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チューリヒ大学のイルヒェル（Irchel）・キャンパスでは「ミイラ、人間、医薬、魔術」と題した展覧会を開催中だ。会場には包帯を巻かれたミイラが横たわり、ハリウッドのホラー映画よりはるかに怪しい雰囲気が漂っている。このコンテンツは 2011/12/26 15:00
何千年も前に作られたミイラが展示されている会場には、驚異的な、そしてぞっとするような情報があふれている。しかし意外なことにこの展覧会は現代人の健康について教えてくれる。
ミイラがあれば
「骸骨だけの場合、調べられないことが余りにも多く、私たちができることは非常に限られている」と語るのはこの展覧会の企画と開催に携わったクリスティーナ・ヴァリンナー氏だ。
「ミイラがあれば、もっとたくさんのことについて知ることができる。例えば、腸内の寄生虫を調べたいときは、腸を見なければならないし 肺炎やインフルエンザを調べる場合は、肺が必要になる」
会場に入るとまずミイラについての歴史や、ミイラとは何かといった基本情報が展示されている。そしてその後にエジプトやヨーロッパ、そしてペルーのミイラが現れる。
ヴァリンナー氏によると、ミイラとは「人間の保存された柔組織」を意味する。同氏の専門は遺伝子学だが、主に古代の生体分子を専門に研究しているため「考古遺伝子学者」と自己紹介する。
科学者は、エジプトのミイラのように人工的に作られたものと、自然にできたものを区別している。後者には、先史時代の人間が５０００年間以上氷河の中で冷凍乾燥されてミイラになった「オッツィー（Ötzi）」や、北ヨーロッパで発見された「ボグ・ボディ（bog body/泥炭地の屍）」がある。
「ミイラの製作に最適の方法は、バクテリアが繁殖できなくなるよう水分または酸素を完全に除去すること。最も重要なのはバクテリアの繁殖を止めることだ」とヴァリンナー氏は説明する。
エジプトのミイラ
ほとんどの人々、特にハリウッドの映画プロデューサーにとって、ミイラといえばツタンカーメン王のような人物だ。
「ミイラ（mummy）」という言葉は、ラテン語の「ムミア（mumia）」からきているが、もともとはペルシャ語の「ムーム（mum）」が語源だ。ムームは粘着性のある黒い炭化水素混合物（bitumen/ビチューメン/瀝青/れきせい）のことで、防腐剤として使われていた。
「このビチューメンは、エジプトで行われていたミイラの製作に必要な材料の一つと考えられていた。そのため、ミイラというと一般的にエジプトのミイラを指すようになった」
エジプト人は何世紀もの間試行錯誤を重ね、ついにミイラ製作の技術を完成させた。ヴァリンナー氏は、現代の遺体防腐処理技術は、一時的なミイラ化のための技術としては悪くないが、「長い時間をかけて古代の人間が完成させたミイラ製作技術とは異なる」と言う。
「毛沢東の死後、遺体のミイラ化を任された中国人科学者は、レーニンの遺体を加工した専門家に連絡して助けを求めた。最終的に、希釈したホルムアルデヒトを体内に注入する方法を採用することに落ち着いたのだが、中国人科学者はもっとよい出来にしようと、指示された以上の量を注入した。その結果、遺体は破裂寸前にまで膨れ上がってしまった。結局彼らはホルムアルデヒトを体から抜かなければならず、大事になった」
死のスパイス
展覧会には見学者が参加できるタイプの展示物もある。例えば、顕微鏡でミイラの細胞をのぞいたり、ミイラの上で手を動かしてバーチャル解剖を行ったりできる。
また、エジプトのミイラに使われたさまざまなスパイスの香りも紹介されている。見学者は、香（こう）、ミツ蝋（ろう）、シナモン、タマネギなどから作られた「ファラオの香水」のほのかな香りを試すことができる。
「エジプトのミイラは際立った独特の匂いを持っている。非常にむっとした匂いだ。私はミイラに対していくらかアレルギーを起こす傾向があるようだ」とヴァリンナー氏は言う。
ヴァリンナー氏は、こうした展覧会を開催するにあたっての最大の挑戦は安全性と保険だと説明する。「ここの展示物はすべてレプリカではなく本物だ。しかし私たちはこの展覧会、そして臨床研究のためにミイラが重要であることを公共の場で示すことができて満足している」
古代エジプトの実物を検証
