Document ID: /fineweb-2-swissfilter-quality_10-filterrobots/filtered/00548.jsonl.gz/37

スイスで２７日、国内に既存する５基の原発の運転期間を４５年に制限し、２０２９年までに脱原発を達成することの是非を問う国民投票が行われたが、時期尚早のエネルギー転換は現実的でないとし、州の過半数が反対し否決された。脱原発イニシアチブ反対派にとって、今後のスイスのエネルギー政策は、どう展開していくのだろうか？
福島第一原発の事故が起きた２０１１年以降、スイス政府は老朽化した原発のリニューアルや再生可能エネルギーへの転換といった政策を提案した。一方、緑の党は、原発の危険性を指摘し、具体的な稼動年数を定めて停止することを求めイニシアチブを発議した。それに対し、スイス政府や連邦議会、経済界、国民党や急進民主党を中心とした右派は、時期尚早のエネルギー転換は現実的でないとし反対した。
現在、スイスの原発による電力は全体の約４０％を占める。緑の党が提案した「脱原発」イニシアチブに反対した国民党は、再生可能エネルギーの開発促進が不十分であることに加え、廃炉費用、原発を運営する電力会社の損失、代替電力のための送電網を整備するためのコストによる消費者の負担が大きいことを懸念した。
投票後、右派・国民党のアルベルト・レシュティ党首はスイスインフォのインタビューに対し、今回の国民投票の結果について、「今すぐに脱原発となれば、そのコストはだれが払うのか。スイスの中小企業にとって重要事項ともいえる『安定したエネルギー供給の確保』が優先されているのか。そういった懸念が反対の結果に繋がったと思う」と語った。
福島で起きた原発事故のような想定外のリスクを伴いながら小国スイスで原発を使用し続けることに関しては、「原発の危険性は意識しているが、同時にこのイニシアチブは現在代替できる実用的エネルギーを提示することはできなかった。不足する電力を海外の原発から輸入することが解決策ではないはずだ」との意見を述べた。
今回の国民投票が否決されたことで、スイス連邦議会が今年９月に承認した「エネルギー戦略２０５０」が反映された改正法が２０１８年１月から施行される。これは、原発の新設を禁止し、段階的な脱原発を促しながら、再生可能エネルギーへと徐々に２０５０年に向けて転換する方針だ。
ドリス・ロイトハルト環境・エネルギー相は、２７日に行われた記者会見で早期脱原発案が否決されたことに対し、「政策が突如変わってしまうことは現実的ではない」と述べ、「エネルギー供給の再構築の時間が与えられた」と安堵したものの「スイスに適した再生可能エネルギーによるより安全なエネルギーを確保することが課題だ」と明らかにした。
レシュティ氏によれば、スイス政府が２０１８年に施行するエネルギー法により、電気代や燃料費が値上がりし、政策の実施には費用が総額２０００億フラン（約２２兆１９００億円）に上り、一般家庭の追加負担額は年間３２００フラン（約３５万５千円）となると推定する。
こうした試算により、国民党は有権者５万人分の署名を集めてレファレンダムを起こし、連邦議会によるエネルギー改正法に反対する予定だとレシュティ氏は話す。
脱原発への道のりは長く、後退する可能性もある。