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スイスの食品大手ネスレはパーム油の調達に関して環境団体から非難された際、来年までにサプライチェーン全体において森林破壊に関与する原料を排除すると約束した。しかし、その目標の達成に近づくにはあと3年かかるだろう。
2010年はネスレにとって試練の年だった。環境保護団体グリーンピースが同年3月、ある衝撃的な動画をユーチューブにアップした。それはネスレ傘下のブランド「キットカット」のチョコレートバーを食べることは、オランウータンを殺すことと同じだという内容だ。このキャンペーンと人々の反響が一因で、ネスレは物議を醸していたインドネシアのパーム油サプライヤー、シナルマスとの提携を一時的に解消し、サプライチェーンにおける森林破壊をストップすると約束した。
しかしネスレは最近、この約束の期限を守れないことを認めた。その代わり、来年末までにサプライチェーンの90％が森林伐採に関与しないようにするということで妥協せざるをえないという。
「残りの10％は将来的に達成されるだろう。今後3年間で100％に近づけるよう努力を続ける」と、ネスレの責任調達部のグローバル部長、ベンジャミン・ウェア氏は語った。
計算された妥協
昨年900億フラン（約9兆9000億円）以上の売上を上げたほどの会社が、なぜ10年越しの目標を達成できないのだろう？ネスレによると、原因はいくつかある。
まず、ネスレはパーム油の約2割を1〜10ヘクタールの小さな農園を営む小規模農家から調達している。ネスレによると、こうした農園の境界線をはっきりさせ、衛星で森林伐採の状況を監視するのは極めて難しいという。
「小規模農家をサプライチェーンから外すという選択肢もあったが、それは選ばなかった」とウェア部長。
またネスレによると、大半のサプライチェーンはこの業界共通のものであって、ネスレ専用ではないという。
「一部のサプライチェーンでは、証拠や透明性を求めているのが当社だけだ。サプライヤーは1社のためだけにそういったものを提供しようとはしない」とウェア部長。
ネスレによると、透明性の問題がもっとも深刻なのは中南米、特にグアテマラ、ペルー、ブラジル、チリ、コロンビアで、対象となる商品は砂糖、大豆、パーム油などだという。この地域のサプライヤーはサプライチェーンの透明性改善に消極的だが、ネスレは取引を中止することは望んでいない。
「そうなれば結局、誓約を守るためにアジア産の原料を優遇し、それを地球の裏側まで運ぶことになってしまう」とウェア部長は話す。
ウェア部長は今年5月の時点でネスレが森林破壊ゼロの誓約期限を守れないことを認識しており、6月にはこの問題が取締役会にかけられた。ネスレは小規模農家と南米をサプライチェーンに残すか、あるいは森林破壊ゼロの誓約を守るかの選択を迫られた。最終的にネスレの取締役会は、企業の信頼問題に発展するリスクがあっても、時間をかけて着実な方法をとることを選んだ。
責任の追及は続く
環境団体グリーンピースは、小規模農家を排除せず、グローバル・サプライチェーンにさらなる透明性を要求するというネスレの決定に同意する。ただし、約束よりも結果が見たいとも話す。
グリーンピース・スイスの活動家アスティ・ルーズルさんは「ネスレがこれまで行ってきた努力は、同社が原料を調達している地域の森林破壊・森林劣化の改善につながっていない」と言う。
グリーンピースは、ネスレが自社の「森林破壊ゼロ、泥炭地ゼロ、搾取ゼロ」という責任ある調達ルール（NDPE）に違反しているサプライヤーからパーム油や大豆、ココアといった主要商品を調達し続けていることに不満だ。また、ネスレに対し自社だけの戦略的利益やコミットメントを超えた視野を持ってほしいと望んでいる。
「ネスレは世界最大の食品製造会社として、自社のサプライチェーンにとどまらない構造的な解決策を講じる必要がある」とルーズルさんは話す。
各企業が協力して全ての業界の改革を後押しすべきだと考えているのはグリーンピースだけではない。ネスレを含む200社の企業ネットワークで、企業部門での持続可能性の向上に取り組む「持続可能な開発のための世界経済人会議（World Business Council for Sustainable Development）」もまた、統合されたアプローチを奨励している。
同会議は、森林伐採のような問題に対して業界全体として対応するため、企業同士がより深い協力関係を結ぶ努力をすべきだと主張する。
「難しいかもしれないが、可能なことだ」と、ある広報担当者はスイスインフォに語った。「森林伐採の場合、それに責任のある国の政府が良心的な企業および実際的な市民社会のパートナーと緊密に連携して、森林伐採の根本的原因と複雑な難題に取り組んでいかなければならない」
（英語からの翻訳・西田英恵）