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いい子わるい子
§
あどけない声に包まれると時折、世界で私一人が大人なのだという錯覚に陥る。
それほどまでに、私の日々は子供の声で溢れていた。
「先生っ、出席簿持ってきました」
たとえば、こんな風に。
教卓から後ろを振り向けば、黒い板を差し出す娘の姿があった。
私は大きく頷いてから、それを受け取る。
「ご苦労様。じゃあ、代わりにこれを届けてくれ」
それから山になった計算ドリルを示してやった。
側に立っていたのは、いかにも真面目な六年生だ。体育の時間だったのだろう。やや声が汗に湿っていて、頰に髪が張り付いていた。
「はい!」
快活な声が気持ちいい。学級委員長の荻野は、今日もまっすぐだ。
……みんな、こうしてくれればどんなに良いだろう。
そう思い、ぼんやりと眺めてしまう。
「先生……?」
「いや、なんでもない。ありがとう」
はい、とあどけない笑みに見上げられる。そしていかにも重たそうにその細腕で教材を持ち上げると、震える足取りで教室に向かった。
「待て待て、いい、私が持つよ」
「で、でも!」
「体育だったんだろう? 早く着替えなさい。髪も、もう解いたらどうだ」
「そうですね」
帽子を脱いで髪の房に手をかける。そして長くつやつやした髪が一気に広がった。ふわりと柔らかな香りも登ってくる。私の腰元に、生真面目な少女にうってつけなストレートヘアが輝いた。
少女にのみ許される、細く繊細な髪の輝きが円になって私の目に飛び込む。天使の輪っかに似たそれが、途端に走り出した。
「みんなに終わりの会、準備させますね!」
それから、愛らしい少女は駆けて行った。
§
みんな荻野のようだったら良かったのに。
その気持ちは本物だ。彼女は私の理想だった。
けれど、その従順さからではない。
……教職課程は簡単じゃない。そもそも開講している大学だって限られている。
そんな中まっすぐこの職を選んだ私に、純粋な動機などもとよりありはしなかった。
「やっと終わった……」
放課後、人のいない教室で私は一人ペンを置いた。
採点は終わった。帰ってからは別の仕事がある。その束の間の休息に、ささやかな解放感を覚える。
それから、呟いた。
やるなら今だ。
周囲を伺い教室の奥へ足を進める。窓から死角の場所を選び、一つの机に歩みを進めた。
そしてその脇に、釣り下がった体操着の袋を見つける。
“6ー3 おぎの”
忘れたのか、持ちきれなかったのか、とにかく僥倖にも彼女の体育着がそこにあるのだ。
しかも、先ほどまで身に包んでいたそれが。
私は震える手でそれに手を伸ばす。脳裏に、発育途上の彼女の姿が浮かんだ。
荻野はまだ148cmと記憶していた。そんな華奢な体は、体育着が余る程度に小さい。儚げで幼く、肉のつかない二の腕もなんとも心許ないものだ。けれどダボついた胸元には、厚い布を押し上げる気配があった。ズボンもストンと落ちずに僅かに腰から尻でひっかかり、覗く太腿も、もはや幼児のような棒状ではない。
成長と発育の季節を迎えた少女の内に、膨張する生命力が透けて見える。性徴の兆しを見せ始め、服の奥から醸し出される成長ホルモン。厚い生地をおし拡げる胸や尻のライン。そして汗ばんだ細い四肢。幼女ながら少女、娘の端境にいる、そんな危うさに思わず胸が跳ねる。
ついにしっとり冷えたそれを手に取った時の、痺れるような感動。
夢中になればもう全神経はそこに注がれる。
そして私は、奈落に落ちる。
「せ、先生……?」
弾かれるように声の元へ振り向けば、幼女が一人、心細げに佇んでいた。
長い黒髪に生真面目な顔。
間違いようもない。
荻野だ。
「あの、何をしてるんですか……?」
「……こらこら、もう下校時間だよ。早く帰りなさい」
慌てて手の物を背後に隠しながら、はぐらかそうと試みる。が、垂れる汗はぬぐいきれない。
私は何気ないそぶりで退散しようとした。
しかし、まっすぐ物を捉える彼女の目に、姑息な手段は通用しない。
「あの、……それ、私の体操着ですよね? えっと、なんで?」
「違うんだよ荻野。これはね……」
「ひっ!?」
誤解でない誤解を解こうと向直れば、幼い影はびくりと身をすくませた。
相手は子供だ。なんとでもいえば、あるいは……。
「やだ、ち、近寄らないでくださいッ!」
そんな淡い期待から私はなお小さな少女に近寄った。
「誤解だよ誤解。ちょっとね、虫、そう、虫が入り込んでたんだ。虫は嫌だろう……?」
「やめて、こ、来ないで……っ」
悲痛な声に、もう騙せないんじゃないかと冷や汗が流れる。
そんな思いに気が急いて、もはや詰め寄らんばかりに足を踏み出した時。
「来ないでぇっ!!」
金切り声を上げた荻野が、突きつけるように何かを吹きかけた。そこに私の悲鳴が重なる。
突如襲ったのはガクッと膝を折られたような鈍い衝撃。そこにすぐに目眩が追いつき、思いっきり私を殴りつけた。
「間に合った……」
