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２０３０年までに、世界全体が取り組む目標と達成すべきターゲットを示した「持続可能な開発目標（SDGs）」。これを実現するためにスイスでも、さまざまな方策が決定された。だが、スイスの取り組みは一貫していないと指摘するNGOの声も聞かれる。
国連（UN）のこの「持続可能な開発目標（SDGs）他のサイトへ」は、貧困の根絶や環境保護などの分野に関する１７の目標と、１６９項目のターゲットを掲げる。これは、０１年に策定され、１５年末に期限を迎える「ミレニアム開発目標（MDGs）」を後継する新しい目標だ。
その目標達成に向けたスイスの方策決定には、民間の意見が多く取り入れられてきた。今秋ベルンで開かれた聴聞会では、SDGsの交渉でスイスを代表してきたミハエル・ゲルバー大使が、「この聴聞会で３年間かかった策定プロセスが幕を閉じたことになる」と述べた。
スイス国内にも当てはまる課題
スイスは特に、安全な飲み水へのアクセス、健康、持続可能な平和、包括的な社会、ジェンダーの平等、女性の権利、女性と少女の社会的地位の向上などを、国としての重要課題に挙げている。また、難民・移民問題、開発、災害リスクの軽減、持続可能な消費と生産にも注力するとしている。
「スイスはとても野心的な目標を掲げている。その達成に全力を尽くさなければならない」とゲルバー大使。「恐らく、世界から戦争がなくなり貧困も終わったと言えるまでのレベルには到達できないだろう。だが、できる限りの努力をしなければならない」
単に、開発途上国に資金を渡し、開発を支援すればいいという問題でもない。「持続可能な開発目標」をスイスとして達成するためには、スイスの国内でも、貧しい市民の生活水準を向上させることが必要だという。「スイスの掲げる目標は全て、国内の課題でもある。例えば貧困問題。国の貧困指数を見ると国内でも改善すべき点は多い」
スイスは確かに、裕福な国の一つだ。世界銀行によれば、国民１人当たりの国内総生産（GDP）は年間８万１５４５フラン（約１千万円）で、世界でもトップレベル。だが一方で、人口の７．７％、１３人に１人が国の貧困ライン以下で生活している。
スイスの貧困ラインは、単身世帯では月収２２００フランで、大人２人子ども２人の家族世帯では月収４０５０フランだ（連邦統計局）。この額だけを見れば、多くの国では、十分な月収額だと思われるかもしれない。だがスイスでは、高額な健康保険料や家賃、物価高が、ひとり親家庭や専門技術を持たない労働者などの家計を圧迫している。
懐疑的なNGO
一方、ベルンの聴聞会に参加した、国内の問題に目を向けるNGOは、SDGsに懐疑的だ。持続可能な開発目標の中でも特に、スイスでの生産における無駄の削減、貧富の格差の是正といった目標を実現するのは容易ではなく、政府が今後数年間にわたる経費削減計画を打ち出したことも状況を厳しくすると予想している。
途上国を支援するNGOの統括組織「南同盟」は、スイスが打ち出したSDGsに関する方策を妥協点を見出したものだとして評価するものの、矛盾も多いと指摘する。政府や民間の参加をどの程度期待できるのかも疑問だとしている。
途上国問題に詳しいチューリヒ大学のロルフ・カペル名誉教授は、SDGsは分野が多岐にわたりすぎていて、それぞれの分野の規定が不明確だと指摘する。１５年末に期限を迎える国連ミレニアム開発目標（MDGs）は、途上国の貧困削減が焦点だった。それに対しSDGsでは、世界の全ての国で持続可能な経済・環境・社会を目指している。
「ところがSGDsのターゲットの多くは不鮮明だ。実現に必要な十分な指標やデータもない」とカペル氏はチューリヒ大学のニュースレターで述べている。
さらに、目標の達成度合いや進行状況は今後、現実のデータや事実に基づくというよりも「意見」に基づいて判断されるだろうと指摘する。「そうなると、政策決定者が真剣に取り組まなくなり、効果的な対策がとられなくなる危険性がある」
また、開発課題分野があまりにも拡大したために、貧困削減がおろそかにされ、結果として貧しい国が損をする恐れがあるとも警告している。
コストと利益
スイス政府はSDGs実現の方策を、１６～１９年間の持続可能な開発戦略と国際協力戦略の一部として実施したい考えだ。国連の提案する国民総所得（GNI）の０．７％を開発援助費（ODA）に充てるかどうかを連邦議会が決定する。だが、先月の連邦議会総選挙で、より厳しい外国人政策を訴える右派政党が議席を伸ばしたことを見ると、開発援助費へ影響が出る可能性もぬぐいきれない。
環境保全団体WWFスイス（世界自然保護基金）の広報担当者、ピエレッテ・レイさんは、SDGsのターゲットは野心的とはいえ、実現は可能だろうという。
WWFスイスは最重要課題として、気候変動対策、スイスのエコロジカル・フットプリントの削減、生物多様性の保護を挙げる。「スイスは多くの分野で模範生ではない。もしも全人類が、平均的なスイス国民のライフスタイルで暮らせば、地球が三つあっても足りない。全く持続可能ではない」と話す。さらに「スイスの銀行は、気候と環境に重大な影響をもたらしている産業界に資金を提供している。私たちは大きく変わらなければならない」と続けた。
改善の余地あり
ベルンの聴聞会に参加した国際児童保護NGO「テールデゾム」のイグナシオ・パッカー事務局長は、新たな目標の策定における混乱は避けられなかったと話す。「疑念や不信感を持つ人が出てくるのも理解できる。これまでのプロセスに参加してこなかった人は特にだ」
パッカー氏は、新たな国連の開発アジェンダが「人権の強化」を基盤にしていると見ている。そのお陰で、恐らく目標が達成できるのではないかと言う。
だがその一方で、スイスには矛盾が存在すると指摘する。例えば、災害リスクの軽減を目指す国際的な枠組み協定や難民支援など、スイスは今年に入ってから人権の尊重という観点からいくつかの国際協定を締結してきた。
ところが国内では、「大量移民反対イニシアチブ」が昨年の国民投票で可決され、先月の連邦議会総選挙でも、難民・移民を制限するような対策を訴えてきた右派政党が躍進するなどの動きがあった。
「こうした矛盾する一つ一つはどれも、不平等を解消しようとする誠実な思いから生まれたものだと確信しているが、（政府の決定をくつがえすこともできる直接民主制を持つ）スイスの政治システムでは、他国との国際交渉の前線から発せられるメッセージとの間に矛盾が生まれているように思える。それはまるで、右腕がやろうとしていることに左腕が気づいていないような、そんなちぐはぐな感じなのだ」
１５年前に世界の首脳が合意し、世界的な貧困の削減を目指した「ミレニアム開発目標」の八つの目標は、世界で１０億人以上の人を極端な貧困から救ったと、潘基文（パンギムン）国連事務総長は語っている。
ニューヨークで９月末に開かれた「国連持続可能な開発サミット」では、２０３０年までに目標を達成するためには、年間３.５～５兆ドル（約４３２～６７６兆円）の経費がかかると推定されている。
持続可能な開発目標は、飢えと貧困の撲滅、ジェンダーの平等、生活水準の向上、地球温暖化に対する緊急対策を講じることなどを掲げている。
国連サミットに続き、加盟１９３カ国が出席した国連総会では、スイスのシモネッタ・ソマルガ連邦大統領が、持続可能な開発のための、野心的な２０３０アジェンダを、「国連自身が前進していくという能力の表れだ」と評価している。
（英語からの翻訳・編集 由比かおり）, swissinfo.ch