text
stringlengths
9
350k
詳しい内容は、「䞖界史探究」の「」、「日本史探究」の「新たな䞖玀の日本ぞⅠ」を芋おください。本歎史総合では、簡単に蚘述したす。 冷戊が終わり、お金持ちになりたい人が䞖界䞭で商売をするようになりたした。経枈の自由化が進んで、私達は幞せになったのでしょうか 新自由䞻矩の台頭 䞖界恐慌から第二次䞖界倧戊埌の高床経枈成長期にかけお、倚くの先進囜は経枈成長、囜力増匷、囜民生掻の向䞊のために、産業掻動の統制や公共サヌビスの充実を図りたした。これを受けお、アメリカのロナルド・レヌガン政暩やむギリスのマヌガレット・サッチャヌ政暩は、芏制緩和、公営䌁業の民営化、皎制改革などを通じお「小さな政府」を䜜りたした。たた、垂堎原理に基づく自由競争によっお瀟䌚を掻性化させようずする新自由䞻矩改革を開始したした。日本でも、自民党の䞭曜根康匘政暩が囜鉄や電電公瀟などの民営化を進めたした。そのため、新しいアむデアや技術に基づく起業が掚奚されお、䌁業間の競争によっお䟡栌が䞋がりたした。䞀方、資金力のある倧䌁業が業界を支配するようになり、経枈栌差を拡倧させたした。冷戊の終結ずずもに、このような珟象がロシアや東ペヌロッパ、瀟䌚䞻矩垂堎経枈を持぀䞭囜など、䞖界䞭で広がりたした。 経枈のグロヌバル化ず新たな囜際経枈組織 囜際垂堎経枈の発展に䌎っお、人・物・資本・技術が囜家間を自由に移動するようになり、倚囜籍䌁業も様々な圢で成長しおいたす。グロヌバル化グロヌバリれヌションずは、䞖界の経枈が぀にたずたっおいく過皋です。グロヌバル化は幎代以降、より匷たりたした。幎に関皎ず貿易に関する䞀般協定が終了しお、䞖界貿易機関[1]がその代わりを務めたした。たた、むンタヌネットなどの情報通信技術の広がりによっお、先進囜から投機的な理由で資金が流れやすくなりたした。その結果、幎代になるず、䞖界各地で通貚危機が発生したした。特に幎のアゞア通貚危機では、タむ、むンドネシア、韓囜の経枈に倧きな圱響を受けたした。 䞖玀に入るず、䞭囜やロシアが䞖界貿易機関に加盟したため、自由貿易がさらに広がりたした。しかし、加盟囜が増えるに぀れお亀枉は難しくなったり、時間もかかったりしお、貿易ルヌル䜜りは二囜間、倚囜間ずもに掻発になっおいきたした。日本は、東南アゞア諞囜などず二囜間経枈連携協定や倚囜間で環倪平掋パヌトナヌシップ協定[2]を結んで、経枈を掻性化させようずしたした。䞀方で、食や環境ず深く関わる蟲林氎産業の持続性の芖点では、囜や地域の違いに合わせた貿易ルヌルの敎備が匷く求められおいたす。
欧米列匷が垝囜䞻矩によっお䞖界を支配するようになるず、アゞアやアフリカに圧力がかかるようになりたした。アゞア・アフリカの人々はどのように生きお、どのように垝囜䞻矩に察抗しようずしたのでしょうか。 列匷のアフリカ分割 アフリカ倧陞は、ペヌロッパ列匷の垝囜䞻矩が䞀番支配しおいた堎所でした。䞖玀に入っお、ペヌロッパ列匷ぱチオピア垝囜ずリベリア共和囜を陀くアフリカ倧陞のほが党域を支配したしたアフリカの分割。それたで、奎隷を連れおいかれ、仕事もないアフリカが、䞖玀末にはペヌロッパ資本の行き先ずなりたした。そのため、アフリカは぀の蟲䜜物ず鉱物資源しか生産しないモノカルチャヌ経枈を採甚しなければならなくなりたした。 西アゞア諞囜の改革 幎代前半、オスマン垝囜は他囜からの圧力によっお、軍隊の近代化・改革を進めたした。たた、䞭倮集暩的な支配䜓制を敎えようずしたした。䞖玀䞭頃から、知識人達はたすたす憲法ず議䌚を求めるようになりたした。幎、ミドハト憲法が成立したした。ミドハト憲法は、アゞアで最初の憲法ず考えられおいたす。その埌、露土ロシア・トルコ戊争が始たるず、スルタンのアブデュルハミト䞖は憲法䜜成を䞭止したした。幎、ミドハト憲法を埩掻させるため、青幎トルコ人革呜運動が起こりたした。むランカヌゞャヌル朝では、政治的・経枈的にむギリスやロシアぞの䟝存を匷めおいたした。そのため、むギリスぞ煙草の暩利譲枡に反察する煙草ボむコット運動が、民族䞻矩運動のきっかけずなりたした。幎、囜王の残酷な支配に察しおむラン立憲革呜が起こりたした。 ゞャマヌルッディヌン・アフガヌニヌはむラン出身です。圌は、むスラヌム䞖界各地のムスリムを統合しお垝囜䞻矩勢力ず戊うため、パン・むスラヌム䞻矩を唱えたした。゚ゞプトを䞭心に各地で、圌の思想に圱響を受けたした。 むンドの近代化ず反英運動 むンド倧反乱埌、むギリスはむギリス領むンドを぀くり、むンドの怍民地支配を開始したした。䞀方、むンド人䞭産階玚は高等教育を終えお、政治に関䞎するようになりたした。その結果、幎にむンド囜民䌚議が結成されるようになりたした。成立圓初の囜民議䌚は、むギリスを支持する立堎でした。しかし、バヌル・ガンガヌダル・ティラクのように自治ず独立を求める急進掟が議䌚に参加するようになりたした。そのため、むギリスの怍民地支配を少しず぀批刀するようになりたした。 東南アゞアの怍民地化 列匷諞囜は、東南アゞアでも怍民地を展開したした。列匷はプランテヌションを経営しお、囜際垂堎で販売出来るように、特産品の栜培を増やしたした。たた、自囜工業のために原材料を栜培したり、採掘したりしたした。この時期、フィリピンのホセ・リサヌルやベトナムのファン・ボむ・チャりのように、䞖界各地で怍民地化に反察する人々が立ち䞊がり、怍民地支配ぞの批刀ず囜民意識が芜生え始めたした。圌らは、フランスの独立に反察する運動を起こすず、日本の有力者に支揎を求めたした。日本ぞの留孊を勧めたので、東遊運動ず呌ばれるようになりたした。しかし、日本政府に远い出されお、東遊運動は倱敗したした。成功しなくおも、党囜で独立や自立のために民族運動を展開したした。
もし、私達がスマヌトフォンを持っおいなかったらどうでしょうか友人ず䌚う時間を決める時、どこかぞの行き方を調べる時、流行を知りたい時、䜕かを倚くの人に䌝えたい時、私達は携垯電話を䜿っおいたす。情報通信技術の発展が、私達の生掻や䞖界をどのように倉えおきたのでしょうか。 情報通信技術の発達ず瀟䌚の倉化 䞖玀に電信、ファクシミリ、電話などが発明されおから、情報通信技術は成長しながら倉化しおきたした。䞖玀埌半になるず、技術革新が加速したした。幎代から、パヌ゜ナルコンピュヌタや携垯電話の開発が進み、幎代にはむンタヌネットが䞖界䞭に急速に広たりたした。むンタヌネットによっお、遠く離れた堎所でも瞬時に情報やデヌタのやり取りが出来るようになったため、䞖界的な統合が進みたした。幎代に入るず、スマヌトフォンの普及や様々な媒䜓の拡倧によっお、情報の収集、䌝達、発信がさらにしやすくなりたした。 情報通信技術によっお、モノを䜜る経枈から、サヌビスを提䟛する経枈ぞず倉化したした。日本では、第䞉次産業の重芁性が幎々高たっおおり、幅広いサヌビス産業がその半分以䞊を占めおいたす。様々な゜フトりェアやアプリケヌションを利甚しお、新しい補品やサヌビス、さらには生掻様匏が生み出されおいたす。その結果、オンラむンショッピングや゜ヌシャルネットワヌク、映画やテレビ番組、音楜、挫画、アニメ、ゲヌムなどのコンテンツ産業が発展しおきたした。䞖玀の産業革呜ず同じように、これらの倉化は情報技術革呜ず呌ばれおいたす。私達の生掻や瀟䌚の仕組みに倧きな倉化をもたらしたした。なお、情報通信技術ずは、情報技術革呜を衚す蚀葉ずしお、近幎よく䜿われるようになった蚀葉です。 情報化瀟䌚ずその課題 情報化瀟䌚では、囜境を越えお人々が情報をやり取り出来るようになり、自由や人暩に察する意識、民䞻䞻矩が高たるずいう考え方もありたす。しかし、政府や倧䌁業などが倚くの個人情報を入手出来るようになるので、誰もが監芖される瀟䌚になるのではずいう意芋もありたす。たた、情報機噚を通じお倚くの人が簡単に情報を発信出来るため、フェむクニュヌスやヘむトスピヌチが広がりやすくなり、人々の考え方や行動が倉わっおしたう可胜性がありたす。情報のデゞタル化により、著䜜暩や肖像暩などの暩利の䟵害、個人情報の流出、むンタヌネットを悪甚した犯眪なども起こりやすくなっおいたす。灜害時には、゜ヌシャル・ネットワヌキング・サヌビスを利甚しお、玠早く、倧量に情報を発信・収集出来たす。これは、被灜者が必芁な情報を埗るのに圹立ちたすが、嘘や誀解を招くような情報が広がる可胜性もありたす。そしお、こうした機噚を䜿っお情報を入手したり、䌚話出来ない人達情報匱者が生たれおいたす。 情報化瀟䌚では、倧量の情報に振り回されず、自分の考えを持ち続けるために、あらゆる情報を確認する力が必芁です。歎史は、過去の「情報」、぀たり過去の文献が基本です。過去を知れば、珟圚を快適に生きられたす。
ラゞオ・新聞・雑誌の広がりで、時代の「空気」が人々の行動に圱響を䞎えるようになりたした。䟡倀芳や情報は郜垂から地方ぞ同じように発信され、倧量に䜜られた商品は誰もが平等に入手出来るようになりたした。このような画䞀化は、倧衆の圹割をどのように倉えおいくのでしょうか。 マス・メディアの普及ず情報や生掻の画䞀化 人々は、マス・メディアのおかげで、自分が囜家の䞀郚になっおいるような気分になりたした。䟋えば、アドルフ・ヒトラヌは、映画やラゞオを通じお宣䌝を広め、党䜓䞻矩を䜜り䞊げたした。フランクリン・デラノ・ルヌズベルトは、ラゞオ攟送を通しお政策を説明したした。マス・メディアを通じお政治ず囜民が䞀䜓になる新しい時代の到来を予感させる出来事でした。その䞀方で、䞖界各地で同じような生掻が出来るようになりたした。日本でも、幎代に入っおから新聞やラゞオが急速に普及するようになり、郜䌚でも田舎でも情報を簡単に手に入れられるようになりたした。たた、ラゞオから音楜・挫談・萜語を聎けるようになりたした。戊前、日本人は西掋の映画や音楜に芪しんでいたした。しかし、戊埌はマス・メディアの宣䌝によっお、「鬌畜米英」に察しお敵意を感じるようになりたした。 囜民の組織化ず戊争動員 総力戊は、囜民生掻に溶け蟌むように戊いたした。ドむツでは、ナチ党が制服を着せ、特定の行動を取らせお、集団の䞀員ずしお意識させたした。アメリカでは、䌁業や民間団䜓がその時代に合った運動を行い、生掻の䞭で囜民を結び぀けたした。日本では幎の日䞭戊争で、囜家総動員法を制定したした。囜家総動員法によっお、戊争に勝぀ために人や物資を集めたした。囜民は垂民ずしお仕事をしながら、近所や職堎で組織を䜜り、戊争に協力しなければならなくなりたした。日本では、町内䌚・囜防婊人䌚・圚郷軍人䌚など、地域の人達の集たりが充実しおいたした。出埁兵士の芋送りや興亜奉公日などの孊校行事もあり、子䟛達も「小囜民」ずしお戊争に参加したような気分になりたした。 囜民の平準化 総力戊をするために、囜民が生蚈を立おる方法を考え、働きながら次䞖代の兵士を育おられるような健康状態を敎える必芁がありたした。戊時䞭の日本は、健康保険制床を敎え、母子の健康管理に぀いお倚くの説明曞を配りたした。幎、厚生省はこうした政策を担圓するようになりたした。たた、生掻必需品に公定䟡栌が定められ、各家庭では必芁な量だけ手に入れられるようになりたした。 これらの斜策によっお、囜民生掻の差がなくなっおも、無秩序な物資の取匕などが行われおいたした。そのため、党おの囜民生掻が平等になりたせんでした。たた、戊争に圹立぀ず芋なされない人々は、ひどい扱いを受けたした。 戊争ず怍民地の民衆 怍民地に䜏む人々は、自分達の力で近代化を進められたせん。そのため、怍民地では、倖から来た支配者の利益のためにむンフラを敎備しおいたした。たた、䌝統的な暮らしや文化は、原始的で非文化的な存圚ずしお吊定されたした。 総力戊が始たるず、怍民地の民衆も匷制参加されたした。指導者達は、囜民が囜を離れおいかないように、戊争に぀いお教えるようにしたした。日本の怍民地では、怍民地に溶け蟌めるような同化政策がずられたした。䟋えば、倩皇に服埓したり、垞に日本語を話したり、日本で䞀般的な名前を名乗るなどです。
幎にサンフランシスコ平和条玄が結ばれたずはいえ、アゞア諞囜間の問題が党お解決されたわけではありたせん。日本は独立埌、アゞア諞囜ずの関係をどのように回埩しお、再線したのでしょうか。 日本の囜連加盟 吉田茂内閣に代わっお、鳩山䞀郎内閣が「自䞻倖亀」を掚し進め、幎に日゜共同宣蚀を結んで、゜連ずの関係改善に取り組みたした。その結果、日本ず゜連の囜亀は正垞化され、領土問題の解決は平和条玄を結ぶたで先送りされたした。日本は、囜連安党保障理事䌚の垞任理事囜゜連ずの囜亀が正垞化した幎に、囜連に加盟したした。 アゞア諞囜ずの囜亀回埩 䜐藀栄䜜内閣は、池田勇人内閣の日韓囜亀正垞化を匕き継ぎたした。アメリカがアゞアの安定を望んでいたので、韓囜の朎正煕パク・チョンヒ政暩ずの囜亀正垞化亀枉を続けおいたした。日本囜内では、北朝鮮ず囜亀を正垞化しないで、韓囜だけず囜亀を正垞化しようずする動きに反察意芋がありたした。たた、韓囜でも孊生を䞭心に条玄の内容に反察する声がありたした。しかし、幎、日本ず韓囜の間で日韓基本条玄が結ばれるず、日韓の囜亀は正垞化されたした。 幎、ベトナム戊争で混乱しお経枈が悪化しおいたため、人々は金ずドルを亀換出来なくなっおしたいたした。このドル・ショックで、アメリカのアゞアに察する考え方が倉わっお、アメリカは䞭囜ずもっず仲良くしようずするようになりたした。たた、䞭囜ず゜連の察立が激しくなったため、䞭囜もアメリカに近づきたした。䞭囜が゜連の政策倉曎に反察しお、䞡囜の囜境玛争が始たりたした。幎、䞭華人民共和囜が囜連に加盟しお、䞭華民囜台湟が脱退したした。幎、アメリカのリチャヌド・ニク゜ン倧統領が突然䞭囜に蚪問するず、日本は䞭囜ずの囜亀正垞化を急ぐようになりたした。䜐藀銖盞の埌を受けた田䞭角栄銖盞は、幎に䞭囜ぞ枡りたした。そこで呚恩来銖盞ず日䞭共同声明を結んで、日䞭間の囜亀を正垞化したした。䞀方、䞭華人民共和囜を唯䞀の合法的政府ずしお認め、日本は䞭華民囜ずの公匏な囜亀を絶ちたした。 日本のアゞア諞囜ぞの戊争賠償は、サンフランシスコ平和条玄が結ばれおから、囜ごずに取り決められ、経枈協力ずいう圢で進められたした。珟圚も日本ずアゞア諞囜は、賠償金、領土問題、歎史認識などを巡っお争いを続けおいたす。 沖瞄の本土埩垰 幎に奄矎が、幎に小笠原諞島が日本に返還されたした。しかし、沖瞄はただアメリカによっお統治されおいたした。幎代以降、沖瞄では祖囜埩垰運動が盛んになりたした。「栞抜き本土䞊み」を求めた䜐藀内閣は、アメリカ政府ず亀枉を始めたした。幎、沖瞄は幎に日本に返還される方向でたずたりたした沖瞄返還協定。しかし、日米安党保障条玄によっお、沖瞄には倚くのアメリカ軍基地が残され、珟圚も負担が続いおいたす。
第二次䞖界倧戊埌、アメリカず゜ビ゚ト連邊は、どちらが䞻導暩を握ればよいのか、争いたした。そしお、第二次䞖界倧戊の終結は、今埌さらなる争いの皮をたきたした。戊埌、䞖界はどんな様子になっおいたのでしょう。 戊埌構想ず倧戊の終結 幎に第二次䞖界倧戊が始たるず、アメリカのフランクリン・ルヌズベルト倧統領ずむギリスのりィンストン・チャヌチル銖盞は、倧西掋䞊で䌚談しお、戊埌の蚈画に぀いお話し合いたした。この䌚談がきっかけずなり、倧西掋憲章が成立したした。これを螏たえお、幎に連合囜共同宣蚀を発衚しお、加盟囜を増やしたした。幎月、アメリカ・むギリス・゜連の銖脳がダルタ䌚談で、ドむツをどう占領するか、戊埌の囜際連合をどうするかずいう話をしおいたした。 䞀方、幎月の連合軍のノルマンディヌ䞊陞以降、ドむツは埐々に远い蟌たれおいたした。アドルフ・ヒトラヌが、幎月に自殺するず、ドむツは銖郜ベルリンを゜連軍に陥萜されお降䌏したした。ドむツの指導者達は、ニュルンベルクの囜際軍事裁刀で裁かれたした。 冷戊の開始ずドむツの分断 戊争䞭に資本䞻矩囜ず瀟䌚䞻矩囜が協定を結んでも、終戊埌、アメリカず゜ビ゚ト連邊は再び争うようになりたした。アメリカはトルヌマン・ドクトリンによっお、幎にギリシアずトルコに軍事揎助を行いたした。たた、マヌシャル・プランによっお、ペヌロッパ党土に経枈揎助を行いたした。これは、第二次䞖界倧戊埌、䞖界各地で高たっおいた瀟䌚䞻矩運動を食い止めるために行われたした。アメリカの封じ蟌め政策に反発するように、゜ビ゚ト連邊は、各囜の共産党が連絡を取り合い、協力するための組織Cominformを蚭立したした。たた、幎、゜ビ゚ト連邊は経枈盞互揎助䌚議Council for Mutual Economic Assistanceを䞻導したした。 幎、゜ビ゚ト連邊は、アメリカ䞻導の通貚改革に玍埗出来なかったため、ベルリンを封鎖したした。こうしお、幎からドむツは東西に倧きく分かれたした。幎、西ペヌロッパ、アメリカ、カナダの資本䞻矩諞囜が集たっお、北倧西掋条玄機構North Atlantic Treaty Organizationを結成したした。゜ビ゚ト連邊ず軍事的に察抗する安党保障䜓制を敎えるためでした。しかし、幎に゜ビ゚ト連邊を䞭心ずした東欧諞囜がワルシャワ条玄機構を䜜りたした。アメリカず゜ビ゚ト連邊は、第二次䞖界倧戊埌の䞖界を巊右する東西緊匵関係冷戊の䞭心にいたした。 囜際連合の成立 幎、連合囜カ囜が「囜際連合憲章」を採択したした。これを受けお、囜際連合が誕生したした。囜際連合は、ニュヌペヌクに本郚を眮きたした。平和維持掻動を行う安党保障理事䌚・総䌚・囜際叞法裁刀所から成り立っおいたす。歊力行䜿を含む幅広い制裁を行う暩限を持おるようになりたした。たた、囜際通貚基金や囜際埩興開発銀行を蚭眮しお、保護貿易から自由貿易ぞの転換を掚進するずずもに、経枈のグロヌバル化にも貢献したした。しかし、アメリカドルはブレトン・りッズ䜓制固定盞堎制の基軞通貚なので、䞖界経枈がアメリカ経枈の圱響を受ける可胜性もありたした。
敗戊埌、日本は幎間も無政府状態でした。冷戊ずの政策によっお、日本は倩皇の立堎を倉え、軍囜䞻矩を改めお、新しい囜を䜜ろうずしたした。この倧きな倉化の䞭で、人々の心はどのように倉化し、䜕が倉わらなかったのでしょうか。 日本の戊埌改革 敗戊埌の日本は、ドむツなどのように東西陣営に分断するのではなく、連合囜軍に占領されたした。東京の連合囜軍最高叞什官総叞什郚は、アメリカ政府から指瀺を受けお、日本政府に提案を行いたした。日本を軍囜䞻矩から民䞻䞻矩にするための戊埌改革が進められたした。日本囜憲法は、囜民䞻暩を認め、䞖界で初めお戊争を攟棄したした。その埌、新しい日本の基瀎ずなりたした。蟲地改革や財閥解䜓など、様々な分野で改革が進められたした。こうしお、戊埌の囜民生掻の基瀎が敎えられたした。 極東囜際軍事裁刀東京裁刀では、連合囜が裁刀官を遞び、誰が戊争責任を負わなければならないかを調べ、刀決を出したした。軍郚・閣僚・官僚が倧衆を戊争に向かわせたず責められおも、倩皇制は維持されたした。 倧衆は敗戊をどう生きたか 空襲で日本の各郜垂は砎壊され、戊埌になっお駅前や広堎に闇垂が出来たした。食料品を含む色々な品物が高倀で売られおいたした。戊時䞭は、䞡芪を倱う子䟛も続出したした。 戊時䞭、日本は広い地域に進出したため、海倖でも倚くの戊闘に敗れたした。終戊盎前には䞭囜の内戊や゜連の満州䟵攻によっお、垰囜困難者が発生したした。゜連軍にシベリアに連れお行かれた人達は、匷制劎働などで亡くなりたした。垰囜出来るようになったのは、日゜共同宣蚀が結ばれた幎になっおからです。たた、子䟛達も家族を倱い、䞭囜人に育おられたした。その埌、女性達も䞭囜に残り、䞭囜人ず結婚したした。日本兵の䞭にも、東南アゞアの戊争終結に貢献しおおり、珟地の独立運動に参加したした。 冷戊ず日本の独立 幎に朝鮮戊争が始たるず、「朝鮮特需」で囜連軍に軍事物資を提䟛しおいたした。このため、日本経枈が回埩したした。朝鮮半島の情勢が悪化するず、アメリカは日本ずの平和条玄締結を急ぎたした。幎、サンフランシスコ講和䌚議が開かれたした。サンフランシスコ平和条玄は、゜連ず䞭囜を陀く党おの囜ず調印しお、日本の独立を回埩したした。たた、日本ずアメリカは日米安党保障条玄を結び、アメリカ軍を日本に残したした。幎になるず、囜の防衛力を高めるために自衛隊が誕生したした。さらに、沖瞄ず小笠原諞島はアメリカに運営を任せお、アメリカの重芁な軍事基地ずなりたした。䞀方、䞭囜・゜連ずの平和条玄は締結されず、゜連は北方四島を占領したたたで、察䞭戊争の戊争責任問題も埌回しになりたした。 日本は連合軍の圧倒的な力によっお無条件降䌏するず、占領されたした。それだけではなく、アゞア冷戊の圱響も受けたした。こうした背景から他のアゞア諞囜ず向き合い、和解する機䌚を逃しおしたいたした。
日本ず䞖界の歎史から、これたでのスポヌツの状況を振り返っおみたしょう。 近代スポヌツのはじたり スポヌツの誕生 むギリスで近代スポヌツが始たった頃、劎働者は嚯楜ずしおスポヌツを楜しむようになりたした。同時に、孊校でもスポヌツが重芖されるようになりたした。鉄道の発達により、孊校同士で亀流詊合をするようになり、地域によっお異なっおいたルヌルも統䞀されたした。 スポヌツ、日本ぞ 明治時代、アメリカから野球、むギリスからサッカヌが日本に䌝わりたした。野球は1878幎、開通間近の官営鉄道の䜜業員が最初のチヌムを䜜り、高校生の間にも広たり、珟圚の倧孊のような圢になりたした。むギリスを手本に、スポヌツは孊校のカリキュラムに加えられ、䞻に人栌圢成のために行われおきたした。 瀟䌚ぞ広がるスポヌツ するスポヌツ 倧正時代の日本では、健康や趣味のためにスポヌツをする人が増えたした。同時に、各競技の団䜓が次々ず蚭立され、高等女孊校の生埒を䞭心に女性の間にもスポヌツが広たりたした。それでも、女性がスポヌツに芪しんでいる姿を圓時気に入らない人もいたした。 芋るスポヌツ 野球はアメリカ合衆囜で生たれ、1871幎にプロのリヌグ戊が始たるず、囜民的スポヌツになりたした。日本では、1915幎に党囜䞭等孊校優勝野球倧䌚が始たりたした。䞀方、1934幎にアメリカの倧リヌグの遞抜チヌムが来日しお、1936幎に日本でプロ野球が始たりたした。このように、スポヌツ芳戊は私たちにずっお嚯楜の぀ずなりたした。 スポヌツが぀なぐ人ず䞖界 スポヌツの囜際化 明治時代以降、柔道、剣道、空手など日本生たれの近代的な創䜜歊道が䞖界的に人気を集め、競技人口も増えたした。たた、俗に日本の囜技ずされる盞撲も倖囜人力士が増え、スポヌツ党般が囜際的になっおきおいたす。
貧しい人々は、理想を語り、それを実珟するファシスト政党に匕き寄せられたした。どうしお民衆がファシズムの原動力ずなったのでしょうか。 ファシズム 第䞀次䞖界倧戊埌、列匷諞囜ではより倚くの人が遞挙暩を手にするようになりたした。たた、第䞀次䞖界倧戊で疲匊した地域では瀟䌚䞻矩運動が盛んになりたした。ドむツではノァむマル憲法が制定されお、瀟䌚暩が明確に定められ、民䞻化を進めたした。むタリアでは、特に北郚を䞭心にストラむキなどの劎働運動が盛んになりたした。こうした倉化に危機感を抱いた保守勢力は、暎力によっお囜内の政治改革を進めるずずもに、囜民の自由ず民䞻䞻矩を制限したした。たた、軍備を拡倧しながら、他囜を䟵略しお、自囜を䞭心ずした経枈圏を぀くろうずしたした。ファシズムずは、このような動きに䌎う党䜓䞻矩的な独裁䜓制です。゜連のペシフ・スタヌリンによる独裁政治も党䜓䞻矩の䞀぀ずいう考え方もありたす。むタリアでは、幎にファシスト党が政暩を握りたした。劎働者の台頭を恐れた地䞻や軍郚がそれを支持したした。ベニヌト・ムッ゜リヌニの指導により、各地の瀟䌚䞻矩運動は暎力で鎮圧されたした。たた、ドむツでは囜家瀟䌚䞻矩ドむツ劎働者党ナチ党の掻動が始たりたした。こうした動きは、欧米諞囜をはじめ、日本でも軍郚や䞀郚の政治家、瀟䌚運動家などに圱響を䞎えるようになりたした。 ナチ党の政暩掌握 ※詳しい内容は、「䞖界史探究」の「䞖界恐慌ずノェルサむナ䜓制の砎壊Ⅲ」を芋おください。本歎史総合では、簡単に蚘述したす。 アドルフ・ヒトラヌは、ナチ党の指導者ずなりたした。アドルフ・ヒトラヌは、さらに信者を増やすために、様々なメディアを通じおプロパガンダを広めお、巧みな挔説を行いたした。プロパガンダでは、少数者に察しお、指導者の思想などを匷制させたす。その結果、仲間意識が働いお、倧勢の人ず同じように行動するようになりたす。䞖界恐慌が発生するず、ドむツ経枈は再び䞍況になりたした。アドルフ・ヒトラヌは幎の囜䌚議員遞挙で知名床を䞊げお、幎月、パりル・フォン・ヒンデンブルク倧統領が぀いにアドルフ・ヒトラヌを銖盞に遞びたした。組閣埌、すぐに議䌚を解散したした。遞挙運動䞭に、アドルフ・ヒトラヌは囜䌚議事堂攟火事件を理由ずしお、ナチ党の察抗勢力ずなる共産党を远い出したした。アドルフ・ヒトラヌは、月に開かれた囜䌚で、ナチ党の議垭数を倧幅に増やしたした。その埌、囜䌚に察しお、囜䌚に代わっお法埋を制定する暩限党暩委任法を承認させたした。その結果、独裁的な暩力を手に入れたした。幎にパりル・フォン・ヒンデンブルグが亡くなり、アドルフ・ヒトラヌが総統ずしお囜家元銖に就任したした。䞀方、民衆はアドルフ・ヒトラヌのやり方が気に入らないのに、ナチ党からの暎力を恐れお、文句や行動も出来ない状態でした。アドルフ・ヒトラヌは「ドむツ人の生存圏」を䞻匵しお、ドむツ人のナショナリズムずアむデンティティを高めたした。これが、ナダダ人を远い出す理由ずなりたした。
日本の開囜・開枯 幎、アメリカ人のマシュヌ・ペリヌが指揮する東むンド艊隊が浊賀に到着したした。マシュヌ・ペリヌ艊隊は、幎にアメリカ東海岞のノヌフォヌクを出航しお倧西掋を暪断したした。その埌、アフリカ倧陞の喜望峰を経由しおむンド掋方面に出航しお、銙枯、那芇たで半幎以䞊かけお航海しおいたした。幎代、アメリカはメキシコずの戊争に勝利しお、カリフォルニアなどを手に入れたした。たた、倪平掋の向こう偎にあるアゞアぞの関心も匷たっおいたした。マシュヌ・ペリヌは、日本にアメリカぞの囜境開攟を求める倧統領からの手玙を枡し、銙枯に向かいたした。幎、マシュヌ・ペリヌは再び日本ぞ向かいたした。江戞幕府ず話し合い、日米和芪条玄を締結したした。日米和芪条玄の内容に䞋田ず箱通の開枯、アメリカ船ぞの物資の䟛絊、挂流者の救助などが盛り蟌たれおいたした。 幎、アメリカ総領事タりンれント・ハリスは日米修奜通商条玄を締結させ、神奈川を含む枯を自由貿易地域ずするず宣蚀したした。その埌、オランダ、ロシア、むギリス、フランスずの間で安政五カ囜条玄が結ばれたした。幎には、暪浜、長厎、凜通が開枯したした。これらの条玄は、日本にずっお䞍公平で䞍利な条玄でも、䞭囜の南京条玄ず違っお、戊争に負けた埌に結んだ条玄ではなく、亀枉によっお結ばれたした。したがっお、賠償金や領土の譲枡を䌎わないし、倖囜人が日本囜内を旅行するのを困難にしお、日本の独自性を保っおいたした。 亀通革呜の進展ず東アゞア 日本の開枯は、圓時の人々の䞖界旅行のあり方を倉えお、むギリスが䞖界垂堎を䜜るのに倧きく圹立ちたした。 幎代以降、スクリュヌず゚ンゞンの性胜向䞊は、蒞気船の航行性胜に倧きな違いを生み出したした。぀たり、より遠くぞ、より速く行けるようになりたした。幎、アメリカの海運䌚瀟が、マシュヌ・ペリヌで有名な倪平掋暪断航路を開蚭したした。その結果、船は初めお䞖界を䞀呚出来るようになりたした。さらに幎にはス゚ズ運河ずアメリカ倧陞暪断鉄道が開通したため、䞖界䞀呚がより簡単に、より速く出来るようになりたした。 そうしお、アゞアずの貿易が盛んになり、欧米ずアゞアの経枈的な結び぀きが匷くなっおいきたした。その䞭で、か぀おの日本の開枯は、東アゞアに燃料ずなる石炭を倧量に䟛絊しお、アゞアを拠点ずする定期汜船航路網を維持・発展させるために重芁でした。
日枅戊争埌、日露戊争・第䞀次䞖界倧戊・日䞭戊争・アゞア倪平掋戊争ぞず、次々ず倧きな察日戊争が起こりたした。日枅戊争勝利埌、日本の領土や呚蟺地域がどのように倉化したしたか 日枅戊争 朝鮮の開囜埌、日本ず枅囜は朝鮮をめぐっお争うようになりたした。日本は朝鮮半島をより倚く支配しようず考え、枅囜は支配を続けようず考えたした。このような争いは、朝鮮半島に新たな政治的察立をもたらしたした。幎、日本軍の支揎を受けお、急進的な改革掟が䞭囜を支配しようずしたした。しかし、枅軍によっおクヌデタを止められたした甲申政倉。幎、日䞭䞡囜は倩接条玄に調印したした。倩接条玄は、䞡囜が同時に軍隊を撀退させ、軍事的な動きをする時はお互いの事前通告などを定められたした。 幎、朝鮮で宗教結瀟東孊が蟲民反乱甲午蟲民戊争を起こしたした。朝鮮政府は枅に軍隊の掟遣を求めるず、日本も居留民保護ずいう名目で出兵したした。朝鮮政府は日本ず枅に軍隊の撀退を求めたした。しかし、日本は自囜内で枅ぞの反感を匷く持っおいたした。このため、日本は、枅ず戊争しお、枅に軍隊を駐屯したいず考えたした。 幎月、日本軍が朝鮮王宮を占領しお芪日政暩を成立させたした。その埌、豊島沖で枅囜艊隊を攻撃するず、日枅戊争が始たりたした。日本軍はこの戊いに勝利しお、朝鮮半島の戊いを有利に進め、遌東半島を制圧したり、黄海海戊で枅軍を壊滅させたり、様々な掻躍を芋せたした。 日枅戊争は、日本初の本栌的な察倖戊争でした。日本瀟䌚に倧きな圱響も䞎えたした。人々は連戊連勝ず聞いお興奮しながら、日本ずいう囜を知り、囜民ずしおの自芚を深めたした。 東アゞアの構造倉動 幎月、䞋関条玄が締結されお、和解も成立したした。日本は、朝鮮を枅から独立させ、遌東半島・台湟・柎湖諞島を手攟したした。その埌、億円の賠償金を支払い、枯湟郜垂に工堎を開蚭したした。しかし、ロシア・フランス・ドむツは、東アゞアでの勢力を䌞ばしたいず考え、䞉囜干枉に参加したした。その結果、遌東半島は枅に返還されたした。台湟は、台湟民䞻囜を建囜したした。たた、抗日運動も起こりたした。しかし、抗日運動は日本軍によっお鎮圧され、日本はアゞアで唯䞀怍民地を持぀囜家ずなりたした。 䞀方、枅は日枅戊争前にベトナムやビルマなどの冊封囜家を倱いたした。日枅戊争で敗れるず、朝鮮半島の支配暩も倱いたした。琉球を日本に譲枡する最終決定によっお、朝貢ず封建制床に基づく東アゞアの叀い華倷秩序は厩壊したした。日枅戊争埌、欧米列匷は䞭囜ぞの投資を本栌的に開始したした。鉄道建蚭や鉱山開発などの分野で安定的な利暩を手に入れるため、勢力圏を蚭定したした。そこで䞭囜は分裂しお、列匷による垝囜䞻矩的な䟵略が䞀気に進みたした。
日枅戊争に勝利した日本は、朝鮮半島の支配を匷化しながら、倧陞を攻めるための基地を䜜りたいず考えおいたした。そのため、極東でさらに南進しようずするロシアずの関係が悪化したした。日露戊争は、䞖界にどのような圱響を䞎えたのでしょうか 矩和団事件 列匷の䟵略に察抗するため、矩和団は山東省を占領しお、「扶枅滅掋枅を助け、西を滅がす」をスロヌガンに、教䌚や鉄道を砎壊したした。幎に矩和団が北京に䟵入しお各囜の公䜿通を包囲するず、枅囜は各囜に察しお宣戊垃告を行いたした。しかし、日本ずロシアを䞭心ずするカ囜連合軍が北京を占領しお、枅囜軍ず矩和団を打ち砎りたした矩和団事件。翌幎、枅は借金の返枈や北京駐圚の蚱可を出したした。 日露戊争 矩和団事件埌、ロシアは䞭囜東北郚の満州から軍を撀退させず、朝鮮半島に留たりたした。䞀方、日本は、ロシアの南䞋を譊戒しおいたむギリスず日英同盟を結びたした。日本ずロシアの話し合いがこじれるず、日本は幎月、仁川沖、旅順枯沖のロシア艊隊を攻撃しお、日露戊争が始たりたした。幎月になるず、日本は旅順を占領したした。さらに月の奉倩䌚戊、月の日本海海戊で勝利したした。 しかし、戊争は幎半ほど続き、日本は資金が底を぀き、兵士を倧量に倱いたした。同じ頃、ロシアでは、日露戊争䞭の幎月、銖郜ペテルブルグで、劎働者の平和を願うデモを取り締たりたした血の日曜日事件。以降、第䞀次ロシア革呜が発生しお、䞡囜ずも戊争を続けられなくなりたした。䞡囜ずも戊争を早く終わらせたかったので、アメリカのセオドア・ルヌズベルト倧統領は、ポヌツマス条玄に調印するのを手䌝いたした。こうしお日露戊争は終わりたした。しかし、倧きな犠牲を払いながら補償を受けられなかった囜民が怒り、東京の日比谷公園で講和反察囜民倧䌚が開かれ、暎埒が亀番や政府発行の新聞瀟に襲いかかりたした日比谷焌き打ち事件。 日露戊争のその埌 日露戊争に勝利したので、日本は明治維新以来の独立を維持し぀぀、欧米に近い囜になるずいう目暙を達成したした。列匷に支配されおいたアゞアの人々は、日本の勝利はアゞア人がペヌロッパ人に勝ったのだず考えたした。そのため、圌らの独立ぞの垌望は匷くなりたした。しかし、日本囜民は、他のアゞアの民族よりも優れおいるず考えるようになりたした。 朝鮮の怍民地化 日枅戊争埌、朝鮮は冊封䜓制から脱华しお、幎に倧韓垝囜韓囜ず改名したした。しかし、ポヌツマス条玄で日本は韓囜を支配出来るようになり、日韓協玄で韓囜は保護囜になっおしたいたした。韓囜では倚くの人が歊噚を持っお日本ず戊おうずしたした。しかし、幎、日本は韓囜䜵合を匷制的に行っお、京城珟圚の゜りルに朝鮮総督府を蚭眮したした。 蟛亥革呜 矩和団事件埌、枅は科挙を廃止しお立憲制に切り替えるなどの改革を始めたした。䞭でも、孫文は、移民で成功した兄の䜏むハワむに行きたした。垰囜埌、銙枯の医孊郚に進孊し、銖垭で卒業したした。マカオで医業を始めるず、枅朝打倒を目指す革呜運動に参加するようになりたした。運動が本栌化する䞭、幎、東京で䞭華同盟䌚を結成しお、䞉民䞻矩民族独立、民暩確立、民生安定を掲げお革呜勢力の結集をはかりたした。幎月、政府は支払いに困るので、鉄道利暩を担保に列匷からお金を借りようずしたした。これが蟛亥革呜に぀ながり、幎月、南京に共和制の䞭華民囜が建囜され、枅朝は滅亡したした。
䌊藀博文は、岩倉䜿節団の歓迎匏兞で、明治維新は短期間で完成しお、日の䞞は「文明諞囜ず肩を䞊べ、前ぞ、䞊ぞず進もうずしおいたす。」ず述べたした。明治維新はどのような囜家を䜜ろうずしたのでしょうか。たた、どのような姿をしおいたのでしょうか。 明治新政府の成立 開枯埌、倧名や歊士を倩皇に近づけ、協力しお囜内・海倖の危機を解決しようずする動きが少しず぀出おきたした。その䞀方で、政治的䞻導をめぐっお尊王攘倷運動が起こりたした。そしお、薩摩藩や長州藩が幕府をなくそうずするようになりたした。幎、぀いに江戞幕府は倒れ、王政埩叀の倧号什によっお、倩皇を頂点ずする新政府が誕生したした。 新政府は、旧幕府領に、幎から県や府を蚭眮したした。しかし、各倧名の支配方法は、どの地域でも䞀緒でした。幎、新政府は党おの藩を廃止しお、府県を蚭眮したした廃藩眮県。その結果、党おの暩力が新政府に集䞭するようになりたした。぀たり、近䞖の政治䜓制は廃止され、倩皇䞭心の䞭倮政暩に倉わりたした。江戞時代の終わりから、日本は近代囜家になるために倚くの段階を螏んできたした。これらの段階は明治維新ず呌ばれたす。明治維新は、ペヌロッパの䞻芁な革呜よりも死者が少なく、倩皇が暩力を行䜿しお瀟䌚倉革を行ったずいう事実によっお定矩されおいたす。 近代化ず東アゞア 幎末の脱藩埌、岩倉具芖を倧䜿ずする岩倉䜿節団が欧米に枡りたした。䞍平等条玄を改正するための事前協議ずいう圓初の目的は未達成でした。それでも、岩倉䜿節団は各囜の事情をよく理解しお垰囜したした。この間、西郷隆盛を始め、䞍圚の政府関係者が、孊制・城兵制・地租改正などを掚進したした。しかし、倧久保利通らが欧米芖察から垰囜するず、政情䞍安から政暩を奪取したした。圌らは、芖察旅行で芋聞内容を螏たえお、近代囜家の建蚭を進めたした。 圓時の枅では、曜囜藩や李鎻章のような挢人官僚が軍備を敎えようず考えおいたした。圌らは兵噚工堎や造船所を建蚭したり、ペヌロッパの技術を利甚したりしお、これを実珟したした掋務運動。しかし、近代ペヌロッパの政治制床は、䞭䜓西甚の方針で、チベットに持ち蟌たれおいたせん。䞭䜓西甚ずは、䞭囜の䌝統的な制床を倉えずに、西掋の技術を䜿う方針です。 幎、䞭囜ず日本の間で日枅修奜条芏が結ばれたした。日枅修奜条芏は、日本が朝鮮半島の支配者ずしお枅に負けない力を持ずうずする内容でした。幎、江華島事件を起こしたした。江華島事件ずは、幎、朝鮮の江華島砲台が、日本の軍艊に察しお発砲した事件です。日本の軍艊は枬量などをしおいたため、朝鮮の䞀方的な行動を蚱さず、朝鮮ず日本の間で戊争になりたした。幎、日朝修奜条芏を締結しお、朝鮮を開囜したした。これに察しお、枅囜は朝鮮ぞの支配を匷め、日本ず枅囜の関係はさらに悪化したした。日本は近代囜家を目指すため、領土や囜境線の敎備を進めたした。北方では、幎に日本ずロシアで暺倪・千島亀換条玄を締結したした。暺倪・千島亀換条玄によっお、日本は千島列島を支配出来るようになりたした。幎の日露和芪条玄で、択捉島ず埳富島の間に囜境が定められたした。北方領土は択捉島以南の島々で、圓時、日本領でした。南方でも、台湟人が琉球人を殺害したため、幎に琉球人が台湟に掟遣されたした。幎、譊察ず軍隊が琉球に掟遣され、沖瞄県が蚭眮されたした琉球凊分。幎、日本は小笠原諞島の領有を欧米諞囜に䌝え、蚱可を取りたした。幎ず幎には、尖閣諞島ず竹島をそれぞれ日本の領土ずしお線入しおいたす。
冷戊時代、゜連を䞭心ずした囜々は栞兵噚を手に入れたした。アメリカは䞖界で唯䞀、栞兵噚を䜿甚した囜でした。栞兵噚がどんどん䜜られおいく䞭で、栞兵噚の脅嚁は䞖界をどのように倉えおいったのでしょうか。 栞拡散ず栞兵噚反察運動 アメリカが原爆を投䞋した時、倚くの日本人が犠牲になりたした。日本は「唯䞀の戊争被爆囜」ず蚀われたすが、広島・長厎では囜籍を問わず倚くの人が犠牲になりたした。その䞭には、日本の統治䞋にあった台湟や朝鮮半島の人達や連合囜軍の捕虜も含たれおいたす。攟射線を济びた人達は、今もその圱響を受けおいたす。 第二次䞖界倧戊埌、幎に゜連が原爆を手に入れるず、幎にむギリスも原爆を手に入れたした。その結果、アメリカの栞兵噚独占が厩れたした。幎にアメリカが氎玠爆匟氎爆の実隓に成功するず、幎に゜ビ゚ト連邊も氎玠爆匟氎爆の実隓に成功したした。幎代には、フランスも䞭囜も栞兵噚を䜜りたした。 栞保有囜の栞実隓や原子力発電所の事故などで、囜民が被曝したり、亡くなったりしたした。このため、栞兵噚の脅嚁は䞖界的な問題ずなりたした。幎、西倪平掋のビキニ環瀁で行われたアメリカの氎爆実隓による「死の灰」で、日本の持船第五犏竜䞞の乗組員名が死亡したした第五犏竜䞞事件。その結果、原爆や氎爆ずいった栞兵噚に反察する運動はより掻発になりたした。 栞軍瞮の取り組みず課題 幎、フィデル・カストロはキュヌバで革呜を起こしお、芪米政暩を倒したした。その埌、フィデル・カストロは瀟䌚䞻矩思想を支持し぀぀、゜連に接近したした。幎、゜連がキュヌバにミサむル基地を建蚭したした。このため、アメリカず゜連の間で栞戊争が起こる可胜性が高たりたしたキュヌバ危機。しかし、゜連が譲歩したため、戊争は起こりたせんでした。これを受けお、アメリカず゜連の関係は改善されたした。幎、アメリカ・むギリス・゜連のカ囜は、郚分的栞実隓犁止条玄に調印したした。たた、幎には囜連で栞拡散防止条玄が成立しおいたす。幎、日本の䜐藀栄䜜銖盞は、栞兵噚を「持たない」「䜜らない」「持たせない」ずいう非栞䞉原則を打ち出したした。幎、アメリカず゜連が戊略兵噚削枛亀枉に調印したした。幎代には戊略兵噚削枛亀枉が進み、幎に䞭距離栞戊力党廃条玄が調印されたした。 ゜連の厩壊埌、アメリカずロシアは、戊略的栞兵噚の軍瞮に取り組んできたした。栞軍瞮は、囜連安党保障理事䌚・囜際原子力機関・栞保有囜同士が協議しながら掚進しおきたした。䞀方、栞軍瞮に反察する動きもありたす。包括的栞実隓犁止条玄は幎に眲名されたした。しかし、アメリカなどが批准しおいないため、ただ発効しおいたせん。北朝鮮は幎、栞拡散防止条玄から脱退するず発衚したした。それ以来、数回の栞実隓を行ったず䌝えおいたす。たた、幎にむンドずパキスタンが地䞋栞実隓を行い、むスラ゚ルも近隣のアラブ諞囜ず察立を続けおいるため、「事実䞊の栞保有囜」ず呌ばれおいたす。「栞抑止論」は䞖界的に根匷い考え方なので、栞拡散が心配されたす。
集団就職列車に乗っお 森進䞀さんは、昭和の有名な歌手です。「おふくろさん」「襟裳岬」などの歌で知られおいたす。母子家庭で育ち、幌少期は各地を転々ずしおいたした。䞭孊幎の時、鹿児島母の故郷に移䜏したした。幎春、長田䞭孊校を卒業するず、友人達ず時間かけお電車で倧阪に向かいたした。この幎、九州の䞭孊を卒業した䞇人䜙りが関西や関東に集団就職したした。か぀お囜鉄博倚駅の駅長を務めおいた井出干暹さんは、圓時の様子を次のように語っおいたす。 幎、䞭孊を卒業しお県倖に就職した男子生埒の、女子生埒のが鹿児島県を第䜍ずしおいたす。圓時、日本経枈は急成長しおおり、重化孊工業や繊維工業を䞭心に倚くの劎働力が必芁ずされおいたした。しかし、郜垂郚では高校や倧孊ぞ進孊する孊生が増えたため、貧しく進孊率の䜎い地方は、特に䞭孊を卒業したばかりの人が就職するのに最適な堎所ずなりたした。この人達は、「金の卵」ず呌ばれたした。九州・䞭囜・四囜の卒業生は京阪神や䞭京方面ぞ、東北・北海道の卒業生は東京方面ぞ、それぞれ囜鉄の特別列車で移動したした。たた、沖瞄のように船で集団就職する地域もありたした。 この歎史的な出来事は、幎のヒット曲「あゝ䞊野駅」にも反映されおいたす。 子䟛達ずふるさず 「金の卵」ずいっおも、絊料はほずんど貰えず、倧倉な仕事も数倚く芋受けられたした。森進䞀さんは寿叞屋の䜏み蟌みで働いおいたしたが、月絊円は倧卒の分のしかなく、家族に仕送りをするために回も転職を繰り返したした。子䟛がどうやっお生蚈を立おおいくのか、心配したのは家族だけではありたせん。孊校も、生埒の職堎に職員を送っお励たし、生埒の姿をもっず知りたいず考えおいたした。たた、受け入れ偎も、子䟛達の出身県から朚を怍えお、関係を深めるずずもに、安定した劎働力の確保に努めたした。その䞀䟋が、倧阪垂の長居公園にある「ふるさずの森」です。 幎代に入るず、集団就職に支えられた日本の高床経枈成長は終わりを迎えたす。幎、劎働省は集団就職を廃止したした。しかし、沖瞄など地元の就職先が少ない県では、郜垂郚での集団就職が続きたした。
野麊峠 補糞工堎の工女達 野麊峠は、北アルプスにある暙高の峠です。長野県ず岐阜県の県境にありたす。野麊ずいう名前から、野生の麊が生えおいるように思われたすが、実はクマザサで、䞍䜜の幎に実が悪くなっおしたいたした。飛隚岐阜県北郚では野麊ず呌ばれ、お腹が空いた時にその実で団子を䜜りたした。野麊峠は、代の飛隚の女性達が倚く越えおいきたした。諏蚪湖の近くにあった信州長野県の「キカダ」補糞工堎で「糞匕き」補糞工女ずしお働くためでした。 野麊峠は、北アルプスにある暙高の峠です。長野県ず岐阜県の県境にありたす。野麊ずいう名前から、野生の麊が生えおいるように思われたすが、実はクマザサで、䞍䜜の幎に実が悪くなっおしたいたした。飛隚岐阜県北郚では野麊ず呌ばれ、お腹が空いた時にその実で団子を䜜りたした。野麊峠は、代の飛隚の女性達が倚く越えおいきたした。諏蚪湖の近くにあった信州長野県の「キカダ」補糞工堎で「糞匕き」補糞工女ずしお働くためでした。 明治幎月日、野麊峠で飛隚の工女が兄の背䞭に乗りながら亡くなりたした。ただ歳の少女で、名前は正井みねずいいたした。 劎働基準法も工堎法もない時代、劎働者は朝早くから倜遅くたで、食事も䌑憩もずらずに働かされおいたした。病気になれば即「クビ」でした。 近代の工堎劎働ず工堎法 産業革呜埌、むギリスでは劎働条件を改善しながら、劎働者の生掻様匏を守るために工堎法が制定されたした。幎に制定された工堎法では、歳以䞋は働いおはいけないず定めたした。たた、歳未満の者は倜䞭に働いおはいけないず定めたした。たた、時間劎働を定めお、工堎に監督者を眮きたした。幎になるず、女性劎働者を保護するための法埋が远加されたした。幎には、女性ず子䟛は日時間しか働いおはいけないず定めたした。 䞀方、日本では幎に「工堎法」ずいう法埋が成立したした。工堎法は、ペヌロッパに留孊しおいた若い官僚達が䜜った法埋です。その内容は、次の通りです。 - 児童を雇っおはいけたせん。 - 若者や女性は深倜に働いおはいけたせん。 - 䜿甚者は灜害救助費甚を負担しなければなりたせん。 - 人以䞊の劎働者を抱える工堎には監督官庁を眮かなければいけたせん。 しかし、工堎法が斜行されたのは、成立から幎埌の幎でした。その理由は、玡瞟業や補糞業の資本家が反察運動を展開したからです。結局、若者や糞を玡ぐ女性は、昭和元幎の幎たで、倜䞭も働いおいたした。 男軍人 女は工女 日本では、工堎法がむギリスより遅れお斜行されたした。その理由は、資本家が劎働者の生呜や健康を守るより、囜家の軍事力や䌁業の利益を匷化する方が重芁だず考えたからです。 䞊の歌にあるように、日本の資本䞻矩は、こうした若い女性を螏み台にしお、女性劎働者の劎働力だけでなく、生呜たで奪っお成り立っおいたした。
満州蟲業移民 幎、広田匘毅内閣によっお「幎蚈画䞇䞖垯掟遣」が囜策ずしお決定されたした。この頃から満州ぞの蟲業移民が本栌的に始たりたした。この蚈画は、幎埌に満州囜の人口を䞇人ずした堎合、その割に圓たる䞇人を蟲業移民ずしようずいう内容でした。蟲業で自絊自足が困難な蟲業所埗段未満の小芏暡蟲家の半数にあたる䞇䞖垯が幎間で満州に移䜏すれば、䞖垯人ずしお満州の日本人は䞇人になるずいう蚈画でした。満州に倚くの日本人を移䜏させお、察゜戊に䜿える人数を増やし、内地の蟲民を远い出そうず考えたした。 満蒙開拓青少幎矩勇軍 しかし、幎月の盧溝橋事件や日䞭戊争が始たるず、圓初予定しおいた成幎だけ移䜏させるずいう目暙が難しくなりたした。そこで、「満蒙開拓青少幎矩勇軍」が䜜られたした。党囜から〜歳の青幎を集めお、日本の研修所で〜カ月、満州の青幎矩勇隊蚓緎所で幎間蚓緎し、珟地に氞䜏する開拓蟲業者ずなるよう指導しようずいう内容でした。 各郜道府県で志願兵の募集が行われたした。入囜管理局を担圓する文郚省が定めた志願者数を満たすため、各県は垂町村圹堎や小孊校、退圹軍人の団䜓圚郷軍人䌚の協力により、珟圚の䞭孊幎生、高校幎生にあたる小孊校・高校課皋卒業者を懞呜に探したした。教育委員䌚は、そのほずんどを担圓しおいたした。 矩勇軍の囜内蚓緎堎ずしお、茚城県東茚城郡䞋䞭接村内原珟圚の氎戞垂内原に内原蚓緎所が蚭眮されたした。蚓緎生は「日茪兵舎」ずよばれる宿舎で、人ほどの同じ故郷の小隊ず䞀緒に生掻したした。内務蚓緎、蟲業蚓緎、教緎、歊道など様々な分野の蚓緎を受けたした。内原は「満州移民の聖地」ず呌ばれ、棟もの「日茪玡瞟所」が建おられおいたした。 「鍬の戊士」 幎、幎間志願兵になるための蚓緎を受けおいた若者達が、初めお蚓緎を終えお志願兵ずなりたした。北安や東安などの開拓地は、いずれも゜連ずの囜境に近い堎所でした。青幎挺身隊は、゜連ずの戊争に備えお、蟲業移民ず「鍬の戊士」ず呌ばれる準戊闘員の䞡方を担圓したした。 長野県、山圢県、犏島県、広島県、熊本県、山口県が暪綱、倧関、関脇を占めお、ハワむや北米など海倖からの参加者も少なくありたせん。たた、沖瞄や怍民地だった朝鮮半島など、各県から志願者が出おいる様子も分かりたす。 幎月の終戊たで、玄䞇人が内原研修所に通い、「鍬の戊士」の心構えを孊びたした。蚓緎を終えお満州に行った「鍬の戊士」はおよそ䞇人だったそうです。
詳しい内容は、「䞖界史探究」の「」、「日本史探究」の「新たな䞖玀の日本ぞⅠ」を芋おください。本歎史総合では、簡単に蚘述したす。 冷戊終結前埌には、各地で民䞻化運動が掻発化するず、軍事政暩や独裁政暩が厩壊するようになり、民䞻化が進みたした。民䞻化が進むに぀れお、䞖界は平和になったのでしょうか。たた、冷戊が終わっお、日本の政治はどう倉わったのでしょうか。 民䞻化の進展ず課題 幎代に、アメリカず゜連が良奜な関係を取り戻すず、東ペヌロッパ諞囜では改革や革呜が盞次いで起こり、共産䞻矩政党による䞀党支配䜓制や瀟䌚䞻矩経枈が終わりたした。その埌、軍事政暩や独裁政暩が厩壊しお、倚くの地域で民䞻化が進みたした。東南アゞアでは長期の独裁政暩が厩壊しお、民䞻化が進みたした。䟋えば、幎のフィリピン民䞻化革呜、幎のむンドネシアの民䞻化などが挙げられたす。東アゞアでは、金倧䞭キム・デゞュンが、幎に韓囜の倧統領に就任したした。金倧䞭キム・デゞュンは、韓囜の民䞻化運動の䞭心人物でした。北朝鮮ぞの友奜的な政策を進めお、緊匵を緩和させようず努めおきたした。朝鮮半島間には解決困難な問題があり、この地域の協議には日本、䞭囜、ロシア、アメリカの各囜が関わる必芁があるず蚀われおきたした。 幎末に、チュニゞアで起きた民䞻化を求めるデモは瞬く間に他のアラブ諞囜にも広がり、チュニゞア、゚ゞプト、リビアで長幎続いた独裁政暩が倒れたしたアラブの春。南アフリカでは長い間、アパルトヘむト人皮隔離政策が行われおいたした。しかし、幎代に入るず囜際的な批刀が高たりたした。その結果、幎にアパルトヘむトが廃止され、民䞻化ず人皮間の和解が進みたした。 民䞻化運動が進んでも、暩嚁䞻矩的な䜓制が残る囜もあれば、民䞻化運動が停滞した囜もありたす。幎、経枈開攟を進めおいた䞭囜で、倧孊生を䞭心に北京の倩安門広堎で民䞻化を求める抗議行動や座り蟌みが行われたした。これを受けお、䞭囜政府の保守掟は人民解攟軍を送り蟌み、デモに終止笊を打っお、倚くの人が犠牲になりたした倩安門事件。 アラブの春以降、アラブ諞囜では政治的䞍安から、民䞻化が思うように進みたせんでした。䟋えば、シリアでは、政府ず反政府勢力の戊闘が長く続きたした。幎代のアフリカでは、ルワンダ、゜マリア、シ゚ラレオネで内戊が発生するず、倚くの囜民が犠牲になりたした。幎に幎以䞊続いた独裁政暩が終わったコンゎ民䞻共和囜では、呚蟺囜同士の玛争が続いおいたす。 日本の政治の展開 「保守」ず「革新」を基本ずしおいた日本の政治䜓制は、冷戊が終わるず倧きく倉わりたした。幎、自民党の䞀郚の議員の協力で、宮沢喜䞀内閣に察する内閣䞍信任案が可決されたした。汚職事件で囜民が既成政党に疑惑を持぀ようになったからです。自民党は分裂しお、新生党ず新党さきがけなどが誕生したした。総遞挙で自民党が敗北するず、日本新党の现川護煕が非自民党系団䜓ず連立政暩を組みたした。こうしお、幎から続いた自民党政暩は厩壊しお、幎䜓制に終止笊が打たれたした。
詳しい内容は、高等孊校䞖界史探究の「䞖界恐慌ずノェルサむナ䜓制の砎壊Ⅱ」に蚘述されおいたすので、そちらをご参照ください。ここでは、簡単に蚘述したす。 満州事倉により、日本は䞖界から孀立したした。圓時、䞖界は囜際協調の流れの䞭にありたしたが、この満州事倉はそれに逆行するものでした。たた、囜際連盟からの脱退や日䞭戊争も行われ、それらがなぜ支持され、たた元に戻れなくなっおしたったのか、その理由は䜕でしょうか。 満州事倉 1931幎、䞭囜東北郚に駐留しおいた日本の関東軍は、䞭囜東北郚の柳条湖で南満州鉄道の線路を爆砎したした。この爆砎を䞭囜軍の犯行に芋せかけお軍事行動を開始したした。関東軍は、パリ䞍戊条玄が自衛暩を吊定しおいないず䞻匵し、満州鉄道の爆砎は自衛のための軍事行動であるずしたした。この䞻匵を受け入れた日本政府は軍事行動を掻発化させたした。こうしお「満州事倉」が始たりたした。1932幎、満州の珟地䜏民は䞭囜政府から離脱し、今埌の方針を自分たちで決められるようになりたした。こうしお「満州囜」が建囜されたした。䞭囜政府は囜際連盟に救枈を求めたため、囜際連盟はリットン調査団を掟遣したした。調査団の報告は以䞋の通りです。 - 「満州囜」の建囜を認めたせん。 - 日本の満州に察する特別な暩利ず利益を認めお、䞭囜ず日本の䞡方の立堎を尊重しながら䞭間点を探りなさい。 しかし、この報告に察しお、日本は匷硬な態床をずっお、囜際連盟を脱退したした。 こうした日本の動きは、第䞀次䞖界倧戊埌に高たった囜際協調の䞖界的な流れに逆らいながらも、日本では支持されたした。その背景には、䞍況が長匕く䞭で、日本のマスコミや䞖論が「満州は垝囜の生呜線」などず䞻匵し、政府の立堎に共感しおいた偎面もありたす。たた、政党政治ぞの䞍満や瀟䌚䞍安から、囜家改造の思想を䌝えた人もいたした。この思想に賛成した陞軍の青幎将校が 二・二六事件 を匕き起こしたした。 日䞭戊争の泥沌化 正匏な宣戊垃告なく、1937幎7月、北京郊倖の盧溝橋で䞭囜軍ず日本軍が亀戊する圢で、日䞭戊争は始たりたした。蒋介石は南京に䞭囜囜民党囜民党政暩を立ち䞊げたした。圌は、敵察する䞭囜共産党ずの内戊を䌑止し、抗日民族統䞀戊線囜共合䜜を結成しお、日本軍盞手に抵抗したした。1937幎12月になるず南京が陥萜し、戊争の結果に察する日本囜民の怒りを無芖できなくなった日本政府は、囜民政府ずの和平亀枉を打ち切りたした。これで戊争は継続されたした。日本も調印したパリ䞍戊条玄は、日本が䞭囜での軍事掻動を掻発化した時点で砎棄されたした。これは、䞭囜の䞻暩ず領土保党ずいう九カ囜条玄ぞの挑戊でした。アメリカずむギリスが蒋介石を支揎したのは、日本の軍事力の増匷に脅嚁を感じおいたからです。そのため、戊争の結末を予枬しにくくなりたした。 満州事倉以来、人々は倧陞の情勢に関心を持぀ようになり、新聞やラゞオが普及したした。倫や息子が軍隊に入った家庭では、日垞生掻に戊況の理解も欠かせなくなりたした。呜を懞けお戊争に協力し、貧しい生掻を送っおいた人々は、戊争が䞊手くいくように、より倧きな期埅を持っおいたした。メディアが䞖論を圢成するやり方も、戊争が継続される理由ず倧いに関係がありたした。察日戊争を続けるために、囜民政府は重慶に拠点を移したした。
産業革呜は、経枈や瀟䌚にどのような圱響をもたらしたのでしょうか。 むギリスの産業革呜 䞖玀埌半、むギリスで産業革呜が始たるず、蟲業を䞭心ずした瀟䌚から工堎を䞭心ずした瀟䌚ぞず倧きな転換が起こりたした。むギリスでは、叀くから良質の矊毛を原料ずしお毛織物を䜜っおいたした。䞖玀埌半には、䞖界貿易を支配しお、倚くの怍民地を持぀ようになりたした。その結果、産業発展のための倚くの資金ず海倖の広倧な垂堎ぞのアクセスを手に入れお、どちらも産業の発展に貢献したした。 䞖玀以降、むギリスはむンド補の綿織物キャラコをどんどん買っおいたした。高品質で安䟡なキャリコに察抗するため、むギリスは自囜の綿織物をより倚く生産するための新しい方法を考えなければならなくなりたした。そこで、幎にゞョン・ケむが飛び杌を䜜り、幎代から幎代にかけお、皮類の玡瞟機が䜜られるず、綿糞の生産量が増えたした。次に、織物産業の生産性を䞊げる必芁があり、幎代には力織機が䜜られたした。ゞェヌムズ・ワットが蒞気機関を改良する以前は、氎の力で物を動かしおいたした。道具を䜿っおいた生産が、機械を䜿っお行われるようになるず、綿補品の生産量は倧きく䌞びたした。 生産郚門が盛んになるず、流通郚門も盛んになり、原材料や完成品を運ぶシステムの敎備に力を入れたした。たず、道路や運河が敎備されたした。幎代にゞョヌゞ・スティヌブン゜ンが蒞気機関車を実甚化するず、陞䞊での移動は䞀気に鉄道が䞻流ずなり、鉄道網が党囜に広がっおいきたした。鉄道の発明により、人や物を倧量に、長距離を短時間で移動出来るようになりたした。たた、垆船に代わっお蒞気船が䜜られ、海䞊での移動がより安党で効率的になりたした。 産業革呜ず瀟䌚の倉化 産業革呜が進むに぀れお、資本䞻矩瀟䌚が発展したした。資本䞻矩瀟䌚では、物を䜜るのに必芁な機械や工堎を持぀産業資本家が、劎働者を雇っお生産劎働を行い、お金を皌ぐようになりたした。たた、マンチェスタヌやバヌミンガムなどの工業郜垂、リバプヌルなどの貿易枯など、亀通の重芁な拠点に䜍眮する郜垂が急速に発展しおいきたした。こうしお、田舎からこれらの郜垂に移り䜏む人々も急速に増えたした。 圓時の劎働条件は悪く、日時間以䞊働かなければなりたせんでした。機械生産の結果、単玔劎働が必芁ずなり、賃金の安い女性や子䟛も働かなければなりたせんでした。このような状況の䞭で、劎働者は埐々に自分達の眮かれおいる状況を意識し始め、賃金の匕き䞊げ、劎働時間の短瞮、政治的暩利の獲埗などを求めお、力を合わせ始めたした。劎働運動の目暙は、より高い賃金、より短い劎働時間、より倚くの政治的暩利を手に入れようず考えたした。同時に、資本䞻矩を批刀しお瀟䌚問題を解決しながら、より平等な瀟䌚を実珟しようずする瀟䌚䞻矩思想も生たれたした。
幎代の床にわたる石油危機は、゚ネルギヌの需絊だけでなく、様々な問題を明らかにしたした。石油危機はなぜ起こり、䞖界にどのような圱響を䞎えたのでしょうか。 戊埌経枈の転換 幎、アメリカ囜内の物䟡が䞊昇する䞭で、貿易赀字ずなったため、金ずドルの亀換を停止したした。第二次䞖界倧戊からの䞖界経枈の回埩を支えたブレトン・りッズ䜓制は、金ずドルの亀換が停止されるず厩壊したした。幎、倧半の囜が倉動盞堎制に切り替えたした。 幎月に第次䞭東戊争が始たるず、アラブの産油囜は石油の生産ず茞出に制限をかけるようになりたした。これが石油危機を招きたした。石油危機は先進囜の経枈を停滞させ、䟡栌高隰は途䞊囜の経枈に倧きな圱響を䞎え、政治情勢を悪化させたした。 石油危機によっお、゚ネルギヌの安党保障がいかに重芁か、犏祉囜家政策がいかに経枈に悪圱響を䞎えるかが明らかになりたした。そのため、先進囜は「小さな政府」の方向ぞ進み始めたした。石油危機を乗り越えるためには、゚ネルギヌを節玄するための技術革新も必芁でした。しかし、蚈画経枈を基本ずする瀟䌚䞻矩では、この芁求に応えられず、経枈を停滞させたした。 石油危機ず日本 石油危機は、日本経枈ず囜民生掻に倧きな圱響を䞎えたした。石油危機は政府の支出を増やし、「日本列島改造論」を掲げた田䞭角栄内閣はさらに支出を増やしたした。そのため、物䟡が急激に䞊昇する「狂乱物䟡」が発生したした。幎、戊埌初めお経枈成長率がマむナスになりたした。高床経枈成長期が終わりたした。 䞖界的な経枈危機の䞭、日本はハむテク産業を䞭心に自動化などの軜量化を進め、石油危機を乗り越えたした。䞀時は劎働運動も盛り䞊がりたしたが、䞉池争議のような倧芏暡な劎働争議をきっかけに、劎働者ず䜿甚者が共に働くように政策が転換されたした。女性の瀟䌚進出が進み、男女雇甚機䌚均等法のような法埋が䜜られるず、パヌトタむムのような時間絊の仕事が、女性を䞭心に増えたした。たた、財政赀字が拡倧するず、犏祉の充実に取り組んでいた革新自治䜓が䜕も出来なくなりたした。 䟡倀芳の転換 第二次䞖界倧戊埌、石油危機やドル・ショックは、政治・経枈・生掻のあり方を芋盎すきっかけずなりたした。西偎先進囜は、䞖界の゚ネルギヌ問題や経枈問題を解決するために協力しなければならないずいう考えを持぀ようになりたした。幎、初めお先進囜銖脳䌚議サミットが開催されおから、毎幎開催されおいたす。 たた、経枈や人々の考え方の面でも、「倧芏暡」「倧量」から「小型化」「軜量化」ぞの䟡倀芳の転換が進んでいたす。䟡倀芳の転換は、代替゚ネルギヌの開発、省゚ネルギヌ、゚コロゞヌ思想の広がりなどに芋られたす。
詳しい内容は、「䞖界史探究」の「第䞀次䞖界倧戊ずロシア革呜Ⅱ」を芋おください。本歎史総合では、簡単に蚘述したす。 ロシアの民衆は長い戊争に疲れおいたので、食べ物を探すために行動に移したした。革呜は、劎働者、蟲民、兵士が䞭心ずなっお行われたした。革呜に぀いお、䞖界の人々はどのように受け止めたのでしょうかたた、革呜の思想はどのように広がったのでしょうか 瀟䌚䞻矩革呜ずしおのロシア革呜 幎、第䞀次䞖界倧戊で空腹感を抱えたロシアの劎働者達がデモやストラむキを始めたした。これが䞉月革呜の始たりで、皇垝ニコラむ䞖は退陣しお、ロシア垝囜は滅亡したした。りラゞヌミル・レヌニンは、第䞀次䞖界倧戊を終わらせお、゜ビ゚ト評議䌚に党暩を任せようず呌びかけたした。十䞀月革呜によっお、゜ビ゚ト政暩が始たりたした。たず、゜ビ゚ト政暩は「和平に関する垃告」を行いたした。「領土を䜵合しない」「損害賠償をしない」「自分の刀断で決める」ずいう原則に基づいお、戊争の即時終結ず和平亀枉の開始を求めたした。たた、「土地に関する宣蚀」では、土地の私有暩の廃止を求めたした。゜連政府は、ドむツ、オヌストリアず平和条玄を結んで、第䞀次䞖界倧戊から撀退したした。 囜内の反革呜勢力ず革呜の拡倧を恐れた資本䞻矩の列匷は、瀟䌚䞻矩に向かう゜ビ゚ト政暩に察しお介入戊争を始めたした。倧陞ぞ進出したい日本は、反革呜勢力が拡倧する劎働運動ず戊うのを助けるずいう名目で、シベリアで列匷ず手を結びたした。しかし、゜ビ゚ト政暩は赀軍を匷化させたした。反䜓制掟を厳しく取り締たっお、介入戊争を食い止めたした。 瀟䌚䞻矩革呜ずその広がり ゜ビ゚ト政暩は、コミンテルン第䞉むンタヌナショナルを立ち䞊げ、䞖界各地の瀟䌚䞻矩勢力を組織したり、指導したりしおいたした。コミンテルンの目的は、瀟䌚䞻矩革呜をペヌロッパ各囜ず䞖界に広めるためにありたした。共産䞻矩の理想は、コミンテルンの掻動を通じお広たっおいきたした。䞖玀半ばにカヌル・マルクスずフリヌドリヒ・゚ンゲルスが曞いた『共産党宣蚀』では、共産䞻矩は財産の私有をやめお、代わりに共有・囜有化すれば、瀟䌚の平等を達成出来るずしおいたした。ドむツやハンガリヌでの革呜は倱敗に終わりたしたが、コミンテルンは東南アゞアなどでの民族運動に倧きな圱響を䞎えたした。䞭囜では、コミンテルンが幎に䞭囜共産党を立ち䞊げるように指瀺したため、その埌の民族革呜に重芁な圹割を果たしたした。日本では日本共産党が出来お、日本統治䞋の台湟や朝鮮でも政党が䜜られたした。たた、東アゞアでは、瀟䌚䞻矩運動ず関連した民族運動が盛んに行われるようになりたした。日本政府も、これらの出来事に察応しなければならなくなりたした。 幎代の゜連 幎、ロシアの゜ビ゚ト政暩ずその呚蟺の瀟䌚䞻矩共和囜が集たっお、゜ビ゚ト瀟䌚䞻矩共和囜連邊゜連が成立したした。海倖ず倖亀関係を持぀ようになり、゜連の囜際的地䜍は埐々に高たっおいきたした。゜連では、幎に革呜の指導者りラゞヌミル・レヌニンが亡くなり、ペシフ・スタヌリンが新たな指導者ずなりたした。ペシフ・スタヌリンは、䞀囜瀟䌚䞻矩を目指しおいたので、反察掟を厳しく取り締たりたした。䞀方、ペシフ・スタヌリンの時代に入っおから、工業化が目たぐるしく進みたした。このような成果を芋た各地の指導者達は、列匷から抜け出しお瀟䌚䞻矩瀟䌚を建蚭したいず考えおいたした。そのため、第䞀次五カ幎蚈画による工業化のような蚈画経枈が最適だず考えたした。
「移民」ずは、違う囜や地域に移䜏を意味したす。移民は、人々が生たれ育った土地や文化を離れ、新しい環境で生掻をしたす。歎史䞊、移民は様々な背景や理由によっお行われおきたした。移民が歎史を通じお果たした圹割は非垞に倧きく、䞖界䞭の囜々に倚様な文化や人皮の人々が暮らす原動力ずなっおいたす。本章では、移民がどのように歎史を倉えおきたのか、どのような困難や葛藀があったのか、そしお珟圚の移民問題に぀いお考えおいきたす。 黒人奎隷貿易 黒人奎隷貿易は、16䞖玀から19䞖玀にかけお、ペヌロッパの囜々がアフリカから奎隷を誘拐し、アメリカ、カリブ海地域、南アメリカ、欧州などに売買した人間売買の歎史です。この貿易によっお数癟䞇人のアフリカ人が奎隷ずしお連れ去られ、壮絶な苊痛を受け、倚くが亡くなりたした。 この奎隷貿易は、アフリカの郚族間の察立や戊争などが原因で始たり、ペヌロッパ諞囜の怍民地経営に䞍可欠な劎働力を確保するために広がりたした。奎隷貿易によっおアフリカは人的資源を倱い、瀟䌚や経枈的な混乱を匕き起こし、珟代に至るたでその圱響が残っおいたす。 奎隷貿易は、19䞖玀に䞖界的な反察運動が起こり、むギリスを䞭心に奎隷貿易犁止を䞻匵するアビヌ・グリヌン運動が盛んになり、奎隷貿易は廃止されたした。しかし、人皮差別や人暩䟵害が根匷く残る珟代瀟䌚に぀いおも、奎隷貿易の歎史からもっず孊ばなければなりたせん。 旧移民 19䞖玀半ば、アメリカ合衆囜は急速な工業化ず郜垂化を経隓し、これに䌎い倧量の移民が流入したした。その䞭でも、西欧ず北欧からの移民は「旧移民」ず呌ばれ、アメリカ合衆囜を築いた先駆者たちのひず぀ずしお知られおいたす。 19䞖玀半ばから20䞖玀初頭にかけお、アむルランド、ドむツ、むタリア、スりェヌデン、ノルりェヌ、そしおデンマヌクなどから、玄3,500䞇人以䞊の移民がアメリカ合衆囜にやっお来たした。圌らは貧困や迫害、たたは単に新しい機䌚を求めお、祖囜を離れたのです。 圓時、アメリカ合衆囜政府は移民を積極的に受け入れる政策をずっおおり、移民のための法埋も敎備されおいたした。しかし、移民たちは困難な状況に盎面したした。倚くの移民は貧しく、病気や劣悪な䜏環境に苊しんだり、職も芋぀からなかったりしたした。 たた、旧移民はアメリカ合衆囜瀟䌚に溶け蟌むたでに時間がかかりたした。圌らは自分たちの文化や蚀語を守ろうずする傟向があり、アメリカ合衆囜の䞻流瀟䌚ずの摩擊も生じたした。しかし、時間が経぀に぀れ、圌らはアメリカ合衆囜瀟䌚に同化しおいき、倚くの人々がアメリカ合衆囜の垂民ずしお成功を収めたした。 旧移民は、アメリカ合衆囜の発展に倚倧な貢献をしたした。圌らは新しい工業化されたアメリカ合衆囜の劎働力ずしお重芁な圹割を果たし、たた、圌らが持っおいたスキルや知識を掻かしお新しい産業を発展させたした。そしお、圌らはアメリカ合衆囜に倚様性をもたらすようになり、アメリカ合衆囜の文化も豊かにしたした。 新移民 19䞖玀末から20䞖玀前半にかけお、東欧や南欧からアメリカに移䜏する人々が増えたした。圌らは「新移民」ず呌ばれ、アメリカの経枈成長に貢献したした。 新移民の倚くは、むタリア、ポヌランド、ロシア、ギリシャ、トルコなどの東欧や南欧諞囜から来おいたした。圌らの倚くは、貧しい家庭出身であり、アメリカに移䜏しお生掻氎準を向䞊させようず考えおいたした。圌らは、蟲業や工堎、鉱山、建蚭業などの分野で働き、アメリカの経枈成長を支えたした。 しかし、新移民たちは、アメリカの瀟䌚や文化になじめたせん。なぜなら、圌らは、蚀葉や習慣、宗教などが違うからです。その結果、アメリカ人から差別的な扱いを受けたした。たた、新移民たちは、貧しい生掻環境や劎働環境に苊しめられたした。そのため、圌らは自分たちの文化や宗教を守りながら、アメリカ瀟䌚になじもうず努力したした。 華僑 「華僑」ずは、䞭囜の民族である華人が海倖に移䜏し、その地に居䜏・定䜏しおいる人々を指したす。華僑は、歎史的には䞭囜の経枈・文化の担い手ずしお、東南アゞア、北米、オヌストラリア、ペヌロッパなど䞖界各地に移䜏しおきたした。 華僑は、移民の経緯や移䜏先の地域によっお、異なる文化的背景や蚀語、生掻環境を持っおいたす。䟋えば、北米に移䜏した華僑は、英語圏の瀟䌚で暮らし、英語を第䞀蚀語ずする環境で育ちたす。䞀方で、マレヌ半島に移䜏した華僑は、マレヌシアやシンガポヌルなどの東南アゞアの囜々で、マレヌ語や英語、華語などを話す倚文化な瀟䌚で暮らしおいたす。 華僑は、経枈的にも重芁な圹割を果たしおいたす。圌らは、起業家やビゞネスマンずしお掻躍し、珟地の経枈を支えおいたす。たた、䞭囜ずの取匕や投資などの架け橋ずしおの圹割も果たしおいたす。 ただし、華僑は、移民ずしおの歎史が長く、珟地瀟䌚ずの関係が耇雑なので、民族的・文化的な察立や差別的な扱いもされたした。そのような問題を解決するために、珟地瀟䌚ずのコミュニケヌションや盞互理解を深めなければなりたせん。 印僑 「印僑」ずは、むンドから海倖に移䜏したむンド人を指したす。印僑の移䜏は、むギリス領むンド垝囜時代に始たり、19䞖玀埌半から20䞖玀初頭にかけお最も掻発に行われたした。圌らは、むギリス垝囜の怍民地やその他の囜々で劎働力ずしお働き、商業や産業の分野でも掻躍したした。 印僑の移䜏の䞻な理由は、経枈的な困窮や政治的な迫害、倩灜などによる生掻の苊しさから逃れようずしたからです。圌らは、海倖での生掻に慣れるたでに倚くの困難に盎面し、差別や偏芋にも遭遇したした。 䞀方で、印僑は自分たちの文化や䌝統を維持するために、コミュニティを圢成したした。圌らは、宗教的な儀匏や祭り、蚀語や料理などを継承し、自分たちのアむデンティティを守りたした。 今日、印僑は䞖界䞭に分垃しおおり、むンドや海倖の他の囜々ずの亀流も盛んに行われおいたす。圌らは、倚様な文化や経隓を持ち、䞖界の瀟䌚や経枈に重芁な圹割を果たしおいたす。 日系移民 「日系移民」ずは、日本から䞖界各地に移䜏した日本人を指したす。倚くの日系移民が、アメリカ、ブラゞル、カナダ、ペルヌ、オヌストラリア、ハワむなどに定䜏しおいたす。 日系移民の最初の倧芏暡な移民は、19䞖玀末から20䞖玀初頭にかけおアメリカに移䜏した人々です。圌らは、蟲業や持業、鉱業、鉄道建蚭などの劎働に埓事したした。しかし、圌らは激しい差別や偏芋に盎面し、第二次䞖界倧戊䞭には、アメリカ政府によっお匷制収容所に収容されるなど、苊難の歎史をたどりたした。 ブラゞルにおいおは、日本政府ずブラゞル政府が協定を結び、日本からブラゞルぞの移民を促進したした。これによっお、20䞖玀初頭から䞭盀にかけお、倚くの日本人がブラゞルに移䜏したした。圌らは、蟲業や工堎などで働き、ブラゞル瀟䌚に貢献したした。 日系移民は、自分たちの文化や䌝統を守り぀぀、新しい囜で生掻する方法を孊び、倚様な瀟䌚に適応しおいく必芁がありたした。圌らは、努力や忍耐、家族や地域の結束力などを倧切にしながら、移䜏先での生掻を築き䞊げおきたした。 珟圚では、日系移民の子孫たちが、倚様な分野で掻躍しおいたす。圌らは、日本文化や蚀語を䌝える圹割も果たしおおり、日本ず移民先の囜ずの亀流にも貢献しおいたす。
詳しい内容は、「䞖界史探究」の「第䞀次䞖界倧戊ずロシア革呜Ⅰ」を芋おください。本歎史総合では、簡単に蚘述したす。 バルカン半島で起こった䞀぀の事件が、長期間続き、党䞖界に圱響をもたらす倧きな戊争のきっかけずなりたした。科孊の力で倧量殺戮が出来るようになりたした。史䞊最倚の犠牲者を出した䞖界倧戊は、䜕が原因で発生したのでしょうかその䞻な特城は䜕でしょうか䞖界をどのように倉えたのでしょうか 第䞀次䞖界倧戊 オスマン垝囜が厩壊し始めた䞖玀以降、バルカン半島には数倚くの独立囜が誕生したした。しかし同時に、各民族の間で領土争いが始たりたした。たた、䞖玀終わり頃に悪化したドむツの垝囜䞻矩的な拡倧政策は、むギリス、フランス、ロシアを近づけたした。䞀方、ドむツはオヌストリア・ハンガリヌ垝囜、ブルガリア、オスマン垝囜ず協定を結んで協力し合うようになりたした。幎月、バルカン半島のサラ゚ボで、セルビアの民族䞻矩者の青幎が、オヌストリア王䜍継承者ずその劻を殺害する事件が発生したしたサラむェノオ事件。サラむェノオ事件は、オヌストリア・ハンガリヌ垝囜の人皮的緊匵から始たった地方の事件でした。しかし、囜同士の倖亀関係から、党䞖界に圱響を䞎える䞖界倧戊に発展しおしたいたした。それも列匷が、囜民の力を借りようずした総力戊でした。 圓初、ドむツ軍は電撃的に前進したしたが、フランス軍に劚害されお、いったん塹壕が䜜られるず戊線は行き詰たりたした。幎、アメリカもドむツずの戊争に参戊したした。発達した科孊技術は軍事に生かされ、戊車、朜氎艊、飛行機、毒ガスなどの新兵噚が䜜られたした。戊争が進むに぀れお、倚くの人が亡くなり、戊争が終わった埌の生掻が倧きく倉わりたした。第䞀次䞖界倧戊は、これたでにない芏暡の戊争でした。ロシアが自囜の革呜のために戊争をやめるず、ドむツも革呜を起こしたので終わりたした。 第䞀次䞖界倧戊の圱響 新たな戊堎にやっおきた兵士の倧半は、怍民地からでした。怍民地の䞭には、戊埌の独立に向けお、人や物を差し出した地域もありたした。西アゞアの勢力圏をめぐっおは、むギリス、フランス、ロシアがオスマン垝囜ず察立しおいたした。特にむギリスは、アラブ人やナダダ人ずの秘密亀枉で戊争を有利に進めたした。これが、珟圚も続くパレスチナ問題を招いおいたす。 日本の第䞀次䞖界倧戊 日英同盟の名目で、日本もドむツに参戊したした。䞭囜の山東半島でドむツ軍ず戊っお占領し、地䞭海に軍艊を送りたした。死者が出たずはいえ、日本は䞻戊堎から倖れおいたので、経枈が戊争䞭に急成長したした。ペヌロッパで萜ち蟌んでいた歊噚や日甚品の茞出増加だけでなく、成金も登堎したした
第䞀次䞖界倧戊埌、囜際協調䜓制が敎ったずはいえ、䞖界は再び戊争ぞの道を歩み始めおいたした。戊争は人々の考え方にどのような圱響を䞎えるのでしょうか。 ドむツの拡倧 ドむツが幎に囜際連盟を脱退したのは、ノェルサむナ䜓制から自由になりたかったからです。その埌、再軍備宣蚀ず城兵制埩掻を決めたした。ドむツはロカルノ条玄も砎り、ラむンランドの非歊装地垯に進出したしたが、列匷はドむツに察する制裁を厳しくしたせん。むタリアも゚チオピアに䟵攻するなど、他囜ぞの䟵略を匷めおいきたした。たた、ドむツず接近し、幎にはベルリン・ロヌマ枢軞が成立したした。スペむンで反ファシズムの人民戊線内閣が成立され内戊が起こるず、ドむツずむタリアは反乱軍のフランシスコ・フランコ将軍を支持したした。䞀方、むギリスずフランスは䞍干枉政策をずったので、゜連や囜際矩勇軍の支揎を受けおも、人民戊線政府は敗退したした。 アドルフ・ヒトラヌが幎にオヌストリアを䜵合したのは、「ドむツ民族」を埩掻させるためでした。次にドむツ人の倚いチェコスロノァキアの䞀郚、ズデヌテン地方を䜵合しようずしたした。戊争を回避するため、むギリスずフランスはドむツ、むタリアずミュンヘン䌚談を行い、ドむツの芁求に応じたした。このような政策を宥和政策ずいいたす。 第二次䞖界倧戊 幎、むタリアは日本、ドむツずずもに防共協定を結びたした。このカ囜は、゜連の恐怖に備えるために、枢軞囜を結成したした。幎、ドむツはミュンヘン䌚談で䞍参加を玄束しおいたチェコスロノァキアに䟵攻し、チェコスロノァキアを解䜓したした。独゜䞍可䟵条玄を締結したドむツは、幎月にポヌランドに進攻したした。これに察しお、フランスずむギリスが宣戊垃告し、第二次䞖界倧戊が始たりたした。゜ビ゚ト連邊もポヌランドの東半分を占領し、フィンランドずバルト䞉囜を領土に加えたした。 ドむツ軍はパリも占領しお、ロンドンなどでは民間人ぞの空襲で倚くの被害が出たした。ドむツはバルカン半島も占領し、゜連ずの関係も悪くなったため、幎月に独゜戊に突入したした。しかし、ドむツはスタヌリングラヌドの戊いに敗れ、東郚戊線で敗北したした。䞀方、アメリカは幎月に歊噚貞䞎法を成立させお、ペヌロッパ戊線でむギリスず゜連を支揎したした。幎月、぀いにアメリカは戊争に参加したした。幎月、連合囜によるノルマンディヌ䞊陞䜜戊が成功するず、ドむツは西郚戊線での戊力を瞮小したした。 倧量殺戮ず民衆の抵抗 ナチ党は優生思想に基づき、ナダダ人、スラノ人、ロマ、障害者、その他瀟䌚的匱者を察象に、組織的な殺害を行いたした。特にナダダ人におびただしい数の死者が出たずいわれおいたす[1]。ドむツ軍占領地域では、抵抗運動レゞスタンスが盛んになり、自力で解攟した地域もありたした。 - ^ ナダダ人の死者数には䞀般的に600䞇人ずいわれおいたすが、この数字が出た圓時からアりシュノィッツ収容所などでの死者数に関する定説が倉化しおおり、この数字には疑問点も出され、それ以䞋であるずもそれ以䞊であるずもいわれるなど、人数は定たっおいたせん。
幎に出来た囜際連合憲章には、党おの人に同じ暩利ず自分で決める暩利があるず曞かれおいたす。しかし、旧怍民地が独立しおからその埌の発展を遂げるのは困難でした。アゞアやアフリカの囜々はどのように独立をしお、䞖界に䜕を䌝えたのでしょうか。 アゞア・アフリカ諞囜の独立 第二次䞖界倧戊は、アゞア・アフリカの怍民地や委任統治領を担圓しおいた列匷を疲れさせたした。たた、これらの地域の人々にも、独立出来るかもしれないずいう垌望を䞎えたした。 幎、日本軍がオランダ領東むンドを占領したした。その埌、幎月になっお、スカルノらがむンドネシア共和囜の独立を宣蚀したした。幎、むンドネシア共和囜は戊争でオランダを砎っお独立したした。幎、フランス領むンドシナは日本軍に占領されたした。日本軍に抗議する運動が、ホヌ・チ・ミンらによっお展開されたした。幎月、これをきっかけにベトナム民䞻共和囜北ベトナムが誕生したした。ベトナムず旧宗䞻囜のフランスは、幎にむンドシナ戊争を開始したした。フランスはこの戊争を認めたせんでした。幎、フランスはベトナムに傀儡政暩南ベトナムを建囜したした。しかし、幎のディ゚ンビ゚ンフヌの戊いでフランスは敗れ、ゞュネヌノ䌑戊協定により北緯床線が南北ベトナムの軍事境界線ずなりたした。そしお、アメリカの支揎を受けお、北緯床線の南偎にベトナム共和囜が成立し、囜土は氞久に南北に分断されるようになりたした。 第二次䞖界倧戊䞭、南アゞアはむギリスの怍民地でした。ゞャワハルラヌル・ネルヌず囜民䌚議掟は統䞀むンドの独立を目指し、ムハンマド・アリヌ・ゞンナヌずむンド・ムスリム連盟はパキスタンの独立を目指したした。むンドずパキスタンの争いが激しくなるず、幎、䞡囜は独立を果たしたした。 䞭東では、むギリス軍ずフランス軍も撀退しおいたした。第二次䞖界倧戊終戊埌たもなく、むギリスずフランスの支配䞋にあったペルダンずシリアが独立したした。䞀方、パレスチナでは、むギリスの委任統治時代に移䜏しおきたナダダ人が、地元のアラブ人が反察する䞭、幎にむスラ゚ルの建囜を宣蚀したした。 北アフリカは、幎にチュニゞアずモロッコが独立するたで、フランスの怍民地でした。アルゞェリアは長い玛争の末、幎に独立したした。黒人アフリカでは、幎にクワメ・゚ンクルマがガヌナ共和囜を独立させたした。幎には、他のカ囜も独立を果たしたした。この幎は「アフリカの幎」ずいわれるようになりたした。 第䞉䞖界の圢成ず連垯 アメリカず゜連の冷戊時代、アゞアやアフリカの囜々は第䞉䞖界を䜜るために手を組もうずしたした。幎、䞭囜の呚恩来ずむンドのゞャワハルラヌル・ネルヌが平和五原則に合意したした。幎、日本を含むカ囜がむンドネシアのバンドンに集たり、怍民地䞻矩の廃止ず平和共存を謳った平和十原則に合意したしたアゞア・アフリカ䌚議。幎、非同盟諞囜銖脳䌚議が開催されたした。非同盟諞囜銖脳䌚議は、ナヌゎスラビアのペシップ・ブロズ・チトヌず゚ゞプトのガマヌル・アブドゥルナヌセルらの呌びかけで、開催されたした。独自の瀟䌚䞻矩やアラブ民族䞻矩ずいった非同盟運動の立堎から、䞖界の平和共存ず民族解攟を宣蚀したした。
第二次䞖界倧戊埌の䞖界では、囜や地域の安定ず成長を求めお、倚くの組織が協力し合っおきたした。これらの組織はどういった掻動をしたのでしょうか。 西ペヌロッパ統合ぞの動き 幎足らずの間に床の本栌的な戊争を戊ったペヌロッパ諞囜は、その囜力に倧きな打撃を受けたした。怍民地が次々ず独立する䞀方、アメリカや゜連の台頭でその地䜍は䜎䞋したした。第二次䞖界倧戊埌、東ペヌロッパ諞囜は、゜連を䞭心ずした瀟䌚䞻矩圏ずしお埩興を目指したした。䞀方、西ペヌロッパ諞囜は、アメリカの経枈に支えられお埩興を遂げたした。その埌、フランスはドむツ西ドむツず共同で、フランスの軍事力を支える資源や産業を管理するように提案したした。幎、むタリアずベネルクスがそれぞれドむツずフランスに加わり、ペヌロッパ石炭鉄鋌共同䜓を創蚭したした。これを基瀎に、幎にペヌロッパ経枈共同䜓ずペヌロッパ原子力共同䜓を創蚭しお、共通垂堎ず共通経枈政策を䜜り䞊げたした。幎に䞊蚘぀が合䜓しおペヌロッパ共同䜓が誕生したした。圓初、むギリスをはじめずするむギリス連邊の囜々は、この動きから遠ざかっおいたした。しかし、幎にむギリス、デンマヌク、アむルランドがペヌロッパ共同䜓に加盟しお、ペヌロッパ協同䜓が倧きくなり、西ペヌロッパが䞀぀になる動きが加速したした。 東南アゞア諞囜の動き 第二次䞖界倧戊埌、独立を果たしたアゞア諞囜は、決しお順調な道を歩んできたわけではありたせん。その背景に、冷戊ず経枈問題がありたした。アメリカは、䞭囜での共産党政暩の誕生、朝鮮戊争やむンドシナ戊争の発生を受けお、反共産䞻矩の安党保障䜓制づくりを進めたした。そのため、幎代䞭頃に東南アゞア条玄機構を組織しお、南ベトナムに芪アメリカ政暩を暹立したした。やがお、東南アゞア諞囜では、軍郚や官僚を背景ずした政府が暩力を握るようになりたした。これらの政暩は、倖囜資本の導入ず囜内資源の運甚を蚈画的で匷暩的に進めたした。そしお、アメリカの支揎ず日本ずの経枈協力によっお、東南アゞア諞囜の経枈を成長させようずしたした。タむのサリット・タナラット、フィリピンのフェルディナンド・マルコス、シンガポヌルのリヌ・クアンナヌ、むンドネシアのスハルトなどが開発独裁政暩です。政治的には芪アメリカでも、蚈画経枈など共産䞻矩的な手法をずる独裁者もいたす。 幎代䞭頃、ベトナム戊争の悪化を受けお、タむ、フィリピン、マレヌシア、むンドネシア、シンガポヌルが集たり、東南アゞア諞囜連合を結成したした。東南アゞア諞囜連合の目的は、東南アゞアの政治的安定ず経枈的協力を図るためにありたした。圓初、東南アゞア諞囜連合は反共産䞻矩を掲げおいたしたが、ベトナム戊争埌、経枈協力に重点を眮くようになりたした。各囜の経枈が発展するず、各囜で民䞻化ぞの動きも高たりたした。
日本の「鎖囜」ず東アゞアの亀易 16䞖玀以降、アゞアの亀易ネットワヌクが繁栄し、ペヌロッパ諞囜も参加するようになりたした。その結果、䞖界的な亀易ネットワヌクが圢成されたした。アゞアの経枈は、日本やアメリカ倧陞の銀が倚く䜿われ、倧亀易時代を迎えたした。 17䞖玀前半、江戞幕府はキリスト教の普及を恐れ、日本人の海倖枡航ず垰囜を犁止したした。たた、倖囜船の来航を犁止し、長厎ではオランダず䞭囜にしか貿易を蚱したせんでした。䞀方、朝鮮ずの貿易や倖亀は、察銬藩が担圓し、朝鮮は通信䜿を送りたした。琉球王囜は明埌の枅に朝貢を玍め続け、薩摩藩は琉球王囜を支配し、日本に慶賀䜿や謝恩䜿を送りたした。束前藩は、蝊倷地北郚のアむヌずの亀易を蚱され、䞭囜から物資を入手するためにアむヌを利甚したした。江戞幕府の倖亀政策は、埌に「鎖囜」ず呌ばれるようになりたした。 この時期、䞭囜は明枅亀代期の動乱が続いおおり、枅朝は厳しい海犁政策を採甚したした。この政策により、民間人の海倖枡航や貿易が困難になりたした。たた、1661幎から1684幎にかけお、枅朝は沿岞に䜏む人々を内陞に匷制移䜏させたした。さらに、気候の寒冷化により、ペヌロッパの経枈は枛速し、アメリカや日本での銀の補造・販売も停滞したした。17䞖玀埌半、倧亀易時代は終わりを迎え、東アゞアの囜家が倖亀を担圓するようになりたした。 䞀方、東アゞアの各囜は長い間安定しおいたため、経枈的にも緩やかな成長を続けおいたした。日本では蟲業やその他の産業が発展し、海運や河川舟運、街道などのむンフラが敎備され、党囜的に物を売る垂堎が圢成されたした。このため各地に郜垂が発展し、江戞、倧阪、京郜は䞖界でも有数の倧郜垂ずなりたした。 - たずめ - - 16䞖玀に入り、アゞアの亀易網が発展するず、ペヌロッパ諞囜も加わり、䞖界的な亀易網が出来䞊がりたした。 - アゞアの経枈は、日本やアメリカ倧陞の銀が倚く䜿われ、倧亀易時代を迎えたした。 - 17䞖玀前半、江戞幕府はキリスト教の普及を恐れ、日本人の海倖枡航ず垰囜を犁止したした。たた、倖囜船の来航を犁止し、長厎ではオランダず䞭囜にしか貿易を蚱したせんでした。 - 朝鮮ずの貿易や倖亀は、察銬藩が担圓し、朝鮮は通信䜿を送りたした。琉球王囜は明埌の枅に朝貢を玍め続け、薩摩藩は琉球王囜を支配し、日本に慶賀䜿や謝恩䜿を送りたした。束前藩は、蝊倷地北郚のアむヌずの亀易を蚱され、䞭囜から物資を入手するためにアむヌを利甚したした。 - 䞭囜は明枅亀代期の動乱が続いおおり、枅朝は厳しい海犁政策を採甚したした。この政策により、民間人の海倖枡航や貿易が困難になりたした。 - 17䞖玀埌半には、倧亀易時代は終わりを迎え、東アゞアの囜家が倖亀を担圓するようになりたした。 - 東アゞアの各囜は長い間安定しおいたため、経枈的にも緩やかな成長を続けおいたした。日本では蟲業やその他の産業が発展し、海運や河川舟運、街道などのむンフラが敎備され、党囜的に物を売る垂堎が圢成されたした。このため各地に郜垂が発展し、江戞、倧阪、京郜は䞖界でも有数の倧郜垂ずなりたした。 近䞖東アゞアの囜際秩序 近䞖東アゞアの囜際秩序は、明朝、朝鮮王朝、日本などの囜々の間での政治的、経枈的、文化的な亀流によっお圢成されたした。この期間は、玄1400幎から1800幎たで続き、明朝が衰退し、枅朝が台頭するなど、東アゞアの政治的な勢力図が倧きく倉化したした。 東アゞアの囜際秩序は、䞭囜を䞭心ずしお展開されたした。䞭囜は、呚蟺諞囜ずの貿易や亀流を行い、文化や技術の䌝播に倧きな圹割を果たしたした。たた、䞭囜は、呚蟺諞囜ずの玛争解決や倖亀亀枉にも積極的に取り組みたした。 䞀方、朝鮮王朝は、䞭囜ずの関係を重芖し、明朝の皇垝に朝貢し、亀易を行いたした。たた、朝鮮は、日本や琉球などの呚蟺囜ずの貿易も行い、文化や技術の亀流を進めたした。 日本は、江戞時代に入るず、鎖囜政策をずり、倖亀亀枉を制限したした。しかし、オランダや䞭囜、朝鮮ずの貿易は続けられ、蘭孊や掋匏技術の導入が進められたした。 近䞖東アゞアの囜際秩序は、東アゞア各囜の亀流や文化の亀流、そしお倖亀亀枉によっお圢成されたした。
りィヌン倧孊の匁護士ロヌレンツ・フォン・シュタむンは、明治政府の指導者達が次々ずペヌロッパに行き、憲法を孊んだず蚘しおいたす。圌は「我々の䞭のどんな芁玠が圌らを動かしおいるのだろうか」ず問いかけたした。なぜ、明治政府の指導者達は憲法を成立させたのでしょうか 倧日本垝囜憲法の制定 板垣退助ず埌藀象二郎は、幎、政府に民遞議院蚭立建癜曞を送りたした。圌らは、倧久保利通を䞭心ずする政府の専制政治を批刀しお、囜䌚開蚭を蚎えたした。こうしお自由民暩運動が盛り䞊がりたした。幎、明治政府は幎埌の囜䌚開催を玄束するずずもに、君䞻暩の匷い憲法の制定に合意したした。幎には、䌊藀博文などをペヌロッパに掟遣しお、憲法を孊ばせたした。䌊藀博文は䞻にドむツの憲法理論を孊んでから、日本に垰囜したした。そしお、朝廷を倉えお内閣制にするなど、囜のあり方を倉えるような制床改革を抌し進めたした。それから憲法は、䌊藀博文などの協力で秘密裏に曞き進められたした。枢密院倩皇の諮問機関で䜕床も話し合われた埌、幎月日に倧日本垝囜憲法明治憲法が正匏に制定されたした。 倩皇は倧日本垝囜の欜定憲法を定めお、囜民に䞎えたした。そのため、倩皇には倧きな暩力が䞎えられたした。囜䌚は宣戊垃告、講和、条玄締結、陞海軍の指揮をずれたせんでしたが、倩皇はその党おを行えたした倩皇倧暩。倩皇制の䞭で、憲法は立法、行政、叞法の䞉暩分立制を定めたした。しかし、政府は囜䌚よりも倧きな暩限を持ち、囜䌚は䞀定のルヌルに埓わなければなりたせんでした。垝囜議䌚には、貎族院ず衆議院の二院がありたした。どちらも政府が提出する法案や予算を審議する暩限は同じように持っおいたした。䞀方、囜民は倩皇の臣民ず芋られるので、法埋を砎らなければ、信教、蚀論、集䌚などの自由が䞎えられおいたした。たた、日本では衆議院議員を制限遞挙で決められたした。その結果、囜䌚が囜政に参加出来るようになりたした。぀たり、日本はアゞアで最初の近代立憲囜家ずなりたした。〜幎の日枅戊争埌は、枅囜や朝鮮半島など、西掋的近代化の手本ずなりたした。 条玄改正の実珟 憲法が制定されるず、䞍平等条玄を倉曎する理由が出来たした。欧米が条玄を倉えたがらなかったのは、日本の法兞敎備があたり進んでいないからでした。しかし、その理由がなくなっおしたいたした。たた、それたでの亀枉で、倖囜人を裁刀官に任甚するなどの歩み寄りもありたした。囜内では匷い反察があっおも、完党に平等な条玄改正の条件が敎いたした。 幎にロシアがシベリア鉄道の建蚭を始めるず、むギリスは日本ずの関係を改善したいず考え、方針を転換しお条玄倉曎に同意したした。滋賀県倧接垂で、ロシア皇倪子埌のニコラむ䞖来日時に譊護の譊官が切り぀けられた「倧接事件」が起こり、亀枉が䞀時䞭止されたした。しかし、日枅戊争盎前の幎、陞奥宗光倖盞がむギリスず通商航海条玄を結んで領事裁刀暩を廃止するず、他の欧米諞囜も同じように領事裁刀暩を廃止したした。幎の日露戊争終結埌、小村寿倪郎が倖務倧臣だった頃、日本に残っおいた関皎自䞻暩も回埩したした。぀たり、開枯から幎、日本は条玄䞊、欧米諞囜ず同じ地䜍を手に入れたした。
ここでは、重芁甚語を茉せおいたす。 囜家・政治・瀟䌚 - 䞻暩囜家ずは、他囜に助けおもらわなくおも、自囜の領土ず囜民を運営出来る囜家をいいたす。 - 独立囜家ずは、その囜民の団結力、文化、蚀語、歎史に基づく独立した囜家をいいたす。 - 垝囜ずは、䞀人の皇垝が耇数の民族や囜を支配しおいる囜をいいたす。たた、匷力な軍事力を䜿っお䞖界䞭に怍民地を広げた近代列匷にも䜿われたす。 - 立憲制ずは、憲法に基づいお、囜民に暩力を持たせる行政の仕組みをいいたす。 - 共和制共和政ずは、王や女王がいない政府の皮類をいいたす君䞻制の反察の考え方。囜民が倚くの暩力を持぀堎合だけでなく、遞挙が少なかったり、䞀郚の人しか暩力を持たない堎合も民䞻䞻矩ずいえたす。ペヌロッパの歎史では、「共和制」ずいわれる堎合も少なくありたせん。 - 制限遞挙ずは、お金や玍皎額、瀟䌚的地䜍などの条件から、投祚する人を制限する制床をいいたす。 - 普通遞挙ずは、制限を蚭けず、ある幎霢以䞊の党おの囜民に投祚暩を持たせる制床をいいたす。 - 政党内閣ずは、銖盞をはじめ、ほずんどの閣僚が同じ政党からなる内閣をいいたす。 - 党䜓䞻矩ずは、䞀人䞀人の欲求や自由よりも、囜家や瀟䌚党䜓の欲求を優先させようずする思想や運動をいいたす。 - 瀟䌚運動ずは、瀟䌚問題を解決したり、様々な暩利を拡倧したり、制床を改善したりしようずする掻動をいいたす。 - 民族自決ずは、他の囜や民族に邪魔されずに、それぞれの民族が自分の所属や政治䜓制を自分で決められるずいう意味です。 - ナショナリズムずは、民族や囜家が自由になっお、団結しお、発展しようずいう考え方や運動をいいたす。「囜家䞻矩」「民族䞻矩」などず蚳されたすが、個人や囜民の利益より囜家を優先させる堎合は「囜家䞻矩」ず蚳されたす。 経枈・貿易 - 広い意味の資本ずは、事業を行ったりするためのお金の出所をいいたす。狭い意味の資本ずは、生産に必芁な䞉芁玠劎働・土地・資本の䞀぀です。工堎・機械・道具・原材料や補品の圚庫などを新たな生産掻動に投入したす。 - 倖囜資本ずは、倖囜人・倖囜政府が投資した資本をいいたす。 - 民族資本は、怍民地や埓属囜に䜏む人達から生たれた資本をいいたす。 - 恐慌ずは、経枈の混乱・倱業・䌁業の倒産をいいたす。 - 自由貿易ずは、政府が倖囜ず貿易を行う時に、䜕の制限を蚭けず、関皎などの貿易障壁をなくす貿易です。 - 保護貿易ずは、政府が囜内産業を保護しお発展させるために、倖囜貿易を政府の意思で行えるようにする貿易です。保護貿易では、関皎をかけたり、茞入に制限を加えたりしたす。 領土支配 - 列匷ずは、軍事力・経枈力ずもに匷い囜をいいたす。特に19䞖玀埌半から20䞖玀前半にかけお、日本や欧米諞囜が垝囜䞻矩を支えたした。 - 宗䞻囜ずは、他囜や地域の政府・倖亀・軍事などを動かす暩利を持぀囜をいいたす。 - 保護囜ずは、条玄によっお他囜から保護を受ける独立囜をいいたす。保護する囜を保護囜、保護される囜を被保護囜ずもいいたす。保護囜になるず、通垞、囜内政治は認められたすが、倖亀は制限されたす。 - 怍民地ずは、倖囜の人々がその囜に移䜏しお䜜った堎所や倖囜から政治・経枈を支配された地域をいいたす。経枈がその囜ず密接に結び぀いたため、原材料の䟛絊地ずなっお、商品や資本が送り蟌たれたした。 - ある囜が他の囜から土地を借りお、そこに長く滞圚する土地を租借地ずいいたす。倚くの堎合、土地を借りた囜は、借りた土地に察しお様々な政治的支配、軍事的支配を行えたした。このため、土地を貞した囜は、その領土を実効的に支配出来るようになりたした。
本節は、途䞊囜から芋た囜際関係理論の特集です。高校生には難しい論点ばかりなので、興味がある人だけ読み進めおください。実際の囜際関係論は、このように奥深く、囜際関係理論を解説しおいたす。 囜際関係理論の非察称性 囜際関係の思想・理論・歎史の倧半は、ペヌロッパやアメリカのような「匷囜」「倧囜」「先進囜」の芖点から曞かれおいたす。そのため、「匷囜」「倧囜」「先進囜」の思想・理論・歎史は、ある意味「正しい」ず思っおしたいたす。しかし、倧半の䞖界各囜は匱小囜・発展途䞊囜ずしお考えられおおり、欧米諞囜から倧半の䞖界各囜を無芖・軜芖・優遇しおきた長い歎史がありたす。倧囜ず小囜の力関係や先進囜ず発展途䞊囜の力関係は決しお倉わりたせん。マルクス䞻矩は、どうしお間違っおいるのかを説明しようずする理論がいく぀かあるだけです。䞖玀になっおから、囜際関係を発展途䞊囜の芖点から芋る考え方が登堎したした。この考え方はマルクス䞻矩を手本ずしおいるため、ネオ・マルクス䞻矩ずも呌ばれおいたす。 ラりル・プレビッシュ ラりル・プレビッシュは、アルれンチンの経枈孊者です。囜連貿易開発䌚議の初代事務局長でしたが、デノィッド・リカヌドの囜際分業盞互利益説を吊定しおいたす。䞖界を「䞭心」ず「呚蟺」に分ける「䞭心・呚蟺論」を考えたした。先進囜が䞭心で、途䞊囜が倖偎になりたす。䞭心・呚蟺構造によっお、発展途䞊囜ほど鉱業や蟲産物などの䞀次産品の生産に専念するようになり、開発の遅れが目立぀ようになるずしおいたす䞀次産品亀易悪化説。ずころで、発展途䞊囜がもっず豊かになるためにはどうしたらいいのでしょうか。ラりル・プレビッシュは、この質問に察しお、「茞入代替工業化案」を瀺したした。茞入代替工業化案の内容は、発展途䞊囜は先進囜に売るための䞀次産品の生産をやめお、高く儲かる工業補品を生産するようになりたす。ラりル・プレビッシュの理論を参考にしながら、南アメリカは茞入代替工業化案を採甚したした。しかし、南アメリカの経枈に倚囜籍䌁業を参入させたので、経枈に悪圱響を䞎えおしたいたした。 アンドレ・グンダヌ・フランクの埓属理論 埓属理論ずは、途䞊囜呚蟺の経枈が、䞖界資本䞻矩䜓制に組み蟌たれお、先進囜䞭心に埓属するようになった堎合を説明する理論です。その結果、途䞊囜は、経枈・政治・瀟䌚・文化などの分野で先進囜に倧きく遅れをずり、未開発状態のたた取り残されおしたいたす。幎代、ラテンアメリカの瀟䌚孊や経枈孊で、この埓属理論が囜際関係を考える方法ずしお芋盎されるようになりたした。 ドむツ出身でチリ倧孊・カリフォルニア倧孊の経枈孊者アンドレ・グンダヌ・フランクは、ラりル・プレビッシュ理論の問題点に察応するために、埓属理論を考えたした。アンドレ・グンダヌ・フランクは、ラりル・プレビッシュが䜿っおいた「䞭心」を「銖郜メトロポリス」、「呚蟺」を「衛星サテラむト」ず蚀い換えたした。銖郜は衛星から経枈の䜙剰を奪っお、発展する䞀方で、衛星は埓属され、開発されなくなるず述べたした。たた、ラりル・プレビッシュの茞入代替工業化に反察したした。途䞊囜は資本䞻矩ず瞁を切れば枈むず䞻匵したした。そしお、䞭囜やキュヌバのように瀟䌚䞻矩革呜をしお、瀟䌚の改善を図りたした。しかし、キュヌバは瀟䌚䞻矩革呜で景気回埩をしおいたせん。 その他の埓属理論 ラりル・プレビッシュからアンドレ・グンダヌ・フランクたで、ネオ・マルクス䞻矩は倧きく぀の流れを持぀ようになりたした。 - ゚ゞプト人のサミヌル・アミンなどが急進的埓属理論を考えたした。途䞊囜ず先進囜の関係によっお耇雑な瀟䌚構造を招くず、途䞊囜が経枈的に成長出来なくなっおいるず述べたした。たた、途䞊囜は、資本䞻矩以前の旧匏な生産方匏ず、資本䞻矩以降の近代的な生産方匏が䞀緒になっおいたす。この状態をなくすために、民族自決ず瀟䌚䞻矩革呜によっお、途䞊囜の自立を蚎えたした。 - ブラゞル人のフェルナンド・゚ンリケ・カルドヌゟなどが改革掟埓属理論を考えたした。第二次䞖界倧戊埌の資本䞻矩は、マルクス・レヌニン䞻矩が語るような、独占金融資本に搟取される仕組みはなくなりたした。産業は蟲業から工業に移行しお、倚囜籍䌁業も参加する仕組みになりたした。先進囜から途䞊囜に資本移転も行われおいたす。その結果、途䞊囜でも垂堎経枈が生たれたす。それなのに、フェルナンド・゚ンリケ・カルドヌゟは、南アメリカの軍事独裁政暩でも、所埗再配分ず教育氎準の向䞊によっお、途䞊囜でも「内郚からの発展」は出来るず述べたした。幎代、ブラゞルの軍事政暩が厩壊するず、フェルナンド・゚ンリケ・カルドヌゟはブラゞル蔵盞ず銖盞に就任したした。その埌、瀟䌚民䞻䞻矩政策を実斜したした。 - 平和孊でも、䞭心・呚蟺理論は、構造的暎力理論に倉わりたした。構造的暎力理論は、ノルりェヌ人のペハン・ガルトゥングが、䞖界䞭の貧困ず抑圧に泚目しお研究されたした。 - アメリカ人のむマニュ゚ル・りォヌラヌスティンは、䞖界システム論を考えたした。䞭心・呚蟺理論を甚いお、歎史の始たり、発展、終わりを調べたした。 ペハン・ガルトゥング ペハン・ガルトゥングの平和論は、新垝囜䞻矩論・構造的垝囜䞻矩論ずも呌ばれおいたす。ペハン・ガルトゥングの芁点は、「暎力」ず「平和」に関する独自の考え方です。暎力は皮類、平和も皮類ありたす。 暎力 盎接的暎力ず構造的暎力がありたす。盎接的暎力ずは、他人を傷぀けたり殺したりする堎合をいいたす。倫の暎力で劻の殺害や粟神的苊痛を䞎えた堎合、暎力を振るった人加害者ず暎力で傷぀けられた人被害者が誰なのかが分かりたす。これに察しお、構造的暎力ずは、男性が女性を無知や服埓の立堎に閉じ蟌めおおく堎合をいいたす。䟋えば、男性䞭心の䌝統が残っおいお、劻が奎隷のように倫に埓わなければならない地域があおはたりたす。この堎合、実際の人間に暎力が加えられる堎合ず違っお、男性䞭心瀟䌚の仕組みから、女性は暎力の被害者を芋぀けられない奎隷のような䞍平等な立堎に远い蟌たれたす。 平和 消極的平和ず積極的平和がありたす。消極的平和ずは、盎接的暎力がない堎合をいいたす。積極的平和ずは、構造的暎力がない堎合をいいたす。これを螏たえお、ペハン・ガルトゥングは、途䞊囜の貧困・抑圧・飢逓・䞍平等の䞻な原因は構造的暎力だず指摘したした。その䞊で、積極的平和を目指すように蚎えたした。この構造的暎力論は、途䞊囜でも先進囜でも問題解決に䜿えたす。東ペヌロッパなど旧瀟䌚䞻矩囜内の政治的抑圧から、先進囜内の人皮差別問題や男女差別問題たで察応出来たす。 むマニュ゚ル・りォヌラヌスティンの「䞖界システム論」 むマニュ゚ル・りォヌラヌスティンの理論を理解する前に、あず぀の考え方を知っおおきたしょう。第䞀に、近代ペヌロッパは䞖玀の地䞭海䞖界から始たったず説明しお、政治史や倖亀史ではなく、瀟䌚経枈史や民俗史の立堎から歎史を芋おいく「フランス・アナヌル孊掟」の孊説です。このアナヌル孊掟の最も重芁な研究者はフェルナン・ブロヌデルなどです。第二に、「コンドラチェフの波」ず呌ばれる理論です。コンドラチェフの波ずは、䞖界経枈は奜景気ず䞍景気の繰り返しを幎皋床続けるずいう内容です。 むマニュ゚ル・りォヌラヌスティンは、アナヌル孊掟、コンドラチェフの波、埓属理論などの考えをたずめお、䞖界システム論を考えたした。幎に出版された『近代䞖界システム』によるず、資本䞻矩システムは、ラりル・プレビッシュが考えおいたような「䞭心・呚蟺」の二局構造で成り立っおいたせん。「䞭心・準呚蟺・呚蟺」ずいう局構造で成り立っおおり、それぞれの䞭心は幎ごずに、生成・確立・安定・衰退ずいう぀の段階をたどりたす。人々のお金の持ち方に差があるため、局構造になっおいたす。準呚蟺ずは、䞭心ず呚蟺の䞭間的地垯です。䞭心は準呚蟺ず呚蟺を䞊手く䜿い分け、準呚蟺は呚蟺を䞊手く䜿う仕組みになっおいたす。 むマニュ゚ル・りォヌラヌスティンの「反システム運動」 むマニュ゚ル・りォヌラヌスティンから芋た「反システム運動」の内容に぀いおも理解しおおきたしょう。䞖界経枈は成長ず瞮小を繰り返しながら、商品やサヌビスが商品化する動きを加速させ、商品経枈の察象ずなる地域も増えおきたした。この傟向が続くず、商品経枈が限界に近づき、各囜の違いを掻かしお皌げなくなりたす。こうした状況に察しお、むマニュ゚ル・りォヌラヌスティンは、「反システム運動」によっお「瀟䌚䞻矩䞖界政府」が実珟されるず考えおいたす。 資料出所 - 倧卒皋床公務員詊隓準拠テキスト 専門科目 ⑭囜際関係 東京アカデミヌ線著 呌守康著
鉄道開業以前 鉄道が走り始めた頃、その速さに倚くの人々が驚きたした。圓時の人々は、鉄道がこんなに速いずは想像もしおいたせんでした。鉄道以前のむギリスでは、銬車が䞀番速い移動手段でした。 䞭䞖は、蟲耕生掻をしながら自絊自足の生掻を送っおいたした。物や人の移動はほずんど地域瀟䌚内で行われ、遠距離の移動は皀でした。近䞖になり郜垂が発展するず、蟲村ず郜垂の間の移動が掻発になりたした。人々は蟲村から蟲産物を運び、郜垂で手工業補品を䜜りたした。圓時、移動の䞻な手段は銬が匕く銬車でした。そのため道路も敎備されたした。 1625幎、初めお銬車が公共亀通機関ずしお䜿甚されるようになりたした。最初はロンドンで駅銬車が運行されたした。その埌、長距離の駅銬車が運行されるようになりたした。1678幎には、゚ディンバラからグラスゎヌたで6頭立おの駅銬車が運行されたした。この6頭立おの駅銬車は、片道玄70kmを1日で走砎したした。 郵䟿制床が発展するに぀れお、囜民はより速い銬車を求めるようになりたした。1785幎からは速達の郵䟿銬車「メヌル・コヌチ」が、ロンドンず゚ディンバラの間を走り始めたした。1788幎には、ロンドンずグラスゎヌの間でも運行されるようになりたした。18䞖玀に入るず、道路や銬車のスプリングが敎備されたした。この䞭で、四頭立おの銬車はロンドンず䞻芁郜垂を時速9〜10マむル玄15キロ前埌で結びたした。 本栌的な鉄道開通前の1823幎、むギリスでは蒞気で走るスチヌムバスが登堎したした。平均時速20km、最高時速30kmでしたが、銬車に比べるずただただ䜎速でした。たた、音が倧きく、煙を吐き、カタカタず音を立おるので、「危険」「道路に悪圱響を䞎える」ずいう反察意芋もありたした。そのため、䞍人気であたり売れない自動車でしたが、最埌の1台は1923幎たで生産され、ちょうど100幎になりたした。 鉄道が本栌的に開通する前、むギリスの炭鉱地垯においおは、鉄道が少しず぀進展しおいたした。1712幎にトヌマス・ニュヌコメンが発明した蒞気機関は、䞊䞋にしか動かないもので、炭鉱や小川から氎を汲み出しお利甚する皋床に留たりたした。しかし、1780幎にゞェヌムズ・ワットが回転匏蒞気機関を発明するず、蒞気機関は色々な分野で利甚されるようになりたした。 圓時、銬がトロッコ列車を匕いお炭鉱から最寄りの石炭積み出し枯たで運んでいたしたが、すぐにゞェヌムズ・ワットの蒞気機関補の蒞気機関車に眮き換わりたした。これらの炭鉱地垯の路線は、それぞれ独立しおおり、繋がっおいたせんでしたが、19䞖玀に入るず、総延長2400kmにたで拡倧したした。 1804幎、りェヌルズ出身のリチャヌド・トレノィシックが初めお蒞気機関車を補䜜したした。この機関車は、10トンの貚物ず70人を乗せた貚車5台を、平均時速80キロで15キロメヌトルを2時間かけお走砎したした。 列車が銬車よりも速く、倧量に人や物を運び出せたので、むギリス囜民は鉄道建蚭を望むようになりたした。トヌマス・グレむの『鉄道抂論』は、ただ旅客列車が建蚭される前の1820幎に出版されたしたが、すぐにベストセラヌずなり、5版を重ねたため、むギリスでの鉄道の知名床ず期埅床が高たったずされたす。 トヌマス・グレむは、「䞀般鉄軌道に関する所芋」ずいう著䜜で、自身の研究に぀いお述べおいたす。銬1頭は劎働者8人分の穀物を食べ、たた、銬や人は䞊䞋に移動しなければならないため、゚ネルギヌが浪費されたす。䞀方、蒞気機関は芏則正しく連続的で非垞に滑らかな回転運動をするため、゚ネルギヌ効率が高く、銬車の堎合は運転手のミスや動物虐埅、悪路などによる遅延や故障、事故が起こるかもしれたせんが、鉄道ではそういった心配はありたせん。 ゞョヌゞ・スティヌノン゜ンは、19䞖玀初頭にむギリスで掻躍した技術者で、蒞気機関車の開発者ずしお知られおいたす。圌は、䞖界で最初の公共鉄道の1぀であるストックトン・アンド・ダヌリントン鉄道の建蚭にも関䞎したした。 ゞョヌゞ・スティヌノン゜ンは、蒞気機関車の蚭蚈に倚くの革新をもたらし、燃費の向䞊や速床の増加を実珟したした。たた、圌は鉄道の軌道や橋梁などのむンフラストラクチャヌの蚭蚈にも貢献し、これらの技術は珟代の鉄道建蚭にも匕き継がれおいたす。 鉄道開業埌 ストックトン・アンド・ダヌリントン鉄道は、1825幎に開業し、圓時は銬車による運搬が䞀般的であった石炭の運搬に䜿われたした。ゞョヌゞ・スティヌノン゜ンはこの鉄道の蚭蚈に携わり、蒞気機関車「ロケット号」を開発し、鉄道の速床ず貚物茞送胜力を倧幅に向䞊させたした。この鉄道の成功は、蒞気機関車を䜿った鉄道建蚭の先駆けずなり、19䞖玀における産業革呜の発展に倧きく貢献したした。 リバプヌル・アンド・マンチェスタヌ鉄道は、1830幎に開業したむギリスの鉄道で、䞖界で最初の公共鉄道の1぀ずされおいたす。この鉄道は、蒞気機関車による列車運行により、貚物茞送だけでなく人々の移動にも倧きな圱響を䞎えたした。たた、この鉄道の建蚭は、圓時の技術革新ず、むギリスの工業革呜の進展に圹立ちたした。 本鉄道の建蚭予定区間の途䞭に、詊運転に䜿える4キロメヌトルの平坊な盎線区間がありたした。党線の完成前に、この盎線区間で蒞気機関車の競技䌚を開いお、路線に䜿甚する蒞気機関車を決めたした。懞賞金付きの募集で、5台の機関車が応募したした。 1829幎10月6日、科孊者や芳察者含む15000人が集たり、今䞖玀で最重芁むベントずなったこのトラむアルを芳戊したした。最初のノベルティヌ号はすぐに時速45キロを蚘録したした。その埌のサむクロベッド号はベルトの䞊を銬がトロトロ歩いお移動したので、脱萜したす。たた、次のパヌシノァランス号も、時速10キロの最高速床だったので、脱萜したした。サン・パリヌル号はシリンダヌの砎損から、途䞭で操瞊出来なくなりたした。ノベルティヌ号も、ボむラヌの配管が故障したした。このような状況でも、ゞョヌゞ・スティヌブン゜ンのロケット号は決められた条件を唯䞀満たしたした。ゞョヌゞ・スティヌブン゜ンのロケット号は最高時速56km、平均時速22kmだったので、すぐに営業運転に䜿われるようになりたした。 政治家のトマス・クリヌビヌは、詊乗のため倧䌚に招埅され、その速さを気に入りながらも、安党性に぀いお非垞に心配しおいたした。「ただ乗っおいるだけなのに、぀たらない事故で乗っおいる人党員が即死しおしたうのではないかず思うず、䞍安で仕方ありたせん。」ず語りたした。 1830幎9月15日、リバプヌルマンチェスタヌ間に初めお列車が走りたした。列車は22䞡線成で、49.5キロメヌトルを4時間半かけお走りたした。1832幎、急行列車は衚定速床時速33kmで1時間半かけお走り、普通列車は時速24kmで2時間かけお走りたした。圓時の衚定速床は時速玄11km、最高速床は時速玄30kmでした。それが開業時になるず、すでに2〜3倍の速床になり、ダむダに反映されるようになりたした。 資料出所 - 創元瀟『鉄道高速化物語最速から最適ぞ』 小島英俊著 2021幎
第二次䞖界倧戊ずその埩興に時間をかけた埌、幎代以降、䞀郚の囜の経枈は目芚しい成長を遂げたした。このような経枈の成長は、私達の瀟䌚に䜕をもたらしおきたのでしょうか。 日本ず西ドむツの経枈成長 第二次䞖界倧戊埌、囜際経枈は金・ドル䜓制になりたした。アメリカは経枈的に順調で、これを「パクス・アメリカヌナアメリカの平和」ずいいたした。アメリカは資本䞻矩囜に技術や資金を提䟛しお、埩興ず工業化を支揎したした。幎代のむギリスは、軍事費の増倧ず公共投資によるむンフレのため、経枈成長は緩やかでした。䞀方、西ドむツず日本は、茞出による貿易黒字があったため、経枈が急成長したした。 高床経枈成長ず人々の生掻 朝鮮戊争で需芁が高たり、日本経枈は戊前の氎準に戻りたした。幎代䞭頃から幎代初めにかけお、日本経枈は急成長を遂げたした高床経枈成長期。岞信介内閣は日米安保条玄改定ぞの反察安保闘争で退陣したした。次の池田勇人内閣は「所埗倍増」を掲げお公共投資を拡倧し぀぀、技術革新や貿易振興など積極的な財政政策を実斜したした。 日本では、経枈成長によっお、倧量生産・倧量消費が広たった結果、消費革呜や゚ネルギヌ革呜ず呌ばれる瀟䌚倉化が起こり、囜民生掻も倧きく倉わりたした。 次のような瀟䌚倉化は、珟圚の暮らしでも぀ながっおいたす。 - 䞉皮の神噚や新䞉皮の神噚ずよばれた耐久消費財の普及 - テレビ攟送や挫画雑誌などメディアの倚様化 - 高速道路や新幹線に代衚される亀通網の敎備やモヌタリれヌション - むンスタント食品や流通の拡倧によるスヌパヌマヌケットの誕生 たた、幎の第次東京オリンピック[1]、幎の倧阪䞇博は、日本の埩興ず経枈成長を海倖に瀺したした。 成長のもたらした課題 䞀方で、先進囜の経枈成長によっお、倧きな問題も起きおいたす。産業や開発が急速に発展したため、公害や自然砎壊が匕き起こされたした。ペヌロッパでは倧気汚染が酞性雚を匕き起こし、囜境を越えお被害をもたらしおいたす。環境問題を解決するためには、これたでの枠組みにこだわらないで、囜家同士が協力しおいく必芁がありたす。 日本でも、環境汚染や亀通枋滞で生掻環境が悪化したした。環境汚染では、氎俣病、新期氎俣病、むタむむタむ病、四日垂喘息など深刻な瀟䌚問題公害問題を匕き起こしお、四倧公害裁刀などの蚎蚟も頻繁に行われたした。工業化、蟲業の機械化、枛反政策によっお、産業構造が倉化したした。その結果、蟲村から郜垂ぞず倚くの人が移動したので、郜垂は過密ずなり、蟲村は過疎化したした。 こうした問題を受けお、日本政府は幎に公害察策基本法を制定したほか、幎になるず、環境庁を蚭眮したした。䞀方、日本瀟䌚党や日本共産党など新しい勢力の支持を集めお、環境政策や瀟䌚政策を掚進する銖長が、各地で支持を集めおいきたした。 ここに泚意 - ^ 第次ずしたのは、幎に東京オリンピックがもう回開催されたためです。そのため、執筆者自身が第次ず付けたした。
高等孊校歎史総合/8月15日ずそれぞれの「終戊」 < 高等孊校歎史総合高等孊校歎史総合/月日ずそれぞれの「終戊」 から転送 小孊校・䞭孊校・高等孊校の孊習>高等孊校の孊習>高等孊校地理歎史>高等孊校歎史総合>月日ずそれぞれの「終戊」 倏の甲子園党囜高校野球遞手暩倧䌚で、月日の正午に詊合が䞭断され、皆が黙っお立っおいるのをご芧になりたせんか日本では、月日は戊争で亡くなった人達を远悌しお、平和を祈る日ずなっおいたす。月日は、なぜこのような特別な日になったのでしょうか 幎月日 第二次䞖界倧戊の終結 幎月日に「終戊の詔曞」が発衚され、幎月日正午にラゞオで倩皇陛䞋が自ら読み䞊げる録音が流れたした玉音攟送。「終戊の詔曞」は、ポツダム宣蚀を日本が受け入れ、第二次䞖界倧戊の終結を皆に知らせるための倩皇陛䞋の呜什でした。残された倚くの䞋曞きを芋るず、この文章が䜕床も倉えられおいたす。幎月日、新聞各玙は「終戊の詔曞」を掲茉したした。 「終戊」をむかえた人々 月日から月日にかけお、䞖界䞭の人々が終戊のお知らせを聞きたした。䞊の資料『ヒロシマ日蚘』から、終戊をどのように感じおいたかが䌝わっおきたす。 たずめ 資料から、どんな歎史を孊べたでしょうか。月日はどんな日になるず思うか考えおみおください。
高等孊校歎史総合 (通垞版) 枅氎曞院準拠版ずは別に䞭孊校瀟䌚 歎史のような党教科曞察応系の普遍版を甚意したした。内容は珟圚未完成です。たた、目次配列も埮劙です。これから各瀟の歎史総合の教科曞を調査しながら䜜っおいきたす。 近珟代 明治時代ころ - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/日本の明治維新 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/日本の領土をめぐる問題 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/日枅戊争ず日露戊争 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/3B政策ず3C政策 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/明治の囜䌚ず政党 二぀の䞖界倧戊 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/第䞀次䞖界倧戊ず日本 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/ロシア革呜ずシベリア出兵 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/第䞀次䞖界倧戊埌の民族䞻矩の高たり - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/日本の倧戊景気ず金融恐慌 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/䞖界恐慌ずブロック経枈 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/戊前昭和の日本倖亀 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/満州事倉 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/第二次䞖界倧戊ず日本 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/第二次䞖界倧戊の終結
高等孊校歎史総合 (通垞版) 高等孊校歎史総合通垞版 から転送 枅氎曞院準拠版ずは別に䞭孊校瀟䌚 歎史のような党教科曞察応系の普遍版を甚意したした。内容は珟圚未完成です。たた、目次配列も埮劙です。これから各瀟の歎史総合の教科曞を調査しながら䜜っおいきたす。 近珟代 明治時代ころ - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/日本の明治維新 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/日本の領土をめぐる問題 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/日枅戊争ず日露戊争 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/3B政策ず3C政策 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/明治の囜䌚ず政党 二぀の䞖界倧戊 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/第䞀次䞖界倧戊ず日本 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/ロシア革呜ずシベリア出兵 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/第䞀次䞖界倧戊埌の民族䞻矩の高たり - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/日本の倧戊景気ず金融恐慌 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/䞖界恐慌ずブロック経枈 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/戊前昭和の日本倖亀 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/満州事倉 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/第二次䞖界倧戊ず日本 - 高等孊校歎史総合 (通垞版)/第二次䞖界倧戊の終結
高等孊校歎史総合 (通垞版)/日本の領土をめぐる問題 日本には、囜際法などに照らしお日本固有の領土であっおも、近隣諞囜ず領土をめぐっお問題が発生しおいる地域がありたす。 北方領土、竹島、 ここでは、北方領土、竹島、尖閣諞島が日本固有の領土になった経緯を芋おいきたしょう。 課題 北方領土、尖閣諞島、竹島はどのような経緯で日本固有の領土になったのだろう。 北方領土、尖閣諞島、竹島の珟状はどのようなものなのだろう。 北方領土 17䞖玀前半には、 こうした島々では、18䞖玀の半ばから、ロシア人が進出し、日本人の䜏民ずの間で察立が起こっおいたした。そこで幕府は、これらの島々を盎接統治するず決め、囜埌島から択捉島たでの調査を行い、択捉島に「倧日本 1855幎 明治に入った1875幎明治8幎には、暺倪・ その頃、日本人が開拓を進めおいた北方領土では、倚くの日本人が移䜏し、海産物の加工や畜産などが行われるようになりたした。1945幎昭和20幎の第二次䞖界倧戊終結時には、玄1侇7000人の日本人が暮らしおいたした。 第二次䞖界倧戊埌の占領から独立するために、サンフランシスコ講話条玄が締結されるず、千島列島を攟棄するこずになりたしたが、北方領土は攟棄に含たれなかったため、これたで通り、日本の領有暩が維持されたした。 しかし、1945幎昭和20幎に゜連が囜際法に違反しお北方領土を䟵略し、北方領土を䞍法占拠しおいたため、戊埌、日本の実行支配が及ぶこずはありたせんでした。日本政府は、日本固有の領土である北方領土を䞍法に占拠した゜連に抗議したしたが、返されたせんでいた。 その埌に゜連が厩壊し、ロシアになった埌も北方領土に察する䞍法占拠は続きたした。日本政府は、ロシアに抗議し、北方領土を返還するよう求めおいたすが、未だに返還されおいたせん2022幎珟圚。 1980幎昭和55幎には、日露和芪条玄が締結された2月7日を「北方領土の日」ずするこずが囜䌚で決たりたした。 竹島 島根県の 17䞖玀初期から江戞幕府が 竹島束島でのあしか猟は、明治時代の終わり頃から本栌化し、倚くの持民が猟を行うようになり、民間の竹島利甚がさかんになりたした。 こうした䞭、隠岐島民が、安定した猟のために竹島を島根県に線入するこずを政府に願い出たした。これを受けお政府は、1905幎明治38幎1月に竹島の線入を閣議決定しお、正匏に「竹島」ず呜名し、名実ずもに日本固有の領土ずなりたした。 こうしお政府は、竹島の領有の意思を再確認したした。 竹島でのあしか猟は、戊争がはじたる1941幎昭和16幎たで続きたした。 第2次䞖界倧戊埌のサンフランシスコ講和条玄においおも、韓囜は竹島の領有暩を䞻匵したしたが、日本固有の領土であるこずが認められ、日本の領有暩は維持されたした。 しかし、竹島の領有暩を䞻匵する韓囜は、1952幎昭和27幎、囜際法に違反しお日本海䞊に䞀方的に李承晩ラむンを匕き、ラむンを超えたずする日本持船を 日本政府は、こうした韓囜の行動に察しお厳しく抗議し、 竹島の䞍法占拠は、2022珟圚たで続いおいたす。2005幎平成17幎には、島根県議䌚が竹島の線入を告瀺した2月22日を「竹島の日」ず定めたした。 尖閣諞島 もずもず 1885幎明治18幎から日本政府は、尖閣諞島に぀いお沖瞄県を通じお珟地調査を行い、無人島であるこずや圓時の枅をはじめずするどこの囜の支配も及んでいないこずを慎重に確認した䞊で、1895幎明治28幎に尖閣諞島を線入し、日本の領土であるこずを瀺す暙柱を立おるこずにしたした。こうしお尖閣諞島は、日本固有の領土になりたした。 尖閣諞島では、19䞖玀末から日本人による開拓が本栌化し、倚くの人々が移䜏したした。倚い時には、200人以䞊の人々が暮らしおいたした。 䞭心ずなった魚釣島では、「 こうした尖閣諞島に察する実行支配は、珟圚も及んでおり、領土問題は存圚したせん。 1970幎代ごろから日本固有の領土である尖閣諞島の海域に油田の存圚が確認されるず、䞭囜などが領有暩を䞻匵するようになりたした。 そしお2010幎には、䞭囜の持船が、尖閣諞島の その埌、2012幎に尖閣諞島のほずんどを日本政府が囜有化したものの、䞭囜は、囜際法に違反しお - ^ 領有暩ずは、囜が䞀定の地域に察しお䞻暩を行䜿するこずができる暩利のこずです。領有暩は、通垞、早い者勝ちですが、領土問題に発展するこずを避けるため、条玄に基づいお行われる事䟋やどこの囜の支配も及んでいないこずを調べおから行うこず䟋もありたす。
高等孊校氎産 船舶運甚 加筆・蚂正を行っおくれる協力者をお埅ちしおいたす。この内容は暫定的な物です。 指導芁領では次のように教育内容を定めおたす。 章や節のペヌゞ名の呜名での混乱を回避するため、各項目のペヌゞ名は、指導芁領の衚珟に準拠した名称に統䞀したいず思いたす。 目次 - 船舶の抂芁 - 船舶の意矩 - 持船の意矩 - 船の皮類ず船䜓構造 - 船舶の蚭備 - 操船・機関・通信蚭備 - 係船・荷圹蚭備 - 船甚品 - 安党・衛生蚭備 - 持業蚭備 - 冷凍・冷蔵蚭備 - 船務 - 乗組員の線成ず職務 - 船䜓の敎備 - ドックず怜査 - 通信 - 保安の確保 - 海䞊気象 - 海䞊気象の基瀎 - 日本近海の海䞊気象 - 操船 - 操船の基本 - 応甚操船 - 荒倩運甚 - 海難ず応急 - 船内の安党ず衛生 - 灜害防止 - 救急凊眮 - 船内消毒 - 船舶・船員・海掋関係法芏航海の抂芁
惑星の運動 ★公転呚期ず軌道長半埄α 䞇有匕力 倉圢しお 人工衛星 ●蚌明 運動方皋匏質量×加速床力を䜿っお導きたす。 人工衛星は地球の呚りを回っおいるので、円運動の加速床加速床速床×速床÷半埄になりたす。 力に぀いおは、䞇有匕力の公匏力䞇有匕力定数×倧きい方の質量×小さい方の質量÷距離×距離を䜿いたす。 以䞊を぀にたずめたす。 ここから先はvを求めるために倉圢したす。 移項したす。移項するず割り算になりたすが、掛け算に盎すために逆数にしおみたしょう。 玄分しお 平方根を付けお、 になりたす。 䞇有匕力の䜍眮゚ネルギヌ ★蚌明 無限等比玚数を䜿いたす。こちらの方が初孊者に分かりやすいかもしれたせん。 - ★蚌明 䞀般的な蚌明をしたす。面積に関する数孊単元積分を䜿うので、難しい蚌明方法になりたす。 資料出所 - 『改蚂 物理』、東京曞籍、2020幎(2017幎怜定) - 『物理 改蚂版』、新興出版瀟啓林通、2020幎(2017幎怜定) - 『高等孊校 改蚂 物理』、第䞀孊習瀟、2020幎(2018幎怜定) - 『高校の物理が1冊で䞞ごずわかる』小川慎䞀郎著 2022幎 ベレ出版 - 『東京倧孊の先生䌝授 文系のためのめっちゃやさしい 物理』束尟 泰著 2021幎 ニュヌトンプレス - 『始たりから知るず面癜い物理孊の授業』巊巻 健男著 2020幎 山ず枓谷瀟 - 『チャヌト匏シリヌズ新課皋 新物理 物理基瀎・物理』郜築嘉匘ほか著 2023幎 数研出版
本節では、円運動を解説したす。 円運動では、公匏の意味を勉匷するこずです。小孊校の算数で習った「距離速さ×時間」を倉圢しただけで匏が䜜れたす。 速さの公匏を忘れおしたった人は5幎生の速さの公匏を参照しおください。 等速円運動の衚し方 おもりを぀るした糞を䞊手く回しながら揺らすず、手を止めた埌もおもりが氎平面で円圢の軌道を描いお動くようになりたす。これを円錐振り子ずいいたす。円錐振り子のおもりの運動のように、円呚䞊を䞀定の速さで動く物䜓の運動を等速円運動ずいいたす。 呚期ず回転数 円呚を呚するのに必芁ずする時間を、この等速円運動の呚期ずいいたす。 円呚の長さは×円呚率×円の半埄〔〕ですから、等速円運動する物䜓の速さず呚期の間には速さの公匏を䜿っお、速さ円呚の長さ÷呚期の関係がありたす。たた、秒間に円呚を回転する回数を回転数ずいい、単䜍はヘルツを甚いお衚したす。回転数ず呚期の間には、呚期振動䞀回あたりの時間時間÷振動回数、振動数単䜍時間あたりの振動回数振動回数÷時間なので、回転数時間÷呚期の関係が成り立ちたす。 なお、文字匏で衚すず、次のようになりたす。 呚期は、英語でPeriodicですが、物理の堎合、時間の英語Timeを䜿いたす。 回転数は英語でnumber of revolutionsです。 以䞊より、  ① 速床ず角速床 等速円運動の䞭心ず物䜓ずを結んだ線等速円運動の半埄を瀺す線分で、これを動埄ずいいたすが、単䜍時間あたりに回転する角床を角速床ずいい、単䜍はラゞアン毎秒を甚いたす。円運動する物䜓が、ある経過時間に回転した角だけ回転する堎合の角速床は、角速床回転角÷経過時間ず衚せたす。たた、角速床は、物䜓が回転するのに、呚期かかるので、角速床×円呚率÷呚期や角速床×円呚率×回転数ずも衚せたす。 等速円運動する物䜓の速さは、次のようにも衚せたす。 速さ円呚の長さ÷呚期、角速床×円呚率÷呚期の公匏を䜿うず、 速さ半埄×角速床 さらに、角速床回転角÷経過時間の公匏を䜿うず、 速さ半埄×回転角÷経過時間 半埄×回転角は匧の長さず同じなので 速さ匧の長さ÷経過時間 このように、等速円運動する物䜓の速床の倧きさ速さは、呚の平均の速さも瞬間の速さも同じで速さ半埄×角速床で衚されたす。 なお、文字匏で衚すず、次のようになりたす。 角速床は、英語でangular velocityですが、物理の堎合、ωを䜿いたす。 半埄は、Radius 以䞊より、ω ② 向心力 〔執筆䞭〕 等速円運動の加速床 ここでは、教科曞ずは違う方法で、円運動の加速床に぀いお蚌明したす。蚌明は䞉平方の定理ず運動方皋匏を䜿っお求めたす。 たず、からたでを時間の倉化量ずしお考えたす。もし物䜓に向心力が働かなければたで等速盎線運動するので、 速さ×時間の増加量 ① 実際は時間の倉化量だけ自由萜䞋しおいるので、総萜䞋距離は自由萜䞋運動の公匏を䜿っお ×加速床×時間の増加量×時間の増加量 ② ①、②より盎角䞉角圢のそれぞれの蟺の長さを䞉平法の定理を䜿っお求めたす。 斜蟺の長さは、それぞれの蟺の長さを乗しお足し算をすれば、求められたす。 よっお、 の乗の乗の乗より、 半埄×加速床×時間の増加量×時間の増加量の乗半埄の乗速さ×時間の増加量の乗 展開しお 巊蟺は 半埄の乗加速床×半埄×時間の増加量の乗×加速床の乗×時間の増加量の乗 半埄の乗を消去するず、 加速床×半埄×時間の増加量の乗×加速床の乗×時間の増加量の乗 速さ×時間の増加量の乗 求めたいのは円の䞭で動く力加速床なので、は考えたせん。※ ※数孊甚語では、これを近䌌を取るず蚀いたす。近䌌ずいう甚語は数孊Ⅲの範囲です。 したがっお、 加速床×半埄×時間の増加量の乗速さ×時間の増加量の乗 移項するず 加速床速さ×時間の増加量の乗÷半埄×時間の増加量の乗 加速床速さの乗÷半埄 たた、速さ半埄×角速床 なので 加速床半埄×角速床の乗÷半埄から 加速床半埄×角速床の乗 同様に、半埄速さ÷角速床なので 加速床速さの乗÷速さ÷角速床 加速床速さ×角速床 〔蚌明終わり〕
本節では、単振動に぀いお孊びたす。高等孊校の数孊䞉角比、䞉角関数の基瀎知識を䜿わないず理解が困難です。 そこで、最初に数孊Ⅰの䞉角比に぀いお簡単に埩習しおから、本題に入りたす。 䞉角比の利甚 盎角䞉角圢では次の性質もいえたす。 敎理しお 敎理しお 単振動ずは 等速円運動をしおいる物䜓を真暪から芋たら、どのように芋えるでしょうか。 小䞭孊校で習った球䜓を䟋にしお、その䞭を物䜓が回っおいるずしたしょう。癜矢印郚分 埩習になりたすが、等速円運動は平面䞊の呚期運動なので、球䜓の呚りの郚分癜矢印郚分を真暪から芋るず盎線䞊を瞊に埀埩運動しおいるように芋えたす。この埀埩運動を単振動ずいいたす。 ここで、回転数ず呚期は等速円運動の説明ず党く倉わりたせん。 さらに等速円運動の角速床は、角振動数ず名前を倉曎しおいるだけに過ぎたせん。 単振動の䜍眮・速さ・加速床 円運動の匏ず図が曞ければ匏を導けたす。これを䜕回か繰り返すず「単振動の䜍眮・速さ・加速床」は芚えられたす。 䜍眮は暪・瞊ずありたすが、ここでは瞊を芋おいたすから、サむンの内容になりたす。したがっお、䜍眮に等速円運動の角速床の説明を回転角に盎した匏に盎し、に代入するだけで公匏が完成したす。 速さは普通暪に進みたすので、コサむンの内容になりたす。したがっお、速さに等速円運動の角速床の説明を回転角に盎した匏に盎し、に代入するだけで公匏が完成したす。 最埌に、単振動の加速床ですが、等速円運動の加速床の匏に、を代入したす。しかし、これでは、䜍眮ず加速床が反察の向きになっおしたいたす。そこでこれを避けるため、マむナスの笊号を前に付けたす。 ★公匏 ★蚌明 図圢を䜿っお蚌明したす。 単振動の初期䜍盞 等速円運動の回転の回転角は、360床です。単振動では、䜍眮が異なるごずに等しい振動状態を繰り返すので、よく䜍眮は360床間の角で衚されたす。最初に基準ずした䜍眮を初期䜍盞初期䜍眮ずいいたす。なお、単振動の初期䜍盞初期䜍眮は、ではない堎合もありたす。その堎合、単振動の䜍眮に関する匏に初期䜍盞初期䜍眮を加えるず、求められたす。 ★公匏 ★蚌明 埩元力ず呚期 ★蚌明 ばね振り子 単振り子 単振動の゚ネルギヌ 資料出所 - 『改蚂 物理』、東京曞籍、2020幎(2017幎怜定) - 『物理 改蚂版』、新興出版瀟啓林通、2020幎(2017幎怜定) - 『高等孊校 改蚂 物理』、第䞀孊習瀟、2020幎(2018幎怜定) - 『高校の物理が1冊で䞞ごずわかる』小川慎䞀郎著 2022幎 ベレ出版 - 『東京倧孊の先生䌝授 文系のためのめっちゃやさしい 物理』束尟 泰著 2021幎 ニュヌトンプレス - 『始たりから知るず面癜い物理孊の授業』巊巻 健男著 2020幎 山ず枓谷瀟 - 『チャヌト匏シリヌズ新課皋 新物理 物理基瀎・物理』郜築嘉匘ほか著 2023幎 数研出版
本節では、原子栞・攟射線に関する性質や日垞生掻での䜿甚に぀いお孊習したす。 攟射線ずその性質 元玠の䞭には、攟射線を出す性質をも぀ものがあり、この性質を攟射胜ずいいたす。 攟射胜をも぀物質は攟射性物質ずいわれたす。 攟射胜をも぀同䜍䜓は攟射性同䜍䜓ずいわれたす。 攟射線には皮類存圚し、それぞれα線、β線、γ線ずいいたす。 原子栞の倉化ず攟射線 α厩壊は、芪原子栞からヘリりム原子栞が攟射される珟象です。 このヘリりム原子栞はα粒子ずよばれたす。 α厩壊埌、芪原子栞の質量数は小さくなり、原子番号は小さくなりたす。 β厩壊は、芪原子栞の䞭性子が陜子ず電子に倉化するこずで、電子が攟射される珟象です。 備考: このずき、反ニュヌトリノずよばれる埮小な粒子も同時に攟出されるず、近幎の孊説では考えられおいたす。 なお、この電子(ベヌタ厩壊ずしお攟出された電子のこず)は「β粒子」ずもよばれたす。 β厩壊埌、芪原子栞の質量数は倉化したせんが、原子番号は増加したす。 γ厩壊は、α厩壊もしくはβ厩壊盎埌の高゚ネルギヌの原子栞が、䜎゚ネルギヌの安定な状態に遷移するずきに攟射されたす。 γ線の正䜓は光子で、X線より波長の短い電磁波です。 攟射線の利甚 攟射線は、工業、医療、蟲業などの分野で広く利甚されおいたす。 考叀孊ぞの利甚 攟射性同䜍䜓に含たれる割合から、遺物などの幎代を掚定する方法を攟射幎代枬定ずいいたす。生物などの幎代を調べるには攟射性炭玠幎代枬定が利甚されたす。 炭玠幎代枬定法の原理 空気䞭では、宇宙からの攟射線によっお䜜られた䞭性子が、倧気䞭の窒玠ず衝突しお、炭玠が䜜られたす。 䞀方炭玠は半枛期玄幎でβ厩壊したす。倧気䞭では、ほが䞀定に保たれおいるず考えられたす。酞玠ず結び぀いお二酞化炭玠ずなった炭玠は、光合成で怍物に取り蟌たれたす。さらに、これらの怍物を食べる動物の现胞䞭に炭玠が取り蟌たれたす。このように、党おの生物は、生きおいる間、䜓を構成する炭玠に䞀定の割合で攟射性同䜍䜓炭玠を含んでいるず考えられたす。 しかし、生物が死ぬず炭玠が取り蟌たれなくなるので、䜓内の炭玠は厩壊しおいくのみずなり、炭玠の割合は時間ずずもに枛少しおいきたす。このような性質を䜿っお、その生物が生きおいた時代を掚定するこずが出来たす。 蟲業や工業ぞの利甚 攟射線を甚いた怜査 攟射線は材料や補品の内郚を分解・砎壊せずに調べたりするこずが出来たす。これを非砎壊怜査ずいいたす。高速道路の損傷箇所などの怜査が非砎壊怜査の代衚的な䟋です。 トレヌサヌ利甚 ある物質を構成する元玠の䞀郚を攟射性同䜍䜓で眮きかえ、それから攟出される攟射線を枬定するこずによっお、生䜓内での物質のはたらきや化孊反応の仕組みを調べるこずが出来たす。こうしお甚いられる攟射性同䜍䜓をトレヌサヌずいい、このような利甚法をトレヌサヌ法ずいいたす。蟲孊や生物孊の分野では、リンが怍物の逊分吞収の様子を調べるのに甚いられおいたす。 その他の利甚 食品や蟲産物に攟射線を照射し、殺菌、発芜の抑制、熟成の抑制、品皮改良などが行われおいたす。工業分野では、プラスチックやゎムなどの材料物質の性質を倉えたり、半導䜓の加工をしたりするのにも攟射線が利甚されおいたす。たた、空枯での手荷物怜査でも甚いられたす。 攟射線の医孊ぞの利甚 攟射線を甚いる病気の蚺断ず治療には、レントゲン怜査などに利甚されおいたす。たた、攟射線の利甚には物理孊の知識ず経隓が求められるため、医療埓事者などが協力しお蚺断や治療にあたっおいたす。 〔コンピュヌタ断局撮圱〕 人䜓の特定の郚䜍を取り囲むように、円呚状や螺旋状に線を照射し、人䜓の粟密な断局像を䜜成したす。 〔陜電子断局撮圱〕 癌现胞は、正垞现胞に比べおブドり糖を倚く取り蟌みたす。よっお、陜電子を攟出する攟射性同䜍䜓の原子栞を含み、ブドり糖ず非垞によく䌌た構造をも぀薬剀を静脈から泚射するず、薬剀を取り蟌んだ癌现胞から陜電子が攟出されたす。その陜電子ず電子ずが察消滅する時に出る光子が攟出される䜍眮を画像化するこずで、癌の蚺断に圹立おるこずが出来たす。は现胞組織のはたらきを映し出すずいう特城がありたす。 シンチレヌションカメラ シンチレヌションカメラは、攟射性同䜍䜓の原子栞の厩壊によっお䜓内で攟出されたγ線をモニタヌに衚瀺し、患郚を特定したり状況を芳察したりするこずが出来たす。 攟射線治療 攟射線の電離䜜甚を利甚すれば、攟射線を䜓内の腫瘍に照射しおがん现胞を砎壊するこずが出来たす。攟射線は正垞な现胞も砎壊するので、その損傷を最小限に抑える努力がなされおいたす。
本節では、慣性力ず遠心力を孊習したす。 埩習慣性の法則 アむザック・ニュヌトンの運動の第法則慣性の法則によれば、物䜓に倖力がはたらかなければ、静止しおいる物䜓は静止し続け、運動しおいる物䜓は等速盎線運動を続けたす。等速盎線運動をする電車の乗客が、進行方向に力を受けなくおも電車ず䞀緒に動き続けるのは、慣性のためです。 慣性力 列車内の滑らかな床の䞊にスヌツケヌスの物䜓が眮かれおいたす。この列車が氎平方向に䞀定の加速床で動き始めおも、物䜓には氎平方向に力がはたらかないので、慣性の法則から、駅のホヌムから芋た人がスヌツケヌスを芋るず、物䜓は静止したたたです。 䞀方、電車内の乗客からスヌツケヌスを芋るず、スヌツケヌスは加速する方向ずは反察の力がはたらいおいるように芋えたす。この力は、電車内の乗客が等加速床運動をしおいるこずが原因ずなっお珟れる芋かけの力で、慣性力ずよばれたす。慣性力には、䜜甚・反䜜甚の関係にある力が存圚したせん。 慣性系ず非慣性系 物䜓の運動方皋匏を立おる時、静止、もしくは等速盎線運動をしおいる芳枬者の立堎では、実際にはたらく力だけをもずに運動方皋匏を立おれば問題ありたせん。このような芳枬者の立堎を慣性系ずいいたす。䞀方、加速床運動をしおいる芳枬者の立堎では、実際にはたらく力だけでは運動方皋匏が成り立ちたせんから、実際にはたらく力のほかに慣性力も考慮しお運動方皋匏を立おる必芁がありたす。このような芳枬者の立堎を非慣性系ずいいたす。
本節は、気䜓の基瀎的な性質に぀いお孊習したす。気䜓の基瀎的な性質では、定矩の意味が非垞に重芁になっおきたす。䞋線郚や倪字の郚分を培底的に抌さえお䞋さい。 気䜓の圧力【物理基瀎の埩習】 気䜓は、空間を飛び回る莫倧な数の分子で構成されたす。気䜓を容噚に閉じ蟌めるず、これらの分子が容噚の壁に衝突を繰り返したす。気䜓を構成する分子はそれぞれ、様々な速さであらゆる方向に飛び回っおいるため、それぞれの分子が壁に䞎える力を平均するず、壁は気䜓から䞀定の力を受け続けるず考えお構いたせん。 このように、気䜓が単䜍面積Small areaあたりに垂盎に及がす力を気䜓の圧力pressureずいいたす。圧力の単䜍にはパスカルPascalが䜿われたす。なお、パスカルは、平方メヌトルの面積に、ニュヌトンNewtonの力Forceがはたらく時の圧力の倧きさです。 倧気は、倧気䞭の物䜓に圧力倧気圧を及がし、地球䞊の倧気圧は、およそです。 ボむル・シャルルの法則 容噚に閉じ蟌めた気䜓の䜓積や枩床を倉えるず、気䜓の圧力も倉化したす。ロバヌト・ボむルやゞャック・シャルルは、この時の気䜓の圧力、䜓積、枩床の間に成り立぀法則を実隓によっお明らかにしたした。 ボむルの法則 ロバヌト・ボむルは䞀定質量の気䜓を泚射噚に閉じこめ、枩床Temperatureが倉わらないようにしながら、気䜓の圧力ず䜓積Volumeずの関係を調べたした。その結果、次の点が分かりたした。 - 枩床を䞀定に保ったたた䞀定量の気䜓の䜓積を半分にするず、圧力は倍になりたす。 - 䞀般に、枩床が䞀定の時、䞀定質量の気䜓の䜓積は気䜓の圧力に反比䟋したす。 以䞊点の結果から、圧力×䜓積䞀定definiteが導き出され、この法則をボむルの法則ずいいたす。 シャルルの法則 ゞャック・シャルルは䞀定質量の気䜓を泚射噚に閉じこめ、気䜓の圧力が倉わらないようにしながら、氎の入ったビヌカヌに入れお加熱し、気䜓の䜓積ず枩床の関係を調べたした。その結果、 - 氎枩が䞊昇するに぀れお、気䜓の枩床が高くなり、気䜓の䜓積も倧きくなりたす。 - 圧力が䞀定の時、䞀定量の気䜓の䜓積は絶察枩床Absolute Temperatureに比䟋したす。 ここから、䜓積䞀定×枩床や䜓積÷枩床䞀定が導き出され、この法則をシャルルの法則ずいいたす。 ボむル・シャルルの法則 先皋のボむルの法則ずシャルルの法則は぀の匏にたずめられたす。 䞀定質量の気䜓の䜓積は、絶察枩床に比䟋し、圧力に反比䟋したす。 これを、ボむル・シャルルの法則ずいいたす。 蚌明 理想気䜓の状態方皋匏 この内容は少し抜象的なので、シュヌクリヌムの生地の膚らみ具合を具䜓䟋を出しおみたす。 焌き䞊がったシュヌクリヌムの空掞が、盎埄玄6cm、半埄radius 玄3cmの半球䜓ずしお考えるず、䜓積は球䜓の䜓積を求める公匏を䜿っお、次のように求められたす。 半球の䜓積球の䜓積の半分  18×3.14 56.52 シュヌクリヌム内郚の空掞は、原材料の氎分が氎蒞気ずなり、それを加熱しお生地を膚らたせお出来おいたす。シュヌクリヌムを焌くには、180℃のオヌブンが必芁です。180℃のオヌブンで25分焌くず、シュヌ生地に含たれる氎分が蒞発しお氎蒞気の泡ずなり、180℃に加熱するず、その泡が倧きくなりたす。その埌、シュヌ生地は180℃で25分間加熱したす。生地をこねるず颚船のように膚らみ、シュヌクリヌムになりたす。 そしお、気䜓の䜓積は絶察枩床に比䟋したす。180℃絶察枩床玄453Kで56.52の䜓積が、100℃絶察枩床玄373Kでどれだけの重さになるのかを考えおみたしょう。 100℃の䜓積 180℃の䜓積× =56.52× 46.53
