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スイスには独自の再分配制度があり、毎年、国内の豊かな州から貧しい州へと多額のお金を動かしている。この制度については盛んな議論が交わされ、不満の声も多く、そして改革も行われてはいるが、今もなお連邦モデルの屋台骨であり続けている。
6月末、ベルンの連邦政府の経済専門家たちが一連の数字を発表他のサイトへした。与える影響の大きさと集める注目の程度に極めて大きな差があるこの数字とは、毎年発表される「財政調整制度」の数字だ。
財政調整制度では、国としての経済的なまとまりを表面的にせよ維持し、地域格差の広がりを抑えるため、豊かな州が貧しい州に渡さなければならないお金の額が定められる。
ここ数年と変わらず、絶対金額で最も拠出額が多いのはチューリヒ州、ツーク州、ジュネーブ州で、受取額が最も多いのはベルン州、ヴァレー（ヴァリス）州、アールガウ州だ。人口1人当たりの「指数変化」（この制度に起因する得失）が最も大きい州は、豊かな方ではツーク州、貧しい方ではジュラ州（スイスで最も新しい州）だ。
連邦財務省は、外側から内側に向かって拠出額が少なくなっていく螺旋状の図他のサイトへで、この指数変化をわかりやすく示している。また下の表では、各州の住民が1人当たり平均でこの制度によっていくら「損」または「得」をしているのかが示されている。
制度導入以降、序列に大きな変化はないが、数字は一貫して大きい。
例えばベルン州はこの制度により10億フラン（約1080億円）以上を受け取る一方で、チューリヒ州はその約半分の額を拠出している。全体として、財政調整制度によって平均以下の州に注ぎ込まれるお金は35億フランだ。これはリヒテンシュタインの年間国内総生産（GDP）の半分以上に相当する。
ほとんどのスイス人が裕福（だと多くの人がしばしば思っている）だというのに、この国でなぜこのような制度が必要なのか？ヌーシャテル大学のクロード・ジャンルノー教授は、その根拠はこの制度の2つの主な要素にあると説明する。
1つ目は、税収の差による不平等を是正するための富の移転だ。ツーク州には成功を収めているベンチャー企業と富裕層の住民が集中しているため、より隔絶していて人口密度が低い農業主体の地域に比べ、明らかに利益が多い。
この制度の2つ目の要素は「構造基金」と呼ばれる。一部の地域では地理的・人口的な原因で道路や水道などの公共サービスの提供がはるかに困難であることの補償をするものだ。スイスは地形が非常に多様な国で、それによる差を縮小しようと昔から努めてきた。そのため、この要素はスイスにとって非常に重要だ。
すなわち、欧州結束基金が、特に東側諸国などの貧しいEU新規加盟国の発展に寄与したように、スイスの平準化制度もまたハンディキャップをなくし、「国家が全体として機能」するのに役立っている。
怠け者を救済？
一部の地域がその他地域のためにお金を出すというモデルは、必然的に議論を呼ぶ。何よりも、「再分配と動機付け」の間の緊張関係のバランスを取るという問題があると、フリブール大学のアンドレアス・シュテックリ教授は言う。
楽（らく）をしすぎると、革新しなければならないというプレッシャーがなくなってしまうという。「税収源の少ない州に対する援助が大きいほど、税収を増やそうとする動機付けが弱くなる。税収源の多い州にとっては、拠出額が大きくなればなるほど、税収を増やす努力をする意欲が失せる」
当然、こういった意見はほとんどの場合豊かな地域から出てくる。ユーロ危機の際に一部のドイツ人がギリシャの救済に対する不満を口にしたように、ツーク州の税務署は苦労して集めた税金を、のちにジュラ州などに分配される共通財源に拠出することに常にいい顔をするわけではない。
「税金面で魅力的な州からそうでない州へは、バランスのとれたやり方で移転を行う必要がある」と、ツーク州の財政局長を務めるハインツ・テンラー州参事は考える。この制度は確かに団結と結束の維持に役立つと認めつつも、ツーク州のように税率の低い地域に圧力をかけすぎると、スイス全体にとって悪影響が出る可能性があるとも話す。
