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スイス連邦保険局 ( BAG / OFSP ) は5月15日、ベルンで新型インフルエンザ予防対策を発表。
鳥インフルエンザウイルスH5N1の遺伝子が変異を起こし、人から人へ感染するウイルスとなり、世界的に大流行 ( パンデミック ) することを「新型ウイルスによるインフルエンザパンデミック」という。この予防対策の1つとして、スイスではマスクを1人あたり50個備蓄しておくことを勧める。
このウイルスH5N1の遺伝子が変異し、いつ人から人への感染になってもおかしくない状況の中、スイス連邦政府は、国が責任をもって行う予防対策と、国民が行うべき予防対策を区別して発表した。
スイスの完璧な対策
1パック50個入りのマスクが、約5フラン ( 約490円 ) で大手スーパーのミグロやコープで数日後、販売されるという。なぜ今手に入れるべきなのか？「世界中がマスクを必要とする時が来ることはまちがいない。その時パニックにならないため」と説明するのは、スイス連邦保険局のジャン・ルイ・ツルヒャー氏。
マスクは、連邦政府が新型インフルエンザパンデミックの警告を発した時に使用するようにという。さらに「手を石鹸で定期的に洗う。鼻をかんだり咳をしたりした時はティッシュを使い、すぐゴミ箱に捨てる。握手は避ける」などを個人の責任で行うことを勧告している。
一方、連邦政府は、国の責任で、800万人分のワクチンをすでに注文しており、夏前にはストックが完了するという。
タミフルも200万人分用意されている。「最悪の事態を考えても、人口700万人のスイスにとっては200万人分で十分」とツルヒャー氏は保証する。
WHOのテーマ
「世界の中でもスイスとオーストリアは、早い時期から新型ウイルスによるインフルエンザパンデミックの予防対策を行っている代表的な国。予防もやればここまでできるというモデル」と語るのはWHO医務官、進藤奈邦子氏 ( 医学博士 )。
鳥インフルエンザウイルスH5N1はA型ウイルス。四季のあるところでは冬にはやるが、熱帯では夏でも起こる。それが遺伝子変異を起こすのは時間の問題という。異変を起こしたウイルスが飛行機などによる人の移動で、スイスに広がることは十分考えられる。
この人から人への感染になった場合の新型ウイルスのワクチン確保の問題はまさに、WHOの第60回総会の大きなテーマの1つ。
検体ウイルスを提供しているタイやインドネシアは、検体ウイルスをWHOと共有する代わりに、早い時期にワクチンを十分確保できる約束と、長期的にはワクチンを自国で生産する技術を先進国から技術協力の形で受ける約束を要求している。
こうした機構が今回の総会中に設定できるかが問題の焦点になっている。「メンバー国が世界の平和と健康を望む強い意志をもっていれば成功する」と進藤氏の声は明るい。
swissinfo、里信邦子 ( さとのぶ くにこ )
新型ウイルス
H5N1は現在、鳥の気道の細胞レセプターにつきやすい形だが、それが遺伝子変化を起こし、人の細胞のレセプターにつきやすい形に変わると人から人へ感染が起こる。
WHOは、ワクチンの種ウイルスを作る協力センターで研究を進めている。このセンターにインドネシア、タイなどが検体ウイルスを提供する代わりに、自国のワクチン確保を要求している。
人から人への感染が起こり、新型ウイルスによるインフルエンザパンデミックが起こった場合、10億人が感染し、そのうち200万人から最多で740万人が死亡するといわれている。
今日まで鳥から人への感染は続いており、およそ290人が感染、そのうち170人近くが死亡している。