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赤い地に白十字。このデザインは、スイスと全く関係のない商品でもあちこちで使われている。また、「スイスの」と書いた表示も市場にはんらんしており、政府としても無視できない状態になってきた。
このため、スイス政府は「スイス」を前面に出した商品の規制に乗り出している。この規制が発効すれば、国内外の商品すべてが対象になる。
クリストフ・ブロッハー司法相は、議会で政府報告書を引用し、「消費者は、スイスの白十字を見て質の高いものだと信じて商品を購入する」と述べた。
国内外の企業がスイスのイメージを乱用
また、ブロッハー司法相によると、「スイスの企業は、このデザインの重みについて気づき始めたが、過去2年の調査で、同時に乱用も増えていることがわかった」という。
例えば、化粧品大手ユヴェナ ( Juvena ) は、ドイツで製造した製品であるにもかかわらず、「スイスの」というキャッチフレーズを使っている。 シグ( Sigg ) も、中国製のフライバンであるにもかかわらず、大きなスイスの白十字を商品に付けている。
ブロッハー司法相は、「アジアの国々の企業も、スイスとは全く関係ないにもかかわらず、スイスのイメージを強く印象付ける商品を売っている」と批判した。
法案作成の準備は2007年後半
理論的には、企業はスイスの白十字やスイス製であるかのような表示を商品に付ける権利はない。しかし実際には、乳製品大手のエミ ( Emmi ) や、スイス・アーミーナイフで有名なビクトリノックス ( Victorinox ) のように、全ての製品にスイスの白十字マークをつけているところは少なくない。
「スイスの」という定義が、時計産業以外を除いてはあまりに広いため、いくら乱用しても、現行ではおとがめなしだ。
このため、スイス政府は規制に向けた第一歩として、「紋章を保護する」名目で法律を改正しようとしている。この改正案が施行されれば、スイスの白十字は本当にスイスで作られた製品にのみ、使用が許可されることになる。
まず2007年の後半に、諮問委員会による議論が始まり、法案が議会に提出されるのはその1年後になりそうだ。
法廷では負けそう
どのような法案になるかは、諮問委員会による議論の結果次第だが、「スイス」の表示を付けるためにはある程度共通の条件を満たさなければならないことは確かなようだ。
しかし、ブロッハー司法相は、「全てのセクターが同じ条件を満たす必要はない」と述べている。つまり、どれほどスイス製のものを含んでいるか、その割合は各セクターによって違ってもいいようだ。
また、政府は傘下の知的所有権機関 ( IGE ) に対して、「国内外を問わず、スイスのイメージを乱用した製品に、もっと厳しく対応するように」という指示を出した。
国外でもし目に余る状態を見つけた場合、知的所有権機関はその国のスイス大使館と協力し、当該企業にすぐさま使用を止めるよう、抗議の文書を送る。
いくつかの国については、「スイス」のデザインを商標登録するか、スイスのデザイン保護を強化することを2国間で合意することも検討されている。
しかし一方で、政府報告書は、「スイス」の白十字デザインの使用について全て監視するのは不可能であるし、現実的でも正しいことでもない、としている。
また、たとえ深刻なケースを見つけたとしても、「スイスは法廷に訴えるべきではない。経費は膨大で、しかも勝つチャンスはほとんどないからだ」とも述べている。
swissinfo、外電 遊佐弘美 （ ゆさ ひろみ ）
キーワード
現在の法律では、スイスの白十字は商標登録されていない。
「スイス」や「スイス製」の定義ははっきり決まっていない。今のところ、政府は時計産業についてだけ規制を設けている。
現状では、「スイス」の名前を語ってお金を儲ける例が後を絶たない。
「スイス」のイメージ
政府報告書によると、スイス人にとっても外国人にとっても、「スイス」と聞くと「健康的で秩序が行き渡り、効率的な世界」、「精密さ、念入りな仕事、信頼、一貫性」、「革新、高級な製品、素晴らしいサービス」をイメージする。
また、「スイスの国」というと「様々な文化が豊かに存在し、国際的で世界に開かれている」というイメージがある。つまり、「スイス」のイメージは非常に好意的であり、「スイス」をイメージさせる商品はよく売れる。
スイス製品を扱っている企業の半分が、自社ブランドに「スイス」をイメージさせるラベルを使っている。