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そのもも肉だけを食べるためにカエルを殺すのは、象牙を採るために象を虐殺するのと同じくらい不合理なことだとスイスの動物保護団体は訴えている。
スイスでは毎年約120トンのカエルの脚が消費されている。そのうち90%はインドネシアからの輸入だ。
カエルの代わりに殺虫剤
毛皮のコートやフォアグラに次いで、「ヴォー州動物保護協会 ( SVPA ) 」が、弾力のある白身の珍味、カエルのもも肉をボイコットするよう、フランス語圏のヴォー州で呼び掛けるキャンペーンを開始した。
SVPAは、カエルの売買は受け入れられないと主張する。カエルの脚を食べることは残酷で環境を傷つける上、「ショッキングな無駄」を促すと訴えている。
「カエルの体重は125グラムあります。全体重の20%に相当する両脚を切り取った後、残りは全て廃棄されるのです」
と、SVPAの代表サミュエル・ドゥブロ氏は語る。肉を切り取った後の残骸は、牛 ( 50% ) や豚 ( 40% ) の場合でもかなりの量になるが、カエルほどではない。
またSVPAは、世界的なカエルの輸出入は「環境面と社会面で不合理」だと主張する。世界最大のカエル輸出国のインドネシア ( 5000トン ) では、農民が収入を補うためにカエルを捕獲している。
「しかしカエルの減少は、虫や蚊のまん延を意味します」
と、ドゥブロ氏は指摘する。その結果、インドネシアの農民は作物を守るために、有害な殺虫剤を大量に買わなければならない。こうした理由から、インドはカエルの輸出を禁止している。
大きな転機
ヨーロッパでは学生食堂や高級レストランから、アジアや南アメリカでは青空市場や食卓まで、カエルの脚の料理は世界中のメニューに登場する。専門家によると、年間約10億匹のカエルが食用として自然界から捕獲されている。そしてカエルの２大輸入国はフランスとアメリカだ。
スイス、主にフランス語圏で調理され食卓に上るカエル約500万匹は、インドネシアとトルコから輸入された冷凍ものだ。スイスではカエルが厳重に保護されており、カエルの殺傷、捕獲、飼育は禁止されている。
公式の数字によると、世界の両生類の3分の1が、生息地の破壊、気候の変化、公害、病気などによって、生命の危険にさらされている。カエルの脚の売買の増加は絶滅を容易に招きかねない。
科学者は、カエル貿易が世界的な漁業問題の再現になる恐れがあると危惧している。
「問題は、これが緩やかなプロセスではないことです。転換点があるのです。これはまさしく北大西洋でのタラの乱獲の二の舞になります。しかしカエルの場合、データが無い上、追跡調査や個体数の管理もしていません。漁業問題から学ぶべきことを学んでいなかったようです」
と、アデレード大学環境研究所の准教授コレイ・ブラッドショウ氏は「ガーディアン紙 ( The Guardian ) 」に語った。
レストランは店じまい？
カエルの脚の料理を得意とするペイエルン ( Payerne ) のレストラン「シュヴァル・ブラン ( Cheval-Blanc ) 」のオーナー、シレジュマン・ジョカル氏は、最近の禁煙運動に続くカエル保護のキャンペーンを憂慮している。
「もしカエルの脚の料理を止めたら、店を閉じるかもしれません」
ジョカル氏は過去15年間バターとパセリ、エシャロットで調理したカエルの脚のフライドポテト添えを提供してきた。お客の10人中8人が、この有名な料理を食べにやってくる。しかし、ジョカル氏はカエルの脚以外の部分の廃棄についての批判は理解していると言う。そして、これからは商業的なカエルの養殖を行うべきだろうと付け加えた。
SVPAは、カエルが池から皿の上に登場するまでの間に「不当な苦しみ」を味わうという事実を挙げて、批判している。ランプを片手に、農民の集団が網と釣り針を使って夜間にカエル狩りを行う。捕えられたカエルは、300匹ばかりずつ袋に入れられ長距離を運搬されるが、その途中で多数が死んでしまう。
生きているカエルは首をはねられ、内臓を除去され、2つに切り裂かれる。SVPAは、ほとんどの場合カエルたちが何分間も激しい苦痛を味わうと主張する。
キャンペーンの反応
「しかしサメのひれを切り落として海へ戻すより残酷なことではありません」
とローザンヌのレストラン「トラムウェイ ( Tramway ) 」のオーナー、ピエール・メラン氏はヴォー州の日刊紙「ヴァントキャトラー ( 24 Heures ) 」に語った。
メラン氏が調理するカエルの脚は、ヴァロルブ ( Vallorbe ) の「レゼエスカルゴ・デュ・モンドール社 ( Les Escargots du Mont-d’Or ) 」がトルコから輸入したものだ。
同社の取締役ベルナール・フィヴァ氏は、トルコのカエルは繁殖期の3カ月間保護され、環境にとって好ましい結果が出ていると言う。さらに、トルコではカエルは殺される前に冷凍庫の中で眠らせる。
現在のところ、キャンペーンの反応はまだはっきりしない。無料新聞の「ヴァンミヌッツ ( 20 Minutes ) 」による小調査では、回答者の56%が食用にするためにカエルを殺すことを残酷だとは思わないと答えている。
過去に隣国のフランスでも、動物保護団体がフランスで最も名高い珍味カエル料理をボイコットするようキャンペーンで訴えたが、大した成果は得られていない。
サイモン・ブラッドレー、swissinfo.ch
( 英語からの翻訳、 笠原浩美 )
カエルの脚
ヨーロッパにおけるカエルの脚の最大消費国はフランスで、年間3000～4000トンを輸入している。またカエルの脚は、中国、インドネシア、タイ、ベトナムなどのアジアの国々でも人気がある。さらにルイジアナ州、アーカンサス州、テキサス州のようなアメリカ南部や、南アメリカ、カリブ海地域でもカエルが食べられている。
連邦財務省税関事務局 ( EVZ/AFD ) によると、2005年にスイスはカエルの脚を119トン輸入している。
現在インドネシアはカエルの脚の最大輸出国で年間5000トンを輸出している。
世界中の食卓に供されるカエルの大半は、自然界から捕獲された野生のカエルだ。
2009年1月の専門誌「保護動物 ( Conservation Biology ) 」に掲載された研究によると、
野生のカエルの取引がその生態に与える影響はこれまで軽視されてきた。現在、年間最高約10億匹の野生のカエルが食用にされている。
ヒキガエル、サンショウウオ、イモリ、アシナシイモリなど、現在世界中の6000種の両生類の少なくとも3分の2が絶滅の危機にある。
スイスの両生類は1967年から保護下にあり、絶滅の危機に最もさらされている種。