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欧州で最も小さな「市」がスイスにある。昔、大司教が住んだ館と城が今も残っている。かつては立派な裁判所もあり、れっきとした市として認められていたという。しかし、中世以来の「市」に住む住民はいまやたったの9人。いまは隣りのハイツェンベルクに所属する町だがスイス最小の自治体であることは間違いない。このコンテンツは 2005/03/05 15:02
スイス西部クール市から南に40キロにあるフュルステナウ（Fürstenau）は、数分で通り抜けられ、その間に全市民に出会うこともできるほどの小ささだ。
シェークスピアのハムレットの舞台にでもなりそうなフュルステナウ。それもそのはず。ドイツ語で公爵を意味するフュルスト（Fürst）が語源となった地名からも伺えるように、フュルステナウは高貴で由緒のある「市」である。フュルステナウが市として公認されたのは、独自の裁判所が作られ、年2度、市場を立てることが認められた1354年という。
ロマンチックさに魅せられた市民
ひとりのジャーナリスト（筆者）が市を訪れたということで、フュルステナウの建築を紹介する公式ガイドを片手に、ハンス･ウェーバーさんがわざわざ家から出てきてくれた。
「世界でもあまり例のない珍しいものです」と美術品の修復を専門とする彼がアトリエで見せてくれたのは、昔の絵画だった。ウェーバーさんは綿棒をアルコールに浸し、絵画の汚れを取り除く。「ここに住むのはとてもロマンチックですよ」と市の歴史にすっかり溶け込んで生活する彼。美術品の修復を生業としているので、特に魅力のある場所だという。ウェーバーさんは現在ホテル兼レストランとなっているかつてのフュルステナウ城の壁に掛かっていたタピストリーの修復も手掛けた。
フュルステナウは小さいが、村ではなく市なのだと語気を強めるのはアンドレアス・カミナーダさん。小さいものの城とかつての大司教の館があることも誇りの一つだ。カミナーダさんと彼女のパートナーは城を改造したホテルを経営。ホテルには古い調度品を新しいデザインで調和させた雰囲気たっぷりの6つの客室がある。ホテル付きのレストランはグルメの舌を満足させる高級店だ。
手入れに喜びを感じる市民
こじんまりとしているが、城はルネサンス期のもので、フュルステナウがこの時期に栄えたことを物語っている。「市」の建築物と城壁は「スイスの風景」として連邦政府の保護の対象として指定されている。指定されたからといっても、建物の管理が自動的になされるわけではなく、市民による手入れが必要だ。
ウェーバーさんが購入し自ら修復した家は『眠りの森の美女』の物語のようにウェーバーさんに目を覚まさせてもらった家だ。およそ1世紀もの間空家になっていた物件で、雨漏りがし、窓はすべて壊れていた。改築作業のために壁をはがしたが、トラック一台分になったという。眠りの森の美女の館は、大司教がかつて住んだ館が東側にあり、城が西側に控える。
ウェーバー家の向こう側にはケーリン夫婦が住んでいる。
幽霊が出た？
ケーリン夫婦はフュルステナウで「唯一」の農家。庭師もする。家を囲む牧草地に羊を放している。「城には幽霊が住んでたんだが、城が改築されたら引っ越してしまった」とカリー・ケーリンさん。「信じないかい？幽霊といってもヤマネだったんだがね」とユーモアを交えて市の歴史を語ってくれた。以前は､ヤマネが夜になると動き出し、その音を聞いた人が幽霊だと思ったという。
ケーリン夫婦と、ほか7人の市民全員が実はフュルステナウの出身ではない。市民全員、静けさやその魅力的な歴史と昔ながらの「街並み」が気に入り、ここに移住してきた。
swissinfo デール・ベヒテル （フュルステナウにて） 佐藤夕美 （さとうゆうみ）意訳
キーワード
シャウエンシュタイン
ホテル−レストラン
Schauenstein Schloss Hotel Restaurant
CH-7414 Fürstenau
電話+41 81 632 10 80
補足情報
フュルステナウ
グラウビュンデン州クール市（Chur）から南方40キロ。
1354年、独自の裁判を持ち、年2回の市場を開く市として承認された。
市を囲む中世の城壁は「スイスの風景」として保護の指定を受けている。
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