煙の奥から届く安堵の声に意識が起き上がる。釣られて体を起こせば、晴れていく霞に落ちる、木に似た影。
そして息を飲む。
「ほ、本当に縮むんですね」
恐る恐るこちらを覗き込んだのは、二メートルにも及ぶ長身の人物。
数秒まで顎を上げて私を見上げていた、荻野その人だった。
「……先生、何をしていたか教えてください。でないと、他の先生呼んできますよ」
「おい待て荻野っ! お前教師になんて事を……!!」
もはやのっぴきならなくなった状況に度を失った私は、大きな幼女に掴みかからんばかりにつめよった。大きいとは言えたかが小娘、負けるわけにはいかなかった。
そして掴んだのが制服のスカートだと気づいた時、さっと青ざめた顔に強烈な一撃が叩き込まれる。
「さ、触らないでくださいッ!」
小さな拒絶で跳ね飛ぶ小さな体。露骨に恐怖と嫌悪感を露わにした女子児童は、ゴキブリに殺虫剤を撒き散らすようなそぶりで更にガスを放った。
空気を裂く絶望の音。広がり始めたフローリングに手をすくわれて私は床に這いつくばる。
絶叫も噴出音にかき消され、底なし沼に落ちるような感覚にひれ伏すばかりだった。
「も、もう大丈夫かな……」
ようやく彼女が手を止めた時の、私が目にした光景たるや。
真っ先に目に飛び込んできたのは、赤い土台と白の生地だった。見慣れた造形は、埃まみれの床から見たのは薄汚れた上履きに他ならない。それが、様子がおかしいのだ。まるで遠くにあるはずなのにその輪郭は鮮明で、繊維やゴムの切れ込みまで目に飛び込んで来る。垣間見えるのは薄くすべすべとした生地で、やがてすらっと空へ伸び行く先には、天蓋が揺れているだけだった。
跳ね起きれば一気に視界に押し寄せるのは三角錐に見まごうばかりの巨人の威容。十倍を優に超える身の丈はもう性別年齢の差など無に等しく、私を虫に変える巨人のそれだ。20メートルの巨人と化した、幼く小さな幼女の姿、それが私の見た全てだった。
「先生、もう一度聞きます。何をしてたんですか? 答えてくれなかったら私、本当に誰か呼びますからね」
正義感の強い女子小学生は、もうためらう事なく私に言葉を投げた。不逞の輩に慈悲などいらない。ましてそれが、児童の範たる教師ならなおさらだ。その規範に沿うように行動していたのに、なんでこんなことを? そんな憤激が彼女を審級に変えていた。
「わかった。話す、話すから元に戻してくれ……」
まるで重傷を負ったようなパニックに、私は身を引きずってその上履きに懇願した。一刻も早く元に戻らなければ、恐怖に心臓が破裂するのではと恐れたのだ。そんな小虫の這いずりを、汚らわしいと反射的に彼女は振り払った。
「動かないでください!」
グンっと私を突き飛ばした車のごときそれが、一気に私を押しつぶす。そうなれば私は轢かれた蛙だ。上も下も忘れるような重圧に、骨が一瞬たわんだ気さえした。
そのグニっとした感触に驚いたのか、慌てて荻野が飛び退く。
「あ、ご、ごめんなさい。先生なのに私、踏んじゃって、気持ち悪くて思わず……」
それから、思い直したようにキッと私を睨め付ける。
「でも、先生だからって容赦しません。何をしてたか、きっちり話してもらいますからね」
少女の澄んだ声が詰問する。
それに怯めば、私は口を割らざるを得なかった。
「……盗ろうと、思ってたんだ」
「? 体操服なんか盗って、どうしようって言うんですか」
「それは……」
「答えてください」
冷徹な声が胸にするりと滑り込んできて、思わず私は口を滑らせた。
「お、オナニーに使おうとしたんだ! 前から荻野に欲情していた。そうだ、どうしてもこらえきれなくて……」
その瞬間の、赤面し震え上がるような彼女の顔はある意味見ものだった。思いもよらぬ破廉恥な回答に、思わず自失してしまったのだ。
けれど、同時に垣間見えたのは好奇の眼差し。優等生な彼女が、性的なことであれ好奇心を抱かないわけがない。けれどその超自我は、彼女にイケない知識へ触れることを許さなかったのだろう。荻野はそう言う娘だ。
「……使うって、具体的にどうするんですか?」
おずおずと彼女は訊いてきた。これはあくまで尋問だ、そう自分を言い聞かせるようにつとめて厳しく、しかし隠しきれない好奇心が見え隠れしていた。
とはいえ、いたいけな少女になんと言えばいい?
「同じことをすれば、私もそ、そう言う気分になれるんですか……?」
もう誘惑に耐えきれず彼女は声を大きくした。情報を絞り出そうとするように、ドンっと踵さえふみ鳴らした。そんな所作に、人が来はしないかと惧れてたまらず叫ぶ。
「わかった! 教える、教えるから見逃してくれ!!」
「……わかりました」
交渉は成立した。
その瞬間、ギョッと彼女は身を震わせる。
遠くから、足音が響いてきたのだ。
「わっ、下校時間、とっくに過ぎてる!」
そして思わず私をひったくると、逃げ出すように荻野は走り出す。
それが詰まる所、荻野が優等生として過ごした最後の時間だった。
§
知識を授けるのが教師の本懐。
では、これは?
