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スイスで今春行われた州議会選挙で、わずか32％という極めて低い投票率を記録した。残念ながら、州レベルの選挙としては珍しいものでもない。有権者の関心を引き付けるのは全国レベルの総選挙や、身近な市町村レベルの選挙で、州議会選挙はちょうどその中間に位置する。投票率の低さの原因を探った。
目を疑った。今年3月末にベルン州で行われた州政府・州議会選挙の投票率が、32％にも満たなかったのだ！さらに嘆かわしいことに、この数字に関心を示す人がほとんどいなかった。誰の予想も裏切らない結果だったからだろう。
しかし、なぜこうなったのだろうか？
半数はケースバイケースで投票
数年前から投票行動研究で明らかになっていることがある。それは、スイスの有権者はもはや、どの投票についても自分の考えを持っているわけではない、ということだ。そもそもすべての投票について自分の考えを持つことなど不可能なことが研究で分かっている。選挙と投票は連邦、州、基礎自治体の3つのレベルで行われるため、数が多いことがその原因だ。政治参加を義務と考える向きは以前からなく、現在ではむしろ自分の都合で行使できる権利として認識されている。
そこで、現在の有権者を簡単にカテゴリー化してみると、「定期的に投票する人」「たまに投票する人」「全く投票しない人」の3タイプに分けることができる。言い換えると、10人中3人はいつも投票し、2人は全く投票せず、5人はケースバイケースで投票している。
また自分に関係あるかどうかや利害、持論の有無も、投票参加を促す要因として知られる。
政治的関心の再強化と消失
過去40年間の選挙・投票参加率を振り返ると、「政治的関心の消失」と「政治的関心の再強化」という主に2つの正反対な傾向がみられる。
有権者の政治的関心が再強化されたのは、優先順位の高い重大なテーマが話題に上ったときだ。1983年ごろは森林の枯死、最近ではパンデミックがテーマとなった。ほかにも対欧州連合（EU）関係、移民問題、気候問題といったテーマがある。
これらのテーマに共通するのは、既存政党が少なくとも初動で十分に対応しなかった点だ。そのためスイスには政治的に未解決の問題が山積みとなり、投票をきっかけに新たな抗議運動が生まれた。政党はこれらの新しい問題に取り組むことで、選挙で有利な立場に立てた。こうして勢力を拡大してきたのが国民党と緑の党だった。
連邦レベルの選挙で投票率が42％ちょうどという最低を記録したのは、1995年の国民議会（下院）選挙だった。それから10年後に行われた総選挙の投票率は49％。連邦レベルでは平均投票率は80年代以降、絶えず上昇を続けている。80年代は平均40％強だったが、2010年には平均で49％に上がった。
パンデミック期など例外的な状況下では、投票率は戦後最高の57％を達成した。これが連邦レベルにおける投票率の概観だ。
では州レベルではどうだろうか？最近まで比較可能な統計がなかったが、スイスを中心に連邦制度の国際比較研究を手掛けるローザンヌ大学のショーン・ミュラー助教授（スイス連邦制度・比較連邦制度）がこの点に着手。過去40年に行われた各州の州議会選挙の投票率（1つ目のグラフ）と各州の住民投票の投票率（2つ目のグラフ）を統計にまとめた。
上のグラフ：州議会選挙の平均投票率（青線）は時代の推移とともに下降している。
下のグラフ：住民投票では平均投票率が着実に増加。州議会選挙の投票率同様、現在は40％強だ。
州レベルの住民投票の平均投票率からも、政治的関心が再強化しつつあることがミュラー氏のデータから分かる。連邦レベルと同様、平均投票率は1980年代以降上昇した。80年代の平均投票率は35％だったが、現在は42％強だ。
しかし、州議会選挙に関しては様相が違う。40年前は平均55％の有権者が投票していたが、現在はわずか40％強。投票率は下降の一途をたどっている。ここから分かることは、州の政治を誰が、どう運営するのかが、市民にとってあまり重要ではなくなったということだ。ここに問題の本質がある。
