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１１月に本選を迎える大統領選など２０１６年の米国の選挙で、スイスの大企業に勤める米国人が民主党より共和党に多く政治献金をしたことが、米非営利団体のデータを元にしたスイスインフォの分析で分かった。金融業は共和党、製薬業は民主党と、献金先が分かれる傾向も浮かび上がった。
スイス証券取引所（SMI）に上場する主要企業２０社に勤め、米国籍または永住権を持つ米国人は、１６年の米大統領選、連邦議会議員選に計６１０万ドル（約６億１６００万円）を献金。共和党候補への献金はこのうち５５％に上った。
米ワシントンにある、非営利の政治資金監視団体「責任ある政治センター他のサイトへ（Center for Responsive Politics）」のデータをスイスインフォが分析。その結果、今回も、SMI関連の米国人社員による政治献金８５０万ドルのうち５分の３（５２０万ドル）が共和党候補者へ渡った１２年と似たような様相を呈することが分かった。
一方、０８年の選挙戦では９７０万ドルを共和党、民主党でほぼ均等に分配した形となった。
同データは、政治資金管理団体の「政治行動委員会（PAC）」や個人、外部団体による２００ドル以上の政治献金で、米連邦選挙委員会他のサイトへが報告を受けたものが対象。献金は大統領選候補者２５人、下院議員選候補者２０４９人、上院議員選候補者４３３人に渡った。
興味深い色分け
SMIに関連する政治献金の大半は、銀行大手のUBSとクレディ・スイス、金融大手チューリッヒ保険、製薬大手ノバルティスとロシュ、農業バイオ大手のシンジェンタの社員によるもの。だが、さらに分析すると、これらの多国籍企業に勤める献金提供者の間で興味深い色分けが見られる。
UBS、チューリッヒ保険、クレディ・スイスの社員は、大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏および他の同党候補者を支持する傾向にある。一方、ノバルティス、ロシュ、ネスレの社員は大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏、他の同党候補者を好んでいるようだ。
選挙運動資金と投票者の動向を研究する米アメリカン大のキャンディス・ネルソン教授（政治学）は「彼らの目的は、彼らがビジネスを行う場所の選挙運動や候補者に影響を与えること」と分析。「このため、政策決定に影響力のある人間へ政治献金が行きやすい」と話す。
１１月の投票まで約２年に及ぶ長い選挙レースで、何十億ドルもの資金が選挙運動、政党、第三者団体につぎ込まれた。大統領選候補者の陣営が集めた政治献金は計９億９３００万ドルに上り、連邦議会議員選候補者２４８２人では１２億８０００万ドルを超える。
スイス絡みの政治献金６１０万ドル超はその中のわずかな額に過ぎないが、ネルソン氏は、こうした外国からの献金が選挙運動の間接的な争点になっていると警鐘を鳴らす。今年の大統領選でも、トランプ氏の投資を巡る疑惑やクリントン財団の海外からの寄付問題などが取りざたされている。
リスクテイキング
ネルソン氏によれば、経営者や従業員が献金などを異なる政治勢力に分散させることは珍しくなく「リスクテイキングの一環だ」（同氏）。一方、特殊な利益団体は通常、自分たちの政治スタンスに似通った候補者を支持するという。
スイスのメディアは、大衆主義的な主張を続けるトランプ氏に強い懸念を示す。逆に、当選すれば史上初のアフリカ系大統領に続き、初の女性大統領になるクリントン氏には好意的だ。
理由は、トランプ氏の資金調達が非伝統的な方法だからだ。富豪である同氏は自己の資産を無限に使うと約束。同氏陣営への献金はクリントン氏陣営よりも少ない。９月後半時点で、トランプ氏側は１億６０００万ドルを集めたが、クリントン氏側の４億３５００万ドルに比べると、わずか３分の１だ。
しかし、裏金やロビイストを駆使し、ワシントンでの政治的影響力を得る団体の影に外国勢力がいるという懸念は、長い間くすぶり続けている。
１９６６年以降、米国の法律は「国家保全」のため、いかなる方法であっても外国人の政治献金を禁じている。候補者が故意に外国人、外国企業から献金を受けることも違法だ。永住者の献金は合法。米国にある外資系企業のほか多国籍企業の子会社は、一定の条件を満たせばPACの設立が可能だ。
最もビジネスに友好的なのは誰か
ビジネスに友好的な政策を打ち出しているのは基本的に共和党だが、鳴り物入りで同党の候補に選出されたトランプ氏の登場が、その構図を複雑にしている。同氏のビジネス戦略は保護主義的な関税の引き上げに加え、世界貿易機関（WTO）の脱退もほのめかすなど物議を醸しているからだ。
同氏はまた、大規模減税や規制緩和による経済成長、雇用創出、賃金引き上げを図り、米国経済を活性化させると訴えている。
ビジネスに友好的な立場はクリントン氏も変わらない。同氏は企業融資を増やすほか、２７５０億万ドルの公共投資によって高速道路、橋、鉄道、空港などを改修する大規模なインフラ投資計画を発表した。
大手の製薬会社はクリントン氏にすり寄ったが、同氏は業界に強硬な政策を突き付けた。同氏は薬価高騰の抑制策として、薬の価格を研究開発費に応じて設定するコスト削減案を発表した。一方、トランプ氏はオバマ政権の医療保険制度改革（オバマケア）を廃止、健康保険会社間の競争を促進し、製薬会社にはコスト削減を求め、輸入薬の解禁を訴えている。
米国人でないならば…
在スイス米国商工会議所他のサイトへのマーティン・ナヴィル会頭は、献金をしたり献金先を決めたりしているのは銀行や製薬会社ではなく、あくまでも米国籍か永住権を持つ同社社員らが個人的に、またはPACを通じて行っていると強調する。
ナヴィル氏は「米国人でない限り献金は違法。外国人がロビー活動をしたり、ロビイストを雇うことはできるが、候補者に献金はできない」とし、「献金の大半は大統領選候補者ではなく上院、下院議員選候補者に行っている」と付け加える。
現行の連邦選挙資金法は、従来のPACに変わる「スーパーPAC」や政治団体、第三者団体に対する資金提供額に上限を設けていない。それでもなお、このシステムはスイスにとって重要な貿易相手である欧州の一部の国々に比べ、はるかに高い。
ナヴィル氏は欧州の選挙候補者にスイス絡みの献金が提供される可能性に触れ「外国人や企業の献金に対する規制がない。腐敗を防ぎ、政党や候補者に政治献金の収支公開を義務付ける法律はあるが、献金を受けた相手を公開する必要はない」と問題視する。
スイスの最大の貿易相手国はドイツと米国。さらにイタリア、フランス、中国、英国、オーストリア、オランダ、スペイン、香港と続く。しかしスイスの輸出業にとって、米国市場はますます重要な「動力源」になっているとナヴィル氏は指摘する。
ナヴィル氏は「問題は、良い時代はいずれ終わるということだ」と付け加えた。
スイスの政治資金を巡る透明性
米国の大統領選に巨額の資金がつぎ込まれる事態が問題視されているが、少なくとも対抗策はある。連邦情報公開法によって資金のかなりの部分を追跡できるからだ。
対照的に、スイスの民主主義の透明性は極めて低い。欧州の人権団体は、スイスが政党や選挙運動に対する私的献金を隠匿していると幾度も批判してきた。
スイスとスウェーデンは欧州議会に加盟する４７カ国のうちで唯一、政党や選挙運動に関する政治資金の提供者を調べる情報公開法が存在しない。
（英語からの翻訳・宇田薫 編集・スイスインフォ）, swissnfo.ch