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スイス西部のビール（ビエンヌ）市は時計産業の中心地として知られ、二つの公用語を持つ都市としてはスイス最大だ。そんなビール市には、投票率が極めて低いという自慢できない特徴がある。そこで市は条例規則を全面改定することで、市民参加型の政治を実現しようとしている。
市民の政治参加を可能にする参政権は黄金時代を迎えた。スイスでもフランスでも討論会、円卓会議、パネルディスカッションなど政治的意見について議論する場が頻繁に設けられ、フランスでは「黄色ベスト運動」の参加者が国民投票制度の導入を求めている。そんな中、スイスの基礎自治体の首長らは、有権者の間で薄れた市民意識を行政側が呼び起こそうとしている。
そのうちの一つがビール市だ。地元住民の多くは政治問題への関心を失っており、投票率が50％未満の状態がずっと続いている。住民投票はここ２５年でわびしいものとなっている。
ビール市の条例規則（Stadtordnung）は1960年代に制定され、最後に1996年に改定されたきりだ。そこで、これを「憲法」および市の「核心部」と捉える市は、条例規則の全面改定他のサイトへを通して市民の意向を汲み取ろうとしている。有権者の政治離れは投票率を見れば明らかだが、市民参加型の政治モデルを導入すればこの傾向を止めることができるだろうか？その解決方法を導く集会が5日、ビール市のファレルホールで開かれた。
民主主義の新たな方向性
夜に行われた集会には、地元の議員や有権者約100人が集まった。地元有権者の政治意識を再び高めるための方策について、エーリッヒ・フェール市長他のサイトへ（社会民主党、50歳）から説明を聞くためだ。もっと言えば、住民が市民生活に情熱を傾け、変化に素早く対応するための方策についてであり、人口約5万6千人のビール市のような中都市を運営する責任を行政当局と住民で負担していくための方策についてだ。
「本当に投票する価値のあるテーマが有権者に問われるよう、行政側は配慮しなくてはならない」
エーリッヒ・フェール、ビール市長
「私たちは現在、民主主義の方向性を新しく定めようとしている」。集会の冒頭、市長は現状をこう分析した。スイス西部のゼーラント地方最大の都市でもあるビール市は、ベルン州内で最も投票率が低い。「本当に投票する価値のあるテーマが有権者に問われるよう、行政側は配慮しなくてはならない」と市長は語る。
そのため、例えば毎年恒例だった市の予算の是非を問う住民投票を、税制度が安定している限り今後一切行わないことが検討されたり、住民投票を提起するために必要な署名数を下げる案も浮上したりしている。
ビール市では市民参加型の政治モデルについての議論の中で、請願権、法的拘束力のない諮問型の住民投票、地区レベルの市民参加など斬新なアイデアがいくつも登場している。条例規則を全面改定するにあたり、まず原案の段階で無作為に選ばれた市民から異議や要望、批判が聞かれた。
市は特に、地元に関する事柄については居住外国人の意見も、近い将来に反映させたいとしている。市の目標は、投票権の有無や地元出身か否かに関わらず全ての住民が政治の場で意見が言える制度作りだが、これを支持する市民は多い。
新条例規則の原案には、市議会議員および市参事会員に対する透明性の強化が謳われている。例えば、利害対立が起きた場合は情報公開することや、長期的に情報公開する義務を負うことなどが定められている。
一方、原案には地元メディアへの支援は盛り込まれていない。地元メディアは政治的議論の場として最も重要な存在ながら、今は経営難で消滅の危機に立たされることがある。だが原案にメディア支援を盛り込まなかった理由についてフェール市長は「メディアの支援は主に連邦の管轄になっている。国内にある様々な言語圏間のバランスを最適に保つためだ」と述べている。
潮流の変化
「現代社会では、市民参加の推進が重要な課題の一つになっている」と、フェール市長は条例規則の全面改定に乗り出した理由を語る。
フェール市長が認識しなければならないのは、支配する側と支配される側、町の有力者と市民といった役割が明確だった家父長制の時代が終わりを迎えたということだ。市長はこうした潮流の変化を、市庁舎の市長室から眺めてきた。
