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ほとんどの国で新型コロナウイルス感染症のパンデミック（世界的大流行）に対する準備ができておらず、世界保健機関（WHO）の勧告も散発的にしか実施されていない。このウイルスが流行を繰り返す危険性がある中、国際的な保健政策は今後どうあるべきなのだろうか？一部の世界のリーダーやWHOは、「パンデミック条約」の策定を提案している。しかし、この国際条約が現実的かどうかについては、専門家やWHOの間でも意見が分かれている。このコンテンツは 2021/05/22 08:30
2020年3月、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、複数の世界のリーダーや国際機関と共に、共同行動を促す国際的なパンデミック条約の策定を呼びかけた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領やドイツのアンゲラ・メルケル首相もこれに賛同した。
Treaty for pandemic preparedness and response（仮訳：パンデミックに対する準備と対応のための条約）」と名付けられたこの新しい協定は、国家、地域、そして世界規模でパンデミックとの戦いに協力することを各国に求める。また新しい感染症が発生した際の迅速なデータ共有、新しいワクチンや治療法開発に向けたより良い対応メカニズムの構築を目指す。
スイス連邦内務省保健庁はSWI swissinfo.chに対し、「スイスは検討の第一歩にある」と言う。米国、ロシア、中国、日本などの一部の国は、このイニシアチブに欠席した。
この提案は、新型コロナのパンデミックで、各国が一貫してWHOの勧告を見過ごし、明らかなリーダーシップの欠如が生じたことを受けて出されたものだ。
WHOが昨年に設置した、新型コロナウイルスに対するWHOや各国の対応を検証する独立パネル（IPPPR）は、パンデミックは「防げたはずだ」と報告した。現在までに、パンデミックは200カ国に広がり、1億5900万人以上が感染し、330万人以上が死亡している。
IPPPRは最終報告書他のサイトへの中で、封じ込め対策の導入が遅れ、パンデミックを未然に抑制できなかった国々を非難している。しかし、それは問題の一部に過ぎない。同報告書では、WHOも責任の一端を担っているとし、WHOの国際保健規則（IHR）も早期対応の遅れの原因になったと指摘している。さらに、IHRは「現在のところ保守的な手段であり、迅速な行動を促進するというよりも、むしろ制約する役割を果たしており、予防原則が本来あるべき早期警報の証拠に適用されなかった」と説明する。
国際保健規則（IHR）について
IHR他のサイトへは、WHO加盟国によって2005年に改訂された法的拘束力のある既存の枠組み。IHRは、新型コロナウイルスのような公衆衛生上の緊急事態に対応し、世界的な対応を改善するためのもの。
IHRは国家のためのガイドラインを提供している。その中には、国際旅行や貿易への不必要な干渉の禁止、リスク事象の通知、パンデミック管理のための衛生措置の見直しなどが含まれる。しかし、データ分析のプラットフォームや、国家間やWHOと国家の間の調整メカニズムがない。
2020年1月30日、WHOのテドロス事務局長は、IHRに基づいて国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態（PHEIC）を宣言した他のサイトへが、WHOは渡航制限を推奨しなかった。End of insertion
IPPPRは、「国際保健規則に基づく正式な通知と緊急事態宣言の手続きは遅すぎて、迅速で予防的な対応を生み出すことができなかった」と述べる。国内と国際の両レベルで現在のシステムは、病気の発症に対して「適切ではない」と判断し、将来に向けた新しいグローバルなシステムの構築を求めている。
WHOが提案している新条約は、まさにそれを目指している。ジュネーブ国際開発高等研究所（IHEID）グローバル・ヘルス・センターのスエリー・ムーン教授とイローナ・キックブッシュ教授は、各国が個別の政策を取っている現状を考えると、このような世界的なパンデミック条約は「野心的」だという。
両教授は医学誌ランセット・パブリックヘルスに掲載された論文で「将来のパンデミックを防ぐため、世界がこの例外的な格好の政治的機会に応えるには、条約は共有された原則と目標の柔軟な枠組みの中で、利己的で物質的な要因を織り交ぜる必要がある」と提唱する。
旅行とマスクに関する見解の相違