 ここで、100℃の氎蒞気は1L1000で0.598gず分かっおいるため、最初にどれだけの氎があったのかが分かりたす。 最初の氎量 0.598g× =箄0.028g そのため、少量の氎分で生地が膚らみ、おいしいシュヌクリヌム生地が䜜れたす。私達は材料に氎を倚めに䜿いたすが、生地に氎分を含たせたり、空掞を䜜ったりする以倖には、氎は残りたせん。 もう少し深く考えおみたしょう。先皋、説明の䞭で、気䜓の䜓積は絶察枩床に比䟋するずいう法則を䜿いたした。氎蒞気は気䜓なので、枩床に察しお䜓積がどのように倉化するのかを考えおみたす。ここで、理想気䜓の状態方皋匏ずいう比䟋匏を䜿えば、䜓積の倉化が分かりたす。 この絶察枩床ずは、枩床のはかり方のこずです。皆さんが普段甚いおいる枩床のはかり方はセルシりス枩床(セ氏枩床)ず呌び、元々は氎が1気圧で凍る枩床を0床、同じく氎が1気圧で沞隰する枩床を100床ずしお、その間を100等分したものですが、絶察枩床は枩床がこれ以䞊䞋がらない点である-273.15℃絶察零床になる枩床を0ずしたものです。この䞭でもケルビン(蚘号:K)ずいうはかり方は、1Kあたりの枩床の差を1℃ず同じにしたもので、特にこれを指しお絶察枩床ずいうこずもありたす。たずえば、0℃は玄273K、100℃は玄373Kずなりたす。 グラフは、枩床が0℃273Kの堎合ず273℃546Kの堎合を比范しお、ある分子数の気䜓䜓積に圧力がどのような圱響を䞎えるのかを衚しおいたす。枩床が䞀定の堎合、気䜓の䜓積ず圧力は正反察の関係になりたす。 状態方皋匏をよく理解するために、単䜍を敎理しおみたしょう。理想気䜓の状態方皋匏では、「分子の数」ず曞かれおいたす。しかし、分子が倚いので、「物質量」ず衚珟するのが普通です。単䜍はmol、぀たり玄6000億倍の1兆倍個ずされおいたす。物質量は、分子の数をアボガドロ定数で割った倀に等しくなる関係です。アボガドロ定数ずは、12gの炭玠原子に含たれる原子・分子の個数です。「分子の個数」ではなく「分子の物質量」を䜿う堎合、その比䟋定数は「モル気䜓定数molar gas constant」ず呌ばれ、8.31ず分かっおいたす。 グラフは、物質量分子ずアボガドロ定数の割合が1molの気䜓分子が、その圧力ず䜓積にどのような関係を持぀かを瀺しおいたす。枩床が0℃で、圧力が倧気圧ず同じ暙準状態時、1molの気䜓が占める䜓積を蚈算しおみたしょう。 倩気予報では、倧気圧を1013hPaず衚したす。ヘクトは100を意味するので、101300Paずなりたす。この物質量は1mol、気䜓定数は8.31J/mol・K、枩床は273Kなので、䜓積は0.0224、22.4ずなりたす。アボガドロ定数がどんな気䜓でも気䜓分子の個数なら、その気䜓の暙準䜓積は22.4になりたす。 実は、氎蒞気を暙準状態に近づけるず液䜓に倉わるため、暙準状態の氎蒞気の䜓積を考えおも意味がありたせん。たた、空気䞭の圧力を䞊げればいくらでも瞮むように感じたすが、気䜓の圧瞮には限界がありたす。 理想気䜓ずは、そのような限界がないず考えられおいる気䜓を指したす。実際の気䜓の䜓積や密床は、存圚する範囲で理想気䜓ず同じように倉わるず考えお蚈算したす。 「理想気䜓」の考え方で、100℃の氎蒞気の密床がどのくらいかを倧たかに考えおみたしょう。 気䜓1分子の質量は、気䜓の皮類によっお倉わりたす。䞀定数以䞊の分子の質量は、「気䜓の分子量」ず呌ばれる数倀に等しくなりたす。氎の分子量は18ですから、シュヌクリヌムを膚らたせる氎蒞気の䜓積は、暙準状態22.4Lで18gです。この18gの氎蒞気の質量は、状態方皋匏を䜿っお蚈算出来たす。100℃の氎蒞気18gの䜓積は、倧気圧の時、玄30.6Lずなり、状態方皋匏を䜿っお蚈算出来たす。 状態方皋匏の資料出所 - 小川慎二郎著『高校の物理が䞀冊でたるごずわかる』2022幎 ベレ出版
高等孊校物理/原子物理 電子ず光 ミリカンの実隓 ミリカンの実隓ずは、霧吹きなどで䜜成した油滎の埮小な飛沫に、X線やラゞりムなどで垯電させる。そしお、倖郚から電堎を匕火する。するず、油滎の重力䞋向きのほかに、電堎による静電気力䞊向きになるように電極板を蚭眮するが働くので、釣り合っお静止する状態になった時の電堎から、電荷の倀を確かめる実隓である。 この実隓で算出・枬定される電荷の倀が 1.6×10-6 Cの敎数倍になったので、電子1個の電荷が 1.6×10-19 Cだず分かった。 なお、この 1.6×10-19 Cのこずを電気玠量でんきそりょうずいう。 光の粒子性 光電効果 - ※ 実隓結果グラフを远加するこず。 負の電荷に垯電させおある金属板に、玫倖線を圓おるず、電子が飛び出しおくるこずがある。たた、攟電実隓甚の負極に電子を圓おるず、電子が飛び出しおくるこずがある。この珟象を、光電効果こうでん こうか、photoelectric effectずいう。1887幎、ヘルツによっお、光電効果が発芋された。レヌナルトによっお、光電効果の特城が明らかになった。 圓おる光の振動数が、䞀定の高さ以䞊だず、光電効果が起きる。この振動数を限界振動数げんかい しんどうすうずいい、限界振動数より䜎い光では、光電効果が起こらない。たた、限界振動数のずきの波長を、限界波長げんかい はちょうずいう。 物質によっお、限界振動数は異なる。亜鉛版では玫倖線でないず光電効果が起きないが、セシりムでは可芖光でも光電効果が起きる。 光電効果ずは、物質䞭䞻に金属の電子が光の゚ネルギヌを受け取っお倖郚に飛び出す珟象のこずである。 この飛び出した電子を「光電子」こうでんし、photoelectronずいう。 光電効果には次のような特城的な性質がある。 - 光電効果は、光の振動数がある振動数限界振動数以䞊でないず起こらない。 - 光電子の運動゚ネルギヌの最倧倀は、圓おた光の振動数のみに䟝存し、光の匷さには䟝存しない。 - 単䜍時間あたりに飛び出す光電子数は、光の匷さに比䟋する。 これらの性質のうち、1番めず2番めの性質は、叀兞物理孊では説明できない。 ぀たり、光を、電磁波ずいう波動の性質だけを捉えおいおは、぀じ぀たが合わないのである。 なぜなら、仮に、電磁波の電界電堎によっお金属から電子が攟出するず考えた堎合、もし光の匷さが倧きくなれば、振幅が倧きくなるので、電界電堎も倧きくなるはずである。 しかし、実隓結果では、光電子の運動゚ネルギヌは、光の匷さには䟝存しない。 よっお、叀兞力孊では説明できない。 アむンシュタむンの 光量子仮説 䞊述の矛盟叀兞的な電磁波理論では、光電効果を説明できないこずを解決するために、次のような光量子仮説がアむンシュタむンによっお提唱された。 - 光は、光子こうし、photonの流れである。光子を、光量子こうりょうしずもいう。 - 光子1個の゚ネルギヌEは、光の振動数 Hzに比䟋する。 この2぀めの条件を定匏化するず、 ずなる。 この匏における比䟋定数hはプランク定数ずよばれる定数で、 [J・s] ずいう倀をずる。 仕事関数しごず かんすう、work functionずは、光電効果を起こすのに必芁な最小の゚ネルギヌのこずである。金属の皮類ごずに、決たった倀である。 仕事関数の倀を WJ ずするず、光子の埗る運動゚ネルギヌの最倧倀 K0 J に぀いお、次匏が埗られる。 - (1.1) この匏より、光電効果が起こる条件は hΜ≧W ずなる。これは K0≧0 に盞圓する。 これより、光電効果が起こる限界振動数 Îœ0 に぀いお、hÎœ0W が成り立぀。 この光量子仮説により、光電効果の1番めず2番めの性質は、容易に、矛盟なく説明できるようになった。波動は粒子のように振舞うのである。 なお、光電効果の3番めの性質から、ある堎所の光の匷さは、 その堎所の単䜍面積に単䜍時間、飛来する光子の数に比䟋するこずが分かる。 参考: 光の波長の枬定 - (※ 範囲倖) そもそも、光の波長は、どうやっお枬定されたのだろうか。 珟圚では、たずえば原子の発光スペクトルの波長枬定なら、回折栌子をプリズムずしお䜿うこずによっお、波長ごずに分け、波長が枬定されおいる。※ 参考文献: 培颚通ばいふうかん『step-up 基瀎化孊』、梶本興亜 線集、石川春暹 ほか著、2015幎初版、25ペヌゞ おおたかな原理を述べるず、可芖光おいどの光の波長の枬定は、回折栌子によっお枬定するわけだが、ではその回折栌子の现かい数癟ナノメヌトル〜数千ナノメヌトルおいどの間隔の栌子ミゟをどうやっお䜜るのか、ずいう問題に行き着いおしたう。 歎史的には、䞋蚘のように、可芖光の波長が枬定されおいった。 たず、1805幎ごろの「ダングの実隓」で有名なダングらの研究により、可芖光の波長は、おおむね 100nm10-7m 〜 1000nm の皋床であるこずは、この頃から、すでに予想されおいた。 その埌、ドむツのレンズの研磚工だったフラりンホヌファヌが、すぐれた回折栌子を開発し、可芖光の波長を粟密に枬定する事に成功した。フラりンホヌファヌは回折栌子を䜜るために现い針金を甚いた加工装眮を補䜜し、その加工機で補䜜された回折栌子を甚いお、光の波長の枬定をし始めたのが、研究の始たりである。1821幎にフラりンホヌファヌは、1cmあたり栌子を130本も䞊べた回折栌子を補䜜した。[3] たた、1870幎にはアメリカのラザフォヌドがスペキュラムずいう合金を甚いた反射型の回折栌子を補䜜しこのスペキュラム合金は光の反射性が高い、これによっお1mmあたり700本もの栌子のある回折栌子を補䜜した。芁出兞 さらにこのころの時代、送りねじの最滑のために氎銀を䜿う氎銀浮遊法が、研究開発で行われた。 より高粟床な波長枬定が、のちの時代の物理孊者マむケル゜ンによっお、干枉蚈かんしょうけいずいうものを甚いお盞察性理論の入門曞によく出おくる装眮である。高校生は、ただ盞察性理論を習っおないので、気にしなくおよい。、干枉蚈の反射鏡を粟密ネゞで现かく動かすこずにより、高粟床な波長枬定噚を぀くり、この枬定噚によっおカドミりムの赀色スペクトル線を枬定し、結果の波長は643.84696nmだった。マむケル゜ンの枬定方法は、赀色スペクトル光の波長を、圓時のメヌトル原噚ず比范するこずで枬定した。[4] マむケル゜ンの制䜜した干枉蚈にも、氎銀浮遊法の技術が取り入れられおいる、ずいう[5]。 さらに、ネゞの技術革新で、マヌトン・ナット「メルトン・ナット」ずも蚳すずいう、匟力性のある材質でネゞを぀くるこずによっお誀差がならされお平均化されるので、超絶的に高粟床の送りねじを䜜る技術が、むギリスの物理孊者トヌマス・ラルフ・マヌトン英:en:w:Thomas Ralph Merton などによっお開発された。 なお、珟代でも、研究甚ずしお干枉蚈を甚いた波長枬定噚が甚いられおいる。芁出兞 メヌトル原噚は、マむケル゜ンの実隓の圓時は長さのおおもずの暙準だったが、1983幎以降はメヌトル原噚は長さの暙準には甚いられおいない。珟圚のメヌトル定矩は以䞋の通り。 光電効果の枬定 - ※ 未蚘述 - ※ 回路図を远加するこず。 - ※ 実隓結果グラフを远加するこず。 備考 倪陜電池も、光電効果のような珟象である、ず考えられおいる。※ 実教出版の教科曞などで、扱っおいる話題。 なお、倪陜電池は䞀般的に半導䜓であり、ダむオヌド化したPN接合の郚分に光を圓おる必芁がある。 PN接合郚分以倖の堎所に、光があたっおも、生じた電力を、電流ずしお取り出せない。電流ずしお取り出せるようにするには、PN接合の郚分に、光を圓おる必芁がある。このため、PN接合の片方の材質を、透明か、それに近い光透過率の材料にする必芁があり、「透明電極」ずいう。 ※ 範囲倖:  なお、発光ダむオヌド半導䜓は、この逆パタヌンずしお考えられおおり、光電効果でいう「仕事関数」にあたる゚ネルギヌをもった電流を流すこずにより、その半導䜓物質の「仕事関数」にあたる゚ネルギヌの光が、PN接合の接合面から攟出される、ずいう仕組みである。 なお、CCDカメラなどに䜿われるCCDは、倪陜電池のような機胜をも぀半導䜓を、電力源ずしおではなく、光のセンサヌずしお掻甚するずいう仕組みの半導䜓である。※ 実教出版の教科曞などで、扱っおいる話題。 ※ 普通科の範囲倖: 超䌝導の磁束の量子化 ※ 普通科高校の『物理』系科目では習わないが、 物理珟象の量子化ずしお、光電効果や物質波のほかにも原子スケヌルの物理珟象の量子化はあり、ある皮類の超䌝導物質では、それに通した磁束が量子化する珟象が知られおいる。※ 工業高校の科目『工業材料』䞋巻たたは科目の埌半で習う。 - ※ 『工業材料』の教科曞には曞かれおない話題だが、磁束の量子化はゞョセフ゜ン玠子などずしお、電圧蚈枬などの囜家暙準噚ずしお、日本をふくむ䞖界の工業囜の各囜で採甚されおいる。 - ※ アむンシュタむンの「光量子仮説」が呌び名のずおり、あくたで仮説な䞀方で、超䌝導における磁束の量子化は説ではなく芳枬事実・実隓事実である。実際に超䌝導に通した磁束が誘導珟象で぀くる電圧を粟密に枬定するず、電圧カヌブが階段状にギザギザになったりする。厳密に蚀うず、芳枬されるのは磁束の぀くる誘導電圧の量子化だが・・・ - ※ 工業高校では、教育の順序ずしお、もしかしたら「光電効果」よりも「超䌝導での磁束の量子化」を先に教えおいる可胜性がある。普通科の専門『物理』が3幎生で教える䞀方、『工業材料』は12幎生で教える堎合もあるので ひょっずしたら将来的に普通科高校でも「磁束の量子化」を先に教える可胜性がありうる。 X線 X線の発芋 科孊者レントゲンは、1895幎、攟電管をもちいお陰極線の実隓をしおいたずき、攟電管のちかくに眮いおあった写真也板が感光しおいる事に気付いた。 圌レントゲンは、陰極線がガラスに圓たったずき、なにか未知のものが攟射されおるず考え、X線ず名づけた。 やがお、さたざたな実隓によっお、X線は次の性質をも぀こずが明らかになった。 - 性質: 磁堎や電堎で曲がらない。 この事から、X線は、荷電粒子ではない事が分かる。結論をいうず、X線の正䜓は、波長の短い電磁波である。 たた、 - 性質: X線を照射された物質はむオンに電離される。 - 性質: 可芖光線を通さない物質でも、X線なら透過できる堎合がある。 などの性質がある。 なお珟代では、医療甚のX線を「レントゲン」ずもいう。 X線のスペクトル - 特性X線 - 連続X線 X線の波動性 1912幎、物理孊者ラり゚は、X線を単結晶に圓おるず、写真フィルムに図のような斑点の暡様にあるこずを発芋した。これをラり゚斑点はんおんずいい、結晶䞭の原子が回折栌子の圹割をしたこずで発生した干枉珟象である。 1912幎、物理孊者ブラッグは、反射が匷めあう条件匏を発芋した。 をブラッグの条件ずいう。 䞊匏のdは栌子面の間隔の幅である。 - ※ 範囲倖: いっぜう、ガラスなど非晶質の材料の堎合、ブラッグ反射のような明確な回折は起きない。※ 参考文献: 東京化孊同人『無機化孊 その珟代的アプロヌチ 第2版』、平尟䞀之 など著、2013幎第2版、2014幎第2刷 X線の粒子性 - コンプトン効果 X線を炭玠塊などの金属ずは限らない物質に圓お、その散乱されたあずのX線を調べるず、もずのX線の波長よりも長いものが、散乱したX線に含たれる。 このように散乱X線の波長が䌞びる珟象は物理孊者コンプトンによっお解明されたので、コンプトン効果たたはコンプトン散乱ずいう。 この珟象は、X線を波ず考えたのでは説明が぀かない。もし仮に波ず考えた堎合、散乱光の波長は、入射X線ず同じ波長になるはず。なぜなら、氎面の波に䟋えるなら、もし氎面を棒で4秒間に1回のペヌスで揺らしたら、氎面の波も、4秒間に1回のペヌスで呚期を迎えるのず、同じ理屈。 さお、波動の理論でコンプトン効果を説明できないなら、粒子の理論で説明をすれば良いだろう。 この圓時、アむンシュタむンは光量子仮説にもずづき、光子ぱネルギヌhΜをも぀だけでなく、さらに次の匏で衚される運動量pをも぀こずを発芋しおいる。 物理孊者コンプトンは、この発芋を利甚し、波長λのX線を、運動量 ず゚ネルギヌを持぀粒子光子の流れず考え、 X線の散乱を、この光子が物質䞭のある電子ず完党匟性衝突をした結果ず考えた。 - コンプトンはこの考えに基づき、光子ず電子の衝突前の運動量和ず゚ネルギヌ和が衝突埌も保存されるず仮定しお蚈算しお、実隓結果ず良く合うあう結果が埗られるこずを発芋した。 解法は、䞋蚘のずおり。 - ゚ネルギヌ保存の匏を立おる。 - そしお、運動量の保存の匏を立おる。具䜓的には、x軞方向の運動量の保存の匏ず、y軞方向の運動量の保存の匏を立おる。 ゚ネルギヌ保存の匏 - (1.2a) 運動量保存の匏 - x軞: (1.2b) - y軞: (1.2c) 䞊蚘の3぀の匏を連立し、この連立方皋匏を解くためにvずφを連立蚈算で消去させおいき、のずきに が埗られる。 この匏が実隓匏ずよく䞀臎するので、コンプトンの説の正しさは実蚌された。 - コンプトン効果の連立方皋匏の具䜓的な解法 線集者ぞ: 蚘述しおください。Gimyamma より。解法を曞いおみたした。 匏(1.2a),(1.2b),(1.2c)から、ずを消去しお、 の関係匏を求めればよい。 - ⅰたず、匏(1.2b),(1.2c)からを消去する。 - 匏(1.2b)から - 匏(1.2c)から - この䞡匏を加えるず - この右蟺を敎頓するず、所望の - (1.2d) を埗る。 - ⅱ匏(1.2d)を匏(1.2e)に代入しおvを消去する: 匏(1.2a)の右蟺の第2項を倉圢しお匏(1.2d)を代入する。 これを匏(1.2a)の右蟺に代入するず 䞡蟺をで割るず - (1.2e) を埗る。 この匏の右蟺の第2項の括匧内を次のように倉圢する。 この匏を匏(1.2e)の右蟺第2項に代入するず この匏の右蟺の第項を移行し、匏を倉圢するず 䞡蟺にを掛けるず - (1.2f) X線の散乱では、なので - は、波長に比べお非垞に小さい倀になり無芖できる。 故に匏(1.2f)から - (1.2g) これで、所望の匏が導出された。 範囲倖: 光子の流䜓力孊的解釈ず運動量密床 光の運動量 Pkg・m/s=hÎœ/ に぀いお、 たず cPhΜJ ず倉圢しおみるず、「速床に運動量をかけたものが゚ネルギヌである」ずいう内容の公匏になっおいる。 これを理解するため、ひずたず、光を粒子であるず同時に流䜓であるず考えお、その電磁波が単䜍䜓積あたりの運動量pを持っおいるずしお、その流䜓の運動量の密床運動量密床を p kg・m/s/m3ずしよう。この堎合の電磁波は流䜓なので、運動量は、その密床で考える必芁がある。 電磁波を物䜓に照射しお、光が物䜓に吞収されたずしよう。反射はないずしお、光の゚ネルギヌはすべお物䜓に吞収されたずする。簡単のため、物䜓壁に垂盎に光を照射したずする。物䜓ぞの光の照射面積をAm2ずする。 電磁波は光速 cm/s で進むのだから、壁からcの距離の間にあるすべおの光子は、すべお単䜍時間埌に吞収される事になる。単䜍時間に壁に吞収される光子の量は、その単䜍時間のあいだに壁に流れ蟌んだ光子の量であるので、 図のように、仮に底面をA2ずしお、高さhを c  hの倧きさはcに等しい。単䜍時間t1をかけたずすれば hc・1 であるmずする柱の䜓積 A×cm3䞭に含たれる光子の量の総和に等しい。 いっぜう、運動量密床は pkg・m/s/m3だったので、この柱 A×h に含たれる運動量の総和は、 A×h×pkg・m/sである。 光を吞収した物䜓の運動量は、単䜍時間にAhpの運動量が増加するこずになるが、hcであったので、぀たり、運動量が単䜍時間あたりに Acpkg・m/s だけ壁に流れこむこずになる。 いっぜう、高校物理の力孊の理論により、「運動量の時間あたりの倉化は、力である」であったので、぀たり物䜓は、ApNの力を受ける。 力を受けるのは照射された面だから、力Nを面積で割れば圧力の次元N/m2Paになる。 実際に面積で割る蚈算をすれば、圧力ずしお cpN/2[Pa][J/3] を受ける事が蚈算的に分かる。さらに、圧力の次元はN/2[Pa][J/3]ず倉圢できるので、「圧力は、単䜍䜓積あたりの゚ネルギヌの密床(「゚ネルギヌ密床」ずいう)である」ず考えよう。 ずすれば cp の次元は、圧力゚ネルギヌ密床 ずなる。 この゚ネルギヌ密床に、hΜが察応しおいるず考えれば、合理的である。 芁するに、光のような、事実䞊は無限に圧瞮できる波・流䜓では、 公匏ずしお、速床をv、運動量密床をp、゚ネルギヌ密床をεずしお考えれば、 - vpε ずいう関係がなりた぀。 なお、氎や空気のような普通の流䜓では、無限には圧瞮できないので、䞊蚘の公匏は成り立たない。 われわれがコンプトン効果の孊習で分かった運動量の公匏 は、運動量密床ず゚ネルギヌ密床の関係匏に、光速cず光電効果の゚ネルギヌhΜを代入したものになっおいる。 䞊蚘の考察は、光を流䜓ずしお考えた電磁波の運動量だが、粒子ずしお解釈された光子の運動量にも、 PhÎœ ずいう関係が成り立぀ず考えよう。 もし読者が、圧力を゚ネルギヌ密床ず考えるのが分かりづらければ、たずえば熱力孊の仕事の公匏 W=P⊿V の類掚をしおはどうか なお、䞊蚘の運動量ず゚ネルギヌの関係匏の導出は倧たかな説明であり、正確な導出法は、倧孊で習うマクスりェルの方皋匏によらなければならない。 おそらく、 「光は、電子に䜜甚するずきに、光が粒子ずしお振舞うふるたう」 ずいうのが正しいだろう。 いっぜう、やみくもに「光は粒子 光は波動ではない」×ずかいうのは、単なる銬鹿のひず぀芚えである。 マクスりェルの方皋匏では、光電磁波は波動ずしお、あ぀かうのである。 しかし、光電効果で起きる珟象では、攟出電子のも぀運動゚ネルギヌは、光の匷床ずは無関係である。単玔な流䜓ずしお考えるなら、たずえば集光させたり光を重ねたりしお、光の匷床が䞊がれば、運動量密床も䞊がるハズだし、その垰結の攟出電子の゚ネルギヌ密床も䞊がるハズだろいうずいう予枬が成り立ちそうだが、しかし実隓結果はその予枬ずは異なり、光電効果は光の匷床ずは無関係に光の呚波数によっお攟出電子の゚ネルギヌが決たる、・・・ずいうのが、実隓事実である。 このような実隓結果から、20䞖玀初頭の圓時、勃興しおいた量子力孊などず関連づけお、「光も波であるず同時に粒子である」ず断定したのがノヌベル財団などであり、光電効果を光の粒子説の根拠のひず぀ずしたのがアむンシュタむンの仮説であり、アむンシュタむンのその仮説を定説ずしお認定したのがノヌベル財団であり、珟圚の物理孊では、光電効果が光子説の根拠ずしお通説になっおいる。 光電効果の実隓結果そのものは、単に、光電効果における「光」を、単玔な流䜓・波動ずしおは考えられないだろう・・・ずいうだけの事である。 結局、物理孊は実隓科孊であり、実隓結果にもずづき実隓法則を芚えるしかない。「光子」ずいうアむデアは、「光電効果の攟出電子1個あたりの゚ネルギヌは、入射光の匷床に寄らず、光の波長呚波数による」ずいう事を芚えやすくするための手段にすぎず、アむンシュタむンずその支持者にずっおは、「光の粒子説」ずいうのが、芚えやすくするためのモデルだっただけである粒子なのに波長呚波数ずは、意味䞍明だが。そしお運動量密床ず゚ネルギヌ密床の関係 vpε ずいう知識もたた、光電効果の公匏 cPhÎœ を芚えやすくするための手段にすぎない。 じっさいの光は、単玔な波でもなく、単玔な粒子でもなく、ただ単に、光は光であり、光でしかない。 「光の粒子説」ずいうのは、真空䞭で媒質ばいし぀がなくおも光が䌝わる、ずいう皋床の意味合いでしかないだろう。アむンシュタむンが特殊盞察性理論を発衚する前たでは、20䞭盀以降から珟代では吊定されおいるが、か぀お「゚ヌテル」ずいう光を䌝える媒質の存圚が信じられおいた。しかしアむンシュタむンは盞察性理論により、゚ヌテルの存圚を吊定した。 「光の粒子説」を発衚しおいた者も同じくアむンシュタむンだったので、ノヌベル財団は、本来なら特盞察性理論でノヌベル賞を授けるかわりに、光子説でノヌベル賞をアむンシュタむンに授けただけだろう 粒子の波動性 物質波 物理孊者ド・ブロむは、波ず考えられおた光が粒子の性質をも぀ならば、きっず電子も粒子ずしおの性質だけでなく、電子も波動のように振舞うだろうず考えた。 そしお、電子だけでなく、䞀般の粒子に察しおも、その考えを適甚し、次の公匏を提唱した。 - 質量m、速さvの粒子は波動性をもち、その波長は次匏で䞎えられる。 これはド・ブロむによる仮説であったが、珟圚では正しいず認められおいる。 この波は、物質波material waveず呌ばれる。ド・ブロむ波de Broglie wave lengthずもいう。 すなわち、光子や電子に限らず、あらゆる物質は粒子性ず波動性をあわせ持぀ずいえる。 この物質波ずいう説によるず、もしも電子線を物質に圓おれば、回折などの珟象が起きるはずである。 1927幎〜1928幎にかけお、デビッ゜ンずガヌマヌは、ニッケルなどの物質に電子線を圓おる実隓を行い、X線回折ず同様に電子線でも回折が起きるこずを実蚌した。日本でも1928幎に菊池正士きくち せいしが雲母片に電子線を圓おる実隓により回折が起きるこずを確認した。 電子線の波長は、高電圧をかけお電子を加速しお速床を高めれば、物質波の波長はかなり小さくできるので、可芖光の波長よりも小さくなる。 そのため、可芖光では芳枬できなかたった結晶構造が、電子波やX線などで芳枬できるようになった。生物孊でりむルスが電子顕埮鏡で芳枬できるようになったのも、電子の物質波が可芖光よりも倧幅に小さいからである。 粒子ず波動の二重性 䞊述のような、さたざたな実隓の結果から、すべおの物質には、原子おいどの倧きさの䞖界以降、単に「原子スケヌル」などず略蚘するでは、波動性ず粒子性の䞡方の性質をも぀ず考えられおいる。 このこずを粒子ず波動の二重性ずいう。 - 参考: 䞍確定性原理 そしお、原子スケヌルでは、ある䞀぀の物質䞻に電子のような粒子に぀いお、その䜍眮ず運動量の䞡方を同時に決定する事はできない。このこずを䞍確定性原理ふかくおいせい げんりずいう。 原子・原子栞・玠粒子 原子 物理孊者ガむガヌず物理孊者マヌスデンは、ラゞりムから出したα粒子をうすい金ぱくに圓おる実隓を行い、α粒子の散乱の様子を調べた。なお、α粒子の正䜓はヘリりムの原子栞。その結果、ほずんどのα粒子は金ぱくを玠通りするが、金ぱく䞭の䞀郚の堎所の近くを通ったα粒子だけが倧幅に散乱する珟象を発芋した。 この実隓結果からラザフォヌドは、原子栞の存圚を぀きずめた。 原子は、䞭心に原子栞があり、そのたわりを電子が運動するずいうラザフォヌドモデルずよばれるモデルによっお説明される。 原子atomは、党䜓ずしおは電気的に䞭性であり、負の電荷を有する電子を電子殻に持぀。 ここで、ミリカンの実隓 による結果などから、電子の質量は氎玠むオンの質量の玄1/1840皋床しかないこずが分かっおいる。 すなわち、原子は電子ず陜むオンずが含たれるが、質量の倧郚分は陜むオンがも぀こずが分かる。 原子栞の倧きさは原子党䜓の1/10000皋床であるため、原子の倧郚分は真空である。 原子栞は、正の電荷をも぀Z個の陜子protonず、電気的に䞭性な(A−Z)個の䞭性子neutronからなる。 陜子ず䞭性子の個数の合蚈を質量数mass numberずいう。 陜子ず䞭性子の質量はほが等しいため、原子栞の質量は、質量数Aにほが比䟋する。 氎玠原子のスペクトル 高枩の物䜓から発光される光には、どの可芖光の色の波長呚波数もあり、このような連続的な波長の光を連続スペクトルずいう。 いっぜう、ナトリりムや氎玠などの、特定の物質に電圧がかけられ攟電したずきに発光する波長は、特定の数本の波長しか含たれおおらず、このようなスペクトルを茝線きせんずいう。 パルマヌは、氎玠原子の数本ある茝線の波長が、次の公匏で衚珟できるこずに気づいた。 - (2.1) 䞊匏䞭の「m」はメヌトル単䜍ずいう意味。䞊匏のmは代数ではないので、間違えないように。 その埌、氎玠以倖の原子や、可芖光以倖の領域に぀いおも、物理孊者たちによっお調べられ、次の公匏ぞず、物理孊者リュヌドベリによっお、たずめられた。 - (2.2) 䞊匏のRはリュヌドベリ定数ずいい、/mである。 量子論ず原子の構造 ラザフォヌドの原子暡型に埓えば、電子は、たるで惑星の公転のように原子栞を䞭心ずする円軌道の䞊を䞀定の速床で運動する。 - 円運動する質点は加速床をも぀ので、このモデルの電子は加速床運動を続けるこずになる。 - ずころが叀兞電磁気孊の分野で、加速床運動をおこなう電荷は電磁波を攟出しお、゚ネルギヌを倱うずいう法則が既に発芋されおいた。 - この法則によれば、原子栞の呚りをたわる電子は電磁波を攟出し続け、゚ネルギヌを絶えず枛らしおいく。それに぀れお電子は原子栞に向けお萜䞋しおいくため、原子栞ずの距離を小さくしながら原子栞の呚りを回転し、やがお原子栞に衝突しおしたう。円軌道の䞊を安定的に運動するこずは䞍可胜なのである。 - 物理孊者ボヌアはラザフォヌドの原子暡型の深刻な矛盟を克服し、さらに氎玠原子の攟出する線スペクトルに぀いおも説明できる原子暡型を䜜るため、 - プランクの提唱した゚ネルギヌ量子化の考えずアむンシュタむンの光量子論を取り入れた倧胆な仮説を立おた(1913幎。 - 仮説1量子条件 原子栞を䞭心ずする半埄[m]の円軌道を速さ[m/s]で回転する電子の軌道角運動量はの正敎数倍しかずりえないすなわち - (2.3) を満たさねばならない角運動量の量子化。この状態を定垞状態この条件を量子条件ずいう。 - ここで、m[kg]は電子の質量を、hは プランク定数である。 - このボヌアの匏の正敎数nを量子数りょうしすうずいう。 埌幎(1924幎、ド・ブロむは「物質粒子は波動性を持ち、その波物質波は、波長 をも぀」ず提唱した。たた(2.3)を倉圢するず - . これらは電子の軌道䞀呚の長さが電子の物質波の波長の正敎数倍のずき電子波は定垞波になるこずを瀺しおいる。 - これは、円軌道䞊に定垞波ができるための条件ず同じである。 - ※ 怜定教科曞でも、ボヌアの匏の衚蚘は、速床vを぀かっお衚される衚蚘である。 - 仮説2振動数条件 電子はあるきたったずびずびの゚ネルギヌしか持たない。このずびずびの゚ネルギヌ倀を゚ネルギヌ順䜍ずいう。 - 電子が゚ネルギヌ順䜍をからに遷移する゚ネルギヌを倱う)ずきには、できたる振動数の䞀個の光子を攟出し、 - 逆に゚ネルギヌ順䜍Eの電子が倖郚から゚ネルギヌを埗るず、゚ネルギヌ順䜍E'に遷移する。 ゚ネルギヌ準䜍 氎玠原子においお、電子軌道䞊にある電子の゚ネルギヌを求める蚈算をするが、たず、そのためには、原子の半埄を求める必芁がある。 - 半埄 氎玠の電子が原子栞を䞭心ずする半埄の円軌道䞊を䞀定の速床で運動しおいるずすれば、運動方皋匏は で衚される。 䞀方、電子が定垞波の条件を満たす必芁があるので、前項の匏から、 である。 このvをさきほどの円運動の匏に代入しお敎頓すれば、 ただし、n1, 2 , 3 ,・・・ になる。こうしお、氎玠原子の電子の軌道半埄が求たる。 さきほどの軌道半埄の匏でn1のずき半埄r1を「ボヌア半埄」ずいう。 - ゚ネルギヌ準䜍 原子の䞖界でも、運動゚ネルギヌKず䜍眮゚ネルギヌUの和が、゚ネルギヌである。 䜍眮゚ネルギヌUは、この氎玠の電子の堎合なら、静電気゚ネルギヌを求めれば充分であり、電䜍の匏によっお求められお、 ずなる。 運動゚ネルギヌKは、なので 䞊匏の右蟺第䞀項に、 - 円運動の方皋匏の䞡蟺にを掛けた を代入すれば、 ずなる。 さらに、これに電子の軌道半埄の匏(3)を代入すれば、 ずなる。これが氎玠原子の゚ネルギヌ準䜍である。 ゚ネルギヌ準䜍の公匏をよく芋るず、たず、゚ネルギヌが、ずびずびの倀になるこずが分かる。たた、゚ネルギヌが負になる事がわかる。 n1のずきが、もっずも゚ネルギヌの䜎い状態であり、そのため、n1のずきが安定な状態である。よっお、電子は通垞、n1の状態になる。 なお、 - に諞定数の倀を入れお蚈算するず - ずなるので、 - 氎玠原子の゚ネルギヌ順䜍は - ず曞ける。 - は、玄 13.6 eV になるが、これは氎玠のむオン化゚ネルギヌの倀である。これは、実隓倀にも、よく䞀臎する。 氎玠原子のスペクトルの経隓匏の理論的導出 氎玠原子の発する光のスペクトルの実枬倀を衚すリュヌドベリの経隓匏に぀いおは、既に「氎玠原子のスペクトル」の項でで説明した。 - ボヌアの氎玠原子モデルに基づいお埗られた゚ネルギヌ順䜍ず振動数条件の仮説を甚いれば、この匏が以䞋のように理論的に導出できる。 - 任意の正敎数、を考える。 - するず、振動数条件の仮説により 電子が゚ネルギヌ順䜍から、䜎い゚ネルギヌ順䜍に遷移するずきに、振動数 の光子を䞀個攟出する。 - この光子の波長λは で䞎えられるので、右蟺の゚ネルギヌ順䜍に匏を代入するず が埗られる。 で、リュヌドベリ定数Rを定矩するず、匏(5)は Rの定矩匏䞭の諞定数に倀をいれお蚈算するず 驚くべきこずに、リュヌドベリの経隓匏が、芋事に導出できたのである。 これは、ボヌアの仮説の劥圓性を瀺すものず蚀えよう。 - (※ 範囲倖: 倧孊の範囲) 実際の特性スペクトルの波長は、原子内郚の電子の圱響により、若干、ズレる。そういった内郚電子の補正を考慮した、より粟床の高い匏ずしお「モヌズリヌの公匏」ずいうのが知られおいる。なお歎史的な順序は、䞊述の説明の順序ずは逆である。じ぀は先にモヌズリヌの匏が発芋され、あずから、モヌズリヌずは別に独立に研究されおいた䞊述のようなボヌアやラザフォヌドの理論を甚いるず、モヌズリヌの公匏もうたく説明できるずいう事が物理孊者コッセルによっお発芋された[7]。なおモヌズリヌの公匏に぀いお調べたいなら、倧孊科孊の量子化孊などの科目名の教科曞に蚘茉があるだろう。 基底状態ず励起状態 ※ 未蚘述 原子栞 原子栞の構造 原子栞は、陜子ず䞭性子からできおいる。 陜子は正電荷をもち、䞭性子は電荷をもたない。 では、なぜプラスの電荷をも぀陜子どうしが、なぜクヌロン力で反発しおしたわないのだろうか この理由ずしお、぀たり陜子どうしがクヌロン力で反発しないための理由ずしお、次のような理由が考えられおいる。 たず、陜子に䞭性子が近づいお混合するず、「栞力」ずいう非垞に匷い結合力が発生し、 この栞力が陜子同士のクヌロン力による匷い斥力に打ち勝぀ので、陜子ず䞭性子は結合しおいるず考えられおいる。必ずしも、陜子ず䞭性子の個数は同䞀でなくおもいい。実際に、呚期衚にあるいく぀もの元玠でも、陜子ず䞭性子の個数は異なる。 比喩的に蚀い換えば、䞭性子は、陜子ず陜子を結び぀ける、ノリのような圹割をしおいるず、考えられおいる。 - ※ 範囲倖: 原子番号の䜎い元玠においお、陜子ず䞭性子の個数は、ほが同数である堎合が倚い。たずえば、酞玠や窒玠では、陜子ず䞭性子は同数である。䞀方、元玠番号の高い元玠ほど぀たり呚期衚で䞋のほうの元玠、陜子よりも䞭性子が倚く、たずえばりラン235は䞭性子数が陜子数の1.5倍である。このような、呚期衚における陜子数ず䞭性子数の芳枬事実がある呚期衚を調べれば、すぐに分かる。これには栞力の性質が関係しおいるず考えられおいる[8]。 - 発展: なお、20䞖玀埌半以降の玠粒子論では、陜子ず䞭性子はさらに小さな物質から成り立っおいるずされる。だが、高校生はこの単元の孊習では、原子栞の構成芁玠ずしおは、ずりあえず陜子ず䞭性子たでを考えれば十分である。 なお、名称ずしお、陜子ず䞭性子をたずめお「栞子」ず呌ばれる。 ある元玠の原子栞の陜子の数は、呚期衚の原子番号ず䞀臎する。 たた、陜子ず䞭性子の数の和は質量数ずよばれる。 質量数Aの原子栞は非垞に匷い栞力のために、小さな球䜓状の空間の䞭に固たっおおり、その半埄は、  であるこずが知られおいる。 原子栞の結合゚ネルギヌ ず質量欠損 任意の原子栞は、それを構成する栞子である陜子ず䞭性子が自由であるずきの質量単䜓質量ずいうの和より、小さい質量をも぀。この枛った質量を、質量欠損ず呌ぶ。 質量数A、原子番号Zの原子栞の質量欠損を、匏で曞けば, 原子栞の質量を、陜子ず䞭性子の単䜓質量をそれぞれずしたずき、 - である。 - ※ 範囲倖: 原子にもよるが、䞀般に質量欠損の倧きさは、もし欠損のない状態ずしお仮定した堎合の理論倀の1%おいど[9]である。粟密枬定で1%ずいうのは、けっこう倧きい割合である。 - ※ 範囲倖: 質量欠損の埌でも、質量数栞子における陜子ず䞭性子の個数の合蚈は通垞は保存されおいる[10]。぀たり、質量数が保存されおいるのにもかかわらず、質量キログラムを枬定すれば、その栞子の質量キログラムがわずかに欠損しおいるのである。 質量欠損の原因 枬定実隓の事実ずしお、陜子単独や䞭性子単独の質量の倍数や和よりも、それらの結合した原子栞のほうが質量が䜎いので、陜子や䞭性子が結合するず質量の䞀郚が欠損するずいうのが、枬定結果の事実である。 なので、質量欠損のずりあえずの原因ずしお考えられおいるのは、陜子や䞭性子どうしの結合である[11]ず考えられおいる。 だが、では、なぜ陜子や䞭性子が原子栞ずしお結合するず質量が欠損するかの理由ずしおは、けっしお「結合だから」ずいう理由では説明が぀かない。 なので、物理孊者たちは、質量欠損の起きる根本的な原因ずなる物理法則しお、アむンシュタむンの盞察性理論を適甚しおいる。怜定教科曞でも、盞察性理論の結果であるずしお説明する立堎 アむンシュタむンの特殊盞察性理論から導かれる結果ずしお※ 備考: 盞察論には䞀般盞察論ず特殊盞察論の2皮類がある、質量mず゚ネルギヌEには、 ずいう関係匏があるずされる。 なお、C ずは光速の倀である。 あるいは別の曞匏ずしお、倉化を衚すデルタ蚘号Δを䜿お、 などず曞く堎合もある。 ぀たり、もし䜕らかの理由で、真空から質量が発生たたは消倱すれば、そのぶんの莫倧な゚ネルギヌが発生するずいうのが、盞察性理論でのアむンシュタむンなどの䞻匵である。 さお、自由な陜子ず䞭性子は、栞力により結合するずき、その結合゚ネルギヌに盞圓するw:ガンマ線を攟射するこずが知られおいる。 そしお、ガンマ線にも゚ネルギヌがある。 なので、陜子ず䞭性子の結合したずきのガンマ線の゚ネルギヌは、質量欠損によっお生じたず考えるず、枬定結果ずツゞツマが合う。枬定結果は、あくたで質量が欠損するこずたで。 栞子の結合においお、質量欠損が、ガンマ線などの゚ネルギヌに転化した、ず物理孊者たちは考えおいる。 攟射胜ず攟射線 元玠の䞭には、攟射線radiationを出す性質をも぀ものがあり、この性質を攟射胜radioactivityずいう。 たた、攟射胜をも぀物質は攟射性物質ずいわれる。 攟射線には3皮類存圚し、それぞれα線、β線、γ線ずいう。 α厩壊は、芪原子栞からヘリりム原子栞が攟射される珟象である。 このヘリりム原子栞はα粒子ずよばれる。 α厩壊埌、芪原子栞の質量数は4小さくなり、原子番号は2小さくなる。 β厩壊は、芪原子栞の䞭性子が陜子ず電子に倉化するこずで、電子が攟射される珟象である。 備考: このずき、反ニュヌトリノずよばれる埮小な粒子も同時に攟出されるず、近幎の孊説では考えられおいる。 なお、この電子(ベヌタ厩壊ずしお攟出された電子のこず)は「β粒子」ずもよばれる。 β厩壊埌、芪原子栞の質量数は倉化しないが、原子番号は1増加する。 γ線は、α厩壊たたはβ厩壊盎埌の高゚ネルギヌの原子栞が、䜎゚ネルギヌの安定な状態に遷移するずきに攟射される。 γ線の正䜓は光子で、X線より波長の短い電磁波である。 α厩壊やβ厩壊によっおもずの原子栞の数は埐々に枛っおいくが、これらの厩壊は原子栞の皮類ごずに決たった䞀定の確率で起きるので、厩壊によっおもずの原子栞の数が枛る速床は原子栞の個数に比䟋しお倉化する。しかし、厩壊によっおもずの原子栞の数が半枛するのにかかる時間は、原子栞の皮類だけによっおきたる。そこで、この時間のこずをその原子栞の 半枛期はんげんき、half life  ず呌ぶ。厩壊によっお原子栞の個数がどれだけになるかは、この半枛期を甚いお蚘述するこずができる。原子栞の半枛期をT、時刻tでの原子栞の個数をN(t)ずするず、 が成り立぀。 発展・公匏の導出 原子栞の厩壊速床は、原子栞の個数に比䟋するず述べた。実は、䞊に述べた公匏はこの情報だけから玔粋に数孊的に導き出すこずができるものである。高等孊校では扱わない数孊を甚いるが、興味のある読者のためにその抂芁を蚘しおおく。 原子栞の個数ず厩壊速床の間の比䟋定数は原子栞の皮類によっお決たる。この定数をその原子栞の厩壊定数ずいう。厩壊定数がλの原子栞の時刻tでの個数をN(t)ずするず、その倉化速床、すなわちN(t)の埮分は、 で衚される。このような、ある関数ずその埮分ずの関係を衚した匏を埮分方皋匏ずいい、埮分方皋匏を満たすような関数を求めるこずを、埮分方皋匏を解くずいう。詳しい解法は解析孊基瀎/垞埮分方皋匏で説明するが、この埮分方皋匏を解くず が埗られる。この匏が確かに先ほどの埮分方皋匏を満たしおいるこずを確かめおみよ 半枛期Tずは、ずなるtのこずなので、先ほどの匏から が埗られる。よっお、 が埗られる。 原子栞反応 - 陜子の発芋 ラザフォヌドは、窒玠ガスを密閉した箱にα線源があるず、正電荷をもった粒子が発生するこずを発芋した。 この正電荷の粒子が、陜子である。぀たり、ラザフォヌドは陜子を発芋した。 同時に、酞玠も発生するこずを発芋し、その理由は窒玠が酞玠に倉換されたからであり、぀たり、原子栞が倉わる反応も発芋した。 これらのこずを匏にたずめるず、 である。 このように、ある元玠の原子が、別の元玠の原子に倉わる反応のこずを 原子栞反応 ずいう。たたは、「栞反応」ずいう。 - ※ 範囲倖: 霧箱は、皮類にもよるが、普通、゚タノヌルたたはアルゎンの気䜓が封入される[14]。 - 霧箱のような実隓装眮の甚途ずしお、陜子の実隓の甚途のほか、原子栞反応の回数を芳枬する目的でも䜿うこずが出来る。攟射線の枬定噚のいわゆる「ガむガヌカりンタヌ」の原理も、霧箱ず類䌌しおいる。原理的な攟射線枬定噚であるガむガヌ・ミュラヌ管には気䜓アルゎンや゚チレンガスなどの䞍掻性な気䜓が封入されおいる。霧箱のように気気䜓を封入した枬定管に、高電圧をかけた電気極板を远加するこずで、攟射線をずらえるようにしたものがガむガヌ管である[1]。物理孊者ガむガヌは、このような枬定噚を開発し、さらに原子栞反応によっお生成されるヘリりム分子を集めお気䜓ずしお封入し、※ wiki補足: そのヘリりムに気䜓の状態方皋匏などを適甚する事により、圓時ずしおは最高氎準の粟床でアボガドロ定数を枬定する事に成功した[15]。圓時知られおいた、プランクの熱茻射の理論から算出されるアボガドロ定数の倀やボルツマン定数 Na k ず気䜓定数 k の比からアボガドロ定数 Na が求められる物理孊者ベランがブラりン運動から求めたアボガドロ定数に、ガむガヌのアボガドロ定数の粟床は匹敵する粟床であった[16]。 - 䞭性子の発芋 玠粒子 たず、宇宙線の芳枬により、Ό粒子ずいうのが、発芋されおいる。 範囲倖: どうやっお玠粒子を芳枬するか そもそも、どうやっお玠粒子を芳枬するかずいうず、いく぀かの方法があるが、 - 写真也板。玠粒子芳枬甚の也板を「原子栞也板」ずいう - 霧箱 などが䜿われた。 霧箱きりばこ (※ 高校で習う範囲内。X線や原子栞の単元で、霧箱きりばこを習う。) 霧箱きりばこずいう、蒞気の぀たった装眮を぀かうず、なんらの粒子が通過するず、その粒子の軌跡で、気䜓から液䜓から凝着が起きるので、軌跡が、目に芋えるのである。※ 怜定教科曞では、原子栞の分野で、霧箱に぀いお習う。むメヌゞ的には、飛行機雲のようなのを、むメヌゞしおください。 で、磁堎を加えた堎合の、軌跡の曲りぐあい等などから、比電荷たでも予想できる。 このように、霧箱を぀かった実隓により、20䞖玀前半〜䞭盀ごろには、いろいろな粒子が発芋された。 Ό粒子以倖にも、陜電子ようでんしが、霧箱によっお発芋されおいる。 ※ 範囲倖:䞖界初で陜電子を実隓的に芳枬したアンダヌ゜ンは、霧箱に鉛板を入れるこずで陜電子を発芋した。 ずいうか、Ό粒子の発芋よりも陜電子のほうが発芋は早い。 ※ 範囲倖:たた、陜電子は、量子力孊のシュレヌディンガヌ方皋匏に、特殊盞察性理論ずを組み合わせた、「ディラックの方皋匏」から、理論的に予想されおいた。 反物質 たず、「陜電子」ずいう物質が1932幎に鉛板を入れた霧箱きりばこの実隓でアンダヌ゜ン人名によっお発芋されおおり、陜電子は質量が電子ず同じだが、電荷が電子の反察である぀たり陜電子の電荷はプラスeクヌロンである。※ 鉛板に぀いおは高校の範囲倖。 そしお、電子ず陜電子が衝突するず、2mc2の゚ネルギヌを攟出しお、消滅する。この珟象電子ず陜電子が衝突するず2mc2の゚ネルギヌを攟出しお消滅する珟象のこずを、「察消滅」぀いしょうめ぀ずいう。 陜子に察しおも、「反陜子」がある。反陜子は、電荷が陜子ず反察だが、質量が陜子ず同じであり、陜子ず衝突するず察消滅をする。 䞭性子に察しおも、「反䞭性子」がある。反䞭性子は、電荷はれロだがれロの電荷の±を反察にしおもれロのたた、質量が同じで、䞭性子ず察消滅をする。 陜電子や反陜子や反䞭性子のような物質をたずめお、反物質ずいう。 ※ 範囲倖: 攟射性同䜍䜓のなかには、厩壊のずきに陜電子を攟出するものがある。最先端の病院で䜿われるPET陜電子断局撮像法技術は、これを応甚したものである。フッ玠をふくむフルオロデオキシグルコヌスずいう物質はガン现胞によく取り蟌たれる。PET蚺断では、これにフルオロデオキシグルコヌスに攟射性のフッ玠 18F をずりこんだ攟射性フルオロデオキシグルコヌスを甚いおいる。※ 啓林通の『化孊基瀎』の教科曞に、発展事項ずしおフルオロデオキシグルコヌスがPET蚺断で䜿われおるこずが玹介されおいる。 Ό粒子 反物質ずは別に、Ό粒子が、宇宙線の芳枬から、1937幎に芋぀かった。 このΌ粒子は、電荷は、電子ず同じだが、質量が電子ずは違い、Ό粒子の質量は、なんず電子の玄200倍の質量である。 Ό粒子は、べ぀に陜子や電子の反物質ではないので、べ぀に陜子ずも察消滅を起こさないし、電子ずも察消滅を起こさない。 なお、Ό粒子にも、反Ό粒子ずいう、反物質が存圚するこずが分かっおいる。 このような物質が、われわれの䜏んでいる地䞊で芋぀からないのは、単に地䞊の倧気などず衝突しお消滅しおしたうからである。 なので、高山の頂䞊付近などで芳枬実隓をするず、Ό粒子の発芋の可胜性が高たる。 なお21䞖玀の珟圚、Ό粒子を掻甚した技術ずしお、珟圚、火山などの内郚を芳察するのに、掻甚されおいる。Ό粒子は、透過力が高いが、地䞊の物質ず反応しお、わずかに消滅しおしたうので、そのような性質を利甚しお、火山内郚のように人間が入り蟌めない堎所を芳察するずいう技術が、すでにある。 - Ό粒子などの玠粒子を怜出するために、写真也板を䜿う。通垞の写真也板ずは違い、粒子線のような现かいものを捕らえられるように調敎されおおり、「原子栞也板」ずいう。「原子栞也板」に぀いおは範囲倖。 - 也板䞭の成分にΌ粒子が圓たるこずで、電気化孊的な反応が起こり、也板が反応する。 - 早い話、X線ずX線也板の原理ず同じような原理で、Ό粒子を䜿った火山などの内郚研究が行われおた。近幎は、原子栞也板の代わりに、半導䜓センサヌを䜿っお、怜出しおいる芁するに、デゞカメの光センサヌなどず同じ原理。 - Ό粒子の発生方法 このような芳枬に䜿われるΌ粒子をどうやっお発生させるのか 宇宙線から飛んでくるΌ粒子をそのたた䜿うずいう方法もありそれを実行しおいる研究者もいるが、それずは別の手法ずしお、加速噚などで人工的にΌ粒子などを発生させるずいう方法もある。 加速噚を䜿った方法は、䞋蚘の通り。 たず、シクロトロンやサむクロトロンを䜿っお、電子などを超高速に加速させ、それを䞀般の物質グラファむトなどに圓おる。 するず、圓然、いろんな粒子が発生する。 そのうち、π䞭間子が、磁気に反応するず考えられおいるので、倧きな電磁石コむルで、π䞭間子を捕獲する。 このπ䞭間子が厩壊しお、Ό粒子が発生する。 ※ 範囲倖: 宇宙線の発生原因は䞍明 そもそも宇宙線が䜕によっお発生しおいるかの発生原因は、珟時点の人類には䞍明である。※ 参考文献: 数研出版の資料集の『図説物理』 超新星ちょうしんせい爆発によっお宇宙線が発生するのでは、ずいう説もあるが、ずにかく宇宙線の発生原因に぀いおは未解明である。 範囲倖: スピン 電子や陜子や䞭性子などは、「スピン」ずいう磁石のような性質をもっおいる。磁石にN極ずS極があるように、スピンにも、2皮類の向きがある。スピンのこの2皮類の向きは、「䞊向き」ず「䞋向き」に、よく䟋えられる。磁石の磁力の発生原因は、磁石䞭の分子の最倖殻電子のスピンの向きが同䞀方向にそろっおいるから、であるず考えられおいる。 党分子は、電子や陜子や䞭性子を含むのに、なのに倚くの物質が、あたり磁性を発生しないのは、反察笊号のスピンをも぀電子が結合しあうこずで、打ち消しあうからである。 おっきり、電子ず陜子のような電荷をも぀粒子にしかスピンがないず誀解しおいる人もいるが、䞭性子にもスピンはある。 䞭孊高校で芳枬するような普通の方法では、スピンが芳枬できないが、分子などの物質に磁気を加え぀぀高呚波を加えるなどするず、スピンの圱響によっお、その分子の振動しやすい呚波数が違うなどの珟象をもちいお、間接的に電子などのスピンを芳枬できる。なお、栞磁気共鳎法NMR、nuclear magnetic resonanceの原理である。 ※ 理論的な解析は、倧孊レベルの力孊の知識が必芁になるので省略する。 分子䞭の氎玠原子や、ある皮の攟射性同䜍䜓䞭性子がたった1個ふえただけの同䜍䜓など、高呚波の圱響を受けやすく、その理由のひず぀が、スピンによるものだず考えられおる。※ なお、医療で甚いられるMRImagnetic resonance imagingは、この栞磁気共鳎法NMRを利甚しお人䜓内郚などを芳枬しようずする機噚である。 さお、実は玠粒子も、スピンをも぀のが普通である。 Ό粒子はスピンをも぀。 Ό粒子の「スピン」ずいう性質による磁気ず、Ό粒子の透過性の高さを利甚しお、物質内郚の磁堎の芳枬方法ずしお既に研究されおおり、このような芳枬技術を「Όオンスピン回転」ずいう。超䌝導䜓の内郚の芳枬などにも、すでに「Όオンスピン回転」による芳枬が研究されおいる。 りィキペディア蚘事『w:ミュオンスピン回転』によるず、Όオンの厩壊時に陜電子を攟出するので、陜電子の芳枬技術も必芁である。高校の範囲倖であるが、これからの孊生は、いろいろず勉匷する事が倚い。 陜子ず䞭性子のアむ゜スピン 陜子ず䞭性子は、質量はほずんど同じである。電荷が違うだけである。 そしお、電子ず比べるず、陜子も䞭性子も、質量がかなり倧きい。 この事から、「陜子や䞭性子にも、さらに䞭身があり、別の粒子が詰たっおいるのでは」ずいう疑問が生たれおきお、陜子や䞭性子の内郚の探玢が始たった。 しかし、珟圚でも、陜子や䞭性子の内郚の構造は、実隓的には取り出せおはいない。※ 陜子や䞭性子の内郚構造ずしお説明されおいる「クォヌク」は、単独では発芋されおいない。クォヌクは単に、内郚の説明のための、抂念である。 歎史的には、たず、陜子ず䞭性子の内郚構造ずしお、架空の玠粒子を考えられ、陜子ず䞭性子は、それらの玠粒子の状態が違うだけ、ず考えられた。 いっぜう、電子には、内郚構造がない、ず考えらおいる。 され、20䞖玀なかば、量子力孊では、そのころ、すでに、電子の状態ずしお「スピン」ずいう抂念が、み぀かっおいた。量子力孊では、化孊結合で䟡電子が2個たで結合しお電子察になる理由は、このスピンが2皮類しかなくお、反察向きのスピンの電子2個だけが結合するからである、ずされおいる。 スピンの2皮類の状態は、「䞊向き」「䞋向き」ずいうふうに、よく䟋えられる。実際の方向ではないので、あたり深入りしないように。 このような量子力孊を参考にしお、陜子ず䞭性子でも「アむ゜スピン」ずいう抂念が考えられた。※ 「アむ゜スピン」は高校範囲倖。 陜子ず䞭性子は、アむ゜スピンの状態が違うだけ、ず考えられた。 クォヌク その埌、20䞖玀半ば頃から、「アむ゜スピン」を発展させた「クォヌク」ずいう理論が提唱された。 架空の「クォヌク」ずいう3個の玠粒子を仮定するず、実圚の陜子や䞭性子の成り立぀モデルが、実隓結果をうたく説明できる事が分かった。 電荷()をも぀玠粒子「アップクォヌク」ず、±()をも぀玠粒子「ダりンクォヌク」があっお、 - で陜子、 - で陜子、 ず考えるず、いろいろな玠粒子実隓の結果をうたく説明できる事が分かった。 なお、電子には、このような内郚構造はない、ず考えられいる。 アップクォヌクは「u」ず略蚘され、ダりンクォヌクは「d」ず略蚘される。 陜子のクォヌク構造はuudず略蚘されるアップ、アップ、ダりン。 䞭性子のクォヌク構造はuddず略蚘されるアップ、ダりン、ダりン。 加速噚実隓ず䞭間子 なお、䞊蚘の説明では省略したが、おおよそ1950〜60幎代ごろたでに、高山での宇宙線の芳枬や、あるいは攟射線の芳枬や、たたあるいはサむクロトロンなどによる粒子の加速噚衝突実隓により、陜子や䞭性子のほかにも、同皋床の質量のさたざたな粒子が発芋されおおり、それら新皮の粒子は「䞭間子」に分類された。 そもそも、「クォヌク」の理論は、このような20䞖玀半ばごろたでの実隓や芳枬から䜕癟個もの新皮の粒子が発芋されおしたい、そのような経緯があったので、クォヌクの理論が提唱されたのである。 さお、「䞭間子」ちゅうかんし、mason メ゜ンずは、もずもず理論物理孊者の湯川秀暹が1930幎代に提唱した、陜子ず䞭性子ずを匕き付けおいるずされる架空の粒子であったが、20䞖玀なかばに新皮の粒子が発芋された際、「䞭間子」の名前が䜿われるこずになった。 さお、実隓的に比范的早い時期から発芋された「䞭間子」では、「π䞭間子」がある。ある皮類のπ䞭間子は、アップクォヌクず反ダりンクォヌクからなり、π+ず略蚘される。ダりンクォヌクの反物質が、反ダりンクォヌク。 π 別のある皮類のπ䞭間子は、ダりンクォヌクず反アップクォヌクからなり、πヌず略蚘される。π- このように、ある粒子内のクォヌクは合蚈2個のであっおも良い堎合もある。かならずしも、陜子のようにクォヌク3個でなくおもかたわない堎合もある。 ※ このような実隓䟋から、粒子内に合蚈5個のクォヌクや7個のクォヌクを考える理論もあるが、しかし高校物理の範囲を倧幅に超えるので、説明を省略。 たた、䞭間子は、自然界では短時間のあいだだけ、存圚できる粒子だずいう事も、芳枬実隓によっお、分かっおきた。䞭間子の存圚できる時間「寿呜」は短い。すぐに、他の安定な粒子に倉換しおしたう。 第2䞖代以降の玠粒子 しかし、アップずダりンだけでは、説明しきれない粒子が、どんどんず発芋されおいく。クォヌクの提唱時の圓初は、おそらく、 「クォヌクのアップずダりンで、きっず、ほずんどの䞭間子の構造を説明できるだろう」 ず期埅されおいたのだろうが、しかし、宇宙線から1940幎代に発芋された「K䞭間子」の構造ですら、アップずダりンでは説明できなかった。 このほか、加速噚の発達などにより、アップずダりンの組み合わせだけで説明できる数を超えお、どんどんず新皮の「䞭間子」が発芋されおしたい、もはやアップずダりンだけでは、䞭間子の構造を説明しづらくなっおきた䞊、Ό粒子が、説明できない。 たた、加速噚実隓により、1970幎代に「D䞭間子」など、さたざたな䞭間子が、実隓的に実圚が確認された。 このように、アップずダりンだけでは説明のできない、いろいろな粒子が存圚するこずが分かり、そのため、玠粒子理論では、「アップ」uず「ダりン」dずいう2皮類の状態の他にも、さらに状態を考える必芁に、せたられた。そしお、新しい状態ずしお、たず「チャヌム」蚘号cず「ストレンゞ」蚘号sが考えられた。加速噚実隓の技術が発展し、加速噚実隓の衝突の゚ネルギヌが䞊がっおくるず、さらに「トップ」蚘号tず「ボトム」蚘号bずいうのが考えられた。 なお、Ό粒子には内郚構造はないが、陜子や䞭性子に電子を察応させるのず同様に第1䞖代、チャヌムやストレンゞからなる陜子的・䞭性子的な粒子ずΌ粒子を察応させた第2䞖代。同様に、トップやボトムからなる粒子にΌ粒子を察応させた第3䞖代。 電子やΌ粒子は内郚構造をもたないず考えられおおり、「レプトン」ずいう、内郚構造をもたないずされるグルヌプに分類される。 「K䞭間子」は、第1䞖代のクォヌクず第2䞖代のクォヌクから成り立っおいる事が、分かっおいる。※ 怜定教科曞の範囲内。 そしお、2017幎の珟圚たでずっず、クォヌクの理論が、玠粒子の正しい理論ずされおいる。 甚語 玠粒子の芳点から分類した堎合の、陜子ず䞭性子のように、クォヌク3個からなる粒子のこずを、たずめお「バリオン」重粒子ずいう。π䞭間子πなど、クォヌクが2個の粒子は、バリオンに含たない。 しかし、䞭間子のなかにも、ラムダ粒子uds、アップダりンストレンゞの組み合わせのように、クォヌク3個からなる粒子もある。ラムダ粒子なども、バリオンに含める。 陜子ず䞭性子やラムダ粒子などずいったバリオンに、さらに䞭間子䞭間子は䜕皮類もあるを加えたグルヌプをたずめお、「ハドロン」ずいう。 なお、普通の物質の原子栞では、陜子ず䞭性子が原子栞に集たっおいるが、このように陜子ず䞭性子を原子栞に匕き合わせる力のこずを栞力ずいう。栞力の正䜓は、ただ、あたり解明されおいない少なくずも高校で教えるほどには、ただ充分には解明されおいない。 ずもかく、バリオンには、栞力が働く。通説では、䞭間子にも、栞力は働くずされおいる。぀たり、ハドロンに、栞力が働く。 ハドロンは、そもそもクォヌクから構成されおいる事から、「そもそもクォヌクに栞力が働くのだろう」的な事が、考えられおいる。 理論では、クォヌクずクォヌクどうしを匕き付けあう架空の粒子ずしお「グルヌオン」が考えられおおり、物理孊者から理論が提唱されおいるが、その正䜓は、ただ、あたり解明されおないが、しかし物理孊者たちは「グルヌオンを発芋した」ず䞻匵しおいる。 珟圚の物理孊では、クォヌクが単独では取り出せおいないのず同様に、グルヌオンも単独では取り出せおはいない。 さお、物理孊では、20䞖玀から「量子力孊」ずいう理論があっお、この理論により、物理法則の根源では、波ず粒子を区別するのが無意味だず蚀われおいる。そのため、か぀おは波だず考えられおいた電磁波も、堎合によっおは「光子」ずいう粒子ずしお扱われるようになった。 このように、ある波や力堎りきばなどを、理論面では粒子に眮き換えお解釈しお扱う䜜業のこずを、物理孊では䞀般に「量子化」ずいう。 グルヌオンも、クォヌクずクォヌクを匕き付ける力を、量子化したものであろう。電荷ずの類掚で、クォヌクにも色荷カラヌ荷ずいうのが考えおいるが、その性質は、あたり解明されおない少なくずも高校で教えるほどには、ただ充分には解明されおいない。 グルヌオンのように、力を媒介する粒子のこずをゲヌゞ粒子ずいう。 重力を媒介する架空の粒子のこずを重力子グラビトンずいうが、ただ発芋されおいない。物理孊者たちも「グラビトンは、ただ未発芋である」ず䞻匵しおいる。 電磁気力を媒介する粒子は光子フォトンずいうが、これは単に、電磁堎を仮想的な粒子ずしお眮き換えお扱っただけである。フォトンは、高校物理の電磁気分野で習うような叀兞的な電磁気蚈算では、たったく圹立たない。 なお、光子もゲヌゞ粒子に含める。 ぀たり、光子やグルヌオンは、ゲヌゞ粒子である。 ベヌタ厩壊を぀かさどる力のこずを「匱い力」ずいい、この力を媒介する粒子を「りィヌクボ゜ン」ずいうが、性質は、よく分かっおいない。しかし物理孊者たちは「りィヌクボ゜ンを発芋した」ず䞻匵しおいる。 そもそも「ボ゜ン」ずは䜕か 量子力孊のほうでは、電子のような、䞀箇所にたかだか数個たでしか存圚できない粒子をたずめおフェルミオンずいう。フェルミオン的でない別皮の粒子ずしおボ゜ンがある。光子も、ボ゜ンずしお扱われる。 「りィヌクボ゜ン」ずは、おそらく、匱い力を媒介するボ゜ンだからりィヌクボ゜ンず呌んでいるのだろう。 さお、電荷ずの類掚で、「匱い力」に関する「匱荷」じゃくかずいうのも提唱されおいるが、しかし、その性質は、あたり解明されおない少なくずも高校で教えるほどには、ただ充分には解明されおいない。 さお、「匱い力」のある䞀方、グルヌオンの媒介する力のこずを「匷い力」ずもいう。 ※ 範囲倖: コバルト60のベヌタ厩壊ず「匱い力」 1956幎に、電子のスピンの方向ず、ベヌタ厩壊粒子の出お来る方向ずの関係を芋るための実隓ずしお、コバルトの攟射性同䜍䜓であるコバルト60をもちいお次のような実隓が、アメリカで行われた。 コバルト元玠元玠蚘号: Co の攟射性同䜍䜓であるコバルト60を極䜎枩に冷华し、磁堎をかけお倚数のコバルト原子の電子殻の孀立電子スピンの方向をそろえた状態で、コバルト60がベヌタ厩壊しお発生するベヌタ粒子の出る方向を調べる実隓が、1956幎にアメリカで行われた。 鉄ずニッケルずコバルトは、それぞれ金属単䜓で磁性䜓になる元玠である。元玠単䜓で磁性䜓になる元玠は、この3぀鉄、ニッケル、コバルトしかない。なお、攟射性同䜍䜓でない通垞のコバルトの原子量は59である。 この3぀鉄、ニッケル、コバルトのなかで、コバルトが䞀番、磁気に寄䞎する電子の数が倚いこずが量子力孊の理論により既に知られたいたのでコバルトがもっずも、d軌道の電子の数が倚い 、ベヌタ厩壊ずスピンずの関係をみるための実隓に、コバルトの攟射性同䜍䜓であるコバルト60が䜿われたのである。 実隓の結果、コバルト60がベヌタ厩壊しおベヌタ粒子の出おくる方向は、コバルト60のスピンの磁気の方向ず同じ方向よりも逆の方向に倚く攟出されおいるのが芳枬された。これは、2皮類スピンず同方向にベヌタ粒子の出る堎合ず、スピンず反察方向にベヌタ粒子の出る堎合の厩壊の確率が異なっおおり、ベヌタ厩壊の確率のスピン方向を基準ずした堎合の方向察称性が敗れおいるこずになる。 このような実隓事実により、「匱い力」は非察称である、ずいうのが定説。 脚泚・参考文献など - ^ 山本矩隆『原子・原子栞・原子力』、岩波曞店、2015幎3月24日 第1刷、94ペヌゞ - ^ 山本矩隆『原子・原子栞・原子力』、岩波曞店、2015幎3月24日 第1刷、95ペヌゞ - ^ 『珟代総合科孊教育倧系 SOPHIA21 第7å·» 運動ず゚ネルギヌ』、講談瀟、発行昭和59幎4月21日第䞀刷発行発行 - ^ 川䞊芪考ほか『新図詳゚リア教科蟞兞 物理』、孊研、発行1994幎3月10日新改蚂版第䞀刷、P.244 および P.233 - ^ クリス・゚ノァンス 著、橋本掋・䞊野滋 共蚳『粟密の歎史』、倧河出版、2001幎11月28日 再版、185ペヌゞ - ^ 原島鮮『初等量子力孊』裳華房、2014幎第40版、初版は1972幎 - ^ 山本矩隆『原子・原子栞・原子力』、岩波曞店、2015幎3月24日 第1刷、140ペヌゞ - ^ 山本矩隆『原子・原子栞・原子力』、岩波曞店、2015幎3月24日 第1刷、190ペヌゞ - ^ コトバンク『日本倧癟科党曞(ニッポニカ)の解説』坂東匘治、元堎俊雄など - ^ 山本矩隆『原子・原子栞・原子力』、岩波曞店、2015幎3月24日 第1刷、222ペヌゞ - ^ コトバンク『䞖界倧癟科事兞 第版の解説』など - ^ 山本矩隆『原子・原子栞・原子力』、岩波曞店、2015幎3月24日 第1刷、154ペヌゞ - ^ 科孊哲孊入門2 「理系人に圹立぀科孊哲孊」を読む、25ペヌゞ - ^ 山本矩隆『原子・原子栞・原子力』、岩波曞店、2015幎3月24日 第1刷発行、P80 - ^ 山本矩隆『原子・原子栞・原子力』、岩波曞店、2015幎3月24日 第1刷発行、P81 - ^ 山本矩隆『原子・原子栞・原子力』、岩波曞店、2015幎3月24日 第1刷発行、P82
本項は高等孊校理科 物理IIの物質ず原子の解説である。 物質ず原子 原子、分子の運動 物質の䞉態 物質には固䜓、液䜓、気䜓の3぀の盞がある。 これを物質の䞉態ず呌ぶ。 これらはおおよそ枩床の高い順から 気䜓、液䜓、固䜓ずなっおいるが、 実際には圧力の倉化によっお 盞が倉わるこずもある。 「高等孊校物理/物理I/熱」および「高校化孊 物質の䞉態」も参照 分子の運動ず圧力 ピストンの䞭に空気を぀めおおしおいくず 䜕かが抌し返しおいるように感じられるこずが分る。 これは、ピストンの䞭の空気が抌し返しおいるのである。 空気は実際には様々な皮類の気䜓によっお できおおり、それらの気䜓はそれぞれの分子によっお できおいる。それぞれの分子は いくらかの速床を持っお運動しおおり、 それらのランダムな衝突が、ピストンを抌し返しおいるのである。 理想気䜓を考えるず、 圧力ず枩床の間には の関係があるこずが知られおいる。 (理想気䜓の状態方皋匏) ここで、nはモル濃床(mol/m)であり、 Tは枩床[K]である。 原子、電子ず物質の性質 原子ず電子 物質を䜜る圢態の1぀を原子ず呌ぶ。 原子は原子栞ず電子によっお構成されおいる。 これらは叀兞的には安定な状態ずしお 存圚し埗ないこずが知られおいる。 これらが安定でいられるのは実際には 極埮の䞖界ではおおきなスケヌルでの䞖界ず 物理法則が倉わっお来るこずによる。 この堎合は電子は波であるかのように振舞い、 その性質によっお決たるある配眮にあるずきのみ 安定でいられるこずが知られおいる。 固䜓の性質ず電子 電子の状態によっお 固䜓の電気的性質が決たる。 電子を励起するのに゚ネルギヌが僅かしか必芁でないずき、 これを導䜓ず呌ぶ。 䞀方倚くの゚ネルギヌを必芁ずするずき、 これを絶瞁䜓(䞍導䜓)ず呌ぶ。 たた、その䞭間に䜍眮するようなものを 半導䜓ず呌ぶ。
高等孊校物理/物理II/玠粒子 たず、宇宙線の芳枬により、ミュヌ粒子ずいうのが、発芋されおいる。 範囲倖: どうやっお玠粒子を芳枬するか そもそも、どうやっお玠粒子を芳枬するかずいうず、いく぀かの方法があるが、 - 写真也板。玠粒子芳枬甚の也板を「原子栞也板」ずいう - 霧箱 などが䜿われた。 産業などの実甚化に成功しおいる分野 霧箱きりばこ (※ 高校で習う範囲内。X線や原子栞の単元で、霧箱きりばこを習う。) 霧箱きりばこずいう、蒞気の぀たった装眮を぀かうず、なんらの粒子が通過するず、その粒子の軌跡で、気䜓から液䜓から凝着が起きるので、軌跡が、目に芋えるのである。※ 怜定教科曞では、原子栞の分野で、霧箱に぀いお習う。むメヌゞ的には、飛行機雲のようなのを、むメヌゞしおください。 で、磁堎を加えた堎合の、軌跡の曲りぐあい等などから、比電荷たでも予想できる。 このように、霧箱を぀かった実隓により、20䞖玀前半〜䞭盀ごろには、いろいろな粒子が発芋された。 ミュヌ粒子以倖にも、陜電子ようでんしが、霧箱によっお発芋されおいる。 ※ 範囲倖:䞖界初で陜電子を実隓的に芳枬したアンダヌ゜ンは、霧箱に鉛板を入れるこずで陜電子を発芋した。 ずいうか、ミュヌ粒子の発芋よりも陜電子のほうが発芋は早い。 ※ 範囲倖:たた、陜電子は、量子力孊のシュレヌディンガヌ方皋匏に、特殊盞察性理論ずを組み合わせた、「ディラックの方皋匏」から、理論的に予想されおいた。 反物質 たず、「陜電子」ずいう物質が1932幎に鉛板を入れた霧箱きりばこの実隓でアンダヌ゜ン人名によっお発芋されおおり、陜電子は質量が電子ず同じだが、電荷が電子の反察である぀たり陜電子の電荷はプラスeクヌロンである。※ 鉛板に぀いおは高校の範囲倖。 そしお、電子ず陜電子が衝突するず、2mc2の゚ネルギヌを攟出しお、消滅する。この珟象電子ず陜電子が衝突するず2mc2の゚ネルギヌを攟出しお消滅する珟象のこずを、「察消滅」぀いしょうめ぀ずいう。 陜子に察しおも、「反陜子」がある。反陜子は、電荷が陜子ず反察だが、質量が陜子ず同じであり、陜子ず衝突するず察消滅をする。 䞭性子に察しおも、「反䞭性子」がある。反䞭性子は、電荷はれロだがれロの電荷の±を反察にしおもれロのたた、質量が同じで、䞭性子ず察消滅をする。 陜電子や反陜子や反䞭性子のような物質をたずめお、反物質ずいう。 ※ 範囲倖: 攟射性同䜍䜓のなかには、厩壊のずきに陜電子を攟出するものがある。最先端の病院で䜿われるPET陜電子断局撮像法技術は、これを応甚したものである。フッ玠をふくむフルオロデオキシグルコヌスずいう物質はガン现胞によく取り蟌たれる。PET蚺断では、これにフルオロデオキシグルコヌスに攟射性のフッ玠 18F をずりこんだ攟射性フルオロデオキシグルコヌスを甚いおいる。※ 啓林通の『化孊基瀎』の教科曞に、発展事項ずしおフルオロデオキシグルコヌスがPET蚺断で䜿われおるこずが玹介されおいる。 ミュヌ粒子 反物質ずは別に、ミュヌ粒子が、宇宙線の芳枬から、1937幎に芋぀かった。 このミュヌ粒子は、電荷は、電子ず同じだが、質量が電子ずは違い、ミュヌ粒子の質量は、なんず電子の玄200倍の質量である。 ミュヌ粒子は、べ぀に陜子や電子の反物質ではないので、べ぀に陜子ずも察消滅を起こさないし、電子ずも察消滅を起こさない。 なお、ミュヌ粒子にも、反ミュヌ粒子ずいう、反物質が存圚するこずが分かっおいる。 このような物質が、われわれの䜏んでいる地䞊で芋぀からないのは、単に地䞊の倧気などず衝突しお消滅しおしたうからである。 なので、高山の頂䞊付近などで芳枬実隓をするず、ミュヌ粒子の発芋の可胜性が高たる。 なお21䞖玀の珟圚、ミュヌ粒子を掻甚した技術ずしお、珟圚、火山などの内郚を芳察するのに、掻甚されおいる。ミュヌ粒子は、透過力が高いが、地䞊の物質ず反応しお、わずかに消滅しおしたうので、そのような性質を利甚しお、火山内郚のように人間が入り蟌めない堎所を芳察するずいう技術が、すでにある。 - ミュヌ粒子などの玠粒子を怜出するために、写真也板を䜿う。通垞の写真也板ずは違い、粒子線のような现かいものを捕らえられるように調敎されおおり、「原子栞也板」ずいう。「原子栞也板」に぀いおは範囲倖。 - 也板䞭の成分にミュヌ粒子が圓たるこずで、電気化孊的な反応が起こり、也板が反応する。 - 早い話、X線ずX線也板の原理ず同じような原理で、ミュヌ粒子を䜿った火山などの内郚研究が行われおた。近幎は、原子栞也板の代わりに、半導䜓センサヌを䜿っお、怜出しおいる芁するに、デゞカメの光センサヌなどず同じ原理。 - ミュヌ粒子の発生方法 このような芳枬に䜿われるミュヌ粒子をどうやっお発生させるのか 宇宙線から飛んでくるミュヌ粒子をそのたた䜿うずいう方法もありそれを実行しおいる研究者もいるが、それずは別の手法ずしお、加速噚などで人工的にミュヌ粒子などを発生させるずいう方法もある。 加速噚を䜿った方法は、䞋蚘の通り。 たず、シクロトロンやサむクロトロンを䜿っお、電子などを超高速に加速させ、それを䞀般の物質グラファむトなどに圓おる。 するず、圓然、いろんな粒子が発生する。 そのうち、パむ䞭間子が、磁気に反応するず考えられおいるので、倧きな電磁石コむルで、パむ䞭間子を捕獲する。 このパむ䞭間子が厩壊しお、ミュヌ粒子が発生する。 ※ 範囲倖: 宇宙線の発生原因は䞍明 そもそも宇宙線が䜕によっお発生しおいるかの発生原因は、珟時点の人類には䞍明である。※ 参考文献: 数研出版の資料集の『図説物理』 超新星ちょうしんせい爆発によっお宇宙線が発生するのでは、ずいう説もあるが、ずにかく宇宙線の発生原因に぀いおは未解明である。 範囲倖: スピン 電子や陜子や䞭性子などは、「スピン」ずいう磁石のような性質をもっおいる。磁石にN極ずS極があるように、スピンにも、2皮類の向きがある。スピンのこの2皮類の向きは、「䞊向き」ず「䞋向き」に、よく䟋えられる。磁石の磁力の発生原因は、磁石䞭の分子の最倖殻電子のスピンの向きが同䞀方向にそろっおいるから、であるず考えられおいる。 すべおの分子は、電子や陜子や䞭性子を含むのに、なのに倚くの物質が、あたり磁性を発生しないのは、反察笊号のスピンをも぀電子が結合しあうこずで、打ち消しあうからである。 おっきり、電子ず陜子のような電荷をも぀粒子にしかスピンがないず誀解しおいる人もいるが、䞭性子にもスピンはある。 䞭孊高校で芳枬するような普通の方法では、スピンが芳枬できない。しかし、分子などの物質に磁気を加え぀぀高呚波を加えるなどするず、スピンの圱響によっお、その分子の振動しやすい呚波数が違うなどの珟象をもちいお、間接的に電子などのスピンを芳枬できる。なお、栞磁気共鳎法NMR、nuclear magnetic resonanceの原理である。 ※ 理論的な解析は、倧孊レベルの力孊の知識が必芁になるので省略する。 分子䞭の氎玠原子や、ある皮の攟射性同䜍䜓䞭性子がたった1個ふえただけの同䜍䜓など、高呚波の圱響を受けやすく、その理由のひず぀が、スピンによるものだず考えられおる。※ なお、医療で甚いられるMRImagnetic resonance imagingは、この栞磁気共鳎法NMRを利甚しお人䜓内郚などを芳枬しようずする機噚である。 さお、じ぀は玠粒子も、スピンをも぀のが普通である。 ミュヌ粒子はスピンをも぀。 ミュヌ粒子の「スピン」ずいう性質による磁気ず、ミュヌ粒子の透過性の高さを利甚しお、物質内郚の磁堎の芳枬方法ずしお既に研究されおおり、このような芳枬技術を「ミュヌオンスピン回転」ずいう。超䌝導䜓の内郚の芳枬などにも、すでに「ミュヌオンスピン回転」による芳枬が研究されおいる。 りィキペディア蚘事『w:ミュオンスピン回転』によるず、ミュヌオンの厩壊時に陜電子を攟出するので、陜電子の芳枬技術も必芁である。高校の範囲倖であるが、これからの孊生は、いろいろず勉匷する事が倚い。 ただ産業実甚化しおない分野 「䞭間子」が、原子の分析などの先端科孊分野に利甚されおるのを陀けば、以降の節での玹介分野は、あたり、産業・工業の技術的には実甚化しおいない。 陜子ず䞭性子のアむ゜スピン 陜子ず䞭性子は、質量はほずんど同じである。電荷が違うだけである。 そしお、電子ず比べるず、陜子も䞭性子も、質量がかなり倧きい。 この事から、「陜子や䞭性子にも、さらに䞭身があり、別の粒子が詰たっおいるのでは」ずいう疑問が生たれおきお、陜子や䞭性子の内郚の探玢が始たった。 しかし、珟圚でも、陜子や䞭性子の内郚の構造は、実隓的には取り出せおはいない。※ 陜子や䞭性子の内郚構造ずしお説明されおいる「クォヌク」は、単独では発芋されおいない。クォヌクは単に、内郚の説明のための、抂念である。 歎史的には、たず、陜子ず䞭性子の内郚構造ずしお、架空の玠粒子を考えられ、陜子ず䞭性子は、それらの玠粒子の状態が違うだけ、ず考えられた。 いっぜう、電子には、内郚構造がない、ず考えらおいる。 され、20䞖玀なかば、量子力孊では、そのころ、すでに、電子の状態ずしお「スピン」ずいう抂念が、み぀かっおいた。量子力孊では、化孊結合で䟡電子が2個たで結合しお電子察になる理由は、このスピンが2皮類しかなくお、反察向きのスピンの電子2個だけが結合するからである、ずされおいる。 スピンの2皮類の状態は、「䞊向き」「䞋向き」ずいうふうに、よく䟋えられる。実際の方向ではないので、あたり深入りしないように。 このような量子力孊を参考にしお、陜子ず䞭性子でも「アむ゜スピン」ずいう抂念が考えられた。※ 「アむ゜スピン」は高校範囲倖。 陜子ず䞭性子は、アむ゜スピンの状態が違うだけ、ず考えられた。 クォヌク その埌、20䞖玀半ば頃から、「アむ゜スピン」を発展させた「クォヌク」ずいう理論が提唱された。 架空の「クォヌク」ずいう3個の玠粒子を仮定するず、実圚の陜子や䞭性子の成り立぀モデルが、実隓結果をうたく説明できる事が分かった。 電荷()をも぀玠粒子「アップクォヌク」ず、±()をも぀玠粒子「ダりンクォヌク」があっお、 - で陜子、 - で陜子、 ず考えるず、いろいろな玠粒子実隓の結果をうたく説明できる事が分かった。 なお、電子には、このような内郚構造はない、ず考えられいる。 アップクォヌクは「u」ず略蚘され、ダりンクォヌクは「d」ず略蚘される。 陜子のクォヌク構造はuudず略蚘されるアップ、アップ、ダりン。 䞭性子のクォヌク構造はuddず略蚘されるアップ、ダりン、ダりン。 加速噚実隓ず䞭間子 なお、䞊蚘の説明では省略したが、おおよそ1950〜60幎代ごろたでに、高山での宇宙線の芳枬や、あるいは攟射線の芳枬や、たたあるいはサむクロトロンなどによる粒子の加速噚衝突実隓により、陜子や䞭性子のほかにも、同皋床の質量のさたざたな粒子が発芋されおおり、それら新皮の粒子は「䞭間子」に分類された。 そもそも、「クォヌク」の理論は、このような20䞖玀半ばごろたでの実隓や芳枬から䜕癟個もの新皮の粒子が発芋されおしたい、そのような経緯があったので、クォヌクの理論が提唱されたのである。 さお、「䞭間子」ちゅうかんし、mason メ゜ンずは、もずもず理論物理孊者の湯川秀暹が1930幎代に提唱した、陜子ず䞭性子ずを匕き付けおいるずされる架空の粒子であったが、20䞖玀なかばに新皮の粒子が発芋された際、「䞭間子」の名前が䜿われるこずになった。 さお、実隓的に比范的早い時期から発芋された「䞭間子」では、「パむ䞭間子」がある。ある皮類のパむ䞭間子は、アップクォヌクず反ダりンクォヌクからなり、π+ず略蚘される。ダりンクォヌクの反物質が、反ダりンクォヌク。 π 別のある皮類のパむ䞭間子は、ダりンクォヌクず反アップクォヌクからなり、πヌず略蚘される。π- このように、ある粒子内のクォヌクは合蚈2個のであっおも良い堎合もある。かならずしも、陜子のようにクォヌク3個でなくおもかたわない堎合もある。 ※ このような実隓䟋から、粒子内に合蚈5個のクォヌクや7個のクォヌクを考える理論もあるが、しかし高校物理の範囲を倧幅に超えるので、説明を省略。 たた、䞭間子は、自然界では短時間のあいだだけ、存圚できる粒子だずいう事も、芳枬実隓によっお、分かっおきた。䞭間子の存圚できる時間「寿呜」は短い。すぐに、他の安定な粒子に倉換しおしたう。 第2䞖代以降の玠粒子 しかし、アップずダりンだけでは、説明しきれない粒子が、どんどんず発芋されおいく。クォヌクの提唱時の圓初は、おそらく、 「クォヌクのアップずダりンで、きっず、ほずんどの䞭間子の構造を説明できるだろう」 ず期埅されおいたのだろうが、しかし、宇宙線から1940幎代に発芋された「K䞭間子」の構造ですら、アップずダりンでは説明できなかった。 このほか、加速噚の発達などにより、アップずダりンの組み合わせだけで説明できる数を超えお、どんどんず新皮の「䞭間子」が発芋されおしたい、もはやアップずダりンだけでは、䞭間子の構造を説明しづらくなっおきた。 たた、アップずダりンだけでは、ミュヌ粒子が、説明できない。 たた、加速噚実隓により、1970幎代に「D䞭間子」など、さたざたな䞭間子が、実隓的に実圚が確認された。 このように、アップずダりンだけでは説明のできない、いろいろな粒子が存圚するこずが分かり、そのため、玠粒子理論では、「アップ」uず「ダりン」dずいう2皮類の状態の他にも、さらに状態を考える必芁に、せたられた。そしお、新しい状態ずしお、たず「チャヌム」蚘号cず「ストレンゞ」蚘号sが考えられた。加速噚実隓の技術が発展し、加速噚実隓の衝突の゚ネルギヌが䞊がっおくるず、さらに「トップ」蚘号tず「ボトム」蚘号bずいうのが考えられた。 なお、ミュヌ粒子には内郚構造はないが、陜子や䞭性子に電子を察応させるのず同様に第1䞖代、チャヌムやストレンゞからなる陜子的・䞭性子的な粒子ずミュヌ粒子を察応させた第2䞖代。同様に、トップやボトムからなる粒子にミュヌ粒子を察応させた第3䞖代。 電子やミュヌ粒子は内郚構造をもたないず考えられおおり、「レプトン」ずいう、内郚構造をもたないずされるグルヌプに分類される。 「K䞭間子」は、第1䞖代のクォヌクず第2䞖代のクォヌクから成り立っおいる事が、分かっおいる。※ 怜定教科曞の範囲内。 そしお、2017幎の珟圚たでずっず、クォヌクの理論が、玠粒子の正しい理論ずされおいる。 甚語 玠粒子の芳点から分類した堎合の、陜子ず䞭性子のように、クォヌク3個からなる粒子のこずを、たずめお「バリオン」重粒子ずいう。パむ䞭間子πなど、クォヌクが2個の粒子は、バリオンに含たない。 しかし、䞭間子のなかにも、ラムダ粒子uds、アップダりンストレンゞの組み合わせのように、クォヌク3個からなる粒子もある。ラムダ粒子なども、バリオンに含める。 陜子ず䞭性子やラムダ粒子などずいったバリオンに、さらに䞭間子䞭間子は䜕皮類もあるを加えたグルヌプをたずめお、「ハドロン」ずいう。 なお、普通の物質の原子栞では、陜子ず䞭性子が原子栞に集たっおいるが、このように陜子ず䞭性子を原子栞に匕き合わせる力のこずを栞力ずいう。栞力の正䜓は、ただ、あたり解明されおいない少なくずも高校で教えるほどには、ただ充分には解明されおいない。 ずもかく、バリオンには、栞力が働く。通説では、䞭間子にも、栞力は働くずされおいる。぀たり、ハドロンに、栞力が働く。 ハドロンは、そもそもクォヌクから構成されおいる事から、「そもそもクォヌクに栞力が働くのだろう」的な事が、考えられおいる。 理論では、クォヌクずクォヌクどうしを匕き付けあう架空の粒子ずしお「グルヌオン」が考えられおおり、物理孊者から理論が提唱されおいるが、その正䜓は、ただ、あたり解明されおないが、しかし物理孊者たちは「グルヌオンを発芋した」ず䞻匵しおいる。 珟圚の物理孊では、クォヌクが単独では取り出せおいないのず同様に、グルヌオンも単独では取り出せおはいない。 さお、物理孊では、20䞖玀から「量子力孊」ずいう理論があっお、この理論により、物理法則の根源では、波ず粒子を区別するのが無意味だず蚀われおいる。そのため、か぀おは波だず考えられおいた電磁波も、堎合によっおは「光子」ずいう粒子ずしお扱われるようになった。 このように、ある波や力堎りきばなどを、理論面では粒子に眮き換えお解釈しお扱う䜜業のこずを、物理孊では䞀般に「量子化」ずいう。 グルヌオンも、クォヌクずクォヌクを匕き付ける力を、量子化したものであろう。電荷ずの類掚で、クォヌクにも色荷カラヌ荷ずいうのが考えおいるが、その性質は、あたり解明されおない少なくずも高校で教えるほどには、ただ充分には解明されおいない。 グルヌオンのように、力を媒介する粒子のこずをゲヌゞ粒子ずいう。 重力を媒介する架空の粒子のこずを重力子グラビトンずいうが、ただ発芋されおいない。物理孊者たちも「グラビトンは、ただ未発芋である」ず䞻匵しおいる。 電磁気力を媒介する粒子は光子フォトンずいうが、これは単に、電磁堎を仮想的な粒子ずしお眮き換えお扱っただけである。フォトンは、高校物理の電磁気分野で習うような叀兞的な電磁気蚈算では、たったく圹立たない。 なお、光子もゲヌゞ粒子に含める。 ぀たり、光子やグルヌオンは、ゲヌゞ粒子である。 ベヌタ厩壊を぀かさどる力のこずを「匱い力」ずいい、この力を媒介する粒子を「りィヌクボ゜ン」ずいうが、性質は、よく分かっおいない。しかし物理孊者たちは「りィヌクボ゜ンを発芋した」ず䞻匵しおいる。 そもそも「ボ゜ン」ずは䜕か 量子力孊のほうでは、電子のような、䞀箇所にたかだか数個たでしか存圚できない粒子をたずめおフェルミオンずいう。フェルミオン的でない別皮の粒子ずしおボ゜ンがある。光子も、ボ゜ンずしお扱われる。 「りィヌクボ゜ン」ずは、おそらく、匱い力を媒介するボ゜ンだからりィヌクボ゜ンず呌んでいるのだろう。 さお、電荷ずの類掚で、「匱い力」に関する「匱荷」じゃくかずいうのも提唱されおいるが、しかし、その性質は、あたり解明されおない少なくずも高校で教えるほどには、ただ充分には解明されおいない。 さお、「匱い力」のある䞀方、グルヌオンの媒介する力のこずを「匷い力」ずもいう。 ※ 範囲倖: コバルト60のベヌタ厩壊ず「匱い力」 1956幎に、電子のスピンの方向ず、ベヌタ厩壊粒子の出お来る方向ずの関係を芋るための実隓ずしお、コバルトの攟射性同䜍䜓であるコバルト60をもちいお次のような実隓が、アメリカで行われた。 コバルト元玠元玠蚘号: Co の攟射性同䜍䜓であるコバルト60を極䜎枩に冷华し、磁堎をかけお倚数のコバルト原子の電子殻の孀立電子スピンの方向をそろえた状態で、コバルト60がベヌタ厩壊しお発生するベヌタ粒子の出る方向を調べる実隓が、1956幎にアメリカで行われた。 鉄ずニッケルずコバルトは、それぞれ金属単䜓で磁性䜓になる元玠である。元玠単䜓で磁性䜓になる元玠は、この3぀鉄、ニッケル、コバルトしかない。なお、攟射性同䜍䜓でない通垞のコバルトの原子量は59である。 この3぀鉄、ニッケル、コバルトのなかで、コバルトが䞀番、磁気に寄䞎する電子の数が倚いこずが量子力孊の理論により既に知られたいたのでコバルトがもっずも、d軌道の電子の数が倚い 、ベヌタ厩壊ずスピンずの関係をみるための実隓に、コバルトの攟射性同䜍䜓であるコバルト60が䜿われたのである。 実隓の結果、コバルト60がベヌタ厩壊しおベヌタ粒子の出おくる方向は、コバルト60のスピンの磁気の方向ず同じ方向よりも逆の方向に倚く攟出されおいるのが芳枬された。これは、2皮類スピンず同方向にベヌタ粒子の出る堎合ず、スピンず反察方向にベヌタ粒子の出る堎合の厩壊の確率が異なっおおり、ベヌタ厩壊の確率のスピン方向を基準ずした堎合の方向察称性が敗れおいるこずになる。 このような実隓事実により、「匱い力」は非察称である、ずいうが定説である。
本項は高等孊校 物理基瀎の電気ず磁気の解説である。 電気 生掻の䞭の電気 電気ず生掻 珟代瀟䌚においお、私たちの日垞生掻には電気が欠かせない。倚くの補品が電気を甚いお動䜜しおおり、その理由はさたざただが、䞻な芁因は以䞋の通りだ。 たず第䞀に、電気は様々な別の゚ネルギヌ圢態に倉換できるこずが挙げられる。䟋えば、電熱線を䜿甚すれば電気゚ネルギヌを熱゚ネルギヌに倉換し、暖房や調理などに利甚するこずができる。たた、電球や発光ダむオヌドLEDを䜿甚すれば、電気゚ネルギヌを光゚ネルギヌに倉換しお照明を行うこずができる。さらに、電動機を䜿甚すれば、電気゚ネルギヌを機械的な運動゚ネルギヌに倉換しお様々な機噚や茞送手段を動かすこずができる。 次に、電池やコンデンサを䜿甚しお゚ネルギヌを貯蔵し、持ち運ぶこずができる点も重芁だ。これにより、モバむルデバむスや携垯電話など、電源に接続されおいない堎所でも電気を利甚するこずが可胜ずなる。たた、電線を䜿甚しお長距離を送電するこずができるため、発電所から家庭や工堎たで電気を䟛絊するこずが可胜だ。 さらに、電子補品は蚈算胜力や信号の䌝達胜力が優れおおり、情報技術や通信分野で広く利甚されおいる。たた、電気は比范的に安党に取り扱うこずができ、少量の゚ネルギヌでも効率的に利甚するこずができる点も倧きな利点だ。 このように、電気は私たちの生掻においお欠かせない゚ネルギヌ源ずなっおおり、様々な面で䟿利さや効率性を提䟛しおいる。 電動機ず発電機 電動機ず発電機は、珟代の電気工孊においお重芁な圹割を果たしおいる。これらの装眮は、電気゚ネルギヌず機械的な運動゚ネルギヌの盞互倉換を可胜にし、さたざたな産業や日垞生掻においお䜿甚されおいる。 - 電動機 - 電動機(英: electric motor)は電気゚ネルギヌを機械的な運動に倉換する装眮だ。䞀般的な電動機は、導線が磁堎内で動くこずによっお発生する力ロヌレンツ力を利甚しお動䜜する。この原理に基づき、電動機は盎流電動機ず亀流電動機の二皮類に分けられる。盎流電動機は盎流電源からの電力を䜿甚し、亀流電動機は亀流電源からの電力を䜿甚する。電動機は、工堎の機械や産業甚機噚、家庭甚家電補品など、さたざたな甚途に広く䜿甚されおいる。 - 発電機 - 発電機(英: generator)は、運動゚ネルギヌを電気゚ネルギヌに倉換する装眮だ。䞀般的な発電機は、導線が磁堎内で動くこずによっお電気を発生させる。䞻に回転運動を利甚しお電気を生成するため、発電機は機械的な゚ネルギヌを電気゚ネルギヌに倉換する発電所で広く䜿甚されおいる。発電所では、さたざたな゚ネルギヌ源氎力、颚力、火力、原子力などが利甚され、それらの運動゚ネルギヌが発電機によっお電気゚ネルギヌに倉換される。 䞡者は盞互に関連しおおり、電動機は発電機ず同様の原理で動䜜したすが、逆のプロセスを行いる。぀たり、電動機は電気゚ネルギヌを機械的な運動に倉換し、発電機は機械的な運動を電気゚ネルギヌに倉換する。このように、電動機ず発電機は珟代の産業や生掻においお欠かせない装眮であり、゚ネルギヌの効率的な利甚に貢献しおいる。 盎流・亀流ず電波 盎流ず亀流は電気の流れ方を衚す甚語であり、たた電波は電磁波の䞀皮である。以䞋にそれぞれの抂芁を瀺す。 - 盎流 (Direct Current, DC) - 電池などの電源から䟛絊される電流のうち、電極の正極から負極ぞ䞀方向に流れる電流を指す。盎流は䞀定の電圧ず極性を持ち、䞀定の方向に流れる特性を持぀。盎流の利点は安定性ず制埡の容易さであり、電池匏機噚や䞀郚の電子機噚で䜿甚される。 - 亀流 (Alternating Current, AC) - 発電所などの電源から䟛絊される電流のうち、定期的に正負が逆転する電流を指す。亀流は定期的に波圢を倉化させるため、電力の送電や倉圧、倉換が容易であり、長距離送電に適しおいる。たた、家庭や工業甚電気回路で広く䜿甚されおいる。 実際には、盎流ず亀流は機噚や回路によっお盞互倉換されるこずがある。 䟋えば、ダむオヌドを䜿甚しお亀流を盎流に倉換する敎流が行われる。 - 電波 (Electromagnetic Waves) - 電波は、電磁波の䞀皮であり、電堎ず磁堎が呚期的に振動する波動だ。電波は様々な呚波数を持ち、それによっお異なる特性や甚途がある。電波は䞻に攟送、通信、無線通信、レヌダヌなどの分野で広く利甚されおいる。 - 電波の振動は空間を䌝播し、電磁波ずしお進行する。電波は真空䞭や空気䞭を䌝播するため、導䜓を必芁ずしない。これは、電波が電子の移動に䟝存せず、電堎ず磁堎の振動によっお生じるためだ。 - 電波は呚波数によっお分類される。䜎呚波数の電波は、䞻にAMラゞオや地䞊波テレビなどの攟送に䜿甚される。䞀方、高呚波数の電波は、FMラゞオや携垯電話、Wi-Fi、衛星通信などの通信に䜿甚される。たた、極超短波の電波は、レヌダヌやミクロ波オヌブンなどに利甚される。 - 電波はその特性から、情報の送受信や物䜓の探知、枬定などに幅広く応甚されおいる。そしお、珟代の通信技術や無線技術の発展においお重芁な圹割を果たしおいる。 静電気 プラスチックの䞋敷きなどで髪をこするず垯電する珟象などのように、物質が電気を垯びるこずを垯電たいでんずいう。物䜓をこすっお発生させる静電気を摩擊電気ずいう。 ガラス棒を絹の垃でこするず、ガラス棒は正の電気に垯電し、絹は負の電気に垯電する。 電気の量を電荷でんか、chargeずいう。あるいは電気量ずいう。 電荷の単䜍はクヌロンである。クヌロンの蚘号はCである。 静電気による電荷どうしに働く力を静電気力ずいう。 なお、垯電しおいない状態を電気的に䞭性である、ずいう。 金属のように、電気を通せる物䜓を導䜓どうたい、conductorずいう。プラスチックやガラスやゎムのように電気を通さない物質を絶瞁䜓ぜ぀えんたい、insulatorあるいは䞍導䜓ふどうたいずいう。 金属は導䜓である。 電気の正䜓は電子electronずいう粒子である。この電子は負電荷を垯びおいる。電子の電荷が負に定矩されおいるのは、人類が電子を発芋する前に電荷の正負の定矩が行われ、あずから電子が芋぀かった際に電子の電荷を調べたら負電荷だったからである。 金属が導䜓なのは、金属䞭の電子は、もずの原子を離れお、その金属党䜓の䞭を自由に動けるからである。金属䞭の電子のように、物質䞭を自由に動ける状態の電子を、自由電子じゆうでんしずいう。 電流ずは、自由電子が移動するこずである。 いっぜう、絶瞁䜓は、自由電子をもたない。絶瞁䜓の電子は、すべお、もずの原子に束瞛そくばくされお閉じ蟌められおいお、自由には動けない。 正電荷ずは、物質に電子が欠乏しおいる状態である。 負電荷ずは、物質が電子を倚く持っおいる状態である。 垯電しおいない絶瞁䜓の物質をこすりあわせお、䞡方を摩擊電気に垯電させた堎合、片方は正電荷を生じ、もう片方の物質は負電荷を生じる。このずき、発生した正電荷の倧きさず負電荷の倧きさは同じである。 これは、電子が移動しお、片方の物質は電子が䞍足し、もう片方は等量の電子が過剰になっおいるからである。 このように、電子は生成も消滅もしない。これを電荷保存則あるいは電気量保存則ず蚀う。 静電誘導 電気的に䞭性であった導䜓の物質仮に物質Aずするに垯電した別の物質仮に物質Bずするを接觊させずに近づけるず、物質Aには、垯電物質Bの電荷に匕き寄せられお、物䜓Aの内郚で反察笊号の電荷が垯電物䜓Bに近い偎の衚面に生じる。たた、垯電物䜓Bず同じ電荷は反発するので、物䜓A内郚の垯電物䜓Bずは遠い偎の衚面に生じる。 このような珟象を静電誘導せいでんゆうどう;Electrostatic inductionずいう。静電誘導で生じた電荷の正電荷の量ず負電荷の量は等量である。電気量保存の法則 導䜓の内郚に静電気力は無い。もしあったずするず、自由電子などの電荷が動き、電流が流れ続けるこずになるが、そのような珟象は実圚しないので䞍合理になる。したがっお、導䜓の内郚に静電気力は無い。 衚面に電荷が集たるのは、導䜓の内郚に静電気力を䜜らせないためである。したがっお静電誘導で匕き寄せられる電荷の倧きさは、倖郚から導䜓内郚ぞの静電気力を打ち消すだけの倧きさである。 この導䜓内郚の電荷がれロになる性質を応甚するず、䞭空の導䜓で出来た物䜓を甚いお、静電気力を遮蔜するこずができる。これを静電遮蔜せいでんしゃぞい、electric shildingずいう。 誘電分極 絶瞁䜓仮にAずするに電荷を近づけた堎合は、導䜓ずは違い、物䜓Aの内郚の電子は自由に衚面には集たれないが、物䜓内郚の原子の正負の電荷の極性を持った郚分が、倖郚の静電気力に匕き寄せられるように、近づけた電荷に近い偎には異皮の電荷が生じ、遠い偎には、同皮の電荷が生じる。 原子や分子が倖郚の静電気力によっお、正負の電荷の郚分が生じるこずを分極ぶんきょくずいいい、倖郚の電化によっお起こる、このような分極のしかたを誘電分極ゆうでんぶんきょく、dielectric polarizationずいう。 絶瞁䜓は、静電気力にさらされるず誘電分極を行うので、絶瞁䜓のこずを誘電䜓ゆうでんたい、dielectricずもいう。 導䜓に静電誘導された正負の電荷は、導䜓を切断などをすれば正電荷ず負電荷を別個に取り出すこずができる。しかし誘電䜓の正負の電荷は、原子や分子ず密接に結び぀いおいるため、正負の電荷を分かれお取り出すこずは出来ない。 電堎ず磁堎 電荷ず電堎 電荷 ある物質が電気を垯びおいる垯電しおいるずき、その垯電の倧小の皋床を電荷でんか、electric chargeずいう。さたざたな物質をいろいろな方法で垯電させた結果、電荷には、垯電した2個のものどうしを近づけた時に匕っ匵り合うもの匕力が働くず反発しあうもの斥力がはたらくの2皮類があるこずが分かった。 このような、垯電しおいる物䜓に働く力を静電気力ずいう。 べ぀の垯電したものを、他にもいく぀か甚意しお、近づけお実隓する2個の物䜓の組み合わせを倉えるず、組み合わせによっお、2個の物䜓どうしに匕力が働く堎合もあれば、斥力が働く堎合もあるこずが分かった。この匕力ず斥力の関係は、垯電した電荷の皮類に応じるこずがわかった。 正電荷ず負電荷 結論を蚀うず、電荷には正負の2皮類がある。正の電荷どうしの物䜓を近づけたずきは反発しあう。負の電荷どうしを近づけたずきも反発しあう。正ず負の電荷を近づけた時には匕力が働く。 ぀たり、同笊号の電荷を近づけた堎合は、反発力が生じる。異笊号の電荷を近づけた堎合は、匕力が生じる。 静電気力 静電気どうしの力の匷さは、実隓的には、電荷の間に働く力は、重力の堎合ず同様に力を及がし合う2物䜓の間の距離の2乗に反比䟋するこずが知られおいる。曎に、電荷の倧きさが倧きいほど電荷間に働く力が倧きいこずも考慮するず、距離rだけ離れおそれぞれが電荷、を持っおいる2物䜓の間に働く力Fは、 で䞎えられる。これをクヌロンの法則 Coulomb's lawずいう。ここで、は比䟋定数であり、䞡電荷の呚囲にある物䜓の皮類により倉化する定数である。真空䞭での電堎を考えた堎合のkの倀は、 - [N・m2/C2]クヌロンの比䟋定数 である。たた、は埌ほど登堎する誘電率ゆうでんり぀ず呌ばれる物理定数である。誘電率は、䞡電荷の呚囲にある物䜓の皮類により倉化する定数である。誘電率に぀いおは、この文を初めお読んだ段階では、ただ知らなくおも良い。のちに物理IIで誘電率を詳しく解説する。 誘電率ずクヌロンの比䟋定数kには䞊匏の関係 がある。 物䜓のたわりに蓄積されるものを電荷ず呌ぶ。電気力によっお反発しあったり、匕き぀けあったりする物䜓を電荷を持぀物䜓ず呌ぶ。たた、ここで芳察される静電気力を、クヌロン力ず呌ぶこずがある。 2個の電荷どうしがおよがす力は同じであり、したがっお䜜甚・反䜜甚の法則に埓っおいる。 ここで、電荷の単䜍は[C]で䞎えられる。蚘号のCは「クヌロン」ず読む。 - 䟋題 図のように、2本の糞に、それぞれ同じ質量mkgで、同じ笊号ず倧きさの電荷qCの球が、ぶらさがっおる。これは、クヌロン力で反発するので、図のように、糞が角床Ξをなす。 このずき、質量mによる重力ず、電荷qによるクヌロン力ずの関係に぀いお、匏を立およ。なお、必芁ならば、糞の匵力はTNずするこず。 解法 図のような䜍眮関係になるので、図のように匏を立おればよい。 - ※ このように、電気磁気孊の問題では、図をきちんず曞いお、解法を考える必芁がある。数匏だけで蚈算するず、立匏ミスなどの原因になる。 ※ 䞊蚘の2本の糞にぶらさがった球のクヌロン力の䟋題は、電気磁気孊のどの入門曞にもあるような兞型的な問題であるので、読者はきちんず理解するこず。 - 問題䟋 - 問題 電荷, の間の距離がrの堎合ず2rの堎合では、間に働く力の倧きさはどちらがどれだけ倧きいか答えよ。 たた、距離が2rの時の2点間の力の倧きさを答えよ。 - 解答 クヌロン力は、物䜓間の距離の逆2乗に比䟋するので、距離が2rの時は、rの時の倧きさのずなる。たた、働く力の倧きさは、クヌロン力の匏を甚いお、 ずなる。 電堎 既に、ある電荷Aのたわりの別の電荷Bには、その電荷からの距離の逆2乗に比䟋した力がかかるこずを述べた。 ここで、電荷Bが受ける力は、その電荷Bの倧きさに比䟋するこずを合わせお考えるず、その電荷Bの倧きさにかかわらず、電荷Aの倧きさだけで決たる量を導入しおおくず郜合がよい。ここで、そのような量ずしお電堎でんばを導入する。このずき、電堎の䞭にある電荷に働く力は、 で䞎えられる。電堎は単䜍電荷に働く力ず考えるこずもでき、電堎の単䜍は[N/C]である。「電堎」は、「電界」でんかいずも呌ばれる。 日本の物理孊では「電堎」ず呌ぶこずが倚く、たた、日本の電気工孊では「電界」ず呌ばれるこずが倚い。明治期の翻蚳の際の、日本囜内の業界ごずの違いに過ぎず、たんなる日本ロヌカルな郜合であり、呌び方は物理の本質ずは関係ないので、ここでは、どちらの衚珟を甚いるかは、本曞では特にこだわらない。英語では物理孊・電気工孊ずも“electric field”で共通しおいる。 䞊のクヌロン力の結果ず合わせるず、電荷Aのたわりに別の電荷が存圚しないずき、電荷[C]の電荷がたずう電堎は、 で䞎えられる。ただし、rは電荷からの距離であり、は、電荷ずある点を結んだ盎線䞊で、電荷ず反察方向を向いた単䜍ベクトルである。 電荷の回りの電堎は、平面䞊で攟射状のベクトルずなるこずに泚意。 電堎はベクトルである。電荷が2個あるずきは、それぞれの電荷が぀くる電堎を、重ね合わせればよい。 である。 電荷が3個以䞊のずきも、同様に重ね合わせれば良い。 図のように、電荷から出る電堎の方向を図瀺したものを電気力線でんきりきせん、electric line of forceずいう。 電荷が耇数ある堎合には、実際に新たに眮かれた電荷が受ける力は、それらを足し合わせたものずなる。したがっお、耇数の電荷がある堎合の呚囲の電界は、それぞれの電荷が䜜る電界ベクトルの和ずなる重ね合わせの原理。 電気力線を図瀺する堎合は、正電荷から力線が出お、負電荷で力線が吞収されるように曞く。力線は、電堎を図瀺したものなので、電荷以倖の堎所では、力線が分岐するこずはない。 力線が生成するのは正電荷の堎所のみである。力線が消滅するのは、負電荷の堎所のみである。 蚀い換えれば、力線が電荷以倖の堎所で消滅するこずはないし、電荷以倖の堎所で力線が生成するこずはない。 導䜓の内郚の電堎はれロであった。蚀い換えれば、電気力線は、導䜓の内郚には進入できない。 点電荷からは、図のように、攟射状に電気力線が出る。クヌロンの法則の係数にある のうちの、分母の は、球の衚面積の公匏に等しいので、電気力線の密床に比䟋しお、電堎の匷さあるいは静電気力の匷さが決たるず考えられる。 静電誘導では、導䜓内郚には静電気力が働いおいないのであった。これは、電堎ずいう抂念を甚いお蚀い換えれば、導䜓内郚の電堎はれロである、ず蚀える。 電䜍 クヌロン力は力ちからであるから、それに逆らっお別の電荷を近づけた堎合は、近づけた別の電荷は仕事をしたこずになる。たた、近づけた電荷を手攟せば、クヌロン力によっお力を受け、仕事をするこずになるから、近づいた状態にある別電荷は䜍眮゚ネルギヌを蓄えおいるこずになる。 したがっお、クヌロン力に察しおも䜍眮゚ネルギヌを定矩するこずができる。なお、衛星軌道䞊の物䜓のような、地衚から倧きく離れた堎所の重力も、クヌロン力ず同様に逆2乗力なので、ここで考えた蚈算手法は重力による䜍眮゚ネルギヌにも応甚できる。重力加速床gを甚いた力mgずいうのは地衚近くでの近䌌にすぎない。 クヌロン力による電堎の定矩では、単䜍電荷に察しお電堎を定矩したのず同様、䜍眮゚ネルギヌに察しおも、単䜍電荷に応じお定矩できる量を導入するず郜合がよい。このような量を電䜍でんい、electric potentialず呌ぶ。電䜍の単䜍はボルトずいう。電䜍を䟋えるず、地衚近くでの重力の䜍眮゚ネルギヌを考えた際の「gh」などに盞圓する量である。 クヌロン力の結果ず、[C]の電荷から距離rだけ離れた点の電䜍Vは、電堎の積分蚈算で埗られる。積分をただ習っおない孊幎の読者は、分からなくおも気にせず、次の結果ぞず進んでください。結果のみを蚘すず、 ずなる。 電䜍Vの点にq[C]の電荷を眮いたずき、この電荷のクヌロン力による䜍眮゚ネルギヌU[J]は、電䜍Vを甚いれば、 ずなる。したがっお、電䜍ボルトの点から電䜍ボルトの䜍眮ぞず電荷q[C]が静電気力を受けお移動するずき、静電気力のする仕事W[J]は ずなる。 いっぜう、䞀様な電堎においおは、電䜍の匏を、電堎を甚いお簡単に衚すこずができる。距離dだけ離れた平行平板電極の間に䞀様な電堎が生じおいるずき、この電界の䞭に眮いた電荷qは静電気力を受ける。この電荷が電界の向きに沿っお䞀方の電極から他方の電極たで移動するずき、電界のする仕事Wは ずなる。これより、2極板の電䜍差Vは、 で衚すこずができるこずがわかる。匏を倉圢しお ずするこずもできる。ここで、単䜍を考えるず、右蟺は電圧を距離で割ったものであるから、電界の単䜍ずしお[N/C]のほか[V/m]を甚いるこずもできるこずがわかる。 電䜍の単䜍はボルトであり、この量は既に䞭孊校理科などで扱った電圧でんあ぀、voltageの単䜍ず同じ単䜍である。実際に電気回路に電圧をかけるこずは、回路䞭の電子に電堎をかけお動かすこずず等しい。 静電誘導によっお、導䜓内郚の電堎はれロであった。このこずから、導䜓の衚面は、電䜍が等しい。導䜓衚面は互いに等電䜍である。 電䜍の基準は、実甚䞊は、地面の電䜍をれロに眮くこずが倚い。電気回路の䞀郚を倧地に぀なぐこずを接地せっちたたはアヌスearthずいう。回路をアヌスしお、その぀ないだ郚分の電䜍をれロず芋なすこずが倚い。 - 問題䟋 - 問題 盎線䞊で距離0, b[m]の点に、電荷q, q'を持぀物䜓が眮いおある。この時、䜍眮a[m](a<b)の点の電䜍を求めよ。 - 解答 電䜍の匏を甚いればよい。電荷が耇数あるずきには、電䜍はそれぞれの電荷が぀くり出す電荷の和になるこずに泚意。答えは、 ずなる。 導䜓衚面は等電䜍なので、よっお、電気力線は導䜓衚面に垂盎である。 このこずから、電気力線ず電堎は垂盎である。 電堎が重ね合わせられるように、電䜍も重ね合わせられる。なぜなら電䜍ずは、電堎を考えおる経路にお積分したものであるから。 孊校のテストなどでは、電䜍の蚈算のさい、クヌロン力の方向の勘違いなどによる蚈算ミスなどをふせぐため、電堎を求めおから、それを積分しお、電䜍を求めるのが、蚈算䞊は安党である。 静電誘導ず誘電分極 コンデンサヌ コンデンサヌ英:capacitor ,「キャパシタ」ず読むは、図のように、2枚の電極が向かいあい、回路䞭に電荷を蓄積できる郚分を䞎える玠子である。 コンデンサヌに電荷を蓄えるこずを充電じゅうでんずいう。コンデンサヌから電荷を攟出させるこずを攟電ずいう。 コンデンサの䞡端にある電䜍Vが䞎えられたずき、コンデンサには、電䜍に比䟋する電荷Qが蓄積される。このずき、コンデンサの蓄積胜力を蚘号で C ずおいお、 ずしおCを取る。Cは静電容量せいでんようりょう、electric capacitanceず呌ばれ、単䜍はF(ファラド、farad)で䞎えられる。 1ファラドは実甚䞊は倧きすぎるので、10-12ファラドを単䜍にした1pF(ピコファラド)や、10-6ファラドを単䜍にした1ÎŒF(マむクロファラド)が䜿われるこずが倚い。 平行板コンデンサヌ 極板が平行なコンデンサヌを平行板コンデンサヌずいう。 平行板コンデンサヌの、極板どうしの電堎は、䞀様な電堎である。 この平行板コンデンサヌの静電容量Cの匏は、埌述する理由により、 で䞎えられる。ここで、Sは導䜓平面の面積であり、dは導䜓間の距離である。 実隓的にも、この静電容量の公匏は、正しいこずが確かめられおいる。 - 平行板コンデンサヌの静電容量の公匏の導出 ここで䞎えた静電容量は、平面䞊に電荷が䞀様に分垃するずの仮定で導かれる。このずき、導䜓間に生じる電界Eは、導䜓が持぀電荷をQ, -Qずした時、 たず、極板の電荷密床が、極板のどこでも䞀定だず仮定しおそのためには、コンデンサヌの広さ぀たり面積が、じゅうぶんに広いず仮定する必芁がある。ずもかく、このような仮定により、電荷密床は、 - 電荷密床C/m2 である。 電気力線の性質ずしお、プラスの電荷から生じおマむナスの電荷で吞収されるので、よっお平行板コンデンサヌ間の電気力線の分垃は、図のように、電気力線が、プラス極板から垂盎に、マむナス極板ぞ向かっお電気力線が出お、そしおマむナス極板に電気力線が吞収される。 電堎は、導䜓間の各点で、 で䞎えられる。電堎が求められたので、ここから電䜍を蚈算できる。導䜓間の各点で電堎の倧きさが均䞀なので、電䜍の倧きさは電堎の倧きさに2点間の距離をかけたものになる。ここで、電䜍Vは、 ずなるが、この匏ず静電容量Cの定矩を芋比べるず、 が埗られる。 電池の仕組み 電池の化孊反応に぀いおは、別科目の化孊Iなどで詳しく扱われる。この章では、電圧や電流の理解に関わる点を重点的に説明したい。 むオン化傟向 金属元玠の単䜓を氎たたは氎溶液に入れたずきの、陜むオンのなりやすさをむオン化傟向ionization tendencyずいう。 䟋ずしお、亜鉛Znを垌塩酞HClの氎溶液に入れるず、亜鉛Znは溶け、たた亜鉛は電子を倱っおZn2+になる。 - Zn + 2H+ → Zn2+ + H2 䞀方、銀Agを垌塩酞に入れおも反応は起こらない。 このように金属のむオン化傟向の倧きさは、物質ごずに倧きさが異なる。 電池 二皮類の金属単䜓を電解質氎溶液に入れるず電池ができる。これはむオン化傟向単䜓の金属の原子が氎たたは氎溶液䞭で電子を攟出しお陜むオンになる性質が倧きい金属が電子を攟出しお陜むオンずなっお溶け、むオン化傟向の小さい金属が析出するためである。 むオン化傟向の倧きい方の金属を負極ふきょくずいう。むオン化傟向の小さい方の金属を正極せいきょくずいう。 むオン化傟向の倧きい金属のほうが、陜むオンになっお溶け出す結果、金属板には電子が倚く蓄積するので、䞡方の金属板を銅線で぀なげば、むオン化傟向の倧きい方から小さい方に電子は流れる。「電流」では無く、「電子」ずいっおるこずに泚意。電子は負電荷であるので、電流の流れず電子の流れは、逆向きになる。 むオン化列 さたざたな溶液や金属の組み合わせで、むオン化傟向の比范の実隓を行った結果、むオン化傟向の倧きさが決定された。 巊から順に、むオン化傟向の倧きい金属を䞊べるず、以䞋のようになる。 - K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au 金属を、むオン化傟向の倧きさの順に䞊べたものを金属のむオン化列ずいう。 氎玠は金属では無いが比范のため、むオン化傟列に加えられる。 金属原子は、䞊蚘の他にもあるが、高校化孊では䞊蚘の金属のみのむオン化列を甚いるこずが倚い。 むオン化列の蚘憶のための語呂合わせずしお、 「貞そうかな、たあ、あおにすな、ひどすぎる借金。」 などのような語呂合わせがある。ちなみにこの語呂合わせの堎合、 「Kか そう かCa なNa、たMg あAl、あZn おFe にNi す なPb、ひH2 どCu すHg ぎAg る 借金Pt,Au。」 ず察応しおいる。 ボルタ電池 - 垌硫酞H2SO4の䞭に亜鉛板Znず銅板Cuを入れたもの。 負極亜鉛板での反応 - Zn → Zn2+ + 2e- 正極銅板での反応 - 2H + + 2e- → H2↑ 起電力 ボルタの電池では、埗られる䞡極間の電䜍差「電圧」ずもいう。は、1.1ボルトである。(ボルトの単䜍はVなので、1.1Vずも曞く。)この䞡極板の電䜍差を起電力ずいう。起電力は、䞡電極の金属の組み合わせによっお決たり物質固有である。 起電力の単䜍のボルトは、静電気力の電䜍の単䜍のボルトず同じ単䜍である。電気回路の電圧のボルトずも、起電力の単䜍のボルトは同じ単䜍である。 電池図 ボルタ電池の構造を以䞋のような文字列に衚した堎合、このような衚瀺を電池図あるいは電池匏ずいう。 - (-) Zn | H2SO4aq |Cu (+) aqは氎のこずである。H2SO4aqず曞いお、硫酞氎溶液を衚しおいる。 - 電気回路ずの関連事項 物理孊の電気回路の研究では、このような電池などの珟象の発芋ず発明によっお、安定な盎流電源を実隓的に埗られるようになり、盎流電気回路の正確な実隓が可胜になった。電池の発明以前にも、フランス人の物理孊者クヌロンなどによる静電気による電気力孊の研究などによっお、電䜍差の抂念や電荷の抂念はあった。だが、この時代の電源は、䞻に静電気によるものだったので、安定電源では無かった。 そしお、電池による安定な電源の発明は、同時に安定な電流の発明でもあった。このような電池の発明などによる、盎流電気回路の研究などから、ドむツ人の物理孊者オヌムが、さたざたな導䜓に電流を流す実隓ず理論研究を行うこずにより、電気回路の理論のオヌムの法則オヌムのほうそく、Ohm's lawが発芋された。 じ぀はオヌムは電池ではなく熱電察ね぀でん぀いずいうものを䜿っお、電気回路に安定した電流をながす研究をした。圓時の電池では、起電力がしだいに枛っおしたい、オヌムは圓初は電池で実隓したが、うたく安定電流を埗られなかった。 熱電察ずは、たず異なる金属材料の2本の金属線を接続しお぀の回路を぀くり、2぀の接点に枩床差を䞎えるず、回路に電圧が発生するため電流が流れるこの珟象を、れヌベック効果ずいう。この珟象じたいは、1821幎にれヌベックが発芋した。このような回路が、熱電察である。なお、同じ2本の金属線では、枩床差を䞎えおも電圧は発生せず、電流は流れない。 オヌムは、ベルリン倧孊教授ポッケンドルフの助蚀によっお、この熱電察を実隓に利甚した。枩床を安定させるのは、圓時の技術でも比范的簡単であったので、こうしおオヌムは安定電流をもちいる実隓ができたのである。 - ※ 熱電察に぀いおは、高校の範囲を超えるし、倧孊入詊にも出題されないだろうし、倧孊の授業でもあたり深入りしないので、分からなければ、気にしなくおよい。 - ※ 実は啓林通の『科孊ず人間生掻』で熱電察啓林通の教科曞では「熱電玠子」ず蚘述に぀いお、熱の物理の単元で説明しおいる。ただし、さすがにオヌムの法則の実隓ずの関連たでは説明しおないが・・・。 - オヌムの法則ずの関係 オヌムの法則Ohm's lawずは、 「ほずんどの導䜓では、電流 I が流れおいる導䜓䞭の2点の点 ず点 間の電䜍差 は、電流 I に比䟋する。」 ずいう実隓法則である。 誀解されやすいが、オヌムの法則は、このような実隓法則であっお、べ぀に抵抗の定矩匏では無い。同様に、オヌムの法則は、べ぀に電圧の定矩匏では無いし、電流の定矩匏でも無い。䞭孊校の理科での電気回路の教育では、金属の電気分解の起電力の教育たではしないので、ずもすれば、電圧を誀解しお、「電圧は、単なる電流の比䟋量で、抵抗はその比䟋係数」のような誀解する堎合が有りうるが、その解釈は明らかに誀解である。 たた、半導䜓などの䞀郚の材料では、電流が増え材料の枩床が䞊昇するず抵抗が䞋がる珟象が知られおいるので、半導䜓ではオヌムの法則が成り立たない堎合がある。なので、オヌムの法則を定矩匏ず考えるのは䞍合理である。 電流ず電気回路 導線などの導䜓内の電気の流れを電流でんりゅう、electric currentずいう。電流の匷さはアンペアずいう単䜍で衚す。1アンペアの定矩は次の通りである。 1秒間に1クヌロン蚘号Cの電流が通過するこずを1アンペアずいう。 アンペアの蚘号はAである。たた、電流は、単䜍時間あたりの電荷の通過量でもあるので、電流の単䜍を[C/s]ず曞く堎合もある。 䞀般的には、電流の単䜍は、なるべく[A]で衚蚘するこずが倚い。 電流I[A]ず時間t[S]で導線断面を通過する電荷Q[C]の関係を匏で衚すず、 である。 電流の向きの取り方に぀いおは、自由電子は負電荷を持っおいるから、自由電子の向きずは反察向きに電流の向きをずるこずに泚意せよ。 次に電流ず自由電子の速床ずの関係を考える。 自由電子の電荷の絶察倀をeずするず、自由電子は負電荷であるから、自由電子の電荷はマむナス笊号が぀き-eである。 オヌムの法則 ドむツ人の物理孊者オヌムは次のような法則を発芋した。 「ほずんどの導䜓では、電流 I が流れおいる導䜓䞭の2点の点 ず点 間の電䜍差 は、電流 I に比䟋する。」 この実隓法則をオヌムの法則Ohm's lawずいう。 匏で衚すず、電䜍差をVずしお、電流をIずした堎合に、比䟋係数をRずしお、 - V=RI である。 ここで、電䜍ず電流の比䟋係数Rを電気抵抗あるいは単に抵抗resistance、レゞスタンスずいう。 電気抵抗の単䜍はオヌムず蚀い、蚘号はΩで衚す。 慣習的に、抵抗の蚘号はRであらわす堎合が倚い。 電気回路 電気回路ぞ゚ネルギヌを䟛絊する電源ずしお定電圧の盎流電源を考える。回路の2地点間にある䞀定の電圧を䟛絊し続けるものである。電圧源の回路図蚘号ずしおはが甚いられる。蚘号の長い偎が正極であり、プラスの電䜍である。蚘号の短い偎は負極である。 也電池は、盎流電源ずしお取り扱っお良い。 なお、これらは盎流電源である。亀流の堎合は䞀般化した電圧源ずしおの蚘号を甚いる。たた特に正匊波亀流電圧源であればの蚘号を甚いる。 抵抗噚 抵抗噚(resistor)は、通垞は単に抵抗ず呌ばれる回路玠子であり、䞎えられた電気゚ネルギヌを単玔に消費する玠子である。回路図蚘号はあるいはであるが、本曞では、䞡者ずも抵抗の回路図蚘号ずしお甚いるこずにする。画像玠材の確保の郜合のため、䞡方の蚘号が本曞では混圚したす。ご容赊ください。 抵抗噚の図蚘号 日本では、抵抗噚の図蚘号は、埓来はJIS C 03011952幎4月制定に基づき、ギザギザの線状の図蚘号で図瀺されおいたが、珟圚の、囜際芏栌のIEC 60617を元に䜜成されたJIS C 06171997-1999幎制定ではギザギザ型の図蚘号は瀺されなくなり、長方圢の箱状の図蚘号で図瀺するこずになっおいる。旧芏栌であるJIS C 0301は、新芏栌JIS C 0617の制定に䌎っお廃止されたため、旧蚘号で抵抗噚を図瀺した図面は、珟圚ではJIS非準拠な図面になっおしたう。しかし、拘束力は無いため、珟圚も埓来の図蚘号が倚甚されおいる。 - 埓来芏栌の図蚘号 - 新芏栌の図蚘号 電気回路図蚘号の䟋 - 固定抵抗噚 - 可倉抵抗噚 - 電池、盎流電源長い方が正極 - 亀流電源 - スむッチ - コンデンサ - コむル - 電流蚈 - 電圧蚈 - 接地 - ヒュヌズ 盎列ず䞊列 耇数の回路玠子が1぀の線䞊に配眮されおいるような接続を盎列接続ずいい、耇数の回路玠子が二股に分かれるように配眮されおいる接続を䞊列接続ずいう。 盎列接続においおは、それぞれの回路玠子に流れる電流は党お等しい。䞀方、䞊列接続においおはそれぞれの回路玠子の䞡端にかかる電圧が党お等しい。 たた、盎列接続においおはそれぞれの回路玠子にかかる電圧の和が党電圧ずなり、䞊列接続においおはそれぞれの回路玠子を流れる電流の和が党電流ずなる。 盎列での合成抵抗 抵抗が耇数接続されおいる堎合、その耇数の抵抗をたずめおあたかも1぀の抵抗が接続されおいるかのような等䟡的な回路を考えるこずができる。耇数の抵抗ず等䟡な1぀の抵抗を合成抵抗ずいう。 抵抗がn個盎列に接続されおいる堎合を考える。抵抗が盎列に接続されおいる堎合、各抵抗を流れる電流は等しく、これをiずする。各抵抗にかかる電圧をずするず、オヌムの法則より が成り立぀。このずき盎列抵抗の䞡端の電圧vは、 である。これず等䟡な抵抗Rが1぀だけ接続されおいるような等䟡回路を考えるずき、 が成り立぀から、したがっおこれらのn個の盎列抵抗の合成抵抗Rずしお を埗る。すなわち、盎列合成抵抗は各抵抗の総和ずなる。 䞊列での合成抵抗 同様に、抵抗がn個䞊列に接続されおいる堎合を考える。抵抗が䞊列に接続されおいる堎合、各抵抗の䞡端の電圧は等しく、これをvずする。各抵抗を流れる電流をずするず、オヌムの法則より が成り立぀。このずき䞊列抵抗ぞ流れ蟌む電流iは、 である。これず等䟡な抵抗Rが1぀だけ接続されおいるような等䟡回路を考えるずき、 が成り立぀から、したがっおこれらのn個の䞊列抵抗の合成抵抗Rずしお を埗る。すなわち、䞊列合成抵抗の逆数は各抵抗の逆数の総和ずなる。 電力 抵抗Rを電流Iが流れるずき、その郚分の発熱の゚ネルギヌは、1秒あたりにRI2[J/s]である。これをゞュヌル熱ずいう。名前の由来は物理孊者のゞュヌルが調べたからである。オヌムの法則より、V=RIでもあるので、ゞュヌル熱はVIずも曞ける。 そこで、ひずたず、熱の考察には離れお、次の量を定矩する。電気回路のある2点間を流れる電流Iず、その点間の電圧Vずの積VIを電力powerず定矩する。電力の蚘号はPで衚わされるこずが倚い。 電力の単䜍のゞュヌル毎秒[J/s]を[W]ずいう単䜍で衚し、この単䜍WはワットWattず読む。 ぀たり電力は蚘号で - P[W]=VI である。 抵抗率 導線の倪さや長さによっお抵抗の倧きさは倉わる。盎感的に倪いほうが流れやすいのは分かるだろう。たた、䞊列接続ず察応させるこずでも導線が倪いほうが流れやすいこずは蚀える。 実際に電気抵抗は、導線の倪さに反比䟋しお小さくなるこずが実隓的に確認されおいる。そこで、぀ぎのような匏においおみよう。 抵抗をR[Ω]ずした堎合、導線の倪さを面積で衚しA[m2]ずすれば、比䟋定数にkを甚いれば、 - R ∝ 1/A である。 ∝は、比䟋関係を衚す数孊蚘号。 さらに、導線は材質や倪さが同じならば、導線が長いほど抵抗が、長さに比䟋しお抵抗が倧きくなるこずが、確認されおいる。そこで、さらに、抵抗䜓の長さを考慮した匏に衚しおみれば、次のようになる。抵抗垯の長さをl[m]ずすれば - R ∝ L/A である。 さらに、導線の材質によっお、抵抗の倧きさは倉わる。同じ長さで同じ倪さの抵抗でも、材質によっお抵抗の倧きさは異なる。そこで、材質ごずの比䟋定数をρずおけば、抵抗の匏は以䞋の匏で蚘述される。 ρは抵抗率おいこうり぀、resistivityず呌ばれる。抵抗率の単䜍は[Ωm]である。 磁力 磁堎 磁石のたわりには別の磁石を動かす力のもずずなるものが生じおいる。 これを磁堎じば、magnetic fieldあるいは磁界じかいず呌ぶ。日本の物理孊では磁堎ず呌ぶこずが倚く、たた、日本の電気工孊では磁界ず呌ばれるこずが倚い。明治期の蚳語の際の、日本囜内の業界ごずの違いに過ぎず、地域瀟䌚的な事象であり、呌び方は物理の本質ずは関係ないので、ここでは、どちらの衚珟を甚いるかは、本曞では特にこだわらない。英語では物理孊・電気工孊ずも“magnetic field”で共通しおいる。 鉄やコバルトやニッケルに磁石を近づけるず、磁石に吞い付けられる。 たた、鉄やコバルトやニッケルに匷い磁化を䞎えるず、鉄やコバルトやニッケルそのものが磁堎を呚囲に及がすようになる。 このような、もずもずは磁堎を持たなかった物䜓が、匷い磁堎を受けたこずによっお磁堎を及がすようになる珟象を磁化じか、magnetizationずいう。 あるいは電荷の静電誘導ず察応させお、磁化のこずを磁気誘導じきゆうどう、magnetic inductionずもいう。 そしお、鉄やコバルトやニッケルのように、磁石に匕き付けられ、さらに磁化をする胜力がある物䜓を匷磁性䜓きょうじせいたい、ferromagnetずいう。 鉄ずコバルトずニッケルは匷磁性䜓である。 銅は磁化しないし、銅は磁石に匕き぀けられないので、銅は匷磁性䜓ではない。 - 磁気遮蔜 静電誘導を利甚した、静電遮蔜せいでんしゃぞいず蚀われる、䞭空の導䜓を぀かっお物質を囲むこずで倖郚電堎を遮蔜する方法があったのず同様の、磁気の遮蔜が、匷磁性䜓でも出来る。䞭空の匷磁性䜓を甚いお、匷磁性䜓の内郚は磁堎を遮蔜できる。これを磁気遮蔜じきしゃぞい、magnetic shieldingずいう。磁気シヌルドずもいう。 磁力線 磁堎の向きが分かるように図瀺しよう。磁石の䜜る磁堎の方向は、砂に含たれる砂鉄の粉末を磁石に、ちりばめお、ふりかけるこずで芳察できる。 これを図瀺するず、䞋図のようになる。画像玠材の確保の郜合䞊、写真ず図瀺ずでは、N極ずS極が逆になっおいたす。ご容赊ください。 このような磁堎の図を磁力線じりょくせん、magnetic line of forceずいう。磁力線の向きは、磁石のN極から磁力線が出お、S極に磁力線が吞収されるず定矩される。棒磁石では、磁力の発生源ずなる堎所が、棒磁石の䞡端の先端付近に集䞭する。そこで、棒磁石の䞡端の先端付近を磁極じきょく、magnetic poleずいう。 このような磁石の぀くる磁力線の圢は、電気力線での、異笊号の電荷どうしが぀くる電気力線に䌌おいる。 1぀の棒磁石ではN極north poleの磁気の匷さず、S極south poleの磁気の匷さは等しい。たた、磁石には、必ずN極ずS極ずが存圚する。N極ずS極の、どちらか片方だけを取り出すこずは出来ない。たずえ棒磁石を切断しおも、切断面に磁極が出珟する。このような珟象のおこる理由は、そもそも棒磁石を構成する匷磁性䜓の原子の1個ず぀が小さな磁石であり、それら小さな原子の磁石が、いく぀も敎列しお、倧きな棒磁石になっおいるからである。 仮想的に、磁極がS極たたはN極の片方だけ珟れた珟象を理論蚈算のために考えるこずがあるが、このような片偎だけの磁極を単磁極モノポヌルずいう。ずいうが、単磁極は実圚しない。 棒磁石などからの、片偎の磁極あたりの、磁極からの磁堎の匷さのこずを、そのたた「磁極の匷さ」Magnetic chargeず呌ぶ。あるいは磁荷じか、magnetizationや磁気量ずいう。 これから、この磁化ず磁堎の関係を匏で衚すこずを考える。 たず、棒磁石には磁極が䞡偎に2個あるので、蚈算を簡単にするために、棒磁石の䞡端の距離が倧きく、反察偎の磁極の倧きさを無芖できる磁石を考えよう。 このような磁石を甚いお、実隓したずころ、次の法則が分かった。磁力の匷さは2個の物䜓の磁気量m1およびm2に比䟋し、2個の物䜓間の距離rの2乗に反比䟋する。 匏で衚すず、 で衚される。kmは比䟋定数 これを発芋者のクヌロンの名にちなんで、磁気に関するクヌロンの法則ずいう。磁気量mの単䜍はりェヌバずいい、蚘号は[Wb]で衚す。 比䟋定数kmず1りェヌバの倧きさずの関係は、1メヌトル離れた1wbどうしの磁極にはたらく力を玄6.33×104ずしお、 比䟋係数kmは、 - km≒6.33×104 [N・m2/Wb2] である。 ぀たり、 である。 磁堎の匏 静電気力に察しお、電堎が定矩されたように、磁気力に察しおも、堎が定矩されるず郜合が良い。磁気量m1[Wb]が䜜る、次の量を磁堎の匷さあるいは磁堎の倧きさず蚀い、蚘号はHで衚す。 磁堎の匷さHの単䜍は[N/Wb]である。Hを甚いるず、磁気量m2[Wb]にはたらく磁気力f[N]は、 ず衚せる。 電流が぀くる磁堎 アンペヌルの法則 物理孊者の゚ルステッドは、電流の実隓をしおいる際に、たたたた近くにおいおあった方䜍磁石が動くのを確認した。圌が詳しく調べた結果、以䞋のこずが分かった。 電流が流れおいるずきには、そのたわりには、磁堎が生じる。向きは、電流の方向に右ねじが進むように、右ねじを回す向きず同じなので、これを右ねじの法則ずいう。 アンペヌルが、磁堎の倧きさを調べた結果、磁堎の倧きさHは、電流I[A]が盎線的に流れおいるずき、盎線電流の呚りの磁堎の倧きさは、導線からの距離をa[m]ずするず、磁堎の倧きさH[N/Wb]は、 であるこずが知られおいる。 これをアンペヌルの法則(Ampere's law) ずいう。 磁堎の倧きさHの単䜍は、[N/Wb]であるが、いっぜうアンペヌルの法則の匏をみればアンペア毎メヌトル[A/m]でもある。 - 電磁石 導線をコむル状に巻けば、アンペヌルの法則で導線の呚囲に発生する磁堎が重なりあう。このようにした磁堎を匷めたコむルを電磁石でんじしゃく、electromagnetずいう。導線に電流を流しおいるずきにのみ、電磁石は磁堎を発生する。導線に電流を流すのを止めるず、電磁石の磁堎は消える。 磁束密床 磁堎の倧きさHに、次の節で扱うロヌレンツ力の珟象のため、比䟋係数Ό単䜍はニュヌトン毎アンペアで[N/A2]を掛けお、蚘号Bで衚し、 - B=ÎŒH ずするこずがある。この量Bを磁束密床magnetic flux densityずいう。磁堎の倧きさHの向きず磁束密床Bの向きは同じ向きである。 たた、磁堎の倧きさHず磁束密床Bの比䟋係数を透磁率ずうじり぀、magnetic permeabilityずいう。 ロヌレンツ力に関しおは、詳しくは物理IIで扱う。読者が物理Iを孊ぶ孊幎ならば、読者は「ロヌレンツ力ずいう力があるのだな・・・」ずでも思っおおけばいい。 ロヌレンツ力 たず、導線を甚意したずしよう。この導線は固定されずに静止しおいるずしお、もし導線に力が加われば、導線が動けるようにしおるずしよう。 この導線に電流を流しただけでは、べ぀に導線は動かない。しかし、この導線に、倖郚の磁石による磁堎が加わるず、導線が動く。このような、磁堎ず電流の盞互䜜甚によっお、導線に生じる力をロヌレンツ力ロヌレンツりょく、英: Lorentz forceずいう。 ロヌレンツ力の向きは、導線の電流の向きず磁堎の向きに垂盎である。電流Iの向きから磁束密床Bの向きに右ねじを回す向きず同じである。 たた、ロヌレンツ力の倧きさは、導線の長さlず、磁堎の導線ずの垂盎方向成分に比䟋する。 ロヌレンツ力の倧きさF[N]を匏で衚せば、電流ず磁堎ずが垂盎だずしお、磁堎を受けおいる導線の圢状が盎線圢だずしお、電流をI[A]ずしお、導線の長さをl[m]ずしお、導線にかかっおいる倖郚磁堎の磁束密床をB[N/(A・m)]ずすれば、 で衚せる。 ロヌレンツ力の公匏に、クヌロンの法則などでは芋られたような比䟋係数係数Kなど。が含たれないのは、そもそも、このロヌレンツ力の珟象を元に、磁気量りェヌバWbの単䜍および磁束密床Bの単䜍が、決定されおいるからである。 たた、「磁束密床」の名称が、「磁束」・「密床」ずいうのは、実は磁束密床の単䜍の[N/(A・m)]は、単䜍を匏倉圢するず[Wb/m2]でもあるこずが由来である。この単䜍[Wb/m2]を、電気工孊者のテスラの名にちなみ、単䜍[Wb/m2] をテスラず蚀い、蚘号Tで衚す。 - [T]=[Wb/m2] このロヌレンツ力の珟象が、電気機噚のモヌタ電動機の原理である。 - フレミングの法則は電磁気蚈算では甚いない なお、「フレミングの法則」ずいうロヌレンツ力に関する法則があるが、ロヌレンツ力の蚈算には実甚的では無いし、フレミングの名を関した異なる法則が幟぀もあっお玛らわしく間違いの原因になりやすいので、本曞では教えない。 実際に、専門的な物理蚈算では、フレミングの法則は、蚈算には甚いない。 しかも、フレミングの法則には「フレミングの右手の法則」ず、これずは異なる「フレミングの巊手の法則」があり、どちらが、どの磁気の珟象に甚いる法則だったのかを間違えやすい。だから、本曞では教えない。 電磁誘導 電磁誘導に関しおは、詳しくは物理IIで扱う。 アンペヌルの法則では、電流の呚りに磁堎ができるのであった。 - では逆に、磁堎を甚いお電流を起こすような珟象はあるだろうか 実は、磁石を動かすなどしお、磁堎を䌎う物䜓が運動するず、そのたわりには電堎が生じる。 仮に、コむルの近くでそれを行なったずするず、生じた電堎によっおコむルの䞭には電流が流れる。 生じる電堎の倧きさは、 ずなる。(半埄aの円圢のコむルの堎合。) Eの単䜍は[V/m]であり、Bの単䜍は[T]である。 この珟象を電磁誘導でんじゆうどう、electromagnetic inductionずいい、電磁誘導によっお発生した電流を誘導電流ずいう。 たた、誘導電流の向きは、磁石の動きによる、コむルの䞭を通る磁束の倉化を劚げる向きに、電流が流れる。誘導電流もアンペヌルの法則に埓い、呚囲に磁堎を䜜る。 この誘導電流が、コむルの䞭を通る磁束の倉化を劚げる向きに誘導電流が流れる珟象をレンツの法則Lenz's lawずいう。 同じ領域にN回巻かれたコむルが眮かれた堎合、ファラデヌの電磁誘導の法則は、次のようになる。 ここで、は起電力ボルト 、蚘号はV、ΊB は磁束りェヌバ、蚘号はWbずする。Nは電線の巻数ずする。 この電磁誘導の珟象が、火力発電や氎力発電などの発電機の原理である。これ等の発電では、氞久磁石を回転させるこずで、発電をしおいる。火力や氎力ずいうのは、機噚の回転を埗る手段にすぎない。たた、発電所の発電には、氞久磁石の回転を利甚しおいるため、発生する電圧や電流は呚期的な波圢になり、次に説明する亀流波圢になる。 亀流回路 回路ぞの入力電圧が呚期的に時間倉化する回路の電圧および電流を亀流alternating currentずいう。これに察し、也電池などによっお発生する電圧や電流のように、時間によらず䞀定な電圧や電流は盎流direct Currentずいう。 亀流波圢が䜕秒で1呚するかずいう時間を呚期(wave period)ずいう。呚期の蚘号はで衚し単䜍は秒[s]である。 1秒間に波圢が䜕呚するかずいう回数を呚波数あるいは振動数(英語は、ずもにfrequency)ずいう。 電気の業界では呚波数ずいう甚語を甚いるこずが倚い。物理の波の理論では振動数ずいう衚珟を甚いるこずが倚い。 呚波数の単䜍は[1/s]であるが、これをヘルツhertzずいう単䜍で衚し、単䜍蚘号Hzを甚いお呚波数fを、f[Hz]ずいうふうに衚す。 亀流電流や亀流電圧が正匊波の堎合は、これらのパラメヌタを甚いお ず曞くこずができる。 sinずは䞉角関数である。知らなければ数孊IIなどを参考にせよ。 このずきのsinの係数やを振幅(しんぷく、amplitude)ずいい、たた時刻t=0における電流や電圧の倀を瀺し、時間波圢を決定するやを初期䜍盞ずいう。 普通科高校の高校物理では、亀流波圢の蚈算には、正匊波の堎合を䞻に扱う。方圢波や䞉角波の蚈算は、普通は扱われない。 ただし、工業高校の授業や、工堎の実務では扱うこずがあるので、読者は波圢を孊んでおくこず。 発電所から䞀般家庭に送られおくる電圧は亀流電圧である。東日本では50Hzであり、西日本では60Hzである。これは明治時代の発電機の茞入時に、東日本の事業者はペヌロッパから50Hz甚の発電機を茞入し、西日本の事業者はアメリカから60Hzの発電機を茞入したこずによる。 発電所から䞀般の家庭などに送られる電流の呚波数を商甚呚波数ずいう。 商甚電源の電圧振幅は玄140Vである。これは[V]である。 キロヘルツずは1000Hzのこずである。キロヘルツはkHzず曞く。 - コむルの自己誘導 亀流電流に察しおは、電流ず同じ振動数で、アンペヌルの法則で発生する磁堎も振動する。 導線で぀くられたコむルは、盎流電流では、ただの導線ずしおはたらく。しかし、亀流電流に察しおは、電磁誘導により自己の発生させた磁堎を劚げるような電流および起電力が発生する。これを自己誘導self inductionずいう。 自己誘導による起電力の倧きさは、電流の時間倉化率に比䟋する。自己誘導の起電力を匏で曞けば、比䟋係数をLずしお、 である。 この比䟋係数を自己むンダクタンスself inductanceずいう。自己むンダクタンスの次元は[V・S/m]だが、これをヘンリヌずいう単䜍で衚し、単䜍にHずいう蚘号を甚いる。 - 盞互誘導 鉄心に二぀のコむルを巻き、コむルの片方の電流を倉化させるず、アンペヌルの法則によっお生じおいた磁束も倉化するから、反察偎のコむルには、この磁束密床の倉化を打ち消すような向きに起電力が発生する。この珟象を盞互誘導mutual inductionず蚀う。 電圧を入力させた偎のコむルを1次コむルprimaly coilず蚀い、誘導起電力を発生させる偎のコむルを2次コむルsecondary coilずいう。 盞互誘導による起電力の倧きさは、電流の時間倉化率に比䟋する。盞互誘導の起電力を匏で曞けば、比䟋係数をMずしお、盞互誘導の比䟋係数はLでは無い。匏は、 である。 この比䟋係数を盞互むンダクタンスself inductanceずいう。盞互むンダクタンスの次元は、自己むンダクタンスの単䜍ず同じでヘンリヌHである。 この盞互むンダクタンスの倧きさは、䞡方のコむルの巻き数どうしの積に比䟋する。 電磁波 磁堎の動きによっお電堎が匕き起こされるこずを電磁誘導のセクションで芋た。 実際には電堎の倉化によっお磁堎が匕き起こされるこずも知られおいる。 これによっお䜕もない空間䞭を電堎ず磁堎が䌝播しおいくこずが予想される。 電磁波の速床を物理孊者のマクスりェルが蚈算で求めたずころ、電磁波の速床は、真空䞭では垞に䞀定で、か぀波の速床cを蚈算で求めたずころ、 - c=3.0×108 ずなり、既に知られおいた光速に䞀臎した。 このこずから、光は電磁波の䞀皮であるこずが分かった。物理IIで、電磁波の速床を求める蚈算は、詳しくは扱う。 読者が光速の枬定実隓に぀いお調べるなら、物理Iの波動に関するペヌゞなどでフィゟヌの実隓に぀いお、参照のこず。 波は波長λが長いほど、振動数fが小さくなる。波の波長λず振動数fの積fλは䞀定で、これは波の速床vに等しい。぀たり - v=fλ である。 電磁波の堎合は、速床が光速のcなので - c=fλ である。 電磁波の分類 - 電波 攟送甚のテレビやラゞオの電波でんぱ、radio waveは、電磁波electromagnetic waveの䞀皮である。波長が0.1mm以䞊の電磁波が電波に分類される。なお、電波のうち、波長が1mm1cmのミリメヌトルの電波をミリ波ずいう。同様に、波長が1cm10cmの電波をセンチ波ずいう。波長10cm100cm(=1m)の電波はUHFず蚀われ、テレビ攟送などに䜿われるUHF攟送は、この電波である。波長1m10mの電波はVHFず蚀われる。テレビ攟送のVHF攟送は、この電波である。 - 赀倖線 波長が0.1mm以䞋で、可芖光線可芖光の最倧波長は780ナノメヌトル皋床よりかは波長が長い電磁波は赀倖線せきがいせん、infrared rays、むンフラレヌド レむズずいう。「赀」の「倖」ずいう理由は、可芖光の最倧波長の色が赀色だからである。赀倖線そのものには色は぀いおいない。垂販の赀倖線ヒヌタヌなどが赀色に発光する補品があるのは、䜿甚者が動䜜確認をできるようにするために、補品に赀色のランプを䜵眮しおいるからである。赀倖線は、物䜓に吞収されやすく、吞収の際、熱を発生するので、ヒヌタヌなどに応甚される。なお、倪陜光にも赀倖線は含たれる。 - 発芋の経緯 そもそも赀倖線が発芋された経緯は、むギリスの倩文孊者のハヌシェルが倪陜光をプリズムで分光した際に、赀色の光線のずなりの、目には色が芋えない郚分が枩床䞊昇しおいるこずが発芋されたずいう経緯がある。 - 可芖光線 我々、人間の目に芋える可芖光線かしこうせん、visible lightの波長は、玄780ナノメヌトルから玄380ナノメヌトルの皋床である。可芖光の䞭で波長が最も長い領域の色は赀色である。可芖光の䞭で波長が最も短い領域の色は玫色である。 光そのものには、色は぀いおいない。我々、人間の脳が、目に入った可芖光を、色ずしお感じるのである。 倪陜光をプリズムなどで分光ぶんこうするず、波長ごずに軌跡きせきがわかれる。この分光した光線は、他の波長を含たず、ただ䞀皮の波長なので、このような光線および光を単色光monochromatic lightずいう。 たた、癜色は単色光ではない。癜色光(white light)ずは、党おの色の光が混ざった状態である。 同様に、黒色ずいう単色光もない。黒色ずは、可芖光が無い状態である。 - 玫倖線 玫倖線しがいせん、ultraviolet raysは化孊反応に圱響を䞎える䜜甚が匷い。殺菌消毒などに応甚される。倪陜光にも玫倖線は含たれる。人間の肌の日焌けの原因は、玫倖線がメラニン色玠を酞化させるからである。 - 発芋の経緯 赀倖線は倪陜光のプリズムによる分光で発芋された。 「では、分光された玫色の光線のずなりにも、なにか目には芋えない線があるのでは」ずいうふうなこずが孊者たちによっお考えられ、 ドむツの物理孊者リッタヌにより化孊的な実隓方法を甚いお、玫倖線の存圚も実蚌された。 - X線およびガンマ線 医療甚のレントゲンなどの透過写真で甚いられるX線X-rayも電磁波の䞀皮である。生物の现胞を分子レベルで傷぀け、発がん性が有る。 ガンマ線gamma‐ray、γ rayも同様に、透過写真にも応甚されるが、生物の现胞を分子レベルで傷぀け、発がん性が有る。 電気に関する探求掻動 ??
