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スイスでは9日、2つの案件をめぐって国民投票を実施した。同性愛者など性的指向を理由にした差別を処罰の対象にする案は可決。安い家賃で借りられる家を増やすため、国が取るべき促進策を盛り込んだイニシアチブ（国民発議）は否決となった。
人種差別撤廃法ともいわれる刑法261条補足は、肌の色や宗教、民族を理由にした差別を禁じる。国民投票では性的指向を理由にした差別も刑罰の対象に加える改正案の是非が問われ、63％が刑罰化に賛成票を投じた。
都市部では地方部に比べ刑罰化への賛成派が多かった。一方、ウーリ州、シュヴィーツ州、アッペンツェル・インナーローデン準州では改正案への反対票が賛成票を上回った。スイスの国民投票では、有権者全体の賛成多数に加え、全26州の過半数で賛成が反対を上回ることが必要になる。
人種差別撤廃法の改正を提案したマティアス・レイナルド下院議員（社会民主党）は、投票結果を受けて「全ての関係者にとって素晴らしい知らせだ」と語った。
一方で反対派は、改正案の施行を批判的にとらえていくと公言した。改正案の是非を国民に問うレファレンダムを提起した1人、アニアン・リーブランド氏は、「言論の自由が制限されるのは例外的な場合にとどめるべきだ」と訴えた。
カリン・ケラー・ズッター連邦司法相は結果を受けて、これまで「裁判所は人種差別撤廃法の原則の適用に慎重だった」ことを経験してきた、と語った。その事実は今後も変わらないとの見方を示したうえで、「人間の尊厳を守るために、誰もが市民としての勇気を持たなければならない」と強調した。
家賃は安くならない
安く借りられる家を増やす施策を国に求める「低家賃住宅促進イニシアチブ」は、新築住宅の1割以上を公営・組合住宅にすることなどを盛り込んだ。スイス有権者は連邦内閣・議会と同じく反対の立場を取り、57％が反対票を投じた。
ギー・パルムラン連邦経済相は、投票結果は有権者が「住宅市場が機能しているという見方を共有している」証拠だと述べた。個々の地域や都市で起きている問題は、「地域的に解決しなければならない」と指摘した。
フランス語圏のスイス西部や、大都市ではイニシアチブへの賛成派が優勢だった。ジュネーブ州やヴォー州、ヌーシャテル州、ジュラ州（以上はフランス語圏）とバーゼル・シュタット準州（ドイツ語圏）ではイニシアチブが可決された。
スイス不動産所有者連盟のハンス・エグロフ会長は「危ういイニシアチブの呼称」が有権者の間で反響を得なかったことに喜びを示した。ただ反対が圧倒的多数だったことは同氏にとっても意外だったという。
スイス賃借人連合のナタリー・イムボーデン事務局長は「大都市で賛成が反対を上回ったのは、高すぎる家賃が問題になっている証拠だ」とコメント。結果的にイニシアチブが否決されたとしても、この点には意味があると訴えた。
主な州レベルの住民投票
アールガウ州では帰化の条件を厳しくする案が賛成65％で可決。同州内で国籍を取るには過去10年間、生活保護など社会福祉を受けていなかったことが条件になる。全国的には3年間が条件。
ヌーシャテル州では投票年齢の18歳から16歳への引き下げが問われたが、反対59％で否決。
ルツェルン州では地下鉄構想が反対59％で否決された。
人口約50人の自治体クラヴァレイエClavaleyresがベルン州を離れ、フリブール州ムルテンに合併する協定にベルン州・フリブール州の有権者がともに可決。
バーゼル・シュタット準州では高稼働道路（中央分離帯があり信号のない自動車両専用道路）を除く州内の道路で、2050年までに環境に優しい車またはシェアリングカーのみ走行可能にする案が問われ、賛成64％で可決された。
ジュネーブ州では犬の飼い主に課せられる犬税の廃止案が反対票67％で否決に。ペットとして犬だけに税が課せられることに反対の声が上がっていたが、道路の清掃費に充てる財源は飼い主が負担すべきとの意見が優勢に。インフォボックス終わり
（独語からの翻訳・ムートゥ朋子）