ヴァリンナー氏は、昨年開設したチューリヒ大学のイルヒェル・キャンパスの進化医薬センターを「ユニーク」と評価する。
「古代の遺体や進化生物学を研究する研究所は世界中に多数ある。しかしここは進化の観点だけでなく、古代の素材を用いた医薬の研究にも焦点をあてた初の研究所だ」
また、ヴァリンナー氏は、現代には伝染性、先天性、環境由来の病気で、完全に解明されていないものが数多く存在すると言う。その例として深刻化する肥満の問題を挙げる。
「肥満はおそらく食糧不足の時代に、食物の摂取が可能なときにできるだけエネルギーを蓄えようとする特定の遺伝子が優位に働いていた事実に関係している。従って、今日存在する多くの病気は何らかの形で人間の進化の過程に関係している。しかし現代のサンプルだけを使って研究することは非常に難しい。古代のサンプルを使うことによって、仮説を立て直接検証することができる」
頭脳流出
暗い墓石のようなカプセルに納められた本物のミイラは見学者の興味をそそる。最初のミイラは、ローマ時代に作られたエジプトのもので、包帯が巻かれている。エジプトのミイラはもう一体あるが、これには包帯が巻かれていないため、顔かたちを直接見ることができる。ビチューメンを塗られて黒くなった骸骨は、皮膚と、祈りや命令の言葉が記されたパピルスで部分的に覆われている。
「１９世紀には、ミイラの包帯をほどくパーティーが頻繁に行われていた」とヴァリンナー氏は明かす。ヴィクトリア朝時代には、プレゼント交換ゲームのようにミイラの包帯をほどきながら一晩中楽しむパーティーが行われていたという。
紀元前１２００年ころのペルーのミイラも展示されている。胎児のような姿勢で微妙にバランスをとっているティーンエイジャーのミイラだ。
「ヨーロッパでは遺体をまっ直ぐに伸ばして仰向けに寝かせて葬るが、ペルーのこの地域や南米、そしてアメリカ先住民の文化が栄えたメソアメリカの地域の多くでは、うずくまった姿勢で埋葬することがよくあった。この姿勢なら埋葬のスペースをそんなに取らない」とヴァリンナー氏は説明する。「ペルーのミイラは寒冷な環境で乾燥されたため、生体分子が最高の状態で保存されていることが多い」
残念ながら、アルプスの氷河で発見されたミイラ「オッツィー」は非常に貴重なため展示されていない。しかしオッツィーの小さな骨片は展示されている。
また、フランスの子どものミイラの脳も展示されている。「生物化学的に言うと脳のほとんどは脂肪でできている。そのため脳が保存されている可能性は通常あまりないが、一定の条件の下では保存されていることもある」とヴァリンナー氏は言う。
「古代の脳から何が分かるか、今も研究中だ」
ミイラの形成
遺体のミイラ化は、皮膚と水分を取り除いた筋肉や脂肪など柔組織が化学物質や極度に低い気温と湿気に長期間さらされることによって進行する。また、遺体が酸素を含んでいない水中に水没することによってもミイラ化が起きる。
保存のために防腐処理を施したミイラでは、特に古代エジプトのものが知られている。エジプトでは人間のミイラだけでなく、ワニや猫のミイラも作られていた。
中国でも、水中から薬草とともに木製の棺のなかに保存されたミイラが発見された。
エジプトのミイラが最も有名だが、チリ北部とペルー南部で発見されたチンチョーロ・ミイラ（７０００年以上前のミイラ）が最古。End of insertion
ミイラの展覧会
チューリヒ大学のイルヒェル・キャンパスにある進化医学センターでは、「ミイラ、人間、医薬、魔術」と題した展覧会を１月８日まで開催している。
２０１０年に開設した同センターは、主にミイラの組織を研究し、その成果を一般に公開してきた。
今回の展覧会は、古代エジプトの死に対する信仰と多種多様なミイラについての展示と解説を行う。多数のハリウッド映画に見られるようなミイラの摩訶不思議な様相に加え、見学者はミイラの研究に使用された現代科学の手法について知ることができる。
CTスキャンとDNA分析によってミイラになった人物の生前の食生活から健康状態を診断できる。また、死因を解明できるケースも多い。
さらに見学者は、ミイラの研究室と数千年前に加工されたミイラの３D画像を見ながら、これらすべてが人間の未来にどのように関係するのか学ぶことができる。End of insertion
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