世界的な協調の欠如を最もよく表しているのが、各国が実施したロックダウン（都市封鎖）や渡航制限だ。中国は、IHRに基づくWHOの勧告に反し、2020年1月に武漢市で2カ月以上にわたる厳重な封鎖措置を初めて実施した。それによって900万人の住民の移動に厳しい制限が課された。そして、武漢に続き、中国のすべての主要都市も封鎖を行った。
しかし、WHOは、渡航制限は通常、経済的・社会的な影響が大きいと論じ、しまいには「病気の流入を防ぐことはできなかった」と主張した他のサイトへ。
インフルエンザ・パンデミックの専門家で、元WHO事務局長補代理の福田敬二氏は「渡航制限は、パンデミックの初期段階では感染の拡大を遅らせるかもしれないが、最終的にパンデミック感染の全体的な広がりを阻止するために渡航制限を利用するのは最適ではとない」と指摘する。渡航制限は「国が体制を整え、社会的距離を置く、マスクや検査などの基本的な感染予防・対策を実施するための時間を稼ぐための、一時的かつ戦術的な措置」であると言う。
調査の結果、今になってみれば、渡航制限はそれほど姑息な手段ではなかったことが証明されており、多くの国が今日までその状態を維持している。
「2020年1月23日に武漢で導入された渡航検疫は、中国国内では流行の進行を3～5日遅らせただけだったが、国際的な渡航制限は2月中旬まで世界の他の場所での感染拡大を遅らせるのに役立った」と、米国の学術誌サイエンスの研究は結論付けている。
マスクもまた、誰もが納得しないトピックだ。米疾病予防管理センター（CDC）が、コロナワクチンを接種した人は、もはやマスクを着用したり、社会的距離を守る必要はないと発表した他のサイトへことで、再び議論は激しさを増している。
一方、WHOはマスク着用の義務を解除する際には注意を促している。WHOは、予防接種した後でも、感染が拡大している地域ではマスクを着用するよう勧告している。
しかしそのWHOが、わずか1年前には、健康な人は症状がなければマスクを着用する必要はないとしていた。その見解が変わったのは同年6月で、テドロス氏は一般市民に対して「感染が広がっていて人と人との物理的な距離をとることが困難な場所ではマスクを着用するように」と助言した。
データの主観的な分析
WHOが直面している問題の1つは、パンデミック時の予防策は通常、入手可能な科学的証拠や事例経験に基づいている点だ。これらは時間の経過と共に変化する。
また、加盟国によるデータの解釈や、何が健康リスクを構成するのかということも問題だ。各国は、主に健康、社会、経済に関する懸念に応じて対策を講じる。その際には、人口1万人当たりの新規感染者数などの疫学的な基準値や、地域の病院の収容力を考慮する。これらは国によって大きく異なる。
このようなデータの主観的な解釈は、国々がロックダウンを解除している現在も続いている。例えば、欧州委員会は、夏に向けてワクチン接種者の渡航制限を緩和することを提案している。その一方で、アジアの多くの国々では、インドの変異株による感染拡大を受け、より厳格な渡航制限や社会的距離を取る措置を導入している。一部の国では、インドから入国しただけで、あるいはマスクを適切に着用していないと、罰金や懲役刑が科せられる場合がある。
新型コロナの感染が広がって2年目に入った今、専門家は、世界はこのウイルスと共存することを学ばなければならないと警告しており、より良い世界的な協力関係が依然として重要であることを示唆している。ワクチンの接種だけでは、ウイルスの蔓延を防ぐことはできない。
福田氏は「新型コロナウイルスが、インフルエンザのような重要なヒト感染症として、無期限に存続する可能性が高い」と警告する。
国際赤十字・赤新月社連盟（IFRC）のジャガン・チャパガイン事務局長は、国際条約を「将来の危機に対して、より効果的で公平なアプローチを保証する方法を再検討する機会」と捉えている。
「同じ過ちを繰り返さないためには、国際法と国内法の両方で、大胆な新しい解決策が必要だ」と主張する。
新型コロナウイルスに対する免疫は時間の経過と共に低下する可能性が高く、ウイルスの新たな変異株が出現し続けるため、新型コロナウイルスに対する繰り返しの予防接種が必要になる可能性が非常に高いと考えられる。変異株は感染力が強いため、ワクチンだけでウイルスに対抗することは困難だ。いくつかの国では、コロナワクチン接種後の感染例が報告されている。WHO主任科学者のソウミャ・スワミナサン氏は、「ワクチンは感染防止に対して100％の効果はない」と述べる。
WHO加盟国は、24日から開催されるWHOの最高意思決定機関である年次世界保健総会で、これらの問題を議論する。