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運動や身体を動かすことが、うつ症状を軽減すると言われて久しいが、今回スイスとドイツの科学者たちがそれを裏付ける発表を行った。運動によって刺激された脳内の動きは抗うつ薬と同じ効果をもたらすことを証明した。
ミルコ・ウェグナー氏が率いるベルン大学・スポーツ科学センター他のサイトへの研究チームが照合したのは、運動が不安障害とうつ病に与える影響に関する過去のデータだ。対象人数は合計４万人に上る。
その結果、ウェグナー氏とハンブルク大学医学部の研究者が共同で、運動や身体を動かすことは抑うつ症状の軽減に効果的であり、抗うつ薬と似た作用があると結論づけた。この発見についての論文は、科学雑誌「CNS & Neurological Disorders – Drug Targets他のサイトへ」最新号に掲載されている。
抗うつ薬は脳内伝達物質であるセロトニンの分泌量を増やし、沈んだ気持ちを盛り上げ、情緒バランスを整える働きをする。それが気分や減退していた食欲、睡眠障害を改善させる。
抗うつ薬の働きはつまり、記憶や感情をつかさどる脳内の海馬体の神経細胞の新陳代謝を促すことにあり、（研究者によれば、うつ病とはこの部分の細胞死を引き起こしている状態なのだという）そして運動もまた、抗うつ薬と同様に血液中のセロトニンを増やし、脳のこの部分の新陳代謝を促しているとわかった。
補完の療法としての運動
「我々が使った比較データ分析からは、残念ながら１週間にどのような頻度で、どのくらいの長さの運動をすることが効果的なのかというところまではわかっていない」とウェグナー氏。「だが、運動や身体を動かすことが、うつ症状を軽減することは明らかだ」
ただし、運動がうつ症状の軽減に与える効果は中程度なのに比べ、不安障害に与える効果はごく小さいという。
研究者たちは今回の結果から、運動が比較的安上がりでかつ副作用が少ないこともあり、うつ病の治療に運動を取り入れて補完治療を行うことは有効なのではないかと考えている。ただ、それには運動がどれくらい効果の高い療法なのかということや、どのような運動が投薬治療の補完になるのかということについて更なる研究が必要であるとしている。
スイスでは重度のうつ症状を訴える人は人口の３％と、比較的少ない。しかし、無気力や睡眠障害、食欲減退など、中等度のうつ症状を訴える人は人口の約１６％に上る。以上は昨年のスイス健康調査機関とバーゼルランド精神医学による調査結果だ。
また、中等度のうつ症状は見逃されることが多く、それによる経済損失は毎年１１０億スイスフランに上る。うつ病は生産性の低下を招き、欠勤率を高めるだけでなく、その治療が遅れることで、さまざまな面で更にコストが掛かっている。
swissinfo.ch、外電