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夜へ急ぐ
1日の長さは24時間。
どの人にも平等に与えられている。
夜明け前に起きて仕事に行く人。
９時５時で仕事する人。
夕方から出勤する人。
長さは平等でも使い方は様々。
秋の夜の街は夏と違い少し切ない空気を醸しているように感じる。
日も暮れた夕方６時。
有楽町マリオンを抜けて銀座の方に向かう。
なにか落ちましたよ
急ぎ足の女がすれ違うときに何か落とした。
見た感じこれから出勤のいでたち。
歳は30前くらいか。化粧が濃いのでもう少し若いのかも知れない。
拾って渡そうとしたとき、彼女の目に光るものを見た。
「ありがとう」の声も掠れている。
これから夜の華やかな場所に向かうには辛そうだ。
寂しげな瞳がじっとボクを見上げる。
ボクは思わず聞いた。
何かあったの？
その声をきっかけに女はワッと泣き出しボクの胸に飛び込んできた。
襟足から細く白いうなじが見えた。
しばらく嗚咽が止まらずそのままにしていたが、少し落ちつてきたようなので
話したほうが楽になるなら聞くよ
と告げたところでボクは背後からグッと襟首を捕まれ後ろに引き倒された。
なに？ なに？ なに？
見上げると、恐ろしく怖い顔をしたプロレスラーみたいな男が頭から湯気を立てながらボクを睨んで見下ろしている。
女は恐怖に慄いた顔をして立ち尽くしている・・