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スイスは、欧州連合（EU）や経済協力開発機構（OECD）から外国企業への税制優遇措置に対して批判され、法人税制の改正を迫られているが、１２日に行われた国民投票では政府の法人税改正案が否決された。この結果、スイスに所在する外国の多国籍企業にとっては、ビジネスの不確実性を生み出し、また、スイス政府の今後の経済戦略はさらに不透明になった。
スイスには、持株会社、管理会社、ミックスカンパニーといった企業が約２万４０００社（スイスで登記されている企業全体の７％に相当）所在するが、これらの企業は事業を国外で行い、実際にはスイスで生産も商業活動も行っていない。そして、税制上優遇されており、スイス国外で得た収入に対して低い税金が課されている。
連邦制のスイスでは、法人企業に対して連邦税率は一律の７．８％が課されているが、州ごとに課税される税率は異なるという特徴を利用して、海外企業を誘致するため、州税は低額または無税となっているのが現状だ。つまり、海外と比べるととりわけ低い州の法人税が、外国企業にとって魅力の一つともなっている。
こうしたスイスの税制優遇措置に対しては、以前からEUやOECDから厳しい批判があり、もし法人税制を国際的な水準にしなかった場合には、制裁も免れないという圧力をかけられている。EUは、税制優遇措置は税競争を「歪める」とし、１９７２年の自由貿易協定に違反すると主張してきた。また、スイスは２０１４年に、OECDと２０１９年までに特別税制優遇措置を廃止することで合意している。
こういった背景を基に、スイス連邦議会は昨年６月、第３次法人税改正案を承認。その内容は、特別税制優遇措置を撤廃し、すべての企業に対する州の法人税を一律にする一方、それによる減収は政府が一部負担するとしていた。つまり、スイスの法人税の実効税率を引き上げてEUやOECDといった国際的な基準に協調しつつ、スイスの高い国際競争力を維持する ための法的枠組みを確保しようとしていたのだ。
ところが、社会民主党は、政府提案の税制改正による損失を連邦直接税で埋め合わせることは「納税者が犠牲になる」と主張して異議を唱え、１０月に国民投票実施に必要な５万人を超える５万６０００人分の署名を集め、任意のレファレンダムとなった。今回是非を問われた法人税改正では、投票者の５９．１％が反対し、否決された。投票結果は、２３州のうち１９州が反対するという圧倒的な多数で否決となった。
１２日の国民投票の結果を受け、社会民主党党首クリスチャン・ルヴラ氏は、「スイス国民は、大企業へのプレゼントを負担したくないと理解したのだ」と話し、是非の問われた第３次法人税改正は、「傲慢で利益誘導型の政治手法だ」とした。また、国民投票の結果を受けたスイス・メディアの政府案への反応は厳しいもので、ドイツ語圏の日刊紙NZZは、「経済界にとっても、ブルジョワ階級にとっても、さらにウエリ・マウラー財務相にとっても、まるで平手打ちを食らったような投票結果になった」と表現し、「明らかに、ビジネスに有利な政策からだれもが利益を得るという考え方は崩壊しつつある」と書いた。
一方、欧州委員会（EC）の経済金融問題担当ピエール・モスコビチ氏は、「欧州委員会はスイスの投票結果に失望させられた」と発言した。だが、「スイスは国際的な脱税や租税回避行為を防止するための建設的なパートナーとなった。こうして２０１４年に、加盟国およびスイスは有害な租税慣行に終止符を打つために合意し、OECDが定めた国際基準を尊重しようとしたのだ 」と述べたこともスイスのフランス語放送局RTSは報じた。
そして、マウラー財務相 は、否決が決まった後の記者会見で「スイスが国際企業のレーダーから消えるのは本当に危険だ」と 発言し、スイスの国際競争力の魅力を失う可能性があることを述べた。そして、スイスは２０１９年までにOECDとの約束である「有害な」租税慣行をやめなければならないとも語った。ただ、マウラー氏によると、法人税法の新たな代替案の作成には最低２年はかかるという。
スイスはOECDのBEPES（税源浸食と利益移転）の行動計画中に挙げられている国際基準の受け入れ準備を始めたところだった。こうした中での、今回の第３次税制改正法案の否決は、スイス政府にとって大きな痛手になったことは確かだ。