その後の私は机の上に乗せられて、逃げ場もなく質問責めに遭う。
セックスから性感帯、各種のプレイまで、細かく、細かく教えさせられるのだ。
困ったことに、これでも私は教師だった。熱心に訊かれるのには思わず喜びを覚え、口を滑らせてはありったけの性知識を引きずり出された。
しかし、だ。
それは同時に、荻野へどれほどのことを考えていたか、吐露させるに等しかった。
好奇心が満たされれば満たされるほど、オトナの階段を登れば登るほど、彼女は軽蔑の度合いを深める。“信じられない”。何度言われたことだろう。私の唱える規律に従い、尊敬し、実践することで私の感心を買おうとした彼女だ。それがことごとく裏切られていたと知った時、失望は、規律も何も根拠を失うに十分だった。
「最っ低……」
最後に言ったのは、その一言だ。今までの彼女からは想像できなかった言葉も、こうなれば必然だった。
「……まだ聞いてないことありますから」
朝になって学校に連れ出される時、彼女はそう言った。
そして始まる監視の時間。授業中も休憩時間も、荻野は生徒たちの前に立つ私を軽蔑の目で見続けた。幼い子供達の中で一人、鋭い視線が私に突き刺さるのだ。どのツラ下げて教壇に立っているんだ、どんな目で私たちを見ていたんだ、そう詰られている気がした。その中に垣間見える、性への好奇心。色に引き寄せられ、それを払いのけるように一層私を睨め付ける。荻野の葛藤と詰問の視線に晒され続けた。
それが一日中。
一日中だ。
帰りの会も手短に済ませ、全てを終えた時の開放感たるや他になかった。
そそくさと荷物を整えて職員室を退散する。逃げてどうなるというものでもなかったが、学校に留まるのは困難だった。
ドアから出れば、腰元を歩き回る児童のいちいちが荻野に見えて仕方ない。そのまま半ば逃げ出すように廊下を通り、靴を取り出し、校門を小走りで抜けた時分になってようやっと、私は一息つけた。
早く帰って酒でも飲みたい。欲をいえばこのままどこか居酒屋にでも忍び込みたいところだった。
そうだ。例の居酒屋、あそこにでも……。
そう思い一歩踏み出した時。
「……何で勝手に帰ろうとしてるんですか?」
びくりと震え上がるスーツの背中を、何者かがぎゅっと握る。
「先生、お勉強教えてください」
そして私の前に回り込むと、ニコッと笑みを投げかけたのだ。
少女らしい笑み。しかしそこに一片の色気が見えたのは、気のせいだったのだろうか。
§
「何をすればいいか、わかりますよね?」
ニッコリと、優等生が笑った。学級委員が面倒な係に立候補した子に投げかける、そんな邪気のない笑顔で残酷に言ったのだ。
「何って……」
机の上、筆箱の横に立たされて私は当惑した。今や水平線から伸びるのは胸元から先、その童顔は上空10メートルほどで、威圧感が本能的な恐怖を掻き立てる。消しゴムさえ跳び箱大なのだ。そんなスケールの幼女に威圧的な微笑みを与えられて、震えない方が無理だった。
「自分で考えてください。私の服で何をしようとしたんですか? あなたが昨日言ったこと、よくわからなかったんです。教えるのがあなたの役目でしょう? ね、“先生”?」
クスリと笑いながら荻野が言った。ロングの髪が揺れてきらめく。制服の胸元で、綺麗に磨かれたボタンに矮小な小人が映り込んでいた。
「ほら、これがご目当てだったんですよね?」
クスクスと笑いながらとんでもなく白い塊を放り投げる。バッと上空で広がったのは20メートルはくだらない体操服。あの日手の中に収まったささやかな布が、プールさえ覆い尽くすスケールで落下してきたのだ。
「や、やめてくれ!」
蒼白になって走り出す私を、無情にも分厚い生地が呑み込んだ。吹き荒れた風を追って、匂い立つ幼女の香りと、重く湿った布の重みが私を襲う。
「どうしたんですか? 欲しかったんですよね、私が使った体操服。汗でじっとり濡れてるのに、先生はこんなもので何をしたかったんですか? えっと、実況、そう、実況見分っていうんですよね、こういうの。盗んだんだから、ちゃんと見せてください」
もぞもぞと自分の着た服の下でもがく生き物に、届くかもわからない言葉で責め立てる。どうだ、苦しいだろう、辛いだろう、こんな汚れたもので下敷きになんてされたら嫌なはず、きっとげんなりして二度としたくなくなる、そんな純朴な思いで荻野は罰を加えた。荻野にとって洗ってない体操服の価値はマイナスだった。懲らしめられると思った。
そして、小人が自ら服の中に入り込まんとしたのを見て、ひっと息を飲んだのだ。
落下してくる濡れた布、それへの恐怖がすぐさま変化するのを私は感じた。夢にまで見た女子児童の服に包まれたのだから、それは当然のこと。しかもこんなに巨大なのだ! 全身を使ったってあまりある荻野の洗濯物に入り込むなど、本望といってよかった。
夢中になラざるをえなかった。
そんな中外から荻野の気持ち悪がる声が聞こえた時、思わず私はその異常性に気づかされる。そしてその分、生々しくそれが幼女の肌に密着した物だと実感してしまった。
昨日感じた、ハンカチのような小さな布、それがこんな重さで私にのしかかってくれる。そこに含まれる膨大な汗が滲んでくる。まだ成長途上のフェロモンとホルモンが汗に混ざりこんで、こんなにも馥郁と薫っている。おかしいのはわかっていた。でも、性癖を無慈悲なまでに刺激する状況に、耐えきれようがない。
衝動的に私は抱きついた。布は布団のように分厚く重い。幼女の肌にさえ張り付いてしまうような薄布が、これほどまでにデカく重く感じられる。矛盾に頭が混乱し、時折輪郭を鮮明にしては痺れそうになった。冷たくひえた分感覚が鋭敏になる。そうすれば、もっと、もっと欲しいと欲望は高まらざるを得ない。
際限ない興奮に私は夢中で布の底を這い回った。そして袖口から潜り込むと、より密接にその感触を得ようとしたのだ。腋に触れたあたりから、どんどん水分と香気は濃密になる。直接肌に触れていたのだ、間接的に荻野に張り付いているようなもの。その無垢な肌にのせられ、未発達な体に貼り付けられる。そして激しく動き回られたなら私はどうなってしまうだろう。そんな妄想が脳内を駆け巡った。
勃起は避けられなかった。今すぐズボンを脱いでしまいたかった。
過ちに気付いたのは、その時になってからだ。
どうすれば?