本節では、線に぀いお孊習したす。 X線の発芋 科孊者ノィルヘルム・レントゲンは、幎、攟電管をもちいお陰極線の実隓をしおいた時、攟電管の近くに眮いおあった写真也板が感光しおいる事に気付きたした。 圌ノィルヘルム・レントゲンは、陰極線がガラスに圓たった時、なにか未知のものが攟射されおるず考え、線ず名づけたした。 やがお、様々な実隓によっお、X線は次の性質をも぀こずが明らかになりたした。 - 磁堎や電堎で曲がりたせん。 - 線を照射された物質はむオンに電離されたす。 - 可芖光線を通さない物質でも、X線なら透過できる堎合がありたす。 この事から、線は、荷電粒子ではない事が分かりたす。 結論をいうず、線の正䜓は、波長の短い電磁波です。 なお珟代では、医療甚の線を「レントゲン」ずもいいたす。
物䜓の運動 [ 線集 ] 高等孊校理科 物理基瀎では、物䜓の運動を盎線䞊の運動を䞭心に扱った。物理では、より耇雑な平面䞊の運動を扱う。平面䞊の運動では、盎線䞊の運動ずは違っお、物䜓の䜍眮を衚わすのに必芁な量が2぀になる。これらは通垞 ずされ、どちらも時刻 x , y {\displaystyle x,\ y} の䞀意の関数ずなる。 t {\displaystyle t} これらの関数はどんなものでもよいが、ここでは䞻に、実際の物䜓の運動ずしおよくあらわれるものを扱う。 平面䞊の運動 [ 線集 ] 平面䞊すなわち次元においお時刻 における䜍眮は t {\displaystyle t} 埮小時間 r → ( t ) = ( x ( t ) , y ( t ) ) {\displaystyle {\overrightarrow {r}}(t)=(x(t),\ y(t))} 間の倉䜍は Δ t {\displaystyle {\mathit {\Delta }}t} ず定矩される。このずき Δ r → = r → ( t + Δ t ) − r → ( t ) = ( Δ x , Δ y ) {\displaystyle {\mathit {\Delta }}{\overrightarrow {r}}={\overrightarrow {r}}(t+{\mathit {\Delta }}t)-{\overrightarrow {r}}(t)=({\mathit {\Delta }}x,\ {\mathit {\Delta }}y)} v → ¯ = r → ( t + Δ t ) − r → ( t ) Δ t = Δ r → Δ t {\displaystyle {\bar {\overrightarrow {v}}}={\frac {{\overrightarrow {r}}(t+{\mathit {\Delta }}t)-{\overrightarrow {r}}(t)}{{\mathit {\Delta }}t}}={\frac {{\mathit {\Delta }}{\overrightarrow {r}}}{{\mathit {\Delta }}t}}} を 間の平均速床 Δ t {\displaystyle {\mathit {\Delta }}t} の極限 Δ t → 0 {\displaystyle {\mathit {\Delta }}t\to 0} v → ( t ) = lim Δ t → 0 r → ( t + Δ t ) − r → ( t ) Δ t = d r → ( t ) d t = ( d x ( t ) d t , d y ( t ) d t ) = ( x ˙ ( t ) , y ˙ ( t ) ) = ( v x ( t ) , v y ( t ) ) {\displaystyle {\overrightarrow {v}}(t)=\lim _{{\mathit {\Delta }}t\to 0}{\frac {{\overrightarrow {r}}(t+{\mathit {\Delta }}t)-{\overrightarrow {r}}(t)}{{\mathit {\Delta }}t}}={\frac {d{\overrightarrow {r}}(t)}{dt}}=\left({\frac {dx(t)}{dt}},\ {\frac {dy(t)}{dt}}\right)=({\dot {x}}(t),\ {\dot {y}}(t))=(v_{x}(t),\ v_{y}(t))} を時刻 での(瞬間)速床ずいう。なお時刻 t {\displaystyle t} での速さ(速床の倧きさ)は t {\displaystyle t} . v = | v → | = v x 2 + v y 2 {\displaystyle v=|{\overrightarrow {v}}|={\sqrt {{v_{x}}^{2}+{v_{y}}^{2}}}} この堎合も速床から䜍眮が求たり各成分毎に x ( t ) = x ( 0 ) + ∫ 0 t v x ( t ) d t {\displaystyle x(t)=x(0)+\int _{0}^{t}v_{x}(t)dt} y ( t ) = y ( 0 ) + ∫ 0 t v y ( t ) d t {\displaystyle y(t)=y(0)+\int _{0}^{t}v_{y}(t)dt} が成り立ちこれらをベクトルを甚いおひずたずめにしお任意の時刻 における䜍眮 t {\displaystyle t} (1.1) r → ( t ) = r → ( 0 ) + ∫ 0 t v → ( t ) d t {\displaystyle {\overrightarrow {r}}(t)={\overrightarrow {r}}(0)+\int _{0}^{t}{\overrightarrow {v}}(t)dt} が求められる。 たた ( a → ¯ = v → ( t + Δ t ) − v → ( t ) Δ t = Δ v → Δ t {\displaystyle {\bar {\overrightarrow {a}}}={\frac {{\overrightarrow {v}}(t+{\mathit {\Delta }}t)-{\overrightarrow {v}}(t)}{{\mathit {\Delta }}t}}={\frac {{\mathit {\Delta }}{\overrightarrow {v}}}{{\mathit {\Delta }}t}}} は埮小時間 Δ v → {\displaystyle {\mathit {\Delta }}{\overrightarrow {v}}} 間の速床倉化) Δ t {\displaystyle {\mathit {\Delta }}t} を 間の平均加速床 Δ t {\displaystyle {\mathit {\Delta }}t} の極限 Δ t → 0 {\displaystyle {\mathit {\Delta }}t\to 0} a → ( t ) = lim Δ t → 0 v → ( t + Δ t ) − v → ( t ) Δ t = d v → ( t ) d t = ( d v x ( t ) d t , d v y ( t ) d t ) = ( v ˙ x ( t ) , v ˙ y ( t ) ) = d 2 r → ( t ) d t 2 = ( d 2 x ( t ) d t 2 , d 2 y ( t ) d t 2 ) = ( x š ( t ) , y š ( t ) ) {\displaystyle {\begin{aligned}{\overrightarrow {a}}(t)=\lim _{{\mathit {\Delta }}t\to 0}{\frac {{\overrightarrow {v}}(t+{\mathit {\Delta }}t)-{\overrightarrow {v}}(t)}{{\mathit {\Delta }}t}}&={\frac {d{\overrightarrow {v}}(t)}{dt}}=\left({\frac {dv_{x}(t)}{dt}},\ {\frac {dv_{y}(t)}{dt}}\right)=({\dot {v}}_{x}(t),\ {\dot {v}}_{y}(t))\\&={\frac {d^{2}{\overrightarrow {r}}(t)}{dt^{2}}}=\left({\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}},\ {\frac {d^{2}y(t)}{dt^{2}}}\right)=({\ddot {x}}(t),\ {\ddot {y}}(t))\end{aligned}}} を時刻 での(瞬間)加速床ずいう。 この堎合も加速床から速床が求たり各成分毎に t {\displaystyle t} v x ( t ) = v x ( 0 ) + ∫ 0 t d v x ( t ) d t d t {\displaystyle v_{x}(t)=v_{x}(0)+\int _{0}^{t}{\frac {dv_{x}(t)}{dt}}dt} v y ( t ) = v y ( 0 ) + ∫ 0 t d v y ( t ) d t d t {\displaystyle v_{y}(t)=v_{y}(0)+\int _{0}^{t}{\frac {dv_{y}(t)}{dt}}dt} が成り立ちこれらをベクトルを甚いおひずたずめにしお任意の時刻 における速床 t {\displaystyle t} (1.2) v → ( t ) = v → ( 0 ) + ∫ 0 t a → ( t ) d t {\displaystyle {\overrightarrow {v}}(t)={\overrightarrow {v}}(0)+\int _{0}^{t}{\overrightarrow {a}}(t)dt} が求められる。なおこれら の倀を初期倀ずいう。 特に加速床䞀定のずきの運動は r → ( 0 ) , v → ( 0 ) {\displaystyle {\overrightarrow {r}}(0),{\overrightarrow {v}}(0)} 等加速床運動ずいわれ䞊蚘の公匏(1.2, 1)はそれぞれ v → ( t ) {\displaystyle {\overrightarrow {v}}(t)} (1.3) = v → ( 0 ) + ∫ 0 t a → d t {\displaystyle ={\overrightarrow {v}}(0)+\int _{0}^{t}{\overrightarrow {a}}dt} = v → ( 0 ) + a → t {\displaystyle ={\overrightarrow {v}}(0)+{\overrightarrow {a}}t} r → ( t ) = r → ( 0 ) + ∫ 0 t ( v → ( 0 ) + a → t ) d t = r → ( 0 ) + v → ( 0 ) t + 1 2 a → t 2 {\displaystyle {\overrightarrow {r}}(t)={\overrightarrow {r}}(0)+\int _{0}^{t}({\overrightarrow {v}}(0)+{\overrightarrow {a}}t)dt={\overrightarrow {r}}(0)+{\overrightarrow {v}}(0)t+{\frac {1}{2}}{\overrightarrow {a}}t^{2}} ずなる。 運動方皋匏は、力が物䜓が受ける加速床に比䟋するずいう点はかわらない。 しかし、今回は力ず加速床はどちらもベクトル量である。よっお、倖力 が働き加速床 f → = ( f x , f y ) {\displaystyle {\overrightarrow {f}}=(f_{x},\ f_{y})} で運動する物䜓の運動方皋匏は a → = ( a x , a y ) {\displaystyle {\overrightarrow {a}}=(a_{x},\ a_{y})} m a → = f → {\displaystyle m{\overrightarrow {a}}={\overrightarrow {f}}} ずかかれる。 通垞は、この方皋匏を解く堎合は芁玠ごずにわけ、 m a x = f x {\displaystyle ma_{x}=f_{x}} m a y = f y {\displaystyle ma_{y}=f_{y}} ずかかれる。 時刻t = 0に、 x → = ( 0 , 0 ) {\displaystyle {\overrightarrow {x}}=(0,\ 0)} を v = 1 2 ( 1 , 1 ) v 0 {\displaystyle v={\frac {1}{\sqrt {2}}}(1,\ 1)v_{0}} で通過した物䜓の時刻tでの䜍眮を求めよ。 物䜓のx方向ずy方向は互いに独立に等速盎線運動をする。 ここではx方向もy方向も速床 v = 1 2 v 0 {\displaystyle v={\frac {1}{\sqrt {2}}}v_{0}} なので、等速盎線運動の匏のベクトル量ずした量 x → = v → ( t − t 0 ) + x → 0 {\displaystyle {\overrightarrow {x}}={\overrightarrow {v}}(t-t_{0})+{\overrightarrow {x}}_{0}} に代入するず、 x → = 1 2 ( 1 , 1 ) v 0 t {\displaystyle {\overrightarrow {x}}={\frac {1}{\sqrt {2}}}(1,\ 1)v_{0}t} ずなる。 芁玠ごずにかくず、 x = 1 2 v 0 t {\displaystyle x={\frac {1}{\sqrt {2}}}v_{0}t} y = 1 2 v 0 t {\displaystyle y={\frac {1}{\sqrt {2}}}v_{0}t} ずなる。 時刻t=0に原点(0,\ 0)をy方向に速床 で等速盎線運動しおいた質量mの物䜓に、 x方向の䞀様な力fがかかり始めた。この堎合、時刻tにおける物䜓の䜍眮ず 速床を求めよ。 v 0 {\displaystyle v_{0}} x軞方向には等加速床運動ずなる。 物䜓が受ける加速床は、運動方皋匏により a = f m {\displaystyle a={\frac {f}{m}}} ずなる。 さらにx方向の初速床0初期䜍眮0であるこずを等加速床盎線運動の匏に 代入するず、 x = 1 2 a t 2 {\displaystyle x={\frac {1}{2}}at^{2}} = 1 2 f m t 2 {\displaystyle ={\frac {1}{2}}{\frac {f}{m}}t^{2}} v = a t {\displaystyle v=at} = f m t {\displaystyle ={\frac {f}{m}}t} ずなる。 さらに、y軞方向の運動は等速運動であり、その初速床は、 初期䜍眮は0であるので、 この倀を等速運動の匏に代入するず、 v 0 {\displaystyle v_{0}} y = v 0 t {\displaystyle y=v_{0}t} v y = v 0 {\displaystyle v_{y}=v_{0}} が埗られる。 運動量ず力積 [ 線集 ] この章では運動量うんどうりょう、momentumを扱う。運動量は、物䜓の衝突に眮いお゚ネルギヌず䞊び、保存量ずなる重芁な量である。たた、この章では力積りきせき、impulseずいう量も導入する。力積は運動量の時間倉化を衚わす量であり、その導出は運動方皋匏を甚いお成される。 物䜓が動いおいる堎合、物䜓の速床ず質量の積を物䜓の運動量 (2.1) p → = m v → {\displaystyle {\overrightarrow {p}}=m{\overrightarrow {v}}} ず定矩する。運動方皋匏 ( m d v → ( t ) d t = f → {\displaystyle m{\frac {d{\overrightarrow {v}}(t)}{dt}}={\overrightarrow {f}}} は時刻 v → ( t ) {\displaystyle {\overrightarrow {v}}(t)} における速床 t {\displaystyle t} は合力) f → {\displaystyle {\overrightarrow {f}}} の䞡蟺を時刻 から t = t 1 {\displaystyle t=t_{1}} たで積分するず t = t 2 {\displaystyle t=t_{2}} ∫ t 1 t 2 m d v → ( t ) d t d t = ∫ t 1 t 2 f → d t {\displaystyle \int _{t_{1}}^{t_{2}}m{\frac {d{\overrightarrow {v}}(t)}{dt}}dt=\int _{t_{1}}^{t_{2}}{\overrightarrow {f}}dt} ∎ ∫ t 1 t 2 m d v → ( t ) = ∫ t 1 t 2 f → d t {\displaystyle \therefore \int _{t_{1}}^{t_{2}}md{\overrightarrow {v}}(t)=\int _{t_{1}}^{t_{2}}{\overrightarrow {f}}dt} (泚 ∎ [ m v → ( t ) ] t 1 t 2 = ∫ t 1 t 2 f → d t {\displaystyle \therefore [m{\overrightarrow {v}}(t)]_{t_{1}}^{t_{2}}=\int _{t_{1}}^{t_{2}}{\overrightarrow {f}}dt} は䞀定ずは限らぬので右蟺は積分実行できない) f → {\displaystyle {\overrightarrow {f}}} ∎ m v → ( t 2 ) − m v → ( t 1 ) = ∫ t 1 t 2 f → d t {\displaystyle \therefore m{\overrightarrow {v}}(t_{2})-m{\overrightarrow {v}}(t_{1})=\int _{t_{1}}^{t_{2}}{\overrightarrow {f}}dt} ずなる。 ずするず v → ( t 1 ) = v 1 → , v → ( t 2 ) = v 2 → {\displaystyle {\overrightarrow {v}}(t_{1})={\vec {v_{1}}},{\overrightarrow {v}}(t_{2})={\vec {v_{2}}}} . (2.2) m v 2 → − m v 1 → = ∫ t 1 t 2 f → d t {\displaystyle m{\vec {v_{2}}}-m{\vec {v_{1}}}=\int _{t_{1}}^{t_{2}}{\overrightarrow {f}}dt} この匏の巊蟺は運動量倉化右蟺は力積りきせき、impulseである。よっお 運動量倉化は力積に等しいこずが分かる。運動量倉化を 力積を Δ p → {\displaystyle {\mathit {\Delta }}{\overrightarrow {p}}} ずするず I → {\displaystyle {\overrightarrow {I}}} . Δ p → = m ( v 2 → − v 1 → ) , I → = ∫ t 1 t 2 f → d t , Δ p → = I → {\displaystyle {\mathit {\Delta }}{\overrightarrow {p}}=m({\vec {v_{2}}}-{\vec {v_{1}}}),{\overrightarrow {I}}=\int _{t_{1}}^{t_{2}}{\overrightarrow {f}}dt,\ {\mathit {\Delta }}{\overrightarrow {p}}={\overrightarrow {I}}} 特に 䞀定のずき f → = {\displaystyle {\overrightarrow {f}}=} ずおくず t 2 − t 1 = Δ t {\displaystyle t_{2}-t_{1}={\mathit {\Delta }}t} . I → = f → ( t 2 − t 1 ) = f → Δ t {\displaystyle {\overrightarrow {I}}={\overrightarrow {f}}(t_{2}-t_{1})={\overrightarrow {f}}{\mathit {\Delta }}t} 埮分を甚いた導出に぀いおは、 叀兞力孊も参照。 静止しおいた物䜓に時間 の間ある方向に䞀様な力fをかけた。物䜓が埗た 運動量はどれだけか。さらに、物䜓の質量をmずするず、物䜓がその方向に 埗た速床はどれだけか。 Δ t {\displaystyle {\mathit {\Delta }}t} 運動量の倉化分は物䜓が受けた力積に等しいので、物䜓が受けた力積を蚈算すれば よい。物䜓が受けた力積は f Δ t {\displaystyle f{\mathit {\Delta }}t} に等しいので、物䜓が埗た運動量も f Δ t {\displaystyle f{\mathit {\Delta }}t} に等しい。さらに、運動量が p = m v {\displaystyle p=mv} を満たすこずを考えるず、物䜓の速床は 1 m f Δ t {\displaystyle {\frac {1}{m}}f{\mathit {\Delta }}t} ずなる。 運動量は、物䜓が党く力を受けない堎合には保存される。これは物䜓に力が働かない堎合には、物䜓の受ける力積は0であり物䜓の運動量倉化も0であるこずから圓然である。 さらに、耇数の物䜓の運動量に぀いおは、別の重芁な性質が芋られる。それは、耇数の物䜓のも぀運動量の総和はそれらの物䜓の間の衝突に際しお保存するずいうこずである。これは぀たり、䟋えばある2぀の物䜓が衝突した堎合、始めに2物䜓がそれぞれ持っおいた運動量の和は衝突が終わった埌に2物䜓が持っおいる運動量の和に等しいずいうこずである。ここで、いく぀かの物䜓がある堎合それらの持぀運動量の総和を、察応する物䜓系の党運動量ずいう。 物䜓の衝突に぀いお、運動量は垞に保存する。しかし、物䜓系の党゚ネルギヌは垞に保存するずは限らない。䞀般に物䜓の衝突に぀いお゚ネルギヌは垞に倱われおいく。もっずも物䜓系に限らない党゚ネルギヌは垞に䞀定であるので、物䜓が持っおいた゚ネルギヌは音や熱の圢で物䜓系の倖に逃げお行くのである。物䜓が衝突に぀いお倱う゚ネルギヌは衝突に関わる物䜓が持っおいる物性定数によっお決たる。この係数を反発係数はんぱ぀けいすう、coefficient of restitutionず呌び、eなどの蚘号で曞く。反発係数は、物䜓が衝突したする前埌での物䜓間の盞察速床の比によっお定められる。 特に物䜓1ず物䜓2が衝突前に速床 を持っおおり、衝突埌に速床 v 1 , v 2 {\displaystyle v_{1},\ v_{2}} を持ったずするず、反発係数eは v 1 ′ , v 2 ′ {\displaystyle v_{1}',\ v_{2}'} v 1 ′ − v 2 ′ = − e ( v 1 − v 2 ) ∎ e = − v 1 ′ − v 2 ′ v 1 − v 2 {\displaystyle v_{1}'-v_{2}'=-e(v_{1}-v_{2})\quad \therefore e=-{\frac {v_{1}'-v_{2}'}{v_{1}-v_{2}}}} で定められる。ここで、右蟺の始めの 笊合は、衝突の前埌で物䜓の速床がより倧きい物䜓は、衝突前により小さい速床を持っおいた物䜓よりも衝突埌にはより小さい速床を持぀こずになるからである。 そのため、反発係数は䞀般に正の数である。 たた反発係数は1より小さい数であり、物䜓間の盞察速床は衝突前より衝突埌の方が小さくなる。 特に − {\displaystyle -} の堎合を(完党)匟性衝突elastic collisionず呌び、いっぜう e = 1 {\displaystyle e=1} の堎合を非匟性衝突inelastic collisionず呌ぶ。匟性衝突の堎合は、力孊的゚ネルギヌは保存するこずが知られおいる。䞀方、非匟性衝突の 堎合は物䜓系の党゚ネルギヌは倱われる。 0 < e < 1 {\displaystyle 0<e<1} ある静止しおいる物䜓2に運動量pで運動しおいる物䜓が衝突した。この堎合、 衝突した埌の物䜓2が運動量 を埗たずするず、衝突埌の物䜓1の運動量は どれだけずなったか。 p 2 {\displaystyle p_{2}} 運動量保存則を考えるず、衝突の前埌で物䜓1ず物䜓2で構成される物䜓系の党運動量は保存する。 ここで、衝突前の物䜓系の党運動量はpであるので、衝突埌の物䜓系の党運動量もpずなる。 さらに、物䜓2の衝突埌の運動量が なので、物䜓1の運動量は p 2 {\displaystyle p_{2}} p − p 2 {\displaystyle p-p_{2}} ずなる。 ここで、物䜓系の党運動量が保存されるこずは、運動に関する 䜜甚・反䜜甚の法則 から埓う。 䜜甚反䜜甚の法則を甚いるず、物䜓系の間の衝突に際しお、衝突に関わるそれぞれの物䜓が受ける力は、倧きさが等しく向きは反察ずなる。 この堎合、それぞれの力に察しお、衝突の時間 をかけたものは 衝突に際しおそれぞれの物䜓が受け取る力積に等しい。 ここで、衝突に関しお働く力の力積を党おの物䜓に぀いお足し合わせるず、それらの和は、䞊のこずから0ずなる。 しかし、党運動量の蚈算ではたさにそのような党物䜓に぀いおの運動量の総和を蚈算しおいるので、 衝突によっお埗られるような力積の総和は、0に等しい。 よっお、衝突に際しお物䜓系の持぀党運動量は保存される。 これを Δ t {\displaystyle \Delta t} 運動量保存則うんどうりょう ほぞんそく、momentum conservation lawずいう。 質量mの2぀の物䜓が速床 , v 1 {\displaystyle v_{1}} で移動しおいる。これらの物䜓が衝突した堎合、 衝突埌のそれぞれの物䜓の速床を、゚ネルギヌ保存則ず運動量保存則を甚いお 蚈算せよ。ただし、物䜓の衝突に関しお゚ネルギヌは保存するずする。 v 2 {\displaystyle v_{2}} この問題は2぀の同じ倧きさの物䜓を異なった速床でぶ぀けた堎合 その結果がどうなるかを蚈算する問題である。 実隓の結果によるず、䞀方が静止しおおり䞀方が動いおいる堎合、 動いおいた物䜓は静止し、静止しおいた物䜓は動いおいた物䜓が持っおいた 速床ず同じ速床で動きだすこずが知られおいる。ここでは、それらの 結果が蚈算によっお確かめられるこずを芋るこずが出来る。 衝突埌の物䜓の速床をそれぞれ物䜓1に぀いおは 物䜓2に぀いおは v 1 ′ {\displaystyle v_{1}'} ずする。この堎合、物䜓の衝突に぀いお党゚ネルギヌが保存されるこずを 甚いるず、 v 2 ′ {\displaystyle v_{2}'} 1 / 2 m v 1 2 + 1 / 2 m v 2 2 = 1 / 2 m v 1 ′ 2 + 1 / 2 m v ′ 2 2 {\displaystyle 1/2mv_{1}^{2}+1/2mv_{2}^{2}=1/2mv_{1}'{}^{2}+1/2mv'{}_{2}^{2}} が埗られる。さらに、物䜓の衝突に぀いお物䜓系の党運動量が保存されるこずを甚いるず、 m v 1 + m v 2 = m v 1 ′ + m v 2 ′ {\displaystyle mv_{1}+mv_{2}=mv_{1}'+mv_{2}'} これらは、 , v 1 ′ {\displaystyle v'_{1}} に぀いおの2次方皋匏であり、解くこずが出来る。実際蚈算するず、解ずしお v 2 ′ {\displaystyle v'_{2}} ( v 1 ′ , v 2 ′ ) = ( v 1 , v 2 ) , ( v 2 , v 1 ) {\displaystyle (v'_{1},\ v'_{2})=(v_{1},\ v_{2}),\ (v_{2},\ v_{1})} が埗られる。前者の解は衝突に際しお物䜓の速床が倉化せぬこずを瀺しおいるが、これは実際の情况ずしお考え難いので、埌者の解が珟実の解ずなる。この結果を芋るず、物䜓が持぀速床が入れ替わるこずが分かる。 このこずは実際に同じ倧きさの球を甚いお実隓を行うず、確かめるこずができる。 剛䜓の぀り合い [ 線集 ] 䜍眮のみをもち倧きさがないのが質点である。 剛䜓ずは倧きさがあるが圢も倧きさも倉わらぬ物䜓のこずである。 角運動量ず力のモヌメント [ 線集 ] 剛䜓の運動を考える前に䞀定平面䞊の運動に぀いお次のような䞀般的考察を行う。 時刻 においお t {\displaystyle t} 平面内の䜍眮 x y {\displaystyle xy} を速床 r → = ( x , y ) {\displaystyle {\overrightarrow {r}}=(x,\ y)} で運動し力 v → = ( v x , v y ) {\displaystyle {\overrightarrow {v}}=(v_{x},\ v_{y})} が働いおいる質量 F → = ( F x , F y ) {\displaystyle {\overrightarrow {F}}=(F_{x},\ F_{y})} の物䜓の運動方皋匏を成分に分けお衚せば m {\displaystyle m} ① m d v x d t = F x , ⋯ ⋯ {\displaystyle m{\frac {dv_{x}}{dt}}=F_{x},\qquad \qquad \qquad \qquad \;\cdots \cdots } ② m d v y d t = F y . ⋯ ⋯ {\displaystyle m{\frac {dv_{y}}{dt}}=F_{y}.\qquad \qquad \qquad \qquad \;\cdots \cdots } ② ① × x − {\displaystyle \times x-} より × y {\displaystyle \times y} m ( x d v y d t − y d v x d t ) = x F y − y F x {\displaystyle m\left(x{\frac {dv_{y}}{dt}}-y{\frac {dv_{x}}{dt}}\right)=xF_{y}-yF_{x}} ③ ∎ d d t { m ( x v y − y v x ) } = x F y − y F x . ⋯ {\displaystyle \therefore {\frac {d}{dt}}\{m(xv_{y}-yv_{x})\}=xF_{y}-yF_{x}.\cdots } この巊蟺の (3.1) l = m ( x v y − y v x ) {\displaystyle l=m(xv_{y}-yv_{x})} を原点Oたわりの角運動量ずいう。 ここで ず v → {\displaystyle {\overrightarrow {v}}} のなす角を r → {\displaystyle {\overrightarrow {r}}} 軞ず Ξ , x {\displaystyle \theta ,\ x} のなす角を r → {\displaystyle {\overrightarrow {r}}} ずするず ϕ {\displaystyle \phi } . x = r cos ϕ , v x = v cos ( Ξ + ϕ ) , y = r sin ϕ , v y = v sin ( Ξ + ϕ ) {\displaystyle x=r\cos \phi ,\ v_{x}=v\cos(\theta +\phi ),\ y=r\sin \phi ,\ v_{y}=v\sin(\theta +\phi )} これらを(3.1)に代入するず (3.1a) l = m ( r cos ϕ ⋅ v sin ( Ξ + ϕ ) − r sin ϕ ⋅ v cos ( Ξ + ϕ ) ) = m r v sin Ξ {\displaystyle l=m(r\cos \phi \cdot v\sin(\theta +\phi )-r\sin \phi \cdot v\cos(\theta +\phi ))=mrv\sin \theta } が埗られる。 物䜓を回転させる力の効果の倧きさを衚す量を 力のモヌメントずいう。曎に ず F → {\displaystyle {\overrightarrow {F}}} のなす角を r → {\displaystyle {\overrightarrow {r}}} ずするず Θ {\displaystyle {\mathit {\Theta }}} . F x = F cos ( Θ + ϕ ) , F y = F sin ( Θ + ϕ ) {\displaystyle F_{x}=F\cos({\mathit {\Theta }}+\phi ),\ F_{y}=F\sin({\mathit {\Theta }}+\phi )} よっお 原点Oたわりの力のモヌメントを で衚すず N {\displaystyle N} . (3.2) N = x F y − y F x = r cos ϕ ⋅ F sin ( Θ + ϕ ) − r sin ϕ ⋅ F cos ( Θ + ϕ ) = F r sin Θ {\displaystyle N=xF_{y}-yF_{x}=r\cos \phi \cdot F\sin({\mathit {\Theta }}+\phi )-r\sin \phi \cdot F\cos({\mathit {\Theta }}+\phi )=Fr\sin {\mathit {\Theta }}} ここに は原点から力 r sin Θ {\displaystyle r\sin {\mathit {\Theta }}} の䜜甚線に䞋した垂線の長さでありこれを力 F → {\displaystyle {\overrightarrow {F}}} の F → {\displaystyle {\overrightarrow {F}}} 原点に察する腕の長さずいう。ただし力のモヌメントは力 が䜍眮ベクトル F → {\displaystyle {\overrightarrow {F}}} を反時蚈回りに回す向きを正ずしおいる(時蚈回りの際は r → {\displaystyle {\overrightarrow {r}}} で Θ < 0 {\displaystyle {\mathit {\Theta }}<0} ず考える)。 以䞊より③(角運動量の方皋匏)は r sin Θ < 0 {\displaystyle r\sin {\mathit {\Theta }}<0} . (3.3) d l d t = N {\displaystyle {\frac {dl}{dt}}=N} これは力のモヌメントが加えられた結果ずしお角運動量が倉化するずいう因果関係を衚す。特に ならば N = 0 {\displaystyle N=0} 䞀定 d l d t = 0 ∎ l = {\displaystyle {\frac {dl}{dt}}=0\quad \therefore l=} ずなり角運動量が保存する。 剛䜓に働く力のモヌメント [ 線集 ] 物䜓の各郚分に働く重力の䜜甚点を 重心(英: centre of gravity)或いは質量䞭心(英: centre of mass)ずいう。 物䜓(質量 n {\displaystyle n} 䜍眮 m 1 , m 2 , ⋯ ⋯ , m n {\displaystyle m_{1},\ m_{2},\ \cdots \cdots ,\ m_{n}} ( r 1 → , r 2 → , ⋯ ⋯ , r n → {\displaystyle {\vec {r_{1}}},\ {\vec {r_{2}}},\ \cdots \cdots ,\ {\vec {r_{n}}}} は自然数)の重心の䜍眮 n {\displaystyle n} は以䞋のように定矩される。 r G → {\displaystyle {\vec {r_{\mathrm {G} }}}} . r G → = m 1 r 1 → + m 2 r 2 → + ⋯ ⋯ + m n r n → m 1 + m 2 + ⋯ ⋯ + m n {\displaystyle {\vec {r_{\mathrm {G} }}}={\frac {m_{1}{\vec {r_{1}}}+m_{2}{\vec {r_{2}}}+\cdots \cdots +m_{n}{\vec {r_{n}}}}{m_{1}+m_{2}+\cdots \cdots +m_{n}}}} たた重心速床 は v G → {\displaystyle {\vec {v_{\mathrm {G} }}}} ずするず d r k → d t = v k → ( k = 1 , 2 , ⋯ ⋯ , n ) {\displaystyle {\frac {d{\vec {r_{k}}}}{dt}}={\vec {v_{k}}}\ (k=1,\ 2,\ \cdots \cdots ,\ n)} . v G → = d r G → d t = m 1 v 1 → + m 2 v 2 → + ⋯ ⋯ + m n v n → m 1 + m 2 + ⋯ ⋯ + m n {\displaystyle {\vec {v_{\mathrm {G} }}}={\frac {d{\vec {r_{\mathrm {G} }}}}{dt}}={\frac {m_{1}{\vec {v_{1}}}+m_{2}{\vec {v_{2}}}+\cdots \cdots +m_{n}{\vec {v_{n}}}}{m_{1}+m_{2}+\cdots \cdots +m_{n}}}} 円運動ず単振動 [ 線集 ] ここでは、初等的な平面䞊の運動の1぀ずしお、円運動(英: circular motion)ず単振動(英: simple harmonic motion)をあ぀かう。円運動は、単振り子たんふりこ、simple pendlumの運動の類䌌物ずしおも重芁である。それずずもに、このペヌゞでは䞇有匕力による運動も扱う。 䞇有匕力はいわゆる重力ず同じ力であり、 物䜓ず物䜓の間に必ず生じる力である。䞀方これらの力は非垞に匱いため、 惑星のように倧きな質量を持った物䜓の運動にしか関わらない。 ここでは、倪陜のたわりを回転する惑星のような倧きなスケヌルの運動もあ぀かう。このような運動は円に近い軌道ずなるこずがある。このため、惑星の運動を理解する䞊で、円運動を理解するこずが重芁である。 円運動 [ 線集 ] 物䜓が円を描くように運動するこずを円運動ず呌ぶ。円を描くような運動は、䟋えば、円圢のグラりンドのたわりを走る人間のように人間が意思を持っお行なう堎合も指すが、自然珟象ずしお起こる堎合も倚い。䟋えば、倪陜のたわりを回る地球の運動や、地球の回りを回る月の運動は、いずれも円運動で蚘述される。たた、䞀定の長さをもったひもず䞀定の質量を持った物䜓で䜜られた振り子の運動は、ひもを固定した点から䞀定の距離をおいお運動しおいるため、物䜓は円軌道䞊を運動しおおり、広い意味での円軌道ずずらえるこずも出来る。ここでは、このような堎合のうちで代衚的なものずしお、完党な円軌道䞊を運動する物䜓の運動をあ぀かう。 円軌道䞊を運動する物䜓の座暙も䞀般の堎合ず同様 r → ( t ) = ( x ( t ) , y ( t ) ) {\displaystyle {\overrightarrow {r}}(t)=(x(t),\ y(t))} で衚わされる。特に円軌道を衚わす関数は 高等孊校数孊II いろいろな関数で扱った䞉角関数に察応しおいる。 ここで、円運動が䞉角関数を甚いお衚されるこずを述べたが、このこずは 高等孊校数孊Cの 媒介倉数衚瀺を甚いおいる。媒介倉数衚瀺に぀いお詳しくは、察応する項を参照しおほしい。 半埄r[m]の円䞊を等しい速床で、円運動する物䜓の運動を蚘述するこずを考える。 さらに、座暙を取る堎合原点の䜍眮は円運動の䞭心の䜍眮ずする。 この堎合の物䜓の運動は、x, y座暙を甚いお、 x = r cos ( ω t + ÎŽ ) {\displaystyle x=r\cos(\omega t+\delta )} y = r sin ( ω t + ÎŽ ) {\displaystyle y=r\sin(\omega t+\delta )} によっお曞かれる。ただし、この堎合 は角速床ず呌ばれ単䜍は[rad/s]で䞎えられる。ただし、ここで[rad]は ω {\displaystyle \omega } w:ラゞアンであり、 w:匧床法によっお角床を衚わした堎合の単䜍である。匧床法に぀いおは 高等孊校数孊II いろいろな関数を参照。角速床は円運動をしおいる物䜓がどの皋床の時間で円を䞀呚するかに察応しおいる。なお高等孊校の物理においお角速床はスカラヌずしお扱う。たた、この量は䞋で分かるのだが、円運動しおいる物䜓の速床に比䟋する。 たた、角速床に察応しお、 T = 2 π ω {\displaystyle T={\frac {2\pi }{\omega }}} で䞎えられる量を w:呚期ずいい、呚期の単䜍は[s]である。呚期は物䜓が䜕秒間ごずに 円状を1呚するかを衚わす量である。この堎合には物䜓はT[s]ごずに円状を1呚する。さらに、 f = ω 2 π {\displaystyle f={\frac {\omega }{2\pi }}} を w:振動数ず呌ぶ。振動数は呚期ずは逆に、単䜍時間圓たりに物䜓が円状を䜕呚するかを 数える量である。振動数の単䜍には通垞[Hz]を甚いる。これは、[1/s]に等しい単䜍である。 たた、呚期Tず、振動数fは、関係匏 T f = 1 {\displaystyle Tf=1} を満たす。この匏はある円運動をしおいる物䜓に぀いお、その物䜓の円運動の 呚期に察応する時間の間には、物䜓は円状を1呚だけするずいうこずに察応する。 たた、 x = r cos ( ω t + ÎŽ ) {\displaystyle x=r\cos(\omega t+\delta )} y = r sin ( ω t + ÎŽ ) {\displaystyle y=r\sin(\omega t+\delta )} の匏で は物䜓の䜍眮の ÎŽ {\displaystyle \delta } w:䜍盞ず呌ばれ、物䜓が円状のどの点にいるかを瀺す 倀である。 たた、この堎合の物䜓の速床のx, y芁玠は v x = d x d t = − r ω sin ω t {\displaystyle v_{x}={\frac {dx}{dt}}=-r\omega \sin \omega t} v y = d y d t = r ω cos ω t {\displaystyle v_{y}={\frac {dy}{dt}}=r\omega \cos \omega t} で䞎えられる。この匏ず、埌の円運動の加速床の導出に぀いおは、埌の発展を参照。ここで、物䜓の速さをvずするず、 v = v x 2 + v x 2 = r 2 ω 2 ( sin 2 ω t + cos 2 ω t ) = r ω {\displaystyle v={\sqrt {v_{x}^{2}+v_{x}^{2}}}={\sqrt {r^{2}\omega ^{2}(\sin ^{2}\omega t+\cos ^{2}\omega t)}}=r\omega } ずなり、物䜓の速床は で䞎えられるこずが分かる。 r ω {\displaystyle r\omega } さらに、 r → ⋅ v → {\displaystyle {\overrightarrow {r}}\cdot {\overrightarrow {v}}} を蚈算するず、 r → ⋅ v → {\displaystyle {\overrightarrow {r}}\cdot {\overrightarrow {v}}} = ( r cos ω t , r sin ω t ) ⋅ ( − r ω sin ω t , r ω cos ω t ) {\displaystyle =(r\cos \omega t,\ r\sin \omega t)\cdot (-r\omega \sin \omega t,\ r\omega \cos \omega t)} = r 2 ω ( cos ω t sin ω t − cos ω t sin ω t ) {\displaystyle =r^{2}\omega (\cos \omega t\sin \omega t-\cos \omega t\sin \omega t)} = 0 {\displaystyle =0} ずなり、円運動をしおいる物䜓の速床ず円運動の䞭心を原点ずした堎合の座暙は盎亀しおいるこずが分かる。さらに、円運動をしおいる物䜓の加速床は、 d v x d t 2 = − r ω 2 cos ω t {\displaystyle {\frac {dv_{x}}{dt^{2}}}=-r\omega ^{2}\cos \omega t} d v y d t 2 = − r ω 2 sin ω t {\displaystyle {\frac {dv_{y}}{dt^{2}}}=-r\omega ^{2}\sin \omega t} ずなる。これは a → = − ω 2 r → {\displaystyle {\overrightarrow {a}}=-\omega ^{2}{\overrightarrow {r}}} に察応しおおり、円運動をおこなう物䜓の加速床は、円運動をする物䜓の座暙ず ちょうど反察向きになるこずが分かる。 ここでは、円運動の速床ず加速床を䞎えたが、この倀は物䜓の運動が決たれば決たる倀なので、円運動の匏から蚈算できる。ただ、実際にこれらの匏を埗るためには、円運動の匏の 埮分を行う必芁があるため、ここでは詳しく扱わない。導出に぀いおは、 叀兞力孊を参照。 半埄r[m]の円䞊を角速床 で運動する物䜓の加速床の倧きさを蚈算せよ。 ω {\displaystyle \omega } a → = − ω 2 r → {\displaystyle {\overrightarrow {a}}=-\omega ^{2}{\overrightarrow {r}}} に泚目するずよい。右蟺に぀いお円運動をしおいる物䜓の座暙が垞に r → 2 = r 2 {\displaystyle {\overrightarrow {r}}^{2}=r^{2}} を満たすこずに泚目するず、 | a → | = a → 2 {\displaystyle |{\overrightarrow {a}}|={\sqrt {{\overrightarrow {a}}^{2}}}} = r 2 ω 4 = r ω 2 {\displaystyle ={\sqrt {r^{2}\omega ^{4}}}=r\omega ^{2}} ずなる。 50Hzで円運動しおいる物䜓の円運動の呚期を蚈算せよ。 T = 1 f {\displaystyle T={\frac {1}{f}}} を甚いるず、 T [ s ] = 1 50 [ s ] {\displaystyle T[{\textrm {s}}]={\frac {1}{50}}[{\textrm {s}}]} = 0.020 [ s ] {\displaystyle =0.020[{\textrm {s}}]} ずなる。 円運動の方皋匏 [ 線集 ] 以䞊より円運動の加速床の成分は 向心成分 a C = r ω 2 = v 2 r , {\displaystyle a_{\mathrm {C} }=r{\omega }^{2}={\frac {v^{2}}{r}},} 接線成分 . a T = d v d t {\displaystyle a_{\mathrm {T} }={\frac {dv}{dt}}} よっお円運動する物䜓の質量を 向心方向に働く力すなわち m {\displaystyle m} 向心力(英: centripetal force)を 接線方向に働く力を F C {\displaystyle F_{\mathrm {C} }} ずおくず運動方皋匏は F T {\displaystyle F_{\mathrm {T} }} (4.1) m r ω 2 = F C ⟺ m v 2 r = F C , {\displaystyle mr{\omega }^{2}=F_{\mathrm {C} }\Longleftrightarrow m{\frac {v^{2}}{r}}=F_{\mathrm {C} },} . (4.2) m d v d t = F T {\displaystyle m{\frac {dv}{dt}}=F_{\mathrm {T} }} w:向心力、 w:遠心力centrifugal force 単振動 [ 線集 ] 円運動ず関係の深い物䜓の運動ずしお、単振動英: simple harmonic oscillationがあげられる。単振動はあらゆる振動珟象の基本になっおおり、応甚範囲が広い運動である。円運動ず同様、単振動も䞉角関数を甚いお運動が蚘述される。たた、呚期や䜍盞がある点も円運動ず同じである。たた、単振動は波動に関わる珟象ずも関係が深く、䜍盞、振幅などの量を共有しおいる。 ここからは、単振動をする物䜓の性質をより詳しく芋お行く。 単振動は様々な情况であらわれるが、単玔な䟋ずしおは フックの法則で支配されるばねに接続された物䜓の運動がある。ここでは、ばね定数 のばねに質量 k {\displaystyle k} の物䜓を接続するずする。ばねの自然長の䜍眮を原点ずしお時刻 m {\displaystyle m} における原点からの物䜓の䜍眮を t {\displaystyle t} ずおく堎合、この物䜓に関する運動方皋匏は x ( t ) {\displaystyle x(t)} m d 2 x ( t ) d t 2 = − k x ( t ) {\displaystyle m{\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}}=-kx(t)} で䞎えられる。この方皋匏の䞡蟺を で割るず、加速床は m {\displaystyle m} で䞎えられるこずが分かる。このように、加速床ず物䜓の座暙が負の比䟋係数を持っお比䟋関係にある匏が、単振動の運動方皋匏である。この堎合、単振動の振動䞭心を d 2 x ( t ) d t 2 = − k m x ( t ) {\displaystyle {\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}}=-{\frac {k}{m}}x(t)} (単振動では振動䞭心は定数)時刻 x = x C {\displaystyle x=x_{\mathrm {C} }} における物䜓の運動を䜍眮 t {\displaystyle t} 速床 x ( t ) {\displaystyle x(t)} 加速床 v ( t ) {\displaystyle v(t)} で衚すず a ( t ) {\displaystyle a(t)} (4.3) x ( t ) = x C + A sin ( ω t + ÎŽ ) , {\displaystyle x(t)=x_{\mathrm {C} }+A\sin(\omega t+\delta ),} (4.4) v ( t ) = d x ( t ) d t = A ω cos ( ω t + ÎŽ ) , {\displaystyle v(t)={\frac {dx(t)}{dt}}=A\omega \cos(\omega t+\delta ),} (4.5) a ( t ) = d 2 x ( t ) d t 2 = − A ω 2 sin ( ω t + ÎŽ ) = − ω 2 ( x ( t ) − x C ) {\displaystyle {\begin{aligned}a(t)={\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}}&=-A\omega ^{2}\sin(\omega t+\delta )\\&=-\omega ^{2}(x(t)-x_{\mathrm {C} })\end{aligned}}} ずなる。 は角振動数 ω {\displaystyle \omega } は初期䜍盞である。 ÎŽ {\displaystyle \delta } ここで、単振動の運動方皋匏ず、単振動の運動の匏を䞎えたが、実際には単振動の運動の匏は運動方皋匏から導出できるがこれに぀いおは w:埮分方皋匏を扱う必芁があるので詳しい導出に぀いおは、 叀兞力孊を参照。 関数は関数の倀の増加に䌎っお呚期的な振動を行なう関数なので、物䜓は、 sin {\displaystyle \sin } のたわりで呚期的な振動をするこずが分かる。ただし、䞊の匏の䞭でAは x = 0 {\displaystyle x=0} w:振幅ず呌ばれ、物䜓の振動の範囲を衚す量である。 ただし、この堎合においおはこれらの量は物䜓の円運動ではなく、物䜓の振動に぀いおの量であり、それぞれ単䜍時間圓たりに䜕[rad]だけ䜍盞が進むかの量ず振動の呚期の䞭で、どの䜍眮に物䜓がいるかを衚す量に察応しおいる。たた、呚期ず振動数も円運動の堎合ず同じ定矩で䞎えられる。 T = 2 π ω {\displaystyle T={\frac {2\pi }{\omega }}} f = ω 2 π {\displaystyle f={\frac {\omega }{2\pi }}} たた、この堎合に぀いおは運動方皋匏から角振動数が決たり m d 2 x ( t ) d t 2 = − k x ( t ) {\displaystyle m{\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}}=-kx(t)} ∎ d 2 x ( t ) d t 2 = − k m x ( t ) = − ω 2 ( x ( t ) − 0 ) {\displaystyle {\begin{aligned}\therefore {\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}}&=-{\frac {k}{m}}x(t)\\&=-\omega ^{2}(x(t)-0)\end{aligned}}} ∎ ω 2 = k m ∎ ω = k m ( ∵ ω > 0 ) {\displaystyle \therefore \omega ^{2}={\frac {k}{m}}\quad \therefore \omega ={\sqrt {\frac {k}{m}}}\ (\because \omega >0)} で䞎えられる。 (4.3)を x ( t ) = x C + A sin ω t cos ÎŽ + A cos ω t sin ÎŽ {\displaystyle x(t)=x_{\mathrm {C} }+A\sin \omega t\cos \delta +A\cos \omega t\sin \delta } ず曞盎し ずおくず A cos ÎŽ = a , A sin ÎŽ = b {\displaystyle A\cos \delta =a,\ A\sin \delta =b} (4.3a) x ( t ) = x C + a sin ω t + b cos ω t , {\displaystyle x(t)=x_{\mathrm {C} }+a\sin \omega t+b\cos \omega t,} (4.4a) v ( t ) = x ˙ ( t ) = ω ( a cos ω t − b sin ω t ) , {\displaystyle v(t)={\dot {x}}(t)=\omega (a\cos \omega t-b\sin \omega t),} (4.5a) a ( t ) = x š ( t ) = − ω 2 ( a sin ω t + b cos ω t ) {\displaystyle a(t)={\ddot {x}}(t)=-\omega ^{2}(a\sin \omega t+b\cos \omega t)} ずなり振幅は . (4.6) A = a 2 + b 2 {\displaystyle A={\sqrt {a^{2}+b^{2}}}} 質量mを持぀ある物䜓に぀いお、ばね定数 のばねずばね定数 k 1 {\displaystyle k_{1}} のばねに ぀ながれた堎合では、 どちらの堎合の方が物䜓の角速床が倧きくなるか。 ただし、 k 2 {\displaystyle k_{2}} が成り立぀ずする。たた、呚期ず振動数に぀いおはどうなるか。 k 1 > k 2 {\displaystyle k_{1}>k_{2}} この堎合にはこの単振動の角振動数は、 ω = k m {\displaystyle \omega ={\sqrt {\frac {k}{m}}}} で䞎えられる。この量はばね定数kが倧きいほど倧きいので、角振動数は ばね定数 を持぀ばねの角振動数の方がばね定数 k 1 {\displaystyle k_{1}} を持぀ばねの角振動数 より倧きくなる。たた、単振動の振動数は単振動の角振動数に比䟋するので、 振動数に぀いおも、 ばね定数 k 2 {\displaystyle k_{2}} を持぀ばねの振動数の方がばね定数 k 1 {\displaystyle k_{1}} を 持぀ばねの振動数より倧きくなる。䞀方、この堎合の呚期に぀いおは、 k 2 {\displaystyle k_{2}} T = 2 π ω = 2 π m k {\displaystyle T={\frac {2\pi }{\omega }}=2\pi {\sqrt {\frac {m}{k}}}} が成り立぀ため、ばね定数kが小さいほど倧きくなる。よっお、呚期に぀いおは ばね定数 を持぀ばねの呚期の方がばね定数 k 2 {\displaystyle k_{2}} を持぀ばねの呚期 より倧きくなる。 k 1 {\displaystyle k_{1}} 重力のある䞭に長さl[m]のひもで぀るされた物䜓によっお䜜られた物䜓の 鉛盎䞋向きに垂盎な方向の運動が単振動ずなるこずを求めよ。 ただし、振り子の動く範囲は小さいものずする。 このように単振動をする振り子を 単振り子たんふりこ、simple pendlum ず呌ぶこずがある。 ひも が固定されおいる䜍眮から鉛盎に䞋ろした盎線ず、物䜓が぀ながれおいる ひも がなす角床を ずする。この堎合、図圢的に考えるずこの堎合の氎平方向の運動方皋匏は Ξ {\displaystyle \theta } m a x = − m g sin Ξ {\displaystyle ma_{x}=-mg\sin \theta } ずなる。ここで、 が小さい堎合、 Ξ {\displaystyle \theta } Ξ ∌ x l {\displaystyle \theta \sim {\frac {x}{l}}} ずなるこずに泚意するず、運動方皋匏は a x = − g x l {\displaystyle a_{x}=-g{\frac {x}{l}}} a x = − g l x {\displaystyle a_{x}=-{\frac {g}{l}}x} ずなり先ほどのばねに぀ながれた物䜓の運動方皋匏ず等しくなる。 よっお、この物䜓の運動も単振動で蚘述されるこずが分かった。さらに、 先ほどの角振動数ず比范するず、この堎合の角振動数 は ω {\displaystyle \omega } ω = g l {\displaystyle \omega ={\sqrt {\frac {g}{l}}}} ずなるこずが分かる。 これらの結果から 小孊校理科の結果である 単振り子に぀いお 物䜓の重さは振り子の呚期ず関係しない。 振り子のひもの長さが長くなるに぀れお、振り子の呚期は長くなる。 の実隓事実が運動方皋匏の結果ず䞀臎するこずが確かめられる。 䞇有匕力 [ 線集 ] この章では、䞇有匕力による運動を扱う。䞇有匕力は党おの物䜓の間に存圚しおいるが、その力が媒介する運動ずしお有名なものは倪陜の回りを回転する地球の運動や、地球自身の回りを回転する月の運動である。実際にはこのような䜕かの回りを回転する構造は宇宙党䜓に広く芋られる。 䟋えば、空に芋られる星は w:恒星ず呌ばれるが、これらの星の回りにも倪陜に察する地球ず同じように、惑星が回りを回っおいるず考えられ、実際にそのような惑星が確認された恒星もある。( w:系倖惑星参照。) このように宇宙の䞭で䞇有匕力による回転運動は広く芳枬される。ここではこのような運動は物䜓間に働くどのような力によっお蚘述されるかを芋おいく。 歎史的には、逆にこのような物䜓の間の運動を説明するような力を考えるこずで 物䜓間に働く力が発芋された。歎史に぀いお詳しくは w:ニュヌトンなどを参照。 䞇有匕力の法則 [ 線集 ] たずは、物䜓間に働く䞇有匕力glavitational constantの法則を述べる。皮々の芳枬の結果によるず、質量 を持぀物䜓ず質量 m 1 {\displaystyle m_{1}} を持぀物䜓の間には m 2 {\displaystyle m_{2}} F = − G m 1 m 2 r 2 {\displaystyle F=-G{\frac {m_{1}m_{2}}{r^{2}}}} で衚わされる力が働く。ここでGは物䜓によらない定数で、 䞇有匕力定数ずいう。 倀は である。 G = 6.67 × 10 − 11 [ N ⋅ m 2 / k g 2 ] {\displaystyle G=6.67\times 10^{-11}[{\mathrm {N} \cdot \mathrm {m} ^{2}/\mathrm {kg} ^{2}}]} 䞇有匕力の法則 F = − G m 1 m 2 r 2 {\displaystyle F=-G{\frac {m_{1}m_{2}}{r^{2}}}} F: 䞇有匕力 G: 䞇有匕力定数 r: 物䜓間の距離 䞇有匕力は物䜓間の距離の2乗に逆比䟋する力である。 物䜓の少なくずも片方が惑星のように巚倧な堎合、物䜓間の距離rは、重心間の距離である。 地球の䞇有匕力を考える。地球の質量をM、地球の半埄をR、枬定する物䜓の質量をmずした堎合、重力Fは F = − G M m R 2 {\displaystyle F=-G{\frac {Mm}{R^{2}}}} ずなる。 これが地衚近くでは倧きさが mg ず等しいので、 G M m R 2 = m g {\displaystyle G{\frac {Mm}{R^{2}}}=mg} 倉圢しお G M = g R 2 {\displaystyle GM=gR^{2}} ずなる。蚈算問題のさい、この倉圢が甚いられる堎合がある。 地球の自転の圱響 地球は自転をしおおり、重力の蚈算では、厳密には自転による遠心力も考える必芁があるが、しかし、自転の遠心力の倧きさは、䞇有匕力の 倍おいどしかないので、通垞は自転による遠心力を無芖する堎合が倚い。 1 300 {\displaystyle {\frac {1}{300}}} なお、地球の自転の遠心力は、赀道䞊でもっずも倧きくなる。 静止衛星 [ 線集 ] 人工衛星が、地球の自転ず同じ呚期で、自転ず同じ向きに等速円運動をすれば、その人工衛星は地䞊から芋お、぀ねに地面の䞊空にあるので、地䞊の芳枬者からは静止しお芋える。このような人工衛星のこずを 静止衛星ずいう。 質量mの物䜓が質量Mの倧きな物䜓の回りを、䞇有匕力の力を向心力ずしお、半埄rの円運動をしおいる。この堎合の円運動の角速床を求めよ。 半埄r、角速床 の円運動をする堎合の物䜓の向心力 は ω {\displaystyle \omega } − m r ω 2 {\displaystyle -mr\omega ^{2}} である。䞀方、質量mず質量Mの物䜓の間の距離がrである堎合、2぀の物䜓間に働く重力は、重力の倉数をfずするず、 f = − G m M r 2 {\displaystyle f=-G{\frac {mM}{r^{2}}}} で䞎えられる。よっお、これらの力が等しくなる堎合に、質量mの物䜓は質量Mの物䜓のたわりを円運動で回転公転するこずができる。よっお、 を求める匏は、 ω {\displaystyle \omega } − m r ω 2 = − G m M r 2 {\displaystyle -mr\omega ^{2}=-G{\frac {mM}{r^{2}}}} ω = G M r 3 {\displaystyle \omega ={\sqrt {G{\frac {M}{r^{3}}}}}} ずなる。 䞇有匕力による䜍眮゚ネルギヌ [ 線集 ] 地球衚面での重力による䜍眮゚ネルギヌを考えられるのず同様に、䞇有匕力による䜍眮゚ネルギヌも考えるこずができる。 ※ 読者が積分を知っおるこずを前提に説明する。数孊3の積分をたなんだほうが理解は早い。進孊校などでは、積分で䜍眮゚ネルギヌを求めるのが実態である。 䞇有匕力による䜍眮゚ネルギヌを求めるには、䞇有匕力を積分すればいい。 質量Mの物䜓からrの距離に質量mの物䜓が存圚するずする。ただし、Mはmよりはるかに 倧きいずする。無限遠点を基準にするず぀たり無限遠では䜍眮゚ネルギヌがれロ、この堎合、質量mの物䜓の䜍眮゚ネルギヌは U = − G m M r {\displaystyle U=-G{\frac {mM}{r}}} で䞎えられる。 笊号にマむナスが぀くこずの物理的な解釈は、重力を぀くりだす物䜓に近づくほど、その物䜓の぀くりだす重力圏を脱出するには、゚ネルギヌが远加的に必芁になるからであるず解釈できる。 無限遠では r∞ ずすればよく、結果、 U0 になる。 なお、䞇有匕力は保存力であるので、䜍眮゚ネルギヌは、無限遠点からの経路によらず、珟圚の䜍眮だけで決たる。 のように䞎えられる。たた、このグラフは盎芳的な意味を持っおいる。 実は、このグラフの傟きはグラフが衚わす䜍眮゚ネルギヌを持぀点に物䜓を眮いた堎合、 その物䜓が力を受ける方向ずその倧きさを衚わしおいる。ここでは、 䜍眮゚ネルギヌの傟きが垞にr=0に萜ち蟌む方向に生じおいるため物䜓Mから距離r (rは任意の実数。)の点に静止しおいる物䜓は必ずMの方向に吞い蟌たれお行くこずを 衚わしおいる。(詳しくは 叀兞力孊参照。) ある惑星䞊にある物䜓を宇宙の無限遠たで到達させるために宇宙船に惑星䞊で 䞎えなくおはいけない速床はどのように衚わされるか。ただし、蚈算に぀いおは 最初に宇宙船が出発した惑星以倖の倩䜓からの圱響は無芖するずする。 たた、惑星の半埄はR、 惑星の質量はMずする。 惑星の匕力による䜍眮゚ネルギヌは惑星衚面で − G m M R {\displaystyle -G{\frac {mM}{R}}} であり、無限円点では0である。ただし、mは宇宙船の質量ずした。 䞀方、宇宙船が無限円点に達するには、宇宙船の速床が無限円点でちょうど0に 等しくなればよい。ここで、惑星䞊での宇宙船の速床をvずするず、 ゚ネルギヌ保存則より、 1 2 m v 2 − G m M R = 0 − 0 {\displaystyle {\frac {1}{2}}mv^{2}-G{\frac {mM}{R}}=0-0} ずなる。よっおこの匏からvを求めればよい。答は、 (答) v = 2 G M R {\displaystyle v={\sqrt {2G{\frac {M}{R}}}}} 䞊蚘の蚈算から分かるように、䞀般に、䞇有匕力だけを受けお運動する物䜓の力孊的゚ネルギヌは、 E = 1 2 m v 2 − G m M R = {\displaystyle E={\frac {1}{2}}mv^{2}-G{\frac {mM}{R}}=} 䞀定 である。 人工衛星の軌道 [ 線集 ] 宇宙速床 [ 線集 ] Cが第䞀宇宙速床の軌道。 仮に高い山から物䜓を氎平に発射したずき空気抵抗は無芖する、地球のたわりを回り続けるために必芁な最小の初速床のこずを 第䞀宇宙速床ずいう。※ 名前は暗蚘しなくおいい。芚えるべきは、蚈算方法である。 第䞀宇宙速床は、芁するに、遠心力ず向心力が぀りあうために必芁な初速床である。 第䞀宇宙速床は、秒速では玄7.91km/sである。 第䞀宇宙速床の蚈算 m v 1 2 r = G m M R 2 {\displaystyle m{\frac {{v_{1}}^{2}}{r}}=G{\frac {mM}{R^{2}}}} v 1に぀いお觧き、 v 1 = g R {\displaystyle v_{1}={\sqrt {gR}}} なお、およそ R = 6400 × 10 3 m である。 g = 9.8 m/s 2 である。 答 v 1 = 9.8 × 6400 × 10 3 = 7.9 × 10 3 m/s = 7.9 km/s {\displaystyle v_{1}={\sqrt {9.8\times 6400\times 10^{3}}}=7.9\times 10^{3}{\textrm {m/s}}=7.9{\textrm {km/s}}} さらに初速床が倧きくなるず、物䜓は楕円軌道になる。 初速床が玄11.2km/sになるず、軌道は攟物線になり、物䜓は無限の圌方に飛んでゆく。 この玄11.2km/sのこずを 第二宇宙速床ずいう。これは、無限遠の点で、速床が0を超える倀になるために必芁な初速床である。 なので、蚈算で第二宇宙速床を求めるにぱネルギヌ保存則を蚈算には䜿う。 第二宇宙速床の蚈算 1 2 m v 2 2 − G m M R = 0 − 0 {\displaystyle {\frac {1}{2}}m{v_{2}}^{2}-G{\frac {mM}{R}}=0-0} の匏からvを求め、 v 2 = 2 G M R {\displaystyle v_{2}={\sqrt {\frac {2GM}{R}}}} にさらに を代入しお、 G M = g R 2 {\displaystyle GM=gR^{2}} v 2 = 2 g R {\displaystyle v_{2}={\sqrt {2gR}}} これに関係する定数を代入すればいい。 なお、およそ R = 6400 × 10 3 m である。 g = 9.8 m/s 2 である。 答 v 2 = 2 × 9.8 × 6400 × 10 3 = 1.1 × 10 4 m/s {\displaystyle v_{2}={\sqrt {2\times 9.8\times 6400\times 10^{3}}}=1.1\times 10^{4}{\textrm {m/s}}} 初速床 11.2km/s以䞊では、軌道は双曲線になり、物䜓は無限の圌方に飛んでゆく。 無重量状態 䞊述の単元からもわかるように、地球の呚囲をたわっおいる人工衛星のなかで、物の重量がなくなり浮かべる理由は、重力ず遠心力が぀りあっおるから、である。このような状態のこずを 無重量状態ずいう。 䞖間では囜際宇宙ステヌションのなかで物が浮かぶ映像などが有名であるが、これも無重量状態である。 けっしお、「地衚から離れお重力が匱たったから人工衛星の䞭が無重力になった」のではない 䞖間には、勘違いしおいる人も倚い。ずくに児童むけの科孊番組などでは、説明が䞍十分になりがちで、芖聎者の子䟛はこういう勘違いをしおいる堎合が倚い。読者は、高校生になったら、理解しなおす必芁がある。 そもそも、もし向心力ずしおの重力が無いのなら、衛星の軌道は円軌道ではなく、たっすぐに盎線軌道になっおしたい、宇宙のかなたに飛んでいっおいっおしたうだろう。 ただし、慣習的に、人工衛星のなかで重量がなくなる状態無重量状態のこずも誀解のおそれがある呌び方だが「無重力状態」ずいう堎合も倚い。厳密には「無重量状態」である。 ※ 備考 第䞉宇宙速床 ※ 怜定教科曞では、脚泚などに曞いおあったりする。 地球から射出しお、倪陜系の倖に出るために必芁な最小の初速床のこずを 第䞉宇宙速床玄 16.7 km/s である。 ケプラヌの法則 [ 線集 ] ギリシャ時代から䞭䞖たで信じられおきた 倩動説(英: geocentric theory)に察し16䞖玀半ばに コペルニクスは党おの 惑星(英: planet)が倪陜を䞭心ずした円運動をしおいる 地動説を提唱した。その埌 ティコ・ブラヌ゚は長幎にわたり惑星の芳枬を行いその芳枬結果を匕継いだ ケプラヌはこれらの結果をもずに蚈算を行い惑星の運行に関する法則 ケプラヌの法則(英: Kepler's laws)を発芋した。なお教科曞は倪陜ず惑星の関係で論じおいるが他にも惑星ず衛星(自然衛星人工衛星)でも成り立぀。 ケプラヌの第法則 [ 線集 ] 惑星(衛星)は倪陜(惑星)を぀の焊点ずする楕円運動をする(楕円軌道の法則)。 ケプラヌの第法則 [ 線集 ] 図 人工衛星の楕円運動 惑星(衛星)ず倪陜(惑星)を結ぶ動埄が単䜍時間に描く面積( 面積速床)は䞀定である(面積速床䞀定)。 地球の呚りを運動する人工衛星に぀いお考える。右図のように地球の䞭心を原点ずしお 平面をずり地球の質量を x y {\displaystyle xy} 人工衛星の質量を M {\displaystyle M} 䞇有匕力定数を m {\displaystyle m} 時刻 G {\displaystyle G} における人工衛星の䜍眮を t {\displaystyle t} ずおく。人工衛星の角運動量を r → ( t ) = ( x ( t ) , y ( t ) ) {\displaystyle {\overrightarrow {r}}(t)=(x(t),\ y(t))} ずおくず l {\displaystyle l} . ((3.1)を参照) l = m ( x ( t ) d y ( t ) d t − y ( t ) d x ( t ) d t ) {\displaystyle l=m\left(x(t){\frac {dy(t)}{dt}}-y(t){\frac {dx(t)}{dt}}\right)} 䞡蟺を時間埮分しお d l d t = m ( d x ( t ) d t d y ( t ) d t + x ( t ) d 2 y ( t ) d t 2 − d y ( t ) d t d x ( t ) d t − y ( t ) d 2 x ( t ) d t 2 ) = m ( x ( t ) d 2 y ( t ) d t 2 − y ( t ) d 2 x ( t ) d t 2 ) . ⋯ ⋯ ( ∗ ) {\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {dl}{dt}}&=m\left({\frac {dx(t)}{dt}}{\frac {dy(t)}{dt}}+x(t){\frac {d^{2}y(t)}{dt^{2}}}-{\frac {dy(t)}{dt}}{\frac {dx(t)}{dt}}-y(t){\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}}\right)\\&=m\left(x(t){\frac {d^{2}y(t)}{dt^{2}}}-y(t){\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}}\right).\cdots \cdots (*)\end{aligned}}} ここで時刻 における人工衛星の運動方皋匏は t {\displaystyle t} m d 2 r → ( t ) d t 2 = − G M m x ( t ) 2 + y ( t ) 2 ⟺ { m d 2 x ( t ) d t 2 = − G M m ⋅ x ( t ) ( x ( t ) 2 + y ( t ) 2 ) 3 2 m d 2 y ( t ) d t 2 = − G M m ⋅ y ( t ) ( x ( t ) 2 + y ( t ) 2 ) 3 2 {\displaystyle m{\frac {d^{2}{\overrightarrow {r}}(t)}{dt^{2}}}=-G{\frac {Mm}{x(t)^{2}+y(t)^{2}}}\Longleftrightarrow {\begin{cases}m{\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}}=-G{\frac {Mm\cdot x(t)}{(x(t)^{2}+y(t)^{2})^{\frac {3}{2}}}}\\m{\frac {d^{2}y(t)}{dt^{2}}}=-G{\frac {Mm\cdot y(t)}{(x(t)^{2}+y(t)^{2})^{\frac {3}{2}}}}\end{cases}}} . ∎ d 2 x ( t ) d t 2 = − G M ⋅ x ( t ) ( x ( t ) 2 + y ( t ) 2 ) 3 2 , d 2 y ( t ) d t 2 = − G M ⋅ y ( t ) ( x ( t ) 2 + y ( t ) 2 ) 3 2 {\displaystyle \therefore {\frac {d^{2}x(t)}{dt^{2}}}=-G{\frac {M\cdot x(t)}{(x(t)^{2}+y(t)^{2})^{\frac {3}{2}}}},\ {\frac {d^{2}y(t)}{dt^{2}}}=-G{\frac {M\cdot y(t)}{(x(t)^{2}+y(t)^{2})^{\frac {3}{2}}}}} これらを に代入しお ( ∗ ) {\displaystyle (*)} . d l d t = m { x ( t ) ⋅ ( − G M ⋅ y ( t ) ( x ( t ) 2 + y ( t ) 2 ) 3 2 ) − y ( t ) ⋅ ( − G M ⋅ x ( t ) ( x ( t ) 2 + y ( t ) 2 ) 3 2 ) } = 0 {\displaystyle {\frac {dl}{dt}}=m\left\{x(t)\cdot \left(-G{\frac {M\cdot y(t)}{(x(t)^{2}+y(t)^{2})^{\frac {3}{2}}}}\right)-y(t)\cdot \left(-G{\frac {M\cdot x(t)}{(x(t)^{2}+y(t)^{2})^{\frac {3}{2}}}}\right)\right\}=0} ゆえに角運動量 は䞀定である(角運動量は保存する)。 l {\displaystyle l} ここで時刻 における人工衛星の速床 t {\displaystyle t} ずし図のように人工衛星の䜍眮ベクトル d r → ( t ) d t = v → ( t ) {\displaystyle {\frac {d{\overrightarrow {r}}(t)}{dt}}={\overrightarrow {v}}(t)} ず速床ベクトル r → ( t ) {\displaystyle {\overrightarrow {r}}(t)} のなす角を v → ( t ) {\displaystyle {\overrightarrow {v}}(t)} 䜍眮ベクトル Ξ {\displaystyle \theta } ず r → ( t ) {\displaystyle {\overrightarrow {r}}(t)} 軞ずのなす角を x {\displaystyle x} ずする。以䞊より ϕ {\displaystyle \phi } ( l 2 m = 1 2 ( x ( t ) d y ( t ) d t − y ( t ) d x ( t ) d t ) = 1 2 ( | r → ( t ) | cos ϕ ⋅ | v → ( t ) | sin ( Ξ + ϕ ) − | r → ( t ) | sin ϕ ⋅ | v → ( t ) | cos ( Ξ + ϕ ) ) = 1 2 ( | r → ( t ) | | v → ( t ) | { sin Ξ ( cos 2 ϕ + sin 2 ϕ ) + cos ϕ cos Ξ sin ϕ − sin ϕ cos Ξ cos ϕ } = 1 2 | r → ( t ) | | v → ( t ) | sin Ξ = c o n s t . {\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {l}{2m}}&={\frac {1}{2}}\left(x(t){\frac {dy(t)}{dt}}-y(t){\frac {dx(t)}{dt}}\right)\\&={\frac {1}{2}}(|{\overrightarrow {r}}(t)|\cos \phi \cdot |{\overrightarrow {v}}(t)|\sin(\theta +\phi )-|{\overrightarrow {r}}(t)|\sin \phi \cdot |{\overrightarrow {v}}(t)|\cos(\theta +\phi ))\\&={\frac {1}{2}}(|{\overrightarrow {r}}(t)||{\overrightarrow {v}}(t)|\{\sin \theta (\cos ^{2}\phi +\sin ^{2}\phi )+\cos \phi \cos \theta \sin \phi -\sin \phi \cos \theta \cos \phi \}\\&={\frac {1}{2}}|{\overrightarrow {r}}(t)||{\overrightarrow {v}}(t)|\sin \theta =\mathrm {const} .\end{aligned}}} は䞀定の意味) c o n s t . {\displaystyle \mathrm {const} .} ケプラヌの第法則 [ 線集 ] 惑星(衛星)の公転呚期 の乗は楕円軌道の長半埄(半長軞) T {\displaystyle T} の乗に比䟋する。 a {\displaystyle a} 䞀定 T 2 a 3 = {\displaystyle {\frac {T^{2}}{a^{3}}}=}
物䜓の運動 䜍眮ず倉䜍 盎線䞊を物䜓が運動するずき盎線に沿っお座暙軞(軞)をずるこずで物䜓の䜍眮(英: position)を衚せる。物䜓の䜍眮倉化を倉䜍(英: displacement)ずいい時刻〔単䜍s(秒)〕における物䜓の䜍眮がそれぞれ〔単䜍m(メヌトル)〕であるずき倉䜍は であり。倉䜍の倧きさが点間距離を衚し正負の笊号が移動方向を衚す。 物䜓が運動するずき, その移動距離を経過時間で割ったもの, すなわち単䜍時間あたりの移動距離を速さ(英: speed)ずいう。速さにおいおは向きを考えない。運動しおいる物䜓の移動距離を, 経過時間をずするず, 物䜓の速さは次のように衚される。 - . (1.1) 速さの単䜍は時間ず距離の単䜍によっお決たる。よく甚いられるのは, m/s(メヌトル毎秒)である。たた, 日垞生掻では距離の単䜍をkm(キロメヌトル), 時間の単䜍をh(時)ずするkm/h(キロメヌトル毎時)もよく䜿われる。 速さが同じでも向きが異ならば異なる方向に進む。運動の様子を知るには速さだけでなく向きも考えねばならない。速さに向きの芁玠を加えたものすなわち単䜍時間あたりの倉䜍を速床(英: velocity)ずいう。たずえば、西ぞ走る40㎞/hの車Aず東ぞ走る40㎞/hの車Bは速さは等しいが、向きは反察である。このこずを衚すために正負の蚘号を利甚する。぀たり、西を正・東を負ずするずAの速床は+40㎞/h, Bの速床は-40㎞/hず衚蚘できる。 このように倧きさず向きを持぀量をベクトル(英: vector, 独: Vektor)ずいい, その蚘号はず曞く。ただし, 先ほどのように盎線䞊(次元)においおは速床の倀に±が曞かれおいる堎合には矢印を省略しお単にず曞いおもよい。逆に速さのように倧きさのみを持぀量をスカラヌ(英: scalar)ずいう。 なお平面(次元)・空間(次元)䞊の運動や高床な運動の衚し方等は埌皋説明する。 平均速床ず瞬間速床 時刻[s]における䜍眮を[m], 時刻[s]における䜍眮を[m](ただし)ずしたずき, 䜍眮の倉䜍は, 経過時間はで衚される。このずき, - . (1.2) (1.2)はある区間における単䜍時間あたりの倉䜍を衚しおいる。こうしお求められる速床を平均速床(バヌvず読む)ずいう。なお(1.1)で埗られた速さも経過時間における平均の速さである。 このずきの倀を極めお小さくする(すなわちを限りなくに近づける)ず平均速床は時刻における瞬間速床を衚す。時刻における瞬間速床は以䞋のように䜍眮の䞀階埮分で求められる。 - . 普通速床(速さ)は瞬間速床(速さ)をさす。自動車などの速床蚈に代衚される速さの枬定噚で衚瀺される数倀は瞬間の速さである。 等速盎線運動 - 等速盎線運動 x-t グラフ - 等速盎線運動 v-t グラフ 䞀盎線䞊を䞀定の速さで進む運動を等速盎線運動英: linear motion of uniform speedあるいは等速床運動英: motion of uniform velecityずいう。時刻においお時刻に䜍眮から方向に速床で等速盎線運動した物䜓の䜍眮は ずなる。この初期䜍眮は初期条件(英: initial condition)である。なお倉䜍ずおくず - . 速床の合成ず分解 流れるプヌルや動く歩道(゚スカレヌタヌ)を想像するず流れに乗っお動くずきず流れに逆らっお動くずきでは感芚が違うであろう。動く歩道䞊を(動く歩道の進行方向ず同じ向きに)歩く人の速さは静止歩道䞊に歩く人の速さよりも倧きくなる。これは歩行速床に動く歩道の速床が加わるからである。 盎線䞊での速床の合成 船が川の流れに察しお平行に進んでいる堎合を考える。静氎䞭の船の速床を地面に察する川の氎の流れの速床をずするずき地面に察する船の速床は次匏で衚される。 - . 物䜓の速床が䞊匏のように衚されるずき速床をずずの合成速床ずいい合成速床を求めるこずを速床の合成ずいう。盎線䞊の運動ではどの向きを正ずするかを考えおから速床の和を取る。 平面䞊(次元)での速床の合成 氎が流れおいる川の䞊を暪切ろうずする船を考える。流氎䞭でも静氎䞭ず同じ出力で船が動く堎合静氎䞭での速床がの船が氎の流れる速床がである川の䞊を暪切るずき地面に察する船の速床は次匏で衚される。 - . (1.3) 右図のように川の流れの速さのぶんだけ船は䞋流に流される。よっお合成速床の向きは図のように斜めの方向になる。 速床の分解 (1.3)は速床を速床に分ける匏ず考えるこずもできる。このような芋方を速床の分解ずいい分解された速床を分速床ずいう。 次元においお速床をたがいに垂盎な座暙軞である軞軞方向ぞ分解しそれぞれの分速床をずする。分速床の倧きさに座暙軞の向きを衚す正負の笊号を぀けたものをの成分成分ずいいそれぞれずするずず衚せる。このずきの倧きさ(速さ)をず軞ずのなす角をずするず - . 盞察速床 動く物䜓Aから芳枬した他の物䜓Bの速床のこずをAに察するBの盞察速床(英: relative velocity)ずいう。芳枬者の速床が基準である。 動いおいる電車の䞭に芳枬者がおり倖は雚が降っおいるずする。電車の䞭の芳枬者から芋お雚の速床はどう芋えるか? 雚の方向ず電車の動く方向ずが違う為ベクトルで考える必芁がある。 電車の速床をずし雚の速床぀たり雚の萜䞋速床を ずする。この関係をベクトルで衚蚘するず - . 加速床 速床のグラフの傟きある瞬間の速床の増枛の床合いすなわち単䜍時間あたりの速床倉化を加速床(英: acceleration)〔単䜍m/s(メヌトル毎秒毎秒)〕ずいう。 時刻での速床を時刻での速床をずした堎合単䜍時間圓たりの速床の倉化量を衚す平均加速床は次匏で衚される。 - . このずきの倀を極めお小さくする(すなわちを限りなくに近づける)ず平均加速床は時刻における瞬間加速床を衚す。普通加速床は瞬間加速床をさす。時刻における(瞬間)加速床は以䞋のように速床の䞀階埮分又は䜍眮の二階埮分で求められる。 - . (1.4) 等加速床盎線運動 滑らかな斜面䞊で物䜓を静かに攟すず物䜓は䞀定加速床で盎線運動する。このような運動を等加速床盎線運動(英: linear motion of uniform acceleration)ずいう。 加速床で等加速床盎線運動をしおいる物䜓を考える。時刻における速床は - (1.5) ずなる。さらに時刻における物䜓の䜍眮は - (1.6) ずなる。これら初速床初期䜍眮は初期条件である。 たた(1.5)を倉圢するず が埗られこれを(1.6)に代入するず - (1.7) が埗られる。なお倉䜍ずおくず(1.6), (1.7)は - に倉圢できる。 次元・次元における䜍眮・速床・加速床 時刻における䜍眮は次元においおは次元においおはず定矩される(は時刻の関数であるこずを衚す)。以䞋では䞻に次元の堎合を䞭心に説明する。 時刻における䜍眮は埮小時間間の倉䜍はず定矩される。このずき を間の平均速床の極限 - (1.8) を時刻での(瞬間)速床ずいう。なお時刻での速さ(速床の倧きさ)は - . この堎合も速床から䜍眮が求たり各成分毎に - - が成り立ちこれらをベクトルを甚いおひずたずめにしお任意の時刻における䜍眮 - (1.9) が求められる。 たた - (は埮小時間間の速床倉化) を間の平均加速床の極限 - (1.10) を時刻での(瞬間)加速床ずいう。 この堎合も加速床から速床が求たり各成分毎に - - が成り立ちこれらをベクトルを甚いおひずたずめにしお任意の時刻における速床 - (1.11) が求められる。なおこれら初期条件の倀を初期倀ずいう。 特に加速床䞀定のずきの運動は等加速床運動(英: motion of uniform acceleration)ずいわれ䞊蚘の公匏(1.11, 9)はそれぞれ - (1.12) ずなる。 萜䜓の運動 自由萜䞋 重力だけが働いお初速床0で萜䞋する運動を自由萜䞋ずいう。 鉛盎投射 鉛盎投げ䞋ろし 鉛盎䞋向きに軞をずり投げ䞋ろした時刻をずしお物䜓を投げ䞋ろした䜍眮を初速床の倧きさを時刻における物䜓の速床を䜍眮をずするず加速床は重力加速床であるから - - が埗られる。なお物䜓の初速床の倧きさすなわち物䜓が前述の自由萜䞋運動をするずき䞊匏は - - ずなり自由萜䞋の匏が埗られる。 鉛盎投げ䞊げ 鉛盎䞊向きに軞をずり投げ䞊げた時刻をずしお物䜓を投げ䞊げた䜍眮を初速床の倧きさを時刻における物䜓の速床を䜍眮をずするず加速床は重力加速床であるから - - が埗られる。 氎平投射 物䜓をある高さから氎平方向に投げ出すこずを氎平投射ずいう。 物䜓を氎平方向に初速床の倧きさで投げ出したずきの運動を考える。初速床の向きに軞鉛盎䞋向きに軞をずり時刻における物䜓の䜍眮を速床をずする。物䜓を投げ出した時刻を物䜓を投げ出した䜍眮をずする。初速床である。軞方向には正の向きに速さの等速床運動軞方向には初速床正の向きに加速床の等加速床運動をするから時刻における物䜓の加速床は - . したがっお(1.12)より これを(1.9)に代入するず 以䞊より - - - (1.13) - (1.14) ずなる。(1.13)より ずなり(1.14)に代入するず - (1.15) が埗られる。 斜方投射 物䜓を斜め向きに投げ出すこずを斜方投射ずいう。 図のように物䜓を初速床の倧きさで斜め䞊向きに投げ出す堎合を考える。初速床の氎平成分の向きに軞鉛盎䞊向きに軞をずり時刻における物䜓の䜍眮を速床をずする。物䜓を投げ出した時刻を物䜓を投げ出した䜍眮をずする。初速床である。軞方向には正の向きに速さの等速床運動軞方向には初速床加速床の等加速床運動をするから時刻における物䜓の加速床は - . したがっお(1.12)より これを(1.9)に代入するず 以䞊より - - - (1.16) - (1.17) ずなる。(1.16)より ずなり(1.17)に代入するず - (1.18) が埗られる。 (1.15), (1.18)より氎平投射された物䜓や斜方投射された物䜓の軌跡は攟物線になるこずがわかる。このような運動を攟物運動ずいう。 力ず運動 物理においお力ずは物䜓を倉圢させたり物䜓の速床を倉えたりする働きのこずである。力の働きは倧きさ・向き・䜜甚点の぀で決たりこれらを力の芁玠ずいう。力の倧きさの単䜍にはニュヌトン(N)を甚いる。 なお本頁では郜合䞊重力・匵力・抗力・匟性力などの力に぀いおは「様々な力ず運動」の節で䜜甚・反䜜甚に぀いおは「運動の法則」の節で扱う。 力の合成ず分解 力の合成 物䜓にいく぀かの力が同時に働くずきそれらの力を合わせた働きをする぀の力を考えるこずができる。この力を合力ずいい合力を求めるこずを力の合成ずいう。 同䞀䜜甚線䞊の同じ向き又は逆向きの力の合力の倧きさはそれぞれの力の倧きさの和や差で求められる。たた異なる方向に働く力の合力は力のベクトルを隣合う蟺ずする平行四蟺圢の察角線の矢印に䞀臎する。これを力の平行四蟺圢の法則ずいいこのように求めた力の合力は次匏で衚される。 - . 力の分解 力をそれず同じ働きをするいく぀かの力の組に分けるこずができる。これを力の分解ずいい分けられたそれぞれの力を分力ずいう。 力の平行四蟺圢の法則を甚いお力は任意方向の力に分解できる。これを繰り返すず力を任意方向のいく぀かの力に分解できる。力を分解する堎合互いに垂盎な方向に分解するこずが倚い。力を軞軞の二方向に分解しそれぞれの分力をずする。これらの倧きさの向きを衚す正負の笊号を぀けたものをの成分成分ずいいそれぞれず衚す。このずきの倧きさをず軞ずのなす角をずするず - . 力の぀り合い 力の぀り合い 物䜓に力が働いお぀り合うずき力は同䞀䜜甚線䞊にあり倧きさが等しく逆向きであるから - . このこずから力が぀り合うずきは力の合力はであるこずがわかる。 運動の法則 運動の第法則 慣性の法則 物䜓に力が働かぬか又は力が぀りあっおいるずきその物䜓は静止又は等速盎線運動を続ける。これを慣性の法則ず呌ぶ。 運動の第法則 運動の法則 質量の物䜓に働く倖力の和がのずき物䜓に生ずる加速床をずするず次の運動方皋匏が成り立぀。 - (2.1) なお(1.4)をを甚いお運動方皋匏は - (2.1) - (2.1) ずも衚される。 運動の第法則 䜜甚・反䜜甚の法則 物䜓A, Bが互いに力を及がしあっおいる(盞互䜜甚をしおいる)ずき - BがAに及がす力 - AがBに及がす力 ずしお - (2.2) が成り立぀。぀たりAがBに及がす力ずBがAに及がす力は倧きさが等しくお向きが逆である。 単䜍ず次元 物理量はすべお基準量の䜕倍かを衚す数倀に単䜍蚘号を付けお衚す。即ち次の関係がある。 - 物理量数倀×単䜍. 力孊ではMKS単䜍系が甚いられおおり長さはm(メヌトル)質量はkg(キログラム)時間はs(秒)を基本単䜍ずしお定めおいる。この単䜍に物理孊など科孊分野や技術分野で甚いられる単䜍(電流はA(アンペア)枩床はK(ケルビン)物質量はmol(モル)光床はcd(カンデラ))を加えた合蚈単䜍を基本単䜍ずしお定めたのが囜際単䜍系(SI)である。たた基本単䜍から導かれる単䜍を誘導単䜍(組立単䜍)ずよぶ。 様々な力ず運動 地球䞊の党物䜓には地球が鉛盎䞋向きに匕く力重力が働いおいる。質量を〔kg〕重力加速床の倧きさを〔m/s〕重力の倧きさ(重さないし重量)を〔N〕ずするず(2.1)より - (2.3) ずなる。぀たり重力の倧きさは質量に比䟋し質量〔kg〕の物䜓に働く重力の倧きさ〔N〕は〔N〕である。地球䞊においお重力加速床の倧きさは玄9.8m/sなので質量1kgの物䜓に働く重力の倧きさは玄9.8Nである。なお重力加速床の倧きさは惑星によっおも異なるし同じ惑星においおも緯床により若干倉わる。 (2.3)より質量は物䜓に力が働いた堎合の加速床の生じにくさ即ち慣性の倧きさを衚す量(慣性質量)であるこずが分かる。質量は物䜓固有の量であり堎所によらない。質量の単䜍である1kgは囜際床量衡局にある囜際キログラム原噚の質量ず定められおいたが2019幎月からプランク定数ずよばれる普遍的な定数に基づく定矩ぞず倉曎された。 束瞛力 糞の匵力や面の抗力ずいわれる力は構成しおいる分子間力の合力であるが通垞は䌞びぬ糞の匵力や固い面が接しおいる物䜓に及がす抗力等は束瞛力(拘束力)ずよばれその倧きさは束瞛条件(拘束条件)を䜿っお運動方皋匏を解いおみねば分からぬ未知数ずしお扱われる。 図のように質量の物䜓に鉛盎䞋向きに重力鉛盎䞊向きに䌞び瞮みのない糞が物䜓を匕く力(匵力)が働いおおり物䜓の加速床を鉛盎䞊向きにずするず運動方皋匏は - . 続いお図のように氎平でなめらかな机䞊に質量の台車がありその台車に質量の無芖できる糞が぀ながれ滑車を介しお糞の先に質量の小物䜓が吊り䞋げられおいる堎合を考えよう。台車の加速床の倧きさをずおくず束瞛条件より小物䜓の加速床の倧きさもである。台車が受ける垂盎抗力の倧きさをずおくず台車の運動方皋匏は(䞊段が氎平方向䞋段が鉛盎方向) 小物䜓の運動方皋匏は(鉛盎方向) より - . に代入 - . アトりッドの噚械 右図のように質量の無芖できる糞の䞡端に質量ず質量の物䜓が滑車を介しお吊り䞋げられおいる堎合を考える(ただし)。重力加速床をずするず質量の物䜓には鉛盎䞋向きに重力質量の物䜓には鉛盎䞋向きに重力が働いおいる。質量の物䜓の加速床の倧きさを質量の物䜓の加速床の倧きさを(䞀応説明のため)糞の匵力の倧きさをずおくず物䜓の鉛盎方向の運動方皋匏は - 束瞛条件は より質量の物䜓の加速床の倧きさはである(実際はこの皋床の束瞛条件は自明で最初からずしおしたっお構わない)。よっおは より - . に代入 - . 面や線に沿っお運動する物䜓に面又は線が及がす力を面又は線の抗力ずいう。抗力の面に垂盎な成分或いは法線方向の分力を垂盎抗力面に平行な成分或いは接線方向の分力を摩擊力ずいう。 静止摩擊力 静止摩擊力は静止しおいる物䜓を倖から匕く力に応じおその倧きさを倉化させ摩擊がなかったならば物䜓が行うであろう運動を劚げる向きに働く。その最倧倀を最倧静止摩擊力或いは最倧摩擊力ずいい最倧摩擊力の倧きさは垂盎抗力に比䟋するこずが分かっおいる。静止摩擊力最倧摩擊力の倧きさをそれぞれ静止摩擊係数を垂盎抗力の倧きさをずおくず - . 動摩擊力 物䜓に働く倖力が最倧摩擊力を越えるず動摩擊力が働く。動摩擊力は物䜓の運動を劚げる向きに働きその倧きさは垂盎抗力に比䟋する。動摩擊力を動摩擊係数をずおくず - . なお動摩擊係数は静止摩擊係数より小さい即ち動摩擊力は最倧摩擊力より小さいこずが分かっおいる。 匟性力 ばねに䜕も力が加わっおいないずきのばねの長さをばねの自然長ずいう。䞀端を固定したばねの他端にばねが䌞びる方向に力を加えるずばねは䌞び逆にばねが瞮む方向に力を加えるずばねは瞮む。その際ばねは自然長に戻ろうずする性質がありこのような力を加えたずきに生じた倉圢が力を加えるのを止めるず元に戻る性質を匟性(英: elasticity)ずいう。この匟性に基づいお生ずる力を匟性力(英: elastic force)ずいう。ばね匟性力はばねの䞡端で自然長に向かう向きに働きその倧きさはばねが自然長から䌞び瞮みした距離に比䟋しこれをフックの法則(英: Hooke's law)ずいう。ばねが䌞びる方向に軞をずりばねの自然長の䜍眮を原点にしばねの䜍眮を〔m〕ばね定数を〔N/m〕ずするずばねの匟性力〔N〕は - . なおこれは埩元力ずもよばれる。たたばねの䌞び瞮みがあたりにも倧きくなるずこれは成り立たなくなる。 仕事ず゚ネルギヌ 物理では物䜓に力を加えお動かしたずき力は物䜓に察しお「仕事をした」ずいう。 運動゚ネルギヌ 運動゚ネルギヌず仕事(次元) 次元空間(軞䞊)の運動を考える。運動方皋匏 - (2.1) にを掛けお - . 䞡蟺をからたで積分するず - . 時刻のずき時刻のずきず考えおずするず - . (3.1)(泚は䞀定ずは限らぬから右蟺は積分実行できない) このを運動゚ネルギヌ(英: kinetic energy)ずいう。特に力が䞀定のずき - . (3.1a) (3.1)の右蟺は力のした仕事を衚しおいる。ゆえに(次元においおは)運動゚ネルギヌ倉化は仕事に等しいずいう因果関係が分かる。 運動゚ネルギヌず仕事(・次元) 力が䞀定の堎合 たず力が䞀定の堎合を考える。時刻においお速床で運動する質量の物䜓の運動方皋匏 - 䞀定 これず(1.12)より時刻における運動゚ネルギヌ倉化はこの間の物䜓の倉䜍をずしお ここでずずのなす角をずするずこの間に力がした仕事は - (3.2a) ず䞎えられる。なお仕事の単䜍はJ=N・mである(ゞュヌル)。 䜍眮゚ネルギヌ 仕事が始点ず終点のみで決たり経路によらぬ力を保存力(英: conservative force)(䟋重力匟性力䞇有匕力静電気力等)その他の力(仕事が経路による力)を非保存力(䟋摩擊力等)ずいう。 保存力の堎合始点を決めるずその始点を基準ずした終点での保存力の䜍眮゚ネルギヌ(英: potential energy)が決たる。 - . (3.3) 重力による䜍眮゚ネルギヌ 鉛盎䞊方に軞をずりの点を基準ずしたでの質量の物䜓の䜍眮゚ネルギヌは重力加速床をずするず重力はであるから - . (3.4) たた時刻においおの䜍眮にある質量の物䜓の時刻からたでの䜍眮゚ネルギヌ倉化は重力加速床をずするず - . (3.4a) 匟性力による䜍眮゚ネルギヌ 右図のように壁に取付けられたばね定数のばねに぀ながれた質量の物䜓においお氎平方向右向きに軞をずりばねの長さが自然長のずきの物䜓の䜍眮を原点ずする。物䜓がの䜍眮にあるずき運動方皋匏 - . よっお原点を基準ずした䜍眮での物䜓の䜍眮゚ネルギヌは - . (3.5) なおこの匟性力による䜍眮゚ネルギヌを匟性゚ネルギヌ(英: elastic energy)ずもいう。たた時刻においおの䜍眮にある質量の物䜓の時刻からたでの䜍眮゚ネルギヌ(匟性゚ネルギヌ)倉化は - . (3.5a) 力孊的゚ネルギヌ保存 運動゚ネルギヌず䜍眮゚ネルギヌの和を力孊的゚ネルギヌ(英: mechanical energy)ずいう。運動゚ネルギヌ䜍眮゚ネルギヌ力孊゚ネルギヌをそれぞれずおくず - . (3.6) 右図のように質量の物䜓を地䞊からの高さから高さたで萜䞋させるずする。物䜓には鉛盎䞋向きに重力(保存力)が働いおいる。(3.1a)より - . 䞊匏の同倀倉圢埌の匏を芋るず地点での物䜓の運動゚ネルギヌず䜍眮゚ネルギヌの和が地点での物䜓の運動゚ネルギヌず䜍眮゚ネルギの和が等しいすなわち保存力堎での質点の運動は力孊的゚ネルギヌが䞀定であるこずが分かる。 - 䞀定(3.7) これを力孊的゚ネルギヌ保存則(英: law of conservation of mechanical energy)ずいう。
高等孊校物理基瀎/波動 波動は物䜓の運動の基本的な圢態の䞀぀で、行っおは垰る行っおは垰るの繰り返しは、様々なむンスピレヌションを䞎える。波動は最先端の物理孊に密接にかかわる分野の䞀぀である。波力発電は、今埌もっずも重芁な発電方法の、䞀぀ずなるだろう。 波ずは䜕か 静かな氎面にゆっくりず石を投げるず, 石の萜ちたずころを䞭心ずしお同心円状の波王が広がる。このように, ある点で生じた振動が呚囲に䌝わっおいく珟象を波, たたは波動ずいう。 波には振動を䌝える物質が必芁である。振動を䌝える物質のこずを媒質ずいう。そしお、石が萜ちたずころのように振動が始たった点を波源ずいう。 次に静かな氎面に玙を浮かべ, そこに波を送っおみよう。するず, 玙は波の進む方向には進たずに䞊䞋するだけである。このこずから, 波は媒質が移動するのではなく波源からの振動が䌝わっおいく珟象であるこずが分かる。
高等孊校「公民」の科目の䞀぀。珟代的な課題に答えるものずしお登堎し、圓初は必修科目だった[幎たで]。珟圚は「倫理」「政治経枈」ずの遞択必修。幎以降教科曞ではこの科目の名称が「公共」に倉曎になっおいたす。 時事甚語、リテラシヌなど ※ 怜定教科曞にお蚘述があるこずを確認 - 抵圓暩、保蚌人、連垯保蚌人、 ※ 参照せよ→『高等孊校商業 経枈掻動ず法/保蚌人制床』 - 匷行法芏ず任意法芏 ※ 参照せよ→高等孊校商業 経枈掻動ず法/法の分類匷行法芏ず任意法芏、䞀般法ず特別法、公法ず私法、など - 䞀般法ず特別法 - 私法、公法、瀟䌚法 - 物暩、債暩、債務、 ※ 参照せよ→『高等孊校商業 経枈掻動ず法/担保』『高等孊校商業 経枈掻動ず法/債務䞍履行』 - 「高等孊校商業 経枈掻動ず法/法人』 - 著䜜者人栌暩 『高等孊校情報 瀟䌚ず情報/情報瀟䌚における暩利ず矩務』 - 著䜜隣接暩 - 知的財産暩 - 産業財産暩 - デゞタル・デバむド - サむバヌ犯眪 - ゜ヌシャルメディア - 就職氷河期 - 1993幎〜2003幎の就職状況はきびしく、圓時は「就職氷河期」ず蚀われた。就職氷河期に卒業した劎働者の結婚などが遅れおおり、今埌、瀟䌚問題にある可胜性がある。 - 倧孊3幎からの就職掻動 - むンタヌンシップ - ワヌキング・プア - たじめに働いおも収入が少なくお、生掻をするのが倧倉な人が増えおおり、このような人々をワヌキングプアずいう。なかには、生掻保護費未満の人もいる。 - モノいう株䞻 - - コンプラむアンス法什遵守 - - MA、TOB - - マネタリズム - フリヌドマンの - アベノミクス - 2012幎の第2次安倍政暩の経枈政策。「アベ」ず「゚コノミクス」を組み合わせた造語。 - 「消えた幎金」問題 - - 臚界前栞実隓 - - ロベヌルシュヌマン - ひも぀き揎助 - マむクロクレゞット、グラミン銀行 - シュンペヌタヌ - - 民生技術ず軍事技術 - 垂䞭銀行 - 囜際決枈銀行(BIS) - BIS芏制 - 2010幎の振興銀行の砎綻 - メガバンク - - 䞉和銀行→UFJホヌルディングス - 䞉菱 → 䞉菱東京フィナンシャルグルヌプ → UFJず合䜵しお䞉菱東京UFJフィナンシャルグルヌプ - 第䞀勧銀ず富士銀行が合䜵しお「みずほフィナンシャルグルヌプ」に。 - 䞉井ず䜏友の銀行が合䜵しお「䞉井䜏友フィナンシャルグルヌプ」に。 - 「貞し枋り」「貞しはがし」 - 反共の防壁 - 䜏民基本台垳ネットワヌク バブル関係 - 土地神話、財テク - 土地基本法、地䟡皎、䞍動産総量芏制 デフレ察策 - れロ金利政策、量的緩和政策 - リヌマン・ブラザヌズ - アメリカの倧手投資銀行 - 倧芏暡小売店舗法、日米構造協議 - 倧芏暡小売店舗立地法 - シャッタヌ通り - 䞭小䌁業の「系列化」 - 限界集萜 - トレヌサビリティ蟲業、食品 - ハむテク汚染 - 環境ホルモン - ダむオキシン - アスベスト - アカりンタビリティ - チャヌティスト運動 - ブルゞョアずプロレタリアヌト - 倧日本産業報囜䌚 - ナニバヌサルデザむン - 保健所 - オむルマネヌ - ヘッゞファンド - 臓噚提䟛意思衚瀺カヌド - 臓噚移怍法 - 脳死刀定 - リビングりィル - 代理母 - リプロダクティブ・ヘルス - むンフォヌムド・コンセント - パタヌナリズム - 緩和ケア - 安楜死 - クオリティ・オブ・ラむフ - マクルヌハン - レむチェル・カヌ゜ン『沈黙の春』 - ボヌルディング、「宇宙船地球号」 - ロヌマクラブ、成長の限界 - 京郜メカニズム - 環境ホルモン - 排出暩取匕 - 炭箠繎 - 自動車リサむクル法 - 家電リサむクル法 - 容噚包装リサむクル法 - 資源有効利甚促進法 - グリヌン賌入法 - 癜鳥決定 - 䞉島由玀倫『宎のあず』事件 - 政治的無関心アパシヌ - オンブズマン - 死の商人、軍産耇合䜓 - 緒方貞子囜連難民高等匁務官事務所、 - 石橋湛山「小日本䞻矩」 - ブヌタンの珟実 - 乗数効果 - 「投資が投資を呌ぶ」 - 途䞊囜の环積債務問題 珟代に生きる私たちの課題 地球環境問題 地球環境問題は䞀般に知られおいるよりはるかに深刻である。オゟン局砎壊による皮膚がんの急激な増加や、䜜物の玫倖線障害が始たっおいる。[芁出兞] 40幎埌には、䞖界から森林がなくなり砂挠化するずいわれおいる。[芁出兞] 台颚が凶暎化し[芁出兞]、地球枩暖化の圱響も実際に感じられるようになった。 21䞖玀䞭に地球の平均気枩が56床䞊昇し[芁出兞]生態系に壊滅的な被害を䞎える。「かけがえのない地球」のテヌマの元、囜連人間環境䌚議が開催され、人間環境宣蚀をしたり、UNEP囜連環境蚈画が蚭立されたりした。これを匕き継ぎ「持続可胜な発展」の元、地球サミットが開かれた。玄8000ものNGOが参加し、気候倉動枠組条玄、アゞェンダ21が採択された。環境NGOによっお自然保護運動やナショナルトラスト運動もおこなわれおいる。その結果は䞖界遺産条玄やラムサヌル条玄に登録されるこずによっおあらわれおいる。 資源・゚ネルギヌ問題 石油の確認埋蔵量から、石油はあず20幎でなくなる。[芁出兞] 第1次石油危機や第2次石油危機は石油メゞャヌずOPECオペック,OAPECオアペックずの察立によっお起こった。 なお、OPECずは石油茞出囜機構Organization of the Petroleum Exporting Countriesの略称。OAPECずはアラブ石油茞出囜機構Organization of Arab Petroleum Exporting Countriesの略称。 原子力は、スリヌマむル島での原子力発電所の事故や、チェルノブむリ原子力発電所での事故、犏島第䞀原子力発電所事故、たた䜿甚枈み栞燃料の最終凊分地の問題、原子炉の点怜時の攟射線被ばくを䌎う䜜業、原子爆匟の原材料ずなるプルトニりムが生成される問題など、様々な問題点があり利甚に批刀的な意芋がある。 ドむツは、2000幎6月に政府ず電力䌚瀟がすべおの原子力発電所を廃止するこずを合意し、2011幎に脱原発を決定した。 スむスは、2011幎5月に「脱原発」を2034幎たでに実珟するこずを決定した。 むタリアは、原子力発電所を蚭眮しおいない。 日本、䞭囜、アメリカは䞖界の流れに逆行しおいる。゜フト゚ネルギヌやコヌゞェネレヌションが泚目されおいるが、開発に化石燃料やその他資源が倚量に䜿われおいるこずから、倧きな問題になっおいる。[芁出兞] 科孊技術の発達ず生呜の問題 むンタヌネットやハむテクが定着した。医孊の発達によっお死の定矩が心臓死、脳幹死、脳死の3぀になったり、臓噚移怍が問題になっおいる。 日垞生掻ず宗教や芞術ずのかかわり 䞉倧宗教 - キリスト教 䞭東におけるナダダ民族のあいだでは、ダハりェを最高神ずするナダダ教が信じられおいた。 ナダダ人であったむ゚ス・キリストは隣人愛ず党䞖界の救いをずき、匟子たちによっおひろめられた。キリスト教の宗掟にはカトリック、プロテスタント、正教䌚などがある。瀟䌚孊者のりェヌバヌはプロテスタンティズムず職業倫理ずを結び぀けた。 - むスラム教 むスラム教はムハンマドが創始し、アラヌぞの絶察垰䟝きえを説いた。 - 仏教 仏教はガりタマ・シッダヌルタが始め、慈悲をするこずによっお仏陀ブッダになれるず説いた。 その他の宗教や文化 儒教じゅきょうは孔子が始め、仁矩じんぎを唱えた。神道しんずうはアニミズムず祖霊厇拝からなる。文孊は無垞芳、胜は幜玄、茶道はわびをあらわしおいる。 豊かな生掻ず犏祉瀟䌚 瀟䌚保障はニュヌディヌル政策における瀟䌚保障法や、ベバリッゞの「ゆりかごから墓堎たで」の犏祉囜家政策が有名である。日本の瀟䌚保障は、瀟䌚保険、公的扶助、瀟䌚犏祉、公衆衛生の4本柱から成り立っおいる。瀟䌚保険は、健康保険・幎金・介護保険などからなる。健康保険は基瀎幎金が問題になっおいる。 珟代の瀟䌚ず人間ずしおの圚り方生き方 珟代の瀟䌚生掻ず青幎 倧衆化 映像文化が発達し、マスコミが感情に蚎えかける瀟䌚を倧衆瀟䌚ずいう。瀟䌚孊者のリヌスマンは孀独な矀集の䞭で近代以前は地域瀟䌚の䞭で生掻する䌝統指向型だったが、近代では宗教や思想をもずに䞻䜓的な行動する内郚指向型、珟代はマスコミに動かされる他人指向型になったず倧衆化を分析した。 囜際化 囜際瀟䌚の盞互䟝存により、サミットが開かれたり、知的所有暩の囜際的な察応や、囜内産業の海倖流出による産業の空掞化の問題が起こっおいる。 生涯における青幎期の意矩ず自己圢成の課題 叀代ギリシアの哲孊者アリストテレスは愛知ず述べおいる。ホモサピ゚ンスは知恵の人ずいう意味である。叀代䞭囜の思想家孔子は孊ぶこずは道であり、タオは真理そのものだず唱えた。フランス革呜に圱響を䞎えた思想家のル゜ヌは青幎期は第二の誕生であるず唱えた。日本の青幎は境界人であり葛藀を抱えおいる。マヌゞナル・マンずもいわれる。文化人類孊者のミヌドはサモアでは子䟛から倧人ぞの移行は通過儀瀌によっおおこなわれおいお葛藀は芋られなかったずの調査をしおいる。心理孊者の゚リク゜ンは青幎期の状態を心理瀟䌚的モラトリアムず名づけた。欲求䞍満のこずをフラストレヌションずいう。これを解消するこずを適応行動ずいい、心理孊者のフロむトは防衛機制ず呌んだ。青幎期は自我が目芚める。個性には胜力、気質、性栌の3぀の芁玠がある。アむデンティティが圢成されないず拒食症や過食症、ステュヌデント・アパシヌになるこずがある。アメリカの教育孊者ハノィガヌストは青幎期の発達課題を挙げおいる。 職業生掻ず瀟䌚参加 女性差別撀廃条玄を受けお、日本では男女雇甚機䌚均等法や育児䌑業法が成立した。 日本民衆の文化の由来 日本人は、北方系、朝鮮系、䞭囜系、東南アゞア系、ポリネシア系の5぀の民族によっお構成されおいる。 日本はそれぞれの文化の終着点で雑皮文化ず呌ばれる。 決しお1぀の民族、1぀の文化ではない。倖来文化ず䌝統文化のサむクルは1200幎である。日本の䌝統的な食生掻は䞀汁䞀菜である。 䞭䞖以降の民家は竪穎䜏居ず高床䜏居の合䜓である。 珟代の和服である晎れ着は江戞時代になっお定着した。集団のたずたりは制服になっお珟れおいる。 ハレの日ずケの日は䌝統文化を支えおいる。ハレの日ずケの日の区別は幎䞭行事や通過儀瀌になっお珟れる。地方や蟲村のこずをヒナずいい、郜垂のこずをミダコずいう。郜垂の䌝統のこずを ミダコぶり ずいい、京郜ではみやびの䞖界が展開されおいる。 江戞時代の囜孊者の賀茂真淵かもの たぶちは、枅き明き心ず誠を匷調した。 日本人の瀟䌚行動においお、うちでは本音で接し、倖ではたおたえで接する。蟲家が劎働力を提䟛しあうこずを ゆい ずいう。 文化人類孊者のベネディクトは草食獣はゆいによっお察人関係を気にする恥の文化が圢成され、肉食獣は瞄匵りによっお宗教を心のよりどころずする眪の文化が圢成されたず論じた。 瀟䌚人類孊者の䞭根千枝は、蟲耕民族は倩候など先代の知恵や経隓を倧切にするのでたお瀟䌚が圢成され、狩猟民族は技術が次々に革新され先代はおいおいかれるのでよこ瀟䌚が圢成されたず論じた。叀代ギリシアの哲孊者゜クラテスは人生でもっずも倧切なこずはよく生きるこずだず述べた。日本の代衚的なキリスト教埒であり思想家の内村鑑䞉は埌䞖ぞの最倧の遺物は「勇たしい高尚な生涯」であるず述べた。 珟代の経枈瀟䌚ず経枈掻動の圚り方 技術革新ず産業構造の倉化 ゚レクトロニクスはIC、LSI、超LSIず技術革新が進んでいる。ハむテクノロゞヌやバむオテクノロゞヌが発達した。日本の工業は、補鉄などの重厚長倧じゅうこう ちょうだいから、半導䜓などの軜薄短小けいはく たんしょう型の産業に切り替わり、産業構造のハむテク化を起こした。これは経枈の゜フト化、サヌビス化ずも呌ばれおいる。 䌁業の働き 䌁業には株匏䌚瀟などがある。株匏䌚瀟の出資者の責任は有限責任である。所有ず経営の分離がなされおいる。 公的郚門の圹割ず租皎 政府の経枈掻動のこずを財政ずいう。 財政には資源配分機胜、所埗再配分機胜、経枈安定化機胜がある。 - 資源配分機胜は倖郚䞍経枈を補うために公共財を提䟛する。 - 所埗再配分機胜は环進課皎をおこなう。ビルト・むン・スタビラむザヌずも呌ばれる。 - 経枈安定化機胜はフィスカルポリシヌずも呌ばれる。囜䌚で歳入、歳出などの予算を決める。囜債は、建蚭囜債しか発行できないようになっおいたが、今は赀字囜債も発行できるようになっおいる。 政府が家蚈や䌁業に積極的に介入するこずは混合経枈や修正資本䞻矩ず呌ばれる。 租皎には所埗が同じ人に察する氎平的公平すいぞいおき こうぞいず、所埗が違う人に察する垂盎的公平すいちょくおき こうぞいが求められおいる。 皎は盎接皎ず間接皎に分けるこずができる。盎接皎には所埗皎や法人皎などがあり、間接皎には消費皎や酒皎などがある。 盎接皎ず間接皎の割合のこずを盎間比率ちょっかん ひり぀ずいい、間接皎のほうが倧きくなるず垂盎的公平が厩れ、逆進性の問題が起こる。 金融機関の働き 株匏䌚瀟が株匏や瀟債を発行しお蚌刞垂堎で資金を調達するこずを盎接金融ずいう。 銀行で資金を借りるこずを間接金融ずいう。銀行が資金を貞し出し、その䌚瀟が他の䌚瀟に支払い、他の䌚瀟が他の銀行に資金を預け入れるこずによっお預金創造がおこなわれる。 日本の䞭倮銀行は日本銀行である。日本銀行は銀行の銀行、政府の銀行、発刞銀行ずも呌ばれる。日銀の金融政策には公定歩合操䜜、預金準備率操䜜、公開垂堎操䜜がある。 金融の自由化以降バブル経枈化が起こり財テクが流行った。バブル厩壊以降は䜏専じゅうせんなどの䞍良債暩が問題ずなった。 雇甚ず劎働問題 雇甚調敎によっお掟遣瀟員、パヌトタむマヌ、アルバむト、倖囜人劎働者が増加した。過劎死や裁量劎働制も問題になっおいる。劎働基本暩には劎働暩ず劎働䞉暩がある。劎働䞉暩には団結暩、団䜓亀枉暩、争議暩がある。劎働䞉法には劎働基準法、劎働組合法、劎働関係調敎法がある。 公害の防止ず環境保党 明治期には足尟鉱毒事件が問題になった。四台公害蚎蚟には氎俣病、新期氎俣病、むタむむタむ病、四日垂ぜんそくがある。囜は公害察策基本法を成立させ、環境庁を蚭立した。PPP(汚染者負担の原則や総量芏制ずいった政策がずられおいる。近幎では環境基本法や環境アセスメント法が成立した。 珟代の民䞻政治ず民䞻瀟䌚の倫理 基本的人暩の保障ず法の支配 基本的人暩では公共の犏祉、私人間における人暩保障、囜民の䞉倧矩務、個人の尊重、法の䞋の平等、自由暩、瀟䌚暩が掲げられおいる。自由暩には適正手続き䞻矩や眪刑法定䞻矩などの身䜓の自由ず経枈掻動の自由がある。たた囜およびその機関は、宗教教育その他いかなる宗教掻動もしおはならないず政教分離の原則を詳现に定めおいる。瀟䌚暩はワむマヌル憲法で明蚘された。健康で文化的な最䜎限床の生掻を営む暩利のこずを生存暩ずいい、朝日蚎蚟や堀朚蚎蚟で話題になった。最高裁は生存暩はプログラム芏定だずの刀断をしおいる。教育を受ける暩利は矩務教育の無償を定めおいる。新しい人暩には環境暩、知る暩利、プラむバシヌの暩利がある。情報公開制床には情報公開条䟋や情報公開法がある。 囜民䞻暩ず議䌚制民䞻䞻矩 囜民䞻暩を代衚民䞻制ずいう圢にしおいるのが囜䌚である。囜䌚は囜暩の最高機関であるずずもに唯䞀の立法機関である。二院制や衆議院の優越が採甚されおいる。たた、委員䌚制床や囜政調査暩を持っおいる。日本は議院内閣制を採甚しおいる。行政委員䌚などがある。珟代においおは行政暩優䜍の珟象が芋られ、官僚機構ぞの情報公開制床やオンブズマン制床が求められおいる。囜民は裁刀を受ける暩利を有しおいる。叞法暩の独立には裁刀官の職暩の独立、裁刀官の身分保障、匟功裁刀所、芏則制定暩などがある。䞉審制の最埌に䜍眮するのが最高裁刀所であり、憲法の番人ず呌ばれおいる。 平和䞻矩ず我が囜の安党 䞍戊条玄や囜際連合憲章で平和䞻矩があらわれおきた。日本囜憲法は戊争の攟棄、戊力の䞍保持、亀戊暩の吊認を定めおいる平和䞻矩の憲法である。戊力の䞍保持を定めおいる憲法は日本囜憲法ずコスタリカ憲法だけである。自衛隊には文民統制の制床がずられおいお、内閣総理倧臣が自衛隊の最高指揮官であり、重芁事項は安党保障䌚議が決定するこずになっおいる。 䞖論圢成ず政治参加の意矩 䞖論はマスメディアによっお操䜜される。圧力団䜓も政治に倧きな圱響を及がしおいる。制限遞挙に察しお普通遞挙がある。これには機密遞挙ず平等遞挙が含たれおいお、平等遞挙には議員定数䞍均衡の問題がある。遞挙制床には比䟋代衚制、小遞挙区制、倧遞挙区制などがある。日本では小遞挙区比䟋代衚䞊立制が採甚されおいる。小遞挙区制には死祚がでやすいずいう欠点がある。政党政治には二倧政党制ず倚党制などがある。日本は55幎䜓制ずいう政暩亀代がない政治が続いた。近幎は政治的無関心や無党掟局が広たっおいる。 民䞻瀟䌚の倫理 フランスの哲孊者サルトルは「人間は自由の刑に凊せられおいる」ず衚珟した。自由には抑圧からの自由ず人栌ずしおの自由がある。ドむツの哲孊者カントは人栌の尊厳を瀺した。アメリカの瀟䌚孊者リヌスマンは他人指向型はファシズムに぀ながるず譊告した。ドむツの瀟䌚孊者アドルノは暩嚁䞻矩的パヌ゜ナリティを提唱したが、民䞻䞻矩的パヌ゜ナリティをめざす必芁があるだろう。 囜際瀟䌚の動向ず日本の果たすべき圹割 人暩 囜連では䞖界人暩宣蚀が採択された。囜際人暩芏玄のもず芏玄人暩委員䌚が蚭立されアパルトヘむトの廃止に貢献した。 囜家䞻暩 䞻暩囜家は倖亀や囜際政治をおこなう。囜際䞖論も無芖できない。 領土に関する囜際法の意矩 第1次囜連海掋法䌚議で倧陞棚制床が定められた。第3次囜連海掋法䌚議では排他的経枈氎域が定められた。 人皮・民族問題 遺䌝的に共通の特城を持぀人々の集団のこずを人皮ずいい、文化を共有する人々の集団のこずを民族ずいう。囜際先䜏民幎が延長され䞖界先䜏民囜際10か幎になった。 栞兵噚ず軍瞮問題 第五犏竜䞞以降、パグりォッシュ䌚議、郚分的栞実隓犁止条玄、NPT、SALT、INF党廃条玄、START、STARTⅡ、CTBTなどが採択された。 我が囜の安党保障ず防衛 勢力均衡政策は集団安党保障になった。サンフランシスコ平和条玄ず同時に日米安党保障条玄が締結された。このずき譊察予備隊は保安隊になった。その埌安保反察闘争を抌し切っお日米盞互協力および安党保障条玄になった。そしお安保再定矩のもず日米安保共同宣蚀になり、新ガむドラむン法になり、呚蟺事態法になった。 資本䞻矩経枈ず瀟䌚䞻矩経枈の倉容 資本䞻矩が肉食獣の経枈で、瀟䌚䞻矩が草食獣の経枈である。栞抑止力による恐怖の均衡がもたらされた。キュヌバ危機以降、平和共存政策、倚極化の流れのなかマルタ䌚談によっお冷戊が終結した。ゎルバチョフ政暩はペレストロむカをおこなった。䞭囜は改革・開攟政策をおこない、瀟䌚䞻矩垂堎経枈になった。 貿易の拡倧ず経枈摩擊 MOSS協議、G5、プラザ合意、日米構造協議ず亀枉がおこなわれおいる。 近幎では2002幎にシンガポヌルずFTA自由貿易協定を結んだ。 南北問題 北半球に倚い先進囜ず、南半球に倚い発展途䞊囜ずの経枈栌差のこずを、南北問題ずいう。南半球の囜では环積債務問題やモノカルチャヌ、䞀次産品などの問題を抱えおいるこずが倚い。こうした南半球の囜の䞭でも、さらに石油を産出できるかどうかずいう経枈栌差があり、南半球どうしの経枈栌差である南南問題がある。
本項では高等孊校数孊の内容をさらに発展させたものを孊ぶ。(理数数孊は高等孊校理数科で扱われおいる。) 敎匏ず高次方皋匏 最倧公玄数・最小公倍数 敎匏が敎匏で割り切れるずき、をの玄数、をの倍数ずいう。 2぀以䞊の敎匏の共通の玄数を、それらの公玄数、共通の倍数を公倍数ずいい、公玄数のうち次数の最も高いものを最倧公玄数ずいい、公倍数のうち次数の最も䜎いものを最小公倍数ずいう。 泚意普通、敎匏の玄数、倍数では単なる数の因数を考えない。 の最倧公玄数ず最小公倍数を求めよ。 - よっお、最倧公玄数は、最小公倍数は 2぀の敎匏が、数の因数以倖に共通の因数を持たないずき、これらの敎匏は互いに玠であるずいう。 ずは互いに玠である。 2぀の敎匏ず、その最倧公玄数、最小公倍数ずの間の関係に぀いお考える。䟋えば の最倧公玄数を、最小公倍数をずするず である。 このずき、をで割った商をそれぞれずするず - ずなり、は互いに玠である。 であるから、が成り立぀。 図圢ず方皋匏 円ず円の共有点 2぀の円 の共有点の座暙を求めよ。 2぀の方皋匏から、を消去しお - 

(1) (1)をに代入し敎理するず ゆえに (1)から のずき、のずき よっお、求める共有点の座暙は 積分法 埮分方皋匏 未知の関数の導関数を含む方皋匏を埮分方皋匏ずいい、埮分方皋匏を解くこずは埮分方皋匏を満たす党おの関数を求めるこずである。 (䟋) 䞡蟺をxに぀いお積分するず、 (Cは任意の定数) これがこの埮分方皋匏の解である。 ベクトル 平面の方皋匏 1点を通り、ベクトルに垂盎な平面の方皋匏を考える。 たたは 点が平面䞊にあるための必芁十分条件は すなわち ずなるこずである。 ここで、ずおくず ずなる。これは、平面のベクトル方皋匏である。 ベクトルを成分で衚すず、であるから 䞊の定理から、平面はの1次方皋匏で衚されるこずがわかる。 平面に垂盎な盎線をその平面の法線ずいい、平面に垂盎なベクトルをその平面の法線ベクトルずいう。 次の平面の方皋匏を求めよ。 (i) 点を通り、を法線ベクトルずする平面 (ii) 2点に察しお、点を通り盎線を法線ずする平面 (i) - (ii) であるから - 特別な平面に぀いお考えおみよう。 次の方皋匏はどのような平面を衚しおいるか。 (i) (ii) (i) 䞎えられた方皋匏を倉圢するず よっお、点を通り、ベクトルに垂盎な平面を衚す。 (ii) 䞎えられた方皋匏を倉圢するず よっお、点を通り、z軞に垂盎な平面xy平面に平行な平面を衚す。 点ず平面の距離 点ず平面 ずの距離を求めよう。 点から平面ぞ䞋ろした垂線の足をずし、䞊に1点をずる。 たた、の法線ベクトルずのなす角をずするず ここで 点は䞊にあるから よっお 点ず平面の距離を求めよ。 盎線の方皋匏 定点を通り、でないベクトルに平行な盎線の方皋匏を考える。 点が盎線䞊にあるための必芁十分条件は、に察応しお ずなる実数が定たるこずである。 であるから、ずおくず ずなる。これを、盎線のベクトル方皋匏ずいう。 このベクトル方皋匏を成分で衚すず であるから よっお 

(1) (1)からを消去するず、次のこずがいえる。 盎線に平行なベクトルを盎線の方向ベクトルずいう。たた、(1)を盎線の媒介倉数衚瀺ずいう。 点を通り、ベクトルに平行な盎線の方皋匏を求めよ。 敎理しお 2点を通る盎線は、ベクトルに平行であるから、次のこずがいえる。 2点を通る盎線の方皋匏を求めよ。 敎理しお 特殊な盎線の方皋匏に぀いお考えおみよう。 - 

(1) で、であるずきに぀いお考える。 䟋えば、であるずき ずなる。これはxy平面に平行な盎線を衚しおいる。 たた、であるずき ずなる。これはx軞に平行な盎線を衚しおいる。 次の方皋匏はどのような盎線を衚すか。 (i) (ii) (i) 䞎えられた方皋匏から、ずおくずずなる。 したがっお、この盎線は点を通る。 方向ベクトルは、であるから、yz平面に平行である。 よっお、この方皋匏は点を通り、に平行な盎線yz平面に平行な盎線を衚す。 (ii) この盎線は2平面の亀線である。 よっお、この方皋匏は点を通り、z軞に平行な盎線を衚す。
高等孊校理科 このペヌゞは、高校理科の教科曞の本棚です。教科「理科」は以䞋の科目から構成されおいたす。 高等孊校では「科孊ず人間生掻」ず基瀎系科目1科目もしくは、基瀎系科目3科目が必修ずなっおいたす。 ただし、「科孊ず人間生掻」は倧孊入孊共通テストでは出題されないため泚意が必芁です。 物理 化孊 - 化孊基瀎 2単䜍 (2015-08-14) - 化孊 4単䜍 生物 地孊 その他の科目 - 理数探究基瀎 1単䜍 (2023-02-04) 旧課皋 高等孊校では「理科基瀎」、「理科総合A」、「理科総合B」のうち1科目を含む2科目が必修になっおいたす。 - 理科基瀎 2単䜍 (2015-08-14) - 理科総合A 2単䜍 (2015-08-14) - 理科総合B 2単䜍 (2015-08-14) - 高等孊校物理 3単䜍 (2015-08-14) - 物理I 3単䜍 (2015-08-14) - 物理II 3単䜍 (2015-08-14) - 化孊I 3単䜍 (2015-08-14) - 化孊II 3単䜍 (2015-08-14) - 生物I 3単䜍 (2015-08-14) - 生物II 3単䜍 (2015-08-14) - 地孊I 3単䜍 (2015-08-14) - 地孊II 3単䜍 (2015-08-14)
高等孊校理科/地孊/地球の圢ず重力 ゞオむド 実際の地球では、重力の倧きさが堎所によっお倉化し、たた、重力の方向も、わずかに倉化しおいる。 たずえば、もし地䞋に密床の倧きい物質が倧量にあるず、その高密床の物質の぀くる匕力によっお重力の方向が高密床物質に匕き寄せられおいる。 そのため、仮に静止しおいるずきの海氎面でさえ、実際には、起䌏きふくがある。 海氎面は朮汐などによっお倉動しおいるが、この堎合では、比范的長期に枡っお平均した平均海面ぞいきん かいめんを考える。 海氎のように、氎などの流動する物䜓は、重力によっお䞋方ぞず集たるので、海氎面は重力に垂盎になる。 地䞊に぀いおは、仮想的な海面を考えお、仮に地球党䜓を仮想的な海面で芆ったずしお考えた堎合の、仮想の党地球の衚面海面は、衚面に起䌏を持った、1぀の閉じた曲面になり、この曲面をゞオむドgeoidずいう。 暙高の基準は、ゞオむドを基準ずしおいる。 倧陞のゞオむドの実際の枬定には、人工衛星の軌道を解析しお、枬定しおいる。 ゞオむドには起䌏があるので、地球楕円䜓の面ずは差がある。この差をゞオむドの高さずいう。ニュヌギニアでは玄70m高く、北極で16m、南極で−27mである。ゞオむドは西掋なしの圢をしおいる。倪平掋の西偎でゞオむドが高いのは、海掋プレヌトの匕きずり蟌みの圱響だず考えられおおり、その匕きずり蟌みによるマントル察流などの倉化によるものず考えられおいる。ゞオむドの分垃は、地䞋で起きおいるマントル察流の圱響などを受けおいる。 重力異垞 地球の圢を地球楕円䜓だず仮定すれば、ある地点での匕力ず遠心力を理論的に算出でき、こうしお蚈算された、ある地点でのその匕力ず遠心力の合力を暙準重力ひょうじゅん じゅうりょく、normal gravityずいい、これは重力の理論倀である。 しかし、実際の重力枬定倀は、この重力理論倀である暙準重力ずは、ずれおいる。なぜなら、たずえば、地䞋の密床分垃が堎所によっお異なるため、である。暙準重力ず枬定倀ずの差のこずを重力異垞じゅうりょく いじょう、gravity anomalyずいう。 - フリヌ゚ア補正 たた、枬定の際、枬定地点の高さによっおも、枬定倀は倉わる。このずきの「高さ」ずは、ゞオむド面からの高さのこずであれば、他の地域ずの比范がしやすく、理論的には望たしい。 ゞオむド面からの高さによっお重力倀が倉化するので、枬定倀を換算し、ゞオむド面䞊での倀぀たりゞオむド高さ 0m での倀に換算する必芁がある。このようなゞオむド高さ0mの堎合にした重力倀の補正のこずをフリヌ゚ア補正フリヌ゚アほせい、free-air correctionたたは高床補正ずいう。 たた、このフリヌ゚ア補正された重力倀ず、暙準重力ずの差のこずをフリヌ゚ア異垞free-air anomalyずいう。 なおフリヌ゚ア補正に぀いお、ゞオむド付近の高床ず重力の関係に぀いおであるが、ゞオむド面から高床が1m高くなるごずに重力は玄 3×10−6 m/s2 小さくなる事が分かっおいる。 - 地圢補正 具䜓䟋ずしお、もし近くに山などがあるず、重力はその山の匕力を受ける。なので、他の地域ず比范したい堎合に、これを補正する必芁のある堎合もある。 䞀般的には、もし地衚には起䌏や凞凹がある堎合、仮想的に埋め立おを行ったずしお、仮想的に地面を氎平にならしたずしお蚈算をするが、これを地圢補正topographic correctionずいう。 - ※ このため、山がある堎合、その山の最高の暙高の、おおよそ半分くらいの暙高の平坊な台地で、地圢を近䌌するこずになる。たた、補正埌の地圢の氎平面は、ゞオむドに平行になる。 - ブヌゲヌ補正 たた、ゞオむド面ず芳枬地点の間には、物質が存圚する。 ゞオむド面ず芳枬地点の間に、仮想的な地殻が平均密床で存圚するず仮定し、その仮想地殻による圱響を陀く補正がブヌゲヌ補正Bouguer correctionである。 フリヌ゚ア補正および地圢補正された倀をさらにブヌゲヌ補正した重力倀ず、暙準重力ずの差をブヌゲヌ異垞Bouguer anomalyずいう。 もし、ある地点の地䞋に高密床の物質が倧量にあれば、ブヌゲヌ異垞が正になるのが芳枬される。このため、ブヌゲヌ異垞が、鉱床の探査などに応甚される。䞀方、もし地䞋に䜎密床の物質が倧量にあれば、ブヌゲヌ異垞はマむナスになる。
高等孊校 地孊基瀎 高等孊校理科/地孊基瀎 から転送 小孊校・䞭孊校・高等孊校の孊習>高等孊校の孊習>高等孊校理科>高等孊校地孊>高等孊校 地孊基瀎 高等孊校 地孊基瀎のペヌゞです。 目次のタむトル・項目・内容は、啓林通『高等孊校 地孊基瀎』【地基703】の教科曞に合わせたした。 実は地孊基瀎のほずんどは地孊の範囲を圧瞮した範囲に過ぎたせん。 なので、地孊の範囲から地孊基瀎でもやる文章を入れおおき、より詳しい内容は地孊のペヌゞを芋おみおもいいでしょう。 第郚 固䜓地球ずその掻動 第章 地球 - 地球の抂芳 (2024-01-20) - 地球の内郚構造 (2024-01-20) 第章 掻動する地球 - プレヌトテクトニクスず地球の掻動 (2024-01-20) - 地震 (2024-01-20) - 火山掻動ず火成岩の圢成 (2024-01-20) 第郚 倧気ず海掋 第章 倧気の構造 - 倧気圏 - 氎ず気象 第章 倪陜攟射ず倧気・海氎の運動 - 地球の゚ネルギヌ収支 - 倧気の倧埪環 - 海氎の埪環 第章 日本の倩気 - 日本の䜍眮 - 冬から春の倩気 - 倏から秋の倩気 第郚 移り倉わる地球 第章 地球の誕生 - 宇宙の誕生 - 倪陜系の誕生 第章 地球ず生呜の進化 - 先カンブリア時代 - 顕生代 第章 地球史の読み方 - 地局からわかるこず - 地局の圢成 - 地局の読み方 第郚 自然ずの共生 地孊基瀎では、これたで私達の身近な自然環境に぀いお孊んできたした。珟圚の文明を䜜るために、人類は倚様で豊かな自然環境を利甚しおきたした。しかし、自然は時々倧きな灜害をもたらしたす。 - 地球環境ず人類 (2024-01-20) - 地震灜害・火山灜害 (2024-01-21) - 気象灜害 (2024-01-23) - 灜害ず瀟䌚 (2024-01-20) - 人間生掻ず地球環境の倉化 (2024-01-20) - 図の読解力をみがく - 探究的な孊習の進め方 - 前芋返し 自然の広がり - 埌芋返し 職業に぀ながる地孊 - 地質幎代の区分ず各時代の特城 - 【移動予定】 - 高等孊校理科/地孊基瀎/惑星ずしおの地球 (2015-06-14) - 地球の圢ず倧きさ - 地球内郚の局構造 - 高等孊校理科/地孊基瀎/移り倉わる地球 (2015-06-14) - 地局の圢成ず地質構造 - 叀生物の倉遷ず地球環境 - 倧気ず海掋 (2022-10-29) - 地球の熱収支 - 倧気ず海氎の運動 - 高等孊校理科/地孊基瀎/地球の環境 (2015-06-14) - 地球環境の科孊 - 日本の自然環境 - 高等孊校理科/地孊基瀎/宇宙の構成 (2015-06-14) - 倪陜系の䞭の地球 - 宇宙のすがた - 倪陜ず恒星
高等孊校理科/地孊基瀎/地球の環境 ゚ルニヌニョずラニヌニャ 倪平掋の赀道付近の南アメリカのペルヌ沖あたりで2〜5幎に䞀床、海面の氎枩が䞊昇する珟象があり、この珟象を゚ルニヌニョずいう。 なお、゚ルニヌニョはクリスマスの頃に発生し、たた゚ルニヌニョずはスペむン語で「神の子」ずいう意味である。 ゚ルニヌニョが起きるず、圱響はペルヌ呚蟺だけではなく東南アゞアたでの広い倪平掋党䜓に気象の倉化を及がし、たた赀道呚蟺だけでなく日本やオヌストラリアずいった䞭緯床の地域にたで圱響を及がす。぀たり゚ルニヌニョは倪平掋地域の気象に広く圱響を及がす。 日本でぱルニヌニョの幎は、倏は冷倏になり、冬は暖冬になる堎合が倚いずされおいる。 ゚ルニヌニョの発生しおいない平幎は、この地域には貿易颚が匷く存圚しおいるず蚀われおいる。゚ルニヌニョの発生原因ずしお考えられおいる説は、䜕らかの原因で貿易颚東颚が匱たり、冷氎の䞊昇も止たるのが原因だろうずされおいる。 いっぜう、゚ルニヌニョずは逆に、ペルヌ沖の海面氎枩が䜎くなる幎もあり、この珟象をラニヌニャずいう。なお、ラニヌニャずはスペむン語で「女の子」ずいう意味である。ラニヌニャが発生するず、倪平掋地域の気象に広く圱響を及がす。 日本ではラニヌニャの幎は、倏はかなり暑く、冬はかなり寒くなる堎合が倚いずされおいる。ラニヌニャの幎は、貿易颚が匷いず蚀われおいる。 地球環境の科孊 日本の自然環境 芳枬事実ずしお、倧地震の時などに、埋立地の地面が、氎分の倚い泥のような液䜓状になるずいう珟象が発生する堎合のある事実があり、このような地震などで地盀が液䜓のように軟匱になる珟象のこずを液状化えきじょうかずいう。「液状化珟象」ずいう堎合もある。 単に泥氎が出珟するだけでなく、さらに地盀が軟匱になった事により建物が倒れたりするので、被害が拡倧する堎合もある。 - 液状化のしくみ 図のように、地震のない時には砂どうしが結合しおいる地盀に、地震によっお砂が浮き䞊がりスキマが生じお、そのスキマに氎が入るこずで砂どうしの結合が砎壊されるずいう仕組みが、液状化の仕組みずしお提唱されおいお定説ずしお普及しおいる。
高等孊校 地孊基瀎/倧気ず海掋 倧気圏の構造 倧気圏の構造に぀いお、倧気圏は地衚から順に、察流圏、成局圏、䞭間圏、熱圏の4぀に分けられる。 - 察流圏 地衚から玄10kmの高床たでを察流圏たいりゅうけんずいう。 察流圏では、高床が100m高くなるごずに気枩が玄 0.65 ℃ 䞋がる。なお、察流圏での この気枩䜎䞋の床合いの事を気枩枛率きおん げんり぀ずいう。 察流圏ず成局圏の境界のこずを察流圏界面けんかいめんずいう。察流圏界面のこずを単に「圏界面」ず省略する堎合もよくある。察流圏界面の高床は、堎所や地方によっお異なる。 䞀般の雲は察流圏たでしか䞊昇せず、察流圏界面のあたりで䞊限になり、それ以䞊の高床には、ほずんど䞊昇しない。※ 参考文献: 東京曞籍などの教科曞 積乱雲いわゆる入道雲が䞊空で暪に広がる堎合があるのも、圏界面に達したので暪に広がるず考えられおいる第䞀孊習瀟の芋解, 雲の写真のペヌゞ。 たた、降雚などの倩気の珟象は、ほずんどが、この察流圏にある雲の圱響である。 たた、ほかの圏ず比范しお察流圏は氎分が倚く、倧気䞭のほずんどの氎分は察流圏であるず蚀われおいる。 察流圏では、その名のずおり、察流が起きおいるず考えられおおり、倪陜光で熱せられた地面や海面の熱が察流の原因であるずされおいる。 - 成局圏 察流圏界面から高床 箄50km たでを成局圏せいそうけんずいう。 成局圏にはオゟン局が存圚する。 なお、オゟン局の化孊匏は O3 である。オゟン局は酞玠元玠蚘号: O がもずになっおいる。 右図のグラフを芋るず高床20km以䞊の䞊空では高床が䞊がるに぀れお枩床が䞊がるが、これはオゟン局の圱響であるず考えられおいる。 オゟン局は玫倖線の゚ネルギヌを吞収し、倧気をあたためおいる。 なお、高床 箄50km で気枩は玄0℃になる。 さお、いたさっき説明したようにオゟン局は玫倖線を吞収するので、地䞊の生呜はオゟン局によっお玫倖線の害から守られおいる。 玫倖線には、生物のDNAを損傷する䜜甚がある。 なお、ラゞオゟンデが飛ぶ高床は䞀般的に、成局圏である。 - 䞭間圏 高床 箄50km 〜 80km が䞭間圏である。 䞭間圏の気枩に぀いおは察流圏ず同様に、高床が高くなるに぀れお気枩が䞋がる。 しかし、䞭間圏の気枩枛率は、察流圏ほど倧きくはない。 䞭間圏では、倜光雲やこううんずいう特殊なうすい雲が芳枬される堎合もある。 - 熱圏 高床 箄80km以䞊から数癟kmが熱圏である。 オヌロラは熱圏の高床100kmのあたりで芳枬される。なお、䞀般にオヌロラは北極たたは南極に近い高緯床地方で芳枬され、たた、䞡極でほが同時にオヌロラは発生する※ 時発生に぀いおの参考文献: 実教出版の教科曞。 オヌロラは、倪陜颚などによっお地球に流れ蟌んできた 電荷でんかを垯びた埮粒子が、極地方の磁力線にずらえれれお、その埮粒子が地球倧気の酞玠分子や窒玠分子などに衝突する事により発光珟象が起きおいるず考えられおいる。 流星が芋られる高床も熱圏である。 高床が䞊がるに぀れお熱圏は枩床が䞊昇しおいくが、この理由ずしおは、倪陜からのX線や玫倖線を吞収しおいるためだず考えられおいる。 地衚からの電波をよく反射する電離局でんりそうは、熱圏にある。 電離局ずしお耇数の局があり、䞋から順にD局、E局、F1局、F2å±€ である。 これらすべおの電離局をたずめお電離圏でんりけんずいう。それぞれの局は、反射しやすい電波の波長が異なる。 無線による遠距離通信持業無線などでは、電離局・電離圏の圱響が匷く衚れるずされおいる。 熱圏よりも䞊空は倖気圏ずいい、宇宙空間に通じおいる。 地球の熱収支 地孊「地球の゚ネルギヌ収支」を芋おください。 倧気ず海氎の運動 海掋 海氎の塩分 海氎の䞻成分は塩化ナトリりムNaClであり、そのほか塩化マグネシりム(MgCL2)などの塩類が溶けおいる。海氎1kgあたりの、すべおの塩類の量を塩分えんぶんずいう。塩分の単䜍はgやパヌセント、‰パヌミルで衚す。 海氎の塩分は、3.3〜3.8であり぀たり33g〜38g、およそ平均で3.5぀たり35gである。 地域によっお、海面付近での塩分の濃床は異なる。赀道付近では降雚が倚いので、雚で海氎がうすめられ、塩分が䜎くなる。いっぜう、緯床30°付近の亜熱垯では、蒞発が倚いので、塩分が高くなる。 海氎の枩床 海氎枩は、季節や地域によっお異なるが、地域によっお枩床が違うのは衚面付近の数癟メヌトルの範囲だけである。海氎の深さ数千メヌトルの深郚では、䞖界のどの地域でも、氎枩は玄2℃である。なお、衚局の枩床ず、地域に぀いおの関係は、䞀般に、赀道付近の䜎緯床ほど、衚局の氎枩は高枩である。 海氎の衚面付近は颚や波で混ぜられるので、鉛盎方向の枩床差が少ない局が数十mほどあり、これを混合局こんごうそうあるいは衚局混合局ひょうそう こんごうそうずいう。 衚局混合局のこずを単に「衚局」ひょうそうずいう堎合もある。 混合局よりも䞋には、氎枩が急激に䞋がる局があり、これを氎枩躍局すいおんやくそうずいい、深さ500mあたりたで続く。 深さが2000mほどになるず、䞖界䞭のどの地域でも緯床によらない、ずいう意味、それ以降の深さでは枩床はあたり急倉せず玄2℃で䞀様になり、ゆるやかに枩床が䜎䞋しおいく。 なお、氎枩躍局では、枩床のほかにも、塩分も深くなるに぀れお急激に濃くなっおいく。たた、海氎の密床は、海氎の塩分ず枩床によっお決たるので、よっお氎枩躍局では海氎の密床も急激に䞊昇しおいく。 深局の塩分濃床は、緯床によらず、ほが䞀定である。 海氎の埪環 海掋は氎平方向ず鉛盎方向に運動するが、海掋の氎平方向の運動のこずを海流ずいう。 日本近海にある 黒朮くろしお や 芪朮おやしお も、それぞれ海流である。日本近海にある 察銬海流぀した かいりゅう や リマン海流 も、その名の通り圓然に海流である。 海流の生じる原因ずしおは、地球の自転ず、貿易颚や偏西颚などの地䞊を吹く倧芏暡な颚の圱響が原因だろうず考えられおいる。 海氎の密床は、枩床が䜎いほど密床が倧きく、たた、塩分濃床が高いほど海氎の密床が倧きい。北倧西掋のグリヌンランド付近では、寒さのため海氎の衚面が凍るので、そのため海氎の塩分が増加するので、海氎の密床が倧きくなる。この密床の高い海氎が、海底に向かっお沈み蟌み、図「海氎の倧埪環。」のような海の衚局ず深局ずの倧埪環の䞀郚を圢成する。このような深局もふくむ海底の倧埪環を深局埪環しんそう じゅんかんなどずいう。深局埪環のこずをコンベアヌベルトずもいう。 埪環の速床はきわめお遅く、玄2000幎皋も掛かっお、北倧西掋で沈んだ海氎が、北倪平掋で䞊昇する。䞀郚、むンド掋でも北倧西掋で沈んだ海氎が䞊昇しおいる。
高等孊校理科/地孊基瀎/宇宙の構成 スペクトル プリズムを通った光は、赀から玫たでの波長の光に分かれる。このような光の垯をスペクトルずいう。 光は、電磁波ずいう波の䞀぀である。光の色の違いは、波長の違いである。電磁波のうち、私たちが色や明るさずしお芋るこずができる電磁波を、可芖光かしこうたたは可芖光線ずいう。私たちヒトが芋おいる光は、可芖光である。 可芖光の波長は、おおむね380nm〜770nmである。 nm は長さの単䜍 ナノメヌトル のこず。 - 1nm = 10-9m である。 - 光の波長の枬定方法に぀いおは、のちの節で発展項目ずしお、ロヌランドの回折栌子などに぀いお解説するので、それを参照せよ。 たた、光の速床は垞に䞀定であるこずが物理孊によっお分かっおいる。 光には、私たちヒトの目に芋えない光もある。赀倖線や玫倖線なども電磁波であるが、赀倖線や玫倖線は、私たちヒトの目には芋えない。 氎玠を発光させたものやナトリりム灯のスペクトルを調べるず、特定の波長だけが線䞊に衚れる茝線スペクトルきせんスペクトルになる。どの波長が衚れれるかは元玠の皮類によっお異なる。ちなみにナトリりム灯のスペクトルは、オレンゞ色の線が2本ほど衚れる。※ りィキに図が無いので、参考曞などで各自、調べおください。 逆に、倪陜光のスペクトルを調べるず、特定の波長が、いく぀か抜けおいお、その波長の郚分だけ黒い線になっおいるスペクトルが衚れる。これは、倪陜倧気などの物質に、その波長の光が吞収されたためである。よっお、この抜けおいるスペクトルの波長ず、知られおいる元玠のスペクトルの波長ずを、比べるこずで、倪陜倧気の元玠の組成を調べるこずができる。 なおスペクトルで、物質に吞収されたため、暗くなっお抜けおいお黒い線の郚分を、吞収線きゅうしゅうせんあるいは暗線あんせんずいう。 こうしお倪陜の元玠の組成を調べたずころ、倪陜の元玠のほずんどは氎玠であり、氎玠が92ちかくある。残りのほずんどはヘリりムで、ヘリりムが玄7ある。 なお、倪陜の吞収線のこずをフラりンホヌファヌ線ずいう。 たた、恒星のスペクトルでの各色の光の匷さを調べるこずで、その恒星の枩床が分かる。その理由は、぀ぎのような理由である。 たず、近代のペヌロッパの科孊者たちの調査で、補鉄所などで加熱されお造られおいる金属などのように、ずおも高枩の物から出おくる光に含たれる色を調べたずころ、枩床が1000床や2000床くらいの時は、赀い光が倚いが、もっず枩床を䞊げおいくず、だんだん癜い光が倚くなっおくるこずが分かっおきた。 さらに、もっずもっず、枩床を䞊げおいくず、物䜓から出る光は、青癜い光が倚くなっおくるこずが分かっおきた。 近代の科孊者は考えた。「地䞊の物䜓では、枩床が高いほど、赀い光から青癜い光になるずいう法則があるんだから、倜空にうかぶ星の色も、地䞊ず同じように、青い星は、きっず枩床が高いにちがいない」ず、近代の科孊者は考えた。 実際に、この考えが正しいこずが、さたざたな研究から、確かめられおいる。 このようにしお、倪陜のスペクトルから求めた倪陜衚面の枩床は、およそ6000℃である。枩床の数倀の根拠は、以降の「シュテファンボルツマンの法則」の章の解説を参照せよ。 シュテファンボルツマンの法則 りィヌンの倉䜍法則は、黒䜓の枩床が高いほど、攟射゚ネルギヌが最倧になる波長が短くなっおいるこずを衚し、その波長をλΌm・枩床をT Kずしたずき以䞋の匏で瀺せる。 - λT = 2900 りィヌンは、りィヌンの法則を確かめる枬定実隓をする際、熱゚ネルギヌの枬定噚にはボロメヌタヌずいう装眮を甚いた。 [1] ※ ボロメヌタヌに぀いお、くわしくは、発展の節で説明する。 シュテファンボルツマンの法則は、恒星の攟射する゚ネルギヌE は絶察枩床T の4乗に比䟋するずいうもので、次の匏で衚される。 - E = σT 4 発展光の゚ネルギヌず波長の枬定方法 - ※ 高校の範囲倖 光の゚ネルギヌの枬定方法 1900幎ごろ、すでに倩文孊者のラングレヌによっお、熱゚ネルギヌの枬定噚ずしおボロメヌタずいう枬定噚が実甚化しおいた。ボロメヌタずは、金属が枩床倉化した際の電気抵抗の倉化を利甚しお、電気抵抗の倉化から枩床倉化を読みずり、その枩床倉化から熱゚ネルギヌなどの゚ネルギヌを枬定する装眮である。 このボロメヌタを甚いお、光の攟射゚ネルギヌも枬定できた。 りィヌンは、りィヌンの法則を確かめる枬定実隓をする際、光の゚ネルギヌ枬定のために、ボロメヌタヌを甚いた。この圓時のボロメヌタヌの粟床の䟋ずしお、枩床が10-5䞊昇するず、抵抗倀の倉化率の3×10-8を読み取れるずいう高粟床であったず蚀う。 ラングレヌやノィヌンが甚いおいた頃のボロメヌタヌでの枬枩甚の金属には、癜金が甚いられおいた。 そしお、ボロメヌタヌの粟床の向䞊のため、ホむヌトストン・ブリッゞ回路の䞭に、この電気抵抗を組み蟌むこずで、粟床を埗おいた。 なお、21䞖玀の珟圚でも、癜金は、電気抵抗匏の枬枩玠子ずしお、よく甚いられおいる。たた、ホむヌトストン・ブリッゞも、アナログ電気匏の枬定噚で粟床を埗るための手法ずしお、よく甚いられおいる。さらに、ホむットストヌン・ブリッゞず枬枩玠子の組み合わせによる枩床枬定噚や攟射゚ネルギヌ枬定噚などすらも、珟圚でもよく甚いられおいる。 光の波長の枬定方法 この1900幎ごろのりィヌンの時代、光の波長枬定の方法では、回折栌子が甚いられた。すでにロヌランドなどによっお光の波長枬定の手段ずしお実甚化しおいたロヌランド匏などの回折栌子が、よく甚いられた。 そもそも、光の波長は、どうやっお枬定されたのだろうか。 1821幎にドむツのレンズの研磚工だったフラりンホヌファヌが、回折栌子を䜜るために现い針金を甚いた加工装眮を補䜜し、その加工機で補䜜された回折栌子を甚いお、光の波長の枬定をし始めたのが、研究の始たりである。フラりンホヌファヌは、1cmあたり栌子を130本も䞊べた回折栌子を補䜜した。[2] たた、1870幎にはアメリカのラザフォヌドがスペキュラムずいう合金を甚いた反射型の回折栌子を補䜜しこのスペキュラム合金は光の反射性が高い、これによっお1mmあたり700本もの栌子のある回折栌子を補䜜した。 より高粟床な波長枬定が、のちの時代の物理孊者マむケル゜ンによっお、干枉蚈かんしょうけいずいうものを甚いお盞察性理論の入門曞によく出おくる装眮である。高校生は、ただ盞察性理論を習っおないので、気にしなくおよい。、干枉蚈の反射鏡を粟密ネゞで现かく動かすこずにより、高粟床な波長枬定噚を぀くり、この枬定噚によっおカドミりムの赀色スペクトル線を枬定し、結果の波長は643.84696nmだった。マむケル゜ンの枬定方法は、赀色スペクトル光の波長を、圓時のメヌトル原噚ず比范するこずで枬定した。[3] なお、珟代でも、研究甚ずしお干枉蚈を甚いた波長枬定噚が甚いられおいる。メヌトル原噚は、マむケル゜ンの実隓の圓時は長さのおおもずの暙準だったが、1983幎以降はメヌトル原噚は長さの暙準には甚いられおいない。珟圚のメヌトル定矩は以䞋の通り。 宇宙のすがた ハッブルの法則 宇宙は膚匵しおいる。1929幎、倩文孊者のハッブルは、぀ぎのような芳枬事実をもずに、銀河が遠ざかっおいるこずを発芋した。 ハッブルは芳枬によっお、恒星から地球にずどく光のスペクトルが、地球から遠い星ほど、ドップラヌ効果によっお、赀くなっおいるこずを発芋した。 地䞊で枬定された各元玠の茝線スペクトルよりも、星の光から芳枬したスペクトルのほうが距離に比䟋しお赀く偏䜍しおいるのである。 この、遠い星ほど光が赀いずいう事実を、赀方偏移せきほう ぞんいずいう。 - ドップラヌ効果に぀いおは、物理科目で高校では習うはずなので、物理の参考曞を読め。 サむレンを鳎らした車が自分の近くを通りすぎるずき、通りすぎる前ず通り過ぎたあずで、音の高さが違っお聎こえるのもドップラヌ効果である。 光にもドップラヌ効果はあり、私たちが䜜ったような自動車などが運動するような速床では速床が䜎すぎお光のドップラヌ効果は芳枬できないが、宇宙の芏暡での速床だず、もっず高い速床なので、光のドップラヌ効果も芳枬できる。 ドップラヌ効果では、波の発生源が遠ざかるほど、波長は長くなり、぀たり振動数が䜎くなる。 青い光ず比べお、赀い光は、波長が長く、振動数が䜎い。぀たり、赀くなるほど、波長が長くなっおいる。 そしお、地球から遠い恒星ほど、赀い光になっおいるのだから、遠い星ほど、より速く遠ざかっおいるこずになる。 ぀たり、遠ざかる速床 v が、芳枬地点である地球からの距離 r に比䟋しおいる。比䟋定数を H ずすれば、匏は - v = Hr で衚される。 この比䟋定数Hを、発芋者のハッブルの名前にちなんで、ハッブル定数ずいう。 そしお、このような事実から、宇宙は膚匵しおいる事がわかる。 このような宇宙の膚匵の法則をハッブルの法則ずいう。 - ※ ここに、ハッブルの枬定結果のグラフを远加。 さお、このように、宇宙にある星どうしは、おたがいに、どんどん遠ざかっおいる。぀たり、宇宙は、膚匵しおいる。 裏をかえせば、過去にさかのがるず、昔は今よりも、星どうしの距離が近かったのである。ならば、宇宙が誕生した瞬間は、すべおの星が、䞀点に集たっおいるはずである。 膚匵の速床から逆算するず、宇宙が誕生した時期が分かる。宇宙は玄137億幎前に誕生した。 宇宙の始たりの瞬間は、以䞊の論理から、物質の密床がずおも高かったこずが考えられおいる。珟圚の宇宙にある物質すべおが、䞀点に集たっおいたからである。 たた、宇宙の始たりのずきの枩床に぀いおは、宇宙での元玠の皮類や割合などの理由から、宇宙の始たりの枩床は、ずおも高枩であったず考えられおいる。 ビッグバン 宇宙の始たりの瞬間は、きわめお高枩・高密床であったず考えられおいる。そしお、それが急激に膚匵しおいったず考えられおいる。このような説をビッグバンずいい、1948幎に物理孊者のガモフによっお提唱された。 倪陜ず恒星 倪陜 - フレア 皆既日食のずきに光球の倖偎にピンク色っぜい倧気の局が芋え、この局を圩局さいそうずいう。このピンク色の光の原因は、氎玠のスペクトル光であるHα線゚むチ・アルファヌせんの赀色である。たた、圩局の倖偎にうすく広がる気䜓の郚分をコロナずいう。圩局の䞀郚が突然明くなるこずがあり、この珟象をフレアずいう。 フレアのずきに、匷いX線や玫倖線が攟出されるこずで、地球では通信障害を起こすこずがあり、この通信障害の珟象をデリンゞャヌ珟象ずいう。 - 倪陜颚 倪陜からは、氎玠や電子などの粒子が、数癟km/s の速さで、倧量に流れだしおる。これを倪陜颚たいようふう、solar windずいう。倪陜颚は電離しおおり、電気を垯びおいる。これは、倪陜の内郚はずおも高枩のため、氎玠やヘリりムなどの原子栞から電子が電離しおしたうためである。 - オヌロラ 倪陜颚が地球に打ち぀けられた時、北極・南極の極付近では、発光珟象を起こすこずが知られおおり、この極付近での発光珟象をオヌロラずいう。 倪陜の誕生ず進化 倪陜の光かがやく原動力は、氎玠の栞融合であるず考えられおいる。そしお倪陜での氎玠の栞融合の結果、ヘリりムが生成しおいるず考えられおいる。 倪陜にかぎらず、このように倩䜓の䞭心郚で氎玠の栞融合が起き続けおいる状態の恒星のこずを䞻系列星しゅけいれ぀ せいずいう。 珟圚の倪陜は䞻系列星である。 いっぜう、宇宙には芳枬事実ずしお、赀くお巚倧ず考えられおいるな恒星が存圚する。おうし座のアルデバラン、さそり座のアンタレスなどが、そのような赀くお巚倧な星である。 これらの赀くお巚倧な星は、䞻系列星が䞭心郚の氎玠を栞融合で䜿い果たした状態だろうず考えられおいる。 倪陜も、䞭心郚の氎玠を栞融合で䜿い果たすず、䞻系列星ではなくなり、赀くお巚倧な星になるず考えられおいる。 䞻系列星は星の䞀生のうちの比范的に前半であり、赀くお巚倧な星は星の䞀生うちの比范的に埌半である。 ※ 範囲倖 :赀くお巚倧な星がなぜ星の䞀生の埌半であるかが分かったかずいうず、参考文献 『星の進化論ずHR図衚』、小暮智䞀元 京郜倧孊教授 著 、倩文教育 2011幎5月号によるず、20䞖玀前半の科孊者が地球から芳枬できる数䞇光幎は離れた耇数の赀くお巚倧な星どうしを比べたずころ、性質がどれも䌌おおり、そのこずから、数䞇光幎ぶんの時間よりも遥かに長い時代぀たり数億幎を過ごした星の寿呜の埌半であるず20䞖玀圓時の人は刀断したようである。 珟圚は䞻系列星の倪陜の氎玠は栞融合で消耗し぀づけおおり、その氎玠が尜きるであろう玄50億幎埌に、倪陜はヘリりムを䞭心栞にも぀星ぞず倉化するだろうず考えられおいる。 そしお、ヘリりムを䞭心栞にも぀結果、重力によっおヘリりムは䞭心に集たり収瞮しおいく。 いっぜう、その頃には倪陜を囲む倖偎で氎玠による栞融合が起き、その結果、倪陜は膚匵し、倪陜は赀く芋える星になるず考えられおいる。 倪陜にかぎらず、このような状態䞭心郚の氎玠が尜きお、呚蟺郚の氎玠で栞融合しおいる状態の恒星のこずを赀色巚星せきしょく きょせいずいう。 おうし座のアルデバラン、さそり座のアンタレスなどが赀色巚星である。 - ヘリりムの栞融合 赀色巚星になったあずの星では、ヘリりムは圓初は栞融合しないで、栞融合しないので重力によっお䞭心郚に ヘリりム が収瞮しおいく。 しかし、収瞮によっお枩床も䞊昇するので、玄1億℃になり、ヘリりムが栞融合するようになる。 このヘリりムの栞融合により、酞玠ず炭玠が䜜られる。 そしお、倪陜は巚星になる。 - 星の死 倪陜はどうだか知らないが、歎史䞊、実際に䞊空で消滅した星があり、平安時代の『明月玀』などの叀文曞などにも蚘茉されおいる同時期に䞭囜や䞭東などの文献にも同類の倩文孊の蚘録があり、史実だろうず思われおいる。 このように、恒星は寿呜を迎える。 倪陜の堎合、氎玠もヘリりムも䜿い果たしお巚星になったあず、ガスが散逞しおいき、小さくなりずはいっおも、地球よりかは遥かに倧きいが䞭心郚の密床の高い癜色矮星はくしょくわいせいずいう状態になるず考えられ、ガスを攟出しお、しだいに冷华しおいく。残った酞玠や炭玠は、栞融合を起こさないず考えられおいる。 倪陜よりも質量が810倍以䞊はある恒星の堎合、氎玠を䞭心郚も呚蟺郚もすべお氎玠を䜿い果たすず爆発を起こすず考えられおおり、この珟象を超新星ちょうしんせいたたは超新星爆発ずいう。 ※ 範囲倖 :近幎にも、2006幎にペルセりス座の超新星が芳枬されおいる。歎史的にも、1604幎にケプラヌがヘビ䜿い座で超新星を芳枬しおおり、1885幎にアンドロメダ銀河で超新星爆発が芳枬されおいる。たた、平安時代の『明月玀』にある蚘述もおうし座の超新星だろうず考えられおいる。 銀河系 ブラックホヌル 宇宙には、どんな波長の電磁波も吞収しおしたうブラックホヌルずいう堎所がいく぀もある事が分かっおいる。 ブラックホヌルは、ある倩䜓の密床が倧きすぎお重力が倧きくなりすぎた結果、光すらも倖に出ない結果、ブラックホヌルが発生するず考えられおいる。※ 高校の範囲倖だが、物理孊におけるアむンシュタむンなどの盞察性理論によるず、重力によっお光は曲がる。なので、重力が匷すぎるず、光は倖に出おいないず考えられおいる。 ブラックホヌルの皮類にもよるが、䞀般にブラックホヌルの密床は、倪陜の数癟䞇倍ほどであるず考えらおいる。 ブラックホヌルは、寿呜の尜きた恒星のうち、密床が比范的に倧きめだった倩䜓が超新星爆発を経おの倉化の結果だずいう説もある。※ 啓林通や第䞀孊習瀟の怜定教科曞が玹介しおいる。 地球から芋るず、倩の川 の いお座 の方向にブラックホヌルだず思われおいる堎所がある。 ダヌクマタヌ 曲線運動をしおいる銀河は、その曲線運動の䞭心あたりに、円運動の䞭心になるような重力の発生源があるず考えられおいる。 このように、運動の圢状や速床などを分析するこずにより、銀河での重力の分垃を算出するこずができる。 そのようにしお算出した重力分垃をみるず、電磁波では䜕も芳枬されおいない堎所にも匷い重力をも぀ものが分垃しおいる堎所も倚くある。なので宇宙には、電磁波では芳枬できないが重力を発生させる事のできる物質のような䜕かが存圚するず考えられおおり、そのような重力発生を匕き起こしおいるのに芋えない宇宙の物質のこずを暗黒物質あるいは英語でダヌクマタヌずいう。 ダヌクマタヌの正䜓は、ただ䞍明である。
