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老齢・遺族年金 ( AHV/AVS ) は、昨年1年間で利益が半減した。この著しい損失の原因は、不安定な金融市場にある。このコンテンツは 2008/03/15 15:26
それでも最終的にはおよそ15億フラン ( 約1500億円 ) の利益を計上。一方、障害者保険 ( IV/AI ) はまたもや大きな赤字となった。
老齢・遺族年金基金の発表によると、同制度の資金繰りは、不安定な株式市場の影響を受けて、昨年後半に多大な損失を計上した。そのため、経常利益は2006年の27億フラン ( 約2700億円 ) から15億フランに縮小した。
障害者保険は数十億の赤字
老齢・遺族年金の保険業務による利益は、およそ12億フラン ( 約1200億円 ) と2006年とほとんど変わらない。しかし、相場差損が生じたため、2006年におよそ13億フラン ( 約1300億円 ) あった投資利益は200万フラン ( 約2億円 ) の赤字に転落。利子収入と合わせると、2007年の経常利益は15億フランとなる。
一方、障害者保険は新たに15億9000万フラン ( 約1590億円 ) の経常損失を計上した。ちなみに、2006年の損失額は15億6000万フラン ( 約1560億円 ) だった。損失増加の原因は繰越損失の利息が上昇したためだ。
この繰越損失およびこれにかかる利息は、今年さらにおよそ20億8100万フラン ( 約2081億円 ) まで増加すると見込まれている。15億9000万フランの経常損失に加え、新しく導入された財政調整によって特別損失4億9100万フラン ( 約491億円 ) が発生すると予測されているためだ。これにより、障害者保険の損失総額は20億8000万フランに増加。障害者保険の繰越損失は新たに114億1000万フラン ( 約1兆1410億円 ) に達する。
収入補償でも差損
収入補償 ( EO/APG ) も2007年には3億9700万フラン ( 約397億円 ) の赤字となった。大きいのはやはり投資による損失だ。2006年には1億1700万フラン ( 約117億円 ) の収益を計上したが、2007年には1000万フラン ( 約10億円 ) まで縮小した。
収入補償ではまた、支出が保険料による収入を大きく上回った。年金基金はこれを、母親の産休手当増加で保険の適用枠が拡大された結果だとみている。
これら3つの社会保険制度では、保険料や税金、償還請求による収入を合わせても457億3000万フラン ( 約4兆5730億円 ) となり、462億3000万フラン ( 約4兆6230億円 ) の支出を再び超過。そのため、老齢・遺族年金と収入補償の資産から4億9600万フラン ( 約496億円 ) を借用し、障害者保険や収入補償の支給金に当てている。
投資による利益は全制度を合わせてもおよそ800万フラン ( 約8億円 ) にしかならない。これまでの4年間はそれぞれ10億フラン ( 約1000億円 ) を大きく超える利益を出していたことを思うと、2007年は期待を大きく下回った。ちなみに2006年の利益は14億フラン ( 約1400億円 ) だった。
swissinfo、外電
補足情報
連邦議会は3月17日、第11回老齢・遺族年金改正およびイニシアチブ「退職制度の柔軟化を」について審議する。
第11回老齢・遺族年金改正の主旨は女性の定年引き上げにある。ただし、急進民主党 ( FDP/PRD ) が改正反対の姿勢に転じたため、この案が連邦内閣に返却される可能性も出てきた。
キリスト教民主党 ( CVP/PDC ) はこのような急進民主党の姿勢に反発。今回の改正をこのまま実現に持ち込みたいとしている。
これに対して、緑の党 ( Grüne/Les Verts ) は退職制度の柔軟化につぎ込まれる費用8億フラン ( 約800億円 ) を低所得者のために投入したいと考えている。
スイス労働組合 ( SGB/USS ) は老齢・遺族年金の収支公開を機に、スイスは62歳以降の退職制度の柔軟化に耐えられるとして、イニシアチブのPRを開始。老齢・遺族年金は昨年、予測されていた数十億フランの損失の代わりに、新たに利益を生んだ。
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