もうこのまま至福の空間に引きこもっていたい。外に出れば服の主である巨幼女が私を見下ろしている。しかしここに留まれば、今度こそ理性を失いかねない。
性的興奮の中に絶望がないまぜになったまま、私は体操着の首元から恐る恐る外へ顔を出した。
無臭、新鮮な空気が再び顔を触れる。
そして。
「気持ち悪い……」
女子小学生が露わにした、本物の嫌悪感に遭遇したのだ。
「ごめんなさい、本当に理解できないです……。私の汗を吸った体操服なのに、なんで……? 本当に、本っ当に気持ち悪い……」
美しい少女の顔が歪んみ、独特の凄みが加わる。遥か高みから見くだされる圧迫感と威圧感に、しかしマゾヒズムが亢進してやまない。相手は10歳と少しの幼女なのだ。だのに、なぜ私は……?
不意に彼女が私を掴む。そしてひょいと持ち上げると、子細に私を観察した。
「これが、興奮してるってことなんですね」
宝石のような無垢な瞳が射抜くのは、屹立した私の股間。そこにほっそりとした子供の指先が襲いかかる。
「変な感触ですね。くねくねして、気持ちいいんですか? でも、女の人はどうすればいいんだろ」
丸い手のひらに乗せられて、ひたすら子供の指にのしかかられる。犬にでも襲われたように力強い獣に襲われて、なすすべもなく股間をいじられているのだ。しかも、つとめて機械的に。愛撫とも触診ともつかない指使いが私の性感帯を刺激する。愛らしい幼女の顔をドアップで見上げながら、辱められているのに抗えない。
「うっわ……」
あっけなく射精した時、教師を見る女子児童のまなざしはどうだったろう。私は荻野の手の中で善がり、たかが指先で犯され絶頂したロリペド教師なのだ。荻野は、自分にどれほど穢らわしい想いが向けられていたかを知ってしまったらしい。
幼女が光の失せた軽蔑の眼で私を見る。
「私、こんなのの言うこと守ってたんだ……」
腹立ち紛れに私を握りしめる。丸っこい手が容赦なく私を締め上げ、そして飽きたように私を放した。
彼女の座る椅子の上に、小人の体が叩きつけられる。
「やってください」
「……え?」
「私も、気持ちよくしてください。知ってるんでしょう? 私に触れるなんて本望ですよね。ほら、早くやってください」
見上げればそこは太ももの間。子供の細い脚に挟まれてニーソの壁の間、パンツの前に立たされていたのだ。
「……逆らうつもり? 証拠、私たくさん持ってるんですよ? これからは私の言う通りにしなさい。じゃないと……、わかりますよね?」
ニコリ、と優等生は微笑みを浮かべる。翳った笑顔だ。それに怯えて視線を落とせば、スカートのトンネルの奥で清純なショーツがぼんやりと光っていた。
ふらふらと、言われるがまま私は前へと歩みを進めた。スカートの中に入れば途端に暗くなる。そして香りと熱のこもる幼女のサウナに飲み込まれるのだ。
夢にまで見た荻野の服の中。とてつもないスケールで股間が広がっている。シマシマのショーツが張り付くふくらみと縦スジ、見上げるその三角形の下着を太ももが挟んでいるのだ。未成熟で毛一つ生えていないつるりとした性器だ。無垢な幼女のそこは淫猥だった。
「……ぅ」
そこに手を触れると幼女の声が漏れた。プニッとしたクチビルを手でつかんだのだ。手のひらいっぱいでさえ巨大なそれは掴めない。衝動的に私は全身で抱きついた。
「ひゃっ?!」
ビクンッと跳ね上がるショーツの壁にすがりつく。濃密な甘酸っぱい香りが染み入った。初めて触れるロリまんこはとんでもなく柔らかくすべすべとしていて、とてもじゃないが理性を保つことなど出来ない。
大きな縦縞が私を受け止め、スジが立体的に浮かび上がる。ぴっちり閉じた弾力はみずみずしくて、私を興奮させた。腕でそれを抱えて揉みしだく。そして巨大なロリを刺激した。
荻野が何か叫んだが聞こえない。スカートの中で思う存分ロリまんこに張り付いたからだ。夢にまでみた荻野の陰部に、冷静でいられる男ではなかった。搔き分けるように陰唇を撫で回す。頭を突っ込み、その中に潜り込もうとする。そんな異常な刺激を受けて、少女の声に湿りが帯びた。
「な、なに……? ぅ、ん、くぅ……」
変態教師に秘部を許し、品定めしていた荻野に変化が現れた。未知の感覚に困ったように眉を寄せ、漏れがちになる吐息を手で押さえつつも止まらない。顔が赤くなり、切なそうに喉が鳴り出す。そして、男の奉仕に快を覚え始めた。
「なにこれ、ッ、へんなっ、あぅ……っ」
モジモジと脚を揺らして刺激に耐える。何が起こるか分からず心は怯え、けれど奉仕を辞めさせない。
