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スイスの国際都市ジュネーブは、和平交渉の舞台としてしばしば新聞の見出しを飾る。そのジュネーブは、私達の口内で虫歯を予防するため日々闘い、小さな勝利を収めている歯磨き粉についても功績があるという。果たして本当だろうか？
国連欧州本部のマイケル・モラー前事務局長はこの春、地元紙のトリビューン・ド・ジュネーブの取材に対し、こう話した。「ジュネーブのあらゆる国際機関は、我々全てに直接影響のある仕事をしている。我々はそのことを気に掛けもしないが、例えば、歯を磨く時に使う歯磨き粉に含まれる化学成分の割合は、ジュネーブで採択された規格によるものだ」
モラー氏の発言は正しいのだろうか？あなたの歯磨き粉に含まれる化学成分の量はジュネーブで決まったのだろうか？これから見ていくように、その答えは単純明快ではない。
1949年からジュネーブに本部を置く国際標準化機構（ISO）他のサイトへは、音声データ圧縮技術のMP3から牛乳瓶まで、ありとあらゆる分野を網羅する2万2千個以上の任意の国際規格を開発してきた。
このISO規格は、歯磨き粉の物理的・化学的性質に関する要求事項を決めている。例えば、チューブ1本当たりのフッ化物含有量の最大値は300mg、重金属含有量の最大値は1kg当たり20mgだ。また、歯磨き粉の水素イオン濃度（pH）、研磨性、安定性、フッ化物濃度を試験・評価する方法や、ラベルやパッケージのガイドラインも含まれる。規格書（全23ページ）のダウンロードは118フラン（約1万3千円）だ。
ISO規格の適用は義務？
ISOは歯磨き粉の内容物を監視し、調整する。しかし、それぞれの国や企業はこの国際規格をどの程度適用しているのだろうか？この点は明らかではない。
「ISOが発行する国際規格に強制力はないので、規格を適用する義務はない」とISOのコミュニケーション・スペシャリスト、サンドリーヌ・トランシャールさんは説明する。ISOの作業部会を監督した米コロラド大学歯学部教授のクリフトン・キャレー他のサイトへさんは、国内への適用は各国が決めることだと話す。その一方で、「ISO 11609はこの4年間で300以上の出版物で取り上げられた」ことから、研究者らの間で信頼が高いとみている。
この規格を適用する国や企業を全て把握しているわけではないことをISOは認める。トランシャールさんによれば、13の加盟国が最新のISO規格を国内規格として適用していることを明らかにしている。しかし、「歯磨き粉を製造する世界中のどの企業、製造工場、研究所もこの規格を使用できる」。
スイスでの国内適用は？
スイスでは、歯磨き粉を含む化粧品に関する法律や規則に、ISO 11609:2017は記記されていない。したがって、ISO規格に法的拘束力はない。
しかし、産業界への助言とみなされていると連邦食品安全獣医局他のサイトへの広報担当官、ナタリー・ロシャさんは指摘する。
「化粧品に関して開発された多くのISO規格は、分析的あるいは微生物学的なアドバイスを通じて産業界を助けている。しかし、スイスの法律には出てこない」。つまり、これらの規格が法律にそのまま転記されているわけではない。
スイスで販売する歯磨き粉を製造する際、企業は「適正製造管理ガイドライン」に則った製品であることを保証しなければならない、とスイス化粧品・洗剤協会他のサイトへの事務局長、ベルナルト・クロエッタさんは説明する。法律に則った製品であることを証明するにはいくつかの技術規格や方法がある。ISO 11609:2017は小売業者から要求されることもある「最も重要な規格の1つ」だ。
クロエッタさんによると、結局のところ、歯磨き粉の製造や規格を規制するのは、欧州連合（EU）の化粧品に関する規則1223/2009他のサイトへと内容を同じくするスイスの法律だ。
スイスは、他のヨーロッパ諸国で行われていることに従わなければならない。スイスの化粧品に関する法律は「貿易障壁を可能な限り取り除くために、ほぼ完全にEU法と調和している」と前出のロシャさんは話す。
ISOによるジュネーブでの作業に加えて、欧州レベルでも欧州標準化委員会（CEN）他のサイトへが並行してISO 11609:2017を開発した。CENのメンバー34カ国他のサイトへは一丸となって、欧州共通規格の実施に向けて取り組んでいる。CENは、EU加盟28カ国、北マケドニア共和国、セルビア、トルコ、欧州自由貿易連合（EFTA）加盟3カ国（アイスランド、ノルウェー、スイス）、各国の標準化機関から成る。
答えはイエス、しかし…
歯磨き粉に含まれる化学成分の割合がジュネーブで採択される基準に由来するというのは本当だろうか？国連欧州本部の前事務局長、モラー氏の発言は正しいように思われる。ISOは164の加盟国を通じて世界中のほとんどの国を網羅する。それでも、ISO規格は任意のものだ。国や製造業者がISOの規範や要求事項をどの程度忠実に守っているかを確かめることは非常に難しい。スイスでは、（EUとほぼ一致する）化粧品に関する法律にISO規格は明記されていない。しかし、産業界にとって歯磨きを製造する過程で、ISO規格は重要な参照基準として機能している。
（英語からの翻訳・江藤真理）