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チューリヒ州議会はこのほど、自殺ほう助をチューリヒに求め訪れる外国人を対象に、事務経費を徴収することを決定した。この決定は連邦憲法に違反するのではないかと法律的論議を呼んでいる。
国民党 ( SVP/UCD ) が提出したこの提案は、自殺ほう助機関の助けを求めて押し寄せる外国人を押しとどめる目的があった。
自殺ツーリズム
特にイギリスとドイツから、死に至る病にある人たちが自殺ほう助団体の助けを求めてスイスを訪れる「自殺ツーリズム」とも言われる現象がここ数年目立って増えている。ほう助自殺には許可が必要で、合法的に行われたかという証明も必要だ。これらすべては州が管轄している。公式統計によると、2003年にこの目的でスイスを訪れた人は272人だったのが、2007年には400人に増加している。
国民党には、そもそも自殺ほう助を禁止しようという動きがある。州議会は、チューリヒ州の滞在期間が1年以下の人が自殺ほう助を求めた場合は拒否するという急進民主党 ( FDP/PLD ) の提案を支持し、国民党もこれを機会に、今回の提案をしたという経緯がある。しかし、自殺願望の外国人に特別料金を徴収するという提案は、これまでの自殺ほう助の税に関する討議の熱に火を付けた。
外国人だけ？
「不適当で認められない」。ジュネーブ大学プロテスタント神学部の倫理科教授、アルベルト・ボンドルフィ氏は反発する。特に外国人に限っていることを問題視し
「犯罪に走る性格の可能性を研究する行動学で、外国人だからといった特徴を指摘した研究はない」
と語り、チューリヒ州議会の決定は法的にも倫理的にもまったく不当であると言う。
チューリヒの自殺ほう助団体「エグジット ( Exit ) 」の役員、ベルンハルト・ズーター氏も同意見だ。
「チューリヒ州での自殺ほう助はすべて、当局の調査を受ける。この調査は行政が要求しているのであり、その経費を州が負うのは当然。議会の決定では、外国人の遺族が負担することになる。ほう助なしで、1人で自殺するなら負担はない。誰かの助けを必要としたために遺族が経費負担するというのは、そもそも自殺ほう助を違法だと考えているからだ。これは間違っている。しかも、外国からスイスに自殺ほう助を求めてきた人だけが負担し、スイス国内に住む人には負担はないというのもおかしい。平等の精神に反する」
と主張する。さらに、料金を徴収することは実際には難しいだろうという。遺族が、法が定める平等の観点から裁判を起こす可能性もあるからだ。
法手続きの問題
以上の点については、チューリヒ市議会の審議中にも社会民主党( SP/PS ) 、緑の党 ( die Grüne/les Verts ) 、急進緑の党 ( Gürnliberale ) が指摘し、州政府も提案には反対したものの、経費負担に賛成93票、反対51票で可決した。
外国人も受け入れる自殺ほう助団体「ディグニタス ( Dignitas ) 」の創始者で弁護士のルドヴィク・ミネリ氏は、チューリヒ州政府は、議会の決定が連邦憲法に違反すると言っている 。( 議会の決定を優先した場合 )
「連邦憲法とは違う法律を作る必要が出る。もし、なんらかの解決策が見つからなければ、連邦最高裁判所で決着をつけることになる」
と言う。
料金徴収案を出したブルノ・ヴァリサー氏は
「料金徴収を導入した時点で州政府は、その制度を認めたことになり、新たな法律をつくる必要はない」
と応じる。現在、チューリヒ州政府は、議会の決定を受け条例を作成中である。
シルヴァノ・デ・ピエトロ 、swissinfo.ch
( スペイン語からの翻訳、佐藤夕美 )
スイスの安楽死、自殺ほう助
＜直接的で能動的な安楽死＞患者を痛みから解放する目的で積極的に薬物の注射などで患者を死に至らせることは、故意の殺人および要求に応じた殺人となる。
＜間接的で能動的な安楽死＞
患者を痛みから解放する方法が、直接死に至らせるものではなく、生きる時間を短縮するものである場合。
法律では定められていないが、基本的には認められる方法だとみなされている。
＜受動的な安楽死＞
例えば酸素吸入など、生命維持器具の使用を止める。法律では定められていないが、基本的には認めるとみなされている。
＜自殺ほう助＞
自殺願望のある人に、例えば薬物を与えた場合は、最高5年間の禁固刑。
自殺ほう助は、自殺願望者に例えば薬物を調達するが、当人が、いかなる外部の影響も得ずに、これを服用することを指す。例えば、エグジットはこの条件内で自殺ほう助をしている。自殺願望者の理由に問題がない限り、違法ではない。また、この行為は医療行為とは認められていない。
末期のがん患者などに対する緩和ケアは医療面に限らず、衛生、精神、社会、宗教面にまで及ぶ。緩和ケアにより患者のライフ・クオリティーは著しく向上し、自殺願望を和らげる力がある。