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保阪正康『田中角栄と安倍晋三』（朝日新書）
歴史家、ノンフィクション作家による昭和史再考で、副題が「昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体」。昭和天皇と今の天皇を対比して、それぞれに戦争の清算をどのように行ってきたかを示しながら、安倍晋三を田中角栄と対比して、「国家主義」と「国民主義」の差異を論じる。昭和史の様々なエピソードをちりばめながら、戦争の史実に学ぶことの大切さを説く。
いつも抑制的な筆致で歴史を語ってきた「保守派」の著者だが、本書では随所で安倍批判を繰り返している。「安倍晋三という人は本を読んで知識を積んだ様子がない人に共通の特徴を持ち合わせているように思える。底が浅い政治家といえるだろう。」「（岸の）不遜さは孫の安倍晋三にも受け継がれているのではなか」。「私が最高責任者です」と言う安倍発言について、「そんな無責任な言語を使うほど、政治家はおそるべきスピードで劣化しているのだ。」「ファシズムはデモクラシーから生まれる」といい「日本は安倍首相が登場したことにより新しい道に向かっている。もし日本がファシズム的な国になってしまったら」。「安倍首相が歴史に向かって回れ右をしている」。「安倍首相の手法は秘密主義であり、議論の本質をぼかす戦術であり、なにより自らを抑制する能力そのものさえかけているといっていいであろう。」
１９３９年生まれの歴史家にとって、安倍首相の暴走は認めがたく、日本の将来が心配なのだろう。