そうなれば私の手には大量の蜜が絡み始め、ムッと淫猥な香りに飲み込まれてしまうのだ。未だ青い性感に愛液が溢れ出し、ショーツ越しに私を舐め回す。濡れた縞模様の奥には肌色が透けた。控えめに蠢いては私を撫でた。そして見る間に池を作ると、足を取られて私はそのワレメに思いっきりすがりつく。
「ひゃんっ!? あぅぅ……!!」
突如跳ねた子供の体が、股間を押さえてきゅうっとすぼまる。その真ん中に押し込められて私の体が悲鳴をあげた。
そんな幼女の絶頂に巻き込まれ、私はどんな目にあったか。
太もも、ショーツ、愛液に性器ともみくちゃにされ、死ぬほどロリまんこに押し付けられて生徒の自慰で殴られる。めまぐるしい快感と膨大な粘液の中に溺れて、私は彼女の巨大さを知った。太ももでさえ数メートル、そのお尻だけで教室をいっぱいにしてしまう荻野はとてもとても大きかった。そんな巨人のオナニーに押し付けられて、ありとあらゆる穴に蜜をねじ込まれ、思う存分刺激の足しにされた私は、それでも、密かに、密かに彼女のショーツの中で絶頂に貫かれていたのだ。
§
自分を抑えていた超自我が根拠をなくせば、荻野の行動原理は一気に反対に振り切った。
幼い彼女は、自分の理性が滑り落ちることにあまりに無防備で、隠していた自分の魔性にあまりに無知だったのだ。
それに気づくのに、私は少々遅すぎた。
来る日も来る日も繰り返される、新発見の日々。
「ダメ、っ、なのに……!」
半ばむせび泣くように葛藤しながらも、荻野は快感に耽溺していった。
いや、もう何がダメかもわからないのだ。
それは、終わった後の私を詰るような目つきが物語っていた。以前より、ドキドキとした気分も、背徳の高揚も半減している。
刺激が、足りない。
「ねえセンセ、ちょっといいですか?」
給食の折、荻野が私を呼び止めた。
ビクッと肩を震わせる私を、クスリと笑って。
「ちょっと、理科室に忘れ物しちゃって。鍵、開けてくれますか?」
指先で、例の道具を弄びながらそう言った。
「あ、あぁ……」
逆らえない。つむじの見えるような小柄な幼女に、私は逆らうことができないのだ。
荻野は一つ笑みを漏らして、廊下の途中で足を止めた。まだ教室から出たばかりだ。理科室とは程遠い。
しかし。
グイッと首根っこを掴まれた時、私は既に縮められていた。その小さな手に投げ込まれたのは階段の裏。誰の目も届かない、教室のすぐ裏で、荻野の目は妖しく光った。
「ご褒美をあげます」
ふふっと笑うのはもう幼女ではない。三倍巨人のその超然とした佇まいに、かつて見た優等生の姿はどこにもない。
ずいっと私に腰を突き出す。目前にはスカートのひだだ。そして頭上にある彼女の手が服を弄り、制服のシャツを掴んだと思うと。
一気に上下に引き出した。
「……ふぅ」
廊下の風に撫でられたのは、少女の丸いお腹と股間。服の中にほんのり孕んだ蒸気は私に放たれ、せっけんに似た香りが広がる。
幼女の股間は、目の前だ。
突然の露出に言葉を失う。ガバッと広げられたシャツとスカートは、胸から内腿まで全てを露わにしている。つるりとしたお腹におへそ、股間までも、全てが丸見えだったのだ。
「どうしたんですか? 先生はこれが欲しかったんですよね?」
クスクスと笑いながら見下ろす彼女。
そして、高く澄んだ声で、一言。
「舐めろ」
笑みのまま、氷のような命令を下した。
幼女が、目の下半分で私を見くだし命じたのだ。
澄んで幼い声音が、高圧的な言葉とともに私の胸を貫いた。冷酷な声を響かせたその顔は、初体験への緊張と期待と興奮がないまぜになり、爛々と目を輝かせてこちらを見つめている。教師に対する高圧な命令に加えて、下半身の露出、猥褻な行為の強制、どれ一つとっても優等生の彼女からはかけ離れた行動だ。いけないことをしている緊張にたらりと汗を流しながら、それでも好奇心と優越感で頰は紅潮していた。ふわりと髪が広がったような気がした。
大きな目が視線を足元に落とし、コクリと高揚に喉を鳴らす。
そして、もはや操られるように自身のまたぐらに顔を埋める教師を、ドキドキと胸を高鳴らせて見下ろしていたのだ。
「……ぁ、ッ」
高く澄んだ声が、不意に滲む。
私の目の前には、つるりと未熟な膨らみがデカデカと広がっていた。そのあんずの実はピッチリと割れ目を閉ざし、無垢さを誇って甘く香っている。今しがたショーツから露わになったばかりなのだ。下着内の空気を纏ったまましっとりと汗ばみ、今か今かと従僕の奉仕を待つばかりだった。
その太ももに手をつけ、覗き込むように顔をロリまんこに近づけていく。夢にまで見た幼女の性器が、今や鞭となって私を痛めつけようとしていた。
