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11月3日に迫る米大統領選挙は、米国のソフトパワーの終わりでも回復でもなく、「米国離れ」を告げることになるだろう。このコンテンツは 2020/10/31 08:30
米ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授は、「ソフトパワー」という概念を作り出す際、少なくともイタリアの思想家アントニオ・グラムシやドイツの社会学者カール・マンハイムまで遡って研究されていた現象を挙げた。強制ではなく同意によって影響力を行使する方法だ。著書「不滅の大国アメリカ」（原題「Bound to Lead」は、リードする運命にあるという意味）の中で、他国に対する米国の影響力は、その国の指導者層が米国のカウンターパートと同じことを望んでいるという事実から生じることにナイ教授は注目した。単に政治的価値観を共有するだけではなく、特に米国の大衆文化やアカデミックな文化に浸ると、米国の議論に幅広い理解を示すということでもあった。例えるなら、第2次世界大戦後の欧州における米国支配のカギを握っていた著名人は、ディーン・アチソン国務長官（当時）やドワイト・アイゼンハワー大統領（当時）よりはむしろ、ミュージシャンのエルヴィス・プレスリーや俳優のジェームス・ディーンだったと言うことができるだろう。
もちろん、ソフトパワーは、米国が思いどおりにできるという意味ではなかった。冷戦中も冷戦後も、民主党の大統領も共和党の大統領も、欧州諸国のカウンターパートによって、米国の計画が根底から変更されたり、ただ妨害されたりするのを何度となく経験した。にもかかわらず、2003年のイラク戦争のように激しく意見が対立したときでも、米国は「有志連合」を結成することができた。
大混乱
ドナルド・トランプ氏の米大統領就任が非常に大きな混乱をきたしたのは、このような背景があったからだ。北大西洋条約機構（NATO）や欧州連合（EU）に対する批判、貿易戦争への熱狂、ロシアのウラジミール・プーチン大統領への甘言。これらすべてが米国のソフトパワーをごみ箱に捨てるようなものだと見る人が多かった。トランプ大統領を支持した知識人や芸術家が少なかったことも、米国がもはや欧州諸国をリードする存在ではなくなっていることを示している。
だから、米国のエリートの代表らがミュンヘン安全保障会議や世界経済フォーラム年次総会（ダボス会議）などのイベントに赴いたとき、その訪問は大統領選挙後にはすべてが元に戻るという政治的亡命者の安心保証に似ていると解釈された。だからこそ、ジョー・バイデン氏の勝利に対する期待は大きい。
「米国のソフトパワーを本当に葬り去るのは、ドナルド・トランプ氏ではなく、（フェイスブック創業者の）マーク・ザッカーバーグ氏かもしれない」End of insertion
にもかかわらず、トランプ大統領やその周囲の人々は、ナイ教授が展開した本来の意味での「同意」によって、欧州でかなりの影響力を発揮している。「米国第一」の経済ナショナリズム、外国人嫌い、政権の指導者層に対する不信が合わさって、ハンガリーのポピュリスト（大衆迎合主義）政治家ヴィクトル・オルバン首相やイタリア極右政党のジョルジャ・メローニ代表のような指導者にとって、あるいは、過激な右翼集団「オルタナ右翼」や陰謀論集団「キューアノン（QAnon）」の信奉者にとって魅力的な主張を作り上げている。これは摩擦によって動力を伝えるソフトパワーの新たな伝動ベルトだ。ニューヨーク近代美術館（MoMA）やモータウン（デトロイト発祥のレコードレーベル）ではなく、極右のニュースサイト・ブライトバート、画像掲示板の8kun（旧8chan）、ソーシャル・プラットフォームのGabが影響力を持つ。トランプ氏は選挙に負けるかもしれないが、これらの考えは生き続けるだろう。
これら現代の極右グループの反対側には、亡命中の米国人エリートとはやはり距離を置いた、無数の考えや動員の形態がある。セクハラや性被害を訴える「#Me Too」運動や「Black Lives Matter（黒人の命も大切だ）」運動、そして、これらの運動の国境を越えた広がりを例に取ろう。これらの運動はほぼすぐに各地で、地元の政治家、警察、スポーツチーム、さらには彫像にまで取り入れられる。活動家のほとんど全員が根っからの反トランプ派であるという事実は、運動が定着するにあたってあまり重要ではない。
「米国離れ」
要するに、米大統領選挙は、米国のソフトパワーの終わりでも回復でもなく、「米国離れ」を告げることになるだろう。バイデン氏が勝利したとしても、米国のグループは、世界中に響きわたる考えや政府外の組織形態を広め続けるだろう。しかし、この共鳴が意味するのは、普及していくものは厳密な意味でもはや米国的ではないということだ。米国のソフトパワーを本当に葬り去るのは、ドナルド・トランプ氏ではなく、（フェイスブック創業者の）マーク・ザッカーバーグ氏かもしれない。
この記事は2020年10月9日、フランス語圏の日刊紙ル・タンの特集「米国と私たち」に掲載されたものです。