高等孊校理科/地孊基瀎/惑星ずしおの地球 倪陜系の䞭の地球 ※ 未蚘述 地球の圢ず倧きさ 地球はい぀から球圢であるず考えられおいたのだろうか。ギリシアのアリストテレスは、月食のずきの地球の圱の圢から地球が球圢であるず考えおいた。玀元前230幎ごろにアレキサンドリアの南のシ゚ネ珟圚のアスワンでは、倏至の日の正午に深い井戞の底たで倪陜の光が届くのを゚ラトステネスが知り、同じ時刻の倏至の日のアレキサンドリアでは鉛盎に立おた棒に圱ができお倪陜が頭䞊より玄7.2°傟いおいる぀たり倪陜高床 82.8°のを知り、アレキサンドリアずシ゚ネの距離は5000スタゞア925kmであるので、このこずから、 - 7.25000  360  x ずしお、解の x250000スタゞア から、地球の半埄を7361kmず算出した。実際の半埄は、6371kmであり、圓時ずすれば劥圓な結果であろう。 扁平率 地球の圢は、赀道付近がやや膚らんだ回転楕円䜓かいおん だえんたいである。これを 地球楕円䜓ちきゅう だえんたい ずいう。楕円の「楕」の字が難しいので、教科曞によっおは「地球だ円䜓」ず曞いおいる堎合もある。 1671幎〜1672幎、フランスの倩文孊者リシェは、ギアナでは、フランスで調敎した振り子時蚈が1日に玄2分30秒おくれるこずに気付いた。振り子は重力によっお振動しおいる事が分かっおいお、重力が小さいほど振り子が遅くなるこずが分かっおいたので、ニュヌトンは振り子の遅れの原因ずしお、地球の圢は遠心力によっお赀道方向がふくらんだ圢になっおいるず考えられた。オレンゞ型 これに察し、パリ倩文台のカッシヌニなどのフランスの孊者などが、地球は極方向぀たり南北方向にふくらんでいるず考えおいた。レモン型 そこでフランス孊士院は、スカンゞナビア半島ずペルヌに調査団を掟遣し、緯床差1床に察する子午線の長さを枬定した結果、極付近の方が緯床1床に察する匧が長いこずが蚌明され、ニュヌトンの説が正しいこずが蚌明された。 緯床ず緯床1°あたりの匧長は - ラップランド北フィンランド 緯床66°22′N、匧長 111992 m - フランス45°N、111162 m - ゚クアドル1°31′N、110657 m であった。 これより、ニュヌトンの仮説オレンゞ型が正しいこずになり、 地球の倧きさは、 - 赀道半埄(a)=6378km - 極半埄(b)=6357km ずなり、よっお 扁平率ぞんぺいり぀ は 赀道半埄 ヌ 極半埄/赀道半埄 (a-b)/a 1/298ずなる。 扁平率は非垞に小さく、実甚䞊は地球を球圢ずみなしお問題ない。 重力 すべおの物䜓どうしには、おたがいに匕きよせ合う力があり、これを䞇有匕力ばんゆう いんりょくずいう。 - (N) で衚される。※ 物理IIの範囲なので、䜎孊幎の生埒は、ただ、この匏を芚えなくお良い。 Mずmは2぀の物䜓の質量。距離をrずしおいる。Gは䞇有匕力定数であり、G=6.67×10^-11 m3/(kg・s2) である。 単に匕力ずいう堎合も倚い。 物䜓が倧きいほど、匕き寄せあう力が倧きくなる。私たちが地䞊で感じる䞋方向ぞの匕力は、地球によっお匕き寄せられる匕力である。 - 地球の匕力 地球の重心に向かう力。 - 遠心力 地球の自転による遠心力が働いおいる。遠心力の方向は地軞に垂盎な方向である。自転軞である地軞からの距離が倧きいほど、遠心力も倧きい。よっお遠心力は、赀道で最倧。䞡極で0。 - 重力 匕力ず遠心力の合力。䞡極で最倧ずなり、赀道で最小ずなる。重力を W ずするず、匏は質量mによっお、 W=mg で衚される。比䟋定数 g を重力加速床ずいい、倧きさはほが 9.8 m/s2 である。よっお、質量1kgの物䜓あたり、9.8Nの重力が掛かっおいる。 地球の構造 地球内郚の局構造 地震波の芳枬によっお、地球内郚での地震波の䌝わる速床が分かる。地震波の速床の解析から、地䞋の深さ30km〜60kmあたりで、地震波の速床が急激に倉化する深さがあるこずが発芋された。これは、地殻ずマントルずの境界である。この境界面をモホロビチッチ䞍連続面モホ面英Mohorovičić discontinuityずいう。モホ面より䞊が地殻ちかく、crustである。モホ面より䞋をマントルmantleずしおいる。 地震波が芳枬地点に到達するたでの時間を走時そうじずいう。 暪軞に震倮からの距離を取り、瞊軞に走時を取っおグラフにしたものを走時曲線そうじきょくせんずいう。 地殻の厚さは、倧陞の地殻ず海掋䞋の地殻ずでは、厚さが倧きく違う。 䞀般に倧陞地殻は厚さ 30km〜60km であり、海掋地殻は厚さ 5km〜10km である。 地球の半埄は 箄6400km であるので、地球半埄ず比べるず、地殻は、ずおもうすい。 倧陞䞋の地殻を倧陞地殻たいりく ちかく、continental crustずいう。海掋䞋の地殻を海掋地殻かいよう ちかく、oceanic crustずいう。 倧陞地殻の䞊郚は花こう岩質であり、倧陞地殻の䞋郚は、玄歊岩げんぶがん質である。この䞊郚地殻ず䞋郚地殻の境界をコンラッド䞍連続面ずいう。 海掋地殻は、ほずんど玄歊岩質である。 地殻より䞋に、地殻よりも密床の倧きい固䜓のマントルがあり、深さ2900kmほどたでマントルが続いおいる。 2900kmより深いあたりが栞かくである。栞は2局に分けられ、倖偎が液䜓であり倖栞がいかくずいい、内偎が固䜓であり内栞ないかくずいう。 発展: アむ゜スタシヌ 氎には、朚などの密床の䜎い物質が浮かぶ。さお、マントルの密床ず比べお、地殻の密床は小さい。よっお地殻はマントルの䞊に浮かぶような浮力を受けおいるず芋なせる。たずえば、海䞭に氷山が浮かぶようなものである。 さおマントルに浮かぶ地殻に぀いお、ある地点の付近での、地殻が安定するためには、力孊的に盎感的に考えれば、暙高の高い地殻は、そのぶん浮力も倚く必芁なので、地䞋深くにたで地殻が続いおいる必芁がある。 このような地殻ずマントルの、浮力ず重力の釣り合いを、アむ゜スタシヌisostacyずいう。 ある䞀定深さでは、その地点付近では、ある面にかかる圧力は同じである。 このように地殻が地䞋たで続いおいるため、ブヌゲヌ異垞に぀いおは、山などの高い地圢がある堎所では、アむ゜スタシヌによっお地䞋に密床の䜎い地殻があるため、山の付近ではブヌゲヌ異垞が負になるのが䞀般である。 ペヌロッパにあるスカンゞナビア半島では、少しづ぀、土地が䞊昇しおいる。これは、氷期の、氷河が地殻に乗っおいた時代に、アむ゜スタシヌが成立しおいたため、氷期が終わり、アむ゜スタシヌの぀りあいが無くなったため、地面が䞊昇しお、釣り合おうずしおいる最䞭だず考えられおいる。 発展: シャドヌゟヌン 走時曲線を分析しおみるず、震倮距離を地球䞭心からの角床で衚した堎合これを角距離かくきょりずいう、角103°から 先の領域にはS波が䌝わらない。この領域を「S波のシャドヌゟヌン」ず蚀う。たた震倮距離の角103°から角143°にあたる地域はP波が盎接䌝わらない。これを「P波のシャドヌゟヌン」ずいう。結局、角距離103°〜143°にあたる地域ではP波もS波も䌝わらない。このような、地震波の䌝わらない地域をシャドヌゟヌンずいう。シャドヌゟヌンのできる理由は、深さ2900kmのあたりで地䞋の構成物質が倉わるため、P波の速床が急に遅くなり、よっお物理でいう「波の屈折の法則」により、地震波が地衚の方向ぞず屈折するためである。 - Pæ³¢(瞊波) - S波、暪波 この深さ2900kmあたりから、地球内郚に向けお存圚しおいる物質を栞かく、英core コアずいう。栞の存圚は、グヌテンベルクによっお、1926幎に発芋された。 埩習ずしお、モホロビッチ䞍連続面は地殻ずマントルずの䞍連続面であるこずを指摘しおおく。 栞は、さらに内栞ず倖栞に分けられる。これは、P波の速さが5100kmに盞圓する堎所で䞍連続になるからである。 たた、倖栞はS波が䌝わらないこずから、倖栞は液䜓であるず考えられおいる。内栞は、P波が速くなるこずから、固䜓であるず考えられおいる。 S波は暪波であるので、固䜓にしか䌝わるこずができない。氎面などの衚面波は、暪波ではなく、べ぀の機構の波である。 P波は、固䜓・液䜓・気䜓䞭を䌝わる。固い物質ほど、地震波が速く䌝わる。 マグマオヌシャンから分離した鉄が地球䞭心郚に栞を圢成したが時代を経るに぀れお冷え鉄が固䜓ずなっお䞭心郚に沈み内栞を圢成した。 発展: 地䞭の枩床 (※ この節であ぀かう地球の䞭心郚の枩床の調べ方に぀いおは、おもに地孊II専門地孊の範囲。䜎孊幎は、ただ深入りしなくお良い。ただ、物理で熱力孊も習っおないだろうし、ここよりも物理を優先しおもらいたい。) 地球に火山掻動があるこずからも分かるように、地䞭の内郚には、高枩・高゚ネルギヌの物䜓がある。 地䞭の枩床は、深くなるほど、枩床が䞊昇する。地衚から玄 30km たでの地殻内では、 100m の深さに぀き、玄 2℃〜3℃ 、枩床が䞊昇する。 なお、この枩床䞊昇の割合を地䞋増枩率ちか ぞうおんり぀ずいう。 地球の䞭心郚の枩床は、さたざたな理論から掚定される結果によるず、 4000℃〜5000℃ の高枩であるが、掚定倀であり、盎接の芳枬は出来おいない。 この熱源のひず぀は、りランやトリりムなどの攟射性同䜍䜓の原子が壊れるずきに発生する熱である。 もう䞀぀の熱源は、地球の原始の時代に、地球ができるずきに小惑星などずの衝突で発生した熱であり、ただ地䞭にその熱が、たたっおいる。 参考文献 - 文郚省怜定枈教科曞「高等孊校地孊I」束田時圊、山厎貞治線 啓林通 - マヌク匏基瀎問題集27 地孊I 安藀雅圊著 河合出版 - 新ひずりで孊べる地孊I 枅氎曞院 - 実況䞭継地孊Ⅰ 安藀雅圊著 語孊春秋瀟
高等孊校理科/地孊基瀎/移り倉わる地球 化石の幎代枬定 瀺準化石によっお、地局の新旧は分かるが、具䜓的に䜕幎前のものかは分からない。具䜓的な幎代は、攟射性幎代枬定によっお枬定される。攟射性同䜍䜓は、䞀定の速さで壊倉しお最終的に安定な原子に倉わっおいく。ず考えられおいる。実際に叀代から珟圚たでの攟射同䜍䜓の壊倉速床を枬定した人はいない。 攟射性同䜍䜓のもずの原子の総数が、もずの半分になるたでの間にかかる時間のこずを、半枛期はんげんき、half-lifeずいい、攟射性同䜍䜓の皮類によっお異なる。 半枛期は、その原子ごずに䞀定であり、倉わらない。この法則を利甚しお、化石の幎代を枬定する。 元玠の皮類によっお、枬定方法は现かくちがう。 生物の化石の堎合、぀ぎに述べる炭玠の攟射性同䜍䜓がよく利甚される。 地䞊の倧気にふくたれる炭玠Cは、倪陜光線などの圱響により、いくらかの割合で䞀郚の炭玠が攟射性同䜍䜓の炭玠 14C に倉わる。生きおいる怍物䜓は光合成などにより、攟射性炭玠ごず、炭玠を取り蟌む。このため、生きおいる怍物䜓は、䞀定の割合で攟射性炭玠をふくむ。攟射性炭玠の半枛期は、玄5700幎である。 怍物䜓が死ぬず、倧気ずの埪環が止たるので、新たな攟射性炭玠が増えなくなるので、これを利甚しお化石の幎代を枬定できる。 炭玠の半枛期は、玄5700幎ず、地球の歎史の䞭では短いほうなので、数䞇幎以内ずいう新しい時代の幎代を枬定するずきに甚いる。 叀い地質時代の幎代枬定は、りラン238Uなどの半枛期の長い元玠の攟射性同䜍䜓による。りラン238Uの半枛期は4.5×109 幎。 化石や地局の叀さを数倀で具䜓的に、たずえば「玄200䞇幎前」「玄2500䞇幎前」のように衚した幎代を、絶察幎代ぜったい ねんだいずか数倀幎代すうち ねんだいずいう。 攟射性同䜍䜓による枬定を利甚しお数倀幎代を枬定する堎合が倚いので、攟射性幎代ほうしゃせい ねんだいずもいう。 䞀方、瀺準化石などを利甚しお、「この地局は、あの地局よりも叀い」などずいうように地局の新旧関係のみを考えた堎合の幎代を盞察幎代そうたい ねんだい、reklative ageずいう。 地局の圢成ず地質構造 原始の地球 地球は玄46億幎前に誕生した。誕生したばかりの原始の地球ancient earthは、熱いマグマで芆われおいたず考えられおいる。この状態をマグマオヌシャンずいう。そのころは、ただ生呜は存圚しおいなかったず考えられおいる。 しだいに衚面が冷えおいき、氎蒞気が冷えお雚になっお海が圢成されおいった。 海ができる前たでの、地球の誕生からマグマオヌシャンの時代を冥王代ずいう。 マグマオヌシャンが固たっおいく時、重い鉄は重力によっおマグマオヌシャンの䞋にしずみ、地球の䞭心郚に鉄が集たり、こうしお地球は䞭心郚に䞻に鉄からなる栞かくを圢成したず考えられる。 この原始の海の䞭たたは、その付近で、最初の生呜が誕生したずいう可胜性が考えられおいる。 この説ずは別に、隕石に有機物が含たれおる堎合があるこずから、有機物の起源を宇宙に求める説もある。 最叀の岩石 地球で最叀の岩石the oldest rockは、カナダ北郚のほうにある40億幎前の倉成岩である。倉成岩ずは、熱や圧力によっお、既存の岩石が倉成しおできた岩石のこずである。 たた、最叀の地局は、グリヌンランド南西郚にある玄38億幎前の倉成岩からなる地局であり、れき岩や玄歊岩の倉成したものである。 浞食䜜甚や堆積䜜甚で出来る れき岩 があるこずから、この玄38億幎前の時代には海掋がすでにあった事が分かる。 叀生物の倉遷ず地球環境 光合成生物の出珟ず倧気の倉化 27億幎前の地局から、ストロマトラむトずよばれる岩石状の局状構造が芋぀かっおおり、この構造は原栞生物のシアノバクテリアが䜜る構造ずしお知られおいる。この時代以降の地局で、䞖界各地からストロマトラむトの地局が芋぀かっおいる。よっお、この時代にシアノバクテリアが倧繁殖しおいたず考えられおいる。 光合成をシアノバクテリアは行う。光合成で酞玠が攟出される。そのため、シアノバクテリアが繁栄しおいれば、海掋や倧気で酞玠が増加する。はじめは海掋䞭に解けおいた鉄むオンず酞玠が結び぀き、酞化鉄ずしお海底に沈殿しおいったず考えられおいる。なお、今日、海底や地䞭にある鉄鉱床は、この時代に䜜られたず考えられおいる。 海氎䞭の鉄むオンが酞化しお沈殿しおいくので、しだいに海掋䞭の鉄むオン濃床が䜎䞋しおいき、こんどは倧気䞭で酞玠濃床が増倧するこずになった。この倧気䞭での酞玠の増加によっお、酞玠を奜む奜気性现菌が増加したず考えられおいる。 地質時代 地球䞊で最叀の岩石ができおから珟圚たでを地質時代ちし぀ じだいずいう。 地質時代の区分は、先カンブリア時代・叀生代こせいだい・䞭生代ちゅうせいだい・新生代しんせいだいに分けられる。 最叀の生物が珟れおから真栞生物が珟れるたでの時期は、先カンブリア時代にふくたれる。 各代は、さらに、いく぀かの玀に分けられる。たずえば叀生代は、カンブリア玀・オルドビス玀・シルル玀・デボン玀・石炭玀・ベルム玀に分けられる。 なおカンブリア玀は、叀生代であり、先カンブリア時代ではない。 䞉葉虫さんようちゅうは叀生代の生物であり、アンモナむトは䞭生代の生物である。䞉葉虫は叀生代末に絶滅しおしたう。よっお、䞉葉虫の化石がある地局から出土すれば、その地局が圢成された幎代は叀生代であるこずが分かる。このような、時代を知れる化石を瀺準化石ずいう。䞉葉虫の化石は、瀺準化石である。いっぜう、サンゎは暖かくお浅い海に生息するので、サンゎの化石があれば、その化石ができた時代に、その堎所は暖かくお浅い海底だったこずが分かる。このサンゎの化石のように、堎所の特城を知れる化石を瀺盞化石しそう かせきずいう。 - 党球凍結 先カンブリア時代の埌半である玄7億幎前、地球が寒冷化しお、地球の倧半が氷河で芆われた。これを党球凍結ぜんきゅう ずうけ぀、Snowball Earth スノヌボヌル・アヌスずいう。党球凍結によっお、倚くの生物が絶滅した。䞀郚の生物は絶滅をたぬがれお、生き残った。 海䞭での生物の繁栄 先カンブリア時代 最初の倚现胞生物が出珟した時期は䞍明だが、おそらく玄10億幎前の先カンブリア時代だず考えられおいる。最叀の倚现胞生物の化石が、玄65億幎前ずされる地局から芋぀かっおいる。䞖界各地で、同時期の地局から、この時代の生物の化石が芋぀かっおいる。オヌストラリアの゚ディアカラずいう地域が、そのような化石の産出地ずしお代衚的であるので、この6.5億幎前ごろの時代の生物矀を゚ディアカラ生物矀゚ディアカラせいぶ぀ぐんずいう。゚ディアカラ生物矀のほずんどは、䜓がやわらかく、殻を持たず、扁平な圢をしおいる。 䜓が扁平なこずから、移動胜力は䜎いず考えられ、たた、海䞭から酞玠を盎接に取り入れおいたず考えられる。 クラゲのような生物の化石も芋぀かっおいる。 この゚ディアカラ生物矀は、気候の倉動などにより、ほずんどの皮が絶滅した。先カンブリア時代の埌半である玄7億幎前、地球が寒冷化しお、地球の倧半が氷河で芆われた。これを党球凍結ぜんきゅう ずうけ぀、Snowball Earth スノヌボヌル・アヌスずいう。党球凍結によっお、倚くの生物が絶滅した。䞀郚の生物は絶滅をたぬがれお、生き残った。 そしお、玄5億4000幎前に先カンブリア時代が終わる。 叀生代 軟䜓動物や節足動物、環圢動物など、倚くの皮類の動物が誕生した。このような、カンブリア時代での生物の倚様化を「カンブリア倧爆発」ずいう。 カナダのロッキヌ山脈のバヌゞェスで化石が発芋されたこずから、この時代の生物矀をバヌゞェス動物矀ずいう。 䞉葉虫、アノマロカリスなどが、バヌゞェス動物矀である。 殻の成分ずしおカルシりムを持぀生物が倚くいるこずから、海氎䞭にカルシりムが豊富だったず考えらおいる。たた、硬い殻は、捕食者に察抗するためのものだず考えられおおり、぀たり、捕食者-被食者の関係が、この時代の生物矀で既に存圚しおいたず考えられおいる。 カンブリア玀の末たでに倚くが絶滅した。 カンブリア玀末オルドビス玀叀生代の魚には、顎あごが無く、ダツメりナギの仲間である無顎類むがくるいだった。 叀生代シルル玀デボン玀に、顎のある魚が出珟し、シヌラカンスなどが出珟した。 䞭生代 䞭生代の動物では、ハ虫類の倧型化した恐竜類が出珟しお繁栄した。たた、䞉畳玀さんじょうき、別名トリアス玀には哺乳類ほにゅうるいが出珟した。 ゞュラ玀には、恐竜から進化した鳥類が出珟した。始祖鳥しそちょうが、䞭生代ゞュラ玀には出珟しおいた。ゞュラ玀の地局から始祖鳥の化石が芋぀かっおいる。䞭生代の海䞭ではアンモナむトが繁栄した。 䞭生代の最埌の癜亜玀はくあきには、珟圚でいうカンガルヌにあたる、有袋類ゆうたいるいが出珟しおいた。癜亜玀には、草本の被子怍物が出珟した。 䞭生代の末期、倧量絶滅が起きた。䞭生代末期である玄6600䞇幎前に、倧型の隕石が地球に衝突したこずが分かっおいるので、この隕石衝突による気候倉動が原因だろうずいう説が有力である。 新生代末期の癜亜玀の地局ず、新生代の初めの地局から、高濃床のむリゞりムが倚く芋぀かっおいるが、このむリゞりムは小惑星に倚いこずが知られおいる。たた、メキシコのナカタン半島に巚倧なクレヌタヌがありクレヌタヌ盎埄は100km以䞊、この時代の隕石衝突によるものだろうず考えられおいる。ここに衝突した隕石の盎埄は10kmだろうず蚈算されおいる。 倧きな隕石の衝突により、粉塵などが舞い䞊がり、倪陜光がさえぎられお、怍物の光合成が䜎䞋し、 そのため、怍物の衰退および、食物連鎖で繋がっおいる動物が死亡し、動怍物が倧量絶滅した、などずいう説が考えられおいる。 䞭生代の末期ごろ、恐竜類は絶滅し、アンモナむトも絶滅した。なお、恐竜の色玠は化石ずしおは残りづらく、そのため恐竜の衚皮などの色は䞍明である。 新生代 新生代に入り、哺乳類が繁栄し始め、たた哺乳類は倚様化しおいった。 ヒトは哺乳類の䞀皮の霊長類れいちょうるい、別名サル類である。霊長類が出珟したのは、新生代に入っおからである。 霊長類でヒトに、遺䌝子が、もっずも近いヒト以倖の動物は、チンパンゞヌであり、DNAの塩基配列の違いが1.2%皋床である。 霊長類に含たれる動物はゎリラやチンパンゞヌだけでなく、キツネザルやテナガザルなども霊長類である。 霊長類の祖先は、珟圚でいうツバむに䌌た食虫類だず考えられおいる。 このような食虫類が進化しお、珟圚でいうキツネザルに䌌た霊長類が出珟した。 霊長類は、暹䞊で生掻するように進化しおいった。霊長類は目が顔面の前のほうに集䞭しおおり、そのため立䜓芖ができる。この立䜓芖は暹䞊での玠早い移動のために獲埗された特城だず考えられおいる。たた、手は、芪指が他の指ず向かい合っおおりが指察向性、「がしたいこうせい」、指の爪は鉀爪かぎづめではなく平爪ひらづめになっおいるので、枝を぀かみやすい。 新生代の第䞉期に、ゎリラ、チンパンゞヌ、オランりヌタン、テナガザル、ボノボなどの類人猿るいじんえんの祖先が出珟した。 人類の出珟 人類はアフリカ倧陞で誕生した。人類ず類人猿の違いずしお、人類は盎立二足歩行ちょくり぀にそくほこうが可胜である。 - 猿人えんじん、 最初の人類は 猿人えんじん である。アフリカで440䞇幎以䞊前の地局ちそうからラミダス猿人アルディピテクス・ラミダスの化石が発芋されおいる。猿人は二本足で立っお歩ける盎立二足歩行ちょくり぀にそくほこうが可胜だった。 二足歩行ができるようになった結果、手で䜿う道具が発達しおいき、それにずもなっお知胜も発達しおいったず考えられおいる。 たた、東アフリカの300䞇幎ほど前の地局からアりストラロピテクス類 の足跡化石が芋぀かっおおり、盎立二足歩行をしおいたこずが分かっおいる。アりストラロピテクスの脳容積は500mLであり、珟生人類の半分以䞋である。なお、珟生人類の脳容積は玄1500mLである。 ラミダス猿人やアりストラロピテクス類をたずめお、猿人ずいい、初期の人類ず芋なしおいる。たた、これら猿人の化石がアフリカからのみ芋぀かっおいるこずから、人類はアフリカで誕生したず考えられおいる。 なお、猿人は石を打ち砕いお぀くった打補石噚だせいせっきを䜿っおいた。打補石噚は旧石噚きゅうせっきずも呌ばれる。このような打補石噚たでしか䜿っおいない時代を旧石噚時代きゅうせっき じだいずいう。 その埌の100䞇幎〜200䞇幎埌の時代の間に、人類はアフリカから出お、各地に散らばっおいった。 - 原人げんじん、ホモ・゚レクトス 今から200䞇幎ほど前に 原人げんじん、hominid があらわれた。 䞭囜倧陞の䞭囜の北京ペキンの近くの呚口店しゅうこうおんからは、 北京原人ペキンげんじん、シナントロプス=ペキネンシス のあずが発芋されおいる。 原人の脳容積は玄1000mLであり、猿人ず珟生人類の䞭間である。 北京原人は火を䜿甚しおいたこずが分かっおいる。 むンドネシアのゞャワ島からはゞャワ原人のあずが発芋されおいる。 ドむツからはハむデルベルグ人が発芋されおいる。 原人は、蚀葉を話せた。 石噚は、打補石噚を䜿っおいる。旧石噚時代にふくたれる。 - 旧人きゅうじん 旧人のうちの䞀皮の ネアンデルタヌル人ホモ・ネアンデルタヌレンシス の化石が、ドむツのネアンデルタヌルから発芋されおいる。ネアンデルタヌル人は、玄3䞇幎前に絶滅した。ネアンデルタヌル人の脳容積は、珟生人類ずほが同じである。ネアンデルタヌル人の脳容積は玄1500mL - 新人しんじん 私達、珟圚の人間の盎接の祖先である 新人しんじん が、4䞇幎前には、あらわれおいた。 新人を、珟生人類げんせいじんるいずも蚀い、たた、 ホモ=サピ゚ンスHomo sapiens ずも蚀う。ホモ・サピ゚ンスの最叀の化石がアフリカの゚チオピアで芋぀かっおいるこずから、珟生人類はアフリカで誕生したず考えられおいる。たた、ミトコンドリアのDNAの解析も、アフリカで珟生人類が誕生したこずず䞀臎しおいる。 人類は玄10䞇幎前にアフリカ倧陞を出お、䞖界䞭に散らばった。
高等孊校理科/物理IB/æ³¢ æ³¢ 埌に高等孊校理科 物理Iではw:力孊の法則を扱う。力孊ずはある物䜓に䜕らかの力をかけたずきに、その物䜓がどのように動䜜するかを蚘述する方法である。力孊の法則は物䜓の動䜜を具䜓的に蚘述する方法ずしお有甚であるが、実際にはその法則だけを甚いお身の回りの珟象を説明するこずは困難である。䟋えば、氎面に物を投げ蟌んだずきにw:波なみが氎面を䌝搬しおいく様子は、基本的には力孊の法則に埓っお蚘述されるものである。これは、このずきに実際に動䜜しおいるものが氎の分子であり、これは力孊で扱われる物䜓(w:質点)ずしお扱うこずができるからである。しかし、埌に扱うこずだが、力孊で扱う法則は個々の氎分子の盞互䜜甚に察しお適甚できるものであり、それらが非垞にたくさん集たった堎合に粒子党䜓の運動を芋るために、適甚できるものではない。実際に気䜓のように比范的密床の小さい物質であっおも、それらは1リットルあたりにw:アボガドロ数皋床の粒子を含むのである。このように倚くの粒子を扱うこずは、䟋え個々の粒子の運動の様子が知られおいたずしおも実際には困難である。 - 泚意 正確には垞枩垞圧で、22.4リットルに぀き1w:モルの気䜓分子が含たれる。高等孊校化孊を参照。 幞いにも、極めお倚くの質点を含む運動の様子が、少数のパラメヌタを甚いお蚘述できる堎合がある。ここで扱う波の運動はそのような䟋の䞀぀であり、倚くの粒子の運動を近䌌的に蚘述する方法ずしお有効である。もちろん実際には非垞に倚くの自由床を含む運動が少数のパラメヌタで衚されるのは特別な堎合に限られ、実際に波ずしお運動を蚘述するこずが可胜であるかを議論するこずは倧切である。 いろいろな波 ここでは実際に日垞生掻においお芋られる波の䟋をあげる。たず、波を"性質の䌌た物䜓が数倚く集たっおいるずきに、お互いの間の力孊的な盞互䜜甚を通じお、互いの䜍眮を倧きく動かすこず無く、本来個々の物䜓がある䜍眮からのw:倉移を䌝搬させおいく珟象"ず定める。䟋えば、䞀般的なw:固䜓は䜕らかの分子がお互いに結合するこずで固䜓ずしおの圢を保っおいるが、これは波を䌝搬させるための状況を満たしおいる。぀たり、固䜓を䜜る分子は互いに䌌た性質を持っおいるず期埅され、それらの分子が固䜓を成しおいる盞互䜜甚自䜓を、波の䌝搬に䜿われる盞互䜜甚ずしお甚いるこずができるからである。実際に䟋えば金属はある䞀点で起こった振動を広く䌝える性質があり、その䌝搬はたさに波の珟象そのものである。 - 実隓 金属の棒を持っお来お片方を軜く叩いおみる。このずき、反察偎に振動が䌝わっおくるこずを確かめる。 実際には、この振動には2皮類が存圚する。たず䞀方は、振動が䌝搬する方向ず各点の倉移が垂盎である堎合である。もう䞀方は、振動が䌝搬する方向ず各点の粒子の倉移の方向が䞀臎しおいる堎合である。 これらの波は、倉移の波の䌝搬方向に察する向きから区別され、䌝搬方向ず振動方向ずが垂盎の波を暪波よこなみ、transverse waveず呌び、もういっぜうの䌝搬方向ず振動方向ずが同じ波を瞊波たおなみ、longitudinal waveず呌ぶ。䞀般には固䜓䞭を䌝搬する瞊波ず暪波の速床は、互いに異なっおいる。 固䜓を䌝搬する波の䟋ずしお地震]より生じる振動䌝搬があげられる。地震の波は地震波じしんはず呌ばれ、その䌝搬は固䜓ずしおの地面そのものだけではなく、地面の䞊にある建造物などにも激しいゆれを䞎える。地震波にも瞊波ず暪波があり、それらはそれぞれP波ずS波ず呌ばれる。䞀般に、P波はS波よりも速床が倧きいが、地面の䞊に倧しお倧きな振動を䞎えるのはS波の方であるので、P波ず思われる波を感じたら埌に来る振動に備えお察凊するのがよい。 実際には固䜓䞭の振動䌝搬以倖にも、波が関わる珟象はいく぀かある。䟋えば氎の䞭で振動を起こしおも、その振動はある皋床氎䞭を䌝わっおいく。これは、氎や䞀般的な液䜓を構成する分子も、固䜓の堎合皋ではないにせよ、お互いに盞互䜜甚を持っおいるからである。実際には気䜓のように固䜓や液䜓ず比べお密床が非垞に䜎い物䜓でも、それを構成する各分子はお互いに盞互䜜甚を持っおおり、その振動は気䜓分子間の盞互䜜甚を通じお䌝搬しおいく。この振動は音]]ずなっお我々の耳に届く。実際には我々が耳にする音は、気䜓の振動を通しお䌝搬しお来た波ずしお解釈できる。気䜓䞭を䌝搬する音は瞊波であるこずが知られおいる。これは盞互䜜甚の性質䞊、音は気䜓䞭の各点に生じる密床の揺らぎの䌝搬ずしお解釈されるからである。たた、このような密床のゆらぎが瞊波ずしお䌝わっおいく波を疎密波そみ぀は、compression waveずいう。 音が気䜓の振動ずしお我々の耳に届いおいるなら、固䜓を介しお振動が䌝搬しお来たずきには、その振動は気䜓の振動を介しお䌝搬しおきた振動よりも明瞭であるず考えられる。糞電話はその䟋であり、話者の声は糞を通しお䌝搬するため、遠距離でも割合よく音を聞き取るこずができる。たた、音を媒介する気䜓が少ない宇宙空間では通垞の方法で䌚話を行うこずはできず、ヘルメットずヘルメットの振動を介しお䌚話を行う必芁がある。(実際の䟋 ) 我々がよく芋る波ずしお、氎面に生じる波があるが、この波はこれたでにあげた氎䞭の振動䌝搬ずは異なる䟋である。実際には氎面に生じる波は重力波ず呌ばれ、(w:重力波(流䜓力孊)を参照)その速床は波が䌝搬する氎の深さに関連する。実際には氎が浅くなるほど波の速床は䞋がり、波高は増すこずが知られおいる。w:接波は兞型的な重力波であり、その高さは海岞近くでは遠方にあるずきず比べお、非垞に倧きくなり埗る。(実際の䟋 )そのため、海の近くにいるずきに地震にあったずきには、すぐに高いずころに避難するこずが重芁である。 身近な波の䟋ずしお、最埌にあげるのが光である。すでに䞭孊校理科で光ず音に぀いおは䌌た性質があるこずが説明された。音ず同様、光もたた波ずしおの性質を持぀。これは、䟋えば埌で述べる回折や、干枉などの珟象が、光に察しおも芳察されるこずから明らかである。 - 光の干枉の図 䞀方、光はここたでにあげた波ず異なった性質を持぀こずが知られおいる。実は、いたたでの波ず違っお、光はこれを媒介する物質を持たない。䟋えば、音は気䜓を媒介ずしお䌝搬されるので、真空の宇宙を通過するこずはできない。䞀方、光は真空の宇宙ですら自由に通過するこずができる。これは、䟋えば倪陜からの光が地球に届いお来るこずから、確かである。光の性質に぀いおより詳しくは、䞋の発展の項を参照。 - 発展 光の性質:波ず粒子の二重性 既に述べたが、光は波の性質を持ちながら、それを媒介する物質を持たないずいう性質を持぀。これは䞀芋矛盟しお芋える。実際にはこのこずは光だけでなく、粒子の䞀般的な性質を知る䞊で、重芁な事柄である。この矛盟の珟代的な解釈は、光は波であるず同時に䞀぀の粒子ずしおの性質を持っおいる(粒子ずしおの性質を匷調するずき、特にw:光子ず呌ばれるこずがある)ずいう事である。぀たり、波であるから光が波の性質を持぀のは圓然であり、同時に粒子でもあるので媒介する物質を持たないこずも圓然であるずいうのが矛盟に察する答えである。この性質は波ず粒子のw:二重性ず呌ばれ、光子だけでなくあらゆる粒子に関しお成立する事柄である。ここではこの性質に぀いお詳しく述べるこずはできない。詳现は、高等孊校理科 物理II、量子力孊などを参照。 波の性質 ここでは、波の性質ずその蚘述法に぀いお䞀般的に扱う。これらは波を䌝える物質がどんなものであっおも、それが波である限り成立する性質である。 䟋えば海の波のように、ある物䜓を媒介にしお遠くに゚ネルギヌに䌝えお行く珟象を波(なみ、wave)ずいう。波を䌝える物質を媒質ばいし぀、mediumずいう。海の波の䟋では、媒質は海氎である。たた、振動が䌝わる元ずなった点を波源はげんずいう。媒質や媒質の䞊にある物䜓は波ず共に進行するこずは無い。波の䞊にある物䜓を芳察しおみる(䟋えば氎面にボヌルを浮かべお波を起こし、ボヌルを芳察しおみる)ず、呚期的な䞊䞋運動をしおいるはずである。 正匊波 䞀般に波は様々な圢を取る。これは、波がある時刻にある地点で起こった振動を䌝搬する珟象であり、その地点で起こる珟象の耇雑さ次第で、波は様々な圢ずなり埗るからである。しかし、波の性質を議論する䞊では、波の圢をある皋床限った方が郜合がいい。ここでは、波の圢ずしお正匊波せいげんは、sinusoidal waveを考える。 正匊波に関わらず、呚期的な波を䞎えるには媒介物質の1点に呚期的な振動を䞎える必芁がある。このずきこの振動は物質間の盞互䜜甚を通じお、呚りの物䜓に䌝搬される。このずき波の圢は呚期的運動の皮類で決たる。正匊波を発生させたいずきには、呚期的運動ずしお正匊関数で䞎えられる振動を䞎えればよい。正匊関数は呚期的な運動であるので、これは呚期的な振動の䞀皮である。ここでは簡単のため、媒介物質は1次元方向に広がっおいるものず仮定する。 - 呚期的な振動の図 このずき正匊波に぀いお成り立぀事柄に぀いお述べる。実際にはここで扱う事柄は呚期的な波には垞に圓おはたるが、ここでは正匊波しか扱わない。呚期的な波を考えるずきには、波が媒介されお来るいずれかの点で振動の様子を芳察するず、その点での振動はある時間が経過するごずに、同じ倀に至るこずがわかるはずである。ここで、同じ倀が珟れるたでの時間を呚期しゅうき、periodず呌ぶ。呚期は時間経過であるので、単䜍は [sec] である。たた、呚期は、しばしば蚘号にTを甚いお曞かれる。 "T秒ごずに正匊波䞭の1点が珟れる"が呚期の定矩であった。ここで、"1秒間にf回正匊波䞭の1点が珟れる"によっお振動数しんどうすう、frequencyを定矩する。振動数は、しばしば蚘号に f を甚いお曞かれる。䞊の䟋では、T秒間に点が1床珟れるのだから、1秒間には 1/T回の点が珟れる。このこずから、䞀般に正匊波に぀いおは、 が成り立぀。振動数の単䜍はHz(ヘルツ)が甚いられるが、この単䜍は1/secず等しい。 ここで、物質䞭を振動が䌝わる速床をvず眮く。物質の性質によっお異なる定数であり、振動の性質にはよらない。䟋えば、音が空気䞭を䌝わる速床は音の高䜎に関わらず䞀定である。波が䌝わる速床ず波の呚期が䞎えられたずき、波が1呚期のうちに進む距離を蚈算するこずができる。これは、䟋えば正匊波では波のある1点(䟋えば最も振動が正の向きに倧きいずき)間の距離に察応する。この距離を波の波長はちょう、wavelengthず呌ぶ。 - 波長の図 波長は通垞で衚される。波長は振動が1呚期内に進む距離なので、波の速床vず呚期Tを甚いお蚈算できる。䞀般に が成り立぀。 最埌に、(枛衰が無ければ)波が䞎える振動の倧きさは波源で起きた振動の倧きさず等しい。ここで、振動の倧きさを波の振幅しんぷく、amplitudeず呌ぶ。振幅は、しばしば蚘号がAで曞かれる。 ここたでである1点で生じた呚期的な振動が持぀性質を芋お来た。ここたでを甚いお、振動が始たっおからt秒埌の波源からの距離xでの振動に぀いお蚘述するこずができる。䜍眮x=0のずき、その振動は である。これは振動が呚期Tの正匊振動であるので圓然である。曎に、この振動が速床vで広がるこずを考えるず、点xでの匏は ずなる。この匏は地点xでは、振動が(x/v)だけ遅れお来るこずを衚しおいる。この匏は正匊波に関する䞀般的な匏だが、の関係を甚いるず、この匏は ずなる。たた、䞊の匏では時刻t=0で点x=0では振動が0だったず仮定しおいるが、実際にはその地点でちょうど正匊運動の最も高い郚分や最も䜎い郚分にいおもその波は正匊波ずなる。この分を取り入れるため、䞊の匏に のように定数(ここでは)を入れるこずもある。ここでは䜍盞いそう、phaseず呌ばれる。では、振動は正匊運動の最も高い郚分から始たり、や、では最も䜎い䜍眮から始たる。 - 問題䟋 - 問題 振幅2[m], 呚期2[s], 波長0.5[m]で䞎えられる正匊波の匏を述べよ。ただし䜍盞は0ずしおよい。 - 解答 を䜿えばよい。答えは ずなる。 干枉 重ね合わせの原理 耇数の波が重なりあったずき、そこで埗られる波の振幅はそれらの波の振幅を足しあわせたものになる。これを重ね合わせの原理principle of superpositionずいう。このこずは、波の振幅が小さいずき(䟋えば波の幅ず比べお)にしか成り立たない。しかし、このこずが成り立぀ずきには、個々の波の性質から波の性質が埗られるため、この結果は重芁である。 䟋えば、同じ振動数を持぀正匊波で振幅が,である堎合、2぀の波の和によっお埗られる波の振幅はからずなる。このずき、2぀の波の䜍盞がだけずれおいるずきにはこの波の振幅はずなる。䞀方䜍盞がだけずれおいるずきには、波の振幅はずなる。 ホむヘンスの原理 波の䜍盞が等しい点を぀ないだ面を、波面はめんず呌ぶ。波面に぀いおの実隓を玹介する。 - 実隓 ある1点から䌝わる波(䟋えば氎面に䜕かを萜ずした堎合)を䜜り、その様子を芳察する。 この堎合、生じる波は波が生じた1点(波源)を䞭心ずしお、円になるはずである。これは、波源からの距離が等しい点は、同じ時刻に等しい䜍盞を持぀からである。 䞊の䟋は波がある1点から始たる堎合である。波が耇数の点から始たる堎合には生じる波は既に述べた重ね合わせの原理から、これらの重ね合わせになるはずである。このこずは䟋えば、波面が盎線になる堎合(平面波)のように、波源が連続的に存圚する堎合にも同様である。 しかし、波源が連続的に存圚する堎合には、埗られる波面が簡単な圢になるこずがある。波面の各点が波源ず考えるず、その波源からの距離が等しい点はw:包絡線ほうらくせんを持぀こずがある。この堎合には、この線が新たな波面ず考えるこずができる。包絡線に぀いおはw:包絡線などを参照。たた、このこずをw:ホむヘンスの原理Huygens' principleず呌ぶ。 ホむヘンスの原理を甚いるず波面の進行に぀いおいく぀かの事柄を述べるこずができる。これらは個別に実隓的に確認できる。 平面波の盎進 平面波ぞいめんは、plane waveの各点を波源ずした堎合、平面波の波面䞊の各点から等距離にある包絡線は、波面に平行な盎線ずなる。このこずから、平面波は盎進するこずがわかる。 - 䜜図 反射 平面波が壁などにぶ぀かったずき、壁の各点を波源ずした包絡線は、壁ず平面波の波面の角床を保っお、方向を反察にした平面ずなる。これは、反射はんしゃ、reflectionの法則を衚す結果である。 屈折 平面波が[屈折率くっせ぀り぀、refractive indexの異なる2぀の物質の間を通過したずき、その波面は物質の屈折率の比に応じお屈折refractionする。このこずも反射の堎合ず同様の理由で瀺される。ただし、屈折率の違いに応じお、物質䞭の波の速床が異なるこずを甚いる。 - 䜜図 たた、屈折率に応じおある反射角に察する屈折角は倉化するが、その倧きさを衚す匏をw:スネルの法則Snell's lawず呌ぶ。 ここで、 はそれぞれ入射角、屈折角、入射する偎の物質の屈折率、入射される偎の物質の屈折率に察応する。 - 党反射 屈折率が倧きい媒質から小さい媒質に光が入るずきに、入射光が境界面を透過せず、すべお反射する珟象が起きる。これを党反射ぜんはんしゃ、total reflectionずいう。党反射は、入射角が倧きくなるず起こる。 党反射が起こる限界の角床を臚界角りんかいかく、critical angleずいう。 臚界角よりも入射角が倧きいず党反射が起こる。 臚界角 Ξc は以䞋のように衚される。 回折 平面波が现いスリットを通過したずき、通過した埌の波は円状になる。これは、波源が1点に収瞮されたためである。 ドップラヌ効果 波源や芳枬者が動くず、振動数が倉化する珟象が芋られる。これを、ドップラヌ効果Doppler effectずいう。 以䞋、波の速さをV[m/s]、波の振動数をf[Hz]、波源の速さをvs[m/s]、芳枬者の速さをvo[m/s]、芳枬される振動数をf' [Hz]ずしお考える。 たず、静止しおいる芳枬者に波源が近づく堎合を考える。 時刻0[s]には波源も波も0[m]の䜍眮にある。 時刻T[s]になるず、波はVT[m]、波源はvsT[m]の䜍眮に来る。 ここで、波源から波の到達点たでの距離はVT-vsT[m]である。 この距離を時間T[s]で割るず、V-vs[m/s]になるが、芳枬者はこの速さを波の速さず芳枬する。 するず、芳枬される波長λ' [m]は であり、 ずなる。 音 音の䌝わり方 音はどの方向にもおおよそ 同じ速さで䌝わる。 音の速さは有限であり、 速床は垞枩付近では気枩[℃]にほが比䟋しおおりで衚される。15℃の時はおよそ、340[m/s]である。 音の干枉ず共鳎 空気䞭の音に぀いおは、通垞は重ね合わせの原理が成り立぀。このこずを甚いお波の重ね合わせの様子を調べおみる。 - 実隓 2぀の同じ振動数の正匊波を甚意し、䜍盞の差がの奇数倍の堎合ずの偶数倍の堎合を芳察しおみよ。実際には各音源からの距離の差が、の奇数倍ず偶数倍に察応する。 この堎合距離の差がの奇数倍の時には、音の倧きさは2倍になり、偶数倍の時には音はほずんど聞こえなくなるはずである。これは同じ圢の波が笊号が同じで足された堎合ず、笊号が反察で足された堎合に察応するからである。 同じ事柄に基づいた話題だが、ある呚波数の音ず、それず少しだけちがう呚波数の音を重ねお聞くず、音が倧きくなったり小さくなったりするように聞こえる。 これを"うなり"ず呌ぶ。この時音の倧きさが倉化する呚波数は2぀の波の振動数の差に等しい。 "うなり"は䞊の䟋ず同様䞉角関数の蚈算によっお芋るこずができる。詳しい解説は次の発展を参照。 - 発展 うなりの蚈算 うなりの蚈算は䞉角関数の蚈算に垰着する。このずき、波の振幅の匏が振動数が2぀の波の振動数の差ずなる䞉角関数ずなればよい。 たず、2぀の波を ずおく。ここで、はそれぞれ2぀の波の䜍盞差、片方の波の角振動数、2぀の波の角振動数の差、各波の振幅に察応する。 2぀を足しあわせお、䞉角関数の加法定理(高等孊校数孊II)などを甚いるず、 ずなる。ただし、は条件を満たす䜍盞である。 最埌の匏は、角振動数の振動の匏ず、時間的に倉化する振幅の積になっおおり、確かに'うなり'の珟象を説明する。 光 光の䌝わり方 光も音ず同様、ある䞀点から光を出すずあらゆる方向に同じ速床ですすむ。 光はある䞀方から入射した堎合、盎進する。 実際には音も同じ性質を持っおおり、音を䞊手くスリットなどで分離するず盎進するこずが知られおいる。 光の速床は極めお速いが有限であり、その速さは、 2.99792458 × 108 [m/s] である。 光の回折ず干枉 光はせたいスリットを通すず、広がっお行くように䌝搬するこずがある。これを回折かいせ぀、diffractionず呌ぶ。 たた、光はスリットを䞊手く䜿うこずで、匷めあったり匱めあったりするこずがある。 (:ダングの実隓?) 光は実際には空間の䞭を䌝搬する波動である。波動には振動数があるが、振動数によっお光の色が倉わるこずが分る。 - (プリズムの説明?) 振動数が䜎いものから光の色は赀から玫ぞず倉わっお行く。これ以䞊に振動数が倧きくなるず、光は人間の目には芋えなくなる。このように振動数が可芖領域より高くなった光のこずを玫倖線しがいせん、ultravioletず呌ぶ。 さらに振動数が高いものをX線゚ックスせん、X-ray、 γ線ガンマせん、Gamma rayず呌ぶ。いっぜう、赀い光よりもさらに振動数が少ない光も、たた同様に、人間の目では芋るこずが出来ない。このような可芖領域よりも振動数の䜎い光を赀倖線せきがいせん、infraredず呌ぶ。 波に関する探求掻動 発展 光の波長の枬定 - ※ 高校の範囲倖 そもそも、光の波長は、どうやっお枬定されたのだろうか。 ドむツのレンズの研磚工だったフラりンホヌファヌが、回折栌子を䜜るために现い針金を甚いた加工装眮を補䜜し、その加工機で補䜜された回折栌子を甚いお、光の波長の枬定をし始めたのが、研究の始たりである。1821幎にフラりンホヌファヌは、1cmあたり栌子を130本も䞊べた回折栌子を補䜜した。[1] たた、1870幎にはアメリカのラザフォヌドがスペキュラムずいう合金を甚いた反射型の回折栌子を補䜜しこのスペキュラム合金は光の反射性が高い、これによっお1mmあたり700本もの栌子のある回折栌子を補䜜した。 より高粟床な波長枬定が、のちの時代の物理孊者マむケル゜ンによっお、干枉蚈かんしょうけいずいうものを甚いお盞察性理論の入門曞によく出おくる装眮である。高校生は、ただ盞察性理論を習っおないので、気にしなくおよい。、干枉蚈の反射鏡を粟密ネゞで现かく動かすこずにより、高粟床な波長枬定噚を぀くり、この枬定噚によっおカドミりムの赀色スペクトル線を枬定し、結果の波長は643.84696nmだった。マむケル゜ンの枬定方法は、赀色スペクトル光の波長を、圓時のメヌトル原噚ず比范するこずで枬定した。[2] なお、珟代でも、研究甚ずしお干枉蚈を甚いた波長枬定噚が甚いられおいる。メヌトル原噚は、マむケル゜ンの実隓の圓時は長さのおおもずの暙準だったが、1983幎以降はメヌトル原噚は長さの暙準には甚いられおいない。珟圚のメヌトル定矩は以䞋の通り。
高等孊校理科/物理IB/熱 枩床 物䜓の枩床temperatureずは、実はその物䜓を構成しおいる、それぞれの分子や原子の運動の匷さのこずである。この枩床による運動は䞍芏則である。 枩床が䜎く固䜓の堎合は熱運動ね぀うんどう、thermal motionの匷さが匱いので、分子は分子どうしの匕力で抑えこたれ、物䜓は固䜓状の圢状を保぀。 固䜓でも、分子は、結晶の栌子点を䞭心に運動しおいる。液䜓では、倖郚から力を加えるず、䜓積は倉わらないものの、流動しお容易に圢を倉える事ができる。 固䜓を加熱するなどしお枩床を高めるず、いずれ、固䜓から液䜓ぞ倉わる。これは、熱運動が匷たり、もはや結晶の構造を取るのが䞍可胜になったからである。 液䜓を加熱しおいくず、いずれ、気䜓ぞ倉わる。気䜓は熱運動が、分子間力よりもはるかに倧きく、もはや、各分子がバラバラに離れお行動しおいる状態である。したがっお、液䜓から固䜓になるず䜓積が増える。 なお、液䜓から気䜓ぞの倉化にかぎらず、䞀般に物䜓は枩床が䞊がるず、ほずんどの物質で䜓積が増える。 ここでは、枩床ずは、物質を構成しおいる分子や原子の運動がどのくらい匷いかずいう、状態を衚す数倀だずいうこずを理解しお頂きたい。 物䜓の状態を衚す、固䜓・液䜓・気䜓ずいった状態のこずを盞そう、phaseずいう。固䜓のこずを固盞ず蚀ったり、液䜓のこずを液盞ず蚀ったり、気䜓のこずを気盞ず蚀ったりする堎合もある。 セルシりス枩床 枩床の単䜍ずしお実甚䞊、倚く甚いられおいる℃単䜍の「摂氏枩床」せっしおんどは、セルシりス枩床Celsius temperatureずも蚀う。 このセルシりス枩床では、枩床の倀の基準ずしお、倧気圧 1atm=箄101.3kPa。Paずは圧力の単䜍のひず぀。のもずで、玔氎ず氷の共存する枩床を0℃ず定め、たた、同じ倧気圧1atmのもずで玔氎が沞隰するずきの枩床を100℃ず定めらおいる。 そしお、0℃ず100℃の間の枩床を100等分しおいる。 - これは旧定矩で、珟圚はボルツマン定数を䜿った定矩に眮換わっおいたす。 枩床蚈の皮類にアルコヌル枩床蚈や氎銀枩床蚈などあるが、これらは物䜓の枩床が䞊がるこずによる膚匵を、枩床の枬定噚ずしお利甚した噚具である。 いっぜう、枩床があがるこずで䜓積が膚匵するのは、なにも液䜓に限らず、気䜓や固䜓でも枩床が䞊がれば膚匵する。 熱量 1kgの物䜓ず、べ぀の1kgの物䜓を合わせお、重量蚈に茉せれば、枬定倀は2kgになる。だが、容噚に入った10℃の氎に、等量の10℃の氎を泚いでも、20℃にはならない。 いっぜう、枩床を䞊げるには、゚ネルギヌが必芁だが、゚ネルギヌは足しあわせができる。 このような理由から、加熱された物䜓に蓄えられた熱゚ネルギヌず枩床ずを区別する必芁がある。 そこで、熱゚ネルギヌのこずを熱量heat quantityずいい、これは枩床ずは区別する。 熱量の単䜍は、熱量ぱネルギヌの䞀皮なので、力孊的゚ネルギヌの単䜍ゞュヌル:Jず同じであり、熱量の単䜍にゞュヌル蚘号はJ を甚いる。 なお、熱量の単䜍にはゞュヌルJの他に、カロリヌ蚘号はcalずいう単䜍もある。カロリヌは、氎1gの枩床を1K䞊昇させるのに必芁な熱゚ネルギヌのこずである。栄逊孊の分野ではカロリヌが甚いられるこずが倚い。 物理孊や化孊では、特に断りがない限り、熱量の単䜍には、ゞュヌルを甚いるこずが倚い。本曞でも、断らない限り、ゞュヌルを甚いる。 なぜ、ゞュヌルが、高校以降の物理や化孊で原則的に甚いられるのかずいうず、囜際単䜍系に゚ネルギヌの単䜍ずしおゞュヌルが採甚されおいるからである。 カロリヌずゞュヌルの換算は、 - 1cal = 箄 4.18 J である。 気䜓ず枩床ずの関係 ここでは、気䜓の膚匵を利甚した枩床蚈に぀いお、説明したい。気䜓には様々な性質があるが、この節では、枩床枬定に必芁なこずを䞻に説明する。 たず、気䜓の力孊的な性質に぀いお説明する。 倧気に぀いお考えよう。倧気ずは地球を包む空気の局のこずである。空気にも重さがあるので、倧気の䞭にいる物䜓には、その物䜓の䞊方にある空気の重さによっお、圧力がかかる。 我々は倧気圧にさらされおいる。䞀般に、気䜓の力は、分垃しお力が掛かるので単䜍面積あたりの力で考える必芁がある。この単䜍面積あたりの力を圧力あ぀りょく、pressureずいう。圧力の単䜍はN/m2で衚す。 Nずは力の単䜍のニュヌトンであり、1ニュヌトン1Nずは、質量1kgの物䜓に加速床1m/s2を増加できる力のこずである。 mは長さの単䜍のメヌトルのこずである。面積あたりの力を考えおいるので、mが2乗されおm2になっおいる。 このN/m2の単䜍を、そのたたでも甚いるこずもあるのだが、この単䜍N/m2のをPaず衚す。Paの読みかたは、「パスカル」Pascalず読む。 1N/m2ず1Paの倧きさの基準は同じである。 ぀たり - 1N/m2 = 1Pa である。 なお、圧力の単䜍は、他にもある。 atmずいう倧気圧の暙準倀を基準に考えた単䜍がある。1atmの倧きさの基準は、 - 1atm = 1.013×105 N/m2= 1.013×105 Pa である。 なお、実際の倧気圧の枬定倀は、必ずしも1atmにピッタリずは限らない。 「atm」ずはatmospherずいう「倧気」を意味する語の略語である。 物理孊では、0℃で1atmの状態を暙準状態ず呌び、物理孊や化孊などの分野で、垞枩付近での実隓の枬定結果の比范などの際に、広く甚いられおいる。぀たり、0℃で 1.013×105 Paの状態を暙準状態ずいう。 なお、わざわざ「物理孊や化孊などの分野で、・・・広く甚いられおいる」ずいうように、「物理孊や化孊などの分野で」ず曞いたのは、他の業界では、枬定結果の比范の際に、べ぀の枩床やべ぀の圧力を甚いる堎合があるからである。 - ヘクトパスカル なお、倧気圧をパスカル衚瀺したずきに、指数郚の桁数が105ずやや蚈算には倧きくお䞍䟿なので、補助単䜍ずしお、気象分野ではヘクトパスカルを甚いる堎合がある。ヘクトパスカルはhPaず衚す。 ヘクトずは100癟を衚す接頭語である。 ぀たり、 - 1hPa = 100Pa である。 1atmをヘクトパスカルで換算すれば、 - 1atm = 1013 hPa である。 - mmHg なお、氎銀柱の䞊郚の液面からの深さ760mmの底郚に掛かる圧力の倧きさが1atmの倧きさに、ほが等しいので、この氎銀柱の760mm深さの圧力を760mmHgずいうふうに曞く。Hgずは、化孊匏の氎銀の蚘号Hgに由来しおいる。このように圧力の単䜍にはmmHgずいう単䜍もある。 1mmHgず1atmの倧きさの関係は、 - 1atm = 760 mmHg ずいう関係である。 気䜓の熱膚匵 さお、この節で扱うのは、気䜓ず枩床ずの関係であった。たずえば、ピストンを甚いお気䜓を封じたシリンダヌなどで、内郚の気䜓を熱した時に、内郚気䜓がピストンを抌しお容積を膚らたすこずからの振る舞いを考えれば、気䜓は熱すれば膚匵するのが分かるだろう。 ここでは、シリンダヌの现かい仕組みには考えない。シリンダヌずピストンずの摩擊を枛らすために倚くの工倫がなされおいる。自動車などで実甚されおいるのピストンシリンダの仕組みは、説明するず、けっこう長くなるので、この科目では省略する。興味のある人は、工業高校の科目「原動機」などを参照されたい。 この節では、ピストンやシリンダずいった堎合は、小孊校や䞭孊校の理科の実隓などで扱ったような、泚射噚のような圢のピストンで、盎感的に考えお構わない。 これらピストンずシリンダヌの組み合わせず、䌌たような原理の装眮で、気䜓の圧力が枬定できる。ピストンに倖郚から、䜕らかの機構で力を加え、倖郚の力を倉化させれば、その倖郚の力ず内郚の気䜓による力ずが釣り合うずきの倖郚の力を調べれば、内郚の圧力も蚈算によっお求たる。 ボむルの法則 ボむルずいう人物が、䞀定枩床での気䜓の圧力ず気䜓の䜓積ずの関係を調べたずころ、法則性を発芋した。 倖郚から、ピストンを抌しこむなどしお、気䜓の䜓積を半分にするず、気䜓の圧力が2倍になる。気䜓の䜓積を倍にするず、圧力が3倍になる。同様に、気䜓の䜓積を倍にするず、圧力が4倍になる。 以䞋、気䜓䜓積の倍や倍でも同様に続く。べ぀に気䜓䜓積は敎数倍でなくおも、 - 倍ずか、どんな数字でも、同様の法則が成り立぀。 これ等をたずめるず、気䜓の圧力p[Pa]ず䜓積V[m3]ずの関係には、以䞋の関係匏がある。 - pV=K Kは定数 この関係匏を、ボむルの法則Boyle's lawずいう。 シャルルの法則 さお、シャルルずいう人物が、枩床ず容積の関係を枬っお研究したずころ、法則性を発芋した。倧気圧の状況䞋では、気䜓を1℃枩、䞊昇させるず、0℃の䜓積のず぀膚匵するこずを、シャルルは発芋した。 これを匏で衚すず、0℃のずきの気䜓の䜓積をV0ずしお、䞀般の枩床の䜓積をVずするず、枩床t[℃]のずきの関係匏は、 であるこずを、シャルルは発芋した。 絶察零床 シャルルの芳枬結果をグラフに曞くず、マむナス273℃で、理論䞊では気䜓は䜓積が0になる。このマむナス273℃を絶察零床ぜったいれいど、absolute zeroずいう。絶察零床以䞋の枩床は、枬定誀差の範囲皋床を陀けば、理論䞊は考えらない。 たた実隓的にも絶察零床以䞋の枩床は、枬定誀差の範囲皋床を陀けば、確認されおいない。たずえばマむナス300℃ずかマむナス500℃ずかは、実圚しない。 なお、珟代では、枬定によっお、絶察零床の、より正確な倀がマむナス273.15℃だず、知られおいる。 なお、この節では。蚈算の郜合䞊、特に断らない限り、絶察零床は273℃ずしお扱うこずにする。 絶察零床のマむナス273℃ずは、熱運動の党くない状態である。 絶察枩床 枩床の新しい単䜍ずしお、マむナス273℃を基準ずした、新しい枩床単䜍を考える。 絶察枩床ぜったいおんど、absolute temperatureを導入し、単䜍をケルビンずしお、単䜍の蚘号は[K]で、絶察枩床をT[K]ず衚した堎合、ケルビン単䜍の絶察枩床T[K]ずセルシりス枩床t[℃]ずの関係は、 - T = t +273 ずする。 絶察枩床を甚いお、気䜓の膚匵匏が ず曞け、結論をたずめるず、 ずなる。 倉数どうしをたずめれば、 である。 なお、273Kが0℃ずなる。぀たり、T0=273[K]ずすれば、 ずなり、぀たり、は、倧気圧のもずでは、定数であるこずがわかる。 この䜓積Vず枩床Tの関係匏は、なにも気䜓の圧力が倧気圧でなくおも成り立぀こずが、実隓でも確認されお、分かっおいる。 定数をK2ずたずめれば、 をシャルルの法則Charles's lawずいう。 なお、ケルビン枩床の由来ずなった"Kelvin"ずは人名で、圌は物理孊者である。 ボむル・シャルルの法則 ボむルの法則ずシャルルの法則を、組み合わせるこずを考えおみよう。たずボむルの法則ずは、圧力をp[Pa]ずしお䜓積をV[m3]ずすれば、ボむルの法則は、 - K1は定数。 であった。 シャルルの法則ずは、枩床をT[K]ずすれば、 - K2は定数。 であった。ここで、Tの単䜍は[K]である。[℃]では無いので間違えないように。 これら、二぀の法則から、どうやら、 - K3は定数。 ずいう法則が、成り立ちそうな予感がしそうだろうず、読者は思うだろう。実際に、この法則は成り立぀ず、実隓的に確認されおいる。 そこで、気䜓における法則の匏、 - K3は定数。 を、ボむル・シャルルの法則Boyle-Charles lawずいう。 このボむル・シャルルの法則は、気䜓が、「挏れ」などはしないかぎり、぀たり容積の内郚気䜓の物質が、䞀定量の堎合に成り立぀。 気䜓の状態方皋匏 - モル 分子の数6.02×1023個を1モルず蚀う。モルの蚘号はmolである。もし、読者がモルに぀いお知らなければ、化孊Iを参照のこず。 - アボガドロの法則 気䜓は、分子の皮類によらず、枩床0℃で圧力101kPaでは、分子量が1molあたり、䜓積22.4リットルlを取るこずが、実隓的に知られおいる。分子量が2molになれば、枩床ず圧力が同じなら、䜓積は2倍になるずいうふうに、䜓積は分子量に比䟋をする。 これをアボガドロの法則Avogadro's lawずいう。 なお、22.4lをメヌトル単䜍で衚せば、2.24×10^-2[m3]である。1000L = 1m3 から導ける。 - 気䜓の状態方皋匏 そこで、アボガドロの法則をボむル・シャルルの法則ず組み合わせるこずを考えよう。 圧力をp[Pa]、䜓積をV[m3]、分子量をn[mol]、枩床をT[K]ずしよう。 たず、ボむル・シャルルの法則ずは、 - K3は定数。 ずいう法則であった。 アボガドロの法則による、枩床T䞀定か぀圧力P䞀定の条件䞋で、分子量nず䜓積Vが比䟋するずいうこずから、 - Rは定数。 ず曞ける。定数を、わざわざ R ず曞いたのは、この倀は分子の皮類によらず、䞀定だからである。たた、Rは圧力にもよらず䞀定であり、枩床や䜓積にもよらず䞀定である。぀たり、Rは完党に定数である。この定数Rを普遍気䜓定数universal gas constantあるいは単に気䜓定数ずいう。 この普遍気䜓定数Rの倀は実隓で求められ、枬定結果は単䜍を [J/(mol・K)]で衚した堎合は - R = 8.31 [J/(mol・K)] である。 分母のTを移項すれば、 ず曞ける。 この匏 を気䜓の状態方皋匏ずいう。 䞀般に、気䜓の圧力・䜓積・枩床の関係を蚈算する堎合は、ボむルの匏やシャルルの匏などから蚈算するのではなく、気䜓の状態方皋匏から、必芁な蚈算匏を導く。 状態方皋匏の倉圢 - モル濃床ずの関係で堎合 なお、䜓積あたりのモル濃床をc[mol/m3]ずすれば、 C=n/V なので ずも曞ける。 こう曞くず、気䜓の圧力はモル濃床に比䟋するずも考えられる。 - 密床ずの関係で衚した堎合 たた、気䜓の密床ρ[kg/m3]は、分子モルあたりの質量これを分子量ずいう。をMずすればずなるので、この密床ρを甚いお、状態方皋匏を衚せば、 である。 理想気䜓ず実圚気䜓 理想気䜓 ボむル・シャルルの法則は、枩床が高い堎合や、定圧の堎合はよく圓おはたる。しかし、気䜓の枩床が䜎い堎合や、気䜓の圧力が高い堎合には、ズレが倧きくなっおくる。 熱力孊の蚈算では、蚈算の䟿宜䞊、どんなずきでもボむル・シャルルの法則が、そのたた成り立぀気䜓を考えるず、蚈算の郜合がいい。このような、ボむル・シャルルの法則が、そのたた成り立぀気䜓のこずを理想気䜓りそうきたい、ideal gas、perfect gasずいう。 理想気䜓は気䜓分子の分子間力の圱響が小さい堎合に、良く成り立぀。 実圚気䜓 いっぜう、珟実の気䜓を実圚気䜓じ぀ざいきたいずいう。実圚気䜓でも、状態方皋匏を改良するこずによっお、蚈算ができるような工倫がされおいる。いく぀かの改良された方皋匏があるが、そのうちのひず぀ずしお、ファンデルワヌルス方皋匏ずいう匏がある。 - 高校や倧孊入詊での物理科目の蚈算問題では、通垞はファンデルワヌルス方皋匏は甚いない。以䞋の蚘述は、理想気䜓ず実圚気䜓ずの違いを理解するための参考ずしお、読んでほしい。 - ファンデルワヌルスの状態方皋匏 理想気䜓の状態方皋匏では、分子そのものの倧きさを考慮しおいないので、だったら、分子の倧きさを考慮した匏を䜜ればいいのである。同様に、理想気䜓では、分子間力も考慮しおいなかった。だったら、これを考慮した状態方皋匏を䜜れば良い。 このようにしお、珟実気䜓でも適合するように、分子の倧きさず分子間力を考慮しお改良された状態方皋匏ずしお、ファンデルワヌルスの状態方皋匏がある。 ファンデルワヌルスの状態方皋匏を匏であらわすず、 である。匏䞭のaが分子間力を考慮した係数である。匏䞭のbは排陀䜓積ずいい、分子の倧きさを考慮した数倀である。 たず匏䞭のaの係数に぀いお考えよう。 係数のが分かりづらいかもしれないが、プラス笊号が぀いおいるのは、分子間力によっお圧力が枛少するからであり、そのためには、笊号をプラスにする必芁がある。 たた、分子間力の倧きさは、分子間の気䜓の濃床 に比䟋する。さらに、分子間力による圧力倉化の圱響の床合いも、気䜓の濃床cに比䟋する理想気䜓の匏はず倉圢できたこずを思い出そう。ので、その濃床どうしを乗算しただけである。 bの係数に぀いお考えよう。 ボむル・シャルルの法則での䜓積Vずは、䜕かずいうず、これは気䜓分子が動ける空間である。だったら、それぞれの分子が動ける空間の䜓積は、その分子以倖の他分子の䜓積を枛算する必芁がある。䞀般の気䜓の分子数は膚倧なので他分子の数はn[mol]に比䟋するず芋お良い。こうしお、他分子の䜓積を枛算した、気䜓分子が動ける分だけの䜓積を考慮すればよい。 ランフォヌドの考察 今でこそ、熱ぱネルギヌの圢態の䞀぀であるこずが分かっおいる。しかし、昔の人類はそうでなかった。 ペヌロッパやアメリカでは、か぀おは力孊的な仕事ず熱ずが別の量だず考えられおいお、熱は「熱玠」ずいう架空の物質による珟象だず思われおいた時代があった。この熱玠が熱や枩床の原因であるず考える仮説を熱玠説ずいう。 ランフォヌドずいう、1753幎生たれのアメリカ人の科孊者が、この熱玠説に疑いを抱いた。圌は仕事柄、倧砲の砲身の金属を削る実務に関わったこずがあった。この金属を削る際の芳察で、削るたびに金属から熱が発生するこずから、むしろ「削りの仕事こそが熱の発生原因であろう。熱玠説は間違いだ。」ず考え、熱玠説を疑った。 圌は金属の削りくずけずりくずの比熱ひね぀、specific heatを実隓で調べ、それが削る前の比熱ず倉わらないずいう実隓結果から、「もしも熱玠の流出が熱の原因ならば、削り屑からは熱玠が流出しおいるので、比熱が倉わらないず、おかしい。実隓によるず、削り屑の比熱は、もずの金属の比熱ず倉わらない。だから熱玠説は間違いだ。」ず結論づけた。 むギリスの化孊者ハンフリヌ・デヌビヌも、このランフォヌドの意芋に賛同し、デヌビヌも1799幎、2個の氷を摩擊するず熱が発生しお溶解するずいう実隓を行った。 仕事圓量 ゞュヌルが、氎ず枩床を求めるため、右図のような矜根車で氎をかき回す実隓装眮を甚いお実隓したずころ、氎の枩床を1℃あげるには、䜍眮゚ネルギヌが4.19[J]ほど必芁だずいうこずが分かった。 これは運動゚ネルギヌや䜍眮゚ネルギヌずいった力孊的な仕事ず、熱ずの関係を調べたので、4.19[J/cal]のこずを熱の仕事等量ずいう。 比熱 氎の堎合は、1K䞊昇させるのに1gあたり4.19Jの仕事が必芁ずいうこずが分かっおいるが、他の物質では、この倀は異なる。物䜓の枩床を1K䞊昇させるのに必芁な゚ネルギヌは、物䜓ごずよっお異なる。 そこで、次のような、新しい物性倀が定矩された。 - 1gの物質を、枩床を1Kだけ䞊昇させるのに、必芁な熱量を、比熱ひね぀、specific heatずいう。比熱の単䜍はゞュヌル毎キログラムケルビン J/(g・K) である。 あるいは1kgあたりの熱量によっお比熱を定矩する堎合もあり、この堎合は単䜍は J/(kg・K) である。 匏で衚すず、物䜓に加えた熱量をQ[J]ずし、その質量をm[g]ずし、その物䜓の比熱をc[J/(g・K)]ずし、その物䜓の枩床䞊昇をΔT[K]ずすれば、 - Q = mc ΔT である。 比熱の倧きいほど、枩床が倉化しづらい。比熱の倧きほど、枩たりにくく、冷めにくい。 熱容量 ある物䜓を1K䞊昇させるのに必芁な熱゚ネルギヌを熱容量ね぀ようりょう、heat capacityずいう。熱容量の単䜍は[J/K]である。ゞュヌル毎ケルビン。 定矩を数匏で衚せば、物䜓に加えた熱量をQ[J]ずし、その物䜓の熱容量をC[J/K]ずし、その物䜓の枩床䞊昇をΔT[K]ずすれば、 - Q = C ΔT である。 - 比熱ず熱容量の関係 比熱c[J/(g・K)]ず熱容量C[J/K]の関係は、質量をm[kg]ずすれば、 - C=mc である。 熱䌝導 二぀の固䜓の物䜓があったずしお、その二物䜓は枩床が異なるずしよう。高枩の物䜓ず、䜎枩の物䜓ずを接觊させるず、高枩の物䜓から熱が䜎枩の物䜓ぞ移動し、高枩の物䜓は冷えお、䜎枩の物䜓は枩たる。 これは熱が、高枩物䜓の偎から、䜎枩物䜓の偎ぞず䌝わったこずになる。 この珟象を熱䌝導heat conductionずいう。 なお、比熱の抂念ず、熱䌝導のしやすさは、べ぀の抂念である。実際に物理孊では、高校物理や倧孊入詊では立ち入らないが、熱䌝導のしやすさを衚す物性倀ずしお、「熱䌝導率」あるいは「熱䌝導床」ずいう物性倀が存圚する。間違えお、比熱ず熱䌝導ずを混同しないように、泚意が必芁である。 熱の䌝わり方 熱heatは、倖郚から手を加えなければ、自然ず枩床の高い所から、枩床の䜎いずころぞず移動しおいく。 その結果、枩床の高かった堎所は、熱を手攟しおいき、だんだんず枩床は䜎くなる。逆に、呚囲ず比べお枩床の䜎かった堎所は、しだいに枩床が高くなる。そしお、い぀しか、ふた぀の箇所の枩床は同じになる。このような熱の移動が無い状態を熱平衡ね぀ぞいこう、thermal equilibriumずいう。 いっぜう、熱が、枩床の䜎いずころから、枩床の高い所ぞず自然に移動するこずは、無い。 さお、静止した物䜓での熱の䌝わり方には、倧きく分ければ、熱䌝導ず察流ず熱攟射の䞉぀に分けられる。 察流 液䜓ず気䜓ずを総称しお流䜓fluidずいう堎合がある。文字通り、液䜓や気䜓は流れる事ができるから、流䜓ずいう。静止しおいる堎合でも、䟿宜䞊、流䜓ずいう堎合がある。特に流䜓が静止しおいるこずを、呌称で明瀺したい堎合には、静止流䜓などず呌ぶ堎合もある。 気䜓や液䜓などの流䜓の䞀郚に枩床差があり、その流䜓が運動をするず、熱を持った物䜓そのものが運動をするので、結果的に熱を運ぶこずになる。このような堎合は、熱䌝達ね぀でんた぀、heat transferずいい、熱䌝達ず熱䌝導ずは区別される。日本語での名前が䌌おいるので混同しないように泚意。 ずくに、その運動する流䜓の、運動の発生源が枩床差による密床倉化による堎合は、この流䜓の運動は埪環運動をする堎合が倚い。なぜなら、暖められお密床が軜くるこずで浮力が発生し、そのため暖められた流䜓が䞊方に移動し、かわりに元から䞊郚にあった冷たい流䜓が抌しのけられ、抌しのけられた冷たい物䜓は重力によっお降りおくる。このように、枩床差によっお生じる流䜓の埪環運動のこずを察流convectionずいう。 熱攟射 実は、絶察零床以倖の枩床を持぀、どの物䜓も、電磁波を出しおいる。その攟射する電磁波が、人間の県に芋えないのは、単に攟射電磁波の呚波数が、人間の目の可芖領域で無いからずいう理由である。 この攟射する電磁波は、垞枩では呚波数が䜎く、赀倖線の領域である。高音になるほど、物䜓の攟射電磁波の呚波数が高くなり、可芖領域ぞず入っおいく。溶鉱炉などで、高枩で溶けた金属が光るのは、この攟射光によるものである。このような高枩物䜓から電磁波がでるこずを熱攟射(thermal radiation)、あるいは単に攟射ずいう。熱茻射ね぀ふくしゃず蚀う堎合もある。 この攟射電磁波によっおも、゚ネルギヌが高枩偎の物䜓から䜎枩偎の物䜓に茞送される。䜎枩偎からも攟射電磁波が出るが、高枩偎の物䜓のほうが攟射電磁波の゚ネルギヌが倧きいので、差し匕きしお、結局は、高枩偎から䜎枩偎ぞず゚ネルギヌが移る。 内郚゚ネルギヌ 物䜓が静止しおいおも、物質内の分子は熱運動をしおいお、枩床が高いほど、その運動が激しくなるのであった。そのため、静止しおいる物䜓でも、枩床による熱運動の゚ネルギヌを持っおいる。たた、静止しおいる物䜓でも、その物䜓を構成する分子どうしが起こす分子間匕力による䜍眮゚ネルギヌを持っおいる。 このような物䜓内郚の運動゚ネルギヌや䜍眮゚ネルギヌの総和を内郚゚ネルギヌないぶ゚ネルギヌ、internal energyずいう。蚘号はUで衚す。 枩床が高いほど熱運動は激しくなるから、枩床Tが高くなるに぀れお内郚゚ネルギヌUも倧きくなる。 熱力孊の第䞀法則 理想気䜓に、倖から熱をあたえたずするず、気䜓の挏れなどが無ければ、䞎えた熱量Q[J]の分だけ内郚゚ネルギヌU[J]は増加する。 たた、倖から圧瞮などをしお力孊的仕事W[J]を加えた堎合も、その分だけ内郚゚ネルギヌは増加する。気䜓が倖郚に仕事W[J]をした堎合は、その分だけ内郚゚ネルギヌU[J]が枛る。 これらをたずめるず、内郚゚ネルギヌU[J]の増加量ΔUは、次の公匏で衚せる。倖から加えた熱量をQ[J]ずしお、倖郚ずの力孊的仕事のやりずりをW[J]ずした堎合、 ずなる。 䞊匏のWの笊号は、気䜓が倖郚から圧瞮をされお力孊的仕事をされる堎合は W0 、気䜓が膚匵しお倖郚に力孊的仕事をする堎合は W0 ずする。 この匏は、気䜓の挏れなどが無ければ、必ず成り立぀。この匏を、熱力孊の第䞀法則first law of thermodynamicsずいう。 なお、この蚘事では、Wの笊号の向きずしお、気䜓にされた仕事を正の向きに取ったが、他曞によっおは気䜓が行った仕事を正の向きに取る堎合もある。その堎合、匏のWの笊号がマむナスに倉わるので泚意のこず。 Wの笊号をどちらに定矩するにせよ、気䜓が圧瞮などの仕事をされたら、内郚゚ネルギヌは増え、気䜓が膚匵しお倖郚に仕事をしたら内郚゚ネルギヌは枛る。 断熱倉化 倖郚ずの熱のやりずりがない状態で、気䜓の圧力・䜓積・枩床などの状態を倉化させるこずを断熱倉化だんね぀ぞんかあるいは断熱過皋ずいう。断熱倉化のずき、第䞀法則の匏ΔU=Q+Wは、Q=0なので、 である。 具䜓的に断熱倉化ず芋なせる堎合は、断熱性胜の高い容噚などに入れた気䜓で、特に熱源による加熱をせず、たた冷华源による冷华などもしない堎合は、気䜓の状態倉化は断熱倉化ず芋なしお良い。たた、断熱性胜が通垞の容噚でも、特に熱源による加熱をせず、たた冷华源による冷华などもしない堎合なら、熱が䌝わるにはある皋床の時間が掛かるので、短時間的には断熱倉化ず近䌌しおも良い堎合もある。 定積倉化 䜓積を倉えずに枩床や圧力を倉化させるこずを定積倉化ずいう。他の呌びかたでは、「等積倉化」や「等容倉化」や「定容倉化」ずいう堎合もある。物理では定積倉化ずいう呌び方が䞀般に甚いられるので、本蚘事でも、その呌び方に合わせる。 䜓積が倉わらないので、仕事Wは W=0 である。 等枩倉化 気䜓が状態倉化をするずき、枩床が䞀定のたた、状態倉化をするこずを等枩倉化ずいう。倖郚ずは熱のやりずりが必芁である。なぜならば、もし熱のやりずりが無いず、気䜓が膚匵しお倖郚に仕事をした堎合は、仕事をした分だけ内郚゚ネルギヌが枛っおしたい枩床倉化をしおしたう。だから、等枩倉化には倖郚ずの熱のやりずりが必芁である。理想気䜓の堎合は、 - 䞀定 である。 定圧倉化 気䜓の圧力が䞀定のたた、䜓積や枩床などの状態が状態倉化をするこずを定圧倉化ずいう。等圧倉化ずもいう。呌び方は、本蚘事では、なるべく「定圧倉化」を甚いるずする。 このずき、気䜓が行った力孊的仕事Wず䜓積Vの関係は、 である。 熱膚匵率 物䜓は枩床が䞊昇するず䜓積が膚匵する。これを熱膚匵ね぀がうちょう、thermal expantionずいう。枩床が1[℃]あるいは1[K]䞊昇するに連れお䜓積の増加する割合を䜓膚匵率たいがうちょうり぀、coefficient of cubical expansionずいう。 いっぜう、長さが、枩床の1℃増加あたりに、長さの膚匵する割合を、線膚匵率せんがうちょうり぀、coefficient of linear wxpantionずいう。 金属は熱䌝導率が高い。䞭でも銀Agが最も高く、Cu、Au、Al、などがこれに次いでいる。 線膚匵率はプラスチックが最も高い。 線膚匵率をαずしお、長さをL、加熱埌の長さの倉化量をΔL、加熱埌の枩床䞊昇をΔTずするず、定矩より の関係匏が成り立぀。 膚匵量が小さい堎合の近䌌匏ずしお、線膚匵率αず䜓積膚匵率βずの間に、以䞋の近䌌匏が知られおいる。 - 導出 導出は、物䜓の䜓積をV、その倉化量をΔVずするず、 および の関係より、 さらに、近䌌匏 により、 䞡蟺から1を匕き、この問題蚭定では䜓積膚匵率βが、 であり、線膚匵率αが なので、結局は ずなる。以䞊、導出。
本項は高等孊校理科/物理IBの運動ず゚ネルギヌの解説である。 物䜓の運動 物䜓が時間ずずもに、その䜍眮をかえるずき、その物䜓は運動(うんどう、motion)をしおいる、ずいう。 䟋えば、ボヌルを䞊に向かっお投げ䞊げるず、ボヌルは䞋に向かっお萜ちお来る。このように、物䜓は動かすこずが出来る。このずき、ボヌルを投げあげたずきには人間が手で物䜓に力ちから、forceをかけお物䜓の運動のようすを倉えたものず解釈するこずが出来る。この章では、特に物䜓がどのような力を受けたずきにどのような運動の倉化を受けるかを考察する。 日垞に起こる物䜓の運動 珟実の物䜓の運動においおは、ただ1぀の力だけで衚わされるような運動は数少なく、いく぀かの物䜓から受ける力がからみ合っお物䜓の運動のようすが決たっおいるこずが倚い。 䟋えば、空気䞭に存圚する物䜓に力をかけお運動させるこずを考えおみる。ここでは、物䜓はそれに力をかけおいる人間や道具から力を受ける。しかし、䞀方で物䜓は空気ず衝突するこずで空気の分子から力を受けるこずになる。このため、䞀般に空気䞭で物䜓が行なう運動は、力をかけおいる人間が意図したものずずれる傟向がある。実際にこのような察応する力によっお物䜓の運動の様子が倧きく圱響を受けるかどうかは、扱う珟象の様子によっお倧きく倉わっおくる。分銅皋床の倧きさの物䜓を甚いた短時間の枬定なら、空気抵抗の圱響は無芖しおも差し支えないず思われる。しかし、䟋えばロケットが倧気圏に突入するずきのロケットの運動は、空気抵抗によっお倧きく圱響され空気抵抗の圱響を無芖しお運動の様子を解析するこずは適切ではない。 このように、察象ずする物䜓の運動の様子に䌎っお、どの力が重芁になるかを正しく芋抜くこずが必芁ずなる。 - 摩擊力 物䜓が受ける力ずしお、空気抵抗以倖に物䜓が接しおいる面から受ける[摩擊力(たさ぀りょく、friction)がある。これは、物䜓の運動の方向の反察の向きに物䜓が接しおいる面が物䜓に䞎える力である。通垞物䜓をある面の䞊ですべらせるようにしたずき、ほずんどの物䜓ではすべらせた物䜓はすぐに静止しおしたう。これは、物䜓に察しおすべらせた面からの摩擊力が働くからである。摩擊力は物質によっお倧きく異なっおおり、䟋えばゎムでは非垞に倧きい。たた、スケヌトリンクの氷の䞊で物䜓を滑らせるず、滑らせた物䜓が静止するこず無くい぀たでも滑り続けおいる様子が芳察される。これは、氷が極めお摩擊力を䞎える力が匱い物質であるからである。 - 氎圧ず浮力 曎に、日垞芋られる物䜓の運動ずしお、氎などの液䜓の䞭に沈めた物䜓に働く氎圧ず浮力を扱う。物䜓を海の深くたで沈めるず、物䜓は氎によっお党䜓に匷い圧力を受ける。䟋えば、深海探査を行う船は、倖壁に䜿う金属間の継ぎ目に倧きな圧力がかかるため、その圧力に堪えられるだけの匷床を持った现工をしないず、継ぎ目が砕けお船党䜓が氎に浞かっおしたう。このように氎の䞭にある物䜓にかかる圧力を、氎圧fluid pressureず呌ぶ。氎圧は氎の深さだけによっお決たる性質があり、その圧力は氎の深さに比䟋する。 - (*泚意 実際には、氎圧を䞎える液䜓の密床 ず、液䜓が存圚する地点での重力加速床 にも比䟋する。数匏では、氎圧pは、 で䞎えられる。) たた、実際には我々の䜏む地衚は倧気の海の海底にあるず解釈するこずが出来お、我々自身も倧気自身から匷い圧力を受けおいる。この圧力を倧気圧atmospheric pressureずいう。このような圧力に耐えるため、我々の䜓は内偎から倧気圧ずちょうど同じ皋床の圧力になるように、倧気圧を抌し返しおいる。このこずによっお倧気圧に耐えるこずが出来おいるのである。 このこずはしかし、急激に回りの倧気の圧力が䞋がったずきに身䜓に倉調をきたすこずに通じおもいる。䟋ずしおは、人間は生身で宇宙空間に出るこずが出来ないこずがあげられる。宇宙空間には酞玠が無いこずからヘルメットのようなものを぀けお酞玠を䟛絊するこずが必芁な事は確かである。しかし、宇宙空間のように極端に圧力が䜎いずころでは、人間は、䜓に異垞を感じるず考えられる。そのため、党身を宇宙服でくたなく芆い身䜓の回りの圧力を地䞊での圧力ず同じ皋床に保぀こずが求められるのである。 たた、氎圧ず同様に空気圧も空気の深さだけによっおいる。そのため、高い山に登るこずによっお空気圧が䜎くなった情况を芋るこずが出来る。空気圧が䜎くなったこずの代衚的な珟象ずしお、袋詰めになっおいる食糧などがふくらんでしたうこずがあげられる。これは、回りの空気圧が䞋がったのに察しお、袋詰めになっおいるものの䞭の圧力は倉化するこずが出来ないので、盞察的に袋の䞭の圧力が倖の圧力より高くなったこずによる。たた、高山では湯を沞かしたずき沞隰の枩床が100よりも䜎くなる珟象も空気圧が䜎くなっおいるこずによる珟象である。これは、物質の沞点がたわりの物質の圧力に䟝存しおいるこずによる。 さお、氎圧の話題に戻るず氎に関しおもう1぀重芁な珟象が存圚する。氎に軜い物䜓を沈めるず、その物䜓はどこからか力を受けお氎から浮き䞊がっお来る。この力を浮力ず呌ぶ。浮力は実際には、物䜓が液䜓から受ける氎圧の差によっお生じおいる。䟋えば、物䜓が立方䜓の圢をしおいお、ある1぀の面が氎面に平行な向きでその立方䜓を氎の䞭に沈めたずする。このずき、立方䜓に氎圧によっおかかる力は、物䜓の䞊の面より䞋の面の方がより深い䜍眮にあるこずから、物䜓には䞊向きの力が働くこずが予想される。このため、物䜓には䞊向きの力が働きこの力がちょうど浮力に察応するものになるのである。たた、今のこずから浮力は、物䜓の高さに比䟋する。たた、圧力に圧力を受ける面の面積をかけたものが力によっお生じる力になるので、浮力自身は物䜓が圧力を受ける面の面積にも比䟋する。このため、物䜓にかかる浮力は、物䜓の䜓積に比䟋するこずが分かるのである。曎に、より正確には物䜓にかかる浮力は物䜓が沈められおいる液䜓の密床にも比䟋するこずが知られおいる。そのため、これらを合わせるず、物䜓が受ける浮力は物䜓が抌しのけた液䜓の質量に比䟋するこずが分かるのである。 運動の衚し方 ここからは物䜓の運動が人間がかける力によっお制埡するこずが出来るず 仮定する。このようなずきに物䜓がどのような運動をするかを解析する。 このずき物䜓の運動は物䜓の䜍眮の倉化で曞き衚すこずが出来る。 物䜓の䜍眮はある時刻を取るず、その時刻に察しお䞀意に決たる。 これは、数孊的には物䜓の䜍眮が時刻に察する関数ず なっおいるこずに察応する。 実際の蚘述は以䞋のようになる。 物䜓の䜍眮をxで衚わし、時間をtずおく。 物䜓の䜍眮は時間によっお倉化するので、 ず衚わせる。 は、xがtの関数であるずいうこずを意味する。 それぞれの運動の様子は、関数 を1぀䞎えるこずによっお1぀䞎えられるが、この関数は通垞どのようなものでも かたわない。この章では特に、慣習的によく甚いられる運動に぀いお その運動がどのような匏で䞎えられるかを考察する。 等速盎線運動 䞀盎線䞊を䞀定の速さspeedで同じ向きに進む運動を等速盎線運動ずうそくちょくせんうんどう、linear uniform motionずいう。 等速盎線運動における物䜓の䜍眮xを時刻tの関数で衚すず、(vは定数)ずなる。 このvが速さである。 速さ 先ほどのの匏を倉圢するずずなる。 この匏は等速盎線運動に限らず、あらゆる運動に぀いお考えるこずができる。 ある時刻にの䜍眮にあった物䜓が、それより埌のある時刻にの䜍眮に移動した。 この堎合、からたでの時間は、からたでの䜍眮の倉化(これを倉䜍 displacement ずいう.)はである。 ここで速さvを考えるずずいう匏が考えられる。 これを平均の速さ(mean speed)ずいう。 平均の速さの匏においお、をに限りなく近づけおいく。 詳しくは数孊IIã‚„æ•°å­ŠIIIで習うが、これをず曞く。 このずき、vは䞀定の倀をずる。これを瞬間の速さずいう。 単に「速さ」ず曞かれおいるずきは、瞬間の速さを指すこずが倚い。 速床 速さが同じだからずいっお、党く同じ運動をしおいるわけではない。 たずえば、新幹線同士がすれちがうずき、普通速さは同じであるが、向きは党く逆である。 速さず向きを合わせたものを速床そくど、velocityずいう。 䞀般に速床のように倧きさず向きを持぀量をベクトルvectorずいい、速さのように倧きさだけを持぀量をスカラヌscalarずいう。 ベクトルは量を衚す蚘号、たたは始めの䜍眮ず終わりの䜍眮を衚す蚘号の䞊に矢印を぀けおのように衚す。 はAからBの向き、はBからAの向きを衚すので、倧きさは同じだが、向きは党く逆である。 ベクトルの矢印は量を衚す数字の䞊に盎接付けおはいけない(を陀く)。 ベクトルに぀いおは数孊Bで詳しく孊ぶ。 等速盎線運動は等速床運動ずも呌べる。 - 問題䟋 - 問題 時刻に速さvで䜍眮から x方向に移動し始めた物䜓は、 時刻にどの䜍眮に 移動するこずになるか。 - 解答 速床v䞀定の等速盎線運動の匏は、 で䞎えられる。この匏に盎接代入するず、 時刻で、この物䜓は に珟れるこずがわかる。 盞察速床 動く物䜓Aから芳枬した他の物䜓Bの速床のこずを、Aに察するBの盞察速床ずいう。盞察速床は「そうたいそくど」ず読む。 盞察速床relative velocity このずき、芳枬者の速床が基準ずなる。 䟋えばトラックAずオヌプンカヌBが䞀盎線の道路を同じ向き正ずするにそれぞれ30km/h, 60km/h の速さで走行しおいる時、 トラックAの䞭から芋るずオヌプンカヌBは30km/hの速さで前方ぞ遠ざかっおいるように芋え、 逆にオヌプンカヌBから芋るずトラックAは30km/hの速さで埌方ぞ(-30km/hの速床で)遠ざかっおいるように芋える。 このような盞察的な速床を匏にする。 Aの速床を、Bの速床をずするず、Aに察するBの盞察速床は で衚される。すなわち物䜓の速床から基準の速床を匕く。 加速床 速床も時刻tによっお倉化する。 よっお、速さのずきず同じように速床の倉化を衚すベクトルが考えられる。 これを加速床accelerationずいう。加速床はで衚す。 加速床の倧きさだけをaで衚すこずもある。倧きさは単䜍時間あたりの速床の倉化量で定矩される。 等加速床盎線運動 䞀盎線䞊を進む加速床が䞀定の物䜓の運動を等加速床盎線運動ずうかそくど ちょくせん うんどう、linear motion of uniform accelerationずいう。 - 公匏 物䜓の加速床を、基準ずなる時刻0での速床初速床ずいうを、時刻0での䜍眮を原点ずしお初速床の向きにx軞をずる。この時以䞋の公匏が成り立぀。 - 問題䟋 - 問題 時刻に速さ0で䜍眮にあった物䜓にx方向にだけの 䞀定の加速床を䞎えた。このずき、 x方向に移動し始めた物䜓は、時刻にどの䜍眮に 移動するこずになるか。 - 解答 等加速床運動の匏 に代入すれば良い。 このずきには、が䞎えられおいるので、 䞊の匏にを代入すれば良い。答えは、 ずなる。 等加速床運動 加速床が䞀定の運動を等加速床運動ずうかそくど うんどうずいう。 等加速床運動の䟋に、萜䞋運動がある。 空䞭に攟った物䜓は、重力(gravity)により、加速床を持ち萜䞋する。 この萜䞋の加速床を重力加速床gravitational acceleration)ずいい、その倧きさをで衚す。 地球䞊ではおよそ ずなる。 これにより、斜めに攟った物䜓は攟物線の軌道を描く。 力の性質 力の合成、力の぀りあい 力ずは、物䜓を支えたり動かしたりするものである。 力はベクトルで衚わされる量であり、単䜍には [N]を甚いる。[N]はニュヌトンず呌ばれる。 この量は、既に知られおいる[s],[kg],[m]を甚いおかくこずが出来る 単䜍である。実際には - [N] = [kg] [m/s] が埗られる。この関係は䞋で扱う運動方皋匏(うんどうほうおいしき、equation of motion)に埓う。 ここで、ある物䜓に察しお、2぀の力 および が働くずきに、その力は互いに足し合わされ、物䜓には合蚈で だけの力が働く。 このように力はベクトルずしおの加法則を満たすのである。 特に倧きさが等しく向きが反察向きであるずき2力の合蚈はベクトルずしお 0になり、物䜓に力が働いおいない状態ず等しくなる。このような状態を 力が぀りあっおいるずいう。 - 問題 ある物䜓に、(I)x方向に[N]、y方向に[N]の力が それぞれ独立に働いおいるずする。 このずき、この物䜓には合蚈でどれだけの力がどの方向に働いおいるか蚈算せよ。 たた、(II)それぞれの力の向きがどちらもx軞方向、 (III)片方がx軞方向でもう片方が(-x)軞 方向、 (IV)もしくは片方がx軞方向で、もう片方がx軞から枬っお反時蚈回りに 60の方向のずきにどのような力を受けおいるかを蚈算せよ。 - 解答 (I) ベクトルの加法を甚いるず埗られる力は ずなる。これは、方向がx軞から枬っお反時蚈回りに45だけ回転した方向に 等しい力で倧きさは に等しい力である。 (II) 同様にベクトルの加法を甚いるず、 ずなる。これは向きはx軞方向で倧きさは2fの力である。 (III) ベクトルの加法を甚いるず、 ずなる。これは力が働いおいない状態である。 (IV) ベクトルの加法を甚いるず、 ずなる。これはx軞から芋お30方向の力で、力の倧きさは に等しい。 運動の法則 慣性の法則 物䜓は倖郚から力が働かない限り、その速床を倉えるこずはない。静止しおいた物䜓は、倖郚から力が働かない限り、静止し続ける。自由萜䞋運動に関しおは、重力が働いおいるので、物䜓には倖郚から力が掛かっおいる。静止しおいる物䜓の速床は速床v=0だず考える 運動しおいる物䜓は、倖郚から力がかからない限り、その速床を保ち続ける。摩擊による速さの䜎䞋に関しおは、摩擊力が物䜓に生じおいるので、これは倖郚から力が働いおるこずになる。 物䜓が静止しおいたにせよ、動いおいたにせよ、どちらにせよ、物䜓は倖郚から力が働かない限り、その速床を倉えるこずはない。 これを運動の第䞀法則ずいう。 物䜓の運動の、このような性質を慣性(かんせい、inertia)ず蚀うので、この法則は慣性の法則(law of inertia)ずいう。 運動方皋匏 䞀般に物䜓は力を受けたずき動きだすこずが知られおいる。 実隓の結果によるず、党おの物䜓は ある䞀定の力[N]を受けたずき、加速床[m/s2]の倧きさは、物䜓の受けた力に比䟋し、たた、物䜓の持っおいる質量[kg]に反比䟋をする。 この第二法則を匏で衚せば、比䟋係数をk1ずしお、 これを運動の第二法則である。 この第二法則を力を基準に曞き換えれば、比䟋係数をk2ずしお、 ず衚わせる。 ここで、比䟋係数k2の倧きさが1になるように、力の定めた単䜍が力の単䜍のニュヌトンである。 ぀たり力の単䜍のニュヌトン単䜍における、1ニュヌトンの倧きさの定矩ずは、質量1kgの物䜓に力を加えた時に、1m/s2の加速床を生じさせる力の倧きさを1ニュヌトンず定めおいる。 ニュヌトン単䜍を甚いた力ず質量ず加速床ずの関係の方皋匏 をニュヌトンの運動方皋匏あるいは単に運動方皋匏(うんどうほうおいしき、equation of motion)ず呌ぶ。 䟋えば、ある䞀定の力fを䞀様に受けおいる 質量mの物䜓は、運動方皋匏に埓うず、 加速床 の等加速床盎線運動をする。 - 問題䟋 - 問題 質量m[kg]の物䜓にf[N]の力をかけたずき、 物䜓が受ける加速床は、䜕[m/s]か。 - 解答 運動方皋匏 に代入すれば良い。 ここで、mは質量、aは加速床、fは力である。 ここで、䞡蟺をmで割るず、 が埗られ、物䜓が受ける加速床は、 であるこずがわかる。 - 問題 重力が存圚する䞭で、質量mの物䜓を初速床で 投げ䞊げた。このずき、時刻での物䜓の䜍眮を求めよ。 たた、物䜓が最も高い䜍眮に存圚する時刻ずその高さ、さらに 物䜓がちょうど地面に萜ちおくる時刻を蚈算せよ。 ただし、物䜓の初期䜍眮をずし、投げ䞊げた時の 時刻をちょうど0ずする。 たた、重力加速床をgずする。 - 解答 重力が物䜓に䞎える加速床は䞀定であるので、 この物䜓の運動は等加速床運動である。 このずき、物䜓に働く加速床は、 倧きさは重力加速床gに等しく、向きはx方向の負の向きである。 ただし、x方向を物䜓を投げ䞊げた方向に取った。 よっお、この物䜓の運動は等加速床盎線運動の匏を 甚いお、 で衚される。 ここで物䜓の䜍眮xは、時刻tに関しお䞊に凞の2次関数であるので、 必ず最倧倀を持぀はずである。物理的には、この䜍眮はちょうど 物䜓の速床が0になる䜍眮に等しい。 䞊の衚匏を平方完成するず、 ずなる。 よっお、物䜓が最も高い䜍眮ににいたる時刻は 最高点は、 ずなる。 さらに、物䜓が地面に萜ちおくる時刻は、 ずなる時刻である。 を因数分解するず、 が埗られる。 この匏を芋るず、この物䜓のxはtの2次関数なのでx=0ずなる点は2぀ある。 片方は であるが、これは物䜓を投げ䞊げたずきの時刻なので、物䜓が 地面にあるのは圓然である。 䞀方 の方は、物䜓が䞀床投げ䞊げられお萜ちおきたものず解釈できる。 よっお、物䜓が萜ちおくる時刻は、 ずなる。 - 問題 重力が存圚する䞭、質量mの物䜓を 時刻0に、䜍眮 から、初速床vで地面から枬っお 方向に物䜓を攟り投げた。 物䜓が最高点に到る時刻ずそのずきの物䜓の䜍眮、 物䜓が萜ちお来るずきの時刻ずそのずきの物䜓の䜍眮をそれぞれ蚈算せよ。 - 解答 物䜓を攟った䜍眮を ずする座暙系を取り、物䜓が飛んでいく方向をx方向、重力が働く方向ず 反察の方向をy方向ずする。 このずき重力は(-y)方向にしか働かないので、物䜓は x方向には初速床 の等速盎線運動をする。 たた、y方向には重力が䞀定の倧きさで働くので、 初速床 の等加速床運動をする。 これらを等速盎線運動の公匏ず、等加速床盎線運動の公匏に代入するず、 が埗られる。ここで物䜓が最高点に達するずきには が成り立぀ので、 よっお、 が察応する。䞀方、物䜓が地面に萜ちたずきには、 が察応するので、 ずなる。これには が察応するが、t=0は投げあげたずきに察応するので、 が察応する量である。 䞀方、物䜓が最高点に達したずきの物䜓の䜍眮は にそれぞれのtの倀を代入すればよい。 に察しおは、 が埗られる。䞀方、 に察しおは、 が埗られる。 匟性力 ばねなどを考えれば分かるず思うが、䞀般に物䜓は圢を倉えるような力が働いたずき、それを抌し返そうずする力を働かせる。 このように元の圢に戻ろうずする性質を匟性(だんせい、elasticity)ずいう。たた匟性による埩元力を匟性力(elastic force)ず呌ぶ。 倚くの固䜓の物䜓は、物䜓に加える倖力が小さい堎合には匟性を瀺す。 いっぜう、粘土のように容易に圢を倉えるこずが出来る物質も存圚する。このような圢を倉えられる性質を塑性そせい,plasticずいう。 このように、匟性力の有無および匟性力の匷さは、物質によっお倧きく倉わる物質の性質である。 いっぜう、䞀般的に匟性力に関しおいえる珟象ずしお、圢の倉化が物䜓党䜓の 倧きさず比べお小さいような時、物䜓が倉圢を抌し返すために働かせる力は、 物䜓が倉圢した長さに比䟋する。これをフックの法則(Hooke's law)ず呌ぶ。 䟋えばゎムを䟋に取るず、ゎムを倧きく匕きのばしたずきに感じる力は、ゎムを小さく匕きのばしたずきに感じる力よりも倧きい。これはゎムが匕きのばされた時に発する力が、ゎム自身の倉圢の倧きさに応じお倧きくなるからである。 䞀般に物䜓が现長いずきには、物䜓の匟性力は1本のばねで近䌌的に衚わせる。 ここでは、特にばねに぀いおのフックの法則を扱う。 ここでいうばねは、いくらかの長さを持っおおり、力を受けおいないずきには 垞にの長さを持っおいる。たた、倚くの堎合ばねの質量は、他の物䜓の質量ず比べお小さいずしお、無芖される。これはどちらかずいうず蚈算を簡単化するためであり、実際にはどのような物質の匟性力に぀いお考えおいるかにもよる。 このバネは厳密にフックの法則を満たしおおり、この物䜓の匟性力は垞に物䜓の長さの倉化の割合に比䟋するずする。 ただし、lを匕きのばされたバネの長さずした、このずきの力ず物䜓の長さの倉化の割合の比䟋係数を、バネ定数ず呌び、kずかくこずにする。 このこずを匏でかくず、 ずなる。ただしここで であり、この量は座暙の原点をバネの端に取ったずきのバネの匕きのばされた倧きさずなっおいる。xは負の量も取るこずがあり、このずきはバネは匕きのばされるのではなく、抌し朰される方向に力を受けおいる。 のうちの笊合は、バネが匕きのばされるずきにそれを匕き返そうずする匟性力を発し、 通垞より短くなるように抌されるずきにはそれを抌し返す方向に、匟性力を働かせるこずに察応しおいる。 - 問題䟋 - 問題 片偎を壁に固定しおあるバネ定数kで自然の長さlのバネがある。このずき、(I)バネの長さがになるように匕きのばしたずき、バネの発する匟性力を笊合も含めお答えよ。 たた、(II)バネの長さがずなるように抌し瞮めたずき、バネの発する匟性力を笊合も含めお答えよ。 ただし、,ずする。 - 解答 バネが発する力は、フックの法則 を甚いお蚈算できる。ただし、バネの発する力の方向には泚意する必芁がある。 答えは、 (I) (II) ずなる。 䜜甚・反䜜甚の法則 バネが物䜓を吊り䞋げおいる堎合に関しお、物䜓が重力によっおバネを匕っ匵った堎合に、なぜ、重力を受けおいる物䜓は運動方皋匏にしたがっお萜䞋しおいかないのだろうか。それは、吊り䞋がっおいる物䜓が、バネを匕っ匵っおいる力ず同じ倧きさの力で、バネから匕き䞊げる力を受けおいるからである。 このように、物䜓が他の物䜓に力を及がすずきは、必ず盞手の物䜓からも同じ倧きさの力を受けおいる。これを䜜甚反䜜甚の法則(law of action and reaction)ずいう。あるいは「運動の第䞉法則」ずもいう。 磁力でも、䜜甚・反䜜甚の法則が成り立っおいる。磁石が鉄を匕き぀けるずき、鉄もたた磁石を匕き぀けおいるのである。 静電気の力でも、颚力でも、地球の匕力でも、どんな力であっおも、䜜甚・反䜜甚の法則が成り立っおいる。 私たちは、地球による重力に匕っ匵られおいるが、じ぀は地球も、私たちによる匕力で匕っ匵られおいる。これが䞇有匕力ばんゆう いんりょくである。私たちが、「地球が私によっおも匕っ匵られおる」ずは感じないのは、 月は地球のたわりを回っおいるが、月は、地球からの䞇有匕力を受けおいる。同様に、地球も、月からの䞇有匕力を受けおいる。 重力の法則は、生き物かどうかずか、星かどうかずかでは圱響されない。物䜓なら、すべおの物に、䞇有匕力は同じ法則で、䜜甚・反䜜甚の関係で働く。 摩擊力 摩擊力(たさ぀りょく、friction force)も、力の䞀皮でありベクトルで衚わされる。䞀般に、摩擊力には静止摩擊力ず動摩擊力の2通りがあるこずが知られおいる。 - 静止摩擊力 静止しおいる物䜓を動かし始めるのに必芁な力を静止摩擊力(せいしたさ぀りょく、static friction force)ずいう。物䜓がある物質で出来た面ず接しお静止しおいるずする。このずき物䜓に力をかけお物䜓が面に接したたたで、物䜓を動かすこずを考える。このずき、䟋えばゎムのような物質を考えるず分かり易いが、ある皋床の力をかけるたで物䜓が物質面からの力を受けお動きださないこずがある。このように静止しおいる物䜓に察しお働く力を静止摩擊力(static friction force)ずいう。 たた、静止しおいる物䜓を動かすにも、摩擊のため、力が䜙蚈に必芁になるずいう、この珟象を静止摩擊(static friction)ずいう。 静止摩擊力の最倧倀は、物䜓が物質面にかける力の面に垂盎な成分に比䟋するこずが知られおいる。このような力の垂盎成分ず 実際に生じる静止摩擊力の最倧倀ずの比䟋係数をず曞き、静止摩擊係数(せいしたさ぀けいすう、coefficient of static friction)ずよぶ。 静止摩擊係数は物質ごずに決たる定数である。 特にこの関係を匏で衚わすず、 のようになる。ここで、巊蟺の は摩擊力であり、右蟺の は、物質の面に床からかかる力の垂盎成分である。 物䜓が茉っおいる床に物䜓が沈たないためには、床が物䜓を抌し返す必芁があるので、このような床からの反発力を考える必芁がある。 このような床から物䜓に掛かる力は、床からの抗力こうりょく、reactionず呌ばれる。抗力ずは、倉圢を劚げる力のこずであり、床の面の接線方向に察しお、抗力の方向が垂盎なので、垂盎抗力ずよばれる。 - 動摩擊力 動いおる物䜓にかかる摩擊力を動摩擊力(kinetic friction force)ず呌ぶ。 これは、物䜓が接しおいる面から、物䜓が運動しおいる方向ず 反察の方向に働く力であり、通垞物䜓を物質の面䞊に滑らせたずき、物䜓が 静止するのはこの力によるものである。 動摩擊力も静止摩擊力ず同様に、物質の面にかかる力の垂盎成分に比䟋した力が生じる。 しかし、同じ力の垂盎成分に察しおも動摩擊力の倧きさは、䞀般に 同じ物質面を䜿っおも静止摩擊力よりも小さい。 この珟象、動いおいる物䜓の摩擊の珟象のこずを動摩擊(どうたさ぀、kinetic friction)ずいう。 動摩擊力の物䜓がかける力の 垂盎成分に察する比䟋係数を動摩擊係数(coefficient of kinetic friction)ず呌び、蚘号は䞀般にで衚わす。 このこずを匏でかくず、 ずなる。 は摩擊力であり、右蟺の は、物質の面にかかる力の垂盎成分である。このも垂盎抗力ずいう。 - 問題 重力がある䞭に、静止摩擊係数の物質で出来た平面を角床 だけかたむけお眮き、その䞊に質量mの物䜓を眮く。 このずき、 がどの倧きさのずき、この物䜓は滑り出すか蚈算せよ。 - 解答 物䜓は重力を受けお、鉛盎䞋方向にmgの力を受ける。このうちで この力は斜面方向に 、面に察しお垂盎な方向に の倧きさを持っおいる。このずき静止摩擊力の最倧倀は ずなるので、斜面方向に働く重力 が よりも倧きいずき、この物䜓は動きだすこずになる。 よっお、このような の条件は、 ずなる。 ゚ネルギヌ ゚ネルギヌ(energy)ずは物䜓を動かしたり枩床を䞊げたりできる胜力を定量的に衚したものである。 このような゚ネルギヌずいう量がどのような物理量を甚いお衚わされるかを考える。 仕事 物䜓に力をかけたたた力の方向に移動させるこずを考える。このずき、力が䞀定であったずする。 力の倧きさが時間的に倉化する堎合は、積分を䜿うこずになるので指導芁領の範囲倖である。 ここでは、物䜓にかかる力は垞に䞀定であるずしお考える。 力の倧きさず、その力の方向ず同じ方向に移動した距離ずの積を、物䜓が受けた仕事workず呌ぶ。 物䜓が力を受けおいる方向ずは垂盎な方向に物䜓が動いた分に぀いおは、物䜓は仕事をされおいないず考える。 仕事の蚘号は通垞ではWで曞かれ、その単䜍は - [N m] である。䞀方、この単䜍は通垞 - [J] ず曞き換えおゞュヌルず呌ばれる。 䞀般には、物䜓が動く方向はベクトルで衚わされ、力もベクトルで衚わされる。 このずき、物䜓が動いた量を 物䜓が受けた力を ずかくず、物䜓が受けた仕事は ず取る。ここで、は、内積の蚘号である。䟋えば、物䜓が力を受けおいる方向ず 垂盎な方向に動いたずき、物䜓は仕事をされおいないず考える。 䟋えば、重い荷物をもちあげずに運んだずき運んだ向きは物䜓が重力を受ける向きず 垂盎であるので、物䜓は重力に察する仕事をされおいないこずになる。 実は運動方皋匏を甚いるず、物䜓が受ける仕事は、その物䜓の埅぀゚ネルギヌの倉化量であるこずが分かる。 このこずを瀺すには、物䜓の持぀゚ネルギヌがどのようなものかを述べなくおはならないが、それは次の章で成される。 ただし、いずれにしおも物䜓が受ける仕事の持぀単䜍ず、物䜓の持぀゚ネルギヌの次元は同䞀であり、ゞュヌルぱネルギヌの単䜍ずしおも扱われる。 - 問題䟋 - 問題 ある物䜓が、x軞方向に䞀定の倧きさの力fを受けたたた、 (I) (II) (III) (IV) だけ動いたずする。それぞれの倉䜍に察しお物䜓が受けた仕事を求めよ。 - 解答 物䜓が受けた力を ずしお、それぞれの倉䜍ずの内積を取ればよい。 (I) ずなる。 (II) これは、物䜓が受けおいる力ず物䜓の倉䜍が垂盎なずきに察応する。 (III) (IV) ずなる。このずき、物䜓は負の仕事をされおいるずいう。 運動゚ネルギヌず䜍眮゚ネルギヌ 運動゚ネルギヌ 物䜓の゚ネルギヌを定めるには、物䜓が他の物䜓を動かす力を枬定するのが 順圓である。 皮々の実隓の結果によるず、ある物䜓ずもう1぀の物䜓が衝突したずき ぶ぀かった物䜓がぶ぀けられた物䜓を動かす力は、 ぶ぀けた物䜓の速さの2乗に比䟋し、ぶ぀けた物䜓の質量に比䟋する。 よっおぶ぀けた物䜓の速さをv、質量をmずするず、ぶ぀けられた物䜓の゚ネルギヌEは ず曞ける。 ここで、係数である は慣甚的な量ず合わせるために぀けおいる。 ここからは、質量mの物䜓が速床vで運動しおいるずきその物䜓は の゚ネルギヌを持っおいるずする。運動の方向がどちらであっおも、物䜓が持っおいる ゚ネルギヌは倉化しない。 ここで、この量の単䜍を考えおみる。 この量は質量ず速床の2乗の積で出来おいるこずから、この量の単䜍は - [kg] [/] - =[ kg m/s] [ m] - = [N] [m] ずなり、確かに仕事の単䜍ず等しいこずが分かる。 ここで、゚ネルギヌ ずいう量の倉化が、物䜓が受けた仕事に察応するこずを瀺す。 ある短い時間の間に物䜓が力fを受けながら力ず同じ方向に だけ移動したずする。 このずきの物䜓の速床の倉化をずするず、゚ネルギヌの倉化量は ずなる。ただしここで、 の項は第1項ず比べお小さいずしお無芖した。 この量をで割った量は ずなるが、ここで は、物䜓の加速床ず等しいこずが予想される。 ここで、運動方皋匏 を甚いるず、䞊の量は ずなる。 しかしここで、 であるこずを考えるず、䞊の量は の間になされた仕事 をで割ったものず解釈するこずが出来る。 もずもず始めの量は、の間の゚ネルギヌの倉化量をで割ったもので あったので、これは求めたかった結果ず䞀臎しおいるこずが分かる。 よっお、物䜓が受ける仕事は物䜓の持぀゚ネルギヌの倉化ず等しいこず がわかった。匏でかくず、 ずなる。ただし、ここでは物䜓が仕事を受ける前の速床を, 仕事を受けた埌の速床をず取り、受けた仕事をWず取った。 このようなこずから、速床vで運動する質量mの物䜓に察する物理量 は、運動しおいる物䜓が蓄えおいる゚ネルギヌず芋なせる。そこで、この゚ネルギヌ量 のこずを運動゚ネルギヌ(kinetic energy)ず呌ぶ。 - 問題䟋 - 問題 質量mを持぀物䜓が速床v1で運動しおいた。このずきその物䜓に ある仕事をし、その物䜓の速床をv2たで匕きあげた。 物䜓が受けた仕事を蚈算せよ。 - 解答 ゚ネルギヌの倉化量がなされた仕事に察応する。 よっお、なされた仕事は、 ずなる。 䜍眮゚ネルギヌ - 重力加速床 質量m[kg]の物䜓を高さ0メヌトルの地面から、高さhメヌトルたで䞊げるには、重力に逆らっお仕事をしなければならない。 質量1kgあたりの重力の倧きさを重力加速床ず蚀い、蚘号はgで衚す。重力加速床gの枬定倀は、堎所によっお少しは異なるが、地球䞊ならば、おおむね g = 9.8 [m/sec] である。月面では、重力加速床の倧きさは地球䞊の重力加速床よりも小さい。 - 䜍眮゚ネルギヌ 高さh[m]に持ち䞊げた質量m[kg]の物䜓は、手を離せば、重力によっおmg[N]の力を受けながら、地面たでの距離hの分だけ萜䞋するので、手を話すず仕事をmgh[J]するこずになる。 ずいうこずは、高さh[m]にある質量m[kg]の物䜓ぱネルギヌをmgh[J]ほど持っおいるこずになる。 このような、物䜓の高さによる゚ネルギヌを䜍眮゚ネルギヌ(potential energy)ずいう。 䜍眮゚ネルギヌは物䜓の高さhず物䜓の質量mず重力加速床gに比䟋する。䜍眮゚ネルギヌの蚘号をUで衚した堎合、䜍眮゚ネルギヌUは である。 運動゚ネルギヌず䜍眮゚ネルギヌずの倉換 次に物䜓をある高さから転がしお、その物䜓の速さを枬る実隓を行なう。簡単化のため、物䜓の初速床は0ずする。 このような実隓の結果によるず、物䜓の速さvは物䜓の元の高さhの平方根に比䟋する。 これは物䜓が高い䜍眮にあるこずによっお持っおいた䜍眮゚ネルギヌを、 物䜓の運動゚ネルギヌに転換したものず芋るこずが出来る。 - 問題䟋 - 問題 高さhから質量mの物䜓を萜ずした。ここでこの物䜓が地面すれすれで 持぀こずになる運動゚ネルギヌず速床を求めよ。 曎にこの物䜓から党おの゚ネルギヌを受け取った質量Mの物䜓は 地面すれすれの高さではどれだけの速床で動くこずになるかを 蚈算せよ。 - 解答 物䜓の゚ネルギヌをEずするず、運動゚ネルギヌT,䜍眮゚ネルギヌUずしたずき、 が成り立぀。ここで、゚ネルギヌ保存則から、高さhで物䜓が持っおいた ゚ネルギヌず、地面すれすれで物䜓が持っおいる゚ネルギヌは等しいこずに 泚目するず、物䜓が地面すれすれで持っおいる運動゚ネルギヌは 物䜓が高さhで持っおいた䜍眮゚ネルギヌず等しい。 よっお、物䜓の地面すれすれでの運動゚ネルギヌは ずなる。曎に、このずきの物䜓の速床は、 より、 ずなる。 たた、この゚ネルギヌを質量Mの物䜓が受け取ったずするず、 このずきの物䜓の速床をVずするず、 よっお、 ずなる。 このように、゚ネルギヌは、圢をかえおも、その総和は䞀定である。これを゚ネルギヌ保存の法則(law of conservation of energy)ずいう。 熱ず枩床 熱を物䜓に䞎えるず、物䜓の枩床が䞊がる。 たた、氎をかきたせるこずで氎の枩床を䞊げるこずも出来る。 氎をかきたぜるのは氎に運動゚ネルギヌを䞎えるこずに等しく その結果ずしお、氎の枩床が䞊がったのである。 電気ず゚ネルギヌ 発電所では、タヌビンを回転させるこずで、電気をおこしおいる。 これは、運動゚ネルギヌを電気゚ネルギヌに転換しおいるものず 考えるこずが出来る。 電気゚ネルギヌを䜿っお運動゚ネルギヌに倉換するこずも可胜である。たずえば、モヌタヌは電気゚ネルギヌを䜿っお運動゚ネルギヌを 産み出しおいるものず考えるこずが出来る。 ゚ネルギヌの倉換ず保存 今たで芋お来た通り、゚ネルギヌには様々な圢態があり それぞれは条件付で互いに倉換が可胜ずなっおいる。 ただし、゚ネルギヌの総量はそれぞれの倉換で 倉化しないず思われおいる。 剛䜓に働く力の釣り合い 力を加えおも䌞び瞮みをせず、倧きさを物䜓を剛䜓(ごうたい、rigid body)ずいう。これに察しお、バネなどの䌞び瞮みをする物䜓は匟性䜓(elastic body)ずいう。 以䞋の蚘述では、おもに、剛䜓に぀いお考える。 剛䜓に力が掛かっおいる箇所を、䜜甚点(さようおん、point of action)ず蚀い、䜜甚線から力の方向ぞ延長した盎線を䜜甚線(line of action)ずいう。 剛䜓は力を加えた䜍眮によっお、動き方が異なる。力の加え方によっお、䞊進運動の他に回転運動をする堎合もある。 たた、おこの原理を考えれば、同じ倧きさの力を加えおも、䜜甚点の䜍眮によっお、剛䜓に䞎える圱響は異なる。このこずからおこの支点ず䜜甚点ずの距離Lず、力Fの垂盎方向成分F sinΞずの積を考えるず奜郜合である。この積FL sinΞを、力のモヌメント(moment of force)ず蚀う。あるいは単にモヌメント(moment)ずいう。 おこ以倖の剛䜓に察しおも、任意の点Oからの距離を考え、これを支点ずしお、この点Oからの距離Lず力の垂盎方向成分F sinΞ郜の積でモヌメントを定矩する。モヌメントの単䜍は[N・m]である。 モヌメントをMず衚した堎合、 - M=FL sinΞ である。 剛䜓に掛かる力が耇数個、有る堎合に぀いおは、その力による回転方向が基準にした回転方向ず逆の堎合は、マむナス笊号に取る。 力のモヌメントが釣り合っおいる堎合は、モヌメントの合蚈がれロになり、この堎合は、剛䜓は回転しない。 - 偶力 剛䜓に同じ倧きさの力が反察方向に掛かっおいる堎合、その力の察を、偶力ぐうりょく、couple of forceずいう。 - 質点 剛䜓には倧きさがあったが、この倧きさを無芖しお、物䜓を質量を持った点ずしお扱う堎合は、これを質点ずいう。 質点は、力のモヌメントを持たない。 重心 (centet of grvity) 運動量ず力積 運動量 運動しおいる物䜓Aが静止しおいる物䜓Bに衝突しお、その静止物䜓Bを動かしたずしよう。 このずき、静止しおいる物䜓が動き出す速床の倧きさは、物䜓Aの質量mAが倧きいほど、衝突された物䜓Bの速床も倧きな速床で動き出すだろう。たた、物䜓Aの速床vAが倧きいほど、衝突された物䜓Bの速床も倧きくなるだろう。 このこずから、速床vで運動しおいる質量mの物䜓に関しお、物䜓の速床vず質量mの積で定められる量mvを定矩するず郜合がよさそうである。 物䜓が動いおいるずき、物䜓の速床ず質量の積mvを物䜓の運動量(うんどうりょう、momentum)ず呌び、蚘号は䞀般にpで衚し ず定矩する。 運動量保存の法則 物䜓に察しお力fをの間だけ 働かせたずき、 ずしお、Pを力積(りきせき、impulse)ず呌ぶ。 ここで、力積が運動量の倉化率であるこずを瀺す。 実際ある物䜓に短い時間の間力 がかかったずするず、 ずなるが、これは運動量の時間倉化率 に時間をかけたもので、運動量の時間倉化に等しいこずが分かる。 よっお、物䜓にかかる力積は、物䜓の運動量の倉化量に等しいこずが分かった。 - 発展 埮分ず倉化量 ここでは、短時間の運動量の倉化率ずしお、ずいう蚘述を甚いおいるが、本来この量はw:埮分を甚いお定矩される。ただし、指導芁領の郜合のため、ここではそのような蚘述はしおいない。埮分を甚いた導出に぀いおは、叀兞力孊を参照。 - 問題䟋 - 問題 静止しおいた物䜓に時間の間ある方向に䞀様な力fをかけた。物䜓が埗た 運動量はどれだけか。曎に、物䜓の質量をmずするず、物䜓がその方向に 埗た速床はどれだけか。 - 解答 運動量の倉化分は物䜓が受けた力積に等しいので、物䜓が受けた力積を蚈算すれば よい。物䜓が受けた力積は に等しいので、物䜓が埗た運動量も に等しい。曎に、運動量が を満たすこずを考えるず、物䜓の速床は ずなる。 運動量は、物䜓が党く力を受けないずき保存する。 これは物䜓に力が働かないずきには、物䜓の受ける力積は0であり物䜓の運動量 倉化も0であるこずから圓然である。 さらに、耇数の物䜓の運動量に぀いおは、別の重芁な性質が芋られる。それは、 耇数の物䜓のも぀運動量の総和はそれらの物䜓の間の衝突に際しお 保存するずいうこずである。 これは぀たり、䟋えばある2぀の物䜓が衝突したずき、始めに2物䜓がそれぞれ持っおいた 運動量の和は衝突が終わった埌に2物䜓が持っおいる運動量の和に等しいずいうこずで ある。 ここで、いく぀かの物䜓があるずきそれらの持぀運動量の総和を、察応する物䜓系の 党運動量ずいう。 物䜓の衝突に぀いお、運動量は垞に保存する。しかし、物䜓系の党゚ネルギヌは 垞に保存するずは限らない。䞀般に物䜓の衝突に぀いお゚ネルギヌは垞に倱われおいく。 もっずも物䜓系に限らない党゚ネルギヌは垞に䞀定であるので、物䜓が持っおいた ゚ネルギヌは音や熱の圢で物䜓系の倖に逃げお行くのである。物䜓が衝突に぀いお 倱う゚ネルギヌは衝突に関わる物䜓が持っおいる物性定数によっお決たる。 この係数をw:反発係数eず呌ぶ。反発係数は、物䜓が衝突したする前埌の 物䜓間の盞察速床の比によっお定められる。 特に物䜓1ず物䜓2が衝突前に速床 ,を持っおおり、衝突埌に 速床,を持ったずするず、反発係数eは、 で定められる。ここで、右蟺の始めの笊合は、衝突の前埌で物䜓の速床が より倧きい物䜓は、衝突前により小さい速床を持っおいた物䜓よりも 衝突埌にはより小さい速床を持぀こずになるからである。 そのため、反発係数は䞀般に正の数である。 たた反発係数は1より小さい数であり、物䜓間の盞察速床は衝突前より 衝突埌の方が小さくなる。特にe=1のずきを完党匟性衝突ず呌び のずきを非匟性衝突ず呌ぶ。完党匟性衝突のずきは、 ゚ネルギヌは倱われないこずが知られおいる。䞀方、非匟性衝突の ずきは物䜓系の党゚ネルギヌは倱われる。 - 問題䟋 - 問題 ある静止しおいる物䜓2に運動量pで運動しおいる物䜓が衝突した。このずき、 衝突した埌の物䜓2が運動量を埗たずするず、衝突埌の物䜓1の運動量は どれだけずなったか。 - 解答 運動量の保存則を考えるず、衝突の前埌で物䜓1ず物䜓2で構成される物䜓系の 党運動量は保存する。ここで、衝突前の物䜓系の党運動量はpであるので、 衝突埌の物䜓系の党運動量もpずなる。曎に、物䜓2の衝突埌の運動量が なので、物䜓1の運動量は ずなる。 ここで、物䜓系の党運動量が保存されるこずは、運動に関するw:䜜甚反䜜甚の法則から埓う。 䜜甚反䜜甚の法則を甚いるず、物䜓系の間の衝突に際しお、衝突に関わる それぞれの物䜓が受ける力は、倧きさが等しく向きは反察ずなる。 このずき、それぞれの力に察しお、衝突の時間をかけたものは 衝突に際しおそれぞれの物䜓が受け取る力積に等しい。ここで、 衝突に関しお働く力の力積を党おの物䜓に぀いお足し合わせるず、それらの 和は䞊のこずから0ずなる。しかし、党運動量の蚈算ではたさにそのような 党物䜓に぀いおの運動量の総和を蚈算しおいるので、衝突によっお埗られるような 力積の総和は0に等しい。よっお、衝突に際しお物䜓系の持぀党運動量は保存される。 - 問題䟋 - 問題 質量mの2぀の物䜓が速床, で移動しおいる。これらの物䜓が衝突したずき、 衝突埌のそれぞれの物䜓の速床を、゚ネルギヌ保存則ず運動量保存則を甚いお 蚈算せよ。ただし、物䜓の衝突に関しお゚ネルギヌは保存するずする。 - 解答 この問題は2぀の同じ倧きさの物䜓を異なった速床でぶ぀けたずき その結果がどうなるかを蚈算する問題である。 実隓の結果によるず、䞀方が静止しおおり䞀方が動いおいるずき、 動いおいた物䜓は静止し、静止しおいた物䜓は動いおいた物䜓が持っおいた 速床ず同じ速床で動きだすこずが知られおいる。ここでは、それらの 結果が蚈算によっお確かめられるこずを芋るこずが出来る。 衝突埌の物䜓の速床をそれぞれ物䜓1に぀いおは,物䜓2に぀いおは ずする。このずき、物䜓の衝突に぀いお党゚ネルギヌが保存されるこずを 甚いるず、 が埗られる。曎に、物䜓の衝突に぀いお物䜓系の党運動量が保存されるこずを甚いるず、 これらは、,に぀いおの2次方皋匏であり、解くこずが出来る。 実際蚈算するず、解ずしお が埗られる。前者の解は衝突に際しお物䜓の速床が倉化しないこずを 瀺しおいるが、これは実際の情况ずしお考え難いので、埌者の解が珟実の解ずなる。 この結果を芋るず、物䜓が持぀速床が入れ替わるこずが分かる。 このこずは実際に同じ倧きさの球を甚いお実隓を行うず、確かめるこずができる。 運動ず゚ネルギヌに関する探求掻動 ??
本項は高等孊校理科/物理IBの電気の解説である。 電気 生掻の䞭の電気 電気ず生掻 珟圚私たちが䜿っおいる倚くの補品が電気を甚いお動いおいる。 これには様々な理由が考えられるが、たず第䞀に電気は様々な別の゚ネルギヌに倉換できるこず。䟋えば電熱線を䜿っお熱に、電球や発光ダむオヌドを䜿っお光に、モヌタヌを䜿っお運動に倉換するこずが出来る。次に、電池やコンデンサを䜿っお゚ネルギヌを維持したたた持ち運ぶこずが出来るこずや、電線を䜿っお長距離を送電できるこず。たた、電子補品の蚈算胜力や信号の䌝達胜力が優れおいるこず、たた比范的に安党に少量の゚ネルギヌが取り出せるこず、等が考えられる。 モヌタヌず発電機 電気を運動に倉えるものずしお モヌタヌがある。 これの逆のものずしお、 運動を電気に倉えるこずも出来る。 これを行なうのは発電機ず呌ばれる。 䟋えば、発電所は䜕らかの運動の゚ネルギヌを 利甚しお電気をおこしおいる。 䟋えば、氎力発電所では、 氎の萜䞋する力を利甚しおいる。 倧量の氎が萜䞋するずきには 人間が䜕千人もかかっおようやく 出来るこずがなされるこずがある。 たずえば、切り立った海岞線などは 䞻に氎の流れによっお䜜られおいる。 このように、氎の力は匷倧であるので、 それを䞊手く利甚する方法があるず 郜合がよい。実際珟代では 電気を媒介ずしお、その力を 取りだすこずに成功しおいる。 亀流ず電波 電池のように電極の+ず-が定たった 電流を盎流電流ず呌ぶ。 䞀方、発電所から埗られる電流のように +ず-が速い速床で入れ換わる 電流を亀流電流ず呌ぶ。 実際にはダむオヌドを甚いお 亀流を盎流に倉えお 䜿うこずもよく行なわれる。 䜕もない空間を光が盎進しおいるように 芋えるこずがある。実際にはこれは 電波ず同じものである。 電波ずは䟋えば、携垯電話の通信に䜿われるものであり、 電荷を持った物䜓を動かすず、必然的に 生じるものである。 静電気 プラスチックの䞋敷きなどで髪をこするず垯電する珟象などのように、物質が電気を垯びるこずを垯電ずいう。物䜓をこすっお発生させる静電気を摩擊電気ずいう。 ガラス棒を絹の垃でこするず、ガラス棒は正の電気に垯電し、絹は負の電気に垯電する。 電気の量を電荷chargeずいう。あるいは電気量ずいう。 電荷の単䜍はクヌロンである。クヌロンの蚘号はCである。 静電気による電荷どうしに働く力を静電気力ずいう。 なお、垯電しおいない状態を電気的に䞭性である、ずいう。 金属のように、電気を通せる物䜓を導䜓conductorずいう。プラスチックやガラスやゎムのように電気を通さない物質を絶瞁䜓insulatorあるいは䞍導䜓ずいう。 金属は導䜓である。 電気の正䜓は電子electronずいう粒子である。この電子は負電荷を垯びおいる。電子の電荷が負に定矩されおいるのは、人類が電子を発芋する前に電荷の正負の定矩が行われ、あずから電子が芋぀かった際に電子の電荷を調べたら負電荷だったからである。 正電荷ずは、物質に電子が欠乏しおいる状態である。 負電荷ずは、物質が電子を倚く持っおいる状態である。 垯電しおいない絶瞁䜓の物質をこすりあわせお、䞡方を摩擊電気に垯電させた堎合、片方は正電荷を生じ、もう片方の物質は負電荷を生じる。このずき、発生した正電荷の倧きさず負電荷の倧きさは同じである。 これは、電子が移動しお、片方の物質は電子が䞍足し、もう片方は等量の電子が過剰になっおいるからである。 このように、電子は生成も消滅もしない。これを電荷保存の法則ず蚀う。あるいは電気量保存の法則ず蚀う。 静電誘導 電気的に䞭性であった導䜓の物質仮に物質Aずするに垯電した別の物質仮に物質Bずするを接觊させずに近づけるず、物質Aには、垯電物質Bの電荷に匕き寄せられお、物䜓Aの内郚で反察笊号の電荷が垯電物䜓Bに近い偎の衚面に生じる。たた、垯電物䜓Bず同じ電荷は反発するので、物䜓A内郚の垯電物䜓Bずは遠い偎の衚面に生じる。 このような珟象を静電誘導せいでんゆうどう;Electrostatic inductionずいう。静電誘導で生じた電荷の正電荷の量ず負電荷の量は等量である。電気量保存の法則 導䜓の内郚に静電気力は無い。もしあったずするず、自由電子などの電荷が動き、電流が流れ続けるこずになるが、そのような珟象は実圚しないので䞍合理になる。したがっお、導䜓の内郚に静電気力は無い。 衚面に電荷が集たるのは、導䜓の内郚に静電気力を䜜らせないためである。したがっお静電誘導で匕き寄せられる電荷の倧きさは、倖郚から導䜓内郚ぞの静電気力を打ち消すだけの倧きさである。 この導䜓内郚の電荷がれロになる性質を応甚するず、䞭空の導䜓で出来た物䜓を甚いお、静電気力を遮蔜するこずができる。これを静電遮蔜せいでんしゃぞい、electric shildingずいう。 誘電分極 絶瞁䜓仮にAずするに電荷を近づけた堎合は、導䜓ずは違い、物䜓Aの内郚の電子は自由に衚面には集たれないが、物䜓内郚の原子の正負の電荷の極性を持った郚分が、倖郚の静電気力に匕き寄せられるように、近づけた電荷に近い偎には異皮の電荷が生じ、遠い偎には、同皮の電荷が生じる。 原子や分子が倖郚の静電気力によっお、正負の電荷の郚分が生じるこずを分極ぶんきょくずいいい、倖郚の電化によっお起こる、このような分極のしかたを誘電分極ゆうでんぶんきょく、dielectric polarizationずいう。 絶瞁䜓は、静電気力にさらされるず誘電分極を行うので、絶瞁䜓のこずを誘電䜓ゆうでんたい、dielectricずもいう。 導䜓に静電誘導された正負の電荷は、導䜓を切断などをすれば正電荷ず負電荷を別個に取り出すこずができる。しかし誘電䜓の正負の電荷は、原子や分子ず密接に結び぀いおいるため、正負の電荷を分かれお取り出すこずは出来ない。 電堎ず磁堎 電荷ず電堎 電荷 ある物質が電気を垯びおいる垯電しおいるずき、その垯電の倧小の皋床を電荷でんか、electric chargeずいう。さたざたな物質をいろいろな方法で垯電させた結果、電荷には、垯電した2個のものどうしを近づけた時に匕っ匵り合うもの匕力が働くず反発しあうもの斥力がはたらくの2皮類があるこずが分かった。 このような、垯電しおいる物䜓に働く力を静電気力ずいう。 べ぀の垯電したものを、他にもいく぀か甚意しお、近づけお実隓する2個の物䜓の組み合わせを倉えるず、組み合わせによっお、2個の物䜓どうしに匕力が働く堎合もあれば、斥力が働く堎合もあるこずが分かった。この匕力ず斥力の関係は、垯電した電荷の皮類に応じるこずがわかった。 正電荷ず負電荷 結論を蚀うず、電荷には正負の2皮類がある。正の電荷どうしの物䜓を近づけたずきは反発しあう。負の電荷どうしを近づけたずきも反発しあう。正ず負の電荷を近づけた時には匕力が働く。 ぀たり、同笊号の電荷を近づけた堎合は、反発力が生じる。異笊号の電荷を近づけた堎合は、匕力が生じる。 静電気力 静電気どうしの力の匷さは、実隓的には、電荷の間に働く力は、重力の堎合ず同様に力を及がし合う2物䜓の間の距離の2乗に反比䟋するこずが知られおいる。曎に、電荷の倧きさが倧きいほど電荷間に働く力が倧きいこずも考慮するず、距離rだけ離れおそれぞれが電荷、を持っおいる2物䜓の間に働く力Fは、 で䞎えられる。これをクヌロンの法則 Coulomb's lawずいう。ここで、は比䟋定数であり、䞡電荷の呚囲にある物䜓の皮類により倉化する定数である。真空䞭での電堎を考えた堎合のkの倀は、 - [N・m2/C2]クヌロンの比䟋定数 である。たた、は埌ほど登堎する誘電率ず呌ばれる物理定数である。誘電率は、䞡電荷の呚囲にある物䜓の皮類により倉化する定数である。誘電率に぀いおは、この文を初めお読んだ段階では、ただ知らなくおも良い。のちに物理IIで誘電率を詳しく解説する。 誘電率ずクヌロンの比䟋定数kには䞊匏の関係 がある。 物䜓のたわりに蓄積されるものを電荷ず呌ぶ。電気力によっお反発しあったり、匕き぀けあったりする物䜓を電荷を持぀物䜓ず呌ぶ。たた、ここで芳察される静電気力を、クヌロン力ず呌ぶこずがある。 2個の電荷どうしがおよがす力は同じであり、したがっお䜜甚・反䜜甚の法則に埓っおいる。 ここで、電荷の単䜍は[C]で䞎えられる。蚘号のCは「クヌロン」ず読む。 - 問題䟋 - 問題 電荷, の間の距離がrの堎合ず2rの堎合では、間に働く力の倧きさはどちらがどれだけ倧きいか答えよ。 たた、距離が2rの時の2点間の力の倧きさを答えよ。 - 解答 クヌロン力は、物䜓間の距離の逆2乗に比䟋するので、距離が2rの時は、rの時の倧きさのずなる。たた、働く力の倧きさは、クヌロン力の匏を甚いお、 ずなる。 電堎 既に、ある電荷Aのたわりの別の電荷Bには、その電荷からの距離の逆2乗に比䟋した力がかかるこずを述べた。 ここで、電荷Bが受ける力は、その電荷Bの倧きさに比䟋するこずを合わせお考えるず、その電荷Bの倧きさにかかわらず、電荷Aの倧きさだけで決たる量を導入しおおくず郜合がよい。ここで、そのような量ずしお電堎を導入する。このずき、電堎の䞭にある電荷に働く力は、 で䞎えられる。電堎は単䜍電荷に働く力ず考えるこずもでき、電堎の単䜍は[N/C]である。電界は、電界ずも呌ばれる。 日本の物理孊では電堎ず呌ぶこずが倚く、たた、日本の電気工孊では電界ず呌ばれるこずが倚い。明治期の翻蚳の際の、日本囜内の業界ごずの違いに過ぎず、地域瀟䌚的な事象であり、呌び方は物理の本質ずは関係ないので、ここでは、どちらの衚珟を甚いるかは、本曞では特にこだわらない。英語では物理孊・電気工孊ずも“electric field”で共通しおいる。 䞊のクヌロン力の結果ず合わせるず、電荷Aのたわりに別の電荷が存圚しないずき、電荷[C]の電荷がたずう電堎は、 で䞎えられる。ただし、rは電荷からの距離であり、は、電荷ずある点を結んだ盎線䞊で、電荷ず反察方向を向いた単䜍ベクトルである。 電荷の回りの電堎は、平面䞊で攟射状のベクトルずなるこずに泚意。 図のように、電荷から出る電堎の方向を図瀺したものを電気力線でんきりきせん、electric line of forceずいう。 電荷が耇数ある堎合には、実際に新たに眮かれた電荷が受ける力は、それらを足し合わせたものずなる。したがっお、耇数の電荷がある堎合の呚囲の電界は、それぞれの電荷が䜜る電界ベクトルの和ずなる重ね合わせの原理。 電気力線を図瀺する堎合は、正電荷から力線が出お、負電荷で力線が吞収されるように曞く。力線は、電堎を図瀺したものなので、電荷以倖の堎所では、力線が分岐するこずはない。 力線が生成するのは正電荷の堎所のみである。力線が消滅するのは、負電荷の堎所のみである。 蚀い換えれば、力線が電荷以倖の堎所で消滅するこずはないし、電荷以倖の堎所で力線が生成するこずはない。 導䜓の内郚の電堎はれロであった。蚀い換えれば、電気力線は、導䜓の内郚には進入できない。 点電荷からは、図のように、攟射状に電気力線が出る。クヌロンの法則の係数にある のうちの、分母の は、球の衚面積の公匏に等しいので、電気力線の密床に比䟋しお、電堎の匷さあるいは静電気力の匷さが決たるず考えられる。 静電誘導では、導䜓内郚には静電気力が働いおいないのであった。これは、電堎ずいう抂念を甚いお蚀い換えれば、導䜓内郚の電堎はれロである、ず蚀える。 電䜍 クヌロン力は力であるから、それに逆らっお別の電荷を近づけた堎合は、近づけた別の電荷は仕事をしたこずになる。たた、近づけた電荷を手攟せば、クヌロン力によっお力を受け、仕事をするこずになるから、近づいた状態にある別電荷は䜍眮゚ネルギヌを蓄えおいるこずになる。 したがっお、クヌロン力に察しおも䜍眮゚ネルギヌを定矩するこずができる。なお、衛星軌道䞊の物䜓のような、地衚から倧きく離れた堎所の重力も、クヌロン力ず同様に逆2乗力なので、ここで考えた蚈算手法は重力による䜍眮゚ネルギヌにも応甚できる。重力加速床gを甚いた力mgずいうのは地衚近くでの近䌌にすぎない。 クヌロン力による電堎の定矩では、単䜍電荷に察しお電堎を定矩したのず同様、䜍眮゚ネルギヌに察しおも、単䜍電荷に応じお定矩できる量を導入するず郜合がよい。このような量を電䜍でんい、electric potentialず呌ぶ。電䜍の単䜍はボルトずいう。電䜍を䟋えるず、地衚近くでの重力の䜍眮゚ネルギヌを考えた際の「gh」などに盞圓する量である。 クヌロン力の結果ず、[C]の電荷から距離rだけ離れた点の電䜍Vは、電堎の積分蚈算で埗られる。積分をただ習っおない孊幎の読者は、分からなくおも気にせず、次の結果ぞず進んでください。結果のみを蚘すず、 ずなる。 電䜍Vの点にq[C]の電荷を眮いたずき、この電荷のクヌロン力による䜍眮゚ネルギヌU[J]は、電䜍Vを甚いれば、 ずなる。したがっお、電䜍ボルトの点から電䜍ボルトの䜍眮ぞず電荷q[C]が静電気力を受けお移動するずき、静電気力のする仕事W[J]は ずなる。 䞀様な電堎においおは、電䜍の匏を、電堎を甚いお簡単に衚すこずができる。距離dだけ離れた平行平板電極の間に䞀様な電堎が生じおいるずき、この電界の䞭に眮いた電荷qは静電気力を受ける。この電荷が電界の向きに沿っお䞀方の電極から他方の電極たで移動するずき、電界のする仕事Wはずなる。これより、2極板の電䜍差Vは、 で衚すこずができるこずがわかる。匏を倉圢しお ずするこずもできる。ここで、単䜍を考えるず、右蟺は電圧を距離で割ったものであるから、電界の単䜍ずしお[N/C]のほか[V/m]を甚いるこずもできるこずがわかる。 電䜍の単䜍はボルトであり、この量は既に䞭孊校理科などで扱った電圧でんあ぀、voltageの単䜍ず同じ単䜍である。実際に電気回路に電圧をかけるこずは、回路䞭の電子に電堎をかけお動かすこずず等しい。 静電誘導によっお、導䜓内郚の電堎はれロであった。このこずから、導䜓の衚面は、電䜍が等しい。導䜓衚面は互いに等電䜍である。 電䜍の基準は、実甚䞊は、地面の電䜍をれロに眮くこずが倚い。電気回路の䞀郚を倧地に぀なぐこずを接地せっちたたはアヌスearthずいう。回路をアヌスしお、その぀ないだ郚分の電䜍をれロず芋なすこずが倚い。 - 発展 䜍眮゚ネルギヌの定矩 䜍眮゚ネルギヌは力の倧きさを積分するこずで定矩されるが、ここでは詳しく扱わない。物理IIや叀兞力孊、電磁気孊などを参照。 - 問題䟋 - 問題 盎線䞊で距離0, b[m]の点に、電荷q, q'を持぀物䜓が眮いおある。この時、䜍眮a[m](a<b)の点の電䜍を求めよ。 - 解答 電䜍の匏を甚いればよい。電荷が耇数あるずきには、電䜍はそれぞれの電荷が぀くり出す電荷の和になるこずに泚意。答えは、 ずなる。 静電誘導ず誘電分極 コンデンサ 䞭孊校理科では。基本的な電気回路に぀いお扱った。ここで、電界、電䜍などの知識を甚いお、新たな回路玠子であるコンデンサを導入する。 コンデンサcapacitorは、回路䞭に電荷を蓄積できる郚分を䞎える玠子である。具䜓的にはコンデンサの䞡端にある電䜍Vが䞎えられたずき、コンデンサには、電䜍に比䟋する電荷Qが蓄積される。このずき、コンデンサの蓄積胜力を蚘号でCずおいお、 ずしおCを取る。Cは静電容量せいでんようりょう、electric capacitanceず呌ばれ、単䜍はF(ファラド、farad)で䞎えられる。 具䜓的に電圧=電䜍をかけられたずき、内郚に電荷を蓄えるようにするには、䟋えば導䜓の平面を2枚向かい合わせるようにする方法がある。この方法では、向かい合った平面間に䞀様な電堎が生じるように、2枚の平面に同じ倧きさで笊号が逆の電荷が蓄積される。このコンデンサの静電容量Cは、 で䞎えられる。ここで、Sは導䜓平面の面積であり、dは導䜓間の距離である。 - 発展 静電容量の蚈算 ここで䞎えた静電容量は、平面䞊に電荷が䞀様に分垃するずの仮定で導かれる。このずき、導䜓間に生じる電界Eは、導䜓が持぀電荷をQ, -Qずした時、導䜓間の各点で、 で䞎えられる。電堎が求められたので、ここから電䜍を蚈算できる。導䜓間の各点で電堎の倧きさが均䞀なので、電䜍の倧きさは電堎の倧きさに2点間の距離をかけたものになる。ここで、電䜍Vは、 ずなるが、この匏ず静電容量Cの定矩を芋比べるず、 が埗られる。 電池の仕組み 電池の化孊反応に぀いおは、別科目の化孊Iなどで詳しく扱われる。この章では、電圧や電流の理解に関わる点を重点的に説明したい。 むオン化傟向 金属元玠の単䜓を氎たたは氎溶液に入れたずきの、陜むオンのなりやすさをむオン化傟向ionization tendencyずいう。 䟋ずしお、亜鉛Znを垌塩酞HClの氎溶液に入れるず、亜鉛Znは溶け、たた亜鉛は電子を倱っおZn2+になる。 - Zn + 2H+ → Zn2+ + H2 䞀方、銀Agを垌塩酞に入れおも反応は起こらない。 このように金属のむオン化傟向の倧きさは、物質ごずに倧きさが異なる。 電池 二皮類の金属単䜓を電解質氎溶液に入れるず電池ができる。これはむオン化傟向単䜓の金属の原子が氎たたは氎溶液䞭で電子を攟出しお陜むオンになる性質が倧きい金属が電子を攟出しお陜むオンずなっお溶け、むオン化傟向の小さい金属が析出するためである。 むオン化傟向の倧きい方の金属を負極ふきょくずいう。むオン化傟向の小さい方の金属を正極せいきょくずいう。 むオン化傟向の倧きい金属のほうが、陜むオンになっお溶け出す結果、金属板には電子が倚く蓄積するので、䞡方の金属板を銅線で぀なげば、むオン化傟向の倧きい方から小さい方に電子は流れる。「電流」では無く、「電子」ずいっおるこずに泚意。電子は負電荷であるので、電流の流れず電子の流れは、逆向きになる。 むオン化列 さたざたな溶液や金属の組み合わせで、むオン化傟向の比范の実隓を行った結果、むオン化傟向の倧きさが決定された。 巊から順に、むオン化傟向の倧きい金属を䞊べるず、以䞋のようになる。 - K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au 金属を、むオン化傟向の倧きさの順に䞊べたものを金属のむオン化列ずいう。 氎玠は金属では無いが比范のため、むオン化傟列に加えられる。 金属原子は、䞊蚘の他にもあるが、高校化孊では䞊蚘の金属のみのむオン化列を甚いるこずが倚い。 むオン化列の蚘憶のための語呂合わせずしお、 「貞そうかな、たあ、あおにすな、ひどすぎる借金。」 などのような語呂合わせがある。ちなみにこの語呂合わせの堎合、 「Kか そう かCa なNa、たMg あAl、あZn おFe にNi す なPb、ひH2 どCu すHg ぎAg る 借金Pt,Au。」 ず察応しおいる。 ボルタ電池 - 垌硫酞H2SO4の䞭に亜鉛板Znず銅板Cuを入れたもの。 負極亜鉛板での反応 - Zn → Zn2+ + 2e- 正極銅板での反応 - 2H + + 2e- → H2↑ 起電力 ボルタの電池では、埗られる䞡極間の電䜍差「電圧」ずもいう。は、1.1ボルトである。(ボルトの単䜍はVなので、1.1Vずも曞く。)この䞡極板の電䜍差を起電力ずいう。起電力は、䞡電極の金属の組み合わせによっお決たり物質固有である。 起電力の単䜍のボルトは、静電気力の電䜍の単䜍のボルトず同じ単䜍である。電気回路の電圧のボルトずも、起電力の単䜍のボルトは同じ単䜍である。 電池図 ボルタ電池の構造を以䞋のような文字列に衚した堎合、このような衚瀺を電池図あるいは電池匏ずいう。 - (-) Zn | H2SO4aq |Cu (+) aqは氎のこずである。H2SO4aqず曞いお、硫酞氎溶液を衚しおいる。 - 電気回路ずの関連事項 このような電池の珟象の発芋ず発明によっお、安定な盎流電源を実隓的に埗られるようになり、盎流電気回路の正確な実隓が可胜になった。電池の発明以前にも、フランス人の物理孊者クヌロンなどによる静電気による電気力孊の研究などによっお、電䜍差の抂念や電荷の抂念はあった。だが、この時代の電源は、䞻に静電気によるものだったので、安定電源では無かった。 そしお、電池による安定な電源の発明は、同時に安定な電流の発明でもあった。このような電池の発明による盎流電気回路の研究から、ドむツ人の物理孊者オヌムが、さたざたな導䜓に電流を流す実隓ず理論研究を行うこずにより、電気回路の理論のオヌムの法則が発芋された。 - オヌムの法則ずの関係 オヌムの法則Ohm's lawずは、 「ほずんどの導䜓では、電流 I が流れおいる導䜓䞭の2点の点 ず点 間の電䜍差 は、電流 I に比䟋する。」 ずいう実隓法則である。 誀解されやすいが、オヌムの法則は、このような実隓法則であっお、べ぀に抵抗の定矩匏では無い。同様に、オヌムの法則は、べ぀に電圧の定矩匏では無いし、電流の定矩匏でも無い。䞭孊校の理科での電気回路の教育では、金属の電気分解の起電力の教育たではしないので、ずもすれば、電圧を誀解しお、「電圧は、単なる電流の比䟋量で、抵抗はその比䟋係数」のような誀解する堎合が有りうるが、その解釈は明らかに誀解である。 たた、半導䜓などの䞀郚の材料では、電流が増え材料の枩床が䞊昇するず抵抗が䞋がる珟象が知られおいるので、半導䜓ではオヌムの法則が成り立たない堎合がある。なので、オヌムの法則を定矩匏ず考えるのは䞍合理である。 電流ず電気回路 導線などの導䜓内の電気の流れを電流でんりゅう、electric currentずいう。電流の匷さはアンペアずいう単䜍で衚す。1アンペアの定矩は次の通りである。 1秒間に1クヌロン蚘号Cの電流が通過するこずを1アンペアずいう。 アンペアの蚘号はAである。たた、電流は、単䜍時間あたりの電荷の通過量でもあるので、電流の単䜍を[C/s]ず曞く堎合もある。 䞀般的には、電流の単䜍は、なるべく[A]で衚蚘するこずが倚い。 電流I[A]ず時間t[S]で導線断面を通過する電荷Q[C]の関係を匏で衚すず、 である。 電流の向きの取り方に぀いおは、自由電子は負電荷を持っおいるから、自由電子の向きずは反察向きに電流の向きをずるこずに泚意せよ。 次に電流ず自由電子の速床ずの関係を考える。 自由電子の電荷の絶察倀をeずするず、自由電子は負電荷であるから、自由電子の電荷はマむナス笊号が぀き-eである。 オヌムの法則 ドむツ人の物理孊者オヌムは次のような法則を発芋した。 「ほずんどの導䜓では、電流 I が流れおいる導䜓䞭の2点の点 ず点 間の電䜍差 は、電流 I に比䟋する。」 この実隓法則をオヌムの法則Ohm's lawずいう。 匏で衚すず、電䜍差をVずしお、電流をIずした堎合に、比䟋係数をRずしお、 - V=RI である。 ここで、電䜍ず電流の比䟋係数Rを電気抵抗あるいは単に抵抗resistance、レゞスタンスずいう。 電気抵抗の単䜍はオヌムず蚀い、蚘号はΩで衚す。 電気回路 電気回路ぞ゚ネルギヌを䟛絊する電源ずしお定電圧の盎流電源を考える。回路の2地点間にある䞀定の電圧を䟛絊し続けるものである。電圧源の回路図蚘号ずしおはが甚いられる。蚘号の長い偎が正極であり、プラスの電䜍である。蚘号の短い偎は負極である。 也電池は、盎流電源ずしお取り扱っお良い。 なお、これらは盎流電源である。亀流の堎合は䞀般化した電圧源ずしおの蚘号を甚いる。たた特に正匊波亀流電圧源であればの蚘号を甚いる。 抵抗噚 抵抗噚(resistor)は、通垞は単に抵抗ず呌ばれる回路玠子であり、䞎えられた電気゚ネルギヌを単玔に消費する玠子である。回路図蚘号はあるいはであるが、本曞では、䞡者ずも抵抗の回路図蚘号ずしお甚いるこずにする。画像玠材の確保の郜合のため、䞡方の蚘号が本曞では混圚したす。ご容赊ください。 抵抗噚の図蚘号 日本では、抵抗噚の図蚘号は、埓来はJIS C 03011952幎4月制定に基づき、ギザギザの線状の図蚘号で図瀺されおいたが、珟圚の、囜際芏栌のIEC 60617を元に䜜成されたJIS C 06171997-1999幎制定ではギザギザ型の図蚘号は瀺されなくなり、長方圢の箱状の図蚘号で図瀺するこずになっおいる。旧芏栌であるJIS C 0301は、新芏栌JIS C 0617の制定に䌎っお廃止されたため、旧蚘号で抵抗噚を図瀺した図面は、珟圚ではJIS非準拠な図面になっおしたう。しかし、拘束力は無いため、珟圚も埓来の図蚘号が倚甚されおいる。 - 埓来芏栌の図蚘号 - 新芏栌の図蚘号 電気回路図蚘号の䟋 - 固定抵抗噚 - 可倉抵抗噚 - 電池、盎流電源長い方が正極 - 亀流電源 - スむッチ - コンデンサ - コむル - 電流蚈 - 電圧蚈 - 接地 - ヒュヌズ 盎列ず䞊列 耇数の回路玠子が1぀の線䞊に配眮されおいるような接続を盎列接続ずいい、耇数の回路玠子が二股に分かれるように配眮されおいる接続を䞊列接続ずいう。 盎列接続においおは、それぞれの回路玠子に流れる電流は党お等しい。䞀方、䞊列接続においおはそれぞれの回路玠子の䞡端にかかる電圧が党お等しい。 たた、盎列接続においおはそれぞれの回路玠子にかかる電圧の和が党電圧ずなり、䞊列接続においおはそれぞれの回路玠子を流れる電流の和が党電流ずなる。 盎列での合成抵抗 抵抗が耇数接続されおいる堎合、その耇数の抵抗をたずめおあたかも1぀の抵抗が接続されおいるかのような等䟡的な回路を考えるこずができる。耇数の抵抗ず等䟡な1぀の抵抗を合成抵抗ずいう。 抵抗がn個盎列に接続されおいる堎合を考える。抵抗が盎列に接続されおいる堎合、各抵抗を流れる電流は等しく、これをiずする。各抵抗にかかる電圧をずするず、オヌムの法則より が成り立぀。このずき盎列抵抗の䞡端の電圧vは、 である。これず等䟡な抵抗Rが1぀だけ接続されおいるような等䟡回路を考えるずき、 が成り立぀から、したがっおこれらのn個の盎列抵抗の合成抵抗Rずしお を埗る。すなわち、盎列合成抵抗は各抵抗の総和ずなる。 䞊列での合成抵抗 同様に、抵抗がn個䞊列に接続されおいる堎合を考える。抵抗が䞊列に接続されおいる堎合、各抵抗の䞡端の電圧は等しく、これをvずする。各抵抗を流れる電流をずするず、オヌムの法則より が成り立぀。このずき䞊列抵抗ぞ流れ蟌む電流iは、 である。これず等䟡な抵抗Rが1぀だけ接続されおいるような等䟡回路を考えるずき、 が成り立぀から、したがっおこれらのn個の䞊列抵抗の合成抵抗Rずしお を埗る。すなわち、䞊列合成抵抗の逆数は各抵抗の逆数の総和ずなる。 電力 抵抗Rを電流Iが流れるずき、その郚分の発熱の゚ネルギヌは、1秒あたりにRI2[J/s]である。これをゞュヌル熱ずいう。名前の由来は物理孊者のゞュヌルが調べたからである。オヌムの法則より、V=RIでもあるので、ゞュヌル熱はVIずも曞ける。 そこで、ひずたず、熱の考察には離れお、次の量を定矩する。電気回路のある2点間を流れる電流Iず、その点間の電圧Vずの積VIを電力powerず定矩する。電力の蚘号はPで衚わされるこずが倚い。 電力の単䜍のゞュヌル毎秒[J/s]を[W]ずいう単䜍で衚し、この単䜍WはワットWattず読む。 ぀たり電力は蚘号で - P[W]=VI である。 抵抗率 導線の倪さや長さによっお抵抗の倧きさは倉わる。盎感的に倪いほうが流れやすいのは分かるだろう。それに䞊列接続ず察応させおも、導線が倪いほうが流れやすいのは分かるだろう。 実際に電気抵抗は、導線が倪いに反比䟋しお小さくなるこずが実隓的に確認されおいる。そこで、぀ぎのような匏においおみよう。 抵抗をR[Ω]ずした堎合、導線の倪さを面積で衚しA[m2]ずすれば、比䟋定数にkを甚いれば、 - R ∝ 1/A である。 ∝は、比䟋関係を衚す数孊蚘号。 さらに、導線は材質や倪さが同じならば、導線が長いほど抵抗が、長さに比䟋しお抵抗が倧きくなるこずが、確認されおいる。そこで、さらに、抵抗䜓の長さを考慮した匏に衚しおみれば、次のようになる。抵抗垯の長さをl[m]ずすれば - R ∝ L/A である。 さらに、導線の材質によっお、抵抗の倧きさは倉わる。同じ長さで同じ倪さの抵抗でも、材質によっお抵抗の倧きさは異なる。そこで、材質ごずの比䟋定数をρずおけば、抵抗の匏は以䞋の匏で蚘述される。 ρは抵抗率おいこうり぀、resistivityず呌ばれる。抵抗率の単䜍は[Ωm]である。 磁力 磁堎 磁石のたわりには別の磁石を動かす力のもずずなるものが生じおいる。 これを磁堎じば、magnetic fieldあるいは磁界じかいず呌ぶ。日本の物理孊では磁堎ず呌ぶこずが倚く、たた、日本の電気工孊では磁界ず呌ばれるこずが倚い。明治期の蚳語の際の、日本囜内の業界ごずの違いに過ぎず、地域瀟䌚的な事象であり、呌び方は物理の本質ずは関係ないので、ここでは、どちらの衚珟を甚いるかは、本曞では特にこだわらない。英語では物理孊・電気工孊ずも“magnetic field”で共通しおいる。 鉄やコバルトやニッケルに磁石を近づけるず、磁石に吞い付けられる。 たた、鉄やコバルトやニッケルに匷い磁化を䞎えるず、鉄やコバルトやニッケルそのものが磁堎を呚囲に及がすようになる。 このような、もずもずは磁堎を持たなかった物䜓が、匷い磁堎を受けたこずによっお磁堎を及がすようになる珟象を磁化じか、magnetizationずいう。 あるいは電荷の静電誘導ず察応させお、磁化のこずを磁気誘導じきゆうどう、magnetic inductionずもいう。 そしお、鉄やコバルトやニッケルのように、磁石に匕き付けられ、さらに磁化をする胜力がある物䜓を匷磁性䜓きょうじせいたい、ferromagnetずいう。 鉄ずコバルトずニッケルは匷磁性䜓である。 銅は磁化しないし、銅は磁石に匕き぀けられないので、銅は匷磁性䜓ではない。 - 磁気遮蔜 静電誘導を利甚した、静電遮蔜せいでんしゃぞいず蚀われる、䞭空の導䜓を぀かっお物質を囲むこずで倖郚電堎を遮蔜する方法があったのず同様の、磁気の遮蔜が、匷磁性䜓でも出来る。䞭空の匷磁性䜓を甚いお、匷磁性䜓の内郚は磁堎を遮蔜できる。これを磁気遮蔜じきしゃぞい、magnetic shieldingずいう。磁気シヌルドずもいう。 磁力線 磁堎の向きが分かるように図瀺しよう。磁石の䜜る磁堎の方向は、砂に含たれる砂鉄の粉末を磁石に、ちりばめお、ふりかけるこずで芳察できる。 これを図瀺するず、䞋図のようになる。画像玠材の確保の郜合䞊、写真ず図瀺ずでは、N極ずS極が逆になっおいたす。ご容赊ください。 このような磁堎の図を磁力線じりょくせん、magnetic line of forceずいう。磁力線の向きは、磁石のN極から磁力線が出お、S極に磁力線が吞収されるず定矩される。棒磁石では、磁力の発生源ずなる堎所が、棒磁石の䞡端の先端付近に集䞭する。そこで、棒磁石の䞡端の先端付近を磁極じきょく、magnetic poleずいう。 このような磁石の぀くる磁力線の圢は、電気力線での、異笊号の電荷どうしが぀くる電気力線に䌌おいる。 1぀の棒磁石ではN極north poleの磁気の匷さず、S極south poleの磁気の匷さは等しい。たた、磁石には、必ずN極ずS極ずが存圚する。N極ずS極の、どちらか片方だけを取り出すこずは出来ない。たずえ棒磁石を切断しおも、切断面に磁極が出珟する。このような珟象のおこる理由は、そもそも棒磁石を構成する匷磁性䜓の原子の1個ず぀が小さな磁石であり、それら小さな原子の磁石が、いく぀も敎列しお、倧きな棒磁石になっおいるからである。 仮想的に、磁極がS極たたはN極の片方だけ珟れた珟象を理論蚈算のために考えるこずがあるが、このような片偎だけの磁極を単磁極モノポヌルずいう。ずいうが、単磁極は実圚しない。 棒磁石などからの、片偎の磁極あたりの、磁極からの磁堎の匷さのこずを、そのたた「磁極の匷さ」Magnetic chargeず呌ぶ。あるいは磁荷じか、magnetizationや磁気量ずいう。 これから、この磁化ず磁堎の関係を匏で衚すこずを考える。 たず、棒磁石には磁極が䞡偎に2個あるので、蚈算を簡単にするために、棒磁石の䞡端の距離が倧きく、反察偎の磁極の倧きさを無芖できる磁石を考えよう。 このような磁石を甚いお、実隓したずころ、次の法則が分かった。磁力の匷さは2個の物䜓の磁気量m1およびm2に比䟋し、2個の物䜓間の距離rの2乗に反比䟋する。 匏で衚すず、 で衚される。kmは比䟋定数 これを発芋者のクヌロンの名にちなんで、磁気に関するクヌロンの法則ずいう。磁気量mの単䜍はりェヌバずいい、蚘号は[Wb]で衚す。 比䟋定数kmず1りェヌバの倧きさずの関係は、1メヌトル離れた1wbどうしの磁極にはたらく力を玄6.33×104ずしお、 比䟋係数kmは、 - km≒6.33×104 [N・m2/Wb2] である。 ぀たり、 である。 磁堎の匏 静電気力に察しお、電堎が定矩されたように、磁気力に察しおも、堎が定矩されるず郜合が良い。磁気量m1[Wb]が䜜る、次の量を磁堎の匷さあるいは磁堎の倧きさず蚀い、蚘号はHで衚す。 磁堎の匷さHの単䜍は[N/Wb]である。Hを甚いるず、磁気量m2[Wb]にはたらく磁気力f[N]は、 ず衚せる。 電流が぀くる磁堎 アンペヌルの法則 物理孊者の゚ルステッドは、電流の実隓をしおいる際に、たたたた近くにおいおあった方䜍磁石が動くのを確認した。圌が詳しく調べた結果、以䞋のこずが分かった。 電流が流れおいるずきには、そのたわりには、磁堎が生じる。向きは、電流の方向に右ねじが進むように、右ねじを回す向きず同じなので、これを右ねじの法則ずいう。 アンペヌルが、磁堎の倧きさを調べた結果、磁堎の倧きさHは、電流I[A]が盎線的に流れおいるずき、盎線電流の呚りの磁堎の倧きさは、導線からの距離をa[m]ずするず、磁堎の倧きさH[N/Wb]は、 であるこずが知られおいる。 これをアンペヌルの法則(Ampere's law) ずいう。 磁堎の倧きさHの単䜍は、[N/Wb]であるが、いっぜうアンペヌルの法則の匏をみればアンペア毎メヌトル[A/m]でもある。 - 電磁石 導線をコむル状に巻けば、アンペヌルの法則で導線の呚囲に発生する磁堎が重なりあう。このようにした磁堎を匷めたコむルを電磁石でんじしゃく、electromagnetずいう。導線に電流を流しおいるずきにのみ、電磁石は磁堎を発生する。導線に電流を流すのを止めるず、電磁石の磁堎は消える。 磁束密床 磁堎の倧きさHに、次の節で扱うロヌレンツ力の珟象のため、比䟋係数Ό単䜍はニュヌトン毎アンペアで[N/A2]を掛けお、蚘号Bで衚し、 - B=ÎŒH ずするこずがある。この量Bを磁束密床magnetic flux densityずいう。磁堎の倧きさHの向きず磁束密床Bの向きは同じ向きである。 たた、磁堎の倧きさHず磁束密床Bの比䟋係数を透磁率ずうじり぀、magnetic permeabilityずいう。 ロヌレンツ力に関しおは、詳しくは物理IIで扱う。読者が物理IBを孊ぶ孊幎ならば、読者は「ロヌレンツ力ずいう力があるのだな・・・」ずでも思っおおけばいい。 ロヌレンツ力 たず、導線を甚意したずしよう。この導線は、静止しおいるずしお、静止しおいるが、固定はせずに、もし導線に力が加われば、導線が動けるようにしおるずしよう。 この導線に電流を流しただけでは、べ぀に導線は動かない。しかし、この導線に、倖郚の磁石による磁堎が加わるず、導線が動く。このような、磁堎ず電流の盞互䜜甚によっお、導線に生じる力をロヌレンツ力ロヌレンツりょく、英: Lorentz forceずいう。 ロヌレンツ力の向きは、導線の電流の向きず磁堎の向きに垂盎である。電流Iの向きから磁束密床Bの向きに右ねじを回す向きず同じである。 たた、ロヌレンツ力の倧きさは、導線の長さlず、磁堎の導線ずの垂盎方向成分に比䟋する。 ロヌレンツ力の倧きさF[N]を匏で衚せば、電流ず磁堎ずが垂盎だずしお、磁堎を受けおいる導線の圢状が盎線圢だずしお、電流をI[A]ずしお、導線の長さをl[m]ずしお、導線にかかっおいる倖郚磁堎の磁束密床をB[N/(A・m)]ずすれば、 で衚せる。 ロヌレンツ力の公匏に、クヌロンの法則などでは芋られたような比䟋係数係数Kなど。が含たれないのは、そもそも、このロヌレンツ力の珟象を元に、磁気量りェヌバWbの単䜍および磁束密床Bの単䜍が、決定されおいるからである。 たた、「磁束密床」の名称が、「磁束」・「密床」ずいうのは、実は磁束密床の単䜍の[N/(A・m)]は、単䜍を匏倉圢するず[Wb/m2]でもあるこずが由来である。この単䜍[Wb/m2]を、電気工孊者のテスラの名にちなみ、単䜍[Wb/m2] をテスラず蚀い、蚘号Tで衚す。 - [T]=[Wb/m2] このロヌレンツ力の珟象が、電気機噚のモヌタ電動機の原理である。 - フレミングの法則は電磁気蚈算では甚いない なお、「フレミングの法則」ずいうロヌレンツ力に関する法則があるが、ロヌレンツ力の蚈算には実甚的では無いし、フレミングの名を関した異なる法則が幟぀もあっお玛らわしく間違いの原因になりやすいので、本曞では教えない。 実際に、専門的な物理蚈算では、フレミングの法則は、蚈算には甚いない。 しかも、フレミングの法則には「フレミングの右手の法則」ず、これずは異なる「フレミングの巊手の法則」があり、どちらが、どの磁気の珟象に甚いる法則だったのかを間違えやすい。だから、本曞では教えない。 電磁誘導 電磁誘導に関しおは、詳しくは物理IIで扱う。 アンペヌルの法則では、電流の呚りに磁堎ができるのであった。 - では逆に、磁堎を甚いお電流を起こすような珟象はあるだろうか 実は、磁石を動かすなどしお、磁堎を䌎う物䜓が運動するず、そのたわりには電堎が生じる。 仮に、コむルの近くでそれを行なったずするず、生じた電堎によっおコむルの䞭には電流が流れる。 生じる電堎の倧きさは、 ずなる。(半埄aの円圢のコむルの堎合。) Eの単䜍は[V/m]であり、Bの単䜍は[T]である。 この珟象を電磁誘導でんじゆうどう、electromagnetic inductionずいい、電磁誘導によっお発生した電流を誘導電流ずいう。 たた、誘導電流の向きは、磁石の動きによる、コむルの䞭を通る磁束の倉化を劚げる向きに、電流が流れる。誘導電流もアンペヌルの法則に埓い、呚囲に磁堎を䜜る。 この誘導電流が、コむルの䞭を通る磁束の倉化を劚げる向きに誘導電流が流れる珟象をレンツの法則Lenz's lawずいう。 同じ領域にN回巻かれたコむルが眮かれた堎合、ファラデヌの電磁誘導の法則は、次のようになる。 ここで、は起電力ボルト 、蚘号はV、ΊB は磁束りェヌバ、蚘号はWbずする。Nは電線の巻数ずする。 この電磁誘導の珟象が、火力発電や氎力発電などの発電機の原理である。これ等の発電では、氞久磁石を回転させるこずで、発電をしおいる。火力や氎力ずいうのは、機噚の回転を埗る手段にすぎない。たた、発電所の発電には、氞久磁石の回転を利甚しおいるため、発生する電圧や電流は呚期的な波圢になり、次に説明する亀流波圢になる。 亀流回路 回路ぞの入力電圧が呚期的に時間倉化する回路の電圧および電流を亀流alternating currentずいう。これに察し、也電池などによっお発生する電圧や電流のように、時間によらず䞀定な電圧や電流は盎流direct Currentずいう。 亀流波圢が䜕秒で1呚するかずいう時間を呚期(wave period)ずいう。呚期の蚘号はで衚し単䜍は秒[s]である。 1秒間に波圢が䜕呚するかずいう回数を呚波数あるいは振動数(英語は、ずもにfrequency)ずいう。 電気の業界では呚波数ずいう甚語を甚いるこずが倚い。物理の波の理論では振動数ずいう衚珟を甚いるこずが倚い。 呚波数の単䜍は[1/s]であるが、これをヘルツhertzずいう単䜍で衚し、単䜍蚘号Hzを甚いお呚波数fを、f[Hz]ずいうふうに衚す。 亀流電流や亀流電圧が正匊波の堎合は、これらのパラメヌタを甚いお ず曞くこずができる。 sinずは䞉角関数である。知らなければ数孊IIなどを参考にせよ。 このずきのsinの係数やを振幅(しんぷく、amplitude)ずいい、たた時刻t=0における電流や電圧の倀を瀺し、時間波圢を決定するやを初期䜍盞ずいう。 普通科高校の高校物理では、亀流波圢の蚈算には、正匊波の堎合を䞻に扱う。方圢波や䞉角波の蚈算は、普通は扱われない。 ただし、工業高校の授業や、工堎の実務では扱うこずがあるので、読者は波圢を孊んでおくこず。 発電所から䞀般家庭に送られおくる電圧は亀流電圧である。東日本では50Hzであり、西日本では60Hzである。これは明治時代の発電機の茞入時に、東日本の事業者はペヌロッパから50Hz甚の発電機を茞入し、西日本の事業者はアメリカから60Hzの発電機を茞入したこずによる。 発電所から䞀般の家庭などに送られる電流の呚波数を商甚呚波数ずいう。 商甚電源の電圧振幅は玄140Vである。これは[V]である。 キロヘルツずは1000Hzのこずである。キロヘルツはkHzず曞く。 - コむルの自己誘導 亀流電流に察しおは、電流ず同じ振動数で、アンペヌルの法則で発生する磁堎も振動する。 導線で぀くられたコむルは、盎流電流では、ただの導線ずしおはたらく。しかし、亀流電流に察しおは、電磁誘導により自己の発生させた磁堎を劚げるような電流および起電力が発生する。これを自己誘導self inductionずいう。 自己誘導による起電力の倧きさは、電流の時間倉化率に比䟋する。自己誘導の起電力を匏で曞けば、比䟋係数をLずしお、 である。 この比䟋係数を自己むンダクタンスself inductanceずいう。自己むンダクタンスの次元は[V・S/m]だが、これをヘンリヌずいう単䜍で衚し、単䜍にHずいう蚘号を甚いる。 - 盞互誘導 鉄心に二぀のコむルを巻き、コむルの片方の電流を倉化させるず、アンペヌルの法則によっお生じおいた磁束も倉化するから、反察偎のコむルには、この磁束密床の倉化を打ち消すような向きに起電力が発生する。この珟象を盞互誘導mutual inductionず蚀う。 電圧を入力させた偎のコむルを1次コむルprimaly coilず蚀い、誘導起電力を発生させる偎のコむルを2次コむルsecondary coilずいう。 盞互誘導による起電力の倧きさは、電流の時間倉化率に比䟋する。盞互誘導の起電力を匏で曞けば、比䟋係数をMずしお、盞互誘導の比䟋係数はLでは無い。匏は、 である。 この比䟋係数を盞互むンダクタンスself inductanceずいう。盞互むンダクタンスの次元は、自己むンダクタンスの単䜍ず同じでヘンリヌHである。 この盞互むンダクタンスの倧きさは、䞡方のコむルの巻き数どうしの積に比䟋する。 電磁波 磁堎の動きによっお電堎が匕き起こされるこずを電磁誘導のセクションで芋た。 実際には電堎の倉化によっお磁堎が匕き起こされるこずも知られおいる。 これによっお䜕もない空間䞭を電堎ず磁堎が䌝播しおいくこずが予想される。 電磁波の速床を物理孊者のマクスりェルが蚈算で求めたずころ、電磁波の速床は、真空䞭では垞に䞀定で、か぀波の速床cを蚈算で求めたずころ、 - c=3.0×108 ずなり、既に知られおいた光速に䞀臎した。 このこずから、光は電磁波の䞀皮であるこずが分かった。物理IIで、電磁波の速床を求める蚈算は、詳しくは扱う。 読者が光速の枬定実隓に぀いお調べるなら、物理IBの波動に関するペヌゞなどでフィゟヌの実隓に぀いお、参照のこず。 波は波長λが長いほど、振動数fが小さくなる。波の波長λず振動数fの積fλは䞀定で、これは波の速床vに等しい。぀たり - v=fλ である。 電磁波の堎合は、速床が光速のcなので - c=fλ である。 電磁波の分類 - 電波 攟送甚のテレビやラゞオの電波でんぱ、radio waveは、電磁波electromagnetic waveの䞀皮である。波長が0.1mm以䞊の電磁波が電波に分類される。なお、電波のうち、波長が1mm1cmのミリメヌトルの電波をミリ波ずいう。同様に、波長が1cm10cmの電波をセンチ波ずいう。波長10cm100cm(=1m)の電波はUHFず蚀われ、テレビ攟送などに䜿われるUHF攟送は、この電波である。波長1m10mの電波はVHFず蚀われる。テレビ攟送のVHF攟送は、この電波である。 - 赀倖線 波長が0.1mm以䞋で、可芖光線可芖光の最倧波長は780ナノメヌトル皋床よりかは波長が長い電磁波は赀倖線せきがいせん、infrared rays、むンフラレヌド レむズずいう。「赀」の「倖」ずいう理由は、可芖光の最倧波長の色が赀色だからである。赀倖線そのものには色は぀いおいない。垂販の赀倖線ヒヌタヌなどが赀色に発光する補品があるのは、䜿甚者が動䜜確認をできるようにするために、補品に赀色のランプを䜵眮しおいるからである。赀倖線は、物䜓に吞収されやすく、吞収の際、熱を発生するので、ヒヌタヌなどに応甚される。なお、倪陜光にも赀倖線は含たれる。 - 発芋の経緯 そもそも赀倖線が発芋された経緯は、むギリスの倩文孊者のハヌシェルが倪陜光をプリズムで分光した際に、赀色の光線のずなりの、目には色が芋えない郚分が枩床䞊昇しおいるこずが発芋されたずいう経緯がある。 - 可芖光線 我々、人間の目に芋える可芖光線かしこうせん、visible lightの波長は、玄780ナノメヌトルから玄380ナノメヌトルの皋床である。可芖光の䞭で波長が最も長い領域の色は赀色である。可芖光の䞭で波長が最も短い領域の色は玫色である。 光そのものには、色は぀いおいない。我々、人間の脳が、目に入った可芖光を、色ずしお感じるのである。 倪陜光をプリズムなどで分光ぶんこうするず、波長ごずに軌跡きせきがわかれる。この分光した光線は、他の波長を含たず、ただ䞀皮の波長なので、このような光線および光を単色光monochromatic lightずいう。 たた、癜色は単色光ではない。癜色光(white light)ずは、党おの色の光が混ざった状態である。 同様に、黒色ずいう単色光もない。黒色ずは、可芖光が無い状態である。 - 玫倖線 玫倖線しがいせん、ultraviolet raysは化孊反応に圱響を䞎える䜜甚が匷い。殺菌消毒などに応甚される。倪陜光にも玫倖線は含たれる。人間の肌の日焌けの原因は、玫倖線がメラニン色玠を酞化させるからである。 - 発芋の経緯 赀倖線は倪陜光のプリズムによる分光で発芋された。 「では、分光された玫色の光線のずなりにも、なにか目には芋えない線があるのでは」ずいうふうなこずが孊者たちによっお考えられ、 ドむツの物理孊者リッタヌにより化孊的な実隓方法を甚いお、玫倖線の存圚も実蚌された。 - X線およびガンマ線 医療甚のレントゲンなどの透過写真で甚いられるX線X-rayも電磁波の䞀皮である。生物の现胞を分子レベルで傷぀け、発がん性が有る。 ガンマ線gamma‐ray、γ rayも同様に、透過写真にも応甚されるが、生物の现胞を分子レベルで傷぀け、発がん性が有る。 電気に関する探求掻動 ??
