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メディアの報道によると、スイスでは高価なブランド商品を買うために売春に走る10代の少女が増加している。
スイス児童保護協会は、売春における性的同意年齢を16歳から18歳に引き上げることを呼びかけている。
法の抜け穴
売春を双方の合意の下で行ったと認められる年齢 ( 性的合意年齢 ） はドイツでは21歳、フランスとイタリアでは18歳となっているため「スイス児童保護協会 ( Kinderschutz/aspe ) 」 は、スイスが「ティーンエージャーとのセックスを求める観光客のパラダイス」になる可能性があると警告する。
「われわれはこの法の抜け穴を閉じなければなりません。さもなければ、スイスの緩い規制のおかげで処罰されることなく16歳、17歳の少女とセックスができると知った顧客を国外から呼び寄せることになってしまいます」
と元国会議員で現在同協会の理事会に席を連ねるルート・ガビィ・フェルモ氏は述べた。
スイスでは売春は合法で、性的同意年齢は16歳以上となっている。しかし、16歳未満の少女と性交渉を持った場合でも、当事者の年齢差が3歳以下、例えば13歳と15歳ならば刑事告発を受けることはない。
「重要なのは、2つの別個の問題が存在すると認識することです。売春についてスイスの刑法には何も規定されていません。例えば第三者による客引き行為などを禁止するさまざまな下位条項はありますが、売春そのものは禁止されていません。一方、性的な虐待に関しては、刑法には一連の違法行為のリストがあります」
とスイス連邦警察局 ( fedpol ) の広報担当ギド・バルメール氏は説明した。
15歳の少女が売春をしてはならない理由は、売春に関する法律ではなく、性的同意年齢の規制があるためだ。16歳以上ならセックスは合法で、セックスの代価として相手に金銭を支払うことは問題にならない。
「恥ずかしい」
スイス児童保護協会は、こうした現状は改善されるべきであるという意見だ。
「スイスは、国連の子どもの権利条約と児童売買・児童売春・児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択的議定書の両方を批准しています。それらは18歳未満の子どもの性的搾取に対する保護のためのものです」
と同協会のカロリナ・フリッシュコップフ氏は言う
「問題は、スイスの法律が、 ( 16歳または17歳のティーンエージャーが ) 自発的に売春するという状況について触れていないことです。その他の状況はすべて現在の法律でカバーされています。これは法律との落差を埋めるかどうかという問題です」
従って同協会は、売春の合法年齢を18歳とし、16歳や17歳のティーンエージャーとのセックスに対して金銭を支払うことは処罰の対象となる違法行為とするべきだと要求している。
子どもの権利の保護に何年間も大きな努力をしてきた国で、このような状況が許されていることに対し、ほかの団体もいらだちを感じている。
「スイスにとってこれはただ恥ずかしい限りです」
とチューリヒの女性の権利の保護団体、「フィズ ( Fiz ) 」のスザンヌ・ゼイッター氏は述べた。
政府の見解
スイス連邦司法省 ( EJPD/DFJP ) にとって重要なのは、子どもの性的搾取、性的虐待からの保護に関する欧州評議会 ( CE ) の条約で、スイス政府はこれに署名・批准するか協議中だ。2007年7月にスペインのランサローテ ( Lanzarote ) で開催された第28回欧州司法相会議でこの条約の採択と署名が行われた。
「この条約は、特に16歳または17歳の未成年を相手にした買春問題に対応するものです」
と同省の広報担当フォルコ・ガリ氏は語った。
しかし、同条約の批准には、協議、協議の分析、議会に提出する内閣の最終草案の作成と、長いプロセスがさらに続く。結局スイスの売春合法年齢が近い将来18歳に引き上げられることはないだろう。
スイスの援助交際
ブランド物の洋服や高価なアクセサリーを買うための「おこづかい」を得るためにする援助交際を、当地では「ブランド・セックス」と呼ぶ。こうした、パートタイム的な売春をするスイスのティーンエージャーが増え続けている。
少女たちはインターネットで広告を出したり、高級クラブへ出かける。チューリヒのとあるクラブは、16歳のティーンエージャーも参加できる売春をテーマとしたイベントを企画した。インターネットを通した若い売春婦の需要は高く、オンライン広告は16歳と17歳のティーンエージャーがそうした求めに応じられることを強調する。
しかしフェルモ氏は、売春行為を密かに行う少女たちは無防備で、顧客のなすがままにされていると警告する。フリッシュコップフ氏は、密かに売春をしてそれを家族や友だちに話さないティーンエージャーは、結果的には普通の生活から離れていってしまうと指摘する。
「簡単に早くお金を稼いでしまうと、勉強や就職などの努力目標がつまらなく見えてしまい、状況が悪化します。児童売春は簡単に忘れることのできる『若気の至り』ではありません。自分の体を売ったら、それは一生自分についてまわるのです」
swissinfo、トーマス・ステファン、笠原浩美 ( かさはら ひろみ ) 訳
スイスのセックス産業
スイス連邦司法省 ( EJPD/DFJP ) 警察局 の報告では、2007年のスイスのセックス産業の規模は推計売上で32億フラン ( 約2787億円 ) 。
チューリヒで働く売春婦の数は、2003年から2005年の間に20%増加し、スイス全体では2005年に登録したセックス・ワーカーの数は1万4000人だった。
また同報告は、2005年の人身売買の被害者数は1500人から3000人と推計。
スイスの売春
スイスでは売春は合法だが、売春婦は市と保健所に登録し、定期的に健康診断を受けなければならない。
16歳未満の児童とセックスをすることは処罰の対象となり、最長5年間の懲役を課せられる。
売春の合法年齢は、ドイツでは21歳、フランスとイタリアでは18歳。
スイスでは第三者による客引きは違法かつ稀 ( まれ ) な行為。ほとんどの売春婦が携帯電話を使ってアパートの小部屋で個人営業を行っている。ただし、戸外であからさまに客引きをすることはできない。
人身売買は最長20年間、強制売春は最長10年間の懲役になる。性的搾取を目的とした人身売買とは別に、労働力の搾取と臓器売買を目的とした人身売買を処罰の対象となる犯罪行為に規定するために法律の改正が行われている。
1975年に労働許可証 [L] が設けられ、スイスと自由労働協定を結んでいない諸国からの女性がキャバレーのダンサーとして最長8カ月間働けるようになった。