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123年前から、アッペンツェルの伝統音楽を世界に伝えてきたアルダー弦楽奏団の団長ウーリー・アルダーさんはこのほど、85歳の誕生日を祝った。
標高1050メートル、アッペンツェル特有の農家に1945年から住むアルダー家。農業の傍らアッペンツェルの伝統音楽を奏で続けてきた。
「音楽はわたしたちにとってとても重要です。わたしたちは音楽とともに育ってきました」とウーリー・アルダーさんは語りながら、演奏したステージや演奏旅行の思い出をつづるメモを見せてくれた。「貴重な思い出がたくさんで、どこから話し始めたらいいか分かりません」とウーリーさんは笑う。
世界がアルダーを待っている
ウーリーさんは65年前から、アッペンツェルの伝統音楽を演奏するアルダー弦楽奏団でバイオリンとバスバイオリンを弾いてきた。「オリジナル・アッペンツェル・アルダー弦楽奏団」は、世界各国で知られるスイスの伝統音楽演奏団である。
アルダー弦楽奏団の歴史は、1884年までさかのぼる。ウーリーさんの祖父やその兄弟と親戚といった若者たちがアッペンツェルの伝統音楽を演奏するグループを作った。当初のメンバーはバイオリン奏者が2人、映画『第三の男』で有名なツィンバロンの奏者とチェロ奏者それぞれ1人だった。その当時、外国は遠く「わたしの祖父は2度しか外国に行っていません。しかも国境をちょっと越えた程度です」
一方ウーリーさんは、何度外国に行ったか数えられなほどだと言う。ほとんどすべてのヨーロッパ諸国、アメリカ、日本、カナダ、インドネシア、トルコ、南米、ロシアなど、100回は行っただろう。各国の聴衆はアルダー弦楽奏団の音楽に魅せられた。
世界をまたに掛ける
「若いころには想像もできなかったのですが、世界中で本当にたくさんのものを見ましたよ」と微笑むウーリーさん。息子のハンスウーリーさんは現在酪農を営むが、以前カナダで森林伐採に携わったこともあり演奏活動も世界に広がった。「英語ができると有利ですから」と弦楽奏団4代目のハンスウーリーさん ( 59歳 ) 。メンバーにとって演奏のほかにも、旅行でその土地の風物に触れることは非常に大切だ。「年に2、3回は演奏旅行に出かけます。旅行中はいろいろなものを見ますが、見られなくなったらさびしいですね」
アルダー親子がバイオリン、ツィンバロンは連邦議会の議員だったヤコブ・フロンドさん ( 61歳 ) 、その息子のハンスユルクさん ( 34歳 )がアコーディオンを担当し、ヨーデル歌手がハンスウーリー・ヴェルテさん ( 64歳 ) 。アコーディオンのハンスユルクさんで弦楽奏団は5代目を迎えた。
スイスの大使のように
長距離飛行もなんのその。「また外国に行きたいです」と父親のウーリーさん。演奏曲目も外国用に作られ弦楽奏団の名前も「アルダー・ファミリー」とした。「スイスの代表です」と言うウーリーさんに、息子が「ステージではスイスの伝統音楽を説明します。深めの皿にコインを入れて回し、音を出すターラーシュヴィンゲン ( Talerschwingen ) や、アルプホルンの吹き方、カウベルなど。単に演奏していただけじゃ、すぐに飽きられますよ。何をしなければいけないか、そりゃ、よく心得てますから」と独特のユーモアを交えて語ってくれた。
当然、アルダー弦楽奏団の評価は国外だけではない。ショービジネス界の活動を対象とするプリ・ヴァロ賞でも2003年には伝統音楽部門賞を受賞した。2005年にはモントルーのジャスフェスティバルに出場した。数多くのロックバンドが出演を熱望するジャズフェスティバルである。「そりゃ、素晴らしかったですよ」とハンスリューディさんが言うと、父親がうなずいた。
3月26日からは3週間、アメリカのテネシー州で39回のコンサートをこなす。演奏回数が多いことは苦にならないとハンスリューディさん。「あそこでは、もういろいろと見ましたから」
swissinfo、クリスティアン・ラーフラウブ 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 意訳
キーワード
1884年、アッペンツェルの民謡を演奏するアルダー弦楽奏団が創立される。
当時はバイオリン２人、ツィンバロン1人、チェロ１人だった。
現在はバイオリン、バスバイオリン、ツィンバロン、アコーディオン、歌手のクインテット。
7〜8月にかけては農業が忙しく海外演奏活動はしないが、そのほかは年中演奏旅行に出かけている。