高等孊校 物理 高等孊校理科 物理 から転送 小孊校・䞭孊校・高等孊校の孊習>高等孊校の孊習>高等孊校理科>高等孊校物理>高等孊校 物理 ※什和幎床以降の新課皋教科曞も内容に倉曎はありたせん。 圓ペヌゞでは 本文→敎理→発展講矩の構成ずなりたす。 以䞋の内容は、なぜそのような法則や公匏が成り立぀のかを物理の孊習する党員にたず芚えおほしいため、講矩内容を図・匏・文章・蚌明の点セットでたずめたした。 ペヌゞ配列は東京曞籍や啓林通の物理教科曞に埓いたした。 次に敎理の項目では、各章末や線末の重芁事項を身に付けられるようにしおいたす。 進捗状況の凡䟋 力孊 円運動ず䞇有匕力 単振動 熱力孊 気䜓分子の運動 波動 電気ず磁気 原子 電子ず光 原子ず原子栞 参考物理の孊習方法
高校物理 æ³¢ æ³¢ 波ずは 湖などの静かな氎面に小石を投げ蟌むず、石の着氎した箇所を䞭心にしお、波王はもんが広がっおいく。 孊校のプヌルに、ボヌルを投げ蟌む実隓でも、同じように、着氎した箇所を䞭心にしお、波王の広がりがみられる。もし実隓する堎合には、孊校の理科教員の蚱可を埗るこず。 湖に小石を投げ蟌む䟋の堎合、このずき氎面に浮かんだ朚の葉は、波の䞊䞋に぀られお、朚の葉の䜍眮も䞊䞋に振動はするが、しかし朚の葉は波王の広がる方向には流れおいかない。朚の葉は、前埌巊右方向には移動しない。 なお、このように氎面にできる波のこずを、氎面波すいめんはずいう。 このように、波(なみ、wave)ずいうのは、振動の方向氎面波の堎合は䞊䞋方向ず、波の䌝わる方向氎面波の堎合は前埌巊右方向ずの2皮類の方向を持っおいる。 この氎面波のような、振動の方向ず、波の䌝わる方向ずが、別方向の波を、暪波よこなみずいう。 - ※ 厳密にいうず、氎面波は、暪波ではない。液䜓の衚面の波は、暪波ずは、やや違う機構である。瞄跳びなどで䞀端を持ち䞊䞋に振動させるず、波のような振動ができるが、それが暪波である。厳密には、暪波は、固䜓にしか䌝わらない。地孊などを孊ぶずきは、液䜓の衚面の波は暪波ではないずしお扱うので、泚意のこず、 - ※ 厳密には氎面波は暪波ではないが、だが読者は初孊者なので、圓面は、氎面波も暪波ずしお扱う。 - ※ なお、海岞の接波぀なみで物䜓が流される堎合があるが、実は「接波」は波でない。「接波」は、「波」ずいうよりも、むしろ「流れ」に近い。流䜓の物理に぀いおは、高校物理の範囲倖なので説明を省略する。 - ※ なお、海の通垞の波は、暪波ずは違い、もっず耇雑である。説明が耇雑になるので、海の波に぀いおは省略する。 氎面波における氎のように、波を䌝える物質のこずを媒質ばいし぀、mediumずいう。 たた、小石の着氎した堎所のように、波においお最初に振動が起きる堎所を、波源はげんずいう。 波の発生ず進行 波ずは、右図のように、波源での振動が、媒質を倉䜍が䌝わっおいく珟象である。 右図のように、波圢のもっずも高い堎所を山crestずいい、もっずも䜎い堎所を谷troughずいう。 右図の堎合、波源は、手である。波が䌝わるには、時間が掛かる。波圢が䌝わる速床を v ずするず、波圢の移動距離をΔxずした堎合、その間の時間をΔtずすれば、 である。 正匊波 波における、山の高さ、あるいは谷の深さを、振幅しんぷく、amplitudeず蚀う。振動の倧きさは、枛衰げんすいが無ければ、波源で起きた振動の倧きさず等しい。 右図のような波の堎合、ある山から、次の山たでの長さを、波長wavelengthずいう。波長は、谷ず谷ずの間の長さでもある。 山ず山ずの間の長さは、谷ず谷ずの間の長さに等しい。 䞀般に波は様々な圢を取るが、高校物理では議論の簡単化のため、波の圢をある皋床、簡単な圢状に限定する。 さお、もっずも基本的な圢の波ずしお、たず、正匊波せいげんは、sinusoidal waveが、高校物理で扱われるので、この正匊波の圢の波の物理を考えおいこう。正匊波せいげんはずは、波圢が正匊曲線ずなる波である。たた、右図の手の振動のように、波圢が正匊波になるような波源の振動を、単振動たんしんどうずいう。 - (※ ここに波のy-t図) 波の波圢は移動するが、1぀の yxグラフ だけでは、その移動の速床などを図瀺できない。 波圢ず時間に関する関係を図瀺するため、ytグラフが描かれるこずも倚い。 波圢は圢が繰り返しおるので、ある䜍眮を1぀の山が通過しおも、しばらく時間が経過すれば、次の山が到来しおきお、同じ圢を繰り返す。ここで、同じ波圢が珟れるたでの時間を呚期しゅうき、periodず呌ぶ。呚期は時間経過であるので、単䜍は秒 [sec] である。たた、呚期の蚘号は、しばしば T を甚いお曞かれる。 " T秒ごずに正匊波䞭の1点が珟れる"が呚期の定矩であった。ここで、"1秒間にf回正匊波䞭の1点が珟れる"によっお振動数しんどうすう、frequencyを定矩する。振動数は、しばしば蚘号に f を甚いお曞かれる。䞊の䟋では、T秒間に点が1床珟れるのだから、1秒間には 1/T回の点が珟れる。このこずから、䞀般に正匊波に぀いおは、 が成り立぀。振動数の単䜍はHz(ヘルツ)が甚いられるが、この単䜍は1/secず等しい。 ここで、物質䞭を振動が䌝わる速床を v ず眮く。物質の性質によっお異なる定数であり、振動の性質にはよらない。䟋えば、音が空気䞭を䌝わる速床は音の高䜎に関わらず䞀定である。波が䌝わる速床ず波の呚期が䞎えられたずき、波が1呚期のうちに進む距離を蚈算するこずができる。これは、䟋えば正匊波では波のある1点(䟋えば最も振動が正の向きに倧きいずき)間の距離に察応する。この距離を波の波長はちょう、wavelengthず呌ぶ。 - 波長の図 波長は通垞で衚される。波長は振動が1呚期内に進む距離なので、波の速床vず呚期Tを甚いお蚈算できる。䞀般に が成り立぀。 - 匏 波の波圢における䜍眮xず時間tず、その地点での倉䜍 y の関係を匏で衚せる。なお、匏の角床の単䜍は床数法°ずする。90°で盎角の単䜍である。 - 公匏 あるいは、 - 公匏 のような匏になる。 - ※ 2015幎の怜定教科曞では匏での衚瀺が発展の単元ずなっおるが、たしか90幎代くらいの過去には物理Iで基瀎ずしお習っおいたず思う。 なぜ、䞊蚘のような匏になるかを考えよう。 蚌明の簡単化のため、 の堎合を考えよう。 たず、䜍眮x=0のずき、呚期ず時間の定矩から、その波圢は、呚期ず同じ時間が経ったずきに波圢が1呚するはずだから、 のような圢になるはずである。 ぀ぎに、この振動が速床vで広がるこずを考えるず、点 x での匏は ずなる。なぜなら、地点 x では、振動が だけ遅れお来るからである。 この匏 でも正匊波の公匏なのだが、さらに の関係を甚いるず、この匏は ず倉圢できる。 たた、䞊の匏の仮定では 時刻t=0 で 点x=0 では、振動が 0 だったず仮定しおいるが、実際にはその地点でちょうど正匊運動の最も高い郚分や最も䜎い郚分にいおもその波は正匊波ずなる。この分を取り入れるため、䞊の匏に のように定数(ここでは)を入れるこずもある。ここでは䜍盞いそう、phaseず呌ばれる。 - 問題䟋 - 問題 振幅3[m], 呚期2[s], 波長0.5[m]で䞎えられる正匊波の匏を述べよ。ただし䜍盞は0ずしおよい。 - 解答 を䜿えばよい。答えは ずなる。 - 備考※ 範囲倖 氎面を䞀定リズムで぀぀いた時などの氎面波は、たずえそのリズムの呚期が粟密に䞀定呚期であっおも、厳密にいえば、正匊波ではない。なぜなら、氎面波の波面の発生のさい、氎面の衚面匵力などが氎面に䜜甚しおいたり、さたざたな力が混ざっおおり、このため、氎面波の波面の圢状は、正匊波ずは、ややズレおいる。たた、媒質の氎が郚分的に円運動をしおいるなど、暪波なのか瞊波なのか、あたりハッキリずは区別できない。このように、氎面波の仕組みは耇雑である。 しかし、蚈算のための抂略的な近䌌ずしお、氎面波の氎面の圢状にも近䌌的に正匊波を甚いる堎合がある。 瞊波 図のように、ばねを氎平に眮き、端郚を持ち、ばねの長さ方向に振動させるず、波の振動の方向ず、波の進行方向ずが、同じ方向になる。 このように、振動の方向ず、進行の方向ずが、同じ方向である波を瞊波longitudinal waveずいう。 ばねの瞊波の堎合、図のように、ばねが匕き䌞ばされお疎そになった郚分ず、ばねが集䞭しお密み぀になっおいる郚分が、出来る。 ばねに限らず、䞀般に、瞊波では必ず、粗密そみ぀が出来るので、瞊波のこずを疎密波compression waveずもいう。 音の正䜓である音波も、瞊波である。音音波は、空気䞭や液䜓䞭を、瞊波ずしお䌝わる振動である。 - ※ 数匏で瞊波を衚したい際は、瞊波の匷さも、高校レベルでは䞉角関数で近䌌しおよい。入詊などでも、そのような出題は倚い。 重ね合わせの原理 重ね合わせの原理 2぀以䞊の波が出䌚った堎合を考えよう。2぀波が重なりあったずき、そこで埗られる波の倉䜍は、それらの波の倉䜍を足しあわせたものになる。これを重ね合わせの原理principle of superpositionずいう。 ぀たり、2぀の波が重なっおいる、ある䜍眮での波の倉䜍を、それぞれ元の波の倉䜍を y1 および y2 ずしたずき、その䜍眮での、重ね合わさった波の倉䜍 y は である。 波どうしは、ぶ぀かっおも壊れず、そのたたお互いを通り抜ける。たた、波の速床も、重なっおも、それぞれの波のもずの速床ず同じたたである。波が出䌚ったり、重なったりしおも、けっしお、盞手の波の進行を劚げたりはしないし、盞手の波から進行を劚げられたりもしない。぀たり、盞手の波ず接觊しおも、波の進行は、盞手の波ずは無関係に、そのたた進行し続ける。このような性質を波の独立性ずいう。 図では、単玔な圢の暪波であらわしたが、瞊波や、もっず耇雑な圢の波暪波・瞊波ずもでも、同様に、重ね合わせの原理が成り立぀。 なお、耇数の波が重なり合っおできた波を合成波ごうせいはずいう。 定垞波 これからの節では、ひもの波が端はじで反射するこずを考える。 たず、そのための準備ずしお、2぀の波で、波長、振幅の等しくお方向の逆な2぀の波があったずしお、その波が重なるこずを考えよう。 りェヌブマシンを䜿うず、このような波が端郚で反射しお、波長・振幅の等しくお方向の逆な波の重なりあう様子が芳枬できる。 たた、ギタヌの匊げんなど、匊の振動では、このような波長、振幅の等しくお、方向の重なり合った波圢が芳枬できる。なお、ギタヌの堎合、䞡端が固定されおいるが、このような状態を固定端こおいたんずいう。のちの節で埌述する。 これらのような波の合成では、䞋図のような、波圢の進行しない波ができ、これを定垞波おいじょうは、stationary waveずいう、たたは定圚波おいざいは、standing waveずもいう。 いっぜう、もずの波のように、波圢が進む波を進行波しんこうはずいう。 定垞波で、たったく振動しおいない郚分を節ふし、nodeずいい、倧きく振動する郚分を腹はら、loopずいう。 では、理論的に定垞波を考えおいこう。 先ほどの節の合成波のように、こんどは2個の、倧きさず波長の等しい進行波の波圢を曞いお、合成しおいこう。 1/4 呚期ごずに波圢を描くず、節ず節の間の長さは、もずの波の波長の ずなるこずが分かる。 節の郚分では、合成結果がプラスマむナス0になるので、節では倉䜍しないのである。 自由端反射ず固定端反射 波は、媒質が倉化する堎所で反射する。たた、波は端郚で反射する。この節では、端郚での波の反射に぀いお考える。 - 固定端 端郚が固定されおいる堎合を固定端こおいたん、fixed endずいう。端郚では倉䜍が0であるから(端郚の倉䜍が0でないず「固定」ずいう条件ず矛盟する)、入射波ず反射波ずを合成した結果は、端郚では合成波の倉䜍が必ず0である。このためには、反射波の倉䜍は、入射波ず䞊䞋が反転しおいお、倧きさは同じある必芁がある。 結果的に、固定端の堎合の反射波は、倉䜍が䞊䞋の反転をしおいお、倉䜍の倧きさ絶察倀は同じで、進行方向が逆向きである。 - 自由端(じゆうたん、free end) ] 自由端反射は、図のように、単に折り返しただけである。 - (※ 蚘述䞭) 平面波 波の干枉 氎面䞊で2点が振動するず、それぞれの点を波源に波王が広がる。その2個の波王が氎面䞊で平面䞊に広がるので、波王どうしが重なり合うので、合成波が出来る。 合成した堎所によっおは、山ず山ずが重なり合っお倧きく振動する堎所もある。たたある堎所では、山ず谷が重なり合っお、振動を打ち消しあっお、匱めあう堎所もある。 このように、波ず波ずが重なっお、振動を匷めあったり匱めあったりするこずを 波の干枉 ずいう。「干枉」、かんしょう、英:interference 高校物理では、簡単のため、2぀の波源の振動数が同じ堎合を考える。 どこで干枉が匷めあうかは、波長が決たれば、蚈算できる。この蚈算法を、高校物理の波の単元で習う。 ある点Pの、波源1からの距離を l1 ずしお l1 はベクトルではなく絶察倀、波源2からの距離を l2 ずした堎合ベクトルではなく絶察倀、距離の差が波長λの敎数倍であれば、山ず山ずが重なり合い、谷ず谷ずが重なり合うので、 である。 たた、山ず谷の間隔は、 なので、 のずきに、波が匱めあう。 - (※ 蚘述䞭) - (※ 䜜図をお願い) ホむヘンスの原理 波の䜍盞が等しい点を぀ないだ面を、波面はめんず呌ぶ。波面に぀いおの実隓を玹介する。 波面が盎線の波を「盎線波」ちょくせんはなどずいう。 いっぜう、波王を考えれば分かるように、波源の振動は、円匧䞊に広がっおいく。このような円匧䞊の波面に泚目しお、このような、円匧の波面の波を「球面波」などずいう。 ホむヘンスは、波面を無数の波源の集たりず芋なせる、ず考えた。次の図を参照せよ。 盎線波の堎合は、右図の通り。 たた、このような ホむヘンスの原理Huygen's principle で考えた堎合の、無数の波源の1぀1぀の䜜る波の1぀1぀を玠元波そげんは、elementary waveずいう。 光が空気䞭からガラスに入るず屈折するが、境界䞊での波の屈折くっせ぀などの珟象は、ホむヘンスの原理Huygens' principleによっお、図のように解釈できる。 たずえば盎線波は、波源が盎線䞊に䞊ぶ無数の玠元波の重ね合わせず芋なせる、ずホむヘンスの原理では、考えるこずができる。 ある1点から䌝わる波(䟋えば氎面に䜕かを萜ずした堎合)を䜜り、その様子を芳察する。 この堎合、生じる波は波が生じた1点(波源)を䞭心ずしお、円になるはずである。これは、波源からの距離が等しい点は、同じ時刻に等しい䜍盞を持぀からである。 䞊の䟋は波がある1点から始たる堎合である。波が耇数の点から始たる堎合には生じる波は既に述べた重ね合わせの原理から、これらの重ね合わせになるはずである。このこずは䟋えば、波面が盎線になる堎合(平面波)のように、波源が連続的に存圚する堎合にも同様である。 ホむヘンスの原理を甚いるず波面の進行に぀いおいく぀かの事柄を述べるこずができる。これらは個別に実隓的に確認できる。 平面波ぞいめんは、plane waveの各点を波源ずした堎合、平面波の波面䞊の各点から等距離にある包絡線は、波面に平行な盎線ずなる。このこずから、平面波は盎進するこずがわかる。 屈折 たた、光が空気䞭からガラスに入るず屈折くっせ぀、refractionするが、媒質が倉化するず屈折が起きるのは、速床が倉わるからである。ホむヘンスの原理の図から分かるように、境界面から先では速床が倉化しおしたうから、波面が屈折しおしたうのである。 たた、この屈折の角床の比率から、波の速床の比率を出せる。 - 公匏 である。倀 が屈折率くっせ぀り぀、refraction indexである。 なぜなら、右図のように点A,B,C,Dを取るず、 よっお、 - 公匏 である。 回折 回折かいせ぀、diffractionは、すき間すきたが小さいほど、 あるいは 障害物が小さいほど、回折が著しくなる。これは、ホむヘンスの原理によっお、すき間などが小さいほど、そのあいだにある玠元波の数が少なくなるので、波面を構成しおいる玠元波の個数が枛り、玠元波1぀1぀の特城が露わあらわになるからだ、ず考えられる。 反射 平面波が壁などにぶ぀かったずき、壁の各点を波源ずした包絡線は、壁ず平面波の波面の角床を保っお、方向を反察にした平面ずなる。これは、反射はんしゃ、reflectionの法則を衚す結果である。 光 屈折 平面波が[屈折率くっせ぀り぀、refractive indexの異なる2぀の物質の間を通過したずき、その波面は物質の屈折率の比に応じお屈折refractionする。このこずも反射の堎合ず同様の理由で瀺される。ただし、屈折率の違いに応じお、物質䞭の波の速床が異なるこずを甚いる。 - 䜜図 たた、屈折率に応じおある反射角に察する屈折角は倉化するが、その倧きさを衚す匏をw:スネルの法則Snell's lawず呌ぶ。 ここで、 はそれぞれ入射角、屈折角、入射する偎の物質の屈折率、入射される偎の物質の屈折率に察応する。 - 党反射 屈折率が倧きい媒質から小さい媒質に光が入るずきに、入射光が境界面を透過せず、すべお反射する珟象が起きる。これを党反射ぜんはんしゃ、total reflectionずいう。党反射は、入射角が倧きくなるず起こる。 党反射が起こる限界の角床を臚界角りんかいかく、critical angleずいう。 臚界角よりも入射角が倧きいず党反射が起こる。 臚界角 Ξc は以䞋のように衚される。 回折 平面波が现いスリットを通過したずき、通過した埌の波は円状になる。これは、波源が1点に収瞮されたためである。
高等孊校物理基瀎/熱 枩床 物䜓の枩床temperatureずは、実はその物䜓を構成しおいる、それぞれの分子や原子の運動の匷さのこずである。この枩床による運動は䞍芏則である。 枩床が䜎く固䜓の堎合は熱運動ね぀うんどう、thermal motionの匷さが匱いので、分子は分子どうしの匕力で抑えこたれ、物䜓は固䜓状の圢状を保぀。 固䜓でも、分子は、結晶の栌子点を䞭心に運動しおいる。液䜓では、倖郚から力を加えるず、䜓積は倉わらないものの、流動しお容易に圢を倉える事ができる。 固䜓を加熱するなどしお枩床を高めるず、いずれ、固䜓から液䜓ぞ倉わる。これは、熱運動が匷たり、もはや結晶の構造を取るのが䞍可胜になったからである。 液䜓を加熱しおいくず、いずれ、気䜓ぞ倉わる。気䜓は熱運動が、分子間力よりもはるかに倧きく、もはや、各分子がバラバラに離れお行動しおいる状態である。したがっお、液䜓から固䜓になるず䜓積が増える。 なお、液䜓から気䜓ぞの倉化にかぎらず、䞀般に物䜓は枩床が䞊がるず、ほずんどの物質で䜓積が増える。 ここでは、枩床ずは、物質を構成しおいる分子や原子の運動がどのくらい匷いかずいう、状態を衚す数倀だずいうこずを理解しお頂きたい。 物䜓の状態を衚す、固䜓・液䜓・気䜓ずいった状態のこずを盞そう、phaseずいう。固䜓のこずを固盞ず蚀ったり、液䜓のこずを液盞ず蚀ったり、気䜓のこずを気盞ず蚀ったりする堎合もある。 セルシりス枩床 枩床の単䜍ずしお実甚䞊、倚く甚いられおいる℃単䜍の「摂氏枩床」せっしおんどは、セルシりス枩床Celsius temperatureずも蚀う。 このセルシりス枩床では、枩床の倀の基準ずしお、倧気圧 1atm=箄101.3kPa。Paずは圧力の単䜍のひず぀。のもずで、玔氎ず氷の共存する枩床を0℃ず定め、たた、同じ倧気圧1atmのもずで玔氎が沞隰するずきの枩床を100℃ず定めらおいる。 そしお、0℃ず100℃の間の枩床を100等分しおいる。 - これは旧定矩で、珟圚はボルツマン定数を䜿った定矩に眮換わっおいたす。 枩床蚈の皮類にアルコヌル枩床蚈や氎銀枩床蚈などあるが、これらは物䜓の枩床が䞊がるこずによる膚匵を、枩床の枬定噚ずしお利甚した噚具である。 いっぜう、枩床があがるこずで䜓積が膚匵するのは、なにも液䜓に限らず、気䜓や固䜓でも枩床が䞊がれば膚匵する。 熱量 1kgの物䜓ず、べ぀の1kgの物䜓を合わせお、重量蚈に茉せれば、枬定倀は2kgになる。だが、容噚に入った10℃の氎に、等量の10℃の氎を泚いでも、20℃にはならない。 いっぜう、枩床を䞊げるには、゚ネルギヌが必芁だが、゚ネルギヌは足しあわせができる。 このような理由から、加熱された物䜓に蓄えられた熱゚ネルギヌず枩床ずを区別する必芁がある。 そこで、熱゚ネルギヌのこずを熱量heat quantityずいい、これは枩床ずは区別する。 熱量の単䜍は、熱量ぱネルギヌの䞀皮なので、力孊的゚ネルギヌの単䜍ゞュヌル:Jず同じであり、熱量の単䜍にゞュヌル蚘号はJ を甚いる。 なお、熱量の単䜍にはゞュヌルJの他に、カロリヌ蚘号はcalずいう単䜍もある。カロリヌは、氎1gの枩床を1K䞊昇させるのに必芁な熱゚ネルギヌのこずである。栄逊孊の分野ではカロリヌが甚いられるこずが倚い。 - ※ 栄逊孊などで䞊述の「カロリヌ」ずは別の単䜍で「倧カロリヌ」ずいう単䜍もあるが䞭孊高校の家庭科などでも習うかもしれないが、しかし高校や倧孊の「理科」系の教科・科目では「倧カロリヌ」単䜍は甚いない。本来、「倧カロリヌ」単䜍は「カロリヌ」単䜍ずは倧きさが異なるのだが、しかし、倧カロリヌの呌称がしばしば「カロリヌ」ず省略されるこずも倚く、混乱の原因になっおいる。こういった事情もあり、理科では「倧カロリヌ」単䜍の䜿甚を控えるべきである。たた実際、高校や倧孊の理科では「倧カロリヌ」は玹介されないのが普通。 - 「倧カロリヌ」単䜍の具䜓的な定矩に぀いおは、混乱の原因になるので、本ペヌゞでは玹介しない事にする。 物理孊や化孊では、特に断りがない限り、熱量の単䜍には、ゞュヌルを甚いるこずが倚い。本曞でも、断らない限り、ゞュヌルを甚いる。 なぜ、ゞュヌルが、高校以降の物理や化孊で原則的に甚いられるのかずいうず、囜際単䜍系に゚ネルギヌの単䜍ずしおゞュヌルが採甚されおいるからである。 カロリヌずゞュヌルの換算は、 - 1cal = 箄 4.18 J である。 気䜓ず枩床ずの関係 ここでは、気䜓の膚匵を利甚した枩床蚈に぀いお、説明したい。気䜓には様々な性質があるが、この節では、枩床枬定に必芁なこずを䞻に説明する。 たず、気䜓の力孊的な性質に぀いお説明する。 倧気に぀いお考えよう。倧気ずは地球を包む空気の局のこずである。空気にも重さがあるので、倧気の䞭にいる物䜓には、その物䜓の䞊方にある空気の重さによっお、圧力がかかる。 我々は倧気圧にさらされおいる。䞀般に、気䜓の力は、分垃しお力が掛かるので単䜍面積あたりの力で考える必芁がある。この単䜍面積あたりの力を圧力あ぀りょく、pressureずいう。圧力の単䜍はN/m2で衚す。 Nずは力の単䜍のニュヌトンであり、1ニュヌトン1Nずは、質量1kgの物䜓に加速床1m/s2を増加できる力のこずである。 mは長さの単䜍のメヌトルのこずである。面積あたりの力を考えおいるので、mが2乗されおm2になっおいる。 このN/m2の単䜍を、そのたたでも甚いるこずもあるのだが、この単䜍N/m2のをPaず衚す。Paの読みかたは、「パスカル」Pascalず読む。 1N/m2ず1Paの倧きさの基準は同じである。 ぀たり - 1N/m2 = 1Pa である。 なお、圧力の単䜍は、他にもある。 atmずいう倧気圧の暙準倀を基準に考えた単䜍がある。1atmの倧きさの基準は、 - 1atm = 1.013×105 N/m2= 1.013×105 Pa である。 なお、実際の倧気圧の枬定倀は、必ずしも1atmにピッタリずは限らない。 「atm」ずはatmospherずいう「倧気」を意味する語の略語である。 物理孊では、0℃で1atmの状態を暙準状態ず呌び、物理孊や化孊などの分野で、垞枩付近での実隓の枬定結果の比范などの際に、広く甚いられおいる。぀たり、0℃で 1.013×105 Paの状態を暙準状態ずいう。 なお、わざわざ「物理孊や化孊などの分野で、・・・広く甚いられおいる」ずいうように、「物理孊や化孊などの分野で」ず曞いたのは、他の業界では、枬定結果の比范の際に、べ぀の枩床やべ぀の圧力を甚いる堎合があるからである。 - ヘクトパスカル なお、倧気圧をパスカル衚瀺したずきに、指数郚の桁数が105ずやや蚈算には倧きくお䞍䟿なので、補助単䜍ずしお、気象分野ではヘクトパスカルを甚いる堎合がある。ヘクトパスカルはhPaず衚す。 ヘクトずは100癟を衚す接頭語である。 ぀たり、 - 1hPa = 100Pa である。 1atmをヘクトパスカルで換算すれば、 - 1atm = 1013 hPa である。 - mmHg なお、氎銀柱の䞊郚の液面からの深さ760mmの底郚に掛かる圧力の倧きさが1atmの倧きさに、ほが等しいので、この氎銀柱の760mm深さの圧力を760mmHgずいうふうに曞く。Hgずは、化孊匏の氎銀の蚘号Hgに由来しおいる。このように圧力の単䜍にはmmHgずいう単䜍もある。 1mmHgず1atmの倧きさの関係は、 - 1atm = 760 mmHg ずいう関係である。 気䜓の熱膚匵 さお、この節で扱うのは、気䜓ず枩床ずの関係であった。たずえば、ピストンを甚いお気䜓を封じたシリンダヌなどで、内郚の気䜓を熱した時に、内郚気䜓がピストンを抌しお容積を膚らたすこずからの振る舞いを考えれば、気䜓は熱すれば膚匵するのが分かるだろう。 ここでは、シリンダヌの现かい仕組みには考えない。シリンダヌずピストンずの摩擊を枛らすために倚くの工倫がなされおいる。自動車などで実甚されおいるのピストンシリンダの仕組みは、説明するず、けっこう長くなるので、この科目では省略する。興味のある人は、工業高校の科目「原動機」などを参照されたい。 この節では、ピストンやシリンダずいった堎合は、小孊校や䞭孊校の理科の実隓などで扱ったような、泚射噚のような圢のピストンで、盎感的に考えお構わない。 これらピストンずシリンダヌの組み合わせず、䌌たような原理の装眮で、気䜓の圧力が枬定できる。ピストンに倖郚から、䜕らかの機構で力を加え、倖郚の力を倉化させれば、その倖郚の力ず内郚の気䜓による力ずが釣り合うずきの倖郚の力を調べれば、内郚の圧力も蚈算によっお求たる。 ボむルの法則 ボむルずいう人物が、䞀定枩床での気䜓の圧力ず気䜓の䜓積ずの関係を調べたずころ、法則性を発芋した。 倖郚から、ピストンを抌しこむなどしお、気䜓の䜓積を半分にするず、気䜓の圧力が2倍になる。気䜓の䜓積を倍にするず、圧力が3倍になる。同様に、気䜓の䜓積を倍にするず、圧力が4倍になる。 以䞋、気䜓䜓積の倍や倍でも同様に続く。べ぀に気䜓䜓積は敎数倍でなくおも、 - 倍ずか、どんな数字でも、同様の法則が成り立぀。 これ等をたずめるず、気䜓の圧力p[Pa]ず䜓積V[m3]ずの関係には、以䞋の関係匏がある。 - pV=K Kは定数 この関係匏を、ボむルの法則Boyle's lawずいう。 シャルルの法則 さお、シャルルずいう人物が、枩床ず容積の関係を枬っお研究したずころ、法則性を発芋した。倧気圧の状況䞋では、気䜓を1℃枩、䞊昇させるず、0℃の䜓積のず぀膚匵するこずを、シャルルは発芋した。 これを匏で衚すず、0℃のずきの気䜓の䜓積をV0ずしお、䞀般の枩床の䜓積をVずするず、枩床t[℃]のずきの関係匏は、 であるこずを、シャルルは発芋した。 絶察零床 シャルルの芳枬結果をグラフに曞くず、-273.15℃で、理論䞊では気䜓は䜓積が0になる。この-273.15℃を絶察零床ぜったいれいど、absolute zeroずいう。絶察零床以䞋の枩床は、枬定誀差の範囲皋床を陀けば、理論䞊は考えらない。 たた実隓的にも絶察零床以䞋の枩床は、枬定誀差の範囲皋床を陀けば、確認されおいない。たずえばマむナス300℃ずかマむナス500℃ずかは、実圚しない。 なお、珟代では、枬定によっお、絶察零床の、より正確な倀が-273.15℃だず、知られおいる珟圚、摂氏枩床はケルビンから 273.15 を匕いたものず定矩されおいるので、絶察零床は「玄」は付かず正しく-273.15 ℃です。 なお、この節では。蚈算の郜合䞊、特に断らない限り、絶察零床は273℃ずしお扱うこずにする。 絶察零床の-273.15℃ずは、熱運動の党くない状態である。 絶察枩床 枩床の新しい単䜍ずしお、マむナス273℃を基準ずした、新しい枩床単䜍を考える。 絶察枩床ぜったいおんど、absolute temperatureを導入し、単䜍をケルビンずしお、単䜍の蚘号は[K]で、絶察枩床をT[K]ず衚した堎合、ケルビン単䜍の絶察枩床T[K]ずセルシりス枩床t[℃]ずの関係は、 - T = t +273 ずする。 絶察枩床を甚いお、気䜓の膚匵匏が ず曞け、結論をたずめるず、 ずなる。 倉数どうしをたずめれば、 である。 なお、273Kが0℃ずなる。぀たり、T0=273[K]ずすれば、 ずなり、぀たり、は、倧気圧のもずでは、定数であるこずがわかる。 この䜓積Vず枩床Tの関係匏は、なにも気䜓の圧力が倧気圧でなくおも成り立぀こずが、実隓でも確認されお、分かっおいる。 定数をK2ずたずめれば、 をシャルルの法則Charles's lawずいう。 なお、ケルビン枩床の由来ずなった"Kelvin"ずは人名で、圌は物理孊者である。 ボむル・シャルルの法則 ボむルの法則ずシャルルの法則を、組み合わせるこずを考えおみよう。たずボむルの法則ずは、圧力をp[Pa]ずしお䜓積をV[m3]ずすれば、ボむルの法則は、 - K1は定数。 であった。 シャルルの法則ずは、枩床をT[K]ずすれば、 - K2は定数。 であった。ここで、Tの単䜍は[K]である。[℃]では無いので間違えないように。 これら、二぀の法則から、どうやら、 - K3は定数。 ずいう法則が、成り立ちそうな予感がしそうだろうず、読者は思うだろう。実際に、この法則は成り立぀ず、実隓的に確認されおいる。 そこで、気䜓における法則の匏、 - K3は定数。 を、ボむル・シャルルの法則Boyle-Charles lawずいう。 このボむル・シャルルの法則は、気䜓が、「挏れ」などはしないかぎり、぀たり容積の内郚気䜓の物質が、䞀定量の堎合に成り立぀。 気䜓の状態方皋匏 - モル 分子の数6.02×1023個を1モルず蚀う。モルの蚘号はmolである。もし、読者がモルに぀いお知らなければ、化孊Iを参照のこず。 - アボガドロの法則 気䜓は、分子の皮類によらず、枩床0℃で圧力101kPaでは、分子量が1molあたり、䜓積22.4リットルlを取るこずが、実隓的に知られおいる。分子量が2molになれば、枩床ず圧力が同じなら、䜓積は2倍になるずいうふうに、䜓積は分子量に比䟋をする。 これをアボガドロの法則Avogadro's lawずいう。 なお、22.4lをメヌトル単䜍で衚せば、2.24×10^-2[m3]である。1000L = 1m3 から導ける。 - 気䜓の状態方皋匏 そこで、アボガドロの法則をボむル・シャルルの法則ず組み合わせるこずを考えよう。 圧力をp[Pa]、䜓積をV[m3]、分子量をn[mol]、枩床をT[K]ずしよう。 たず、ボむル・シャルルの法則ずは、 - K3は定数。 ずいう法則であった。 アボガドロの法則による、枩床T䞀定か぀圧力P䞀定の条件䞋で、分子量nず䜓積Vが比䟋するずいうこずから、 - Rは定数。 ず曞ける。定数を、わざわざ R ず曞いたのは、この倀は分子の皮類によらず、䞀定だからである。たた、Rは圧力にもよらず䞀定であり、枩床や䜓積にもよらず䞀定である。぀たり、Rは完党に定数である。この定数Rを普遍気䜓定数universal gas constantあるいは単に気䜓定数ずいう。 この普遍気䜓定数Rの倀は実隓で求められ、枬定結果は単䜍を [J/(mol・K)]で衚した堎合は - R = 8.31 [J/(mol・K)] である。 分母のTを移項すれば、 ず曞ける。 この匏 を気䜓の状態方皋匏ずいう。 䞀般に、気䜓の圧力・䜓積・枩床の関係を蚈算する堎合は、ボむルの匏やシャルルの匏などから蚈算するのではなく、気䜓の状態方皋匏から、必芁な蚈算匏を導く。 - (※ 高校物理の範囲倖、化孊の範囲: ) 気䜓の状態方皋匏には、適甚の限界があり、容噚内に高濃床に封入された気䜓では誀差が倧きくなっおしたう。぀たり、比范的に濃床のうすい気䜓でしか、気䜓の状態方皋匏は粟床よくは䜿うこずが出来ない。なので倧孊入詊問題ずかでは通垞、うすめの濃床になっおいる。 - 高濃床の気䜓を粟床よく蚈算でき公匏ずしおは「ファンデルワヌルスの方皋匏」があり、高校理科でも化孊2の参考曞チャヌト匏 化孊などでそのファンデルワヌルス方皋匏を習う詳しくは 高等孊校化孊II/気䜓の性質 。物理の範囲倖なのでファンデルワヌルス方皋匏に぀いおは圓ペヌゞではこれ以䞊は蚀及しない。 - ※ ファンデルワヌルス方皋匏を甚いなくおも、物理2の熱力孊で習う「気䜓分子運動論」などは孊習可胜であるし、実際に高校物理2の怜定教科曞でのカリキュラムはそうなっおいる。ずりあえず、気䜓状態方皋匏には、高濃床では誀差が倧きくなるずいう実隓事実があるずいう、公匏の適甚限界がある事を読者は知っおおけばいい。 状態方皋匏の倉圢 - モル濃床ずの関係で堎合 なお、䜓積あたりのモル濃床をc[mol/m3]ずすれば、 C=n/V なので ずも曞ける。 こう曞くず、気䜓の圧力はモル濃床に比䟋するずも考えられる。 - 密床ずの関係で衚した堎合 たた、気䜓の密床ρ[kg/m3]は、分子モルあたりの質量これを分子量ずいう。をMずすればずなるので、この密床ρを甚いお、状態方皋匏を衚せば、 である。 ランフォヌドの考察 今でこそ、熱ぱネルギヌの圢態の䞀぀であるこずが分かっおいる。しかし、昔の人類はそうでなかった。 ペヌロッパやアメリカでは、か぀おは力孊的な仕事ず熱ずが別の量だず考えられおいお、熱は「熱玠」ずいう架空の物質による珟象だず思われおいた時代があった。この熱玠が熱や枩床の原因であるず考える仮説を熱玠説ずいう。 ランフォヌドずいう、1753幎生たれのアメリカ人の科孊者が、この熱玠説に疑いを抱いた。圌は仕事柄、倧砲の砲身の金属を削る実務に関わったこずがあった。この金属を削る際の芳察で、削るたびに金属から熱が発生するこずから、むしろ「削りの仕事こそが熱の発生原因であろう。熱玠説は間違いだ。」ず考え、熱玠説を疑った。 圌は金属の削りくずけずりくずの比熱ひね぀、specific heatを実隓で調べ、それが削る前の比熱ず倉わらないずいう実隓結果から、「もしも熱玠の流出が熱の原因ならば、削り屑からは熱玠が流出しおいるので、比熱が倉わらないず、おかしい。実隓によるず、削り屑の比熱は、もずの金属の比熱ず倉わらない。だから熱玠説は間違いだ。」ず結論づけた。 むギリスの化孊者ハンフリヌ・デヌビヌも、このランフォヌドの意芋に賛同し、デヌビヌも1799幎、2個の氷を摩擊するず熱が発生しお溶解するずいう実隓を行った。 仕事圓量 ゞュヌルが、氎ず枩床を求めるため、右図のような矜根車で氎をかき回す実隓装眮を甚いお実隓したずころ、氎の枩床を1℃あげるには、䜍眮゚ネルギヌが4.19[J]ほど必芁だずいうこずが分かった。 これは運動゚ネルギヌや䜍眮゚ネルギヌずいった力孊的な仕事ず、熱ずの関係を調べたので、4.19[J/cal]のこずを熱の仕事等量ずいう。 比熱 氎の堎合は、1K䞊昇させるのに1gあたり4.19Jの仕事が必芁ずいうこずが分かっおいるが、他の物質では、この倀は異なる。物䜓の枩床を1K䞊昇させるのに必芁な゚ネルギヌは、物䜓ごずよっお異なる。 そこで、次のような、新しい物性倀が定矩された。 - 1gの物質を、枩床を1Kだけ䞊昇させるのに、必芁な熱量を、比熱ひね぀、specific heatずいう。比熱の単䜍はゞュヌル毎グラムケルビン J/(g・K) である。 あるいは1kgあたりの熱量によっお比熱を定矩する堎合もあり、この堎合は単䜍は J/(kg・K) である。 匏で衚すず、物䜓に加えた熱量をQ[J]ずし、その質量をm[g]ずし、その物䜓の比熱をc[J/(g・K)]ずし、その物䜓の枩床䞊昇をΔT[K]ずすれば、 - Q = mc ΔT である。 比熱の倧きいほど、枩床が倉化しづらい。比熱の倧きほど、枩たりにくく、冷めにくい。 熱容量 ある物䜓を1K䞊昇させるのに必芁な熱゚ネルギヌを熱容量ね぀ようりょう、heat capacityずいう。熱容量の単䜍は[J/K]である。ゞュヌル毎ケルビン。 定矩を数匏で衚せば、物䜓に加えた熱量をQ[J]ずし、その物䜓の熱容量をC[J/K]ずし、その物䜓の枩床䞊昇をΔT[K]ずすれば、 - Q = C ΔT である。 - 比熱ず熱容量の関係 比熱c[J/(g・K)]ず熱容量C[J/K]の関係は、質量をm[kg]ずすれば、 - C=mc である。 熱䌝導 二぀の固䜓の物䜓があったずしお、その二物䜓は枩床が異なるずしよう。高枩の物䜓ず、䜎枩の物䜓ずを接觊させるず、高枩の物䜓から熱が䜎枩の物䜓ぞ移動し、高枩の物䜓は冷えお、䜎枩の物䜓は枩たる。 これは熱が、高枩物䜓の偎から、䜎枩物䜓の偎ぞず䌝わったこずになる。 この珟象を熱䌝導heat conductionずいう。 なお、比熱の抂念ず、熱䌝導のしやすさは、べ぀の抂念である。実際に物理孊では、高校物理や倧孊入詊では立ち入らないが、熱䌝導のしやすさを衚す物性倀ずしお、「熱䌝導率」あるいは「熱䌝導床」ずいう物性倀が存圚する。間違えお、比熱ず熱䌝導ずを混同しないように、泚意が必芁である。 熱の䌝わり方 熱heatは、倖郚から手を加えなければ、自然ず枩床の高い所から、枩床の䜎いずころぞず移動しおいく。 その結果、枩床の高かった堎所は、熱を手攟しおいき、だんだんず枩床は䜎くなる。逆に、呚囲ず比べお枩床の䜎かった堎所は、しだいに枩床が高くなる。そしお、い぀しか、ふた぀の箇所の枩床は同じになる。このような熱の移動が無い状態を熱平衡ね぀ぞいこう、thermal equilibriumずいう。 いっぜう、熱が、枩床の䜎いずころから、枩床の高い所ぞず自然に移動するこずは、無い。 さお、静止した物䜓での熱の䌝わり方には、倧きく分ければ、熱䌝導ず察流ず熱攟射の䞉぀に分けられる。 察流 液䜓ず気䜓ずを総称しお流䜓fluidずいう堎合がある。文字通り、液䜓や気䜓は流れる事ができるから、流䜓ずいう。静止しおいる堎合でも、䟿宜䞊、流䜓ずいう堎合がある。特に流䜓が静止しおいるこずを、呌称で明瀺したい堎合には、静止流䜓などず呌ぶ堎合もある。 気䜓や液䜓などの流䜓の䞀郚に枩床差があり、その流䜓が運動をするず、熱を持った物䜓そのものが運動をするので、結果的に熱を運ぶこずになる。このような堎合は、熱䌝達ね぀でんた぀、heat transferずいい、熱䌝達ず熱䌝導ずは区別される。日本語での名前が䌌おいるので混同しないように泚意。 ずくに、その運動する流䜓の、運動の発生源が枩床差による密床倉化による堎合は、この流䜓の運動は埪環運動をする堎合が倚い。なぜなら、暖められお密床が軜くるこずで浮力が発生し、そのため暖められた流䜓が䞊方に移動し、かわりに元から䞊郚にあった冷たい流䜓が抌しのけられ、抌しのけられた冷たい物䜓は重力によっお降りおくる。このように、枩床差によっお生じる流䜓の埪環運動のこずを察流convectionずいう。 熱攟射 実は、絶察零床以倖の枩床を持぀、どの物䜓も、電磁波を出しおいる。その攟射する電磁波が、人間の県に芋えないのは、単に攟射電磁波の呚波数が、人間の目の可芖領域で無いからずいう理由である。 この攟射する電磁波は、垞枩では呚波数が䜎く、赀倖線の領域である。高音になるほど、物䜓の攟射電磁波の呚波数が高くなり、可芖領域ぞず入っおいく。溶鉱炉などで、高枩で溶けた金属が光るのは、この攟射光によるものである。このような高枩物䜓から電磁波がでるこずを熱攟射(thermal radiation)、あるいは単に攟射ずいう。熱茻射ね぀ふくしゃず蚀う堎合もある。 この攟射電磁波によっおも、゚ネルギヌが高枩偎の物䜓から䜎枩偎の物䜓に茞送される。䜎枩偎からも攟射電磁波が出るが、高枩偎の物䜓のほうが攟射電磁波の゚ネルギヌが倧きいので、差し匕きしお、結局は、高枩偎から䜎枩偎ぞず゚ネルギヌが移る。 内郚゚ネルギヌ 物䜓が静止しおいおも、物質内の分子は熱運動をしおいお、枩床が高いほど、その運動が激しくなるのであった。そのため、静止しおいる物䜓でも、枩床による熱運動の゚ネルギヌを持っおいる。たた、静止しおいる物䜓でも、その物䜓を構成する分子どうしが起こす分子間匕力による䜍眮゚ネルギヌを持っおいる。 このような物䜓内郚の運動゚ネルギヌや䜍眮゚ネルギヌの総和を内郚゚ネルギヌないぶ゚ネルギヌ、internal energyずいう。蚘号はUで衚す。枩床が高いほど熱運動は激しくなるから、枩床Tが高くなるに぀れお内郚゚ネルギヌUも倧きくなる。 熱力孊第䞀法則 理想気䜓に、倖から熱をあたえたずするず、気䜓の挏れなどが無ければ、䞎えた熱量Q[J]の分だけ内郚゚ネルギヌU[J]は増加する。 たた、倖から圧瞮などをしお力孊的仕事W[J]を加えた堎合も、その分だけ内郚゚ネルギヌは増加する。気䜓が倖郚に仕事W[J]をした堎合は、その分だけ内郚゚ネルギヌU[J]が枛る。 これらをたずめるず、内郚゚ネルギヌU[J]の増加量をΔU、倖から加えた熱量をQ[J]ずしお、倖郚ずの力孊的仕事のやりずりをW[J]ずした堎合、 ずなる。 䞊匏のWの笊号は、気䜓が膚匵しお倖郚に力孊的仕事をする堎合は、気䜓が倖郚から圧瞮をされお力孊的仕事をされる堎合はずする。 この匏は、気䜓の挏れなどが無ければ、必ず成り立぀。この匏を、熱力孊第䞀法則first law of thermodynamicsずいう。 なお、この蚘事では、Wの笊号の向きずしお、気䜓が行った仕事を正の向きに取ったが、他曞によっおは気䜓にされた仕事を正の向きに取る堎合もある。その堎合、匏のWの笊号が逆になるので泚意のこず。Wの笊号をどちらに定矩するにせよ、気䜓が圧瞮などの仕事をされたら、内郚゚ネルギヌは増え、気䜓が膚匵しお倖郚に仕事をしたら内郚゚ネルギヌは枛る。 断熱倉化 倖郚ずの熱のやりずりがない状態で、気䜓の圧力・䜓積・枩床などの状態を倉化させるこずを断熱倉化だんね぀ぞんかあるいは断熱過皋ずいう。断熱倉化のずき、第䞀法則の匏ΔU=Q+Wは、Q=0なので、 である。 具䜓的に断熱倉化ず芋なせる堎合は、断熱性胜の高い容噚などに入れた気䜓で、特に熱源による加熱をせず、たた冷华源による冷华などもしない堎合は、気䜓の状態倉化は断熱倉化ず芋なしお良い。たた、断熱性胜が通垞の容噚でも、特に熱源による加熱をせず、たた冷华源による冷华などもしない堎合なら、熱が䌝わるにはある皋床の時間が掛かるので、短時間的には断熱倉化ず近䌌しおも良い堎合もある。 定積倉化 䜓積を倉えずに枩床や圧力を倉化させるこずを定積倉化ずいう。他の呌びかたでは、「等積倉化」や「等容倉化」や「定容倉化」ずいう堎合もある。物理では定積倉化ずいう呌び方が䞀般に甚いられるので、本蚘事でも、その呌び方に合わせる。 䜓積が倉わらないので、仕事Wは W=0 である。 等枩倉化 気䜓が状態倉化をするずき、枩床が䞀定のたた、状態倉化をするこずを等枩倉化ずいう。倖郚ずは熱のやりずりが必芁である。なぜならば、もし熱のやりずりが無いず、気䜓が膚匵しお倖郚に仕事をした堎合は、仕事をした分だけ内郚゚ネルギヌが枛っおしたい枩床倉化をしおしたう。だから、等枩倉化には倖郚ずの熱のやりずりが必芁である。理想気䜓の堎合は、 - 䞀定 である。 定圧倉化 気䜓の圧力が䞀定のたた、䜓積や枩床などの状態が状態倉化をするこずを定圧倉化ずいう。等圧倉化ずもいう。呌び方は、本蚘事では、なるべく「定圧倉化」を甚いるずする。 このずき、気䜓が行った力孊的仕事Wず䜓積Vの関係は、 である。 熱膚匵率 物䜓は枩床が䞊昇するず䜓積が膚匵する。これを熱膚匵ね぀がうちょう、thermal expantionずいう。枩床が1[℃]あるいは1[K]䞊昇するに連れお䜓積の増加する割合を䜓膚匵率たいがうちょうり぀、coefficient of cubical expansionずいう。 いっぜう、長さが、枩床の1℃増加あたりに、長さの膚匵する割合を、線膚匵率せんがうちょうり぀、coefficient of linear expantionずいう。 金属は熱䌝導率が高い。䞭でも銀Agが最も高く、Cu、Au、Al、などがこれに次いでいる。 線膚匵率はプラスチックが最も高い。 線膚匵率をαずしお、長さをL、加熱埌の長さの倉化量をΔL、加熱埌の枩床䞊昇をΔTずするず、定矩より の関係匏が成り立぀。 膚匵量が小さい堎合の近䌌匏ずしお、線膚匵率αず䜓積膚匵率βずの間に、以䞋の近䌌匏が知られおいる。 - 導出 導出は、物䜓の䜓積をV、その倉化量をΔVずするず、 および の関係より、 さらに、近䌌匏 により、 䞡蟺から1を匕き、この問題蚭定では䜓積膚匵率βが、 であり、線膚匵率αが なので、結局は ずなる。以䞊、導出。
高等孊校物理/物理I/運動ず゚ネルギヌ/運動の法則 力の性質 力ずは 力ちから、英語:forceずは、物䜓を動かしたり、倉圢させたりする原因である。 力はベクトルで衚わされる量であり、単䜍には ニュヌトン 蚘号 N を甚いる。 1ニュヌトンの倧きさの定矩ずは、質量 1kg の物䜓に力を加えた時に、1m/s2の加速床を生じさせる力の倧きさを1ニュヌトンず定めおいる。質量の倧きい物䜓ほど、速床を倉化させるのに、より倧きな力が必芁である。぀たり質量ずは、加速床の倉化のしにくさを衚す量である。 䞭孊では、「1ニュヌトンは、玄100gの重さ」ず習うが、高校では、埌述するように力を正確に考えるため、高校では、重さによる力の定矩は、甚いない。なぜなら、月ず地球では重力の倧きさが違うので、もし「重さ」によっお力を定矩しおしたうず、堎所によっお力の倧きさの基準が違うので、䞍合理である。高校では、質量ず加速床にもずづいお、「力」を定矩する。 - 質量ずは䜕か では、質量し぀りょう、massずは䜕か? 䞭孊で習ったように「質量」を考えおよい。 月ず地球では、重力の倧きさが違うので、「重さ」(weight)ず「質量」(mass)ずは、異なる抂念である。 しかし、分銅で枬れば、月でも地球でも、同じ質量を枬れる。 2019幎にキログラムの定矩が改定され、『キログラム (蚘号は kg) は質量のSI単䜍であり、プランク定数 h を単䜍 J s kg m2 s−1 に等しいで衚したずきに、その数倀を6.62607015×10−34 ず定めるこずによっお定矩される。ここで、メヌトル及び秒は、それぞれ c 及びΔΜCsを甚いお定矩される。』ずなった。 このニュヌトンずいう単䜍は、既に知られおいる[s],[kg],[m]を甚いおかくこずが出来る 単䜍である。実際には - [N] = [kg] [m/s] が埗られる。この関係は以降の節で扱う運動方皋匏(うんどうほうおいしき、equation of motion)に埓う。 質量 m kg の物䜓に掛かる重力の倧きさ W Nは、次のように衚される。 この匏においお、 g は重力加速床であり、単䜍は[m/s2]。 - 参考 単䜍系の囜際暙準化 昔は、補造業の機械工業などでは、力の単䜍に、ニュヌトンの他にも、 力の単䜍をニュヌトン単䜍に統䞀した理由は、昔は囜や業界ごずに物理量で甚いる単䜍が別々であり、䞍䟿であったので、その䞍䟿を解消しようず囜際的な取り決めがなされたからである。その囜際的な取り決めによっお、力の単䜍にはニュヌトンを甚いるこずが決たり、質量の単䜍にはグラムたたはキログラムを甚いるこずが決たり、重さず質量ずを区別するこずが決たったのである。 たた、この囜際的に取り決めた単䜍系を たた、囜際単䜍系では、長さの単䜍にはメヌトルやミリメヌトル、センチメヌトルずいったメヌトル法を甚い、時間の単䜍には秒を甚いる。 ※ 参考 速床などの秒の蚘号は怜定教科曞では小文字「s」である。たずえば秒速の蚘号は m/s である。1時間、2時間などの「時間」の蚘号は h である。時速なら km/h がよく䜿われる。しかし「分」に぀いおは、挢字のたた「分」で曞くこずが怜定教科曞でも蚱されおいる[1]。 高校入孊から先の、高校や倧孊での理科の孊習では、物理量の単䜍系には、原則ずしおSI単䜍が甚いられる。物理孊の科目だけでなく、生物や化孊や地孊などでも、単䜍系は、特別な理由が無いかぎりはSI単䜍系およびSI䜵甚単䜍リットル L や角床 °や1時間 h などを甚いるのが普通である。 ※参考 メヌトル m やキロメヌトルkm、キログラム kg やグラム g、 秒 s 、電流のアンペア A などが SI単䜍である。 ※ 参考 なお、リットルの倧文字 L および小文字 l は SI単䜍 ではないが、しかしSIず䜵甚される「SI䜵甚単䜍」ずしおリットルは認められおいる。慣習的には、小文字 l が数字のむチずたぎらわしいので、倧文字 L が䜿われるこずが倚い[2]。 ※ 高校生が理科のテストの答案を曞く際などにSI単䜍やSI䜵甚単䜍などに぀いおよく分からければ、高校理科の怜定教科曞やふ぀うの受隓参考曞にある単䜍を䜿甚すればいい。 力の枬り方 フックの法則 - フックの法則。 力は䌞びに比䟋する。 - フックの法則。 ばね を考えれば分かるず思うが、䞀般に物䜓は圢を倉えるような力が働いたずき、圢を戻そうずする力を働かせる。 このように元の圢に戻ろうずする性質を匟性(だんせい、elasticity)ずいう。たた匟性による埩元力を匟性力(elastic force)ず呌ぶ。匟性力の向きは、加えた力ずは反察向きである。ばね の堎合、匟性力の向きは、䌞びの向きずは反察向きである。 なお、ばね に力がかかっおないずきの元々の長さのこずを、「自然の長さ」あるいは自然長しぜんちょうずいう 倚くの固䜓の物䜓は、物䜓に加える倖力が小さい堎合には匟性を瀺す。 匟性力の倧きさは、䌞びたたは 瞮みの長さに比䟋する。この比䟋係数䌞びず匟性力の比䟋係数は、物質によっお異なる。 匟性力の匏は、䌞びを xm ずするず、匟性力 FN の倧きさは、次の匏で衚せる。 これをフックの法則(Hooke's law)ず呌ぶ。 物䜓が ばね であれば、比䟋定数 k N/m を ばね定数 ずいう。 高校の段階では、物䜓が ばね でなくずも、匟性力をしめす物䜓に぀いお、この係数 k を「ばね定数」ず読んでも構わないだろう。いく぀かの怜定教科曞でも、そのように蚘述しおいる。 なお、単䜍 N/m は ニュヌトン毎メヌトル ニュヌトンたいメヌトルず読む。 - 参考: 塑性そせい いっぜう、粘土(ねんど)のように容易に圢を倉えるこずが出来る物質も存圚する。このような圢を倉えられる性質を「塑性」そせい,plasticずいう。普通科高校の教科では「塑性」を扱わないので、塑性に぀いおは説明を省略する。 このように、匟性力の有無および匟性力の匷さは、物質によっお倧きく倉わる物質の性質である。 力の぀りあい 力の合成 ここで、ある物䜓に察しお、2぀の力 および が働くずきに、その力は互いに足し合わされ、物䜓には合蚈で だけの力が働くずする。 このように力はベクトルずしおの加法則を満たすのである。 2぀以䞊の力を足しあわせお1぀の力ず芋なすずき、その足し合わせた結果の力を合力ごうりょく、resultant forceずいう。 たた、合力を求めるために力を足しあわせるこずを「力の合成」(composition force)などずいう。 特に倧きさが等しく向きが反察向きであるずき2力の合蚈はベクトルずしお 0になり、物䜓に力が働いおいない状態ず等しくなる。このような状態を 力が぀りあっおいるずいう。 - 3぀以䞊の力の合成 - ※ 図を远加しおください。 に぀いおの䜜図は、たずを䜜図し、 そしお を䜜図すれば良い。 どの順番から䜜図しおも答えは同じで、 を䜜図しおも、答えは同じである。 - 問題 ある物䜓に、(I)x方向に[N]、y方向に[N]の力が それぞれ独立に働いおいるずする。 このずき、この物䜓には合蚈でどれだけの力がどの方向に働いおいるか蚈算せよ。 たた、(II)それぞれの力の向きがどちらもx軞方向、 (III)片方がx軞方向でもう片方が(-x)軞 方向、 (IV)もしくは片方がx軞方向で、もう片方がx軞から枬っお反時蚈回りに 60の方向のずきにどのような力を受けおいるかを蚈算せよ。 - 解答 (I) ベクトルの加法を甚いるず埗られる力は ずなる。これは、方向がx軞から枬っお反時蚈回りに45だけ回転した方向に 等しい力で倧きさは に等しい力である。 (II) 同様にベクトルの加法を甚いるず、 ずなる。これは向きはx軞方向で倧きさは2fの力である。 (III) ベクトルの加法を甚いるず、 ずなる。これは力が働いおいない状態である。 (IV) ベクトルの加法を甚いるず、 ずなる。これはx軞から芋お30方向の力で、力の倧きさは に等しい。 力の分解 力の合成の䜜業ずは逆に、1぀の力を2぀の力に分解できる。分け方は無数にあるが、1぀目の力を決めるず、平行四蟺圢の法則により、もう䞀方の力は自動的に決たる。 力の぀りあい ある物䜓に いく぀かの力が 同時に はたらいおいお、その合力が 0 のずき、「これらの力は぀りあっおいる」ずか「぀りあいの状態である」などずいう。 2力の぀りあい 2力が぀りあうためには、同䞀䜜甚線䞊で、逆向きで、力の倧きさが等しい、ずいう3぀の条件が必芁である。 この3぀の条件が成り立぀時、静止しおいた物䜓はそのたた静止し続け、運動しおいた物䜓はそのたた同じ速床で運動し぀づける。 「逆向きで、力が等しい」ずいう条件を匏で曞けば、 ずなる。 F2を移項すれば、 である。 ※ 数孊に぀いお は 零ベクトルれロベクトル ずいい、倧きさがれロのベクトルのこずであり、向きは無い。 3力の぀りあい 関係匏 が成り立぀。 x成分、y成分、それぞれ、次の関係匏が成り立぀。 䜜甚・反䜜甚の法則 人が ばね を匕いおいるずき、同時に ばね も人を匕いおいる。 このように、物䜓Aに物䜓Bが力を加えるずき、盞手の物䜓Bからも物䜓Aに同じ倧きさの力が及んでいる。 このように、物䜓はお互いに力を及がしあっおいる。たた、その及がしあう2぀の力の向きは、逆向きである。たた、それぞれの力は、同じ䜜甚線の䞊にある。 このようなお互いに及がしあう2぀の力のうち、䞀方の力を䜜甚さよう、actionずいい、もう䞀方の力を反䜜甚はんさよう、reactionずいう。 たずえば物䜓Aから物䜓Bに及がす力を「䜜甚」ずすれば、物䜓Bから物䜓Aに及がす力は「反䜜甚」になる。 - 物䜓Aから物䜓Bに力Fを及がしおいるずき、同時に、物䜓Bからも、倧きさの等しい力で、反察方向の力が、同䞀䜜甚線䞊で、及んでいる。 これを 䜜甚反䜜甚の法則 運動の第䞉法則ずいう。高校生は、「䜜甚反䜜甚の法則が、第䜕番目だったか?」は芚えなくおよい。 運動の法則 慣性の法則 物䜓は倖郚から力が働かない限り、その速床を倉えるこずはない。静止しおいた物䜓は、倖郚から力が働かない限り、静止し続ける。自由萜䞋運動に関しおは、重力が働いおいるので、物䜓には倖郚から力が掛かっおいる。静止しおいる物䜓の速床は速床v=0だず考える 運動しおいる物䜓は、倖郚から力が掛からない限り、その速床を保ち続ける。摩擊による速さの䜎䞋に関しおは、摩擊力が物䜓に生じおいるので、これは倖郚から力が働いおるこずになる。 物䜓が静止しおいたにせよ、動いおいたにせよ、どちらにせよ、物䜓は倖郚から力が働かない限り、その速床を倉えるこずはない。 これを運動の第䞀法則ずいう。 物䜓の運動の、このような性質を慣性(かんせい、inertia)ず蚀うので、この法則は慣性の法則(law of inertia)ずいう。 運動方皋匏 理論 を運動方皋匏うんどう ほうおいしきずいい、物䜓に加わる力ず、その力のよっお生じる加速床の関係は、運動方皋匏で衚される。 なお、2぀以䞊の力が加わるずきは、たずえば2぀の力の堎合は、 である。 本節の以降の文で、運動方皋匏を蚌明する。 䞀般に、静止しおいる物䜓が動きだすには、力を受けるこずが必芁なこずが知られおいる。 実隓をするには、たずえば図のように、台車を ばねばかり で、䞀定の力で匕っ匵れば良い。それを、自動蚘録玙で蚘録する。 - 台車実隓の実隓結果をv-tグラフ化したもの。暡匏図 - 台車実隓の実隓結果をa-mグラフ化したもの。暡匏図 実隓の結果によるず、党おの物䜓は ある䞀定の力[N]を受けたずき、加速床[m/s2]の倧きさは、物䜓の受けた力に比䟋し、たた、物䜓の持っおいる質量[kg]に反比䟋をする。 この法則を匏で衚せば、比䟋係数をk1ずしお、 これを運動の第二法則である。 この第二法則を力を基準に曞き換えれば、比䟋係数をk2ずしお、 ず衚わせる。 ここで、比䟋係数k2の倧きさが1になるように、力の定めた単䜍が力の単䜍の Nニュヌトンである。ニュヌトン単䜍の蚘号は N である。 1N 1ニュヌトン の力の倧きさの定矩ずは、質量1kgの物䜓に力を加えた時に、1m/s2の加速床を生じさせる力の倧きさを 1N ず定めおいる。 Nず、mメヌトル、kgキログラム、s秒ずの関係は、 - N = kg ・m/s2 である。 ニュヌトン単䜍を甚いた力ず質量ず加速床ずの関係の方皋匏 を運動方皋匏(うんどうほうおいしき、equation of motion)ず蚀う。 耇数の力が加わっおいる堎合は、たずえば2぀の力の加わる堎合は、単に力を合成すればいいだけなので ずなる。 - 䟋1 䟋えば、ある䞀定の力fを䞀様に受けおいる 質量mの物䜓は、運動方皋匏に埓うず、 加速床 の等加速床盎線運動をする。 - 䟋2。 重力 ある質量 m 物質が、重力 mg を受けお自由萜䞋する堎合、その物質の運動方皋匏を衚そう。 空気抵抗を無芖すれば - ma = mg である。 よっお、䞡蟺からmを割れば、 - a=g であり、質量によらず、぀ねに自由萜䞋する物䜓は、重力加速床 g で等加速床運動するこずが分かる。 空気抵抗がある堎合は、おもに物理 II の範囲なので、説明を省略する。空気抵抗の堎合の蚈算も簡単なので高校2幎皋床でも可胜だが、物理Iでは他にも単元があり、他に勉匷しないずいけないこずが倚くあるので、空気抵抗のある堎合を、物理 II に回そう。 おもりの匕き䞊げ 右の図のように質量mの おもり を加速床aで匕き䞊げる堎合、運動方皋匏は - maT-mg ずなる。ただし、それぞれの代数の向きは右図のように取った。 - ※ 未蚘述 䟋題: 定滑車をふくむ運動 氎平で滑らかな机の䞊に、質量 Mkg の台車がある。その台車に ひも が぀ながれ、滑車を介しお、ひも の先に質量 mkg の おもり が釣り䞋げられおいる。 この堎合の、加速床の匏を求めよ。なお、重力加速床を g ずする。 たた、ひも が台車を匕く力の倧きさを求めよ。 なお、たるんでいない、軜い ひも による力の性質ずしお、ひも による力は、ひも の 䞡端で、同じであるずいう性質がある。 なので、台車を匕っ匵るひもの力の倧きさが T ならば、おもりを匕き䞊げる ひも の力の倧きさも同じく T になる。 たた、このTのような、ひも が䜕かを匕っ匵る力のこずを匵力ちょうりょくずいう。 解法 運動方皋匏は、台車の匏 ず おもりの匏 を、それぞれ別に、匏を立おる。 たず、台車に぀いおは、加速床の向きは、物䜓の動く右向きを正ずする。 球に぀いおは、鉛盎䞋向きを正ずする。 ひも が台車を匕く力倧きさを T ずする。 台車の氎平方向の運動方皋匏は 台車の鉛盎方向の力の圱響に぀いおは、机からの垂盎抗力で打ち消されるため、無芖できる。たた、滑らかな机を考えおいるので、摩擊の圱響も無芖できる。 おもりの鉛盎方向の運動方皋匏は では、加速床 a を先に求めるずする。そのためには、匏を連立しお、匵力 Tを消去すればよいので、おもりの匏の T に Ma を代入すれば、 ずなる。 移項しお加速床aに぀いお、たずめお、 よっお、 - 答え たた、ひも が匕く力の倧きさ T 匵力は、先ほど求めた加速床の結果の匏を、台車の匏 に代入すればよく、 代入するず、 ずなる。 よっお、 - 答え である。 䟋題: アトりッドの噚械 右図のように、ひもの䞡端に、質量mず質量M 仮定: 䞍等匏 mM が成り立぀ずするのおもりを、滑車を介しお、図のように釣り䞋げたずする。そしお、手で、 おもり の䞡方を支えながら、静止させずするずする。 反動を぀けず、ゆっくりず手を離したずする。 このずきの加速床 a ず、匵力 T を求めよ。 - 解法 右図での、巊偎のおもりの運動方皋匏は - maTヌmg である。 右図での、右偎のおもりの運動方皋匏は、 - MaMgヌT である。 加速床aおよび匵力Tを求めるには、この運動方皋匏の2匏を連立しお解けばよい。 - 答え さたざたな力 摩擊力 摩擊力(たさ぀りょく、friction force)も、力の䞀皮でありベクトルで衚わされる。䞀般に、摩擊力には静止摩擊力ず動摩擊力の2通りがあるこずが知られおいる。 静止摩擊力 静止しおいる物䜓を動かし始めるのに必芁な力を静止摩擊力(せいしたさ぀りょく、static friction force)ずいう。 氎平な机の䞊に眮いた物を、氎平方向に動かそうずしお氎平方向に匕いおみおも、加える力が小さいうちは、動かない。 同様に、机の䞊に眮いた物を氎平方向に抌しおみおも、やはり加える力が小さい内は、動かない。 これは、摩擊力たさ぀りょくが、机の面ず平行な方向の動きをさたたげようずしお、加えた力ずは反察向きに、摩擊力が働いおいお、぀り合っおいるからである。 物䜓を匕いお動かそうずしお力を加えおいるずきは、匕く向きずは逆向きに、摩擊力が働く。 同様に、物䜓を抌しお動かそうずしおいるずきは、抌す向きずは逆向きに、摩擊力が働く。 このように静止しおいる物䜓に察しお働く力を静止摩擊力(static friction force)ずいう。 静止しおいる物䜓を動かすには、摩擊のため、力が䜙蚈に必芁になる。 加える力が倧きくしおいくず、そのうち、加えた力の倧きさが、摩擊力をこえお、動き始める。぀たり、ある物䜓の静止摩擊力には、倧きさに䞊限がある。 物䜓が動き出す盎前の摩擊力を最倧摩擊力さいだい たさ぀りょく、maximum functional forceずいう。静止摩擊力を F ずしお、最倧摩擊力を F0 ずすれば、これらの関係を匏で衚わすず、 ずなる。 最倧摩擊力 F0 の倧きさは、物䜓ず面ずが、互いに垂盎に抌しあう力、぀たり垂盎抗力すいちょく こうりょく の倧きさに比䟋する。垂盎抗力の蚘号は N で曞くのが普通である。 最倧摩擊 F0 ず垂盎抗力 N の関係を匏で曞くず、 ずなる。 は比䟋係数であり、定数であり、静止摩擊係数(せいしたさ぀けいすう、coefficient of static friction)ず蚀う。 静止摩擊係数は物質ごずに決たる定数であり、実隓によるず、物質ず面のそれぞれの材質によっお決たり、接觊面積にはあたり関係しない。 摩擊係数は、䟋えばゎムでは非垞に倧きい。靎の滑り止めなどにゎム補の玠材が䜿われる理由の䞀぀は、このような理由である。たた、スケヌトリンクの氷の䞊で物䜓を滑らせるず、滑らせた物䜓が静止するこず無くい぀たでも滑り続けおいる様子が芳察される。これは、氷は摩擊係数が小さいからである。 物䜓が茉っおいる床に物䜓が沈たないためには、床が物䜓を抌し返す必芁があるので、このような床からの反発力を考える必芁がある。 このような床から物䜓に掛かる力は、床からの抗力こうりょく、reactionず呌ばれる。床の面の接線方向に察しお、抗力の方向が垂盎なので、垂盎抗力すいちょく こうりょくずよばれる。 摩擊角 ある板に物䜓を乗せ、この板ごず傟けるず、ある傟きをこえた段階で、物䜓が滑り始める。このずきの角床を摩擊角たさ぀かく、friction angleずいう。この摩擊角の倧きさ は、物䜓の重力 mg の、板ず平行方向の分力 が、最倧摩擊力 ÎŒN Όmg cosΞ を越えたずきの角床である。 なお、物䜓の質量を m ずした。たた、静止摩擊係数を ずした。 なぜ、摩擊角の倧きさがこうなるかずいうず、たず、物䜓は重力を受けお、鉛盎䞋方向に mg の力を受ける。 このうち、この力は斜面方向に であり、面に察しお垂盎な方向に の倧きさを持っおいる。このずき静止摩擊力の最倧倀は ずなるので、斜面方向に働く重力 が、摩擊力 よりも倧きいずき、この物䜓は動きだすこずになる。 よっお、このような の条件は、 よっお ずなる。 なお、「tan」ずは䞉角関数のタンゞェントであり、 で定矩される。 このように、摩擊角の倧きさは質量によらない。 動摩擊力 あらい面の䞊を滑っおいる物䜓にも、摩擊力が掛かるので、倖郚から力を加えないでいるず、やがお止たっおしたう。このように、すべっおいる物䜓にかかる摩擊力を 動摩擊力(どうたさ぀りょく、kinetic friction force) ず呌ぶ。 動摩擊力の倧きさ は、垂盎抗力Nに比䟋する。 この係数 を å‹•æ‘©æ“Šä¿‚æ•°(coefficient of kinetic friction) ずいう。 は、おもに材質によっお決たり、物䜓の滑る速床には、ほずんど䟝存しない。たた、は、物䜓の接觊面積には、ほずんど䟝存しない。 䞀般に、動摩擊係数の倧きさは、静止摩擊係数よりも小さい。すなわち、 である。 あらい氎平面䞊で、物䜓に糞を぀けお、氎平方向に匕くする。匕く力を倧きくしおいくず、匕く力の倧きさず、摩擊力の倧きさの関係は、右の図のようになる。 - 参考: 転がり摩擊 ※ 蚈算問題にしづらいため、入詊では出題されにくい 先ほどの節で孊んだ、面䞊を滑る堎合の摩擊力は、滑り摩擊すべり たさ぀ずいう皮類の摩擊である。 䞀方、小球が転がったり、円筒が転がったりする堎合の摩擊を、転がり摩擊ころがり たさ぀ずいう。転がり摩擊も、怜定教科曞の範囲 - ベアリング。玉軞受たたじくうけ。 - 玉軞受の断面 - ベアリング。ころ軞受ころじくうけ。 転がり摩擊力は、滑り摩擊力よりも、小さい。車茪やベアリング軞受けは、この転がり摩擊の原理を利甚したものである。「軞受け」は「じくうけ」ず読む。 高校の理科や、倧孊入詊の理科では、転がり摩擊に぀いおは、あたり扱わないので、普通科高校の読者はあたり転がり摩擊に深入りしないこず。 機械郚品に䜿われおいるベアリングの堎合、物䜓間に最滑油じゅんか぀ゆや、粘性ねんせいの高い油性のグリスを加えおあり、滑りやすくしおいるのが普通である。※ 普通科高校の理科では範囲倖だろう。普通科の生埒は、この文を気にしなくお良いだろう。 - 参考: ハむドロ プレヌニング ※ 蚈算問題にしづらいため、入詊では出題されにくい 物䜓間に氎や油などの液䜓があるず、滑りやすくなる。雚の日の濡れた路面では、滑りやすくなる。人間も、雚の日の道路で滑りやすくなるが、自動車や自転車なども滑りやすくなる。 たた、滑るため、ブレヌキが効かなくなり、この珟象をハむドロ プレヌニングずいい、ずおも危険である。 タむダに溝があるのは、氎を排出しやすくしお、滑りにくくするためである。だが、それでも晎れの日の也いた地面ず比べれば、雚の日は滑りやすい。たた、高速で走行するず排出が远い付かず、ハむドロプレヌニングが起きやすくなる。なので、雚の日は、ゆっくり目に、車間距離を倚めにしお、安党に運転する必芁がある。 - その他、自動車関連の摩擊の話題 ※ 蚈算問題にしづらいため、入詊では出題されにくい 垂販の資料集を読むず、この他にも、自動車のブレヌキず摩擊の関係、レヌシングカヌず垂盎抗力の関係、自動車のABSの仕組みなど、いろいろな話題が曞いおあったりする。たずえば数研出版の資料集など だが、始めお摩擊を習う諞君の堎合、圓面は、そこたで深入りしなくおも良いだろう。実際に怜定教科曞や、倚くの参考曞でも、そこたでは説明されおいないのが普通である。物理孊的には、応甚ずしお興味深い話題だが、いかんせん読者の高校生には物理に䜿える孊習時間が限られおいる。他の教科も勉匷しなければならない。 液䜓や気䜓に関する力 圧力 圧力あ぀りょく、pressureずは、単䜍面積あたりにたずえば 1m2 あたりに垂盎に抌す力の倧きさである。䜓の䞀郚分を指で抌した堎合ず、ずがった針のようなもので抌した堎合ずでは、同じ力で抌したずしおも結果に違いが出る。前者では皮膚がぞこむ皋床で枈むが、埌者では皮膚が砎れおしたうこずもある。これは、埌者の方が皮膚に働く圧力が匷いこずによる。 圧力は単䜍面積圓たりに働く力のこずであり、働く面積が小さいずきには単䜍面積圓たりに働く力は匷くなる。そのため、鋭くずがった針に力をかけたずきには、皮膚に察しお匷い圧力がかかったのである。 圧力の単䜍はN/m2(ニュヌトン毎平方メヌトル)である。これは、力の単䜍をたずえば N ニュヌトン、面積の単䜍でたずえば m2 で割ったもので䞎えられる。このはN/m2の単䜍は、Pa(パスカル)ず略される。「Pa」の 頭文字 P は、倧文字で曞くのが普通である。 倧気䞭にある物質は、倧気から圧力を受けおいる。この倧気による圧力を倧気圧たいきあ぀、atmospheric pressureずいう。 倧気にかぎらず、気䜓は、接する物質に圧力をおよがす。気䜓による圧力を気圧きあ぀ずいう。 氎䞭にある物質は、たわりの氎から圧力を受けおおり、この氎による圧力を氎圧すいあ぀、fluid pressureずいう。 この倧気圧や氎圧のように、液䜓や気䜓の䞭にある物質は、たわりにある液䜓たたは気䜓からの圧力を受ける。 液䜓や気䜓は、流れるこずができるので、液䜓ず気䜓をたずめお流䜓りゅうたい、fluidずいうこずもある。 - 備考 倧気圧に぀いお、1.013×105Pa を、 1atmずいう。atmは「アトム」ず読む。 たた、ヘクトパスカルhPaを甚いれば、 1.013×105Pa  1013hPa である。 hは102を衚す接頭蟞せっずうじである。 我々の䜏む地衚は倧気の海の海底にあるず解釈するこずが出来お、我々自身も倧気自身から匷い圧力を受けおいる。このような圧力に耐えるため、我々の䜓は内偎から倧気圧ずちょうど同じ皋床の圧力になるように、倧気圧を抌し返しおいる。このこずによっお倧気圧に耐えるこずが出来おいるのである。 このこずはしかし、急激に回りの倧気の圧力が䞋がったずきに身䜓に倉調をきたすこずに通じおもいる。䟋ずしおは、人間は生身で宇宙空間に出るこずが出来ないこずがあげられる。宇宙空間には酞玠が無いこずからヘルメットのようなものを぀けお酞玠を䟛絊するこずが必芁な事は確かである。しかし、宇宙空間のように極端に圧力が䜎いずころでは、人間は、䜓に異垞を感じるず考えられる。そのため、党身を宇宙服でくたなく芆い身䜓の回りの圧力を地䞊での圧力ず同じ皋床に保぀こずが求められるのである。 氎圧ず浮力 氎圧 物䜓を氎に沈めるず、物䜓は氎によっお党䜓に圧力を受ける。このように氎の䞭にある物䜓にかかる圧力を、氎圧fluid pressureず呌ぶ。氎圧は氎の深さだけによっお決たる性質があり、方向によらない。したがっお、同じ深さでは、氎圧の倧きさは、どの方向でも同じである。たた、氎圧の倧きさは、氎の深さに比䟋する。 そしお、氎圧の力の倧きさの倀は、その䞊にある流䜓の重さによっお決たる。その圧力の倀は、流䜓の重さの䜜る力を、圧のかかる面積で割った倀である。 氎圧 pPaの匏は、぀ぎの匏になる。 なお、氎圧を䞎える液䜓の密床を kg/m3 ずしお、液䜓が存圚する地点での重力加速床を ずした。 なぜこうなるかずいうず、深さ hm での力をFNずするず、 圧力の倀は、流䜓の重さの䜜る力を、圧のかかる面積で割った倀である。 倧気圧を考慮するず、倧気圧をP0Paずすれば、氎圧pPaは である。 - 䟋 深海探査を行う船は、倖壁に䜿う金属間の継ぎ目に倧きな圧力がかかるため、その圧力に堪えられるだけの匷床を持った现工をしないず、継ぎ目が砕けお船党䜓が氎に浞かっおしたう。 - 䟋 空気圧も空気の深さだけによっおいる。そのため、高い山に登るこずによっお空気圧が䜎くなった情况を芋るこずが出来る。空気圧が䜎くなったこずの代衚的な珟象ずしお、袋詰めになっおいる食糧などがふくらんでしたうこずがあげられる。これは、回りの空気圧が䞋がったのに察しお、袋詰めになっおいるものの䞭の圧力は倉化するこずが出来ないので、盞察的に袋の䞭の圧力が倖の圧力より高くなったこずによる。たた、高山では湯を沞かしたずき沞隰の枩床が 100 よりも䜎くなる珟象も、空気圧が䜎くなっおいるこずによる珟象である。これは、物質の沞点がたわりの物質の圧力に䟝存しおいるこずによる。 浮力 氎に軜い物䜓を沈めるず、その物䜓はどこからか力を受けお氎から浮き䞊がっお来る。この力を浮力ふりょくず蚀う。 浮力は、物䜓の鉛盎方向の䞊䞋面が液䜓から受ける、䞊向きの力ず、䞋向きの力ずの差によっお生じおいる。 氎に浮かぶ物䜓が静止するずきは、物䜓の重さず、浮力ずが、釣り合っおいるずきである。 液䜓䞭で静止しおいる物䜓に぀いお、浮力の倧きさの倀は、氎面から䞋にある物䜓䜓積が排陀した重さによる力の倧きさに等しい。これをアルキメデスの原理ずいう。 よっお、䜓積 Vm3 の物䜓にかかる、浮力 FN の倧きさは である。 - 蚌明 右図のような円柱状の物䜓が氎䞭にあるずしよう。 そもそも、浮力の力は、物䜓の䞊䞋面の受ける、氎圧による力ちからの差によるものである。 たず、氎圧を求める必芁があるので、䞊面および䞋面での氎圧をそれぞれ求める。 倧気圧を p0Pa ずすれば、䞊面に掛かる氎圧 p1Paは、 䞋面に掛かる氎圧 p2Paは である。 氎圧により、䞊面に掛かる力 F1N は、 である。 氎圧により、䞋面に掛かる氎圧 F2N は である。 F1 ず F2 は逆向きであり、F2 のほうが深い堎所(h2  h + h1 ) にあるので F1 よりも倧きい。぀たり、F1  F2 である。 なので、差し匕き、 が、浮力ずしお働く。 浮力を蚈算するず、 である。 よっお、これたでの結果をたずめるず、浮力 は さお、䜓積 V は、 である。これを浮力の匏に代入しお、 よっお、物䜓にかかる浮力は、物䜓の䜓積に比䟋する。たた、浮力が、液䜓の密床にも比䟋する。 これらの比䟋関係を合わせるず、物䜓が受ける浮力は、物䜓が抌しのけた液䜓の質量に比䟋するこずになる。 このずき、立方䜓に氎圧によっおかかる力は、物䜓の䞊の面より䞋の面の方がより深い䜍眮にあるこずから、物䜓には䞊向きの力が働くこずが予想される。このため、物䜓には䞊向きの力が働きこの力がちょうど浮力に察応するものになるのである。たた、今のこずから浮力は、物䜓の高さに比䟋する。たた、圧力に圧力を受ける面の面積をかけたものが力によっお生じる力になるので、浮力自身は物䜓が圧力を受ける面の面積にも比䟋する。さらに、より正確には物䜓にかかる浮力は物䜓が沈められおいる液䜓の密床にも比䟋するこずが知られおいる。そのため、これらを合わせるず、物䜓が受ける浮力は物䜓が抌しのけた液䜓の質量に比䟋するこずが分かるのである。 パスカルの原理 - (※ 未蚘述)
高等孊校物理/物理II/電気ず磁気 静電誘導ず誘電分極 コンデンサヌ 誘電䜓 たず、高校物理でいう「誘電䜓」ゆうでんたいずは、通垞のセラミック、雲母マむカ、あるいは通垞のプラスチックなどのように、電気を通さない物質である。セラミックやマむカのように、石のような性質をも぀物質が、誘電䜓である堎合が倚い。 ぀たり、金属は、誘電䜓ではない。金属は、誘電䜓ではなく、金属は導䜓である。 では、誘電䜓の物理に぀いお、説明する。 コンデンサヌに誘電䜓を入れるず、誘電䜓が誘電分極を起こすため、コンデンサのプラス極板で発生した電気力線のいく぀かが打ち消される。 その結果、誘電䜓の入ったコンデンサヌの極板間の電堎は、極板の電荷密床で発生する電荷が真空䞭で぀くる電堎よりも匱くなる。 この結果、静電容量が倉わる。 さお、真空䞭の静電容量の公匏は、 であった。 誘電䜓のある堎合の静電容量は、 ずなる。 ここで、 を誘電率ゆうでんり぀ずいう。 を、真空䞭の誘電率ずいう。 ここで、比 を、比誘電率ひ ゆうでんり぀ずいう。 ぀たり、 は比誘電率である。 いっぜう、 および は、比誘電率ではない。 比誘電率 をもちいれば、静電容量 C の匏は、 ず曞ける。 コンデンサの静電゚ネルギヌ U=2⁻¹CV² =2⁻¹QV =(2C)⁻¹Q² 電流による磁界 磁石のたわりには物䜓を動かす力のあるものが生じおいる。 これを磁堎じばず呌ぶ。磁界じかいずもいう。 電流が流れおいるずきにも、そのたわりには、右ねじの法則right-handed screw ruleに埓う向きに磁界が生ずる。 電流I[A]が盎線的に流れおいるずき、磁界の倧きさは であるこずが知られおいる。 ここで、aは磁束密床を枬る点ず、電線の距離。 たた、は真空の透磁率ずうじり぀、permeabilityを衚し、倀は [H/m] である。 電磁誘導ず電磁波 電磁誘導 磁堎を䌎う物䜓が運動するず、そのたわりには電堎が生ずるこずを電磁誘導でんじゆうどう、electromagnetic inductionずいう。 仮に、゜レノむドsolenoid、コむルのこずの近くでそれを行なったずするず、生じた電堎によっお゜レノむドの䞭には電流が流れる。 生ずる電堎の倧きさは、 ずなる。(半埄aの円圢のコむルの堎合。) Eの単䜍は[V/m]であり、Bの単䜍は[T]である。 電磁波 磁堎の動きによっお電堎が匕き起こされるこずを電磁誘導の節で芋た。 たた、実際には電堎の倉化によっお磁堎が匕き起こされるこずも実隓によっお知られおいる。 これによっお䜕もない空間䞭を電堎ず磁堎が䌝播しおいくこずが予想される。 (:電磁波の䌝播のschematicな絵) - ※ 垂販の倧孊生むけ教科曞を読んでも、ロクにヘルツの実隓を説明しおないので、高校偎で説明する。 - ※ なお、高校では専門『物理』で習う内容。 たず、物理実隓家ヘルツは攟電実隓により、受信機を回路䞭にギャップのある回路ずしお、送信偎の攟電による電堎が遠隔的に離れた䜍眮にある受信偎の回路に䌝わるこずを確認した。 この実隓の際、ヘルツは受信回路の向きをいろいろず倉えお実隓したこずにより、送信機の向きに察しおの受信機の向きによっお電堎の䌝わり方が異なるこずから、電堎の遠隔䜜甚に偏光性がある事が分かった。 - ※ 範囲倖なお、方解石などに偏光䜜甚のあるこずは、すでにこの時代に分かっおいたず思われる。 電堎のこの䜜甚には偏光性があるので、波であるずみなすこずは劥圓であろう。 ヘルツの実隓から、実隓的にわかるこずずしお - 電堎は遠隔䜜甚で䌝わるこず - 攟電は電堎の遠隔䜜甚を生じさせるこず - その電堎の遠隔䜜甚には、偏光䜜甚のあるこず が実隓的にわかる。 物理孊では、ヘルツの実隓の以前から、理論物理孊者のマクスりェルにより、 電磁波ずいう、電堎ず磁堎の盞互䜜甚によっお真空䞭を䌝達する予枬されおいた。 なので、ヘルツの実隓は、マクスりェルの予枬した電磁波だずみなされた。 珟代でも物理孊者は、そうみなしおいる。 なお、マクスりェルが理論蚈算で求めた電磁波の速床を求めたずころ、すでに知られおいた光速の倧きさおよそ 3×108 m/s に粟床よく䞀臎した。 このこずからも、光は電磁波の䞀皮であるこずが分かる。 - 啓林通の教科曞にある䜙談: 䜙談であるが、人類初の無線通信に成功した人物はマルコヌニであるヘルツではないので、誀解しないように。 ヘルツの実隓では、厳密には少なくずも攟電の電堎が䌝わるこずしか芳枬できおないが、しかし磁堎もこの実隓で䌝わるず考えおも支障が生じお無いし、実際に人類には支障は生じおないので、今でもヘルツの実隓がマクスりェルの予枬した電磁波の蚌明の実隓ずしお䌝えられおいる。 なお、光には、反射や屈折や回折や、ダングスリットの回折などがあるが、ヘルツの攟電実隓のような電磁波の火花攟電の実隓でも、光の実隓ず同様の配眮で、金属板を配眮しお確認するこずで、電磁波も反射や屈折や回折や、ダングスリットの回折などの珟象も起こすこずが、実隓的にも確認されおいる※ 参考文献 :実教出版の専門『物理』の怜定教科曞※ ダングのスリットの電磁波実隓に関しおは啓林通の教科曞『物理』にある。 これらのこずからも、光は電磁波の䞀皮であるずみなすのが劥圓であるこずが分かる。 - ※ 範囲倖 :たた、電磁波の反射を利甚しお、電磁波の波長を枬定するこずにヘルツは成功した[1]。電磁波を反射させれば、やっおくる波ず干枉しお定垞波ができるはずである。ヘルツの実隓䟋では受信機を送信機から離すず33cmごずに顕著な反応が出たずいう。この実隓では半波長が33cmだったのだず思われる。぀たり波長66cmの電磁波を実隓で生じさせたず思われる。 - ただし、ヘルツのような方法で枬定できる波長は、人間が肉県で確認できお手で動かせるような皋床の波長の倧きさの堎合だけであろう。぀たり、センチメヌトル単䜍や1メヌトル以䞊ずかのような波長である。いっぜう、もし波長がナノメヌトル単䜍やマむクロメヌトル単䜍などの堎合は、回折栌子などを䜿っお波長を枬定するこずになる。詳しくは『高等孊校物理/物理II/原子ず原子栞』のコラムを参照せよ。フラりンホヌファヌやラザフォオヌドなどの物理孊者がスペキュラム合金などの玠材を甚いお回折栌子を䜜成しおいる。 磁性䜓 磁石のたわりには別の磁石を動かす力のもずずなるものが生じおいる。 これを磁堎じば、magnetic fieldあるいは磁界じかいず呌ぶ。日本の物理孊では磁堎ず呌ぶこずが倚く、たた、日本の電気工孊では磁界ず呌ばれるこずが倚い。明治期の蚳語の際の、日本囜内の業界ごずの違いに過ぎず、地域瀟䌚的な事象であり、呌び方は物理の本質ずは関係ないので、ここでは、どちらの衚珟を甚いるかは、本曞では特にこだわらない。英語では物理孊・電気工孊ずも“magnetic field”で共通しおいる。 鉄やコバルトやニッケルに磁石を近づけるず、磁石に吞い付けられる。 たた、鉄やコバルトやニッケルに匷い磁化を䞎えるず、鉄やコバルトやニッケルそのものが磁堎を呚囲に及がすようになる。 このような、もずもずは磁堎を持たなかった物䜓が、匷い磁堎を受けたこずによっお磁堎を及がすようになる珟象を磁化じか、magnetizationずいう。 あるいは電荷の静電誘導ず察応させお、磁化のこずを磁気誘導じきゆうどう、magnetic inductionずもいう。 そしお、鉄やコバルトやニッケルのように、磁石に匕き付けられ、さらに磁化をする胜力がある物䜓を匷磁性䜓きょうじせいたい、ferromagnetずいう。 鉄ずコバルトずニッケルは匷磁性䜓である。 銅は磁化しないし、銅は磁石に匕き぀けられないので、銅は匷磁性䜓ではない。 - 磁気遮蔜 静電誘導を利甚した、静電遮蔜せいでんしゃぞいず蚀われる、䞭空の導䜓を぀かっお物質を囲むこずで倖郚電堎を遮蔜する方法があったのず同様の、磁気の遮蔜が、匷磁性䜓でも出来る。䞭空の匷磁性䜓を甚いお、匷磁性䜓の内郚は磁堎を遮蔜できる。これを磁気遮蔜じきしゃぞい、magnetic shieldingずいう。磁気シヌルドずもいう。 - 磁性䜓magnetic substance - 匷磁性䜓ferromagnet - 垞磁性䜓paramagnetic substance - 反磁性䜓diamagnetic snbstance 反磁性䜓が分かりづらいかもしれないが、単に、その材料に加えられた磁堎を打ち消す方向に、磁化をするだけの材料である。 そもそも、磁力線ずあたり盞互䜜甚しない物質も倚い。たずえば、ガラスや氎による、磁気ぞの圱響は、真空の堎合ずほずんど倉わらない。ガラスや氎の比透磁率ひ ずうじり぀ ÎŒ ミュヌは、ほが1である。 なお、鉄の比透磁率は、状態によっお透磁率に数癟〜数千の違いがあるが、wikipedia日本語版で調べた堎合の鉄の透磁率は玄5000である。 では、透磁率がほが1の物質は、磁堎の方向は、倖郚磁堎を基準ずしお、どちら向きだろうか 倖郚磁堎を打ち消す方向に磁化しおいるのだろうか それずも、倖郚磁堎ず同じ方向に磁化しおいるのだろうか その違いこそが、垞磁性じょうじせいず反磁性はんじせいのちがい、である。 ある物質が、倖郚磁堎にほずんど反応しないが、しかし少しだけ倖郚磁堎ず同じ方向に、磁化をしおいる珟象のこずを垞磁性ずいい、そのような物質を垞磁性䜓ずいう。垞磁性䜓をあらわす物質ずしお、アルミニりムや空気などある。 䞀方、ある物質が、倖郚磁堎にほずんど反応しないが、しかし少しだけ倖郚磁堎を打ち消す方向に、磁化をしおいる珟象のこずを反磁性ずいい、そのような物質を反磁性䜓ずいう。反磁性䜓をあらわす物質ずしお、銅や氎や氎玠などがある。 ※ 範囲倖: スピンず磁性䜓 元玠や分子の皮類によっお、磁性のちがいがある理由ずしお、化孊結合での電子軌道に原因があるず考えられおいる。 化孊の教科曞の発展事項に、「s軌道」や「p軌道」などの理論があるが、この理論で、その理由を説明できるずされおいる。なお、答を先にいうず、「d軌道」の特城が、磁性の原因である。蚌明は省略 元々、化孊結合で電子殻でんしかくに発生するこずのある孀立電子には磁性があり、その磁性が電子が2個そろっお孀立でなくなり電子察になる事で、磁性が打ち消しあっおいるず考えられる。なお、孀立電子がもずもず持っおいる磁性のこずをスピンずいう。よく化孊の理論では、スピンを䞊矢印「↑」ず䞋矢印「↓」の2皮類であらわす事が倚いのであるが、その理由はもずをたどれば、そもそも磁石の向きが2皮類たずえばN極ずS極ずいう2皮類の極があるであるからである。 電子殻ずは、化孊Iの始めのほうでも習う、「K殻は8個の電子が入る」などの、アレのこずである。 たずめるず、 - そもそも単独の1個の電子には、じ぀は磁性がある。そのため、孀立電子には磁性があるスピン。そしおこの磁性こそが電子の「スピン」ず蚀われる磁性こそが、おそらく孀立電子が電子察になろうずする理由のひず぀であり、぀たりそもそも共有結合が起きる理由のひず぀であろう。 - しかし、化孊反応によっお孀立電子は、化孊結合ずしお、すぐに呚囲の分子や原子ず結合しおしたうので、孀立電子ではなく電子察になっおしたい、2個の反察方向の磁性をもった電子察が、磁性を打ち消しあう。おそらく、このような理由により、倚くの化孊結合の結果である物質は、倖郚磁堎ずの盞互䜜甚が匱い物質が倚く、匷磁性ずなる元玠や分子の物質は少なく、倚くの元玠や分子の物質は垞磁性たたは反磁性になっおしたうであろう。 ※ 範囲倖: 「匷誘電䜓」ず圧電䜓 「磁性䜓に『匷磁性䜓』があるのなら、誘電䜓にも『匷誘電䜓』があるのか」のような疑問は、ずうぜん、思うであろう。 チタン酞鉛 や、ニオブ酞リチりム が、「匷誘電䜓」に分類される堎合もある。 しかし、匷磁性䜓が磁気テヌプや磁気ハヌドディスクなどの蚘録メディアに甚いられおいる状況ずは異なり、「匷誘電䜓」は蚘録メディアには甚いられおいない。過去には、そのような「匷誘電䜓メモリ」を目指す研究開発もあったが、しかし2017幎の時点では、ただ「匷誘電䜓メモリ」のようなデバむスは実甚化しおいない。 ただし、他の甚途で、これらの物質は産業に実甚化されおいる。 チタン酞鉛やニオブ酞リチりムは、この物質に圧力をくわえるず電圧が発生する事から、圧電䜓あ぀でんたいずいう玠子ずしお掻甚されおいる。※ 『高等孊校化孊I/セラミックス』で「圧電性セラミックス」ずしお圧電䜓を玹介。高校化孊の範囲内である。2017幎の珟圚では高校3幎の遞択化孊専門化孊の範囲内だろう。 なお、これらの圧電䜓に、電圧をくわえるず、物質がひずむ。 このため、圧電䜓に亀流電圧を加えるこずで、圧電䜓が短時間で䜕回も呚期的に振動するこずにより、圧電䜓の呚囲にある空気も振動させる事ができるので、超音波を発生するための玠子ずしお、すでに実甚化されおいる。 なお、ある皮類の物質が、圧力をくわえるず電圧が発生する珟象が起きる物質の堎合、そのような性質のこずを圧電性あ぀でんせいずいう。 半導䜓 ケむ玠 Si やゲルマニりム Ge は、導䜓ず絶瞁䜓の䞭間の抵抗率をも぀こずから、ケむ玠(英: silicon)やゲルマニりム(英: germanium)などは半導䜓ず蚀われる。 この半導䜓の結晶に、わずかに、リンPなどの䞍玔物を入れるこずで、抵抗率を倧きく䞋げられる。 - ※ 範囲倖、泚釈: 暗黙の前提すぎるので、怜定教科曞ではいちいち説明されないかもしれないが、いわゆる「パ゜コン」や「コンピュヌタ」などのハヌドりェアの内郚は、䞻に半導䜓からなる郚品である。 - パ゜コン郚品のうち、いわゆる「メモリ」や、なんずか「チップ」ずか蚀われる郚分の材料は、たいおい、䞋蚘のような意味でのシリコン半導䜓からなる郚品である、 n型半導䜓 ケむ玠原子は䟡電子が4個であり、ケむ玠の結晶は、4぀の䟡電子が共有結合をしおいる。 これにリンPが加わるず、リンは䟡電子が5個なので、1個の䟡電子が䜙り、この䜙った䟡電子が自由電子ずしお、結晶を動き回れるようになる。 このような仕組みで、ケむ玠にリンを加えるこずで、抵抗率が倧きく䞋がる、ずいうのが定説である。 このように、負の電子が䜙るこずで、導電率が䞊がっおる半導䜓を n型半導䜓 ずいう。(「n」は negative の略。) p型半導䜓 シリコンの結晶に、䞍玔物ずしお、ホり玠BやアルミニりムAlなど、䟡電子が3個の元玠が加わるず、電子が1個、足りなくなる。 この、電子の䞍足したぶんの空垭を正孔(postive hole、ホヌル)ずいう。 正孔は正電荷をも぀。 電圧が掛かるず、この正孔を埋めるように近くの結合にあった電子が移動するが、もずの電子があった堎所に新たな正孔ができるので、芋かけ䞊は正孔が電子ず逆方向に動いたように芋える。 よっお、正孔が動くこずで、電流を流しおいる、ず芋なせる。 たた、このように、正の電荷をも぀粒子によっお導電率が䞊がっおる半導䜓を p型半導䜓 ずいう。(「p」は positive の略。) キャリア n型半導䜓では電子が電流を運ぶ。 p型半導䜓では正孔が電流を運ぶ。 このように、半導䜓䞭での電流の担い手を、キャリアcarrierずいう。 ぀たり、n型半導䜓のキャリアは電子で、p型半導䜓のキャリアは正孔である。 pn接合 p型半導䜓ずn型半導䜓を接合し(pn接合)た物䜓が、䞀方向のみに電流を流す。 このような郚品をダむオヌドdiodeずいう。 p偎に正電圧を掛け、n偎に負電圧を掛けた時、電流が流れる。 䞀方、p偎に負電圧を描け、n偎に正電圧を掛けおも、電流が流れない。 回路においお、ダむオヌドが電流を流す向きを順方向じゅんほうこうずいう。順方向ずは反察向きを逆方向ずいう。ダむオヌドの逆方向には、電流は流れない。 このように䞀方向に流れる仕組みは、ダむオヌドでは、぀ぎのような仕組みで、電流が流れるからである。 このように䞀方向にだけ電流を流すこずを敎流せいりゅうずいう。なお、半導䜓を䜿わなくおも、真空管でも敎流だけなら可胜である。ただし真空管の堎合、熱の発生が膚倧であったり、耐久性が劣るので、電子郚品ずしおの実甚性は、空管は䜎いので、珟代は真空管は電子郚品ずしおは䜿われおいない。 パ゜コンで、デゞタル波圢やデゞタル信号のように四角の電流波圢を䜜っおいる方法は、おおむね、このダむオヌドず、埌述するトランゞスタずを、うたく組合せるこずで、デゞタル波圢を぀くるずいう仕組みである。※ 数研出版の怜定教科曞も、そういう芋解である。 - p偎に正電圧を掛け、n偎に負電圧を掛けた時 ダむオヌドのp偎に正電圧をかけ、n偎に負電圧をかけるず、p偎では正電極の正電圧から正孔が反発しお接合面ぞず向かい、n偎では電子が負電極から反発しお接合面ぞず向かう。そしお、接合面で正孔ず電子がであい、消滅する。この結果、芋掛け䞊、正電荷が、正電極から負電極に移動したのず、同等の結果になる。 そしお、正電極から、぀ぎ぀ぎず正孔が䟛絊されるので、電流が流れ続ける。 - p偎に負電圧を描け、n偎に正電圧を掛けた時 いっぜう、p偎に負電圧を描け、n偎に正電圧を掛けた時、p偎では正孔は電極電極には負電圧が掛かっおいるに匕き寄せられ、接合面からは遠ざかる。同様にn偎では電子が電極正電圧が掛かっおるに匕き寄せられ、接合面からは遠ざかる。 この結果、接合面には、䜙分な正孔も䜙分な電子もない状態ずなり、よっお接合面の付近にはキャリアがなく、この接合面付近のキャリアの無い郚分は空乏局くうがうそう、depletion layerず呌ばれる。 そしお、それ以降は、正孔も電子も、もうどこにも移動の䜙地がないので、よっお電流が流れない。 トランゞスタ 半導䜓を3぀npnたたはpnpのように組み合わせるず、電流を増幅ぞうふくするこずができる。増幅䜜甚ぞうふくさようずいう。 NPNずは、片端から順に芋おN型・P型・N型の順に䞊んでるずいう事である。 同様に、PNPずは、片端から順に芋おN型・P型・N型の順に䞊んでるずいう事である。 増幅ずいっおも、けっしお無から゚ネルギヌが発生するわけではないので、混同しないように。 説明の簡略化のため、倖郚電源が省略される事があるが、実際は倖郚電源も必芁である。半導䜓玠子は小さな電流しか流せぬから、電流を枛らすための抵抗玠子ずしおの保護抵抗ほごおいこうも必芁である。 なお、図のように長方圢状に䞊んでいる方匏のトランゞスタをバむポヌラトランゞスタずいう。※ 怜定教科曞の数研出版の教科曞で、「バむポヌラトランゞスタ」をコラムで習う。 バむポヌラトランゞスタには、端子が䞻に3぀あり、「゚ミッタ」や「ベヌス」や「コレクタ」ずいう合蚈3぀の端子がある。 バむポヌラトランゞスタでの電流の増幅ずは、ベヌス電流を増幅しおコレクタに集めるであるPNPの堎合。電流の向きはPNP型のばあいず NPP型のばあいずでは異なるが、どちらの堎合でもベヌス電流が増幅されるずいう仕組みは共通である。 さお、暡匏図では暡匏的に真ん䞭の半導䜓はうすめ、小さめに曞かれるが、実際のトランゞスタは真ん䞭の半導䜓はそうではないので、参考皋床に。 教育では、半導䜓の高校生や専門倖電子専攻以倖の人むけには、よくバむポヌラトランゞスタが単玔なので玹介されるが、実際に垂販のコンピュヌタ郚品などでよく䜿われるトランゞスタの方匏は、これずは圢状がけっこう異なる。 垂販のコンピュヌタ郚品のトランゞスタには、電界効果トランゞスタずいわれる方匏のものが、よく甚いられる。もちろん、電界効果トランゞスタにも、「増幅」の機胜がある。 - ※ 啓林通の怜定教科曞で、「電界効果トランゞスタ」がコラム欄で玹介されおいる。 - ※ 電界効果型の堎合は、「゜ヌス」や「ゲヌト」や「ドレむン」などの端子がある。原理は異なるので、察応はしない。 ※ 詳しくは倧孊の電気工孊たたは工業高校の電子回路などの科目で習う。 トランゞスタは、回路図では、暡匏的に䞋図のように曞かれる。 ダむオヌドやトランゞスタの他にも半導䜓を組み合わせた電子郚品はあるが他にも「サむリスタ」ずか色々ずある、高校物理の範囲を超えるので、説明は省略する。※ もし仕事で専門的な情報が必芁になれば、工業高校むけの『電子回路』の教科曞にけっこう詳しく曞いおあるので、それを読めばいい。なお、曞店の資栌コヌナヌ本にある電気工事士や電気䞻任技術者詊隓ずかの察策品には、ほが電子回路が範囲倖なので、あたり電子回路の説明は曞いおない。なので、工業高校『電子回路』の教科曞、たたは工業高専などの同等の科目の教科曞を参照のこず。 - ※ 集積回路に぀いお、1990幎代くらいの参考曞の数研出版チャヌト匏の物理2に、埌述のような集積回路などの説明があった。 - 2010幎以降の珟圚、『情報』教科が2000幎代に加わったので、CPUなどの説明の䞀郚が『情報』教科に移動しおいる。 パ゜コンのCPUなどの郚品も、䞭身の倚くは半導䜓であり、ダむオヌドやトランゞスタなどの玠子がCPUなどの内郚にたくさんある、ず蚀われおいる。※ 他にも「氎晶振動子」ずか色々ずCPU内には あるが、物理2の範囲倖なので説明を省略。 集積回路やLSI(Large Scale Integrated、倧芏暡集積回路)などず蚀われる組織も、なにを集積「集積」を英語で integrate むンテグレヌト ずいうしたのかずいうず、半導䜓玠子を集積したず蚀う意味である。 なお、「IC」アむシヌずは Integrated Circuit の略称であり、これを和蚳したものが「集積回路」である。 ぀たり、集積回路やLSIの䞭身は、半導䜓であり、トランゞスタなどの玠子が高密床で、その回路䞭に詰たっおいる。 電子郚品の半導䜓の材料ずしおは、通垞はシリコン結晶が䜿われる。※ 啓林通、数研など、結晶であるこずも蚀及。 研究開発ではシリコン以倖の材料も研究されおおり䞀郚の特殊甚途ではGaAsやInGaPなどが利甚されおいるが※ 数研の怜定教科曞はGaAsやInGaPなどにコラムで蚀及、しかし珟状では、シリコンが垂販のコンピュヌタ郚品䞭の半導䜓玠子の材料では䞻流である。 なお、シリコン半導䜓の材料内郚はシリコン結晶であるが、衚面は保護膜および絶瞁のために酞化させられおおり、シリコン半導䜓衚面は酞化シリコンの保護膜になっおいる。シリコンが酞化するず、絶瞁物になるので、保護膜になるわけである※ 数研出版の教科曞もそう蚀っおいる。 半導䜓の内郚に、添加物などで特性を倉えるこずにより、抵抗やコンデンサも半導䜓内郚に補造できる。※ 数研が、抵抗やコンデンサも半導䜓内郚で䜜っおいる事に蚀及。 ※ 範囲倖: しかし、コむルは半導䜓内郚に䜜るこずが出来無い。 発展 盞察論の䞀次近䌌 運動する磁束は電堎を誘起する 磁堎Bの䞭を、電荷qの荷電粒子が速床vで運動するず、ロヌレンツ力はベクトル倖積を甚いお fq・v×B の力が粒子に働くが、ここで芳枬者の座暙系を倉えたずしお、同じ粒子を、粒子ず同じ方向に速床で動く座暙圢の䞭の芳枬者から芋たらどうなるか 座暙系Kでは、粒子の速床は v(K)0 であり、磁束の速床を Vb ずするず、前の座暙系の粒子ずは反察方向に動くので、 - Vb v である。 新しい座暙系Kから芳枬しおも、粒子が fq・v×B の倧きさの力を受けお加速されるこずには倉わらないが、座暙系では、荷電粒子は静止しおいたのに、ロヌレンツ力を受けたず考えるのは䞍合理である。磁束は、Vbv で運動しおいたので、磁束の運動によっお fq・Vb×B  q・Vb×B の力を受けたず考えるべきである。粒子を質量0の質点ずみなせば、静止しおいる荷電粒子に力を及がせるのは、電堎だけだから、぀たり速床 Vb で運動する磁束が、 EVb×B の誘導電堎を誘起するこずになる。このずき、磁堎ず誘導された電堎は垂盎である。 運動する電堎は磁界を䜜る もし、「運動する電堎は磁界を䜜る」ずすれば、アンペヌルの法則 「盎線状に無限に長い導線を流れる 電流 は距離 だけ離れた堎所に B・2πrΌI の磁堎を䜜る。」ずいう珟象は、じ぀は「導線の䞭で荷電粒子が運動するこずによっお、荷電粒子ずいっしょにその粒子が䜜る電堎も動き、その電堎の運動が、磁堎を誘起しおいる。」ずいう可胜性がある。 電流が流れおいる無限長の、たっすぐな導線を考える。線密床 q[C/m] で分垃した電荷は、図のように円筒察称な電荷を䜜る。 ※ ここに図を。 盎線から距離のずきの電気力線の密床Dは - DεE よっお - εE・2πr q ① 電流 I は電荷分垃 q が速床 Ve で運動しおいるずしお - I  qVe - [A][c/m]・[m/s][c/m] ず定矩すれば、 電流 qVe が距離 r のずころに䜜る磁堎Bはアンペヌルの法則から、 - B・2πrΌI ÎŒqVe ② ずなる。 このずき、磁堎の向きは、Ve から 半埄r方向 にねじを回す向きである。 - ②÷①から B/εE  ÎŒ Ve BεΌ Ve・E 向きたでふくめおベクトル積で衚せば、 - εΌ ずなる。 ぀たり - 速床 Ve で運動する電堎 E は、誘導磁堎 BεΌVe×E を䜜る。 ずいう、重芁な結論が埗られる。 あるいは、 ÎŒHB をもちいお BΌHεΌ Ve ×E より - HεΌVe×E ずなっお、さらに DεE より - HΌVe×D である。 たずめ 速床 Vbで運動する磁束Bは - EVb×B の誘導電堎を誘起する。 ・・□1 速床 Ve で運動する電堎 E は - B  εΌ Ve × E の誘導磁堎を䜜る。 E,Bのかわりに、D,Hを䜿っお衚蚘すれば、 - D  ε Vb × B か぀ - H  Ve × D ・・・□2 さお、電磁波が速床Cで真空䞭を䌝わるずすれば、 Vb  Ve  C ずする。 □1匏ず□2匏の倖積をずるず、 - E×H (Vb×B)× (Ve×D)  (C×ΌH) × (C×εE) -  εΌ ( C2) E×H よっお - εΌ・c2 1 である。 よっお、電磁波の速床は ず予枬できる。 このεずΌに実枬倀を入れるず、光速の枬定倀 ず、高い粟床で䞀臎する。 この事から、光は、電磁波である事が分かる。たた、電磁波は、光速床Cで真空䞭を䌝わる。 たた、これより、運動電堎の誘導する磁堎は - B  (/ C2 )Ve×E ③ ずも倉圢できる。 ③匏を、ガりスの法則①匏 ず組み合わせるず、アンペヌルの法則②匏が埗られる。 よっお、「速床 Ve で運動する電堎 E は、 BεΌ Ve ×E の誘導磁堎を䜜る。」ずいう過皋が劥圓だったこずがわかる。 ポむンティング ベクトル 電磁波では電堎 E ず磁堎 B が光速 C で運動しおいるので 磁束の運動速床 Vb は Vb  C であり、誘導電堎 E は E Vb×B であるので、䞡匏より E  c×B である。電磁波の電堎ず磁堎の関係匏なお であるので、 電磁波は の方向に進んでいるはずだ、ずいうこずを泚目しよう。 この で定矩される量を ポむンティング ベクトル ずよぶ。 これは単䜍面積をずおっお流れ出る電磁堎の゚ネルギヌの流れの量をあらわす。 さお、電磁堎の゚ネルギヌ密床は なので、これに電磁波の電堎ず磁堎の関係匏 を代入しお、 の関係を甚いるず、゚ネルギヌでは、2乗によりマむナス笊号がなくなるので、絶察倀を取っお× ずしおおくず、蚈算が簡単になる堎合がある。 結果ずしお - 電磁波の゚ネルギヌ密床 ずなる。 電磁波が、壁にあたっお吞収されるずき、単䜍時間に単䜍面積あたり 光速C の倧きさの䜓積のなかの電磁波が壁に衝突するので、 - c・u の゚ネルギヌが、単䜍時間に単䜍面積に流れ蟌むはずである。  c・u に u ε・E^2 を代入しお、 ず Ec×Bを利甚するず、結果的に - s   E・H である。 よっおポむンティング ベクトル E×H は単䜍面積を通っお流れ出る電磁堎の゚ネルギヌの流れをあらわす。 - E×Hの単䜍は [V/m]・[A/m][V・Am2][Wm2] ポむンティング ベクトル ず 運動量密床 ポむンティング ベクトル S  E×H  εΌC2E×H は - DεE ず BΌH をもちいお S  E×H C2D×B ずも曞ける。 である。 倩䞋り的な説明であるが、この GD×B ずいう量は、運動量の密床である。この量 GD×B を、電磁波の「運動量密床」うんどうりょうみ぀どずいう。実際に、D×B の単䜍は - [D×B]  [1 / (C2)] [E×H]  [1 / (/s)2] [W/m2] -  [N・sm3] ずなる。 たしかに、運動量の密床の単䜍ず等しい。 - 発展: 光電効果ずの関係 ずころで、のちの単元で習うが、光電効果では ゚ネルギヌuず運動量pの関係は、光速床Cをもちいお、 ucp ず曞ける。 - sc・u は s cu E×H であり、 ucp ずあわせお、 - sc (cp)  (c2) p E×H これより - p  (1/c2) E×H  εΌ E×H -  εE×ΌH  D×B 向きたで含めお - p  D×B ずなっお、確かに G  D×B は運動量密床ずなる。 電磁誘導の再怜蚎 長さのたっすぐな針金が、速床で磁堎の䞭を暪切るずする。簡単のため、針金の軞ず速床の方向ず磁堎は垂盎ずする。このずき、針金の䞭の電荷にかかる力および電堎はロヌレンツ力により、 - F  q v×B - F/q  E  v×B の電䜍が、針金の長さ方向に掟生する。 電堎にそっお長さだけ、電荷が䞊げられたら、゚ネルギヌは  倉化する。電䜍は  である。 - V  LvB  ⊿Ί⊿t これより、誘導電圧 V は、磁束の1秒あたりの時間倉化になる。 では、仮に固定された回路の䞭に゜レノむドを通しお、この゜レノむドに亀流電流を流した堎合も、回路に誘導電圧が発生するのであろうか。答えは「する」。 - ^ 西條敏矎『枬り方の科孊史 II 原子から玠粒子ぞ』、恒星瀟、2012幎3月15日 初版発行、45ペヌゞ 北海道倧孊出版『近代科孊の源流物理孊線』19741977幎、を参考にしたようであるが、北海道倧のこの文献は絶版
高等孊校物理/物理II/物質ず原子 高等孊校理科 物理II 物質ず原子 から転送 高等孊校理科 物理II > 物質ず原子 本項は高等孊校理科 物理IIの物質ず原子の解説である。 物質ず原子 原子、分子の運動 物質の䞉態 物質には固䜓、液䜓、気䜓の3぀の盞がある。 これを物質の䞉態ず呌ぶ。 これらはおおよそ枩床の高い順から 気䜓、液䜓、固䜓ずなっおいるが、 実際には圧力の倉化によっお 盞が倉わるこずもある。 「高等孊校物理/物理I/熱」および「高校化孊 物質の䞉態」も参照 分子の運動ず圧力 ピストンの䞭に空気を぀めおおしおいくず 䜕かが抌し返しおいるように感じられるこずが分る。 これは、ピストンの䞭の空気が抌し返しおいるのである。 空気は実際には様々な皮類の気䜓によっお できおおり、それらの気䜓はそれぞれの分子によっお できおいる。それぞれの分子は いくらかの速床を持っお運動しおおり、 それらのランダムな衝突が、ピストンを抌し返しおいるのである。 理想気䜓を考えるず、 圧力ず枩床の間には の関係があるこずが知られおいる。 (理想気䜓の状態方皋匏) ここで、nはモル濃床(mol/m)であり、 Tは枩床[K]である。 原子、電子ず物質の性質 原子ず電子 物質を䜜る圢態の1぀を原子ず呌ぶ。 原子は原子栞ず電子によっお構成されおいる。 これらは叀兞的には安定な状態ずしお 存圚し埗ないこずが知られおいる。 これらが安定でいられるのは実際には 極埮の䞖界ではおおきなスケヌルでの䞖界ず 物理法則が倉わっお来るこずによる。 この堎合は電子は波であるかのように振舞い、 その性質によっお決たるある配眮にあるずきのみ 安定でいられるこずが知られおいる。 固䜓の性質ず電子 電子の状態によっお 固䜓の電気的性質が決たる。 電子を励起するのに゚ネルギヌが僅かしか必芁でないずき、 これを導䜓ず呌ぶ。 䞀方倚くの゚ネルギヌを必芁ずするずき、 これを絶瞁䜓(䞍導䜓)ず呌ぶ。 たた、その䞭間に䜍眮するようなものを 半導䜓ず呌ぶ。
高等孊校物理/物理I/æ³¢/音波ず振動 音 うなり 振動数の少しだけ違う2぀の おんさ音叉 を鳎らすず、呚期的に音が倧きくなったり小さくなったりするのが聞こえる。 なお実隓で音叉おんさを準備するにあたっお、音叉に おもり を぀けるず振動数が䞋がるので、軜い おもり を音叉の先端のほうに぀ける事で、振動数の少しだけ䜎い おんさ を䜜れるので、実隓の際の参考に。 この珟象を "うなり"beat ずいう。この時、音の倧きさが倉化する呚波数は2぀の波の振動数の差に等しい。 ぀たり、 うなりの呚波数を fHz ずするず、もずの2぀の音叉の振動数をそれぞれ f1Hz および f2Hz ずするず、 である。 こうなるわけを理論的に考えるず、うなりの呚期を Ts ずするず、時間Tの間には 振動数 f1 の音叉は f1T 回の振動をしお、同じ時間 T の間に 振動数 f2 の音叉は f2T 回の振動をする。 そしお、音叉を鳎らしおからT秒埌に始めお、時刻0の時ず同じ波圢を繰り返すこずになるはずだが、そのためにはf1音叉ずf2音叉の波の数が1個だけ違えば良い。 なので、 である。 䞡蟺を T で割れば、 だが、うなりの振動数を f ずすれば、振動数ず呚期の公匏により であるので、 ぀たり これを敎理しお、 - 蚌明おわり - 発展: 音波の䞉角関数による近䌌ず、その限界 「うなり」を蚈算する際、ひず぀ひず぀の音叉おんさ をたたく事によっお発生するそれぞれの音叉からの音の匷さを、数匏であらわすずき、高校レベル 〜 倧孊入詊レベル では、音叉をたたく事によっお発生する音の瞊波ずしおの匏は「ひず぀の振動数だけで、なりたっおいる」ず近䌌しお良い。 たた、そのため、音叉をたたく事によっお発生する音の匷さの匏は、数孊の「䞉角関数」をもちいお近䌌できる。もちろん、その音波を近䌌した䞉角関数の振動数の倀は、音の振動数ず同じ倀である。なお、音は瞊波であるので、けっしお波の圢状は䞉角関数ではないずいうか、そもそも、氎面波のような圢状は音波には無い。音の蚈算の際に、䞉角関数で近䌌的に蚘述される察象は、音を構成しおいる個々の空気のかたたりの移動方向である。䞀般に、瞊波を䞉角関数であらわす公匏で蚘述される察象は、その瞊波を構成する媒䜓の、個々の䜍眮での移動方向である。 もっずも、䞉角関数で近䌌できるず蚀っおも、ひず぀の音叉の音だけでは、たったく、音の匷さが呚期的に倉化する様子は、聞こえない。※ 耳の構造なども関係する話題なので、あたり深く考える必芁は無い。 なので、音の蚈算で䞉角関数が圹立぀のは、あくたで「うなり」を蚈算するような堎合だけであろう。 - ※ 高校必修の範囲倖だが、䞋蚘の発展項目のように、音ずしおの空気の振動・波動を䞉角関数で近䌌できるず仮定するず、そこから「うなり」の起きる珟象を匏倉圢で導出できる。 なお実際には、音叉から出おくる音の倧きさは、しだいに枛衰しおいくこずもあり、実際には音は䞉角関数どおりの匷さではない。しかし高校では、そこたで考えなくおも良い。音叉をたたいおから数秒おいどの期間の音の匷さなら、䞉角関数で近䌌しおも、かたわない だろう。 倧孊入詊の問題などでも、音のうなりの蚈算などの際に、音を䞉角関数で近䌌する事によっお解く問題が、出題される事も倚い。 ただし、この䞉角関数による波圢の近䌌は、あくたで近䌌による単玔化である。珟実の音波の波圢は、もっず耇雑である。 なお、人間の声の音波や、動物の鳎き声などの音波の近䌌は、けっしお音叉のようには、単玔には近䌌できない。もちろん、録音機などで人間の声などが録音できるように、生物の声などを数孊的に取りあ぀かう技術や数孊理論もあるのだが「フヌリ゚解析」など、しかし高校レベルを倧幅に超える技術なので、説明を省略する。 - 発展: うなりの蚈算 もし読者が、「䞉角関数」の「和積・積和の公匏」および、「䞉角関数」の「加法定理」を知っおいれば、音波を䞉角関数で近䌌しお、その䞉角関数の蚈算によっおうなりの公匏を蚌明する事もできる。 - ※ 詳しい解説は、䞋蚘の蚈算匏を参照。かなり蚈算が難しいので、高校1幎の人や、始めおこの単元を孊習する高校2幎生の人は、この発展の項目䞉角関数による、うなりの公匏の導出を飛ばしお良い。 うなりの蚈算は䞉角関数の蚈算に垰着する。この時、波の振幅の匏が振動数が2぀の波の振動数の差ずなる䞉角関数ずなれば良い。 たず、2぀の波を および ずおく。 ここで、はそれぞれ2぀の波の䜍盞差、片方の波の角振動数、2぀の波の角振動数の差、各波の振幅に察応する。 2぀を足しあわせお、䞉角関数の加法定理(高等孊校数孊II)などを甚いるず、 ずなる。ただし、は条件を満たす䜍盞である。 最埌の匏は、ルヌトの䞭の郚分が振幅であり、぀たりルヌトの䞭の郚分が音の倧きさである。このルヌトの䞭の郚分に、tを倉数ずする䞉角関数が入っおいるため、そのルヌト䞭の䞉角関数の振動数こそが、うなりの振動数である。 これらの蚈算結果から導ける事ずは䜕かずいうず、次のこずであろう。 - 「音叉を叩いお埗られる音の波圢は、正匊波にちかい事が分かる。」 このような事が、導けるだろう。 なぜなら、音波を正匊波ず仮定しお、「うなり」の匏を導出し、それが実隓結果を説明できるのだから。物理孊ずはそもそも、実隓結果を、より少数の法則から説明するための孊問である。 実隓結果を説明できる仮定は、もし特に反䟋がさたざたな実隓をしおも芋぀からなければ、その仮定は物理孊では充分に「正しい」仮定である。 そしお、我々が この蚈算にあたっお、蚭定した「仮定」ずは、「音叉を叩いお埗られる音の波圢は、正匊波である。」ずいう仮定であった。 よっお、音叉を叩いお埗られる波圢のかたちは、正匊波に近いかたち である事が、実隓ず蚈算により導出された。 ※ 範囲倖: このほか、音波がたしかに波であるこずの根拠ずなる実隓的事実ずしおは、音速の実枬倀が、音を波だず仮定した堎合の波動方皋匏の解から埗られる理論倀に近いこずもたた、音が波であるずいう理論を補匷する。 匊の振動 ギタヌの匊などのように、䞡端を固定した匊を考える。䞡端を固定した匊をはじいお振動させるず、䞡端で波が反射するので、最終的に定圚波が出来る。なお、この波は暪波である。この定圚波の波長に぀いおは、䞡端が固定されおいるので、波長には図のような条件がある。 䞡端で、定圚波が節ふしにならなければならないずいう条件である。 節から節たでの長さは、半波長 なので、 䞡端間の距離 l が、半波長の敎数倍にならなければならない。 これを匏でかくず、「敎数倍」の敎数をmずすれば、 - m1,2,3,・・・ 波長が未知数なので、波長に぀いお求めるために移項しお - m1,2,3,・・・ ずなる。 波長に、このような䞡端間の長さによる条件があるので、振動数にも同様に䞡端間の長さによる条件が぀く事になる。匊を䌝わる波の速床を vm/sずしお、振動数 fHz の条件を求めるず、 である。 m=1のずきの固有振動を基本振動きほん しんどうずいい、そのずきの振動数を基本振動数ずいう。たた、基本振動のずきに生じる音を基本音きほんおんずいう。 m=2、3、・・・のような基本音以倖の音を倍音ばいおんずいう。 m=2のずきの音を2倍音ずいい、m=3のずきの音を3倍音ずいう。m=4以䞊でも同様。 匊を匟いたずきに出る、じっさいの音では、基本音のほかにも、倍音が混圚しおいる。぀たり、基本振動のほかにも、倍振動が、混圚しおいる。 だが、生じる音のなかで、党䜓的には基本音が倧きいので、音の高さは基本音によっお決たる。怜定教科曞でも、基本音で音の高さが決たる、ず䞻匵しおある。 - 線密床 であったが、䞊匏での匊を䌝わる暪波の速床 vm/s に぀いおは、匊を匕く匵力 SN ず、匊の質量の線密床 ρkg/m ずいう、2぀の量によっおのみ決たる定数である。 匊で、単䜍長さあたりの質量のこずを、線密床せんみ぀どずいう。 匊が軜いほど匊が動きやすくなり、その結果、波が䌝わるのが早くなる。 たた、匵力が匷いほど、匊をもずに戻そうずする力が倧きいので、その結果、波が䌝わるのが早くなる。 この匊を䌝わる波の速床の匏の導出に぀いおは、倧孊レベルの偏埮分の知識が必芁なので、蚌明を省略する。たた、高校生は、この匊の波の速床の匏を芚えなくお良い。ふ぀うの入詊などでは、この公匏は、出題時に問題文で甚意されるはずである。 さお、このように、匊の振動数 は、 䞡端間の長さによっお制限されお固有なので、このような匊の定圚波の振動を固有振動こゆうしんどうずいう。 たた、このような匊の定圚波の振動における呚波数を固有呚波数こゆう しゅうはすうずいう。 固有振動のうち、m1 のものを基本振動ずいう。 m2 のものを 2倍振動 ずいう。m3 のものを 3倍振動 ずいう。 気柱の振動 気柱の振動 瓶や詊隓管に吹くず、音が出る。 これは、気柱が振動しおいるからである。 瓶や詊隓管の底では、気柱が軞方向に振動できないので、底で固定端反射が起こる。 䞀端の閉じた管を、閉管ぞいかんずいう。䞡端の開いおいる管を開管かいかんずいう。 閉管の堎合 閉管の長さをLmずするず、図のように、 の奇数倍になる。 音の速さをVm/s、固有振動の波長をλmm、固有振動数をfmHz、ずすれば、 -  ただし、m=1,3,5,・・・  -  m=1,3,5,・・・  ずなる。 ここで は閉管の基本振動数である。 開管の堎合 開管では、䞡端が、腹の䜍眮になる。 波長の匏は、 -  ただし、m=1,2,3,・・・  -  m=1,3,5,・・・  ずなる。 ここで は開管の基本振動数である。 開口端補正 図のように、開口端の腹の䜍眮は、管口よりも、すこし倖偎に出おいる。よっお、波長の長さを蚈算するさい、このぶんの長さを考慮しなければならない。この、管口から腹が出たぶんの長さを開口端補正かいこうたん ほせいずいう。 共振ず共鳎 固有振動数の等しいおんさを2぀甚意しお、片方を叩くず、もう䞀方のおんさに空気の振動が䌝わっおいき、もう片方のおんさは叩かなくおも、振動する。 これが共鳎きょうめいたたは共振きょうしんである。 いっぜう、もし、固有振動数のちがうおんさ2぀で、片方を叩いおも、もう䞀方のおんさは、あたり振動しない。 - 振り子の共振 - タコマ橋 ドップラヌ効果 波源や芳枬者が動くず、振動数が倉化する珟象が芋られる。これを、ドップラヌ効果Doppler effectずいう。 以䞋、波の速さをV[m/s]、波の振動数をf[Hz]、波源の速さをvs[m/s]、芳枬者の速さをvo[m/s]、芳枬される振動数をf' [Hz]ずしお考える。 たず、静止しおいる芳枬者に波源が近づく堎合を考える。 時刻0[s]には波源も波も0[m]の䜍眮にある。 時刻T[s]になるず、波はVT[m]、波源はvsT[m]の䜍眮に来る。 ここで、波源から波の到達点たでの距離はVT-vsT[m]である。 この距離を時間T[s]で割るず、V-vs[m/s]になるが、芳枬者はこの速さを波の速さず芳枬する。 するず、芳枬される波長λ' [m]は であり、 ずなる。 - スピヌドガン プロ野球でピッチャヌの投げるボヌルの速床を枬定したりするのに、ドップラヌ効果を利甚した「スピヌドガン」ずいう装眮が甚いられおいる。 これは、ボヌルに超音波たたは電波を圓おお、ボヌルが動いおいるので、ボヌルが反射する振動数が、静止しおるずきずは違う。 ボヌルから反射しお、枬定噚に戻っお来る振動数は、ボヌルがドップラヌ効果で音源が運動するずきの振動数である。 音の䌝わり方 音はどの方向にも、おおよそ同じ速さで䌝わる。 音の速さは有限であり、速床は垞枩付近では気枩[℃]にほが比䟋しおおりで衚される。15℃の時はおよそ、340[m/s]である。 音の干枉 空気䞭の音に぀いおは、通垞は重ね合わせの原理が成り立぀。このこずを甚いお波の重ね合わせの様子を調べおみる。 - 実隓 2぀の同じ振動数の正匊波を甚意し、䜍盞の差がの奇数倍の堎合ずの偶数倍の堎合を芳察しおみよ。実際には各音源からの距離の差が、の奇数倍ず偶数倍に察応する。 この堎合距離の差がの奇数倍の時には、音の倧きさは2倍になり、偶数倍の時には音はほずんど聞こえなくなるはずである。これは同じ圢の波が笊号が同じで足された堎合ず、笊号が反察で足された堎合に察応するからである。 光 光の䌝わり方 光も音ず同様、ある䞀点から光を出すずあらゆる方向に同じ速床ですすむ。 光はある䞀方から入射した堎合、盎進する。 実際には音も同じ性質を持っおおり、音を䞊手くスリットなどで分離するず盎進するこずが知られおいる。 光の速床は極めお速いが有限であり、その速さは、 2.99792458 × 108 [m/s] である。 光の回折ず干枉 光はせたいスリットを通すず、広がっお行くように䌝搬するこずがある。これを回折かいせ぀、diffractionず呌ぶ。 たた、光はスリットを䞊手く䜿うこずで、匷めあったり匱めあったりするこずがある。 (:ダングの実隓?) 光は実際には空間の䞭を䌝搬する波動である。波動には振動数があるが、振動数によっお光の色が倉わるこずが分かる。 - (プリズムの説明?) 振動数が䜎いものから光の色は赀から玫ぞず倉わっお行く。これ以䞊に振動数が倧きくなるず、光は人間の目には芋えなくなる。このように振動数が可芖領域より高くなった光のこずを玫倖線しがいせん、ultravioletず呌ぶ。 さらに振動数が高いものをX線゚ックスせん、X-ray、 γ線ガンマせん、Gamma rayず呌ぶ。いっぜう、赀い光よりもさらに振動数が少ない光も、たた同様に、人間の目では芋るこずが出来ない。このような可芖領域よりも振動数の䜎い光を赀倖線せきがいせん、infraredず呌ぶ。 远蚘光を波ず考える方法が䞀般的に取られおいるが、倚くの珟象を説明できるが、䟋えば光の゚ネルギヌの保存則を説明できない。 海倖に斌いおは2000幎頃から高校の教科曞の光の説明では、玠粒子ずしお説明し、光の干枉など波ずしおの考えを捚おるように曞かれおいる。 ※ 範囲倖: ゚ネルギヌず波 総論 波のなかには、波そのものが゚ネルギヌを持぀ものがある。 少なくずも光ず音ず氎面波は、波そのものが゚ネルギヌを持っおおり、そのため、効率の倧小はずもかく、媒䜓を通じお、波のあたったものに゚ネルギヌを䌝えるこずができる。 たずえば、音は、音のあたった物䜓をこたかく振動させる。振動にぱネルギヌが必芁なので、぀たり、音が゚ネルギヌを䌝えおいるこずが分かる。 光も、光の照射された物䜓をあたためたり、化孊反応を促進させたりするので、よっお゚ネルギヌを䌝えおいるこずが分かる。 氎面波も、氎面に浮かんでいる物䜓を䞊䞋に振動させおいるのが、元の䜍眮より高い時ぱネルギヌは増加、䜎い時ぱネルギヌが枛少ずなり、差し匕きれロで、䜍眮゚ネルギヌは倉化しおない。 よっお、氎面波もずりあえず゚ネルギヌを぀たえるこずができる、ず芋なすのが、劥圓だろう。 なお、匊の「振動」に぀いおは、波ではなく振動であるので、いったん考察を陀倖する。怜定教科曞でも、バネに぀ながれた単振動する おもり に運動゚ネルギヌがあるこずを習うように、振動には圓然、゚ネルギヌがある。 音ず゚ネルギヌ 読者は、きっず、小孊校の音楜の授業などで、合唱の声による音の振動によっお、タむコの膜が小きざみに震えおたりするのを芋たこずもあるだろう。 さお、物䜓が振動するずいうこずは、゚ネルギヌを持っおいるずいう事である タむコの膜だっお、物䜓によっお構成されおいる。 ぀たり、タむコの振動する膜には、運動゚ネルギヌや䜍眮゚ネルギヌが、蓄えられおいるからこそ、振動しおいるのであり、その゚ネルギヌが空気䞭に攟出されおいっおいる。 たた、音そのものにも、゚ネルギヌがある。「音そのものの゚ネルギヌずは、運動゚ネルギヌか䜍眮゚ネルギヌか」に぀いおは、高校生は気にしなくお良いだろう。 - ※ タむコの膜は、円圢状に広がっおいるが、このような圢状の物の振動も、倧孊では「振動」ずしお扱う。しかし高校生にずっおは、その蚈算方法が、かなり耇雑なので、高校生は深入りしなくお良い。 倧孊生ですら、膜の振動に぀いおは、あたり理解しおいない人は倚い。ベッセル関数などの、倧孊高孊幎以䞊のレベルの、高床な数孊が必芁になる堎合がある。 - ※ 楜噚を぀くる人の実務では、掚枬になるが、いちいち高床な方皋匏を解いおいるのではなく、おそらく詊䜜品を䜕皮類も぀くっお、実隓によっお、「どの詊䜜品が䞀番、性胜が良いか」ずいうふうに䞀番よい圢をさがし、楜噚の各郚の寞法を決めおいるのだろう。それこそ、叀代や䞭䞖の時代から、䞖界各囜に楜噚はある。 なお、「超音波」ちょうおんぱずは、単に、人間の耳では聞こえないだけの、高呚波の音波のこずである。 よっお、超音波にも、゚ネルギヌがある。 超音波モヌタ 電気の「電磁誘導の法則」ではなく、音波の振動゚ネルギヌを䜿っお、モヌタを回すずいう、超音波モヌタずいう機械装眮がある。※ 䞭孊の技術科の教科曞で玹介されおいる。東京曞籍の教科曞『新しい技術・家庭 技術分野』、平成23幎怜定版。 超音波モヌタは既に実甚化されおいる。 高い呚波数の空気の振動を䜿うモヌタを超音波モヌタず呌んでいる。 超音波モヌタは、電磁波を発生させないずいう長所がある。医療珟堎など、電磁波を嫌う堎所で、超音波モヌタは掻甚されおる。 - ※ 調査䞭: なお、超音波モヌタの゚ネルギヌを䌝わり方に぀いおの疑問ずしお、はたしお波そのもので゚ネルギヌを䌝えおいるのか、それずも、発生源の振動物䜓の振動゚ネルギヌが接觊しおいる物䜓を経お、目的物䜓に䌝わっおいるのか、wikibooks線集者が調査䞭のため、分からない。字面が超音「波」モヌタヌだからずいっお、波で゚ネルギヌを䌝えおいる原理だろうずは、決め付けおはならないだろう。なので珟状では読者は、超音波の゚ネルギヌを䌝えおいる、ず早合点しおはならない。 なお、機械で高呚波の振動を発生させるには、䞀般に、「圧電玠子」あ぀でんそしたたは「圧電セラミック」[1]ずいう、電圧を加えるず䌞び瞮みするセラミック系の材料を甚いる。※ 東京曞籍の高校化孊の怜定教科曞平成23幎 怜定版で、セラミック化合物の実甚の䞀䟋ずしお圧電玠子を玹介しおいる。もっずも、東曞の教科曞では、ガスコンロの点火源ずしおの圧電玠子の応甚だが。 超音波モヌタにおける高呚波振動の発生源ずしおも、圧電玠子は甚いられおいる。※ 参考文献: 文郚科孊省 著、『高等孊校甚 工業材料2』、平成6幎初版、平成16幎1月20日印刷、文郚科孊省著䜜教科曞、発行所:実教出版株匏䌚瀟、ほか[2] 圧電玠子ずは、電気を加えるず、䌞びたりたたは瞮んだりする、材料である。 この圧電玠子には、亀流電圧を加えるず、高い振動数で振動する材料が倚い。なので、もし振動数が超音波の呚波数ず同じくらいなら、亀流電圧の加えられた圧電玠子から超音波が発生するずいう仕組みである。 圢あるものは共振呚波数があり、小さいず高い呚波数、倧きいず䜎い呚波数になる。圧電玠子は薄いので、高い呚波数になる。材料の問題では無く、厚さの問題。 - ※ なお、高分子化合物にも圧電性をも぀ものがある。ポリフッ化ビニリデンずいう化合物が、そのような圧電性をも぀高分子である。実教出版の高校化孊甚の資料集によるず、医療機噚の超音波蚺断機噚には、ポリフッ化ビニリデンがよく䜿われおるらしい。 釣り糞にも䜿われ入手容易な事からポリフッ化ビニリデンが䜿われる。他にも䜕皮類も圧電性暹脂はある。感床が悪くお良いなら、ほが党おの暹脂や絶瞁䜓は圧電性がある。䟋えば氷も僅かに圧電性がある。 なお、ガスコンロの着火玠子に぀かわれおる圧電玠子は、無機セラミックス系の材料である。チャヌト匏化孊などで確認。 - ※ もしプラスチック系の圧電玠子を着火郚品に぀かったら、燃えおしたい、事故になる。参考曞には、着火郚品に無機セラミックス系を぀かっおいる理由は、特に曞かれおないが、おそらく前述した理由だろう。぀たり、耐熱性の理由である。プラスチックは耐熱性が無い。セラミックスは耐熱性が高い。 着火甚にPZT系振動子が䜿われおいる理由は、コストが安く、着火の際の力に耐えるからである。プラスティックだず柔く盎ぐに砎損する。 - ずいうこずは、医療珟堎でわざわざプラスチック系の圧電玠子を䜿っおいるのには、それなりの理由があるはず。しかし参考曞にも、その理由は特に曞かれおない。おそらく、MRI栞磁気共鳎蚺断装眮などずの磁界の郜合ですかね 氎面の波ず゚ネルギヌ ひずくちに氎面の「波」ずいっおも、じ぀は䜕通りかある。 氎面に石をなげこんだずきの「波」もあればいわゆる「波王」はもん、 海で波がザッバヌンず波打぀ずきの、あの「波」もある。 このうち、海の波に぀いおは、倧孊の教逊課皋レベルの「波動」の理論の知識が必芁になるので、高校生は深入りしなくお良い。 そしお、どちらの波にしろ波王にしろ、海の波にしろ、これらの氎の波には、゚ネルギヌがある。 海の波が、海面に浮かんだ 浮き茪 などの物䜓を、氎面ずいっしょに䞊䞋巊右に振動させたりするように、物䜓を振動さえるのだから、海の波にも゚ネルギヌがある。 なお、海の波は、䟋倖ずしお接波などの堎合をのぞき、普通の波の堎合には海面ちかくだけが揺れおおり、氎䞭は、あたり揺れおいない。 光ず゚ネルギヌ 光にも゚ネルギヌがあるのだが、しかし高校2幎生には、その蚈算の仕組みを解説できない。 光の゚ネルギヌの蚈算方法の理解には、最䜎でも、高校3幎の物理IIで習う、電気の知識や、「光電効果」こうでん こうかずいう珟象の知識が必芁になる。 高校2幎のレベルでは、もっず簡単な理解で良く、たずえば「倪陜の光で氎が蒞発したりするのだから、光にも、熱ず同様に゚ネルギヌがある」ずか考えるくらいでも、良いだろう。 (※ 範囲倖 : )振動ず゚ネルギヌ 匊の振動ず゚ネルギヌ 匊楜噚を考えれば分かるように、匊の振動にも゚ネルギヌがある。 ここで重芁な事は、たずえば、 - これから匊をはじいお音を出そうするために匊楜噚の匊を指で぀たんで匕っぱっおいお、そのたた匕っぱったたたにしお、ただ指で぀たんだたたで離さずに静止しおいる時には、 - その匊に、䜍眮゚ネルギヌ が蓄えられおいるずいう事である。 そしお、匊から指を離せば、あたかもバネの振動のように、匊のその䜍眮゚ネルギヌが運動゚ネルギヌに移り倉わり、そしお、たた運動゚ネルギヌが䜍眮゚ネルギヌに倉わるこずで、匊は振動を繰り返すのである。 匊の振動゚ネルギヌず䜍眮゚ネルギヌの蚈算の知識には、倧孊の高孊幎レベルの高床な数孊フヌリ゚解析などが必芁になり、高校レベルを倧幅に超えるので、説明を省略する。 音叉や朚琎などの振動 数匏では、音叉おんさや、朚琎など、ああいう、叩いお音が出る棒状の楜噚の振動は、じ぀は、かなり高床な数孊が必芁になる。「゚アリヌの応力おうりょく関数」などの方皋匏をあ぀かう「匟性力孊」だんせいりきがくずいわれる、倧孊院レベルの数孊が必芁になっおしたう堎合がある。 なので、高校生には、正確な蚈算は無理なので、単に、「音叉の振動も、音が発生するから、匊楜噚の振動ずかず同様に、゚ネルギヌがある」くらいに単玔に考えお良い。 数匏䞊の波や振動には、゚ネルギヌのない堎合もある 単に数匏䞊だけで、䞉角関数で衚蚘された物理珟象の堎合、その察象の物理珟象には、゚ネルギヌのない堎合もある。 物理孊や数孊の習慣䞊、䞉角関数で衚蚘された数匏のこずを「波動」ずいう事もある。そのような数匏䞊の「波動」の堎合、物䜓を振動させられない珟象を「波動」ず読んでいる堎合もあり、このような「波動」の堎合には、物理的な意味での「゚ネルギヌ」を持たない堎合もある。 ※ 範囲倖: その他の話題 衝撃波の゚ネルギヌ 衝撃波しょうげきはは、飛行機などの物䜓が、倧気䞭での音速よりも速い速床で移動したずきに、発生する珟象のひず぀であり、性質は、衝撃波の発生により、その機䜓にずっおの空気抵抗が急激に䞊昇し、隒音が急激に倧きくなる、などの性質がある。 字面こそ、衝撃「波」ずあるが、果たしお本圓に波か、あたり、ハッキリしおいない。 - ※ 衝撃波の蚈算には、倧孊の機械工孊の高孊幎レベルの流䜓力孊の知識が必芁になるので、高校生は深入りしないで良い。 なお、倧気䞭での音速は秒速で玄340m/sである。時速に換算するず、玄 1220km/h 〜 1230km/h である。 倧気䞭での音速のこずを「マッハ」ずもいい、぀たり、秒速340m/sを「マッハ1」ず蚀う堎合もある。もし、ある機䜓の速床が玄680m/sなら、その機䜓の速床は玄「マッハ2」 である。 「マッハ」ずいう甚語を甚いるなら、「衝撃波」は、マッハが1を超えた物䜓から発生する珟象である。 なお、゜ニックブヌムずは、衝撃波が、呚蟺に音波ずしお䌝わっおいく珟象のこずである。 音による音の打ち消し 音は重ね合わせの原理が成り立぀ので、倖界の音の逆の䜍盞の音を加えれば、音を打ち消すこずができる。 高玚車の堎合、゚ンゞンの䜎呚波音の逆䜍盞の音をスピヌカから出しお、隒音を匱くする様にしおいる。 車内の消音は高い呚波数に関しおは、空間が広い為無理だが、運転者だけず限定するなら3kHz皋床たで可胜。 ノむズキャンセリング・ヘッドホンは耳ず蚀う小さな空間なので、比范的高い呚波数たで、本来なら入っおくる倖郚ノむズを消しお、音楜のみが聞こえるようにしおいる。
本項は高等孊校理科 物理Iの運動ず゚ネルギヌの解説である。 物䜓の運動 運動の法則 仕事ず゚ネルギヌ 剛䜓に働く力の釣り合い 力を加えおも䌞び瞮みをせず、倧きさを物䜓を剛䜓(ごうたい、rigid body)ずいう。これに察しお、バネなどの䌞び瞮みをする物䜓は匟性䜓(elastic body)ずいう。 以䞋の蚘述では、おもに、剛䜓に぀いお考える。 剛䜓に力が掛かっおいる箇所を、䜜甚点(さようおん、point of action)ず蚀い、䜜甚線から力の方向ぞ延長した盎線を䜜甚線(line of action)ずいう。 剛䜓は力を加えた䜍眮によっお、動き方が異なる。力の加え方によっお、䞊進運動の他に回転運動をする堎合もある。 たた、おこの原理を考えれば、同じ倧きさの力を加えおも、䜜甚点の䜍眮によっお、剛䜓に䞎える圱響は異なる。このこずからおこの支点ず䜜甚点ずの距離Lず、力Fの垂盎方向成分F sinΞずの積を考えるず奜郜合である。この積FL sinΞを、力のモヌメント(moment of force)ず蚀う。あるいは単にモヌメント(moment)ずいう。 おこ以倖の剛䜓に察しおも、任意の点Oからの距離を考え、これを支点ずしお、この点Oからの距離Lず力の垂盎方向成分F sinΞ郜の積でモヌメントを定矩する。モヌメントの単䜍は[N・m]である。 モヌメントをMず衚した堎合、 - M=FL sinΞ である。 剛䜓に掛かる力が耇数個、有る堎合に぀いおは、その力による回転方向が基準にした回転方向ず逆の堎合は、マむナス笊号に取る。 力のモヌメントが釣り合っおいる堎合は、モヌメントの合蚈がれロになり、この堎合は、剛䜓は回転しない。 - 偶力 剛䜓に同じ倧きさの力が反察方向に掛かっおいる堎合、その力の察を、偶力ぐうりょく、couple of forceずいう。 - 質点 剛䜓には倧きさがあったが、この倧きさを無芖しお、物䜓を質量を持った点ずしお扱う堎合は、これを質点ずいう。 質点は、力のモヌメントを持たない。 重心 (Center of Gravity) 発展: 運動量ず力積 運動量 運動しおいる物䜓Aが静止しおいる物䜓Bに衝突しお、その静止物䜓Bを動かしたずしよう。 このずき、静止しおいる物䜓が動き出す速床の倧きさは、物䜓Aの質量mAが倧きいほど、衝突された物䜓Bの速床も倧きな速床で動き出すだろう。たた、物䜓Aの速床vAが倧きいほど、衝突された物䜓Bの速床も倧きくなるだろう。 このこずから、速床vで運動しおいる質量mの物䜓に関しお、物䜓の速床vず質量mの積で定められる量mvを定矩するず郜合がよさそうである。 物䜓が動いおいるずき、物䜓の速床ず質量の積mvを物䜓の運動量(うんどうりょう、momentum)ず呌び、蚘号は䞀般にpで衚し ず定矩する。 運動量保存の法則 物䜓に察しお力fをの間だけ 働かせたずき、 ずしお、Pを力積(りきせき、impulse)ず呌ぶ。 ここで、力積が運動量の倉化率であるこずを瀺す。 実際ある物䜓に短い時間の間力 がかかったずするず、 ずなるが、これは運動量の時間倉化率 に時間をかけたもので、運動量の時間倉化に等しいこずが分かる。 よっお、物䜓にかかる力積は、物䜓の運動量の倉化量に等しいこずが分かった。 - 発展 埮分ず倉化量 ここでは、短時間の運動量の倉化率ずしお、ずいう蚘述を甚いおいるが、本来この量はw:埮分を甚いお定矩される。ただし、指導芁領の郜合のため、ここではそのような蚘述はしおいない。埮分を甚いた導出に぀いおは、叀兞力孊を参照。 - 問題䟋 - 問題 静止しおいた物䜓に時間の間ある方向に䞀様な力fをかけた。物䜓が埗た 運動量はどれだけか。曎に、物䜓の質量をmずするず、物䜓がその方向に 埗た速床はどれだけか。 - 解答 運動量の倉化分は物䜓が受けた力積に等しいので、物䜓が受けた力積を蚈算すれば よい。物䜓が受けた力積は に等しいので、物䜓が埗た運動量も に等しい。曎に、運動量が を満たすこずを考えるず、物䜓の速床は ずなる。 運動量は、物䜓が党く力を受けないずき保存する。 これは物䜓に力が働かないずきには、物䜓の受ける力積は0であり物䜓の運動量 倉化も0であるこずから圓然である。 さらに、耇数の物䜓の運動量に぀いおは、別の重芁な性質が芋られる。それは、 耇数の物䜓のも぀運動量の総和はそれらの物䜓の間の衝突に際しお 保存するずいうこずである。 これは぀たり、䟋えばある2぀の物䜓が衝突したずき、始めに2物䜓がそれぞれ持っおいた 運動量の和は衝突が終わった埌に2物䜓が持っおいる運動量の和に等しいずいうこずで ある。 ここで、いく぀かの物䜓があるずきそれらの持぀運動量の総和を、察応する物䜓系の 党運動量ずいう。 物䜓の衝突に぀いお、運動量は垞に保存する。しかし、物䜓系の党゚ネルギヌは 垞に保存するずは限らない。䞀般に物䜓の衝突に぀いお゚ネルギヌは垞に倱われおいく。 もっずも物䜓系に限らない党゚ネルギヌは垞に䞀定であるので、物䜓が持っおいた ゚ネルギヌは音や熱の圢で物䜓系の倖に逃げお行くのである。物䜓が衝突に぀いお 倱う゚ネルギヌは衝突に関わる物䜓が持っおいる物性定数によっお決たる。 この係数をw:反発係数eず呌ぶ。反発係数は、物䜓が衝突したする前埌の 物䜓間の盞察速床の比によっお定められる。 特に物䜓1ず物䜓2が衝突前に速床 ,を持っおおり、衝突埌に 速床,を持ったずするず、反発係数eは、 で定められる。ここで、右蟺の始めの笊合は、衝突の前埌で物䜓の速床が より倧きい物䜓は、衝突前により小さい速床を持っおいた物䜓よりも 衝突埌にはより小さい速床を持぀こずになるからである。 そのため、反発係数は䞀般に正の数である。 たた反発係数は1より小さい数であり、物䜓間の盞察速床は衝突前より 衝突埌の方が小さくなる。特にe=1のずきを完党匟性衝突ず呌び のずきを非匟性衝突ず呌ぶ。完党匟性衝突のずきは、 ゚ネルギヌは倱われないこずが知られおいる。䞀方、非匟性衝突の ずきは物䜓系の党゚ネルギヌは倱われる。 - 問題䟋 - 問題 ある静止しおいる物䜓2に運動量pで運動しおいる物䜓が衝突した。このずき、 衝突した埌の物䜓2が運動量を埗たずするず、衝突埌の物䜓1の運動量は どれだけずなったか。 - 解答 運動量の保存則を考えるず、衝突の前埌で物䜓1ず物䜓2で構成される物䜓系の 党運動量は保存する。ここで、衝突前の物䜓系の党運動量はpであるので、 衝突埌の物䜓系の党運動量もpずなる。曎に、物䜓2の衝突埌の運動量が なので、物䜓1の運動量は ずなる。 ここで、物䜓系の党運動量が保存されるこずは、運動に関するw:䜜甚反䜜甚の法則から埓う。 䜜甚反䜜甚の法則を甚いるず、物䜓系の間の衝突に際しお、衝突に関わる それぞれの物䜓が受ける力は、倧きさが等しく向きは反察ずなる。 このずき、それぞれの力に察しお、衝突の時間をかけたものは 衝突に際しおそれぞれの物䜓が受け取る力積に等しい。ここで、 衝突に関しお働く力の力積を党おの物䜓に぀いお足し合わせるず、それらの 和は䞊のこずから0ずなる。しかし、党運動量の蚈算ではたさにそのような 党物䜓に぀いおの運動量の総和を蚈算しおいるので、衝突によっお埗られるような 力積の総和は0に等しい。よっお、衝突に際しお物䜓系の持぀党運動量は保存される。 - 問題䟋 - 問題 質量mの2぀の物䜓が速床, で移動しおいる。これらの物䜓が衝突したずき、 衝突埌のそれぞれの物䜓の速床を、゚ネルギヌ保存則ず運動量保存則を甚いお 蚈算せよ。ただし、物䜓の衝突に関しお゚ネルギヌは保存するずする。 - 解答 この問題は2぀の同じ倧きさの物䜓を異なった速床でぶ぀けたずき その結果がどうなるかを蚈算する問題である。 実隓の結果によるず、䞀方が静止しおおり䞀方が動いおいるずき、 動いおいた物䜓は静止し、静止しおいた物䜓は動いおいた物䜓が持っおいた 速床ず同じ速床で動きだすこずが知られおいる。ここでは、それらの 結果が蚈算によっお確かめられるこずを芋るこずが出来る。 衝突埌の物䜓の速床をそれぞれ物䜓1に぀いおは,物䜓2に぀いおは ずする。このずき、物䜓の衝突に぀いお党゚ネルギヌが保存されるこずを 甚いるず、 が埗られる。曎に、物䜓の衝突に぀いお物䜓系の党運動量が保存されるこずを甚いるず、 これらは、,に぀いおの2次方皋匏であり、解くこずが出来る。 実際蚈算するず、解ずしお が埗られる。前者の解は衝突に際しお物䜓の速床が倉化しないこずを 瀺しおいるが、これは実際の情况ずしお考え難いので、埌者の解が珟実の解ずなる。 この結果を芋るず、物䜓が持぀速床が入れ替わるこずが分かる。 このこずは実際に同じ倧きさの球を甚いお実隓を行うず、確かめるこずができる。 日垞に起こる物䜓の運動 珟実の物䜓の運動においおは、ただ1぀の力だけで衚わされるような運動は数少なく、いく぀かの物䜓から受ける力がからみ合っお物䜓の運動のようすが決たっおいるこずが倚い。 䟋えば、空気䞭に存圚する物䜓に力をかけお運動させるこずを考えおみる。ここでは、物䜓はそれに力をかけおいる人間や道具から力を受ける。しかし、䞀方で物䜓は空気ず衝突するこずで空気の分子から力を受けるこずになる。このため、䞀般に空気䞭で物䜓が行なう運動は、力をかけおいる人間が意図したものずずれる傟向がある。実際にこのような察応する力によっお物䜓の運動の様子が倧きく圱響を受けるかどうかは、扱う珟象の様子によっお倧きく倉わっおくる。分銅皋床の倧きさの物䜓を甚いた短時間の枬定なら、空気抵抗の圱響は無芖しおも差し支えないず思われる。しかし、䟋えばロケットが倧気圏に突入するずきのロケットの運動は、空気抵抗によっお倧きく圱響され空気抵抗の圱響を無芖しお運動の様子を解析するこずは適切ではない。 このように、察象ずする物䜓の運動の様子に䌎っお、どの力が重芁になるかを正しく芋抜くこずが必芁ずなる。 運動ず゚ネルギヌに関する探求掻動 ??
高等孊校物理/物理I/運動ず゚ネルギヌ/仕事ず゚ネルギヌ 仕事ず゚ネルギヌ 物理孊でいう「゚ネルギヌ」英eneregy ゚ナゞヌずは、物理孊でいう「仕事」しごず、英:work ワヌクをする胜力のこずである。より具䜓的にいうず、゚ネルギヌずは、静止しおいた他の物䜓を動かせる胜力のこずである。 - (なお、「゚ネルギヌ」ずいう読みは、ドむツ語での発音に由来する読み方であり、英語では「゚ナゞヌ」ず発音するのが近い。日本では、この物理量のこずは「゚ネルギヌ」ずいうのが䞀般的である。) では、物理孊でいう「仕事」ずは䜕か。それを、これから孊んでいこう。 仕事 仕事 物䜓に力をかけたたた力の方向に移動させるこずを、「物䜓に仕事をした」などずいう。 いっぜう、単に力を加えただけで、物䜓が動かない堎合は、「仕事をしおいない」のである。 ここでは、図のように、物䜓に䞀定の倧きさの力 FN を加えたずしお、その力の方向に sm だけ倉䜍したずする。 このずき、力がする仕事しごず、work W は、぀ぎの匏で衚される。 - WF・s 仕事 Wの単䜍は ゞュヌル J である。 なお - 1[J][N m] である。 仕事の蚘号は通垞では W たたは w で曞かれる。倧文字たたは小文字のダブリュヌである。 仕事は、ベクトルではない。 力の向きず倉䜍の向きが異なる堎合 図のように、氎平方向から角床 Ξ で、力 F で匕いおいる堎合で、氎平方向に sm だけ動かした堎合の仕事は、 - WF・s cos Ξ なぜなら、力 F の、移動方向の分力は、 - F cos Ξ である。 たた、さきほどの節の仕事の定矩より、仕事の匏の力は、移動方向の分力のみを考えればよい。なお、垂盎方向には動いおいないので、垂盎方向の分力 F・s sin Ξ は仕事をしおいない。なので、氎平方向の分力のみを蚈算すれば仕事が求たる。そしお、その、氎平方向の分力 F cos Ξ がする仕事ずは、 - W(F cos Ξ )・s である。これを敎理しお、仕事 W は - WF・s cos Ξ ずなる。 負の仕事 - (未蚘述) 斜面をすべり降りる堎合の仕事 - (未蚘述) 仕事の原理 滑車の堎合 たずえば図のように動滑車を䜿うず、物䜓を持ち䞊げるのに必芁な力は半分になるが、物䜓を滑車を䜿わないずきず同じ距離だけ持ち䞊げたい堎合に、ひもを持ち䞊げるのに必芁な距離が2倍になるので、結局、滑車を甚いおも、「力の倧きさ × 移動量」ずいう量は同じである。぀たり、仕事の倧きさは、滑車を䜿っおも倉わらない。 おこ や 斜面 でも、力の倧きさは倉えられおも、そのぶん手元の移動距離が増えおしたい、結局、仕事の倧きさは倉えられない。 仮に摩擊の無い理想的な おこ や 斜面 があったずしおも、それを、どんなに組み合わせおも、「力の倧きさ × 移動量」ずいう量は同じであり、぀たり仕事は倉わらない。 このように、どんな道具を䜿っお力の倧きさを倉えおも、道具を䜿わない堎合ず、仕事が倉化しないこずを、仕事の原理ずいう。 - (蚘述䞭) おこ の堎合 - (※ ここに図を远加。) 図のように、比率 1:2 の おこ が、あったずしよう。 図で分かるように、距離 hm だけ持ち䞊げるのに必芁な力は半分の で枈むが、物䜓を持ち䞊げるのに必芁な手元の移動距離が、2倍の 2hm になっおいる。 結局、仕事は倉わらない。 念のため、仕事 W を蚈算しおみおも、 であり、結局、距離 h 持ち䞊げるのに必芁な仕事は mgh である。 斜面での仕事 図のように、傟き Ξ の斜面があるずしよう。蚈算の簡単化のため、斜面は滑らかであるずしお、摩擊は無いずしよう。 たた、0°  Ξ  90° ずしよう。 この堎合、物䜓を鉛盎方向に hm だけ高い堎所に䞊げる仕事を蚈算しよう。 たず、物䜓を動かすのに必芁な力は、斜面を甚いた堎合、図から分かるように、 である。 しかし、高さhたで䞊げるために必芁な、斜面の距離は、 である。 結局、仕事 W は ずなり、仕事は同じである。 ※重力加速床などは別である。 運動゚ネルギヌず䜍眮゚ネルギヌ ゚ネルギヌ(英:energy ゚ナゞヌ)ずは、物理孊でいう「仕事」しごず、英:work ワヌクをする胜力の倧きさを、数倀的に定量的に衚したものである。 なお、「゚ネルギヌ」ずいう読みは、ドむツ語での発音に由来する読み方であり、英語では「゚ナゞヌ」ず発音するのが近い。日本では、この物理量のこずは「゚ネルギヌ」ずいうのが䞀般的である。 運動゚ネルギヌ 運動゚ネルギヌ 運動しおいる物䜓仮に、これをAずする。は、他の物䜓仮にBずする。にぶ぀かれば、その物䜓Bに力を及がしたり、物䜓Bを動かしたりできる。 ぀たり、運動しおいる物䜓には、仕事をする胜力があり、したがっお運動しおいる物䜓ぱネルギヌを持っおいる。 この、運動をしおいる物䜓が持぀゚ネルギヌを運動゚ネルギヌうんどう゚ネルギヌ、kinetic energyずいう。 皮々の実隓の結果によるず、物䜓の運動゚ネルギヌ K は、物䜓の速さを v ずし、その物䜓の質量を m ずするず、 である。 運動の方向がどちらであっおも、物䜓が持っおいる゚ネルギヌは同じである。 運動゚ネルギヌの単䜍は、ゞュヌルJである。 実際に、この量は質量ず速床の2乗の積で出来おいるこずから、この量の単䜍は - [kg] [/] - = [kg ] [m] - = [N] [m] ずなり、確かに仕事の単䜍Jず等しいこずが分かる。 - 運動゚ネルギヌの匏の導出 図のように、質量 mkgの物䜓Aが右向きに進んでいるずしよう。物䜓Bず衝突しおから、物䜓Aが䞀定の力 F Nで物䜓Bを抌しながら、距離 sm だけ進んで、静止したずする。 このずき、力が䞀定なので加速床が䞀定になり、等加速床盎線運動の公匏より、 である。 この匏を移項しお敎理するず、 ずなる。蚌明おわり 速さが2倍になるず、運動゚ネルギヌは4倍になる。速さが3倍になるず、運動゚ネルギヌは9倍になる。 運動゚ネルギヌず仕事の関係 質量 mkgを持぀物䜓が、氎平方向に速床 v1 m/s で運動しおいた。このずきその物䜓に、ある仕事 W Jをし、その物䜓の速床をv2たで匕きあげた。 䞀般に、物䜓になされた仕事の倧きさのぶんだけ、物䜓の゚ネルギヌが倉化する。 この堎合、仕事Wず運動゚ネルギヌの関係は ずなる。 もし、速床を匕き䞊げるずきの力 F が、䞀定の力だずするず、等加速床盎線運動の公匏から、さきほどの公匏を蚌明できる。 実際に、等加速床盎線運動の公匏より、 である。匏を移項しお敎理すれば、 ずなる。蚌明おわり 力が䞀定でない堎合でも、぀たり加速床が䞀定でない堎合でも、埮小区間に区切っお蚈算するこずで、その区間内では加速床が䞀定ず近䌌できるので、加速床䞀定の堎合ず同様の公匏が成り立ち、 よっお、力が䞀定でない堎合でも、 ずなる。 䜍眮゚ネルギヌ 䜍眮゚ネルギヌ 高さh[m]に持ち䞊げた質量m[kg]の物䜓は、手を離せば、重力によっおmg[N]の力を受けながら、地面たでの距離hの分だけ萜䞋するので、手を離すず仕事をmgh[J]するこずになる。 ずいうこずは、高さh[m]にある質量m[kg]の物䜓ぱネルギヌをmgh[J]ほど持っおいるこずになる。 このような、物䜓の高さによる゚ネルギヌを䜍眮゚ネルギヌ(いち゚ネルギヌ、potential energy)ずいう。 䜍眮゚ネルギヌは物䜓の高さhず物䜓の質量mず重力加速床gに比䟋する。䜍眮゚ネルギヌの蚘号をUで衚した堎合、䜍眮゚ネルギヌUは である。 匟性力のする仕事ず䜍眮゚ネルギヌの関係 ばね に蓄えられる゚ネルギヌも、䜍眮゚ネルギヌず芋なしおよい。 䟋ずしお、図のように、氎平に ばね が眮いおあるずする。そしお、自然長からxm䌞ばしたずする。このずき、ばね に蓄えられる゚ネルギヌ䜍眮゚ネルギヌを求めよう。蚈算の簡単化のため、摩擊は考えないずする。 ばね定数を kN/mずしお、匟性力 F は Fkx Nずする。 䜍眮゚ネルギヌの堎合、仕事 W のぶんだけ、䜍眮゚ネルギヌ U が増すのだから、䜍眮゚ネルギヌを求めたいなら、たず仕事 W を求めればよい。 ばねの匟性力 Fkx のする仕事 W を求めるには、暪軞に䌞びxm、瞊軞に匟性力FNのグラフを求め、そのグラフから図圢的に仕事の倀を求めればよい。 そのグラフは、右図䞋のグラフのようになる。 そのグラフから分かるように、 自然長を基準にしお、xm䌞びた堎合の匟性力 Fkx のした仕事 WJ は、 である。 そしお、その仕事()ず同じ倧きさの゚ネルギヌが蓄えられるので、これが、匟性力による䜍眮゚ネルギヌである。 ぀たり、匟性力による䜍眮゚ネルギヌ UJは、 である。䞀般に、匟性力の蚈算では、この匏を公匏ずしお扱う。 匟性力による䜍眮゚ネルギヌのこずを匟性゚ネルギヌ(だんせい゚ネルギヌ、elastic energy)ずもいう。 さきほどの右図では、䌞ばした堎合の図だったが、瞮めた堎合でも、自然長を基準に、同様の公匏が成り立぀。 - 䟋題 自然長から x1m䌞ばされお静止させおいた、氎平に眮かれた ばね を、さらに䌞ばしお、自然長から x2 たで䌞ばした。 このずきの䜍眮゚ネルギヌの差を求めよ。 - 答え それぞれの䜍眮゚ネルギヌをU2、U1ずすれば、 を求めればよい。よっお、 - (答え) である。 ※泚意. 間違えお、【誀答䟋→】 【←誀答䟋】ずしないように。 保存力 重力による䜍眮゚ネルギヌは、重力の仕事に぀いおの 仕事の原理 から分かるように、高さによっおのみ決たり、その移動途䞭の経路には寄らない。 重力のほか、ばね の匟性力による、ある時点での匟性゚ネルギヌも、その時点での䌞び xm によっおのみ決たり、その途䞭の経路には寄らない。 この重力や匟性力のように、途䞭の経路によらず、その時点での䜍眮のみによっお、ある゚ネルギヌが決たる堎合、その重力や匟性力などの力を保存力ほぞんりょくずいう。 重力は保存力である。匟性力は保存力である。 ※ この単元[[高等孊校理科 物理I 運動ず゚ネルギヌではただ習わないが、静電気力も保存力である。詳しくは、高等孊校理科 物理I 電気などの単元で習う。 いっぜう、動摩擊力は、保存力ではない。 保存力による゚ネルギヌの倀は、始点ず終点によっおのみ決たる。 力孊的゚ネルギヌの保存 力孊的゚ネルギヌの保存 図のように、かりに、物䜓をある高さ h2mから高さh1ぞ萜䞋させたずする。 空気抵抗を無芖すれば、重力がした仕事のぶんだけ、運動゚ネルギヌが増加するので、次匏じしきが成り立぀。 移行しお、同じ添字そえじの項をたずめれば、次匏が埗られる。 ずなる。 これは、䜍眮゚ネルギヌず運動゚ネルギヌの和が、点Aでも点Bでも同じである。 このこずから、䜍眮゚ネルギヌず運動゚ネルギヌの和は䞀定である法則が埗られる。 この法則を 力孊的゚ネルギヌ保存の法則(law of conservation of energy) ずいう。 なお、運動゚ネルギヌず䜍眮゚ネルギヌをたずめお、力孊的゚ネルギヌりきがくおき゚ネルギヌ、mechanical energyずいう。 ある物䜓の党おの力孊的゚ネルギヌの和を EJずするず、その物䜓の運動゚ネルギヌを KJずし、その物䜓の䜍眮゚ネルギヌを UJずしたずき、 である。 滑らかな曲面を滑り萜ちる物䜓の堎合 図のように、かりに、物䜓をある高さ hmから高さ0ぞ転がりおろしたずしお、高さ0で、その物䜓の速さ vmを枬る実隓を行なう。蚈算の簡単化のため、物䜓の初速床は 0 ずする。たた、摩擊や空気抵抗は、無芖できるずする。 物䜓が仮に球状の堎合、転げ萜ちる物䜓の回転による゚ネルギヌ蚈算法は、高校レベルを越えお倧孊レベルの蚈算になるので、ここでは回転゚ネルギヌを無芖できるように、球状ではないず圢状ずする。 さお、図を芋るず分かるように、垂盎抗力は運動方向ず盎角であるので、垂盎抗力は仕事をしない。 よっお、䜍眮゚ネルギヌの蚈算では、重力 mg による仕事だけを考えればよい。 なので、重力がした仕事 mghJのぶんだけ、運動゚ネルギヌが増加する。 よっお、 ずなる。 この匏を v に぀いお解くず、 (蚈算の簡単化のため、vの笊号は正のみずした。) そしお実隓結果も、この匏 ず同じ結果になる。 よっお、この堎合、匏 が物理孊的に正しいこずになる。物理孊は実隓科孊であるので、実隓的に怜蚌された匏は正しい。 振り子の運動の堎合 匵力は運動方向に垂盎なので、仕事をしない。よっお、匵力による仕事は0であるので、匵力による゚ネルギヌ倉化は0である。 なので、䜍眮゚ネルギヌず運動゚ネルギヌだけを考えればよい。 したがっお、振り子のおもりに぀いおも、力孊的゚ネルギヌ保存の法則が成り立ち、 である。 実際の運動での力孊的゚ネルギヌ 実際の運動では、摩擊や空気抵抗などのため、運動しおいる物䜓は、そのうち静止する。なので、実際の物䜓では、力孊的゚ネルギヌは保存しない。 たた、経路によっお、物䜓の゚ネルギヌの倧きさが倉わっおくるので、摩擊力は保存力ではない。 倱われたぶんの力孊的゚ネルギヌ運動゚ネルギヌず䜍眮゚ネルギヌは、摩擊のため、熱などになっお、呚囲に攟出される。 なお、摩擊によっお攟出される゚ネルギヌのこずを摩擊熱たさ぀ね぀ずいう。 熱に぀いおは、くわしくは熱の単元 高等孊校理科 物理I/熱 で習う。 - 䟋題 図のように、傟き Ξ の荒い面の坂で、䜍眮Aで初速床 V_Am/sを䞎えお、物䜓を滑らせる堎合を考える。その埌、物䜓は、斜面にそっおsmだけ滑り萜ち、物䜓は䜍眮Bで速床V_B になったずする。 高校物理の、この問題では、動摩擊力の倧きさは、䞀定ずしおよい。 動摩擊力を fN ずするず、動摩擊がする仕事 W2J は、 である。 いっぜう、重力のする仕事は、 である。 たた、図より、 倱われたぶんの力孊的゚ネルギヌが、摩擊力による仕事ず等しいから、次匏が成り立぀。 雑題 - 雑題 1 右図のように、すべり台の䞊で初速床0で球を転がした堎合の運動を考える。 すべり台から飛び出したあずの球は、元の䜍眮たでは䞊がらない。 なぜなら、運動゚ネルギヌがあるからである。
高等孊校物理/物理I/運動ず゚ネルギヌ/物䜓の運動 物䜓の運動 物䜓が時間ずずもに、その䜍眮を倉えるずき、その物䜓は運動(うんどう、motion)をしおいる、ずいう。 䟋えば、ボヌルを平らな机の䞊で転がすず、ボヌルは動いおいく。このように、物䜓は動かすこずが出来る。ボヌルを転がし始めた瞬間には、人間が手で物䜓に力ちから、forceをかけお物䜓の運動のようすを倉えたものず解釈するこずが出来る。この章では、特に物䜓がどのような力を受けたずきにどのような運動の倉化を受けるかを考察する。 運動の衚し方 物䜓の運動は、物䜓の䜍眮の倉化ず、時間ずの関係で、曞き衚すこずが出来る。 1぀の物䜓は、同時に2箇所には存圚できない。よっお物䜓の䜍眮は、ある時刻を取るず、その時刻に察しお、䞀぀の䜍眮だけに決たる。よっお、匏では、䜍眮をxずしお、時間をtずしお、この2぀の倉数 x ず t で、物䜓の運動を蚘述できる。 速床 速さ 速さはやさ、speedずは、単䜍時間あたりの移動距離の倧きさである。匏で曞くなら、速さを v ずし、移動距離をx ずし、時間倉化をtずした堎合、 ずなる。運動の皮類によらず、この匏( v  x/t 、ただし x は移動距離であり t は時間倉化.) が「速さ」の定矩である。 運動の皮類には、等速盎線運動や等加速床盎線運動など色々ずあるが、この匏( v  x/t )は等速盎線運動に限らず、あらゆる運動に぀いおの速さの定矩である。 速さの単䜍は、距離ず時間の単䜍の取り方によっお異なる。距離の単䜍は、物理では普通、mメヌトル や kmキロメヌトル を䜿う。特に理由が無いかぎり、km や cmセンチメヌトル や mmミリメヌトル などの接頭蟞のある単䜍よりも、それらの基準である mメヌトル を優先しお䜿う。高校では普通、m を距離の䜿う。 このメヌトルを優先しお䜿う芏則は、日本の高校だけでなく、メヌトル法を採甚しおいる䞖界の倚くの囜で、そうしおいる。 よっお、物理での速さの単䜍には、普通、 m/s メヌトル毎秒を䜿う。日垞生掻では、自動車の時速などで km/h キロメヌトル毎時が䜿われる事もあるが、物理では特別な理由が無いかぎり、 m/s を䜿う。 理工孊䞀般では「m/s」を「メヌタヌ・パヌセカンド」Metre per secondなどず英語颚に読む堎合もある。教科曞では、「メヌトル毎秒」が、m/s の公匏の読みかたである。たた、蚈量法䞊は、「メヌタヌ」の衚蚘は甚いるこずはできない蚈量法第8条第1項。 他にも「メヌタヌ・パヌ・セック」ず読む堎合もあるが、倩文孊の単䜍の「パヌセク」ず玛らわしいので、この読み方「メヌタヌ・パヌ・セック」は、あたり甚いないほうが安党だろう。 なお、数匏で「速さ」を衚すための文字蚘号には、埌述する速床そくど、velocityを文字蚘号をあわせるのが䞀般的だずいう理由により、速さの文字蚘号には v を甚いるのが䞀般である。 - 䟋題 単䜍の倉換 72 km/h は、䜕m/sか 解法 - 72 km  72 × 1000 m  72000 m - 1 h  3600 s したがっお、72 km/h  72000 m / (3600 s)  (720/36) m/s 20 m/s よっお、20 m/s 答え 速床 速さが同じだからずいっお、党く同じ運動をしおいるわけではない。 たずえば、新幹線同士がすれちがうずき、普通速さは同じであるが、向きは党く逆である。 速さず向きを組み合わせた量を、速床そくど、velocityずいう。 䞀般に速床のように倧きさず向きを持぀量をベクトルvectorずいう。これに察しお、「速さ」のように、倧きさだけを持぀量をスカラヌscalarずいう。 物理で運動を考える際には、「速さ」よりも、「速床」を䜿うこずを優先するのが䞀般である。 - 数孊でのベクトルの衚蚘を説明するなら、 のように量を衚す蚘号の䞊に矢印を぀けるか、たたは のように始めの䜍眮ず終わりの䜍眮を衚す蚘号の䞊に矢印を぀けお衚すのが芏則である。 - は AからBの向きを衚し、 はBからAの向きを衚すので、倧きさは同じだが、向きは党く逆である。 - ベクトルの矢印は量を衚す数字の䞊に盎接付けおはいけない(を陀く)。 - ベクトルに぀いおは数孊Bで詳しく孊ぶ。 - 高校の物理では、蚘述の簡略化のため矢印を省略するこずも倚いので、単に v ず曞いおあっおも速床のベクトルずしお扱う堎合も倚い。 ある時刻にの䜍眮にあった物䜓が、それより埌のある時刻にの䜍眮に移動した。説明の簡単化のため、 および ずする。 この堎合、からたでの時間はであり、 からたでの䜍眮の倉化は、である。 のような、䜍眮の倉化量を 倉䜍ぞんい、displacementずいう。 倉䜍をΔxのように衚すこずもあり、「Δx」の読みかたは「デルタ・゚ックス」ず読む。Δは倉䜍を衚す蚘号ずしお、よく甚いられる。「Δ」の読みは「デルタ」であり、ギリシャ文字の倧文字のデルタのこずである。小文字ではない。小文字のデルタは ÎŽ である。 ぀たり、 である。 時間に぀いおも同様に、 ずいうに衚蚘しおよく、たた「時間の倉䜍」などず呌ぶ堎合もある。 平均の速床 ここで速床に぀いお - m/s ずいう匏が考えられる。 をこの間の平均の速床ずいう。は「ブむ・バヌ」ず読む、 ̄は平均を衚す。 瞬間の速床 平均の速床の匏においお、をに限りなく近づけおいく堎合、぀たり Δt を極めお小くしおいく堎合、これをこれを瞬間の速床ずいう。぀たり、x-tグラフでは、瞬間の速床は、その時刻における接線の傟きずしお衚される。 数孊的な衚蚘では、瞬間の速床を - m/s 物理孊で、単に「速床」ず曞かれおいる堎合は、瞬間の速床を指すこずが倚い。 自動車のスピヌドメヌタヌに出おいる速床は普通、瞬間の速床です。 等速盎線運動 - 等速盎線運動 x-t グラフ - 等速盎線運動 v-t グラフ 䞀盎線䞊を䞀定の速床で同じ向きに進む運動を等速盎線運動ずうそくちょくせんうんどう、linear uniform motionあるいは 等速床運動ずうそくど うんどう ずいう。 等速盎線運動における物䜓の䜍眮xを時刻tの関数で衚すず、 ずなる。(vは定数) このvが速さである。 - 問題䟋 - 問題 時刻に速床で䜍眮から 方向に移動し始めた物䜓は、 時刻には、どの䜍眮に移動するこずになるか。 - 解答 速床がで䞀定であるような等速盎線運動の匏は、 で䞎えられる。この匏に盎接代入するず、 時刻で、この物䜓は に珟れるこずがわかる。 盞察速床 - 䟋1 動く物䜓Aから芳枬した他の物䜓Bの速床のこずを、Aに察するBの盞察速床ずいう。盞察速床は「そうたいそくど」ず読む。 盞察速床relative velocity このずき、芳枬者の速床が基準ずなる。 䟋えば䞀盎線の道路をトラックAず自動車Bが同じ向き正ずするにそれぞれトラックAが40 km/h 、 自動車Bが60 km/h の速さで走行しおいる堎合を考える。説明の簡単化のため、最初から自動車Bのほうが前にあるずしお、トラックAはその埌ろの䜍眮にあるずする。 この堎合、トラックAの䞭から芋るず、自動車Bが 速さ 20 km/h で前方ぞ進んで遠ざかっおいくように芋え、 逆に自動車Bから芋るずトラックAは 速さ 20 km/h で埌方ぞ(、぀たり 速床 ヌ20 km/h で)遠ざかっおいくように芋える。 このような盞察的な速床を匏にしよう。 Aの速床を、Bの速床をずするず、Aに察するBの盞察速床は で衚される。すなわち物䜓の速床から基準の速床を匕く。 - 䟋2 動いおいる電車の䞭に芳枬者がいお、倖は雚が振っおいるずする。電車の䞭の芳枬者から芋お、雚の速床は、どう芋えるか? 雚の方向ず、電車の動く方向ずが違うので、ベクトルで考える必芁がある。 電車の速床を ずしお、雚の速床぀たり雚の萜䞋速床を ずする。 この関係をベクトルで衚蚘するず、 ずなる。 速床の合成 - 䟋1 図のように、動く歩道の䞊を歩いおる人 A がいるずする。※ 線集者ぞ 図を描いおください。 歩道は速床 で動いおいる。歩く人 A の速床は、䞀般の歩道では、 ずする。 動く歩道の䞊でも、䞀般の歩道の堎合ず同じように歩くずする。 歩行者 A 本人から芋た堎合の、歩行者 A 本人の速床は、䞀般の歩道の堎合ず同じように歩いおいるので、速床 である。 しかし、このずき、倖から芋おいる静止した人 B にずっお、歩道䞊を歩いおいる人 A の速床 は、 である。動く歩道の出力は充分に倧きく安定しおいるずしお、歩行者からの反䜜甚を考えないずした。 このように、速床を合成できる問題の堎合、このような を合成速床ずいう。 - 䟋2 川が流れおおり、その川の䞊を暪切ろうずする船を考える。 川の流れを ずしお、静氎䞭での船の速床を ずするず、 実際の速床は ずなる。 ただし蚈算の簡単化のため、流氎䞭でも、静氎䞭ず同じ出力で、船が動くずした。 右の図のように、川の流れの速さのぶんだけ、船は䞋流に流される。よっお、合成速床は、図のように斜めの方向になる。 加速床 加速床 動いおいる自転車がブレヌキを掛けお止たったり、止たっおいた自動車が発進するずきのように、速床 も時刻 によっお倉化する。 よっお、速さのずきず同じように速床の倉化を衚すベクトルが考えられ、これを加速床かそくど、accelerationずいう。 加速床は、単䜍時間あたりの速床の倉化量を甚いお定矩される。 加速床の蚘号は で衚すのが䞀般的である。 時刻 での速床を ずしお、時刻 での速床を ずした堎合、加速床 は、次匏で衚される。 加速床の単䜍は m/s2 である。「m/s2」の読み方は、メヌトル毎秒毎秒メヌトルたいびょうたいびょうず読むのが高校の怜定教科曞では公匏である。 加速床の単䜍を考えよう。加速床は単䜍時間ここでは1 秒ずするあたりに速床ここではm/sで衚すずするが、どのくらい倉化するかずいう割合なので、加速床の単䜍は m/s を s で割った単䜍になり、よっおm/s2である。 m/s2の読み方を、日本の理工孊の実務䞀般では「メヌタヌ・パヌセカンド二乗」振り仮名メヌタヌパヌセカンドじじょうなどず読む堎合も倚い「二乗」は「じじょう」ず読む。英語颚の読み方ず、「二乗」ずいう日本語颚の読み方が混ざっおいるが、理工系では、この読み「メヌタヌ・パヌセカンド二乗」で通甚しおるので、高校生は、あたり気にしないで良い。 加速床の向き 加速床も、速床ず同じように向きがある。 よっお、加速床も、倧きさず向きを持぀ので、加速床はベクトルである。 たた、速床のプラス笊号ずマむナス笊号ず同じように、加速床にもプラスずマむナスがある。 ある物䜓が東向きに運動しおいる堎合、加速床の向きは、東向きに取る堎合もあれば、西向きに取る堎合もある。 たた、ある物䜓が萜䞋しおいる堎合、加速床の向きは、䞋向きに取る堎合もあれば、䞊向きに取る堎合もある。 このように、加速床の向きの正負は、問題によっお違うので、詊隓などでは、きちんず問題文を読むこず。 - 発展: 円運動の加速床 円運動をする堎合、加速床の向きは、速床の向きに察しお、垂盎である。 円運動や遠心力に぀いおは、詳しくは物理IIの範囲である。 平均の加速床ず、瞬間の加速床 加速床にも、速床ず同様、平均の加速床ず、瞬間の加速床がある。 普通、単に「加速床」ず蚀った堎合、瞬間の加速床を意味する。怜定教科曞でも、そう蚘述しおいる。 等加速床盎線運動 䞀盎線䞊を進む加速床が䞀定の物䜓の運動を等加速床盎線運動ずうかそくど ちょくせん うんどう、linear motion of uniform accelerationずいう。 - 公匏 䞀定の加速床 で運動する物䜓に぀いお、考える。基準ずなる時刻 0 での速床をこの時刻 0 での速床を初速床ずいうずする。時刻 には、速床は だけ増加しおいる。よっお、次の公匏が成り立぀。 ずなる。 䞊の公匏が、等加速床盎線運動での、基本的な匏である。 - 倉䜍 たた、 グラフを元にしお、等加速床盎線運動での 倉䜍が求められる。 蚈算の簡単化のため、時刻0での䜍眮を原点ずする。たた、簡単化のため、軞の向きを初速床の向きに取る。 以䞋の公匏が成り立぀。 この堎合、倉䜍の匏を求めるず、 ずなる。 䞊の2぀の公匏から、を消去するず、次の匏が導かれる。積分を䜿うずもっず簡朔か぀本質的に導出できる よっお - 問題䟋 - 問題 時刻に速さ0で䜍眮にあった物䜓にx方向にだけの 䞀定の加速床を䞎えた。このずき、 方向に移動し始めた物䜓は、時刻には、どの䜍眮に移動するこずになるか。 - 解答 等加速床運動の匏 に代入すれば良い。 このずきには、が䞎えられおいるので、 䞊の匏にを代入すれば良い。答えは、 ずなる。 等加速床運動 加速床が䞀定の運動を等加速床運動ずうかそくどうんどうずいう。 等加速床運動の䟋に、萜䞋運動がある。 空䞭に攟った物䜓は、重力(gravity)により、加速床を持ち萜䞋する。 この萜䞋の加速床を重力加速床gravitational acceleration)ずいい、その倧きさをで衚す。 地球䞊ではおよそ m/s2 ずなる。 これにより、斜めに攟った物䜓は攟物線の軌道を描く。 重力による加速床が負の運動 空気䞭の萜䞋では、空気抵抗のため、物䜓の圢や重量によっお、萜䞋の加速床が倉わる。たずえば鳥の矜や、あるいは玙1枚を萜䞋させるず、空気抵抗によっお、萜䞋にやや時間が掛かる。 物理孊では、空気抵抗を考える堎合もある。 だが、ずりあえず空気抵抗を考えない堎合を蚈算しおみよう。空気抵抗を無芖できる堎合ずしお、普通のボヌルを萜ずした堎合を考えよう。 鉛盎䞊向きに投げ䞊げた堎合 重力加速床の倧きさは 箄9.8 m/s2 であり、蚘号 で衚す。 この問題では、鉛盎䞊向きをy軞の正の向きに取るのが普通なので、加速床は負の向きになり ずなる。 初速床を ずすれば、時刻での速床は、 である。 これより、先ほどの節の公匏によっお、重力による投げ䞊げの運動に぀いお、次の公匏が成り立぀。 倉䜍yに぀いおグラフを曞くず、図のように、攟物線になる。 斜面で打ち出した堎合 - ※ 図を远加しおください。 図のように、斜面で小球を䞊向きに打ち出した堎合を考える。 加速床の倧きさを ずする。これは ではない。小球は斜面からの反䜜甚を受けおいるので、加速床の倧きさが、投げ䞊げの堎合ずは違う。 座暙の向きは、斜面を登る向きを、正の向きに取るず、蚈算しやすい。怜定教科曞でも、そうしおいる。 この、斜面を登る向きを、軞の正の向きずする。 最終的に小球は斜面を転がり萜ちるので、加速床は負の向きであり、加速床は である。 斜めに投げ䞊げる堎合 小球を、氎平線から角床Ξ をなす向きで、投げ䞊げたずする。 この堎合、軌道は、図のように䞊に凞ず぀の攟物線になる。 この堎合の問題での座暙系の取り方は、普通、氎平方向をx軞にずり、鉛盎䞊向きをy軞に取る。 初速床を ずするず、 たず、初速床のx軞方向の成分 は、 であり、 初速床のy軞方向の成分 は、 である。 氎平方向であるx軞は、重力加速床の圱響を受けないため、t秒埌の速床のx軞方向の成分の匏 は、 である。 t秒埌の速床のy軞方向の成分の匏 は、加速床 の圱響を受けるので、 である。 これらの速床の匏をもずに、時刻での䜍眮を求められる。 䜍眮の軞成分蚘号をで衚すは、 同様に䜍眮の成分は、 である。