舌先を割れ目の下端にそっと押し当て、ゆっくり舐め上げていく。口に広がるのは塩気と幼い柔らかさ。そして興奮の疼き。幼女の陰部は閉じた唇のようでぷにぷにと弾力を持ち、毛一本生えないまっさらな肉壺だった。これから女になっていく子供の膣は、それでも身をくねらせ始めじんわりと熱を持つ。その如実に伝えるのは萩野の興奮だ。
「ゃ、んっ、ダメっ……」
細い喉を震わせて、必死に荻野は声を殺した。壁一枚後ろでは、同級生らが集っている。小柄な荻野など埋もれてしまう、無数の児童の集団がすぐそこにいるのだ。目前の巨大娘さえしのぐ巨人達に見つかれば、どうなってしまうか分からない。
なんで、なんでこうなったんだ。
私は涙をこらえながらも幼女の恥部を舐めさせられた。ほんのりとした塩味に、ワッと広がる少女の香りが私を残酷に興奮させる。こんな仕打ちをされても私は興奮していた。荻野の脛の前では、股間が痛いほどに勃起している。それでも私は怠ることなく幼女に尽くした。手は柔い太ももに張り付き離れない。ただ滾る疼きに耐え、ひたすら彼女のためだけに口を動かす。
そして、絶頂に震えた荻野の股に殴りつけられ、私は後ろへ吹っ飛んだ。
「あぅ、うっ、うっ……」
荻野は股を押さえて子鹿のように震えていた。大事な服を濡らすまいと、へたり込む私を掴んで股間にぬぐいつける。そうなれば私はビショビショにされて彼女の体液まみれだ。すっかり彼女の体が綺麗になる頃には、もう肌には泡立つ蜜さえまみれているほどだった。
「……ん、ふぅ」
なんとか呼吸を整えた荻野は、クスッと私を見て微笑むと教室に戻っていく。
捨てられた私は自分でここを抜け出して、薬の抜けるのを待つしかない。
早く逃げねば、子供なり同僚なりに見つかってしまうだろう。
しかし、私は逃げなかった。
ただ、苦しいくらいに膨張した股間に手をかけると、体にまみれた荻野の香りで、一人、自慰に溺れていったのだ。
惨めに、幼女の残り香に喘がされていた。
§
もう、彼女は学校の王だった。
密やかに嘲笑が響くのは、放課後の教室。
「……教卓の上に、座るな」
座る私の目の前、膝を組む荻野はクスクス笑うだけで動かない。私が強く言えないことを知っているのだ。パッチリと利発的な目がどこまでも私を見透かす。そして妖しく歪むと、もう私は逃げられない。
「いいじゃないですか。だって先生、もっといけないこと、してますもんね〜?」
上履きのまま私の頰に触れる。ゴム生地と、足の甲の靴下が顔を撫でた。
その上履きは、荻野の小さな足にはやや大きいらしい。踵はすぐに外れ、靴底を見せるようにつま先にぶら下がっていた。21.0と書かれたそれは床板で凹凸がややすり減っている。その様をしっかり私に見せつけると、するりと幼女の足から抜け落ちた。
ふわりと閉ざされていた空気が広がる。学校を一日歩いた子供の、ゴムとニーハイの香りだ。それが、ささやかな甘い空気を漂わした。
荻野が、つま先で私の胸を突く。トスっと心臓を押すそれは、あまりに小さく丸く、重みなど微塵も感じられない。しかし心臓を撫でては握り、重いなにかを私に植えつけた。スーツの襟から忍び込んではなぞりあげ、私の頰へ登っていく。
そして顎をつま先で上げさせられれば、俯いていた私の視線は強制的に荻野のスカートの中へと引きずりこまれてしまう。
「生徒のスカートの中見るなんて、いけない先生ですね♪」
「ぐわっ!?」
突如絡みついたその細い脚は、私を思いっきり引き寄せた。はじめビクともせず幼女の脚に耐えた私は、道具による収縮とともにすぐさまその中へと抱き込まれる。つんのめるようにして机の上に叩きつけられれば、スカートに溜まった荻野の香りの中へ潜り込んでしまう。
「荻野、お前ッ!」
「なんですか〜? 大きな声を出すと、誰か来てしまいますよ?」
からかう荻野はもがく私に脚を乗せているだけ。しかしもう三分の一以上にまで縮められた私にとって、子供の細脚は私を造作もなく跨ぎ超え、脚は胴を覆い尽くせるだけの大きさを誇る。幼女の重さは片脚で100キロ、足先でさえ元の荻野の重さに迫るのだ。
体力に自信のある私が、もはや小娘の片脚さえ持ち上げられない。そんな滑稽さを荻野はクスクスと笑いながら見下ろすだけ。足の間で戯れる仔犬程度にも思っていないのだ。
脚をあげて私の様子を見る荻野。突然上からの重しがなくなりふらふらと俺は立ち上がる。