この部屋は市長にとってなじみの部屋だ。父親のヘルマン・フェール氏がビールの市政を司っていたため（1976～90年）、子供の頃にこの部屋の椅子に座ったことがあるのだ。60年代、70年代、80年代と政治的議論は活発だったが、それ以降は市民の政治離れが目立つようになった。
市民の政治への関心の低さは投票の棄権率（70％以上になることも多々ある）に表れている。そのため市参事会はすでに5年前に統計を提示して警告を鳴らした。その統計によると1991年から2012年の間、ビール市の平均投票率は他の都市、ベルン州、全国の平均に比べ、投票案件によって2.7ポイントから15ポイント低かった。
市民と行政側との間に温度差があるのはなぜだろうか。その理由にはこれまで、他の町に比べビール市の人口が若いこと、大学がないこと、投票関連の書類が2カ国語で書かれていて読みにくいことなどが挙げられている。
市民に投票所に戻ってきてもらうための方法は過去にも検討されたことがある。例えば選挙戦や投票キャンペーンで有権者へのメッセージを単純化すること、電子投票制度の拡大、ショートメッセージサービス（SMS）での通知、郵送投票用ポストの新設などが提案されてきた。
市の取り組みが功を奏してか、昨年11月25日に行われた投票にはビール市の有権者10人中4人が参加。市の19年度予算の是非のほか、州レベルおよび連邦レベルの案件の是非について一票を投じた（市の予算は賛成過半数で承認された）。10年前であれば、年間予算を巡る住民投票に参加する人は10人中３人もいなかった。
新しい試み
フランスであろうとスイスであろうと、民主主義の実践は危険と隣り合わせだ。ああすればこうなるといった正確な予測ができるわけでも、永遠に安定性が保証さているわけでもないからだ。これは発展していくものなのだ。
「新条例規則の原案には独自の案も入っているが、それほど多いわけではない。何の制約も受けずに改定できるわけではないからだ。それでも市は新しいことを少し始めてみることにした」と、2年前の2017年から始まった条例規則の全面改定計画で中心的な役割を担うバーバラ・ラッベ・ビール市書記は話す。
改定プロセスは現在、諮問期間に入っている。市司法局は4月末まで、住民からの異議や意見を募るアンケートを実施している（アンケートへの参加は任意）。果たしてビール市民はこれに参加するだろうか？
「私は期待しているし、投票権のない住民がこの呼びかけに肯定的に応じてくれたらいいと思う。この2年間で出た懸念を考慮に入れて原案が作成されたが、懸念を払しょくすることは簡単ではない。そのため、この点を住民がどう見るのかについても市は知りたがっている」とラッベ氏は話す。
先日開かれた集会には、市議会議員の多くが参加した。すでに政治に参与している議員たちの傍ら、600人の応募者から抽選で当たった80人の市民も集会に集まった。市民は原案について意見を出したが、中には政治的議論に戸惑った様子の市民も見受けられた。
原案の作成に際しては、新条例規則に盛り込まれる予定の主要点についてすでに市民を対象にアンケートが実施され、約1200人が回答している。
諮問期間終了後はこれまでのフィードバックを基に原案の修正作業が行われる。そして最終的に新条例規則は20年5月の住民投票で承認されなければならない。その時の投票率は果たしていかに？
2カ国語の産業都市ビール
ジュラ山脈のふもとにある人口5万6千人のビール市他のサイトへ（フランス語でビエンヌ）はドイツ語圏とフランス語圏の境に位置し、公用語が2カ国語ある町としてはスイス最大。
かつては労働者の町だったビール市はゼーラント地方最大の町であり、今日でもロレックスやオメガなどスイス高級時計メーカーの重要生産拠点になっている。また時計産業で世界一のスウォッチグループは1983年の創業以来、ここに本拠を置く。
1970～80年代には時計産業が危機に直面し、ビール市も大きく影響を受けたが、現在は回復期に入っている。都市計画や文化計画が多く、2000年初期から人口が再び増加している。
スイスで10番目に大きいこの町は全国でも特に国際色が豊かだ。居住外国人の出身国は140カ国以上にわたり、外国人は全人口の34％を占める。生活保護率は少し下がったが、11.5％となお全国平均よりもかなり高い水準にとどまっている。インフォボックス終わり
（独語からの翻訳・鹿島田芙美）