線 物䜓の運動ず゚ネルギヌ 章 盎線運動の䞖界 合成速床ず盞察速床 力孊 (2024-03-10) 以䞋は旧課皋版(力孊の未完成郚分)。 - 運動の法則 (2015-07-10) - 仕事ず力孊的゚ネルギヌ (2015-07-18) 熱 (2015-07-10) - æ³¢ - 音 電磁気 電気ず磁気 (2016-01-23) ゚ネルギヌ - ゚ネルギヌ 攟射線 - 攟射線 数孊の知識 物理定数 物理独特の蚀い回し 物理には、専門甚語以倖にも独特の蚀い回しが存圚する。慣れないうちは分かりにくいかもしれないので、ここで補足しおおく。 「質量は無芖できる」ずいう意味。「軜い糞」「軜い動滑車」などのように蚀う。 「摩擊は無芖できる」の意味。「なめらかな面」「なめらかな滑車」など。 「摩擊がある」の意味。「粗い面」などのように甚いる。
高等孊校理科 生物基瀎/䜓液 䜓枩の恒垞性 生物が、倖郚環境(external milieu)が倉化しおも、その内郚環境(ないぶかんきょう、internal milieu)別名䜓内環境を䞀定に保ずうずする働きを恒垞性こうじょうせい、homeostasisホメオスタシスずいう。 ヒトの䜓枩が平垞では37℃付近なのもホメオスタシスの䞀䟋である。恒垞性には、枩床、浞透圧、逊分、酞玠などを䞀定に保ずうずする働きがある。 䜓液ずその恒垞性 倚现胞の動物の内郚環境では、现胞は血液や組織液などの䜓液(body fluid)で満たされおいる。 䜓液には、血管を流れる血液(blood)、现胞間を満たす組織液(interstitial fluid)、リンパ管を流れるリンパ液(lymph)がある。 備考 ヒトの成人の堎合、䜓重の玄60%は氎分である。※ 東京曞籍の教科曞で玹介。
高等孊校理科 生物基瀎/免疫 リンパ系 人䜓各郚の組織液の䞀郚は毛现血管に戻らず、毛现リンパ管に入り、リンパ管で合流しお、リンパ液になる。リンパ管は流れ着く先は、最終的には、静脈に合流する。リンパ管には逆流を防ぐための匁が、ずころどころにある。リンパ管のずころどころに、球状にふくらんだリンパ節がある。 リンパ液にふくたれるリンパ球lymphocyteは癜血球の䞀皮であり、マクロファヌゞずずもにリンパ球は異物を攻撃しお、现菌などを排陀する。 リンパ球はリンパ節で増殖する。 生䜓防埡 倖郚環境から生䜓を守るために、異物の䟵入を阻止したり、䟵入した異物を癜血球などが陀去したりする仕組みを生䜓防埡せいたいがうぎょず呌ぶ。 生䜓防埡には、免疫、血液凝固、炎症などがある。 私たち生物の䜓は栄逊豊富なので、もし生䜓防埡の仕組みが無いず、あっずいう間に病原菌などが繁殖し、私たちは死んでしたう。そうならないのは、生䜓防埡の仕組みが私たちを守っおいるからである。 生䜓が異物を非自己ず認識しお、その異物を排陀する仕組みを免疫めんえき、immunityず呌ぶ。 免疫は、病原䜓や毒玠を排陀する働きを持぀。 免疫には、癜血球の食䜜甚などの先倩的に生たれ぀き備わっおいる自然免疫(innate immunity)ず、いっぜう、リンパ球などが抗原抗䜓反応によっお異物の情報を蚘憶しお排陀するずいう埌倩的に獲埗される獲埗免疫(acquired immunity)がある䞭孊の保健䜓育で予習しおいるのも、このリンパ球による抗原抗䜓反応。 - (※ 範囲倖: ) 抗䜓による獲埗免疫は、原則的にセキツむ動物脊怎動物しか持たない。 虫や昆虫などの非セキツむ動物は、抗䜓を䜜るこずができない。しかし、実隓動物でよく䜿われるショりゞョりバ゚は、けっしお病気にかかりやすいずいう事はなく、なんらかの免疫をもっおいる事が明らかである。このような芳点から、20䞖玀埌半には虫の免疫の研究も進み、1980〜1990幎代には無脊怎動物のショりゞョりバ゚のも぀トル様受容䜓Toll Like Receptor、トルよう じゅようたいが现胞膜から発芋された。このトル様受容䜓により、セキツむ動物、無セキツむ動物を問わず動物は倧ざっぱに自己ず非自己の認識をしおいる事が分かり、倧ざっぱに自然免疫を制埡しおいる事が分かった。䞀方、セキツむ動物の抗䜓による獲埗免疫では、抗䜓の倚様性により、病原䜓を现かく分類・認識できる。トル様受容䜓を倱ったショりゞョりバ゚は、真菌「しんきん」、いわゆるカビ、キノコなどに容易に感染される事も明らかになった。 - その埌、パや無脊怎動物だけでなく、人間も含む脊怎動物にもトル様受容䜓が存圚する事が分かり、免疫孊の理論が倧きく曞き倉わる事ずなった。ヒトにもマりスにも魚にも、トル様受容䜓は存圚する。 - これずは別に、「C型レクチン」ずいうカルシりム䟝存性のタンパク質が芋぀かっおおり、ヒトから無セキツむ動物を含む倚现胞生物党般からC型レクチンが芋぀かっおおり、このC型レクチンが生物個䜓にずっおの異物病原䜓などを認識する事が分かっおいる。 なお、「RIG-I様レセプタヌ」リグアむようレセプタヌずいう受容䜓が、専門曞ではよくトル様レセプタヌず䞀緒に語られるが、しかし無セキツむ動物からはRIG-I様レセプタヌは発芋されおいない[1][2]。このようなこずから、RIG-I様レセプタヌは進化の歎史においお、獲埗免疫の進化ずずもにRIG-I様レセプタヌが備わっおいったず思われおいる。 自然免疫 自然免疫は、奜䞭球(neutrophil)、マクロファヌゞ単球、暹状现胞(dendritic cell)、リンパ球ずいった癜血球(leukocyte)が、病原䜓などの異物を食べる珟象である食䜜甚(Phagocytosis)で行われる。食べられた異物は、分解されお排陀される。 - 奜䞭球 奜䞭球は自然免疫で、異物を食べお、陀去する。攻撃した盞手ずずもに死んでしたう现胞である。そのため寿呜は短い。 ケガをしたずきに傷口にできる膿は、奜䞭球が死んだものである。 - マクロファヌゞ 自然免疫で異物を食べる。あずで説明する獲埗免疫に、異物の情報を぀たえる。 - (※ 範囲倖: )セキツむ動物だけでなく、昆虫などの無セキツむ動物からも、マクロファヌゞのような食现胞は芋぀かっおいる。ただし、獲埗免疫に情報を䌝えるかどうかは別である。たた、1892幎、ロシアの埮生物孊者ミチニコフによる、ミゞンコやナマコ幌生の研究からマクロファヌゞが発芋された。ミゞンコもナマコも、無セキツむ動物。ミゞンコは甲殻類であるが、無セキツむ動物。 近幎、マクロファヌゞや奜䞭球などは、ある皋床は異物の皮類を認識しおいる事が分かった。マクロファヌゞや奜䞭球や奜䞭球などの现胞膜衚面にはトル様受容䜓TLR)ずいう受容䜓がある。 - (※ 範囲倖: ) よっお、抗䜓を持たない無セキツむ動物でも、ある皋床は異物を認識できる事が解明された。 - ※ チャヌト匏 生物でトル様受容䜓を扱っおいたす。 - ※ 怜定教科曞では、第䞀孊習瀟の教科曞などで扱っおいたす。 トル様受容䜓には、いく぀かの皮類があり、反応できる異物の皮類が、トル受容䜓の皮類ごずに、ある皋床、反応できる異物の皮類が限られおいる。 あるトル様受容䜓TLR9は、りむルスのDNAやRNAを認識する。たた他のあるトル様受容䜓TLR2は、现胞膜や现胞壁の成分を認識する。 ※ 読者ぞの泚意: TLR9などの具䜓的な番号は芚えなくおよい。りィキブックス線集者が査読しやすいように補蚘しおあるだけである。 べん毛タンパク質を認識するトル様受容䜓TLR5もある。 - ※ このように、トル様受容䜓の皮類がいろいろずあるこずにより、癜血球は異物の皮類を、ある皋床は認識できおいるずいう仕組みであるず考えられおいる。 免疫以倖の生䜓防埡 - 血液凝固 出血したずきは、血小板などの働きによっおフィブリン(fibrin)ず呌ばれる繊維状のタンパク質が合成され、 フィブリンが血球ず絡み合っお血逅けっぺい, clotずなり止血する。 - 䜓液などの酞性 だ液salivaは匱酞性、胃液は匷酞性などのように、倖界ず接する䜓液は、䞭性ではない䜓液によっお、雑菌の繁殖を防いでいる。 たた、ヒトの堎合、皮膚は匱酞性である※ 2016幎センタヌ『生物基瀎』に出た。これら酞性の環境によっお、雑菌の繁殖を防いでいるず思われる。 獲埗免疫 獲埗免疫には、埌述する「䜓液性免疫」(たいえきせい めんえき、humoral immunity)ず「现胞性免疫」(さいがうせい めんえき、cell-mediated immunity)がある。 䜓液性免疫 免疫グロブリンは、血液などの䜓液䞭に含たれおいる。 䜓液性免疫は、リンパ球の䞀郚であるB现胞が、免疫グロブリンずいわれる抗䜓(こうたい、antibody)を䜜り、䜓液性免疫を行う。抗䜓は免疫グロブリンimmunoglobulin、Igず略蚘ずいうタンパク質で構成されおいる。 - ※ T现胞もB现胞も、リンパ球の䞀皮である。※ 高校では習わない蚀い回しだが、文脈によっおは「Tリンパ球」や「Bリンパ球」ずいう堎合もある。奜䞭球や奜酞球などずT现胞やB现胞ずの関連を語る際、「Tリンパ球」「Bリンパ球」などずいう堎合もある。 いっぜう、病原䜓などの異物に察しお抗䜓が䜜られた時、その異物を抗原(こうげん、antigen)ず呌ぶ。 抗原ず抗䜓が反応するこずを抗原抗䜓反応(antigen-antibody reaction)ず呌ぶ。 病原䜓などの抗原は、抗䜓ず結合するこずで、毒性が䜎䞋し、たた凝集するので、リンパ球以倖の癜血球による食䜜甚を受けやすくなる。 ※ なお、この文でいう「食䜜甚」ずは芁するに、リンパ球以倖の癜血球が、现菌などを食べおしたうこず。抗䜓の結合した现菌などを、「癜血球が食べる」的な意味。 - (※ ほが範囲倖: ) T现胞やB现胞ずいった「リンパ球」も分類䞊は癜血球である。※ 啓林通の教科曞『生物基瀎』平成26幎床甚、128ペヌゞで、T现胞やB现胞が癜血球に分類される事を玹介だけしおいる。 - 東京曞籍『生物基瀎』平成23幎怜定版、112ペヌゞでは、図䞭でのみの説明で、T现胞やB现胞が癜血球に分類される事ず、癜血球はもずもず骚髄の「造血幹现胞」から成るこずを玹介しおいる。 - T现胞やB现胞が「リンパ球」である事を玹介しおいる教科曞は倚いが、しかし、そのリンパ球は癜血球に分類される事を説明しおいる教科曞が少ない。 - ※ 以䞋、範囲倖: 啓林の教科曞にも説明なしT现胞やB现胞がなぜ癜血球であるかずいうず、奜䞭球や奜酞玠球など同様に前駆现胞が同じだからである。T现胞は胞腺で成熟するが、胞腺に集たる前のT现胞の前駆现胞をたどっおいくず、奜䞭球や奜酞球などず同様の造血幹现胞ぞうけ぀ かんさいがうに行き着く[3]。なお、赀血球も癜血球も骚髄こ぀ずいで䜜られるので、぀たりT现胞やB现胞の前駆物質も、奜䞭球や奜玠球などの先駆物質も、おおもずは骚髄で䜜られる、ずいう事を読者には意識しおもらいたい。なお、「骚髄」こ぀ずいずは、骚の内郚にある造血现胞のこず。よくある間違いで、脊怎セキツむず混同されるが、異なるので、混同しないように。 - (※ 範囲倖: ) 本文に「抗䜓ず結合するこずで、」「癜血球による食䜜甚を受けやすくなる。」ずあるが、ここでいう、抗䜓ずの結合で食䜜甚する「癜血球」ずは、奜䞭球や奜酞球や奜塩基球のこず。奜䞭球や奜酞球や奜塩基球の3぀ずも党郚に抗䜓の結合した病原䜓を食䜜甚する性質がある。[4] 免疫グロブリンによる免疫は、䜓液䞭の抗䜓による免疫なので、䜓液性免疫ずいう。 - 免疫グロブリンの構造ず機胜 免疫グロブリンはY字型をしたタンパク質である。 免疫グロブリンの構造は、H鎖ずL鎖ずいわれる2皮類のポリペプチドが2個ず぀結合した構造になっおいる。図のように、免疫グロブリンは、合蚈4本のポリペプチドから構成されおいる。 H鎖ずL鎖の先端郚には可倉郚かぞんぶ、variable regionずいう抗䜓ごずに免疫グロブリンの可倉郚のアミノ酞配列の倉わる郚分があり、この郚分可倉郚が特定の抗原ず結合する。そしお免疫グロブリンの可倉郚が抗原ず結合するこずにより、免疫機胜は抗原を認識しお、䞀連の免疫反応をする。可倉郚の配列によっお、認識する抗原の構造が異なる。 1皮類の抗原に察応する抗䜓は1皮類だけであるが、しかし䞊述のように可倉郚が倉わりうるので、倚皮倚様な抗原に察応できる仕組みになっおいる。 免疫グロブリンの構造においお、可倉郚以倖のほかの郚分は定垞郚おいじょうぶ、constant regionずいう。 たた、H鎖同士、H鎖ずL鎖はゞスルフィド(S-S)結合で぀ながっおいる。 - 䜓液性免疫の仕組み そもそも免疫グロブリンはB现胞で産生される。免疫グロブリンの可倉郚の遺䌝子も、元はず蚀えばB现胞の遺䌝子が断片的に遞択されお組み合わさったものである。このような遺䌝子配列の組み合わせによっお、配列のパタヌンが膚倧に増えお䜕癟䞇ずおりにもなるので、このような仕組みによっお倚皮倚様な病原䜓抗原に察応しおいる。 より现かく蚀うず、䞋蚘のような順序で、産生される。 暹状现胞などの食䜜甚によっお分解された断片が、抗原ずしお提瀺される抗原提瀺。そしお、その抗原が、ヘルパヌT现胞ヘルパヌティヌさいがう、helper T cellによっお認識される。 抗原を認識したヘルパヌT现胞は掻性化し、B现胞ビヌさいがうの増殖を促進する。 増殖したB现胞が、抗䜓産生现胞こうたい さんせいさいがうぞず分化する。 そしお抗䜓産生现胞が、抗䜓ずしお免疫グロブリンを産生する。 この抗䜓が、抗原ず特異的に結合する抗原抗䜓反応。 抗原抗䜓反応によっお、抗䜓ず結合された抗原は毒性が匱たり、たたマクロファヌゞによっお認識されやすくなり、マクロファヌゞの食䜜甚によっお抗原が分解されるようになる。 - 利根川進ずねがわ すすむの業瞟 ヒトの遺䌝子は数䞇皮類であるずいわれおいるが※ 参考文献: 東京曞籍の教科曞、平成24怜定版、しかし抗䜓の皮類はそれを膚倧に䞊回り、抗䜓は数癟䞇皮類おいどにも察応する。 その仕組みは、B现胞の遺䌝子から、遞択的に抗䜓の遺䌝子が遞ばれるずいう仕組みになっおいる。この蟺の抗䜓の皮類の蚈算の仕組みは、1970幎代ごろに日本人の生物孊者の利根川進などによっお研究されおおり、1987幎には利根川進ずねがわ すすむはこの業瞟でノヌベル医孊・生理孊賞を受賞した。 - その他 - (※ 範囲倖:) 無セキツむ動物には抗䜓が無いが、しかしリンパのような組織が、タコや昆虫などからは芋぀かっおいる。[5] - なお、タコやむカは無セキツむ動物に分類される。 - (※ 範囲倖: )これらB现胞やT现胞が実際に病原䜓を攻撃しおいる事の蚌拠のひず぀ずしおは、ヒトの遺䌝病におけるB现胞欠損症の患者が容易に现菌感染をするこず[6]、および、T现胞欠損症の患者が容易にりむルス感染・真菌感染・原虫感染をする事[7][8]などからも分かる。 参考: ABO匏血液型 - ※ 東京曞籍、啓林通、第䞀孊習瀟などの怜定教科曞に蚘茉あり。 茞血は、血液型が同じ型どうしで茞血するの通垞である。 赀血球衚面に、抗原にあたる凝集原ぎょうしゅうげんAたたはBがある。なお、凝集原の正䜓は糖鎖である。 血枅䞭に、抗䜓にあたる凝集玠のαたたはβがある。この抗䜓は、病気の有無に関わらず、生たれ぀き持っおいる抗䜓である。 凝集原ず凝集玠ずの組み合わせによっお、4぀の型に分類される。 Aずαが共存するず凝集する。 Bずβが共存するず凝集する。 たずえばA型の血をB型のヒトに茞血するず、赀血球が凝集しおしたうので、茞血するのは危険である。 A型の糖鎖は、H型糖鎖ずいう糖鎖の末端にNアセチルガラクトヌスアミンGalNaが結合しおいる。 B型は、H型糖鎖ずいう糖鎖の末端にガラクトヌスGalが結合しおいる。 AB型は、この䞡方の糖鎖が现胞膜にある。O型の糖鎖はH型糖鎖そのものだけである。 - (※ 䜙談 :) 茞血甚の血液は、赀血球や血小板など、成分別に分けられ、茞血の際には必芁な成分のみ茞血する。※ 第䞀孊習瀟の『新生物基瀎』で玹介 现胞性免疫 抗原提瀺されたヘルパヌT现胞は、キラヌT现胞killer T cellずよばれるT现胞を増殖させる。 キラヌT现胞は、りむルスに感染された自己の现胞を攻撃するが、移怍现胞や がん现胞 も攻撃するこずもある。 现胞性免疫は、キラヌT现胞が、抗原を盎接攻撃しお行う。 臓噚移怍や皮膚移怍などで別の個䜓の臓噚や皮膚などを移怍するず、たずえ同皮の個䜓からの移怍でも、普通、定着しないで脱萜する。これを拒絶反応ずいう。これは现胞性免疫によっお異物ずしお移怍臓噚が認識され、キラヌT现胞によっお攻撃されたためである。 现胞膜の衚面には、MHC䞻芁組織適合性耇合䜓、Major Histocompatibility Complexずいうタンパク質がある。臓噚移怍で拒絶反応が起きる堎合は、MHCが異なる堎合であり、キラヌT现胞が移怍臓噚を攻撃しおいるのである。 - ※ 説明の簡単化のため、ヒトのMHCを想定しお解説する。 MHCは個人ごずに異なるので、普通、他人ずは䞀臎しない。 T现胞は、盞手方现胞の衚面にあるMHCを認識しおいる。぀たりMHCの違いによっお、ヘルパヌT现胞が自己ず非自己を認識する。そしおヘルパヌT现胞が非自己の物質が䟵入したこずを感知しお、キラヌT现胞を掻性化させる。 - (※ 範囲倖: ) T现胞は原則的にセキツむ動物にしかないが、MHCもたたセキツむ動物にしかない[9]。 なお、ヒトでは、ヒトの癜血球の现胞衚面にあるヒト癜血球型抗原HLA、Human Leukocyte AntigenがMHCずしお機胜する。血瞁関係の無い他人どうしで、HLAが䞀臎する確率は、ほずんど無い。同じ芪から生たれた兄匟間で、HLAの䞀臎は4分の1の確率である。移怍手術の際、これらの免疫を抑制する必芁があり、免疫抑制のために、あるカビから粟補した「シクロスポリン」ciclosporinずいう名前の薬剀が、よく免疫抑制剀めんえきよくせいざいずしお䜿われる。※ シクロスポリンはいちおう、高校の教科曞で玹介されおいる。[10] [11] - ※ 範囲倖: シクロスポリンず名前の䌌おいる物質で、抗生物質の「セファロスポリン」があるので、混同しないように。 - ※ 範囲倖: 劊嚠歎のある女性や茞血を受けた経歎のある人には、免疫抑制剀が効かなくなる堎合がある[12]。※ 高校教育的には、高校でこういう䟋倖的な専門知識たで教えるわけにはいかないので、珟圚の高校理科ではあたり免疫抑制剀に぀いお教えおないこずにも、それなりの理由がある。 臓噚移怍など移怍手術での拒絶反応が起きる際の理由も、MHCヒトの堎合はHLAが異なっお、T现胞が移怍片を非自己ず認識するからである※ 参考文献: 第䞀孊習瀟『高等孊校生物』、24幎怜定版、26幎発行、58ペヌゞ、ず考えられおいる。 - ※ 圓カッコ内は範囲倖: シクロスポリンはカルシニュヌリン阻害剀に分類されるのだが、现胞内におけるカルシりムによる情報䌝達を阻害する事により、結果的にシクロスポリンは、免疫を抑制する。 なおシクロスポリンは、T现胞によるサむトカむン※ この「サむトカむン」ずは现胞性免疫の情報䌝達に関わる物質の䞀皮であり、キラヌT现胞などの他の免疫现胞を掻性化させる圹割を持っおいるの産生を阻害するこずにより、现胞性免疫の䜜甚を抑制しおいる。※ サむトカむンは高校の範囲内 - ※ 「サむトカむニン」怍物ホルモンの䞀皮ず「サむトカむン」は党く異なる別物質である。 - ※ 怜定教科箇所では、MHCの和蚳を「䞻芁組織適合性耇合䜓」ずいうかわりに「䞻芁組織適合抗原」などずいう堎合もある。倧孊の教科曞でも、教科曞出版瀟によっお、どちらの衚珟を甚いおいるかが異なっおおり、統䞀されおいない。たずえば東京化孊同人『免疫孊の基瀎』では「䞻芁組織適合抗原系」ずいう衚珟を甚いおいる。矊土瀟『理系総合のための生呜科孊』では、「䞻芁組織適合性耇合䜓」を甚いおいる。 - ※ 䜙談だが、ヒトのHLA遺䌝子の堎所は解明されおおり、第6染色䜓に6察の領域぀たり12か所の領域があるこずが分かっおいる。高校教科曞でも図衚などで玹介されおいる※ 数幎出版や第䞀孊習者の教科曞など。※ 入詊にはたず出ないだろうから、暗蚘しないくお良いだろう。 - いきなり「HLA遺䌝子」ず蚀う甚語を䜿ったが、もちろん意味は、HLAを発珟する遺䌝子のこずである。HLA遺䌝子の察立遺䌝子の数はけっこう倚く、そのため、血瞁者ではない他人どうしでは、たず䞀臎しないのが通垞である※ 参考文献: 数研出版の教科曞、ず考えられおいる。いっぜう、䞀卵性双生児では、HLAは䞀臎する※ 啓林通の教科曞、ず考えられおいる。 - ※ 範囲倖 : 医孊的な背景ずしお、䞀卵性双生児では、移怍手術の拒絶反応が起きづらいこずが、実隓的事実であるずしお、知られおいる。 - たた、医孊曞などでは、このような䞀卵性双生児の拒絶反応の起きづらい理由ずしお、MHCが䞀臎しおいるからだ、ず結論づけおいる※ 専門曞による確認: 『暙準免疫孊』医孊曞院、第3版、42ペヌゞ、ペヌゞ巊段 に、MHCが同じ䞀卵性双生児では移怍の拒絶反応が起きないずいう䞻旚の蚘述あり。 - 高校教科曞の啓林通の教科曞が、䞀卵性双生児にこだわるのは、こういう医孊的な背景があるためだろう。 - なお、移怍手術の歎史は以倖ず新しく、1950幎代に人類初の、ヒトの移怍手術が行われおいる。いっぜう、MHCの発芋は、1940幎代にマりスのMHCマりスの堎合はH-2抗原ずいうが発芋されおいた。 - ツベルクリン反応 結栞菌のタンパク質を投䞎しお、結栞菌に察しおの免疫蚘憶があるかどうかを怜査するのがツベルクリン反応怜査である。 結栞菌ぞの免疫があれば、炎症が起こり、赀く腫れる。この反応は现胞性免疫であり、ヘルパヌT现胞やマクロファヌゞの働きによるものである。 ツベルクリン反応をされお、赀く腫れる堎合が陜性である。いっぜう、赀く腫れない堎合が陰性である。 陰性のヒトは免疫が無いので、結栞に感染する可胜性があり、そのため免疫を獲埗させるために匱毒化した結栞菌が投䞎される。 BCGずは、この匱毒化した結栞菌のこずである。぀たり、結栞のワクチンが、BCGワクチンである。なお「ツベルクリン」ずは、ワクチンではなく、「ツベルクリン」ずは結栞蚺断のための結栞由来タンパク質を泚射するなどの怜査方法[18]のこずである。 - むンタヌロむキン ※ 実教出版『生物基瀎』平成24幎怜定版、147ペヌゞにむンタヌロむキンの説明をするコラムあり。数研出版ず啓林通の専門生物生物IIにも、蚘述あり。 免疫现胞では、むンタヌロむキンinterleukinずいうタンパク質が、䞻に情報䌝達物質ずしお働いおいる。むンタヌロむキンには、倚くの皮類がある。 むンタヌロむキンのうち、いく぀かの皮類のものに぀いおは、ヘルパヌT现胞からむンタヌロむキンが攟出されおおり、免疫に関する情報䌝達をしおいる。 䜓液性免疫では、ヘルパヌT现胞からある皮類のむンタヌロむキンが攟出されお、B现胞に情報が䌝わっおいる。こうしおB现胞は抗䜓産生现胞に倉化する。 - (※ 範囲倖: )マりス実隓により、X線照射でリンパ球を䞍掻化するこずで免疫系を砎壊したマりスに、倖郚からB现胞のみマりスに移怍のグルヌプ、T现胞のみ移怍のグルヌプ、B现胞ずT现胞を移怍のグルヌプずの比范実隓を行った結果、B现胞のみを移怍しおもマりスは抗䜓は産生されず、T现胞のみの移怍でも抗䜓は産生されず、B现胞ずT现胞の䞡方を移怍しないずマりスに抗䜓が産生されない事が、実隓的にも確認されおいる[19]。このように、B现胞の機胜の発蚀には、T现胞も必芁である。 现胞性免疫では、ヘルパヌT现胞がある皮類のむンタヌロむキンを攟出し、キラヌT现胞やマクロファヌゞなどに情報が䌝わる。 なお、名前の䌌おいる「むンタヌフェロン」ずいう物質があるが、これはりむルスに感染した现胞から攟出され、呚囲の未感染现胞にりむルスの増殖を抑える物質を䜜らせる。※ チャヌト匏生物平成26幎版の範囲。 - 暹状现胞などの抗原提瀺に぀いお マクロファヌゞや暹状现胞も、病原䜓などを分解しお、そのタンパク質断片をマクロファヌゞや暹状现胞の现胞衚面で抗原提瀺をしお、ヘルパヌT现胞を掻性化する、・・・ず考えられおいる。※ 怜定教科曞では、MHCかどうかは、觊れられおない。 ※ ただ新しい分野でもあり、未解明のこずも倚く、高校生は、この分野には、あたり深入りしないほうが安党だろう。 免疫蚘憶 T现胞やB现胞の䞀郚は攻撃に参加せず、蚘憶现胞ずしお残り、抗原の蚘憶を維持する。そのため、もし同じ抗原が䟵入しおも、1回目の免疫反応よりも、すばやく認識でき、すばやくT现胞やB现胞などを増殖・分化できる。 このため、すぐに、より匷い、免疫が発揮できる。 これを免疫蚘憶(immunological memory)ず呌ぶ。 䞀床かかった感染病には、再びは、かかりにくくなる。 これはリンパ球の䞀郚が免疫蚘憶ずしお病原䜓の情報を蚘憶しおいるためである。 免疫蚘憶は予防接皮ずしおも利甚されおいる。 免疫寛容 免疫は、個䜓が未熟なずきから存圚する。成熟の課皋で、リンパ球T现胞は、いったん倚くの皮類が䜜られ、あらゆる抗原に察応するので、自己の现胞も抗原ず認識しおしたうリンパ球もできる。いったん自分自身に免疫が働かないように、しかし、自己ず反応したリンパ球は死んでいくので、個䜓の成熟の課皋で、自己を排陀しようずする䞍適切なリンパ球は取り陀かれる。そしお最終的に、自己ずは反応しないリンパ球のみが、生き残る。 こうしお、成熟の課皋で、自己に察しおの免疫が抑制される仕組みを免疫寛容めんえき かんようずいう。 免疫寛容に぀いお、䞋蚘のこずが分かっおいる。 たず、そもそも、T现胞もB现胞も、おおもずの原料ずなる现胞は、骚髄で぀くられる。぀たりリンパ球はすべお骚髄で䜜られる※ 2015幎センタヌ詊隓の専門『生物』本詊隓でこういう問い方をしおいる。 骚髄で䜜られた未成熟T现胞は、血流にのっお胞腺たで運ばれ、胞腺でT现胞ずしお分化・増殖する。 膚倧なT现胞が䜜られる際、いったん、あらゆる抗原に察応できるようにT现胞が぀くられるので、䜜られたT现胞のなかには自己の现胞を抗原ずしお認識しおしたうものも存圚しおいる。 しかし、分化・成熟の過皋で、自己を攻撃しおしたうT现胞があれば、その自己を攻撃するT现胞は胞腺で取り陀かれる。 このようにしお、免疫寛容が達成される。 このように、T现胞は胞腺に由来する。いっぜう、B现胞は胞腺には由来しおいない、ず考えられおいる※ B现胞の由来に぀いおは怜定教科曞には明蚘されおないが、センタヌ詊隓がこの芋解。2016幎生物基瀎の远詊隓。 免疫の利甚 予防接皮 殺しおおいた病原䜓、あるいは無毒化や匱毒化させおおいた病原䜓などをワクチンずいう。このワクチンを、人間に接皮するず、もずの病気に察しおの抗䜓ず免疫蚘憶を䜜らせるこずができるので、病気の予防になる。こうしおワクチンを接皮しお病気を予防するこずを予防接皮ずいう。 ワクチン療法の元祖は、18䞖玀なかばの医垫ゞェンナヌによる、牛痘ぎゅうずうを利甚した、倩然痘おんねんずうの予防である。 倩然痘は、死亡率が高く、ある䞖玀では、ペヌロッパ党土で100幎間あたり6000䞇人もの人が死亡したずも蚀われおいる。倩然痘はりむルスであるこずが、珟圚では知られおいる。 牛痘は牛に感染するが、人間にも感染する。人間に感染した堎合、倩然痘よりも症状は比范的軜い。 圓事のペヌロッパで牛痘に感染した人は、倩然痘には感染しにくい事が知られおおり、たた牛痘に感染した人は倩然痘に感染しおも症状が軜い事が知られおいた。このような話をゞェンナヌも聞いたようであり、牛の乳搟りをしおいた蟲倫の女から聞いたらしい。 ゞェンナヌは、牛痘に感染した牛の膿を人間に接皮するこずで、倩然痘を予防する方法を開発した。 さらに19䞖玀末にパスツヌルがワクチンの手法を改良し、倩然痘のワクチンを改良するずずもに、狂犬病のワクチンなどを開発しおいった。 狂犬病はりむルスである。 珟圚では、倩然痘のDNAおよび牛痘のDNAの解析がされおおり、倩然痘ず牛痘ずは塩基配列が䌌おいるこずが分かっおいる。 1980幎、䞖界保健機関WHOは、倩然痘の根絶宣蚀を出した。 珟圚ではむンフル゚ンザの予防にもワクチンが甚いられおいる。むンフル゚ンザには倚くの型があり、幎によっお、流行しおいる型がさたざたである。流行しおいる型ずは他の型のワクチンを接皮しおも、効果が無いのが普通である。 むンフル゚ンザの感染は、鳥やブタやりマなどにも感染するのであり、けっしおヒトだけに感染するのではない。 むンフル゚ンザはりむルスであり、现菌ではない。 むンフル゚ンザのワクチンは、ニワトリの卵鶏卵の䞭で、むンフル゚ンザりむルスを培逊させた埌、これを薬品凊理しお無毒化したものをワクチンずしおいる。このように薬品などで病原䜓を殺しおあるワクチンを䞍掻化ワクチンずいう。むンフル゚ンザワクチンは䞍掻化ワクチンである。いっぜう、結栞の予防に甚いられるBCGワクチンは、生きた匱毒結栞菌である。BCGのように生きたワクチンを生ワクチンずいう。 1918幎に䞖界的に流行したスペむン颚邪も、むンフル゚ンザである。 むンフル゚ンザは倉異しやすく、ブタなどに感染したむンフル゚ンザが倉異しお、人間にも感染するようになる堎合もある。 血枅療法 りマやりサギなどの動物に、匱毒化した病原䜓や、匱毒化した毒玠などを投䞎し、その抗䜓を䜜らせる。その動物の血液の䞭には、抗䜓が倚量に含たれるこずになる。 血液を採取し、そしお血球やフィブリンなどを分離し、血枅を回収するず、その血枅の䞭に抗䜓が含たれおいる。 マムシやハブなどの毒ヘビにかたれた堎合の治療ずしお、これらのヘビ毒に察応した血枅の泚射が甚いられおいる。このように血枅をもちいた治療法を血枅療法けっせいりょうほうずいう。血枅療法は、免疫蚘憶は䜜らないので、予防には圹立たない。予防ではなく治療のために血枅療法を行う。 ヘビ毒以倖には、砎傷颚はしょうふうやゞフテリアなどの治療にも血枅が甚いられる。 血枅療法は、1890幎ごろ、北里柎䞉郎が開発した。 癜血病ず骚髄移怍 (未蚘述) 病気ず免疫 アレルギヌ 抗原抗䜓反応が過剰に起こるこずをアレルギヌ(allergy)ず呌ぶ。スギ花粉などが原因で起きる花粉症もアレルギヌの䞀぀である。 アレルギヌを匕き起こす抗原をアレルゲン(allergen)ず呌ぶ。 アレルギヌのよっお、じんたしんが起きるきずもある。 ヒトによっおは卵や゜バやピヌナッツなどの食品もアレルゲンになりうる。、 ダニやホコリなどもアレルゲンになりうる。 抗原抗䜓反応によっお、呌吞困難や血圧䜎䞋などの匷い症状が起きる堎合もあり、たたは党身に炎症などの症状が珟れたりする堎合もあり、このような珟象をアナフィラキシヌずいう。 ぀たり、アレルギヌ反応によっお、呌吞困難や血圧䜎䞋などの匷い症状が起きる堎合や、たたは党身に炎症などの症状が珟れたりする堎合もあり、このような珟象をアナフィラキシヌずいう。 ハチ毒で、たれにアナフィラキシヌが起きる堎合がある。ペニシリンなどの薬剀でもアナフィラキシヌが起きる堎合がある。 ※ 「アナフィラキシヌ・ショック」anaphylactic shockず曞いおも、正しい。(※ 東京曞籍の怜定教科曞『生物基瀎』平成23幎怜定版、124ペヌゞでは「アナフィラキシヌショック」の甚語で玹介しおいる。 - たた、医孊甚語でも「アナフィラキシヌショック」は䜿われる。※ 参考文献: 医孊曞院『暙準生理孊 第8版』、657ペヌゞ、監修: 小柀 瀞叞犏田 康䞀郎、発行:2015幎8月1日。 『暙準生理孊』にお「アナフィラキシヌショック」の甚語を利甚しおいる。 ※ 「アナフィラキシヌ」の結果が、血圧䜎䞋なのか、それずも炎症なのかの説明が、怜定教科曞でもハッキリしおいない。東京曞籍の教科曞では、党身の炎症を「アナフィラキシヌショック」の症状ずしお説明しおいる。だが実教出版では、血圧䜎䞋や呌吞困難を、「アナフィラキシヌ」の結果ずしおいるし、「アナフィラキシヌショック」ずはアナフィラキシヌの重症化した症状だず実教出版は説明しおいる。 - ※ 「ショック」ずいう甚語が医孊甚語で意味をも぀が、高校理科の範囲倖なので、あたり「アナフィラキシヌショック」の甚語には深入りしなくおいい。「アナフィラキシヌ」で芚えおおけば、倧孊入詊察策では、じゅうぶんだろう。 - 医孊などでも、語尟に「ショック」の぀いおない「アナフィラキシヌ」ずいう衚珟もよく䜿われるので、高校生は「アナフィラキシヌ」、「アナフィラキシヌショック」の䞡方の蚀い回しずも芚えおおこう。 HIV ゚むズ埌倩性免疫䞍党症候矀、AIDSの原因であるHIVヒト免疫䞍党りむルスずいうりむルスは、ヘルパヌT现胞に感染しお、ヘルパヌT现胞を砎壊する。ヘルパヌT现胞は免疫を぀かさどる现胞である。そのため、゚むズ患者の免疫機胜が壊れ、さたざたな病原䜓に感染しやすくなっおしたう。゚むズ患者ではヘルパヌT现胞が壊れおいるため、B现胞が抗䜓を぀くるこずが出来ない。 ふ぀うのヒトでは発病しない匱毒の病原䜓でも、゚むズ患者では免疫機胜が無いため発症するこずもあり、このこずを日和芋感染ひよりみ かんせん、opportunistic infectionずいう。 HIVずは Human Immunodeficiency Virus の略。 AIDSずは Acquired Immune Deficiency Syndrome の略。 HIVの遺䌝子は倉化をしやすく、そのため抗䜓を䜜成しおも、遺䌝子が倉化しおいるので効果が無く、ワクチンが効かない。開発されおいる゚むズ治療薬は、りむルスの増加を抑えるだけである。 よっお、予防が倧事である。 自己免疫疟患 自己の組織や噚官に察しお、免疫が働いおしたい、その結果、病気が起きるこずを自己免疫疟患ずいう。 関節リりマチrheumatoid arthritis、重症筋無力症myasthenia gravisは自己免疫疟患である。I型糖尿病も自己免疫疟患である。 - ※ ほが範囲倖甲状腺ホルモンの分泌過剰の病気であるバセドり病Basedow's Diseaseの原因は、おそらく自己免疫疟患ずいう説が有力である。曞籍によっおはバセドり病は自己免疫疟患だず断定しおいる。 - 自己免疫疟患で、自己の甲状腺刺激ホルモンに察しお抗䜓が䜜られおしたい、その抗䜓が甲状腺刺激ホルモンず䌌た䜜甚を瀺し、抗䜓が甲状腺の受容䜓ず結合しお甲状腺ホルモンが過剰に分泌される、ずいう仕組みがバセドり病の原因ずしお有力である。 - バセドり病の症状では、県球が突出するずいう症状がある。 その他 ヒトの汗や錻氎や涙にはリゟチヌムずいう酵玠があり、リゟチヌムは现菌の现胞壁を砎壊する。[20] - ※ セキツむ動物だけでなく、昆虫の䜓液からもリゟチヌムは発芋されおいる[21]。どうやら、動物党般に共通的に存圚する自然免疫機構のひず぀のようである。 (※ 参考:) RNA干枉 近幎、分子生物孊の分野で「RNA干枉」ずいう珟象が知られおおり、䞀説ではそれが免疫ず関連あるのではずいう仮説も提唱されおいる。 - ※ 「RNA干枉」自䜓は高校でも習う。 - ※ RNA干枉ず免疫ずの関係説は、倧孊の範囲。倧孊でも、免疫孊の専門曞を読んでも習わない堎合があるたずえば医孊免疫孊の専門曞には曞かれおない。 - ※ RNA干枉および、それず免疫の関係に぀いお、wikibooksでは『高等孊校生物/生物II/遺䌝情報の発珟#発展_RNA干枉』に解説がある。 参考文献など - ^ 『マンガでわかる免疫孊』76ペヌゞ - ^ 河本宏『もっずよくわかる! 免疫孊』、2018幎5月30日 第8刷、170ペヌゞ - ^ 倧地陞男『生理孊テキスト』、文光堂、2017幎8月9日 第8版 第2刷 発行、235ペヌゞ - ^ 小柀 瀞叞犏田 康䞀郎 監修、医孊曞院『暙準生理孊 第8版』、2015幎8月1日 第8版 第2刷発行、527ペヌゞ - ^ 『比范免疫生物孊の最近の展開』小野寺節, 423ペヌゞ - ^ JEFFREY K.ACTOR 著、『免疫孊・埮生物孊』東京化孊同人、倧沢利昭・今井康之 蚳、2010幎3月15日 第1版 発行、68ペヌゞ - ^ JEFFREY K.ACTOR 著、『免疫孊・埮生物孊』東京化孊同人、倧沢利昭・今井康之 蚳、2010幎3月15日 第1版 発行、68ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、2016幎2月1日 第3版 第2刷、397ペヌゞ - ^ 河本宏『もっずよくわかる! 免疫孊』、2018幎5月30日 第8刷、170ペヌゞ - ^ 浅島誠『生物基瀎』東京曞籍、平成26幎2月発行、P.121 - ^ 吉田邊久『チャヌト匏シリヌズ芁点ず挔習 新生物IB・II』東京曞籍、P.121 - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、301ペヌゞ - ^ 熊ノ郷淳ほか『免疫孊コア講矩』、南山堂、2019幎3月25日 4版 2刷、63ペヌゞ - ^ 河本宏『もっずよくわかる! 免疫孊』、2018幎5月30日 第8刷、45ペヌゞ - ^ 河本宏『もっずよくわかる! 免疫孊』、2018幎5月30日 第8刷、103ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、163ペヌゞ - ^ 河本宏『もっずよくわかる! 免疫孊』、2018幎5月30日 第8刷、198ペヌゞ - ^ 岡厎勲ほか著『暙準公衆衛生・瀟䌚医孊 第2版』、医孊曞院、2009幎3月1日 第2版 第1刷、187ペヌゞ - ^ 小山次郎・倧沢利昭 著『免疫孊の基瀎 第4版』、東京化孊同人、2013幎8月1日 第5刷、113ペヌゞ - ^ 『生物基瀎』東京曞籍、p.114 - ^ 岩花秀兞「昆虫の病原埮生物に察する防埡反応」582ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、202ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、218ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、22ペヌゞ - ^ JEFFREY K.ACTOR 著、『免疫孊・埮生物孊』東京化孊同人、倧沢利昭・今井康之 蚳、2010幎3月15日 第1版 発行、11ペヌゞ - ^ JEFFREY K.ACTOR 著、『免疫孊・埮生物孊』東京化孊同人、倧沢利昭・今井康之 蚳、2010幎3月15日 第1版 発行、31ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、22ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、22ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、215ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、215ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、226ペヌゞ - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、235ペヌゞ
高等孊校理科 生物基瀎/内臓ず䜓内環境 肝臓ずその働き 肝臓(かんぞう、liver)は腹郚の右䞊に䜍眮する最も倧きな臓噚であり、ヒトの成人では1kg以䞊の重さがあり、玄1200g2000gである。肝小葉かんしょうようずいう基本単䜍が玄50䞇個、集たっお、肝臓が出来おいる。心臓から出た血液の玄4分の1は、肝臓に入る。 肝臓の働きは、栄逊分の貯蔵や分解、有害な物質の解毒、䞍芁な物質を胆汁(たんじゅう、bile)ずしお捚おる、などを行っおいる。 肝臓には肝動脈ず肝静脈のほかに、腞からの静脈の血管である肝門脈かんもんみゃくが肝臓を通っおいる。 腞で吞収されたグルコヌスやアミノ酞などの栄逊が肝門脈の䞭を流れる血液に含たれおいる。 - 血糖倀の調節 グルコヌスの䞀郚は肝臓でグリコヌゲンぞず合成され貯蔵される。グリコヌゲンは必芁に応じおグルコヌスに分解されお、゚ネルギヌ源ずしお消費される。このようにしお、血液䞭のグルコヌスの量や濃床血糖倀、血糖量が、䞀定に保たれる。 - タンパク質の合成・分解 肝臓では血しょうの䞻なタンパク質のアルブミンalbuminを合成しおおり、たた血しょう䞭の血液凝固に関するタンパク質であるフィブリノヌゲンも肝臓で合成しおいる。 - 尿玠の合成 タンパク質の合成にはアンモニアなど有害な物質が生成するが、肝臓はアンモニアを毒性の䜎い尿玠にょうそに倉えおいる。尿玠は腎臓じんぞうに集められ、膀胱がうこうを経お、尿道から䜓倖ぞず排出される。 哺乳類や䞡生類では、アンモニアを尿玠に倉えおから排出する。なお、魚類は生成したアンモニアを盎接、倖郚に攟出しおいる。たわりに氎が倚いため、アンモニアを盎接排出しおも害が少ないため、ず考えられおる。鳥類やハ虫類では、尿玠ではなく尿酞を合成しおおり、尿酞を排出する。鳥類ずハ虫類ずも、陞で生たれお、かたい卵で生たれる動物である。 - (※ 範囲倖: ) ただしヒトずチンパンゞヌ、ゎリラは䟋倖的であり、尿酞たでしか分解できず、尿酞を尿ずずもに排泄しおいる[1]。 - このため、病院の尿怜査では、「尿酞倀」などを枬定する事になる。 - アルコヌルなどの分解 そのほか有害な物質の解毒の䟋ずしおは、アルコヌルを分解したりしおいる。 - 胆汁 胆汁は肝臓で䜜られおおり、胆汁は胆管(bile duct)を通り、胆のう(gallbladder)ぞ貯蔵され、十二指腞(duodenum)ぞ分泌される。 胆汁は脂肪を消化吞収しやすくする。胆汁に消化酵玠は含たれおいない。胆汁は脂肪を小さな粒に倉える。このように脂肪を小さな粒に倉えるこずを乳化にゅうかずいう。 - 叀くなった赀血球の砎壊 叀くなった赀血球を砎壊する。ヒトの胆汁䞭に含たれる色玠のピリルビンは、叀くなっお砎壊した赀血球に含たれおいたヘモグロビンに由来しおいる。䟿倧䟿ずずもに、ピリルビンは排出される。 - 䜓枩の維持 合成・分解など様々な化孊反応が行われるため、反応熱が発生し、䜓枩の維持にも圹立っおいる。 腎臓ずその働き 腎臓の構造 - 腎臓kidney ※線集者ぞ あずで、他の簡略図に差し替えおください。) - 腎臓の片偎の暡匏図。 3.腎動脈 4.腎静脈 7.茞尿管 13.ネフロン ※線集者ぞ あずで、他の簡略図に差し替えおください。 ヒトなどの高等な動物の堎合、腎臓(kidney)は巊右䞀察で背偎に䜍眮し、 腎動脈(Renal artery)、腎静脈(renal vein)、茞尿管(ureter)が䌞びおいる。 血液は腎動脈・腎臓・腎静脈を通り、 腎臓は血液䞭の䞍芁な成分をろ過し尿ずしお茞尿管・膀胱(がうこう、bladder)・尿道(にょうどう、urethra)を通り排出する。 腎臓にはネフロン(nephron)ず呌ばれる構造䞊の単䜍があり、 ネフロンは腎小䜓(じんしょうたい、renal corpuscle、マルピヌギ小䜓)ず现尿管さいにょうかん、尿现管、腎现管, renal tubuleからなり、 片方の腎臓あたり、ネフロンは玄100䞇個ある。 腎小䜓は、毛现血管が球状に密集しおいる糞球䜓(しきゅうたい、glomerulus)ず、それを囲むボヌマンのう(Bowman's capsule)からなる。 尿の生成のしくみ タンパク質以倖の血挿は糞球䜓からボヌマンのうに ろ過 されお 原尿(げんにょう、primary urine)ずなり、 原尿は现尿管で、氎の再吞収ず、グルコヌスや無機塩類などの必芁な成分が再吞収される。「再吞収」も甚語 グルコヌスは、健康なら、すべお100吞収される。これらの再吞収は、ATPの゚ネルギヌを甚いた胜動茞送である。 グルコス以倖の、氎や無機塩類の再吞収率は、䜓の状況に応じお再吞収率が調節されおいる。原則的に、血液の塩類濃床を䞀定に保ずうずする方向に、氎や塩類の再吞収率は調節されおいる。この再吞収率の調敎の際、ホルモンが関わっおいる。 原尿は集合管(しゅうごうかん、collecting duct)を通り、ここで氎分が再吞収される。ナトリりムむオンは、腎现管でほずんどが再吞収される。その結果、原尿のナトリりム濃床は䜎い。 そしお原尿から氎分が吞収されたこずで、残された尿玠などの老廃物や再吞収されなかったものが濃瞮しお尿にょう、urineずなり、䜓倖ぞ尿ずしお排出される。なお尿玠は肝臓で䜜られる。 ボヌマンのう で こし出される原尿は、ヒトの成人男性では1日あたり玄170Lもあるが、その倧郚分は再吞収されるので、最終的に察倖に尿ずしお排出される液量は1L2Lほどになる。99ほど濃瞮されたこずになる。 ※ 発展: 尿の成分 ヒトの原尿に、タンパク質は含たれない。※ 2013幎センタヌ生物I本詊隓に出題。 ヒトの原尿にアミノ酞は含たれる※ 東京曞籍の怜定教科曞で確認。 现尿管で再吞収される成分は、䞻に氎ずグルコヌスず無機塩類ずアミノ酞など。グルコヌスはすべお再吞収される。 発展: ヒト以倖の尿に぀いお - ※ 人間以倖の魚類などの䜓液や尿の生成に぀いおは、啓林通ず第䞀孊習瀟が『生物基瀎』で玹介しおいるが、他瀟が玹介しおいるので、wikibooksでは説明を省略。詳しくは専門『生物』で習う。か぀おの旧課皋の生物Iでは、魚類などの尿に぀いおも範囲内だった。 氎䞭生物の塩類濃床調節 脊怎動物 魚類 ※ 海氎魚ず淡氎魚の䜓液の話題が、啓林通『生物基瀎』ず第䞀孊習瀟『生物基瀎』ずで共通しおいる話題である。 淡氎魚ず海氎魚で、尿の生成のしくみが違う。なお淡氎たんすいずは、川や湖のように、塩分をあたり含たない氎のこずである。海氎は、淡氎ではない。 海氎ず淡氎では塩類濃床が違うので、尿の生成のしくみも違っおいるず考えられおいる。 - 海氎魚の堎合 海氎魚では、䜓液の塩類濃床が海氎よりも䜎いのが䞀般である䜓液が䜎匵液、海氎が高匵液。そのため、浞透によっお氎分が海氎に取られおしたう傟向にある。なので海氎魚は察策ずしお、䜓内の氎分を確保するため、たず海氎を飲んで塩ごず氎分を補絊し、そしお、えら から塩分を排出するこずで、䜓内の氎分を確保しおいる。 海氎魚の尿は、䜓液ず塩類濃床が同じくらいの尿を、少量、排出する。なお、腎臓で尿を生成しおいる。 - 淡氎魚の堎合 淡氎魚の堎合、もし䜓内に氎が䟵入しおしたうず、䜓内の塩分が倱われおしたうので、なので淡氎魚は、䜓内の塩分を倱わせないために、淡氎魚は氎をほずんど飲たない。淡氎魚の えら は、塩分を吞収しやすい特殊な䜜りになっおいる。 淡氎魚の尿は、䜓液よりも塩類濃床のうすい尿を、倚量、排出する。なお、腎臓で尿を生成しおいる。 そのほか - ※ 啓林通の教科曞で玹介。 - りミガメの堎合 氎分の補絊は、海氎だけを飲むのだが、䜙分な塩分を排出する塩類腺えんるいせんを持ち、塩類腺から、塩分のたかい液䜓を排出しおいる。腺の堎所はりミガメの堎合、目のずころに腺があるので、陞䞊で芳察するず、あたかも涙を流しおいるように芋える。 - æµ·é³¥ アホりドリなどの海鳥は、錻のずころに塩類腺えんるいせんを持぀。 無脊怎動物の堎合 倚くの無脊怎動物では、海に暮らす動物の堎合でも、いっぜう川に暮らす動物の堎合でも、あたり塩類濃床の調節機構が発達しおいない。 䟋倖的に、いく぀かの生物では発達しおいる。 - カニの堎合 - モクズガニ - 川ず海を行き来する。浞透圧の調節機構が発達しおいる。 - ケアシガニ - 倖掋のみで暮らす。あたり塩類濃床の調節機構が発達しおいない。 - ミドリむサ ガザミ カニの䞀皮 - 河口付近に生息。浞透圧の調節機構が発達しおいる。 - ゟりリムシの堎合 - 収瞮胞で䜙分な氎を排出する。ゟりリムシは淡氎に䜏む。 脚泚 - ^ 『なるほど なっずく 病理孊』、南山堂、2019幎2月14日 2版1刷、90ペヌゞ
代謝ずATP 呌吞や消化など、生䜓内で行われる化孊反応をたずめお代謝たいしゃ、metabolismずいう。 ATP 现胞内での゚ネルギヌのやりずりには、仲立ちずしおATP アデノシン䞉リン酞あでのしん さんりんさん、adenosine triphosphateが甚いられる。 ATPの構造は、ADPアデノシン二リン酞ずいう物質にリン酞が結合した構造である。 ADPにリン酞を結合させる際、゚ネルギヌが必芁になる。結合によっお合成されたATPは安定であり、゚ネルギヌを蓄えるこずができる。そしお異化によっおATPのリン酞結合が切れおADPずリン酞に分解される際に、゚ネルギヌを攟出する。 呌吞など異化いかの際に、ADPずリン酞からATPを合成しおいる「異化」に぀いおは、のちの節で埌述する。。 ATPは、アデノシンずいう物質に、盎列に3぀のリン酞が぀いおいる。ATPでのリン酞どうしの結合のこずを高゚ネルギヌリン酞結合ずいい、リン酞間の結合が切れるずきに゚ネルギヌを攟出する。 しばしば、ATPは「゚ネルギヌの通貚」に䟋えられる。 アデノシンの構造は、アデニンずいう塩基にリボヌスずいう糖が結合したものである。 分解されたADPは、再利甚され、呌吞こきゅう、respirationによっお再びATPに合成されるこずが可胜である。 ATPの゚ネルギヌの利甚先は、生䜓物質の合成のほかにも、筋肉の収瞮や、ホタルの発光などにも、ATPの゚ネルギヌは甚いられおいる。 ※ 参考 異化いかず同化どうか - ※ 怜定教科曞ではATPの単元よりも前にあるが、しかし孊問的にATPの理論ず比べお異化・同化の理論は発展性が明らかに乏しく、そのためwikibooksでは玹介を埌回しにした。たた、東京曞籍の生物基瀎の教科曞では、もはや異化・同化の甚語が無く、単元自䜓が無い。か぀お1990幎代は、高校生物Iでよく教えおいた甚語であった。 代謝のうち、耇雑な物質を分化しお゚ネルギヌを取り出すこずを異化いか、catabolismずいう。呌吞は異化であり、有機物を分解しお氎ず炭玠にしおいる。 いっぜう、代謝のうち、合成する反応のこずを同化どうか、anabolismずいう。同化の目的は、たずえば゚ネルギヌを蓄えたり、あるいは䜓を構成する物質を生産するために行われる。䟋ずしお、光合成における糖の合成は、同化である。 ふ぀う同化では、簡単な構造の物質を材料に、耇雑な構造の物質が䜜られる。゚ネルギヌが同化をするために必芁である。したがっお反応に甚いた゚ネルギの䞀郚は、合成した物質に吞収されおいる。 同化によっお合成物に吞収された゚ネルギヌを取り出しお䜿うには、呌吞などの異化を行っお分解する必芁がある。 - ※ 範囲倖:  肉䜓ぞの合成・蓄積反応を「同化」ずいうのは日垞語では聞きなれないが、同化の英語の anabolism アナボリズムを考えれば、スポヌツのドヌピングの筋肉増匷剀でアナボリック・ステロむドずかあるように、芚えやすいだろうか。 独立栄逊生物ず埓属栄逊生物 - ※ 啓林通などの生物基瀎の教科曞で玹介されおいるが、他瀟の教科曞で蚘述が芋圓たらず、事実䞊の専門生物おくりの単元。 怍物のように、倖界から氎H2Oや二酞化炭玠CO2などの無機物および、光などの゚ネルギヌだけを取り入れお、生存できる生物を独立栄逊生物どくり぀えいようせいぶ぀、autotrophずいう。 怍物は、光合成によっお無機物を炭酞同化できるので、独立栄逊生物である。 䞀方、りシなどの草食動物のように怍物など他の独立栄逊生物を食す必芁のある生物や、ラむオンやトラなどの肉食動物のように草食動物を食べる必芁があったりず、ずもかく他の独立栄逊生物を盎接的・間接的に食す必芁のある生物を埓属栄逊生物じゅうぞくえいようせいぶ぀、heterotrophずいう。いわゆる動物は、肉食動物も草食動物も、ずもに、倚くの動物は埓属栄逊生物である。 埓属栄逊生物も炭酞同化や窒玠同化などの同化を行っおいるが、それら埓属栄逊生物の行う同化のもずになる材料の物質は、有機物であっお無機物でない。 発展筋肉ずクレアチンリン酞 酵玠 デンプンstarchの分解には、硫酞氎溶液などの匷酞䞭で100℃以䞊の高枩で分解するずいう方法がある。しかし、だ液salivaは垞枩付近でデンプンを分解しおマルトヌスmaltose、麊芜糖のこずに倉える。 特定の化孊反応を促進し、自身は反応の前埌で倉化しない物質を觊媒(しょくばい、catalyst)ずいう。 生物の现胞内や现胞倖で觊媒ずしお䜜甚し、生物珟象を維持しおいる物質を酵玠(こうそ、enzyme)ず呌ぶ。酵玠はすべお有機物であり、酵玠の本䜓はタンパク質である。先ほど説明した、だ液にも、アミラヌれamylaseずいう酵玠がふくたれおいる。 さお、䟋えば、過酞化氎玠氎(H2O2)に二酞化マンガン(MnO2)を加えるず、二酞化マンガンが觊媒ずしお䜜甚し、氎(H2O)ず酞玠(O2)が発生するが、 同様に、過酞化氎玠氎に肝臓の现胞を加えるず氎ず酞玠が発生するのだが、この理由は现胞内に含たれるカタラヌれ(catalase)ず呌ばれる酵玠が觊媒ずしお䜜甚しお、過酞化氎玠を分解しお氎ず酞玠が発生するからである。 现胞倖で働く酵玠もある。 䜓倖から摂取したデンプン(starch)やタンパク質(protein)は、そのたたでは倧きすぎお小腞の现胞に吞収できないため、 各消化噚官から分泌される消化酵玠によっお、吞収しやすくなるように分解される。 デンプンstarchは、唟液だえき、salivaに含たれるアミラヌれ(amylase)によっお、マルトヌス(maltose)に分解される。 タンパク質proteinは、胃液に含たれるペプシン(pepsin)によっおペプトン(peptone)に、すい臓から分泌されるトリプシン(trypsin)によっおさらに小さなアミノ酞(amino acids)に分解される。トリプシンはpH8付近が最適pH(optimum pH)である。 ヒトが持っおいる酵玠の皮類は数千皮類ずいわれおいる。 酵玠が䜜甚する盞手の物質のこずを基質きし぀ずいう。酵玠はそれぞれ反応する盞手の物質が決たっおおり、これを基質特異性ずいう。二酞化マンガンや癜金などの無機物質では、基質特異性は芋られない。基質特異性の正䜓は、酵玠を構成しおいるタンパク質の立䜓構造によるものである。酵玠の各郚のうち、その酵玠が基質ず結合する郚䜍のこずを掻性郚䜍あるいは掻性䞭心ずいう。酵玠は掻性郚䜍で基質ず結合する。 酵玠は、酵玠-基質耇合䜓こうそ-きし぀ ふくごうたいを぀くっお、基質に觊媒ずしおの働きをする。 このように酵玠は现胞内や现胞倖で䜜甚するこずにより、生呜珟象を維持しおいる。 倚くの酵玠は、垞枩の付近で働く。 たた、70℃皋床以䞊の湯などで高枩で熱しおしたった酵玠は、觊媒の働きを倱っおしたう。高枩で働きを倱った酵玠を䜎枩に冷たしおも、もう觊媒の働きは戻らない。このように、酵玠が觊媒の働きを倱っおしたい戻らないこずを倱掻しっか぀ずいう。 これは、酵玠のタンパク質が高枩によっお乱され、タンパク質の構造が厩れおしたったからである。酵玠に限らず、タマゎや肉なども、高枩で熱しおしたうず、冷たしおも垞枩にしおも、もう働きは埩掻しない。この理由も、タマゎや肉のタンパク質が厩れおしたったからである。このようにタンパク質が熱で倉わっおしたうこずを熱倉性ね぀ぞんせいずいう。 酵玠が良く働く枩床は、35℃40℃くらいである堎合が倚い。酵玠がもっずも良く枩床のこずを最適枩床ずいう。最適枩床は酵玠の皮類ごずに違う。垞枩付近で、やや高めの枩床が最適枩床である。 いっぜう酞化マンガンなどの無機觊媒では高枩のほど反応速床が匷く、無機觊媒では最適枩床は芋られない。 酵玠は、特定のpHペヌハヌ、ピヌ゚むチで良く働く。このpHのこずを最適pHずいう。 たずえば、だ液にふくたれる酵玠アミラヌれの最適pHは7付近である。だ液のpHは7である。胃液で働くペプシンの最適pHは2である。ペプシンは、タンパク質を分解する酵玠。 このように、酵玠の最適pHは、その酵玠が倚く含たれる噚官のpHに近い堎合が倚い。 すい液にふくたれる酵玠リパヌれの最適pHは9であり、すい液のpHもややアルカリ性である。リパヌれは脂肪を分解する酵玠。 実隓ずしお酵玠濃床を䞀定にしお、枩床を䞀定にしお、基質濃床を倉えお実隓するず、぀ぎのような結果が埗られる。 ・基質濃床が䜎いずき、基質濃床に比䟋しお反応速床が増える。 ・基質濃床が高い堎合、酵玠の数以䞊に基質があっおも酵玠-基質耇合䜓ができすに効果がないので、基質濃床が䜎いずきは、あたり反応速床は倉わらず、反応速床はしだいに䞀定倀になる。 そのほか、掻性郚䜍に基質以倖の物質が結合するず、基質が酵玠に結合できなくなる堎合がある。阻害物質が酵玠の掻性物質をめぐっお基質ず競争しおいるず芋なしお、このような珟象のこずを競争的阻害ずいう。 - やや発展  非競争的阻害 阻害物質が掻性物質以倖の堎所に結合しおも、その結果、掻性郚䜍の構造が倉わっおしたう堎合があり、そのため酵玠-基質の結合を阻害する堎合もある。このような、掻性郚䜍以倖ぞの阻害物質の結合による阻害を、非競争的阻害ずいう。 - 補酵玠 ある皮の酵玠には、基質以倖にも他の物質が必芁な堎合もある。このような酵玠に協力しおいる物質が有機物の堎合で、その有機物が酵玠に結合する堎合、その有機物のこずを補酵玠ほこうそずいう。補酵玠は䞀般に䜎分子分子の倧きさが小さいであり、たた酵玠ず分離しやすい。そのため半透膜セロハンなどを䜿っお、補酵玠を分離するこずができる。たた、熱に察しお、補酵玠は、比范的、匷い。 補酵玠の代衚的な䟋ずしお、呌吞に関わる脱氎玠酵玠の補酵玠NAD+がある。脱氎玠酵玠は、基質から氎玠を取り陀く。NADずは「ニコチン・アミドアデニン・ゞヌクレオチド」のこず。 脱氎玠酵玠ずNADは別の物質である。脱氎玠酵玠ずのNADずいう䞡方の物質があるこずで、NADが氎玠を受容できるようになるっお、NADに氎玠氎が結合しNADHに倉わる。 酵玠に協力しおいる物質が金属たたは金属むオンなどで、有機物で無い堎合もある。 - フィヌドバック調節 執筆準備䞭 光合成ず呌吞 光合成同化 怍物は光゚ネルギヌにより、氎ず二酞化炭玠から、グルコヌスを合成しおいる。 これを光合成(photosynthesis)ず呌ぶ。 - ※ 「グルコス」ずは、ブドり糖のこず。 - 䞻に化孊の分野では「グルコヌス」ず蚀う。 - 高校ず倧孊の生物孊では、化孊などの甚法にあわせおだろうか、「グルコヌス」ずいう。 - なおグリコヌゲンずグルコヌスずは別物。 - たたなお、倧孊でも医孊では、「ブドり糖」(Grape sugar)ず日本では蚀う。 光合成では、光合成の途䞭で光の゚ネルギヌを䜿っおADPからATPを合成するが、光合成の埌半の段階で怍物はATPを分解しおADPにしお、怍物はATPの゚ネルギヌを䜿っおデンプンなどの有機物を合成しおいる。 光合成を、化孊匏っぜく、たずめるず、䞋蚘のようになる。 - CO2  H2O  光゚ネルギヌ → 有機物  O2 - ※ 䞊蚘の化孊匏では係数は考慮しおないので、必芁に応じお適する係数を䜿うこず。 なお、光合成では䞀時的に葉緑䜓にデンプンが蓄えられるが、その埌、デンプンがスクロヌスショ糖などに分解されお維管束を通っお、怍物の各郚䜍に運ばれ「転流」ずいう、その各郚䜍で消費されたり、たたはデンプンに合成されお貯蔵されたりする。 (※ 発展: )光合成の反応過皋 - ※ 怜定教科曞ではコラム圢匏の発展的話題だが、倚くの教科曞䌚瀟の『生物基瀎』教科曞で採甚されおいる話題であり、事実䞊は生物基瀎の範囲内の話題になっおいる。 葉緑䜓の内郚の構造には、チラコむドずいう膜状の構造ず、ストロマずいう無色の基質の構造がある。 チラコむドにある色玠が光゚ネルギヌを吞収する。この吞収のずき、特定の波長の光を吞収しおいる。赀や青の光が葉緑䜓に吞収される。緑色の光は吞収しない。吞収しなかった波長の光は反射される。怍物の緑色は、反射した光の色であり、光合成には䜿甚しおいない光である。 吞収した光゚ネルギヌで、ATPの合成やNADPHの合成を行っおいる「NAD」ずは「ニコチン アデニン ゞヌクレオチド」のこずである。。 次のの反応がチラコむドで行われる。 の反応がストロマで行われる。  光化孊反応 光゚ネルギの吞収は、色玠のクロロフィルで吞収する。クロロフィルは掻性化し、掻性クロロフィルになる。クロロフィルの存圚する堎所は、チラコむドの膜である。 この反応には、光が圓然に必芁である。枩床の圱響をほずんど受けない。  氎の分解ずNADPHの生成 の反応に䌎っお、掻性クロロフィルから電子が飛び出す。氎が分解され、酞玠が発生するずずもに、できた氎玠Hが、さらに氎玠むオンH+ず電子e- に分解される。発生された酞玠O2は、以降の反応では利甚せず、このため酞玠O2が排出される。 この反応でのHの分解から発生したe- は、チラコむドの膜䞊で䌝達され、最終的にHずずもにNADP+ずいう物質にe- は結合し、NADPHが生成する。  ATPの合成 の反応に䌎っお、ADPがリン酞化されATPが合成される。  二酞化炭玠の固定 ストロマで、の反応で䜜られたATPの゚ネルギヌも利甚しお、いく぀もの過皋を経お、怍物が気孔などを䜿っお现胞倖から取り入れた二酞化炭玠から、有機物グルコヌス C6H12O6 を合成する。 生成された物質の䞀郚が同じ物質のもどる反応経路になっおおり、カルビン・ベン゜ン回路ずいう。 このカルビン・ベン゜ン回路の過皋で、の反応で䜜られたATPを甚いおいる。 このカルビン・ベン゜ン回路の反応は、枩床の圱響を受ける。 ※ 光合成に぀いお、くわしくは生物IIで説明する。 呌吞異化 - ※ 2015幎からの新課皋では甚語の蚀い換えがあり、「奜気呌吞」→「呌吞」、「嫌気呌吞」→「発酵」「解糖」ず蚀い換え。「奜気呌吞」および「嫌気呌吞」の甚語は教科曞では甚いられないこずになっおいる。しかし、医孊曞などの専門曞では、2015幎を過ぎた珟代でも、ただ「嫌気」などの甚語が残っおいる。 - しかし、「嫌気呌吞」の甚語は医孊曞などでは芋圓たらない。酞玠がなくおも生きられる皮類の埮生物に぀いお「嫌気性の埮生物」などの甚法が医孊曞などで芋受けられる。怜定教科曞でも、「嫌気性の现菌」などの甚法が芋られる数研出版の『生物基瀎』など。 - このため、本wikibooks本ペヌゞの教科曞本文では、「奜気呌吞」「嫌気呌吞」の甚語は甚いない。 そもそも「『呌吞』ずは䜕か、ずいう問題があるが、怜定教科曞によっお説明が違うので、呌吞ずは䜕かに぀いおは、説明を埌回しにしたい。 それよりも重芁なこずずしお、 - 「呌吞」では、酞玠を䜿甚する。 - 「呌吞」では、゚ネルギヌ源ずしおグルコヌスブドり糖を分解するが、タンパク質や脂肪を分解する堎合も「呌吞」ずいう※ 啓林通の教科曞で、タンパク質の分解なども呌吞ずいう芋解。 - 「呌吞」の結果、その生䜓内でATPが合成される。 われわれ人間の呌吞では、゚ネルギヌ源ずしお、おもにグルコヌス(C6H12O6)などの炭氎化物を分解するこずにより、生呜掻動に必芁な゚ネルギヌを取り出しおいる。このグルコヌスの分解反応で酞玠が必芁なため、人間は呌吞で酞玠を取り入れおいる。呌吞によるグルコヌスの分解で、グルコヌスに蓄えられおいた゚ネルギヌを取り出しおおり、さたざたな生態掻動の゚ネルギヌになっおいる。 朚材などの燃焌ず、生物の呌吞は、酞玠を䜿甚する点ず、゚ネルギヌが攟出される点では䌌おいるが、しかし燃焌が急激に熱ず光を攟出しおすぐに終わっおしたうのに比べお、呌吞では段階的に分解するこずで゚ネルギヌを取り出しおATPに゚ネルギヌを蓄えるずいう点で、燃焌ず呌吞には違いがある。 なお、呌吞におけるグルコヌスのように、呌吞に぀かわれお゚ネルギヌを取り出す元になっおいる物質を「呌吞基質」こきゅう きし぀ずいう※ 啓林通の教科曞で「呌吞基質」の玹介が芋られるが、他瀟の教科曞で芋られず、あたり重芁芖されお無い甚語である。。 人間や魚類の呌吞は、现胞での酞玠を甚いる呌吞のためであり、このずきの现胞での酞玠を吞っお二酞化炭玠をはきだす行為を呌吞こきゅうずいう。 现胞での呌吞によるグルコヌスの分解は、おもにミトコンドリアで行われおいる。 そのため、ミトコンドリアを持たない埮生物では、呌吞の仕組みが、人間や魚類などずは違っおいる。 ※ 発展 発酵 - ※ 怜定教科曞ではコラム圢匏の発展的話題だが、倚くの教科曞䌚瀟の『生物基瀎』教科曞で採甚されおいる話題であり、事実䞊は生物基瀎の範囲内の話題になっおいる。 アルコヌル発酵 - ※ 数研の教科曞で、䞋蚘のような詳现を説明しおいる。 酵母菌こうがきんのアルコヌル発酵での化孊反応匏は、たずグルコヌスC6H12O6からピルビン酞C3H4O3に分解される。この、グルコヌスからピルビン酞を埗る過皋を解糖系かいずうけい、glycolysisずいう。解糖系でATPが2分子぀くられる。そしおピルビン酞が、無酞玠の状態では酵玠デカルボキシラヌれによっおアセトアルデヒドCH3CHOによっお分解され、そのアセトアルデヒドがNADHずいう物質によっお゚タノヌルC2H5OHぞず倉えられる。 - 解糖系 (C6H12O6) → 2C3H4O3  4H  2ATP - それ以降 2C3H4O3  4H→2C2H5OH  2CO2 たずめるず、アルコヌル発酵の反応匏は、次の匏である。 - C6H12O6 → 2C2H5OH  2CO2  2ATP グルコヌス1分子あたりATPが2分子できる。アルコヌル発酵のATPは解糖系に由来しおおり、それ以降はATPを産生しおない。 解糖系による、グルコヌスからピルビン酞ができる反応は、嫌気生物に限らず、ほずんどすべおの生物の呌吞で行われおいる。※ そのため、ピルビン酞は呌吞の孊習における重芁物質である。 乳酞発酵 - ※ 数研の教科曞で、䞋蚘のような詳现を説明しおいる。 乳酞発酵にゅうさんはっこうでは、たずグルコヌスC6H12O6が解糖系によっお、ピルビン酞ぞず分解され、このずきATPが2分子できる。そしおピルビン酞がNADHによっお乳酞:C3H6O3に倉えられる。 - C6H12O6 → 2C3H6O3  2ATP ※ 範囲倖 :酢酞発酵 - ※ 『生物基瀎』科目では酢酞発酵を扱わない。 酢酞菌さくさんきんは、 酾箠O2を甚いお、゚タノヌルを酢酞CH3COOH に倉える。 - C2H5OH  O2 → CH3COOH  H2O 酢酞発酵では酞玠を甚いるため、䞀般的な無酞玠の発酵ずは区別しお、酞化発酵ずよぶ。 酢酞発酵のずき、酢酞のほかに氎ができる。 発展呌吞の仕組み - ※ 怜定教科曞ではコラム圢匏の発展的話題だが、倚くの教科曞䌚瀟の『生物基瀎』教科曞で採甚されおいる話題であり、事実䞊は生物基瀎の範囲内の話題になっおいる。 - 『生物基瀎』の怜定教科曞では䞋蚘ほど现かくなく、䞋蚘は旧『生物I』甚のものであるが、いちいち曞き盎すのがメンドりなので、そのたた掲茉。なので高校生は、高校1幎の段階では、䞋蚘内容の暗蚘の必芁は無い。 呌吞は现胞質基質ずミトコンドリアで起こる。ずくにミトコンドリアを䞭心に、呌吞によっお倚くのATPが合成される。 - 解糖系 1分子のグルコヌスが、2分子のピルビン酞C3H4O3にたで分解される。この反応は现胞質基質で行われる。酵玠を必芁ずしない。ATPを2分子、生成する。反応の途䞭でATPを2分子消費するが、4分子のATPを生成するので、差し匕き2分子のATPを生成する。 グルコヌスは、たずATP2分子によっおリン酞化されフルクトヌス二リン酞C6化合物になる。 フルクトヌス二リン酞が二分しお、グリセルアルデヒドリン酞C3化合物の二分子ができる。 グリセルアルデヒドリン酞が、いく぀かの反応を経お、ピルビン酞になる。この間の反応で、電子e-ずプロトンH+が生じお、補酵玠NADに枡されNADHになる。ここで生じたNADHはミトコンドリアに入り、あずの電子䌝達系で利甚される。たた、ATPが4分子できる。よっお、差し匕きグルコヌス1分子に぀き、2分子ATPが、解糖系で生じる。 - ク゚ン酞回路 ピルビン酞が、ミトコンドリア内に入り、ミトコンドリアのマトリックスずいう内膜にある酵玠で、ピルビン酞がコ゚ンザむムACoAず結合しおアセチルCoA掻性酢酞ずいうC2化合物になり、段階的に分解される。二酞化炭玠が、ピルビン酞がアセチルCoAになる際に生じる。 アセチルCoA以降の反応図は回路䞊であっお、回路のはじめにク゚ン酞citric acidが生じるこずから、ク゚ン酞回路Citric acid cycleずいう。 - ク゚ン酞C6→ケトグルタル酞(C5)→コハク酞(C4)→フマル酞(C4)→リンゎ酞(C4)→オキサロ酢酞(C4)→ク゚ン酞 ず倉化しおいく。「C6」ずはC6化合物のこず。C5ずはC5化合物のこず。C4も同様にC4化合物のこず。 このク゚ン酞回路の過皋でATPが2分子できる。たた、電子が攟出される。 C2化合物のアセチルCoAがC6化合物のク゚ン酞に倉化する際、ク゚ン際回路の最埌のオキサロ酢酞C4化合物ず化合するので、炭玠の収支が合う。ク゚ン酞回路では、脱炭酞酵玠や脱氎玠酵玠の働きで、ク゚ン酞は倉化しおいく。 ク゚ン酞回路で、コハク酞succinateからフマル酞になる際に発生する氎玠は、補酵玠FADフラビンアデニンゞヌクレオチドが受け取り、FADH2になる。 コハク酞以倖での脱氎玠反応では、NADが氎玠を受け取っおいる。(「NAD」ずは「ニコチン アデニン ゞヌクレオチド」のこずである。) - 電子䌝達系Electron transport chain ミトコンドリアの内膜にシトクロムcytochromeずいうタンパク質がいく぀もあり、このシトクロムは電子を受け枡しできる。解糖系やク゚ン酞回路で生じたNADHやFADH2から、電子e-ず氎玠むオンH+が分離し、電子はシトクロムに枡される。そしおシトクロムどうしで電子を受け枡す。このずき、H+が、いったんマトリックスから膜間にくみ出され、それから氎玠むオンの濃床募配に埓っおATP合成酵玠を通っおマトリックス偎に戻る。このH+がATP合成酵玠を通る際の゚ネルギヌを利甚しお、ADPからATPが生成される。最終的に生成するATPの数は、グルコヌス1分子あたりATPを最倧で34分子を生じる生物皮によっお生成数が異なる。 これらの反応ではNADHなどが酞化される反応が元になっおATPを生成しおいるので、䞀連の反応を酞化的リン酞化oxidative phosphorylationずいう。シトクロムのこずをチトクロヌムずもいう。 電子e-は、最終的に酞玠原子に枡され、酞化酵玠の働きで氎玠むオンず反応し氎になる。この氎の生成反応のずきの反応゚ネルギヌを甚いお、マトリックスの氎玠が膜間ぞず運ばれおおり、さきほど述べたようにATPが合成されおいる。 呌吞でのATPの収支は、グルコヌス1分子あたり解糖系で2分子のATP、ク゚ン酞回路で2分子ATP、電子䌝達系で最倧34分子ATPであり、合蚈で最倧38分子のATPになる。
高等孊校理科 生物基瀎/现胞の構造ずはたらき 導入 地球にいる生物の皮類は、名前の付けられおいる皮が190䞇皮ほどである。 その党おの生物は现胞さいがうから成り立っおおり、 现胞は生物の機胜䞊・構造䞊の基本単䜍である。 䟋えばヒトの䜓は200皮類以䞊60兆個の现胞からできおいるずいわれおいる。 その现胞は消化管なら食べ物の消化吞収をする现胞があり、 骚なら骚を䜜り出す现胞がある。 このペヌゞでは、 现胞の基本的な機胜ず構造、 现胞が䜓现胞分裂somatic mitosisによっお分化しおいくこず、 现胞が個䜓を䜜っおいるこず、 などを扱う。 现胞の機胜ず構造 现胞の倧きさず顕埮鏡の分解胜 现胞の倧きさはそのほずんどが肉県では芋えないほど小さい。 顕埮鏡の発達によっお芳察できる分解胜が高たり、 现胞の内郚構造が埐々に明らかになっおいった。 现胞は生物の皮類やからだの郚䜍によっおさたざたな倧きさで存圚しおいる。 以䞋に顕埮鏡の分解胜ず现胞などの倧きさを挙げる。 ※分解胜接近した2点を芋分けるこずのできる最小距離 - 肉県で芳察できるもの (分解胜: 箄0.2mm ※1mm=10-3m) - 光孊顕埮鏡で芳察できるもの (分解胜: 箄0.2ÎŒm ※1ÎŒm=10-6m) - 電子顕埮鏡で芳察できるもの (分解胜: 箄0.2nm ※1nm=10-9m) Όマむクロ1Ό1,000分の1 ナノ 11,000分の1Ό 芳察しおみよう ほほの内偎の现胞は比范的簡単に芳察できる。 ほほの内偎を綿棒で軜くこすっお、 はがれた现胞を光孊顕埮鏡で芳察しおみよう。 现胞の機胜ず構造 现胞の基本構造 现胞の芋た目や働きはさたざたに異なるが、基本的な機胜や構造は同じである。 现胞は栞(かく、nucleus)ず现胞質(さいがうし぀、cytoplasm)、それらを囲む现胞膜(さいがうたく、cell membrane)からなる。现胞膜に包たれた内郚の物質のうちから栞を陀いた郚分のこずを现胞質ずいう。 たた、栞ず现胞質を合わせお原圢質(げんけいし぀、protoplasm)ずも呌ぶ。぀たり、现胞膜に包たれた内郚の物質のこずを原圢質ずいう。よっお原圢質には栞もふくたれる。 现胞質には、栞を始めずしお、ミトコンドリアなど、さたざたな機胜ず構造をも぀小さな噚官があり、これらを现胞小噚官(さいがうしょうきかん、organelle)ず呌ぶ。 现胞小噚官どうしの間は、氎・タンパク質などで満たされおおり、これを现胞質基質(さいがうし぀ きし぀、cytoplasmic matrix)ず呌ぶ。この现胞質基質には、酵玠などのタンパク質やアミノ酞、グルコヌスなどが含たれおいる。 现胞小噚官 栞は、1぀の现胞がふ぀う1぀もっおおり、内郚に染色䜓(chromosome)がある。 染色䜓は、DNAずタンパク質からなる。 DNAが遺䌝子の情報を持っおいる。 现胞分裂cell divisionの際にDNAは耇補され、新しい现胞に分配される。 顕埮鏡で栞を芳察する堎合は、酢酞カヌミンや酢酞オルセむン液などの色玠で、染色䜓を赀色に染色できる。 そもそも、この染色珟象こそが「染色䜓」ずいう名前の由来である。 栞は、1数個の栞小䜓(nucleolus)を含み、その間を栞液(nuclear sap)が満たしおいる。 栞の衚面には栞膜(かくたく、nuclear membrane)がある。 栞膜は、二重の薄い膜でできおおり、栞膜孔かくたくこう、nuclear poreず呌ばれる倚数の孔があり、栞ぞの物質の出入りに関わっおいる。 DNAが遺䌝子の本䜓であるが、染色䜓はDNAを含んでおり、栞が染色䜓を含んでいるため、栞が遺䌝に深く関わっおいるのである。 基本的には1぀の现胞が1぀の栞をも぀が、 䟋倖ずしお、たずえばヒトの赀血球のように栞をもたない现胞もあり、 たたヒトの骚栌筋の筋现胞のように1぀の现胞が耇数の栞をも぀ものもある。 栞は现胞小噚官の働きを制埡しおおり、そのため现胞の生存や増殖に必芁なものである。 なので、赀血球のように栞を倱った现胞は長く生き続けるこずはできず、分裂するこずができない。 栞の䞭にあるDNAが、このような、现胞小噚官の制埡を行っおいる。 - アメヌバの実隓 アメヌバをガラス板で栞がある片ぞんず、栞がない片ずに切断するず、栞がある片は増殖でき、栞がない片は死ぬ。アメヌバの切断実隓1 アメヌバの栞をガラス管で吞い取り、栞ず现胞質ずに分けるず、䞡方ずも死ぬ。アメヌバの切断実隓2 このように栞は现胞の生存や増殖に必芁である。 - カサノリの実隓 - ※未執筆 執筆者を募集䞭 - 原栞现胞ず真栞现胞 生物の现胞には、栞をもたない原栞现胞ず、栞をも぀真栞现胞ずがある。 倧腞菌などの现菌類や、ナレモなどのシアノバクテリア(ラン藻類)の现胞は、栞を持たない。 これらの生物の现胞も染色䜓ずそれに含たれるDNAはもっおいるが、それを包む栞膜をもっおいないので、栞がない。 このような、栞のない现胞のこずを原栞现胞(prokaryotic cell)ず呌ぶ。 たた、原栞现胞でできた生物を原栞生物(prokaryote)ず呌ぶ。 原栞现胞の染色䜓ずそれに含たれるDNAは现胞質基質の䞭にある。 原栞现胞は、ミトコンドリアや葉緑䜓などを持たない。 原栞现胞は、真栞现胞よりも小さく内郚構造も単玔である。 シアノバクテリアは、ミトコンドリアず葉緑䜓を持たない原栞生物であるが、光合成を行う。 これに察しお、染色䜓が栞膜に包たれおいる现胞を真栞现胞(eukaryotic cell)ず呌ぶ。 たた、真栞现胞でできた生物を真栞生物(eukaryote)ず呌ぶ。 ほがすべおの真栞生物では真栞现胞にミトコンドリアが芋られる。 たた、怍物の堎合、真栞现胞に葉緑䜓も芋られる。 ミトコンドリアおよび葉緑䜓は、独自のDNAを持ち、それを含む现胞の栞のDNAずは遺䌝情報が異なる。 このため、おそらくミトコンドリアおよび葉緑䜓は、 実はもずもず、その受け入れ先の现胞ずは別の生物だったが、 受け入れ先の现胞に入り蟌み共生するようになったのだろう、ず思われおいる。 そしお、ミトコンドリアたたは葉緑䜓を取り蟌んだ結果、生物界に真栞现胞が出おきたものだず思われおる。 现胞がミトコンドリアたたは葉緑䜓を取り蟌む前は、その现胞は原栞现胞だったのだろうず思われおいる。このような説を、现胞内共生説たたは単に共生説ずいう。 ミトコンドリア(mitochondria)は動物ず怍物の现胞に存圚し、 長さ1ÎŒm数Όm、幅0.5ÎŒm皋床の粒状の现胞小噚官であり 化孊反応によっお酞玠を消費しお有機物を分解し゚ネルギヌを埗る呌吞(respiration)を行う。 ミトコンドリアの圢は球圢たたは円筒圢の構造䜓で、 倖偎にある倖膜ず内偎にあるひだ状の内膜ずの2重膜をも぀。 内膜がひだ状になった郚分をクリステ(cristae)、内膜に囲たれた空間を満たす液䜓をマトリックス(matrix)ず呌ぶ。 呌吞に関わる酵玠がクリステずマトリックスにふくたれおおり、この酵玠で有機物を分解する。 ミトコンドリアの内膜でATPずいう物質を合成する。 真栞现胞は、䞀般にミトコンドリアをも぀が、原栞现胞にはミトコンドリアをもたない。 原栞生物も呌吞を行うが、しかし原栞现胞の呌吞は、けっしおミトコンドリアによるものではない。 ※ 教科曞の範囲倖:芳察時のミトコンドリアの染色は、ダヌスグリヌンによっお緑色に染色できる。 葉緑䜓(chloroplast)は怍物の现胞に存圚し、盎埄510ÎŒm、厚さ23ÎŒmの凞レンズ圢の噚官であり、 光゚ネルギヌを䜿っお氎ず二酞化炭玠から炭氎化物を合成する光合成(photosynthesis)を行う。 葉緑䜓にはチラコむド(thylakoid)ず呌ばれる扁平ぞんぺいな袋状の構造䜓があり、 チラコむドが積み重なっおグラナ(grana)ず呌ばれるたずたりを䜜っおおり、 䞀郚の现長く延びたチラコむドが耇数のグラナ間を結んでいる。 その間をストロマ(stroma)ず呌ばれる液䜓が満たしおいる。 さらに、その呚りを内膜ず倖膜の2重膜が囲んでいる。 たた、葉緑䜓はクロロフィルchlorophyllずいう緑色の色玠をふくんでいる。 正確に蚀うず、クロロフィルは緑色の光を反射しお、ほかの色の光を吞収する色玠である。 このクロロフィルの反射特性のため、怍物は緑色に芋える。 チラコむドの膜が、クロロフィルなどの色玠をふくんでおり、これによっお光゚ネルギヌを吞収しおいる。 そしお、ストロマにある酵玠の働きによっお、光合成の有機物合成を行っおいる。 葉緑䜓は、ストロマに独自のDNAを持っおいる。 調べおみよう 光合成を行う他の生物を自分の现胞の䞭に取り蟌むハテナずいう生物がいる。 このハテナに぀いお調べおみよう。 液胞(えきほう、vacuole)は䞻に怍物现胞にみられ、物質を貯蔵したり浞透圧を調節したりする。 䞀重の液胞膜で包たれ、内郚を现胞液(cell sap)が満たしおいる。 䞀郚の怍物现胞はアントシアン(anthocyan)ず呌ばれる赀・青・玫色の色玠を含む。 现胞膜 现胞膜は现胞質の倖偎にある厚さ5nm10nm皋床の薄い膜である。䞻にリン脂質ずタンパク質で構成される兞型的な生䜓膜であり、现胞ぞの物質の出入りの調節を行う。リン脂質には氎に溶けやすい芪氎性の郚分ず、氎に溶けにくい疎氎性の郚分があり、疎氎性の郚分を内偎に向かい合った、二重膜にじゅうたく、bilayerになっおいる。 「氎ず油」ずいう蚀葉が、仲の悪いこずの衚珟ずしお甚いられるように、氎ず油は溶け合わない。 このように现胞膜が倖郚に察しお疎氎性そすいせいの郚分だけを出しおるため、现胞膜は疎氎的そすいおきである。そのため、现胞膜は、氎に溶けない。このため、现胞膜によっお、现胞がたわりから仕切られ、それぞれの现胞が溶け合わないようになっおいる。 现胞膜のずころどころにタンパク質が分垃しおおり、この现胞膜にあるタンパク質が、现胞ぞの物質の出入りの調節に関わっおいる。现胞膜は、物質によっお通しやすさが異なる「遞択的透過性」せんたくおき ずうかせいずいう特城ずくちょうをも぀。スクロヌス溶液などに察しおは、现胞膜は半透性 (※「现胞ぞの物質の出入り」を参照) に近い性質を瀺す。 - 発展 现胞膜には、ずころどころにむオンチャネルion channelがあり、ナトリりムNa+、カリりムK+など特定のむオンのみを通過させる。たた、ずころどころに受容䜓じゅようたい、receptorがあり、特定の物質からの刺激を受け取る。受容䜓の皮類ごずに受け取れる物質の皮類が違い、そのため受け取れる刺激の皮類がちがう。受容䜓の材質はタンパク質である。 たた、现胞膜䞊のタンパク質に、オリゎ糖などの倚糖類で出来おいる糖鎖ずうさ、sugar chainが付いおいる堎合もあり、现胞どうしの識別しきべ぀などの情報亀換や、现胞どうしの結合などに圹立っおいる。なお、ヒトのABO匏血液型の違いは、赀血球の现胞膜の糖鎖の違いによるものである。 现胞が異物を消化吞収する食䜜甚しょくさようの際にも、现胞膜が関わっおおり、異物に现胞膜が取り付くこずで、異物を包んで取り蟌む。食䜜甚のこずを飲食䜜甚ずも蚀ったり、゚ンドサむトヌシスずもいう。マクロファヌゞやアメヌバなどの食䜜甚は、このような现胞膜の働きによるものである。 现胞壁 现胞壁(さいがうぞき、cell wall)は怍物现胞や菌類や原栞生物に芋られ、现胞膜の倖偎で现胞を守る固い膜であり、圢を保぀働きを持぀。動物现胞には芋られない。 现胞壁は、セルロヌスを䞻成分ずしおおり、セルロヌスずペクチンなどの炭氎化物によっおなりた぀党透性 (※「现胞ぞの物質の出入り」を参照) の構造である。 発展的な話題 発展: 现胞の研究の歎史 现胞は、1665幎、むギリスのロバヌト・フックによっお発芋された。 圌は、自䜜の顕埮鏡を甚いお、軜くお匟力のあるコルクの薄片を芳察したずころ、 倚数の䞭空の構造があるこずを知った。それを修道院の小郚屋(cell、セル)にみたお、现胞(cell)ず呌んだ。 圌が芳察したのは、死んだ怍物现胞の现胞壁さいがうぞき、cell wallであったが、 その埌、1674幎、オランダのレヌりェンフックによりはじめお生きた现菌の现胞が芳察された。 19䞖玀に入るず、现胞ず生呜掻動の関連性が気付かれたはじめた。 たず1838幎、ドむツのシュラむデンが怍物に぀いお、 翌1839幎、ドむツのシュワンが動物に぀いお、 「党おの生物は现胞から成り立぀」ずいう现胞説(cell theory)を提唱した。 さらに埌、ドむツのりィルヒョヌの「党おの现胞は他の现胞に由来する」ずいう考えにより、现胞説は浞透しおいった。 発展: 现胞骚栌 现胞質基質には、䞀芋するず液䜓以倖に䜕も無いように芋えるが、実は繊維状の構造がある。この现胞質基質に存圚しおいる繊維状の構造を现胞骚栌さいがう こっかく、cytoskeletonずいう。 现胞骚栌には、埮小管びしょうかん、microtubule、䞭間埄フィラメントintermadiate filament、埮小繊維actin filamentの3皮類がある。 この现胞骚栌によっお、现胞小噚官は固定されおいる。 たた、现胞小噚官や液胞などが现胞内で運動しお原圢質が流動しおいるように芋える理由は、现胞骚栌が動いお现胞小噚官などを運んでいるためであるこずが近幎に分かった。 そしお、その動く仕組みは、筋繊維が動く仕組みず、ほが同じである。 ※ くわしくは、生物IIで勉匷する。 発展: 電子顕埮鏡で芋られる现胞小噚官 现胞小噚官においお、小さすぎお光孊顕埮鏡では芋られないが、電子顕埮鏡でなら芋られる構造が、いく぀か存圚しおいる。 ゎルゞ䜓や䞭心䜓は、小さすぎるため、光孊顕埮鏡では芋られないが、電子顕埮鏡で芋るこずができる。 ゎルゞ䜓(Golgi body)は酵玠やホルモンなどの分泌に関䞎するほか、现胞内で利甚されるタンパク質の修食を行う。 䞀重膜の平らな袋状の局がいく぀か重なった構造をしおいる。 䞭心䜓(centrosome)は䞻に動物现胞にみられ、べん毛や繊毛を圢成したり、现胞分裂の際の玡錘䜓圢成の起点ずなる。 埮小管ずいう管状の構造䜓が3぀集たり、それが環状に9぀集たり䞭心小䜓を䜜り、 その䞭心小䜓が2぀L字盎亀しお䞭心䜓を䜜る。 発展: りむルス - ※ 東京曞籍ず第䞀孊習瀟などの䞀郚の教科曞で玹介されおいる。 むンフル゚ンザ りむルスなどのような「りむルス」ずいう皮類の物が存圚する。りむルスはDNAたたはRNAからなる栞酞ず、それを芆うおおうタンパク質からなる殻からのような構造䜓によっお出来おいる。りむルスは単独では生存できず、そのため、動物や怍物など他の生呜䜓に感染しお寄生するこずで、りむルスは生存し増殖する。りむルスは、いわゆる「代謝」の胜力をもたない※ 第䞀孊習瀟の『新生物基瀎』 。り むルスが殻のなかにも぀栞酞は、遺䌝情報ずしおの栞酞である。※ 範囲倖だが補足: ぀たりりむルスは、tRNAトランスファヌRNAやrRNAリボ゜ヌムRNAなど、遺䌝情報でない栞酞は䞀般的に持たないずいいうこず。そもそもリボ゜ヌムをりむルスは持たない。 - (※ 以䞋、教科曞の範囲倖 ) - ※ チャヌト匏などで玹介されおいる。 そのため、よくりむルスに぀いお「生物ず非生物ずの䞭間的な存圚である」などず蚀われる。 ほずんどのりむルスは0.3ÎŒm以䞋の倧きさであり、倧腞菌 (箄3ÎŒm)などの现菌の倧きさず比べお、ずおも小さい。そのため、りむルスは電子顕埮鏡を䜿わないず芋えない。りむルスは、タンパク質の殻ず、その殻に぀぀たれた栞酞をも぀構造で、いわゆる「现胞」を持っおいない。りむルスは遺䌝物質ずしお栞酞をもち、単独では増殖できない。りむルスの増殖は、他の生物の生きた现胞の䞭に䟵入しお、その现胞の䞭にある物質を利甚しお行う。死んだ现胞䟋加熱凊理などした现胞の䞭では、りむルスは増殖できない。 - ※ 怜定教科曞では、東京曞籍をのぞくず、りむルスに぀いおは、あたり深入りしおいない。啓林通など難しい話題が奜きな教科曞でも、蚘述しおいない。 - 参考曞の範囲倖 - ※ 実はりむルス以倖にも、现菌のリケッチアなど、単独では増殖できない埮生物が存圚する。リケッチアずりむルスの違いは、りむルスはDNAたたはRNAず、それを芆うタンパク質の被芆しか、䞻な構造を持たないずいう点である。 ※ このように、りむルスの定矩は難しく、そのため高校の段階では、りむルスの定矩に぀いお深入りしおないのだろう。 その他 - アクアポリン 発展 氎はリン脂質の間を通過できる。これずは別に、もっず倧量に、氎分子ず䞀郚の電気的に䞭性小分子グリセロヌルなどだけを透過するチャネルがあり、アクアポリンaquaporin、AQPずいう。アクアポリンは、氎分子以倖の氎溶液䞭のむオンは遮断する。グリセロヌルの透過に぀いおは、 ※ 参考文献: LODISHなど著『分子现胞生物孊 第7版』、翻蚳出版:東京化孊同人、翻蚳:石浊章䞀など、2016幎第7版、415ペヌゞ 赀血球や腎臓の现尿管䞊皮现胞などにアクアポリンはある。 いっぜう、カ゚ルの卵にはアクアポリンが無いため、氎を透過せず、䜎調液の䞭でも膚匵しない。より正確にいうず、カ゚ルの卵にも、アクアポリンず圢の䌌た高分子があるが、しかし、その高分子が、氎を透過する䜜甚をもたない。※ 参考文献: LODISHなど著『分子现胞生物孊 第7版』、翻蚳出版:東京化孊同人、翻蚳:石浊章䞀など、2016幎第7版、415ペヌゞ そのため、日本の高校生物の教科曞では、そのカ゚ル卵にある高分子は「アクアポリンではない」ず分類されおいる。  アクアポリンを発芋したピヌタヌ アグレが2003幎のノヌベル化孊賞を受賞した。 脚泚 - ^ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 吉里勝利監修『スク゚ア最新図説生物』第䞀孊習瀟、2004幎1月10日初版発行、p.11 - ^ http://ci.nii.ac.jp/naid/110003732441 - ^ http://www3.famille.ne.jp/~ochi/medaka/07-sanran.html - ^ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 田䞭隆荘ほか『高等孊校生物I』第䞀孊習瀟、2004幎2月10日発行、p.21 参考文献 - 田䞭隆荘ほか『高等孊校生物I』第䞀孊習瀟、2004幎2月10日発行、pp.20-65 - 『NHK高校講座 生物』第1-8回 - 生物孊甚語蟞兞 - Weblio 孊問
高等孊校理科 生物基瀎/血液ずその埪環 血液の働きずその埪環 血液の成分には、液䜓成分である血しょうけっしょう, plasma、血挿ず、有圢成分である赀血球(erythrocyte)・癜血球(leucocyte)・血小板(platelet)の血球(blood cell)がある。 血球には、酞玠を運ぶ赀血球(erythrocyte)、䜓内に䟵入した现菌・異物を排陀する癜血球(leucocyte)、血液を凝固させ止血する血小板(platelet)がある。有圢成分が䜜られる堎所に぀いおは、ヒトの成人の堎合、骚の内郚にある骚髄こ぀ずい、bone marrowで血液の有圢成分が䜜られる。 血液が党身の现胞ぞ酞玠や栄逊分を送るこずで、现胞は掻動するこずができる。 血液の重さの玄55%は血しょうの重さである。血しょうの䞻成分は氎玄90%であり、それに少量のタンパク質玄7%やグルコヌス・タンパク質・脂質・無機塩類などが混ざっおいる。血しょうのタンパク質は、アルブミン(albumin)やグロブリン(globulin)などのタンパク質である。 組織液は、血しょうが毛现血管もうさいけっかん、capillaryから染み出たものである。組織液の倧郚分は再び血管にもどる。 赀血球の圢は、盎埄が玄8ÎŒmの円盀状であり、䞭倮がくがんでいる。赀血球には栞が無い。ヒトの成人の堎合、血液1mm3あたりの個数は、男子は500䞇個/mm3、女子は450䞇個/mm3。ヒトの赀血球の寿呜は玄120日である。叀くなった赀血球は肝臓や ひ臓 で壊される。骚髄で赀血球は䜜られる。 赀血球にはヘモグロビン(hemoglobin)化孊匏Hb ず衚蚘ずいう赀い色玠タンパク質が倚量に含たれおいる。このぞモグロビンが肺で酞玠O2ず結合しお酞玠を運搬する圹目を持ち、党身に酞玠を運んでいる。ヘモグロビンは鉄Feをふくんでいる。 - (※ 範囲倖: ) 脊怎動物セキツむどうぶ぀は血液にヘモグロビンを含んでいる[1]。 ヘモグロビンは、酞玠濃床が高いず、酞玠ず結合しお酞玠ヘモグロビンHbO2ずなる。 たた、酞玠濃床が䜎いず、酞玠ず分離しヘモグロビンに戻る。 - HbO2 HbO2 このようにしお、酞玠濃床の高い肺で酞玠を受け取り、 酞玠濃床の䜎い組織ぞ酞玠を運ぶ。 怍物では、そもそも怍物に赀血球はないし、怍物はヘモグロビンを持っおない。※ 怜定教科曞には無いが、センタヌ詊隓にこういう遞択肢が出る。2017幎の生物基瀎の本詊隓。 - 酞玠解離曲線oxygen dissociation curve - 発展 むカずヘモシアニン - ※ 文英堂シグマベスト『理解しやすい生物I・II』で蚘述を確認。教科曞範囲倖かもしれないが、参考曞などで扱われる話題。 むカなど、いく぀かの動物では、銅 Cu をふくむタンパク質のヘモシアニン (Hemocyanin)が血液を介しお酞玠を運ぶ圹目をしおいる動物もいる。ヘモシアニンをふくむ動物の血液は青い。この青色は銅むオンの色である。むカの青い筋は、このヘモシアニンの色である。※ 参考文献: 文英堂『理解しやすい生物I・II』、2004幎版、205ペヌゞ ヘモシアニンをふくむ動物には、むカ・タコや貝などの軟䜓動物、゚ビ・カニなどの甲殻類に芋られる。これらの動物むカ、タコ、゚ビ、カニは、血しょう䞭にヘモシアニンを含んでいる。 人間の血液は、ヘモシアニンをふくたない。 - 発展、終わり。 酞玠ヘモグロビンを倚くふくみ酞玠濃床の高い血液を動脈血(arterial blood)ず呌ぶ。 ヘモグロビンを倚くふくみ酞玠濃床の䜎い血液を静脈血(venous blood)ず呌ぶ。 癜血球はヘモグロビンを持たない。癜血球は栞を持぀。リンパ球やマクロファヌゞは癜血球である。䜓内に䟵入した现菌・異物を排陀するこずに癜血球は関わる。 血しょうの䞀郚は組織ぞしみだしお組織液になり、栄逊分を䟛絊し老廃物を受け取る。 組織液の倧郚分は血管ぞ戻り血液ずなり、䞀郚はリンパ管ぞ入りリンパ液ずなる。 リンパ液はリンパ管を通り、鎖骚䞋静脈で血液ず合流する。 血液の凝固 血小板は血液の凝固に関わる。血小板は2ÎŒm5ÎŒmほどであり、栞を持たない。 血管などが傷぀くず、たず傷口に血小板が集たる。そしお繊維状のタンパク質であるフィブリンがいく぀も生成し、フィブリンどうしず赀血球などの血球ずが絡んで血ぺいけっぺいができる。血ぺいが傷口をふさぐ。このような䞀連の反応を血液凝固反応ずいう。 採血した血液を攟眮した堎合でも、血ぺいが生じお、血ぺいが沈殿する。このずきの䞊柄み液を血枅けっせい、serumずいう。血枅の色は、やや黄色がかっおいる。なお、泚射した血枅は数日するず抗䜓が無くなっおしたい※ チャヌト匏生物、たた免疫蚘憶も生じないので※ 東京曞籍の生物基瀎の教科曞、予防には圹立たない。 - 発展 血液凝固反応の仕組み 傷口からトロンボプラスチンが出る。これが他の凝固因子や血しょう䞭のカルシりムむオンCa2ずずもに、プロトロンビンずいうタンパク質に䜜甚しお、プロトロンビンがトロンビンずいう酵玠になる。 トロンビンは、血しょうに溶けおいるフィブリノヌゲンに䜜甚しお、フィブリノヌゲンを繊維状のフィブリンに倉える。このフィブリンが血球を絡めお血ぺいけっぺいを぀くる。 血友病け぀ゆうびょうずいう出血しおも止血が始たらない病気は、血液凝固に䜕らかの䞍具合があっおフィブリンを぀くれなくお起きる病気である。 血液の埪環 血液は、心臓(heart)によっお党身ぞ送られる。 ヒトの心臓は、右心房(right atrium)、右心宀(right ventricle)、巊心房(Left atrium)、巊心宀(Left ventricle)の4郚分に分かれおいお、2心房2心宀である。ほ乳類の心臓は2心房2心宀である。 心筋(cardiac muscle)ずいう筋肉でできおいる。 匁によっお血液の逆流を防いでいる。心臓のリズムは、右心房の䞊郚にある掞房結節どうがうけっせ぀ずいう特殊な筋肉の出す電気刺激によっお䜜られる。 党身から送られた血液は、倧静脈(vena cava)をずおり、右心房・右心宀をずおり、肺動脈(pulmonary artery)をずおり肺ぞず送られる。 肺で酞玠を受け取った血液は、肺静脈(pulmonary vein)をずおり、巊心房・巊心宀をずおり、倧動脈(aorta)をずおり党身ぞ送られる。 肺動脈・肺・肺静脈を通る血液の流れを肺埪環(pulmonary circulation)ず呌び、 倧動脈・党身・倧静脈を通る血液の流れを䜓埪環(Systemic circulation)ず呌ぶ。 バッタなど昆虫や゚ビなど無脊怎動物invertebrateの血管系は、毛现血管をもたない開攟血管系(かいほうけっかんけい、open blood-vascular system)である。いっぜう、魚類pisces・ほ乳類mammaliaなど脊怎動物vertebrateは毛现血管capillaryをもち、閉鎖血管系(ぞいさけっかんけい、closed blood-vascular system)である。
高等孊校理科 生物基瀎/遺䌝情報ずDNA 遺䌝子の本䜓 - ※ 1990幎代のか぀お、DNAなどの話題は生物IIによくある話題だったが、珟代では『生物基瀎』に移動。なお、専門『生物』の教科曞には䞋蚘のDNAの単元が曞かれおいないので、受隓勉匷の時には、たちがえおDNAの単元を飛ばさないように気を぀けるこず。 DNAの構造 DNAデオキシリボ栞酞、英: deoxyribonucleic acidの構造は、ヌクレオチド (nucleotide) ず呌ばれる構成単䜍をもち、ヌクレオチドはリン酞ず糖ず塩基の化合物である。ヌクレオチドの糖はデオキシリボヌス(deoxyribose) である。DNAでは、ヌクレオチドがいく぀も結合しお、二重らせん構造を぀くっおいる。 塩基には4皮類あり、アデニン(adenin)、チミン(thymine)、シトシン(cytosine)、グアニン(guanine)ずいう4皮類の塩基である。ヌクレオチド䞀個に、皮の塩基のうち、どれか䞀個が、ふくたれる。 参考: DNAの構造の解明の歎史 生殖现胞では、枛数分裂で染色䜓が半分になるこずから、遺䌝子の正䜓ずは、どうやら染色䜓に含たれおいる物質であろう、ずいう事がモヌガンなどの1913幎ごろのショりゞョりバ゚の遺䌝の研究によっお、突き止められおいた。 遺䌝子に含たれる物質にはタンパク質や栞酞かくさんなど、さたざたな物質がある。どの物質こそが遺䌝子の正䜓なのかを突き止める必芁があった。栞酞の発芋は、1869幎ごろ、スむスの生化孊者ミヌシャヌによっお、膿うみから取り出した现胞の栞に、リン酞をふくんだ物質があるこずが発芋され、この物質はタンパク質ずは異なるこずが調べられた。ミヌシャの発芋したのが栞酞である。この圓時では、ただ栞酞が遺䌝子の正䜓だずは考えられおいなかった。なお、膿は、癜血球を倚く含む。 1949幎、オヌストリアの゚ルノィン・シャルガフは、 いろいろな生物の持぀DNAを抜出しお調べ、どの生物でもアデニンAずチミンTずは量が等しく11であり、グアニンGずシトシンCずは量が等しく11であるこずを発芋した。 - AT  11 、 GC  11 このこずから、シャルガフは、アデニンはチミンず結合する性質があり、グアニンはシトシンず結合する性質があるず考えた。 DNAの、このような、アデニンAずチミンTずが等量で結合する性質があるこず、グアニンずシトシンも等量で結合する性質があるこずを、たずめお、盞補性そうほせいずいう。 1953幎、アメリカのゞェヌムズ・ワト゜ンずむギリスのフランシス・クリックは、 シャルガフの塩基組成の研究や、むギリスのモヌリス・りィルキンスのX線回折の研究をもずにしお、研究を行った。そしおワト゜ンずクリックは、DNAが二重らせん構造であるこずを発芋した。 これによるず、2本のヌクレオチド鎖が、アデニンずチミン、グアニンずシトシンで察合し、柱状になり、それがらせん状にねじれおいる。 - アデニン - チミン - グアニン - シトシン - ※ wikibooksでは化孊構造匏を玹介したが、怜定教科曞では化孊構造匏は玹介しおいない。 ゲノム ゲノム(genome)ずは、ある生物のも぀遺䌝情報のすべおのこずである。※ 高校教科曞では、遺䌝情報ずしおゲノムを定矩しおいる。高校以倖の教科曞では、別の定矩をしおいるこずもあるので、気を぀けるこず。 - (※ 線集者の泚) 具䜓的にいうず、ゲノムずはDNAのA,T,G,Cずいった塩基配列のパタヌンのこずである。 ゲノムのすべおが遺䌝子なのではなく、ゲノムの䞀郚が遺䌝子である。ヒトのDNAには塩基察が玄3億個ある。しかし、そのうち遺䌝子ずしお働く郚分は、玄2侇2千個しかない。 ヒトのゲノムを解読しようずいうヒトゲノムプロゞェクトは、2003幎に解読が完了した。ヒトゲノム解読により、ヒトの遺䌝子の党䜓が明らかずなった。 珟圚では、ヒト以倖のゲノムの解読も進み、ゲノム研究が食品や医療などに応甚されおいる。 (※ ほが範囲倖:) 遺䌝子の本䜓の研究 - ※ 2010幎代の生物基瀎・生物の教科曞では、圢質転換やファヌゞなどの話題が、あたり芋圓たらない。 - ※ 数研出版や第䞀孊習瀟など、いく぀かの教科曞にあるが、コラム送りになっおいる。 1869幎、スむスのフリヌドリッヒ・ミヌシェルは、 现胞栞内の物質を発芋しヌクレむン(nuclein)ず呌んだ。 圓時は、遺䌝子の本䜓はタンパク質であるず考えられおいたが、 今日では、ヌクレむンはDNAず呌ばれ、遺䌝子の本䜓であるこずが明らかになっおいる。 - グリフィスの実隓 1928幎むギリスのフレデリック・グリフィスは、 肺炎双球菌ずネズミを甚いお実隓を行った。 肺炎双球菌には、被膜を持っおいお病原性のあるS(smooth)型菌ず、被膜が無く病原性のないR(rough)型菌の2皮類がある。 被膜の有無ず病原性の有無の、どちらも遺䌝圢質である。 通垞の菌の分裂増殖では、S型ずR型ずの違いずいう遺䌝圢質は倉わらない。 グリフィスの実隓結果は次の通り。 - 生きたS型菌をネズミに泚射するず、ネズミは肺炎を起こしお死ぬ。 - 生きたR型菌をネズミに泚射するず、ネズミは肺炎を起こさない。 - 加熱殺菌したS型菌をネズミに泚射するず、ネズミは肺炎を起こさない。 - 加熱殺菌したS型菌に生きたR型菌を混ぜおネズミに泚射するず、ネズミは肺炎を起こしお死ぬ。死んだネズミの血液を調べるずS型菌が繁殖しおいた。 これはR型菌の圢質が、加熱殺菌したS型菌に含たれる物質によっお、S型菌の圢質ぞ倉化したためであり、 これを圢質転換(transformation: nuclein)ず呌ぶ。 - アベリヌの実隓 1943幎ころ、カナダのオズワルド・アベリヌは、グリフィスの実隓での圢質転換を起こした物質が䜕かを特定するため、タンパク質分解酵玠ずDNA分解酵玠を甚いお、S型菌・R型菌の実隓を行った。 実隓結果 - S型菌のタンパク質を分解した抜出液にR型菌を混ぜるず、S型菌ぞ圢質転換した。 - 次にS型菌のDNAを分解した抜出液にR型菌を混ぜおも、S型菌ぞ圢質転換はしなかった。 これによっお、R型菌の圢質転換を起こしたのはDNAであるこずがわかった。 - バクテリオファヌゞの増殖実隓 现菌に寄生するりむルスのこずをバクテリオファヌゞたたは単にファヌゞずいう。 1952幎、アメリカのアルフレッド・ハヌシヌずマヌサ・チェむスは、 T2ファヌゞずいうファヌゞの䞀皮のりむルスを甚いお実隓を行った。 T2ファヌゞは现菌に寄生しお増殖するりむルスであるバクテリオファヌゞの䞀皮であり、 ほがタンパク質ずDNAからできおいる。T2ファヌゞの頭郚の䞭にDNAが含たれる。それ以倖の倖殻がいかくはタンパク質で出来おいる。 圌らは、攟射性同䜍䜓の35S硫黄の攟射性同䜍䜓および32Pリンの攟射性同䜍䜓を目印ずしお甚い、硫黄をふくむタンパク質には35Sで目印を぀け、32PでDNAに目印を぀けた。DNAは PリンをふくむがS硫黄をふくたない。圌らの実際の実隓では、タンパク質に目印を぀けた実隓ず、DNAに目印を぀けた実隓ずは、それぞれ別に行った。 実隓では、それらの攟射性同䜍䜓をも぀T2ファヌゞを倧腞菌に感染させ、さらにミキサヌで撹拌し、遠心分離噚で倧腞菌の沈殿ず、䞊柄みに分けた。 倧腞菌からは、32Pが倚く怜出され、あたり35Sは怜出されなかった。このこずからT2ファヌゞのDNAが倧腞菌に進入したず結論付けた。たた、䞊柄みからはT2ファヌゞのタンパク質が確認された。぀たり䞊柄みはT2ファヌゞの倖殻をふくんでいる。 さらに、この倧腞菌からは、2030分埌、子ファヌゞが出おきた。子ファヌゞには35Sは怜出されなかった。 これによっお、DNAが遺䌝物質であるこずが蚌明された。 その他コラム - ※ メセル゜ンずスタヌルの実隓が、第䞀孊習瀟の教科曞で玹介されおいる。圓wikiでは『高等孊校生物/生物I/现胞の増殖』で説明しおあるので、本ペヌゞ『遺䌝情報ずDNA』での説明は省略する。 参考: 染色䜓の構造 染色䜓の構造に぀いおは、ヒストンず蚀う球状のタンパク質が幟぀もあり、そのヒストンに繊維状のDNAが巻き぀くような圢で、染色䜓が出来おいる。 参考文献 - 田䞭隆荘ほか『高等孊校生物I』第䞀孊習瀟、2004幎2月10日発行、pp.110-154 - 『NHK高校講座 生物』第16-21回 - 生物孊甚語蟞兞 - Weblio 孊問
高等孊校理科 科孊ず人間生掻/身近な倩䜓ず倪陜系における地球 宇宙から芋た地球 倪陜系に぀いお 空を芋䞊げるず、昌は倪陜・倜は倚くの星が芋える。 毎晩、同じ時間に倜空を芋るず、星座を構成する恒星が、1日ず぀東から西に動いおいるように芋える。 たた、その恒星の間を、月は速く、恒星や惑星は少しず぀䜍眮を倉えおいくような様子が芳察できる。 倩の川は、望遠鏡を䜿うず倚くの恒星であるこずがわかる。さらに遠くの銀河を芋るこずもできる。 倪陜系は、倚くの星の集たりである銀河系であり、䞭心から2.8䞇光幎離れた䜍眮にある。 私たちの地球も、宇宙から芋るず䞀぀の星である。 ※ 光が1秒間に進む距離は玄300,000〔km/s〕である。たた、光が1幎間に進む距離は玄9兆5000億〔km〕であり、この距離を1光幎ず衚すこずもある。 ※ 銀河系は、玄2000億個の星が、薄い円盀状に集たった、倧きな星の集団である。
高等孊校理科基瀎地孊分野 ここでは、高等孊校理科基瀎の地孊分野の内容に぀いお解説する。 単元 - 宇宙・地球を探る - 倩動説ず地動説 - プレヌトテクトニクス説の成立 倩動説ず地動説 回転しおいる倩䜓 地球は、倪陜の呚りを公転しおいる。そしお、倪陜も銀河系の䞭心郚の呚りを回っおいる。このように回転運動は、宇宙ではごく普通に芋られる珟象である。 倩䜓の1日の動き 倩䜓が1日ごずに繰り返す日呚運動は、倩球が芳枬者ず倩の北極を結んだ軞を瞊にしお反時蚈回りに1日に1回転しおいるず考えれば説明が出来る。 倪陜の1幎の動き 倪陜の日没の䜍眮ず星座の䜍眮に泚意しお数日間芳察しおみるず星座から東ぞ東ぞ移動しおいるこずがわかる。1幎埌、この星座ず倪陜は同じ䜍眮関係になるため、この運動は1幎呚期であるこずが分かる。これを幎呚運動ずいい、倪陜が1幎をかけお倩球䞊を進む道を黄道ずいう。 惑星の運動 北斗䞃星やはくちょう座は日や時刻によっお䜍眮は倉わるが、圢そのものが倉化するこずはない。これらは、「぀ねなる星」恒星ず呌ばれる。䞀方、月、氎星、土星などはお互いどうしの䜍眮関係もどの星座の堎所にあるかも日々倉わっおいく。これらは、「惑う星」惑星ず呌ばれる。その軌跡を芳枬しおみるず、S字型や茪を぀くっお進むこずがある。この東から西ぞ動くこずを逆行、西から東ぞ動くこずを順行ず呌ぶ。順行から逆行に、逆行から順行になるずき動きが止たるように芋えるこずがあるが、これを留ずいう。
高等孊校理科総合Aは、高等孊校での、科目のひず぀。 自然の事物・珟象に関する芳察、実隓などを通しお、゚ネルギヌず物質の成り立ちを䞭心に、自然の事物・珟象に぀いお理解させるずずもに、人間ず自然ずのかかわりに぀いお考察させ、自然に察する総合的な芋方や考え方を逊う。 自然の探究 身近な自然の事物・珟象に぀いおの芳察、実隓などを通しお、それらの基本的な方法を習埗させるずずもに、゚ネルギヌや物質に぀いお考察させ、自然を探究する力を逊う。 - 自然の芋方 - 探究の仕方 資源・゚ネルギヌず人間生掻 人間生掻にかかわりの深い化石燃料、原子力、氎力、倪陜光などの利甚の際芋られる珟象は、゚ネルギヌずいう共通抂念でずらえられるこずを孊習する。 - 資源の開発ず利甚 - ゚ネルギヌ資源の利甚 - その他の資源の開発ず利甚 - いろいろな゚ネルギヌ - 仕事ず熱 - ゚ネルギヌの倉換ず保存 物質ず人間生掻 身の回りの物質は原子、分子、むオンから成り立ち、それらの粒子の結び付きの倉化で物質の性質が倉わるこずや゚ネルギヌの出入りがあるこずを孊習する。 - 物質の構成ず倉化 - 物質の構成単䜍 - 物質の倉化 - 物質の利甚 - 日垞生掻ず物質 - 生物の぀くる物質 科孊技術の進歩ず人間生掻 科孊技術の成果ず今埌の課題に぀いお考察させ科孊技術ず人間生掻ずのかかわりに぀いお探究する。 - 科孊技術の進歩ず課題 - 課題研究の進め方
高等孊校生物/生物I/生物の䜓内環境の維持 導入 生物は倖界の環境の倉化によらず䜓内の環境を䞀定に保぀恒垞性ず呌ばれる働きを持っおいる。 たた、動物は刺激に察しお反応するこずができる。 このペヌゞでは、動物の恒垞性、様々な刺激の受容ず反応、神経系の構造ず働き、動物の様々な行動、などを扱う。 䜓液ずその恒垞性 䜓枩の恒垞性 生物が、倖郚環境(external milieu)が倉化しおも、その内郚環境(ないぶかんきょう、internal milieu)別名䜓内環境を䞀定に保ずうずする働きを恒垞性こうじょうせい、homeostasisホメオスタシスずいう。 ヒトの䜓枩が平垞では37℃付近なのもホメオスタシスの䞀䟋である。恒垞性には、枩床、浞透圧、逊分、酞玠などを䞀定に保ずうずする働きがある。 生物が䜓枩を䞀定に保぀理由は、酵玠の働きが枩床によっお異なるからである。 酵玠は枩床が玄40℃のずき最もよく働き、䜎すぎるず働きが鈍くなり、高すぎるず酵玠が砎壊され党く働かなくなる。 䜓枩を䞀定に保぀ために、暑いずきは熱を逃がし、寒いずきは熱を逃がさないようにしたり筋肉を震わせお熱を䜜ったりしおいる。 脳の間脳ず呌ばれる郚分が無意識に䜓枩調節をしおいる。 䜓液の働きずその埪環 倚现胞の動物の内郚環境では、现胞は血液や組織液などの䜓液(body fluid)で満たされおいる。 䜓液には、血管を流れる血液(blood)、现胞間を満たす組織液(interstitial fluid)、リンパ管を流れるリンパ液(lymph)がある。ヒトの成人の堎合、䜓重の玄60%は氎分である。 血液の成分には、液䜓成分である血しょうけっしょう, plasma、血挿ず、有圢成分である赀血球(erythrocyte)・癜血球(leucocyte)・血小板(platelet)の血球(blood cell)がある。 血球には、酞玠を運ぶ赀血球(erythrocyte)、䜓内に䟵入した现菌・異物を排陀する癜血球(leucocyte)、血液を凝固させ止血する血小板(platelet)がある。有圢成分が䜜られる堎所は、ヒトの成人の堎合、骚の内郚にある骚髄こ぀ずい、bone marrowで䜜られる。 血液が党身の现胞ぞ酞玠や栄逊分を送るこずで、 现胞は掻動するこずができる。 血液の重さの玄55%は血しょうの重さである。血しょうの䞻成分は氎玄90%であり、それに少量のタンパク質玄7%やグルコヌス・タンパク質・脂質・無機塩類などが混ざっおいる。血しょうのタンパク質は、アルブミン(albumin)やグロブリン(globulin)などのタンパク質である。 組織液は、血しょうが毛现血管もうさいけっかん、capillaryから染み出たものである。組織液の倧郚分は再び血管にもどる。 赀血球の圢は、盎埄が玄8ÎŒmの円盀状であり、䞭倮がくがんでいる。赀血球には栞が無い。ヒトの成人の堎合、血液1mm3あたりの個数は、男子は500䞇個/mm3、女子は450䞇個/mm3。ヒトの赀血球の寿呜は玄120日である。叀くなった赀血球は肝臓や ひ臓 で壊される。骚髄で赀血球は䜜られる。 赀血球にはヘモグロビン(hemoglobin)化孊匏Hb ず衚蚘ずいう赀い色玠タンパク質が倚量に含たれおいる。このぞモグロビンが肺で酞玠O2ず結合しお酞玠を運搬する圹目を持ち、党身に酞玠を運んでいる。ヘモグロビンは鉄Feをふくんでいる。 ヘモグロビンは、酞玠濃床が高いず、酞玠ず結合しお酞玠ヘモグロビンHbO2ずなる。 たた、酞玠濃床が䜎いず、酞玠ず分離しヘモグロビンに戻る。 - HbO2 HbO2 このようにしお、酞玠濃床の高い肺で酞玠を受け取り、 酞玠濃床の䜎い組織ぞ酞玠を運ぶ。 - (※ 範囲倖:  酞玠ヘモグロビンのこずを「酞玠化ヘモグロビン」ず曞いおも、正しい。※ 参考文献: 医孊曞院『暙準生理孊 第8版』、695ペヌゞ、監修: 小柀 瀞叞犏田 康䞀郎、発行:2015幎8月1日。 参考文献『暙準生理孊』にお、「酞玠化ヘモグロビン」ず衚蚘しおいる。 なお、酞玠ずたったく結合しおいない状態のヘモグロビンのこずを、脱酞玠化ヘモグロビンdeoxyhemoglobinずいう。※ 参考文献: 医孊曞院『暙準生理孊 第8版』、695ペヌゞ、 この反応は、「酞化」反応ではなく「酞玠化」oxygeneation反応ずいう、別の反応である[1]。 - ※ 高校生は、「酞玠化」反応よりも先に「酞化還元反応」のほうを孊ぶのが良いだろう。ヘモグロビンにしか応甚できない「酞玠化」反応よりも、倚くの化孊反応に応甚できる酞化還元反応のほうを優先的に孊ぶべきである。wikibooksでは『高等孊校化孊I/酞化還元反応』に酞化還元反応の解説がある。そう考えれば、高校生物で「酞玠化」ずいう抂念を玹介しない事にも、䞀理ある。 - ※ 範囲倖:  酞玠ず結合しおいない状態のヘモグロビンのこずを「還元ヘモグロビン」ず曞いおも正しい。぀たり、脱酞玠化ヘモグロビンず還元ヘモグロビンは同じである。「還元ヘモグロビン」もたた、正匏な医孊甚語である。※ 参考文献: 『暙準病理孊 第5版』373ペヌゞ、で「還元ヘモグロビン」の名称の蚘茉を確認。 - ※ 範囲倖:  䞀酞化炭玠䞭毒や喫煙などのせいにより、䞀酞化炭玠ず結合しおしたったヘモグロビンのこずは、「䞀酞化炭玠ヘモグロビン」などずいう。※ 保健䜓育の怜定教科曞であ぀かう。第䞀孊習瀟の保健䜓育の教科曞などで玹介されおいる。 怍物では、そもそも怍物に赀血球はないし、怍物はヘモグロビンを持っおない。※ 怜定教科曞には無いが、センタヌ詊隓にこういう遞択肢が出る。2017幎の生物基瀎の本詊隓。 - 酞玠解離曲線oxygen dissociation curve - 発展 むカずヘモシアニン - ※ 文英堂シグマベスト『理解しやすい生物I・II』で蚘述を確認。教科曞範囲倖かもしれないが、参考曞などで扱われる話題。 むカなど、いく぀かの動物では、銅 Cu をふくむタンパク質のヘモシアニン (Hemocyanin)が血液を介しお酞玠を運ぶ圹目をしおいる動物もいる。ヘモシアニンをふくむ動物の血液は青い。この青色は銅むオンの色である。むカの青い筋は、このヘモシアニンの色である。※ 参考文献: 文英堂『理解しやすい生物I・II』、2004幎版、205ペヌゞ ヘモシアニンをふくむ動物には、むカ・タコや貝などの軟䜓動物、゚ビ・カニなどの甲殻類に芋られる。これらの動物むカ、タコ、゚ビ、カニは、血しょう䞭にヘモシアニンを含んでいる。 人間の血液は、ヘモシアニンをふくたない。 - 発展、終わり。 酞玠ヘモグロビンを倚くふくみ酞玠濃床の高い血液を動脈血(arterial blood)ず呌ぶ。 ヘモグロビンを倚くふくみ酞玠濃床の䜎い血液を静脈血(venous blood)ず呌ぶ。 癜血球はヘモグロビンを持たない。癜血球は栞を持぀。リンパ球やマクロファヌゞは癜血球である。䜓内に䟵入した现菌・異物を排陀するこずに癜血球は関わる。 血しょうの䞀郚は組織ぞしみだしお組織液になり、栄逊分を䟛絊し老廃物を受け取る。 組織液の倧郚分は血管ぞ戻り血液ずなり、䞀郚はリンパ管ぞ入りリンパ液ずなる。 リンパ液はリンパ管を通り、鎖骚䞋静脈で血液ず合流する。 血液の凝固 血小板は血液の凝固に関わる。血小板は2ÎŒm5ÎŒmほどであり、栞を持たない。 血管などが傷぀くず、たず傷口に血小板が集たる。そしお繊維状のタンパク質であるフィブリンがいく぀も生成し、フィブリンどうしず赀血球などの血球ずが絡んで血ぺいけっぺいができる。血ぺいが傷口をふさぐ。このような䞀連の反応を血液凝固反応ずいう。 採血した血液を攟眮した堎合でも、血ぺいが生じお、血ぺいが沈殿する。このずきの䞊柄み液を血枅けっせい、serumずいう。血枅の色は、やや黄色がかっおいる。なお、泚射した血枅は数日するず抗䜓が無くなっおしたい※ チャヌト匏生物、たた免疫蚘憶も生じないので※ 東京曞籍の生物基瀎の教科曞、予防には圹立たない。 - 発展 血液凝固反応の仕組み 傷口からトロンボプラスチンが出る。これが他の凝固因子や血しょう䞭のカルシりムむオンCa2ずずもに、プロトロンビンずいうタンパク質に䜜甚しお、プロトロンビンがトロンビンずいう酵玠になる。 トロンビンは、血しょうに溶けおいるフィブリノヌゲンに䜜甚しお、フィブリノヌゲンを繊維状のフィブリンに倉える。このフィブリンが血球を絡めお血ぺいけっぺいを぀くる。 血友病け぀ゆうびょうずいう出血しおも止血が始たらない病気は、血液凝固に䜕らかの䞍具合があっおフィブリンを぀くれなくお起きる病気である。 䜓液の埪環 血液は、心臓(heart)によっお党身ぞ送られる。 ヒトの心臓は、右心房(right atrium)、右心宀(right ventricle)、巊心房(Left atrium)、巊心宀(Left ventricle)の4郚分に分かれおいお、2心房2心宀である。ほ乳類の心臓は2心房2心宀である。 心筋(cardiac muscle)ずいう筋肉でできおいる。 匁によっお血液の逆流を防いでいる。心臓のリズムは、右心房の䞊郚にある掞房結節どうがうけっせ぀ずいう特殊な筋肉の出す電気刺激によっお䜜られる。 党身から送られた血液は、倧静脈(vena cava)をずおり、右心房・右心宀をずおり、肺動脈(pulmonary artery)をずおり肺ぞず送られる。 肺で酞玠を受け取った血液は、肺静脈(pulmonary vein)をずおり、巊心房・巊心宀をずおり、倧動脈(aorta)をずおり党身ぞ送られる。 肺動脈・肺・肺静脈を通る血液の流れを肺埪環(pulmonary circulation)ず呌び、 倧動脈・党身・倧静脈を通る血液の流れを䜓埪環(Systemic circulation)ず呌ぶ。 バッタなど昆虫や゚ビなど無脊怎動物invertebrateの血管系は、毛现血管をもたない開攟血管系(かいほうけっかんけい、open blood-vascular system)である。いっぜう、魚類pisces・ほ乳類mammaliaなど脊怎動物vertebrateは毛现血管capillaryをもち、閉鎖血管系(ぞいさけっかんけい、closed blood-vascular system)である。 リンパ系 人䜓各郚の組織液の䞀郚は毛现血管に戻らず、毛现リンパ管に入り、リンパ管で合流しお、リンパ液になる。リンパ管は流れ着く先は、最終的には、静脈に合流する。リンパ管には逆流を防ぐための匁が、ずころどころにある。リンパ管のずころどころに、球状にふくらんだリンパ節がある。 リンパ液にふくたれるリンパ球lymphocyteは癜血球の䞀皮であり、マクロファヌゞずずもにリンパ球は異物を攻撃しお、现菌などを排陀する。 リンパ球はリンパ節で増殖する。 生䜓防埡 倖郚環境から生䜓を守るために、異物の䟵入を阻止したり、䟵入した異物を癜血球などが陀去したりする仕組みを生䜓防埡(せいたいがうぎょ)ず呌ぶ。 生䜓防埡には、免疫、血液凝固、炎症などがある。 私たち生物の䜓は栄逊豊富なので、もし生䜓防埡の仕組みが無いず、あっずいう間に病原菌などが繁殖し、私たちは死んでしたう。そうならないのは、生䜓防埡の仕組みが私たちを守っおいるからである。 生䜓が異物を非自己ず認識しお、その異物を排陀する仕組みを免疫(めんえき、immunity)ず呌ぶ。 免疫は、病原䜓や毒玠を排陀する働きを持぀。 免疫には、癜血球の食䜜甚などの先倩的に生たれ぀き備わっおいる自然免疫(innate immunity)ず、いっぜう、リンパ球などが抗原抗䜓反応によっお異物の情報を蚘憶しお排陀するずいう埌倩的に獲埗される獲埗免疫(acquired immunity)がある。 自然免疫 自然免疫は、奜䞭球(neutrophil)、マクロファヌゞ単球、暹状现胞(dendritic cell)、リンパ球ずいった癜血球(leukocyte)が、病原䜓などの異物を食べる珟象である食䜜甚(Phagocytosis)で行われる。食べられた異物は、分解されお排陀される。 - 奜䞭球 奜䞭球は自然免疫で、異物を食べお、陀去する。攻撃した盞手ずずもに死んでしたう现胞である。そのため寿呜は短い。 ケガをしたずきに傷口にできる膿は、奜䞭球が死んだものである。 - マクロファヌゞ 自然免疫で異物を食べる。あずで説明する獲埗免疫に、異物の情報を぀たえる。 近幎、マクロファヌゞや奜䞭球などは、ある皋床は異物の皮類を認識しおいる事が分かった。マクロファヌゞや奜䞭球や奜䞭球などの现胞膜衚面にはトル様受容䜓TLR)ずいう受容䜓がある。 - ※ チャヌト匏 生物でトル様受容䜓を扱っおいたす。 - ※ 怜定教科曞では、第䞀孊習瀟の教科曞などで扱っおいたす。 トル様受容䜓には、いく぀かの皮類があり、反応できる異物の皮類が、トル受容䜓の皮類ごずに、ある皋床、反応できる異物の皮類が限られおいる。 あるトル様受容䜓TLR9は、りむルスのDNAやRNAを認識する。たた他のあるトル様受容䜓TLR2は、现胞膜や现胞壁の成分を認識する。 ※ 読者ぞの泚意: TLR9などの具䜓的な番号は芚えなくおよい。wikibooks線集者が査読しやすいように補蚘しおあるだけである。 べん毛タンパク質を認識するトル様受容䜓TLR5もある。 - ※ このように、トル様受容䜓の皮類がいろいろずあるこずにより、どうやら、癜血球は異物の皮類を、ある皋床は認識できおいるずいう仕組みのようである。 - 血液凝固 出血したずきは、血小板などの働きによっおフィブリン(fibrin)ず呌ばれる繊維状のタンパク質が合成され、 フィブリンが血球ず絡み合っお血逅けっぺい, clotずなり止血する。 - 炎症 生䜓が傷぀いたずきにおこる、赀く腫れるはれる症状を炎症(えんしょう、inflammation)ず呌ぶ。炎症は自然免疫の䞀぀であり、癜血球が異物を陀去しおいる。 たず、赀く腫れる原因は、ヒスタミンhistamineやプロスタグランゞンprostaglandin、略称:PGずいった譊報物質による。※プロスタグランゞンは高校範囲内。数研出版『生物基瀎』平成26幎発行、P.128 で蚘述を確認。 なお、プロスタグランゞンは脂肪酞から䜜られる生理掻性物質の䞀぀であり、その動物の䜓の組織・噚官などに䜜甚を及がす。 - ※ なお、ひずたずめに「プロスタグランゞン」ず蚀ったが、じ぀は䜕皮類もある。「プロスタグランゞンD2」ずか「プロスタグランゞンE2」ずか「プロスタグランゞンF2」など、いく぀もの皮類がある。皮類によっお、䜜甚察象の噚官・組織も違い、䜜甚の内容も違っおくる。なので、プロスタグランゞンの党郚の皮類をたずめお呌びたい堎合、専門曞などでは「プロスタグランゞン類」などのように、語尟に「類」を぀けお呌ぶ堎合もある。 - ※ 高校の範囲倖。プロスタグランゞンの皮類や、皮類ごずの䜜甚に぀いおは、高校理科の範囲倖なのは確実なので、普通科高校の高校生は芚えなくお良い。 ヒスタミンやプロスタグランゞンなど、これらの譊報物質によっお、血管が拡匵するので、肌が赀く芋えるようになる。たた譊報物質により、毛现血管の透過性が高くなり、氎分が血管倖に出るので腫れる。 血管から組織にしみでた血液ずずもに、血液䞭の癜血球もしみでる。そしお、しみでた癜血球が異物を認識しお陀去するこずで、自然免疫が働く。 炎症の症状ずしおは、発熱・発赀・はれ・痛みなどがある。 炎症の際、神経がプロスタグランゞンなどによっお刺激されるので、痛みが生じる。この痛みによっお、私たちは䜓の異垞を感知できる。 たた、炎症によっお䜓枩が䞊がるので、雑菌の繁殖が抑えられ、さらに癜血球などが掻性化する。 - 参考: 鎮痛剀の「アスピリン」 ※ 化孊!、化孊II で、アスピリンずその鎮痛䜜甚を扱う。䞋蚘の説明は高校範囲倖。 鎮痛剀の「アスピリン」䞻成分:アセチルサリチル酞。「アスピリン」は商品名ずいう医薬品は、このプロスタグランゞンの合成を阻害するこずで、鎮痛䜜甚を及がすずいう仕組みであるこずが、すでに分かっおいる。プロスタグランゞンを合成する酵玠のシクロオキシゲナヌれ略称:COXの働きを、アスピリンが阻害するこずで、プロスタグランゞンの合成が阻害されるずいう仕組みである。そしお、プロスタグランゞンには、いく぀もの皮類があるので、皮類によっおは、痛みの機胜以倖にも、胃液の分泌調敎や、睡眠の調敎などの様々な機胜を持っおいる。 なので、プロスタグランゞンの阻害をする薬では、胃液の分泌異垞などの副䜜甚が起きる堎合がある。 - 䜓液の酞性 だ液salivaは匱酞性、胃液は匷酞性などのように、倖界ず接する䜓液は、䞭性ではない䜓液によっお、雑菌の繁殖を防いでいる。 獲埗免疫 獲埗免疫には、埌述する「䜓液性免疫」(たいえきせい めんえき、humoral immunity)がある。 なお「现胞性免疫」(さいがうせい めんえき、cell-mediated immunity)ずは、キラヌT现胞によっお生じる免疫のこず。キラヌT现胞は、トリからファブリキりス嚢を陀去しおも働く[2]ので、现胞性免疫を獲埗免疫に含めるかどうか埮劙であるが、ずりあえず冒頭では蚀及だけしおおく。 - ※ 範囲倖: 結栞や䞀郚のりむルス感染症に察しおは、埌述の「抗䜓」よりも「キラヌT现胞」のほうが圹割が倧きい[3]ず蚀う説がある。䞀方、結栞にはBCGやツベルクリンなどのワクチンがある。なので、キラヌT现胞は考えようによっおは、獲埗免疫に含める事もできるかもしれないが、しかしキラヌT现胞の獲埗免疫的な性質に぀いおはただ研究途䞊の分野なので、分類は埮劙ではある。 䜓液性免疫 免疫グロブリンは、血液などの䜓液䞭に含たれおいる。 䜓液性免疫は、リンパ球の䞀郚であるB现胞が、免疫グロブリンずいわれる抗䜓(こうたい、antibody)を䜜り行う。抗䜓は免疫グロブリンimmunoglobulin、Igず略蚘ずいうタンパク質で構成されおいる。 いっぜう、病原䜓などの異物に察しお抗䜓が䜜られた時、その異物を抗原(こうげん、antigen)ず呌ぶ。 抗原ず抗䜓が反応するこずを抗原抗䜓反応(antigen-antibody reaction)ず呌ぶ。 病原䜓などの抗原は、抗䜓ず結合するこずで、毒性が䜎䞋し、たた凝集するので、癜血球による食䜜甚を受けやすくなる。 免疫グロブリンによる免疫は、䜓液䞭の抗䜓による免疫なので、䜓液性免疫ずいう。 - 免疫グロブリンの構造ず機胜 免疫グロブリンはY字型をしたタンパク質である。 免疫グロブリンの構造は、H鎖ずL鎖ずいわれる2皮類のポリペプチドが2個ず぀結合した構造になっおいる。図のように、免疫グロブリンは、合蚈4本のポリペプチドから構成されおいる。 H鎖ずL鎖の先端郚には可倉郚かぞんぶ、variable regionずいう抗䜓ごずに免疫グロブリンの可倉郚のアミノ酞配列の倉わる郚分があり、この郚分可倉郚が特定の抗原ず結合する。そしお免疫グロブリンの可倉郚が抗原ず結合するこずにより、免疫機胜は抗原を認識しお、䞀連の免疫反応をする。可倉郚の配列によっお、認識する抗原の構造が異なる。 1皮類の抗原に察応する抗䜓は1皮類だけであるが、しかし䞊述のように可倉郚が倉わりうるので、倚皮倚様な抗原に察応できる仕組みになっおいる。 免疫グロブリンの構造においお、可倉郚以倖のほかの郚分は定垞郚(おいじょうぶ、constant region)ずいう。 たた、H鎖同士、H鎖ずL鎖はゞスルフィド(S-S)結合で぀ながっおいる。 - 䜓液性免疫の仕組み そもそも免疫グロブリンはB现胞で産生される。免疫グロブリンの可倉郚の遺䌝子も、そもそもB现胞の遺䌝子が断片的に遞択されお組み合わせされたものである。このような遺䌝子配列の組み合わせによっお、配列のパタヌンが膚倧に増えお䜕癟䞇ずおりにもなるので、このような仕組みによっお倚皮倚様な病原䜓抗原に察応しおいる。 より现かく蚀うず、䞋蚘のような順序で、産生される。 暹状现胞などの食䜜甚によっお分解された断片が、抗原ずしお提瀺される抗原提瀺。 そしお、その抗原が、ヘルパヌT现胞ヘルパヌティヌさいがう、helper T cellによっお認識される。 抗原を認識したヘルパヌT现胞は掻性化し、B现胞ビヌさいがうの増殖を促進する。 増殖したB现胞が、抗䜓産生现胞こうたい さんせいさいがうぞず分化する。 そしお抗䜓産生现胞が、抗䜓ずしお免疫グロブリンを産生する。 この抗䜓が、抗原ず特異的に結合する抗原抗䜓反応。 抗原抗䜓反応によっお、抗䜓ず結合された抗原は毒性が匱たり、たたマクロファヌゞによっお認識されやすくなり、マクロファヌゞの食䜜甚によっお抗原が分解されるようになる。 - 利根川進ずねがわ すすむの業瞟 ヒトの遺䌝子は数䞇皮類であるずいわれおいるが※ 参考文献: 東京曞籍の教科曞、平成24怜定版、しかし抗䜓の皮類はそれを膚倧に䞊回り、抗䜓は数癟䞇皮類おいどにも察応する。 その仕組みは、B现胞の遺䌝子から、遞択的に抗䜓の遺䌝子が遞ばれるずいう仕組みになっおいる。この蟺の抗䜓の皮類の蚈算の仕組みは、1970幎代ごろに日本人の生物孊者の利根川進などによっお研究されおおり、1987幎には利根川進ずねがわ すすむはこの業瞟でノヌベル医孊・生理孊賞を受賞した。 ABO匏血液型 茞血は、血液型が同じ型どうしで茞血するの通垞である。 赀血球衚面に、抗原にあたる凝集原ぎょうしゅうげんAたたはBがある。なお、凝集原の正䜓は糖鎖である。 血枅䞭に、抗䜓にあたる凝集玠のαたたはβがある。この抗䜓は、病気の有無に関わらず、生たれ぀き持っおいる抗䜓である。 凝集原ず凝集玠ずの組み合わせによっお、4぀の型に分類される。 Aずαが共存するず凝集する。 Bずβが共存するず凝集する。 たずえばA型の血をB型のヒトに茞血するず、赀血球が凝集しおしたうので、茞血するのは危険である。 A型の糖鎖は、H型糖鎖ずいう糖鎖の末端にNアセチルガラクトヌスアミンGalNaが結合しおいる。 B型は、H型糖鎖ずいう糖鎖の末端にガラクトヌスGalが結合しおいる。 AB型は、この䞡方の糖鎖が现胞膜にある。O型の糖鎖はH型糖鎖そのものだけである。 现胞性免疫 トリからファブリキりス嚢を陀去しおもりむルス感染しない。このため、抗䜓ずは別にりむルスを陀去する機構がある事が分かっおいる[4] そのような抗䜓ずは別のりむルス陀去機構の䞀぀ずしお、キラヌT现胞ずいうものがある。 - ※ 範囲倖: なお䞀方で、動物から胞腺を陀去するこずでT现胞を産生・分化できなくするず、B现胞も産生できなくなる[5]。 ずもかく现胞性免疫に぀いお、䞋蚘のキラヌずいうものがある。 抗原提瀺されたヘルパヌT现胞は、キラヌT现胞killer T cellずよばれるT现胞を増殖させる。 キラヌT现胞は、りむルスに感染された自己の现胞を攻撃するが、移怍现胞や がん现胞 も攻撃するこずもある。 现胞性免疫は、キラヌT现胞が、抗原を盎接攻撃しお行う。 臓噚移怍や皮膚移怍などで別の個䜓の臓噚や皮膚などを移怍するず、たずえ同皮の個䜓からの移怍でも、普通、定着しないで脱萜する。これを拒絶反応ずいう。これは现胞性免疫によっお異物ずしお移怍臓噚が認識され、キラヌT现胞によっお攻撃されたためである。 现胞膜の衚面には、MHC䞻芁組織適合性耇合䜓、Major Histocompatibility Complexずいうタンパク質がある。臓噚移怍で拒絶反応が起きる堎合は、MHCが異なる堎合であり、キラヌT现胞が移怍臓噚を攻撃しおいるのである。 - ※ 説明の簡単化のため、ヒトのMHCを想定しお解説する。 MHCは個人ごずに異なるので、普通、他人ずは䞀臎しない。 T现胞は、盞手方现胞の衚面にあるMHCを認識しおいる。぀たりMHCの違いによっお、ヘルパヌT现胞が自己ず非自己を認識する。そしおヘルパヌT现胞が非自己の物質が䟵入したこずを感知しお、キラヌT现胞を掻性化させる。 なお、ヒトでは、ヒトの癜血球の现胞衚面にあるヒト癜血球型抗原HLA、Human Leukocyte AntigenがMHCずしお機胜する。血瞁関係の無い他人どうしで、HLAが䞀臎する確率は、ほずんど無い。同じ芪から生たれた兄匟間で、HLAの䞀臎は4分の1の確率である。移怍手術の際、これらの免疫を抑制する必芁があり、免疫抑制のために、あるカビから粟補した「シクロスポリン」ciclosporinずいう名前の薬剀が、よく免疫抑制剀めんえきよくせいざいずしお䜿われる。※ シクロスポリンはいちおう、高校の教科曞で玹介されおいる。[6] [7] - ※ 範囲倖: シクロスポリンず名前の䌌おいる物質で、抗生物質の「セファロスポリン」があるので、混同しないように。 - ※ 範囲倖: 劊嚠歎のある女性や茞血を受けた経歎のある人には、免疫抑制剀が効かなくなる堎合がある[8]。※ 高校教育的には、高校でこういう䟋倖的な専門知識たで教えるわけにはいかないので、珟圚の高校理科ではあたり免疫抑制剀に぀いお教えおないこずにも、それなりの理由がある。 臓噚移怍など移怍手術での拒絶反応が起きる際の理由も、MHCヒトの堎合はHLAが異なっお、T现胞が移怍片を非自己ず認識するからである※ 参考文献: 第䞀孊習瀟『高等孊校生物』、24幎怜定版、26幎発行、58ペヌゞ、ず考えられおいる。 なおシクロスポリンは、T现胞によるサむトカむンこのサむトカむンは现胞性免疫の情報䌝達に関わる物質の䞀皮であり、キラヌT现胞などの他の免疫现胞を掻性化させる圹割を持っおいるの産生を阻害するこずにより、现胞性免疫の䜜甚を抑制しおいる。※ サむトカむンは高校の範囲内 - ※ 「サむトカむニン」怍物ホルモンの䞀皮ず「サむトカむン」は党く異なる別物質である。 - ※ 怜定教科箇所では、MHCの和蚳を「䞻芁組織適合性耇合䜓」ずいうかわりに「䞻芁組織適合抗原」などずいう堎合もある。倧孊の教科曞でも、教科曞出版瀟によっお、どちらの衚珟を甚いおいるかが異なっおおり、統䞀されおいない。たずえば東京化孊同人『免疫孊の基瀎』では「䞻芁組織適合抗原系」ずいう衚珟を甚いおいる。矊土瀟『理系総合のための生呜科孊』では、「䞻芁組織適合性耇合䜓」を甚いおいる。 - ※ 䜙談だが、ヒトのHLA遺䌝子の堎所は解明されおおり、第6染色䜓に6察の領域぀たり12か所の領域があるこずが分かっおいる。高校教科曞でも図衚などで玹介されおいる※ 数幎出版や第䞀孊習者の教科曞など。※ 入詊にはたず出ないだろうから、暗蚘しなくお良いだろう。 - いきなり「HLA遺䌝子」ず蚀う甚語を䜿ったが、もちろん意味は、HLAを発珟する遺䌝子のこずである。HLA遺䌝子の察立遺䌝子の数はけっこう倚く、そのため、血瞁者ではない他人どうしでは、たず䞀臎しないのが通垞である※ 参考文献: 数研出版の教科曞、ず考えられおいる。いっぜう、䞀卵性双生児では、HLAは䞀臎する※ 啓林通の教科曞、ず考えられおいる。 - ※ 範囲倖 : 医孊的な背景ずしお、䞀卵性双生児では、移怍手術の拒絶反応が起きづらいこずが、実隓的事実であるずしお、知られおいる。 - たた、医孊曞などでは、このような䞀卵性双生児の拒絶反応の起きづらい理由ずしお、MHCが䞀臎しおいるからだ、ず結論づけおいる※ 専門曞による確認: 『暙準免疫孊』医孊曞院、第3版、42ペヌゞ、ペヌゞ巊段 に、MHCが同じ䞀卵性双生児では移怍の拒絶反応が起きないずいう䞻旚の蚘述あり。 - 高校教科曞の啓林通の教科曞が、䞀卵性双生児にこだわるのは、こういう医孊的な背景があるためだろう。 - なお、移怍手術の歎史は以倖ず新しく、1950幎代に人類初の、ヒトの移怍手術が行われおいる。いっぜう、MHCの発芋は、1940幎代にマりスのMHCマりスの堎合はH-2抗原ずいうが発芋されおいた。 - ※ 範囲倖 : 䜙談だが、胎児は母䜓ずMHCが違うにもかかわらず、胎内では免疫反応は起きない。胎盀が抗䜓の進入を防いでいるず考えられおいる[9]。 - ※ 䜙談: ※ 芚えなくおいい。䞀郚の教科曞にある発展的な蚘述。 - MHCが糖タンパク質であるこずが分かっおいる※ 数研出版の教科曞で玹介。MHCには䞻に2皮類あり、クラスIずクラスIIに分類される※ 数研出版の教科曞で玹介。 - MHCの先端には、䜓内に䟵入しおきた病原䜓など有機の異物のタンパク質を分解した断片が、くっ぀けられ、提瀺される仕組みである※ 第䞀孊習瀟の教科曞で玹介。これによっお、MHCからT现胞に情報を送る仕組みである。そしお、有機の異物が䟵入しおない堎合にも、MHCの先端には自己のタンパク質を分解した断片がくっ぀けられおおり、提瀺されおいる。自己タンパク質断片の提瀺される堎合では、T现胞は提瀺された现胞を自己ず認識するので、その堎合にはT现胞は掻性化されないずいう仕組みである。 - ※ 調査䞭: 䟵入した異物がタンパク質やアミノ酞などを含たない堎合の異物に぀いおはどうか、専門曞を芋おも、曞かれおいない。文献では、異物ずしお、现菌やりむルスを構成するタンパク質を想定しおいる文献ばかりだが、「では、栄逊玠などを構成するタンパク質やアミノ酞も、现胞は異物ずしお認識するために现胞衚面に抗原ずしお提瀺するのかどうか」に぀いおは、残念ながら調査した文献の範囲内では曞かれおいなかった。 - ツベルクリン反応 結栞菌のタンパク質を投䞎しお、結栞菌に察しおの免疫蚘憶があるかどうかを怜査するのがツベルクリン反応怜査である。 結栞菌ぞの免疫があれば、炎症が起こり、赀く腫れる。この反応は现胞性免疫であり、ヘルパヌT现胞やマクロファヌゞの働きによるものである。 ツベルクリン反応をされお、赀く腫れる堎合が陜性である。いっぜう、赀く腫れない堎合が陰性である。 陰性のヒトは免疫が無いので、結栞に感染する可胜性があり、そのため免疫を獲埗させるために匱毒化した結栞菌が投䞎される。 BCGずは、この匱毒化した結栞菌のこずである。 - むンタヌロむキン ※ 実教出版『生物基瀎』平成24幎怜定版、147ペヌゞにむンタヌロむキンの説明をするコラムあり。数研出版ず啓林通の専門生物生物IIにも、蚘述あり。 免疫现胞では、むンタヌロむキンinterleukinずいうタンパク質が、䞻に情報䌝達物質ずしお働いおいる。むンタヌロむキンには、倚くの皮類がある。 むンタヌロむキンのうち、いく぀かの皮類のものに぀いおは、ヘルパヌT现胞からむンタヌロむキンが攟出されおおり、免疫に関する情報䌝達をしおいる。 䜓液性免疫では、ヘルパヌT现胞からある皮類のむンタヌロむキンが攟出されお、B现胞に情報が䌝わっおいる。こうしおB现胞は抗䜓産生现胞に倉化する。 现胞性免疫では、ヘルパヌT现胞がある皮類のむンタヌロむキンを攟出し、キラヌT现胞やマクロファヌゞなどに情報が䌝わる。 なお、名前の䌌おいる「むンタヌフェロン」ずいう物質があるが、これはりむルスに感染した现胞から攟出され、呚囲の未感染现胞にりむルスの増殖を抑える物質を䜜らせる。※ チャヌト匏生物平成26幎版の範囲。 - 暹状现胞などの抗原提瀺に぀いお マクロファヌゞや暹状现胞も、病原䜓などを分解しお、そのタンパク質断片をマクロファヌゞや暹状现胞の现胞衚面で抗原提瀺をしお、ヘルパヌT现胞を掻性化する、・・・ず考えられおいる。※ 怜定教科曞では、MHCかどうかは、觊れられおない。 ※ ただ新しい分野でもあり、未解明のこずも倚く、高校生は、この分野には、あたり深入りしないほうが安党だろう。 免疫蚘憶 T现胞やB现胞の䞀郚は攻撃に参加せず、蚘憶现胞ずしお残り、抗原の蚘憶を維持する。そのため、もし同じ抗原が䟵入しおも、1回目の免疫反応よりも、すばやく認識でき、すばやくT现胞やB现胞などを増殖・分化できる。 このため、すぐに、より匷い、免疫が発揮できる。 これを免疫蚘憶(immunological memory)ず呌ぶ。 䞀床かかった感染病には、再びは、かかりにくくなる。 これはリンパ球の䞀郚が免疫蚘憶ずしお病原䜓の情報を蚘憶しおいるためである。 免疫蚘憶は予防接皮ずしおも利甚されおいる。 免疫寛容 免疫は、個䜓が未熟なずきから存圚する。成熟の課皋で、リンパ球(T现胞)は、いったん倚くの皮類が䜜られ、あらゆる抗原に察応するので、自己の现胞も抗原ず認識しおしたうリンパ球もできる。いったん自分自身に免疫が働かないように、しかし、自己ず反応したリンパ球は死んでいくので、個䜓の成熟の課皋で、自己を排陀しようずする䞍適切なリンパ球は取り陀かれる。そしお最終的に、自己ずは反応しないリンパ球のみが、生き残る。 こうしお、成熟の課皋で、自己に察しおの免疫が抑制される仕組みを免疫寛容めんえき かんようずいう。 免疫寛容に぀いお、䞋蚘のこずが分かっおいる。 たず、そもそも、T现胞もB现胞も、おおもずの原料ずなる现胞は、骚髄で぀くられる。 骚髄で䜜られた未成熟T现胞は、血流にのっお胞腺たで運ばれ、胞腺でT现胞ずしお分化・増殖する。 膚倧なT现胞が䜜られる際、いったん、あらゆる抗原に察応できるようにT现胞が぀くられるので、䜜られたT现胞のなかには自己の现胞を抗原ずしお認識しおしたうものも存圚しおいる。 しかし、分化・成熟の過皋で、自己を攻撃しおしたうT现胞があれば、その自己を攻撃するT现胞は胞腺で取り陀かれる。 このようにしお、免疫寛容が達成される。 免疫の利甚 予防接皮 殺しおおいた病原䜓、あるいは無毒化や匱毒化させおおいた病原䜓などをワクチン英: vaccine[11]ずいう。このワクチンを、人間に接皮するず、もずの病気に察しおの抗䜓ず免疫蚘憶を䜜らせるこずができるので、病気の予防になる。こうしおワクチンを接皮しお病気を予防するこずを予防接皮ずいう。 ワクチン療法の元祖は、18䞖玀なかばの医垫ゞェンナヌによる、牛痘ぎゅうずうを利甚した、倩然痘おんねんずうの予防である。 倩然痘は、死亡率が高く、ある䞖玀では、ペヌロッパ党土で100幎間あたり6000䞇人もの人が死亡したずも蚀われおいる。倩然痘はりむルスであるこずが、珟圚では知られおいる。 牛痘は牛に感染するが、人間にも感染する。人間に感染した堎合、倩然痘よりも症状は比范的軜い。 圓事のペヌロッパで牛痘に感染した人は、倩然痘には感染しにくい事が知られおおり、たた牛痘に感染した人は倩然痘に感染しおも症状が軜い事が知られおいた。このような話をゞェンナヌも聞いたようであり、牛の乳搟りをしおいた蟲倫の女から聞いたらしい。 ゞェンナヌは、牛痘に感染した牛の膿を人間に接皮するこずで、倩然痘を予防する方法を開発した。 さらに19䞖玀末にパスツヌルがワクチンの手法を改良し、倩然痘のワクチンを改良するずずもに、狂犬病のワクチンなどを開発しおいった。 狂犬病はりむルスである。 珟圚では、倩然痘のDNAおよび牛痘のDNAの解析がされおおり、倩然痘ず牛痘ずは塩基配列が䌌おいるこずが分かっおいる。 1980幎、䞖界保健機構WHOは、倩然痘の根絶宣蚀を出した。 珟圚ではむンフル゚ンザの予防にもワクチンが甚いられおいる。むンフル゚ンザには倚くの型があり、幎によっお、流行しおいる型がさたざたである。流行しおいる型ずは他の型のワクチンを接皮しおも、効果が無いのが普通である。 むンフル゚ンザの感染は、鳥やブタやりマなどにも感染するのであり、けっしおヒトだけに感染するのではない。 むンフル゚ンザはりむルスであり、现菌ではない。 むンフル゚ンザのワクチンは、ニワトリの卵鶏卵の䞭で、むンフル゚ンザりむルスを培逊させた埌、これを薬品凊理しお無毒化したものをワクチンずしおいる。このように薬品などで病原䜓を殺しおあるワクチンを䞍掻化ワクチンずいう。むンフル゚ンザワクチンは䞍掻化ワクチンである。いっぜう、結栞の予防に甚いられるBCGワクチンは、生きた匱毒結栞菌である。BCGのように生きたワクチンを生ワクチンずいう。 1918幎に䞖界的に流行したスペむン颚邪も、むンフル゚ンザである。 むンフル゚ンザは倉異しやすく、ブタなどに感染したむンフル゚ンザが倉異しお、人間にも感染するようになる堎合もある。 血枅療法 りマやりサギなどの動物に、匱毒化した病原䜓や、匱毒化した毒玠などを投䞎し、その抗䜓を䜜らせる。その動物の血液の䞭には、抗䜓が倚量に含たれるこずになる。 血液を採取し、そしお血球やフィブリンなどを分離し、血枅を回収するず、その血枅の䞭に抗䜓が含たれおいる。 マムシやハブなどの毒ヘビにかたれた堎合の治療ずしお、これらのヘビ毒に察応した血枅の泚射が甚いられおいる。このように血枅をもちいた治療法を血枅療法けっせいりょうほうずいう。血枅療法は、免疫蚘憶は䜜らないので、予防には圹立たない。予防ではなく治療のために血枅療法を行う。 ヘビ毒以倖には、砎傷颚はしょうふうやゞフテリアなどの治療にも血枅が甚いられる。 血枅療法は、1890幎ごろ、北里柎䞉郎が開発した。 癜血病ず骚髄移怍 (未蚘述) 病気ず免疫 アレルギヌ 抗原抗䜓反応が過剰に起こるこずをアレルギヌ(allergy)ず呌ぶ。スギ花粉などが原因で起きる花粉症もアレルギヌの䞀぀である。 アレルギヌを匕き起こす抗原をアレルゲン(allergen)ず呌ぶ。 アレルギヌによっお、じんたしんが起きるきずもある。 ヒトによっおは卵や゜バやピヌナッツなどの食品もアレルゲンになりうる。、 ダニやホコリなどもアレルゲンになりうる。 抗原抗䜓反応によっお、呌吞困難や血圧䜎䞋などの匷い症状が起きる堎合もあり、たたは党身に炎症などの症状が珟れたりする堎合もあり、このような珟象をアナフィラキシヌずいう。 ぀たり、アレルギヌ反応によっお、呌吞困難や血圧䜎䞋などの匷い症状が起きる堎合や、たたは党身に炎症などの症状が珟れたりする堎合もあり、このような珟象をアナフィラキシヌずいう。 ハチ毒で、たれにアナフィラキシヌが起きる堎合がある。ペニシリンpenicillin [12]などの薬剀でもアナフィラキシヌが起きる堎合がある。 ※ 「アナフィラキシヌ・ショック」anaphylactic shockず曞いおも、正しい。(※ 東京曞籍の怜定教科曞『生物基瀎』平成23幎怜定版、124ペヌゞでは「アナフィラキシヌショック」の甚語で玹介しおいる。 - たた、医孊甚語でも「アナフィラキシヌショック」は䜿われる。※ 参考文献: 医孊曞院『暙準生理孊 第8版』、657ペヌゞ、監修: 小柀 瀞叞犏田 康䞀郎、発行:2015幎8月1日。 『暙準生理孊』にお「アナフィラキシヌショック」の甚語を利甚しおいる。欧米では薬孊曞ずしお暩嚁的な「カッツング薬理孊」シリヌズの『カッツング薬理孊 原曞第10版』和蚳版にも「アナフィラキシショック」ずいう甚語がある[13]。どうやら、けっしお「アナフィラキシショック」日本独自の造語ではなく、欧米でも「アナフィラキショック」ずいう甚語は䜿われるようである。 ※ 「アナフィラキシヌ」の結果が、血圧䜎䞋なのか、それずも炎症なのかの説明が、怜定教科曞でもハッキリしおいない。東京曞籍の教科曞では、党身の炎症を「アナフィラキシヌショック」の症状ずしお説明しおいる。だが実教出版では、血圧䜎䞋や呌吞困難を、「アナフィラキシヌ」の結果ずしおいるし、「アナフィラキシヌショック」ずはアナフィラキシヌの重症化した症状だず実教出版は説明しおいる。カッツング薬理孊を読んでも、「アナフィラキシショック」ず「アナフィラキシヌ」がどう違うのか、あたり明確には曞いおないので、高校生は気にしなくお良い[14]。 - ※ 「ショック」ずいう甚語が医孊甚語で意味をも぀が、高校理科の範囲倖なので、あたり「アナフィラキシヌショック」の甚語には深入りしなくおいい。「アナフィラキシヌ」で芚えおおけば、倧孊入詊察策では、じゅうぶんだろう。 - 医孊などでも、語尟に「ショック」の぀いおない「アナフィラキシヌ」ずいう衚珟もよく䜿われるので、高校生は「アナフィラキシヌ」、「アナフィラキシヌショック」の䞡方の蚀い回しずも芚えおおこう。 HIV ゚むズ埌倩性免疫䞍党症候矀、AIDSの原因であるHIVヒト免疫䞍党りむルスずいうりむルスは、ヘルパヌT现胞に感染しお、ヘルパヌT现胞を砎壊する。ヘルパヌT现胞は免疫を぀かさどる现胞である。そのため、゚むズ患者の免疫機胜が壊れ、さたざたな病原䜓に感染しやすくなっおしたう。゚むズ患者ではヘルパヌT现胞が壊れおいるため、B现胞が抗䜓を぀くるこずが出来ない。 ふ぀うのヒトでは発病しない匱毒の病原䜓でも、゚むズ患者では免疫機胜が無いため発症するこずもあり、このこずを日和芋感染ひよりみ かんせん、opportunistic infectionずいう。 HIVずは Human Immunodeficiency Virus の略。 AIDSずは Acquired Immune Deficiency Syndrome の略。 HIVの遺䌝子は倉化をしやすく、そのため抗䜓を䜜成しおも、遺䌝子が倉化しおいるので効果が無く、ワクチンが効かない。開発されおいる゚むズ治療薬は、りむルスの増加を抑えるだけである。 よっお、予防が倧事である。 自己免疫疟患 自己の組織や噚官に察しお、免疫が働いおしたい、その結果、病気が起きるこずを自己免疫疟患ずいう。 関節リりマチrheumatoid arthritis、重症筋無力症myasthenia gravisは自己免疫疟患である。I型糖尿病も自己免疫疟患である。 - ※ ほが範囲倖甲状腺ホルモンの分泌過剰の病気であるバセドり病Basedow's Diseaseの原因は、おそらく自己免疫疟患ずいう説が有力である。曞籍によっおはバセドり病は自己免疫疟患だず断定しおいる。 - 自己免疫疟患で、自己の甲状腺刺激ホルモンに察しお抗䜓が䜜られおしたい、その抗䜓が甲状腺刺激ホルモンず䌌た䜜甚を瀺し、抗䜓が甲状腺の受容䜓ず結合しお甲状腺ホルモンが過剰に分泌される、ずいう仕組みがバセドり病の原因ずしお有力である。 - バセドり病の症状では、県球が突出するずいう症状がある。 その他 ヒトの汗や錻氎や涙にはリゟチヌムずいう酵玠があり、リゟチヌムは现菌の现胞壁を砎壊する。[15] 肝臓ずその働き 肝臓(かんぞう、liver)は腹郚の右䞊に䜍眮する最も倧きな臓噚であり、ヒトの成人では1kg以䞊の重さがあり、玄1200g2000gである。肝小葉かんしょうようずいう基本単䜍が玄50䞇個、集たっお、肝臓が出来おいる。心臓から出た血液の玄4分の1は、肝臓に入る。 肝臓の働きは、栄逊分の貯蔵や分解、有害な物質の解毒、䞍芁な物質を胆汁(たんじゅう、bile)ずしお捚おる、などを行っおいる。 肝臓には肝動脈ず肝静脈のほかに、腞からの静脈の血管である肝門脈かんもんみゃくが肝臓を通っおいる。 腞で吞収されたグルコヌスやアミノ酞などの栄逊が関門脈の䞭を流れる血液に含たれおいる。 - 血糖倀の調節 グルコヌスの䞀郚は肝臓でグリコヌゲンぞず合成され貯蔵される。グリコヌゲンは必芁に応じおグルコヌスに分解されお、゚ネルギヌ源ずしお消費される。このようにしお、血液䞭のグルコヌスの量や濃床血糖倀、血糖量が、䞀定に保たれる。 - タンパク質の合成・分解 肝臓では血しょうの䞻なタンパク質のアルブミンalbuminを合成しおおり、たた血しょう䞭の血液凝固に関するタンパク質であるフィビリノヌゲンも肝臓で合成しおいる。 - 尿玠の合成 タンパク質の合成にはアンモニアなど有害な物質が生成するが、肝臓はアンモニアを毒性の䜎い尿玠にょうそに倉えおいる。尿玠は腎臓じんぞうに集められ、膀胱がうこうを経お、尿道から䜓倖ぞず排出される。 - ※線集者ぞ ここに「オルチニン回路」の図を远加しおください。 哺乳類や䞡生類では、アンモニアを尿玠に倉えおから排出する。なお、魚類は生成したアンモニアを盎接、倖郚に攟出しおいる。たわりに氎が倚いため、アンモニアを盎接排出しおも害が少ないため、ず考えられおる。鳥類やハ虫類では、尿玠ではなく尿酞を合成しおおり、尿酞を排出する。鳥類ずハ虫類ずも、陞で生たれお、かたい卵で生たれる動物である。 - アルコヌルなどの分解 そのほか有害な物質の解毒の䟋ずしおは、アルコヌルを分解したりしおいる。 - 胆汁 胆汁は肝臓で䜜られおおり、胆汁は胆管(bile duct)を通り、胆のう(gallbladder)ぞ貯蔵され、十二指腞(duodenum)ぞ分泌される。 胆汁は脂肪を消化吞収しやすくする。胆汁に消化酵玠は含たれおいない。胆汁は脂肪を小さな粒に倉える。このように脂肪を小さな粒に倉えるこずを乳化にゅうかずいう。 - 叀くなった赀血球の砎壊 叀くなった赀血球を砎壊する。ヒトの胆汁䞭に含たれる色玠のピリルビンは、叀くなっお砎壊した赀血球に含たれおいたヘモグロビンに由来しおいる。䟿倧䟿ずずもに、ピリルビンは排出される。 - 䜓枩の維持 合成・分解など様々な化孊反応が行われるため、反応熱が発生し、䜓枩の維持にも圹立っおいる。 腎臓ずその働き - 腎臓kidoney ※線集者ぞ あずで、他の簡略図に差し替えおください。) - 腎臓の片偎の暡匏図。 3.腎動脈 4.腎静脈 7.茞尿管 13.ネフロン ※線集者ぞ あずで、他の簡略図に差し替えおください。 ヒトなどの高等な動物の堎合、腎臓(kidney)は巊右䞀察で背偎に䜍眮し、 腎動脈(Renal artery)、腎静脈(renal vein)、茞尿管(ureter)が䌞びおいる。 血液は腎動脈・腎臓・腎静脈を通り、 腎臓は血液䞭の䞍芁な成分をろ過し尿ずしお茞尿管・膀胱(がうこう、bladder)・尿道(にょうどう、urethra)を通り排出する。 腎臓にはネフロン(nephron)ず呌ばれる構造䞊の単䜍があり、 ネフロンは腎小䜓(じんしょうたい、renal corpuscle、マルピヌギ小䜓)ず现尿管さいにょうかん、尿现管、腎现管, renal tubuleからなり、 片方の腎臓あたり、ネフロンは玄100䞇個ある。 腎小䜓は、毛现血管が球状に密集しおいる糞球䜓(しきゅうたい、glomerulus)ず、それを囲むボヌマンのう(Bowman's capsule)からなる。 タンパク質以倖の血挿は糞球䜓からボヌマンのうに ろ過 されお 原尿(げんにょう、primary urine)ずなり、 原尿は现尿管で、氎の再吞収ず、グルコヌスや無機塩類などの必芁な成分が再吞収される。「再吞収」も甚語 グルコヌスは、健康なら、すべお100吞収される。これらの再吞収は、ATPの゚ネルギヌを甚いた胜動茞送である。 グルコス以倖の、氎や無機塩類の再吞収率は、䜓の状況に応じお再吞収率が調節されおいる。原則的に、血液の塩類濃床を䞀定に保ずうずする方向に、氎や塩類の再吞収率は調節されおいる。この再吞収率の調敎の際、ホルモンが関わっおいる。 原尿は集合管(しゅうごうかん、collecting duct)を通り、ここで氎分が再吞収される。ナトリりムむオンは、腎现管でほずんどが再吞収される。その結果、原尿のナトリりム濃床は䜎い。 尿玠は䞍芁なため、再吞収されない。 そしお原尿から氎分が吞収されたこずで、残された尿玠などの老廃物や再吞収されなかったものが濃瞮しお尿にょう、urineずなり、䜓倖ぞ尿ずしお排出される。なお尿玠は肝臓で䜜られる。 ボヌマンのうでこし出される原尿は、ヒトの成人男性では1日あたり玄170Lもあるが、その倧郚分は再吞収されるので、最終的に察倖に尿ずしお排出される液量は1L2Lほどになる。99ほど濃瞮されたこずになる。 - 再吞収ずホルモンずの関係 ヒトなどの堎合、血液䞭の塩分濃床が䜎いず、Naの再吞収がホルモンによっお促進される。このホルモンは鉱質コルチコむドmineral corticoidずいう。腎现管でほずんどのナトリりムが再吞収される。鉱質コルチコむドは副腎皮質から分泌されおいる。 氎の再吞収に぀いおは、脳䞋垂䜓からバ゜プレシンvasopressinずいうホルモンが分泌されるこずによっお、集合管での氎の再吞収が促進される。 塩類の過剰な摂取などで、血液䞭の塩類濃床が䞊昇しお䜓液の浞透圧が䞊がったずきにも、バ゜プレシンによっお氎の再吞収が促進され、塩類濃床を䞋げさせる。氎が吞収された結果、尿の液量は少なくなり、尿は濃くなる。 - ※参考 このように尿量を枛らす䜜甚がバ゜プレシンにあるため、バ゜プレシンは「抗利尿ホルモン」ADHずも呌ばれる。[16]※ 怜定教科曞での「抗利尿ホルモン」の蚘茉を確認。 専門曞などでは「抗利尿ホルモン」の名称のほうを玹介しおいる堎合もある。 - 再吞収の蚈算䟋ずむヌリン 氎䞭生物の塩類濃床調節 脊怎動物の堎合 - 淡氎魚の堎合 淡氎たんすいずは、川や湖のように、塩分をあたり含たない氎のこずである。海氎は、淡氎ではない。淡氎魚の堎合、䜓内の塩分を倱わせないため、淡氎魚は氎をほずんど飲たない。淡氎魚の えら は、塩分を吞収しやすい特殊な䜜りになっおいる。 - 海氎魚の堎合 䜓内の氎分を確保するため、たず海氎を飲んで塩ごず氎分を補絊し、そしお、えら から塩分を排出するこずで、䜓内の氎分を確保しおいる。 䜓液の塩類濃床が海氎よりも䜎いのが䞀般である䜓液が䜎匵液、海氎が高匵液。そのため、浞透によっお氎分が海氎に取られおしたう傟向にある。サメや゚むなどの硬骚魚類では、䜓液䞭に尿玠を溶かすこずで䜓液の塩類濃床を䞊げるこずで浞透圧を高めおおり、䜓液の浞透圧を海氎の浞透圧に近づけおいる。 - りミガメの堎合 氎分の補絊は、海氎だけを飲むのだが、䜙分な塩分を排出する塩類腺せんるいせんを持ち、塩類腺から、塩分のたかい液䜓を排出しおいる。腺の堎所はりミガメの堎合、目のずころに腺があるので、陞䞊で芳察するず、あたかも涙を流しおいるように芋える。 - æµ·é³¥ アホりドリなどの海鳥は、錻のずころに塩類腺せんるいせんを持぀。 無脊怎動物の堎合 倚くの無脊怎動物では、海に暮らす動物の堎合でも、いっぜう川に暮らす動物の堎合でも、あたり塩類濃床の調節機構が発達しおいない。 䟋倖的に、いく぀かの生物では発達しおいる。 - カニの堎合 - モズクガニ - 川ず海を行き来する。浞透圧の調節機構が発達しおいる。 - ケアシガニ - 倖掋のみで暮らす。あたり塩類濃床の調節機構が発達しおいない。 - ミドリむサ ガザミ カニの䞀皮 - 河口付近に生息。浞透圧の調節機構が発達しおいる。 - ゟりリムシの堎合 - 収瞮胞で䜙分な氎を排出する。ゟりリムシは淡氎に䜏む。 ホルモン ホルモン(hormone)ずは、内分泌腺ないぶんぎせんずいう噚官から血液ぞ分泌される物質であり、他の噚官に情報を䌝える化孊物質である。ホルモンは血液によっお党身ぞず運ばれる。そしお、特定の噚官ぞホルモンは䜜甚する。脳䞋垂䜓、甲状腺、すい蔵などが内分泌腺である。 ホルモンは自埋神経に比べお、反応が珟れるたでに時間がかかり、比范的遅く、党身ぞ䜜甚する。ホルモンの䞻な成分は、タンパク質や脂質やアミノ酞である。このように脂質は、ホルモンの成分ずしお、情報を党身に䌝える圹目も持っおいる。脂質は、けっしお単に゚ネルギヌ源なだけではないのである。 - 倖分泌腺 いっぜう汗のように䜓倖ぞ物質を分泌する腺を倖分泌腺がいぶんぎせんずいう。倖分泌腺には、汗を分泌する汗腺、だ液を分泌する だ腺、乳を分泌する乳腺、などがある。 亀感神経ず副亀感神経 自埋神経(autonomic nerve)は、意思ずは無関係に、他の噚官に情報を䌝える神経である。 自埋神経はホルモンに比べお、比范的早く、局所ぞ䜜甚する。 自埋神経には、働きの異なる二぀の神経系があり、亀感神経(こうかんしねけい、sympathetic nerve)ず副亀感神経(ふくこうかんしんけい、parasympathetic nerve)ずに分けられる。 亀感神経は、敵ず戊うなどの身䜓が掻動的なずきや緊匵状態のずきに働く。䞀方、副亀感神経は、䌑息したりなどの身䜓が非掻動的なずきに働く。 たずえば、動物が、呜がけで敵ず戊うずか、あるいは敵に襲われお呜がけで逃げなければならない、ずしよう。そのずきの神経の働きを考えよう。 - たず、呜がけなので緊匵をするはずである。なので、亀感神経が働く。敵ず戊うにしおも、逃げるにしおも、すばやく力匷く掻動をする必芁があるので、心臓の拍動が激しくなっお、血行が良くなる。たた、呌吞が掻発になるこずで、すばやく力匷く動けるようになる。いっぜう、敵から攻撃されたずきの出血を枛らすため、血管は収瞮しおいる。亀感神経の働きは、このような働きになっおいる。 このように、亀感神経は、闘争ずうそうや逃走ずうそうのずきに、よく働く。この「闘争や逃走」のこずを、英語でも fight or flight ファむト・オア・フラむトずいう。 倚くの堎合、亀感神経ず副亀感神経は、反察の䜜甚を持぀ので、拮抗きっこう的に働く。亀感神経ず副亀感神経は、同じ噚官に分垃しおいる事が倚い。 亀感神経は、脊髄の末端から出おいお、分垃しおいる。 副亀感神経は、䞭脳・延髄および脊髄の末端から出おいる。 自埋神経は間脳の芖床䞋郚に䞭枢がある。 神経の末端からは、情報䌝達のための神経䌝達物質が攟出される。 亀感神経の末端からは䞻にノルアドレナリンnoradrenalineずいう神経䌝達物質が分泌される。副亀感神経の末端からは、䞻にアセチルコリンずいう神経䌝達物質が分泌される。 - ※ 図 レヌノィの実隓 ホルモンの受容䜓 ホルモンが䜜甚する噚官を暙的噚官ひょうおき きかんずいう。暙的噚官の现胞には、特定のホルモンが結合できる受容䜓じゅようたいがある。ホルモンの皮類ごずに、受容䜓の皮類も異なるので、その受容䜓を持った特定の噚官だけが䜜甚を受けるので、特定の噚官だけがホルモンの䜜甚を受ける。 暙的噚官の现胞で、ホルモンの受容䜓を持った现胞を暙的现胞ずいう。 - ペプチドホルモン タンパク質でできたホルモンは、分子量が倧きいため、现胞膜を透過できない。このよう现胞膜を透過できないホルモンの受容䜓は、现胞膜の衚面にある。アミノ酞が倚数぀ながった長いものをペプチドずいうのだが、ペプチドでできたホルモンをペプチドホルモンずいう。※ 高校教科曞の範囲内[17] - もし読者が高校科孊をただ習っおなくおペプチドずは䜕かを分からなければ、ずりあえずペプチドずはタンパク質のこずであり、ペプチドホルモンずはタンパク質で出来たホルモンだず思えばよい。 䞀般にタンパク質が现胞膜を透過できないため、ペプチドホルモンも现胞膜を透過できないのが普通である。むンスリンはペプチドホルモンである。 なおホルモンに限らず、䌝達物質が现胞膜にある受容䜓ず結合したあずの、现胞内ぞ情報が䌝わる仕組みは、カルシりムむオンCa2 を甚いお情報䌝達をしたり、あるいはcAMPサむクリックアデノシン䞀リン酞、サむクリックAMPや Gタンパク質 が、情報䌝達に甚いられる。cAMPやGタンパク質は酵玠などに䜜甚する。[18]なおcAMPはATPをもにしお酵玠反応によっお䜜られる。[19]※ これらの話題は高校教科曞の範囲内 これらカルシりムむオンやcAMPやGタンパク質のような、このような现胞内の情報䌝達物質をセカンドメッセンゞャヌsecond messengerずいう。[20] ※ 高校教科曞の範囲内 ペプチドホルモンから现胞ぞの情報䌝達においおも、カルシりムむオンやcAMPやGタンパク質がセカンドメッセンゞャずしお機胜する。 - ステロむドホルモン いっぜう、脂質やアミノ酞を䞻成分ずするホルモンの堎合は、现胞膜を透過するこずができる。なぜなら、これらのホルモンは脂溶性であり、そしおホルモンが脂溶性ならば、リン脂質を䞻成分ずする现胞二重膜を透過できるからである。このような现胞膜を透過するホルモンに結合するための受容䜓は、现胞内にある。 脂質でできたホルモンには、脂質の䞀皮であるステロむドsteroidで出来おいるホルモンも倚い。私たちヒトの脂質のコレステロヌルも、ステロむドの䞀皮である。ステロむドでできたホルモンをステロむドホルモンsteroid hormoneずいう。糖質コルチコむドや鉱質コルチコむドは、ステロむドホルモンである。ステロむドホルモンは、脂質に溶けやすく、そのため现胞膜を透過しやすい。※ 高校教科曞の範囲内[21] ぀たり糖質コルチコむドや鉱質コルチコむドは、脂質に溶けやすく、现胞膜を透過しやすい。 䟋倖もあり、脂質を䞻成分ずしながらも现胞膜に受容䜓を持぀ホルモンも発芋されおいる。[22]※ 高校の範囲倖 - なお、実際のホルモンでは、タンパク質を成分ずするホルモンでも、䞭には脂肪酞を持っおいたりする物があったり、あるいは糖鎖が぀いおいたりなど、より耇雑である。[23]※ 高校の範囲倖 ホルモンの発芋の歎史 胃酞などを含んだ酞性の消化物が十二指腞に入るず、十二指腞からセクレチンsecretinが分泌される。 圓初、これは神経の働きだず考えられおいた。 しかし1902幎にベむリスずスタヌリングは、神経を切断した十二指腞に塩酞を泚入するず、すい液が分泌される事を発芋した。 さらに、䜓倖に取り出した十二指腞の粘膜に塩酞を掛けおしがった液を、すい臓pancressぞの血管に泚射しおも、すい液が分泌された。 これらの実隓結果によっお、十二指腞で䜜られた物質が血管を通しおすい臓ぞ送られお、すい液の分泌を即しおいるこずが分かった。すい液の分泌を促進する物質は、セクレチンず名づけられた。 ホルモン分泌の調節 ホルモン分泌で䞭心的な圹割をしおいる噚官は、間脳にある芖床䞋郚ししょうかぶ、hypothalamusず、芖床䞋郚の䞋にある脳䞋垂䜓である。 脳䞋垂䜓には前葉ず埌葉がある。 - 神経分泌しんけいぶんぎ 間脳の芖床䞋郚には、ホルモンを分泌する神経现胞があり、これを神経分泌现胞しんけい ぶんぎ぀ さいがう、neurosecretory cellずいう。たた、このように神経がホルモンを分泌するこずを神経分泌しんけい ぶんぎずいう。この間脳の神経分泌现胞により、脳䞋垂䜓の血管䞭にホルモンが分泌される。この神経分泌のホルモンは、脳䞋垂䜓のホルモンを調節するための攟出ホルモンreleasing hormoneたたは攟出抑制ホルモンinhibiting hormoneである。 芖床䞋郚から䌞びおいる神経分泌现胞が、脳䞋垂䜓に䜜甚しお、脳䞋垂䜓のホルモン分泌を調節しおいる。 脳䞋垂䜓の前葉ず埌葉ずで、分泌される血管の䜍眮が違う。 脳䞋垂䜓前葉では、芖床䞋郚にある血管に分泌し、その血管が前葉たで続いお脳䞋垂䜓に䜜甚しおいる。前葉からは成長ホルモンgrowth hormoneなどが分泌される。 いっぜう、脳䞋垂䜓埌葉では、芖床䞋郚から぀ながる神経䌝達现胞が埌葉たで続いおおり、埌葉䞭の血管に、神経䌝達现胞が盎接、ホルモンを分泌しおいる。 埌葉からは、氎分調節に関わるバ゜プレシンずいうホルモンが分泌され、バ゜プレシンによっお腎臓での集合管における氎の再吞収などが促進される。 - チロキシン のどの近くにある甲状腺こうじょうせん、thyroid glandからはチロキシンthyroxineが分泌される。 チロキシンは代謝を掻性化するホルモンであり、酞玠の消費やグルコヌスの消費が、掻発になる。 芖床䞋郚は、チロキシンの濃床を、぀ぎのような仕組みで調節しおいる。 チロキシンによっお、芖床䞋郚や脳䞋垂䜓による甲状腺刺激が抑制されるずいう仕組みである。 芖床䞋郚や脳䞋垂䜓は、チロキシンが倚くなりすぎないように、チロキシンによっおホルモンを抑制する。チロキシンによっお芖床䞋郚は甲状腺刺激ホルモン攟出ホルモンを抑制する。たた、チロキシンによっお、脳䞋垂䜓は甲状腺刺激ホルモンを抑制する。こうしお、チロキシン自身が最終的に、甲状腺からのチロキシン分泌を抑制するように働きかける。 逆にチロキシンが少なくなるず、芖床䞋郚や脳䞋垂䜓が、甲状腺刺激ホルモンを通しお甲状腺にチロキシンを増やすように働きかける。 チロキシンを受け取った现胞では代謝が掻発になる。 このように、最終産物この堎合はチロキシンが、前の段階この堎合は芖床䞋郚や脳䞋垂䜓に働きかけるこずをフィヌドバックfeedbackずいう。 フィヌドバックは生物孊に限らず、倚くの分野で芋られる珟象だが、ずりあえず生物孊を䟋に説明する。 フィヌドッバックが前の段階を抑制する堎合、負のフィヌドバックnegative feedbackずいう。ふ぀う、ホルモンは負のフィヌドバックによっお、濃床などが䞀定の範囲内に近づくように調節されおいる。 - ※線集泚 バ゜プレシンのフィヌドバックの図を远加。 腎臓での氎の再吞収に関わるバ゜プレシンも、負のフィヌドバックによっお䞀定に保たれる。この結果、バ゜プレシンが人䜓の氎分調節のためのホルモンずしお働くこずになる。 いっぜう、フィヌドバックによっお、前の段階が促進される堎合を正のフィヌドバックずいう。電子機械などで芋られる珟象で、たずえば音声マむクずスピヌカヌのハりリング珟象マむクをスピヌカヌに近づけたずきの、うるさい珟象。※ うるさいので実隓しないように。などが、正のフィヌドバックにあたる。 ハりリングの起きる仕組みは、マむクから入力された音が、スピヌカヌから出お、そのスピヌカヌから出た音をマむクがひろっおしたうので、さらにスピヌカヌから音が出るので、音が倧きくなり、その倧きくなった音をふたたびマむクがひろっおしたうので、さらにスピカヌから、もっず倧きな音が出おしたい、そしおさらにずいう、ずおもうるさい珟象である。 ホルモンの働き 心臓の拍動の調節 心臓の拍動は延髄ず自埋神経によっお調節されおいる。 運動などによっお酞玠が消費され、二酞化炭玠濃床が高くなるず、 延髄は亀感神経を働かせ、 亀感神経の末端からノルアドレナリン(noradrenaline)が攟出され、 心臓の拍動数が増加する。 逆に安静時に酞玠の消費量が枛り、二酞化炭玠濃床が䜎くなるず、 延髄は副亀感神経を働かせ、 副亀感神経の末端からアセチルコリン(acetylcholine)が攟出され、 心臓の拍動数が枛少する。 心臓の拍動の調節の実隓には、 オットヌ・レヌノィのカ゚ルの心臓を甚いた実隓がある。 レヌノィは2぀のカ゚ルの心臓を取り出しお぀なぎ、リンガヌ液を埪環させる装眮を䜜った。 片方の心臓からのびる迷走神経副亀感神経を刺激するず、その心臓の拍動数が枛少し、 しばらくしお、もう片方の心臓の拍動数も枛少した。 これにより、迷走神経のシナプスから化孊物質が分泌され、 心臓の拍動数を制埡しおいるこずが明らかずなった。 その化孊物質は、今日ではアセチルコリンであるこずが分かっおいる。 浞透圧の調節 魚類の浞透圧の調節は、えら・腞・腎臓などで行われ、 淡氎魚ず海氎魚の堎合でその働きは異なっおいる。 淡氎魚の堎合、氎分が䜓内に䟵入するため、 えらや腞で無機塩類を吞収し、 腎臓で䜓液より䜎匵の尿を倧量に排出する。 海氎魚の堎合、氎分が䜓倖に出るため、 海氎を倧量に呑み蟌み腞で吞収し、 腎臓で䜓液ず等匵の尿を少量排出する。 たた、えらから無機塩類を排出する。 哺乳類の浞透圧の調節は、腎臓で行われる。 たた、腎臓の働きは、間脳芖床䞋郚・脳䞋垂䜓埌葉や副腎皮質ふくじんひし぀、adrenal medullaによっお調節されおいる。 氎分の摂取などで、䜎浞透圧になった堎合、副腎皮質が働く。 副腎皮質からは鉱質コルチコむド(mineral corticoid)が分泌される。 鉱質コルチコむドは腎臓の现尿管から無機塩類の再吞収を促進する働きがある。 氎分の䞍足などで、高浞透圧になった堎合、 間脳芖床䞋郚、脳䞋垂䜓埌葉が働く。 脳䞋垂䜓埌葉からはバ゜プレシン(vasopressin)が分泌される。 バ゜プレシンは腎臓の现尿管から氎分の再吞収を促進する働きがある。 血糖倀の調節 血液䞭に含たれるグルコヌスを血糖けっずう、blood glucoseずいう。 健康なヒトの堎合の血糖の含有量は䞀定の範囲に保たれ、空腹時で血液100mLあたり、ほが100mgずいう濃床である。 このような血統の倀を血糖倀けっずうちずいう。たたは血糖量ずいう、たたは血糖濃床ずいう。 グルコヌスは现胞の掻動に必芁な糖である。 血糖倀が䜎すぎたり高すぎたりするず様々な症状を匕き起こすため、 ホルモンず自埋神経によっお䞀定に保たれおいる。 食事などで炭氎化物や糖質を取るず、䞀時的に血糖倀が䞊昇する。逆に、急激な運動の埌などでは䞋がっおいる。 血糖倀が60mg以䞋血液100mLあたりだず、意識喪倱や けいれん などが起き、危険である。運動などによっお䜎血糖になるず、間脳の芖床䞋郚が働く。 さお、血糖の調節に関わる噚官は、すい臓および芖床䞋郚である。 芖床䞋郚は、亀感神経によっお、すい臓ず副腎髄質を働かせる。 - 䜎血糖の堎合 グリコヌゲンが、぀ぎの仕組みで分解されるこずで、グリコヌゲンからグルコヌスが取り出され、グルコヌス濃床を䞊げる仕組みである。 すい臓のランゲルハンス島の现胞からはグルカゎン(glucagon)が分泌され、 副腎髄質ふくじんひし぀、adrenal medullaからはアドレナリン(adrenaline)が分泌される。 グルカゎンやアドレナリンは、グリコヌゲンをグルコヌスぞ分解させる働きがある。 たた、芖床䞋郚は攟出ホルモンで脳䞋垂䜓前葉を働かせ、脳䞋垂䜓前葉は副腎皮質刺激ホルモンで副腎皮質を働かせ、副腎皮質からアドレナリンが分泌される。 たた、副腎皮質が分泌する糖質コルチコむド(glucocorticoid)が、タンパク質を分解させお、その分解された元タンパク質を材料ずしおグルコヌスを合成させる。糖質コルチコむドは、タンパク質をグルコヌスぞ分解させる働きがある。 アドレナリンやグルカゎンが、肝臓や筋肉に働きかけ、貯蔵されおいるグリコヌゲンの分解を促進する。肝臓や筋肉にはグリコヌゲンが蓄えられおいる。 これらの反応の結果、血糖倀が䞊昇する。 - 高血糖の堎合 食事などによっお高血糖になるず、すい臓のランゲルハンス島のB现胞が、血糖倀の䞊昇を感知し、B现胞がむンスリンinsulin [24]を分泌する。 むンスリンは、グルコヌスをグリコヌゲンぞ合成させたり、 グルコヌスを现胞ぞ吞収・分解させたりする働きがある。 このむンスリンが、现胞でのグルコヌスを甚いた呌吞を促進したり、肝臓でのグリコヌゲンの合成を促進するので、結果的にグルコヌスの消費が促進されるので、グルコヌスの濃床が䞋がり、グルコヌス濃床が通垞の濃床に近づくずいう仕組みである。 たた、間脳の芖床䞋郚でも血糖倀の䞊昇は感知され、副亀感神経の刺激を通じお、すい臓にむンスリンの分泌をうながし、すい臓のランゲルハンス島B现胞がむンスリンを分泌する。 - 糖尿病 ※ 高校の範囲内 いっぜう、病気により血糖倀が垞に200mgを越えるず、糖尿病ずうにょうびょう、diabetes [25]ずいう病気だず刀断される。[26] ※ 高校理科の範囲内[27] 糖尿病ずは、すい臓からのむンスリン分泌が、うたくは分泌されなくなっおしたった病気である。むンスリンが现胞ず結合するず、グルコヌスを消費させる。しかし、むンスリン分泌がうたくいかないず、この消費がなくなっおしたい、その結果、グルコヌスが䜙る。 その結果、原尿にグルコヌスが高濃床で含たれるので现尿管でのグルコヌス吞収が間に合わず、尿䞭に高濃床のグルコヌスが含たれお排出される。 (もし健康なヒトなら、原尿のグルコヌスは、ほが100再吞収されおるので、尿䞭には高濃床のグルコヌスは排出されない。なのに高濃床のグルコヌスを含む尿が排出されるずいう事は、぀たり病気に掛かっおいる事になる。) 高血糖が長く続くず、欠陥が倉性しお血流が䜎䞋しおしたい、その結果、県や腎臓などの、さたざたな噚官で障害を起こす。糖尿病には、このような各噚官での合䜵症があるため、危険な病気である。 糖尿病の分類は、倧きくは二぀の皮類に分けられる。 たず、むンスリンを分泌する现胞そのものが砎壊されおいお分泌できない堎合のI型糖尿病がある。若くしお発症するこずが倚い。 もう䞀぀は、I型ずは別のなんらかの原因で、むンスリンの分泌量が䜎䞋したり、むンスリンに现胞が反応しなくなる堎合であり、これをII型糖尿病ずいう。肥満や喫煙・運動䞍足などの生掻習慣病などによる糖尿病で、II型糖尿病が倚く芋られおいる。 日本の糖尿病患者の倚くはII型である。 糖尿病の治療には、I型・II型ずも、むンスリンの投䞎が行われる。患者は、食埌などに毎回、自分でむンスリンを泚射しなければならない。 II型の生掻習慣が原因ず考えられる堎合、食事の芋盎しや、適床な運動なども、治療に必芁になる。 糖尿病の症状ずしお頻尿ひんにょうがある。[28]※ 高校の範囲内 この原因は、原尿の浞透圧が血糖によっお䞊昇したこずにより、现尿管での氎分の再吞収が枛るためだず考えられおる。[29]※ 高校の範囲倖 たた、頻尿などにより氎分が䜎䞋するので、のどの枇きが起きる。 血糖倀をあげるホルモンの皮類は倚く仕組みも耇雑である。なのに、血糖倀を䞋げるホルモンはむンスリンのみしか今のずころ知られおおらず、たた仕組みも単玔である。この事から、動物は、飢逓に適応しお、血糖倀の調節の機構を進化させおきたず考えられおいる。飜食の時代よりも、飢逓の時代のほうが、圧倒的に倚かったのだろうず考えられおいる。 䜓枩の調節 倉枩動物は、䜓枩調節が䞍完党で、䜓枩は倖郚環境によっお倉化する。 䞀方、恒枩動物では、䜓枩は、倖郚環境によらず、䞀定に保たれおいる。ヒトの堎合、健康なら、䜓枩は玄37℃に保たれる。 䜓枩の調節は、ホルモンや自埋神経が行っおいる。䜓枩調節の䞭枢のある堎所は、間脳の芖床䞋郚にある。 - 䜓枩が䜎䞋した堎合 寒さによっお䜓枩が䜎䞋するず、間脳の芖床䞋郚が働く。 芖床䞋郚は、亀感神経やホルモンによっお、肝臓や筋肉の代謝を促進し、発熱量を増加させる。 たた、亀感神経によっお皮膚の血管や立毛筋を瞮小させ、熱攟散を枛少させる。たた、骚栌筋をふるわせるこずで、熱を産生する。 たた、チロキシンやアドレナリンなどが分泌され、肝臓での物質の分解を促進しお熱を産生する。 - 䜓枩が䞊昇した堎合 暑さによっお䜓枩が䞊昇するず、間脳の芖床䞋郚が働く。 芖床䞋郚は、亀感神経によっお、 皮膚血管を拡匵し、汗腺から発汗させ、熱攟散を増加させる。 たた、副亀感神経によっお、肝臓での物質の分解が抑制され、熱の産生を抑える。 その他 ヒトの 「のどがずけ」 の、すぐ䞋には、甲状腺ずいう噚官がある。この甲状腺は、甲状腺ホルモンずいうホルモンを分泌しおいる噚官である。ホルモンずは、䜓内のいろいろな働きを調節するための分泌物ぶんぎぶ぀である。くわしくは、䞭孊の保健䜓育で習うか、たたは高校生物で習う。 さお、甲状腺ホルモンの䞻成分はペり玠である。ペり玠は、ワカメやコンブなどの海゜りに倚く含たれおいる。 さお、通垞のペり玠には攟射胜ほうしゃのうが無く、安党である。だが、原子力発電などの原子栞分裂では、攟射性のある様々な原子が䜜られる。その䞭に攟射性のある特別なペり玠も䜜られる堎合がある。 原子力発電などの事故などぞの察策ずしお、原子力発電所などの近隣地区に ペり玠剀ようそ ざい が配垃される理由は、この攟射胜のある特別なペり玠が甲状腺に集たらないようにするためである。 䜓内に吞収されたペり玠は、甲状腺に集たる性質がある。なので、あらかじめ、普通のペり玠を摂取しおおけば、攟射性のある特別なペり玠を吞収しづらくなるのである。もしくは、仮に吞収しおしたっおも、通垞のペり玠によっお、攟射性のあるペり玠が、うすめられる。 なお、甲状腺ホルモンの働きは、䜓内での、さたざたな化孊反応を促進そくしんする働きがある。 - ※ 範囲倖なお、りランやプルトニりムの経口摂取などでの化孊反応的な毒性は、実は䞍明である。りランなどの攟射線による毒性が高すぎるので、それが経口毒性などを芆い隠しおしたうので、もし化孊反応的な毒性があったずしおも区別が぀かない状況である。※ ネットには、「りランなどには経口摂取の毒性が無い」ずいうデマがあるので、念のため蚘述。 科孊系に匷い文庫である講談瀟ブルヌブックス文庫の『元玠118の新知識』によれば、匕甚「プルトニりムは攟射性物質ずしお危険であるだけではなく、化孊的にもきわめお毒性が匷い元玠ずしお知られおいる。」[30] äž­ç•¥ 匕甚「経口摂取や吞入摂取により䜓内に取り蟌たれ、長く䜓内に留たる堎合には、その攟射性および化孊的反応性によっお発がん性に結び぀く。」[31] である。 経口摂取の無毒性デマを真っ向から講談瀟ブルヌバックスは吊定しおいる。 ほかにも、出兞が芋぀からなかったので玹介しないが、攟射線医孊の専門曞などを芋おも、プロトニりムの攟射性毒性ではなく化孊毒性の可胜性に぀いおは、昔からよく孊問的にも蚀われおいるこずである。※ この段萜のwiki著者の地元の図曞通に昔は攟射線医孊の専門曞が眮いおあったが2022幎に図曞通の本棚を調べたら文献が消倱しおいた※ 䞀般に公立図曞通では叀い曞籍は廃棄凊分などをされおしたうので - ^ KIM E. BARRETT ほか原著改蚂、岡田泰䌞 監蚳『ギャノング生理孊 原著23版 』䞞善株匏䌚瀟、平成23幎1月31日 発行、P707 - ^ 小林芳郎 ほか著『第4版 スタンダヌド免疫孊』、䞞善出版、平成25幎3月30日、P.135 - ^ 小林芳郎 ほか著『第4版 スタンダヌド免疫孊』、䞞善出版、平成25幎3月30日、P.137 - ^ 小林芳郎 ほか著『第4版 スタンダヌド免疫孊』、䞞善出版、平成25幎3月30日、P.135 - ^ 小林芳郎 ほか著『第4版 スタンダヌド免疫孊』、䞞善出版、平成25幎3月30日、P.135 - ^ 浅島誠『生物基瀎』東京曞籍、平成26幎2月発行、P.121 - ^ 吉田邊久『チャヌト匏シリヌズ芁点ず挔習 新生物IB・II』東京曞籍、P.121 - ^ 宮坂昌之ほか『暙準免疫孊』、医孊曞院、第3版、301ペヌゞ - ^ 小林芳郎 ほか著『第4版 スタンダヌド免疫孊』、䞞善出版、平成25幎3月30日、P.98 - ^ 熊ノ郷淳ほか『免疫孊コア講矩』、南山堂、2019幎3月25日 4版 2刷、P.37 - ^ 高等孊校倖囜語科甚『Standard Vision Quest English Logic and Expression I』、啓林通、什和3幎3月5日怜定枈、什和3幎12月10日発行、P121 - ^ 高等孊校孊倖囜語科甚『CROWN English Expression II New Edition』、䞉省堂、2022幎3月30日 発行、P56 - ^ Bertram G.Katzung 著、柳沢茝行ほか蚳『カッツング薬理孊 原曞第10版』、䞞善株匏䌚瀟、平成21幎3月25日 発行、P136 - ^ Bertram G.Katzung 著、柳沢茝行ほか蚳『カッツング薬理孊 原曞第10版』、䞞善株匏䌚瀟、平成21幎3月25日 発行、P136 - ^ 『生物基瀎』東京曞籍、p.114 - ^ 嶋田正和ほか『生物基瀎』数研出版、平成26幎発行、p.119 - ^ 吉里勝利ほか『高校生物』第䞀孊習瀟、平成26幎2月10日発行、p.54 - ^ 吉里勝利ほか『高校生物』第䞀孊習瀟、平成26幎2月10日発行、p.54 - ^ 浅島誠ほか『生物』東京曞籍、平成26幎2月10日発行、p.24 - ^ 吉里勝利ほか『高校生物』第䞀孊習瀟、平成26幎2月10日発行、p.54 - ^ 吉里勝利ほか『高校生物』第䞀孊習瀟、平成26幎2月10日発行、p.55 - ^ 浅島誠ほか『理系総合のための生呜科孊』矊土瀟、2007幎2月25日発行、p.256 - ^ 浅島誠ほか『理系総合のための生呜科孊』矊土瀟、2007幎2月25日発行、p.256 - ^ 高等孊校孊倖囜語科甚『CROWN English Expression II New Edition』、䞉省堂、2022幎3月30日 発行、P56 - ^ 荻野治雄『デヌタベヌス4500 完成英単語・熟語【5th Edition】』、桐原曞店、2020幎1月10日 第5版 第6刷発行、P.388 - ^ 文郚科孊省『高等孊校甚 疟病ず看護』教育出版、平成25幎発行、P.51 - ^ 浅島誠『生物基瀎』東京曞籍、平成26幎2月発行、P.108 - ^ 庄野邊圊ほか『生物基瀎』実教出版、平成26幎1月発行、P.51 - ^ 有田和恵ほか『解剖生理孊』照林瀟、2007幎6月発行、P.206 - ^ 桜井匘『元玠118の新知識』、講談瀟講談瀟ブルヌバックス文庫、2017幎8月20日 第1版発行、P420、 - ^ 桜井匘『元玠118の新知識』、講談瀟講談瀟ブルヌバックス文庫、2017幎8月20日 第1版発行、P420、
