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スイスでもチェルノブイリの放射能がイタリア語圏のティチーノ州を汚染した。そのときの政府の対策を、昨日の第1版に続きスイスの連邦保険局 放射能線防護護課主任、クリストフ・ミュリット氏に聞いた。
内容には、日本の原発事故後の対策に応用できるヒントが隠れていそうだ。
swissinfo.ch ： スイスもチェルノブイリの放射線、特にイタリア語圏ティチーノ州が汚染されました。そのときの対策はどういったものでしたか？
ミュリット ： 当時ティチーノ州に放射能汚染された雲が着いたとき大雨が降り、放射能性物質がすべて牧草地に落ちた。スイス連邦保険局 ( BAG/OFSP ) は、これらを食べる牛や羊を殺さない方針を取った。
ドイツでは牛を全て殺した。しかしセシウム137を筋肉に含む牛肉は食用にならない上、焼却しても半減期が30年であるため、その灰の処理に困る。
スイスでは、殺さず牛や羊に前年の干し草を食べさせ、また羊の群れを汚染されていない西部のフリブール州に移動させた。セシウム137は確かに半減期が30年だが、体内に入るとおよそ半分が40日～60日間で排出される。従って羊肉の1キログラムあたりのベクレルの値が減少する。
こうして、年間の摂取量が1ミリシーベルトを超えないようなベクレルの値で肉を生産させ出荷を許可した。農家への補償もいらない上、家畜を殺さずに済んだ。
swissinfo.ch ： しかし、たとえ羊をフリブールに移動させてもセシウム137は羊の糞尿中に排出され、最終的にまた牧草地にたまるのではないでしょうか？
ミュリット ： 確かに排出されるが量の問題だ。まったく汚染されていない牧草地にセシウム137が多少排出されても問題にならない。またセシウム137は地下深くに染み込むため、草の根はこれを吸い取らない。ただ、このセシウムも染み込む途中で粘土層にたまる場合がある。従って30年間はフリブール州でもティチーノ州でもこの量を測り続けている。
ところで、現在の日本のような場合だが、もし汚染された土地で農作や牧畜を行う場合、二つの方法がある。一つは表層の土を取り除くことだ。そうすれば栽培は可能になる。ただその土をどこに持っていくかという問題は残る。もう一つは30センチメートル分の深さで表層の土と下の土を入れ替えるように掘り返す。そうすれば表層部の高濃度の部分が核散され、1キログラムあたりの放射能濃度が薄まる。
だが、こうした手段が取れず一番問題の多い場所が森だ。土を掘り返せない上、キノコは放射能を吸収しやすく、野生の動物や木の実など多くの生物が放射能を持ち続けるからだ。チェルノブイリのせいで、ドイツの森では今でも高い放射線量が観測されている。
swissinfo.ch ： 福島では農作のために土地をどうすればよいと思われますか？
ミュリット ： 現在原発事故が収束してない段階では何もできない。ただ半径30キロ圏はとにかく触らない。その後状況が安定してきた時点で、ガンマ線を出すセシウム137とアルファ線を出すプルトニウム239の量を各場所で計測する。その後、汚染を完全に取り除くのか、削減させるだけなのか、つまり土を取り除くか掘り返すかを決めることになるだろう。
場所によっては、農作が永久にできない所もあるだろう。例えば半減期が2万4000年のプルトニウム239が検出される場所だ。わたしだったらそれでも一応掘り返して、多少拡散させコンクリートなどで覆いをするだろう。だが、ここでは栽培はおろか人も住むわけにはいかない。
ところで、こうした農村地域にはまだ対処の方法がある。しかし、都会の場合は難しい。もし最悪の事態が起き、フクシマの原子炉３基とも制御できず、しかも風が東京方面に吹き雨が降ったとしたら・・・もちろん都民はすぐ避難するので問題はないが、放射性物質を即刻除去しなければ、建物などに染み込んでしまう。消防団が直ちに放水し洗い流す必要があるだろう。
福島県の学校の校庭でかなりの放射能が確認されたと聞いたが、これも放水して、水路を付けて流したらどうだろう。また、ほかの場所で生徒を遊ばせるなどしてはどうか。子どもたちは非常に放射線の被害を受けやすいからだ。
swissinfo.ch ： チェルノブイリから国境を挟んですぐそばのベラルーシの村々では、事故後も村に住み続けたという話ですが。
ミュリット ： ベラルーシの幾つかの村では事故の情報がほとんど入らず、また国が対策を行わなかったため村民はそこに住み続けた。そこでスイスを含め他国からNGOが入り住民を指導した。
住民は食べ物も体も、計器を使って放射線量を計る方法を学んだ。この遊び場は大丈夫だが、森は放射線量が高いのでその傍では遊ばないように子どもたちを指導し、汚染の少ない牧草地に牛を移動させもした。ある家族で妹の体のセシウム137の線量は低いのに兄の方は高い。なぜか。兄はキノコが大好きだが妹は嫌い。そうか、キノコは放射線量が高いのかと言う風に少しずつ学んでいった。
現在、現地の支援者が年間の被曝量基準を1ミリシーベルトないしは0.1ミリシーベルトに徹底するよう活動を続けている。
もちろんこうした対策は本来、国が行うものだ。そして、国がこうした事故後の対策を行う場合に気を付けなければならないのは、まず状況を分析し、それに応じて決定を行う。それは経済をマヒさせるものであってはならないだろうし、とにかく状況や場所によってさまざまに異なるだろう。
1953年生まれ。
フリブール大学の放射線物理学で博士号取得。
1980年、連邦保険局 ( BAG/OFSP ) に入局。
2005年以降、放射線防護課主任及びスイス連邦政府放射線防護委員会の科学事務長。
環境中の放射線量の監視と放射能事故処理を専門とする。
放射能防護に関する基準値や技術的問題について、国際原子力機関 ( IAEA ) 、国際保健機関 ( WHO ) 、国際放射線保護委員会 ( ICRP ) などと協力。
北半球の放射生態学グループとスイスフランス語圏の放射線防護学協会の会長を務める。
スイスの連邦内務省保健局 ( BAG/OFSP ) の被曝 ( ばく) 量とその健康被害の一覧
0～100ミリシーベルト（mSv） : 短期、長期の被曝でも健康被害はほぼ観測されない。
100 ～500mSv : 100mSvから、がんになる可能性が高まる。また数分の間に 500mSvを浴びると、リンパ球の数の減少が現れる。
500mSv～1シーベルト(Sv)/ミリシーベルト(1000mSv ) : 短期に被曝する健康被害が現れる。長期ではがんになる可能性が高まる。500mSv以上から血液中のリンパ球の数の減少が現れる。
1～2Sv : 短期間に被曝すると嘔吐や疲労感を感じる。長期ではがんになる可能性が高まる。
2～3Sv : 短期に被曝すると24～48時間後に嘔吐感や吐き気を催す。医者の治療が必要になる。
3～5Sv : 短期に被曝すると嘔吐感、吐き気、下痢の症状が現れる。1週間後に抜け毛や食欲の減退が現れる。医者の治療が必要になる。このレベルでは手当を受けられない場合、5割の人が死亡する。
5～12Sv : 短期間の被曝で数日間で死亡する。
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