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物理科目を苦手に感じる子供は多い。ただ、それは授業で習う公式やさまざまな現象の根本的な概念をきちんと理解していないからだ。そんな現状を変えようと、チューリヒの研究者たちが新たな指導方法を編み出した。計算主体ではなく、概念をしっかり説明する。その手法で授業を行ったところ、とりわけ知能の高い女子生徒に大きな効果が見られたという。
新指導手法はこうだ。ETHZのSTEMラーニングセンターから派遣された教師陣が、あらかじめ想定した手法で子供たちを「失敗」させる。まず、すでに身に着いている知識では解決できない課題を与える。その後、教師が基本的な概念を教えるか、異なる事例を使って生徒自身に法則を見つけさせる。その段階を経て初めて、公式を教えるという流れだ。
実験は中等教育課程、つまり大学進学を目指す子供たちが進むギムナジウム（日本の高等学校に相当）で行われた。ドイツ語圏の生徒１７２人を対象に、ニュートンの運動の法則を教えた。１８クラスのうち、半分は既存の指導方法に沿って、もう半分は新しい指導方法で教えた。対象の生徒たちには授業前、授業後、３カ月後にテストを実施した。
実験の結果、新しい指導方法で教わった生徒は概念の理解度が向上しただけではなく、計算にも向上が見られた。最も顕著な効果が現れたのは知能が高い女子生徒で、学習効果が男子生徒とほぼ同等レベルまで上がった。ジェンダーギャップが完全に埋まったわけではないが、かなり小さくなったという。
ジェンダーギャップ
物理学におけるジェンダーギャップは非常によく知られた現象他のサイトへだ。中等教育課程で、物理科目の学習成果は女子生徒よりも男子生徒のほうが秀でている。経済協力開発機構（OECD）他のサイトへによれば、スイスでは大学で物理学や他の理系の学問を学ぶ女子学生が極めて少ない。そんな現状を改善しようと、国内には人材不足のSTEM（科学、テクノロジー、技術工学、数学）分野で女子学生を増やす試みが行われている。
シュテルン教授らの研究によれば、知能が高いのに物理教科で優秀な学習成果が出せない生徒の割合は、男子生徒に比べて女子生徒の方がはるかに高い。同教授らは、既存の指導方法が「学習効果の向上を妨げる影響を与えている可能性がある。それも、男子生徒より女子生徒に影響が強く出ている」と分析する。その解決方法となりえるのが、物事の根本的な概念を理解する新しい指導方法だという。
教訓は
シュテルン教授らは今後、教師を交えて指導法の微調整を行う。また、この研究結果が、物理の授業のあり方を再考するきっかけになればと話す。
新しい指導方法が主眼を置く、「生徒たちに自分の知識と向き合わせる」という点は、特に物理にとっては重要な要素だという。シュテルン教授は「物理は他のどんな教科とも違い、直感と現実をよりどころに出来ない。つまり日常経験が役に立たない」と説明する。
公式を覚えるだけではなく、その裏にある概念をしっかり理解することが鍵―。シュテルン教授はそう指摘する。多くの生徒が、力や質量、加速度を理解するのに四苦八苦する。それは成績優秀な生徒も同じだ。
シュテルン教授は「計算を主体にした授業をしている物理の教師には、自信を持って言える。そのような指導法では、うまく行かない」と話している。
（英語からの翻訳・編集 宇田薫）