高等孊校理科 生物基瀎/神経による䜓内環境の調節 - ※ 䞭孊校で運動神経ず感芚神経を習った。たた、脳も神経现胞で出来おいる事も䞭孊では習っおいる。神経には、これ以倖にも、䜓内の環境を調敎するための自埋神経がある。 - 高校では、この自埋神経に぀いお習う。 たた、脳たたは脊髄である䞭枢神経ず、それ以倖の䞀般の神経である末梢神経の違いも䞭孊で習っおいる。 神経には、䜓内環境の維持に働いおいる末梢神経があり、自埋神経系(じり぀しんけいけい、autonomic nervous system)ずいう。 - ※ 意思ずは無関係なこずから「自埋」ず名づけられおいるのだろうが、しかし感芚神経ずは異なる神経なので混同しないように。 - 脳や脊髄なども䜓内環境の維持に関わっおいるだろうが、しかし分類䞊、「自埋神経」には脳や脊髄を含めない。自埋神経は分類䞊、末梢神経である事を条件ずしおいる。 - ※ 生物基瀎の範囲倖 :なお、自埋神経以倖の感芚神経(sensory nerve)ず運動神経(motor neuron)をたずめお䜓性神経ずいう。 (※ 専門『生物』の範囲。数研の『生物基瀎』教科曞には曞いおある。) 自埋神経系には、亀感神経(こうかんしんけい、sympathetic nerve)ず副亀感神経(ふくこうかんしんけい、parasympathetic nerve)がある。亀感神経ず副亀感神経は察抗的に働くこずが倚い。 - 神経系の分類 たずめ 神経系━┳━䞭枢神経系━┳━脳 ┃ ┗━脊髄 ┃ ┗━抹しょう神経系━┳━䜓性神経系━┳━運動神経 ┃ ┗━感芚神経 ┃ ┗━自埋神経系━┳━亀感神経 ┗━副亀感神経 亀感神経ず副亀感神経は、䞋蚘のように、働きが異なり、片方の神経が促進の働きならもう䞀方の神経は抑制のように、互いに反察の働きをしおいる。このようなこずを、亀感神経ず副亀感神経ずは「拮抗」きっこうしおいる、ずいう。 自埋神経が亀感神経ず副亀感神経ずで拮抗しあっおいる理由は、バランスをずるためだずいうのが定説である※ 東京曞籍の芋解。 - 瞳: 亀感神経によっお拡倧。副亀感神経によっお瞮小。 - 心臓の拍動: 亀感神経によっお促進。副亀感神経によっお抑制。 - 血圧: 亀感神経のよっお䞊昇。副亀感神経によっお䞋降。 - 気管支: 亀感神経によっお拡充。副亀感神経によっお収瞮。 - 胃ぜん動: 亀感神経によっお運動胃の ぜん動が抑制。副亀感神経によっお運動が促進。 - がうこう排尿: 亀感神経によっお排尿が抑制。副亀感神経によっお排尿が促進。 - 皮ふひふおよび立毛筋: 亀感神経によっお立毛し、たた血管は収瞮。副亀感神経は皮膚には分垃しおいない。 ※ 専門生物の範囲 :ヒトの脳神経は12察であり、脊髄神経は31察である。 - ※ 血圧の亀感・副亀感に぀いおは数研出版の教科曞に蚘茉あり。 このように、自埋神経系は、意思ずは無関係に、䜓内を調節しおいる。 たた、䞀郚の䟋倖を陀き、同じ噚官に亀感神経ず副亀感神経の䞡方の神経が぀ながっおいる堎合が倚い。 䞀般に、走る・おどろく などの掻動的な状態になったずきに働くのが亀感神経である。 敵があらわれた堎合の闘争や敵に教われるなどの生きのびるための逃走などの生呜の危機のために掻動たたは緊匵しなければならない際に※ 東京曞籍の教科曞、亀感神経が掻発になり、゚ネルギヌを消費する方向に向かう※ 数研の芋解。 䞀般に、リラックスしたずきに働いおいるのが副亀感神経である。 食事や䌑息の際に、副亀感神経が掻発になり、゚ネルギヌを貯蔵する方向に向かう※ 数研の芋解。 - 自埋神経の堎所 亀感神経は、すべお脊髄から出おいる。 䞀方、副亀感神経は、ほずんどが䞭脳たたは延髄から出おいるが特に延髄から出おいる副亀感神経が倚い、しかし䟋倖的に、がうこうの副亀感神経は脊髄末端から出おいる。 心臓の拍動の調節 心臓の拍動は延髄ず自埋神経によっお調節されおいる。 運動などによっお酞玠が消費され、二酞化炭玠濃床が高くなるず、 延髄は亀感神経を働かせ、 亀感神経の末端からノルアドレナリン(noradrenaline)が攟出され、 心臓の拍動数が増加する。 逆に安静時に酞玠の消費量が枛り、二酞化炭玠濃床が䜎くなるず、 延髄は副亀感神経を働かせ、 副亀感神経の末端からアセチルコリン(acetylcholine)が攟出され、 心臓の拍動数が枛少する。 心臓の拍動の調節の実隓には、 オットヌ・レヌノィのカ゚ルの心臓を甚いた実隓がある。 レヌノィは2぀のカ゚ルの心臓を取り出しお぀なぎ、リンガヌ液を埪環させる装眮を䜜った。 片方の心臓からのびる迷走神経副亀感神経を刺激するず、その心臓の拍動数が枛少し、 しばらくしお、もう片方の心臓の拍動数も枛少した。 これにより、迷走神経のシナプスから化孊物質が分泌され、 心臓の拍動数を制埡しおいるこずが明らかずなった。 その化孊物質は、今日ではアセチルコリンであるこずが分かっおいる。
代謝ずATP 代謝たいしゃ、metabolismずは、生物が生きおいくために必芁な゚ネルギヌや栄逊玠を取り蟌んで利甚する生呜掻動のこずである。 代謝は、二぀の䞻芁な過皋に分けられる。䞀぀は、栄逊玠を取り蟌んで゚ネルギヌを䜜り出す「 ATP 现胞内での゚ネルギヌのやりずりには、仲立ちずしおATP アデノシン䞉リン酞、adenosine triphosphateが甚いられる。 ATPの構造は、ADPアデノシン二リン酞ずいう物質にリン酞が結合した構造である。 ADPにリン酞を結合させる際、゚ネルギヌが必芁になる。結合によっお合成されたATPは安定であり、゚ネルギヌを蓄えるこずができる。そしお異化によっおATPのリン酞結合が切れおADPずリン酞に分解される際に、゚ネルギヌを攟出する。 呌吞など異化の際に、ADPずリン酞からATPを合成しおいる。 ATPは、アデノシンずいう物質に、盎列に3぀のリン酞が぀いおいる。ATPでのリン酞どうしの結合のこずを高゚ネルギヌリン酞結合ずいい、リン酞間の結合が切れるずきに゚ネルギヌを攟出する。 しばしば、ATPは「゚ネルギヌ通貚」energy currency[1]に䟋えられる。 アデノシンの構造は、アデニンずいう塩基にリボヌスずいう糖が結合したものである。 分解されたADPは、再利甚され、呌吞こきゅう、respirationによっお再びATPに合成されるこずが可胜である。 ATPの゚ネルギヌの利甚先は、生䜓物質の合成のほかにも、筋肉の収瞮や、ホタルの発光などにも、ATPの゚ネルギヌは甚いられおいる。 異化ず同化 代謝には異化ず同化がある。 異化いか、catabolismは耇雑な物質を分解しお゚ネルギヌを取り出す反応であり、呌吞もその䞀぀である。 䞀方、同化どうか、anabolismは物質を合成する反応であり、゚ネルギヌを蓄えたり、䜓を構成する物質を生産するために行われる。䟋えば、光合成による糖の合成は同化である。同化では、簡単な構造の物質から耇雑な構造の物質が合成されたすが、その際にぱネルギヌが必芁である。反応に甚いた゚ネルギヌの䞀郚は、合成した物質に吞収される。しかし、同化によっお合成物に吞収された゚ネルギヌを取り出しお䜿うには、異化を行っお分解する必芁がある。 同化には、炭酞同化ず窒玠同化がある。 炭酞同化carbon dioxide assimilationは、二酞化炭玠などの炭玠無機物から有機物を合成する反応で、倚くの怍物が光合成によっお有機物を合成しおいる。 䞀方、窒玠同化(nitrogen assimilation)は、タンパク質などの窒玠化合物を合成する反応である。 独立栄逊生物ず埓属栄逊生物 独立栄逊生物ず埓属栄逊生物は、生物の栄逊の取り方に基づく分類の䞀぀である。 独立栄逊生物どくり぀えいようせいぶ぀、autotrophは、異化ず同化のプロセスを利甚しお生存しおいる。 異化は、有機物を無機物に分解するこずで、゚ネルギヌを取り出すこずができる反応である。 䞀方、同化は、無機物から有機物を合成するこずで、生物の成長や繁殖に必芁な゚ネルギヌを埗る反応である。 光合成を行う独立栄逊生物は、光゚ネルギヌを利甚しお、二酞化炭玠ず氎からグルコヌスなどを合成する。 この反応は同化の過皋であり、独立栄逊生物が自らの生存に必芁な゚ネルギヌを埗るために必芁な反応である。 埓属栄逊生物じゅうぞくえいようせいぶ぀、heterotrophは、他の生物から有機物を取り蟌んで゚ネルギヌを埗る必芁がある。 埓属栄逊生物には、動物や菌類などが含たれる。 動物は、他の生物を食べるこずで栄逊を取り蟌みる。 菌類は、他の生物や有機物を分解しお栄逊を取り蟌みる。 これらの反応は異化の過皋であり、埓属栄逊生物が生存に必芁な゚ネルギヌを埗るために必芁な反応である。 発展筋肉ずクレアチンリン酞 クレアチンリン酞は、身䜓の筋肉や神経现胞内で、ATP(アデノシン䞉リン酞)を再生産するための重芁な物質である。 ATPは、筋肉や神経现胞が動いたり、働いたりするために必芁な゚ネルギヌ源だが、このATPは䞀床䜿われるずすぐに分解されおしたう。 しかし、運動䞭にはATPを倚く䜿うため、ATPの再合成が必芁になる。 ここで、クレアチンリン酞が重芁な圹割を果たす。 䌑息䞭には、ATP濃床が高く、その結果、クレアチンリン酞の合成が進む。 そしお、運動䞭にATPが分解されADP(アデノシン二リン酞)が生成されるず、酵玠クレアチンキナヌれが働き、クレアチンリン酞ずADPからすばやくATPが再合成される。 これによっお、筋肉や神経现胞は再びATPを䜿っお゚ネルギヌを埗るこずができ、運動や掻動を続けるこずができるのである。 ぀たり、クレアチンリン酞は、身䜓の゚ネルギヌ代謝に欠かせない物質であり、特に高匷床の運動や掻動においお重芁な圹割を果たしおいる。 酵玠 デンプンstarchの分解には、硫酞氎溶液などの匷酞䞭で100℃以䞊の高枩で分解するずいう方法がある。しかし、だ液salivaは垞枩付近でデンプンを分解しおマルトヌスmaltose、麊芜糖のこずに倉える。 特定の化孊反応を促進し、自身は反応の前埌で倉化しない物質を觊媒(しょくばい、catalyst)ずいう。 生物の现胞内や现胞倖で觊媒ずしお䜜甚し、生物珟象を維持しおいる物質を酵玠(こうそ、enzyme)ず呌ぶ。酵玠はすべお有機物であり、酵玠の本䜓はタンパク質である。先ほど説明した だ液にも、酵玠がふくたれおおり、アミラヌれamylaseずいう酵玠がだ液にふくたれおいる。 さお、䟋えば、過酞化氎玠氎(H2O2)に二酞化マンガン(MnO2)を加えるず、二酞化マンガンが觊媒ずしお䜜甚し、氎(H2O)ず酞玠(O2)が発生するが、 同様に、過酞化氎玠氎に肝臓の现胞を加えるず氎ず酞玠が発生するのだが、この理由は现胞内に含たれるカタラヌれ(catalase)ず呌ばれる酵玠が觊媒ずしお䜜甚しお、過酞化氎玠を分解しお氎ず酞玠が発生するからである。 现胞倖で働く酵玠もある。 䜓倖から摂取したデンプン(starch)やタンパク質(protein)は、そのたたでは倧きすぎお小腞の现胞に吞収できないため、 各消化噚官から分泌される消化酵玠によっお、吞収しやすくなるように分解される。 デンプンstarchは、唟液だえき、salivaに含たれるアミラヌれ(amylase)によっお、マルトヌス(maltose)に分解される。 タンパク質proteinは、胃液に含たれるペプシン(pepsin)によっおペプトン(peptone)に、すい臓から分泌されるトリプシン(trypsin)によっおさらに小さなアミノ酞(amino acids)に分解される。トリプシンはpH8付近が最適pH(optimum pH)である。 ヒトが持っおいる酵玠の皮類は数千皮類ずいわれおいる。 酵玠が䜜甚する盞手の物質のこずを基質きし぀ずいう。酵玠はそれぞれ反応する盞手の物質が決たっおおり、これを基質特異性ずいう。二酞化マンガンや癜金などの無機物質では、基質特異性は芋られない。基質特異性の正䜓は、酵玠を構成しおいるタンパク質の立䜓構造によるものである。酵玠の各郚のうち、その酵玠が基質ず結合する郚䜍のこずを掻性郚䜍あるいは掻性䞭心ずいう。酵玠は掻性郚䜍で基質ず結合する。 酵玠は、酵玠-基質耇合䜓こうそ-きし぀ ふくごうたいを぀くっお、基質に觊媒ずしおの働きをする。 このように酵玠は现胞内や现胞倖で䜜甚するこずにより、生呜珟象を維持しおいる。 倚くの酵玠は、垞枩の付近で働く。 たた、70℃皋床以䞊の湯などで高枩で熱しおしたった酵玠は、觊媒の働きを倱っおしたう。高枩で働きを倱った酵玠を䜎枩に冷たしおも、もう觊媒の働きは戻らない。このように、酵玠が觊媒の働きを倱っおしたい戻らないこずを倱掻しっか぀ずいう。 これは、酵玠のタンパク質が高枩によっお乱され、タンパク質の構造が厩れおしたったからである。酵玠に限らず、タマゎや肉なども、高枩で熱しおしたうず、冷たしおも垞枩にしおも、もう働きは埩掻しない。この理由も、タマゎや肉のタンパク質が厩れおしたったからである。このようにタンパク質が熱で倉わっおしたうこずを熱倉性ね぀ぞんせいずいう。 酵玠が良く働く枩床は、35℃40℃くらいである堎合が倚い。酵玠がもっずも良く枩床のこずを最適枩床ずいう。最適枩床は酵玠の皮類ごずに違う。垞枩付近で、やや高めの枩床が最適枩床である。 いっぜう酞化マンガンなどの無機觊媒では高枩のほど反応速床が匷く、無機觊媒では最適枩床は芋られない。 酵玠は、特定のpHペヌハヌ、ピヌ゚むチで良く働く。このpHのこずを最適pHずいう。 たずえば、だ液にふくたれる酵玠アミラヌれの最適pHは7付近である。だ液のpHは7である。胃液で働くペプシンの最適pHは2である。ペプシンは、タンパク質を分解する酵玠。 このように、酵玠の最適pHは、その酵玠が倚く含たれる噚官のpHに近い堎合が倚い。 すい液にふくたれる酵玠リパヌれの最適pHは9であり、すい液のpHもややアルカリ性である。リパヌれは脂肪を分解する酵玠。 実隓ずしお酵玠濃床を䞀定にしお、枩床を䞀定にしお、基質濃床を倉えお実隓するず、぀ぎのような結果が埗られる。 ・基質濃床が䜎いずき、基質濃床に比䟋しお反応速床が増える。 ・基質濃床が高い堎合、酵玠の数以䞊に基質があっおも酵玠-基質耇合䜓ができすに効果がないので、基質濃床が䜎いずきは、あたり反応速床は倉わらなず、反応速床はしだいに䞀定倀になる。 そのほか、掻性郚䜍に基質以倖の物質が結合するず、基質が酵玠に結合できなくなる堎合がある。阻害物質が酵玠の掻性物質をめぐっお基質ず競争しおいるず芋なしお、このような珟象のこずを競争的阻害ずいう。 - やや発展  非競争的阻害 阻害物質が掻性物質以倖の堎所に結合しおも、その結果、掻性郚䜍の構造が倉わっおしたう堎合があり、そのため酵玠-基質の結合を阻害する堎合もある。このような、掻性郚䜍以倖ぞの阻害物質の結合による阻害を、非競争的阻害ずいう。 - 補酵玠 ある皮の酵玠には、基質以倖にも他の物質が必芁な堎合もある。このような酵玠に協力しおいる物質が有機物の堎合で、その有機物が酵玠に結合する堎合、その有機物のこずを補酵玠ほこうそずいう。補酵玠は䞀般に䜎分子分子の倧きさが小さいであり、たた酵玠ず分離しやすい。そのため半透膜セロハンなどを䜿っお、補酵玠を分離するこずができる。たた、熱に察しお、補酵玠は、比范的、匷い。 補酵玠の代衚的な䟋ずしお、呌吞に関わる脱氎玠酵玠の補酵玠NAD+がある。脱氎玠酵玠は、基質から氎玠を取り陀く。NADずは「ニコチン・アミドアデニン・ゞヌクレオチド」のこず。 脱氎玠酵玠ずNADは別の物質である。脱氎玠酵玠ずのNADずいう䞡方の物質があるこずで、NADが氎玠を受容できるようになるっお、NADに氎玠氎が結合しNADHに倉わる。 酵玠に協力しおいる物質が金属たたは金属むオンなどで、有機物で無い堎合もある。 - フィヌドバック調節 執筆準備䞭 光合成ず呌吞 光合成同化 怍物は光゚ネルギヌにより、氎ず二酞化炭玠から、グルコヌスを合成しおいる。 これを光合成(photosynthesis)ず呌ぶ。 - ※ 「グルコス」ずは、ブドり糖のこず。 - 䞻に化孊の分野では「グルコヌス」ず蚀う。 - 高校ず倧孊の生物孊では、化孊などの甚法にあわせおだろうか、「グルコヌス」ずいう。 - なおグリコヌゲンずグルコヌスずは別物。 - たたなお、倧孊でも医孊では、「ブドり糖」(Grape sugar)ず日本では蚀う。 光合成の仕組み 葉緑䜓の内郚の構造には、チラコむドずいう膜状の構造ず、ストロマずいう無色の基質の構造がある。 チラコむドにある色玠が光゚ネルギヌを吞収する。この吞収のずき、特定の波長の光を吞収しおいる。赀や青の光が葉緑䜓に吞収される。緑色の光は吞収しない。吞収しなかった波長の光は反射される。怍物の緑色は、反射した光の色であり、光合成には䜿甚しおいない光である。 吞収した光゚ネルギヌで、ATPの合成やNADPHの合成を行っおいる「NAD」ずは「ニコチン アデニン ゞヌクレオチド」のこずである。。 次のの反応がチラコむドで行われる。 の反応がストロマで行われる。  光化孊反応 光゚ネルギの吞収は、色玠のクロロフィルで吞収する。クロロフィルは掻性化し、掻性クロロフィルになる。クロロフィルの存圚する堎所は、チラコむドの膜である。 この反応には、光が圓然に必芁である。枩床の圱響をほずんど受けない。  氎の分解ずNADPHの生成 の反応に䌎っお、掻性クロロフィルから電子が飛び出す。氎が分解され、できた氎玠Hが、さらに氎玠むオンH+ず電子e- に分解される。あたった酞玠O2は、以降の反応では利甚せず、このため酞玠O2が排出される。 この反応でのHの分解から発生したe- は、チラコむドの膜䞊で䌝達され、最終的にHずずもにNADP+ずいう物質にe- は結合し、NADPHが生成する。  ATPの合成 の反応に䌎っお、ADPがリン酞化されATPが合成される。  二酞化炭玠の固定 ストロマで、の反応で䜜られたATPの゚ネルギヌも利甚しお、いく぀もの過皋を経お、怍物が気孔などを䜿っお现胞倖から取り入れた二酞化炭玠から、有機物グルコヌス C6H12O6 を合成する。 生成された物質の䞀郚が同じ物質のもどる反応経路になっおおり、カルビン・ベン゜ン回路ずいう。 このカルビン・ベン゜ン回路の過皋で、の反応で䜜られたATPを甚いおいる。 このカルビン・ベン゜ン回路の反応は、枩床の圱響を受ける。 ※ 光合成に぀いお、くわしくは生物IIで説明する。 初期の光合成研究の歎史 - プリヌストリヌの実隓1772幎ごろ 密閉したガラス容噚の䞭でろうそくを燃焌させたのち、怍物ミントの新芜を入れお攟眮したびんず入れずに攟眮したびんを甚意した。このびんにネズミを入れたり、ろうそくの火を入れたりしたずき、どのような圱響を及がすか調べた。 怍物を入れなかったびんでは、ネズミは死に、ろうそくの火はすぐに消えた。 䞀方で、怍物を入れおおいたほうのびんでは、ネズミに問題を及がさず、ろうそくも燃えた。 この実隓から、生きおいる怍物は、ろうそくの燃焌やねずみの生存に必芁な気䜓、すなわち酞玠を攟出しおいるこずがわかる。 - むンゲンホりスの実隓1779幎ごろ さきほどのプリヌストリヌの実隓では、酞玠を発生するには光が必芁である。むンゲンホりスは、プリヌストリヌの実隓で、光を圓おた堎合ず圓おなかった堎合ずで実隓を行い、光が必芁なこずを突き止めた。 - ザックスの実隓1862幎ごろ 葉の䞀郚を銀箔でおおっお光を圓たらなくするず、その郚分ではデンプンが合成されないこずを、ペり玠デンプン反応の実隓で突き止めた。 - ゚ンゲルマンの実隓1882幎ごろ アオミドロの现胞にスポット光を圓おるず、葉緑䜓にスポット光を圓おた時に、酞玠を奜む现菌が光の圓たった堎所に集たるこずを発芋。 光合成は葉緑䜓で行われるこずを発芋した。 光の匷さず光合成速床 怍物はCO2を吞収しおいなくおも光合成をしおいる堎合がある。なぜなら、怍物は呌吞をしおいるので、呌吞によっおCO2を排出しおいる。 怍物の呌吞による2の排出量である呌吞速床ず、光合成によるCO2の吞収速床が、぀りあった状態での光の匷さのこずを、補償点ほしょうおん,compensation point)あるいは光補償点ひかりほしょうおんずいう。芋かけの光合成速床がれロになる点は、補償点である光合成速床ず呌吞速床が等しいため。 真の光合成速床(photosynthetic rate)を求めるには、芋かけの光合成速床(apparent photosunthetic rate)に、呌吞速床(respiration rate)を足し合わせなければならない。呌吞速床を枬定するには、暗黒で枬定すればよい。 実隓による枬定で、盎接にO2量を枬定しお埗られる枬定倀は、真の光合成速床から呌吞速床を差し匕いた倀である。 - 真の光合成速床  芋かけの光合成速床  呌吞速床 - 枬定倀芋かけの光合成速床 光の匷さが増すに぀れお、光合成速床も倧きくなる。 光が、ある䞀定倀よりも匷くなるず、たずえ、それ以䞊に光が匷くなっおも、光合成速床が倉わらない状態になる。この状態を光飜和ひかりほうわずいい、飜和した盎埌の光の匷さのこずを光飜和点(photic saturation point)ずいう。 日なたで成長しやすい怍物を陜性怍物ようせいしょくぶ぀、sun plant)ずいう。アカマツ・クロマツ・゜ラマメ・ススキ・カラマツ・カタクリ・トマトなどが陜性怍物である。 森林内などの日かげで成長しやすい怍物を陰性怍物いんせいしょくぶ぀ずいう。ブナ・シむ・カシ・ドクダミ・カタバミ・モミ・アオキやシダ・コケ怍物などが陰性怍物である。 光合成速床ず光に぀いお、補償点や光飜和点は図のようになる。 陜性怍物は光飜和点が高い。 䞀般に、光の匱い状態では、陰性怍物のほうが光合成速床が倧きい。このため、日かげでも陰性怍物は生掻できる。いっぜう、光の匷い状態では、陜性怍物のほうが光合成速床が倧きい。 同じ䞀本の朚の䞭でも、日圓たりの良い堎所で぀く葉ず、日圓たりの悪い堎所で぀く葉で、特性が異なる堎合がある。ブナ・ダツデなどが、そのような怍物である。 日圓たりの良い堎所に぀く葉を陜葉ようよう, sun leafずいい、陜性怍物ず同じような補償点や光飜和点は高いずいう特性を珟す。いっぜう、日圓たりの悪い堎所に぀く葉を陰葉いんよう, shade leafずいい、陰性怍物ず同じように補償点や光飜和点は䜎いずいう特性を珟す。 陜性怍物の暹朚を陜暹ようじゅずいい、陜暹からなる森林を陜暹林ようじゅりんずいう。アカマツなどが陜暹である。陰性怍物の暹朚を陰暹いんじゅずいい、陰暹からなる森林を陰暹林いんじゅりんずいう。モミなどが陰暹である。 暹朚は、草など背䞈の䜎い怍物ぞの日圓たりをさえぎるので、地衚ちかくでは陰性怍物が育ちやすくなり、たた、日圓たりが悪いので地衚ちかくでは陜性怍物が育たなくなる。 森林が陜暹林の堎合、新たな陜暹は芜生えなくなるが、新たな陰暹は芜生えるこずが出切る。このような仕組みのため、森林は、陜暹から陰暹ぞず移っおいくこずが倚い。 - たずめ ひなたを奜む陜生怍物(sun plant)では、補償点や光飜和点は比范的高く、 匱い光でも生育できる陰生怍物()では、補償点や光飜和点は比范的䜎い。 陜生怍物にはクロマツ、゜ラマメ、ススキなどがあり、 陰生怍物にはブナ、コミダマカタバミなどがある。 たた、同じ怍物でも、日圓たりの良いずころの葉陜葉, sun leafは補償点や光飜和点は比范的高く、 日圓たりの悪いずころの葉陰葉, shade leafは補償点や光飜和点は比范的䜎い。 - (※ 詳しくは生物IIで孊習する。) 光合成速床は、枩床によっおも倉わる。倚くの怍物では30床ちかくで、もっずも光合成が掻発であり、これは酵玠の枩床特性ず䌌おいる。このこずから光合成には酵玠が関わっおいるず考えられ、実際に酵玠が光合成に関わっおいる。 空気䞭のCO2濃床が䜎䞋するず、光合成速床は䜎䞋する。 - 限定芁因げんおい よういん 光合成に必芁なものは、光・枩床・氎・二酞化炭玠ずいう芁因よういんである。どれかの芁因を䜎䞋させた堎合に光合成速床が䜎䞋する堎合、その芁因を限定芁因(limiting factor)ずいう。むギリスのフレデリック・ブラックマンは、光合成速床は、光の匷さ、二酞化炭玠濃床、枩床のうち最も䞍足したもの限定芁因(limiting factor)によっお決たるずする限定芁因説()を唱えた。 光・枩床・氎・二酞化炭玠のうち、どれが限定芁因かは、どの皋床に䞋げるかなどの実隓条件によっお異なる。 窒玠同化ず窒玠固定 怍物はタンパク質を持っおおり、タンパク質は倚くのアミノ酞からなる。アミノ酞には窒玠ちっそ、化孊匏Nが、ふくたれおいる。 アミノ酞には倚くの皮類がある。 怍物は窒玠ちっその吞収の仕方は、根から硝酞むオンNO3-やアンモニりムむオン(NH4+)などずしお吞収する。では、そのアンモニりムむオンなどは、どこから来たのだろうか。 现菌類や菌類などが、死んだ動怍物や排泄物などを分解した際に、アンモニりムむオンや硝酞むオンなどができる。 怍物が、NO3-やNH4+など、窒玠 N をふくんだ物質を吞収するこずを窒玠同化ちっそどうかずいう。 アンモニりムむオンが亜硝酞菌あしょうかきんなどの现菌の働きにより亜硝酞むオンに倉わり、亜硝酞むオンから硝酞菌しょうさんきんなどの働きにより硝酞むオンに倉わる。 亜硝酞菌や硝酞菌など、硝化に関係した现菌を硝化菌しょうかきんずいう。 倧気䞭にも窒玠があるが、怍物は盎接には利甚できない。埮生物の䞭に、空気䞭の窒玠を取り蟌むこずができる生物もいる。マメ科怍物の根に䜏む根粒菌こんりゅうきん、Rhizobiumが、空気䞭の窒玠を取り蟌むこずができるこのような埮生物が倧気䞭の窒玠を取り蟌む事を窒玠固定ちっそこおい、nitrogen fixationずいう。ダむズの根に、根粒菌が䜏み着き、その結果、根にコブ状のものが、できる。ゲンゲの根にも根粒菌が䜏み着く。 窒玠固定ができる生物には、ネンゞュモなどのシアノバクテリア類ラン藻類、アゟトバクタヌ、根粒菌などがある。 窒玠固定のできる现菌を窒玠固定现菌nitrogen fixation bacteriaずいう。 窒玠の分子 N2 「゚ヌツヌ」ず読むは、すごく安定な分子である。窒玠分子の結合では、䞉重結合さんじゅうけ぀ごうをしおいるので、結合力が匷いからである。䞉重結合に぀いお説明する。たず化孊の呚期衚を芋るず、窒玠原子は巊から4番目の呚期衚15族にある。窒玠に限らず呚期衚15族の原子の電子軌道これを䟡電子かでんしずいうでは、15族の䞀番倖偎の軌道には、電子が5぀ある。 ふ぀うの分子は、他の原子ず結合しお電子が補われお、最倖軌道の電子数が呚期衚18族ず同じ状態になるず、ふ぀うの分子は安定する。このような状態を閉殻ぞいかくずいう。 たずえば炭玠原子Cの堎合、ほかの原子ず最倧4぀たで結合できる。たずえばメタンCH4  窒玠原子Nの堎合、ほかの原子ず最倧3぀たで結合できるたずえばアンモニアNH3 。窒玠原子どうしの結合 N2では、この3぀の結合たでの力を、すべお盞手の䞀個の原子に぀かっおいるので、ずおも匷力な結合になっおいる。 倚くの原子では呚期衚18族の䟡電子数は8個である。ただしヘリりムは䟡電子が2個である。18族の原子は、原子のたたで安定しおいるので、分子にならない。そのため、垞枩でも18族原子は気䜓であるので、18族原子を垌ガス原子きガスげんしずもいう。 - ※ くわしくは化孊Iを参照せよ。高等孊校化孊I/化孊結合 窒玠の堎合、䟡電子は5぀であり、呚期衚18族に䞍足しおおり、なので窒玠分氏を反応させ別の原子ず結合させるためには、倚くの゚ネルギヌが必芁である。窒玠固定现菌は酵玠の働きによっお、無機的に反応させるよりかは少ない゚ネルギヌで反応させるが、それでも倚くの゚ネルギヌが必芁であり、窒玠固定现菌はATPを倧量に消費しおいる。 - 呚期衚 参考 呌吞異化 - ※ 2015幎からの新課皋では甚語の蚀い換えがあり、「奜気呌吞」→「呌吞」、「嫌気呌吞」→「発酵」「解糖」ず蚀い換え。「奜気呌吞」および「嫌気呌吞」の甚語は教科曞では甚いられないこずになっおいる。しかし、叀い文献では残っおいる。本蚘事は旧課皋の生物Iの蚘事であり、たた圓分は習う必芁があるず刀断し、圓ペヌゞにお「嫌気呌吞」などの衚蚘を蚘述する。 われわれ人間の呌吞では、おもにグルコヌス(C6H12O6)などの炭氎化物を分解しお、生呜掻動に必芁な゚ネルギヌを取り出しおいる。このグルコヌスの分解反応で酞玠が必芁なため、人間は呌吞で酞玠を取り入れおいる。呌吞によるグルコヌスの分解で、グルコヌスに蓄えられおいた゚ネルギヌを取り出しおおり、さたざたな生態掻動の゚ネルギヌになっおいる。 なお、呌吞におけるグルコヌスのように、呌吞に぀かわれお゚ネルギヌを取り出す元になっおいる物質を呌吞基質こきゅう きし぀ずいう。 人間や魚類の呌吞は、现胞での酞玠を甚いる呌吞のためであり、このずきの现胞での酞玠を甚いた呌吞を奜気呌吞こうきこきゅうずいう。现胞での奜気呌吞によるグルコヌスの分解は、おもにミトコンドリアで行われおいる。 そのため、ミトコンドリアを持たない埮生物では、呌吞の仕組みが、人間や魚類などずは違っおいる。 埮生物には、酞玠を甚いないで呌吞を行うものもあり、このような無酞玠の呌吞を嫌気呌吞けんきこきゅうずいう。 - ※ 本章では嫌気呌吞を重点的に説明する。奜気呌吞のしくみは耇雑であるので、そのため生物IIで奜気呌吞に぀いお説明されるだろう。 - ※ 範囲倖 : 「奜気」・「嫌気」の抂念の衛生ぞの応甚ずしお重芁なこずずしお、食品の保存などを目的に「埮生物による腐敗を避けよう」ず思い密封しお空気遮断をしおも、䞖界には嫌気生物が存圚するので、殺菌・滅菌は密封だけでは完党には出来ないずいうこずになる。これは぀たり、猶詰かんづめは、腐敗を避けきれないずいうこずであろう。 奜気呌吞 たずは、奜気呌吞に぀いお敎理しよう。 われわれ人間の肺呌吞は、现胞での奜気呌吞のために、酞玠を身䜓各郚の现胞に血管などを甚いお送り蟌んでいるのである。魚類の「えら呌吞」も、酞玠を现胞に送り蟌んでいるので、现胞での奜気呌吞のためである。怍物の呌吞もしおおり酞玠を取り入れおおり、怍物の呌吞は奜気呌吞である。なお、光合成は呌吞ではない。 人間・魚類の呌吞も怍物の呌吞も、これらの呌吞は、现胞では、どれもミトコンドリアが酞玠を䜿っおグルコヌスなどを分解する反応である。 嫌気呌吞 嫌気呌吞ずは さお、现菌やカビなどの䞀郚の埮生物には 、必ずしも酞玠を䜿わなくおもグルコヌスなどの炭氎化物を分解できる生物がいる。酵母菌や乳酞菌は、そのような菌である。酵母菌によるアルコヌル発酵や乳酞菌による乳酞発酵などの発酵は、これらの菌が生存のために栄逊から必芁な゚ネルギヌを埗るために化孊反応を行った結果であり、酵母菌や乳酞菌の発酵では酞玠を甚いおいない。 このような、酞玠を䜿わないでグルコヌスなどの炭氎化物を分解する掻動も呌吞にふくめる堎合がある。これらの菌などがおこなう無酞玠の化孊反応でグルコヌスなどの炭氎化物を分解するこずを嫌気呌吞けんきこきゅうずいう。 そのため、酞玠が少ない環境、あるいは酞玠が無い環境でも、栄逊があれば、嫌気呌吞をする菌は生きられる。 埮生物による腐敗も、その埮生物の嫌気呌吞である堎合が普通である。 発酵はっこうず腐敗ふはいの区別は、ある埮生物の呌吞の結果の生産物が、人間によっお健康的な生産物の堎合が発酵で、有害な生産物の堎合が腐敗ふはいである。぀たり発酵ず腐敗の分類は、人間の郜合による。 埮生物の皮類によっお、嫌気呌吞の生産物の方法は違うが、基本的にはATPを生産しおいる。 嫌気呌吞による、このような酞玠を甚いない分解では、ミトコンドリアを甚いおいない。埮生物は现胞質基質で嫌気呌吞を行っおいる。 酵母菌は、嫌気呌吞ず奜気呌吞の䞡方の呌吞ができる。そのため、アルコヌル発酵をさせる堎合には、酞玠の無い環境に眮く。酵母菌はミトコンドリアを持っおおり、酵母菌の奜気呌吞はミトコンドリアによるものである。 乳酞菌ず酢酞菌は原栞生物であり、ミトコンドリアを持たない。 アルコヌル発酵 酵母菌こうがきんのアルコヌル発酵での化孊反応匏は、たずグルコヌスC6H12O6からピルビン酞C3H4O3に分解される。この、グルコヌスからピルビン酞を埗る過皋を解糖系かいずうけい、glycolysisずいう。解糖系でATPが2分子぀くられる。そしおピルビン酞が、無酞玠の状態では酵玠デカルボキシラヌれによっおアセトアルデヒドCH3CHOによっお分解され、そのアセトアルデヒドがNADHずいう物質によっお゚タノヌルC2H5OHぞず倉えられる。 - 解糖系 (C6H12O6) → 2C3H4O3  4H  2ATP - それ以降 2C3H4O3  4H→2C2H5OH  2CO2 たずめるず、アルコヌル発酵の反応匏は、次の匏である。 - C6H12O6 → 2C2H5OH  2CO2  2ATP グルコヌス1分子あたりATPが2分子できる。アルコヌル発酵のATPは解糖系に由来しおおり、それ以降はATPを産生しおない。 解糖系による、グルコヌスからピルビン酞ができる反応は、嫌気生物に限らず、ほずんどすべおの生物の呌吞で行われおいる。※ そのため、ピルビン酞は呌吞の孊習における重芁物質である。 乳酞発酵 乳酞発酵にゅうさんはっこうずは、乳酞菌が行う嫌気呌吞である。 たずグルコヌスC6H12O6が解糖系によっお、ピルビン酞ぞず分解され、このずきATPが2分子できる。そしおピルビン酞がNADHによっお乳酞:C3H6O3に倉えられる。 - C6H12O6 → 2C3H6O3  2ATP 酢酞発酵 酢酞菌さくさんきんは、 酾箠O2を甚いお、゚タノヌルを酢酞CH3COOH に倉える。 - C2H5OH  O2 → CH3COOH  H2O 酞玠を甚いるため、䞀般的な無酞玠の発酵ずは区別しお、酞化発酵ずよぶ。 酢酞発酵のずき、酢酞のほかに氎ができる。 筋肉ず乳酞 筋肉では、はげしい運動などをしお酞玠の䟛絊が远い぀かなくなるず、グルコヌスやグリコヌゲンなどを解糖をしお、゚ネルギヌを埗る。筋肉での解糖のずきに、乳酞にゅうさん、lactateができる。 反応のしくみは、乳酞発酵ず、ほが同じである。 呌吞商 呌吞で䜿われる基質は通垞はグルコヌスだが、グルコヌスが䞍足した堎合などに脂肪やタンパク質やグルコヌス以倖の炭氎化物などの栄逊が基質ずしお䜿われる堎合がある。 なおデンプンやグリコヌゲンなどは、呌吞の過皋で、グルコヌスぞず分解される。 呌吞によっお排出されるCO2ず䜿甚される酞玠O2の、䜓積たたは分子数の比率 CO2/O2 を呌吞商こきゅうしょう、respiration quotientずいい、RQであらわす。呌吞基質によっお、呌吞商は異なる。気䜓の䜓積は圧力によっお倉化するので、枬定するずきは同枩・同圧でなければならない。同枩・同圧で枬定した堎合、気䜓の䜓積比は分子数の比になるので物理法則により、気䜓の䜓積は、分子数が同じなら、原子・分子の皮類によらず、分子数1モルの気䜓は0℃および1気圧では22.4Lリットルである。モルずは分子数の単䜍であり6.02×1023個のこず、よっお化孊反応匏から理論的に呌吞商を算出でき、その理論倀ず実隓地は、ほが䞀臎する。 呌吞商の倀は、おおむね、次の倀である。 - 炭氎化物 RQ  1.0 化孊匏 C6H12O6  6O2  6H2O → 6CO2  12H2O よっお RQ = CO2/O2 = 6÷6 = 1 より RQ = 1.0 - 脂肪 RQ  箄0.7 トリアシルリセロヌルの堎合、 - 2C55H110O6  77O2  → 55CO2  110H2O よっお RQ = CO2/O2 = 55÷77 ≒ 0.7 より RQ = 0.7 トリステアリンの堎合、 - 2C57H110O6  163O2  → 114CO2  110H2O よっお RQ = CO2/O2 = 114÷163 ≒ 0.7 より RQ = 0.7 - タンパク質 RQ  0.8 ロむシン C6H13O2N の堎合、 - 2C6H13O2N  15O2 → 12CO2  10HO2O 2NHO3 よっお RQ = CO2/O2 = 12÷15 = 0.8 枬定実隓の結果の呌吞商が0.8だからず蚀っお、必ずしも気質がタンパク質ずは限らない。なぜなら炭氎化物(RQ1)ず脂肪(RQ0.7)の䞡方が基質に䜿われおいる堎合、呌吞商が0.71.0の䞭間のある倀を取る堎合があるからである。 発展奜気呌吞の仕組み 奜気呌吞は现胞質基質ずミトコンドリアで起こる。ずくにミトコンドリアを䞭心に、呌吞によっお倚くのATPが合成される。 - 解糖系 1分子のグルコヌスが、2分子のピルビン酞C3H4O3にたで分解される。この反応は现胞質基質で行われる。酵玠を必芁ずしない。ATPを2分子、生成する。反応の途䞭でATPを2分子消費するが、4分子のATPを生成するので、差し匕き2分子のATPを生成する。 グルコヌスは、たずATP2分子によっおリン酞化されフルクトヌス二リン酞C6化合物になる。 フルクトヌス二リン酞が二分しお、グリセルアルデヒドリン酞C3化合物の二分子ができる。 グリセルアルデヒドリン酞が、いく぀かの反応を経お、ピルビン酞になる。この間の反応で、電子e-ずプロトンH+が生じお、補酵玠NADに枡されNADHになる。ここで生じたNADHはミトコンドリアに入り、あずの電子䌝達系で利甚される。たた、ATPが4分子できる。よっお、差し匕きグルコヌス1分子に぀き、2分子ATPが、解糖系で生じる。 - ク゚ン酞回路 ピルビン酞が、ミトコンドリア内に入り、ミトコンドリアのマトリックスずいう内膜にある酵玠で、ピルビン酞がコ゚ンザむムACoAず結合しおアセチルCoA掻性酢酞ずいうC2化合物になり、段階的に分解される。二酞化炭玠が、ピルビン酞がアセチルCoAになる際に生じる。 アセチルCoA以降の反応図は回路䞊であっお、回路のはじめにク゚ン酞citric acidが生じるこずから、ク゚ン酞回路Citric acid cycleずいう。 - ク゚ン酞C6→ケトグルタル酞(C5)→コハク酞(C4)→フマル酞(C4)→リンゎ酞(C4)→オキサロ酢酞(C4)→ク゚ン酞 ず倉化しおいく。「C6」ずはC6化合物のこず。C5ずはC5化合物のこず。C4も同様にC4化合物のこず。 このク゚ン酞回路の過皋でATPが2分子できる。たた、電子が攟出される。 C2化合物のアセチルCoAがC6化合物のク゚ン酞に倉化する際、ク゚ン際回路の最埌のオキサロ酢酞C4化合物ず化合するので、炭玠の収支が合う。ク゚ン酞回路では、脱炭酞酵玠や脱氎玠酵玠の働きで、ク゚ン酞は倉化しおいく。 ク゚ン酞回路で、コハク酞succinateからフマル酞になる際に発生する氎玠は、補酵玠FADフラビンアデニンゞヌクレオチドが受け取り、FADH2になる。 コハク酞以倖での脱氎玠反応では、NADが氎玠を受け取っおいる。(「NAD」ずは「ニコチン アデニン ゞヌクレオチド」のこずである。) - 電子䌝達系Electron transport chain ミトコンドリアの内膜にシトクロムcytochromeずいうタンパク質がいく぀もあり、このシトクロムは電子を受け枡しできる。解糖系やク゚ン酞回路で生じたNADHやFADH2から、電子e-ず氎玠むオンH+が分離し、電子はシトクロムに枡される。そしおシトクロムどうしで電子を受け枡す。このずき、H+が、いったんマトリックスから膜間にくみ出され、それから氎玠むオンの濃床募配に埓っおATP合成酵玠を通っおマトリックス偎に戻る。このH+がATP合成酵玠を通る際の゚ネルギヌを利甚しお、ADPからATPが生成される。最終的に生成するATPの数は、グルコヌス1分子あたりATPを最倧で34分子を生じる生物皮によっお生成数が異なる。 これらの反応ではNADHなどが酞化される反応が元になっおATPを生成しおいるので、䞀連の反応を酞化的リン酞化oxidative phosphorylationずいう。シトクロムのこずをチトクロヌムずもいう。 電子e-は、最終的に酞玠原子に枡され、酞化酵玠の働きで氎玠むオンず反応し氎になる。この氎の生成反応のずきの反応゚ネルギヌを甚いお、マトリックスの氎玠が膜間ぞず運ばれおおり、さきほど述べたようにATPが合成されおいる。 奜気呌吞でのATPの収支は、グルコヌス1分子あたり解糖系で2分子のATP、ク゚ン酞回路で2分子ATP、電子䌝達系で最倧34分子ATPであり、合蚈で最倧38分子のATPになる。 - ※ 電子䌝達系で生産されるATPの個数が、解糖系やク゚ン酞回路のATPの個数2分子ず比べお、電子䌝達系では桁違いに倚い34分子。なので1990幎代の昔の高校では、怜定教科曞には曞かれおない仮説だが、教垫が授業で、生物進化の歎史においお奜気呌吞の生物が増えた理由ずしお、奜気呌吞の電子䌝達系のATP生産数が倚いため効率が良かったからかもしれない、ずいう仮説を生物1で玹介する授業が、よくあったようである。 - ^ R.K.Murray ほか著『むラストレむテッド ハヌパヌ・生化孊 原曞28版』、䞊代淑人・枅氎孝雄 監蚳、平成23幎1月31日 発行、P127
高等孊校生物/生物I/现胞の増殖 现胞の増殖ず生物䜓の構造 现胞分裂 现胞分裂cell divisionには、䜓现胞分裂たいさいがう ぶんれ぀ず枛数分裂げんすう ぶんれ぀がある。 ここでは䜓现胞分裂に぀いお扱う。 倚现胞生物は倚数の现胞でできおいる。 これらの现胞は元は1぀の现胞であり、现胞が分裂するこずによっお構造を維持しおいる。 この分裂を䜓现胞分裂(somatic cell division)ず呌ぶ。 分裂の前の现胞を母现胞(がさいがう、ははさいがう、mother cell)、分裂で生じた2個の现胞を嚘现胞(むすめさいがう、daughter cells)ず呌ぶ。 䜓现胞分裂では栞が2぀に分裂する栞分裂(かくぶんれ぀、karyokinesis)が起こる。 䜓现胞分裂の栞分裂は染色䜓の数が栞分裂の前埌で倉わらない同数分裂()である。 たた、栞分裂の終わりには现胞質が2぀に分かれる现胞質分裂(cytokinesis)が起こる。 栞分裂ず栞分裂の間の時期を間期(かんき、interphase)ず呌ぶ。 栞分裂が行われる時期を分裂期(ぶんれ぀き、M phase)ず呌ぶ。分裂期をM期ずもいう。 分裂期は、その段階により、さらに、前期(prophase)・䞭期(metaphase)・埌期(anaphase)・終期(telophase)に分けられる。 - 間期 现胞分裂の準備が行われる。 DNAやタンパク質を合成し、染色䜓を耇補する耇補された染色䜓は離れおしたわないように、぀ながれおいる。DNAは間期に耇補され2倍になっおいる。 染色䜓は栞内に分散しおいる。 間期はG1期、S、G2期からなる。 G1期は合成準備期。 S期は合成期。 G2期は分裂準備期。 现胞分裂の過皋は、たず最初に、栞分裂がおこる。぀づいお现胞質分裂がおこる。 - 分裂期M期 M期は前期、䞭期、埌期、終期に分けられる。 前期にあらわれる染色䜓は、栞内に分散しおいた染色䜓が凝瞮したもの。 分裂期に染色䜓が等分されるずずもに、DNAも等分される。よっお、分裂埌の最終的な染色䜓数およびDNA数は、もずの现胞ず同じである。 - 分裂期-前期 栞膜が消倱し、栞の䞭にあった染色䜓が珟れる。分散しおいた染色䜓が现長いひも状に集たっおいる。 栞膜ず栞小䜓は消倱する。 䞡極から玡錘糞(がうすいし、spindle fiber)が䌞びお玡錘䜓(がうすいたい、spindle)ができはじめる。 このずき、動物现胞では、䞭心䜓が䞡極ぞ移動し、星状䜓(せいじょうたい、aster)ずなり、その星状䜓から玡錘糞が䌞びる。 やがお、染色䜓は倪く短い棒状になり、裂け目瞊裂が生じる。 玡錘糞がうすいしは染色䜓のくびれた郚分である動原䜓どうげんたい, centromereに付着する。 - 分裂期-䞭期 染色䜓が现胞の䞭倮の面にあ぀たる。この、染色䜓が集たっおる现胞の䞭倮の面を赀道面せきどうめんずいう。玡錘䜓が完成し、すべおの染色䜓の動原䜓が现胞の赀道面に䞊ぶ。 - 分裂期-埌期 それぞれの染色䜓が2本に分離しお、现胞の䞡極に移動する。分離の際、染色䜓が瞊裂面で2぀に分かれ、玡錘糞に匕かれるように実際には匕っ匵られるわけではない䞡極に移動する。 - 分裂期-終期 栞が珟れ始め、染色䜓は栞内に分散する。集たっおいた染色䜓が次第に分散しおいき、 栞膜ず栞小䜓が再び出珟する。たた、この頃に现胞質分裂もはじたり、怍物现胞の堎合、现胞板さいがうばん、cell plateがあらわれる。怍物现胞では、ゎルゞ䜓から现胞板が圢成され、现胞を二分する。動物现胞では、赀道面で现胞膜がくびれ、现胞を二分する。 以䞊のような、现胞分裂の分裂の呚期のこずを现胞呚期(cell cycle)ずいう。 现胞の䞭には分裂を停止しおいるものもあり、これをG0期ゞヌれロきずいう。「G」ずはgapギャップ。 栞盞ず盞同染色䜓 染色䜓の数、倧きさ、圢は皮によっお決たっおいる。 䜓现胞の倚くは倧きさや圢が同じ2぀の染色分䜓をもっおおり、 これを盞同染色䜓(そうどう せんしょくたい、homologous chromosomes)ず呌ぶ。 盞同染色䜓は、それぞれ䞡芪から受け継いだものである。 - 栞盞かくそう 生殖现胞は、染色䜓数が半分になっおいる。 䜓现胞では、染色䜓は父母から継いだ盞同染色䜓が䞀察になっおおり、盞同染色䜓1察あたり2個の染色䜓である。 このような関係を衚すため、䞀般に染色䜓の察の数を n で衚し、したがっお䜓现胞の染色䜓数を 2n で衚す。぀たり、生殖现胞の染色䜓数は n で衚す。生殖现胞は枛数分裂によっお染色䜓数が、䜓现胞ず比べお、半枛しおいる。 ヒトの堎合、染色䜓数は46本あり、23察である。垞染色䜓が22察、性染色䜓が1察である。 ヒトの堎合、n=23である。 このようなnや2nの衚蚘を栞盞かくそうずいう。 生殖现胞などnのこずを単盞たんそうずいい、䜓现胞など2nのこずを耇盞ふくそうずいう。 栞盞の衚蚘のアルファベットは、nで衚すのが慣習である。 参考 枛数分裂 粟子や卵などの生殖现胞を䜜る際、通垞の分裂ずは違う。生殖现胞を぀くる分裂は枛数分裂ずいい、分裂が回起きる。枛数分裂での回目の分裂を第䞀分裂ずいい、回目の分裂を第二分裂ずいう。 枛数分裂でも、分裂前の間期のS期にDNAが耇補される。耇補されたDNAが第䞀分裂で分配されるので、第䞀分裂埌のDNA量は耇補前G1期ず同じである。 第二分裂ではDNAの耇補は行われず、第二分裂埌にDNA量が耇補前の半分になる。 DNA耇補のしくみ 2本鎖DNAの塩基どうしの結合が、䞀郚分、ほどける。そしお、郚分的に1本鎖になったDNAが2本ぶんできる。 1本鎖のそれぞれが鋳型ずなっお耇補が始たる。それぞれの䞀本鎖の塩基に察応するヌクレオチドが結合しお(AずT、GずCが結合)、盞補的な塩基の察が出切る。そしお塩基察どうしの新しい鎖のほうのヌクレオチドは、酵玠のDNAポリメラヌれなどの働きによっお、ずなりあったヌクレオチドのリン酞ず糖が結合しお、次々ず連結しおいっお新しい鎖ができ、よっお2本鎖のDNAになる。耇補前のDNAのもう䞀方のほうの䞀本鎖も同様に耇補されお2本鎖になる。こうしお、耇補前のDNAのそれぞれの䞀本鎖が2本鎖のDNAになり、耇補埌はDNAが2個になる。 このような耇補のしくみを半保存的耇補はんほぞんおき ふくせいずいい、アメリカのメセル゜ンずスタヌルによっお1958幎ごろに倧腞菌ず窒玠の同䜍元玠通垞の14Nず、同䜍元玠の15Nを甚いた実隓で蚌明された。 - メセル゜ンずスタヌルの実隓 発展 生物IIの範囲 - ※ メセル゜ンずスタヌルの実隓が、第䞀孊習瀟『生物基瀎』の教科曞で玹介されおいる。 たず、基準ずしお、あらかじめ通垞の窒玠14Nをふくむ培地で、倧腞菌を培逊しおおく。この基準ずはべ぀に、もう䞀皮類、重窒玠15Nをふくむ培地を、次のように甚いる。 1 倧腞菌を培逊する際、区別のため、重窒玠15Nをふくむ塩化アンモニりム15NH4Clを窒玠源ずする培地で、培逊しお増殖させる。 するず、倧腞菌の窒玠原子に、すべお重窒玠15Nだけをふくむ倧腞菌が埗られる。 たず、この倧腞菌を保存しおおく。もうひず぀の基準ずするため。 2 さらに、15Nだけをふくむ倧腞菌を、ふ぀うの窒玠14Nをふくむ培地に移しお培逊しお、分裂1回目・2回目ずいった分裂ごずにDNAを抜出するため遠心分離機で遠心分離しお、DNAの比重を調べる。 結果 ・ 1回分裂埌のDNAからは、15Nず14Nを半々にふくむDNAだけが埗られ、重さは䞭間の重さだった。 ・ 2回分裂盎埌のDNAからは、15N-14Nの半々のDNAず、14NだけをふくむDNAが、11の割合で埗られた。 重さは、14NだけをふくむDNAが、もっずも軜い。 ・ 3回目の分裂埌は、軜いDNAず䞭間の重さのDNAの比が31だった。 ・ 4回目の分裂埌は、軜いDNAず䞭間の重さのDNAの比が71だった。 ・ n回目の分裂埌は、軜いDNAず䞭間の重さのDNAの比が 2n11 だった。 䞭間の重さのDNAは、䜕䞖代たっおも消滅しなかった。 この実隓によっお、DNAの半保存的耇補は蚌明された。 単现胞生物ず倚现胞生物 アメヌバ、ミドリムシ、ゟりリムシなど、個䜓が単䞀の现胞からできおいる生物は単现胞生物(unicellular organism)ず呌ばれる。 䟋えばゟりリムシは、䞀぀の现胞で、繊毛を䜿っお泳いだり、现胞口を䜿っお食べたり、食胞を䜿っお消化したりしおいる。 単现胞生物に察しお、圢や働きの異なる倚くの现胞からなる生物は倚现胞生物(multicellular organism)ず呌ばれる。倚现胞生物においお、藻類や腔腞動物は、皮子怍物や脊怎動物に比べるず簡単な構造を持っおいる。 䟋えばヒドラは、8皮類玄10䞇個の现胞からなる倚现胞生物であり、刺现胞で攻撃したり、腺现胞で消化液を分泌したり、消化现胞で消化を行ったりしおいる。
高等孊校生物/生物IB‐生態系 怍生 怍生 ある堎所に生育しおる怍物の集たりを怍生しょくせいたたは怍物矀萜しょくぶ぀ ぐんらくたたは怍物矀集しょくぶ぀ ぐんしゅうずいう。 - (※ 珟圚の高校生物では、「怍生」衚蚘が䞻に甚いられおおり、日垞的にも甚いる機䌚が倚いので、本曞でも、埗に断りが無い限り、「怍生」を甚いる。) 怍物のうち、䞀幎以内に枯れる怍物を䞀幎生怍物いちねんせい しょくぶ぀ずいう。 䞀幎を越えお生育する怍物を倚幎生怍物たねんせい しょくぶ぀ずいう。 森林の芋た目を盞芳そうかんずいう。 ある地域が森林で芆われおいるずき、その森林のそれぞれの朚の頂䞊郚付近の集たりを林冠りんかんずいう。森林で被われるず、その朚の䞋の生物には日圓たりが枛るので、林冠は、その堎所の怍生に倧きな圱響を䞎える。たた、森林倖から人間が芳察しおいる堎合、林冠の怍物が目立぀ので、盞芳には林冠が倧きな圱響を䞎える。 いっぜう、森林がある堎所においお、草朚やコケ怍物、キノコなど、地衚に近い郚分の怍物をたずめお林床りんしょうずいう。林床の草朚は、日圓たりが悪いため、ふ぀うの林床は陰生怍物である。 遷移 怍物の生育により、環境が倉わっおいく。たずえば背䞈の高い朚が生えれば、その䞋の怍物の環境では日圓たりが枛る。このように、怍物の生育によっお環境が倉わっおいくこずを遷移せんい、successionずいう。 ぀たり、怍生は遷移しおいく。 たずえば、ある陞䞊の地域で火山が噎火し、森林に溶岩が流れ蟌むなどしお、森林が焌き払われたずする。そしお、時間が経過し、溶岩が垞枩たで冷めたずする。 その地域には、ただ森林が育぀ような土壌が出来䞊がっお無いので、森林は育たない。たた、怍物の根や皮子も、溶岩で焌き払われおおり、存圚しおいない。怍物が育぀のに必芁な窒玠分などの栄逊分も、少ない。保氎力も少ない。 その焌かれお冷めたあずの地域には、たずコケ類や地衣類などが、その地域に入り蟌み、遷移が始たる。このように、怍物が生育しおいなかった堎所から始たる遷移を䞀次遷移いちじ せんい、primary successionずいう。 たた、このように初期の遷移で、その地域に入りこむ怍物皮を先駆皮せんくしゅずいう。あるいは、先駆皮のこずをパむオニアずもいう。 ある遷移が、陞䞊で起きた遷移なら、也性遷移かんせい せんい、xerarch successionずいう。いっぜう、湖沌などの氎蟺で起きる遷移を湿性遷移しっせい せんい、hydrarch successionずいう。 先ほど䟋にあげた、溶岩が流れたあずの遷移は、也性遷移かんせい せんいである。 也性遷移での䞀次遷移は、普通、コケ類・地衣類の䟵入から始たり、続いお同じ堎所に草朚が䟵入し、そのあず、同じ堎所に朚が䟵入する。 朚には、日圓たりの良い堎所で育ちやすい陜暹ず、日圓たりの悪い堎所でも育ちやすい陰暹がある。䞀次遷移で草が生えおた堎所に、始めお朚が䟵入しおいく堎合、最初に䟵入する朚の皮類は、陜暹である堎合が、普通である。 しかし、その陜暹が぀くる陜暹の子は、日圓たりが悪いので、育ちにくい。いっぜう、陰暹は、日圓たりが悪くおも育぀ので、陰暹の子は育぀。なので、やがお森林は陰暹に倉わっおいく。 いったん森林が陰暹林になるず、灜害や森林䌐採などが起きない限り、普通は、もう、あたり、それからは遷移しない。 ある怍生が、さたざたな遷移を経過した結果、もうほずんど倉わらない状態になり、安定的な状態になる。この最終的な怍物矀の状態が極盞きょくそうである。極盞のこずをクラむマックス(climax)ずもいう。日本の堎合、たいおいの森林では、陰暹林が極盞である。 森林が極盞の堎合、その極盞の森林を、極盞林きょくそうりんずいう。 山火事や地滑りや台颚などで、森林で䞀郚の朚が砎壊されるず、その砎壊されお倒れたりした朚の郚分での怍生の競争の安定が厩れ、その砎壊された朚の付近の堎所は草原などに戻る。倒れた朚のあった堎所では、今たで芆っおいた朚が無くなったため、光が差し蟌むようになり、日圓たりが増す。このような、森林内郚の日圓たりの良い堎所をギャップずいう。 このようなギャップの堎所では森林内の日圓たりの良い堎所では、陜生の怍物が成長できるので、新たに遷移しおいく。これを二次遷移にじ せんい、secondary successionずいう。二次遷移では、土壌がすでに圢成されおいるため、䞀時遷移ず比べお遷移が速く進行する。 二次遷移が起きるのは、けっしお地滑りや台颚による倒朚などの自然灜害だけでなく、人間が森林䌐採をした堎合にも二次遷移は起きる。 湿性遷移 たた、湖沌でも遷移は起きる。湖沌など氎堎で起きる遷移を湿性遷移しっせい せんい、hydrarch successionずいう。いっぜう、陞䞊での遷移を也性遷移ずいう。 たず、氎深によっお、湖沌での遷移は倉わる。あたりにも氎深が深すぎるず、日光が氎底に届かないため、氎草は生えにくい。 そこそこの深さの湖沌だず、氎底に日光が届くため、氎底には氎草が生えおいる。 たず、クロモは、党身が氎䞭にあっおも育぀ので、初期の遷移ではクロモなどの党身が氎䞭でも育おる怍物が生えおいく。クロモなどのように、党身が氎䞭でも育おる怍物を、沈氎怍物ちんすい しょくぶ぀ずいう。クロモやマツモが沈氎怍物である。 スむレンは、根が氎底の地䞭にあるので、そこそこ浅くないずスむレンは育たない。 スむレンやヒシなどの、葉が氎面にあり、根が地䞭にある怍物のこずを浮葉怍物ふよう しょくぶ぀ずいう。 湖沌には、付近の土砂が堆積しおいくのが普通なので、だんだん氎深が浅くなっおいく。浅くなっおくるず、スむレンなどの浮葉怍物でも、湖沌に䟵入できるようになる。 さらに堆積が進行し掚進が浅くなっおくるず、今床はペシなどの抜氎怍物ちゅうすいしょくぶ぀が䟵入しおくる。 ペシは、党身の倧郚分は氎䞊にあるが、根は氎䞭にある。ペシのような、党身の倧郚分は氎䞊にあるが、根は氎䞭にある 怍物を抜氎怍物ちゅうすい しょくぶ぀ずいう。 こうしお、沈氎怍物 → 浮葉怍物 → 抜氎怍物 ずいうふうに、湿性遷移が進んでいくのが普通である、 氎深がさらに浅くなるず湿原し぀げんになる。 怍物のバむオヌム - ※ この単元の内容は、瀟䌚科の地理孊ずは区別しきれず、すべおの生物孊のみから説明するのは、無理である。 冒頭の怍物のバむオヌムず気枩、降氎量のグラフを分析しよう。 たず、森林が圢成されるには、あるおいどの降氎量が必芁である。じっさいにグラフを芋るず、確かに、降氎量の倚いほど、暹林が圢成されおいる。 降氎量が少ないず、森林が維持できなくなり、草原になっおいく。さらに降氎量が少ないず、砂挠などになっおいく。 たずえば草原には、サバンナずステップがある。 サバンナずステップの気候は、䞀芋するずぜんぜん違う気候だが、じ぀は気枩が違うだけで、降氎量は同じくらいなのである。 サバンナは、熱垯の䞭にある也燥地域に芋られ、サバンナの草の皮類は、むネの仲間の怍物を䞻䜓ずしおいる。 ステップは、枩垯の䞭にある也燥地域に芋られ、ステップの草の皮類も、むネの仲間の怍物を䞻䜓ずしおいる。 アフリカのサバンナでは、シマりマなどの倧型の草食動物が䜏む。たた、その草食動物を捕食する、ラむオンなどの肉食動物も、アフリカのサバンナには䜏む。サバンナずいうずアフリカが有名だが、オヌストラリアや南アメリカなどにもサバンナはある。 サバンナには、也季があるのが普通である。也季のあいだ、草食動物は、氎堎や食料などを求めお、集団で倧移動する。 アフリカに限らず、サバンナには草食動物が䜏み぀き、その草食動物を捕食する肉食動物も䜏み぀く。 いっぜう、気枩がほが同じ地域を芋おみるず、たずえば幎平均20℃〜30℃の地域は、熱垯倚雚林、雚緑暹林、サバンナが、気枩が同じ気候である。これらの怍生を分けるのは、たんに降氎量の倚少なのである。 砂挠は、地域によっお、枩床の差が、ずおも広い。日本人は぀い぀い「砂挠」ず聞くず、熱い地域を想像しおしたいがちなので、気を぀けよう。砂挠では、サボテンのような、也燥に適応した怍物が、たばらに生育する。 なお、グラフには無いが、土壌や氎質などによっおも、怍生は異なる。たずえば海氎の倚い地域では、海氎の耐性のある怍物が分垃する。 たたなお、グラフでの各怍生の各領域の枩床範囲や降氎量範囲の広さや倀は、教科曞ごずに若干、異なる。なので、あたり现かな数倀を芚えおも無䟡倀である。 熱垯倚雚林 熱垯・亜熱垯の気候の地域に、分垃しおいる。 高朚こうがくが倚い。30m〜60mの高朚もある。林内は暗い。 たた、぀る怍物も倚い。 東南アゞアや南アメリカ倧陞などで、このような熱垯倚雚林が芋られる。 海岞や河口付近では、海氎にも耐性のあるマングロヌブ林などが分垃し、マングロヌブであるヒルギ類などが分垃する。 日本では、九州地方南端から沖瞄地方、小笠原地方に、亜熱垯倚雚林が芋られる。 雚緑暹林 熱垯・亜熱垯の地域のうち、雚季ず也季のある地域に、雚緑暹林が分垃する。 也季に萜葉するチヌクなどが芋られる。 枩垯地方 枩垯地方では、硬葉暹林、照葉暹林、倏緑暹林が分垃する。 硬葉暹林 地䞭海沿岞の、枩垯のなかでも冬に雚が倚く、倏に雚が少ない地䞭海性気候の地域で芋られる。 倏の也燥に耐えるため、葉が小さく、クチクラ局が厚く、䞀幎䞭、葉を぀ける、オリヌブやコルクガシなどが芋られる。 照葉暹林 日本では、関東から四囜、九州地方たでの䜎地に分垃する。スダゞむやアラカシなどが生育する。 倏緑暹林 枩垯の䞭でも、比范的寒冷な地域に分垃し、ブナ、ミズナラ、カ゚デ類などが芋られる。 冬に萜葉する。秋に玅葉する。 日本では、北海道南郚の䜎地、東北地方に分垃する。 針葉暹林 シベリア、スカンゞナビア半島、アラスカなどで亜寒垯の地域に芋られ、垞緑針葉暹のトりヒ類、モミ類などがある。東シベリアにはカラマツなども芋られる。 暹皮が少ない。 日本では、比范的寒冷な北海道東北郚に芋られる。トドマツや゚ゟマツが芋られる。 針葉は、凍結に耐えるための仕組みである。 ツンドラ 北極圏の寒垯などに分垃する。倏の䞀時期を陀いお、幎䞭、土壌が凍結しおいる凍土ずうどのため、高朚が育たない。草本は育぀が、地衣類やコケ類などが混ざる。 この地域は降氎量も少ないため、䜎枩で降氎量の少ない地域に、ツンドラが分垃するこずになる。 日本のバむオヌム 日本では、どこでも降氎量が倚いため、森林が圢成される。 よっお日本では、おもに気枩の地域差によっお、各地の怍生が違っおくる。 そしお、気枩の地域差は、おもに緯床ず暙高により、決たっおくる。䞀般に、高床が1000m増すごずに気枩が5〜6℃䞋がる。 なので結果的に、緯床ず暙高によっお、怍生が違っおくる。 暙高に応じおバむオヌムの地域差を、垂盎分垃すいちょく ぶんぷずいう。 いっぜう、緯床によるバむオヌムの地域差を氎平分垃ずいう。 人工林ずしおスギなどを怍えおた地域も日本では倚く、そのため人の手が加わっおない自然な怍生は、日本では少ない。 垂盎分垃 2600m以䞊くらいに、暙高が高くなりすぎるず、気枩が䜎すぎるため、森林が圢成されない。この、森林の圢成できる高さの限界を森林限界しんりん げんかいずいう。 たた、森林限界を越えた、暙高の高い堎所は、匷颚の堎所でもある堎合が倚く、そのため颚に匷い怍物が倚い。 たた、その森林限界より前でも、高朚の圢成できる限界の暙高があり、これを高朚限界こうがくげんかいずいう。 高朚限界より高い堎所の怍物は、草や花や䜎朚である。倏には、お花畑ず呌ばれる高山草原が芋られるこずもある。 たた、森林を圢成するには、倏の平均気枩が10℃以䞊は必芁である。 このような珟象のあるため、森林限界2500mあたりをさかいにしお、暙高により、高山垯ず亜高山垯ずに分かれる。森林限界より高い偎が高山垯こうざんたいで、森林限界より䜎い偎が、亜高山垯あこうざんたいである。 2500m〜あたりが高山垯であり、コケモモ、コマクサなどが芋られる。 1700m〜2500mあたりが、亜高山垯であり、シラビ゜、コメツガなどが芋られる。 1700m〜600mあたりを山地垯ずいい、倏緑暹林が芋られ、ブナやミズナラなどが芋られる。 〜600mあたりを䞘陵垯きゅうりょうたいずいう。 氎平分垃 - 亜熱垯 沖瞄や鹿児島は亜熱垯である。日本でもマングロヌブが沖瞄県など南西諞島の海岞などで芋られ、ヒルギ類がマングロヌブずしお分垃しおいる。海岞以倖では、゜テツ、ヘゎ、ガゞュマルなどが分垃しおいる。 - 枩垯 九州䞭郚から関東たでの、暙高の䜎い地域で、照葉暹林の生育する気候である。 暖かさの指数 日本では、その地域の気枩によっお、怍生が決たる。 よっお、その地域の気枩の積算倀をもずにした指数によっお、怍生が説明できる。 怍物の生育がうたくできる䞋限の倀を5℃ず考え、よっお月平均気枩からマむナス5℃をした倀を各月もずめ、さらにその各月の倀を足し合わせた積算倀を、暖かさの指数warmth index, WIずいう。 WIが15〜45は、トドマツなどの針葉暹が分垃し、亜寒垯に盞圓し、北海道の北東郚などである。 45〜85は、ミズナラなどの倏緑暹林が分垃し、冷枩垯に盞圓し、東北地方などである。 85〜180は、スタゞむなどの照葉暹林が分垃し、枩暖垯に盞圓する。 180〜240は、沖瞄県や鹿児島などで芋られ、亜熱垯倚雚林が分垃し、亜熱垯に盞圓する。 甚語 ※ 未蚘述 - ・ 優先皮 - ・ 草本そうほん 生態系 食物連鎖 ※ この解説は、珟時点では 䞭孊校理科のWikibooks を匕甚したものです。そのため、高校および倧孊受隓では、䞍適切な可胜性がありたす。 動物性プランクトンは、゚サずしお、怍物性プランクトンを食べおいる。 具䜓的に蚀うず、ミゞンコやゟりリムシなどの動物性プランクトンは、ケむ゜りやアオミドロなどの怍物性プランクトンを食べる。 そしお、動物性プランクトンも、メダカなどの小さな魚に食べられる。 メダカなどの小さな魚も、さらに倧きな魚に、゚サずしお食べられる。 - 怍物プランクトンケむ゜りなど → 動物プランクトンミゞンコなど → 小型の魚メダカなど → 䞭型の魚 →倧型の魚など ずいうふうに、より倧型の生き物などに食べられおいく。 生きおるあいだは食べられずに寿呜を迎えお死んだ生物も、埮生物などに゚サずしお食べられおいく。 このように、生き物どうしが、「食べる・食べられる」 の関係を通じお関わり合っおいるこずを 食物連鎖しょくも぀れんさ、food chain ずいう。食べる偎を捕食者ほしょくしゃ、predatorずいい、食べられる偎を被食者ひしょくしゃずいう。ミゞンコずメダカの関係で蚀えば、メダカが捕食者、ミゞンコが被食者である。捕食者も、さらに䞊䜍の捕食者によっお食べられお、捕食者から被食者ぞずなる堎合も倚い。このように、捕食者-被食者の関係は、立堎によっお倉わる盞察的なものである。 実際には、捕食者が1皮類の生物だけを食べるこずはたれであり、2皮類以䞊のさたざたな皮類の生物を食べる。食べられる偎も、2皮類以䞊の捕食者によっお食べられる。このため、食物連鎖は、けっしお1本道の぀ながりではなく、網状の぀ながりになっおおり、この食物連鎖の網状の぀ながりを食物網しょくも぀もう、food webずいう。 食物連鎖は、なにも氎䞭の生き物だけでなく、陞䞊の生き物にも圓おはたる考え方である。 怍物など、光合成を行っお有機物を豪勢する生物のこずを 生産者せいさんしゃ、producer ず蚀う。動物のように、別の生物を食べる生き物を 消費者しょうひしゃ、consumer ずいう。消費者は、生産者の合成した有機物を、盎接たたは間接に摂取しおいるず芋なす。 動物は、他の動物たたは怍物を食べおいるので、動物はすべお消費者である。肉食動物carnivoreも草食動物herbivoreも、どちらずも消費者である。 消費者のうち、草食動物のように、生産者を盎接に食べる生物を䞀次消費者primary consumerずいう。その䞀次消費者を食べる肉食動物を二次消費者secondary consumerずいう。二次消費者を食べる動物を䞉次消費者ずいう。さらに䞉次消費者を食べる生物を四次消費者ずいう。 なお、二次消費者を食べる䞉次消費者が䞀次消費者を食べるような堎合もある。このように、実際には、必ずしも盎接に1段階䞋䜍の生物を食べるずは限らない。 いっぜう、菌類きんるいや现菌類さいきんるいのように、萜ち葉や 動物の死がい や 動物の糞尿ふんにょうなどの動怍物の遺䜓や排泄物などの有機物を分解しお無機物にする生物を分解者ぶんかいしゃ、decomposerず蚀う。 菌類ずは、いわゆるカビやキノコのこずである。シむタケやマツタケは菌類である。アオカビやクロカビは菌類である。 现菌類ずは、たずえば、倧腞菌だいちょうきん、乳酞菌にゅうさんきん、玍豆菌なっずうきんなどが菌類である。 分解によっお、有機物は、二酞化炭玠や氎や窒玠化合物などぞず分解される。さたざたな分解者によっお有機物は分解されおいき、最終的には無機物ぞず倉わる。 これら、菌類や现菌類は、普通は、葉緑䜓を持っおいないので、光合成によっお栄逊を䜜るこずができない。 菌類は葉緑䜓を持っおいないため、菌類は怍物には、ふくめない。现菌類も、同様に、怍物にふくめない。 菌類の栄逊の取り方は、カビ・キノコずもに、菌糞をのばしお、萜ち葉や動物の死がいなどから、逊分を吞収しおいる。 - 菌類 - アオカビ - シむタケ - 现菌類 - 乳酞菌 - 倧腞菌 生態ピラミッド - 生物量せいぶ぀りょう - ある生物の集たりを、質量で衚したものを生物量せいぶ぀りょう、英biomass バむオマス) ずいう。 - 生物量ピラミッド 䞀般的に、長期的に芋れば、䞀次消費者の個䜓数は、生産者よりも少ない。なぜなら、䞀次消費者が䞀時的に生産者よりも増えおも、食べ物の怍物が足りずに䞀次消費者は死んでしたうからである。同様に、二次消費者の個䜓数は、䞀次消費者よりも少ない。 なので、本ペヌゞの図のように、生産者の個䜓数ず䞀次消費者・二次消費者・䞉次消費者・ 
 の個䜓数を積み䞊げおいくず、䞉角圢のピラミッド型の図になる。このような個䜓数を生産者・䞀次消費者・二次消費者・ 
 ず積み䞊げた図を個䜓数ピラミッドずいう。 同様に、生物量に぀いお、積み䞊げた図を生物量ピラミッド ずいう。 個䜓数ピラミッドや生物量ピラミッドをたずめお、生態ピラミッドずいう。 これらのピラミッドのように、生態系を構成する生物を、生産者を底蟺ずしお、䞀次消費者・二次消費者・ 
 ず食物連鎖の段階によっお段階的に分けるこずができ、これを栄逊段階えいよう だんかいずいう。 栄逊は、おおむね、 - 生産者 → 第䞀次消費者 → 第二次消費者 → 第䞉次消費者 → ・・・ ずいうふうに、移動しおいく。そしお、消費者も䞀生の最期には死ぬから、死んで分解されるので、栄逊は分解者ぞず移動する。 栄逊玠ずしお食べられる物質も、このように埪環しおいく。 - ※ ここたで、おおむね䞭孊の範囲. - ※ 高校の範囲 物質は、生物どうしでは䞊蚘の食物連鎖のように埪環をするが、しかし゚ネルギヌは埪環せず、最終的には地球倖宇宙空間に熱゚ネルギヌなどずしお出お行く※ 東京曞籍、数研、実教、啓林などの芋解。 ※ 第䞀出版の教科曞を玛倱したので、第䞀は分からない。 生物の利甚する゚ネルギヌのおおもずは、ほずんどが倪陜からの光゚ネルギヌであるので、光゚ネルギヌが光合成などによっお有機物に倉えられるなどしお化孊゚ネルギヌずしお倉換され、消費などによっお熱゚ネルギヌずしお排出さお、その熱゚ネルギヌが宇宙に攟出されおいる、ずいうような出来事になっおいる。 ぀たり、゚ネルギヌは生態系の䞭を埪環はしおいない。 このようなこずから、怜定教科曞では「゚ネルギヌは生態系の倖に攟出される」ずか「゚ネルギヌは生態系倖に出おいく」などのように説明しおいる。 - ※ 怜定教科曞ではいちいち説明しおないが、いわゆる䞊空の「宇宙空間」は、生態系倖ずしお分類される。 物質生産 生産者の物質生産 ある生態系の䞀定面積内においお、䞀定期間においお生産者が光合成した有機物の総量を総生産量そう せいさんりょうずいう。生産者である怍物は、自身の生産した有機物の䞀郚を、自身の呌吞で消費しおいる。呌吞によっお䜿われた有機物の量を呌吞量ずいう。 総生産量から呌吞量を差し匕いた量を、玔生産量じゅん せいさんりょうずいう。 - 玔生産量  総生産量  呌吞量 玔生産量の䞀郚は、萜ち葉ずなっお枯れ萜ちたり 枯死量、「こしりょう」 、あるいは䞀時消費者によっお捕食されたりする 被食量、「ひしょくりょう」 ので、生産者の成長に䜿える量は、玔生産量よりも䜎くなる。 玔生産量から、枯死量ず被食量を差し匕いた量を、成長量せいちょうりょうずいう。 - 成長量  玔生産量 ヌ 枯死量被食量 怍物が成長に䜿える有機物の総量が、成長量である。 消費者の物質生産 消費者である動物は、食べた有機物の䞀郚を、消化・吞収せずに排泄する。食べた有機物の総量を摂食量せっしょくりょうずいう。消化吞収せずに排出したぶんの量を、䞍消化排出量ふしょうか はいしゅ぀りょうずいう。 消費者の同化量は、摂食量から䞍消化排出量を差し匕いた量であるので、次の匏になる。 - 同化量  摂食量 ヌ 䞍消化排出量 さらに、ある動物の矀れを、集団党䜓で芋るず、その矀れの䞀郚の個䜓は、食物連鎖で、より䞊䜍の個䜓によっお捕食される。なので、矀れの成長に䜿える有機物の総量から、被食量を差し匕かねば、ならない。さらに、動物には寿呜があり、かならずい぀かは死滅する。死滅するぶんの量が死滅量である。 これらを考慮するず、消費者の成長量は、次の匏になる。 - 成長量  同化量 ヌ  呌吞量  被食量  死滅量  ある環境においお、生産者の被食量は、䞀次消費者の摂食量ず等しい。 同様に、䞀時消費者の被食量は、二次消費者の摂食量ず等しい。 生物濃瞮 食物連鎖で生物間を移動する物質は栄逊玠だけではなく、生呜には望たしくない有害物も、食物連鎖を移動しおいく。 たずえば、か぀お蟲薬ずしお䜿甚されおいたDDTは、自然界では分解されにくく、脂肪に蓄積しやすく、そのため食物連鎖を通じお高次の消費者ぞも取り蟌たれ、動物に害をおよばした。 生物内で分解・排出できない物質は、䜓内に蓄積しやすいずいう特城がある。さらに、その生物を食べる消費者の䜓には、もっず倚く蓄積しやすい。このため、生態ピラミッドで䞊䜍の生物ほど、高濃床で、その物質が存圚しおいるずいう珟象が起き、この珟象を生物濃瞮せいぶ぀ のうしゅく、biological concentrationずいう。 毒性のある物質で、生物濃瞮を起こす物質によっお、高次の消費者を死亡させたり、高次の消費者の生呜が脅かされた事䟋が過去に起きた。 生物濃瞮を起こす、危険物質は、DDTのほか、PCBポリ塩化ビフェニルや有機氎銀などである。 珟圚、アメリカおよび日本などでは、DDTの䜿甚は犁止されおいる。 生物どうしの぀り合い なんらかの理由で、生産量ピラミッド䞭での、ある生物の個䜓数の比率が倉わっおも、時間が経おば、もずどおりに近づいおいく。 - なぜならば、たずえばある草食動物が増えおも、怍物は増えないので、そのうち食料ずしおの怍物が䞍足しおいく。たた、その草食動物を食料ずしお食べる別の肉食動物も、そのうち増えおしたう。 - そうするず、草食動物の食料ずしおの怍物䞍足ず、草食動物を食べる肉食動物の増加により、぀ぎは、草食動物が食べられお枛っおしたう。 そのため、しだいに、もずどおりに近づいおいく。 他の堎合も考えおみよう。 ぀りあいの状態から、なんらかの理由で、肉食動物が増えた堎合も考えよう。仮に、この状態を「肉食動物増」ず曞くずしよう。 - 肉食動物が増えるず、草食動物は食べられるので、草食動物は枛っおいく。草食動物枛 そしお肉食動物は、怍物を食べないので、ただ個䜓数は倉わらない。 - 次に、草食動物が枛ったぶん、怍物が増える。怍物増 たた、草食動物が枛ったぶん、肉食動物が枛っおしたう。肉食動物もずどおり - 次に、怍物が増えたぶん、草食動物が増える。草食動物もずどおり - 草食動物が元通りになったので、その分、食べられる怍物の量が増えるので、怍物の量が雄どおりになる。怍物もずどおり このように、食物連鎖を通じお、個䜓数の比率は調節されおいる。 - 食べられる生物の増枛にずもない、食べる偎の動物の個䜓数は、少し遅れお増枛する。 - もし、食べられる生物が増えるず、食べる偎の動物の個䜓数は、少し遅れお増える。 - もし、食べられる生物が枛るず、食べる偎の動物の個䜓数は、少し遅れお枛る。 ※ 画像を募集䞭。カナダでの、オオダマネコ(捕食者)ずカンゞキりサギ被食者の個䜓数のグラフなどを䜜成しおください。 - 環境によるピラミッドの倉化 環境砎壊や森林䌐採などで、ある地域で、倧芏暡に森林が砎壊されおしたうず、生産量ピラミッドの最䞋段の生産者が枛っおしたうので、䞊の段の消費者の動物も、その地域では生きられなくなっおしたう。 人工的な環境砎壊のほかにも、火山の噎火、山くずれ、措氎などの自然灜害で、生物の量が倧幅に枛る堎合もある。 倖来生物 珟圚の日本に生息しおいる ブラックバスの䞀皮オオクチバス や アメリカザリガニ やブルヌギル などは、もずもずの生息環境は倖囜だが、人間の掻動によっお日本囜内に持ち蟌たれ、日本に定着した生物である。このような倖郚から、ある生態系に持ち蟌たれた生物を、倖来生物がいらい せいぶ぀ずいう。 ある生態系に、遠く離れた別の堎所から持ち蟌たれた倖来生物が入っおきおしたうず、倩敵がいない等の理由で倖来生物が倧繁殖しやすく、その結果、持ち蟌たれた先の堎所の生態系の安定が厩れる。なぜなら、その倖来生物の倩敵ずなる生物が、ただ、持ち蟌たれた先の堎所には、いないからである。 このため、倖来生物を持ち蟌たれた堎所では、倖来生物が増えおしたい、埓来の生物で捕食察象などになった生物は枛少しおいく堎合が倚い。 その結果、倖来生物によっお捕食察象などになった埓来の生物が単に枛るだけでなく、絶滅ちかくにたで埓来の生物が倧幅に激枛する堎合もある。※ 怜定教科曞ではここたで曞いおないが、センタヌ詊隓でここたで智識を芁求する。※ 2016幎の生物基瀎の本詊隓 倖来生物の䟋ずしお、オオクチバスブラックバスの䞀皮 や ブルヌギル ずいう肉食の魚の䟋があり、これら肉食の倖来生物の魚が圚来の魚の皚魚を食べおしたうので、圚来の魚の個䜓数が枛少しおしたうずいう問題も起きおいる。 䞀説では、湖沌によっおは、オオクチバスやブルギルなどの繁殖した湖沌にお埓来の魚が激枛しおいるずいう※ 数研の教科曞や2016幎センタヌ詊隓がその芋解。 瀟䌚制床ずしおは、䞊述のように倖来生物が埓来の生物に倚倧な悪圱響を及がしかねないので、日本では法埋で倖来生物の持蟌みが芏制されおいる。生態系を乱す恐れの特に高い生物皮を「特定倖来生物」に指定しお、飌育や栜培・茞入などを芏制したり、他にも日本政府は生物倚様性条玄の批准を受けお日本囜内で『生物倚様性囜家戊略』などの構想を打ち立おたりしおいる。 怍物でも、セむタカアワダチ゜り や セむペりタンポポ などの倖来生物がある。 沖瞄のマングヌスゞャワマングヌスも倖来生物であり、ハブの捕獲の目的で沖瞄ぞず持ち蟌たれた。しかし、ハブ以倖の生物も捕食しおしたい、オキナワの固有皮のアマミノクロりサギやダンバルクむナなどを、マングヌスが捕食しおしたうずいう問題が起こった。たた、ハブは倜行性であり、そのためマングヌスずは行動時間が䞀臎せず、ハブ捕獲の効果も䜎いこずが分かった。 珟圚、環境省は、察策ずしお、沖瞄でマングヌスを捕獲しおいる。 日本の倖来生物には、これらのほか、アラむグマ、カミツキガメ、りシガ゚ル、セむペりオオマルハナバチなどが倖来生物である。 レッドデヌタブック 絶滅のおそれのある生物皮を絶滅危惧皮ぜ぀め぀きぐしゅ、an endangered species [1]ずいう。絶滅危惧皮のリストをレッドリストずいい、それらをたずめた本をレッドデヌタブックずいう。 䞖界各囜の政府や環境団䜓などは、絶滅を防ぐための取り組みずしお、レッドデヌタブックをたずめおいる。日本では、環境省によりレッドデヌタブックが䜜成されおいる。 動怍物ぞの乱獲などによる絶滅を防ぐため、絶滅危惧皮の取匕を芏制する条玄ずしおワシントン条玄などがある。 生物倚様性 干期 干期は、枡り鳥の生息地になっおいたり、貝などの生息地になっおいる。珟圚では、干期は自然保護の芳点から、環境保護をされおいる。だが昔は、干期はたんなるドロの倚い堎所ず考えられおおり、そのため、干拓や埋立お工事などによっお、倚くの干期が消倱した。 環境問題 環境ホルモン - ※ 理科の怜定教科曞では『環境ホルモン』はあたり玹介されおいない。 - 実教出版『生物基瀎』で環境ホルモンが玹介されおいる。 - チャヌト匏では玹介されおいる。 - 科目『政治経枈』の怜定教科曞などで玹介されおいる堎合がある。 - wikibooks『高等孊校政治経枈/経枈/公害ず環境保党』の環境ホルモンの説明を参照せよ。 オゟンホヌル か぀お冷蔵庫などの冷媒ずしお利甚されおいたフロンガスずいう物質が原因で、オゟン局が砎壊され枛少しおいるこずが1980幎代に分かった。 オゟン局は玫倖線を吞収する性質があるので、オゟン局が砎壊されるず、地䞊にふりそそぐ玫倖線が増え、生物が被害を受ける。 枩宀効果ガス 倧気䞭で二酞化炭玠の濃床が䞊がるず、地球の気枩が䞊昇するず考えられおいる。倧気䞭の二酞化炭玠には、赀倖線を吞収する性質があるので、その結果、熱を吞収する働きがある。なので、二酞化炭玠が増えるず、地䞊の熱が宇宙に逃れず地球の呚囲に閉じ蟌められるので、地䞊の気枩が䞊がる、ず考えられおいる。これが、枩暖化の原因ず考えられおいる。たた、倧気䞭の二酞化炭玠が、熱を閉じ蟌める䜜甚のこずを 枩宀効果おんし぀ こうか ず蚀う。二酞化炭玠など、熱を閉じ蟌める枩宀効果のある気䜓のこずを枩宀効果ガスず蚀う。 地球枩暖化ちきゅう おんだんか の䞻な原因は、石油などの化石燃料かせき ねんりょうの倧量䜿甚によっお、排気にふくたれる二酞化炭玠にさんかたんそにより、空気䞭の二酞化炭玠が増加したためず考えられおいる。他にも、森林䌐採などによっお光合成によっお固定される炭玠の総量が䜎䞋した結果も含たれる、ずいう考えもある。 もし、枩暖化が進行しお、南極の倧陞䞊の氷や氷河の氷が溶ければ、海面䞊昇する。䜎地が氎没する。海抜の䜎いツバル、モルディブ、キリバスの囜は、海氎面が䞊がれば、囜土の倚くが氎没しおしたう恐れがある。 なお、北極の氷が溶けおも、もずもず北極海に浮かんでいる氷が氎に倉わるだけなので、海面は䞊昇しない。 たた、枩暖化によっお、熱垯で生息しおいた蚊の分垃域が広がるこずが心配されおいる。マラリアを媒介する蚊のハマダラカの生息域が広がる恐れが有る。 酞性雚 酞性雚の原因は、化石燃料の排気にふくたれる窒玠酞化物などの物質が、雚の酞性化の原因ず考えられおいる。酞性雚により、森林が枯れたり、湖や川の魚が死んだりする堎合もある。 森林䌐採 耕䜜や工業甚地化や䜏宅地化を目的にした森林䌐採などで、䞖界的に森林面積が枛少しおいる。森林の枛少により光合成量が枛るので、枩暖化の原因にもなっおいるず考えられおいる。たた、動物の生息域が枛るので、生態系の保護の芳点からも、森林砎壊が問題である。 なお、枩暖化の化石燃料以倖の他の原因ずしお、森林䌐採などによる森林の枛少によっお、怍物の光合成による二酞化炭玠の吞収量が枛ったのも理由の䞀぀では、ずいう説もある。 たた、過床の森林䌐採などにより、土壌の保氎性が倱われたために、その土地で怍物が育たなくなる砂挠化さばくかも起きおいる。 ※ 氎系の環境 補償深床 - ※ 啓林、数研の専門『生物』に蚘茉あり。 怍物プランクトンによる光合成量ず消費量の぀りあう氎深のこずを補償深床ほしょう しんどずいう。 補償深床は、倖掋で氎深100メヌトルたでに存圚しおいる。 富栄逊化 - ※ 䞭孊でも瀟䌚科で「富栄逊化」を習っおるが、䞭孊理科では実は習っおない。 - ※ 啓林、数研の専門『生物』に蚘茉あり。 湖の氎質で窒玠やリンなどの濃床の高くなるず、硝酞塩やリンは怍物プランクトンにずっおの栄逊でもあるので、怍物プランクトンにずっおの栄逊に富んだ湖になるので、そのような窒玠やリンの濃床の高い湖の事を富栄逊湖ふえいよう こずいう。生掻排氎や蟲業廃氎などに含たれるリンや窒玠ちっそ化合物などの成分の流入によっお、富栄逊湖になっおいる堎合もある。 たた、湖や海などが、そのように窒玠やリンなどの濃床の高い氎質になる事を富栄逊化ふ えいようか, entrophicationずいう。 いっぜう、窒玠やリンなどの濃床の䜎い湖のこずは「貧栄逊湖」ひん えいようこずいう※ 数研の教科曞で玹介。 さお、「栄逊」ず聞くず、よさそうに聞こえるが、これはプランクトンにずっおの栄逊ずいう意味であるので、氎䞭の氎草や魚などにずっおは、プランクトンの増倧が害になっおいる堎合もある。 なぜなら、プランクトンにより日照がさえぎられるので怍物プランクトンは光の届く氎面近くにいるので、湖の底にある氎草は光合成をできなくなる。 - ※ 䞀説には、倧量のプランクトンのせいで氎䞭の酞玠量の䜎䞋などを匕きおこされ、酞欠状態になるずも蚀われおいる数研の芋解。 - なお、プランクトンが死亡した際、分解が起こるために酞玠が倧量に消費されるずも蚀われおいる数研、啓林の芋解。 - ※ 「怍物プランクトンが光合成するから、酞欠にならないのでは」ずいう疑問も持たれる読者もいるかもしれないが、珟象的な事実ずしお、魚介類の死が起こされるので、氎䞭が酞欠になっおいるず考えるのが劥圓だろう。怜定教科曞では、増えすぎたプランクトンが䜕らかの理由で倧量に死に、その死の前埌に酞玠が消費されるず蚘述されおいる啓林、数研の『生物基瀎』の教科曞に蚘茉あり。 - ※ その他、プランクトン自䜓が゚ラに詰たる害も、啓林が玹介しおいる。 自然界の河川や海氎にも、栄逊が溶けおおり、それらは氎䞭の生物の生存にも必芁な堎合もあるし、プランクトンが少なすぎおも、それを食べる魚介類が増えない※ 数研の芋解 。たた、埮生物がそれら氎䞭の窒玠やリンを消費するなどしお、ある皋床の範囲内なら窒玠やリンなどは自然に分解消費されおいく自然浄化 しかし栄逊が過剰になりすぎるず、プランクトンの倧量発生などにより氎系の生態系のバランスが厩れ、氎草の珟象や魚介類の倧量死などの原因にもなる。過去には、過剰に富栄逊化した湖や沿岞などで、魚介類の倧量死が発芋される堎合もあった。※ 数研の『生物基瀎』に蚘述あり。 赀朮あかしお、red tideずいう海氎面の赀くなる珟象の原因も、氎質の富栄逊化である。※ 数研の『生物基瀎』に蚘述あり。 なお、淡氎では、富栄逊化により赀朮ではなく氎面の青緑色になる「氎の華」みずのはなが発生する「アオコ」ずもいう。 なお、プランクトンずは、氎䞭を浮遊する埮生物の総称で、そのうち光合成をするものが怍物プランクトンずしお分類されおいる。氎䞭の、光合成しない浮遊埮生物は動物プランクトンに分類される。 - ※ 東京湟などの内湟や瀬戞内海など、海氎の内海・内湟で、赀朮が発生するこずがあり、瀟䌚問題にもなった数研『生物基瀎』、169ペヌゞ。 BODおよびCOD 有機物による氎質の汚染の具合を定量的に枬定するための指暙ずしお、BODおよびCODずいうのがある。 - ※ 啓林『生物基瀎』、P184の図衚の解説文にBODの説明あり。 - ※ 実教『生物基瀎』、P207の『実隓』の解説文にCODの説明あり。 BODは、生物孊的酞玠芁求量ずいうものであり、その氎の単䜍量あたりの有機物を分解するのに、氎䞭の埮生物が必芁ずする酞玠量が、どの皋床かずいうものである。 いっぜう、CODは、化孊的酞玠芁求量ずいうものであり、その氎の有機物を酞化剀で酞化分解するのに必芁な、化孊蚈算に換算した際の酞玠量のこず。 BODおよびCODは、数倀が倧きいほど、有機物による汚染がひどい事を衚す。 - ^ 荻野治雄『デヌタベヌス4500 完成英単語・熟語【5th Edition】』、桐原曞店、2020幎1月10日 第5版 第6刷発行、P.288 - ^ 赀朮の正䜓 プランクトン倧発生 | ミクロワヌルド | NHK for School 2020幎8月20日に閲芧しお確認
高等孊校生物/生物II/タンパク質ず生物䜓の機胜 タンパク質 ※ 化孊匏を䜿ったアミノ酞の構造匏の説明も、専門『生物』科目の範囲内です。生物の怜定教科曞で説明されおいたす。䞋蚘の説明は『化孊』からの匕甚ではないです。 アミノ酞 アミノ基 -NH2 ずカルボキシル基 -COOH を぀の分子䞭にも぀化合物をアミノ酞ずいう。この2皮の官胜基が同䞀の炭玠C原子に結合しおいるアミノ酞をαアミノ酞ずいう。 アミノ酞の䞀般匏は - R-CH(NH2)-COOH で衚される。Rは炭化氎玠基あるいは氎玠など。 なお、R-の郚分をアミノ酞の偎鎖そくさずいう。偎鎖は20皮類あるので、アミノ酞は20皮類である。 アミノ酞で、偎鎖を陀く他の郚分は、共通である。そのアミノ酞が、氎に溶けやすい芪氎性か、たたは溶けにくい疎氎性かは、偎鎖の皮類によっお決たる。偎鎖は氎に溶けやすい基なら、そのアミノ酞は芪氎性になる。偎鎖が氎に溶けにくいなら、そのアミノ酞は疎氎性である。 ヒトが䜓内では合成できないアミノ酞を必須アミノ酞essential amino acidずいう。 ヒトの必須アミノ酞は、 - トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、バリン、ヒスチゞン、トレオニン、リシン、ロむシン、む゜ロむシン である。 - ※ 備考: 教科曞では特に觊られおないが、『必須アミノ酞』の『必須』ずは、人䜓で合成できないので「食事などの補う必芁がある」ずいう意味での必須だろう。぀たり、たずえ人䜓に必芁䞍可欠なアミノ酞であっおも、人䜓で合成できるならば、『必須アミノ酞』ずは呌ばないこずに気を぀ける必芁がある。なお、おおもずの英語の essential amino acid の、 essential の意味が「重芁な、必芁な、」などの意味である。 - グルタミン酞やアルギニンなど、圓然、人䜓に必芁なアミノ酞であるが、しかし䜓内で合成できるので「必須アミノ酞」ずは蚀わない。 - ※ 家庭科の範囲になるが、wikibooks高校家庭科の教科曞が圓面は出来なさそうなので、wikibooksでは理科で必須アミノ酞に぀いお、いろいろず説明する。 - ある食品が、人䜓の食事のタンパク質の摂取にずっお、どれだけその食品が、制限アミノ酞を倚くバランスよくタンパク質を倚く含んでいるかを評䟡したものをアミノ酞スコア「アミノ酞䟡」ずもいう。 - アミノ酞スコアは100近いほど、人間によるタンパク質の摂取の食品ずしおは理想的な食品になる。もし蚈算結果でアミノ酞スコアの数倀が100を超える倀になっおも、100に切り䞋げられる。(※ 参考文献: 実教出版『生掻孊NaVi 資料食品成分衚』、139ペヌゞ - アミノ酞スコアの蚈算方法はやや難しいので、このペヌゞでは説明しない。 アミノ酞の䞀芧衚 - ※ 衚䞭の「Ala」ずか「Arg」などの略蚘法は高校理科の範囲倖なので、芚えなくおよい。 タンパク質 ペプチド結合 - ※ 化孊匏を䜿ったペプチド結合の説明も、専門『生物』科目の範囲内です。生物の怜定教科曞で説明されおいたす。䞋蚘の説明は『化孊』からの匕甚ではないです。 2個のアミノ酞分子が結合し、いっぜうのアミノ酞のカルボキシル基-COOHず、もう䞀方のアミノ酞のアミノ基-NH2が瞮合しお、氎1分子が取れお脱氎瞮合しお結合するこずをペプチド結合ずいう。それぞれのアミノ酞は、べ぀に同䞀皮でなくおも良い。たた、ペプチド結合によっお生成する化合物をペプチドpeptideずいう。 2個のアミノ酞がペプチド結合した重合数が2個のアミノ酞化合物ゞペプチドは、末端にアミノ基ずカルボキシル基を持぀ので、このアミノ酞の化合物もたた同様に他のアミノ酞ず化合が出来お、重合数を3個トリペプチドや4個・・・ず、どんどんず増やしおいける。数十個から数癟個ず重合数を増やしおいける。 - ※ 「ゞペプチド」の甚語は高校生物の範囲倖のようであるが生物科目の怜定教科曞では芋぀からない、wikibooks線集者が高校化孊甚に描いた図を生物甚に曞き換えるのがメンドくさいし、どうせ化孊IIで「ゞペプチド」ずかの甚語も勉匷するだろうから、぀いでに芚えおください。 2分子のアミノ酞がペプチド結合したものをゞペプチドずいう。3分子のアミノ酞がペプチド結合したものをトリペプチドずいう。倚数のアミノ酞が瞮合重合したものをポリペプチドpolypeptideずいう。 - ※ 「ポリペプチド」の甚語は、教科曞の範囲内なので぀たり教科曞に曞いおあるので、芚えおください。 - ※ 『高等孊校化孊II/糖類ずタンパク質』でもペプチド結合を習うので、よく分からなければ、そっちを参照せよ。 ペプチド化合物で瞮合に䜿われなかったアミノ基が末端に残るが、このペプチド化合物の瞮合に䜿われなかった末端のアミノ基をN末端ずいう。同様に、カルボキシル基も末端に残るが、これをC末端ずいう。 なおゞペプチドなどペプチド化合物の構造匏を曞くずきは、瞮合に䜿われなかったN末端のアミノ基を巊に配眮しお、C末端のカルボキシル基を右に配眮しお曞くのが慣習である。 䞀次構造ず高次構造 - 䞀次構造 タンパク質を構成するアミノ酞の配列順序のこずを䞀次構造ずいう。たずえば衚蚘「Gly-Gly-Ala」などは䞀次構造の衚蚘である。 - 二次構造 - αヘリックス タンパク質のポリペプチドの倚くの構造は、時蚈回り右回り、Z撚り「れットより」のらせん構造をも぀か、たたはゞグザグ状に折れ曲がっおいたりする。 このポリペプチドのらせん構造をαヘリックスアルファヘリックスずいう。 ポリペプチドのゞグザグ状に折れ曲がっおいる構造をβシヌトずいう。これらの構造αヘリックス、βシヌトを二次構造ずいう。 αヘリックスのらせん巻あたり、平均3.6個のアミノ酞が含たれる。 このらせん化は、氎玠結合による珟象であり、 アミノ酞の分子䞭の-C=Oず-N-Hの間のOずHが氎玠結合し、 - -C=O ・・・ H-N- のように氎玠結合した結果、ペプチド党䜓ではらせん構造を取る。 - βシヌト - 䞉次構造 αヘリックスをずったポリペプチドや、βシヌトをずったポリペプチドなど、二次構造をずったポリペプチドが、さらに折りたたたれお䞉次構造になる。䞉次構造の圢成には、偎鎖どうしに働く匕力や、システむンどうしによるゞスルフィド結合S-S結合によるものが関わっおいる。システむンの偎鎖は-SHであり、偎鎖どうしで氎玠原子が取れおS-S結合するこずがある。 䞉次構造の生䜓組織の䟋ずしお、ミオグロビンがある。 - ※ ミオグロビンは、怜定教科曞では本文䞭には無いが、図衚䞭で説明されおいる。東京曞籍ず数研出版。啓林通の教科曞には説明が無い。 - なお、ミオグロビンやヘモグロビンには、ヘムずいう鉄を含む郚䜍があり、そのヘムに酞玠が結合する仕組みになっおいる。東京曞籍ず数研出版に、蚘茉あり。ヘムは赀く芋える。 - ※ 範囲倖 :なお、䜙談だが、筋肉䞭にミオグロビンが倚く含たれおいる。筋肉が赀く芋える原因の䞀因に、ミオグロビンもある。東京曞籍の怜定教科曞で、わずかに図衚䞭の脚泚だけで蚀及されおいる。 - 四次構造 耇数個ポリペプチド鎖が組み合わさっお集合䜓をなした立䜓構造を四次構造ずいう。 四次構造の生䜓組織の䟋ずしお、赀血球にあるヘモグロビンがある。ヘモグロビンは、2皮類のポリペプチド鎖が、2個ず぀集たった合蚈4本のポリペプチド鎖でできおいる。 タンパク質の特城 - タンパク質の倉性 タンパク質を加熱したり、酞や塩基を加えたりするず凝固する。タンパク質に重金属を加えたり、有機溶媒を加えたりしおも凝固する。これをタンパク質の倉性ぞんせいずいう。加熱によっお倉性するこずを熱倉性ずいう堎合もある。 ゆで卵などのように、いったん熱倉性したタンパク質は、元には戻らない。熱倉性では䞀次構造の配列順序は倉わっおいないが、立䜓構造が壊れおおり、二次構造以䞊の構造が倉わっおいる。 代謝 呌吞同化 - ※ 2015幎からの新課皋では甚語の蚀い換えがあり、「奜気呌吞」→「呌吞」、「嫌気呌吞」→「発酵」「解糖」ず蚀い換え。「奜気呌吞」および「嫌気呌吞」の甚語は教科曞では甚いられないこずになっおいる。しかし、叀い文献では残っおいる.。本蚘事は旧課皋の生物Iの蚘事であり、たた圓分は習う必芁があるず刀断し、圓ペヌゞにお「嫌気呌吞」などの衚蚘を蚘述する。 われわれ人間の呌吞では、おもにグルコヌス(C6H12O6)などの炭氎化物を分解しお、生呜掻動に必芁な゚ネルギヌを取り出しおいる。このグルコヌスの分解反応で酞玠が必芁なため、人間は呌吞で酞玠を取り入れおいる。呌吞によるグルコヌスの分解で、グルコヌスに蓄えられおいた゚ネルギヌを取り出しおおり、さたざたな生態掻動の゚ネルギヌになっおいる。 なお、呌吞におけるグルコヌスのように、呌吞に぀かわれお゚ネルギヌを取り出す元になっおいる物質を呌吞基質こきゅう きし぀ずいう。 人間や魚類の呌吞は、现胞での酞玠を甚いる呌吞のためであり、このずきの现胞での酞玠を甚いた呌吞を奜気呌吞こうきこきゅうずいう。现胞での奜気呌吞によるグルコヌスの分解は、おもにミトコンドリアで行われおいる。 そのため、ミトコンドリアを持たない埮生物では、呌吞の仕組みが、人間や魚類などずは違っおいる。 埮生物には、酞玠を甚いないで呌吞を行うものもあり、このような無酞玠の呌吞を嫌気呌吞けんきこきゅうずいう。 奜気呌吞 たずは、奜気呌吞に぀いお敎理しよう。 われわれ人間の肺呌吞は、现胞での奜気呌吞のために、酞玠を身䜓各郚の现胞に血管などを甚いお送り蟌んでいるのである。魚類の「えら呌吞」も、酞玠を现胞に送り蟌んでいるので、现胞での奜気呌吞のためである。怍物の呌吞もしおおり酞玠を取り入れおおり、怍物の呌吞は奜気呌吞である。なお、光合成は呌吞ではない。 人間・魚類の呌吞も怍物の呌吞も、これらの呌吞は、现胞では、どれもミトコンドリアが酞玠を䜿っおグルコヌスなどを分解する反応である。 嫌気呌吞 嫌気呌吞ずは さお、现菌やカビなどの䞀郚の埮生物には 、必ずしも酞玠を䜿わなくおもグルコヌスなどの炭氎化物を分解できる生物がいる。酵母菌や乳酞菌は、そのような菌である。酵母菌によるアルコヌル発酵や乳酞菌による乳酞発酵などの発酵は、これらの菌が生存のために栄逊から必芁な゚ネルギヌを埗るために化孊反応を行った結果であり、酵母菌や乳酞菌の発酵では酞玠を甚いおいない。 このような、酞玠を䜿わないでグルコヌスなどの炭氎化物を分解する掻動も呌吞にふくめる堎合がある。これらの菌などがおこなう無酞玠の化孊反応でグルコヌスなどの炭氎化物を分解するこずを嫌気呌吞けんきこきゅうずいう。 そのため、酞玠が少ない環境、あるいは酞玠が無い環境でも、栄逊があれば、嫌気呌吞をする菌は生きられる。 埮生物による腐敗も、その埮生物の嫌気呌吞である堎合が普通である。 発酵はっこうず腐敗ふはいの区別は、ある埮生物の呌吞の結果の生産物が、人間によっお健康的な生産物の堎合が発酵で、有害な生産物の堎合が腐敗ふはいである。぀たり発酵ず腐敗の分類は、人間の郜合による。 埮生物の皮類によっお、嫌気呌吞の生産物の方法は違うが、基本的にはATPを生産しおいる。 嫌気呌吞による、このような酞玠を甚いない分解では、ミトコンドリアを甚いおいない。埮生物は现胞質基質で嫌気呌吞を行っおいる。 酵母菌は、嫌気呌吞ず奜気呌吞の䞡方の呌吞ができる。そのため、アルコヌル発酵をさせる堎合には、酞玠の無い環境に眮く。酵母菌はミトコンドリアを持っおおり、酵母菌の奜気呌吞はミトコンドリアによるものである。 乳酞菌ず酢酞菌は原栞生物であり、ミトコンドリアを持たない。 なお、酵母菌は単现胞性だが真栞生物である。このため、酵母菌は分類孊䞊は、カビやキノコずもに真栞生物であるに近いず考えられおいる。※ 2015幎のセンタヌ生物基瀎の本詊隓で出題 アルコヌル発酵 酵母菌こうがきんのアルコヌル発酵での化孊反応匏は、たずグルコヌスC6H12O6からピルビン酞C3H4O3に分解される。この、グルコヌスからピルビン酞を埗る過皋を解糖系かいずうけい、glycolysisずいう。解糖系でATPが2分子぀くられる。そしおピルビン酞が、無酞玠の状態では酵玠デカルボキシラヌれによっおアセトアルデヒドCH3CHOによっお分解され、そのアセトアルデヒドがNADHずいう物質によっお゚タノヌルC2H5OHぞず倉えられる。 - 解糖系 (C6H12O6) → 2C3H4O3  4H  2ATP - それ以降 2C3H4O3  4H→2C2H5OH  2CO2 たずめるず、アルコヌル発酵の反応匏は、次の匏である。 - C6H12O6 → 2C2H5OH  2CO2  2ATP グルコヌス1分子あたりATPが2分子できる。アルコヌル発酵のATPは解糖系に由来しおおり、それ以降はATPを産生しおない。 解糖系による、グルコヌスからピルビン酞ができる反応は、嫌気生物に限らず、ほずんどすべおの生物の呌吞で行われおいる。※ そのため、ピルビン酞は呌吞の孊習における重芁物質である。 乳酞発酵 乳酞発酵にゅうさんはっこうずは、乳酞菌が行う嫌気呌吞である。 たずグルコヌスC6H12O6が解糖系によっお、ピルビン酞ぞず分解され、このずきATPが2分子できる。そしおピルビン酞がNADHによっお乳酞:C3H6O3に倉えられる。 - C6H12O6 → 2C3H6O3  2ATP 酢酞発酵 酢酞菌さくさんきんは、 酾箠O2を甚いお、゚タノヌルを酢酞CH3COOH に倉える。 - C2H5OH  O2 → CH3COOH  H2O 酞玠を甚いるため、䞀般的な無酞玠の発酵ずは区別しお、酞化発酵ずよぶ。 酢酞発酵のずき、酢酞のほかに氎ができる。 筋肉ず乳酞 筋肉では、はげしい運動などをしお酞玠の䟛絊が远い぀かなくなるず、グルコヌスやグリコヌゲンなどを解糖をしお、゚ネルギヌを埗る。筋肉での解糖のずきに、乳酞ができる。 反応のしくみは、乳酞発酵ず、ほが同じである。 呌吞商 呌吞で䜿われる基質は通垞はグルコヌスだが、グルコヌスが䞍足した堎合などに脂肪やタンパク質やグルコヌス以倖の炭氎化物などの栄逊が基質ずしお䜿われる堎合がある。 なおデンプンやグリコヌゲンなどは、呌吞の過皋で、グルコヌスぞず分解される。 呌吞によっお排出されるCO2ず䜿甚される酞玠O2の、䜓積たたは分子数の比率 CO2/O2 を呌吞商こきゅうしょうずいい、RQであらわす。呌吞基質によっお、呌吞商は異なる。気䜓の䜓積は圧力によっお倉化するので、枬定するずきは同枩・同圧でなければならない。同枩・同圧で枬定した堎合、気䜓の䜓積比は分子数の比になるので物理法則により、気䜓の䜓積は、分子数が同じなら、原子・分子の皮類によらず、分子数1モルの気䜓は0℃および1気圧では22.4Lリットルである。モルずは分子数の単䜍であり6.02×1023個のこず、よっお化孊反応匏から理論的に呌吞商を算出でき、その理論倀ず実隓地は、ほが䞀臎する。 呌吞商の倀は、おおむね、次の倀である。 - 炭氎化物 RQ  1.0 化孊匏 C6H12O6  6O2  6H2O → 6CO2  12H2O よっお RQ = CO2/O2 = 6÷6 = 1 より RQ = 1.0 - 脂肪 RQ  箄0.7 トリアシルリセロヌルの堎合、 - 2C55H110O6  77O2  → 55CO2  110H2O よっお RQ = CO2/O2 = 55÷77 ≒ 0.7 より RQ = 0.7 トリステアリンの堎合、 - 2C57H110O6  163O2  → 114CO2  110H2O よっお RQ = CO2/O2 = 114÷163 ≒ 0.7 より RQ = 0.7 - タンパク質 RQ  0.8 ロむシン C6H13O2N の堎合、 - 2C6H13O2N  15O2 → 12CO2  10HO2O 2NHO3 よっお RQ = CO2/O2 = 12÷15 = 0.8 枬定実隓の結果の呌吞商が0.8だからず蚀っお、必ずしも基質がタンパク質ずは限らない。なぜなら炭氎化物(RQ1)ず脂肪(RQ0.7)の䞡方が基質に䜿われおいる堎合、呌吞商が0.71.0の䞭間のある倀を取る堎合があるからである。 奜気呌吞の仕組み 奜気呌吞は现胞質基質ずミトコンドリアで起こる。ずくにミトコンドリアを䞭心に、呌吞によっお倚くのATPが合成される。 - 解糖系 1分子のグルコヌスが、2分子のピルビン酞C3H4O3にたで分解される。この反応は现胞質基質で行われる。酵玠を必芁ずしない。ATPを2分子、生成する。反応の途䞭でATPを2分子消費するが、4分子のATPを生成するので、差し匕き2分子のATPを生成する。 グルコヌスは、たずATP2分子によっおリン酞化されフルクトヌス二リン酞C6化合物になる。 フルクトヌス二リン酞が二分しお、グリセルアルデヒドリン酞C3化合物の二分子ができる。 グリセルアルデヒドリン酞が、いく぀かの反応を経お、ピルビン酞になる。この間の反応で、電子e-ずプロトンH+が生じお、補酵玠NADに枡されNADHになる。ここで生じたNADHはミトコンドリアに入り、あずの電子䌝達系で利甚される。たた、ATPが4分子できる。よっお、差し匕きグルコヌス1分子に぀き、2分子ATPが、解糖系で生じる。 - ク゚ン酞回路 ピルビン酞が、ミトコンドリア内に入り、ミトコンドリアのマトリックスずいう内膜にある酵玠で、ピルビン酞がコ゚ンザむムACoAず結合しおアセチルCoA掻性酢酞ずいうC2化合物になり、段階的に分解される。二酞化炭玠が、ピルビン酞がアセチルCoAになる際に生じる。 アセチルCoA以降の反応図は回路䞊であっお、回路のはじめにク゚ン酞citric acidが生じるこずから、ク゚ン酞回路Citric acid cycleずいう。 - ク゚ン酞C6→ケトグルタル酞(C5)→コハク酞(C4)→フマル酞(C4)→リンゎ酞(C4)→オキサロ酢酞(C4)→ク゚ン酞 ず倉化しおいく。「C6」ずはC6化合物のこず。C5ずはC5化合物のこず。C4も同様にC4化合物のこず。 このク゚ン酞回路の過皋でATPが2分子できる。たた、電子が攟出される。 C2化合物のアセチルCoAがC6化合物のク゚ン酞に倉化する際、ク゚ン際回路の最埌のオキサロ酢酞C4化合物ず化合するので、炭玠の収支が合う。ク゚ン酞回路では、脱炭酞酵玠や脱氎玠酵玠の働きで、ク゚ン酞は倉化しおいく。 ク゚ン酞回路でコハク酞からフマル酞になる際に発生する氎玠は、補酵玠FADフラビンアデニンゞヌクレオチドが受け取り、FADH2になる。 コハク酞以倖での脱氎玠反応では、NADが氎玠を受け取っおいる。(「NAD」ずは「ニコチン アデニン ゞヌクレオチド」のこずである。) - 電子䌝達系Electron transport chain ミトコンドリアの内膜にシトクロムcytochromeずいうタンパク質がいく぀もあり、このシトクロムは電子を受け枡しできる。解糖系やク゚ン酞回路で生じたNADHやFADH2から、電子e-ず氎玠むオンH+が分離し、電子はシトクロムに枡される。そしおシトクロムどうしで電子を受け枡す。このずき、H+が、いったんマトリックスから膜間にくみ出され、それから氎玠むオンの濃床募配に埓っおATP合成酵玠を通っおマトリックス偎に戻る。このH+がATP合成酵玠を通る際の゚ネルギヌを利甚しお、ADPからATPが生成される。最終的に生成するATPの数は、グルコヌス1分子あたりATPを最倧で34分子を生じる生物皮によっお生成数が異なる。 これらの反応ではNADHなどが酞化される反応が元になっおATPを生成しおいるので、䞀連の反応を酞化的リン酞化oxidative phosphorylationずいう。シトクロムのこずをチトクロヌムずもいう。 電子e-は、最終的に酞玠原子に枡され、酞化酵玠の働きで氎玠むオンず反応し氎になる。この氎の生成反応のずきの反応゚ネルギヌを甚いお、マトリックスの氎玠が膜間ぞず運ばれおおり、さきほど述べたようにATPが合成されおいる。 奜気呌吞でのATPの収支は、グルコヌス1分子あたり解糖系で2分子のATP、ク゚ン酞回路で2分子ATP、電子䌝達系で最倧34分子ATPであり、合蚈で最倧38分子のATPになる。 - 脂肪ずタンパク質の呌吞による分解 脂肪は加氎分解されお、脂肪酞ずグリセリンになる。その埌、グリセリンは解糖系に入る。脂肪酞はβ酞化ずいう過皋を経お分解されおアセチルCoAになり、ク゚ン酞回路に入る。 タンパク質は、たずアミノ酞に分解され、アミノ酞のアミノ基を、アンモニアNH3ずしお遊離する。この過皋を脱アミノ反応ずいう。アラニンは脱アミノ反応によっおピルビン酞になり、以降は、糖の分解でのピルビン酞の分解ず同じ過皋を経る。グルタミン酞は、脱アミノ反応でケトグルタル酞になり、ク゚ン酞回路でのケトグルタル酞ず同様の代謝をされる。 その埌の分解の過皋はアミノ酞の皮類によっお異なるが、最終的にどのアミノ酞もク゚ン酞回路で代謝される。ピルビン酞も、解糖系では最終的にク゚ン酞回路に合流するからである。 光合成の仕組み - ヒル反応 1939幎、ヒルむギリス人は、葉をすり぀ぶしたのを混ぜた氎にシュり酞鉄IIIをくわえた液を甚意しお、぀ぎの実隓を行った。 この液に、光を䞎えるず、酞玠が発生し、たたシュり酞鉄IIIは、シュり酞鉄IIに還元された。この反応をヒル反応ずいう。このヒル反応では、二酞化炭玠を陀去した堎合でも酞玠が発生する。なので、ヒル反応は二酞化炭玠を必芁ずしない。 シュり酞鉄(III)は、氎玠を受け取りやすい物質であり、酞化剀である。 光によっお、氎が分解され、酞玠ず氎玠むオンHず電子eに分解されるず考えられた。 そしお、光合成で発生する酞玠は、二酞化炭玠の由来ではなく、氎に由来するず考えられた。 のちにルヌベンが、酞玠の同䜍䜓18Oを甚いお、光合成で発生する酞玠が氎に由来するこずを盎接的に蚌明した。 ルヌベンはクロレラず酞玠同䜍䜓を甚いた実隓で、 - CO2およびH218Oを䞎えた堎合ず、 - C18O2およびH2Oを䞎えた堎合ず、 をそれぞれ実隓し、 この結果、H218Oを䞎えた堎合からは、光を照射するずクロレラから18O2が発生した。 しかし、C18O2およびH2Oを䞎えた堎合からは、光を照射しおも18O2が発生しないこれら䞀連の酞玠同䜍䜓の実隓を「ルヌベンの実隓」ずいう・ - ※ 怜定教科曞では、啓林通および第䞀孊習瀟が、専門『生物』生物IIに盞圓の教科曞で、ルヌベンの実隓を詳しく扱っおいる。数研はルヌベンの名前のみ。東京曞籍は、無し。 - ※ ルヌベンの実隓は、化孊の基瀎知識攟射性同䜍䜓なども動員できる思考力を芁求する詊隓問題䞭間期末テストや入詊などにしやすいだろうから、ぜひずも高校生は理解しおおこう。 なお、厳密には、自然界にも18Oは自然発生するので、実隓で甚いる C18O2 や H218O は、自然界よりも酞玠同䜍䜓18O を倚く含む二酞化炭玠および氎である。※ 啓林通がそう説明しおいる 光の照射の結果、発生する酞玠を集める必芁があり、その酞玠気䜓のうち、通垞の酞玠原子ず同䜍䜓酞玠ずの比率を分析する必芁があり、本圓はもっず実隓に手間が掛かっおいる。 - ※ 備考 ※ 範囲倖だけど、教逊 なお、䞊述のルヌベンの実隓のような、代謝などの反応経路を調べる際の攟射性同䜍䜓などのように、反応の経路を远跡するための材料のこずを「トレヌサヌ」ずいう※ 第䞀孊習瀟の巻末付録に「トレヌサヌ」の甚語あり。トレヌス trace ずは「远跡」ずいう意味。 圓然だが、攟射性同䜍䜓をトレヌサヌずしお甚いる実隓では、その元玠を化合物などの攟射線を調べたりするこずで、反応の経路を調べおいる。 - ※ 別の話題 怍物の生䜓内では、シュり酞鉄のかわりにNADPが光合成の際に氎玠を受け取る酞化剀ずしお働いおいる。 カルビン・ベン゜ン回路 - カルビンの実隓 炭玠の攟射性同䜍䜓14Cをふくむ二酞化炭玠14CO2を含む溶液䞭で、クロレラなどの緑藻などに光合成を5秒ほどの短時間行わせる。その埌、すぐに光を圓おるのを䞭止し、熱したアルコヌルに浞しお、光合成を䞭止させる。 このずき、どのような物質に、14Cが取り蟌たれるかを調べる。 この結果、たずC3化合物であるホスホグリセリン酞PGAが増加しおいるこずが分かった。 光の照射時間を倉えおいく方法などで、詳しく調べたころ、代謝の経路が回路状になっおいる事が分かった。 葉緑䜓の内郚の構造には、チラコむドずいう膜状の構造ず、ストロマずいう無色の基質の構造がある。 チラコむドにある色玠が光゚ネルギヌを吞収する。この吞収のずき、特定の波長の光を吞収しおいる。赀や青の光が葉緑䜓に吞収される。緑色の光は吞収しない。吞収しなかった波長の光は反射される。怍物の緑色は、反射した光の色であり、光合成には䜿甚しおいない光である。 吞収した光゚ネルギヌで、ATPの合成やNADPHの合成を行っおいる。(「NAD」ずは「ニコチン アデニン ゞヌクレオチド」のこずである。) 次のの反応がチラコむドで行われる。 の反応がストロマで行われる。  光化孊反応 光゚ネルギの吞収は、色玠のクロロフィルで吞収する。クロロフィルは掻性化し、掻性クロロフィルになる。クロロフィルの存圚する堎所は、チラコむドの膜である。 この反応には、光が圓然に必芁である。枩床の圱響をほずんど受けない。  氎の分解ずの生成 の反応に䌎っお、掻性クロロフィルから電子が飛び出す。氎が分解され、できた氎玠Hが、さらに氎玠むオンH+ず電子e- に分解される。あたった酞玠O2は、以降の反応では利甚せず、このため酞玠O2が排出される。 この反応でのHの分解から発生したe- は、チラコむドの膜䞊で䌝達され、最終的にHずずもにNADP+ずいう物質にe- は結合し、NADPHが生成する。  ATPの合成 の反応に䌎っお、ADPがリン酞化されATPが合成される。  二酞化炭玠の固定 ストロマで、3の反応で䜜られたATPの゚ネルギヌも利甚しお、いく぀もの過皋を経お、怍物が気孔などを䜿っお现胞倖から取り入れた二酞化炭玠から、有機物グルコヌス C6H12O6 を合成する。 生成された物質の䞀郚が同じ物質のもどる反応経路になっおおり、カルビン・ベン゜ン回路ずいう。 このカルビン・ベン゜ン回路の過皋で、3の反応で䜜られたATPを甚いおいる。 このカルビン・ベン゜ン回路の反応は、枩床の圱響を受ける。 通垞の怍物は固定でC3化合物のPGAホスホグリセリン酞が回路カルビンベン゜ンの最初にできるC3怍物である。 リブロヌス-15-ビスリン酞カルボキシラヌれオキシゲナヌれずいう酵玠略しおRubiscoずいう。ルビスコず読むが、カルビンベン゜ン回路での、CO2 を取り蟌む段階での酵玠。 C4怍物ずカム怍物 - C4怍物 リンゎ酞などのC4化合物が回路の最初にできる代謝系のC4怍物ずいい、カルビンベン゜ン回路ずは別の代謝系(C4回路)を持っおいる。 熱垯にC4怍物が倚く、サトりキビやトりモロコシがC4怍物である。 C4回路ずいうオキサロ酢酞から開始する回路があり、このC4回路によりCO2を効率よく固定しおいる。葉肉现胞にリンゎ酞などをC4化合物ずしお固定しおいる。そしお、炭玠が必芁なずきは、維管束いかんそく鞘现胞しょうさいがうに送り、分解しおCO2を発生させる。 - CAM怍物カムしょくぶ぀ 砂挠に倚い。パむナップル、ベンケむ゜り、サボテンなど。 昌間は空気が也燥しおいお気孔を開いおしたうず氎分をうばわれおしたうので、かわりに倜に気孔を開いお、二酞化炭玠を固定する。二酞化炭玠をもずにリンゎ酞などを蓄えるこずで、昌たでCO2を固定しお保存しおおく。光合成は、たくわえたリンゎ酞などを材料にしお昌間に光合成を行う。 CAMずは、ベンケむ゜り型酞代謝crassulacean acid metabolismずいう意味である。 ゚ンドサむトヌシスず゚キ゜サむトヌシス - ゚ンドサむトヌシス 癜血球が異物を取り蟌む堎合など、现胞が、異物などを取り蟌む際の、取り蟌みかたの仕組みは、぀ぎの仕組みである。 现胞膜がくがみ、そしおくがみの頂䞊郚分の现胞膜どうしが接合しお閉じるこずで、小胞が出来る。 なお、この珟象を゚ンドサむトヌシス飲食䜜甚ずいう。マクロファヌゞが異物を取り蟌む堎合や、现菌が異物を食す堎合の取り蟌みが、゚ンドサむトヌシスである。 - ゚キ゜サむトヌシス 䞀方、现胞が、物質を现胞倖に分泌する仕組みは、぀ぎの仕組みである。 たず、分泌される物質を囲む小胞にも膜がある。この小胞の膜が、现胞膜ず融合し、その結果、小胞の内郚の物質が现胞倖に珟れる。これを゚キ゜サむトヌシス開口分泌ずいう。酵玠の分泌や、ホルモンの分泌、神経䌝達物質の攟出なおど、゚キ゜サむトヌシスが行われおいる。 このように、现胞内倖ぞの物質の流入・流出には、现胞膜が深く関わっおいる。 现胞倖基質 倚现胞生物においお、现胞の倖にも基質があり、たずえばコラヌゲンcollgenやフィブロネクチンなどの糖タンパク質がある。コラヌゲンは糖タンパク質である。怜定教科曞で蚘述を確認。[1] この糖タンパク質のように、现胞倖にあっお、现胞膜ずくっ぀いおいる基質を、现胞倖基質さいがうがい きし぀、extracellular matrixECMずいう。现胞倖基質のこずを「现胞倖マトリックス」ずもいう。 现胞倖基質の皮類によっお圹目は違うが、たずえば受容䜓などずしお働き现胞どうしの情報䌝達をする圹目や、あるいは现胞どうしの結合などの圹目をしおいる。 糖タンパク質ずは、倚糖類ずタンパク質で、できおいる。 - むンテグリン むンテグリンintegrinは、现胞膜を貫通するタンパク質であり、现胞倖基質を構成する糖タンパク質ず现胞骚栌を぀なげる圹目をしおいる。 现胞接着 - カドヘリン カドヘリンcadherinずいう现胞膜を貫いお现胞倖に出おいるタンパク質がある。このカドヘリンが、现胞どうしの接合に関わっおいる。カドヘリンには倚くの皮類があり、同じ皮類どうしのカドヘリンが接着する。 なお、このような珟象を、「现胞接着」さいがう せっちゃくずいう。 さお、カドヘリンには いく぀かの皮類があり、皮類の異なるカドヘリンどうしは接着しない。これを现胞遞別さいがう せんべ぀、sorting out of cellsずいう。 カドヘリンの立䜓構造の維持にはカルシりムむオン Ca2+ が必芁である。そのため、Ca2+が無い状態で培逊するず、现胞どうしの接着が匱たるので、個々の现胞に解離しやすくなる※ 高校の範囲内: 啓林通や第䞀孊習瀟の教科曞などに蚘述されおいる。 なお、カドヘリンは现胞内でアクチンフィラメントに接続しおいる。 ※ 右の原理図ではアクチンフィラメントが省略されおいる。※ より正確には、カドヘリンずアクチンフィラメントの間に、现胞内で連結タンパク質を仲介しおるが、ほずんどの教科曞でも参考曞でも蚀及されおないので、無芖する。 数研出版の教科曞で、連結タンパク質に蚀及しおいる。 カドヘリンは、现胞どうしを接着させるほかにも、さらに现胞どうしの情報䌝達にも関䞎しおいる。※ 第䞀孊習瀟の怜定教科曞で蚘茉。※ 矊土瀟『理系総合のための生呜科孊』2007幎第1刷、におカドヘリンが情報䌝達にも関わっおるこずの裏付けを確認枈み。 - ギャップ結合 隣接した现胞を、筒のような䞭空軞の構造のタンパク質が結合しおおり、これをギャップ結合gap junctionずいう。この筒をむオンや䜎分子の糖やアミノ酞などが移動する。 - デスモ゜ヌム ずなりあう现胞どうしが、間にいく぀かのカドヘリンを介しお、ボタン状に固定されおいる構造をデスモ゜ヌムdesmosomeずいう。 なお、デスモ゜ヌムのボタン状郚分には、䞭間埄フィラメントが接続しおいる。 脚泚 - ^ 吉里勝利ほか『高等孊校生物』、第䞀孊習瀟、平成24幎怜定、平成26幎発行、P.61
高等孊校生物/生物II/生物の系統 たずえばヒトは、動物界・セキツむ動物門・哺乳綱・霊長目・ヒト科・ヒト属・ヒト である。 むヌは、動物界・セキツむ動物門・哺乳綱・食肉目・むヌ科・むヌ属・むヌ である。 このように、属ぞく、genus・科か、family・目もく、order・綱こう、class・門もん、divisio・界かい、kingdom ずいう階局に分類される。 リンネの二名法 ある生物の皮しゅの名前には、䞖界共通の孊名がある。孊名の぀けかたには、二名法にめいほう、binominalずいう呜名法にもずづく囜際芏玄が定められおいる。 たずえばヒトの孊名は Homo sapiens 。 このように、二名法では単語のラテン語で衚す。最初の Homo は属名(ぞくめい、genus)。 sapiens が皮小名しゅしょうめい、species epithetである。このように二名法では、属名ず皮小名を䜵蚘する。このようなな呜名法を、18䞖玀の䞭ごろにカヌル・フォン・リンネが確立した。 いっぜう、ヒト や むヌ や ネコ などず蚀った、ある皮に぀いお、日本で䞀般的に䜿われる呌び名は、和名わめいである。 界ずドメむン か぀お生物の分類で「界」ずいうのが、よく䜿われ、「二界説」や「五界説」などが䜿われおいたが、1977幎代ごろからリボ゜ムRNAなどの研究が進み、やがお、それらRNAなどの研究の知芋を反映した「ドメむン」ずいう分類が生物の分類に䜿われるようになった。 界の分け方 - 二界説 怍物界ず動物界の2぀に分ける。昔からある分類法。 - 䞉界説 単现胞生物からなる原生生物界げんせい せいぶ぀かいを加えお、怍物界ず原生生物界ず動物界の3぀に分ける。ヘッケルが提唱した。たた、ぞッケルは生物の分類を、暹朚圢であらわす系統暹けいずうじゅ、phylogenetic treeずしお衚珟した。 - 五界説 党おの生物は真栞生物ず原栞生物ずに分類される。この知芋を生物の分類に反映しお、五界説などが提唱された。 五界説は、぀ぎの5぀の界からなる。 - 原栞生物よりなるモネラ界。真栞生物のうち、単现胞生物や、構造の単玔な生物からなる原生生物界。いわゆるキノコなどの分解者からなる菌界。そしお怍物界ず動物界。 この5぀の界からなる。 ホむタッカヌやマヌグリスによっお提唱された。 原生生物界は、他の界に入らなかった系統の寄せ集めである。 食物連鎖の芳点から芋るず、怍物界・動物界・菌界は、それぞれ、怍物生産者、動物消費者、菌分解者ずいうふうに理解できる。 生物の3ドメむン リボ゜ヌムRNAの構造をもずにした分類が、カヌル・りヌズにより1977幎代埌半に提唱された六界説。 そしお、この分類のためりヌズは、ドメむンずいう分類を提唱し、すべおの生物は 现菌ドメむン たたは 叀现菌ドメむン たたは 真栞生物ドメむン の3぀のグルヌプのうちの、いずれかのグルヌプに属するず1990幎に提唱した3ドメむン説。 ドメむンは界より䞊䜍の分類である。 遺䌝子などの解析結果から、叀现菌は、现菌よりも真栞生物に近いこずが分かっおいる。 五界説における原生生物界、菌界、怍物界、動物界の぀の界は、真栞生物ドメむンに属する。 - 叀现菌アヌキア - メタン生成菌、奜塩菌、奜熱菌。 - 现菌バクテリア - 倧腞菌、ネンゞュモシアノバクテリア、枯草菌、硝酞菌、クラミゞアなど。 なお倧腞菌もネンゞュモも、単现胞の原栞生物である。珟圚では、「现菌」の分類の条件ずしお、原栞生物であるこずを芁求するのが䞀般的である。 - ※ 「ネンゞュモ」ずは聞きなれない生物だが、センタヌ入詊に良く出た。2014幎センタヌず2015幎センタヌに出た。 シアノバクテリアは光合成を行える。なのでシアノバクテリアを぀い぀い怍物に分類しがちであるが、しかし䞊述のような理由からシアノバクテリアは现菌に分類する堎合が倚い。 光合成などを行う独立栄逊生物であるかどうかは、「现菌ではない」かどうかは無関係である。もし、シアノバクテリアは「光合成を行うので独立栄逊生物である」ずいう理由で、仮に「现菌でない」仮ず仮定するず、硝酞菌の硝酞からの゚ネルギヌ摂取の行為も独立栄逊生物の行為なので、硝酞菌が「现菌ではない」仮になっおしたい、䞍合理である。 たた、「现菌は原栞生物」ずする前提をもずにするず、酵母菌は単现胞であるが真栞生物なので、「现菌」でないこずになる。※ 教科曞では特に明蚘されおないが、センタヌ詊隓で出題された。そのため酵母菌は、カビやキノコずもに真栞生物の仲間であるず考えられおいる。 「菌」であるかどうかは、原栞生物ずは無関係。たずえばキノコなどは「子のう菌」しのうきんに分類される。※ 詳しくは、埌述する。 動物の分類ず系統 胚に、内胚葉endoderm、䞭胚葉mesoderm、倖胚葉ectodermずいうふうに、3぀の胚葉がある動物を䞉胚葉性ずいう。 いっぜう、倖胚葉ず内胚葉ずいうふうに2皮類の胚葉しかない動物を二胚葉性ずいい、クラゲやサンゎやカむメンなどが二胚葉性である。 海綿動物ず刺胞動物は二胚葉性の動物である。 クラゲは刺胞動物門であり、クラゲの胚は、䞭胚葉を持たない。 海綿動物ず刺胞動物を陀く、他の倚くの動物は䞉胚葉性である。 䞉胚葉性の動物のうち、原口げんこう、blastoporeが口になるのが旧口動物きゅうこう どうぶ぀,protostomes。原口たたは、その付近が、肛門こうもん、anusになるのが新口動物しんこう どうぶ぀,deuterostomes。 脊怎動物は新口動物である。ヒトデ、りニは新口動物。 旧口動物はゎカむ、プラナリア、むカ、昆虫、゚ビなど。 無胚葉性 カむメンは、胚葉が分化しない、無胚葉性の動物である。カむメンには、組織・噚官の分化が無い。 カむメンには神経が無い。 䜓内の䜓壁に、倚くの えり现胞 が存圚し、䜓内に取り入れた氎ずずもに、プランクトンをこしずっお食べる。 えり现胞には、1本の べん毛 がある。このべん毛の動きで氎流を䜜り、䜓内に氎を取り入れおいる。 カむメンの えり现胞 が、原生生物の えりべん毛虫 に䌌おいるので、えりべん毛虫から進化しおカむメンが出来たず考える研究者が倚い。 カむメンは、海綿動物である。 二胚葉性の動物 - 刺胞動物しほう どうぶ぀ クラゲやヒドラやむ゜ギンチャクなどが、刺胞動物。 圢状は、攟射盞称である。 動物食性である。接觊したものを、刺胞しほうで刺し、捕食する。 肛門が無い。排泄物は、口から排出する。 觊手には刺胞しほうずいう现胞小噚官があり、これを倖敵などに刺しお、倖敵から身を守ったり、食物を捕食したりする。 神経が分化しおおり、散圚神経系である。 䞉胚葉性の動物 冠茪動物 扁圢動物ぞんけいどうぶ぀、環圢動物、茪圢動物、軟䜓動物をたずめお、冠茪動物かんりんどうぶ぀ずいう。 近幎の分子デヌタの解析から、これら冠茪動物どうしは、比范的、近瞁であるこずが分かっおる。 扁圢動物ぞんけいどうぶ぀、環圢動物、茪圢動物、軟䜓動物は、旧口動物である。 - 扁圢動物ぞんけいどうぶ぀ プラナリアなどが扁圢動物。 䜓腔を持たない。頭郚に脳や県を持぀。呌吞噚や埪環噚を欠く。肛門が無い。口は䜓の䞭倮にあり、腹郚のあたりに口がある。 プラナリアは淡氎䞭で生掻する。 - 環圢動物 ミミズやゎカむやヒルが環圢動物。 倚数の䜓節を持぀。倪い2本の神経を持぀、はしご圢神経系。 発生の過皋で、トロコフェア幌生の時期を持぀。 - 軟䜓動物 むカやタコなどの頭足類や、貝などが軟䜓動物。 倖ずう膜ずいう、内臓を保護する膜を持぀。殻は倖骚栌であり、倖ずう膜から分泌されたカルシりムなどによっお、殻が䜜られおいる。 貝殻は炭酞カルシりムなどの石灰質。 発生の過皋で、トロコフェア幌生の時期を持぀。 なお、むカやタコなどの頭足類は、䜓の䞭倮の県がある郚分が頭郚である。぀たり、頭郚から足が生えおいる。だから、「頭足類」ず呌ぶ。 頭足類を、足を䞋にした向きで芋た堎合、頭足類の䜓の䞊端のほうの、ふくらんでいる郚分は、胎であり、頭郚ではない。頭足類の䞊郚のほうのふくらんだ郚分は胎なので、䞭には内臓が぀たっおいる。 脱皮動物 線圢動物ず節足動物をたずめお、脱皮動物だっぎどうぶ぀ずいう。 近幎の分子デヌタの解析から、これら脱皮動物どうしは、比范的、近瞁であるこずが分かっおる。 線圢動物ず節足動物は、旧口動物である。 - 節足動物 ゚ビやカニなどの甲殻類。昆虫類。クモなど。 動物の䞭で、最も皮類の倚いのが、節足動物である。 䜓衚の殻は、キチン質からなる倖骚栌。 䜓節からなる。神経系は、はしご圢神経系。 成長の過皋で脱皮だっぎを行う。 排出噚は、甲殻類は、腎管が排出噚。 甲殻類以倖は、マルピヌギ管ずいう噚官が排出噚。 - 線圢動物 センチュりなどが線圢動物。 クチクラに被われおいる。脱皮する。 新口動物 キョク皮動物きょくひどうぶ぀、棘皮動物、原玢動物、脊怎動物が、新口動物である。 ヒトデ、りニは新口動物。 - キョク皮動物 ヒトデやりニ、ナマコが、キョク皮動物。 氎管系を持぀。この氎管系が、呌吞噚や埪環噚ずしお働いおいる。運動は管足かんそくで行う。管足は、氎管系ず、぀ながっおいる。 - 原玢動物 原玢動物には、ナメクゞりオやホダなどがある。 発生の段階で、脊玢せきさくを持぀。ナメクゞりオは、終生、脊玢を持぀。ホダの堎合は、幌生のずきには脊玢を持぀が、成䜓になるず脊玢が退化する。 環状神経系を持぀。 ホダの幌生は、オタマゞャクシのような圢をしおおり、名前も「オタマゞャクシ幌生」ずいう。 - 脊怎動物 脊怎動物では脊玢は退化し、脊怎が出来る。 怍物の分類ず系統 怍物の倖衚面はクチクラ局で芆われおいる。 光合成色玠photosynthetic pigmentずしお、クロロフィルaずクロロフィルbを持぀。 皮子怍物・コケ怍物・シダ怍物がある。 シダ怍物ず皮子怍物には、維管束いかんそくがある。 コケ怍物ずシダ怍物は、胞子で繁殖する。皮子怍物は、皮子で繁殖する。 コケ怍物 胞子で繁殖する。光合成をしない。維管束を持たない。れニゎケ、ツノゎケ、スギゎケなどが、コケ怍物。 普通に芋かける怍物䜓は配偶䜓栞盞nである。 胞子は、受粟せず、発芜しお、株の圢状である配偶䜓になる。 胞子には、雄になる胞子ず、雌になる胞子ずが、別々にある。このように、雄ず雌ずは、株が異なるのが、普通。それぞれ雄株たたは雌株ずいう。 普通は、コケ怍物には、根・茎・葉の区別が無い。 雄株の造粟噚で粟子が䜜られる。雌株の造卵噚で卵が䜜られる。 シダ怍物 胞子で繁殖する維管束怍物である。 普通に芋かける怍物䜓は胞子䜓栞盞2nである。枛数分裂によっお、胞子が生じる。 胞子䜓には根・茎・葉の区別があり、維管束がある。 胞子は発芜しお、前葉䜓ずいう配偶䜓nになる。配偶䜓には、維管束は無い。前葉䜓が成熟するず、造粟噚たたは造卵噚が生じる。造粟噚で粟子nが䜜られる。粟子が、雚の日などに、氎を䌝わっお泳いで、造卵噚の内郚にある卵现胞nに到達すれば、受粟しお、受粟卵2nずなる。 この受粟卵から、胚発生ず䜓现胞分裂によっお、胞子䜓が発生する。 皮子怍物 皮子怍物のうち、むチョりやマツなどは、子房が無く、胚珠がむきだしなので、裞子怍物らし しょくぶ぀ずいう。 いっぜう、胚珠が子房の䞭にあるのを被子怍物ひし しょくぶ぀ずいう。 菌類 菌糞きんしずいう糞状の構造が、倚数、組み合わさっお、䜓が出来おいる。 光合成の胜力が無い。光合成色玠を持たない。 现胞壁の䞻成分は、倚糖類の䞀皮であるキチン。 胞子で繁殖。 皮類は、接合菌類、子のう菌類、担子菌類、がある。 - 接合菌類 クモノスカビやパカビなどが、接合菌類である。 無性生殖が通垞だが、有性生殖も行う。 有性生殖では、菌糞が接合しお接合胞子を䜜る。 - 子のう菌類しのうきんるい アカパンカビ、アオカビなどが、子のう菌類 である。 - 担子菌類たんしきんるい マツタケ、シむタケなどが、担子菌類 である。 子実䜓しじ぀たい - ※ 酵母菌を、キノコやカビの仲間぀たり 子のう菌類 や担子菌類のグルヌプに分類する堎合がある。なぜなら酵母菌は、真栞生物であるので。いっぜう、倧腞菌や乳酞菌は原栞生物。※ 数研出版や2015幎センタヌ詊隓が、その芋解。 原生生物界 真栞生物のうち、怍物界・菌界・動物界には、属さないものを、原生生物げんせい せいぶ぀ずいう。単现胞のものもあれば、倚现胞のものもある。 原生動物 アメヌバやゟりリムシなどの単现胞生物。ミドリムシも原生動物である。ミドリムシは、葉緑䜓を持ち、光合成を行う。 べん毛や仮足、繊毛などで運動を行う生物が倚い。 ミドリムシは、べん毛で運動する。ミドリムシを原生動物ではなく藻類に分類する堎合もある。その堎合、ミドリムシはケむ藻類たたはミドリムシ類に分類される。 倉圢菌類 ムラサキホコリなどの真性粘菌類、およびキむロタマホコリなどの现胞性粘菌などが、倉圢菌類。 藻類 分類 ケむ藻類など。光合成を行う、独立栄逊生物である。氎䞭で生掻する。 光合成色玠に、クロロフィルaが必ず含たれおいる。 ミドリムシを藻類に分類する堎合もある。ミドリムシは、藻類のうちのケむ藻類に分類される堎合もあれば、藻類のうちのミドリムシ類ずいう独立した類に入れる堎合もある。 藻類には、ケむ藻類、緑藻類、玅藻類、耐藻類、シャゞクモ類などがある。 ケむ藻類ず耐藻類ずは、同じ光合成色玠を持぀。 - ケむ藻類 ケむ酞の殻を持぀。 クロロフィルaずクロロフィルcを持぀。ケむ藻類ず耐藻類ずは、同じ光合成色玠 ミドリムシが、ケむ藻類に分類される堎合もある。 - 緑藻類 アオサやアオノリなど。クラミドモナスやクロレラなどは単现胞生物であるが、緑藻類。 ボルボックスは现胞矀䜓であるが、緑藻類。 緑藻類は、クロロフィルaずクロロフィルbを持぀。 シャゞクモ類を、緑藻類に含める堎合もある。 - 玅藻類 アサクサノリやテングサ。 クロロフィルaを持぀。 - 耐藻類 コンブやワカメなど。 コロロフィルaずクロロフィルcを持぀。 解説 - 光合成色玠ず氎深 光合成色玠の違いは、届く波長の違いであり、氎深の違いが原因。浅い海にいるのは、緑藻類であり、赀色光を光合成に利甚しおいる。深い海にいるのは、玅藻類であり、緑色光を利甚しおいる。 䞭間の深さの海にいるのが、耐藻類であり、青色光を利甚しおいる - 怍物の祖先ず、光合成色玠 怍物は、クロロフィルaずbを持ち、これは緑藻類の光合成色玠ず同じである。 したがっお怍物は、緑藻類から進化しおきた、ず考えられおいる。シャゞクモ類ず陞䞊怍物で、现胞分裂の様匏が䌌おいるこずから、近瞁だず考えられおいる。 陞䞊怍物の進化は、緑藻類を祖先ずしお、シャゞクモ類を経お、陞䞊怍物が進化しおきた、ず考えられおいる。
高等孊校生物/生物II/生物の進化 生物の倉遷 生呜の起源 原始の地球 地球は玄46億幎前に誕生したした。地球が誕生したずきは、高枩のマグマに芆われおいたず考えられおいたす。その時は、生呜は存圚しおいなかったず考えられおいたす。 衚面が埐々に冷えおくるず、氎蒞気が冷えお雚になり海ができたした。 最初の生呜は、この原始の海の䞭や近くで生たれたのではないかず考えられおいたす。 たた、隕石に有機物が含たれおいるこずがあるので、有機物の起源を宇宙に求めるずいう説もありたす。 化孊進化 - ミラヌの実隓 ミラヌは原始地球の倧気を想定した気䜓䞭で攟電するこずで、アミノ酞などの有機物が合成されるこずを発芋した1953幎。 ミラヌが想定した原始倧気は、メタンCH4・アンモニアNH3・氎蒞気H2O、氎玠H2の混合気䜓である。 このような実隓結果から、原始倧気で攟電などによっおアミノ酞などが発生し、それをもずに生呜が誕生したずいう可胜性が、生呜の発生の䞀説ずしお考えられおいる。 たた、このように、単玔な化孊反応によっお最初の生呜ができたずいう説を化孊進化かがく しんか、chemical evolutionずいう。 - 熱氎噎出孔 海掋の海底で、熱氎が噎出しおいる堎所があり、これを熱氎噎出孔ねっすい ふんしゅ぀こうずいう。地䞋のマグマによっお熱せられおいる。 噎き出す熱氎にはメタン・硫化氎玠・アンモニアなども含たれおおり、これらの物質は有機物の原料になるものが倚いので、このような堎所で生呜の発生が起きた可胜性も、生呜の発生の説ずしお考えられおいる。 生呜誕生の仮説 - コアセルベヌト説 オパヌリン生物孊者は、タンパク質をふくむ氎の液滎、あるいは栞酞をふくむ氎の液滎などをコアセルベヌトずよび、コアセルベヌトから生呜が誕生したず考えた。 - RNAワヌルド 今日の生呜の遺䌝物質はDNAであるが、しかし最初の生呜はRNAを遺䌝物質ずする生呜だったずいう考えがあり、RNAを遺䌝物質ずする生呜が繁栄しおいたずいう考えがある。このようなRNAを遺䌝物質ずする生呜の時代や、このような考えをRNAワヌルドずいう。 これに察しお、今日の生呜のようにDNAを遺䌝物質ずする生呜の時代や考えをDNAワヌルドずいう。 生物の倉遷 最叀の生物 最叀ずされる生物化石が、オヌストラリアの玄35億幎前の地局から、芋぀かっおいる。この生物化石の最叀の生物は、原栞生物だろうず考えられおいる。 グリヌンランドの玄38億幎前の地局の堆積岩から、生呜の痕跡が芋られる。これらのこずから、玄40億幎前には、生呜が誕生しおいたず考えられおいる。 光合成生物の出珟ず倧気の倉化 27億幎前の地局から、ストロマトラむトずよばれる岩石状の局状構造が芋぀かっおおり、この構造は原栞生物のシアノバクテリアが䜜る構造ずしお知られおいる。この時代以降の地局で、䞖界各地からストロマトラむトの地局が芋぀かっおいる。よっお、この時代にシアノバクテリアが倧繁殖しおいたず考えられおいる。 光合成をシアノバクテリアは行う。光合成で酞玠が攟出される。そのため、シアノバクテリアが繁栄しおいれば、海掋や倧気で酞玠が増加する。はじめは海掋䞭に解けおいた鉄むオンず酞玠が結び぀き、酞化鉄ずしお海底に沈殿しおいったず考えられおいる。なお、今日、海底や地䞭にある鉄鉱床は、この時代に䜜られたず考えられおいる。 海氎䞭の鉄むオンが酞化しお沈殿しおいくので、しだいに海掋䞭の鉄むオン濃床が䜎䞋しおいき、こんどは倧気䞭で酞玠濃床が増倧するこずになった。この倧気䞭での酞玠の増加によっお、酞玠を奜む奜気性现菌が増加したず考えられおいる。 たた、倧気䞭の二酞化炭玠が光合成などにより䜎䞋しおいたず考えられる。その結果、二酞化炭玠による枩宀効果が䜎䞋し、地球の枩床が䜎䞋したず考えられる。たた、地䞊では酞玠が増倧したこずにより、オゟンが圢成され、地衚に降りそそぐ玫倖線の量が枛るようになり、生物が生息しやすくなったず考えられる。 真栞生物ぞの進化 - 共生説 真栞生物の䞭にあるミトコンドリアは、独自のDNAを持っおいる。 このこずから、原栞生物の嫌気性现菌の䞭に、ミトコンドリアの祖先である奜気性现菌が入り蟌んで、それらが共生しおいった結果だず考えられおおり、このような説を共生説きょうせいせ぀ずいい、マヌグリスアメリカ人などによっお提唱された。 葉緑䜓も独自のDNAを持っおいる。同様に、原栞生物に、葉緑䜓の祖先の生物が入り蟌んで、共生しおいった結果だず考えられおいる。葉緑䜓の祖先は、シアノバクテリアに近い生物であるこずが、DNAの塩基配列の解析によっお、分かっおいる。 地質時代 地球䞊で最叀の岩石ができおから珟圚たでを地質時代ちし぀ じだいずいう。 地質時代の区分は、先カンブリア時代・叀生代こせいだい・䞭生代ちゅうせいだい・新生代しんせいだいに分けられる。 最叀の生物が珟れおから真栞生物が珟れるたでの時期は、先カンブリア時代にふくたれる。 各代は、さらに、いく぀かの玀に分けられる。たずえば叀生代は、カンブリア玀・オルドビス玀・シルル玀・デボン玀・石炭玀・ベルム玀に分けられる。 なおカンブリア玀は、叀生代であり、先カンブリア時代ではない。 䞉葉虫さんようちゅうは叀生代の生物であり、アンモナむトは䞭生代の生物である。䞉葉虫は叀生代末に絶滅しおしたう。よっお、䞉葉虫の化石がある地局から出土すれば、その地局が圢成された幎代は叀生代であるこずが分かる。このような、時代を知れる化石を瀺準化石ずいう。䞉葉虫の化石は、瀺準化石である。いっぜう、サンゎは暖かくお浅い海に生息するので、サンゎの化石があれば、その化石ができた時代に、その堎所は暖かくお浅い海底だったこずが分かる。このサンゎの化石のように、堎所の特城を知れる化石を瀺盞化石しそう かせきずいう。 - 党球凍結 先カンブリア時代の埌半である玄7億幎前、地球が寒冷化しお、地球の倧半が氷河で芆われた。これを党球凍結ぜんきゅう ずうけ぀、Snowball Earth スノヌボヌル・アヌスずいう。党球凍結によっお、倚くの生物が絶滅した。䞀郚の生物は絶滅をたぬがれお、生き残った。 海䞭での生物の繁栄 先カンブリア時代 最初の倚现胞生物が出珟した時期は䞍明だが、おそらく玄10億幎前の先カンブリア時代だず考えられおいる。最叀の倚现胞生物の化石が、玄65億幎前ずされる地局から芋぀かっおいる。䞖界各地で、同時期の地局から、この時代の生物の化石が芋぀かっおいる。オヌストラリアの゚ディアカラずいう地域が、そのような化石の産出地ずしお代衚的であるので、この6.5億幎前ごろの時代の生物矀を゚ディアガラ生物矀゚ディアカラせいぶ぀ぐんずいう。゚ディアカラ生物矀のほずんどは、䜓がやわらかく、殻を持たず、扁平な圢をしおいる。 䜓が扁平なこずから、移動胜力は䜎いず考えられ、たた、海䞭から酞玠を盎接に取り入れおいたず考えられる。 クラゲのような生物の化石も芋぀かっおいる。 この゚ディアカラ生物矀は、気候の倉動などにより、ほずんどの皮が絶滅した。 そしお、玄5億4000幎前に先カンブリア時代が終わる。 叀生代 軟䜓動物や節足動物、環圢動物など、倚くの皮類の動物が誕生した。このような、カンブリア時代での生物の倚様化を「カンブリア倧爆発」ずいう。 カナダのロッキヌ山脈のバヌゞェスで化石が発芋されたこずから、この時代の生物矀をバヌゞェス動物矀ずいう。 䞉葉虫、アノマロカリスなどが、バヌゞェス動物矀である。 殻の成分ずしおカルシりムを持぀生物が倚くいるこずから、海氎䞭にカルシりムが豊富だったず考えらおいる。たた、硬い殻は、捕食者に察抗するためのものだず考えられおおり、぀たり、捕食者-被食者の関係が、この時代の生物矀で既に存圚しおいたず考えられおいる。 カンブリア玀の末たでに倚くが絶滅した。 カンブリア玀末オルドビス玀叀生代の魚には、顎あごが無く、ダツメりナギの仲間である無顎類むがくるいだった。 叀生代シルル玀デボン玀に、顎のある魚が出珟し、シヌラカンスなどが出珟した。 生物の陞䞊進出 怍物の陞䞊進出 カンブリア時代に光合成をする藻類が繁栄し、酞玠が倧気䞭に増倧し、それによっおオゟン局が圢成されたオゟンの化孊匏はO3。 このため、地衚にふりそそぐ玫倖線が枛った。玫倖線は、DNAを傷぀ける。 化石が確認されおいる最叀の陞䞊怍物は、シルル玀のクック゜ニアである。クック゜ニアの高さは数cm クック゜ニアの個䜓は、二぀に枝分かし、その枝の先に胞子のうを぀ける。 その埌、リニアずいう維管束をも぀怍物が出珟し、のちの維管束怍物の祖先になった。 デボン玀には、維管束を持ち、根・茎・葉の区別があるシダ怍物のような怍物が繁栄した。たた、シダ怍物のような皮子怍物が繁栄し、シダ皮子怍物ずいわれる。シダ皮子怍物が、゜テツずよく䌌おいるシダ怍物なので、゜テツシダずもいう。 これらの怍物には高さ20mにもなるものもあり、森林を぀くるほどであった。 動物の陞䞊進出 怍物の陞䞊進出ず同じころ、動物も陞䞊に進出した。怍物ず動物のどちらが先かは、䞍明である。 このころの動物は、ムカデやクモや昆虫のような節足動物であったず考えられる。 デボン玀の末期には、魚類から進化したず考えられる原始的な䞡生類が珟れた。最叀の䞡生類ずしお考えられおいるむクチオステガは肺を持っおおり、たた四肢を持っおおり、浅瀬や陞䞊を歩いお移動できたず考えられおいる。 石炭玀になるず、ハ虫類が出珟した。ハ虫類は、胚発生時に、胚膜はいたくで胚が保護されおおる。たた、卵の倖偎は硬い殻で芆われおいる。卵が陞䞊で生存できるようになり、脊怎動物の陞䞊ぞの進出が、達成された。 たた、矜を持った昆虫も出珟した。巚倧なトンボ80cmくらいの化石が芋぀かっおいる。 叀生代の末、地球が寒冷化し、倧量絶滅が起きた。䞉葉虫は絶滅し、シダ怍物の森林は衰退した。 寒冷化の原因は䞍明だが、この時期に倧芏暡な地殻の倉動が起き、たた酞玠濃床が激枛したこずが分かっおいる。 叀生代最埌のペルム玀から䞭生代の初めごろに、地球の也燥化が起き、也燥に匷い生物が繁栄した。䞭生代には、怍物ではむチョりや゜テツなどの裞子怍物が繁栄した。たた、䞭生代の䞭ごろから、被子怍物が出珟した。被子怍物は胚珠が子房の䞭にあり、そのため也燥に匷い。 䞭生代 䞭生代の動物では、ハ虫類の倧型化した恐竜類が出珟しお繁栄した。たた、䞉畳玀さんじょうき、別名トリアス玀には哺乳類ほにゅうるいが出珟した。 ゞュラ玀には、恐竜から進化した鳥類が出珟した。始祖鳥しそちょうが、䞭生代ゞュラ玀には出珟しおいた。ゞュラ玀の地局から始祖鳥の化石が芋぀かっおいる。䞭生代の海䞭ではアンモナむトが繁栄した。 䞭生代の最埌の癜亜玀はくあきには、珟圚でいうカンガルヌにあたる、有袋類ゆうたいるいが出珟しおいた。癜亜玀には、草本の被子怍物が出珟した。 䞭生代の末期、倧量絶滅が起きた。䞭生代末期である玄6600䞇幎前に、倧型の隕石が地球に衝突したこずが分かっおいるので、この隕石衝突による気候倉動が原因だろうずいう説が有力である。 新生代末期の癜亜玀の地局ず、新生代の初めの地局から、高濃床のむリゞりムが倚く芋぀かっおいるが、このむリゞりムは小惑星に倚いこずが知られおいる。たた、メキシコのナカタン半島に巚倧なクレヌタヌがありクレヌタヌ盎埄は100km以䞊、この時代の隕石衝突によるものだろうず考えられおいる。ここに衝突した隕石の盎埄は10kmだろうず蚈算されおいる。 倧きな隕石の衝突により、粉塵などが舞い䞊がり、倪陜光がさえぎられお、怍物の光合成が䜎䞋し、 そのため、怍物の衰退および、食物連鎖で繋がっおいる動物が死亡し、動怍物が倧量絶滅した、などずいう説が考えられおいる。 䞭生代の末期ごろ、恐竜類は絶滅し、アンモナむトも絶滅した。なお、恐竜の色玠は化石ずしおは残りづらく、そのため恐竜の衚皮などの色は䞍明である。 新生代 新生代に入り、哺乳類が繁栄し始め、たた哺乳類は倚様化しおいった。 ヒトは哺乳類の䞀皮の霊長類れいちょうるい、別名サル類である。霊長類が出珟したのは、新生代に入っおからである。 霊長類でヒトに、遺䌝子が、もっずも近いヒト以倖の動物は、チンパンゞヌであり、DNAの塩基配列の違いが1.2%皋床である。 霊長類に含たれる動物はゎリラやチンパンゞヌだけでなく、キツネザルやテナガザルなども霊長類である。 霊長類の祖先は、珟圚でいうツバむに䌌た食虫類だず考えられおいる。 このような食虫類が進化しお、珟圚でいうキツネザルに䌌た霊長類が出珟した。 霊長類は、暹䞊で生掻するように進化しおいった。霊長類は目が顔面の前のほうに集䞭しおおり、そのため立䜓芖ができる。この立䜓芖は暹䞊での玠早い移動のために獲埗された特城だず考えられおいる。たた、手は、芪指が他の指ず向かい合っおおりが指察向性、「がしたいこうせい」、指の爪は鉀爪かぎづめではなく平爪ひらづめになっおいるので、枝を぀かみやすい。 新生代の第䞉期に、ゎリラ、チンパンゞヌ、オランりヌタン、テナガザル、ボノボなどの類人猿るいじんえんの祖先が出珟した。 人類の出珟 人類はアフリカ倧陞で誕生した。人類ず類人猿の違いずしお、人類は盎立二足歩行ちょくり぀にそくほこうが可胜である。 - 猿人えんじん、 最初の人類は 猿人えんじん である。アフリカで440䞇幎以䞊前の地局ちそうからラミダス猿人アルディピテクス・ラミダスの化石が発芋されおいる。猿人は二本足で立っお歩ける盎立二足歩行ちょくり぀にそくほこうが可胜だった。 二足歩行ができるようになった結果、手で䜿う道具が発達しおいき、それにずもなっお知胜も発達しおいったず考えられおいる。 たた、東アフリカの300䞇幎ほど前の地局からアりストラロピテクス類 の足跡化石が芋぀かっおおり、盎立二足歩行をしおいたこずが分かっおいる。アりストラロピテクスの脳容積は500mLであり、珟生人類の半分以䞋である。なお、珟生人類の脳容積は玄1500mLである。 ラミダス猿人やアりストラロピテクス類をたずめお、猿人ずいい、初期の人類ず芋なしおいる。たた、これら猿人の化石がアフリカからのみ芋぀かっおいるこずから、人類はアフリカで誕生したず考えられおいる。 なお、猿人は石を打ち砕いお぀くった打補石噚だせいせっきを䜿っおいた。打補石噚は旧石噚きゅうせっきずも呌ばれる。このような打補石噚たでしか䜿っおいない時代を旧石噚時代きゅうせっき じだいずいう。 その埌の100䞇幎〜200䞇幎埌の時代の間に、人類はアフリカから出お、各地に散らばっおいった。 - 原人げんじん、ホモ・゚レクトス 今から200䞇幎ほど前に 原人げんじん、hominid があらわれた。 䞭囜倧陞の䞭囜の北京ペキンの近くの呚口店しゅうこうおんからは、 北京原人ペキンげんじん、シナントロプス=ペキネンシス のあずが発芋されおいる。 原人の脳容積は玄1000mLであり、猿人ず珟生人類の䞭間である。 北京原人は火を䜿甚しおいたこずが分かっおいる。 むンドネシアのゞャワ島からはゞャワ原人のあずが発芋されおいる。 ドむツからはハむデルベルグ人が発芋されおいる。 原人は、蚀葉を話せた。 石噚は、打補石噚を䜿っおいる。旧石噚時代にふくたれる。 - 旧人きゅうじん 旧人のうちの䞀皮の ネアンデルタヌル人ホモ・ネアンデルタヌレンシス の化石が、ドむツのネアンデルタヌルから発芋されおいる。ネアンデルタヌル人は、玄3䞇幎前に絶滅した。ネアンデルタヌル人の脳容積は、珟生人類ずほが同じである。ネアンデルタヌル人の脳容積は玄1500mL - 新人しんじん 私達、珟圚の人間の盎接の祖先である 新人しんじん が、4䞇幎前には、あらわれおいた。 新人を、珟生人類げんせいじんるいずも蚀い、たた、 ホモ=サピ゚ンスHomo sapiens ずも蚀う。ホモ・サピ゚ンスの最叀の化石がアフリカの゚チオピアで芋぀かっおいるこずから、珟生人類はアフリカで誕生したず考えられおいる。たた、ミトコンドリアのDNAの解析も、アフリカで珟生人類が誕生したこずず䞀臎しおいる。 人類は玄10䞇幎前にアフリカ倧陞を出お、䞖界䞭に散らばった。 進化の蚌拠 新課皋・珟過皋「生物」の進化の蚌拠を芋おください。 進化のしくみ 遺䌝子頻床 亀配しお生殖可胜な集団に存圚する遺䌝子党䜓の集合を遺䌝子プヌルずいう。 ある遺䌝圢質に぀いお、察立圢質のそれぞれの遺䌝子の割合を遺䌝子頻床いでんし ひんど、gene frequencyずいう。 遺䌝的浮動 たずえば、癜黒の碁石が50個ず぀蚈100個の入った䞍透明の袋から、䞭を芋ないで10個の石を取り出した堎合、たたたた癜6個で黒4個だったり、あるいは癜3個で黒7個だったりする堎合もあり、必ずしも癜5個か぀黒5個ずは限らない。もちろん、たたたた癜5個か぀黒5個を取り出す堎合もある。 遺䌝子の進化でも、子䟛の䞖代での、ある遺䌝子の頻床が、芪の䞖代ずは同じずは限らない。子䟛の䞖代で、たたたたある遺䌝子の頻床が増える堎合もあれば、枛る堎合もある。 仮に先ほど、癜6個で黒4個を取り出したずしよう。 次に、先ほどの結果を反映しお、今床は癜石60個ず黒石40個を甚意したずしお、それを䞍透明の袋に入れたずしよう。そしお、䞭を芋ないで、石を10個だけ取り出したずしよう。 結果で、たたたた癜7個で黒3個の堎合もあれば、たたたた癜6個で黒4個ず先ほどず同じ堎合もあれば、たたたた癜5個で黒5個ずいう堎合もある。 このように、自然遞択や突然倉異などの生物的な過皋が起きお無くおも、偶然ずいう確率的な過皋によっお遺䌝子頻床は倉動しおいく。このような遺䌝子頻床の偶然による倉化の珟象を遺䌝子浮動いでんし ふどう、genetic driftずいう。 ハヌディ・ワむンベルグの法則 ある集団で亀配が自由に行われる堎合、単玔蚈算では、遺䌝子頻床は倉化しないこずになる。だが実際は、仮定どおりにいかないので遺䌝子頻床は倉化する。 単玔蚈算では、぀ぎのような蚈算が成り立ち、なので遺䌝子頻床は倉化しない。 たず、ある個䜓矀の集団で、察立遺䌝子Aずaの頻床を、それぞれAの頻床はpずしお、aの頻床はqずする。p+q=1 次䞖代の遺䌝子型はAA、Aa、aaの䞉皮類である。 それぞれの遺䌝子型の頻床は、の展開匏より、AAはp2であり、Aaの頻床は2pqであり、aaの頻床はq2である。 この䞖代のA遺䌝子の頻床は、 である。2p2の係数の2の理由は、AAではAが2文字あるから。 同様に、この䞖代のa遺䌝子の頻床は、 ずなる。 Aずaの遺䌝子頻床の比は、Aa  2p2q  pq ずなり、芪の䞖代ず同じにAapqになる。 よっお、このような集団では、遺䌝子頻床は、その埌の䞖代でも同じである。これをハヌディ・ワむンベルグの法則Hardy-Weinberg principleずいう。 この法則の前提ずしお、 - ・ 突然倉異が起こらない。 - ・ 集団の個䜓数が充分に倧きい。 - ・ 他の同皮集団ぞの移䜏は無く、他の同皮集団ずの流入・流出も無い。 - ・ 個䜓間に生存胜力・生殖胜力の差が無く、自然遞択が起こらない。 - ・ 亀配の盞手が任意ランダム。 ずいう前提がある。 びん銖効果 個䜓数が少ないず、ハヌディ・ワむンベルグの法則が成り立たない。では、個䜓数がが少なくなるず、遺䌝子頻床はどうなるかを、具䜓的に考えおみよう。たずえば、芪の䞖代の遺䌝子頻床が Aapq であっおも、子䟛の数が少なくお、たったの4個䜓しかない堎合、 子䟛の圢質が仮に党員aaずいう堎合も起こりうる。蚈算の郜合䞊、子䞖代の男女比は無芖する。無性生殖の堎合を考えるず蚈算が簡単である。 この堎合、子䟛の䞖代以降は Aa01 ずなり、芪の䞖代ずは遺䌝子頻床が倉わる。 このように、個䜓数が小さくなるず、遺䌝子頻床が倉わりやすくなる珟象をびん銖効果ずいう。 そしお、いったん遺䌝子頻床が倉わるず、今床はその遺䌝子頻床が受け継がれおいく。 先ほどの䟋では、極端な䟋ずしおA遺䌝子が倱われる堎合を挙げたが、べ぀にA遺䌝子が倱われなくおも個䜓数が少数の䞖代のずきに遺䌝子頻床が倉わっおしたえば、以降の䞖代では、その頻床が受け継がれおいく。 分子進化 分子時蚈 いろいろな生物皮のヘモグロビンのα鎖のアミノ酞配列を調べおみるず、生物皮に関わらず、生物皮どうしのアミノ酞配列の違いが、その2皮の生物が進化的に分かれおからの時間に比䟋しお増えおいくこずが分かった。そしお生物皮に関わらず、この配列の倉化速床が、ほが䞀定だずいうこずが分かった。同様に、他のタンパク質のアミノ酞配列でも、DNAの塩基配列でも、倉化速床が䞀定だずいうこずが分かった。 このような、遺䌝される配列の倉化の速床を分子時蚈ぶんしどけい、molecular clockずいう。 分子時蚈は、皮間の類瞁関係を枬定する手段の䞀぀ずしお甚いられる。 たた、DNAやタンパク質の倉化など分子レベルでの進化を分子進化ぶんし しんか、molecular evolutionずいう。 遺䌝子の皮類によっお、分子進化の起こりやすさは違う。その遺䌝子が少しでも倉化しおしたうず生存に䞍利な遺䌝子の堎合、分子進化は遅い。 䞭立説 DNAのある箇所の塩基配列が突然倉異したずしおも、発珟されるアミノ酞が倉わらない堎合もある。コドンやむントロンなどを参照せよ このような堎合、そのDNAの倉化は、生存に有利でも䞍利でもないのが普通である。 このような、生存に有利でも䞍利でもない圢質も、遺䌝によっお受け継がれおいく。このような有利でも䞍利でも圢質は、自然遞択いわゆる「自然淘汰」のこずを受けない。進化では、このような堎合が倧倚数であるずいう説を䞭立説ずいい、朚村資生もずおなどが分子的な解析にもずづいお提唱した。たた、このような、自然遞択に掛からないで起こる進化を䞭立進化ちゅうり぀しんか、neutral evolutionずいう。 塩基配列などの分子レベルの倉化぀たり分子進化で䞭立進化が倚く芋られるが、衚珟型でも䞭立進化は起こる堎合もある。 叀兞的な進化論の歎史 - 皮の起源 ダヌりィンDarwinは若手のころ、むギリスの軍艊ビヌグル号に同乗しお、䞖界䞀呚の航海をしおおり、南米に立ち寄ったずき、ガラパゎス諞島で生物の研究をした。このガラパゎス諞島で、ダヌりィンはトリの圢質が、島ごずに圢質が違うのに泚目した。たた、トリ以倖も調査した。 同じころ、むギリス人のりォレスもマレヌ諞島で同じような研究をしおおり、そこでダヌりィンの垰囜埌、二人は共同研究をしお、その結果をもずに『皮の起源』を1859幎に出版した。進化の原因ずしお、圌らは自然遞択自然淘汰説などを考えた。 - 突然倉異説 ド フリヌスは、同じ環境でオオマツペむグサを栜培しおも、突然倉異䜓が珟れるこずを発芋した。たた、それらの突然倉異䜓の亀雑実隓をしお、突然倉異(mutation [1])の圢質は遺䌝するこずを明らかにした。これらの結果をもずに、突然倉異が進化の䞻な原因であるずいう突然倉異説を唱えた。1902幎 皮分化 ある堎所に枈んでいた集団が、生息地の䞭に、地殻倉動などで移動䞍可胜になる地理的な障壁ができお二分されるず、その二箇所の埀来が出来なくなる。このような環境を地理的隔離ちりおき かくりずいう。 こうなるず、その二箇所のそれぞれに䜏んでいる生物で、飛行できない生物は、亀配をする機䌚が無くなり、よっお、別々に進化をしおいくこずになる。やがお、二地域の、その生物の遺䌝的な差が倧きくなっおいくず、ふたたび出䌚っおも、もはや亀配できなくなる。これを生殖的隔離せいしょく かくりずいう。 このようにしお、新たな皮が生じおいくず考えられる。このようにしお、新たな皮が生じおいくこずを皮分化しゅぶんかずいう。ダヌりィンの芳察した、南米ダヌりィン諞島で野鳥のフィンチが島ごずに違っおいる事䟋は、地理的隔離による皮分化の兞型的な䟋である。 地理的隔離をしおいなくおも、同じ堎所に䜏んでいおも生殖隔離をする堎合もある。ある皮の䞀郚に繁殖時期が倉化する突然倉化がおきれば、その二皮は生殖する機䌚が無くなり、皮分化をしおいく。 皮分化に至らない小芏暡な進化を小進化しょうしんか、micro evolutionずいう。䞀方、皮分化にいたるほどの倧きな進化を倧進化だいしんか、macro evolutionずいう。 工業暗化 近代19䞖玀のむギリスの工業地垯マンチェスタヌなどで、ガの䞀皮のオオシモフリ゚ダシャクで、䜓色が黒っぜく倉化した個䜓が増えるずいう珟象が起きた。 オオシモフリ゚ダシャクの䜓衚の色には二型があっお、癜っぜい明色型ず、黒っぜい暗色型がいた。 むギリスでは朚の幹に癜っぜい地衣類が生えおおり、癜型癜っぜい明色型のオオシモフリ゚ダシャクの癜色は保護色になっおいたので、捕食者の鳥などに芋぀かりにくかった。 工業化の進む前の時代は明色型のほうが倚く、暗色型の個䜓数は、明暗党䜓の1%皋床であった。 しかし、工業により倧気汚染が進んだこずで、癜い地衣類が枛ったり、たた倧気汚染の黒煙などにより、黒色のほうが目立たなくなった。このため暗色型が増えた。リバプヌルでは、暗色型は90%を超えるほどになった。 この珟象を工業暗化こうぎょう あんか、industrial melanismずいう。オオシモフリ゚ダシャクの工業暗化は、小進化の䟋でもある。 珟圚では倧気汚染ぞの芏制や察策が進み、その結果、暗色型の個䜓数は枛っおおり、地域にもよるが、暗色型の個䜓数は、明暗党䜓の個䜓数のうちの1020皋床である。 - ^ 小森枅久 ほか線著『新版完党制服デヌタベヌス5500 合栌英単語・熟語』桐原曞店、2019幎2月10日、初版 第41刷発行、P.196
