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6月9日、数十年ぶりにスイスで原子力発電所建設の申請が政府に届け出されていた。このことが明らかになったのは翌日の10日。経済界はこの計画を歓迎しているが、その一方で原発反対組はすでにこの案を国民投票にかけると発表している。このコンテンツは 2008/06/11 10:23
新しい原発建設を計画しているのはソロトゥルン州にある「アーレ・ティチーノ電力会社 ( Atel ) 」で、建設予定地はソロトゥルン州のデニケン ( Däniken ) 、グレッツェンバッハ ( Gretzenbach ) 、ニーダーゲスゲン ( Niedergösgen ) などの市町村があるニーダーアムト ( Niederamt ) 地域だ。
電力不足の心配
デニケンの町にはすでにゲスゲン原子力発電所が建っている。ここに新たな原発施設を建設するために、Atelは住民の過半数の賛成を得、さらに60億~70億フラン ( 約6000~7000億円 ) の資金を集めなければならない。
新原発の「ゲスゲンII」はハイブリッド冷却塔を備えた軽水炉で、出力は1100から1600メガワットになる予定。建設年数は8年、完成は早くて2025年だ。建設に関する地理的な条件はクリアしている。現在稼動中の原発「ゲスゲン」の冷却塔は150メートルあるが、新しいハイブリッド冷却塔の高さは60メートルと低く、白煙もほとんど発生しない。
新しく持ち上がった原発建設計画の背景にはあるのは電力不足だ。この先、スイスでは電力消費量が増加すると予測されているが、古い原発が運転を終了するとともに、現在外国と結んでいる長期の電力輸入契約もまもなく切れる。これからはヨーロッパ全域で電力不足が予想されるため、大量の電力輸入も不可能なようだ。
この原発建設計画が発表されると、28の環境保護団体や政党からなるグループ「ストップ・アトム ( Stopp Atom ) 」は即、レフェレンダム ( 国民投票 ) を宣言した。環境保護団体の「グリーンピース ( Greenpeace ) 」は、再生可能なエネルギー源の開発に時間や資金を費やすべきだと非難する。また、スイスエネルギー基金 ( SES ) も、新しい原発はこれまでに比べて少しも安全になっていないと懸念をあらわにした。
一方、経済界の上部団体である「エコノミースイス ( Economiesuisse ) 」は、原子力は気候にやさしく、費用もかからず、国内で生産できるという理由で、この申請を歓迎している。また、「スイスの健全なエネルギー政策のための運動」グループも、数年前からスイスでは将来の電力不足が懸念されているため、新しい原発建設に早く着手すべきだと主張している。
Atelのほかにも、北東および中央スイスをカバーしている電力会社Axpoと北西スイスに電力供給をしているBKWも共同で新しい原発の建設を2カ所に計画している。これはベツナウ ( Beznau ) とミューレベルク ( Mühleberg ) にある古い原発に代わるものだ。国民投票を2012年に終えて、2020年に稼動を計画している。
swissinfo、外電
現在稼動中の原子力発電所
ベツナウI、ベツナウII ( Beznau )
アールガウ州デッティンゲン ( Döttingen )、北東スイス電力会社 ( NOK )
稼動年1969年/1971年
2007年の年間発電量：30億kWh/29億kWh
ミューレベルグ ( Mühleberg )
ベルン州ミューレベルク、ベルン電力会社 ( BKW )
稼動年1972年
2007年の年間発電量：29億kWh
ゲスゲン ( Gösgen )
ソロトゥルン州デニケン ( Däniken )、アーレ・ティチーノ電力会社 ( Atel )
稼動年1979年
2007年の年間発電量：81億kWh以上
ライプシュタット ( Leibstadt )
アールガウ州ライプシュタット、ラウフェンブルク電力会社 ( EGL )
稼動年1984年
2007年の年間発電量：94億kWh
2007年の年間総発電量：約265億kWh。スイス全体の発電量のおよそ4割を占める。
2020年以降、ミューレベルクおよびベツナウの両発電所は、老朽化のため代わりの発電所が必要となる。ゲスゲンの寿命は2040年、ライプシュタットは短くて2045年に訪れる。
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