テンラー財務相によると、税収の多い州、いわゆる「優等生」も国際的に激しい競争にさらされていて、新しい税制改革で競争はさらに激化すると見られている。そう考えると、スイスは「効率的な」（テンラー財務相は「豊かな」よりもこの言葉を好む）地域を「大事にする」べきだという。
改革
このような論争は口だけではない。今年5月には、長年議論されてきた改革がついに議会を通過し、豊かな州の負担を減らす改革案が実施されることになった。
かつては、「潜在的税源」（課税可能な個人の収入・資産および企業利益）の全国平均の85％という「理想的な」最低財源を貧しい地域にも保障するためにいくらのお金を移転すべきかについて、各州が政治的に議論を戦わせて決めていた。しかし今後は、この数値は連邦政府の経済専門家が算出し、目標値も86.5％に固定される。
しかし、基準値が引き上げられたことに惑わされてはならない。
以前は、ベルンの政治家たちは税収源の少ない州に好意的すぎたとシュテックリ教授は言う。この制度によって利益を得る地域の出身である議員が（少なくとも全州議会＝上院においては）大多数であることを考えれば、驚くには当たらないだろう。2012年以来毎年、85％を上回る水準で財源が移転されてきた。
数値が固定されたことで、法的にはその地位が強化されたものの、現実的には貧しい州に移転される財源は減り、豊かな州の拠出額は減ることになる。この制度には連邦政府も拠出しているが、2022年より年間2億8000万フランの節約になる予定だ。
非生産的？
こういった変更によって制度の整合性と貧しい州の財政的持続可能性に影響が出るかはまた別の問題だ。
まだ論争が交わされていた2018年、ジュラ州財務局のシャルル・ジュイヤール局長は日刊紙ル・タンに寄稿他のサイトへし、連邦政府と豊かな州が節約することになるお金は結局「非生産的」である可能性があると述べた。
「一部の州の財務状況が悪化すれば、その州自体の発展が脅かされるだけでなく、スイスを一貫性ある効率的な国としてまとめている微妙なバランスが崩れてしまう恐れがある」と局長。
一方シュテックリ教授は、最近の変更を2008年に現行の形で導入され現在軌道に乗っている制度への「必要な調整」と形容する。しかし教授はまた、「税収源の少ない州への財政的影響を和らげる」ために、少なくとも短期的には連邦基金が使われる予定であると繰り返す。
同様に、州同士の税制優遇競争については、連邦制度がそれに拍車をかけていてそこから利益も得ているという見方も多い。今回の改革で、競争が激しくなるのか和らぐのか、判断は難しい。
シュテックリ教授は、競争が完全になくなることはないとの見方だ。だが財政調整制度の存在がゆえに各州が過度な税制優遇措置に走るのを防ぐという「抑止効果」は今後も続き、州同士の全面戦争へと進むのに歯止めをかけるとみる。
スイスの課税制度
スイスでは、連邦、州および基礎自治体の段階で税金が課され、州は独自に税率を設定する。税率には大きな差があり、例えば10万フランの給与に対しては、8％以下（ツーク州）から約25％（バーゼル・シュタット準州）まで開きがある。
税率は所得と資産のレベルに応じ、また婚姻の状態によって段階的に変化する。例えば現在、結婚している夫婦は結婚していないカップルよりも税率が高くなっている。ただし連邦内閣はこれを変更しようとしている。
一般的に、税率はヨーロッパの多くの地域に比べて低い。
州は法人税の税率を定める権利も有している。これも国内で差があり、多くの場合低い。しかし、国際的な圧力により制度の見直しと調和が図られている。例えば2019年5月の国民投票によって、スイス国内に拠点を置く多国籍企業に対する税制優遇措置が廃止されることになった。インフォボックス終わり
（英語からの翻訳・西田英恵）