高等孊校生物/生物II/遺䌝情報の発珟 導入 ヒトのDNAは塩基数が玄30億個であり、遺䌝子は玄2䞇個ず考えられおいる。暗蚘しなくおいい。 DNAからアミノ酞合成たでの化孊的な仕組み DNAの半保存的耇補の怜蚌 DNAの耇補では、2本鎖が1本ず぀に別れ、それぞれ鋳型になっお耇補される。これをDNAの半保存的耇補はんほぞんおきふくせい、semiconservative replicationずいう。 DNAの半保存的耇補の仮説は、メセル゜ンずスタヌルの実隓で蚌明された。 - メセル゜ンずスタヌルの実隓 たず、基準ずしお、あらかじめ通垞の窒玠14Nをふくむ培地で、倧腞菌を培逊しおおく。この基準ずはべ぀に、もう䞀皮類、重窒玠15Nをふくむ培地を、次のように甚いる。 1 倧腞菌を培逊する際、区別のため、重窒玠15Nをふくむ塩化アンモニりム15NH4Clを窒玠源ずする培地で、培逊しお増殖させる。 するず、倧腞菌の窒玠原子に、すべお重窒玠15Nだけをふくむ倧腞菌が埗られる。 たず、この倧腞菌を保存しおおく。理由は、もうひず぀の基準ずするため。 2 さらに、15Nだけをふくむ倧腞菌を、ふ぀うの窒玠14Nをふくむ培地に移しお培逊しお、分裂1回目・2回目ずいった分裂ごずにDNAを抜出するため遠心分離機で遠心分離しお、DNAの比重を調べる。 結果 ・ 1回分裂埌のDNAからは、15Nず14Nを半々にふくむDNAだけが埗られ、重さは䞭間の重さだった。 ・ 2回分裂盎埌のDNAからは、15N-14Nの半々のDNAず、14NだけをふくむDNAが、11の割合で埗られた。 重さは、14NだけをふくむDNAが、もっずも軜い。 ・ 3回目の分裂埌は、軜いDNAず䞭間の重さのDNAの比が31だった。 ・ 4回目の分裂埌は、軜いDNAず䞭間の重さのDNAの比が71だった。 ・ n回目の分裂埌は、軜いDNAず䞭間の重さのDNAの比が 2n11 だった。 䞭間の重さのDNAは、䜕䞖代たっおも消滅しなかった。 この実隓によっお、DNAの半保存的耇補は蚌明された。 アカパンカビのアルギニン芁求株 アカパンカビは、糖ずいく぀かのビタミンなどを加えただけの培地最小培地、minimal mediumで育成できる。アメリカのビヌドルずテヌタムは、アカパンカビにX線や玫倖線などの攟射線を圓おお、DNAを倉化させ、突然倉異させた。 突然倉異したものの䞭には、最小培地だけの栄逊玠では増殖できず、さらに他の栄逊玠も必芁ずする株が生じた。このような最小培地の他の栄逊玠も芁求する株を栄逊芁求株ずいう。 アルギニンを加えないず増殖できない株をアルギニン芁求株ずいう。このアルギニン芁求株には、実隓の結果、次の䞉皮類あるこずが分かった。 - アルギニンかシトルリンかオルニチンの、どれか䞀皮以䞊を䞎えれば育぀株。 - アルギニンかシトルリンの、どれか䞀皮以䞊を䞎えれば育぀株。 - アルギニンを䞎えないず育たない株。 このこずから、 - オルニチン → シトルリン → アルギニン ずいう、なんらかの順番が予想される。答えを蚀うず、これはアカパンカビによるアミノ酞の合成の順番である。 アカパンカビのアミノ酞合成で、グルタミン酞を材料に、 - グルタミン酞 → オルニチン → シトルリン → アルギニン ずいうふうに合成しおいく。グルタミン酞からオルニチンを合成し、オルニチンを材料にシトルリンを合成し、シトルリンを材料にアルギニンを合成しおいく。 そしお、それぞれのアミノ酞を合成する酵玠は、それぞれ別の酵玠である。グルタミン酞からオルニチンを合成する酵玠仮に酵玠Aずするがあり、オルニチンからシトルリンを合成する酵玠仮に酵玠Bがあり、シトルリンからアルギニンを合成する酵玠仮に酵玠Cがある。 そしお、これらは遺䌝子の突然倉異によるものだった。぀たり、それぞれの酵玠は、遺䌝子が異なる。 酵玠Aに察応する遺䌝子Aがあり、それずは別に、酵玠Bに察応する遺䌝子Bがあり、それずは別に、酵玠Cに察応する遺䌝子Cがあるこずになる。 ビヌドルずテヌタムは、このような考察をもずに、「1぀の遺䌝子は、察応する特定の1぀の酵玠の合成を支配する。」ずいう䞀遺䌝子䞀酵玠説いちいでんし いちこうそせ぀を立おた。 珟代では、さらに䞀遺䌝子䞀ポリペプチド説ぞず拡匵された。「1぀の遺䌝子は、察応する特定の1぀のポリペプチドの合成を支配する。」ずいうような説である、 もっずも、実際には遞択的スプラむシングによっお、1぀の遺䌝子が、耇数のポリペプチドに察応するこずもある。 ずもかく、遺䌝子は、ポリペプチドの合成を支配しおいるのが原則だろうず考えられおいる。 DNAの方向性 DNAの方向の定矩は、デオキシリボヌスの五炭糖の炭玠原子にもずづき、鎖の末端が5Žの端郚ず、鎖の反察偎の末端の3Žの端郚がある。3Žの郚分には氎酞基OHが、もずから付いおいる。 この5Žず3Žの䜍眮にもずづき、DNAの二本鎖のそれぞれ䞀本ず぀の方向が定矩される。なので、向かいあっおるDNAの二本鎖は、定矩にもずづき方向が逆ずなる。 DNAの片方の鎖の5Ž偎の末端぀たりリンPがある偎の末端を、5Ž末端5ÂŽ terminalずいう。同様に、3Ž偎の末端぀たり氎酞基OHがある偎の末端を、3Ž末端3ÂŽ terminalずいう。 岡厎フラグメント DNAを合成する酵玠であるDNAポリメラヌれは、䞀方向にしか合成できない。このため、もう䞀方の鎖の合成は、合成前でのDNAのほどけおいく向きずは逆向きに進行する。 このため、逆向きに合成するほうは、现切れの断片ず぀でDNAを合成しおいく。そしおDNAリガヌれずいう酵玠が断片を぀ないでいく。 ほどけおいく向きず同じ向きに新しく合成される鎖をリヌディング鎖リヌディングさ、leading strandずいう。 ほどけおいく向きず反察向きに合成される鎖をラギング鎖ラギングさ、laging strandずいう。 そしお、ラギング鎖のそれぞれのDNA断片を、発芋者の名前にちなんで岡厎フラグメントOkazaki fragmentずいう。 DNAポリメラヌれがデオキシリボヌスの3Ž末端の䜍眮に新たにヌクレオチドを付け加えおいくこずで、DNAは䌞長される。䌞長の方向に぀いお新生鎖を基準にするず、DNAの合成は5Žから3Žの方向ぞず合成しおいく。この5®→3Žずいう方向に合成する法則は、リヌディング鎖ずラギング鎖ずもに共通である。 ただしラギング鎖では断片がいく぀もできから、3Žに近い断片ほど、叀くに合成された断片である。なので、長期的に芋るずラギング鎖の合成方向が、新生鎖を基準にするず、たるで3Žから5Žに合成されおいくように芳察されるこずになる。 DNAポリメラヌれによる合成の開始の際に、䞀時的に、新生鎖の塩基にプラむマヌprimerずいうRNAの配列が必芁である。※ RNAに぀いおは、のちの節で埌述する。 プラむマヌはあずで分解されお、DNAに眮き換わる。ラギング鎖では断片がいく぀もあるので、結果的にラギング鎖ではプラむマヌが、䌞匵時には、いく぀も䜜られるこずになり、それぞれの断片の最初にプラむマヌがあるこずになる。 RNAずアミノ酞合成たでのしくみ RNA DNAの塩基情報がRNAに写し取られ、そのRNAの情報をもずにタンパク質が合成される。RNAは1本鎖である。 RNAの基本構造は、 塩基糖リン酞 からなるヌクレオチドである。 RNAの糖はリボヌス英riboseである。RNAでは、DNAのアデニン(A)に結び぀くのは、RNAのりラシルUであり、RNAはT(チミン)を持たない。りラシル、英uracil RNAポリメラヌれ(RNA polymerase、RNA合成酵玠)ずいう酵玠の働きによっお転写され、RNAが合成される。このずきDNAの領域で、RNAポリメラヌれが結合する領域をプロモヌタヌ(promoter)ずいう。 RNAの皮類は、働きによっお、メッセンゞャヌRNAずトランスファヌRNAずリボ゜ヌムRNAの3皮類に分けられる。 - メッセンゞャヌRNA メッセンゞャヌRNA(mRNA)は、DNAの情報を写し取るためのRNAである。たた、真栞生物の堎合、mRNAはリボ゜ム内ぞ移動し、そこでトランスファヌRNAを正しくならべるための鋳型いがたずしおの圹割を持぀。 - トランスファヌRNA - トランスファヌRNA略称tRNA - トランスファヌRNAの分子モデル トランスファヌRNA(tRNA)は、リボ゜ムたでアミノ酞を運ぶためのRNAである。なので、アミノ酞がトランスファヌRNAに結合しおいる。 埌述するが、mRNAの塩基3個ぶんの䞊びによっおアミノ酞が決定される。なので、この塩基3぀ぶんの情報しか、トランスファヌRNAは情報をふくたず、タンパク質を構成する倚くものアミノ酞の䞊びに぀いおの情報はふくんでいない。 アミノ酞を正しく配列するためには、真栞生物の堎合、メッセンゞャヌRNAが必芁である。 - リボ゜ムRNA タンパク質の合成はリボ゜ヌム(ribosome)で行われ、トランスファヌRNAの運んできたアミノ酞からタンパク質を぀くる合成がリボ゜ヌムで行われる。リボ゜ヌムのも぀RNAは、mRNAずは別の系統であり、DNAにもずづく別系統のRNAをリボ゜ムが持っおいるので、リボ゜ヌムRNArRNAずいう。 真栞生物の堎合、メッセンゞャヌRNAが栞膜孔から出おきおリボ゜ムぞ移動し、トランスファヌRNAを正しく䞊べるこずで、結果的にアミノ酞を正しく䞊べる。 このように真栞生物では、リボ゜ヌム内で、メッセンゞャヌRNAずトランスファヌRNAが再開するこずになる。 このように、リボ゜ムで合成されるタンパク質でのアミノ酞の䞊びの決定方法は、おもにメッセンゞャヌRNAの配列にもずづくのであり、いっぜうリボ゜ヌムRNAの配列は盎接にはアミノ酞の䞊びの決定には関わっおいない。 タンパク質の合成の過皋 たず、DNAの塩基情報を写し取るこずで合成されるRNAをメッセンゞャヌRNA略蚘mRNAずいう。 真栞生物の堎合、栞内で、DNAの䞀郚が二本にほどけお、そのうちの䞀本の情報がRNAに盞補塩基ずしお写し取られる。 なお原栞生物の堎合、そもそも栞膜が無いので、原圢質の䞭で同様にDNAがほどけお、RNAに情報が写し取られる。 たた、このようにDNAの情報がRNAに写し取られるこずを転写おんしゃ、transcriptionずいう。 mRNAの塩基3個の配列が、1぀のアミノ酞を指定しおいる。この塩基3個の配列をコドン(codon)ずいう。コドンは、すでに解読されおおり、この解読結果の衚を遺䌝暗号衚いでんあんごうひょうずいい、mRNAの配列で定矩されおいる。ほずんどの生物で、遺䌝暗号genetic codeは共通であり、原栞生物か真栞生物かは問わない。 このように、mRNAの塩基配列にもずづいおアミノ酞が合成される過皋を翻蚳ほんやく、translationずいう。 塩基3぀の組をトリプレットずいう。DNAの塩基は4皮類あるので、トリプレットは4×4×4=64皮類ある。倩然のアミノ酞は20皮類であり、じゅうぶんにトリプレットで指定できる。もし塩基2぀でアミノ酞を指定する仕組みだずするず、4×4=16ずなっおしたい、アミノ酞の20皮類には䞍足しおしたう。 - 脚泚 たずえばAUGはメチオニンを指定する。たたAUGは翻蚳を開始するコドンでもある。 AUGのように、翻蚳を開始するコドンを開始コドンinitiation codonずいう。 いっぜう、UAA、UAG、UGAは察応するアミノ酞がなく、翻蚳を終了させるので終止コドンtermination codonずいう。 たた、たずえばUUUはフェニルアラニンを指定する。 生物孊者のニヌレンバヌグは1961幎、塩基ずしおりラシルUだけを持぀RNAをリボ゜ム溶液に加えたずころ、フェニルアラニンが倧量に合成されたこずで、フェニルアラニンの遺䌝暗号がUUUであるこずが発芋された。 その埌、生物孊者コラヌナなどのによっお、遺䌝暗号が解読された。 - セントラルドグマ 遺䌝情報は、原則ずしお DNA→RNA→アミノ酞→タンパク質 ずいうふうに䞀方向に写されおいき、その逆方向は無い。この原則をセントラルドグマ英: central dogmaずいう。 真栞生物でのタンパク質合成 トランスファヌRNA トランスファヌRNA(tRNA)は、リボ゜ムたでアミノ酞を運ぶためのRNAである。なので、アミノ酞がトランスファヌRNAに結合しおいる。 トランスファヌRNAには、mRNAのコドンの3塩基トリプレットず盞補的に結合する3塩基をもち、トランスファヌRNAのその3塩基の郚分をアンチコドン(anticodon)ずいう。 トランスファヌRNAに、どの皮類のアミノ酞が結合するかは、RNAのアンチコドンの配列によっお異なる。 䞀本の、メッセンゞャヌRNAに察し、トランスファヌRNAはいく぀も䜜られる。なぜならトランスファヌRNAのアンチコドンは、メッセンゞャヌRNAのたったの3぀ぶんの配列にしか盞圓しないからである。 メッセンゞャヌRNAの塩基配列をもずに、トランスファヌRNAのアンチコドンが決定される。メッセンゞャヌRNAのコドンずトランスファヌRNAのコドンは、お互いに盞補的であるので、配列が違うので泚意。遺䌝暗号衚などはメッセンゞャヌRNAのコドンを基準ずしおおり、アンチコドンは基準にしおない。 さお、トランスファヌRNAのアミノ酞の皮類は、トランスファヌRNAのアンチコドンの塩基配列にもずづいおおり、トランスファヌRNAのアンチコドンの塩基配列の決定は、メッセンゞャヌRNAの塩基配列のコドンにもずづいおおるから、最終的に(トランスファヌRNAに結合しおいる)アミノ酞の皮類の決定はメッセンゞャヌRNAにもずづく事になる。 リボ゜ムRNA タンパク質の合成はリボ゜ヌム(ribosome)で行われ、トランスファヌRNAの運んできたアミノ酞からタンパク質を぀くる合成がリボ゜ヌムで行われる。リボ゜ヌムも、独自のRNAを持っおいるのでリボ゜ヌムRNArRNAずいう。 真栞生物の堎合、メッセンゞャヌRNA(mRNA)が栞から倖に出おきお、トランスファヌRAN(tRNA)ずmRNAがリボ゜ヌムで出䌚っお、ポリペプチドを぀くる。 リボ゜ヌムに移動したmRNAの塩基配列に、tRNAのアンチコドンが結合する事によっお、いく぀もあるtRNAの䞊びが正しく䞊ぶ。 このようにアミノ酞の配列を決めおいるのはmRNAであり、けっしおリボ゜ヌムRNAの配列はアミノ酞の配列決定には関わっおいない。 たた、リボ゜ヌムぞ移動するRNAは、けっしおトランスファヌRNAだけでない。メッセンゞャヌRNAも、リボ゜ヌムぞず移動しおいる。 さお、リボ゜ムで、tRNAからアミノ酞を切り離す䜜業が行われる。 そしおリボ゜ヌムで、アミノ酞をペプチド結合で぀なぎ合わせおポリペプチド鎖を぀くり、そのポリペプチド鎖が折りたたたれおタンパク質になる。 アミノ酞を切り離されたtRNAは、mRNAからも離れ、tRNAはふたたびアミノ酞を運ぶために再利甚される。 このように、リボ゜ムで合成されるタンパク質でのアミノ酞の䞊びの決定方法は、おもにメッセンゞャヌRNAの配列にもずづくのであり、いっぜうリボ゜ヌムRNAの配列は盎接にはアミノ酞の䞊びの決定には関わっおいない。 原栞生物での翻蚳 mRNAぞの転写が行われるず、転写の終わりを埅たずに、転写䞭に、ただちにリボ゜ヌムがmRNAに盎接に取り぀き、そこでタンパク質の合成が行われる。 スプラむシング 真栞生物では、DNAからRNAぞの転写時に、栞の䞭で、いったん党おの配列が転写され、そのあずに配列のいく぀が陀去されお、残った郚分が぀なぎあわされおmRNAが出来䞊がる。 RNAの転写盎埌の、ただ䜕も陀去されおない状態を mRNA前駆䜓 ずいう。陀去される郚分に盞圓するDNA領域をむントロンintronずいう。mRNA前駆䜓からむントロンが取り陀かれお、残っお䜿われる郚分に盞圓するDNA領域を゚キ゜ンexonずいう。゚キ゜ンに盞圓する郚分どうしのRNAが繋がる。よっお゚キ゜ンの領域が、タンパク質のアミノ酞配列を決めるこずになる。 このようなむントロン陀去の過皋をスプラむシングsplicingずいう。スプラむシングは栞の䞭で起きる。 mRNAは、転写盎埌のRNAから、こうしおむントロンに盞圓する配列が陀去されお゚キ゜ンに盞圓する配列どうしが繋がった物である。 スプラむシングが完了しおmRNAになっおから、mRNAは栞膜孔を通っお栞の倖ぞず出お行き、リボ゜ヌムでのタンパク質合成に協力をする。 - 遞択的スプラむシング ある遺䌝子の配列から、皮類以䞊のmRNAが䜜られる堎合がある。これは、mRNA前駆䜓は共通だが、スプラむシングの過皋で、゚キ゜ン察応領域が陀去される堎合もあり、どの゚キ゜ンを陀去するかの違いによっお、最終的に出来䞊がるmRNAが倉わっおくるからである。たた、いく぀かのむントロン察応領域が陀去されずに残る堎合もある。゚キ゜ンどうしが繋がるずきに、ずなりどうしの゚キ゜ンではなく、離れた゚キ゜ンず繋がる堎合もある。 こうしお、数皮類のmRNAが䜜られる。これを遞択的スプラむシングalternative splicingずいう。 こうしお少数の遺䌝子から、遞択的スプラむシングによっお倚皮類のmRNAが䜜られ、倚皮類のアミノ酞配列が出来お、倚皮類のタンパク質が䜜られる。 - 原栞生物の堎合 原栞生物の堎合は、䞀般に、転写で出来た配列が、そのたたmRNAになる。よっお原栞生物ではスプラむシングは起こらず、したがっおむントロンを原栞生物は持たない堎合が普通である。 センス鎖 2本鎖のうち、転写されるのは、どちらか片方である。残りのもう片方の鎖は転写されない。 どちらの鎖が転写されるかは、堎合によっお倉わり、けっしお、あらかじめは決たっおない。 転写されないほうの鎖をセンス鎖センスさ、sense strandずいう。転写されたほうの鎖をアンチセンス鎖アンチセンスさ、sense strandずいう。 どちらがセンス鎖になるかは、けっしお、あらかじめは決たっおない。 発展 RNA干枉 - (※ どの怜定教科曞や参考曞にも曞いおある話題だが、ただ1998幎に発芋されおから幎月が二十数幎ほどしか経っおないので※ 2020幎に本文を確認、よっお未解明などの郚分も倚く、参考曞でも発展項目ずしお扱われおいる。) - ※ 自然科孊の業界では、10幎30幎前なんお、ごく最近ずいう扱いである。特に高校教育では、背景事情などを明確に解明し぀くしおから若者に教育する必芁があるので、そういう比范的に新しい話題は、コラム扱いなどになる。 - RNA干枉 - 前曞き ある生物の现胞内に、もし倖郚からりむルスが䟵入した堎合、その现胞はすでにりむルスに感染されおしたっおるので、生物はりむルスの増殖を防ぐ必芁があり、りむルスに感染した现胞の増殖やさたざたな掻動を止めなければならないだろう。 䞊蚘のような理由だろうか、䞋蚘のような実隓事実がある。 - 実隓事実など たず、真栞生物では、RNAには、翻蚳を行わない皮類のものや、翻蚳を劚害するものがあるこずが、わかっおいる。 真栞生物でのmRNAの転写埌に、もし、现胞内などに、そのRNAずは他のある短いRNAが存圚しおいる堎合、そのある短いRNAがmRNAに結合しお、mRNAを分解したり、リボ゜ムの翻蚳を劚げたりするなどしお、mRNAにたいおいは劚害的に関わるこずをRNA干枉RNA interference、略称RNA iずいう。 このような反応によっお、mRNAの発珟が劚げられる。このずきの短いほうのRNAの長さは、切断され、塩基察の数が21塩基ほどになる。参考文献: 矊土瀟『理系総合のための生呜科孊』、著: 東京倧孊生呜科孊教科曞線集委員䌚、2007幎第1刷、120ペヌゞ、コラム内の蚘事 たたは现胞の遺䌝子組み換えの際に、短いRNAを目的の现胞に人工的に導入しお、䞊蚘のような切断反応や劚害反応などによる、遺䌝子の発珟の劚害ノックダりンを起こさせる事にも利甚される。 RNA干枉は、倖郚から䟵入したりむルスなどのRNAも切断したりもする。 歎史的な経緯によりセンチュりに存圚するRNA干枉が有名だが、しかし、センチュりのほかにも、倚くの菌類や怍物などにもRNA干枉の珟象は存圚する※ 第䞀孊習瀟の怜定教科曞:。 このため、倖郚の病原䜓や異物などの分解の仕組みずしお、RNA干枉が発達しおきたのだろうず考える研究者もいる。参考文献: 裳華房『理工系のための生物孊』、坂本順叞、2015幎8月10日 改蚂版、133ペヌゞ、傍泚、 RNA干枉の発芋者はファむアヌずメロヌであり、センチュりを甚いた実隓で1998幎に発芋された。ファむアヌらはノヌベル生理孊・医孊賞を2006幎に受賞した。 医療応甚などにも期埅されおおり、RNAの制埡を通しおDNAの発珟を制埡できそうだずいう期埅をされおいる。 RNAを導入するずきに、盞補的なRNAどうしを結合させお二本鎖RNAにした堎合のほうがRNA干枉が発珟しやすい。曞籍によっおは、RNA干枉の玹介のずきに最初から、「现胞に、ある短い二本鎖RNAを導入するず、mRNAを切断したりリボ゜ヌムの結合を阻害したりしお発珟を阻害するこずをRNA干枉略称RNA iずいう。」などずいうように、二本鎖RNAであるこずを前提ずしおRNA干枉を玹介しおいる堎合もある。 - RNA干枉の仕組み 高校の範囲。啓林通や数研出版などの教科曞に蚘述あり - ダむサヌずいわれる酵玠で2本鎖RNAを切断しお、短い2本鎖RNAにする。 - ↓ - さらにそのRNAが、1本鎖に分解される。 - ↓ - その1本鎖RNAがタンパク質ず結合しお、耇合䜓RISCず蚀われるを圢成する。さらに、盞補的な配列をも぀mRNAず結合する。 - ↓ - こうしお出来䞊がった耇合䜓が、mRNAを分解したり、リボ゜ヌムによる翻蚳を劚害したりする。 ※ 範囲倖 よく、セントラルドグマの䟋倖的な珟象ずしお、゚むズなどの逆転写が䞊げられるが、逆転写以倖のセントラルドグマの䟋倖ずしお、RNA干枉もセントラルドグマの䟋倖ずみなせる。※ 参考文献: たずえば 東京倧孊理孊系研究科-理孊のキヌワヌド-『RNA干枉』 2018幎10月21日に閲芧 - 読者ぞの泚意 ※ じ぀は、本wikibooksの本章にあるような、前曞きでの免疫的な説明による仮説は、怜定教科曞には無い(ただし、第䞀孊習瀟だけ「免疫」ではなく「生䜓防埡」ずいう語で、埌曞きしおおり、センチュりなどからの防埡ず説明しおいる)。怜定教科曞では、先入芳を陀去するためだろうか、免疫的な内容を、説明の前眮きにはしおいない。しかし、本wikibooksでは、たずRNA干枉の動䜜過皋を孊生に芚えやすくするため、䟿宜的に、免疫的な内容を前眮きした。 倧孊レベルの教科曞でも、免疫的な説明の前眮きは無く、免疫的な内容は、あずがき的に、仮説のひず぀ずしお説明されおいる堎合が倚い。 突然倉異 かた状赀血球貧血 かた状赀血球貧血sickle-cell anemiaは、欠陥を぀たらせる。溶血しお貧血の原因にもなる。 原因は、ヘモグロビンを぀くるアミノ酞配列の異垞であり、その配列異垞の原因は、DNA配列の異垞。 そもそもヘモグロビンはタンパク質で、できおいる。 ヘモグロビンタンパク質の6番目を぀くる遺䌝子のDNA配列䞊のある䞀個のチミンが、アデニンに眮き換わっおいるため、この病気が起きる。 この眮き換えによっお、本来ならmRNAのコドンのGAGずいう配列によっおグルタミン酞(Glu)ずいうアミノ酞が出来るべきずころが、GUGずいうコドンになっおしたっおいるのでバリン(Val)ずいうアミノ酞が出来る。 このためヘモグロビンのアミノ酞配列が倉化し、結果的にヘモグロビンタンパク質の立䜓構造が倉化しお、かた状の構造になる。 鎌状赀血球貧血症の患者はマラリアに匷く、そのためマラリアの生存地域のアフリカなどでは、むしろ生存に有利でもある。 マラリアの起こる仕組みは、マラリア原虫が赀血球に感染しお起きる病気である。 パフ ショりゞョりバ゚やナスリカの幌虫の唟腺だせんの现胞では、巚倧な染色䜓が芳察でき、その唟腺だせん染色䜓では、パフずいう、膚らんだ郚分のある染色䜓が芳察される。パフでは転写が掻発に行われおいる。パフの䜍眮は、発生の成長の段階に合わせお、パフの䜍眮も倉わっおいく。 このようなこずから、遺䌝子は、けっしお垞に同時に転写されるわけではなく、そうではなくお、発生にずもなっお掻発化する遺䌝子が倉わっおいくこずが分かる。 昆虫の脱皮やさなぎ化などの倉態ぱグゞステロむドずいうホルモンによっお促進される。パフの発珟も、゚グゞステロむドによっお促進されおいる。 遺䌝性の代謝異垞 ヒトの必須アミノ酞でフェニルアラニンずいうアミノ酞がある。 健康な人間なら、䞍芁になったフェニルアラニンは分解される。しかし、フェニルケトン尿症(phenylketonuria)の患者では、そうではない。 この病気は遺䌝病であり、原因は遺䌝子の配列にある。 フェニルケトン尿症では、フェニルアラニンをチロシンに倉換する酵玠の遺䌝子の塩基が倉化しおしたっおいるこずが原因であり、そのため倉換酵玠が合成できず、その結果、チロシンが合成されないで、ファニルアラニンが血液䞭に䜙り、フェニルケトンに倉化しお、尿䞭にフェニルケトンずしお排出される。 チロシンをもずにしお、メラニンmelaninやアルカプトンなどが合成される。 メラニンを合成する酵玠に異垞が起きた遺䌝性の症状が、アルビノ(albinism)である。 アルカプトンホモゲンチゞン酞は、健康なヒトでは最終的に分解され、氎ず二酞化炭玠になる。を分解する酵玠ホモゲンチゞン酞オキシダヌれ homogentisate dioxygenaseに異垞が起きたため、この酵玠が無く、アルカプトンを分解できなくなった遺䌝病がアルカプトン尿症alcaptonuriaである。アルカプトン尿症では、尿䞭に尿を攟眮するず、尿が黒くなる。 - ※ (範囲倖) 他科目の知識:  ケトンに぀いおは、『高等孊校化孊I/脂肪族化合物/ケトン』を参照せよ。 - (範囲倖 ) フェニルケトン尿症は、神経症状を起こすため、乳幌児には知的発育障害をもたらす。フェニルアラニンを含たない食事療法が必芁である。※ 詳现は省略。 なお「アルビノ」ずは、メラニン色玠を぀くる遺䌝子が突然倉異などで欠損したこずによっお起こり、そのために、䜓が党䜓的に癜く、瞳ひずみは赀い、症䟋たたは そのような動物個䜓。わかりやすい䟋でいうず、癜りサギのような色をしおいる動物がアルビノである。なお、アルビノ者の瞳の赀色は、毛现血管の色である。 DNA修埩 玫倖線により、DNA䞊で隣接する2個のチミンどうしに玫倖線が圓たれば、チミンどうしが結合しおしたい、こうしおチミンは損傷する。 こうした損傷を受けるず、損傷を盎すために、二本鎖のうちの損傷を受けた偎のヌクレオチドずその呚囲の塩基陀去される塩基数は十数ほどが陀去されお、新しい塩基ず眮き換わる。 DNAポリメラヌれによっお、損傷を受けおない偎の鎖の塩基をもずに、盞補的な配列が加えられ、DNAリガヌれで䞡端が぀ながれるこずで、修埩される。 - ※ 範囲倖: このような研究の歎史は意倖ず叀く、1962幎にストロり倫劻がむンフル゚ンザ菌むンフル゚ンザりむルスずは別物に玫倖線を照射する実隓や、1964幎にストロりずキャリア人名、 Carrier,w.L.が倧腞菌にUV玫倖線を照射する実隓などにより[4]、チミン二量䜓が出来るこずが遺䌝子障害の原因である事たでなら1960幎代には既に解明されおいた。 遺䌝子の発珟調節 倧腞菌のラクトヌス分解 倧腞菌は、生育にグルコヌスを必芁ずする。では、乳糖ラクトヌスなどの、他の糖では、どうなるか。 フランスのゞャコブずモノヌの1965幎ごろの実隓により、倧腞菌ずラクトヌス乳糖に぀いお、以䞋の事が明らかになった。 倧腞菌はグルコヌスがある環境では、ラクトヌス乳糖を消化しない。しかし、グルコヌスが無くお、ラクトヌスがある環境では、ラクトヌスを分解する酵玠βガラクトシダヌれなどを合成し、倧腞菌はラクトヌスを消化する。 たた、突然倉異をした倧腞菌では、グルコヌスがあっおもラクトヌスを分解する株も、あらわれた。 この突然倉異の事から、遺䌝子が、関わっおいるこずが予想される。 たた、突然倉異でない通垞の株に぀いお、糖の分解では酵玠が働いおるわけであるが、そもそも酵玠の合成には遺䌝子が発珟をしおいるわけだから、぀たり遺䌝子の発珟の䜕かが環境によっお倉わったこずになる。通垞の株に぀いおは、グルコヌスが倚かろうが少なかろうが、DNAの塩基配列そのものは同じであり、DNAの塩基配列は䜕も倉わっおいない。グルコヌスの倚いか少ないかで倉わったのは、DNAの発珟の䜕かである。 では、具䜓的に、いったい、DNAから酵玠合成たでのどの段階で、発珟の有無を切り替えおいるのだろうか、ずいう疑問が、本節で説明するこずである。 ぀たり、もしやDNAが発珟しないこずでRNAが存圚しおないのか、それずもRNAが発珟しないこずでポリペプチドが存圚しおいないのか、あるいはポリペプチドが発珟しおいないこずで酵玠ずしお発珟しおいないのか、それずも、などの怜蚎である。 倧腞菌のラクトヌス分解の堎合は、DNAに調節タンパク質がくっ぀く事によっお、DNAの発珟の調節が起きおいるこずが分かっおいる。このような調節タンパク質がくっ぀くDNAの領域をオペレヌタヌoperatorずいい、その遺䌝子矀をオペロンoperonずいう。 ※ 以䞋、参考文献Wikipedia日本語版蚘事『オペロン』 この倧腞菌のラクトヌス分解の機構は、1980幎ごろからの遺䌝子工孊やX線構造解析などの実隓などによっお、近幎になっお機構が蚌明された。1960幎代の圓事では、ただ仮説であり蚌明できおおらず、おそらくDNAの段階で調節されおいるのだろうずいう仮説の段階であった。 Wikipedia解説おわり ゞャコブずモノヌは、おそらくDNAの段階で調節されおいるのだろう、ずいうオペロンの機構の説を提唱し、これをオペロン説operon theoryずいう。 RNAポリメラヌれは、DNAからmRNAぞの転写の開始の際、たずプロモヌタヌずいうDNA領域に、くっ぀く。 倧腞菌のラクトヌス分解の事䟋では、倧腞菌DNAのプロモヌタヌず、酵玠の遺䌝子ずの間に、オペレヌタヌがあっお、このオペレヌタヌに調節タンパク質が぀くこずで、mRNAぞの転写を䞭断させるずいう仕組みで、発珟を抑制しおるのである。 そしお調節タンパク質がDNAに結合できるかどうかが、環境䞭の物質によっお倉わっおくるこずになる。 さお、転写を抑制する調節タンパク質のこずをリプレッサヌ(repressor)ずいう。 倧腞菌の堎合、グルコヌスが倚い通垞時は、ラクトヌス分解酵玠の遺䌝子DNAの盎前の領域に぀いお、リプレッサヌずしお働く調節タンパク質が、オペレヌタ領域に結合するこずでRNAポリメラヌれの進展を劚害し、こうしおラクトヌス分解酵玠の発珟を抑制しおいる。 たたラクトヌスがありグルコヌスが無い環境では、倧腞菌は、リプレッサヌずしお働く調節タンパク質の圢状が倉わり、もはや調節タンパク質はオペレヌタ領域に結合できなくなる。するず、グルコヌスが倚い通垞時ではRNAポリメラヌれの進展を劚害しおいた結合タンパク質がなくなるので、RNAポリメラヌれが酵玠遺䌝子に向かっお進展ででるようになり、こうしお酵玠の遺䌝子をRNAポリメラヌれが転写しお、ラクトヌス分解酵玠が発珟する。 なお、倧腞菌のラクトヌス分解の以倖の事䟋では、別にRNAやタンパク質などが酵玠の発珟を調節する事が無いわけではない。そのような珟象もある。単に倧腞菌のラクトヌス分解の堎合では、DNAにリプレッサヌが結合するこずで、酵玠の発珟を調節しおいるずいうこずである。 これらの結果から、たた、調節タンパク質を぀くるための遺䌝子も存圚しおいる事が分かる。 調節タンパク質を぀くるための遺䌝子を調節遺䌝子regulatory geneずいう。 トリプトファン 倧腞菌では、アミノ酞のトリプトファンが倚いずき、転写が促進される 。トリプトファンが少ないずき、転写が抑制される。 真栞生物ず転写調節 ヒストン - 図をここに 真栞生物のDNAは、通垞時は、ヒストン(histone)ずいう球䜓のタンパク質に、たずわり぀いおいる。このヒストンは、ヒストン4個぀たり球䜓4個で、䞀぀の組になっおいる。ヒストンにDNAがたずわり぀いた構造をヌクレオ゜ヌム(nucleosome)ずいう。さらに、このヌクレオ゜ヌムが連なったものが、折りたたたれる構造をずっおおり、このヌクレオ゜ヌムの折りたたたれた構造をクロマチン繊維(chromatin fiber)ずいう。 DNAからRNAぞの転写に぀いお、このようなヌクレオ゜ヌムな状態では぀たり、ヒストンにDNAが、たずわり぀いた状態ではクロマチン繊維がぎゅうぎゅうにくっ぀いおいるため、RNAポリメラヌれがくっ぀くこずができない、転写できない。転写の前にヒストンから、DNAが、ほどかれる必芁がある。 ヒストンの特定のアミノ酞にアセチル基 -CH3CO- が結合するこずで、DNAずヒストンずの結合が匱くなり、ヒストンからDNAが、ほどかれる。 いっぜう、ヒストンの特定のアミノ酞にメチル基が結合するず、ヒストンに匷く結合するので、ほどけにくくなるため、転写されにくくなる。 ホルモンず遺䌝子発珟 ※ 未蚘述 突然倉異 - 異数䜓 染色䜓は、ふ぀うは2nだが、たれに2n±1や2n±2などの個䜓が珟れ、このような性質を異数性ずいい、その性質を持っお生たれた個䜓を異数䜓ずいう。 - 倍数䜓 染色䜓の栞盞が3nや4nの堎合、そのような性質や珟象を倍数性ずいい、その性質を持っお生たれた個䜓を倍数䜓ばいすうたい、ploidずいう。3nのものを䞉倍䜓ずいい、4nのものを四倍䜓ずいう。なお、通垞の栞盞2nの個䜓を二倍䜓ずいう。 䞉倍䜓は正垞には枛数分裂ができないため、生殖胜力が無い。たねなしスむカは䞉倍䜓であるので、皮を持たないのである。 4nなどの倍数䜓は、化孊薬品のコルヒチンなどで生じやすい。なお、コルヒチンそのものはナリ科のむヌサフランなどに含たれる。 现胞分裂時の玡錘䜓の圢成を、コルヒチンが阻害する。このため、现胞分裂時に倍増した染色䜓が䞡極に分かれず、そのたた四倍䜓の现胞になる。 䞉倍䜓は、四倍䜓ず二倍䜓ずを亀配させお䜜る。 - 突然倉異の皮類 - 欠倱 ・・・ 染色䜓の䞀郚が切れお消倱。 - 重耇 ・・・ 染色䜓の䞀郚が繰り返す。 - 転座 ・・・ 染色䜓の䞀郚が切り離され、その離れおいった郚分が、ほかの染色䜓の䞀郚ずしお結合する。 - 逆䜍 ・・・ 染色䜓の䞀郚がいったん切り離されお、結合しなおすずきに、逆向きになっお結合した堎合、結果的に逆向きの配列になる。 - 人為突然倉異の方法 - 物理的珟象による誘発・・・ 攟射線やX線、玫倖線 - 化孊的珟象による誘発・・・ マスタヌドガス、亜硝酞 - パンコムギの遺䌝子に぀いお (※ 未蚘述) - 他単元の知識 「アルビノ」ずは、メラニン色玠を぀くる遺䌝子が突然倉異などで欠損したこずによっお起こり、そのために、䜓が党䜓的に癜く、瞳ひずみは赀い、症䟋たたは そのような動物個䜓。わかりやすい䟋でいうず、癜りサギのような色をしおいる動物がアルビノである。なお、アルビノ者の瞳の赀色は、毛现血管の色である。 フェニルケトン尿症やアルカプトン尿症に぀いおは、他の単元で説明する。単元「遺䌝性の代謝異垞」など。 - ダりン症候矀Down's diseasef (※ 高校教科曞の範囲倖.) - ※ 数研出版チャヌト匏で90幎代から2010幎代たで、ずっず蚘茉されおいる。いっぜう、文英堂シグマベストには蚘述が無し。 ダりン症候矀ずは、ヒトの遺䌝病の䞀぀であり、21番目の染色䜓が䞀本倚い。先倩的な知胜障害がある※ 参考文献: 『チャヌト匏新生物 生物基瀎・生物』平成26幎版。このため染色䜓数は合蚈で47本になる。母芪の高霢出産で生じやすい。 ※ 理科の範囲倖 :なお、人間の堎合、高霢出産でダりン症が起きる確率が䞊がる。※ 枅氎曞院の瀟䌚科の資料集『珟代瀟䌚ラむブラリヌぞようこそ 2018-19』でも玹介。 近幎、出生前蚺断しゅっせいたえ しんだんにより、胎児のダりン症や流産などの異垞の有無を怜査できるようになった※ 2019幎に蚘述。 執筆予定 - マラヌ - キむロショりゞョりバ゚の雄にX線 - 突然倉異 - 倧腞菌の光吞収 - 連鎖 - 組み換え - 怜定亀雑 バむオテクノロゞヌ おもに遺䌝子工孊に぀いお、この単元では解説される。 制限酵玠 たずえば倧腞菌は、菌䜓内に䟵入しおきたりむルスのDNAを切っお殺す酵玠を持぀こずがわかっおいる。この酵玠は、特定の配列をも぀DNAの特定の箇所を切断するこずがわかった。制限酵玠にDNAを混ぜるず、DNAの特定の配列を切断する。 倧腞菌の持぀EcoR1゚コアヌルワンは GAATTC ずいう配列を持぀DNAをその個所で、GずAの間を切断する。 ずいうふうに、切断する。 ほかのバクテリアなどからは、BamH1バム゚むチワンが発芋された。 BamH1は、GGATCCを切断する G切GATCC 。 このように酵玠が異なれば、切断する配列も異なる。 これらのような、特定の配列のDNAを切断する栞酞分解酵玠を制限酵玠(せいげんこうそ、restriction enzyme)ずいう。 いっぜう、切れたDNAを぀なげるDNAリガヌれ(DNA ligase)ずいう酵玠も芋぀かっおいる。 制限酵玠ずDNAリガヌれは、DNAを組替えるための、ハサミずノリのような物ずしお利甚できる。制限酵玠がハサミであり、DNAリガヌれがノリである。 このような酵玠をいく぀も甚意しおおけば、人間が酵玠を混ぜるこずによっお、遺䌝子の組換えができる。 二本鎖DNAでは、A-T、G-Cが぀いになっおいる。 EcoR1の切断する、GAATTCの察は、 - GAATTC - CTTAAG ずいうふうに、䞋偎のDNA配列CTTAAGを逆向きに読むず、䞊の配列ず同じになっおおり、回文かいぶん構造である。回文ずは、「たけやぶ やけた」ずか「しんぶんし」ずかのような逆さ読みしおも同じ蚀葉になる文のこずである。 なお、遺䌝子組み換えした生物のこずをトランスゞェニック生物トランスゞェニックせいぶ぀ずいう。 遺䌝子の組み蟌み方法 - プラスミド 2本鎖DNAの䞡端が぀ながり、環状になっおいるDNAをプラスミドplasmidずいう。倧腞菌にはプラスミドがある。遺䌝子の組換えではプラスミドが、甚いられる堎合が倚い。プラスミドは菌䜓内で独立しお増える。バむオテクノロゞヌでの遺䌝子組み換えのずきに、倧腞菌などのプラスミドに遺䌝子を組み蟌んで、その菌に取り蟌たせお菌のDNAに組み蟌む事が倚い。DNA発珟時に有甚なタンパク質を生産するDNAを組み蟌めば、遺䌝子組み換えした菌を増殖させるこずで、その菌に有甚なタンパク質などを䜜らせたりもできる。 遺䌝子組み換えのずきのプラスミドのように、遺䌝子組み換えのずきに目的の生物に遺䌝子を組み蟌むための容れ物のこずをベクタヌvectorずいう。vectorずは「運び屋」ずいう意味である。 ヒトの糖尿病の治療に甚いられるむンスリンすい臓のホルモンや、ヒトの成長ホルモンも、遺䌝子組み換えした倧腞菌で、すでに生産できるようになった。このように倩然からは少量しか採取できないタンパク質や酵玠などを遺䌝子組み替え技術を甚いお倧量生産する技術が研究・開発されおいる。 倧腞菌はプラスミドを持ち、プラスミドの䞭に、倧腞菌自身が䜜る制限酵玠をコントロヌルする遺䌝子を持぀。 たずえば茪ゎムを切るず䞀本のゎム糞になるように、プラスミドは制限酵玠を甚いお切断されるず、切断されたプラスミドは線状になる。 - アグロバクテリりム 怍物に遺䌝子を組み蟌む堎合は、アグロバクテリりム (Agrobacterium)ずいう土壌现菌ず、そのプラスミドを甚いる堎合が倚い。アグロバクテリりムを怍物に感染させお遺䌝子を組み蟌む。 目的の遺䌝子をプラスミド䞭に組み蟌み、そしおアグロバクテリりムを怍物に感染させる方法で、怍物に組み蟌む。 なお、このように、遺䌝子組み換えした怍物のこずをトランスゞェニック怍物ずいう。 怍物によっおはアグロバクテリりムが感染しづらい堎合もある。そのような感染しづらい堎合、埌述の现胞融合などの方法を甚いたり、埮小ピペットなどで盎接的に導入する堎合もある。 - 圢質転換 遺䌝子組み換えなどによっお、個䜓の圢質を倉えるこずを、圢質転換(けいし぀ おんかん)ずいう。 - その他 研究䞭の遺䌝子組み換え生物では、その安党性が、ただ怜蚌䞭の堎合もあり、なので実隓䞭の生物が倖郚に挏れないようにするなどの察策も行う必芁もある。 - カルシりムによる倧腞菌ぞのプラスミド組み蟌み カルシりムむオンCa2は倧腞菌の现胞膜の透過性を䞊げるので、カルシりムむオンを発生させる物質を加えるず倧腞菌がプラスミドを取り蟌みやすくなる。このカルシりムむオンによる倧腞菌ぞのプラスミド組み蟌みの実隓では、塩化カルシりム Cacl2 がよく䜿甚される。このようにしお倧腞菌にプラスミドを取り蟌たせお圢質転換を起こさせる。 ポリメラヌれ連鎖反応 - 原理 DNAは95℃皋床の高枩にするず、塩基間の氎玠結合が倖れお、䞀本鎖に分かれる。この珟象を利甚しお、さらにDNA合成酵玠のDNAポリメラヌれDNA polymeraseず、材料の塩基察4皮類アデニン・チミン・グアニン・シトシンを䜿っお、DNAの個数を2倍に耇補する事が出来る。 95℃で2本に分かれた䞀本鎖の䞡方ずもDNAポリメラヌれで盞補塩基を足されお2本鎖になるから、最終的にDNAの個数が2倍になる。 同じ反応を䜕回も繰り返すこずで、最初から数えお 2倍→4倍→8倍 ず倍倍でDNAの個数を耇補できる。 増幅率は、理論䞊は20回くりかえすず、2201048576個になる。 DNAポリメラヌれは、すべおの生物にあるが、この反応で甚いるDNAポリメラヌれは枩泉などから発芋された现菌に由来する、熱に匷い耐熱性のDNAポリメラヌれを甚いおいる。 このようなDNAポリメラヌれを甚いたDNAの耇補技術をPCR法ピヌシヌアヌル法あるいはポリメラヌれ連鎖反応polymerase chain reactionずいう。 DNAポリメラヌれによる合成の開始には、出発点ずしおの塩基察の䞀本鎖が別に必芁である。あらかじめ化孊合成しおおいた短めの盞補塩基察の䞀本鎖をプラむマヌずいう。プラむマヌが合成の出発点ずしお必芁である。 - 手順 くわしい手順は、次の通り。 - 92℃95℃皋床に加熱。 - 55℃皋床に䞋げお、プラむマヌの結合を行う。 - 箄72℃で、DNAポリメラヌれを働かせる。こうしお材料のA、T、G、Cを消費しお、二本鎖DNAが耇補される。 - 以䞊の䜜業をくりかえす。 増幅率は、理論䞊は「20回くりかえすず、2201048576個になる」だが、実際には、䞀回の工皋では、かならずしも耇補しきれないこずもあり、理論倀よりも実際の増幅率が䜎くなる。 電気泳動 - でんきえいどう、electrophoresis たず、DNAは、氎の䞭では負の電荷を垯びる。なぜなら、DNAのリン酞基が電離するためである。よっお、適切な緩衝液の䞭ではDNAは負に垯電しおいる。このような緩衝液の氎溶液で湿らした寒倩ゲルの䞭にDNA断片を眮く。寒倩の材質にはアガロヌスが良く甚いられる。 さお、DNA断片に電堎をかけるず極に匕かれお動き出す。 このずき、移動速床は、長いDNA断片ほど、寒倩の網目に匕っかかるので移動速床が遅い。 このような実隓を電気泳動でんき えいどう、electrophoresisずいう。電気泳動によっお、移動速床を実隓的に調べるこずで、DNAの長さを実隓的に調べられる。぀たり、DNA断片の分子量や塩基数を実隓的に調べられる。 実隓の際、比范のため、長さを調べたいDNA断片ずは別に、すでに塩基数・分子量が分かっおいる別のDNA断片も甚いお比范実隓する。このような比范のための既に塩基数や分子量の分かっおいるDNA断片をマヌカヌずいう。 芳枬する際は、泳動埌にDNA染色液を甚いお染色する。実隓装眮の構造䞊、DNAが垯バンド状に染めだされるので、DNA電気泳動で染めだされた物をバンドずいう。このバンドの䜍眮から、塩基数を掚定する。 - DNA鑑定 たず人によっおDNAの配列は埮劙に違っおいる。制限酵玠でDNAを切るず、埗られるDNAの断片の長さは人によっお違う。このDNA断片を電気泳動にかけるず、人によっお、DNA断片の移動速床が違う。 刑事捜査や血液鑑定などに応甚されおいる。 緑色蛍光タンパク質 オワンクラゲは緑色に光る蛍光タンパク質を持぀。このオワンクラゲの緑色蛍光タンパク質のこずをGFPgreen fluorecent proteinずいう。このGFPが、遺䌝子組み換え実隓での、組み蟌んだ遺䌝子の発珟を調べるための目印ずしお、よく甚いられる。 たず、GFPに玫倖線を䞎えるず、緑色の蛍光を発する。 調べたいDNA配列の䞀郚に、オワンクラゲの緑色蛍光タンパク質GFPの遺䌝子を組み蟌む。するず、調べたいDNA配列が発珟しおいる箇所で、いっしょにGFPの遺䌝子も発珟し、その結果、緑色の蛍光を発する。調べたい察象の生物を生きたたた蛍光させられるので、生きたたた遺䌝子の発珟を調べるこずができる。 䞋村修しもむら おさむが2008幎に、オワンクラゲのGFPの研究でノヌベル賞を受賞した。 なお、ホタルの発光は、これずは異なる仕組みであり、ホタルの光は化孊反応による発光でありATPを消費する。 - 範囲倖: むクオリン - ※ チャヌト匏にむクオリンの存圚は曞いおあるが、カルシりムの怜出甚途に぀いおは曞かれおない。 実は、オワンクラゲの䜓内では、光のおおもずの光源はGFPではない。むクオリン (aequorin) ずいうタンパク質が、オワンクラゲの発光の光源である。むクオリンにカルシりムが結合するず、青く光る。このため研究ではむクオリンは现胞䞭のカルシりムの怜出にも甚いられる。 目的の现胞ぞの泚射、たたは組み換え遺䌝子により、目的の现胞の郚䜍にむクオリンを含たせるのである。 ※ むクオリンの導入方法が泚射の堎合もあるこずに぀いおの参考文献: 矊土瀟『基瀎から孊ぶ生物孊・现胞生物孊』和田勝、2015幎第3版、194ペヌゞ、 むクオリンからの青色の光をGFPが受け取り、緑色に倉換しおいるのである。 このむクオリンを発芋した人こそ、ノヌベル賞受賞をした䞋村修しもむら おさむ) である。 なお、単にGFPで緑色に光らせたい目的の実隓なら、むクオリンが無くおも玫倖線を照射すれば、GFPが緑色に発光する。※ 参考文献: チャヌト匏の生物、平成26幎4月版 トランスゞェニック䜜物 サンガヌ法 DNAポリメラヌれを甚いたDNAの耇補時に、材料のヌクレオチドに、塩基配列䞭のデオキシリボヌスの代わりにゞデオキシリボヌスを持぀特殊なヌクレオチド぀たりゞデオキシヌクレオチドを䜜っおおくず、そのゞデオキシリボヌスがDNAに混ざったずころで合成が止たる。 これを利甚しお、塩基配列を解析する方法が、ゞデオキシ法あるいはサンガヌ法ずもいうである。 たず、解析したいDNAを䞀本鎖にする。 そしおゞデオキシリボヌスの塩基ごずA、T、G、C、に、合蚈4色の異なった蛍光色玠で暙識する。 あずはDNAポリメラヌれで合成を開始させればよい。 たずえばAアデニンにゞデオキシリボヌス持぀物をある蛍光色玠1ずするで染色し、Tに持぀物を色玠2で染色し、Gに持぀物を蛍光色玠3で染色、Cに持぀物を蛍光色玠4で染色する。このように、それぞれを異なる色玠で染色しおおく。こうすれば、合成が止たったずきのDNAの蛍光色玠の色で、止たった郚䜍の塩基が分かる。 これず電気泳動を組み合わせれば、長さごずに分けられるので、あずは長さの順に䞊べお塩基を読めば、DNAの配列が分かる。 现胞融合 怍物や菌の现胞を、たずペクチン質が现胞どうしをくっ぀けおいるので、ペクチナヌれで、そのペクチン質を溶かす。そしおセルラヌれで现胞壁を溶かす。たたはリン酞カルシりムを甚いお、现胞壁を溶かす堎合もある。 なお、実際の実隓では、浞透圧を調節する必芁がある、浞透で现胞を壊さないようにするためセルラヌれ液などにマンニトルやグリシンなども加えおいる。[5] 现胞壁がなくなるず、现胞融合が起こりやすくなる。现胞壁がなくなるず、内偎の球圢の现胞だけが残る。この现胞壁の無くなった残りの内偎の球圢の现胞をプロトプラスト (protoplast) ずいう。プロトプラストは现胞膜だけに包たれおいる。プロトプラストず組換えプラスミドを混合すれば、现胞融合が行われる。现胞壁が残ったたただず、融合はほずんど行われない。 融合を開始するにはポリ゚チレングリコヌル(PEGを加えるか、あるいはセンダむりむルスHVJを甚いる。センダむりむルスは動物现胞の融合でも利甚される。 - ポマトポテトトマト、オレタチオレンゞカラタチ このような现胞融合の方法で、ポマトずトマトの现胞を融合したポマトも開発された。しかし、特性などが悪く、たずえばゞャガむモの芜にある毒がポマトにも含たれるなどの短所もあり、実甚化されなかった。 - Tプラスミドをほかの现胞に挿入する方法 参考 - 1 あらかじめ、制限酵玠を甚いお、組換えプラスミドを䜜る。 - 2 セルラヌれで䟵入される现胞の现胞壁を砎壊する。 - 3 組換えプラスミドの入った现胞を培逊する。 - 4 遺䌝子組み替え现胞に限らず、䞀般の怍物现胞でも、现胞を培逊するず现胞の かたたり カルスcallus) になるになる。 - 5 カルスを育お続けるず、完党な怍物䜓の党䜓を再生できる。 その他の応甚 - 発展 ルシフェラヌれ ※ 『科孊ず人間生掻』啓林通、第䞀孊習瀟で、抂芁が玹介された ホタルの尻尟にある発行物質ルシフェリンは、ルシフェラヌれを酵玠ずしお、アデノシンリン酞ATPず酞玠O2ず反応しお、オキシルシフェリンずいう、ルシフェリンに酞玠の化合した物質を生成する。この反応に䌎っお、発光が起こる。 - ルシフェリン  ATP → オキシルシフェリン  光 - 觊媒ルシフェラヌれ よっお、ルシフェリンず蛍光光床蚈を甚いるこずにより、ATPの量が枬定できる。 反応する前のルシフェリンずルシフェラヌれの量を、䞀定にしおおけば、ATPの量によっお発光の匷さが倉わるからである。 ずころで、ほずんどの现菌は䜓内にATPをも぀から、ルシフェリンを甚いお、现菌の量を枬定できる。぀たり、埮生物による汚染の床合いを枬定できる。 実甚品ずしお、すでに食品やレストランの衛生の床合いを枬定するためのキットずしお、ルシフェリンを含んだキットが実甚化しおいる。 ※ 以降、範囲倖 ルシフェリンを甚いた埮生物量の枬定 - 原理は次のようになる。 - 1 詊隓管を甚意しお氎を入れおおく。 - 2 ルシフェリンずルシフェラヌれの混合溶液を甚意しおおく。 - 3 现菌の量を枬定したい怜査察象を綿棒でふき取る。 - 4 綿棒の先を氎に入れる。 - 5 氎に油を混ぜお菌を砎壊しお、ATPを菌䜓倖に出す。 - 6 詊隓管内の氎にルシフェリンずルシフェラヌれの混合溶液を1滎だけ混ぜる。 - 7 詊隓管内の溶液が光る。 - 8 光床を、蛍光光床蚈で枬定する。 しかし现菌の䜓内にあるATPはこのたたでは、ルシフェリンの混合液ずは反応しない。现菌の现胞壁を砎壊しお、菌䜓倖にATPを出しおからでないず、ルシフェリンずは反応しない。よっお、氎に油を混ぜお菌を砎壊しお、ATPを菌䜓倖に出す必芁がある。 埓来の方法では、怜査察象をガヌれでふき取り、付着した埮生物を寒倩培地で䞀晩ほど培逊し、バクテリアのコロニヌを数えおいたので、怜査に1日かかっおいた。 だが、ルシフェリンを甚いた方法では短時間で終わる。 この方法には、倧量のルシフェラヌれが必芁になる。ホタルは垌少な昆虫であり、乱獲するわけには行かないので、ホタル以倖からの生産方法が必芁になる。 日本の民間䌁業であるキッコヌマン株匏䌚瀟は遺䌝子工孊を甚いおルシフェラヌれを倧量生産するこずに成功した。倧腞菌にルシフェラヌれを䜜る遺䌝子を導入しお、倧腞菌にルシフェラヌれを生産させる方法である。 ルシフェラヌれの生産 - 原理 - 1 ゲンゞボタルの尻にある発光噚の䞭にある现胞から、ルシフェラヌれを䜜るmRNAを取り出す。 - 2 これに逆転写酵玠を加えお2本鎖のcDNAを䜜りプラスミドに入れる。 - 3 さらに組替えプラスミドを倧腞菌に挿入する。 - 4 組替え倧腞菌を培逊するこずにより、ルシフェラヌれを倧量生産できる。 組織培逊 怍物现胞の培逊 怍物の现胞片に怍物ホルモンや培逊液などを䞎えるず、それから未分化の现胞の塊かたたりを育成したり、さらには個䜓を育成できる。こうしおできた未分化の现胞塊さいがうかいをカルスcallusずいう。 培逊する前の现胞片は、怍物の分化した现胞だったわけだから、その培逊现胞から個䜓が䜜れたずいうこずは、再び分化したこずになる。このような怍物は条件を敎えれば再床の分化をするこずを再分化さいぶんかずいう。たた、怍物の现胞片から培逊などで個䜓を䜜れるこずを分化党胜性ぶんかぜんのうせいあるいは単に党胜性ずいう。 このように、分化した现胞片が党胜性のある现胞に戻るこずを脱分化だ぀ぶんかずいう。 ちなみに现胞壁を陀去した怍物现胞であるプロトプラストを培逊するず、现胞壁を再生する。 カルスを培逊する際、添加する怍物ホルモンの皮類ず量により、どのような組織に分化するかを制埡できる※ 高校理科の範囲内。。 高いオヌキシン濃床で、さらに䜎いサむトカむニン濃床ずいう条件では、カルスは根に分化する。 いっぜう、高いサむトカむニン濃床、および、䜎いオヌキシン濃床では、カルスは芜に分化する。2016幎珟圚の新課皋生物でも、範囲内。数研出版や啓林通の怜定教科曞に蚘述あり。 - ※ 出版瀟名を調査䞭. 新課皋に説明远加されたらしい。 繁殖の難しい怍物や垌少怍物の堎合に、組織培逊が甚いられる。芳賞甚のランの倚くは、※ 䞀般の方法では増殖が難しいので組織培逊によっお芳賞甚ランが量産されおいる。 - 茎頂培逊 - 2016幎の珟時点では、第䞀孊習瀟がコラムで玹介第䞀孊習瀟、専門『生物』246ペヌゞ。他の怜定教科曞には蚘述が芋られない。旧課皋の参考曞チャヌト匏などには蚘述あり。新課皋では、資料集実教出版や参考曞チャヌト匏にも芋圓たらない。 培逊元の现胞片がりむルスに感染しおいるず、培逊䞭にりむルスごず培逊しお増殖しおしたう。怍物の茎の頂䞊である茎頂けいちょうの組織は、぀ねに成長分裂をしおいるので茎頂分裂組織、䞀般に、ただりむルスに感染しおいないりむルスフリヌ。なので茎頂から採取した现胞片が、培逊によく甚いられる。これを「茎頂培逊」ずいう。 - ※ 第䞀の怜定教科曞には「りむルスフリヌ」の語は無い。怜玢甚に wikibooks では、この語を残す。 - やく培逊 - 2016幎の珟時点では、怜定教科曞に蚘述が芋られない。旧課皋の参考曞チャヌト匏などには蚘述あり。 おしべの やく から取った花粉も、培逊できる。これをやく培逊ずいう。生殖现胞の栞盞は、枛数分裂によっお栞盞が䜓现胞の半分栞盞nであるので、よっお培逊された现胞も半数䜓栞盞nである。なので、そのたたでは花粉などの生殖现胞を぀くれず生殖できない。これにコルヒチンを茎頂に加えるず、コルヒチンは现胞分裂での玡錘䜓の圢成を阻害しお倍数䜓を぀くる䜜甚があるので、半数䜓の栞盞が2倍になっお、もずの栞盞(2n)に戻る。染色䜓の2本鎖の䞡方ずは、もずもず同じ半数䜓の染色䜓だったので、コルヒチン凊理埌の染色䜓の遺䌝子は玔系ホモになっおおり、やく培逊前の遺䌝子ずは異なっおいる。 短時間で玔系の怍物を培逊したい堎合に、よく利甚される。 - 雑菌ぞの察策 高校理科の範囲倖 - 実際の培逊では、あたり现菌が培逊液などに繁殖しすぎないように工倫する必芁があり、そのため噚具の消毒・殺菌・掗浄や、実隓者の手指などの消毒・掗浄などが必芁である。ずくに、培逊液は栄逊が豊富なので、雑菌には泚意しなければならない。 - しかし、培逊したい怍物も生物なので、怍物そのものを消毒しきれないので、なので培逊䞭には、どうしおも雑菌は混ざっおしたうので、うたく工倫する必芁がある。もし雑菌察策が実隓で必芁なら、高校なら教員が詳しいこずは教えおくれるだろうから、高校生は深入りする必芁は無い。 - 高校生の実隓時での雑菌察策には蚭備などには限界があるだろうが、少なくずも実隓前に手をよく掗浄するこずぐらいの察策は行っおおこう。 蟲孊などの応甚の理由もあり、怍物现胞の培逊のバむオテクノロゞヌは、よく研究されおいるが、詳しい説明は高校理科の範囲を超えお、倧孊生物孊や蟲孊などの範囲になるので、説明を省略する。 動物組織の培逊 䞀般に、発生埌の倚くの動物の现胞は、すでに分化を終えおいるので、培逊しようず培逊液に぀けおも分裂・増殖できない。ただし䟋倖ずしお、発生䞭の動物现胞や、いく぀かの動物を陀く。 しかし、がん现胞は、発生埌の個䜓から採取したがん现胞でも、培逊できる。 がん研究などで、Hela现胞ヒヌラさいがうが甚いられおいる。子宮がんで死んだアメリカ人女性ヘンリ゚ッタ Henrietta Lacks の现胞である。1951幎にHela现胞が実甚化された。 - ハリ゜ンのカ゚ル神経现胞の培逊 1907幎、アメリカのハリ゜ンはカ゚ルの神経现胞を培逊し、培逊した神経现胞から神経繊維が突起を䌞ばすこずを芳察した。 突然倉異 怍物に突然倉異を起こしたい堎合、攟射線を甚いる堎合がある。 あるいは倍数䜓栞盞が3nや4nなどのこずを䜜りたい堎合に化孊薬品のコルヒチンを甚いる事がある。倍数䜓育皮法 なお、コルヒチンそのものはナリ科のむヌサフランなどに含たれる。 通垞の现胞は二倍䜓である。现胞分裂時の玡錘䜓の圢成を、コルヒチンが阻害する。このため、现胞分裂時に倍増した染色䜓が䞡極に分かれず、そのたた四倍䜓の现胞になる。 たねなしスむカは䞉倍䜓などの倍数䜓であるので、皮を持たないのである。 遺䌝子組み換え以倖のバむオテクノロゞヌもある この単元では、おもに遺䌝子組み換えの芳点からテクノロゞヌを解説しおいるが、これら遺䌝子工孊的なテクノロゞヌのほかにも、倚くのバむオテクノロゞヌがある。 たずえば動怍物の䌝統的な育成方法にも様々な知識や技術が必芁だし、たた、たずえば人工授粟には発生の仕組みの理解が必芁である。身近な食品などでも、たずえば玍豆やペヌグルトなどの発酵食品だっお、生物を利甚した技術である。ほかにも、朚材を甚いた家具ずか、むグサを甚いたタタミずか、生物に由来する材料は倚くある。そのような生物に関する様々な技術の原理を理解できるようにするため、読者は、けっしお、この単元だけでなく、ほかの単元も孊ぶ必芁もあり、よっお生物I・IIを党䜓的に孊ぶ必芁がある。 たた、薬品も甚いるこずが倚いので、読者は化孊なども勉匷しなければならない。遠心分離機も䜿うこずがあるから物理の力孊も勉匷しなければいけないし、電気装眮や照明機噚・光孊機噚なども甚いるこずがあり、さたざたな物理を勉匷しなければならない。 読者は勉匷する事は倚いが、あたり気負いしないようにしお、ずにかく、きちんず高校の各教科の教科曞・参考曞・問題集などにマゞメに取り組めば良いだろう。 ヒトゲノム蚈画 未蚘述 クロヌン動物 未蚘述 ES现胞ずiPS现胞 - ※ 範囲倖 : iPS现胞は、䜓现胞に、ある4皮類の遺䌝子を入れるだけで分化党胜性のある现胞になったのをiPS现胞ずいうのである。では、どうやっお、その4皮類を特定したかずいうず、・・・ たず、ES现胞などの研究により、分化党胜性を぀かさどっおる可胜性のある遺䌝子の候補を、24皮類たでに特定できた。 この24皮類のなかには、分化党胜性を぀かさどるのに必芁䞍可欠な遺䌝子ず、いっぜう、文化党胜性には䞍芁な遺䌝子ずが、混ざっおおり、䞀䜓どれが本圓に必芁な遺䌝子かを、さらに調べる必芁があった。 しかし、2242の24乗は16777216である。 そんな莫倧な回数16777216回の実隓をするのは無理だし、実際に山䞭䌞匥らのグルヌプはそのような実隓はしおない。 山䞭らのグルヌプは、24個の候補遺䌝子から1個だけ遺䌝子を抜いた23個の遺䌝子を、䜿っお実隓したのである。 ぀たり、䟋えば、 - 20個の候補のうちの1番目の遺䌝子だけを抜いた遺䌝子グルヌプを仮にAずしお、 - 20個の候補のうちの2番目の遺䌝子だけを抜いた遺䌝子グルヌプを仮にBずしお、 - 20個の候補のうちの3番目の遺䌝子だけを抜いた遺䌝子グルヌプを仮にCずしお、 ・・・ - 24個の候補のうちの24番目の遺䌝子だけを抜いた遺䌝子グルヌプを仮にXずすれば、 たった24回の実隓をするだけでよい。そしお、山䞭らは実際に24回の実隓をしお、このようにしお、山䞭のグルヌプは、iPS现胞の発芋にたどり぀いた。 なお、珟状では、iPS现胞化のための4皮類の遺䌝子のひず぀に、がん化を匕き起こすりむルスから採取したDNAを䜿っおいるので、がん化のリスクがある。※ 枅氎曞院の瀟䌚科の資料集『珟代瀟䌚ラむブラリヌぞようこそ 2018-19』で玹介。 脚泚 参考文献 高校甚の怜定教科曞・受隓参考曞などを確認のために参考しおるが、どこの教科曞にも曞かれおいるような共通的な内容のため、匕甚などの特別な理由の無い限り、これら怜定教科曞および参考曞に぀いおは参考文献ずしおの文献玹介を省略する。 バむオテクノロゞヌに぀いおは、怜定教科曞のほか、次の文献を参考にした。 - 倧柀勝次ほか『怍物バむテクの実際』蟲文教、2007幎5月15日発行、第3刷 そのほか、倧孊甚の教科曞などを確認のため参考にしたが、高校範囲倖なので、曞名を高校生に知らせないほうが良いず考えお、特別な理由の無い限り、文献玹介を省略する。 ルシフェラヌれの蚘述の参考文献に぀いおは、手元に文献が無いので曞名を思い出せない。
高等孊校理科 生物基瀎/ホルモンによる䜓内環境の調節 ホルモン分泌の調節 ホルモン分泌で䞭心的な圹割をしおいる噚官は、間脳にある芖床䞋郚ししょうかぶ、hypothalamusず、芖床䞋郚の䞋にある脳䞋垂䜓である。 脳䞋垂䜓には前葉ず埌葉がある。 - 神経分泌しんけいぶんぎ぀) 間脳の芖床䞋郚には、ホルモンを分泌する神経现胞があり、これを神経分泌现胞しんけい ぶんぎ぀ さいがう、neurosecretory cellずいう。たた、このように神経がホルモンを分泌するこずを神経分泌しんけい ぶんぎ぀ずいう。この間脳の神経分泌现胞により、脳䞋垂䜓の血管䞭にホルモンが分泌される。この神経分泌のホルモンは、脳䞋垂䜓のホルモンを調節するための攟出ホルモンreleasing hormoneたたは攟出抑制ホルモンinhibiting hormoneである。 芖床䞋郚から䌞びおいる神経分泌现胞が、脳䞋垂䜓に䜜甚しお、脳䞋垂䜓のホルモン分泌を調節しおいる。 脳䞋垂䜓の前葉ず埌葉ずで、分泌される血管の䜍眮が違う。 脳䞋垂䜓前葉では、芖床䞋郚にある血管に分泌し、その血管が前葉たで続いお脳䞋垂䜓に䜜甚しおいる。前葉からは成長ホルモンgrowth hormoneなどが分泌される。 いっぜう、脳䞋垂䜓埌葉では、芖床䞋郚から぀ながる神経䌝達现胞が埌葉たで続いおおり、埌葉䞭の血管に、神経䌝達现胞が盎接、ホルモンを分泌しおいる。 埌葉からは、氎分調節に関わるバ゜プレシンずいうホルモンが分泌され、バ゜プレシンによっお腎臓での集合管における氎の再吞収などが促進される。 - 再吞収ずホルモンずの関係 ヒトなどの堎合、血液䞭の塩分濃床が䜎いず、Naの再吞収がホルモンによっお促進される。このホルモンは鉱質コルチコむドmineral corticoidずいう。腎现管でほずんどのナトリりムが再吞収される。鉱質コルチコむドは副腎皮質から分泌されおいる。 氎の再吞収に぀いおは、脳䞋垂䜓からバ゜プレシンvasopressinずいうホルモンが分泌されるこずによっお、腎臓じんぞうの集合管での氎の再吞収が促進される。 塩類の過剰な摂取などで、血液䞭の塩類濃床が䞊昇しお䜓液の浞透圧が䞊がったずきにも、バ゜プレシンによっお氎の再吞収が促進され、塩類濃床を䞋げさせる。氎が吞収された結果、尿の液量は少なくなり、尿は濃くなる。 - ※参考 このように尿量を枛らす䜜甚がバ゜プレシンにあるため、バ゜プレシンは「抗利尿ホルモン」ADHずも呌ばれる。[1]※ 怜定教科曞での「抗利尿ホルモン」の蚘茉を確認。 専門曞などでは「抗利尿ホルモン」の名称のほうを玹介しおいる堎合もある。 - チロキシン のどの近くにある甲状腺こうじょうせん、thyroid glandからはチロキシンthyroxineが分泌される。 チロキシンは代謝を掻性化するホルモンであり、酞玠の消費やグルコヌスの消費が、掻発になる。 芖床䞋郚は、チロキシンの濃床を、぀ぎのような仕組みで調節しおいる。 チロキシンによっお、芖床䞋郚や脳䞋垂䜓による甲状腺刺激が抑制されるずいう仕組みである。 芖床䞋郚や脳䞋垂䜓は、チロキシンが倚くなりすぎないように、チロキシンによっおホルモンを抑制する。チロキシンによっお芖床䞋郚は甲状腺刺激ホルモン攟出ホルモンを抑制する。たた、チロキシンによっお、脳䞋垂䜓は甲状腺刺激ホルモンを抑制する。こうしお、チロキシン自身が最終的に、甲状腺からのチロキシン分泌を抑制するように働きかける。 逆にチロキシンが少なくなるず、芖床䞋郚や脳䞋垂䜓が、甲状腺刺激ホルモンを通しお甲状腺にチロキシンを増やすように働きかける。 チロキシンを受け取った现胞では代謝が掻発になる。 このように、最終産物この堎合はチロキシンが、前の段階この堎合は芖床䞋郚や脳䞋垂䜓に働きかけるこずをフィヌドバックfeedbackずいう。 フィヌドバックは生物孊に限らず、倚くの分野で芋られる珟象だが、ずりあえず生物孊を䟋に説明する。 フィヌドッバックが前の段階を抑制する堎合、負のフィヌドバックnegative feedbackずいう。ふ぀う、ホルモンは負のフィヌドバックによっお、濃床などが䞀定の範囲内に近づくように調節されおいる。 - ※線集泚 バ゜プレシンのフィヌドバックの図を远加。 腎臓での氎の再吞収に関わるバ゜プレシンも、負のフィヌドバックによっお䞀定に保たれる。この結果、バ゜プレシンが人䜓の氎分調節のためのホルモンずしお働くこずになる。 いっぜう、フィヌドバックによっお、前の段階が促進される堎合を正のフィヌドバックずいう。電子機械などで芋られる珟象で、たずえば音声マむクずスピヌカヌのハりリング珟象マむクをスピヌカヌに近づけたずきの、うるさい珟象。※ うるさいので実隓しないように。などが、正のフィヌドバックにあたる。 ハりリングの起きる仕組みは、マむクから入力された音が、スピヌカヌから出お、そのスピヌカヌから出た音をマむクがひろっおしたうので、さらにスピヌカヌから音が出るので、音が倧きくなり、その倧きくなった音をふたたびマむクがひろっおしたうので、さらにスピカヌから、もっず倧きな音が出おしたい、そしおさらにずいう、ずおもうるさい珟象である。 ホルモンの働き 浞透圧の調節 魚類の浞透圧の調節は、えら・腞・腎臓などで行われ、 淡氎魚ず海氎魚の堎合でその働きは異なっおいる。 淡氎魚の堎合、氎分が䜓内に䟵入するため、 えらや腞で無機塩類を吞収し、 腎臓で䜓液より䜎匵の尿を倧量に排出する。 海氎魚の堎合、氎分が䜓倖に出るため、 海氎を倧量に呑み蟌み腞で吞収し、 腎臓で䜓液ず等匵の尿を少量排出する。 たた、えらから無機塩類を排出する。 哺乳類の浞透圧の調節は、腎臓で行われる。 たた、腎臓の働きは、間脳芖床䞋郚・脳䞋垂䜓埌葉や副腎皮質ふくじんひし぀、adrenal medullaによっお調節されおいる。 氎分の摂取などで、䜎浞透圧になった堎合、副腎皮質が働く。 副腎皮質からは鉱質コルチコむド(mineral corticoid)が分泌される。 鉱質コルチコむドは腎臓の现尿管から無機塩類の再吞収を促進する働きがある。 氎分の䞍足などで、高浞透圧になった堎合、 間脳芖床䞋郚、脳䞋垂䜓埌葉が働く。 脳䞋垂䜓埌葉からはバ゜プレシン(vasopressin)が分泌される。 バ゜プレシンは腎臓の现尿管から氎分の再吞収を促進する働きがある。 血糖倀の調節 血液䞭に含たれるグルコヌスを血糖けっずう、blood glucoseずいう。 - ※ 「グルコス」ずは、ブドり糖のこず。 - 䞻に化孊の分野では「グルコヌス」ず蚀う。 健康なヒトの堎合の血糖の含有量は䞀定の範囲に保たれ、空腹時で血液100mLあたり、ほが100mgずいう濃床である。※ 怜定教科曞に普通に曞いおある・ - ※ 範囲倖: このような単䜍量あたりの血糖の倀を血糖倀けっずうちずいう。 - ※ 「血糖倀」は高校理科教育の甚語では「血糖濃床」ず蚀いたす。東京曞籍では「血糖倀」のたた曞いおいたす。 - ※ 高校ず倧孊の生物孊では、化孊などの甚法にあわせおだろうか、高校以降の生物孊では「ブドり糖」ずは呌ばずに「グルコヌス」ずいう。 ※ 怜定教科曞にも、「血糖」の内容は「グルコヌス」だず、曞いおある。啓林通や東京曞籍の怜定教科曞などに「グルコヌス」だず曞いおある。 - なおグリコヌゲンずグルコヌスずは別物。 - しかし倧孊でも医孊では、「ブドり糖」(Grape sugar)ず日本では蚀う。たずえば「䜎血糖」に぀いお医孊曞の治療法には「ブドり糖」の茞液ずか曞いおある。 - グルコヌスのほうが、貯蔵物質のグルコヌゲンずの関係が分かりやすいし、生物孊では「グルコヌス」ず衚蚘するほうが合理的である。 グルコヌスは现胞の掻動に必芁な糖である。 なお、グリコヌゲンは、グルコヌスを貯蔵しやすく䜓内で倉えたものであり、※ 東京曞籍、啓林通化孊構造ずしおはグルコヌスが数䞇個も結合した構造になっおいる※ 数研出版の怜定教科曞版チャヌト匏ではない。なお動物だけでなく怍物でもグリコヌゲンで貯蔵される。 動物の堎合、肝臓や筋肉で、グリコヌゲンずしお貯蔵されおいる※ 啓林通。肝臓では、グリコヌゲンの合成および分解が行われおいる。 血糖倀が䜎すぎたり高すぎたりするず様々な症状を匕き起こすため、 ホルモンず自埋神経によっお䞀定に保たれおいる。 糖は脳の゚ネルギヌ源なので、もし血糖濃床が䞋がりすぎおしたい、おおむね70mg/100mL以䞋になるず䜎血糖、蚈算力の䜎䞋などの症状が衚れ始め、60mg/mL以䞋になるず意識障害や けいれん などの危険がある。※ 第䞀孊習瀟、東京曞籍の教科曞が本文で蚘述。なお東京曞籍は60mg/100mLの数字を採甚。第䞀孊習瀟が70mg/mLを採甚。 - ※ 東京曞籍の怜定教科曞のグラフで、健垞人の血糖倀が80以䞊になっおるのは、䜎血糖でないずいう意味だろう。 食事などで炭氎化物や糖質を取るず、䞀時的に血糖倀が䞊昇する。逆に、急激な運動の埌などでは䞋がっおいる。 血糖倀が60mg以䞋血液100mLあたりだず、意識喪倱や けいれん などが起き、危険である。運動などによっお䜎血糖になるず、間脳の芖床䞋郚が働く。 さお、血糖の調節に関わる噚官は、すい臓および芖床䞋郚である。 芖床䞋郚は、亀感神経によっお、すい臓ず副腎髄質を働かせる。 - 䜎血糖の堎合 グリコヌゲンが、぀ぎの仕組みで分解されるこずで、グリコヌゲンからグルコヌスが取り出され、グルコヌス濃床を䞊げる仕組みである。 すい臓のランゲルハンス島のα现胞からはグルカゎン(glucagon)が分泌され、 副腎髄質ふくじんひし぀、adrenal medullaからはアドレナリン(adrenaline)が分泌される。 グルカゎンやアドレナリンは、グリコヌゲンをグルコヌスぞ分解させる働きがある。 たた、芖床䞋郚は攟出ホルモンで脳䞋垂䜓前葉を働かせ、脳䞋垂䜓前葉は副腎皮質刺激ホルモンで副腎皮質を働かせ、副腎皮質からアドレナリンが分泌される。 たた、副腎皮質が分泌する糖質コルチコむド(glucocorticoid)が、タンパク質を分解させお、その分解された元タンパク質を材料ずしおグルコヌスを合成させる。糖質コルチコむドは、タンパク質をグルコヌスぞ分解させる働きがある。 アドレナリンやグルカゎンが、肝臓や筋肉に働きかけ、貯蔵されおいるグリコヌゲンの分解を促進する肝臓や筋肉にはグリコヌゲンが蓄えられおいる。。 これらの反応の結果、血糖倀が䞊昇する。 - 高血糖の堎合 食事などによっお高血糖になるず、すい臓のランゲルハンス島のβ现胞が、血糖倀の䞊昇を感知し、β现胞がむンスリン(insulin) を分泌する。 むンスリンは、グルコヌスをグリコヌゲンぞ合成させたり、 グルコヌスを现胞ぞ吞収・分解させたりする働きがある。 このむンスリンが、现胞でのグルコヌスを甚いた呌吞を促進したり、肝臓でのグリコヌゲンの合成を促進するので、結果的にグルコヌスの消費が促進されるので、グルコヌスの濃床が䞋がり、グルコヌス濃床が通垞の濃床に近づくずいう仕組みである。 たた、間脳の芖床䞋郚でも血糖倀の䞊昇は感知され、副亀感神経の刺激を通じお、すい臓にむンスリンの分泌をうながし、すい臓のランゲルハンス島β现胞がむンスリンを分泌する。 - 糖尿病 ※ 高校の範囲内 いっぜう、病気により血液100mL䞭の血糖倀が垞に200mg「200mg/100mL」のように曞くを越えるず、糖尿病ずうにょうびょう、diabetes mellitusずいう病気だず刀断される。[2] ※ 200mgの数倀は高校の範囲倖だが、実は東京曞籍の怜定教科曞で200mgの数字が本文䞭にある。糖尿病に぀いおは高校理科の範囲内、東京曞籍や[3]、第䞀孊習瀟など。 健康な人では、血糖倀はおおむね100150mgの範囲内であり、空腹時は100前埌だが食事などによっお150mg/mL近くに䞊昇する※ 第䞀孊習瀟および実教出版の『生物基瀎』の怜定教科曞に図衚で蚘茉あり。 - ※ 実教出版の教科曞の図衚を芋るず、糖尿病患者の血糖倀が最䜎倀が200mgになっおるのは、䞊述のような理由がある。 糖尿病ずは、すい臓からむンスリンが、うたくは分泌されなくなっおしたった病気である。むンスリンが现胞ず結合するず、グルコヌスを消費させる。しかし、むンスリン分泌がうたくいかないず、この消費がなくなっおしたい、その結果、グルコヌスが䜙る。 - ※ 「血糖倀」は高校理科教育の甚語では「血糖濃床」ず蚀いたす。東京曞籍では「血糖倀」のたた曞いおいたす。なので、右グラフの「血糖濃床」を「血糖倀」ず曞いおも、正解です。医孊曞『暙準生理孊』や『生理孊テキスト』などでは「血糖倀」の衚蚘を䜿っおいるので、なるべく「血糖倀」ずいう衚珟に、なれおください。 - ※ 血糖倀は、「200mg/100mL」ず曞かずに「200mg」ずだけ略蚘的に曞く方法も、慣甚的に認められおいる※ 東京曞籍の怜定教科曞が本文䞭で「200mg」ずいうふうに末尟「/100mL」を省略した蚘法をしおいる。 その結果、原尿にグルコヌスが高濃床で含たれるので现尿管でのグルコヌス吞収が間に合わず、尿䞭に高濃床のグルコヌスが含たれお排出される。 もし健康なヒトなら、原尿のグルコヌスは、ほが100再吞収されるため、尿䞭には高濃床のグルコヌスは排出されない。にもかかわらず高濃床のグルコヌスを含む尿が排出されるずいう事は、぀たり病気に掛かっおいる事になる。 高血糖が長く続くず、欠陥が倉性しお血流が䜎䞋しおしたい、その結果、県や腎臓などの、さたざたな噚官で障害を起こす。糖尿病には、このような各噚官での合䜵症があるため、危険な病気である。 糖尿病は、尿に糖が含たれる事自䜓は、あたり危険芖されおおらず、目が腎臓などに障害の出るこずが危険芖されおいる※ 数研出版の芋解。 糖尿病の分類は、倧きくは二぀の皮類に分けられる。 たず、むンスリンを分泌する现胞そのものが砎壊されおいお分泌できない堎合のI型糖尿病がある。若くしお発症するこずが倚い。 もう䞀぀は、I型ずは別のなんらかの原因で、むンスリンの分泌量が䜎䞋したり、むンスリンに现胞が反応しなくなる堎合であり、これをII型糖尿病ずいう。肥満や喫煙・運動䞍足などの生掻習慣病などによる糖尿病で、II型糖尿病が倚く芋られおいる。 日本の糖尿病患者の倚くはII型である。 糖尿病の治療には、I型・II型ずも、むンスリンの投䞎が行われる。患者は、食埌などに毎回、自分でむンスリンを泚射しなければならない。 II型の生掻習慣が原因ず考えられる堎合、食事の芋盎しや、適床な運動なども、治療に必芁になる。 糖尿病の症状ずしお頻尿ひんにょうがある[4]※ 高校の範囲内。 この原因は、原尿の浞透圧が血糖によっお䞊昇したこずにより、现尿管での氎分の再吞収が枛るためだず考えられおる[5]※ 高校の範囲倖。 たた、頻尿などにより氎分が䜎䞋するため、のどの枇きが起きる。 血糖濃床をあげるホルモンの皮類は倚く仕組みも耇雑である。しかし、血糖倀を䞋げるホルモンはむンスリンのみしか今のずころ知られおおらず、たた仕組みも単玔である。この事から、動物は、飢逓に適応しお、血糖倀の調節の機構を進化させおきたず考えられおいる。飜食の時代よりも、飢逓の時代のほうが、圧倒的に倚かったのだろうず考えられおいる。 - ※ 範囲倖 : 糖尿病患者でない正垞者でも、食埌には尿䞭に糖が排出されるが、これは健康な反応である[6]。 䜓枩の調節 倉枩動物は、䜓枩調節が䞍完党で、䜓枩は倖郚環境によっお倉化する。 䞀方、恒枩動物では、䜓枩は、倖郚環境によらず、䞀定に保たれおいる。ヒトの堎合、健康なら、䜓枩は玄37℃に保たれる。 䜓枩の調節は、ホルモンや自埋神経が行っおいる。䜓枩調節の䞭枢のある堎所は、間脳の芖床䞋郚にある。 - 䜓枩が䜎䞋した堎合 寒さによっお䜓枩が䜎䞋するず、間脳の芖床䞋郚が働く。 芖床䞋郚は、亀感神経やホルモンによっお、肝臓や筋肉の代謝を促進し、発熱量を増加させる。 たた、亀感神経によっお皮膚の血管や立毛筋を瞮小させ、熱攟散を枛少させる。たた、骚栌筋をふるわせるこずで、熱を産生する。 たた、チロキシンやアドレナリンなどが分泌され、肝臓での物質の分解を促進しお熱を産生する。 - 䜓枩が䞊昇した堎合 暑さによっお䜓枩が䞊昇するず、間脳の芖床䞋郚が働く。 芖床䞋郚は、亀感神経によっお、 皮膚血管を拡匵し、汗腺から発汗させ、熱攟散を増加させる。 たた、副亀感神経によっお、肝臓での物質の分解が抑制され、熱の産生を抑える。 その他 ヒトの 「のどがずけ」 の、すぐ䞋には、甲状腺ずいう噚官がある。この甲状腺は、甲状腺ホルモンずいうホルモンを分泌しおいる噚官である。ホルモンずは、䜓内のいろいろな働きを調節するための分泌物ぶんぎぶ぀である。くわしくは、䞭孊の保健䜓育で習うか、たたは高校生物で習う。 さお、甲状腺ホルモンの䞻成分はペり玠である。ペり玠は、ワカメやコンブなどの海゜りに倚く含たれおいる。 さお、通垞のペり玠には攟射胜ほうしゃのうが無く、安党である。だが、原子力発電などの原子栞分裂では、攟射性のある様々な原子が䜜られる。その䞭に攟射性のある特別なペり玠も䜜られる堎合がある。 原子力発電などの事故などぞの察策ずしお、原子力発電所などの近隣地区に ペり玠剀ようそ ざい が配垃される理由は、この攟射胜のある特別なペり玠が甲状腺に集たらないようにするためである。 䜓内に吞収されたペり玠は、甲状腺に集たる性質がある。なので、あらかじめ、普通のペり玠を摂取しおおけば、攟射性のある特別なペり玠を吞収しづらくなるのである。もしくは、仮に吞収しおしたっおも、通垞のペり玠によっお、攟射性のあるペり玠が、うすめられる。 なお、甲状腺ホルモンの働きは、䜓内での、さたざたな化孊反応を促進そくしんする働きがある。
高等孊校理科 生物基瀎/遺䌝情報ずタンパク質の合成 RNAずは DNAの情報をもずに最終的にタンパク質が合成される過皋では、けっしお盎接的にDNAがタンパク質を䜜るのではない。 たず、DNAの情報をもずにRNAribonucleic acid, リボ栞酞ずいう1本鎖の物質に写し取られるこの段階を「転写」おんしゃずいう。 たた、けっしお、いきなりタンパク質を合成するのではない。たずアミノ酞を合成する。アミノ酞を合成するために、アミノ酞配列をRNAに曞き蟌んでいるこの段階を「翻蚳」ほんやくずいう。 RNAずアミノ酞合成たでのしくみ RNA DNAの塩基情報がRNAに写し取られ、そのRNAの情報をもずにタンパク質が合成される。RNAは1本鎖である。 RNAの基本構造は、 塩基糖リン酞 からなるヌクレオチドである。RNAの塩基も4皮類であるが、しかしDNAずはRNAは塩基ず糖の皮類が違う。 RNAでは、DNAのアデニン(A)に結び぀くのは、RNAのりラシルUであり、RNAはT(チミン)を持たない。りラシル、英uracil ぀たり、RNAの塩基は、アデニン、りラシル、グアニン、シトシンの4皮類である。 たた、RNAの糖はリボヌス英riboseである。 RNAポリメラヌれの働きによっお転写される。 RNAの皮類は、働きによっお、メッセンゞャヌRNAずトランスファヌRNAずリボ゜ヌムRNAの3皮類に分けられる。 タンパク質の合成の過皋 たず、DNAの塩基情報を写し取るこずで合成されるRNAをメッセンゞャヌRNA略蚘mRNAずいう。 真栞生物の堎合、栞内で、DNAの䞀郚が二本にほどけお、そのうちの䞀本の情報がRNAに盞補塩基ずしお写し取られる。 なお原栞生物の堎合、そもそも栞膜が無いので、原圢質の䞭で同様にDNAがほどけお、RNAに情報が写し取られる。 たた、このようにDNAの情報がRNAに写し取られるこずを転写おんしゃ、transcriptionずいう。 mRNAの塩基3個の配列が、1぀のアミノ酞を指定しおいる。この塩基3個の配列をコドン(codon)ずいう。コドンは、すでに解読されおおり、この解読結果の衚を「遺䌝暗号衚」いでんあんごうひょうずいい、mRNAの配列で定矩されおいる。ほずんどの生物で、遺䌝暗号は共通であり、原栞生物か真栞生物かは問わない。 このように、mRNAの塩基配列にもずづいおアミノ酞が合成される過皋を翻蚳ほんやく、translationずいう。 塩基3぀の組をトリプレットずいう。DNAの塩基は4皮類あるので、トリプレットは4×4×4=64皮類ある。倩然のアミノ酞は20皮類であり、じゅうぶんにトリプレットで指定できる。もし塩基2぀でアミノ酞を指定する仕組みだずするず、4×4=16ずなっおしたい、アミノ酞の20皮類には䞍足しおしたう。 - ※ コドン衚の読みかたは『生物基瀎』の範囲倖なので、高校1幎生は分からなくおも気にしなくおよい - セントラルドグマ 遺䌝情報は、原則ずしおDNA→RNA→アミノ酞→タンパク質ずいうふうに䞀方向に写されおいき、その逆方向は無い。この原則をセントラルドグマ英: central dogmaずいう。 - ※ 逆転写酵玠に぀いおは『生物基瀎』の範囲倖なので説明を陀倖するいちおう、数研出版の教科曞には逆転写に぀いお曞かれおいるが、しかし他瀟の『生物基瀎』教科曞では説明しおいない。。゚むズは免疫䞍党の病気であるが、そもそも生物基瀎では、DNAの単元の次あたりに、これから免疫に぀いお習う。なので、ただ逆転写酵玠に぀いお習うような段階ではない。 - なお、遺䌝やDNAずの関係に぀いおは、よく「゚むズを起こすHIVりむルスが逆転写酵玠を持぀」ず蚀われるが専門『生物』科目で習う、だからずいっお゚むズが子孫に遺䌝するわけではない。 RNAの皮類 - ※ 怜定教科曞では、ここらの話題は小コラム送り。専門『生物』で習う。 - メッセンゞャヌRNA メッセンゞャヌRNA(mRNA)は、DNAの情報を写し取るためのRNAである。たた、真栞生物の堎合、mRNAはリボ゜ム内ぞ移動し、そこでトランスファヌRNAを正しくならべるための鋳型いがたずしおの圹割を持぀。 - トランスファヌRNA - トランスファヌRNA略称tRNA - トランスファヌRNAの分子モデル トランスファヌRNA(tRNA)は、リボ゜ムたでアミノ酞を運ぶためのRNAである。なので、アミノ酞がトランスファヌRNAに結合しおいる。 埌述するが、mRNAの塩基3個ぶんの䞊びによっおアミノ酞が決定される。なので、この塩基3぀ぶんの情報しか、トランスファヌRNAは情報をふくたず、タンパク質を構成する倚くものアミノ酞の䞊びに぀いおの情報はふくんでいない。 アミノ酞を正しく配列するためには、真栞生物の堎合、メッセンゞャヌRNAが必芁である。 - リボ゜ムRNA タンパク質の合成はリボ゜ヌム(ribosome)で行われ、トランスファヌRNAの運んできたアミノ酞からタンパク質を぀くる合成がリボ゜ヌムで行われる。リボ゜ヌムのも぀RNAは、mRNAずは別の系統であり、DNAにもずづく別系統のRNAをリボ゜ムが持っおいるので、リボ゜ヌムRNArRNAずいう。 真栞生物の堎合、メッセンゞャヌRNAが栞膜孔から出おきおリボ゜ムぞ移動し、トランスファヌRNAを正しく䞊べるこずで、結果的にアミノ酞を正しく䞊べる。 このように真栞生物では、リボ゜ヌム内で、メッセンゞャヌRNAずトランスファヌRNAが再䌚するこずになる。 このように、リボ゜ムで合成されるタンパク質でのアミノ酞の䞊びの決定方法は、おもにメッセンゞャヌRNAの配列にもずづくのであり、いっぜうリボ゜ヌムRNAの配列は盎接にはアミノ酞の䞊びの決定には関わっおいない。 ※ 発展: 真栞生物でのタンパク質合成 トランスファヌRNA トランスファヌRNA(tRNA)は、リボ゜ムたでアミノ酞を運ぶためのRNAである。なので、アミノ酞がトランスファヌRNAに結合しおいる。 トランスファヌRNAには、mRNAのコドンの3塩基トリプレットず盞補的に結合する3塩基をもち、トランスファヌRNAのその3塩基の郚分をアンチコドン(anticodon)ずいう。 トランスファヌRNAに、どの皮類のアミノ酞が結合するかは、RNAのアンチコドンの配列によっお異なる。 䞀本の、メッセンゞャヌRNAに察し、トランスファヌRNAはいく぀も䜜られる。なぜならトランスファヌRNAのアンチコドンは、メッセンゞャヌRNAのたったの3぀ぶんの配列にしか盞圓しないからである。 メッセンゞャヌRNAの塩基配列をもずに、トランスファヌRNAのアンチコドンが決定される。メッセンゞャヌRNAのコドンずトランスファヌRNAのコドンは、お互いに盞補的であるので、配列が違うので泚意。遺䌝暗号衚などはメッセンゞャヌRNAのコドンを基準ずしおおり、アンチコドンは基準にしおない。 さお、トランスファヌRNAのアミノ酞の皮類は、トランスファヌRNAのアンチコドンの塩基配列にもずづいおおり、トランスファヌRNAのアンチコドンの塩基配列の決定は、メッセンゞャヌRNAの塩基配列のコドンにもずづいおおるから、最終的に(トランスファヌRNAに結合しおいる)アミノ酞の皮類の決定はメッセンゞャヌRNAにもずづく事になる。 リボ゜ムRNA タンパク質の合成はリボ゜ヌム(ribosome)で行われ、トランスファヌRNAの運んできたアミノ酞からタンパク質を぀くる合成がリボ゜ヌムで行われる。リボ゜ヌムも、独自のRNAを持っおいるのでリボ゜ヌムRNArRNAずいう。 真栞生物の堎合、メッセンゞャヌRNA(mRNA)が栞から倖に出おきお、トランスファヌRNA(tRNA)ずmRNAがリボ゜ヌムで出䌚っお、ポリペプチドを぀くる。 リボ゜ヌムに移動したmRNAの塩基配列に、tRNAのアンチコドンが結合する事によっお、いく぀もあるtRNAの䞊びが正しく䞊ぶ。 このようにアミノ酞の配列を決めおいるのはmRNAであり、けっしおリボ゜ヌムRNAの配列はアミノ酞の配列決定には関わっおいない。 たた、リボ゜ヌムぞ移動するRNAは、けっしおトランスファヌRNAだけでない。メッセンゞャヌRNAも、リボ゜ヌムぞず移動しおいる。 さお、リボ゜ムで、tRNAからアミノ酞を切り離す䜜業が行われる。 そしおリボ゜ヌムで、アミノ酞をペプチド結合で぀なぎ合わせおポリペプチド鎖を぀くり、そのポリペプチド鎖が折りたたたれおタンパク質になる。 アミノ酞を切り離されたtRNAは、mRNAからも離れ、tRNAはふたたびアミノ酞を運ぶために再利甚される。 このように、リボ゜ムで合成されるタンパク質でのアミノ酞の䞊びの決定方法は、おもにメッセンゞャヌRNAの配列にもずづくのであり、いっぜうリボ゜ヌムRNAの配列は盎接にはアミノ酞の䞊びの決定には関わっおいない。 原栞生物での翻蚳 mRNAぞの転写が行われるず、転写の終わりを埅たずに、転写䞭に、ただちにリボ゜ヌムがmRNAに盎接に取り぀き、そこでタンパク質の合成が行われる。 発展: スプラむシング - ※ 怜定教科曞はでコラム送りの内容。専門『生物』で詳しく習う。 図を远加。 真栞生物では、DNAからRNAぞの転写時に、栞の䞭で、いったん党おの配列が転写され、そのあずに配列のいく぀が陀去されお、残った郚分が぀なぎあわされおmRNAが出来䞊がる。 RNAの転写盎埌の、ただ䜕も陀去されおない状態を mRNA前駆䜓 ずいう。陀去される郚分に盞圓するDNA領域をむントロンintronずいう。mRNA前駆䜓からむントロンが取り陀かれお、残っお䜿われる郚分に盞圓するDNA領域を゚キ゜ンexonずいう。゚キ゜ンに盞圓する郚分どうしのRNAが繋がる。よっお゚キ゜ンの領域が、タンパク質のアミノ酞配列を決めるこずになる。 このようなむントロン陀去の過皋をスプラむシングsplicingずいう。スプラむシングは栞の䞭で起きる。 mRNAは、転写盎埌のRNAから、こうしおむントロンに盞圓する配列が陀去されお゚キ゜ンに盞圓する配列どうしが繋がった物である。 スプラむシングが完了しおmRNAになっおから、mRNAは栞膜孔を通っお栞の倖ぞず出お行き、リボ゜ヌムでのタンパク質合成に協力をする。 - 遞択的スプラむシング ある遺䌝子の配列から、皮類以䞊のmRNAが䜜られる堎合がある。これは、mRNA前駆䜓は共通だが、スプラむシングの過皋で、゚キ゜ン察応領域が陀去される堎合もあり、どの゚キ゜ンを陀去するかの違いによっお、最終的に出来䞊がるmRNAが倉わっおくるからである。たた、いく぀かのむントロン察応領域が陀去されずに残る堎合もある。゚キ゜ンどうしが繋がるずきに、ずなりどうしの゚キ゜ンではなく、離れた゚キ゜ンず繋がる堎合もある。 こうしお、数皮類のmRNAが䜜られる。これを遞択的スプラむシングalternative splicingずいう。 こうしお少数の遺䌝子から、遞択的スプラむシングによっお倚皮類のmRNAが䜜られ、倚皮類のアミノ酞配列が出来お、倚皮類のタンパク質が䜜られる。 - 原栞生物の堎合 原栞生物の堎合は、䞀般に、転写で出来た配列が、そのたたmRNAになる。よっお原栞生物ではスプラむシングは起こらず、したがっおむントロンを原栞生物は持たない堎合が普通である。 備考 RNAは䞊述のようにタンパク質の合成に必芁なので、りむルスなどの生物かどうか䞍明な物䜓を䟋倖ずしお陀けば党おの生物がRNAを持っおいる、ず考えられおいる。※ 2016幎センタヌ詊隓『生物基瀎』远詊隓の赀本教孊瀟の芋解 ※ 範囲倖 母が赀ちゃんを出産したずきに、すでに赀ちゃんが死亡しおいるこずを死産ずいう。 たた、出産前に、赀ちゃんが死亡するこずを流産ずいう。 死産や流産の原因はたいおい、赀ちゃんの遺䌝子DNAの異垞による先倩異垞だず考えられおいる。 統蚈的に、もしも赀ちゃんが死亡せずに生きお生たれた堎合における新生児の先倩異垞率は、統蚈では玄2%ず蚀われる[2]が、しかしこの「2%」はあくたで生きお生たれた赀ちゃんだけを察象にしおいるので、流産も含めるず、実際にはその䜕倍もの重倧な遺䌝子異垞をもっお出産される赀ちゃんがいたのだろう、ず䞀般的に考えられおいる。 動物のメス雌の䜓には、もし赀ちゃんに重倧な遺䌝子疟患のある堎合に、劊嚠を継続させずに流産させるずいう自然のメカニズムが、メスの生䜓にそなわっおいるらしい[3]、ず䞀般的に考えらおいる。 先倩障害 先倩障害のうち、ダりン症ずいう症状は、遺䌝子の異垞によるものである。※ 怜定教科曞の範囲倖だが、参考曞で数研チャヌト匏などに曞いおある - ※ 先倩障害は他にもあるが、wikibooksでは専門生物のペヌゞに詳现をゆずるずする。本ペヌゞでは抂芁にずどめる。 - 性染色䜓の異垞など 「男」や「女」ずいった生物孊的な性別も、遺䌝子によっお決たる。 ヒトの堎合、染色䜓のひず぀に性染色䜓ずいうのがあり、その性染色䜓が健垞男性ならXYである。健垞女子なら性染色䜓はXXである。 しかし、たれに先倩的な遺䌝子異垞で、XXYやXYYなどの人間が生たれおくる堎合がある。
刺激の受容ず反応 刺激の受容 生物に䜜甚しお反応を起こさせる芁因を刺激(stimulation)ず呌ぶ。 県や耳などの、刺激を受け取る噚官を受容噚(じゅようき、receptor)ずいう。生物が刺激に察しお掻動を起こすこずを反応(reaction)ず呌ぶ。 反応は筋肉や腺などの効果噚(こうかき、effector)で匕き起こされる。効果噚のこずを䜜動䜓ずもいう。そしお受容噚ず効果噚ずの間は神経系で結ばれおいる。 受容から反応たで、次のような順序である。 - 刺激 → 受容噚 → 䞭枢 → 効果噚 → 反応 たた、刺激を受けた感芚现胞が掻動状態ずなるこずを興奮こうふんずいう。興奮の正䜓は、现胞膜の電気的な倉化である。 受容噚 受容噚はそれぞれ受容する刺激が決たっおおり、受容できる刺激を適刺激おきしげき、adequate stimuliず呌ぶ。 ヒトの五感ず受容噚ず適刺激は次の衚のようになっおいる。 感芚现胞は䞀定以䞊の匷さの適刺激を受けないず興奮しない。興奮するための刺激の最小倀のこずを閟倀(いきち、threshold)ずいう。 様々な受容噚 県の構造ず働き 県のように光を受容する噚官を'芖芚噚(optic organ)'ず呌び、 光の感芚を芖芚(vision)ず呌ぶ。 ヒトの県はカメラずよく䌌た仕組みになっおおり、このヒトの県の仕組みをカメラ県ずいう。 県は、氎晶䜓すいしょうたい、lensで光を屈折し、網膜もうたく、retinaに像を䞊䞋巊右逆に結ぶ。カメラに䟋えるず、氎晶䜓がレンズに盞圓し、網膜がフィルムに盞圓する。 ヒトの県での遠近のピント調敎は、カメラでいうレンズに盞圓する氎晶䜓の厚さをかえるこずで遠近のピントを調敎しおいる。機械匏カメラずは違っお、レンズの前埌移動に盞圓するような仕組みは無い。 ヒトの県は、前郚の衚面に角膜(cornea)があり、その内偎に瞳孔(pupil)ず虹圩(iris)があり、さらにその内偎に氎晶䜓(lens)ずチン小垯(Zonule of Zinn)ず毛様䜓(ciliary body)がある。 内郚には球圢のガラス䜓(Vitreous humour)があり、それを囲むように網膜(retina)がある。 網膜の盲斑(もうはん、blind spot)からは芖神経が䌞びおいる。盲斑には芖现胞しさいがう、visual cellが無く、そのため、盲斑に像が写っおも芋えない。盲斑のこずを盲点もうおんずもいう。 光は芖现胞で電気信号にかえられ、その電気信号が芖神経を通り脳䞻に倧脳ぞ送られ、芖芚が発生する。 網膜の芖现胞(visual cell)には二皮類の芖现胞があり、明暗を感じるかん䜓现胞(かんたいさいがう、桿䜓现胞、rod cell)ず、色を感じる錐䜓现胞(すいたいさいがう、cone cell)がある。 かん䜓现胞は明暗のみを区別し、色は区別しない。芖现胞には光を吞収する物質の芖物質があり、吞収によっお、その现胞の特性が倉化するこずから、それぞれの芖现胞で光あるいは色などを感じおいる。 ヒトやサルの錐䜓现胞では、䞉原色の赀・青・緑の区別をしおおり、䞉皮類の錐䜓现胞青錐䜓现胞、赀錐䜓现胞、緑錐䜓现胞でこれらの色を区別しおおり、色芚が生じおいる。䞉皮類の錐䜓现胞は、光の波長によっお感床が異なり、それぞれ420nm青、530nm緑、560nm赀を䞭心に吞収する。このような仕組みで色芚が生じおいる。なお、緑ず赀が近い。 こららの䞉皮類の錐䜓现胞では、それぞれの色に察応する芖物質のフォトプシンがふくたれおおり、その色の光を良く吞収する。そのため䞉皮類の錐䜓现胞の色の感床が異なる。 錐䜓现胞は、網膜の䞭倮郚の黄斑に倚く分垃する。 明るいずころで、錐䜓现胞は、よく働く。匱い光では錐䜓现胞は反応しない。このため暗いずころでは色を区別できない。 錐䜓现胞の色の光を吞収する色玠は、光を吞収するず䞀時的に分解する。この分解を芖现胞が感じ取っおおり、色芚を生じおいる。 癜色の光は、赀・青・緑のすべおの色をふくんでいる光であり、癜色光があたるず䞉皮類の錐䜓现胞が䞉皮類ずも興奮する。 動物によっおは、錐䜓现胞の皮類の数が異なり、そのためヒトずは異なる色の䞖界を芋おいる動物も倚い。 かん䜓现胞にはロドプシンずいう感光する物質が含たれおいる。ロドプシンの色が玅色なので芖玅しこうずもいう。ロドプシンに光が圓たるず、レチナヌルずオプシンタンパク質の䞀皮に分解される。この際、かん䜓现胞での现胞膜のむオンの透過性が倉化し、そのため现胞が興奮する。 ロドプシンはビタミンAから䜜られる。そのためビタミンAが䞍足するずロドプシンが䞍足するので、暗いずころで物が芋えなくなる倜盲症やもうしょうになる。 - ※ ビタミンに぀いおはwikibooks『高等孊校化孊I/その他』でも、他のビタミンビタミンCなどに぀いおの説明がある。目ずはあたり関係ないので、この高校生物のペヌゞでは深入りしない。 暗いずころから明るいずころになったずき、 芖芚噚が次第になれおくるこずを明順応(めいじゅんのう、light adaptation)ずいい、 その逆を暗順応(あんじゅんのう、dark adaptation)ずいう。 明順応の仕組み - 暗いずころから急に明るいずころに出るず、芖物質のロドプシンが急に分解され、そのため かん䜓现胞 が急激に興奮する。ロドプシンが分解されるに぀れ感床が䜎䞋するので、明るさに慣れおくる。※ 範囲倖: 明順応の実態は、単に、埌述の「暗順応」が終了しただけ[1]だず考えられおいる。 暗順応の仕組み - ロドプシンが分解されないので、ロドプシンが蓄積される。そのため感床が䞊がり、暗くおも光が芋えやすくなっおくる。 県は、明暗を虹圩にある瞳孔を拡倧瞮小するこずで調節しおいる。明るい所では瞳孔は小さくなる。暗いずころでは瞳孔が倧きくなる。 たた、遠近を氎晶䜓を厚くしたり薄くしたりするこずで調節しおいる。 - チン小垯 遠くを芋るずき、氎晶䜓はチン小垯に匕っ匵られおうすくなり、このため焊点距離が長くなり屈折率は小さくなり、遠くの物が網膜䞊に像を結ぶ。チン小垯は毛様䜓の筋肉に匕っ匵られお調節される。 いっぜう、近くを芋るずき、チン小垯がゆるみ、氎晶䜓は自らの匟性で厚くなる。このため屈折率が倧きくなり焊点距離が短くなり、ちかくの物が網膜䞊に像を結ぶ。 耳の構造ず働き - 聎芚 ヒトの耳のように音を受容する噚官を聎芚噚(ちょうかくき、auditory organ)ず呌び、 音の感芚を聎芚(ちょうかく、hearing)ず呌ぶ。 ヒトの耳は、倖耳(がいじ、outer ear)、䞭耳(ちゅうじ、middle ear)、内耳(ないじ、inner ear)の぀の郚分からなる。音波を受容する聎现胞ちょうさいがうは内耳にある。 音は空気の振動であり、空気の波である。音の波を、音波おんぱずいう。音は、倖耳の耳殻で集められ、倖耳道を通る。 音は䞭耳にある錓膜こたく、eardrumを振動させ、耳小骚じしょうこ぀、ossicleによっお振動が増幅される。 振動は内耳にあるうずたき管(cochlea)を満たすリンパ液に䌝わる。 リンパ液の振動は、うずたき管内の基底膜を振動させ、基底膜のコルチ噚(Corti's organ)ず呌ばれる郚分の聎现胞ちょうさいがうの感芚毛を倉圢させ、聎现胞が興奮する。詳しく蚀うず、リンパ液の振動によっお、コルチ噚の聎现胞の感芚毛が、その䞊をおおっおいるおおい膜(tectorial membrane)ず接觊し、その結果、コルチ噚の聎现胞が興奮しお、最終的に聎芚が生じる。 聎现胞の興奮は、聎神経ちょうしんけいによっお倧脳に䌝わっお、こうしお聎芚ちょうかくが発生する。 - 平衡芚 たた、耳は聎芚のほかに、からだの傟きなどを感じる平衡芚ぞいこうかくを感じる。 からだの姿勢・動䜜を知る感芚を、平衡芚(sensation of equilibrium)ず呌ぶ。 平衡芚は、前庭ぜんおい、vestibuleず半芏管はんきかん、semicircular canalsによっお感じる。内耳に、前庭ず半芏管がある。 前庭では、感芚毛(vibrissa)を持った感芚现胞があり、この䞊に耳石(じせき、otoconiumずいう石灰質炭酞カルシりムの粒子が乗っおいる。䜓が傟くず、前庭では耳石が動き、感芚毛を持った感芚现胞が刺激ずしお受け取るので、こうしお䜓の傟きを感じる。耳石のこずを平衡砂ぞいこうさあるいは平衡石ぞいこうせきずもいう。 たた、䜓が回転するず、半芏管ではリンパ液がうごき、それを感芚毛をもった有毛の感芚现胞が刺激ずしお受け取るので、こうしお䜓の回転を感じる。 䜓の回転を止めおも、感芚では回り぀づけるような感じがする珟象、いわゆる「目が回る」珟象のある理由は、䜓の回転を止めおもリンパ液は慣性によっお、しばらく流れ続けおいるからである。 半芏管では3個の半円状の管があり、この3個の半芏管は、それぞれ盎亀しお玄90床をなす配眮になっおいる。この぀の半芏管によっお、それぞれ前埌・巊右・氎平の3方向の平衡感芚を区別しおいる。 半芏管の䞀方の根元にはふくらんだ郚分があり、そこの内郚に有毛の感芚现胞がある。 - 参考 音の高䜎の識別 基底膜の振動する箇所が、音の高䜎によっお違う。なお、音の高䜎の正䜓ずは、音波の振動数の違いであり、振動数が倧きいほど音も高い。 振動数が倧きい音ほど、うずたき管の入口ちかくのを振動させ、぀たり錓膜に近いがわが振動する。 いっぜう、振動数が小さい音ほど、うずたき管の奥を振動させる。 - 超音波 ヒトは20000Hzヘルツ以䞊の音を聞き取るこずが出来ない。Hzずは1秒間あたりの振動数。぀たり20000Hzずは1秒間に぀き2䞇回の振動ずいうこず。ヒトが聞き取れないほどに高い音波のこずを超音波ちょうおんぱ、英:ultrasonicずいう。コりモリなど、いく぀かの動物には、超音波を聞き取れるものがいる。コりモリは飛びながら超音波を発し、反射しお垰っおきた超音波を感じるこずができるので、これによっお倜間などでも呚囲の状況を知るこずができる。 錻の構造ず働き 錻のように気䜓の化孊物質を受容する噚官を嗅芚噚(きゅうかくき、olfactory organ)ず呌び、 その感芚を嗅芚(きゅうかく、olfaction)ず呌ぶ。 錻には、入口の錻孔(nostril)、その奥の広い錻腔(nasal cavity)、錻腔の䞊郚の嗅䞊皮(きゅうじょうひ、olfactory epithelia)がある。 嗅䞊皮には、嗅现胞(きゅうさいがう、olfactory cell)があり、衚面の粘液局に繊毛をだし、粘液に溶け出した化孊物質を嗅现胞の受容䜓が受容しお興奮する。受容䜓に皮類があり、皮類ごずに結合できる物質がちがうので、それによっお、においを区別できる。受容䜓の結合によっおむオンチャネルが開き、電䜍が倉化しお、興奮する。嗅现胞の興奮が嗅神経によっお脳ぞ䌝えられおいき、脳で嗅芚ずしお認識する。 舌の構造ず働き 舌のように液䜓の化孊物質を受容する噚官を味芚噚(みかくき、Gustatory organ)ず呌び、 その感芚を味芚(みかく、gustation)ず呌ぶ。 舌の衚面には、舌乳頭(ぜ぀にゅうずう)ず呌ばれる぀ぶ぀ぶが倚数あり、 舌乳頭には、味芚芜(みかくが、gustatory bud)ず呌ばれる受容噚が倚数あり、この味芚芜に受容䜓がある。 味芚芜には、味孔()ず呌ばれる孔の奥に味现胞(みさいがう、gustatory cell)があり、この味现胞の现胞膜にタンパク質でできた受容䜓があり、 その味现胞の受容䜓が氎などに溶け出した化孊物質を受容する。 ヒトの味芚には、甘味あたみ、塩味しおみ、苊味にがみ、酞味さんみ、うた味うたみ の5぀がある。コンブにふくたれるグルタミン酞ナトリりムなどが、うた味をひきおこす物質である。カツオブシのむノシン酞ナトリりムも、うたみをひきおこす。 日本人の池田菊苗が、グルタミン酞ナトリりムによる、うた味を発芋した。なお、池田の匟子の朚霊新倪郎がカツオブシのむノシン酞ナトリりムのうた味を発芋した。 特定䌁業の商品だが「味の玠」の䞻成分が、グルタミン酞ナトリりムである。 グルタミン酞は栞酞の䞻成分であり、むノシン酞は栞酞の䞻成分である。 塩味など、氎などに溶けた化孊物質が受容䜓に結合するず、チャネルが開き、電䜍が倉化しおシナプスから神経䌝達物質を攟出し、味神経を興奮させ、興奮が脳ぞ䌝えられおいき、脳で味芚を認識する。 私たちが甘みやうたみを「おいしい」ず感じるのは、その感芚を起こす物質が生きるのに必芁な堎合が倚いからである。たずえば甘みなら、砂糖などの糖分が含たれおおり、゚ネルギヌの摂取に圹立぀。うた味の物質はタンパク質やアミノ酞などの堎合が倚く、肉䜓を構成するのに必芁な物質である。逆に、苊味を「たずい」味だず感じるのは、それが危険な物質である堎合が倚いからである。酞味は、腐敗物にふくたれる堎合があり、そのため、泚意が必芁な味ずしお感じおいるだろう、などず思われおいる。 トりガラシにふくたれる化孊物質のカプサむシンの蟛みからみは、痛芚を刺激しおおり、觊角に近い「痛み」の感芚であり、玔粋な味芚ではない。ずころが、このような蟛みを、脳は「味」ずしお認識するこずから、どうやら味芚ず觊芚の感芚は、䌌たような受容の仕組みを持っおいるらしい、ずも蚀われおる。ただ孊者たちが蟛みに぀いおは研究䞭なので、高校は深入りする必芁は無い。 皮膚の構造ず働き 皮膚のように接觊の刺激を受容する噚官を觊芚噚()ず呌び、 その感芚を觊芚()ず呌ぶ。 たた、皮膚は觊芚のほかに枩芚、冷芚、痛芚を感じる。 觊芚を感じるのはメルケル小䜓()やマむスナヌ小䜓(Meissner corpuscle)やパチヌニ小䜓(pacinian corpuscle)觊点、 枩芚(sensation of warm)を感じるのはルッフィヌニ小䜓()枩点、 冷芚(cold sensation)を感じるのはクラりれ小䜓()冷点、 痛芚()を感じるのは痛点぀うおんずいう神経の自由末端である。 様々な効果噚 筋肉の構造ず働き 筋肉の内、骚栌筋(きんせんい、skeletal muscle)は、自分の意志で動かすこずができる。 骚栌筋には、屈筋(くっきん、flexor muscle)ず䌞筋(しんきん、protractor muscle)があり、これによっお腕や脚を曲げたり䌞ばしたりできる。 骚栌筋の筋繊維(きんせんい、muscle fiber)は倚栞の现胞であり、 筋繊維の䞭には倚数の筋原線維(きんげんせんい、myofibril)が束になっおいる。 ぀たり、筋原繊維の束たばが筋繊維である。筋繊維の束が骚栌筋などのそれぞれの筋肉である。 筋原繊維は、光孊顕埮鏡で芳察するず、明るい明垯めいたいず、暗い暗垯あんたいずが、亀互に䞊んでいる。明るく芋える郚分は明垯(めいたい、light bands)ずいい、 暗く芋える郚分は暗垯(あんたい、dark bands)ずいう。 明垯の䞭倮にある仕切りをZ膜()ずいう。 Z膜ずZ膜ずの間をサルコメア(筋節、sarcomere)ずいい、このサルコメアが筋収瞮の単䜍がある。 筋繊維は现いアクチンフィラメントず、倪いほうがミオシンフィラメントで、できおいる。 アクチンが明垯であり、ミオシンが暗垯である。 - ※ なお、アクチンずミオシンは、现胞骚栌にも関わる成分である。『高等孊校生物/生物I/现胞の構造ずはたらき#発展:_现胞骚栌』を参照せよ。 - 现胞骚栌の「アクチンフィラメント」ず、筋肉の「アクチンフィラメント」ずは、同皮・同類のものだず考えられおいる。数研出版・第䞀孊習瀟などの芋解 この骚栌筋の瞞暡様のこずを暪王おうもんずもいい、骚栌筋には暪王が芋られるので骚栌筋のこずを暪王筋おうもんきんずもいう。 ミオシンはATP分解酵玠を持っおおり、運動のためにATPを分解しおADPにする。筋肉は、このATPの゚ネルギヌを利甚しお、力を出しおいる。 なお、䞀般に、ミオシンのような運動を発生させるタンパク質のこずを「モヌタヌタンパク質」ずいう。 ※ 専門『生物』の範囲倖䜙談だが、筋肉組織だけでなく、埮小管䞊を移動するキネシンずダむニンもモヌタヌタンパク質であるこずが知られおいる。なお、キネシンずダむニンもそれぞれATPを分解する郚䜍を持぀。※ 䞀郚の教科曞で玹介。 - 滑り説 筋収瞮では、ミオシンフィラメントの間にアクチンフィラメントが滑り蟌む。この説を滑り説すべりせ぀、sliding filament modelずいう。 比喩ずしお、よくアクチンが鉄道などのレヌルにたずえられ、ミオシンのほうがレヌルの䞊を移動する䜕らかの移動䜓などにミオシンが䟋えられる(啓林通の教科曞にもある比喩)。 なお、䜙談だが、怍物の原圢質流動でも、ミオシンずアクチンずの䜕らかの盞互䜜甚が起きおいる、ず考えられおいる※ 参考文献: 第䞀孊習瀟の専門『生物』。たた、アメヌバの運動は、アクチンによるものである※ 参考文献: 数研出版の専門『生物』。 筋原繊維は、筋小胞䜓に囲たれおいる。 神経の刺激によっお掻動電䜍が発生したさい、筋小胞䜓からCa2+が攟出される。 このCa2+がの䜜甚で、アクチンフィラメントにあるトロポニンず結合し、アクチンフィラメントに付着しおいるトロポミオシンの構造が倉化するこずで、トロポミオシンによっおさえぎられおいたアクチンのミオシン結合郚䜍が露出し、アクチンフィラメントがミオシンず䜜甚できるようになり、よっお筋収瞮が起きる。こうしおサルコメアが収瞮するこずで、筋収瞮が起きおいる。 - 筋収瞮 カ゚ルのふくらはぎの骚栌筋にぞの電気刺激の収瞮量の枬定実隓キモグラフを甚いるで、぀ぎの段萜で説明する単収瞮・匷瞮のしくみが事が明らかになっおる。 カ゚ルなどの実隓動物の骚栌筋に運動神経を付けたたた取り出したものを、神経筋暙本ずいう。 実隓動物の座骚神経ざこ぀ しんけいの぀いたたたの神経筋暙本に、1回の短い電気刺激を䞎えるず、収瞮したのち、すぐ0.1秒ほどに匛緩しかんする。この1回の電気刺激で起こる1回の収瞮を単収瞮(たんしゅうしゅく、twitch)ずいう。単収瞮のこずを、れん瞮れんしゅく, spasmずもいう。 - ※ 高校の理科の怜定教科曞では、坐骚ざこ぀の衚蚘は「座骚」です。倧孊教科曞などでは「坐骚」ざこ぀の衚蚘が䜿われる堎合もありたす。 筋肉が匛緩する前に次の電気刺激を行うこずを繰り返し぀づけるず、持続的で匷い収瞮を行う。この匷い収瞮を匷瞮(きょうしゅく、tetanus)ずいう。 動物の骚栌筋の運動での収瞮は、普通は、匷瞮である堎合が倚い。 匷瞮でも、刺激の頻床が䜎ければ1秒間に15回の割合、枬定される波圢は、単収瞮が重なり合ったようなギザギザした圢の䞍完党匷瞮になる。刺激の頻床がじゅうぶんに倚ければ1秒間に30回の割合、完党匷瞮になる。 筋繊維はニュヌロンによっお制埡されおいるため、神経線維の「党か無かの法則」ず同様、1本の筋繊維も、刺激の匷さが収瞮を起こせる䞀定倀閟倀以䞊の匷さの刺激があれば筋繊維は収瞮し、刺激が䞀定の匷さに届かなければ収瞮しない。 閟倀は筋繊維の䞀本䞀本ごずに違う。 - ※線集者ぞの泚意 ここに運動単䜍を図瀺しおください。 䞀本の運動ニュヌロンmotor neuronが枝分かれしお倚くの筋繊維を制埡する。この䞀本の運動ニュヌロンによっお管理されおいる筋肉を、それを管理する運動ニュヌロンずたずめお、運動単䜍うんどうたんいずいう。 筋肉が収瞮するさいの盎接の゚ネルギヌ源はATPである。筋肉の収瞮は、ATPを消費しお、ATPがADPに倉化する。ミオシンの頭郚にATP結合郚䜍があり、このミオシン頭郚がATP分解酵玠ずしおも働き、こうしおATPを分解するこずで筋収瞮の゚ネルギヌを埗おいる。 急激な運動などで、呌吞や解糖によるATP合成が远い぀かない堎合は、筋肉にたくわえられおいるクレアチンリン酞phosphocreatineを甚いお、ATPを合成する。 クレアチンリン酞は、ATPず同様に高゚ネルギヌリン酞結合を持っおいる。 䌑息時などでATPが十分にあるずきに、ATPの゚ネルギヌを甚いお、クレアチンからクレアチンリン酞が合成され、クレアチンリン酞が貯蔵され、゚ネルギヌを蓄えおいる。 その他の効果噚 - 発電噚官 シビレ゚むやデンキりナギなどが発電噚官をも぀生物には発電噚官がある。 発電噚官は筋肉が倉化した発電板()が倚数重なっおできおいる。 発電版には片偎に神経が分垃しおいる。 発電版は普段は倖偎が+で内偎が-であり、発電噚官を電流が流れるこずはないが、 興奮時は神経が分垃しおいる偎の電䜍が逆になり、発電板が盎列に぀ながるこずで高電圧を生じる。 シビレ゚むは5060V、デンキりナギは800Vの起電力が枬定される。 - 発光噚官 ホタルは腹郚に発光噚官を持぀。 発光噚官をも぀生物には、ホタル、ホタルむカ、オキアミなどが挙げられる。 ホタルの発光噚官は発光现胞局()ず反射现胞局()からなる。 発光现胞局から発光物質を分泌し、気管から取り蟌んだ酞玠ず反応させ発光させ、反射现胞局で光を倖偎に反射する。 りミホタルは口の近くの発光腺から発光物質を分泌する。 この物質が䜓倖で酞化し発光する。 ホタルは、雌ず雄ずが出䌚う手段ずしお、自己の発光を利甚しおいる。 ・ルシフェリンずルシフェラヌれ ホタルの尻尟にある噚官に、発光物質のルシフェリンがある。ルシフェリンが、酵玠のルシフェラヌれが觊媒ずしお、ATPず酞玠O2ず反応しお、酞化ルシフェリンオキシルシフェリンになる。この反応に䌎っお、発光が起こる。 - ルシフェリン  ATP → 酞化ルシフェリン  光 - 觊媒ルシフェラヌれ ・ルシフェリンの応甚おがえなくお良い。範囲倖。参考。 よっおATPの量の枬定手段ずしお、ルシフェリンず蛍光光床蚈を甚いるこずにより、ATP量が枬定できる。埮生物量枬定などのバむオテクノロゞヌにもルシフェリンが利甚されおいる。たた、遺䌝子組み換え実隓などでも、暗闇で光らせられるので、目的の现胞を芋分けるためのマヌカヌずしおも利甚されおいる。 ATP量の枬定に぀いおは、反応する前のルシフェリンずルシフェラヌれの量を、䞀定にしおおけば、ATPの量によっお発光の匷さが倉わるからである。ずころで、ほずんどの现菌は䜓内にATPをも぀から、ルシフェリンを甚いお、现菌の量を枬定できる。぀たり、埮生物による汚染の床合いを枬定できる。 遺䌝子組み換えに぀いおは、ルシフェラヌれを぀くる遺䌝子を目的の现胞に導入しおおくず、ルシフェラヌれの導入された怍物は、暗闇で光り茝くので、融合が成功したかどうかを確かめるこずができる。ルシフェラヌれ遺䌝子のように、现胞融合が成功したかどうかを確かめるための遺䌝子をマヌカヌずいう。 - 色玠胞ず䜓色倉化 動物の䜓色が倉化する珟象を䜓色倉化()ず呌ぶ。 䜓色倉化する生物には、ヒラメやカメレオンなどが挙げられる。 メダカの䜓色倉化は、色玠胞(しきそほう)ず呌ばれる现胞で、内郚にある色玠果粒()が、神経やホルモンの働きにより、凝瞮したり拡散したりするこずで起こる。 生物が胜動的に音を出すこずを発音ず呌び、 発音を行う噚官を発音噚官()ず呌ぶ。 ヒトの発音噚官は咜頭郚の声門(glottis)である。 声門の軟骚の間にある声垯(vocal cord)ず呌ばれる郚分が、通過する空気によっお振動しお声が出る。 腺の構造ず働き 特定の物質を分泌する噚官を腺(せん、gland)ず呌ぶ。 腺には、䜓倖に分泌する倖分泌腺(がいぶんぎせん、exocrine gland)ず、䜓内に分泌する内分泌腺(ないぶんぎせん、endocrine gland)がある。 内分泌腺はホルモンを䜓内の血流に分泌する。内分泌されたホルモンは血流によっお党身に運ばれる。 倖分泌腺には、皮膚で汗を分泌する汗腺(かんせん、sweat gland)や、口で唟液を分泌する だ腺(だせん、salivary gland)などがある。 分泌物は腺现胞()で䜜られ、排出管()を通り分泌される。 神経 ニュヌロンの構造ず働き 刺激をある噚官から別の噚官ぞ䌝える噚官系を神経系(しんけいけい、nervous system)ず呌ぶ。 神経系はニュヌロン(neuron)ず呌ばれる神経现胞から成り立っおいる。 ニュヌロンは、现胞䜓(さいがうたいcell body)ず、现胞䜓の呚りの倚数の暹状突起(じゅじょうずっき、dendrite)ず、现胞䜓から䌞びる䞀本の軞玢(じくさく、axon)からなる。 軞玢はシュワン现胞(Schwann cell)でできた神経鞘(しんけいしょう、neurilemma)で囲たれおおり、軞玢ず神経鞘をあわせお神経線維(nerve fiber)ず呌ぶ。 神経線維には髄鞘のある有髄神経線維()ず、髄鞘のない無髄神経線維()ずがある。 有髄神経線維の髄鞘のないくびれをランビ゚絞茪(ランビ゚こうりん、Ranvier's constriction ring)ず呌ぶ。 ニュヌロンずニュヌロンの連結郚をシナプス(synapse)ず呌ぶ。 刺激を受けた现胞が䌑止状態から掻動状態になるこずを興奮(こうふん、excitation)ず呌ぶ。 興奮がニュヌロンの䞭を䌝わるこずを䌝導(でんどう、conduction)ず呌び、 シナプスを介しおあるニュヌロンから別のニュヌロンぞ刺激の情報が䌝わるこずを䌝達(でんた぀、transmission)ず呌ぶ。 䌝導はニュヌロンの電気的倉化で䌝えられる。この電気を起こす正䜓はニュヌロンの现胞膜にあるむオンポンプやむオンチャネルの働きである。そのため、神経现胞は䜓液に取り囲たれおいる。神経での䌝導は、金属の電気䌝導などずはちがい、ニュヌロンの興奮の䌝導では電気が䌝わるのに時間が掛かる。無髄神経線維を興奮が䌝導する速さは1m/秒皋床。 有髄神経線維を興奮が䌝導する速さは100m/秒皋床である。 ニュヌロンの现胞内は刺激を受ける前、现胞内は負に垯電しおおり、膜倖を基準にするず膜内は 90mV  60mV  平均 70mV  の負の電䜍をもっおおり、このような刺激を受ける前の膜内の負の電䜍を静止電䜍(せいしでんい、resting potential)ずいう。 ニュヌロンの䞀郚に刺激を受けるず、䞀瞬、刺激を受けた堎所の電䜍が倉化する。 たず、刺激を受けた盎埌、刺激を受けた堎所の现胞内の電䜍は䞀瞬、现胞の内偎が倖偎よりも高い電䜍になり、现胞内は玄+40mVの電䜍をも぀。その埌、すぐ玄11000秒もずの静止電䜍にもどる。このような電䜍の倉化を掻動電䜍(か぀どうでんい、action potential)ずいう。 神経の興奮の正䜓は、掻動電䜍の発生である。 ニュヌロンの䞀郚分の興奮は、ニュヌロン䞊のずなりの现胞ぞず䌝わっおいく。これが䌝導でんどうである。その結果、興奮は、ニュヌロン線維の䞡偎ぞず䌝導しおいき、ニュヌロンの䞡端たで䌝わっおいく。 - むオンチャネルの働き - ※ 䞀般的なむオンチャネルに぀いおは、すでに『高等孊校生物/生物I/现胞の構造ずはたらき#受動茞送』で説明しおある。 - 本『環境ず動物の反応』のペヌゞでは、䞻に神経现胞のむオンチャネルに぀いお説明する。※ 高3の専門生物の範囲内です。 神経现胞の掻動電䜍にも、神経现胞の膜衚面にあるむオンチャネルずナトリりムポンプが関係しおいる。  - 神経现胞でも、静止状態ではナトリりムポンプの働きによっお、现胞の内偎でナトリりム濃床が高くカリりム濃床が䜎く、倖偎ではナトリりム濃床が䜎くカリりム濃床が高い他の䞀般の现胞でのナトリりムポンプの動䜜ず同様の結果の濃床募配。 - 䞀郚のカリりムチャネルが刺激の有無に䟝存せず挏れ出すので※ 東京曞籍・数研出版の怜定教科曞に蚘述あり、぀たりプラスの電荷をもったK+が现胞倖ぞ挏れ出すのだから、その結果、静止状態の现胞内は負に垯電しおいる。なお、この珟象を「分極」ぶんきょくず呌んでいる※ 東京曞籍に蚘述あり。 - ※ ずりあえず、神経现胞内が初期状態では負に垯電しおいる事が分かればいいだろう。  - 神経现胞のナトリりムチャネルは普段は閉じおいるが、電䜍が䞊昇するず、ナトリりムチャネルが開き、现胞内にナトリりムチャネルが流入する。その結果、现胞内の電䜍が䞊がり、今たでの負の電䜍から䞀瞬、正になる。なお、この珟象を「脱分極」ずいう※ 東京曞籍に蚘述あり。図「静止電䜍ず掻動電䜍」の、○の状態  - 䞊蚘のように现胞内の電䜍が正になり膜内倖の電䜍は逆転した結果、ナトリりムチャネルは閉じる。  - そしお现胞内に入ったナトリりムは、ナトリりム「チャネル」ではなくナトリりムポンプによっお倖に出されおいく。この際、ナトリムポンプの働きによっおカリりムK+が现胞内に取り蟌たれおいく。 - そしお、むオンの分垃が、もずにもどる。 - 党か無かの法則 1本のニュヌロンは、刺激の匷さが䞀定倀より匱いず興奮しない。この、さかいめの䞀定倀を閟倀いきちずいう。閟倀以䞊だずニュヌロンは興奮し、その興奮の倧きさは刺激の匷さによらず䞀定であり、掻動電䜍の倧きさは䞀定である。 ニュヌロンは、刺激に察しお、興奮するか、興奮しないか、のどちらか通りだけである。 ニュヌロンの、このような反応の珟れ方を党か無かの法則(ぜんかむかのほうそく、all-or-none law)ず呌ぶ。 - 興奮の䌝導 このようにしお軞玢のある箇所に掻動電䜍が起こるず、興奮郚ず隣接する静止郚の間に電流が生じ、その電流を掻動電流(か぀どうでんりゅう、action current)ずいう。掻動電流によっお隣ずなりの静止郚に興奮が起き、さらに、その興奮によっお、そのたた隣の静止郚に興奮が起き、ずいうように掻動電流によっお次々ず興奮が䌝わっおいく。 これを興奮の䌝導でんどう、conductionずいう。 興奮をした盎埌の郚䜍は、しばらく興奮しない状態になる。しくみは、むオンチャネルがしばらく䞍掻性になるからである。この興奮盎埌の郚䜍の刺激に応答しない時期のこずを、䞍応期ふのうきずいう。 このため、刺激を受けた堎所には興奮は戻らず、刺激は静止しおいる偎ぞず䌝わっおいく。 - 興奮の䌝導速床 興奮を䌝わる速床は、無髄神経繊維よりも、有髄神経線維のほうが、興奮の䌝わる速床が速い。 この理由は、有髄神経繊維では髄鞘ずいしょうは電気を通しにくい電気絶瞁䜓であり、掻動電流がランビ゚絞茪ランビ゚こうりんから隣のランビ゚絞茪ぞず飛び飛びに䌝わるためである。このように有髄神経線維にお、興奮がずびずびに絞茪から次の絞茪ぞず䌝導する珟象のこずを跳躍䌝導ちょうやくでんどう、 saltatory conductionずいう。 無髄神経繊維を興奮が䌝導する速さは1m/秒皋床で、 有髄神経繊維を興奮が䌝導する速さは100m/秒皋床である。 - ※ なお、解剖孊では人䜓各郚の繊維のこずを「線維」ずも曞く。高校生物の怜定教科曞2015幎に確認。では「繊維」を甚いおいる。 文献によっお、䌝導速床や倪さや枩床などの现かな数倀は、少し違う。なので、现かい数倀は、おがえなくお良い。たずえばネコの堎合、文献によっお、䌝導速床が120だったり110だったり100だったりする。だいたいの数倀を把握すればよい。 ※参考文献䌝導速床の数倀の出兞 - 䞊蚘の衚䞭のむカの数倀の出兞 - 怜定教科曞吉里勝利など『高等孊校生物』第䞀孊習瀟、平成24幎怜定枈、平成26幎2月10日、p.285・ よりむカの倀を参考・匕甚。 その他、各瀟の教科曞や参考曞などを参考文献・匕甚文献にした。 - 怜定教科曞嶋田正和など『生物』数研出版、平成26幎1月10日発行 - 氎野䞈倫など『理解しやすい生物I・II』文英堂、2004幎版 - 鈎朚考仁など『チャヌト匏シリヌズ新生物 生物基瀎・生物』数研出版、平成26幎4月1日発行 軞策が倪いほど、䌝導速床が速い。たた、枩床が40℃未満なら、枩床が高いほど、䌝導速床が速い。40℃以䞊に枩床が高くなるず、䌝導しにくくなる。 むカやミミズは、倪い神経軞策巚倧神経軞策を持っおおり、そのぶん、興奮が䌝わる速床も速い。逃げるさいなど、巚倧軞策のおかげで信号が早く䌝わるので行動の開始が早く、生存に有利だったず考えられおいる。 ふ぀う、神経は倚数の軞策からなっおいる。 刺激が倧きいほど、神経现胞の興奮の発生頻床が倚くなる。なぜなら刺激が匷いほど、個々のニュヌロンでの興奮の頻床も増え、たた、倚くの感芚现胞が反応するこずでニュヌロンも倚数が反応するからである。 脳で感じる興奮の倧きさの感芚の正䜓は、神経现胞から䌝えられた興奮の発生頻床である。興奮の頻床が高いほど、脳で感じる興奮が倧きくなる。 シナプスでの䌝達 䞀぀の軞玢の先端ず、他の神経现胞たたは筋肉などの効果噚ずの間の郚分をシナプスずいう。神経ず筋肉ずの間のこずもシナプスずいう。䞀぀の神経の信号は、シナプスを経お、぀ぎの神経たたは効果噚ぞず䌝わる。 シナプスには、小さな隙間すきた、かんげきがあり、シナプス間隙シナプスかんげきずいう。 シナプスから次のニュヌロンぞず信号を䌝える方法は、化孊物質の分泌ぶんぎ、ぶんぎ぀による。そのシナプスでの分泌物を神経䌝達物質(しんけいでんた぀ぶっし぀、neurotransmitter)ずいい、軞玢の末端から分泌される。神経䌝達物質には、ノルアドレナリンやアセチルコリン、セロトニン(serotonin)、γアミノ酪酞ガンマアミノらくさん、ドヌパミンdopamineなどがある。 亀感神経の末端からはノルアドレナリンが分泌される。副亀感神経の末端からはアセチルコリンが分泌される。筋肉を動かす神経である運動神経の末端からはアセチルコリンが分泌される。 軞玢の末端の内郚には、぀ぶ状のシナプス小胞(シナプスしょうほう、synaptic vesicle)ずいう物質があり、このシナプス小胞に䌝達物質が含たれおいる。シナプスに興奮が䌝わるずシナプス小胞から、アセチルコリン(acetylcholine)、ノルアドレナリン(noradrenaline)などの神経䌝達物質(neurotransmitter)が分泌されるこずで、ずなりの现胞に興奮が䌝えられる。 軞玢の末端に、電䜍に䟝存するカルシりムチャネル チャネル があり、このチャネルに掻動電䜍が到達するこずで、このチャネルが開き、が軞策末端の现胞内に流入する。このの流入によっお、シナプス小胞の膜が 軞策末端の膜シナプス前膜 ず融合し、神経䌝達物質がシナプス間隙に攟出される。 シナプスのうち、攟出偎の现胞のほうをシナプス前现胞シナプスぜんさいがうずいい、その攟出偎のシナプス前现胞の现胞膜を、シナプス前膜シナプスせんたくずいう。シンプスのうち、受け取り偎の现胞のほうをシナプス埌现胞シナプスこうさいがうずいい、そのシナプス埌现胞の现胞膜をシナプス埌膜シナプスこうたくずいう。 受取り偎の、ずなりの现胞の现胞膜には、䌝達物質の受容䜓があり、さらに、その受容䜓によっお働きの倉わるむオンチャネルがある。受容䜓がむオンチャネルを兌ね備えおいる堎合もあるしむオンチャネル型受容䜓、受容䜓ずむオンチャネルがそれぞれ存圚する堎合もある。 ※ 高校の範囲倖だろう。 さお、䌝達物質に䟝存するむオンチャネルが、受け取り偎の现胞膜に存圚しおいる。䌝達物質䟝存性のむオンチャネルが、䌝達物質ず受容䜓ずの結合によっお働いお、興奮に぀いおの信号がずなりの现胞に䌝わる。シナプスでの興奮が䞀方向 シナプス → ずなりの现胞 に䌝達され、信号は逆流はしない。 シナプスを介しおある軞玢から、ずなりの现胞ぞ興奮に぀いおの情報が䌝わるこずを䌝達(でんた぀)ず呌ぶ。シナプスから出る化孊物質によっお、興奮の情報は䌝達される。 シナプスで攟出される神経䌝達物質には、興奮をさせる興奮性の物質ず、興奮をさせにくくする抑制性の物質ずがある。興奮性の物質にはアセチルコリンやノルアドレナリンがある。抑制性の物質には、γアミノ酪酞ガンマアミノらくさん、GABAやグリシンがある。 - 同じ神経䌝達物質でも、受け取り偎の神経现胞によっお、興奮性にも抑制性にも、なりうる。たずえば、さきほどアセチルコリンを「興奮性」ず蚀ったが、じ぀は心臓の迷走神経めいそうしんけいなどではアセチルコリンが抑制性に働く堎合もある。 さお、興奮性の神経䌝達の堎合では、Naチャネルが開き、Naが现胞内に流入しお、掻動電䜍が生じる。シナプスに限らず、神経现胞の興奮は、ナトリりムむオンの神経现胞内ぞの流入によっお起きおいる。いっぜう、抑制性の神経䌝達物質の堎合は、Clチャネル読み「クロラむドチャネル」が開き、Clが现胞内に流入する。 これらのむオンチャネルの働きによっお、受け取り偎の现胞での膜電䜍が倉わるので、膜電䜍の高䜎によっお、興奮や抑制の、コントロヌルが行われおいる。 Naチャネルが開けば膜電䜍は高たり、膜電䜍が高たれば、受け取り偎の现胞は興奮をする。 いっぜう、Clチャネルが開けば膜電䜍は䞋がり、膜電䜍が䜎ければ、受け取り偎の现胞は抑制される。 NaチャネルずClチャネルの䞡方が開けば、膜電䜍の高䜎が打ち消しあう。 しだいに神経䌝達物質は、再吞収されたり、あるいは酵玠コリン゚ステラヌれなどによっお分解されたりするので、興奮や抑制は、しだいに終わっおいく。そしお、次に来る信号が䌝達可胜になる。 - ※ 範囲倖: アセチルコリンの化孊匏ぱステル構造である[6]。゚ステルの意味に぀いおは『高等孊校化孊I/脂肪族化合物/゚ステル』を参照のこず。 - ※ 「コリン゚ステラヌれ」ずいう名前からは たぎらわしいが、コリン゚ステラヌれは、コリンを゚ステル化するのではなく、アセチルコリンを分解しお゚ステルず酢酞に分解する酵玠である。 興奮性の䌝達物質を攟出するシナプスを興奮性シナプスexcitatory synapseずいい、いっぜう、抑制性の䌝達物質を攟出するシナプスを抑制性シナプスinhibitory synapseずいう。 シナプスの埌膜の電䜍のこずを埌電䜍こうでんいあるいは埌膜電䜍こうたくでんいずいう。興奮性シナプスの埌電䜍のこずを興奮性シナプス埌電䜍EPSPexcitatory postsynaptic potentialずいう。抑制性シナプスの埌電䜍のこずを抑制性シナプス埌電䜍IPSPinhibitory postsynaptic potentialずいう。 シナプスで情報がシナプス前现胞からシナプス埌现胞に䌝わるのに、玄1ミリ秒2ミリ秒がかかり、この遅れおくれのこずをシナプス遅延シナプスちえんずいう。 - 発展コカむンずドヌパミン - 参考毒ガスのサリン 神経毒のサリンは、アセチルコリンの分解を行う酵玠コリン゚ステラヌれの働きを、さたたげる。数研のチャヌト匏だけでなく専門生物の怜定教科曞にも曞いおある。 神経系の皮類 - ※線集者ぞ泚意 ここにヒドラやプラナリアやミミズや昆虫バッタあるいはハチなどの神経系の図を远加しおください。 神経系の皮類には、神経现胞ニュヌロンが䜓党䜓に散圚し網目状に連絡しおいる散圚神経系(diffuse nervous system)ず、脳・脊髄などに神経现胞ニュヌロンのあ぀たった集䞭神経系(concentrated nervous system)がある。 脳・脊髄・神経節などをたずめお䞭枢神経系(ちゅうすうしんけいけい、central nervous system)ずいう。集䞭神経系の動物の神経のうち、䞭枢神経以倖の郚分の神経を末梢神経系(たっしょうしんけいけい)ずいう。 散圚神経系をも぀生物にはむ゜ギンチャクやヒドラやクラゲなどがあげられる。 集䞭神経系は、脊怎動物などにみられる。ミミズやプラナリアの神経は、集䞭神経系である。バッタ・ハチなど昆虫の神経系は集䞭神経系である。 脊怎動物の脳の構造ず働き - ※線集者ぞ泚意 ここにタラ魚類の脳、カ゚ル䞡生類の脳、ガチョり鳥類の脳の図を远加しおください。 - ※ 教科曞には魚類などの脳の図もあるが、実は参考曞には、あたり魚類や䞡生類の脳は曞いおない。少なくずも近幎のチャヌト匏では、芋あたらない。 感芚噚で受けた刺激の情報は感芚神経によっお脳(のう、brain)ぞ送られ、 脳はその情報を刀断し、 運動神経によっお効果噚に情報が送られ反応する。 脊怎生物の脳は倧脳(だいのう、cerebrum)、間脳(かんのう、diencephalon)、䞭脳(ちゅうのう、midbrain)、小脳(しょうのう、cerebellum)、延髄(えんずい、medulla oblongata)からなる。 ヒトの脳には玄䞀千億個のニュヌロンがあり、そのニュヌロンには数千のシナプスがあり、耇雑なネットワヌクを圢䜜っおいる。 - 倧脳 倧脳の構造は、巊右の半球に分かれおおり、それら巊右を結ぶ脳梁(のうりょう、corpus callosum)がある。 䞡半球は衚局は倧脳皮質(だいのうひし぀、cerebral cortex)でおおわれおおり、ニュヌロンの现胞䜓があ぀たっお灰色をしおいるため 灰癜質かいはくし぀ずいう。 内郚には倧脳髄質(だいのうずいし぀、cerebral medulla)があり、倚くの神経線維が通っおいお癜色をしおいるため 癜質はくし぀ずいう。 倧脳皮質には、新皮質(しんひし぀、neocortex)ず、叀皮質こひし぀および原皮質げんひし぀からなる蟺瞁皮質ぞんえんひし぀がある。ヒトの倧脳では新皮質が発達しおいる。ヒトの叀皮質および原皮質は、倧脳に囲たれおおり、そのため内偎に叀皮質および原皮質が隠れおいる。 新皮質には芖芚・聎芚など感芚の䞭枢があり 感芚野かんかくや、sensory cortex 、たた、運動の䞭枢があり 運動野うんどうや、motor cortex 、たた、蚘憶・思考・理解などの孊習を必芁ずする粟神掻動を぀かさどる䞭枢 連合野れんごうや、association cortex がある。 蟺瞁皮質は、本胜などを叞る。蟺瞁皮質にふくたれる海銬かいば、hippocampusずいう郚分が蚘憶を䞻に぀かさどる。 - 脳幹 䞭脳・間脳・延髄を 脳幹のうかん、brainstem ずいう。 - 間脳 間脳の䜍眮は䞭脳ず倧脳の間に䜍眮し、構造は芖床(ししょう、thalamus)ず芖床䞋郚(ししょうかぶ、hypothalamus)に分かれおいる。芖床䞋郚に自埋神経系の䞭枢があり、䜓枩の調敎や内臓の働きを調敎しおいる。たた、芖床䞋郚は脳䞋垂䜓のうかすいたいず぀ながっおおり、ホルモンの分泌を調敎しおおり、血糖倀を調敎しおいる。芖床は倧脳ぞの感芚を䞭継する。 - 䞭脳 䞭脳の構造は、間脳の埌方、小脳の䞊方に䜍眮しおいる。 䞭脳の働きは、間脳ず小脳ずの通路になっおいる。県球運動や瞳孔反射の䞭枢、聎芚反射、姿勢制埡などを叞る䞭枢がある。 - 小脳 小脳の構造は、倧脳の埌䞋郚に䜍眮しおいる。 小脳には、䜓の平衡、筋肉の運動機胜を叞る䞭枢がある。 - 延髄 延髄の構造は、脳の最䞋郚に䜍眮し、脊髄に続いおいる。 延髄には、呌吞・血液埪環心臓の拍動・消化などを叞る䞭枢がある。 延髄より䞋の䜓の右偎は、脳の巊偎が担圓する。延髄より䞋の䜓の巊偎は、脳の右偎が担圓する。なぜなら、神経が延髄を通るずきに、倚くの神経で、巊右が亀差するからである。したがっお脳の右偎が損傷するず、䜓の巊偎が麻痺たひ・䞍随ふずいになる。 参考 血液脳関門け぀えき のうかんもん ※未執筆 脊髄の構造ず働き さお、䞭孊で習うように、生物孊の神経分野でいう「反射」ずは、たずえば熱いものに手が觊れたずきには、思わず手を匕っ蟌めるように、意識ずは無関係にすばやく行われる反応である。 たた、倧脳を介さない反応もあり、脊髄がそのような、倧脳を介さない反射の䞭枢になっおいるので、そのように倧脳を介さないで脊髄が䞭枢になっおいる反射のこずを脊髄反射(せきずいはんしゃ、spinal reflex)ずいう。 脊髄反射には屈筋反射(くっきんはんしゃ、flexor reflex)やし぀がい腱反射(し぀がいけんはんしゃ、膝蓋腱反射、knee jerk)などの反射がある。 し぀がい腱反射ずは、ひざの骚のすぐ䞋を軜く叩くず、足が勝手に跳ね䞊がる珟象のこずである。 し぀がい腱反射なら、打撃により、ひざ郚の筋玡錘が興奮し、その興奮による信号が感芚神経を䌝わっおいく。 し぀がい腱反射に限らず䞀般に反射のさい、興奮が䌝わる経路のこずを 反射匓(はんしゃきゅう、reflex arc)ず呌ぶ。 し぀がい腱反射の堎合の反射匓は - 受容噚→感芚神経→反射䞭枢→運動神経→効果噚 である。 反射は倧脳を経由しないため無意識で玠早く行われる。 し぀がい腱反射は、倧脳を介さないので、脊髄反射に分類される。 し぀がい腱反射では、し぀がい腱をたたくず、倧腿四頭筋が瞮み、膝関節が䌞びる反射を起こす。し぀がい腱反射での神経䞭のシナプスの数は、し぀がい腱反射では介圚ニュヌロンを経由せず、よっおシナプスは1぀である。 屈筋反射くっきんはんしゃでは、䟋えば熱いものに觊れた時、手を思わず匕っ蟌めるような、屈筋が瞮む反射を起こす。屈筋反射での神経䞭のシナプスの数は、屈筋反射では介圚ニュヌロンを経由するため、シナプスは2぀である。 屈筋反射は、倧脳を介さないので、脊髄反射に分類される。 その他の反射ずしお、口に物を入れたずきの、だ液の分泌も反射である。だ液の反射䞭枢は延髄にある。暑いずきの発汗も反射である。 目の瞳孔が、光を受けるず瞮小する、瞳孔の瞮小も反射である。瞳孔の反射䞭枢は䞭脳にある。 - 解剖孊的なこず - 脊髄(せきずい、spinal cord)は、脳の延髄の䞋方に続き、脊柱(vertebral column)の管内を通る、䞭枢神経である。 - 脊髄の内偎は现胞䜓でできた灰癜質であり、倖偎は神経繊維でできた癜質である。 - 感芚神経は背根(はいこん、dorsal root)ず呌ばれる郚分を通り、 - 運動神経ず自埋神経は腹根(ふくこん、ventral root)ず呌ばれる郚分を通る。 - 受容噚で発生した興奮は、感芚神経によっお背根を通り、灰癜質・癜質を通り、倧脳ぞ䌝わる。 - そしお、倧脳から興奮が、癜質・灰癜質を通り、運動神経によっお腹根を通り、効果噚ぞ䌝わる。 - 内臓など 内臓の働きや、消化や、䜓内のホルモンや血糖の調敎なども意識ずは無関係に行われるが、これらの珟象も「反射」であるずしお分類されおいる※ 怜定教科曞の範囲。内臓など、こういった働きを制埡しおいる神経のこずを自埋神経ず蚀うので、「自埋神経」が内臓などの「反射」を調節しおいるず蚀える。 末梢神経系の皮類 末梢神経系には、脳から䌞びる脳神経(cranial nerves)ず、脊髄から䌞びる脊髄神経(spinal nerves)ずがある。 たた、末梢神経系は、䜓の感芚や運動に関する䜓性神経系(たいせいしんけいけい、somatic nervous system)ず、 意思ずは無関係に働く自埋神経系(じり぀しんけいけい、autonomic nervous system)に分けるこずもできる。 䜓性神経系には、感芚神経(sensory nerve)ず運動神経(motor neuron)がある。 自埋神経系には、亀感神経(こうかんしんけい、sympathetic nerve)ず副亀感神経(ふくこうかんしんけい、parasympathetic nerve)がある。亀感神経ず副亀感神経は察抗的に働くこずが倚い。 - 神経系の分類 たずめ 䞭倮 神経系━┳━䞭枢神経系━┳━脳 ┃ ┗━脊髄 ┃ ┗━抹しょう神経系━┳━䜓性神経系━┳━運動神経 ┃ ┗━感芚神経 ┃ ┗━自埋神経系━┳━亀感神経 ┗━副亀感神経 ヒトの脳神経は12察であり、脊髄神経は31察である。 動物の行動 珟過皋・新課皋の基瀎なし科目「生物」に詳现を茉せたのでそちらを芋おください。 脚泚 - ^ KIM E. BARRETT ほか原著改蚂、岡田泰䌞 監蚳『ギャノング生理孊 原著23版 』䞞善株匏䌚瀟、平成23幎1月31日 発行、P234 - ^ 吉里勝利ほか『スク゚ア 最新図説生物』第䞀孊習瀟、2004幎1月10日発行、p.137 - ^ 小柀瀞叞・犏田康䞀郎 監修『暙準生理孊』、医孊曞院、2015幎8月1日 第8版 第2刷、P10、 - ^ 小柀瀞叞・犏田康䞀郎 監修『暙準生理孊』、医孊曞院、2015幎8月1日 第8版 第2刷、P105、 - ^ 吉里勝利ほか『スク゚ア 最新図説生物』第䞀孊習瀟、2004幎1月10日発行、p.141 - ^ 今井正 ほか『暙準薬理孊 第7版』 、医孊曞院、2015幎3月25日 第7版 第1刷、P226 参考文献 - 田䞭隆荘ほか『高等孊校生物I』第䞀孊習瀟、2004幎2月10日発行、pp.156-213 - 『NHK高校講座 生物』第22-33回 - 生物孊甚語蟞兞 - Weblio 孊問 その他、高校の怜定教科曞などを参照。 [1] - ^ 吉里勝利ほか『スク゚ア 最新図説生物』第䞀孊習瀟、2004幎1月10日発行、p.155
これたでの埩習 䞭孊や、高校生物Iの他の単元で説明した内容の埩習である。 すでに読者が理解できおいれば、節『怍物の反応ず調節』ぞず進んで、新たな内容を勉匷するこず。 導入 怍物は䞀か所に固定しお暮らすため、 倖郚環境の倉化に倧きな圱響を受ける。 怍物は倖郚環境の倉化に察しお、 自身の成長などを調節するこずで察応する。 このペヌゞでは、 怍物ず氎分・光の関係、 怍物の発芜・成長・花芜圢成の調節、 などを扱う。 怍物の生掻ず環境 環境芁因 環境のうち生物に圱響を䞎えるものを環境芁因ず呌ぶ。 怍物に察する環境芁因は光・氎・倧気酞玠・二酞化炭玠、土壌などがある。 光は、怍物が光合成を行うための゚ネルギヌ源ずなっおいる。 氎は、化孊反応を行う堎ずなったり、様々な物質を茞送しおいる。 怍物は光合成だけでなく呌吞も行っおいる。酞玠はその呌吞に必芁であり、二酞化炭玠は光合成に必芁である。 土壌䞭の栄逊塩類は、怍物が成長するために必芁である。 氎分の吞収ず移動 氎は怍物に必芁なものの䞀぀で、 怍物は氎を根の根毛から吞収し、 茎の道管を通しお移動し、 葉の気孔から蒞散する。 根の倖偎には衚皮现胞やその衚皮现胞が倉圢した根毛があり、吞氎を行っおいる。 その埌、氎は皮局の现胞やその間を通り、道管・仮道管ぞ到達する。 根の内郚の浞透圧はその倖郚の浞透圧より高いので、 根は吞氎する。 この圧力を根圧(root pressure)ず呌ぶ。 氎分子は互いに匕き合う凝集力()をもっおいる。 この凝集力によっお氎は導管で途切れるこずなく続いおいる。 è’žæ•£(transpiration)にはクチクラ蒞散ず気孔蒞散があるが、ほずんどは気孔蒞散である。 蒞散量の調節は気孔の開閉によっお行われる。 蒞散は、氎を匕き䞊げる力ずなっおいる。 気孔は、2぀の孔蟺现胞が向かい合っおできおいる。 孔蟺现胞の现胞壁は、内偎が倖偎より厚くなっおいる。 氎分を吞収しお膚圧が高くなるず、倖偎に曲がり、気孔が開く。 根圧、氎分子の凝集力、蒞散によっお、 怍物は氎を吞収し移動させおいる。 光合成 怍物は光゚ネルギヌにより、 氎ず二酞化炭玠から、 グルコヌスを合成しおいる。 これを光合成(photosynthesis)ず呌ぶ。 怍物は光合成で二酞化炭玠から酞玠を䜜るずずもに、 呌吞で酞玠から二酞化炭玠を䜜っおいる。 したがっお、実際の光合成速床(photosynthetic rate)は、芋かけの光合成速床(apparent photosunthetic rate)ず呌吞速床(respiration rate)を足したものである。 むギリスのフレデリック・ブラックマンは、 光合成速床は、光の匷さ、二酞化炭玠濃床、枩床のうち最も䞍足したもの(限定芁因(limiting factor))によっお決たるずする限定芁因説()を唱えた。 光の匷さず光合成速床 二酞化炭玠濃床ず枩床を䞀定にし、光の匷さを倉えおみる。 光の匷さず光合成速床をグラフにしたずき、 光合成速床ず呌吞速床が等しく、芋かけの光合成速床がれロになる点を補償点(compensation point)ず呌ぶ。 たた、光の匷さを䞊げおも光合成速床がそれ以䞊䞊がらなくなる点を光飜和点(photic saturation point)ず呌ぶ。 日向を奜む陜生怍物(sun plant)では、補償点や光飜和点は比范的高く、 匱い光でも生育できる陰生怍物()では、補償点や光飜和点は比范的䜎い。 陜生怍物にはクロマツ、゜ラマメ、ススキなどがあり、 陰生怍物にはブナ、コミダマカタバミなどがある。 たた、同じ怍物でも、日圓たりの良いずころの葉陜葉, sun leafは補償点や光飜和点は比范的高く、 日圓たりの悪いずころの葉陰葉, shade leafは補償点や光飜和点は比范的䜎い。 二酞化炭玠濃床ず光合成速床 光の匷さず枩床を䞀定にし、二酞化炭玠濃床を倉えおみる。 二酞化炭玠濃床ず光合成速床をグラフにするず、 二酞化炭玠濃床が䞊がるずずもに光合成速床も䞊がるが、 二酞化炭玠濃床がある䞀定の倀以䞊になるず光合成速床は䞊がらなくなる。 これは、二酞化炭玠濃床が䜎いずきは二酞化炭玠濃床が限定芁因ずなり、 二酞化炭玠濃床が高いずきは二酞化炭玠濃床以倖が限定芁因ずなっおいるためである。 枩床ず光合成速床 光の匷さず二酞化炭玠濃床を䞀定にし、枩床を倉えおみる。 枩床ず光合成速床をグラフにするず、 枩床がある䞀定の倀の時に光合成速床が最も䞊がり、 枩床が䜎すぎたり高すぎたりするず光合成速床は䞋がる。 これは、光合成を行う酵玠の働きに最適な枩床があるためである。 怍物の反応ず調節 発芜 䌑眠(dormancy)した怍物の皮子が芜を出し発育を始めるこずを発芜(Germination)ず呌ぶ。 発芜には、氎分・枩床・酞玠などの条件がそろうこずが必芁である。 䌑眠した皮子の発芜には、氎が必芁である。 皮子の呚りには氎を通しにくい皮皮ず呌ばれるものがあり、これが皮子の䌑眠を維持しおいる。 皮子の䌑眠にはアブシシン酞(abscisic acid)ずいう怍物ホルモンが関係しおいる。アブシシン酞は発芜を抑制する。 発芜にはゞベレリン(gibberellin)ず呌ばれる別の怍物ホルモンが、発芜を促進しおいる。 このようにゞベレリンずアブシゞン酞は、皮子の発芜に関しお、拮抗的きっこうおきに、察立する。 むネやコムギの皮子では、胚がゞベレリンを合成し分泌する。そしおゞベレリンは胚乳の倖偎にある糊粉局こふんそうの现胞に働きかけるこずで、酵玠のアミラヌれの発珟を誘導しお、アミラヌれが胚乳にふくたれるデンプンを分解するこずでグルコヌスなどの糖が生成され、これらの糖が発芜のための゚ネルギヌ源になる。 レタス、マツペむグサ、タバコ、シ゜などは発芜に光を必芁ずする皮子であり、光発芜皮子(ひかりは぀がしゅし、photoblastic seed)ずいう。 いっぜう、カボチャ、ケむトり、キュりリなどは発芜に光を必芁ずしない皮子であり、暗発芜皮子(あんは぀がしゅし、dark germinater)ずいう。 レタスの皮子光発芜皮子は、赀色光(せきしょくこう、波長660nm)を圓おるず発芜を促進し、遠赀色光(えんせきしょくこう、波長730nm)を圓おるず発芜が打ち消される。 赀色光ず遠赀色光を亀互にあおた堎合、最埌に照射された光の波長によっお発芜の有無が決たる。 最埌に赀色光を圓おた堎合には発芜しお、いっぜう最埌に遠赀色光を圓おた堎合には発芜しない。 このような仕組みは、怍物が、他に怍物の倚い堎所では発芜しないようにするための工倫であるず考えられおいる。なぜなら、光は怍物の葉を通過するず、赀色光などは吞収されお遠赀色光だけになる。もし、他に怍物が倚いず、他の怍物に地䞭の栄逊や氎分などを奪われやすいからである。 光発芜皮子の発芜には、フィトクロム(phytochrome)ずいう色玠タンパク質が受容䜓ずしお関係しおいる。フィトクロムのように、光を受け取る受容䜓を光受容䜓ひかりじゅようたいずいう。フィトクロムには2぀の型があり、赀色光を感じる型PRたたはPrず衚蚘ず、遠赀色光を感じる型(PFRたたはPfrず衚蚘)がある。これらは光を吞収するこずによっお盞互に倉換しあう。PRは赀色光を吞収するこずでPFRに倉化する。PFRは遠赀色光を吞収するこずでPrに倉化する。このフィトクロムの2぀の型によっお、最埌に圓たった光の波長が赀色光か遠赀色光かを区別しおいる。 PFR型が増えるずゞベレリンの合成が誘導され、ゞベレリンによっお発芜が促進される。 いっぜう、他の怍物が生い茂っおいる堎所などにある皮子では、たわりの怍物の葉緑䜓が赀色光を吞収しお、吞収されなかった遠赀色光が皮子に届くので、皮子䞭のフィトクロムではPFRが遠赀色光を吞収しおPRになっおるため、皮子䞭にPR型フィトクロムが倚く、PFR型は少ない。 こうしお皮子は花芜圢成や皮子の発芜を調節しおいる。 レタスの皮子の発芜はゞベレリンによるものなので、たずえ暗所であっおも、レタスの皮子にゞベレリンを倖郚から䞎えれば、レタスの皮子は発芜する。 成長 怍物が刺激の方向に察しお䞀定の方向に屈曲する性質を屈性(くっせい、tropism)ず呌び、 刺激の方向に関係なく運動する性質を傟性(けいせい、nasty)ず呌ぶ。 屈性には、光屈性(phototropism)、重力屈性(gravitropism)、氎分屈性(hydrotropism)、化孊屈性(chemotropism)、接觊屈性(thigmotropism)などがある。 刺激の方向ぞ向かっお屈曲するこずを正の屈曲ずいい、 その逆を負の屈曲ずいう。 傟性には、傟熱性(thermonasty )、傟光性photonasty、傟觊性(aeschynomenous)などがある。 オヌキシン(auxin)ずいう怍物ホルモンが、光屈性に関係しおいる。オヌキシンは茎の先端郚で合成される。そしお、オヌキシンは光の圓たらない偎に移動する。そしお、オヌキシンの倚い偎぀たり光の圓たらない偎では、现胞が、より䌞匵するため、結果的に怍物が曲がる。 怍物の倩然のオヌキシンはむンドヌル酢酞(むンドヌルさくさん、IAA、indole acetic acid)である。 光屈性の研究にはダヌりィン、ボむセン・むェンセン、りェント、ケヌグルらの研究がある。 - ダヌりィンの実隓 1880幎、進化論でも有名なダヌりィン父子むギリスは、 カナリヌクサペシ孊名Phalaris canariensisの幌葉鞘を甚いお䞀方向から光を圓おる光屈性の実隓を行った。 そのたた光を圓おるず、光の方向に屈曲した。 幌葉鞘ようようしょう、英: coleoptile、子葉鞘ずもを土の䞭ぞ埋め、先端郚だけ土の䞭から出すず、先端郚の䞋方で屈曲した。 先端郚を錫箔で芆うず、屈曲しなかった。 これらから、幌葉鞘は、光の方向を感知するのは先端郚であり、その刺激に反応しお先端郚よりも䞋の郚䜍が屈曲するこずがわかった。 - ボむセン むェンセンの実隓 1913幎、デンマヌクのボむセン・むェンセンは、 マカラスムギ孊名Avena sativaの幌葉鞘を甚いお䞀方向から光を圓おる実隓を行った。 先端郚を切り、先端郚ず基郚ずの間に、れラチン片を挟むず、屈曲した。れラチン片は氎を通す。 光偎に雲母片を刺すず、屈曲した。 圱偎に雲母片を刺すず、屈曲しなかった。 これらから、幌葉鞘は、 光を先端郚で受容するず、 れラチン片を通る成長促進の物質が䜜られ、その成長促進物質は光の圓たらない偎に移動しお、そしお䞋方に移動しお䜜甚するこずがわかった。そしおれラチン片は氎を通すこずから、成長を促進する物質は、氎溶性であるこずを瀺唆し、実際に氎溶性であるこずが、のちに分かっおいる。 - りェントの実隓 1928幎、オランダのりェントは、 マカラスムギの幌葉鞘を甚いお䞀方向から光を圓おる実隓を行った。 たず、先端郚だけを寒倩片に乗せ、䞀方向から光を圓おる。 次に、その寒倩片を光偎ず圱偎に半分に分け、 それぞれを先端郚を切陀した幌葉鞘に乗せる。 するず、光偎の寒倩片を乗せた幌葉鞘は成長しなかったが、 圱偎の寒倩片を乗せた幌葉鞘は成長した。 これらから、先端郚で䜜られた化孊物質は、 圱偎ぞ移動しおから䞋降し、 成長を促進するこずがわかった。このような怍物成長の促進物質があるこずが分かり、オヌキシン(auxin)ず名づけられた。オヌキシンのように、埮量で怍物の成長や䜜甚を調節する物質をたずめお怍物ホルモンずいう。 たた、りェントは屈曲の角床から成長促進物質の濃床を調べるアベナ屈曲詊隓法(avena curvature test)別名アベナテストを考案した。マカラスムギの孊名 avena sativaアベナ サティバの属名に由来する。 1934幎、ドむツのケヌグルは、 怍物の、これらの成長促進物質をオヌキシン(auxin)ず名づけた。このずき、ただオヌキシンの化孊構造ははっきりしおいなかった。 のちに怍物の倩然のオヌキシンはむンドヌル酢酞(むンドヌルさくさん、IAA、indole acetic acid)ずいう物質であるこずを突き止めた。 - オヌキシンの極性移動 オヌキシンは、茎の先端から根の方向ぞず移動する。逆には移動しない。これは茎をさかさたにしおも、移動方向は、茎頂→根のたた倉わらない。たずえば幌葉鞘を切り取っおさかさたにしお、䞊偎根の偎をオヌキシンをふくんだ寒倩片に接觊させおも、倒立した幌葉鞘ではオヌキシンは移動しない。このようにオヌキシンの移動に茎→根ずいう方向性があるこずを極性きょくせいずいい、このような極性にしたがったオヌキシンの移動のこずを極性移動きょくせい いどうずいう。 怍物の现胞膜にはオヌキシンを取り入れるタンパク質(AUX1)ず、オヌキシンを排出するタンパク質(PIN)があるこずが分かっおいる。これらのオヌキシン茞送タンパク質が、怍物の噚官ごずに、それぞれ现胞の特定方向の面に片寄っおいるので、結果的にオヌキシンの極性移動が行われる。 - オヌキシンず重力による移動の仕組み - アミロプラストず重力屈性。垂盎の堎合。 - 氎平の堎合。 オヌキシンが移動する仕組みに぀いおは、ただ未解明の郚分があり、孊者たちの研究䞭である。 今のずころの説は、オヌキシンむンドヌル酢酞は、现胞壁や现胞膜に䜜甚しおいるず考えられおおり、酞の氎玠むオンHが関わっおいるずされおいる。 根の重力屈性の仕組みは、根冠の现胞䞭にあるアミロプラストずいうデンプンをふくむ现胞小噚官が倚くあり、このアミロプラストが重力によっお䞋方に移動し、その现胞内の䞋郚にアミロプラストが集たるこずが、オヌキシンを茞送するオヌキシン茞送タンパク質AUX1やPINに、䜕らかの圱響を䞎えおいるずされおいる。 - オヌキシンの感受性ず重力屈性 - オヌキシンの噚官ごずの感受性。 - 氎平にした幌葉鞘の重力屈性 オヌキシンの最適濃床は怍物の噚官によっお異なる。 オヌキシンの最適濃床は 茎偎芜根 の順ずなっおいる。さらに、オヌキシンの濃床が高すぎるず、成長が抑制される。 オヌキシンは極性移動ずは別に、重力によっお移動する。幌葉鞘を氎平にするずオヌキシンは重力によっお䞋郚に集たる。茎ず根でオヌキシンの最適濃床が違い、最適濃床を倧幅に越えるず、むしろ抑制されるため、結果的に茎ず根が、䞊図『氎平にした幌葉鞘の重力屈性』のように曲がっお成長しおいく。重力ず同じ方向に曲がる根のがわが正の重力屈性である。茎のがわは負の重力屈性である。 - 頂芜優勢 茎の頂芜ちょうが、茎の先端の芜のこずが成長しおいるずきは、そのオヌキシン濃床では偎芜そくがは抑制されお成長できない。 これを頂芜優勢(ちょうがゆうせい、apical dominance)ず呌ぶ。頂芜優勢には、サむトカむニンずいう別の怍物ホルモンも関係しおいる。 頂芜を陀去しおも切断芜にオヌキシンを䞎えるず、偎芜は成長しない。たた、頂芜を残しおも偎芜にサむトカむニンを䞎えるず、偎芜は成長する。これらの結果から仮説ずしお、オヌキシンが、偎芜の成長に必芁なサむトカむニンの合成を抑制しおいる、ず考えられおいる。 - オヌキシンの光屈性 未蚘述 - その他 オヌキシンの他の怍物ホルモンずしおは、 怍物の成長を促すゞベレリン(gibberellin)、 果実の成熟を促す゚チレン(ethylene)、 现胞分裂を促すサむトカむニン(cytokinin)、 皮子の䌑眠を維持するアブシシン酞(abscisic acid)などがある。 - ゞベレリン(gibberellin) ゞベレリンの発芋は、むネの銬鹿苗病ばかなえびょうずいう草䞈の倧きくなる病気の研究から、黒沢英䞀によっお発芋され1926幎、藪田貞治郎によっお単離・結晶化され呜名された1930幎代。あるカビ孊名Gibberella、ゞベレラ属がゞベレリンを分泌するこずが分かり、そのゞベレリンがむネの草䞈を倧きくしおいるこずが分かった。圓初はゞベレリンはカビの産生する毒玠ず考えられおいた。その埌、健康な怍物自䜓もゞベレリンを生成しおいるこずが分かり、ゞベレリンは怍物ホルモンだず分かった。 ゞベレリンの䜜甚は草䞈を䌞ばす以倖にもあり、受粉しおない子房に果実を぀くらせ成長させる単為結実ので、皮無しブドりなどの生産にもゞベレリンは利甚されおいる。受粉しおない子房に果実䜜らせるこずを単為結実たんいけ぀じ぀ずいう。 - ゚チレン ゚チレンは気䜓であり、化孊匏 C2H4 の怍物ホルモンである。゚チレンは果実の成熟をうながす。熟したリンゎからぱチレンが良く出おくる。密閉した容噚に熟したリンゎず未熟なバナナを入れおおくず、バナナが早く熟す。䞀぀の箱にリンゎをいく぀も入れおおくず、䞀぀でも塟すず、゚チレンを出しお他のリンゎも熟させるので、ほが同時に倚くのリンゎが熟す。 気孔の開閉 たず、充分な氎がある堎合、気孔にある孔片现胞に氎が取り蟌たれ、孔片现胞が湟曲し、結果的に気孔が開く。 氎分が䞍足するず、葉でアブシゞン酞が合成され、葉でのアブシゞン酞の濃床が高たり、浞透によっお埌線现胞からは氎が流出し、孔片现胞の膚圧が䜎䞋しお気孔が閉じる。 花芜圢成 成長すれば花ずなる芜を花芜(floral bud)ず呌ぶ。 花芜圢成には光や枩床が関係しおいる。 花芜圢成が暗期の長さによっお調節される性質を光呚性(photoperiodism)ずいう。 怍物は䞀定の長さの暗期が続くず花芜圢成を行い、 この䞀定の長さの暗期を限界暗期(critical dark period)ずいう。 限界暗期以䞋で花芜を圢成する怍物を長日怍物(long-day plant)ずいい、 限界暗期以䞊で花芜を圢成する怍物を短日怍物(short-day plant)ずいい、 限界暗期に圱響を受けない怍物を䞭性怍物(neutral plant)ずいう。 長日怍物にはアブラナ、ホりレン゜りなどがあり、 短日怍物にはダむズ、コスモスなどがあり、 䞭性怍物にはトマト、トりモロコシなどがある。 人為的に限界暗期を短くするこずを長日凊理(long-day treatment)ずいい、 人為的に限界暗期を長くするこずを短日凊理(short-day treatment)ずいう。 光呚性に働きかけるホルモンは花成ホルモン(flowring hormone)ず呌ばれ、フロリゲン(florigen)がある。 フロリゲンは葉で光を感知するこずで合成され、垫管を通るこずが分かっおいる。 花芜圢成には䜎枩にさらされるこずが必芁な怍物もある。 これを春化(vernalization)ず呌び、人工的に春化するこずを春化凊理()ず呌ぶ。 春化が必芁な怍物には、秋たきコムギなどがある。 脚泚 - ^ 吉里勝利ほか『スク゚ア 最新図説生物』第䞀孊習瀟、2004幎1月10日発行、p.176 参考文献 - 田䞭隆荘ほか『高等孊校生物I』第䞀孊習瀟、2004幎2月10日発行、pp.214-243 - 『NHK高校講座 生物』第34-38回 - 生物孊甚語蟞兞 - Weblio 孊問