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スイスは5日の国民投票でEUとの自由な人の往来を促す「シェンゲン協定」とEUとの共通の難民政策を定める「ダブリン協定」加盟賛成を54.6％で可決した。今月はフランス、オランダがEU憲法を否決した後だけに結果が懸念されたが、スイスはEUへ一歩、歩み寄った。このコンテンツは 2005/06/06 16:40
また、2つ目の議題だった同性愛パートナーの税制、社会保障や年金などの法的権利を認める法案も58％で可決された。スイスはこのような法案を国民投票に問う初めての国となった。なお、5日の投票率は55.9％と高かった。
今回のシェンゲン協定加盟により、EU諸国との国境でのパスポート・コントロールは廃止されるが、商品などのコントロールは今までどおりに続く。つまり、フランスに安い肉を買出しに行くジュネーブ住人は今までどおり、商品をチェックされ、上限を守らなければならない。旅行者などは基本的に出入国（通過）が自由になるが「怪しい」と思われる人物を今後もコントロールできる。
本勝負は9月
「スイス国境を一つ外す」が国民投票翌日のル・タン紙の見出し。全体的にスイスの報道は今回の可決を喜んでいる。しかし、「戦いは始まったばかり」（ル・タン紙）と、すでに9月２５日に行われる、「人の往来の自由」を可能にする2国間協定を拡大したEU（25カ国）へも適用するか否かを問う国民投票に注目している。なぜなら、この協定が否決されてしまう場合はEUが怒って、今回の投票結果を白紙に戻す可能性があるからだ。
スイスでは1992年に欧州経済共同体（EEA）への加盟が国民投票で否決されて以来、EUとの分野別の協定を結ぶ道を選んでいる。このダブリン・シェンゲン協定はEUとの二国間交渉の第2段として議会で承認され、2004年の10月に結ばれたものだ。しかし、右派国民党などが「外国人流入による失業、犯罪の増加」を理由に国民投票に持ち込んだ。
現在、スイスはEUと17分野での協定を結んでいるため、「アラカルト」方式としてEU諸国からの批判が強い。このため、第2弾が否決されればEU諸国の逆鱗に触れるかもしれない。
右派国民党の人気が落ちる？
ダブリン・シェンゲン協定否決を支持し、感情に訴えるドラマチックなポスターキャンペーンを展開してきた右派に対し、スイスの報道は手厳しい。「反対してきた右派国民党（SVP/UDC）が弱ってきた証拠」（トリビューン・ド・ジュネーブ紙）と分析している。しかし、多くの専門家が9月の国民投票時の国民党の巻き返しを懸念しているようだ。
次は「ポーランド人の配管工」との戦い
フランスのEU憲法が否決されたのは、「ポーランド人の配管工」が安い労働力で流れ込み、現地の職人が職を無くすという噂が出回ったからと言われる。スイスも東欧などの移民が流入してくる不安が大きいため、9月の国民投票はなかなか難しい勝負になりそうだ。スイスのEU加盟への道はまだ遠いようだ。
欧州諸国でも寛大な同性愛者への法律
今回、同時に可決された同性愛パートナーの公的登録法では欧州諸国でも寛大な政策をとることになる。欧州で同性愛者の「結婚」をも認める最も進んでいる国はベルギー、オランダだ。その次に結婚と同等の権利が与えられるパートナーシップの形を取るドイツ、英国やスウェーデンなどに仲間入りすることになった。しかし、血の繋がっていない子供を養子縁組できるのはオランダ、イギリス、スウェーデンのみで、他の欧州諸国はスイス同様できない。
スイスではこの様な法律がすでに３つの州で存在していたが、今回の法が発効されれば（2007年から）、同性愛者はパートナーとともに国内何処へでも引越しをできるばかりか、入院中の訪問許可、喪主になること、年金の扱いなどで生活が改善されることになる。これは、同性愛者への理解が深まってきた国民意識の変化の表れだ。
swissinfo 屋山明乃（ややまあけの）
補足情報
＜6月5日の国民投票の結果＞
- EUとのダブリン・シェンゲン協定加盟が54.6％で可決された。反対票は45.4％だった。票配分ではチューリヒ州を除いてスイスの西半分が賛成派、ドイツ語圏、イタリア語圏を含む東半分が反対派と真二つに分かれた。
- 同性カップルに結婚と同じ権利を認める法案は58％で可決。反対派は42％で主にカソリックの州（ヴァレー州、ジュラ州やティチーノ州）だった。
- 投票率は55.7％と高かった（2003年3月、国連加盟の際の投票率も55.7％）。
＜シェンゲン協定＞ 2008年から発効
- シェンゲン協定はEU域内との国境でのパスポート・コントロールを廃止し、同時に「シェンゲン情報システム」（SIS）に加わることで犯罪者の情報を共有し、警察間の協力を強化するのが目的。
＜ダブリン協定＞
- ダブリン協定はEU共通のユーロダック（Eurodac）という難民情報データベースに加わることで、難民のEU諸国とスイスへの2重申請を妨げるもの。
＜同性パートナーの公的登録＞ 2007年から発効
- 同姓を使い、養子縁組をできる「結婚」とは違うものの、相続税などの税制、社会保障、年金など結婚した夫婦と同等の法的扱いを受けられるようになる。しかし、養子縁組や人工授精などは認められていない。