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60トンの鉄製「クロコダイル」を自分の庭に置きたいと思う奥方は少ないのではないか。しかし、ドリス・ヴィーマンさんにとっては、これが幸せな結婚生活を維持するための、妥協の賜物であったのである。このコンテンツは 2005/04/07 21:18
過去４年間、ドリスさんの夫と息子は、自宅の庭を伝説的な「鉄の野獣」で一杯にし、鉄道博物館作りに熱中してきた。それがこの機関車クロコダイルで一応の完成を遂げたわけである。
「この機関車のおかげで庭に生き生きとした生命が宿ったようだわ」と今ではドリスさんもこの新しい生活にすっかり馴染んでいる。
しかし、夫のロルフさんはこの博物館を開設する夢を打ち明けた当時は、ドリスさんから結構な抵抗にあったことを笑いながら振り返る。「でも今では彼女も伝説的な機関車がうちの庭にあることに誇りを感じているんだよ。ずっと前から、ドリスはクロコダイルのファンだったからね」
なんといっても、ヴィーマン家はロルフさんが40年間勤めた連邦鉄道を早期退職してから、この鉄道博物館開設のために、美しい首都ベルンから人里離れたケルツェルスに引っ越したのだ。
彼らの愛するクロコダイルの公式の名前は、Ga 6/6 406号。ニックネームの由来は、ワニのような黒く長い先端だ。この中に最も初期の電気エンジンが入っている。1921年に製造されてから、鉄道ファンの熱い視線を一身に浴びてきた。今は静かにヴィーマンさんの庭で余生をおくっている。
錆びた骨董品がずらり
普通のスイス人は、定年退職して時間ができれば、庭の雑草を抜いて花を植え、美しい庭作りにせっせと励むものだ。しかし、ヴィーマン家の庭は花の代わりに機関車やら貨車やらが陣取っている。彼らは花のように大切に世話されて、第2の人生を謳歌しているのだ。
1914年に製造されてスイス全国博覧会に出展された機関車もあれば、1907年製造のオリエント急行CIWI型の食堂車もある。1885年製造の化学薬品運搬用の貨車まであるのだ。
列車だけではない。ロルフさんとロジャーさんは、初期の信号機までまた使えるように修理して展示している。これはゴッタルド鉄道で使われていたもので、3本のハンマーベルがついており、現存しているのは世界で２つしかない。その１つがヴィーマン家で息を吹き返したのである。
この鉄道博物館は、家族経営では最大のコレクションを誇る珍しいものだ。これら巨大な骨董品の修理や維持のために、ヴィーマン家は延べ2,500時間という莫大な時間を費やしてきた。
「近所の人は私たちが作業着以外を着ているのを見たことがないでしょうよ」とスイス連邦鉄道時代からのオレンジ色のつなぎを着たロルフさんは笑う。
ヴィーマン家へ集結
このような鉄道アンティークのほとんどは鉄道会社や企業からの寄付によってヴィーマン家にやってきた。この巨大な年代物の維持は、経営を圧迫するのだ。
かといって、ヴィーマン家の庭に鉄道アンティークを置く場所が無限にあるわけではない。そこで連邦鉄道は、彼らの家の反対側に土地を借りて提供する申し出を行った。
「ここには列車本体だけではなく、連邦鉄道や個人から無償で譲られた写真や絵などの文書室もあるのですよ。これらを参考にしながら、機関車や貨車を当時に忠実に再現するのです」とロルフさんは語る。
「オリジナルの形を全く留めていない貨車やエンジンなどもありますからね。ここに集まる膨大な絵や写真のコレクションは、機関車が製造工場から出た時の形を示してくれるわけです。おかげで私たちはこの歴史的記念物に再び命を吹き込んでやることができます」
家の中も鉄道で一色
家の中に一歩入れば、またもや鉄道関係のものに囲まれる。ベルン・ルツェルン間を走った鉄道の1883年のオリジナルポスターがこちらを見下ろしているかと思えば、書籍、鉄道職員の制服、機関車のヘッドライトがあちこちに鎮座している。
年代物の時間表が部屋の角にも、棚にも、壁にも、机の上にも、窓の敷居にまで積み上げられている。写真のコレクションだけとっても、なんと２万枚を数えるのだ。
ロルフさんは語る。「私が魅了されるのは、鉄道関連には信じられないくらい幅広い種類のものがあり、それが実際に１度は人々の生活に使われた、という事実なのです。私の祖父も、父も、兄もみんな鉄道会社で働きました。そして私も例にもれず、40年間も働いたのです。退職したからといって、この熱が冷めるわけはありません」
「鉄道は私の人生そのもの、きっと死ぬまでこの熱は続くでしょう」
swissinfo デイル・ベヒテル(ケルツェルにて)、遊佐弘美（ゆさひろみ）意訳
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ケルツェルス鉄道博物館の開館時期は３月から11月末まで。入場無料、要予約。電話番号は：日本からかける場合00141(国番号)-31-755-8904、日本以外の国からの場合0041-31-755-8904。
ケルツェルスは首都ベルンから電車で20分。
補足情報
博物館の目玉は機関車、Ga 6/6 406号、愛称「クロコダイル」。1921年に製造された。
オーストリア・ハンガリー帝国時代に、プラハで1907年に製造されたCIWI型の食堂車はオリエント急行のもの。
ベルン・オーバーラント鉄道から譲り受けたHGe 3/3型は1914年に製造され、同年のスイス全国博覧会に出展された。
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