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日本人を含むベルン大学の研究チームが、宇宙線のミュー粒子を利用し巨大な物質の内部をレントゲン写真のように写す技術「ミュオグラフィ」で、ユングフラウのアレッチ氷河の透視に初めて成功した。これまで調査が困難とされてきた氷河内部の解明につながるほか、研究者らは「氷河の予報も夢ではない」と期待する。
ミュオグラフィ
別名ミューオン・ラジオグラフィー。レントゲンの大型版のようなもので、エックス線の代わりにミュー粒子を使い巨大な物質を透視する。原理的には１９５０年代から知られていたが、技術が未発達だったことや解析の煩雑さなどが課題だった。２００６年、東京大学地震研究所がミュオグラフィによる浅間山山頂部の透視に世界で初めて成功。現在、ピラミッドや原子炉の透視研究にも使われている。
大気中を飛び交う宇宙線「ミュー粒子（ミューオン）」は、すべての物質を構成する最も小さい単位、素粒子の一つ。透過力が非常に高く岩盤やコンクリートも真っすぐ通り抜けるが、物質の密度によって通り抜ける数が増減する性質を持つ。ミュオグラフィは、粒子が通り抜けた数を特殊な検出器を使って感知、解析し、内部の形状をレントゲン写真のように写し出す技術だ。
２０１６年秋から１７年にかけて行われた実験では、まずアレッチ氷河から数百メートル離れたユングフラウ鉄道のトンネルの壁に、ミュー粒子をとらえる写真フィルムを付けた検出器（縦４０cm、横６０cm）を３つ設置。１カ月半後、フィルムを現像して解析し、地表から深さ約５０ｍ地点までの氷河と岩壁の境目を３D画像で作成した。
中心となって進めてきた物理学者の有賀昭貴さん他のサイトへ（３７歳）は「氷河の研究はこれまで多く行われているが、今までは氷河が後退した後に（表れた地形を見て）こうだったんだろうと想像するしかなかった」と話す。
また、実際に氷河の上に立てたとしても、氷と岩盤の間に水が流れているため、他の一般的な調査方法は使えない。「内部の調査に使える実用的な技術がこれまでには無かった。この方法だと、アクティブな生の氷河の内部を透視できる」。
実験では「エマルジョン粒子検出器」と呼ばれる特殊な装置を使用。対象から数百メートル離れていてもミュー粒子を検出できる。現在はクレバスが多く危険なアイガー氷河の内部調査を進めているという。
地下３０ｍで写真フィルムを手作り
写真フィルムは２００ミクロン（１ミクロン＝１ｍｍの１０００分の１）と極めて薄いプラスチック板の両面に貼り付ける。フィルムを６枚重ね、飛んできた粒子の角度を正確にとらえられる工夫も凝らした。
博士研究員の西山竜一さん他のサイトへ（２９歳）は、「クレープを焼くような要領でフィルムを１枚１枚、手作りしている」と話す。地下に行くほどミュー粒子が映りこむリスクが減るため、ベルン大学の地下３０メートルにある部屋で作る。
「写真フィルムの取り扱いや持ち運びには、細心の注意が必要」と西山さん。何カ月間もかけて撮影したフィルムの現像に失敗すれば、また一からやりなおしだ。
氷河予報も夢じゃない
有賀さんは「昔からあったミューオンを捉える技術が、デジタル処理技術の発達などによって再認識され、スイスの持つ氷河解明という課題にうまくマッチした」と話す。
また「アレッチ氷河は氷の上に乗れる場所があり、観光客が多く訪れる。氷河がこのまま後退すると、岩盤の形状によっては災害を引き起こす危険性がある。この技術で内部が明らかになれば、より早く事故のリスクを予見し、安全対策を講じることができる」という。
「今は静止画程度だが、将来的には映像も取れるようにしたい。撮影にかかる時間が短縮できれば、ニュースで氷河予報が出るのも夢じゃない」
ベルン大学の研究プロジェクト「Eiger-mu GT」
氷河の内部調査プロジェクト「Eiger-mu GT」は２０１５年、ベルン大学の物理学と地理学の教授らが立ち上げた。現在、同大の研究員と学生約１０人（スイス、日本、イタリア、オーストリア、ウクライナ）が、The Laboratory for High-Energy Physics （LHEP）他のサイトへ、The Institute of Geological Sciences（GEO）他のサイトへと共同で研究している。国際交流財団ユングフラウヨッホ・ゴルナーグラード研究ステーション（HFSJG）他のサイトへ、ユングフラウ鉄道、スイス連邦基金が支援。調査結果は地球物理学の著名な科学誌「Geophysical Research Letters」に掲載された他のサイトへ。インフォボックス終わり