そこに広がるのは、体躯6メートルにも及ぶ幼女の姿だった。目前にはぽっかりと開いたスカートの口。その奥では、淡いピンクの縞模様が影の中に潜んでいる。図上ではささやかな起伏さえ私を見下ろし、緊張に天井まで届くような高みから少女の笑みが降ってきた。それは、高揚と緊張に甘い汗を垂らした紅潮の頰だ。清楚な笑みには優越感が滲み出て、股間の間に大人を囚える異常さを噛みしめていた。
「先生が悪いんですよ?」
クスリと笑うと、太ももが私を横殴りに襲いかかる。柔らかな衝突は車に跳ねられたが如く、踏ん張りようもなく私はニーソックスの上に叩きつけられた。そして”ズンっ!”と太ももの巨木がのしかかる。太ももによる蟹挟み。幼女の柔い肉質が強烈に私を締め上げれば、上下から私をプレスする太ももに容赦はなかった。
「やめっ……!」
「どうしたんですか先生? 嫌なら自分で出ればいいじゃないですか。私はただ足を重ねてるだけです。それとも、小学生の太ももがそんなに好きなんですか? ふふっ、……このロリコン♪」
弾む声はもがく私を煽り立てた。しかし手はふにふにと肌を押すだけ、脚は跳ね返されるだけ。肌触り良いニーソに包み込まれ、もがくたびにシーツのようにたわんではたやすく元に戻ってしまう。生地は荻野の脚に従順だった。ぴっちり引き伸ばされては、小人のあがきなどに構う余裕などない。結果、私は上下から密着する黒の光沢に挟み潰され、動けなくされてしまうのだ。
クスクス笑いがこだまする。太ももの影の中で私は苦闘する。外からは子供達の歓声が聞こえ、薄暗い部屋で少女が教師を嘲弄するのだ。
「あはっ♪ すごく、すっごく気持ち悪いですよ先生♪ みんなに見せてあげたいです。あんなに落ち着いて私たちの前にいた先生が、本当はこーんな姿。ふた回りもちっちゃな子供に太ももで首を絞められて、しかも興奮してるなんて、ふふっ、ありえませんね♪」
ギリギリと極太の太ももが私の首を締め付ける。顔はぷにっとした内腿の中にめり込み、背骨が砕け散る恐怖にさえ襲われた。しかし痛ければ痛い分、意識の裏舞台で興奮が高登っていく。
体も心も、もう限界だ。
ふっと意識が暗転しかけた後、ようやく私は解放された。
いや、もう挟まれることすらできなくなったのだ。
《クスクス、クスクス》
響き渡る嘲笑は山びこのように私を包む。
乳白色の大地が、グラウンドのような広さで私を載せていた。
そして、それが荻野のニーソと太ももの間の空間だと気づいた時、私は跳ねるように飛び起きた。
そこに真っ黒な山が襲いかかる。
そのまま巻きつかれ吹き飛ばされた先は、一筋切れ込みの入った、ぷっくり丸い丘陵の上だった。
見なくてももえわかる。
ただ私は呆然として、上空を見上げるだけだ。
《気分どうですか先生? 今どこにいるかわかります? あはは、おっきすぎてわかんないかな? 先生は今、私のあそこに張り付いてるんです。夢に見たロリまんこ、くっつけて嬉しいですよね? じゃあ、始めますよ♪》
そこには、身の丈1キロを優に超える幼女の姿があった。たくし上げられ裏返しになったスカートは帯雲のように長く広がり、後ろ手に体を倒す荻野の体は滑走路にだって収まるまい。私の乗るこの恥丘でさえ幅100メートルを超えるのだ。ぶつかり合う丸い山脈のような恥部はぷにっと柔らかく、未成熟な割れ目をとろとろに濡らしていた。
《特等席に座らせてあげますね♪》
指先を舐めると、ボタンを押すようにそれを私へ近づける。千倍幼女の、ロケットにさえ匹敵する細指が私めがけて飛んできたのだ。私ヌルヌルとした大地を蹴って走り出す。しかしその指紋一つ分さえ動けぬうちに襲われると、ぬちっと地面に押し付けられた後なすすべもなくその表面に貼り付けられた。
幅50センチ、高さ10センチの指紋の盛り上がりは、無限に伸びるベッドマットのようだった。その隙間に貼り付けられたなら、甘酸っぱい唾液の中に取り込まれてもう自力では動けない。そして目前にクリトリスという、凶悪な大きさの愛らしい突起が現れた時、私は声もなく泣き喚くほかなかった。
《んっ……》
幼い声が漏れた時、私は巨大な島の上に練りつけられていた。クルマ数台程度楽に乗せられる丸まり、しかしそれは少女のちっちゃな陰核なのだ。かつて触れれば指先に感じることさえできなかった小さな突起に、一ミリの埃が付着していた。
ほっそり短い指が、山脈の表面を撫でていく。教卓の上で股を広げ、荻野が自慰に耽っているのだ。
教師用の棚のガラスにその小さな姿が映っている。幼い体に似つかわしくないM字開脚を見せつけ、あんず程度の秘部を恐る恐る触れていた。
鉛筆さえ重そうに握る荻野の指を、その爪の厚みにさえ負ける微生物はどんな風に見届けたか?
