スイス公開：２０１２年４月４日から
同映画でウルスラ・メイヤー監督は２０１２年２月、ベルリン国際映画祭で特別銀熊賞を受賞。
また、ベルリンの地元紙で一般審査員から映画祭ノミネート作品の上位３作品の１本に選ばれた。
ウルスラ・メイヤー（Ursula Meier）氏略歴
１９７１年フランスのブザンソン（Besançon）生まれ。母はフランス人、父はドイツ語圏スイス人。現在はベルギーの首都ブリュッセルに在住。
スイスとフランスの国境ジュネーブ近くで育つ。フランス側のフェルネーヴォルテール（Ferney-Voltaire）の学校に通う。
ブリュッセルのメディア芸術研究所（IAD）で映画製作を学ぶ。
短編映画を数本製作。その後、独仏共同出資のテレビ局「アルテ（arte）」で初めてテレビ用映画「強い肩（Des épaules solides）」を製作。
初めての長編映画「ホーム（Home）」が２００８年、カンヌ国際映画祭にノミネートされる。
同映画はほかにもアカデミー賞最優秀外国語映画賞部門など数々の賞にノミネートされ、国際的な賞をいくつも受賞した。
映画評論家は、メイヤー氏の作品はイギリスの映画監督ケン・ローチ氏やベルギーのジャン・ピエール・ダルデンヌ氏、リュック・ダルデンヌ氏の影響を受けていると見ている。
メイヤー氏自身、国際的に有名なアラン・タネール氏やクロード・ゴレッタ氏、フレディ・M・ムーラー氏といったスイスの映画監督の影響を受けたと話している。
（独語からの翻訳・編集、鹿島田芙美）, swissinfo.ch