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絶滅の危機にあるスイスの果物を保護する民間団体「フルクトゥス」が2000年から行ってきた品種目録を作成するプロジェクトが、今年で終了する。目録の対象となったのは木になる果物だった。
同プロジェクトに携わったダヴィット・サラトナイ氏は、「同品種ばかりに占められた農作物は、たとえば病害に弱くなる。多様な品種を交配し抵抗力のある品種を作ることもできるのではないか」と多様性を保つことの大切さの一面を指摘する。
スイスのスーパーマーケットで見かけるリンゴの種類はせいぜい10から15種類。それも現代人の好みに合った甘いゴールデン・デリシャスの交配品種が6割を占める。しかし、実際スイスに植えられているリンゴは1,000種類以上もある（フルクトゥスによる）。
絶滅の危機にある農作物や家畜をはじめとする動植物を保護するため、1992年にリオ・デ・ジャネイロ（ブラジル）で開催された地球サミットの中で、「生物多様性条約」が採択された。スイスも日本と並んで調印した。これを受けスイス農業局は、「食糧および農業のための農作物資源の保護および利用国家活動」（NAP）を開始し、絶滅の危機にある動植物の保護を実際に保護活動をしている団体に委託した。フルクトゥスは2人の専門家をあて5年計画で、リンゴやナシなど木になる果物を中心に品種目録作成を請け負った。
古代ローマ時代からあるリンゴ
フルクトゥスはリンゴ、ナシ、プラム、サクランボに限り、農園などを訪問し、珍しい果物を自ら探し回ったり、一般に呼びかけ申告してもらった。こうして5年間に集められた20万件の果物のうち、1,000品種を保護の対象としリストアップし、同団体が自営する農園に植えて保護している。希望があればだれでも、接木ができる。
品種目録の中には古代ローマ時代に記録があり、現在スイスでは1、2本しかないという「アピ・エトワール」というリンゴがある。星の形をしていることからこの名前が付けられた。味は酸っぱく食べるにはあまり適さないが、輪切りにすると形が綺麗だ。
「スイス人のズボン」と名づけられたナシは、15年前に再発見され、現在確認されたのは樹齢80から90年とみられる1本だけ。バチカンの衛兵は伝統的にスイス人が任命されている。16世紀にミケランジェロがデザインしたといわれるこの衛兵のコスチュームのように縦にしま模様があるナシは、世界でも8種類くらいしかないという。食べごろはクリスマス前だ。
絶滅する理由
「わたしたちが保護している果物は、必ずしも現代人が美味しいと思わないものもある。ビタミンCが豊富な品種や賞味期間が長い品種など、それぞれの特徴がある。記録があるということは、歴史の中で一度は評価されたということだ。食用ばかりではなく工業用や果実酒にも利用できる」前出のサラトナイ氏は、いまの需要が将来も続くかどうかは分からないと品種の多様性の重要性を長期的観点から捉えている。
スイスは州ごとに独自の品種を守ってきた歴史があり、他の欧州諸国と比較しても果物の種類は多い。しかし、背の高い木は収穫に手間がかかりすぎると低い木に取って代わられるようになった。また、居住区の拡大に伴い、これまで農園だった土地が段々消滅してゆくなど、時代の流れに押されスイスも他国同様、絶滅の危機にある品種は多い。
5年間に渡るプロジェクトは今年で終了するが、品種目録の作成に使う単語のスタンダード化や市民への啓蒙など今後も絶滅の危機にある果物の保護計画は続く。
スイス国際放送 佐藤夕美 （さとうゆうみ） ヴェデンスヴィル（チューリヒ州）にて
キーワード
生物多様性条約
1992年にリオ・デ・ジャネイロで採択される。
2003年11月までに188カ国が加盟
連邦農業局の政策NAP計画
1992年から62件の計画が終了し、進行中の計画は59件ある。