《んっ、ぅ、はっ、あっ、くぅ……ッ!》
息を吐いたり声を漏らしたりしながら、幼女が慣れないオナニーを始めていく。たどたどしく指は数百メートルもある膨らみを撫で、ふにふにと揉み、徐々に体ほぐしていく。
その度に体を振るわせるのはもはや衝撃と化した幼女の喘ぎと、弾力あるクリトリスの震えだった。彼女が愛撫を始めれば私は終わってしまうかもしれない。だのになすすべもなくその卑猥な準備を見せ付けられ、あろうことか最も敏感な場所でその勃起に翻弄されているのだ。鉛筆の先のような突起から滑落する恐怖に怯え、無情に進む幼女の愛撫に震える成人男性が私だ。そして引き抜かれた荻野の指先から、ねっとり垂れ落ちる愛液を見て半狂乱に喚き始めた。
《じゃ、先生。私のひとりエッチで死んじゃいましょ♪》
クスクス笑うと、荻野は手のひらで陰部を弄り始めた。肌色の空が落ちてきて、ペチャッと肌色の大地に密着する。そのじっとりとした中に閉じ込められれば、突如始まる生々しい手の動き。くねる肌色の起伏が大地を包んで柔軟に揉みしだけば、私は陰核とそのワレメの間に挟まり左右から無茶苦茶に淫肉で揉まれ始めた。
《んっ……、ふふっ、先生どっかいっちゃったぁ♪》
ぬちぬちと水音を立ててロリまんこを弄り始める幼女の声。しかしその薔薇の葉っぱのような小さな手でさえ山をも掴む神の手のひらだ。指紋さえ私は抱くのがやっと、そんな指先、いや、手全体で性器に練り込まれたならば、もう後は幼女の恥垢となって掻き回されるだけだった。
《ゃ、気持ちいい、ッ、どうしてかな、あぅ、ッ、んっ……!》
私を忘れて手淫に耽る幼女。その陰部と手のシワの中を私は押し流されていた。指に絡め取られてぴっちり閉じたスジの中に挿入され、抜き出されてはその肉厚の唇へ押し付けられて素肌に体を舐めつくされる。そして大渓谷に飲まれるのを恐れれば、無情にも指先は指紋で私をさらって中へと押し込むのだ。
一体いつまで続くのか?
一度で何回でも私を殺せる一撫でを、性器は何度も何度も欲しがった。幼女は貪欲に快感を求めて秘部を慈しみ、そして久遠に思えるオナニーの中で私はどんどん微生物にされていく。
何度も何度も繰り返す、クリトリスに膣、陰唇の肉と蜜の大洪水。余すところなくその輪郭を肌で感じ、何度快感に貫かれたかわからない。どんどん高く細い声は切なく甘くなっていく。そんな声を出されたら耐えられようもない。むせ返るほどの幼く淫らな匂いと味に支配され、全身で極上の膣肉に揉まれ続け、もう血の一滴まで射精に尽くしてしまいかねない。
そして荒々しい幼女神の自慰に、一瞬の亀裂が走った。
《あぅ、はっ、んんっ、ん、う、ぁ、あ……!!》
星を突くような澄んだ嬌声とともに、大地そのものがビクビクと痙攣した。陰核に張り付いていた私はその震えに殴り倒され、ズルズルと陰唇の中を滑り落ちていく。
その、次の瞬間。
《ゃ、やっ、っ〜〜〜!!》
一気に押し寄せた絶頂に、幼女のか弱い体が耐えうるはずがなかった。制御の効かなくなった体がぎゅっと快感を押し殺そうとする、が、溢れ出したそれは一気に潮となって吹き出した。
「やだ、で、出ちゃうぅ……」
快楽の極みで涙を浮かべながら、噴出するささやかな潮に荻野が力なく呟く。
その噴出で、滓のように吐き出される教師のことに気づきもせず。
吹き飛ばされた私の体は、水圧にズタボロになって荻野の肌から排出された。
そして、荻野の太ももで半端に脱がれた女児用のショーツに降りかかると、もう、動くこともない。
しばらく荒い息を繰り返す幼女の太ももで、私は体液まみれになって死にかけていた。
そこに、下校のチャイムが鳴り響く。
疲弊した荻野が、起き上がる。
すぐさま時計を目にして慌てると、汚れたショーツで自慰の後を拭き去ってからゴミ箱に投げ捨て、ランドセルを掴むと風のように走り去って行った。
西日が差す教室に、もう誰も残ってはいなかった。