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クレディ・スイス崩壊で沈黙貫くサウジアラビア
スイス最大の金融機関UBSによる同業のクレディ・スイス（CS）買収。自身の発言でCS崩壊を招いた筆頭株主、サウジ・ナショナル・バンクの会長はその後、辞任の憂き目を見た。UBSによるCS買収は中東の株主に多大な損失を与えた。サウジアラビア政府関係者は今も沈黙を貫くが、中東メディアの反応は様々だ。
サウジ・ナショナル・バンクのアンマル・アル・フデイリ会長は15日、ロイター通信に対し、規制上の理由からCSに追加出資はしないと発言した。
「そう、私たちはできない」。フデイリ氏は言った。「（追加出資をすれば）10％を超えてしまうため、できない。規制上の問題だ」
フダイリ会長は、サウジ・ナショナル・バンクはCSの事業再建計画に満足しており、CSに今後追加出資が必要になるとは予想していない、と付け加えた。だが、同行が保有する株式がしかるべき価格を獲得した時点で売却するとも語った。
その数時間後、同会長はサウジアラビア政府系のテレビ局アル・アラビアに対し「CSに関する私の発言が間違って解釈された」と釈明、自身の発言によるダメージ払しょくに努めた。同行への出資比率を増やせないのは、CSへの出資比率を10％未満に制限している規約が理由だと繰り返した。
サウジ・ナショナル・バンクがCSから撤退する意向があるかと再度質問されると「現時点では、ない」と答えた。アル・アラビアによると、フデイリ氏の発言でCSの株価が一日で25%以上急落した。
決定打
米国で2つの銀行が破綻した矢先、フデイリ氏が発した言葉で金融界は大揺れとなった。不祥事続きで経営再建中だったCSの信用は失墜した。CSは1日に100億フラン（約1兆4千億円）もの預金が引き出され、経営はさらに悪化した。CSはこれ以上の株価急落を食い止めるため、スイス国立銀行（中銀、SNB）から最大500億フランを調達することで安定化を図った。だが、手遅れだった。
UBSによるCS買収はアラブ諸国、特にサウジアラビアとカタールの株主に大きな損失を与えた。アラビア語メディアの反応は様々だった。株主への影響に注目する声もあれば、銀行業界におけるUBSの台頭、世界最大のウェルス・マネジメント事業体が誕生することに着目するメディアもあった。だが、ソーシャルメディアでサウジ・ナショナル・バンクがCSに危険な投資を行ったこと、それによる損失への批判が出ている一方で、フデイリ会長の発言が与えた影響については誰も口にしない。
サウジ当局は最小の富の損失が出たことを認めた以外、目立った反応を示していない。
1つあるとすれば、CS破綻から1週間後の27日、フデイリ氏が「個人的な理由」で辞任を発表したことだ。同氏は、以前からサウジ・ナショナル・バンクは株価が上がればCSから撤退すると発言していた。だがその会長の辞任を報じたアル・アラビアは、同氏の発言でCSが1週間で破綻寸前に追い込まれたことには言及しなかった。
CSの物語
アル・アラビアは「CSの物語を振り返るーーこうしてCSは破綻した」という別の記事でCS自体を批判した。最近の株価急落は、数年にわたる一連のスキャンダル、経営陣の交代、数十億ドルに上る損失、目新しさのない戦略、これらが現在直面している混乱の原因だ、と糾弾した。
アル・アラビアはまた、昨年秋に同行の経営破綻が迫り、顧客が流出したと指摘した。CSは今年2月、2022年第4四半期だけで1100億フランの預金引き出しがあったことを認め、年間損失として金融危機以来最大の72億9千万フランを計上した。同行は昨年12月、40億フラン相当の株式を売却し、投資家の協力を仰いでもいた。
買収を最後に知った人たち
サウジアラビアの民間紙アッシャルクは、中東の株主らはCSの株式の約5分の1を所有しており、今回の騒動で最も損失を被ったと指摘。UBSが破格でCSを買収することも最後になって知ったという。
同紙は、先週末に早急に行われた協議で買収が決まり、それを発表する前にスイス連邦政府が主要株主と協議したかどうかは不明だとした。
ドバイ拠点の金融サービス会社Awad Capitalのパートナー兼マネージングディレクター、マーク・ネシム氏は、UBSとの契約は株主にとって「既に終わった話」だったと話す。
「株主から離れ、国益を守るために介入しようとする政府は常にどこかに存在する。（中略）つまり、銀行株主の最終的な意思決定者は政府だ。米国であれ、欧州であれ、その他の地域であれ、どこも同じだ」
オンライン新聞アラビ21は「サウジのCS投資12億ドルが蒸発」という見出しで記事を配信。実際、サウジ・ナショナル・バンクは数カ月で約10億ドル分の投資を失った。カタールの新聞アルアラビーは、CSの長年の株主で昨年1月に同行の株式数を増やしたばかりのカタール投資庁の保有株にも影響が出たと報じた。
それにもかかわらず、サウジ・ナショナル・バンクは声明で、既に発表済みの2022年財務諸表と2023年財務予測によれば、CSグループへの投資は昨年12月時点でサウジ・ナショナル・バンク・アル・アハリ銀行の総資産の0.5％未満、同行の投資ポートフォリオの1.7％に過ぎないと指摘。CSグループへの投資の公正価値が変化しても、2023年の自行の財務予測と計画には影響しないと明言した。
ソーシャルメディア上の批判
CS崩壊がもたらす投資ファンドへの影響を当局が軽視する一方で、ソーシャルメディアでは、中東圏のCS株主に対する批判もちらほら見られた。
経済アナリストで、米CNBCのテレビ番組「Between Numbers」の元司会者アフメド・ハティーブ氏は、ツイッターでサウジ・ナショナル・バンクへの批判についてコメント。CS幹部とサウジ・ナショナル・バンク幹部に向けられた反応の違いを指摘した。
「CSへの投資損失（同銀行の資産の0.5％に相当）に対するアル・アハリ銀行幹部への批判をツイッターで目にした。一方で、自行の崩落を招いたCS幹部はボーナスの受け取りを待っている😂（スイス国立銀行は一時的に支払いを停止した）」
今後はどうなる？
アッシャルク紙は、今後のシナリオをいくつか提示し、CS破綻を受けて他の銀行がスイスの金融市場で好機を狙っていると報じた。
ただ米地方銀ファースト・リパブリック・バンクの破綻危機について触れ、金融の脆弱性への懸念はまだくすぶっていると指摘。米国の3銀行、CSの破綻が危機のピークなのかを判断するには時期尚早だとした。
一方、オンライン経済メディアのエコノミー・シーンは、UBSが銀行セクターを牛耳るプレーヤーに台頭すると予想。ライバル行のCSを買収することで、ウェルス・マネジメント業界を支配するようになるかもしれないとみる。
同紙によれば、合併後の銀行は約4兆ドル規模を誇る世界最大のウェルスマネジメント事業者になる。
これは世界の個人のウェルスマネジメント全体の約6.2％に相当し、預金者一人当たりの投資額は100万ドル以上となる。
UBSのCS買収には、資産管理部門について、収益性のあるCSの国内部門を残すという特別規定が含まれる。エコノミー・シーンによると、一部のアナリストはこの買収取引全体で支払った金額の3倍以上の価値があるとみている。
編集・ Reto Gysi von Wartburg , Geraldine Wong Sak Hoi
英語からの翻訳・宇田薫
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