州境をまたぐ通勤
近年の世論調査では、州への帰属意識がスイスの市民たちの間で薄くなっているとの結果が度々出ている。これは人々の移動性、つまり職場が大都市に集中していることと関係している。土地勘のあまりない郊外に住む人もいれば、居住地と勤務地が離れた人もいる。
とりわけスイス南西部から北東部にかけて広がるミッテルラント地方の広範囲では「グローカリゼーション」が起きている。グローカリゼーションとは、グローバルや国レベルの問題に関心を払いつつ、居住区や市町村などの身近な地域の問題にも関心を向ける考え方を指す。
「選挙に参加するのは、政治の常連だけだ」End of insertion
しかし、その中間に位置する州政治は全く重視されなくなった。州に何らかの自治権があると思う人は今やあまりいない。そのため、州議会選挙で投票する人はもっぱら政治の常連だけだ。
均質な社会、高い投票率
特筆すべきは、独自の言語を持つ非主要地域や高山地帯はこれに当てはまらない点だ。こうした地域では選挙は州への帰属意識を示す機会となっている。例えばイタリア語圏のティチーノ州やアルプスに覆われたヴァレー（ヴァリス）州の州議会選挙では今も高い投票率が維持されている。一方、ミッテルラント地方と同様、投票率が下降傾向にあるのが中央スイスのルツェルン州だ。この傾向はルツェルン州の周辺地域を中心に広がりつつある。
政治学はこの現象を「選挙で高い投票率が期待できるのは、限りなく均質で閉鎖的なコミュニティーから成る地域」とまとめる。そうしたコミュニティーが廃れた地域では、政党間競争やメディア報道が投票率を押し上げる要因となっている。
しかし、与野党の区分なく全主要政党の合議で政治を決める調和的民主主義がそれを妨げている。大抵の場合、州議会選挙は政治的な転換点ではなく、民主的な慣例であり、単なる信任選挙であることも多い。通常は、再任を目指す現職議員が候補者となり、空いた議席を巡っては、その議席を保有していた政党が優遇される。こうしたことが世間ないしは有権者の関心をそぐ要因となっている。
メディアの動員力
「政治報道が減った地域では、特に選挙の投票率が下がった」End of insertion
別の要因はメディアだ。特にマスメディアは、選挙戦を盛り上げるうえで最も重要な役割を担う。候補者や政党にとって、マスメディアはどの宣伝よりも効果がある。しかし地方メディアが経営難に瀕している現在、その効果も限定的だ。近年の政治学やメディア学の研究によると、選挙に関する調査・補足および批判的なジャーナリズムは、資金難を背景に大幅に減少した。政治報道が減った地域では、特に選挙の投票率が下がった。
スイスでも統一地方選？
一つの解決策として、各州の州議会選挙をスイス全土で同時に実施する統一地方選の導入が考えられる。これが実現されれば、地方メディアは4、5年ごとに選挙報道に集中でき、政党も地域での選挙活動がしやすくなる。また、多くの有権者は居住地の州にしか関心を寄せていないわけではなく、他州の選挙結果が一度に把握できることにはメリットがある。特に職場がA州にあり住居がB州にある有権者には役立つだろう。
ここで最初の問いに戻ろう。ベルン州ではなぜあのような結果になったのだろうか？ベルン州が民主主義に疲れたというわけでは決してない。あれは極端な例だが、唯一の例でもない。
ベルン州の州政府参事（連邦政府の閣僚に相当）のポスト配分にはほとんど変化がなく、公示前と同じだった。つまり1つ目の理由としては、選挙の典型的パターンが起きたことが挙げられる。2つ目は、ベルンの地方メディアがチューリヒにほぼ一元化され、州議会選挙の報道が減ったこと。3つ目は、ベルン州では人口の多い地域がミッテルラント地方にある点だ。そうした地域では州境を超えた移動が多く、地元とのつながりが希薄化している。
こうした事情を踏まえれば、31～32％の投票率には何の驚きもないだろう。
（独語からの翻訳・鹿島田芙美）
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